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#NAME?
ターラ 【tara】 〜に, モイレターラ=遅くに.ラッチターラ=静かに. (出典:萱野、方言:沙流)
#NAME?
アㇱ 【=as】 私,私たち〔人称接辞〕. (出典:萱野、方言:沙流)
#NAME?
アン 【=an】 私,私たち〔人称接辞〕. (出典:萱野、方言:沙流)
a
ア 【a】 座る. アプンノ ア ワ アン!=静かに座っていろ!オッカイポ アペケㇱ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) エ・ア コㇿ ポンユㇰ ポカ エ・オラウキ ナ テウン エㇰ ワ ア=若者よ、炉尻に座ると、小鹿も獲れないものだから、ここへ来て座れ.オッカヨ ア ヒ タ アナㇰネ ウキロセレ ア ヒ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=男が座る時は、あぐらをかいて座るのが、一番いいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a
ア 【a】 燃える. アペ ア=火が燃える.サッ チクニ ホカ ア・オ コㇿ アペ ア=乾いた薪を、火に入れると、火が燃える. (出典:萱野、方言:沙流)
a
ア 【a】 多い. オッコー エㇰ ワ インカㇻ! カㇺ ルㇽ ウウェヘ ア ワ イカ ノイネ シㇼキ コチヒ ヤンケ ヤン!=姉よ,来て見てくれ!肉汁の汁が多いので、溢れそうだ.半分上げなさい!ウコニン クナㇰ ク・ラム ア ㇷ゚ エイタサ ウウェヘ ア ワ ウコカㇻセ=煮つまると思ったのに、あまりに煮汁が多すぎて、煮つまらない. (出典:萱野、方言:沙流)
a
ア 【a】 〜(し)た〔動作の完了、または過去〕. アㇷ゚ト アㇱ ア コㇿカ シㇼメマン カ ソモ キ=雨が降ったけれど、涼しくなりもしない. (出典:萱野、方言:沙流)
a
ア 【a】 〜(し)たか〔過去疑問〕. エㇰ アー?=来たかい?エ アー?=食べたかい? (出典:萱野、方言:沙流)
a
ア 【a】 強意を表わす. アアネㇷ゚=とても細いもの←アㇻ (出典:萱野、方言:沙流)
a
ア 【a】座る.アプンノ ア ワ アン!=静かに座っていろ!オッカイポ アペケㇱ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) エ・ア コㇿ ポンユㇰ ポカ エ・オラウキ ナ テウン エㇰ ワ ア=若者よ、炉尻に座ると、小鹿も獲れないものだから、ここへ来て座れ.オッカヨ ア ヒ タ アナㇰネ ウキロセレ ア ヒ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=男が座る時は、あぐらをかいて座るのが、一番いいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a= 1
ア 【a=】 ①私.私たち. イシカッタ(イシカㇼ タ) シノ ニㇱパ ア・ネ ワ…=私は石狩に住むとても裕福な者であって…[ウ・ユ].ア・オピッタ ア・エ パㇰノ アン ヤ?=私たちみんな食べるだけあるかい?カㇺ ア・エ ロー=肉を食べよう. (出典:萱野、方言:沙流)
a= 2
ア 【a=】 ②あなた、あなたがた〔丁寧〕. チェㇷ゚ ア・エ ア?=魚をあなたは食べましたか? (出典:萱野、方言:沙流)
a=ahupkarpo
アアフㇷ゚カㇻポ 【a=ahupkar-po】 貰い子. *アイヌ同士での貰い子も勿論あったが、和人が育てられなくなった捨て子をアイヌが貰って育てた場合も数多い.▷ア=それ アフㇷ゚カㇻ=貰う ポ=子供 →アフㇷ゚カㇻポ (出典:萱野、方言:沙流)
a=aniuske
アアニウㇱケ 【a=ani-uske】 取っ手.キラウㇱパッチ(耳つき鉢)のキサㇻ(耳)やエチユㇱ(酒差し)の取っ手など.▷ア=それ アニ=持つ ウㇱケ=所 エチユㇱ ア・アニウㇱケ メㇱケ=酒差しの取っ手が剥がれた. (出典:萱野、方言:沙流)
a=annorayke
アアンノライケ 【a=ar-no-rayke】 完全に殺された.▷ア=それ アンノ(=アㇻノ)=全く ライケ=殺す ウェンプリ コㇿペ ネ クス ア・アンノライケ=悪い風習を持つ者だから,完全に殺されてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
a=apte
アアㇷ゚テ 【a=apte】 心配だ、気がかりである、あやぶまれる(病人の場合にだけ使う). タント ヤイヌミウェン フチ ク・ホタヌカㇻ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) コㇿカ エアㇻキンネ ア・アㇷ゚テ ノイネ=今日、病気のおばあさんを見舞って来たが、大変心配な病状だ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ar'ustekka
アアㇻウㇱテッカ 【a=ar-us-tek-ka】 死に絶える,全滅する.▷ア=それ アㇻ=全く ウㇱテッカ=完全に消す(=ア・アルㇱテッカ)→人が全く姿を消す→全く消される→全滅する キムンコタン パ コヤン ワ ア・アㇻウㇱテッカ ヤㇰ ア・イェ=山の村は、病気が流行って、死に絶えたそうだ.パ コオヤン ワ ア・アルㇱテッカ コタン エウン アナㇰネ トゥナㇱ ソモ ア・カランケㇷ゚ ネ.イヨルヌカムイ アン ペ ネ ナ=病気がはやって、全滅した村へは、すぐには近づくものではない.後をつける神(細菌)がいるものだから.*疱瘡とか流行感冒とかのことをアイヌたちはパヨカカムイ(歩く神)という言い方をする.目には見えない歩く神がいて村々に病気をまき散らすと考えていた.→アㇻウㇱテッカ (出典:萱野、方言:沙流)
a=aynukor 1
アアイヌコㇿ 【a=aynu-kor】 ①大事にされる、尊敬される.▷ア=それ アイヌ=人 コㇿ=持つ(→アイヌコㇿ=尊敬する) ペウレクㇽ ネ コㇿカ ア・アイヌコㇿ=若者であっても、大事にされなければならない. (出典:萱野、方言:沙流)
a=aynukor 2
アアイヌコㇿ 【a=aynu-kor】 ②尊敬されなければならない人、人として大切にされる人のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
a=aynukorkur
アアイヌコㇿクㇽ 【a=aynu-kor-kur】 大切にされるべき人、尊敬されるべき人.▷ア=それ アイヌ=人間 コㇿ=持つ クㇽ=人 タアンクㇽ アナㇰネ ア・アイヌコㇿクㇽ ネ=この人は、大切にされるべき人だ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=aynukorkur
アアイヌコㇿクㇽ 【a=aynu-kor-kur】 人として大切にされる人.主として,イヨマンテ(熊送り)の時に祭主として祭を取り仕切ってもらう人をいう.人として,男として最も大切に尊敬される人.▷ア=それ アイヌ=人,人間,男 コㇿ=持つ クㇽ=人(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=caamam
アチャアマㇺ 【a=ca-amam】 穂をちぎったヒエ. ▷ア=それ チャ=ちぎる アマㇺ=穀物. *主として一穂ずつ摘み取ったヒエのことを言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=casito
アチャシト 【a=ca-sito】 丸い団子を切った物,切った団子. ▷ア=それ チャ=切る シト=団子 *イヨマンテ(熊送り)の時に直径15cmの団子を4つに切ってシトノシキ(団子の真ん中)の短い短冊形の方を熊神に供える.シトラキルㇽという半月形のものは切っている時に子供たちに食べさせる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=catcari
アチャッチャリ 【a=cat-cari】 散らかされる.▷ア=人(が) チャッチャリ=ぱっぱとまき散らす →散らかされる ヌマン ケイワンケ(ク・エイワンケ) ムカㇻ ネ ヤ ア・チャッチャリ ワ アン.タンペ アナㇰネ カムイ イピㇼマ ネ ナンコㇿ=昨日私が使ったマサカリなどが散らかされている.これは危険なことがあるよと神がこっそりと私に耳打ちしてくれたに違いない. (出典:萱野、方言:沙流)
a=cipiyerekur
アチピイェレクㇽ 【a=cipiyere-kur】 馬鹿にされる人.▷ア=人(が) チピイェレ=生まれや血筋について悪く言う クㇽ=人 →氏素姓を悪く言われる人 (出典:萱野、方言:沙流)
a=eanasappe
アエアナサッペ 【a=e-anasap-pe】 乱暴者.*このような乱暴者には,よくヤㇺス(クリのいが=素手ではつかめない)というあだ名がつけられていた.最近では柄のない肥えびしゃくと言う.門別村字山門別にヤㇺスという男がいた.▷ア=それ エアナサㇷ゚=〜を持て余す ペ=者 ア・エアナサッペ エㇰ ノイネ シリキ クス キラ ヤン=乱暴者が来る様子だから逃げなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
a=earmuye
アエアㇻムイェ 【a=ear-muye】 ひと結びの.▷ア=それ エアㇻ=1回,1度,一重 ムイェ=結び (出典:萱野、方言:沙流)
a=easip'amam
アエアシㇷ゚アマㇺ 【a=e-asip-amam】 死人の枕辺へ供える一膳飯.*イナキビと米を混ぜた飯を死者が生前使っていた茶碗に山盛にもって上から白砂糖をかける.それに真直に箸を立てて死者に供える.飯はその死者に最も身近で日頃飯を炊いていた者が炊くことになっている.▷アエアシㇷ゚=死者に供える アマㇺ=飯 (出典:萱野、方言:沙流)
a=eatup
アエアトゥㇷ゚ 【a=e-atu-p】 吐き出した物.▷ア=それ エ=〜を アトゥ=吐く ㇷ゚=物 ア・エ アトゥㇷ゚ ク・ヌカㇻ アクス スㇽク オマ ワ アン=吐き出した物を私が見てみたら毒が入っていた.→メカレ (出典:萱野、方言:沙流)
a=eatuynomi
アエアトゥイノミ 【a=e-atuy-nomi】 いけにえ(にする).*海がしけた時に生きたままの人間を海の神へいけにえとして捧げる.二風谷でも,交易の際に貰われて来た女の子が大しけの時にいけにえにされそうになったが,養父のお陰で助かったという実話が残っている.貝澤プスンという人がそうされかかった.▷ア=それ エ=それ(=人間) アトゥイ=海 ノミ=まつる (出典:萱野、方言:沙流)
a=ecatkep
アエチャッケㇷ゚ 【a=e-catke-p】 汚ない物. トアンタ セタ ライチェㇷ゚ ムニン ワ アン ワ ア・エチャッケㇷ゚ ネ=あそこに大の死体が腐ってあって汚ない物だ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ecipop
アエチポㇷ゚ 【a=e-cip-o-p】 それで舟に乗る物.舟を漕ぐ物. ▷ア=私 エ=それ チㇷ゚=舟 オ=乗る ㇷ゚=物 *アエチㇷ゚オㇷ゚が,声に出すときはアエチポㇷ゚になる.トゥリ(舟を操る棹),アッサㇷ゚(櫂)などのことをいう.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=ehatatne
アエハタッネ 【a=ehatatne】 心配な. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ehotkeamip
アエホッケアミㇷ゚ 【a=e-hotke amip】 寝間着.▷ア=私たち(が) エ=それで ホッケ=寝る アミㇷ゚=着物 ア・エホッケアミㇷ゚ チンキ カ タ ア・チンコノイェ ピㇼカ モコㇿ イヤンノイェカㇻ=寝間着の裾に足をからませて私はよい眠りについた. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ehotkehi
アエホッケヒ 【a=e-hotke-hi】 寝床.▷ア=私たち(が) エ=そこで ホッケ=寝る ヒ=所 (出典:萱野、方言:沙流)
a=ehotkep 1
アエホッケㇷ゚ 【a=e-hotke-p】 ①ふんどし.▷ア=私たち(が) エ=それで ホッケ=寝る ㇷ゚=物 ア・エホッケㇷ゚ アナㇰネ オッカヨ ヤイカタ フライェパ ㇷ゚ ネ=ふんどしは男が自分で洗うものだ.*私の小さい頃(昭和10年前後)の記憶では男はふんどしだけは自分で洗っていた.ふんどしは六尺長さの白い布を使った.また,病気がはやった時には垢じみたふんどしに子供をくるんで持ち出す.病気の神がいやがって近づかないため. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ehotkep 2
アエホッケㇷ゚ 【a=e-hotke-p】 ②腰巻き.*昔は鹿のもみ皮で作ったのだろうが,私の子供の頃にはネルで作ってあった. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ehotkep 3
アエホッケㇷ゚ 【a=e-hotke-p】 ③蒲団. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eiociwre
アエイオチューレ 【a=e-i-ociw-re】 交合(する). (出典:萱野、方言:沙流)
a=eisramnep
アエイㇱラㇺネㇷ゚ 【a=e-isramne-p】 必要な物.▷ア=それ エイㇱラㇺネ=不自由に思う ㇷ゚=物(必要な道具という意味) ア・エイㇱラㇺネㇷ゚ コㇿ ワ アㇻパ=必要な物を持って行け.タアンペ アナㇰネ ア・エイㇱラㇺネㇷ゚ ネ ワ=これは必要な物(道具)だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eiwanke noyne anpe
アエイワンケ ノイネ アンぺ 【a=e-iwanke noyne an pe】 必要な物.使える物.方言:使うにいい物▷ア=それ エイワンケ=使う ノイネ=らしく アン=ある ペ=物 →エイワンケ=(刃物など)を使って仕事をする. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eiwankep
アエイワンケㇷ゚ 【a=e-iwanke-p】 道具.▷ア=われら エイワンケ=それを使って仕事をする ㇷ゚=物 (出典:萱野、方言:沙流)
a=eiyannu
アエイヤンヌ 【a=eiyannu】 壊れる. チ・コㇿ チㇷ゚ アプココネ ワ ア・エイヤンヌ ワ イサㇺ=私たちの舟が流氷とともに砕けて壊れてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ekampakko
アエカンパッコ 【a=ekampak-ko】 予想もしない. ア・エカンパッコ ポロ ウパㇱ アㇱ=予想もしないことに大雪が降った.ア・エカンパㇰコ ピㇼカ ハワㇱ,ポロンノ チェㇷ゚ ア・ウㇰ ヤㇰ ア・イェ=予想もしないよい話だが,たくさんの魚が獲れたということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ekimonupa
アエキモヌパ 【a=e-kim-o-nupa】 葬式.*かつてはいったん葬式をしてしまえば墓参りの風習などなく,立ててある墓標も神の国へ行ってしまった残骸と見なされた.だから「掃き出す」という表現を使うのであり死者を粗末にする意味ではない.▷ア=それ エ=それを(=死人) キㇺ=山 オ=そこに ヌパ=掃く →死んだ人を山に掃き出す オンネ フチ イサㇺ ワ ニサッタ ア・エキモヌパ エトホ ネ=年とったおばあさんが亡くなり,明日は葬式の日だ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ekiroroanpe
アエキロロアンペ 【a=e-kiroroan-pe】 面白い物.▷ア=それ エキロロアン=面白いと思う ペ=物 ネㇷ゚ カ ア・エキロロアンペ ソモ エ・ヌカㇻ?=何か面白い物見なかったかい? (出典:萱野、方言:沙流)
a=ekotekur
アエコテクㇽ 【a=e-kote-kur】 夫(妻側から夫をいう場合だけ使う言葉).▷ア=それ エ=それを コテ=結びつける クㇽ=お方,人 →結びつけられた人 (出典:萱野、方言:沙流)
a=ekotnu
アエコッヌ 【a=e-kot-nu】 それを捧げる,献上する.多くの場合,悪い神をさらに悪い神の方へ向けてやる時に用いられる言葉である[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=eminap
アエミナㇷ゚ 【a=e-mina-p】 笑われ者.道化者.▷ア=人(が) エ=それで ミナ=笑う ㇷ゚=者 →笑われる者 スンケ アㇱ ペ ソンノ アㇱ ペ エハウカントゥㇽセ ア・エミナㇷ゚ ネ アン=嘘の話や本当の話を声高にまくしたて,笑われ者になっている. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eninuype
アエニヌイペ 【a=eninuy-pe】 枕.▷ア=私たち(が) エニヌイ=枕する ペ=物 ク・モコンルスイ(ク・モコㇿ ルスイ) クス ア・エニヌイペ コㇿ ワ エㇰ=私は眠いので枕を持って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eniste
アエニㇱテ 【a=e-niste】 頼もしい. エ・コㇿクㇽ アナㇰネ エアㇻキンネ ア・エニㇱテクㇽ ネ クス エン・トゥラレ!=お前の夫はとても頼もしい人だから,私と連れにさせてくれ! (出典:萱野、方言:沙流)
a=enupurpe 1
アエヌプㇽペ 【a=e-nupur-pe】 ①呪術する物,呪術に使う物.▷ア=私たち(が) エ=それで ヌプㇽ=呪術をする ペ=物 タアン イコㇿ アナㇰネ ア・エヌプㇽペ ネ クス トイコウカオ ワ アヌ アニ=この宝刀は呪術に使う物だから,しっかり隠しておきなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
a=enupurpe 2
アエヌプㇽペ 【a=e-nupur-pe】 ②守りの品,秘宝.*狐の頭骨.アホウドリの頭骨,テンの頭骨,コウモリの頭骨などなど,個人的に秘宝として様々な物を持っている場合があった. (出典:萱野、方言:沙流)
a=enuwapcup
アエヌワㇷ゚チュㇷ゚ 【a=e-nuwap-cup】 誕生月.*昔は誕生日よりも誕生月のほうを覚えた.▷ア=私 エ=それ ヌワㇷ゚=産む チュㇷ゚=月 クヌフ(ク・ウヌフ) ア・エヌワㇷ゚チュㇷ゚ アナㇰ カリンパニ エプイ アン ラポㇰ ネ ヤㇰ イェ=私の母の誕生月は桜の花のある(咲いている)頃だと言っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eoinuweusi
アエオイヌウェウシ 【a=e-o-i-nuweusi】 下の始末をされている. ソンノ オンネ フチ ヤイヌミウェン ワ ア・エオイヌウェウシ コㇿ アン ヤㇰ ア・イェ=本当に年をとったおばあさんが病気で下の始未を人にしてもらっているということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eosirokpe
アエオシロㇰペ 【a=eosirok-pe】 足手まとい:ひとりだけ歩くのが遅いので皆に迷惑をかける者.▷ア=それ エオシロㇰ=足手まといにする ペ=者 ポンヘカチ ア・トゥラ ワ ア・エオシロㇰペ ネ ルウェ ウン=小さな子供を連れて行っては足手まといになるものなのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eoynakamuy
アエオイナカムイ 【a=e-oyna-kamuy】 オキクㇽミカムイの別名.それにあやかる神. *オキクルミカムイはアイヌに生活文化を教えた神. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ep
アエㇷ゚ 【a=e-p】 食べ物.▷ア=私たち(が) エ=食べる ㇷ゚=物 ク・イペルスイ ナ アエㇷ゚ セセッカ!=おなかがすいたよ.食べ物を温めろ!タンパ ケマン ワ アエㇷ゚ ハイタ ノイネ.エアㇻキンネ ク・ラムチュㇷ゚テㇰ アエㇷ゚ ア・オトゥペカレ ロー=今年は飢饉で食べ物が足りないらしい.とっても心細いので食べ物を大事にしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
a=epakasnu
アエパカㇱヌ 【a=epakasnu】 (人に)習う.▷ア=それ エパカㇱヌ=教える (出典:萱野、方言:沙流)
a=epanup
アエパヌㇷ゚ 【a=e-pa-nu-p】 鉢巻,女の鉢巻.▷ア=私たち(が) エ=それで パ=頭 ヌ=効く ㇷ゚=物 (出典:萱野、方言:沙流)
a=epkes
アエㇷ゚ケㇱ 【a=e-p-kes】 食べ残し,残り物.▷ア=私たち(が) エ=食べる ㇷ゚=物 ケㇱ=〜の残り トアンタ アエㇷ゚ケㇱ アン ナ.セセッカ ワ エ!=あそこに食べ残しがあるよ.温めて食べろ! (出典:萱野、方言:沙流)
a=epuntek
アエプンテㇰ 【a=e-puntek】 満足(する).喜ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eramekotep
アエラメコテㇷ゚ 【a=e-ram-e-kote-p】 必要な物.*山で野宿の時など最低限に必要とする物をいう.例えば,鍋,タシロ(山刀),火を起こすために必要な道具が入っているカロプ(火打ち道具入袋),現在ならばマッチなど.ウウェペケレ(昔話)の中で.家出をする時に持ち出す物はこれらというふうに描写されている.▷ア=私 エ=それで ラム=思い エ=自ら,自分 コテ=つける,繁ぐ ㇷ゚=物 レウシ エキㇺネ ク・キ ルスイ クス ア・エラメコテㇷ゚ クモマレ(ク・ウモマレ)=泊まりがけで山へ行くので,必要な物を集めた. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eramuhemesusu
アエラムヘメスス 【a=e-ramu-hemesusu】 私はそれによって満足した,すかっとした. ▷ア=私 エ=それ ラム=思い ヘメスス=満足 *ヘメススのひと言で満足にならないので,前後の言葉が必要である.ソンノ ネア ウェンクㇽ ライチェㇷ゚ネ ケラムヘメスス(ク・エラムヘメスス)=本当にあの悪い奴がのたれ死にしたそうで,私はすかっとした.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=eramuniste
アエラムニㇱテ 【a=e-ramu-niste】 残酷だ.▷ア=人(が) エ=それについて ラム=その心 ニㇱテ=〜を固くする オトゥ スイ レ スイ ウェンプリコㇿ.アヌン ヌカㇻ ヤクン ア・エラムニㇱテ セコㇿ ア・イェ ナンコㇿ ヤッカ タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ケイキリチ ア・トゥイェ ロー=2回3回と悪事をする.他人が見たら残酷と言うかもしれないが.今のうちに足のふくらはぎの腱を切ってしまおう. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eramuniwkes
アエラムニウケㇱ 【a=e-ramu-niwkes】 承知してくれない.▷ア=人(が) エ=それについて ラム=思う ニューケㇱ=〜を欲しない アウン メノコポ ホクコㇿ クニ ア・イェ ヤッカ ア・エラムニューケㇱ ルウェ ウン=隣の娘に嫁に行けと言ったけれど,承知してくれない様子だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eramusarak
アエラムサラㇰ 【a=e-ramu-sarak】 気になる状態だ,心配な状態だ.▷ア=人(が) エ=それについて ラム=思う サラㇰ=苦しむ ナア ペウレクㇽ ネ クニ ク・ラム ア ㇷ゚ ヤイヌミウェン ヤㇰ ア・イェ ク・ホタヌ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) コㇿカ エアㇻキンネ ア・エラムサラㇰ=まだ若い人と私は考えていたのに,病気だという噂なので,私が見舞いに行って来たが,本当に気がかりだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eramusarakpe
アエラムサラㇰペ 【a=e-ramu-sarak-pe】 心配事.▷ア=人(が) エ=それについて ラム=思う サラㇰ=苦しむ ペ=こと (出典:萱野、方言:沙流)
a=eramuusausak
アエラムウサウサㇰ 【a=e-ramu-usausak】 気が進まない.▷ア=私(は) エ=それについて ラム=思う ウサウサㇰ=別々である エキㇺネ ア・エン・シレン コㇿカ,ケラムウサウサㇰ クス ソモ カㇻパ(ク・アㇻパ)=山へ行こうと誘われたけれども,気が進まないので私は行きません. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eranakpe
アエラナㇰペ 【a=eranak-pe】 心配事. タㇷ゚ウフナㇰ パㇰノ みさ フチ ヤイェラナㇰ ワ アン コㇿカ オンネ ワ イサㇺ ア・コタヌ アナㇰネ タネ ア・エラナㇰペ シネㇷ゚ カ イサㇺ ワー=ついこの頃までみさばあさんが病気していたが,亡くなったので,うちの村では心配事はひとつもないよ.ネㇷ゚カ ア・エラナㇰペ アン ワ ヘ アッチェ ウン ウタㇻ インネ トパハ サㇷ゚ パ ルウェ アン=何か心配事でもあったのか,よその人たちが大勢下がって行ったよ.エシㇼ インネ ウタㇻ ヘパㇱ パヨカ シリ ク・ヌカㇻ.ネㇷ゚ カ ア・エラナㇰペ アン ワ ソモ ネ ヤー=先程大勢の人たちが下の方へ歩くのを私は見た.何か心配事でもあったのではないかなあ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eratkip
アエラッキㇷ゚ 【a=e-ratki-p】 ふんどしの前へ下がっている広い部分. アウン エカシ ペトッタ(ペッ オㇿ タ) テㇱカㇻ コㇿ アン ペ ア・エラッキㇷ゚ オチュ−スイェ コㇿ アン=隣のおじいさんが川で簗を組んでいたが,ふんどしの前の広い部分が水に揺れていた. (出典:萱野、方言:沙流)
a=erayappe
アエラヤッペ 【a=erayap-pe】 感心されること,賞讃されること,ほめられること.▷ア=人(が) エラヤㇷ゚=感心する ペ=者 ウヌヌケ パㇰノ ア・エラヤッペ イサㇺ ペ ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) メノコポ ウヌヌケ シリ=孝行ほど人に感心されることはないものだが,西隣の娘は本当に親孝行なこと. (出典:萱野、方言:沙流)
a=esapamuyep
アエサパムイェㇷ゚ 【a=e-sapa-muye-p】 鉢巻き,髪がばらばらにならないようにする鉢巻き,ヘコカリㇷ゚と同じ.*女性用のみにこの言い方を使う.男性用はマタンプㇱ(鉢巻き)という. タント ピラトゥッタ(ピラトゥㇽ タ) カㇻパ(ク・アㇻパ) アエサパムイェㇷ゚ ネ ク・カㇻ センカキ ク・ホㇰ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=今日平取へ行って,鉢巻きを作る布を私は買って来た.テエータ アナㇰネ ア・エサパムイェㇷ゚ クンネ センカキ パテㇰ ネ ア コㇿカ タネ アン メノコウタㇻ オッカヨ マタンプㇱ エサパムイェパ=ずっと昔は,頭に巻く布は黒い布だけであったが,今いる女たちは男用の鉢巻きを頭に巻いている. (出典:萱野、方言:沙流)
a=esinap
アエシナㇷ゚ 【a=esina-p】 秘密,内緒のこと.▷ア=それ エシナ=隠す ㇷ゚=物 トゥナネ(トゥン ア・ネ) ア・ヌカㇻ ペ ネ コㇿカ ア・エシナㇷ゚ ネ クス イテキ イェ アニ=ふたりで見たものだけれど,秘密なので言わないでね. (出典:萱野、方言:沙流)
a=esipopkep
アエシポㇷ゚ケㇷ゚ 【a=e-si-pop-ke-p】 刀,業物,切れ味の鋭い刃物(特に刀).普通の言い方はエムㇱという[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=esisip
アエシシㇷ゚ 【a=esisi-p】 避けるべき物. ヤイトゥㇱアッテㇷ゚ アン ヤㇰ ア・イェ アエシシㇷ゚ ネ ナ.イテキ ヌカㇻ クナㇰ ラム=首吊りした者があったという.避けるべき物(縁起の悪い物)だから決して見ると思うな. (出典:萱野、方言:沙流)
a=esiyuk'amip
アエシユㇰアミㇷ゚ 【a=e-siyuk-amip】 晴れ着,よい(上等な)着物.▷ア=私たち(が) エ=それで シユㇰ=装う アミㇷ゚=着物 タン アミㇷ゚ アナㇰネ ウトㇺヌカㇻ オッタ(オㇿ タ) ア・エシユㇰアミㇷ゚ ネ=この着物は結婚式の時の晴れ着だ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=etamniwkeste
アエタㇺニウケㇱテ 【a=e-tam-niwkes-te】 刀で斬れない. ネン ア・カㇻ ヤッカ ア・エタㇺニューケㇱテ=どうしても刀では斬れない. (出典:萱野、方言:沙流)
a=etasumpe
アエタスンペ 【a=e-tasum-pe】 病気の原因.▷ア=それ エ=それで タスㇺ=病気になる ペ=物 ア・エタスㇺペ モトホ フナラ=病気の原因を探れ.→タスㇺ (出典:萱野、方言:沙流)
a=etomoitak
アエトモイタㇰ 【a=e-tomo-itak】 私はそれを仲裁する. ▷ア=私 エ=それ,いさかいの原因 トモ=方 イタㇰ=言う,言葉 *二人が争っていたので仲裁に入った. (補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=etoytap
アエトイタㇷ゚ 【a=e-toyta-p】 畑に蒔く物(いもや豆など).▷ア=私たち エトイタ=蒔く ㇷ゚=物 タパン マメ アナㇰネ ア・エトイタㇷ゚ ネ クス イテキ エ アニ=この豆は畑に蒔く物だから,決して食べてはいけないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=etusirkar
アエトゥシㇼカㇻ 【a=e-tusir-kar】 葬式(をする).▷ア=それ エ=それ(=死人) トゥシリ=土饅頭 カㇻ=作る →土を盛り上げた墓を作る エカシ モシㇼホッパ ヤㇰ ア・イェ クス ニサッタ ア・エトゥシㇼカㇻ=おじいさんが亡くなったので,明日葬式をする. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eusitomap
アエウシトマㇷ゚ 【a=e-u-sitoma-p】 皆が恐ろしい物.▷ア=それ エ=それ ウ=互いに シトマ=恐ろしがる ㇷ゚=物 タネ イヨッタ ア・エウシトマㇷ゚ アナㇰネ 原子力発電所 ネ ルウェ ネ=現在最も皆が恐ろしい物は原子力発電所なのです. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eutunas
アエウトゥナㇱ 【a=e-utun-as】 (臼の)ふたり搗きの. →エウトゥナㇱ=ふたり搗き,3人になればウレンアㇱ(ウ=互い レン=3人 アㇱ=立つ)という. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eyampe
アエヤンペ 【a=eyam-pe】 大切にされる物(者),大事な物(者). カムイ オッタ(オㇿ タ) カ アイヌ オッタ(オㇿ タ) カ ア・エヤㇺペ ヘカッタㇻ メノコ ネ=神の国でもアイヌの国でも大切にされる者は子供と女である. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eyannup
アエヤンヌㇷ゚ 【a=eyannup】 壊れた物.▷ア=人(が) エヤンヌ=そこなう ㇷ゚=物 →そこなわれた物,壊れた物 (出典:萱野、方言:沙流)
a=eyaykopuntek
アエヤイコプンテㇰ 【a=e-yay-ko-puntek】 喜ばしい.▷ア=人(が) エ=それでもって ヤイコプンテㇰ=喜ぶ (出典:萱野、方言:沙流)
a=eyayramekotep
アエヤイラメコテㇷ゚ 【a=e-yay-ram-e-kote-p】 それを頼りにしている道具.例えば,カㇻスマ(火打ち石),タシロ(山刀),ス(鍋),マキリ(小刀),ク(弓),アイ(矢).*これがなければ生きて行けない最小限度の道具をいう.▷ア=私たち(が) エ=それで ヤイ=自身の ラㇺ=心 エ=それを コテ=結びつける ㇷ゚=物  (出典:萱野、方言:沙流)
a=eyaysarama
アエヤイサラマ 【a=e-yay-sarama】 自力でやる.他人に任せられないので自分でやる.自分に託する. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eynupitara
アエイヌピタラ 【a=eynupitara】 いやがられる.▷ア=それ エイヌピタラ=いやがる ウトゥルン アチャポ エㇰ コㇿ オラーノ アンオホロ ペ ネ クス ア・エイヌピタラ=道路のあちら(西側)のおじさんは来ると長居するのでいやがられる.→エイヌピタラ (出典:萱野、方言:沙流)
a=huskorep
アフㇱコレㇷ゚ 【a=husko-re-p】 下に赤ん坊が生まれたばかりの子供.▷ア=それ フㇱコ=古い,古く レ=させる ㇷ゚=者 エネ ポロ ワ ア・フㇱコレㇷ゚ アヤイネ シリ アン=こんなに体も大きくて成長した(下の子が生まれた)のに,甘えているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=huyuikehe
アフユイケヘ 【a=huyuikehe】 私の着物,私の衣類,私の衣装. ▷ア=私 フユイケヘ=着物[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=ikeskorpe
アイケㇱコロペ 【a=i-kes-kor-pe】 それを受け継ぐ物,宝物,武具,女性用の玉飾りなどをいう. ▷アイ=それ ケㇱ=残し コㇿ=持つ ペ=物 *特に玉飾りなどは女性から女性へという具合に受け継がれる.萱野茂二風谷アイヌ資料館に展示してあるタマサイは,ウノサレ,まめ,れい子,直枝,めぐみという風に女性側の血族に,アイケㇱコロ:ウケㇱコロ(受け継ぐ)ことになっているものである.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=ikoikarpe
アイコイカㇻペ 【a=i-ko-i-kar-pe】 それと同じに作る物,見本,手本.▷ア=人が イ=それ コ=に対して イ=それ カㇻ=を作る ペ=物 タアン イタ アナㇰネ トアンペ ア・イコイカㇻペ ネ ルウェ ウン=この盆はあれを手本にして作った物だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=inususuye
アイヌススイェ 【a=i-nususuye】 私が誘われる,誘惑される. ▷ア=私 イ=それ ヌススイェ=誘われる アイヌススイェ クス アㇻパ アンヒ ネアㇷ゚ クスアイコイパㇰハウェ=私が誘われたので,行ったものであったのに,それで罰を受けるのかい.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=kem apekor
アケㇺアーペコㇿ 【a=kem a pekor】 きれいに作られた〔比喩〕.▷ア=人(が) ケㇺ=嘗める,嘗められた アーペコㇿ=かのごとく →嘗められたように フーン イヌイェ エ・エアㇱカイ シリ!イメル アッ カネ ア・ケㇺ アーペコㇿ アン ピㇼカ ニマ ネ ルウェ ネ=まあ,君は彫り物が上手なこと!後光がさすほどで,その上,嘗めたようにきれいな木の器だ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kemekarpe
アケメカㇻペ 【a=kem-e-kar-pe】 縫った物.▷ア=人(が) ケㇺ=針 エ=それでもって カㇻ=作る ペ=物 →針で作られた物 カケンチャ レウェウセ カネ ア・ケメカㇻペ ア・アッテ アクス ア・ウヌフ イ・コプンテㇰ ア イ・コプンテㇰ ア=掛け竿がたわむほどに縫った物を掛けると,私の母が私をほめにほめて[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kemnuhawas
アケㇺヌハワㇱ 【a=kemnu-hawas】 哀れな話,気の毒な話.▷ア=人(が) ケㇺヌ=悼む,同情する ハワㇱ=話 ナー ペウレクㇽ ネ ア ナンコㇿ ペ ア・トゥナㇱトゥイェ ソンノ ア・ケㇺヌハワㇱ ネ ワー=まだまだ若い人であったはずなのに,急死されたとは,本当に哀れな話だよ(アトゥナㇱトゥイェ=速く切られた.急死した). (出典:萱野、方言:沙流)
a=kimokar
アキモカㇻ 【a=kim-o-kar】 山で熊に殺される,▷ア=それ(=人間) キㇺ=山 オ=に カㇻ=作る →殺す エネ アン ペ ク・シトマ アクス ムカウンクㇽ ア・キモカㇻ ヤㇰ ア・イェ=そうしたことを私は恐れていたのだが,鵡川の人が山で熊に殺されたそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kiyannerep
アキヤンネレㇷ゚ 【a=kiyanne-re-p】 最も上席に位置するもの.▷ア=人(が) キヤンネ=年長に レ=〜させる ㇷ゚=もの アイヌモシㇼ モシㇼソ カ タ ア・キヤンネレㇷ゚ ノヤ ネ クス ノヤオㇷ゚ アニ ノヤ エムㇱ アニ ア・オッケ ㇷ゚ ア・トゥイェ ㇷ゚ アナㇰネ エフイネ ウェンカムイ ネ ヤッカ ヤイカッチピ エアイカㇷ゚ ペ ネ=人間の国土,国土上に最も上席に位置するものがヨモギなので,ヨモギの槍で突かれた者ヨモギの刀で斬られた者は,どんな悪い神も蘇生することができないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=koapaseske
アコアパセㇱケ 【a=ko-apa-seske】 とじ込める.▷ア=人 コ=に対して アパ=戸 セㇱケ=〜をふさぐ (出典:萱野、方言:沙流)
a=koenempa
アコエネㇺパ 【a=ko-enempa】 比べる,較べる,比較する. チノミカムイ トイカオラン アコエネㇺパ=祭っている神が地上へ降臨したら,このような姿かと比較できる神が,ポンヤウンペである[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=koerayappe
アコエラヤッペ 【a=ko-erayap-pe】 感心されること,ほめられること.▷ア=人(が) コ=〜に対して エラヤㇷ゚=感心する→感心される ペ=もの ネㇷ゚ アッカリ ウヌヌケ パㇰノ ア・コエラヤㇷ゚ペ イサㇺ ペ ネ ヒケ ク・ミッポホ エン・ヌヌケ シリー=何にも増して孝行ほど感心されるものはないものだが,私の孫は私に孝行してくれることよ. *子供の頃,祖母テカッテによくそう言われた. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kohoyoyse
アコホヨイセ 【a=ko-hoyoyse】 好ましい.▷ア=それ,人であるとか物であるとかに ホヨイセ=好ましい,うっとりするほどに.見とれる,心を奪われる イヤイヌマレ!ア・コㇿ サポ シレトㇰ オㇿケ ア・コホヨイセ=なんとまあ!私の姉,その器量好ましい[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
a=koiruskap
アコイルㇱカㇷ゚ 【a=ko-iruska-p】 憎らしい人.▷ア=人(が) コ=〜に対して イルㇱカ=腹を立てる ㇷ゚=者 ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ エン・コイペウナㇻ ア・コイルㇱカㇷ゚ ネ アクス ク・ポロ ヒ ワ オラーノ エン・コポンペネ=私が子供の頃には私に食べさせるのも惜しがって憎らしい人であったのに,私が大きくなってから私に甘えている. (出典:萱野、方言:沙流)
a=komuyep
アコムイェㇷ゚ 【a=ko-muye-p】 死人に持たせる物:男であれば生前用いていたタシロ(山刀),マキリ(小刀)など,女であれば針仕事用の物などである. (出典:萱野、方言:沙流)
a=konram-konna-yaunatara
アコンラㇺコンナヤウナタラ 【a=kor-ram-konna-yaunatara】 私の思いが冷え冷えと. ▷ア=私 コン=持つ ラㇺ=思い コンナ=が ヤウナタラ=冷え冷えと[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=kooskoni
アコオㇱコニ 【a=ko-oskoni】 発覚する:盗人の悪事がばれて捕まること(現行犯).▷ア=それ コ=に オㇱコニ=追いつく→オㇱコニ マッ カ コㇿ ホク カ コㇿ ペ ウウェエオコㇰ ヒ ア・コオㇱコニ パ ユㇷ゚ケ チャランケ アン ヤㇰ ア・イェ=妻もいて夫もいる者たちが浮気をし,それが発覚して強談判が始まったそうだ.アッチェ ウン ペ イユタㇷ゚ オㇿ ワ ピㇼケㇷ゚ エイッカ ア・コオㇱコニ ヤㇰ ア・イェ=よそから来た者がパッタリから精米を盗み見つかったという話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kopaste
アコパㇱテ 【a=ko-paste】 ばれる.▷ア=人(が) コ=〜に対して パㇱテ=気づく ウェンプリ コㇿ パ ワ オラーノ エイパㇻ キㇰキㇰ パ ㇷ゚ シネン イヨㇱキ ワ イェ ワ ア・コパㇱテ パ ア・コソトゥイェパ パㇰノ アシンペ サンケ パ=悪いことをしてから口止めをしあっていたのにひとりが酔っ払ってしゃべってしまってばれて,ある物をありったけ取られるほどに罰金や宝物を取られた. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kor'ewen
アコㇿエウェン 【a=kor-e-wen】 いじめられている.大切にされていない.▷ア=それ コㇿ=持つ エ=それで ウェン=悪い トイタ シサㇺ オッタ(オㇿ タ) ア・アフㇷ゚カㇻ ポン マッカチ アン ペ ケㇱト ア・コㇿエウェン シリ ク・ヌカㇻ ケランポㇰウェン(ク・エランポㇰウェン)=畑をしている和人の家に貰われた女子がいるのに,毎日いじめられているのを見て私は哀れに思っている(アフㇷ゚カㇻ=貰いにくる ア・アフㇷ゚カㇻ=貰われた).*昭和10年代に平取村内荷負小学校の先生が病気で死にそうになった時の遺言に,もしも子供を里子に出すのならアイヌにやってくれと言った.アイヌは里子であってもいじめないのを見ていたからである(川上勇治氏の話). (出典:萱野、方言:沙流)
a=koramniwkes
アコラムニウケㇱ 【a=ko-ram-niwkes】 説得できない,もてあます. ピㇼカ オッカイポ エㇰ ヒクス ク・マッカㇽクフ ケトゥナンカレ(ク・エトゥナンカレ) ルスイ オナハ トゥラノ ク・イェ ヤッカ ア・コラㇺニューケㇱ ケヤイパスイパ(ク・エヤイパスイパ)=いい若者が来たので,私の姪に見合いさせようと姪の父親と勧めたが.説得できないので私は腹が立った. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kosinninup
アコシンニヌㇷ゚ 【a=ko-sir-ninu-p】 宝物.▷ア=人(が) コ=〜に対して,〜でもって シンニヌㇷ゚=(敷物などの)止め串 アイヌ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ア・コシンニヌㇷ゚ ポロンノ オカ ア・ヌㇷ゚ ネ ヤッカ ア・コシンニヌ ア・ヌカㇻ ペ ネ ヤッカ ア・コシンニヌㇷ゚ ネ=アイヌの所ではそれを宝にする物がたくさんあって,聞いただけでもそれが宝,見ただけでもそれを宝と考えたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kosipencorturikane
アコシペンチョㇿトゥリカネ 【a=ko-si-pencor-turi-kane】 私の足元へ人間の死体が広がっていく. ▷ア=私 コ=そこに シ=自ら ペンチョㇿ=足元 トゥリ=伸ばし カネ=して *ポンヤウンペが戦争に行って人間を斬りまくり,人の上半身が足元に広がっていく[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=kosiratkip
アコシラッキㇷ゚ 【a=ko-siratki-p】 大切にされている神. ネイワ アイヌコタン タ アン ペ ネ ヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) コㇿカ チカㇷ゚ サパ アン ワ ア・コシラッキㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワー=どのような経路でアイヌの村にあるものなのか私は知らないけれども,アホウドリの頭があって,大切な神とされているものですよ. *アホウドリの頭骨はレプンシラッキ(沖の大切な神)といい,病魔を避ける神とされている.狐の頭骨はキムンシラッキ(山の大切な神)といって猟運を司る神とされていた.シラッキカムイ=守護神 (出典:萱野、方言:沙流)
a=kositoma
アコシトマ 【a=ko-sitoma】 恐ろしがられている:例えば特別けんかが強い.口が達者だ,人に呪いをかけるという噂があるなどの理由から手をつけるな,近寄るなという場合.▷ア=人(が) コ=〜に対して シトマ=恐れる,怖がる→恐れられる,怖がられる コタン レ コイラ(ク・オイラ) コㇿカ トオㇷ゚ トゥイマ オカ ウタㇻ イヨイタクシㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ア・コシトマ ㇷ゚ ネ=村の名前は忘れたけれど,ずっと遠くにいる仲間は人に呪いの言葉をかけられるとかといって,恐ろしがられているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kosotuye
アコソトゥイェ 【a=ko-so-tuye】 あるだけの物を取られる.▷ア=人,人間 コ=それ ソ=座,座る所 トゥイェ=切る →座っている所まで全財産が取られてしまうこと ウェンプリ コㇿ パ ワ オラーノ エイパㇻ キㇰキㇰ パ ㇷ゚ シネン イヨㇱキ ワ イェ ワ ア・コパㇱテパ ア・コソトゥイェ パ パㇰノ アシンペ サンケ パ=悪いことをしてから口止めをしあっていたのに,ひとりが酔っ払ってしゃべってしまってばれて,ある物をありったけ取られるほどに罰金や宝物を取られた. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kusausi
アクサウシ 【a=kusa-usi】 渡し場.▷ア=人(が) クサ=船で渡す,船載する ウシ=いつも〜する場所 (出典:萱野、方言:沙流)
a=kuwakore
アクワコレ 【a=kuwa-kore】 礼をする(品物か何かで).*アイヌ社会は物を借りた場合,その物に応じてお礼の意味で借りた時より多く返すのが当たり前で,その物のことを,クワコレ(杖を持たせる)という.▷ア=それ クワ=杖,利子,利息 コレ=くれてやる,持たせてやる (出典:萱野、方言:沙流)
a=maketa
アマケタ 【a=maketa】 負ける. (出典:萱野、方言:沙流)
a=maketaro
アマケタロ 【a=maketaro】 負ける. イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) メノコ オッカヨ ウコトゥㇱエタイェ メノコ ア・マケタロ コㇿ イマカケタ オッカヨ カムイ ア・ウㇰ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊送りの時に男と女が綱引きをして女が負けると次に牡熊が獲れるそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=map
アマㇷ゚ 【a=ma-p】 寝相の悪い者.▷ア=人(が) マ=焼く ㇷ゚=もの →焼かれたもの→生きたままの魚を火に焼いたようにのたうちまわる イヨーハイ ク・コㇿ オペㇾ イタㇰ コラチ アマㇷ゚ ネノ イキ=まあまあどうしたことか,孫は言葉のように寝相の悪いこと. (出典:萱野、方言:沙流)
a=mip
アミㇷ゚ 【a=mi-p】 着物,衣,衣装.▷ア=それ ミ=着る ㇷ゚=物 テエータ アン アミㇷ゚ アナㇰネ ユㇰウㇽ,オトゥタヌ アン ペ アットゥㇱ オトゥタヌ アン ペ ヤヤン センカキ ネ=ずっと昔の着物は鹿皮,次はオヒョウの皮で織った着物,次は普通の木綿ものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
a=neramukasitnatara
アネラムカシッナタラ 【a=ne-ramu-kasitnatara】 私の思いがもつれてしまった,思いもつれ. ▷ア=私 ネ=それ ラム=思い シッシッケ=もつれる タラ=しまった,終わったら *タラというひと言では,しまった,終わった,にはならないので,前後の言葉が必要である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=netusa
アネトゥサ 【a=ne-tusa】 私のそれは無傷,お陰で命拾いした. アアキヒ アンクスケライポ ケㇷ゚ピロロケ アネトゥサ=弟がいたお陰で(その加勢によって)無傷だった[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=nisappuni
アニサップニ 【a=nisap-puni】 急死(する).▷ア=それ(が) ニサㇷ゚=急いで プニ=起こす イヨーハイ! オッカイポ イカラㇱ! ア・ニサップニ ハウェアーン?=それは大変だね! 若者がもったいない! 急に亡くなったのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
a=niska
アニㇱカ 【a=niska】 もったいない. アエㇷ゚ ケミアン ヒ タ エモ ア・ニㇱカ ナ ピㇼカノ ウウォマレ ワ アヌ=食べ物の少ない時だ.ジャガイモがもったいないからよく集めておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=niskap
アニㇱカㇷ゚ 【a=niska-p】 大事な物. センカキ ウイペ ネ ペコㇿ エ・ヤイヌ ヤッカ ア・ニㇱカㇷ゚ ネ ナ イテキ オスラ ノ ウカオ ワ アヌ アニ=布くずのようにお前が思っても大事な物だから,投げないでしまっておくものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=nukar katu
アヌカㇻ カトゥ 【a=nukar katu】 見た目. アイヌ アナㇰネ ア・ヌカㇻ カトゥ パテㇰ ソモ ネ ネユンネユン イコカンタマ ㇷ゚ オカイペ ネ ナ ヤイトゥパレ ヤン アニー=人間は見た目ばかりでなく,いろいろと人をだます者がいるものだから,気をつけなさいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=nukar_ no
アヌカン ノ 【a=nukar no】 よく見える.▷ア=それ(人)が ヌカㇻ=見る ノ=全く タヌクラン アナㇰ ノチュー クㇽカ テㇱナタラ トイタサオッ ア・ヌカンノ=今夜は星月夜で北斗七星がよく見える. (出典:萱野、方言:沙流)
a=nuno
アヌノ 【a=nu no】 よく聞こえる. (出典:萱野、方言:沙流)
a=nunoan
アヌノアン 【a=nu no an】 耳を傾けるに値するような. オッカヨ ウタㇻ ソモ イク パ ノ ラッチターラ ウウェネウサㇻ パ コㇿ アヌ ノ アン オルㇱペ ポロンノ アン=男たちが酒を飲まずに静かに話し合っている時は,耳を傾けるに値するような話がたくさんある. (出典:萱野、方言:沙流)
a=nusuye
アヌスイェ 【a=nusuye】 手招きされる.普通はテㇰパㇻパル,テコチューチュウェという. ア・コㇿ ニㇱパ ポンヤウンペ オナハ イナウ アニ サケ アニ ア・ヌスイェ=私の夫であるポンヤウンペの父が,イナウと酒で手招きされ…[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
a=nuyeotke
アヌイェオッケ 【a=nuy-e-otke】 病気が流行し村人が全滅した空家に火をつけること.▷ア=私 ヌイ=炎 エ=それ オッケ=つける (出典:萱野、方言:沙流)
a=oipep
アオイペㇷ゚ 【a=o-ipe-p】 食器.▷ア=私たち(が) オ=そこで イペ=食べる ㇷ゚=物 ク・ミッポー エ・イペ オケレ チキ ア・オイペㇷ゚ フライェ ワ アヌ アニー=孫よ,食べ終わったら,食器を洗っておいてね. (出典:萱野、方言:沙流)
a=okay
アオカイ 【a=okay】 私,俺,僕.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=okettektek
アオケッテㇰテㇰ 【a=oker-tek-tek】 さっと終わる. ク・イチャ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) インネ ウタㇻ エㇰ ワ エン・カスイ クスケライポ ア・オケッテㇰテㇰ=私が穂ちぎりをしていると,大勢の人が来て私を手伝ってくれ,そのお陰でさっと終わってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
a=omappe
アオマッペ 【a=omap-pe】 かわいいもの(人に愛されるもの).▷ア=人(が) オマㇷ゚=愛する ペ=もの パㇱテッテㇾケ コㇿ ㇷ゚ ア・ペカペカ コㇿ ネ コㇿカ ポーヘネ ア・オマㇷ゚ ペ ネ=よちよち歩きの子供にはらはらしながら手を差し伸べ差し伸べしながらだが,なおさらかわいいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=opentari
アオペンタリ 【a=opentari】 神々の名前を呼び並べる. トゥ カムイ シンリッ レ カムイ シンリッ ア・オペンタリ=ふたつの神の先祖,三つの神の先祖.呼び並べ…[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
a=oraytekka 1
アオライテッカ 【a=oraytekka】 ①毒が効く. ポンノ ホㇱキ!チスラㇷ゚ ネ ノイネ アン ペ ネ ナ.イヤイキㇷ゚テ ナ アオライテッカ パㇰノ ウンテレ・アン ロー=少し待て!乳ばなれ熊らしいものだよ.危ないから.毒が効くまで待つことにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
a=oraytekka 2
アオライテッカ 【a=oraytekka】 ②しおれるまで,消えるまで,死ぬまで:火が消えてしまうことはアペオライテㇰという. アペオライテッカ ワ オラーノ エㇰ アニー=火が消えたのを確かめてから来てね. (出典:萱野、方言:沙流)
a=otuihike
アオトゥイヒケ 【a=otui-hike】 私の切れ端.ユカㇻの中でしばしば出て来る言葉で,自分の血族に対して悪意を込めて,私の切れ端,やつが私のためにならないことをした,などと言う.[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=otupekare
アオトゥペカレ 【a=otupekare】 大事にする. →オドペカレ (出典:萱野、方言:沙流)
a=otuwasi
アオトゥワシ 【a=otuwasi】 頼りにする. ペウレクㇽ ネ コㇿカ ラメトコㇿケ(ラメトㇰ オㇿケ) パウェトㇰ トゥラ ア・オトゥワシ ナ エコシ ワ アヌ ヤン=若い人ではあるけれど,度胸も雄弁もともに頼れるから,任せておきなさい.→オトゥワシ (出典:萱野、方言:沙流)
a=oupekareno
アオウペカレノ 【a=o-upeka-re no】 真っ直ぐに.▷ア=私たち(が) オ=そこで ウペカ=整然と並べる レ=させる ノ=〜に チセ ア・アシ ヒタ アナㇰネ イクㇱペ イテキ エウタㇱタサ クニネ ア・オウペカレノ ア・アシㇷ゚ ネ ナ=家を建てる時は柱が出たり引っ込んだりしないように,真っ直ぐに並べて立てるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=oyanenep
アオヤネネㇷ゚ 【a=oyanene-p】 笑い者にされる. (出典:萱野、方言:沙流)
a=porse
アポㇿセ 【a=porse】 表現(する). アイヌ オッタ(オㇿ タ) チクニ レ ア・ポㇿセ ヒ カムイ オッタ(オㇿ タ) ア・ポㇿセ ヒ シンナ ㇷ゚ カ アン ペ ネ=人間の所で言う木の名前の表現と,神の国での表現が違うものもあるものだ.チ・コㇿ コタン タ アナㇰネ "イセポ" セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ コㇿカ,ムカ ホントモ タ アン コタン タ アナㇰネ "カイクマ" セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=私たちの村ではウサギを「イセポ」と言うけれど,鵡川という川の中ほどの村では「カイクマ」と言う(表現する)のだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=potetpake
アポテッパケ 【a=po-tetpake】 あなたの息子殿,あなたの立派な息子殿. ▷ア=あなた ポ=息子 テッパケ=殿,様 *テッパケといういい方は最高の敬称で,めったに使わないが,私の息子である志朗がいい事をした場合に,他人が親である私に対して,お礼を言う時に用いられる.アポテッパケ アンクスケライ イレンカトゥイェ=あなたの息子殿がいたお陰で,円満に解決した,などである.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=potonoke
アポトノケ 【a=po-tonoke】 私の息子殿〔丁寧〕. アポトノケ イタカン(イタㇰ・アン) チキ ウピㇼカ ヌ ヤン.ア・コㇿ シンリッ ウワト クニ エネ オカヒ…=私の息子殿よ,私の言う言葉をよくお聞きください.私どもの先祖その血統はこうであるのだ….*重々しく自分の先祖のことを教える時にのみ,息子であっても敬称をつけて呼びかける. (出典:萱野、方言:沙流)
a=puykotoro
アプイコトロ 【a=puy-kotoro】 耳の内側,耳朶.▷ア=私 プイ=穴 コトロ=内側 イタㇰ ネ ワ イキ コㇿカイキ ア・プイコトロ チュニンパレ(チ・イユニンパレ)=言葉だけではあったけれど,耳の内側が痛いほどに. (出典:萱野、方言:沙流)
a=racitkerep
アラチッケレㇷ゚ 【a=racitke-re-p】 下げる物.▷ア=それ ラチッケレ=ぶら下がらせる ㇷ゚=物 ホクレ アㇻパ ワ プヤㇻ オッタ(オㇿ タ) ア・ラチッケレㇷ゚ ウㇰ ワ エㇰ=早く行って窓に下げる物を取って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ramepakari
アラメパカリ 【a=ram-e-pakari】 予想される. ヘㇱト ヘㇱト アラメパカリ ワ アン ペ ネ アクス エクパ ワ キラ ワ アㇻパ=あれあれ,予想通りくわえて逃げて行った. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ramuosmap
アラムオㇱマㇷ゚ 【a=ramu-osma-p】 納得できるもの. (出典:萱野、方言:沙流)
a=rayke
アライケ 【a=rayke】 殺される. エネ ウェンプリコㇿ ハウェ ネ ヤカナㇰネ(ヤㇰ アナㇰネ) カムイ オㇿワ ア・ライケ エアシㇼ キ ナンコㇿ ワ=そのような悪事をしたのであれば,神の方から殺されるでありましょうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=rekuci wa ratkiratki
アレクチワ ラッキラッキ 【a=rekuci-wa ratki-ratki】 私の首からぶら下がりぶら下がり,子供が親の首からぶら下がる,恋人の首からぶら下がり. ▷ア=私 レクチ=首 ワ=から ラッキラッキ=ぶら下がる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=repokar
アレポカㇻ 【a=rep-o-kar】 海で死ぬ. アイヌイカラㇱ ア・レポカㇻ ヤㇰ ア・イェ.タㇷ゚ イキ クㇽ オナハ カ ア・レポカㇻ ペ ネ ア ㇷ゚=惜しい人が沖で死んだそうだ.今亡くなった人の父親も海で死んだものであったのに. (出典:萱野、方言:沙流)
a=rewematapurip
アレウェマタプリㇷ゚ 【a=rewe-matapuri-p】 熊手:アカダモで作る. 図11[アレウェマタプリㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
a=sampekese
アサンペケセ 【a=sampe-kese】 私の心臓のしまい,思いのしまい,心をしまう. ▷ア=私 サンペ=心臓,心,思い,いとおしい,いとおしく思う ケセ=しまう,しまい *サンペポ=いとおしい人,恋人(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=sampekeseekopuyuise
アサンペケセエコプユイセ 【a=sampe-kese-e-ko-puyuise】 私の心臓のしまいがあふれる,ぐっと来る,胸に激しく込み上げて来る,強く心に感じる,涙があふれる. ▷ア=私 サンペ=心臓 ケセ=しまい エコ=それ プユイセ=あふれる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=sampepake
アサンペパケ 【a=sampe-pake】 私の心臓の頭の方,私の心の内,私の思いの内側. ▷ア=私 サンペ=心臓 パ=頭 ケ=~の方(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=satkep
アサッケㇷ゚ 【a=satke-p】 干し物. トオトオ アㇷ゚ト アㇱ シリ イキ ナ ア・サッケㇷ゚ ア・アフㇷ゚テ クス ネ ナ エン・カスイ=あれあれ,雨が降ってきている様子だよ.干し物を入れるので,私を手伝ってくれ.→サッケ (出典:萱野、方言:沙流)
a=senasenakka
アセナセナッカ 【a=sena-senak-ka】 まつわりつく:子供がまつわりつくこと,座っている背中などでうるさくしている. アウン ウナㇻペ ク・ミッポホ パロヌカㇻ ヌカㇻ ペ ネ クス エㇰ コㇿ オラーノ セトゥㇽ ワノ テㇺコㇿ ワノ ア・セナセナッカ=隣のおばさん,私の孫にいろいろと食べさせてくれるものだから,来ると背中の方から腕の所へまつわりつく. (出典:萱野、方言:沙流)
a=seurototo
アセゥロトト 【a=seu-rototo】 いじめつける,いじめる. ▷ア=それ セゥロトト=いじめる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=sikakustep
アシカクㇱテㇷ゚ 【a=si-ka-kuste-p】 上から着る物.▷ア=人(が) シ=自分 カ=〜の上 クㇱテ=通らす,ふさぐ ㇷ゚=物 ク・イワㇰ クナㇰ ク・ラム ク・ソイネ アクス アㇷ゚ト アㇱ コㇿ シラン(シㇼ アン) ナ ネㇷ゚カ ア・シカクㇱテㇷ゚ エネルサ(エン・エルサ)=私が帰ろうと思って外へ出たら.雨が降っているので,何か上から着る物を私に貸して. (出典:萱野、方言:沙流)
a=sikatkare
アシカッカレ 【a=si-kat-kare】 惑わされ,惑わされる,甘言で女を惑わす. ▷ア=それ シ=自ら カトゥ=姿、容姿 カㇻレ=作る アエシカッカレワ メノコエペカ アエパコアッ=惑わされて,女性のことで罰を受けた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=sitoma
アシトマ 【a=sitoma】 恐ろしい.▷ア=私たち(が) シトマ=恐れる,怖がる →恐ろしい ク・ポホー タパン ハワㇱ エウン イカ エカランケ ナ.ア・シトマ オルㇱペ ネ ナ=息子よ,この話へは絶対かかわるではないぞ,恐ろしい噂だよ.ケㇱト ケㇱト アㇷ゚ト ルイ シリ!ネンカネ ポロワッカ アン オキムンペ ポーヘネ ア・シトマ=毎日毎日すごい雨降りだこと!もしものこと大洪水になりはしないか,山津波はなおさら恐ろしい.ア・シトマ イ=恐ろしい所.ア・シトマ ㇷ゚=恐ろしい物(者). (出典:萱野、方言:沙流)
a=sitomap
アシトマㇷ゚ 【a=sitoma-p】 妖怪.▷ア=私たち(が) シトマ=恐れる ㇷ゚=もの (出典:萱野、方言:沙流)
a=supuyasakka
アスプヤサッカ 【a=supuya-sakka】 全滅させる〔比喩:煙をなくする〕. (出典:萱野、方言:沙流)
a=tap
アタㇷ゚ 【a=ta-p】 (土から)掘った物.▷ア=人(が) タ=掘る ㇷ゚=物 (出典:萱野、方言:沙流)
a=tekekarpe
アテケカㇻペ 【a=tek-e-kar-pe】 刺繍した物. ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ "ア・テケカㇻペ カケンチャ レウェウセ カネ ア・アッテ" シコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=昔話の中では,「刺繍した物が掛け棹がたわむほどにかけてある」と描写されているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=tomte
アトㇺテ 【a=tom-te】 丁寧. (出典:萱野、方言:沙流)
a=tomteno
アトㇺテノ 【a=tom-te no】 丁寧に. ア・トㇺテノ カㇻ=丁寧に作る.オンネ フチ ネ ワクス コタン エウン ウタㇻ ウウェカㇻパ ワ ア・トㇺテノ ア・キモヌ パ=うんと年寄りのおばあさんであったから,村中の人が集まって,丁寧に葬式をした. (出典:萱野、方言:沙流)
a=tunastuye
アトゥナㇱトゥイェ 【a=tunas-tuye】 急死する,早死にする.▷ア=それ(人)が トゥナㇱ=急ぐ,急いで トゥイェ=切る→速く切られる,急に切られる ナー ペウレクㇽ ネ ア ナンコㇿ ペ ア・トゥナㇱトゥイェ ソンノ ア・ケㇺヌ ハワㇱ ネ ワー=まだまだ若い人であったはずなのに急死されたとは,本当に哀れな話だよ.オナハ カ トゥナㇱ イサㇺ ペ ネ ア ㇷ゚ ウヌフ カ ナー ペウレ アㇷ゚ ア・トゥナㇱトゥイェ ソンノ ア・トゥヤㇱカラㇷ゚ ハワㇱ ネ ワー=父親も早く亡くなったものであったのに,母もまだ若いのに早死にし,本当にいとおしい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=turaynu
アトゥライヌ 【a=turaynu】 見つからない.▷アㇻ=全く トゥライヌ=失う ニペㇱ ケㇷ゚ クス エキㇺネ アチャポ イワㇰ イサㇺ ペ ネ クス ケㇱト ア・フナラ ヤッカ ア・トゥライヌ.ライ ルウェ ソモ ネ ウン=シナ皮を剥ぎに山へ行ったおじさんが帰って来ないものだから,毎日探しても見つからない.死んだのではないだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
a=tuyaskarap
アトゥヤㇱカラㇷ゚ 【a=tuyaskarap】 いとおしい,かわいそうだ.▷ア=人(が) トゥヤㇱカラㇷ゚=同情する,憐れむ オナハ カ トゥナㇱ イサㇺ ペ ネ ア ㇷ゚ ウヌフ カ ナー ペウレ ア ㇷ゚ ア・トゥナㇱトゥイェ ソンノ ア・トゥヤㇱカラㇷ゚ ハワㇱ ネ ワー=父親も早く亡くなったものであったのに,母もまだ若いのに早死にし,本当にいとおしい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ukorespa
アウコレㇱパ 【a=uko-respa】 許嫁である.▷ア=それ ウコ=互いに,ともに レㇱパ=育てている(レス=「育てる」の〔複〕)人がともに育てている→ともに育てられている (出典:萱野、方言:沙流)
a=ukoresup
アウコレスㇷ゚ 【a=uko-resu-p】 許嫁.*親が将来子供同士を結婚させると決めていたものを指す.本人同士が使う言葉ではない.▷ア=それ ウコ=互いにそれを レス=育てる ㇷ゚=者 ナ ポン ヒ ワノ ク・マッネポホ エ・ポホ ア・ウコレスㇷ゚ ネ ルウェ ネ=ほんの小さい頃から私の娘とお前の息子は許嫁なのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=ukosina
アウコシナ 【a=u-ko-sina】 重ねて縛る.▷ア=それ ウ=互い コシナ=〜を縛る エキㇺネ・アン クス ピㇼケㇷ゚ ネヤ シッポ ネヤ アイ ネヤ ア・ウコシナ=私は山へ行くので,ヒエの精白したものとか塩とか矢とかを重ねて縛った. (出典:萱野、方言:沙流)
a=yep
アイェㇷ゚ 【a=yep】 〜と言われるもの.▷ア=それ(が) イェ=言う ㇷ゚=もの タㇷ゚ ア・イェㇷ゚ アナㇰネ ソンノ ネ ワ=今言われたことは,本当だよ.タンペ アナㇰネ アイヌイタㇰ アニ "ニカラ" セコㇿ ア・イェㇷ゚ ネ=これはアイヌ語では,「ニカㇻ」(はしご)と言われるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=yerokkuni
アイェロックニ 【a=ye rok kuni】 言うところの.(噂に聞いていたはずの,人々が前々から口に何度もしていた,いわゆる)▷ア=人が イェ=言う ロㇰ=〜ていた クニ=きっと〜はずの ソンノ タㇷ゚イキ ウェンメノコ ア・コサマㇷ゚ カ イサㇺ.ア・イェ ロㇰ クニ サㇰチロンヌㇷ゚ コラチ アン=本当に今来て去って行った悪い女は比較する物もない.言うところの夏の狐のような者だ(夏の狐は冬毛の残りが体のあちこちに団子になってついていて,不格好なもの). (出典:萱野、方言:沙流)
aan
アアン 【aan】 〜だったのであった,様子だ,〜らしい.意外な事実または結果に対する驚きを示す. モㇱアナクス(モㇱ・アン アクス) アリタオマㇷ゚(アㇻイタオマㇷ゚) オンナイケ タ アナン(アン・アン).オヤチキ チㇷ゚ オㇿ アイヨマレ(ア・イ・オマレ) ワ ア・イ・モㇺカ ヒ ネ アアン=目を覚ましたら板付け船の中であった.知らなかったが,船に入れられて,流されていたのであった[ユ].アㇻパ ヒネ アアン=行った様子だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
aanep
アアネㇷ゚ 【<ar-ane-p】 とても細いもの.▷ア(=アㇻ)=きわめて アネ=細い ㇷ゚=もの アアネㇷ゚ コㇿ ワ エㇰ=もっと細いものを持って来い.→アネ (出典:萱野、方言:沙流)
aca
アチャ 【aca】 おじ:アチャポ=おじという言葉の略語.*昭和時代,平取町二風谷村では正雄アチャ,松雄アチャ,清市アチャなどと呼ばれていた人たちがいた.一種の敬称のように思いながら呼んでいたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
acapo 1
アチャポ 【acapo】 ①おじ(叔父,伯父). アㇻパ アチャポ タㇰ ワ エㇰ=行って叔父を呼んで来い. (出典:萱野、方言:沙流)
acapo 2
アチャポ 【acapo】 ②しゅうと(夫の父). (出典:萱野、方言:沙流)
aci
アチ 【aci】 汚ない,きれいでない:汚れていて手をつけられない様子. (出典:萱野、方言:沙流)
aciaci
アチアチ 【aci aci】 何か汚ないものに手を触れた時,思わず発する言葉.アチアチと2回続けて言う. (出典:萱野、方言:沙流)
acikara(ta)
アチカラ(タ) 【acikara(ta)】 おやおや,あらら(びっくりした時思わず出る). (出典:萱野、方言:沙流)
acikarata
アチカラタ 【acikara ta】 こしゃくにも:人をあざけり笑う時の言葉.もうひとつは何かに驚いた時やびっくりした時に発する言葉.*ユカㇻには,「アチカラタ アヤカナタ」と対語で頻出. アチカラタ,エネ オカイ ペ ヘマンタ イェ クス エン・コチョラウキ ハウェ アン=からこしゃくにも,あのようなはした者が何を言うのに俺の所へ来ると言うのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
aha
アハ 【aha】 土豆(ヤブマメ). オッコー タント アハタ・アン クス ピクタトイ オルン パイェ・アン ロー=お姉さん,今日上豆を掘りに川原の砂畑まで行こうよ.アイヌモシㇼ メナスン(メナㇱ ウン) ウタㇻ アナㇰネ "エハ" シコㇿ カ "ヌミノカン" シコㇿ カ イェ ㇷ゚ ネ チ・コㇿ コタン タ アナㇰネ "アハ" セコㇿ ア・イェ=アイヌの国土(北海道)の東の方の人たちは「エハ」とも「ヌミノカン」ともいうもので,私の村では「アハ」という.*道東ではヌミノカン(=粒の小さいもの)という. (出典:萱野、方言:沙流)
ahara
アハラ 【aha-ra】 土豆の葉. オッコー エㇰ ワ インカㇻ.テ タ アハラ ピㇼカ ナ ア・タ ワ インカㇻ・アン ロー=お姉さん,来て見てよ.ここの土豆の葉がいいから,掘ってみようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ahesuye
アヘスイェ 【a-he-suye】 居眠りする. ト ト ヌカㇻ.ウクラン ソモ モコㇿ ペ ネ クス アヘスイェ コㇿ アン=あれあれ見なさい.昨夜眠っていないものだから居眠りしている.→アイスイェ (出典:萱野、方言:沙流)
ahesuypa
アヘスイパ 【a-he-suypa】 居眠りする〔複〕. ウクラン アネピッタ イク ロㇰ イク ロㇰ ウタㇻ アヘスイパ ワ オカ=昨夜,夜通し飲んで飲んでいた人たちみんなで居眠りをしている. (出典:萱野、方言:沙流)
ahun
アフン 【ahun】 入る. ナニ エㇰ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ ア ㇷ゚ アフン ルウェー カ イサㇺ=すぐ来ると言いながら外へ出たのに,入る様子もない.チェㇷ゚コイキ オッタ(オㇿ タ) ヤ オルン アムㇱペ アフン コㇿ ア・シㇼコテ ワ チェㇷ゚ ア・ウㇰ パㇰノ ソモ ア・オピチ ㇷ゚ ネ=サケを獲りに行って網にカニがかかると,紐でカニを繋いでサケが獲れるまで放さないものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
ahuncuppok
アフンチュッポㇰ 【ahun-cup-pok】 西の方,日の入る方.▷アフン=入る チュㇷ゚=日,月 ポㇰ=下 (出典:萱野、方言:沙流)
ahunka
アフンカ 【ahun-ka】 厚司を織る時の横糸,緯(ぬき).▷アフン=入る カ=糸 (出典:萱野、方言:沙流)
ahunkanit
アフンカニッ 【ahun-ka-nit】 横糸を巻く細い棒.▷アフンカ=横糸 ニッ=棒 (出典:萱野、方言:沙流)
ahunke 1
アフンケ 【ahun-ke】 ①(人を)入れる. (出典:萱野、方言:沙流)
ahunke 2
アフンケ 【ahun-ke】 ②(人を)招待する. アㇻパ ワ エ・ウナㇻペヘ アフンケ ワ エㇰ=行ってお前の伯母を招待して来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ahunrasampe
アフンラサンペ 【ahun-rasampe】 アオバズク,ミミズク,フクロウの一種. (出典:萱野、方言:沙流)
ahunrupar
アフンルパㇻ 【ahun-ru-par】 冥土の入り口.▷アフン=入る ル=道 パㇻ=口 "カンカン" セコㇿ ア・イェ ナイ ソ カ タ アフンルパㇻ アン ペ ネ ワ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=「カンカン」という沢の滝の上の方に冥土の入り口があって,私も見たことがある.*二風谷ではカンカン沢を2kmほど登った所の右岸台地にアフンルパㇻがある. (出典:萱野、方言:沙流)
ahunte
アフンテ 【ahun-te】 入れる. (出典:萱野、方言:沙流)
ahunun
アフヌン 【ahun un】 入ったら(誘っている言葉).▷アフン=入る ウン=〜したら "チセ ソイ タ エㇰ ワ ネㇷ゚ カ エ・コピシ ハウェー?" "アフン ルスイ シコㇿ ネ アワ" "ヤクン アフヌン"=「家の前へ来て何かお前に尋ねたの?]「入りたいということだったよ」「それなら入ったら?」 (出典:萱野、方言:沙流)
ahup
アフㇷ゚ 【ahup】 入る〔複〕〔丁寧〕. サㇰ アナㇰネ アパ マッケ ワ アン コㇿ キキㇼ アフㇷ゚ ナ アパ カ プヤㇻ カ アシ ワ アヌ=夏は戸が開いていると虫が入るから.戸も窓も閉めておけ.ソイネ クㇽ カ イサㇺ ナ ホクレ アフㇷ゚ ヤン=お出迎えに出る人もいないので,さあさあお入りなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
ahupkar
アフㇷ゚カㇻ 【ahupkar】 貰う,貰いに行く. トイタ シサㇺ オッタ(オㇿ タ) ア・アフㇷ゚カㇻ ポン マッカチ アン ペ ケㇱト ア・コㇿエウェン シリ ク・ヌカㇻ ケランポㇰウェン(ク・エランポㇰウェン)=畑をしている和人の家に貰われた女の子がいるのに,毎日いじめられているのを見て私は哀れに思っている.オヤコヤㇰタ タスㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ オルㇱペ ア・ヌ イシトマ・アン クス ハル アフㇷ゚カㇻ・アㇱ ワ ハルエカムイノミ・アン ルスイ=あちらこちらで病気が流行したと聞き,恐ろしいので供物を貰い病気の神へあげたい.イヨーハイ シトマレ エ・ヌ アー? アッチェウン オルㇱペ ネ コㇿカ アフㇷ゚カㇻ ワ レス ヤㇰ ア・イェ ポンペ キㇰキㇰ ワ ライケ ヤㇰ ア・イェ=本当にたまげたことだが聞いたかい?よその話だが,貰って育てていた子供を叩いて殺したということだよ.*昭和10年頃には乞食が来るとアイヌたちはイヤフㇷ゚カㇻペ(物を貰いたがる者)と言った.こちらから欲しがることをアフㇷ゚カㇻという. (出典:萱野、方言:沙流)
ahupkare
アフㇷ゚カレ 【ahupkare】 貰いに行かせる. タント エモ タ・アン ワ ルㇷ゚ネ エモ ポロンノ アン シリ ク・ヌカㇻ ア ナ アフㇷ゚カレ.ア・ハㇺネスパ ワ ア・エ ナ=今日ジャガイモ掘りをして大きいジャガイモがたくさんあったのを私は見たから貰いに行かせろ.ゆでて食べるから.→アフㇷ゚カㇻ (出典:萱野、方言:沙流)
ahupkarhekaci
アフㇷ゚カㇻヘカチ 【ahupkar hekaci】 貰い子(男).▷アフㇷ゚カㇻ=貰う,貰っている ヘカチ=少年,男の子 (出典:萱野、方言:沙流)
ahupkarpe
アフㇷ゚カㇻペ 【ahupkar-pe】 貰い子. →アアフㇷ゚カㇻポ (出典:萱野、方言:沙流)
ahupkarpo
アフㇷ゚カㇻポ 【ahupkar-po】 貰った子供.▷アフㇷ゚カㇻ=貰っている ポ=子供 (出典:萱野、方言:沙流)
ahupkarponmatkaci
アフㇷ゚カㇻポンマッカチ 【ahupkar ponmatkaci】 貰い子(女).▷アフㇷ゚カㇻ=貰っている ポンマッカチ=少女,女の子 (出典:萱野、方言:沙流)
ahupte
アフㇷ゚テ 【ahup-te】 入れる〔複〕. アㇷ゚ト アㇱ ノイネ シラン ナ チクニ ポロンノ アフㇷ゚テ ワ アヌ=雨が降りそうだから,薪をたくさん入れておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
aisuye
アイスイェ 【a-i-suye】 居眠り(する).▷ア=座る イ(=ヘ)=自ら スイェ=揺する ク・シンキ ワ カイスイェ(ク・アイスイェ) ヒ ネ アアン=私は疲れて居眠りをしたのでした.→アヘスイェ (出典:萱野、方言:沙流)
ak
アㇰ 【ak】 射る. ペウレクㇽ ネ コㇿカ エアㇻキンネ アㇰ エアㇱカイ ナ コシ ワ アヌ=若い人だが,本当に弓を射るのが上手だから.(彼に)任せておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ak/aki(hi)
アㇰ/アキ(ヒ) 【ak/aki(hi)】 弟. (出典:萱野、方言:沙流)
akam
アカㇺ 【akam】 団子,大型の団子.オントゥレㇷ゚アカㇺ(ウバユリの大型団子)ともいう.ユカㇻの中では,カネアカㇺ(金の大団子,金の円盤)という描写で武器として出て来る[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
aki(hi)
アキ(ヒ) 【/aki(hi)】 (〜の)弟. エ・アキヒ チセ オッタ(オㇿ タ) アン チキ シレン ワ エㇰ!=お前の弟が家にいたら,誘ってこい!タㇷ゚ エㇰ クㇽ アナㇰネ 萱野茂 アキヒ ネ ワ=今来た人は菅野茂の弟だよ.エ・アキヒ チセ オッタ(オㇿ タ) アン チキ シレン ワ エㇰ=お前の弟が家にいたら,誘ってこい. (出典:萱野、方言:沙流)
akihiutar
アキヒウタㇻ 【/akihi-utar】 (〜の)弟たち. (出典:萱野、方言:沙流)
akkari 1
アッカリ 【akkari】 ①追い越す,通過する,通り過ぎる. ク・ニタン ペ ネ クス ホㇱキ アㇻパ ㇷ゚ ク・アッカリ=私は(歩くのが)早いので,先の人を追い越した.ク・シケパセ ㇷ゚ ネ クス,エノㇱ(エン・オㇱ) エㇰ ア ㇷ゚ エン・アッカリ ワ コシㇼムケレ(ク・オシㇼムケレ)=私は荷物が重いものだから,後ろから来た者が私を追い越して.私にはあの者の後ろ姿も見えない.アフン ルスイ クㇽ ネ ノイネ チセ サㇺ タ アㇱ アㇱ カネ イキ ア ㇷ゚ チセ アッカリ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=入りたい人らしく,家の前に立ち止まり立ち止まりしていたが,家を通り過ぎて行ってしまった.メノコポ ウタㇻ ネㇷ゚ ワ アン ペ ウウォミナ ウシウシパ コㇿ ウコイソイタㇰ コーロ(コㇿ) オカ ヒ ク・ヌ コㇿ チセ カッカリ(ク・アッカリ)=娘たちが何をしゃべっているのか,お互いに笑い声をたてながら話し合っているのを,私は聞きながら家の前を通り過ぎてきた. (出典:萱野、方言:沙流)
akkari 2
アッカリ 【akkari】 ②〜以上. アイヌ イタㇰ アニ チクニレ レ ホッ アッカリ ケラマン(ク・エラマン) ワ カン(ク・アン) コㇿカ エソロカンニ パㇰノ フラハ ウェン チクニ イサㇺ ペ ネ=アイヌ語で木の名を60以上知っているけれどもハナヒデ(ミツバウツギ)くらいにおいの悪い木はないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
akkari 3
アッカリ 【akkari】 ③〜より. エナッカリ(エン・アッカリ) キヤンネ ノイネ=私より年上らしい.エネ ポロンノ ピッ エ・コㇿ ペ ナ アッカリ エ・コン(エ・コㇿ) ルスイ ヒ?=こんなにたくさんお前は重り石を持っていて,それより以上も欲しいのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
aknispake
アㇰニㇱパケ 【ak-nispake】 弟殿.▷アㇰ=弟 ニㇱパケ=旦那殿 ア・アㇰニㇱパケ ネイ タ ネ ヤッカ パウェトッコㇿ ハウェ タント ポーヘネ ケラヤㇷ゚(ク・エラヤㇷ゚)=あなたの弟殿がいつもこと雄弁であることを今日なおさら感心した. (出典:萱野、方言:沙流)
akno
アㇰノ 【ak-no】 弓の上手な(者). (出典:萱野、方言:沙流)
aknokur
アㇰノクㇽ 【ak-no kur】 弓の上手な人. (出典:萱野、方言:沙流)
akorka
アコㇿカ 【a korka】 〜けれども,そうであったが. タㇷ゚ テ タ エㇰ ア コㇿカ ナニ ホシピ ア ワ=今ここへ来たけれどもすぐに戻ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
akoykarkunip
アコイカㇻクニㇷ゚ 【a-koykarkunip】 従うもの.▷ア=人(が) コイカㇻ=真似てする クニ=べき ㇷ゚=もの タㇷ゚ ニㇱパ イェ イタㇰ アンコラチ ネ クス ウタㇻ オピッタ ア・コイカㇻクニㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ=今,村おさが言った言葉は正しいので,村人全部それに従うことにしましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
akpe
アㇰペ 【ak-pe】 罠,仕掛け罠.▷アㇰ=弾く ペ=もの ホクレ ホプニ ワ アㇰペ ノンカㇻ ワ エㇰ=早く起きて.罠を見回って来い.*昭和10年頃に,父.貝澤清太郎がイタチの罠をかけ,私に見回りに行かせる時にこのような言葉で早起きをさせたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
akpeante
アㇰペアンテ 【akpe ante】 罠をかける.▷アㇰペ=罠 アンテ=在らせる →置く (出典:萱野、方言:沙流)
akpeimok
アㇰペイモㇰ 【akpe-imok】 罠の餌. イタチ ア・ウㇰ ヒタ イヨッタ ピㇼカ アㇰペイモㇰ アナㇰネ カパㇻコンル チョㇿポㇰ タ オカ チチラ ネ ワー=イタチを獲る時に,一番よい罠の餌は,薄氷の下にいるドジョウだよ. *イタチは昔は北海道にいなかった帰化動物なのでアイヌ語名はない.昭和10年頃にイタチの皮1枚が2円50銭ほどで,米を1斗近く買える値段であった. (出典:萱野、方言:沙流)
akpeyokore
アㇰペヨコレ 【akpe yoko-re】 罠をかける. イタ チョㇿポㇰ タ アㇰペヨコレ ワ アヌ.エルㇺ ヘネ ア・ウㇰ ヤㇰ イモㇰ ネ ア・カㇻ ナ=縁の下に罠をかけておけ.ネズミでも獲れたら,餌に使うから. (出典:萱野、方言:沙流)
aksinot
アㇰシノッ 【ak-sinot】 弓遊び(をする).▷アㇰ=矢を射る シノッ=遊び ポンノ ポロアナクス(ポロ・アン アクス) ア・エカシヒ アㇰシノッ ポン ク アㇰシノッ ポン アイ カㇻ ワ イ・コレ ヒクス,アㇰ シノッ・アン=少し私が大きくなったら,おじいさんが遊びの弓と遊びの矢を作ってくれたので.私は弓遊びをした[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
aksinotpon'ay
アㇰシノッポンアイ 【ak-sinot-pon-ay】 弓遊びの矢.▷アㇰ=矢を射る シノッ=遊び,遊ぶ ポン=小さなアイ=矢 (出典:萱野、方言:沙流)
aksinotponku
アㇰシノッポンク 【ak-sinot-pon-ku】 弓遊び用の小さい弓.▷アㇰ=矢を射る シノッ=遊び,遊ぶ ポン=小さな ク=弓 (出典:萱野、方言:沙流)
aktonoke
アㇰトノケ 【ak-tonoke】 弟殿:実の弟ではないが年下の者への尊敬語.日常生活でも使う場合がある.▷アㇰ=弟 トノケ=殿 ア・アㇰトノケ タント ヒナクン(ヒナㇰ ウン) アㇻパ ワ イサㇺ ルウェ アン?=あなたの弟殿は今日どこへ行ってしまったのですか? (出典:萱野、方言:沙流)
akup
アクㇷ゚ 【akup】 屋根葺き:屋根をカヤなどでおおう. スイ ネイタカ アクㇷ゚ アン セコㇿ ク・イヌ エアㇻキンネ ケラヤㇷ゚(ク・エラヤㇷ゚)=またどこかで屋根葺きをすると聞いて,私は本当に感心した.*アクㇷ゚という言葉はペナコリ村の川上金次郎さんが私に用例のような言葉で問いかけられ覚えたものである. (出典:萱野、方言:沙流)
akuppokunpe
アクㇷ゚ポクンペ 【akup-pok-un-pe】 カヤ屋根を葺く時にカヤの下へ広げる簾,よしず. ▷アクㇷ゚=屋根葺き ポㇰ=下 ウン=入る ペ=物 *アクㇷ゚ポㇰウンペが,声に出す時はアクㇷ゚ポクンペになる.幅が2m,長さ4mほどに編むもので,なるべく太いカヤを選び根本を揃えるので,編み上がった物は自然に扇形になっている.普通の簾は根本を互い違いにするので幅も長さも同じだが,アクㇷ゚ポクンペは扇形に編んだ方が使いやすいものだ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
akusu
アクス 【akusu】 〜したら,〜すると,〜ので. アマメチカッポ ポロンノ アン ウㇱケ ウン セタ ホユプ アクス チカッポ オピッタ キラ ワ イサㇺ=スズメがたくさんいる所ヘ.犬が走ったのでスズメは全部逃げてしまった.タㇷ゚ ク・ソイネ アクス アㇷ゚ト ハウケ ナ.ホクレ ホシピ=今.私が外に出てみたら雨が小降りになっていたよ.早く戻れ.ポンノ ク・ヌ ルスイ ペ アン ワ クス エカシ エウン カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス イク コㇿ アン.ク・イェ エラㇺキッカㇻ ワ ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=少し聞きたいことがあったので,祖父の所へ行くと,飲んでいた.言うのを諦めて逃げて来た.セタ ミㇰ コㇿ エン・ケサンパ ヒクス スマ アニ ク・ピイェカㇻ アクス キラ ワ アㇻパ=犬が吠えながら私を追いかけてきたので,石をぶつけると,逃げて行った.エㇰ アクス=来たので,アㇻパ アクス=行ったので.ホユプ アクス=走ったので.モコㇿ アクス=眠ったので.イペ アクス=食べたので.アㇷ゚ト アㇱ アクス=雨が降ったので. (出典:萱野、方言:沙流)
akutana
アクタナー 【akutana】 感心だなあ. エ・ポンペ オラウン ケㇱト ニナ クス エ・エキㇺネ アクタナー=お前はまだ子供なのに毎日薪を取りに山へ行って感心なことだ. *私の近くに住んでいたチェキノアというおばあさんが私にそう言ってくれたものであった.タㇷ゚ アシㇼノ エㇰ コㇱマッ ソンノ ネㇷ゚キノ シリ アクタナー!=今新しく来た嫁は本当に働くこと,感心したなあ! (出典:萱野、方言:沙流)
am'piri paknoka c=ehaytakar
アㇺピリパㇰノカ チェハイタカㇻ 【am-piri-pakno-ka ci=e-hayta-kar】 爪傷ほどの傷もない. ▷アㇺ=爪 ピリ=傷 パㇰノ=ほど カ=も チ=私たち ェ=それ ハイタ=足りない,ない カㇻ=作る[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
am/ami(hi)
アㇺ/アミ(ヒ) 【am/ami(hi)】 爪. (出典:萱野、方言:沙流)
ama
アマ 【ama】 置く:仕掛け弓を置く時のみ用いる言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
amam
アマㇺ 【amam】 ヒエ,アワ,イナキビなどの穀物. (出典:萱野、方言:沙流)
amamecikappo
アマメチカッポ 【amam-e-cikappo】 スズメ. (出典:萱野、方言:沙流)
amameitanki
アマメイタンキ 【amam-e-itanki】 飯茶碗. (出典:萱野、方言:沙流)
amamnum
アマㇺヌㇺ 【amam-num】 飯粒. アマㇺヌㇺ イテキ ハチレ ノ イペ アニー=飯粒をこぼさないように食べなさいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
amamtaskor
アマㇺタㇱコㇿ 【amam-taskor】 穀物寒波:秋,10月中句過ぎに来る寒さ. タヌクラン クルッペ アン パㇰノ メアン ヒ アナㇰネ アマㇺタㇱコㇿ ネ ナンコㇿ ワ=今夜は霜が降りるかと思うほどの寒さ,これは穀物に実が入るための寒波であろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
amanenpok
アマネンポㇰ 【aman-enpok】 行き桁,アイヌ家屋の東から西の方へ伸びている行き桁. *ユカㇻの中に,アマネンポㇰ アンパカムイィェラナクル シコマレワ(行き桁を支える神が,私を下へ睨みつけて……)とある[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
amappo
アマッポ 【amappo】 仕掛け弓. (出典:萱野、方言:沙流)
amasotki
アマソッキ 【ama-sotki】 寝る寝床,眠る寝台[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
amcayaya
アㇺチャヤヤ 【am-cayaya】 指を広げている. マキㇷ゚ エネ エ・アㇺチャヤヤ ワ エ・アン エ・マヤイケ ヒ?=どうしたの,そのように指を広げているのは,皮癬(ひせん)でもかいたのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
ami(hi)
アミ(ヒ) 【/ami(hi)】 (〜の)爪. エ・アミヒ タンネ ナ トゥイェ ワ アヌー=お前の爪が伸びているから切っておけ.→アㇺ (出典:萱野、方言:沙流)
amiphecawere
アミㇷ゚ヘチャウェレ 【amip hecawere】 着物解し(をする),ほどき物(をする). (出典:萱野、方言:沙流)
amipnumsam
アミㇷ゚ヌㇺサㇺ 【amip numsam】 前衿(まええり). (出典:萱野、方言:沙流)
amipsirka
アミㇷ゚シㇼカ 【amip-sirka】 着物の表. (出典:萱野、方言:沙流)
amipsirpok
アミㇷ゚シㇼポㇰ 【amip sirpok】 着物の裏. (出典:萱野、方言:沙流)
amitannekur
アミタンネクㇽ 【ami-tanne-kur】 ▷アミ=爪 タンネ=長い クㇽ=人、神 ワッカウㇱカムイ イタㇰアンヤッカ チューラッペマㇰ カムイカッケマッ コトゥキアニクキルスイナ アミタンネクㇽ カムイエカシ タパントゥキ コトゥキライェ=水の神と申しましても,瀬を司る神の淑女にこの杯を贈りたいので,川ガニの神,神の翁がこの杯を取り次ぎ……と続けるものであり,川ガニは水の神の取り次ぎ役と思っている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
amituye
アミトゥイェ 【ami-tuye】 爪を切る. (出典:萱野、方言:沙流)
amkamkomomse
アㇺカㇺコモㇺセ 【am-kam-komomse】 泣きわめく:戸と柱の間に指先を挟んで泣きわめく子供のように,悲鳴のような声を出す. マキㇷ゚ エソイネ ヘカチ アㇺカㇺコモㇺセ ハウ アㇱ ナ.ホクレ アㇻパ ワ ヌカㇻ ワ エㇰ=どうしたのか外で子供が泣きわめく声が聞こえる.早く行って見て来い.ク・シユトホ チュニ(チ・ウニ) タ エㇰ フ イク コㇿ アン ミッポ ウタㇻ ウホユッパレ シㇰノ サケ オマ トゥキ ホクㇱテ パ アㇺカㇺコモㇺセ ペコㇿ ハワン コㇿ チャッセテㇰ アㇻパ ワ イサㇺ=私の舅が私の家に来て,酒を飲んでいた.孫たちが走り回り,酒がいっぱい入った杯をひっくり返した.悲鳴のような声を出したが(舅は)舌打ちして行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
amke
アㇺケ 【amke】 脱ぐ,外す. ヒナコㇿ エ・ピロ ハウェアン? ホクレ エ・ミピヒ アㇺケ.ピロ ウㇱケ ク・ヌカㇻ クス ネ ナ=どこを怪我したというのだ.早く着物を脱げ.怪我した所を私が見るから.ホクレ ホㇱキ アㇻパ ワ アパウㇱ タ チカシヒ アㇺケ ワ アヌ.タネ カㇻパ(ク・アㇻパ) クㇱ ネ ナ=早く先に行って戸の心張り棒を外しておけ.今すぐ私も行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
amkere
アㇺケレ 【amke-re】 どかす. ウクラン ルイ レラ アㇱ ワ ペタル オルン チクニ ホラㇰ ワ アン ナ オッカヨ ウタㇻ アㇻパ ワ アㇺケレ ワ イ・コレ=昨夜強い風が吹いて川へ行く道へ木が倒れていたから,男の人たちが行ってどかしてください. (出典:萱野、方言:沙流)
amkir 1
アㇺキㇼ 【amkir】 ①見覚えがある. "タㇷ゚ エㇰ クㇽ エ・アㇺキㇼ クㇽ ネ ルウェー?" "テエータ ク・ヌカㇻ ペ ネ ア ワー"=「今来た人はお前の知っている人かい?」「ずっと前に私が見たことがある者だよ」ヘンパラ ネ ヤー カ コイラ(ク・オイラ) コㇿカ エカナイタ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペコㇿ ク・ヤイヌ=いつだっか忘れたけれど,ずうっと前に見たことがあるような気がする. (出典:萱野、方言:沙流)
amkir 2
アㇺキㇼ 【amkir】 ②〜したものだ. テエータ,ナ ク・ポン ラポㇰ タ アナㇰネ セタ ウォセ コㇿ "パヨカカムイ ホトゥイパ シリ ネ" セコㇿ ネ ワ イシㇺケト タ ア・イワㇰテパ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=ず一っと昔,私が少年時代は犬が遠吠えをすると,「病気の神を呼んでいる」といって,翌日神の国へ送るために殺していたのを私は見たものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
amkirkur
アㇺキㇼクㇽ 【amkir-kur】 知人. トオㇷ゚ エコイカ タ シネ フチ オンネ ヤㇰ ア・イェ アスッタサアナクス(アスッタサ・アン アクス) ア・アㇺキㇼクㇽ カ イサㇺ ペ ネ クス ア・イ・コサッサトゥ ペコㇿ ヤイヌ・アン=ずーっと東の方でひとりの老婆が亡くなったと聞き弔問に行ったが,知った人もいないので,うさんくさい顔で見られたような気がした. (出典:萱野、方言:沙流)
amkosaye
アㇺコサイェ 【am-ko-saye】 爪でつかまえる. カパチㇼ スワヌ ワ エㇰ ヒネ チカㇷ゚ アㇺコサイェ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=ワシが急降下してきて,ニワトリを爪でつかまえて行ってしまった.*ワシかタカかよくわからないが昔はこのようなことはあったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ampari
アンパリ 【ampari】 網針. (出典:萱野、方言:沙流)
ampir
アンピㇼ 【am-pir】 爪傷. タパン ネㇷ゚キ アンピㇼ パㇰノ カ イユニン サㇰノ シペッテㇰ クニ カムイプンキ アン ペ ネ ナ=この仕事中に爪傷ほどの怪我もなく終わりますように神のご守護があるのでありましょう[カムイノミ]. (出典:萱野、方言:沙流)
amras pakno
アㇺラㇱ パㇰノ 【am-ras pakno】 わずか〔比喩〕:爪屑ほどわずか.▷アㇺ=爪 ラㇱ=屑 パㇰノ=ほど タン マタ アナㇰネ アエㇷ゚ ケミアン.アㇺラㇱパㇰノ ポンノ ネ コㇿカ ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナ エ ヤン アニー=今年の冬は食べ物が不足している.爪屑ほどわずかではあるが持って来たので,食べなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
amset
アㇺセッ 【amset】 寝床. シルトゥ アㇺセッ アㇺセッ カ タ アイヨレス(ア・イ・オレス)=移動自在の寝台の上で私は育てられた[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
amso
アㇺソ 【am-so】 床(ゆか). カネ アㇺソ オロ ネ アン ペ ミケ カネ…=金の床,それそのものが光り輝き…[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
amte
アㇺテ 【am-te】 眠らせる,そっと眠らせる. ポンペチㇱコロアンナ ホクレトノンテワ アㇺテ=赤ちゃんが泣いているから,早く乳を飲ませて眠らせろ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
amucici
アムチチ 【amucici】 かっちゃく:北海道方言で,「引っかく」という意味の言葉. イテキ エナムチチ(エン・アムチチ)=私をかっちゃくな.ウェン チャペ カトゥネコ ク・ミッポホ アムチチ ルウェ アン=悪い猫がこんなにもまあひどく私の孫をかっちゃいたものだなあ. (出典:萱野、方言:沙流)
amuspe
アムㇱペ 【am-us-pe】 カニ. チェㇷ゚コイキ オッタ(オㇿ タ) ヤ オルン アムㇱペ アフン コㇿ ア・シㇼコテ ワ チェㇷ゚ ア・ウㇰ パㇰノ ソモ ア・オピチ ㇷ゚ ネ=サケを獲りに行って網にカニがかかると,紐でカニを繋いでサケが獲れるまで放さないものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
an 1
アン 【an】 ①ある,いる. ウクラン チェㇷ゚ヌ・アン ワ ポロンノ チェㇷ゚ アン ナ コㇿ ワ アㇻパ ヤン=昨夜は魚がたくさん獲れて,いっぱい魚があるので,持って行きなさい.オッコー エ・アン ヤー? ヘタ ニナ クス エキㇺネ・アン ロー=おねえさん,いるかい? さあ薪を取りに山へ行こうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
an 2
アン 【an】 ②生まれる. タㇷ゚ アウタ ウヌワㇷ゚テ アン ヘカチ アン ナ ラムシンネ ヤン アニー=今,隣でお産があり,男の子が生まれたので安心してくださいね. (出典:萱野、方言:沙流)
an 3
アン 【an】 ③住む. テエータ タヌㇱケ(タンウㇱケ) タ ヤイコアン フチ アン ペ ネ ア コㇿカ タネ チセ コッ パテㇰ アン=ずっと前にこの場所で独り者のおばあさんが住んでいたものであったが,今は家の跡しかない. (出典:萱野、方言:沙流)
an ayne no
アン アイネ ノ 【an ayne no】 そのまま.あったまま. ア・コㇿ クチャチセ エウン シネ パ カ ソモ アㇻパ・アン ワ ア・エラムイクㇽクㇽ ア コㇿカ アンアイネノ アン ワ ア・エラムシンネ=私の持っている狩小屋へ1年も行かずにいたので気にしていたが,そのままあったので私は安心した[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
an kusu tasi
アン クス タシ 【an kusu tasi】 (〜の)お陰で. ナー アㇻスイネ ク・イェ コㇿカ カキヒ(ク・アキヒ) アンクスタシ ク・シㇰヌ ヒ ネー ネㇰ=もう1度言うけれども,弟がいたお陰で私は生きたんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
an uske
アン ウㇱケ 【an uske】 居場所,いる所. ランマ アンウㇱケ ネ クス オロ タ アㇻパ ワ チョアシロッケ=いつもの居場所なので,そこへ行ってすとんと座った. (出典:萱野、方言:沙流)
an _hi
アン イ 【an i】 いる所. →アンヒ (出典:萱野、方言:沙流)
an __hi kusu
アニクス 【an hikusu】 あるので,いるので,なって. (出典:萱野、方言:沙流)
an __hi ne wa
アニネワ 【an hi ne wa】 あるのだ.▷アン=ある ヒ=の ネ=である ワ=〜(し)て (出典:萱野、方言:沙流)
an __hike
アニケ 【an hike】 あるが. (出典:萱野、方言:沙流)
an __hine
アニネ 【an hine】 〜していて,〜なって. (出典:萱野、方言:沙流)
an __humi pirka
アヌミ ピㇼカ 【an humi pirka】 居心地がよい. タネポ エアシㇼ タン コタン タ ケㇰ(ク・エㇰ) コㇿカ プリ ピㇼカ クㇽ パテㇰ オカ エアㇻキンネ カヌミ(ク・アン フミ) ピㇼカ=今初めてこの村へ来たけれど,根性のいい人ばかりいるので本当に居心地がいい. (出典:萱野、方言:沙流)
an'ohor 1
アンオホㇿ 【an-ohor】 ①長居する.▷アン=いる オホロ=遅い ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ エㇰ コㇿ オラーノ アンオホㇿ ペ ネ クス ア・エイヌピタラ=道路のあちら(西側)のおじさんは来ると長居するのでいやがられる.コㇱネ カムイ ネ コㇿカ エイタサ アンオホㇿ イワㇰ ルスイ ノイネ ク・ウェンタラㇷ゚ ナ ニサッタ ア・イワㇰテ ロー=位の低い神ではあるけれどあまり長くいすぎて帰りたいらしい夢を私はみたので,明日帰すことにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
an'ohor 2
アンオホㇿ 【an-ohor】 ②長患いする. ク・コシマチヒ,タネ オンネ ㇷ゚ ク・ネ ナ ネンカネ オヤモコㇿ ク・キ ノイネ シリキ ヒ タ イテキ エン・モソソ アニー.ネノ ネ ヒ タ ア・モソソ コㇿ アンオホㇿ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ナ=息子の嫁よ,私は年寄りなのでもしも別な眠り方(=死)をしようとしても,私を起こしたりしないでね.そのような時に目を覚まさせると長患いをするものだそうだから. (出典:萱野、方言:沙流)
an=anayne
アナナイネ 【an=an ayne】 いたら.▷アン=いる アン=私 アイネ=ずっとそうしていたところ (出典:萱野、方言:沙流)
an=anayne
アナナイネ 【an=an ayne】 勝手に. アシヌマ カ アナナイネ イキ・アン ヒ カ ソモ ネ.エイタサ ア・イ・コレウェン ヒクス ヤイェイモンタサ・アン ルウェ ウン=私も理由もなく勝手にしたのではないよ.あまりにも粗末に扱われたので,仕返しをしたのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
anak
アナㇰ 【anak】 〜は. タアンペ アナㇰ ク・コㇿ クㇱ ネ ナ イテキ コㇿ ワ アㇻパ=この物は私が持つことにするので,持って行かないで. (出典:萱野、方言:沙流)
anakkikorka
アナッキコㇿカ 【anak ki korka】 けれども.▷アナㇰ=は キ=する コㇿカ=けれども →(そう)はするけれども ニサッタ セコㇿ ク・ヤイヌ アナッキコㇿカ ニサッタ ネ ヤクン ア・オラウキ ナンコㇿ=明日にでもと私は思った.けれども,明日になったら取り逃がすであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
anakne
アナㇰネ 【anakne】 〜は. タンパ アナㇰネ シㇼピㇼカ ワクス ハル アン ルウェ ネ ワ=今年は気候がよかったので,豊作になるんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
anakusu
アナクス 【an akusu】 〜あったら,(〜し)たら,〜と.▷アン=ある アクス=ので (出典:萱野、方言:沙流)
anap
アナㇷ゚ 【an a p】 あったが.▷アン=ある ア=〜(し)た ㇷ゚=のに (出典:萱野、方言:沙流)
anasap
アナサㇷ゚ 【anasap】 しかたない. (出典:萱野、方言:沙流)
anattaraye
アナッタライェ 【anattaraye】 知らなかった,覚えていない,分からなかった. エネポエアシリ アコロエウェンヒ アナッタライェノ オカアン=それほどにいじめられていたことを,私たちは知らないでいた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
anayne
アナイネ 【an ayne】 ずっとずっといる,〜するうちに.▷アン=いる アイネ=ずっと〜して,〜するうちに エネ アナイネ シコラㇻ ルスイ ヒ ソモ ネ ウン=そのままずっとずっといて自らを(婿あるいは嫁として)くれてやりたいのかも知れないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
anayne
アナイネ 【anayne】 理由なく. ホㇱキ ホㇱキ! アナイネ イキ ヒ カ ソモ ネ ナンコㇿ ピㇼカノ コピシ ヤン=待て待て! 理由なく(そう)したのではないかもしれないから,よく問いただしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
anayneno
アナイネノ 【an ayne no】 そのまま. キㇺ タ ユㇰ カㇺ カヌ(ク・アヌ) ヒネ トゥ ト レ ト シラン ワ カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス ピㇼカ ヒネ アナイネノ アン ワ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=山に鹿の肉を置き二日三日過ぎて行ったけれど,幸いにそのままあって私は喜んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
anaysir
アナイシリ 【anay-sir】 死人,死人の霊. ト ト インカㇻ! アナイシㇼ ソモ ネ ウン? ホクレ コタノルン(コタン オㇿ ウン) ホユプ ワ アスラニ ワ エㇰ=あれあれ見てくれ! 死人ではないのかい? 早く村へ走って知らせてこい.*アナイシㇼと体面する場合は,死人に背を向け右手の拳を前へ突き出し肘を屈伸させながら「フㇺ カッポヘアン,フㇺ カッポヘアン フㇺ カッポヘアン(なんだそのざま,その姿)」と何回も言う.この様子は昭和14年頃,貝澤良助という人が二風谷で交通事故で死んだ時に,貝澤ウカタシヌというおばさんがそうしたのを実際に見たものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
anaysirkamuy
アナイシㇼカムイ 【anay-sir kamuy】 死人. (出典:萱野、方言:沙流)
ancami
アンチャミ 【ancami】 アザミ. (出典:萱野、方言:沙流)
ancikar
アンチカㇻ 【ancikar】 夜,晩. ク・イワㇰ クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ ク・レウシ ナ シネ アンチカㇻ エン・レウシレ=帰ろうと思ったが泊まる(ことにした)ので,一晩私を泊めてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
ancikartakne
アンチカㇻタㇰネ 【ancikar takne】 夜短. (出典:萱野、方言:沙流)
ancikartanne
アンチカㇻタンネ 【ancikar tanne】 夜長. (出典:萱野、方言:沙流)
ane
アネ 【ane】 細い. タアン サㇰマ ルウェ ワ ア・レウェ エアイカㇷ゚ ナ ナ ポンノ アネ サㇰマ コㇿ ワ エㇰ=このカヤを押さえる柴は太くて曲げにくいから.もっと細いカヤ押さえの柴を持って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
anekankan
アネカンカン 【ane kankan】 小腸.▷アネ=細い カンカン=腸 タパン ユㇰ チュㇷ゚プス・アン ヤㇰネ アネカンカン ネ ヒケ パㇱクㇽ チロンヌㇷ゚ エイメㇰコレ ヤン=この鹿のはらわたを出したら,小腸の方は烏と狐に分け前としてあげなさい(狩人の心得). (出典:萱野、方言:沙流)
anekut
アネクッ 【ane-kut】 細帯.▷アネ=細い クッ=帯 (出典:萱野、方言:沙流)
anepitta
アネピッタ 【an-epitta】 夜通し. トゥイマ ウㇱケ ワ ア・トクイェコㇿ クㇽ エㇰ ペ ネ クス アネピッタ ウウェネウサㇻ・アン ヒネ シㇼコペケㇾ・アン=遠い所から友人が来たものだから,夜通し四方山話をして夜明かしをしてしまった.ウクラン,アネピッタ イク ロㇰ イク ロㇰ ウタㇻ アヘスイパ ワ オカ=昨夜,夜通し飲んで飲んでいた人たちみんなで居眠りをしている. (出典:萱野、方言:沙流)
anere
アネレ 【ane-re】 細くする,細くしてくれ. タアン イテセカ ルウェナ ナポンノ アネレ アニー=この編み糸は太いので,もう少し細くして.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
anesuwop
アネスウォㇷ゚ 【ane-suwop】 上等の宝をしまう箱.▷アネ=細い スウォㇷ゚=箱 パㇻカ タ アネスウォㇷ゚ シネㇷ゚ アニクス(アン ヒクス) パテㇰ ア・セ ヒネ コタン フナラ クス ペッペㇱ・アン=梁の上に上等の宝をしまう箱があったので,私はそれだけを背負って村を探しに川を下った[ウ].図7[アネスウォㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
anhi
アンヒ 【an-hi】 いる所. ネア ウェンペ アン ヒ ア・エラマン ヒ ネ ヤクン エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ) ク・コチョラウキ ナ=あの悪者のいる所をお前が知っているのなら私に教えてくれ.これから向かって行くから.#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
ani
アニ 【ani】 持つ,携える,抱く(手で). パセ コㇿカ カニ(ク・アニ) ワ カㇻパ(ク・アㇻパ)=重いけれど,私は持って行く. (出典:萱野、方言:沙流)
ani
アニ 【ani】 〜(しなさい)よ,ね.:ハニという場合もある.どちらも同じ意味. アㇻパ アニ=行くんだよ.エ アニ=食べるんだよ.パㇱ アニ=走るんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ani
アニ 【ani】 〜で,でもって,〜から. シプㇱケㇷ゚ トイ オッタ(オㇿ タ) アマメチカッポ ライルピヒ オカ スマ アニ ア・ピイェカㇻ アクス キラ パ ルウェ ネ=イナキビ畑にスズメの群れがいたので,石をぶつけると逃げて行った.シㇼセセㇰ ヒ タ アナㇰネ タアン アワンキ アニ ク・ヤイパㇻパル コㇿ カン(ク・アン) ルウェ ネ ワー=暑い時には.この扇で自分自身をあおぎながらいるんだよ.チョンパ アニ アマㇺ パカリ ワ セ ワ アㇻパ.エイタサ パセ コㇿ エ・シンキ ナ トゥペサン チョンパ パㇰノ ヘネ コㇿ ワ アㇻパ アニ=升で米を計って背負って行け.あまり重いとお前が疲れるので,8升ほどでも持って行けよ. (出典:萱野、方言:沙流)
aniepitta
アニエピッタ 【an hi epitta】 一生. ナー ナー ペウレクㇽ ネ ア ノイネ ク・ラム ア クㇽ アㇻケチライケタスㇺ ネ ハウェ アニエピッタ ヤイェウェン オアシ=まだまだ若い人であったように思っていた人が半分殺された病気(=中風)になってしまったとは,一生不自由な体になってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
anipuntari
アニプンタリ 【ani-puntari】 酌用の片口. アニプンタリ エシモッコクㇽ アンパカネワ イクソウトゥル エシルトゥッケ=酌用片口を小脇に抱えて,宴の座の間を静かに移動した. *普通はエトゥヌㇷ゚(鼻の利く物)というが,ユカㇻの場面には同じ物をアニプンタリと言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
anire
アニレ 【ani-re】 持たせる. ポン コㇿカ オキラㇱヌ ㇷ゚ ネ ナ タアンペ アニレ ワ アㇻパレ=小柄だが力がある者だからこの物を持たせて行かせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ankes
アンケㇱ 【an-kes】 明け方,夜明け前:もう少しで夜が明ける. アンケㇱパキタ=夜明けとともに.ア・トクイェコㇿクㇽ エㇰ ワ オラーノ アンケㇱ パㇰノ ウウェネウサㇻ・アン ヤアニ シㇼコペケㇾ・アン=仲よしの人が来たので明け方まで四方山話をして危なく夜明かしするところだった. (出典:萱野、方言:沙流)
anki
アンキ 【anki】 〜したい,〜しそうだ. フーン フナㇰ ワ エㇰ シオン? イヨマㇷ゚カ.ナ ポン ヤクン ア・ムッ アンキ アン=まあまあどこから来た子供? かわいいこと.もう少し小さいならば首飾りにしたいほど.タパヌㇱケ(タㇷ゚ アン ウㇱケ) アナㇰネ タネ シㇼホルッケ アンキ アン.イヤイキㇷ゚テ イテキ エチ・カランケ クニ ラム ヤン=この場所は今にも地滑りが起きそうだ.危険なので絶対にお前たちは近寄ってはいけない. (出典:萱野、方言:沙流)
ankoraci 1
アンコラチ 【an koraci】 ①本当に,正しい. タㇷ゚ ニㇱパ イェ イタㇰ アンコラチ ネ クス ウタㇻ オピッタ ア・コイカㇻ クニ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ=今,村おさが言った言葉は正しいので,村人全部それに従うことにしましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
ankoraci 2
アンコラチ 【an koraci】 ②その通り,そのまま. エ・ヌカㇻ ペ ネ ヤㇰネ アンコラチ イェ アニ.ソモ エ・イェ ヤㇰネ ア・イ・コラムヌ ナ=お前が見たのならばそのまま言いなさい.お前が言わないと私たちが疑われるよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ankura
アンクラ 【ankura】 畔. ヘマンタ フナラ ㇷ゚ エネ トイ アンクラ タ ホック カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン ルウェ アン=何を探すのにあのように畑の畔で腰をかがめて歩いているものだ.ポロ トイ アンクラ タ イヨㇰペ アン ナ ホユプ ワ アㇻパ コㇿ ワ エㇰ=大きい畑の畔に鎌があるから,走って行って持って来い.エシㇼ パㇰノ トイ アンクラ オッタ(オㇿ タ) シノッ コㇿ アナㇷ゚(アン ア ㇷ゚) ヒナクン(ヒナㇰ ウン) アㇻパ ワ イサㇺ ルウェ アン=先程まで畑の畔に遊んでいたのに,どこへ行っていないのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ankusukeraypo
アンクスケライポ 【an kusu keraypo】 (〜の)お陰で. キㇺ タ ヤアニ カムイ エン・ライケ ヒ タ カキヒ(ク・アキヒ) アンクスケライポ ク・シㇰヌ=山で危なく熊に殺されそうになった時,私の弟がいたお陰で私は生きた. (出典:萱野、方言:沙流)
anna
アンナ 【an na】 〜だから. (出典:萱野、方言:沙流)
annokar
アンノカㇻ 【ar-no-kar】 負かす.▷アンノ(=アㇻノ)=全く カㇻ=作る ウコテㇾケ・アン キロㇿコㇿ・アン ペ ネ クス ア・アンノカㇻ=相撲をして私は力が強いものだから相手を負かした. (出典:萱野、方言:沙流)
annorayke
アンノライケ 【ar-no-rayke】 完全に殺す. ウェンプリ コㇿ ペ ネ クス ア・アンノライケ=悪い風習を持つ者だから完全に殺されてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
annoski
アンノㇱキ 【an-noski】 夜中,真夜中. アンノㇱキ タ ク・ホシピ ㇷ゚ ネ クス スネ カ ウㇱ ワ アン ペ ネ クス ク・シッテㇺライパ ワ スネ ク・カㇻ=夜中に帰って来たものだからともし火も消えていたので,私は手探りでともし火をつけた. (出典:萱野、方言:沙流)
annoyne
アンノイネ 【an noyne】 あるようだ. ウクラン エアウネ カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ トンカ ケトゥン(ク・エトゥン) ヒ ク・イェ アクス ウナㇻペ アン ワ シコㇿ ハウェアン ナ.アㇻパ ワ エトゥン ワ エㇰ=昨夜,私は隣へ行って鍬を借りたいと言ったら,おばさんはあると言っていた.行って借りて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
annuno 1
アンヌノ 【annu no】 ①ただで,無料で. アンヌノ ケウンケライ(ク・エウンケライ)=ただで私は貰った.トゥ ト レ ト ネ ヤㇰ ク・ラム ア ㇷ゚ アンヌノ レ チュㇷ゚ カ ア・エン・ネㇷ゚キレ=二日か三日だろうと思ったのに,ただで3か月も私は仕事をさせられた. (出典:萱野、方言:沙流)
annuno 2
アンヌノ 【annu no】 ②心配なしに. アンヌノ エ・エㇰ ヒ?=心配事でなく来たのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
anokay
アノカイ 【anokay】 私たち. ホクレ ホクレ! フㇱペ ア・パ ヤㇰ ア・イェ ナ.アノカイ カ イトゥラ・アン ワ イカスイ・アン ロー=早く早く!川流れで死んだ鹿が見つかったそうだ.私たちも一緒に行って手伝いましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
anontom ta
アノントㇺ タ 【an-hontom ta】 夜中に. トゥナㇱ ク・ホッケ ア ㇷ゚ アノントㇺ タ ク・モㇱ ワ オラーノ ク・モコㇿ コヤイクㇱ=早くに寝たのに,夜中に目を覚まして,それから眠ることができない.イヨㇱキ ワ ソイ タ モコㇿ ワ アノントㇺ タ モン ワ ウルウルㇰ コㇿ アフン ヒ ウン=酔っ払って外で眠って夜中に目を覚まし,ふるえながら入って来たんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
anotawkikar
アノタウキカㇻ 【a-no-tawki-kar】 斬る(刀で). (出典:萱野、方言:沙流)
anpa
アンパ 【anpa】 持つ〔複〕. パセ ナ ウエㇺコアンパ ワ ホクレ コㇿ ワ アㇻパ=重いからふたりで持って早く持って行け.*軽い物であればアニ(持つ)という. (出典:萱野、方言:沙流)
anpakamuy
アンパカムイ 【anpa-kamuy】 支える神. アシㇼ チセ ア・アシ ワ カムイノミアニタ(カムイノミ・アン ヒ タ) アナㇰネ,"チセパンノキ チセペンノキ アンパカムイ" セコㇿ カムイレ ア・レアリ ㇷ゚ ネ=新しい家を建てて神を祭る時には,「家の下の方の軒,家の上の方の軒支える神」と神の名を言うものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
anpakno
アンパㇰノ 【an pakno】 あるだけ,みんな,全部. タンペ ネノ ケㇺ アン ヒ タ アナㇰネ アエㇷ゚ アンパㇰノ ア・ウコウサライェ ワ ア・エ ㇷ゚ ネ ナ=このように飢饉の時には,食べ物はあるだけをお互いに分けて食べるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
anpatek
アンパテㇰ 【anpa-tek】 さっと持つ. ク・シケヘ パセ ㇷ゚ ネ クス サマ タ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナクス(ク・アン アクス) ペウレクㇽ エㇰ ヒネ アンパテㇰ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=私の荷物が重いものだから側で立っていると,若者が来てさっと持って行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
anpe
アンペ 【an-pe】 本当,真実. アンペ ヘー?=本当かい? (出典:萱野、方言:沙流)
anrakor 1
アンラコㇿ 【an-rakor】 ①クロユリ. (出典:萱野、方言:沙流)
anrakor 2
アンラコㇿ 【an-rakor】 ②石女(うまずめ). アウン コㇱマッ エㇰ ヒ オラ トゥ パ カ レ パ カ ネ ㇷ゚ ソモ ホンコㇿ.アンラコㇿ ソモ ネ ウーン=隣の嫁さんは来てから2年も3年もなるのに,まだおなかが大きくならない.クロユリ(うまずめ)ではないだろうか.アウン コシマッ アンラコㇿ ソモ ネ? エㇰ ワ オラーノ レパ カ シラン ペ ポサㇰ シリ=隣の嫁クロユリ(うまずめ)ではないのかい? 来てからすでに3年にもなるのに,子供を産めない様子は.*クロユリは花がひとつしか咲かないから,そのようにたとえた. (出典:萱野、方言:沙流)
antuki
アントゥキ 【antuki】 小豆. (出典:萱野、方言:沙流)
anu 1
アヌ 【anu】 ①置く,〜(して)おく. アヌ ヤン=置きなさい.タネ タネ オンタロ クチヒ ハチㇼ ワ ウサユン ノイネ アン ナ.イテキ コネ クニネ アプンノ アヌ アニー=今にも今にも樽のたがが外れてばらばらになりそうだ.砕けないように静かに置くのだよ.エ・アミヒ タンネ ナ トゥイェ ワ アヌー=お前の爪が伸びているから,切っておけ, (出典:萱野、方言:沙流)
anu 2
アヌ 【anu】 ②残す. イテキ オピッタ エ ノ ポンノ アヌ.エ・サハ イペ ルスイ コㇿ エㇰ ナンコㇿ ナ=全部食べないで少し残せ.お前の姉が腹をすかせて来るであろうから. (出典:萱野、方言:沙流)
anu anu
アヌ アヌ 【anu anu】 もしもし:アオカ(あなた)に対して. (出典:萱野、方言:沙流)
anun
アヌン 【anun】 他人.よそ者,客. アヌン コㇿ ペ=他人の持ち物.アヌン ウタㇻ=他の地方の仲間,他の地方の同じ民族.ポンノ ホㇱキ ヤン.アヌン アン ワ ア・エヤイシトマ ナ イテキ ウパウレ ヤン=少し待ちなさい.他人がいて恥ずかしいから,言い争いはやめなさい.アヌン アニ(アンヒ) タ アナㇰネ ウウェタㇱタサ・アン コㇿ ア・エヤイシトマㇷ゚ ネ.アヌン イサㇺ ヒ タ アナㇰ ネㇷ゚ ネ ヤッカ イェ ヤン アニー=他人がいる時は意見が違うと恥ずかしいものだ.他人がいない時はなんでも言いなさいね.ソンーノ ウウタリネ ペ オラーノ ウコウェンサンペコㇿパ.アヌン アナㇰネ トモオイタㇰ カ エアイカㇷ゚=本当に親戚なのに仲が悪いものだ.他人には仲直りさせることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
anun itak
アヌン イタㇰ 【anun itak】 他地方の言葉.▷アヌン=他地方(の) イタㇰ=言葉 (出典:萱野、方言:沙流)
anunkur
アヌンクㇽ 【anun-kur】 他から来た人.▷アヌン=他地方(の) クㇽ=お方 アヌンクㇽ ネ ヤッカ イテキ アララ ㇷ゚ ネ ナ.パウェトㇰ コㇿ ペ カ ラメトㇰ コㇿ ペ カ オカ ㇷ゚ ネ ナ=他から来た人であってもなめてはいけないものだよ.雄弁な者も度胸のある者もいるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
anusi
アヌシ 【an usi】 (〜の)家.▷アン=いる,〜の ウシ=所,場所 ニㇱパ アヌシ(アン ウシ) アナㇰネ エソイネ ワノ ア・エラマン ウェンクㇽ チセ アナㇰネ チセ ソイ タ ホカアオㇷ゚ カ イサㇺ ムン ポーカ イサㇺ=物持ちの家は外から見てもわかる.貧乏な家は家の外に薪もないし,ごみすらもない. (出典:萱野、方言:沙流)
anuyesuye
アヌイェスイェ 【anuye-suye】 それを振る,見ただけで爽快になる,爽快. アンラマス アヌイェスイェ=私は爽やかさが好き[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
anwaneyakne
アンワネヤㇰネ 【an wa ne yakne】 そうであるのなら. (出典:萱野、方言:沙流)
anyak
アンヤㇰ 【an yak】 あるなら. ク・クワハ ク・トゥライヌ ア ㇷ゚ アン ヤㇰ ピㇼカ ワ=私の杖が見つからなかったが,あったのならばよかったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
anyakne
アンヤㇰネ 【an yak ne】 あるのなら. (出典:萱野、方言:沙流)
aoka(y)
アオカ(イ) 【aoka(y)】 あなた.→夫を言う言葉として用いられる.▷ア=あなた オカ=居る ニサッタ アオカ カ エキㇺネ・アン ヒー?=明日はあなたも山へ行くのですか? (出典:萱野、方言:沙流)
aokautar
アオカウタㇻ 【aoka utar】 あなたがた. (出典:萱野、方言:沙流)
aokayaykata
アオカヤイカタ 【aoka yaykata】 自分自身で. (出典:萱野、方言:沙流)
ap
アㇷ゚ 【ap】 鈎針. 図8[アㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
ap
アㇷ゚ 【a p】 〜のに,〜だったが.▷ア=〜(し)た ㇷ゚=のに.ものを,が トゥナㇱ ク・ホッケ アㇷ゚ アノントㇺタ ク・モㇱ ワ オラーノ ク・モコㇿ コヤイクㇱ=早くに寝たのに,夜中に目を覚まして,それから眠ることができない.ヌマン シㇼピㇼカ アㇷ゚ タント クンネイワノ ソランソラン ペコㇿ アㇷ゚ト アㇱ ク・ソイネー カ エアイカㇷ゚=昨日はいい天気だったのに,今日は朝から滝のような雨が降って,私は外へ出ることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
apa
アパ 【apa】 浮標(うき). ホクレ ホユプ ワ アㇻパ! アパ レㇾ ワ アン ノイネ.チェㇷ゚ ア・ウㇰ エアㇱカイ ナ=早く走って行け!浮標が沈んているように見える.サケが獲れそうだぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
apa
アパ 【apa】 戸. ク・コㇿ ション ク・スプヤカㇻ ナ,アㇻパ ワ アパ アシ=孫よ,私が煙たいから,行って戸を閉めろ. (出典:萱野、方言:沙流)
apa-teksama ci=tek'uyruke
アパテㇰサマ チテㇰウイルケ 【apa-tek-sama ci=tek-uyruke】 戸の側を私は手で探り,暗い時に入口の戸の所を手探りする. ▷アパ=戸 テㇰサマ=側 チ=それ テㇰ=手 ウイルケ=探る *ユカㇻに出て来る言葉[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
apa/apa(ha)
アパ/アパ(ハ) 【apa/apa(ha)】 親戚,親類,血統. ウアパヌ ㇷ゚ エチ・ネ ナ ウタサロㇱキ コイサㇺノ ウトクイェコㇿ ヤン=お互いに親戚になるのだから,対立することなく仲よくしなさい.アパハウタㇻ=親戚たち. (出典:萱野、方言:沙流)
apaorotpe
アパオロッペ 【apa-or-ot-pe】 戸.カヤで編んだ昔の戸.▷アパ=戸 オㇿ=所 オッ=(に)ある ペ=物 (出典:萱野、方言:沙流)
apaotki
アパオッキ 【apa-ot ki】 戸口簾.*シキナ(ガマ草)とシキ(オニガヤ)で編む.▷アパ=戸 オッ=入る キ=簾 タヌクラン レラ ルイ ペ ネ クス アパオッキ オマウスイェ=今夜は風が強いので,戸の簾が風で揺れる. (出典:萱野、方言:沙流)
apaotpe
アパオッペ 【apa-ot-pe】 簾:戸に掛ける簾. (出典:萱野、方言:沙流)
apapa
アパパ 【apapa】 入り口の向こう側. コタン アパパ タ アユㇱニカムイ ア・ニスㇰ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ カ コタノルン(コタン オルン) アフン ニューケㇱ=村の入り日の向こう側にとげつきの神を頼んで置くと,病気の神も村へ入ることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
apapok
アパポㇰ 【apa-pok】 戸の向こう側,戸口の少し向こうの方.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
apapu
アパプ 【apapu】 注意する. タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ソンノ ソンノ エチ・アパプ ナ.テワノ イテキ パコアッ ノ イキ アニー=今のことでは本当に本当にお前たちに厳重に注意するからね.これからはこのように間違いを起こさないようにしてね. (出典:萱野、方言:沙流)
apapu
アパプ 【apapu】 謝る. ソモ カ エネ イキ・アン クナㇰ ア・ラム ア ㇷ゚ エネ イキ・アン.ソンノ ヤイアパプ ア・キ ナ イテキ エン・コイキ=まさかそうすると思わなかったのにそうしてしまった.本当に私は謝るから,私をいじめないで. (出典:萱野、方言:沙流)
apari
アパリ 【apari】 網針:ラスパ(サビタ)で作る. 図7[アパリ] (出典:萱野、方言:沙流)
apatupatu
アパトゥパトゥ 【apatupatu】 それをごちゃごちゃにする,めちゃくちゃにする[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
apausta
アパウㇱタ 【apa usta】 戸口:板で作った戸をアパウㇱタという. ポロ チセ ネ コㇿカ アパウㇱタ ウェン ペ ネ クス ア・アシ カ エアイカㇷ゚=大きい家であるけれども,戸の立てつけが悪いものたから,閉めることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
ape
アペ 【ape】 火. ク・メライケ ナ ホクレ アペ アリ=私は寒いから早く火を燃やしてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
ape nipek/ape nipeki(hi)
アペ ニペㇰ/アペ ニペキ(ヒ) 【ape-nipek/nipeki(hi)】 火の光. ソモ カ チセ アン クナㇰ ア・ラム ウㇱケ タ チセ アン ヒネ アペニペキ ソユニタラ ヤイレンカネ ヤイェヤントエトゥン・アン=まさかそこに家があると思わなかった所に家があり,火の光が外へもれている.喜んで泊めてもらうことを頼んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
apeari
アペアリ 【ape ari】 火を焚く. ク・メライケ ナ ホクレ アペアリ=私は寒いから早く火を燃やしてくれ.イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) イリ・アン ヒ タ アナㇰネ "イリアペ" シコㇿ ア・イェ アペ ア・アリ ワ イリ・アン ペ ネ=熊送りの時に熊の皮を剥ぐ時は,「皮剥ぎの火」という火を燃やしてから皮剥ぎをするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
apeesinot
アペエシノッ 【ape-e-sinot】 火遊び(をする).▷アペ=火 エ=それで シノッ=遊ぶ (出典:萱野、方言:沙流)
apeetok
アペエトㇰ 【ape-etok】 上座,横座.▷アペ=火 エトㇰ=先 (出典:萱野、方言:沙流)
apeetunpe
アペエトゥンペ 【ape-etun-pe】 蛾:チョウに似た昆虫でおもに夜活動する. ▷アペ=火 エトゥン=借りる ペ=者 *火を借りに来る虫.東京で4年間暮らしたが,夏の間街灯に蛾の1匹も来ないのでびっくりした.東京という大都会は,空気がきれいなのか汚ないのか分からない.飛んで火に入る夏の虫,というよりは,火を借りに来る虫,の方がなんとなく身近に感じられる名前である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
apeewar
アペエワㇻ 【ape-ewar】 火を吹く.口の先をすぼめて燃えない火に強く息を吹きつけて燃やす.▷アペ=火 エワラ=吹く (出典:萱野、方言:沙流)
apehucikamuy
アペフチカムイ 【ape-huci-kamuy】 火の神. エアㇻキンネ パケトゥナㇱ ペ アペフチカムイ ネ ヤㇰ ア・イェ クス イラマンテ エキㇺネ ウシ アペサㇺ タ ソモ ア・イェ ㇷ゚ ネ ナ=とっても告げ口が好きな者が火の神だというので,狩のために山へ行く場所を火の前で言わないものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
apekamuy
アペカムイ 【ape-kamuy】 火の神. (出典:萱野、方言:沙流)
apekes
アペケㇱ 【ape-kes】 薪の燃え尻,燃えさし. アペケㇱ オヤ ウフイ=薪の燃え尻が他へ燃えて行った.アペケㇱ レポライェ=燃え尻を前へ出せ.ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ クンネ ネンカ ア・エン・ウテㇰ ヒ タ アペケㇱ ク・スイェスイェ コㇿ カㇷ゚カㇱ(ク・アㇷ゚カㇱ) アㇺキㇼ ペ ネ ア ワ=私が子供の時は夜お使いに行かされる時は薪の燃え尻を振りながら歩いたことを覚えている.ケケケケ オホイオㇱマ ナ ホシッパ ヤン アペケㇱ カ インネ ナ=あれあれ(話が)深みに入ったよ.戻りなさい.火の燃えさし(=子供)もたくさんいるから.*大人の猥談が露骨になったら聞いていた別の大人がイタㇰマㇰクㇱテ(遠回しな言い方)信号を出す.アペケㇱ(火の燃えさし)とは子供たちのことであり,隠語である. (出典:萱野、方言:沙流)
apekes oka
アペケㇱ オカ 【ape-kes oka】 燃え尻がいる[隠語〕:大人が猥談を言いすぎた時に「子供が聞いているぞ」という意味で使う. (出典:萱野、方言:沙流)
apekes'utur
アペケㇱウトゥㇽ 【ape-kes-utur】 炉尻. オッカイポ アペケㇱ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) エ・ア コㇿ ポン ユㇰ ポカ エ・オラウキ ナ テウン エㇰ ワ ア=若者よ,炉尻に座ると小鹿も獲れないものだから,ここへ来て座れ. (出典:萱野、方言:沙流)
apekeskeso
アペケㇱケソ 【ape-kes kes-o】 斑点がつく(囲炉裏にあぶり,すねや太ももの内側にできる赤い斑点). テエータ アナㇰネ ウナㇻペ ウタㇻ アペクㇽ パ コㇿ ニサピヒ ネ ヤ アペケㇱケソ ワ アン ヒ ク・ヌカㇻ ペ ネ=ずっと昔はおばさんたちが火にあたるとすねなどに斑点がついていたのを見たものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
apekiray
アペキライ 【ape-kiray】 灰かき,灰ならし:カエデのような本質の堅い木を使う.▷アペ=火 キライ=櫛 図9[アペキライ] (出典:萱野、方言:沙流)
apekosesekka
アペコセセッカ 【ape-ko-sesek-ka】 火にあぶる. カリㇷ゚ ア・カㇻ ヒ タ アナㇰネ プンカㇻ ア・アペコセセッカ ワ ア・レウェ コㇿ リテン ペ ネ ワ=つるの輪を作る時はつるを火にあぶって,それを曲げると柔らかくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
apekotuk
アペコトゥㇰ 【ape kotuk】 (何かに)火がつく.▷アペ=火 コトゥㇰ=(に)くっつく,粘着する →火がつく (出典:萱野、方言:沙流)
apekoyompitne
アペコヨンピッネ 【ape-ko-yompitne】 寒さのために火にかじりつく.▷アペ=火 コヨンピッネ=(〜に)しがみつく マキㇷ゚? ソモ エ・オㇺケカㇻ ワ ソモ ネ ウン? エ・メライケ ワ ヘ エ・アペコヨンピッネ シリ アン=どうしたの? もしや風邪でもひいたのではないの? 寒くてか,火にかじりついているのは. (出典:萱野、方言:沙流)
apekur
アペクㇽ 【ape-kur】 火にあたる. タント ポーヘネ メアン.ホクレ アペサムン(アペサㇺ ウン) エㇰ ワ アペクㇽ=今日はなおさら寒い.早く火の前へ来て火にあたれ.テエータ アナㇰネ ウナㇻペ ウタㇻ アペクㇽ パ コㇿ ニサピヒ ネ ヤ アペケㇱケソ ワ アン ヒ ク・ヌカㇻ ペ ネ=ずっと昔はおばさんたちが火にあたるとすねなどに斑点がついていたのを見たものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
apemaw
アペマウ 【ape-maw】 火の熱.▷アペ=火 マウ=熱 イヨーハイ! アペマウ ネノ サパハ マウェ アン ナ ホクレ ナㇺ ワッカ アニ ナㇺテ ヤン=大変だよ!火の熱のように頭に熱があるから,早く冷たい水で冷やしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
apemerimer
アペメリメㇾ 【ape-merimer】 火花が飛び散る. タパンペ ネノ アペメリメㇾ イシㇺネ アナㇰネ ピㇼカ ヤント エㇰ ペ ネ ワー=このように火花が飛び散った翌日はいいお客が来るものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
apemeru
アペメル 【ape-meru】 火の粉.火花. ニサッタ レラ ルイ ヒ エカㇺケ クス ヘ アペメル チャㇰ シリ アン=明日は風が強いことの前兆か,火の粉が飛び散ること. (出典:萱野、方言:沙流)
apemina
アペミナ 【ape-mina】 走り炭.▷アペ=火 ミナ=笑う (出典:萱野、方言:沙流)
apenukarap
アペヌカラㇷ゚ 【ape-nukara-p】 火傷をして火にあたると痛い. ス ポㇷ゚ ワ スプタ クㇰ(ク・ウㇰ) ヒ タ カㇱケペチヒ(ク・アㇱケペチヒ) ポンノ チ ペコㇿ ク・ヤイヌ ア ㇷ゚ チ ア ノイネ アペヌカラㇷ゚ フミー=鍋が煮え立って鍋のふたを取った時に,指に少し火傷したように思ったが,火傷したらしく火にあたると痛いこと. (出典:萱野、方言:沙流)
apenuy
アペヌイ 【ape-nuy】 炎. サッ チクニ ネ ㇷ゚ ネ クス アペ ピㇼカ アペヌイ タネ タネ トゥナ ウㇰ ノイネ.チクニ オヤエタイェ ヤン=乾いた薪なので火がよく燃えて,炎が今にも今にも火棚につきそうだ.薪を後ろへ引っぱりなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
apeoi
アペオイ 【ape-o-i】 囲炉裏,炉.▷アペ=火 オ=入れる イ=場所 (出典:萱野、方言:沙流)
apeopkarus
アペオㇷ゚カルㇱ 【ape-o-p-karus】 サルノコシカケ. (出典:萱野、方言:沙流)
apeoraytek
アペオライテㇰ 【ape-oray-tek】 火が燃え尽きる. (出典:萱野、方言:沙流)
apepasuy
アペパスイ 【ape-pasuy】 火箸:エソㇿカンニ(ミツバウツギ)で作る. ア・コㇿ サポ ネㇷ゚カ アン ペ イェ ルスイ クス アペパスイ ウイナ ヒネ レポウサッ ヤオライパ ヤオウサッ レポライパ…=私の姉,何かを言いたいらしく,火箸を手に持ち炉芯の燠を手元へ寄せ手元の燠を炉芯へ奇せ…[ユ].図10[アペパスイ] (出典:萱野、方言:沙流)
apepirka
アペピㇼカ 【ape pirka】 火がよく燃えている. (出典:萱野、方言:沙流)
apepus
アペプㇱ 【ape-pus】 火がはねる,跳ね炭. (出典:萱野、方言:沙流)
apepusu
アペプス 【ape pusu】 囲炉裏の火を掘り起こす. ク・コㇿ オペㇾ ホプニ ワ アペプス ワ アペアリ.アペ ルイ ヤㇰ ク・ホプニ ナ=孫娘よ,起きて囲炉裏の火を掘り起こし火を焚いてくれ.火が燃えたら私も起きるから. (出典:萱野、方言:沙流)
aperepo
アペレポ 【ape-rep-o】 燃え残りの薪を前へ押しやる:囲炉裏の中に燃やしてある薪が燃えたため,燃え残りの薪を炉の芯へ押し出させること.囲炉裏の中を海に見立て沖と陸にたとえる.▷アペ=火 レㇷ゚=沖 オ=入る →火を沖へ入れる (出典:萱野、方言:沙流)
aperuy
アペルイ 【ape-ruy】 火が燃えている. (出典:萱野、方言:沙流)
apesam
アペサㇺ 【ape-sam】 火の前,炉端. エアㇻキンネ パケトゥナㇱ ペ アペフチカムイ ネ ヤㇰ ア・イェ クス イラマンテ エキㇺネ ウシ アペサㇺ タ ソモ ア・イェ ㇷ゚ ネ ナ=とっても告げ口が好きな者が火の神だというので,狩のために山へ行く場所を火の前で言わないものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
apesotki
アペソッキ 【ape-sotki】 火の寝床,囲炉裏の中. (出典:萱野、方言:沙流)
apesotkikar
アペソッキカㇻ 【ape-sotki-kar】 火の寝床作り(をする). チセ ア・アシ アペソッキカㇻ・アン ヒ タ アナㇰネ アイヌ ニサㇷ゚ ホントㇺ パㇰノ シロウリ・アン エウン ニハㇺ ポン スマ ア・オ カシウン ピヨタ ア・オマレ カシウン アペ ア・アリ ㇷ゚ ネ=家を建て火の寝床を作る時には人間のすねの中ほどの深さに穴を掘り,そこへ木の葉と砂利を入れ,その上へ火山灰を入れてから上へ火を焚くものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
apeuna
アペウナ 【ape-una】 火を埋める:火を埋める時にのみ用いる言葉.▷アペ=火 ウナ=埋める アペウナ・アン ヒ タ アナㇰネ シネンネ ア・ウナ ㇷ゚ ネ.トゥン ア・ネ ワ アペウナ・アン コㇿ シネン エトイ シネン ヤイカオクイマ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカヤン=火を埋める時にはひとりで埋めるものだ.ふたりで火を埋めると,ひとりははげ頭になりひとりは寝小便たれになるものなので,聞いておきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
apeus
アペウㇱ 【ape us】 火が消える.▷アペ=火 ウㇱ=消える (出典:萱野、方言:沙流)
apeusat
アペウサッ 【ape-usat】 火の燠(おき).▷アペ=火 ウサッ=燠 →赤くおこっている火の中の燠 (出典:萱野、方言:沙流)
apeuska
アペウㇱカ 【ape uska】 火を消す.▷アペ=火 ウㇱカ=消す (出典:萱野、方言:沙流)
apeutur_ ta
アペウトゥッ タ 【ape-utur ta】 火尻.炉の入り口に近いほう.▷アペ=火 ウトゥㇽ=木尻座 タ=に (出典:萱野、方言:沙流)
apewen
アペウェン 【ape wen】 火が燃えていない. (出典:萱野、方言:沙流)
apir
アピㇼ 【apir】 (獣の)足跡. カパㇻウパㇱ カ タ イセポ アピㇼ シッチニナニナ ワ アン カ アリアナクス(アリ・アン アクス) シネ イセポ ア・オシコニ=さっと降った雪の上にウサギの足跡がごちゃごちゃあったので罠を掛けたら,ウサギを1匹獲ることができた. (出典:萱野、方言:沙流)
apka
アㇷ゚カ 【apka】 雄鹿. タント ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) ニセㇺピッタ(ニ セㇺピㇼ タ) ク・ヨコ ワ カナクス(ク・アン アクス) モマンペ ネ ヤ アㇷ゚カ ネ ヤ ウオㇱウオㇱ サン ペ ネ クス ポロンノ スマウェヘ ク・コㇿ=今日山へ行って木の陰に待ち構えていると,雌鹿や雄鹿が次から次と出て来たので,たくさんの猟があった. (出典:萱野、方言:沙流)
apkas
アㇷ゚カㇱ 【apkas】 歩く. アㇷ゚カㇱ カトゥン=歩くふり.アㇷ゚カㇱ エシニューカ=歩き飽きる.アㇷ゚カㇱ ヌクリ=歩けない.ヘマンタ フナラ ㇷ゚ エネ トイ アンクラ タ ホック カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン ルウェ アン?=何を探すのに,あのように畑の畔で腰をかがめて歩いているものだ? (出典:萱野、方言:沙流)
aponko
アポンコ 【a-pon-ko】 少なからず. フーン ケミアンペ エネ アポンコ エン・カオセ シーノ ク・ヤイライケ=あーあ珍しい物,これほど少なからず私にみやげとして持って来てくださって,本当にありがたい. (出典:萱野、方言:沙流)
appene
アッペネ 【appene】 下手くそだ,下手くそな(である). パッ(パㇻ) タクㇷ゚ イヨアットゥイェ(イ・オアットゥイェ) ワ ネ ㇷ゚ ア・カレ ヤッカ エアッペネ ㇷ゚ ネ=口ばかりは私を斬るほど達者なくせに,何を作らせても下手くそな者だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
appenep
アッペネㇷ゚ 【appene-p】 不器用者.▷アッペネ=不器用な ㇷ゚=者 アッペネㇷ゚ アナㇰネ ネ ㇷ゚ ア・カレ ヤッカ エアイカㇷ゚=不器用者は何をやらせても下手だ. (出典:萱野、方言:沙流)
apsekor
アㇷ゚セコㇿ 【ap sekor】 〜と思ったら. イヨㇱキパ ㇷ゚ ネ クス ウヘコテノ オカ ワ ウコホノイセパ ネン ア・イェ ヤッカ ウェナㇷ゚(ウェン ア ㇷ゚).エウン ナ シネン エㇰ アㇷ゚ セコㇿ オマカアㇻパレ ウコテㇾケパ=酔っ払っているものだから,互いに顔を見合わせいがみあい誰が何を言ってもだめだった.そこへもうひとり来たと思ったら,(いっそう)こじらせて取っ組み合いになった. (出典:萱野、方言:沙流)
apto
アㇷ゚ト 【apto】 雨. アㇷ゚ト アㇱ ノイネ=雨が降りそうだ.トオトオ アㇷ゚ト アㇱ シリ イキ ナ.アサッケ ㇷ゚ ア・アフㇷ゚テ クス ネ ナ エン・カスイ=あれあれ,雨が降ってきている様子だ.干し物を入れるので,私を手伝ってくれ.ヌマン シㇼピㇼカ ア ㇷ゚ タント クンネイワノ ソランソラン ペコㇿ アㇷ゚ト アㇱ ク・ソイネー カ エアイカㇷ゚=昨日はいい天気だったのに,今日は朝から滝のような雨が降って,私は外へ出ることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
aptoas
アㇷ゚トアㇱ 【apto as】 雨降り. (出典:萱野、方言:沙流)
aptohawke
アㇷ゚トハウケ 【apto hawke】 雨が小降りである.▷アㇷ゚ト=雨 ハウケ=弱い タㇷ゚ ク・ソイネ アクス アㇷ゚ト ハウケ ナ ホクレ ホシピ=今,私が外に出てみたら雨が小降りになっているから,早く戻れ. (出典:萱野、方言:沙流)
aptoruy
アㇷ゚トルイ 【apto-ruy】 大雨(である).▷アㇷ゚ト=雨 ルイ=激しい,強い,ひどい (出典:萱野、方言:沙流)
aptoruyanpe
アㇷ゚トルヤンペ 【apto-ruy-an-pe】 嵐.暴風雨.▷アㇷ゚ト=雨 ルイ=激しい アン=ある ペ=もの (出典:萱野、方言:沙流)
aptotumas
アㇷ゚トトゥマㇱ 【apto tum-as】 雨の中.▷アㇷ゚ト=雨 トゥㇺアㇱ=中 ソンノ エアシㇼ エネアン アㇷ゚トトゥマㇱ タ エ・ペコチリㇼ カネ エ・テイネ ワ フナㇰ ワ エ・エㇰ シリ エネ エ・アン?=本当に全くこのような雨の中で身体から氷滴が落ちるほど濡れて,どこから来てその姿をしているの?ホッノ イヨーハイ! アㇷ゚トトゥマㇱ エ・アㇷ゚カㇱ エ・ペッチネ シリ ネンカネ エ・オㇺケカㇻ ヘネ キ=まあまああきれた! 雨の中をお前は歩いてびしょ濡れになって,もしものこと風邪でもひくのではないか. (出典:萱野、方言:沙流)
aptotumta
アㇷ゚トトゥㇺタ 【apto tum ta】 雨の中.▷アㇷ゚ト=雨 トゥㇺ タ=中に ヘマンタネ アㇷ゚トトゥㇺタ エ・エㇰ シリ アーン?=何しに雨の中をお前は来たの? (出典:萱野、方言:沙流)
aptotuy
アㇷ゚トトゥイ 【apto tuy】 雨が止む.▷アㇷ゚ト=雨 トゥイ=切れる (出典:萱野、方言:沙流)
apu
アプ 【apu】 流氷. アプ コネ=流氷が砕ける.タネ アプ ピㇼカ ノイネ シラン(シㇼ アン) クス ニサッタ アプコレパ・アン ロー=もうこれで流氷がいい(=堅い)らしいので,明日は流氷の上へ漁に行こう.*私は山のアイヌなので流氷を知らず,海の話は得手ではないが.アプ,アプコネなどという言葉はウウェペケレ(昔話)の中で聞き覚えた. (出典:萱野、方言:沙流)
apukki
アプッキ 【apukki】 簾,よしず. タント ア・ウㇰ ソㇿマ ホクレ チレ ワ アプッキ カ タ サッケ アニー=今日採ってきたゼンマイを早くゆがいて,簾の上で乾かしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
apukorepa
アプコレパ 【apu-ko-repa】 流氷の上へ出て漁をする.▷アプ=流氷 コ=に レパ=漁をする タネ アプ ピㇼカ ノイネ シラン(シㇼ アン) クス ニサッタ アプコレパ・アン ロー=もうこれで流氷がいい(=堅い)らしいので.明日は流氷の上へ漁に行こう. (出典:萱野、方言:沙流)
apunno
アプンノ 【apun no】 静かに,気をつけて. ヘカチ モコㇿ ワ アン ナ イテキ ハウコㇿノ アプンノ オカ ヤン=子供が眠っているから,声を出さないで静かにしていてください.ア・スチヒ オンネ ルスイ ワ ネ ノイネ イペ カ ソモ キ ノ モコㇿ ワ パテㇰ アン.アプンノ イカフイェ・アン コㇿ アナン(アン・アン)=私のおばあさんは死ぬのが近くなったのか,食べ物も食べずに眠ってばかりいる.静かにおばあさんの看病を私はしている.ソンノ ソンノ ペワンペ ネ ナ アプンノ コㇿ ワ アㇻパ=本当に本当に壊れそうな物なので,静かに持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
apunno oka (yan)
アプンノ オカ (ヤン) 【apunno oka (yan)】 さよなら(残る人に対して).▷アプンノ=静かに,無事で オカ=いる ヤン=なさい (出典:萱野、方言:沙流)
apunno paye yan
アプンノ パイェ ヤン 【apunno paye yan】 さよなら(行く人に対して).▷アプンノ=静かに,無事で パイェ=行く ヤン=なさい (出典:萱野、方言:沙流)
apunno sini (yan)
アプンノ シニ (ヤン) 【apunno sini (yan)】 おやすみなさい.▷アプンノ=静かに,無事で. シニ=休む ヤン=なさい (出典:萱野、方言:沙流)
ar
アㇻ 【ar】 全く. ソンノ アㇻ ウェン カムイ ネ ハウェ ネ ナ イテキ エカランケ ヤン=本当に全く悪い神だと言うことだから,近寄らないようにしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
ar
アㇻ 【ar】 片,半分. (出典:萱野、方言:沙流)
ar'ekuskonna
アㇻエクㇱコンナ 【ar-ekuskonna】 突然に. イヨーハイ! アイヌイカラㇱ イサㇺ ハウェ アㇻエクㇱコンナ ク・ヌ ㇷ゚ ネ クス コアシッチュー(ク・オアシッチュー) パㇰノ ク・ラムトゥイ=ああ大変!もったいない人が亡くなったということを突然に聞いたので,私は尻もちをつくほど驚いた.#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
ar'ustekka
アㇻウㇱテッカ 【ar-ustek-ka】 皆殺しにする,絶滅させる. トパットゥミ エㇰ ワ ピスン コタン アㇻウㇱテッカ ヤㇰ ア・イェ=夜盗が来て浜の村を全滅させたそうだ.#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
arara
アララ 【arara】 (人を)なめる,みくびる. アヌンクㇽ ネ ヤッカ イテキ アララ ㇷ゚ ネ ナ.パウェトㇰ コㇿ ペ カ ラメトㇰ コㇿ ペ カ オカ ㇷ゚ ネ ナ=他から来た人であってもなめてはいけないものだよ.雄弁な者も度胸のある者もいるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
araskay
アラㇱカイ 【ar-askay】 身軽(だ).▷アㇻ=全く アㇱカイ=できる マキㇷ゚ アラㇱカイノ エ・エㇰ?=どうしたの身軽にして来て?(今まで子供を負っていたのに背中に子供がいない場合)ルㇱカレ ウン アラㇱカイノ エ・エㇰ シリ.タネ ウウェライニンネ エ・オケレ シリ ヘー?=よかったね,身軽な様子でお前が来て.今は子育ても終わったのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
arawanpe
アㇻワンペ 【arawan-pe】 七つ. (出典:萱野、方言:沙流)
are
アレ 【a-re】 座らせる. エ・コㇿ フチ ソイ タ エパㇱカンタラ ワ アㇱ ワ アン ナ トゥラ ワ エㇰ ワ アペ サㇺ タ アレ=お前のおばあちゃんが外で気抜けしたように立っているから,連れて来て火の側に座らせろ.オッカヨ アナㇰネ アペケㇱ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) アコㇿ ポン ユㇰ パテㇰ ウㇰ ペ ネ クス イテキ ア・アレ ㇷ゚ ネ=男は火尻の下座へ座ると小鹿しか獲れなくなるから,そこへ座らせるものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
arekuskonna
アレクㇱコンナ 【ar-ekuskonna】 全く急に. トオ トオ ウカ カ タ ユㇰ ラオㇱマ コㇿ アン ナ セコㇿ アレクㇱコンナ ア・エン・シレン ホユプ・アン=あれあれ堅雪の上で鹿がぬかっていると突然に誘われたので私は走った.#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
ari
アリ 【ari】 焚く. エ・オナハ イペルスイ コㇿ イワㇰ ナンコㇿ ナ ホクレ アペ アリ.ク・スケ クスネ ナ=お前の父が腹をすかせて帰ってくるだろうから早く火を焚け.私が煮炊きをするから. (出典:萱野、方言:沙流)
ari 1
アリ 【ari】 ①置く,〜しておく. サッ チクニ ポロンノ タ ワ アリ アニ ニサッタ ク・セ クス ケㇰ(ク・エㇰ) ナ=乾いた薪をたくさん取っておいてよ,明日背負いに来るから. (出典:萱野、方言:沙流)
ari 2
アリ 【ari】 ②残す. ポロンノ チェㇷ゚ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ パㇱクㇽ イメㇰ ネ ア・アリ ㇷ゚ ネ ナ=たくさん魚を獲った時は烏の分として残すものだよ.→アヌ (出典:萱野、方言:沙流)
ari koraci
アリコラチ 【an-hi-koraci】 前と同じ,以前と変わらず,全く変わらない. ▷アンヒ=あった コラチ=同じ *アンヒコラチがアリコラチになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
arikiki
アリキキ 【arikiki】 働く,努力する,よく働く,頑張る. ク・ポホ タㇷ゚ イキ メノコポ エアㇻキンネ アリキキ ㇷ゚ ネ ナ エトゥン ワ インカㇻ=息子よ,今の娘はとても働くから口をかけて(嫁に貰って)みろ.ソンノ エ・アリキキ ㇷ゚ ネ クス エネ ポロ トイ エ・キナカㇻ オケレ.エエパキタ ヘマンタ エ・カㇻ=本当にお前は働くものだからこんなに広い畑の草取りを終えた.その次に何をする.トゥナㇱ ノ コケレ(ク・オケレ) クナㇰ ク・ラム ワ カリキキ(ク・アリキキ) ア コㇿカ コシㇼコクンネ(ク・オシㇼコクンネ)=早く終わらせようと思って頑張ったけれども,暗くなってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
arikikino
アリキキノ 【arikiki no】 一生懸命. (出典:萱野、方言:沙流)
arikikinop
アリキキノㇷ゚ 【arikiki-no-p】 働き者. アウン ウタㇻ アナㇰネ ウオナコㇿ ワ アリキキノㇷ゚ ネ クス イペ カ イミ カ ソモ エイㇱラㇺネ=隣の人たちは親子で一生懸命働く者なので,食うことにも着ることにも不自由しない. (出典:萱野、方言:沙流)
aripakno
アリパㇰノ 【ari-pak no】 ここまで,それぐらい. タヌクラン アナㇰネ ク・コㇿ ウウェペケㇾ アリパㇰノ=今夜は私の昔話はここまで. (出典:萱野、方言:沙流)
aripekunne
アリペクンネ 【ar-ipe-kunne】 小刀. レタㇻ チロンヌㇷ゚ ア・ネ アリペクンネ オㇱマケタ ヌイナㇰ・アン=私は白狐で小さい刃物の後ろへ隠れた[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
aritak
アリタㇰ 【ar-itak】 ひと言.▷アㇻ=それ イタㇰ=言う,しゃべる (出典:萱野、方言:沙流)
aritak cinki a=koturaynu
アリタㇰチンキ アコトゥライヌ 【ar-itak-cinki a=ko-turaynu】 遺言をしないで死んだ,遺言なし.ひと言の言葉の裾も見つけない. ▷アㇻ=ひとつ,それ イタㇰ=言葉 チンキ=裾 ア=それ コ=~に トゥライヌ=見つけない *アイヌ社会では老人は遺言しておかなければ,軽蔑されるものである.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
aritaomap
アリタオマㇷ゚ 【ar-ita-oma-p】 板付け船. モㇱアナクス(モㇱ・アン アクス) アリタオマㇷ゚ オンナイケ タ アナン(アン・アン).オヤチキ チㇷ゚ オㇿ アイヨマレ(ア・イ・オマレ) ワ ア・イ・モㇺカ ヒネ アアン=目を覚ましたら板付け船の中であった.知らなかったが船に入れられ流されたのであった[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
arka
アㇻカ 【arka】 痛い,痛む,病める. ハイー ク・ミマキ アㇻカ フミー=あーあ歯が痛むよー.イポカㇱ ペ アナㇰネ "アㇻカ イポカㇱ" セコㇿ カ ア・イェ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=器量の悪い者を称して「痛いほどに器量が悪い]とも言うものだそうだ.*長野ちえ子さんから聞かされた. (出典:萱野、方言:沙流)
arkai
アㇻカイ 【arka-i】 痛い所. マキㇷ゚ エ・イポロ ウェン ルウェ アン ヒナコロホ アㇻカイ アン=どうしたの顔色が悪いこと,痛い所はどこなの? (出典:萱野、方言:沙流)
arkare
アㇻカレ 【arka-re】 痛くする. マキㇷ゚ ヘカッタㇻ チㇱ ハウ アㇱ.ネンカネ ネオロカ アㇻカレ ヒ ソモ ネ ヤ アㇻパ ワ インカㇻ=どうしたの,子供らの泣き声がする.もしやのことどこか痛くしたのではないか,行って見ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
arke ci=yasa arke ci=ponte
アㇻケ チヤサ アㇻケ チポンテ 【arke ci=yasa arke ci=ponte】 瓜ふたつだ〔比喩〕. フウーン ピㇼカ ポンペ オナハ コヘライェ ルウェ.タンペ ア・イェ ヒ "アㇻケチヤサアㇻチポンテ ㇷ゚" コラーチ ネ=あーあ,かわいい子供だ,父親にそっくりだこと.これのことを「半分裂いて半分小さくした者(=瓜ふたつ)」というのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
arke/arke(he)
アㇻケ/アㇻケ(ヘ) 【arke/arke(he)】 半分(片方の部分),片方. シト アㇻケ=団子の半分.ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) "ウウェアイヌトノ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ナヌフ アㇻケ クンネ ㇷ゚ ネー" セコㇿ ネ ア ワ=昔話の中では「人食い人種殿は顔の半分が黒いものだ」と言われるものであったよ.ク・ケリヒ アㇻケヘ イネー?=私の履物の片方はどうしたか?ク・ケリヒ テタ ウウェトゥレンノ カヌ(ク・アヌ) ア ㇷ゚ アㇻケヘ イサㇺ.ネンカネ セタ ヘネ エクパ ルウェ ソモ ネ ヤー?=私の層物をここへ対にして置いたのに片方がない.もしや犬がくわえたのではないだろうか? *昔の履物は鹿の皮などで作られたから,しばしば犬に持って行かれた. (出典:萱野、方言:沙流)
arkeci=rayketasum
アㇻケチライケタスㇺ 【arke ci=rayke tasum】 中風.▷アㇻケ=半分 チ=それ ライケ=殺す タスㇺ=病気 ナー ナー ペウレクㇽ ネ ア ノイネ ク・ラム ア クㇽ アㇻケチライケタスㇺ ネ ハウェ アニエピッタ ヤイェウェン(ヤイ・エウェン) オアシ=まだまだ若い人であったように思っていた人が半年殺された病気(=中風)になってしまったとは,一生不自由な体になってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
arki
アㇻキ 【arki】 来る〔複〕. タネ タネ エキㇺネ ウタㇻ イワㇰ ワ アㇻキ ナ ホクレ イペエトコイキ=もう今にも山へ行っていた人たちが帰って来るので,早く食事の用意をしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
arkotan
アㇻコタン 【ar-kotan】 よその村. アㇻコタン タ カㇻパ(ク・アㇻパ) ヒネ ル ウウェコホピ ウㇱケ タ カㇱ(ク・アㇱ) カネ ワ コタン レ ク・イェ ヒ ネ ク・ウウェペケンヌ アクス エネ エネ アㇻパ アニ ア・イ・イェパカㇱヌ=よその村ヘ私は行き,道の分かれる所で立ち止まって村の名前を言って尋ねると,こうこう行くのだと私に教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
arkuwanno
アㇻクワンノ 【ar kuwan no】 真っ直ぐに. イレスカムイ イェ ㇷ゚ エ・ヌ ワ アㇻクワンノ シンリッモシㇼ エ・コアㇻパ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ=火の神の言うことを聞いて,真っ直ぐにあなたは先祖の国へ行くのだよ(引導渡しの言葉に出て来る). (出典:萱野、方言:沙流)
aroatusa
アロアトゥサ 【ar-o-atusa】 素裸(だ). ポンペ アロアトゥサ ワ ホユプ コㇿ アン ナ.キㇱマ ワ イミレ=子供が素裸で走っているぞ.つかまえて着物を着せろ. (出典:萱野、方言:沙流)
arokamkinno
アロカㇺキンノ 【ar-okamkir-no】 わざと. ウェン サンペ コㇿ ペ アナㇰネ ニㇱパ オッタ(オㇿ タ) イク オカ アン コㇿ アロカㇺキンノ ウコイキ ペコㇿ イキ パ ワ トゥキ ネ ヤ オッチケ ネ ヤ ウカエコネレ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=精神の悪い者は物持ちの家で酒を飲み終わった後で,わざとけんかの真似をして杯とかお膳を壊すものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
arokere
アロケレ 【ar-okere】 終了する. (出典:萱野、方言:沙流)
aronuman
アロヌマン 【ar-onuman】 日暮れ,夕方. ヘカッタラー アロヌマン パㇰノ ソイ タ シノッ・アン コㇿ ウェンカムイ エㇰ ワ ア・シトマ ㇷ゚ ネ ナ ホクレ エチ・ウニ ウン ホシッパ ホシッパ=子供たちよ,日暮れまで外で遊ぶと化け物が来て恐ろしいものだから,早くお前たちの家へ戻れ戻れ. (出典:萱野、方言:沙流)
aronumannociw
アロヌマンノチウ 【ar-onuman-nociw】 宵の明星. (出典:萱野、方言:沙流)
aroramposo
アロランポソ 【ar-o-ram-poso】 驚く.▷アㇻ=全く オ=そこで ラㇺ=思い ポソ=潜る →思いが抜けてしまう タネ ホッケ・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アナナクス(アン・アン アクス) ヘパㇱ ペウタンケ ハウ ア・ヌ.アロランポソアニネ(アロランポソ・アン ヒネ) ソヨテㇾケアナクス(ソヨテㇾケ・アン アクス) シㇼウフイ ネ ノイネ ポロ アペ ニペㇰ ア・ヌカㇻ=さて寝ようかな思っていると,下の方へ危急を知らせる叫び声が聞こえた.驚いて外へ飛び出ると,火事らしく大きい火の光が見えた.ア・ユピヒ トゥラノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニセンピㇼ ワ シネ ハイカンヌㇷ゚ ピッコサヌ ア・ユピヒ カシ カムテㇰ.アロランポソ・アン コㇿ ネ ワ アン ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ ア・シㇼコオッケ ア・ユピヒ カシ ア・オピューキ=私は兄と山へ行ったら木の陰から中ぐらいの熊が飛び出して私の兄におおいかぶさった.私は驚きながらその熊を槍で突き刺し,兄を助けた[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
aroramunno
アロラムンノ 【aroramun no】 用事なし. ネㇷ゚カ ア・エラナㇰペ アン ワ エ・エㇰ ルウェ ソモ ネ ヤー? アロラムンノ エ・エㇰ ヒ ネ ヤクン ピㇼカ ワー=何か心配事があって来たのではないかい? 用事がなく来たのならいいけれども. (出典:萱野、方言:沙流)
arorkisne
アロㇿキㇱネ 【arorkisne】 こっそりと.そっと,秘密に. コナハ(ク・オナハ) エアㇻキンネ イペウナラ ㇷ゚ ネ ユㇰ カㇺ ポンノ ネ コㇿカ アロㇿキㇱネ ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナ イテキ ネンカ エレ ノ シネンネ エ アニ=私の父は本当に食い根性の悪い者で,(父に隠れて)鹿の肉を少しだがこっそり持って来たので,誰にも食べさせないでひとりで食べてね. (出典:萱野、方言:沙流)
arpa
アㇻパ 【arpa】 行く,発つ(出発する). ホㇱキ カㇻパ(ク・アㇻパ)=先に私が行く. (出典:萱野、方言:沙流)
arpaeyaytupa
アㇻパエヤイトゥパ 【arpa eyaytupa】 行きたがる.行きたい行きたいと言う. ネユン ア・イェ ヤッカ アㇻパエヤイトゥパ ハウェ ネ ヤクン マㇰ ア・イェ ハウェ.アㇻパレ アㇻパレ=どのように言っても行きたがるのなら言いようもない.行かせろ行かせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
arpahiepitta
アㇻパヒエピッタ 【arpa hi epitta】 徹頭徹尾.▷アㇻパ=行く ヒ=それ エピッタ=すべて イヨーハイ オウェヌシ ㇷ゚ アナㇰネ アㇻパ ヒ エピッタ オロチクㇱ イサㇺ カネ ウェンクㇽ ネ=まあ本当かい,運の悪い者は徹頭徹尾少しの道も開けずに悪くなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
arpare
アㇻパレ 【arpa-re】 行かせる. チㇱ コㇿ ポカ アㇻパ ルスイ ヒネ ヤクン アㇻパレ=泣きながらでも行きたいのならば行かせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
arsarus
アㇻサルㇱ 【ar-sar-us】 猿.▷アㇻ=半分 サㇻ=尾 ウㇱ=ついている (出典:萱野、方言:沙流)
arserke
アㇻセㇾケ 【ar-serke】 半数. アイヌ アㇻセㇾケ=人の半数. (出典:萱野、方言:沙流)
arsinennepo
アㇻシネンネポ 【ar-sinenne-po】 ひとりで.▷アㇻ=全く,たった シネンネ=ひとりで ポ=指小辞 (出典:萱野、方言:沙流)
arso(ke)
アㇻソ(ケ) 【arso(ke)】 囲炉裏を挟んで反対側.▷アㇻ=もう一方の,反対側の ソ=座 ケ=の所 ア・マチヒ アナㇰネ エアㇻキンネ イカㇻカㇻ エアㇱカイ ケㇱト アン コㇿ イカㇻカㇻ コㇿ アン アㇻソケ タ アシヌマ アナㇰネ イヌイェ・アン コㇿ アナン(アン・アン)=私の妻は本当に刺繍が上手で,毎日毎日刺繍をしており,囲炉裏を挟んで私は彫り物をしている[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
arsuy
アㇻスイ 【ar-suy】 1回,1度.▷アㇻ=1 スイ=度,回 ペッ サㇺ パㇰノ ク・シケヘ ク・セッセアチュー ナ アㇻスイネ エン・カスイ=川辺まで私の荷物を背負って運ぶので,1回私を手伝ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
arsuy an __hi ta
アㇻスイ アニタ 【ar-suy an hi ta】 ある日,いつであったか. エㇰ カ エラムㇱカリ クㇽ アㇻスイアニタ エㇰ ヒネ イチェン エン・コソウㇰ ルスイ ヤㇰ イェ=来たことのない人がある日来て,私にお金を借りたいと言った. (出典:萱野、方言:沙流)
arsuyne
アㇻスイネ 【ar-suy ne】 1回,1度. オッコー オッコー アㇻスイネ エン・ラㇺエイキ ワ エン・コレ=ちょっとお姉さんお姉さん,1回私の言うことを聞いてくれ."コシンプ" セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ アイヌ ナンカ ソモ コㇿ ペ ネ ワ アㇻスイネ カ ヌカㇻ パ ㇷ゚ アナㇰネ ソモ オイラ パ ワ コヘムイムイェ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=「妖精」というものは,人間の顔とは別の顔を持っている者であって,1回でも見た者はそれを忘れることができず,それによって病床に伏すものと言われている. (出典:萱野、方言:沙流)
artaktakse
アㇻタㇰタㇰセ 【ar-tak-tak-se】 まんまるの(球).▷アㇻ=全く タㇰタㇰセ=まるい (出典:萱野、方言:沙流)
arukarari
アルカラリ 【ar-ka-rari】 次から次と,続々と,ひっきりなしに. ▷アㇻ=それ カ=上 ラリ=詰める *アㇻカラリがアルカラリになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
arukesanpa
アルケサンパ 【ar-u-kes-anpa】 追いかけ合う,追いかけっこ(する).▷アㇻ=全く ウ=互い(の) ケㇱ=端(を) アンパ=手に持つ ク・ミッポウタㇻ チセ オッタ(オㇿ タ) アルケサンパ パ ア・エラムホプニニ ワ ランプイ カ ア・サㇰ=私の孫たちが家の中で追いかけ合って落ち着かず,考える穴もない.ヤント アン コㇿ ポーヘネ ヘカッタㇻ ソイ タ ソイネ カ ソモ キ パ ノ チセ オッタ(オㇿ タ) アルケサンパ パ=客がいるとなおさら子供たちは外へ出ることもせずに,家の中で追いかけっこをしている. (出典:萱野、方言:沙流)
arupakpe
アルパㇰペ 【ar-u-pak-pe】 似た者.▷アㇻ=全く ウ=互いに パㇰ=比べる ペ=者 アウン アチャポ ア・ホクフ アルパㇰペ ネ クス ネㇷ゚キ カ ソモ ノ ケㇱト アン コㇿ イク ロㇰ イク ロㇰ コㇿ オカ=隣のおじさんと私の夫は似た者で,仕事もせずに毎日のように飲んでばかりいる. (出典:萱野、方言:沙流)
aruterkere
アルテㇾケレ 【ar-u-terke-re】 跳ねて走る,跳ね回る.▷アㇻ=全く ウ=互い テㇾケ=跳ぶ レ=させる ナイ イクㇱ タ ポロンノ ユㇰ オカ エウン ア・コㇿ セタ ホユプ アクス アルテㇾケレ ワ キラ ワ イサㇺ=沢の向かい側にたくさん鹿がいて,そこへ私の犬が走って行ったら,跳ねて走って逃げてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
arwan
アㇻワン 【arwan】 七つの. (出典:萱野、方言:沙流)
arwaniw
アㇻワニウ 【arwan-iw】 7人. (出典:萱野、方言:沙流)
arwentukap
アㇻウェントゥカㇷ゚ 【ar-wen-tukap】 悪魔,化け物.▷アㇻ=全く ウェン=悪い トゥカㇷ゚=化け物 カムイ シクトゥㇽ(シㇰ ウトゥㇽ) アイヌ シクトゥㇽ トゥㇱマㇰ ワ アㇻウェントゥカㇷ゚ カリ ハウェ=神の目や人間の目,その隙間をかいくぐって化け物が徘徊しているのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
as 1
アㇱ 【as】 ①(雨・雪が)降る. アㇷ゚ト アㇱ ノイネ シㇼキ ナ アㇷ゚ト エトㇰ タ イワカン(イワㇰ・アン) ロー=雨が降って来そうなので,雨が降る前に帰りましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
as 2
アㇱ 【as】 ②(風が)吹く. レラ アㇱ ノイネ シリキ ナ エ・サッケ キナ アプッキ コカㇻカリ ワ ウカオ ワ アヌ=風が吹いて来るようなので.お前が干した山菜を簾に包んでしまっておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
as 3
アㇱ 【as】 ③立ち上がる. ホクレ アㇱ!ア・イ・ホッパ ノイネ シリキ ナ ニタン・アン ロー=さあ立ち上がれ!私たちが残されそうだから,急ぎましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
as 4
アㇱ 【as】 ④立ち止まる. ポンノ アㇱ ワ イコカヌ!キㇺペ ハウ ソモ ネ ウン?=少し立ち止まって耳を澄まして聞け!熊の声ではないだろうか? (出典:萱野、方言:沙流)
as 5
アㇱ 【as】 ⑤(戸が)閉まる. (出典:萱野、方言:沙流)
as'as
アㇱアㇱ 【as-as】 立ち止まり立ち止まり. ヘマンタ フナラ ヘコカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパ アㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥコヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして,さっぱり前へ進まないものだなあ.アフン ルスイ クㇽ ネ ノイネ チセ サㇺ タ アㇱアㇱ カネ イキ アㇷ゚ チセ アッカリ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=中へ入りたい人らしく,家の前に立ち止まり立ち止まりしていたのに,家を通り過ぎて行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
asa
アサ 【asa】 注文(する). エアㇻキンネ イカㇻカㇻ エアㇱカイ ウナㇻペ ネ ナ エ・ミ クニ チカㇻカㇻペ アサ ワ インカㇻ=とっても刺繍の上手なおばさんだから,お前が着る刺繍の着物を注文してみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
asam/asama(ha)
アサㇺ/アサマ(ハ) 【asam/asama(ha)】 底. エイタサ パセ ㇷ゚ オンタロ オㇿ エ・オマレ ワ オンタロ アサマハ エソヨㇱマ(エソイオㇱマ) ワ イサㇺ=あまりにも重いものをお前が樽に入れるので,樽の底が抜けてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
asamariitanki
アサマリイタンキ 【asama-ri-itanki】 底高漆塗り椀.▷アサマ=その底(が) リ=高い イタンキ=椀 ヒナコㇿ ウェン ヤㇰ イェ コㇿ アサマリイタンキ エイタンキコシㇷ゚ ペ アン=どこが悪いと言いながら,底高漆塗り椀でお代わりをするものだ(体のどこそこの具合が悪いと言いながら,よくもまあお代わりをするもんだな).図1[アサマリイタンキ] (出典:萱野、方言:沙流)
asi
アシ 【asi】 閉じる.閉める. プヤㇻ アシ ワ エㇰ=窓を閉じて来い.アパ アシ=戸を閉める.サㇰ アナㇰネ アパ マッケ ワ アン コㇿ キキㇼ アフㇷ゚ ナ アパ カ プヤㇻ カ アシ ワ アヌ=夏は戸が開いていると虫が入るから戸も窓も閉めておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
asi 1
アシ 【asi】 ①立てる. ニサッタ マメニ ア・アシ ナ タヌクラン アナㇰネ チセ トゥマㇺ エコパㇱテ ワ アシ ワ アヌ アニ=明日,豆の手柴を立てるので.今夜は家の壁へ(手柴を)寄りかけて立てておけよ. (出典:萱野、方言:沙流)
asi 2
アシ 【asi】 ②建てる. チセ ア・アシ ヒ タ アナㇰネ イクㇱペ イテキ エウタㇱタサ クニネ ア・オウペカレノ ア・アシ ㇷ゚ ネ ナ=家を建てる時は,柱があちこち出入りのないように,真っ直ぐに並べて立てるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
asik
アシㇰ 【asik】 五つ(数える時). (出典:萱野、方言:沙流)
asiknehot
アシㇰネホッ 【asikne-hot】 100▷アシㇰネ=5 ホッ=20→5×20=100 (出典:萱野、方言:沙流)
asiknehotnen
アシㇰネホッネン 【asikne-hotne-n】 100人.▷アシㇰネ=5 ホッネン=20人 (出典:萱野、方言:沙流)
asiknen
アシㇰネン 【asikne-n】 5人. キㇺ タ ポロ ユㇰ スマウェヘ ク・コㇿ ナ カㇺ セ クニ ウタㇻ アシㇰネン パㇰノ エン・トゥラ ヤン=山で大きい鹿を獲ったので,肉を背負う人たち5人ほど私と一緒に来てくれよ. (出典:萱野、方言:沙流)
asiknep
アシㇰネㇷ゚ 【asikne-p】 五つ.▷アシㇰネ=5 ㇷ゚=物 タント キㇺ タ サマㇺニ チョㇿポㇰ タ フミルイ セッ アン オロタ フミルイ ノㇰ アシㇰネㇷ゚ アン ワ ク・ヌカㇻ=今日山で倒木の下にエゾライチョウの巣があって,その中にエゾライチョウの卵が五つあったのを私は見た. (出典:萱野、方言:沙流)
asiknesuy
アシㇰネスイ 【asikne-suy】 5回.*シネスイ=1回 トゥスイ=2回 レスイ=3回 イネスイ=4回 アシㇰネスイ=5回 イワンスイ=6回 アㇻワンスイ=7回 トゥペサンスイ=8回 シネペサンスイ=9回 ワンスイ=10回 (出典:萱野、方言:沙流)
asin
アシン 【asin】 (外に)出る,抜ける. ク・ミマキヒ アシン=私の歯が抜けた. (出典:萱野、方言:沙流)
asinke
アシンケ 【asin-ke】 (罰金を)出す,償う. ウクラン イクソ オッタ(オㇿタ) ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ コタンケスン(コタンケㇱ ウン) クㇽ トゥラ ウコイキ ワ コタンケスンクㇽ ポロピロ.ウコチャランケ ユㇷ゚ケ ウトゥルン アチャポ イヤシンケ(イアシンケ) ヤㇰ ア・イェ ワ=昨夜の酒宴の席で,道路の西側のおじさんと村の下端のおじさんがけんかをして,村の下端のおじさんが大怪我をした.強談判があって,道路の西側のおじさんが償いをしたそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
asinno
アシンノ 【asir no】 新しく. (出典:萱野、方言:沙流)
asinnokar
アシンノカㇻ 【asir no kar】 新作(する). (出典:萱野、方言:沙流)
asinpe
アシンペ 【asin-pe】 罰金.あるいは罰に取られる品物.▷アシン=出る ペ=物 アシンペ ウㇰ=罰金を取る.ウェンプリ コㇿ パ ワ オラーノ エイパㇻキㇰキㇰ パ ㇷ゚ シネン イヨㇱキ ワ イェ ワ ア・コパㇱテ パ ア・コソトゥイェ パ パㇰノ アシンペ サンケ パ=悪いことをして,それから口止めをしあっていたのに,ひとりが酔っ払ってしゃべってしまってばれて,ある物をありったけ取られるほどに罰金や宝物を取られた. (出典:萱野、方言:沙流)
asinru
アシンル 【asin-ru】 便所.▷アシン=(戸外へ)出る ル=路 ネㇷ゚カ ア・キマテㇰ ペ アン ヒ タ アナㇰネ アシンル コㇿ カムイ ア・コアスラニ ㇷ゚ ネ.ルコㇿ カムイ イヨッタ ラムトゥナㇱ ペ ネ ルウェ ネ ナ=何か急病人など出た場合は便所神へ救いを求めるものだ.便所の神が一番動きが速いので助けてもらえるんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
asinuma
アシヌマ 【asinuma】 私. チェㇷ゚コイキ クス アシヌマ カ イトゥラ・アン ルスイ=魚を獲りに私も一緒に行きたいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
asip
アシㇷ゚ 【asip】 穂が出る. エシㇼネ トイ ク・ヌカㇻ アクス シプㇱケㇷ゚ ピㇼカノ アシㇷ゚ ワ アン=今朝,畑を見たら,イナキビの穂がきれいに出ていた. (出典:萱野、方言:沙流)
asir
アシㇼ 【asir】 新しい. タㇷ゚ウフナㇰ アン チㇷ゚サンケ オッタ(オㇿ タ) アシㇼ ポン チㇷ゚ ク・カㇻ アイヌ オピッタ オ ワ シノッパ=ついこの間あった舟おろしの時に,新しい小さい舟を私が彫って,みんなで乗って遊んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
asir'upas
アシㇼウパㇱ 【asir-upas】 初雪,新雪.▷アシㇼ=新しい ウパㇱ=雪 "ウクラン アㇱ アシㇼ ウパㇱ カ タ ポーロ カムイ ルウェヘ アン ク・イシトマ クス ク・キラ ワ ク・イワㇰ" セコㇿ ハㇻキソ ウン ウナㇻペ ハウェアン=「昨夜降った新しい雪の上に大きい熊の足跡があり,私は恐ろしくなって逃げ帰って来た」と左隣のおばさんが言っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
asirikinne
アシリキンネ 【asir-ikir-ne】 新しく.▷アシㇼ=新たな イキㇼ=列,順 ネ=に →またさらに アチャポ アシㇼキンネ ヤイコソホシピ ヤㇰ ク・イヌ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=おじさんが新しく後添いを貰ったと聞き,私は喜んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
asirmat/asirmaci(hi)
アシㇼマッ/アシㇼマチ(ヒ) 【asir-mat/-maci(hi)】 新妻.▷アシㇼ=新しい マッ=妻 (出典:萱野、方言:沙流)
asirpa
アシㇼパ 【asir-pa】 新年.正月.▷アシㇼ=新しい パ=年 アシㇼパ オッタ(オㇿ タ) ウウェランカラㇷ゚・アン ペ ネ ナー=新しい年(正月)にご挨拶をするものですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
asirpet
アシㇼペッ 【asir-pet】 新しい川.▷アシㇼ=新しい ペッ=川 ポロワッカ オカ タ ワッカ シノイェ アシㇼペッ アン ルウェ ネ ノイネ=大洪水の後に水の流れが変わって新しい川が出来ているようだ. (出典:萱野、方言:沙流)
asisiro
アシシロ 【asisiro】 足場. アクㇷ゚・アニ(アクㇷ゚・アン ヒ) タ アナㇰネ アシシロ ウェン コㇿ イヤイキㇷ゚テナ ピㇼカノ カㇻ アニ=屋根葺きの時は足場が悪いと危ないので,しっかり設置しろ. (出典:萱野、方言:沙流)
asitcup
アシッチュㇷ゚ 【asir-cup】 三日月,新月.▷アシㇼ=新しい チュㇷ゚=月 タヌクラン ワノ アシッチュㇷ゚ ア・ヌカㇻ タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ ク・ホタㇱヌ=今夜から三日月が見えた.この月が円くなる頃に私はお産をする. (出典:萱野、方言:沙流)
aska
アㇱカ 【as-ka】 縦糸.▷アㇱ=縦 カ=糸 カットゥリ(ク・アットゥリ) コㇿ カナ(ク・アン ア) コㇿカ アㇱカ ポンノ ハイタ ナ エ・コㇿ チキ エネルサ(エン・エルサ)=私は厚司の糸を伸ばしていたが,縦糸が少し足りなくなったので,お前が持っていたら貸してくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
askanne
アㇱカンネ 【askanne】 きれい,汚れていない,清い:物についてのみ,人間に対しては使わない. アㇱカンネノ シト カㇻ=きれいに団子を作る.アㇱカンネレ=きれいにする.アㇱカンネ イタンキ=きれいなお椀.アㇱカンネ アミㇷ゚=きれいな着物. (出典:萱野、方言:沙流)
askay
アㇱカイ 【askay】 上手な. イヌイェエアㇱカイ=彫刻が上手.ケメイキエアㇱカイ=針仕事が上手.イタㇰエアㇱカイ=しゃべるのが上手.ネㇷ゚キエアㇱカイ=仕事が上手. (出典:萱野、方言:沙流)
askaysam
アㇱカイサㇺ 【askay-sam】 利き腕側.▷アㇱカイ=利き腕 サㇺ=側 チㇷ゚ コ(ク・オ) ヒ タ アナㇰネ アㇱカイサㇺ ネ トゥリ ケイワンケ(ク・エイワンケ)=舟に乗る時は,利き腕の方の手で棹を使うのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
askeani
アㇱケアニ 【aske-ani】 招待する〔丁寧〕.▷アㇱケ=手 アニ=手に持つ (出典:萱野、方言:沙流)
askeetupsi
アㇱケエトゥㇷ゚シ 【aske-etupsi】 指先.▷アㇱケ=手 エトゥㇷ゚シ=先 サッ オタ カ タ アㇱケエトゥㇷ゚シ アニ トゥ モレウノカ レ モレウノカ ア・ヌイェ ワ ア・ミッポホ ア・ヌカレ ルウェ ネ=乾いた砂の上へ指先でふたつの渦巻き模様,三つの渦巻き模様を私は描き私の孫へ見せたのだ[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
askepet/askepeci(hi)
アㇱケペッ/アㇱケペチ(ヒ) 【aske-pet/-peci(hi)】 (手の)指.▷アㇱケ=手 ペッ=裂片 エ・シットキヒ ワノ アㇱケペッ パㇰノ ピㇼカノ フライェ ワ,オラ サカエ カㇺタチ ウコポイェ=お前の肘から指まできれいに洗ってから,酒を醸す粥とこうじを混ぜろ.*足の指はウレペッまたはウレアㇱケペッ. (出典:萱野、方言:沙流)
askeuk
アㇱケウㇰ 【aske-uk】 招待する.▷アㇱケ=手 ウㇰ=〜を執る ポオンペポ ネ コㇿカ サケ ク・カㇻ ナ アㇻパ ワ エカシ アㇱケウㇰ ワ エㇰ=少しだけれど酒を醸したので.行っておじいさんを招待して来い. (出典:萱野、方言:沙流)
askeukom
アㇱケウコㇺ 【aske-u-kom】 握り拳.▷アㇱケ=手 ウ=お互い コㇺ=曲がる ロルンペ カ タ アㇱケウコㇺ ア・エトゥリメチュー ウタㇱパ パㇰノ ウケウェホㇺス・アン ルウェ ネ=悲しい時に握り拳を前へ突き出し,かわるがわる私たちはねぎらいあった. (出典:萱野、方言:沙流)
askor
アㇱコㇿ 【askor】 酒. シンナ レ コㇿ ペ ショウチュウ アㇱコㇿ=別の名を持ったもの,焼酎という酒.*二風谷では昭和10年頃は焼酎は酒の中に合まれなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
askor'eani
アㇱコㇿエアニ 【askor-e-ani】 両手で抱え持つ.▷アㇱコㇿ=両手いっぱい エ=〜でもって アニ=手に持つ タヌクラン ホカ ア・オ クス ネ ナ ソイネ ワ チクニ アㇱコㇿエアニ ワ アフンケ ワ アヌ=今夜火にくべるから,外に出て薪を両手で抱え持って入れておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
asnap
アㇱナㇷ゚ 【asnap】 櫂(かい),櫓(ろ). ネア エタㇱペ ペカンケ ワ エㇰ ヒクス アㇱナㇷ゚ アニ ア・トイコキㇰキㇰ ワ ア・ライケ=あのトドが浮き上がってきたので.櫂で殴り殺した. (出典:萱野、方言:沙流)
asni
アㇱニ 【as-ni】 墓標.▷アㇱ=立っている ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
asnipusa
アㇱニプサ 【as-ni-pusa】 墓標布.女の墓標につける黒い布.▷アㇱニ=墓標 プサ=房,房飾り メノコ クワ アナㇰネ ケㇺプイ ネノ ア・カㇻ アㇱニプサ ア・エムイェカㇻ ペ ネ=女の墓標は針の穴のように作って,そこへ墓標布をつけるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
asnomenas
アㇱノメナㇱ 【asno-menas】 南風(真南風).*メナㇱ=東風 (出典:萱野、方言:沙流)
asnu
アㇱヌ 【-asnu】 よい. イペアㇱヌ=よく食べる(大食いとは異なる.大食いは イペルイ).スクパㇱヌ(スクㇷ゚ アㇱヌ)=成長がよい. (出典:萱野、方言:沙流)
aspa
アㇱパ 【aspa】 耳が聞こえない,耳が遠い,聾. ルアㇱパ=少しだけ耳が不自由.アㇱパ キサㇻ イトゥタヌレ=聞こえないふりをする.ヤイコアン フチ エウン アㇻパアニネ(アㇻパ・アン ヒネ) ア・エヤイレンカ ヤッカ ソモ ヌ アーペコㇿ アン.シラㇺイサㇺテ ワ ネ クナㇰ ア・ラム ア ㇷ゚ オヤチキ アㇱパ フチ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ひとり暮らしのおばあさんの所へ行って,私が挨拶しても聞かないふりをしていた.知らんふりをしているのかと思ったが,聞くところによると耳の聞えないおばあさんなのだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
aspe
アㇱペ 【as-pe】 背びれ.▷アㇱ=立っている ペ=物 ク・コㇿ シンリッ コㇿ アイシロシ アナㇰネ アㇱペ ノカ ネ ルウェ ネ=私の先祖の矢の印は背びれの形をしているんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
asrukonna mewnatara
アㇱルコンナ メウナタラ 【as-ru-konna mew-natara】 そびえ立つ.ユカㇻでよく出る表現.チャシ(山城・館)やイヨイキㇼ(宝壇)などが立派で壮麗にそびえ立っている状態をいう.▷アㇱ=立っている ル=跡,様 コンナ=助辞 メウナタラ=壮麗である,立派である アシンノ ア・カㇻ コㇿ アン "二風谷アイヌ文化博物館" アㇱルコンナ メウナタラ=新しく建てられている「二風谷アイヌ文化博物館」がそびえ立っている. (出典:萱野、方言:沙流)
assa
アッサ 【assa】 漕ぐ. ポロワッカ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ アッサㇷ゚ ア・コㇿ ワ アッサエユプ・アン ワ ペットモトゥイェ・アン ペ ネ=大洪水の時には,櫂を手に持ち強く漕いで,大川を渡るものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
assaeyupu
アッサエユプ 【assa-e-yupu】 漕ぐ(力いっぱい櫂を漕ぐ). ポロワッカ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ アッサㇷ゚ ア・コㇿ ワ アッサエユプ・アン ワ ペットモトゥイェ・アン ペ ネ=大洪水の時には,櫂を手に持ち強く漕いで.大川を渡るものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
assap
アッサㇷ゚ 【assa-p】 櫂.▷アッサ=漕ぐ ㇷ゚=もの ポロワッカ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ アッサㇷ゚ ア・コㇿ ワ アッサエユプ・アン ワ ペットモトゥイェ・アン ペ ネ=大洪水の時には,櫂を手に持ち強く漕いで,大川を渡るものだよ.図4[アッサㇷ゚]=アㇱナㇷ゚ (出典:萱野、方言:沙流)
aste 1
アㇱテ 【as-te】 ①立てる. イクㇱペ アㇱテ=柱を立てる. (出典:萱野、方言:沙流)
aste 2
アㇱテ 【as-te】 ②(音を)立てる. エ・ミチ ヤイヌミウェン ワ ホッケ ワ アン フㇺコウェン ヤㇰ イェ ナ イテキ エ・フミヒ アㇱテノ イキ=お前の父が病気で寝ていて,音がうるさいと言うから,音を立てないようしろ. (出典:萱野、方言:沙流)
aste 3
アㇱテ 【as-te】 ③(移動した物を)止める. ク・シンキ ナ ポンノ ソリ アㇱテ ワ エン・テレ=私疲れたので少し橇を止めて私を待って. (出典:萱野、方言:沙流)
asur'an
アスㇽアン 【asur-an】 有名な(である).▷アスㇽ=噂 アン=ある (出典:萱野、方言:沙流)
asur'as
アスㇽアㇱ 【asur-as】 有名である,噂に高い.▷アスㇽ=噂 アㇱ=立つ チセ ソイタ エㇰ ワ アン クㇽ ア・イェ マヌ ペニウン アスㇽアㇱ ニㇱパ ソモ ネ ヤ?=家の外へ来ておられる方は,言うところの,奥地に住む噂に高い物持ちの人ではないだろうか? (出典:萱野、方言:沙流)
asur/asuru(hu)
アスㇽ/アスル(フ) 【asur/asuru(hu)】 噂.評判. アスルフ ホプニ=噂になる. (出典:萱野、方言:沙流)
asurani
アスラニ 【asur-ani】 知らせる.▷アスㇽ=噂 アニ=持つ →出来事の内容を持って行く (出典:萱野、方言:沙流)
asurpusu
アスㇽプス 【asur-pusu】 知らせを持って行く.▷アスㇽ=噂 プス=押し出す ユㇷ゚ケ ソンコ コタノルン(コタン オㇿ ウン) ア・コアスㇽプス ヒ タ アナㇰネ ソンココㇿクㇽ アナㇰネ コタン カランケ コㇿ ヤ・イヨトゥリㇺコテ ㇷ゚ ネ=ただならぬ伝言を村へ持って行く時には,使者は村へ近づきながらフォオオオオフㇺ フォオオオオフㇺと言いながら近づくものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
asuttasa
アスッタサ 【asur-tasa】 弔問(に行く).▷アスㇽ=噂 タサ=向かう →噂に向かって行く→死んだという話が間こえた方角へ行く (出典:萱野、方言:沙流)
aswanpe
アㇱワンペ 【as-wa-an-pe】 陰核.▷アㇱ=立つ ワ=て アン=いる ペ=もの メノコ ポキシッタ(ポキシㇼ タ) ホラリ ワ アン アㇱワンペ アナㇰネ ネㇷ゚カ ケレ コㇿ ウヌフ トゥクンネレ シンナ レ アナㇰ "ウェンカムイ" セコㇿ ア・イェㇷ゚ ネ=女性の陰部に鎮座している陰核は何か触れると母をしびれさせる,別名「化け物」というものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
at
アッ 【at】 立つ. パハ アッ=湯気が立つ. (出典:萱野、方言:沙流)
at
アッ 【at】 たくさんいる,多い. アイヌ アッ=人が大勢いる.テエータ アナㇰネ キ カ ウㇽキ カ アッ ペ ネ ロㇰ クス トヨッタ(トイ オㇿ タ) チュワン オッタ(オㇿ タ) ウナㇻペ ウタㇻ ウコムイ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペ ネ ア ワ=ずうっと昔は頭のシラミも体につくシラミもたくさんいたもので,畑で昼食時におばさんたちがシラミを取り合うのを見たことがあったものだよ.イネアㇷ゚クㇱタ! チェㇷ゚ アッ=なんとまあ!サケが多いこと.シシㇼムカ エトコホ "ウェンサㇻ" シコㇿ ア・イェ ウㇱケ タ テエータ ワノ アッニ アッ ペ ネ ワ コルウヌ(ク・オルウヌ)=沙流川の上流の「悪い沙流川」という場所には,昔からオヒョウの木が多いのを私は知っている. (出典:萱野、方言:沙流)
at
アッ 【at】 オヒョウの皮. (出典:萱野、方言:沙流)
at a=kote wa a=suye pekor
アッ アコテ ワ アスイェ ペコㇿ 【at a=kote wa a=suye pekor】 激しい動きの子供[比喩〕.▷アッ=綱 ア=それ コテ=つける ワ=〜て ア=人(が) スイェ=振る ペコㇿ=かのような ソンノ ク・ミッポホ モイモイケ シリ アッア・コテ ワ ア・スイェ ペコㇿ イキ=本当に私の孫の動きというものは紐をつけて振り回しているような動きをしている.*実際に孫たちの動きを見ていると,飛んだり跳ねたり走ったり,母がよく言っていたこの言葉はぴったりと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
at'eukote
アッエウコテ 【at-e-u-kote】 綱繋ぎ(をする).▷アッ=紐,綱 エ=それを ウ=互いに コテ=結びつける (出典:萱野、方言:沙流)
at/atu(hu)
アッ/アトゥ(フ) 【at/atu(hu)】 綱,(何かについている)紐,弦. ス アッ=鍋弦.サラニㇷ゚ アトゥフ トゥイ ワ イサㇺ ナ ネㇷ゚ カ オウシ ワ アヌ=袋のつるが切れてしまったから,何か継ぎ足しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
atanan
アタナン 【atanan】 至らない. タパン ハワㇱ アナㇰ エアㇻキンネ ホカンパ オルㇱペ ネ アタナン ペ ネ クス ケアナサㇷ゚(ク・エアナサㇷ゚)=この話は本当に難しい話なので,至らない私ではもてあます. (出典:萱野、方言:沙流)
atane
アタネ 【atane】 カブの一種. タント ピヤパ ア・エユㇷ゚キㇼ ナ アタネ ピ ピヤパ コポイェ ワ アヌ=今日ヒエの種蒔きをするので,カブの種をヒエに混ぜておけ.*昭和10年代は「せんだいかぶ」ともいっていた.ヒエと混ぜて播種する. (出典:萱野、方言:沙流)
atap
アタㇷ゚ 【atap】 揺れる,ひっくり返る. アタㇷ゚チㇷ゚=ひっくり返る舟. (出典:萱野、方言:沙流)
atat
アタッ 【atat】 開き干しのサケ. タン チュㇰ アナㇰネ チェㇷ゚ ヌウェ アン アタッ ポロンノ ア・カㇻ エアㇱカイ=今年の秋はサケがたくさんあるから,開き干しのサケをたくさん作ることができる.図2[アタッ]参考:オイシル=ほっちゃり:卵,精子を放出したあとのサケ (出典:萱野、方言:沙流)
atay/ataye(he)
アタイ/アタイェ(ヘ) 【atay/ataye(he)】 値段,代価. アタイェヘ ハウケ=値段が安い.アタイェヘ ルイ=値段が高い.アタイェカㇻ=代価を払う.アタイェ サㇰノ=ただで,無償で. (出典:萱野、方言:沙流)
atayehawke
アタイェハウケ 【ataye hawke】 安い,廉価.▷アタイェ=その値 ハウケ=弱い (出典:萱野、方言:沙流)
atayekar
アタイェカㇻ 【ataye-kar】 払う(支払う).▷アタイェ=その値 カㇻ=作る (出典:萱野、方言:沙流)
atayeruy
アタイェルイ 【ataye ruy】 高い.▷アタイェ=その値 ルイ=強い,ひどい (出典:萱野、方言:沙流)
atayeyupke
アタイェユㇷ゚ケ 【ataye yupke】 高い(ひどく),高価.▷アタイェ=その値 ユㇷ゚ケ=強い (出典:萱野、方言:沙流)
atce
アッチェ 【atce】 よそ. アッチェ タ アㇻパ・アン レウシ・アン コㇿ ク・クンネアシン ケヤイランマルイェ(ク・エヤイランマルイェ)=よそへ行って泊まると,私は小便に起きるので気が引ける. (出典:萱野、方言:沙流)
atce ta
アッチェ タ 【atce ta】 よそで. タヌクラン エ・レウシ ルスイ シコㇿ ネ ハウェ ネ コㇿカ エ・ホクフ カ イサㇺ ラポㇰ タ アッチェ タ エ・レウシ ワ ア・イ・コイキ ヤㇰ ウェン ナ ホクレ イワㇰ=今夜お前が泊まりたいとそうは言っても,あなたの夫が留守の時によそにお前が泊まってお前が叱られると悪いので,早く帰れ. (出典:萱野、方言:沙流)
atceun'utar
アッチェウンウタㇻ 【atce-un-utar】 よその人たち. ネㇷ゚カ ア・エラナㇰペ アン ワ ヘ アッチェウンウタㇻ インネ トパハ サㇷ゚ パ ルウェ アン=何か心配事でもあったのか,よその人たちが大勢下がって行ったよ.*私の村.二風谷から言う場合,両方の隣村であるペナコリとか平取の人を指す時にはアッチェウンウタㇻとは言わない.もっと遠い所の人たちのことを言う. (出典:萱野、方言:沙流)
atceunkur
アッチェウンクㇽ 【atce-un-kur】 他人.▷アッチェ=よそ ウン=(に)住む クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
atceunpe
アッチェウンペ 【atce-un-pe】 よそから来た者.▷アッチェ=よそ ウン=(に)住む ペ=者 アッチェウン ペ イユタㇷ゚ オㇿワ ピㇼケㇷ゚ エイッカ ア・コオㇱコニ ヤㇰ ア・イェ=よそから来た者がパッタリから精米を盗み見つかったという話だ. (出典:萱野、方言:沙流)
atkep
アッケㇷ゚ 【at-kep】 オヒョウの木の皮を剥ぐ.▷アッ=オヒョウの皮 ケㇷ゚=〜を剥ぐ タント シㇼピㇼカ ナ ヘタ! エン・トゥラ アッケㇷ゚・アン ヤㇰネ ウォㇿ ア・オ ナ=今日はいい天気なので,さあ! 私と一緒に行こう.オヒョウの木の皮を剥ぎ,そしてそれを沼にうるかそうよ.図3[アッケㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
atketek
アッケテㇰ 【atketek】 ホタテガイ. カンナ アトゥイ チ・ポㇰナレ ポㇰナ アトゥイ チ・カンナレ パㇰノ リンルイ オカ タ アッケテㇰ ポロンノ コイヤンケ ア・ウウォマレ ヒネ サラニㇷ゚ オㇿ ア・オマレ=海の表が下になり海の底が表になるほどの大時化(しけ)の後に,ホタテガイがたくさん寄り上がったので.集めてサラニㇷ゚に入れた.タン マタ ネ シノ ルイ レラ アㇱ ヒ タ アッケテㇰ ポロンノ コイヤンケ カニ カ カㇻパ(ク・アㇻパ) ヒネ クモマレ(ク・ウモマレ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ヒネ ケアケア(ク・エ ア ク・エ ア)=今年の冬,大時化の後にホタテガイがたくさん波で打ち上げられ,私も行って拾い集めてきてたくさん食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
atkoci
アッコチ 【atkoci】 魚の尾ひれ,役立たず[悪口〕. サルンクㇽ アッコチ=沙流川に住む役立たず.*私の母の実家がある門別村山門別(現在は門別町倉富)へ行くと,門別みつという人が私にアッコチと言った.役に立たないものという悪口であったと思うが,その意味はよくわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
atkorkamuy
アッコㇿカムイ 【at-kor-kamuy】 タコ. レポイラマンテ・アン クス チㇷ゚ ア・オ ワ アㇻパアナクス(アㇻパ・アン アクス) アッコㇿカムイ シプステㇰテㇰ ヤニ ア・イ・ライケ=沖漁をすると思って舟に乗って沖へ出ると,タコがさっと浮き上がって来て危なく私は殺されそうになった[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
atni
アッニ 【at-ni】 オヒョウ(ダモ).▷アッ=オヒョウの木の皮 ニ=木 タアン チクニ アッニ ソモ ネ ウン? ソモ ソモ アッニハㇺ アナㇰネ ハㇺ エトゥㇷ゚シケ ペッペッケ クス ア・エラマン ペ ネ ワ=この木はオヒョウの木ではないのかい? 違う違う.オヒョウの木の葉は先の方が裂けたようになっているから,見分けることができるものだ.*アカダモ(チキサニ).アオダモ(イワニ),ヤチダモ(ピンニ)など,日本語でおしまいの方にダモという言い方の木があるもの. (出典:萱野、方言:沙流)
atpake
アッパケ 【atpake】 初め,最初,先頭. エ・コㇿ ウウェペケㇾ アッパケ ワノ イェ ワ エン・ヌレ=お前の昔話を初めから言って私に聞かせて.アイヌ アッパケ エアㇷ゚カㇱ=人の先に立って歩く.アイヌ アッパケ ア・エホリッパ シンナ トリ ネ シンナ チカㇷ゚ ネ ア・イ・ヌカㇻ カネ=人々の先頭になって私は踊り,別な鳥として異彩を放つ私を皆は見ている(ユカㇻの中でポンヤウンペの恋人が目立っている様子). (出典:萱野、方言:沙流)
atpake ta
アッパケ タ 【atpake ta】 最初に,初めから. チ・コㇿ イヨルンクㇽ アッパケ タ アナㇰネ ネㇷ゚キ ㇷ゚ ネ ア ㇷ゚ タㇷ゚ ウフナㇰ アナㇰネ ホッケ ワ パテㇰ アン=私の所の召使いは最初にはよく働いたのに,この頃では寝てばかりいる. (出典:萱野、方言:沙流)
atpake wano
アッパケ ワノ 【atpake wano】 最初から. タパン イチャン アナㇰネ アッパケ ワノ コルウヌ(ク・オルウヌ) ウㇱケ ネ ナ イテキ エㇰ ヤン=この産卵床(俗にほりともいうサケの卵を産む場所)は最初から私が知っていた所なので,来ないでくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
atte 1
アッテ 【atte】 ①掛ける,吊る(紐などで吊り下げる). トアン タ アッテ=あそこへ掛けろ.エ・コㇿ サラニㇷ゚ チセトゥマㇺ タ アッテ ワ アヌ=お前の持っている袋を家の壁にかけておけ.イヨーハイ! イカッウェンテ クス ヤイトゥㇱ アッテ ヤㇰ ア・イェ ア・シトマ オルㇱペ ネ ワ=いやー大変なことだ!面汚しさせるために首吊り自殺したそうだ.恐ろしい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
atte 2
アッテ 【atte】 ②立てる. エ・コㇿ トンカ チセトゥマㇺ エコパㇱ アッテ ワ アヌ=お前の鍬を家の壁へ寄りかけて立てて置け. (出典:萱野、方言:沙流)
attem
アッテㇺ 【ar-tem】 半尋(はんひろ).(尋=両手を左右に広げた時の,一方の指先から他方の指先までの距離).▷アラ=半,片 テㇺ=腕,両腕,手,尋 ホクレ アㇻパ ワ アッテㇺ パㇰノ ハㇻキカ コㇿ ワ エㇰ=早く行って,半尋ほどの長さのシナ縄を持って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
attem'eretem
アッテㇺエレテㇺ 【ar-tem-e-re-tem】 二尋半.▷アㇻ=半 テㇺ=尋 エ=それで レ=三つの テㇺ=尋 →あと半尋で三尋→二尋半 メノコウㇷ゚ソロクッ アナㇰネ アッテㇺエレテㇺ パㇰノ タンネノ ア・オㇱケ ㇷ゚ ネ ナ=女の懐紐は二尋半の長さに編むものだよ.*シネテㇺ=一尋.一尋のことをテㇺパㇰノともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
atteynemosir
アッテイネモシㇼ 【ar-teyne-mosir】 奈落.▷アㇻ=全く テイネ=濡れた モシㇼ=大地 イノンチㇼ ウェンカムイ アナㇰネ イレスカムイ オロワノ アッテイネモシㇼ ア・コキル ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワ=人を呪うような悪い神は,火の神様から奈落へ向けて行かされるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
attomsama
アットㇺサマ 【ar-tom-sama】 〜まで,〜ヘ.▷アㇻ=全く トㇺ=方 サマ=〜の側 →まっただなかに,真っ直ぐに,ひたむきに〜をめざして キマテㇰ カ タ ラムトゥナㇱ カムイ ルコㇿ カムイ アットㇺサマ ア・イタㇰエチュー=危急の時は,気の早い神,便所の神まで言葉を押しいれる. (出典:萱野、方言:沙流)
atturere
アットゥレレ 【ar-turere】 半身:1匹の魚の半分. ポン チェㇷ゚ ネ コㇿカ アットゥレレ ポカ エ・コㇿ ウナㇻペ コヤニ ワ エㇰ=小さいサケだけれど,半身ばかりでもお前の伯母に持って行って来い.*父は私にそう言いながらサケの半身の半分を自分の姉,そして私の伯母であるウモシマテㇰヘ持たせた. (出典:萱野、方言:沙流)
atturi
アットゥリ 【at-turi】 厚司の糸を伸ばす.▷アッ=オヒョウの皮 トゥリ=(を)伸ばす カットゥリ(ク・アットゥリ) コㇿ カナ(ク・アン ア) コㇿカ アㇱカ ポンノ ハイタ ナ エ・コㇿ チキ エネルサ(エン・エルサ)=私は厚司の糸を伸ばしていたが,縦糸が少し足りなくなったので,お前が持っていたら貸してくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
attus
アットゥㇱ 【<at-rus】 オヒョウの木の皮の織物,着物,厚司. ←アッルㇱ(ニレ皮・衣) (出典:萱野、方言:沙流)
attus'amip
アットゥㇱアミㇷ゚ 【attus amip】 厚司の着物:アッニ(オヒョウの木)の皮で作る. 図5[アットゥㇱアミㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
attuskarpe
アットゥㇱカㇻペ 【attuskar-pe】 機織り機(イシタイキ参照).▷アットゥㇱ=厚司 カㇻ=(を)作る ペ=物 (出典:萱野、方言:沙流)
attuskut
アットゥㇱクッ 【at-tus-kut】 厚司帯.▷アットゥㇱ=厚司 クッ=帯 図6[アットゥㇱクッ] (出典:萱野、方言:沙流)
attuspera
アットゥㇱペラ 【at-tus-pera】 機織り箆(べら):機織り用の箆.▷アットゥㇱ=厚司 ペラ=箆 (出典:萱野、方言:沙流)
atu
アトゥ 【atu】 吐く,嘔吐する. イペ ア イペ ア アイーネ ラコㇿ ワ ヘ アトゥ コㇿ アン ナ ワッカ コㇿ ワ アㇻパ クレ ワ エㇰ=食べて食べて,そうして食べすぎたのか,ヘどを吐いているから,水を持って行って飲ませてこい.ア・ミッポホ レクチイユン ワ ライキマテㇰ・アン.アウン フチ イコトゥナㇱ ネユンネユン ア・カㇻ アイネ アトゥ クスケライ ア・シㇰヌレ=私の孫が喉に物をつまらせて私は死ぬほど驚いた.隣の婆さんが素早く助けに来て,いろいろと手当てをして吐かせたお陰で助けられた[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
atuhu
アトゥフ 【atuhu】 鉉.なべ,土瓶,などの上に弓形に渡してある線,スアトゥフ(鍋鉉).(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
atuita
アトゥイタ 【atuita】 100. *シネホッ=20,トゥホッ=40,レホッ=60,イネホッ=80,アシㇰネホッ=20が5つ,100.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
atusa
アトゥサ 【atusa】 裸(になっている). ポンペ アトゥサ ノ ホユプ コㇿ アン ワ.ネンカネ オㇺケカㇻ ナ ホクレ イミレ=子供が裸で走っているよ.もしものこと風邪でもひくといけないから,早く着物を着せろ. (出典:萱野、方言:沙流)
atuspa
アトゥㇱパ 【atuspa】 裸(になっている)〔複〕. ヤイカタ アナㇰネ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペ ソモ ネ コㇿカ テエータ パウチコㇿペ アトゥㇱパ ワ ホユッパ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=私自身の目で見たものではないけれど,ずうっと昔に淫乱集団が裸で走っていたものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
atuy
アトゥイ 【atuy】 海. (出典:萱野、方言:沙流)
atuy ka(si)
アトゥイ カ(シ) 【atuy ka(si)】 海上. (出典:萱野、方言:沙流)
atuy kurka(si)
アトゥイ クㇽカ(シ) 【atuy kurka(si)】 海の表.▷アトゥイ=海 クㇽカ=(表面一帯に)上 (出典:萱野、方言:沙流)
atuysam
アトゥイサㇺ 【atuy-sam】 海辺,海岸.▷アトゥイ=海 サㇺ=側,そば (出典:萱野、方言:沙流)
atuysimpuy
アトゥイシンプイ 【atuy simpuy】 渦潮.▷アトゥイ=海(の) シンプイ=泉 (出典:萱野、方言:沙流)
atuytomotuye
アトゥイトモトゥイェ 【atuy-tomotuye】 海を渡る.▷アトゥイ=海 トモトゥイェ=(を)横断する,横切る,渡って行く (出典:萱野、方言:沙流)
at→ar
アッ→アㇻ →アㇻ (出典:萱野、方言:沙流)
aw
アウ 【aw】 イカ. (出典:萱野、方言:沙流)
aw
アウ 【aw】 屋内,家の中,内. ソイ タ アン イナウ アウナライェ=外にある御幣を家の中に入れた.←→ソイなど (出典:萱野、方言:沙流)
aw/awe(he)
アウ/アウェ(ヘ) 【aw/awe(he)】 股(また),木の股,川の股,鹿の角の股などが二股や三股に太く別れたもの.*特にきれいに三股に別れている樹木で股の部分に苔が生えていないものは神の休む場所と言われ,伐採してはいけないとされる.苔が生えていれば神がいないものとみなし伐採してもよい. ニアウ=木の枝.キラウ(キㇼアウ)=骨の枝=角.ペタウ(ペッアウ)=川の枝=枝川. (出典:萱野、方言:沙流)
awa
アワ 【a wa】 〜たよ.行ったよ,来たよの「たよ」に相当する過去形. テ タ シノッ コㇿ アナ(アン ア) コㇿカ タㇷ゚ アㇻパ ア ワ=ここで遊んでいたけれど今行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
awanki
アワンキ 【awanki】 扇. シㇼセセㇰ ヒ タ アナㇰネ タアン アワンキ アニ ク・ヤイパㇻパル コㇿ カン(ク・アン) ルウェ ネ ワー=暑い時にはこの扇で自分自身をあおぎながらいるんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
awna(ke)
アウナ(ケ) 【/awna(ke)】 中,内側. (出典:萱野、方言:沙流)
awnaraye
アウナライェ 【awna-raye】 内側へ入る. (出典:萱野、方言:沙流)
awoterke
アウォテㇾケ 【aw-o-terke】 人が家の中へ飛び込んでくる. ▷アゥ=家の中 ウォ=それ テㇾケ=跳ぶ *ネㇷ゚ ワアンペ エラムトゥイ クス ソシウンアチャポ アウォテㇾケ=何に驚いたのか,右隣の家のおじさんが飛び込んで来た.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
awta
アウタ 【aw ta】 隣に. エ・オナハ アウタ アン ワ=お前のお父さんは隣にいるよ. (出典:萱野、方言:沙流)
awun utar
アウンウタㇻ 【aw-un utar】 隣人.▷アウ=内 ウン=〜の,〜に住む ウタㇻ=仲間たち (出典:萱野、方言:沙流)
awuncise
アウンチセ 【aw-un cise】 隣の家. (出典:萱野、方言:沙流)
awunkur
アウンクㇽ 【aw-un kur】 隣の人.▷アウ=隣 ウン=〜の,〜に住む クㇽ=人 アウンクㇽ アン ヤ アㇻパ ヌカㇻ ワ エㇰ!=隣の人がいるかどうか行って見て来い! (出典:萱野、方言:沙流)
ay'eymekkur
アイエイメㇰクㇽ 【ay-e-imek-kur】 矢を配る人. ▷アイ=矢 エイメㇰ=配る クㇽ=人 *イヨマンテ(熊送り)の時にヘペㇾアイ(俗に花矢)という矢を男の子に配って歩く人.最初の1本目は熊を養っていた家の子供か孫に渡し,熊の頭に射ることのないようにと注意しながら手渡しする.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ay'op
アイオㇷ゚ 【ay-op】 矢を入れる物. ▷アイ=矢 オ=入れる ㇷ゚=物 *別の言い方ではカレピンキというが,作る材料はガマ草で編んだ袋である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ay'us
アイウㇱ 【ay-us】 とげが刺さる.▷アイ=矢,とげ ウㇱ=つく ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) アクス ク・テケヘ アイウㇱ=私は山に行って,手にとげが刺さった. (出典:萱野、方言:沙流)
ay/aye(he) 1
アイ/アイェ(ヘ) 【ay/aye(he)】 ①矢.*竹,鹿のすねの骨,オニガヤ,鷹またはカケスの羽などを組み合わせて1本の矢を作る.アイヌの矢は他の物に比べて短い.昭和7年頃までは私の父貝澤アレㇰアイヌが使っていたのを見た. (出典:萱野、方言:沙流)
ay/aye(he) 2
アイ/アイェ(ヘ) 【ay/aye(he)】 ②とげ. →アユㇱニ(アイ=とげ ウㇱ=生えている ニ=木)=センノキ(ハリギリ),タラノキ,バラ (出典:萱野、方言:沙流)
aya
アヤ 【aya】 木目,手のひらの筋. (出典:萱野、方言:沙流)
ayakka
アヤッカ 【a yakka】 〜だったが.▷ア=〜(し)た ヤッカ=〜(し)ても,だが タネ タネ ア・タㇰ ア イコインカㇻクㇽ エㇰ クス ネ アヤッカ ナ ソモ エㇰ ルウェ ネ ワ=今に今に呼びに行った助産婦が来るはずだったが,いまだに来ないのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ayay
アヤイ 【ay-ay】 赤子,赤ん坊. (出典:萱野、方言:沙流)
ayayne
アヤイネ 【ayay-ne】 甘える. エネ ポロ ワ ア・フㇱコレㇷ゚ アヤイネ シリ アン=こんなに体も大きく古くなった(下の子が生まれた)のに,甘えているものだなあ. (出典:萱野、方言:沙流)
aycaro
アイチャロ 【ay-caro】 矢筈:矢の弦にかける部分.▷アイ=矢 チャロ=の口 (出典:萱野、方言:沙流)
aycise
アイチセ 【ay-cise】 矢おおい:シラカバの皮で作る. *アイヌの民具に関しては萱野茂『アイヌの民具』(すずさわ書店)を参照.▷アイ=矢 チセ=家 (出典:萱野、方言:沙流)
ayekam
アイェカㇺ 【aye-kam】 脂気のないやせ肉.▷アイェ=脂気がない カㇺ=肉 タント ポンユㇰ ク・スマウコㇿ ア コㇿカ アイェカㇺ ネ=今日小鹿を獲ったが,脂気がないやせ肉だった.アイェカㇺ アナㇰネ ケラ カ イサㇺ=やせ肉は味もない. (出典:萱野、方言:沙流)
aykap
アイカㇷ゚ 【aykap】 不器用(である),下手(である). アイカㇷ゚ メノコ ヌイト タンネ ホクフ ノカサマ(ノㇰアサマ) オッケ=不器用な女は,縫い糸を長くして(針をあちらこちらへ引っぱって)夫の睾丸の底を突く. (出典:萱野、方言:沙流)
aykotcep
アイコッチェㇷ゚ 【ay-kor-cep】 アカエイ〔魚〕.▷アイ=矢 コㇿ=持つ チェㇷ゚=魚 (出典:萱野、方言:沙流)
ayne
アイーネ 【ayne】 そして,しばらくして.ある事象や動作が長く続き,それに引き続きあるいはその結果,他の事象が起こったとき使われる. アㇻパ・アン アイーネ ピㇼカ ト ア・ヌカㇻ=ずっと行き,しばらくして美しい湖が見えた.#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
ayneayne
アイネアイネ 【ay-ne ay-ne】 とげとげしい.▷アイ=矢 ネ=成る キㇺ タ ウェンユㇰ ア・ヌカㇻ アクス シキヒ アイネアイネ タネタネ イ・コピューキ ノイネ=山で恐ろしい熊に出会うと,目はとげとげしく今にも私を襲って来そうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
aynu neno an aynu
アイヌネノアンアイヌ 【aynu neno an aynu】 人間らしい人間.*貧乏な家の子供に対する励ましの言葉としておとなたちが使う言葉.▷アイヌ=人間 ネノ=らしく アン=ある アイヌ=人間 (出典:萱野、方言:沙流)
aynu/aynu(hu) 1
アイヌ/アイヌ(フ) 【aynu/aynu(hu)】 ①人間,人(神に対しての人間). トアンクㇽ アナㇰネ アイヌ ソモ ネ カムイ ネ ナンコㇿ=あの人は人間ではなく,神だろう. (出典:萱野、方言:沙流)
aynu/aynu(hu) 2
アイヌ/アイヌ(フ) 【aynu/aynu(hu)】 ②アイヌ民族,アイヌ人(和人やその他の民族に対しての). (出典:萱野、方言:沙流)
aynu/aynu(hu) 3
アイヌ/アイヌ(フ) 【aynu/aynu(hu)】 ③成人男子.*稀に成人女性を指す場合もある. (出典:萱野、方言:沙流)
aynu/aynu(hu) 4
アイヌ/アイヌ(フ) 【aynu/aynu(hu)】 ④父(他人からその人の父を指す). エ・コㇿ アイヌ アン?=君のお父さんいる? (出典:萱野、方言:沙流)
aynu/aynu(hu) 5
アイヌ/アイヌ(フ) 【aynu/aynu(hu)】 ⑤夫(他人に対して妻から夫を指す). ク・コㇿ アイヌ エキㇺネ ワ イサㇺ=うちの人(私の夫)は山へ行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
aynuamam
アイヌアマㇺ 【aynu-amam】 ヒエ,アワ,イナキビの総称,穀物. *ユカㇻの中にもイユタ(搗き物をする)のシーンに出て来るのでかなりアイヌアマㇺとアイヌの関わりは古いと思われる.昭和30年頃までは日常的に食べていた.▷アイヌ=人間 アマㇺ=穀物 (出典:萱野、方言:沙流)
aynucieiyannup
アイヌチェイヤンヌㇷ゚ 【aynu-ci-e-i-yannu-p】 馬鹿〔悪口〕.▷アイヌ=人間 チェイヤンヌㇷ゚=役に立たないもの (出典:萱野、方言:沙流)
aynucupye
アイヌチュㇷ゚イェ 【aynu-cup-ye】 アイヌの月数え.*1か月早かったり遅かったりする場合があるので注意.▷アイヌ=アイヌ民族(の) チュㇷ゚=月(の) イェ=言い方 (出典:萱野、方言:沙流)
aynuesisi
アイヌエシシ 【aynu-esisi】 人を避ける,人と会いたがらない,人嫌い(である).▷アイヌ=人 エシシ=〜を避ける,避けている アッチェウン アチャポ サケフラ ルイ ペ ネ クス アイヌエシシ=よそのおじさんは酒のにおいがプンプンするものだから人を避けている. (出典:萱野、方言:沙流)
aynueynupitara
アイヌエイヌピタラ 【aynu-eynupitara】 人をじゃまに思う(客に対し,早く帰ってほしいと思う).▷アイヌ=人 エイヌピタラ=それをじゃまに思う アイヌエイヌピタラ ノイネ ウナㇻペ トゥイマノックㇱ=人をじゃまに思ったらしく,おばさんはプンとしてあちらを向いた. (出典:萱野、方言:沙流)
aynuhaw
アイヌハウ 【aynu haw】 人の声.▷アイヌ=人 ハウ=声 エソイネ アイヌハウ ク・ヌ=外で人の声がするのを私は聞いた. (出典:萱野、方言:沙流)
aynuhosi
アイヌホシ 【aynu hosi】 人と反対に:背を向けて立つ. アイヌトゥカㇷ゚ アナㇰネ アイヌホシ アㇱ ワ イタㇰ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=人間の亡霊は生きている人と反対に立って話をするものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
aynuhum
アイヌフㇺ 【aynu hum】 人の音.▷アイヌ=人 フㇺ=音 ニタイ トゥムン(トゥㇺ ウン) アイヌフㇺ ク・ヌ ペコㇿ=林の中で人の音を聞いたような.*狩猟の世界では,音,足音で何の気配かを知る. (出典:萱野、方言:沙流)
aynuikaras
アイヌイカラㇱ 【aynu-ikaras】 惜しい人. アイヌイカラㇱ ア・レポカㇻ ヤㇰ ア・イェ.タㇷ゚イキ クㇽ オナハ カ ア・レポカㇻ ペ ネ ア ㇷ゚=惜しい人が沖で死んだそうだ.今亡くなった人の父親も海で死んだものであったのに.アイヌイカラㇱ ウェンシイェイェ ヘネ キ シリ ネ ノイネ イポロホ カ ウェン=惜しい人が悪い病気にかかったらしく顔色も悪い.アイヌイカラㇱ ケㇱト イク ア イク ア,ウトゥル アン コㇿ ホッケ ワ パテㇰ アン ウェンクㇽ ネ ㇷ゚ ネ クス ア・オラㇺサッカ=惜しい人が毎日酒を飲んでばかりいて,その間に寝てばかりで貧乏なものだから軽蔑される.ソンノ エネ パウェトㇰコㇿペ ポンノ イク コㇿ チカトゥンカトゥン ア・オラㇺサッカ ノ イキ シリ アイヌイカラㇱ=本当にあのように雄弁な人が少し酒を飲むとおだって馬鹿にされるようなことをするものだ,惜しい人だ. (出典:萱野、方言:沙流)
aynuipe
アイヌイペ 【aynu-ipe】 アイヌ的な食べ方. *その昔は,と言っても,100年以上も古い時代は肉とか魚が主食であったでしょう.私が子供の頃に,というと昭和10年前後,肉汁とか魚汁を食べた後にご飯が出て来ると,これが本当のアイヌイペ(アイヌ的な食べ方)といっていたのを聞いたものであった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
aynukor
アイヌコㇿ 【aynu-kor】 尊敬する. →アアイヌコㇿ (出典:萱野、方言:沙流)
aynukotan
アイヌコタン 【aynu-kotan】 アイヌの村. *シネチセ(1軒の家),トゥチセ(2軒の家),レチセ(3軒の家).そしてイネチセ(4軒の家)が集まればコタンを形成するといわれる.▷アイヌ=人 コタン=村 (出典:萱野、方言:沙流)
aynukur/aynukuri(hi)
アイヌクㇽ/アイヌクリ(ヒ) 【aynu-kur/-kuri(hi)】 人影.▷アイヌ=人 クル=影 アパサムン(アパ サㇺ ウン) アイヌクリヒ ク・ヌカㇻ=戸口の前に人影を私は見た. (出典:萱野、方言:沙流)
aynumosir 1
アイヌモシㇼ 【aynu mo-sir】 ①人間の国.▷アイヌ=人間 モ=静かな シㇼ=土地 オキクㇽミ カムイ アナㇰネ カムイモシㇼ ワ アイヌモシルン(アイヌモシㇼ ウン) エㇰ カムイ ネ ワ=オキクㇽミカムイは神の国から人間の国へ来た神様だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
aynumosir 2
アイヌモシㇼ 【aynu mo-sir】 ②アイヌ民族の国土. タネ ホッカイドウ セコㇿ ア・イェ ポロ モシㇼ アナㇰネ テエータ ワノ アイヌモシㇼ ネ ルウェ ネ=現在北海道と言われている大きな島は,ずっと昔からアイヌの国土なのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
aynunisuk
アイヌニスㇰ 【aynu-nisuk】 人頼みをする.▷アイヌ=人 ニスㇰ=頼む (出典:萱野、方言:沙流)
aynunumke
アイヌヌㇺケ 【aynu-numke】 人選び(をする),選り好みする.▷アイヌ=人 ヌㇺケ=選ぶ アイヌヌㇺケㇷ゚ ネ クス マッ カ サㇰノ オンネ オアシ=人選びをするものだから,妻もなく年をとりはじめてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
aynuopitta
アイヌオピッタ 【aynu opitta】 人は皆.▷アイヌ=人 オピッタ=皆,全て フンペ ヤン ヤㇰ ア・イェ アクス アイヌオピッタ ホユッパ ワ イサㇺ=鯨が上がったと言うので,人は皆走って行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
aynupannacirapisone
アイヌパンナチラピソネ 【aynu-panna-cirapi-so-ne】 人間の上半身が空から降って広がったように . ▷アイヌ=人間 パンナ=上半身 チラピ=それが落ちる ソ=座 ネ=なる *ユカㇻに出て来る一場面で,ポンヤウンペが戦いの場で相手の者どもを斬りまくる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
aynupata
アイヌパータ 【aynu pa ta】 いいなあ,羨ましいなあ,私もあのようになりたいなあ(感嘆の言葉). アイヌパータ!ニㇱパ ネ クス トイェヘ ピㇼカ=いいなあ,裕福な人だから畑の出来もよい.アイヌパータ!ピㇼカ マッ コㇿ ワ ピㇼカ チセ アシ ケイコイトゥパ(ク・エイコイトゥパ)!=いいなあ.きれいな奥さんと結婚して,立派な家も建てて,羨ましい!ソンノ ク・カㇻクフ ピカンピカン シリ ク・ヌカㇻ コㇿ アイヌパータ ペウレパ ワ!シコㇿ ク・ヤイヌ=本当に私の甥の敏捷な動きを見ると,いいものだなあ,若い者たちは!と私は思う. (出典:萱野、方言:沙流)
aynupewrep
アイヌペウレㇷ゚ 【aynu pewre-p】 人間熊:熊送りの後で,解いた縄を人に結びつけて熊の真似をする遊び. (出典:萱野、方言:沙流)
aynupuri
アイヌプリ 【aynu-puri】 人の習慣,アイヌ風.▷アイヌ=人,アイヌ民族 プリ=習慣,風習,やり方 アイヌプリ アニ シンヌラッパ ヤㇰ ア・イェ=アイヌのやり方で先祖供養を行なったということだ.ウトㇺヌカㇻ シサㇺプリ ソモ キ パ ノ アイヌプリ アニ キ パ ヤㇰ ア・イェ=結婚式を和人風ではなくて,アイヌ風に行なったそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
aynurakkur
アイヌラックㇽ 【aynu-rak-kur】 オキクㇽミカムイの別名.▷アイヌ=人間(の) ラㇰ=味(がする) クㇽ=人→人間の味がする人 (出典:萱野、方言:沙流)
aynuraykeupas
アイヌライケウパㇱ 【aynu-ray-ke-upas】 人殺し雪. ▷アイヌ=人 ライケ=殺す ウパㇱ=雪 *昭和10年前後のこと,私の祖母テカッテが,夜外へ出て寒さと雪の様子を見て,スイ ネイタカ アイヌライケウパㇱネスン=またどこかで人を殺している雪であろう,と言いながら入って来ると,次の日は必ずのようにどこそこで凍死者が出たという話が聞こえて来たものであった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
aynuraytukap
アイヌライトゥカㇷ゚ 【aynu ray-tukap】 亡霊.▷アイヌ=人(の) ライ=死んでいる トゥカㇷ゚=幽霊 セタ ミㇰ ヒ アナㇰネ アイヌライトゥカㇷ゚ カリ シㇼ ソモ ネ ウン?=犬が吠えるのは亡霊が徘徊しているからではないか? (出典:萱野、方言:沙流)
aynusamampe
アイヌサマンペ 【aynu-samampe】 サメガレイ〔魚〕.▷アイヌ=アイヌ民族の サマンペ=カレイ,ヒラメ (出典:萱野、方言:沙流)
aynusani
アイヌサニ 【aynu-sani】 アイヌの血統.▷アイヌ=人 サニ=血統 アイヌサニ ネ ノイネ ラチュン(ラチウウン) カトゥ チャㇱナタラ=アイヌの血統であるらしく,眉の様子がすっきりしている.*サニには,血統のほか子孫,末窩などの意もある. (出典:萱野、方言:沙流)
aynusanikir/aynusanikiri(hi)
アイヌサニキㇼ/アイヌサニキリ(ヒ) 【aynu-san-ikir/-ikiri(hi)】 アイヌの子孫.▷アイヌ=アイヌ サン=出る イキㇼ=列 トアン ポンメノコ アイヌサニキㇼ ネ ノイネ シノ ピㇼカ メノコ ネ=あの娘はアイヌの子孫らしく,本当にきれいな娘だ. (出典:萱野、方言:沙流)
aynusantek/aynusanteke(he)
アイヌサンテㇰ/アイヌサンテケ(ヘ) 【aynu-san-tek/-teke(he)】 アイヌの血統.▷アイヌ=人 サン=出る テㇰ=手 アイヌサンテㇰ ネ クス パウェトㇰコㇿ=アイヌの血統だから雄弁だ. (出典:萱野、方言:沙流)
aynutopa/aynutopa(ha)
アイヌトパ/アイヌトパ(ハ) 【aynu-topa/-topa(ha)】 人の群れ,群衆,群がり集まった人々.▷アイヌ=人(の) トパ=群れ タント チㇷ゚サンケ エトホ ネ クス アイヌトパハ ウウェカㇻパ=今日は舟おろし祭りの日だから大勢の人々が集まった. (出典:萱野、方言:沙流)
aynutukap
アイヌトゥカㇷ゚ 【aynu-tukap】 幽霊,化けた人間,人が化けた幽霊.*悪口としても使われる.▷アイヌ=人 トゥカㇷ゚=幽霊 (出典:萱野、方言:沙流)
aynuuhoppa
アイヌウホッパ 【aynu-u-hoppa】 出発前に妻をなぐること. ▷アイヌ=人 ウ=互い ホッパ=残す,置く *長い間夫が留守にして仕事に出る場合,あるいは狩りに行く時に妻が夫のことをあまり思わないようにするために,出発前に妻に難癖をつけてなぐること.そうすると,妻は夫のことを,あんな親父め,熊に食われて死んでしまえ,と思っているうちに日が経ち月が過ぎて,夫が元気で帰ってくる.すると,あんらまあお帰りなさい,ということになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ayo
アヨ 【ayo】 あっ〔間投詞〕:驚いた時の言葉, (出典:萱野、方言:沙流)
ayo
アヨー 【ayoo】 痛ーい,ああ〔間投詞〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ayoayo
アヨアヨ 【ayo-ayo】 イムをした時の驚きの言葉〔間投詞〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ayopo
アヨポ 【ayopo】 あっ〔間投詞〕:蛇を見たり.大に噛みつかれたなど驚いた時の言葉 (出典:萱野、方言:沙流)
aype
アイペ 【aype】 アワビ,エゾアワビ.*夜暗闇で熊や犬や鹿の目が光る色は,アワビの貝殻の内側の光とそっくりなので,ユカㇻでは「ルマイペ(ル アイペ) トㇺ ネ=さっとアワビの色」と表現している. (出典:萱野、方言:沙流)
aypoypo
アイポイポ 【aypoypo】 イムをした時の驚きの言葉. →イム (出典:萱野、方言:沙流)
ayrap
アイラㇷ゚ 【ay-rap】 矢羽:鷹やカケスの羽根を使う.*烏の羽根は使わない.烏は熊の居場所をアイヌに教えるので,熊は烏を憎んでおり,もしも烏の羽根を使ったら熊が矢を受けてくれないと考えるため.▷アイ=矢 ラㇷ゚=羽 (出典:萱野、方言:沙流)
ayrapkina
アイラㇷ゚キナ 【ay-rap−kina】 クサソテツ,コゴミ.*まだ葉が開かない裸葉の時はソㇿマ(ゼンマイ)と呼び食料にする.また山で狩小屋を作る際,小束にして屋根を葺いたり下に敷いて使う.▷アイ=矢 ラㇷ゚=羽根 キナ=草 (出典:萱野、方言:沙流)
aysup
アイスㇷ゚ 【ay-sup】 矢柄(やがら):シキ(オニガヤ)で作る.▷アイ=矢 スㇷ゚=ススキ (出典:萱野、方言:沙流)
ayusni
アユㇱニ 【ay-us-ni】 センノキ,タラノキ,ハリギリ,バラ(とげがいっぱい生えている木).*流行病の噂を聞いた時この木で神を作り村の入口に御神体として立てた(タラノキ).▷アイ=矢 ウㇱ=生える ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
ayusnikamuy
アユㇱニカムイ 【ay-us-ni-kamuy】 とげつきの神. コタン アパパ タ アユㇱニ カムイ ア・ニスㇰ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ カ コタノルン(コタン オルン) アフン ニューケㇱ=村の入り口の向こう側にとげつきの神を頼んで置くと,病気の神も村へ入ることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
ayyopo
アイヨポー 【ay yopo】 驚きの言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
c=amaku
チャマク 【c=ama-ku】 仕掛け弓. (出典:萱野、方言:沙流)
c=aniku
チャニク 【c=ani-ku】 弓:手に持つ弓. (出典:萱野、方言:沙流)
c=aynukorkur
チャイヌコㇿクㇽ 【c=aynu-kor-kur】 大事にしなければならない人. (出典:萱野、方言:沙流)
c=eakpe
チェアㇰペ 【c=e-ak-pe】 私生児(母親が複数の男と関係していたため,どの男が父親であるかわからないという場合).▷チ=私たち エ=〜で アㇰ=射る ペ=者 →私たちで射た者 (出典:萱野、方言:沙流)
c=eakpise
チェアㇰピセ 【c=e-ak-pise】 私生児,ててなし子.▷チ=私たち エ=〜で アㇰ=射る ピセ=膨らむ →私どもで射て膨らませた腹である #NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
c=ehomatu
チェホマトゥ 【c=e-homatu】 (それに)驚く,たまげる. (出典:萱野、方言:沙流)
c=ehorkakep
チェホㇿカケㇷ゚ 【c=e-horka-ke-p】 (さかさ削りの)御幣:木で削った御幣(イナウ).木の上から根元へ削り下ろす. 図[チェホㇿカケㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
c=ehotasnup
チェホタㇱヌㇷ゚ 【c=e-hotasnu-p】 利口すぎる子供.▷チ=我々 エ=それで ホタㇱヌ=期待する,不安を持つ ㇷ゚=者 ホッノ イヨーハイ ネㇷ゚ イェ ヤッカ オッシケポロ ハウェ.チェホタㇱヌㇷ゚ ネ オアシ=まあたまげた,何を言っても利口な子供だ.行く末に期待と末恐ろしさのある者になりそうだ.*貝澤てきというおばさんに萱野茂は言われたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
c=ehotkep
チェホッケㇷ゚ 【c=e-hotke-p】 ふんどし. (出典:萱野、方言:沙流)
c=eiyannup
チェイヤンヌㇷ゚ 【c=e-iyannu-p】 壊れたもの:壊れて役に立たないもの. アイヌ チェイヤンヌㇷ゚=役に立たなくなった人間.*この言葉は悪口なので普通は言ってはならない. (出典:萱野、方言:沙流)
c=ekotaptap
チェコタㇷ゚タㇷ゚ 【c=e-ko-tap-tap】 丸める,団子にする. (出典:萱野、方言:沙流)
c=ekunip
チェクニㇷ゚ 【c=e-kuni-p】 魚〔雅〕.▷チ=我々 エ=食べる クニㇷ゚=である物 (出典:萱野、方言:沙流)
c=ekuniprur
チェクニㇷ゚ルㇽ 【c=e-kuni-p-rur】 魚汁. フウーン ケラアン チェクニㇷ゚ルㇽ ポロンノ ケ(ク・エ) ア ケ(ク・エ) ア=まあまあおいしい魚汁,たくさん食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
c=emetup
チェメトゥㇷ゚ 【c=e-metu-p】 酒を持ち帰る:酒宴の場で女性が貰った酒を別の入れ物に入れて我が家へ持ち帰った酒. (出典:萱野、方言:沙流)
c=eninuype
チェニヌイペ 【c=e-ninuy-pe】 枕:これは普通の言い方でユカㇻにはムㇰルと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
c=eoskesaranip
チェオㇱケサラニㇷ゚ 【c=e-oske-saranip】 縄編み袋. ニタッウナㇻペ アナㇰネ チェオㇱケサラニㇷ゚ ヘウシ アーペコㇿ オトピヒ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=湿地にいる化け物おばはチェオㇱケサラニㇷ゚を頭に被ったような髪をしているものだそうだ.*サラニㇷ゚というのはチポㇷ゚テニペㇱ(木灰で煮たシナの木の皮)で編んだ袋のことで大小様々な物があり,編み方も二通りある.チェオㇱケサラニㇷ゚は上から下げて底の方から編み下ろし,最後にパルㇽケ(縁)を編むが,縁を編む直前の様子は髪を広げて下げたかに見える.それで用例のような表現がある.図[チェオㇱケサラニㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
c=ep
チェㇷ゚ 【c=e-p】 魚.▷チ=我ら エㇷ゚=食べ物 (出典:萱野、方言:沙流)
c=epanup
チェパヌㇷ゚ 【c=epanu-p】 (女の)鉢巻き. (出典:萱野、方言:沙流)
c=epiporooma
チェピポロオマ 【c=e-p-iporo-oma】 栄養失調の顔をしている. ソンノ エアシㇼ ヤイコランプトゥイェ ㇷ゚ ネ クス イペエウェン イミエウェン ヘカッタㇻ カ チェピポロオマ カネ パ=本当に全く自分のことを構わないものだから,食べ物もよくない着るものもよくない,子供らも栄養のよくない顔をしている.シネ アン タ エソイネ シムシㇱカ ハウ ア・ヌ ヒクス ソイェネアナクス(ソイェネ・アン アクス) シケトㇰナ ワ ア・エラムㇱカリ メノコ アン コㇿカ チェピポロオマ カネ ㇷ゚ ネ ネイワカ シリペ クス エㇰ ペ ネ ノイネ=ある日のこと,家の外で咳払いの声が聞こえたので,外へ出たら目つきからまったく知らない女がいたが,栄養失調の顔をしている者,どこからか食べ物を調達に来た者らしい.*シリペ=食べ物を調達すること.村が飢饉のために食べ物がない場合. (出典:萱野、方言:沙流)
c=etoy
チェトイ 【c=e-toy】 食べられる土.*平取町内宿志別(スクㇱペッ)ヌカピラ川本流から3kmほど入った右岸に,チェトイがあったと聞く.そこへは鹿が集まるとのこと. (出典:萱野、方言:沙流)
c=eyaotke
チェヤオッケ 【c=e-ya-otke】 岸へ着く:舟の頭が岸へ突き刺さるようにして着く.▷チ=私たち エ=〜で ヤ=岸辺 オッケ=突く (出典:萱野、方言:沙流)
c=oipep
チョイペㇷ゚ 【c=oipe-p】 食器.器.▷チ=私ら オ=それ イペ=食べる ㇷ゚=物・器 (出典:萱野、方言:沙流)
c=opentari
チョペンタリ 【c=opentari】 神々の名前を呼び並べる. トゥ カムイ シンリッ レ カムイ シンリッ チョペンタリ=ふたつの神の名,三つの神の名,呼び並べ[ユ] (出典:萱野、方言:沙流)
c=oranrani
チョランラニ 【c=oranrani】 詰め込む. (出典:萱野、方言:沙流)
c=oterkeni 1
チョテㇾケニ 【c=oterke-ni】 ①はじく:足で踏んだ柴がはじく. (出典:萱野、方言:沙流)
c=oterkeni 2
チョテㇾケニ 【c=oterke-ni】 ②短腹者:山を歩いていて,踏んだ柴がぱしっとはじけて戻るような様子. ネㇷ゚カ ア・イェ コㇿ チョテㇾケニ コラチ ネ パッコサヌ ウコイキエオ ウェンクㇽ=何か言うと,足で踏んだ柴がはじけるようにさっとはじけ,けんかっ早い悪い奴. (出典:萱野、方言:沙流)
c=ukopoye
チュコポイェ 【c=u-ko-poye】 混ぜる. (出典:萱野、方言:沙流)
c=uni
チュニ 【c=uni】 私の家. ク・シユトホ チュニ(チ・ウニ) タ エㇰ ワ イク コㇿ アン.ミッポ ウタㇻ ウホユッパレ シㇰ ノ サケ オマ トゥキ ホクㇱテ パ.アㇺカㇺコモㇺセ ペコㇿ ハワン コㇿ チャッセテㇰ アㇻパ ワ イサㇺ=私の舅が私の家に来て酒を飲んでいた,孫たちが走り回り酒がいっぱい入った杯をひっくり返した,悲鳴のような声を出したが舌打ちして行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
ca
チャ 【ca】 柴. (出典:萱野、方言:沙流)
ca
チャ 【ca】 言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
ca
チャ 【ca】 摘む,切る. イチャ=それを摘む,穀物の穂を摘む.ピヤパ チャ=ヒエの穂を摘む.ムンチロ チャ=アワの穂を摘む.フンペリカ アナㇰネ シコポㇷ゚ノタコㇷ゚ アニ ア・チャ ㇷ゚ ネ=鯨の脂身は錆のある刃物で切るものだ.フンペ ア・チャ ヒ タ アナㇰネ シコポㇷ゚ノタコㇷ゚ アニ ア・チャ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=鯨を切る時は錆びついた刃物で切るといいものだよ(と年上の人から開かされたことがある). (出典:萱野、方言:沙流)
caca
チャチャ 【caca】 じいさん,じじい,老人(男):男にだけ用いる.あまり上品な言葉ではないのでむやみに使ってはいけない. ウェンチャチャ=悪いじじい. (出典:萱野、方言:沙流)
caca
チャチャ 【ca-ca】 切る:鋸で切る時など. (出典:萱野、方言:沙流)
caha
チャハ 【caha】 小枝,小柴. (出典:萱野、方言:沙流)
cak
チャㇰ 【cak】 はじける,飛び散る:草の種などがはじけて飛び散る. タント シプㇱケㇷ゚ トイ ク・ヌカㇻ ワ ケㇰ ア コㇿカ トゥナㇱノ ソモ ア・チャ ヤㇰ チャㇰ ワ イサㇺ ナ ホクレ チャ ヤン=今日,イナキビ畑を私が見て来たが,早く穂を摘まないと飛び散ってしまうよ.早く摘みなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
cakcak
チャㇰチャㇰ 【cak-cak】 ミソサザイ.*茶色の小鳥で山奥の沢にいる.鹿か熊が動くとチャッチャッと声を出しながら飛んで来るので狩人はその方角へ行く. (出典:萱野、方言:沙流)
cakcakkamuy
チャㇰチャッカムイ 【cak-cak-kamuy】 ミソサザイの神. (出典:萱野、方言:沙流)
cakkosanu
チャッコサヌ 【cak-kosanu】 (さっと)晴れる. (出典:萱野、方言:沙流)
camsecamse
チャㇺセチャㇺセ 【camse-camse】 (もぐもぐと)食べる,噛む. (出典:萱野、方言:沙流)
canan
チャナ(ー)ン 【canan】 粗末な.たいしたことのない,弱々しい. シネアンタ チャナーン ノ イミ イヤフㇷ゚ペ エㇰ ヒネ ヤイェヤントエトゥン.アオカ カ タㇷ゚ アエㇷ゚ カ イサㇺ ペ ネ ワ アン ペ ア・ウヌフ レウシレ ルウェ ネ=ある日のこと,粗末な着物を着た乞食が着て泊めてくれと言った.私どもだけでも食べ物もないのに,その者を私の母は泊めることにした. (出典:萱野、方言:沙流)
cananno
チャナンノ 【canan-no】 粗末に,雑に. (出典:萱野、方言:沙流)
cananpe
チャナンペ 【canan-pe】 貧弱:見劣りがして,みすぼらしいこと. (出典:萱野、方言:沙流)
canunkopa
チャヌンコパ 【c-anun-kopa】 他人扱い(する).▷チ=それ アヌン=別の コパ=合わせる,らしくする (出典:萱野、方言:沙流)
canup
チャヌㇷ゚ 【canup】 知る,覚える,分かる,参考になる. オンネ ㇷ゚ アナㇰネ ネㇷ゚ イェ ヤッカ ア・エチャヌㇷ゚コㇿ ペ ポロンノ アン ペ ネ クス ピㇼカノ ア・ヌ ㇷ゚ ネ ナ アニ=年寄りは何を言っても参考になることがたくさんあるものだからよく聞くものだぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
cape
チャペ 【cape】 猫. ウェン チャペ カトゥネコ ク・ミッポホ アムチチ ルウェ アン=悪い猫がこんなにひどく私の孫をかっちゃいたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
car/caro(ho)
チャㇻ/チャロ(ホ) 【car/caro(ho)】 口. (出典:萱野、方言:沙流)
carakekane
チャラケカネ 【carake kane】 ふざけ半分.遊び半分,いたずら半分. (出典:萱野、方言:沙流)
caranke
チャランケ 【ca-ranke】 談判(する),話し合い.▷チャ=言葉 ランケ=下ろす マッ カ コㇿ ホク カ コㇿ ペ ウウェエオコㇰ ヒ ア・コオシコニ パ ユㇷ゚ケ チャランケ アン ヤㇰ ア・イェ=妻もいて夫もいる者どもが浮気をし,それが発覚して強い談判が始まったそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
carankecikap
チャランケチカㇷ゚ 【ca-ranke-cikap】 ヒバリ. (出典:萱野、方言:沙流)
cararase
チャララセ 【cararase】 滑る. (出典:萱野、方言:沙流)
carase
チャラセ 【carase】 滑る,滑り降りる:人間が斜面を滑り降りる. カンペクㇽカ エチャラセ=水面を滑るように.*二風谷にチャラセという和船があり,8月20日に沙流川で乗って遊ぶ舟下ろし祭りがある. (出典:萱野、方言:沙流)
cari
チャリ 【cari】 まく.ふりまく,まき散らす. ニヌㇺチャリ=木の実をまく(熊送りの時などに行なう). (出典:萱野、方言:沙流)
caro
チャロ 【/caro】 〜の口. (出典:萱野、方言:沙流)
carototke
チャロトッケ 【carototke】 (声が)聞こえる,騒がしい:子供の泣き声や小鳥のさえずりが騒がしい. ポンペ チㇱ ハウ チャロトッケ=赤ん坊の泣き声が聞こえてきた.キㇺペ ハウ チャロトッケ=熊の声が聞こえてきた. (出典:萱野、方言:沙流)
carpa
チャㇻパ 【carpa】 散らす,まき散らす. (出典:萱野、方言:沙流)
caruwato
チャルワト 【caruwato】 整然としている. ア・コㇿ チャシ リクン オㇷ゚プイ ランケ オㇷ゚プイ チャルワト=私の城,上の槍穴,下の槍穴,整然と[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
caruwatore
チャルワトレ 【caruwatore】 整う. (出典:萱野、方言:沙流)
cas
チャㇱ 【cas】 走る. (出典:萱野、方言:沙流)
casi
チャシ 【casi】 柵,囲い,垣根,城,砦. アチャポ ウンマ オ ワ エㇰ シリ イキ ナ ソイネ ワ チャシ オルン ウンマ コシナ ワ ムン エレ ワ アヌ=おじさんが馬に乗ってきたようなので外へ出て柵へ馬を繋ぎ草を食わせておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
casnatara
チャㇱナタラ 【cas-natara】 すっきりしている,きれいな,さっぱりしている. アイヌサニ ネ ノイネ ラチュンカトゥ チャㇱナタラ=アイヌの血統であるらしく眉の様子がすっきりしている. (出典:萱野、方言:沙流)
casori
チャソリ 【ca-sori】 柴そり:イワニ(アオダモ)製. コタン カットゥイマノ スマウコㇿ・アン ワ カㇺ ア・セ ニューケㇱ ヒ タ チャソリ ア・カㇻ ワ カㇺ ア・ルラ ㇷ゚ ネ=村から遠い所で獲物を手にして肉を背負いきれない時に柴ぞりを作って肉を運ぶものだ.図[チャソリ] (出典:萱野、方言:沙流)
catay
チャタイ 【catay】 大蛇. (出典:萱野、方言:沙流)
catcari
チャッチャリ 【car-cari】 散らかす,ばらまく. *ホチャッチャリ(尻軽な女=浮気な女)のことを言う場合もある〔隠語〕. マキㇷ゚ エ・チャッチャリ ワ エ・アン?=どうしてお前は散らかしている?エ・ミピヒ イテキ チャッチャリ ノ ウカオ ワ アヌ=お前の着物を散らかしておかないでしまっておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
catcarpa
チャッチャㇻパ 【car-carpa】 (バラバラと,たくさんを)散らす.まき散らす. (出典:萱野、方言:沙流)
catpiyak
チャッピーヤㇰ 【catpiyak】 雨燕の舞い:4人の者が十文字に交差しながら踊る. 図[チャッピーヤㇰ] (出典:萱野、方言:沙流)
catse
チャッセ 【cat-se】 舌打ち(する). シネ オッカイポ エㇰ ヒネ ア・オナハ コピヌピヌ アクス チャッセテㇰ ワ チソイェカッタ=ひとりの若者が来て,私の父に何やら耳打ちすると.父は舌打ちしたと思うとさっと外へ出て行った.ク・シユトホ チュニ(チ・ウニ) タ エㇰ ワ イク コㇿ アン ミッポ ウタㇻ ウホユッパレ シㇰ ノ サケ オマ トゥキ ホクㇱテ パ アㇺカㇺコモㇺセ ペコㇿ ハワン コㇿ チャッセテㇰ アㇻパ ワ イサㇺ=私の舅が私の家に来て酒を飲んでいた,孫たちが走り回り酒がいっぱい入った杯をひっくり返した.悲鳴のような声を出したが舌打ちして行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
cautek
チャウテㇰ 【cau-tek】 砕ける. キハㇺチャウテㇰ シコパヤㇻ=がさがさに乾いたカヤの葉を手で握ると砕けたのと同じに. *ユカㇻの中でポンヤウンペが,トラットゥㇱという皮紐で縛られていたが,えいっとばかり力を入れると皮紐が砕け散った[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cawawke
チャワウケ 【cawawke】 ひびがきれる,あかぎれ. タン マタ アナㇰネ エタカスレ メアン エ・テケ カ チャワウケ シリ=今年の冬は特別寒いので,お前の手もあかぎれしている. (出典:萱野、方言:沙流)
cawcawatki
チャウチャワッキ 【caw-caw-atki】 (大型の鳥類の)羽音. (出典:萱野、方言:沙流)
cawnaraye
チャウナライェ 【c-awna-raye】 (家ヘ)入って来る. (出典:萱野、方言:沙流)
caycay
チャイチャイ 【caycay】 柴:おとなの指より細い柴. (出典:萱野、方言:沙流)
ceho
チェホ →チェホタㇱヌㇷ゚の略語 (出典:萱野、方言:沙流)
cekurupna
チェクルㇷ゚ナ 【ci=e-ku-irupna】 陰茎,男性性器.▷チ=私たち エ=それ ク=飲む ルㇷ゚ナ=丸まま →女性側から陰茎をいう場合,私どもが丸まま呑み込む物という (出典:萱野、方言:沙流)
cempako
チェンパコ 【cempako】 箱膳. (出典:萱野、方言:沙流)
cep kuma tay kam kuma tay
チェㇷ゚ クマ タイ カㇺ クマ タイ 【cep-kuma-tay-kam-kuma-tay】 魚や肉を乾かす干し竿の林.▷チェㇷ゚=魚 クマ=干し竿 タイ=林 カㇺ=肉 *狩の上手なアイヌの家の前には,魚や肉を乾かす干し竿が林のように立っている. (出典:萱野、方言:沙流)
cep'ohaw
チェㇷ゚オハウ 【cep-ohaw】 魚汁. (出典:萱野、方言:沙流)
cep'uype
チェㇷ゚ウイペ 【cep-uype】 魚屑. (出典:萱野、方言:沙流)
cepcipor
チェㇷ゚チポㇿ 【cep-cipor】 魚卵. (出典:萱野、方言:沙流)
cephurukap
チェㇷ゚フルカㇷ゚ 【cep-hurukap】 魚のひからびた物,*このフルカㇷ゚をもじってアイヌ フルカㇷ゚=ひからびた人間と悪口を言うことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
cepkap
チェㇷ゚カㇷ゚ 【cep-kap】 魚皮. (出典:萱野、方言:沙流)
cepker/cepkeri(hi)
チェㇷ゚ケㇾ/チェㇷ゚ケリ(ヒ) 【cep-ker/cep-keri(hi)】 サケ皮の靴.▷チェㇷ゚=魚 ケㇾ=履物 図[チェㇷ゚ケㇾ] (出典:萱野、方言:沙流)
cepkoyki
チェㇷ゚コイキ 【cep-koyki】 魚を獲る,漁獲する.▷チェㇷ゚=魚 コイキ=いじめる アチャポ チェㇷ゚コイキ クス エン・シレン コㇿカ ア・エラムホカスス クス ソモ アㇻパ・アン=おじさんが魚獲りに私を誘ったが,気が進まなかったので行かなかった.タヌクラン アナㇰネ アㇷ゚ト アㇱ ノイネ シㇼポㇷ゚ケ カ キ ヘタ チェㇷ゚コイキ クス アㇻパ・アン ナ=今夜は雨も降りそうで暖かいし,さあサケ獲りに行くぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
cepmokrap/cepmokrapu(hu)
チェㇷ゚モㇰラㇷ゚/チェㇷ゚モㇰラプ(フ) 【cep-mokrap/-mokrapu(hu)】 (魚の)ひれ:胸びれ.魚のえらぶた. (出典:萱野、方言:沙流)
cepmotot/cepmotoci(hi)
チェㇷ゚モトッ/チェㇷ゚モトチ(ヒ) 【cep-motot/-motoci(hi)】 魚の背骨. (出典:萱野、方言:沙流)
cepnu
チェㇷ゚ヌ 【cep-nu】 魚がたくさん獲れる. ウクラン チェㇷ゚ヌ・アン ワ ポロンノ チェㇷ゚ アン ナ コㇿ ワ アㇻパ ヤン=昨夜は魚がたくさん獲れ,いっぱい魚があるので持って行きなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
ceppo sunankar
チェッポ スナンカㇻ 【ceppo sune-an-kar】 小魚に灯を近づけて獲る. テエータ アナㇰネ チェッポ スナンカㇻアニタ(スナンカㇻ・アン ヒ タ) アナㇰネ ペッチチャイ タ アナㇰネ ネㇷ゚ パㇰノ カ チチラ オカ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ア・ヌカㇻ フミー カ イサㇺ=ずうっと昔,小魚に灯を急に近づけて獲る時には.浅瀬にはなんぼでもドジョウがいたものだったが,今は見ることもない(夏の夜の遊び). (出典:萱野、方言:沙流)
cepramram/cepramrami(hi)
チェㇷ゚ラㇺラㇺ/チェㇷ゚ラㇺラミ(ヒ) 【cep-ram-ram/-rami(hi)】 魚の鱗. (出典:萱野、方言:沙流)
ceprup/ceprupi(hi)
チェㇷ゚ルㇷ゚/チェㇷ゚ルピ(ヒ) 【cep-rup/-rupi(hi)】 魚の群れ. (出典:萱野、方言:沙流)
ci
チ 【ci】 それ,そこ(ヘ),自ら. (出典:萱野、方言:沙流)
ci
チ 【ci】 煮える,焼ける,(果実などが)熟す,熟した,熟れた,枯れる. エモ チ ヤー.パスイ エタラレ ワ インカㇻ チ ノイネ ネ ヤクン エチキキ ワ ス リコライェ ワ ヤンケ=ジャガイモが煮えたかい.箸を刺してみて煮えたようであれば煮汁を流して鍋を高くしてから上げろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ci/ciye(he)
チ/チイェ(ヘ) 【ci/ciye(he)】 陰茎,男根,ちんちん,陰部. チイェヘ アㇱ=勃起する. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=
チ 【ci=】 我々,我ら,私たち,俺たち. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=amaku
チアマク 【ci=ama-ku】 仕掛け弓. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=astustekka
チアㇱトゥシテッカ 【ci=as-tus-tek-ka】 立ったままで金縛りになったように. ▷チ=私 アㇱ=立つ トゥㇱテッカ=金縛り[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=esikirayne
チェシキライネ 【ci=e-sikirayne】 憐れだ,かわいそうだ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=esorore
チエソロレ 【ci=esoro-re】 それを描く,絵を描く[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=karsake
チカㇻサケ 【ci=kar-sake】 我らの造る酒,自分たちが醸した酒. ▷チ=私たち カㇻ=造る,醸す サケ=酒(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kasnukarpe
チカㇱヌカㇻペ 【ci=kas-nukar-pe】 授かり物.▷チ=私たち カㇱ=上 ヌカㇻ=見る ペ=物 ヌマン ク・ホㇰ シントコ アナㇰネ カムイ オㇿ ワ ア・エン・チカㇱヌカㇻペ ネ=昨日私が買ったシントコは神から私への授かり物だ.*人間には便われずあくまで物についての語. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kemekarpe
チケメカㇻペ 【ci=kem-e-kar-pe】 縫い物(手で縫った物).▷チ=私たち ケㇺ=針 エ=それ カㇻ=作る ペ=物 (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kisani
チキサニ 【ci=kisa-ni】 アカダモ,ハルニレ.▷チ=我ら キサ=穿つ ニ=木 →この木の枯れた部分に穴を穿って火種をこしらえた (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kokantama
チコカンタマ 【ci=ko-kantama】 私を騙す. ▷チ=私 コカンタマ=騙す ピリカイコロ ネヤッイェコロ チコカンタマワ ポロイチェン エンコウッ=いい宝刀だと言ってたくさんの銭を俺から取った.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=koykip
チコイキㇷ゚ 【ci=koyki-p】 獣,獲物(山の獲物の総称).▷チ=私たち コイキ=いじめる ㇷ゚=者 →熊,鹿,狐,ウサギの総称.アイヌ側からいじめている者と考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kupeni
チクペニ 【ci=ku-pe-ni】 エンジュ.▷チ=我ら ク=飲む ペ=雫 ニ=木 *民話やカムイユカㇻの中では「広い広い山の中,奥山の山懐で立ち木の神は数多いが雄弁と度胸を兼ね備えた神の中の神」と表現している. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kusru
チクㇱル 【ci=kus-ru】 道. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kutkes
チクッケㇱ 【ci=kutkes】 咳払い,えへんえへん,いざないを問うための咳払い:他人の家の外へ行って「入っていいか」という合図のための咳払い.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kuypas
チクイパㇱ 【ci=kuy-pas】 噛んだ消し炭. ウェンユㇰ アナㇰネ エㇺコホ チポロ ペ ア・オター ペコㇿ エㇺコホ チクイパソㇿ(チ・クイパㇱ オㇿ) ア・クㇱテ アーペコㇿ アン ペ ネー セコㇿ ウウェペケㇾ オッタ ア・イェ ㇷ゚ ネ=どうもうな熊は体の半分が筋子を潰した汁をかけたような赤い色,体半分は消し炭を噛んだ汁にくぐらせたような黒い色をしていると昔話の中では言われるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=maamuspe
チマアムㇱペ 【ci=ma-am-us-pe】 焼いた蟹:酒を飲むとすぐ赤くなる人.▷チ=私たち マ=焼く,焼いた アㇺウㇱペ=爪ある者,蟹 ポンノ イク コㇿ ア・イェ ロㇰ クニ チマアムㇱペ コラーチ フレ ワ オケレ=少し飲むと言うところの焼いた蟹のように赤くなる. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=makina
チマキナ 【ci=ma-kina】 ウド.▷チ=私たち,私ども マ=焼く キナ=草 →私たちが焼いて食べる草 (出典:萱野、方言:沙流)
ci=map
チマㇷ゚ 【ci=ma-p】 寝癖,寝相が悪い.▷チ=我ら マ=焼く ㇷ゚=物:生き魚を焼いた時のようにのたうちまわること ソンノ シㇰヌ チェㇷ゚ ア・マㇷ゚ コラチ ホタッパタッパ ア・イェ マヌ チ・マㇷ゚=本当に生きた魚を焼いたようにのたうちまわり,これを言うのだ寝相が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=minnipes
チミンニペㇱ 【ci=min-nipes】 細く裂いたシナの木の皮. ▷チ=私たち ミン=細く裂く ニペㇱ=シナの木の皮(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=mutpe
チムッペ 【ci=mut-pe】 刀.▷チ=私たち ムッ=佩刀 ペ=物 →腰に差す物.前へ下げる物 (出典:萱野、方言:沙流)
ci=ninninup
チニンニヌㇷ゚ 【ci=ninninu-p】 刺繍した着物. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=nomisir
チノミシㇼ 【ci=nomi-sir】 我ら祭る所. チ・コㇿ ニㇷ゚タニ タ アナㇰネ ペウレㇷ゚ オッカ(オㇿカ) ウン チノミシㇼ カンカン レㇾケヘ チノミシㇼ オケネウㇱ ウン チノミシㇼ エレㇷ゚アン オロウン カムイイピㇼマ ハウ ア・ヌ コㇿ コタン エウン ウタㇻ ヤイトゥパレ パ ㇷ゚ ネ=私どもの二風谷では熊の姿岩のチノミシリ(我ら祭る所),カンカン向かいのチノミシリ,オケネウシのチノミシリ,3か所あって,そこへ神のお告げが聞こえたら村人全部が気をつけるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=noyeinaw
チノイェイナウ 【ci=noye-inaw】 よりあわせた削りかけ(イナウ). 図[チノイェイナウ] (出典:萱野、方言:沙流)
ci=noyetat
チノイェタッ 【ci=noye-tat】 灯火用樺皮. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=nunukehi
チヌヌケヒ 【ci=nunuke-hi】 陰茎. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=nunukei
チヌヌケイ 【ci=nunuke-i】 陰門.▷チ=私たち ヌヌケ=孝行 イ=所 (出典:萱野、方言:沙流)
ci=pankemat
チパンケマッ 【ci=panke-mat】 妾.▷チ=それ パンケ=薄い マッ=妻 (出典:萱野、方言:沙流)
ci=panup
チパヌㇷ゚ 【ci=pa-nu-p】 鉢巻. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=patupatu
チパトゥパトゥ 【ci=patu-patu】 あおる,強風にあおられる,強風によって物をばたばたいわせる. ソンノイヨーハイ レラルイペネクス アペカ チパトゥパトゥ カナヤーカ ケラㇺペウテㇰ=本当にたまげた,風が強いものだから,火があおられて生きた心地もしなかった. *カナヤーカ(クアンアヤーカ)=私がいたのも,生きた心地も.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=perpani
チペㇾパニ 【ci=perpa-ni】 割り木.▷チ=私たち ペㇾパ=割る ニ=薪 (出典:萱野、方言:沙流)
ci=poptenipes
チポㇷ゚テニペㇱ 【ci=popte-nipes】 木灰で煮たシナの木の皮. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=pusikompu
チプシコンプ 【ci=pusi kompu】 焦がした昆布:焼き昆布,こんがりと焼いた昆布. フチー コンプ プシ ワ エン・コレ ヤン.ルㇽ オㇿ ア・オマレ ナ=おばあちゃん昆布をこんがりと焼いて下さい.汁に入れるから. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=pusikompurur
チプシコンプルㇽ 【ci=pusi kompu rur】 焦がし昆布汁.▷チ=私たち プシ=焦がす コンプ=昆布 ルㇽ=汁 (出典:萱野、方言:沙流)
ci=rektekuttar
チレㇰテクッタㇻ 【ci=rekte-kuttar】 ヨブスマソウ〔植〕,笛. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=rektetop
チレㇰテトㇷ゚ 【ci=rekte-top】 笛. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=ronnup
チロンヌㇷ゚ 【ci=ronnu-p】 狐.▷チ=我ら ロンヌ=殺す ㇷ゚=者 (出典:萱野、方言:沙流)
ci=sikerayne
チシケライネ 【ci=sik-e-ray-ne】 憐れむ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=sinaot
チシナオッ 【ci=sina-ot】 包んだ遺体,遺体を包んだもの:シキナ(ガマ草)で包む。 チシナオッ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ヒ ナ ナ クポニタ(ク・ポン ヒ タ) クヌフ(ク・ウヌフ) ユピヒ イサㇺ ヒ タ モペッ コタン タ ネ=遺体を包んだものを私が見たのはまだまだ小さい時(昭和6年頃),私の母の兄が亡くなった時,門別村にであった.図[チシナオッ] (出典:萱野、方言:沙流)
ci=sinapkamuy
チシナㇷ゚カムイ 【ci=sinap-kamuy】 ヨモギを束にして作った神. ▷チ=私たち シナㇷ゚=縛った カムイ=神 *この神の別名はノヤイモㇱカムイと言うが,両方の手と両方の脚に心臓を入れ,胸にある心臓とともに五つの心臓というか魂を持っている強い神とされている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=sokarmat
チソカㇻマッ 【ci=so-kar-mat】 本妻.▷チ=私たち ソ=座 カㇻ=作る マッ=妻 チソカㇻマッ カ アン ポンマッ ア・イェ ヒ チパンケマッ セコㇿ ネ=本妻もいるが,妾のことを,本妻より薄められる妻という. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=tatap
チタタㇷ゚ 【ci=tata-p】 ぬた:刻んだ物.*チタタㇷ゚を作る時は1匹分の氷頭に白子片腹分を入れる.片腹とは1匹の魚に2筋入っている片方分をいう.きれいに刻んで塩で味つけをするがネギを少々加えること.これはアイヌの食べ物のうちおいしいほうの5本の指に入る.▷チ=私たち タタ=刻む ㇷ゚=物 チタタㇷ゚ ク・カㇻ クニ ク・ラム コㇿカ ア・エラマス ヤー?=ぬたをこしらえようと(私が)考えているけれども.あなたはそれが好きでしょうか?シペ ウピヒ カカウェヘ ア・コタタ ワ チタタㇷ゚ ア・カㇻ ペ ネ=サケの白子と氷頭(頭の軟骨)を一緒に切り刻んでぬたを作るものだ.ハイー ノタコㇷ゚ エヌカㇻ ワ チタタㇷ゚ ク・カㇻ カ エトランネ.ポンノ ホㇱキ ク・ルイケ ナ=あーあ刃物が切れないのでぬたを作るのもいやだ.ちょっと待って俺が研ぐから. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=tatatata
チタタタタ 【ci=tatatata】 (細かく)刻む. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=tomte
チトㇺテ 【ci=tomte】 美しい,丁寧な. チトㇺテㇷ゚=丁寧な物. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=tuyaskarap
チトゥヤㇱカラㇷ゚ 【ci=tuyaskarap】 それを哀れに思う,かわいそうだ,哀れ. ソンノ ナーエポンペ オラウン アイホッパ エチトゥヤㇱカラㇷ゚ フミー=本当にまだお前が小さいのに遺児になった,哀れなことだなあー.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=uritopo
チウリトポ 【ci=uri-topo】 ヒメアサリ. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=uwatore
チウワトレ 【ci=uwato-re】 それをちりばめる,それをはめ込む. ▷チ=それ ウワトレ=ちりばめる,はめ込む[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=wosep
チウォセㇷ゚ 【ci=wose-p】 籾になったもの. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=yasaimanit
チヤサイマニッ 【ci=yasa-i-ma-nit】 はさみ串,割り串:シンケㇷ゚(ハギ)で作る.▷チ=我ら ヤサ=裂く イ=それ,魚 マ=焼く ニッ=木 チヤサイマニッ ア・カㇻ ヒ タ ア・エイワンケ チクニ アナㇰネ シンケㇷ゚ イヨッタ ピㇼカ.フラハ カ ソモ ウェン ケラハ カ ソモ ウェン ペ ネ クス=割り串を作る時に使ういい木はハギが一番いい.においも悪くない,味も悪くないものなので.図[チヤサイマニッ] (出典:萱野、方言:沙流)
ci=yaykoruska
チヤイコルㇱカ 【ci=yay-ko-ruska】 同情する,かわいそうに. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=yuppap
チユッパㇷ゚ 【ci=yuppa-p】 握り飯.片手で握った小さい握り飯. (出典:萱野、方言:沙流)
ciasrupuska
チアㇱルプㇱカ 【ci-as-rupus-ka】 立ったままで凍りつく. ▷チ=私 アㇱ=立つ ルプㇱ=凍る カ=させる *自分自身で立ったまま凍ったかのように動きを止めた[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cicay
チチャイ 【cicay】 浅瀬. ペッ チチャイ=川縁の浅い所.アトゥイ チチャイ=海縁の浅い所.ペッチチャイ タ シノッ アニー.オホ ウㇱケ ウン イテキ アㇻパ=川の縁の浅い所で遊ぶんだぞ.深い所へ行ってはならないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
cicep
チチェㇷ゚ 【cicep】 食べ残り. チチェㇷ゚ ネ コㇿカ ア・セセッカ ナ ホクレ エ ワ イカオパㇱ=食べ残りの物だが温めたから早く食べて応援に行け. (出典:萱野、方言:沙流)
cicikew
チチケウ 【cicikew】 化け物:想像上の化け物.幽霊であったり,化け物のような鹿(鬼鹿)であったりする.鬼のような鹿とか鹿のような鬼とか語部の考え方も違う. ウェンカムイ レヘ ネ ソンノ アン ペ カ ソモ ネ ラメパカリ アニ ア・レコ ㇷ゚ ネ コㇿカ ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) カ ウカットゥイマノ チチケウ レヘ アン ペ ネ=化け物の名前.本当にいるものではなく,想像上で名前をつけられ昔話にはたまにだがこの名前が出て来る. (出典:萱野、方言:沙流)
cicira
チチラ 【cicira】 ドジョウ. イタチ ア・ウㇰ ヒ タ イヨッタ ピㇼカ アㇰペイモㇰ アナㇰネ カパㇻコンル チョㇿポㇰ タ オカ チチラ ネ ワー=イタチを獲る時に一番よい罠の餌は薄氷の下にいるドジョウだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
cicirakay
チチラカイ 【cicirakay】 ごだっぺ:ドジョウ. (出典:萱野、方言:沙流)
cieasirotke
チェアㇱロッケ 【ci-e-a-sir-otke】 どっかと座る.▷シㇼ=大地 オッケ=突く →大地を突き刺す レプンクㇽ ア・ウレルトゥ オカケヘ タ チェアㇱロッケ・アン=沖の人を足でどけてその後へどっかと座った[ユ] (出典:萱野、方言:沙流)
cihokampare
チホカンパレ 【ci-hokampa-re】 難しくする. (出典:萱野、方言:沙流)
cihoki
チホキ 【cihoki】 毛皮類. ニサッタ ノシㇼクンネイワ ウイマㇺエアㇻパ・アン ルスイ クス ア・サッサトゥ ワ アナ(アン ア) チホキ レパチㇷ゚ オㇿ ア・オマレ=明日,朝の暗いうちから交易に行きたいので,乾かしてあった毛皮を交易船に入れた.*主として交易に行くことを題材とした昔話にチホキという語が出て来る. (出典:萱野、方言:沙流)
cihuye
チフイェ 【ci=hu-e】 エゾニュウ〔植〕.▷チ=私たち フ=生 エ=食べる →私たちが生で食べる物 (出典:萱野、方言:沙流)
cik
チㇰ 【cik】 (雫が)落ちる. (出典:萱野、方言:沙流)
cikamikote
チカミコテ 【cikami-kote】 手甲:手の甲をおおうように作った布. 図[チカミコテ] (出典:萱野、方言:沙流)
cikap
チカㇷ゚ 【cikap】 鳥,鶏. チカパウ(チカㇷ゚ ハウ) アㇱ=鶏が鳴く.カパチㇼ スワヌ ワ エㇰ ヒネ チカㇷ゚ アㇺコサイェ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=ワシが急降下してきて鶏を爪でつかまえて行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
cikap __haw'as
チカパウアㇱ 【cikap-haw-as】 鶏が鳴く. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ コタン エピッタ ネ ペコㇿ チカㇷ゚ オカ ワ アノㇺトㇺタ アン コㇿ オヤコヤㇰ タ チカパゥアㇱ ペ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ チカパゥ カ ソモ ア・ヌ=私が子供の頃は村中に鶏がいて,夜中になるとあちらこちらで鶏の鳴く声がしたものだが,今は鶏の声も聞こえない. (出典:萱野、方言:沙流)
cikap'uari
チカㇷ゚ウアリ 【cikap-u-ari】 孵化. (出典:萱野、方言:沙流)
cikap'ur
チカㇷ゚ウㇽ 【cikap-ur】 鳥の皮の衣. (出典:萱野、方言:沙流)
cikapkonkoni
チカㇷ゚コンコニ 【cikap-konkoni】 (鳥の)綿毛.綿雪のことをコンコヌパㇱ(綿毛雪)という. (出典:萱野、方言:沙流)
cikapnok
チカㇷ゚ノㇰ 【cikap-nok】 鳥の卵. (出典:萱野、方言:沙流)
cikappononno
チカッポノンノ 【cikap-po-nonno】 アズマイチゲ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
cikappopakno
チカッポパㇰノ 【cikap-po pak no】 スズメほどに心と身を縮める:体の大きい人間がスズメほどに身を縮めている様子. マラㇷ゚ト オカ タ ラッチターラ ウウェネウサㇻ パ コㇿ オカ アㇷ゚ ネ クス ネ ヤ ウパウレ コㇿ オカ アㇷ゚ シネン マッコサンパ ウコテㇾケ パ ソンノ チカッポ パㇰノ ク・ヤイヌ ク・ライシチュププ=宴の後に静かに四方山話をしていたのにどうしてか激しい言い合いになった,ひとりがさっと立ち上がり取っ組み合いになった.私は本当にスズメくらいの心になって身を縮めていた.ハイー ヤニヤニ セタ エン・クパパ ノイネ イキ クワ アニ セタ コケウェ(ク・オケウェ) チカッポ パㇰノ ク・ヤイヌ コㇿ ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=いやー危なく危なく犬が,私を噛みそうにして,杖で犬を追い払い,スズメほどに思いながら逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
cikapposoya
チカッポソヤ 【cikap-po-soya】 クマバチ. (出典:萱野、方言:沙流)
cikaprap
チカㇷ゚ラㇷ゚ 【cikap-rap】 鳥の羽. (出典:萱野、方言:沙流)
cikaprekhaw
チカㇷ゚レㇰハウ 【cikap-rek-haw】 鳴きしきる:鳥が鳴く. (出典:萱野、方言:沙流)
cikaprup
チカㇷ゚ルㇷ゚ 【cikap-rup】 群鳥:群がっている鳥. (出典:萱野、方言:沙流)
cikapsapa
チカㇷ゚サパ 【cikap-sapa】 アホウドリの頭骨. マㇰ マ ネ ワ アイヌ コタン タ アン ペ ネ ヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) コㇿカ チカㇷ゚ サパ アン ワ ア・コシラッキ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワー=どのような経路でアイヌの村にあるものなのか私は知らないけれども,アホウドリの頭があって大切な神とされているものですよ.参照:アコシラッキㇷ゚ (出典:萱野、方言:沙流)
cikapsay/cikapsaye(he)
チカㇷ゚サイ/チカㇷ゚サイェ(ヘ) 【cikap-say/-saye(he)】 鳥の群れ.鳥の編隊飛行. (出典:萱野、方言:沙流)
cikapset
チカㇷ゚セッ 【cikap-set】 鳥の巣. (出典:萱野、方言:沙流)
cikapsetanni
チカㇷ゚セタンニ 【cikap-setanni】 アズキナシ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
cikaptekkup
チカㇷ゚テックㇷ゚ 【cikap-tekkup】 鳥の翼. (出典:萱野、方言:沙流)
cikarkarpe
チカㇻカㇻペ 【ci=kar-kar-pe】 切り伏せ刺繍した袷の着物,刺繍着物.▷チ=我々 カㇻカㇻ=刺繍 ペ=物,着物 図[チカㇻカㇻペ]→チニンニヌㇷ゚ (出典:萱野、方言:沙流)
cikas/cikasi(hi)
チカㇱ/チカシ(ヒ) 【cikas/cikasi(hi)】 心張り棒,つかえ. ホクレ ホㇱキ アㇻパ ワ アパウㇱタ チカシヒ アㇺケ ワ アヌ.タネ カㇻパ(ク・アㇻパ) クㇱネ ナ=早く先に行って戸の心張り棒を外せ.今すぐ私も行くから.ハㇻキソ ウン ウナㇻペ アナㇰネ チセ オンナイ ワ チカㇱ アヌ ワ アン ペ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=隣のおばさんは家の内側からつっかい棒をしていたものであったことを思い出す.*隣にいた,オロアッノさんという人がチカシヒという言葉と心張り棒を使っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
cikasinukar
チカシヌカㇻ 【ci-kasi-nukar】 恵まれる.▷チ=私たち カシ=上 ヌカㇻ=見る →神々がその人を見守ってよい運をもたらす. (出典:萱野、方言:沙流)
cikatunka
チカトゥンカ 【ci-katu-un-ka】 ふざける,おどける,滑稽なしぐさをする,しゃれ.▷チ=それ カトゥ=様子 ウン=入る カ=させる チカトゥンカㇷ゚=ふざける者. (出典:萱野、方言:沙流)
cikatunkatun
チカトゥンカトゥン 【ci-kat-un-kat-un】 おだつ(おどける者). ソンノ エネ パウェトッコㇿペ ポンノ イク コㇿ チカトゥンカトゥン ア・オラㇺサッカ ノ イキ シリ アイヌイカラㇱ=本当にあのように雄弁な人が少し酒を飲むとおだって馬鹿にされるようなことをするものだ,人間がもったいない. (出典:萱野、方言:沙流)
cikcik
チㇰチㇰ 【cik cik】 したたり落ちる. ワッカオンタロ オイクㇱ ワ ネ ノイネ ワッカ チㇰチㇰ コㇿ アン ナ ピㇼカノ ヌカㇻ ワ アシㇼノ ホㇰ ヘネ キ=水樽が漏るらしくて水がしたたり落ちているから,よく見て新しく買うなどしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
cikena
チケナ 【cikena】 漬物. (出典:萱野、方言:沙流)
cikenki
チケンキ 【cikenki】 付け木:マッチ.*日本語がアイヌ語に入ってそのまま残っていた例. ク・コㇿ ション アペ カリ(ク・アリ) クスネ ナ アㇻパ チケンキ ウㇰ ワ エㇰ アニー=私の孫よ,私が火を燃やすので,行ってマッチを取って来てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
ciki 1
チキ 【ciki】 ①〜ならば,〜したら. ハウェ ネ チキ=というのならば.ネ ワ ネ チキ=であるならば.エ・アキヒ チセ オッタ(オㇿ タ) アン チキ シレン ワ エㇰ=お前の弟が家にいたら誘ってこい.チェㇷ゚ フㇺ ヘネ カㇺ フㇺ ヘネ アン チキ マッネ セタ コレ.イトノンテ ノイネ トカㇷ゚ラチチ=魚の片でも肉片でもあったら雌犬にくれてやれ.乳を飲ませているらしく乳房が下がっている. (出典:萱野、方言:沙流)
ciki 2
チキ 【ciki】 ②〜したから. (出典:萱野、方言:沙流)
ciki 3
チキ 【ciki】 ③今. (出典:萱野、方言:沙流)
cikir/cikiri(hi)
チキㇼ/チキリ(ヒ) 【cikir/cikiri(hi)】 (動物の)足. (出典:萱野、方言:沙流)
cikirpe
チキㇼペ 【cikir-pe】 (刺繍した)着物[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
cikisanikarus
チキサニカルㇱ 【cikisani-karus】 アカダモ(ニレ)のきのこ,タモギタケ.*アカダモに生えるきのこの味はきのこの中では一番とアイヌは言う. (出典:萱野、方言:沙流)
cikitanekusu
チキタネクス 【ciki ta ne kusu】 どうせなら(しかたがない). ペウレウタㇻ ウウォシッコテ ハウェ ネ ヤクン チキタネ クス ア・ウトㇺヌカレ ロ=若者たちがお互いに目と目を繋ぐ(恋しあう)というのなら,どうせなら結婚させよう. (出典:萱野、方言:沙流)
cikka
チッカ 【cikka】 (雫を)落とす,したたらす. →チㇰ (出典:萱野、方言:沙流)
cikna
チㇰナ 【cik na】 したたり落ちている. (出典:萱野、方言:沙流)
cikosinninup 1
チコシンニヌㇷ゚ 【ci-ko-sir-ninu-p】 ①秘宝:他人に知られないように隠し持っている宝,お守り,守護神.▷チ=それ コ=〜に シㇼ=大地 ニヌㇷ゚=縫う物 →大地へ縫いつけるようにして持っている宝 ネㇷ゚ネㇷ゚ チコシンニヌㇷ゚ アン ペ ネ コㇿカ インカㇻ イコシンニヌㇷ゚ カ アン イヌ イコシンニヌㇷ゚ カ アン ペ ネ クス ネㇷ゚ ア・ヌカㇻ ヤッカ クニ ネ ネ ワ ア・コシンニヌ カ エアイカㇷ゚ ペ ネ=いろいろと秘宝はあるけれども,見ただけの秘宝もあり聞いただけの秘宝もあり,見た時の状態によって秘宝にできない場合もあるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
cikosinninup 2
チコシンニヌㇷ゚ 【ci-ko-sir-ninu-p】 ②役に立たない者:宝物はあってもいいしなくてもいい.役に立たない人間に言う悪口. ソンノ ア・イェ マヌ チコシンニヌㇷ゚ エ・ネ ルウェ ネ ワ=本当に言うところの秘宝とはお前のことだ. (出典:萱野、方言:沙流)
cikosomokur yaykatanu
チコソモクㇽ ヤイカタヌ 【ci-ko-somokur yay-katanu】 私に遠慮もしないで,私に遠慮もせずに. ▷チコ=私に ソモクㇽ=それ ヤイカタヌ=遠慮 チコソモクㇽ ヤイカタヌノ シネンネアンペコㇿ ネㇷ゚ワアンペ エハウカントゥㇽセ=私に遠慮もせずに,ひとりでいるかのように何かをわめきちらしている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cikuni
チクニ 【cikuni】 木,樹木,立木.薪. イユタニ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ パセ チクニ アニ ア・カㇻ ペ ネ セイェカパㇻ トペニ ペロ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=杵を作る木は重い木で作るもので,アサダ,イタヤ,ナラが最もよいものだ.チクニアフンケ=薪を家の中に入れよ. (出典:萱野、方言:沙流)
cikuniaw/cikuniawe(he)
チクニアウ/チクニアウェ(ヘ) 【cikuni-aw/-awe(he)】 木の枝のふたまた:木の幹がふたまたにあるいは三つまたになっている部分のことをアウェ,あるいはアウェヘというものである.木の枝はニテㇰ(木の手)という. (出典:萱野、方言:沙流)
cikuniaya
チクニアヤ 【cikuni aya】 木目. (出典:萱野、方言:沙流)
cikuniikpuy
チクニイㇰプイ 【cikuni-ikpuy】 木の芯. (出典:萱野、方言:沙流)
cikuniperpa
チクニペㇾパ 【cikuni-perpa】 薪割り. (出典:萱野、方言:沙流)
cikunisikaye
チクニシカイェ 【cikuni-sikaye】 (木で作った)目釘. (出典:萱野、方言:沙流)
cikunitokom
チクニトコㇺ 【cikuni-tokom】 木の瘤. (出典:萱野、方言:沙流)
cikunitumama
チクニトゥママ 【cikuni-tumama】 木の幹. (出典:萱野、方言:沙流)
cikupap
チクパㇷ゚ 【ci-kupa-p】 カブトムシ,クワガタムシ. (出典:萱野、方言:沙流)
cikupsokasi rapkosanu
チクㇷ゚ソカシ ラㇷ゚コサヌ 【ci-kup-so-kasi rap-kosanu】 宴の座が静まり返る. ▷チ=私たち クㇷ゚=飲む ソ=座 カシ=上  ラㇷ゚コサヌ=静まり返る[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cima
チマ 【cima】 かさぶた. チマウㇱ=かさぶただらけの.チマ カム=かさぶたがかかった.チマ クタ=かさぶたがはがれた.エトㇿ ヘネ チマ ヘネ ラッ ヘネ エ ワ ヤイコトゥヤシ ワ アン ウェンペ=鼻汁でもかさぶたでも痰でも食らって満足していやがれ,悪い奴(悪口). (出典:萱野、方言:沙流)
cimakani
チマカニ 【cimakani】 カジカ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
cimakekatta
チマケカッタ 【ci-mak-ekatta】 (さっと)開ける,(ばっと)開く. (出典:萱野、方言:沙流)
cimakoyanrasne
チマコヤンラㇱネ 【cima-koyanrasne】 かさぶただらけである,かさぶたがこびりついている. (出典:萱野、方言:沙流)
cimaus
チマウㇱ 【cima-us】 かさぶただらけ,がんべ(かさぶた)たかり. (出典:萱野、方言:沙流)
cimi
チミ 【cimi】 分ける. (出典:萱野、方言:沙流)
cimimi
チミミ 【cimimi】 分ける. (出典:萱野、方言:沙流)
cimontum
チモントゥㇺ 【cimontum】 力. チモントゥㇺ コレ=私に力を与えられた. (出典:萱野、方言:沙流)
cimpa
チンパ 【cimpa】 分ける:指先で髪の毛を分ける. (出典:萱野、方言:沙流)
cin
チン 【cin】 広げる,皮張り:熊の皮や鹿の皮を,四方へ細い棒をあてて広げて縄でからめるようにする. (出典:萱野、方言:沙流)
cinana
チナナ 【cinana】 干し魚:ほっちゃりの乾いた物. (出典:萱野、方言:沙流)
cinene
チネネ 【cinene】 痙攣. (出典:萱野、方言:沙流)
cinetopake
チネトパケ 【ci-netopake】 陰茎:さお(亀頭を除いた部分). (出典:萱野、方言:沙流)
ciniani
チニアニ 【cini-ani】 小便をさせる:親が子供を後ろから抱えて両方の足を両手で持ち.小便させる. (出典:萱野、方言:沙流)
cinika
チニカ 【cinika】 進む(一歩一歩足を踏んで)[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
cinine
チニネ 【cinine】 (木が)枯れる.枯れた,朽ちる. ウカ ピㇼカ ナ エキㇺネ ワ アユㇱニ チニネ ウㇱケ タ ワ エㇰ アニー.ホカ ア・オ クㇱネ ナ=堅雪がいいので山へ行ってたらんぼの木の枯れたのを取って来てや.火にくべるから.トアン タ アン チクニ チニネ ワ イヤイキㇷ゚テ ナ ホラㇰテ ヤン=あすこにある木,枯れて危ないので倒しなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
cinirarpare
チニラㇻパレ 【cini-rarpa-re】 座る:首根っこを上から押さえられたようにして座る[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
cinita
チニタ 【cinita】 金縛り,夢でうなされる.*夢のことをチニタという地方もある. (出典:萱野、方言:沙流)
cinita
チニタ 【cinita】 夢(旭川,阿寒地域),夢をみる. (出典:萱野、方言:沙流)
cinkewpone
チンケウポネ 【cin-kew-pone】 腰骨. (出典:萱野、方言:沙流)
cinki/cinki(hi)
チンキ/チンキ(ヒ) 【cinki/cinki(hi)】 裾. (出典:萱野、方言:沙流)
cinkuwa
チンクワ 【cin-kuwa】 皮張り棒:熊の皮や鹿の皮を広げて乾かす時に皮の外側にあてる棒.▷チン=皮を張る クワ=杖(杖ぐらいの太さのものという意味から) (出典:萱野、方言:沙流)
cinru
チンル 【cinru】 堅雪用かんじき:クッチプンカㇻ(コクワづる),あるいはトゥレㇷ゚ニ(クワの木)で作るもの. 図[チンル] (出典:萱野、方言:沙流)
cinukarnociw
チヌカㇻノチウ 【ci=nukar-nociw】 北極星. (出典:萱野、方言:沙流)
cinuturke
チヌトゥルケ 【cin-uturke】 股,股ぐら,股間. (出典:萱野、方言:沙流)
cip
チㇷ゚ 【cip】 舟,丸木舟.陰門〔隠語〕.▷チ=私たち オ=乗る ㇷ゚=物:チオㇷ゚がチㇷ゚になった チㇷ゚タ=丸木舟を掘る.図[チㇷ゚とチㇷ゚の木取り] (出典:萱野、方言:沙流)
cip'asam
チㇷ゚アサㇺ 【cip-asam】 舟底. (出典:萱野、方言:沙流)
cip'osirkosak
チㇷ゚オシㇼコサㇰ 【cip-o-sir-ko-sak】 舟が浅瀬につく. (出典:萱野、方言:沙流)
cipacipa
チパチパ 【cipa-cipa】 期待する,望んでいる. エウンケライ チパチパ=貰うことを期待する. (出典:萱野、方言:沙流)
cipantemat
チパンテマッ 【ci-pante mat】 妾.▷チ=それ パンテ=薄める マッ=妻 →薄められた妻,本妻ではない妻 (出典:萱野、方言:沙流)
cipekopicici
チペコピチチ 【cip-e-ko-picici】 (体から雫が落ちるくらい)濡れる,濡れた. (出典:萱野、方言:沙流)
cipiru
チピル 【ci-piru】 拭き取る,抜けかわる:犬や鳥の毛が抜けかわること.▷チ=それ ピル=拭く エルㇺタンプ アン コㇿ キナスッ カプフ ア・コシㇼシル ワ トイ トゥㇺ ア・オマレ コㇿ チピル アーペコㇿ イランマカカ トゥサ ㇷ゚ ネ=いぼが出来たら蛇の皮をこすりつけ,その皮を土に埋めると拭き取ったようにきれいに治るものだ.*ある春のこと.かよばあさんが犬の毛が抜けかわるのを見て,チピル ルウェ=毛が拭き取られる様子と言ったのを私が聞きとめて,もう1度聞いて覚えた言葉である. (出典:萱野、方言:沙流)
cipiyak
チピヤㇰ 【cipiyak】 シギ〔鳥〕. (出典:萱野、方言:沙流)
cipiyepkore
チピイェㇷ゚コレ 【cipiyep-kore】 馬鹿にする,軽蔑する,蔑む,見下げる:親の過失を言って恥をかかせること. (出典:萱野、方言:沙流)
cipkuta
チㇷ゚クタ 【cip-kuta】 舟をひっくり返す. ペトルン(ペッオㇿウン) ペウタンケ ハウ アㇱ ヒ クス イカオパㇱ・アン アクス ヘカッタㇻ ウコチㇷ゚クタ ヒ ネ ロㇰオカ イイソネカ オピッタ ア・オシコニ ワ ア・ヤンケ=川の方へ危急を知らせる声がしたので私も騒ぎを聞いて助けに走ると子供たちが舟をひっくり返したのであったが,幸いなことに皆が追いつき全部の子供を助け上げた. (出典:萱野、方言:沙流)
cipmom
チㇷ゚モㇺ 【cip-mom】 舟が流れる. ポロ ペッ アナㇰネ ウトゥカリ タ ウトゥカリ タ ケペㇾペ ネ ウㇱケ アン ペ ネ ワ チㇷ゚モㇺ カ エアイカㇷ゚=大きい川には近くに近くに淀になった所があって舟が流れることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
cipnanka
チㇷ゚ナンカ 【cip-nanka】 舟の顔:丸木舟の頭の方.▷チㇷ゚=舟 ナンカ=顔 (出典:萱野、方言:沙流)
cipnanka
チㇷ゚ナンカ 【cip-nan-ka】 舟の顔. ▷チㇷ゚=舟 ナンカ=顔(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cipnisusu
チㇷ゚ニスス 【cip-ni-susu】 バッコヤナギ. (出典:萱野、方言:沙流)
cipo
チポ 【cip-o】 漕ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
cipokihi
チポキヒ 【cipokihi】 (私たちの)陰部. (出典:萱野、方言:沙流)
cipor
チポㇿ 【cipor】 (魚の)卵,筋子. チェㇷ゚チポㇿ=魚の卵. (出典:萱野、方言:沙流)
cipor
チポㇿ 【cip-or】 舟の中(に)▷チㇷ゚=舟 オㇿ=所,中 (出典:萱野、方言:沙流)
ciporkirpu
チポㇿキㇼプ 【cipor-kirpu】 筋子脂:熊などを解体すると大腸と小腸の間に筋子のようにつぶつぶになった網のような広い脂がある,腸間膜,▷チポㇿ=筋子 キㇼプ=脂 アイヌ イタㇰ アニ チポㇿキㇼプ ケラマン(ク・エラマン) ワ カナ(ク・アン ア) コㇿカ シサㇺ イタㇰ アニ エネ ア・イェ ヒ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) 前田菜穂子 エウン ク・コピシ エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ)=アイヌ語で"チポㇿキㇼプ",覚えていたが,日本語でどのようにいうか私は知らなかった,(登別温泉ケーブル会社の)前田菜穂子さんへ私が尋ねて教えてもらった. (出典:萱野、方言:沙流)
ciporninap
チポㇿニナㇷ゚ 【cipor-nina-p】 筋子つぶし:ランコ(カツラ)製. 図[チポㇿニナㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
ciporpe
チポㇿぺ 【cipor-pe】 筋子の汁. ウェンユㇰ アナㇰネ エㇺコホ チポㇿペ ア・オター ペコㇿ エㇺコホ チクイパソㇿ(チ・クイ パㇱ オㇿ) ア・クㇱテ アーペコㇿ アン ペ ネー セコㇿ ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) ア・イェ ㇷ゚ ネ=どうもうな熊は体の半分が筋子を潰した汁をかけたような赤い色,体半分は消し炭を噛んだ汁にくぐらせたような黒い色をしていると昔話の中では言われるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ciporrataskep
チポㇿラタシケㇷ゚ 【cipor-rataskep】 筋子の混ぜ煮,筋子とじゃがいもなどを混ぜた食べ物. ▷チポㇿ=筋子 ラタㇱケㇷ゚=混ぜた食べ物(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ciporsayo
チポㇿサヨ 【cipor-sayo】 筋子粥. (出典:萱野、方言:沙流)
ciporwa
チポㇿワ 【cip-orwa】 舟から.▷チㇷ゚=舟 オㇿワ=から (出典:萱野、方言:沙流)
cipsakiri
チㇷ゚サキリ 【cip-sakiri】 (舟の)横棒.▷チㇷ゚=舟 サキリ=横棒 (出典:萱野、方言:沙流)
cipsanke
チㇷ゚サンケ 【cip-sanke】 舟おろし祭り.▷チㇷ゚=舟 サンケ=出す *舟を掘った場所から川へ下ろす.毎年8月20日にチㇷ゚サンケが二風谷の川で行なわれる. (出典:萱野、方言:沙流)
cipsapa
チㇷ゚サパ 【cip-sapa】 へさき. (出典:萱野、方言:沙流)
cipsuwa
チㇷ゚スワ 【cip-suwa】 船酔い.*貝澤こきんさんが教えてくれた言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
cipta
チㇷ゚タ 【cip-ta】 舟を掘る. (出典:萱野、方言:沙流)
ciptacikap
チㇷ゚タチカㇷ゚ 【cip-ta-cikap】 キツツキ,クマゲラ〔鳥〕.▷チㇷ゚=舟 タ=掘る チカㇷ゚=鳥 (出典:萱野、方言:沙流)
cipuy
チプイ 【ci-puy】 陰門,女性性器.▷チ=陰茎 プイ=穴 (出典:萱野、方言:沙流)
cir
チㇼ 【cir】 鳥〔雅〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ciray
チライ 【ciray】 イトウ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
cire
チレ 【cire】 湯がく,ゆでる,煮る. タント ア・ウㇰ ソㇿマ ホクレ チレ ワ アプッキ カ タ サッケ アニー=今日採って来たゼンマイを早く湯がいて簾の上で乾かしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
cire
チレ 【ci-re】 枯らす. (出典:萱野、方言:沙流)
cire
チレ 【ci-re】 火傷. (出典:萱野、方言:沙流)
cirerakonoypa pekor
チレラコノイパ ペコㇿ 【ci-rera-ko-noypa pekor】 のらりくらりと歩く,ふらつく:人がふらふらと歩くと,風にゆられているようにと言う.よぼよぼ:病人や老人などの衰えた様子.▷チ=それ レラ=風 コ=に ノイパ=よじる ペコㇿ=ように シノ オンネ ㇷ゚ アㇷ゚カㇱ コㇿ チレラコノイパ ペコㇿ アㇷ゚カㇱ ペ ネ=うんと年をとった人が歩くと,風に吹かれたようにふらつくように歩くものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
cirir
チリㇼ 【cirir】 したたり落ちる,したたる. (出典:萱野、方言:沙流)
cirosi
チロシ 【cirosi】 花矢:熊送りの時,殺す前の小熊に射つ矢.俗に花矢と言う.先の方に赤い布をつけてあるので花のように見える.リヤㇷ゚(養って丸1年目の熊)には30本,シリヤㇷ゚(丸2年目の熊)には60本と決められて射る.ヘペㇾアイとも言う. (出典:萱野、方言:沙流)
cirpo
チㇼポ 【cir-po】 鈴,小鳥〔雅〕. (出典:萱野、方言:沙流)
cis
チㇱ 【cis】 泣く. ホチㇱカㇻ=尻のために泣く.ホチㇱカㇻチャペ=発情のために泣いて歩き回る猫. (出典:萱野、方言:沙流)
cis
チㇱ 【cis】 岩. (出典:萱野、方言:沙流)
cis'enuhup
チㇱエヌフㇷ゚ 【cis-e-nuhup】 泣き腫らす:泣いて泣いて顔を腫らしていること. (出典:萱野、方言:沙流)
cis'eo
チㇱエオ 【cis-eo】 泣き上戸,涙もろい,めそめそする:何かというと,すぐ涙を流す様子. ポンノ イク コㇿ オラーノ チㇱエオ ネㇷ゚カ イェ コㇿ ナーニ チㇱ=少し酒を飲むとそれから泣き上戸,何か言うとすぐに泣く. (出典:萱野、方言:沙流)
cis'etokoikikusu kicitce
チㇱエトコイキクス キチッチェ 【cis-etok-o-iki kusu kicitce】 (赤ん坊が)泣く用意のために声を出している.▷チㇱ=泣く エトㇰ=前 オ=〜で イキ=する クス=ために キチッチェ=うめき声 (出典:萱野、方言:沙流)
cis=ana=ana
チサナアナ 【cis=an a =an a】 泣いて泣いて. (出典:萱野、方言:沙流)
ciscis
チㇱチㇱ 【cis-cis】 削る. ルウェ ウㇱケ ア・オチㇱチㇱ=太い所を私は削る. (出典:萱野、方言:沙流)
cise
チセ 【ci=set】 家,巣.▷チ=我ら,私ども セッ=寝床 →しゃべる時にはチセになる.家というものは私どもの寝床というわけ. 図[チセ内部] (出典:萱野、方言:沙流)
cise uhuy
チセ ウフイ 【cise uhuy】 家の火事. (出典:萱野、方言:沙流)
cise un utar
チセ ウン ウタㇻ 【cise un utar】 家族. (出典:萱野、方言:沙流)
cisea=hayopte
チセアハヨㇷ゚テ 【cise-a=hayop-te】 家に武装させる:火事の時に近くのカヤ屋根に火が燃えうつらないように,トマというガマ草で編んだござを屋根に掛け,それに水を掛けて延焼を食い止める. ▷チセ=家 ハヨㇷ゚=武装 テ=させる *昭和10年頃に二風谷村の貝澤チコさんの家が火事になり,隣の貝澤松冶さんの家にチセハヨㇷ゚テをして延焼を防いだのを見たのが最初であり,その後見たことがない.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cisea=kar
チセアカㇻ 【cise a=kar】 家を作る.▷チセ=家 ア=それ カㇻ=作る 図[チセアカㇻ①②③④] (出典:萱野、方言:沙流)
ciseakkari
チセアッカリ 【cise akkari】 家を通り過ぎる. メノコポ ウタㇻ ネㇷ゚ ワ アン ペ ウウォミナウシウシ パ コㇿ ウコイソイタㇰ コーロ(コㇿ) オカ ヒ ク・ヌ コㇿ チセ カッカリ(ク・アッカリ)=娘たちが何をしゃべっているのかお互いに笑い声をたてながら話し合っているのを私は聞きながら家の前を通り過ぎて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
ciseapa
チセアパ 【cise-apa】 家の入口.▷チセ=家 アパ=戸 (出典:萱野、方言:沙流)
cisecarpa
チセチャㇻパ 【cise-carpa】 (家を)ほぐす,解体する. (出典:萱野、方言:沙流)
cisecotca
チセチョッチャ 【cise-cotca】 家の落成のお祝い:家の新築祝いの時に屋根裏へヨモギの矢を射ること.▷チセ=家 チョッチャ=射る (出典:萱野、方言:沙流)
ciseerupsi
チセエルㇷ゚シ 【cise-erupsi】 (家の)裏,後ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
cisehopunire
チセホプニレ 【cise-hopuni-re】 家送り:家を解す前に家の神に酒をあげて礼を言って,神の国へ帰ってもらうこと. (出典:萱野、方言:沙流)
cisehopunire
チセホプニレ 【cise-hopuni-re】 家を神の国へ返す. ▷チセ=家 ホ=尻 プニ=起こす レ=させる *人間が長い間暮らしていた家を解体することを言うが,単に解体するという気持ちではなく,神の国へお帰り願うと,感謝の心で供物をあげてからばらす.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cisehurayeapto
チセフライェアㇷ゚ト 【cise-huraye-apto】 家洗いの雨:新築した家に最初に降る雨のこと. アクㇷ゚ ア・オケレ チセノミ オカ タ アㇱ アㇷ゚ト ア・イェ ヒ チセフライェ アㇷ゚ト セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=屋根葺きも終わり新築祝いの後で降る雨のことを家洗いの雨というものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
cisekar
チセカㇻ 【cise-kar】 家を建てる. チセカㇻ・アン ヒ タ アナㇰネ チセニ ピㇼカノ ア・ウパㇰテ ワ ア・ヌカㇻ ペ ネ ナ=家を建てる時は家材をよく比べて見るものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
cisekitay
チセキタイ 【cise-kitay】 家の屋根. (出典:萱野、方言:沙流)
cisekor'utar
チセコㇿウタㇻ 【cise-kor-utar】 家族. (出典:萱野、方言:沙流)
cisekorkamuy
チセコㇿカムイ 【cise-kor-kamuy】 家の守護神. 図[チセコㇿカムイ] (出典:萱野、方言:沙流)
cisekorkur
チセコㇿクㇽ 【cise-kor-kur】 主人,家の主. (出典:萱野、方言:沙流)
cisekot
チセコッ 【cise-kot】 家の跡,以前に家が建っていた跡. (出典:萱野、方言:沙流)
cisekot eynonnoitak
チセコッ エイノンノイタㇰ 【cise-kot-einonno-itak】 地神祭:家を建てる場所をはらい清める祭のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
cisekouhuyka
チセコウフイカ 【cise-ko-uhuyka】 家とともに燃やす. イレス エカシ オㇿオヤチキ キムンカムイ ネ アアン ヒクス ア・コアパセㇱケ ア・チセコウフイカ=私を育てたおじいさんは,知らなかったが熊であったので家の中に閉じ込めて家とともに焼いてしまった[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
cisekoyki
チセコイキ 【cise-koyki】 熊の穴へ行って熊を獲ること. ▷チセ=家,熊の穴 コイキ=いじめる *アイヌは熊の穴をスイ(穴)とは言わずに,カムイチセ(神の家)という.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cisemakani
チセマカニ 【cise-maka-ni】 家を開く木:家の屋根裏にあって家を開くようにしてある. (出典:萱野、方言:沙流)
ciseni
チセニ 【cise-ni】 建材:家を建てるための材料の総称. (出典:萱野、方言:沙流)
cisenomi
チセノミ 【cise-nomi】 新築祝い. (出典:萱野、方言:沙流)
ciseonnayke
チセオンナイケ 【cise-onnayke】 家の中. (出典:萱野、方言:沙流)
cisepa
チセパ 【cise-pa】 家の向こう側. (出典:萱野、方言:沙流)
cisepannokianpakamuy
チセパンノキアンパカムイ 【cise pan noki anpa kamuy】 家の西側の軒を支える神. (出典:萱野、方言:沙流)
cisepar'asin
チセパㇻアシン 【cise-par-asin】 新しい熊の穴.▷チセ=家 パㇻ=口 アシン=新しい チセパㇻアシン ヒ エ・ヌカㇻ シコㇿ ク・イヌ アナ ネ ウㇱケ ウン エン・トゥラ=新しい熊の穴をお前が見たと聞いたが,その所へ私を連れて行ってくれ.*熊というものは秋に穴へ入って春に子熊を連れて出て来る.神の国ではアイヌの家と同じ家があるものとアイヌは考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
ciseparka
チセパㇻカ 【cise-parka】 天井,屋根裏:梁より上の方のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
cisepennokianpakamuy
チセペンノキアンパカムイ 【cise pen noki anpa kamuy】 家の東側の軒を支える神様. (出典:萱野、方言:沙流)
cisepuni
チセプニ 【cise-puni】 家起こし. テエータ アナㇰネ シㇼ カ タ チセキタイェ ア・カㇻ エトゥポㇰ パテㇰ アクㇷ゚・アン ワ イクㇱペ カ ウン ア・プニ ネ ワ アン ペ チセプニ シコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=ずーっと昔は.土の上に家の屋根を作って,両方の端だけを葺きそのあと柱の上へ載せる,そのことを家起こしと言うものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ciseror
チセロㇿ 【cise ror】 家の東側. (出典:萱野、方言:沙流)
cisesak
チセサㇰ 【cise-sak】 やもめ,独身,伴侶を亡くす. ナー ペウレクㇽ チセサㇰ ヤㇰ ア・イェ ク・イケㇺヌ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エソシピ ヤㇰ ア・イェ ク・コトゥヤシ=まだ若い人が妻を亡くしたと言って哀れに思っていたが,再婚したということでよかったなあと思っている.メノコ ネ ヤッカ オッカヨ ネ ヤッカ チセサㇰ コㇿ アミㇷ゚ イヨクㇱ ノ ミ パ ㇷ゚ ネ ロㇰ=女も男も夫や妻に先立たれると着物を裏返しにして着るものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
cisesakkur
チセサックㇽ 【cise-sak-kur】 妻に先立たれた男. プサ サㇰ コンチ コㇿ オッカヨ アナㇰネ ナー マッサックㇽ ネ.チセサックㇽ カ コンチプサハ マチヒ コオスラ クス プサハ イサㇺ ペ ネ=房のない帽子を持っている男はいまだ妻のない人.妻に先立たれた男も帽子の房を妻と一緒に埋葬したので,房がないものなのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
cisesam
チセサㇺ 【cise-sam】 家の前. (出典:萱野、方言:沙流)
cisesampe
チセサンペ 【cise-sampe】 家の心臓. チセ ア・アシ ワ チセノミ・アン ヒ タ ロルンプヤㇻ ウレン イクㇱペ オㇱマケ ウン イナウタㇰタㇰ ア・オマレ ネ ワ アン ペ ア・イェ ヒ チセサンペ ネ=家を建てて新築祝いをする時に,上座の窓,両脇の柱,その後へイナウのかたまりを入れるもの,それのことを名づけ,家の心臓という. (出典:萱野、方言:沙流)
cisesikkew
チセシッケウ 【cise-sikkew】 家の角. ソンノ ヘカッタㇻ アナㇰネ ネユン ラム パ カ ソモ キ ノ ウホユッパレパ ㇷ゚ ネ クス エソイネ ワ チセシッケウ オッタ(オㇿ タ) ウトモㇱマ パ=本当に子供たちは何も思うことなく走り回るものだから外側の家の角でぶつかった. (出典:萱野、方言:沙流)
cisesoosut
チセソオスッ 【cise-so-o-sut】 家の隅. (出典:萱野、方言:沙流)
cisesoy
チセソイ 【cise-soy】 戸外. (出典:萱野、方言:沙流)
cisetumam
チセトゥマㇺ 【cise-tumam】 家の壁. エ・コㇿ サラニㇷ゚ チセトゥマㇺ タ アッテ ワ アヌ=お前の持っている袋を家の壁に掛けておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ciseupsor
チセウㇷ゚ソㇿ 【cise-upsor】 家懐.▷チセ=家 ウㇷ゚ソㇿ=懐 (出典:萱野、方言:沙流)
cishawkonna
チㇱハウコンナ 【cis-haw-konna】 泣きさけぶ声. ポンオチナ チㇱ ハウ コンナ チャイロトッケ=赤子の泣きわめく声が聞こえている[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
cisimemokka
チシメモッカ 【cisimemokka】 馬鹿にされる,なめられる. オッカヨ アナㇰネ ヤイェプリウェン ワ ネイタ アㇻパ・アン ヤッカ イテキ ア・イ・チシメモッカ クニ ネ イキ・アン ペ ネ ナ アニー=男というものは意地を持って,どこへ行っても自分自身が馬鹿にされないようにするものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
cisipusure
チシプスレ 【ci-si-pusure】 (急に,さっと)出る. (出典:萱野、方言:沙流)
cisireanu
チシレアヌ 【ci-sir-e-anu】 建っている(きらびらやかに). アコッチャシ(ア・コㇿ チャシ) チシレアヌ リクン オㇷ゚プイ ランケ オㇷ゚プイ…=私の城きらびやかに建っていて,上の槍穴下の槍穴…[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
cisirkirapte
チシㇼキラㇷ゚テ 【ci-sirkirap-te】 悲しませる.▷チ=それ,その人,その当事者 シㇼキラㇷ゚テ=悲しませる マウコウェン・アン コㇿ オロ チクㇱ イサㇺ カネ チ・シㇼキラㇷ゚テ オルㇱペ パテㇰ=運が悪いと通る所もないほどに悲しませる話ばかりだ. (出典:萱野、方言:沙流)
cisitosito
チシトシト 【ci-sito-sito】 団子のようになっている:子供におもちゃにされすぎた猫の毛が団子のようになっている. ソンノ トアン マッカチ サパハ キライェカㇻ カ ソモ ㇷ゚ ネ クス オトピヒ チシトシト.イヨーハイ シトマレ=まったくあの女の子,頭に櫛をかけないものだから髪の毛が団子のようになっている,本当にあきれてしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
ciskokoyki
チㇱココイキ 【cis-ko-koyki】 泣きつく:泣かんばかりにして頼み込む,泣きながら相手を諌める. (出典:萱野、方言:沙流)
ciskonci
チㇱコンチ 【cis-konci】 涙の帽子:夫に死なれた女性は耳が見えるまで短く髪を切られる.その髪が伸びるまで頭に被っている頭巾のこと.▷チㇱ=泣く コンチ=頭巾 メノコ チセサㇰ コㇿ ウェンサパカㇻ シコㇿ ア・イェ ワ キサㇻ エンカ パㇰノ タㇰネノ オトピヒ ア・トゥイェ ㇷ゚ ネ キサㇻ ヌイナㇰ パㇰノ オトピヒ トゥㇰ パㇰノ コンチ ヘウシ パ.ネ コンチ ア・イェ ヒ チㇱコンチ ネ=女の夫が亡くなると,悪い頭つくりといって耳の上まで短く髪を切るもので,耳が隠れるぐらい髪が伸びるまで帽子を被っている.その帽子のことを涙の帽子という. (出典:萱野、方言:沙流)
ciskopeker
チㇱコペケㇾ 【cis-ko-peker】 泣き明かす.▷チㇱ=泣く コ=それ,夜 ペケㇾ=明かす (出典:萱野、方言:沙流)
cisnanuhu
チㇱナヌフ 【cis-nanuhu】 泣き顔. (出典:萱野、方言:沙流)
cisnei
チㇱネイ 【cis-ne-i】 削れた所. チ・コㇿ シシㇼムカ サㇽプトゥ エエパキ タ ムカ コパッケ ワ サントゥ チㇱネイ シコㇿ ア・イェ ウㇱケ アン.レヘ コラチ シトゥ アケウレ アーペコㇿ アン=私どもの沙流川佐留太(富川の旧名)の近く,鵡川側に下がる峰,削れた所という地名がある.名前のとおりに峰が削れたようになっている.*平取町と門別町の町境,沙流川右岸の平賀にサントゥチㇱネイ(峰が削れた所)という地名がある. (出典:萱野、方言:沙流)
cisneusi
チㇱネウシ 【cis-ne-usi】 くびれた所. (出典:萱野、方言:沙流)
cisoroitak
チソロイタㇰ 【cis-or-o-itak】 泣きながらものを言う. *昭和30年代までは弔問に行った時,ウムライパ(=座ったままで抱き合う)しながら,チソロイタㇰしたものである.▷チㇱ=泣く オㇿ=所に イタㇰ=言う (出典:萱野、方言:沙流)
cisoyekatta
チソイェカッタ 【ci-soy-ekatta】 飛び出す.▷チ=それ ソイ=外 エカッタ=さっと ソンーノ ポンノ アン ペ カ ケスイ ワ チソイェカッタ=本当にまあ,少しのことにも怒ってさっと出てしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
cisoynaraye
チソイナライェ 【ci-soyna-raye】 (静かに,ゆったりした態度で)出る. (出典:萱野、方言:沙流)
cisoyokuta
チソヨクタ 【ci-soy-o-kuta】 外へ飛び出す. コタン ケスン(ケㇱ ウン) ウコイキ ハウ ウェンルイ アクス オッカイポ ウタㇻ ウウォフㇺセエチューパ コㇿ チソヨクタ=村の下端でけんかをしている声が激しく聞こえると,若者たちが気合を掛け合いながら外へ飛び出した. (出典:萱野、方言:沙流)
cispo
チㇱポ 【cispo】 針刺し:ラスパ(サビタの木).ツル・狐・タヌキなど小動物の骨. 図[チㇱポ] (出典:萱野、方言:沙流)
cisrimimse
チㇱリミㇺセ 【cis-rimimse】 泣きさけぶ声. アコッ(ア・コㇿ) トゥレシ チㇱリミㇺセ クㇽカシケ イタㇰオマレ ア・アンテ ホク ポンヤウンペ イ・カオピューキ ワ…=私の妻,泣きさけぶ声,その上へ言葉を入れて,私の夫ポンヤウンペ,私を助けて…[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ciste
チㇱテ 【cis-te】 泣かす. アエシノッ ペ ウコエウナラ・アㇱ ワ カキヒ(ク・アキヒ) ク・チㇱテ=おもちゃを取り合いして(私は)弟を泣かせた. (出典:萱野、方言:沙流)
cisurap
チスラㇷ゚ 【ci-sura-p】 熊(2歳の):乳ばなれをした熊.親から離された熊.▷チ=それ スラ=離す ㇷ゚=もの ポンノ ホㇱキ チスラㇷ゚ ネ ノイネ アン ペ ネ ナ.イヤイキㇷ゚テ ナ ア・オライテッカ パㇰノ ウンテレ・アン ロ=少し待って,乳ばなれ熊らしいものだ.危ないから毒が効くまで待つことにしょう.*若い熊は前後の見境もなく人間に襲いかかるのでアイヌの狩人はこれには警戒する. (出典:萱野、方言:沙流)
cisuye
チスイェ 【ci-suye】 (それを)煮る. (出典:萱野、方言:沙流)
citamehayta
チタメハイタ 【ci-tam-e-hayta】 かまいたち. (出典:萱野、方言:沙流)
citarpe
チタㇻペ 【citarpe】 ござ. (出典:萱野、方言:沙流)
citarpeciwas
チタㇻペチワㇱ 【citarpe-ciwas】 ござを編む時に両方に残るガマ草. (出典:萱野、方言:沙流)
cituytektek
チトゥイテㇰテㇰ 【ci-tuy-tek-tek】 (さっと)切られる. (出典:萱野、方言:沙流)
ciw
チウ 【ciw】 刺す,しみる. ク・シキ チュー=私の目にしみる.ハイー ク・テケヘ ポンノ ピロ ワ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ウセイ オㇿ コマレ(ク・オマレ) アクス チュー フミー=あーあ私の手に少しだけ傷があったのにお湯に入れたらしみるなあ. (出典:萱野、方言:沙流)
ciw
チウ 【ciw】 流れ. フㇱペ カシ チュークㇱ=死んだ鹿の上を水が流れている.→チウ (出典:萱野、方言:沙流)
ciw/ciwe(he)
チウ/チウェ(ヘ) 【ciw/ciwe(he)】 潮(しお):流れ. ポロ フンペ コイヤンケ ワ エㇺコホ オチウスイェ コㇿ アン コタノルン(コタン オㇿ ウン) アスラニ・アン=大きい鯨が漂着し,体半分が潮で揺れていたので,村へ私は知らせた. (出典:萱野、方言:沙流)
ciwaan
チワアン 【ci wa an】 煮えている. オ ペッネカ ワ カッパ ス ポㇷ゚ ワ オラーノ オマレ ペカンケ コㇿ チ ワ アン ペ ネ ナ ヤンケ アニー=それ,練ってから団子にして鍋が煮え立ってから入れて,浮いたら煮えているものだから上げてね. (出典:萱野、方言:沙流)
ciwas
チワㇱ 【ciw-as】 急流. (出典:萱野、方言:沙流)
ciwkus
チウクㇱ 【ciw-kus】 泣く:顔の表を沢が流れるように泣く[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ciwpa
チウパ 【ciw-pa】 氷の端・縁:川は凍っているが,ある部分が開いている. エチ・ヌ ヤー チューパ オルン ユㇰ ハチㇼ ワ ヘタンプタンプ コㇿ アン ヤㇰ ア・イェ ナ.イヨロインカㇻ ポカ ア・キ ロー=お前たち聞いたかい,氷の端から鹿が落ちて川の中であっぷあっぷしているということだ.遠くから見るだけでもしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
ciwrori
チウロリ 【ciwrori】 渦. チューロリクㇽ=渦を司る男の神.チューロリマッ=渦を司る女神. (出典:萱野、方言:沙流)
ciwrup
チウルㇷ゚ 【ciwrup】 12月. (出典:萱野、方言:沙流)
ciwruy
チウルイ 【ciw-ruy】 (流れが)速い. (出典:萱野、方言:沙流)
ciyay/ciyaye(he)
チヤイ/チヤイェ(ヘ) 【ciyay/ciyaye(he)】 (木の)栓:穴に差し込み,中の物が出ないようにする物. (出典:萱野、方言:沙流)
coasirokke
チョアシロッケ 【co-a-sir-okke】 どすんと座る,どかっと座る. ▷チョ=それ ア=座る シリ=大地 オッケ=突く(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
coka(y)
チョカ(イ) 【coka(y)】 私たち,我ら. ウパキターラ エチ・オカ ヤー.チョカ カ イワンケ ノ オカ・アㇱ=変わりなくお前たちはいたかい.私たちも元気でいたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
cokcokse
チョㇰチョㇰセ 【cok-cok-se】 くちづけ,接吻. (出典:萱野、方言:沙流)
cokcoksekar
チョㇰチョㇰセカㇻ 【cok-cok-se-kar】 くちづけする.接吻する. (出典:萱野、方言:沙流)
cokep
チョケㇷ゚ 【cokep】 寄せ煮:いろいろな物を寄せ集めて煮た食べ物.シラヌカアイヌの言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
cokus'amip
チョクㇱアミㇷ゚ 【ci=hokus-amip】 裏返しにした着物. シネアンタ イワン チョクㇱアミㇷ゚ ミ クㇽ エㇰ ヒネ イイェトゥン(イ・エトゥン) ルスイ アクス ア・ユピヒ エエセ ルウェ ネ=ある日のこと,6枚の裏返しの着物を着た男が来て私を嫁に欲しいと言った,私の兄はそれを承諾した[ウ](裏返しにした6枚の着物を着ているというのは,1年に6人の妻が死んだというのではなく,今までに6人ということであろう).*男女ともに連れ合いが死ぬと約1年間は着物を裏返しにして着るものであった.この風習は私が知っている範囲では,昭和6年頃に隣家の貝澤オロアッノさんが.夫が亡くなった時に裏返しの着物を着ていたのを見たのが最後であった. (出典:萱野、方言:沙流)
compa
チョンパ 【compa】 升,升(しょう). エシㇼ イユタㇷ゚ オㇿ ワ ピヤパ ピㇼケㇷ゚ ク・ヤンケ ワ セモッタ(セㇺ オㇿ タ) アン ナ チョンパ アニ パカリ ワ ウパㇰセㇾケ コㇿ ワ アㇻパ=朝,私がパッタリからヒエの精白を上げて入り口の所にあるので,升で量って半分持って行け.オッコー ピㇼケㇷ゚ エ・コㇿ チキ シネ チョンパ エン・コソウㇰテ ク・ヤイモンニㇱカ ワ イユタ カ ケアイカㇷ゚(ク・エアイカㇷ゚) ナ=姉よ,精白したものあったら1升私に貸して,私は忙しくて搗くこともできないので.チョンパ アニ アマㇺ パカリ ワ セ ワ アㇻパ エイタサ パセ コㇿ エ・シンキ ナ トゥペサン チョンパ パㇰノ ヘネ コㇿ ワ アㇻパ アニ=升で米を計って背負って行け,あまり重いとお前が疲れるので8升ほどでも持って行けよ.キムンカムイ クヨイェヘ アナㇰネ ワッカ ア・オマレ ワ ア・ポロレ ヤッカ シネ チョンパ パㇰノ ア・オマレ エアㇱカイ プタ クヨイ アナㇰネ レ チョンパ カ ア・オマレ パㇰノ ポロ ㇷ゚ ネ=熊の膀胱は水を入れて大きくしても1升ぐらいしか入らない,豚の膀胱は3升も入れられるぐらい大きいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
concak
チョンチャㇰ 【concak】 いらんことをする,じゃまする. (出典:萱野、方言:沙流)
copnure
チョㇷ゚ヌレ 【cop-nu-re】 接吻(する):相手の唇,手.頬などに唇をあてて接吻する.▷チョㇷ゚という音 ヌ=聞く レ=させる ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ ク・コㇿ ハポ カ フチ カ ポホ ウタㇻ ミッポホ ウタㇻ チョㇷ゚ヌレ コㇿ オカ ヒ ク・ヌカㇻ ペ ネ ア コㇿカ タネ オカ ウタㇻ ネノ アン イキ ソモ キ パ=私が子供の頃は私の母も私の祖母も子供や孫に接吻するのを見たものであったが今いる人たちはそのようなことをしなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
corawki
チョラウキ 【corawki】 けんかに行く:けんかのために向かって行く. オハイケヘ ア・カㇻ ヒ ヌ ワ オパタプルㇽケ コㇿ チョラウキ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=悪口を言われたのを聞いて,かっかと怒って,向かって行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
corewewe
チョレウェウェ 【corewewe】 (前ヘ)屈む. チョレウェウェ チョテスス・アン カネ ミナ・アン=前へ屈んだり後ろへ反り返って私たちは笑った. (出典:萱野、方言:沙流)
corpok/corpoki(ke)(he)
チョㇿポㇰ/チョㇿポキ(ケ)(ヘ) 【cor-pok/-poki(ke)(he)】 (〜の)下. (出典:萱野、方言:沙流)
corpokkekus
チョㇿポッケクㇱ 【corpokke kus】 くぐる:下を通る. (出典:萱野、方言:沙流)
corpokta
チョㇿポㇰタ 【corpok ta】 下に. チセ ウフイ ネ ヤ マゥコウェン パ ㇷ゚ アナㇰネ ナニ チセ オルン ソモ ア・アフンケ ノ トゥッコ レㇾコ プ チョㇿポㇰ タ ア・レウシレ ㇷ゚ ネ=火事などで運の悪い者たちは.すぐに家へ入ることなく,二日か三日は倉の下に泊めるものだよ.*その昔のアイヌの倉は足が高いのでその下の空間は一坪半から二坪ほどの広さのものもあったものである. (出典:萱野、方言:沙流)
cosiptektek
チョシㇷ゚テッテッ 【co-sip-tektek】 さっと戻る,さっと戻った. ラムトゥイアニタ チョシㇷ゚テッテッアン=驚いてさっと戻った.イム(陽性ヒステリー)という状態でびっくりしてさっと戻った.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cosukep
チョスケㇷ゚ 【cosukep】 寄せ煮:釧路地方の言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
cotanneturi
チョタンネトゥリ 【co-tanne-turi】 寝そべる:長々と寝そべっている,横たわる. チュワン オカ アン コㇿ チョタンネトゥㇽパ モコㇿ ワ オカ=昼飯が終わると寝そべって眠っている. (出典:萱野、方言:沙流)
cotari
チョタリ 【cotari】 蹴る. チョタリ ウㇺマ=蹴る馬. (出典:萱野、方言:沙流)
cotca
チョッチャ 【cotca】 刺す,射る.(弾丸・矢を)当てる. ソヤ エン・チョッチャ=蜂が私を刺した.アヨー ソヤ エン・チョッチャ ナ ヌカㇻ ワ エン・コレ=あー痛い,蜂に刺されたよ,見てくれ.トアン チクニ イクㇱ タ キムンカムイ アン ナ アㇻパ チョッチャ ワ エㇰ=あそこの立ち木の向こう側に熊がいるから,行って射って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
cotesusu
チョテスス 【cotesusu】 反り返る. チョレウェウェ チョテススアン カネ ミナ・アン=前へ屈んだり後ろへ反り返って私たちは笑った.ミナ クス チョテスス チョレウェウェ=笑うために体を反り返らせ前へ屈む. (出典:萱野、方言:沙流)
cuk
チュㇰ 【cuk】 秋. タン チュㇰ アナㇰネ チェㇷ゚ ヌウェ アン アタッ ポロンノ ア・カㇻ エアㇱカイ=今年の秋はサケがたくさんあるから,開き干しのサケをたくさん作ることができる. (出典:萱野、方言:沙流)
cup
チュㇷ゚ 【cup】 太陽,月. (出典:萱野、方言:沙流)
cup a=ruki
チュㇷ゚ アルキ 【cup a=ruki】 日食,月食.▷チュㇷ゚=日,月 ア・ルキ=呑まれる →だんだん消えていくこと (出典:萱野、方言:沙流)
cup ahun
チュㇷ゚ アフン 【cup ahun】 日が沈む. (出典:萱野、方言:沙流)
cup pisno
チュㇷ゚ ピㇱノ 【cup pisno】 毎月,月々. (出典:萱野、方言:沙流)
cup sikari
チュㇷ゚ シカリ 【cup sikari】 満月:月が丸い. (出典:萱野、方言:沙流)
cup/cupi(hi)
チュㇷ゚/チュピ(ヒ) 【cup/cupi(hi)】 脾臓,はらわた. タパン ユㇰ チュㇷ゚プス・アン ヤㇰネ アネカンカン ネ ヒケ パㇱクㇽ チロンヌㇷ゚ エイメㇰコレ ヤン=この鹿のはらわたを出したら小腸の方は烏と狐に分け前としてあげなさい(狩人の心得). (出典:萱野、方言:沙流)
cupcise
チュㇷ゚チセ 【cup-cise】 月の暈. (出典:萱野、方言:沙流)
cupewen
チュペウェン 【cup-e-wen】 月経中である(よい表現). (出典:萱野、方言:沙流)
cuphetuku
チュㇷ゚ヘトゥク 【cup-hetuku】 日が出る.cup rikin とは言わない. (出典:萱野、方言:沙流)
cupiporo
チュピポロ 【cup-iporo】 月明かり.▷チュㇷ゚=月 イポロ=顔色 →月の顔色 (出典:萱野、方言:沙流)
cupiran
チュピラン 【cupi-ran】 月経中である. (出典:萱野、方言:沙流)
cupka
チュㇷ゚カ 【cupka】 東. (出典:萱野、方言:沙流)
cupkamuy
チュㇷ゚カムイ 【cup-kamuy】 日の神,月の神. (出典:萱野、方言:沙流)
cupki
チュㇷ゚キ 【cupki】 日の光,輝く. (出典:萱野、方言:沙流)
cupkiyay
チュㇷ゚キヤイ 【cup-kiyay】 日光. (出典:萱野、方言:沙流)
cupnukar
チュㇷ゚ヌカㇻ 【cup-nukar】 月経が下りる,月経中である(ふつうこれを使う). (出典:萱野、方言:沙流)
cuporunkur
チュポルンクㇽ 【cup-or-un-kur】 月の人:骨惜しみをした少年が神によって月へ行かされ,手桶を持ったまま立っている.▷チュㇷ゚=月 オㇿ=所 ウン=住む クㇽ=人 テエータ トランネ ヘカチ アン ワッカ ア・タレ アクス イヌンペ ネ ヤ イクㇱペ ネ ヤ エパトゥレンテ ア・コイパㇰ クス チュポルンクㇽ ネ ア・カㇻ ヒ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずーっと大昔に怠け者の少年がいて,水汲みをさせられたら炉縁とか柱にいいがかりをつけ,それが悪いとて罰せられ,月の人にさせられてしまったという. (出典:萱野、方言:沙流)
cuppa
チュッパ 【cup-pa】 めくる,はぐる〔複〕. ソ チュッパ=ござをめくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
cuppok
チュッポㇰ 【cuppok】 西:日の沈む方角. (出典:萱野、方言:沙流)
cuppusuinaw
チュップスイナウ 【cup-pusu-inaw】 熊の血をつけたチェホㇿカケㇷ゚:イヨマンテの時にトゥソㇰニの上へ熊の血をつけてから立てるチェホㇿカケㇷ゚のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
cupran
チュㇷ゚ラン 【cup ran】 陽が落ちる,日没. ソンノ エネ チュㇷ゚ラン ペ ポオンペポ アン トイ キナカㇻ カ ソモ エ・オケレ.エ・モナサㇷ゚ シリ=本当にこんなに陽が落ちそうなのに少しの畑の草取りも終わらない.手のろいこと. (出典:萱野、方言:沙流)
cupray
チュㇷ゚ライ 【cup ray】 日食,月食:皆既食.▷チュㇷ゚=日,月 ライ=死ぬ (出典:萱野、方言:沙流)
cupri
チュㇷ゚リ 【cup ri】 日が出る:日が高い. (出典:萱野、方言:沙流)
cupu
チュプ 【cupu】 閉じる.めくる,はぐる. トマ チュプ=ござをめくれ.シㇰ チュプ=目を閉じる. (出典:萱野、方言:沙流)
cupye
チュㇷ゚イェ 【cup-ye】 月数え. (出典:萱野、方言:沙流)
cuwan
チュワン 【cuwan】 昼食,昼飯. ク・ユピヒ エキㇺネ マチヒ エウン チュワン コㇿ ア セコㇿ ア・コピシ アクス ソモ コㇿ ヤㇰ イェ=私の兄が山へ行ったので,その妻へ,兄は弁当を持ったかと問いただしたら,持っていないと言った.テエータ アナㇰネ キ カ ウㇽキ カ アッ ペ ネ ロㇰ クス トヨッタ(トイ オㇿ タ) チュワン オッタ(オㇿ タ) ウナㇻペ ウタㇻ ウコムイ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペ ネ ア ワ=ずうっと昔は頭のシラミも体につくシラミもたくさんいたもので,畑で昼食時におばさんたちがシラミを取り合うのを見たことがあったものだよ(コムイ=シラミを取る).タネ エモ ア・オトゥイプッカ ヤㇰ ピㇼカ ノイネ ネ ナ チュワン オカ タ ア・オトゥイプッカ ロー=もういもの土盛りをしたほうがいいみたいだから昼飯の後で土盛りをしようよ.タアン トイ チュワンイペ エトㇰ タ キナカㇻ ア・オケレ ヤㇰネ チュワン オカ タ イワㇰ・アン シニ・アン ナ ホクレ アリキキ ヤン=この畑を昼飯前に草取り終わらせたら,昼飯の後で帰って休むので,早くがんばってください. (出典:萱野、方言:沙流)
cuwan'ipe
チュワンイペ 【cuwan-ipe】 昼食,昼飯.▷チュワン=昼 イペ=食べる (出典:萱野、方言:沙流)
cuwan'okata
チュワンオカタ 【cuwan oka ta】 昼飯の後に,昼すぎ. エアㇻキンネ ワッカ ク・ク ルスイ ナ.チュワン オカ タ シㇼスッ タ アン ナㇺ ワッカ タ ワ エㇰ アニ=とっても水が飲みたくてたまらない.昼飯の後に山のふもとにある冷たい水を汲んで来てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
e
エ 【e】 食う.食べる. (出典:萱野、方言:沙流)
e
エ 【e】 〜で,〜の,そこ(場所). ヘカッタㇻ エシノッ チレㇰテトㇷ゚ イコクッタㇻ アニ ア・カㇻ ペ ネ ワ=子供らがおもちゃにする笛はどんぐいで作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
e
エ 【e】 はい.承知しました,引き受けました,どういたしまして. (出典:萱野、方言:沙流)
e=
エ 【e=】 お前,あんた,君〔人称接辞〕. (出典:萱野、方言:沙流)
e=kaa=tunaska
エカアトゥナㇱカ 【e=ka-a=tunas-ka】 あなたを助ける,応援する,加勢する. ▷エ=お前,あなた カ=上,上体 ア=私 トゥナㇱカ=急がせる,応援する[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
e=kaku=kikyakne
エカクキㇰヤㇰネ 【e=ka-ku=kik-yakne】 お前の上を祓い清める,体の上を祓い清める. ▷エ=お前,あなた カ=上,上体 ク=私 キㇰ=たたく,祓い清める ヤㇰネ=ならば(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
e=monasap
エモナサㇷ゚ 【e=mon-asap】 (手が)のろい. ソンノ エネ チュㇷ゚ラン ペ ポオンペポ アン トイ キナカㇻ カ ソモ エ・オケレ エ・モナサㇷ゚ シリ=本当にこんなに陽が落ちそうなのに少しの畑の草取りも終わらない,手のろいこと. (出典:萱野、方言:沙流)
e=monasnu
エモナㇱヌ 【e=mon-asnu】 (手が)速い. オヌマン パㇰノ ネ クニ ク・ラム ア ワ エ・アリキキ ワ エ・モナㇱヌ シリ=夕方までと私は考えていたのに,よく働いて早いこと. (出典:萱野、方言:沙流)
e=nu e=nu
エヌ エヌ 【e=nu e=nu】 もしもし:エアニ(お前)に対して. オッコ エ・ヌ エ・ヌ オサッ プトゥフ タ チェッポ ラカン コㇿ アン ヤㇰ ア・イェ アㇻパ インカㇻ・アン ロー=姉よ,聞こえるかい,オサツ沢の沢尻で小魚が産卵のために1か所へ集まっているというので行ってみようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eaciw
エアチウ 【e-aciw】 投げる(銛を,槍を). (出典:萱野、方言:沙流)
eanasap
エアナサㇷ゚ 【e-anasap】 手にあまる,手に負えない. タパン ハワㇱ アナㇰ エアㇻキンネ ホカンパ オルㇱペ ネ アタナン ペ ネ クス ケアナサㇷ゚(ク・エアナサㇷ゚)=この話は本当に難しい話なので,至らない私では手にあまる.ポイション ネㇷ゚ ワ アン ペ エカッキクㇱ クンネチㇱ エアㇻキンネ ケアナサㇷ゚(ク・エアナサㇷ゚)=赤ちゃんが何が崇ったのか夜泣きをして本当に手にあましてしまった.ソンノ ネア ウェンクㇽ イヨㇱキ コㇿ オラーノ ヤㇺス コラチ ア・エアナサㇷ゚=本当にあの悪い奴は酔っ払ったらクリのいがと同じで手に負えない. (出典:萱野、方言:沙流)
eani
エアニ 【eani】 お前,あんた(親しい間柄で). (出典:萱野、方言:沙流)
eani un
エアニ ウン 【eani un】 お前は?▷エアニ=お前 ウン=は (出典:萱野、方言:沙流)
eannuaste
エアンヌアㇱテ 【e-annu-aste】 (〜を)目撃する. チェㇷ゚ エイッカクㇽ ケアンヌアㇱテ(ク・エアンヌアㇱテ)=魚を盗んだ人を私は目撃した. (出典:萱野、方言:沙流)
eapakor
エアパコㇿ 【e-apa-kor】 それを身内にする,それを親戚にする. ▷エ=それ アパ=身内,親戚 コㇿ=持つ *結婚することによって,身内や親戚が多くなること.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ear
エアㇻ 【ear】 ひとつ. (出典:萱野、方言:沙流)
earciseneno
エアㇻチセネノ 【ear-cise neno】 1軒家のように. トオㇷ゚ キㇺ タ ソモカ チセ アン クナㇰ ソモ ク・ラム アㇷ゚ エアㇻチセ ネノ ポン チセ アン ワ ケラムトゥイ(ク・エラムトゥイ)=ずっと山の中にまさか家があるとは思わなかったのに,1軒家のような小さな家があって私は驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
earkinne
エアㇻキンネ 【ear-ikir-ne】 本当に,とても,非常に. (出典:萱野、方言:沙流)
earmuye
エアㇻムイェ 【ear-muye】 ひと結び(にする).▷エ=それを アㇻ=ひとつ ムイェ=結ぶ ウェンペウㇱタ アナㇰネ タンネ マタンプシ ア・エアㇻムイェ=不幸の場では長い鉢巻きをひと結びにする. (出典:萱野、方言:沙流)
earnotne
エアㇻノッネ 【ear-not-ne】 一口で. (出典:萱野、方言:沙流)
earpene
エアㇻペネ 【ear-pene】 ひとえもの(を着る). ホワーㇻ スイ エアㇻペネ ノ アン ワ ホユプ コㇿ アン.オㇺケカㇻ ヤㇰ ウェン ナ ネㇷ゚カ ミレ=まああきれた,またひとえものだけで走っている.風邪でもひいたら悪いから何か着せろ.*孫が走り回っていると祖母テカッテがそう言っていたが,今は私がそう言う番になった. (出典:萱野、方言:沙流)
earsayne
エアㇻサイネ 【ear-say-ne】 一巻[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
easayar
エアサヤㇻ 【e-asa-yar】 注文する,▷エアサ=注文 ヤㇻ=する (出典:萱野、方言:沙流)
easir 1
エアシㇼ 【easir】 ①初めて. タネポ エアシㇼ タン コタン タ ケㇰ(ク・エㇰ) コㇿカ プリ ピㇼカクㇽ パテㇰ オカ エアㇻキンネ カヌミ(ク・アン フミ) ピㇼカ=今初めてこの村へ来たけれど根性のいい人ばかりいるので本当に居心地がいい.キムン・アン ヒ タ アナㇰネ ウウェプンキネ・アン ワ エアシㇼ アプンノ イラマンテ・アン エアㇱカイ=狩りに山に入る時は互いを守り合って初めて無事に猟をすることができる. (出典:萱野、方言:沙流)
easir 2
エアシㇼ 【easir】 ②本当に,全く. (出典:萱野、方言:沙流)
easirka
エアシㇼカ 【easir ka】 本当に,それこそ. アㇷ゚ト アㇱ コㇿ ヘカッタㇻ ソイネ カ エアイカㇷ゚ ペ ネ クス チセ オッタ(オㇿ タ) シノッパ エアシㇼカ シッチリㇺヌレ パㇰノ シノッパ=雨が降ると子供らが外へ出ることができないので,家の中で遊んで本当にあたりに響き渡るほど遊んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
easirki
エアシㇼキ 【e-asir ki】 〜するほかはない. タパン ハワㇱ アナㇰネ ハウケ オルㇱペ ソモ ネ クス カムイ ア・エコシ エアシㇼキ ペ ネ ハウェ ネ ワ=この話はちょっとやそっとのものではない.神様に任せるほかないことだろうね.エネ ウェンプリコㇿ ハウェ ネ ヤカナㇰネ(ヤㇰ アナㇰネ) カムイ オㇿ ワ ア・ライケ エアシㇼキ ナンコㇿ ワ=そのような悪事をしたのであれば神の方から殺されるでありましょうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
easiskar
エアシㇱカㇻ 【e-asis-kar】 非難する,逆恨みする. ソンノ ポンノ アン パハウ ネ ヤッカ ア・エアシㇱカㇻ ヒー カ アン ペ ネ ナ.イテキ ネユン ネユン イタカン(イタㇰ・アン) ペ ネ ナ=本当に少しの噂であっても非難される場合もあるものだ.いろいろなことを言うものではない.ヤイカタ キ カトゥウェン ペ オラ イイェアシㇱカㇻ(イ・エアシㇱカㇻ) ペ アン=自分自身の行いが悪くてそうなってから私に逆恨みをするのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
easkay
エアㇱカイ 【e-askay】 上手だ. (出典:萱野、方言:沙流)
eatcise
エアッチセ 【e-ar-cise】 片流れの小屋. 図[エアッチセ] (出典:萱野、方言:沙流)
eatpene
エアッペネ 【e-atpene】 下手くそ. (出典:萱野、方言:沙流)
eatu
エアトゥ 【e-atu】 (〜を)吐く,もどす. ポンノ ニポㇷ゚ケㇷ゚ ケ(ク・エ) アクス ケアトゥ(ク・エアトゥ)=少し悪くなった物を食べたので私は吐いた. (出典:萱野、方言:沙流)
eawne
エアウネ 【e-aw-ne】 隣(へ). ウクラン エアウネ カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ トンカ ケトゥン(ク・エトゥン) ヒ ク・イェ アクス ウナㇻペ アン ノイネ ハウェアン ナ.アㇻパ ワ エトゥン ワ エㇰ=昨夜,私は隣へ行って鍬を借りたいと言ったらおばさんはあるようだと言っていた,行って借りて来い.ク・コㇿ ション タパン クワペッ エアウネ コㇿ ワ アㇻパ アニー=孫よ,この一串の魚を隣へ持って行ってね.エアウネ ウン フチ エアㇻキンネ パㇻコハイタ ネㇷ゚ ネ ヤッカ エ=隣のおばあさんは本当になんでも食べたがり,なんでも食べる. (出典:萱野、方言:沙流)
eaykap
エアイカㇷ゚ 【e-aykap】 下手だ,〜ができない. ク・ケメイキ エアイカㇷ゚ ペ ネ クス ク・ハンケヨㇺ パ ク・トゥイマヨㇺ パ ア・エミナ ノイネ=私は針仕事が下手なので,近くへ針を刺し遠くへ針を刺し,笑われそうだ.アッペネㇷ゚ アナㇰネ ネㇷ゚ ア・カレ ヤッカ エアイカㇷ゚=不器用者は何をやらせても下手だ.アイヌモシㇼ モシㇼ ソ カ タ ア・キヤンネレ ㇷ゚ ノヤ ネ クス ノヤ オㇷ゚ アニ ノヤ エムㇱ アニ ア・オッケ ㇷ゚ ア・トゥイェ ㇷ゚ アナㇰネ エフイネ ウェンカムイ ネ ヤッカ ヤイカッチピ エアイカㇷ゚ ペ ネ=人間の国土,国土上に最も上席に位置するのがヨモギなので,ヨモギの槍で突かれた者,ヨモギの刀で斬られた者は,どんな悪い神も蘇生することができないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ecakuras
エチャクラㇱ 【ecakuras】 枝(柴)のまま. エント ア・エトイタ コㇿ クスイェㇷ゚ ソモ エタイェ クニネ エチャクラㇱ シンケㇷ゚ カシ ウン ア・ピラサ ピㇼカノ ケニトゥㇰ コㇿ エント ニテㇰ ネ ア・アシ=青エンドウ豆を蒔いた時に山バトが抜かないように枝のままのハギを上へ並べよく芽が出そろったら青エンドウ豆の手柴として立てる. (出典:萱野、方言:沙流)
ecamse
エチャㇺセ 【e-camse】 (口をもぐもぐさせて)食べている,食べる,噛む. フチ シネン ネ アン ワ ネㇷ゚カ エチャㇺセ コーロ アン ヒクス アプンノ サマ タ アㇻパ・アン ラム ア・トゥイパ アクス テㇺチャリチャリ コㇿ マカホクㇱ=おばあちゃんがひとりでいて何か食べていたので静かに側へ行き,わっと驚かしたら両手を広げて驚いてひっくり返った. (出典:萱野、方言:沙流)
ecancanke
エチャンチャンケ 【e-can-canke】 (ぱちぱちと)消える. (出典:萱野、方言:沙流)
ecanupkor
エチャヌㇷ゚コㇿ 【e-canup-kor】 聞いてためになる,(〜を)参考にする,(〜を)手本にする,(〜で)覚える,(〜によって)知る.▷エ=それで チャヌㇷ゚=覚える コㇿ=持つ ウナㇻペー ウウェペケㇾ ワ エン・ヌレ.エ・イェ ウウェペケㇾ アナㇰネ ア・エチャヌㇷ゚コㇿ ペ パテーㇰ ネ ㇷ゚ ネ クス ク・ヌ ルスイ=おばさんよ,昔話を私に聞かせてくれ.あなたの昔話は聞いてためになる話ばかりなので私は聞きたい.アイヌ オッタ(オㇿ タ) ウパㇱクマ アナㇰネ ア・エチャヌㇷ゚コㇿ ペ ネ シンリッ オルㇱペ ネ ヤッカ ウルオカタ ウルオカタ ア・エラマン ペ ネ=アイヌのところでの言い伝えはそれを参考にすることができるし,先祖の話も子孫へ次の世代へと教えられるものだ.ウナㇻペー ネㇷ゚カ ア・エチャヌㇷ゚コㇿ ノ アン ウウェペケㇾ イェ ワ エン・ヌレー=おばさん,何かそれによって利口になれそうな昔話を言って聞かせてくれ.ケチャヌㇷ゚コㇿ(ク・エチャヌㇷ゚コㇿ)=私はそれで覚えることができた. (出典:萱野、方言:沙流)
ecararase
エチャララセ 【e-cararase】 滑る,滑って行く. エクㇱネ ワ ユㇰ ア・ヌカㇻ ヒクス シㇼ イットゥイェ・アン ルスイ クス ウパㇱ トゥラノ アネチャララセ(ア・エチャララセ) ワ フㇽペㇱ・アン=向かい側へ鹿が見えたので近回りしようと思い,雪と一緒に滑って坂を下った.ア・オ ワ アン ポン レパチㇷ゚ ネンカ イイェトㇰ(イ・エトㇰ) ワ エタイェ ペコㇿ カンペ クㇽカ エチャララセ=私が乗っている小さな交易船,誰かが前の方から引っぱるように水面を滑っている. (出典:萱野、方言:沙流)
ecarase
エチャラセ 【e-carase】 滑る. クワエチャラセ=杖で滑る.カンペクㇽカエチャラセ=水面を滑るように進む. (出典:萱野、方言:沙流)
ecatke
エチャッケ 【ecatke】 汚ながる,汚ない,よごれている. フㇱコ トゥシㇼ トゥㇺ ア・クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤ ア・エテテ ワ ホック カネ アナン(アン・アン) ワ ア・クㇱ ペ ネ.ウェンカムイ カ オンネㇷ゚ ネ クナㇰ ラム パ ワ エチャッケ ソモ ソイェネ ㇷ゚ ネ シコㇿ=古い墓地の中を通る場合はヨモギを杖にして腰を曲げて通るものだ.悪い化け物も年寄りたと思って汚ながって出て来ないものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eci=
エチ 【eci=】 お前たち,君たち. タント アナㇰネ イソアン ワ ユㇰ ポロンノ クㇰ(ク・ウㇰ) エネ ポロンノ アン カㇺ マㇰ ク・カㇻ シコㇿ ク・ヤイヌ コㇿ カナ(ク・アン ア) ワ エチ・エㇰ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=今日は猟があって鹿をたくさん獲った.こんなにある肉をどうしようと思っていたのにお前たちが来て私は嬉しい. (出典:萱野、方言:沙流)
eci=okari
エチオカリ 【eci=okari】 あなたに代わる. エチ・オカリ ナ イペ=交代するから食べろ.エチ・オカリ ク・ネㇷ゚キ ナ ホクレ アㇻパ ワ ポンペ トノンテ ワ エㇰ=あなたに代わって私が働くので早く行って赤ちゃんに乳を飲ませて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ecikiki
エチキキ 【ecikiki】 煮汁を流す:鍋などの蓋を手で押さえて煮汁を流すこと.ジャガイモをゆでた場合など.ゆでこぼす,水切り(をする). エモ チ ヤー.パスイ エタラレ ワ インカㇻ チ ノイネ ネ ヤクン エチキキ ワ ス リコライェ ワ ヤンケ=ジャガイモが煮えたかい.箸を刺してみて煮えたようであれば煮汁を流して鍋を高くしてから上げろ.*昭和10年前後は囲炉裏の生活であったのでこれは普通のことであった. (出典:萱野、方言:沙流)
ecinkar
エチンカㇻ 【e-cin-kar】 (いない人の食べる分を)残す. (出典:萱野、方言:沙流)
ecinke
エチンケ 【ecinke】 亀,亀類. (出典:萱野、方言:沙流)
ecioka
エチオカ 【ecioka】 お前たち,君たち. (出典:萱野、方言:沙流)
ecirirkekur
エチリㇼケクㇽ 【e-cirirke-kur】 戸口を守る男神. (出典:萱野、方言:沙流)
ecirirkemat
エチリㇼケマッ 【e-cirirke-mat】 戸口を守る女神. (出典:萱野、方言:沙流)
eciw
エチウ 【eciw】 押す. チㇷ゚ ア・エチュー トゥリ ア・ウㇰテㇰ ペッ イクㇱタ ヤナン(ヤン・アン)=丸木舟を私はさっと押し出し棹を取って川の向かい側へ渡った. (出典:萱野、方言:沙流)
eciyus
エチユㇱ 【e-ci-us】 酒差し:漆器. 図[エチユㇱ] (出典:萱野、方言:沙流)
ecoane
エチョアネ 【ecoane】 痩せ型:痩せて細い身体つき. (出典:萱野、方言:沙流)
ecopnure
エチョㇷ゚ヌレ 【e-copnu-re】 くちづけ(する),接吻(する). イヨマㇷ゚ ペ ポーヘネ ア・オマㇷ゚ ペ ネ コㇿカ コㇿ ポンペ パロンナ ワ ノタッカ ワ エチョㇷ゚ヌレ コーㇿ アン=かわいがっている者のほうがかわいいものだが,自分の子供の口のあたりや頬のあたりにくちづけしている. (出典:萱野、方言:沙流)
ecopopo
エチョポポ 【ecopopo】 米を水に入れる:米を研ぐために水の中に音をたてて入れる. (出典:萱野、方言:沙流)
ecupka
エチュㇷ゚カ 【e-cup-ka】 東. (出典:萱野、方言:沙流)
ecuppok
エチュッポㇰ 【e-cup-pok】 西. (出典:萱野、方言:沙流)
ecutkonno
エチュッコンノ 【e-cut-kor-no】 同じように:考え方が同じという場合に言う.物が同じの時はウネノと言うものである[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
een
エエン 【een】 鋭利(である),鋭い,とがった,切れる. ポンペ カ インネ ㇷ゚ エ・ネㇷ゚キウㇱケ タ エエン ノタコㇷ゚ オルピッネ ノ アン ナ.エヤㇺ ワ オラー カ イペ アニー=小さい子供が大勢いるのにお前が仕事していた所に鋭利な刃物が裸のままであるぞ.しまってから食事をしなさい.*彫刻を本業にしていた時,母に言われた言葉だった.ク・コㇿ イヨㇰペ エヌカㇻ ナ アㇻパ ワ エエン イヨㇰペ コㇿ ワ エㇰ=私の鎌が切れないから行って切れる鎌を持って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
eenka
エエンカ 【een-ka】 鋭くする,とがらす. テエータ アナㇰネ ユㇰ ニサㇷ゚ポネ アㇻケヘ ア・ケウレ ワ ア・エエンカ オㇷ゚ イペ ネ ア・カㇻ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずーっと大昔は,鹿の脛の骨を片方を削ってとがらせて,槍の穂先にしたものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eenpe
エエンぺ 【eenpe】 鋭利な物,刃物などの鋭くてよく切れる物.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
eepak/eepaki(ke)
エエパㇰ/エエパキ(ケ) 【eepak/eepaki(ke)】 近く. ホクレ ホユプ ワ アㇻパ コタン エエパㇰ タ ポロ ユㇰ ア・ウㇰ イリ コㇿ シラン(シㇼ アン) ナ=早く走って行け,村の近くで大きな鹿を獲って皮剥ぎをしていたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eepakita
エエパキタ 【e-epaki ta】 その次に,次いで. ソンノ エ・アリキキ ㇷ゚ ネ クス エネ ポロ トイ エ・キナカㇻ オケレ エエパキタ ヘマンタ エ・カㇻ=本当にお前は働くものだから,こんなに広い畑の草取りを終えた,その次に何をするかな. (出典:萱野、方言:沙流)
eese
エエセ 【e-ese】 承諾する,聞き入れる,引き受ける,返事する. シネアンタ イワン チョクㇱアミㇷ゚ ミ クㇽ エㇰ ヒネ イイェトゥン(イ・エトゥン) ルスイ アクス ア・ユピヒ エエセ ルウェ ネ=ある日のこと,6枚の裏返しの着物を着た男が来て私を嫁に欲しいと言った.私の兄はそれを承諾した[ウ](裏返しにした6枚の着物を着ているというのは,1年に6人の妻が死んだというのではなく,今までに6人ということであろう).シノ シノ ホカンパ オルㇱペ ネ ㇷ゚ ネ クス ニㇱパ エエセ ヤ ソモ ヤ ケラムチュㇷ゚テㇰ(ク・エラムチュㇷ゚テㇰ) アㇷ゚ ソンノ ケラムシンネ(ク・エラムシンネ)=本当に本当に難しい話であったので,あの方が承諾するかしないか心細い思いだったが本当に安心した. (出典:萱野、方言:沙流)
eha
エハ 【eha】 土豆(ヤブマメ). アイヌモシㇼ メナスン ウタㇻ アナㇰネ エハ シコㇿ カ ヌミノカン シコㇿ カ イェ ㇷ゚ ネ チ・コㇿ コタン タ アナㇰネ アハ セコㇿ ア・イェ=アイヌの国土(北海道)の東の方の人たちはエハともヌミノカンともいうもので,私の村ではアハ.という.→アハ (出典:萱野、方言:沙流)
eham
エハㇺ 【eham】 引き止める. イイェハㇺスケ=客を引き止めるためにゆっくりと煮る.クンネエウェンクㇽ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ナ イテキ エイタサ エハㇺ ノ ホシピ ルスイ ヤクン トゥナㇱ ホシピレ=鳥目の入ということであったので,あまり引き止めずに戻りたいと言ったら早く戻らせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ehanke
エハンケ 【e-hanke】 近寄る,(〜が)近くなる,(〜に)近い. タネ シㇼクンネ エハンケ カ キ ナ タヌクラン テ タ ムネウカオマㇷ゚ ヘネ ア・カㇻ ワ ウコヤントネ・アン ロー=すでに日暮れも近いので今夜はここで草のおがみ小屋でも作って同宿しようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ehapap
エハパㇷ゚ 【ehapap】 (〜を)大切にする,倹約する,節約する:1回に食べないように倹約する.食べ物だけに用いる言葉. アエㇷ゚ イサㇺ ナ エハパㇷ゚ ワ アヌ=食べ物がないから大事にしておけ(後で食べるために残しておけ). (出典:萱野、方言:沙流)
ehaporoma
エハポロマ 【e-ha-poroma】 葉のついたまま,夏に倒れた木の葉がそのまま枝についている. ▷エ=それ ハㇺ=葉 オロオマ=ついている(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
eharkiso
エハㇻキソ 【e-harkiso】 左座. (出典:萱野、方言:沙流)
ehasa
エハサ 【e-hasa】 口を開けている:口をぽかーんと開けている.▷エ=それ ハサ=開ける イテキ エハサ ノ アン.ルハイ ネノ ア・イヌカㇻ ナ=口を開けていては駄目よ,少し馬鹿のように見られるよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ehatatne
エハタッネ 【ehatatne】 心配だ,安心できない. ホㇱキヌマン ウヌワㇷ゚テ アン クス ポンペ ク・ホタヌ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) コㇿカ エアㇻキンネ ケハタッネ(ク・エハタッネ)=おとつい赤ん坊が生まれたので赤ん坊を見て来たが,とても(弱々しそうで)私は心配だ. (出典:萱野、方言:沙流)
ehawkasu
エハウカス 【e-haw-kasu】 声高だ,やかましい.▷エ=それ ハウ=声 カス=越える エタカスレ エハウカス ㇷ゚ メノコ カ オッカヨ カ オカ ㇷ゚ ネ=特別声高の者は女にも男にもいるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ehaye
エハイェ 【ehaye】 足りない,不足する. (出典:萱野、方言:沙流)
ehaytahayta
エハイタハイタ 【e-hayta-hayta】 取れない:手に取ろうとしても取ることができない.例えば木になっているコクワを取ろうとして何回か飛びつく様子. キㇺ タ クッチ コルウヌ(ク・オルウヌ) ウㇱケ アン ペ ネ アクス ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) ラㇺ ウㇱケ タ アン ペ アナㇰ クㇰ(ク・ウㇰ) ア コㇿカ リ ウㇱケ ウン ペ アナㇰネ ク・ハイタハイタ ヤッカ クㇰ(ク・ウㇰ) エアイカㇷ゚=山でコクワがある所を知っていたので私は山へ行き低い所のは取ったが高い所のは取ろうとしても取れなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
ehekus
エヘクㇱ 【ehekus】 息が詰まる,息ができないほどいやなにおい. エウェンフラハアニ アエヘクㇱアンキ=お前の悪いにおいで,私は息が詰まりそうだ(狐にナラの木の女神が怒っている様子).(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ehenarispa
エヘナリㇱパ 【ehena-rispa】 むしり食い(する):片方は歯で噛み片方は手に持って. ウヌフ エカヌナラ ㇷ゚ ネ クス トゥサハ エヘナリㇱパ コㇿ アㇱ ワ アン=母の帰りを待っていて袖を歯でむしりながら立っている.*行き先のない子供が壁に寄りかかって袖口を歯で噛んでいる様子. (出典:萱野、方言:沙流)
ehese
エヘセ 【ehese】 気分がすっとする. ハイー ケヘセ(ク・エヘセ) フミー=あーあ,すーっとしたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ehewke
エヘウケ 【ehewke】 傾く,ななめの, (出典:萱野、方言:沙流)
ehewkere
エヘウケレ 【e-hewke-re】 傾ける. イテキ エヘウケレ ノ コㇿ ワ アㇻパ.エ・エヘウケレ ヤㇰネ エ・クタ ワ イサㇺ ナ=傾けないようにして持って行け.お前が傾けたらこぼしてしまうぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
ehomatu
エホマトゥ 【e-homatu】 (〜に)驚く. パイカㇻ アン ナ ウパㇱ アン ラポッケ ルウェ キナスッ ク・ヌカㇻ ワ ケホマトゥ(ク・エホマトゥ)=春,まだ雪がある時に太い蛇を見て私は驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
ehomtomne
エホㇺトㇺネ 【e-homtom-ne】 (〜の)途中である. オオオオ ヌカラン(ヌカㇻ ヤン) ヌカラン ウカ カ ペカ ユㇰ ホユプ ペ ラウォㇱマ ランケ ラウェオㇱマ ランケ コㇿ アン ナ.ネ ワ アン ペ ヌカㇻ アチャポ ネㇷ゚キ エホㇺトㇺネ ㇷ゚ ソヨテㇾケ=あれあれあれあれ,見なさい見なさい.堅雪の上を鹿が走ったのにぬかりぬかりしているよ.それを見たおじさん,仕事の途中なのにさっと外へ飛び出して行った. (出典:萱野、方言:沙流)
ehorakcise
エホラㇰチセ 【e-horak-cise】 半分潰れた家. ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ カッチャマハ ウェンメノコ ア・トイキッカㇻ コㇿ コタンケスン(コタンケㇱ ウン) エホラㇰチセ オルン ヤイニンパニンパ セコㇿ ネ ㇷ゚ ネ=昔話の中では行ないの悪い女が父や母に殴られると村はずれの半分潰れた家へ自分の身体を引きずるようにして行ったと描写されている. (出典:萱野、方言:沙流)
ehorakhorak
エホラㇰホラㇰ 【e-horak-horak】 身体を傾ける,びっこをひく. ク・ヌイェ カ ルㇱカ ㇷ゚ ネ コㇿカ ク・サハポ カ ヤイェウェンペ ネ ワ エホラㇰホラㇰ コㇿ アㇷ゚カㇱ ペ ネ ア ワ=書くのも腹立たしいことだが亡くなった私の姉も身体(足)の不自由な人で歩く時に身体を傾かせながら歩く人であったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ehorari
エホラリ 【ehorari】 鎮座する:神にお祈りをする場合に多く用いられる言葉. ポロシㇼ セコㇿ イタカナッカ(イタㇰ・アン ヤッカ) ル ペㇱ シトゥ ペンタㇷ゚カシ エホラリ カムイ ク ランケ マッ カムイ カッケマッ=幌尻岳と申しましても,道たどる峰,東の肩に鎮座する神,弓降ろしの女神.神の淑女. (出典:萱野、方言:沙流)
ehoripi
エホリピ 【e-horipi】 ~について足踏みしながら. イタㇰ エホリピ=言葉とともに足を踏みならし,神々の目をこちらへ向けさせる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ehorka
エホㇿカ 【e-horka】 さかさまにする.裏返しにする,反対にする. チャペ ウェンペ アイヌ コトゥㇰ エカッキクシ コㇿ ア・ライケ ワ エホㇿカ ノ トイ トゥㇺ ア・オマレ カシ ウン カㇷ゚ケ スマ ア・オマレ タパン スマ ムニン ヤㇰ エㇰ シコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=悪い猫が人間に取り憑いて人間を病気にしたような時は,その猫を殺してさかさまに土の中に埋めてその上へ平たい石を載せて,この石が腐ったら来い,と言うものだそうだ.メノコ ネ ヤッカ オッカヨ ネ ヤッカ チセサㇰ コㇿ アミㇷ゚ エホㇿカ ノ ミ パ ㇷ゚ ネ ロㇰ=女も男も夫や妻に先立たれると着物を裏返しにして着るものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
ehorkaas
エホㇿカアㇱ 【ehorka-as】 逆立ち(する). (出典:萱野、方言:沙流)
ehoski
エホㇱキ 【e-hoski】 不満がある. ヌマン パㇰノ ネㇷ゚キ ワ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) サンニヨ アニタ(アン ヒ タ) プマハ エホㇱキ シコㇿ イェ コㇿ サカヨカㇻ ハウェ ネ ノイネ=昨日まで働いていたのに精算の時に報酬に不満があると文句を言っているらしいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ehurpeskina
エフㇽペㇱキナ 【e-hur-pes-kina】 コタニワタリ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ehuyne
エフイネ 【ehuyne】 どんな,いつまで. アイヌモシㇼ モシㇼ ソ カ タ ア・キヤンネレ ㇷ゚ ノヤ ネ クス ノヤ オㇷ゚ アニ ノヤ エムㇱ アニ ア・オッケ ㇷ゚ ア・トゥイェ ㇷ゚ アナㇰネ エフイネ ウェンカムイ ネ ヤッカ ヤイカッチピ エアイカㇷ゚ ペ ネ=人間の国土,国土上に最も上席に位置するのがヨモギなので,ヨモギの槍で突かれた者,ヨモギの刀で斬られた者はどんな悪い神も蘇生することができないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eikaunno
エイカウンノ 【e-ika unno】 多く,よけいに. (出典:萱野、方言:沙流)
eiki
エイキ 【e-iki】 使う:(刃物等を)使って仕事をする. (出典:萱野、方言:沙流)
eikka
エイッカ 【e-ikka】 (〜を)盗む. カㇺ ケイッカ(ク・エイッカ) エラムㇱカリ=肉を私は盗んだことがない.チェㇷ゚ エイッカクㇽ ケアンヌアㇱテ(ク・エアンヌアㇱテ)=魚を盗んだ者を私は目撃した.アッチェウンペ イユタㇷ゚ オㇿ ワ ピㇼケㇷ゚ エイッカ ア・コオシコニ ヤㇰ ア・イェ=よそから来た者がパッタリから精米を盗み見つかったという話だ. (出典:萱野、方言:沙流)
eikoysampa
エイコイサンパ 【e-ikoysampa】 〜を真似る,同じようにする. アチャポ ホユプ ヒ イムㇷ゚ エイコイサンパ=おじさんの走るのをイムする人が真似た.ピサックエカシ カㇻ イタ ケイコイサンパ(ク・エイコイサンパ) ワ クカㇻ=ピサックじいさんの作った盆を私は真似て作った.クポニ(ク・ポン ヒ) タ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ イヌイェ ク・ポロ ワ オラーノ ケイコイサンパ(ク・エイコイサンパ) タネ アナㇰ イヌイェ パテㇰ ネㇷ゚キ ネ ク・キ=子供の時に見たことのある彫り物を大きくなってから私は真似して今は彫り物を仕事にしている.*食べる真似,歩く真似,しゃべる真似→エユカㇻ (出典:萱野、方言:沙流)
eikoytupa
エイコイトゥパ 【e-ikoytupa】 羨む,羨ましい, (出典:萱野、方言:沙流)
eikra
エイㇰラ 【e-ikra】 (〜を)送る. エネイㇰラ(エン・エイㇰラ)=私に物を送る.タンパ エアㇻキンネ ヤㇺ クㇰ(ク・ウㇰ) クス フチ ケイㇰラ(ク・エイㇰラ)=今年はとてもたくさんクリを採ったのでおばあさんに私は送った.ユㇰチセ タ アン ク・マッカㇻク フンペリカ エネイㇰラ(エン・エイㇰラ).ケミアン ペ ネ クス ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) コㇿ ケ(ク・エ) ア ルウェ ネ=イクチセ村にいる私の姪が鯨の脂身を私に送ってくれた.珍しいものなので私は喜んて食べたよ.テエータ テエータ フチ シㇰヌ ワ アン ラポㇰ タ ピㇱ タ オカ フチ マッカㇻク オㇿ ワ フンペリカ ア・エイㇰラ ワ エㇰ カニ カ ケアㇺキㇼ(ク・エアㇺキㇼ)=ずっとずっと昔におばあさんが生きていた時に海辺にいたおばあさんの姪の所から鯨の脂身が送られてきて,私も食べたことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
eimek
エイメㇰ 【e-imek】 分ける.分配する,配る. ポオンペポ ネ コㇿカ エチ・コイモココㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナ エイメㇰ ワ エ ヤン アニー=少しの物だけれどもお前たちにと思って持って来たのだから,分けて食べてね. (出典:萱野、方言:沙流)
eimekkore
エイメッコレ 【e-imek-kore】 分け前を与える. タパン ユㇰ チュㇷ゚プス・アン ヤㇰネ アネカンカン ネ ヒケ パㇱクㇽ チロンヌㇷ゚ エイメㇰコレ ヤン=この鹿のはらわたを出したら小腸の方は烏と狐に分け前としてあげなさい(狩人の心得). (出典:萱野、方言:沙流)
einonnoitak
エイノンノイタㇰ 【e-inonno-itak】 はらい清める. マキㇷ゚ タㇷ゚ ウフナㇰ ワノ ウナㇻペ ヤイヌミウェンエオ エイノンノイタㇰ ワ エン・コレ ヤン=どうしたことやらついこの頃からおばさんが病気がちだ,はらい清めてくださいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
einupitara
エイヌピタラ 【e-inupitara】 〜をじゃまに思う,うとんじる,早く帰ってほしいと思う. アッチェ ウン アチャポ エㇰ オラーノ イタカイタカ(イタㇰ ア イタㇰ ア) ケイヌピタラ(ク・エイヌピタラ) ヤッカ ソモ イワㇰ=よそのおじさんが来てそれから話をして話をして,私がじゃまに思っていても帰ろうとしない. (出典:萱野、方言:沙流)
eiparkikkik
エイパラキッキㇰ 【e-i-par-kik-kik】 口止めする.▷エ=それで イ=それの パㇻ=口 キㇰキㇰ=叩く ウェンプリ コㇿ パ ワ オラーノ エイパㇻキㇰキㇰ パ ㇷ゚ シネン イヨㇱキ ワ イェ ワ ア・コパㇱテ パ ア・コソトゥイェ パ パㇰノ アシンペ サンケ パ=悪いことをしてから口止めをしあっていたのにひとりが酔っ払ってしゃべってしまってばれて,ある物をあるったけ取られるほどに罰金や宝物を取られた. (出典:萱野、方言:沙流)
eirpak
エイㇼパㇰ 【e-irpak】 同時に. (出典:萱野、方言:沙流)
eisis
エイシㇱ 【eisis】 憎む,恨む. (出典:萱野、方言:沙流)
eisokor
エイソコㇿ 【e-isokor】 〜を信じる,真に受ける. ユタㇻクㇽ エㇰ ワ カムイ スマウ ネ ハウェ ク・ヌ ア コㇿカ ア・エイソコㇿ ハワㇱ ネ ワ=使いの者が来て熊を獲ったというのを私は聞いたが,信じていい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eisramne
エイㇱラㇺネ 【e-isramne】 不自由する,必要である.▷エ=〜で イㇱラㇺネ=不自由する →それがないと不自由する ウインネレ ワ アエㇷ゚ ポカ エイㇱラㇺネ パ ノイネ ハワㇱ ナ ネㇷ゚カ ア・エ ノイネ オカイペ コㇿ ワ アㇻパ コレ ワ エㇰ=大勢なので食べ物に不自由しているらしいと聞いたので何か食べられるような物を持って行ってあげて来い.ク・コㇿ タシロ アナㇰネ ケイㇱラㇺネ(ク・エイㇱラㇺネ) ㇷ゚ ネ=私の山刀は必要な物だ.ク・ネㇷ゚キ ヒ タ ケイㇱラㇺネ(ク・エイㇱラㇺネ) ムカㇻ ネ アㇷ゚ ヒナクン エ・エルサ ワ イサㇺ.ホクレ フナラ ワ エㇰ=私が働く時に必要なマサカリであったのに,どこへお前は貸してしまったのだ.早く捜して来い. (出典:萱野、方言:沙流)
eissapa
エイッサパ 【e-is-sapa】 おたまじゃくし. (出典:萱野、方言:沙流)
eiwanke
エイワンケ 【e-iwanke】 〜を使う,〜を使用する,〜を用いる. イヨㇰペ エイワンケ=鎌を使う.タアン ムカㇻ エイワンケ ワ チㇷ゚タ アニ=このマサカリを使って舟を掘れよ.ユㇰ ルㇱ ウコセセㇰ ワ ア・エイワンケ ウㇱケ カ イサㇺ=鹿の皮が蒸れてしまって使う所もない.ヌマン ケイワンケ(ク・エイワンケ) ムカㇻ ネ ヤ ア・チャッチャリ ワ アン.タンペ アナㇰネ カムイ イピㇼマ ネ ナンコㇿ=昨日私が使ったマサカリなどが散らかされている.これは危険なことがあるよと神がこっそりと私に耳打ちしてくれたに違いない.メノコ アナㇰネ ケㇺ ヌイト エイワンケ オカヘ イランマカカ シッチャㇱヌレ ワ ネㇷ゚ ネ ヤッカ ウコカㇻカリ ワ ウカオ ㇷ゚ ネ ナ=女というものは針と糸を使った後もきれいに掃除をしてなんでもまとめて包んでしまうものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eiyok
エイヨㇰ 【e-iyok】 売る. ピㇼカ イコㇿ ア・コㇿ ワ アナナㇷ゚(アン・アン アㇷ゚) シネアンタ コイカウン クㇽ エㇰ ヒネ イ・コホㇰ ルスイ.イコㇿシㇼエシニューカ ヒ ネ クニ ア・ラム クス ア・エイヨㇰ ルウェ ネ=いい宝物を私は持っていたが,ある日東の方の人が来て私からそれを買いたい(と言う).宝物がここの土地にあきたのであろうと私は考えたのでその宝を売ったのだ.ウルオカタ ウルオカタ チコシンニヌ カムイイコㇿ エイヨㇰ パ ヤㇰ ア・イェ ソモ オウェヌㇱパ ペ ヘ アン シコㇿ ク・ヤイヌ=子々孫々に秘宝として伝えられた神の宝を売ったということだが,それによって不運にならないものかと私は思っている.ポオン イチェン カ エネオチㇱチㇱレ オイケㇱネ ア・エ クス アン ポオン アントゥキ カ エイヨㇰ ルスイ=少しの銭も使ってしまって,しまいに食べるためにある少しの小豆も売りたいの?テエタ キㇺ タ カルㇱ ア・ウㇰ コㇿ ワンペ ランケ ア・ニヌ ヒネ シネ サイ ランケ ア・エイヨㇰ ペ ネ=昔,山でシイタケを採ると10粒ずつ糸で繋ぎ一連ずつ売ったものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
eiyokpe
エイヨㇰペ 【e-iyok-pe】 売り物. (出典:萱野、方言:沙流)
eiyonnuppa
エイヨンヌッパ 【e-iyonnuppa】 (〜を)訴える. ク・ユピヒ エン・キㇰ クス ハポ エウン ケイヨンヌッパ(ク・エイヨンヌッパ)=おにいさんが私を叩いたのでお母さんに訴えた.ウォㇿ ア・オ ニペㇱ エイッカ シㇼ ク・ヌカㇻ クス ケイヨンヌッパ(ク・エイヨンヌッパ)=水に漬けてあるシナ皮を盗んだ様子を見たので私は訴えた. (出典:萱野、方言:沙流)
ek
エㇰ 【ek】 来る. エㇰ ヒ ネ ネㇰ!=来たよ! (出典:萱野、方言:沙流)
ek isam
エㇰ イサㇺ 【ek isam】 来ない. ク・コㇿ オペㇾ スポㇷ゚ ナ アㇻパ エ・ウヌフ ホトゥイェカㇻ ワ エㇰ.ネㇷ゚カ スイェ クス ネ ノイネ ス アッテ ワ ソイネ アㇷ゚ エㇰ イサㇺ ナ=小さい娘よ鍋が煮えたので行ってお前の母を呼んで来い.何か煮るためらしく鍋をかけて出たのに来ないから. (出典:萱野、方言:沙流)
ek kane iki
エㇰ カネ イキ 【ek kane iki】 ひょっこりと来る. カキヒ(ク・アキヒ) ケシカルン(ク・エシカルン) ペ ネ クス アイヌ アㇻパ ヒ タ ケテㇱカㇻ(ク・エテㇱカㇻ) アクス ヌ ワ ネ ノイネ エㇰカネイキ エアㇻキンネ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=弟に会いたくなったので人が行った時にことづけをしたら聞いたらしく,ひょっこりと来た,本当に私は嬉しかった. (出典:萱野、方言:沙流)
ek sir konna ramamatki
エㇰシㇼコンナ ラママッキ 【ek-sir-konna ramamatki】 身を低めて来ている様子,私を狙い身を低めてこちらへ来る. ▷エㇰシリコンナ=来る様子 ラママッキ=身を低めて(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
eka
エカ 【eka】 撚る,なう. タアン クネニ ケウレ ワ アヌ.ニサッタ クカ ケカ(ク・エカ) ナ=この弓の材料を削っておけ.明日弓弦を私が撚るので.ハㇻキカ エカ=縄をなう. (出典:萱野、方言:沙流)
ekamke
エカㇺケ 【ekamke】 予知する,予感がする. アㇷ゚ト エカㇺケ=雨を予知する.チㇱ エカㇺケ=泣くことがあると予知する. (出典:萱野、方言:沙流)
ekampak
エカンパㇰ 【e-kampak】 予想する. (出典:萱野、方言:沙流)
ekampakko
エカンパッコ 【e-kampak-ko】 予期しない. ソンノ ケカンパッコ(ク・エカンパッコ) ペンチャイ コヤン コラーチ ネㇷ゚ネㇷ゚ ケウンケライ(ク・エウンケライ) ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) ルウェ ネ ワー=本当に予期もしないのに帆掛け舟が私の所へ来たと同じようにいろいろ私は貰い物をして喜んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
ekanayta
エカナイタ 【ekanay ta】 ずっと前に,以前に. ヘンパラ ネ ヤー カ コイラ(ク・オイラ) コㇿカ エカナイタ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペコㇿ ク・ヤイヌ=いつだったか忘れたけれどずうっと前に見たことがあるような気がする. (出典:萱野、方言:沙流)
ekanaywano
エカナイワノ 【ekanay wano】 ずっと前から,以前から. エカナイワノ トイタ ワ コㇿ トイ ネ ヒ アイヌ オピッタ エラマン ワ アン ペ イヨㇱ ワ エㇰ ペ ネㇷ゚カ エトイタ ノイネ ネ アㇷ゚ エポソカネ ア・コイレンカコㇿ ハウェ=ずっと前から畑を耕し持ち畑であることを人々皆が知っていたのに,後から来た者が何か蒔いていたらしかったが,勿論問題にされたわけだ.エカナイワノ アン ウタㇻ=ずっと以前から住んでいた人たち. (出典:萱野、方言:沙流)
ekannara
エカンナラ 【ekannara】 待ち焦れる(待っていることを態度にも表わす). (出典:萱野、方言:沙流)
ekannayukar
エカンナユカㇻ 【e-kanna-yukar】 真似る:全く同じに. (出典:萱野、方言:沙流)
ekanok
エカノㇰ 【ekanok】 迎える.出迎える. エチ・エカノㇰ クナㇰ イェ コㇿ クンネイワノ アㇻパ アㇷ゚ ネイタカ エチ・ウウォヌイタサ シリ ネ ハウェ=お前を迎えると言いながら朝から行ったのにどこかでお前たちは行き違いになったわけだな.ユラㇷ゚ ウン ルチㇱ パㇰノ フチ ケカノㇰ(ク・エカノㇰ) クス カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナ アペ エヤㇺ ノ オハシㇼ プンキネ ワ オカ ヤン=ユーラップ沢の峠までおばあちゃんの迎えに行って来るので火を大切にして留守番をしていなさい.*私の母は門別村山門別(倉富)から二風谷へ嫁に来たので実家の母がルチㇱまで迎えに来いと言うので行ったものだと聞かせてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
ekanunara
エカヌナラ 【ekanunara】 待ち焦れる,(強い気持ちで)待つ. オホンノ ソモ エチ・ヌカㇻ エチ・エカヌナラ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) ピㇼカ ヒネ エチ・エㇰ シリ=しばらくお前たちを見ていなくて待ち焦がれていた,幸いにお前たちが来たものだ.ウヌフ エカヌナラ ㇷ゚ ネ クス トゥサハ エヘナリㇱパ コㇿ アㇱ ワ アン=母の帰りを待っていて袖を歯でむしりながら立っている. (出典:萱野、方言:沙流)
ekaose
エカオセ 【e-ka-o-se】 (〜を)背負ってくる. フーン ネイタ ネ ヤッカ ク・マッカㇻク リカ ネ ヤ コンプ ネ ヤ イモカ トㇱカ エン・エカオセ=やあやあ,いつものことだが私の姪は鯨の脂身とか昆布などのみやげを山ほど私に持って来てくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
ekap
エカㇷ゚ 【ekap】 懐かしい. (出典:萱野、方言:沙流)
ekapne
エカㇷ゚ネ 【ekapne】 同じだ,さながらに. ホッノ イヨーハイ コオアナポ ヤイカニホセ エカㇷ゚ネ サカヨカㇻ ルスイ シリ=いやーあきれたよ,がらにもなく自分の上へ木を伐り倒すと同じようにけんかの種を作りたい様子.タント アナㇰネ ペンチャイ コヤン エカㇷ゚ネ ポロンノ ウンケライ・アン=今日は帆掛け舟が来たと同じほどにたくさん物を貰った.ソンノ イヨーハイ イヨイタクシ エカㇷ゚ネ ウェンパㇱロタ ハウェ ケオハイシトマ(ク・エオハイシトマ)=本当にいやなことだよ,呪いの言葉さながらに毒づく,私は薄気味悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
ekaranke
エカランケ 【e-karanke】 (〜に)近づく. ソンノ アㇻ ウェンカムイ ネ ハウェ ネ ナ.イテキ エカランケ ヤン=本当に全く悪い神と言うことだ,近寄らないようにしなさい.ク・ポホー タパン ハワㇱ エウン イカ エカランケ ナ.ア・シトマ オルㇱペ ネ ナ=息子よ,この話へは絶対近づくではないぞ.恐ろしい噂だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekari
エカリ 【ekari】 回る:遠回りする. (出典:萱野、方言:沙流)
ekarino
エカリノ 【ekarino】 ちょうどその時,それを目がけて. アヌンウタリ エッワアン エカリノ アウンアチャポ ウェニヨシキワエㇰ カニカ ケアナサㇷ゚=他人である人たちが来ていたちょうどその時に,隣のおじさんが泥酔して来て,俺も手に余った.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ekarkar
エカㇻカㇻ 【e-kar-kar】 作る,言葉を授ける. イタㇰ タクサ エチ・エカㇻカㇻ=言葉の清め草を持ってお前を清める.*私が病気で入院していた時に貝澤前太郎さんが見舞いに来て言った言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
ekasi
エカシ 【ekasi】 祖父,おじさん,老人,翁,先祖(男). (出典:萱野、方言:沙流)
ekasippo
エカシッポ 【ekasippo】 おたまじゃくし. ヘタ ヤン ヘタ ヤン エカシッポ ポロンノ アン ウㇱケ ク・ヌカㇻ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナ アㇻパ・アン ロー=さあ行こう行こう,おたまじゃくしがたくさんいた所を見て来たので行こうや. (出典:萱野、方言:沙流)
ekaskamuykor
エカㇱカムイコㇿ 【e-kas-kamuy-kor】 (それで)運がよい.▷エ=それで カㇱカムイ=憑き神 コㇿ=持つ イキヤクㇽ アナㇰネ カㇱカムイェ ユㇷ゚ケ ㇷ゚ ネ クス エカㇱカムイコㇿ ワ ネㇷ゚ カㇻ ヤッカ ル エトコホ ル オカケヘ チョイランケ ペコㇿ=あの人は憑き神が強いので運がよくて何をやっても行く先に行く後に物が降るかのようだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekaskamuysak
エカㇱカムイサㇰ 【e-kas-kamuy-sak】 (それによって)運が悪い:この場合はいやなものを見たとか,呪われたとかの意味.▷エ=それで カㇱカムイ=憑き神 サㇰ=ない ソンノ イヌヌカㇱキ.タㇷ゚イキクㇽ アナㇰネ オロチクシ イサㇺ カネ アㇻパ ヒ エピッタ エカㇱカムイサㇰ=本当にかわいそうだ.今の人は通る所もないほどに行く先々全部運が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
ekaskewitak
エカㇱケウイタㇰ 【ekas-kew-itak】 祖父のかばね言葉:ありもしないいいがかりをつける場合に並べる言葉. スッケウイタㇰ イワンケウイタㇰ エカシケウイタㇰ イワンケウイタㇰ ア・コアヌカㇻ=祖母のかばね言葉,六つのかばね言葉,祖父のかばね言葉,六つのかばね言葉,それを私は並べたてた.*これは昔話に出て来る言葉で,6代前にさかのぼって相手の非をなじる時の言葉で,めったに使う言葉ではない. (出典:萱野、方言:沙流)
ekasnukar
エカㇱヌカㇻ 【e-kasi-nukar】 神からの授かり,神の思し召しによって授かった. ▷エ=それ カㇱヌカㇻ=授かった(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ekatcaus
エカッチャウㇱ 【e-katca-us】 気が向かない. (出典:萱野、方言:沙流)
ekatki
エカッキ 【ekatki】 かかわる. タパン オルㇱペ アナㇰネ サウレ・アン ペ ソモ ネ ナ カムイ ア・エコシ ㇷ゚ ネ ナ.イテキ エカッキ アニ=この事はやさしいことではないので神に任せることにしよう.それにかかわるでないぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekatkikus
エカッキクㇱ 【ekatki-kus】 崇(たた)りが憑く,化け物が憑く. ポイション ネㇷ゚ ワ アン ペ エカッキクㇱ クンネチㇱ エアㇻキンネ ケアナサㇷ゚(ク・エアナサㇷ゚)=赤ちゃんが何が崇ったのか夜泣きをして本当に手余してしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
ekatkire
エカッキレ 【ekatki-re】 近づける. (出典:萱野、方言:沙流)
ekatnu
エカッヌ 【e-katnu】 むさぼり食べる. オトゥ ケㇱト タ オレ ケㇱト タ ソモ イペ・アン ペ ネ クス ピㇼカ アエㇷ゚ ア・エカッヌカッヌ=二日も三日も食べていなかったのでおいしい食べ物をむさぼり食べた[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ekatta
エカッタ 【ekatta】 さっと下ろす,急いで下ろす,えいっとばかりに. サンカタアンエムㇱ アラウェカッタ=棚の上にあった刀をさっと下ろした.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ekatuehanke
エカトゥエハンケ 【e-katu-e-hanke】 死が早まる:何か変な化け物などを見たことによって死ぬ.▷エ=それで カトゥ=様子 ハンケ=近い テエータ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) アナ(アン ア) こきんウナㇻペ エネ ハワニ "ペウレアニタ(ペウレ・アン ヒ タ) ア・アキヒ トゥラノ カンカンプトゥ ウン ト オッタ(オㇿ タ) ヘマンタ キラウㇱ(キラウ ウㇱ) カミヤシ ヌカㇻ ヤㇰ イェ クス エカトゥイェハンケ ヒ ネ ナンコㇿ" シコㇿ エン・ヌレ=ずうっと前に下隣のこきんおばさんが「若い時に弟と一緒にカンカン沢に行き弟は沢尻の沼に何やら角のある化け物を見たという,それで死が早まったものであろう」と私に聞かせてくれた.*この話は実話で,こきんさんの弟,勘太郎さんとふたりでカンカンの沼へ行ったら勘太郎さんが何やら化け物,沼の中から子牛の頭のようなもの角のあるものが見えたというが,こきんさんの目には見えなかったと聞かせてくれたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
ekawrototo
エカウロトト 【e-kaw-rototo】 ばりばりかじる. エカシ ミマキヒ ピㇼカ ㇷ゚ ネ クス ア・セイレカ マメ ア・パッタㇻカ キミ ネ ヤッカ エカウロトト フミ=おじいさんは歯がいいものだから煎り豆も,はぜらせたトウモロコシもばりばりとかじっている. (出典:萱野、方言:沙流)
ekaycis
エカイチㇱ 【ekay-cis】 (高い)岩山[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ekaye
エカイェ 【e-kaye】 織り込む. (出典:萱野、方言:沙流)
ekayni
エカイニ 【ekay-ni】 切り株,根っ株. (出典:萱野、方言:沙流)
ekesinne
エケシンネ 【ekesinne】 あちこち,ほうぼう. ポロンノ ヌイラ ア・ウㇰ ヒネ エケシンネ ア・イメㇰ アコㇿカ ミマラハ フラルイ ア・ニㇱカ コㇿカ ア・オスㇽパ=たくさんウグイを獲ってあちこちに配ったが,残りににおいがついたのでもったいないと思ったが捨てた.ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) フチ エン・トゥラ ワ アッチェ タ カㇻパ(ク・アㇻパ) エケシンネ ク・インカㇻ ク・イチンチミ コㇿ ホシピ ルトㇺ タ フチ エン・コイキ "オッカヨ アナㇰネ メノコ ネノ エケシンネ ソモ インカㇻ ペ ネ ナ" シコㇿ エン・イェ=私が子供の頃に祖母に連れられよその家へ行きあちこち見回しじっとあたりの様子を見ると,その家から戻りながら祖母は私を叱り,「男は女のようにあちこち見るものではない」と私に言った. (出典:萱野、方言:沙流)
ekeske
エケㇱケ 【e-keske】 呪う,妬む.▷エ=それを ケㇱケ=呪う (出典:萱野、方言:沙流)
ekimatek
エキマテㇰ 【e-kimatek】 驚く,びっくりする.▷エ=それに キマテㇰ=驚く ルイ レラ アㇱ ワ エアㇻキンネ ア・エキマテㇰ キラ・アㇱ=強い風が吹いたので私たちはたいへん驚いて逃げた.ルイ ウェンレラ エㇰ ワ チセ キタイェ レラパル ケキマテㇰ(ク・エキマテㇰ)=強い竜巻が来て家の屋根が風で飛び,私は驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
ekimne
エキㇺネ 【ekimne】 山へ行く. ユッカルㇱ アン ウㇱケ コルウヌ(ク・オルウヌ) シネンネ ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) アクス ア・エン・ヌカㇻ=マイタケが生えている所を私は知っていたのでひとりで山へ入ると,他人に見られた. (出典:萱野、方言:沙流)
ekimnekuwa
エキㇺネクワ 【ekimne-kuwa】 山杖:プンカウ(ドスナラ)で作る. 図[エキㇺネクワ] (出典:萱野、方言:沙流)
ekimun
エキムン 【ekim-un】 山の方ヘ,山行き. (出典:萱野、方言:沙流)
ekira
エキラ 【e-kira】 連れて逃げる,持ち逃げる. ポロ カラウト カンプタハ ア・エトゥㇽセレ オンナイ タ アン ポンヤウンペ ア・エキラ ルウェネ=大きいつづら,その蓋をさっと落とし,中にいたポンヤウンペを連れて逃げた[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ekiroroan
エキロロアン 【e-kiroroan】 楽しい,愉快(だ).▷エ=それを キロロアン=楽しいと思う タㇷ゚ ウフナㇰ トーキョー ウン エ・アㇻパ ワ ネㇷ゚カ エキロロアンペ アン ア?=この頃君は東京へ行って何か楽しいことあったかい? (出典:萱野、方言:沙流)
ekiroroanka
エキロロアンカ 【e-kiroroan-ka】 喜ばせる.▷エキロロアン=それを楽しいと思う カ=させる ニサッタ エㇰ ヤント ヘマンタ アニ ア・エキロロアンカ クス?=明日来る客を何で喜ばせようかなあ? (出典:萱野、方言:沙流)
ekmoyre
エㇰモイレ 【ek-moyre】 遅刻する. ウコイラㇺ・アン クナㇰ ク・ラム ワ ウン・テレ ワ カナ(ク・アン ア) コㇿカ エㇰモイレ クス ホㇱキ カㇻパ(ク・アㇻパ)=一緒に行こうと思って待ち合わせていたが,来るのが遅いから私は先に行く. (出典:萱野、方言:沙流)
ekoca
エコチャ 【ekoca】 ふらふらする. イケマ ア・マ ワ ア・エ ヒ タ エイタサ ア・エ コㇿ クス イヨㇱキ・アン ワ ア・エコチャ.クニネ アン コㇿ ア・エコッ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=イケマを焼いて食べる時,あまり多く食べるとそれによって酔っ払ったようになりふらふらする.時にはそれで死ぬこともあるそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekohopi
エコホピ 【e-ko-hopi】 離れる,分かれる. (出典:萱野、方言:沙流)
ekokomke
エココㇺケ 【e-ko-komke】 掛ける. (出典:萱野、方言:沙流)
ekokomkere
エココㇺケレ 【e-ko-komke-re】 掛ける. クマ オルン エココㇺケレ=干し竿に掛けろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekokomo
エココモ 【e-ko-komo】 折り込む:広い布の端を折り込む. セㇷ゚ ウㇱケ エココモ ワ ウカウカ ワ アヌ=広いほうを折り込んで縫いつけておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekomkomse
エコㇺコㇺセ 【e-kom-kom-se】 ままならない,面倒臭い,億劫だ,大儀がる,ためらう. アㇻパ エコㇺコㇺセ=行き渋る.ソイネエコㇺコㇺセ=外へ出るのを渋る.ペウレアニタ(ペウレ・アン ヒ タ) アナㇰネ オウセホプニ・アン ペコㇿ パㇱ・アン ペ ネ ア コㇿカ オンネ・アン コㇿ アㇷ゚カㇱ カ ア・エコㇺコㇺセ=若い時には宙を飛ぶように走れたものであったが,年をとると歩くこともままならない.フチ ヤイヌミウェン ワ ヘ イペエコㇺコㇺセ ワ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ)=おばあちゃんは病気なのか食べるのも大儀がって私は気がかりにしている. (出典:萱野、方言:沙流)
ekomo
エコモ 【e-komo】 折り込む,曲げる. エコモ ワ ウカウカ=折り込んで縫え. (出典:萱野、方言:沙流)
ekonisuye
エコニスイェ 【ekoni-suye】 投げる. (出典:萱野、方言:沙流)
ekopas
エコパㇱ 【ekopas】 寄りかかる. (出典:萱野、方言:沙流)
ekopaste
エコパㇱテ 【ekopas-te】 立てかける. ニサッタ マメニ ア・アシ ナ タヌクラン アナㇰネ チセ トゥマㇺ エコパㇱテ ワ アシ ワ アヌ アニ=明日,豆の手柴を立てるので今夜は家の壁へ(手柴を)寄りかけて立てておけよ.トヨㇿ(トイ オㇿ) ワ マメニ エタイェ ワ チセ トゥマㇺ エコパㇱテ ワ アヌ=畑から豆の手柴を抜いて家の壁に立てかけておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekopuyuise
エコプユイセ 【e-ko-puyuise】 それがあふれる,涙があふれる. アシッスッコンナ エコプユイセ=私の目に涙があふれた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ekoramkor
エコラㇺコㇿ 【e-koram-kor】 相談する. (出典:萱野、方言:沙流)
ekorkorse
エコㇿコㇿセ 【e-kor-kor-se】 喉にたんがつまって息が苦しい:死ぬに近い病人が喉にたんがつまり息が苦しい,喉がころころなっている. タネ エコㇿコㇿセ クス マウェトゥイ エハンケ=もう喉がころころしているので息が切れるのが近い. (出典:萱野、方言:沙流)
ekororose
エコロロセ 【e-kororo-se】 喉がなる:喉にたんがつまったようになる. (出典:萱野、方言:沙流)
ekorototo
エコロトト 【e-korototo】 砕く. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) コンププシ アナㇰネ フチ エヤクコㇿ ルㇽス ア・ヤンケ コッポㇰタ ス オルン ア・エコロトト コㇿ ケラハ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の頃昆布をこんがり焼くのは祖母の役目で,汁鍋を上げる直前に鍋へ砕くと味がいいものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
ekosi
エコシ 【e-kosi】 (〜に)任す,任せる,委任する. ペウレクㇽ ネ コㇿカ ラメトコㇿケ(ラメトㇰ オロケ) パウェトㇰ トゥラ ア・オトゥワシ ナ エコシ ワ アヌ ヤン=若い人ではあるけれど度胸も雄弁もともに頼れるから任せておきなさい.タパン オルㇱペ アナㇰネ サウレアンペ ソモ ネ ナ カムイ ア・エコシ ㇷ゚ ネ ナ.イテキ エカッキ アニ=この事はやさしいことではないので神に任せることにしよう.それにかかわるでないぞ.タパン ハワㇱ アナㇰネ ハウケ オルㇱペ ソモ ネ クス カムイ ア・エコシ エアシリキ ペ ネ ハウェ ネ ワ=この話はちょっとやそっとのものではないので神様に任せるほかないことだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
ekosouk
エコソウㇰ 【e-ko-so-uk】 金を借りる. ウェニヨㇱキㇷ゚ エㇰ ヒネ イチェン エネコソウㇰ(エン・エコソウㇰ) ルスイ ク・シトマ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) アウン アチャポ エㇰ ヒネ エン・カシケウェ エアㇻキンネ ク・ヤイライケ=泥酔したといってもいいような者が来て銭を貸してくれと言い,私が恐ろしく思っていると隣のおじさんが来て私に加勢してくれた,本当にありがたかった. (出典:萱野、方言:沙流)
ekot
エコッ 【e-kot】 (〜で)死ぬ. イケマ ア・マ ワ ア・エ ヒ タ エイタサ ア・エ コㇿ クス イヨㇱキ・アン ワ ア・エコチャ.クニネ アン コㇿ ア・エコッ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=イケマを焼いて食べる時,あまり多く食べるとそれによって酔っ払ったようになりふらふらする,時にはそれで死ぬこともあるそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekotanne
エコタンネ 【e-kotanne】 村の者になる,村人として仲間に入る. ▷エ=それ,人 コタン=村 ネ=なる *村人として受け入れられたこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ekotekot
エコテコッ 【e-kot-e-kot】 気絶する.▷エ=それで コッ=死ぬ エ=それで コッ=死ぬ ポンヤウンペ エㇰ ワ アン ノイネ イラム・アン クス ア・エトゥスエプス クナㇰ ア・ラム ア コㇿカ オトゥ スイ コンナ オレ スイ コンナ ア・エコテコッ=ポンヤウンペが来ているらしく思うので巫術で暴こうと思ったけれど,2度3度それで死にそうになった[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ekottanu
エコッタヌ 【ekottanu】 知らん顔(をする). ペッ イクㇱ タ イチャン ピㇼカ クス チェㇷ゚コイキ クス アチャポ イ・シレン ルウェ ネ コㇿカ ア・エコッタヌ アクス イ・ラㇺキッカㇻ ワ オパタプルㇽケ コㇿ ソイネ ワ イサㇺ=川の向かい側で産卵床のいいのがあるかのでサケ獲りに行こうとおじさんが私を誘ったが知らん顔をしているとぷりぷり言いながら出て行った. (出典:萱野、方言:沙流)
ekoyatkoyat
エコヤッコヤッ 【e-koyat-koyat】 (器の中の水が)揺れる:例えばバケツに入れた水を持って歩く時に水が揺れる状態. (出典:萱野、方言:沙流)
ekoyatkoyatte
エコヤッコヤッテ 【e-koyat-koyat-te】 揺らす:舟のへりに足をかけて左右ヘ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekoyka
エコイカ 【e-koyka】 南. (出典:萱野、方言:沙流)
ekoykaun
エコイカウン 【e-koyka-un】 南の方.*沙流川から見て静内や浦河の方向. (出典:萱野、方言:沙流)
ekoypok
エコイポㇰ 【e-koypok】 西の方.▷エ=それ コイポㇰ=西 (出典:萱野、方言:沙流)
ekoypokun
エコイポクン 【e-koypok-un】 西の方へ. エコイポクン(エコイポㇰ ウン) アㇻパ ア ワー=西の方へ行ったよ.*沙流川から見て鵡川とか白老の方向. (出典:萱野、方言:沙流)
ekte
エㇰテ 【ek-te】 寄こす. テウン エㇰテ=こちらへ寄こせ.ウㇰ ワ エㇰテ=取って寄こせ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekupa
エクパ 【e-kupa】 くわえる. ク・ケリヒ テタ ウウェトゥレンノ カヌ(ク・アヌ) アㇷ゚ アㇻケヘ イサㇺ.ネンカネ セタ ヘネ エクパ ルウェ ソモ ネ ヤー=私の履物をここへ対にして置いたのに片方がない.もしや犬がくわえたのではないだろうか.*昔の履物は鹿の皮などで作られていたため,しばしば犬に持って行かれた.キムンカムイ アイヌ ケセアンパ ヒ タ アナㇰネ コイスㇺ タㇰ エクパ アーペコㇿ アン ワ ホユプㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊が人間を追いかける時には泡のかたまりをくわえたような格好で走るものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekurok
エクロㇰ 【ekurok】 黒い(顔の色が),暗い. (出典:萱野、方言:沙流)
ekuskonna
エクㇱコンナ 【ekuskonna】 急に,突如,突然,不意に,前ぶれもなしに. エクㇱコンナ エン・シレン=急に私を誘った.エクㇱコンナ エㇰ=急に来た. (出典:萱野、方言:沙流)
ekusne
エクㇱネ 【ekusne】 向かい側へ. エクㇱネ ワ ユㇰ ア・ヌカㇻ ヒクス シㇼ イットゥイェ・アン ルスイ クス ウパㇱ トゥラノ アネチャララセ(ア・エチャララセ) ワ フㇽペㇱ・アン=向かい側へ鹿が見えたので近回りしようと思い,雪と一緒に滑って坂を下った. (出典:萱野、方言:沙流)
ekusurikar
エクスリカㇻ 【e-kusuri-kar】 (〜のために)製薬する. (出典:萱野、方言:沙流)
ekutkor
エクッコㇿ 【e-kut-kor】 帯を締める. (出典:萱野、方言:沙流)
emaka
エマカ 【emaka】 いやだ:物や食べ物などに使う,〜するのがいやだ,嫌いだ,必要ない. ネ チセ ア・アシ ヒ タ レウケ イクㇱペ ア・エマカ=家を建てる時は曲がった柱はいやがられる.シケㇾペ ア・オマレ コサヨ エマカ ウタㇻ オカイペ ネ=キハダの実を入れた粉粥が嫌いな人たちはいるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
emakap
エマカㇷ゚ 【emaka-p】 いらない物. (出典:萱野、方言:沙流)
emakkakur
エマッカクㇽ 【e-mak-ka-kur】 照らす.*「ホタルの婿選び」というカムイユカㇻに出て来る言葉.普通はマッカクㇽ=照らすというふうには用いない.▷エ=それで マㇰ=奥の方 カ=上 クㇽ=影 (出典:萱野、方言:沙流)
emakpa
エマㇰパ 【emakpa】 いらない.必要ない(エマカの複数形). ポロンノ サㇰマ ア・トゥイェ ワ アン コㇿカ ルウェ ヒケ ア・エマㇰパ=たくさんのカヤ押さえ柴を切ってあるけれど,太いのは(私たちは)いらない. (出典:萱野、方言:沙流)
emaraptokar
エマラㇷ゚トカㇻ 【e-marapto-kar】 それを種に飲み食いする.▷エ=それ マラㇷ゚ト=宴 カㇻ=作る ポン ユㇰ クㇰ(ク・ウㇰ) クス ア・エマラㇷ゚トカㇻ ロー=小さい鹿を獲ったので,それを種に飲み食いしようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
emawkopirka
エマウコピㇼカ 【e-maw-ko-pirka】 (それによって)運がよくなる. ネイタカ タンネㇷ゚ ウコヌプㇽ コㇿ アン ヒ ア・ヌカㇻ ヤッカ ア・エシキピㇷ゚ カシウン キナハㇺ ヘネ ア・アヌ コㇿ エチ・コケウトゥㇺコㇿ ナ ネイタ パㇰノ エネプンキネ(エン・エプンキネ) アニー セコㇿ ア・イェ コㇿ ア・アッカリ コㇿ ア・エマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ=どこかで蛇が交尾しているのを見たら,見ないふりをしながら,その上へ草の葉などで被いをしながら,お前たちの味方をするので私を守ってね,と言いながら通り過ぎると,それによって運がよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
emawri
エマウリ 【emawri】 イチゴ,野イチゴ. (出典:萱野、方言:沙流)
emawripunkar
エマウリプンカㇻ 【emawri-punkar】 イチゴづる. (出典:萱野、方言:沙流)
emeskeitanki
エメㇱケイタンキ 【e-meske-itanki】 欠け椀. (出典:萱野、方言:沙流)
emeskeponsu
エメㇱケポンス 【e-meske-pon-su】 欠け小鍋. (出典:萱野、方言:沙流)
emetapunini
エメタプニニ 【emetapunini】 寒そうな様子だ. エネ メアン ヒ タ ヒナㇰ ワ エ・エㇰ エメタプニニ カネ ワ.ホクレ アペクㇽ アペクㇽ=この寒さの中をどこから来たの寒そうな様子で.さあ早く火にあたれあたれ. (出典:萱野、方言:沙流)
emina
エミナ 【e-mina】 (〜を)笑う. オッカイポ コンル カ タ オシッテス ワ クットコノ ハチㇼ ア・エミナ=若者が氷の上でツルッと滑って仰向けに転んで笑われた. (出典:萱野、方言:沙流)
emko/emko(ho)
エㇺコ/エㇺコ(ホ) 【emko/emko(ho)】 半分:ひとつ全体の半分. ケ(ク・エ) コㇿ アン シト エㇺコ エチ・コレ ナ エ ワ イヌ=私が食べている団子の半分あなたにあげるから食べてみなさい.クコロペㇾ(ク・コㇿ オペㇾ) ライ パㇰノ エチ・カテオマレ.ク・ヤイヌ エㇺコ パㇰノ カ エン・ヤイヌ ルウェ ヘ アン=お嬢さんよ,死ぬほどに,あなたに私は惚れている,私の思いの半分だけでも私のことを思っているだろうかね. (出典:萱野、方言:沙流)
emkone
エㇺコネ 【emko-ne】 半面は. セタッコ フチ ヤイェラムシッネ ワ ク・ケㇺヌ アㇷ゚ オンネ ハウェ ネ ヤクン エヤイラムシンネ.エㇺコネ ク・コトヤゥシ ハウェ ネ ワー=ずいぶん長くおばあさんが苦しんでいて私はかわいそうだと思っていたが,死んだというなら自分で自分の事を安心した,半面はよかったというところだ. (出典:萱野、方言:沙流)
emkosama
エㇺコサマ 【emko-sama】 そのために,それゆえ. (出典:萱野、方言:沙流)
emo
エモ 【emo】 ジャガイモ. ホクレ トイタ ヤン.エウン エモ ア・エトイタ ケニトゥㇰ ヤクン キナカㇻ・アン ア・オトイプッカ エモタ・アン ワ ハㇺネスパ ワ ア・エ クㇱネ ナ=早く畑を耕しなさい.そこへジャガイモを蒔いて芽が出たら草を取って土盛りをしてジャガイモを掘ってゆでて食べるから. (出典:萱野、方言:沙流)
emontapire
エモンタピレ 【e-montapi-re】 それによって忙がしくなる. ▷エ=それ モンタピレ=忙がしい,働く(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
emopu
エモプ 【emo-pu】 ジャガイモ貯蔵の穴:畑に穴を掘りジャガイモが凍らないように保存する倉.▷エモ=いも プ=倉 エモプ ア・カㇻ ヒ タ アナㇰネ マタ ア・プス ヒ タ ア・エラマン クニネ エモプ カ タ マメニ ア・アシ コㇿ ウパㇱ トゥㇺ タ ネ ヤッカ エモプ ア・パ エモプス・アン エアㇱカイ=ジャガイモ貯蔵の穴を作る時には,冬これを掘る時にわかるように穴の上へ豆をからませるための手柴を立てると,雪の中でもいも穴を見つけていもを掘り起こすことができるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
emopusu
エモプス 【emo-pusu】 ジャガイモを冬掘り起こす. エモプ ア・カㇻ ヒ タ アナㇰネ マタ ア・プス ヒ タ ア・エラマン クニネ エモプ カ タ マメニ ア・アシ コㇿ ウパㇱ トゥㇺ タ ネ ヤッカ エモプ ア・パ エモプス・アン エアㇱカイ=ジャガイモ貯蔵の穴を作る時には,冬これを掘る時にわかるように穴の上へ豆をからませるための手柴を立てると雪の中でもいも穴を見つけていもを掘り起こすことができるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
emosirup
エモシルㇷ゚ 【emo-siru-p】 ジャガイモおろしがね,いもおろし.*ブリキに釘で穴をあけてざらざらにして使う. エモ アナㇰネ トオㇷ゚ フㇱコトイワノ アイヌ ウタㇻ エトイタ パ ワ エモシルㇷ゚ アニ シル ワ エ ヘメㇺ キ ルプㇱカ ワ ペネエモ ネ カ カㇻ パ ワ エ パ ㇷ゚ ネ=ジャガイモはずうっと昔からアイヌたちは蒔いていたもので,ジャガイモおろしがねでおろして食べたり,凍らせてつぶれいもにして食べたりしたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
emosito
エモシト 【emo-sito】 いも団子.*大粒のいもをエモシルㇷ゚(おろしがね)ですり,それを布袋で絞り袋の中に残ったものを団子にして食べる. (出典:萱野、方言:沙流)
empuyna
エンプイナ 【empuyna】 のめる,前のめりになる. チㇷ゚ コ(ク・オ) ワ エクㇱネ カㇻパ(ク・アㇻパ) アㇷ゚ チㇷ゚ オシㇼコサㇰ ヒネ ヤアーニ チㇷ゚ オㇿ ワ ケンプイナ(ク・エンプイナ) ク・ラムトゥイ=舟に乗っていて川の向かいへ行ったら舟の底がつかえて,危なく舟からのめって落ちそうになって驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
emuemu
エムエム 【emu-emu】 まとわりつく. ソンノ シンキ・アン ワ イワㇰ・アン ペ ア・コㇿ ポンペ イイェムエム(イ・エムエム) ワ ポーヘネ シンキ・アン=本当に疲れて帰って来たのに私の小さい子供が私にまとわりつき,なおさら疲れた.ウヌフ アン コㇿ オラーノ イセイセ コㇿ ウヌフ エムエム ウヌフ ネㇷ゚キ カ エアイカㇷ゚=母親がいるとそれからだだをこねて母親にまとわりつき母親は仕事をすることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
emus
エムㇱ 【emus】 刀,剣. エムㇱ アッ=刀紐.エムㇱ イペ=刀の刃.エムㇱ ニㇷ゚=刀の柄.エムㇱポ=短刀.エムㇱ セッパ=刀の鍔.エムㇱ シリカ=刀の鞘. (出典:萱野、方言:沙流)
emus'at
エムㇱアッ 【emus-at】 刀を肩からつるす幅の広い紐,刀下げ紐.*儀式の時に男が刀を下げる. 図[エムㇱとエムㇱアッ] (出典:萱野、方言:沙流)
emus'osawtekka
エムㇱオサウテッカ 【emus-osawtekka】 抜刀(する).▷エムㇱ=刀 オサウテッカ=抜く (出典:萱野、方言:沙流)
emus'sitomusi
エムㇱシトムシ 【emus-sitomusi】 佩刀(する):腰に刀をつけること. (出典:萱野、方言:沙流)
emusmut
エムㇱムッ 【emus-mut】 刀を肩から下げる(腰から下げるのとは違う). (出典:萱野、方言:沙流)
emuspoikor
エムㇱポイコㇿ 【emus-po-ikor】 小さな宝刀. ▷エムㇱ=刀 ポ=子供 イコㇿ=宝 *イコㇿという竹光の外側についている手裏剣のような物のことを言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
emuyekar
エムイェカㇻ 【e-muye-kar】 (〜を)縛りつける. メノコ クワ アナㇰネ ケㇺプイ ネノ ア・カㇻ クンネセンカキ ア・エムイェカㇻペ ネ=女の墓標は針の穴のように作って,そこへ黒布をつけるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
en=eociscisre
エネオチㇱチㇱレ 【en=e-o-cis-cis-re】 使ってしまう,なくする,見つからなくする,壊してしまう.▷エン=私 オ=それ チㇱチㇱレ=壊す ポオン イチェン カ エネオチㇱチㇱレ(エン・オチㇱオチㇱレ) オイケㇱネ ア・エ クス アン ポオン アントゥキ カ エイヨㇰ ルスイ=少しの銭も使ってしまって,しまいに食べるためにある少しの小豆も売りたいの? (出典:萱野、方言:沙流)
en=ka opiwki
エンカ オピウキ 【en=ka o-piwki】 (私を)助ける.▷エン=私(を) カ=上 オ=それ ピューキ=向かって来る ア・アキヒ トゥラノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニ セㇺピㇼ ワ ハイカンヌㇷ゚ シネㇷ゚ ピッコサヌ イ・カカムテㇰ イ・ヨㇱ エㇰ コㇿ アン ア・アキヒ ホユプ ワ エㇰ ネア ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ シㇼコオッケ エン・カオピューキ クスケライ シㇰヌ・アン=弟とふたりで狩に行くと立ち木の陰から若い熊が1匹さっと出て来て私の上へかぶさった,後から来ていた弟が走って来てその若い熊を槍で突き殺し私を助け,そのお陰で私は生きた. (出典:萱野、方言:沙流)
en=kaoiki
エンカオイキ 【en=ka o-iki】 (私を)養う.▷エン=私(を) カ=上 オ=それ イキ=する ソンノ ク・マッネポホ エン・カオイキ クスケライポ ネㇷ゚カ ケシㇼキラㇷ゚(ク・エシㇼキラㇷ゚) カ ソモ キ=本当に私の娘が私を養ってくれるお陰で私は何も不自由をしない. (出典:萱野、方言:沙流)
en=kaose
エンカオセ 【en=ka o-se】 みやげとして持って来る. フーン ケミアンペ エネ アポンコ エン・カオセ シーノ ク・ヤイライケ=あーあ珍しい物をこれほど少なからず私にみやげとして持って来てくださって,本当にありがたい. (出典:萱野、方言:沙流)
en=kaosike
エンカオシケ 【en=ka o-sike】 (私に)荷物を背負って来る.▷エン=私(に) カ=上 オ=それ シケ=背負う フーン ク・マッカㇻク エ・エㇰ ヒ ピㇱノ イモカ トㇱカ エン・カオシケ クスケライポ フンペリカ ケ(ク・エ) エアㇱカイ=まあまあ私の姪.お前は来るごとにみやげ物の山を私のために背負って来る,そのお陰で鯨の脂身を私は食べられる. (出典:萱野、方言:沙流)
ene
エネ 【ene】 そう,このように,そのように,あのように,こう,そう,どう. ソモカ エネ イキ・アン クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ エネ イキ・アン.ソンノ ヤイアパプ ア・キ ナ イテキ エン・コイキ=まさかそうすると思わなかったのにそうしてしまった.本当に私は謝るので私をいじめないで.エネ ア・カㇻ ヒ カ イサㇺ=どうすることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
enean
エネアン 【ene an】 そのような,そんな,こんな. ソモカ タㇷ゚ネ エネアン オルㇱペ ク・ヌ クナㇰ ア・ラム ア ワ タㇷ゚ ク・ヌ ワ ケラㇺコエシカリ(ク・エラㇺコエシカリ)=まさかそのような話を聞くとは思っていなかったのに,今,私は聞いてびっくりした. (出典:萱野、方言:沙流)
eneanpe
エネアンペ 【ene an pe】 そういうこと. エネアンペ ク・シトマ アクス ムカウンクㇽ ア・キモカㇻ ヤㇰ ア・イェ=そうしたことを私は恐れていたのたが,鵡川の人が山で熊に殺されたそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eneeasir
エネエアシㇼ 【ene-easir】 これほどまでに. (出典:萱野、方言:沙流)
eneenehawas
エネエネハワㇱ 【ene-ene-hawas】 かくかくしかじか,こういう話. (出典:萱野、方言:沙流)
enene
エネネ 【e-nene】 (〜を)曲げる.▷エ=それを ネネ=曲げる イセポカ ア・カㇻ ヒ タ ヘピタニ ネ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ チキサニ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ.ア・エネネ ヤッカ カイ ニューケㇱ ペ ネ=ウサギの罠をしかける時にばね木に作る木はアカダモが一番いいものだ.曲げても折れにくいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
enene hi
エネーネヒ 【ene-nehi】 このように. (出典:萱野、方言:沙流)
enenehi
エネネヒ 【ene-nehi】 どうこう. (出典:萱野、方言:沙流)
enepakno
エネパㇰノ 【ene-pakno】 それくらい. (出典:萱野、方言:沙流)
enepo
エネポ 【ene-po】 このように,こんなに. (出典:萱野、方言:沙流)
enepoeasir
エネポエアシㇼ 【ene-po-easir】 あれほどまでに,これほどまでも. ヘマンタ エオラㇺペシㇱテ ㇷ゚ エネポエアシㇼ ヌイサウォッ イセポ コラチ キラ シリ アン=何に驚愕したものか,あれほどまでに山火事から逃れようとするウサギのように逃げて行くのだ.エネポエアシㇼ プサンキヤカンキ アン ペ オㇿ タ マㇰ イキ アン コㇿ アナン(アン・アン) ペ アン ホクレ ホクレ ホシッパ・アン ナ=あれほどまでに仏頂面をしている者の所で何をしていられるものか.早く早く戻るよ.エネポエアシㇼ ペッ オホ クナㇰ ソモ ク・ラム クス ク・ミピヒ チンキ カニ(ク・アニ) カネ ワ ク・ペッカス アㇷ゚ オホオイ アン ワ コリキライェ(ク・オリキライェ) カネ ペッ イクㇱ タ ク・ヤン=これほどまでも川が深いとは思わないで,私の着物の裾を持って川を渡ろうとしたのに,深い所があって着物をまくし上げて,川の向かい側へ私は上がった. (出典:萱野、方言:沙流)
enesirkihi
エネシㇼキヒ 【ene-sirki-hi】 そうなっている. (出典:萱野、方言:沙流)
enetkere
エネッケレ 【enetkere】 イワマツ:それにさわったという意味.触れると葉の先がちくっとするので,それに触れるといやでもわかる. (出典:萱野、方言:沙流)
enewsar
エネウサㇻ 【e-newsar】 (〜で)退屈しない, テエタ ヨシノリエカシ ペライクス ウトゥラ・アㇱ ヒ タ ユカㇻ エン・ヌレ.エアㇻキンネ ケネウサㇻ(ク・エネウサㇻ) ペ ネ アワ=昔よしのり老人と魚釣りに一緒に行った時ユカㇻを聞かせてくれた.とても退屈しない(で楽しかった)ものだったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eniika
エニイカ 【e-ni-ika】 木から落ちる. ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ ク・ユピヒ エニイカ ワ コナ(ク・オナ) ウタㇻ ウホユッパレ ハンチャ オㇿ オマレ ワ イワㇰ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=私が小さい時私の兄が木から落ちて父たちが走ってはんてんに入れて帰って来たのを見たことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
eninuy
エニヌイ 【eninuy】 枕をする. (出典:萱野、方言:沙流)
eninuype
エニヌイペ 【eninuy-pe】 枕. ヤヤン イタㇰ アニ エニヌイペ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ カ ユカㇻ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ムㇰル セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ ワ エラムオカ ヤン=普通の言葉でエニヌイペ(枕)という物でもユカㇻではムㇰル(枕)というものなのだ,覚えておきなさい.図[エニヌイペ] (出典:萱野、方言:沙流)
eninuyte
エニヌイテ 【eninuy-te】 枕をさせる. (出典:萱野、方言:沙流)
enisomap
エニソマㇷ゚ 【enisomap】 心配する. (出典:萱野、方言:沙流)
enispeus
エニㇱペウㇱ 【enispeus】 (横腹が)さしこむ,(胸などが)苦しい. (出典:萱野、方言:沙流)
eniste
エニㇱテ 【e-niste】 頼りにする,力にする.▷エ=それを ニㇱテ=固い エチ・エニㇱテ クス タパン ネㇷ゚キ ク・キ エン・カスイ アニ=あなたを頼りにしてこの仕事をするのだから,手伝ってね.エチ・エニㇱテ クス ウコイラㇺ・アン ロ=あなたを頼りにするので一緒に行こう. (出典:萱野、方言:沙流)
enitan
エニタン 【e-nitan】 〜しやすい. コㇿチセ ア・カㇻ ヒ タ コㇿ ハㇺ ア・ウㇰ ヒ タ コㇿハㇺ クㇽストゥ シネ トゥカハ ア・キㇱマ ワ ア・ケッケ ヒネ ア・エタイェ コㇿ コㇿカㇷ゚ コㇿハㇺ オコッ ワ ア・エイワンケ エニタン ペ ネ=フキ小屋を作る時にフキの葉を採った時はフキの葉の近くをひと握りだけ握って,それを折って引っぱるとフキの皮がフキの葉にくっついていてそれが使いやすいものだ.シト ア・カㇻ ヒ タ アナㇰネ ホㇱキノ ア・タㇰタㇰセレ ネ オカケタ ア・カッパ コㇿ ア・カㇻ エニタン=団子をこしらえる時には,最初に丸めてそのあとで平たくすると,しやすいものだ.ハㇻキカ アナㇰネ ポン ニペㇱ ア・ケㇷ゚ ワ ナーニ ア・ミㇺ ヒ オラー ア・エカ コㇿ リテン ワ ア・サイェ エニタン ペ ネ=シナ縄は細いシナの木の皮を剥いですぐにそれを裂き,なうと柔らかくて巻きやすいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
enitomom
エニトモㇺ 【enitomom】 (1か所をじっと)見つめる. ホカノㇱキ エニトモㇺ=炉の中心をじっと見ている[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
eniwasnu
エニワㇱヌ 【eniw-asnu】 頑張る,一生懸命に努力する,張り切る,元気が満ち満ちている,こまめによく働く,大儀がらずによく気がつく. ネㇷ゚キ エニワㇱヌ=仕事に頑張る.ウウェペケㇾ エニワㇱヌ=昔話を気軽にしゃべる.ユカㇻ エニワㇱヌ=ユカㇻをもったいぶらずに聞かせてくれる. (出典:萱野、方言:沙流)
eniwcinne
エニウチンネ 【eniwcinne】 追放する,追い出す. シノ ウェンカムイ アナㇰネ ニタイ サㇰ モシㇼ チカㇷ゚ サㇰ モシㇼ ア・コエニューチンネ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=本当に悪い神は樹木のない国,鳥もいない国へ追い出すものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
enka/enkasi(ke)
エンカ/エンカシ(ケ) 【enka/enkasi(ke)】 上:離れた上. (出典:萱野、方言:沙流)
enkasike
エンカシケ 【enkasike】 ~の上の方,頭より高い所. エ エンカシケ タ アンイヨㇰペ ウㇰワエンコレ=お前の上の方にある鎌を取って私によこせ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
enke
エンケ 【en-ke】 とがらす,先を削ってとがらせる. タアンセンピ エトゥㇷ゚シケㇸ エンケレワ エンコレ=ここにある楔の先をとがらせて私にくれ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
enkip/enkipi(hi)
エンキㇷ゚/エンキピ(ヒ) 【enkip/enkipi(hi)】 陰部,恥丘. (出典:萱野、方言:沙流)
enkor
エンコㇿ 【enkor】 鼻声だ,鼻音. テエータ フレナイ タ ポンレヘ エンコㇿ はる シコㇿ ア・イェ ウナㇻペ アン ワ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペ ネ=ずうっと前,振内にあだ名をエンコㇿはるという鼻声でしゃべるおばさんがいて見たことがあった. (出典:萱野、方言:沙流)
enkor'itak
エンコㇿイタㇰ 【enkor-itak】 鼻声(だ),鼻声でしゃべる. (出典:萱野、方言:沙流)
enkorke
エンコㇿケ 【enkorke】 ~のあちら側. コタン エンコㇿケ=村のあちら側.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
enonta
エノンタ 【enonta】 よだれ. (出典:萱野、方言:沙流)
enontapusi
エノンタプシ 【enonta-pusi】 よだれ(をたらす). エノンタプシ ㇷ゚ アナㇰネ ニサㇱヌ ㇷ゚ ネ.イテキ エコレウェン=よだれをたらす子供は丈夫な者だ.そのことでいじめるな. (出典:萱野、方言:沙流)
enoye
エノイェ 【e-noye】 曲げる:沢の切り替えなどをいう場合に用いる.弓とかの物を曲げるのはレウェ. ネノ アン ヤㇰネ アㇷ゚ト アㇱ コㇿ イヤイキㇷ゚テ ナ ナイ エノイェ ワ アヌ アニー=このままだと雨が降ったら危険なので沢を曲げておいてくれよ. (出典:萱野、方言:沙流)
enpikki
エンピッキ 【enpikki】 山蚕. (出典:萱野、方言:沙流)
enpiwa
エンピワ 【enpiwa】 指輪.*昭和10年夏,おばさんたちが言っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
enpoci
エンポチ 【enpoci】 裂いてよじったシナ皮.サラニㇷ゚という袋を編むためにシナの木の皮を細く裂き,中指に掛けて指がいっぱいになると,それを外し中指に掛かっていた分をぐるっとよじる.それをエンポチと言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ento
エント 【ento】 ナギナタコウジュ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
enucisiske
エヌチシㇱケ 【enucisiske】 にらむ,にらみつける,見つめる. チュワン オカケタ トイ アンクラ タ ポンノ モコㇿアナクス(モコㇿ・アン アクス) イ・カトイクㇱ ペコㇿ ネ ヒネ モイモイケ・アン カ ア・エアイカㇷ゚ エウン アイヌ ハウ アㇱ クスケライ モㇱ・アン ネㇷ゚カ ウェンカムイ イイェヌチシㇱケ(イ・エヌチシㇱケ) ワ ネ ア ナンコㇿ=お昼ご飯の後,畑の畔で少し眠ると,体の上を土でおおわれたようなかったるい気持ちになり動くこともできない,そこへ人声がしたお陰で目が覚めた,何か化け物が私をにらみつけていたのであろう.ネㇷ゚ ワ アン ペ イェヌチシㇱケ(イ・エヌチシㇱケ) フミ ネ ヤ ア・コンラム カ オライオライ キピㇷ゚キピㇷ゚=何が私をにらんでいるのか心がざわざわと殺気を感じた. (出典:萱野、方言:沙流)
enuhup
エヌフㇷ゚ 【enuhup】 (顔が)腫れる. ト エピッタ ク・ホック カネ ク・ネㇷ゚キ アクス ケヌフㇷ゚(ク・エヌフㇷ゚) ク・シキヒ カ ウチュー カネ=1日いっぱい腰を曲げて働いたら顔が腫れて目も開かないほどだ. (出典:萱野、方言:沙流)
enukar
エヌカㇻ 【enukar】 切れない,切れ味が悪い,ねた刃:切れ味の悪くなった刃物. ク・コㇿ イヨㇰペ エヌカㇻ ナ アㇻパ ワ エエン イヨㇰペ コㇿ ワ エㇰ=私の鎌が切れないから行って切れる鎌を持って来い.ハイー ノタコㇷ゚ エヌカㇻ ワ チタタㇷ゚ ク・カㇻ カ エトランネ ポンノ ホㇱキ ク・ルイケ ナ=あーあ刃物が切れないのでぬたを作るのもいやだ,ちょっと待って俺が研ぐから.*平成4年10月22日,我が家であった会話である. (出典:萱野、方言:沙流)
enukar'emus
エヌカㇻエムㇱ 【enukar-emus】 鈍刀. (出典:萱野、方言:沙流)
enukosne
エヌコㇱネ 【enukosne】 しゃくにさわる. ヘマンタ エㇰ クス オトゥ イキンネ オレ イキンネ シエトコホ ソンコ クㇱテ ハウェアン ケヌコㇱネ(ク・エヌコㇱネ)=何者が来るとて2回も3回も自分が来ることの予定を伝えるのか,私はしゃくにさわる. (出典:萱野、方言:沙流)
enumnoya
エヌㇺノヤ 【enum-noya】 ヤマガラ〔鳥〕. (出典:萱野、方言:沙流)
enupeikaika
エヌペイカイカ 【e-nupe-ika-ika】 涙ぐむ. (出典:萱野、方言:沙流)
enupetne
エヌペッネ 【e-nupetne】 (〜で)朗らかになる,嬉しくなる.▷エ=それで ヌペッネ=朗らかになる ピㇼカ オルㇱペ ク・ヌ ワ エアㇻキンネ ケヌペッネ(ク・エヌペッネ)=よい話を聞いてとても私は嬉しくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
enuratkiwa
エヌラッキワ 【enuratki-wa】 沈痛な様子,悲痛な様子. ▷エヌラッキ=沈痛 ワ=して トゥオㇰネイポロ レオㇰネイポロ エヌラッキワ アンルウェネ=ふたつの憂い顔,三つの憂い顔,沈痛な様子[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
enusasire
エヌサシレ 【enusasire】 気をまぎらす,自分を慰める. ク・ミッポホ ウタㇻ アン クスケライ ケヌサシレ(ク・エヌサシレ) ワ カン(ク・アン)=私の孫たちのお陰で気をまぎらせていることができる.*川上まつ子さんが教えてくれた言葉であった. (出典:萱野、方言:沙流)
enuwap
エヌワㇷ゚ 【e-nuwap】 (〜を)産む.▷エ=それを ヌワㇷ゚=分娩する トアン ヘカチ アナㇰネ ケヌワㇷ゚(ク・エヌワㇷ゚) ペ ネ=あの子供は私が産んだものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eo
エオ 【e-o】 なつっこい. アイヌエオ=人なつっこい. (出典:萱野、方言:沙流)
eoha
エオハ 【e-oha】 いっぱいでない:入れ物に7分目ほどしか入っていない. エオハ オンタル=いっぱいに入っていない樽. (出典:萱野、方言:沙流)
eohap
エオハㇷ゚ 【e-oha-p】 馬鹿(本来「いっぱいでないもの」). (出典:萱野、方言:沙流)
eohaysitoma
エオハイシトマ 【e-ohay-sitoma】 薄気味悪い. ピㇼカ メノコ ネ コㇿカ ナヌフ ソモ サンケ ノ オトㇷ゚ ウトゥㇽ ワ イ・シケオプシ アーペコㇿ イキ エアㇻキンネ ケオハイシトマ(ク・エオハイシトマ)=いい女なのだが顔を出さずに髪の間から私をにらみつけているみたいで,私はとっても気味が悪い.ソンノ イヨーハイ イヨイタクシ エカㇷ゚ネ ウェンパㇱロタ ハウェ ケオハイシトマ(ク・エオハイシトマ)=本当にいやなことだよ,呪いの言葉さながらに毒づく,私は薄気味悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
eokok
エオコㇰ 【e-o-kok】 ついている. タマサイ オㇿ ニンカリ エオコㇰ ワ アン コㇿカ イテキ エピッテッカ ノ ムッ アニー=首飾りの玉に耳輪をつけてあるが外さないで首に掛けてよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eokok
エオコㇰ 【e-o-kok】 ひっかかる,つまずく. スマ ケオコㇰ(ク・エオコㇰ)=石に(私は)ひっかかった.ルンニ スマ エオコㇰ=流木が石にひっかかった.ハチㇼ アㇷ゚ エオコㇰ ワ アン=落ちたのにひっかかっている.テタ アン ヤㇰネ ヘカッタㇻ エオコㇰ ヤㇰ イヤイキㇷ゚テ ナ ソウスッ タ アヌ ワ エㇰ=ここにあると子供らがひっかかって危ないから,壁際に置いて来い.シㇼクンネ ワ カㇷ゚カㇱ(ク・アㇷ゚カㇱ) アクス ヘマンタ ケオコㇰ(ク・エオコㇰ) ワ ク・テッテㇾケ=夜になってから歩いたら何かにつまずき,私はふらふらっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
eokokte
エオコㇰテ 【eokok-te】 吊り下げる,ひっかける. ニテㇰ エオコㇰテ=木の枝に物を吊り下げる. (出典:萱野、方言:沙流)
eokunnure
エオクンヌレ 【e-okunnure】 (〜に)感心する. パウェトㇰ コㇿ クㇽ ネㇷ゚ ネ クス タㇰネ イタㇰ ネ コㇿカ イタㇰイペ ピㇼカ ハウェ.ケオクンヌレ(ク・エオクンヌレ)=雄弁な人なので短い言葉ではあったが言葉の中身がよかった.私は感心した. (出典:萱野、方言:沙流)
eop 1
エオㇷ゚ 【eo-p】 ①(〜が)上手な者. トアンクㇽ アン コㇿ イランモッカ エオㇷ゚ ネ クス アン ウタㇻ オピッタ ミナ ロㇰ ミナ ロㇰ=あの人がいると人をからかうのが上手なので,いる人たち全部が笑って笑って. (出典:萱野、方言:沙流)
eop 2
エオㇷ゚ 【eo-p】 ②(〜の)ほうの者(傾向). エタカスレ シレチャッケ エオㇷ゚ ネ クス アッチェ タ ア・イペレ ヤッカ ソモ イペ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=特別に汚ながるほうの者なので,よそで何か食べさせられても食べない者だそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eorakse
エオラㇰセ 【e-orakse】 食べ足りない.▷エ=食べる オラㇰセ=足りない (出典:萱野、方言:沙流)
eorhankeko
エオㇿハンケコ 【e-or-hanke-ko】 遠い所からまあようこそ,こんなに遠い所.▷エ=それ オㇿ=所 ハンケ=近い コ=(否定) エオㇿハンケコ テパㇰノ ケㇰ(ク・エㇰ) ワ ウナㇻペ オハシㇼネ.フナッケ クス ケㇰ(ク・エㇰ) ペ アン=こんなに遠い所,ここまで私が来て,おばさん留守なの.なんのために来たものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eoripak
エオリパㇰ 【e-oripak】 (〜を)尊敬する,うやまう,(〜に)遠慮する. エアㇻキンネ カムイ ネノ アン クㇽ ネ クス ア・エオリパㇰ=とても神のような人なので私たちはその人を尊敬する. (出典:萱野、方言:沙流)
eorsetakko
エオㇿセタッコ 【e-or-setakko】 あれほど長い間. エオㇿセタッコ ウッシュー ネ コㇿ ワ オラーウン ネㇷ゚カ ソモ コレ ノ ソイェネレ.イヨーハイ シトマレ=あれほど長い間召使いにしていたのに,何もやらずに出してしまった.あきれたものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eosikpekare
エオシㇰペカレ 【e-o-sik-peka-re】 ねらいを定める.▷エ=〜を オ=〜へ シㇰ=目 ペカ=合わせる レ=させる ユㇰ ア・ヌカㇻ ヒクス アイ ア・オウヌ ヒネ ア・エオシㇰペカレ ワ ア・トゥカン=鹿が見えたので私は矢をつがえてねらいを定めて射った.アイ ア・カㇻ ヒタ ア・エオシㇰペカレ ワ ア・カㇻ=矢を私たちが作る時はねらいを定めながら作る. (出典:萱野、方言:沙流)
eosirok
エオシロㇰ 【e-osir-ok】 足手まとい(になる). ポン ヘカチ ア・トゥラ ワ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ア・エオシロㇰ=小さい子供を連れて山へ行くと足手まといになる. (出典:萱野、方言:沙流)
eotukutke
エオトゥクッケ 【e-otukutke】 埋まる. チㇱ ワ パテㇰ アン メノコ ネ ノイネ シㇰラㇷ゚ タクㇷ゚ エオトゥクッケ カネ アン=泣いてばかりいる女らしく,まつげだけが見えるほどまぶたがはれている. (出典:萱野、方言:沙流)
eouminausi
エオウミナウシ 【e-o-u-mina-usi】 笑いの渦の芯になる. ネㇷ゚カ アン コㇿ オラーノ ネア クㇽ チカトゥンカトゥン シネンネ アン ペコㇿ ア・エオウミナウシ=何かあるとあの人はふざけまわってひとりでいるかのように笑いの渦の芯になる. (出典:萱野、方言:沙流)
eoyaitak
エオヤイタㇰ 【e-oya-itak】 あざける,あざけり,さげすみ. イチェン コㇿ アクス リㇰタリㇰタ インカㇻ ヘンパラ パㇰノ エネ イキ クニ コタヌン ウタㇻ ウコピヌピヌ コㇿ ア・エオヤイタㇰ コㇿ アニカ(アン ヒ カ) エランペウテㇰ ノ=少し小金を持ったからと肩で風を切って歩き,いつまであのようにできるかと村人がひそひそ話をしてあざけっているのも知らずに. (出典:萱野、方言:沙流)
ep
エㇷ゚ 【e-p】 食べ物,餌. テーエタ アナㇰネ アイヌ コタン ケムㇱ コㇿ エㇷ゚ イサㇺ コㇿ リヤ コㇿコニ カ テㇾケイペ カ エ パ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).タネ アナㇰネ エㇷ゚ イサㇺ アイヌ カ イサㇺ=大昔はアイヌの村が飢饉になり食べ物がないと枯れたフキや蛙なども食べたそうだ.今は食べ物のないアイヌもいない. (出典:萱野、方言:沙流)
epa
エパ 【epa】 届く,ようやく着く,到着する. ク・ポンポホ ポロピロ ワ ヤイカフイェ コㇿ アン ワ ケラムシッネ(ク・エラムシッネ) ア コㇿカ タネ トゥサ ヒ エパ ワ ク・ラムホラライセ=私の小さい方の息子が大怪我をして療養していて私の思いが乱れていたが,治癒する所へたどり着き,私の心配は解消した.タント シㇼペケㇾ ヒ タ ケㇰ(ク・エㇰ) エパ ヤー シコㇿ ク・ヤイヌ コㇿ ク・ヤイニタンテ アクス イイソネ ク・シレパ=今日明るいうちに到着するかなあと思いながら急いで来たがどうやら着いた. (出典:萱野、方言:沙流)
epacikoan
エパチコアン 【e-paci-ko-an】 罰があたる. テエータ ワノ ウェンプリ コㇿ ペ サニケヘ アナㇰネ カムイコイパㇰ エパチコアン ワ オウェヌシ パ シリ=ずうっと昔から悪いことをした者の血統は神からも罰を受け罰があたり運の悪いことよ. (出典:萱野、方言:沙流)
epakasnu
エパカㇱヌ 【epakasnu】 教える. イナウ ケエネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ) ワ エン・コレ=イナウの削り方を教えてください.アイヌイタㇰ エチ・エパカㇱヌ クㇱネ ナ ポロンノ エラマン アニ=アイヌ語を君に教えるからたくさん覚えてね.アㇻコタン タ カㇻパ(ク・アㇻパ) ヒネ ル ウウェコホピ ウㇱケ タ カㇱ(ク・アㇱ) カネ ワ コタン レ ク・イェ ヒネ ク・ウウェペケンヌ アクス エネ エネ アㇻパ アニ ア・イ・イェパカㇱヌ=よその村へ私は行き,道の分かれる所で立ち止まって村の名前を言って尋ねると,こうこう行くのだと私に教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
epakoat
エパコアッ 【e-pakoat】 (〜で)噂にのぼる. オトゥ スイ レ スイ メノコ エパコアッ ワ シクリアンテヤㇻ ア・エパルラ ハウェ ク・ヌ コㇿ ク・ライシチュププ=本当に2回3回と女のことで噂にのぼり,陰口を言われるようなこと,口から口へと伝わる様子,それを聞くと私は身の縮む思いだ. (出典:萱野、方言:沙流)
epankuwaus
エパンクワウㇱ 【e-pan-kuwa-us】 後ろ足の長い熊.*このような姿の熊に迫われたら坂の下に向かって逃げる.▷エ=それ パン=後,下 クワ=杖 ウㇱ=つく (出典:萱野、方言:沙流)
epannaatte
エパンナアッテ 【e-panna-atte】 ひらひらさせる,重ね着した着物に帯を締めずにひらひらさせる. ▷エ=それ パンナアッテ=ひらひらさせる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
epapakno
エパパㇰノ 【epa-pakno】 できるだけ,やれるだけ. (出典:萱野、方言:沙流)
eparkokikkik
エパㇻコキッキㇰ 【e-par-ko-kik-kik】 他言無用にする(あなたの口を叩く). (出典:萱野、方言:沙流)
eparkoyakoya
エパㇻコヤコヤ 【e-par-koya-koya】 まくし立てる,早口で言う:他人が聞いてもわからないことを口早に言う. イヨーハイ ヘマンタ アン ワ パロホ ウサッ オマ ペコㇿ エパㇻコヤコヤ=まーあ,あきれた.あれは何者だ.口に燠でも入ったようにまくし立てて. (出典:萱野、方言:沙流)
eparura
エパルラ 【e-pa-rura】 告げ口(をする),口から口ヘと伝わる. ポンペ オラーノ オッシケポロ ㇷ゚ ネ クス ネㇷ゚カ ア・イェ コㇿ キサッタララ オラウン エパルラ=小さいくせに利口なものだから,何か私どもが言うと聞き耳を立てて告げ口をする.オトゥ スイ レ スイ メノコ エパコアッ ワ シクリアンテヤㇻ ア・エパルラ ハウェ ク・ヌ コㇿ ク・ライシチュププ=本当に2回3回と女のことで噂にのぼり陰口を言われるようなこと,口から口ヘと伝わる様子,それを聞くと私は身の縮む思いだ. (出典:萱野、方言:沙流)
epaskantara
エパㇱカンタラ 【epaskantara】 気抜けしたようになっている,ぽわんとして立っている. エ・コㇿ フチ ソイ タ エパㇱカンタラ ワ アㇱ ワ アン ナ トゥラ ワ エㇰ ワ アペ サㇺ タ アレ=お前のおばあちゃんが外で気抜けしたように立っているから連れて来て火の側に座らせろ.キマテㇰアニタ(キマテㇰ・アン ヒ) タ アナㇰネ クニネ アン ペ アナㇰネ エパㇱカンタラ ワ アㇱトゥㇱテㇰ ワ アン ペ ネ=皆が驚いている時にその人によってはぽわーんとして金縛りにかかったように立ちすくんでいるものだ.ヘマンタ フナラ クㇱネ ヤ シットソソ コㇿ アン.アシヌマ アナㇰネ ネ ワアン ペ ア・ヌカㇻ ア・エパㇱカンタラ=何を探すためなのかあたりをかき回している.私はそれを見てぽわーんとして立っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
epatay
エパタイ 【epatay】 愚か者,馬鹿. (出典:萱野、方言:沙流)
epaturente
エパトゥレンテ 【e-pa-turente】 いいがかりをつける. (出典:萱野、方言:沙流)
epeka
エペカ 【epeka】 それについて. (出典:萱野、方言:沙流)
epeka
エペカ 【epeka】 (〜を)めがけて.(〜に)あわせて. イセンイセン ネア ウナㇻペ クンネイワピㇱノ イペ エペカ ノ エㇰ シリ=またしてもあのおばさん,毎朝ごと食べているのをめがけて来ている. (出典:萱野、方言:沙流)
epekocirir
エペコチリㇼ 【epekocirir】 濡れている(体から雫が落ちるくらい). ソンノ エアシㇼ エネアン アㇷ゚ト トゥマㇱ(トゥㇺ アㇱ) タ エペコチリㇼ カネ エ・テイネ ワ フナㇰ ワ エ・エㇰ シリ エネ エ・アン=本当に全くこのような雨の中,(身体から水滴が落ちるほど)濡れてどこから来てその姿をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
epenkuwaus
エペンクワウㇱ 【e-pen-kuwa-us】 前足の長い熊.*このような姿の熊に追われたら坂の上へ向かって逃げる.▷エ=それ ペン=前 クワ=杖 ウㇱ=ある (出典:萱野、方言:沙流)
epepetke
エぺペッケ 【epepetke】 スルメイカ. (出典:萱野、方言:沙流)
epetke
エペッケ 【e-petke】 みつくち,兎唇,口蓋裂傷. (出典:萱野、方言:沙流)
epetpetkeamip
エペッペッケアミㇷ゚ 【e-petpetke amip】 ぼろぼろの着物. テエータ アン トゥミ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ モシㇼ エウン ウタㇻ ミㇷ゚ カ イサㇺ イタㇰ コラチ エペッペッケアミㇷ゚ ミ パ ワ オカ ア コㇿカ タネ アナㇰ ピㇼカ ㇷ゚ パテㇰ ミ パ=その昔の戦争の時は国中の者が着るものもなく言葉の通りにぼろぼろの着物を着ていたものだが今はいい物ばかり着ている. (出典:萱野、方言:沙流)
epirma
エピㇼマ 【epirma】 こっそり教えてくれる. アチャポ ア・ヌ ヤー オケネウシ エトコホ ポーロ ペロ スットモ タ ユㇰカルㇱ アン ナ.エチ・エピㇼマ ナ アㇻパ ウㇰ ワ エㇰ ヤン=おじさんちょっと,オケネウㇱ沢の源の大きいナラの木の根元にマイタケがある.あなたにこっそり教えるから行って取ってきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
epiru
エピル 【e-piru】 清める,はらい清める. (出典:萱野、方言:沙流)
episne
エピㇱネ 【e-pis-ne】 海岸へ. ニサッタ ア・ヘコテクㇽ トゥラノ エピㇱネ サパン(サㇷ゚・アン)=明日,私の夫とともに浜へ行く. (出典:萱野、方言:沙流)
episun
エピスン 【e-pis-un】 海岸(の方)へ. (出典:萱野、方言:沙流)
epitce
エピッチェ 【epitce】 はげ,はげ頭. (出典:萱野、方言:沙流)
epitta
エピッタ 【epitta】 全部,みんな,〜中. コタン エピッタ=村全部.モシㇼ エピッタ オマナン ペ ネ クス スンケアㇱペ ソネアㇱペ イェ ア イェ ア=国中歩くものだから嘘の話や本当の話を言うわ言うわ. (出典:萱野、方言:沙流)
epittek
エピッテㇰ 【epittek】 外れる. (出典:萱野、方言:沙流)
epittekka
エピッテッカ 【epittekka】 外す. タマサイ オㇿ ニンカリ エオコㇰ ワ アン コㇿカ イテキ エピッテッカ ノ ムッ アニー=首飾りの玉に耳輪をつけてあるが外さないで首に掛けてよ. (出典:萱野、方言:沙流)
epoppa
エポッパ 【epoppa】 恨む,憎む,とがめる,なじる. モトホ アナㇰネ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) コㇿカ ウサタイリワㇰ ネ ワ オカイペ ウウェポッパ カニ アナㇰネ ケランペカマㇺ(ク・エランペカマㇺ)=原因は知らないが従兄弟であるのにあの者たちは恨み合って,私はそのことを気にやんでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
eposo
エポソ 【eposo】 言うまでもなく,本当に,実に. (出典:萱野、方言:沙流)
eposokane
エポソカネ 【eposo-kane】 言うまでもなく,勿論. シネアンタ ネㇷ゚カ ア・サㇰ ノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) トゥスニケ シネㇷ゚ ニ カ タ アニクス(アン ヒクス) ポン スマ シネㇷ゚ ア・ウㇰ ヒネ ア・コピイェカㇻ アクス エポソカネ トンケ カ ソモ=ある日のこと何も持たずに山へ行くと,エゾリスが1匹木の上にいたので小さい石をひとつ取って投げつけたが,言うまでもないがびくともしなかった.エカナイワノ トイタ ワ コㇿ トイ ネ ヒ アイヌ オピッタ エラマン ワ アン ペ イヨㇱ ワ エㇰ ペ ネㇷ゚カ エトイタ ノイネ ネ アㇷ゚ エポソカネ ア・コイレンカコㇿ ハウェ=ずっと前から畑を耕し持ち畑であることを人々皆が知っていたのに,後から来た者が何か蒔いていたらしかったが,勿論問題にされたわけだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eposoun
エポソウン 【eposo un】 そうだろう,言うまでもない. (出典:萱野、方言:沙流)
epotara 1
エポタラ 【e-potara】 ①心配する.案じる. (出典:萱野、方言:沙流)
epotara 2
エポタラ 【e-potara】 ②まじない,おはらいをする. (出典:萱野、方言:沙流)
epuni
エプニ 【e-puni】 起こす,持ち上げる. (出典:萱野、方言:沙流)
epunkine
エプンキネ 【e-punkine】 守る,守護する. (出典:萱野、方言:沙流)
epururse
エプルㇽセ 【e-purur-se】 湿らせる. テーエタ アナㇰネ フチ ウタㇻ イテセ ネ ヤ イシタイキ ネ ヤ キ ヒ タ ワッカ エプルㇽセ パ ワ ネㇷ゚キ パ コㇿ オカ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=古い時代はおばあちゃんたちが袋物を編んだり厚司を織る時は口に水をふくんで霧吹きをして仕事をしていたのを私は見た覚えがある. (出典:萱野、方言:沙流)
epuy/epuyke
エプイ/エプイケ 【epuy/epuyke】 花:木に咲く花. エプイケ シピラサ=開花する. (出典:萱野、方言:沙流)
epuypuyse
エプイプイセ 【e-puy-puy-se】 煙ばかり出る. アペ ア・アリ コㇿカ テイネ チクニ ネ ㇷ゚ ネ クス エプイプイセ ワ アペ ルイ カ ソモ キ.ア・パㇻパル アイーネ アペルイ=火を焚いたが濡れた薪なので煙ばかり出て火は燃えない.あおいたので火が燃えた. (出典:萱野、方言:沙流)
eram'usausak
エラㇺウサウサㇰ 【e-ram-usa-usak】 気が散る,気が進まない.▷エ=それで ラㇺ=思い ウサウサㇰ=別々 →思いが別々,思いが定まらない エキㇺネ ア・エン・シレン コㇿカ ア・エラㇺウサウサㇰ クス ソモ カㇻパ(ク・アㇻパ)=山へ行こうと誘われたけれども,気が進まないので私は行かない. (出典:萱野、方言:沙流)
eraman
エラマン 【eraman】 覚える,わかる,理解する,了解する,知っている. ネㇷ゚ ネㇷ゚キ ネ ヤッカ ア・エラマン パㇰノ ピㇼカ ノ ア・ヌ ア・ヌカㇻ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=何仕事でもわかるまで聞いたり見たりするといいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eramaspa
エラマㇱパ 【eramaspa】 好きである〔複〕. シサㇺ アナㇰネ トゥミ エラマㇱパ ㇷ゚ ネ ハウ ソモ ネ ウン.スイ アトゥイ イクㇱタ ウコトゥミコㇿ パ ヤㇰ ア・イェ.ク・イシトマ=和人というのは戦争が好きな人たちではないのかな.またしても海の向こうで戦争を始めたそうだ.私は恐ろしい. (出典:萱野、方言:沙流)
eramasu
エラマス 【eramasu】 好きだ. チタタㇷ゚ ク・カㇻ クニ ク・ラㇺ コㇿカ ア・エラマス ヤー?=ぬたをこしらえると(私が)考えているけれども,あなたはそれが好きでしょうか?タアン チェㇷ゚ エ・エラマス チキ コㇿ ワ アㇻパ ワ エ=この魚をお前好きであったら,持って行って食べて. (出典:萱野、方言:沙流)
eramhokasusu
エラㇺホカスス 【e-ram-hokasusu】 浮足立つ,落ち着かない. ヘカッタㇻ ク・トゥラ ワ ペトルン スㇱ クス カㇻパ(ク・アㇻパ) クナㇰ ク・イェ アクス エラㇺホカスス パ ネㇷ゚ ク・カレパ ヤッカ エウン ヤイヌ パ カ ソモ キ パ=子供らを連れて川泳ぎに行くぞと言ったら浮足立って何仕事をさせても仕事をしようとしない. (出典:萱野、方言:沙流)
eramiskari
エラミㇱカリ 【eramiskari】 知らない.わからない,覚えがない. (出典:萱野、方言:沙流)
eramkatcaus
エラㇺカッチャウㇱ 【eramkatcaus】 気が進まない,気が向かない,その気になれない,不満だ. タパン ハワㇱ エウン ア・エン・シレン ア コㇿカ ケラムカッチャウㇱ(ク・エラムカッチャウㇱ) ヒクス ソモ カㇻパ(ク・アㇻパ)=今の話の所へ誘われたけれど私は気が進まなかったので行かなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
eramkikkar
エラㇺキッカㇻ 【e-ram-kik-kar】 諦める,泣き寝入りする,いやだ. テエータ ネア クㇽ イチェン ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) ア コㇿカ ソモ エン・コホシピレ タネ ケラㇺキッカㇻ(ク・エラㇺキッカㇻ)=ずうっと前にあの人に金を貸したが私に戻してくれないので諦めた.ポンノ ク・ヌ ルスイ ペ アン ワクス エカシ エウン カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス イク コㇿ アン ク・イェ エラㇺキッカㇻ ワ ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=少し聞きたいことがあったので祖父の所へ行くと飲んでいたので言うのを諦めて逃げて来た.テエータ オヤコヤクン(オヤコヤㇰ ウン) イチェン ケルサ(ク・エルサ) ㇷ゚ ネ ア コㇿカ ソウㇰペ アナㇰ ソモ エン・ヌカㇻ アーペコㇿ オカ タネ ケラㇺキッカㇻ(ク・エラㇺキッカㇻ)=ずうっと前,あちらこちらへ金を貸したものであったけれども,借りた人たちは俺を見ないふりをしている,もう私は諦めてしまった.ク・イェー カ エラㇺキッカㇻ コㇿカ タント カ ク・ホタヌ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナー ウシンネ ネ ペコㇿ サッテㇰ ペコㇿ ク・ヤイヌ ケラムチュㇷ゚テㇰ(ク・エラムチュㇷ゚テㇰ)=言うもいやなことだが今日も見舞いに行ってきたが日一日と痩せるように思って心細い. (出典:萱野、方言:沙流)
eramkoesikari
エラㇺコエシカリ 【e-ram-ko-e-sikari】 びっくりする,驚く,驚愕する.▷エ=それ ラㇺ=思い コ=に対して エ=自ら シカリ=回る ソモカタㇷ゚ネ エネ アン オルㇱペ ク・ヌ クナㇰ ア・ラム ア ワ タㇷ゚ ク・ヌ ワ ケラㇺコエシカリ(ク・エラㇺコエシカリ)=まさかそのような話を聞くとは思っていなかったのに,今,私は聞いてびっくりした. (出典:萱野、方言:沙流)
eramnukuri
エラㇺヌクリ 【e-ram-nukuri】 言い出しづらい. (出典:萱野、方言:沙流)
erampekamam
エランペカマㇺ 【e-ram-pekamam】 不自由する.気が気でない,気苦労だ. ソンノ スイ アチャポ イヨㇱキ ワ モコㇿ ペ ネ クス イタㇰ・アン ヒ カ ウコハㇰマハㇰマ・アン ソンノ ア・エランペカマㇺ=本当にまたおじさんが酔っ払って眠ったものだから,ものを言うのもささやきあうのも全く不自由(気苦労)なことだ.モトホ アナㇰネ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) コㇿカ ウサタイリワㇰ ネ ワ オカイペ ウウェポッパ カニ アナㇰネ ケランペカマㇺ(ク・エランペカマㇺ)=原因は知らないが従兄弟であるのにあの者たちは恨み合って私はそのことを気にやんでいる.ソンノ ウサタイㇼワㇰ ネ パ ㇷ゚ オラーノ ネㇷ゚ワ アン ペ クス ネ ヤ カ ケラムㇱカリ(ク・エラムㇱカリ) コㇿカ ウウェポッパ パ ワ ケランペカマㇺ(ク・エランペカマㇺ)=本当になあ,従兄弟あの者たちなのに何の理由か知らないけれど憎しみ合うので私は気苦労する. (出典:萱野、方言:沙流)
erampewtek
エランペウテㇰ 【e-ram-pewtek】 知らない,わからない. (出典:萱野、方言:沙流)
erampispare
エランピㇱパレ 【e-ram-pispa-re】 心の中で数える.▷エ=それ ラム=思い ピㇱパ=数える レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
erampokiwen
エランポキウェン 【e-ram-poki-wen】 憐れむ:気の毒に思う. (出典:萱野、方言:沙流)
erampokwen
エランポㇰウェン 【e-ram-pok-wen】 憐れむ,哀れだ,かわいそうだ,気の毒だ. オトゥイキンネ オレイキンネ ア・チㇱテ ハウェ オナハ カシラリ ウヌフ カ オンネ ハウェ ア・エランポㇰウェン=2回も3回も泣かされて,父が死んだその上へ母も亡くなったとか,気の毒な. (出典:萱野、方言:沙流)
eramuan
エラムアン 【eramuan】 さとる,わかる. #NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
eramuhawke
エラムハウケ 【e-ramu-hawke】 同情する,憐れむ:かわいそうに思う.▷エ=それで ラㇺ=思い ハウケ=弱い (出典:萱野、方言:沙流)
eramuhemesusu
エラムヘメスス 【e-ramu-hemesusu】 気分がすっきりする,安心する. プ オッタ(オㇿ タ) アン エルㇺ ア・キㇱマ ヒネ ミンタㇻ オルン ア・エシㇼキㇰ ワ ア・ライケ ア・エラムヘメスス=倉にいたネズミをつかまえて外庭で大地の上へ投げつけて気分がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
eramuhokasusu
エラムホカスス 【e-ramu-hokasusu】 気が進まない,いやだ. アチャポ チェㇷ゚コイキ クス エン・シレン コㇿカ ア・エラムホカスス クス ソモ アㇻパ・アン=おじさんが魚獲りに私を誘ったが,気が進まなかったので行かなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
eramuhopunini
エラムホプニニ 【e-ramu-hopunini】 落ち着かない,うるさい,あたりが騒がしい. ク・ミッポウタㇻ チセ オッタ アルケサンパ パ ア・エラムホプニニ ワ ランプイ カ ア・サㇰ=私の孫たちが家の中で追いかけっこをして落ち着かず,考える穴もない. (出典:萱野、方言:沙流)
eramuhoski
エラムホㇱキ 【e-ramu-hoski】 不満である.▷エ=それに ラムホㇱキ=不満である (出典:萱野、方言:沙流)
eramuikatcaus
エラムイカッチャウㇱ 【e-ramu-i-katcaus】 気が進まない,なんとなく満足できない,心のうちでは大いに不満だ,いやいやながら,渋々,不承不承. タパン ハワㇱ エウン ア・エン・シレン ア コㇿカ ケラムイカッチャウㇱ(ク・エラムイカッチャウㇱ) ヒクス ソモ カㇻパ(ク・アㇻパ)=今の話の所へ誘われたけれど私は気が進まなかったので行かなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
eramuikurkur
エラムイクㇽクㇽ 【e-ramu-ikurkur】 気にする,心配する,悩む,落ち着かない.▷エ=それ ラム=思い クㇽクㇽ=めぐらせる ア・コㇿ クチャ チセ エウン シネ パ カ ソモ アㇻパ・アン ワ ア・エラムイクㇽクㇽ ア コㇿカ アンアイネノ アン ワ ア・エラムシンネ=私の持っている狩小屋へ1年も行かずにいたので気にしていたが,そのままあったので私は安心した.タネ イワㇰ クニ ク・ラム ク・テレ ワ カン(ク・アン) ヤッカ イワㇰ モイレ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ)=もう帰るであろうと思って待っているけれど帰りが遅いので気にしている.ク・ポ ウタリ エキㇺネ アㇷ゚ イワㇰ モイレ パ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ)=息子たちが山へ行ったのに帰りが遅くて私は気にする.ウナㇻペ ヤイヌミウェン ワ オシルㇱ ワ アン ヤㇰ ク・イヌ ワ ケラムイクㇽクㇽ コㇿカ ナ ク・ホタヌ カ ソモ=おばが身体の具合が悪くて病床に伏していると聞き,気にはしているがまだ見舞いにも行っていない. (出典:萱野、方言:沙流)
eramuniste
エラムニㇱテ 【e-ramu-niste】 冷たい態度を取る,冷淡にする.▷エ=それで ラム=思い ニㇱテ=堅い イテキ イテキ ネㇷ゚キ パ カ ソモ キ ノ エㇷ゚ イサㇺ パ ヤㇰ イェ イヤフㇷ゚ペ コラチ イキ パ.ア・エラムニㇱテ ペコㇿ ア・カㇻ ヤㇰ イキヤーヌン ネㇷ゚キ パ ナ=だめだめ.働きもしないで食べ物がないと言って乞食のようにしている.冷たい態度をとるふりをしてやったほうが,もしやのこと働くから. (出典:萱野、方言:沙流)
eramuriten
エラムリテン 【e-ramu-riten】 嬉しい:機嫌がよくなる. アチャポ ソンノ サケ エラムリテン ペ ネ クス ポンノ イク コㇿ ホノイシノッチャキ コーロ ウンマオテッテ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=おじさんは本当に酒を飲むと嬉しくなるものだから,少し飲んだだけで微かに歌を口ずさみながら.馬に乗って行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
eramus
エラムㇱ 【e-ram-us】 癖になる,慣れる,熟練する. ソンノ ヘー ヘマンタ エ・イッカ ハウェー.ネンカネ エラムㇱ ワ スイ ネノ イキ ヤㇰ ウェン ナ イマカケタ ソモ ネノ イキ クニネ ピㇼカノ イェ ワ ヌレ=本当かい,何を盗んだの.もしも癖になって再びそうしたらいけないので今後はそうしないようによく言って聞かせて. (出典:萱野、方言:沙流)
eramusarakka
エラムサラッカ 【e-ramu-sarakka】 心配させる. (出典:萱野、方言:沙流)
eramusinne
エラムシンネ 【e-ramu-sir-ne】 安心する,もう気にすることはない. ヤイモトホ ヌ ルスイ オッカイポ エㇰ ヒクス ピㇼカノ ア・ヌレ アクス エラムシンネ ワ ホシピ ワ アㇻパ=自分の先祖のことを聞きたい若者が来たのでよく聞かせると安心して戻って行った.ク・トイェヘ キナウㇱ ワ アン ペ ネ クス ケㇱト ク・キナカㇻ タント コケレ(ク・オケレ) ケラムシンネ(ク・エラムシンネ)=私の畑が草ぼうぼうになっていたものだから毎日草取りをして,今日終わって安心した. (出典:萱野、方言:沙流)
eramusitne
エラムシッネ 【e-ramu-sitne】 煩わしい.▷エ=それ ラム=思う シッネ=もつれる (出典:萱野、方言:沙流)
eramuskari
エラムㇱカリ 【e-ramuskari】 知らない. タㇷ゚イキクㇽ テ パㇰノ ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ クㇽ ネ=今の人,今まで見たこともない人だ. (出典:萱野、方言:沙流)
eramutuy
エラムトゥイ 【e-ramu-tuy】 (〜に)驚く. アヌンクㇽ チセ ソイ クㇱ アクス セタ ピッコサヌ ア・クパパ エアㇻキンネ ケラムトゥイ(ク・エラムトゥイ)=よその人が家の前を通ったら,犬がさっと飛び出てきて噛まれて,私は本当に驚いてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
eranak
エラナㇰ 【eranak】 案じる,困る,悩む,患う. ポンペ イサイカ ワ ケラナㇰ(ク・エラナㇰ) ナ トゥラ ワ アㇻパ=子供がじゃまをしてうるさいから連れて行け.エチ・ウウェラナㇰ ヤㇰ ク・イヌ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ) コㇿ カナ(カン ア) ワ ウパキタラ エチ・オカ ヤ=お前たち患っていたと聞き気にしていたが,変わりなくいたかい. (出典:萱野、方言:沙流)
erankarap
エランカラㇷ゚ 【e-ram-karap】 挨拶(する).▷エ=それ ラㇺ=思い カラㇷ゚=触れる →あなたの心に触れる タネポ ウヌカㇻ・アン オリパㇰ トゥラ ネ ワ ネ コㇿカ ウウェランカラㇷ゚・アン ルウェ ネ ナー=初めてお会いし遠慮とともにではあるがご挨拶をしますよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eraperoski
エラペロㇱキ 【e-rap-e-roski】 羽削り.*ポンストゥイナウを作る時に上から下に向けて羽のように削る.▷エ=それ ラㇷ゚=羽 エロㇱキ=立つ(複) →イナウ (出典:萱野、方言:沙流)
erasraske pon hekaci
エラㇱラㇱケ ポン ヘカチ 【e-ras-raske pon hekaci】 河童(かっぱ). キㇺ タ オフㇺサㇰノ ニホラㇰ シリ ア・ヌ コㇿ エラㇱラㇱケ ポンヘカチ ヤイカ ニ ホセ フㇺ ネ ワー シコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=山で音もなく朽ち木が倒れるのを聞いたら河童が自分で自分の上に木を倒した音だよ,と(まじない言葉を)言うものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
erastarasta
エラㇱタラㇱタ 【e-rasta-rasta】 荒っぽい削り方をする,めちゃくちゃ下手な削り方をする,荒れ地を畑にするために土を削る.▷エ=それ(土・水) ラㇱタラㇱタ=荒っぽい削り方をする (出典:萱野、方言:沙流)
eratkip
エラッキㇷ゚ 【e-ratki-p】 褌.▷エ=そこで ラッキ=下がる ㇷ゚=物 (出典:萱野、方言:沙流)
erawkuske
エラウクㇱケ 【e-raw-kuske】 まじないのため水にくぐらす:気がふれたような病気の者を川ヘ連れて行き,深い所へわざと潜らして気づかせようとすること.▷エ=それで ラウ=底 クㇱケ=通す (出典:萱野、方言:沙流)
erawnkuci
エラウンクチ 【e-rawn-kuci】 その底の声,底力のある言葉. ▷エ=それ ラウン=底 クチ=声,言葉 エラウンクチ ペケレカネ=底力のあるきれいな言葉[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
erayap
エラヤㇷ゚ 【erayap】 感心する. ウヌヌケ パㇰノ ア・エラヤㇷ゚ペ イサㇺペ ウトゥルン メノコポ ウヌヌケ シリ=孝行ほど感心されることはないものだが,西隣の娘の親孝行なこと!スイ ネイタカ アクㇷ゚ アン セコㇿ ク・イヌ エアㇻキンネ ケラヤㇷ゚=またどこかで屋根葺きをすると聞いて私は本当に感心した.ソンノ エアシㇼ アヌン ニㇱパ イタㇰコシパㇱヌ ハウェ ア・エラヤㇷ゚=本当によそから来られた方.言葉が際立っている様子の感心なことだ.ケライ カッケマッ ネ クス レラㇻ カシ イカ カネ イムッ シリ ア・エラヤㇷ゚=さすが淑女であるだけに胸の上が溢れるほどに首飾りをし,感心なことよ.アイヌ オッタ(オㇿ タ) カ カムイ オッタ カ ア・ウコエヤㇺペ オンネㇷ゚ ヘカッタㇻ ネ ヒケ オンネㇷ゚ ヌヌケ エ・キ ソンノ ア・エラヤㇷ゚=人間の所でも神の所でもともに大切にされるものが年寄りと子供たちなのに年寄りを大切にして本当に感心だ. (出典:萱野、方言:沙流)
erayekotne
エライエコッネ 【e-ray-e-kot-ne】 どうせなら,どっちみち. テタ アナン(アン・アン) ヤッカ アエㇷ゚ カ イサㇺ.パイカㇻ パㇰノ ネユンポカ イキ・アン ワ シㇰヌ・アン ソモ キ ヤㇰネ コタン ア・アルㇱテッカ.エライエコッネ ネ クス シリペ・アン クス アㇷ゚カㇱ・アン クスネ=ここにいても食べ物もない.春までなんとかして生きていなければ村が消えてしまいそうだ.どうせなら食べ物を探しによその村へ歩いて来るよ. (出典:萱野、方言:沙流)
erayninne
エライニンネ 【e-ray-nin-ne】 煩わしい,手間がかかる,面倒をみる.▷エ=それ ライ=死ぬ ニン=筋 ネ=なる スイ ポンペ エ・ケサンパ ヤㇰネ ケライニンネ(ク・エライニンネ) ナ ネㇷ゚カ ソモ イェ ノ ソイネ=また子供がお前を追いかけたら,私が煩わしいので,何も言わずに外ヘ出ろ.ク・カㇻ アイネ タㇷ゚ シホン ク・モコレ ナ.イテキ ハウコㇿ ヤン.モㇱ ヤㇰ スイ ケライニンネ(ク・エライニンネ) ナ=どうにかこうにか今赤子を私は眠らせた.声を出さないでね.目を覚ましたらまた私は煩わしいので. (出典:萱野、方言:沙流)
ere
エレ 【e-re】 食べさせる. ヘマンタ タネ ウシㇰタ エㇰ ルウェ アン.ピㇼカ メノコ ネ ヘㇺキ イシネレㇷ゚ ソモ ネ ヤー.サッチポロ ヘネ エレ ワ インカㇻ=何者が今頃来たもんだ,おまけに美人すぎる,化け物ではないか.干した筋子でも食べさせてみろ.ホクレ ポンペ ネㇷ゚カ エレ イペルスイ ワ ネ ノイネ イタンキ ハイタハイタ コㇿ アン ナ=早く子供に何か食べさせろ,腹が空いているらしくお椀を取ろうと何回も手を出しているから. (出典:萱野、方言:沙流)
erekus
エレクㇱ 【e-rek-us】 スケトウダラ,タラ.▷エ=そこに レㇰ=ひげ ウㇱ=つける (出典:萱野、方言:沙流)
eren
エレン 【e-ren】 3人(とともに).▷エ=それ レン=3人 (出典:萱野、方言:沙流)
erepa
エレパ 【e-re-pa】 食べさせる〔複〕. ヘカッタㇻ イペハイタ ノイネ イキパ ナ シト ヘネ マ ワ エレ パ オラウン ルラ ワ エㇰ=子供たちが食べ足りないようだから餅でも焼いて食べさせてから送って行って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ererakonoypa pekor
エレラコノイパ ペコㇿ 【e-rera-ko-noypa pekor】 (老人が)ふらふら歩く〔比喩〕.▷エ=それで レラ=風 コ=に対して ノイパ=ねじる ペコㇿ=ようなものだ →風に揺れているようだ ピラトゥルン てったまフチ エㇰ ヒ ク・ヌカㇻ ヒケ エレラコノイパ ペコㇿ アㇷ゚カㇱ シリ アン ワ オンネエハンケ ヒ ソモ ネ ヤー シコㇿ カネ ク・ヤイヌ=平取のテッタマおばあさんが来た様子を見ると風に揺られるような歩き方をしていた,死ぬのが近いのではないかと私は思った.*死ぬ少し前に我が家へ来た時に,本当にそう思いながら見た. (出典:萱野、方言:沙流)
erikekatta
エリケカッタ 【e-rik-ekatta】 (さっと)上げる.▷エ=それで リㇰ=上 エカッタ=さっと〜する チクニ エリケカッタ ヒネ キㇰ クス イキ=薪をさっと上げて殴ろうとした. (出典:萱野、方言:沙流)
eriknanukar
エリㇰナヌカㇻ 【e-rik-na-nukar】 見上げる,ふりあおぐ.▷エ=それで リㇰナ=上 ヌカㇻ=見る ソンノ ウタㇻパ シノ ウタㇻパ ネ ㇷ゚ ネ クス ア・エリㇰナヌカㇻ カシウン パウェトッコㇿ ハウェ ポーヘネ コトㇺ シリ=本当の首領,まことの首領であるので,皆が見上げるその上へ雄弁なこと,なおさら似合うこと. (出典:萱野、方言:沙流)
eriknukar
エリㇰヌカㇻ 【e-rik-nukar】 素晴らしいと言って見上げる. (出典:萱野、方言:沙流)
eritnesukup
エリッネスクㇷ゚ 【e-rit-ne-sukup】 苦労して育つ.▷エ=それ リッ=筋 ネ=である スクㇷ゚=育つ (出典:萱野、方言:沙流)
erokroki
エロㇰロキ 【erokroki】 ヨタカ〔鳥〕:馬追い鳥ともいう.*ヨタカの体の白黒の横縞はアイヌの墓標に巻くウトキアッという紐に似ている.それで墓標に巻いた紐が朽ちて大地に落ち.それを見たオキクルミカムイがヨタカとして魂を与えたと言われる.夜,ヨタカに追われたらその素姓を暴くと追うのを止めると言う. (出典:萱野、方言:沙流)
eronne
エロンネ 【e-ror-ne】 上座の方.*私が生まれ育った二風谷神社の入り口の所から見て,東の方をエロンネ(東側)といい,国道の西の方をエウトゥンネあるいはウトゥㇽ(西側)と言った.しかし方角を示す言葉は家の中でも用いられるもので,囲炉裏よりも東の方をエロンネ,囲炉裏よりも入り口に近い西側をウトゥㇽあるいはエウトゥンネと言った.したがって大きい方角,東西南北の言い方には使えない.▷エ=それ ロㇿ=上座 ネ=である エロンネ シヌ ヤン=上座の方へ寄りなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
erum
エルㇺ 【erum】 ネズミ. エルㇺ ネㇷ゚カ タタ コㇿ コナハ(ク・オナハ) エネ ハワニ エルㇺカムイ ノ トノケヘ エルㇺ ノットゥタ アン ペ ネ ナ エチ・コヨンヌッパ ナ シコㇿ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=ネズミが何か物をかじったら私の父が言ったのは,ネズミの神の最も偉い神は襟裳の岬にいるものだ,お前をそこへ訴えるぞ,と言っていたのを聞いたものだ.*事実,襟裳岬へ行ってみると波の具合によってはたくさんのネズミが沖へ向かって走っているかのように見えるのには驚いた.アイヌは地形をよく見ているんだなあと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
erumkina
エルㇺキナ 【erum-kina】 オオバコ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
erumnottu
エルㇺノットゥ 【erum-nottu】 襟裳岬. エルㇺ ネㇷ゚カ タタ コㇿ コナハ(ク・オナハ) エネ ハワニ エルㇺカムイ ノ トノケヘ エルㇺノットゥ タ アン ペ ネ ナ エチ・コヨンヌッパ ナ シコㇿ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=ネズミが何か物をかじったら私の父が言ったのは,ネズミの神の最も偉い神は襟裳の岬にいるものだ,お前をそこへ訴えるぞ,と言っていたのを聞いたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
erumtampu
エルㇺタンプ 【erum-tampu】 いぼ. エルㇺタンプ アン コㇿ キナスッ カプフ ア・コシㇼシル ワ トイ トゥㇺ ア・オマレ コㇿ チ・ピル アーペコㇿ イランマカカ トゥサ ㇷ゚ ネ=いぼが出来たら蛇の皮をこすりつけ,その皮を土に埋めると拭き取ったようにきれいに治るものだ.*エルㇺタンプタンプ(子供の遊び唄).多少湿り気のある柔らかい土の上へ左手を置き,その上へ土をのせて右手で叩き,土を固めてからそっと手を抜く.そこに出来た小さい土室をエルㇺタンプと言う.この時土を叩きながら,「エルㇺタンプタンプ,エルㇺタンプタンプ」と口ずさむ. (出典:萱野、方言:沙流)
erupsi/erupsike
エルㇷ゚シ/エルㇷ゚シケ 【e-rupsi/e-rupsi(ke)】 後ろ側. チセ エルㇷ゚シケ=家の後ろの方.コタン エルㇷ゚シケ=村の後ろ側.ニㇱパアヌシ(ニㇱパ アン ウシ) アナㇰネ チセ コッチャ ワノ チセ エルㇷ゚シ パㇰノ イランマカカ ア・シッチャㇱヌレ ワ アン=物持ちの家というものは家の前から家の後ろまで丁寧に掃除されている. (出典:萱野、方言:沙流)
erusa
エルサ 【erusa】 貸す. タンペ エネルサ(エン・エルサ)=これ私に貸して.ネウン ア・イェ ヤッカ ア・エルサ イコㇿ ソモ イ・コホシピレ=いくら言っても私が貸した宝を戻さない.ニサッタ エチ・コホシピレ ナ イチェン ポンノ エネルサ(エン・エルサ)=明日あなたに返すので銭を少し私に貸してくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
esakanramkor
エサカンラㇺコㇿ 【e-sakan-ram-kor】 それによって気性が荒い,猛り狂う心を持つ. *それによってという意味は,かつて熊に襲われ大怪我をしたことがあるとか,何かの事故で九死に一生を得た記憶がとっさに蘇り,気が変になり猛り狂うことを言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
esaman
エサマン 【esaman】 カワウソ. (出典:萱野、方言:沙流)
esampesituri
エサンペシトゥリ 【e-sampe-situri】 (〜で)気持ちがすうっとする. イッカㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌ パ クニネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした.ア・ホニヒ アㇻカ コㇿ ソコニ ニテケヘ ア・ケッケ ワ ア・ポㇷ゚テ ペヘ ア・ク コㇿ ア・エサンペシトゥリ ㇷ゚ ネ=腹が痛い時にはニワトコの枝を折って煎じて飲むと,それによって気持ちがよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
esanniyo
エサンニヨ 【e-sanniyo】 (〜を)精算する,予定をたてる,(そうしようと)思う. ニサッタ カㇻパ(ク・アㇻパ) クニ ケサンニヨ(ク・エサンニヨ)=明日私は行こうと思う. (出典:萱野、方言:沙流)
esapse
エサㇷ゚セ 【esapse】 あざ笑う,あざける. (出典:萱野、方言:沙流)
esara
エサラ 【esara】 足りない.不足だ:食べ物が足りない時. イペエサラ=食べ物が足りない.ア・エサラ=あなたの分が足りない.ケサラ(ク・エサラ)=私の食べる分がない.エ・イタンキ オリヨ アイネ エ・エサラ=君は給仕をしてして,そして君の分がなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
esaracis
エサラチㇱ 【e-sara-cis】 (大声で)泣く. (出典:萱野、方言:沙流)
esarakamuynomi
エサラカムイノミ 【e-sara-kamuy-nomi】 (高い声で)祈る.▷エ=それ サラ=開ける カムイ=神 ノミ=祭る (出典:萱野、方言:沙流)
esarama
エサラマ 【e-sarama】 (〜に)任せる,委託する. タパン ハワㇱ アナㇰネ サウレ オルㇱペ ソモ ネ クス コタンコㇿクㇽ ア・エサラマ=この間題はやさしい話ではないので村おさに任せよう.アヌン コタン ワ エㇰ ウタㇻ エアㇻキンネ パウェトㇰ パテㇰ ウタペラリ.イタサイタㇰ アナㇰネ エチ・サラマ ナ=よその村から来られた方々,本当に雄弁ばかりが肩を接して来ている.答えることはお前に任すよ. (出典:萱野、方言:沙流)
esatcampene
エサッチャンペネ 【e-sat-sampe-ne】 気をもむ,気にくわない,気が滅入る.▷エ=それで サッ=乾く サンペ=心臓 ネ=なる →心臓が乾いたような気持ちになるほど気にしている ウネノ オカ ペコㇿ ネ ヒクス ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ピㇼカノ ク・ヌカㇻ アクス ウウェシンナイノ オカ ケサッチャンペネ(ク・エサッチャンペネ)=同じようなので持って来てよく見たら形が違うので私はちょっと気にくわないのだ.オンネ オルン エウンポーヘネ ウェン ケサッチャンペネ(ク・エサッチャンペネ)=年をとるほうヘかえって悪くなって気をもんでいる.クルッペ エトㇰタ ク・イチャ オケレ クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ ウクラン ワノ アㇷ゚ト ルイケサッチャンペネ(ク・エサッチャンペネ) アㇷ゚ アㇷ゚ト トゥイ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) コㇿ ク・ヤイェトコイキ=霜が来る前に穂ちぎりを終わらせようと思っていたのに昨夜から雨降りになって気が滅入っていたのだが,雨が晴れて私は喜んで畑へ行くしたくをした. (出典:萱野、方言:沙流)
esatciw
エサッチウ 【e-sat-ciw】 あたり散らす,やつあたりする. ネㇷ゚ ワ アン ペ エ・エサッチュー ワ ネ ヤ ウㇰペ エシリヤカカ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ネㇷ゚カ ソモ イェ ノ オパタプルㇽケ コㇿ チソイェカッタ ワ イサㇺ=何が気にさわったのか手に取った物を荒っぽく扱っていたのに何も言わずに,かなり怒った様子をしながらさっと外へ出て行ってしまって. (出典:萱野、方言:沙流)
esatkaosma
エサッカオㇱマ 【e-sat-ka-osma】 あっと思う.▷エ=それで サッ=乾く カ=上 オㇱマ=入る →考えが取られて頭の中が乾燥する チㇷ゚ アン クナㇰ ア・ラム ワ ペトッタ(ペッ オㇿ タ) ラナナクス(ラン・アン アクス) モㇺ ワ イサㇺ.ア・エサッカオㇱマ=舟があると思って川ヘ降りたが流れてしまってない.私はあっと思った. (出典:萱野、方言:沙流)
esatsatu
エサッサトゥ 【e-sat-satu】 軽蔑する. (出典:萱野、方言:沙流)
esautunnu
エサウトゥンヌ 【e-sa-utur-nu】 前歯の間が広い.*このような人は雄弁であると言われる.=パウェトㇰ プヤㇻ (出典:萱野、方言:沙流)
esaykar
エサイカㇻ 【e-say-kar】 取り囲む. (出典:萱野、方言:沙流)
ese
エセ 【e-se】 返事をする,答える,納得する,承知する. エ・ヌ ワ エ・アン ヤ.ネㇷ゚カ ク・イェ ヒ タ エセ アニー=聞いているかい.何か私が言った時には返事をしてね. (出典:萱野、方言:沙流)
eseese
エセエセ 【ese-ese】 息も絶え絶えに,苦しい息.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
esere
エセレ 【e-se-re】 答えさせる,返事をさせる. (出典:萱野、方言:沙流)
esermakkor
エセㇾマッコㇿ 【e-sermak-kor】 それを守護神とする.▷エ=それを セㇾマㇰ=魂,守護神 コㇿ=持つ (出典:萱野、方言:沙流)
esi
エシー 【esi】 しっしっ:犬や猫などを追い払う時に出す声.エイシーとも聞こえる. フナㇰ ワ エㇰ セタ サッテㇰ ワ オケレ ㇷ゚ エシー ネンカ アㇻパ=どこから来た犬,痩せこけて,しっしっ,どこかへ行け. (出典:萱野、方言:沙流)
esikari
エシカリ 【e-sikari】 わしづかみ(にする):手荒くつかみ取る,(さっと)取る. アウン ポンペ ウマイ ク・コレ クナㇰ ク・イェ アクス エシカリ ワ ホユプ ワ アㇻパ=隣の子供に菓子をやるよと言ったらわしづかみにして走って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
esikarun
エシカルン 【esikarun】 懐かしむ,思い出す,会いたくなる. エイタサ イウォㇿ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォㇿ ホタヌカㇻ クス エキㇺネ・アン キムンペ アピㇼ シッチニナニナ ア・エヤイコプンテㇰ=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場を見舞うために山へ行くと獲物の足跡があたり一面にこちゃこちゃとあって私は喜んだ.ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に,言うところの水にうるかした昆布と同じであったことを思い出す.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) シㇼチュㇰ コㇿ クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ モセ・アㇱ チセ オカーリ カキ チ・カㇻ ペ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=私が小さい時.秋になると母と一緒に茅を刈って家の周囲に雪囲いを作ったことを思い出す.ハイー ク・ミッポ ケシカルン(ク・エシカルン)=ああ,孫に会いたいなあ.ク・ミッポホ ウタㇻ エチ・エシカルン コㇿ カナクス(カン アクス) イラㇺノ エチ・エㇰ ポーヘネ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=孫たちよ,お前たちに会いたいなあと私は思っていたら一緒に来てくれてなおさら嬉しい. (出典:萱野、方言:沙流)
esikaske
エシカㇱケ 【e-sikaske】 否定する,しらをきる. (出典:萱野、方言:沙流)
esikipip
エシキピㇷ゚ 【e-sikipip】 (〜を)見ないふりをする. ネイタカ タンネㇷ゚ ウコヌプㇽ コㇿ アン ヒ ア・ヌカㇻ ヤッカ ア・エシキピㇷ゚ カシウン キナハㇺ ヘネ ア・アヌ コㇿ "エチ・コケウトゥㇺコㇿ ナ ネイタ パㇰノ エネプンキネ(エン・エプンキネ) アニー" セコㇿ ア・イェ コㇿ ア・アッカリ コㇿ ア・エマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ=どこかで蛇が交尾しているのを見たら,見ないふりをしながら,その上へ草の葉などで被いをしながら,「お前たちの味方をするので私を守ってね」と言いながら通り過ぎると,それによって運がよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
esikipipka
エシキピㇷ゚カ 【e-sikipipka】 目がうるさい. ア・コㇿ チャシ エウン イワカン(イワㇰ・アン) ヤㇰネ ア・サハ カ ア・ユピヒ カ オカ ア・エシキピㇷ゚カ.タヌクラン テタ レウシ・アン=私の城へ帰って行くと私の姉も兄もいてそれらの目がうるさい.今晩はここで泊まりましょう[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
esikirayne
エシキライネ 【esikirayne】 憐れむ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
esikopuntekyar
エシコプンテㇰヤㇻ 【e-si-kopuntek-yar】 喜んでもらう.▷エ=それ シ=自ら コプンテㇰ=ほめる ヤㇻ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
esiksamnere
エシㇰサㇺネレ 【e-sik-samne-re】 さげすみの目で見る. テエタ ワノ ネユンネユン パハウェヘ ア・ヌ ア カッケマッ シラムイサㇺテ ワ タント イヨロッ ワ アン.ア・エシㇰサㇺネレ ヒ カ エランペウテㇰ ノ=ずっと前からいろいろと噂のあった奥様が知らん顔をして今日は皆に混じっている,蔑みの目で見られているのも知らずに. (出典:萱野、方言:沙流)
esimosmare
エシモㇱマレ 【e-si-mosma-re】 代理で仕事をする.▷エ=それを シ=自ら モㇱマ=別に レ=させる タント チュワン オㇿ ワ ク・イサㇺ ナ エシモㇱマレ ワ エン・コレ アニ=今日は昼から私はいないので私の代わりに仕事をしてくださいね. (出典:萱野、方言:沙流)
esina
エシナ 【e-sina】 秘密にする,内緒にする,隠す.▷エ=それで シナ=縛る →縛っておいて誰にも聞かせない. ネア オルㇱペ ク・ヌ ア コㇿカ フチ エウン アナㇰ エシナ ワ アヌ=その話を私は聞いたけれどおばあさんには秘密にしておいた. (出典:萱野、方言:沙流)
esiniwka
エシニウカ 【esiniwka】 (〜に)飽きる. ヌカㇻ エシニューカ=見飽きる.イコㇿ カムイ シㇼ エシニューカ ワ ネ ノイネ ア・ホㇰイタㇰ キ アクス ネノネノ ニㇱパ イ・コエイヨㇰ=宝物の神がその士地に飽きたらしく私が買いたいと言ったら言う通り持ち主が売ってくれた.ネンカ アヌン ア・コㇿ イコㇿ ホㇰ ルスイ コㇿ シㇼ エシニューカ ワ ネ ナンコㇿ クス ア・エイヨㇰ ペ ネ シコㇿ オンネクㇽ ウタㇻ ハウェオカ ヒ ク・ヌ ㇷ゚ ネ=誰か他人が私が持っている宝物を買いたいという.このことは宝物がこの土地に飽きたからであろうから売るものだと,老人たちが言っていたのを聞いたことがある.*このことによってどのぐらいの民具が持ち去られたものか.この言葉だけは信じないことにしている. (出典:萱野、方言:沙流)
esinot
エシノッ 【e-sinot】 (〜を)持って遊ぶ,おもちゃにする. (出典:萱野、方言:沙流)
esinotpe
エシノッペ 【e-sinot-pe】 おもちゃ. (出典:萱野、方言:沙流)
esipopkep
エシポㇷ゚ケㇷ゚ 【e-si-popke-p】 武器:その人あるいは動物が持っている有力な手段.*マムシにとっては毒のある牙がエシポㇷ゚ケㇷ゚.ケトゥペ(針金虫)にとっては毒がエシポㇷ゚ケㇷ゚. (出典:萱野、方言:沙流)
esir
エシㇼ 【esir】 先程,さっき,少し前,今朝. エシㇼ パㇰノ トイ アンクラ オッタ(オㇿ タ) シノッ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ヒナクン アㇻパ ワ イサㇺ ルウェ アン=先程まで畑の畔に遊んでいたのにどこへ行っていないのだ.エ・サハ エシㇼ エㇰ ア コㇿカ ナニ ホシピ ア ワ=お前の姉が先程来たけれどすぐに戻ったよ.エシㇼ イユタㇷ゚ オㇿ ワ ピヤパ ピㇼケㇷ゚ ク・ヤンケ ワ セモッタ(セㇺ オㇿ タ) アン ナ チョンパ アニ パカリ ワ ウパㇰセㇾケ コㇿ ワ アㇻパ=朝,私がパッタリからヒエの精白を上げて入り口の所にあるので,升で量って半分持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
esir'etomtomo
エシㇼエトㇺトモ 【e-sir-e-tomtomo】 飾りつける.▷エ=それで シㇼ=あたり エ=それに トㇺトモ=〜を飾る ニサッタ イヨマンテ アン クス チセ オンナイ オキタルンペ アニ ア・エシㇼエトㇺトモ=明日熊送りがあるので家の中を大きな模様つきのござで私たちは飾りつけた. (出典:萱野、方言:沙流)
esirkik
エシㇼキㇰ 【e-sir-kik】 (手に持った物を大地へ)投げつける. プ オッタ(オㇿ タ) アン エルㇺ ア・キㇱマ ヒネ ミンタㇻ オルン ア・エシㇼキㇰ ワ ア・ライケ ア・エラムヘメスス=倉にいたネズミをつかまえて外庭で大地の上へ投げつけて殺し気分がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
esirkirap
エシㇼキラㇷ゚ 【e-sirkirap】 苦労する,(〜を)嘆き悲しむ. ア・ホクフ イク ルイ ペ ネ イヨㇱキ コㇿ オラーノ サカヨカㇻ エアㇻキンネ ア・エシㇼキラㇷ゚=私の夫は飲みすぎる人で酔うと文句を言うので本当に私は苦労する.ネㇷ゚ ワ アン ペ エシㇼキラㇷ゚ ワ ネ ルウェ ネ ヤ シㇰラㇷ゚ エㇺコ コオトゥッケ カネ オカ=どんなことを嘆き悲しんでいるのか,まつげの半分が埋まるほどにまぶたがはれている[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
esirkopaste
エシㇼコパㇱテ 【e-sir-ko-paste】 立てかける. (出典:萱野、方言:沙流)
esirkunneywa
エシㇼクンネイワ 【esir-kunneywa】 今朝. (出典:萱野、方言:沙流)
esiruine
エシルイネ 【e-siru-ine】 陰の方を見る,上半身だけを陰の方へ向ける. アサウタリ アカㇻワオカイペ アシカイアンヤッ イェパワオラーノ エシルイネ シキリパピトゥントゥンケパ=私の姉たちは,私の縫った物を上手だ上手だと言ってから,陰の方を向いて声を立てずにくすくすと笑っている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
esiruyne
エシルイネ 【esiruyne】 奥の方. オ.タアン ノタコㇷ゚ エシルイネ ウカオ ワ アヌ=はい.この刃物を奥の方にしまっておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
esirwano
エシㇼワノ 【esir-wano】 朝から. ホッノ イヨーハイ エシㇼ ワノ アン ルヤンペ レラ コタㇺケノ シㇼ スッスㇽケ カネ ア・シトマ ノ アン レラ=本当に大変だ.朝からの大雨,風も加わって暴風雨だ.恐ろしいような風だ. (出典:萱野、方言:沙流)
esiryakaka
エシㇼヤカカ 【e-sir-yakaka】 荒っぽいやり方をする. イヨーハイ シトマレ ネㇷ゚ ワ アン ペ ウウェサッチュー シリ ネヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) コㇿカ ウㇰペ エシㇼヤカカ=本当に恐ろしい.何を理由にお互いにあたり散らす様子なのか知らないけれど,取る物をも荒っぽいやり方をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
esisi
エシシ 【esisi】 (〜を)避ける,よける,(身を)遠ざける. パナウンクㇽ エウン ポオン イチェン ネ コㇿカ ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) アㇷ゚ ソモ エン・コホシピレ カシウン イイェシシ(イ・エシシ) ㇷ゚ ネ クス ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=川下の人へ少しの銭であったが貸したものだが私に返済しない.その挙げ句私を避けるものだから私はあの人を見たこともない. (出典:萱野、方言:沙流)
esisoun
エシソウン 【e-siso-un】 右座の方.▷エ=それ シソ=本当の座 ウン=の方 エシソウン アㇻパ=右隣りの家へ行け.*家の中の横座に座って入口の方を見て右側がシソ (出典:萱野、方言:沙流)
esisuye
エシスイェ 【e-si-suye】 (えいっと)投げる,振る:腕全体を前後に動かして手に持った物を振り回す. (出典:萱野、方言:沙流)
esitapkaani
エシタㇷ゚カアニ 【e-si-tap-ka-ani】 (肩で)担ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
esitapkaanitek
エシタㇷ゚カアニテㇰ 【e-si-tap-ka-ani-tek】 引っ担ぐ. イネアㇷ゚クス オキラㇱヌ シリ イヨㇱキ ワ モコㇿ ワ アン アチャハ エシタㇷ゚カアニテㇰ ワ ルラ ワ アㇻパ=なんともまあ力のあること,酔っ払って寝ていた伯父を引っ担いで送って行った.ア・エカシヒ イヨㇱキ ワ アㇷ゚カㇱ カ ニューケㇱ ヒクス ア・エシタㇷ゚カアニテㇰ ア・コㇿ チセ タ エカン(エㇰ・アン) ルウェ ネ=おじいさんが酔っ払って歩くこともできないので,私は肩に担いで家へ来たのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
esitayki
エシタイキ 【e-sitayki】 投げつける,叩きつける,殴りつける. ソナピ アㇻケ ア・イ・コルッルトゥ クス アパサムㇱペ ア・エシタイキ=(いやな男が)山盛飯の半分を私の方へ押し寄こしたので入口の柱に投げつけた.ポロ カムイ ピューキ ワ エㇰ クス カンニ アニ ア・エシタイキ=大きな熊が襲って来たので棒で殴りつけた. (出典:萱野、方言:沙流)
esitcari
エシッチャリ 【e-sir-cari】 散らかす. ポン ヘカチ イミコパン クス ミピヒ エシッチャリ=子供が物を着るのがいやで着物を散らかした. (出典:萱野、方言:沙流)
esitcatcari
エシッチャッチャリ 【e-sir-car-cari】 散らかす. ク・ミッポ ウタㇻ アエシノッペ エシッチャッチャリ=私の孫たちがおもちゃを散らかした. (出典:萱野、方言:沙流)
esitciw
エシッチウ 【e-sir-ciw】 つんのめる.倒れる.▷エ=それで シㇼ=大地 チュー=刺す →自分の体で大地を刺す ハイー クンネイワ ソモ ク・イペ ノ ケㇰ(ク・エㇰ) アクス タネ ケシッチュー(ク・エシッチュー) パㇰノ ク・イペルスイ ネㇷ゚カ アエㇷ゚ イサㇺ ルウェー=あーあ,朝,何も食べずに来て,今にもぶっ倒れるぐらい腹ぺこだ.何か食べ物ないのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
esitciw'anki
エシッチウアンキ 【e-sirciw-anki】 前のめりになる.▷エ=それ(体)で シㇼ=大地 チュー=刺す アンキ=あやうく →体で大地を刺しそうになる (出典:萱野、方言:沙流)
esittawki
エシッタウキ 【e-sir-tawki】 (えいっと)切る,叩き切る.▷エ=それ シㇼ=大地 タウキ=切る (出典:萱野、方言:沙流)
esittek
エシッテㇰ 【esir-tek】 さっき,先程. (出典:萱野、方言:沙流)
esitturaynu
エシットゥライヌ 【e-sir-turaynu】 (〜で)道に迷う. イット エキㇺネアナㇷ゚(エキㇺネ・アン アㇷ゚) ウパㇱ ユㇷ゚ケ ウパㇱ エシットゥライヌ・アン ヤアニ ヤアニ ルプㇱ・アン イキヤナイネ イワカン(イワㇰ・アン) ア・オナハ イ・ケウェホㇺス ルウェ ネ=日帰りと思って山へ行ったのに大雪降りになって雪によって方角を見失い危なく危なく凍死しそうになり,どうにかこうにかして帰って来たら父は私をねぎらってくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
esiyuk
エシユㇰ 【e-siyuk】 (〜で)装う.▷エ=それで シユㇰ=装う トアンタ アン アミㇷ゚ アナㇰネ ケシユㇰペ(ク・エシユㇰ・ペ) ネ クス ルトゥ ワ アヌ=あそこにある着物は私が装う物だからよけておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
eskerimrim
エㇱケリㇺリㇺ 【eskerimrim】 カタクリ. (出典:萱野、方言:沙流)
esna
エㇱナ 【esna】 くしゃみ(をする). ソンノ ポンペ アㇻスイ ネ エㇱナ コㇿ "チェシコタチ" セコㇿ ア・イェ トゥスイ ネ コㇿ "チェシオㇿポイェ" セコㇿ ア・イェ レスイ ネ コㇿ "チェシオㇿポイェポイェ" セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ ワ=生まれて間もない赤ちゃんが1回くしゃみをすると「糞を塗りつけろ」と言い,2回すると「糞にねじり込め]と言い,3回すると「糞にねじり込めねじり込め」と言う.*くしゃみは風邪の前兆なので,このようにまじない言葉を言うと風邪の神が汚ながって赤ちゃんに取り憑くのをやめるだろうというわけである. (出典:萱野、方言:沙流)
esnaetor
エㇱナエトㇿ 【esna-etor】 くしゃみの鼻汁. (出典:萱野、方言:沙流)
esnaetor'omkeetoryaykotaci
エㇱナエトㇿオㇺケエトㇿヤイコタチ 【esna-etor-omke-etor-yay-kotaci】 くしゃみの鼻汁や咳の鼻汁を自分の体にくっつけている老人. ア・シトマ ノ アン オンネ フチ エㇱナ エトㇿ オㇺケ エトㇿ ヤイコタチ ㇷ゚ エㇰ ペ ネ クス ネノ オカイ ペ ア・シトマㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ネ ワ アン フチ トゥサ チョㇿポㇰ ア・クㇱ ワ キラ・アン=恐ろしいようなばあさん,くしゃみの鼻汁や咳の鼻汁をこびりつけた者が来たので,そのような者は恐ろしいと聞いていたので,そのばあさんの袖の下をさっと通って逃げた(『ひとつぶのサッチポロ』パㇻコアッ シㇼマオッテより). (出典:萱野、方言:沙流)
esocupu
エソチュプ 【e-so-cupu】 (ござを)巻き上げる:酒盛りが終わり,掃除のためにござを巻き上げる.▷エ=それ ソ=座 チュプ=はぐる (出典:萱野、方言:沙流)
esokka
エソッカ 【esokka】 カジカ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
esoksoki
エソㇰソキ 【esoksoki】 鴫(シギ).(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
esopki
エソㇷ゚キ 【e-sopki】 着座させる. アㇻ コタン ワ エㇰ クㇽ ウタㇻ ア・エソㇷ゚キ=別の村から来た人たちを(私たちは)着座させた.ア・エソㇷ゚キ アイヌ=丁寧に座を示される人,大切にされる人. (出典:萱野、方言:沙流)
esorkanni
エソㇿカンニ 【esor-kar-ni】 ハナヒデ(ミツバウツギ):枝を折るとこの木ほどいやなにおいの木はないと思うほどにおいがある,アイヌはこの木で火箸を作った. アイヌ イタㇰ アニ チクニレ レホㇰ アッカリ ケラマン(ク・エラマン) ワ カン(ク・アン) コㇿカ エソㇿカンニ パㇰノ フラハ ウェン チクニ イサㇺ ペ ネ=アイヌ語で木の名前を60以上知っているけれどもハナヒデくらいにおいの悪い木はないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
esosipi
エソシピ 【e-so-sipi】 再婚する.▷エ=それで ソ=座 シピ=生き返る ナー ペウレクㇽ チセサㇰ ヤㇰ ア・イェ ク・イケㇺヌ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エソシピ ヤㇰ ア・イェ ク・コトゥヤシ=まだ若い人が妻を亡くしたと言って哀れに思っていたが,再婚したということでよかったなあと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
esouk
エソウㇰ 【esouk】 借りる. エシソウン エカシ エウン イチェン ア・エソウㇰ クス アㇻパアナ(アㇻパ・アン ア) コㇿカ ア・エラㇺヌクリ クス ネㇷ゚カ ソモ ア・イェ ノ エカン(エㇰ・アン)=私は右隣のおじいさんの所へお金を借りに行ったけれども,言い出しづらくて何も言わずに来た.ネア アチャポ オㇿワ ケソウㇰ(ク・エソウㇰ) ルスイ ペ アン コㇿカ ク・コラㇺヌクリ ワ ナ ソモ ク・イェ ノ カン(ク・アン) ヒ ウン=あのおじさんから借りたい物があるけれども,近づきにくいので私はまだ何も言っていないのだよ, (出典:萱野、方言:沙流)
esoukte
エソウㇰテ 【esouk-te】 貸す. テエタ ネア クㇽ イチェン ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) ア コㇿカ ソモ エン・コホシピレ タネ ケラㇺキッカㇻ(ク・エラㇺキッカㇻ)=ずうっと前にあの人に金を貸したが私に戻してくれないのでもう諦めた.パナウンクㇽ エウン ポオン イチェン ネ コㇿカ ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) アㇷ゚ ソモ エン・コホシピレ.カシウン イイェシシ(イ・エシシ) ㇷ゚ ネ クス ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=川下の人へ少しの銭であったが貸したものだが私に返済しない.その挙げ句私を避けるものだから私はあの人を見たこともない.テエタ エチ・エソウㇰテ イチェン タント エチ・エソウㇰテ ㇷ゚ ウコタㇺケ 1万円 ネ ナー=以前あなたに貸した金,今日貸したものとあわせて1万円だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
esoye
エソイェ 【e-soye】 選り分ける:箕を揺すって精白と籾を選り分ける. テエータ ナー ひえとおし カ イサㇺ ヒ タ アナㇰネ ピヤパ ネ ヤッカ ムイ アニ ア・エソイェ ワ エアシㇼ ピㇼケㇷ゚ ア・カㇻ ペ ネ=ずっと昔,まだヒエとおしもなかった時代にはヒエも箕でより分け,それで初めて精白を作っていたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
esoyne
エソイネ 【esoyne】 外へ. マキㇷ゚ エソイネ ヘカチ アㇺカㇺコモㇺセ ハウ アㇱ ナ.ホクレ アㇻパ ワ ヌカㇻ ワ エㇰ=どうしたのか外で子供が泣きわめく声が聞こえる.行って見て来い. (出典:萱野、方言:沙流)
esoyneninpaninpa
エソイネニンパニンパ 【esoyne-ninpa-ninpa】 外へ引きずり出す. (出典:萱野、方言:沙流)
esoynewano
エソイネワノ 【esoyne wano】 外から. ニㇱパ アヌシ(アン ウシ) アナㇰネ エソイネ ワノ ア・エラマン=物持ちの家は外から見てもわかる. (出典:萱野、方言:沙流)
esoyta
エソイタ 【esoyta】 屋外. (出典:萱野、方言:沙流)
etakasure
エタカスレ 【etakasure】 特別の(に),最も. エタカスレ パウェトッコㇿ(パウェトㇰ コㇿ)=特別雄弁な人. (出典:萱野、方言:沙流)
etara
エタラ 【etara】 刺さる. (出典:萱野、方言:沙流)
etarare
エタラレ 【etara-re】 (物の中や隙間に)差し込む,(〜に)通す. エモ チ ヤー.パスイ エタラレ ワ インカㇻ チ ノイネ ネ ヤクン エチキキ ワ ス リコライェ ワ ヤンケ=ジャガイモが煮えたかい.著を刺してみて煮えたようであれば煮汁を流して鍋を高くしてから上げろ.サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ ハップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し,沢の中を流すとたくさん運べるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
etarka
エタㇻカ 【etarka】 めちゃくちゃ(だ),でたらめ(だ). ソンノ イヨㇱキ パ コㇿ オラーノ ネㇷ゚ イェ ハウェ ネ ヤ ウコポロッケ エタㇻカ イタㇰ パ ク・ヌー カ エトランネ=全く酔っ払ってしまうとそれからは何を言っているのかこちゃこちゃめちゃくちゃにしゃべって,私は聞くのもいやになってしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
etarkakotaci
エタㇻカコタチ 【etarka-kotaci】 塗りたくる.▷エタㇻカ=でたらめだ コタチ=ごてごてと塗る (出典:萱野、方言:沙流)
etaspe
エタㇱペ 【etaspe】 トド〔海獣〕. (出典:萱野、方言:沙流)
etaye
エタイェ 【etaye】 抜く,引っぱる. エント ア・エトイタ コㇿ クスイェㇷ゚ ソモ エタイェ クニネ エチャクラㇱ シンケㇷ゚ カシ ウン ア・ピラサ ピㇼカノ ケニトゥㇰ コㇿ エント ニテㇰ ネ ア・アシ=青エンドウ豆を蒔いた時に山バトが抜かないように枝のままのハギを上へ並べ,よく芽が出そろったら青エンドウ豆の手柴として立てる. (出典:萱野、方言:沙流)
etayekane
エタイェカーネ 【etaye-kane】 何回も何回も. エネ エネ シンリッ ア・コㇿ ヒ エタイェカーネ イ・ヌレ ルウェ ネ=私の先祖の経歴がどのようなものかを何回も何回も私に聞かせてくれたのだ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
etentenkei
エテンテンケイ 【e-tentenke-i】 ひよめき:乳児の頭の前頂部で脈を打つたびにひくひく動く部分. (出典:萱野、方言:沙流)
eteskar
エテㇱカㇻ 【e-teskar】 ことづける,伝言(する). カキヒ(ク・アキヒ) ケシカルン(ク・エシカルン) ペ ネ クス アイヌ アㇻパ ヒ タ ケテㇱカㇻ(ク・エテㇱカㇻ) アクス ヌ ワ ネ ノイネ エㇰ カネイキ エアㇻキンネ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=弟に会いたくなったので人が行った時にことづけをしたら聞いたらしく,ひょっこりと来た.本当に私は嬉しかった. (出典:萱野、方言:沙流)
etete
エテテ 【etete】 杖にする. フㇱコ トゥシㇼ トゥㇺ ア・クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤ ア・エテテ ワ ホック カネ アナン(アン・アン) ワ ア・クㇱ ペ ネ ウェンカムイ カ オンネㇷ゚ ネ クナㇰ ラム パ ワ エチャッケ ソモ ソイェネ ㇷ゚ ネ シコㇿ=古い墓地の中を通る場合はヨモギを杖にして腰を曲げて通るものだ.悪い化け物も年寄りだと思って汚ながって出て来ないものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
etetere
エテテレ 【etete-re】 持たせる:杖あるいは利息を持たせる. ネアクㇽ イチェン ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) アクス ポーロ クワ エテテレ ワ エン・コホシピレ=あの人に金を貸したら大きく利息を持たせて返してくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
eteun
エテウン 【e-te-un】 ここヘ. オッコー エテウン エㇰ シネン ク・ネ ワ ク・ミㇱム ナー=姉よ,ここへ来てよ,私ひとりで寂しいから. (出典:萱野、方言:沙流)
etoho
エトホ 【e-toho】 (〜の)日. ポㇷ゚ケノ ア・イミレ クスケライポ トゥナㇱノ ウクシㇱ.マラㇷ゚ト アン エトホ パㇰノ サケ ピㇼカ ナンコㇿ=暖かく着せたお陰で早く発酵した.宴の日までにいい酒になるであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
etok
エトㇰ 【etok】 前,先. (出典:萱野、方言:沙流)
etoko oyki
エトコ オイキ 【etoko oyki】 用意する. (出典:萱野、方言:沙流)
etoko tuye
エトコ トゥイェ 【etoko tuye】 先回りする. (出典:萱野、方言:沙流)
etoko(ho) 1
エトコ(ホ) 【etoko(ho)】 ①先に,前に. (出典:萱野、方言:沙流)
etoko(ho) 2
エトコ(ホ) 【etoko(ho)】 ②源,上流. イㇱカㇻ エトコホ ソウンペッ アナㇰネ イタㇰ コラチ ウェンクッオンネ アイヌ カ アㇷ゚カㇱ エアイカㇷ゚=石狩川の源,滝のある川(層雲峡)は言葉通り絶壁なので人間も歩くことができない.オサッ ア・トゥラシ ワ オサッ エトコ タ アㇻパ・アン シモンサムン(シモンサㇺ ウン) ラナン(ラン・アン) コㇿ アペッ ネ ハㇻキサムン(ハㇻキサㇺ ウン) ラナン(ラン・アン) コㇿ マカウシ エトコホ ネ=オサツ沢をたどりオサツ沢の源へ行き右へ下りるとアペツ沢,左へ下りるとマカウシ沢の源だよ.シシㇼムカ エトコホ ウェンサㇻ シコㇿ ア・イェ ウㇱケ タ テエータ ワノ アッニ アッ ペ ネ ワ コルウヌ(ク・オルウヌ)=沙流川の上流の悪い沙流川という場所に昔からオヒョウの木がたくさんあって私は知っている. (出典:萱野、方言:沙流)
etokoho
エトコホ 【etokoho】 源流,源. シシㇼムカ エトコホ=沙流川の源流.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
etokohokar
エトコホカㇻ 【etokoho-kar】 用意をする. ネンカ カㇻパ(ク・アㇻパ) クナㇰ ク・ラム ワ ク・ヤイェトコイキ コㇿ スイ イラㇺコイキ エトコホカㇻ=どこかへ出かけようと思って自分で自分の準備を始めると,またいやがらせをする用意をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
etokokar
エトコカㇻ 【etoko-kar】 用意する. オヤウクラン ヤントコㇿ・アン オアシ ナ エトコカㇻ ワ アヌ=明日の夜,客が泊まることになった,用意しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
etokosonkokuste
エトコソンコクㇱテ 【etoko-sonko-kuste】 予定を伝える:前もって伝言に行かせる. ヘマンタ エㇰ クス オトゥ イキンネ オレ イキンネ シエトコホ ソンコクㇱテ ハウェアン ケヌコㇱネ(ク・エヌコㇱネ)=何者が来るとて2回も3回も自分が来ることの予定を伝えるのか,私はしゃくにさわる. (出典:萱野、方言:沙流)
etokous
エトコウㇱ 【etoko-us】 待ち伏せる. キムンカムイ アナㇰネ ア・シトマ ㇷ゚ ネ.ア・クイラ ヒ パㇱテ コㇿ ヤイルカ エホシピ ニ セㇺピㇼ タ イェトコウㇱ(イ・エトコウㇱ) ペ ネ=熊は恐ろしいものだ.後をつけられたことに気づくと自分の足跡を迂回して木の陰で待ち伏せをするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
etokoyki
エトコイキ 【etok oyki】 用意する,準備する,したくする. イワㇰ・アン ナ ホクレ シケカㇻ コㇱネ ヒケ セ ワ トゥナㇱノ イワㇰ ワ スケ エトコイキ コㇿ アン=帰るので急いで荷物を作り軽いほうを背負って早く帰って煮物の用意をしていてくれ.イペエトコイキ=食べる準備をする.エキㇺネエトコイキ=山へ行くしたくをする. (出典:萱野、方言:沙流)
etokta
エトㇰタ 【etok ta】 前に. アㇷ゚ト アㇱ ノイネ シㇼキ ナ アㇷ゚ト エトㇰ タ イワカン(イワㇰ・アン) ロー=雨が降って来そうなので,雨の(降る)前に帰りましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
etokun
エトクン 【etok-un】 先ヘ. (出典:萱野、方言:沙流)
etokus
エトクㇱ 【etokus】 (〜する)ことになる,(〜し)そうだ,(〜する)ようだ. エㇰ エトクㇱ=来ることになった(来そうだ).アㇻパ エトクㇱ=行くことになった(行きそうだ).ライ エトクㇱ ノイネ=死にそうな様子だ. (出典:萱野、方言:沙流)
etomocinne
エトモチンネ 【etomocinne】 でたらめ,めちゃくちゃ. (出典:萱野、方言:沙流)
etonracici
エトンラチチ 【etor-racici】 鼻たらし. (出典:萱野、方言:沙流)
etonruyka
エトンルイカ 【etor-ruyka】 鼻の橋:鼻が上唇から下唇へ渡ること. エトンルイカ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ エトゥ オㇿ ワ オヘッケ エトㇿ パロホ イカ ワ ルイカ ネ アン ペ ア・イェ ㇷ゚ ネ=鼻の橋というものは鼻から出た鼻汁が口を越えて橋になったものをいうものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
etonto
エトント 【etonto】 はげ頭. (出典:萱野、方言:沙流)
etontone
エトントネ 【etonto-ne】 はげている. (出典:萱野、方言:沙流)
etopar
エトパㇻ 【etopar】 置き去りにする,追放する. テエータ にけ シコㇿ ア・イェ チャペ アン ペ ネ ヒネ オンネ アクス オヤコヤㇰ タ オクイマ オソマ ア・コイパㇰ ヒネ ネユン ア・エトパㇻ ヤッカ ホシピ ランケ イヨッタ イヨㇱノ レクチヒ イチェン ア・コテ プマハ ネ ヤㇰ ア・イェ アクス クスケライ ホシピ イサㇺ ペ ネ=ずっと昔ニケという猫がいて,年寄りになったらあちこちで小便や糞をたれ,それが悪いとて何回追放しても戻って来た.一番おしまいに首へ銭をつけて給料だよと言ったらそのお陰で戻って来なかったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
etopse
エトㇷ゚セ 【etopse】 (舌を使ってぺっと)吐き出す. (出典:萱野、方言:沙流)
etor
エトㇿ 【etor】 鼻汁. エトㇿ ヘネ チマ ヘネ ラッ ヘネ エ ワ ヤイコトゥヤシ ワ アン ウェンペ=鼻汁でもかさぶたでもたんでも食らって満足していやがれ,悪い奴〔悪口〕.*昭和10年頃まで聞いたが,その後は聞いたことがない. (出典:萱野、方言:沙流)
etoranne
エトランネ 【e-toranne】 いやだ,(〜するのが)めんどうだ,からっぽやみ. エアㇻキンネ ケトランネ(ク・エトランネ) クス タネ ク・イワㇰ ルスイ=その仕事をするのは私はとてもいやなのでもう帰りたい.ソンノ イヨㇱキ パ コㇿ オラーノ ネㇷ゚ イェ ハウェ ネ ヤ ウコポロッケ エタㇻカ イタㇰパ ク・ヌー カ エトランネ=まったく酔っ払ってしまうとそれからは何を言っているのかこちゃこちゃめちゃくちゃにしゃべって,私は聞くのもいやになってしまう.ウクラン チェㇷ゚ルㇽ ネ ヤ アシㇼ シプㇱケㇷ゚メシ ネ ヤ ライ ク・キロンヌ パㇰノ ケ(ク・エ) クンネイワ イペ ケ(ク・エ) カ エトランネ=昨夜,魚汁とか新しいイナキビご飯とか,それはそれは腹いっぱい食べたので朝食は食べるのもいやだ. (出典:萱野、方言:沙流)
etorannekor
エトランネコㇿ 【etoranne-kor】 いやいやながら. (出典:萱野、方言:沙流)
etoro
エトロ 【etoro】 いびきをかく. ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ サㇰソモアイェㇷ゚ ニ カ タ アン ワ エトロ コㇿ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=昔話の中では大蛇が木の上にいて大いびきをかいているということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
etoro
エトロ 【etoro】 房[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
etotcima
エトッチマ 【etor-cima】 鼻糞. (出典:萱野、方言:沙流)
etoy
エトイ 【etoy】 はげ(になる). アペウナ・アン ヒ タ アナㇰネ シネンネ ア・ウナ ㇷ゚ ネ.トゥン ア・ネ ワ アペウナ・アン コㇿ シネン エトイ シネン ヤイカオクイマ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン=火を埋める時にはひとりで埋めるものだ.ふたりで火を埋めるとひとりははげ頭になりひとりは寝小便たれになるものなので聞いておきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
etoy'opospa
エトイオポㇱパ 【e-toy-opospa】 萌え出る:豆の種が土を割って芽を出す.▷エ=それ トイ=土 オポㇱパ(オポソの複数)=くぐり抜ける (出典:萱野、方言:沙流)
etoysapa
エトイサパ 【etoy-sapa】 はげ頭. (出典:萱野、方言:沙流)
etoysapamuye
エトイサパムイェ 【etoy-sapa-muye】 はげ頭の鉢巻.前から後ろへ手拭を広げるようにして巻く. エトイクㇽ アナㇰネ エトイサパムイェ シコㇿ ア・イェ サパムイェ キ パ ㇷ゚ ネ ワ=はげた人ははげ頭の鉢巻という鉢巻のしかたをするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
etoyta
エトイタ 【e-toyta】 蒔く:豆,カボチャ,ジャガイモなど大きな種(いも)を蒔く時,ガマ草の種は特別な用例.▷エ=それ トイ=畑 タ=耕す エント ア・エトイタ コㇿ クスイェㇷ゚ ソモ エタイェ クニネ エチャクラㇱ シンケㇷ゚ カシ ウン ア・ピラサ ピㇼカ ノ ケニトゥㇰ コㇿ エント ニテㇰ ネ ア・アシ=青エンドウ豆を蒔いた時に山バトが抜かないように枝のままのハギを上へ並べよく芽が出そろったら青エンドウ豆の手柴として立てる.エモ ア・エトイタ ヒ タ エイタサ オタ ア・カムレ コㇿ ケニトゥㇰ モイレ ㇷ゚ ネ ナ=ジャガイモを蒔く時にあんまり土を被せすぎると芽が出るのが遅いものだ.カニ アナㇰネ オルケㇱサㇰペ ク・ネ クス シキナ ピイェヘ ケトイタ(ク・エトイタ) シリ ネ ナ シコㇿ ハワナン(ハワン・アン) コㇿ タㇷ゚ストゥ オイカ ア・チャㇻパ ㇷ゚ ネ=私は子孫の絶えた者なのでガマ草の種を蒔くのだよ,と言いながら肩越しに後ろへ種を蒔き散らすものだ.参考:ユㇷ゚キㇼ=ヒエやアワの種蒔きの場合 (出典:萱野、方言:沙流)
etseetse
エッセエッセ 【etse-etse】 ふっふっふっと息が詰まりそう,川の深い所へ落ちてあっぷあっぷすること. *昭和10年前後,股の割れたメリヤスのズボン下に綿入りの着物でそりに乗り急な坂を滑り下りると,股の所からちいさなちんちんに雪が掛かり,エッセエッセになったものであった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
etu/etu(hu)
エトゥ/エトゥ(フ) 【etu/etu(hu)】 棒や針の先,鼻,くちばし. (出典:萱野、方言:沙流)
etuci=kere
エトゥチケレ 【etu-ci=kere】 怒りっぽい者:少しのことにもぷんとしている者,少しのことに腹を立てる.▷エトゥ=鼻 チ=それ ケレ=触れる (出典:萱野、方言:沙流)
etuhukar
エトゥフカㇻ 【etuhu-kar】 女の礼拝. メノコ アナㇰネ オッカヨ ネノ テクイェヌンパ ㇷ゚ ソモ ネ.シモン テケヘ イタンキケㇺアㇱケペッ ハㇻキ テケヘ イタンキケㇺアㇱケペッ トゥラシレ エトゥフカㇻ ペ ネ=女は男のように指先をすり合わせるものではない.右手の人差し指を左手の人差し指にそっとこすりながら(鼻の下,上唇にそっと当て)女の礼拝をするものだ.*女性が上品に挨拶するにはこのやり方が一番である.図[エトゥフカㇻ] (出典:萱野、方言:沙流)
etuk
エトゥㇰ 【etuk】 出る:突き出る, (出典:萱野、方言:沙流)
etuk'etuk
エトゥㇰエトゥㇰ 【etuk-etuk】 ちらちらっと顔を出す. ポンノ ハイタ ㇷ゚ ネ クス ソモ ヤイカタヌノ アヌンチセ オルン カ ヘヨキサㇰノ エトゥㇰエトゥㇰ シリ ケヤイシトマ(ク・エヤイシトマ)=少し頭が足りないものだから,遠慮もせずに他人の家へも挨拶なしでちらちらっと顔を出す様子,私は恥ずかしい. (出典:萱野、方言:沙流)
etukemnu
エトゥケㇺヌ 【etu-kemnu】 鼻血が出る. (出典:萱野、方言:沙流)
etukepuspe
エトゥケプㇱペ 【etu-kepuspe】 くちばし. (出典:萱野、方言:沙流)
etukka
エトゥッカ 【etuk-ka】 出す. プヤㇻ オㇿワ ナヌフ エトゥッカ=窓から顔を出す. (出典:萱野、方言:沙流)
etumasmasa
エトゥマㇱマサ 【etu-masmasa】 鼻をひくひくさせてにおいをかぐ.*何か気になるにおいがすると,犬や熊などが首を上げ鼻口をひくひくさせてにおいをかいでいる様子.人間でも「臭い臭い」と言いながら鼻を動かす様子.▷エトゥ=鼻 マㇱマサ=開く,ひくひく (出典:萱野、方言:沙流)
etumasnu
エトゥマㇱヌ 【e-tum-asnu】 (〜で)力が増す. ピイェユㇰ アナㇰネ ポネルㇽ ポーヘネ ケラアン.キリヒ ア・ソイパ ワ ア・ヌンヌン コㇿ ア・エ コㇿ ア・エトゥマㇱヌ ㇷ゚ ネ ナ=脂のある鹿は骨汁がなおさら味がある.骨髄をほじくって吸いながら食べると力が増すものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
etumekka
エトゥメッカ 【etu-mekka】 鼻筋,鼻梁. (出典:萱野、方言:沙流)
etumesu
エトゥメス 【etu-mesu】 鼻削り(する):主として姦通罪などに対する罰として鼻を削り取られた.▷エトゥ=鼻 メス=削り取る ク・コㇿ フチ レヘ てかって ネ.てかって サハ レコㇿ カトゥ ぽしうし ネ ぽしうし シサㇺ トゥラノ アン ワ エトゥフ ア・メス ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=私の祖母の名はテカッテという.テカッテの姉の名をポシウシというがポシウシは和人と結婚して鼻を削られたという話だ.*私の祖母の姉ポシウシという人は鼻を削がれていたというが私は見たことはない.他の種族と同棲することがアイヌ社会で禁じられていた時代のこと.昭和10年代になると多くのアイヌ女性が和人と結婚した.それを見聞きした祖母は,昔であればアイヌの女性たちは皆鼻なしになるところだと述懐していたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
etun 1
エトゥン 【etun】 ①借りる,拝借する. ウクラン エアウネ カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ トンカ ケトゥン(ク・エトゥン) ヒ ク・イェ アクス ウナㇻペ アン ノイネ ハウェアン ナ.アㇻパ ワ エトゥン ワ エㇰ=昨夜,私は隣へ行って鍬を借りたいと言ったらおばさんはあるようだと言っていた.行って借りて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
etun 2
エトゥン 【etun】 ②嫁に貰う.*アイヌ社会では嫁を貰うと言うのではなくマッエトゥン(妻を借りる)と言うものである. イサネヒケ ポンノ イポカㇱ コㇿカ エアㇻキンネ ケウトゥㇺ ピㇼカ ナ イサネヒケ エトゥン クナㇰ ラム アニー=姉のほうは少し器量がよくないが,とっても精神がいいから姉のほうを嫁に貰おうと思いなさいね.シネアンタ イワン チョクㇱアミㇷ゚ ミ クㇽ エㇰ ヒネ イイェトゥン(イ・エトゥン) ルスイ アクス ア・ユピヒ エエセ ルウェ ネ=ある日のこと,6枚の裏返しの着物を着た男が来て私を嫁に欲しいと言った.私の兄はそれを承諾した[ウ](裏返しにした6枚の着物を着ているというのは,1年に6人の妻が死んだというのではなく,今までに6人ということであろう). (出典:萱野、方言:沙流)
etunankar
エトゥナンカㇻ 【etunankar】 行き合う,出会う. (出典:萱野、方言:沙流)
etunne
エトゥンネ 【etunne】 (〜に)気が進まない,(〜が)億劫だ. イペエトゥンネ=食べたがらない.アㇻパエトゥンネ=行きたがらない.ホッケエトゥンネ=寝たがらない. (出典:萱野、方言:沙流)
etunun
エトゥヌン 【etu-nun】 鼻をかむ.▷エトゥ=鼻 ヌン=吸う イチャッケレ ナ エ・エトゥフ ヌン=汚ないからお前の鼻をかめ(吸え).*エ・エトゥフ ピㇼパ(お前の鼻を拭け)とは言わずにヌン(吸う)という言い方の裏には赤ちゃんの鼻汁は拭くものではなく親か祖母かが吸い取るものという考えがあり,それが言葉として残ったもの. (出典:萱野、方言:沙流)
etunup
エトゥヌㇷ゚ 【etu-nu-p】 片口:鼻の長い片口.▷エトゥ=鼻 ヌㇷ゚=利く物 図[エトゥヌㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
etunup
エトゥヌㇷ゚ 【etu-nu-p】 酒を酌する片口.ユカㇻにはアニプンタリという言い方で出て来る.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
etupe
エトゥペ 【etu-pe】 水鼻,鼻汁. エトゥペチッカ=水鼻をたらす. (出典:萱野、方言:沙流)
etupecikka
エトゥペチッカ 【etu-pe-cik-ka】 鼻汁をたらす.▷エトゥ=鼻 ペ=滴 チㇰ=落ちる カ=させる タント ポーヘネ メアン ペ ネ クス メライケ ワ エトゥペチッカ コㇿ アフン ワ エㇰ=今日はなおさら寒いものだから寒がって鼻水をたらしながら入って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
etupetnu
エトゥペッヌ 【etu-petnu】 もらい涙(する). (出典:萱野、方言:沙流)
etupi
エトゥピ 【e-tupi】 食べ飽きる.▷エ=食べる トゥピ=飽きる チェㇷ゚ ケ(ク・エ) アーイネ ケトゥピ(ク・エトゥピ)=魚を食べすぎて私は飽きた. (出典:萱野、方言:沙流)
etupok
エトゥポㇰ 【etu-pok】 鼻の下:段葺き屋根の煙出し口を覆っている三角の部分.横から見ると人間の鼻のように見える. ▷エトゥ=鼻 ポㇰ=下(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
etupokunni/etupok'unni
エトゥポクンニ/エトゥポㇰウンニ 【etu-pok-unni】 鼻の下に入る木,屋根の骨組みの材料.煙出し口の所に用いられている. ▷エトゥ=鼻 ポㇰ=下 ウン=入る ニ=木(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
etupsi/etupsike(he)
エトゥㇷ゚シ/エトゥㇷ゚シケ(ヘ) 【etupsi/etupsike(ke)】 端,先. クマエトゥㇷ゚シケ=干し竿の端.トマ カㇱ ア・カㇻ ヒ タ トマ タンネ チキ エトゥㇷ゚シケヘ ア・コエコモㇷ゚ ネ ナ アニー=ござで仮小屋を作る時にござが長いのならば先のほうを曲げるものだよ.参考:シンコピヒ=糸の端 (出典:萱野、方言:沙流)
etupuy
エトゥプイ 【etu-puy】 鼻の穴,鼻孔. (出典:萱野、方言:沙流)
eturen
エトゥレン 【e-turen】 〜で,あわせて. イヨーハイ.タント エトゥレン トゥペサント カ ネ ㇷ゚ ネイタカ シㇰヌ ワ アン ペ ネ ヤー シコㇿ ク・ヤイヌ アㇷ゚ イワンケ ノ ア・パ ヤㇰ ア・イェ.ア・オクンヌレ ハワㇱ ネ=あーあたまげた.今日で8日になるのにどこかで生きているだろうかと私は考えていたが,元気で発見されたと言う.たまげた話だ.ク・ヘコテ ニㇱパ ポ エノッパ(エン・ホッパ) ワ タンパ エトゥレン トゥホッパ カ ネ こきん ウナㇻペ エネ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ=私の仕えた方(夫)が私を残して逝って今年で40年になったとこきんおばさんが述懐していたのを聞いたことがあった. (出典:萱野、方言:沙流)
eturimeciw
エトゥリメチウ 【e-turime-ciw】 突き出す. ロルンペ カ タ アㇱケウコㇺ ア・エトゥリメチュー ウタㇱパ パㇰノ ウケウェホㇺス・アン ルウェ ネ=悲しい時に握り拳を前へ突き出し,お互いともに私たちはねぎらいあった. (出典:萱野、方言:沙流)
eturpakkunip
エトゥㇽパックニㇷ゚ 【eturpak-kuni-p】 比べるもの. (出典:萱野、方言:沙流)
etursere
エトゥㇽセレ 【e-turse-re】 落とす. ポロ カラウト カンプタハ ア・エトゥㇽセレ オンナイ タ アン ポンヤウンペ ア・エキラ ルウェ ネ=大きいつづら,その蓋をさっと落とし,中にいたポンヤウンペを連れて逃げた. (出典:萱野、方言:沙流)
etusirkar
エトゥシㇼカㇻ 【e-tusir-kar】 埋葬する,葬る,埋(い)ける.▷エ=それ(死体)で トゥシㇼ=墓 カㇻ=作る フチ オンネ エトㇰタ エネ ハワニ ムニンニ ホラㇰ コラーチ パハウ サㇰノ コンネ(ク・オンネ) オカー シコㇿ パテㇰ ハウェアン ペ ネ アクス レンカ ピ(ㇷ゚ ヒ) コラチ オンネ.コタン エウン ウタㇻ ウウェカㇻパ ア・エトゥシㇼカㇻ ペ ネ ア ワ=祖母が死ぬ前に言っていた言葉は朽ち木が倒れるように噂もなく死にたいものだ,とばかり言っていたものであったが希望通りに死んだ.村人全部が集まって埋葬してくれたものだったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
etusmak
エトゥㇱマㇰ 【e-tusmak】 (〜の)先回りをする. イイェトゥㇱマㇰ(イ・エトゥㇱマㇰ)=私の先回りをする.タント アナㇰネ シㇼピㇼカ クス イナウネニ ク・トゥイェ ルスイ ワ ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) エトコイキ アクス ク・コㇿ セタ サㇻ スイェスイェ コㇿ エネトゥㇱマㇰ(エン・エトゥㇱマㇰ)=今日はいい天気なのでイナウを削る材料を切りに山へ行くしたくをすると,私の犬がしっぽを振りながら私の先回りをしている.ウクランネ レラ ルイ ヒクス ヤㇺ ア・ウウォマレ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ノクンネイワ ヘカッタㇻ イイェトゥㇱマㇰ(イ・エトゥㇱマㇰ) シネ ヤㇺ カ ア・パ エアイカㇷ゚=昨夜風が吹いたので私はクリを拾い集めると思っていたのに,全く朝早くから子供たちが私の先回りをして一粒のクリも見つけられなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
etusnatki
エトゥㇱナッキ 【e-tus-natki】 香りたなびく,酒の香りが家懐にたなびいている. カムイイクルスイペ ソネクス トゥッコレレコ ネコㇿチセオンナイ サケフラ エトゥㇱナッキ=神が飲みたい物であるが故に,二日か三日すると家懐を酒の香りがたなびいている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
etutanne
エトゥタンネ 【etu-tanne】 蚊. (出典:萱野、方言:沙流)
etutannekikir
エトゥタンネキキㇼ 【etu-tanne-kikir】 蚊. (出典:萱野、方言:沙流)
etututturi
エトゥトゥットゥリ 【etu-tutturi】 鼻を伸ばしてにおいをかぐ, (出典:萱野、方言:沙流)
eukao
エウカオ 【e-u-ka-o】 重ねる. (出典:萱野、方言:沙流)
eukaomap
エウカオマㇷ゚ 【e-u-ka-oma-p】 拝み屋根の小屋:ヨモギ,カヤで葺く. 図[エウカオマㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
eukasuy
エウカスイ 【e-u-kasuy】 (〜を)手伝い合う.▷エ=〜を ウ=互いに カスイ=手伝う シㇼクンネ エハンケ クス ア・エウカスイ ワ ア・オケレ ロー=日暮れが近いので手伝い合って終わらせよう. (出典:萱野、方言:沙流)
eukohetutturi
エウコヘトゥットゥリ 【e-u-ko-he-tur-turi】 体を寄せ合う. ネㇷ゚ ワ アン ペ エウコピヌピヌ シリ ネ ヤ キサラハ エウㇱ カネ エウコヘトゥットゥリ パ=どんなことをふたりでひそひそ話しているのか耳へ刺さるようにお互いの体を寄せ合っている. (出典:萱野、方言:沙流)
eukoisoytak
エゥコイソイタㇰ 【e-u-ko-isoytak】 ~について話し合う. ▷エ=それ ウ=互いに コ=目的 イソイタㇰ=話をする(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
eukopinupinu
エウコピヌピヌ 【e-uko-pinupinu】 互いにひそひそ話をする. ウウォシッコテ パ ㇷ゚ アナㇰネ ウヘコテ ソモ ア ノ イシㇰサㇺネレ パ ネㇷ゚カ エウコピヌピヌ パ コㇿ オカ=恋人同士は向かい合って座りもしないで横目で顔を見ながら何やらひそひそ話をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
eukoramkor
エウコラㇺコㇿ 【e-u-ko-ram-kor】 相談する. ニサッタ シㇼピㇼカ ヤクン ノクンネイワノ キムン・アン.ポンユㇰ ポカ スマウェヘ・アン ヤㇰ ピㇼカ ナ シコㇿ エウコラㇺコㇿ パ=明日,天気がよければうんと朝早く山に行こう.小鹿でも獲ることができればいいから,と相談していた. (出典:萱野、方言:沙流)
eukoramuosmaosma
エウコラムオㇱマオㇱマ 【e-u-ko-ramu-osma-osma】 話が合う.▷エ=それで ウ=互いに コ=〜に対して ラム=思い オㇱマ=入る ネㇷ゚ ワ アン ペ エウコピヌピヌ パ エウコラムオㇱマオㇱマ パ ウウェコホピ パ=なんの話やらひそひそ話をした後で話が合ったらしく分かれ分かれに行った. (出典:萱野、方言:沙流)
eukositomare
エウコシトマレ 【e-u-ko-sitoma-re】 互いに恐ろしがる. テエータ ポロサㇻ コタン タ シクㇱナ セコㇿ レヘアン シケサㇻ クㇽ アン ワ コタヌン(コタン ウン) ウタㇻ エウコシトマレ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずいぶん前にポロサルという村にシクㇱナという名前の乱暴者がいて村人たちは恐ろしがっていたものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eukoskos
エウコㇱコㇱ 【e-u-kos-kos】 なすりあい(をする). パセ ヒケ セ エトランネ ㇷ゚ ネ クス エウコㇱコㇱ パ ワ セ ルスイ クㇽ カ イサㇺ=重い方を背負うのをいやがってなすりあい,背負いたい人がいない. (出典:萱野、方言:沙流)
eukotama
エウコタマ 【e-u-kotama】 一緒に,ともに,あわせて. エ・シケ パセ コㇿカ タパン ユㇰ カㇺ カ エウコタマ ワ セ ワ アㇻパ アニー=お前の荷物は重いけれどもこの鹿肉も一緒に背負って行けよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eukote
エウコテ 【e-u-kote】 結んで繋ぐ,縄と縄とを結ぶ,継ぎ足す. (出典:萱野、方言:沙流)
eumaraptokor
エウマラㇷ゚トコㇿ 【e-u-marapto-kor】 宴をもつ.▷エ=それ(鹿または熊のこと.宴の中心になるもの)で ウ=互いに マラㇷ゚ト=宴,祝宴 コㇿ=持つ (出典:萱野、方言:沙流)
euminare
エウミナレ 【e-u-mina-re】 皆で大笑いする.▷エ=それで ウ=互いに ミナ=笑う レ=させる メノコポ ウタㇻ ネㇷ゚ ワ アン ペ イェ パ ワ エウミナレ コㇿ イユタ パ コーロ(コㇿ) オカ=娘たちが何やら話をしては大笑いをしながら搗き物をしていた. (出典:萱野、方言:沙流)
eun
エウン 【eun】 まで,〜ヘ,方,そこヘ. "ヒナクン(ヒナㇰ ウン) エ・アㇻパ" "コタン ケㇱ パㇰノ" "カニ アナㇰネ カキヒ(ク・アキヒ) エウン"=「どこまで行くの?」「村の下端まで」「私は弟の所まで」.ナイ イクㇱ タ ポロンノ ユㇰ オカ エウン ア・コㇿ セタ ホユプ アクス アルテㇾケレ ワ キラ ワ イサㇺ=沢の向かい側にたくさん鹿がいて,そこへ私の犬が走って行ったら跳ねて走って逃げてしまった.ナ ナ リカン ナ ソイ タ イサッケキ ピラサ ワ エウン サッケ ワ アヌ=まだまだ湿っているから外で簾を広げてそこへ干しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
eun po hene
エウンポーヘネ 【eun pohene】 かえって. オンネ オルン エウンポーヘネ ウェン ケサッチャンペネ(ク・エサッチャンペネ)=年をとるほうへかえって悪くなって気をもんでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
eunkeray
エウンケライ 【eunkeray】 貰う:自分からは要求しなかったのに相手がくれた場合. ソンノ ケカンパッコ(ク・エカンパッコ) ペンチャイ コヤン コラーチ ネㇷ゚ネㇷ゚ ケウンケライ(ク・エウンケライ) ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) ルウェ ネ ワー=本当に予期もしないのに帆掛け舟が私の所へ来たと同じようにいろいろ私は貰い物をして喜んでいる.クナウ ペ トゥㇺ ワ ア・プス アーペコㇿ アン カムイ イコㇿ ア・エウンケライ.イナウ ア・ケ ア ア・ケ ア イナウ トゥンプ ア・カㇻ ワ スウォㇷ゚ アサㇺ ア・オランラニ ルウェ ネ=フクジュソウの花の雫の中から掘り出したような神の宝刀を私は貰った.イナウをたくさん削ってイナウの寝床を作り宝箱の底へ詰め込んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eunpipka
エウンピㇷ゚カ 【eunpipka】 疑う. タㇷ゚ ク・イェ ㇷ゚ アナㇰネ フチ エン・ヌレ ソンノ アン オルㇱペ ネ.イテキ エウンピㇷ゚カ ノ ヌ ワ アヌ=今私が言う話は祖母が私に聞かせた本当にあった話なのだ.疑うことなく聞いておけ.ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ポンマッ コㇿ オルㇱペ ネ ヤ アン コㇿカ ソンノ ネ ヤー ケウンピㇷ゚カ(ク・エウンピㇷ゚カ).チセ オッタ アン ポロマチヒ アナㇰネ ソカㇻマッ セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=昔話には妾を持った話などあるけれど,本当だろうかと私は疑う,家にいた本当の妻は本妻というものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eunpo
エウンポ 【eun po】 なおさら. (出典:萱野、方言:沙流)
euopitte
エウオピッテ 【e-u-o-pitte】 繋ぐ:細い紐の時にはエウオピッテ.太い綱になるとエウコテ. トゥイ ノイネ アン ウㇱケ トゥイェ ワ エウオピッテ ワ アヌ=切れそうな所を切って繋いでおけ. (出典:萱野、方言:沙流)
euparkemkem
エウパㇻケㇺケㇺ 【e-u-par-kem-kem】 お互いの口を嘗める:この様子から少しの物を分け合って食べることをいう. ソンノ ポイセタ(ポンセタ) ウタㇻ ポンノ アン ペ ア・エレ コㇿ エウパㇻケㇺケㇺ パ=本当に子犬たちは少しの物を食べさせると口と口を嘗め合っている. (出典:萱野、方言:沙流)
euparkikkik
エウパㇻキッキㇰ 【e-u-par-kik-kik】 内密にする.▷エ=それで ウ=互いに パㇻ=口 キㇰキㇰ=叩く →この話は絶対に漏らすな,と口を外側から叩くようにする (出典:萱野、方言:沙流)
eupawre
エウパウレ 【e-u-pawre】 口論(する),言い争う. テエタ アナㇰネ オッカイポ ウタㇻ ウウェカㇻパ コㇿ スンケアㇱペ ソネアㇱペ エウパウレ シノッ チャランケ コラチ ネ ア コㇿカ タネ アン ウタㇻ ネノ アン イキ ソモ キ パ=昔は若者たちが集まると嘘の事や本当の事を口論し,遊びの討論会のようなものであったが,今の人たちはそのようなことはしなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
eupisno
エウピㇱノ 【e-u-pisno】 皆の分. タント アナㇰネ アイヌ インネ コㇿカ エウピㇱノ アン ナ ポロンノ エ ヤン エ ヤン=今日は人が大勢いるけれども,皆の分あるのでたくさん食べて.食べて. (出典:萱野、方言:沙流)
eus
エウㇱ 【eus】 刺さる:先のほうがちょっと. (出典:萱野、方言:沙流)
eusi
エウシ 【eusi】 突き刺す,刺す:そっと先だけ刺す. チセトゥマㇺ エウシ ワ アヌ=家の壁に刺しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
eutastasa 1
エウタㇱタサ 【e-u-tastasa】 ①言い返す,口答えする,言い合いする. ネㇷ゚ ワ アン ペ クス ネ ヤ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) コㇿカ エウタㇱタサ パ コㇿ オカ ア ワ=なんの理由でか知らないが言い合いをしていたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eutastasa 2
エウタㇱタサ 【e-u-tastasa】 ②出入りが多い. チセ ア・アシ ヒ タ アナㇰネ イクㇱペ イテキ エウタㇱタサ クニネ ア・オウペカレ ノ ア・アシ ㇷ゚ ネ ナ=家を建てる時は柱があちこち出入りのないように,真っ直ぐに並べて立てるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
eutcike
エウッチケ 【e-utcike】 尻込みする,大儀がる. ク・ポホ ソアタイタㇰ クス カㇻパレ(ク・アㇻパレ) クス ク・イェ ヤッカ エウッチケ ワ アㇻパ コパン=私の息子に借金取りに行かせようと私が言っても尻込みして行くのをいやがった. (出典:萱野、方言:沙流)
eutekkar
エウテッカㇻ 【e-utek-kar】 使う:使いに行かせる.▷エ=それ ウテㇰ=使う カㇻ=作る (出典:萱野、方言:沙流)
eutopane
エウトパネ 【e-u-topa-ne】 群がる. (出典:萱野、方言:沙流)
eutopanere
エウトパネレ 【e-u-topa-ne-re】 群れをなす. ソンノ ウェンロㇰ ペ クㇱ タ ウインネレ ヘカッタㇻ エウトパネレ=本当に貧乏だからとて,大家族,子供たちが群れをなして. (出典:萱野、方言:沙流)
eutukanke
エウトゥカンケ 【e-u-tukan-ke】 (アワの穂など)束ねる. (出典:萱野、方言:沙流)
eutunankar
エウトゥナンカㇻ 【e-u-tunankar】 誰かと行き合う. (出典:萱野、方言:沙流)
eutunas 1
エウトゥナㇱ 【e-utun-as】 ①ふたりで搗く.▷エ=〜を ウトゥン=ふたり アㇱ=立つ (出典:萱野、方言:沙流)
eutunas 2
エウトゥナㇱ 【e-utun-as】 ②ひとりの女性に対し複数の男性が交わる〔隠語〕.←ふたりで搗く. ア・エウトゥナㇱ チェアッピセ=母親が複数の男性と交わっていたため父親のわからない私生児. (出典:萱野、方言:沙流)
eutunne
エウトゥンネ 【e-utur-ne】 西側,下座.*私が生まれ育った二風谷神社の入り口の所から見て,東の方をエロンネ(東側)といい,国道の西の方をエウトゥンネあるいはウトゥㇽ(西側)と言った.しかし方角を示す言葉は家の中でも用いられるもので,囲炉裏よりも東の方をエロンネ,囲炉裏よりも入り口に近い西側をウトゥㇽあるいはエウトゥンネと言った.したがって大きい方角,東西南北の言い方には使えない. (出典:萱野、方言:沙流)
euweramuosma
エウウェラムオㇱマ 【e-u-e-ramu-osma】 同感する. ヘマンタ カ ウコパピロロ エイタㇰ コㇿ オカ アㇷ゚ エウウェラムオㇱマ パ ソイェンパ ワ イサㇺ=何やらひそひそ話をしていたがお互いに納得したと言わんばかりに外へ出て行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
ewaksirorke
エワㇰシロㇿケ 【ewak-sir-orke】 (神が)鎮座する所. (出典:萱野、方言:沙流)
ewar
エワㇻ 【ewar】 吹く. アペエワㇻ=火を吹く.エワㇻ ワ スネ ウㇱカ=吹いて灯火を消せ.ピセ エワㇻ=浮袋を吹く.*ピセ エワㇻは,1歳の誕生日近い幼児が口を尖らせ,ブウーブウーと吹くこと.こうすると母親は次の子を宿すものだと言われる. (出典:萱野、方言:沙流)
ewar'ewar
エワㇻエワㇻ 【ewar-ewar】 そっと吹く:子供が手が痛いといってきたときなど.柔らかい息を吹きかけてやる,(そっと)持つ:大切な物をそっと吹くような気持ちで手に持つ. (出典:萱野、方言:沙流)
ewonne
エウォンネ 【e-wor-ne】 顔を洗う. ホクレ ホプニ ワ エウォンネ.シㇼピㇼカ クス ユㇰカルㇱ コルウヌ(ク・オルウヌ) ウㇱケ ウン エチ・トゥラ ナ=さあ早く起きて顔を洗え,天気がいいしマイタケが生えているのを知っている所にお前を連れて行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
eyakaka
エヤカカ 【e-yakaka】 指さす. (出典:萱野、方言:沙流)
eyakukor
エヤクコㇿ 【e-yaku-kor】 役目を持つ. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) コンププシ アナㇰネ フチ エヤクコㇿ ルㇽス ア・ヤンケ コッポㇰタ ス オルン ア・エコロトト コㇿ ケラハ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の頃昆布をこんがり焼くのは祖母の役目で,汁鍋を上げる直前に鍋へ砕くと味がいいものであった, (出典:萱野、方言:沙流)
eyam
エヤㇺ 【eyam】 大切にする:いたまないようにする,大事にする,守る. ア・エヤㇺ ペ=大切な物.エヤㇺ アニー=大切にしてね.エネ ケヤㇺ(ク・エヤㇺ) フミ アン ペ ネ アㇷ゚ エン・イヨチㇱパレ ハイー コㇱクㇽ(ク・オㇱクㇽ) フミー=あれほど私が大切に思っていた物を壊されてしまった,あーあもったいない.ケヤㇺ(ク・エヤㇺ) ワ カナ(ク・アン ア) タシロ ケルサ(ク・エルサ) アクス エノチㇱチㇱレ(エン・オチㇱチㇱレ) エアㇻキンネ コㇱクㇽ(ク・オㇱクㇽ)=私が大切にしていた山刀を貸したのになくしてしまい,本当に惜しいと思っている.エヤㇺ ワ アヌ=大事にしておけ.エヤㇺ ワ コㇿ ワ アン=大事にして持っていろ. (出典:萱野、方言:沙流)
eyami
エヤミ 【eyami】 カケス〔鳥〕. ニウェンエヤミ=猛々しいカケス.*例文は頭の毛を逆立てているカケスのこと.カケスは木の枝に止まっていても急に頭の毛を逆立てるものである. (出典:萱野、方言:沙流)
eyamika
エヤミカ 【eyami-ka】 カケス罠:チキサニ(アカダモ)他で作る. 図[エヤミカ①][エヤミカ②] (出典:萱野、方言:沙流)
eyamno
エヤㇺノ 【eyam-no】 大切に. (出典:萱野、方言:沙流)
eyapkir
エヤㇷ゚キㇼ 【e-yapkir】 投げる:遠くに投げる. リㇰ ペカ ア・エヤㇷ゚キㇼ ア・ポㇰナレ アクス エアシㇼ テㇰ シケウカウヌウヌ ヤユナㇱケ=腰投げをかけるようにして組み伏せると,そこで初めて自分の手で自分をかばいながら謝った. (出典:萱野、方言:沙流)
eyarpok'ani
エヤㇻポㇰアニ 【eyarpok-ani】 小脇に抱える. ネア メノコ スイ ホクコイワㇰ クスネ ノイネ ポン トゥトゥッコ エヤㇻポㇰアニ カネ ニタン ワ アㇻパ シリ ク・ヌカㇻ=あの女はまた男の所へ行くためらしく,小さい包みを小脇に抱えて急いで行ったのを私は見た. (出典:萱野、方言:沙流)
eyasara
エヤサラ 【eyasara】 注文する:頼んで作ってもらう. テエータ カネ ニㇷ゚タニ タ うとむてけ シコㇿ ア・イェ ウナㇻペ アン ワ イカㇻカㇻ エアㇱカイ オヤコヤㇰ ワ チカㇻカㇻペ ア・エヤサラ ペ ネ ヤㇰ ア・イェ=ずうっと昔,二風谷にウトムテケというおばさんがいて,刺繍が上手であちらこちらから注文をされたということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaspereke
エヤㇱペレケ 【eyaspereke】 (大きな)ひびが入る:丸木舟とか板舟とかに出来たひび.*これは大きいひびの場合.小さいひびはトゥマという. (出典:萱野、方言:沙流)
eyay'asisikar
エヤイアシシカㇻ 【e-yay-asisi-kar】 後悔する,残念がる. タン チュㇷ゚ タ トゥイマ モシルン(モシㇼ ウン) ア・エン・シレン ヤッカ ク・ヤイモンニㇱカ ㇷ゚ ネ クス ソモ カㇻパ(ク・アㇻパ) クナㇰ ク・イェ ケヤイアシシカㇻ(ク・エヤイアシシカㇻ) コㇿ カン(ク・アン)=今月,遠い国へ私は誘われたが,忙しいものだから行かないと言った,後悔している. (出典:萱野、方言:沙流)
eyay'ocisicisire
エヤイオチシチシレ 【e-yay-o-cisi-cisi-re】 大儀になる. オンネ・アン コㇿ ヘル ウコアㇷ゚カㇱ ポカ ケヤイオチシチシレ(ク・エヤイオチシチシレ) ク・ケマハ カ アㇻカ=年をとるとただの往来も私自身大儀になっだ,足も痛いし. (出典:萱野、方言:沙流)
eyayasis
エヤヤシㇱ 【e-yay-asis】 つまらない,ばかげた,後悔する. (出典:萱野、方言:沙流)
eyayenusasire
エヤイエヌサシレ 【e-yay-enusasire】 気をまぎらす. ク・ミッポホ ウタㇻ アン クスケライ ケヤイエヌサシレ(ク・エヤイエヌサシレ) ワ カン(ク・アン)=私の孫たちのお陰で気をまぎらせていることができる. (出典:萱野、方言:沙流)
eyayetokoyki
エヤイェトコイキ 【e-yay-etok-oyki】 したくする:自分自身でしたくする. タント アナㇰネ シㇼピㇼカ クス イナウネニ ク・トゥイェ ルスイ ワ ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) エヤイェトコイキ アクス ク・コㇿ セタ サㇻ スイェスイェ コㇿ エネトゥㇱマㇰ(エン・エトゥㇱマㇰ)=今日はいい天気なのでイナウを削る材料を切りに山へ行くしたくをすると,私の犬がしっぽを振りながら私の先回りをしている. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaykopuntek
エヤイコプンテㇰ 【e-yay-kopuntek】 (〜を)喜ぶ,嬉しい. アチャポ アシㇼキンネ ヤイコソホシピ ヤㇰ ク・イヌ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=おじさんが新しく後添いを貰ったと聞き,私は喜んでいる.クルッペ エトㇰタ ク・イチャ オケレ クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ ウクラン ワノ アㇷ゚ト ルイ ケサッチャンペネ(ク・エサッチャンペネ) アㇷ゚ アㇷ゚ト トゥイ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) コㇿ ク・ヤイェトコイキ=霜が来る前に穂ちぎりを終わらせようと思っていたのに,昨夜から雨降りになって気が滅入っていたのだが,雨が晴れて私は喜んで畑へ行くしたくをした.タヌクラン チェㇷ゚ ヌウェアン ワ エアㇻキンネ ア・エヤイコプンテㇰ=今夜はサケがたくさん獲れたので私は本当に嬉しいことだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaykopuntekre
エヤイコプンテㇰレ 【e-yay-ko-puntek-re】 喜ばす. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaykouwepeker
エヤイコウウェペケㇾ 【e-yay-ko-uepeker】 自分の事を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaymonpoktusmak
エヤイモンポㇰトゥㇱマㇰ 【e-yay-mon-pok-tusmak】 忙しい.▷エ=それ ヤイ=自身 モン=力 ポㇰ=下 トゥㇱマㇰ=先回り (出典:萱野、方言:沙流)
eyaypasuypa
エヤイパスイパ 【e-yay-pasuypa】 腹が立つ. ピㇼカ オッカイポ エㇰ ヒクス ク・マッカㇽクフ ケトゥナンカレ(ク・エトゥナンカレ) ルスイ オナハ トゥラノ ク・イェ ヤッカ ア・コラㇺニューケㇱ ケヤイパスイパ=いい若者が来だので私の姪に見合いさせようと姪の父親と勧めたが説得できないので私は腹が立った. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaypira
エヤイピラ 【e-yaypira】 ぬか喜びする:喜んだのに後になって嘘だったことがわかる,がっかりする. ウナㇻペ シネウェエエㇰ シコㇿ カネ テㇱコ エㇰ ワ ク・テレ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) ソモ エㇰ クナㇰ イェ.ケヤイピラ(ク・エヤイピラ) ヒ ク・コイルㇱカ=おばさんが遊びに来ると伝言があって待っていたのに来られないと言う.私はぬか喜びしたことに腹を立てている. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaypoktacis
エヤイポㇰタチㇱ 【e-yay-pok-ta-cis】 悲しむ. ホクフ カ イサㇺ オカケヘ タ ポホ ウタリ カ ウウォポキン ウウォポキン ライ ワ イサㇺ エヤイポㇰタチㇱ コㇿ アン シリ ケヌペッネ(ク・エヌペッネ)=夫が死にその後で息子たちが次から次と死んでしまい,自分の悲運を悲しんでいるのを見て,私ももらい泣きをした. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaypuni
エヤイプニ 【e-yay-puni】 からかう,揶揄する:恥ずかしがらせたりして楽しむ. タㇷ゚ ウフナㇰ ウトㇺヌカㇻ パ ペウレ ウムレㇰ アン コㇿ オラーノ ウクラン マケタマケタネ シコㇿ カネ エヤイプニ パ ミナ ロㇰ ミナ ロㇰ=この頃結婚したばかりの若夫婦がいると,昨夜はどうしてこうしてと,からかって笑って笑って. (出典:萱野、方言:沙流)
eyayrammaruye
エヤイランマルイェ 【e-yay-ram-maruye】 気が引ける. アッチェ タ アㇻパ・アン レウシ・アン コㇿ ク・クンネアシン ケヤイランマルイェ(ク・エヤイランマルイェ)=よそへ行って泊まると私は小便に起きるので気が引ける.ニㇱパ ウタㇻ ラッチターラ ウコイタㇰ コーロ(コㇿ) オカ メノコ ク・ネ ㇷ゚ ク・ヌ カ ケヤイランマルイェ(ク・エヤイランマルイェ) クス ク・ソイネ=偉い人たちが静かに言葉を交わしているのに女の私が聞いているのも気がひけるので出て来た. (出典:萱野、方言:沙流)
eyayramsitne
エヤイラㇺシッネ 【e-yay-ram-sitne】 苦労(する).▷エ=それで ヤイ=自身 ラㇺ=思い シッネ=もつれる (出典:萱野、方言:沙流)
eyayramsitnewa
エヤイラㇺシッネワ 【e-yay-ram-sitne wa】 一生懸命に,骨を折って. (出典:萱野、方言:沙流)
eyayramu hepeyakne
エヤイラム ヘペヤㇰネ 【e-yayramu hepe-yakne】 それ自身の心が千々に乱れる,私の心が千々に砕けて. ネㇷ゚クスネアヤ アエラㇺペゥテッ エヤイラム ヘペヤㇰネ=どうしてなのか私は知らぬが,私の思いが千々に乱れて.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
eyayramukikkar
エヤイラムキッカㇻ 【e-yay-ramu-kik-kar】 諦める.▷エ=それ ヤイ=自身 ラム=思い キㇰ=叩く カㇻ=作る (出典:萱野、方言:沙流)
eyayramusinne
エヤイラムシンネ 【e-yay-ramu-sinne】 (自分で自分のことを)安心する. セタッコ フチ ヤイェラムシッネ ワ ク・ケㇺヌ アㇷ゚ オンネ ハウェ ネ ヤクン エヤイラムシンネ.エㇺコネ ク・コトゥヤシ ハウェ ネ ワー=ずいぶん長くおばあさんが苦しんでいて私はかわいそうだと思っていたが,死んだというなら自分で自分の事を安心した,半面はよかったというところだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eyayrenka
エヤイレンカ 【e-yayrenka】 挨拶する. ヤイコアン フチ エウン アㇻパアニネ(アㇻパ・アン ヒネ) ア・エヤイレンカ ヤッカ ソモ ヌ アーペコㇿ アン.シラㇺイサㇺテ ワ ネ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ オヤチキ アㇱパ フチ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ひとり暮らしのおばあさんの所へ私は行って挨拶しても聞こえないふりをしていた.知らんふりをしているのかと思ったが,聞くところによると耳の聞こえないおばあさんなのだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaysatcanpene
エヤイサッチャンペネ 【e-yay-sat-sanpe-ne】 気分を悪くする. パㇰノ ア・ヌ エウェンペ ウオㇰパレ ネ ㇷ゚ ヘㇺタウタㇻ ウオㇰパレパ ヒ ク・ヌ ケヤイサッチャンペネ(ク・エヤイサッチャンペネ)=これぐらい聞きづらいことは他にないのが親不孝なのに,あの者たちが親不孝をしていると聞いて私はすっかり気分を悪くした. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaysitoma
エヤイシトマ 【e-yay-sitoma】 恥ずかしい. ポンノ ホㇱキ ヤン.アヌン アン ワ ア・エヤイシトマ ナ イテキ ウパウレ ヤン=少し待ちなさい,他人がいて恥ずかしいから言い争いはやめなさい.ハイー エチ・ヌカレ カ ケヤイシトマ(ク・エヤイシトマ) コㇿカ クッチカミヒ(ク・ウッチカミヒ) タ ポロ フㇷ゚ アン ナ ヌカㇻ ワ イェオッ ワ アン チキ ヌンパ ワ エン・コレ=ああ痛い,お前に見せるのも恥ずかしいけれど太股に大きい腫れ物ができているので見て膿を持っていたらしぼってくれ.ホッノ イヨーハイ ク・ナヌフ カンカミ オルン ク・ヌカㇻ コㇿ ウコヨㇺヨミ ヒ ク・ヌカㇻ ケヤイシトマ(ク・エヤイシトマ)=まあまあいやになっちゃう.自分の顔を鏡で見るとしわになっていて恥ずかしい.テエータ アナㇰネ アイヌ オピッタ ウネノ ミㇷ゚ カ イサㇺ エㇷ゚ カ イサㇺ ア コㇿカ タネ アナㇰネ アイヌ オピッタ ピㇼカ オカ カ キ ウェンクㇽ ネ アン コㇿ ソンノ ア・エヤイシトマ=昔は人々皆が同じように着る物も食べるものもなかったけれど,今は人々全部がいい生活をしているので貧乏していると本当に恥ずかしい. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaysukupka
エヤイスクㇷ゚カ 【e-yay-sukup-ka】 恨みに思う,根に持つ. ケヤイスクㇷ゚カ(ク・エヤイスクㇷ゚カ)=私は一生恨みに思っている.ペウレ ウタㇻ アナㇰネ ナニナニ スクㇷ゚ ペ ネ ネンカネ ア・シコイルㇱカレ コㇿ エヤイスクㇷ゚カ パ ㇷ゚ ネ ヤイトゥパレ・アン ペ ネ ナ=若い人たちはすぐに成長するものだ.万が一にも怒らせるようなことをすると,根に持つものなのだから注意しなけれはならないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaytunap
エヤイトゥナㇷ゚ 【e-yay-tunap】 羨ましく思う:いいもんだなあと思い,悔しまぎれに少し愚痴を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaytupa
エヤイトゥパ 【e-yay-tupa】 欲する,望む,願う.〜したがる. ヌエヤイトゥパ=聞きたがる.アㇻパエヤイトゥパ=行きだがる.イペエヤイトゥパ=食べたがる. (出典:萱野、方言:沙流)
eyok
エヨㇰ →エイヨㇰ (出典:萱野、方言:沙流)
eyoko
エヨコ 【e-yoko】 狙う,待ち伏せする. (出典:萱野、方言:沙流)
eyokpe
エヨㇰペ →エイヨㇰペ (出典:萱野、方言:沙流)
eyonnuppa
エヨンヌッパ 【eyonnuppa】 告げ口する,訴える,告げる:解決を求めて不満や苦痛などを人に告げる. (出典:萱野、方言:沙流)
eytasa
エイタサ 【eytasa】 あまり,あまりにも. クンネエウェンクㇽ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ナ イテキ エイタサ エハㇺ ノ ホシピ ルスイ ヤクン トゥナㇱ ホシピレ=鳥目の人ということであったので,あまり引き止めずに戻りたいと言ったら早く戻らせろ.エイタサ パセㇷ゚ オンタロ オㇿ エ・オマレ ワ オンタロ アサマハ エソヨㇱマ ワ イサㇺ=あまりにも重い物をお前が樽に入れ,樽の底が抜けてしまった.エイタサ イウォㇿ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォㇿ ホタヌカㇻ クス エキㇺネ・アン=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場を見舞うために山へ行った.イテキ エイタサ イクレ ヤン.イヨㇱキ ルイ コㇿ ヤイカオクイマ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ナ=だめですよ,あまり飲ませたら.酔いすぎると寝小便するものだそうだよ.マチヤ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エイタサ アイヌ インネ ㇷ゚ ネ クス ク・トゥラ クㇽ ヤアニ ヤアニ コカトゥライヌ(ク・オカトゥライヌ)=町ではあまりにも人が多いので一緒に行った人を危なく危なく見失うところだった.アイヌ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エイタサ ミムㇱペ オカ コㇿ ウェンセク シコㇿ ア・イェ ア・オラムサッカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=アイヌの所ではあまりにも太った者がいると悪い太り方と言って軽蔑されるものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
eyukar
エユカㇻ 【eyukar】 (〜を)真似る.▷エ=それを ユカㇻ=真似る コタンケスン(コタンケㇱ ウン) エカシ エアㇻキンネ イヌイェ エアㇱカイ ペ ネ クス ア・エユカㇻ ワ ペウレクㇽ カ イヌイェ コアリキキ パ=村の下端のおじいさんが彫り物が上手なのでそれを真似て若者たちも彫り物に精を出している.ネユンネユン ヤイプニエオ クㇽ アン ペ ネ ヒネ イペ エユカㇻ カ キ アㇷ゚カㇱ エユカㇻ カ キ イタㇰ エユカㇻ カ キ ア・エミナ ノ イキ ㇷ゚ ネ=いろいろとからかうのが好きな人がいて,食べるのを真似る,歩くのを真似る,しゃべるのを真似る,皆を笑わせるようにするんだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eyutara
エユタラ 【e-yutara】 知らせる. タント アナㇰネ アクㇷ゚・アン ヒ ケユタラ(ク・エユタラ) ワ アン クス ウウェイパㇰタ アイヌ エㇰ ナンコㇿ ワ=今日は建て前することを村人に知らせてあるので,だんだんと人が来るだろう. (出典:萱野、方言:沙流)
hacir
ハチㇼ 【hacir】 転ぶ,倒れる,落ちる. オッカイポ コンル カ タ オシッテス ワ クットコノ ハチㇼ ア・エミナ=若者が氷の上でツルッと滑って仰向けに転んで笑われた.ハチㇼ ワ アン=落ちている. (出典:萱野、方言:沙流)
hacire
ハチレ 【hacire】 こぼす,落とす,倒す. アマㇺヌㇺ イテキ ハチレ ノ イペ アニー=飯粒をこぼさないように食べなさいよ.ヘマンタ フナラ クス ホック カネ ワ トヨㇿペカ(トイ オㇿ ペカ) エネ イキ シリ アン.ピパ ヘネ ハチレ ヒ ソモ ネ ヤ=何を探して腰を屈めて畑の中をあのようにするのだ,穂ちぎり用の貝などを落としたのではないだろうか.ホワーア マㇰ ク・イキ ヤㇰ ピㇼカ オカー ピㇼカ トゥキヌㇺ ク・ハチレ ワ ク・ペㇾパ.マㇰ ア・イェ ハウェ.ウンコトゥㇰ アニ ウコトゥッカ ワ インカㇻ=あーあ困った,どうしたらいいだろう,よい杯の上の粒を私は落として割ってしまった.どうにも言いようもない(しかたがない).松やにでくっつけてみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
hakak itak ne
ハカㇰ イタㇰ ネ 【hakak-itak-ne】 かすかな声で,低い声で. フチ オンネ ルスイ ワ ネ ノイネ イタㇰ ハウェ カ ハカㇰイタㇰ ネ ワ ネㇷ゚ イェ ハウェ ネ ヤ カ ア・エランペウテㇰ=おばあさんは死ぬの近いらしく,しゃべる声もかすかな声で何を言っているのかわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
hakakseno
ハカㇰセノ 【hakakse-no】 静かに. ハカㇰセノ イタㇰ=静かな声で話す. (出典:萱野、方言:沙流)
hakeita
ハケイタ 【hake-i ta】 こちら側に:物のある場所を示す. チセ ハケイタ=家のこちら側に.ペッ ハケイタ=川のこちら側に. (出典:萱野、方言:沙流)
hakeiwa
ハケイワ 【hake-i wa】 向こう側. チセ ハケイワ=家の向こう側.ナイ ハケイワ=沢の向こう側. (出典:萱野、方言:沙流)
hakmahakma
ハㇰマハㇰマ 【hakma hakma】 耳に口を寄せて低い声で. ハㇰマハㇰマ コㇿ エネ ハワニ ネア クㇽ ウェニヨㇱキ ワ タㇷ゚ モコㇿ ナ イテキ ハゥコㇿ ヤン=低い声で言うことは,あの人がすっかり酔っ払って今しがた眠ったので声を出さないでください. (出典:萱野、方言:沙流)
hakmahakma
ハㇰマハㇰマ 【hakma-hakma】 ひやひやする. ペッパルㇽ トㇱカ カ タ ヘカッタㇻ ウオプトゥイパ コㇿ ク・ハㇰマハㇰマ ク・ライパㇱロタ ヤッカ ヌ シリー カ イサㇺ パ=川の縁の一段高い所で子供たちが押しあいへしあいしている,それを見て私はひやひやして高い声で怒っても(子供たちは)聞いた様子もない. (出典:萱野、方言:沙流)
ham/hamu(hu)
ハㇺ/ハム(フ) 【ham/hamu(hu)】 葉. (出典:萱野、方言:沙流)
hamneno
ハㇺネノ 【hamne no】 丸まま. (出典:萱野、方言:沙流)
hamneruki
ハㇺネルキ 【hamne-ruki】 丸のみ.▷ハㇺネ=そのまま ルキ=のむ ホワーラ ク・ミマキ アㇻカ ㇷ゚ ネ クス ネㇷ゚ ネ ヤッカ ソモ ク・クイクイ ノ ク・ハㇺネルキ=あーあ私の歯が痛いものだからなんでも噛みもしないで丸のみだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hamnerukpa
ハㇺネルㇰパ 【hamne-rukpa】 丸のみする〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hamnesupa
ハㇺネスパ 【hamne-supa】 丸煮(する),ゆでる. エモ ハㇺネスパ=いもの丸煮.タント エモ タ・アン ワ ルㇷ゚ネ エモ ポロンノ アン シリ ク・ヌカㇻ ア ナ アフㇷ゚カレ.ア・ハㇺネスパ ワ ア・エ ナ=今日ジャガイモ掘りをして大きいジャガイモがたくさんあったのを私は見たから貰いに行かせろ.ゆでて食べるから.エモ ネ ヤッカ カポチャ ネ ヤッカ ア・ハㇺネスパ ヒ タ ウコニン クニネ ア・スパ コㇿ ケラハ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ジャガイモもカボチャもゆでる時に煮つまるように煮ると味がいいものだ.エモ ヘネ ハㇺネスパ ピㇼカ スㇺ アン ナ ア・ウシ ワ ア・エ ナ=ジャガイモなどを丸まま煮て,おいしい脂があるのでつけて食べよう.ペッマメ ア・ハㇺネスパ ワ イワシスㇺ ヘネ ア・ウシ ワ ア・エ コㇿ ケラピㇼカ ㇷ゚ ネ=青さやのままの豆を丸ごと煮てイワシ油などつけて食べると味がいいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hanca
ハンチャ 【hanca】 作業着:木綿のめくら縞. (出典:萱野、方言:沙流)
hanciki
ハンチキ 【hanciki】 9人:人数を数える時に言う言葉.*昭和58年5月7日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
hani
ハニ 【hani】 〜よ(念おし):アニと同じ. タアン ニペㇱ エ・コㇿ フチ エウン コㇿ ワ アㇻパ ハニ=このシナ皮をお前の祖母の所へ持って行ってよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hanke
ハンケ 【hanke】 近い,間近. ハンケノ ネ ワ=近いよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hanke arpa
ハンケ アㇻパ 【hanke-arpa】 小便をする〔隠語〕.▷ハンケ=近く アㇻパ=行く (出典:萱野、方言:沙流)
hankea
ハンケア 【hanke a】 小便する. (出典:萱野、方言:沙流)
hankeko
ハンケコ 【hanke-ko】 近からず,遠い.▷ハンケ=近い コ=〜ない ハンケコ エ・エㇰ=遠いところを(君は)来たんだね.ハンケコ エ・アㇻパ=遠いところを(君は)行くんだね.タント アナㇰネ シノ メアン ペ イロオッコ エ・イミ ワ ハンケコ エ・アㇻパ ルスイ ヒ.タンペ ミ ワ アㇻパ=今日はとっても寒いのにそんな薄着をして遠い所へお前は行きたいの.これを着て行け. (出典:萱野、方言:沙流)
hanku/hanku(hu)
ハンク/ハンク(フ) 【hanku/hanku(hu)】 臍. (出典:萱野、方言:沙流)
hankucotca(p)
ハンクチョッチャ(ㇷ゚) 【hanku-cotca(p)】 トンボ. (出典:萱野、方言:沙流)
hanpiya
ハンピヤ 【hanpiya】 8人:人数を数える時に言う言葉.*昭和58年5月7日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
hantasi
ハンタシ 【hantasi】 裸足. (出典:萱野、方言:沙流)
hantasine
ハンタシネ 【hantasi-ne】 裸足だ. (出典:萱野、方言:沙流)
hapaphapap
ハパㇷ゚ハパㇷ゚ 【hapap hapap】 ありがとう. ネイタ ネ ヤッカ ク・マッカㇻク エネ ケミアン ペ エン・カオセ ハパㇷ゚ハパㇷ゚=いつものことだが私の姪はこんな珍しい物私に持って来てくれた,ありがとうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hapo
ハポ 【hapo】 お母さん,母,妻の母. (出典:萱野、方言:沙流)
haprapcup
ハㇷ゚ラㇷ゚チュㇷ゚ 【haprap-cup】 2月. (出典:萱野、方言:沙流)
hapunruy
ハプンルイ 【hapur-ruy】 やわらかい砥石.▷ハプㇽ=やわらかい ルイ=砥石 (出典:萱野、方言:沙流)
hapur
ハプㇽ 【hapur】 やわらかい. ク・ミマキ ウェン コㇿカ ハプㇽカㇺ ネ ワ ケ エアㇱカイ(ク・エ エアㇱカイ) フミー=私の歯が悪いけれども,やわらかい肉なのでとっても食べやすいなあ. (出典:萱野、方言:沙流)
hapurka
ハプㇽカ 【hapur-ka】 やわらかくする. (出典:萱野、方言:沙流)
hapurpone
ハプㇽポネ 【hapur-pone】 軟骨. (出典:萱野、方言:沙流)
haram
ハラㇺ 【haram】 トカゲ. (出典:萱野、方言:沙流)
hararki
ハラㇻキ 【hararki】 鶴の舞:この踊りは鶴の舞う姿を見て真似たという.10人ほどが中央1列に並び胴体となる.両方の側面にラプフ(羽根)として4〜5人が並び,全体で1羽の鶴になったつもりで踊る. (出典:萱野、方言:沙流)
harki
ハㇻキ 【harki】 左. (出典:萱野、方言:沙流)
harkika
ハㇻキカ 【harki-ka】 シナ縄:シナ縄はアイヌ風の家を建てるために欠かせない材料. 図[ハㇻキカとハㇻキカサイェㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
harkikaeka
ハㇻキカエカ 【harki-ka-e-ka】 シナ縄をなう. (出典:萱野、方言:沙流)
harkikasayep
ハㇻキカサイェㇷ゚ 【harkika-saye-p】 縄巻き台. 図[ハㇻキカとハㇻキカサイェㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
harkisam/harkisama
ハㇻキサㇺ/ハㇻキサマ 【harkisam/sama】 左,左側. (出典:萱野、方言:沙流)
harkiso
ハㇻキソ 【harki-so】 左座,左隣. エハㇻキソウン タアン ペ コㇿ ワ アㇻパ=左隣へこれを持って行け.*自分の家から見て左隣へという意味で,この一言で左隣という意味にはならないが,どこの家でも慣例的に用いていた言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
harkitek
ハㇻキテㇰ 【harki-tek】 左手. (出典:萱野、方言:沙流)
harkiteksam
ハㇻキテㇰサㇺ 【harki-tek-sam】 左の方. (出典:萱野、方言:沙流)
haru
ハル 【haru】 食べ物,穀物,供物. タンパ アナㇰネ シㇼピㇼカ ワ ハルアン ノイネ ピヤパ カ ムンチロ カ アシㇷ゚ ワ アン=今年は天候もよかったし穀物も豊作になるらしく,ヒエもアワも穂が出ていた. (出典:萱野、方言:沙流)
haruan
ハルアン 【haru-an】 豊作である. タンパ アナㇰネ シㇼピㇼカ アクス ハルアン ルウェ ネ ワ=今年は気候がよかったので豊作になるんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
harucarpa
ハルチャㇻパ 【haru-carpa】 病気に対するおまじない. オヤコヤㇰ タ レラ アッ カトゥ ア・オヤモㇰテ ヤㇰ ア・イェ クス ハルエカムイノミ・アㇱ ルスイ クス ハルアフㇷ゚カㇻ クス ケㇰ(ク・エㇰ) ヒ ネ ワー=あちらこちらで風向きが(流行病に対しての別の言い方)不審というので,穀物を持って神を祭りたいと思い穀物を貰いに私は来た.*昭和40年代までは貝澤なつさんというおばさんが上記のような言い方で歩いていた. (出典:萱野、方言:沙流)
haruekamuynomi
ハルエカムイノミ 【haru-e-kamuy-nomi】 供物を捧げて祈る. オヤコヤㇰ タ タスㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ オルㇱペ ア・ヌ イシトマ・アン クス ハル アフㇷ゚カㇻ・アㇱ ワ ハルエカムイノミ・アン ルスイ=あちらこちらで病気が流行したと聞き恐ろしいので供物を貰い病気の神へあげたい. (出典:萱野、方言:沙流)
harukor
ハルコㇿ 【haru-kor】 肥えている,太っている.▷ハル=豆やヒエ・アワなど穀物の総称 コㇿ=持つ ソンノ ハルコㇿ カムイ ネ ワ カㇺ トゥーカ サㇰノ キㇼプウㇱ ヨヨヨ ヨヨヨ=本当に肥えた熊だ,肉の端もなく脂身ばかりだ,よかったよかった.*鹿とか熊のことをいう場合にこの言い方.人間が太っているのをいうのはミムㇱ. (出典:萱野、方言:沙流)
haruopu
ハルオプ 【haru-o-pu】 穀物入れ倉. ▷ハル=穀物 オ=入れる プ=倉(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
has
ハㇱ 【has】 柴:山野に生ずる小さな雑木やその小枝. ハㇱカオマㇷ゚=柴の上の物,その実など,枝の上の雪. (出典:萱野、方言:沙流)
hasa
ハサ 【hasa】 (口を)開ける. イテキ エハサ ノ アン.エハサ・アン コㇿ エウン チカㇷ゚ セッ カㇻ ナ=口を開けてはいけません.口を開けているとそこへ小鳥が巣を作るぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
hasa kane wa iwak nankor
ハサカネワ イワㇰナンコㇿ 【hasa-ka newa iwak-nankor】 口を開けて帰って来るだろう,腹を空かせて帰って来るであろう. エユピウタㇻ ハサカネワ イワㇰナンコㇿナ ホクレスケワアヌ=お前の兄たちが腹を空かせて帰って来るであろうから,早く煮炊きをしておけ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hasinaw
ハシナウ 【has-inaw】 枝つきのイナウ:スス(ヤナギ)で作る. (出典:萱野、方言:沙流)
haskaomap
ハㇱカオマㇷ゚ 【has-ka-oma-p】 枝の上の雪.▷ハㇱ=小枝 カ=上 オマ=入る ㇷ゚=物 (出典:萱野、方言:沙流)
hat
ハッ 【hat】 ヤマブドウ,ブドウ. (出典:萱野、方言:沙流)
hatpunkar
ハップンカㇻ 【hat-punkar】 ブドウづる. サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ ハップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し,沢の中を流すとたくさん運べるものだよ.*昭和16年と17年測量人夫時代に坂本三太郎さんが私に教えながらこのやり方でマスを運んだものであった.図[ハップンカㇻ] (出典:萱野、方言:沙流)
hattar
ハッタㇻ 【hattar】 淵:川の流れのよどんで深い所. (出典:萱野、方言:沙流)
hatto
ハット 【hatto】 禁止. (出典:萱野、方言:沙流)
hattohoan
ハットホアン 【hattoho an】 禁止する. チェㇷ゚ ア・ウㇰ クニ ハットホアン=魚を獲ることを禁止された. (出典:萱野、方言:沙流)
haukutorke
ハウクトㇿケ 【haukutorke】 声色,物を言う際の声質など[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
haw'as
ハウアㇱ 【haw-as】 声がする. (出典:萱野、方言:沙流)
haw/hawe(he)
ハウ/ハウェ(ヘ) 【haw/hawe(he)】 声,音,言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
hawan __hi
ハワニ 【haw-an hi】 言うには. (出典:萱野、方言:沙流)
hawannine
ハワンニネ 【hawan hine】 言うので. (出典:萱野、方言:沙流)
hawas
ハワㇱ 【haw-as】 話,噂. →ハウアㇱ (出典:萱野、方言:沙流)
hawe
ハウェ 【hawe】 (〜な)の. エ・イェ ハウェ?=君がしゃべったの?エ・ヌ ハウェ?=君が聞いたの? (出典:萱野、方言:沙流)
hawe
ハウェ 【hawe】 様子. (出典:萱野、方言:沙流)
hawe wenruy
ハウェ ウェンルイ 【hawe wen-ruy】 やかましい. エㇰ ハウェ ウェンルイ=来る声がやかましい. (出典:萱野、方言:沙流)
hawean
ハウェアン 【hawe-an】 しゃべる. (出典:萱野、方言:沙流)
haweas
ハウェアㇱ 【hawe-as】 (鳥が)鳴く. タン パイカㇻ タ タント エアシㇼ カㇰコㇰ ハウェヘ アㇱ カㇱ(ク・アㇱ) ワ ク・イコカヌ=今年の春になって今日初めてかっこうの鳴く声が聞こえ.私は立ち止まって耳を傾けた. (出典:萱野、方言:沙流)
hawehe amkir
ハウェヘ アㇺキㇼ 【hawehe amkir】 その声に聞き覚えがある.▷ハウェヘ=声 アㇺキㇼ=知っている エソイネ アイヌハウ アㇱ アクス ハウェヘ アㇺキㇼクㇽ ネ ヤㇰ イェ アクス ソンノ ポカ フチ カㇻクフ ネ アアン=外へ人声が聞こえたら,声に聞き覚えがある人だと言っていたら,本当におばあさんの甥であった. (出典:萱野、方言:沙流)
haweheas
ハウェヘアㇱ 【hawehe as】 声がする. (出典:萱野、方言:沙流)
hawehepon
ハウェヘポン 【hawehe pon】 低声,声が低い.▷ハウェ=その声 ポン=小さい (出典:萱野、方言:沙流)
haweheporo
ハウェヘポロ 【hawehe poro】 声高.▷ハウェヘ=その声 ポロ=大きい (出典:萱野、方言:沙流)
haweheroyse
ハウェヘロイセ 【hawehe royse】 がやがやしている, (出典:萱野、方言:沙流)
hawekoyki
ハウェコイキ 【hawe-koyki】 叱る:声で叱る,怒鳴る. (出典:萱野、方言:沙流)
hawene
ハウェネ 【hawe-ne】 そうだ,そのとおりだ. (出典:萱野、方言:沙流)
haweneciki
ハウェネチキ 【hawe ne ciki】 それならば,そうであるなら. (出典:萱野、方言:沙流)
hawenekorka
ハウェネコㇿカ 【hawe ne korka】 そうはいっても,とはいうものの. タヌクラン エレウシ ルスイ シコㇿ ネ ハウェ ネ コㇿカ エ・ホクフ カ イサㇺ ラポㇰ タ アッチェ タ エ・レウシ ワ ア・イ・コイキ ヤㇰ ウェン ナ ホクレ イワㇰ=今夜お前が泊りたいと,そうはいってもあなたの夫が留守の時によそにお前が泊りお前が叱られると悪いので早く帰れ. (出典:萱野、方言:沙流)
haweneyakun
ハウェネヤクン 【hawe ne yakun】 そうであるなら,とにもかくにも,なんなら,なんにせよ. (出典:萱野、方言:沙流)
haweoka
ハウェオカ 【hawe-oka】 言う. (出典:萱野、方言:沙流)
haweruy
ハウェルイ 【hawe ruy】 騒ぐ:声が大きい (出典:萱野、方言:沙流)
hawetursere
ハウェトゥㇽセレ 【hawe-turse-re】 怒鳴りつける.▷ハウェ=声 トゥㇽセ=落とす レ=させる →声で落とすほどに (出典:萱野、方言:沙流)
hawke 1
ハウケ 【hawke】 ①緩い.弱い. シンタ オㇿ テンネㇷ゚ ア・オレ ヒ タ エイタサ ハウケ ヒ カ ウェン ペ ネ.シピチピチ ワ ハチㇼ コㇿ イヤイキㇷ゚テ クス=ゆりかごに赤ちゃんを乗せる時にあまりにも緩いことも悪いものだ.体をくねらせ落ちると危険なので.ハㇻキソ ウン フチ オンネ エハンケ ワ ウン ソモ.シーノ ハウケ ワ ア・エラムイクㇽクㇽ=右隣のおばあさん,死ぬの近いからではないだろうか,本当に弱いので私は気にしている. (出典:萱野、方言:沙流)
hawke 2
ハウケ 【hawke】 ②簡単だ. タパン ハワㇱ アナㇰネ ハウケ オルㇱペ ソモ ネ クス カムイ ア・エコシ エアシㇼキ ペ ネ ハウェ ネ ワ=この話はちょっとやそっとのものではない.神様に任せるほかないことだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
hawke seta yayehororse
ハウケ セタ ヤイェホロㇿセ 【hawke seta yay-e-hororse】 弱い犬のうなり声.▷ハウケ=弱い セタ=犬 ヤイ=自身 エ=それ ホロㇿセ=うなり声 (出典:萱野、方言:沙流)
hawkor
ハウコㇿ 【haw-kor】 声をたてる. ヘカチ モコㇿ ワ アン ナ イテキ ハウコㇿ ノ アプンノ オカ ヤン=子供が眠っているから声を出さないで静かにしていてください.パㇱクㇽ ネ ヤ エ・ヤミ ネ ヤ ハウコㇿ パ コㇿ スワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ シㇼシモイェ エㇰ ヒ ネ ア ワ=カラスとかカケスとか声を出しながら飛び立ったかと思うと同時に,ぐらぐらと地震が来たものであった.ソイタ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エヤミ ネ ヤ パㇱクㇽ ネ ヤ チカㇷ゚ ウタㇻ ハウコㇿ コㇿ ウコスワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ ペコㇿ フマㇱ.オヤチキ シㇼシモイェ エカㇺケヒ ネ アアン=外で私が立っていると.カケスや烏や鳥たちが声を出しながら一斉に飛び立ったと思うと,あたりがぐらぐらしたように感じた.知らなかったが地震予知であった. (出典:萱野、方言:沙流)
hawkowen
ハウコウェン 【haw-ko-wen】 声がうるさい. (出典:萱野、方言:沙流)
hawsak
ハウサㇰ 【haw-sak】 黙る. (出典:萱野、方言:沙流)
hawsitayki
ハウシタイキ 【haw-sitayki】 知らせが来る:凶報が来る▷ハウ=声 シタイキ=叩く,殴る ハイ ク・サンペー アッケㇱ タ ウェンヤトイネ ウタㇻ ウチㇷ゚コウェンテ セコㇿ コタン クㇽカㇱ ハウシタイキ イヨーハイ=ああ心臓も止まりそうだ.厚岸へ強制徴用された人たちが難破したと村の上へ知らせが来た,どうしようか.*凶報はまるで村そのものを声で殴るような大変なことである. (出典:萱野、方言:沙流)
hay
ハイ 【hay】 イラクサ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hay
ハイー 【hay】 うーん,あーあ. ハイー ク・シンキ フミー=あーあ疲れたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hay ku=ramutuy humi
ハイ クラムトゥイ フミ 【hai ku=ramutuy humi】 ああ,驚いた.▷ク=私 ラム=思い トゥイ=切れる →思いが切れる→驚く (出典:萱野、方言:沙流)
hay ku=sampe
ハイ クサンペー 【hai ku=sampe】 ああ心臓も止まりそうだ. ハイ ク・サンペー アッケㇱ タ ウェンヤトイネ ウタㇻ ウチㇷ゚コウェンテ セコㇿ コタン クㇽカシ ハウシタイキ イヨーハイ=ああ心臓も止まりそうだ,厚岸へ強制徴用された人たちが難破したと村の上へ知らせが来た,どうしようか.*木村コヌマタンさんが聞かせてくれた話. (出典:萱野、方言:沙流)
haykannup 1
ハイカンヌㇷ゚ 【haykannu-p】 ①中ぐらいの:この言い方は鍋と熊に対してのみの言い方である. (出典:萱野、方言:沙流)
haykannup 2
ハイカンヌㇷ゚ 【haykannu-p】 ②若い熊,中ぐらいの熊. ア・アキヒ トゥラノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニ センピㇼ ワ ハイカンヌㇷ゚ シネㇷ゚ ピッコサヌ イ・カカㇺテㇰ イ・ヨㇱ エㇰ コㇿ アン ア・アキヒ ホユプ ワ エㇰ ネア ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ シㇼコオッケ イ・カオピューキ クスケライ シㇰヌ・アン=弟とふたりで狩に行くと立ち木の陰から若い熊が1匹さっと出て来て私の上へかぶさった,後から来ていた弟が走って来てその若い熊を槍で突き殺し私を助け,そのお陰で私は生きた. (出典:萱野、方言:沙流)
haykannusu
ハイカンヌス 【haykannu-su】 中型鍋:鉄製. タント アナㇰネ アイヌ インネ カ ソモ ナンコㇿ ナ ハイカンヌス アニ スケ パ ヤン=今日はそれほど人が多くはないだろうから中型鍋で煮物をしなさい.図[ハイカンヌス] (出典:萱野、方言:沙流)
haykaynup
ハイカイヌㇷ゚ →ハイカンヌㇷ゚ (出典:萱野、方言:沙流)
haykina
ハイキナ 【hay-kina】 エゾイラクサ,イラクサ. (出典:萱野、方言:沙流)
hayna
ハイナ 【hayna】 5人:人数を数える時に言う言葉.*昭和58年5月7日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
hayok
ハヨㇰ 【hayok】 武装した. (出典:萱野、方言:沙流)
hayokpe
ハヨㇰペ 【hayok-pe】 よろい,武具:実在しない.ユカㇻに出る. (出典:萱野、方言:沙流)
hayrotke
ハイロッケ 【hayrotke】 くすぐったい. (出典:萱野、方言:沙流)
hayrotkere
ハイロッケレ 【hayrotke-re】 くすぐる. アヤイ エイタサ ア・ハイロッケレ コㇿ ヨㇺクㇽ ワ オラー チㇱネアㇻパㇷ゚ ネ ナ イテキ ネノ イキ=赤ちゃんをあまりにもくすぐるとしゃっくりをしてその後泣き始めるものだからあまりそうするではないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hayrototo
ハイロトト 【hay-rototo】 くすぐる. (出典:萱野、方言:沙流)
hayta 1
ハイタ 【hayta】 ①不足である.足りない. タンパ ケマン ワ アエㇷ゚ ハイタ ノイネ エアㇻキンネ ク・ラムチュㇷ゚テㇰ アエㇷ゚ ア・オトゥペカレ ロー=今年は食べ物が足りないらしい.とっても心細いので食べ物を大事にしよう.タント アナㇰネ アイヌ インネ ナンコㇿ ナ アエㇷ゚ ハイタ ヤㇰ ウェン ナ ポロ ス アニ スケ ヤン アニー=今日は人が大勢であろうと思う.食べ物が不足すると悪いので大きい鍋で煮物をしなさいね.カットゥリ(ク・アットゥリ) コㇿ カナ(ク・アン ア) コㇿカ アㇱカ ポンノ ハイタ ナ エ・コㇿ チキ エネルサ(エン・エルサ)=私は厚司の糸を伸ばしていたが縦糸が少し足りなくなったので,お前が持っていたら貸してくれ.ウピピ ウピピ イペ パ コㇿ ポーヘネ アエㇷ゚ ハイタ ナ ホクレ エㇰ ワ イペ オケレ パ ヤン=別々に食べるとなおさら食べ物が足りないから早く来て食べ終わらせなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
hayta 2
ハイタ 【hayta】 ②馬鹿な,気狂い:足りない. (出典:萱野、方言:沙流)
haytakur
ハイタクㇽ 【hayta-kur】 馬鹿:少し足りない人.▷ハイタ=足りない クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
he
ヘ 【he】 〜か,〜かい,〜なのか. ネㇷ゚カ ア・エラナㇰペ アン ワ ヘ アッチェウンウタㇻ インネ トパハ サㇷ゚ パ ルウェ アン=何か心配事でもあったのか,よその人たちが大勢下がって行ったよ.タ ㇷ゚ ヘ?=今かい?エシㇼ ヘ?=先程かい?ヘマンタ フナラ ヘ コカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパ アㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥコヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして,さっぱり前へ進まないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
he
ヘー 【he】 しばらくぶり,ひさしぶり,こんにちは〔挨拶〕. エ・ハウェヘ ヘー=君の声はしばらく,君の声に挨拶しよう. (出典:萱野、方言:沙流)
hecaka
ヘチャカ 【hecaka】 (〜が)晴れる. シネアンタ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ウラㇻエシットゥライヌ・アン アㇷ゚カㇱアナイネ(アㇷ゚カㇱ・アン アイネ) ウラㇻ ヘチャカ シㇼコクンネ アン コㇿ ネ コㇿカ イワㇰ・アン=ある日のこと山へ行ったら霧で道に迷った.歩いて歩いて霧が晴れ夜になったけれども帰って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
hecawe
ヘチャウェ 【hecawe】 ほころびる. ク・コロペㇾ(ク・コㇿ オペㇾ) メノコ エ・ネ ナ ク・モウリヒ イキリ ヘチャウェ ウㇱケ ウカウカ ワ エン・コレ=孫娘よ,お前は女だから私の肌着の縫い目のほころびた所を粗縫いしてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
hecaweni
ヘチャウェニ 【hecawe-ni】 (仕掛け弓の矢の)止め木,引きがね木:仕掛け弓に番えてある矢の弾きを止めてある木(萱野茂『アイヌの民具』151頁). (出典:萱野、方言:沙流)
hecawere
ヘチャウェレ 【hecawe-re】 ほぐす. アミㇷ゚ ヘチャウェレ=着物をほぐせ. (出典:萱野、方言:沙流)
hecirasa
ヘチラサ 【hecirasa】 咲く:花の満開時ではなく,七分咲きくらいをいう.またキャベツがまだ玉にならない,あるいは玉になりそこねた状態をヘチラサ カイベツと言ったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
heciraspa
ヘチラㇱパ 【heciraspa】 花が咲く〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hecirhaw
ヘチㇼハウ 【hecir-haw】 歌声,踊りの時に出す声[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hehewpa
ヘヘウパ 【hehewpa】 覗く,覗き見(する). トト インカㇻ ヘマンタ カㇻ ペ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ コタン オペㇱ オㇱ アㇻパ ワ インカㇻ=あれあれ何をする者.家ごとに覗き見しながら村を通って行く,後へ行ってみろ.ク・サポ ポンノ ホㇱキ タㇷ゚ アㇻパ アイヌ エアㇻキンネ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ アㇻパ.シノ ク・イヨヤモㇰテ オカピクイラ・アン ワ インカㇻ・アン ロー=おねえさんちょっと待って,今行った人が家々ごとに覗きながら行った.本当に疑わしい,後をつけて行ってみよう. (出典:萱野、方言:沙流)
hekaci
ヘカチ 【hekaci】 少年,子供. (出典:萱野、方言:沙流)
hekacikor
ヘカチコㇿ 【hekaci-kor】 子守(する). ペウレアニ(ペウレ・アン ヒ) タ アナㇰネ シユトハポ チセ オッタ(オㇿ タ) ヘカチコㇿ コㇿ アン コㇿ アイヌパータ チセ オッタ アン シコㇿ ヤイヌ・アン ペ ネ ア コㇿカ オンネ・アン ワ ヘカチコㇿ・アン ワ イヌ・アン コㇿ エアㇻキンネ シンキ・アン=若い時は姑母が家で子守をしていると,いいものだなあ家にいて,と思ったものだが年をとってから子守をしてみると本当に疲れる. (出典:萱野、方言:沙流)
hekacipekakur
ヘカチペカクㇽ 【hekaci-peka-kur】 子供を受ける男,削り台.別の言い方をイヌンペサウㇱペ(炉縁の前にある物)とも言うし、ノタッペカクㇽ(刃を受ける男)と言うこともある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hekacipekamat
ヘカチペカマッ 【hekaci-peka-mat】 子供を受ける女,削り台. *アイヌ家屋の入口の方から見て,炉の左隅に見えるのが男,右の隅に見えるのが女,子供が炉に落ちそうになったら夫婦の神が受けとめてくれると考えていた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hekattar
ヘカッタㇻ 【hekattar】 子供(たち):7,8〜15,6歳. (出典:萱野、方言:沙流)
heki
ヘキ 【he ki】 だろうか. アㇻパ ヘ キ?=行っただろうか?モコㇿ ヘ キ?=眠っただろうか? (出典:萱野、方言:沙流)
hekiru
ヘキル 【he-kiru】 (顔だけ)向く. (出典:萱野、方言:沙流)
hekisakisa
ヘキサキサ 【he-kisa-kisa】 (いやだと)首をふる.▷ヘ=自ら キサキサ=きりもみ,穴を穿つ →首を何回もふるのできりもみのようだと表現する (出典:萱野、方言:沙流)
hekokarip
ヘコカリㇷ゚ 【he-ko-kari-p】 女の鉢巻. (出典:萱野、方言:沙流)
hekomo
ヘコモ 【he-komo】 帰る,引き返す. (出典:萱野、方言:沙流)
hekorka
ヘコㇿカ 【hekorka】 尻をぶつけあう遊びの踊り(平取町内荷負本村). (出典:萱野、方言:沙流)
hekote
ヘコテ 【he-kote】 仕える.▷ヘ=自ら コテ=繋ぐ ク・ヘコテ ニㇱパ ポ エノッパ(エン・ホッパ) ワ タンパ エトゥレン トゥホッ パ カ ネ こきん ウナㇻペ エネ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ=私の仕えた方(夫)が私を残して逝って今年で40年になったとこきんおばさんが述懐していたのを聞いたことがあった. (出典:萱野、方言:沙流)
hekote
ヘコテ 【he-kote】 向かって,〜の方へ. タㇷ゚ エ・ユピヒ エ・ヘコテ アㇻパ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ アㇷ゚ ソモ エ・ヌカㇻ ノ エ・エㇰ シリ.ネイタカ エチ・ウウェソㇱナ=たった今お前の兄がお前の所へ向かって行くと言って外へ出たのに,見ないで来たのかい.どこかで行き違いになったんだな. (出典:萱野、方言:沙流)
hekotehosari
ヘコテホサリ 【hekote-hosari】 (〜の方を)向く.▷ヘコテ=の方を ホサリ=向く (出典:萱野、方言:沙流)
hekotekur
ヘコテクㇽ 【he-kote-kur】 夫.▷ヘ=自ら コテ=繋ぐ クㇽ=人 →自らを繋ぐ人 "エ・ヘコテクㇽ タント チセ オッタ(オㇿ タ) アン ヤ," "イサㇺ.ク・ヘコテクㇽ エキㇺネ ワ イサㇺ"=「あなたのだんなさんは今日家にいるかい?」「いない,私の夫は山へ行ってしまった」ニサッタ ア・ヘコテクㇽ トゥラノ エピㇱネ サパン(サㇷ゚・アン)=明日,私の夫とともに浜へ行く. (出典:萱野、方言:沙流)
hekotenispa
ヘコテニㇱパ 【he-kote-nispa】 主人.▷ヘコテ=仕える ニㇱパ=裕福な人 (出典:萱野、方言:沙流)
hekushekus
ヘクㇱヘクㇱ 【hekus-hekus】 ぐずぐずして決断力がない,だだをこねる. (出典:萱野、方言:沙流)
hem
ヘㇺ 【hem】 それ,など,も. タアンペ ヘㇺ=これこの物も. (出典:萱野、方言:沙流)
hemakamaka
ヘマカマカ 【he-maka-maka】 のけぞる. (出典:萱野、方言:沙流)
hemakasi
ヘマカシ 【he-mak-asi】 奥の方,東側:家の中では囲炉裏から奥の方を意味し,村の中では自分の家より東側を意味する. (出典:萱野、方言:沙流)
hemanta
ヘマンタ 【hemanta】 何. (出典:萱野、方言:沙流)
hemanta eta
ヘマンタ エター 【hemanta eta】 はあ:相手の言うことに問い返す言葉,なんでしょうか.*話がよく聞こえない時にもう1度問い返す場合にヘマンタエターと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
hemantakusu
ヘマンタクス 【hemanta kusu】 なぜ,どうして,なんのために. (出典:萱野、方言:沙流)
hemantane
ヘマンタネ 【hemanta ne】 何しに. ヘマンタネ アㇷ゚ト トゥㇺ タ エ・エㇰ シリ アーン=何しに雨の中をお前は来たの. (出典:萱野、方言:沙流)
hemantaomotonewa
ヘマンタオモトネワ 【hemanta omoto ne wa】 何が原因なのか. ヘマンタ オモト ネ ワ スイ ウムレㇰウコイキ イマチネㇷ゚ パタチンネ ワ エネ ア・カリー カ イサㇺ=何が原因なのか,またしても夫婦げんか,妻のほうがとりみだし手もつけられない。 (出典:萱野、方言:沙流)
hemem
ヘメㇺ 【hemem】 〜も. カㇺ ヘメㇺ チェㇷ゚ ヘメㇺ=肉も魚も.エモ アナㇰネ トオㇷ゚ フㇱコトイ ワノ アイヌ ウタㇻ エトイタ パ ワ エモシルㇷ゚ アニ シル ワ エ ヘメㇺ キ ルプㇱカ ワ ペネエモ ネ カ カㇻ パ ワ エ パ ㇷ゚ ネ=ジャガイモはずうっと昔からアイヌたちは蒔いていたもので,ジャガイモ下ろし金で下ろして食べたり,凍らせて潰れいもにして食べたりしたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hemespa
ヘメㇱパ 【hemespa】 登る,上がる〔複〕. ア・ウタリヒ シトゥカリ ヘメㇱパ ナイパルㇽ タ イイェトコウㇱ クニ ア・イェ オヌマン パㇰノ アナン(アン・アン) ア コㇿカ オムケン・アン=私の仲間たちは尾根に登って行き,私は沢縁で待ち伏せするように言われ夕方までいたが何も獲れない. (出典:萱野、方言:沙流)
hemesu
ヘメス 【hemesu】 登る,上がる〔単〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hemhem
ヘㇺヘㇺ 【hem-hem】 そうだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hemkuror
ヘㇺクロㇿ 【hemkuror】 うなずく. オトゥ ヘㇺクロㇿ,オレ ヘㇺクロㇿ=2度うなずき,3度うなずく(そうかそうかとうなずく). (出典:萱野、方言:沙流)
hempak
ヘンパㇰ 【hempak】 どのくらい. ヘンパㇰ ペ エコンルスイ(エ・コㇿ ルスイ)=どのくらいの数を(君は)欲しいの?ヘンパㇰ ト エ・レウシ?=何日泊まるの (出典:萱野、方言:沙流)
hempakpa
ヘンパㇰパ 【hempak pa】 何年. アチャポ ウタㇻ ヘンパㇰ パ カ ソモ ウヌカㇻ ノ オカ タント ウヌカㇻ ワ ソンノ ウウェヤイレンカ パ コㇿ オカ=おじたちは何年も会わずにいて,今日しぱらくぶりで会って本当に懐かしみ合っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
hempara
ヘンパラ 【hempara】 いつなんどき. ヘンパラ ネ ハウェアン=いつになるものだ.ヘンパラ エㇰ ペ アン=いつ来るものだ.ヘンパラ ネ ヤ ヤッカ=いつでも. (出典:萱野、方言:沙流)
hempara ka
ヘンパラ カ 【hempara ka】 いつか. (出典:萱野、方言:沙流)
hemsiyeye
ヘㇺシイェイェ 【hem-siyeye】 急病. ナー ペウレクㇽ ネ クニ ク・ラム アㇷ゚ ヘㇺシイェイェ キ ワ イサㇺ ヤㇰ ア・イェ ア・ケㇺヌ ハワㇱ=まだ若い人と思っていたのに急病をして亡くなったという,気の毒な話. (出典:萱野、方言:沙流)
hemtasumi
ヘㇺタスミ 【hem-tasumi】 急病. ヘㇺタスミ ヘㇺシイェイェ=全くの急病のことをいう[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
hemtautar
ヘㇺタウタㇻ 【hemta-utar】 あの者たち. パㇰノ ア・ヌエウェンペ ウオㇰパレ ネ ㇷ゚ ヘㇺタウタㇻ ウオㇰパレ パ ヒ ク・ヌ ケヤイサッチャンペネ(ク・エヤイサッチャンペネ)=これぐらい聞きづらいことは他にないのが親不孝なのに,あの者たちが親不孝をしていると聞いて私はすっかり気分を悪くした. (出典:萱野、方言:沙流)
hemtom
ヘㇺトㇺ 【hemtom】 ある時. ヘㇺトㇺ アン ヒ ワノ=ある時から. (出典:萱野、方言:沙流)
hemtomani wano
ヘㇺトマニ ワノ 【hemtom-an-i wano】 近頃:数日前から今まで. (出典:萱野、方言:沙流)
hemuymuye
ヘムイムイェ 【he-muy-muye】 ふて寝(する):ふてくされて寝ること. オナハ トゥラ クナㇰ イェ ワ エヤイコプンテㇰ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ソモ ア・トゥラ ア クス コヘムイムイェ イヌヌカシ=父親が連れて行くと言ったので喜んでいたのに連れて行ってもらえなかったのでふて寝している,かわいそうに. (出典:萱野、方言:沙流)
hene
ヘネ 【hene】 〜でも,〜など,〜や,〜しても. シト ヘネ エ=団子でも食べろ.ホッ ノ イヨーハイ アチャポ アナㇰネ ウウェインカㇻ ペ コラーチ ウェンペ ヘネ ピㇼカ ㇷ゚ ヘネ エセミタㇰ キ=本当にたまげた,おじさんは千里眼のように悪いことでもいいことでもそれを予言する. (出典:萱野、方言:沙流)
henene
ヘネネ 【he-nene】 曲がる.▷ヘ=自ら ネネ=曲げる (出典:萱野、方言:沙流)
henoye
ヘノイェ 【he-noye】 寄る.▷ヘ=自ら ノイェ=ねじる ヘノイェ ワ シニ ヤン=寄って休みなさい.ヘノイェ ワ アㇻパ=寄って行け.ネイタカ パトゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ ヒ ア・ヌ コㇿ ウクリペ ア・ウㇰ ワ アパ オッタ(オㇿ タ) プヤㇻ オッタ ア・エウシ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ ソモ ヘノイェ ㇷ゚ ネ=どこかで流行病が蔓延したと聞いたらヤツメウナギを獲って来て戸とか窓に差しておくと病気の神が寄らないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hepasi
ヘパシ 【<he-pa-asi】 川下の方.*二風谷村でならば平取の方.つまり海のある方がヘパシ. タネ ホッケ・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アナナクス(アン・アン アクス) ヘパシ ペウタンケ ハウ ア・ヌ アロラㇺポソアニネ(アロラㇺポソ・アン ヒネ) ソヨテㇾケアナクス(ソヨテㇾケ・アン アクス) シㇼウフイ ネ ノイネ ポロ アペ ニペㇰ ア・ヌカㇻ=さて寝ようかなと思っていると,下の方から危急を知らせる叫び声が聞こえ驚いて外へ飛び出ると,火事らしく大きい火の光が見えた.←→ヘペラ (出典:萱野、方言:沙流)
hepenpenu
ヘペンペヌ 【he-pen-penu】 うなずく. ネㇷ゚カ ア・イェ コㇿ ヌ ワ オカ ウタㇻ ヘペンペヌ パ コㇿ ヌ ワ オカ シリ ア・エラマン ペ ネ クス イタㇰ・アン フミ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=何かしゃべる時に聞いている人たちがうなずいてくれると,聞いていることがわかるので話をするのにいいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
heper
ヘペㇾ 【heper】 子熊,赤ちゃん熊:生まれて1年以内. (出典:萱野、方言:沙流)
heper'ay
ヘペㇾアイ →ヘペライ (出典:萱野、方言:沙流)
heper'oypep
ヘペㇾオイペㇷ゚ 【heper-o-ipe-p】 子熊の餌入れ:シケㇾペニ(キハダ)製. 図[ヘペㇾオイペㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
hepera
ヘペラ 【hepera】 川上の方.*二風谷からいうと沙流川上流,荷負の方がヘペラ. ヘペライワ=川上の方から.ハポ ヘペラ アㇻパ アプン=おかあさんは川上の方へ行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
heperawa
ヘペラワ 【hepera wa】 川上の方. ヘペラワ=川上の方から.#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
heperay
ヘペライ 【heper-ay】 花矢:ラスパ(サビタ).▷ヘペㇾ=小熊 アイ=矢(『アイヌの民具』302頁) 図[ヘペライ作り][ヘペライ] (出典:萱野、方言:沙流)
heperesinotpe
ヘペレシノッペ 【heper-e-sinot-pe】 子熊のおもちゃ:ケネ(ハンノキ)製. 図[ヘペレシノッペ] (出典:萱野、方言:沙流)
heperimoka
ヘペリモカ 【heper-imoka】 子熊のおみやげ:ポンニカプンペで作った袋.他.▷ヘペㇾ=小熊 イモカ=おみやげ (出典:萱野、方言:沙流)
heperset
ヘペㇾセッ 【heper-set】 子熊のおり:プンカウ(ドスナラ),チクペニ(エンジュ)で作る. 図[ヘペㇾセッ] (出典:萱野、方言:沙流)
hepertakusa
ヘペㇾタクサ 【heper-takusa】 子熊の清め草:笹.*熊送りの時の道具. (出典:萱野、方言:沙流)
hepertus
ヘペㇾトゥシ 【heper-tus】 子熊を繋ぐ綱:カパイ(イラクサ)製. (出典:萱野、方言:沙流)
hepetasisi
ヘペタシシ 【hepetasisi】 安心する. エキㇺネ ウタㇻ シㇼクンネ ヤッカ イワㇰ イサㇺ パ アンノㇱキ パㇰノ ウンテレ.アン ヤッカ ソモ イワㇰ パ アㇷ゚ イワㇰ クヘペタシシ=山へ行った人たちがあたりが薄暗くなって帰って来ない.夜中まで待っても帰って来なかったが帰って来て安心した. (出典:萱野、方言:沙流)
hepewsamampe
ヘペウサマンペ 【hepew-samampe】 オヒョウ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hepitani
ヘピタニ 【hepita-ni】 ばね木.弾き柴:ウサギ罠に用いる.▷ヘ=自ら ピタ=解く ニ=木 イセポカ ア・カㇻ ヒ タ ヘピタニ ネ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ チキサニ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ.ア・エネネ ヤッカ カイ ニューケㇱ ペ ネ=ウサギの罠をしかける時にばね木に作る木はアカダモが一番いいものだ.曲げても折れにくいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hepoki
ヘポキ 【he-poki】 お辞儀する:頭を下げる. (出典:萱野、方言:沙流)
hepokiki
ヘポキキ 【he-poki-ki】 うなだれる,うつむく. (出典:萱野、方言:沙流)
hepokipoki
ヘポキポキ 【he-poki-poki】 (何度も)頭を下げる,お辞儀をする. (出典:萱野、方言:沙流)
heporap
ヘポラㇷ゚ 【he-pora-p】 蝶. (出典:萱野、方言:沙流)
heporapora
ヘポラポラ 【he-pora-pora】 羽をばたばたすること. (出典:萱野、方言:沙流)
hepuni
ヘプニ 【hepuni】 栄える.▷ヘ=自ら プニ=起こす (出典:萱野、方言:沙流)
hepututu
ヘプトゥトゥ 【hepututu】 唇を突き出してぷんと怒っていること,ぷんとする. (出典:萱野、方言:沙流)
herasi
ヘラシ 【<he-ra-asi】 下の方. ヘラシ アㇻパ ア ワ=下の方へ行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
heremamheremam
ヘレマㇺヘレマㇺ 【heremam-heremam】 ぴかっと光る. (出典:萱野、方言:沙流)
herepasi
ヘレパシ 【he-rep-asi】 沖へ,沖の方へ. (出典:萱野、方言:沙流)
hererke
ヘレㇾケ 【hererke】 光っている,ぴかぴかしている. (出典:萱野、方言:沙流)
hererse
ヘレㇾセ 【hererse】 咳込む. (出典:萱野、方言:沙流)
herikasi
ヘリカシ 【he-rik-asi】 上の方. ヘリカシ アㇻパ ア ワ=上の方へ行ったよ.ヘリカシ インカㇻ=上の方を見よ.ヘリカシ ネ ペコㇿ ク・ヌ ア ワ=上の方のように私は聞いたよ.アイヌ アナㇰネ ピサックノカ シンナレヘ "トイタサオッ" シコㇿ カ ア・イェ.トイタウシ アン コㇿ トオㇷ゚ ヘリカシ キラ クス ア・イェ ヒ ネ=アイヌ民族は北斗七星の別の名を「畑耕しから逃げる」とも言う.畑時期になるとずうっと上へ逃げるのでそう言われるのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
herisarisa
ヘリサリサ 【he-risa-risa】 髪が乱れている,ざんばら髪,乱髪. (出典:萱野、方言:沙流)
heroki
ヘロキ 【heroki】 ニシン,春告げ魚. (出典:萱野、方言:沙流)
heru
ヘル 【heru】 たった,ただの,ごく(非常に). イヨーハイ ヘル エネ パㇰノ ア・エン・コレ ヒ=まああきれた,たったそれだけ私にくれるの.オンネ・アン コㇿ ヘル ウコアㇷ゚カㇱ ポカ ケヤイオチㇱチㇱレ(ク・エヤイオチㇱチㇱレ) ク・ケマハ カ アㇻカ=年をとるとただの往来も私自身大儀になった,足も痛いし.タント アナㇰネ ホカンパ イタㇰ ソモ ク・イェ ノ ヘル クワンノ ク・イタㇰ=今日は難しい言葉を私は言わずにごく簡単にしゃべる. (出典:萱野、方言:沙流)
herukirikewe
ヘルキリケゥェ 【heru-kiri-kewe】 骨っ節だけ. ソンノイヨーハイ サッテㇰワ ヘルキリケゥェ ウゥォウシペコロ サッテㇰワアン=本当にたまげたなー,痩せてしまってただ骨っ節だけつながっているかのように痩せている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
herukuwanno
ヘルクワンノ 【heru-kuwanno】 ただ真っすぐに. ▷ヘル=ただ クワンノ=真っすぐに(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
herumotoci
ヘルモトチ 【heru-motoci】 白骨,背骨だけ,ただ芯だけ,とうもろこしの芯などをいう. ▷ヘル=ただ モトチ=背骨,芯 *キミモトッ(キミモトチヒ)=とうもろこしの芯,粒を落とした芯.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
herupattakup
ヘルパッタクㇷ゚ 【heru-pat-takup】 ただ口だけ,口だけ達者. ▷ヘル=ただ ハッ(パラ)=口 タクㇷ゚=だけ ヘルパッタクㇷ゚ イヨアットゥィェ=ただ口だけで、私を全く切る.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
heruponetakup
ヘルポネタクㇷ゚ 【heru-pone-takup】 ただ骨だけ. ヘル=ただ ポネ=骨 タクㇷ゚=だけ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hesasi 1
ヘサシ 【hesasi】 ①前側.前の方:家の中では家の中より下座の方を意味し,村の中では自分の家より西側または下流の方を意味する. ヘサシ サン ワ アペクㇽ=前の方に出て火にあたれ.スイ スイ イキヤクㇽ ヤイェシンノヤノヤ ワ ヘサシ サン ウェンコシパㇱヌ ㇷ゚=またもやあの人が身体をよじって人の間を抜けて前へ出た,たいしたこともないくせに目立ちたがって. (出典:萱野、方言:沙流)
hesasi 2
ヘサシ 【hesasi】 ②海岸(海から離れた方). ヘサシ サン ア ワ=海岸へ出たよ.ヘサシ アㇻパ=海岸へ行け.←→ヘマカシ (出典:萱野、方言:沙流)
hese
ヘセ 【hese】 呼吸,息をする. (出典:萱野、方言:沙流)
hesehese
ヘセヘセ 【hese-hese】 とっきんとっきん,息切れ. カㇱケペチヒ(ク・アㇱケペチヒ) トゥチ アニ ク・キㇰ エアㇻキンネ ヘセヘセ ペコㇿ アㇻカ.イェオッ ノイネ ネ ナ ヌカㇻ ワ エン・コレ.ハイー イタササ イタササ=私の手の指を槌で叩いた.本当にとっきんとっきんと痛い.膿を持っているらしいから見てくれ.あー痛いよう,痛いよう. (出典:萱野、方言:沙流)
hesepaha
ヘセパハ 【hese-paha】 息の湯気. ヘセパハ エネ ネ ペコㇿ ア・ヌ=息の湯気が私にはそのように聞こえた.*熊神など人間の言葉を話せない神が人間に語りかける場合に出て来る言葉.神が人間に語りかけるのは大方夢の中である. (出典:萱野、方言:沙流)
hesepahawe
ヘセパハウェ 【hese-pahawe】 寝息. (出典:萱野、方言:沙流)
heserekut/heserekuci(hi)
ヘセレクッ/ヘセレクチ(ヒ) 【heserekut/-rekuci(hi)】 気管. (出典:萱野、方言:沙流)
heseturiri
ヘセトゥリリ 【hese-turiri】 (ほっと)ひと息つく,ため息をつく:はあっと息を吐く.▷ヘセ=息 トゥリリ=伸ばす (出典:萱野、方言:沙流)
heta
ヘタ 【heta】 さあ. ヘタ エン・トゥラ=さあ.私と行こう.ヘタ アㇻパ・アン ロー=さあ,行きましょう.ヘタ ネㇷ゚キ=さあ,仕事をしろ. (出典:萱野、方言:沙流)
hetak
ヘタㇰ 【hetak】 それっ,さあ急いで. ヘタㇰ エㇰ ナ=それっ来たぞ.ヘタㇰ ホユプ ワ アㇻパ コㇿ ワ エㇰ.エチ・テレ ワ カン(ク・アン) ナ=それっ走って行って持って来い.お前を私は待っているから. (出典:萱野、方言:沙流)
hetaktaheta
ヘタㇰタヘタ 【hetak-ta-heta】 なんとか早く,少しでも早く. ネアクㇽ ヘタㇰタヘタ エㇰオカーシコㇿ クヤイコㇿ ウンテレコㇿ カンルウェウン=あの人が少しでも早く来てくれればいいなあと思いながら,私は人待ちをしているのだよ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hetaktektek
ヘタㇰテㇰテㇰ 【hetak-tek-tek】 さっと頭を上げる. ア・アキヒ サㇻモコㇿ ワ アニクス(アン ヒクス) ア・ポロハウェ ア・サンケ ラム ア・トゥイパ アクス ヘタㇰテㇰテㇰ ワ イルㇱカ ア イルㇱカ ア=私の弟がうたたねをしていたので高い声を出して驚かしたら,さっと頭を上げて怒ること怒ること. (出典:萱野、方言:沙流)
hetane a
ヘタネ アー 【hetane a】 だったかい?. タアンペ ヘタネアー?=これだったかい? (出典:萱野、方言:沙流)
hetap
ヘタㇷ゚ 【hetap】 だろうか. アイヌ ヘタㇷ゚ カムイ ヘタㇷ゚=人間だろうか神だろうか.アイヌ ヘタㇷ゚ エネ カトゥアン ワ イ・サㇺ エ・ソンコクㇱテ ワ ウェンカムイ ネ ソモ ア・イ・カㇻ=人間だろうかあなたの様子は,私の前に言葉を通らせ私は悪い神にされずにすんだ[ウ](間違いを起こした神を助けるために神々ヘアイヌのほうからお願いをした). (出典:萱野、方言:沙流)
hetce
ヘッチェ 【hetce】 合の手:ユカㇻを聞いている時の合の手. ユカㇻ ア・ヌ ヒ タ トゥミ オㇿ オㇱマ ヒ タ ヘッチェ・アン ペ ネ=ユカㇻを聞く時に戦争の場面に入った時に合の手を入れるものだ.*ヘイ,フㇺ,ヘイ,フㇺという声.驚きの声. (出典:萱野、方言:沙流)
hetco
ヘッチョ 【hetco】 太綱をなうためによりをかけたシナ皮:チミンニペㇱ(シナの皮)を細く裂いたもの(『アイヌの民具』40頁). 図[ヘッチョ] (出典:萱野、方言:沙流)
hetemeroski
ヘテメロㇱキ 【hetemeroski】 手で体を支える. (出典:萱野、方言:沙流)
hetke
ヘッケ 【hetke】 (急に)出る. (出典:萱野、方言:沙流)
hetkehetke
ヘッケヘッケ 【hetke-hetke】 刀が中間まで抜け抜けする. オロワ ワッカ チㇰ アンキ アン カムイ イペタㇺ ノㇱキ パㇰノ ヘッケヘッケ=刀身から水が滴りそうな神の人食い刀が中程まで抜け抜けしている[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
hetopo 1
ヘトポ 【hetopo】 ①再び,また,もう1度. ホッケ アㇷ゚ ヘトポ ホプニ=寝たのに再び起きた.ヘトポ アㇻパ=再び行った.ヘトポ シㇰヌ=再び生き返った. (出典:萱野、方言:沙流)
hetopo 2
ヘトポ 【hetopo】 ②逆に,反対に. (出典:萱野、方言:沙流)
hetukpa 1
ヘトゥㇰパ 【hetukpa】 ①育つ,成長する〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hetukpa 2
ヘトゥㇰパ 【hetukpa】 ②生える. トイトイ ヌプㇽ マヌ カシ ワ チクニ ヘトゥㇰパ=地面が偉いのにその上から木が生えるの?(早口言葉の一節) (出典:萱野、方言:沙流)
hetuku 1
ヘトゥク 【hetuku】 ①育つ,伸びる,成長する. ク・ミッポホ イット コラチ ヘトゥク シリ ク・ヌカㇻ エアㇻキンネ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=私の孫が日に日に育つのを見て本当に私は嬉しく思っている(方言:おがる). (出典:萱野、方言:沙流)
hetuku 2
ヘトゥク 【hetuku】 ②芽を出す,出る,生える. (出典:萱野、方言:沙流)
heusi
ヘウシ 【heusi】 かぶる:帽子などをかぶる. (出典:萱野、方言:沙流)
heyasi
ヘヤシ 【<he-ya-asi】 陸(へ).おか,岸. (出典:萱野、方言:沙流)
heyoki
ヘヨキ 【heyoki】 挨拶. (出典:萱野、方言:沙流)
heyoki sak no
ヘヨキ サㇰ ノ 【heyoki sak no】 挨拶なしに,物も言わずに. ヘヨキ サㇰノ アフン=挨拶なしで家へ入る. (出典:萱野、方言:沙流)
hi
ヒ 【hi】 〜の,〜か. エㇰ ヒ=来たの.ホッケ ヒ=寝たの.アㇻパ ヒ=行ったの.アン ヒ=いたの.イサㇺ ヒ=いないの.エ ヒ=食べたの.キロンヌ ヒ=腹いっぱいなの.モコㇿ ヒ=眠ったの.エ・イペ ルスイ ヒ=腹空いているの.ウパㇱ アㇱ ヒ=雪降っているの.ニサッタ アオカ カ エキㇺネ・アン ヒー=明日はあなたも山へ行くのですか? (出典:萱野、方言:沙流)
hi 1
ヒ 【hi】 ①ころ,ところ,こと,そのこと,〜のが,〜のを. (出典:萱野、方言:沙流)
hi 2
ヒ 【hi】 ②〜の,〜を,〜に,〜には. (出典:萱野、方言:沙流)
hi 3
ヒ 【hi】 ③〜のよう,様子. (出典:萱野、方言:沙流)
hi 4
ヒ 【hi】 ④〜して,そして,〜したまま,〜だから. (出典:萱野、方言:沙流)
hi an
ヒ アン 【hi ani】 〜なのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hi ne yakun
ヒ ネ ヤクン 【hi ne yakun】 〜のであるなら. ネア ウェン ペ アン ヒ ア・エラマン ヒ ネ ヤクン エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ) ク・コチョラウキ ナ=あの悪者のいる所をお前が知っているのなら私に教えてくれ,これから向かって行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
hianak
ヒアナㇰ 【hi anak】 これは. (出典:萱野、方言:沙流)
hietosi
ヒエトシ 【hietosi】 ヒエ通し. (出典:萱野、方言:沙流)
hika
ヒカ 【hi ka】 〜のも. (出典:萱野、方言:沙流)
hike
ヒケ 【hike】 〜すると,〜したら,〜したのに,〜て,〜に. イヌアニケ(イヌ・アン ヒケ)=聞くところによると. (出典:萱野、方言:沙流)
hike
ヒケ 【hike】 〜のほう. ピㇼカ ヒケ コㇿ ワ アㇻパ=いいほうを持って行け.タパン ユㇰ チュㇷ゚プス・アン ヤㇰネ アネカンカン ネ ヒケ パㇱクㇽ チロンヌㇷ゚ エイメㇰコレ ヤン=この鹿のはらわたを出したら小腸のほうは烏と狐に分け前として上げなさい.パセ ヒケ セ エトランネ ㇷ゚ ネ クス エウコㇱコㇱ パ ワ セ ルスイ クㇽ カ イサㇺ=重いほうを背負うのをいやがってなすりあい,背負いたい人がいない.ク・コㇿ キヤンネポ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ク・ミッポホ トゥン アン ポニケヘ(ポン ヒケヘ) エアㇻキンネ ピカンピカン ワ カトゥ ク・ヌカㇻ=私の長男の所には孫がふたりいて.小さいほうが本当に動きが活発で見込みのある者と思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
hikeka
ヒケカ 【hike ka】 〜(し)ても.〜のに. (出典:萱野、方言:沙流)
hikorka
ヒコㇿカ 【hi korka】 けれども. (出典:萱野、方言:沙流)
hikusu
ヒクス 【hikusu】 〜ので,そこで,そして. カムイ オッタ(オㇿ タ) ア・ヤイコトㇺカ ㇷ゚ ア・フナラ ヤッカ イサㇺ ヒクス アイヌ オルン インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) エアニ パテㇰ ア・ヤイコトㇺカ=神の所で私に似合う者を探したがいないので人間の方を見ると,お前ばかりが私に似合う.セタ ミㇰ コㇿ エン・ケサンパ ヒクス スマ アニ ア・ピイェカㇻ アクス キラ ワ アㇻパ=犬が吠えながら私を追いかけてきたので石をぶつけると逃げて行った. (出典:萱野、方言:沙流)
hinakor/hinakoro(ho)
ヒナコㇿ/ヒナコロ(ホ) 【hinak-or/-oro(ho)】 どこ. マキㇷ゚ エ・イポロ ウェン ルウェ アン.ヒナコロホ アㇻカイ アン=どうしたの顔色が悪いこと.痛い所はどこなの? (出典:萱野、方言:沙流)
hinakta
ヒナㇰタ 【hinak ta】 どこに. (出典:萱野、方言:沙流)
hinakun
ヒナクン 【hinak un】 どこへ. (出典:萱野、方言:沙流)
hine
ヒネ 【hine】 〜して,〜で,そして.〜した時.〜なので,〜に. (出典:萱野、方言:沙流)
hine
ヒーネ/ヒネ 【hine】 ずっと. (出典:萱野、方言:沙流)
hine oraun
ヒーネ オラウン/ヒネ オラウン 【hine oraun】 ところで,それはさておき:話題をかえるとき. (出典:萱野、方言:沙流)
hineap
ヒネアㇷ゚ 【hi ne ap】 だったが. (出典:萱野、方言:沙流)
hinekusu
ヒネクス 【hi ne kusu】 そして. (出典:萱野、方言:沙流)
hinemakne
ヒネマㇰネ 【hine mak ne】 それでどうなった. (出典:萱野、方言:沙流)
hineno
ヒネノ 【hi neno】 ように. (出典:萱野、方言:沙流)
hinta
ヒンタ 【hinta】 何,何だ. イチャッケレㇷ゚ ヒンタネ エコㇿワ エエㇰシリアン=汚ない物を,何をするためにお前は持って来たのだ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hioy'oy
ヒオーイオイ 【hi-oy-oy】 ありがとう. (出典:萱野、方言:沙流)
hita
ヒタ 【hita】 何. (出典:萱野、方言:沙流)
hita
ヒタ 【hi ta】 (〜した)時に. イペ ヒ タ=食べた時に.イサㇺ ヒ タ=いない時に. (出典:萱野、方言:沙流)
hitane
ヒタネ 【hitane】 何しに. ヒタネ エ・エㇰ?=何しに(君は)来た? (出典:萱野、方言:沙流)
ho
ホ 【ho】 陰部,陰門,腰. キㇺ タ キムンカムイ ア・ヌカㇻ ヒ タ ア・コホパルパル コㇿ ラッチターラ エソシナ ワ アㇻパ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ワ=山で熊に出会ったら,それに陰部を出してばたばたさせると,静かに向きを変えて行くものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hoahunkei
ホアフンケイ 【ho-ahunke-i】 湾曲した地形.▷ホアフンケ=自ら入っている ヒ=所(→イ) *二風谷マンロー館の南側オサッ沢右岸で湾曲した所(『おれの二風谷』273頁). (出典:萱野、方言:沙流)
hoastari
ホアㇱタリ 【hoastari】 びっこをひく. ク・イェー カ エトランネ ㇷ゚ ネ コㇿカ ク・サハポ カ ホアㇱタリ ㇷ゚ ネ アクス ナ ペウレ ラポㇰ イサㇺ コㇿカ コイラ(ク・オイラ) ニューケㇱ=私が言うのもいやではあるけれども,亡くなった姉もびっこをひく者であった.まだ若いうちに死んだけれども私は忘れられない. (出典:萱野、方言:沙流)
hocahoca
ホチャホチャ 【hoca-hoca】 片足で跳ぶ、けんけん. (出典:萱野、方言:沙流)
hocaku
ホチャク 【hocaku】 下痢する,(腹が)下る. (出典:萱野、方言:沙流)
hocatcari
ホチャッチャリ 【ho-catcari】 姦淫する,淫売.▷ホ=陰部 チャッチャリ=散らかす (出典:萱野、方言:沙流)
hocatcarip
ホチャッチャリㇷ゚ 【hocatcari-p】 姦淫者. (出典:萱野、方言:沙流)
hocikacika
ホチカチカ 【ho-cika-cika】 のたうちまわる,転げ回る.悶える,ばたばたする:仰向けになって足をばたばたさせる,尻もちをついて手を上げ,助けてくれと言っている様子. (出典:萱野、方言:沙流)
hocikok
ホチコㇰ 【hocikok】 コノハズク. テエータ スクㇱペッ エトコホ タ アイヌ オッカイポ レン パㇰノ ペソㇱ トゥㇺ タ シットゥライヌ パ.シㇼクンネ ワ キモレウシ ヒ タ オハイヌ ホチコㇰ ハウ ヌ ㇷ゚ ライ ソモ ヌ パ ㇷ゚ シㇰヌ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずうっと昔,宿志別川の上流でアイヌの若者が3人ほどみぞれの降る中を道に迷った.暗くなって野宿した時に幻聴であるコノハズクの声を聞いた者は死に,聞かなかった者は生きたという. (出典:萱野、方言:沙流)
hocikom
ホチコㇺ 【ho-ci-kom】 尻上がり:鉄棒への尻上がりのような様子.▷ホ=尻 チ=それ コム=曲げる (出典:萱野、方言:沙流)
hocip
ホチㇷ゚ 【hocip】 揺り台:子供を乗せて揺する育児用具.シンタともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
hoeimekpe
ホエイメㇰぺ 【ho-e-imek-pe】 尻軽女:女の浮気なこと(尻を配る者). (出典:萱野、方言:沙流)
hoekimatek
ホエキマテㇰ 【ho-ekimatek】 性欲旺盛,性衝動に駆られて我慢できない. (出典:萱野、方言:沙流)
hoekimatekpe
ホエキマテㇰペ 【ho-ekimatek-pe】 性衝動に駆られて我慢できない者.▷ホ=陰部 エ=それ キマテㇰ=急ぐ,急がせる,せかす ペ=者 (出典:萱野、方言:沙流)
hoiyop
ホイヨㇷ゚ 【ho-i-o-p】 姦淫者,放蕩者.道楽者. (出典:萱野、方言:沙流)
hoiyop
ホイヨㇷ゚ 【hoiyo-p】 悪意,相手に不幸や苦痛を与え,傷つけようとする心の者[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hok
ホㇰ 【hok】 買う. ク・コㇿ ション ホユプ ワ アㇻパ ワ タアン イチェン アニ ネㇷ゚カ トペンペ ホㇰ ワ エㇰ=孫よ,走って行ってこの銭で何か甘い物を買って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
hoka
ホカ 【hoka】 火(の),炉. (出典:萱野、方言:沙流)
hokaa=op
ホカアオㇷ゚ 【hoka a=o p】 薪. ウェンクㇽ チセ アナㇰネ チセ ソイタ ホカアオㇷ゚ カ イサㇺ ムン ポーカ イサㇺ=貧乏な家は家の外に薪もないし,ごみばかりもない. (出典:萱野、方言:沙流)
hokaetok
ホカエトㇰ 【hoka-etok】 横座. ホカエトㇰ タ アナㇰネ アアイヌコㇿクㇽ ア・アレ ウㇱケヘ ネ チセコㇿクㇽ アナㇰネ シソ タ ア ㇷ゚ ネ=横座には最も大切な人を座らせる所で,家の主は右座のほうに座るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hokampa
ホカンパ 【hokampa】 難しい,ややこしい,わかりにくい,煩雑だ. タパン ハワㇱ アナㇰ エアㇻキンネ ホカンパ オルㇱペ ネ アタナン ペ ク・ネ クス ケアナサㇷ゚(ク・エアナサㇷ゚)=この話は本当に難しい話なので.いたらない私では手余す.タント アナㇰネ ホカンパ イタㇰ ソモ ク・イェ ノ ヘル クワンノ ク・イタㇰ=今日は難しい言葉を私は言わずにごく簡単にしゃべる. (出典:萱野、方言:沙流)
hokampaitak
ホカンパイタㇰ 【hokampa-itak】 難しい言葉. アイヌ イタㇰ アナㇰネ ユカㇻ ア・イェ ヒ タ ウウェペケㇾ ア・イェ ヒ タ カムイユカㇻ ア・イェ ヒ タ ネㇷ゚ネㇷ゚ ホカンパ イタㇰ アン ペ ネ=アイヌの言葉は,叙事詩を言う時,昔話を言う時,神が自らの話を言う時,いろいろと難しい言薬があるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hokannasi
ホカンナシ 【hokaunasi】 上の方. (出典:萱野、方言:沙流)
hokao
ホカオ 【hoka o】 燃やす,火にくべる. タヌクラン ホカ ア・オ クス ネ ナ ソイネ ワ チクニ アㇱコㇿエアニ ワ アフンケ ワ アヌ=今夜火にくべるから,外に出て薪を両手で抱え持って入れておけ.アペ ウェン ナ チクニ コㇿ ワ エㇰ ホカオ=火が燃えていないので薪を持って来て燃やせ. (出典:萱野、方言:沙流)
hokaparu wenmenoko
ホカパル ウェンメノコ 【hoka-paru wen-menoko】 灰を飛ばす悪い女. ウェンメノコ セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ カネ ユンネユン アン イスエチレ ウェンメノコ ホカパル ウェンメノコ イロンナピウェ ウェンメノコ イシケオプシ ウェンメノコ=悪女と表現される中でもいろいろあり,陰部の熱い悪い女.灰を飛ばす悪い女,座る時に男にくっつく悪い女,髪の間から私をにらむ悪い女. (出典:萱野、方言:沙流)
hokerekere
ホケレケレ 【ho-kere-kere】 足をばたばたさせる. ア・ミッポホ ポニケヘ(ポン ヒケヘ) コㇿ ワ アン ペ ア・コウㇰ コㇿ マカホクㇱ ワ ライ ホケレケレ コㇿ チㇱ ペ ネ=私の孫,小さいほうのは持っているものを取ると仰向けになり足をばたばたさせて泣くものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hoketu
ホケトゥ 【hoketu】 走り去る. ア・シトマノ アン フチ エㇰ ヒクス ライ ホケトゥ・アン トゥサ チョㇿポㇰ ア・クㇱテㇰ キラ・アン=恐ろしいようなばあさんが来たので,さっと走って袖の下を通って私は逃げた[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
hokokse
ホコㇰセ 【hokokse】 変事を知らす前触れに出す声:ホホホホーホイという繰り返しの言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
hoku/hoku(hu)
ホク/ホク(フ) 【hoku/hoku(hu)】 夫. (出典:萱野、方言:沙流)
hokuci
ホクチ 【hokuci】 火おこし:火をおこす道具.アカダモの木の根を乾かした物. (出典:萱野、方言:沙流)
hokuekira
ホクエキラ 【hoku-e-kira】 男と逃げる. ナー ペウレ クナㇰ ク・ラム ア ポンメノコ ホクエキラ ヤㇰ ク・イヌ ケオクンヌレ(ク・エオクンヌレ)=まだ若いと思っていた娘が男と逃げたと聞いて,私はあきれてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
hokukoiwak
ホクコイワㇰ 【hoku-ko-iwak】 男の所へ通う.▷ホク=夫 コ=それに対して イワㇰ=帰る ネア メノコ スイ ホクコイワㇰ クスネ ノイネ ポン トゥトゥッコ エヤㇻポㇰアニ カネ ニタン ワ アㇻパ シリ ク・ヌカㇻ=あの女はまた男の所へ行くためらしく小さい包みを小脇に抱えて急いで行ったのを私は見た.参考:マッコイワㇰ=女の所へ通うこと. (出典:萱野、方言:沙流)
hokukor
ホクコㇿ 【hoku-kor】 嫁に行く. メノコ アナㇰネ ホクコㇿメ エトㇰタ イカㇻカㇻ エアㇱカイ クス オカイペ ネ ナ シコㇿ ア・ウヌフ イ・イェ クス ピㇼカ センカキ ア・カㇻカㇻ コㇿ アナン(アン・アン)=娘というものは夫を持つ前に刺繍を上手にするものだと母が私に言うので上等な布に私は刺繍をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
hokure
ホクレ 【hokure】 早く,急げ,さあっ. ホクレ アㇻパ=急いで行け.ホクレ コㇿコニ ハㇺ ケッケ ワ エㇰ ヤン.コㇿ チセ ア・カㇻ ナ=早くフキの葉を折り取って来なさい.フキの葉の家を作るから. (出典:萱野、方言:沙流)
hokurehokure
ホクレホクレ 【hokure hokure】 急いで,急げ. (出典:萱野、方言:沙流)
hokus
ホクㇱ 【hokus】 倒れる,ひっくり返る. (出典:萱野、方言:沙流)
hokuste
ホクㇱテ 【hokus-te】 ひっくり返す,倒す. ク・シユトホ チュニ(チ・ウニ) タ エㇰ ワ イク コㇿ アン ミッポ ウタㇻ ウホユッパレ シㇰ ノ サケ オマ トゥキ ホクㇱテ パ.アㇺカㇺコモㇺセ ペコㇿ ハワン コㇿ チャッセテㇰ アㇻパ ワ イサㇺ=私の舅が私の家に来て酒を飲んでいた.孫たちが走り回り酒がいっぱい入った杯をひっくり返した.悲鳴のような声を出したが舌打ちして行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
homa
ホマ 【homa】 魚(ニシン)の卵,数の子. (出典:萱野、方言:沙流)
homakocuwe
ホマコチュウェ 【homakocuwe】 (後ろへ)さがる,後ずさり. (出典:萱野、方言:沙流)
homanno
ホマンノ 【homar no】 ぼんやり,わずかに,かすかに. #NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
homar
ホマㇻ 【homar】 (色・影が)薄い,ぼんやりした. (出典:萱野、方言:沙流)
homarcupiporo
ホマㇻチュピポロ 【homar-cup-iporo】 おぼろ月夜. (出典:萱野、方言:沙流)
homaritara
ホマリタラ 【homaritara】 ぼんやり,かすかに, ホマリターラ ク・ヌカㇻ=かすかに(私には)見えた. (出典:萱野、方言:沙流)
homarno
ホマㇻノ 【homar no】 かすかに,ほんの少し見える. (出典:萱野、方言:沙流)
homarsinotca
ホマㇻシノッチャ 【homar-sinotca】 かすかな歌声. (出典:萱野、方言:沙流)
homar_ rera
ホマン レラ 【homar-rera】 微風.▷ホマㇻ=かすか レラ=風 (出典:萱野、方言:沙流)
homaturuype
ホマトゥルイペ 【homatu-ruy-pe】 驚き過ぎた者,驚いた. ▷ホマトゥ=驚き ルイ=強い ペ=者(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
homsu
ホㇺス 【homsu】 ねぎらう:前後の関係によって,ねぎらいになる場合と危機一髪という意味になる場合とがある. ソンノ タン ハワㇱ エチ・ケウェホㇺス ㇷ゚ ネ ワ=本当に今の話はあなたの労をねぎらうことだったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hon'utorsam
ホンウトㇿサㇺ 【hon-ut-or-sam】 横っ腹. (出典:萱野、方言:沙流)
hon/honi(hi)
ホン/ホニ(ヒ) 【hon/honi(hi)】 腹. (出典:萱野、方言:沙流)
honi/honi(hi)
ホニ/ホニ(ヒ) 【honi/honi(hi)】 腹. (出典:萱野、方言:沙流)
honihiarka
ホニヒアㇻカ 【honihi arka】 腹痛,腹が痛い. (出典:萱野、方言:沙流)
honkor
ホンコㇿ 【hon-kor】 妊娠する,身ごもる,はらむ. マチヒ ホンコㇿ コㇿ イトモッ クㇽ カ オカ ソモ イトモッ クㇽ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=妻が妊娠すると猟運が強くなる人もいるし.猟運に恵まれない人もいるのだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
honkormenoko
ホンコㇿメノコ 【honkor-menoko】 妊婦. (出典:萱野、方言:沙流)
honnere
ホンネレ 【honnere】 許す. イホンネレ ヤン=それを許しなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
honoyke
ホノイケ 【honoyke】 ゆがむ,立てた物がゆがむ. チセホノイケ=家がゆがむ. イクㇱペ ホノイケ=柱がゆがむ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
honoynoyep
ホノイノイェㇷ゚ 【ho-noy-noye-p】 タンポポ. (出典:萱野、方言:沙流)
honoyse
ホノイセ 【honoyse】 うなる. セタ ホノイセ=犬がうなる. (出典:萱野、方言:沙流)
honoysinotcaki
ホノイシノッチャキ 【honoy-sinotca-ki】 歌を口ずさむ,かすかな声で歌う. アチャポ ソンノ サケ エラムリテン ペ ネ クス ポンノ イク コㇿ ホノイシノッチャキ コーㇿ ウンマ オテㇰ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=おじさんは本当に酒を飲むと嬉しくなるものだから,少し飲んだだけで微かに歌を口ずさみながら,馬に乗って行ってしまった.タンペ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン アチャポ ノヌワㇱノ アフン カネ イキ ア・エランポㇰウェン ヒクス ポン トックリ ア・ホㇰ ヒネ ア・クレ アクス ラムリテン ワ ホノイシノッチャキ コㇿ ホシピ ワ アㇻパ=いつもないこと.下のおじさん,全く酒気なしにひょっこりと入って来た.かわいそうに思ったので小さい瓶を私が買って飲ませると,上機嫌になって微かな歌を口ずさみながら戻って行った.フチ シネンネ アペサㇺ タ ア ワ アン ホノイシノッチャキ コㇿ カエカ コㇿ アン=おばあさんはひとりで火の側で座っていて,かすかな声で歌を歌いながら糸を撚っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
hontom
ホントㇺ 【hontom】 途中,中程. ソンノ エヤシㇼ エネ アン ウㇱケ タ ソモカ タㇷ゚ネ イユニン クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ニカㇻ ホントㇺ ワ トゥㇽセ イユニン ヤㇰ ア・イェ=本当に全くあんな所で怪我するとは思わなかったのに,はしごの途中から落ちて怪我をしたという.チ・コㇿ コタン タ アナㇰネ イセポ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ コㇿカ ムカ ホントモ タ アン コタン タ アナㇰネ カイクマ セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=私たちの村ではウサギをイセポと言うけれど希川という川の中程の村ではカイクマと言う(表現する)のだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hontomotuye
ホントモトゥイェ 【hontomo-tuye】 やめる,中断する. エ・イェ ウウェペケㇾ ソモ ホントモトゥイェ ノ イェ ワ オケレ.ソモ エ・イェ ヤㇰネ オウシケヘ エルㇺ イェ ㇷ゚ ネ ナ=お前が言った昔話,途中でやめないで言い終わらせろ,言わなければ続きはネズミが言うものだぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
honuhonu
ホヌホヌ 【honu-honu】 腹這いで進む,にじる:座ったまま,膝を押しつけるようにして,じりじりと動くこと. (出典:萱野、方言:沙流)
honuma
ホヌマ 【ho-numa】 除毛,恥毛. (出典:萱野、方言:沙流)
honutorsam
ホヌトㇿサㇺ 【hon-ut-or-sam】 横腹. (出典:萱野、方言:沙流)
hoparata
ホパラタ 【hoparata】 (陰部を)さらす,陰部を出している,陰部が見えている. (出典:萱野、方言:沙流)
hoparparu
ホパㇻパル 【ho-par-paru】 (陰部を見せるように)着物をばたばたさせる.*火事の時に女性が前をはだけてばたばたさせると,風向きが変わって延焼を食い止められるという.待に生理中の女性のポパㇻパルは火の神が嫌うのでそうするものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
hopasi
ホパシ 【<ho-pa-asi】 川下から. (出典:萱野、方言:沙流)
hopecinea
ホペチネア 【ho-pecine-a】 しゃがんでいる,横座り,両膝を立てて両腕でその膝を抱えて座る.▷ホ=尻 ペチネ=割る ア=座る (出典:萱野、方言:沙流)
hopita
ホピタ 【hopita】 走る. ライ ホピタ=さっと走る. (出典:萱野、方言:沙流)
hopiwpa
ホピウパ 【hopiwpa】 走る〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hopiye
ホピイェ 【hoipiye】 (さっとすばやく)動く. (出典:萱野、方言:沙流)
hopoknasi
ホポㇰナシ 【hopoknasi】 下の方. (出典:萱野、方言:沙流)
hoppa
ホッパ 【hoppa】 (後に)遺す,遺して死ぬ. ア・イ・ホッパ ノイネ シㇼキ ナ ニタン・アン ロー=私たちが残されそうだから急ぎましょう.ナー イワタラㇷ゚ ネ ラポㇰ タ ア・ホッパ ㇷ゚ ネ クス ネㇷ゚ ポーカ ア・パㇻヌンヌンテ ワ ア・レス パㇱテッテㇾケ パㇰノ ポロ ルウェ ネ ワー=まだ赤子のうちに遺された者なのでいろいろな物を口移しにして育て,よちよち歩きするまでに大きくなったのだよ.ク・ヘコテ ニㇱパ ポ エノッパ(エン・ホッパ) ワ タンパ エトゥレン トゥホッパ カ ネ こきん ウナㇻペ エネ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ=私の仕えた方(夫)が私を遺して逝って今年で40年になったとこきんおばさんが述懐していたのを聞いたことがあった. (出典:萱野、方言:沙流)
hoppaitak
ホッパイタㇰ 【hoppa-itak】 遺言.▷ホッパ=残す イタㇰ=言葉 (出典:萱野、方言:沙流)
hopsekar
ホㇷ゚セカㇻ 【hopsekar】 すする,音をたててすする,吸う,飲む. カㇺ ルㇽ チチェㇷ゚ ネ コㇿカ ク・セセッカ ナ ホㇷ゚セカㇻ ワ インカㇻ=肉汁の残りではあるが私が温めたのですすってみてよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hopuni 1
ホプニ 【ho-puni】 ①起きる,立つ.▷ホ=尻 プニ=起こす ホッノ イヨーハイ スイ トリイヨㇱキ ワ ネスン.ホプニ カ ソモ キ=まあまああきれてしまった,また二日酔いしたのだろう,起きもしないこと. (出典:萱野、方言:沙流)
hopuni 2
ホプニ 【ho-puni】 ②飛ぶ.舞い上がる. (出典:萱野、方言:沙流)
hopunire
ホプニレ 【hopuni-re】 起こす. (出典:萱野、方言:沙流)
hopunpa 1
ホプンパ 【hopun-pa】 ①起きる.起き上がる. (出典:萱野、方言:沙流)
hopunpa 2
ホプンパ 【hopun-pa】 ②飛ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
hopunpare
ホプンパレ 【hopunpa-re】 起こす. (出典:萱野、方言:沙流)
horahocuwe 1
ホラホチュウェ 【horahocuwe】 ①滑り下りる:急な斜面に体をくっつけて滑り下りる. ウパㇱ トゥㇺ タ ヨコ・アン ワ アナㇷ゚(アン・アㇷ゚) シネ ユㇰ シトゥ カリ ラン ヒクス クワ アニ ホラホチュウェ・アン イイェトゥㇱマㇰ・アン=雪の中で待ち構えていたら1頭の鹿が峰から下りたので杖で滑り下りて先回りをした. (出典:萱野、方言:沙流)
horahocuwe 2
ホラホチュウェ 【horahocuwe】 ②降る. サッチェㇷ゚ ア・プㇱコシナ ワ イット エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ウパㇱルヤンペ ホラホチュウェ ウパㇱエシットゥライヌ・アン サッチェㇷ゚ ア・エ ワ キモレウシ・アン=乾いた魚を矢筒に縛って日帰りで山に行ったら,すごい大雪が降り始めて雪のために道に迷い乾いた魚を食べて山で泊まった. (出典:萱野、方言:沙流)
horak
ホラㇰ 【horak】 倒れる,壊れ落ちる. ホラㇰフㇺ=壊れ落ちた音.トアン タ チニネ チクニ アン ペ ネ アㇷ゚ ホラㇰ ワ ネ ノイネ イサㇺ=あそこに枯れ木があったものだが倒れたらしく(今は)ない. (出典:萱野、方言:沙流)
horakte
ホラㇰテ 【horak-te】 (家・木を)倒す. トアン タ アン チクニ チニネ ワ イヤイキㇷ゚テ ナ ホラㇰテ ヤン=あそこにある木,枯れて危ないので倒しなさい.ニ ホラㇰテ=木を倒す. (出典:萱野、方言:沙流)
horari
ホラリ 【ho-rari】 鎮座する.▷ホ=自ら ラリ=詰める チセ ソパ タ ホラリ カムイ チセコㇿカムイ ネ ルウェ タパン=家の上座に鎮座する神,家を持つ神なのですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
horikiraye
ホリキライェ 【ho-riki-raye】 (着物の裾を)たくし上げる:川を歩いて渡る時に裾をたくし上げる様子.▷ホ=尻 リキ=上 ライェ=撫でる ペッカスイアナクス(ペッカスイ・アン アクス) ネ ペッ オホ ペ ネ クス ア・ホリキライェ ネユンポカ イキ・アン アミㇷ゚ ソモ テイネ ノ イクㇱタ ヤパン(ヤㇷ゚・アン)=川を歩いて渡ると川が深いので裾をたくし上げなんとかして着物を濡らさずに向かい側へ上がった.*昭和10年前後の沙流川では,夏の間この風景がよく見られた. (出典:萱野、方言:沙流)
horikirayean
ホリキライェアン 【ho-riki-raye an】 私は着物の裾をたくしあげた. ポンニペㇱケㇷ゚ アンクス ハンケノ エキㇺネアナクス エクスコンナ ポーロキンカムイ トモアオッ ラムトゥイアナコㇿカ ホリキライェアンワ パㇱクルパッペ ヌカㇻヌカㇻ シコㇿハワナンアクス アプンノ ヘキルワアㇻパ=小さいシナ皮を剝ぎに近くの山へ入ると,急に大きい熊に出合った.びっくりしたが着物の裾をたくしあげて,カラスほどの物を見てくれ見てくれと私が言うと,静かに熊は向きをかえて行った. *女性が山で熊に会い,そうしたら熊の方が恥ずかしそうに目をそらして行ってしまうとか.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
horimototo
ホリモトト 【horimototo】 足踏み(する),地団太を踏む. クポニ(ク・ポン ヒ) タ ク・トクイェコㇿペ トゥラノ チㇷ゚ チョ(チ・オ) コㇿ ペップンキ アチャポ ヤタ ホリモトト コㇿ イルㇱカ=私の小さい時に私の友達らと一緒に丸木舟に乗ると,川番のおじさんは陸にいて足踏みをして怒った. (出典:萱野、方言:沙流)
horipi
ホリピ 【ho-ripi】 舞う,力足を踏む,力足を踏みながらものをいう. イタㇰエホリピアンコロ チンプニアン=言葉を言いながら力足を踏み,一歩ずつ歩を進めた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
horipiripi
ホリピリピ 【ho-ripiripi】 もじもじする. イテキ ホリピリピ ノ アㇻパ オクイマ ワ エㇰ=踊りを踊るようなことを(もじもじ)しないで行って小便をしてこい(おしっこをしたい様子の子供に言う言葉). (出典:萱野、方言:沙流)
horippa
ホリッパ 【horippa】 踊る,踊り. *静内地方では踊ることをリㇺセという. (出典:萱野、方言:沙流)
horka
ホㇿカ 【horka】 逆さ,反対. エホㇿカノ=逆さまに. (出典:萱野、方言:沙流)
horkamoy
ホロカモイ 【horka-moy】 渦. (出典:萱野、方言:沙流)
horkareyep
ホㇿカレイェㇷ゚ 【horka-reye-p】 ザリガニ.▷ホㇿカ=反対 レイェ=這う ㇷ゚=者 (出典:萱野、方言:沙流)
horkaterkepe
ホㇿカテㇾケペ 【horka-terke-pe】 エビ類.*パキ=エピ. (出典:萱野、方言:沙流)
horkew
ホㇿケウ 【horkew】 狼.*狼が鹿を殺してあったとしたらその鹿を人間が持って来てもいいが、熊の食べ物を横取りをしてはいけない.必ずそれを取り戻しに来るので恐ろしいものと教えられた.狼のことをホㇿケウカムイ(狼神)とアイヌは言っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
horse
ホㇿセ 【horse】 腐る,腐乱する. チェㇷ゚ ホㇿセ=魚が腐る.カㇺ ホㇿセ=肉が腐る. (出典:萱野、方言:沙流)
horsep totcep uyatekpe
ホㇿセㇷ゚ トッチェㇷ゚ ウヤテㇰペ 【horse-p totce-p uyatekpe】 腐った者,腐ってぐにゃっとなった者,形をとどめないほどに腐った者〔悪口〕.*古い時代の言葉で,昭和10年代からは聞いたことがない. (出典:萱野、方言:沙流)
hos
ホㇱ 【hos】 脚絆,はばき. 図[ホㇱ] (出典:萱野、方言:沙流)
hos'atu
ホㇱアトゥ 【hos-atu】 脚絆紐. (出典:萱野、方言:沙流)
hosahociwe
ホサホチウェ 【hosahociwe】 前へ出る. ホサホチュウェ ホマコチュウェ ニューケㇱ ニㇱパ ア・ネ=私は(物持ちのために)前へ出ることも後ろへ下がることもできないほどだ[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
hosari
ホサリ 【hosari】 ふりむく,向く. エン・コホサリ=私の方へ向く. (出典:萱野、方言:沙流)
hose
ホセ 【hose】 倒す. ニホセ=木を倒す.ヤイカニホセ エカㇷ゚ネ=自分自身の上へ木を伐り倒すようなものだ(往々にして口下手な者は自分自身で自分の上へ木を伐り倒すようなことを言うものだ:人を揶揄する言葉). (出典:萱野、方言:沙流)
hose
ホセ 【hose】 答える,返事をする. ホセ ハウェ アㇱ=返事をする声がした.アン ヒ ケラマン(ク・エラマン) ヒクス ク・ホトゥイェカㇻ ヤッカ ソモ ホセ=いるのを知っていたので私が呼んでも返事もしない. (出典:萱野、方言:沙流)
hosi
ホシ 【hosi】 〜がいやだ. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) エン・コレウェン ウナㇻペ ネ クス エアㇻキンネ ク・コヌコㇱネ ク・ヌカㇻ カ ホシ=私が子供の時,私をいじめたおばなのでとっても憎い.私は顔を見るのもいやだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hosipi
ホシピ 【hosipi】 戻る,帰る,引き返す:来た道を戻る. タㇷ゚ ク・ソイネ アクス アㇷ゚ト ハウケ ナ ホクレ ホシピ=今,私が外に出てみると雨が小降りになったから早く戻れ. (出典:萱野、方言:沙流)
hosipire
ホシピレ 【hosipi-re】 戻す,返す,返却する. アㇻパ チケンキ ホシピレ ワ エㇰ=行って,マッチを返して来い. (出典:萱野、方言:沙流)
hosippa
ホシッパ 【hosippa】 戻る,帰る. ケケケケ オホイ オㇱマ ナ.ホシッパ ヤン.アペケㇱ カ インネ ナ=あれあれ(話が)深みに入った.戻りなさい.火の燃えさし(子供)もたくさんいるから. (出典:萱野、方言:沙流)
hosippare
ホシッパレ 【hosippa-re】 戻す〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hosiptektek
ホシㇷ゚テㇰテㇰ 【hosip-tek-tek】 さっと戻る. (出典:萱野、方言:沙流)
hoski
ホㇱキ 【hoski】 待て. ポンノ ホㇱキ.ク・ヤイェトコイキ ワ エチ・トゥラ ナ=ちょっと待って,準備をしてお前と一緒に行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
hoski
ホㇱキ 【hoski】 先に(の),真っ先に,最初に. ホㇱキ アㇻパ=先に行け.ホㇱキ イペ=先に食べろ.ホクレ ホㇱキ アㇻパ ワ アパウㇱ タ チカシヒ アㇺケ ワ アヌ.タネ カㇻパ(ク・アㇻパ) クㇱネ ナ=早く先に行って戸の心張り棒を外しておけ.今すぐ私も行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskiancuk
ホㇱキアンチュㇰ 【hoski-an-cuk】 一昨年の秋. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskianmata
ホㇱキアンマタ 【hoski-an-mata】 一昨年の冬. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskiannuman
ホㇱキアンヌマン 【hoski-an-numan】 一昨々日,さきおととい. *ヌマン=昨日 ホㇱキヌマン=一昨日. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskianpa
ホㇱキアンパ 【hoski-an-pa】 一昨年. ホㇱキ アン パ タ アン ポロワッカ クスケライ ヘ ネ ヤ ピクタトイ ピㇼカ ポロンノ ムンチロ ケトイタ(ク・エトイタ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ルウェ ネ ワー=一昨年にあった洪水のお陰だろうか.中洲畑がよくて,たくさんアワを蒔いてきたのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskiansak
ホㇱキアンサㇰ 【hoski-an-sak】 一昨年の夏. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskicuk
ホㇱキチュㇰ 【hoski-cuk】 昨秋. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskicup
ホㇱキチュㇷ゚ 【hoski-cup】 先月. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskihoski
ホㇱキホㇱキ 【hoski hoski】 待て待て. ホㇱキホㇱキ アナイネ イキ ヒ カ ソモ ネ ナンコㇿ ピㇼカノ コピシ ヤン=待て待て,理由なく(そう)したのではないかもしれないから,よく問いただしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskimata
ホㇱキマタ 【hoski-mata】 昨年の冬. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskino
ホㇱキノ 【hoskino】 先に,まずもって,以前. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskinuman
ホㇱキヌマン 【hoski-numan】 一昨日. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskipa
ホㇱキパ 【hoski-pa】 昨年. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskiruyno
ホㇱキルイノ 【hoski ruy no】 先に. タネタネ イ・トゥイェ ノイネ イキ ヒクス ホㇱキ ルイノ ア・オアットゥイェ=今にも今にも私を斬りそうにしたので,私のほうが先にさっと斬った. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskisak
ホㇱキサㇰ 【hoski-sak】 昨夏. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskitek
ホㇱキテㇰ 【hoski-tek】 先程. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskitek
ホㇱキテㇰ 【hoski-tek】 待って. (出典:萱野、方言:沙流)
hosurasura
ホスラスラ 【ho-sura-sura】 陰部をちらちら見せる. クンネアシナナクス(クンネアシン・アン アクス) ヘマンタ オコッコ ネノ アン ペ ア・ヌカㇻ ヒクス ア・オリキライェ ヒネ ア・コホスラスラ アクス クリパンテㇰ ワ イサㇺ=夜,外へ出ると,何やら化け物らしい物,私は見たので,着物の前をさっとたくしあげて陰部をちらちら見せると,影がぱっと消えてしまった.*女性が山で熊に出会ったら,前をはだけて黒い部分を見せる.そして「パㇱクㇽ パㇰペ ヌカㇻヌカㇻ(烏ほどの物を見ろ見ろ)」と言うと熊は恥ずかしそうに目をそらして行ってしまうという. (出典:萱野、方言:沙流)
hot
ホッ 【hot】 20:数える時. (出典:萱野、方言:沙流)
hotaktak
ホタㇰタㇰ 【ho-tak-tak】 のたうちまわる,仰向けになって両方の手足をばたつかせる,身をくねらせる. ホタㇰタㇰコㇿ ライキリㇼセ=のたうちまわって泣きわめく[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hotanu
ホタヌ 【hotanu】 見舞いに行く. ウナㇻペ ヤイヌミウェン ワ オシルㇱ ワ アン ヤㇰ ク・イヌ ワ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ) コㇿカ ナ ク・ホタヌ カ ソモ=おばが身体の具合が悪くて病床に伏していると聞き,気にはしているがまだ見舞いにも行っていない. (出典:萱野、方言:沙流)
hotanukar
ホタヌカㇻ 【hotanu-kar】 様子を見る,見舞う. エイタサ イウォㇿ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォㇿ ホクヌカㇻ クス エキㇺネ・アン キムンペ アピㇼ シッチニナニナ ア・エヤイコプンテㇰ=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場の様子を見るために山へ行くと獲物の足跡があたり一面にこちゃこちゃとあって私は喜んだ.ウカットゥイマ ノ ネ ヤッカ ピㇼカ ナ エノタヌカㇻ(エン・ホタヌカㇻ) アニー=間が遠くてもいいので私の様子を見に来てね. (出典:萱野、方言:沙流)
hotappatappa
ホタッパタッパ 【hotappa-tappa】 手足をばたつかせる,のたうちまわる:生きたまま陸へ上げたサケのようにのたうちまわる人のこと. ポンペ キンラカㇻ ワ ホタッパタッパ コㇿ ライキリㇼセ ウヌフ ネ ヤ サハ ネ ヤ ネユン オマオマ ヤッカ ア・コアナサㇷ゚=幼児が猛り立ったように手足をばたつかせて泣き叫び,母や姉がどのようにあやしても手余しした. (出典:萱野、方言:沙流)
hotasis
ホタシㇱ 【hotasis】 急ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
hotasnu
ホタㇱヌ 【hotasnu】 心構え:悪いことに対する心の用意. (出典:萱野、方言:沙流)
hotasnu
ホタㇱヌ 【hotasnu】 お産をする:心構えをする. タヌクラン ワノ アシッチュㇷ゚ ア・ヌカㇻ.タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ ク・ホタㇱヌ=今夜から三日月が見えた.この月が円くなる頃に私はお産をする. (出典:萱野、方言:沙流)
hotasnucupihi
ホタㇱヌチュピヒ 【hotasnu-cupihi】 臨月.▷ホタㇱヌ=心の用意をする,心構えする チュピヒ=〜の月 エ・ヤイコソㇱ シリ ヘンパラ エ・ホタㇱヌツピヒ ネ ルウェ アン=あなた自身の体が重そうだがいつ臨月になる様子なの(年上の女性が若い人に問いかける言葉). (出典:萱野、方言:沙流)
hotentemuampayayap
ホテンテムアンパヤヤㇷ゚ 【hotentemu-ampayayap】 タラバガニ. (出典:萱野、方言:沙流)
hotke
ホッケ 【hotke】 寝る,伏す,横臥する. チ・コㇿ イヨルンクㇽ アッパケ タ アナㇰネ ネㇷ゚キ ㇷ゚ ネ アㇷ゚ タㇷ゚ウフナㇰ アナㇰネ ホッケ ワ パテㇰ アン=私の所の召使いは最初にはよく働いたのに,この頃では寝てばかりいる.トゥナㇱ ク・ホッケ アㇷ゚ アノントㇺ タ ク・モㇱ ワ オラーノ ク・モコㇿ コヤイクㇱ=早くに寝たのに,夜中に目を覚ましそれから眠ることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
hotkei
ホッケイ 【hotke-i】 寝床. (出典:萱野、方言:沙流)
hotkere
ホッケレ 【hotke-re】 寝かす. (出典:萱野、方言:沙流)
hotku
ホック 【hotku】 かがむ. ヘマンタ フナラ ㇷ゚ エネ トイ アンクラ タ ホック カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン ルウェ アン=何を探すのにあのように畑の畔で腰をかがめて歩いているものだ.フㇱコ トゥシㇼ トゥㇺ ア・クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤ ア・エテテ ワ ホック カネ アナン(アン・アン) ワ ア・クㇱ ペ ネ.ウェンカムイ カ オンネㇷ゚ ネ クナㇰ ラム パ ワ エチャッケ ソモ ソイェネ ㇷ゚ ネ シコㇿ=古い墓地の中を通る場合はヨモギを杖にして腰を曲げて通るものだ.悪い化け物も年寄りだと思って汚ながって出て来ないものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hotkuhotku
ホックホック 【hotku-hotku】 かがめかがめ:少し風が強いのに,粒の小さい種を畑に蒔く時など. (出典:萱野、方言:沙流)
hotnen
ホッネン 【hot-ne-n】 20人. (出典:萱野、方言:沙流)
hotnep
ホッネㇷ゚ 【hot-ne-p】 20:20個の物. (出典:萱野、方言:沙流)
hotnoiyohay
ホッノイヨーハイ 【hot no iyohay】 あきれる. (出典:萱野、方言:沙流)
hottoro
ホットロ 【hottoro】 皮膚. ホットロ カ タ コトゥスサッキ=皮膚の表面をわなわなと震わせ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
hotuyekar
ホトゥイェカㇻ 【hotuyekar】 呼ぶ. エン・ホトゥイェカㇻ=私を呼んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hotuyekarhaw
ホトゥイェカㇻハウ 【hotuyekar-haw】 呼声. (出典:萱野、方言:沙流)
hotuypa
ホトゥイパ 【hotuypa】 呼ぶ,大声で叫ぶ. ライホトゥイパ=大声で叫ぶ.テエータ ナ ク・ポン ラポㇰ タ アナㇰネ セタ ウォセ コㇿ パヨカカムイ ホトゥイェカㇻ パ シㇼ ネ セコㇿ ネ ワ イシㇺケト タ ア・イワㇰテ パ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=ずーっと昔,私が少年時代は犬が遠吠えをすると病気の神を呼んでいるといって翌日神の国へ送るために殺していたのを見たものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
hotuypakar
ホトゥイパカㇻ 【hotuypa-kar】 (高い声で)叫ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
howar
ホワーㇻ 【howar】 あーあ,驚いた. ホワーㇻ ネユナン イトゥルプㇰ インカㇻ ポカ ク・キ ㇷ゚ ネ アㇷ゚ ネㇷ゚カ ソモ ク・ヌカㇻ=あーあ,どうにかかすかに見るだけでも私はできていたのに,何も見えない(私の祖母のテカッテは100歳近くなってからは年老いた自分の目のことをそのように言って嘆いていたものだ).イヨーハイ オトゥ ケㇱパ タ オレ ケㇱパ タ エン・コソウㇰ ワ アヌ アイネ イロイケㇱネ タネ パキタ ホシピレ エアイカㇷ゚ シコㇿ ホワーㇻ=たまげたものだ,2年も3年も私から借りておきながら,今になって戻すことができないって,ひえーっ驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
hoyaw
ホヤウ 【hoyaw】 大マムシ. (出典:萱野、方言:沙流)
hoyaykeni
ホヤイケニ 【ho-yay-ke-ni】 尻ふき木:トドマツ,エゾマツ,イタドリなどを柾に割ったもの. 図[ホヤイケニ] (出典:萱野、方言:沙流)
hoyco
ホイチョ 【hoyco】 包丁. (出典:萱野、方言:沙流)
hoye
ホイェ 【ho-ye】 猥談(をする):性に関することをどぎつく言う.▷ホ=尻 イェ=言う アイヌ アナㇰネ ホイェ エオㇷ゚ ネ コㇿカ ヘカッタㇻ アン コㇿ アペケㇱ オカ ナ シコㇿ ネ ワ イタㇰエソㇱナレ パ=アイヌは猥談を言うけれど子供がいると燃えさしがいるぞと言って言葉の向きを変えるものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
hoynu
ホイヌ 【hoynu】 テン. (出典:萱野、方言:沙流)
hoynuakpe
ホイヌアㇰペ 【hoynu-ak-pe】 テン獲り罠:簀,石,他で作る. 図[ホイヌアㇰペ] (出典:萱野、方言:沙流)
hoynusapa
ホイヌサパ 【hoynu-sapa】 テンの頭の神:テンの頭骨,イナウキケ(スス)で雨乞いの時に使う神. 図[ホイヌサパ] (出典:萱野、方言:沙流)
hoyoyse
ホヨイセ 【hoyoyse】 欲しい. オヤ コタン タ イヨマンテ アン ワ ア・エン・タㇰ カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス ウェンカスノ ピㇼカ メノコポ アン ワ ク・ポホ マチヒ ネ シコㇿ ク・コホヨイセ=よその村で熊送りがあり私は招待されて行ったら,あまりにも美しい娘がいて私は息子の嫁に欲しくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
hoyuppa
ホユッパ 【hoyuppa】 走る〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hoyuptek
ホユㇷ゚テㇰ 【hoyup-tek】 走って行く. ソンノ ピカンピカン ペ ネ クス ホㇱキ ホユㇷ゚テㇰ ニセンピㇼ ワ ピッコサヌ イラㇺトゥイパ エオ=全く身軽な者だから先にさっと走って行っては立ち木の陰から飛び出て私を驚かすことをやる. (出典:萱野、方言:沙流)
hoyuptektek
ホユㇷ゚テㇰテㇰ 【hoyup-tek-tek】 さっと走り出す.走り去る. ア・コㇿ セタ ア・トゥラ ヒネ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) シㇼフララッカ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ホユㇷ゚テㇰテㇰ アクス ヒナㇰ ワ シネ イセポ ケサンパ ワ エㇰ=私の犬を連れて山へ行ったら,大地のにおいをかいでいたと思うと,さっと走り出し,どこからか1匹のウサギを追い出してきた. (出典:萱野、方言:沙流)
hoyupu
ホユプ 【hoyupu】 走る. アマメチカッポ ポロンノ アン ウㇱケ ウン セタ ホユプ アクス チカッポ オピッタ キラ ワ イサㇺ=スズメがたくさんいる所へ犬が走ったらスズメは全部逃げてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
hu
フ 【hu】 生(なま)の. フチェㇷ゚=生魚.フアエㇷ゚=生の食べ物.フヒネノ=生のまま.ナ フ ナ イテキ エ アニ=まだ生なので食べるんでないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
huci
フチ 【huci】 おばあさん,祖母. エ・コㇿ フチ ソイ タ エパㇱカンタラ ワ アㇱ ワ アン ナ トゥラ ワ エㇰ ワ アペ サㇺ タ アレ=お前のおばあちゃんが外で気抜けしたように立っているから連れて来て火の側に座らせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
hucikuni
フチクニ 【hu-cikuni】 生木. (出典:萱野、方言:沙流)
hum/humi(hi)
フㇺ/フミ(ヒ) 【hum/humi(hi)】 音. チコフㇺモレ=私の音を静かにしてくれ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
hum/humi(hi)
フㇺ/フミ(ヒ) 【hum/humi(hi)】 片,切れ端. チェㇷ゚ フㇺ ヘネ カㇺ フㇺ ヘネ アン チキ マッネ セタ コレ イトノンテ ノイネ トカㇷ゚ラチチ=魚の片でも肉片でもあったら雌犬にくれてやれ.乳を飲ませているらしく乳房が下がっている.フミヒ シネㇷ゚ エネレ(エン・エレ)=ひと切れ私に食べさせて.カㇺフㇺ コレ=肉の切れ端あげろ. (出典:萱野、方言:沙流)
humas
フマㇱ 【hum-as】 感じる. ソイ タ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エヤミ ネ ヤ パㇱクㇽ ネ ヤ チカㇷ゚ ウタㇻ ハウコㇿ コㇿ ウコスワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ ペコㇿ フマㇱ オヤチキ シㇼシモイェ ネ アアン=外で私が立っているとカケスや烏や鳥たちが声を出しながら一斉に飛び立ったと思うと.あたりがぐらぐらしたように感じた.知らなかったが地慶であった. (出典:萱野、方言:沙流)
humas
フマㇱ 【hum-as】 こと,〜の様子がある. (出典:萱野、方言:沙流)
humekayanu
フメカヤヌ 【humekayanu】 (その)音:強い音,高い音,瞬間的な音. ア・イ・フメカヤヌ アクス アイヌ ネ アナン=私は瞬間的な音によって人間になった. (出典:萱野、方言:沙流)
humi wenruy
フミ ウェンルイ 【humi wen ruy】 やかましい. (出典:萱野、方言:沙流)
humi(hi)as
フミ(ヒ)アシ 【humi(hi)as】 鳴る. (出典:萱野、方言:沙流)
humihi as sintoko
フミヒ アㇱ シントコ 【humihi-as-sintoko】 音の出るシントコ(萱野茂『アイヌの民具』118頁参照). 図[フミヒアㇱシントコ] (出典:萱野、方言:沙流)
humiruycikap
フミルイチカㇷ゚ 【humi-ruy-cikap】 ヤマドリ.ライチョウ. (出典:萱野、方言:沙流)
humkowen
フㇺコウェン 【hum-ko-wen】 音がうるさい. エ・ミチ ヤイヌミウェン ワ ホッケ ワ アン フㇺコウェン ヤㇰ イェ ナ イテキ エ・フミヒ アㇱテ ノ イキ=お前の父が病気で寝ていて音がうるさいと言うから音をたてないようにしろ. (出典:萱野、方言:沙流)
humnani
フㇺナニ 【humnani】 1か所. (出典:萱野、方言:沙流)
humnanio
フㇺナニオ 【humnani-o】 1か所に集める. (出典:萱野、方言:沙流)
humnaniun
フㇺナニウン 【humnani un】 ひとつところへ,1か所へ. フㇺナニ ウン ウウォマレ=1か所へ集めろ. (出典:萱野、方言:沙流)
humnayta
フㇺナイタ 【humnay ta】 ひとところに,1か所に. フㇺナイタ アヌ=1か所に置け. (出典:萱野、方言:沙流)
humne
フㇺネ 【humne】 ときどき. フㇺネ エㇰ ペ ネ ア ワ=ときどき来るものであったが. (出典:萱野、方言:沙流)
humneanta
フㇺネアンタ 【humne-an ta】 一緒に,1か所に. (出典:萱野、方言:沙流)
humnehumne
フㇺネフㇺネ 【humne humne】 ときどき. (出典:萱野、方言:沙流)
humpa
フンパ 【humpa】 刻む. キナフンパ=山菜を刻む. (出典:萱野、方言:沙流)
humpahumpa
フンパフンパ 【humpa humpa】 (細かに細かに)刻む. (出典:萱野、方言:沙流)
humpe
フンペ 【humpe】 鯨. (出典:萱野、方言:沙流)
humpeca
フンペチャ 【humpe ca】 鯨切り(をする).▷フンペ=鯨 チャ=切る フンペ ア・チャ ヒ タ アナㇰネ シコポㇷ゚ ノタコㇷ゚ アニ ア・チャ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=鯨を切る時は錆びついた刃物で切るといいものだよ.*この時は錆刀のほうが切れるものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
humpeetor
フンペエトㇿ 【humpe-etor】 クラゲ.▷フンペ=鯨 エトㇿ=鼻汁 (出典:萱野、方言:沙流)
humperek
フンペレㇰ 【humpe-rek】 鯨の髭. (出典:萱野、方言:沙流)
humperika
フンペリカ 【humpe-rika】 鯨の脂.鯨の白肉.*昭和10年頃,祖母テカッテの姪が,当時の門別村幾千世からフンペリカを持って来て,それを食べたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
humperit
フンペリッ 【humpe-rit】 鯨の腱. (出典:萱野、方言:沙流)
humse
フㇺセ 【hum-se】 仰天する声,かけ声. ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ペウタンケ ハウ アㇱ アクス ア・オナハ フㇺセ トゥラ チソイェカッタ=川の方へウォーイという危急を知らせる声が聞こえたら,私の父は仰天する声とともにさっと家から飛び出した. (出典:萱野、方言:沙流)
humumatki
フㇺマッキ 【humum-atki】 響き渡る. レラ ルイ ワ シㇼ フㇺマッキ=風が強いのであたりにいろいろな音が響いている. (出典:萱野、方言:沙流)
humuneankor
フㇺネアンコㇿ 【humune an kor】 時によっては,場合によっては.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
humuyke(he)
フムイケ(ヘ) 【/humuyke(he)】 (〜の)衣装.衣類.着物. エ・ネㇷ゚キ ウシ ワ エ・エㇰ ルスイ ハウェ ネ ヤクン エ・フムイケヘ オピッタ セ ワ エㇰ アニ=お前が働いている所から来たいというのならお前の衣装を全部背負って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
hun
フーン 【hun】 まあまあ. フーン ク・マッカㇻク エ・エㇰ ヒ ピㇱノ イモカ トㇱカ イ・カオシケ クスケライポ フンペリカ ケ(ク・エ) エアㇱカイ=まあまあ私の姪,お前は来るごとにみやげ物の山を私のために背負って来る.そのお陰で鯨の脂身を私は食べられる. (出典:萱野、方言:沙流)
hunak
フナㇰ 【hunak】 どこ. (出典:萱野、方言:沙流)
hunakke
フナッケ 【hunakke】 なんのために. エオロハンケコ テパㇰノ ケㇰ(ク・エㇰ) ワ ウナㇻペ オハシㇼネ フナッケ クス ケㇰ(ク・エㇰ) ペ アン=こんなに遠いところ,ここまで私が来ておばさん留守なの,なんのために来たものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hunakor
フナコㇿ 【hunak or】 どこ(の). (出典:萱野、方言:沙流)
hunakoroho
フナコロホ 【hunakoroho】 これだけかい,これっぽっち. エネ ポロンノ アン ペ フナコロホ エ・コレ ㇷ゚ アン.セエパ パㇰノ コレ ワ アㇻパレ=こんなにたくさんあるのにこれだけかい.背負えるだけくれて行かせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
hunakpakita
フナㇰパキタ 【hunakpaki ta】 幸いにも,運よく. フナㇰパキタ ネㇷ゚ウェンイタㇰ ソモクイェワ=幸いなことに何も悪い言い方を私は言わなかった[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hunakta
フナㇰタ 【hunak ta】 どこに. (出典:萱野、方言:沙流)
hunakun
フナクン 【hunak un】 どこへ:道で会ったときの挨拶がわりにもなる. (出典:萱野、方言:沙流)
hunakwa
フナㇰワ 【hunak wa】 どこから. フナㇰ ワ エエㇰ?=どこから(君は)来たの? (出典:萱野、方言:沙流)
hunara
フナラ 【hunara】 捜す. パㇻカ タ アネスウォㇷ゚ シネㇷ゚ アニクス(アン ヒクス) パテㇰ ア・セ ヒネ コタン フナラ クス ペッペㇱ・アン=梁の上に上等の宝をしまう箱があったので,私はそれだけを背負って村を探しに川を下った[ウ].ヘマンタ フナラ ㇷ゚ エネ トイ アンクラ タ ホック カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン ルウェ アン=何を探すのにあのように畑の畔で腰をかがめて歩いているものだ.ク・コㇿ タシロ フナㇰ タ エ・ハチレ ヘ エ・オイラ ヘ.ホクレ アㇻパ ワ フナラ ワ エㇰ=私の山刀をどこでお前は落としたのか,忘れたのか.早く行って捜して来い. (出典:萱野、方言:沙流)
hunara koyaykus
フナラ コヤイクㇱ 【hunara koyaykus】 捜し出せない. ア・タシロホ ネユン ク・フナラ ヤッカ ク・フナラ コヤイクㇱ=あなたの山刀をどんなに捜しても捜し出せない. (出典:萱野、方言:沙流)
hunarpa
フナㇻパ 【hunarpa】 探す〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hunine
フニネ 【hu-ni-ne】 木が生きている. →チニネ=枯れ木 (出典:萱野、方言:沙流)
hunna
フンナ 【hunna】 誰. (出典:萱野、方言:沙流)
hunta
フンタ 【hunta】 何(最も普通),何か. (出典:萱野、方言:沙流)
hunta kus(kusu)
フンタ クㇱ(クス) 【hunta kus(kusu)】 なぜ,どうして. (出典:萱野、方言:沙流)
hup
フㇷ゚ 【hup】 笹. (出典:萱野、方言:沙流)
hup
フㇷ゚ 【hup】 できもの,腫れもの,腫らす. エヌフㇷ゚=顔が腫れる.ハイー エチ・ヌカレ カ ケヤイシトマ(ク・エヤイシトマ) コㇿカ クッチカミヒ(ク・ウッチカミヒ) タ ポロ フㇷ゚ アン ナ ヌカㇻ ワ イェオッ ワ アン チキ ヌンパ ワ エン・コレ=ああ痛い,お前に見せるのも恥ずかしいけれど太股に大きい腫れ物が出来ているので見て膿を持っていたらしぼってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
hup 1
フㇷ゚ 【hup】 ①生(なま)物. (出典:萱野、方言:沙流)
hup 2
フㇷ゚ 【hup】 ②トドマツ:年中葉が枯れないところから死なない木と考えていた. *スンク=エゾマツ (出典:萱野、方言:沙流)
hupcacise
フㇷ゚チャチセ 【hup-ca-cise】 松葉茸きの小屋:トドマツとかエゾマツの枝葉を用いる. 図[フㇷ゚チャチセ] (出典:萱野、方言:沙流)
hupciyay
フㇷ゚チヤイ 【hup-ciyay】 松の木の栓,松の節.▷フㇷ゚=松 チヤイ=栓=節 *火を埋める時に一緒に埋めると翌朝は燠になっている. 図[フㇷ゚チヤイ] (出典:萱野、方言:沙流)
hupo
フポ 【hupo】 腫れものが出来る.できものが出来る. (出典:萱野、方言:沙流)
hupoma
フポマ 【hup-oma】 腫れものが出来る.▷フㇷ゚=腫れもの オマ=入る (出典:萱野、方言:沙流)
huptay
フㇷ゚タイ 【hup-tay】 トドマツ林. (出典:萱野、方言:沙流)
hur
フㇽ 【hur】 坂. フㇽ コトㇿ=坂の斜面.フㇽ カ タ=坂の上に.フㇽ ラ タ,フㇽ ポㇰ タ=坂の下に.フットゥラシ=坂を登る.ハイー ク・シンキ フミー.ク・シケ パセ ㇷ゚ ネ クス ク・シニ ランケ コㇿ フㇽ カ パㇰノ ケㇰ(ク・エㇰ)=あーあ私は疲れた.荷物が重いものだから休みながら坂の上まで来た. (出典:萱野、方言:沙流)
hura/hura(ha)
フラ/フラ(ハ) 【hura/hura(ha)】 におい,香り. (出典:萱野、方言:沙流)
huraat
フラアッ 【hura-at】 においが立つ,においがする. (出典:萱野、方言:沙流)
huranu
フラヌ 【hura-nu】 においをかぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
hurarakka
フララッカ 【hurarakka】 においをかぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
huraruy
フラルイ 【hura ruy】 においが強い,臭い:あまりよいにおいではない. ポロンノ ヌイラ ア・ウㇰ ヒネ エケシンネ ア・エイメㇰ ア コㇿカ ミマラハ フラルイ ア・ニㇱカ コㇿカ ア・オスㇽパ=たくさんウグイを獲ってあちこちに配ったが,残りににおいがついたのでもったいないと思ったが捨てた. (出典:萱野、方言:沙流)
huraruycep
フラルイチェㇷ゚ 【hura-ruy-cep】 キュウリウオ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hurawen
フラウェン 【hura-wen】 においが悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
huraye
フライェ 【huraye】 洗う,洗濯する. ヌマン チセ フライェ アㇷ゚ト アㇱ=昨日,家洗いの雨が降った.ク・ミッポー,エ・イペ オケレ チキ アオイペㇷ゚ フライェ ワ アヌ アニー=孫よ,食べ終わったら食器を洗っておいてね.エ・シットキヒ ワノ アㇱケペッ パㇰノ ピㇼカノ フライェ ワ オラ サカエ カㇺタチ ウコポイェ=お前の肘から指まできれいに洗ってから酒を醸す粥とこうじを混ぜろ. (出典:萱野、方言:沙流)
huraypa
フライパ 【huray-pa】 洗う. (出典:萱野、方言:沙流)
hure
フレ 【hure】 赤い,真っ赤,赤. ルフレ=少し赤い. (出典:萱野、方言:沙流)
hureayusni
フレアユㇱニ 【hure-ayusni】 キイチゴ. (出典:萱野、方言:沙流)
hurecironnup
フレチロンヌㇷ゚ 【hure-cironnup】 赤狐. (出典:萱野、方言:沙流)
hurekane
フレカネ 【hure-kane】 銅:あかがね. (出典:萱野、方言:沙流)
hurep
フレㇷ゚ 【hure-p】 (赤く)染めたオヒョウの皮:ケネ(ハンノキ)の皮を鍋で煮立てた赤い汁で染める. (出典:萱野、方言:沙流)
hurep kar
フレㇷ゚ カㇻ 【hurep kar】 赤く染める. (出典:萱野、方言:沙流)
hurere
フレレ 【hure-re】 赤く染める. (出典:萱野、方言:沙流)
huresipuskep
フレシプㇱケㇷ゚ 【hure-si-puske-p】 赤いイナキビ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
huresisam
フレシサㇺ 【hure-sisam】 外国人,白人:赤い隣人,髪の毛の赤い人. (出典:萱野、方言:沙流)
hurhontomta
フㇽホントㇺタ 【hurhontom ta】 坂の途中に. (出典:萱野、方言:沙流)
huri
フリ 【huri】 大鳥:想像上の鳥. (出典:萱野、方言:沙流)
hurkap/hurkapi(hi)
フㇽカㇷ゚/フㇽカピ(ヒ) 【hur-kap/-kapi(hi)】 死骸.屍.死体,抜殻. セタ フㇽカㇷ゚=犬の死骸.アイヌ フㇽカㇷ゚=人間の死骸.ヘル フㇽカピヒ=生ける屍(死骸のように痩せ細っている).ヘル フㇽカㇷ゚=ただの抜け殻. (出典:萱野、方言:沙流)
hurkata
フㇽカタ 【hur ka ta】 坂の上に. (出典:萱野、方言:沙流)
hurkotor
フㇽコトㇿ 【hur-kotor】 坂の斜面. (出典:萱野、方言:沙流)
hurpes
フㇽペㇱ 【hur-pes】 坂を下る. エクㇱネ ワ ユㇰ ア・ヌカㇻ ヒクス シㇼイットゥイェ・アン ルスイ クス ウパㇱ トゥラノ アネチャララセ(ア・エチャララセ) ワ フㇽペㇱ・アン=向かい側へ鹿が見えたので近回りしようと思い,雪と一緒に滑って坂を下った. (出典:萱野、方言:沙流)
hurrata
フㇽラタ 【hur ra ta】 坂の下に. (出典:萱野、方言:沙流)
hursut/hursutu(hu)
フㇽスッ/フㇽストゥ(フ) 【hur-sut/-sutu(hu)】 坂の麓. (出典:萱野、方言:沙流)
husko
フㇱコ 【husko】 古い,長い年月を経ている. "テタ フㇱコ ムイ カ アン.アシㇼ ムイ カ アン.イナンペ エコン(エ・コㇿ) ルスイ" "フㇱコ ヒケ クコン(ク・コㇿ) ルスイ"=「ここに古い箕もある.新しい箕もある,どちらのほうをあなたは欲しいか」「古いほうを私は欲しい」 (出典:萱野、方言:沙流)
husko an pe sikopayar
フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ 【husko an pe sikopayar】 何事もなかったように,前のまま. ウクラン エネ イヨㇱキ ワ アネピッタ サカヨカㇻ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ネㇷ゚ ウニン カ ソモ ノ フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ=昨夜はあれほど酔っ払って夜いっぱい,文句を言っていたのになんのさわりもなく何事もなかうたようにしている. (出典:萱野、方言:沙流)
huskono
フㇱコノー 【husko no】 古くに.昔に. (出典:萱野、方言:沙流)
huskotoywano
フㇱコトイワノ 【husko toy wa no】 昔から,古くから,以前から. タアン ピパウㇱコタン アナㇰネ フㇱコ トイ ワノ アイヌ オカ.ペトッタ(ペッ オㇿ タ) アナㇰネ チェㇷ゚ ネㇷ゚ パㇰノ カ オカ.キㇺ タ アナㇰネ イセポ チロンヌㇷ゚ ユㇰ キムンカムイ ポロンノ オカ ワ アエㇷ゚ ア・エイㇱラㇺネ カ ソモ=この二風谷村は昔からアイヌが暮らしていた.川には魚がたくさんいた,山にはウサギ,狐,鹿,熊がたくさんいて食べ物に不自由しなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
huspe
フㇱペ 【huspe】 川へ落ちて死んだ鹿,溺死. ソンノ ペトッタ(ペッ オㇿ タ) フㇱペ ア・パ ヤㇰ ア・イェ アクス アチャポ ウタㇻ ウウェトゥㇱマㇰ ワ ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ホユッパ=本当にまあ川で氷の下で死んだ鹿が見つかったと聞いたら,おじさんたちは先を争って川へ走った. *冬の間氷の割れ目に落ちて死んだ鹿が春に見つかったものをフㇱペという.昔はしばしばあった. (出典:萱野、方言:沙流)
hussa
フッサ 【hussa】 まじない:病人を治すために強く息を吹きかける.息をかける音がフッサと聞こえる. フッサハウ シューコサンパ=フッサという声がシューとなった(魔物の側からの表現.魔物にとってフッサという強い息は恐ろしいものである). (出典:萱野、方言:沙流)
hussakar
フッサカㇻ 【hussa-kar】 おはらい:病人をはらい清め,悪魔を追い出そうと息を強く吹きかける. (出典:萱野、方言:沙流)
hutne
フッネ 【hutne】 狭い,窮屈だ. チセ ウトゥㇽ フッネ=家の間が狭い.フッネ センカキ=幅が狭い布地.フッネ ワ ク・ミ エアイカㇷ゚=狭いので私は着ることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
hutne nay
フッネ ナイ 【hutne-nay】 狭い沢. (出典:萱野、方言:沙流)
hutne nisey
フッネ ニセイ 【hutne-nisey】 狭い函川. (出典:萱野、方言:沙流)
hutne pinay
フッネ ピナイ 【hutne-pinay】 狭い谷川. (出典:萱野、方言:沙流)
huttap
フッタㇷ゚ 【huttap】 笹. (出典:萱野、方言:沙流)
huttat
フッタッ 【huttat】 笹. (出典:萱野、方言:沙流)
huye/huye(he)
フイェ/フイェ(ヘ) 【huye/huye(he)】 頬. (出典:萱野、方言:沙流)
huyekot
フイェコッ 【huye-kot】 えくぼ. (出典:萱野、方言:沙流)
huyhuynawano
フイフイナワノ 【huyhuy na wa no】 どこからどこまで,隅から隅まで. チセオンナイ フイフイナワノ アコエラヤㇷ゚=家の中の隅から隅まで,私はそれに感心した[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
huymampa
フイマンパ 【huy-mampa】 (気をつけてよくよく)見る,観察する,見直す. (出典:萱野、方言:沙流)
huype/huype(he)
フイペ/フイペ(ヘ) 【huype/huype(he)】 肝臓.▷フ=生 エ=食べる ペ=物 →生のままで食べられる物 (出典:萱野、方言:沙流)
huyuikehi
フユイケヒ 【huyuikehi】 着る物,衣類,体につけて着たりはいたりする物の総称.普通はアミㇷ゚と言う[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
i
イ 【i】 物,事,所,その,それ(が,に,を,ヘ),やつ. (出典:萱野、方言:沙流)
i=
イ 【i=】 私(に,を,の)〔人称接辞〕. (出典:萱野、方言:沙流)
i=cotca
イチョッチャ 【i=cotca】 刺される.▷イ=私を チョッチャ=刺す ソヤ イ・チョッチャ=蜂に刺された. (出典:萱野、方言:沙流)
i=ka opiwki utar
イカ オピウキ ウタㇻ 【i=ka opiwki utar】 味方.▷イ=私 カ=上 オ=それ ピューキ=追う ウタㇻ=人たち (出典:萱野、方言:沙流)
i=kakamukamu
イカカムカム 【i=ka kamu-kamu】 (私に)おおいかぶさる. ポロ ワッカ オッタ(オㇿ タ) チㇷ゚ ア・オ ヒネ ペッペㇱアナクス(ペッペㇱ・アン アクス) プイラ イ・カカムカム テイネ・アン=洪水の時に舟に乗って川を下るとしぶきが私におおいかぶさって私は濡れてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
i=kakamutek
イカカムテㇰ 【i=ka kamu-tek】 (私の)上にかぶさる. ア・アキヒ トゥラノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニ センピㇼ ワ ハイカンヌㇷ゚ シネㇷ゚ ピッコサヌ イ・カカムテㇰ.イヨㇱ(イ・オㇱ) エㇰ コㇿ アン ア・アキヒ ホユプ ワ エㇰ ネア ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ シㇼコオッケ イ・カオピューキ クスケライ シㇰヌ・アン=弟とふたりで狩に行くと立ち木の陰から若い熊1匹さっと出て来て私の上へかぶさった.後から来ていた弟が走って来てその若い熊を槍で突き殺し私を助け,そのお陰で私は生きた. (出典:萱野、方言:沙流)
i=katoykuspekor
イカトイクㇱペコㇿ 【i=ka toy kus pekor】 (私が)かったるい〔比喩〕.▷イ=私 カ=上 トイ=土 クㇱ=通る ペコㇿ=ような →体の上を土でおおわれたような チュワン オカケ タ トイ アンクラ タ ポンノ モコㇿアナクス(モコㇿ・アン アクス) イ・カトイクㇱ ペコㇿ ネ ヒネ モイモイケ・アン カ ア・エアイカㇷ゚ エウン アイヌ ハウ アㇱ クスケライ モㇱ・アン.ネㇷ゚ カ ウェンカムイ イイェヌチシㇱケ(イ・エヌチシㇱケ) ワ ネ ア ナンコㇿ=お昼ご飯の後,畑の畔で少し眠ると,体の上を土でおおわれたようなかったるい気持になり動くこともできない.そこへ人声がしたお陰で目が覚めた,何か化け物が私をにらみつけていたのであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
i=kepkepip
イケㇷ゚ケピㇷ゚ 【i=kepkepi-p】 私にとって役に立たない者.▷イ=私を ケㇷ゚ケピ=かじる ㇷ゚=者 (出典:萱野、方言:沙流)
i=kohopuni
トゥルㇱキンラネ イコホプニ 【turas-kinrane i=ko-hopuni】 意識もうろうとして私に起きた. ▷トゥルㇱ=垢がつく キンラ=猛り立つ ネ=なる イ=私 コ=それ ホプニ=起きる[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
i=kokimaipa
イコキマイパ 【i=ko-kimaipa】 私の物をなくされた,取られた,盗まれた. エネケヤㇺワアン タシロネアㇷ゚ イコキマイパ=あれほど大切にしていた山刀であったのに,盗まれてしまった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
i=komoyre
イコモイレ 【i=ko-moyre】 それは手遅れ,遅いと間に合わない. ▷イ=それ コ=に モイレ=遅い ホクレイキ アウンエカシ レクチイユンワ タネタネ タストゥイ ノイネイキナ エイコモイレ ヤッウェンナ=早くしてよ,隣のじいさんが喉詰まりで,今にも息が止まりそうだ,手遅れになったら悪いから.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
i=kosatsatu
イコサッサトゥ 【i=ko-satsatu】 (私を)うさんくさい顔で見る. (出典:萱野、方言:沙流)
i=kosunke
イコスンケ 【i=kosunke】 (私に)嘘を言う.▷イ=私 コ=に対して スンケ=嘘を言う (出典:萱野、方言:沙流)
i=kotarara
イコタララ 【i=ko-tarara】 (私に)伸ばす:物を手に持ち私の方へ伸ばしてくれる.▷イ=私に コ=〜を タララ=伸ばす (出典:萱野、方言:沙流)
i=kotcane
イコッチャネ 【i=kotcane】 (私を)取りなす. (出典:萱野、方言:沙流)
i=kotcawot no
イコッチャウォッノ 【i=kotca-ot-no】 私より先に,私より前に. ▷イ=私 コッチャウォッ=先,前 ノ=に ソンノカㇻパワ コルオヌア ユㇰカルㇱ イコッチャウォッノ ネンカウッワイサㇺ=本当に私が行って知っていたマイタケは,私より先に誰か取ってしまった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
i=kurkasikeuwanpare
イクㇽカシケウワンパレ 【i=kur-kasike-uwanpare】 私の様子をじっと見る,私を不審そうに観察する,注意して私を見る. ▷イ=私 クㇽ=姿 カシケ=上 ウワンパレ=観察する(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
i=masasa
イマササ 【i=masasa】 にらみつける,にらむ. ヌペトゥㇺワ イマササ=涙の中からにらみつけた[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
i=sikeopusi
イシケオプシ 【i=sik-e-opusi】 にらむ. ピㇼカ メノコ ネ コㇿカ ナヌフ ソモ サンケノ オトㇷ゚ ウトゥル ワ イ・シケオプシ アーペコㇿ イキ エアㇻキンネ ケオハイシトマ(ク・エオハイシトマ)=いい女なのだが顔を出さずに髪の間から私をにらみつけているみたいで,私はとっても気味が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
i=sikeopusi wenmenoko
イシケオプシ ウェンメノコ 【i=sike-opusi wen-menoko】 髪の隙間からにらむ悪い女. ウェンメノコ セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ カ ネユンネユン アン イスエチレ ウェンメノコ ホカパル ウェンメノコ イロンナピウェ ウェンメノコ イシケオプシ ウェンメノコ=悪女と表現される中でもいろいろあり,陰部の熱い悪い女,灰を飛ばす悪い女,座る時に男にくっつく悪い女,髪の間から私をにらむ悪い女. (出典:萱野、方言:沙流)
i=sirkootke
イシㇼコオッケ 【i=sir-ko-otke】 大地とともに刺された.▷イ=私を シㇼ=大地 コ=ともに オッケ=刺す (出典:萱野、方言:沙流)
i=tomunno
イトムンノ 【i=tomun-no】 私の方へ,私がいる所へ. ▷イ=私 トムン=~の方 ノ=~へ クカ アイカ ソモアコㇿノ エキㇺネアナクス ハイカイヌㇷ゚ イトムンノ ホユプワエㇰ アエラムトゥイ=弓も矢も持たずに山へ行ったら,若い熊が私の方へ走ってきて,私はびっくりした.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
i=turpakno
イトゥㇽパㇰノ 【i=turpakno】 それに近いぐらい,私の歳に近いほどの. ▷イ=私 トゥル=近い パㇰノ=ほどの ナポロクㇽ アイェヒネクナㇰ アラムアワ イトゥㇽパㇰノ アンオッカイポ ネロㇰオカ=もっと歳の多い人を言っているのかと思っていたが,私に近いほどの若者であった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
i=yekenkenu
イイェケンケヌ 【i=ye-kenkenu】 そこらをうろうろしている,うろつき回る,ちょろちょろする. ネア ウェンペ イイェケンケヌ コロアン=あの悪い奴がうろつき回っている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
i=yesisi
イイェシシ 【i=ye-sisi】 あの人は私を避ける,私の視野に入らないようにする. ▷イ=私 イェ=それ,あの者 シシ=避ける *顔を合わせる事のできないほどの不義理をしている者に対しての言い方.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ica
イチャ 【ica】 (穂を)摘む,穂ちぎり(をする):ヒエ,アワ,イナキビなどの穂をピパという貝殻で摘みとること. ク・イチャ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) インネ ウタㇻ エㇰ ワ エン・カスイ クスケライポ ア・オケッテㇰテㇰ=私が穂ちぎりをしていると,大勢の人が来て私を手伝ってくれ,そのお陰でさっと終わってしまった.クンネイワノ イチャアナアナ(イチャ・アン ア・アン ア) ポーロ サラニㇷ゚ トゥㇷ゚ カ レㇷ゚ カ ア・ラㇻパ カネ ムンチロ ア・チャ=朝早くから穂摘みをして,大きな袋にふたつも三つも詰め込んで,アワの穂を摘んだ.ピヤパ ヌモ ノ ナ ニサッタ ワノ イチャ クス アㇻパ・アン ナ ヤイェトコイキ アニー=ヒエがよく実が入ったから,明日から摘み取るために行くので,自分の準備をしてね. (出典:萱野、方言:沙流)
icaka
イチャカー 【icaka】 あんなやつめ,こしゃくだ,なまいきだ:あんなやつめ,なにくそ,よくもそんなことを,と相手に対して腹を立てた時に思わず口をついて出る言葉〔悪口〕. イチャカー エネ オカイペ ポンノ イチェン コㇿ ワ ヘンパラ パㇰノ コㇿ クニ ラム ワ リㇰタ リㇰタ インカㇻ シリ=あんなやつめ,あのような者が少しの金持っていつまで持てると思ってか頭の高いこと. (出典:萱野、方言:沙流)
icakkere 1
イチャッケレ 【icakkere】 ①なにくそ,あんなやつめ〔悪口〕. (出典:萱野、方言:沙流)
icakkere 2
イチャッケレ 【icakkere】 ②汚ない,汚れている,汚れる. イチャッケレ ナ フライェ=汚ないから洗え.エ・ケマハ イチャッケレ ナ フライェ ワ エㇰ=お前の足が汚れているから,洗ってこい. (出典:萱野、方言:沙流)
icakkerep
イチャッケレㇷ゚ 【icakkere-p】 汚ないもの. イチャッケレㇷ゚ アナㇰネ イテキ ウカオノ アヌ ワ ホクレ フライェ=汚ない物はしまっておかないで,早く洗え. (出典:萱野、方言:沙流)
icakkerere
イチャッケレレ 【icakkere-re】 汚す. エシㇼ エ・ミ ワ エ・ソイネ アㇷ゚ タㇱテㇰテㇰ エ・イチャッケレレ.エ・ヤチポチ ヒー?=さっき着て外へ出たのに,すぐにお前は汚してきた.泥んこをこねていたの? (出典:萱野、方言:沙流)
ican
イチャン 【ican】 (サケやマスの)産卵床.*昭和10年代は「ホリ」ともいったが,北海道方言であったかもしれない. タパン イチャン アナㇰネ アッパケ ワノ コルウヌ(ク・オルウヌ) ウㇱケ ネ ナ イテキ エㇰ ヤン=この産卵床は最初から私が知っていた所なので,来ないでくれ.タヌクラン チュピポロ イサㇺ ナ イチャンコㇿ・アㇱ ナ.アㇷ゚ コㇿ ワ エン・トゥラ=今夜は月の光がないから産卵床へ行くぞ.鈎を持って俺と一緒に来い. (出典:萱野、方言:沙流)
icaniw(icanuy)
イチャニウ(イチャヌイ) 【icaniw(icanuy)】 マス. ナ ヘカチ オッカイポ ク・ネ ヒ タ ニカㇷ゚ エトコ タ ク・ネㇷ゚キエアㇻパ イチャヌイ ポロンノ オカ ワ チ・コイキ ワ チェ(チ・エ) コㇿ ネㇷ゚キ・アㇱ ペ ネ ア ワ=まだ少年といえる若者であった私が,新冠川の上流へ仕事に行った時に,マスがたくさんいて,私たちはそれを獲って食べながら働いたものであったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
icapipa
イチャピパ 【icapipa】 穂摘み用貝殻. (出典:萱野、方言:沙流)
icari
イチャリ 【icari】 ざる. トゥッコ カ レㇾコ カ アㇷ゚ト ルイ ワ ポロ ワッカ アン ノイネ シㇼキ ナ.イチャリ コㇿ ワ ソイェネ ワ クマ オㇿ ワ ラチッケレ カントコㇿカムイ エウン "ホクレ タパン イチャリ シㇰテ" セコㇿ コラㇺコㇿ=二日も三日も雨が強いので洪水になりそうだ.ざるを持って外へ出て干し棹から下げ,天の神様へ,「さあ早くこのざるをいっぱいにせよ」と相談してみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
icen
イチェン 【icen】 金(かね),銭,貨幣. テエータ ネア クㇽ イチェン ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) ア コㇿカ ソモ エン・コホシピレ タネ ケラㇺキッカㇻ(ク・エラㇺキッカㇻ)=ずうっと前にあの人に金を貸したが,私に戻してくれないので諦めた.イチェン ア・エソウㇰ クス アㇻパアナ(アㇻパ・アン ア) コㇿカ ア・エラㇺヌクリ クス ネㇷ゚カ ソモ ア・イェ=私はお金を借りに行ったけれども,言い出しづらくて何も言えなかった.イチェン コㇿ アクス リㇰタ リㇰタ インカラ ヘンパラ パㇰノ エネ イキ クニ コタヌン ウタㇻ ウコピヌピヌ コㇿ ア・エオヤイタㇰ コㇿ アニカ(アン ヒ カ) エランペウテㇰノ=少し小金を持ったからと肩で風を切って歩き,いつまであのようにできるかと村人がひそひそ話をしてあざけっているのも知らずに.テタ カヌ(ク・アヌ) ア イチェン イサㇺ ルウェ ネ.オハシッタ アフン ペ ネア イッカ メノコ ネ クス ア・コラムヌ コㇿカ ネユン ア・イェ ヒー カ イサㇺ=ここに私が置いた銭がなくなったのだよ.留守にこの家に入った者はあの盗っ人女なので疑ってはいるが.どのように言うこともできない.テエタ エチ・エソウㇰテ イチェン タント エチ・エソウㇰテ ㇷ゚ ウコタㇺケ 1万円 ネ ナー=以前あなたに貸した金,今日貸したものとあわせて1万円だよ.*銭のことを昭和10年代には近所の老人たちはイチェンと言っていたが,大金になるとイコㇿ(宝)と言った.イコㇿと言えるほどの大金はめったに手にすることができなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
icincimi
イチンチミ 【i-cimcimi】 観察する,(注意深く)見る.この家の主婦はしっかりしているかどうか等. イチンチミ ウナㇻペ エㇰ ワ ア ワ アン アイネ アㇻパ ワ イサㇺ スイ イクリアンテ ルスイ ワ ネ ネㇰ=他人をよく観察するおばさんが来て座っていてから行ってしまった.いつもの通り悪口を言いたくてだろうよ.ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) フチ エン・トゥラ ワ アッチェ タ カㇻパ(ク・アㇻパ) エケシンネ ク・インカㇻ ク・イチンチミ コㇿ ホシピ ルトㇺ タ フチ エン・コイキ "オッカヨ アナㇰネ メノコ ネノ エケシンネ ソモ インカㇻ ペ ネ ナ" シコㇿ エン・イェ=私が子供の頃に,祖母に連れられよその家へ行き,あちこち私が見回しじっとあたりの様子を見ると,その家から戻りながら祖母は私を叱り,「男は女のようにあちこち見るものではない」と私に言った. (出典:萱野、方言:沙流)
iekaste
イエカㇱテ 【i-ekaste】 飽きる. (出典:萱野、方言:沙流)
iemakaatusa
イエマカアトゥサ 【i-emaka-atusa】 片肌脱ぎ. (出典:萱野、方言:沙流)
ieomap
イエオマㇷ゚ 【i-e-omap】 おぶい紐(ひも). 図12[イエオマㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
ietokocasnureay
イエトコチャㇱヌレアイ 【i-etoko-casnure-ay】 熊神の帰り道を清める矢:熊送りの儀式の際に熊神の魂が神の国へ帰る道を清める矢. (出典:萱野、方言:沙流)
ihaytahayta
イハイタハイタ 【i-hayta-hayta】 私を狙っては外し狙っては外し. ▷イ=私 ハイタハイタ=狙っては外し狙っては外し[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ihenenu
イヘネヌ 【ihenenu】 かぎまわる,探し求める:犬や狐が食べ物を探し歩くなど. トアン マッネ セタ イトノンテㇷ゚ ネ ㇷ゚ ネ クス イペルスイ ワ ネ ノイネ エケシンネ イヘネヌ コㇿ ホユプ=あの雌犬は子犬に乳を飲ませているものだから腹がすいているらしく,あちこちかぎまわりながら走っている. (出典:萱野、方言:沙流)
ihenkotpa
イヘンコッパ 【i-henkotpa】 うなずく. エアウネ ク・シネウェ アクス フチ ミッポホ エㇰ ペ ネ クス オトゥ スイ レ スイ イヘンコッパ コㇿ アン=右隣の家へ遊びに行くと,孫が遊びに来たものだから,おばあさんは2度3度うなずいていた. (出典:萱野、方言:沙流)
ihomakewtum
イホマケウトゥㇺ 【ihoma-kewtum】 納得する精神,納得した心,理解した心. ▷イホマ=納得 ケウトゥㇺ=心[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ihoski
イホㇱキ 【ihoski】 酔う. アチャポ タヌクラン ラムリテン ワ ポロンノ イク ワ ネ ノイネ イホㇱキ=おじさんは今夜機嫌がよくて,量を多く飲んだらしく酔っ払った.→イヨㇱキ (出典:萱野、方言:沙流)
ihunke
イフンケ 【ihunke】 子守歌(を歌う).*沙流川地方では子守歌をイヨンノッカあるいはイヨンルイカという.イフンケというのは旭川地方.静内地方はイヨンルイカという. ポンペ モコンルスイ(モコㇿ ルスイ) ノイネ イキ ナ ポンノ イフンケ ワ ヌレ ナニ モコㇿ ナ=赤ちゃんが眠たいらしいから,少し子守歌を聞かせろ,すぐ眠るから. (出典:萱野、方言:沙流)
ihurere
イフレレ 【i-hure-re】 赤く染める.*アイヌ語には色彩についての語はそう多くはない.フレ=赤い,レタㇻ=白い,シューニン=青い,クンネ=黒い,などでそれらの言葉の頭にル(さっと,わずかに),ソンノ(本当に)などをつけて色の表現をしていた.▷イ=それを フレ=赤い レ=させる アㇻパ ワ ケネ ニカㇷ゚ ソソ ワ エㇰ.ク・イフレレ クㇱネ ナ=行ってハンノキの皮を剥がしてきてくれ.私が少しの物を赤くしたいから. (出典:萱野、方言:沙流)
iisone
イイソネ 【i-isone】 幸いなことに,どうやら. オホンノ ソモ エ・イワㇰ ペ ネ クス ア・イモキリカ ワ アナナㇷ゚(アン・アン アㇷ゚) イイソネ エ・イワㇰ=しばらく帰らないものだから心配なことであったが幸いなことに君は帰って来た.タント シㇼペケㇾ ヒ タ ケㇰ(ク・エㇰ) エパ ヤー シコㇿ ク・ヤイヌ コㇿ ク・ヤイニタンテ アクス イイソネ ク・シレパ=今日明るいうちに到着するかなあと思いながら急いで来たがどうやら着いた. (出典:萱野、方言:沙流)
iisoneka
イイソネカ 【i-isone-ka】 幸いなことに,偶然,まぐれ. ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ペウタンケ ハウ アㇱ ヒクス イカオパㇱ・アン アクス ヘカッタㇻ ウコチㇷ゚クタ ヒネ ロㇰオカ イイソネカ オピッタ ア・オシコニ ワ ア・ヤンケ=川の方で危急を知らせる声がしたので私も騒ぎを聞いて助けに走ると子供たちが船をひっくり返したのであったが,幸いなことに皆が追いつき全部の子供を助け上げた. (出典:萱野、方言:沙流)
ik
イㇰ 【ik】 節(竹・葦等の). (出典:萱野、方言:沙流)
ika
イカ 【ika】 溢(あふ)れる,(ふき)こぼれる. ス イカ=鍋が溢れる.ス ポㇷ゚ ワ イカ ノイネ シㇼキ ナ ホクレ ス プタ ウㇰ=鍋が煮え立って溢れそうだから早く鍋のふたを取れ.イテキ アペ ポロレ! エイタサ ス ポㇷ゚ ワ イカ ノイネ シㇼキ ナ=だめ,火を大きくしないで! あまりにも鍋が煮え立ちふきこぼれそうだから.ス ポㇷ゚ ワ ウウェヘ イカ ノイネ シㇼキ ナ ホクレ ネㇷ゚カ エウン ルリヒ ニセ ワ アヌ=鍋が煮え立って煮汁がふきこぼれそうなので,早く何か物に汁をすくっておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ika
イカ 【ika】 絶対〜してはいけない. イカ エ・エ ナ=絶対食べてはいけない.イカ エ・ハチㇼ ナ=絶対落ちるんでないよ.ク・ポホー タパン ハワㇱ エウン イカ エ・カランケ ナ.ア・シトマ オルㇱペ ネ ナ=息子よ,この話へは絶対かかわるではないぞ.恐ろしい噂だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ika 1
イカ 【ika】 ①越える. シトゥイカ=蜂を越える.サマㇺニ オイカ=倒木を越える."エトンルイカ" セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ エトゥ オㇿ ワ オヘッケ エトㇿ パロホ イカ ワ ルイカ ネ アン ペ ア・イェ ㇷ゚ ネ=「鼻の橋」というものは,鼻から出た鼻汁が口を越えて橋になったものをいうものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ika 2
イカ 【ika】 ②(〜から)落ちる,(〜を)踏み外す. ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ペウタンケ ハウ ア・ヌ ヒクス ウンマ ア・オ ヒネ イカオパㇱアナクス(イカオパㇱ・アン アクス) ウンマ イカ・アン ア・アケヘ カイ.タㇷ゚ ア・イェ クニ イイェマウコウェン ネ ワ=川の方へ危急を知らせる叫び声がしたので,馬に乗って駆けつけると馬から落ちて私の腕が折れた.これのことを巻き添えをくうというのだよ.イヨーハイ! アウンクㇽ ルイカ イカ ワ ポロピロ ヤㇰ ア・イェ.ア・ヌ アー?=本当に大変よ! 隣の人が橋を踏み外して大怪我をしたそうよ.あなた聞いた? (出典:萱野、方言:沙流)
ika 3
イカ 【ika】 ③渡る:物の上を通る. ルイカ イカ=橋を渡る.ペッ イカ=川を渡る. (出典:萱野、方言:沙流)
ika kunak
イカークナㇰ 【ika kunak】 もし. オッコー ク・イキ シリ エ・ヌカㇻ シㇼ ネ ナ.イカークナㇰ エ・イェ ワ ネ ヤㇰネ ネノ イキ エチ・エカㇻカㇻ ナ.ヌ ワ アヌ=お姉さんよ,私のしたことを見てしまったね.もし人に言ったらお前が見たことと同じことをお前にするからね.聞いておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikaesina
イカエシナ 【i-ka-esina】 隠す:人殺しをしたのを見ても殺した人に荷担して他人に言わない.▷イ=それ(殺した人) カ=上 エシナ=隠す イカエシナ パㇰノ ア・シトマㇷ゚ イサㇺ=人殺しを見て知らん顔をするほど恐ろしいことはない.パㇰノ ア・シトマ ㇷ゚ イサㇺ ペ イカエシナ ネ.イカエシナ・アン コㇿ イキ クㇽ アッカリ マウコウェン・アン ペ ネ=それほど恐ろしいものはないのが人殺しを見ても他人に言わないことだ.殺した人間をかばうと殺した人間よりも(かばった人間が)不運になるものだ.*この場合は死んだ人に恨まれて荷担した者が不運になるという. (出典:萱野、方言:沙流)
ikaeyoko
イカエヨコ 【ika-eyoko】 待ち伏せ(する):熊や鹿が出て来るのを待つ.立ち番(する):狩などの時の. (出典:萱野、方言:沙流)
ikahuye
イカフイェ 【i-kahuye】 看病(する),看取る. ア・スチヒ オンネ ルスイ ワ ネ ノイネ イペ カ ソモ キ ノ モコㇿ ワ パテㇰ アン.アプンノ イカフイェ・アン コㇿ アナン(アン・アン)=私のおばあさんは死ぬのが近くなったのか食べ物も食べずに眠ってばかりいる.私は静かにおばあさんの看病をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
ikakustep
イカクㇱテㇷ゚ 【i-ka-kuste-p】 上着. ク・メライケ ナ ネㇷ゚カ イカクㇱテㇷ゚ エネルサ(エン・エルサ)=私は寒いから.何か上着を貸してくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikaopas
イカオパㇱ 【i-ka-o-pas】 応援に行く,騒ぎを聞いて助けに走る,駆けつける.▷イ=それ(騒ぎ,危急の声) カ=上 オ=それ パㇱ=走る チチェㇷ゚ ネ コㇿカ ア・セセッカ ナ ホクレ エ ワ イカオパㇱ=食べ残りの物だが温めたから早く食べて応援に行け.ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ペウタンケ ハウ アㇱ ヒクス イカオパㇱ・アン アクス ヘカッタㇻ ウコチㇷ゚クタ ヒ ネ ロㇰオカ イイソネカ オピッタ ア・オシコニ ワ ア・ヤンケ=川の方で危急を知らせる声がしたので,私も騒ぎを聞いて助けに走ると,子供たちが舟をひっくり返したのであったが,幸いなことに皆が追いつき,全部の子供を助け上げた.ペトルン ペウタンケ ハウ ア・ヌ ヒクス ウンマ ア・オ ヒネ イカオパㇱアナクス(イカオパㇱ・アン アクス) ウンマ イカ・アン ア・テケヘ カイ タㇷ゚.ア・イェ クニ イイェマウコウェン ネ ワ=川の方で危急を知らせる叫び声がしたので,馬に乗って駆けつけると,馬から落ちて私の腕が折れた.これのことを巻き添えをくうというのだよ.タパン ハワㇱ エウン アオカ アナㇰネ ソモ イカオパㇱ・アン ヤッカ ピㇼカ ㇷ゚ ヘ アン?=この話へ私たちは駆けつけなくてもいいのだろうか? (出典:萱野、方言:沙流)
ikarari
イカラリ 【i-ka-rari】 刺繍:糸を置いてその上を押さえる(刺繍の技法のひとつ).▷イ=それ カ=上 ラリ=押さえる (出典:萱野、方言:沙流)
ikaras(ki)
イカラㇱ(キ) 【ikaras(ki)】 もったいない,惜しい:捨てるにはもったいない. イカラㇱ ナ イテキ オスラ=もったいない,捨てるな.イヨーハイ オッカイポ イカラㇱ ア・ニサップニ ハウェアーン=それは大変だね.若者がもったいない,急に亡くなったのかい?アイヌ イカラㇱ ケㇱト イク ア イク ア ウトゥル アン コㇿ ホッケ ワ パテㇰ アン ウェンクㇽ ネ ㇷ゚ ネ クス ア・オラムサッカ=惜しい人が毎日酒を飲んでばかりいて,その間に寝てばかりで貧乏なものだから,軽蔑される.アントゥキ トイ オッタ(オㇿ タ) アントゥキ ケプㇱペ ポロンノ ハチㇼ ワ アン イカラㇱ ナ ウモマレ ワ エㇰ=小豆畑に小豆のさやがたくさん落ちていてもったいないから,集めて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ikare
イカレ 【ika-re】 越えさせる.▷イカ=越える レ=させる ポロ トッタ ア・プイカレ=特大の袋を倉から出す.シトゥ イマㇰ タ ポロ カムイ スマウェヘ ア・コㇿ オトゥ スイ レ スイ カㇺ ア・セ ヒネ シトゥ イカレ・アン=峰の向こう側に大きい熊を私は獲って,2回3回と肉を背負って峰を越えた[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ikarkar
イカㇻカㇻ 【i-kar-kar】 刺繍(する). "メノコ アナㇰネ ホクコㇿ エトㇰ タ イカㇻカㇻ エアㇱカイ クス オカイペ ネ ナ" シコㇿ ア・ウヌフ イ・イェ クス ピㇼカ センカキ ア・カㇻカㇻ コㇿ アナン(アン・アン)=「娘というものは夫を持つ前に刺繍を上手にするものだ」と母が私に言うので上等な布に私は刺繍をしている.ア・マチヒ アナㇰネ エアㇻキンネ イカㇻカㇻ エアㇱカイ ケㇱト アン コㇿ イカㇻカㇻ コㇿ アン.アㇻソケ タ アシヌマ アナㇰネ イヌイェ・アン コㇿ アナン(アン・アン)=私の妻は本当に刺繍が上手で毎日毎日刺繍をしている.囲炉裏を挟んで私は彫り物をしている.テエータ カネ ニㇷ゚タニ タ うとむてけ シコㇿ ア・イェ ウナㇻペ アン ワ イカㇻカㇻ エアㇱカイ オヤコヤㇰ ワ チカㇻカㇻペ ア・エヤサラ ペ ネ ヤㇰ ア・イェ=ずうっと昔二風谷にウトムアケというおばさんがいて.刺繍が上手であちらこちらから注文をされたということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikasma 1
イカㇱマ 【ikasma】 ①残り,あまり,余剰,余計. (出典:萱野、方言:沙流)
ikasma 2
イカㇱマ 【ikasma】 ②残る,余る. (出典:萱野、方言:沙流)
ikasuy
イカスイ 【i-kasuy】 手伝う. ホクレ ホクレ フㇱペ ア・パ ヤㇰ ア・イェ ナ.アノカイ カ イトゥラ・アン ワ イカスイ・アン ロー=早く早く,川流れで死んだ鹿が見つかったそうだ.私たちも一緒に行って手伝いましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
ikatkar
イカッカㇻ 【i-kat-kar】 惑わす:男女間で相手を惑わす.▷イ=それ カッ=容貌 カㇻ=作る イカッカㇻ シノッチャ=人の心を混乱させる歌=恋歌. (出典:萱野、方言:沙流)
ikatwente
イカッウェンテ 【i-kat-wen-te】 顔を汚す,顔に泥を塗る.▷イ=それ カッ=顔 ウェン=悪い テ=させる イヨーハイ! イカッウェンテ クス ヤイトゥㇱアッテ ヤㇰ ア・イェ.ア・シトマ オルㇱペ ネ ワ=いやー大変なことだ,人の顔を汚すために首吊り自殺したそうだ.恐ろしい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikawaamip
イカワアミㇷ゚ 【i-ka-wa-amip】 上着.▷イ=それ カ=上 ワ=から ア=私たち ミ=着る ㇷ゚=物 (出典:萱野、方言:沙流)
ikayop
イカヨㇷ゚ 【ikayop】 矢筒:ホオノキで作る. エキㇺネ・アン クス ホユプ・アン コㇿ ア・セトゥル タ ア・コㇿ イカヨㇷ゚ オマウスイェ パㇰノ ニタナン(ニタン・アン)=狩のために山へ行く時に走ると,背中で矢筒が宙に浮くほどに私は足が速い[ウ]図13[イカヨㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
ikayopikor
イカヨピコㇿ 【ikayop-ikor】 祭事用矢筒:漆器,金具で出来ている.▷イカヨㇷ゚=矢筒 イコㇿ=宝 (出典:萱野、方言:沙流)
ikema
イケマ 【i-kema】 イケマ〔植物〕:魔除になるという草の根. イケマ ア・マ ワ ア・エ ヒ タ エイタサ ア・エ コㇿ クス イヨㇱキ・アン ワ ア・エコチャ クニネ アン コㇿ ア・エコッ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=イケマを焼いて食べる時,あまり多く食べるとそれによって酔っ払ったようになりふらふらして,時にはそれで死ぬこともあるそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikemnu
イケㇺヌ 【i-kemnu】 (それを)哀れに思う. エ・ヌ アー? ウクラン コタンケㇱ タ ウヌワㇷ゚テ アン ヤㇰ ア・イェ ㇷ゚ ウェンヌワㇷ゚ ネヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ) ク・イケㇺヌ=聞いたかい?昨晩村の下端でお産があったそうだが,死産だったそうなので哀れに思った.ナー ペウレクㇽ チセサㇰ ヤㇰ ア・イェ ク・イケㇺヌ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エソシピ ヤㇰ ア・イェ ク・コトゥヤシ=まだ若い人が妻を亡くしたそうで哀れに思っていたが,再婚したということでよかったなあと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
ikerekarap
イケレカラㇷ゚ 【i-kerekara-p】 ただれ(る):皮膚に出来たつぶつぶのただれ.着物がさわると痛い. (出典:萱野、方言:沙流)
ikesanpa
イケサンパ 【i-kesanpa】 追いかける. ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ エアㇻキンネ イケサンパ エオㇷ゚ ア・ネ ア・ウヌフ ネンカ アㇻパ ノイネ シㇼキ コㇿ イイェトゥㇱマㇰ・アン ア・トゥラ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の時はとっても追いかける癖めいたものがあって,母がどこかへ行きそうな様子があると,先回りをしてでも母と一緒に行ったものだったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikeske
イケㇱケ 【i-keske】 憎む,妬む,羨む.▷イ=それ ケㇱケ=妬む イケㇱケ ㇷ゚ アナㇰネ カムイ オッタ(オㇿ タ) カ アイヌ オッタ(オㇿ タ) カ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).クス ヤヤㇷ゚テ ヤイトゥパレ・アン ペ ネ ナ=人を憎む者は神の所にも人間の所にもいるものだそうだ,だによって自重し自分自身を大切にするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikesuy
イケスイ 【ikesuy】 怒って帰る. (出典:萱野、方言:沙流)
iki
イキ 【iki】 する,行動する,働く. ヘマンタ フナラ クス ホック カネ ワ トヨㇿペカ(トイ オㇿ ペカ) エネ イキ シリ アン? ピパ ヘネ ハチレ ヒ ソモ ネ ヤ?=何を探して腰をかがめて畑の中をあのようにするのだ? 穂ちぎり用の貝などを落としたのではないだろうか? (出典:萱野、方言:沙流)
iki anayne
イキヤナイネ 【iki anayne】 どうやらこうやら. ナー チュㇷ゚ リ ヒ タ ク・イワㇰ エアㇱカイ クニ ク・ラム ア ㇷ゚ リトゥㇽ ワノ ウプンパッチェ ウトゥル タ ク・シットゥライヌ イキヤナーイネ ク・シレパ.ハイー ク・シンキ フミー=まだ陽の高いうちに帰り着けると思ったのに,途中から猛吹雪になり,間に道に迷いながらどうやらこうやら私はここに着いた.あーあ疲れたなあ. (出典:萱野、方言:沙流)
iki=an ayne
イキアナーイネ 【iki=an ayne】 どうやらこうやら. (出典:萱野、方言:沙流)
ikia
イキア 【ikia】 絶対. (出典:萱野、方言:沙流)
ikineypeka
イキネイペカ 【<iki ne epeka】 絶対に,万一にも. イキネイペカ タパン ハワㇱ エ・エカッキ ナ=万が一にもこの話に近づくのではないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikineypeka
イキネイペカ 【iki neypeka】 もしものこと,万一にも,もしやのこと. イキネイペカ チゥェンノラム アンシリネヤウン=もしやのこと,私が悪く思われているのではないだろうか.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ikir/ikiri(hi) 1
イキㇼ/イキリ(ヒ) 【ikir/ikiri(hi)】 ①列. アイヌパータ! ニㇱパ ネ クス チセ ソイ タ ニ イキㇼ オトゥ イキンネ(イキㇼ ネ) オレ イキンネ アン ルウェ=いいものだなあ,裕福なので家の外に薪の列が2列にも3列にもある様子だ. *昔は薪を家の前に列にして積んであり,薪のある家は物持ちで裕福だと羨ましがられた. (出典:萱野、方言:沙流)
ikir/ikiri(hi) 2
イキㇼ/イキリ(ヒ) 【ikir/ikiri(hi)】 ②縫い目. ク・コロペㇾ(ク・コㇿ オペㇾ) メノコ エ・ネ ナ ク・モウリヒ イキリ ヘチャウェ ウㇱケ ウカウカ ワ エン・コレ=孫娘よ,お前は女だから,私の肌着の縫い目の綻びた所を粗縫いしてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikirhecawe
イキㇼヘチャウェ 【ikir hecawe】 綻(ほころ)ぶ.▷イキㇼ=列,縫い目 ヘチャウェ=ほぐれる エ・ミピヒ ヤㇻポキヒ イキㇼヘチャウェ ワ アン ナ ウカウカ ワ アヌ=お前の着物の身八つ口が綻びているから,縫っておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikirkar
イキㇼカㇻ 【ikir-kar】 ほころびを)繕う. (出典:萱野、方言:沙流)
ikir_ tumu ta
イキットゥムタ 【ikir-tumu-ta】 その中で,列の中で,多くの中で. ▷イキリ=列 トゥム=中 タ=に キムンイゥォロソ イゥォロソカタ シランパカムイ ウインネヤッカ イキットゥムタ パワシヌオロケ サクサトゥラ アノトゥワシ……=山の狩場の上に樹木の神が大勢いるが,その中で雄弁からその香りまで頼りになる……. *イキリトゥムタが,声に出す時はイキットゥムタになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ikisa
イキサ 【i-kisa】 穿(うが)つ,火起こし(する):火を起こすために錐で穿つこと. タパヌㇱケ(タパン ウㇱケ) タ タヌクラン レウシ・アン ナ ホクレ イキサ ワ アペアリ=この場所で今夜は泊まるので,早く火を起こし火を焚け. (出典:萱野、方言:沙流)
ikisakani
イキサカニ 【i-kisa-kani】 もみ錐.▷イ=それ(を) キサ=こする カニ=金属 タンパクオㇷ゚ ク・カㇻ ルスイ ペ イキサカニ ク・トゥライヌ ナ エアウネ アㇻパ ワ イキサカニ エトゥン ワ エㇰ=煙草入れを私は作りたいと思ったのに,もみ錐が見つからないから,隣へ行ってもみ錐を借りて来い.図14[イキサカニ] (出典:萱野、方言:沙流)
ikisani
イキサニ 【i-kisa-ni】 木の錐(きり):火を起こす道具のひとつ.材料はサビタの木の若生え. (出典:萱野、方言:沙流)
ikisap
イキサㇷ゚ 【i-kisa-p】 火起こしの道具,弓型火起こし:クネニ(オンコ),チキサニ(ハルニレ)の木で作る.▷イ=それ(を) キサ=こすって火を出す プ=物 図15[イキサㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
ikiya
イキヤ 【ikiya】 絶対に〜するな,決して〜するな. アイヌ オッタ(オㇿ タ) イヨッタ ア・オラㇺサッカ ㇷ゚ イッカ ネ ナ.エ・ポロ ヤッカ イキヤ ポンノ アン ペ カ エ・エイッカ ナ=アイヌの所で最も軽蔑されることは泥棒だよ.お前がおとなになっても絶対に少しの物でも盗むではないぞ(私の祖母は私にいつもこのように言いきかせてくれた).#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
ikiyakunak
イキヤクナㇰ 【ikiya kunak】 万が一にも〜してはいけない. ウヌオㇰパレ オナオㇰパレ パㇰノ ア・シトマ ㇷ゚ イサㇺ ペ ネ ナ.イキヤクナㇰ ネノ エチ・イキ ナ=母不孝をする.父不孝をする.これほど恐ろしいものはない.万が一にもそのようなことをしてはならないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikiyanun
イキヤーヌン 【iki yanun】 もしやのこと. イテキ イテキ ネㇷ゚キ パ カ ソモ キ ノ エㇷ゚ イサㇺ パ ヤㇰ イェ イヤフㇷ゚ペ コラチ イキ パ.ア・エラムニㇱテ ペコㇿ ア・カㇻ ヤㇰ イキヤーヌン ネㇷ゚キ パ ナ=だめだめ,働きもしないで食べ物がないと言って乞食のようにしている(のだから).冷たい態度を取るふりをしてやったほうがもしやのこと働くから. (出典:萱野、方言:沙流)
ikka
イッカ 【ikka】 盗む,盗み. "アイヌ オッタ(オㇿ タ) イッカ パㇰノ ア・エヤイシトマㇷ゚ イサㇺ ペ ネ ナ イテキ イッカ アニー" セコㇿ クヌフ(ク・ウヌフ) エン・カㇱパオッテ=「人間の所で盗みほど恥ずかしいものはない,絶対に盗みをするな」と母は私に教えた.テエータ アナㇰネ イッカ ネ ヤ メノコ エパコアッ ネ ヤ ア・コラムヌ ㇷ゚ オカ コㇿ ウサイモンキレ カ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) コㇿカ カニ アナㇰネ ク・ヌ カ ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=大昔は盗っ人とか女性関係とか疑いがかけられると拷問もあったそうだが,私は聞いたことも見たこともない.イッカ アナㇰネ ネㇷ゚ アッカリ カムイパㇷ゚プリ ネ ナ.イテキ イッカ・アン ペ ネ ナ.ヌ ワ オカ ヤン=盗みというものは何よりも神に罰せられるものなのだ.絶対に盗みをしてはならないものだ.聞いておきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkaeo
イッカエオ 【ikka e-o】 手癖が悪い,盗癖.▷イッカ=盗み エ=それ オ=入れる マㇰタエカㇱ カ イッカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ア ワ タイペヘ カ イッカエオ ソンノ ウェンペ ネ ハウェ ネ=遠い先祖の祖父も泥棒したものだと聞いたのに,その血統も手癖が悪い.本当に思い者だよね. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkaeop
イッカエオㇷ゚ 【ikka e-o p】 盗み癖のある者. イッカエオㇷ゚ ネ ヒ ケラマン(ク・エラマン) ヒクス コカピクイラ(ク・オカピクイラ) ア コㇿカ ネノ アン イキ ソモ キ ノ アㇻパ ワ イサㇺ=盗み癖のある者なのを知っていたので,後をつけたけれども,それをせずに行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkaipe
イッカイペ 【ikka ipe】 盗み食い(する).▷イッカ=盗む イペ=食べる *イッカイク=盗み飲み. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkairenka
イッカイレンカ 【ikka-irenka】 盗みのいいがかり:根も葉もないことを並べたてていいがかりをつけ,宝物を奪い取ることを言う(参考:萱野茂『ひとつぶのサッチポロ』「パㇻコアッ シリマオッテ」). (出典:萱野、方言:沙流)
ikkakur
イッカクㇽ 【ikka kur】 盗人,泥棒. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkap
イッカㇷ゚ 【ikka-p】 強盗,盗賊. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkasampe
イッカサンペ 【ikka-sampe】 盗心.▷イッカ=盗む,盗み サンペ=心,心臓 (出典:萱野、方言:沙流)
ikkew/ikkewe
イッケウ/イッケウェ 【ikkew/ikkewe】 一番,最も,最高. イッケウェ タ エチ・エニㇱテ=君を一番信頼している.ポロ マラㇷ゚ト オッタ(オㇿ タ) サケイユㇱクㇽ アナㇰネ シンナトイネ ア・プマコレ ㇷ゚ ネ ナ.チ・ヌカㇻ アイヌ パテㇰ ソモ ネ イッケウェ タ ニㇱパ カシカムイ ア・コオリパㇰ クス ネ ルウェ タパン ナ=大きな宴会の場合に,祭司の方には別に改めて報酬をあげるものだよ.目に見える人間ばかりでなしに,一番に偉い方の憑き神に対して遠慮と感謝をしなければならないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkew/ikkewe(he) 1
イッケウ/イッケウェ(ヘ) 【ikkew/ikkewe(he)】 ①腰(全体). カムイ イコㇿ ア・コレ アクス イッケウ ノㇱキ コㇺコサンパ イ・コオンカミ=神の宝を私がくれてやる(与える)と,腰の芯をぎくりと曲げ私に礼拝をした. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkew/ikkewe(he) 2
イッケウ/イッケウェ(ヘ) 【ikkew/ikkewe(he)】 ②意味,目的. イタㇰ イッケウェ=言葉の意味,目的. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkewesakno
イッケウェサㇰノ 【ikkewe sak no】 理由なく,目的もなく.▷イッケウェ=その理由 サㇰノ=なしに (出典:萱野、方言:沙流)
ikkewpone
イッケウポネ 【ikkew-pone】 背骨.▷イッケウ=腰,背柱 ポネ=骨 (出典:萱野、方言:沙流)
ikmawre
イクマウレ 【ik maw-re】 げっぶ(する),おくび. エイタサ シト ケ(ク・エ) ア ケ(ク・エ) ア ク・ラコㇿ カシウン ク・イㇰマウレ ク・サンペエコイキ カ ク・キ ノイネ=あまりにもたくさん餅を食べて食べて腹にもたれるあげく,げっぷも出て胸焼けもしそうだ.ハイー ク・イペ アイーネ ク・ライセマㇱテㇰ.ク・イㇰマウレ ア ク・イㇰマウレ ア=あーあ.私はずっと食べて食べて腹がはちきれそうだ.そしてげっぷばかり出ている. (出典:萱野、方言:沙流)
ikoinkarkur
イコインカㇻクㇽ 【i-ko-inkar-kur】 産婆,助産婦.▷イ=それ コ=それを インカㇻ=見る クㇽ=人 タネ タネ ア・タㇰ ア イコインカㇻクㇽ エク クス ネ ア ヤッカ ナ ソモ エㇰ ルウェ ネ ワ=今に今に呼びに行った助産婦が来るはずだったが,いまだに来ないのだよ.エタカスレ ヤイトゥレンペ エヤㇺペ イコインカㇻクㇽ アナㇰネ ポオンペポ ネ ヤッカ イナウ トゥラノ ア・プマコレ ㇷ゚ ネ ヒ ク・ヌカㇻ ペ ネ=特別に自分自身の憑き神を大切にする者が産婆なので,わずかでもイナウとともに報酬をあげるものであることを,私は見たものである. (出典:萱野、方言:沙流)
ikokantama
イコカンタマ 【i-kokantama】 だます. アイヌ アナㇰネ ア・ヌカㇻ カトゥ パテㇰ ソモ ネ ネユンネユン イコカンタマ ㇷ゚ オカイペ ネ ナ ヤイトゥパレ ヤン アニー=人間は見た目ばかりでなく.いろいろと人をだます者がいるものだから,気をつけなさいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikokanu
イコカヌ 【i-kokanu】 耳を澄まして聞く. ポンノ アㇱ ワ イコカヌ.キㇺペ ハウ ソモ ネ ウン?=少し止まって耳を澄まして聞け.熊の声ではないだろうか? (出典:萱野、方言:沙流)
ikokuttar
イコクッタㇻ 【iko-kuttar】 どんぐい,オオイタドリ.▷イコ=節 クッタㇻ=筒 ヘカッタㇻ エシノッ チレㇰテトㇷ゚ イコクッタㇻ アニ ア・カㇻ ペ ネ ワ=子供たちがおもちゃにする笛はどんぐいで作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikom'ikom
イコㇺイコㇺ 【i-kom i-kom】 這う:尺取り虫のような動き. (出典:萱野、方言:沙流)
ikomawkowen
イコマウコウェン 【iko-maw-ko-wen】 巻き添えをくう. オルケㇱサㇰペ アン コㇿ オラーノ ウケㇱコㇿ シコㇿ ネ ワ ネンカ ア・アㇻパレ ㇷ゚ ネ コㇿカ カーカ ア・シトマ.イコマウコウェン ヒーカ アン ペ ネ クス エタㇻカ イキ ソモ アン ペ ネ=子孫が絶えた者がいるとそれから相続すると言っては誰か身内を行かせるがそれも恐ろしいものだ.巷き添えをくうこともあるものなのでやみくもにそうするものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
ikoni
イコニ 【ikoni】 痛む. (出典:萱野、方言:沙流)
ikonicarpa
イコニチャㇻパ 【ikoni-carpa】 妊婦が死亡した時腹を切りお腹の子供の性別を確認する. (出典:萱野、方言:沙流)
ikonnu
イコンヌ 【ikonnu】 呪う. テエータ ニㇷ゚タニ コタン タ あんれとぅっ セコㇿ レヘ アン ウナㇻペ アン エキㇺネ アクス イセポ アㇱ ヒネ テㇺラチチ テㇰラチチ ウナㇻペ コイコンヌ ポ ラマッ ア・コウㇰ イセポ イコンヌ シノ アシトマㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ=ずうっと昔,二風谷村にアンレトゥッという名前のおばさんがいた.山へ行くとウサギが立っていて前足をぶらぶらさせおばさんを呪い,生まれて来るはずの子供の魂を奪い取った.ウサギの呪いは本当に恐ろしいものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikonnup
イコンヌㇷ゚ 【ikonnu-p】 人を呪う物,凶事を作る者:人のいやがる事を予言し作る者. (出典:萱野、方言:沙流)
ikoorsutke
イコオㇿスッケ 【i-ko-orsutke】 命令(する).励ます. (出典:萱野、方言:沙流)
ikopaksam
イコパㇰサㇺ 【i-kopak-sam】 日受け,日当たり(のよい場所).ひなた.▷イ=それ コパㇰ=の方 サㇺ=側 ウパㇱ カ ル ワ イサㇺ.イコパㇰサㇺ タ ネ ヤクン プクサ リ ナンコㇿ ナ アㇻパ ワ タ ワ エㇰ=雪もとけてしまった.日当たりにならばギョウジャニンニクが伸びているであろうから行って採って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ikor
イコㇿ 【ikor】 宝. (出典:萱野、方言:沙流)
ikor sir esiniwka
イコㇿ シㇼエシニューカ 【ikor sir esiniwka】 宝物がその土地にあきた. ピㇼカ イコㇿ ア・コㇿ ワ アナナㇷ゚(アン・アン アㇷ゚) シネアンタ コイカ ウン クㇽ エㇰ ヒネ イ・コホㇰ ルスイ イコㇿ シㇼエシニューカ ヒネ クニ ア・ラム クス ア・エイヨㇰ ルウェ ネ=いい宝物を私は持っていたが,ある日,東の方の人が来て私からそれを買いたい(と言う),宝物がここの土地にあきたのであろうと,私は考えたので私はその宝を売ったのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikor'ikir
イコㇿイキㇼ 【ikor-ikir】 宝物の列,宝物が並んでいる. ▷イコㇿ=宝物 イキㇼ=列,並び(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ikor'osuop
イコㇿオスオㇷ゚ 【ikor-o-suop】 宝刀をしまう箱:ネㇱコ(クルミ)製. 図16[イコㇿオスオㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
ikornokaomapasuy
イコㇿノカオマパスイ 【ikor-noka-oma-pasuy】 宝刀の形を彫刻した捧酒箸. ▷イコㇿ=宝刀 ノカ=形 オマ=入る,入れる パスイ=箸:捧酒箸(トゥキパスイ=杯の箸) *あるいは,イクパスイ(飲む箸)とも言う.これらの物には熊の形,船の形,魚の形などいろいろな形の物がある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ikosinninup
イコシンニヌㇷ゚ 【i-ko-sir-ninu-p】 宝物,秘宝. (出典:萱野、方言:沙流)
ikotcanekur
イコッチャネクㇽ 【i-kotcane-kur】 代理人:取りなしてくれる人. (出典:萱野、方言:沙流)
ikotcanep
イコッチャネㇷ゚ 【i-kotcane-p】 代理人:代わりになってくれる者. (出典:萱野、方言:沙流)
ikotunas
イコトゥナㇱ 【i-ko-tunas】 助けに来る,早く来る.▷イ=それ コ=に対して トゥナㇱ=早くする ア・ミッポホ レクチイユン ワ ライキマテㇰ・アン アウン フチ イコトゥナㇱ ネユンネユン ア・カㇻ アイネ アトゥ クスケライ ア・シㇰヌレ=私の孫が喉に物をつまらせて私は死ぬほど驚いた,隣の婆さんが素早く助けに来てくれていろいろと手当てをして吐かせたお陰で生かすことができた. (出典:萱野、方言:沙流)
ikotunte
イコトゥンテ 【i-ko-tunte】 こだま.山彦. (出典:萱野、方言:沙流)
ikotuntek
イコトゥンテㇰ 【i-ko-tuntek】 地響き.地面が響く,響き渡る.▷イ=それ コ=に対して トゥンテㇰ=響く (出典:萱野、方言:沙流)
ikoturse
イコトゥㇽセ 【i-ko-turse】 伝染する.▷イ=それ コ=に対して トゥㇽセ=落ちる,滴る (出典:萱野、方言:沙流)
ikoysampa
イコイサンパ 【ikoysampa】 真似る. (出典:萱野、方言:沙流)
ikoytupa
イコイトゥパ 【ikoytupa】 羨む. クポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ クニヒ(ク・ウニヒ) ウェンクㇽ ネ クス イコイトゥパ スクㇷ゚ ク・キ ヘタㇰタヘタ エ・ポロ ワ ネ ヤㇰ ニㇱパ エ・ネ オカー シコㇿ パテㇰ ク・ヤイヌ ペ ネ ア ワー=私が子供の頃は家が貧乏であったので他人を羨ましく思い,なんとか早く大きくなったら金持ちになりたいとばかり考えていたものであったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikra
イㇰラ 【ikra】 送る. ユㇰチセ タ アン ク・マッカㇻク フンペリカ エネイㇰラ(エン・エイクラ).ケミアン ペ ネ クス ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) コㇿ ケ(ク・エ) ア ルウェ ネ=いくちせ村にいる私の姪が鯨の脂身を私に送ってくれた.珍しいものなので私は喜んで食べたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
iku
イク 【iku】 酒を飲む,飲酒. ポンノ ク・ヌ ルスイ ペ アン ワ クス エカシ エウン カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス イク コㇿ アン ク・イェ エラㇺキッカㇻ ワ ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=少し聞きたいことがあったので祖父の所へ行くと酒を飲んでいたので,言うのを諦めて逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuipe
イクイペ 【iku-ipe】 飲み食い(をする).▷イク=酒を飲む イペ=食べる (出典:萱野、方言:沙流)
ikum
イクㇺ 【ikum】 土,砂.これはカムイユカㇻに出て来る言葉で,熊が冬越しした穴から出る時に,フㇱコイクㇺ ソイオマレ(古い土を外へ出せ)と言うが,普通はオタ,あるいはトイトイ,火山灰はピヨタ(ピ=粒,種 オタ=土:声に出す時はピヨタという).(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ikunnere
イクンネレ 【i-kunne-re】 (黒く)染める.▷イ=物(を) クンネ=黒,黒くなる レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
ikupasuy
イクパスイ 【iku-pasuy】 捧酒著:お祈りの時に神へアイヌの願いを伝えてくれる著.▷イク=酒を飲む パスイ=箸 アイヌ イタㇰ アナㇰネ ウハイタ ウㇱケ ポロンノ オカ.ネ イタㇰ オウペカレ ワ カムイ オルン ソンコ アンパ ㇷ゚ イクパスイ ネ ルウェ タパン ナ=人間の言葉は至らない所がたくさんあるものだ.その言葉を真っ直ぐにして神へ伝言を持って行くのが捧酒箸なのですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuriante
イクリアンテ 【i-kuri-ante】 悪口を言う,馬鹿にする,あざける.▷イ=それ クリ=陰 アンテ=置く イチンチミ ウナㇻペ エㇰ ワ ア ワ アン アイネ アㇻパ ワ イサㇺ スイ イクリアンテ ルスイ ワ ネ ネㇰ=他人をよく観察するおばさんが来て座っていてから行ってしまった,いつもの通り悪口を言いたくてだろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikururu
イクルル 【ikururu】 産気づく,陣痛. エ・ウヌフ イクルル ヤㇰ イェ ナ ホユプ ワ アㇻパ うこウナㇻペ タㇰ ワ エㇰ=お前の母が産気づいたと言っているから走って行って,ウコおばさんを呼んで来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ikus un
イクスン(イクシュン) 【i-kus un】 向かい側(へ).▷イ=それ(川) クㇱ=向かい ウン=へ (出典:萱野、方言:沙流)
ikusakayo
イクサカヨ 【iku-sakayo】 酒を飲んでのけんか.▷イク=酒を飲む サカヨ=いさかい,けんか (出典:萱野、方言:沙流)
ikusakur
イクサクㇽ 【i-kusa-kur】 渡し守.▷イ=それ(を) クサ=渡す クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
ikusausi
イクサウシ 【i-kusa-usi】 渡船場.▷イ=それ(を) クサ=渡す ウシ=場所 トヨㇿ(トイ オㇿ) ワ イワㇰ・アン イクサウシ タ エカン(エㇰ・アン) ヒネ ライホトゥイパアナクス(ライホトゥイパ・アン アクス) アチャポ エㇰ ヒネ イ・クサ ルウェ ネ=畑から帰ってきて渡船場で高い声で呼ぶと,おじさんが来て私は渡してもらった. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuso
イクソ 【iku so】 酒宴の席.▷イク=酒を飲む ソ=座,席 ウクラン イクソ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ コタンケスン(コタンケㇱ ウン) クㇽ トゥラ ウコイキ ワ コタンケスンクㇽ ポロピロ.ウコチャランケ ユㇷ゚ケ ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ イヤシンケ ヤㇰ ア・イェ ワ=昨夜の酒宴の席で,道路の西側のおじさんと村の下端のおじさんがけんかをして,村の下端のおじさんが大怪我をした.強談判があって,道の西側のおじさんが償いをしたそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuspe
イクㇱペ 【i-kus-pe】 柱. チセ ア・アシ ヒ タ アナㇰネ イクㇱペ イテキ エウタㇱタサ クニネ ア・オウペカレノ ア・アシ ㇷ゚ ネ ナ=家を建てる時は柱があちこち出入りのないように,真っ直ぐに並べて立てるものだよ.アイヌチセ ア・アシ ヒ タ チュㇷ゚カ ワ ア・アシ イクㇱペ ホㇱキノ ア・アシ オロ ワ トゥㇱ ア・トゥリ マㇰナウ ウン イクㇱペ ピカタ ウン イクㇱペ シュㇺ ウン ペ ア・アシ ㇷ゚ ネ=アイヌ風の家を建てる場合には,東の方の柱を最初に立て,それから縄を引っぱり,北の方の柱,南の柱,西の柱と立てるものだ.参考:トゥントゥ=大切な柱 (出典:萱野、方言:沙流)
ikuspepar
イクㇱペパラ 【i-kus-pe-par】 柱の口,柱の上端の受け口,横桁と行き桁の受け口. ▷イクㇱペ=柱 パㇻ=口 *別の言い方で,パルシペトゥントゥ(口のある柱)というのもある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ikusta
イクㇱタ 【i- kus ta】 向かい側に. ペッ イクㇱ タ=川の向かい側に.ル イクㇱ タ=道の向かい側に.ナイ イクㇱ タ ポロンノ ユㇰ オカ エウン ア・コㇿ セタ ホユプ アクス アルテㇾケレ ワ キラ ワ イサㇺ=沢の向かい側にたくさん鹿がいてそこへ私の犬が走って行ったら跳ねて走って逃げてしまった.ペッ イクㇱ タ ア・コㇿ トイ アン ペ ネ クス クンネイワ アㇻスイネ オヌマン アㇻスイネ チㇷ゚ アニ ア・イ・クサ=川の向かい側に私の畑があるものだから朝に1回夕方に1回舟で渡してもらう. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuswa
イクㇱワ 【i-kus wa】 向かい側,向こう岸. (出典:萱野、方言:沙流)
ikutasa
イクタサ 【iku-tasa】 酒宴の席へ行く.▷イク=酒を飲む タサ=向かう (出典:萱野、方言:沙流)
ikuynimak/ikuynimaki(hi)
イクイニマㇰ/イクイニマキ(ヒ) 【i-kuy-nimak/-nimaki(hi)】 奥歯,臼歯.▷イ=それ(を) クイ=噛む ニ(ミ)マㇰ=歯 #NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
ikuyra
イクイラ 【ikuyra】 後をつける,こっそりついていく. キムㇱプ コㇿ ヤㇰ ア・イェ クㇽ シネアンタ エキㇺネ ヒクス オㇿ アプンノ イクイラアナクス(イクイラ・アン アクス) ソンノカ コㇿ キムㇱプ エウン アㇻパ=山に秘密の倉を持っていると言われている人が,ある日のこと山へ行ったのでこっそり後をつけると,本当にも持っている秘密の倉へ行った[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
imakake
イマカケ 【imakake】 向こう. (出典:萱野、方言:沙流)
imakaketa
イマカケタ 【imakake ta】 あとで,今後は,次に. イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) メノコ オッカヨ ウコトゥㇱエタイェ メノコ ア・マケタロ コㇿ イマカケタ オッカヨ カムイ ア・ウㇰ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊送りの時に男と女が綱引きをして女が負けると,次に牡熊が獲れるそうだよ.タㇷ゚ アイヌ アン ナ イマカケタ エㇰ アニ=今人がいるので,のちほど来てね.ソンノ ヘー ヘマンタ エ・イッカ ハウェー? ネンカネ エラムㇱ ワ スイ ネノ イキ ヤㇰ ウェン ナ イマカケタ ソモ ネノ イキ クニネ ピㇼカ ノ イェ ワ ヌレ=本当かい.何を盗んだの? もしも癖になって再びそうしたらいけないので,今後はそうしないようによく言って聞かせて.タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ルイノ ルイノ ア・ヨㇺネレ ソモ ヤㇰネ イマカケタ スイ ウェンプリコㇿ ナ=今の場合は,強く強く懲らしめないと,次に再び悪いことをするであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
imakakeun
イマカケウン 【imakake un】 (〜の)方へ,あちらの方へ.(〜の)向こうへ. ペッイマカケウン=川の向こう側へ.チセイマカケウン=家の向こう側へ.シトゥイマカケウン=峰の向こう側へ. (出典:萱野、方言:沙流)
imanit
イマニッ 【i-ma-nit】 焼き串.▷イ=それを マ=焼く ニッ=木,串 イマニッタイ=焼き串の林.囲炉裏の中で焼き串を林のように立てる.ユカㇻに多く出て来る言葉.図[イマニッ] (出典:萱野、方言:沙流)
imek
イメㇰ 【imek】 分け前. ポロンノ チェㇷ゚ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ パㇱクㇽ イメㇰ ネ ア・アリ ㇷ゚ ネ ナ=たくさん魚を獲った時は,烏の分として残すものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
imek
イメㇰ 【imek】 (酒宴の場で食べ物を)配る,配膳(する). イメックㇽ=酒宴の場で食べ物を配る人.ソンノ マラㇷ゚ト オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ オッカヨ イメㇰ ペ ネ=本当の大宴会の時には男が食べ物を配るものだ.ポロンノ ヌイラ ア・ウㇰ ヒネ エケシンネ ア・エイメㇰ ア コㇿカ ミマラハ フラルイ ア・ニㇱカ コㇿカ ア・オスㇽパ=たくさんウグイを獲ってあちこちに配ったが,残りににおいがついたので,もったいないと思ったが捨てた.イメㇰ・アン ヒ タ アナㇰネ シソ ペカ アペサㇺ タ アン ウタㇻ ホㇱキノ ア・イメㇰ コレ ㇷ゚ ネ=配膳する場合には右座の方から火の側にいる人たちに先に配るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
imek kam
イメㇰ カㇺ 【imek-kam】 分け前肉. (出典:萱野、方言:沙流)
imeru
イメル 【imeru】 稲妻,いなびかり. (出典:萱野、方言:沙流)
imeruat
イメルアッ 【imeru at】 後光がさす,光る. クチャチセ オッタ(オㇿ タ) シネンネ アナナクス(アン・アン アクス) イメル アッ カネ イキ シネ メノコ エㇰ.オヤチキ カムイ メノコ ネ アアン=狩小屋でひとりでいると,後光がさすような女が来た.知らなかったがそれは神の女であった. (出典:萱野、方言:沙流)
imerutaktakke
イメルタㇰタㇰケ 【imeru-tak-tak-ke】 稲妻,光の塊,後光. ピリカメノコ イメルタㇰタㇰケ=美しい女,それは光の塊[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
imi 1
イミ 【imi】 ①着物.▷イ=それを ミ=着る ソンーノ タパン イピシシㇷ゚ アナㇰネ イミ カシ ワ カ イ・ピシシ フミー=本当にこのイラクサは,着物の上からでも私に痒い思いをさせる. (出典:萱野、方言:沙流)
imi 2
イミ 【imi】 ②着る. イロオッコ エ・イミ=お前は薄着してるなぁ.タント アナㇰネ シノ メアン ペ イロオッコ エ・イミ ワ ハンケコ エ・アㇻパ ルスイ ヒ? タンペ ミ ワ アㇻパ=今日はとっても寒いのに,そんな薄着をして遠い所へお前は行きたいの? これを着て行け. (出典:萱野、方言:沙流)
imiewen
イミエウェン 【imi-e-wen】 着る物がよくない.▷イミ=服装 エ=それが ウェン=悪い ソンノ エアシㇼ ヤイコランプトゥイェ ㇷ゚ ネ クス イペエウェン イミエウェン.ヘカッタㇻ カ チェピポロオマ カネ パ=本当に全く自分のことを構わないものだから,食べ物もよくない,着る物もよくない.子供らも栄養のよくない顔をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
imino
イミノ 【imi no】 よい物を着ている. ニㇱパ ネ ノイネ ソンノ イミノ ルウェ=物持ちらしくよい着物を着ているわねー. (出典:萱野、方言:沙流)
imire
イミレ 【i-mi-re】 着物を着せる. ポンペ アトゥサ ノ ホユプ コㇿ アン ワ ネンカネ オㇺケカㇻ ナ ホクレ イミレ=子供が裸で走っているよ.もしものこと風邪でもひく(といけない)から,早く着物を着せろ. (出典:萱野、方言:沙流)
imiruwe
イミルウェ 【imi ruwe】 風姿:姿,身なり,風采. (出典:萱野、方言:沙流)
imok
イモㇰ 【imok】 餌. (出典:萱野、方言:沙流)
imoka
イモカ 【imoka】 みやげ. フーン ク・マッカㇻク エ・エㇰ ヒ ピㇱノ イモカ トㇱカ イ・カオシケ.クスケライポ フンペリカ ケ(ク・エ) エアㇱカイ=まあまあ私の姪,お前は来るごとにみやげ物の山を私のために背負って来る.そのお陰で鯨の脂身を私は食べられる.*祖母テカッテは門別村幾千世から来る姪にそう言いながら迎えていたものであった.フーン ネイタ ネ ヤッカ ク・マッカㇻク リカ ネ ヤ コンプ ネ ヤ イモカ トㇱカ エン・カエオセ=やあやあ,いつものことだが,私の姪は鯨の脂身とか昆布などのみやげを山ほど私に持って来てくれた.ネㇷ゚カ エチ・コレ ルスイ コㇿカ ピㇼカ イモカ カ イサㇺ ナ サッチェㇷ゚ サカンケカㇺ コタマ ノ シプㇱケㇷ゚ ピㇼケㇷ゚ ヘネ コㇿ ワ アㇻパ アニー=何かあげたいけれども,いいみやげもないが,干し肉干し魚それとともにイナキビの精白した物など持って行きなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
imokirika
イモキリカ 【imokirika】 心配だ,案ずる,不憫だ,同情する. オホンノ ソモ エ・イワㇰ ペ ネ クス ア・イモキリカ ワ アナナㇷ゚(アン・アン アㇷ゚) イイソネ エ・イワㇰ=しばらく帰って来ないものだから心配なことであったが,幸いなことに君は帰って来た.オトゥ ケㇱパ タ オレ ケㇱパ タ ソモ エチ・ヌカㇻ ク・イモキリカ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) イイソネ エ・エㇰ=2年も3年もあなたを見ないので案じていたが幸いなことにあなたは来た. (出典:萱野、方言:沙流)
imokirikasukup
イモキリカスクㇷ゚ 【imokirika-sukup】 哀れな生活,人に同情される生活. (出典:萱野、方言:沙流)
imokpakno
イモㇰパㇰノ 【imok pak no】 釣り餌ほどに(少ない). ソンノ イモㇰパㇰノ ポオンペポ ネ コㇿカ コㇿ ワ アㇻパ ワ エ アニ=本当に釣り餌ほどに少しの物だけれど,持って行って食べてね. (出典:萱野、方言:沙流)
imoma/omaimoma
イモマ/オマイモマ 【imoma/oma-imoma】 入っている宝物[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
imontapire
イモンタピレ 【i-mon-tapire】 急がせる,せかす. アウン ウナㇻペ ピラトゥルン(ピラトゥㇽ ウン) エン・シレン イモンタピレ ㇷ゚ ネ クス クク(ク・ウㇰ) ペ ク・テケハイタ コㇿ ケㇰ(ク・エㇰ) ルウェ ウン=隣のおばさんが平取へ私を誘い,急がせるものだから,取るものも取りあえず来たのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
imontasa
イモンタサ 【i-mon-tasa】 仕返しをする,復讐する,仇を討つ. ヌ ワ アヌ アニー タパン シㇼキ アナㇰ ハウケ アン ペ ソモ ネ ナ.オッカヨ アナㇰネ ヤイェプリウェン ペ ネ エ・ポロ コㇿ エヤイェイモンタサ クニ ラム=聞いておけよ,このことは少しのことではないぞ,男というものは意地を持って,お前が成長してから仕返しをすると思っていてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
imu
イム 【imu】 陽性ヒステリー.*こちらから言う言葉の反対の動作をする.止まれと言うと走り,座れと言うと立つなど.女性に多い.稀には男性にもいたという. イムㇷ゚=イムをする者. (出典:萱野、方言:沙流)
imure
イムレ 【imu-re】 イムさせる. (出典:萱野、方言:沙流)
imut
イムッ 【i-mut】 首飾り(をする).▷イ=それを ムッ=帯びる ケライ カッケマッ ネ クス レラㇻ カシ イカ カネ イムッ シリ ア・エラヤㇷ゚=さすが淑女であるだけに胸の上が溢れるほどに首飾りをし,感心なことよ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
imutkamuy
イムッカムイ 【i-mut-kamuy】 首に白い毛のある熊. (出典:萱野、方言:沙流)
inan
イナン 【inan】 どの. (出典:萱野、方言:沙流)
inan __hike
イナニケ 【inan hike】 どれ. ポロ ㇷ゚ カ アン ポン ペ カ アン.イナニケ エ・コンルスイ(エ・コㇿ ルスイ)?=大きいのもある小さいのもある.どれをお前は欲しい? (出典:萱野、方言:沙流)
inanike ka
イナニケ カ 【inanike ka】 どれか. パセ シケ カ コㇱネ シケ カ アン ナ イナニケ カ セ ワ コタン カランケ パㇰノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるので,どれかを背負って村の近くまて私を送ってくれ.エ・シケヘ スッパカㇻ ワ コㇱコソ ワ インカㇻ.イナニケ カ コンネ ヒケ セ ワ イワㇰ アニー=お前の荷物を背負えるように縛ってから,どちらが重いか比べてみろ.どちらか軽いほうを背負って帰れ. (出典:萱野、方言:沙流)
inaniun
イナニウン 【inan-i un】 どちらへ.▷イナン=どちら イ=の所 ウン=〜へ イナニウン エ・アㇻパ? リトゥㇽ パㇰノ ウコイラム・アン ロー=どこへ行くの?途中まで一緒に行きましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
inankayo
イナンカヨ 【inankayo】 (ヒエやアワの)刈株. シプㇱケㇷ゚ ムンチロ ピヤパ ア・チャ オカケ タ イナンカヨ カ ソモ ア・オトゥイェ ヤㇰネ オヤパ パイカㇻ ア・オトゥイェ エアイカㇷ゚ ナ タント ア・オトゥイェ ロー=イナキビ,アワ,ヒエを穂摘みしおわった後に,摘みおわった茎を刈らずに残すと来年の春刈ることができないので,今日刈ってしまいましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
inanpe
イナンペ 【inan-pe】 どれ,どちら.▷イナン=どの ペ=もの ホㇱキ エ・ウㇰ シペ タㇷ゚ エ・ウㇰ シペ イナンペ ポロ ヤ ウコサマ ワ インカㇻ=先程獲ったサケと,今獲ったサケと,どちらが大きいか,比べて見ろ."テタ フㇱコ ムイ カ アン アシㇼ ムイ カ アン.イナンペ エコン(エ・コㇿ) ルスイ?" "フㇱコ ヒケ クコン(ク・コㇿ) ルスイ"=「ここに古い箕もある,新しい箕もある.どちらのほうをあなたは欲しいか?」「古いほうを私は欲しい」 (出典:萱野、方言:沙流)
inanpe ka
イナンペ カ 【inanpe ka】 どれか. (出典:萱野、方言:沙流)
inanuniun
イナヌニウン 【inanuni un】 どこへ,どこまで. (出典:萱野、方言:沙流)
inaw
イナウ 【inaw】 木で削った御幣のような物(ヤナギかミズキを使う). イナウ アナㇰネ オッカヨ ウタㇻ ケ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ピㇼカ イナウ ア・ケ ヒ アナㇰネ イナウネニ エイタサ ソモ ア・サッケ カウレ カㇱパ ヤッカ リカン カㇱパ ヤッカ ウェン ペ ネ ナ.エラムオカ ヤン アニー=イナウというものは男たちが削るもので,美しいイナウを削るのにはイナウを削る材料をあまり乾かしすぎないこと,乾かしすぎても湿りすぎても悪いものだ,覚えておいてね. (出典:萱野、方言:沙流)
inawcipa
イナウチパ 【inaw-cipa】 祭壇(家の外側にある祭壇).先祖供養の供物を供えたり,古くなった器の類などを神の国へ送り返す場所にもなる.昭和30年頃までは各家庭に必ずあったが,平成8年現在,持っている家は少なくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
inawetaye
イナウエタィェ 【inaw-etaye】 イナウを抜く. ▷イナウ=御幣 エタィェ=抜く タネチセノミ カムイノミカ アオケレ イナウエタィェアンナ オンカミヤン=これで新築祝いのお祈りも終わったから,イナウを抜くので礼拝をしなさい. *数々のお祈りの後に,炉の角に立ててあったチェホロカケㇷ゚というイナウを抜いて火に燃やし,これが閉会式に相当する.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inawke
イナウケ 【inaw-ke】 イナウを作る.ケ(削る)という言葉を,作るという意味で用いるのはイナウケの時だけであって,他の場合はカㇻ(作る). エシㇼ イナウネニ ク・サㇷ゚ケ アクス タネ ピㇼカ イナウケ・アン ロー=先程イナウを削る材料の乾き具合を見たら,もういいので,イナウを削ることにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
inawke hum sasinatara
イナウケフㇺ サシナタラ 【inaw-ke-hum sasinatara】 イナウを削る音がざーっと聞こえた. ニサッタ チセノミ アンエトコタ オッカイポウタㇻ ウゥェカラパヒネ イナウケフㇺ サシナタラ=明日,新築祝いがあるその前に,若者たちが集まってイナウを削る音がざーっざーっと聞こえている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inawkema
イナウケマ 【inaw-kema】 イナウの足:キケパㇻセ,キケチノイェというイナウの足.▷イナウ=御幣 ケマ=足 (出典:萱野、方言:沙流)
inawkemakiri
イナウケマキリ 【inaw-ke makiri】 イナウを作る小刀.▷イナウ=御幣 ケ=削る,作る マキリ=小刀 図[イナウケマキリ] (出典:萱野、方言:沙流)
inawkike
イナウキケ 【inaw-kike】 削りかけだけのイナウ. 図[イナウキケ] (出典:萱野、方言:沙流)
inawkotaktak
イナウコタㇰタㇰ 【inaw-ko-tak-tak】 イナウでくるむ. ▷イナウ=御幣 コ=それ タㇰタㇰ=くるむ クナゥペトゥㇺワ アプスアーペコロアン カムイイコロ アェウンケライヒクス アイナウコタㇰタㇰ ヒネアウカオ=フクジュソウの花の滴の中から掘り起こしたような神の宝刀を,私がもらったので,それをイナウにくるみ,そして私はしまった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inawkotcep
イナウコッチェㇷ゚ 【inaw-kor-cep】 イナウのついたサケ:12月に入ってから獲れる形の小さいサケ.▷イナウ=御幣 コㇿ=持つ チェㇷ゚=魚 イナウコッチェㇷ゚ セコㇿ ア・イェ チェㇷ゚ アナㇰネ エレポコンル カ アン モンペ カ サン ラポㇰ エㇰ ポン チェㇷ゚ ネ ワ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ ア・イナウコテ クス ア・レコ ペ "イナウコッチェㇷ゚" ネ ワー=イナウのついたサケは川の縁に水が張りざらめ氷が流れる頃に来る小さいサケで,獲った時はイナウをつけるので.名づけたのが「イナウつきのサケ」だよ.*このサケが獲れると,その年のサケ漁の終わりが近づいた印になる.言葉の通りイナウをつけてやるものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
inawkotsintoko
イナウコッシントコ 【inaw-kot-sintoko】 イナウを飾ったシントコ(漆器). 図[イナウコッシントコ] (出典:萱野、方言:沙流)
inawkut
イナウクッ 【inaw-kut】 イナウの帯. ▷イナウ=御幣 クッ=帯 *イナウにはキケパㇻセ(房をよじらない物)とキケチノイェ(房をよじった物)などがある.削った時はイナウクッと言い,イナウキケ(イナウの一房をよじった物)を1本,キケパㇻセやキケチノイェの外側から縛っておく.神に捧げる時にこの帯を解き,内側に縛り直して初めてイナウとしての効力が出る大切な帯である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inawneni
イナウネニ 【inaw-ne-ni】 イナウを作る木.主としてヤナギまたはミズキを使う.ずっと山奥でこれらの木がない場合はイワニ(アオダモ)を用いてもよいことになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
inawrosiki
イナウロシキ 【inaw-rosiki】 イナウを立てる. ▷イナウ=御幣 ロシキ=立てる *これは昭和30年代までアイヌの風習にしたがって葬式をしていた時代に,葬式の次の日に神々にイナウを贈るために立てた儀式の名前である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inawru
イナウル 【inaw-ru】 冠,被り物:男が儀式の時に頭に被るもの. イナウル(=サパンペ) アナㇰネ ウェンペ ウシ タ シンヌラッパ ウシ タ アナㇰネ ソモ ア・コㇿ ペ ネ=冠というものは葬式の時とか先祖供養の時は頭へつけてはならないものだ.*儀式とはいえ葬式の時には被らない. (出典:萱野、方言:沙流)
inawso
イナウソ 【inaw-so】 模様つきのござ:シキナ(ガマ草).アッニ(オヒョウの木)の皮で作る. (出典:萱野、方言:沙流)
inay/inaye(he)
イナイ/イナイェ(ヘ) 【inay/naye(he)】 背筋,びてい骨と肛門の間の窪み(尻の割れ目,脊柱に沿った部分). オッコー エン・カオピウキ ワ エン・コレ.ケヤイシトマ(ク・エヤイシトマ) コㇿカ ク・コㇿ イナイェヘ タ ポロ フㇷ゚ ヘトゥク イェオッ ノイネ フマㇱ コㇿカ ヤイカタ エネ クカリ(ク・カㇻ ヒ) カ イサㇺ ナ=お姉さん,私を助けてくれ.恥ずかしいけれども,びてい骨と肛門の間の窪みに大きい腫れ物が出来て膿を持っているらしいが,自分ではどうすることもできないから(みさおおばさんが聞かせてくれた実話). (出典:萱野、方言:沙流)
incimimi
インチミミ 【incimimi】 目を細めて窺う,まぶしい,まばゆい. トカㇷ゚ モコㇿ アイネ ソイネ ㇷ゚ ネ クス インチミミ カネ ワ ワッカタ クス アㇻパ=昼寝していたあげくに外へ出たものだから,まぶしそうにしながら水を汲みに行った. (出典:萱野、方言:沙流)
ine
イネ 【ine】 どうした,いったい,どこへ行った,どれほど,なんと. ネアㇷ゚ イネー=あの物どうした?ク・ケリヒ アㇻケヘ イネー=私の履物の片方はどうした?エ・コㇿ アイヌ イネー? ニペㇱ ケㇷ゚ クス エキㇺネ ワ イサㇺ=お前の父はどうした.シナ皮を剥ぎに山へ行っていない. (出典:萱野、方言:沙流)
ine
イネ 【ine】 四つの. イネト=四日.イネン=4人. (出典:萱野、方言:沙流)
ine un
イネウーン 【ine un】 はてな:怪しみいぶかる気持ちを表わす語. ナニ エㇰ クナㇰ イェ ヒクス シネンネ ホㇱキ ケㇰ(ク・エㇰ) アㇷ゚ ネアクㇽ イネウーン=すぐ来ると言うので,ひとりで先に私は来たのに,あの人ははてな? (出典:萱野、方言:沙流)
ine urepet usi pe
イネウレペッウシペ 【ine-ure-pet-usi-pe】 四つ爪の熊:5本の爪のうち小指を薬指に重ねた熊. ソンノ イネウレペッウシペ ルウェクヌカㇻ ケオハイシトマ=本当に四つ爪の熊の指の足跡を見て,私は恐しく思った. *ウレペチヒ(足指)が四つ爪の恐ろしい熊.この足跡を見たら要注意.小動物,兎とか狐までは足跡をアピㇼと言うが,鹿とか熊になると,ルウェヘ(足跡)と言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ineap
イネアㇷ゚ 【ineap】 なんとまあ. (出典:萱野、方言:沙流)
ineap kusun
イネヤㇷ゚クスン 【ine ap kusun】 なんとまあ. "ヘンパラ エ・アシ チセ ネ ルウェ アン ヤ?" "トゥパ パㇰノ ネ" "イネヤㇷ゚クスン ピㇼカ ルウェー"=「いつ建てた家なの?」「まだ2年ぐらい」「なんとまあいいこと」 (出典:萱野、方言:沙流)
ineap ta
イネヤㇷ゚タ 【ine ap ta】 なんとまあ. ヒナㇰ ワ エㇰ ポンメノコ アン? "モペトゥンペ(モペッ ウン ペ) ソモ ネ ウン?" "イネヤㇷ゚タ シレトッコㇿ ルウェ"=「どこから来た娘なの?」「門別から来た者と違うか」「なんとまあ器量のいいこと」 (出典:萱野、方言:沙流)
ineapkusta
イネアㇷ゚クㇱタ 【ineap kus ta】 なんとまあ. イネアㇷ゚クㇱタ チクニ ピㇼカ=なんとまあ薪がいいこと!イネアㇷ゚クㇱタ チェㇷ゚ アッ=なんとまあサケが多いこと! (出典:萱野、方言:沙流)
inehot
イネホッ 【ine-hot】 80▷イネ=4の ホッ=20 (出典:萱野、方言:沙流)
inehotnen
イネホッネン 【ine-hotne-n】 80人. (出典:萱野、方言:沙流)
inehuykotan
イネフイコタン 【inehuy-kotan】 どこかの村,見知らぬ村, ▷イネフイ=どこ コタン=村 イネフイモシㇼ イネフイコタン プㇱコサヌ ヤシコサヌ カムイエッフㇺ トゥリミㇺセ=どこの国か、どこの村かで,爆発音,破裂の音,神が来る音がひびき渡った……. *これはユカㇻに出てくる常套語[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inekusun
イネクスン 【ine kusun】 それでなのか,それだから. ク・イペレ ヤッカ ソモ イペ アㇷ゚ イペ ワ エㇰ アアン ヒー.イネクスン ネㇷ゚カ ソモ エ=私が食べさせようとしても食べなかったが,食べてきたのであったわけだ.それでなのか,何も食べないのは. (出典:萱野、方言:沙流)
inen
イネン 【ine-n】 4人. エシㇼ クンネイワノ イネンネ ワ エキㇺネ アㇷ゚ シネ ポンユㇰ オシコニ パ エヤイコプンテㇰ コㇿ イワㇰ ワ アㇻキ パ=朝早くから4人で山へ行ったのに,小さな鹿が獲れたといって,喜んで帰ってきたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
inep
イネㇷ゚ 【ine-p】 四つ. (出典:萱野、方言:沙流)
inererko
イネレㇾコ 【ine-rerko】 4日. アチャポ キㇺ タ シットゥライヌ ワ タント エイネレㇾコ ネ ワ.ソネ シㇰヌ ワ アン ルウェヘ アン ウーン?=山で道に迷って,今日で4日になる.まちがいなく生きているだろうかね? (出典:萱野、方言:沙流)
inesuyne
イネスイネ 【ine-suy-ne】 4度,4回(に).▷イネ=4 スイネ=回,度 (出典:萱野、方言:沙流)
ineto
イネト 【ine-to】 四日. (出典:萱野、方言:沙流)
inisuk
イニスㇰ 【i-nisuk】 募集する,人集めをする.▷イ=それを ニスㇰ=頼む ニサッタ アクㇷ゚・アン ルスイ クス コタネピッタ(コタン エピッタ) イニスㇰ クス アㇷ゚カㇱ・アン=明日屋根葺きをしたいと思って,村中,人募集に歩いた. (出典:萱野、方言:沙流)
inkanno
インカンノ 【inkar no】 遠目が利く. ク・ユポ エ・インカンノ ナ ナイ イクㇱ タ ヘマンタ モイモイケ シリ イキ ナ ピㇼカノ ヌカㇻ ワ エン・コレ=兄よ,あなたは遠目が利くから,沢の向かい側に何やら動いている様子だから,よく見てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
inkar
インカㇻ 【inkar】 見る,見える. エアㇻキンネ イカㇻカㇻ エアㇱカイ ウナㇻペ ネ ナ エ・ミ クニ チカㇻカㇻペ アサ ワ インカㇻ=とっても刺繍の上手なおばさんだからお前が着る刺繍の着物を注文して見なさい.オッコー エㇰ ワ インカㇻ.テタ アハラ ピㇼカ ナ ア・タ ワ インカㇻ・アン ロー=お姉さん,来て見てよ.ここの土豆の葉がいいから,掘ってみようよ.カムイ オッタ(オㇿ タ) ア・ヤイコトㇺカ ㇷ゚ ア・フナラ ヤッカ イサㇺ ヒクス アイヌ オルン(オㇿ ウン) インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) エアニ パテㇰ ア・ヤイコトㇺカ=神の所で私に似合う者を探したがいないので,人間のほうを見ると,お前ばかりが私に似合う.ホワーㇻ ネユナン イトゥㇽプㇰ インカㇻ ポカ ク・キ ㇷ゚ ネ アㇷ゚ ネㇷ゚カ ソモ ク・ヌカㇻ=あーあ,どうにかかすかに見るだけでも私はできていたのに,何も見えない(私の祖母のテカッテは100歳近くなってからは年老いた自分の目のことをそのように言って嘆いていたものだ). (出典:萱野、方言:沙流)
inkar ikosinninup
インカㇻ イコシンニヌㇷ゚ 【inkar i-ko-sir-ninu-p】 宝物:見ただけで宝になるもの. アイヌ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ インカㇻイコシンニヌㇷ゚ カ イヌイコシンニヌㇷ゚ カ アン ペ ネ ワ ネㇷ゚ ア・ヌカㇻ ヤッカ ネㇷ゚ ア・ヌ ヤッカ ア・ヤイラㇺオシッチューレ ワ ア・ヌ カ ア・ヌカㇻ カ キ ㇷ゚ ネ=アイヌの社会では,見た宝,聞いた宝などがある.何か見ても何か聞いても心を落ち着けて聞いたり見たりするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
inkar ruwe caynatara
インカㇻルゥェ チャイナタラ 【inkar-ruwe cainatara】 見ている様子がとげとげしい,見る目がとげとげしい. ▷インカㇻ=見る ルゥェ=様子 チャイナタラ=とげとげしい(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inkikunne sipuskep
インキクンネ シプㇱケㇷ゚ 【inki-kunne si-pus ke-p】 黒い色のイナキビ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inkus
インクㇱ 【inkus】 予感(がする). ピㇼカㇷ゚ カ ウェンペ カ インクㇱ・アン ペ ネ クス セミタㇰ コラチ ア・イェ ワ ア・イ・オモンヌレ カ ア・イ・コイキ カ キ ㇷ゚ ネ=よいことも悪いことも予感がするので,預言と同じように私は言って,ほめられたり叱られたりするのよ. (出典:萱野、方言:沙流)
inne
インネ 【inne】 たくさん,大勢,人が多い. マチヤ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エイタサ アイヌ インネ ㇷ゚ ネ クス ク・トゥラ クㇽ ヤアニ ヤアニ コカトゥライヌ(ク・オカトゥライヌ)=町では,あまりにも人が多いので,一緒に行った人を危なく危なく見失うところだった.インネ ウタㇻ コタン ケスン(ケㇱ ウン) ウホユッパレ.インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) スプヤ ア・ヌカㇻ.アシヌマ カ ホユプ・アン=大勢の人が村の下端へ走った.その方角を見ると煙が見えた.私も走った. (出典:萱野、方言:沙流)
inne kotan
インネ コタン 【inne kotan】 大勢の村.▷インネ=人口の多い コタン=村 (出典:萱野、方言:沙流)
inne topa(ha)
インネ トパ(ハ) 【inne topa(ha)】 大群集.▷インネ=大勢の トパ=群 ネㇷ゚カ ア・エラナㇰペ アン ワ ヘ アッチェウンウタㇻ インネトパハ サㇷ゚ パ ルウェ アン=何か心配事でもあったのか,よその人たちが大勢下がって行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
inne wa
インネ ワ 【inne wa】 大勢で. (出典:萱野、方言:沙流)
inneno
インネノ 【inne no】 大勢で. (出典:萱野、方言:沙流)
inneutar
インネウタㇻ 【inne utar】 群集. (出典:萱野、方言:沙流)
inoka
イノカ 【i-noka】 (蛇などの)偶像.アイヌには偶像崇拝の風習はないが,蛇に崇られたなどの託宣が出た場合にイノカ(偶像)を作り,それに供物をあげて詫びをすることがあった. (出典:萱野、方言:沙流)
inokakamuy
イノカカムイ 【i-noka-kamuy】 姿神,その形をした神.イナウで作る.蛇の姿の場合や狐の姿の場合がある.▷イ=それの ノカ=形 カムイ=神 図[イノカカムイ] (出典:萱野、方言:沙流)
inokoske
イノコㇱケ 【i-nokoske】 嫉妬(する). カンナカムイ アナㇰネ エタカスレ イノコㇱケ ルイ ペ ネ ㇷ゚ ネ クス カムイ フㇺ アㇱ ラポㇰ タ イテキ ウコオモイヌ.アン ペ ネ ナー=龍神は特別に嫉妬深いものなので,雷の音がする時に男女の交わりをするものではないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
inomi
イノミ 【i-nomi】 お祭りする,祭. (出典:萱野、方言:沙流)
inomicup
イノミチュㇷ゚ 【i-nomi-cup】 正月(1月). (出典:萱野、方言:沙流)
inoncir 1
イノンチㇼ 【i-noncir】 ①馬鹿にする,からかう. イノンチㇼペ=他人を馬鹿にする者. (出典:萱野、方言:沙流)
inoncir 2
イノンチㇼ 【i-noncir】 ②人を呪う,(他人に取り憑いて)悪さをする. イノンチㇼ ウェンカムイ アナㇰネ イレスカムイ オロワノ アッテイネモシㇼ ア・コキル ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワ=人を呪うような悪い神は火の神様から奈落へ向けて行かされるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
inonno
イノンノ 【inonno】 祈りの. (出典:萱野、方言:沙流)
inonnoitak
イノンノイタㇰ 【inonno-itak】 祝詞(のりと).祈りの言葉. ネㇷ゚ネㇷ゚ イノンノイタㇰ アン ヤッカ ペウレクㇽ イェ イタㇰ エタカスレ カムイ コホサリ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=いろいろと祝詞をあげる場合があるが,若者が言う言葉に特別神が向いてくれるものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
inonnoitak
イノンノイタㇰ 【inonno-itak】 祈る,神や仏に願い事をする,神々に祈る.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inotu
イノトゥ 【i-notu】 (死んだ者の)魂[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
insur
インスㇽ 【insur】 山の麗[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inte
インテ 【inte】 目やに,目糞. イヨーハイ エウォンネ カ ソモ キ ノ インテ コヤンラㇱネ カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン=まああきれたよ,顔を洗いもしないで,目やにがこびりついたまま歩いている.ヤイェシンニューケㇱ ペ アナㇰネ ソモ エウォンネ ワ インテ コヤンラㇱネ ネヒ ネノ アン ワ イペ コㇿ アン=だらしのない者は,顔を洗いもせずに,目糞をこびりつけたままで食べている. (出典:萱野、方言:沙流)
inte o
インテ オ 【inte-o】 目やにがたまる. (出典:萱野、方言:沙流)
inte oyan
インテ オヤン 【inte o-yan】 目やに(が出る). (出典:萱野、方言:沙流)
inu
イヌ 【inu】 (それを)聞く.▷イ=それを ヌ=聞く イヌアニケ(イヌ・アン ヒケ)=聞くところによると. (出典:萱野、方言:沙流)
inu
イヌ 【inu】 (〜して)みる. ケ(ク・エ) コㇿ アン シト エㇺコ エチ・コレ ナ エ ワ イヌ=私が食べている団子の半分をあなたにあげるから,食べてみなさい.ペウレアニ(ペウレ・アン ヒ) タ アナㇰネ シユトハポ チセ オッタ(オㇿ タ) ヘカチコㇿ コㇿ アン コㇿ アイヌパータ チセ オッタ アン シコㇿ ヤイヌ・アン ペ ネ ア コㇿカ オンネ・アン ワ ヘカチコㇿ・アン ワ イヌ・アン コㇿ エアㇻキンネ シンキ・アン=若い時は,姑母が家で子守をしていると,いいものだなあ家にいて,と思ったものだが,年をとってから子守をしてみると,本当に疲れる. (出典:萱野、方言:沙流)
inuikosinninup
イヌイコシンニヌㇷ゚ 【inu-ikosinninup】 宝物:聞いただけで宝になるもの. (出典:萱野、方言:沙流)
inukuri
イヌクリ 【i-nukuri】 老衰のために動けない. タネ オンネ オルン ア・エハンケ ノイネ シノ イヌクリ・アン イペ カ ア・コヤイクㇱ イタㇰ カ ア・コヤイクㇱ=もう死ぬほうに近いらしく本当に老衰のために動けなくなり,私は食べることもできない,しゃべることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
inuma
イヌマ 【inuma】 宝物を並べてある壇[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
inumpe
イヌンペ 【inumpe】 炉縁. シネ トランネ ヘカチ アン ヒネ,ワッカ ア・タレ アクス ピサック アニ イヌンペ キㇰキㇰ コㇿ "アイヌパータ イヌンペ アナㇰネ ケㇱト セトゥㇽ セセㇰ ワ ホッケ ワ アン" シコㇿ ハワン=ひとりのからっぽやみ(=骨惜しみ)の少年がいて,水を汲みに行かされたら,ひしゃくで炉縁を叩きながら「いいものだなあ,炉縁は毎日背中あぶりをして寝ている」と言った. (出典:萱野、方言:沙流)
inumpesauspe
イヌンペサウㇱペ 【inumpe-sa-us-pe】 (炉の内側にある)削り台.▷イヌンペ=炉縁 サ=前 ウㇱ=つく ペ=物 アペオイ シッケウ タ ア・アシ ㇷ゚ イヌンペサウㇱペ ネ ワ カシ タ ネㇷ゚ネㇷ゚ ア・ケウレ.シンナレヘ "ヘカチペカクㇽ ヘカチペカマッ" セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=炉の角々に立てる物が削り台であり,その上でいろいろな物を削る.別の名を「子供を受ける男,子供を受ける女」というものだよ.*チクペニ(エンジュ)やプンカウ(ドスナラ)の木を用いるものである. (出典:萱野、方言:沙流)
inun
イヌン 【inun】 食べ物を探す:村で食べ物が足りなくなり,他の地方へ探しに行くこと.魚を獲りに行く場合が多い. イヌン クス パイェ・アン=食べ物を探しに私は行った. (出典:萱野、方言:沙流)
inunnun'ipere
イヌンヌンイペレ 【i-nunnun-ipe-re】 (歯も生えない子に)口移しに食べさせる. てかってフチ エネハワニ(エネ ハワン ヒ) ミッポホ アㇻワンチュㇷ゚ ネ ア・エヌワㇷ゚ ペ ホㇱ オルン ア・オマレ ワ イヌンヌンイペレ アニ ア・レス ア・シㇰヌレ シコㇿ エン・ヌレ=テカッテおばあさんは(こう言った)自分の孫,7か月で生まれた者を脚半に入れて口移しに食べさせて育てて生かしたものだと私に聞かせてくれた.*テカッテは私の祖母.テカッテの孫で,ウタアシカの息子の留市がその赤ん坊. (出典:萱野、方言:沙流)
inunpa
イヌンパ 【i-nunpa】 酒搾り(をする).▷イ=それ(=酒)を ヌンパ=搾る タント サケサㇷ゚ケアナクス(サケサㇷ゚ケ・アン アクス) エアㇻキンネ サケピㇼカ ナ ニサッタ イヌンパ ヤン アニー=今日私が酒の味見をしたらとってもいい酒であった,明日は酒を搾りなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
inunukas
イヌヌカㇱ 【inunukas】 かわいそうだ,気の毒だ,哀れだ. ソンノ イヌヌカㇱ! タㇷ゚ ウフナㇰ マチヒ イサㇺ ヤㇰ ア・イェ アㇷ゚ ヤイカタ カ ヤイヌミウェン ハウェー=本当にかわいそうに! ついこのごろ妻が死んだというのに,本人も病気というのかい.アマメチカッポ イヌヌカㇱ ナ ホクレ キラレ=スズメがかわいそうだから,早く逃がせ. (出典:萱野、方言:沙流)
inunukaski
イヌヌカㇱキ 【i-nunukas ki】 かわいそうだ. ソンノ イヌヌカㇱキ! タㇷ゚ イキクㇽ アナㇰネ オロチクシ イサㇺ カネ アㇻパ ヒ エピッタ エカㇱカムイサㇰ=本当にかわいそうだ,今の人は通る所もないほどに,行く先々全部運が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
inunukeas(ki)
イヌヌケアㇱ(キ) 【inunukeas(ki)】 憐れむ. (出典:萱野、方言:沙流)
inusuye
イヌスイェ 【i-nusuye】 呼ぶ,手招きする:手のひらを上へ向けて手招きをする. ヤヤンイタㇰ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ "テㇰパㇻパル" セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ コㇿカ ユカㇻ オッタ アナㇰネ "イヌスイェ" シコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=普通の言葉では「テㇰパㇻパル」(=手招き)と言うがユカㇻでは「イヌスイェ」と言うものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
inuye
イヌイェ 【i-nuye】 彫刻(する),彫る. トミカヌイェ=宝の上を彫刻する.シㇼカヌイェ=刀の鞘を彫刻する.ア・マチヒ アナㇰネ エアㇻキンネ イカㇻカㇻ エアㇱカイ ケㇱト アン コㇿ イカㇻカㇻ コㇿ アン.アㇻソケ タ アシヌマ アナㇰネ イヌイェ・アン コㇿ アナン(アン・アン)=私の妻は本当に刺繍が上手で,毎日毎日刺繍をしている.囲炉裏を挟んで私は彫り物をしている.テエータ アナㇰネ イヌイェ・アン クㇱネ ヒケカ ア・エイワンケㇷ゚ カ ケミアン シネ マキリ ア・レウェ ア・オウペカレ ワ ネㇷ゚キ・アン ペ ネ=ずっと昔は,彫刻するにも道具が少なく,一丁の小刀を曲げたり真っ直ぐにしたりして仕事をしたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ipakkar
イパㇰカㇻ 【ipak-kar】 悪口を言う,私に向かって悪口を言う,悪態をつく[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ipakokarip
イパコカリㇷ゚ 【i-pa-kokari-p】 ゴボウのいが.実,女が男へ押し売りして嫁に来たがること〔隠語〕:ゴボウのいがは衣服についたらなかなか離れないものなので.▷イ=私に パ=頭 コ=それ カリ=回る ㇷ゚=物 →私の回りを回る物 (出典:萱野、方言:沙流)
ipankorsapo
イパンコㇿサポ 【ipak-kor-sapo】 私の姉. ▷イ=私 コㇿ=持つ サポ=姉 *ユカㇻには往々にして語呂合わせのために意味のない言葉が入っているので注意すること[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ipanore
イパノレ 【i-pa-nore】 口ばかりで実行しない,世辞上手. ソンーノ タㇷ゚ アㇻパ ウナㇻペ イパノレ ア イパノレ ア "ネㇷ゚ネㇷ゚ ア・コㇿ ワ エカン(エㇰ・アン) クスネ" シコㇿ パッタクㇷ゚ ネ ワ=本当に今行ったおばさんはお世辞がうまくて,「何々を持って来るよ」と口ばかりだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ipapkeni
イパㇷ゚ケニ 【i-papke-ni】 鹿呼び笛.▷イ=それ(=鹿) パㇷ゚ケ=比べる ニ=木 →鹿の声と比べる 図[イパㇷ゚ケニ] (出典:萱野、方言:沙流)
ipawciere
イパウチエレ 【i-pawci-e-re】 毒を食わせる.▷イ=それ パウチ=毒 エ=食べる レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
ipawetenke
イパウェテンケ 【i-pawe-tenke】 (大勢の者に)命令する.▷イ=それ パウェ=口 テンケ=とばす チセカㇻ ネ ヤ インネ ウタㇻ アン ヒ タ アナㇰネ イパウェテンケ クㇽ シネン アン コㇿ シㇼエオコッ サㇰノ ネㇷ゚キ エアㇱカイ アン ペ ネ=家を建てるとか大勢の者がいる時は,命令する人がひとりいると,滞りなく仕事ができるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ipe 1
イペ 【ipe】 ①食べる,食事する. アマㇺヌㇺ イテキ ハチレノ イペ アニー=飯粒を落とさないように食べなさいよ.図[イペ風景] (出典:萱野、方言:沙流)
ipe 2
イペ 【ipe】 ②実. イタㇰイペ=言葉の実 →言葉の意味. (出典:萱野、方言:沙流)
ipe 3
イペ 【ipe】 ③刃,刀身. エムㇱイペ=刀の中身 →刀身. (出典:萱野、方言:沙流)
ipeasnu
イペアㇱヌ 【ipe-asnu】 食べっぷりがよい.>イペ=食べる アㇱヌ=〜がよい (出典:萱野、方言:沙流)
ipeetokoyki
イペエトコイキ 【ipe-etok-oyki】 食事の用意をする.▷イペ=食事 エトㇰ オイキ=準備する タネタネ エキㇺネ ウタㇻ イワㇰ ワ アㇻキ ナ ホクレ イペエトコイキ=今に今に山へ行っていた人たちが帰って来るので.早く食事の用意をしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
ipeetomne
イペエトㇺネ 【ipe-etomne】 食べたいなあ:食べたいのに食べさせてくれなかったので少し腹を立てた時の言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
ipeetoranne
イペエトランネ 【ipe-e-toranne】 食べたくない. (出典:萱野、方言:沙流)
ipeewen
イペエウェン 【ipe-e-wen】 食べ物がよくない.▷イペ=食物 エ=それが ウェン=恐い ソンノ エアシㇼ ヤイコラㇺプトゥイェ ㇷ゚ ネ クス イペエウェン イミエウェン.ヘカッタㇻ カ チェピポロオマ カネ パ=本当に全く自分のことを構わないものだから,食べ物もよくない,着る物もよくない.子供らも栄養のよくない顔をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
ipeewnar kasup
イペエゥナㇻ カスㇷ゚ 【ipe-ewnar kasup】 食い根性の悪い杓子,アルミニウム製の杓子. ▷イペ=食べる エゥナㇻ=いやがる,惜しがる カスㇷ゚=杓子 *アルミ製の杓子は鍋の底をがりがりと音をさせて,残りはありませんと客に聞かせるので,食い根性の悪い杓子といって,アイヌはこれを嫌った.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ipeeyukar
イペエユカㇻ 【ipe-e-yukar】 食べ真似する. (出典:萱野、方言:沙流)
ipehayta
イペハイタ 【ipe-hayta】 食べ足りない. ヘカッタㇻ イペハイタ ノイネ イキ パ ナ シト ヘネ マ ワ エレパ オラウン ルラ ワ エㇰ=子供たちが食べ足りないようだから,餅でも焼いて食べさせてから送って行って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ipenit
イペニッ 【ipe-nit】 熊肉を配る串:スス(ヤナギ)で作る. 図[イペニッ] (出典:萱野、方言:沙流)
ipeno
イペノ 【ipe no】 よく食べる. ソンノ エネ サッテㇰ ペ オラーノ アサㇺ サㇰ オンタロ ネノ イペノ シリ!=全くあのように痩せているくせに,底なし樽のようによく食べること! (出典:萱野、方言:沙流)
ipeop
イペオㇷ゚ 【ipeop】 槍. (出典:萱野、方言:沙流)
ipepasuy
イペパスイ 【ipe-pasuy】 箸:トゥレㇷ゚ニ(クワ),カスㇷ゚ニ(エリマキ)で作る.▷イペ=食べる パスイ=箸 (出典:萱野、方言:沙流)
ipere
イペレ 【ipe-re】 食べさせる. ネㇷ゚キ ワ イワㇰ クㇽ イペルスイ ナンコㇿ ナ ホクレ スケ ワ イペレ=働いて帰って来た人が腹がすいているだろうから,早く何か煮て食べさせなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
iperekuci
イペレクチ 【ipe-rekuci】 食べる喉,口の奥の部分,食道・気道に通じ声帯がある. ▷イペ=食べる レクチ=喉 *声帯のことは,ポンパルンペ(小さい舌)という.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iperekut/iperekuci(hi) 1
イペレクッ/イペレクチ(ヒ) 【ipe-rekut/-rekuci(hi)】 ①食道.▷イペ=食べる レクッ=喉 (出典:萱野、方言:沙流)
iperekut/iperekuci(hi) 2
イペレクッ/イペレクチ(ヒ) 【ipe-rekut/-rekuci(hi)】 ②喉笛. (出典:萱野、方言:沙流)
iperusuy
イペルスイ 【ipe rusuy】 空腹(だ).腹が減る. ハイー エシㇼカ ソモ ク・イペ ヒ タ アイヌ エㇰ ペ ネ クス クンネイワイペ コイラ(ク・オイラ) アアン.ク・イペルスイ フミー=あーあ,朝食前に客が来たので,朝飯を食べ忘れてしまった.腹が減ったなあ.イテキ オピッタ エ ノ ポンノ アヌ エ・サハ イペルスイ コㇿ エㇰ ナンコㇿ ナ=全部食べないで少し残せ.お前の姉が腹をすかせて来るであろうから.ハイー クンネイワ ソモ ク・イペ ノ ケㇰ(ク・エㇰ) アクス タネ ケシッチュー(ク・エシッチュー) パㇰノ ク・イペルスイ.ネㇷ゚カ アエㇷ゚ イサㇺ ルウェー=あーあ,朝何も食べずに来たので,今にもぶっ倒れるぐらい腹ぺこだ.何か食べ物はないのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
iperuy
イペルイ 【ipe-ruy】 大食い(である). アウン オッカイポ アナㇰネ エアㇻキンネ イペルイ ペ ネ クス ポンノ アン ペ ネ ヒ タ アナㇰネ ア・タㇰ カ エアイカㇷ゚=隣の若者は大食いなので,少しの食べ物の時は呼ぶこともできない. (出典:萱野、方言:沙流)
iperuype
イペルイペ 【ipe-ruy-pe】 大食漢.▷イペ=食べる ルイ=強い ペ=者 (出典:萱野、方言:沙流)
ipesak
イペサㇰ 【ipe-sak】 狩が下手だ.▷イペ=食べる サㇰ=ない →食べ物がない タント アナㇰネ ネア イペサㇻクㇽ ア・トゥラ ワ ソネ ネㇷ゚カ ア・オシコニ エアㇱカイ ヤ ウン?=今日は,あの狩の下手な者を私たちは連れて,なんとか何か獲ることがでさるだろうか? *一緒に狩に行っても全く獲物に恵まれない者がいて,このような人は仲間内から嫌われるものである. (出典:萱野、方言:沙流)
ipesak itatani
イペサㇰ イタタニ 【ipe-sak itatani】 のっぽ:背の高いこと.▷イペサㇰ=狩の下手な人 イタタニ=肉切り台 ソンノ イペサㇰイタタニ コラチ ケウェリ ルウェ=本当に狩の下手な人の肉切り台のように背が高いこと.*ヤイプニイタㇰ(からかい言葉)の一種.狩の下手な人の肉切り台は作ったままで使ったことがないため,いつまでも減らないで背が高いままだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ipesiste
イペシㇱテ 【ipe-siste】 筋を入れる:熊の皮を剥ぐ時に足の内側と顎の方から尻の方まで刃物で筋を入れること. ホクレ ホクレ シㇼクンネ エトㇰ タ イリ・アン ナ イペシㇱテ ヤン=早く早く,暗くなる前に皮剥ぎするから,皮に筋を入れなさい.ク・コㇿ イトㇰパ アナㇰネ レ イペシㇱテ カシ タ アㇱペ ノカ アン ルウェ ネ=私の印は3本筋の上に背びれの形があるんだよ.イリ・アン ヒ タ アナㇰネ イペシㇱテ ホㇱキ ア・キ ㇷ゚ ネ=皮剥ぎの時は,前足の内側や後ろ足の内側,そして胸から腹へ刃物で筋を入れるのを先にするものだ.*イペシㇱテの時はマキリ(小刀)の刃を外側に向けるのでなるべくひとりでするものである. (出典:萱野、方言:沙流)
ipetam
イペタㇺ 【ipe-tam】 人食い刀.▷イペ=食べる タㇺ=刀 *1度抜いたら血を見なければ納まらない刀が二風谷近くのアイヌの村にもあり,イペタㇺと呼ばれた.持ち主はその刀で自害した.後にその末裔が私の姉と結婚した. (出典:萱野、方言:沙流)
ipetek
イペテㇰ 【ipe-tek】 さっと食べる. オッコー ポンノ エン・テレ.ナ クンネイワイペ ソモ ク・キ ア ナ ク・イペテㇰ ワ エチ・トゥラ ナ=お姉さん,少し待って.まだ朝ご飯を食べていなかったので,さっと食べてあなたと一緒に行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
ipetuykata
イペトゥイカタ 【ipe-tuykata】 食べながら,食べている時. ▷イペ=食べる トゥイカタ=ながら,しながら *トゥイカタをつけた言葉に,モコットゥイカタ(眠っている間も,眠りながらも)などがある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ipeus
イペウㇱ 【ipe-us】 (実が)成る,実る. (出典:萱野、方言:沙流)
ipewnar
イペウナㇻ 【ipe-ewnar】 食い根性が悪い:食べ物を他人にやりたくない.▷イペ=食べる エウナㇻ=与えるのがいやだ(イペエウナㇻ→イペウナㇻ) (出典:萱野、方言:沙流)
ipeyap
イペヤㇷ゚ 【ipe-yap】 食い根性がいい.▷イペ=食べる ヤㇷ゚=させる →食べ物を惜しまないで人に与える. ウナㇻペ アナㇰネ エアㇻキンネ イペヤㇷ゚ ペ ネ クス ヘカッタㇻ ウウェカㇻパ=おばさんは食い根性がいいものだから,子供たちが集まって来る. (出典:萱野、方言:沙流)
ipirkare
イピㇼカレ 【i-pirka-re】 人間をよくする. コシンプ アイヌ トゥレン コㇿ イピㇼカレ ㇷ゚ カ オカ イウェンテ ㇷ゚ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ネ ヒ ア・エラマン ワ ラム ア・クットコレ コㇿ シノ ピㇼカ ㇷ゚ ネー シコㇿ=妖精が人間の憑き神になると,憑いた人間をよくする者もいるが悪くする者もいる.それを覚えて,思いを反対にする(=逆に利用する)と本当にいいものだということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ipirma
イピㇼマ 【i-pirma】 こっそり教える. ウクラン "ペウレㇷ゚オッカ" ウン カムイイピㇼマ ハウ ク・ヌ ア ナ ホクレ イワㇰ ヤン アニー=昨夜「熊の姿岩」の上へ神が私に危険なことが起こるとこっそり教えてくれたから,早く帰って来なさいよ.参考:ペウレㇷ゚オッカ=二風谷にある地名 (出典:萱野、方言:沙流)
ipisisip
イピシシㇷ゚ 【i-pisisi-p】 イラクサ:背丈が30cmくらいの特別に痛痒い草. ソンーノ タパン イピシシㇷ゚ アナㇰネ イミ カシ ワ カ イ・ピシシ フミー=本当にこのイラクサは着物の上からでも私に痒い思いをさせること. (出典:萱野、方言:沙流)
ipiski
イピㇱキ 【ipiski】 数える.▷イ=それを ピㇱキ=数える ア・ウォマレ ピッ ヘンパㇰ ペ アン ピㇱキ ワ インカㇻ.ピㇼカ ノイネ ネ ヤクン イワㇰ・アン ナ=集めた重り石がどのくらいの数があるか数えてみろ.いいようであれば帰るから. (出典:萱野、方言:沙流)
ipokas
イポカㇱ 【ipokas】 不器量(である).醜い. イサネ ヒケ ポンノ イポカㇱ コㇿカ エアㇻキンネ ケウトゥㇺ ピㇼカ ナ イサネ ヒケ エトゥン クナㇰ ラム アニー=姉のほうは少し器量がよくないが,とっても精神がいいから,姉のほうを嫁に貰おうと思いなさいね.イポカㇱ ペ アナㇰネ "アㇻカ イポカㇱ" セコㇿ カ ア・イェ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=器量の悪いものを称して「痛いほどに器量が悪い」ともいうものだそうだ(長野ちえ子さんから聞かされた). (出典:萱野、方言:沙流)
ipokas okkayo
イポカㇱ オッカヨ 【ipokas okkayo】 醜男. (出典:萱野、方言:沙流)
ipokasmenoko
イポカㇱメノコ 【ipokas menoko】 醜女. (出典:萱野、方言:沙流)
ipoptep
イポㇷ゚テㇷ゚ 【i-popte-p】 コオロギ.*昭和40年頃に静内へ録音に行った時に聞かせていただいた話では,海岸のアイヌにはコオロギを神として祭っている血統がある.それはべた凪の上へ濃い霧で方角がわからなくなった時,陸地の方でコオロギの声が聞こえたのでそれに向かって舟を漕ぎ,助かった.それで神として祭るようになったのだと言う.▷イ=それ ポㇷ゚=煮え立つ テ=させる ㇷ゚=もの →コオロギの鳴き声は鍋が煮え立つような音なので,煮え立っているようなもの(虫)と名づけた. (出典:萱野、方言:沙流)
ipor/iporo(ho)
イポㇿ/イポロ(ホ) 【ipor/iporo(ho)】 顔色. マキㇷ゚ エ・イポロ ウェン ルウェ アン? ヒナコロホ アㇻカイ アン?=どうしたの顔色が悪いこと? 痛い所はどこなの?アイヌイカラㇱ ウェンシイェイェ ヘネ キ シリ ネ ノイネ イポロホ カ ウェン=もったいない人が悪い病気にかかったらしく,顔色も悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
iporokurkus
イポロクㇽクㇱ 【iporo-kur-kus】 顔に陰がある.▷イポロ=その顔色に クㇽ=陰(が) クㇱ=通る タㇷ゚イキクㇽ マキㇷ゚ イポロクㇽクㇱ カネ ヒネ アフン=今来た人どうしたのか顔に陰を持って入って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
iporotanuyreye
イポロタヌイレイェ 【iporo ta nuy reye】 顔を真っ赤にして怒る,烈火のごとく怒る.▷イポロ=顔色 タ=に ヌイ=炎 レイェ=這う →顔に炎が走る ネア アチャポ オハイケ ア・カㇻ ヒ ヌ ヤㇰ イェ コㇿ イポロタヌイレイェ ペコㇿ アン ワ イルㇱカ=あのおじさん,悪口を言われたのを聞いたと言って,顔に炎が這うようにして怒っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
iporse
イポㇿセ 【i-porse】 表現:言い表わす方法,言葉.▷イ=物を,それを ポㇿセ=表現する ペッ シンナ コㇿ イポㇿセ カ ウウェシンナイノ アン ペ カ アン=川筋が違うと表現のしかたが違うものもある. (出典:萱野、方言:沙流)
ipottumkonna rennatara
イポットゥㇺコンナ レンナタラ 【iporo-tum-konna rennatara】 顔の芯が沈んで,沈痛な面持ち,憂いのある顔色. ▷イポッ/イポロ=顔色 トゥㇺ=芯 コンナ=~が レンナタラ=沈んでいる[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ipus'itak
イプㇱイタㇰ 【<i-pusu-itak】 最初の言葉,枕言葉.▷イ=それを プス=掘り起こす イタㇰ=言葉 *以下の言葉は死んだ人に対する引導渡しの言葉の枕言葉の一節であるが,この言葉を聞き覚えたのは昭和25年頃に母方の叔父門別勝元に私の父がイプㇱイタㇰの例として教えていたのをさりげなく聞いて小耳に挟んであった言葉.「ク・コㇿ ク・ユポ ク・コㇿ ヌペポ ウヌカㇻヘタㇷ゚ ア・キ カトゥアン タネ アナㇰネ カムイ カㇻ シㇼカ=私の兄よ,私の仏よ,相まみえる私たちする様子,今すでに神が作った体…」 (出典:萱野、方言:沙流)
ir
イㇼ 【ir】 身内,親類:(血において)続きである,(血が)つながっている. (出典:萱野、方言:沙流)
iram'ikurkurre 1
イラㇺイクㇽクㇽレ 【i-ram-i-kur-kur-re】 ①煩わしい,うるさい,面倒臭い. (出典:萱野、方言:沙流)
iram'ikurkurre 2
イラㇺイクㇽクㇽレ 【i-ram-i-kur-kur-re】 ②悩み,苦しみ,心配事. (出典:萱野、方言:沙流)
iramante
イラマンテ 【i ramante】 狩・猟・漁(をする).▷イ=それ ラマンテ=狙う トゥッコ レㇾコ アン コㇿ イラマンテ クス ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) ナ イユタ ワ ピㇼケㇷ゚ カㇻ ワ エン・コレ アニー=二日か三日したら狩のために私は山へ入るから,搗き物をして精白をこしらえてくれ.ウトゥラ・アン ワ イラマンテ・アン クス エキㇺネ・アン ア・ユピヒ ニセンピㇼ ワ イ・テㇰパㇻパル アプンノ サマ タ アㇻパ・アン.ナイ イクスン(イクㇱ ウン) ヤカカ クス インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) ポロ カムイ アン ルウェ ネ=一緒に狩のために山に入った私の兄が木の陰から私に手招きをするので,静かに側へ行った.沢の向かい側を指さしたので見てみると大きい熊がいた. (出典:萱野、方言:沙流)
iramantekur
イラマンテクㇽ 【i-ramante-kur】 狩人. (出典:萱野、方言:沙流)
iramasure
イラマスレ 【iramasure】 美しい(花・子供など). (出典:萱野、方言:沙流)
iramepakari
イラメパカリ 【i-ram-e-pakari】 想像する,予想する,予測する. ウェンカムイ イラメパカリ エカㇷ゚ネ=悪い神が想像するかのように.*昭和30年頃,私が山仕事をしている間.危険な仕事をしている息子の事を心配ばかりすることは,悪い神が想像をしているみたいなものだと母は言っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
iramkittarara
イラㇺキッタララ 【i-ram-kittarara】 気になる,うるさく感じる. (出典:萱野、方言:沙流)
iramkoyki
イラㇺコイキ 【i-ram-koyki】 いやがらせをする,意地悪をする,いじめる(精神的に). ネンカ カㇻパ(ク・アㇻパ) クナㇰ ク・ラム ワ ク・ヤイェトコイキ コㇿ スイ イラㇺコイキ エトコホ カㇻ=どこかへ出かけようと思って自分で自分の準備を始めると,またいやがらせをする用意をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
irammakaka
イランマカカ 【i-ram-maka-ka】 きれいに,丁寧に,はっきりと,きちんと.▷イ=それ ラㇺ=思い マカ=開く カ=させる ソンノ ク・コㇿ オペㇾ ケライ カッケマッ エ・ネ オアシ クス イランマカカ エ・シッチャㇱヌレ エアㇱカイ シリ=ああ孫娘よ,さすがに淑女になるであろうから.きれいに掃除をするのが上手なこと(私萱野茂の祖母は私の姉にそう言ってほめていたものであった).メノコ アナㇰネ ケㇺ ヌイト エイワンケ オカケ イランマカカ シッチャㇱヌレ ワ ネㇷ゚ ネ ヤッカ ウコカㇻカリ ワ ウカオ ㇷ゚ ネ ナ=女というものは針と糸を使った後は,きれいに掃除をしてなんでもまとめて包んでしまうものだ.エルㇺタンプ アン コㇿ キナスッ カプフ ア・コシㇼシル ワ トイ トゥㇺ ア・オマレ コㇿ チ・ピル アーペコㇿ イランマカカ トゥサ ㇷ゚ ネ=いぼが出来たら蛇の皮をこすりつけ,その皮を土に埋めると,拭き取ったようにきれいに治るものだ.ニㇱパアヌシ(ニㇱパ アン ウシ) アナㇰネ チセ コッチャ ワノ チセ エルㇷ゚シ パㇰノ イランマカカ ア・シッチャㇱヌレ ワ アン=物持ちの家というものは家の前から家の後ろまで丁寧に掃除されている.イランマカカ ア・ヌカㇻ=はっきり見える. (出典:萱野、方言:沙流)
irammakaka an
イランマカカ アン 【i-ram-makaka an】 立派な,はっきりした,きれいな. (出典:萱野、方言:沙流)
irammokka
イランモッカ 【i-ram-mokka】 冗談を言う,いたずらする.からかう. トアンクㇽ アン コㇿ イランモッカ エオㇷ゚ ネ クス アン ウタㇻ オピッタ ミナ ロㇰ ミナ ロㇰ=あの人がいると人をからかうのが上手なので,いる人たち全部が笑って笑って. (出典:萱野、方言:沙流)
iramno
イラㇺノ 【iram no】 一緒に.ともに,同時に. イラㇺノ イワㇰ ペ ネ クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ シネ オッカイポ イヨカネ ヒネ エン・コピヌピヌ=一緒に帰って行くものと私は思っていたのに,ひとりの若者が後になって私にそっと耳打ちした.ク・ミッポホ ウタㇻ エチ・エシカルン コㇿ カナクス(ク・アン アクス) イラㇺノ エチ・エㇰ ポーヘネ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=孫たちよ,お前たちを見たいなあと私は思っていたら,一緒に来てくれてなおさら嬉しい. (出典:萱野、方言:沙流)
iramsitnere
イラㇺシッネレ 【i-ram-sitne-re】 うるさい,煩しい,面倒臭い.▷イ=それの ラㇺ=思い シッネ=もつれる レ=させる →私の思いをもつれさせる (出典:萱野、方言:沙流)
iramtoynere
イラㇺトイネレ 【i-ram-toy-ne-re】 悲しいことだ:感心なことだという意味になることもあり.前後の意味に注意.▷イ=それ ラㇺ=思い トイ=土 ネ=になる レ=させる ソンノ イラㇺトイネレ.コタンコㇿニㇱパ モシㇼホッパ ヤㇰ ア・イェ=本当に悲しいことだ.村の長老が亡くなったそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iramtuypa
イラㇺトゥイパ 【i-ram-tuypa】 驚かす.▷イ=それの ラㇺ=思い トゥイパ=切る →考えがプツンと切れる ソンノ ピカンピカン ペ ネ クス ホㇱキ ホユㇷ゚テㇰ ニセンピㇼ ワ ピッコサヌ イラㇺトゥイパ エオ=全く身軽な者だから,先にさっと走って行っては立ち木の陰から飛び出て私を驚かすことをやる. (出典:萱野、方言:沙流)
iramye
イラㇺイェ 【iramye】 他人をほめる. (出典:萱野、方言:沙流)
iranakka
イラナッカ 【iranak-ka】 煩わしい,こうるさい,いやな,やかましい. イラナッカ ハワㇱ=煩わしい話. (出典:萱野、方言:沙流)
irankarapte
イランカラㇷ゚テ 【i-ram-karap-te】 こんにちは,はじめまして(席についてからの正式の挨拶).▷イ=それ(あなた)の ラㇺ=心 カラㇷ゚=触れる テ=させる →あなたの心にそっと触れさせていただきます *この言葉は,こんにちは,おはよう,こんばんは.に相当するが,何回も会って顔見知りになったら「萱野さん,ヘー」という具合に打ち解けた調子になるものである. (出典:萱野、方言:沙流)
irapokkari
イラポッカリ 【i-rapok-kari】 うすのろだ:知能が劣っていて,動作反応が鈍いこと. (出典:萱野、方言:沙流)
irapokkarip
イラポッカリㇷ゚ 【i-rapok-kari-p】 至らない者.ちょっとぼうっとしている者,ちゃんと自分の生活を支えられない者. (出典:萱野、方言:沙流)
irara
イララ 【i-rara】 なめてかかる,ばかにする,軽んじる,甘く見る.▷イ=それを ララ=見下げる (出典:萱野、方言:沙流)
irat
イラッ 【irat】 物が見つからないと騒ぐ. オンネ・アン コㇿ イヨイラ・アン ペ ネ ワ ア・エラマンノ ア・ウカオ ㇷ゚ カ ア・トゥライヌ イラッ・アン コㇿ スンケイラッ イッカイラッ シコㇿ ア・イ・イェ コㇿ イルㇱカ・アン=年をとると物忘れをして,わかって片づけた物でも見つからなくて騒ぐと,嘘騒ぎ,盗っ人騒ぎだと言われて私は腹を立てる. (出典:萱野、方言:沙流)
irawketupa
イラウケトゥパ 【irawketupa】 集団で働きに来る(行く):近くで働く=ネプキ,モンライケ.和人によって強制的に連れて行かれて働かされた時などはイラウケトゥパ.また,病気をまき散らす神がアイヌの村へ来る時も,神の言葉として.アイヌコタン イラウケトゥパ クス ヤパン(ヤㇷ゚・アン)=人間の村に仕事に行く. (出典:萱野、方言:沙流)
irayapka
イラヤㇷ゚カ 【i-rayap-ka】 感心なことだ,よいことだ,感じ入る.▷イ=それを ラヤㇷ゚=賞讃 カ=させる →いいなあとほめる (出典:萱野、方言:沙流)
irenka 1
イレンカ 【irenka】 ①考え,意志,思い,希望,理想. ラッチ イレンカ モ イレンカ ア・ヤイコタン カ モレ ㇷ゚ ア・ネ ルウェ ネ=静かな考え,穏やかな考え,私自身の村の上を静かにする者が私である. (出典:萱野、方言:沙流)
irenka 2
イレンカ 【irenka】 ②約束,戒律. (出典:萱野、方言:沙流)
irenka 3
イレンカ 【irenka】 ③もめごと,いいがかり,複雑な話.*前後の関係でいろいろな意味に使い分けられる (出典:萱野、方言:沙流)
irenka utur eapkas kur
イレンカ ウトゥㇽ エアㇷ゚カㇱ クㇽ 【irenka-utur-e-apkas-kur】 仲裁人.▷イレンカ=もめごと ウトゥル=間 エ=それ アㇷ゚カㇱ=歩く クㇽ=人 →もめている人の間を行ったり来たりする人 (出典:萱野、方言:沙流)
irenkakor
イレンカコㇿ 【irenka-kor】 詰め寄る,抗議する:答えを求めて激しい勢いで抗議したりする. (出典:萱野、方言:沙流)
irenkakuwa
イレンカクワ 【irenka-kuwa】 罰金,謝罪金,落とし前.▷イレンカ=もめごと クワ=利息,詫びのための金品 (出典:萱野、方言:沙流)
irenkaratcire
イレンカラッチレ 【irenka-ratcire】 鎮める(複雑な話を).▷イレンカ=もめごと ラッチ=鎮める レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
irenkasanke
イレンカサンケ 【irenka-san-ke】 (考えを)口に出す.▷イレンカ=思い サンケ=出す (出典:萱野、方言:沙流)
irenkatuye
イレンカトゥイェ 【irenka-tuye】 もめごとを解決する.▷イレンカ=もめごと トゥイェ=切る タパン ハワㇱ ホカンパ コㇿカ エン・コシ ヤン.ク・イレンカトゥイェ ナ=この話は難しいけれど私に任せてくれ.私がもめごとを解決するから. (出典:萱野、方言:沙流)
iresuhapo
イレスハポ 【i-resu-hapo】 養母.▷イ=それ レス=育てる ハポ=母 (出典:萱野、方言:沙流)
iresuhuci
イレスフチ 【i-resu-huci】 火の女神:火の神へお祈りの時に親しみと尊敬の念を込めて言う言葉.▷イ=それを レス=育てる フチ=祖母 (出典:萱野、方言:沙流)
iresukamuy
イレスカムイ 【i-resu-kamuy】 火の神.▷イ=それを レス=育てる カムイ=神 イノンチㇼ ウェンカムイ アナㇰネ イレスカムイ オロワノ アッテイネモシㇼ ア・コキル ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワ=人を呪うような思い神は火の神様から奈落へ向けて行かされるものだよ.イレスカムイ イェ ㇷ゚ エ・ヌ ワ アㇻクワンノ シンリッモシㇼ エ・コアㇻパ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ=火の神の言うことを聞いて真っ直ぐにあなたは先祖の国へ行くのだよ(引導渡しの言葉に出て来る).ピㇼカ ヒネ イレスカムイ テㇰサマ タ ウウェチューサケ エチ・ク ワ ネ クス ネイタ パㇰノ ピㇼカ ウウェトゥラシトゥラシ エチ・キ ㇷ゚ ネ ナ アニー=縁あって火の神の目の前で夫婦の契りの酒をあなたたちは飲んだので,いつまでも仲睦まじくするのですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
iresumici
イレスミチ 【i-resu-mici】 養父.▷イ=それを レス=育てる ミチ=父 (出典:萱野、方言:沙流)
iresusapo
イレスサポ 【i-resu-sapo】 育ての姉.▷イ=それを レス=育てる サポ=姉 (出典:萱野、方言:沙流)
iresusinta
イレスシンタ 【i-resu-sinta】 育てのゆりかご.▷イ=それ レス=育てる シンタ=ゆりかご (出典:萱野、方言:沙流)
iresutotto
イレストット 【i-resu-totto】 育ての母.▷イ=それを レス=育てる トット=母 (出典:萱野、方言:沙流)
iresuyupi
イレスユピ 【i-resu-yupi】 育ての兄.▷イ=それを レス=育てる ユピ=兄 (出典:萱野、方言:沙流)
iretarka
イレタㇻカ 【i-retar-ka】 漂白する.*白くしようと思うものを雪の上へ数日晒しておく.主としてカパイ(イラクサ)の皮,パㇱクㇽエㇷ゚(ツルウメモドキ)の皮などの青みをとるために行う. (出典:萱野、方言:沙流)
iri
イリ 【iri】 皮剥ぎ(をする):鹿や熊その他の獣の皮を剥ぐこと.▷イ=それを リ=剥ぐ イリ・アン ヒ タ アナㇰネ イペシㇱテ ホㇱキ ア・キ ㇷ゚ ネ=皮剥ぎの時は刃物で筋を入れるのを先にするものだ.*昭和10年頃までは犬を殺しては皮を剥ぐのを見たことがあった.これは熊も鹿も順序は同じだが熊だけは胸の所で1か所皮を切らずに残す.これをヌマッ(胸紐)と言い,この部分を切る時にはエイッと高い声で気合をかけて切るものである.これをヌマッピタ(胸紐ほどき)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
iriape
イリアペ 【iri-ape】 皮剥ぎの火. イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) イリ・アン ヒ タ アナㇰネ "イリアペ" シコㇿ ア・イェ アペ ア・アリ ワ イリ・アン ペ ネ=熊送りの時に熊の皮を剥ぐ時は「皮剥ぎの火」という火を燃やしてから皮剥ぎをするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
irimakiri
イリマキリ 【iri-makiri】 皮剥ぎ用小刀. 図[イリマキリ] (出典:萱野、方言:沙流)
irispaipe
イリㇱパイペ 【i-rispa-ipe】 突き食い,毟(むし)り食い. (出典:萱野、方言:沙流)
irkur
イㇼクㇽ 【ir-kur】 身内たち. (出典:萱野、方言:沙流)
irma
イㇼマ 【irma】 逆さまつげ. (出典:萱野、方言:沙流)
iro/iro(ho)
イロ/イロ(ホ) 【iro/iro(ho)】 色.*フレ=赤(い) クンネ=黒(い) レタㇻ=白(い) シューニン=青(い) ルフレ=わずかに赤い ルクンネ=わずかに黒い ルレタㇻ=わずかに白い ルシューニン=わずかに青い.色という言葉よりその色そのものを指す場合が多く,色彩についての表現の数は少ない. クンネ イロホ ク・カㇻ クナㇰ ク・ラム コㇿ クンネ コポンチ トゥムン(トゥㇺ ウン) アッ コマレ(ク・オマレ) アㇷ゚ ネ ヒネ オㇿ ネア ウㇱケ コイラ(ク・オイラ) ク・トゥライヌ=黒い色の物にしようと思って,黒い粘土の中へオヒョウの皮を浸けたのに,浸けた場所を私はすっかり忘れて,捜し出せない. (出典:萱野、方言:沙流)
iroho kar
イロホ カㇻ 【iroho kar】 染める(今の染め方). (出典:萱野、方言:沙流)
ironnapiwe wenmenoko
イロンナピウェ ウェンメノコ 【ironnapiwe wen-menoko】 座る時に男にくっつく悪い女. ウェンメノコ セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ カ ネユンネユン アン イスエチレ ウェンメノコ ホカパル ウェンメノコ イロンナピウェ ウェンメノコ イシケオプシ ウェンメノコ=悪女と表現される中でもいろいろあり,陰部の熱い悪い女,灰を飛ばす悪い女,座る時に男にくっつく悪い女.髪の間から私をにらむ悪い女. (出典:萱野、方言:沙流)
ironne
イロンネ 【ironne】 茂る. エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェヘ アン.タント アナㇰネ シシㇼクンネ カ キ イヤイキㇷ゚テ ナ イワカン(イワㇰ・アン) ロー=こんなにイタドリが茂っている所へ入った足跡がある,今日は薄暗くもなったし,危ないから帰ることにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
ironne imi
イロンネ イミ 【ironne imi】 厚着. (出典:萱野、方言:沙流)
ironne ita
イロンネ イタ 【ironne ita】 厚い板. (出典:萱野、方言:沙流)
ironne konru
イロンネ コンル 【ironne konru】 厚い氷. (出典:萱野、方言:沙流)
ironne sito
イロンネ シト 【ironne sito】 厚い餅. (出典:萱野、方言:沙流)
ironne tumama
イロンネ トゥママ 【ironne tumama】 厚い壁. (出典:萱野、方言:沙流)
ironnesamanpe
イロンネサマンペ 【ironne-samanpe】 クロガシラガレイ〔魚〕 (出典:萱野、方言:沙流)
irookko
イロオッコ 【irook-ko】 薄着(をする). イロオッコ エ・イミ=お前は厚着でないなぁ.タント アナㇰネ シノ メアン ペ イロオッコ エ・イミ ワ ハンケコ エ・アㇻパ ルスイ ヒ.タンペ ミ ワ アㇻパ=今日はとっても寒いのにそんな薄着をして遠い所へお前は行きたいの.これを着て行け. (出典:萱野、方言:沙流)
iroykesne
イロイケㇱネ 【iroykesne】 今になって,そのあげく. イヨーハイ オトゥ ケㇱパ タ オレ ケㇱパ タ エン・コソウㇰ ワ アヌ アイネ イロイケㇱネ タネ パキタ ホシピレ エアイカㇷ゚ シコㇿ ホワーㇻ!=たまげたものだ,2年も3年も私から借りておきながら,今になって戻すことができないって,ひえーっ驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
irsikpuy
イㇼシㇰプイ 【ir-sik-puy】 親戚の目つき:同じ目つきをしたもの.▷イㇼ=親戚 シㇰ=目 プイ=穴 (出典:萱野、方言:沙流)
irsikpuypo ukoari
イㇼシㇰプイポ ウコアリ 【ir-sik-puypo u-ko-ari】 親戚らしく目つきがそっくりだ.▷イㇼ=親戚 シㇰ=目 プイ=穴 ポ=を ウ=互い コ=それ アリ=置く タㇷ゚ イキ ウタㇻ ウウタリ ネ パ ノイネ イㇼシㇰプイポ ウコアリパ=今の人たちは親類らしく目つきがそっくりだった. (出典:萱野、方言:沙流)
iruetoko iruokake c=eranrani
イルエトコ イルオカケ チェランラニ 【i-ru-etoko i-ru-okake c=e-ranrani】 私の行く道先や私の行く道の後に,私の敵がひしめいている. *ユカㇻの中でポンヤウンペが自らの事を言っている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iruka
イルカ 【iruka】 ちょっと. イルカ エンテレ=ちょっと待って. (出典:萱野、方言:沙流)
irukanekor
イルカネコㇿ 【iruka ne kor】 ちょっとすると. (出典:萱野、方言:沙流)
irukatumta
イルカトゥㇺタ 【iruka tum ta】 ちょっとの間. (出典:萱野、方言:沙流)
irup
イルㇷ゚ 【irup】 澱粉. (出典:萱野、方言:沙流)
irurakuwa
イルラクワ 【i-rura-kuwa】 墓標.▷イ=それ(死人)を ルラ=送る クワ=墓標 (出典:萱野、方言:沙流)
irurawakka
イルラワッカ 【i-rura-wakka】 送りの水:葬式の時,墓地まで持って行く水. (出典:萱野、方言:沙流)
iruska
イルㇱカ 【i-ruska】 憤(いきどお)る,憤慨(する):ひどく腹を立てること,怒る. (出典:萱野、方言:沙流)
iruskacep
イルㇱカチェㇷ゚ 【iruska-cep】 フグ.▷イルㇱカ=怒る チェㇷ゚=魚 (出典:萱野、方言:沙流)
iruskahaw
イルㇱカハウ 【iruska haw】 怒声. (出典:萱野、方言:沙流)
iruskare
イルㇱカレ 【iruska-re】 怒らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
iruwe
イルウェ 【i-ruwe】 (獣の)足跡. (出典:萱野、方言:沙流)
iruyke
イルイケ 【i-ruyke】 研ぐ,研ぎ物をする. イルイケ エアㇱカイ クㇽ ネㇷ゚キ エアㇱカイ ペ ネ=研ぎ物の上手な者は仕事も上手なものだ.カムイフㇺ アㇱ ヒ タ アナㇰネ イルイケ カ ムンヌイェ カ ケメイキ カ ソモ ア・キ ノ オリパㇰ・アン ペ ネ ナ アニー=雷の音のする時には,研ぎ物もほうきを使うことも縫い物もしてはならない.謹慎しているものだぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
iruykeitanki
イルイケイタンキ 【iruyke itanki】 研ぎ水入れの椀. ウェンシケサㇻペ エネ ヤイヌ ヒ イルイケ イタンキ アニ ヘネ ア・イ・イペレ ヤㇰネ チャランケ モトホ ネ ア・カㇻ シコㇿ ヤイヌ=ならず者が思うことは研ぎ水を入れる椀などで私に食べさせてくれればいいがかりの原因にしたいものだと思った. (出典:萱野、方言:沙流)
iruykewakka
イルイケワッカ 【iruyke wakka】 研ぎ水. シネ アイヌ カムイフㇺ アㇱ ヒ タ イルイケ ワッカ カムイ コチャリ カムイ イルㇱカ=ひとりの人間が雷の音がする時に研ぎ水を神に投げ散らし,神が怒った[カムイユカㇻ]. (出典:萱野、方言:沙流)
irwak/irwaki(hi)
イㇼワㇰ/イㇼワキ(ヒ) 【irwak/irwaki(hi)】 兄弟. (出典:萱野、方言:沙流)
isa
イサ 【isa】 実る,実が入る,完熟する:トウモロコシの時期が過ぎて竪くなった場合など. イサ ワ オケレ=実が入ってしまった.タント ムンチロ トイ ク・ノンカㇻ アクス イサ ワ アン.ニサッタ イチャ クス アㇻパ・アン ナ=今日,アワ畑を私が見に行ったら実が入っていた.明日は穂を摘みに皆で行くよ. (出典:萱野、方言:沙流)
isam 1
イサㇺ 【isam】 ①ない,なくなる,いない. ユㇰ カㇺ ナ ポロンノ アン クニ ペコㇿ ク・ヤイヌ アㇷ゚ タネ イサㇺ.エチ・エ ア ルウェ ヘ アン?=鹿の肉がもっとたくさんあったように私は思っていたが,もうない.お前たち食べたのかい?テ タ カヌ(ク・アヌ) ア イチェン イサㇺ ルウェ ネ.オハシッタ(オハシㇼ タ) アフン ペ ネア イッカ メノコ ネ クス ア・コラムヌ コㇿカ ネユン ア・イェ ヒー カ イサㇺ=ここに私が置いた銭がなくなったのだよ.留守にこの家に入った者はあの盗っ人女なので疑ってはいるが,どのように言うこともできない.エシㇼ パㇰノ トイ アンクラ オッタ(オㇿ タ) シノッ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ヒナクン アㇻパ ワ イサㇺ ルウェ アン?=先程まで畑の畔に遊んでいたのに,どこへ行っていないのだ? (出典:萱野、方言:沙流)
isam 2
イサㇺ 【isam】 ②死ぬ. ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) フチ ウクラン イサㇺ ヤㇰ ア・イェ=道路の西側のおばあさんが昨夜死んだという. (出典:萱野、方言:沙流)
isam 3
イサㇺ 【isam】 ③〜してしまう. ク・シケヘ パセ ㇷ゚ ネ クス サマ タ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナクス(ク・アン アクス) ペウレクㇽ エㇰ ヒネ アンパテㇰ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=私の荷物が重いものだから側で立っていると,若者が来てさっと持って行ってしまった.ナイ イクㇱ タ ポロンノ ユㇰ オカ エウン ア・コㇿ セタ ホユプ アクス アルテㇾケレ ワ キラ ワ イサㇺ=沢の向かい側にたくさん鹿がいて,そこへ私の犬が走って行ったら,跳ねて走って逃げてしまった.イテキ エヘウケレ ノ コㇿ ワ アㇻパ.エ・エヘウケレ ヤㇰネ エ・クタ ワ イサㇺ ナ=傾けないようにして持って行け.お前が傾けたらこぼしてしまうぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
isamka
イサㇺカ 【isam-ka】 紛失する.なくす. クンネイワノ テ タ ク・モセ コㇿ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) ケイワンケ(ク・エイワンケ) コㇿ カナ(ク・アン ア) イヨㇰペ ク・イサㇺカ.ク・フナラ ヤッカ ク・パ エアイカㇷ゚=朝からここでカヤ刈りをしていたのに,使っていた鎌を紛失してしまった.捜しても私は見つけることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
isampesiyuk
イサンペシユㇰ 【isam-pe-siyuk】 死装束. シネアンタ ア・ウナㇻペヘ エウン アㇻパアナクス(アㇻパ・アン アクス) ウナㇻペ ウムレㇰ マッネポホ トゥラノ イサㇺペシユㇰ キ ワ オカ ルウェ ネ エアㇻキンネ ア・エラムトゥイ マッネポホ ア・トゥラ ワ キラ・アン=ある日のこと,おばさんの所へ行くとおばさん夫婦と娘とが一緒に死装束をしていたので,私は本当に驚いて娘を連れて逃げた(萱野茂『カムイユカㇻと昔話』238頁「淫乱の群れ」より). (出典:萱野、方言:沙流)
isanehike
イサネヒケ 【i-sa ne hike】 姉のほう. イサネヒケ ポンノ イポカㇱ コㇿカ エアㇻキンネ ケウトゥㇺ ピㇼカ ナ イサネヒケ エトゥン クナㇰ ラム アニー=姉のほうは少し器量がよくないが,とっても性格がいいから,姉のほうを嫁に貰おうと思いなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
isapakikni
イサパキㇰニ 【i-sapa-kik-ni】 魚叩き棒:スス(ヤナギ)で作る.▷イ=その サパ=頭 キㇰ=叩く 二=木 タヌクラン ア・カㇻ イサパキㇰニ ナニ ア・エイワンケ ナ イテキ オスラ アニ.オヤウクラン カ ア・エイワンケ ナ=今夜作った魚叩き棒は,すぐに使えたから,投げるんでないよ,明日の晩も使うからね.図16[イサパキㇰニ] (出典:萱野、方言:沙流)
isapte
イサㇷ゚テ 【i-sapte】 給仕する,もてなす.▷イ=それを サㇷ゚テ=前に出す イサㇷ゚テ・アン ヒ タ アナㇰネ アペサㇺ タ オカ ポロクㇽ ウタㇻ ホㇱキノ ア・コイプニ ㇷ゚ ネ ナ エラマン ワ オカ アニー=食べ物を配る時には火の側にいる老人たちのほうから先に配るものだから覚えていてね. (出典:萱野、方言:沙流)
isaptekur
イサㇷ゚テクㇽ 【i-sapte-kur】 給仕人. イサㇷ゚テクㇽ アナㇰネ シノ ピカンピカン オッカイポ イサㇷ゚テ ㇷ゚ ネ コエトゥレンノ イテキ アイヌヌㇺケノ アペエトㇰ ワノ ニワ パルㇽタ アン ウタㇻ パㇰノ イサㇷ゚テ アン ペ ネ=給仕する人は本当に気の利く若者が給仕する.それとともに絶対に人選びせずに,横座の方から内庭の縁に座っている人たちまで給仕するものだ.*この場合,宴席などでは貧富の差によって給仕の順を後先にしてはいけない. (出典:萱野、方言:沙流)
isaroykip
イサロイキㇷ゚ 【isaroykip】 やや大型の背負い袋. シネアン パイカㇻ イサロイキㇷ゚ ア・コㇿ ヒネ "オケネウㇱ" トゥラシ アㇻパ・アン タㇱテㇰテㇰ イサロイキㇷ゚ シㇰノ プクサキナ ア・ウㇰ ワ イワカン(イワㇰ・アン)=ある春のこと,やや大型の背負い袋を持って「オケネウㇱ」(という沢)を登って行き,あっという間にやや大型の背負い袋いっぱいにニリンソウを採取して帰って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
isatkeki
イサッケキ 【i-satke-ki】 干し簾.▷イ=物を サッケ=乾かす キ=簾 ナ ナ キナ リカン ナ ソイ タ イサッケキ ピラサ ワ エウン サッケ ワ アヌ=まだまだ山菜が湿っているから,外で簾を広げて,そこへ干しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
isaykaku
イサイカク 【isaykaku】 じゃまをする,口出しをする,干渉する:子供が親の仕事を手伝いたがってじゃまになることなど. ポンペ イサイカク ワ ケラナㇰ(ク・エラナㇰ) ナ トゥラ ワ アㇻパ=子供がじゃまをしてうるさいから連れて行け. (出典:萱野、方言:沙流)
iseise
イセイセ 【ise-ise】 だだをこねる,ぐずぐず言う. ウヌフ アン コㇿ オラーノ イセイセ コㇿ ウヌフ エムエム ウヌフ ネㇷ゚キ カ エアイカㇷ゚=母親がいると,それからだだをこねて母親にまつわりつき,母親は仕事をすることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
isemramsekor
イセㇺラㇺセコㇿ 【i-semram sekor】 例の通り:略してイセンイセンという場合もある.またまたの意味. エキㇺネ・アン クス ヤイェトコイキアナㇷ゚(ヤイェトコイキ・アン アㇷ゚) イセㇺラㇺセコㇿ ア・コㇿ セタ ニューニュー セコㇿ イ・トゥラ ルスイ=山へ行こうと自分のしたくをしていると例の通り私の犬はひゅんひゅんと言いながら私と一緒に行きたがっている. (出典:萱野、方言:沙流)
isen isen
イセン イセン 【isen isen】 例の通り,またしても. イセンイセン ネア ウナㇻペ クンネイワ ピㇱノ イペ エペカノ エㇰ シリ=またしてもあのおばさん,毎朝食べているのを目がけてやってくる. (出典:萱野、方言:沙流)
isenasenakka
イセナセナッカ 【i-senasenakka】 うるさい,まとわりつく,たわむれる:子供がまとわりついてうるさい. (出典:萱野、方言:沙流)
isepo
イセポ 【isepo】 ウサギ. チ・コㇿ コタン タ アナㇰネ "イセポ" セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ コㇿカ ムカ ホントモ タ アン コタン タ アナㇰネ "カイクマ" セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=私たちの村ではウサギを「イセポ」と言うけれど鵡川という川の中ほどの村では「カイクマ」と言う(表現する)のだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
isepoapir
イセポアピㇼ 【isepo-apir】 ウサギの足跡. ▷イセポ=ウサギ アピㇼ=足跡 イセポアピㇼ シッチニナニナワ アンクス カアヌアン=ウサギの足跡がごちゃごちゃあったので,罠を仕掛けて来た.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
isepoka
イセポカ 【isepo-ka】 ウサギ罠.▷イセポ=ウサギ カ=罠 ニナㇻカ タ イセポカ カヌ(ク・アヌ) アナ アㇻパ ワ ノンカㇻ ワ エㇰ=ニナㇻカ(二風谷小字校の上にある小さな台地)にウサギの罠をかけておいたので行って見て来い.図18[イセポカ] (出典:萱野、方言:沙流)
isepokirpu
イセポキㇼプ 【isepo-kirpu】 ウサギの脂. ▷イセポ=ウサギ キㇼプ=脂 フーンイセポカムイ エキㇼプコㇿルウェー=あーあウサギの神,たくさんの脂味だよー. *ウサギは脂味のないが故に,いつも他の動物に対して引け目を感じている.それを知っているアイヌたちは,ウサギの神に恥をかかせないために,前足の付け根にある大人の小指の指先ほどのわずかな脂味を,両方の手で捧げ持ってお礼を言う.それを聞いたウサギの神は,恥をかかせないアイヌの所へ,何回も客として来てくれるという.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
isepotuki
イセポトゥキ 【isepo-tuki】 厚手の杯:漆器. イセポトゥキ アナㇰネ パセ オンカミ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ソモ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ ナ=厚手の杯は,位の高い神へのお祈りには使わないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
isermak'us
イセㇾマㇰウㇱ 【i-sermak-us】 無事であるように神に念ずる.▷イ=それ(=人) セㇾマㇰ=魂 ウㇱ=つける ア・ポホ シサㇺ トゥミ オルン ア・アㇻパレ.エアシㇼカ トゥ カムイ シンリッ レ カムイ シンリッ ア・オペンタリ アプンノ イワㇰ クニ イセㇾマㇰウㇱ・アン ルウェ ネ=私の息子が和人の戦争に行かされた.本当にふたつの神の先祖三つの神の先祖を説き明かし,無事に帰れるように無事であるように念じた. (出典:萱野、方言:沙流)
isikipipka
イシキピㇷ゚カ 【i-siki-pipka】 目がうるさい:久しぶりに会う恋人同士が姉や兄の目をうるさく思う場合など[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
isiksamnere 1
イシㇰサㇺネレ 【i-sik-sam-ne-re】 ①蔑みの目で見る:流し目のイシㇰサㇺネレとは違う.前後の言葉に注意. (出典:萱野、方言:沙流)
isiksamnere 2
イシㇰサㇺネレ 【i-sik-sam-ne-re】 ②横目で見る:意識して目を斜めにして見る. ウウォシッコテパ ㇷ゚ アナㇰネ ウヘコテ ソモ ア ノ イシㇰサㇺネレパ ネㇷ゚カ エウコピヌピヌパ コㇿ オカ=恋人同士は,向かい合って座りもしないで,横目で顔を見ながら何やらひそひそ話をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
isimemokka
イシメモッカ 【i-simemokka】 からかう,馬鹿にする,なめてかかる. (出典:萱野、方言:沙流)
isimkehe
イシㇺケヘ 【isimke(he)】 翌日. (出典:萱野、方言:沙流)
isimne
イシㇺネ 【isimne】 翌日. ア・ホクフ キムン(キㇺ ウン) ワ イサㇺ.イシㇺネ ワノ イユタ ア・コアリキキ ポロンノ ピㇼケㇷ゚ ア・カㇻ アシㇰネ ト パㇰノ ネ コㇿ カシ ア・オセ クナㇰ ア・ラム コㇿ アナン(アン・アン)=私の夫は山へ狩に行っていない.翌口から一生懸命に搗き物をしてたくさんの精白を私は作って,五日ぐらいしたら夫の所へ持って行こうと私は思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
isimne to
イシㇺネ ト 【isimne to】 翌日. テエータ ナ ク・ポン ラポㇰ タ アナㇰネ セタ ウォセ コㇿ "パヨカカムイ ホトゥイパ シリ ネ" セコㇿ ネ ワ イシㇺネ ト タ ア・イワㇰテ パ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=ずーっと昔,私が少年時代は犬が遠吠えをすると「病気の神を呼んでいる」といって,翌日神の国へ送るために殺していたのを見たものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
isinere
イシネレ 【i-si-nere】 化ける.▷イ=それ シ=自ら ネ=なる レ=させる テェータ アナㇰネ チロンヌㇷ゚ カ イシネレ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ ア コㇿカ タネ オカ チロンヌㇷ゚ アナㇰネ イシネレ ハウェ カ ソモ ア・ヌ=ずっと昔は狐も化けるものだと言われたものだったが,今いる狐は化けた話も聞いたことがない. (出典:萱野、方言:沙流)
isinerep
イシネレㇷ゚ 【i-si-ne-re-p】 化け物,幽霊. ヘマンタ タネ ウシㇰタ エㇰ ルウェ アン? ピㇼカ メノコ ネ ヘㇺ キ イシネレㇷ゚ ソモ ネ ヤー? サッチポㇿ ヘネ エレ ワ インカㇻ=何者が今頃来たもんだ?おまけに美人すぎる.化け物ではないか? 干した筋子でも食べさせてみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
isirkurantere
イシㇼクランテレー 【isirkurantere】 あきれてしまった,たまげてしまった. ホッノ イヨーハイ イシㇼクランテレー.スイ ウェンプリ コㇿ ハウェー? オトゥスイ レスイ ア・ヨㇺネレ ヤッカ ソモ ヨㇺネノ=まあまああきれてしまった.また悪いことをしたの?2回3回懲りさせられても懲りもせずに. (出典:萱野、方言:沙流)
isis haw ko yaknatara
イシㇱ ハウ コ ヤㇰナタラ 【isis-haw-ko yak-natara】 あの野郎め,覚えていやがれ,この敵は討ってやるぞ. ▷イシㇱ=それ ハゥコ=声が ヤㇰナタラ=破裂した(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
isitayki
イシタイキ 【i-sitayki】 機を織る.▷イ=それを シタイキ=叩く →アイヌの厚司の織り方はへらで横糸を叩くように織る エシㇼ エアウネ カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス アウン ウナㇻペ イシタイキ コアリキキ コㇿ アン ア ワ=先程私が隣に行ったら隣のおばさんは機織りに精を出していたよ.テーエタ アナㇰネ フチ ウタㇻ イテセ ネ ヤ イシタイキ ネ ヤ キ ヒ タ ワッカ エプルㇽセ パ ワ ネㇷ゚キ パ コㇿ オカ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=古い時代はおばあちゃんたちが袋物を編んだり厚司を織る時は,口に水をふくんで霧吹きをして仕事をしていたのを私は見た覚えがある.図17[イシタイキ] (出典:萱野、方言:沙流)
isitaykip
イシタイキㇷ゚ 【i-sitayki-p】 機:布を織る道具. (出典:萱野、方言:沙流)
isitoma
イシトマ 【i-sitoma】 恐ろしい(と思う).怖がる,脅える. ウクラン アㇱ アシㇼ ウパㇱ カ タ ポーロ カムイ ルウェヘ アン ク・イシトマ クス ク・キラ ワ ク・イワㇰ セコㇿ ハㇻキソ ウン ウナㇻペ ハウェアン=「昨夜降った新しい雪の上で大きい熊の足跡があり,私は恐ろしくなって逃げ帰ってきた」と左隣のおばさんが言っていた.オヤコヤㇰ タ タスㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ オルㇱペ ア・ヌ イシトマ・アン クス ハル アフㇷ゚カㇻ・アㇱ ワ ハルエカムイノミ・アン ルスイ=あちらこちらで病気が流行したと聞き,恐ろしいので,供物を貰い病気の神へあげたい.シサㇺ アナㇰネ トゥミ エラマㇱパ ㇷ゚ ネ ハウ ソモ ネ ウン.スイ アトゥイ イクㇱ タ ウコトゥミコㇿ パ ヤㇰ ア・イェ.ク・イシトマ=日本人というのは戦争が好きな人たちではないのかな.またしても海の向こうで戦争を始めたそうだ.私は恐ろしい. (出典:萱野、方言:沙流)
isitomaeo
イシトマエオ 【i-sitoma e-o】 臆病な. トアン ポン マッカチ アナㇰネ シㇼクンネ コㇿ エアㇻキンネ イシトマエオ ㇷ゚ ネ ナ ルラ ワ エㇰ=あの女の子は,暗くなるととっても怖がる者だから.送って行って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
isitomare
イシトマレ 【i-sitoma-re】 怖がらせる. ネユン ソモ ア・イェ ア・カㇻ ヤッカ イシトマエオ ㇷ゚ ネ ナ イテキ イシトマレ ヤン=何を言わなくても何をしなくても臆病者だから,あまり怖がらせないで. (出典:萱野、方言:沙流)
isitomusip
イシトムシㇷ゚ 【i-sitomusi-p】 機織りの時に腰にあてる広い布.木を削り,板にして曲げたものもある. (出典:萱野、方言:沙流)
isma
イㇱマ 【isma】 ラウンクッの端の方に下がっている菱形の布,菱形布.フチホンプサ(祖母の腹房)とも言う. シリウフイヒタ イㇱマ アスイスイェコロ シリウフイカ エソㇱナㇷ゚ ネヤッアイェ=火事の時に菱形布を振り回すと,火事を逸れるという話がある. *昭和18年4月であったか,平取市街の大火の時に,ひとりのアイヌのおばさんが陰部をさらしてイㇱマを振ったら火が止まった,と平村はなさんが聞かせてくれた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
isnit/isnici(hi)
イㇱニッ/イㇱニチ(ヒ) 【is-nit/-nici(hi)】 びてい骨. (出典:萱野、方言:沙流)
iso
イソ 【iso】 豊猟. (出典:萱野、方言:沙流)
isoan
イソアン 【iso-an】 豊猟である. タント アナㇰネ イソアン ワ ユㇰ ポロンノ クク(ク・ウㇰ).エネ ポロンノ アン カㇺ マㇰ ク・カㇻ シコㇿ ク・ヤイヌ コㇿ カナ(ク・アン ア) ワ エチ・エㇰ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=今日は猟があって鹿をたくさん獲った.こんなにある肉をどうしようと思っていたのに,お前たちが来て私は嬉しい.ウクラン ク・ウェンタラㇷ゚ フミ ピㇼカ タント アナㇰネ イソアン ノイネ ク・ヤイヌ.ホクレ ホクレ エキㇺネ ヤン=昨夜私の夢見がよかった.今日は豊猟だと思う.早く早く山へ行さなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
ison
イソン 【ison】 狩上手(な). (出典:萱野、方言:沙流)
isonkur
イソンクㇽ 【ison-kur】 狩の名人. ア・オナハ アナㇰネ シノ イソンクㇽ ネ ㇷ゚ ネ クス ケㇱト ユㇰ ネ チキ カムイ ネ チキ エアウナルラ=私の父は本当に狩の名人なので,毎日鹿とか熊とかを家へ運んで来る[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
isonkur'itatani
イソンクㇽイタタニ 【ison-kur-itatani】 背の低い人.*ヤイプニイタㇰ(からかい言葉)の一種.狩の上手な人の肉切り台は始終使っているので減って背が低くなっている.▷イソンクㇽ=狩の上手な人 イタタニ=肉切り台 (出典:萱野、方言:沙流)
isonoreay
イソノレアイ 【iso-nore-ay】 仕止め矢:竹,鹿の骨,オニガヤ他で作る. 図19[イソノレアイ①]図20[イソノレアイ②] (出典:萱野、方言:沙流)
isonpe
イソンペ 【ison-pe】 狩が上手な者. (出典:萱野、方言:沙流)
isoytak
イソイタㇰ 【isoytak】 しゃべる,話す. (出典:萱野、方言:沙流)
isramne
イㇱラㇺネ 【isramne】 困る,不自由する. ケイㇱラㇺネ(ク・エイㇱラㇺネ) ㇷ゚ ネ ワ=私が必要とするものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ita
イタ 【ita】 盆,板. ニㇱパ オルン シネウェアナクス(シネウェ・アン アクス) イタ チキㇱマ ヒ イサㇺ カネ カㇺ ピㇼカ ヒ ア・イ・コイプニ=物持ちの所へ遊びに行ったら,盆をつかむ所もないほど,肉のおいしい部分を私に配られた.図21[イタ] (出典:萱野、方言:沙流)
itaci=kismahiisamkane
イタチキㇱマヒイサㇺカネ 【ita ci=kisma hi isam kane】 山盛.▷イタ=盆 チ=私たち(が) キㇱマ=つかむ ヒ=所 イサㇺ=ない カネ=ほどに (出典:萱野、方言:沙流)
itacorpok
イタチョㇿポㇰ 【ita corpok】 縁の下,床下. *子供の頃に子犬を貰って来ては,縁の下に入ったまま出て来ないと,クモの巣に顔を当てながら縁の下を這い回ったものであった.▷イタ=板 チョㇿポㇰ=下 イタ チョㇿポㇰ タ アㇰペ ヨコレ ワ アヌ.エルㇺ ヘネ ア・ウㇰ ヤㇰ イモㇰ ネ ア・カㇻ ナ=縁の下に罠をかけておけ.ネズミでも獲れたら餌に使うから. (出典:萱野、方言:沙流)
itak
イタㇰ 【itak】 言う,話す,しゃべる. タント アナㇰネ ホカンパ イタㇰ ソモ ク・イェ ノ ヘル クワンノ ク・イタㇰ=今日は難しい言葉を私は言わずに,ごく簡単にしゃべる. (出典:萱野、方言:沙流)
itak cinki a=koturaynu
イタㇰ チンキ アコトゥライヌ 【itak cinki a=ko-turaynu】 遺言をしないで死ぬ.▷イタㇰ=言葉 チンキ=裾 ア=私たちは コ=それに トゥライヌ=見つけない,発見できない →言葉の裾も見つからない フチ オンネ ヤㇰ ア・イェ コㇿカ アリタㇰ(アㇻ イタㇰ) チンキ ポカ ア・コトゥライヌ=おばあさんが亡くなったそうだが,ひと言の遺言もなかった.ソンノ ピㇼカ ニㇱパ ネ ア コㇿカ ア・ニサㇷ゚トゥイェ イタㇰチンキ ア・コトゥライヌ ヤㇰ ア・イェ=本当に立派な物持ちの方でしたが,急に亡くなられ,遺言をしないで死んだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
itak easkay
イタㇰ エアㇱカイ 【itak easkay】 話し上手(だ). ペウレクㇽ ネ コㇿカ クッチャマハ ペケㇾ エアㇻキンネ イタㇰエアㇱカイ=若い人であるけれど,発音もきれいだし,とても話し上手だ. (出典:萱野、方言:沙流)
itak ikir inne
イタㇰ イキㇼ インネ 【itak ikir inne】 言葉:単語の種類が多い.▷イタㇰ=言葉 イキㇼ=列 インネ=大勢 (出典:萱野、方言:沙流)
itak koraci
イタㇰ コラチ 【itak koraci】 言葉通りに. "イワポソインカㇻ" セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ イタㇰ コラチ イワ オポソ カ アイヌ ヌカㇻ コㇿ アン ア・シトマ ウェンカムイ ネヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ)=「岩を通してでも見える」という悪い神は,言葉の通りに岩を通しても人間を見ている恐ろしい化け物だそうだ.イㇱカㇻ エトコホ "ソウンペッ" アナㇰネ イタㇰ コラチ ウェンクッオンネ アイヌ カ アㇷ゚カㇱ エアイカㇷ゚=石狩川の源,「滝のある川」(層雲峡)は言葉通り絶壁なので,人間も歩くことができない. (出典:萱野、方言:沙流)
itak'ehoripi
イタㇰエホリピ 【itak-ehoripi】 力足を踏み進む,言葉と一緒に踏む. シㇼウフイオカタ カムイケゥェホムス アンヒタアナㇰネ オッカヨウタㇻ エムシコㇿカネワ イタㇰエホリピㇷ゚ ネルウェネ アワ=火事の後などには,男たちは刀を手に持ってしゃべりながら力足を踏むものであった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
itak'enini
イタㇰエニニ 【itak-enini】 どもる.▷イタㇰ=言葉 エ=それ ニニ=縮む →言葉が縮まってしまう (出典:萱野、方言:沙流)
itak'esosnare
イタㇰエソㇱナレ 【itak-esosna-re】 話題を変える. アイヌ アナㇰネ ホイェ エオㇷ゚ ネ コㇿカ ヘカッタㇻ アン コㇿ "アペケㇱ オカ ナ" シコㇿ ネ ワ イタㇰエソㇱナレパ=アイヌは猥談を言うけれど,子供がいると「燃えさしがいるぞ」と言って,言葉の向きを変えるものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
itak'eutcikep
イタㇰエウッチケㇷ゚ 【itak-e-utcike-p】 ものを言うのに度胸がない. ネㇷ゚ アン ヤッカ イタㇰエウッチケ ㇷ゚ ネ クス ア・コパㇱロタ コㇿ ア・コオㇿスッケ アクス タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ピㇼカ ア ワー=何があってもものを言うのに度胸がないので,叱りつけながら励ましたら,今度はよかったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
itak'eyukar
イタㇰエユカㇻ 【itak-e-yukar】 口真似をする. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) コナハ(ク・オナハ) ク・トゥラ ウニウェンテ オッタ(オㇿ タ) カㇻパ(ク・アㇻパ) チュニ(チ・ウニ) ウン ホシッパ・アㇱ ヒ タ コイカ ウン ウタㇻ エネ エネ イタㇰ パ セコㇿ イタㇰエユカㇻ ワ エン・ヌレ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が少年時代,父に連れられ川でおぼれて死んだ人の葬式に行き,家へ戻りながら,「静内の(=東に住む)人たちはこのようにこのようにしゃべった」と口真似をして私に聞かせたものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
itak'ikkew
イタㇰイッケウ 【itak-ikkew】 言葉の真髄.▷イタㇰ=言葉 イッケウ=背骨 (出典:萱野、方言:沙流)
itak'ipe
イタㇰイペ 【itak-ipe】 言葉の中身,言葉の意味. パウェトㇰ コㇿ クㇽ ネ ㇷ゚ ネ クス タㇰネ イタㇰ ネ コㇿカ イタㇰイペ ピㇼカ ハウェ ケオクンヌレ(ク・エオクンヌレ)=雄弁な人なので,短い言葉ではあったが言葉の中身がよかった.私は感心した.←イタキペ (出典:萱野、方言:沙流)
itak'ukoyki
イタㇰウコイキ 【itak-ukoyki】 口げんか. (出典:萱野、方言:沙流)
itakanakka
イタカナッカ 【itak anak ka】 と言っても. ワッカウㇱカムイ イタカナッカ チューラッペマッ カムイ カッケマッ=水の神と言っても瀬を司る女.神の淑女(水の神の本当の名前). (出典:萱野、方言:沙流)
itakcinki
イタㇰチンキ 【itak-cinki】 遺言.▷イタㇰ=言葉 チンキ=裾 (出典:萱野、方言:沙流)
itakciskar
イタㇰチㇱカㇻ 【itak-cis-kar】 言葉で(口で叱られただけで)泣く. ソンノ エネ ポロ シリヒ アン ワ オラウン ポンノ ネㇷ゚カ ア・イェ コㇿ イタㇰチㇱカㇻ=本当にこのように大きい体をしているくせに,少し何か言うと言葉だけで泣く. (出典:萱野、方言:沙流)
itakhaw
イタㇰハウ 【itak-haw】 話し声. イタㇰ ハウ コンナ チャロトッケ=がやがやとした話し声(大勢の声なので話の内容は聞き取れないが,人声がするという場合). (出典:萱野、方言:沙流)
itakipe
イタキペ 【itak-ipe】 言葉の意味,言葉,言語. アウン ウナㇻペ パケトゥナㇱ ペ ネ クス イタキペ ア・エランペウテㇰ=隣のおばさんは早口でしゃべるものだから,言っている言葉の意味が私はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
itakkes ta
イタㇰケㇱ タ 【itak-kes ta】 言葉のしまいに. (出典:萱野、方言:沙流)
itakkosinonruki
イタㇰコシノンルキ 【itak-ko-si-non-ruki】 言葉を呑む.▷イタㇰ=言葉 コ=それ シ=自ら ノン=唾 ルキ=呑む →言葉を唾とともに呑み込んでしまう ア・エカシヒ ネㇷ゚ カ イェ ルスイ ワ ネ ノイネ イタㇰコシノンルキ アイネ イ・コヘタリ "ア・ミッポホ エキㇺネ ワ イセポ ヘネ チロンヌㇷ゚ ヘネ ウㇰ ワ エㇰ" シコロ イェ=私の祖父は何か言いたいらしく,言葉を呑んでいたが,私に顔を向けて,「孫よ,山へ行ってウサギでも狐でも獲ってこい」と言った. (出典:萱野、方言:沙流)
itakkosipasnu
イタㇰコシパㇱヌ 【itak-ko-sipasnu】 言葉が際立っている. ソンノ エアシㇼ アヌン ニㇱパ イタㇰコシパㇱヌ ハウェ ア・エラヤㇷ゚=本当によそから来られた方の言葉が際立っている様子,感心なことだ. (出典:萱野、方言:沙流)
itakkutcama
イタㇰクッチャマ 【itak-kut-sama】 話し方.▷イタㇰ=話す クッ=喉 サマ=前,様子(イタㇰクッサマ→イタㇰクッチャマ) クチャ チセ オッタ(オㇿ タ) レウシアナクス(レウシ・アン アクス) カムイ メノコ ウコイタㇰ ハウェ ア・ヌ イタㇰクッチャマ ペケㇾ ワ オケレ オヤチキ スㇽク トノ マッ ネ アアン=狩小屋に私が泊まっていたら,神の女が話をしていたのを聞いたが,話し方がとてもきれいであった.知らなかったがトリカブト姫であった[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
itakmakkuste
イタㇰマックㇱテ 【itak-mak-kuste】 遠回しに言う.▷イタㇰ=言葉 マㇰ=奥 クㇱテ=通す カㇽク ネ ヤ マッカㇽク ネ ヤ ア・カㇱパオッテ ヒ タ アナㇰネ イテキ ア・コイキノ ピㇼカノ イタㇰマㇰクㇱテ・アン ペ ネ ナ アニー=甥や姪に意見をする時は,怒ったりせずに,よく遠回しに言うものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
itakmuye
イタㇰムイェ 【itak-muye】 言い含める,言葉をその人に授ける. ▷イタㇰ=言葉 ムイェ=授ける タパンオルシペ エチコイタㇰムイェ ネワネヤッネ イテキオイラノ ウルオカタ ウルオカタ エラマンワ アンアニー=この話をお前たちに授けるので,忘れずに次から次と覚えておいてくれるんだよ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
itakomare
イタコマレ 【itak-omare】 言葉を加える.▷イタㇰ=言葉 オマレ=入れる(イタㇰオマレ→イタコマレ) (出典:萱野、方言:沙流)
itakramat
イタㇰラマッ 【itak-ramat】 言葉の魂. アイヌ イタㇰ アナㇰネ ラマッ コㇿ ワ コエトゥレンノ ケマ コㇿ ペコㇿ パㇻ コㇿ ペコㇿ イタㇰラマッ シネンネ アㇷ゚カㇱ ペ ネ ルウェ ネ ワ=人間の言葉というものは魂を持っていて.それとともに足があるように,口があるように,言葉の魂がひとりで歩くものなのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
itaksura
イタㇰスラ 【itak-sura】 遺言(する).▷イタㇰ=言葉 スラ=放す ソンノ オンネ フチ ヤイェラメコモ ワ イタㇰスラ ヤㇰ ア・イェ=本当に年寄りのおばあさんが自分自身を諦めて,遺言をしたそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
itaktakusa
イタㇰタクサ 【itak-takusa】 言葉の清め草,言葉で清める. ▷イタㇰ=言葉 タクサ=清め草 *昭和36年6月に過労のために私は入院した.その時に見舞いに来てくださったのが貝澤前太郎さんでしたが,アイヌ語で次のように言ってくれた. ネㇷ゚クスネヤ ペゥレアイヌ エネワオラーノ ネㇷ゚タスミ エキヒネヤッカ イタㇰタクサ タクサアニ エカクキッ ネワネヤㇰネ イットコラチ エニサㇱヌナ……(何のために若いあなたでありながら,何の病気をしたというのか.言葉の清め草,その清め草で私があなたを祓い清めると,あっという間に元気になるでありましょう……)と言葉ひとつで祓い清めてもらって,数日後に退院できたので,イタㇰタクサは忘れられない言葉になった.平成14年1月に冬青社より出版された私の本の題名に選んだ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
itakte
イタㇰテ 【itak-te】 しゃべらせる. (出典:萱野、方言:沙流)
itaktokkese
イタㇰトッケセ 【itak-tokkese】 語尾. "アイヌ イタㇰ オッタ(オㇿ タ) イタㇰトッケセ ウネノアン イタㇰ レㇷ゚ イェ ワ エン・ヌレ" "シレトㇰ パウェトㇰ ラメトㇰ ネ ワ"=「アイヌ語の中で,語尾が同じ言葉を三つ言って聞かせてくれ」「器量,雄弁,度胸だよ」 (出典:萱野、方言:沙流)
itanciki
イタンチキ 【itanciki】 床(ゆか). (出典:萱野、方言:沙流)
itanki
イタンキ 【itanki】 椀,茶碗(木製). エメㇱケ ポイス エメㇱケ イタンキ ウㇽキオ たんぜん ク・コㇿ ペ ネ ナ かかあならんか ふうふならんか=欠けた小鍋に欠けたお椀にシラミのたかった丹前を私は持っている.かかあになってくれ,夫婦になってくれ.*昭和10年頃近所の二谷栄治さんという青年が,この歌を歌って嫁を貰ったと自分を揶揄していた.アイヌ語と日本語が混じっている.図23[イタンキ] (出典:萱野、方言:沙流)
itankikem'askepet
イタンキケㇺアㇱケペッ 【itanki-kem-askepet】 人差し指. *明治時代までは鹿肉やサケも豊富かつ自由に獲れたので,主食は肉や魚であったと思う.したがって肉汁や魚汁を食べた後で口直しにお粥を食べた.その時にお椀の内側についた粥を人差し指で嘗め取った.舌で嘗めることは下品なこととされ,舌でぺろっと嘗めるとうんと叱られた.嘗めたいならば人差し指でお椀の内側を撫で,その指を嘗めることになっている.それで椀を嘗める指と名づけられた.▷イタンキ=椀 ケㇺ=嘗める アㇱケペッ=指 (出典:萱野、方言:沙流)
itankikosip
イタンキコシㇷ゚ 【<itanki-ko-hosipi】 お代わりをする.▷イタンキ=お椀 コ=それを ホシピ=戻る→お椀がお給仕する人と食べる人の間を行ったり来たりする ヒナコㇿ ウェン ヤㇰ イェ コㇿ アサマリイタンキ エイタンキコシㇷ゚ ペ アン=どこが悪いと言いながら,(よくもまあ)底高漆塗り椀でお代わりをするものだなあ. (出典:萱野、方言:沙流)
itaomacip
イタオマチㇷ゚ 【ita-oma-cip】 板付け舟. (出典:萱野、方言:沙流)
itapiru
イタピル 【ita-piru】 床拭き(をする).▷イタ=床 ピル=を拭く クポニタ(ク・ポン ヒ タ) 字校 オッタ(オㇿ タ) イタピル・アン マタ ネ コㇿ ア・ピㇼパ オカケ ルプㇱ ワ アㇻパ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の時,字校で床拭きをした.冬であれば,拭いた後が,すぐに凍っていったものだったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
itasaitak
イタサイタㇰ 【itasa-itak】 答える,返答. アヌン コタン ワ エㇰ ウタㇻ エアㇻキンネ パウェトㇰ パテㇰ ウタペラリ.イタサイタㇰ アナㇰネ エチ・サラマ ナ=よその村から来られた方々は本当に雄弁な者ばかりが肩を接して来ている.答えることはお前に任せるよ.*昭和10年頃に静内の月元さんという人が水死した時に,鹿戸ヨンケさんが父に言った言葉である. (出典:萱野、方言:沙流)
itasare
イタサレ 【i-tasa-re】 取り替える,交換する. ク・ケリヒ ネンカ イタサレ ワ アㇻパ ノイネ イサㇺ ナ フナラ ワ エン・コレ=私の履物を誰か取り替えて行ってしまったらしく,ないから捜してくれ.ク・コㇿ トンカ ネ クナㇰ ク・ラム ワ ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アクス アチャポ コㇿ ペ ネ ア ナ.アㇻパ ワ イタサレ ワ エㇰ=私の鍬だと思って持って来たら,おじさんの持ち物だった.行って交換して来い. (出典:萱野、方言:沙流)
itasasa
イタササ 【itasasa】 痛いよう. カㇱケペチヒ(ク・アㇱケペチヒ) トゥチ アニ ク・キㇰ.エアㇻキンネ ヘセヘセ ペコㇿ アㇻカ.イェオッ ノイネ ネ ナ ヌカㇻ ワ エン・コレ ハイー!イタササ イタササ=私の手の指を槌で叩いた.本当にどっきんどっきんと痛い.膿を持っているらしいから見てくれ.あー痛いよう,痛いよう. (出典:萱野、方言:沙流)
itaso
イタソ 【ita-so】 (板の)床(ゆか). (出典:萱野、方言:沙流)
itastasa
イタㇱタサ 【i-tastasa】 口答え(する).抗弁(する). ネㇷ゚カ ア・カレ ヤッカ ソモ カㇻ ノ アン ウヌフ オㇿ ワ ア・コイキ コㇿ イタㇱタサ コㇿ アン=何か仕事をさせてもやりもせず,母親から叱られると口答えをしている. (出典:萱野、方言:沙流)
itatani
イタタニ 【i-tata-ni】 まないた,肉切り台.▷イ=それ タタ=刻む,切る 二=木 図22[イタタニ] (出典:萱野、方言:沙流)
itatayar
イタタヤㇻ 【i-tata-yar】 木の皮の器. ア・アキヒ ユㇰ スマウコㇿ イタタヤㇻ オンナイケ タ イタタニ ア・アシ ユㇰ ポネ ア・タタ ヒネ ポネ ルㇽ ア・カㇻ ヒネ ポロンノ ア・エ=私の弟が鹿を獲ったので,木の皮の器の中へ肉切り台を立てて,鹿の骨を切り刻んで骨汁を煮てたくさん食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
iteki
イテキ 【iteki】 〜してはいけない,〜するな,だめ. イテキ アㇻパ=行ってはだめ.イテキ オピッタ エ ノ ポンノ アヌ.エ・サハ イペルスイ コㇿ エㇰ ナンコㇿ ナ=全部食べないで少し残せ.お前の姉が腹をすかせて来るであろうから.イッカ アナㇰネ ネㇷ゚ アッカリ カムイパㇷ゚プリ ネ ナ.イテキ イッカ・アン ペ ネ ナ.ヌ ワ オカ ヤン=盗みというものは何よりも神に罰せられるものなのだ.絶対に盗みをしてはならないものだ.聞いておきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
iteki iteki
イテキ イテキ 【iteki iteki】 だめ,だめ! イテキ イテキ コㇿ ワ アㇻパ アニー=だめだめ,持って行くな. (出典:萱野、方言:沙流)
itekika
イテキカ 【iteki ka】 だめよ. (出典:萱野、方言:沙流)
itemekikir
イテメキキㇼ 【i-teme-kikir】 尺取り虫.▷イ=それを テメ=計る キキㇼ=虫 (出典:萱野、方言:沙流)
itese
イテセ 【i-tese】 編む,ござ編みをする.▷イ=それ テセ=編む イテセアニタ(イテセ・アン ヒ タ) キナカワウセ コㇿ カイ ペ ネ クス アㇻスイネ ウォㇿ ア・クㇱテ ア・テイネカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ござを編む時にガマ草が乾いていると折れるものだから,1回だけさっと水の中を潜らせ濡らすといいものだよイテセ エアㇱカイ ペ イテセ コㇿ エソイネ ワ カ ピッ フㇺ ア・ヌ ㇷ゚ ネ=ござ編みの上手な者がござを編んでいると,家の外からでも重り石の音が聞こえるものだよ.テーエタ アナㇰネ フチ ウタㇻ イテセ ネ ヤ イシタイキ ネ ヤ キ ヒ タ ワッカ エプルㇽセ パ ワ ネㇷ゚キ パ コㇿ オカ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=古い時代はおばあちゃんたちが袋物を編んだり厚司を織る時は,口に水をふくんで霧吹きをして仕事をしていたのを私は見た覚えがある. (出典:萱野、方言:沙流)
iteseka
イテセカ 【i-tese-ka】 織り糸,編み糸:ニペㇱ(シナの皮)で作る.▷イ=それを(=ござ,袋) テセ=織る カ=糸 ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) カムイ メノコ イテセカ エカ シリ エネ アニ "オトゥ カ シンコㇷ゚ オレ カ シンコㇷ゚ ランケ ランケ" セコㇿ カネ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=昔話の中で神の女が織り糸を撚る様子は,「ふたつの糸端三つの糸端下げ下げ」と描写されているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iteseni 1
イテセニ 【iteseni】 ①織り用目盛板. (出典:萱野、方言:沙流)
iteseni 2
イテセニ 【iteseni】 ②ござ編み機:イテセニはフㇷ゚(トドマツ)で,イテセニチキㇼ(脚)はネㇱコ(クルミ)で作る. 図[イテセニ] (出典:萱野、方言:沙流)
itesenicikiri
イテセニチキリ 【iteseni-cikiri】 織り用の板を取りつける足. (出典:萱野、方言:沙流)
itnetuye 1
イッネトゥイェ 【it-ne-tuye】 ①真っぷたつにする,ふたつに切る. ユㇰ オアッタㇷ゚キㇼ(オアㇻ タㇷ゚キㇼ) ク・イッネトゥイェ=鹿の片足を真っぷたつに私は切った. (出典:萱野、方言:沙流)
itnetuye 2
イッネトゥイェ 【it-ne-tuye】 ②横切る. ポンシトゥ ア・イッネトゥイェ ワ イカ・アン=小さい峰を私は横切って越えて行った. (出典:萱野、方言:沙流)
itokpa
イトㇰパ 【i-tokpa】 印. ク・コㇿ イトㇰパ アナㇰネ レ イペシㇱテ カシ タ アㇱペ ノカ アン ルウェ ネ=私の印は,3本筋の上に背びれの形があるんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
itomkokanu
イトㇺコカヌ 【i-tom-kokanu】 任せる,委任する,指示を待つ.▷イ=それの(=その人) トㇺ=下,方 コカヌ=耳を傾ける →その人の言うことに耳を傾ける,従う. タパン ハワㇱ アナㇰネ ホカンパ ナ コタンコㇿクㇽ ア・コシ イトㇺコカヌ・アン ペ ネ ナ=この話は難しい話なので,村おさの言うことに従い任せることにしよう.タネノアン ユㇷ゚ケ ロルンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ キヤンネクㇽ トモ ア・コカヌ コㇿ ピㇼカ ナ イトㇺコカヌ ヤン=このように重大な行事の時には,年上の人の指示に耳を傾けるといいものだから,皆で指示を待ちなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
itomoitak
イトモイタㇰ 【i-tomo-itak】 仲裁(する).▷イ=それの(=けんかしている者) トモ=方 イタㇰ=言う アウン ペウレ ウムレㇰ ウコイキ コㇿ オカ ナ アㇻパ ワ イトモイタㇰ ワ エㇰ=隣の若夫婦がけんかしていたから,行って仲裁して来い. (出典:萱野、方言:沙流)
itomoitak
イトモイタㇰ 【i-tomo-itak】 仲裁する,二人の中へ入って和解させる. ▷イ=その人たち トモ=~の方に イタㇰ=言う ネㇷ゚クスネヤ ウパゥレコロ オカヒクス イヌアンワ イトモイタㇰアン=何の事か知らないが言い争っていたので,訳を聞いて仲裁した.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
itomot
イトモッ 【i-tomot】 猟運が強い. マチヒ ホンコㇿ コㇿ イトモッ クㇽ カ オカ ソモ イトモッ クㇽ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=妻が妊娠すると猟運が強くなる人もいるし,猟運に恵まれない人もいるのだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
itomotkur
イトモックㇽ 【i-tomot-kur】 猟運の強い人.▷イ=それ(=獲物) トモッ=出会う,遭遇する クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
itomunpuyar
イトムンプヤㇻ 【i-tom-un-puyar】 家の外から見て右側の窓,入り口からふたつ目の窓,光を受ける窓.▷イ=それ トムン=光る プヤㇻ=窓 (出典:萱野、方言:沙流)
itononte
イトノンテ 【i-tonon-te】 乳を飲ませている. チェㇷ゚ フㇺ ヘネ カㇺ フㇺ ヘネ アン チキ マッネ セタ コレ イトノンテ ノイネ トカㇷ゚ラチチ=魚の片でも肉片でもあったら,雌犬にくれてやれ.乳を飲ませているらしく,乳房が下がっている. (出典:萱野、方言:沙流)
itonontep
イトノンテㇷ゚ 【i-tonon-te-p】 子供に乳を飲ませているもの. トアン マッネ セタ イトノンテㇷ゚ ネ ㇷ゚ ネ クス イペルスイ ワ ネ ノイネ エケシンネ イヘネヌ コㇿ ホユプ=あの雌犬は子犬に乳を飲ませているものだから腹がすいているらしく,あちこちかぎまわりながら走っている. (出典:萱野、方言:沙流)
itoseni
イトセニ 【itoseni】 ヤチハギ(ホザキシモツケ).*ずいが太いのでキセルのらおに用いた.何年か使うと赤みを帯びてきれいになる.昭和10年代私の父がよくこれを用いていた. ヤチ オッタ(オㇿ タ) アン ペ イトセニ ネ ワ テエ一タ アイヌ ウタㇻ アナㇰネ セリンポ ラオホ ネ エイワンケ パ フㇱコ コㇿ ルフレ ㇷ゚ ネ ア ワ=谷地に生えているのがヤチハギで,昔はアイヌたちがキセルのらおに使い,古くなると少し赤い色になったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
itto
イット 【itto】 日帰り,1日(で). ニサッタ アナㇰネ イット エキㇺネ ク・キ クスネ ナ トゥナㇱノ ホプニ クナㇰ ラム=明日は日帰りで山へ行くから,早く起きると思え. (出典:萱野、方言:沙流)
ittoekimne
イットエキㇺネ 【itto ekimne】 日帰りで山に行く. サッチェㇷ゚ ア・プㇱコシナ ワ イット エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ウパㇱルヤンペ ホラホチュウェ ウパㇱエシットゥライヌ・アン サッチェㇷ゚ ア・エ ワ キモレウシ・アン=乾いた魚を矢筒に縛って,日帰りで山に行ったら,すごい大雪が降り始めて,雪のために道に迷い,乾いた魚を食べて山で泊まった. (出典:萱野、方言:沙流)
ittokoraci
イットコラチ 【itto koraci】 日に日に.▷イット=1日 コラチ=同じように ク・ミッポホ イットコラチ ヘトゥク シリ ク・ヌカㇻ エアㇻキンネ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=私の孫が日に日に育つのを見て,本当に私は嬉しく思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
ittuye
イットゥイェ 【it-tuye】 近回りする. エクㇱネ ワ ユㇰ ア・ヌカㇻ ヒクス シㇼ イットゥイェ・アン ルスイ クス ウパㇱ トゥラノ アネチャララセ(ア・エチャララセ) ワ フㇽペㇱ・アン=向かい側に鹿が見えたので近回りしようと思い,雪と一緒に滑って坂を下った. (出典:萱野、方言:沙流)
itunnap
イトゥンナㇷ゚ 【i-tunna-p】 アリ〔昆虫〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ituren
イトゥレン 【i-turen】 憑き物が憑く.動物や物の霊が人間に乗り移ることをいう.その憑き物によって幸運になったり不運になったりすると言われる. (出典:萱野、方言:沙流)
iturenkamuy
イトゥレンカムイ 【i-turen-kamuy】 憑き神.▷イ=それ トゥレン=憑く カムイ=神 ア・シキヒ アニ ア・ヌカㇻ エアイカㇷ゚ コㇿカ アイヌ アナㇰネ シネ ンシネン イトゥレンカムイ アン ペ ネ ワ ネ カムイ ピㇼカ コㇿ エ・コマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワ=自分の目で見ることができないけれど.人間はひとりひとりに憑き神がいて,その神がいい神であればそれによって運がよくなるものだ.*人それぞれに必ず憑き神がいるものと信じられている. (出典:萱野、方言:沙流)
iturpuk'inkar
イトゥㇽプㇰインカㇻ 【iturpuk-inkar】 かすかに見える. イトゥㇽプㇰインカㇻ ポカ ク・キ ㇷ゚ ネ アㇷ゚ タネ ネㇷ゚カ ソモ ク・ヌカㇻ=かすかにだけは見えていたのに,今は全く何も見えない.*100歳近くなった時に私の祖母が言っていた言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
ituyeserehum
イトゥイェセレフㇺ 【i-tuye-serehum】 太刀風.▷イ=それを トゥイェ=斬る セレフㇺ=しゅっと音がする (出典:萱野、方言:沙流)
ituypap uype
イトゥイパㇷ゚ ウイペ 【i-tuypa-p uype】 人殺しの血統.*人を殺すような者は人間の屑.その血統は,人間の屑の血統といって,暗に蔑みの目で見られる.ユカㇻで敵を蔑む悪口としてよく出て来る言葉.▷イ=それを トゥイパ=斬る ㇷ゚=者 ウイペ=(〜の)屑 (出典:萱野、方言:沙流)
ituytuye
イトゥイトゥイェ 【i-tuytuye】 糠飛ばし(する):箕で糠をとばすこと. ク・イユタ アイネ ク・シンキ ナ アㇻパ ワ エノカリ(エン・オカリ) イトゥイトゥイェ ワ エン・コレ=私は搗き物をして疲れたので,代わりに行って糠飛ばしをしてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
iwa
イワ 【iwa】 岩,岡. (出典:萱野、方言:沙流)
iwak
イワㇰ 【iwak】 帰る. アㇷ゚ト アㇱ ノイネ シㇼキ ナ アㇷ゚ト エトㇰ タ イワカン(イワㇰ・アン) ロー=雨が降って来そうなので,雨の(降る)前に帰りましょう.タネ ク・ポホ イワㇰ クニ ク・ラム ク・テレ ワ カン(ク・アン) ヤッカ イワㇰ モイレ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ)=息子がもう帰るであろうと思って私は待っているけれど,帰りが遅いので気にしている. (出典:萱野、方言:沙流)
iwakene
イワケネ 【iwa-kene】 ヤマハン〔植〕.▷イワ=山 ケネ=ハンノキ (出典:萱野、方言:沙流)
iwakikinni
イワキキンニ 【iwa-kikinni】 ナナカマド. (出典:萱野、方言:沙流)
iwakosimpu
イワコシンプ 【iwa-kosimpu】 山の妖精.▷イワ=岩山 コシンプ=妖精 コシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ルㇽ コシンプ イワコシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ オカ クニネ ネ ワ メノコ ネ カ オカ オッカヨ ネ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=妖精というものには,海の妖精.山の妖精というものがいて,(時によっては)女にもなり男にもなっているものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iwakte
イワㇰテ 【iwak-te】 帰す,神の国へ送る. コㇱネ カムイ ネ コㇿカ エイタサ アンオホロ イワㇰ ルスイ ノイネ ク・ウェンタラㇷ゚ ナ ニサッタ ア・イワㇰテ ロー=位の低い神ではあるけれど,あまり永く居すぎて帰りたいらしい夢を私はみたので,明日帰すことにしよう.テエータ ナ ク・ポン ラポㇰ タ アナㇰネ セタ ウォセ コㇿ "パヨカカムイ ホトゥイェカㇻ シㇼ ネ" セコㇿ ネ ワ イシㇺケト タ ア・イワㇰテ パ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=ずーっと昔,私が少年時代は,犬が遠吠えをすると「病気の神を呼んでいる」といって翌日神の国へ送るために殺していたのを見たものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
iwan
イワン 【iwan】 6の. (出典:萱野、方言:沙流)
iwan aynu ikiri eposo ekasi
イワン アイヌ イキリ エポソ エカシ 【iwan aynu ikiri e-poso ekasi】 物知りのおじいさん。▷イワン=6 アイヌ=人 イキリ=列、縫い目 エ=それ ポソ=潜る エカシ=老人、男の年寄り→人間6代を生きた老人、物知りとして大切にされる。 (出典:萱野、方言:沙流)
iwanhot
イワンホッ 【iwan-hot】 120 (出典:萱野、方言:沙流)
iwani
イワニ 【iwa-ni】 アオダモ〔植〕.*昔,この木の皮を剥ぎ煎じて煮つめ,その汁を傷をつけた唇にしみこませて刺青にした.また山奥で熊を獲った時,ヤナギやミズキがない場合は,この木でイナウを作った. (出典:萱野、方言:沙流)
iwaniw
イワニュー(イワニウ) 【iwan-iw】 6人. イワニュー ネ=6人で. (出典:萱野、方言:沙流)
iwanke
イワンケ 【iwanke】 元気・壮健・達者・健康(だ). ウパキターラ エチ・オカ ヤー? "チョカ カ イワンケノ オカ・アㇱ"=「変わりなくお前たちはいたかい?」「私たちも元気でいたよ」イワンケノ アン=達者でいた.オホンノ ソモ ウヌカㇻアナ(ウヌカㇻ・アン ア) ワ イワンケノ エチ・オカ ルウェ ネ ヤー=しばらく会わなかったが,お前たちは達者でいたかい? (出典:萱野、方言:沙流)
iwankewitak
イワンケウイタㇰ 【iwan-kew-itak】 六つのかばね言葉:ありもしないいがかりをつける場合に並べる言葉[ユ]. スンケ チャランケ イッカ チャランケ ネ ヒ オロ タ ア・イェ イタㇰ スッケウイタㇰ イワンケウイタㇰ エカㇱケウイタㇰ イワンケウイタㇰ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=嘘のいいがかり,盗みのいいがかり,その中で言われる言葉は,祖母のかばね,六つのかばね,祖父のかばね,六つのかばねというものだ(そう難しい意味ではなく,イプㇱイタㇰ=枕詞の一種である:しゃべる時に最初に言う言葉). (出典:萱野、方言:沙流)
iwanpe
イワンペ 【iwan-pe】 六つ. (出典:萱野、方言:沙流)
iwanto
イワント 【iwan-to】 六日. (出典:萱野、方言:沙流)
iwaposoinkar
イワポソインカㇻ 【iwa-poso-inkar】 化け物(岩を透かして見る化け物).▷イワ=岩 ポソ=透かす インカㇻ=見る イワポソインカㇻ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ イタㇰ コラチ イワ オポソ カ アイヌ ヌカㇻ コㇿ アン ア・シトマ ウェンカムイ ネヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ)=「岩を通してでも見える」という悪い神は,言葉の通りに岩を通しても人間を見ている,それは恐ろしい化け物だそうだ.*想像上の化け物なのでその姿はわからない.この話は貝澤トロシノさんとその娘であった貝澤みよさんが聞かせてくれたものだ.この化け物と対になりそうなペポソインカㇻ(水を通して見る)というものもある. (出典:萱野、方言:沙流)
iwarasampe
イワラサンペ 【iwa-raw-sampe】 化け物(岩の底にいる化け物).▷イワ=岩 ラウ=底 サンペ=心臓 イワラサンペ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ マカン カッコㇿ ペ ネ ヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=「岩の下の心臓」という悪い神は,どのような姿をしているものか私にはわからない.*想像上の化け物なのでその姿はわからない.この化け物と対になるそうな名のものにトラサンペ(湖の下の心臓=マリモ)がある. (出典:萱野、方言:沙流)
iwasi
イワシ 【iwasi】 イワシ. (出典:萱野、方言:沙流)
iwasisum
イワシスㇺ 【iwasi-sum】 イワシ油. ペッマメ アハㇺネスパ ワ イワシスㇺ ヘネ ア・ウシ ワ ア・エ コㇿ ケラピㇼカ ㇷ゚ ネ=青さやのままの豆をまるごと煮てイワシ油などつけて食べると味がいいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iwatarap
イワタラㇷ゚ 【iwatarap】 赤子,赤ん坊.乳のみ子. ナー イワタラㇷ゚ ネ ラポㇰ タ ア・ホッパ ㇷ゚ ネ クス ネ ㇷ゚ ポーカ ア・パㇻヌンヌンテ ワ ア・レス パㇱテッテㇾケ パㇰノ ポロ ルウェ ネ ワー=まだ赤子のうちに遺された者なのでいろいろな物を口移しにして育て,よちよち歩きするまでに大きくなったのだよ.イワタラㇷ゚ アナㇰネ チㇱ ヒ タ シㇰトココ ワ チㇱ ヒ アナㇰネ ネㇷ゚カ ヌカㇻ ワクス イキ ヒ ネ ワ ア・エヤㇺ ペ ネ=赤子が泣く時に目をぱっちり開けて泣くのは何か化け物が見えているのだから大切にするものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
iwatopeni
イワトペニ 【iwa-tope-ni】 ソネ(アカシデ). (出典:萱野、方言:沙流)
iwaw
イワウ 【iwaw】 硫黄. (出典:萱野、方言:沙流)
iway/iwaye(he) 1
イワイ/イワイェ(ヘ) 【iway/iwaye(he)】 ①贈り物(御祝儀). タント アナㇰネ ロㇿ オシライェ エエトホ ネ クス ポンノ ネ コㇿカ イワイェヘ エチ・コプニ ナ.ヤイキムイ カ ノミ ワ エン・コレ=今日は床上げの日なので少しではあるが贈り物を差し上げます.自分自身の憑き神を祭ってください. (出典:萱野、方言:沙流)
iway/iwaye(he) 2
イワイ/イワイェ(ヘ) 【iway/iwaye(he)】 ②祝い. タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ タ ク・ポホ マテトゥン(マッ エトゥン).イワイェ ク・キ ルスイ ナ エㇰ アニー=この月が円くなる頃に私の息子が嫁を貰う.祝いをしたいので来てね. (出典:萱野、方言:沙流)
iwente
イウェンテ 【iwente】 人間を悪くする.▷イ=それ(人間)を ウェン=悪い テ=させる コシンプ アイヌ トゥレン コㇿ イピㇼカレ ㇷ゚ カ オカ イウェンテ ㇷ゚ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ネヒ ア・エラマン ワ ラム ア・クットコレ コㇿ シノ ピㇼカ ㇷ゚ ネー シコㇿ=妖精が人間の憑き神になると憑いた人間をよくする者もいるが悪くする者もいるという.それを覚えて思いを反対にする(=逆に利用する)と本当にいいものだということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iwentemat
イウェンテマッ 【i-wente-mat】 悪妻. ホカパル イウェンテマッ=座る時に灰を舞い上げる悪い妻.イロンナピウェ イウェンテマッ=座る時に私を上座へ押しつける悪い妻.イスエチレ イウェンテマッ=陰部の熱い悪い妻.イラマッコスイェ イウェンテマッ=性交の時に私の魂とともに振り回す悪い妻(=持ち上げのいい妻).イシケオプシ イウェンテマッ=髪の間から私を穴のあくほどにらみつける悪い妻. (出典:萱野、方言:沙流)
iwentep
イウェンテㇷ゚ 【i-wen-te-p】 悪鬼,悪魔.▷イ=それ(人)を ウェン=悪い テ=させる ㇷ゚=者 (出典:萱野、方言:沙流)
iwor 1
イウォㇿ 【iwor】 ①深山,奥山. (出典:萱野、方言:沙流)
iwor 2
イウォㇿ 【iwor】 ②狩場:狩に行く時の自分の持っている場所.行きつけの山ふところ. エイタサ イウォㇿ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォㇿ ホタヌカㇻ クス エキㇺネ・アン キムンペ アピㇼ シッチニナニナ ア・エヤイコプンテㇰ=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場を見舞うために山へ行くと獲物の足跡があたり一面にこちゃこちゃとあって私は喜んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iworosunku
イウォロスンク 【iwor-o-sunku】 アカマツ.▷イウォㇿ=ずうっと山奥 オ=にある スンク=エゾマツ →山奥に生えているエゾマツ (出典:萱野、方言:沙流)
iwose
イウォセ 【i-wose】 籾(もみ)にする. キ カ タ アン ピヤパ カウレ ナ キ ランケ イウォセ・アン ナ=火棚の上のヒエが乾燥したので簾を下ろせ,籾にしよう.ウナㇻペ エ・アン シリー.キヨリヨ ワ カナ(カン ア) ピヤパ カウレ ワ アン クス ク・イウォセ ルスイ ナ エン・カスイ=おばさんよ,いたのかい.火棚に載せてあったヒエが乾いているので穂から籾にしたいから手伝って. (出典:萱野、方言:沙流)
iyahunke
イヤフンケ 【i-ahunke】 人を招待する.▷イ=それ(人)を アフンケ=入れる (出典:萱野、方言:沙流)
iyahup
イヤフㇷ゚ 【i-ahup】 (催促して)貰う. (出典:萱野、方言:沙流)
iyahupkar
イヤフㇷ゚カㇻ 【i-ahup-kar】 (〜を)貰いたがる. (出典:萱野、方言:沙流)
iyahupkur
イヤフㇷ゚クㇽ 【i-ahup-kur】 乞食. エソイネ イヤフㇷ゚クㇽ エㇰ シリ イキ ナ.ネㇷ゚カ コチャリ=外へ乞食が来ている様子だ.何か恵んでやれ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyahuppe
イヤフッペ 【i-ahup-pe】 乞食. イテキ イテキ ネㇷ゚キ パ カ ソモ キ ノ エㇷ゚ イサㇺ パ ヤㇰ イェ イヤフㇷ゚ペ コラチ イキ パ.ア・エラムニㇱテ ペコㇿ ア・カㇻ ヤㇰ イキヤーヌン ネㇷ゚キ パ ナ=だめだめ,働きもしないで食べ物がないと言って乞食のようにしている.冷たい態度をとるふりをしてやったほうが,もしやのこと働くから.ヒナㇰ ワ エㇰ イヤフㇷ゚ペ オペッペッケ アミㇷ゚ ミ カネ ㇷ゚ エㇰ ヒネ ヤイェヤントエトゥン=どこから来た乞食なのか,ぼろぼろの着物を着て,泊めてくれと言った. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaknekur
イヤㇰネクㇽ 【i-ak-ne-kur】 弟のほう.▷イ=その アㇰ=弟 ネ=である クㇽ=人 タㇷ゚イキクㇽ イヤㇰネクㇽ ネ ルウェ ヘー?=今来た人は弟なのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
iyapaoposore
イヤパオポソレ 【i-apa-o-posore】 窺う,覗く.▷イ=それを アパ=戸 オ=そこで ポソレ=潜らせる →目を戸の隙間から潜らせる パコカヌ イヤパオポソレ パㇰノ ア・シトマ ㇷ゚ イサㇺ ペ ネ.イヨㇱマケ(イ・オㇱマケ) ワ ネㇷ゚ エㇰ ヤッカ ア・エランペウテㇰ ウェンカムイ イユㇰ(イ・ウㇰ) エアㇱカイ ペ ネ ナ=立ち聞きと戸口から覗くことほど恐ろしいことはない,後から何か来ても知らずに,悪い神にとられやすいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyapo
イヤポ 【iyapo】 父. *私の母の実家があった沙流郡門別村山門別(現在は倉富)では,父のことをイヤポと呼んでいた.二風谷ではイヤポと言ったのを聞いたことがない.鵡川中流の穂別町ルペㇱペ(現在は和泉)でも父のことをイヤポと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
iyasinke
イヤシンケ 【i-asinke】 賠償する. ホッノ イヨーハイ イキヤ オッカヨ スイ メノコ エパコアッ ワ ポーロ イヤシンケ ヒ ク・ヌ ケオクンヌレ(ク・エオクンヌレ)=本当にたまげてしまった.あの男がまたしても浮気がばれて大きく賠償を出したと聞き,私はあきれてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
iyasis
イヤシㇱ 【iyasis】 怒っている. (出典:萱野、方言:沙流)
iyasishaw
イヤシㇱハウ 【iyasis-haw】 あの野郎どうしたものだ.▷イヤシㇱ=怒っている ハウ=声 (出典:萱野、方言:沙流)
iyasiskar
イヤシㇱカㇻ 【iyasis-kar】 悪口を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaskeani
イヤㇱケアニ 【i-aske-ani】 招待される.▷イ=それ アㇱケ=手の指 アニ=持つ ペナコリ タ イヨマンテ アン ヤㇰ ア・イェ ア・イヤㇱケアニ=ペナコリ(村の名前)で熊送りがあるそうで,私は招待された. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaskeuk
イヤㇱケウㇰ 【i-aske-uk】 招待する.▷イ=それ アㇱケ=手の指 ウㇰ=取る *入口まで出迎え,手を取って招じ入れるのが客に対しての礼儀であるとの考えから. ア・コㇿ コタン タ イヨマンテ アン クス イヤㇱケウㇰ・アン=私たちの村で熊送りがあるので,人を招待した.アヌン コタヌン(コタン ウン) イヤㇱケウㇰ クス アㇻパアニ(アㇻパ・アン ヒ) タ アナㇰネ シネンネ ソモ アㇻパ・アン ペ ネ ナ=よその村へ人を招待に行く時は,ひとりだけで行くものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaskeuk sonko
イヤㇱケウㇰ ソンコ 【i-aske-uk-sonko】 招待の言葉.招待には気の利いた若者をふたり行かせる.まちがいなく言ったかどうかを,もうひとりがそばで聞いていることになっている.▷イヤㇱケウㇰ=招待する ソンコ=口上,口で言うこと (出典:萱野、方言:沙流)
iyaskeukkur
イヤㇱケウックㇽ 【i-aske-uk-kur】 (客を)招待しに行く人. (出典:萱野、方言:沙流)
iyay
イヤイ 【iyay】 危ない. ク・コㇿ ション イヤイ ナ イテキ ニテㇰ アネ ウㇱケ パㇰノ アㇻパ アニー=ぼうや,危ないから,木の枝の細い所まで行くんでないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaykipte
イヤイキㇷ゚テ 【i-yaykipte】 危険(である).危ない. タパヌㇱケ(タパン ウㇱケ) アナㇰネ タネ シㇼホルッケ アンキ アン.イヤイキㇷ゚テ ナ イテキ エチ・カランケ クニ ラム ヤン=この場所は今にも地滑りが起きそうだ.危険なので,絶対にお前たちは近寄ると思うな.ネノ アン ヤㇰネ アㇷ゚ト アㇱ コㇿ イヤイキㇷ゚テ ナ ナイェノイェ ワ アヌ アニー=このままだと雨が降ったら危険なので,沢(筋)を曲げておいてくれよ.エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェ ヘ アン.タント アナㇰネ シシㇼクンネ カ キ イヤイキㇷ゚テ ナ イワカン(イワㇰ・アン) ロ=こんなにイタドリが茂っている所へ入った足跡がある.今日は薄暗くもなったし,危ないから帰ることにしよう.ポロ スマ トモオㇱマ ヤㇰネ イヤイキㇷ゚テ ナ ホクレ チㇷ゚ サパ キル=大きい石にぶつかると危ないから,早く船の頭の向きを変えろ.シンタ オㇿ テンネ ㇷ゚ ア・オレ ヒ タ エイタサ ハウケ ヒ カ ウェンペ ネ.シピチピチ ワ ハチㇼ コㇿ イヤイキㇷ゚テ ㇷ゚ ネ クス=ゆりかごに赤ちゃんを乗せる時に,あまりにも(紐の縛り方が)緩いことも悪いものだ.体をくねらせて落ちると,危険だから. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaykookka
イヤイコオッカ 【iyay-ko-ok-ka】 嘆かわしい,悲しい. イヨーハイ ナ ナ ペウレクㇽ ネ クニ ク・ラム アㇷ゚ マㇰネ ワ イサㇺ ハウェ タ アン? ソンノ ヘー? イヤイコオッカ=どうしたの,まだまだ若い人だと思っていたのにどうして死んだというの? 本当かい? 嘆かわしいことだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaynumare
イヤイヌマレ 【iyaynumare】 なんとまあ,それはそれは. イヤイヌマレ! ア・コㇿ サポ シレトㇰ オㇿケ ア・コホヨイセ=なんとまあ,私の姉のその器量の好ましい[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaynumare tanepo tapne menoko ne manu p
イヤイヌマレ タネポタㇷ゚ネ メノコ ネマヌㇷ゚ 【iyaynumare tane-po tap ne menoko ne manup】 なんとまあ,今初めて女という者. ▷イヤイヌマレ=なんとまあ タネポタㇷ゚ネ=今初めて メノコ=女 ネマヌㇷ゚=という者 *ユカㇻの主役ポンヤウンペが,宴の場で美人を見た時の言葉[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyayraykere
イヤイライケレ 【i-yay-rayke-re】 ありがとう. シネンネ マㇰ ク・カㇻ シコㇿ ク・ヤイヌ アㇷ゚ イイソネ エ・エㇰ クスケライポ コケレ(ク・オケレ) シリ アン イヤイライケレ=ひとりでどうしようと思っていたのに,幸いにもお前が来てくれたお陰で終わった.ありがとう. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaysama
イヤイサマー 【i-yay-sama】 どうしよう,どうしたらいいの,まあ大変〔間投詞〕. カニ カ コㇺケカㇻ(ク・オㇺケカㇻ) ワ ク・ホッケ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エアニ カ ヘー.マㇰ イキ・アン ヤㇰ ピㇼカ ハウェ タ アン? イヤイサマー=私も風邪をひいて寝ていたのに,お前もかい.どうしたらいいというのだい? どうしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
iyeasis
イイェアシㇱ 【i-e-asis】 逆恨み(する). (出典:萱野、方言:沙流)
iyeerep
イイェエレㇷ゚ 【i-e-e-rep】 それとともに三つ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyeetup
イイェエトゥㇷ゚ 【i-e-e-tup】 それとともにふたつ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyeham
イイェハㇺ 【i-eham】 遣らずの〜. イイェハㇺ アㇷ゚ト=遣らずの雨.アペ レポ ペコㇿ アペ オヤ エタイェ ペコㇿ イイェハㇺ スケ ㇷ゚ アナㇰネ ネノ イキ ㇷ゚ ネ ワ=燃え差しを前へ出したり後ろへ引っ張ったり,遣らずの煮物をする人はそのようにするものだ(なんとかして今晩泊まってほしいと思うとわざとゆっくり煮物をして日暮れを待つ). (出典:萱野、方言:沙流)
iyekotanne
イイェコタンネ 【i-ye-kotan-ne】 私の村の者になった,村人になる. ▷イ=その人 イェ=それ コタン=村 ネ=なる,なった(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyem'emu
イイェㇺエム 【iem-emu】 幼児が親にまつわりつく. (出典:萱野、方言:沙流)
iyemawkowen
イイェマウコウェン 【i-e-maw-ko-wen】 とばっちりを受ける,巻き添えをくう,それによって不幸になる. ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ペウタンケ ハウ ア・ヌ ヒクス ウンマ ア・オ ヒネ イカオパㇱアナクス(イカオパㇱ・アン アクス) ウンマイカ・アン ア・テケヘ カイ.タㇷ゚ ア・イェ クニ イイェマウコウェン ネ ワ=川の方へ危急を知らせる叫び声がしたので,馬に乗って駆けつけると馬から落ちて私の腕が折れた.これのことを巻き添えをくうというのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyemawne
イイェマウネ 【i-e-mawne】 人と交わる,つきあう,交際する.▷イ=それ エ=〜に マウネ=交わる ピㇼカ ㇷ゚ カ タ カ ウェンペ カ タ カ イイェマウネ=よいことにでも悪いことにでも人に交わる.ウェンペ ウシ タ ピㇼカ ㇷ゚ オッタ(オㇿ タ) ヤイクㇽサㇷ゚テ イイェマウネ・アン ペ ネ ナ=悲しい所(葬式)にでも祝い事の場所へでも自分の姿を見せ,人と交わるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyeomap
イイェオマㇷ゚ 【i-e-oma-p】 おぶい紐(ひも):タラ(背負い紐)に横棒をつける. エ・アキヒ チㇱ ナ イイェオマㇷ゚ コㇿ ワ エㇰ カイ ワ ソイネ=お前の弟が泣くからおぶい紐を持って来ておぶって外へ出ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyesoye
イイェソイェ 【i-yesoye】 殻付きと精白のヒエとかアワを箕に入れて,右へ左へと揺すり選り分ける,脱穀したものを揺する. ▷イ=穀物 エソイェ=揺する(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyetapkar
イイェタㇷ゚カㇻ 【i-e-tapkar】 ともに舞う.▷イ=それ(=男) エ=ともに タㇷ゚カㇻ=舞う アヌン ニㇱパ タㇷ゚カㇻ ヒクス イイェタㇷ゚カㇻ・アン ルウェ ネ コㇿカ ホクエタㇷ゚カㇻ ソモ ア・キ ㇷ゚ ネ=よその村の男の方が舞を舞ったので私は後について舞ったが,自分の夫が舞を舞う時は一緒に舞うものではない.*熊送りなどの祝宴の後,男性が立って舞を舞う.その後へ女性がひとりつくことになっており,それを指す語.しかしホクエタㇷ゚カㇻ ソモ ア・キ ㇷ゚ ネといって,夫の舞いにその妻がつくことはできない. (出典:萱野、方言:沙流)
iyetoko'us
イイェトコウㇱ 【i-etoko-us】 待ち伏せる.▷イ=それ エトコ=前 ウㇱ=つく →それの行く手にいる ア・ウタリヒ シトゥ カリ ヘメㇱパ ナイパルㇽ タ イイェトコウㇱ クニ ア・イェ オヌマン パㇰノ アナン(アン・アン) ア コㇿカ オムケン・アン=私の仲間たちは峰に登って行き,私は沢縁で待ち伏せするように言われ夕方までいたが何も獲れない. (出典:萱野、方言:沙流)
iyetokoyki
イイェトコイキ 【i-etok-o-iki】 準備する.▷イ=それ エトㇰ=前 オイキ=する (出典:萱野、方言:沙流)
iyetunankar
イイェトゥナンカㇻ 【i-e-tunankar】 出会う. (出典:萱野、方言:沙流)
iyetusmak
イイェトゥㇱマㇰ 【i-e-tusmak】 (その)先回りをする. ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ エアㇻキンネ イケサンパ エオ ㇷ゚ ア・ネ ア・ウヌフ ネンカ アㇻパ ノイネ シㇼキ コㇿ イイェトゥㇱマㇰ・アン ア・トゥラ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の時はとっても追いかける癖めいたものがあって,母がどこかへ行きそうな様子があると先回りをしてでも母と一緒に行ったものだ.ウパㇱ トゥㇺ タ ヨコ・アン ワ アナㇷ゚(アン・ア ㇷ゚) シネ ユㇰ シトゥ カリ ラン ヒクス クワ アニ ホラホチュウェ・アン イイェトゥㇱマㇰ・アン=雪の中で待ち構えていたら1頭の鹿が峰から下りたので杖で滑り下りて先回りをした. (出典:萱野、方言:沙流)
iyeutanne
イイェウタンネ 【i-ye-utar-ne】 仲間になる,村人の仲間になる. ▷イ=その人 イェ=それ ウタㇻ=仲間 ネ=なる,なった(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyeymontasa
イイェイモンタサ 【i-e-imontasa】 仇討ち(する). (出典:萱野、方言:沙流)
iyo
イヨ 【i-o】 物を入れる,満ちる. アㇻパ ワ キ オハ ワ アン ヤ ヌ ワ エㇰ キヨㇿ(キ オㇿ) イヨ クス カㇻパ(ク・アㇻパ) ナ=行って火棚が空いているか聞いて来い,火棚に物を入れに行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoay
イヨアイ 【i-o-ay】 毒矢.▷イ=それ(=毒)を オ=入れる アイ=矢 イヨアイ ネ ナ イテキ シㇼ カ タ アヌ ノ リクンキ カ ウン ヌイナ ワ アヌ アニ=毒矢なので,下に置かないで上の方の火棚の上へ隠しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyocispare
イヨチㇱパレ 【i-o-cis-pa-re】 壊す,破損する,傷める.▷イ=それを オ=そこで チㇱ=泣く パ=〔複〕 レ=させる →私の物を壊して私を泣かせた エネ ケヤㇺ(ク・エヤㇺ) フミ アン ペ ネ アㇷ゚ エン・イヨチㇱパレ.ハイー コㇱクㇽ(ク・オㇱクㇽ) フミー=あれほど私が大切に思っていた物を壊されてしまった.あーあもったいない. (出典:萱野、方言:沙流)
iyohay
イヨーハイ 【iyohay】 おやおや:驚いた時に出る声. (出典:萱野、方言:沙流)
iyohay sonno he
イヨーハイ ソンノ ヘー 【iyohay sonno he】 まさか.よもや(本当かい). (出典:萱野、方言:沙流)
iyohay'ocis
イヨハイオチㇱ 【i-ohay-o-cis】 恋歌.▷イ=それ(=恋人) オハイ=陰 オ=それ チㇱ=泣く →恋人の陰で私は泣いている (出典:萱野、方言:沙流)
iyohaykar
イヨハイカㇻ 【i-ohay-kar】 陰口・悪口(を言う).▷イ=それ(人) オハイ=陰 カㇻ=作る ソンーノ ポンノ ア ヤッカ ホクフ オハイケカㇻ イヨハイカㇻ ア イヨハイカㇻ ア アーイネ アㇻパ ワ イサㇺ=本当に少し座っても自分の夫の悪口や陰口を言って言って.そして行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoitakusi
イヨイタクシ 【i-o-itak-usi】 呪いをかける,呪う.▷イ=人,相手 オ=それ イタㇰ=言葉 ウシ=つける →言葉を人になすりつける コタン レ コイラ(ク・オイラ) コㇿカ トオㇷ゚ トゥイマ オカ ウタㇻ イヨイタクシ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ア・コシトマㇷ゚ ネ=村の名前は忘れたけれどずっと遠くにいる仲間は人に呪いの言葉をかけられるとかで,恐ろしがられているものだ."イヨイタクシ" セコㇿ ア・イェ イタㇰ カ イタㇰ タクㇷ゚ カ ア・シトマ.イヨイタクシㇷ゚ アナㇰネ オルケㇱサㇰペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=「人を呪う」という言葉は言葉だけでも恐ろしいものだ.人を呪う言葉を知っている者の血統は絶えるものだという.ソンノ イヨーハイ イヨイタクシ エカㇷ゚ネ ウェン パㇱロタ ハウェ ケオハイシトマ(ク・エオハイシトマ)=本当にいやなことだよ,呪いの言葉さながらに毒づく,私は薄気味悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
iyokane
イヨカネ 【i-oka-ne】 残る,後になる. イラㇺノ イワㇰ ペ ネ クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ シネ オッカイポ イヨカネ ヒネ エン・コピヌピヌ=一緒に帰って行くものと私は思っていたのに,ひとりの若者が後になって私にそっと耳打ちした. (出典:萱野、方言:沙流)
iyokpare
イヨㇰパレ 【i-okpare】 その人に不孝をする. (出典:萱野、方言:沙流)
iyokpe
イヨㇰペ 【iyokpe】 鎌. ク・コㇿ イヨㇰペ エヌカㇻ ナ アㇻパ ワ エエン イヨㇰペ コㇿ ワ エㇰ=私の鎌が切れないから,行って切れる鎌を持って来い.図[イヨㇰペ] (出典:萱野、方言:沙流)
iyokunnure
イヨクンヌレ 【i-okunnure】 驚く.たまげる,あきれる. ア・エイヨクンヌレ ㇷ゚=それには驚いたよ.ソンノ イヨーハイ クヨクンヌレ(ク・イヨクンヌレ) フミー=それは本当かい,あきれたよー.*静内地方ではイヨクンヌカという (出典:萱野、方言:沙流)
iyokus
イヨクㇱ 【i-hokus】 裏返し(に着る). ホワーㇻ ク・ヤイモンニㇱカ アㇷ゚ クスン ク・イヨクㇱ ヤー カ ケラムㇱカリ(ク・エラムㇱカリ)=どうしよう,忙しかったにしても,着物を裏返しに着ていたのも私は全く知らなかった.*男女ともに連れ合いが死ぬと約1年間は着物を裏返しにして着るものであった.所用で外に出るときは裏返しの着物の片袖を頭へ被り,身八つ口から目を出して歩く(死んだ夫が迎えに来てもわからないように).この風習は私が知っている範囲では,昭和6年頃に隣家の貝澤オロアッノさんが,夫が亡くなった時に裏返しの着物を着ていたのを見たのが最後であった. (出典:萱野、方言:沙流)
iyomai
イヨマイ 【i-oma-i】 陰門.▷イ=それ(=男性器) オマ=入る イ=所 #NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
iyomante
イヨマンテ 【i-omante】 熊送り(をする).▷イ=それ(=熊)を オマンテ=行かせる オッコー エ・ヌ アー? タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ タ ニㇷ゚タニ タ イヨマンテ アン ヤㇰ ア・イェ ウトゥラ・アン ワ アㇻパ・アン ロー=お姉さん聞いたかい?この月が丸くなった頃に二風谷で熊送りがあるそうだ.一緒に行こうよ.*イヨマンテといえば熊送りに限られているかのように思われがちだが,ムジナ送りはモユㇰオマンテ,狐送りはチロンヌㇷ゚オマンテと,それぞれ送るものによって言い方がある. (出典:萱野、方言:沙流)
iyomap
イヨマㇷ゚ 【i-omap】 (〜を)かわいがる.▷イ=それ(=子供)を オマㇷ゚=かわいがる ソンーノ イヨマㇷ゚ペ ポーヘネ ア・オマㇷ゚=本当に子供をかわいがっている人のほうがなおさらかわいいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyomapkur
イヨマㇷ゚クㇽ 【i-omap-kur】 子煩悩な人. (出典:萱野、方言:沙流)
iyomare
イヨマレ 【i-oma-re】 酌をする,酒を注ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyomare pisakku
イヨマレ ピサック 【i-oma-re pisakku】 酒つぎ杓子:漆器. 図[イヨマレピサック] (出典:萱野、方言:沙流)
iyomarep
イヨマレㇷ゚ 【i-oma-re-p】 酒つぎひしゃく:漆器. 図[イヨマレㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
iyomauske
イヨマウㇱケ 【i-oma-uske】 陰部. (出典:萱野、方言:沙流)
iyomonmomo
イヨモンモモ 【i-omonmomo】 そのことをこと細かく言う,丁寧に言う. ▷イ=それ オモンモモ=丁寧に言う テエータ ウウェペケレ クヌルスイクス カㇷ゚ カシヒタ シネウナㇻペ ウウェペケレコㇿ ヌワオカウナㇻペ エネハワニ イテキ イヨモンモモノ ホクレイェワオケレ=ずうっと昔のこと,昔話を聞きに歩いた時に,ひとりのおばさんが昔話を言うと,聞いていた別のおばさんが,駄目だよ,あまり丁寧に言わないで早く言い終わらせ,と言ったものであった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyomonnure
イヨモンヌレ 【i-omonnure】 ほめる.▷イ=それ(=人) オモンヌレ=ほめる (出典:萱野、方言:沙流)
iyonanep
イヨナネㇷ゚ 【i-ona-ne-p】 あの人の父.▷イ=それ(人) オナ=父 ネ=である ㇷ゚=者 →あの人の父である者 (出典:萱野、方言:沙流)
iyonnokka
イヨンノッカ 【iyonnokka】 子守歌(を歌う). ヘカチ チㇱ ナ アㇻパ カイ ワ エㇰ.ポンノ ク・イヨンノッカ ナ ヤクン モコㇿ ナンコㇿ ナ=子供が泣いたから,行っておぶって来い.少し私が子守歌を歌うと眠るであろうから. (出典:萱野、方言:沙流)
iyonruyka
イヨンルイカ 【iyonruyka】 子守歌:旭川,静内地方など. (出典:萱野、方言:沙流)
iyonuytasa
イヨヌイタサ 【i-onuytasa】 反対に.▷イ=それの オヌイタサ=反対 イヨヌイタサ エㇰ=反対から来た. (出典:萱野、方言:沙流)
iyopanere
イヨパネレ 【i-o-pa-ne-re】 着物を着ても帯をせずにひらひらさせている. (出典:萱野、方言:沙流)
iyopannatte
イヨパンナッテ 【i-o-pan-atte】 者物を着ても帯をしていない. (出典:萱野、方言:沙流)
iyopes
イヨペㇱ 【i-o-pes】 年をとって同じことを何回も聞く.*私萱野茂の祖母は100歳近くまで長生きしたので,同じことを何回も聞き返していたのを見た.すると父は祖母に向かって「イヨペサ イヨペサ」と怒っていた.「イヨペㇱ ア」が「イヨペサ」になる. (出典:萱野、方言:沙流)
iyopokin
イヨポキン 【i-opokin】 手伝いをする,少しだけだが手伝いをする. タネオンネアンペネクス チンイヨポキン ポカアエイカスイ=今は老人になったので,皮張の手伝いぐらいしかできない(チン=皮張り).(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyoroinkar
イヨロインカㇻ 【i-oro-inkar】 見物する,遠くから見る. ソンノ イヨーハイ シトマレ.ポンノ イク コㇿ オラーノ ウコイキ ルスイ パ ヤイコシコメウェㇷ゚ ヤイコシコメウェ アシヌマ アナㇰネ チカッポ パㇰノ ヤイヌ・アン コㇿ イヨロインカㇻ・アン=本当にいやになってしまう.少し飲むとけんかしたがってかかって来いと言う者はかかって来いと言うし,私はスズメほどの気持ちになって見物している.エチ・ヌ ヤー? チューパ オルン ユㇰ ハチㇼ ワ ヘタンプタンプ コㇿ アン ヤㇰ ア・イェ ナ.イヨロインカㇻ ポカ ア・キ ロー=お前たち聞いたかい?氷の端から鹿が落ちて,川の中であっぷあっぷしているということだ.遠くから見るだけでもしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoroitak
イヨロイタㇰ 【i-oro-itak】 口を挟む,横やりを入れる.▷イ=それ(の) オロ=その中に イタㇰ=言う マㇰネ ワ ネ ヤー カ ケラムㇱカリ(ク・エラムㇱカリ) コㇿカ アチャポ ウタㇻ ユㇷ゚ケ ウパウレパ コㇿ オカ コㇿカ エタㇻカ イヨロイタㇰ カ ク・シトマ クス ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=どうしてか知らないけれど,おじさんたちが激しく口論していたがでたらめに口を挟むのが恐ろしかったので,私は逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoromomekar
イヨロモメカㇻ 【i-oro-mom-ekar】 ぶつぶつ言う,不平を言う,ぼやく. ソンーノ トランネ ㇷ゚ アナㇰネ ネㇷ゚カ ア・カレ コㇿ ホㇱキノ イヨロモメカㇻ ワ エアシㇼ カトゥトゥルㇱノー アㇱ ペ ネ=本当のからっぽやみ(怠け者)は,何かさせると先にぶつぶつ言ってから,初めていやいやながら立つものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyorot
イヨロッ 【i-or-ot】 混じる. テエタ ワノ ネユンネユン パハウェヘ ア・ヌ ア カッケマッ シラムイサㇺ テ ワ タント イヨロッ ワ アン.ア・エシㇰサㇺネレ ヒ カ エランペウテㇰノ=ずっと前からいろいろと噂のあった奥様が,知らん顔をして今日は皆に混じっている.蔑みの目で見られているのも知らずに. (出典:萱野、方言:沙流)
iyorunkur
イヨルンクㇽ 【i-or-un-kur】 召使い:住み込みの召使い,下僕(昔話の中では悪役として出て来る).▷イ=それ(の) オㇿ=内 ウン=に住む クㇽ=人 チ・コㇿ イヨルンクㇽ アッパケ タ アナㇰネ ネㇷ゚キ ㇷ゚ ネ アㇷ゚ タㇷ゚ウフナㇰ アナㇰネ ホッケ ワ パテㇰ アン=私の所の召使いは,最初にはよく働いたのに,この頃では寝てばかりいる. (出典:萱野、方言:沙流)
iyorunu
イヨルヌ 【i-orunu】 つきまとう. パコㇿカムイ アㇷカ゚ㇱ ノイネ シㇼキ ワ コタン ア・オスラ ワ キラアニ(キラ・アン ヒ) タ アナㇰネ ア・ヤイラメコテ ス タシロ パテㇰ ア・コㇿ ペ ネ イヨルヌ ㇷ゚ オカ ワ ア・シトマㇷ゚ ネ=病気の神が歩くようになって(=疫病が流行して)村を捨てて逃げる時は最低限度必要な物である鍋と山刀だけを持つものだ,つきまとうもの(=細菌)がいて恐ろしいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyorunukamuy
イヨルヌカムイ 【iyorunu kamuy】 つきまとう神.疱瘡などがはやって村を捨てて逃げる時に,つきまとって来る病気の神,つまり病原菌. (出典:萱野、方言:沙流)
iyos
イヨㇱ 【i-os】 のち(後)に. ←→ホㇱキ (出典:萱野、方言:沙流)
iyosikkote
イヨシッコテ 【i-o-sik-kote】 恋をする.▷イ=それ(=女,男) オ=に シㇰ=目 コテ=繋ぐ →好きな人に目を繋ぐ (出典:萱野、方言:沙流)
iyoski kamuy
イヨㇱキ カムイ 【i-hoski-kamuy】 酔っ払い熊,矢毒が体に回り意識もうろうとしている熊. スルクカㇻワ ライエトッタ イヨシキペコロ テッテレケコㇿアンカムイ アィェヒ イヨㇱキカムイ イヨッタアシトマㇷ゚ネ=矢毒が体に回り,死ぬ前に酔っ払ったようにふらふらしている熊を言うのが酔っ払い熊,これが一番恐ろしいものだ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyoski(ihoski)
イヨㇱキ(イホㇱキ) 【i-hoski】 酔う,酔っ払う. ア・ホクフ イク ルイ ペ ネ イヨㇱキ コㇿ オラーノ サカヨカㇻ エアㇻキンネ ア・エシㇼキラㇷ゚=私の夫は飲みすぎる人で酔うとけんかするので本当に私は苦労する.アチャポ イヨㇱキ ワ パロペテッネ=おじさんは酔っ払って口がまわらない. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoskicis
イヨㇱキチㇱ 【i-hoski-cis】 酔っ払って泣く. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoskip
イヨㇱキㇷ゚ 【i-hoski-p】 酔っ払い. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoskiruy
イヨㇱキルイ 【i-hoski ruy】 酔いすぎる. イテキ エイタサ イクレ ヤン イヨㇱキルイ コㇿ ヤイカオクイマ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ナ=だめですよ,あまり飲ませたら.酔いすぎると寝小便するのだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyosno
イヨㇱノ 【i-os no】 後で,後ほど. (出典:萱野、方言:沙流)
iyotaypeste
イヨタイペㇱテ 【i-otay-peste】 誘導尋問する,(こまごまと)聞く. (出典:萱野、方言:沙流)
iyotserkere
イヨッセㇾケレ 【i-ot-serkere】 あああきれた,たまげた. ソンノ イヨーハイ! ヤイェシンニューケㇱ ペ ネ クス シッチャㇱヌレ カ ソモ キ オトイセル オムンセル ワ アン.イヨッセㇾケレ!=本当にあきれたよ,だらしないもんだから掃除もしないで,土けむりにむせ,ごみにむせている.たまげたもんだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyotserkere
イヨッセㇾケレ 【i-ot-serkere】 あきれ返る,すっかりあきれる. ソンノヘー ネアアイヌイキヒー イヨッセㇾケレ ハワシネワー=本当かい,あの人がそうしたの,あきれた話だよ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyotta
イヨッタ 【iyotta】 一番,最も,最高に. オッカヨ ア ヒ タ アナㇰネ ウキロセレ ワ ア ヒ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=男が座る時は,あぐらをかいて座るのが一番いいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyotta iyosno
イヨッタ イヨㇱノ 【iyotta iyos no】 最後に.▷イヨッタ=一番 イヨㇱノ=後に テエータ にけ シコㇿ ア・イェ チャペ アン ペ ネ ヒネ オンネ アクス オヤコヤㇰ タ オクイマ オソマ ア・コイパㇰ ヒネ ネユン ア・エトパㇻ ヤッカ ホシピ ランケ イヨッタ イヨㇱノ レクチヒ イチェン ア・コテ プマハ ネ ヤㇰ ア・イェ アクス クスケライ ホシピ イサㇺ ペ ネ=ずっと昔,にけという猫がいて,年寄りになったらあちこちで小便や糞をたれる.それが悪いとて何回追放してもいつも戻って来た.一番おしまいに首へ銭をつけて,給料だよと言ったら,そのお陰で戻ってこなかったものだ.イヌイェアニタ(イヌイェ・アン ヒ タ) イヨッタ イヨㇱノ マキリ アニ トゥキパスイ ネ ヤ ニマ ネ ヤ ア・ケウレ ヒ マキリピル セコㇿ ア・イェ.マキリ アニ ア・ピル アーペコㇿ ア・ケウレ クス ア・イェ ヒ ネ=彫刻をする時に一番おしまいに,小刀で捧酒著とか木の器とかを削ることを,小刀で拭くというものだ.小刀で拭いたように削るので言うのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoturimkote
イヨトゥリㇺコテ 【i-o-turim-kote】 フォオオオオフㇺ フォオオオオフㇺと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoyamokte
イヨヤモㇰテ 【i-oyamokte】 疑わしい.不審(である). ク・サポ ポンノ ホㇱキ.タㇷ゚ アㇻパ アイヌ エアㇻキンネ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ アㇻパ.シノ ク・イヨヤモㇰテ.オカピクイラ・アン ワ インカㇻ・アン ロー=おねえさん,ちょっと待って.今行った人が家々ごとに覗きながら行った.本当に疑わしい.後をつけて行って見よう. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoyra
イヨイラ 【i-oyra】 物忘れをする.▷イ=それを オイラ=忘れる オロヤチキ オンネ・アン コㇿ ポンノ ポンノ イヨイラ・アン ペ ネ ヒ ケラマン(ク・エラマン)=知らなかったが,年をとると少し少し物忘れするものであることがわかった. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoyraruy
イヨイラルイ 【i-oyra ruy】 忘れっぽい. (出典:萱野、方言:沙流)
iyukomi
イユコミ 【i-u-ko-mi】 重ね着(する).▷イ=それ(=着物)を ウ=互い コ=に対して ミ=着る オンネ・アン コㇿ メライケエオ・アン ペ ネ クス イユコミ・アン ヤッカ ポーヘネ メライケ・アン フミ ネ ペコㇿ ヤイヌ・アン=年をとると寒がりになって重ね着をしてもなおさら寒いような気持ちになってしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
iyukoykire
イユコイキレ 【i-ukoyki-re】 (人と人を)けんかさせる:わざとけんかするように仕向ける.▷イ=それ(=人)を ウコイキ=けんか レ=させる ソンーノ スイ ネア メノコ ネスン オヤコヤㇰ タ ネユンネユン ハウェアン イユコイキレ パハウェエトイタ ハウェ=全くまたあの女であろう,あちらこちらでいろいろと言ってけんかさせる噂の種を蒔いたのは. (出典:萱野、方言:沙流)
iyun
イユン 【iyun】 詰まる,つかえる. レクチ イユン ワ ライ=その首が詰まって死ぬ(窒息死する). (出典:萱野、方言:沙流)
iyunin
イユニン 【iyunin】 怪我(をする).痛い. タパン ネㇷ゚キ アンピㇼ パㇰノ カ イユニン サㇰノ シペッテㇰ クニ カムイプンキ アン ペ ネ ナ=この仕事中に爪傷ほどの怪我もなく終わりますように,神のご守護があるでありましょう[カムイノミ].ソンノ エヤシㇼ エネ アン ウㇱケ タ ソモカ タㇷ゚ネ イユニン クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ニカㇻ ホントㇺ ワ トゥルセ イユニン ヤㇰ ア・イェ=本当に全くあんな所で怪我するとは思わなかったのに,はしごの途中から落ちて怪我をしたという. (出典:萱野、方言:沙流)
iyuninka
イユニンカ 【iyunin-ka】 怪我する,痛くする. (出典:萱野、方言:沙流)
iyupnep
イユㇷ゚ネㇷ゚ 【i-yup-ne-p】 兄のほう. "イナンクㇽ エㇰ ヒ アン?" "イユㇷ゚ネㇷ゚ ネ ヤㇰ イェ ア ワー"=「どの人が来たの?」「兄のほうの者だと言っていたよ」 (出典:萱野、方言:沙流)
iyuta
イユタ 【i-uta】 搗き物(をする).搗く.▷イ=それを ウタ=搗く アマㇺ カウレ コㇿ イユタ・アン ヤッカ ア・エニタン コㇿカ リカン コㇿ オラーノ コネ ワ イサㇺ ペ ネ=穀物が乾燥していると搗き物をしてもしやすいけれども,乾燥不足だと砕けてしまうものだよ.メノコポ ウタㇻ ネㇷ゚ ワ アン ペ イェ パ ワ エウミナレ コㇿ イユタ パ コーㇿ(コㇿ) オカ=娘たちが,何やら話をしては大笑いをしながら,搗き物をしていた. (出典:萱野、方言:沙流)
iyutani
イユタニ 【i-uta-ni】 杵(きね):片手で持つ杵. イユタニ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ パセ チクニ アニ ア・カㇻ ペ ネ セイェカパㇻ トペニ ペロ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=杵を作る木は重い木で作るもので,アサダ,イタヤ,ナラが最もよいものだ.*にぎりの部分をトゥカハというが,この言葉は二谷かよさんが教えてくれた.図[[イユタニとニス] (出典:萱野、方言:沙流)
iyutaninociw
イユタニノチウ 【iyutani-nociw】 三つ星:オリオン座中央部の連星.▷イユタニ=杵 ノチュー=星 (出典:萱野、方言:沙流)
iyutap
イユタㇷ゚ 【i-uta-p】 パッタリ(精米用具).*イユタㇷ゚は水力を利用して作られた精米用具で,昭和14年には二風谷村で約40か所あった.昭和30年代までは萱野茂の家の前のオケネウシ沢で使っていたが,それが最後であった.形は踏み臼と同じで人の足の代わりに水を利用した.普通はパッタリと言っていたが音がパッタリと聞こえるものであった.▷イ=それを ウタ=搗く ㇷ゚=物 アッチェウンペ イユタㇷ゚ オㇿ ワ ピㇼケㇷ゚ エイッカ ア・コオシコニ ヤㇰ ア・イェ=よそから来た者がパッタリから精米を盗み見つかったという話だ.図[復元されたイユタプ] (出典:萱野、方言:沙流)
iyutaupopo
イユタウポポ 【i-uta-upopo】 搗き物をする時の歌声,ヘッサオーホイ ホイヤーオーホイの繰り返し,ひとりで搗く時はイユタ(搗く),ふたりで搗く時はウトゥナシ(ふたりで立つ,ウ=互い トゥン=ふたり アㇱ=立つ)といい,3人の時はウレナシ(3人で立つ,ウ=互い レン=3人 アㇱ=立つ)という.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyuturwente
イユトゥㇽウェンテ 【i-utur-wen-te】 仲たがいをさせる.▷イ=それ(人間)を ウトゥㇽ=間 ウェンテ=悪くする ネイタ ネ ヤッカ イユトゥㇽウェンテ ルスイ ペ オカイ ペ ネ クス スンケ アㇱ ペ ソネ アㇱ ペ イェ コㇿ オマナン=どこにでも仲たがいをさせたい者がいて,嘘の話や本当の話を言いふらして歩く. (出典:萱野、方言:沙流)
k=arohaysitoma
カロハイシトマ 【k=ar-ohay-sitoma】 恐ろしい.▷ク=私 アㇻ=全く オハイ=本当に シトマ=恐ろしい (出典:萱野、方言:沙流)
k=enupetne
ケヌペッネ 【k=e-nupetne】 もらい泣きをする. ホクフ カ イサㇺ オカケヘ タ ポホ ウタㇻ カ ウウォポキン ウウォポキン ライ ワ イサㇺ エヤイポㇰタチㇱ コㇿ アン シリ ケヌペッネ(ク・エヌペッネ)=夫が死にその後で息子たちが次から次と死んでしまい,自分の悲運を悲しんでいるのを見て,私ももらい泣きをした. (出典:萱野、方言:沙流)
k=eyaykouwepeker
ケヤイコウウェペケㇾ 【k=e-yay-ko-uepeker】 言う:自分の見た悪い出来事を言う.▷ク=私 エ=それ ヤイ=自身 コ=〜に対して ウウェペケㇾ=語る ソンノ ケヤイコウウェペケㇾ=本当にいやな思いだ.*単に自分で自分の事を語るという風な簡単な意味ではない.得体の知れない化け物を見たとか,悪い夢を見て薄気味悪い思いをした時などに,顔をしかめながら言う言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
ka
カ 【ka】 シラミの卵. (出典:萱野、方言:沙流)
ka
カ 【ka】 (糸で作った)罠. (出典:萱野、方言:沙流)
ka
カ 【ka】 よ. イテキ カ=だめよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ka
カ 【ka】 も,〜でも. ポン ヒケ カ コㇿ ワ アㇻパ=小さいほうでも持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
ka anu
カ アヌ 【ka anu】 罠をかける. オサッ ポンノ エ・トゥラシ ポン ニナㇻカ タ イセポカ カヌ(ク・アヌ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ア ナ ニサッタ クンネイワ カ ノンカㇻ ワ エㇰ アニー=オサツの沢を少しのぼって行って小さい台地にウサギのわなを置いて来たので,明日の朝罠を見に行って来てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
ka ka
カーカ 【ka ka】 それも. オルケㇱサㇰペ アン コㇿ オラーノ ウケㇱコㇿ シコㇿ ネ ワ ネンカ ア・アㇻパレ ㇷ゚ ネ コㇿカ カーカ アシトマ イコマウコウェン ヒーカ アン ペ ネ クス エタㇻカ イキ ソモ アン ペ ネ=子孫が絶えた者がいるとそれから相続すると言っては誰か身内を行かせるがそれも恐ろしいものだ,巻き添えを食うこともあるものなのでやみくもにそうするものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
ka/ka(ha)
カ/カ(ハ) 【ka/ka(ha)】 (編む)糸:at(オヒョウニレ)の皮,nipes(シナの皮)から作る. (出典:萱野、方言:沙流)
ka/kasi(ke)
カ/カシ(ケ) 【ka/kasi(ke)】 (〜の)上,上辺 (出典:萱野、方言:沙流)
kacirike
カチリケ 【kacirike】 じゃらける(じゃれる.はしゃぐ). カチリケ チャペ=じゃらける猫.ニサッタ アㇷ゚ト アㇱ クス ワ ヘ ヘカッタㇻ カチリケ シリ=明日は雨でも降るのだろうか,子供らがじゃらけるのは. (出典:萱野、方言:沙流)
kaciw
カチウ 【kaciw】 刺す. (出典:萱野、方言:沙流)
kaco
カチョー 【kaco】 太鼓:樺大アイヌが用いる. (出典:萱野、方言:沙流)
kaeka
カエカ 【ka-eka】 糸撚り(をする). フチ シネンネ アペサㇺ タ ア ワ アン ホノイ シノッチャキ コㇿ カエカ コㇿ アン=おばあさんはひとりで火の側で座っていてかすかな声で歌を歌いながら糸を撚っていた.図[カエカ] (出典:萱野、方言:沙流)
kaetupsi
カエトゥㇷ゚シ 【ka-etupsi】 糸端. (出典:萱野、方言:沙流)
kaita
カイタ 【kaita】 錨.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kakar
カカㇻ 【ka-kar】 紡ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
kakaw/kakawe(he)
カカウ/カカウェ(ヘ) 【kakaw/kakawe(he)】 氷頭(ひず):サケの頭の部分の軟骨. (出典:萱野、方言:沙流)
kakenca
カケンチャ 【kakenca】 かけ竿,間じきり(竿に着物やござを掛けて間じきりにする). ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ アテケカㇻペ カケンチャ レウェウセ カネ ア・アッテ シコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=昔話の中では刺繍した物がかけ竿がたわむほどに掛けてある,と描写されているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kaki
カキ 【kaki】 雪囲い,垣,垣根. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) シㇼチュㇰ コㇿ クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ モセ・アㇱ チセ オカーリ カキ チ・カㇻ ペ ネ ア ヒ ケㇱカルン(ク・エㇱカルン)=私が小さい時,秋になると母と一緒に茅を刈って,家の周囲に雪囲いを作ったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
kakka
カッカ 【kakka】 (子供を)おぶう. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) ク・セトゥル ク・トゥリ コㇿ カッカ カッカ セコㇿ カネ ク・イェ コㇿ カキヒ(ク・アキヒ) ウタㇻ ク・セトゥル コトゥㇰ ペ ネ ロㇰ=私が子供の頃に,背中を向けて「おぶう」と言うと,弟らは私の背中にくっついたものであった.*背中を子供に向けて「カッカ1と言うと子供は来るものであった.昭和10年頃,子供をおぶう帯のことをアイヌ語と日本語を混ぜてカッカ帯といっていた.十勝の方ではカッカ=女性の陰部を言うという. (出典:萱野、方言:沙流)
kakkok
カッコㇰ 【kakkok】 カッコウ〔鳥〕. (出典:萱野、方言:沙流)
kakkum
カックㇺ 【kakkum】 ひしゃく. (出典:萱野、方言:沙流)
kakkuy
カックイ 【kakkuy】 差し杭:ペロ(ナラ)製. 図[カックイ] (出典:萱野、方言:沙流)
kakse
カㇰセ 【kak-se】 咳払い(をする). (出典:萱野、方言:沙流)
kaksekakse
カㇰセカㇰセ 【kakse-kakse】 咳払い(する). テエータ フチ ウタㇻ エネ ハウェオカ ヒ ネンカ カㇰセカㇰセ ハウェ ヌ パ コㇿ ソンノ エアシㇼ ウェンシサㇺ カㇰセ シリ ネーノ シコㇿ ハウェオカ パ ヒ ク・ヌ=ずうっと昔.おばあさんたちが言った言葉は,誰かが咳払いをしたのを聞いたら本当に全く悪い和人が咳払いしているみたいだ,と言うのを私は聞いたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kam'uype
カムウイペ 【kam-uype】 肉屑. (出典:萱野、方言:沙流)
kam/kami(hi)
カㇺ/カミ(ヒ) 【kam/kami(hi)】 肉. ピイェカㇺ=脂肉アイェカㇺ=やせ肉 (出典:萱野、方言:沙流)
kama
カマ 【kama】 またぐ,越える. イワン コタン カマ レキヒ スイェ ㇷ゚ ヘマンタ アン?=六つの村を越えてひげをなびかせるもの,なあに? *アイヌのなぞなぞ.答えはキケパㇻセイナウ(御幣の一種). (出典:萱野、方言:沙流)
kamakap
カマカㇷ゚ 【ka-maka-p】 糸を開く物.厚司(アットゥㇱ)織り道具のひとつ. ▷カ=糸 マカ=開く ㇷ゚=物(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kamanata
カマナタ 【kama-nata】 (大型の)山刀. (出典:萱野、方言:沙流)
kamaso
カマソ 【kamaso】 岩:海岸の平らな岩,潮の干満によって見え隠れする岩. (出典:萱野、方言:沙流)
kamepopkere
カメポㇷ゚ケレ 【kam-e-popke-re】 素肌で暖める. (出典:萱野、方言:沙流)
kamisorori
カミショロリ 【kamisorori】 エゾマテガイ〔貝〕. (出典:萱野、方言:沙流)
kamiyasi
カミヤシ 【kamiyasi】 化け物,魔物:他人への悪口としても使う. (出典:萱野、方言:沙流)
kamkasike
カㇺカシケ 【kam-kasike】 皮膚の表面,皮膚,肌. (出典:萱野、方言:沙流)
kamkumatay
カㇺクマタイ 【kam-kuma-tay】 肉を乾かす干し棹の林. ▷カㇺ=肉 クマ=干し棹 タイ=林 イソンクル アンウシ ネノイネ チセソイタ チェㇷ゚クマタイ カㇺクマタイ アンルウェネ=狩り上手の人のいる所らしく,家の外に魚を乾かす干し棹の林,肉を乾かす干し棹の林があった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kamohaw
カモハウ 【kam-ohaw】 肉汁.▷カㇺ=肉 オハウ=汁(カㇺオハウ→カモハウ) (出典:萱野、方言:沙流)
kampi
カンピ 【kampi】 紙,手紙. (出典:萱野、方言:沙流)
kampinuye
カンピヌイェ 【kampi-nuye】 字を書く.▷カンピ=紙 ヌイェ=書く (出典:萱野、方言:沙流)
kamsikeni
カㇺシケニ 【kam-sike-ni】 肉掛け木:イヨマンテ(熊送り)の時に肉を掛けるもの. (出典:萱野、方言:沙流)
kamtaci
カㇺタチ 【kamtaci】 麹. カㇺタチ ハイタ=麹が足りない=精神薄弱:熊送りの時に熊の脳髄を出した後へ麹を詰める.麹が足りなければ脳味噌が足りないということになる.友達をからかう時の言葉.カㇺタチはアイヌ語かと思っていたが日本語の古語でもカムタチという.だによって古くカムタチと言っていた時代からアイヌ民族と日本国の交易の名残が言葉と物で残っていたのであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
kamu
カム 【kamu】 かぶさる. (出典:萱野、方言:沙流)
kamure
カムレ 【kamu-re】 かぶせる,おおう. (出典:萱野、方言:沙流)
kamususke/kam'us'uske
カムスㇱケ/カㇺウㇱウㇱケ 【kam-us-uske】 肉のついている部分. ▷カㇺ=肉 ウㇱ=つく ウㇱケ=部分,方,所(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kamutek
カムテㇰ 【kamu-tek】 おおいかぶさる. ア・ユピヒ トゥラノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニセンピリ ワ シネ ハイカンヌㇷ゚ ピッコサヌ ア・ユピヒ カシ カムテㇰ.アロラㇺポソ・アン コㇿ ネワアン ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ ア・シㇼコオッケ ア・ユピヒ カシ ア・オピューキ=私は兄と山へ行ったら木の陰から中ぐらいの熊が飛び出して私の兄におおいかぶさった.私は驚きながらその熊を槍で突き刺し兄を助けた. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy 1
カムイ 【kamuy】 ①神. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy 2
カムイ 【kamuy】 ②熊. キㇺ タ ヤアニ カムイ エン・ライケ ヒ タ カキヒ(ク・アキヒ) アンクスケライポ ク・シㇰヌ=山で危なく熊に殺されそうになった時,私の弟がいたお陰で私は生きた. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy ek hum otonnokane
カムイエㇰフㇺ オトンノカネ 【kamuy-ek-hum otonnokane】 神が来る音がかすかに聞こえて. ▷カムイ=神 エㇰ=来る フㇺ=音 オトンノ=かすか カネ=に(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy sasimi
カムイ サシミ 【kamuy sasimi】 授かり子. カムイ サシミ アナㇰネ ノオカ ポニ(ポン ヒ) ワノ ピㇼカ カ ソモ ㇷ゚ ネ チマウㇱ ネヤ ネユンネユン ア・エシシ ノ オカイペ ネ クス ア・エヤㇺ ペ ネ=神の授かり子というものは,それほど小さい時からいい格好でもなく,かさぶただらけとか人が避けるような姿をしているものなので大切にするものだ.*ユカㇻとかウウェペケㇾとかの中にカムイサシミの話はしばしば出て来るものであり,例えば病気を撤き散らす神がアイヌの家の屋根の上で休み,家の中の娘を見て,この器量このいい精神の娘が神の国の女であれば妻にしたいものだ,と思ったことで娘は懐妊するというものである. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy sirine an
カムイ シリネ アン 【kamuy sirine an】 立派だ:神の如き. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy'ikor
カムイイコㇿ 【kamuy-ikor】 神の宝刀. クナウ ペ トゥㇺ ワ ア・プス アーペコㇿ アン カムイ イコㇿ ア・エウンケライ.イナウ ア・ケ ア ア・ケ ア イナウ トゥンプ ア・カㇻ ワ スウォㇷ゚ アサㇺ ア・オランラニ ルウェ ネ=フクジュソウの花の雫の中から掘り出したような神の宝刀を私は貰った.イナウをたくさん削ってイナウの寝床を作り宝箱の底へ詰め込んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy'imeru
カムイイメル 【kamuy-imeru】 稲妻,雷光. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy'ipirma
カムイイピㇼマ 【kamuy-i-pirma】 神のお告げ,神がこっそり教える. ヌマン ケイワンケ(ク・エイワンケ) ムカㇻ ネヤ ア・チャッチャリ ワ アン.タンペ アナㇰネ カムイ イピㇼマ ネ ナンコㇿ=昨日私が使ったマサカリなどが散らかされている.これは危険なことがあるよと神がこっそりと私に耳打ちしてくれたに違いない.チ・コㇿ ニㇷ゚タニ タ アナㇰネ ペウレㇷ゚ オッカ ウン チノミシㇼ カンカン レㇾケヘ チノミシㇼ オケネウㇱウン チノミシㇼ エレㇷ゚ アン オロウン カムイイピㇼマ ハウ ア・ヌ コㇿ コタン エウン ウタㇻ ヤイトゥパレ パ ㇷ゚ ネ=私どもの二風谷では熊の姿岩のチノミシㇼ(我ら祭る所),カンカン向かいのチノミシㇼ,オケネウㇱのチノミシリ,3か所あって,そこへ神のお告げが聞こえたら村人全部が気をつけるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy'iwakte
カムイイワㇰテ 【kamuy iwakte】 神を神の国へ帰す. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy'opoysion
カムイオポイシオン 【kamuy-o-poysion】 神の子供,子熊.▷カムイ=神 オポイシオン=子供 →神の子=小さい熊 (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy'oroitak
カムイオロイタㇰ 【kamuy-or-o-itak】 祝詞:神に祈るときに唱える古い言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy'otopus
カムイオトプㇱ 【kamuy-otop-us】 ポンヤウンペというユカㇻの主人公を育てた人.▷カムイ=神 オトㇷ゚=髪 ウㇱ=生える (出典:萱野、方言:沙流)
kamuycaca
カムイチャチャ 【kamuy-caca】 熊. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuycep
カムイチェㇷ゚ 【kamuy-cep】 サケ,あきあじ. カムイチェㇷ゚ ネ ホクレ マ ヤン=サケは焼くとなおさら味があるものだ.早く焼きなさい.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ チュㇰ アン コㇿ コナハ(ク・オナハ) エン・トゥラ ケスクラン カムイチェㇷ゚ コイキ クス ペトルン(ペッオㇿウン) ラㇷ゚・アㇱ ペ ネ ア ワ=私が小さい頃は秋になると父が私を連れて,毎晩あきあじを獲るのに川へ下りて行ったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuycikappo
カムイチカッポ 【kamuy-cikappo】 フクロウ. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuycise
カムイチセ 【kamuy-cise】 熊の穴. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyemawri
カムイエマウリ 【kamuy-emawri】 黒イチゴ. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyetomte
カムイエトㇺテ 【kamuy-e-tomte】 イヨマンテ(熊送り)の時に熊の頭に飾る宝物のこと.雌熊にはタマサイ(首飾り),雄熊にはエムㇱ(刀)を飾る. ▷カムイ=熊神 エ=それ トㇺテ=飾る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyharu
カムイハル 【kamuy-haru】 熊の穀物.熊の肉だけを言う.鹿の肉はユㇰカㇺと言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyhopunire
カムイホプニレ 【kamuy-ho-puni-re】 神を神の国へ帰す.▷カムイ=神 ホ=尻 プニ=起こす レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyhuci
カムイフチ 【kamuy-huci】 火の神. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyhum
カムイフㇺ 【kamuy-hum】 雷,雷の音. カムイフㇺ アㇱ ヒ タ アナㇰネ イルイケ カ ムンヌウェ カ ケメイキ カ ソモ ア・キ ノ オリパㇰ・アン ペ ネ ナ アニー=雷の音のする時には.研ぎものも,ほうきを使うことも,縫い物もしてはならない.謹慎しているものだぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyhum as
カムイフㇺ アㇱ 【kamuy-hum as】 雷が鳴る. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuykarus
カムイカルㇱ 【kamuy-karus】 マツタケ. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyketunci
カムイケトゥンチ 【kamuy-ketunci】 熊の皮. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuykirsam
カムイキㇼサㇺ 【kamuy-kir-sam】 神の膝元,神の前. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuykocikasinukar
カムイコチカシヌカㇻ 【kamuy-ko-ci-kasinukar】 神からの授かり事,幸運.▷カムイ=神 コ=それ カシ=上 ヌカㇻ=見る ソンノ オンネㇷ゚ カシ ア・オイキ コㇿ アイヌ パテㇰ エヤイコプンテㇰ ペ ソモ ネ ワ カムイコチカシヌカㇻ アン ペ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン アニー=本当に年寄りの面倒を見ると人間だけが喜ぶものではないものだ,神からの授かり事があるものだから聞いておきなさいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuykoipuni
カムイコイプニ 【kamuy-ko-i-puni】 熊送りの時に熊神に食べ物を出す.▷カムイ=神(熊) コ=〜に対して イプニ=配る,出す,食べ物を出す (出典:萱野、方言:沙流)
kamuykotan
カムイコタン 【kamuy-kotan】 神の村:天の上にあると考えられていた. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuykoypak
カムイコイパㇰ 【kamuy-koypak】 天罰. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuykoyukar
カムイコユカㇻ 【kamuy-ko-yukar】 熊神に聞かせる叙事詩.*熊送りに聞かせるが途中でやめる.続きを聞きに熊神が来てくれることを期待してである. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuymosir
カムイモシㇼ 【kamuy-mosir】 神の国. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuynisuk
カムイニスㇰ 【kamuy-nisuk】 神頼みをする.▷カムイ=神 ニスㇰ=頼む *病人がいると神をこしらえて病気を治すようにお願いする. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuynomi
カムイノミ 【kamuy-nomi】 祈る,神への祈り(をする),祭る,祝詞. テエータ オカ アイヌ アナㇰネ ポンノ カ サケ コㇿパ コㇿ カムイノミ パ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ネノアン イキ カ ア・パンテ ワ イサㇺ=ずうっと前のアイヌは少しでも酒を持つと神への祈りをしたものだが,今はそのようなことも薄められてしまった.図[カムイノミ] (出典:萱野、方言:沙流)
kamuypappuri
カムイパップリ 【kamuy-pap-puri】 悪癖:神から罰を受けるような悪行をする癖. イッカ アナㇰネ ネㇷ゚ アッカリ カムイパㇷ゚プリ ネ ナ.イテキ イッカ・アン ペ ネ ナ.ヌ ワ オカ ヤン=盗みというものは何よりも神に罰せられるものなのだ.絶対に盗みをしてはならないものだ.聞いておきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuypirma
カムイピㇼマ 【kamuy-pirma】 神の耳うち,神がそっと教えてくれる. →カムイイピㇼマ (出典:萱野、方言:沙流)
kamuypunki
カムイプンキ 【kamuy-punki】 神の守護. タパン ネㇷ゚キ アㇺピㇼ パㇰノ カ イユニン サㇰノ シペッテㇰ クニ カムイプンキ アン ペ ネ ナ=この仕事中に爪傷ほどの怪我もなく終わりますように神のご守護があるでありましょう.→カムイノミ (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyrametok
カムイラメトㇰ 【kamuy-ram-etok】 (神のような)度胸. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyranketam
カムイランケタㇺ 【kamuy-ranke-tam】 神授の刀,神から授かった刀[ユ].▷カムイ=神 ランケ=降ろす タㇺ=刀 (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyrus
カムイルㇱ 【kamuy-rus】 熊の毛皮. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuysasimi
カムイサシミ 【kamuy-sasimi】 神の落とし子,落胤. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuysopki
カムイソㇷ゚キ 【kamuy-sopki】 神の寝床:囲炉裏の中. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuytat
カムイタッ 【kamuy-tat】 エゾノダケカンバ,ダケカンバ. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuytekkot
カムイテッコッ 【kamuy-tek-kot】 蒙古斑.▷カムイ=神 テㇰ=手 コッ=跡 →生まれる時に神が押した手の跡 *蒙古斑のない子供は神が汚がって手をつけなかったので長生きしないと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuyyukar
カムイユカㇻ 【kamuy-yukar】 神謡:神が自らのことを語る話.*サケヘという繰り返し言葉がついている.(萱野茂『カムイユカㇻと昔話』小学館) (出典:萱野、方言:沙流)
kana
カナ 【kana】 ください. エン・コカナ クス ア・コレ ア ワ=私にそれをくださいと言ったので,くれてやった. (出典:萱野、方言:沙流)
kanci
カンチ 【kanci】 舵. (出典:萱野、方言:沙流)
kancikamani
カンチカマニ 【kancikamani】 サンショウ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
kane
カネ 【kane】 鉄,金属. (出典:萱野、方言:沙流)
kane
カネ 【kane】 〜して. ポン セタ ア・トゥラ カネ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ヒナㇰ ワ シネ イセポ ピッコサヌ ア・エラムトゥイ=小さい犬を連れて,山へ行くと,どこからか1匹のウサギがさっと出て私はびっくりした. (出典:萱野、方言:沙流)
kane
カネ 【kane】 〜(の)まま. (出典:萱野、方言:沙流)
kane
カネ 【kane】 様子. エㇰ カネ イキ=来た様子だ. (出典:萱野、方言:沙流)
kaneapepasuy
カネアペパスイ 【kane-ape-pasuy】 鉄火箸. 図[カネアペパスイ] (出典:萱野、方言:沙流)
kanehine
カネヒネ 【kane hine】 〜て. シネンネ ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ オッコ ウタㇻ ウトゥラ カネ ヒネ エㇰ ワ ウコイラㇺ・アㇱ=ひとりで山へ行くと思っていたら姉たちがふたりで来たので一緒に行った. (出典:萱野、方言:沙流)
kaneopu
カネオプ 【kane-o-pu】 金入れ倉. ▷カネ=銭 オ=入れる プ=倉 *シサㇺウウェペケレ(和人の昔話)に,イワンカネオプ イワンハルオプ(六つの金入れ倉,六つの穀物入れ倉)という言い方がある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kanepeussintoko
カネペウッシントコ 【kane-pe-us-sintoko】 金箔を打ったシントコ:漆器. (出典:萱野、方言:沙流)
kanepeustuki
カネペウㇱトゥキ 【kane-pe-us-tuki】 梨子地塗りの杯:漆器.カネペ(金しずく=梨子地) 図[カネペウㇱトゥキ] (出典:萱野、方言:沙流)
kanepipa
カネピパ 【kane-pipa】 鉄の穂ちぎり:フレセンカキ(赤い本綿布)をつけてあるので畑の中で落としても目立つので見つけることができる. 図[カネピパ] (出典:萱野、方言:沙流)
kanewa
カネワ 【kane wa】 〜して. (出典:萱野、方言:沙流)
kani
カニ 【kani】 私.▷ク=私が アン=居る ヒ=所 (クアンヒ→クアニ→カニ) (出典:萱野、方言:沙流)
kanit
カニッ 【ka-nit】 糸巻き木. フチ エ・ヌー カニッ オㇿ ワ ポンノ カ クㇰ(ク・ウㇰ) ナ アニー ク・サハ トゥラ ウカウㇰ・アㇱ ナ=おばあちゃん聞こえるかい,糸を掛ける棒から少し糸を取るよ,お姉ちゃんと綾取りするから.図[カニッ] (出典:萱野、方言:沙流)
kaniyaykata
カニヤイカタ 【kani-yaykata】 自分自身で.▷クアニ=私 ヤイカタ=自分で(クアニヤイカタ→カニヤイカタ) (出典:萱野、方言:沙流)
kankami
カンカミ 【kankami】 鏡. (出典:萱野、方言:沙流)
kankan
カンカン 【kan-kan】 腸,はらわた. (出典:萱野、方言:沙流)
kankan'okustep
カンカンオクㇱテㇷ゚ 【kankan-okuste-p】 鹿とか熊の腸を裏返しにする細い棒.*この棒は先の方が二股になっている. (出典:萱野、方言:沙流)
kankitay/kankitaye(he)
カンキタイ/カンキタイェ(ヘ) 【kan-kitay/-kitaye(he)】 頭頂,頭のてっぺん. (出典:萱野、方言:沙流)
kanna
カンナ 【kanna】 再び,今度,この次に. タント エ・シケ パセ ナ カンナ エ・エㇰ ヒ タ セ ワ アㇻパ=お前の荷物は重いので再び(次に)来た時に背負って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
kannakamuy
カンナカムイ 【kanna-kamuy】 雷神,龍.▷カンナ=上 カムイ=神 *アイヌは雷のことを龍と呼んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kannakamuy onisposo
カンナカムイ オニㇱポソ 【kanna-kamuy o-nis-poso】 落雷(する).▷カンナカムイ=雷 オ=それへ ニㇱ=雲 ポソ=潜る (出典:萱野、方言:沙流)
kannakanna
カンナカンナ 【kanna-kanna】 何回も,なおなお,たびたび. (出典:萱野、方言:沙流)
kannamosir
カンナモシㇼ 【kanna-mosir】 地上世界.▷カンナ=上 モシㇼ=国土  *これに対しポㇰナモシㇼ=裏の国土という人間が死んでから行く世界があると考えられている. (出典:萱野、方言:沙流)
kannapatoye
カンナパトイェ 【kanna-patoye】 上唇. ポㇰナニルㇱ カンナパトイェ イカスレ カンナニルㇱ ポㇰナパトイェ イカスレ=下あごの牙が上唇の上へ出て.上あごの牙が下唇の下へ出て(ユカㇻの中での狼の描写). (出典:萱野、方言:沙流)
kannaruyno
カンナルイノ 【kanna-ruy no】 なおまた. (出典:萱野、方言:沙流)
kannasuy
カンナスイ 【kanna-suy】 また,もう1度,再び. (出典:萱野、方言:沙流)
kanni
カンニ 【kar-ni】 打棒:どう猛な熊を殴り殺す時,あるいは犬を殺す時に用いる棒.*シケレペニ(キハダ)製,犬を殺す時に用いると,犬が神の国へ持って行くと金の棒になると考えられていた. 図[カンニ] (出典:萱野、方言:沙流)
kanniwkes
カンニウケㇱ 【kar niwkes】 作れない.▷カㇻ=作る ニューケㇱ=できない (出典:萱野、方言:沙流)
kanpe
カンペ 【kan-pe】 水面. ア・オ ワ アン ポン レパチㇷ゚ ネンカ イイェトㇰ(イ・エトㇰ) ワ エタイェ ペコㇿ カンペ クㇽカ エチャララセ=私が乗っている小さな交易船,誰かが前の方から引っ張るように水面を滑っている. (出典:萱野、方言:沙流)
kanputaha
カンプタハ 【kan-putaha】 蓋. ポロ カラウト カンプタハ ア・エトゥルセレ オンナイ タ アン ポンヤウンペ ア・エキラ ルウェ ネ=大きいつづら,その蓋をさっと落とし,中にいたポンヤウンペを連れて逃げた. (出典:萱野、方言:沙流)
kanru
カンル 【kanru】 髪[ユ].普通はオトㇷ゚/オトピヒという. カンル チンキ オシッチューレ=髪の裾を地につけて[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kanto
カント 【kanto】 天,天空,大空,宇宙. (出典:萱野、方言:沙流)
kantokotor
カントコトㇿ 【kanto-kotor】 空:天の下面. (出典:萱野、方言:沙流)
kantopunkiyo
カントプンキヨ 【kanto-punkiyo】 天の奉行所. ▷カント=天の国 プンキヨ=奉行所[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kantorikamuy
カントリカムイ 【kanto-ri-kamuy】 雨と雪を作る神[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kanuci
カヌチ 【kanuci】 遊女,女郎. (出典:萱野、方言:沙流)
kap/kapu(hu)
カㇷ゚/カプ(フ) 【kap/kapu(hu)】 皮,皮膚. (出典:萱野、方言:沙流)
kapap
カパㇷ゚ 【kapap】 コウモリ. (出典:萱野、方言:沙流)
kapar
カパㇻ 【kapar】 薄い. (出典:萱野、方言:沙流)
kapar'amip
カパㇻアミㇷ゚ 【kapar-amip】 薄い着物.▷カパㇻ=薄い アミㇷ゚=着物 *めくら縞などを下地にし,その上へ白布を当てて切り伏せした着物.カパリミあるいはカパラミㇷ゚ともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
kapar'upas
カパㇻウパㇱ 【kapar-upas】 さっと降った雪. カパㇻウパㇱ カ タ イセポ アピㇼ シッチニナニナ ワ アン カ アリアナクス(アリ・アン アクス) シネ イセポ ア・オシコニ=さっと降った雪の上にウサギの足跡がこちゃこちゃあったので罠を掛けたらウサギ1匹獲ることができた. (出典:萱野、方言:沙流)
kaparimi
カパリミ 【kapar-imi】 切り伏せ刺繍した単衣の着物. 図[カパリミ] (出典:萱野、方言:沙流)
kaparkam
カパㇻカㇺ 【kapar-kam】 肋膜,横隔膜:腹の中の肺臓と腸の間を仕切っている薄い肉. (出典:萱野、方言:沙流)
kaparkonru
カパㇻコンル 【kapar-konru】 薄氷. (出典:萱野、方言:沙流)
kaparpe poysu
カパㇻペポイス 【kapar-pe-pon-su】 薄手の小さい鍋. ▷カパㇻ=薄い ポン=小さい ス=鍋 *カパㇻペポンスがカパㇻペポイスになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kaparpekasa
カパㇻペカサ 【kapar-pe-kasa】 薄手の笠[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kaparpesintoko
カパㇻペシントコ 【kapar-pe-sintoko】 薄ものシントコ:漆器. 図[カパㇻペシントコ] (出典:萱野、方言:沙流)
kaparpetuki
カパㇻペトゥキ 【kapar-pe-tuki】 薄手の杯:漆器. (出典:萱野、方言:沙流)
kaparsamampe
カパㇻサマンペ 【kapar-samampe】 ソウハチガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
kapatcir/kapacir
カパッチㇼ/カパチㇼ 【kapa(r)-cir】 ワシ,タカ(クマタカ). カパチㇼ スワヌ ワ エㇰ ヒネ チカㇷ゚ アㇺコサイェ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=ワシが急降下してきてニワトリを爪でつかまえて行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
kapay
カパイ 【kapay】 ムカゴイラクサ,イラクサ. クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦は,ムカゴイラクサが一番いい,次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kapira
カピラ 【kapira】 織り用の板の目盛:糸と糸の間のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
kapiw
カピウ 【kapiw】 カモメ. (出典:萱野、方言:沙流)
kapkar
カㇷ゚カㇻ 【kap-kar】 皮をむく. エモカㇷ゚カㇻ=いもの皮をむく. (出典:萱野、方言:沙流)
kapke
カㇷ゚ケ 【kapke】 平たい,平らな,薄い. カㇷ゚ケスマ=平らな石.エトゥカㇷ゚ケ=鼻が平らだ(鼻が低い). (出典:萱野、方言:沙流)
kappa
カッパ 【kappa】 平らにする,つくねる,団子にする. シト カッパ=団子を平らにする.オ ペッネカ ワ カッパ ス ポㇷ゚ ワ オラーノ オマレ ペカンケ コㇿ チ ワ アン ペ ネ ナ ヤンケ アニー=それ,練ってから団子にして鍋が煮え立ってから入れて,浮いたら煮えているものだから上げてね. (出典:萱野、方言:沙流)
kaptek
カㇷ゚テㇰ 【kap-tek】 (どたっと)寝ている. イヨㇱキ ワ カㇷ゚テㇰ ワ アン=酔っ払ってどたっと寝ている. (出典:萱野、方言:沙流)
kaptora
カㇷ゚トラ 【kap-tora】 老婆の乳房,年寄りの皮だけのお乳. (出典:萱野、方言:沙流)
kapuhu sossorke
カプフ ソッソㇿケ 【kapuhu sossorke】 皮膚がざらざらになっている,皮膚にかさぶたが出来ている. (出典:萱野、方言:沙流)
kapuhu ukay
カプフ ウカイ 【kapuhu ukay】 しわがよっている. (出典:萱野、方言:沙流)
kar 1
カㇻ 【kar】 ①作る,こしらえる,直す. ホクレ コㇿコニ ハㇺ ケッケ ワ エㇰ ヤン.コㇿチセ ア・カㇻ ナ=早くフキの葉を折り取って来なさい。フキの葉の家を作るから. (出典:萱野、方言:沙流)
kar 2
カㇻ 【kar】 ②火を作る.*サビタの木の若生えを乾かしてマツ板にもむと火が起きる. (出典:萱野、方言:沙流)
kar 3
カㇻ 【kar】 ③〜する. (出典:萱野、方言:沙流)
kar 4
カㇻ 【kar】 ④(木の実等)摘む,採る. (出典:萱野、方言:沙流)
kar ayne
カㇻ アイネ 【kar ayne】 どうにかこうにか. ク・カㇻ アイネ タㇷ゚ シホン ク・モコレ ナ.イテキ ハウコㇿ ヤン.モㇱ ヤㇰ スイ ケライニンネ(ク・エライニンネ) ナ=どうにかこうにか,今赤子を私は眠らせた.声を出さないでね.目を覚ましたらまた私は煩わしいので. (出典:萱野、方言:沙流)
kar okere
カㇻ オケレ 【kar-okere】 作り終わる,出来上がる,なしとげる.▷カㇻ=作る オケレ=終わる (出典:萱野、方言:沙流)
kar wa inkar
カㇻ ワ インカㇻ 【kar wa inkar】 試みる. (出典:萱野、方言:沙流)
karanke
カランケ 【karanke】 近寄る,近づく,近く,〜のそば. タパヌシケ(タㇷ゚アンウㇱケ) アナㇰネ タネ シㇼ ホルッケ アンキ アン.イヤイキㇷ゚テ ナ.イテキ エチ・カランケ クニ ラム ヤン=この場所は今にも地滑りが起きそうだ.危険なので絶対にお前たちは近寄ると思うな.パセ シケ カ コㇱネ シケ カ アン ナ イナニケ カ セ ワ コタン カランケ パㇰノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるのでどれかを背負って村の近くまで私を送ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
karap
カラㇷ゚ 【karap】 さわる,触れる. (出典:萱野、方言:沙流)
karar
カラㇻ 【karar<kar-yar】 作らせる.▷カㇻ=作る ヤㇻ=させる(カㇻヤㇻ→カラㇻ) イテキ カラㇻ=だめ,作らせるな. (出典:萱野、方言:沙流)
kararak
カララㇰ 【kararak】 ハシボソガラス. (出典:萱野、方言:沙流)
kararaktono
カララㇰトノ 【kararak-tono】 ハシボソガラス. (出典:萱野、方言:沙流)
karatun
カラートゥン 【karatun】 6人:人数を数える時に言う言葉.*昭和58年5月7日西島てるさんが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
karawto
カラウト 【karawto】 唐櫃.つづら:衣服を入れる箱.ユカㇻには人間を入れるほど大きいカラウトの話が出て来る. ポロ カラウト カンプタハ ア・エトゥㇽセレ オンナイ タ アン ポンヤウンペ ア・エキラ ルウェ ネ=大きいつづら,その蓋をさっと落とし,中にいたポンヤウンペを連れて逃げた.図[カラウト] (出典:萱野、方言:沙流)
kare
カレ 【kare<kar-re】 やらせる.▷カㇻ=する レ=させる、 ネㇷ゚カ ア・カレ ヤッカ ソモ カㇻ ノ アン ウヌフ オㇿ ワ ア・コイキ コㇿ イタㇱタサ コㇿ アン=何か仕事をさせてもやりもせず母親から叱られると口ごたえをしている.シケサㇻペ アナㇰネ ア・ウコシウトゥㇽウイルケ コㇿ ポーヘネ ウェン ナ.タㇰ ワ エㇰ ヤン.ア・オプンプニ ワ ネㇷ゚カ ア・カレ クㇱネ ナ=ならず者は皆ではじき出すとなおさら悪いものだ.呼んで来なさい.おだてて何かやらせようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kare
カレ 【kare】 仕事をさせる,作らせる.▷カㇻ=作る レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
karepinki
カレピンキ 【karepinki】 矢入れ袋:ガマ草で作る. (出典:萱野、方言:沙流)
kari
カリ 【kari】 〜から. プヤㇻ カリ インカㇻ=窓から見る.アパ カリ インカㇻ=戸から見る. (出典:萱野、方言:沙流)
kari 1
カリ 【kari】 ①徘徊する,回る. カムイ シクトゥㇽ(シㇰ ウトゥㇽ) アイヌ シクトゥㇽ トゥㇱマㇰ ワ アㇻウェントゥカㇷ゚ カリ ハウェ=神の目や人間の目,そのすき間をかいくぐって化け物が徘徊しているのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
kari 2
カリ 【kari】 ②化けた. タㇷ゚イキヤ ウナㇻペ マㇰ ネ ワ ネ ヤカ ア・エラムㇱカリ コㇿカ カリ ヤㇰ ア・イェ アイヌ ウタㇻ ウシトマレ クンネ アン コㇿ ソイネ クㇽ カ イサㇺ=この頃亡くなったおばさん,どうしてか知らないが化けたということで,人々は恐ろしがって暗くなると外へ出る人もいない. (出典:萱野、方言:沙流)
karikari
カリカリ 【kari-kari】 響く. オキㇺネ ワノ アイヌ エㇰ ハウ カリカリ ヒクス プヤㇻ カリ ア・オㇱマ インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) オヤチキ キムンカムイ スマウコㇿ パ ワ ネ アアン=山の方から人が来る声が響いて来たので窓から体を出して見ると,知らなかったが,熊を獲ってきたのであった. (出典:萱野、方言:沙流)
karimpani
カリンパニ 【karimpa-ni】 エゾヤマザクラ,サクラ.▷カリンパ=サクラ皮 ニ=木 *この木の皮を弓や矢筒に巻くなど細工用に皮を多用したので皮に名をつけた. (出典:萱野、方言:沙流)
karimpaunku
カリンパウンク 【karimpa-un-ku】 サクラの皮を巻いた弓:クネニ(イチイ)にカリンパ(サクラの樹皮)を巻く. [カリンパウンク] (出典:萱野、方言:沙流)
karip
カリㇷ゚ 【karip】 つる輪,輪:細長いものを曲げて,丸くしたもの. カリㇷ゚パㇱ シㇼ シコパヤㇻ=つるの輪が走るように(疾駆する).カリㇷ゚ ア・カㇻ ヒ タ アナㇰネ プンカㇻ ア・アペコセセッカ ワ ア・レウェ コㇿ リテン ペ ネ ワ=つるの輪を作る時はつるを火にあぶり,それを曲げると柔らかいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
karip paste
カリㇷ゚ パㇱテ 【karip paste】 つる輪を走らせる子供の遊び. 図[カリㇷ゚パㇱテ2種] (出典:萱野、方言:沙流)
karippekap
カリッペカㇷ゚ 【karip-pekap】 輪差し:輪を受ける二股の棒.チキサニ(アカダモ)で作る. (出典:萱野、方言:沙流)
karire
カリレ 【kari-re】 回す. (出典:萱野、方言:沙流)
karisirpatek
カリシㇼパテㇰ 【kari sir patek】 ちらっと. (出典:萱野、方言:沙流)
karkani
カㇻカニ 【kar-kani】 火打ち鉄(がね). 図[カㇻカニとカㇻパㇱシントコ] (出典:萱野、方言:沙流)
karkar
カㇻカㇻ 【kar-kar】 刺繍する. メノコ アナㇰネ ホクコㇿ エトㇰ タ イカㇻカㇻ エアㇱカイ クス オカイ ペ ネ ナ シコㇿ ア・ウヌフ イ・イェ クス ピㇾカ センカキ ア・カㇻカㇻ コㇿ アナン(アン・アン)=娘というものは夫を持つ前に刺繍を上手にするものだと母が私に言うので上等な布に私は刺繍をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
karkarse
カㇻカㇻセ 【kar-kar-se】 転がる. スマ カㇻカㇻセ=石が転がる. (出典:萱野、方言:沙流)
karkarsere
カㇻカㇻセレ 【kar-kar-se-re】 転がす,回す. ニス カㇻカㇻセレ=臼を転がす.エシソウン ニス カㇻカㇻセレ ワ アㇻパ=右隣へ臼を転が(回す)して行け. (出典:萱野、方言:沙流)
karkisa
カㇻキサ 【kar-kisa】 火を起こす. (出典:萱野、方言:沙流)
karku/karku(hu)
カㇻク/カㇻク(フ) 【karku/karku(hu)】 甥(おい). (出典:萱野、方言:沙流)
karop
カロㇷ゚ 【kar-o-p】 火起こし用具入れ,火打ち用具入れ. 図[カロㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
karpa
カㇻパ 【kar-pa】 作る〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
karpas
カㇻパㇱ 【kar-pas】 火つけ炭:サルノコシカケの炭の粉. (出典:萱野、方言:沙流)
karpas sintoko
カㇻパㇱ シントコ 【kar-pas-sintoko】 火つけ炭入れ,火起こし用具入れ:カリンパニ(サクラ)製. (出典:萱野、方言:沙流)
karsuma
カㇻスマ 【kar-suma】 火打ち石:白い珪石. (出典:萱野、方言:沙流)
karus
カルㇱ 【karus】 きのこ(総称),シイタケ. ホㇱキヌマン アㇷ゚ト アㇱ タント シㇼピㇼカ クス カルㇱ ヘトゥク ワ アン ナンコㇿ ナ ヘタ エキㇺネ・アン ロ=一昨日は雨降り,今日はいい天気なのでシイタケが出ただろうから,さあ山へ行こう.テエタ キㇺ タ カルㇱ ア・ウㇰ コㇿ ワンペ ランケ ア・ニヌ ヒネ シネ サイ ランケ ア・エイヨㇰ ペ ネ=昔山でシイタケを採ると10粒ずつ糸で繋ぎ1連ずつ売ったものであった.*きのこの総称をカルㇱというが,ナラの木に生えるシイタケはカルㇱだけでもわかる.他のきのこは○○カルㇱと語頭へつけなければならない.昭和10年代は二風谷の近くの山で伐採が行なわれ,ウラ木と称せられる部分,太いほうを伐って出した残りがあって,それにシイタケが生えたのを採りに行って食べたり売ったりした. (出典:萱野、方言:沙流)
karusuk
カルスㇰ 【karus-uk】 きのこ採り(をする). ナー クンネイワ イペ カ ソモ ノ アン ウㇱケ ウン アㇻパ・アン カルスㇰ(カルㇱ ウㇰ) クス ク・シレン アクス ウㇰペテケハイタ コㇿ ヤイェトコイキ=まだ朝飯を食べていないところへ私は行ってきのこ採りに行こうと誘うととるものもとりあえず自分のしたくをしはじめた. (出典:萱野、方言:沙流)
kas
カㇱ 【kas】 仮小屋. (出典:萱野、方言:沙流)
kasa
カサ 【kasa】 笠. カサラントゥペピ=笠を縛る紐の端. (出典:萱野、方言:沙流)
kasakep
カサケㇷ゚ 【kasa-kep】 笠の庇[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kasayep
カサイェㇷ゚ 【ka-saye-p】 糸巻き.▷カ=糸 サイェ=巻く ㇷ゚=もの (出典:萱野、方言:沙流)
kasi
カシ 【kasi】 〜の上. (出典:萱野、方言:沙流)
kasi ciwkus
カシ チウクㇱ 【kasi ciw-kus】 流れる:その上を水が流れる. フㇱペ カシチュークㇱ=死んだ鹿の上を水が流れている. (出典:萱野、方言:沙流)
kasi opiwki
カシ オピウキ 【kasi o-piwki】 助ける.▷カシ=上 オ=それ ピューキ=追い払う ア・ユピヒ トゥラノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニセンピㇼ ワ シネ ハイカンヌㇷ゚ ピッコサヌ ア・ユピヒ カシ カムテㇰ.アロラㇺポソ・アン コㇿ ネ ワ アン ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ ア・シㇼコオッケ ア・ユピヒ カシ ア・オピューキ=私は兄と山へ行ったら,木の陰から中ぐらいの熊が飛び出して私の兄におおいかぶさった,私は驚きながらその熊を槍で突き刺し兄を助けた. (出典:萱野、方言:沙流)
kasi osorusi
カシ オソルシ 【kasi osor-usi】 腰かける. サマㇺ ニ カシ ア・オソルシ=倒木の上へ私腰をかける. (出典:萱野、方言:沙流)
kasieoma
カシエオマ 【kasi e-oma】 寄りかかる,しなだれかかる. テエータ アナㇰネ ネノアン シリキ ソモ ア・ヌカㇻ ペ ネ ア コㇿカ タネ オカ ペウレクㇽ アナㇰネ ホクフ カシエオマー カネ オカイパ=ずうっと昔は,そのような様子を見ることはなかったが,今いる若い人は自分の夫にしなだれかかっている. (出典:萱野、方言:沙流)
kasieusieusi
カシエウシエウシ 【kasi e-usi-e-usi】 (何回も)殴る.▷カシ=上 エウシエウシ=入り入り (出典:萱野、方言:沙流)
kasihuye
カシフイェ 【kasi-huye】 看病(する). エカシ オンネ ルスイ ワ ヘ エ・カシフイェ コㇿ エ・アン ヤㇰ ク・イヌ ソネ ウパキタラ エチ・オカ ヤー=おじいさんが死に近いのか,お前が看病していたと聞いたが,変わりなくいたかい. (出典:萱野、方言:沙流)
kasikamu
カシカム 【kasi-kamu】 かぶさる. (出典:萱野、方言:沙流)
kasikamuy/kasikamuye(he)
カシカムイ/カシカムイェ(ヘ) 【kasi-kamuy/-kamuye(he)】 憑き神. カシカムイ ピㇼカ=憑き神がよい.カシカムイユㇷ゚ケ=憑き神が強い. (出典:萱野、方言:沙流)
kasikamuyeyupke
カシカムイエユㇷ゚ケ 【kasi-kamuy e-yupke】 運が強い. (出典:萱野、方言:沙流)
kasiketa
カシケタ 【kasike ta】 上に. (出典:萱野、方言:沙流)
kasikeun
カシケウン 【kasike-un】 さらに,その上. タンパ アナㇰネ チュㇰアン ワ アㇷ゚ト アㇱ カ ソモ ワ シペ カ ソモ エㇰ.カシケウン シㇼスㇺ ペ ネ クス アエㇷ゚ カ イサㇺ=今年は秋になってから雨が降らなかったのでサケが遡上しない.さらに夏はひでりが続きかんばつであったので食べ物もない. (出典:萱野、方言:沙流)
kasikewe
カシケウェ 【kasi kewe】 加勢する,かばう. ウェニヨㇱキ ㇷ゚ エㇰ ヒネ イチェン エネコソウㇰ(エン・エコソウㇰ) ルスイ ク・シトマ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) アウン アチャポ エㇰ ヒネ エン・カシケウェ.エアㇻキンネ ク・ヤイライケ=泥酔したといってもいいような者が来て,銭を貸してくれと言い,私が恐ろしく思っていると隣のおじさんが来て私に加勢してくれた.本当に有難かった. (出典:萱野、方言:沙流)
kasikewensamampe
カシケウェンサマンペ 【kasike-wen-samampe】 イシガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
kasikik
カシキㇰ 【kasi-kik】 はらい清める:病人を治すためにタクサという清め草で体の上をはらい清める.▷カシ=上 キㇰ=叩く (出典:萱野、方言:沙流)
kasinta
カシンタ 【ka-sinta】 水鳥の罠:ブドウづるで作り,糸は馬のしっぽの毛で撚る.そうすると糸がふやけることがなくいいものである. 図[カシンタ] (出典:萱野、方言:沙流)
kasinukar
カシヌカㇻ 【kasi-nukar】 授かる. アイヌ アナㇰネ ピㇼカ ケウトゥㇺ コㇿ コㇿ ソモ ネンカ ヤイヌ・アン ヤッカ チ・カㇱヌカㇻ ヒ カ アン ペ ネ.イテキ ウェンサンペコㇿ・アン ペ ネ ナー=人間というものはよい精神を持っていると,思いもしない所で授かり物があるものだ.だによって悪い精神を持つものではないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kasioiki
カシオイキ 【kasi o-iki】 面倒を見る.世話をする.▷カシ=上 オ=それ イキ=する ソンノ オンネㇷ゚ カシ ア・オイキ コㇿ アイヌ パテㇰ エヤイコプンテㇰ ペ ソモ ネ ワ.カムイコチカシヌカㇻ アン ペ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン アニー=本当に年寄りの面倒を見ると人間だけが喜ぶものではないものだ.神からの授かり事があるものだから聞いておきなさいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kasioma
カシオマ 【kasi-oma】 乗っかかる. (出典:萱野、方言:沙流)
kasioniwen
カシオニウェン 【kasi o-niwen】 自分が悪いにもかかわらずたんかをきる.▷カシ=上 オ=それ ニウェン=猛り立つ (出典:萱野、方言:沙流)
kasiose
カシオセ 【kasi o-se】 みやげ物を持って行く. ピスン(ピㇱ ウン) ウナㇻペ エウン エ・アㇻパ ハウェ ネ ヤクン サカンケカㇺ ヘネ カシオセ アニー=浜のおばさんの所へお前が行くのなら,乾かした肉でもみやげ物として持って行くんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kasiotao
カシオタオ 【kasi ota-o】 上へ砂を入れる. (出典:萱野、方言:沙流)
kasiramu
カシラム 【kasi-ramu】 案ずる.▷カシ=上 ラム=思う (出典:萱野、方言:沙流)
kasirari
カシラリ 【kasi-rari】 その上,つづけて.▷カシ=上 ラリ=詰める オトゥ イキンネ オレ イキンネ ア・チㇱテ ハウェ オナハ カシラリ ウヌフ カ オンネ ハウェ ア・エランポㇰウェン=2回も3回も泣かされて,父が死んだその上へ母も亡くなったとか,気の毒な. (出典:萱野、方言:沙流)
kasirariarpa
カシラリアㇻパ 【kasi-rari-arpa】 すぐ後へ行く.▷カシ=上 ラリ=詰める アㇻパ=行く (出典:萱野、方言:沙流)
kasiseske
カシセㇱケ 【kasi-seske】 布団を着せる,おおう,上をふさぐ. ク・コㇿ ション ク・ホッケ ナ エン・カシセㇱケ ワ エン・コレ アニー=孫よ,私は寝るので私の上へ布団をかけてくださいよ.*子供の頃,祖母テカッテにいつも言われた言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
kasita
カシタ 【kasi ta】 上に. (出典:萱野、方言:沙流)
kasiun
カシウン 【kasi un】 その上,その挙げ句. シットゥイマ カシウン エ・シケ パセ ナ シニ ランケ アㇻパ アニー=遠いし,その上あなたの荷物が重いので,休み休み行ってね.パナウンクㇽ エウン ポオン イチェン ネ コㇿカ ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) アㇷ゚ ソモ エン・コホシピレ.カシウン イイェシシ(イ・エシシ) ㇷ゚ ネ クス ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=川下の人へ少しの銭であったが貸したものだが私に返済しない.その挙げ句私を避けるものだから私はあの人を見たこともない.エイタサ シト ケ(ク・エ) ア ケ(ク・エ) ア ク・ラコㇿ カシウン ク・イㇰマウレ ク・サンペ エコイキ カ ク・キ ノイネ=あまりにもたくさん餅を食べて食べて腹にもたれる挙げ句,げっぷも出て胸焼けもしそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kaskot
カシコッ 【kas-kot】 野宿小屋. ホクレ ホクレ タヌクラン テタ レウシ・アン ナ.カシコッ ア・カㇻ ナ コㇿ コニハㇺ ウㇰ ワ エㇰ ヤン=さあさあ今夜はここで泊まるぞ.野宿小屋を作るのでフキの葉を取って来なさい. (出典:萱野、方言:沙流)
kasoya
カソヤ 【ka-soya】 ハチ〔昆虫〕:ふつうのハチ. (出典:萱野、方言:沙流)
kaspa
カㇱパ 【kaspa】 〜しすぎる. ポㇷ゚カㇱパ=煮え立ちすぎる.ポロカㇱパ=大きすぎる.スケカㇱパ=量を多く煮すぎる.イナウ アナㇰネ オッカヨ ウタㇻ ケ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ピㇼカ イナウ ア・ケ ヒ アナㇰネ イナウネニ エイタサ ソモ ア・サッケ カウレ カㇱパ ヤッカ リカン カㇱパ ヤッカ ウェン ペ ナ.エラムオカ ヤン アニー=イナウというものは男たちが削るもので,美しいイナウを削るのにはイナウを削る材料をあまり乾かしすぎないこと,乾かしすぎても湿りすぎても悪いものだ,覚えておいてね. (出典:萱野、方言:沙流)
kaspaotte
カㇱパオッテ 【kaspa-otte】 諭す.意見する,訓戒する,忠告する,説教する,力づける,はげます. (出典:萱野、方言:沙流)
kasre
カㇱレ 【kasre】 (穴などが)浅い. オッコ ポンノ ホㇱキ.テオロホ カㇱレ ノイネ アン ナ ペッカスイ・アン ロー=おねえさん,少し待って.この場所が浅いようだから川を渡ろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kasretokpa
カㇱレトㇰパ 【kasre-tokpa】 浅くつつく. ▷カㇱレ=浅く トㇰパ=つつく *ポンヤウㇺペが怪鳥に襲われて,カㇱレトㇰパ ラウネトㇰパ(浅くつつかれ,深くつつかれ)と描写されている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kasu
カス 【kasu】 〜を超える,〜以上. (出典:萱野、方言:沙流)
kasukasu
カスカス 【kasu-kasu】 ~過ぎる,来る時を過ぎた. エㇰクスネアㇷ゚ カスノイサㇺ カスノイサㇺ=来るはずであったが過ぎても来ない.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kasumpe
カスンペ 【kasumpe】 カスペ:カジキエイ. (出典:萱野、方言:沙流)
kasuno
カスノ 【kasu no】 あまりにも,(〜より)以上に,より〔雅〕. (出典:萱野、方言:沙流)
kasuno
カスノ 【kasu no】 過ぎる,余る. エㇰ ヒ ア・ラム ヒ カスノ イサㇺ=来ると思った時を過ぎても来ない. (出典:萱野、方言:沙流)
kasunokane
カスノカネ 【kasuno-kane】 それ以上に. (出典:萱野、方言:沙流)
kasup
カスㇷ゚ 【kasup】 杓子,しゃもじ. カスㇷ゚ スイェ イペウナラ ウェンメノコ=しゃもじを振る食い根性の悪い女. (出典:萱野、方言:沙流)
kasupkokiru
カスㇷ゚コキル 【kasup-ko-kiru】 しゃもじで混ぜる:煮物をしゃもじで底から. (出典:萱野、方言:沙流)
kasupni
カスㇷ゚ニ 【kasup-ni】 エリマキ,マユミ〔植〕.▷カスㇷ゚=しゃもじ ニ=木 *アイヌはこの木でしゃもじを作った. (出典:萱野、方言:沙流)
kasuy
カスイ 【kasuy】 手伝う,加勢する. ク・イチャ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) インネ ウタㇻ エㇰ ワ エン・カスイ クスケライポ ア・オケッテㇰテㇰ=私が穂ちぎりをしていると,大勢の人が来て私を手伝ってくれ,そのお陰でさっと終わってしまった.オヌマン パㇰノ エン・カスイ ニサッタ エチ・カスイ クㇱネ ナ=夕方まで私を手伝って,明日あなたを手伝うから. (出典:萱野、方言:沙流)
kasuy
カスイ 【kasuy】 渡る. オッコ ポンノ ホㇱキ テオロホ カㇱレ ノイネ アン ナ ペッカスイ・アン ロー=おねえさん,少し待って.この場所が浅いようだから川を渡ろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kat/katu(hu)
カッ/カトゥ(フ) 【kat/katu(hu)】 姿,様子. イワラサンペ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ マカン カッコㇿ ペ ネ ヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=岩の下の心臓という悪い神はどのような姿をしているものか私はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
kata
カタ 【ka ta】 上で. (出典:萱野、方言:沙流)
katak
カタㇰ 【ka-tak】 糸玉:アッ(オヒョウの皮の繊維)やニペ,(シナの木の皮の繊維で作った)糸. (出典:萱野、方言:沙流)
katap
カタㇷ゚ 【ka-tap】 〜も.くらいも,でさえも. シゲル カタㇷ゚ カㇻ ペ ク・カㇻ エアイカㇷ゚ ハウェー=茂でさえも作るのに俺ができないはずがない. (出典:萱野、方言:沙流)
katcak
カッチャㇰ 【katcak】 器量が悪い,至らない. カッチャㇰ ペ ク・マッネポホ ネ ワ ネ コㇿカ=至らない者,私の娘ではあるけれど.*私の父が,昭和18年に隣村へ娘(私の姉)を嫁に行かせた時に言っていた言葉.ヘりくだる時に使う. (出典:萱野、方言:沙流)
katcam/katcama(ha)
カッチャㇺ/カッチャマ(ハ) 【kat-cam/-cama(ha)】 行状,身持ち,品行. カッチャマハ ア・オヤネネ=あの者の行状が不審だ.ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ カッチャマハ ウェンメノコ ア・トイキッカㇻ コㇿ コタン ケスン(ケㇱ ウン) エホラㇰチセ オルン ヤイニンパニンパ セコㇿ ネ ㇷ゚ ネ=昔話の中では行ないの悪い女が父や母に殴られると村はずれの半分潰れた家へ自分の身体を引きずるようにして行ったと描写されている. (出典:萱野、方言:沙流)
katcipi
カッチピ 【kat-cipi】 生き返る. (出典:萱野、方言:沙流)
kateomare
カテオマレ 【kate-omare】 惚れる,好きになる. クコロペㇾ(ク・コㇿ オペㇾ) ライ パㇰノ エチ・カテオマレ.ク・ヤイヌ エㇺコ パㇰノ カ エン・ヤイヌ ルウェ ヘ アン=お嬢さんよ,死ぬほどにあなたに私は惚れている.私の思いの半分だけでも私のことを思っているだろうかね. (出典:萱野、方言:沙流)
katkemat
カッケマッ 【katke-mat】 妻,淑女:女性に対して敬意を表して言う言葉. テエータ ポロ マラㇷ゚ト アニタ(アン ヒ タ) アナㇰネ オッカヨ ウタㇻ マチヒ トゥキ コレ クス ホトゥイェカㇻ ヒ タ "ク・コㇿ カッケマッ エンサムン(エン・サㇺ ウン) エㇰ トゥキ エチ・コレ ナー" シコㇿ ハウェカ ヒ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=ずうっと昔,大きい祝宴のある時には男たちが妻に杯を渡すために呼ぶ場合に「私の妻よ側へ来てくれ,杯をあげよう」と言っていたのを聞いたことがある.*普通はカッケマッ=妻,淑女と言うことはないけれども,上のような場合にのみその呼び方があったものである. (出典:萱野、方言:沙流)
katkikus
カッキクㇱ 【katki-kus】 (魔物が,化け物が)憑(つ)く,取り憑かれる,障りがつく,崇る,悪霊などが災いをする. ソンノ ケスクラン アン コㇿ クンネチㇱ.カッキクㇱ ワ ソモ ネ ヤ ウン=本当に毎晩毎晩夜泣きする,憑き物でも憑いているのではないだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
katkor
カッコㇿ 【kat-kor】 普通に,かわりなく:ユカㇻに出て来ることが多い. ランマ カネ カッコㇿ カネ オカヤニケ=いつもと同じに変わりもなく私たちはいた. (出典:萱野、方言:沙流)
katkoro
カッコロ 【katkoro】 毛皮を縫い合わせて作った防寒衣.袖のないもので膝ぐらいまでの長さ,なるべく犬の皮を用いるが,鹿皮であれば共撃ちされるおそれがあるので狩りには向かない.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
katnuipe
カッヌイペ 【katnu-ipe】 むさぼり食う. オトゥ ケㇱ ト タ オレ ケㇱ ト タ ソモ イペ・アン ペ ネ クス ピㇼカ アエㇷ゚ ア・エカッヌイペ=二日も三日も食べていなかったので,おいしい食べ物を私はむさぼり食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
kattaro
カッタロ 【kattaro】 勝ち,勝つ. (出典:萱野、方言:沙流)
katu
カトゥ 【/katu】 見込み. (出典:萱野、方言:沙流)
katu(hu)
カトゥ(フ) 【/katu(hu)】 〜の顔,容姿,様子,器量. アイヌ アナㇰネ ア・ヌカㇻ カトゥ パテㇰ ソモ ネ ネユンネユン イコカンタマ ㇷ゚ オカイペ ネ ナ ヤイトゥパレ ヤン アニー=人間は見た目ばかりでなくいろいろと人をだます者がいるものだから気をつけなさいよ.カトゥフ アン ワ ヤイェシコロヌ=あれくらいの器量でよく自分から押し売りしてくるもんだ. (出典:萱野、方言:沙流)
katuhu
カトゥフー 【/katuhu】 あの面を見ろ,あの顔を見ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
katuhua=nukar
カトゥフアヌカㇻ 【katuhu a=nukar】 見どころがある. ナー ポン ヘカチ ネ コㇿカ ピカンピカン シリ カトゥフ アヌカㇻノ アン シリ=まだ少年ではあるけれど気の利いたその動きの様子,見どころのある様子. (出典:萱野、方言:沙流)
katuhuan
カトゥフアン 【katuhu an】 変なかっこうをしている. (出典:萱野、方言:沙流)
katuhukar
カトゥフカㇻ 【katuhu kar】 惑わす:普通の人に化け物が取り憑き,変な行動をさせる. ウェンカムイ オㇿ ワ カトゥフ ア・カㇻ=悪い神から惑わされた. (出典:萱野、方言:沙流)
katukar
カトゥカㇻ 【katu-kar】 惑わす. (出典:萱野、方言:沙流)
katun
カトゥン 【katun】 ふり. アㇷ゚カㇱカトゥン=歩くふり. (出典:萱野、方言:沙流)
katuneka
カトゥネカ 【katu-neka】 〜らしくもない. カトゥネカ トゥレンペ サㇰ=あの人らしくもなく,憑き物がない. (出典:萱野、方言:沙流)
katuneko
カトゥネコ 【katu-ne-ko】 こんなにひどく,少なからず.たくさん. ウェン チャペ カトゥネコ ク・ミッポホ アムチチ ルウェ アン=悪い猫がこんなにひどく私の孫をかっちゃいたものだ.カトゥネコ ケミアン ペ=少なからず珍しい物. (出典:萱野、方言:沙流)
katunkatun
カトゥンカトゥン 【katun-katun】 ふざける. ネㇷ゚カ アン コㇿ オラーノ ネア クㇽ チカトゥンカトゥン シネンネ アン ペコㇿ ア・エオウミナウシ=何かあるとあの人はふざけまわってひとりでいるかのように笑いの渦の芯になる. (出典:萱野、方言:沙流)
katunukar
カトゥヌカㇻ 【katu-nukar】 見込みがあると思う. ク・コㇿ キヤンネポ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ク・ミッポホ トゥン アン ポニケヘ(ポン ヒケヘ) エアㇻキンネ ピカンピカン ワ カトゥ ク・ヌカㇻ=私の長男の所には孫がふたりいて,小さいほうが本当に動きが活発で見込みのある者と思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
katurenkayne
カトゥレンカイネ 【katu-renkayne】 なりゆきにしたがい.▷カトゥ=様子 レンカイネ=勝手に (出典:萱野、方言:沙流)
katutoranne
カトゥトランネ 【katu-toranne】 気が重い.▷カトゥ=様子,姿 トランネ=骨惜しみする (出典:萱野、方言:沙流)
katuturusno
カトゥトゥルㇱノ 【katu-tur-us-no】 不承不承,しぶしぶながら,いやいやながら.▷カトゥ=姿,顔 トゥㇽ=垢 ウㇱ=つく ノ=〜て ソンーノ トランネ ㇷ゚ アナㇰネ ネㇷ゚カ ア・カレ コㇿ ホㇱキノ イヨロモメカㇻ ワ エアシㇼ カトゥトゥルㇱノー アㇱ ペ ネ=本当のからっぽやみ(怠け者)は何かさせると先にぶつぶつ言ってから初めていやいやながら立つものだ.ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) クス ク・コㇿ マッネセタ ク・ホトゥイェカㇻ マキㇷ゚ カトゥトルㇱノ ホプニ ワ エノㇱ(エン・オㇱ) エㇰ=私は山へ行くために自分の犬(雌犬)を呼ぶと,どうしたのかしぶしぶと起きて私の後へ来た. (出典:萱野、方言:沙流)
katuyemimak/katuyemimaki(hi)
カトゥイェミマㇰ/カトゥイェミマキ(ヒ) 【ka-tuye-mimak/-mimaki(hi)】 犬歯,糸切り歯. (出典:萱野、方言:沙流)
katwente
カッウェンテ 【kat-wen-te】 顔を汚す. ソンノ ネユン ア・イェ ヤッカ オトゥ スイ レ スイ イ・カッウェンテ=本当になんと言っても2回も3回も私の顔を汚す, (出典:萱野、方言:沙流)
kawawse
カワウセ 【kawawse】 乾きすぎている. イテセアニタ(イテセ・アン ヒ タ) キナ カワウセ コㇿ カイ ペ ネ クス アㇻスイネ ウォㇿ ア・クㇱテ ア・テイネカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ござを編む時にガマ草が乾いていると折れるものだから,1回だけさっと水の中を潜らせ濡らすといいものだよ.ウナㇻペ キヨリヨ ワ タント トゥラ イワン ト カネ.カワウセ ワ ア・オッケ カ エアイカㇷ゚ ナ ホクレ ランケレ=おばさんが火棚の上に物を載せてから今日で六日になった.乾燥しすぎで搗くことができなくなるから早く下ろさせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
kawkaw
カウカウ 【kaw-kaw】 あられ,ひょう. カウカウ アㇱ=あられが降る. (出典:萱野、方言:沙流)
kawre
カウレ 【kawre】 乾いている,乾燥している. イナウ アナㇰネ オッカヨ ウタㇻ ケ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ピㇼカ イナウ ア・ケ ヒ アナㇰネ イナウネニ エイタサ ソモ ア・サッケ カウレ カㇱパ ヤッカ リカン カㇱパ ヤッカ ウェン ペ ナ.エラムオカ ヤン アニー=イナウというものは男たちが削るもので,美しいイナウを削るのにはイナウを削る材料をあまり乾かしすぎないこと,乾かしすぎても湿りすぎても悪いものだ.覚えておいてね.アマㇺ カウレ コㇿ イユタ・アン ヤッカ ア・エニタン コㇿカ リカン コㇿ オラーノ コネ ワ イサㇺ ペ ネ=穀物が乾燥していると搗き物をしてもしやすいけれども,乾燥不足だと砕けてしまうものだよ.ホㇱキヌマン ク・キヨリヨ アㇷ゚ ピㇼカ ノ カウレ クス ク・イウォセ ナ エン・カスイ=一昨日,私は火棚の上へ物を乗せたがよく乾いているので.それを籾にするから私を手伝え.*主としてヒエ粒,アワ粒,イナキビの粒などの乾燥具合を試す時に使う.歯で噛んでみてぱりっと音がするとカウレ=乾いている,音がしないとリカン=乾燥不足である. (出典:萱野、方言:沙流)
kay
カイ 【kay】 折れる. イテセアニタ(イテセ・アン ヒ タ) キナ カワウセ コㇿ カイ ペ ネ クス アㇻスイネ ウォㇿ ア・クㇱテ ア・テイネカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ござを編む時にガマ草が乾いていると折れるものだから,1回だけさっと水の中をくぐらせ濡らすといいものだよ.ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ペウタンケ ハウ ア・ヌ ヒクス ウンマ ア・オ ヒネ イカオパㇱアナクス(イカオパㇱ・アン アクス) ウンマイカ・アン ア・テケヘ カイ.タㇷ゚ ア・イェ クニ イイェマウコウェン ネ ワ=川の方へ危急を知らせる叫び声がしたので,馬に乗って駆けつけると馬から落ちて私の腕が折れた.これのことを巻き添えを食うというのだよ.イセポカ ア・カㇻ ヒ タ ヘピタニ ネ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ チキサニ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ.ア・エネネ ヤッカ カイ ニューケㇱ ペ ネ=ウサギの罠をしかける時にばね木に作る木はアカダモが一番いいものだ.曲げても折れにくいものだ.フㇱコ ク ア・レウェ ヒ タ イテキ ルイノ ア・レウェ ㇷ゚ ネ.ルイノ ア・レウェ コㇿ ク カイ ペ ネ ナ=古い弓を曲げる時にあまり強く曲げるものではない.強く曲げると弓が折れるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kay
カイ 【kay】 背負う,負う,おぶる. エ・アキヒ チㇱ ナ イイェオマㇷ゚ コㇿ ワ エㇰ カイ ワ ソイネ=お前の弟が泣くからおぶい紐を持って来ておぶって外へ出ろ.ポンペ チㇱ ワ ク・コヤイウェンヌカㇻ ナ ウヌフ エウン カイ ワ アㇻパ=赤ちゃんが泣いてどうしようもないので,母親の所へおぶって行け. (出典:萱野、方言:沙流)
kaya
カヤ 【kaya】 帆. (出典:萱野、方言:沙流)
kaya
カヤ 【kaya】 魚の皮で作った衣類.. (出典:萱野、方言:沙流)
kayaehoyupu
カヤエポユプ 【kaya-e-hoyupu】 帆走(する).▷カヤ=帆 エ=それで ホユプ=走る (出典:萱野、方言:沙流)
kayahonkesetoksekane
カヤホンケセトㇰセカネ 【kaya-hon-kese-tok-sekane】 満帆,船の帆が風を一杯に受けていること. ▷カヤ=帆 ホン=腹 ケセ=しまい トㇰセ=膨れる カネ=して[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kayakurihi
カヤクリヒ 【kaya-kurihi】 帆影:遠くに見える帆. (出典:萱野、方言:沙流)
kayani
カヤニ 【kaya-ni】 帆柱. (出典:萱野、方言:沙流)
kayatus
カヤトゥㇱ 【kaya-tus】 帆綱. (出典:萱野、方言:沙流)
kaye
カイェ 【kaye】 折る. カイクマ カイェ=柴を折る. (出典:萱野、方言:沙流)
kaykay
カイカイ 【kay-kay】 波,さざなみ. (出典:萱野、方言:沙流)
kaykuma
カイクマ 【kaykuma】 柴,薪:おとなの指より太い柴薪.膝にあてて両方の手で引っ張って折れるくらいのものまでを言う. (出典:萱野、方言:沙流)
kaykuma
カイクマ 【kaykuma】 ウサギ:勇払郡穂別地方その他で. チ・コㇿ コタン タ アナㇰネ イセポ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ コㇿカ ムカ ホントモ タ アン コタン タ アナㇰネ カイクマ セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=私たちの村ではウサギをイセポと言うけれど鵡川という川の中ほどの村ではカイクマと言う(表現する)のだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kaykumaterke
カイクマテㇾケ 【kaykuma-terke】 白波,三角波.▷カイクマ=ウサギ テㇾケ=跳ぶ →白いウサギが跳んだように見える波 (出典:萱野、方言:沙流)
kaypa
カイパ 【kaypa】 折る〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
kaype
カイペ 【kay-pe】 波. (出典:萱野、方言:沙流)
kaysey
カイセイ 【kaysey】 死骨,屍. (出典:萱野、方言:沙流)
ke
ケ 【ke】 削る,(イナウを)作る. イナウ アナㇰネ オッカヨ ウタㇻ ケ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ピㇼカ イナウ ア・ケ ヒ アナㇰネ イナウネニ エイタサ ソモ ア・サッケ カウレ カㇱパ ヤッカ リカン カㇱパ ヤッカ ウェン ペ ネ ナ.エラムオカ ヤン アニー=イナウというものは男たちが削るもので,美しいイナウを削るのにはイナウを削る材料をあまり乾かしすぎないこと,乾かしすぎても湿りすぎても悪いものだ.覚えておいてね.エシㇼ イナウネニ ク・サㇷ゚ケ アクス タネ ピㇼカ イナウケ・アン ロー=先程イナウを削る材料の乾き具合を見たらもういいので,イナウを削ることにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
keakea
ケアケア 【ke a ke a】 (イナウを)削って削って. (出典:萱野、方言:沙流)
keci
ケチ 【keci】 うめき声を出す,呻吟する,苦しむ. サンペ ケチ=心臓が苦しい. (出典:萱野、方言:沙流)
keke
ケケ 【ke ke】 さあさあ:普通はめったに聞かれないがユカㇻに出て来る言葉. ケケ ヘタㇰ=さあさあ,それっ. (出典:萱野、方言:沙流)
kekekeke
ケケケケ 【ke ke ke ke】 あれあれ. ケケケケ オホイ オㇱマ ナ.ホシッパ ヤン.アペケㇱ カ インネ ナ=あれあれ(話が)深みに入った.戻りなさい.火の燃えさし(=子供)もたくさんいるから(大人の猥談が深みに入った時に). (出典:萱野、方言:沙流)
kekka(ha) kar
ケッカ(ハ) カㇻ 【kekka(ha) kar】 豆のさやの糸取り(をする). アㇻパ ワ エント ウㇰ ワ エㇰ.ケッカハ ク・カㇻ ヤㇰ ラタㇱケㇷ゚ ヘネ ア・カㇻ ナ=行ってエンドウを採って来い,豆のさやの糸を取って寄せ煮を作るので. (出典:萱野、方言:沙流)
kekke
ケッケ 【kekke】 折る:例えば柴を1本折る場合.膝にあてて両手に力を入れて折るのはカイェ.膝にあてないで折れるのはケッケ. ケッケ ワ アヌ=折っておけ.ケッケ ワ ホカオ=折って火にくべろ.ホクレ コㇿコニ ハㇺ ケッケ ワ エㇰ ヤン.コㇿチセ ア・カㇻ ナ=早くフキの葉を折り取って来なさい.フキの葉の家を造るから.ア・ホニヒ アㇻカ コㇿ ソコニ ニテケヘ ア・ケッケ ワ ア・ポㇷ゚テ ペヘ ア・ク コㇿ ア・エサンペシトゥリ ㇷ゚ ネ=腹が痛い時にはニワトコの枝を折って煎じて飲むと,それによって気持ちがよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kem
ケㇺ 【kem】 嘗める. ケㇺ ワ アヌ=嘗めておけ.ケㇺ ワ イヌ=嘗めてみろ.フーン,イヌイェ エ・エアㇱカイ アン シリ イメル アッ カネ ア・ケㇺ アーペコㇿ アン ピㇼカ ニマ ネ ルウェ ネ=まあ,君は彫り物が上手で後光が差すほど,その上嘗めたようにきれいな木の器だこと.*昔の主食は肉や魚,食べた後に口直し程度にお粥を食べ,お椀の内側についているのりをも嘗めるが,舌で嘗めることは下品なこととされ,舌でぺろっと嘗めるとうんと叱られた.嘗めたいならば人差し指でお椀の内側をなで,その指を嘗めることになっている.それで人差し指はイタンキケㇺアㇱケペッ(お椀を嘗める指)と名づけられている.お椀の内側を指で嘗めたあとはきれいなので,嘗めたようなという言葉できれいな様子を表わす. (出典:萱野、方言:沙流)
kem
ケㇺ 【kem】 針,縫針,屋根針:アイヌ民家の屋根を葺く時に用いるイワニ(アオダモ)の棒で作った針. 図[ケㇺ] (出典:萱野、方言:沙流)
kem
ケㇺ 【kem】 飢饉. (出典:萱野、方言:沙流)
kem'an
ケㇺアン 【kem-an】 飢饉(である)=ケマン. タンペ ネノ ケㇺアン ヒ タ アナㇰネ アエㇷ゚ アン パㇰノ ア・ウコウサライェ ワ ア・エ ㇷ゚ ネ ナ=このように飢饉の時には食べ物はあるだけをお互いに分け合って食べるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kem'eatu
ケㇺエアトゥ 【kem-e-atu】 喀血(する),吐血(する). (出典:萱野、方言:沙流)
kem'ohounu
ケㇺオホウヌ 【kem-oho-unu】 針に糸を通す,▷ケㇺ=針 オホ=針孔 ウヌ=通す ク・ミッポー ク・ミピヒ イキリ ヘチャウェ ク・ウカウカ ナ ケㇺオホウヌ ワ エン・コレー=孫よ私の着物がほころびたので縫うから針に糸を通してくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
kem/kemi(hi)
ケㇺ/ケミ(ヒ) 【kem/kemi(hi)】 血. (出典:萱野、方言:沙流)
kema/kema(ha)
ケマ/ケマ(ハ) 【kema/kema(ha)】 足. (出典:萱野、方言:沙流)
kemakosnekamuy
ケマコㇱネカムイ 【kema-kosne-kamuy】 狐.▷ケマ=脚 コㇱネ=軽い カムイ=神 (出典:萱野、方言:沙流)
keman
ケマン 【kem-an】 飢饉(になる),獲物が少なくなる.▷ケㇺ=飢饉 アン=ある ア・コタヌ ケマン ワ トオㇷ゚ トゥイマ コタヌン(コタン ウン) シリペ クス アㇻパ・アン=私の村は飢饉になったのでずっと遠い村へ食べ物を手に入れに行った.タンパ ケマン ワ アエㇷ゚ ハイタ ノイネ エアㇻキンネ ク・ラムチュㇷ゚テㇰ アエㇷ゚ ア・オトゥペカレ ロー=今年は食べ物が足りないらしい.とっても心細いので食べ物を大事にしよう.テエータ アナㇰネ ケマン コㇿ オラーノ ニハル カ テㇾケイペ カ ア・エ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずっと大昔は飢饉になるとそれからヤドリギも蛙も食べたものだそうだ.*ケㇺラㇺカムイという飢饉を司る神がアイヌの目の前に霧をかけて食べ物を見えなくするのだといわれる.これに対して天候不順で穀物が取れない場合の飢饉はシㇼスㇺという(シㇼ=あたり スㇺ=萎える). (出典:萱野、方言:沙流)
kemapase
ケマパセ 【kema-pase】 年をとる:足が重い. ハイー タネ ケマパセ・アン ワ エキㇺネ・アンー カ エアイカㇷ゚=あーあ,今は年をとって山へ行くこともできない.*自分自身で年をとったと悟った時に言う. (出典:萱野、方言:沙流)
kemasampe
ケマサンペ 【kema-sampe】 足の脈:かかととくるぶしの間の脈.▷ケマ=足 サンペ=心臓 (出典:萱野、方言:沙流)
kemauspe
ケマウㇱペ 【kema-us-pe】 脚つきシントコ:漆器. (出典:萱野、方言:沙流)
kemeiki
ケメイキ 【kem-e-iki】 針仕事(をする),裁縫(する).▷ケㇺ=針 エ=それで イキ=する ク・ケメイキ エアイカㇷ゚ ペ ネ クス ク・ハンケヨンパ ク・トゥイマヨンパ ア・エミナ ノイネ=私は針仕事が下手なので,近くへ針を刺し遠くへ針を刺し,笑われそうだ.カムイフㇺ アㇱ ヒ タ アナㇰネ イルイケ カ ムンヌイェ カ ケメイキ カ ソモ ア・キ ノ オリパㇰ・アン ペ ネ ナ アニー=雷の音のする時には,研ぎものもほうきを使うことも縫い物もしてはならない,謹慎しているものだぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
kemekot
ケメコッ 【kem-e-kot】 餓死する.▷ケㇺ=飢饉 エ=それで コッ=死ぬ (出典:萱野、方言:沙流)
kemewen
ケメウェン 【kem-e-wen】 栄養失調になる,食べ物がなくて弱る.▷ケㇺ=飢饉 エ=それで ウェン=悪い ペトッタ(ペッ オㇿ タ) アㇻパ・アン ヤッカ チェㇷ゚ クㇽ カ ソモ ア・ヌカㇻ.キㇺ タ アㇻパ・アン ヤッカ ポン チコイキㇷ゚ クリヒ カ ソモ ア・ヌカㇻ.タネ アエㇷ゚ カ イサㇺ ワ ケメウェン・アン=川へ行っても魚の影も見えない.山へ行っても小さい獲物の影も見えない.今はもう食べ物もなく私は栄養失調になった. (出典:萱野、方言:沙流)
kemi
ケミ 【/kemi】 (〜の)血. (出典:萱野、方言:沙流)
kemian
ケミアン 【kemi-an】 少しの,乏しい,珍しい. テエータ アナㇰネ イヌイェ・アン クㇱネ ヒケカ アエイワンケㇷ゚ カ ケミアン シネ マキリ ア・レウェ ア・オウペカレ ワ ネㇷ゚キ・アン ペ ネ=ずっと昔は彫刻するにも道具が少なく,1丁の小刀を曲げたり真っ直ぐにしたりして仕事をしたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kemianpe
ケミアンペ 【kemi-an-pe】 珍しい物. フーン ケミアンペ エネ アポンコ エン・カオセ シーノ ク・ヤイライケ=あーあ珍しい物をこれほど少なからず私にみやげとして持って来てくださって,本当にありがたい.ユㇰチセ タ アン ク・マッカㇻク フンペリカ エネイㇰラ(エン・エイㇰラ).ケミアンペ ネ クス ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) コㇿ ケ(ク・エ) ア ルウェ ネ=いくちせ村にいる私の姪が鯨の脂身を私に送ってくれた,珍しい物なので私は喜んで食べたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kemkem
ケㇺケㇺ 【kem-kem】 嘗める,ぺろぺろと舌で嘗める. (出典:萱野、方言:沙流)
kemkus
ケㇺクㇱ 【kem-kus】 血がどっと出る(鼻血や喀血の時). (出典:萱野、方言:沙流)
kemnu
ケㇺヌ 【kem-nu】 出血する,血が出る. (出典:萱野、方言:沙流)
kemnu
ケㇺヌ 【kemnu】 憐れむ,かわいそうに思う. (出典:萱野、方言:沙流)
kemonuytosayep
ケモヌイトサイェㇷ゚ 【kem-o-nuyto-saye-p】 針入れつき糸巻き:クルミ製. 図[ケモヌイトサイェㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
kemop
ケモㇷ゚ 【kem-o-p】 針入れ:竹製.▷ケㇺ=針 オ=〜を〜に入れる ㇷ゚=物 (出典:萱野、方言:沙流)
kemorit/kemorici(hi)
ケモリッ/ケモリチ(ヒ) 【kem-o-rit/-rici(hi)】 血管. (出典:萱野、方言:沙流)
kempoetok
ケンポエトㇰ 【kem-po-etok】 針の進む先. ケㇺポエトㇰ ア・シㇰクㇱパレ ケㇺ ルオカ ア・シㇰテㇱパレ=針の行く先に私は目を通らせ,針の道跡に私は目をすべらせ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kempuy
ケンプイ 【kem-puy】 針の穴. ケㇺプイ パㇰノ ヤイヌ・アン=(私は気が遠くなって)自分の思いも針の穴ほどに小さくなった.*気絶寸前か気絶から目がさめる時に言う. (出典:萱野、方言:沙流)
kemramkamuy
ケㇺラㇺカムイ 【kemram-kamuy】 飢饉を司る神:村が飢饉になるのは,飢饉を司る神が村へ来るからと考えていた. ケㇺラㇺカムイ アナㇰネ ポロ ワ オケレ クンネ チカㇷ゚ ネ ㇷ゚ ネ シコㇿ ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=飢饉を司る神というものは大きい大きい黒い鳥の姿をしているものだと昔話の中では描写されているものだ.*飢饉になるのは飢饉を司る神がいて,川からは魚を消してしまい山からは獲物をなくするものとアイヌは考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
kemrirsake kemrirtonoto
ケㇺリㇼサケ ケㇺリㇼトノト 【kem-rir-sake kem-rir-tonoto】 血の波酒. *この戦いに勝った暁には血の酒を飲ませるので,加勢して欲しいと,悪魔にお願いをする時の言葉.ユカㇻには使うが,普通は出て来ない[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kemrit/kemrici(hi)
ケムリッ/ケムリチ(ヒ) 【kem-rit/-rici(hi)】 脈管,血筋. (出典:萱野、方言:沙流)
kemus
ケムㇱ 【kem-us】 飢饉になる.▷ケㇺ=飢饉 ウㇱ=付く ア・コタヌフ ケムㇱ=私の村が飢饉になった. (出典:萱野、方言:沙流)
ken/keni(hi)
ケン/ケニ(ヒ) 【ken/keni(hi)】 芽. (出典:萱野、方言:沙流)
kenas
ケナㇱ 【kenas】 平地,平野.平らなやぶ原,岸(川端の山がひっこんで低くなり林になっている所). (出典:萱野、方言:沙流)
kenas'unarpe
ケナㇱウナㇻペ 【kenas-unarpe】 野っ原にいる化け物おば.湿地にいる化け物おばをニタッウナㇻペといい,その姿は,チェオシケ サラニㇷ゚ ヘウシ アーペコロ(上から編み下ろす袋を頭に被ったような者)と言われる.悪さをするが絶世の美女になって狩人と結婚することもある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kene
ケネ 【kene<kem-ne】 ハンノキ.▷ケㇺ=血 ネ=なる *お産のあとで産婦に皮を煎じて飲ませると増血剤になる.子供のおしゃぶり(テッコッペ)もこの木で作る. (出典:萱野、方言:沙流)
keni
ケニ 【/keni】 (〜の)芽. (出典:萱野、方言:沙流)
kenituk
ケニトゥㇰ 【keni-tuk】 芽を出す,芽が出る,芽生える. パイカㇻ アン コㇿ ソコニ イヨッタ ホㇱキノ ケニトゥㇰ ペ ネ=春になるとニワトコが一番先に芽が出るものだ.エント ア・エトイタ コㇿ クスイェㇷ゚ ソモ エタイェ クニネ エチャクラㇱ シンケㇷ゚ カシ ウン ア・ピラサ ピㇼカ ノ ケニトゥㇰ コㇿ エント ニテㇰ ネ ア・アシ=青エンドウ豆を蒔いた時に山バトが抜かないように枝のままのハギを上へ並へよく芽が出そろったら青エンドウ豆の手柴として立てる. (出典:萱野、方言:沙流)
kenru
ケンル 【kenru】 家:普通の場合,家のことをチセと言うがお祈りの時だけケンルと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
kenrupa ta horari kamuy
ケンルパ タ ホラリ カムイ 【kenru-pa ta ho-rari kamuy】 家の東に鎮座する神:丁寧に言う場合の言い方.▷ケンル=家 パ=頭=上の方 タ=に ホ=自ら ラリ=詰める=鎮座 カムイ=神 ケンルパタ ホラリ カムイ チセコㇿカムイ ク・ノミ ナー=家の頭(上座)の方に鎮座する神,家の守護神を私は祭るよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kenuma/kenuma(ha)
ケヌマ/ケヌマ(ハ) 【kenuma/kenuma(ha)】 体毛. (出典:萱野、方言:沙流)
kep
ケㇷ゚ 【kep】 剥ぐ. ニペㇱケㇷ゚=シナ皮を剥ぐ.アッケㇷ゚=オヒョウの木の皮を剥ぐ.タント ニペㇱ ク・ケㇷ゚ ワ ケㇰ(ク・エㇰ).ネ エトホ ウォㇿ ア・オ コㇿ ピㇼカノ オン ペ ネ クス タネ シシㇼクンネ コㇿカ ト オㇿ パㇰノ カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=今日シナ皮を剥いで来た.その日に水に漬けるとよく発酵するものだから,もう薄暗くなったけれど沼まで行って来る."エ・コㇿ アイヌ イネー" "ニペㇱ ケㇷ゚ クス エキㇺネ ワ イサㇺ"=「お前の父はどうした」「シナ皮を剥ぎに山へ行っていない」. (出典:萱野、方言:沙流)
keperpe
ケペㇾペ 【keperpe】 淀み,淵. ポロ ペッ アナㇰネ ウトゥカリタ ウトゥカリタ ケペㇾペ ネ ウㇱケ アン ペ ネ ワ チㇷ゚ モㇺ カ エアイカㇷ゚=大きい川には近くに近くに淀になった所があって舟が流れることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
kepkepi
ケㇷ゚ケピ 【kepkepi】 かじりつく,かじりとって食べる:鹿の肉を骨のまま煮て肉が骨から離れていない時. ポネケㇷ゚ケピ=骨をかじる. (出典:萱野、方言:沙流)
keppa
ケッパ 【kep-pa】 剥ぐ〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
keppirorke
ケッピロㇿケ 【kep-pir-orke】 加勢によって,お陰で. ケッピロㇿケ アネトゥサ=加勢してもらったお陰で,私は無傷であった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
keptontone cironnup
ケㇷ゚トントネ チロンヌㇷ゚ 【kep-tontone-cironnup】 所々毛が抜けている狐. (出典:萱野、方言:沙流)
kepuspe 1
ケプㇱペ 【kep-us-pe】 ①くちばし:ツルのくちばしなど長いくちばしをケプㇱペという. チカㇷ゚ ケプㇱペ アイヌ ヌカㇻ パ ワ エムㇱ ケプㇱペ ネ ヤ ヌイェ パ.ユカㇻ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ケプㇱペ ヌイェ シㇼカ ヌイェ ネㇷ゚キ ネ ア・キ シコㇿ カネ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=.鳥のくちばしをアイヌたちは見て刀の鞘などを彫刻した.ユカㇻには鞘を彫り鞘の造りを彫ることを私は仕事にしていると表現されているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kepuspe 2
ケプㇱペ 【kep-us-pe】 ②鞘. ケプㇱペ ヌイェ シㇼカ ヌイェ=鞘を彫刻し,刀の鞘の表を彫り[ユ].アントゥキ トイ オッタ(オㇿ タ) アントゥキ ケプㇱペ ポロンノ ハチㇼ ワ アン イカラㇱ ナ ウモマレ ワ エㇰ=小豆畑に小豆のさやがたくさん落ちていてもったいないから集めて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ker/keri(hi)
ケㇾ/ケリ(ヒ) 【ker/keri(hi)】 履物,靴:鹿皮あるいはサケ皮で作る. ク・ケリヒ テ タ ウウェトゥレンノ カヌ(ク・アヌ) アㇷ゚ アㇻケヘ イサㇺ.ネンカネ セタ ヘネ エクパ ルウェ ソモ ネ ヤー=私の履物をここへ対にして置いたのに片方がない.もしや犬がくわえたのではないだろうか.*昔の履物は鹿の皮などで作られたからしばしば犬に持って行かれた. (出典:萱野、方言:沙流)
kera/kera(ha)
ケラ/ケラ(ハ) 【kera/kera(ha)】 味. エモ ネ ヤッカ カポチャ ネ ヤッカ ア・ハㇺネスパ ヒ タ ウコニン クニネ ア・スパ コㇿ ケラハ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ジャガイモもカボチャもゆでる時に煮つまるように煮ると味がいいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
keraan
ケラアン 【kera-an】 おいしい,味がある. フウーン ケラアン チェクニㇷ゚ルㇽ ポロンノ ケ(ク・エ) ア ケ(ク・エ) ア=まあまあおいしい魚汁,たくさん食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
keranu
ケラヌ 【kera-nu】 味見(する). (出典:萱野、方言:沙流)
kerapirka
ケラピㇼカ 【kera-pirka】 おいしい. (出典:萱野、方言:沙流)
kerat
ケラッ 【ker-at】 紐,靴(鹿皮の履物)紐:ツルウメモドキの皮.▷ケㇾ=履物 アッ=紐 ケラッ シナ=履物の紐を結ぶ.フ アッカㇷ゚ アニ ケラッ ア・ニカ コㇿ マタ カ ア・ピタ エアㇱカイ ペ ネ=生オヒョウの木の皮でケラッをなうと真冬でも解くことができる. (出典:萱野、方言:沙流)
kerawen
ケラウェン 【kera-wen】 味が悪い,まずい. (出典:萱野、方言:沙流)
keray
ケライ 【keray】 感心なこと,さすがに. ケライ ネ クス オンネㇷ゚ ヌヌケ=感心なことに年寄りを大切にしている.ケライ ニㇱパ ネ クス=さすがに物持ちだけあって(感心なことだ).ケライ ネㇷ゚ タ ウン=さすがにその通りだ.ケライ カッケマッ ネ クス レラㇻ カシ イカ カネ イムッ シリ ア・エラヤㇷ゚=さすが淑女であるだけに胸の上が溢れるほどに首飾りをし,感心なことよ.ソンノ ク・コㇿ オペㇾ ケライ カッケマッ エ・ネ オアシ クス イランマカカ エ・シッチャㇱヌレ エアㇱカイ シリ=ああ孫娘よ,さすがに淑女になるであろうからすっかり掃除をするのが上手なこと(私の祖母は私の姉にそう言ってほめていたものであった). (出典:萱野、方言:沙流)
keraynekusu
ケライネクス 【keray ne kusu】 さすがに. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) イセポカ カヌ(ク・アヌ) シネ イセポ クㇰ(ク・ウㇰ) ヒネ ク・イワㇰ アクス フチ エネ ハワニ ケライネクス イソンクㇽ サニ シコㇿ エン・イェ エン・コプンテㇰ ア エン・コプンテㇰ ア=私が小さい時ウサギの罠をしかけ1匹のウサギを獲って帰って来ると祖母は,さすがに狩の名人の血統だ,と私をほめてくれたほめてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
kere
ケレ 【kere】 触れる,さわる. (出典:萱野、方言:沙流)
kerepnoye
ケレㇷ゚ノイェ 【kere-p-noye】 トリカブト.▷ケレㇷ゚=さわるもの ノイェ=ねじる →さわった者をねじ伏せるほど強い毒を持っているもの (出典:萱野、方言:沙流)
kerepturse
ケレㇷ゚トゥㇽセ 【kere-p-turse】 毒草:オオトリカブトの別名. (出典:萱野、方言:沙流)
keri
ケリ 【/keri】 (〜の)靴. (出典:萱野、方言:沙流)
kerius
ケリウㇱ 【keri-us】 履物を履く.▷ケリ=履物 ウㇱ=〜を履く *昭和10年代まで,私萱野茂の祖母テカッテは日本風の履物,靴の類をもケリと言っていた (出典:萱野、方言:沙流)
kerkeri
ケㇾケリ 【kerkeri】 削る. キムンカムイ チセ エカランケ ヒ タ アナㇰネ ピパ アニ ス アサマハ ア・ケㇾケリ コㇿ キラ ワ アㇻパ ㇷ゚ ネ=熊が人間の家に近づいたら穂ちぎり用の貝で鍋の底を削ると逃げて行くものだ.*昭和39年9月29日に登別温泉ケーブル熊牧場で17頭の熊が逃げた時,そこで働いていた二風谷出身の二谷トムさんが鍋の底をがりがりやったと言っていた.夫の一太郎エカシは食べ物がある音だと熊が思ってここへ来たらどうすると言ったが,トムフチは半分泣きながらスアサマケㇾケリをやった.効き目があったかどうかわからないがとにかく無事であったことはまちがいない. (出典:萱野、方言:沙流)
keromun
ケロムン 【ker-o-mun】 履物の中に入れる枯れ草. *昭和23年,私が二風谷神社の下から,今の場所萱野茂アイヌ資料館前へ移って来た当時は,現在の二風谷共同作業所の所から国道の方までは谷地原であり,タクッペ(谷地坊主)がいっぱいあった.その谷地坊主から垂れ下がっていた枯れ草をむしり取って来てケロムンにしたが,現在は谷地坊主も見ることができない.▷ケㇾ=履物 オ=入れる ムン=草 (出典:萱野、方言:沙流)
kes
ケㇱ 【kes】 ことごと,ごと. ケㇱト ケㇱト=毎日毎日. (出典:萱野、方言:沙流)
kes/kese(ke)(he) 1
ケㇱ/ケセ(ケ)(ヘ) 【kes/kese(ke)(he)】 ①終わり,尻,尻の方,端,末端. シトゥオケㇱ タ アン ポン ナイ エウン アㇻパ ワ ワッカタ ワ エㇰ=峰尻にある小さい沢へ行って水を汲んで来い.コタンケㇱ タ カムイ スマウェヘ アン ヤㇰ ア・イェ クス アㇻパ・アン ロ=村の末の端の方で熊が獲れたそうだから行こうよ.アン ケㇱ パㇰノ=夜の末まで,夜明け近くまで.*平取町内ペナコリにピラケㇱ(崖のおしまい)という地名がある. (出典:萱野、方言:沙流)
kes/kese(ke)(he) 2
ケㇱ/ケセ(ケ)(ヘ) 【kes/kese(ke)(he)】 ②残り. ルㇽケㇱ=汁の残り.アエㇷ゚ケㇱ ネ コㇿカ ソモ エ・エ ヤー=食べた残りだけれど,食べないかい? (出典:萱野、方言:沙流)
kesancikar
ケサンチカㇻ 【kes-ancikar】 毎夜.▷ケㇱ=毎々 アンチカㇻ=夜 シㇼチュㇰ アクス アウン エカシ ケサンチカㇻ チェㇷ゚コイキ クス ペトルン(ペッオㇿウン) ラン コㇿカ オムケン ノイネ=秋になったら隣のおじいさんが毎夜,魚獲りに川へ下りているけれども何も獲れないらしい. (出典:萱野、方言:沙流)
kesancikar an kor
ケサンチカㇻ アン コㇿ 【kes-ancikar an kor】 毎晩:何かいやなことが起こることを言う時用いる. ケサンチカㇻ アンコㇿ イク ワ ウムレㇰ ウコイキ=毎晩のように飲んでは夫婦げんかだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kesanpa
ケサンパ 【kes-anpa】 追いかける,追い出す.▷ケㇱ=残り アンパ=持つ スイ ポンペ エ・ケサンパ ヤㇰネ ケライニンネ(ク・エライニンネ) ナ ネㇷ゚カ ソモ イェ ノ ソイネ=また子供がお前を追いかけたら私が煩わしいので何も言わずに外へ出ろ.キムンカムイ ユㇰ ケサンパ ヒ タ ユㇰ アナㇰネ ユㇰ ル カリ キラ コㇿ キムンカムイ アナㇰネ シㇼイッネトゥイェ ワ ヨコ ワ アン ユㇰ オシコニ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊が鹿を追いかける時,鹿が鹿道の通りに逃げると,熊は先回りをして待ち伏せをして.鹿をつかまえるものだそうだ.ア・コㇿ セタ ア・トゥラ ヒネ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) シㇼフララッカ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ホユㇷ゚テㇰテㇰ アクス ヒナㇰ ワ シネ イセポ ケサンパ ワ エㇰ=私の犬を連れて山へ行ったら,大地のにおいをかいでいたと思うとさっと走り出し,どこからか1匹のウサギを追い出して来た. (出典:萱野、方言:沙流)
keseanpa
ケセアンパ 【kese-anpa】 追いかける. キムンカムイ アイヌ ケセアンパ ヒ タ アナㇰネ コイスㇺ タㇰ エクパ アーペコㇿ アン ワ ホユプ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊が人間を追いかける時には泡のかたまりをくわえたような格好で走るものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kesekehe
ケセケヘ 【/kesekehe】 (食べ物の)残り物. (出典:萱野、方言:沙流)
kesirekari
ケシレカリ 【kes-sir-e-kari】 放浪する,遊び歩く:多くの場合は村を捨てて放浪することをいうが,近所へ遊び歩くこともいう.▷ケㇱ=おしまい シㇼ=あたり エ=それ カリ=回る →あたりをぐるぐる回る (出典:萱野、方言:沙流)
kesirekarip
ケシレカリㇷ゚ 【kes-sir-e-kari-p】 放浪者.▷ケㇱ=おしまい シㇼ=あたり エ=それ カリ=回る ㇷ゚=者 イヨーハイ アウン アチャポ フナクン ケシレカリ ㇷ゚ コラチ アㇻパ ワ イサㇺ マチヒ ヘカッタㇻ エㇷ゚ カ イサㇺ=あきれてしまったよ,隣のおじさん.どこかへ放浪者のように行ってしまい妻や子供たちは食べるものもない. (出典:萱野、方言:沙流)
keske
ケㇱケ 【keske】 妬む,呪う:相手に災いがあるようにと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
kesokeso
ケソケソ 【kes-o kes-o】 まだらな,斑点のある. (出典:萱野、方言:沙流)
kesorap
ケソラㇷ゚ 【kes-o-rap】 クジャク.▷ケㇱ=斑点 オ=入る ラㇷ゚=羽 →斑点のある羽 (出典:萱野、方言:沙流)
kespa
ケㇱパ 【kes-pa】 毎年. (出典:萱野、方言:沙流)
kespaankor
ケㇱパアンコㇿ 【kes-pa an kor】 毎年,毎年のように.▷ケㇱ=毎々 パ=年 アン=ある コㇿ=と (出典:萱野、方言:沙流)
kespakespa
ケㇱパケㇱパ 【kes-pa kes-pa】 毎年毎年. (出典:萱野、方言:沙流)
kesta
ケㇱタ 【kes ta】 終わりに. コタン ケㇱタ=村の終わりに.イタㇰ トㇰケㇱタ=言葉のおしまいに. (出典:萱野、方言:沙流)
kesto
ケㇱト 【kes-to】 毎日. ク・トイェヘ キナウㇱ ワ アン ペ ネ クス ケㇱト ク・キナカㇻ タント コケレ(ク・オケレ) ケラムシンネ(ク・エラムシンネ)=私の畑が草ぼうぼうになっていたものだから毎日草取りをして,今日終わって安心した. (出典:萱野、方言:沙流)
kesto an kor
ケㇱト アン コㇿ 【kes-to an kor】 毎日. (出典:萱野、方言:沙流)
kestokesto
ケㇱトケㇱト 【kes-to kes-to】 毎日毎日,連日. (出典:萱野、方言:沙流)
kesukuran
ケスクラン 【kes-ukuran】 毎晩,夜ごと,夜な夜な. (出典:萱野、方言:沙流)
kesup/kesupi(hi)
ケスㇷ゚/ケスピ(ヒ) 【kesup/kesupi(hi)】 かかと. (出典:萱野、方言:沙流)
kesuy
ケスイ 【kesuy】 飛び出す,怒って飛び出す. ソンーノ ポンノ アン ペ カ ケスイ ワ チソイェカッタ=本当にまあ,少しのことにも怒ってさっと出てしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
ketcimuyke
ケッチムイケ 【ketcimuyke】 ふくらはぎ:すねの後ろの肉のふくれた部分. (出典:萱野、方言:沙流)
ketunci
ケトゥンチ 【ketunci】 鹿や熊の皮を広げて干した物. (出典:萱野、方言:沙流)
ketunni
ケトゥンニ 【ketun-ni】 三脚:アイヌ民家を建てる時に用いる三脚. (出典:萱野、方言:沙流)
ketupe
ケトゥペ 【ketupe】 針金虫. テエータ カムイ トゥミ アニタ(アン ヒ タ) オサッル オロケ ホアフンケイ ワ カムイ プㇱ フㇺ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) オロ タ アン カムイ ケトゥペ ネ ナンコㇿ=ずうっと昔,神の戦争があった時にオサッ沢の湾になった所から神が飛び立つ音がしたものだそうだ,あそこにいる神,針金虫であろう.*現在の場所でいうとオサッ橋の下流200m右岸の方の湾になっている所.祖母が教えてくれた話. (出典:萱野、方言:沙流)
ketupetono
ケトゥペトノ 【ketupe-tono】 針金虫の神様. (出典:萱野、方言:沙流)
ketusi
ケトゥシ 【ketusi】 嫁入り道具を入れて縛った荷物.*ウウェペケㇾ(昔話)に出て来るが,ケトゥシという言葉は嫁入り道具を入れた荷物にのみ用いられている. ポロ ケトゥシ トモ タルシ(タㇻ ウシ) ア・セ ワ パイェ・アン=大きい荷物に背負い縄をかけて私は背負って行った.図[ケトゥシ] (出典:萱野、方言:沙流)
kew/kewe(he) 1
ケウ/ケウェ(ヘ) 【kew/kewe(he)】 ①体,背丈,身長. ポロ ケウェヘ アン ワ オラ トランネ=大きい体があるのに骨惜しみだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kew/kewe(he) 2
ケウ/ケウェ(ヘ) 【kew/kewe(he)】 ②屍,死体. (出典:萱野、方言:沙流)
kewehomsu
ケウェホㇺス 【kewe-homsu】 ねぎらう,同情する,危なかったねーと声をかける. イット エキㇺネアナㇷ゚(エキㇺネ・アン アㇷ゚) ウパㇱ ユㇷ゚ケ ウパㇱエシットゥライヌ・アン ヤアニ ヤアニ ルプㇱ・アン イキヤナイネ イワカン(イワㇰ・アン) ア・オナハ イ・ケウェホㇺス ルウェ ネ=日帰りと思って山へ行ったのに大雪降りになって雪によって方角を見失い危なく危なく凍死しそうになり,どうにかこうにかして帰って来たら父は私をねぎらってくれた.タㇷ゚ウフナㇰ クスㇽ タ アン シㇼシモイェ ソンノ エチ・ケウェホㇺス=ついこの頃,釧路にあった地震,本当に皆さん危なかったね. (出典:萱野、方言:沙流)
keweram
ケウェラㇺ 【kewe-ram】 背が低い.▷ケウェ=背丈 ラㇺ=低い (出典:萱野、方言:沙流)
keweramkur
ケウェラㇺクㇽ 【kewe-ram-kur】 背の低い人. (出典:萱野、方言:沙流)
keweri
ケウェリ 【kewe-ri】 背(人,木,山など)が高い.▷ケウェ=身長 リ=高い ソンノ イペサㇰ イタタニ コラチ ケウェリ ルウェ=本当に狩の下手な人の肉切り台のように背が高いこと. (出典:萱野、方言:沙流)
kewerikur
ケウェリクㇽ 【kewe-ri-kur】 背の高い人. (出典:萱野、方言:沙流)
kewitak
ケウイタㇰ 【kew-itak】 かばね言葉. スッケウイタㇰ イワンケウイタㇰ エカシケウイタㇰ イワンケウイタㇰ=祖母のかばね言葉,六つのかばね言葉,祖父のかばね言葉,六つのかばね言葉.この言葉は,スンケチャランケ(嘘のいいがかりをする時の言葉)でめったに使わない.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
keworsak
ケウォㇿサㇰ 【kewor-sak】 力がない.▷ケウォㇿ=力 サㇰ=ない ソンノ ク・ケウォㇿサㇰ=本当に私は,力がなくなった.*病後,体力がなくなってきたことを知って嘆く時などの言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
kewre
ケウレ 【kewre】 削る. アペオイ シッケウ タ ア・アシ ㇷ゚ イヌンペサウㇱペ ネ ワ カシ タ ネㇷ゚ネㇷ゚ ア・ケウレ.シンナレヘ ヘカチペカクㇽ ヘカチペカマッ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=炉の角々に立てる物が削り台であり,その上にいろいろな物を削る.別の名を子供を受ける男,子供を受ける女というものだよ.タアン クネニ ケウレ ワ アヌ.ニサッタ クカ ケカ(ク・エカ) ナ=この弓の材料を削っておけ.明日弓弦を私が撚るので. (出典:萱野、方言:沙流)
kewrototke
ケウロトッケ 【kewrototke】 響く,響き渡る. カムイ エㇰ フㇺ ケウロトッケ=神がやって来る音が響き渡る. (出典:萱野、方言:沙流)
kewsut/kewsutu(hu)
ケウスッ/ケウストゥ(フ) 【kew-sut/-sutu(hu)】 成人男子:主として男の老人をさす. エ・ケウストゥ アンヤー=お前の父はいるか?(道ですれちがったおとなに,こう聞かれることがある).*私萱野茂の母方の実家近くにケゥスッエカシと近所の人が言っていたおじいさんがいた.ユカㇻには老人でなくとも男をケゥスッという言い方をされて出て来る.したがって,前後の言葉によって若者であったり老人である場合もある. (出典:萱野、方言:沙流)
kewtum pirka
ケウトゥㇺ ピㇼカ 【kewtum pirka】 気だてがいい,やさしい,正直だ. (出典:萱野、方言:沙流)
kewtum wen
ケウトゥㇺ ウェン 【kewtum wen】 ずるい. (出典:萱野、方言:沙流)
kewtum'ositciw
ケウトゥㇺオシッチウ 【kewtum-o-sir-ciw】 精神が落ち着いている.▷ケウトゥㇺ=精神 オ=そこで シㇼ=大地 チュー=刺す (出典:萱野、方言:沙流)
kewtum'ositciwre
ケウトゥㇺオシッチウレ 【kewtum-o-sir-ciwre】 決める. (出典:萱野、方言:沙流)
kewtum/kewtumu(hu)
ケウトゥㇺ/ケウトゥム(フ) 【kewtum/kewtumu(hu)】 精神,感情,性質. ケウトゥㇺ ウェン=精神が悪い.ケウトゥㇺ ウェンペ=精神の悪い者. (出典:萱野、方言:沙流)
kewukcip
ケウㇰチㇷ゚ 【kew-uk-cip】 人殺し舟.▷ケウ=屍 ウㇰ=取る チㇷ゚=舟 *ヤチダモのような重い木で丸木舟を作ると,操作しづらいので往々にして事故が起こる.そのような舟を屍を取る舟といって恐ろしがった. (出典:萱野、方言:沙流)
keykirit/keykirici(hi)
ケイキリッ/ケイキリチ(ヒ) 【keyki-rit/-rici(hi)】 アキレス腱. オトゥ スイ レ スイ ウェンプリコㇿ アヌン ヌカㇻ ヤクン ア・ニラムニㇱテ セコㇿ ア・イェ ナンコㇿ ヤッカ タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ケイキリチ ア・トゥイェ ロー=2回3回と悪事をする,他人が見たら残酷と言うかもしれないが,今回は足のふくらはぎの腱を切ってしまいましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
keyukcip
ケユㇰチㇷ゚ 【kew-uk-cip】 死者を出す舟.▷ケウ=屍 ウㇰ=取る チㇷ゚=舟 (出典:萱野、方言:沙流)
ki
キ 【ki】 シラミ:頭につく黒いシラミ. (出典:萱野、方言:沙流)
ki
キ 【ki】 〜する. "フンナ トイ オッタ(オㇿ タ) キナカㇻ オカケ アン" "ク・キ ペ ネ ルウェ ウン"=「誰が畑に草取りをした跡があるのだ?」「私がしたものだよ」 (出典:萱野、方言:沙流)
ki 1
キ 【ki】 ①カヤ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ki 2
キ 【ki】 ②簾,火棚の簀:オニガヤなどで作る. (出典:萱野、方言:沙流)
kicitce
キチッチェ 【kicitce】 赤子が泣き出す前にうめき声を出す. エ・コㇿ ポンペ チㇱ ルスイ ワ ネ ノイネ キチッチェ コㇿ アン ナ.ホクレ アㇻパ ワ トノンテ=あんたの赤ちゃんが泣きたいらしく,うめき声を出していたよ.早く行って乳を飲ませろ. (出典:萱野、方言:沙流)
kik
キㇰ 【kik】 叩く,殴る. (出典:萱野、方言:沙流)
kikaricipor
キカリチポㇿ 【kikari-cipor】 筋子. (出典:萱野、方言:沙流)
kikecinoyeinaw
キケチノイェイナウ 【kike-ci-noye-inaw】 削りかけを撚ったイナウ:スス(ヤナギ),フニペㇱ(生のシナ皮)製. 図[キケチノェイナウ] (出典:萱野、方言:沙流)
kikeparseinaw
キケパㇻセイナウ 【kike-parse-inaw】 削りかけを散らしてあるイナウ. 図[キケパㇻセイナウ] (出典:萱野、方言:沙流)
kikeuspasuy
キケウㇱパスイ 【kike-us-pasuy】 削りかけつき捧酒箸:スス(ヤナギ)製. 図[キケウㇱパスイ] (出典:萱野、方言:沙流)
kiki
キキ 【kiki】 掻(か)く. マキㇷ゚ キ オ ワ ソモ ネ ヤ.サパハ キキ コㇿ アン ナ.ピㇼカノ ヌカㇻ ワ コレ=どうしたのだ,シラミがたかったのではないかい.頭を掻いているぞ.よく見てやれ. (出典:萱野、方言:沙流)
kikinni
キキンニ 【kikin-ni】 エゾノウワミズザクラ.*風邪の時枝を煎じて飲むと効き目があるという. (出典:萱野、方言:沙流)
kikir
キキㇼ 【kikir】 虫(総称). (出典:萱野、方言:沙流)
kikita
キキタ 【kikita】 どうせ. (出典:萱野、方言:沙流)
kikitanekusu
キキタネクス 【kikita ne kusu】 てっとりばやく,どうせなら. ウウォシッコテ パ ワ イキ パ シリ ネ ヤクン キキタネクス エ・マッネポホ トゥラレ オラ=互いに惚れ合ってそうしているのであれば,どうせならお前の娘を連れて行かせろよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kikkar
キッカㇻ 【kikkar】 諦める,仕方ないなあー. エラㇺ キッカㇻ=それを思い諦める.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kikkik
キッキㇰ 【kik-kik】 叩く,殴る. ネウン ア・キㇰキㇰ ヤッカ ヨㇺネ カ ソモ キ ノ オトゥ スイ レ スイ イッカ ハウェ コクンヌレ(ク・オクンヌレ)=どのように殴られても懲りもしないで2回も3回も盗っ人をしているとは,私は呆れてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
kikoyaykus
キコヤイクㇱ 【ki koyaykus】 できない.▷キ=する コヤイクㇱ=できない マㇰ ア・イェ ヤッカ キ・コヤイクㇱ ハウェ ネ ヤクン マㇰ ア・イェ ㇷ゚ アン イワㇰテ イワㇰテ=どのように言ってもできないと言うのなら言いようもない,帰せ帰せ. (出典:萱野、方言:沙流)
kikreppo
キㇰレッポ 【kikreppo】 ヤマペ(サクラマス). (出典:萱野、方言:沙流)
kikreppo
キㇰレッポ 【kikreppo】 ヤマベ,山女(ヤマメ).谷川にすむ小魚.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kim
キㇺ 【kim】 山の方,山(場所としての). ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ キㇺ タ アン ウェン シケサㇻペ ランマ オルイペネエムㇱ コッカ チョㇿポㇰ タ ヌイナ ワ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=昔話の中では山にいるならず者はいつでも抜き身の刀を膝の下へ隠しているものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kimaha
キマハ 【kimaha】 サラニㇷ゚という袋の本体から縦に三つ編みにする部分.キマハを編んでからパルルケ(縁)を編む.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kimatek
キマテㇰ 【kimatek】 驚く,びっくりする,たまげる,あわてる. (出典:萱野、方言:沙流)
kimatekhaw
キマテㇰハウ 【kimatek-haw】 驚き声.▷キマテㇰ=驚き ハゥ=声 (出典:萱野、方言:沙流)
kimatekka
キマテッカ 【kimatek-ka】 驚かせる,あわてさせる. エン・キマテッカ=私を驚かせた. (出典:萱野、方言:沙流)
kimi
キミ 【kimi】 トウモロコシ:とうきび. クポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ サㇰ アン コㇿ ペッキミ チェ(チ・エ) チュㇰ アン コㇿ イサキミ ヌミヒ ペㇾケ パㇰノ ア・スパ ワ チェ(チ・エ).マタ アン コㇿ パㇻカ ワ ア・ランケ クヌフ(ク・ウヌフ) キミ ウタ キミ サヨカㇻ ワ チェ アㇺキㇼ ペ ネ=私が子供の頃は夏になるとトウモロコシの青食いをして,秋になると実の入ったトウモロコシを,粒が割れるほどに煮て食べた.冬になると梁の上からトウモロコシを下ろし,母がそれを搗き,トウモロコシの粥を煮て食べたことがあるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kimoiramante
キモイラマンテ 【kim-o-iramante】 (山の)猟をする. (出典:萱野、方言:沙流)
kimonupa
キモヌパ 【kim-o-nupa】 告別,葬る. オンネ フチ ネ ワクス コタン エウン ウタㇻ ウウェカㇻパ ワ ア・トㇺテ ノ ア・キモヌパ=うんと年寄りのおばあさんであったから,村中の人が集まって丁寧に葬式をした.コタンケスン(コタンケㇱ ウン) ニㇱパ モシㇼホッパ ヤㇰ ア・イェ.オヤシㇺ ヘネ ア・キモヌパエトホ ネ ナンコㇿ=村の下端の物持ちの方が亡くなったそうだ.明後日でも葬る日になるのかもしれない. (出典:萱野、方言:沙流)
kimopas
キモパㇱ 【kim-o-pas】 山へ走る:気が狂って山へ走り込んだ.▷キㇺ=山 オ=そこへ パㇱ=走る (出典:萱野、方言:沙流)
kimorewsi
キモレウシ 【kim-o-rewsi】 野宿する,山で泊まる. テエータ スクㇱ ペッ エトコホ タ アイヌ オッカイポ レン パㇰノ ペソㇱ トゥㇺ タ シットゥライヌ パ.シㇼクンネ ワ キモレウシ ヒ タ オハイヌ ホチコㇰ ハウ ヌ ㇷ゚ ライ ソモ ヌ パ ㇷ゚ シㇰヌ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずうっと昔,宿志別川の上流でアイヌの若者が3人ほどみぞれの降る中を道に迷った.暗くなって野宿した時に幻聴であるアオバズクの声を聞いた者は死に,聞かなかった者は生きたという.サッチェㇷ゚ ア・プㇱコシナ ワ イット エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ウパㇱルヤンペ ホラホチュウェ ウパㇱエシットゥライヌ・アン サッチェㇷ゚ ア・エ ワ キモレウシ・アン=乾いた魚を矢筒に縛って日帰りで山に行ったら,すごい大雪が降り始めて雪のために道に迷い乾いた魚を食べて山で泊まった. (出典:萱野、方言:沙流)
kimorura
キモルラ 【kim-o-rura】 山へ運ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
kimotpe
キモッペ 【kim-ot-pe】 山の獣:鹿,熊,狐その他山の獣の総称.▷キㇺ=山 オッ=いる ペ=物 (出典:萱野、方言:沙流)
kimpe
キンペ 【kim-pe】 熊. ポンノ アㇱ ワ イコカヌ.キムンペ ハウ ソモ ネ ウン?=少し止まって耳を澄まして聞け.熊の声ではないだろうか? (出典:萱野、方言:沙流)
kimta
キㇺタ 【kim ta】 山に.▷キㇺ=山 タ=に (出典:萱野、方言:沙流)
kimun
キムン 【kim-un】 山へ入る,山行き:キムンというと山へ行くというよりも狩に行く,すぐにそう思うのが普通である. キムン・アン ヒ タ アナㇰネ ウウェプンキネ・アン ワ エアシㇼ アプンノ イラマンテ・アン エアㇱカイ=狩に山に入る時は互いを守り合って初めて無事に猟をすることができる.ハンケ クチャチセ カ トゥイマ クチャチセ カ ア・コㇿ ペ ネ ワ ニサッタ ワノ トゥイマ クチャチセ オルン キムン・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アイカㇻ・アン=近い狩小屋と遠い狩小屋と私は持っていて,明日からは遠い狩小屋へ狩に行く(=山に入る)と思いながら矢を作っている. (出典:萱野、方言:沙流)
kimunkamuy
キムンカムイ 【kim-un-kamuy】 熊,ヒグマ.▷キㇺ=山に ウン=住む カムイ=神 (出典:萱野、方言:沙流)
kimunkamuypohurayep
キムンカムイポフライェㇷ゚ 【kim-un-kamuy-po huraye-p】 2月に降る雨.*山の神熊の子供を洗う雨. (出典:萱野、方言:沙流)
kimunpe
キムンペ 【kim-un-pe】 獲物,熊,野獣. エイタサ イウォㇿ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォㇿ ホタヌカㇻ クス エキㇺネ・アン キムンペ アピㇼ シッチニナニナ ア・エヤイコプンテㇰ=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場を見舞うために山へ行くと獲物の足跡があたり一面にこちゃこちゃとあって私は喜んだ.ト ト ヌカㇻ ヌカㇻ キムンペ ピューキ ワ エㇰ ノイネ ヨコ ワ アン ナ.エン・カオピューキ ワ エン・コレ=あれあれ見ろ見ろ,熊が向かって来るらしく構えている,助けてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
kimunpehawkoraci
キムンペハウコラチ 【kim-un-pe haw koraci】 野獣の声にそっくりだ:酒癖の悪い者が酔っ払って出す声をいう.▷キムンペ=山にいるもの ハウ=声 コラチ=同じ (出典:萱野、方言:沙流)
kimunsiratki
キムンシラッキ 【kim-un-siratki】 狐の頭の神:狐の頭骨,イナウキケ(スス). 図[キムンシラッキ] (出典:萱野、方言:沙流)
kimuspu
キムㇱプ 【kim-us-pu】 山の倉,室:山腹などに掘った岩屋.ウウェペケレによく出て来る.▷キㇺ=山 ウㇱ=ある プ=倉 キムㇱプ コㇿ ヤㇰ ア・イェ クㇽ シネアンタ エキㇺネ ヒクス オㇿアプンノ イクイラアナクス(イクイラ・アン アクス) ソンノカ コㇿ キムㇱプ エウン アㇻパ=山に秘密の倉を持っていると言われている人がある日のこと山へ行ったので全く静かに後をつけると,本当にも持っている秘密の倉へ行った.*跡取りのいない物持ちが,自分の宝物を他人に渡すのがいやで人に知られないように山の中で穴倉を作って物をかくす,これをキムㇱプという.実在したかどうかわからないがウウェペケㇾには出て来る話. (出典:萱野、方言:沙流)
kimuy
キムイ 【kimuy】 頭. (出典:萱野、方言:沙流)
kina
キナ 【kina】 草,雑草,山菜. (出典:萱野、方言:沙流)
kina
キナ 【kina】 ござ:鵡川地方,旭川地方の言い方. (出典:萱野、方言:沙流)
kinaham
キナハㇺ 【kina-ham】 草の葉. (出典:萱野、方言:沙流)
kinakar
キナカㇻ 【kina-kar】 草取り(する),草削り(する). ホクレ トイタ ヤン.エウン エモ ア・エトイタ ケニトゥク ヤクン キナカㇻ・アン ア・オトイプッカ エモタ・アン ワ ハㇺネスパ ワ ア・エ クㇱネ ナ=早く畑を耕しなさい.そこへジャガイモを蒔いて芽が出たら草を取って土盛りをしてジャガイモを掘ってゆでて食べるから.ポロ トイ オッタ(オㇿ タ) シネン ク・ネ ワ ク・キナカㇻ ウトゥル タ ホノイシノッチャ ク・キ コㇿ カリキキ(ク・アリキキ) アイネ オヌマン ク・ニシケ ワ ク・イワㇰ=広い畑にたったひとりで草取りをして,かすかな声で歌を口ずさみながら,私は懸命に働き,夕方薪を背負って帰って来た.タパン ポン トイ トゥン ネ ワ エチ・ウカスイ ワ ネ ヤㇰネ トゥナㇱノ エチ・キナカㇻ オケレ ナ ホクレ イキ ヤン=この小さい畑,ふたりで手伝い合うならば早く草削りが終わるから早くしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
kinakerkeri
キナケㇾケリ 【kina-kerkeri】 草削り(する). (出典:萱野、方言:沙流)
kinaohaw
キナオハウ 【kina-ohaw】 山菜汁. (出典:萱野、方言:沙流)
kinape
キナペ 【kina-pe】 草露. キナペ アニ ク・テイネ=草露で私は濡れた. (出典:萱野、方言:沙流)
kinapo
キナポー 【kinapo】 マンボウ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
kinaposoinkar
キナポソインカㇻ 【kina-poso-inkar】 化け物.*想像上の化け物なのでその姿はわからない.▷キナ=草 ポソ=透かす インカㇻ=見る →草を透かして見る化け物 (出典:萱野、方言:沙流)
kinarataskep
キナラタㇱケㇷ゚ 【kina-rataskep】 山菜の寄せ鍋.▷キナ=山菜 ラタㇱケㇷ゚=寄せ鍋 (出典:萱野、方言:沙流)
kinasut
キナスッ 【kina-sut】 蛇. エルㇺタンプ アン コㇿ キナスッ カプフ ア・コシㇼシル ワ トイ トゥㇺ ア・オマレ コㇿ チピル アーペコㇿ イランマカカ トゥサ ㇷ゚ ネ=いぼが出来たら蛇の皮をこすりつけ,その皮を土に埋めると拭き取ったようにきれいに治るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kinasutkamuy
キナスッカムイ 【kina-sut-kamuy】 蛇.▷キナ=草 スッ=根元 カムイ=神 (出典:萱野、方言:沙流)
kinasutunkur
キナストゥンクㇽ 【kina-sut-un-kur】 蛇.▷キナ=草 スッ=根元 ウン=住む クㇽ=者 (出典:萱野、方言:沙流)
kinatuyehos
キナトゥイェホㇱ 【kina-tuye-hos】 きゃはん:シナの木の皮で編んだきゃはん.▷キナ=草 トゥイェ=切る ホㇱ=きゃはん (出典:萱野、方言:沙流)
kinaus
キナウㇱ 【kina-us】 草ぼうぼうになっている. ク・トイェヘ キナウㇱ ワ アン ペ ネ クス ケㇱト ク・キナカㇻ タント コケレ(ク・オケレ) ケラムシンネ(ク・エラムシンネ)=私の畑が草ぼうぼうになっていたものだから毎日草取りをして,今日終わって安心した. (出典:萱野、方言:沙流)
kinin
キニン 【kinin】 性交(する)[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kinini
キニニ 【/kinini】 性交. ネㇷ゚ キニニ ネㇷ゚ オチュー クコンルスイ(ク・コㇿ ルスイ) ワ エチ・カシオピューキ ㇷ゚ ソモ タパン ナ=性交や性の交わり,それを欲しくて,私があなたを助けたものではないのだよ.*ユカㇻの一節.ポンヤウンペを助けに来た女が言っている. (出典:萱野、方言:沙流)
kiniptay
キニㇷ゚タイ 【ki-nip-tay】 萱原(かやわら):二風谷村堰堤の東地区の地名. (出典:萱野、方言:沙流)
kinkay
キンカイ 【kinkay】 荷物,着替え. ウェンクㇽ キンカイ パセ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ニㇱパ キンカイ コㇱネ=貧乏人の着替えは重いものだそうだ,物持ちの着替えは軽い. (出典:萱野、方言:沙流)
kinna
キンナ 【kinna】 輝く,美しい,きらびやか[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kinnatara
キンナタラ 【kinnatara】 盛装して座っている様子,りっぱなこと[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kinop/kinopi(hi)
キノㇷ゚/キノピ(ヒ) 【kinop/kinopi(hi)】 腎臓. (出典:萱野、方言:沙流)
kinrakar
キンラカㇻ 【kinra-kar】 猛る,いきりたつ:ひどく興奮する.▷キンラ=猛る カㇻ=作る ポンペ キンラカㇻ ワ ホタッパタッパ コㇿ ライキリㇼセ,ウヌフ ネ ヤ サハ ネ ヤ ネユン オマオマ ヤッカ ア・コアナサㇷ゚=幼児がいきりたったように手足をばたつかせて泣き叫び,母や姉がどのようにあやしても手余しした. (出典:萱野、方言:沙流)
kinrakor
キンラコㇿ 【kinra-kor】 怒る癖を持っている,荒々しい精神を持っている:子供が泣いて泣きやまないと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
kinup
キヌㇷ゚ 【ki-nup】 平原,カヤ原,草むら. (出典:萱野、方言:沙流)
kio
キオ 【kio】 シラミたかり. (出典:萱野、方言:沙流)
kiosirotke
キオシロッケ 【ki-o-sir-otke】 カヤ束を縦に持って,どすんどすんと大地に突き立てて根本を揃えること. ▷キ=カヤ オ=それ シㇼオッケ=地面を突く *シキ(オニガヤ),サㇻキ(ヌマガヤ),スㇷ゚キ(ノガヤ),キ(カヤ)の総称(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kiotuye
キオトゥイェ 【ki-o-tuye】 カヤ刈り(する).▷キ=カヤ オ=それ トゥイェ=切る ポンチセ カシ(ク・アシ) ルスイ コㇿカ ハンケノ キオトゥイェ ウシ イサㇺ ペ ネ クス キオトゥイェ イヨッタ ア・エラムシッネ=小さい家を建てたいが,近くでカヤ刈り場がないのでカヤ刈りに一番苦労する. (出典:萱野、方言:沙流)
kipasuy
キパスイ 【ki-pasuy】 カヤ箸. オッコー セモッタ(セㇺ オㇿ タ) キ ムイェヘ アン ナ キパスイ ポロンノ カㇻ ワ エン・コレ アニー=姉さん,入り口の上問の所にカヤ束があるからカヤ箸をたくさん作ってくださいよ.図[キパスイ] (出典:萱野、方言:沙流)
kipihi
キピヒ 【/kipihi】 子供の額の所に残してある髪の毛.*もみあげの所の毛はモルフという.囲炉裏の方へ子供が落ちそうになったら神様がこの毛の部分をつかまえて助けてくれるという願いのもの.大正時代までの風習であった. (出典:萱野、方言:沙流)
kipipkipip
キピㇷ゚キピㇷ゚ 【kipip-kipip】 殺気を感じる,ざわざわする,おびえる. ア・コンラㇺ(ア・コㇿ ラㇺ) カ キピㇷ゚キピㇷ゚ オライオライ=私の心がざわざわし殺気を感じた. (出典:萱野、方言:沙流)
kipniwkes
キㇷ゚ニウケㇱ 【kip-niwkes】 (死にそうな者を)助ける. (出典:萱野、方言:沙流)
kiputur/kiputuru(hu)
キプトゥㇽ/キプトゥル(フ) 【kip-utur/kip-uturu(hu)】 額,眉間. ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ キムンアイヌ キプトゥルフ タ シネシㇰ オマ ㇷ゚ アン ペ ネ シコㇿ アン オルㇱペ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=昔話の中では仙人のような山男,眉間にひとつだけ目がある者がいるものだという話を,私は聞いたことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
kir
キㇼ 【kir】 知っている,見覚えがある.思い出す. テエータ ア・エン・コエイッカ サラニㇷ゚ ネ ノイネ ク・キㇼ=ずっと前に私の物で盗まれた袋らしく見覚えがある.フウーン ポなちめ(ポン はつめ) ソモ ネ ウン.シㇰプイェヘ ク・キㇼ.エ・レヘ マㇰ ア・イェ=まあまあ小さいはつめ(=母の名)ではないだろうか.目つきに私は見覚えがある.お前の名前はなんというの? (出典:萱野、方言:沙流)
kir'uske
キㇼウㇱケ 【kir-uske】 知っている所,見覚えある所. ポナニタ(ポン・アン ヒ タ) ウトゥラ シノッ・アン ウㇱケ ネ アクス ア・キㇼウㇱケ ネ ワー=子供の時に一緒に遊んだ所なので私どもの知っている所だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kir/kiri(hi) 1
キㇼ/キリ(ヒ) 【kir/kiri(hi)】 ①足. (出典:萱野、方言:沙流)
kir/kiri(hi) 2
キㇼ/キリ(ヒ) 【kir/kiri(hi)】 ②骨髄. ピイェ ユㇰ アナㇰネ ポネルㇽ ポーヘネ ケラアン.キリヒ ア・ソイパ ワ ア・ヌンヌン コㇿ ア・エ コㇿ ア・エトゥマㇱヌ ㇷ゚ ネ ナ=脂のある鹿は骨汁がなおさら味がある.骨髄を吸うようにほじり食べると力が増すものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kira
キラ 【kira】 逃げる,逃亡,避難. アマメチカッポ ポロンノ アン ウㇱケ ウン セタ ホユプ アクス チカッポ オピッタ キラ ワ イサㇺ=スズメがたくさんいる所へ犬が走ったらスズメは全部逃げてしまった.ウクラン アㇱ アシㇼ ウパㇱ カ タ ポーロ カムイ ルウェヘ アン ク・イシトマ クス ク・キラ ワ ク・イワㇰ=昨夜降った新しい雪の上に大きい熊の足跡があったので私は恐ろしくなり逃げて帰って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
kiraaynu
キラアイヌ 【kira-aynu】 失跡者. (出典:萱野、方言:沙流)
kirare
キラレ 【kira-re】 逃がす. アマメチカッポ イヌヌカㇱ ナ ホクレ キラレ=スズメがかわいそうだから早く逃がせ. (出典:萱野、方言:沙流)
kiraw/kirawe(he)
キラウ/キラウェ(ヘ) 【kiraw/kirawe(he)】 角(の二股). (出典:萱野、方言:沙流)
kirawkonta
キラウコンタ 【kiraw-konta】 角の二股. (出典:萱野、方言:沙流)
kirawsittap
キラウシッタㇷ゚ 【kiraw-sir-ta-p】 角鍬:キラウ(鹿の角). 図[キラウシッタㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
kirawuscimakani
キラウㇱチマカニ 【kiraw-us-cimakani】 ツノカジカ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
kirawuspatci
キラウㇱパッチ 【kiraw-us-patci】 角つき鉢:漆器. 図[キラウㇱパッチ] (出典:萱野、方言:沙流)
kiray
キライ 【ki-ray】 櫛:トペニ(イタヤカエデ)製.▷キ=シラミ ライ=死ぬ *櫛は髪を梳いたり整えるというよりシラミを殺す道具と考えていた. 図[キライ] (出典:萱野、方言:沙流)
kirayekar
キライェカㇻ 【kiray-e-kar】 (髪を)とかす,櫛けずる.▷キライ=櫛 エ=それで カㇻ=する (出典:萱野、方言:沙流)
kirirse
キリㇼセ 【kirirse】 泣き叫ぶ,悲鳴をあげる. エ・コㇿ ポン プタ イペ ルスイ ワ ネ ノイネ キリㇼセ コㇿ アン ナ.アㇻパ ワ ネㇷ゚カ エレ=お前の小さい豚が腹空いたらしく泣き叫んでいたぞ.行って何か食べさせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
kiritekkane
キリテッカネ 【kiritek-kane】 所狭しと,ぎっしり詰まって. ポロチセ キリテッカネ=大きい家に所狭しと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kirkew/kirkewe(he)
キㇼケウ/キㇼケウェ(ヘ) 【kir-kew/-kewe(he)】 足:太股から下をいう. イ・キㇼケウェ テイェテイェ コㇿ イイェヤイレンカ(イ・エヤイレンカ)=私の膝のあたりを,押さえながら,私のことを喜んでくれた.*しばらくぶりで会った甥や姪をおじやおばが迎えるしぐさをいう. (出典:萱野、方言:沙流)
kirkiru
キㇼキル 【kirkiru】 見る:裏表をよくよく. キㇼキル ワ ヌカㇻ=動かして見る. (出典:萱野、方言:沙流)
kirkur
キㇼクㇽ 【kir-kur】 知っている人,見覚えのある人.▷キㇼ=見覚えがある クㇽ=人,人間 タㇷ゚イキクㇽ エ・キㇼクㇽ ネ ルウェ.ミナー カネ エ・コイソイタㇰ=今の人お前の知っている人かい.笑いながら話をして. (出典:萱野、方言:沙流)
kiro
キロ 【kiro】 樺太アイヌの履物:トドの皮で出来ている.*北海道アイヌはケレあるいはケリという. (出典:萱野、方言:沙流)
kironnu
キロンヌ 【kironnu】 満腹する,腹がいっぱいになった. ウクラン チェㇷ゚ ルㇽ ネヤ アシㇼ シプㇱケㇷ゚メシ ネヤ ライ ク・キロンヌ パㇰノ ケ(ク・エ) クンネイワイペ ケ(ク・エ) カ エトランネ=昨夜,魚汁とか新しいイナキビご飯とか,それはそれは腹いっぱいに食べたので朝食は食べるのもいやだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kiror
キロㇿ 【kiror】 (大)力. (出典:萱野、方言:沙流)
kiror'an
キロㇿアン 【kiror-an】 楽しむ,おもしろい,愉快(だ). ホㇱキアン パイカㇻ アムールペッ エウン カㇻパ(ク・アㇻパ) エアㇻキンネ ク・キロㇿアン ア ワ=一昨年の春,アムール川へ行き大変愉快だったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kirorasnu
キロラㇱヌ 【kiror-asnu】 力が強い.▷キロㇿ=力 アㇱヌ=優れている テエータ ナー ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) ネンク シコㇿ レヘ アン アチャポ アン ワ イペカタイキ クス イユタ エオマナン.エアㇻキンネ キロラㇱヌ ㇷ゚ ネ ヒ ク・ヌ ク・ヌカㇻ=ずうっと昔,まだ私の小さい頃,ネンクという名のおじさんがいて,食事をさせてもらうかわりに搗き物をして歩いた.とっても力が強い者だということを聞いたり見たりした. (出典:萱野、方言:沙流)
kirorkor
キロㇿコㇿ 【kiror-kor】 力が強い.▷キロㇿ=力 コㇿ=持つ (出典:萱野、方言:沙流)
kirorsak
キロㇿサㇰ 【kiror-sak】 力が弱い. (出典:萱野、方言:沙流)
kirouske
キロウㇱケ 【kir-ouske】 関節,節,腰:ふたつ以上の骨が繋がり合っていて,そこを中心として動くことのできる部分.▷キㇼ=髄 オウㇱケ=根元 マキㇷ゚ ヌマン ワノ ク・コッカサパ キロウㇱケ アㇻカ ワ ク・モコㇿ カ エアイカㇷ゚.ラウラウ ヘネ アン ヤㇰ ク・シㇼシル ワ ク・コトゥッカ ルスイ=どうしたのか昨日から私の膝の関節が痛くて眠ることもできない,テンナンショウでもあれば擦り下ろして貼りたいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kirpakirpa
キㇼパキㇼパ 【kir-pa kir-pa】 (指先を使って小さいものを)動かす. →キル=大きいものを動かす (出典:萱野、方言:沙流)
kirpu
キㇼプ 【kirpu】 脂身,脂. (出典:萱野、方言:沙流)
kirpuus
キㇼプウㇱ 【kirpu-us】 脂がのっている. ソンノ ハルコㇿ カムイ ネ ワ カㇺ トゥーカ サㇰ ノ キㇼプウㇱ ヨヨヨ ヨヨヨ=本当に肥えた熊だ,肉の端もなく脂身ばかりだ,よかったよかった. (出典:萱野、方言:沙流)
kirsam
キㇼサㇺ 【kir-sam】 側に,かたわらに.▷キㇼ(キㇼケウ)=足 サㇺ=そば →私の足の近くに ア・キㇼサㇺ タ=私のかたわらに. (出典:萱野、方言:沙流)
kiru
キル 【kiru】 (大きいものを)動かす,回す,転がす:向きを変える. ポロ スマ トモオㇱマ ヤㇰネ イヤイキㇷ゚テ ナ ホクレ チㇷ゚ サパ キル=大きい石にぶつかると危ないから早く船の頭の向きを変えろ. (出典:萱野、方言:沙流)
kirure
キルレ 【kiru-re】 向ける. (出典:萱野、方言:沙流)
kisa
キサ 【kisa】 穿つ. (出典:萱野、方言:沙流)
kisanrap
キサンラㇷ゚ 【kisar-rap】 耳殻,耳たぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
kisar
キサㇻ 【kisar】 葦(あし)原. (出典:萱野、方言:沙流)
kisar/kisara(ha)
キサㇻ/キサラ(ハ) 【kisar/kisara(ha)】 耳. (出典:萱野、方言:沙流)
kisarmu
キサㇻム 【kisar-mu】 耳が詰まる. (出典:萱野、方言:沙流)
kisarmukukke
キサㇻムクッケ 【kisar-mukukke】 耳が塞がる:高い山へ登った時など耳がおかしくなること. (出典:萱野、方言:沙流)
kisarnin
キサㇻニン 【kisar-nin】 耳珠(じじゅ):耳の腺組織.耳の穴ともみあげの間の突起. キサㇻニン シサㇺイタㇰ アニ マㇰ ア・イェ ㇷ゚ ネ ヤ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) オヤコヤクン ク・コシピ アイネ ケラマン(ク・エラマン)=耳の腺組織を日本語でなんというか私は知らなかったので,あちこちへ尋ねてやっと覚えた(前田菜穂子さんが教えてくれた). (出典:萱野、方言:沙流)
kisarpuy
キサㇻプイ 【kisar-puy】 耳の穴. (出典:萱野、方言:沙流)
kisarri
キサㇻリ 【kisar-ri】 耳長お化け. ポンペ クンネチㇱ スイ ア・オマオマ ヤッカ ウェン ヒクス キサラリ ア・カㇻ ヒネ ア・スイェスイェ アクス ソモ チㇱ=子供が夜泣きをしかかりいくらなだめすかしてもためなので耳長お化けを作って振ると泣くのをやめた.図[キサㇻリ] (出典:萱野、方言:沙流)
kisaruspatci
キサルㇱパッチ 【kisar-us-patci】 耳つき鉢:漆器. 図[キサルㇱパッチ] (出典:萱野、方言:沙流)
kisaske
キサㇱケ 【kisaske】 寒気がする:病気のために身体にいやな寒さを感じる. マキㇷ゚ クンネイワ ノ ク・キサㇱケ ソモカウン コㇺケカㇻ(ク・オㇺケカㇻ) ルスイ ヒ ソモ ネ ヤー=どうしたのだろうか,朝から寒気がする,まさか風邪でも引きたいというのではないだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
kisattarara
キサッタララ 【kisar-tarara】 聞き耳を立てる:聞こうとして注意を集中する. ポンペ オラーノ オッシケポロ ㇷ゚ ネ クス ネㇷ゚カ ア・イェ コㇿ キサッタララ オラウン エパルラ=小さい癖に利口なものだから,何か私どもが言うと聞き耳を立てて聞いた話を運んで行く. (出典:萱野、方言:沙流)
kiseri
キセリ 【kiseri】 煙管. (出典:萱野、方言:沙流)
kiserituki
キセリトゥキ 【kiseri-tuki】 煙管の雁首,きざみ草煙を詰める部分. ▷キセリ=煙管 トゥキ=杯(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kiseritumam
キセリトゥマㇺ 【kiseri-tumam】 煙管のらお. (出典:萱野、方言:沙流)
kisiki
キシキ 【kisiki】 斑点.*ユカㇻの中で,ポンヤウンペという少年英雄の守り刀の造りの表面に描かれている狼神の毛皮にキシキがあると描写されている.昭和20年代から30年代は我が家にも馬を飼っていたが,その馬はあし毛といって白い馬だった.手入れが行き届くとぜにがたといって斑点が出たが,そのたぐいの斑点に近いものをキシキといったのかもしれない. (出典:萱野、方言:沙流)
kiskis
キㇱキㇱ 【kiskis】 ~しそびれる. モコㇿキㇱキㇱ=眠りそびれる.イタㇰエキㇱキㇱ=言いそびれる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kisma
キㇱマ 【kisma】 捕まえる,つかむ,握る,抱く. ポンペ アロアトゥサ ワ ホユプ コㇿ アン ナ.キㇱマ ワ イミレ=子供が素裸で走っているぞ.つかまえて着物を着せろ.プ オッタ(オㇿ タ) アン エルㇺ ア・キㇱマ ヒネ ミンタㇻ オルン ア・エシㇼキㇰ ワ ア・ライケ ア・エラムヘメスス=倉にいたネズミをつかまえて外庭で大地の上へ投げつけて私は気分がすうっとした.エ・コㇿ ポイセタ(ポン セタ) キラ ナ.ホクレ キㇱマ ワ シㇼコテ ワ アヌ=お前の小犬が逃げたぞ.早くおさえて繋いでおけ. (出典:萱野、方言:沙流)
kisnatara
キㇱナタラ 【kis-natara】 しーんとする,物音ひとつ聞こえない静かなこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kiso
キソ 【kiso】 カヤ簾敷きの座. テエータ フチ ウタㇻ エネ ハウェオカ ヒ フㇱコ ノ アナㇰネ キソ アン ワ カシウン トマ ア・トゥリ ヤッカ サㇰ アン コㇿ タイキ アッ ペ ネ アー シコㇿ エン・ヌレ パ=ずうっと前,おばあさんたちが言った言葉は,古い時代はカヤで編んだ簾を敷き,その上へガマ草で織ったござを敷いたが,夏になるとノミがいたものだと私に聞かせてくれたものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
kisokiso
キソキソ 【kisokiso】 くちばしでつっつく.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kitay'omani
キタイオマニ 【kitay-oma-ni】 家の屋根に乗せる木. (出典:萱野、方言:沙流)
kitay/kitayke(he)
キタイ/キタイケ(ヘ) 【kitay/kitayke(he)】 頂上,てっぺん,屋根. (出典:萱野、方言:沙流)
kitci
キッチ 【kitci】 (馬や豚の)餌入れ用具. (出典:萱野、方言:沙流)
kite
キテ 【kite】 銛. 図[キテ] (出典:萱野、方言:沙流)
kitemaw
キテマウ 【kite-maw】 熊に噛まれた傷の痛み. (出典:萱野、方言:沙流)
kitemimak
キテミマㇰ 【kite-mimak】 犬歯.▷キテ=銛 ミマㇰ=歯 (出典:萱野、方言:沙流)
kitenot
キテノッ 【kite-not】 銛先. (出典:萱野、方言:沙流)
kito
キト 【kito】 ギョウジャニンニク:阿寒地方の呼び名. (出典:萱野、方言:沙流)
kittararke
キッタラㇻケ 【kittararke】 ざわざわする. ア・コン(コㇿ) ラㇺ キッタラㇻケ ネㇷ゚ ワ アン ペ タネ タネ イヨッケ(イ・オッケ) ペコㇿ イ・トゥイパ ペコㇿ=私の思いがざわざわして,何者かが今にも今にも私を突くか私を斬るかと思うほどに. (出典:萱野、方言:沙流)
kiwa
キワ 【ki wa】 それなので. (出典:萱野、方言:沙流)
kiyanne
キヤンネ 【kiyanne】 年上である,年とった. (出典:萱野、方言:沙流)
kiyannekur
キヤンネクㇽ 【kiyane-kur】 年上の人. タネノアン ユㇷ゚ケ ロルンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ キヤンネクㇽ トモ ア・コカヌ コㇿ ピㇼカ ナ イトㇺコカヌ ヤン=このように重大な行事の時には年上の人の指示に耳を傾けるといいものだから皆で指示を待ちなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
kiyannematnepo
キヤンネマッネポ 【kiyanne-matnepo】 長女,年上の娘. ク・コㇿ キヤンネマッネポ アナㇰネ ポニタ(ポン ヒ タ) アナㇰネ ヤイヌエオ ヤアニ ヤアニ コラウキ(ク・オラウキ) クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ タネ アナㇰ ミムㇱ ワ ニサㇱヌ=私の長女は小さい時は病気がちで,危なく危なく死ぬかと思ったが,今は太って健康だ. (出典:萱野、方言:沙流)
kiyannepo
キヤンネポ 【kiyanne-po】 長男,年上の息子. ク・コㇿ キヤンネポ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ク・ミッポホ トゥン アン ポロ ヒケヘ エアㇻキンネ ピカンピカン ワ カトゥ ク・ヌカㇻ=私の長男の所には孫がふたりいて,大きいほうが本当に動きが活発で見込みのある者と思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
kiyannere
キヤンネレ 【kiyanne-re】 大切にする,優遇する,もてなす.▷キヤンネ=年上だ レ=させる ア・キヤンネレ ロー=大切にもてなそう.ペウレクㇽ ネ コㇿカ アヌンコタヌンクㇽ ア・キヤンネレ ペ ネ ナ=若い人だけれども.よその村の人は年上として優遇するものだよ.*年上だけとは限らず尊敬できる人をもてなそうという時に使う. (出典:萱野、方言:沙流)
kiyay
キヤイ 【kiyay】 光,光線. (出典:萱野、方言:沙流)
kiyayne
キヤイネ 【kiyay-ne】 光っている,ピカピカしている. ノチューキヤイネ=星の光のように.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kiyor'iyo(kiyoriyo)
キヨㇿイヨ(キヨリヨ) 【ki-or-i-o】 火棚に穀物を載せて乾燥させる. アㇻパ ワ キ オハ ワ アン ヤ ヌ ワ エㇰ.キヨㇿイヨ クス カㇻパ(ク・アㇻパ) ナ=行って火棚が空いているか聞いて来い.火棚に物を入れに行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
ko
コ 【ko】 ない. ハンケコ=近くない,遠い.イㇼパコ=こんなに遅く.カトゥネコ=少なくない,少なからず.アポンコ=これほど小さくない,これほど多く. (出典:萱野、方言:沙流)
ko
コ 【ko】 粉. ソンパコ=ソバ粉.トゥレㇷ゚コ=ウバユリ粉. (出典:萱野、方言:沙流)
ko 1
コ 【ko】 ①〜に対して,(〜に)向かって. コチョラゥキ=に,向かって行く. (出典:萱野、方言:沙流)
ko 2
コ 【ko】 ②(〜と)ともに. (出典:萱野、方言:沙流)
koanasap
コアナサㇷ゚ 【ko-anasap】 手余す:どうにも手がつけられない.▷コ=それ(=人)を アナサㇷ゚=余す スイ ネア ウェンクㇽ サカヨカㇻ コㇿ アン ノイネ.ヤㇺス コラチ ア・コアナサㇷ゚=またしてもあの悪い者,いばりちらしているらしい.クリのいがと同じで手余されている.ポンペ キンラカㇻ ワ ホタッパタッパ コㇿ ライキリㇼセ,ウヌフ ネ ヤ サハ ネ ヤ ネユン オマオマ ヤッカ ア・コアナサㇷ゚=幼児が猛り立ったように手足をばたつかせて泣き叫び,母や姉がどのようにあやしても手余しした. (出典:萱野、方言:沙流)
koapaasi
コアパアシ 【ko-apa-asi】 締め出す,閉じ込める.▷コ=それ(=人)に対して アパ=戸 アシ=締める →人を家の外へ追い出して戸を締める *家の中に閉じ込める場合にも使う. (出典:萱野、方言:沙流)
koapamaka
コアパマカ 【ko-apa-maka】 そこに生まれる,そこに生を受ける. シゲルアナㇰネ シシリムカ ニㇷ゚タイコタン コアパマカ=茂は沙流川二風谷村で生を受けた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koapaseske
コアパセㇱケ 【ko-apa-seske】 家の中に閉じ込める.▷コ=それに対して アパ=戸 セㇱケ=塞ぐ イ・レス エカシ オㇿオヤチキ キムンカムイ ネ アアン ヒクス ア・コアパセㇱケ ア・チセコウフイカ=私を育てたおじいさんは,知らなかったが熊であったので家の中に閉じ込めて家とともに焼いてしまった[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
koarikiki
コアリキキ 【ko-arikiki】 (それに対して)頑張る.▷コ=それ(=仕事)について アリキキ=一生懸命だ エシㇼ エアウネ カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス アウン ウナㇻペ イシタイキ コアリキキ コㇿ アン ア ワ=先程私が隣に行ったら隣のおばさんは機織りに精を出していたよ.ソンーノ ウニ タ エㇷ゚ イサㇺ ペ ネ ワ ヘ イペ コアリキキ シリ コハイタ ヒ カ エランペウテㇰノ=本当に家で食べ物がないわけではないのに食べるのに頑張っている.似合わないのも知らずに. (出典:萱野、方言:沙流)
koarpa
コアㇻパ 【ko-arpa】 (〜へ)行く. イレスカムイ イェ ㇷ゚ エ・ヌ ワ アㇻクワンノ シンリッモシㇼ エ・コアㇻパ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ=火の神の言うことを聞いてまっすぐにあなたは先祖の国へ行くのだよ(引導渡しの言葉に出て来る). (出典:萱野、方言:沙流)
koasurani
コアスラニ 【ko-asur-ani】 知らせる,救いを求める.▷コ=それ(=人)に対して アスㇽ=噂 アニ=持つ →その人の所へ噂を持って行く エン・コアスラニ=私に知らせた.ネㇷ゚カ ア・キマテㇰ ペ アン ヒ タ アナㇰネ アシンル コㇿ カムイ ア・コアスラニ ㇷ゚ ネ.ルコㇿ カムイ イヨッタ ラムトゥナㇱ ペ ネ ルウェ ネ ナ=何か急病人など出た場合は便所の神へ救いを求めるものだ.便所の神が一番動きが速いので助けてもらえるんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
koasurpusu
コアスㇽプス 【ko-asur-pusu】 (〜ヘ)知らせる:聞かせるのがいやなことだが知らせる.親とか兄弟が急死したことを知らせる場合などに使う.▷コ=それへ アスㇽ=噂 プス=掘り起こす (出典:萱野、方言:沙流)
koaycarikur koaycarimat
コアイチャリクㇽ コアイチャリマッ 【ko-ay-cari-kur ko-ay-cari-mat】 タラノキ.▷コ=そこに アイ=矢 チャリ=散らかす クㇽ=人 マッ=女 →そこに矢を散らかす人 (出典:萱野、方言:沙流)
kocainatara
コチャイナタラ 【ko-cainatara】 とげとげしい目,とげとげしい雰囲気. インカㇻルウェ コチャイナタラ=見ている様子がとげとげしく.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kocanupkor
コチャヌㇷ゚コㇿ 【ko-canup-kor】 (〜で)覚える,知る,わかる.▷コ=それで チャヌㇷ゚=覚える コㇿ=持つ →それによって覚えることができた,利口になった (出典:萱野、方言:沙流)
kocaranke
コチャランケ 【ko-ca-ranke】 話し合いをする.▷コ=それ(=人,相手)に対して チャ=言葉 ランケ=おろす →相手に対して自分の考えを全部おろして聞かせる (出典:萱野、方言:沙流)
kocari
コチャリ 【ko-cari】 (〜に)投げ散らす,恵んでやる. カムイユカㇻ オッタ(オㇿ タ) シネ アイヌ カムイフㇺ アㇱ ヒ タ イルイケ ワッカ カムイ コチャリ カムイ イルㇱカ=神謡の中でひとりの人間が雷の音がする時に研ぎ水を神に投げ散らし神が怒った.エソイネ イヤフㇷ゚ クㇽ エㇰ シリ イキ ナ.ネㇷ゚カ コチャリ=外へこじきが来ている様子だ.何か恵んでやれ.*こじきなどに恵んでやる,という場合はコレ(=与える,やる)ではなくコチャリという語を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
kocarpa
コチャㇻパ 【ko-carpa】 食べ物を分ける,恵んでやる:蔑みの意味を含むので普通は使えない.▷コ=それ(=人間)に対して チャㇻパ=散らかす ネㇷ゚ コチャㇻパ=何か少したけくれてやれ. (出典:萱野、方言:沙流)
kocawcawatki
コチャウチャワッキ 【ko-caw-caw-atki】 シュッと音がする. タㇺ セㇾ フㇺ コチャウチャワッキ=刀を振る音がシュッと鳴った. (出典:萱野、方言:沙流)
koci=poyep
コチポイェㇷ゚ 【ko ci=poye-p】 粉粥. *トラマルという豆3合ほどにシケㇾペヌㇺ(=キハダの木の実)30粒を混ぜて煮る.豆粒をつまみ,潰れるぐらい柔らかくなったら,イナキビの粉を入れて煮あげる.コサヨともいう(キハダの木の実は香辛料になる).▷コ=粉 チ=それ ポイェ=混ぜる ㇷ゚=物 (出典:萱野、方言:沙流)
kocihi
コチヒ 【kocihi】 半分. オッコー エㇰ ワ インカㇻ.カㇺルル ウウェヘ ア ワ イカ ノイネ シリキ.コチヒ ヤンケ ヤン=姉よ,来て見てくれ,肉汁の汁が多いので溢れそうだ.半分上げなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
kocihikar
コチヒカㇻ 【kocihi-kar】 整地する:家を建てる場所を平らにならす.▷コチヒ=場所 カㇻ=作る (出典:萱野、方言:沙流)
kocinpuni
コチンプニ 【ko-cin-puni】 (〜に向かって)歩く〔丁寧〕.▷コ=それ(=相手の人)に向かって チン=足 プニ=起こす (出典:萱野、方言:沙流)
kocip'atte
コチㇷ゚アッテ 【ko-cip-atte】 舟を向ける.▷コ=それ(=目標)に対して チㇷ゚ =舟 アッテ=向ける →目標に向けて舟を進める (出典:萱野、方言:沙流)
kocorawki
コチョラウキ 【ko-corawki】 向かって行く:大勢の人にではなく,一対一の場合にこの言い方をする. ネア ウェンペ アンヒ ア・エラマン ヒネ ヤクン エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ).ク・コチョラウキ ナ=あの悪者のいる所をお前が知っているのなら私に教えてくれ.これから向かって行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
koehanke
コエハンケ 【ko-e-hanke】 近づく. (出典:萱野、方言:沙流)
koekarinepekor
コエカリネペコㇿ 【ko-ekari-ne pekor】 言い合わせたように.▷コ=それに エカリ=向かって ネ=〜である ペコㇿ=ように ピㇼカ ヒネ エ・エㇰ コエカリネペコㇿ.フチ オンネ ルスイ ノイネ イキ ナ トゥッコ レㇾコ トリ クナㇰ ラム=ちょうどよく言い合わせたようにあなたが来た.おばあさんが亡くなりそうな様子なので二日か三日滞在すると思ってよ. (出典:萱野、方言:沙流)
koekarino
コエカリノ 【ko-ekari no】 それに向かって,ちょうどその時,同時に. フチヤイヌミウェン ヤㇰイェコㇿ ソモイペノ ホッケワアン コエカリノ エエㇰナ ワッカヘネ クレワインカㇻ=祖母が具合が悪いと言いながら食べもしないで寝ている,ちょうどよくお前が来たので水でも飲ませてみてくれ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koekomo
コエコモ 【ko-e-komo】 先の方を曲げる.▷コ=それに対して エコモ=曲げる トマカㇱ ア・カㇻ ヒタ トマ タンネ チキ エトゥㇷ゚シケヘ ア・コエコモㇷ゚ ネ ナ アニー=ござで仮小屋を作る時にござが長いのならば先の方を曲げるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
koeneramu
コエネラム 【ko-ene-ramu】 わからない,何がなんだかわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
koerikosma
コエリコㇱマ 【ko-e-rik-osma】 (さっと)上がる.▷コ=それ エ=に リㇰ=上 オㇱマ=入る (出典:萱野、方言:沙流)
koesatciw
コエサッチュー 【ko-e-sat-ciw】 それにやつあたりする,その事に関係のないものにまで,だれかれの区別なく当たり散らすこと. ▷コ=それ エサッチュー=やつあたり(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koetattatce
コエタッタッチェ 【ko-etattatce】 それが煮えたぎる,湯などが沸騰して器の外にこぼれたりする. ▷コ=それ エタッタッチェ=煮えたぎる *ユカㇻの中でテッテリ コエタッタッチェㇷ゚ アイコチャリ(糊状の粥の煮えたぎった物を私が掛けられ)とある[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koetun
コエトゥン 【ko-etun】 (人から)借りる.▷コ=それ(=人)に対して エトゥン=借りる (出典:萱野、方言:沙流)
koeturenno
コエトゥレンノ 【ko-e-turen no】 (それと)合わせて.▷コ=それ エ=に トゥレン=ともに ノ=〜て (出典:萱野、方言:沙流)
koewnar
コエゥナラ 【ko-ewnar】 ~に対して惜しむ,渡すのをいやがる. ▷コ=それ,相手 エゥナラ=惜しむ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kohayta
コハイタ 【ko-hayta】 似合わない.▷コ=それに対して ハイタ=足りない →似合わない タパンアミㇷ゚ エ・コハイタ=この着物は君に似合わない.ソンーノ ウニ タ エㇷ゚ イサㇺ ペ ネ ワ ヘ イペ コアリキキ シリ.コハイタ ヒ カ エランペウテㇰ ノ=本当に家で食べ物がないわけではないのに食べるのに頑張っている.似合わないのも知らずに. (出典:萱野、方言:沙流)
kohemuymuye
コヘムイムイェ 【ko-he-muymuye】 (〜が原因で)病に伏す,(〜が原因で)ふて寝する. コシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ アイヌ ナンカ ソモ コㇿ ペ ネ ワ アㇻスイネ カ ヌカㇻ パ ㇷ゚ アナㇰネ ソモ オイラ パ ワ コヘムイムイェ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=妖精というものは人間の顔とは別で1回でも見た者はそれを忘れることができずそれによって病床に伏すものと言われている.オナハ トゥラ クナㇰ イェ ワ エヤイコプンテㇰ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ソモ ア・トゥラ アクス コヘムイムイェ.イヌヌカシ=父親が連れて行くと言ったので喜んでいたのに連れて行ってもらえなかったのでふて寝している.かわいそうに. (出典:萱野、方言:沙流)
kohepututu
コヘプトゥトゥ 【ko-hepututu】 ~に対してふくれっ面をする,ぷんとする.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koheraye
コヘライェ 【ko-heraye】 (〜に)似る,(〜に)似ている.▷コ=〜に ヘライェ=似ている ウヌフ コヘライェ=母親似(母親に似ている).オナハ コヘライェ=父親似(父親に似ている).ウコヘライェ=お互いに似ている.エン・コヘライェ=私に似ている. (出典:萱野、方言:沙流)
koherewtapapa
コヘレゥタパパ 【ko-herewtapapa】 腰をかがめる,何かを見るために腰をかがめる. ▷コ=それ ヘレゥタパパ=腰をかがめる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kohetari
コヘタリ 【ko-hetari】 (〜へ)顔を向ける. ア・エカシヒ ネㇷ゚ カ イェ ルスイ ワ ネ ノイネ イタㇰコシノンルキ アイネ イ・コヘタリ ア・ミッポホ エキㇺネ ワ イセポ ヘネ チロンヌㇷ゚ ヘネ ウㇰ ワ エㇰ シコㇿ イ・イェ=私の祖父は何か言いたいらしく言葉を呑んでいたが,私に顔を向けて,孫よ山へ行ってウサギでも狐でも獲って来いと私に言った. (出典:萱野、方言:沙流)
kohok
コホㇰ 【ko-hok】 (〜から)買う.▷コ=それ(人)に対して ホㇰ=買う エン・コホㇰ=私から買う.ピㇼカ イコㇿ ア・コㇿ ワ アナナㇷ゚(アン・アン アㇷ゚) シネアンタ コイカ ウン クㇽ エㇰ ヒネ イ・コホㇰ ルスイ イコㇿシㇼエシニューカ ヒネ クニ ア・ラム クス ア・エイヨㇰ ルウェ ネ=いい宝物を私は持っていたが.ある日東の方の人が来て私からそれを買いたい(と言う),宝物がここの土地にあきたのであろうと私は考えたのでその宝を売ったのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kohonkor
コホンコㇿ 【ko-honkor】 (〜で)妊娠する. (出典:萱野、方言:沙流)
kohoparparu
コホパㇻパル 【ko-ho-parparu】 陰部を見せる. メノコ シネンネ キㇺ タ キムンカムイ ヌカㇻ ヒ タ コホパㇻパル "パㇱクㇽ パㇰ ペ ヌカㇻ ヌカㇻ" シコㇿ ア・イェ コㇿ キムンカムイ カ コシキピㇷ゚ ワ キラ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=女がひとりだけで山で熊に出会ったら,着物の前をはだけて陰部を見せて「烏ほどのものを見ろ見ろ」と言うと,熊も目をそらし逃げるものだという.*女が山で熊に会ったときに着物の前を広げてばたばたさせながら「エ・ヌカㇻ ルスイ クス エ・エㇰ シリ ネ ヤクン パㇱクㇽ パㇰ ペ ヌカㇻ ヌカㇻ=「お前が見たくて来たのであれば,烏ほどのこの物を見ろ見ろ」と言うと,熊は目をそらしてよけると言われる. (出典:萱野、方言:沙流)
kohopi
コホピ 【ko-hopi】 別れる. (出典:萱野、方言:沙流)
kohoppa
コホッパ 【ko-hoppa】 (〜に)置いて行く. (出典:萱野、方言:沙流)
kohosari
コホサリ 【ko-hosari】 (〜を)向く. ネㇷ゚ネㇷ゚ イノンノイタㇰ アン ヤッカ ペウレクㇽ イェ イタㇰ エタカスレ カムイコホサリㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=いろいろと祝詞をあげる場合があるが若者が言う言葉に特別神が向いてくれるものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kohosipire
コホシピレ 【ko-hosipi-re】 (〜へ)戻す,返す.▷コ=〜に対して ホシピ=帰る レ=させる テエタ ネア クㇽ イチェン ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) ア コㇿカ ソモ エン・コホシピレ タネ ケラㇺキッカㇻ(ク・エラㇺキッカㇻ)=ずうっと前にあの人に金を貸したが私に戻してくれないので諦めた.ネウン ア・イェ ヤッカ ア・エルサ イコㇿ ソモ イ・コホシピレ=いくら言っても私が貸した宝を戻さない.パナウンクㇽ エウン ポオン イチェン ネ コㇿカ ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) アㇷ゚ ソモ エン・コホシピレ.カシウン イイェシシ(イ・エシシ) ㇷ゚ ネ クス ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=川下の人へ少しの銭であったが貸したものだが私に返済しない.その挙げ句私を避けるものだから私はあの人を見たこともない.ニサッタ エチ・コホシピレ ナ イチェン ポンノ エネルサ(エン・エルサ)=明日あなたに返すので銭を少し私に貸してくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
kohotke
コホッケ 【ko-hotke】 ~で横になる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kohoyoyse
コホヨイセ 【ko-hoyoyse】 欲しくなる. オヤ コタン タ イヨマンテ アン ワ ア・エン・タㇰ カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス ウェンカスノ ピㇼカ メノコポ アン ワ ク・コホヨイセ=よその村で熊送りがあり私は招待されて行ったら,あまりにも美しい娘がいて私は欲しくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
koikonnu
コイコンヌ 【ko-ikonnu】 ~を呪う,相手の不幸を願う. ▷コ=それ イコンヌ=呪う(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koikutasa
コイクタサ 【ko-iku-tasa】 ~の開いた酒宴に行く,招待されて飲みに行く. ▷コ=それ イク=飲む タサ=向かう,行く(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koimokokor
コイモココㇿ 【ko-imok-o-kor】 みやげを持って来る,少しの物をそっと持って来る. エン・コイモココㇿ=私にわずかのみやげを持って来た.ポオンペポ ネ コㇿカ エチ・コイモココㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナ エイメㇰ ワ エ ヤン アニー=少しの物だけれどもお前たちにと思って持って来たのだから,分けて食べてね. (出典:萱野、方言:沙流)
koininciw
コイニンチウ 【ko-i-nin-ciw】 疑う,信じない,問いただす,問い詰める,追及する. (出典:萱野、方言:沙流)
koininpisi
コイニンピシ 【ko-i-nin-pisi】 問いただす:例えば「今のあなたの腹に入っている子は本当にあなたの夫の子かい?」などと言う場合. (出典:萱野、方言:沙流)
koipuni
コイプニ 【ko-i-puni】 (食べ物を)配る〔丁寧〕:座っている所まで食べ物を持って行くこと.普通はイメㇰ,エイメㇰ. イサㇷ゚テ・アン ヒ タ アナㇰネ アペサㇺ タ オカ ポロクㇽ ウタㇻ ホㇱキノ ア・コイプニ ㇷ゚ ネ ナ エラマン ワ オカ アニー=食べ物を配る時には火の側にいる老人たちの方から先に配るものだから覚えていてね.マラㇷ゚ト オッタ(オㇿ タ) イメㇰ・アン ヒ タ ホㇱキノ サケイユㇱクㇽ ア・コイプニ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン アニー=酒宴で食べ物を配る時最初に酒宴を司る人に配るものなので聞いておきなさいね, (出典:萱野、方言:沙流)
koirenkakor
コイレンカコㇿ 【ko-irenka-kor】 (〜を)問題にする. エカナイワノ トイタ ワ コㇿ トイ ネ ヒ アイヌ オピッタ エラマン ワ アン ペ イヨㇱ ワ エㇰ ペ ネㇷ゚カ エトイタ ノイネ ネ アㇷ゚ エポソカネ ア・コイレンカコㇿ ハウェ=ずっと前から畑を耕し持ち畑であることを人々皆が知っていたのに後から来た者が何か蒔いていたらしかったが勿論問題にされたわけだ. (出典:萱野、方言:沙流)
koiruska
コイルㇱカ 【ko-iruska】 恨む,憎む,憎らしい.▷コ=それ(=人)に対して イルㇱカ=怒る ソンノ ク・コイルㇱカ=本当に私はあの人が憎らしい. (出典:萱野、方言:沙流)
koisam
コイサㇺ 【ko-isam】 〜することなく. ウアパヌㇷ゚ エチ・ネ ナ ウタサロㇱキ コイサㇺ ノ ウトクイェコㇿ ヤン=お互いに親戚になるのだから,対立することなく仲良くしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
koitakmuye
コイタㇰムイェ 【ko-itak-muye】 言い置く.▷コ=それに対して イタㇰ=言葉 ムイェ=縛る →言葉を頼んだ相手に縛る *あの人のためにこのようにしてほしいなどと誰かに頼み置くこと.遺言(イタㇰスラ)とは違う. (出典:萱野、方言:沙流)
koiwak
コイワㇰ 【ko-iwak】 (〜ヘ)通う. ホクコイワㇰ=男の所へ通う.マッコイワㇰ=女の所へ通う. (出典:萱野、方言:沙流)
koiyanke
コイヤンケ 【ko-i-yanke】 漂着する,寄り上がる. エ・ヌ アー ピㇱ タ ポロ フンペ コイヤンケ ワ アン ヤㇰ ア・イェ.リカ チャ クス アㇻパ・アン ロー=聞いたかい,浜に大きい鯨が漂着しているということだ.脂身を切りに行きましょう(チャ=切る.鯨を切る時のみ,切ることをチャという).カンナアトゥイ チ・ポㇰナレ ポㇰナアトゥイ チ・カンナレ パㇰノ リㇺルイ オカ タ アッケテㇰ ポロンノ コイヤンケ ア・ウウォマレ ヒネ サラニㇷ゚ オㇿ ア・オマレ=海の表が下になり海の底が表になるほどの大時化(しけ)の後に,ホタテガイがたくさん寄り上がったので集めてサラニㇷ゚に入れた.タン マタ ネ シノ ルイ レラ アㇱ ヒタ アッケテㇰ ポロンノ コイヤンケ カニ カ カㇻパ(ク・アㇻパ) ヒネ クモマレ(ク・ウモマレ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ヒネ ケアケア(ク・エ ア ク・エ ア)=今年の冬,大時化の後にホタテガイがたくさん波で打ち上げられ,私も行って拾い集めて来て食べた食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
kokana
コカナ 【ko-kana】 欲しがる,ねだる. エン・コカナ=私に欲しがる.ネン ネン プリ コㇿ クㇽ オカイペ ネ ワ ネㇷ゚カ ヌカㇻ コㇿ イ・コカナ ㇷ゚ ネ=いろいろな癖を持っている人がいるもので,何か見ると私に向かって欲しいと言う.ク・コㇿ ワ カン(ク・アン) ペ エン・コカナ クス ク・コレ=私の持っているものをねだったのであげた.コカナ ウーン=欲しいと言ってみなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
kokantama
コカンタマ 【ko-kantama】 だます,あざむく. カニ アナㇰネ テ パㇰノ オトゥ イワン スイ オレ イワン スイ ア・エン・コカンタマ コㇿカ アイヌ コカンタマ カ ケアイカㇷ゚(ク・エアイカㇷ゚)=私は今までふたつの6回三つの6度(何度も何度も)だまされたけれど人をだますことは私はできない. (出典:萱野、方言:沙流)
kokanu
コカヌ 【kokanu】 (〜に)耳を傾ける,聞く. ヘマンタ フナラ ヘ コカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパ アㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥコヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして,さっぱり前へ進まないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kokari
コカリ 【ko-kari】 巻く,包む. (出典:萱野、方言:沙流)
kokarkari
コカㇻカリ 【ko-karkari】 (〜で)包む,巻く,ぐるぐるくるむ.▷コ=〜で カㇻカリ=ぐるぐると包む トマ コカㇻカリ=ござで包む.トゥレㇷ゚ イルㇷ゚ ア・ヌンパ オカケ シチヒ アナㇰネ コㇿ コニ ハㇺ ア・コカㇻカリ ワ ア・オンカㇷ゚ ネ ナ=ウバユリの澱粉を搾った残りのかすの方はフキの葉に包み発酵させるものだよ.レラ アㇱ ノイネ シリキ ナ エ・サッケ キ ナ アプッキ コカㇻカリ ワ ウカオ ワ アヌ=風が吹いてくるようなので,お前が干した山菜をすだれに包んでしまっておけ.ホクレ ヌイナ ノ エチ・コレ ㇷ゚ ネ ナ ネンカ ソモ ヌカㇻ クニネ ポオン カㇺ ネ コㇿカ ネㇷ゚カ コカㇻカリ ワ コㇿ ワ アㇻパ=早く,隠してお前にやるのだから誰も見ないように,少しの肉だけど何かに包んで持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
kokera
コケラ 【kokera】 死人を埋める大きな穴.*流行病などで次から次と人が死ぬ場合はひとり分の墓穴を掘れないので,大きい穴を掘りそこへ死体を入れたという.二風谷村でコケラという地名が残っている. (出典:萱野、方言:沙流)
kokewe
コケウェ 【ko-kewe】 (〜を)追い払う. ハイー ヤニ ヤニ セタ エン・クパパ ノイネ イキ クワ アニ セタ コケウェ チカッポ パㇰ ノ ク・ヤイヌ コㇿ ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=いやー危なく危なく犬が,私を噛みそうにして,杖で犬を追い払い,スズメほどに思いながら逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
kokewtumkor
コケウトゥㇺコㇿ 【ko-kewtum-kor】 (〜の)味方をする,くみする,同調する.仲間に加わる.▷コ=それに対し ケウトゥㇺ=精神 コㇿ=持つ ネイタカ タンネㇷ゚ ウコヌプㇽ コㇿ アン ヒ ア・ヌカㇻ ヤッカ ア・エシキピㇷ゚ カシウン キナハㇺ ヘネ ア・アヌ コㇿ エチ・コケウトゥㇺコㇿ ナ ネイタ パㇰノ エネプンキネ(エン・エプンキネ) アニー セコㇿ ア・イェ コㇿ ア・アッカリ コㇿ ア・エマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ=どこかで蛇が交尾しているのを見たら,見ないふりをしながらその上へ草の葉などでおおいをしながら,お前たちの味方をするので私を守ってねと言いながら通り過ぎると,それによって運がよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kokimaypa
コキマイパ 【ko-kimaypa】 なくする. ア・コㇿ シポㇷ゚ケㇷ゚ イ・コキマイパ アンライ ポカ ア・ヤイニューケㇱテ=私の業物,相手によってなくされて,全く死ぬことも私はかなわず…[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kokininpaste
コキニンパㇱテ 【ko-kinin-pas-te】 性交に走る,交わる.▷コ=それに対して キニン=性交 パㇱ=走る テ=させる →性交行為を目的に走る,行動する (出典:萱野、方言:沙流)
kokira
コキラ 【ko-kira】 (の方ヘ)逃げる.▷コ=〜へ キラ=逃げる エン・コキラ=私の方へ逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
kokirawrikikur pumpakane
コキラウリキクㇽ プンパカネ 【ko-kiraw-rikikur pumpakane】 角を高々と上げて. カンナカムイ コキラウリキクㇽ プンパカネ=竜神が角を高々と上げている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kokiru
コキル 【ko-kiru】 (〜へ)追放する. ウェントイカント コキル=悪い大地の空へ追放する.イノンチㇼ ウェンカムイ アナㇰネ イレスカムイ オロワノ アッテイネモシㇼ ア・コキル ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワ=人を呪うような悪い神は火の神様から奈落へ向けて追放されるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kokisnatara
コキㇱナタラ 【ko-kisnatara】 その噂もなく,音沙汰なし. アユピヒパハゥ コキㇱナタラ=私の兄の噂はまったくない[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kokka
コッカ 【kokka】 膝. ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ キㇺ タ アン ウェン シケサㇻペ ランマ オルイペネエムㇱ コッカ チョㇿポㇰ タ ヌイナ ワ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=昔話の中では山にいるならず者はいつでも抜き身の刀を膝の下へ隠しているものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kokkaeninuy
コッカエニヌイ 【kokka-eninuy】 膝枕. (出典:萱野、方言:沙流)
kokkakisarkor
コッカキサㇻコㇿ 【kokka-kisar-kor】 抱えた膝に頭を乗せて座る:座り方のひとつ.老婆が座る時に両方の膝をあごの所まで持って来て両方の手で抱え持ち,その上へ頭を乗せると,膝に耳がついたように見える.▷コッカ=膝 キサㇻ=耳 コㇿ=持つ →膝に耳がつく オンネ・アン コㇿ ア・オソロカミ カ ア・ホニヒ カ ニン ワ イサㇺ ア・アン ヒ タ ア・コッカサパ カシ タ ア・サパハ ア・アヌ コㇿ タンペ レヘ コッカキサㇻコㇿ ネ ルウェ ウン=年をとると腎部の肉も腹の方も縮まってしまい,座る時に膝の上へ頭を置くとこれのことを膝に耳がついたと言うのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kokkasapa/kokkasapa(ha)
コッカサパ/コッカサパ(ハ) 【kokka-sapa/-sapa(ha)】 膝,膝頭. (出典:萱野、方言:沙流)
kokopan
ココパン 【ko-kopan】 (〜を)いやがる.▷コ=それ(=人)に対して コパン=いやがる (出典:萱野、方言:沙流)
kokow/kokowe(he)
ココウ/ココウェ(ヘ) 【kokow/kokowe(he)】 婿(むこ):娘婿へ舅や姑が言う.妻が夫に対しては使わない. (出典:萱野、方言:沙流)
kokusis
コクシㇱ 【kokusis】 〜ともに. オナハ コクシㇱ ア・チㇱテ ハウェ=父とともに泣かされたという. (出典:萱野、方言:沙流)
komawtasa
コマゥタサ 【ko-maw-tasa】 いいがかりをつける,文句を言う. キㇺケクシペ コマゥタサ ピㇱケクシペ コマゥタサ シケサㇻウェンクㇽ=山を通る者に文句をつけ,浜を通る者にいいがかりをつける,乱暴者の悪い奴(シケサㇻ=乱暴者).(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
komekare
コメカレ 【ko-mekare】 (〜に)食べ残す,(〜に)食べ物を持って帰る.▷コ=〜に対して メカレ=残す "カㇺ エ・エ チキ エン・コメカレ アニ" "エー,エチ・コメカレ クㇱネ ワ"=「肉を食べたら私に残してね」「うん,君に残すよ」ア・アチャ オㇿタ ユㇰルル ア・エ ポンノ ポンノ カㇺ ア・ヤンケ ヒネ ア・スチヒ ア・コメカレ=おじさんの所で鹿汁を食べ,少しだけ肉を上げて私のおばあさんに持って帰ろうと思う.*親犬が山へ行って狐やウサギを殺してその肉を食べ,子犬の所へ帰ってきて吐く.これをメカレ(食べ物を残す)という. (出典:萱野、方言:沙流)
komeritanke
コメリタンケ 【ko-meritanke】 物が動いてぴかぴか光る. (出典:萱野、方言:沙流)
komespa
コメㇱパ 【ko-mespa】 (骨から)剥がす. ミㇺコメㇱパ=骨から肉を割がす. (出典:萱野、方言:沙流)
komke
コㇺケ 【komke】 曲がる,曲がった. (出典:萱野、方言:沙流)
komkom
コㇺコㇺ 【kom-kom】 小鳥の胸の柔らかい毛. (出典:萱野、方言:沙流)
komkom'upas
コㇺコㇺウパㇱ 【kom-kom-upas】 綿雪. (出典:萱野、方言:沙流)
komnitay
コㇺニタイ 【komni-tay】 灌木. クンネ ソイ タ ソイネアナクス(ソイネ・アン アクス) リ コㇺニタイ ラマラマ(ラㇺ ア ラㇺ ア) ペコㇿ ラㇺ コㇺニタイ リアリア ペコㇿ ア・ヌカㇻ.シノ ア・オヤモㇰテ クス ア・サハ エウン ア・イェ アクス オヤチキ トパットゥミ ネ アアン=夜,外へ出てみると高い灌木が低く低く見え,低い灌木が高く高く見えた.本当に不審に思ったので姉に言うと,知らなかったがそれは夜盗の群れであったのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
komo
コモ 【komo】 曲げる,折り曲げる,折りたたむ. (出典:萱野、方言:沙流)
komontuci
コモントゥチ 【komontuci】 うちでのこづち.*シサㇺウウェペケㇾといって和人の昔話にうちでのこづちがしばしばでてくる. (出典:萱野、方言:沙流)
kompu
コンプ 【kompu】 昆布. フーン ネイタ ネ ヤッカ ク・マッカㇻク リカ ネヤ コンプ ネヤ イモカ トㇱカ エン・カエオセ=やあやあ,いつものことだが私の姪は鯨の脂身とか昆布などのみやげを山ほど私に持って来てくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
kompupusi
コンププシ 【kompu-pusi】 昆布をこんがりと焼く,昆布焦がし. ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ コンププシ アナㇰネ フチ エヤクコㇿ ルㇽス ア・ヤンケ コッポㇰタ ス オルン ア・エコロトト コㇿ ケラハ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の頃昆布をこんがり焼くのは祖母の役目で,汁鍋を上げる直前に鍋へ砕くと味がいいものであった.*昆布を囲炉裏の火にあぶると柔らかになる.それを指先でしごいて砂を落とし,もっと強く火に近づけると豆粒のようなふくらみができる.それをチプシコンプという.チプシコンプを汁の上げ際に鍋の中にぱりぱり砕いて入れるとおいしい汁になる. (出典:萱野、方言:沙流)
komupas
コムパㇱ 【kom-upas】 粉雪. (出典:萱野、方言:沙流)
komuy
コムイ 【komuy】 シラミ取り(をする). クコロペㇾ(ク・コㇿ オペㇾ)ー ク・サパハ マヤイケ ナ エン・コムイ=娘よ,私の頭がかゆいのでシラミを取ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
konam
コナㇺ 【konam】 葉,木の葉,落葉. コナㇺ パㇻセ エカンナユカㇻ=木の葉が舞うそれと同じに(人間が)舞い上がる[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
konci
コンチ 【konci】 帽子,頭巾. 図[コンチ] (出典:萱野、方言:沙流)
koncipusa/koncipusa(ha)
コンチプサ/コンチプサ(ハ) 【konci-pusa/-pusa(ha)】 帽子の房. プサ サㇰ コンチ コㇿ オッカヨ アナㇰネ ナー マッサックㇽ ネ チセサㇰクㇽ カ コンチプサハ マチヒ コオスラ クス プサハ イサㇺ ペ ネ=房のない帽子を持っている男はいまだ妻のない人,妻に先立たれた男も帽子の房を妻と一緒に埋葬したので,房がないものなのだ.*ふさのない帽子を持っている成人男性は妻に死なれた人,または未婚の人.マキリ=小刀の鞘だけを下げている女は夫に先立たれて,刀の中身を夫と一緒に埋葬したので,独り者ということがわかる. (出典:萱野、方言:沙流)
kone
コネ 【ko-ne】 潰れる,砕ける.▷コ=粉 ネ=〜になる タネ タネ オンタロ クチヒ ハチㇼ ワ ウサユン ノイネ アン ナ.イテキ コネ クニネ アプンノ アヌ アニー=今にも今にも樽のたがが外ればらばらになりそうだ.砕けないように静かに置くのたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
konere
コネレ 【ko-ne-re】 潰す,砕く,粉々にする.▷コ=粉 ネ=なる レ=させる ピㇼカ ワ オケレ ムイ ネ アㇷ゚ ウンマ オテㇾケ ワ ア・コネレ ワ イサㇺ=よい箕であったのに,馬が踏んで潰されてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
konimu
コニム 【ko-nimu】 (〜に)登る. トアン ケネ コニム ワ スイェスイェ.クッチ ラパㇷ゚セ ヤㇰ ク・モマレ ナ=あのハンノキに登って揺すぶれ,コクワが落ちたら私が拾うから.コニムはニム=立ち木に登る時の言い方.梯子=ニカㇻに登る場合はヘメスと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
koniwnatara
コニューナタラ 【ko-niwnatara】 渋い,にがにがしい,いやな顔[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
konka
コンカ 【konka】 大きい桶. アイヌ オッタ(オㇿ タ) ポオン トノト ネ ヤㇰ ア・ラム コㇿカ シンリッ オッタ シレパ ヤㇰネ ポロ コンカ ネ シレパ ㇷ゚ ネ ワ=アイヌの所ではわずかの酒だと思うけれども先祖の所へ届く時は大きな桶で届くものだ.*シンヌラッパ(先祖供養)の言葉の中で,イヨノコンカ ヌマッコエウン=いっぱい酒の入った大きい桶にきちんと紐がかけられ…と続き,コンカという言葉が出て来る. (出典:萱野、方言:沙流)
konkane
コンカネ 【konkane】 黄金. (出典:萱野、方言:沙流)
konkanesiko
コンカネシコ 【konkane-sik-o】 サメの別名. (出典:萱野、方言:沙流)
konkon
コンコン 【kon-kon】 鳥の羽,羽毛,鳥の柔らかい綿毛. (出典:萱野、方言:沙流)
konkonupas
コンコヌパㇱ 【kon-kon-upas】 綿雪.▷コンコン=羽毛 ウパㇱ=雪(コンコンウパㇱ→コンコヌパㇱ) (出典:萱野、方言:沙流)
konna
コンナ 【konna】 (〜に)対して,(〜と)ともに,(〜を)以て. (出典:萱野、方言:沙流)
konniki
コンニキ 【konniki】 破れ,裂ける,斬られてぶら下がる. ア・ミ ワ アン ペ オトゥ コンニキ オレ コンニキ=私の着ている着物それふたつに破れ,それ三つに裂けて[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
konotayas
コノタヤㇱ 【konotayas】 知らん顔. イチェン エソウㇰルスイクス エㇰヒアエラマンコㇿカ アコノタヤㇱ=銭を借りに来たのを私は知っていたが,知らん顔をした.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
konram ka oray'oray kipipkipip
コンラㇺ カ オライオライ キピㇷ゚キピㇷ゚ 【kor-ram ka oray-oray kipip-kipip】 心がざわざわと殺気を感じる. ネㇷ゚ ワ アン ペ イェヌチシㇱケ(イ・エヌチシㇱケ) フミ ネ ヤ ア・コンラㇺ カ オライオライ キピㇷ゚キピㇷ゚=何が私をにらんでいるのか心がざわざわと殺気を感じた. (出典:萱野、方言:沙流)
konram ka tanak kane
コンラㇺ カ タナㇰ カネ 【kor-ram ka tanak kane】 朦朧とする. (出典:萱野、方言:沙流)
konramkipipkipip
コンラㇺキピㇷ゚キピㇷ゚ 【kor-ram-kipip-kipip】 殺気を感じる,心がざわざわする.▷コㇿ=持つ ラㇺ=心 キピㇷ゚キピㇷ゚=ざわざわする →コンラㇺカ キピㇷ゚キピㇷ゚ シネアンタ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ハンケ ウㇱケ タ ネ ペ ア・コンラㇺカキピㇷ゚キピㇷ゚ ヒクス アㇱ・アン ワ ピㇼカ シルワンテ ア・キ アクス トゥスニケ イイェヌチシㇱケ(イ・エヌチシㇱケ) ヒ ネ アアン=ある日のこと山へ行ったら近い所であるのに私の心がざわざわして殺気を感じたので,立ち止まりあたりをよくよく見ると,リスが私をにらんでいるのであった.*このようなことはしばしば体験することで,狐ににらまれても殺気は感じるが相手を見つけたら殺気は解消するものである.これはアイヌだからかもしれない. (出典:萱野、方言:沙流)
konru
コンル 【konru<kor-ru】 氷.▷コン=コㇿ=持つ ル=溶ける オッカイポ コンル カ タ オシッテス ワ クットコノ ハチㇼ ア・エミナ=若者が氷の上でツルッと滑って仰向けに転んで笑われた.*氷について,凍った物ではなく,これから溶ける性質を持っている物と考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
konukosne
コヌコㇱネ 【ko-nukosne】 憎い,憎む,憎らしい. ネウン ア・イェ ヤッカ ア・エルサ イコㇿ ソモ イ・コホシピレ ヒクス ア・コヌコㇱネ ア・オイタクシ=いくら言っても私が貸した宝を戻さないので,憎たらしいから呪いの言葉をかけてやった.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) エン・コレウェン ウナㇻペ ネ クス エアㇻキンネ ク・コヌコㇱネ ク・ヌカㇻー カ ホシ=私が子供の時,私をいじめたおばなのでとっても憎い.私は顔を見るのもいやだ. (出典:萱野、方言:沙流)
konupas
コヌパㇱ 【kon-upas】 粉雪. (出典:萱野、方言:沙流)
konuwe
コヌウェ 【ko-nuwe】 ~へ掃き出す. アムン コヌウェ=ごみとともに掃き出す.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
konuyanuya
コヌヤヌヤ 【ko-nuya-nuya】 (草の実等を)くっつける. (出典:萱野、方言:沙流)
kooanapo
コオアナポ 【kooanapo】 がらにもなく,こしゃくにも. ホッノ イヨーハイ コオアナポ ヤイカニホセ エカㇷ゚ ネ サカヨカㇻ ルスイ シリ=いやーあきれたよ,がらにもなく自分の上へ木を伐り倒すと同じように(墓穴を掘るように)けんかの種を作りたい様子. (出典:萱野、方言:沙流)
koociw
コオチウ 【koociw】 性交する,交合する. (出典:萱野、方言:沙流)
koociwpaste
コオチウパㇱテ 【ko-ociw-pas-te】 (男女が)交わる,性交に走る.*コキニンパシテと対語で使われる.▷コ=それ オチュー=性交 パㇱ=走る テ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
kooripak
コオリパㇰ 【ko-oripak】 (〜に)遠慮する. タネ タネ アヌン シレパ ナンコㇿ シㇼ イチャッケレ ヤクン ア・コオリパㇰ ナ ムンヌパ ヤン=今にも他人が到着するであろうから,あたりが散らばっているのを遠慮しなければならないので,ほうきがけをしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
koorsutke
コオㇿスッケ 【ko-orsutke】 (〜を)励ます:それ頑張れ,もっともっと,と力づける. ネㇷ゚ アン ヤッカ イタㇰエウッチケ ㇷ゚ ネ クス ア・コパㇱロタ コㇿ ア・コオㇿスッケ アクス タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ピㇼカ ア ワー=何があってもものを言うのに度胸がないので,叱りつけながら励ましたら,この度はよかったよ.ウェンクㇽ サニ ウェンクㇽ タイペ セコㇿ ソモ ア・イ・イェ クニネ ヤイコオロスッケ ヤイェプリウェン・アン ペ ネ ナ=貧乏人の子供,貧乏人の血統と言われないように,自分自身を励まし意地を持つものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kootukutke
コオトゥクッケ 【ko-otukutke】 埋まる. ネㇷ゚ ワ アン ペ エシㇼキラㇷ゚ ワ ネ ルウェ ネ ヤ シㇰラㇷ゚ エㇺコ コオトゥクッケ カネ オカ=どんなことを嘆き悲しんでいるのかまつげの半分が埋まるほどにまぶたがはれている[ユ][ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kopak tuye
コパㇰ トゥイェ 【kopak tuye】 (〜へ)近づく. ネア メノコ ニナ クス エキㇺネ シリ ア・ヌカㇻ ヒクス コパㇰ ア・トゥイェ ワ アシヌマ カ エキㇺネ・アン=あの女が薪を取りに山へ行ったのを見たので,その方へ私も行くようにして私も山へ行った. (出典:萱野、方言:沙流)
kopak/kopakke(he)
コパㇰ/コパッケ(ヘ) 【kopak/kopakke(he)】 方向,(〜の)方. (出典:萱野、方言:沙流)
kopaksama
コパㇰサマ 【kopak-sama】 ~の方へ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kopakta
コパㇰタ 【kopak-ta】 (〜の)方に,側に. (出典:萱野、方言:沙流)
kopakte
コパㇰテ 【ko-pakte】 比べる. (出典:萱野、方言:沙流)
kopakun
コパクン 【kopak un】 (〜の)方へ. チセ コパクン=家の方へ.アイヌ コパクン=人の方へ.ペッ コパクン=川の方へ. (出典:萱野、方言:沙流)
kopan
コパン 【kopan】 いやがる,拒否する,断わる,嫌う. ク・ポホ ソアタイ タㇰ クス カㇻパレ(ク・アㇻパレ) クス ク・イェ ヤッカ エウッチケ ワ アㇻパ コパン=私の息子に借金取りに行かせようと私が言っても尻込みして行くのをいやがった.ウナㇻペ エㇰ ヒネ ク・サハ トゥラ ルスイ ワ ネユン シレン ヤッカ アㇻパ コパン ウナㇻペ アナㇰネ オパタプルㇽケ コㇿ アㇻパ ワ イサㇺ=叔母が来て私の姉を連れて行きたくてどんなに誘っても行くのをいやがり叔母はぷりぷりしながら行ってしまった.ピㇼカ オッカイポ ネ ノイネ ア・ラム ㇷ゚ ネ クス ア・マッカㇻク エウン ホク ネ コㇿ セコㇿ ア・イェ ヤッカ ココパン ペ ネ クス ア・エラㇺキッカㇻ=いい若者のように私は思ったので私の姪に,夫にしたらと行ったがそれをいやがったので私のほうが諦めた. (出典:萱野、方言:沙流)
kopas
コパㇱ 【ko-pas】 (〜へ)走る.▷コ=それ(声)の方へ パㇱ=走る カシコパㇱ クスケライ シㇰヌ=私があの者の所へ走ったお陰で生きた. (出典:萱野、方言:沙流)
kopasrota
コパㇱロタ 【ko-pasrota】 叱りつける,罵倒する. ワッカ タ クス ア・アㇻパレ アㇷ゚ エㇰ ルウェー カ イサㇺ.シノッ アイネ エㇰ ヒクス ア・コパㇱロタ=水を汲みに行かせたのに来る様子もない.遊んで遊んで来たので私は叱りつけた.シㇼウフイ オカ タ キナストゥンペ チョタンネトゥリ ワ ライ ワ アン コㇿ ア・コパㇱロタ シウコカㇻカリ ヒネ ノ アン ワ ライ ワ アン コㇿ ケライ ラメトㇰ エ・ネ クス シコㇿ ア・イェ ワ ラム ア・イェ ㇷ゚ ネ=山火事の後で蛇が長くなって死んでいたら(山火事があるであろうことを知って神の国から降りて来たくせに意気地のない奴と)叱りつける,体を丸くしたまま死んでいると,さすがは度胸のある者なのでと言いながらほめてやるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kopayoka
コパヨカ 【ko-payoka】 ~へ行き来する.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kopeca
コペチャ 【kopeca】 カモ.*昭和10年頃父が村田銃を持ってコペチャ撃ちに連れて行ってくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
kopetturasi kamuy isam
コペットゥラシカムイイサㇺ 【ko-pet-turasi kamuy-isam】 かなう神はいない,勝つことのできる神はいない. ▷コペットゥラシ=かなわない,勝てない カムイ=神 イサㇺ=いない *コペットゥラシを,勝つ,負けるに使う場合は前後の言葉が必要である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kopinupinu
コピヌピヌ 【ko-pinu-pinu】 (〜に)耳打ちする. イラㇺノ イワㇰ ペ ネ クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ シネ オッカイポ イヨカネ ヒネ エン・コピヌピヌ=一緒に帰って行くものと私は思っていたのに,ひとりの若者が後になって私にそっと耳打ちした.インネ メノコ ウタㇻ イユタ コㇿ オカ アㇷ゚ エウン シネ ヘカチ ホユプ ワ エㇰ ヒネ ウヌフ ネ ノイネ アン ペ エウン コピヌピヌ アクス ネ メノコ アㇻパ ワ イサㇺ=大勢の女たちが搗き物をしていたが,そこへひとりの少年が走って来て母親らしい者へ耳打ちをしたらその女は行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
kopisi
コピシ 【ko-pisi】 (〜に)問いただす,質問する,訪ねる.▷コ=〜に対して ピシ=問う ク・ユピヒ エキㇺネ マチヒ エウン チュワン コㇿ ヤ セコㇿ ア・コピシ アクス ソモ コㇿ ヤㇰ イェ=私の兄が山へ行ったので,その妻へ,兄は弁当を持ったかと問いただしたら,持っていないと言った.ホㇱキ ホㇱキ アナイネ イキ ヒ カ ソモ ネ ナンコㇿ ピㇼカノ コピシ ヤン=待て待て.理由なく(そう)したのではないかもしれないから,よく問いただしなさい.シネ シサㇺ エㇰ ヒネ ク・シュートホ レヘ イェ コㇿ チセ エン・コピシ ヒクス チセ ケパカㇱヌ(ク・エパカㇱヌ)=ひとりの日本人が来て私の舅の名を言いながら家を尋ねたので家を教えた. (出典:萱野、方言:沙流)
kopiyekar
コピイェカㇻ 【ko-piye-kar】 投げつける,ぶつける.▷コ=それに ピイェカㇻ=投げる シネアンタ ネㇷ゚カ ア・サㇰ ノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) トゥスニケ シネㇷ゚ ニ カ タ アニクス(アン ヒクス) ポン スマ シネㇷ゚ ア・ウㇰ ヒネ ア・コピイェカㇻ アクス エポソカネ トンケ カ ソモ=ある日のこと何も持たずに山へ行くとエゾリスが1匹木の上にいたので,小さい石をひとつ取って投げつけたが,いうまでもないがびくともしなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
kopokor
コポコㇿ 【ko-po-kor】 (〜との間に)子供が生まれる.▷コ=〜に対して ポ=子供 コㇿ=持つ (出典:萱野、方言:沙流)
koponci
コポンチ 【koponci】 粘土. クンネ ㇷ゚ ク・カㇻ クナㇰ ク・ラム コㇿ クンネ コポンチ トゥムン(トゥㇺ ウン) アッ コマレ(ク・オマレ) アㇷ゚ ネヒネ オㇿ ネア ウㇱケ コイラ(ク・オイラ) ク・トゥライヌ=黒い色のものにしようと思って黒い粘土の中へオヒョウの皮を浸けたのに浸けた場所を私はすっかり忘れて捜し出せない.トゥシㇼ ア・オウリ ヒ タ クンネ コポンチ ソナピヒ イタンキ オルン ア・ウㇰ ワ ア・アヌ ア・テケヘ ア・コタチ ワ クワ ア・ムライパ ㇷ゚ ネ=墓穴を掘る時に黒粘土をお椀に山盛りに取っておきそれを手のひらに塗りつけ墓標を撫でるものである(このことをクワムライパと言う). (出典:萱野、方言:沙流)
koponpene
コポンペネ 【ko-ponpe-ne】 (〜に)甘える. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ エン・コイペウナラ ア・コイルㇱカ ㇷ゚ ネ アクス ク・ポロ ヒ ワ オラーノ エン・コポンペネ=私が子供の頃には私に食べさせるのも惜しがって憎らしい人であったのに,私が大きくなってから私に甘えている. (出典:萱野、方言:沙流)
koporo
コポロ 【ko-poro】 (そのことで)成長する. ポンラㇺ ワノ ネウンネウン セミタㇰ・アン ペ ネ ワ ア・イ・コイキ カ ア・イ・コプンテㇰ カ キ コㇿ ア・コポロ ㇷ゚ ネ=子供の頃からいろいろと予言をするので,私は叱られたりほめられたりしながら成長したものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kopoye
コポイェ 【ko-poye】 混ぜる:別の物を合わせてひとつにする.米に麦を混ぜる等. シプㇱケㇷ゚ ピㇼケㇷ゚ ハイタ ヒ ネ ヤクン ネㇷ゚カ ピㇼケㇷ゚ コポイェ ワ ノチヒ ポロレ ワ ポロンノ スケ アニー=イナキビの精白が足りないのならば何か精白を混ぜて量を増やしてたくさん煮てね. (出典:萱野、方言:沙流)
kopoyke
コポイケ 【ko-poyke】 混じる,混ざった. アイヌ コポイケ=人の中に混じる.トヨッタ(トイ オㇿ タ) ムンリセ・アニタ(ムンリセ・アン ヒ タ) アマㇺ コポイケ ワ ウェナマㇺ アン ナ イテキ オイラ ノ リセ アニー=畑で草を抜く時に普通のヒエに混ざって食べられないヒエがあるので忘れずに抜くのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
koppa
コッパ 【kor-pa】 持つ〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
koppa
コッパ 【koppa】 木屑. (出典:萱野、方言:沙流)
kopukpuku
コプㇰプク 【ko-pukpuku】 めちゃくちゃにする. (出典:萱野、方言:沙流)
kopuni
コプニ 【ko-puni】 食べ物を出す,食べ物を人の前に出す. ア・イ・コプニ=私に食べ物を出された.カムイ ア・コプニ=熊送りの時に熊神に食べ物を出す. (出典:萱野、方言:沙流)
kopunkinere
コプンキネレ 【ko-punkine-re】 (〜を)守らせる. ウヌワㇷ゚テ・アン ヒ タ アナㇰネ ウサルンカムイ セコㇿ ア・イェ ワ アペ ウサッタ(ウサㇻ タ) ポンアペ ア・アリ ワ ヌワㇷ゚ テㇰサㇺ ア・コプンキネレ ㇷ゚ ネ=お産の時には下座の神といって火の下座に小さい火を燃やしお産を見守る神とするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kopuntek
コプンテㇰ 【ko-puntek】 (〜を)ほめる. ペウレクㇽ ネ コㇿカ エアㇻキンネ ピカンピカン ワ ネㇷ゚ カㇻ ヤッカ エアㇱカイ ワ ア・コプンテㇰ ルウェ ウン=若い者だがとっても身軽に動き何をやっても上手で,人にほめられるのだよ.ア・ミッポホ ミナ カネ アン ワ アフン ヒネ ヘマンタ イ・コタララ ア・ヌカㇻ アクス ア・スパ ヤㇺ ネ アアン.ア・ミッポホ ア・コプンテㇰ コㇿ ア・エ ルウェ ネ=私の孫がにこにこして入って来て,何やら私に伸ばすので,見るとそれはゆでたクリであった.孫をほめながら私は食べた.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) イセポカ カヌ(ク・アヌ) シネ イセポ クㇰ(ク・ウㇰ) ヒネ ク・イワㇰ アクス フチ エネ ハワニ ケライネクス イソンクㇽ サニ シコㇿ エン・イェ エン・コプンテㇰ ア エン・コプンテㇰ ア=私が小さい時.ウサギの罠をしかけ1匹のウサギを獲って帰って来ると祖母は,さすがに狩の名人の血統だ,と私をほめてくれたほめてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
kopuspusu
コプㇱプス 【ko-pus-pusu】 ~とともに掘り起こす. ▷コ=それ プㇱプス=手で掘る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kor 1
コㇿ 【kor】 ①持つ,産む. コㇿ ワ エㇰ=持って来い.コㇿ ワ アㇻパ=持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
kor 1
コㇿ 【kor】 ①〜しながら,〜しつつ,〜している. イタㇰ コㇿ アㇻパ=話をしながら行った.ネㇷ゚キ コㇿ アン=仕事している.イペ コㇿ アン=食べている. (出典:萱野、方言:沙流)
kor 2
コㇿ 【kor】 ②(手袋を)はめる. テクンペコㇿ=手甲をはめる. (出典:萱野、方言:沙流)
kor 2
コㇿ 【kor】 ②〜したなら,〜すると. オカケアン コㇿ ク・ホシピ=終わったなら私は戻る.カムイ チェㇷ゚ アナㇰネ ア・マ コㇿ ポーヘネ ケラピㇼカ ㇷ゚ ネ ホクレ マ ヤン=サケは焼くとなおさら味があるものだ,早く焼きなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
koraci
コラチ 【koraci】 (〜の)ように,(〜の)如く,(〜と)同じ,そっくりで,それらしく. ウネノ コラチ=同じように.ヘマンタ エオラㇺペシㇱテ ㇷ゚ エネポ エアシㇼ ヌイ サウォッ イセポ コラチ キラ シリ アン=何に驚愕したものか,あれほどまでに山火事から逃れようとするウサギのように逃げて行くのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
koramkor
コラㇺコㇿ 【ko-ram-kor】 相談する.ちょっかいをかける,女を口説く,女を誘ってみる,頼む. エン・コラㇺコㇿ=私に相談する.ウコラㇺコㇿ=互いに相談する.トゥッコ カ レㇾコ カ アㇷ゚ト ルイ ワ ポロワッカ アン ノイネ シㇼキ ナ.イチャリ コㇿ ワ ソイェネ ワ クマ オㇿ ワ ラチッケレ カントコㇿカムイ エウン ホクレ タパン イチャリ シㇰテ セコㇿ コラㇺコㇿ=二日も三日も雨が強いので洪水になりそうだ.ざるを持って外へ出て干し竿から下げ,天の神様へさあ早くこのざるをいっぱいにせよ,と相談してみろ(雨を降りやませる呪い). (出典:萱野、方言:沙流)
koramniwkes
コラㇺニユーケㇱ 【ko-ram-niwkes】 相手を説得できない,こちらからの申し入れを拒否される. ▷コ=それ,相手 ラム=思い,考え ニューケㇱ=できない ホクコㇿクニ クイェヤッカ クコラㇺニューケㇱ=嫁に行くように私は言ったが,拒否された.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koramnukar
コラㇺヌカㇻ 【ko-ram-nukar】 (主として男が女を)誘惑する:彼女の心をそっと覗いてみる.▷コ=それに対して ラㇺ=思い ヌカㇻ=見る (出典:萱野、方言:沙流)
koramnukuri
コラㇺヌクリ 【ko-ram-nukuri】 近づきにくい,とっつきにくい,気が重い.大儀だ.▷コ=それ ラㇺ=思い ヌクリ=面倒で億劫である ネア アチャポ オㇿワ ケソウㇰ(ク・エソウㇰ) ルスイ ペ アン コㇿカ ク・コラㇺヌクリ ワ ナ ソモ ク・イェ ノ カン(ク・アン) ヒ ウン=あのおじさんから借りたい物があるけれども.近づきにくいので私はまだ何も言っていないのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
koramputuye
コランプトゥイェ 【ko-ram-putuye】 構わない,突きはなす,面倒を見てやらない. ソンノ エアシㇼ ヤイコラㇺプトゥイェ ㇷ゚ ネ クス イペエウェン イミエウェン ヘカッタㇻ カ チェピポロ オマ カネ パ=本当に全く自分のことを構わないものだから,食べ物もよくない着るものもよくない,子供らも栄養のよくない顔をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
koramunu
コラㇺヌ 【koramunu】 疑う:ある程度の確信がある場合. テ タ カヌ(ク・アヌ) ア イチェン イサㇺ ルウェ ネ.オハシッタ(オハシㇼ タ) アフン ペ ネア イッカ メノコ ネ クス ア・コラㇺヌ コㇿカ ネユン ア・イェ ヒー カ イサㇺ=ここに私が置いた銭がなくなったのだよ.留守にこの家に入った者はあの盗っ人女なので疑ってはいるが,どのように言うこともできない.エ・ヌカㇻ ペ ネ ヤㇰネ アンコラチ イェ アニ ソモ エ・イェ ヤㇰネ ア・イ・コラㇺヌ ナ=お前が見たのならばそのまま言いなさい,お前が言わないと私たちが疑われるよ.テエータ アナㇰネ イッカ ネヤ メノコ エパコアッ ネヤ ア・コラㇺヌㇷ゚ オカ コㇿ ウサイモンキレ カ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) コㇿカ カニ アナㇰネ ク・ヌ カ ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=大昔は盗っ人とか女性関係とか疑いがかけられると拷問もあったそうだが,私は聞いたことも見たこともない. (出典:萱野、方言:沙流)
korar
コラㇻ 【korar<kore-yar】 くれる,やる,与える:嫁にやる. シコラㇻ=自らを人にやる,押し売り嫁. (出典:萱野、方言:沙流)
korasnerasne
コラㇱネラㇱネ 【ko-rasne-rasne】 しわがれる. オンネ イタㇰ コラㇱネラㇱネ=年寄りの声しわがれる. (出典:萱野、方言:沙流)
korat
コラッ 【korat】 (〜を)疑う. (出典:萱野、方言:沙流)
korawki
コラウキ 【ko-rawki】 取り逃がす. (出典:萱野、方言:沙流)
korcise
コㇿチセ 【kor-cise】 フキ葺きの家. ホクレ コㇿコニ ハㇺ ケッケ ワ エㇰ ヤン コㇿチセ ア・カㇻ ナ=早くフキの葉を折り取って来なさい,フキの葉の家を作るから.コㇿチセ ア・カㇻ ヒ タ タ コㇿハㇺ クㇽストゥ シネ トゥカハ ア・キㇱマ ワ ア・ケッケ ヒネ ア・エタイェ コㇿ コㇿカㇷ゚ コㇿハㇺ オコッ ワ ア・エイワンケ エニタンペ ネ=フキ小屋を作る時はフキの葉の近くをひと握りだけ握ってそれを折って引っ張るとフキの皮がフキの葉にくっついていてそれが使いやすいものだ.*フキ,ヤナギで作る. (出典:萱野、方言:沙流)
kore
コレ 【kore】 与える,やる,くれる. ワッカ エン・コレ=水をちょうだい. (出典:萱野、方言:沙流)
korewen
コレウェン 【kor-e-wen】 粗末にする. アシヌマ カ アナナイネ イキ・アン ヒ カ ソモ ネ エイタサ ア・イ・コレウェン ヒクス ヤイェイモンタサ・アン ルウェ ウン=私も理由もなく勝手にしたのではないよ,あまりにも粗末に扱われたので仕返しをしたのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
koreye
コレイェ 【ko-reye】 (〜へ)這って行く,夜這いする.▷コ=それ(女)へ レイェ=這う エン・コレイェ=私に這って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
korham
コㇿハㇺ 【kor-ham】 フキの葉. (出典:萱野、方言:沙流)
korka
コㇿカ 【korka】 けれども,けれど. ネ ハウェ ネ コㇿカ=そうは言うけれども.イサハ エヤイコプンテㇰ コㇿカ=姉の方は喜んだけれども.エ・イェ ヒ ネ コㇿカ=お前が言うけれども.イペ コㇿ アン ア コㇿカ ネユン カ アㇻパ ワ イサㇺ=食べていたけれどもどこかへ行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
korkoni
コㇿコニ 【kor-koni】 フキ.*フキの葉で小屋を作る時は葉のつけ根をひと握り握ってぽっきりと折り,下の方へ引っ張るとフキの皮が葉についてくるので,その皮を縄代わりにして横棒へ縛るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
korpe
コㇿぺ 【kor-pe】 (あの人の)持ち物. (出典:萱野、方言:沙流)
korpokkur
コㇿポックㇽ 【kor-pok-kur】 フキの葉の下にいる人:フキの葉の下に暮らしていて時にアイヌを助けてくれるともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
kor_ rusuy
コン ルスイ 【kor rusuy】 (〜を)欲しい. (出典:萱野、方言:沙流)
kosakayokar
コサカヨカㇻ 【ko-sakayo-kar】 文句をつける.▷コ=それ サカヨ=けんか,文句 カㇻ=作る *昭和10年頃に家の前にいる鶏をつかまえて,頭を羽の下へ入れて静かに右へ左へ揺すると眠ってしまう.それを土の上に置き,高い声でサカヨアンナ(けんかがあるぞ)と言うと鶏はばっと起きて走って逃げる.何回も同じことをしたものであった.子供たちの遊びのひとつであった. (出典:萱野、方言:沙流)
kosama
コサマ 【kosama】 真似る,そっくり,同じような,比べる,比較する. ソンノ タㇷ゚イキ ウェンメノコ ア・コサマ ㇷ゚ カ イサㇺ.ア・イェ ロㇰ クニ サㇰチロンヌㇷ゚ コラチ アン=本当に今来て行った悪い女,比較するものもない.言うところの夏の狐のような者だ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosankokka esitciwre
コサンコッカ エシッチウレ 【ko-san-kokka e-sir-ciw-re】 膝の方を前へ出してどすんと座る.▷コ=それ サン=出る コッカ=膝 エ=それ=膝 シㇼ=大地 チューレ=刺す (出典:萱野、方言:沙流)
kosannankapuhu ukay'ukay
コサンナンカプフ ウカイウカイ 【ko-san-nan-kapuhu ukay-ukay】 しわくちゃの顔:鬼の顔[ユ].▷コ=これ サン=出る ナン=顔 カプフ=皮 ウカイウカイ=重なる (出典:萱野、方言:沙流)
kosatsatu
コサッサトゥ 【ko-satsatu】 うさんくさい顔で見る. イ・コサッサトゥ=私をうさんくさい顔で見る.トオㇷ゚ エコイカ タ シネ フチ オンネ ヤㇰ ア・イェ アスッタサアナクス(アスッタサ・アン アクス) ア・アㇺキㇼクㇽ カ イサㇺ ペ ネ クス ア・イ・コサッサトゥ ペコㇿ ヤイヌ・アン=ずうっと東の方でひとりの老婆が亡くなったと聞き弔問に行ったが,知った人もいないのでうさんくさい顔で見られたような気がした. (出典:萱野、方言:沙流)
kosaykar
コサイカㇻ 【ko-saye-kar】 取り囲む,包囲する.▷コ=それ(鹿,ウサギなどの獲物) サイェ=囲む,巻く カㇻ=作る →それを取り囲んで狩りとる.コサイェカㇻがコサイカㇻになる. (出典:萱野、方言:沙流)
kosayo
コサヨ 【ko-sayo】 粉粥(こながゆ).▷コ=粉 サヨ=粥 コサヨ ヘネ カㇻ ヤン.ケ(ク・エ) ルスイ ナ=粉粥などをこしらえてください.私食べたいので.*コサヨのこしらえ方はトラマルという豆を5合ほど,それにシケㇾペヌㇺ(シコロの実)を70粒くらい混ぜて煮る.煮えたらイナキビの粉を煮え立っている鍋の中へばらばらと入れて,ゆる火で煮るとおいしい粉粥が出来る.シコロの木の実は香辛料になる.アイヌの食べ物のうち,おいしいほうの5本の指に入ると思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
kosi
コシ 【kosi】 任せる,委ねる. ペウレクㇽ ネ コㇿカ エアㇻキンネ アㇰ エアㇱカイ ナ コシ ワ アヌ=若い人だが本当に弓を射るのが上手だから任せておけ.タパン ハワㇱ ホカンパ コㇿカ エン・コシ ヤン.ク・イレンカトゥイェ ナ=この話は難しいけれど私に任せてくれ,私がもめ事を解決するから. (出典:萱野、方言:沙流)
kosikeranaatte kane
コシケラナアッテ カネ 【ko-sik-e-rana atte kane】 伏し目がちに[ユ].▷コ=それに対して シㇰ=目 エ=〜で ラナ=下 アッテ=立てる カネ=する オリパㇰ ルイ ペ ネ ㇷ゚ ネ クス イ・トゥカリケ コシケラナアッテカネ イキロㇰ アイネ イ・コヘタリ…=遠慮しがちな者であるために私の近くで伏し目がちにしていたが私の方へ顔を上げて…. (出典:萱野、方言:沙流)
kosikipip
コシキピㇷ゚ 【ko-siki-pip】 目をそらす. メノコ シネンネ キㇺ タ キムンカムイ ヌカㇻ ヒ タ コホパㇻパル "パㇱクㇽ パㇰ ペ ヌカㇻ ヌカㇻ" シコㇿ ア・イェ コㇿ キムンカムイ カ コシキピㇷ゚ ワ キラ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=女がひとりだけで山で熊に出会ったら着物の前をはだけ陰部を見せて,「烏ほどのものを見ろ見ろ」と言うと,熊も目をそらし逃げるものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
kosikirayne
コシキライネ 【ko-siki-ray-ne】 同情する,哀れに思う[ユ].▷コ=それに対して シキ=目 ライ=死ぬ ネ=なる (出典:萱野、方言:沙流)
kosikkan'ayneayne
コシッカンアイネアイネ 【ko-sik-ka-un-ay-ne-ay-ne】 刺々しい目で見る.その目は刺々しく[ユ].▷コ=それ シㇰ=目 カ=上 ウン=〜に アイネアイネ=刺々しい(アイ=矢 ネ=なる) (出典:萱野、方言:沙流)
kosimpu
コシンプ 【kosimpu】 妖精. コシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ アイヌ ナンカ ソモ コㇿ ペ ネ ワ アㇻスイネ カ ヌカㇻ パ ㇷ゚ アナㇰネ ソモ オイラ パ ワ コヘムイムイェ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=妖精というものは人間の顔とは別で,1回でも見た者はそれを忘れることができず,それによって病床に伏すものと言われている.コシンプ アイヌ トゥレン コㇿ イピㇼカレ ㇷ゚ カ オカ イウェンテ ㇷ゚ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ネヒ ア・エラマン ワ ラム ア・クットコレ コㇿ シノ ピㇼカ ㇷ゚ ネー シコㇿ=妖精が人間の憑き神になると,憑いた人間をよくする者もいるが悪くする者もいるという.それを覚えて思いを反対にする(=逆に利用する)と本当にいいものだということだ.*絶世の美女.ひと目見ただけで若者は焦がれ死にをするという. (出典:萱野、方言:沙流)
kosimpusirka
コシンプシㇼカ 【kosimpu-sirka】 妖精容貌:コシンプというのは海の妖精で,絶世の美女または美男を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
kosina
コシナ 【ko-sina】 繋ぐ,縛りつける. アチャポ ウンマ オ ワ エㇰ シリ イキ ナ ソイネ ワ チャシ オルン ウンマ コシナ ワ ムン エレ ワ アヌ=おじさんが馬に乗って来たようなので外へ出て柵へ馬を繋ぎ草を食わせておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosinasina
コシナシナ 【ko-sina-sina】 ~へくくりつける,それに縛る. ▷コ=それ シナシナ=縛る イッカエオㇷ゚ アパカシヌクス イクㇱペ アコシナシナアクス ヨㇺネワ ソモイッカ=盗み癖のある者を罰として柱に縛りつけたら,懲りたらしく盗みをしない.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kosinninup
コシンニヌㇷ゚ 【ko-sir-ninu-p】 秘宝.▷コ=それ シㇼ=大地 ニヌ=縫う ㇷ゚=物 →大切な宝物なので大地に縫いつけるようにして持っている物 (出典:萱野、方言:沙流)
kosipasnu
コシパㇱヌ 【ko-sipasnu】 際立つ,目立つ:いいほうにも悪いほうにも目立つ者にいう言い方. ウェンコシパㇱヌ=悪いほうへ目立つ.イタㇰコシパㇱヌ=言葉が際立っている. (出典:萱野、方言:沙流)
kosiramsuye
コシラㇺスイェ 【ko-si-ram-suye】 思う,考える,思いめぐらす. (出典:萱野、方言:沙流)
kosiramuisamte
コシラムイサㇺテ 【ko-siramu-isam-te】 とぼける,無頓着である. トランネㇷ゚ アナㇰネ ネㇷ゚カ ア・イェ コㇿ クニネ アンペ アナㇰネ ソモ ヌ アーペコㇿ コシラムイサㇺテ ㇷ゚ ネ ナ=骨惜しみをする者は何か言っても話によっては聞こえないふりをしてとぼけるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosiratkikor
コシラッキコㇿ 【ko-siratki-kor】 (それを)守り神とする. クンネチロンヌㇷ゚ アナㇰネ パセ カムイ ネ クス ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ サパハ ア・コシラッキ コㇿ ア・エマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ=黒狐は位の高い神なので,獲った場合にはその頭を神として祭れば運がよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosirepa
コシレパ 【ko-sir-epa】 到着した.▷コ=それに シㇼ=あたり,所,場所 エパ=着く,至る (出典:萱野、方言:沙流)
kosirerikor
コシレリコㇿ 【ko-sireri-kor】 ほかのことを口実に,かこつける. オㇺケカㇻヒ コシレリコㇿ=風邪を口実に.アヤイアンヒ コシレリコㇿ=赤子がいることにかこつけて. (出典:萱野、方言:沙流)
kosirkokunne
コシㇼコクンネ 【ko-sir-ko-kunne】 (〜によって)暗くなった.▷コ=それ(仕事)で シㇼ=あたり コ=に クンネ=黒い,暗い トゥナㇱ コケレ(ク・オケレ) クナㇰ ク・ラム コㇿ ク・イチャ ア コㇿカ チュㇰ アナㇰネ ト タㇰネ ㇷ゚ ネ クス ク・コシㇼコクンネ=早く終わると思いながら私は穂ちぎりをしていたが,秋は日も短いものだから(その仕事によって)暗くなってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
kosirsiru
コシㇼシル 【ko-sirsiru】 こする. (出典:萱野、方言:沙流)
kositnatara
コシッナタラ 【ko-sitnatara】 思いがもつれる,難しい話なので思いがもつれて判断できない. ▷コ=それ シッナタラ=もつれる ヌイトシッシッケ コラーチ アコンラㇺコンナ コシッナタラ=縫い糸がもつれたと同じように,私の思いがもつれてしまった[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kosiwnatara
コシウナタラ 【ko-siw-natara】 うなりをあげる. タㇺ セレフㇺ コシューナタラ=太刀風がしゅっとばかりうなりをあげて[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kosiwsiwatki
コシウシワッキ 【kosiw-siw-atki】 ぴゅーっと風が鳴る,木の枝に風があたって鳴る,風の音がうなりをあげる. (出典:萱野、方言:沙流)
koskoso
コㇱコソ 【koskoso】 手で重さを計る. コㇱコソ ワ インカㇻ=手で重さを計ってみなさい.エ・シケヘ スッパカㇻ ワ コㇱコソ ワ インカㇻ.イナニケ カ コㇱネ ヒケ セ ワ イワㇰ アニー=お前の荷物を背負えるように縛ってからどちらが重いか比べて(計って)みろ,どちらか軽いほうを背負って帰れ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosmat/kosmaci(hi)
コㇱマッ/コㇱマチ(ヒ) 【kos-mat/-maci(hi)】 息子の嫁,嫁:舅,姑が息子の嫁を言う場合のみ便用. ク・コㇱマチヒ タネ オンネ ㇷ゚ ク・ネ ナ ネンカネ オヤモコㇿ ク・キ ノイネ シリキ ヒ タ イテキ エン・モソソ アニー.ネノ ネ ヒ タ ア・モソソ コㇿ アン オホロ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)ナ=息子の嫁よ,私は年寄りなのでもしも別な眠り方(=死)をしようとしても私を起こしたりしないでね,そのような時に目を覚まさせると長患いをするものだそうだから.アウン コㇱマッ アンラコㇿ ソモ ネ.エㇰ ワ オラーノ レパ カ シラン ペ ポサㇰ シリ=隣の嫁,クロユリではないのかい.来てからすでに3年にもなるのに子供を産めない様子は(クロユリは花がひとつしか咲かないので子供を産まない女の人をアンラコㇿ=クロユリという). (出典:萱野、方言:沙流)
kosne
コㇱネ 【kosne】 軽い. パセ シケ カ コㇱネ シケ カ アン ナ イナニケカ セ ワ コタン カランケ パㇰノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるのでどれかを背負って村の近くまで私を送ってくれ.イワㇰ・アン ナ ホクレ シケカㇻ コㇱネ ヒケ セ ワ トゥナㇱノ イワㇰ ワ スケ エトコイキ コㇿ アン=帰るので急いで荷物を作り軽いほうを背負って早く帰って煮物の用意をしていてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosnekamuy
コㇱネカムイ 【kosne-kamuy】 位の低い神. コㇱネカムイ ネ コㇿカ エイタサ アンオホㇿ イワㇰ ルスイ ノイネ ク・ウェンタラㇷ゚ ナ ニサッタ ア・イワㇰテ ロー=位の低い神ではあるけれどあまり永くいすぎて帰りたいらしい夢を私は見たので,明日帰すことにしよう(アイヌが自分の手で作った神を神の国へ送り帰すと称して解体することを,カムイイワㇰテあるいはカムイホプニレという). (出典:萱野、方言:沙流)
kosnere
コㇱネレ 【kosne-re】 軽くさせる,▷コㇱネ=軽い レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
kosomotasnu
コソモタㇱヌ 【ko-somo-tasnu】 知らん顔をする. エキㇺネ ア・シレン ヤッカ タンペ オッタ(オㇿ タ) コソモタㇱヌ アㇷ゚ ネ オヌマン ワノ ヤイヌミウェン ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=山へ誘われても,今に限って知らん顔をしていたのにその夜からあの人は病気になったそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosonte
コソンテ 【kosonte】 小袖,和人から手に入れた絹の綿入れ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosouk
コソウㇰ 【ko-souk】 (〜から)借りる. イヨーハイ オトゥ ケㇱパ タ オレ ケㇱパ タ エン・コソウㇰ ワ アヌ アイネ イロイケㇱネ タネ パキタ ホシピレ エアイカㇷ゚ シコㇿ ホワーㇻ=たまげたものだ.2年も3年も私から借りておきながら,今になって戻すことができないって,ひえーっ驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
kosunke
コスンケ 【ko-sunke】 (〜に)嘘を言う,だます. ト ト ポーロ ユㇰ ホユプナ ホクレ ホクレ シコㇿ アウンクㇽ ハワン クス チソイェカッタアナクス(チソイェカッタ・アン アクス) イ・コスンケ ヒ ネ アアン ミナ ア ミナ ア=あれあれ大きい鹿が走ったぞ早く早く,と隣の人が言ったのでさっと外へ出ると,私に嘘を言ったとて笑っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
kot/koci(hi)
コッ/コチ(ヒ) 【kot/koci(hi)】 跡,窪み,穴. チセ アナ(アン ア) ウㇱケ オハ コチヒ アン=家のあった場所に空の跡だけがある.テエータ タヌㇱケ タ ヤイコアン フチ アン ペ ネ ア コㇿカ タネ チセ コッ パテㇰ アン=ずっと前にこの場所で独り者のおばあさんが住んでいたものであったが,今は家の跡しかない. (出典:萱野、方言:沙流)
kotaci
コタチ 【kotaci】 塗りつける.塗る,ぬたくる. ソンノ ポンペ アㇻスイ ネ エㇱナ コㇿ 「チェシコタチ」 セコㇿ ア・イェ トゥスイ ネ コㇿ 「チェシオㇿポイェ」 セコㇿ ア・イェ レスイ ネ コㇿ 「チェシオㇿポイェポイェ」 セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ ワ=生まれて間もない赤ちゃんが1回くしゃみをすると「くそを塗りつけろ」と言い,2回すると「くそにねじり込め」と言い,3回すると「くそにねじり込めねじり込め」と言う.クンネ ㇷ゚ ク・カㇻ クナㇰ ク・ラム コㇿ クンネ コポンチ トゥムン アッ コマレ(ク・オマレ) アㇷ゚ ネ ヒネ オㇿ ネア ウㇱケ コイラ(ク・オイラ) ク・トゥライヌ=黒い色の物にしようと思って黒い粘土の中へオヒョウの皮を浸けたのに浸けた場所を私はすっかり忘れて捜し出せない.トゥシㇼ ア・オウリ ヒ タ クンネ コポンチ ソナピヒ イタンキ オルン ア・ウㇰ ワ ア・アヌ ア・テケヘ ア・コタチ ワ クワ ア・ムライパ ㇷ゚ ネ=墓穴を掘る時に黒粘土をお椀に山盛りに取っておきそれを手のひらに塗りつけ墓標を撫でるものである. (出典:萱野、方言:沙流)
kotama
コタマ 【ko-tama】 任せる. タアン オルㇱペ アナㇰネ イチャッケレ ナ アヌン ペ ア・コタマ ロ.イテキ ネㇷ゚ カ イェ=この話は汚ないから,よその者に任せよう.何も言うな. (出典:萱野、方言:沙流)
kotama
コタマ 【kotama】 それとともに,それも合わせて,それと一緒に. ネㇷ゚カ エチ・コレ ルスイ コㇿカ ピㇼカ イモカ カ イサㇺ ナ サッチェㇷ゚ サカンケカㇺ コタマ ノ シプㇱケㇷ゚ ピㇼケㇷ゚ ヘネ コㇿ ワ アㇻパ アニー=何かあげたいけれどもいいみやげもないが,干し肉干し魚それとともにイナキビの精白したものなど持って行きなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
kotamke
コタㇺケ 【ko-tamke】 (〜に)加わる. ホッノ イヨーハイ エシㇼ ワノ アン ルヤンペ レラ コタㇺケノ シㇼスッスㇽケ カネ ア・シトマ ノ アン レラ=本当に大変だ.朝からの大雨,風も加わって暴風雨だ,恐ろしいような風だ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotamkere
コタㇺケレ 【ko-tamke-re】 それもつけて,それも加えて,おまけにつける. (出典:萱野、方言:沙流)
kotamtama
コタㇺタマ 【ko-tam-tama】 (〜を)押しつける. イヨッカヨ(イ オッカヨ) ネ ヒケ ウヌニウヌニ コㇿ アン ペ オラーウン ネユンネユン イェ パ ワ メノコ コタㇺタマ シコㇿ ク・イヌ ア ワー=男のほうはためらっていたのにその後でいろいろ言って女を押しつけたと私は聞いたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotan kes un ehorak cise
コタンケスン エホラㇰチセ 【kotan-kesun e-horak-cise】 村の下端のあばら家.ウウェペケㇾという昔話で,悪さをした女が逃げ込む家. ウェンメノコ アトイキッカㇻ アウェンキッカㇻ コタンケスン エホラㇰチセ エウン ヤイ ニンパニンパ ワ アラパワイサㇺ=悪さをした女をすごくいじめ,すごくたたいたら,村はずれの半分倒れかかった家へ,自分自身を引きずるようにして,行ってしまった. *昔話の常套句[ウ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kotan _otta
コタノッタ 【kotan or ta】 村で.▷コタン=村 オッタ=で (出典:萱野、方言:沙流)
kotan'utur
コタンウトゥㇽ 【kotan-utur】 村の下座,村の西側へ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotan/kotanu(hu)
コタン/コタヌ(フ) 【kotan/kotanu(hu)】 集落,部落,村. シネ チセ トゥ チセ レ チセ イネ チセ アン コㇿ モヨ ノ アン コタン セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワー=1軒の家,2軒の家,3軒の家,4軒の家があると,人の少ない村と表現されたものであった.図[コタン] (出典:萱野、方言:沙流)
kotankarkamuy
コタンカㇻカムイ 【kotan-kar-kamuy】 アイヌの国土を作った神様. (出典:萱野、方言:沙流)
kotankes
コタンケㇱ 【kotan-kes】 村の下端.▷コタン=村 ケㇱ=尻 *私の村二風谷では平取の方の村の端をコタンケㇱという.村の上の方をコタンパ=村の頭という言い方をする. (出典:萱野、方言:沙流)
kotankorkamuy
コタンコㇿカムイ 【kotan-kor-kamuy】 シマフクロウ,フクロウ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotankorkur
コタンコㇿクㇽ 【kotan-kor-kur】 村おさ. タパン ハワㇱ アナㇰネ サウレ オルㇱペ ソモ ネ クス コタン コㇿ クㇽ ア・エサラマ=この問題はやさしい話ではないので村おさに任せよう. (出典:萱野、方言:沙流)
kotankornispa
コタンコㇿニㇱパ 【kotan-kor-nispa】 村持つ人,村おさ.▷コタン=村 コㇿ=持つ ニㇱパ=物持ち (出典:萱野、方言:沙流)
kotanorun
コタノルン 【kotan or un】 村へ.▷コタン=村 オルン=へ (出典:萱野、方言:沙流)
kotanpa
コタンパ 【kotan-pa】 村の上端:上下は川の上流下流のこと.▷コタン=村 パ=頭 *私の村二風谷では二風谷から見て荷負の方角をいう. (出典:萱野、方言:沙流)
kotanror
コタンロㇿ 【kotan-ror】 村の上座.▷コタン=村 ロㇿ=上座 *二風谷村の場合は自分が住んでいる家から見て東側をコタンロㇿ,あるいはロッタ=上座,エロンネ=上の方などという. (出典:萱野、方言:沙流)
kotansitcire mosirsitcire oypepi poro
コタンシッチレ モシㇼシッチレ オイペピ ポロ 【kotan-sir-cire mosir-sir-cire oypepi poro】 村を焼き国土を焼き使うお椀の大きい人:ポンヤウンペの別名.敵側からの悪口[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kotanun
コタヌン 【kotan un】 村の,村へ,村の方へ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotarara
コタララ 【ko-tarara】 伸ばす,(〜へ)手に持って伸ばす,差し出す. ウェンタラㇷ゚ オッタ(オㇿ タ) ネㇷ゚ カ ア・イ・コタララ ワ ア・ウㇰ ヤㇰ ア・タカㇻ ネ ウェンタラㇷ゚ アナㇰネ パヨカカムイ パヨカ ヒ ネ クス ヤイカキㇰ・アン ペ ネ ナー=夢の中で何か伸ばされて受け取った夢を見ると,その夢は流行病の神が歩いているのだから自分自身で体をはらい清めるものだよ.ア・ミッポホ ミナ カネ アン ワ アフン ヒネ ヘマンタ イ・コタララ ア・ヌカㇻ アクス ア・スパ ヤㇺ ネ アアン.ア・ミッポホ ア・コプンテㇰ コㇿ ア・エ ルウェ ネ=私の孫がにこにこして入って来て,何やら私に伸ばすので,見るとそれはゆでたクリであった,孫をほめながら私は食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
kotca/kotcake(he)
コッチャ/コッチャケ(ヘ) 【kotca/kotcake(he)】 表,前. ヤイコッチャカㇻ=囲炉裏端で自分が座る前を暖かく作ること.ニㇱパアヌシ(ニㇱパ アン ウシ) アナㇰネ チセ コッチャ ワノ チセ エルㇷ゚シ パㇰノ イランマカカ ア・シッチャㇱヌレ ワ アン=物持ちの家というものは家の前から家の後ろまで丁寧に掃除されている. (出典:萱野、方言:沙流)
kotcaketa
コッチャケタ 【kotcake ta】 前に. (出典:萱野、方言:沙流)
kotcawot
コッチャウォッ 【kotca-ot】 先に. エン・コッチャウォッ アㇻパ=私より先に行け. (出典:萱野、方言:沙流)
kote
コテ 【kote】 ゆわえる,つける,繋ぐ. エ・コㇿ ピパ フレセンカキ コテ ワ アヌ=お前の穂ちぎり貝に赤い布を結わえておけ.トゥリ イナウ コテ ワ アヌ ヤン=舟を漕ぐ棹にイナウをつけておきなさい.ウンマ シㇼコテ=馬を繋ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotekparparu
コテㇰパㇻパル 【ko-tek-parparu】 手招き(する):アイヌの手招きは手のひらを上へ向けて招く.▷コ=それに テㇰ=手 パㇻパル=招く ピタㇻ カ タ シネンネ カㇷ゚カㇱ(ク・アㇷ゚カㇱ) コㇿ カナクス(ク・アン アクス) イクサ ウン アチャポ エン・コテㇰパㇻパル.サマ タ アㇻパアナクス(アㇻパ・アン アクス) シペ イチャン アン ウシ エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ)=川原をひとりで歩いていると渡し守のおじさんが私に手招きした.側へ行くとサケの産卵床のある所を私に教えた.*アイヌの手招きは手のひらを上へ向けてするものであったが今は昔のようなやり方は少ないようだ. (出典:萱野、方言:沙流)
koterke
コテㇾケ 【ko-terke】 飛びつく. エン・コテㇾケ=私に飛びつく.ア・コㇿ クチャチセ タ アㇻパアナクス(アㇻパ・アン アクス) チロンヌㇷ゚ シネレ ㇷ゚ アン ワ イ・コテㇾケ ア・シレカッタ アクス ライホチカチカ ライ ルウェ ネ=私の狩小屋へ行くと狐が人間に化けていて私に取っ組んできたので大地へ叩きつけると手足をばたつかせ死んでしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
kotne
コッネ 【kot-ne】 凹,窪む,へこむ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotnekotne
コッネコッネ 【kot-ne-kot-ne】 でこぼこの,所々に窪みがある. (出典:萱野、方言:沙流)
kotnere
コッネレ 【kot-ne-re】 窪ませる,ヘこます. (出典:萱野、方言:沙流)
kotneuske
コッネウㇱケ 【kot-ne-uske】 窪み. ポノッカイポ(ポン オッカイポ) エン・トゥラ ララッカㇺポ ラルイパ コッネウㇱケ テケロㇱキ=若者よ私と行こう.すべすべした肌を撫でた後で窪みの部分に手をあてて(猥談.貝澤トゥルシノフチが聞かせてくれた). (出典:萱野、方言:沙流)
kotom 1
コトㇺ 【kotom】 ①似合う.ふさわしい. ソンノ ウタㇻパ シノ ウタㇻパ ネ ㇷ゚ ネ クス ア・エリㇰナヌカㇻ カシウン パウェトッコㇿ ハウェ ポーヘネ コトㇺ シリ=本当の首領,まことの首領であるので,皆が見上げるその上へ雄弁なこと,なおさら似合うこと. (出典:萱野、方言:沙流)
kotom 2
コトㇺ 【kotom】 ②(〜の)様子. エㇰコトㇺ=来た様子.アㇻパ コトㇺ=行った様子.モコㇿ コトㇺ=眠った様子. (出典:萱野、方言:沙流)
kotomka
コトㇺカ 【ko-tom-ka】 似合うようにする,飾る,美しくする.▷コ=それに対して トㇺ=光る カ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
kotomno
コトㇺノ 【kotomno】 ~らしいよ,そうらしいよ. アラパ コトㇺノ フマㇱアワ=行ったらしい音がしたよ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kotor
コトㇿ 【kotor】 面. フㇽコトㇿ=坂の面.カントコトㇿ=空の面=表面.ニコトㇿ=ニコトロホ=上顎の内側. (出典:萱野、方言:沙流)
kotorusni
コトルㇱニ 【kotor-us-ni】 アブラホウ,コシアブラ〔植〕.▷コトㇿ=斜面 ウン=生える ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
kotosi
コトシ 【ko-tosi】 (粉をふるう)ふるい,粉とおし. (出典:萱野、方言:沙流)
kotoyse
コトイセ 【kotoyse】 集まる,群がる. アイヌ コトイセ=人が集まる. (出典:萱野、方言:沙流)
kotpar/kotparo(ho)
コッパㇻ/コッパロ(ホ) 【kotpar/kotparo(ho)】 胸. テエタ ク・ミチヒ ユカㇻ ヒ タ エネ イキ ヒ トゥミ オㇿ オㇱマ コㇿ シモンテㇰ ワ レㇷ゚ニ コㇿ カネ ハㇻキテㇰ アニ コッパㇻ カ タ レㇷ゚ コㇿ ユカㇻ ヒ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペ ネ=ずうっと昔,父がユカㇻの時にしたことは戦争の場面に入ると右手には拍子をとる棒を持ち左手の手のひらで胸を軽く叩き拍子をとりながらユカㇻをしたのを私は見たことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
kotpok/kotpoki(ke)
コッポㇰ/コッポキ(ケ) 【kotpok/kotpoki(ke)】 前:線的な前,動くものの前. (出典:萱野、方言:沙流)
kotpokta
コッポㇰタ 【kotpok ta】 直前に. オンネㇷ゚ アナㇰネ ヘンパラ マㇰ ネ ㇷ゚ ネ ヤカ ア・エランペウテㇰ.オンネ ルスイ ノイネ イキ チキ オヤモコㇿ ノイネ イキ コッポキ タ ネユンネユン ア・イェ ア・イタㇰスラレ ペ ネ.ソモ イタㇰスラ コㇿ イタㇰチンキ ア・コトゥライヌ シコㇿ ネ ワ クリ ア・アンテ ㇷ゚ ネ=年寄りというものはいつどうなるものかわからない.死にそうになったら別の眠りに入りそうになったら,その直前にいろいろ言って遺言をさせるものだ.遺言をしないと言葉の裾が見つけないと陰口を言われるものだ.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) コンププシ アナㇰネ フチ エヤクコㇿ ルㇽス ア・ヤンケ コッポㇰタ ス オルン ア・エコㇿトト コㇿ ケラハ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の頃昆布をこんがり焼くのは祖母の役目で,汁鍋を上げる直前に鍋へ砕くと味がいいものであった.チセ ホラㇰ コッポキ タ ク・キラ=家が倒れる直前に私は逃げた. (出典:萱野、方言:沙流)
kotuk
コトゥㇰ 【ko-tuk】 つく,くっつく. (出典:萱野、方言:沙流)
kotukka
コトゥッカ 【ko-tuk-ka】 貼る,くっつける. マキㇷ゚ ヌマン ワノ ク・コッカサパ キロウㇱケ アㇻカ ワ ク・モコㇿ カ エアイカㇷ゚.ラウラウ ヘネ アン ヤㇰ ク・シㇼシル ワ ク・コトゥッカ ルスイ=どうしたのか昨日から私の膝の関節が痛くて眠ることもできない,テンナンショウでもあれば擦り下ろして貼りたいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
koturiri
コトゥリリ 【ko-turiri】 伸ばす,相手に物を渡すために伸ばす.▷コ=それ(人)に対して トゥリリ=伸ばす (出典:萱野、方言:沙流)
koturse
コトゥㇽセ 【ko-turse】 伝染する,(病気が)うつる.▷コ=それに トゥㇽセ=落ちる ホㇱキ ウクラン ク・レウシ チセ コㇿ ウタㇻ マヤイケ パ ㇷ゚ ネ ノイネ ク・イラム アㇷ゚ マキㇷ゚ ク・テケヘ ネ ヤ マヤイケ.ソモ エン・コトゥㇽセ ヒ ネ ヤ ウン=一昨日の夜,泊まった家の人たちがひぜんをかいていたように思ったが,どうしたのか手がかゆい.もしやのこと,私に伝染したのではないだろうな.イヤイサマー エ・オㇺケカㇻ ワ エ・アン ハウェー.エン・コトゥㇽセ ヤクン マㇰ ク・イキ ㇷ゚ アン.ホクレ ホシピ ホシピ=まあ,どうしようあなたは風邪ひいているの.私にうつったらどうするんだ.早く戻れ戻れ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotursere
コトゥㇽセレ 【ko-turse-re】 (病気を)うつす. (出典:萱野、方言:沙流)
kotustek
コトゥㇱテㇰ 【ko-tustek】 夢中になる.▷コ=それ(=仕事)に対して トゥㇱテㇰ=金縛りになる (出典:萱野、方言:沙流)
kotususatki
コトゥスサッキ 【ko-tususatki】 (〜で)震える.▷コ=〜で トゥスサッキ=震える (出典:萱野、方言:沙流)
kotusuyupu
コトゥスユプ 【ko-tusu-yupu】 (〜で)まじないを強める:何か化け物が憑いたということでその正体をあばくために力いっぱいの呪術をすること.▷コ=〜で トゥス=呪術,託宣のための呪術 ユプ=強める (出典:萱野、方言:沙流)
kotuyasi
コトゥヤシ 【kotuyasi】 (〜を)いいと思う,他人のために喜ぶ,たのもしく思う. ソンノ オンネ フチ ヤイヌミウェン ワ ア・オイヌウェウシ コㇿ アン ヤㇰ ア・イェ.ホクレ オンネ ヤㇰネ ア・コトゥヤシ ペ=本当の年寄のおばあさんが病気で下の始末を人にしてもらっているということだ.早く亡くなったほうがいいのになあ.ナー ペウレクㇽ チセサㇰ ヤㇰ ア・イェ ク・イケㇺヌ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エソシピ ヤㇰ ア・イェ ク・コトゥヤシ=まだ若い人が妻を亡くしたと言って哀れに思っていたが,再婚したということでよかったなあと思っている.シㇼキラㇷ゚ パテㇰ キ ワ ア・エランポㇰウェン アㇷ゚ ピㇼカ メノコ マチヒ ネ アン クナㇰ ア・イェ.ア・コトゥヤシ ハワㇱ ネ=不幸ばかりあったのでかわいそうだと思っていたが,美しい女が妻になるということ.あの人にとってはいい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kouk
コウㇰ 【ko-uk】 (持っている物を)取り上げる,無理矢理に取る,奪う,強奪する,取り返す. (出典:萱野、方言:沙流)
kounake
コウナケ 【ko-una-ke】 (〜に)木灰をかける. ネㇷ゚ カ ウェンカムイ チセ オルン アフン ノイネ イキ コㇿ ア・コウナケ ウェンカムイ ネ ヤクン キラ ワ ソイネ.ウェンカムイ ソモ ネ ヤクン ウナ タサ アフン ペ ネ=何か得体の知れない悪い神が家へ入りそうにしたら,それに向かって木灰をかけると悪い神なら逃げて出る.悪い神でなければ木灰に向かって入って来るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kourepuni
コウレプニ 【ko-ure-puni】 (上品に)歩く.▷コ=それに対して ウレ=足 プニ=起こす *人間が歩く場合はアㇷ゚カㇱ.神など気品ある方が歩く様子がコウレプニ. (出典:萱野、方言:沙流)
kouwepekennu
コウウェペケンヌ 【ko-u-e-peker-nu】 尋ねる,話を聞く. (出典:萱野、方言:沙流)
kouyna
コウイナ 【ko-uyna】 奪う. (出典:萱野、方言:沙流)
kowen
コウェン 【ko-wen】 嫌う. (出典:萱野、方言:沙流)
koy
コイ 【koy】 波. (出典:萱野、方言:沙流)
koyani
コヤニ 【ko-ani】 (〜に)持って行く. フチ コヤニ=祖母に食べ物を持って行け.ポン チェㇷ゚ ネ コㇿカ アットゥレㇾ ポカ エ・コㇿ ウナㇻペ コヤニ ワ エㇰ=小さいサケだけれど半身ばかりでもお前の伯母に持って行って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
koyanrasne
コヤンラㇱネ 【koyanrasne】 こびりつく. イヨーハイ エウォンネ カ ソモ キ ノ インテ コヤンラㇱネ カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン=まああきれたよ,顔を洗いもしないで目やにがこびりついたまま歩いている.ヤイェシンニューケㇱ ペ アナㇰネ ソモ エウォンネ ワ インテ コヤンラㇱネ ネヒ ネノ アン ワ イペ コㇿ アン=だらしのない者は顔を洗いもせずに目やにをこびりつけたままで食べている. (出典:萱野、方言:沙流)
koyayeus
コヤイェウㇱ 【ko-yay-eus】 はかどらない,仕事が進まない,それに手間をかけている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koyaykewtum ositciwre
コヤイケウトゥㇺ オシッチウレ 【ko-yay-kewtum-o-sir-ciw-re】 心を落ち着ける,冷静にしている.▷コ=それに対して ヤイ=自身 ケウトゥㇺ=精神 オシッチューレ=落ち着かせる (出典:萱野、方言:沙流)
koyaykus
コヤイクㇱ 【koyaykus】 できない,〜しあぐねる,仕上げられない. イペコヤイクㇱ=食べられない.イクコヤイクㇱ=酒を飲めない.トゥナㇱ ク・ホッケ アㇷ゚ アノントㇺ タ ク・モㇱ ワ オラーノ ク・モコㇿ コヤイクㇱ=早くに寝たのに,夜中に目を覚ましそれから眠ることができない.コタン ケスン(ケㇱ ウン) ペウタンケ ハウ アㇱ アクス ア・コㇿ ウナㇻペ オイポㇿポソ アㇱ カ コヤイクㇱ=村の下端へ危急を知らせる声が聞こえると,私のおばは顔が青ざめて立ち上がることもできない.シネン ア・ネ ワ オヌマン パㇰノ ア・タ オケレ クナㇰ ア・ラム トイ ア・コヤイクㇱ ルウェ ネ=私ひとりで夕方までには耕し終わると思った畑が,できなかったんだよ.フナラコヤイクㇱ=探しあぐねる.ネㇷ゚キコヤイクㇱ=仕事を仕上げられない. (出典:萱野、方言:沙流)
koyaymososo
コヤイモソソ 【ko-yay-mososo】 (〜で)目が覚める.▷コ=それで ヤイ=自身 モソソ=目覚めさせる (出典:萱野、方言:沙流)
koyaynusas
コヤイヌサㇱ 【ko-yay-nusas】 (〜によって)気を紛らわす:それによって切り抜ける. ク・ミッポホ ウタㇻ アン クㇱケライポ ク・コヤイヌサㇱ テ パㇰノ カン(ク・アン)=私の孫たちがいたお陰で,私はそれらによって気を紛らわせて今までいた.*ペナコリの川上まつさんがいろいろな困難な事があったが今まで生きていれたのは孫たちのお陰と,晩年述懐していたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
koyaynutunnu
コヤイヌトゥンヌ 【ko-yay-utur-nu】 意識が朦朧とする,人事不省になる,昏睡状態になる.▷コ=それ ヤイ=自身 ウトゥㇽ=間 ヌ=聞く イラマンテ クス エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ソモカ エネ シㇼキ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ウェンユㇰ ピッコサヌ ア・イ・ウェンコイキカㇻ ライ ヘネ ヤ モコㇿ ヘネ ヤ ア・コヤイヌトゥンヌ=狩のために山へ入ったら,まさかそうなるとは思わなかったのに,どうもうな熊がさっと飛び出て来てめちゃくちゃに虐められ,死んだのか眠ったのか意識朦朧となった. (出典:萱野、方言:沙流)
koyaypapiror oytak kane
コヤイパピロㇿ オイタㇰカネ 【ko-yay-papiror o-itakkane】 ひそひそ話をしている,当事者に聞こえないようにしゃべっている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koyayramu
コヤイラム 【ko-yay-ramu】 忘れる,思い出せない. (出典:萱野、方言:沙流)
koyayrayke
コヤイライケ 【ko-yay-rayke】 (〜に)ありがたい.誰それにありがたい. (出典:萱野、方言:沙流)
koyayrerap
コヤイレラㇷ゚ 【ko-yay-rerap】 自分の嘆き話を聞いてもらう,聞かせる. ▷コ=それ ヤイレラㇷ゚=身の上話をする(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koyaysampepokas
コヤイサンペポカㇱ 【ko-yay-sampe-pokas】 あの人にとっては残念なことだ,あのようなことをしなければいい人だったのになあー,惜しい人だがもう駄目だ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koyaytunap
コヤイトゥナㇷ゚ 【ko-yay-tunap】 不満がある. テエータ アナㇰネ ウコイラㇺ・アㇱ ワ ネㇷ゚キ・アㇱ ペ ネ ア コㇿカ ネㇷ゚カ エン・コヤイトゥナㇷ゚ ワ ネ ノイネ クリヒ カ ソモ ク・ヌカㇻ=ずっと前は一緒に仕事をしたものであったが何か私に不満があるらしく,影も見たことがない. (出典:萱野、方言:沙流)
koyaywennukar
コヤイウェンヌカㇻ 【ko-yay-wen-nukar】 (〜で)どうしようもない. ポンペ チㇱ ワ ク・コヤイウェンヌカㇻ ナ ウヌフ エウン カイ ワ アㇻパ=赤ちゃんが泣いてどうしようもないので,母親の所へおぶって行け. (出典:萱野、方言:沙流)
koyka
コイカ 【koyka】 東(の方). ピㇼカ イコㇿ ア・コㇿ ワ アナナㇷ゚(アン・アン アㇷ゚) シネアンタ コイカ ウン クㇽ エㇰ ヒネ イ・コホㇰ ルスイ イコㇿシリエシニューカ ヒ ネ クニ ア・ラム クス ア・エイヨㇰ ルウェ ネ=いい宝物を私は持っていたが,ある日東の方の人が来て私にそれを買いたい(と言う),宝物がここの土地にあきたのであろうと私は考えたのでその宝を売ったのだ.*平取町二風谷からいうと静内の方をエコイカ(東の方),白老の方をエコイポㇰ(西の方)という. (出典:萱野、方言:沙流)
koykar
コイカㇻ 【koykar】 真似る,似せる. オキクㇽミカムイ テㇰルコチ ア・コイカㇻ=オキクルミカムイが作った手の跡を真似て作る(アイヌが神を作る時). (出典:萱野、方言:沙流)
koykataraye
コイカタライェ 【koyka-tara-ye】 知らなかった,分からなかった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koyke
コイケ 【koyke】 曲がった,ゆがむ. (出典:萱野、方言:沙流)
koyki
コイキ 【koyki】 いじめる,怒る,叱る. ソモカ エネ イキ・アン クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ エネ イキ・アン.ソンノ ヤイアパプ ア・キ ナ イテキ エン・コイキ=まさかそうすると思わなかったのにそうしてしまった,本当に私は謝るので私をいじめないで.ネㇷ゚カ ア・カレ ヤッカ ソモ カㇻ ノ アン ウヌフ オㇿ ワ ア・コイキ コㇿ イタㇱタサ コㇿ アン=何か仕事をさせてもやりもせず母親から叱られると口答えをしている.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) ウペペワッカ サン ラポㇰ セキ ク・カㇻ コㇿ アウン ウナㇻペ エン・コイキ ㇷ゚ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=私が子供の頃雪解け水が流れる時に溝を作ると隣のおばさんが私を叱ったのを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
koynoka
コイノカ 【koy-noka】 波状:石粒で波の形を作ったもの.*昭和23年頃,雨乞いのために川原へ行った時に父たちが,イワン コイノカ(六つの波形)を作ってひとつ越えるたびに神の名を呼び並べてお祈りをしたのを見た. (出典:萱野、方言:沙流)
koynuweusi
コイヌウェウシ 【koy-nuwe-usi】 海岸,波打ち際.▷コイ=波 ヌイェ=掃く ウシ=所 (出典:萱野、方言:沙流)
koyomare
コヨマレ 【ko-i-omare】 酌をする.*昭和40年頃までは,男たちのカムイノミ(神への祈り)が終わるとすぐに,メノココヨマレといって女の方へ別に酒を持った人が行って酌をした.かつてはお祝いあるいは葬式の場もこの風習があった.▷コ=〜に イ=それを オマレ=入れる (コイオマレ→コヨマレ) (出典:萱野、方言:沙流)
koyonnuppa
コヨンヌッパ 【ko-yonnuppa】 (〜に対して)訴える. ネㇷ゚カ エルㇺ タタ コㇿ コナハ(ク・オナハ) エネ ハワニ エルㇺカムイ ノトノケヘ エルㇺ ノットゥ タ アン ペ ネ ナ エチ・コヨンヌッパ ナ シコㇿ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=ネズミが何か物をかじったら私の父が言ったのは,ネズミの神の最も偉い神は襟裳の岬にいるものだ,お前をそこへ訴えるぞ,と言っていたのを聞いたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
koyonpitne
コヨンピッネ 【ko-yonpitne】 離れない,取りすがる,しがみつく. エン・コヨンピッネ=私から離れない. (出典:萱野、方言:沙流)
koypak
コイパㇰ 【koypak】 罰する. ナヨルン(ナイ オㇿ ウン) オクイマ・アン コㇿ カムイ イコイパㇰ=沢へ小便をすると神がそれを罰する.ネユン ア・イェ ヤッカ ウェンカッチャムコㇿ ペ アナㇰネ オウェヌシ カムイ コイパㇰ ペ ネ ワー=どのように意見されようとも悪いことをする者は運が悪くなって神から罰をあてられるものだよ.テエータ ワノ ウェンプリ コㇿ ペ サニケヘ アナㇰネ カムイコイパㇰ エパチコアン ワ オウェヌシ パ シリ=ずうっと昔から悪いことをした者の血統は神からも罰を受け罰があたり運の悪いことよ.イペウナラ ㇷ゚ アナㇰネ カムイ コイパㇰ ワ オンネ オルン イペー カ エアイカㇷ゚ペ ネ=食い根性の悪い者は神から罰を受けて年をとるにしたがって食うこともできないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
koypok
コイポㇰ 【koypok】 西(の方).*平取町二風谷からいうと静内の方をエコイカ(東の方),白老の方をエコイポㇰ(西の方)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
koysum
コイスㇺ 【koy-sum】 泡,水の泡. キムンカムイ アイヌ ケセアンパ ヒ タ アナㇰネ コイスㇺ タㇰ エクパ アーペコㇿ アン ワ ホユプ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊が人間を追いかける時には泡のかたまりをくわえたような格好で走るものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ku
ク 【ku】 飲む:食べ物の場合はルキと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
ku/kuwe(he)
ク/クウェ(ヘ) 【ku/kuwe(he)】 弓. クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦はムカゴイラクサが一番いい,次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ.図[ク] (出典:萱野、方言:沙流)
ku=
ク 【ku=】 私. (出典:萱野、方言:沙流)
ku=hekotekur
クヘコテクㇽ 【ku=he-kote-kur】 (自分の)夫.▷ク=私 ヘ=自ら コテ=繋ぐ クㇽ=人 →私自身を繋いである人 (出典:萱野、方言:沙流)
ku=iperusuy
クイペルスイ 【ku=ipe rusuy】 (私は)腹ぺこだ,ひもじい,空腹だ,腹が減った. (出典:萱野、方言:沙流)
ku=itakpe
クイタㇰペ 【ku=itak-pe】 境界棒,目印.*洪水の後に薪になりそうな流木を見つけた時に第一発見者は玉石などをその流木の上へ載せる.これはクイタㇰペの役目をし,守らなければならない.村人は先に発見した人の権利を守ったものである.▷ク=私が イタㇰ=言う ペ=物 [クイタㇰペ] (出典:萱野、方言:沙流)
ku=tusihi
クトゥシヒ 【ku=tusihi】 妾(めかけ):本妻から妾に言う言い方.本妻と妾は1本の綱で結ばれているという考え.▷ク=私の トゥシヒ=綱 (出典:萱野、方言:沙流)
ku=yaysampepokas
クヤイサンペポカㇱ 【ku=yay-sampe-pokas】 気苦労(する),気が重い,がっかりする.▷ク=私 ヤイ=自身 サンペ=心臓=思い ポカㇱ=がっかり ネユンネユン アン オルㇱペ ク・ヌ コㇿ コオアナカ ポネヘ ポカ オンネㇷ゚ラㇰペ ク・ネ クス ク・ヤイサンペポカㇱ=いろいろな噂話を聞くと,からこしゃくにも骨ばかりも老人の味のする者として気が重くなる(老人の独り言). (出典:萱野、方言:沙流)
ku=yupo
クユポ 【ku=yupo】 私の兄. ▷ク=私 ユポ=兄,恋人 *歳下の者にであっても,尊敬できる者には兄,あるいは姉と呼ぶのが,アイヌ社会では礼儀とされている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kuani
クアニ 【kuani】 私.▷ク=私が アン=居る ヒ=所(クアンヒ→クアニ) (出典:萱野、方言:沙流)
kuaniyaykata
クアニヤイカタ 【kuani yaykata】 自分自身で.▷クアニ=私 ヤイカタ=自分で (出典:萱野、方言:沙流)
kuapa
クアパ 【ku-apa】 弓の戸口. ▷ク=弓 アパ=戸口(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kuari
クアリ 【ku-ari】 仕掛け弓.▷ク=弓 アリ=置く (出典:萱野、方言:沙流)
kucacise
クチャチセ 【kuca-cise】 狩小屋:狩に行った時に仮に泊まる家. ア・コㇿ クチャチセ タ アㇻパアナクス(アㇻパ・アン アクス) チロンヌㇷ゚ シネレ ㇷ゚ アン ワ イ・コテㇾケ ア・シレカッタ アクス ライホチカチカ ライ ルウェ ネ=私の狩小屋へ行くと狐が人間に化けていて私に取っ組んできたので大地へ叩きつけると手足をばたつかせ死んでしまった.ア・コㇿ クチャチセ エウン シネ パ カ ソモ アㇻパ・アン ワ ア・エラムイクㇽクㇽ ア コㇿカ アン アイネノ アン ワ ア・エラムシンネ=私の持っている狩小屋へ1年も行かずにいたので気にしていたが,そのままあったので私は安心した. (出典:萱野、方言:沙流)
kucan
クチャン 【kucan】 雄熊. (出典:萱野、方言:沙流)
kucasapte
クチャサㇷ゚テ 【kuca-sapte】 狩小屋を撤収する. トオㇷ゚ トゥイマ クチャ オルン アㇻパアナ(アㇻパ・アン ア) コㇿカ タンペ オッタ(オㇿ タ) オムケン・アン ワ トゥナㇱノ クチャサㇷ゚テ・アン=ずうっと遠い狩小屋へ行ったけれど,このたびは猟がなく早く狩小屋を撤収した. (出典:萱野、方言:沙流)
kucimowmunesamampe
クチモウムネサマンペ 【kucimowmune-samampe】 マガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
kucipeker
クチペケㇾ 【kuci-peker】 声がきれい,発音がはっきりしている. ▷クチ=声 ペケㇾ=きれい,澄む(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kucir
クチㇼ 【kucir】 小便する. (出典:萱野、方言:沙流)
kucirtek(kucittek)
クチㇼテㇰ(クチッテㇰ) 【kucirtek】 小便をかける.ペナンペ(上の者)パナンペ(下の者)の昔話の中で,ペナンペ(川上の者)あるいはパナンペ(川下の者)が入り口の柱に小便をかけること.「エㇰ イペ コㇿ ア・エ・パㇱクマ=来て食べなさい.話を聞かせよう」と言うと「アパサㇺ タ クチッテㇰ ワ アㇻパ=入口にさっと小便して行った」と出て来る.普通は人間には用いない.人間が小便をする場合はオクイマあるいはハンケアㇻパ(近くへ行く)という. (出典:萱野、方言:沙流)
kuciwa
クチワ 【kuciwa】 くつわ(はみ:くつわの馬の口の中に入れる部分).*アイヌ社会へ馬が入ったのはそう古くはないが,丸木舟の次に便利な乗り物として,あるいは農耕馬として定着した.ナリワコーオーチャンチャン クチワコーオーチャンチャン=鳴り輪の音を響かせて,くつわの音を響かせて…と歌にも歌われている. (出典:萱野、方言:沙流)
kuka
クカ 【ku-ka】 弦:弓に張る糸,弓弦.パㇱクㇽエㇷ゚(ツルウメモドキの皮),カパイ(エゾイラクサの繊維).▷ク=弓 カ=糸 クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ.オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦はムカゴイラクサが一番いい,次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kukka
クッカ 【kukka】 鋤. クッカ タ ク・コㇿ トンカ タ ク・コㇿ ネ ワ ネ ヤㇰネ トアン ヌプリ ク・ラㇱタラㇱタ=鋤があれば,鍬があれば,あの山を削り取って(恋歌). (出典:萱野、方言:沙流)
kuma
クマ 【kuma】 干し竿,棒:プンカウ(ドスナラ),フㇷ゚(トドマツ). (出典:萱野、方言:沙流)
kumatay
クマタイ 【kuma-tay】 干し竿の林.▷クマ=干し竿 タイ=林 チェㇷ゚ クマタイ カㇺ クマタイ=魚を干す竿の林,肉を干す竿の林.*昔は物持ちのアイヌの象徴として,家の前に魚の干し竿の林,肉の干し竿の林があると描写した. (出典:萱野、方言:沙流)
kumi
クミ 【kumi】 かび. クミ ウㇱ=かびがはえた.クミ ラㇰ=かびの味. (出典:萱野、方言:沙流)
kumius
クミウㇱ 【kumi-us】 かびる. (出典:萱野、方言:沙流)
kumrakumra
クㇺラクㇺラ 【kumra kumra】 ぐらぐら.ぐわらぐわら(音の描写). パㇱクㇽ ネ ヤ エヤミ ネ ヤ ハウコㇿ パ コㇿ スワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ シㇼシモイェ エㇰ ヒネ ア ワ=烏とかカケスとか声を出しながら飛び立ったかと思うと同時に,ぐらぐらと地震が来たものであった.ソイ タ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エヤミ ネ ヤ パㇱクㇽ ネ ヤ チカㇷ゚ ウタㇻ ハウコㇿ コㇿ ウコスワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ ペコㇿ フマㇱ.オヤチキ シㇼシモイェ ネ アアン=外で私が立っていると,カケスや烏や鳥たちが声を出しながら一斉に飛び立ったと思うと,あたりがぐらぐらしたように感じた.知らなかったが地震であった. (出典:萱野、方言:沙流)
kunak
クナㇰ 【kunak】 〜と. アㇻパ クナㇰ イェ=行くと言った.ナニ エㇰ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ アㇷ゚ アフン ルウェー カ イサㇺ=すぐ来ると言いながら外へ出たのに入る様子もない.ク・イワㇰ クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ ク・レウシ ナ シネ アンチカㇻ エン・レウシレ=帰ろうと思ったが泊まる(ことにした)ので,一晩私を泊めてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunaw
クナウ 【kunaw】 フクジュソウ. クナウ ペ トゥㇺ ワ ア・プス アーペコㇿ アン カムイ イコㇿ ア・エウンケライ イナウ ア・ケ ア ア・ケ ア イナウ トゥンプ ア・カㇻ ワ スウォㇷ゚ アサㇺ ア・オランラニ ルウェ ネ=フクジュソウの花の雫の中から掘り出したような神の宝刀を私は貰った.イナウをたくさん削ってイナウの寝床を作り宝箱の底へ詰め込んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunawnonno
クナウノンノ 【kunaw-nonno】 フクジュソウ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuneni
クネニ 【ku-ne-ni】 イチイ,オンコ〔植〕:狩猟用の弓を作る木.▷ク=弓 ネ=なる ニ=木 クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ.オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦はムカゴイラクサが一番いい.次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuni 1
クニ 【kuni】 ①〜だろうと. エㇰ クニ ク・ラム=(彼は)来るだろうと思う.シㇰヌ クニ ク・ラム=(彼は)生き返るだろうと私は思う. (出典:萱野、方言:沙流)
kuni 2
クニ 【kuni】 ②はず(の). エアㇻキンネ イカㇻカㇻ エアㇱカイ ウナㇻペ ネ ナ エ・ミ クニ チカㇻカㇻペ アサ ワ インカㇻ=とっても刺繍の上手なおばさんだからお前が着る刺繍の着物を注文してみなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
kuni 3
クニ 【kuni】 ③〜ように. アㇻパ クニ ク・イェ ア ワ=行くように,私が行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunikusu
クニクス 【kuni kusu】 〜であるために,〜だろうから. エ・エ クニ クス ク・スケ ワ アン ナ エ アニー=あなたが食べるために私が煮てあるから食べてね.レウシ クニクス=泊まるだろうから. (出典:萱野、方言:沙流)
kunine
クニネ 【kuni ne】 〜ように. タネ タネ オンタロ クチヒ ハチㇼ ワ ウサユン ノイネ アン ナ.イテキ コネ クニネ アプンノ アヌ アニー=今にも今にも樽のたがが外ればらばらになりそうだ.砕けないように静かに置くのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunineankor
クニネアンコㇿ 【kunine-ankor】 それで. イケマ ア・マ ワ ア・エ ヒ タ エイタサ ア・エ コㇿ クス イヨㇱキ・アン ワ ア・エコチャ クニネアンコㇿ ア・エコッ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=イケマを焼いて食べる時,あまり多く食べるとそれによって酔っ払ったようになりふらふらする.時にはそれで死ぬこともあるそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuninenewa
クニネネワ 【kuni ne ne wa】 時によっては,なりゆき次第では. コシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ルㇽコシンプ イワコシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ オカ クニネネワ メノコ ネ カ オカ オッカヨ ネ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=妖精というものは海の妖精山の妖精というものがいて,時によっては女にもなり男にもなっているものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunip
クニㇷ゚ 【kuni-p】 〜であるもの:(やがて)〜であるはずのもの. アㇻパ クニㇷ゚ ネ=行くものだ.エ クニㇷ゚ ネ=食べるものだ.ソノキ クニㇷ゚=損するものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunipekor
クニペコㇿ 【kuni pekor】 〜だろうと. ホンコㇿ クニ ペコㇿ ク・ヤイヌ=彼女は妊娠しているだろうと私は思う.チェㇷ゚ エㇰ クニ ペコㇿ ク・ヤイヌ=魚が来るだろうと私は思う.モコㇿ クニ ペコㇿ ク・ヤイヌ=(彼は)眠ったように私は思う. (出典:萱野、方言:沙流)
kunki
クンキ 【kunki】 釘(くぎ).*アイヌ語には濁音がなかったので釘はクンキ,あずきはアントゥキと言った.日本語から借用. (出典:萱野、方言:沙流)
kunne
クンネ 【kunne】 暗い,真っ暗だ,黒い. シㇼ クンネ ナ ヤイトゥパレ ノ ホシピ アニー=あたりが暗いので気をつけて戻るんだよ.カ(ク・ア) オホㇿ アイーネ シㇼ クンネ クレエシッテㇺライパ(ク・ウレエシッテㇺライパ) コㇿ ク・イワㇰ オアシ=座りすぎてしまってあたりが真っ暗になり,私は足探りで帰らなければならなくなった.ルクンネ=少し黒い.ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) ウウェアイヌトノ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ナヌフ アㇻケ クンネ ㇷ゚ ネー セコㇿ ネ ア ワ=昔話の中では人食い人種殿は顔の半分が黒いものだといわれるものであった.タアン アッカㇷ゚ コㇿ ワ アㇻ パ ワ クンネ ヤチ オルン オマレ ワ クンネレ アニー=このオヒョウの皮を持って行って黒い谷地へ入れて黒くしてね. (出典:萱野、方言:沙流)
kunne
クンネ 【kunne】 夜. チュㇷ゚ ラン パㇰノ エ・ネㇷ゚キ エシㇼコクンネ ナ.ホクレ イワㇰ=陽が落ちるまで働いて夜になってしまうよ,早く帰れ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneapkas
クンネアㇷ゚カㇱ 【kunne-apkas】 夜歩き(する). (出典:萱野、方言:沙流)
kunneasin
クンネアシン 【kunne-asin】 夜小便に出る. アッチェ タ アㇻパ・アン レウシ・アン コㇿ ク・クンネアシン ケヤイランマルイェ(ク・エヤイランマルイェ)=他所へ行って泊まると私は小便に起きるので気がひける.ウクラン トゥ スイ カ レ スイ カ ク・クンネアシン ペ ネ クス ク・モコㇿ ヤー カ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=昨夜は2回も3回も小便に起きて眠ったのかもわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnecironnup
クンネチロンヌㇷ゚ 【kunne-cironnup】 黒狐. クンネチロンヌㇷ゚ アナㇰネ パセ カムイ ネ クス ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ サパハ ア・コシラッキ コㇿ ア・エマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ=黒狐は位の高い神なので,獲った場合にはその頭を神として祭れば運がよくなるものだ.*クンネチロンヌㇷ゚(黒狐)とレタㇻチロンヌㇷ゚(白狐)はめったに獲れないものなので獲ったら頭骨を神として魂を入れて守護神にするといい. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnecis
クンネチㇱ 【kunne-cis】 夜泣き(する). ポイション ネㇷ゚ ワ アン ペ エカッキクㇱ クンネチㇱ.エアㇻキンネ ケアナサㇷ゚(ク・エアナサㇷ゚)=赤ちゃんが何が崇ったのか夜泣きをして本当に手余してしまった.ソンノ ケスクラン アン コㇿ クンネチㇱ.カッキクㇱ ワ ソモ ネ ヤ ウン=本当に毎晩毎晩夜泣きする.憑きものでも憑いているのではないだろうか.ポンペ クンネチㇱ ヒ タ シットココ ワ チㇱ ヒ タ アナㇰネ カッキクㇱ ヒ ネ.シッカムㇰ ワ チㇱ ヒ アナㇰネ モコンルスイ ワ ネ=赤子が夜泣きする時に目を開けて泣くのは化け物が憑いている.目を閉じている場合は眠たい時だ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnecup
クンネチュㇷ゚ 【kunne-cup】 月.▷クンネ=黒い,夜 チュㇷ゚=月 (出典:萱野、方言:沙流)
kunnecupkamuy
クンネチュㇷ゚カムイ 【kunne-cup-kamuy】 月. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnecupray
クンネチュㇷ゚ライ 【kunne-cup-ray】 月食. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneemawri
クンネエマウリ 【kunne-emawri】 熊イチゴ,黒イチゴ.▷クンネ=黒い エマウリ=イチゴ (出典:萱野、方言:沙流)
kunneewen
クンネエウェン 【kunne-e-wen】 鳥目(である). クンネエウェンクㇽ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ナ イテキ エイタサ エハㇺ ノ ホシピ ルスイ ヤクン トゥナㇱ ホシピレ=鳥目の人ということであったので,あまり引きとめずに戻りたいと言ったら早く戻らせろ.*昭和10年頃,平取に平村某なる男がいて,その人が来ると父たちはあまり引きとめることをしないで,明るいうちに帰らせたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnekes
クンネケㇱ 【kunne-kes】 黒あざ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnenisat
クンネニサッ 【kunne-nisat】 早朝,夜明け直前. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneotop
クンネオトㇷ゚ 【kunne-otop】 黒髪. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnep
クンネㇷ゚ 【kunne-p】 オヒョウの皮:ネㇱコ(クルミ)の皮を煮つめて出来る黒い汁で染めたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnep
クンネㇷ゚ 【kunne-p】 黒布. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnepas
クンネパㇱ 【kunne-pas】 消し炭. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnepaspas
クンネパㇱパㇱ 【kunne-pas-pas】 消し炭. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnepkar
クンネㇷ゚カㇻ 【kunne-p kar】 黒く染める. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnere
クンネレ 【kunne-re】 黒く染める. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnerok
クンネロㇰ 【kunne-rok】 夜討ち(する),夜の猟(をする).▷クンネ=夜 ロㇰ=座る タヌクラン クンネロㇰ・アン クス ペサカㇻ ウシ ウン アㇻパ・アン ロー=今夜は夜猟のために鹿が来る谷地へ行くことにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnesenkaki
クンネセンカキ 【kunne-senkaki】 黒布. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnesiknum/kunnesiknumi(hi)
クンネシㇰヌㇺ/クンネシㇰヌミ(ヒ) 【kunne-sik-num/-numi(hi)】 黒目. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnesumi
クンネスミ 【kunne-sumi】 墨. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneywa
クンネイワ 【kunneywa】 朝. クンネイワ ノ チセ カ ウン パㇱクㇽ ハウコㇿ.タント アナㇰネ ピㇼカ ヤント エㇰ ナンコㇿ=朝から屋根の上へ鳥が声を出した.今日はいい客が来るであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneywa pisno
クンネイワ ピㇱノ 【kunnneywa pis-no】 毎朝.▷クンネイワ=朝 ピㇱノ=ごと イセンイセン ネア ウナㇻペ クンネイワピㇱノ イペ エペカ ノ エㇰ シリ=またしてもあのおばさん.毎朝食べているのを目がけて来ている. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneywaipe
クンネイワイペ 【kunneywa-ipe】 朝飯. オッコー ポンノ エン・テレ ナ クンネイワイペ ソモ ク・キ ア ナ ク・イペテㇰ ワ エチ・トゥラ ナ=お姉さん,少し待って,まだ朝ご飯を食べていなかったのでさっと食べてあなたと一緒に行くから.ハイー エシㇼ カ ソモ ク・イペ ヒ タ アイヌ エㇰ ペ ネ クス クンネイワイペ コイラ(ク・オイラ) アアン.ク・イペルスイ フミー=あーあ,朝食前に客がきたので朝飯を食べ忘れてしまった,腹が減ったなあ.ナー クンネイワイペ カ ソモ ノ アン ウㇱケ ウン アㇻパ・アン カルスク(カルㇱ ウㇰ) クス ク・シレン アクス ウㇰペテケハイタ コㇿ ヤイェトコイキ=まだ朝飯を食べていないところへ私は行ってきのこ採りに行こうと誘うととるものもとりあえず自分のしたくをしはじめた. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneywano
クンネイワノ 【kunney wano】 朝から. ヌマン シㇼピㇼカ アㇷ゚ タント クンネイワノ ソランソラン ペコㇿ アㇷ゚ト アㇱ ク・ソイネー カ エアイカㇷ゚=昨日はいい天気だったのに今日は朝から滝のような雨が降って私は外へ出ることもできない.クンネイワノ イチャアナアナ(イチャ・アン ア ・アン ア) ポーロ サラニㇷ゚ トゥㇷ゚ カ レㇷ゚ カ ア・ラㇻパ カネ ムンチロ ア・チャ=朝早くから穂摘みをして大きな袋にふたつも三つも詰め込んで,アワの穂を摘んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnuitak
クンヌイタㇰ 【<kunne-itak】 呪いの言葉. トゥ クンヌイタㇰ レ クンヌイタㇰ ア・コトゥリカㇻ=ふたつの呪いの言葉,三つの呪いの言葉,あの人に伸ばしてやった. (出典:萱野、方言:沙流)
kunumnoski
クヌㇺノㇱキ 【ku-num-noski】 弓の真ん中,弓を握る部分. ▷ク=弓 ヌㇺ=粒 ノㇱキ=真ん中(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kupa
クパ 【kupa】 噛む,かじる. (出典:萱野、方言:沙流)
kupapa
クパパ 【kupapa】 噛む,かじる. アヌンクㇽ チセ ソイ クㇱ アクス セタ ピッコサヌ ア・クパパ エアㇻキンネ ケラムトゥイ(ク・エラムトゥイ)=よその人が家の前を通ったら,犬がさっと飛び出て来て噛まれて,私は本当に驚いてしまった.ハイー ヤニヤニ セタ エン・クパパ ノイネ イキ クワ アニ セタ コケウェ(ク・オケウェ) チカッポ パㇰノ ク・ヤイヌ コㇿ ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=いやー危なく危なく犬が,私を噛みそうにして,杖で犬を追い払い,スズメほどに思いながら逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
kupita
クピタ 【kupita】 中洲:水面に出ている砂地. ホㇱキ パ タ アン ポロワッカ クスケライ ヘネ ヤ クピタ トイ ピㇼカ ポロンノ ムンチロ ケトイ夕(ク・エトイタ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ルウェ ネ ワー=前の年にあった洪水のお陰だろうか 中洲畑がよくて たくさんアワを蒔いてきたのだよ(クピタトイ=1,2年で使い捨てにする砂地畑). (出典:萱野、方言:沙流)
kur
クㇽ 【kur】 人,男. (出典:萱野、方言:沙流)
kur
クㇽ 【kur】 影. ニㇱクㇽ=雲影. (出典:萱野、方言:沙流)
kura/kura(ha)
クラ/クラ(ハ) 【kura/kura(ha)】 鞍,荷鞍. (出典:萱野、方言:沙流)
kure
クレ 【ku-re】 飲ませる. イペ ア イペ ア アイーネ ラコㇿ ワ ヘ アトゥ コㇿ アン ナ ワッカ コㇿ ワ アㇻパ クレ ワ エㇰ=食べて食べてそうして食べすぎたのか,へどを吐いているから水を持って行って飲ませて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
kuri(hi)
クリ(ヒ) 【/kuri(hi)】 (〜の)影. テエータ アナㇰネ ウコイラㇺ・アㇱ ワ ネㇷ゚キ・アㇱ ペ ネ ア コㇿカ ネㇷ゚カ エン・コヤイトゥナㇷ゚ ワ ネ ノイネ クリヒ カ ソモ ク・ヌカㇻ=ずっと前は一緒に仕事をしたものであったが何か私に不満があるらしく,影も見たことがない.→クㇽ (出典:萱野、方言:沙流)
kuri(hi) an
クリ(ヒ) アン 【kuri(hi) an】 影がうつる. (出典:萱野、方言:沙流)
kuripantek
クリパンテㇰ 【kuri-pan-tek】 (ばっと)消える,見えなくなる.*目の前にいた化け物が消えたと言う時にこの言い方をする.▷クリ=影 パン=薄い テㇰ=さっと (出典:萱野、方言:沙流)
kurka/kurkasi(ke)(he)
クㇽカ/クㇽカシ(ケ)(ヘ) 【kurka/kurkasi(ke)(he)】 (その)上,挙げ句に. (出典:萱野、方言:沙流)
kurki/kurki(hi)
クㇽキ/クㇽキ(ヒ) 【kurki/kurki(hi)】 鰓(えら). (出典:萱野、方言:沙流)
kurkotkane
クㇽコッカネ 【kur-kot-kane】 光り輝く,ぴかぴかしている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kurkotunas
クㇽコトゥナㇱ 【kur-ko-tunas】 小児麻痺,顔面神経麻痺. ク・サハ ポ カ クㇽコトゥナㇱ アニ ヤイェウェンペ ネ アクス ネノ アン クㇽ ク・ヌカㇻ コㇿ ク・サハ ポ ケシカルン(ク・エシカルン)=亡くなった私の姉も小児麻痺で(足が)不自由であったので,そのような人を私は見ると亡くなった姉のことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
kurkotunaspe
クㇽコトゥナㇱペ 【kurko-tunas-pe】 半身不随の者. (出典:萱野、方言:沙流)
kurmat
クㇽマッ 【kur-mat】 日本人女性,和人の女. (出典:萱野、方言:沙流)
kurohokar
クロホカㇻ 【kuroho-kar】 うねきり(をする). (出典:萱野、方言:沙流)
kuromasam
クロマサㇺ 【kur-oma-sam】 日陰:日陰をクロマサㇺといい,日なたをイコパㇰサㇺという. (出典:萱野、方言:沙流)
kuromatota
クロマトタ 【kuromatota】 暗い夜に,真っ暗い夜. クロマトタ イキコロカイキ=暗い夜ではあったけれど[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kurpok/kurpoki(ke)(he)
クㇽポㇰ/クㇽポキ(ケ)(ヘ) 【kur-pok/-poki(ke)(he)】 下,下面. ニ クㇽポㇰ=木陰. (出典:萱野、方言:沙流)
kursut/kursutu(hu)
クㇽスッ/クㇽストゥ(フ) 【kursut/kursutu(hu)】 根元:木の最下部. (出典:萱野、方言:沙流)
kurunki
クルンキ 【kurunki】 栗毛馬. (出典:萱野、方言:沙流)
kurunkurun
クルンクルン 【kur-un kur-un】 影が動く.▷クㇽ=影 ウン=入る クㇽ=影 ウン=入る (クㇽウンクㇽウン→クルンクルン) (出典:萱野、方言:沙流)
kuruppe
クルッペ 【kuruppe】 霜. (出典:萱野、方言:沙流)
kuruppean
クルッペアン 【kuruppe an】 霜が降りる. タヌクラン クルッペアン パㇰノ メアン ヒ アナㇰネ アマㇺタㇱコㇿ ネ ナンコㇿ ワ=今夜は霜が降りるかと思うほどの寒さ,これは穀物に実が入るための寒波であろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuruppeciyay
クルッペチヤイ 【kuruppe-ciyay】 霜柱. (出典:萱野、方言:沙流)
kuruppeeci
クルッペエチ 【kuruppe-e-ci】 霜焼け. (出典:萱野、方言:沙流)
kuruyse
クルイセ 【kuruyse】 ユカㇻに出て来る鳥の名前. (出典:萱野、方言:沙流)
kus
クㇱ 【kus】 通る. (出典:萱野、方言:沙流)
kusa
クサ 【kusa】 舟で渡す. エクㇱネ ホトゥイパ ハウ アㇱ ヒクス ク・ソイネ アクス アイヌ アン ヒクス チㇷ゚ ア・サンケ ア・クサ ワ エカン(エㇰ・アン)=川の向こうへ呼ぶ声が聞こえたので外へ出ると人がいたので,私は舟を出し渡して来た.トヨㇿ(トイ オㇿ) ワ イワㇰ・アン イクサウシ タ エカン(エㇰ・アン) ヒネ ライホトゥイパアナクス(ライホトゥイパ・アン アクス) アチャポ エㇰ ヒネ イ・クサ ルウェ ネ=畑から帰って来て渡船場で高い声で呼ぶとおじさんが来て私は渡してもらった. (出典:萱野、方言:沙流)
kusceppo
クㇱチェッポ 【kus-cep-po】 ドジョウ:沙流川ではチチラという. (出典:萱野、方言:沙流)
kusisi
クシシ 【kusisi】 醸す. (出典:萱野、方言:沙流)
kuskeray
クㇱケライ 【kus-keray】 (〜の)お陰で. →クスケライ (出典:萱野、方言:沙流)
kuskeray(po)/kusukeray(po)
クㇱケライ(ポ)/クスケライ(ポ) 【kus(u)keray(po)】 〜のお陰で. フーン ク・マッカㇻク エ・エㇰ ヒ ピㇱノ イモカ トㇱカ イ・カオシケ クスケライポ フンペリカ ケ(ク・エ) エアㇱカイ=まあまあ私の姪,お前は来るごとにみやげ物の山を私のために背負って来る,そのお陰で鯨の脂身を私は食べられる.タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エ・アン クスケライポ ア・ウタリウタㇻ アプンノ イワㇰ パ.ソンノ エチ・コプンテㇰ ナ=今の場合はあなたのお陰で仲間たちが無事に帰って来た.本当にあなたをほめますよ.ソンノ ク・マッネポホ イ・カオイキ クスケライポ ネㇷ゚ カ ケシㇼキラㇷ゚(ク・エシㇼキラㇷ゚) カ ソモ キ=本当に私の娘が私を養ってくれるお陰で私は何も不自由をしない.ク・イチャ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) インネウタㇻ エㇰ ワ エン・カスイ クスケライポ ア・オケッテㇰテㇰ=私が穂ちぎりをしていると,大勢の人が来て私を手伝ってくれ,そのお陰でさっと終わってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
kusnare
クㇱナレ 【kusna-re】 通す. ハㇻキカ クㇱナレ=シナ縄を通す.シカイェヘ クㇱナレ=目釘を通す. (出典:萱野、方言:沙流)
kusnena
クㇱネナ 【kus-ne na】 〜するから,〜するよ. ホクレ ホㇱキ アㇻパ ワ アパウㇱタ チカシヒ アㇺケ ワ アヌ.タネ カㇻパ(ク・アㇻパ) クㇱネナ=早く先に行って戸の心張り棒を外しておけ,今すぐ私も行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
kuspare
クㇱパレ 【kus-pa-re】 通らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
kusta
クㇱタ 【kus ta】 だからとて. ソンノヘタㇷ゚ ウェンペ サニ ネ ロㇰ ペ クㇱタ トランネ パ ワ イペー カ エアイカㇷ゚ パ=本当のことだよ,貧乏人の血統だからとて骨惜しみをして食うことばかりもできない者たちだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kusta
クㇱタ 【kus ta】 向かいへ. クㇱタ アㇻパ=向かいへ行け. (出典:萱野、方言:沙流)
kuste
クㇱテ 【kus-te】 通す. イテセアニタ(イテセ・アン ヒ タ) キナ カワウセ コㇿ カイ ペ ネ クス アㇻスイネ ウォㇿ ア・クㇱテ ア・テイネカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ござを編む時にガマ草が乾いていると折れるものだから,1回だけさっと水の中を通して濡らすといいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kusu
クス 【kusu】 故に,〜ので,〜のために,それによって. アㇻパ クス=行ったので.イケマ ア・マ ワ ア・エ ヒ タ エイタサ ア・エ コㇿ クス イヨㇱキ・アン ワ ア・エコチャ.クニネ アン コㇿ ア・エコッ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=イケマを焼いて食べる時,あまり多く食べるとそれによって酔っ払ったようになりふらふらする.時にはそれで死ぬこともあるそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kusu
クス 【kusu】 〜するはず. エㇰ クス ネ アㇷ゚ マキㇷ゚ ソモ エㇰ ルウェ アン=来るはずであったのにどうして来ないのだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
kusuhenea
クスヘネア 【kusu he ne a】 それでだろうか. タン チュㇰ エアㇻキンネ メアン トゥナㇱ.クスヘネア ク・コㇿ ション ウレペチヒ ウウェチ ノイネ ポッピセ ネ アン=今年の秋はとっても寒くなるのが早い.それでだろうか,子供の足の指が霜焼けしたらしく水膨れになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
kusune
クスネ 【kusune】 〜するから. ホッケ クスネ=寝るから.アㇻパ クスネ=行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
kusune na
クスネ ナ 【kusune na】 〜するから. ヒナコㇿ エ・ピロ ハウェアン.ホクレ エ・ミピヒ アㇺケ.ピロ ウㇱケ ク・ヌカㇻ クスネ ナ=どこを怪我したというのだ.早く着物を脱げ.怪我した所を私が見るから. (出典:萱野、方言:沙流)
kusune wa
クスネ ワ 【kusune wa】 〜だろう. アㇻパ クスネ ワ=行くだろう. (出典:萱野、方言:沙流)
kusuri
クスリ 【kusuri】 薬. (出典:萱野、方言:沙流)
kusuriahupkarkur
クスリアフㇷ゚カラクル 【kusuri-ahupkar-kur】 薬をもらう人. ▷クスリ=薬 アフㇷ゚カラ=もらう クㇽ=人 *自殺するために毒を飲んだ者を助けるべく,人糞を水で溶かして服毒者に飲ませる前に,薬を作った人がひと口飲んでから飲ませることになっている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kusuwep
クスウェㇷ゚ 【kusuwep】 ハト. (出典:萱野、方言:沙流)
kusuyep
クスイェㇷ゚ 【kusuyep】 山バト(キジバト). クスイェㇷ゚ エネ レㇰ ヒ "クスイェㇷ゚ トイタ フチ ワッカタ カッケマッ スケ ポントノ イペ"=山バトがさえずる声は「山バトが畑を耕し.おばあさんが水を汲み,淑女が煮炊きをし,若殿が食べる」.*事実そのように聞こえるものである.昭和10年代のアイヌの子供たちは、山バトの声を聞くと「クスイェㇷ゚トイタ」と真似をして一緒に声を出しながら遊んだものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
kut
クッ 【kut】 断崖,崖. クッコロカムイ イペカクスケライ シッヌアン=崖を持つ神が私を受けてくれたお陰で私は生きた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kut/kuci(hi) 1
クッ/クチ(ヒ) 【kut/kuci(hi)】 ①帯. クッ コㇿ=帯を締める.クッ ピタ=帯をほどく.ク・クチヒ イネ ウン=私の帯はどうした?オリキクッコㇿ=帯を高く締める.*昔話やユカㇻの中に女性が何かをしようとする時,帯を高く締め直し,さっとばかりにと描写される. (出典:萱野、方言:沙流)
kut/kuci(hi) 2
クッ/クチ(ヒ) 【kut/kuci(hi)】 ②たが. タネ タネ オンタロ クチヒ ハチㇼ ワ ウサユン ノイネ アン ナ.イテキ コネ クニネ アプンノ アヌ アニー=今にも今にも樽のたがが外ればらばらになりそうだ,砕けないように静かに置くのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuta 1
クタ 【kuta】 ①剥がれる. チマ クタ=かさぶたが剥がれる.この場合のクタというのは同じ「剥がれる」でもチマクタにのみ用いられる言葉で,別の物が剥がれるときはソソ,あるいはソㇱケ,メㇱケという. (出典:萱野、方言:沙流)
kuta 2
クタ 【kuta】 ②(入っている水を)空ける,流す,こぼす. ワッカ クタ=水を空けろ.イテキ エヘウケレ ノ コㇿ ワ アㇻパ.エ・エヘウケレ ヤㇰネ エ・クタ ワ イサㇺ ナ=傾けないようにして持って行け,お前が傾けたらこぼしてしまうぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuta 3
クタ 【kuta】 ③捨てる. ムン クタ=ごみを捨てる. (出典:萱野、方言:沙流)
kutcam konna
クッチャㇺ コンナ 【kut-sam konna】 言いはじめる. エ・クッチャㇺ コンナ ウウェトゥヌイセ=ものを言いはじめその声が滔々とよどみなく(多くはユカㇻに出て来る). (出典:萱野、方言:沙流)
kutcam/kutcama(ha)
クッチャㇺ/クッチャマ(ハ) 【kut-sam/-sama(ha)】 発音,声(声の音色). ペウレクㇽ ネ コㇿカ クッチャマハ ペケㇾ エアㇻキンネ イタㇰエアㇱカイ=若い人であるけれど発音もきれいだしとても話し上手だ. (出典:萱野、方言:沙流)
kutci
クッチ 【kutci】 コクワ,サルナシ. (出典:萱野、方言:沙流)
kutcipunkar
クッチプンカㇻ 【kutci-punkar】 コクワつる. (出典:萱野、方言:沙流)
kutkan
クッカン 【kutkan】 (油が)傷んでいる. ソモ クッカン ペコㇿ ク・ヤイヌ ワ スㇺ ク・ホㇰ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アㇷ゚ オヤチキ クッカン スㇺ ネ アアン.トックリ アサㇺ タ タイペヘ カ アン=傷んでいないと思ったので油を買ってきたのに,知らなかったが傷んだ油であった.瓶の底には澱もあった.スㇺ カ オホンノ ア・アヌ コㇿ スㇺタイペヘ アン ペ ネ.ネ ウㇱケヘ アナㇰネ クッカン カ キ ア・エエアイカㇷ゚ ナ オスラ アニー=油も長く置くと油の沈澱物がある.その分は傷んでいて食べられないから捨ててね. (出典:萱野、方言:沙流)
kutkor
クッコㇿ 【kut-kor】 (帯を)締める. (出典:萱野、方言:沙流)
kutkorkamuy
クッコㇿカムイ 【kut-kor-kamuy】 断崖の神.*昔話の中に,息子を呪う父親が断崖へ息子を突き落とすがクッコㇿカムイがそれを助けるという話が出て来る. (出典:萱野、方言:沙流)
kutosintoko
クトシントコ 【kut-o-sintoko】 たがつきシントコ:漆器. ワッカ コマレ(ク・オマレ) ワ ピㇼカ クナㇰ ク・ラム クス サカエ コマレ アクス クトシントコ オイクㇱ=水を入れてみて,いいと思ったので酒を醸す粥を入れたら,たがつきの行器が漏る.図[クトシントコ] (出典:萱野、方言:沙流)
kutpokeciw
クッポケチウ 【kut-pok-e-ciw】 (腰に刀を)佩(は)く.▷クッ=帯 ポㇰ=下 エ=それを エチュー=差す (クッポㇰエチュー→クッポケチュー) カムイ ランケ タㇺ ア・クッポケチュー=神授の刀を腰に差し(ユカㇻに多く出て来る) (出典:萱野、方言:沙流)
kuttar
クッタㇻ 【kuttar】 イタドリ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuttoko
クットコ 【kuttoko】 反対にする,裏表になる,仰向けになる. サラㇰカムイ ネ オカ ヤッカ メノコ アナㇰネ クットコ ノ アン オッカヨ アナㇰネ ウㇷ゚シ ノ アン ペ ネ=水死した者は女は仰向けになっているし男はうつ伏せになっているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuttokohokus
クットコホクㇱ 【kuttoko-hokus】 仰向けに倒れる.▷クットコ=反対に ホクㇱ=倒れる (出典:萱野、方言:沙流)
kuttokono
クットコノ 【kuttoko-no】 仰向けに,逆に. オッカイポ コンル カ タ オシッテス ワ クットコノ ハチㇼ ア・エミナ=若者が氷の上でツルッと滑って仰向けに転んで笑われた. (出典:萱野、方言:沙流)
kuttokore
クットコレ 【kuttoko-re】 反対にさせる. ウェンカムイ カ カムイ ネ ア・イェ.ラム ア・クットコレ コㇿ イピㇼカレ カ キ ㇷ゚ ネ=悪い神も神という,その思いを反対にすると人間を守ることもあるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuttom
クットㇺ 【kuttom】 喉(声の出る所としての). (出典:萱野、方言:沙流)
kuttom
クットㇺ 【kuttom】 喉の奥から絞り出すような声を出す:浪曲師が出すような声. ウパレㇰテ エカシ エアㇻキンネ ラウンクットㇺ エアㇱカイ ペ ネ ア ワ=ウパレㇰテおじいさんは,喉の奥から声を出すのがとても上手な人であった. (出典:萱野、方言:沙流)
kutu
クトゥ 【kutu】 梁. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwa
クワ 【kuwa】 杖. クワエチャラセ=杖で滑る.クワエテテ=杖をつく.図[クワ] (出典:萱野、方言:沙流)
kuwa
クワ 【kuwa】 利息,利子. ネアクㇽ イチェン ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) アクス ポーロ クワ エテテレ ワ エン・コホシピレ=あの人に金を貸したら大きく利息を持たせて返してくれた.クワ コㇿ ワ エㇰ=利子がつく(クワ=杖 コㇿ=持つ ワ=する エㇰ=来る).*昔は金はなかったが,物を貸したらそれに何か利子をつけて返して来た.そのことを杖を持って帰って来たと言った. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwa
クワ 【kuwa】 墓標. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwaecarase
クワエチャラセ 【kuwa-e-carase】 杖で滑る:杖で体を支えて急な斜面を滑り下りる.▷クワ=杖 エ=それで チャラセ=滑る (出典:萱野、方言:沙流)
kuwakore
クワコレ 【kuwa-kore】 礼をする,謝礼をする:品物か何かで. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwamuraypa
クワムライパ 【kuwa muraypa】 墓標を撫でる. トゥシㇼ ア・オウリ ヒ タ クンネ コポンチ ソナピヒ イタンキ オルン ア・ウㇰ ワ ア・アヌ ア・テケヘ ア・コタチ ワ クワ ア・ムライパ ㇷ゚ ネ=墓穴を掘る時に,黒粘土をお椀に山盛りに取っておきそれを手のひらに塗りつけ,墓標を撫でるものである. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwan
クワン 【kuwan】 真っ直ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwanno
クワンノ 【kuwan-no】 真っ直ぐに.簡単に. タパン ナイ エ・トゥラシ シトゥ イクㇱ タ アン ポン ナイ クワンノ エ・サン コㇿ ポロ ペッ アン ナ ピタㇻ オッタ(オㇿ タ) レウシ アニー=この沢をのぼって峰の向こう側にある小沢を真っ直ぐに下って行くと大きい川があるので,川原に泊まるのだよ.タント アナㇰネ ホカンパ イタㇰ ソモ ク・イェ ノ ヘル クワンノ ク・イタㇰ=今日は難しい言葉を私は言わずにごく簡単にしゃべる. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwapet
クワペッ 【kuwa-pet】 一串の魚の切り身:一串分のサケの切り身に紐を通した物をいう. ク・コㇿ ション タパン クワペッ エアウネ コㇿ ワ アㇻパ アニー=孫よ,この一串の魚を隣へ持って行ってね. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwapetne
クワペッネ 【kuwapet-ne】 縦切りに(肉を). カㇺ ア・サカンケ ヒ タ アナㇰネ ルウェ キミ パㇰノ ネ クワペッネ ア・カㇻ ア・スパ ヒネ ア・テイパ ワ ア・ヌカㇻ ポンノ オケㇺタヤイケ パㇰノ ア・スパ ス ポㇷ゚ ウㇱケ ワ ア・ヤンケ コㇿ ピㇼカ サカンケカㇺ ネ ア・カㇻ エアㇱカイ=肉を煮て干す場合は,太いトウモロコシほどに肉を縦切りにして,それを煮て,つまんでみて少し血がにじむくらいに煮てから鍋の煮え立っているところから上げるとおいしい干し肉が出来るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwapetne kar
クワペッネ カㇻ 【kuwapet-ne kar】 縦に切る. ポンノ ホㇿセ チェㇷ゚ ネ ヤ カㇺ アナㇰネ クワペッネ ア・カㇻ ワ ア・パラㇰカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=少し痛んだ魚とか肉は縦に切ってそれに煤けた味をつけるといいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwari
クワリ 【ku-ari】 仕掛け弓:クネニ(オンコの木),タッ(ガンビの木の皮),トペニ(イタヤの木),パㇱクㇽエㇷ゚ カ(ツルウメモドキの繊維から作った糸),他で作る. 図[クワリ] (出典:萱野、方言:沙流)
kuwari
クワリ 【kuwari】 仕掛け弓の糸を張ってあるところ:熊の足が糸に触れると矢が発射する.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kuwas
クワㇱ 【kuwas】 菓子の類. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ クワㇱ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ノオカ チェ(チ・エ) カ エアイカㇷ゚ ペ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ トペンペ カ ネㇷ゚ パㇰノ アン=私が子供の頃は菓子というものはそれほど食べられなかったが,今は甘い物もいくらでもある. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwekaycup
クウェカイチュㇷ゚ 【ku-e-kay-cup】 11月. (出典:萱野、方言:沙流)
kuy
クイ 【kuy】 噛む. (出典:萱野、方言:沙流)
kuy
クイ 【kuy】 小便. (出典:萱野、方言:沙流)
kuykuy
クイクイ 【kuy-kuy】 噛む,かじる,噛み砕く. トオーㇷ゚ キㇺ タ シノ ナㇺ ワッカ ア・ク ヒ タ アナㇰネ ア・クイクイ ペコㇿ イキ・アン ペ ネ.ソモ ア・クイクイ コㇿ ア・ホニヒ アㇻカ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン=ずうっと山奥で本当に冷たい水を飲む時は,噛み砕くようにするものだ.噛み砕かないと腹病みをするものなので聞いておきなさい(冷水を温めることを教える)."ヘマンタ エ・クイクイ コㇿ エ・アン シリ アン" "ア・セイレカ キミ ヌㇺ ク・クイクイ コㇿ カン(ク・アン) ルウェ ネ ワー"=「何をかじっているのですか?」「いりトウモロコシの粒をかじっているのだよ」タアン ポンペ ウヌフ イワㇰ モイレ ㇷ゚ ネ クス チㇱ ワ ク・ヤイコウェンヌカㇻ アマㇺ ア・クイクイ パㇻ アニ ア・ヌンヌンカ=この子の母が帰りが遅くて泣いて困ったので,ご飯を口に噛んで口移しで吸わせた. (出典:萱野、方言:沙流)
kuyoy/kuyoye(he)
クヨイ/クヨイェ(ヘ) 【kuy-oy/-oye(he)】 膀胱(ぼうこう),水袋(鹿の膀胱). キムンカムイ クヨイェヘ アナㇰネ ワッカ ア・オマレ ワ ア・ポロレ ヤッカ シネ チョンパ パㇰノ ア・オマレ エアㇱカイ.ユㇰ クヨイ アナㇰネ レ チョンパ カ ア・オマレ パㇰノ ポロ ㇷ゚ ネ=熊の膀胱は水を入れて大きくしても1升ぐらいしか入らない.鹿の膀胱は3升も入れられるぐらい大きいものだ.図[クヨイ] (出典:萱野、方言:沙流)
kuyra
クイラ 【kuyra】 後をつける,尾行する. キムンカムイ アナㇰネ ア・シトマ ㇷ゚ ネ,ア・クイラ ヒ パㇱテ コㇿ ヤイルカエホシピ ニ センピㇼ タ イェトコウㇱ(イ・エトコウㇱ) ペ ネ=熊は恐ろしいものだ,後をつけられたことに気づくと自分の足跡を迂回して木の陰で待ち伏せをするものだ.スイスイ アヌン メノコ クイラ コㇿ アン ナ.ネンカ アン パコアッ キ ヤㇰ ウェン ナ シノッチャキ コㇿ オㇱ アㇻパ=またしても他の女を尾行している.なんらかの間違いをすると悪いので歌を歌いながら後へ行け. (出典:萱野、方言:沙流)
kuytop
クイトㇷ゚ 【kuytop】 ガン〔鳥〕. (出典:萱野、方言:沙流)
kuywakka
クイワッカ 【kuy-wakka】 小便. (出典:萱野、方言:沙流)
ma
マ 【ma】 焼く. チェㇷ゚ マ=魚を焼く.ヘカッタㇻ イペ ハイタ ノイネ イキ パ ナ シト ヘネ マ ワ エレ パ オラウン ルラ ワ エㇰ=子供たちが食べ足りないようだから餅でも焼いて食べさせてから送って行って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ma
マ 【ma】 泳ぐ,水泳ぎ. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) ナー ク・マ エアイカㇷ゚ ヒ タ ク・ユピ ウタㇻ エン・ウォロコイキ クスケライ ク・マ エアㇱカイ ペ ネ ア ワ=私が小さい時,まだまだ泳げない時に,兄たちは私を川でいじめた,そのお陰で私は泳げるようになったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ma
マ 【ma】 〜して,〜て. #NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
macarasne
マチャラㇱネ 【maca-rasne】 (舌触りが)ざらざらしている. (出典:萱野、方言:沙流)
maciya
マチヤ 【maciya】 町. トオㇷ゚ トゥイマ シッタ(シㇼ タ) シㇼシモイェ ユㇷ゚ケ ㇷ゚ アン ワ シサㇺ マチヤ ウカエコネ シコㇿ アン パハウ ク・ヌ=ずうっと遠い所で強い地震があって和人の町が倒壊したという噂を私は聞いた.マチヤ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エイタサ アイヌ インネ ㇷ゚ ネ クス ク・トゥラ クㇽ ヤアニ ヤアニ コカトゥライヌ(ク・オカトゥライヌ)=町ではあまりにも人が多いので一緒に行った人を危なく危なく見失うところだった. (出典:萱野、方言:沙流)
mak
マㇰ 【mak】 奥. (出典:萱野、方言:沙流)
mak
マㇰ 【mak】 どのように,いくら,なんと,何. (出典:萱野、方言:沙流)
mak a=kar yakka
マㇰ アカㇻ ヤッカ 【mak a=kar yakka】 どうしても. ナイクスン(ナイクㇱ ウン) ウナㇻペ ヤイヌミウェン ワ マㇰ ア・カㇻ ヤッカ ウェン ワ タント ユㇷ゚ケ ウウェポタラ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナ=沢の向かいのおばが病気でどうしてもよくならないので今日強くまじないをするそうだから私は行って来るから. (出典:萱野、方言:沙流)
mak a=ye hawe
マㇰ アイェ ハウェ 【mak a=ye hawe】 しかたがない. ホワーア マㇰ ク・イキ ヤㇰ ピㇼカ オカー ピㇼカ トゥキヌㇺ ク・ハチレ ワ ク・ペㇾパ マㇰ ア・イェ ハウェ ウンコトゥㇰ アニ ウコトゥッカ ワ インカㇻ=あーあ困った,どうしたらいいだろう,よい杯の上の粒を私は落として割ってしまった,どうにも言いようもない(しかたがない),松やにでくっつけておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
mak an
マㇰ アン 【mak-an】 どんな. (出典:萱野、方言:沙流)
mak un a=ye hawe
マクン アイェ ハウェー 【mak un a=ye hawe】 しかたがない.許す. ア・エソウㇰテ イチェン タント ホシピレ クナㇰ イェ ㇷ゚ ネ アㇷ゚ ソモ コㇿ ワ エㇰ ペ マクン アイェ ハウェ=私が貸した銭,今日戻すと言っていたのに持って来ないもの,しかたがないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
maka
マカ 【maka】 開ける,開く. アパ マカ=戸を開ける. (出典:萱野、方言:沙流)
makacinkankari
マカチンカンカリ 【maka-cin-kankari】 仰向けになって足をばたばたさせる. (出典:萱野、方言:沙流)
makahokus
マカホクㇱ 【maka-hokus】 仰向けになる,仰向けに倒れる,ひっくり返る. ア・ミッポホ ポニケヘ(ポン ヒケヘ) コㇿ ワ アン ペ ア・コウㇰ コㇿ マカホクㇱ ワ ライ ホケレケレ コㇿ チㇱ ペ ネ=私の孫,小さいほうのは持っているものを取ると仰向けになり,足をばたばたさせて泣くものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
makaka
マカカ 【makaka】 開く. (出典:萱野、方言:沙流)
makan
マカン 【mak-an】 どのような. イワラサンペ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ マカン カッコㇿ ペ ネ ヤ カ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=岩の下の心臓という悪い神はどのような姿をしているものか私はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
makanak
マカナㇰ 【makanak】 どう,どうして,なんと. (出典:萱野、方言:沙流)
makanak'an
マカナㇰアン 【makanak-an】 どんな. (出典:萱野、方言:沙流)
makanakne
マカナㇰネ 【makanak-ne】 どうして. ト タンネ ヒ タ エチ・イワㇰ モイレ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ).マカナㇰネ ワ エチ・モイレ ヒ アン=日の長い時にお前たちの帰りが遅い,気がかりにしていた.どうしてお前たちは遅くなったのだ? (出典:萱野、方言:沙流)
makanakta
マカナㇰタ 【makanak-ta】 何,どうしたって? ペッ イクㇱ ワ エ・ホトゥイパ ヤッカ ク・ヌ フミ カ イサㇺ.マカナㇰ タ=川の向こうからお前が呼んでも私はさっぱり聞こえない.どうしたって? (出典:萱野、方言:沙流)
makani
マカニ 【makani】 なぜ,どうして. プクサ ア・タ ウㇱケ コルウヌ(ク・オルウヌ) クス エチ・シレン ペ マカニ エ・コパン ペ アン=ギョウジャニンニクを採る所を私は知っているのでお前を誘ったのに,なぜお前はいやがるの. (出典:萱野、方言:沙流)
makanit
マカニッ 【maka-nit】 矢骨.矢の根につける骨. (出典:萱野、方言:沙流)
makanit'ay
マカニッアイ 【maka-nit-ay】 仕掛け矢. (出典:萱野、方言:沙流)
makannekor
マカンネコㇿ 【makannekor】 どうかすると. マカンネコㇿ ア・イ・シレカッタ マカンネコㇿ ア・シレカッタ=どうかすると私が投げられどうかすると相手を投げつけた. (出典:萱野、方言:沙流)
makayo
マカヨ 【makayo】 フキノトウ. タンパ マカヨ ヘトゥク オヤパ コㇿコニ ヘトゥク.シネパ カマ ランケ ウウォカリ ウウォカリ アン ペ ネ=今年フキノトウ,違う年(来年)フキが生える.1年置き交替交替にあるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
maketa ne a
マケタ ネ アー 【mak eta ne a】 どうだったかなあ. エ・レヘ マケタネアー=あんたの名前はなんといったかな.エ・オナハ レヘ マケタネアー=あんたの父親の名前はなんといったかなあ. (出典:萱野、方言:沙流)
maketamaketane
マケタマケタネ 【mak eta mak eta ne】 どうしてこうして. タㇷ゚ ウフナㇰ ウトㇺヌカㇻ パ ペウレ ウムレㇰ アン コㇿ オラーノ ウクラン マケタマケタネ シコㇿ カネ エヤイプニ パ ミナ ロㇰ ミナ ロㇰ=この頃結婚したばかりの若夫婦がいると,昨夜はどうしてこうしてとからかって笑って笑って. (出典:萱野、方言:沙流)
maketaro
マケタロ 【maketaro】 負けた,敗れる. (出典:萱野、方言:沙流)
maki
マキ 【maki】 なんと. (出典:萱野、方言:沙流)
makiki
マキキ 【mak-iki】 なんとそれする,どうした,どのようになった. (出典:萱野、方言:沙流)
makip
マキㇷ゚ 【makip】 なぜか,どうしたのか,どうしたの. マキㇷ゚ エソイネ ヘカチ アㇺカㇺコモㇺセ ハウ アㇱ ナ.ホクレ アㇻパ ワ ヌカㇻ ワ エㇰ=どうしたのか外で子供が泣きわめく声が聞こえる.早く行って見て来い.ホㇱキ ウクラン ク・レウシ チセ コㇿ ウタㇻ マヤイケ パ ㇷ゚ ネ ノイネ ク・イラム アㇷ゚ マキㇷ゚ ク・テケヘ ネ ヤ マヤイケ.ソモ エン・コトゥㇽセ ヒ ネ ヤ ウン=一昨日の夜,泊まった家の人たちが皮癬をかいていたように思ったが,どうしたのか手が痒い.もしやのこと,私に伝染したのではないだろうな.マキㇷ゚ タㇷ゚ウフナㇰ ワノ ウナㇻペ ヤイヌミウェンエオ エイノンノイタㇰ ワ エン・コレ ヤン=どうしたことやらついこの頃からおばさんが病気がちだ.はらい清めてくださいよ.マキㇷ゚ エ・イポロ ウェン ルウェ アン ヒナコロホ アㇻカイ アン=どうしたの顔色が悪いこと,痛い所はどこなの? (出典:萱野、方言:沙流)
makiri
マキリ 【makiri】 小刀,小さい刃物. 図[マキリ] (出典:萱野、方言:沙流)
makiriipe
マキリイペ 【makiri-ipe】 小刀の刃. (出典:萱野、方言:沙流)
makirinip
マキリニㇷ゚ 【makiri-nip】 小刀の柄. (出典:萱野、方言:沙流)
makirisaya
マキリサヤ 【makiri-saya】 小刀の鞘:トペニ(イタヤ).ネㇱコ(クルミ)製. (出典:萱野、方言:沙流)
makke
マッケ 【makke】 (戸が)開く. (出典:萱野、方言:沙流)
maknatara
マㇰナタラ 【mak-natara】 明るい,輝いている,きらびやかに. (出典:萱野、方言:沙流)
makne
マㇰネ 【makne】 どうした.なぜ.どういう,どうだ! (出典:萱野、方言:沙流)
maknewa
マㇰネワ 【mak ne wa】 どうして. イヨーハイ ナ ナ ペウレクㇽ ネ クニ ク・ラム アㇷ゚ マㇰ ネ ワ イサㇺ ハウェ タ アン=どうしたの,まだまだ若い人だと思っていたのにどうして死んだというの. (出典:萱野、方言:沙流)
maknewaneyaka
マㇰネワネヤカ 【mak ne wa ne ya ka】 どうしてか. タㇷ゚ イキヤ ウナㇻペ マㇰ ネ ワ ネ ヤカ ア・エラムㇱカリ コㇿカ カリ ヤㇰ ア・イェ アイヌ ウタㇻ ウシトマレ クンネ アン コㇿ ソイネ クㇽ カ イサㇺ=この頃亡くなったおばさん,どうしてか知らないが化けたということで,人々は恐ろしがって暗くなると外へ出る人もいない. (出典:萱野、方言:沙流)
makoraye
マコライェ 【makoraye】 引っこめる,後ろへやる. (出典:萱野、方言:沙流)
makpak
マㇰパㇰ 【makpak】 いくら,どれほど. タアンペ アタイェヘ マㇰ パㇰ アン ペ ネ ヤ=この物の値段はいくらぐらいするものか. (出典:萱野、方言:沙流)
makpeka
マㇰペカ 【mak peka】 (村の,家の)奥の方から. マㇰペカ アㇻパ ア ワ=奥の方から行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
makta 1
マㇰタ 【mak ta】 ①麓の方:山の麓から見て川に近い方をサタ,麓の方をマㇰタという. (出典:萱野、方言:沙流)
makta 2
マㇰタ 【mak ta】 ②(村の,家の)奥の方に. マㇰ タ エ・アン エ・メライケ ナ.ナ サ タ サン アペクㇽ=奥の方にいてお前は寒いだろう.もっと囲炉裏の方に出て火にあたれ. (出典:萱野、方言:沙流)
maktaekasi
マㇰタエカシ 【mak-ta-ekasi】 遠い先祖の祖父.▷マㇰタ=奥の方の エカシ=祖父 マㇰタエカシ カ イッカ ㇷ゚ ネヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ) ア ワ タイペヘ カ イッカエオ ソンノ ウェンペ ネ ハウェ ネ=遠い先祖の祖父も泥棒したものだと聞いたのにその血統も手癖が悪い,本当に悪い者だよね. (出典:萱野、方言:沙流)
maktahuci
マㇰタフチ 【mak ta huci】 古い時代の祖母.▷マㇰタ=奥の方の フチ=祖母 (出典:萱野、方言:沙流)
makuysir
マクイシㇼ 【mak un sir】 古い時代. マクイシㇼ ワノ アイヌ アナㇰ オカ=古い時代からアイヌはいた. (出典:萱野、方言:沙流)
makwa
マㇰワ 【mak wa】 奥(に). (出典:萱野、方言:沙流)
mame
マメ 【mame】 豆. (出典:萱野、方言:沙流)
mamekekka
マメケッカ 【mame-kekka】 豆の内側の糸. アㇻパ エント ウㇰ ワ エㇰ ワ マメケッカハ カㇻ ラタㇱケㇷ゚ ア・カㇻ クスネ ナ=行ってエンドウ豆取って来て豆の内側の糸を取れ,寄せ煮を作るので. (出典:萱野、方言:沙流)
mamekepuspe
マメケプㇱペ 【mame-kepuspe】 豆のさや. (出典:萱野、方言:沙流)
mameni
マメニ 【mame-ni】 豆の手柴:豆のつるを伝わせるための柴. ニサッタ マメニ ア・アシ ナ タヌクラン アナㇰネ チセ トゥマㇺ エコパㇱテ ワ アシ ワ アヌ アニ=明日,豆の手柴を立てるので今夜は家の壁へ(手柴を)寄り掛けて立てておけよ.*つるのある豆を蒔き,つるが伸び始めると手柴を立てるが,手柴につるがからまらないことをニエマカ(木をいやがる)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
mamenum
マメヌㇺ 【mame-num】 豆の粒. (出典:萱野、方言:沙流)
mamenumnumke
マメヌㇺヌㇺケ 【mame-num-numke】 豆粒選び. (出典:萱野、方言:沙流)
mamepunkar
マメプンカㇻ 【mame-punkar】 豆のつる. (出典:萱野、方言:沙流)
manpuri
マンプリ 【manpuri】 お守り. (出典:萱野、方言:沙流)
mantari
マンタリ 【mantari】 前だれ,前掛け:腰に結びつけて膝の前に掛ける布. 図[マンタリ] (出典:萱野、方言:沙流)
marapto 1
マラㇷ゚ト 【marapto】 ①宴,饗宴,祝宴. イペ マラㇷ゚ト=食の宴.イク マラㇷ゚ト=飲みの宴. (出典:萱野、方言:沙流)
marapto 2
マラㇷ゚ト 【marapto】 ②熊の頭. (出典:萱野、方言:沙流)
maraptotuki
マラㇷ゚トトゥキ 【marapto-tuki】 熊神杯:漆器. 図[マラㇷ゚トトゥキ] (出典:萱野、方言:沙流)
marep
マレㇷ゚ 【ma-re-p】 銛.回転銛,自在銛.▷マ=泳ぐ レ=させる プ=物 →泳がせて魚を獲って来る物 図[マレㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
marep'ipe(he)
マレㇷ゚イペ(ヘ) 【marep-ipe(he)】 回転銛の鉄の部分. (出典:萱野、方言:沙流)
marepnip
マレㇷ゚ニㇷ゚ 【marep-nip】 銛の柄.▷マレㇷ゚=銛 ニㇷ゚=柄 (出典:萱野、方言:沙流)
mareptorar
マレㇷ゚トラㇻ 【marep-torar】 銛を台木に縛りつける皮紐. (出典:萱野、方言:沙流)
marotkeciporo
マロッケチポㇿ 【marotke-ciporo】 産卵直前のサケの筋子,ぞろりこ. マロッケチポㇿ シッポ ア・ウシ ワ ア・アヌ チポㇿサヨ ネ カ ア・カㇻ ピソイ オㇿ ア・オマレ ア・サッケ ワ サッチポㇿ ネ カ ア・カㇻ コㇿ エアㇻキンネ ケラピㇼカ ㇷ゚ ネ=産卵直前のサケの筋子に塩を切っておき,筋子粥にしたり鮭の浮き袋に詰めてそれを乾かし干し筋子に作ると本当に味がいいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
masar
マサㇻ 【masar】 浜,海辺の砂浜から離れた草の生えている所. ハンケ マサㇻ トゥイマ マサㇻ=近い草原,遠い草原[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
masasa
マササ 【masasa】 見る. イ・マササ=私を見る. (出典:萱野、方言:沙流)
masasa
マササ 【masasa】 広げる. (出典:萱野、方言:沙流)
maskin
マㇱキン 【maskin】 いつも以上に,なおさら,ますます. タンパ マㇱキン パトゥムネマヌㇷ゚ スルㇽケ ハウェ コタン ア・エニソマㇷ゚=今年はいつも以上に,病気なるもの流行するというので村の事を案じている. (出典:萱野、方言:沙流)
masmaske
マㇱマㇱケ 【masmaske】 粉を吹く:ジャガイモとかカボチャをゆでて水を切り,もう一度火に掛けてから鍋から上げる.するとゆでた物の表面に粉が吹いている.これがマㇱマㇱケ. マㇱマㇱケエモ=粉吹きいも. (出典:萱野、方言:沙流)
mat/maci(hi)
マッ/マチ(ヒ) 【mat/maci(hi)】 女,妻. (出典:萱野、方言:沙流)
mata
マタ 【mata】 冬,真冬. (出典:萱野、方言:沙流)
matak/mataki(hi)
マタㇰ/マタキ(ヒ) 【matak/mataki(hi)】 妹,妻[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
matampus
マタンプㇱ 【matampus】 男の鉢巻き,刺繍した鉢巻き:明治時代までは刺繍したものは男だけのものとされていた. テエータ アナㇰネ ア・エサパムイェㇷ゚ クンネ センカキ パテㇰ ネ ア コㇿカ タネ アン メノコ ウタㇻ オッカヨ マタンプㇱ エサパムイェパ=ずっと昔は頭に巻く布は黒い布だけであったが,今いる女たちは男用の鉢巻きを頭に巻いている.テエータ こきん ウナㇻペ エン・ヌレ ヒ ア・カㇻカㇻ マタンプㇱ アナㇰネ オッカヨ パテㇰ エヘコカリㇷ゚ ネ ニㇷ゚タニ タ アイェトゥリ エカシ マタンプㇱ コㇿ ヒ ア・ヌカㇻ アㇺキㇼ シコㇿ ハワン=ずうっと前にこきんおばさんが聞かせてくれたのは,刺繍した鉢巻きは男だけが巻いていたものだ,二風谷ではアイェトゥリおじいさんが鉢巻きをしていたのを見たことがあると言っていた.図[マタンプㇱ] (出典:萱野、方言:沙流)
matanki
マタンキ 【matanki】 猟. (出典:萱野、方言:沙流)
matanoski
マタノㇱキ 【mata-noski】 冬の最中.▷マタ=冬 ノㇱキ=中 (出典:萱野、方言:沙流)
matapa
マタパ 【matapa】 冬,冬の年. (出典:萱野、方言:沙流)
matapa/matapa(ha)
マタパ/マタパ(ハ) 【matapa/matapa(ha)】 (男の)妹. (出典:萱野、方言:沙流)
matapurip
マタプリㇷ゚ 【matapurip】 こまざらい,くまで. (出典:萱野、方言:沙流)
matariya
マタリヤ 【mata-riya】 冬越しする.▷マタ=冬 リヤ=越す *子熊を飼い一冬越すとリヤㇷ゚(冬越ししたもの)といい二冬越すとシリヤㇷ゚(本当に冬を越したもの)という. (出典:萱野、方言:沙流)
matatampu
マタタンプ 【matatampu】 マタタビ. (出典:萱野、方言:沙流)
mataynu
マタイヌ 【mat-aynu】 女.▷マッ=女 アイヌ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
matcuop
マッチュオㇷ゚ 【mat-suop】 女用宝箱.▷マッ=女 スオㇷ゚=宝入れ箱 (出典:萱野、方言:沙流)
matetun
マテトゥン 【mat-etun】 嫁を貰う.*アイヌ社会では嫁を貰うという言い方はしないで妻を借りるという.借りてきたので大切にしなければならないし借りられて来ているお嫁さんはおしとやかにしなければいつ戻されるかわからない.言葉の上ではそのようなことなのでお互いをいたわりあって仲よく暮らした人が多い.またアイヌの風習として1軒の家で2夫婦は暮らさせないようにするがこれも夫婦円満のために必要なことで,現在もこれだけは守られている場合が多い.▷マッ=妻 エトゥン=借りる タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ タ ク・ポホ マテトゥン(マッ エトゥン).イワイェ ク・キ ルスイ ナ エㇰ アニー=この月が円くなる頃に私の息子が嫁を貰う.祝いをしたいので来てね. (出典:萱野、方言:沙流)
matkaci
マッカチ 【mat-kaci】 少女.女の子. (出典:萱野、方言:沙流)
matkakuru
マッカクㇽ 【matkakuru】 照らす[カムイユカㇻ]. (出典:萱野、方言:沙流)
matkarku/matkarku(hu)
マッカㇻク/マッカㇻク(フ) 【mat-karku/-karku(hu)】 姪. フーン ク・マッカㇻク エ・エㇰ ヒ ピㇱノ イモカ トㇱカ イ・カオシケ クスケライポ フンペリカ ケ(ク・エ) エアㇱカイ=まあまあ私の姪,お前は来るごとにみやげ物の山を私のために背負って来る,そのお陰で鯨の脂身を私は食べられる. (出典:萱野、方言:沙流)
matkoiwak 1
マッコイワㇰ 【mat-ko-iwak】 ①(妻の所へ,女の所へ)通う,女の所へ通うこと,恋人の所へ通うこと.▷マッ=妻,女 コ=それ イワㇰ=帰る (出典:萱野、方言:沙流)
matkoiwak 2
マッコイワㇰ 【mat-ko-iwak】 ②夜這い星,流れ星. (出典:萱野、方言:沙流)
matkoiwaknociw
マッコイワㇰノチウ 【mat-ko-iwak-nociw】 妻恋星,流れ星. コナハ(ク・オナハ) トゥラノ チェㇷ゚コイキ クス ペトッタ(ペッ オㇿ タ) ラパㇱ(ラㇷ゚・アㇱ) ムネウカオマㇷ゚ サマ タ ポン アペ ア・アリ ノチュー クㇽカ テㇱナタラ マッコイワㇰノチュー ヌカㇻ ワ エネ ア・イェ ヒ エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ)=父と一緒にサケ獲りに川へ下りて.草小屋の前で小さい火をたいて,降るような星空の流れ星を見てはその名前を私に教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
matkor
マッコㇿ 【mat-kor】 妻帯する. (出典:萱野、方言:沙流)
matkorewen
マッコレウェン 【mat-kor-e-wen】 妻をいじめる.▷マッ=妻 コㇿ=持つ エ=それ ウェン=悪い (出典:萱野、方言:沙流)
matkosanpa
マッコサンパ 【matkosanpa】 (さっと,えいっと)立ち上がる. マッコサンパ ワ イ・コテㇾケ=さっと立ち上がって私に組みつく. (出典:萱野、方言:沙流)
matkosanu
マッコサヌ 【mat-kosanu】 さっと立つ,飛び起きる. (出典:萱野、方言:沙流)
matkuwa
マックワ 【mat-kuwa】 女の墓標. (出典:萱野、方言:沙流)
matnawrera
マッナウレラ 【matnaw-rera】 北風. (出典:萱野、方言:沙流)
matne
マッネ 【mat-ne】 雌・牝の. トアン マッネ セタ イトノンテ ㇷ゚ ネ ㇷ゚ ネ クス イペルスイ ワ ネ ノイネ エケシンネ イヘネヌ コㇿ ホユプ=あの雌犬は子犬に乳を飲ませているので腹がすいているらしく,あちこちかぎまわりながら走っている. (出典:萱野、方言:沙流)
matnemippo
マッネミッポ 【mat-ne-mippo】 孫娘.▷マッ=女 ネ=なる ミッポ=孫 (出典:萱野、方言:沙流)
matnep
マッネㇷ゚ 【mat-ne-p】 雌,牝. (出典:萱野、方言:沙流)
matnepo/matnepo(ho)
マッネポ/マッネポ(ホ) 【mat-ne-po/-po(ho)】 娘. ソンノ ク・マッネポホ イ・カオイキ クスケライポ ネㇷ゚カ ケシㇼキラㇷ゚(ク・エシㇼキラㇷ゚) カ ソモ キ=本当に私の娘が私を養ってくれるお陰で私は何も不自由をしない. (出典:萱野、方言:沙流)
matneraw
マッネラウ 【mat-ne-raw】 牝鹿. *ピンネラウ=牝鹿 (出典:萱野、方言:沙流)
matsakkur
マッサックㇽ 【mat-sak-kur】 未婚の男. プサ サㇰ コンチ コㇿ オッカヨ アナㇰネ ナー マッサックㇽ ネ チセサックㇽ カ コンチプサハ マチヒ コオスラ クス プサハ イサㇺ ペ ネ=房のない帽子を持っている男はいまだ妻のない人,妻に先立たれた男も帽子の房を妻と一緒に埋葬したので,房がないものなのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
matsakpe
マッサㇰペ 【mat-sak-pe】 妻のない者.▷マッ=妻 サㇰ=ない ペ=者 (出典:萱野、方言:沙流)
maunmaun
マウンマウン 【maun-maun】 放浪する. (出典:萱野、方言:沙流)
maw
マウ 【maw】 ハマナス. (出典:萱野、方言:沙流)
maw/mawe(he) 1
マウ/マウェ(ヘ) 【maw/mawe(he)】 ①空気.風. レラ マウ エトㇰ ア・エホプニ=風の先に私が飛び[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
maw/mawe(he) 2
マウ/マウェ(ヘ) 【maw/mawe(he)】 ②湯気. マウチミミ マウサママ=湯気を分九湯気を横たえる(ユカㇻの中のポンヤウンペという主人公が,いいなずけの女が飯を炊き,その飯鍋を上げてへらで飯を混ぜる様子を言う). (出典:萱野、方言:沙流)
maw/mawe(he) 3
マウ/マウェ(ヘ) 【maw/mawe(he)】 ③熱. イヨーハイ アペ マウ ネノ サパハ マウェアン ナ ホクレ ナㇺ ワッカ アニ ナㇺテ ヤン=大変だよ,火の熱のように頭に熱があるから早く冷たい水で冷やしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
maw/mawe(he) 4
マウ/マウェ(ヘ) 【maw/mawe(he)】 ④運. マウコピㇼカ=運がいい.マウコウェン=運が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
mawatorine
マワトリネ 【mawa tori ne】 滑空する鳥のように,飛ぶ鳥と同じに[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mawean
マウェアン 【mawe-an】 熱がある. イヨーハイ アペ マウ ネノ サパハ マウェアン ナ ホクレ ナㇺ ワッカ アニ ナㇺテ ヤン=大変だよ,火の熱のように頭に熱があるから早く冷たい水で冷やしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
mawekar
マウェカㇻ 【mawe-kar】 効き目(がある). サケ マウェカㇻ=酒の効き目.スㇽク マウェカㇻ=毒の効き目. (出典:萱野、方言:沙流)
mawekor
マウェコㇿ 【mawe-kor】 熱が出た. ニサッタ ワノ イラマンテ・アン クス キムン・アン クナㇰ ア・ラム ア コㇿカ ア・マチヒ オㇺケカㇻ ワ マウェコㇿ.タㇷ゚ネ ネ シコㇿ ア・イェ ソモ エキㇺネ・アン=明日から狩のために山へ入ると思っていたが,私の妻が風邪をひいて熱が出た.こうこうだといって山へ行かないことにした. (出典:萱野、方言:沙流)
mawetuy
マウェトゥイ 【mawe-tuy】 こときれる. (出典:萱野、方言:沙流)
mawkesehe
マウケセヘ 【maw-kesehe】 おしまいに,終わりに. トゥ ピㇼカ イタㇰ レ ピㇼカ イタㇰ ア・エン・ヌレ イタㇰ マウケセヘ ク・コオンカミ ㇷ゚ ネ ルウェ タパン ナ=ふたつのいい言葉,三つのいい言葉,私は聞かせてもらい言葉のおしまいにうやうやしく礼拝をするものです. (出典:萱野、方言:沙流)
mawkopirka
マウコピㇼカ 【maw-ko-pirka】 運がいい,ついている.▷マウ=空気 コ=それ ピㇼカ=よい (出典:萱野、方言:沙流)
mawkowen
マウコウェン 【maw-ko-wen】 運が悪い,不幸,不幸せ. (出典:萱野、方言:沙流)
mawkurur
マウクルㇽ 【maw-kurur】 空気が鳴る. レラエトㇰ アニエコㇱネ アキサㇻストゥ マウクルㇽ=風の先へ軽やかに身を委ね,私の耳元に空気が鳴る(空気が触れる)[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mawne
マウネ 【maw-ne】 交わる. イㇱラㇺネ アン ヤッカ ウェンペ ウシ タ カ ピㇼカㇷ゚ カ タ カ イェマウネ・アン ワ エアシㇼ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ナ=不自由な生活をしていても,悪いことの場所(葬式)にもお祝いの場所にも交わって初めていいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
mawsiro
マウシロ 【maw-siro】 口笛を吹く. (出典:萱野、方言:沙流)
mawsok
マウソㇰ 【maw-sok】 あくび. (出典:萱野、方言:沙流)
may'oma
マイオマ 【may-oma】 目星:目玉に出来る白い点. →マヨメ (出典:萱野、方言:沙流)
may/maye(he)
マイ/マイェ(ヘ) 【may/maye(he)】 音,響き. (出典:萱野、方言:沙流)
mayayke
マヤイケ 【mayayke】 皮癬(である),痒い. ホㇱキ ウクラン ク・レウシ チセ コㇿ ウタㇻ マヤイケ パ ㇷ゚ ネ ノイネ ク・イラム アㇷ゚ マキㇷ゚ ク・テケヘ ネ ヤ マヤイケ.ソモ エン・コトゥㇽセ ヒ ネ ヤ ウン=一昨日の夜,泊まった家の人たちが皮癬をかいていたように思ったが,どうしたのか手が痒い.もしやのこと私に伝染したのではないだろうな. (出典:萱野、方言:沙流)
mayoma
マヨマ 【may-oma】 目星:眼球の角膜に白い斑点が出来る病気. (出典:萱野、方言:沙流)
mayrototke
マイロトッケ 【may-rototke】 痒い. (出典:萱野、方言:沙流)
mayunitara
マユニタラ 【mayunitara】 音がする,鳴り響く[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
me
メ 【me】 寒さ. (出典:萱野、方言:沙流)
mean
メアン 【me-an】 寒い.▷メ=寒さ アン=ある メアン フミー=寒いなあ.メアン ナ イテキ ソイネ=寒いから外へ出るな.タント ポーヘネ メアン.ホクレ アペサムン(アペサㇺ ウン) エㇰ ワ アペクㇽ=今日はなおさら寒い,早く火の前へ来て火にあたれ.タヌクラン クルッペ アン パㇰノ メアン ヒ アナㇰネ アマㇺタㇱコㇿ ネ ナンコㇿ ワ=今夜は霜が降りるかと思うほどの寒さ,これは穀物に実が入るための寒波であろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
meekot
メエコッ 【me-ekot】 凍死する.▷メ=寒さ エコッ=それによって死ぬ (出典:萱野、方言:沙流)
mehun
メフン 【mehun】 サケの肝臓:背骨の所にくっついている. (出典:萱野、方言:沙流)
mehun
メフン 【mehun】 サケの腎臓.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mehuntokiki
メフントキキ 【mehun tokiki】 首をうなだれている,あぐらを組んでうなだれている. ネㇷ゚ ワ アン ペ エラナㇰ ワ ネ ヤ オトゥ スイ レ スイ タンネヘサㇻパレ メフントキキ ワ アン=何を気にしてか2回3回ため息をついて首をうなだれている. (出典:萱野、方言:沙流)
mekare
メカレ 【mekare】 残る. (出典:萱野、方言:沙流)
mekka
メッカ 【mekka】 上,上側. (出典:萱野、方言:沙流)
mekkaekar
メッカエカㇻ 【mekka-e-kar】 峰打ち:病人を治すまじないの時にする.▷メッカ=刀の峰 エ=それ カㇻ=作る (出典:萱野、方言:沙流)
mekkaske
メッカㇱケ 【mekkaske】 峰. エムシメッカㇱケ=刀の峰.シトゥメッカㇱケ=山の峰. (出典:萱野、方言:沙流)
mekkaus
メッカウㇱ 【mekka-us】 両刃. (出典:萱野、方言:沙流)
mem
メㇺ 【mem】 湧き水.*平取町内にメㇺ(芽生)という地名があり,あちらこちらに湧き水がある. (出典:萱野、方言:沙流)
meman
メマン 【meman】 涼しい. (出典:萱野、方言:沙流)
memanpekor
メマンペコㇿ 【meman-pekor】 涼感:涼しそうな感じ. (出典:萱野、方言:沙流)
memasa
メマサ 【memasa】 さっと凍った物. メマサエモ=表面がさっと凍ったジャガイモ. (出典:萱野、方言:沙流)
memaw'an
メマウアン 【me-maw-an】 涼しい. (出典:萱野、方言:沙流)
memke
メㇺケ 【memke】 剃る,刈る. *子供の頃,髪が伸びると祖母が握りばさみでとらがりにしてくれたが,エ・サパハ ク・メㇺケ(お前の頭を私が刈る)と言っていた.髪を切るのも,髭を剃るのも同じくメㇺケ.カヤを刈る場合はモセ. エ・ナヌフ メㇺケ=髭を剃れ. (出典:萱野、方言:沙流)
menas
メナㇱ 【menas】 東. (出典:萱野、方言:沙流)
menoko
メノコ 【menoko】 女. (出典:萱野、方言:沙流)
menoko kor pe ray pususke
メノコ コㇿ ペ ライ プスㇱケ 【menoko kor pe ray pususke】 女の持ち物よじれよじれ(踊りの時のはやし言葉).*オッカヨ コㇿ ペ ラーチン ラーチン=男の持ち物ぶらりぶらり. (出典:萱野、方言:沙流)
menoko sirpo a=uwosmare
メノコ シㇼポ アウウォㇱマレ 【menoko-sirpo a=osmare】 娘として成人した. (出典:萱野、方言:沙流)
menokoekira
メノコエキラ 【menoko-e-kira】 女と逃げる. (出典:萱野、方言:沙流)
menokoepakoat
メノコエパコアッ 【menoko e-pako-at】 女性関係での論争. テエータ アナㇰネ イッカ ネ ヤ メノコ エパコアッ ネ ヤ ア・コラㇺヌㇷ゚ オカ コㇿ ウサイモンキレ カ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) コㇿカ カニ アナㇰネ ク・ヌ カ ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=大昔は盗っ人とか女性関係とか疑いがかけられると拷問もあったそうだが.私は見たこともない. (出典:萱野、方言:沙流)
menokoinaw
メノコイナウ 【menoko-inaw】 女のイナウ:黒白の細紐をつける. 図[メノコイナウ] (出典:萱野、方言:沙流)
menokoirwak
メノコイㇼワㇰ 【menoko-irwak】 女きょうだい. (出典:萱野、方言:沙流)
menokoita
メノコイタ 【menoko-ita】 まな板:ランコ(カツラ)製. 図[メノコイタ] (出典:萱野、方言:沙流)
menokokoyomare
メノココヨマレ 【menoko-ko-iomare】 女へ酌をする,女性へだけ酒を注いで回る. (出典:萱野、方言:沙流)
menokokuwa
メノコクワ 【menoko-kuwa】 女の墓標:チクペニ(エンジュ),プンカウ(ドスナラ)で針を型取る. メノコ クワ アナㇰネ ケㇺ プイ ネノ ア・カㇻ センカキ ア・エムイェカㇻ ペ ネ=女の墓標は針の穴のように作って,そこへ墓標布をつけるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
menokomakiri
メノコマキリ 【menoko-makiri】 女用小刀. 図[メノコマキリ] (出典:萱野、方言:沙流)
menokopo
メノコポ 【menoko-po】 娘,若い女. アウン メノコポ ホクコㇿ クニ ア・イェ ヤッカ ア・エラムニューケㇱ ルウェ ウン=隣の娘に嫁に行けと言ったけれど,承知してくれない様子だよ.タネ アナㇰネ イェ ㇷ゚ ネ ウㇷ゚ソㇿ ア・ヤイコヌイナ パㇰノ ポロ メノコポ ア・ネ=今はもう恥ずかしい懐を自分で隠すほどの大きな娘に私はなった[ユ](自分自身の胸のふくらみを気にする年頃を言う). (出典:萱野、方言:沙流)
menokopokisir
メノコポキシㇼ 【menoko-pokisir】 陰門. (出典:萱野、方言:沙流)
menokoru
メノコル 【menoko-ru】 (女用)便所. (出典:萱野、方言:沙流)
menokoru eepak ta
メノコル エエパッタ 【menoko-ru eepat-ta】 女便所の向こう側に. ▷メノコ=女 ル=便所 エエパッ=向こう側 タ=に(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
menokotasum
メノコタスㇺ 【menoko-tasum】 月経が下りる. (出典:萱野、方言:沙流)
menokoupsor
メノコウㇷ゚ソㇿ 【menoko-upsor】 女の守り紐. メノコウㇷ゚ソㇿクッ アナㇰネ アッテㇺエレテㇺ パㇰノ タンネノ ア・オㇱケ ㇷ゚ ネ ナ=女の懐紐は二尋半の長さに編むものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
menokoutasare
メノコウタサレ 【menoko-utasare】 女を取り替える. テエータ アイヌ ケミアン ヒ タ エ・マタキヒ エン・コレ ク・マタキ ヒ エチ・コレ クㇱネ ナ タアン シリキ メノコウタサレ シコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=ずうっと前に人間が少なかった時代は,お前の妹を俺にくれ俺の妹をお前にやる,このやり方を女を取り替えると言ったものだ.*マタサとも言う. (出典:萱野、方言:沙流)
merayke
メライケ 【me-rayke】 寒い,寒がる. ク・メライケ ナ ホクレ アペ アリ=私は寒いから早く火を燃やしてくれ.タント ポーヘネ メアン ペ ネ クス メライケ ワ エトゥペチッカ コㇿ アフン ワ エㇰ=今日はなおさら寒いものだから寒がって鼻水をたらしながら入って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
meraykeeo
メライケエオ 【merayke-e-o】 寒がりになる. オンネ・アン コㇿ メライケエオ・アン ペ ネ クス イユコミ・アン ヤッカ ポーヘネ メライケ・アン フミ ネ ペコㇿ ヤイヌ・アン=年をとると寒がりになって重ね着をしてもなおさら寒いような気持になってしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
meraykewauruuruk
メライケワウルウルㇰ 【merayke wa uruuruk】 寒さでふるえあがる. タント アナㇰネ メアン ペ イロオッコ イミ ワ オラウン メライケ ワ ウルウルㇰ=今日は寒いのに薄着をしているから寒さでふるえている. (出典:萱野、方言:沙流)
meremer
メレメㇾ 【meremer】 光る,照る,輝く. (出典:萱野、方言:沙流)
mesas/mesasi(hi)
メサㇱ/メサシ(ヒ) 【mesas/mesasi(hi)】 たてがみ. (出典:萱野、方言:沙流)
mesaskirpu
メサㇱキㇼプ 【mesas-kirpu】 馬のたてがみの内側の脂身,たてがみ脂.▷メサㇱ=たてがみ キㇼプ=脂 *やせた馬でもたてがみの所にだけは脂があるものだ (出典:萱野、方言:沙流)
mesi
メシ 【mesi】 飯. (出典:萱野、方言:沙流)
meske
メㇱケ 【meske】 欠ける,剥がれる. イタンキ メㇱケ=お椀のふちが欠ける. (出典:萱野、方言:沙流)
meskere
メㇱケレ 【meske-re】 剥がす. (出典:萱野、方言:沙流)
mespa
メㇱパ 【mespa】 剥がす. (出典:萱野、方言:沙流)
mespamespa
メㇱパメㇱパ 【mespa-mespa】 剥がす. カㇺ メㇱパメㇱパ=肉を剥がす. (出典:萱野、方言:沙流)
mesu
メス 【mesu】 むく,剥がす,削り取る. (出典:萱野、方言:沙流)
metocipe
メトチペ 【metocipe】 マスノスケ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
metot
メトッ 【metot】 奥山. (出典:萱野、方言:沙流)
metotuskamuy
メトトゥㇱカムイ 【metot-us-kamuy】 熊神,奥山の神.▷メトッ=奥山 ウㇱ=いる カムイ=神 (出典:萱野、方言:沙流)
metum peka
メトゥㇺ ペカ 【me-tum-peka】 寒さの中を,この寒いのに. メトゥㇺペカ エ・エㇰ=寒さの中をお前は来た. (出典:萱野、方言:沙流)
mewe
メウェ 【mewe】 引き倒す. ニ オシㇼ コ メウェ=立ち木を根のまま引き倒した. (出典:萱野、方言:沙流)
mewnatara
メウナタラ 【mewnatara】 きらびやかに,美しい,堂々と. アㇱルコンナ コメウナタラ=(建物の)立ち姿がきらびやかで美しい[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
mi
ミ 【mi】 着る. エアㇻキンネ イカㇻカㇻ エアㇱカイ ウナㇻペ ネ ナ エ・ミ クニ チカㇻカㇻペ アサ ワ インカㇻ=とっても刺繍の上手なおばさんだからお前が着る刺繍の着物を注文してみなさい.シネアンタ イワン チョクㇱアミㇷ゚ ミ クㇽ エㇰ ヒネ イイェトゥン(イ・エトゥン) ルスイ アクス ア・ユピヒ エエセ ルウェ ネ=ある日のこと,6枚の裏返しの着物を着た男が来て私を嫁に欲しいと言った,私の兄はそれを承諾した[ウ](裏返しにした6枚の着物を着ているというのは,1年に6人の妻が死んだというのではなく.今までに6人ということであろう).メノコ ネ ヤッカ オッカヨ ネ ヤッカ チセサㇰ コㇿ アミㇷ゚ イヨクㇱ ノ ミ パ ㇷ゚ ネ ロㇰ=女も男も夫や妻に先立たれると着物を裏返しにして着るものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
mici/mici(hi)
ミチ/ミチ(ヒ) 【mici/mici(hi)】 父,お父さん. (出典:萱野、方言:沙流)
mik
ミㇰ 【mik】 吠える,鳴く. ミカウ(ミㇰ ハウ)=吠え声.セタ ミㇰ コㇿ エン・ケサンパ ヒクス スマ アニ ア・ピイェカㇻ アクス キラ ワ アㇻパ=犬が吠えながら私を追いかけてきたので石をぶつけると逃げて行った. (出典:萱野、方言:沙流)
mike
ミケ 【mike】 光る,照る,輝く,ぎらぎらする. (出典:萱野、方言:沙流)
mikehekar
ミケヘカㇻ 【mikehe-kar】 魚の身おろし. (出典:萱野、方言:沙流)
mikemike
ミケミケ 【mike-mike】 きらきらと輝く. オロミケミケ カムイ イコㇿ=きらきら光る神の宝. (出典:萱野、方言:沙流)
mikeruy
ミケルイ 【mike-ruy】 身おろしをしたサケ:3枚におろして背骨をはずし.さらに片方を3本ずつ切ったものをミケルイという. (出典:萱野、方言:沙流)
mikeruycep
ミケルイチェㇷ゚ 【mikeruy-cep】 乾したサケ.サケを3枚に身おろしをして背骨をはずし,片方の身に縦長に刃物を入れて乾したサケ. (出典:萱野、方言:沙流)
mim
ミㇺ 【mim】 (細く1本1本に)裂く. ニペㇱ ミㇺ ワ アヌ アニ.ニサッタ ケウコテ(ク・エウコテ) クㇱネ ナ=シナ皮を裂いておいてくれ.明日私が繋ぐことにするから. (出典:萱野、方言:沙流)
mim/mimi(hi)
ミㇺ/ミミ(ヒ) 【mim/mimi(hi)】 魚の脂身の部分(主として魚の身を言う). (出典:萱野、方言:沙流)
mimak'arka
ミマㇰアㇻカ 【mimak-arka】 歯痛. (出典:萱野、方言:沙流)
mimak'ukerere
ミマㇰウケレレ 【mimak-ukerere】 歯ぎしり. (出典:萱野、方言:沙流)
mimak/mimaki(hi)
ミマㇰ/ミマキ(ヒ) 【mimak/mimaki(hi)】 歯. エカシ ミマキヒ ピㇼカ ㇷ゚ ネ クス ア・セイレカ マメ ア・パッタㇻカ キミ ネ ヤッカ エカウロトト フミ=おじいさんは歯がいいものだから煎り豆もはぜらせたトウモロコシもばりばりとかじっている. (出典:萱野、方言:沙流)
mimakkotuk
ミマッコトゥㇰ 【mimak-kotuk】 小さい白い粒の草の根(コケイランの根).▷ミマㇰ=歯 コトゥㇰ=つく *食べると歯に粘りつくものであった.昭和10年頃に祖母が焼いて食べさせてくれたことがあるだけでその後は食べたことがない. (出典:萱野、方言:沙流)
mimara(ha) 1
ミマラ(ハ) 【mimara(ha)】 ①少しだけ,いくらか,わずかだけ,半分:厳密に半分ではなく量のうちからほぼ半分という場合.きっちり半分はエㇺコホ. アンペ ミマラハ=ある物のうちから少し.オピッタ イテキ ミマハラ=全部ではなしにある分から少し.ミマラハ コㇿ ワ アㇻパ=半分ほど持って行け.ミマラハ アヌ=半分くらい置け. (出典:萱野、方言:沙流)
mimara(ha) 2
ミマラ(ハ) 【mimara(ha)】 ②残り. ポロンノ ヌイラ ア・ウㇰ ヒネ エケシンネ ア・エイメㇰ ア コㇿカ ミマラハ フラルイ ア・ニㇱカ コㇿカ ア・オスㇽパ=たくさんウグイを獲ってあちこちに配ったが,残りににおいがついたのでもったいないと思ったが捨てた.テ タ ク・シケヘ カヌ(ク・アヌ) ワ ミマラハ ク・セッセアチュー ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アクス カヌ(ク・アヌ) アㇷ゚ オアㇻ イサㇺ ネンカ セ ワ エン・コレ ヒネ ヤクン ピㇼカ コㇿカ=ここに荷物を置いて残りを中出ししてきたら,置いた物が全くなくなってしまった,誰か背負ってくれたのならばいいけれども. (出典:萱野、方言:沙流)
mimipene
ミミペネ 【mimi-pene】 マス:煮ると身がとけてしまうので,ミミペネ(身のとける)ものと言った. マスの本当の言い方は,サキペ(夏の食べ物)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
mimtumu
ミㇺトゥム 【mim-tumu】 体の肉の中,体内. アオナハ ホッパワアン コソンテ アミアクス アミㇺトゥム オレレワイサㇺ オロワノ ソモイタㇰアン=私の父が遺してあった小袖を着たら,小袖が体内に沈んでしまい,それからものを言えなくなった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mimus
ミムㇱ 【mim-us】 肉づきがよい,肥える,太る. ク・コㇿ キヤンネ マッネポ アナㇰネ ポニタ(ポン ヒ タ) アナㇰネ ヤイヌエオ ヤアニ ヤアニ コラウキ(ク・オラウキ) クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ タネ アナㇰ ミムㇱ ワ ニサㇱヌ=私の長女は小さい時は病気がちで,危なく危なく死ぬかと思ったが,今は太って健康だ.*太っている人のことをウェン セク(悪い太り方)と言う場合もあるが,この言葉には軽蔑の意味が込められており一種の悪口でもあるのでセクという言い方はしないほうがよい. (出典:萱野、方言:沙流)
mina
ミナ 【mina】 笑う,ほほえむ,微笑. (出典:萱野、方言:沙流)
mina kusu c=otesusu c=orewewe
ミナ クス チョテスス チョレウェウェ 【mina kusu c=otesusu c=orewewe】 抱腹絶倒. (出典:萱野、方言:沙流)
minahaw
ミナハウ 【mina-haw】 笑い声. (出典:萱野、方言:沙流)
minakotamatama
ミナコタマタマ 【mina-ko-tama-tama】 お世辞笑いをする. イ・ミナコタマタマ コㇿ パノレ ㇷ゚ ポーヘネ ウェンサンペ コㇿ ペ オカ ㇷ゚ ネ ナ シコㇿ オンネ ウタㇻ ハウェオカ ㇷ゚ ネ=お世辞笑いをしながら,口の上手な者ほど底意地が悪い者がいるものだと老人たちは言うものだ.ア・ミナコタマタマ コㇿ ア・イェ アクス ク・セ ワ カㇻパ(ク・アㇻパ) チェㇷ゚ ホㇰ ワ エン・コレ ア ワー=お世辞笑いをしながら言ったら,私が背負って行った魚を買ってくれたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
minamina
ミナミナ 【mina-mina】 ござ編みの下手な者が編んだござ,笑っている,歯を出している.トマ(ござ)を編む材料はシキナ(ガマ草)を用いるが,ガマ草を縦に裂くと人間の前歯が並んでいるように見える.上手な人は裂け目を表に見せないが,下手な編み方をすると歯が見えるようになり,それをからかって言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
minapa
ミナパ 【mina pa】 皆で笑う,大勢で笑う.▷ミナ=大勢で笑う パ=大勢・皆が (出典:萱野、方言:沙流)
minare
ミナレ 【mina-re】 笑わす. (出典:萱野、方言:沙流)
minarusuy
ミナルスイ 【mina-rusuy】 ほほえむ,笑いたい. (出典:萱野、方言:沙流)
minatek
ミナテㇰ 【mina-tek】 (顔を)ほころばす,破顔一笑. (出典:萱野、方言:沙流)
minaunin
ミナウニン 【mina-unin】 微笑. (出典:萱野、方言:沙流)
minauninka
ミナウニンカ 【mina-unin-ka】 ほくそ笑む. (出典:萱野、方言:沙流)
mintar
ミンタㇻ 【mintar】 庭.外庭,土間:家の外の草の生えていない所をいう. チャㇱヌ ミンタㇻ=掃除の行き届いた庭. (出典:萱野、方言:沙流)
mintarkorkamuy
ミンタㇻコㇿカムイ 【mintar-kor-kamuy】 外庭をあずかる神様.*物を洗った水を外へ持って出て捨てる時に,シㇰチュプ(目を瞑って)と声をかけてから捨てるもの.そう言わないとミンタㇻコㇿカムイの目に入っては神さまに申し訳がないので必ず声をかけることにしている. (出典:萱野、方言:沙流)
mintuci
ミントゥチ 【mintuci】 河童. (出典:萱野、方言:沙流)
mip
ミㇷ゚ 【mip】 着る物. (出典:萱野、方言:沙流)
mipi(hi)
ミピ(ヒ) 【mipi(hi)】 (〜の)着物. ヒナコㇿ エ・ピロ ハウェアン.ホクレ エ・ミピヒ アㇺケ.ピロ ウㇱケ ク・ヌカㇻ クスネ ナ=どこを怪我したというのだ,早く着物を脱げ,怪我した所を私が見るから. (出典:萱野、方言:沙流)
mippo/mippo(ho)
ミッポ/ミッポ(ホ) 【mippo/mippo(ho)】 孫. (出典:萱野、方言:沙流)
mire
ミレ 【mi-re】 着せる. (出典:萱野、方言:沙流)
mismu
ミㇱム 【mismu】 寂しい,退屈. ク・ミㇱム=私は暇を持て余して困る.アㇷ゚ト アㇱ ワ ク・ミㇱム=雨降りで私は退屈. (出典:萱野、方言:沙流)
mismurayne
ミㇱムライネ 【mismu-ray-ne】 死ぬほど寂しく,死ぬほど退屈. ▷ミㇱム=寂しい,退屈 ライネ=死ぬほどに(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mitmippo
ミッミッポ 【mit-mippo】 曾孫. (出典:萱野、方言:沙流)
mo
モ 【mo】 静かな. モ イレンカ=静かな考え. (出典:萱野、方言:沙流)
mo
モ 【mo】 小さい.*ソウㇱペッ(滝のある川)は平取町内芽生にある川の名前で,それに対してモソウㇱペッという名前の川が下流にある.したがって.モは小さいという風に用いられるが地名に多いようである. (出典:萱野、方言:沙流)
mokiwtacup
モキウタチュㇷ゚ 【mo-kiw-ta-cup】 3月. タント ワノ モキウタチュㇷ゚ エアㇻキンネ シㇼポㇷ゚ケ ワ ウパㇱ ル ワ アㇻパ シリ=今日から3月,とっても暖かいので雪が融けていく様子だ. (出典:萱野、方言:沙流)
mokonno
モコンノ 【mokor no】 眠れる. (出典:萱野、方言:沙流)
mokonrusuy
モコンルスイ 【mokor rusuy】 眠い. ク・モコンルスイ=私眠たい. (出典:萱野、方言:沙流)
mokor
モコㇿ 【mokor】 眠る.▷モ=静か コㇿ=持つ →眠ることは静かを持っていることである (出典:萱野、方言:沙流)
mokore
モコレ 【mokore】 眠らせる. セタ ウォセ ワ ア・ヤイコウウェペケㇾ ナ ア・モコレ ロ=犬が遠吠えして薄気味悪いので眠らせ(=殺し)ましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
mokorhayta
モコㇿハイタ 【mokor-hayta】 寝不足. (出典:萱野、方言:沙流)
mokorhesere
モコㇿヘセレ 【mokor-hese-re】 寝息. (出典:萱野、方言:沙流)
mokorir
モコリㇼ 【mokorir】 巻貝,タニシ. (出典:萱野、方言:沙流)
mokorkasu
モコㇿカス 【mokor-kasu】 寝すごす. (出典:萱野、方言:沙流)
mokorkiskis
モコㇿキㇱキㇱ 【mokor-kiskis】 眠りそびれる. ▷モコㇿ=眠る キㇱキㇱ=そびれる *イタㇰ エ キㇱキㇱ=言いそびれる(イタㇰ=言葉 エ=それ)[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mokorkomos
モコㇿコモㇱ 【mokor-ko-mos】 寝とぼける. (出典:萱野、方言:沙流)
mokorkoyaykus
モコㇿコヤイクㇱ 【mokor koyaykus】 寝そびれる,眠れない.▷モコㇿ=眠る コヤイクㇱ=できない (出典:萱野、方言:沙流)
mokorkurkaan
モコㇿクㇽカアン 【mokor-kurka-an】 寝静まる. (出典:萱野、方言:沙流)
mokrap/mokrapu(hu)
モㇰラㇷ゚/モㇰラプ(フ) 【mok-rap/-rapu(hu)】 胸びれ.えらぶた. サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ ハップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し,沢の中を流すとたくさん運べるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
mom
モㇺ 【mom】 流れる. タント アナㇰネ エアシリー カ シㇼセセㇰ.ペトッタ(ペッ オㇿ タ) ラナン(ラン・アン) スㇱ・アン オホウㇱケ アン ヤアーニ モマン(モㇺ・アン)=今日は本当に暑かった.川へ下りて泳いだが深い所があって危なく流れるところだった. (出典:萱野、方言:沙流)
moman
モマン 【moman】 流れる. (出典:萱野、方言:沙流)
momani
モマニ 【momani】 スモモ.▷モマ=スモモ ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
momanpe
モマンペ 【momanpe】 雌鹿. タント ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) ニセンピッタ(ニセンピㇼ タ) ク・ヨコ ワ カナクス(ク・アン アクス) モマンペ ネ ヤ アㇷ゚カ ネ ヤ ウオㇱウオㇱ サン ペ ネ クス ポロンノ スマウェヘ ク・コㇿ=今日山へ行って木の陰に待ち構えていると雌鹿や雄鹿が次から次と出て来たのでたくさんの猟があった. (出典:萱野、方言:沙流)
momawtacup
モマウタチュㇷ゚ 【mo-maw-ta-cup】 5月. (出典:萱野、方言:沙流)
momka
モㇺカ 【mom-ka】 流す. サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ ハップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し,沢の中を流すとたくさん運べるものだよ.モㇱアナクス(モㇱ・アン アクス) アリタオマㇷ゚ オンナイケ タ アナン(アン・アン) オヤチキ チㇷ゚ オㇿ アイヨマレ(ア・イ・オマレ) ワ ア・イ・モㇺカ ヒ ネ アアン=目を覚ましたら板付け船の中であった,知らなかったが船に入れられ流されたのであった[ユ].チㇷ゚ ア・シㇼコテ ヒ タ アナㇰネ ピㇼカノ シㇼコテ アニー.ネンカネ ア・モㇺカ ヤㇰネ ア・イ・コイキ ナ=舟を繋ぐ時はよく繋いでね,もしも流したら私たちは叱られるから. (出典:萱野、方言:沙流)
mompe
モンペ 【mom-pe】 すが(川の氷). モンペ サン ラポㇰ タ ア・コチㇷ゚クタ オキサㇱケ コㇿ アウォㇱマ(ア・オㇱマ) ワ エㇰ=すがが流れる最中に舟がひっくり返されて濡れて身ぶるいしながら家へ飛び込んで来た. (出典:萱野、方言:沙流)
mon
モン 【mon】 仕事.働く.力. (出典:萱野、方言:沙流)
monak
モナㇰ 【monak】 目が醒めている. (出典:萱野、方言:沙流)
monasap
モナサㇷ゚ 【mon-asap】 少し仕事が遅れる,忙しい. ア・エン・シレン ア コㇿカ ク・コㇿ ネㇷ゚キ ク・モナサㇷ゚ ペ ネ クス ソモ カㇻパ(ク・アㇻパ)=私も誘われたけれど私の仕事が遅れているので私は行かない. (出典:萱野、方言:沙流)
monasnu
モナㇱヌ 【mon-asnu】 (仕事が)終わる,早い. (出典:萱野、方言:沙流)
monikor
モニコㇿ 【moni-kor】 忙しい.繁多. オッコー ク・モニコㇿ ナ トゥッコ レㇾコ エン・カスイ=姉よ私は用事が多くて忙しいから二日か三日,私を手伝ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
moniyorap
モニヨラㇷ゚ 【moniyorap】 7月. (出典:萱野、方言:沙流)
moniyorapcup
モニヨラㇷ゚チュㇷ゚ 【moniyorap-cup】 7月. (出典:萱野、方言:沙流)
moniyupke
モニユㇷ゚ケ 【moni-yupke】 仕事がきつい.▷モニ=力,仕事 ユㇷ゚ケ=強い,きつい タン チュㇷ゚ ア・オケレ パㇰノ タパン ネㇷ゚キ ア・オケレ クナㇰ ア・イェ ㇷ゚ ネ クス ソンノ モニユㇷ゚ケ=今月の終わりまでにこの仕事を済ますように言われているので本当に仕事がきつい. (出典:萱野、方言:沙流)
monnaitak
モンナイタㇰ 【monna-itak】 寝言. モナㇰ ワ アン ワ イタㇰ ヒ ネ クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ オヤチキ モンナイタㇰ ヒ ネ アアン=目を覚ましていてしゃべっているのだと思っていたのに,知らなかったが寝言であった. (出典:萱野、方言:沙流)
monnaykata
モンナイカタ 【mon-nay-kata】 目を覚ましたまま,眠っていないまま. ▷モンナイ(モナッ)=目覚め カタ=上に,ままに(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
monniska
モンニㇱカ 【mon-niska】 忙しい.忙しく働く. (出典:萱野、方言:沙流)
mono
モノ 【mono】 静かに,静粛. (出典:萱野、方言:沙流)
mono a
モノ ア 【mono a】 座る.静かに座る. (出典:萱野、方言:沙流)
mono rok
モノ ロㇰ 【mono rok】 静かに座る〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
monpok
モンポㇰ 【mon-pok】 下.下方. (出典:萱野、方言:沙流)
monrayke
モンライケ 【mon-rayke】 仕事,働く. (出典:萱野、方言:沙流)
montapi
モンタピ 【montapi】 忙しい. (出典:萱野、方言:沙流)
montapire
モンタピレ 【montapi-re】 忙しくさせる. ウォシウォシ ネㇷ゚ネㇷ゚ アン ネㇷ゚キ ア・エモンタピレ ク・ライシンキ=後から後からいろいろな仕事(があり),それによって忙しくさせられて全く疲れた. (出典:萱野、方言:沙流)
montum kiror
モントゥㇺキロㇿ 【mun-tum-kiror】 体の芯の力,ありったけの力. ▷モントゥㇺ=体の芯 キロㇿ=力(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
monuturu an
モヌトゥル アン 【mon-uturu=an】 暇だ,手があいている. タン チュㇷ゚ ア・オケレ ヤクン モヌトゥル・アン ナンコㇿ=今月が終わると暇になるであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
more
モレ 【mo-re】 静める. ハウコモレ=声を静める.ラッチ イレンカ モ イレンカ ア・ヤイコタン カ モレ ㇷ゚ ア・ネ ルウェ ネ=静かな考え,穏やかな考え,私自身の村の上を静かにする者が私である. (出典:萱野、方言:沙流)
morew
モレウ 【morew】 彫刻物の模様:お盆,小刀の鞘に多い模様.▷モ=静か レウ=曲がる イカㇻカㇻ ネ ヤ イヌイェ ネ ヤ アイヌ テケカㇻペ イタ ネ チキ アミㇷ゚ ネ チキ モレウノカ ア・オマレ ㇷ゚ ネ=刺繍とか彫刻とかアイヌが手で作るものには,お盆にも着物にも半円を描いたようなゆるやかな曲線の形を入れるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
morewnoka
モレウノカ 【morew noka】 渦巻き模様. サッ オタ カ タ アㇱケエトゥㇷ゚シ アニ トゥ モレウ ノカ レ モレウ ノカ ア・ヌイェ ワ ア・ミッポホ ア・ヌカレ ルウェ ネ=乾いた砂の上へ指先でふたつの渦巻き模様,三つの渦巻き模様を私は描き私の孫へ見せたのだ.図[モレウノカ] (出典:萱野、方言:沙流)
moruhu
モルフ 【moruhu】 びんの所の髪,明治時代の子供の髪型:額の上ともみあげに少しだけ髪の毛を残した.*囲炉裏の中や川の中へ落ちそうになった時に神様がつかまえて助けてくれる毛. (出典:萱野、方言:沙流)
mos
モㇱ 【mos】 目覚める,さめる. トゥナㇱ ク・ホッケ アㇷ゚ アノントㇺ タ ク・モㇱ ワ オラーノ ク・モコㇿ コヤイクㇱ=早くに寝たのに,夜中に目を覚ましそれから眠ることができない.モㇱアナクス(モㇱ・アン アクス) アリタオマㇷ゚ オンナイケ タ アナン(アン・アン).オヤチキ チㇷ゚ オㇿ アイヨマレ(ア・イ・オマレ) ワ ア・イ・モㇺカ ヒ ネ アアン=目を覚ましたら板付け船の中であった.知らなかったが船に入れられ流されたのであった[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
mose
モセ 【mose】 カヤ刈り(をする). クンネイワノ テ タ ク・モセ コㇿ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) ケイワンケ(ク・エイワンケ) コㇿ カナ(ク・アン ア) イヨㇰペ ク・イサㇺカ ク・フナラ ヤッカ ク・パ エアイカㇷ゚=朝からここでカヤ刈りをしていたのに使っていた鎌を紛失してしまった,捜しても私は見つけることができない.イヨㇰペ シネㇷ゚ パテㇰ アン ナ ウウォカㇻパ ランケ ア・エイワンケ シネン ネㇷ゚キ コㇿ シネン シニ オヌマン パㇰノ モセ・アン ロー=鎌が1丁しかないので交代しながら使ってひとり働くとひとりが休み夕方までカヤ刈りをしよう.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) シㇼチュㇰ コㇿ クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ モセ・アㇱ チセ オカーリ カキ チ・カㇻ ペ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=私が小さい時,秋になると母と一緒にカヤを刈って家の周囲に雪囲いを作ったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
mosekar
モセカㇻ 【mose-kar】 刈る. (出典:萱野、方言:沙流)
mosem
モセㇺ 【mo-sem】 入口,玄関の土間,物置(玄関を入った所). (出典:萱野、方言:沙流)
moseusi
モセウシ 【mose-usi】 カヤ刈り場.▷モセ=刈る ウシ=場所 (出典:萱野、方言:沙流)
mosir
モシㇼ 【mosir】 静かな大地,国,国土,島.▷モ=静か シㇼ=大地 アイヌモシㇼ=人間の静かな大地. *アイヌ民族は自分たちが暮らしていたこの地(今の呼び名は北海道)をアイヌモシㇼと呼んでいた. (出典:萱野、方言:沙流)
mosir esatsatkei
モシㇼ エサッサッケイ 【mosir e-sat-satke-i】 国土砂漠,砂漠の国. ▷モシㇼ=大地,島,国土 エ=それ サッサッケ=乾き イ=所 *悪い神が追放される砂漠の国[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mosircupka
モシㇼチュㇷ゚カ 【mosir-cup-ka】 東の方. (出典:萱野、方言:沙流)
mosircuppok
モシㇼチュッポㇰ 【mosir-cup-pok】 西の方. (出典:萱野、方言:沙流)
mosirhoppa
モシㇼホッパ 【mosir-hoppa】 死ぬ.▷モシㇼ=国土 ホッパ=残す ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に,言うところの水にうるかした昆布と同じであったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
mosiroppa
モシロッパ 【<mosir-hoppa】 死ぬ,世を去る. (出典:萱野、方言:沙流)
mosirsinnaisam
モシㇼシンナイサㇺ 【mosir-sinna-isam】 国土の他にいる化け物. テエータ モペッ タ モシㇼシンナイサㇺ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ オハインカㇻ クㇽ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ポロ ペコ ネノ アン レタㇻ ウㇱケ クンネ ウㇱケ アン ペ ネ シコㇿ ク・イヌ アㇺキㇼ=ずうっと昔,山門別村に,国土の他にいる化け物という恐ろしい物の幻を見た者がいたという,大きい牛のような姿をしていて白と黒のまだらのものだと聞いたことがある.*人によっては,頭も足もない馬のようとか,白黒まだらの牛のようなものという.これを見たら長生きしないか不運になるという. (出典:萱野、方言:沙流)
mosirun
モシルン 【mosir-un】 国土へ.▷モシㇼ=国土 ウン=へ (出典:萱野、方言:沙流)
mosma
モㇱマ 【mosma】 代わる,ほかに,別に. エン・モㇱマ=私に代わって. (出典:萱野、方言:沙流)
mosma kotan un kur
モㇱマ コタン ウン クㇽ 【mosma kotan un kur】 よそ者. (出典:萱野、方言:沙流)
mosmakotan
モㇱマコタン 【mosma-kotan】 別の村. (出典:萱野、方言:沙流)
mosmano an
モㇱマノ アン 【mosma no an】 黙る,黙れ,しゃべるな,知らんふりしていろ. (出典:萱野、方言:沙流)
mososo
モソソ 【mososo】 覚ます,起こす:眠っているものを目覚めさせる.▷モ=静か ソソ=剥がす (出典:萱野、方言:沙流)
mosospa
モソㇱパ 【mosospa】 起こす〔複〕. モソㇱパ ヤン=起こしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
mosospe
モソㇱペ 【mosos-pe】 蛆. モソㇱペ モイモイケ シリ ネノ=蛆虫が動くように(動きの遅い人に対して).ヘカッタㇻ シノッ シリ エネ アニ モソㇱペ ウコヘタンプタンプ シリ ネノー カネ イキ パ コㇿ シノッパ=子供たちが遊ぶ様子と言えば蛆虫がうごめいているかのようにしながら遊んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
moteki
モテキ 【moteki】 ちょうどいい,都合がよい. モテキ ハワㇱ ネナ アㇻパ=ちょうどいい話だから行け. (出典:萱野、方言:沙流)
motekimoteki
モテキモテキ 【moteki-moteki】 ちょうどいい. モテキモテキ ウコイラム・アン ロー=都合がいいから一緒に行こう. (出典:萱野、方言:沙流)
moto/moto(ho) 1
モト/モト(ホ) 【moto/moto(ho)】 ①氏素姓.根元. (出典:萱野、方言:沙流)
moto/moto(ho) 2
モト/モト(ホ) 【moto/moto(ho)】 ②由来. (出典:萱野、方言:沙流)
motoci/motocihi
モトチ/モトチヒ 【motoci/motocihi】 芯,サケの背骨など. *チェㇷ゚モトチ(サケの背骨),キミモトッ(キミモトチヒ)(とうもろこしの芯).この言葉は大きい物には使わない.人間とか熊,鹿の背骨はイッケゥポネと言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
motontori
モトントリ 【motontori】 (鶏やキジの)とさか. (出典:萱野、方言:沙流)
motrap
モッラㇷ゚ 【mot-rap】 サケのえらぶた. ▷モッ=えらぶたの中にある大人の親指ほどの肉塊.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
motta
モッタ 【motta】 舟を掘る道具,臼を掘る道具:内側を丸くするのに都合がいい道具. (出典:萱野、方言:沙流)
mour
モウㇽ 【mour】 女の肌着, 図[モウㇽ] (出典:萱野、方言:沙流)
moy
モイ 【moy】 淵.淀み,渦巻き. (出典:萱野、方言:沙流)
moykokarke
モイコカㇻケ 【moy-ko-karke】 渦巻き. (出典:萱野、方言:沙流)
moymoye
モイモイェ 【moy-moye】 (渾身の力を込めて)動かす. トアン スマ エ・モイモイェ エアㇱカイ ヤー?=あの石を(君は)動かすことができるかい? (出典:萱野、方言:沙流)
moymoyke
モイモイケ 【moy-moy-ke】 動く. チュワン オカケ タ トイ アンクラ タ ポンノ モコㇿアナクス(モコㇿ・アン アクス) イ・カ トイクㇱ ペコㇿ ネ ヒネ モイモイケ・アン カ ア・エアイカㇷ゚.エウン アイヌ ハウ アㇱ クスケライ モㇱ・アン ネㇷ゚カ ウェンカムイ イイェヌチシㇱケ(イ・エヌチシㇱケ) ワ ネ ア ナンコㇿ=お昼ご飯の後,畑の峰半で少し眠ると,体の上を土でおおわれたようなかったるい気持になり動くこともできない.そこへ人声がしたお陰で目が覚めた.何か化け物が私をにらみつけていたのであろう.ナイ イクㇱ タ ヘマンタ モイモイケ シリ イキ ナ ピㇼカ ノ ヌカㇻ ワ エン・コレ=沢の向かい側に何やら動いている様子だからよく見てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
moyo
モヨ 【moyo】 (人・動物が)少しの,少ない:物が少ない場合は使えない. モヨノ アン コタン=人数が少ない村.アイヌ モヨ=人が少ない. (出典:萱野、方言:沙流)
moyonne
モヨンネ 【moy-or-ne】 渦巻き.▷モイ=淵 オㇿ=所 ネ=なる →淵の所 (出典:萱野、方言:沙流)
moyono
モヨノ 【moyono】 (人・動物)少しの. (出典:萱野、方言:沙流)
moyonoankotan
モヨノアンコタン 【moyo no an kotan】 人の少ない村. シネ チセ トゥ チセ レ チセ イネ チセ アン コㇿ モヨ ノ アン コタン セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワー=1軒の家,2軒の家,3軒の家,4軒の家があると,人の少ない村と表現されたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
moyoyke
モヨイケ 【moyoyke】 うごめく. マチヤ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ アイヌ インネ モソㇱペ モヨイケ シリ ネノ カネ=町では人間が多くて蛆虫がうごめいているようなものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
moyre
モイレ 【moyre】 遅い,遅れる,のろい. エㇰ モイレ=来るのが遅い.アㇻパ モイレ=行くのが遅い.タネ ク・ポホ イワㇰ クニ ク・ラム ク・テレ ワ カン(ク・アン) ヤッカ イワㇰ モイレ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ)=息子がもう帰るであろうと思って待っているけれど帰りが遅いので気にしている. (出典:萱野、方言:沙流)
moyreipe
モイレイペ 【moyre-ipe】 上品な食べ方.▷モイレ=遅い イペ=食べる *ユカㇻにしばしば出て来る言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
moyremat
モイレマッ 【moyre-mat】 妻:オキクㇽミという神が自分の妻を指して言う場合の言い方.オキクㇽミの妻を他の人が言う場合はカムイ モイレマッ(神の妻)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
moyrere
モイレレ 【moyre-re】 遅らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
moytek
モイテㇰ 【moytek】 入り江. (出典:萱野、方言:沙流)
moytek'ape
モイテㇰアペ 【moytek-ape】 火を焚いたあとが白くなっている. (出典:萱野、方言:沙流)
moyuk
モユㇰ 【moyuk】 狸,むじな, (出典:萱野、方言:沙流)
moyuk kirpu
モユㇰ キㇼプ 【moyuk-kirpu】 狸の脂身.*鹿とか熊に脂身が多いとモユㇰ キㇼプ ネノー カネ(狸の脂身のようだ)と言うものである. (出典:萱野、方言:沙流)
moyuk'oipep
モユㇰオイペㇷ゚ 【moyuk-o-ipe-p】 狸の餌入れ. 図[モユㇰオイペㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
mu
ム 【mu】 詰まる,ふさがる. キサㇻ ム=耳が詰まる.テエータ アナㇰネ チ・コㇿ ペッ シシㇼムカ シコㇿ ア・イェ ペッ ネ.タネ アン レヘ 沙流川 シコㇿ ア・レコレ ワ アン=ずうっと昔は私どもの川を,あたりの詰まる川と言っていた川であった,今の名前は沙流川と名づけられている.*河口が門別の方へ寄ったり鵡川の方へ寄るなどした.洪水のたびごとに上流から大量の土砂が流出したからである. (出典:萱野、方言:沙流)
muk
ムㇰ 【muk】 キジカクシ:草の球根. ムㇰ カㇻカㇻセ シコパヤㇻ=キジカクシが転がっている,それと同じに[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mukar
ムカㇻ 【mukar】 まさかり. (出典:萱野、方言:沙流)
mukar'eiki
ムカㇻエイキ 【mukar-e-iki】 まさかりを使う. (出典:萱野、方言:沙流)
muke
ムケ 【mu-ke】 詰まる. (出典:萱野、方言:沙流)
mukekasi
ムケカシ 【muk-ekasi】 ツリガネニンジン. (出典:萱野、方言:沙流)
mukketurenpe
ムッケトゥレンペ 【mukke turenpe】 隠れた憑き神. ムッケトゥレンペ ノチュー キヤイネ エシルトㇺタ ヌイナ カネ=隠れた憑き神,星の光と同じように自らの体の後ろへ隠すかのよう[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
mukkur
ムックㇽ 【mukkur】 口琴,竹で作った楽器. 図[ムックリ] (出典:萱野、方言:沙流)
mukru
ムㇰル 【mukru】 枕. ヤヤン イタㇰ アニ エニヌイペ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ カ ユカㇻ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ムㇰル セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ ワ.エラムオカ ヤン=普通の言葉でエニヌイペ(枕)という物でもユカㇻではムㇰル(枕)というものなのだ.覚えておきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
mun 1
ムン 【mun】 ①草,雑草. (出典:萱野、方言:沙流)
mun 2
ムン 【mun】 ②ごみ. ウェンクㇽチセ アナㇰネ チセ ソイタ ホカアオㇷ゚ カ イサㇺ ムン ポーカ イサㇺ=貧乏な家は家の外に薪もないし,ごみばかりもない.*この話は他人の家のことではなく,昭和10年の私の家の様子である. (出典:萱野、方言:沙流)
munciro
ムンチロ 【munciro】 アワ. クンネイワノ イチャアナアナ(イチャ・アン ア アン ア) ポーロ サラニㇷ゚ トゥㇷ゚ カ レㇷ゚ カ ア・ラㇻパ カネ ムンチロ ア・チャ=朝早くから穂摘みをして大きな袋にふたつも三つも詰め込んで,アワの穂を摘んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
munciroikompap
ムンチロイコンパㇷ゚ 【munciro-ikompap】 栗毛虫:栗の穂毛虫. ▷ムンチロ=アワ イコンパㇷ゚=毛虫(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
muneukaomap
ムネウカオマㇷ゚ 【mun-e-uka-oma-p】 草の拝み小屋. タネ シㇼクンネ エハンケ カ キ ナ タヌクラン テ タ ムネウカオマㇷ゚ ヘネ ア・カㇻ ワ ウコヤントネ・アン ロー=すでに日暮れも近いので今夜はここで草の拝み小屋でも作って同宿しようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
munham
ムンハㇺ 【mun-ham】 (草の)葉. (出典:萱野、方言:沙流)
munin
ムニン 【munin】 腐る. ムニンカポチャ=腐ったカボチャ.*煮た食べ物が腐った場合はニポㇷ゚ケあるいはホㇿセと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
muninni
ムニンニ 【munin-ni】 朽ち木,腐れ木. フチ オンネ エトㇰ タ エネ ハワニ ムニンニ ホラㇰ コラーチ パハウ サㇰノ コンネ(ク・オンネ) オカー シコㇿ パテㇰ ハウェアン ペ ネ アクス レンカピ コラチ オンネ.コタン エウン ウタㇻ ウウェカㇻパ ア・エトゥシㇼ カㇻ ペ ネ ア ワ=祖母が死ぬ前に言っていた言葉は朽ち木が倒れるように噂もなく死にたいものだ,とばかり言っていたものであったが希望通りに死んだ.村人全部が集まって埋葬してくれたものだったよ.*昭和20年1月4日祖母テカッテが死亡. (出典:萱野、方言:沙流)
munki
ムンキ 【munki】 *麦を沙流川地方へ最初に持って来た和人は,明治に入って間もなく,現在の地名でいうと平賀の小林善助という方と聞いたことがある.それでアイヌたちはこの人に親しみの念を込めながらムンキチャチャ(麦じいさん)と言っていたという. (出典:萱野、方言:沙流)
munkutausi
ムンクタウシ 【mun-kuta-usi】 ごみ投げ場. (出典:萱野、方言:沙流)
munnupa
ムンヌパ 【mun-nupa】 はき掃除(する). タネタネ アヌン シレパ ナンコㇿ シㇼ イチャッケレ ヤクン ア・コオリパㇰ ナ ムンヌパ ヤン=今にも他人が到着するであろうから,あたりが散らばっているのを遠慮しなければならないので,ほうきがけをしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
munnuwe
ムンヌウェ 【mun-nuwe】 はき掃除(する). カムイフㇺ アㇱ ヒ タ アナㇰネ イルイケ カ ムンヌウェ カ ケメイキ カ ソモ ア・キ ノ オリパㇰ・アン ペ ネ ナ アニー=雷の音のする時には.研ぎものもほうきを使うことも縫い物もしてはならない,謹慎しているものだぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
munnuwep
ムンヌウェㇷ゚ 【mun-nuwe-p】 ほうき. 図[ムンヌウェㇷ゚2種] (出典:萱野、方言:沙流)
munpana
ムンパナ 【mun-pana】 (家の中の)ほこり. (出典:萱野、方言:沙流)
munrise
ムンリセ 【mun-rise】 草むしり(をする). トヨッタ(トイ オㇿ タ) ムンリセ・アニタ(ムンリセ・アン ヒ タ) アマㇺコポイケ ワ ウェナマㇺ アン ナ イテキ オイラ ノ リセ アニー=畑で草を抜く時に普通のヒエに混ざって食べられないヒエがあるので忘れずに抜くのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
muntum
ムントゥㇺ 【mun-tum】 草原.▷ムン=雑草 トゥㇺ=中 (出典:萱野、方言:沙流)
mununsamampe
ムヌンサマンペ 【mun-un-samampe】 ババガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
mur/muri(hi)
ムㇽ/ムリ(ヒ) 【mur/muri(hi)】 糠 (出典:萱野、方言:沙流)
muraypa
ムライパ 【muraypa】 抱きしめる. (出典:萱野、方言:沙流)
mure
ムレ 【mu-re】 ふさぎ,ふさぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
murir
ムリㇼ 【murir】 死体を包んだござを縛る紐. →パラムリㇼ (出典:萱野、方言:沙流)
murkur
ムㇽクㇽ 【mur-kur】 籾のままの. ムㇽクㇽ ピヤパ=籾のままのヒエ. (出典:萱野、方言:沙流)
murkutausi
ムㇽクタウシ 【mur kuta usi】 糠を捨てる所.*外のヌサ(祭壇)の左側に糠を捨てた. (出典:萱野、方言:沙流)
mus
ムㇱ 【mus】 ハエ. (出典:萱野、方言:沙流)
mus'onkami
ムㇱオンカミ 【mus-onkami】 手を大きく動かしカムイノミをすること.*普通オンカミ(礼拝)は手のひらから指先が手首まで来ないようにする.おおげさにするとムㇱオンカミといって礼拝の仕方を知らない者として笑われる. (出典:萱野、方言:沙流)
musis
ムシㇱ 【musis】 むせる. タンパク エムシㇱ=たばこにむせる.ワッカ エムシㇱ=水でむせる.スプヤ エムシㇱ=煙にむせる. (出典:萱野、方言:沙流)
musis
ムシㇱ 【musis】 そばかす(ハエの糞). (出典:萱野、方言:沙流)
mut
ムッ 【mut】 (腰に)差す. エムシ ムッ=刀を差す. (出典:萱野、方言:沙流)
mutkane
ムッカネ 【mut-kane】 無傷,体そのまま,丸のまま. (出典:萱野、方言:沙流)
mutkaneno
ムッカネノ 【mut-kane no】 そのまま,丸まま. (出典:萱野、方言:沙流)
muy
ムイ 【muy】 オオバヒザラガイ. (出典:萱野、方言:沙流)
muy
ムイ 【muy】 箕(み). 図[ムイ] (出典:萱野、方言:沙流)
muyanki
ムヤンキ 【muyanki】 みやげ. (出典:萱野、方言:沙流)
muye(he)kar
ムイェ(ヘ)カラ 【muye(he)-kar】 束にする,束ねる.▷ムイェ=束 ヘ=を カㇻ=作る キ ムイェヘカㇻ=カヤを小さい束にする. (出典:萱野、方言:沙流)
muye/muye(he)
ムイェ/ムイェ(ヘ) 【muye/muye(he)】 束,把.1束=シネムイェ.2束=トゥムイェ. オッコー セモッタ(セㇺ オㇿ タ) キ ムイェヘ アン ナ キパスイ ポロンノ カㇻ ワ エン・コレ アニー=姉さん.入り口の土間の所にカヤ束があるからカヤ箸をたくさん作ってくださいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
muyter
ムイテㇾ 【muy-ter】 箕についている糠,箕にこびりついている糠. ▷ムイ=箕 テㇾ=垢 *昭和6年頃に私が左の胸にやけどをした時に,祖母が古い箕にこびりついていたムイテㇾを薄刃のような刃物で削り取って,その糠をやけどした胸へつけてくれたのを覚えている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
na
ナ 【na】 もっと,もう少し,さらに,まだ. マㇰ タ エ・アン エ・メライケ ナ.ナ サ タ サン アペクㇽ=奥の方にいてお前は寒いだろう.もっと囲炉裏の方に出て火にあたれ.ナ ホッケ ワ アン=まだ寝ている. (出典:萱野、方言:沙流)
na
ナ 【na】 よ,ぞ,〜から(念おし). アㇻパ ナ=行ったよ.エㇰ ナ=来たよ.イヨーハイ アペ マウ ネノ サパハ マウェアン ナ ホクレ ナㇺ ワッカ アニ ナㇺテ ヤン=大変だよ,火の熱のように頭に熱があるから早く冷たい水で冷やしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
na/naa/naanaa
ナ/ナア/ナアナア 【na/na-a/na-a na-a】 もっともっと,現状以上に何かの程度が高まることを表わす. タヌクラン アナㇰネ エアㇻキンネ タㇱコロユㇷ゚ケナ ナアナア イユコミワ アㇻパアニー=今夜は本当に寒さが厳しいので,もっともっと重ね着して行くんだよー[ユ].→ナナ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
naa siran kor
ナア シラン コㇿ 【na sir an kor】 しばらくしてから. (出典:萱野、方言:沙流)
naaka
ナアカ 【na-a-ka】 それほど. タント アナㇰネ アイヌ インネ カ ソモ ナンコㇿ ナ ハイカンヌス アニ スケパ ヤン=今日はそれほど人が多くはないだろうから中型鍋で煮物をしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
naanihonko
ナアニホンコ 【na-ani-honko】 危うく,危険だった. (出典:萱野、方言:沙流)
naanipo
ナアニポ 【na-ani-po】 危うく,とっさに. ナアニポ エ・モㇺ=危うく君は流れるところだ.ナアニポ エ・パコアッ=危うく君は災難に遭うところだった. (出典:萱野、方言:沙流)
nakatune
ナカトゥネ 【na katune】 まあ大変. ナカトゥネ マㇰ エ・イキ シリ アン=まあ大変,あんたはどうしたの. (出典:萱野、方言:沙流)
nakus
ナクㇱ 【na kus】 〜たら. (出典:萱野、方言:沙流)
nakusu
ナクス 【na kusu】 〜(し)たら,〜(する)と. (出典:萱野、方言:沙流)
nam
ナㇺ 【nam】 冷たい. イヨーハイ アペ マウ ネノ サパハ マウェアン ナ ホクレ ナㇺ ワッカ アニ ナㇺテ ヤン=大変だよ,火の熱のように頭に熱があるから早く冷たい水で冷やしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
namka
ナㇺカ 【nam-ka】 さます,冷たくする. (出典:萱野、方言:沙流)
namohaw
ナモハゥ 【nam-ohaw】 冷たい汁. ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ ク・コㇿ フチ ナモハゥ カㇻ ヒネ エネレ(エン・エレ) ㇷ゚ ネ ア コㇿカ ク・ポロ ヒ オラーノ アナㇰネ ケ(ク・エ) カ ケラムㇱカリ(ク・エラムㇱカリ)=私が子供の時はおばあさんが冷たい汁をこしらえて私に食べさせてくれたものであったが,おとなになってからは食べたことがない.*夏の日に祖母テカッテがナモハウと言って冷たい汁を作ってくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
namte
ナㇺテ 【nam-te】 さます,冷やす. イヨーハイ アペ マウ ネノ サパハ マウェアン ナ ホクレ ナㇺ ワッカ アニ ナㇺテ ヤン=大変だよ,火の熱のように頭に熱があるから早く冷たい水で冷やしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
namwakka
ナㇺワッカ 【nam-wakka】 冷水.泉,湧き水. ク・コㇿ ション タント ポーヘネ シㇼセセㇰ ナㇺワッカ ク・ク ルスイ ナ アㇻパ ワッカ タ ワ エㇰ=私の孫よ.今日なおさら暑くて冷たい水を飲みたいので,行って水を汲んで来てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
nan/nanu(hu)
ナン/ナヌ(フ) 【nan/nanu(hu)】 顔. (出典:萱野、方言:沙流)
nana
ナナ 【nana】 またまた.もっともっと. (出典:萱野、方言:沙流)
nani
ナニ 【nani】 すぐ(に). ナニ エ=すぐ食べろ.ナニ エㇰ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ アㇷ゚ アフン ルウェー カ イサㇺ=すぐ来ると言いながら外へ出たのに入る様子もない.ポンノ アㇷ゚ト アㇱ コㇿ ナーニ ヌㇷ゚キ ネ ペッ ア・レコ ヒ ヌㇷ゚キペッ ネ=少し雨が降るとすぐに濁る川を名づけて濁る川.平取町内貫別など. (出典:萱野、方言:沙流)
naninani
ナニナニ 【nani nani】 そのままで. ナニナニ アン オアシ=そのままでいるらしい.ナニナニ レウシ ルスイ ノイネ=そのまま泊まりたいらしい.テエタ ケルサ(ク・エルサ) ムカㇻ ネ アㇷ゚ エン・コホシピレ カ ソモ キ ノ ナニナニ ヤイコレ コシラムイサㇺテ=ずーっと前に私が貸したまさかりであったのに私に戻しもしないでそのまま自分の物にしてしらっばくれている. (出典:萱野、方言:沙流)
nanka
ナンカ 【nan-ka】 顔. (出典:萱野、方言:沙流)
nankaske
ナンカㇱケ 【nan-kaske】 顔の表,顔の上,顔の表情. (出典:萱野、方言:沙流)
nanke
ナンケ 【nanke】 削る. クワ エトゥㇷ゚シ ナンケ ワ エンコレ=杖の先を削ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
nankor
ナンコㇿ 【nankor】 〜であろう,〜はず. エㇰ ナンコㇿ=来るであろう.アㇻパ ナンコㇿ=行くであろう.エ・オナハ イペルスイ コㇿ イワㇰ ナンコㇿ ナ ホクレ アペ アリ.ク・スケ クスネ ナ=お前の父が腹を空かせて帰って来るだろうから早く火を焚け,私が煮炊きをするから. (出典:萱野、方言:沙流)
nankor wa
ナンコㇿ ワ 【nankor wa】 〜であろう. エㇰ ナンコㇿ ワ=来るであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
nankor_ na
ナンコン ナ 【nankor na】 〜であろう. (出典:萱野、方言:沙流)
nannupeki
ナンヌペキ 【nan-nupeki】 顔から後光がさす. ▷ナン=顔 ヌペキ=光[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nantuyere
ナントゥイェレ 【nan-tuye-re】 見つめる,一心に目を注ぐ.じっと見つづける. シネアニポ ナントゥイェレ=1か所をじっと見つめる. (出典:萱野、方言:沙流)
nanuwencimakani
ナヌウェンチマカニ 【nanu-wen-cimakani】 ケムシカジカ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
naokaketa
ナオカケタ 【na okake ta】 もっと後にして. (出典:萱野、方言:沙流)
nasinep
ナシネㇷ゚ 【na sinep】 もうひとつ. (出典:萱野、方言:沙流)
nawa
ナワ 【na wa】 〜も.もっと,もう少し. ナワ ウン=もう少しばかり. (出典:萱野、方言:沙流)
nawkep
ナウケㇷ゚ 【nawke-p】 鈎(かぎ):木の枝.顔面神経麻痺を治すときに作って使う. (出典:萱野、方言:沙流)
nawkepsayne
ナウケㇷ゚サイネ 【nawkep-say-ne】 竜神の爪:ポンヤウンペに襲いかかって来る竜神の爪はあたかも釣を並べたような爪をしていると描写されている[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
nay
ナイ 【nay】 沢,小沢. ア・ウタリヒ シトゥ カリ ヘメㇱパ ナイパルㇽ タ イイェトコウㇱ クニ ア・イェ オヌマン パㇰノ アナン(アン・アン) ア コㇿカ オムケン・アン=私の仲間たちは尾根に登って行き,私は沢縁で待ち伏せするように言われ夕方までいたが何も獲れない. (出典:萱野、方言:沙流)
nayetok
ナイェトㇰ 【nay-etok】 沢の源. (出典:萱野、方言:沙流)
naykosampa
ナイコサンパ 【nay-kosampa】 さっと.しゅっと鳴る,響いて来る. カムイ イタカウ(イタㇰ ハウ) ナイコサンパ=神の声が響いて来た.タㇺピフㇺカン ナイコサンパ=刀を抜く音,しゅっと聞こえた. (出典:萱野、方言:沙流)
nayoput
ナヨプッ 【nay-o-put】 沢尻,沢口. (出典:萱野、方言:沙流)
nayorun
ナヨルン 【nay-or-un】 沢へ. (出典:萱野、方言:沙流)
nayparur
ナイパルㇽ 【nay-parur】 沢縁. ア・ウタリヒ シトゥ カリ ヘメㇱパ ナイパルㇽ タ イイェトコウㇱ クニ ア・イェ オヌマン パㇰノ アナン(アン・アン) ア コㇿカ オムケン・アン=私の仲間たちは尾根に登って行き,私は沢縁で待ち伏せするように言われ夕方までいたが何も獲れない. (出典:萱野、方言:沙流)
nayruwor
ナイルウォㇿ 【nay-ru-wor】 沢の流れ:沢の中全体. (出典:萱野、方言:沙流)
ne
ネ 【ne】 〜になる:違ったものや別の姿に変わる,〜である,〜だ. ペネ=水になる,潰れる.アㇷ゚ト ネ ア コㇿカ ペソㇱ ネ=雨であったがみぞれになった.ペッチネ=ずぶ濡れになる. (出典:萱野、方言:沙流)
ne
ネ 【ne】 あの,その,そういう,それ. (出典:萱野、方言:沙流)
ne
ネ 【ne】 何. (出典:萱野、方言:沙流)
ne
ネ 【ne】 〜として,〜に,〜を,〜の,〜は. ポロンノ チェㇷ゚ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ パㇱクㇽ イメㇰ ネ ア・アリ ㇷ゚ ネ ナ=たくさん魚を獲った時は烏の分として残すものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ne
ネ 【ne】 強調. (出典:萱野、方言:沙流)
ne kotom/kotom
ネコトㇺ/コトㇺ 【ne kotom】 ~らしい様子,目で見たわけではないがあの人らしい. タアンイキアナㇰネ ネアクㇽ ネコトㇺノクラム=この仕業はあの人らしいと私は思うよ. アㇻパコトㇺ=行ったらしい. エㇰコトㇺ=来るらしい. モコンルスイコトㇺ=眠たいらしい[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ne wa an pe kusu
ネ ワ アン ペ クス 【ne wa an pe kusu】 その物のために. (出典:萱野、方言:沙流)
ne _hine
ネ イネ 【ne-hine】 〜だったが. (出典:萱野、方言:沙流)
nea
ネア 【nea】 その,あの:例の,それ,そう. ネア クㇽ ヒナクン アㇻパ ワ イサㇺ ルウェ アン=あの人どこへ行っていないのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
neaan
ネアアン 【ne a an】 〜だった. (出典:萱野、方言:沙流)
neaanwa
ネアアンワ 【ne aan wa】 であったが. (出典:萱野、方言:沙流)
neahikekusu
ネアヒケクス 【ne a hike kusu】 だからといって. ネアヒケクス ア・トゥラ ハウェ?=だからといって連れて行くの?ネアヒケクス ソモ ア・イェ ハウェ?=だからといって言わないのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
neahikoraci
ネアヒコラチ 【nea hi koraci】 前と同じ,元のまま,あの時のまま. (出典:萱野、方言:沙流)
neahipakno
ネアヒパㇰノ 【nea hi pakno】 前と同じくらい,あの時の量と同じほど,元あったと同じほど. (出典:萱野、方言:沙流)
neakur 1
ネアクㇽ 【nea-kur】 ①あの人. ネㇷ゚カ アン コㇿ オラーノ ネアクㇽ チカトゥンカトゥン シネンネ アン ペコㇿ ア・エオウミナウㇱ=何かあるとあの人はふざけ回ってひとりでいるかのように笑いの渦の芯になる. (出典:萱野、方言:沙流)
neakur 2
ネアクㇽ 【nea-kur】 ②亡き人.▷ネア=であった クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
neakusu
ネアクス 【ne akusu】 〜であったから,〜だったら,〜だった. ネア クㇽ コㇿ ペ ネ アクス=あの人の持ち物であったから. (出典:萱野、方言:沙流)
neane
ネアネ 【nea ne】 〜のような. (出典:萱野、方言:沙流)
neanoyne
ネアノイネ 【nea noyne】 〜らしく. (出典:萱野、方言:沙流)
neap 1
ネアㇷ゚ 【ne ap】 ①〜であった,〜だったが. (出典:萱野、方言:沙流)
neap 2
ネアㇷ゚ 【ne ap】 ②亡き,死者. (出典:萱野、方言:沙流)
neapkusun
ネアㇷ゚クスン 【ne ap kusun】 だからとて. ウサタイㇼワㇰ ネアㇷ゚クスン エネポ エアシㇼ ウコヘライパ=いとこだからとてこれほどまでに似ているものか. (出典:萱野、方言:沙流)
neawa
ネアワ 【ne-awa】 〜だった,であった,そうであった. (出典:萱野、方言:沙流)
neayne
ネアイネ 【ne ayne】 そうして,〜だった. (出典:萱野、方言:沙流)
neciki 1
ネチキ 【ne ciki】 ①〜とか,〜など,〜も.〜や〜. (出典:萱野、方言:沙流)
neciki 2
ネチキ 【ne ciki】 ②〜ならば. ハウェ ネ チキ=それならば. (出典:萱野、方言:沙流)
necikir
ネチキㇼ 【net-ikir】 流木の山.▷ネッ=流木 イキㇼ=列 (出典:萱野、方言:沙流)
neeancikarta
ネエアンチカㇻタ 【ne e-ancikar ta】 その夜. (出典:萱野、方言:沙流)
neetoho
ネエトホ 【ne e-toho】 その日. タント ニペㇱ ク・ケㇷ゚ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ネエトホ ウォㇿ ア・オ コㇿ ピㇼカノ オン ペ ネ クス タネ シシㇼクンネ コㇿカ トオㇿ パㇰノ カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ ケㇰ=今日シナ皮を刹いで来た,その日に水に漬けるとよく発酵するものだから,もう薄暗くなったけれど沼まで行って来る. (出典:萱野、方言:沙流)
nehaweneyakun
ネハウェネヤクン 【ne hawe ne yakun】 それならば.▷ネ=なる ハウェ=声 ネ=である ヤクン=ならば (出典:萱野、方言:沙流)
nehi
ネヒ 【ne-hi】 いつ.それ,〜なのに,〜になる. (出典:萱野、方言:沙流)
nehike
ネヒケ 【ne hike】 それのほう. ネヒケ エン・コレ=そのほうを私にくれ.ネヒケ ヌㇺケ=それのほうを選べ. (出典:萱野、方言:沙流)
nehike
ネヒケ 【ne hike】 〜だった. ク・コㇿ ペ ネ ヒケ=私の持っているほうであった.エコㇿペ ネヒケ=お前の持っているほうだった. (出典:萱野、方言:沙流)
nehikeka
ネヒケカ 【ne hike ka】 なっても. (出典:萱野、方言:沙流)
nehine
ネヒネ 【ne hi ne】 〜して,〜だった. (出典:萱野、方言:沙流)
nehiorta
ネヒオㇿタ 【ne hi or ta】 そこで,そこに. (出典:萱野、方言:沙流)
nehipakno
ネヒパㇰノ 【ne hi pakno】 そこまで. ネヒパㇰノ ネ ア ワ=そこまでであったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
nehisamata
ネヒサマタ 【nehi sama ta】 そこで. ネヒサマタ ク・イタㇰ ハウェ=そこで私が言うことは. (出典:萱野、方言:沙流)
nehita
ネヒタ 【ne hi ta】 そこに,〜に. (出典:萱野、方言:沙流)
nehiwa
ネヒワ 【ne hi wa】 それから. (出典:萱野、方言:沙流)
neka
ネカ 【neka】 〜でも,〜にも. (出典:萱野、方言:沙流)
nekor
ネコㇿ 【ne-kor】 〜(と)すると,〜(に)なる,〜には. (出典:萱野、方言:沙流)
nekusne
ネクㇱネ 【ne kusne】 〜(に)なる. (出典:萱野、方言:沙流)
nekusu
ネクス 【ne kusu】 〜だから.〜なので. (出典:萱野、方言:沙流)
nekusuneya
ネクスネヤ 【ne kusu ne ya】 どうしてか. マラㇷ゚ト オカ タ ラッチターラ ウウェネウサㇻ パ コㇿ オカ アㇷ゚ ネクスネヤ ウパウレ コㇿ オカ アㇷ゚ シネン マッコサンパ ウコテㇾケ パ ソンノ チカッポ パㇰノ ク・ヤイヌ ク・ライシチュププ=宴の後に静かに四方山話をしていたのにどうしてか激しい言い合いになった.ひとりがさっと立ち上がり取っ組み合いになった.私は本当にスズメくらいの心になって身を縮めていた. (出典:萱野、方言:沙流)
nemanu
ネマヌ 【ne manu】 〜という,言うところの. (出典:萱野、方言:沙流)
nemanup
ネマヌㇷ゚ 【ne manu p】 〜なるもの. オヤコヤㇰ タ タスㇺ ネマヌㇷ゚ スルㇽケ オルㇱペ ア・ヌ イシトマ・アン クス ハル アフㇷ゚カㇻ・アㇱ ワ ハルエカムイノミ・アン ルスイ=あちらこちらで病気が流行したと聞き恐ろしいので供物を貰い病気の神へあげたい(と思って私は来ました). (出典:萱野、方言:沙流)
nen
ネン 【nen】 誰. ネン コㇿ ペ ネ ヤー?=誰の持ち物ですか? (出典:萱野、方言:沙流)
nen nen oka
ネン ネン オカ 【nen nen oka】 いろいろな. (出典:萱野、方言:沙流)
nena
ネナ 【ne na】 〜だよ,だから. (出典:萱野、方言:沙流)
nenek
ネネㇰ 【ne nek】 〜だよ,〜だろうよ〔強意〕=ネーネㇰ ナー アㇻスイネ ク・イェ コㇿカ カキヒ(ク・アキヒ) アン クス タシ ク・シㇰヌ ヒ ネ ネㇰ=もう1度言うけれども弟がいたお陰で私は生きたんだよ.イチンチミ ウナㇻペ エㇰ ワ ア ワ アン アイネ アㇻパ ワ イサㇺ.スイ イクリアンテ ルスイ ワ ネ ネㇰ=他人をよく観察するおばが来て座っていてから行ってしまった.いつもの通り悪口を言いたくてだろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
nenka
ネンカ 【nen-ka】 誰か.どなたか. ネンカ アン ヤ?=誰かいるかい?ク・コㇿ ヤ ネンカ ヤンケ ワ チェㇷ゚ コㇿ ワ アㇻパ.ア・ルㇱカ コㇿ イワㇰ・アン=私の網を誰かが上げて魚を持って行った.私は腹を立てて帰って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
nenkaanpakoat
ネンカアンパコアッ 【nenka an pakoat】 何か問違いをする. スイスイ アヌン メノコ クイラ コㇿ アン ナ.ネンカアンパコアッ キ ヤㇰ ウェン ナ シノッチャキ コㇿ オㇱ アㇻパ=またしても他の女を尾行している.なんらかの間違いをすると悪いので歌を歌いながら後へ行け. (出典:萱野、方言:沙流)
nenkane
ネンカネ 【nenkane】 もしも,もしや,万が一. マキㇷ゚ ヘカッタㇻ チㇱ ハウ アㇱ ネンカネ ネオㇿカ アㇻカレ ヒ ソモ ネ ヤ.アㇻパ ワ インカㇻ=どうしたの,子供らの泣き声がする.もしやのことどこか痛くしたのではないか.行ってみろ.ネンカネ ライ ハウェ ソモ ネ ヤー=万が一死んだのではないだろうね.ポンペ アトゥサ ノ ホユプ コㇿ アン ワ.ネンカネ オㇺケカㇻ ナ ホクレ イミレ ヤン=子供が裸で走っているよ.もしものこと風邪でもひく(といけない)から早く着物を着せなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
nenkanewa
ネンカネワ 【nenkane wa】 かりに. (出典:萱野、方言:沙流)
nennen
ネンネン 【nen nen】 いろいろ. (出典:萱野、方言:沙流)
neno 1
ネノ 【neno】 ①〜のように,同じに,〜ぐらい. イェ ヒ ネノ カㇻ ワ コレ=言う,そのように作ってあげた. (出典:萱野、方言:沙流)
neno 2
ネノ 【neno】 ②このまま,そのまま,そうして. ネノ アヌ=そのまま置け. (出典:萱野、方言:沙流)
neno an yakne
ネノ アン ヤㇰネ 【neno an yakne】 このままだと. ネノ アン ヤㇰネ アㇷ゚ト アㇱ コㇿ イヤイキㇷ゚テ ナ ナイ エノイェ ワ アヌ アニー=このままだと雨が降ったら危険なので沢を曲げておいてくれよ. (出典:萱野、方言:沙流)
nenoan
ネノアン 【neno an】 そんな.それに似た,同じだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nenoneno
ネノネノ 【neno neno】 言う通り. イコㇿ カムイ シㇼエシニューカ ワ ネ ノイネ ア・ホㇰイタㇰキ アクス ネノネノ ニㇱパ イ・コエイヨㇰ=宝物の神がその土地に飽きたらしく私が買いたいと言ったら言う通り持ち主が売ってくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
nenoyne
ネノイネ 【ne noyne】 〜のような,らしい. (出典:萱野、方言:沙流)
nenpokaikiwa
ネンポカイキワ 【nenpoka iki wa】 なんとかして. ウェンクㇽ アナㇰネ ネンポーカ イキ ワ シネ イコㇿ ポカ コㇿ コㇿ オラーノ ヌカラㇻ ルスイ タパイェ(タㇷ゚ ア・イェ) クニ ウェンクㇽ イコㇿ コㇿ=貧乏人はなんとかしてひとつの宝だけでも持つと,それから誰かに見せたがる,このことを貧乏人が宝を持つという. (出典:萱野、方言:沙流)
neoro
ネオロ 【ne-oro】 どこ. (出典:萱野、方言:沙流)
neoroka
ネオロカ 【ne-oro-ka】 どこか. マキㇷ゚ ヘカッタㇻ チㇱ ハウ アㇱ ネンカネ ネオロカ アㇻカレ ヒ ソモ ネ ヤ.アㇻパ ワ インカㇻ=どうしたの,子供らの泣き声がする,もしやのことどこか痛くしたのではないか.行ってみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
nep
ネㇷ゚ 【nep】 何. (出典:萱野、方言:沙流)
nep
ネㇷ゚ 【nep】 少し. ネㇷ゚ エン・コレ=少し私にください.ネㇷ゚ コㇿ ワ アㇻパ=少し持って行け.ネㇷ゚ アン ヤー?=少しあるかい? (出典:萱野、方言:沙流)
nep pakno
ネㇷ゚ パㇰノ 【nep pak no】 いくらでも. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ クワㇱ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ノオカ チェ(チ・エ) カ エアイカㇷ゚ ペ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ トペンペ カ ネㇷ゚ パㇰノ アン=私が子供の頃は菓子というものはそれほど食べられなかったが,今は甘い物もいくらでもある.テエータ アナㇰネ チェッポ スナンカㇻアニタ(スナンカㇻ・アン ヒ タ) アナㇰネ ペッチチャイ タ アナㇰネ ネㇷ゚ パㇰノ カ チチラ オカ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ア・ヌカㇻ フミー カ イサㇺ=ずうっと昔,小魚に灯を急に近づけて獲る時には浅瀬にはなんぼでもドジョウがいたものだったが今は見ることもない. (出典:萱野、方言:沙流)
nep poka
ネㇷ゚ ポカ 【nep poka】 いくらか,少しでも. (出典:萱野、方言:沙流)
nep unin ka somo
ネㇷ゚ ウニン カ ソモ 【nep unin ka somo】 なんのさわりもない. ウクラン エネ イヨㇱキ ワ アネピッタ サカヨカㇻ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ネㇷ゚ウニン カ ソモノ フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ=昨夜はあれほど酔っ払って夜いっぱい文句を言っていたのになんのさわりもなく何事もなかったようにしている. (出典:萱野、方言:沙流)
nep _otta
ネポッタ 【nep or ta】 なんの時. (出典:萱野、方言:沙流)
nepe
ネペ 【ne pe】 〜なのに. (出典:萱野、方言:沙流)
nepka
ネㇷ゚カ 【nepka】 何か. ネㇷ゚カ ア・エラナㇰ ペ アン ワ エ・エㇰ ルウェ ソモ ネ ヤー.アロラムンノ エ・エㇰ ヒ ネ ヤクン ピㇼカ ワー=何か心配事があって来たのではないかい.用事がなく来たのならいいけれども. (出典:萱野、方言:沙流)
nepkewkata
ネㇷ゚ケゥカタ 【nep kew ka ta】 なぜ,なにゆえに.▷ネㇷ゚=何 ケウ=屍 カタ=上に ネㇷ゚ケウカタ エネ ク・ヤイウェンヌカㇻ=なぜに,これほど私は苦労する. (出典:萱野、方言:沙流)
nepki
ネㇷ゚キ 【nepki】 働く,仕事する. ナ ヘカチ オッカイポ ク・ネ ヒ タ ニカㇷ゚ エトコ タ ク・ネㇷ゚キエアㇻパ イチャヌイ ポロンノ オカ ワ チ・コイキ ワ チェ(チ・エ) コㇿ ネㇷ゚キ・アㇱ ペ ネ ア ワ=まだ少年といえる若者であった私が新冠川の上流へ仕事に行った時にマスがたくさんいて,私たちはそれを獲って食べながら働いたものであったよ.タㇷ゚ アシㇼノ エㇰ コㇱマッ ソンノ ネㇷ゚キ ノ シㇼ アクタナー=今新しく来た嫁.本当に働くこと,感心したなあ.タパン ネㇷ゚キ アンピㇼ パㇰノ カ イユニン サㇰノ シペッテㇰ クニ カムイプンキ アン ペ ネ ナ=この仕事中に爪傷ほどの怪我もなく終わりますように神のご守護があるでありましょう[カムイノミ].テエータ アナㇰネ ウコイラㇺ・アㇱ ワ ネㇷ゚キ・アㇱ ペ ネ ア コㇿカ ネㇷ゚カ エン・コヤイトゥナㇷ゚ ワ ネ ノイネ クリヒ カ ソモ ク・ヌカㇻ=ずっと前は一緒に仕事をしたものであったが何か私に不満があるらしく,影も見たことがない. (出典:萱野、方言:沙流)
nepkiearpa
ネㇷ゚キエアㇻパ 【nepki-e-arpa】 働きに行く. (出典:萱野、方言:沙流)
nepkinop
ネㇷ゚キノㇷ゚ 【nepki-no-p】 働き者. (出典:萱野、方言:沙流)
nepkinumasut
ネㇷ゚キヌマスッ 【nepki-numa-sut】 できもの:働くできもの(働くと痛まない). (出典:萱野、方言:沙流)
nepkiokake
ネㇷ゚キオカケ 【nepki okake】 働いた後.▷ネㇷ゚キ=働く オカケ=後 ネㇷ゚ ネㇷ゚キ ネ ヤッカ ア・ネㇷ゚キ オカケヘ ピㇼカノ ア・シッチャㇱヌレ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ナ.ネノ イキ ヤン アニー=何仕事であっても働いた後をきれいに掃除するといいものだ.そのようにしなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
nepkire
ネㇷ゚キレ 【nepki-re】 働かせる. トゥ ト レ ト ネ ヤㇰ ク・ラム アㇷ゚ アンヌノ レ チュㇷ゚ カ ア・エン・ネㇷ゚キレ=二日か三日だろうと思ったのに,ただで3か月も私は仕事をさせられた. (出典:萱野、方言:沙流)
nepnep
ネㇷ゚ネㇷ゚ 【nepnep】 いろいろ. ネㇷ゚ネㇷ゚ コㇿ ワ アㇻパ=いろいろな物を持って行け.ネㇷ゚ネㇷ゚ ク・カㇻ コㇿ カン(ク・アン)=雑多なことを私はしている. (出典:萱野、方言:沙流)
nepneyakka
ネㇷ゚ネヤッカ 【nep ne yakka】 なんでも. アヌン アニ(アン ヒ) タ アナㇰネ ウウェタㇱタサ・アン コㇿ ア・エヤイシトマ ㇷ゚ ネ.アヌン イサㇺ ヒ タ アナㇰ ネㇷ゚ ネ ヤッカ イェ ヤン アニー=他人がいる時は意見が違うと恥ずかしいものだ.他人がいない時はなんでも言いなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
neporaun
ネポラウン 【nep oraun】 それから. (出典:萱野、方言:沙流)
nepunkaisam
ネプンカイサㇺ 【nep hum ka isam】 粛として,物音ひとつもない. エネ シッチリムヌレ アㇷ゚ ヘカッタㇻ フナクン アㇻパ ワ ネプンカイサㇺ ルウェ アン=あれほどどたばたしていたのに子供らはどこへ行って物音ひとつないのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nepwaanpe
ネㇷ゚ワアンペ 【nep wa an pe】 何やら,何を理由に. メノコポ ウタㇻ ネㇷ゚ ワ アン ペ イェ パ ワ エウミナレ コㇿ イユタパ コーロ(コㇿ) オカ=娘たちが何やら話をしては大笑いをしながら搗き物をしていた.イヨーハイ シトマレ ネㇷ゚ ワ アン ペ ウウェサッチュー シㇼ ネ ヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) コㇿカ ウㇰペ エシㇼヤカカ=本当に恐ろしい,何を理由にお互いに当たり散らす様子なのか知らないけれど,取るものをも荒っぽいやり方だ. (出典:萱野、方言:沙流)
nerok
ネロㇰ 【ne rok】 あの. (出典:萱野、方言:沙流)
nerok
ネロㇰ 【ne rok】 〜だ,〜で. (出典:萱野、方言:沙流)
nerok utar
ネロㇰ ウタㇻ 【ne rok utar】 あの人たち,例の人々. (出典:萱野、方言:沙流)
nerokpekusta
ネロㇰペクㇱタ 【ne rok pe kus ta】 だからといって. (出典:萱野、方言:沙流)
neruneyaka
ネルネヤカ 【ne ru ne ya ka】 なったのだか(どうか). (出典:萱野、方言:沙流)
neruwe
ネルウェ 【ne ruwe】 なのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
neruwene
ネルウェネ 【ne ruwe ne】 〜なのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nesko
ネㇱコ 【nesko】 オニグルミ,クルミ.*模様ござを編む時黒と茶を編み込むが,この黒色をクルミの皮で染めた. (出典:萱野、方言:沙流)
neskoninum
ネㇱコニヌㇺ 【nesko-ninum】 クルミの実. (出典:萱野、方言:沙流)
nesun
ネスン 【nesun】 〜であろう. ソンーノ スイ ネア メノコ ネスン オヤコヤㇰ タ ネユンネユン ハウェアン イユコイキレ パハウエトイタ ハウェ=全くまたあの女であろう,あちらこちらでいろいろと言ってけんかさせる噂の種をまいたのは.ホッノ イヨーハイ スイ トリイヨㇱキ ワ ネスン ホプニ カ ソモ キ=まあまああきれてしまった,また二日酔いしたのだろう,起きもしないこと. (出典:萱野、方言:沙流)
net
ネッ 【net】 流木. タヌクラン テタ レウシ・アン ナ ホクレ ネッ ウウェカリレ ポロ アペ ア・アリ クㇱネ ナ=今夜はここで野宿する,さあ,流木を集めろ.大きい火を燃やすから.*洪水の後は薪にするためにネッを集めた.他人より先に行った印として,石を上げておくか,縄で練っておく.これのことをクイタㇰペ(私がしゃべる物)という. (出典:萱野、方言:沙流)
netopa/netopa(ke)
ネトパ/ネトパ(ケ) 【netopa/netopa(ke)】 体,身体. (出典:萱野、方言:沙流)
neun
ネウン 【neun】 どう,なんと,いろいろ. チセパㇻ アシン ヒ エ・ヌカㇻ シコㇿ ク・イヌ ア ナ ネウㇱケ ウン エン・トゥラ=新しい熊の穴をお前が見たと聞いたがその所へ私を連れて行ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
neun sino
ネユンシーノ 【neyun sino】 どうなることやら,どのようになるものやら. エキㇺネ ウタㇻ イワㇰ エトホ トゥッコ カ レㇾコ カ カスノ イサㇺパ.ネユンシーノ ネ ハウェ ネ ヤ ケハタッネ パ(ク・エハタッネ パ)=山へ行った人たち,帰る日を二日も三日も過ぎても来ない.どうなることやらと思うとひやひやしている. (出典:萱野、方言:沙流)
neunkata
ネウンカタ 【neun ka ta】 なんとか. クポニ(ク・ポン ヒ) タ ニナ クス クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ エキㇺネ・アㇱ エイタサ ク・メライケ ㇷ゚ ネ クス ク・ヌペコラパㇷ゚セ エ・ポロ ワ ネ ヤㇰネ ネウンカタ エ・イキ ワ ニㇱパ エ・ネ ㇷ゚ ネ ナ シコㇿ ク・ヤイヌ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ ノオカ ク・ニㇱパ ネ カ ソモ=私の少年時代,薪を取りに母とふたりで山へ行ったが,あまりにも寒いものだから涙を流しながら大きくなったらなんとかして金持ちになりたいと考えたものであった.さっぱり金持ちにもなれなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
neunnene
ネウンネネ 【neunnene】 いろいろ. (出典:萱野、方言:沙流)
neunpoka
ネウンポカ 【neun poka】 なんとか. (出典:萱野、方言:沙流)
neunpoka iki wa
ネウンポカ イキ ワ 【neunpoka iki wa】 なんとかして. ウェンクㇽ アナㇰネ ネウンポーカ イキ ワ シネ イコㇿ ポカ コㇿ コㇿ オラーノ ヌカラㇻ ルスイ タパイェ(タㇷ゚ ア・イェ) クニ ウェンクㇽ イコㇿ コㇿ=貧乏人はなんとかしてひとつの宝だけでも持つと,それから誰かに見せたがる,このことを貧乏人が宝を持つという. (出典:萱野、方言:沙流)
neuske
ネウㇱケ 【ne-uske】 その所,この所. チセパㇻ アシン ヒ エ・ヌカㇻ シコㇿ ク・イヌ ア ナ ネウㇱケ ウン エン・トゥラ=新しい熊の穴をお前が見たと聞いたがその所へ私を連れて行ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
newa
ネワ 【ne wa】 〜して,〜だった,〜で,〜なのに. (出典:萱野、方言:沙流)
newaanpe
ネワアンペ 【ne wa an pe】 その物:他の物ではなくちょうどそれにあたる物. ネワアンペ コㇿ ワ エㇰ=その物を持ってこい.ネワアンペ エイワンケ=その物を使え.ネワアンペ アヌㇱケ ケラマン(ク・エラマン)=その物のある所を私は覚えている. (出典:萱野、方言:沙流)
newakusu
ネワクス 【ne wakusu】 〜だから. (出典:萱野、方言:沙流)
newka
ネウカ 【newka】 何も. (出典:萱野、方言:沙流)
newkata
ネウカタ 【newkata】 なんとか. (出典:萱野、方言:沙流)
newsar
ネウサㇻ 【newsar】 話し合う:ゆっくりと話をする,ゆっくりと話を聞く,話し相手. オッカヨウタㇻ ソモ イク パ ノ ラッチターラ ウウェネウサㇻ パ コㇿ アヌ ノ アン オルㇱペ ポロンノ アン=男たちが酒を飲まずに静かに話し合っている時は耳を傾けるに値するような話がたくさんある. (出典:萱野、方言:沙流)
newsarkamuy
ネウサㇻカムイ 【newsar-kamuy】 話し相手の神:熊を獲った時に夕方などで解体できない場合,明朝まで熊神の話し相手になってくださいと頼む神. 図[ネウサㇻカムイ] (出典:萱野、方言:沙流)
ney ta ne yakka
ネイ タ ネ ヤッカ 【neyta ne yakka】 いつでも,どこにでも. ネイタ ネ ヤッカ エ・アン クㇱケライ=いつでもお前がいるお陰で.フーン ネイタ ネ ヤッカ ク・マッカㇻク リカ ネ ヤ コンプ ネ ヤ イモカ トㇱカ エン・カエオセ=やあやあ,いつものことだが私の姪は鯨の脂身とか昆布などのみやげを山ほど私に持って来てくれた.ネイタ ネ ヤッカ イユトゥㇽウェンテ ルスイ ペ オカイ ペ ネ クス スンケアㇱペ ソネアㇱペ イェ コㇿ オマナン=どこにでも仲たがいをさせたい者がいて,嘘の話や本当の話を言いふらして歩く. (出典:萱野、方言:沙流)
neya
ネヤ 【ne ya】 〜であるか:はっきりしない時や物について疑問を表わす. フンナ コㇿ ペ ネ ヤ?=誰の持ち物か? (出典:萱野、方言:沙流)
neya
ネヤ 【ne ya】 あの,その. (出典:萱野、方言:沙流)
neyakanakne
ネヤカナㇰネ 【ne yak anakne】 〜ならば. エネ ウェンプリコㇿ ハウェ ネ ヤカナㇰネ(ヤㇰ アナㇰネ) カムイ オㇿ ワ ア・ライケ エアシㇼ キ ナンコㇿ ワ=そのような悪事をしたのであれば神の方から殺されるでありましょうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
neyakanakun
ネヤカナクン 【ne yak anak un】 〜ならば. タント アナㇰネ ク・ヤイモンニㇱカ コㇿカ ニサッタ ネヤカナクン エチ・トゥラ ナ シネアンチカㇻ レウシ ヤン=今日は私忙しいけれども,明日ならばお前と一緒に行けるので一晩泊まりなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
neyakka
ネヤッカ 【ne yakka】 〜でも,〜であっても,〜だが. アイヌ ネ ヤッカ=人間でも.シサㇺ ネ ヤッカ=和人でも.ペッ ネ ヤッカ=川も.ネン ネ ヤッカ=誰であっても. (出典:萱野、方言:沙流)
neyap
ネヤㇷ゚ 【neyap】 〜だが. (出典:萱野、方言:沙流)
neyke
ネイケ 【neyke】 〜だが,〜だった,〜時. (出典:萱野、方言:沙流)
neykehuyke
ネイケフイケ 【neyke huyke】 どこもかしこも,どことして何ひとつの非の打ち所がない. ネイケフイケ イタㇰクㇱ ウㇱケ オアㇻ イサㇺ=どことしていいがかりをつける所は全くない. (出典:萱野、方言:沙流)
neyno
ネイノ 【neyno】 〜て. (出典:萱野、方言:沙流)
neyta
ネイタ 【neyta】 いつ,どこに. (出典:萱野、方言:沙流)
neyta ka
ネイタ カ 【neyta ka】 どこかで,どこかに,いつか. エチ・エカノㇰ クナㇰ イェ コㇿ クンネイワノ アㇻパ アㇷ゚ ネイタカ エチ・ウウォヌイタサ シㇼ ネ ハウェ=お前を迎えると言いながら朝から行ったのにどこかでお前たちは行き違いになったわけだな. (出典:萱野、方言:沙流)
neytapakno
ネイタパㇰノ 【neyta pak no】 いつまでも. ネイタ パㇰノ ソモ コイラ(ク・オイラ)=いつまでも私は忘れない.ニㇱパ ネ パ ㇷ゚ ネイタ パㇰノ ソモ ニㇱパ ネ ウェンクㇽ セコㇿ ア・イェ ウタㇻ ネイタ パㇰノ ソモ ウェンクㇽ ネ.イテキ ア・ウェンクラㇱパ ㇷ゚ ネ=物持ちと称せられる者はいつまでも物持ちではない,貧乏と言われる人たちはいつまでも貧乏人ではない,絶対に軽蔑してはいけないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
neyun
ネユン 【neyun】 どう,どこの.なんと,いろいろ. ネユン ア・イェ ヤッカ アㇻパ エヤイトゥパ ハウェ ネ ヤクン マㇰ ア・イェ ハウェ アㇻパレ アㇻパレ=どのように言っても行きたがるのなら言いようもない,行かせろ行かせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
neyun an kusu
ネユン アン クス 【neyun an kusu】 なぜに.▷ネユン=なぜ アン=ある クス=ゆえに (出典:萱野、方言:沙流)
neyun ne yakka
ネユン ネ ヤッカ 【neyun ne yakka】 絶対に,どうしても. ネユンネヤッカ ソモ カㇻパ(ク・アㇻパ)=どうしても私は行かない.ク・テレ ワ アン ク・コㇿクㇽ イワㇰ クニ ク・ラム トホ カスノイサㇺ ワ エアㇻキンネ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ) ウパㇱ カ ルイ コㇿカ ネユンネヤッカ ケカノㇰ(ク・エカノㇰ) クス カㇻパ(ク・アㇻパ)=私の待っている私の夫,帰って来ると思う日を過ぎてしまった.私はうんと案じている.雪も降ってはいるが絶対に迎えに行く. (出典:萱野、方言:沙流)
neyunan
ネユナン 【neyun an】 どうにか. ホワーㇻ ネユナン イトゥㇽプッ インカㇻ ポカ ク・キ ㇷ゚ ネ アㇷ゚ ネㇷ゚カ ソモ ク・ヌカㇻ=あーあ,どうにかかすかに見るだけでも私はできていたのに,何も見えない.*私の祖母のテカッテは100歳近くなってからは年老いた自分の目のことをそのように言って嘆いていたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
neyunneyunhawas
ネユンネユンハワㇱ 【neyun neyun hawas】 いろいろな話. ネユンネユン ハワㇱ コㇿカ ソモ ク・ヌ アーペコㇿ=いろいろな話であるけれども聞かないふりをしている. (出典:萱野、方言:沙流)
neyunpoka
ネユンポカ 【neyun poka】 どうにか,なんとか,なるべく. (出典:萱野、方言:沙流)
neywa
ネイワ 【neywa】 どこから. ネイワ エ・エㇰ=どこから君は来た? (出典:萱野、方言:沙流)
neywaka
ネイワカ 【neywa-ka】 どこからか. ネイワカ エ・ヌ アー?=どこからお前は聞いたのか? (出典:萱野、方言:沙流)
ni
ニ 【ni】 木,薪. (出典:萱野、方言:沙流)
ni
ニ 【ni】 吸う,すする:すするようにする場合の言葉.水を飲む時は「ク=飲む」熱い湯を飲む時,あるいは煎じ薬の熱いのを飲む時にのみ「ニ=吸う」を使う. ウセイ ニ=湯を吸う.サヨ ニ=かゆをすする.ルㇽ ニ=汁をすする. (出典:萱野、方言:沙流)
niawkonta
ニアウコンタ 【ni-aw-konta】 木の股. (出典:萱野、方言:沙流)
nicica
ニチチャ 【nicica】 焼けた茎:イナキビ,アワ,ヒエなどの穂を取った後の茎に火をつけて焼き,焼け残った茎のことをニチチャという.穂を摘み取っただけの残りの茎はイナンカヨという. (出典:萱野、方言:沙流)
nicihi
ニチヒ 【nici(hi)】 トウモロコシなどの茎,柄. (出典:萱野、方言:沙流)
nicitne
ニチッネ 【nicitne】 疲れる,くたびれる. トオーㇷ゚ トゥイマシㇼ ワ カㇷ゚カㇱ(ク・アㇷ゚カㇱ) ペ ネ クス ク・ニチッネ.ニサッタ ポーヘネ カㇷ゚カㇱ カ エアイカㇷ゚ ナンコㇿ=ずーっと遠い所から歩いたものだから私はすっかり疲れた.明日なおさら歩けないであろう.*山歩きなどで次の日に脚腰が痛い時など.普通の仕事の疲れはシンキ. (出典:萱野、方言:沙流)
niemaka
ニエマカ 【ni-emaka】 豆が手柴に絡まない. (出典:萱野、方言:沙流)
niham
ニハㇺ 【ni-ham】 葉,木の葉. (出典:萱野、方言:沙流)
niharu
ニハル 【ni-haru】 ヤドリギ. テエータ アナㇰネ ケㇺアン コㇿ オラーノ ニハル カ テㇾケイペ カ ア・エㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずっと大昔は飢饉になるとそれからヤドリギも蛙も食べたものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nihom
ニホㇺ 【ni-hom】 木の節. (出典:萱野、方言:沙流)
nihose
ニホセ 【ni-hose】 伐採:木を伐り倒すこと.▷ニ=木 ホセ=倒す (出典:萱野、方言:沙流)
nihum
ニフㇺ 【ni-hum】 棒,丸太,木片. (出典:萱野、方言:沙流)
nihum yapkir sikopayar
ニフㇺ ヤㇷ゚キㇼ シコパヤㇻ 【ni-hum yapkir sikopayar】 木っ端を投げたように転んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
niikir
ニイキㇼ 【ni-ikir】 薪の列.▷ニ=薪 イキㇼ=列 クポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ チセ ソイ タ ニイキㇼ アン ウㇱケヘ ニㇱパ ネ シコㇿ ハワㇱ ペ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ソイ タ ニイキㇼ イサㇺ ヤッカ ピㇼカ=私が子供の時は,家の前に薪の列がある所は物持ちと言うものであったけれども.今は外で薪の列がなくてもいい.*昭和10年頃に家の外で薪をたくさん積んでいる家は物持ちというか金持ちの象徴であった.金がないのは見てもわからないが薪がないのは誰の目でも見えると村の人は言っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
niikiri(hi)kar
ニイキリ(ヒ)カㇻ 【ni-ikiri(hi)-kar】 薪を積む. (出典:萱野、方言:沙流)
nikanika wa mososo
ニカニカ ワ モソソ 【nika-nika wa mo-soso】 揺り起こす:揺り動かして眠りを覚ます.▷ニカニカ=あまり強くなく動かすこと モ=静かに ソソ=剥がす エ・アキヒ モコㇿ ワ アン ナ アㇻパ ニカニカ ワ モソソ ワ エㇰ=お前の弟が眠っているから行って揺り起こして来い. (出典:萱野、方言:沙流)
nikap attus
ニカㇷ゚ アットゥㇱ →ニカパットゥㇱ (出典:萱野、方言:沙流)
nikap/nikapu(hu)
ニカㇷ゚/ニカプ(フ) 【nikap/-kapu(hu)】 木の皮:主としてオヒョウの皮とシナ皮を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
nikapattus
ニカパットゥㇱ 【ni-kap-attus】 木の皮の着物:オヒョウの木の皮の着物. ウウェペケㇾ ネ ヤ ウパㇱクマ オッタ(オㇿ タ) オキクㇽミカムイ アイヌ カシオピューキ ヒ タ オウフイ シㇼカ オウフイ ニカパットゥㇱ カリシㇼパテㇰ ア・ヌカㇻ シコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=昔話や言い伝えの中にオキクルミ神が人間を助ける時に,刀の鐺(こじり)裾の方から炎が燃え立つ木の皮の着物がちらっと見えたと,言うものであった.*アイヌに生活文化を教えたと伝えられるオキクㇽミという神の描写は必ずこのように描写される. (出典:萱野、方言:沙流)
nikapunpe
ニカプンペ 【ni-kap-un-pe】 模様つきござ.*オヒョウの木の皮で模様をつけてあるのでそう呼ぶ.お祝いの時あるいはカムイノミ(神への祈り)の場合に敷いたり壁に張る.普通は使わない.▷ニ=木 カㇷ゚=皮 ウン=入る ペ=物 (出典:萱野、方言:沙流)
nikar
ニカㇻ 【ni-kar】 はしご:チクペニ(エンジュ)で作る. (出典:萱野、方言:沙流)
nikaruskot
ニカルㇱコッ 【nikar-us-kot】 薪を取る窪み(地名):これはペナコリ村(平取町下荷負)から南側へ見える窪みにつけられた地名である.ペナコリの東側にポロコッ(大きな窪み)という地名もある. (出典:萱野、方言:沙流)
nikenike
ニケニケ 【nike-nike】 縛る:縄でくるくるっと縛る. エイタサ チㇱ ルイ ペ アナㇰネ サラニㇷ゚ オㇿ ア・オマレ ワ ア・ニケニケ ア・ヨㇺネレ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=あまりにも泣く者は(子供を)袋に入れて縛って懲りさせるといいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
niki
ニキ 【niki】 ひだ. オトゥ コンニキ オレ コンニキ ア・コランケ=ふたつのひだを三つのひだを下ろしてやった(ユカㇻの中で相手の着ている着物を斬る時にこのように言う). (出典:萱野、方言:沙流)
nikihiuk
ニキヒウㇰ 【nikihi-uk】 腰上げをとる,つまんで縫う.▷ニキヒ=ひだ ウㇰ=とる アミㇷ゚ ポンノ タンネ ナ ニキヒ ウㇰ ワ ミレ=着物が少し長いようだから腰上げをとってから着せろ. (出典:萱野、方言:沙流)
nikiseri
ニキセリ 【ni-kiseri】 木のキセル:ラスパ(サビタ)製.*昭和10年代に見澤イソンノアシさんが用いていたのを見たことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
nikne
ニㇰネ 【nikne】 粳(うるち),硬い. タアン ペ ニㇰネ シプㇱケㇷ゚ ヘ アン.リテン シプㇱケㇷ゚ ヘ アン=これは粳イナキビだろうか.餅イナキビだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
niknekamuy
ニㇰネカムイ 【nikne-kamuy】 鬼.*想像上の生き物ではあるがその大きさは桁外れに大きく,鯨1頭を右手の指先へひっかけ,人間の大人3人を小脇に抱えて岩山をすたすた登って行くという具合である(萱野茂『カムイユカㇻと昔話』62頁). (出典:萱野、方言:沙流)
niknep
ニㇰネㇷ゚ 【nikne-p】 悪い奴〔悪口〕. (出典:萱野、方言:沙流)
nikonimu
ニコニム 【ni-ko-nimu】 木に登る,木登り.▷ニ=木 コ=それ ニム=登る (出典:萱野、方言:沙流)
nikonta
ニコンタ 【ni-konta】 木の二股. (出典:萱野、方言:沙流)
nikor/nikoro(ho)
ニコㇿ/ニコロ(ホ) 【nikor/nikoro(ho)】 ひだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nikosuyesuye
ニコスイェスイェ 【ni-ko-suye-suye】 立木に登っている者を木のまま揺すぶる.▷ニ=木 コ=それ スイェスイェ=揺さぶる・揺り動かす (出典:萱野、方言:沙流)
nikotor/nikotoro(ho)
ニコトㇿ/ニコトロ(ホ) 【ni-kotor/-kotoro(ho)】 口蓋,歯茎. ハイーイ セセㇰ ルㇽ ク・ニ アクス ク・ニコトロホ チ ワ ネ ノイネ カㇷ゚ソㇱケ ワ ネㇷ゚カ ケ(ク・エ) カ エアイカㇷ゚=あーあ熱い汁を飲んで私の口蓋火傷したらしく,皮がはがれて何も食べることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
nikur/nikuri(hi)
ニクㇽ/ニクリ(ヒ) 【ni-kur/-kuri(hi)】 木陰. (出典:萱野、方言:沙流)
nikursut/nikursutu(hu)
ニクㇽスッ/ニクㇽストゥ(フ) 【ni-kur-sut/-sutu(hu)】 木の根元.▷ニ=木 クㇽ=蔭 スッ=根元 (出典:萱野、方言:沙流)
nima
ニマ 【nima】 木をくりぬいた器.割り鉢:アユㇱニ(セン),ランコ(カツラ)他で作る. カニ アナㇰネ ニㇷ゚タニ タ ニマ ク・カㇻ ワ ケイヨㇰ(ク・エイヨㇰ) イヨッタ ホㇱキ ネ=私は二風谷で木をくりぬいた器を作って売った一番最初の者である.*大きさや形は様々で小は2合から大きいものは2斗くらい入れられる物もある.図[ニマ] (出典:萱野、方言:沙流)
nimak/nimaki(hi)
ニマㇰ/ニマキ(ヒ) 【nimak/nimaki(hi)】 歯. ミマㇰとも. (出典:萱野、方言:沙流)
nimu
ニム 【nimu】 よじ登る:取りすがって登る,木に登る. (出典:萱野、方言:沙流)
nin
ニン 【nin】 腺組織. ユㇰ ア・リ コㇿ ホン オンナイケ タ ニン セコㇿ ア・イェ ウㇱケ カ アン.ニン タンカリㇷ゚ ア・エ エアイカㇷ゚=鹿の皮を剥ぐと腹の中で,腺組織という部分,大きい腺組織という所もある.腺組織は食べられないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nin
ニン 【nin】 萎む,減る,縮む:だんだんぺしゃんこになっていく(川の水,なっぱを煮た時,月末の月). オンネ・アン コㇿ ア・オソㇿカミ カ ア・ホニヒ カ ニン ワ イサㇺ=年をとると尻の肉も腹の方も縮まってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
nina
ニナ 【nina】 こねる,つぶす. エモ ア・ハㇺネスパ エウン イルㇷ゚ ア・オマレ ア・コニナ ワ シト ネ ア・カㇻ コㇿ エアㇻキンネ ウコトㇺ ワ ケラハ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=ジャガイモをゆでて.それに澱粉を入れて一緒にこねて団子にするととっても似合って味がいいものだよ.*チニナㇷ゚:いろいろなものを混ぜて煮て潰した食べ物.いも,カボチャ,豆など. (出典:萱野、方言:沙流)
nina
ニナ 【nina】 ヒラメ.*平取町内に荷菜という地名がある.大昔津波があった時に大きなヒラメが干上がっていたからこの地名をつけたとか. (出典:萱野、方言:沙流)
nina
ニナ 【nina】 薪取りをする. ニナ クス エキㇺネ=薪を取りに山へ行った. (出典:萱野、方言:沙流)
ninanina
ニナニナ 【nina-nina】 こねて潰す.カボチャと豆などを一緒に煮てしゃもじでこね潰したものがラタㇱケㇷ゚(寄せ煮). (出典:萱野、方言:沙流)
ninarka
ニナㇻカ 【ninarka】 周囲より一段と高くなっている平らな土地. ニㇷ゚タニ タ ニナㇻカ セコㇿ ア・イェ ウㇱケ アナㇰネ 小学校 オロ ワ ピカタ ウン カムイチセ アン ウㇱケヘ ニナㇻカ ネ.ナ リㇰ ワ リエプイ カランケ ウㇱケ リクン ニナㇻカ ネ=二風谷で一段高い所と言う場所は,小学校から南の方の神社がある所が一段高い所.その上の方リエプイに近い所を上の方の高い所と言うよ.*平取町二風谷の小学校の東側の台地,二風谷神社の上をニナㇻカと二風谷アイヌは呼んでいた.そのもうひとつ上の台地をリクンニナㇻカ(上の方の台地の上)と言った.オサッ沢の東側にいたアイヌは平成8年現在の萱野茂二風谷アイヌ資料館の東側の台地をニナㇻカと言っていた.自分たちが暮らしている所からあまり遠くない台地を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
ninasamampe
ニナサマンペ 【nina-samampe】 ヒラメ. (出典:萱野、方言:沙流)
ninkari
ニンカリ 【ninkari】 耳飾り,耳輪. 図[ニンカリ] (出典:萱野、方言:沙流)
ninkarisito
ニンカリシト 【ninkari-sito】 耳輪の形をした団子. イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) ニンカリシト ア・コイプニ クㇽ アナㇰネ サケイユㇱクㇽ ウレハル トゥラノ ア・コイプニ ㇷ゚ ネ ワ=熊送りの時に耳輪の形をした団子を貰える人は祭司の方で,熊の足の裏の肉とともに丁寧にお渡しするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ninke
ニンケ 【ninke】 胆嚢,胆汁. (出典:萱野、方言:沙流)
ninkekoyaku
ニンケコヤク 【ninke-ko-yaku】 胆嚢破裂.▷ニンケ=胆嚢 コ=とともに ヤク=破裂する *胆嚢が破裂すると熊の内臓が苦くなって食べることができなくなるので,潰さないように注意するものである. (出典:萱野、方言:沙流)
ninketeyep 1
ニンケテイェㇷ゚ 【ninke-teye-p】 ①胆嚢ばさみ:胆汁を乾かすためにはさむ薄い板. 図[ニンケテイェㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
ninketeyep 2
ニンケテイェㇷ゚ 【ninke-teye-p】 ②のっぺり:顔が平面的. ク・コロペㇾ エアウネ アㇻパ ワ ニンケテイェㇷ゚ エトゥン ワ エㇰ=孫娘よ隣へ行って胆嚢ばさみを借りて来い.*この意味は,鼻の低い孫娘をヤイプニ(からかう)ために隣へ行かせるが.行かされた本人はそれを知らずに隣へ行ってニンケテイェㇷ゚を借りに来たと言う.それを知っているおとなはそうかそうかと言いながら何か板っ切れを削って持たせるという具合であった.これは実話であり今もそのおばさんは元気でいるが子供を中心にアイヌのおとなたちのゆとりのひとつであったのかもしれない. (出典:萱野、方言:沙流)
ninninkeppo
ニンニンケッポ 【nin-nin-kep-po】 ホタル. (出典:萱野、方言:沙流)
ninninu
ニンニヌ 【nin-ninu】 縫う,針を使って縫う. (出典:萱野、方言:沙流)
nino
ニノー 【nino】 エゾムラサキウニ. (出典:萱野、方言:沙流)
ninpa
ニンパ 【ninpa】 引く.引きずる,引っぱる:綱をつけてたくさんの物を引っぱる. (出典:萱野、方言:沙流)
ninpaninpa
ニンパニンパ 【ninpa-ninpa】 引きずる. (出典:萱野、方言:沙流)
ninu
ニヌ 【ninu】 縫う. カルㇱ ニヌ=シイタケを糸で縫って繋ぐ(10個をシネサイという). (出典:萱野、方言:沙流)
ninum
ニヌㇺ 【ni-num】 木の実. (出典:萱野、方言:沙流)
niouske
ニオウㇱケ 【ni-ouske】 立ち木の根元.▷ニ=立ち木 オウㇱケ=根元 トアン タ アン ポロ チクニ ニオウㇱケ タ ユㇰカルㇱ アン ワ コルウヌ(ク・オルウヌ) ㇷ゚ ネ ア ナ アㇻパ ヌカㇻ ワ エㇰ=あそこにある大きい立ち木の根元にマイタケがあって,知っていたものなので,行って見て来てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
nip/nipi(hi)
ニㇷ゚/ニピ(ヒ) 【nip/nipi(hi)】 柄,つか. トンカニピヒ=鍬の柄.イヨㇰペニピヒ=鎌の柄.エムㇱニピヒ=刀の柄. (出典:萱野、方言:沙流)
nipek/nipeki(hi)
ニペㇰ/ニペキ(ヒ) 【nipek/nipeki(hi)】 光:夜,家の外側から見て家の外へもれるわずかの光をいうもの. アペ ニペㇰ ソユニタラ=火の光がもれて見える.タネ ホッケ・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アナナクス(アン・アン アクス) ヘパシ ペウタンケ ハウ ア・ヌ アロランポソアニネ(アロランポソ・アン ヒネ) ソヨテㇾケアナクス(ソヨテㇾケ・アン アクス) シㇼウフイ ネ ノイネ ポロ アペ ニペㇰ ア・ヌカㇻ=さて寝ようかなと思っていると,下の方へ危急を知らせる叫び声が聞こえ驚いて外へ飛び出ると,火事らしく大きい火の光が見えた. (出典:萱野、方言:沙流)
nipeki at
ニペキ アッ 【nipeki at】 光る,照る,輝く. (出典:萱野、方言:沙流)
niperpa
ニペㇾパ 【ni-perpa】 薪割り.▷ニ=木 ペㇾパ=割る (出典:萱野、方言:沙流)
nipes
ニペㇱ 【nipes】 シナの木の生皮. (出典:萱野、方言:沙流)
nipeskep
ニペㇱケㇷ゚ 【nipes-kep】 (シナの木の皮を)剥ぐ.▷ニペㇱ=シナの木の皮 ケㇷ゚=剥ぐ (出典:萱野、方言:沙流)
nipesni
ニペㇱニ 【nipes-ni】 シナの木.▷ニ=木 ペㇱ=たどる ニ=木 *皮を剥ぐと木をたどって上に行くので木をたどる木と名づけられた.シナ皮は袋に編んだり糸に撚ったり縄に撚ったりしてアイヌが一番多く利用するもの. (出典:萱野、方言:沙流)
nipesponpaki
ニペㇱポンパキ 【nipes-ponpaki】 シナ皮の下穿き,腰から下の肌につける物. ▷ニペㇱ=シナ皮 ポンパキ=下穿き(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nipestu
ニペㇱトゥ 【nipes-tu】 シナ皮の屑. (出典:萱野、方言:沙流)
nipopke
ニポㇷ゚ケ 【nipopke】 あめる(腐る,すえる). ヘンパラ エ・スパ アマㇺ ネ ヤー ポンノ ニポㇷ゚ケ ノイネ フラハ アッ ナ.フララッカ ワ インカㇻ=いつお前が煮たご飯か,少しあめているらしくにおいがするぞ,においをかいでみてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
nipopkehura
ニポㇷ゚ケフラ 【nipopke hura】 あめた(すえた)におい. (出典:萱野、方言:沙流)
nipow
ニポウ 【nipow】 ホッケ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
nipu
ニプ 【ni-pu】 薪を立てかけてある様子.▷ニ=薪 プ=蔵 (出典:萱野、方言:沙流)
niras/nirasu(hu)
ニラㇱ/ニラス(フ) 【ni-ras/-rasu(hu)】 木片,木切れ,木っ端. (出典:萱野、方言:沙流)
nire
ニレ 【ni-re】 吸わせる. ネユン ネユン ネ ワ オホンノ ソモ イペノ アン ペ エクㇱコンナ ピㇼカ ㇷ゚ ア・エレ コㇿ カカ ウェン.チェㇷ゚モトッ ネ ヤ チェㇷ゚ モㇰラㇷ゚ ネ ヤ ア・ヨモモ ワ ルリヒ ア・ニレ ワ エアシㇼ ポンノー ランケ ア・イペレ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=いろいろなことでしばらく物を食べないでいた者に,急にいい物を食べさせることはそれも悪い.魚の背骨とか魚のひれなどを焦がしその汁を吸わせてから初めて少しずつ食べさせるものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
nirek
ニレㇰ 【ni-rek】 サルオガセ〔植〕:高い山へ行くと木にひげのように下がっている.▷ニ=木 レㇰ=ひげ (出典:萱野、方言:沙流)
nirewerewe
ニレウェレウェ 【nirewe-rewe】 泣きべそ(をかく),今にも泣きそうな顔(をする). ポロ ㇷ゚ オラウン アキヒ オㇿ ワ ネㇷ゚カ ア・イェ コㇿ ナーニ ニレウェレウェ コㇿ アン=体は大きいのに弟から何か言われるとすぐに泣き出しそうな顔をする. (出典:萱野、方言:沙流)
nirus
ニルㇱ 【ni-rus】 (樹上の)苔.▷ニ=木 ルㇱ=皮 →木がまとっている皮 (出典:萱野、方言:沙流)
nirus/nirusi(hi)
ニルㇱ/ニルシ(ヒ) 【nirus/nirusi(hi)】 牙,犬歯,歯茎. ウェン セタ ウタㇻ ウウェトゥナンカㇻ コㇿ オラーノ タネ タネ ウコテㇾケ パ ペコㇿ ニルシヒ サンケ パ ウコホノイセ=悪い犬ども.行き合うと今にも今にも取っ組み合うかのように牙を出してにらみあって声を出す.ポㇰナ ニルㇱ カンナ パトイェ イカスレ カンナ ニルㇱ ポㇰナ パトイェ イカスレ=下あごの牙が上唇の上へ出て上あごの牙が下唇の下へ出て(ユカㇻの中での狼の描写). (出典:萱野、方言:沙流)
nis
ニㇱ 【nis】 雲. (出典:萱野、方言:沙流)
nis hecaka
ニㇱ ヘチャカ 【nis hecaka】 晴れる. (出典:萱野、方言:沙流)
nisa
ニサ 【nisa】 太い樹木の空洞,うろ.*昔話の中に自分の子供をじゃまに思ってニサ オㇿ オマレ=空洞へ入れた,という話がある. (出典:萱野、方言:沙流)
nisa
ニサ 【nisa】 終わった. ク・イペ ニサ=私は食べ終わった.ク・カㇻ ニサ=わたしは作り終わった.ク・ヌイェニサ=私は書き終わった. (出典:萱野、方言:沙流)
nisao
ニサオ 【nisa-o】 空洞がある. (出典:萱野、方言:沙流)
nisaocikuni
ニサオチクニ 【nisa-o-cikuni】 空洞の木.▷ニサ=空洞 オ=入る チクニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
nisap
ニサㇷ゚ 【nisap】 急に. (出典:萱野、方言:沙流)
nisap/nisapi(hi)
ニサㇷ゚/ニサピ(ヒ) 【nisap/nisapi(hi)】 脛,むこう脛. (出典:萱野、方言:沙流)
nisapka
ニサㇷ゚カ 【nisap-ka】 急がせる,早める,せかす. (出典:萱野、方言:沙流)
nisapno
ニサㇷ゚ノ 【nisap no】 急に,突然.大急ぎ. (出典:萱野、方言:沙流)
nisappone
ニサッポネ 【nisap-pone】 脛の骨. テエータ アナㇰネ ユㇰ ニサㇷ゚ポネ アㇻケヘ ア・ケウレ ワ ア・エエンカ オㇷ゚ イペ ネ ア・カㇻ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずーっと大昔は鹿の脛の骨を片方を削ってとがらせて槍の穂先にしたものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nisasnu
ニサㇱヌ 【nisasnu】 健康だ,元気だ,丈夫だ. エノンタプシ ㇷ゚ アナㇰネ ニサㇱヌ ㇷ゚ ネ.イテキ エコレウェン=よだれをたらす子供は丈夫な者だ.そのことでいじめるな. (出典:萱野、方言:沙流)
nisat
ニサッ 【nisat】 明け方:夜明けの空の白み. (出典:萱野、方言:沙流)
nisatcawot
ニサッチャウォッ 【nisat-sawot】 明けの明星. ニサッチャウォッ カリ=明けの明星が回る. (出典:萱野、方言:沙流)
nisatta
ニサッタ 【nisatta】 明日. (出典:萱野、方言:沙流)
nisattakunneywa
ニサッタクンネイワ 【nisatta-kunneywa】 明朝,翌朝. (出典:萱野、方言:沙流)
nisattaonuman
ニサッタオヌマン 【nisatta-onuman】 明晩. (出典:萱野、方言:沙流)
nise
ニセ 【nise】 すくう,汲む. ス ポㇷ゚ ワ ウウェヘ イカ ノイネ シㇼキ ナ ホクレ ネㇷ゚カ エウン ルリヒ ニセ ワ アヌ=鍋が煮え立って煮汁が吹きこぼれそうなので早く何か入れ物に汁をすくっておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
nisempir
ニセンピㇼ 【ni-sempir】 木の陰. タント ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) ニセンピッタ(ニセンピㇼ タ) ク・ヨコ ワ カナクス(ク・アン アクス) モマンペ ネヤ アㇷ゚カ ネヤ ウオㇱウオㇱ サン ペ ネ クス ポロンノ スマウェヘ ク・コㇿ=今日山へ行って木の陰に待ち構えていると雌鹿や雄鹿が次から次と出て来たのでたくさんの猟があった. (出典:萱野、方言:沙流)
nisew
ニセウ 【nisew】 どんぐり. (出典:萱野、方言:沙流)
nisewtuki
ニセウトゥキ 【nisew-tuki】 小型杯,形の小さい杯:漆器.▷ニセウ=どんぐり トゥキ=杯 →どんぐりのへたのような形をしている杯 図[ニセウトゥキ] (出典:萱野、方言:沙流)
nisey
ニセイ 【nisey】 崖:箱のような崖. (出典:萱野、方言:沙流)
nisikayehe
ニシカイェヘ 【ni-sikayehe】 木で作った目釘.▷ニ=木 シカイェヘ=目釘 (出典:萱野、方言:沙流)
nisike
ニシケ 【ni-sike】 薪の荷,薪を背負う.▷ニ=薪 シケ=荷物 ニシケ ワ イワㇰ=薪を背負って帰って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
nisittap
ニシッタㇷ゚ 【ni-sittap】 木鍬:イワニ(アオダモ)製. 図[ニシッタㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
niska
ニㇱカ 【niska】 惜しい,もったいない. タンパ アナㇰネ アㇷ゚ト パーテㇰ アㇱ ワ シㇼチュㇰ ヤッカ アエㇷ゚ ヌモ ヤ ソモ ヤ ア・エランペウテㇰ.アエㇷ゚ ア・ニㇱカ ナ オトゥペカレ ヤン=今年は雨ばかり降って,秋になっても食べ物,実が入るか入らないか全くわからない.食べ物が惜しいので大切にしなさい.ポロンノ ヌイラ ア・ウㇰ ヒネ エケシンネ ア・エイメㇰ ア コㇿカ ミマラハ フラルイ ア・ニㇱカ コㇿカ ア・オスㇽパ=たくさんウグイを獲ってあちこちに配ったが.残りににおいがついたのでもったいないと思ったが捨てた. (出典:萱野、方言:沙流)
niskur
ニㇱクㇽ 【niskur】 雲. (出典:萱野、方言:沙流)
niskur an
ニㇱクㇽ アン 【niskur an】 曇る,曇り. (出典:萱野、方言:沙流)
nisomap
ニソマㇷ゚ 【nisomap】 案じる,気にする,気がかりだ. ソンノ ア・エニソマㇷ゚=本当にあの人(病人)のことが気がかりだ.ウヌフ ウタㇻ レウシノ ネンカ アㇻパ パ コㇿ ク・ミッポホ ウタㇻ ク・シッカシマパ ソンノ アッ ア・コテ ワ ア・スイェー ペコㇿ イキ パ コㇿ ケニソマㇷ゚(ク・エニソマㇷ゚)パ.ウトゥル タ ミッポ トゥラ ウコイキカ・アㇱ=母親たちが泊まりがけでどこかへ行ってしまうと私の孫たちを預かるが,本当に縄をつけて振り回すような動きをする.私はそれを案じる.時には孫とけんかもする. (出典:萱野、方言:沙流)
nisor
ニソㇿ 【nisor】 空,天. ニソㇿ クㇱ ペ ア・トゥスエランケ トイ トゥㇺ クㇱ ペ ア・トゥスエプス パㇰノ ヌプㇽ ペ ア・ネ ルウェ ネ=空を通る者呪術で下ろし,土の中を通る者呪術で掘り出し,それほど呪術に長けた者,私なのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nisositciw
ニソシッチウ 【nis-o-sir-ciw】 遠い所.▷ニㇱ=雲 オ=それ シㇼ=大地 チュー=刺す ニソシッチュー イマカケ タ ニタイ サㇰ モシㇼ=雲が大地に突き刺さったそのまた向こうの森も林もない国土.*ニソシッチュー イマカケ タ ニタイ サㇰ モシㇼへ魔物を追放する話がよくある. (出典:萱野、方言:沙流)
nispa 1
ニㇱパ 【nispa】 ①金持ち,物持ち,裕福な人,紳士,人徳のある人.*時にはそうでない人に冷やかしにニㇱパと言うこともある. (出典:萱野、方言:沙流)
nispa 2
ニㇱパ 【nispa】 ②あなた,夫,人. (出典:萱野、方言:沙流)
nispaanusi
ニㇱパアヌシ 【nispa-an-usi】 物持ちの家. ニㇱパアヌシ アナㇰネ チセコッチャ ワノ チセ エルㇷ゚シ パㇰノ イランマカカ ア・シッチャㇱヌレ ワ アン=物持ちの家というものは家の前から家の後ろまで丁寧に掃除されている. (出典:萱野、方言:沙流)
nispake
ニㇱパケ 【nispa-ke】 裕福な人. ク・コㇿ ニㇱパケ=私が尊敬できるりっぱな御方よ(呼びかけあるいは挨拶の言葉).*ニㇱパの後にケをつける場合は本当に尊敬できる人にのみ. (出典:萱野、方言:沙流)
nispane
ニㇱパネ 【nispa-ne】 富裕,裕福(だ). ニㇱパネパㇷ゚ ネイタ パㇰノ ソモ ニㇱパ ネ ウェンクㇽ セコㇿ ア・イェ ウタㇻ ネイタ パㇰノ ソモ ウェンクㇽ ネ イテキ ア・ウェンクラㇱパ ㇷ゚ ネ=物持ちと称せられる者はいつまでも物持ちではない,貧乏と言われる人たちはいつまでも貧乏人ではない,絶対に軽蔑してはいけないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nisposoinkar
ニㇱポソインカㇻ 【nis-poso-inkar】 化け物:雲を透かして見る化け物.▷ニㇱ=雲 ポソ=透かす インカㇻ=見る *想像上の化け物なのでその姿はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
niste
ニㇱテ 【niste】 強い,堅い:壊れにくい. (出典:萱野、方言:沙流)
nisteni
ニㇱテニ 【niste-ni】 堅い木. (出典:萱野、方言:沙流)
nisu
ニス 【nisu】 臼. (出典:萱野、方言:沙流)
nisuhuci
ニスフチ 【nisu-huci】 臼,婆さん. 臼は女性と考えられていた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nisuk
ニスㇰ 【nisuk】 頼む,雇う. (出典:萱野、方言:沙流)
nisukatkemat
ニスカッケマッ 【nisu-katke-mat】 臼の淑女:その家の主婦が病気になったとか難産の場合に,臼は主婦が使う道具なので,ニスカッケマッ アコアスラニ/アスルアニ(臼の女神に助けを求める)といってお祈りをすると,治ったり無事に生まれたりした.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nisuwamne
ニスワㇺネ 【nisuwamne】 強い,丈夫だ.(主として物に対して). ニスワㇺネ チㇷ゚=丈夫な舟.ニスワㇺネ ス=丈夫な鍋. (出典:萱野、方言:沙流)
nit/nici(hi)
ニッ/ニチ(ヒ) 【nit/nici(hi)】 棒,柄. ソンノ ウウェイㇼパㇰノ エチ・オカ ペ ロルン メノコポ エネ アリキキ エ・シキヒ ニテマカ(ニッ エマカ) ワ インカㇻ=本当に同じに生まれたお前たち,上隣の娘のあの働くこと,お前の目(の上まぶたと下まぶたの間)に棒を挟んで見ろよ. (出典:萱野、方言:沙流)
nitan
ニタン 【nitan】 足が速い,急ぐ. エキㇺネ・アン クス ホユプ・アン コㇿ ア・セトゥル タ ア・コㇿ イカヨㇷ゚ オマウスイェ パㇰ ノ ニタナン(ニタン・アン)=狩のために山へ行く時に走ると,背中で矢筒が宙に浮くほどに私は足が速い[ユ].ア・イ・ホッパ ノイネ シㇼキ ナ ニタン・アン ロー=私たちが残されそうだから急ぎましょう.ニタンノ アㇻパ=早く行け.ホクレ ニタン=さあ急げ.ネア メノコ スイ ホクコイワㇰ クス ネ ノイネ ポン トゥトゥッコ エヤㇻポㇰアニ カネ ニタン ワ アㇻパ シリ ク・ヌカㇻ=あの女はまた男の所へ行くためらしく小さい包みを小脇に抱えて急いで行ったのを私は見た(夫の所へ行くことをホクコイワㇰ.妻の所へ行くことを,マッコイワㇰという). (出典:萱野、方言:沙流)
nitat
ニタッ 【nitat】 湿地.谷地.*私萱野茂が生まれ育った二風谷村でのニタッは現在の長野ちえ子さんの家から北東,貝澤鉄雄さんの家から西側一帯は広い谷地原であった.谷地でも背丈の低い灌木が密生していて.タクッペ(谷地坊主)がたくさん生えていたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
nitat'unarpe
ニタッウナㇻペ 【nitat-unarpe】 湿地のおば. ニタッウナㇻペ アナㇰネ チェオㇱケサラニㇷ゚ ヘウシ アーペコㇿ オトピヒ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=湿地にいる化け物おばはチェオㇱケサラニㇷ゚を頭にかぶったような髪をしているものだそうだ.*湿地には湿地の主というニタッウナㇻペがいるものと信じられていた.別名をケナシウナㇻペ(原っぱのおば)ともいう.髪を長くして肩にかぶっているがこれを見るとあまりよいことがないものとされていた.想像上の化け物らしいが実際に見たという人もいる.真相はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
nitata
ニタタ 【nitata】 両方の脇から支える,抱きしめる,脇から抱えるように手を添える. ニタタ ワ トゥラ ワ アㇻパ=脇から抱えて連れて行け.イヨㇱキクㇽ ニタタ=酔っ払いを抱えて歩かせる.イク ア イク ア コㇿ オラーノ ウェニヨㇱキ アㇷ゚カㇱ カ コヤイクㇱ.ウレンテㇰ ア・ニタタ=飲んで飲んでそのあげく泥酔して歩くこともできない,両方の手を支えられて. (出典:萱野、方言:沙流)
nitatkene
ニタッケネ 【nitat-kene】 谷地ハン:湿地に生えているハンノキのこと.▷ニタッ=湿地 ケネ=ハンノキ (出典:萱野、方言:沙流)
nitatsinkep
ニタッシンケㇷ゚ 【nitat-sinkep】 谷地ハギ.*昭和10年代萱野茂の父のアレㇰアイヌはキセルのらおにしていた. (出典:萱野、方言:沙流)
nitay
ニタイ 【nitay】 林,森. (出典:萱野、方言:沙流)
nitaykarpe
ニタイカㇻペ 【nitay-kar-pe】 風:林に吹きつける風.主として[ユ].▷ニタイ=森 カㇻ=作る ペ=もの (出典:萱野、方言:沙流)
nitaysakmosir cikapsakmosir
ニタイサㇰモシㇼ チカㇷ゚サㇰモシㇼ 【nitay-sak-mosir cikap-sak-mosir】 森も林もなく鳥もいない国土.*アイヌが暮らしている国土とは違う所の国土だとアイヌは考えていて,悪い化け物を追放する所.砂漠のような所を想像した. (出典:萱野、方言:沙流)
nitek/niteke(he)
ニテㇰ/ニテケ(ヘ) 【ni-tek/-teke(he)】 木の枝. ク・コㇿ ション イヤイ ナ イテキ ニテㇰ アネ ウㇱケ パㇰノ アㇻパ アニー=坊や,危ないから木の枝の細い所まで行くんでないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
nitemaka
ニテマカ 【nit-e-maka】 棒で開ける.▷ニッ=棒 エ=それで マカ=開く エ・シキヒ ニテマカ ワ インカㇻ=お前のまぶたに棒をあてて広く開けて見ろ(自分の子供たちを叱る時に,どこそこの子供たちはあのように働いているぞ,まぶたにつっかい棒をしてよく見ろ,と言う). (出典:萱野、方言:沙流)
niteyeteye
ニテイェテイェ 【niteye-teye】 いい顔いい顔:誕生日前の幼児がいろいろな表情をすること. (出典:萱野、方言:沙流)
nitne
ニッネ →ニㇰネ (出典:萱野、方言:沙流)
nitnep
ニッネㇷ゚ →ニㇰネㇷ゚ (出典:萱野、方言:沙流)
nitomosma
ニトモㇱマ 【ni-tom-osma】 木にぶつかる. アㇻパ アㇻパ ニトモㇱマ=行き先行き先で木にぶつかる(落ち着きのない人間は行方が定まらず目を閉じて林の中を歩いているかのようにそこらここらで物にぶつかり木に突き当たるような者だという悪口.自分自身をあざける時にも使う). (出典:萱野、方言:沙流)
nitope
ニトペ 【ni-tope】 木の乳汁.▷ニ=木 トペ=乳汁 ニトペ アナㇰネ パイカㇻ ナ ウパㇱアン ウカ カ アン ラポㇰ タ イヨッタ ア・ウㇰ エアㇱカイ ペ ネ=木の乳汁は春にまた残雪のある堅雪になった頃が一番採取できるものだ.*イタヤカエデという木の樹液.大変甘い. (出典:萱野、方言:沙流)
nittekkewe
ニッテッケウェ 【nit-tek-kewe】 硬直した死体. (出典:萱野、方言:沙流)
nittom
ニットㇺ 【nittom】 すきも. ホサリ ニットㇺ ヘキル ニットㇺ ア・エアイカㇷ゚テ=私の方へ向くすきも体を向けるすきも,私はそれをさせない[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
nitumam/nitumama(ha)
ニトゥマㇺ/ニトゥママ(ハ) 【ni-tumam/-tumama(ha)】 幹.▷ニ=木 トゥマㇺ=幹 (出典:萱野、方言:沙流)
nituye
ニトゥイェ 【ni-tuye】 伐採:樹木を切ること. (出典:萱野、方言:沙流)
niur
ニウル 【ni-ur】 (樹上の)苔. (出典:萱野、方言:沙流)
niuype
ニウイペ 【ni-uype】 木切れ,棒っ切れ,薪屑. (出典:萱野、方言:沙流)
niwa
ニワ 【niwa】 内庭. イテキ アイヌヌㇺケノ アペエトㇰ ワノ ニワ パルㇽ タ アン ウタㇻ パㇰノ イサㇷ゚テ・アン ペ ネ=絶対に人選びせずに横座の方から内庭の縁に座っている人たちまで給仕するものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
niwciri
ニューチリ 【niwciri】 文句を言う,ちゃちゃを入れる,人がせっかく話をしている時に横合いから口をはさんでじゃまをする.この場合,ニューチリサㇰノ(じゃまもなく)として使うことがあり,前後の言葉に注意すること.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
niwen
ニウェン 【ni-wen】 乱暴な,怒っている.激しい,厳しい:すぐに暴れる,(犬が)すぐかみつく. (出典:萱野、方言:沙流)
niwenhoripi
ニウェンホリピ 【niwen-horipi】 神々に注意を促す行進,変死人が出た時の儀式的な行進:火事の後始末の時も行なう.男は刀を抜いて右手に持って隊列を組み,女はその後へ手に手に杖を持って一緒に行進する.力強く一歩一歩行くが,男が一言言うとその後へ女はウォーイという声を出す."ワッカウㇱカムーイ" "ウォーイ" "エ・コㇿ イウォㇿ ター" "ウォーイ" "タパンペネノー" "ウォーイ"という具合であった. (出典:萱野、方言:沙流)
niwkes
ニウケㇱ 【niwkes】 〜できない. イセポカ ア・アヌ ヒ タ ヘピタニ ネ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ チキサニ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ.ア・エネネ ヤッカ カイ ニューケㇱ ペ ネ=ウサギの罠をしかける時にばね木に作る木はアカダモが一番いいものだ.曲げても折れにくいものだ.テエータ ワノ アネアサ(アン・エアサ) ワ アナ(アン ア) トゥキパスイ ナ ク・カㇻ ニューケㇱ.ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ) コㇿ カン(ク・アン)=ずーっと前から私が注文を受けてあった捧酒箸,まだ作り終わらない.そのことについて私は気にしながらいる.コタン アパパ タ アユㇱ ニカムイ ア・ニスㇰ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ カ コタノルン(コタン オルン) アフン ニューケㇱ=村の入り口の向こう側にとげつきの神を頼んで置くと病気の神も村へ入ることができない.ネユン ア・イェ ヤッカ ア・エニューケㇱ=どのように私が言ってもいやがった(できない). (出典:萱野、方言:沙流)
niwnatar
ニューナタㇻ 【niwnatar】 渋い,すっぱい,苦々しい顔[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
niwniwse
ニウニウセ 【niwniwse】 な(鳴・啼)く,ひゅんひゅんと出す声:犬が吠えるのではなく低い声でしっぽを振りながら主人を迎える時の声. セタ ニューニューセ=犬がひゅんひゅんと出す声. (出典:萱野、方言:沙流)
niwrotke
ニウロッケ 【niwrotke】 すっぱい. (出典:萱野、方言:沙流)
niyarpok/niyarpoki(hi)
ニヤㇻポㇰ/ニヤㇻポキ(ヒ) 【niyar-pok/-poki(hi)】 ひかがみ(膝の後ろのへこんでいる所). ヘカッタㇻ チニ ア・アニ ヒ タ オㇱマケ ワ ニヤㇻポキヒ ウレンテㇰ アニ ア・アニ ワ チニ ア・アニ ㇷ゚ ネ ア ワ=子供たちに,おしっこをさせる時に,後ろからひかがみを両方の手で持っておしっこをさせるものだった(このようなやりかたでおしっこをさせることを,チニアニと言う). (出典:萱野、方言:沙流)
niyatus
ニヤトゥㇱ 【niyatus】 木の皮の器,木の皮のバケツ,手桶. (出典:萱野、方言:沙流)
niyeniste
ニイェニㇱテ 【ni-e-niste】 我慢する. (出典:萱野、方言:沙流)
niyesike
ニイェシケ 【ni-e-sike】 背負子. 図[ニイェシケ] (出典:萱野、方言:沙流)
niyetu
ニイェトゥ 【niyetu】 にきび. (出典:萱野、方言:沙流)
no
ノ 【no】 最も,全く,本当に〔強意〕. エルㇺ ネㇷ゚カ タタ コㇿ コナハ(ク・オナハ) エネ ハワニ エルㇺカムイ ノ トノケヘ エルㇺ ノットゥ タ アン ペ ネ ナ.エチ・コヨンヌッパ ナ.シコㇿ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=ネズミが何か物をかじったら私の父が言ったのは,ネズミの神の最も偉い神は襟裳の岬にいるものだ,お前をそこへ訴えるぞ,と言っていたのを聞いたものだ.ノ ヌワシ ノ アン=全くのしらふでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
no
ノ 【no】 〜で. イテキ オピッタ エ ノ ポン ノ アヌ.エ・サハ イペルスイ コㇿ エㇰ ナンコㇿ ナ=全部食べないで少し残せ,お前の姉が腹をすかせて来るであろうから. (出典:萱野、方言:沙流)
no
ノ 【no】 〜ように,〜ぐらい. (出典:萱野、方言:沙流)
noan
ノアン 【noan】 〜ぐらい(の). (出典:萱野、方言:沙流)
noci(hi)pon
ノチ(ヒ)ポン 【noci(hi)pon】 少量,量が少ない. (出典:萱野、方言:沙流)
noci(hi)poro
ノチ(ヒ)ポロ 【noci(hi)poro】 多量,量が多い. イユタㇷ゚ エ・イヨ ヒ タ ノチポロノ オマレ アニ ノチポン コㇿ コネ ワ イサㇺ ナ=バッタリへヒエを入れる時に量を多く入れてね,量が少ないと砕けてしまうので.ク・コロペㇾ(ク・コㇿ オペㇾ) エ・イユタ コㇿ エ・アン コㇿカ ノチヒポロ コㇿ ピㇼケ モイレ ㇷ゚ ネ ナ ノチヒ ポンテ アニー=娘よ,搗き物をしているが,量が多いと精白になるのが遅いものだから量を少なくしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
nociw
ノチウ 【nociw】 星. タヌクラン アナㇰ ノチュー クㇽカ テㇱナタラ トイタサオッ ア・ヌカンノ(ア・ヌカㇻ ノ)=今夜は星月夜で北斗七星がよく見える.コナハ(ク・オナハ) トゥラノ チェㇷ゚コイキ クス ペトッタ(ペッ オㇿ タ) ラパㇱ(ラㇷ゚・アㇱ) ムネウカオマㇷ゚ サマ タ ポンアペ ア・アリ ノチュークㇽカ テㇱナタラ マッコイワㇰノチュー ヌカㇻ ワ エネ ア・イェ ヒ エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ)=父と一緒にサケ獲りに川へ下りて草小屋の前で小さい火をたいて,降るような星空の流れ星を見てはその名前を私に教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
nociw'okanto
ノチウオカント 【nociw-o-kanto】 星の空.▷ノチュー=星 オ=にある カント=空 (出典:萱野、方言:沙流)
nok/noki(hi) 1
ノㇰ/ノキ(ヒ) 【nok/noki(hi)】 ①卵. ノㇰカラリ=卵を抱く. (出典:萱野、方言:沙流)
nok/noki(hi) 2
ノㇰ/ノキ(ヒ) 【nok/noki(hi)】 ②睾丸,きんたま. オッカヨ ソイ タ ルプㇱ ノイネ イキ ヒ タ ホㇱキノ ノキヒ ルプㇱ ペ ネ クス メノコ アトゥサ ノ カメポㇷ゚ケレ ワ エアシㇼ シㇰヌ ㇷ゚ ネ=男性が外で凍死しそうになった時に先に睾丸が凍るものだ.その場合は女性が裸になって素肌で暖めて初めて生き返るものだ.*昭和6年に荷負本村のアイヌの青年が宿志別の上流に遭難,ふたり死亡,木村文太郎青年は凍死寸前に発見された.その時に造林飯場にいた娘,蝶田みさ(後に貝澤みさ)さんが文太郎さんを自分の素肌で暖めて助けたという.これと反対に女性が凍死する時は乳房が先に凍るもの,その場合は男性の肌で暖めると助かるものである.この話は文太郎さんの実の姉である西島てるさんが詳しく教えてくれたが,本当に最後の手段の場合は男性の睾丸を女性が口に含むこと,女性の乳房は男性が口に含むのが最も効果があるものだよと聞かせてくれた.そして凍死寸前の者は「ア・アペコセセッカ コㇿ シㇰヌ ㇷ゚ カ ライ ワ イサㇺ ペ ネ=火で暖めると生きる者も死んでしまうものだ」ということ. (出典:萱野、方言:沙流)
noka/noka(ha)
ノカ/ノカ(ハ) 【noka/noka(ha)】 形. アイヌ アナㇰネ キムンカムイ ノカ ヘネ ネㇷ゚ネㇷ゚ ノカハ ソモ カㇻ ペ ネ.ウェンサンペ コㇿ ペ カㇻ ペ アナㇰネ ネノ ウェンサンペ コㇿ ワ ア・シトマ ㇷ゚ ネ シコㇿ テエタ クㇽ ハウェ オカイ ペ ネ=アイヌは熊の形とかいろいろなものの形は作らないものであった.悪い精神の者が作った物.そのように悪い精神を持って恐ろしいものだと昔の人は言ったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nokan
ノカン 【nokan】 小さい,細かい. ノカンノ カㇻ=小さく作れ.ノカン カㇱパ=小さすぎる.ノカン ヒケ=小さいほう. (出典:萱野、方言:沙流)
nokananmanukusu
ノカナンマヌクス 【nokan-anmanu-kusu】 小さ過ぎるからといって,若過ぎるからといって. ▷ノカン=小さい,若い アンマヌ=からといって クス=ために *イェㇷ゚ネウㇷ゚ソロ=若い懐,若過ぎるためにあなたの心が分からなかった[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nokankamnoci
ノカンカㇺノチ 【nokan-kam-noci】 小さい肉の塊. ▷ノカン=小さい カㇺ=肉 ノチ/ノチヒ=塊 ノカンカㇺノチ ルㇷ゚ネカㇺノチ ウカエチャリ=小さい肉塊,大きい肉塊,それが散らかり. *ルㇷ゚ネ=大きい カㇺ=肉 ノチ=塊 ウカ=互いに エ=それ チャリ=散らかし[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
noki
ノキ 【noki】 軒. (出典:萱野、方言:沙流)
nokicorpok
ノキチョロポㇰ 【noki-corpok】 軒下. (出典:萱野、方言:沙流)
nokietupsi
ノキエトゥㇷ゚シ 【noki-etupsi】 軒先. (出典:萱野、方言:沙流)
nokipe
ノキペ 【noki-pe】 雨垂れ.▷ノキ=軒 ペ=雫 (出典:萱野、方言:沙流)
nokipekonru
ノキペコンル 【noki-pe-konru】 つらら.▷ノキ=軒 ペ=雫 コンル=氷 クポニ(ク・ポン ヒ) タ フチ ウタㇻ エネ エン・イェ ヒ ノキペコンル ア・ウㇰ コㇿ スイ メアン ペ ネ ナ イテキ ウㇰ アニ セコㇿ ア・エン・イェ ㇷ゚ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン) ク・ミッポ ウタㇻ エウン ネノ ク・イェ=私が子供の頃におばあさんが私に言ったのは,つららを取るともう1度寒くなるものだから取ってはならないと私は言われた.それを思い出して私の孫たちへ同じことを言っている.*つららを取ることは軒下に行くことになり危険なのでそのように教えたのであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
noko
ノコ 【noko】 のこぎり. 図[ノコ] (出典:萱野、方言:沙流)
nokoske
ノコㇱケ 【nokoske】 やきもち,嫉妬. ノコㇱケ ルイ=嫉妬深い.カンナカムイ アナㇰネ エアㇻキンネ ノコㇱケ ルイ カムイ ネ クス カムイフㇺ アン ヒ タ アナㇰネ イテキ ウコオモイヌ・アン ペ ネ ナ=雷(竜神)はたいへんやきもちやきの神なので,雷の音のする時は夫婦の交わりをしてはいけません. (出典:萱野、方言:沙流)
nokunneywa
ノクンネイワ 【no-kunneywa】 全く朝早く. ウクラン ネ レラ ルイ ヒクス ヤㇺ ア・ウォマレ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ノクンネイワ ヘカッタㇻ イイェトゥㇱマㇰ(イ・エトゥㇱマㇰ) シネ ヤㇺ カ ア・パ エアイカㇷ゚=昨夜風が吹いたので私はクリを拾い集めると思っていたのに,全く朝早くから子供たちが私の先回りをして一粒のクリも見つけられなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
nokunneywano
ノクンネイワノ 【no-kunneywa no】 明け方. (出典:萱野、方言:沙流)
nokuyap
ノクヤㇷ゚ 【nokuyap】 ツバメ. (出典:萱野、方言:沙流)
nomi
ノミ 【nomi】 祈る,祭る. (出典:萱野、方言:沙流)
non/noni(hi)
ノン/ノニ(ヒ) 【non/noni(hi)】 唾,唾液,よだれ. (出典:萱野、方言:沙流)
nona
ノナ 【nona】 ナマコ. (出典:萱野、方言:沙流)
noncir/nonciri(hi)
ノンチㇼ/ノンチリ(ヒ) 【noncir/nonciri(hi)】 唾. (出典:萱野、方言:沙流)
nonkar
ノンカㇻ 【nonkar】 様子を見る,窺う,ひそかに覗く,見回り. ホクレ ホプニ ワ アㇰペ ノンカㇻ ワ エㇰ=早く起きて罠を見回ってこい.タント ムンチロ トイ ク・ノンカㇻ アクス イサ ワ アン.ニサッタ イチャ クス アㇻパ・アン ナ=今日,アワ畑を私が見に行ったら実が入っていた.明日は穂を摘みに皆で行くよ.オサッ ポンノ エ・トゥラシ ポン ニナㇻカ タ イセポカ カヌ(ク・アヌ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ア ナ ニサッタ クンネイワ カ ノンカㇻ ワ エㇰ アニー=オサツノ沢を少しのぼって行って小さい台地にウサギの罠を置いて来たので,明日の朝罠を見に行って来てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
nonno
ノンノ 【nonno】 花. (出典:萱野、方言:沙流)
nonno hecirasa
ノンノ ヘチラサ 【nonno hecirasa】 花が咲く. (出典:萱野、方言:沙流)
nonno sumumke
ノンノ スムㇺケ 【nonno sumumke】 花がしぼむ. (出典:萱野、方言:沙流)
nonnoitak
ノンノイタㇰ 【nonno-itak】 お祈りの言葉,神々へ祈る時の言葉. ネイタパㇰノ ニサㇱヌトゥマム エコㇿクニネ エチエイノンノイタㇰナ=いつまでも元気な体をお持ちになれますように,あなたのことを祈るよ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nonnokeni
ノンノケニ 【nonno keni】 花芽. (出典:萱野、方言:沙流)
nonuwasi
ノヌワシ 【nonuwasi】 全く酒気がない. タンペ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン アチャポ ノヌワシノ アフン カネ イキ.ア・エランポㇰウェン ヒクス ポン トックリ ア・ホㇰ ヒネ ア・クレ アクス ラムリテン ワ ホノイ シノッチャキ コㇿ ホシピ ワ アㇻパ=いつもないこと,下のおじさん,全く酒気なしにひょっこりと入って来た.かわいそうに思ったので小さい瓶を私が買って飲ませると上機嫌になって微かな歌を口ずさみながら戻って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
nonuyna
ノヌイナ 【no nuyna】 しっかり隠す.▷ノ=全く ヌイナ=隠す (出典:萱野、方言:沙流)
nooka
ノオカ 【nooka】 それほど,さっぱり. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ クワㇱ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ノオカ チェ(チ・エ) カ エアイカㇷ゚ ペ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ トペンペ カ ネㇷ゚ パㇰノ アン=私が子供の頃は菓子というものはそれほど食べられなかったが,今は甘い物もいくらでもある.ク・パハ トゥペサンペ イカㇱマ シネホッ パㇰノ アン ヒ ワノ イヌイェ パテㇰ ネㇷ゚キ ネ ク・キ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ノオカ イヌイェ カ ソモ ク・キ=私の年が28歳の時から彫り物だけを仕事にしていたものであったが,今はそれほど彫り物も私はしていない.カムイ サシミ アナㇰネ ノオカ ポニ(ポン ヒ) ワノ ピㇼカ カ ソモ ㇷ゚ ネ チマウㇱ ネ ヤ ネユンネユン ア・エシシ ノオカイペ ネ クス ア・エヤㇺ ペ ネ=神の授かり子というものはそれほど小さい時からいい格好でもなくかさぶただらけとか人が避けるような姿をしているものなので大切にするものだ.クポニ(ク・ポン ヒ) タ ニナ クス クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ エキㇺネ・アㇱ エイタサ ク・メライケ ㇷ゚ ネ クス ク・ヌペコラパㇷ゚セ エ・ポロ ワ ネ ヤㇰネ ネンカタ エ・イキ ワ ニㇱパ エ・ネ ㇷ゚ ネ ナ シコㇿ ク・ヤイヌ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ ノオカ ク・ニㇱパ ネ カ ソモ=私の少年時代,薪を取りに母とふたりで山へ行ったが,あまりにも寒いものだから涙を流しながら大きくなったらなんとかして金持ちになりたいと考えたものであったが,さっぱり金持ちにもなれなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
nopka
ノㇷ゚カ 【nop-ka】 延べ糸. (出典:萱野、方言:沙流)
norowa
ノロワ 【norowa】 〜から. (出典:萱野、方言:沙流)
norun
ノルン 【norun】 〜へ. ニサッタ マチヤ ノルン(オルン) カㇻパ(ク・アㇻパ)=明日,町へ私行く.オヤシㇺ チェㇷ゚コイキ オルン ク・イトゥラ=明後日,魚獲りへ私も一緒する. (出典:萱野、方言:沙流)
noski/noskike(he)
ノㇱキ/ノㇱキケ(ヘ) 【noski/noskike(he)】 真ん中,中程,中間.海の真ん中=アトゥイノㇱキ. (出典:萱野、方言:沙流)
nospa
ノㇱパ 【nospa】 追う.追いかける. (出典:萱野、方言:沙流)
not
ノッ 【not】 顎. (出典:萱野、方言:沙流)
not/noci(hi)
ノッ/ノチ(ヒ) 【not/noci(hi)】 量. (出典:萱野、方言:沙流)
notak
ノタㇰ 【notak】 刃. (出典:萱野、方言:沙流)
notakam/notakami(hi)
ノタカㇺ/ノタカミ(ヒ) 【notakam/notakami(hi)】 頬. (出典:萱野、方言:沙流)
notakanpone
ノタカンポネ 【notakan-pone】 頬骨. (出典:萱野、方言:沙流)
notakop
ノタコㇷ゚ 【notak-o-p】 刃物.▷ノタㇰ=刃 オㇷ゚=入る物 フンペリカ アナㇰネ シコポㇷ゚ ノタコㇷ゚ アニ ア・チャ ㇷ゚ ネ=鯨の脂身は錆のある刃物で切るものだ.フンペ ア・チャ ヒ タ アナㇰネ シコポㇷ゚ ノタコㇷ゚ アニ ア・チャ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=鯨を切る時は錆びついた刃物で切るといいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
noteciw
ノテチウ 【not-e-ciw】 韻で押しやる.▷ノッ=韻 エ=それを チュー=押す *目の前に食べ物があってもそれを食べようとせずに顎で押しやるような様子.例えば恋患いで物を食べないでいると親は食べ物を持って来るがそれを顎で押しやるように. (出典:萱野、方言:沙流)
notepetneka
ノテペッネカ 【not-e-petneka】 唾で湿らす. ミマㇰ サッ・アン コㇿ ニㇱテ ㇷ゚ アナㇰネ ノテペッネカレ ワ エアシㇼ ア・クイクイ エアㇱカイ ペ ネ=歯がないと堅ーい物は唾で湿らしてから初めてそれを噛むことができるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
notkew/notkewe(he)
ノッケウ/ノッケウェ(ヘ) 【not-kew/-kewe(he)】 顎:下顎全体. (出典:萱野、方言:沙流)
notkir/notkiri(hi)
ノッキㇼ/ノッキリ(ヒ) 【not-kir/-kiri(hi)】 顎:口の下の部分. (出典:萱野、方言:沙流)
notkus
ノックㇱ 【not-kus】 顎をしゃくる,横を向く. (出典:萱野、方言:沙流)
noto
ノト 【noto】 凪. (出典:萱野、方言:沙流)
noto an
ノト アン 【noto an】 凪:凪いでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
notomare
ノトマレ 【not-omare】 顎をのせる:ユカㇻにある刀の鍔の描写.雌竜と雄竜が顎と顎を重ねている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
notonoho
ノトノホ 【no-tonoho】 本当の首領. エ・ノトノホ ホㇿケウカムイ エウン エ・アㇻパ=あなたの本当の首領,狼の神,そこへ行け.(死んだ犬あるいは殺した犬を神の国へ送る時には,このように言葉の一節に必ずノトノホを入れなければならない). (出典:萱野、方言:沙流)
notonokehe
ノトノケヘ 【no tonokehe】 最も偉い神. エルㇺ ネㇷ゚カ タタ コㇿ コナハ(ク・オナハ) エネ ハワニ エルㇺカムイ ノトノケヘ エルㇺ ノットゥ タ アン ペ ネ ナ.エチ・コヨンヌッパ ナ シコㇿ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=ネズミが何か物をかじったら私の父が言ったのは,ネズミの神の最も偉い神は襟裳の岬にいるものだ,お前をそこへ訴えるぞ,と言っていたのを聞いたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
notowen
ノトウェン 【noto wen】 荒海.海が荒れている.▷ノト=凪 ウェン=悪い ヌマン エネ シㇼピㇼカ アㇷ゚ タント アナㇰネ クンネイワノ ノトウェン チュワン オカ ワノ カンナ アトゥイ チポㇰナレ ポㇰナ アトゥイ チカンナレ ペコㇿ=昨日はあんなにいい天気であったのに今日は朝から海が荒れている.昼飯の後からは海の表が海の下へ海の底が海の表になったようなものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nottu
ノットゥ 【nottu】 人中(じんちゅう)の下端:上唇の真ん中の舟のような形のくぼみを人中といい,その下端の部分をノットゥ(岬)という. (出典:萱野、方言:沙流)
nottu
ノットゥ 【nottu】 岬. エルㇺ ネㇷ゚カ タタ コㇿ コナハ(ク・オナハ) エネ ハワニ エルㇺカムイ ノ トノケヘ エルㇺ ノットゥ タ アン ペ ネ ナ.エチ・コヨンヌッパ ナ シコㇿ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=ネズミが何か物をかじったら私の父が言ったのは.ネズミの神の最も偉い神は襟裳の岬にいるものだ.お前をそこへ訴えるぞ,と言っていたのを聞いたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
noy
ノイ 【noy】 ねじったもの. (出典:萱野、方言:沙流)
noya
ノヤ 【noya】 ヨモギ. フㇱコ トゥシㇼ トゥㇺ ア・クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤ ア・エテテ ワ ホック カネ アナン(アン・アン) ワ ア・クㇱ ペ ネ.ウェンカムイ カ オンネ ㇷ゚ ネ クナㇰ ラム パ ワ エチャッケ ソモ ソイェネ ㇷ゚ ネ シコㇿ=古い墓地の中を通る場合はヨモギを杖にして腰を曲げて通るものだ.悪い化け物も年寄りだと思って汚ながって出て来ないものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
noyaimos
ノヤイモㇱ 【noya-imos】 ヨモギ神. オキクㇽミカムイ アイヌモシㇼ ワ リクンカント オリキン ヒ タ アイヌモシㇼ エプンキネレ クス ニスㇰ ワ アヌ ㇷ゚ ノヤイモㇱカムイ ネ ルウェ ネ=オキクㇽミ神がアイヌの国土から天の国へ行く時にアイヌの国を守護するために頼んでおいたのがヨモギの神なのだ.図[ノㇷ゚ヤイモㇱ] (出典:萱野、方言:沙流)
noyanoya
ノヤノヤ 【noya noya】 体をよじりつつ. ソンノ ソモ オリパㇰ ノ ヤイェシンノヤノヤ ワ アイヌ ウトゥル クㇱ ワ アㇻパ=全く遠慮もしないで自分で自分の体をよじりつつ人の間を通って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
noyaop
ノヤオㇷ゚ 【noya op】 ヨモギの槍. アイヌモシㇼ モシㇼソ カ タ ア・キヤンネレ ㇷ゚ ノヤ ネ クス ノヤ オㇷ゚ アニ ノヤ エムㇱ アニ ア・オッケ ㇷ゚ ア・トゥイェ ㇷ゚ アナㇰネ エフイネ ウェンカムイ ネ ヤッカ ヤイカッチピ エアイカㇷ゚ ペ ネ=人間の国土,国土上に最も上席に位置するのがヨモギなので,ヨモギの槍で突かれた者,ヨモギの刀で斬られた者はどんな悪い神も蘇生することができないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
noyap/noyapi(hi)
ノヤㇷ゚/ノヤピ(ヒ) 【noyap/noyapi(hi)】 顎. (出典:萱野、方言:沙流)
noyasito
ノヤシト 【noya sito】 ヨモギ餅. (出典:萱野、方言:沙流)
noye
ノイェ 【noye】 ねじる,よじる,撚る. (出典:萱野、方言:沙流)
noyke
ノイケ 【noyke】 ねじれる,よじれる,曲がった. ウンマ エシㇼコテ ヒ タ ピㇼカノ ヌカㇻ ワ シㇼコテ アニ.トゥㇱコノイケ ヤㇰ ウェン ナ=馬を繋ぐ時によく見てから繋げよ.綱がねじれると悪いので.*春から夏にかけて草のいい時は原っぱへ馬を繋ぐが,あたりに別の木のないような場所を選んで馬を繋ぐものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
noykosanu i=kurkasike onoyoyse
ノイコサヌ イクㇽカシケ オノヨイセ 【noykosanu i=kurkasike onoyoyse】 私の体の上へ身を投げ出した,恋人に会った女が相手の上へ身を投げ出した. ▷ノイコサヌ=力を抜いて イクㇽカㇱケ=私の体の上 オノヨイセ=くずれ落ちる *ユカㇻの中でポンヤウンペの婚約者が,ポンヤウンペに会った時の様子.スㇺキナネノイコサヌ(しおれた草のようにくずれ落ちた)という言い方もある[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
noyne
ノイネ 【noyne】 そうだ,ようだ,らしい. ク・ケメイキ エアイカㇷ゚ ペ ネ クス ク・ハンケヨンパ ク・トゥイマヨンパ ア・エミナ ノイネ=私は針仕事が下手なので遠くへ針を刺し近くへ針を刺し,笑われそうだ.レラ アㇱ ノイネ シリキ ナ エ・サッケ キナ アプッキ コカㇻカリ ワ ウカオ ワ アヌ=風が吹いて来るようなので,お前が干した山菜をすだれに包んでしまっておけ.ニサッタ アㇷ゚ト アㇱ ノイネ=明日は雨が降るらしい.ウインネレ ワ アエㇷ゚ ポカ エイㇱラㇺネ パ ノイネ ハワㇱ ナ ネㇷ゚カ ア・エ ノイネ オカイペ コㇿ ワ アㇻパ コレ ワ エㇰ=大勢なので食べ物に不自由しているらしいと聞いたので何か食べられるような物を持って行ってあげてこい. (出典:萱野、方言:沙流)
noynoyke
ノイノイケ 【noynoyke】 ねじれる. (出典:萱野、方言:沙流)
noypa
ノイパ 【noypa】 ねじる. (出典:萱野、方言:沙流)
noype/noype(he)
ノイペ/ノイペ(ヘ) 【noype/noype(he)】 脳. (出典:萱野、方言:沙流)
noypeci=tatap
ノイペチタタㇷ゚ 【noype ci=tata-p】 熊の能漿をつなぎにしたぬた:イヨマンテ(熊送り)の夜に熊の頭の肉,舌とか頬肉を煮て脳漿をつなぎに作るぬた. ▷ノイペ=脳漿 チ=私たち タタㇷ゚=刻んだ物(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
noyporo/noyporo(ho)
ノイポロ/ノイポロ(ホ) 【noyporo/noyporo(ho)】 額. ア・ケマハ トゥクンネ コㇿ カンピ エトゥㇷ゚シ ヘネ ノンチㇼ アニ ア・ノイポロホ ア・コトゥッカ コㇿ ナニ トテㇰ ペ ネ ワ=足がしびれたら紙の切れ端などを唾で濡らし額につけるとすぐに治るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
noyporoikus
ノイポロイクㇱ 【noyporo-ikus】 予知する,前兆. チ・コㇿ コタン タ アナㇰネ ノイポロイクㇱ シコㇿ アン イタㇰ ク・ヌ エラムㇱカリ.トカㇷ゚チ フㇱコ セコㇿ ア・イェ コタン タ ク・ヌ オルㇱペ ノイポロ イクㇱ ネ ルウェ ネ=私の村では予知するという言葉も聞いたことがない.十勝の伏古というアイヌの村で聞いた話が,予知するという言葉だ. (出典:萱野、方言:沙流)
noyuk
ノユㇰ 【noyuk】 大きな熊,おとなしい熊:人間に向かって来ない熊. (出典:萱野、方言:沙流)
noyunitara
ノユニタラ 【noyunitara】 波打つ.*竜がポンヤウンペをおそう時に体の上を波打たせる様子で,普通にいう海の波の場合にはノユニタラを用いてはならない. (出典:萱野、方言:沙流)
nu
ヌ 【nu】 聞く. ア・ヌ アー?=聞きましたか?ア・ヌ ア ナ=聞いたでしょう. (出典:萱野、方言:沙流)
nu
ヌ 【nu】 嗅ぐ. ク・アキ ポンノ ホㇱキ ネㇷ゚カ ウェンフラ ソモ エ・ヌ ヤー=弟よ少し待ってくれ,何か悪いにおいがしないかい. (出典:萱野、方言:沙流)
nu
ヌ 【nu】 たくさんある:ヌウェアンの省略形. パンケ ヌ ウシ=下の方のたくさん魚のいる沢.ペンケ ヌ ウシ=上の方のたくさん魚のいる沢.*昭和16,17年に測量人夫として働きにいった時,沙流川上流にあるこの2本の沢には名前の通りマスがごちゃごちゃといて軍手をはめて手づかみしたものであった.平成7年現在はかつての沢の下流にダムが構築されマスの1匹も遡上できない. (出典:萱野、方言:沙流)
nucaktek
ヌチャㇰテㇰ 【nucak-tek】 朗らか,晴れやか,明朗,愉快だ. (出典:萱野、方言:沙流)
nucimasap
ヌチマサㇷ゚ 【nucim-asap】 仕事の遅い,手ののろい,手が回らない. ヌチマサㇷ゚ペ=手のろい者・仕事の遅い者. (出典:萱野、方言:沙流)
nucimasnu
ヌチマㇱヌ 【nucim-asnu】 手早い,仕事が速い. (出典:萱野、方言:沙流)
nueyaytupa
ヌエヤイトゥパ 【nu-eyaytupa】 開きたがる.▷ヌ=聞く エヤイトゥパ=〜したがる (出典:萱野、方言:沙流)
nuhure
ヌフレ 【nu-hure】 (顔が)赤い. (出典:萱野、方言:沙流)
nukar
ヌカㇻ 【nukar】 見る,見える,会う. ア・ヌカㇻ フミ ウェン=よく見えない.ヌカㇻ エトランネ=見るのがいやだ.ユッカルㇱ アン ウㇱケ コルウヌ(ク・オルウヌ) シネンネ ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) アクス ア・エン・ヌカㇻ=マイタケが生えている所を私は知っていたのでひとりで山へ入ると,他人に見られた.アイヌ アッパケ ア・エホリッパ シンナ トリ ネ シンナ チカㇷ゚ ネ ア・イ・ヌカㇻ カネ=人々の先頭になって私は踊り,別な鳥として異彩を放つ私を皆は見ている(ユカㇻの中でポンヤウンペの恋人が目立っている様子). (出典:萱野、方言:沙流)
nukar ka hosi
ヌカㇻ カ ホシ 【nukar ka hosi】 顔も見たくない. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) エン・コレウェン ウナㇻペ ネ クス エアㇻキンネ ク・コヌコㇱネ ク・ヌカラー カ ホシ=私が子供の時私をいじめたおばなのでとっても憎い,私は顔を見るのもいやだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nukar'eramuskari
ヌカㇻエラムㇱカリ 【<nukar e-ramu-si-kari】 見たことがない.▷ヌカㇻ=見る エ=それ ラム=思い シ=自ら カリ=回る,回転 →見たことのない人に会うこと.さて誰であったかと頭の中がぐるぐると回転することをいう. (出典:萱野、方言:沙流)
nukar'ewen
ヌカㇻエウェン 【nukar-e-wen】 よく見えない.▷ヌカㇻ=見る エ=それを ウェン=悪い (出典:萱野、方言:沙流)
nukarar
ヌカラㇻ 【nukar-yar】 (不特定多数の人に)見せる. ウェンクㇽ アナㇰネ ネンポーカ イキ ワ シネ イコㇿ ポカ コㇿ コㇿ オラーノ ヌカラㇻ ルスイ タパイェ(タㇷ゚ ア・イェ) クニ ウェンクㇽ イコㇿ コㇿ=貧乏人はなんとかしてひとつの宝だけでも持つと,それから誰かに見せたがる,このことを貧乏人が宝を持つという. (出典:萱野、方言:沙流)
nukarasnu
ヌカラㇱヌ 【nukar-asnu】 いじめる:誰かを目でいじめる,とげとげしい目で見る. (出典:萱野、方言:沙流)
nukare
ヌカレ 【nukar-e】 見せる. (出典:萱野、方言:沙流)
nukattek
ヌカッテㇰ 【nukar-tek】 さっと・ちらっと見る.▷ヌカㇻ=見る テㇰ=さっと (出典:萱野、方言:沙流)
nukosne
ヌコㇱネ 【nukosne】 気短か,短気.短腹者. (出典:萱野、方言:沙流)
nukuri
ヌクリ 【nukuri】 億劫だ,気が進まない.面倒臭い. (出典:萱野、方言:沙流)
num/numi(hi)
ヌㇺ/ヌミ(ヒ) 【num/numi(hi)】 実,つぶ. ヌㇺオノ=よく実が入った.エモヌㇺ=いも粒.マメヌㇺ=豆粒.トノンヌミ=乳頭. (出典:萱野、方言:沙流)
numa
ヌマ 【numa】 毛. (出典:萱野、方言:沙流)
numakur
ヌマクㇽ 【numa-kur】 毛皮(の). (出典:萱野、方言:沙流)
numan
ヌマン 【numan】 昨日. (出典:萱野、方言:沙流)
numasut/numasutu(hu) 1
ヌマスッ/ヌマストゥ(フ) 【numa-sut/-sutu(hu)】 ①毛根. (出典:萱野、方言:沙流)
numasut/numasutu(hu) 2
ヌマスッ/ヌマストゥ(フ) 【numa-sut/-sutu(hu)】 ②できもの:毛の根に出来る小さいできもの.このできものにはネㇷ゚キヌマスッ(働くできもの:働くと痛くない),トランネヌマスッ(骨惜しみできもの:働かなければ痛まない)の2種類あるものである. (出典:萱野、方言:沙流)
numat/numaci(hi)
ヌマッ/ヌマチ(ヒ) 【numat/numaci(hi)】 胸紐:女の肌着の懐のつけ紐,肌着の胸紐. ク・ヌマチ トゥイ ナ,コテ ワ エン・コレ=私の胸紐が切れたのでつけてくれ(昔の肌着はワンピース風になっていて胸の所に両方から紐がついていた). (出典:萱野、方言:沙流)
numatpita
ヌマッピタ 【numat-pita】 胸紐ほどき.*熊の皮を剥ぐ時は胸の所で1か所皮を切らずに残す.これをヌマッ(胸紐)といい,この部分を切る時にはエイッと高い声で気合いをかけて切るものである.これをヌマッピタ(胸紐ほどき)という. (出典:萱野、方言:沙流)
numatus
ヌマトゥㇱ 【numa-tus】 着物の襟. (出典:萱野、方言:沙流)
numaus
ヌマウㇱ 【numa-us】 毛深い. (出典:萱野、方言:沙流)
numaus'ampayayap
ヌマウㇱアンパヤヤㇷ゚ 【numa-us-ampayayap】 オオクリガニ(毛ガニ). (出典:萱野、方言:沙流)
numaus'ikompap
ヌマウㇱイコンパㇷ゚ 【numaus-ikompap】 毛虫. (出典:萱野、方言:沙流)
numi rupne
ヌミ ルㇷ゚ネ 【numi rupne】 大粒の. (出典:萱野、方言:沙流)
numinokan
ヌミノカン 【numi-nokan】 やぶ豆:粒が小さいこと(十勝での言い方). アイヌモシㇼ メナスン(メナㇱ ウン) ウタㇻ アナㇰネ エハ シコㇿ カ ヌミノカン シコㇿ カ イェ ㇷ゚ ネ チ・コㇿ コタン タ アナㇰネ アハ セコㇿ ア・イェ=アイヌの国土(北海道)の東の方の人たちはエハともヌミノカンともいうもので,私の村ではアハという.*十勝アイヌ磯里明さんが教えてくれた.沙流川アイヌはアハといい,旭川アイヌはエハという. (出典:萱野、方言:沙流)
numke
ヌㇺケ 【numke】 選ぶ,よる,よりわける. アイヌヌㇺケ=人選び.マメヌㇺケ=豆選び. (出典:萱野、方言:沙流)
numo
ヌモ 【num-o】 実が入る.▷ヌㇺ=実 オ=入る (出典:萱野、方言:沙流)
numono
ヌモノ 【numo-no】 実が入る.▷ヌㇺ=実 オ=入る ノ=全く アマㇺ ヌモノ=穀物がよく実った.ピヤパ ヌモノ ナ ニサッタ ワノ イチャ クス アㇻパ・アン ナ ヤイェトコイキ アニー=ヒエがよく実が入ったから明日から摘み取るために行くので自分の準備をしてね. (出典:萱野、方言:沙流)
numpa
ヌンパ 【numpa】 しぼる. トゥレㇷ゚ イルㇷ゚ ア・ヌンパ オカケ シチヒ アナㇰネ コㇿコニ ハㇺ コエトゥレンノ ノヤ イロンネノ ア・コカㇻカリ ワ ア・オンカㇷ゚ ネ ナ=ウバユリの澱粉をしぼった残りのかすのほうはフキの葉とヨモギに厚く包み発酵させるものだよ.コソㇿカミ(ク・オソㇿカミ) ヒ タ アン フㇷ゚ イェ ヌ ノイネ フマㇱ ナ.ヌカㇻ ワ ヌンパ ワ エン・コレ=私の尻に出来た腫れ物が膿を持ったようだ.見てしぼってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
numsam
ヌㇺサㇺ 【num-sam】 前袷. (出典:萱野、方言:沙流)
numus
ヌムㇱ 【num-us】 実が入る,粒が大きい. ヌムㇱ ヤㇺ=粒の大きいクリ.ヌムㇱ エモ=粒の大きいジャガイモ. (出典:萱野、方言:沙流)
nunakarip
ヌナカリㇷ゚ 【nunakarip】 ヒトデ. (出典:萱野、方言:沙流)
nunnun
ヌンヌン 【nun-nun】 吸う. エネ ポロ ワ オラー カ アキヒ コㇿ トット ヌンヌン コㇿ アン=こんなに大きくなってからも弟の分のお乳を吸っている.*ふたり目が生まれても上の子がお乳を吸うとア・フㇱコレㇷ゚ カ イヌンヌン(古いほうもお乳を吸う)という.ひとり目は新しいが,下が生まれると上の方は古くなると考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
nunpe
ヌンペ 【nunpe】 糊(のり):魚の皮から作ったニカワ. (出典:萱野、方言:沙流)
nunpene
ヌンペネ 【nunpe-ne】 甘える:子供が親に甘える. (出典:萱野、方言:沙流)
nunuke
ヌヌケ 【nunuke】 孝行する,孝養をつくす. (出典:萱野、方言:沙流)
nup
ヌㇷ゚ 【nup】 野,野原,原野,原っぱ. タアン ペ アナㇰネ シㇼレ ネ ヒネ 二風谷小学校 カランケ オカ アイヌ アナㇰネ 萱野茂二風谷アイヌ資料館 アン ウㇱケ ヌㇷ゚ シコㇿ レコレ ワ アン ペ ネ ア ワ=これは地名であって,二風谷小学校近くにいた人は萱野茂二風谷アイヌ資料館のある場所を,野原と名づけていたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
nupa
ヌパ 【nupa】 掃く. ムンヌパ=ごみを掃く. (出典:萱野、方言:沙流)
nupe tum wa imasasa=an kane
ヌペトゥㇺワ イマササアンカネ 【nupe-tum-wa i=masasa-an-kane】 涙の中からにらみつける. ▷ヌペ=涙 トゥㇺ=中 ワ=から イマササ=にらむ アン=私がする カネ=して *ユカㇻの中で,刺繍の下手な妹に,本人には姉や兄が,上手だ上手だと誉めておきながら,陰を向いてはくすくす笑うので,それを見た妹が泣きながら兄たちをにらんでいる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nupe turano
ヌペ トゥラノ 【nupe tura no】 涙ながらに,涙とともに. (出典:萱野、方言:沙流)
nupe/nupe(he)
ヌぺ/ヌぺ(ヘ) 【nupe/nupe(he)】 涙. (出典:萱野、方言:沙流)
nupekorapapse
ヌペコラパㇷ゚セ 【nupe-ko-rapapse】 落涙,涙をこぼす. (出典:萱野、方言:沙流)
nupetne
ヌペッネ 【nupet-ne】 さわやかな,朗らか,明るい. (出典:萱野、方言:沙流)
nupettek
ヌペッテㇰ 【nupet-tek】 朗らか,愉快. (出典:萱野、方言:沙流)
nupka
ヌㇷ゚カ 【nupka】 丘. リクンヌㇷ゚カ=上の丘.ランケヌㇷ゚カ=下の丘. (出典:萱野、方言:沙流)
nupki
ヌㇷ゚キ 【nupki】 野ガヤ. (出典:萱野、方言:沙流)
nupki 1
ヌㇷ゚キ 【nupki】 ①濁る. (出典:萱野、方言:沙流)
nupki 2
ヌㇷ゚キ 【nupki】 ②濁り水,(米とかヒエの)とぎ汁. (出典:萱野、方言:沙流)
nupkine
ヌㇷ゚キネ 【nupki-ne】 濁る:雨降りの後の川の濁り. (出典:萱野、方言:沙流)
nupkipet
ヌㇷ゚キペッ 【nupki-pet】 濁り川.▷ヌㇷ゚キ=濁り水 ペッ=川 ポンノ アㇷ゚ト アㇱ コㇿ ナーニ ヌㇷ゚キ ネ ペッ ア・レコ ヒ ヌㇷ゚キペッ ネ=少し雨が降るとすぐに濁る川を名づけて濁り川.*平取町内に貫気別という地名がある. (出典:萱野、方言:沙流)
nupur
ヌプㇽ 【nupur】 霊力(がある),霊感(がある). テエータ カネ ピラトゥルン(ピラトゥㇽ ウン) ヌプㇽエカシ セコㇿ ア・イェ ヌプㇽクㇽ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ネ エカシ アナㇰネ アパ オッタ アイヌ エㇰ コㇿ クス エㇰ ペ オピッタ エラマン ペ ネ ヤカイェ=ずーっと昔に平取の霊力のあるおじいさんと言われる人がいたという.その人は戸口へ人が来ると何の用事で来たかを全部わかるものであったとか. (出典:萱野、方言:沙流)
nupuri
ヌプリ 【nupuri】 山. (出典:萱野、方言:沙流)
nupuri ous/nupuri ousi(ke)
ヌプリ オウㇱ/ヌプリ オウシ(ケ) 【nupuri-ous/-ousi(ke)】 ふもと. (出典:萱野、方言:沙流)
nupurikes 1
ヌプリケㇱ 【nupuri-kes】 ①山のふもと.山裾. (出典:萱野、方言:沙流)
nupurikes 2
ヌプリケㇱ 【nupuri-kes】 ②乱暴者:山のおしまいに住む乱暴者. (出典:萱野、方言:沙流)
nupurikesunpuriwenkur
ヌプリケスンプリウェンクㇽ 【nupuri kes un puri wen kur】 手余された熊. (出典:萱野、方言:沙流)
nupurikitay
ヌプリキタイ 【nupuri-kitay】 山頂,てっぺん,頂上.*神の国で手余された熊.昔話にしばしば出て来る.それでアイヌ社会での余され者をヌプリケシと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
nupurisut/nupurisutu(hu)
ヌプリスッ/ヌプリストゥ(フ) 【nupuri-sut/-sutu(hu)】 山麓,山のふもと. (出典:萱野、方言:沙流)
nupurkur
ヌプㇽクㇽ 【nupur-kur】 みこ:占いや予言のできる人.霊感のある人,霊力のある人. (出典:萱野、方言:沙流)
nupurmat
ヌプㇽマッ 【nupur-mat】 霊感のある女. (出典:萱野、方言:沙流)
nure
ヌレ 【nu-re】 聞かせる.知らせる. ヤイモトホ ヌ ルスイ オッカイポ エㇰ ヒクス ピㇼカノ ア・ヌレ アクス エラムシンネ ワ ホシピ ワ アㇻパ=自分の先祖のことを聞きたい若者が来たのでよく聞かせると安心して戻って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
nusa
ヌサ 【nusa】 祭壇.*沙流川は北東から西南に流れている川なのでこの流域のアイヌは家の背中を北東になるように建てると,ロルンプヤㇻ(上座の窓)は東につく.したがって上座の窓から見える所にヌサがある. (出典:萱野、方言:沙流)
nusahokuste
ヌサホクㇱテ 【nusa-hokus-te】 祭壇を倒す:昔話のなかで村中が流行病で全滅しそうになった時に,村おさが赤子をひとり祭壇の後ろへ置いてまじない言葉を言うこと. タネアナㇰネ イヌクリアンナ アノミカムイ インネアナ イナンカムイカ タパンポンペ レスワネヤㇰネ イナウサンテㇰネ シトゥリナンコㇿナー=今すでに身動きもできなくなった,私が祭った神,大勢いるどの神かが,この幼児を育ててくれれば,イナウを受け継ぐ者として生き延びてくれるであろう. *ウウェペケㇾ(昔話)の常套語としてしばしば出て来る[ウ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nusakesak
ヌサケサㇰ 【nu-sake-sak】 酒気を帯びない. (出典:萱野、方言:沙流)
nusas
ヌサㇱ 【nusas】 生き返る. (出典:萱野、方言:沙流)
nusasan
ヌササン 【nusasan】 祭壇. 図[ヌササン] (出典:萱野、方言:沙流)
nusimne
ヌシㇺネ 【nusimne】 静か(である). タヌクラン シネンネ カン(ク・アン) ク・ヌシㇺネ=今夜はひとりなので静かだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nuso
ヌソ 【nuso】 犬ぞり.樺太アイヌ山田藤作さんが犬ぞりの模型を作ってくれた時に教えてくれた言葉である. (出典:萱野、方言:沙流)
nusunpitata
ヌスンピタタ 【nusun-pitata】 金縛りから目が覚めた気持ち,おこり(間歇熱)が落ちた心持ち[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nusuye
ヌスイェ 【nusuye】 手招き(する). イナウ アニ サケ アニ アエヌシュイェ=イナウと酒で手招きされ(ユカㇻの中でポンヤウンペがカラㇷ゚トコタン(樺太)の沖を通った時のこととして描写されている.普通はテㇰパㇻパルと言う). (出典:萱野、方言:沙流)
nutap
ヌタㇷ゚ 【nutap】 川原が蛇行した内側や外側の耕作可能な土地,平地.*二風谷でヌタㇷ゚と言っていたのは平成2年現在,下二風谷北島牧場から見て北の方角の川原. (出典:萱野、方言:沙流)
nutapkes
ヌタㇷ゚ケㇱ 【nutap-kes】 原っぱの下の方.*沙流川右岸ウカエロㇱキ(熊の姿岩)の近くをヌタㇷ゚ケシ(川原尻)と言っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
nutokkari
ヌトッカリ 【nutokkari】 めまい,目がくらむ,目が回る. ク・ヌトッカリ=私はめまいがした. (出典:萱野、方言:沙流)
nuwap 1
ヌワㇷ゚ 【nuwap】 ①うなる,うめく. (出典:萱野、方言:沙流)
nuwap 2
ヌワㇷ゚ 【nuwap】 ②産む.お産.お産の時のうなり声. (出典:萱野、方言:沙流)
nuwap'ekot
ヌワㇷ゚エコッ 【nuwap-ekot】 産褥死する.▷ヌワㇷ゚=お産 エコッ=死ぬ (出典:萱野、方言:沙流)
nuwap'ewen
ヌワㇷ゚エウェン 【nuwap-e-wen】 お産で死ぬ. (出典:萱野、方言:沙流)
nuwaphaw
ヌワㇷ゚ハウ 【nuwap-haw】 うなり声.▷ヌワㇷ゚=うなる ハウ=声 (出典:萱野、方言:沙流)
nuwaptaskor
ヌワㇷ゚タㇱコㇿ 【nuwap-taskor】 お産寒波:お産がある夜は特別寒いものであったという.▷ヌワㇷ゚=お産 タㇱコㇿ=寒波 (出典:萱野、方言:沙流)
nuwasi
ヌワシ 【nuwasi】 酒気がない,しらふ(である),酒がさめる. ヌワシ ノ アン=全くのしらふでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
nuwe
ヌウェ 【nuwe】 掃く. (出典:萱野、方言:沙流)
nuwean
ヌウェアン 【nuwe-an】 たくさんある,豊富にある,たくさんの(獲物・作物). タヌクラン チェㇷ゚ ヌウェアン ワ エアㇻキンネ ア・エヤイコプンテㇰ=今夜はサケがたくさん獲れたので本当に喜ばしいことだ.タン チュㇰ アナㇰネ チェㇷ゚ ヌウェアン アタッ ポロンノ ア・カㇻ エアㇱカイ=今年の秋はサケがたくさんあるから,開き千しのサケをたくさん作ることができる.アエㇷ゚ ヌウェアン=食べ物がたくさんある. (出典:萱野、方言:沙流)
nuy
ヌイ 【nuy】 炎. マㇰネ ワ スイ ウパウレパ.シネペヘ アナㇰネ イポロ タ ヌイレイェ ペコㇿ アン シネペヘ アナㇰネ ウォロコンプ ネノ アン=どうしてかまた言い合いをしている,ひとりのほうは顔に炎が這ったように真っ赤な顔,もうひとりのほうは真水にうるかした昆布のように真っ青だ. (出典:萱野、方言:沙流)
nuyanuya
ヌヤヌヤ 【nuya-nuya】 もむ,よじりもむ:枯れたヨモギを手のひらの中でもんでもぐさにする時など. ピヤパ ヌㇺ ヌヤヌヤ ワ ヌカㇻ=ヒエの粒を手のひらでもんでみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
nuye
ヌイェ 【nuye】 掃く. チュワン オカ タ ヤントネクㇽ エㇰ クスネ ナ ピㇼカノ シッチャㇱヌレ ムンヌイェ ワ アヌ=昼飯すぎに客である人が来ることになっているのでよく掃除をしてごみを掃いておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
nuye
ヌイェ 【nuye】 描く,書く,記す. サッ オタ カ タ アㇱケ エトゥㇷ゚シ アニ トゥ モレウ ノカ レ モレウ ノカ ア・ヌイェ ワ ア・ミッポホ ア・ヌカレ ルウェ ネ=乾いた砂の上へ指先でふたつの渦巻き模様,三つの渦巻き模様を私は描き私の孫へ見せたのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nuye
ヌイェ 【nuye】 彫る.いれずみ. ク・パハ トゥペサンペ イカㇱマ シネホッ パㇰノ アン ヒ ワノ イヌイェ パテㇰ ネㇷ゚キ ネ ク・キ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ノオカ イヌイェ カ ソモ ク・キ=私の歳が28歳の時から彫り物だけを仕事にしていたものであったが,今はそれほど彫り物も私はしていない. (出典:萱野、方言:沙流)
nuykoterke
ヌイコテㇾケ 【nuy-ko-terke】 炎がつく.▷ヌイ=炎 コ=それに テㇾケ=跳ぶ (出典:萱野、方言:沙流)
nuyna
ヌイナ 【nuyna】 隠す. シセンピㇼ ウン ヌイナ=自分の陰に隠す.イヨアイ ネ ナ イテキ シㇼ カ タ アヌ ノ リクンキ カ ウン ヌイナ ワ アヌ アニ=毒矢なので下に置かないで上の方の火棚の上へ隠しておけ.ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ キㇺ タ アン ウェン シケサㇻペ ランマ オルイペネ エムㇱ コッカ チョㇿポㇰ タ ヌイナ ワ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=昔話の中では山にいるならず者はいつでも抜き身の刀を膝の下へ隠しているものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nuynak
ヌイナㇰ 【nuynak】 隠れる. レタㇻ チロンヌㇷ゚ ア・ネ アリペクンネ オㇱマケ タ ヌイナㇰ・アン=私は白狐で小さい刃物の後ろへ隠れた(萱野茂『カムイユカㇻと昔話』420頁 小学館). (出典:萱野、方言:沙流)
nuynatek
ヌイナテㇰ 【nuyna-tek】 隠す:さっと隠す. エン・ヌイナテㇰ=私をさっと隠して. (出典:萱野、方言:沙流)
nuyra
ヌイラ 【nuyra】 ウグイ. (出典:萱野、方言:沙流)
nuysam
ヌイサㇺ 【nuysam】 衿. (出典:萱野、方言:沙流)
nuysaot'isepo
ヌイサオッイセポ 【nuy-saot-isepo】 炎を見て逃げるウサギ:何かに驚いた人の顔を見て言う.▷ヌイ=炎 サオッ=逃げる イセポ=ウサギ (出典:萱野、方言:沙流)
nuyto
ヌイト 【nuyto】 縫い糸,糸,木綿糸. (出典:萱野、方言:沙流)
nuytosayep
ヌイトサイェㇷ゚ 【nuyto-saye-p】 糸巻き. 図[ヌイトサイェㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
nuytosit
ヌイトシッ 【nuyto-sit】 糸屑. (出典:萱野、方言:沙流)
nuytouype
ヌイトウイペ 【nuyto-uype】 糸屑. (出典:萱野、方言:沙流)
nuyuk
ヌユㇰ 【nuy-uk】 火がつく.▷ヌイ=炎 ウㇰ=取る チセ ヌユㇰ=家に火がつく. (出典:萱野、方言:沙流)
o
オ 【o】 入れる,置く. ワッカ オ=水を入れる.サラニㇷ゚ オㇿ オ=袋へ入れろ, (出典:萱野、方言:沙流)
o
オ 【o】 〜に,そこで. (出典:萱野、方言:沙流)
o
オ 【o】 (の)尻,沢尻,陰茎. オ シレトッコㇿ ルウェー=まあまあこの子のちんちんの器量のよいこと.*子供のちんちんを見ておとなはこう言っていた.子供らしくなく大きいとそうは言わない.小さいのを言う. (出典:萱野、方言:沙流)
o
オ 【o】 それ,そら,ほら,はい:呼びかけの言葉. オ ウㇰ=それ,取れ.オ エ ヤン=それ,食べなさい.オ ホクレ アㇻパ=それ,早く行け.オ アㇻパ キナ テイネレ ワ エㇰ カワウセ ク・テセ エアイカㇷ゚ ナ=ほら,行ってガマ草を濡らして来てくれ.乾きすぎて編めないので.オ ペッネカ ワ カッパ ス ポㇷ゚ ワ オラーノ オマレ ペカンケ コㇿ チ ワ アン ペ ネ ナ ヤンケ アニー=それ,練ってから団子にして鍋が煮え立ってから入れて,浮いたら煮えているものだから上げてね.オ タアン ノタコㇷ゚ エシルイネ ウカオ ワ アヌ=はい,この刃物を奥の方にしまっておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
o 1
オ 【o】 ①乗る,(舟を)漕ぐ. ウンマ オ=馬に乗る.チㇷ゚ コ(ク・オ) ワ エクㇱネ カㇻパ(ク・アㇻパ) アㇷ゚ チㇷ゚ オシㇼコサㇰ ヒネ ヤアーニ チㇷ゚ オㇿワ ケンプイナ(ク・エンプイナ) ク・ラムトゥイ=舟に乗っていて川の向かいへ行ったら舟の底がつかえて,危なく舟からのめって落ちそうになって驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
o 2
オ 【o】 ②入っている,(〜に)ある. (出典:萱野、方言:沙流)
oaat
オアアッ 【oaat】 蛙. (出典:萱野、方言:沙流)
oapamaka
オアパマカ 【o-apa-maka】 生まれる,そこで生を受ける. クウヌフアナㇰネ モイタㇻペッコタン コアパマカㇷ゚ ネルウェネワ=私,茂の母は,門別村に生を受けた者なのだよ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
oar
オアㇻ 【oar】 片方. オアㇻピラッカ=下駄の片方.オアㇻシㇰ=片目.オアㇻシコ=片目の人. (出典:萱野、方言:沙流)
oar
オアㇻ 【oar】 全く(もう). オアㇻ イサㇺ=全くない.オアンライ(オアㇻ ライ)=全く死んだ.オアㇻ ソモ ク・ヌ=全く私は聞いていない.オアㇻ ソモ イペ=全く食べない. (出典:萱野、方言:沙流)
oar isam
オアㇻ イサㇺ 【oar isam】 全くない.▷オアㇻ=全く イサㇺ=ない テタ ク・シケヘ カヌ(ク・アヌ) ワ ミマラハ ク・セッセアチュー ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アクス カヌ(ク・アヌ) ア ㇷ゚ オアㇻ イサㇺ.ネンカ セ ワ エン・コレ ヒ ネ ヤクン ピㇼカ コㇿカ=ここに荷物を置いて残りを中出ししてきたら,置いた物が全くなくなってしまった.誰か背負ってくれたのならばいいけれども. (出典:萱野、方言:沙流)
oar oar
オアㇻ オアㇻ 【oar oar】 全く全く. (出典:萱野、方言:沙流)
oarkema/oarkema(ha)
オアㇻケマ/オアㇻケマ(ハ) 【oar-kema/-kema(ha)】 片足. (出典:萱野、方言:沙流)
oarrayke
オアㇻライケ 【oar-rayke】 完全に殺してしまう. ポンノ ポンノ ア・タメコイキ クナㇰ ア・ラム ア コㇿカ ア・オアㇻライケ=さっとさっと刀でいじめようと思ったが,全く殺してしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
oarsik/oarsiki(hi)
オアㇻシㇰ/オアㇻシキ(ヒ) 【oar-sik/-siki(hi)】 片方の目. (出典:萱野、方言:沙流)
oarsiknak
オアㇻシㇰナㇰ 【oar-siknak】 全盲. (出典:萱野、方言:沙流)
oarsiko
オアㇻシコ 【oar-sik-o】 片目の人. (出典:萱野、方言:沙流)
oasi
オアシ 【oasi】 開始(する),始める,始まる. ネㇷ゚キ オアシ=仕事始め.イペ オアシ=食べ始め.イワㇰ オアシ=帰り始め. (出典:萱野、方言:沙流)
oasi 1
オアシ 【oasi】 ①なるだろう,〜することになる. ソンノ ク・コㇿ オペㇾ ケライ カッケマッ エ・ネ オアシ クス イランマカカ エ・シッチャシヌレ エアㇱカイ シリ=ああ孫娘よ,さすがに淑女になるであろうからすっかり掃除をするのが上手なこと.ニㇱパ ネ パ ㇷ゚ ネ クス オモンコッテ パ ワ ネㇷ゚キレ パ カ ソモ キ.ポロ コㇿ オラーノ トランネ ワ ヤイペレ ポーカ エアイカㇷ゚ オアシ=物持ちの人たちなので(子供を)大事にして仕事もさせない.大きくなったら骨惜しみ者になって自分で食うだけの働きもできない者になるであろう.オヤウクラン ヤントコㇿ・アン オアシ ナ.エトコカㇻ ワ アヌ=明日の夜,客が泊まることになった.用意しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
oasi 2
オアシ 【oasi】 ②〜なければならない. ソンノ ウウェカㇷ゚・アン ナーナ カ ウウェネウサㇻ・アン ルスイ コㇿカ ウウェコホピ・アン オアシ.マㇰ ア・イェ ハウェ=本当に懐かしいことだ,まだまだいろいろな話をしたいけれど離れはなれにならなければならない.どのように言いようもない.カ(ク・ア) オホロ アイーネ シㇼクンネ ク・レエシッテㇺライパ コㇿ ク・イワㇰ オアシ=座りすぎてしまってあたりが真っ暗になり,私は足探りで帰らなければならなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
oasin
オアシン 【oasin】 抜ける. ク・ミマキヒ オアシン=私の歯が抜けた.アイ オアシン=矢が抜けた.チヤイ オアシン=栓が抜けた. (出典:萱野、方言:沙流)
oasinke
オアシンケ 【oasin-ke】 抜く. (出典:萱野、方言:沙流)
oasipa
オアシパ 【oasi-pa】 始める〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
oasire
オアシレ 【oasi-re】 始めさせる. ネㇷ゚キ オアシレ=仕事を始めさせた. (出典:萱野、方言:沙流)
oatcikir/oatcikiri(hi)
オアッチキㇼ/オアッチキリ(ヒ) 【oar-cikir/cikiri(hi)】 (人間の)片足. (出典:萱野、方言:沙流)
oattapkir
オアッタㇷ゚キㇼ 【oar-tapkir】 鹿の片方の足. オッコー セモッタ(セㇺ オㇿ タ) ポン ユㇰ オアッタㇷ゚キㇼ アン ナ エ・ウナㇻペヘ トゥラノ ウエㇺコ セ ワ アㇻパ アニー=姉よ,入り口の所に小さい鹿の片足があるのでお前の叔母と半分ずつ背負って行け.*狩人が他の家を訪ねて泊めてもらいたい場合にみやげとしてポンユㇰ オアッタㇷ゚キㇼ(子鹿の片方の足)を持って行く.人間の足のことはこの言い方をしてはならない. (出典:萱野、方言:沙流)
oattapne
オアッタㇷ゚ネ 【oar-tapne】 全く. シネンネ カン(ク・アン) ワ アスㇽ ク・ヌ ワ マㇰ ク・イキ ヤㇰ ピㇼカ ヤ オアッタㇷ゚ネ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=ひとりでいて噂を聞き,なんとするのがいいか全くわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
oattek/oatteke(he)
オアッテㇰ/オアッテケ(ヘ) 【oar-tek/-teke(he)】 片手. オアッテッコㇿ=片手で. (出典:萱野、方言:沙流)
oattusa
オアットゥサ 【oar-tusa】 片袖. (出典:萱野、方言:沙流)
oattuye
オアットゥイェ 【oar-tuye】 さっと斬る. タネ タネ イ・トゥイェ ノイネ イキ ヒクス ホㇱキルイノ ア・オアットゥイェ=今にも今にも私を斬りそうにしたので,私のほうが先にさっと斬った.パッ(パㇿ) タクㇷ゚ イヨアットゥイェ(イ・オアットゥイェ) ワ ネㇷ゚ ア・カレ ヤッカ エアッペネ ㇷ゚ ネ=口ばかりは私を斬るほど達者なくせに,何を作らせても下手くそな者だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ocakot
オチャコッ 【o-ca-kot】 すぐに女を引っかける〔比喩,隠語〕.▷オ=尻 チャ=柴 コッ=くっつける →尻に柴をつけるような (出典:萱野、方言:沙流)
ocakotkur
オチャコックㇽ 【o-ca-kot-kur】 ちんちんに柴がくっついているかのような男:男の持ち物に柴がくっついているかのように女がひっかかる.▷オ=尻=ちんちん チャ=柴 コッ=付く クㇽ=人 ネア オチャコックㇽ スイ メノコ エパコアッ ヤㇰ ア・イェ エ・ヌ アー=ちんちんに柴がくっついているかのようなあの男がまたしても女性関係でいさかいを起こしたという,聞いたかい. (出典:萱野、方言:沙流)
ocinkamare
オチンカマレ 【o-cin-kama-re】 またぐ.▷オ=そこで チン=足 カマ=またぐ レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
ociscire
オチㇱチレ 【ociscire】 紛失する. ク・コㇿ ペ エノチㇱレ(エン・オチㇱチレ)=私の物をなくされた. (出典:萱野、方言:沙流)
ociw
オチュー 【o-ciw】 淫欲,淫乱. オチューパㇱテ=淫欲に走る,淫乱に走る. *この言葉と対になるものに,コキニンパㇱテ(淫欲に走る)というものがある[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ociw/ociwe(he)
オチウ/オチウェ(ヘ) 【o-ciw/o-ciwe(he)】 性交,男女の交わり. ネㇷ゚ キニニ ネㇷ゚ オチュウェ アコンルスイ(ア・コㇿ ルスイ) クス イキアン ヒ ソモ タパン ナ=なんの性交,なんの交わりを私は欲しくて(そう)するものではありませんよ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ociwcir
オチウチㇼ 【ociw-cir】 セキレイ〔鳥〕.▷オチュー=性交する チㇼ=鳥 *尾の動きがそのように見える. (出典:萱野、方言:沙流)
ociwnoye
オチウノイェ 【o-ciw-noye】 性交中に死ぬ.▷オチュー=性交する ノイェ=ねじる (出典:萱野、方言:沙流)
ociwpaste
オチウパㇱテ 【o-ciw-paste】 性交にはしる. (出典:萱野、方言:沙流)
ociwsuye
オチウスイェ 【o-ciw-suye】 (水の中で)揺れる,(鯨の)寄り上がり:鯨が海岸へ寄り上がり,体の半分は砂浜にあって半分は水の中でゆらゆらしている様子.▷オ=それ チュー=水の中 スイェ=ゆらゆら揺れる (出典:萱野、方言:沙流)
oha
オハ 【oha】 からである. オハシㇼ=空き家.アㇻパ ワ キ オハ ワ アン ヤ ヌ ワ エㇰ.キヨㇿ イヨ クス カㇻパ(ク・アㇻパ) ナ=行って火棚が空いているか聞いて来い.火棚に物を入れに行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
ohainkar
オハインカㇻ 【oha-inkar】 幻覚(を見る),幻を見る.▷オハ=からの インカㇻ=それを見る テエータ モペッ タ モシㇼシンナイサㇺ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ オハインカㇻ クㇽ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ポロ ペコ ネノ アン レタㇻ ウㇱケ クンネ ウㇱケ アン ペ ネ シコㇿ ク・イヌ アㇺキㇼ=ずうっと昔,山門別村に,国土の他にいる化け物という恐ろしい物の幻を見た者がいたという.大きい牛のような姿をしていて白と黒のまだらのものだと聞いたことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
ohainu
オハイヌ 【oha-i-nu】 幻聴(をきく).▷オハ=からの イ=それを ヌ=聴く テエータ スクㇱペッ エトコホ タ アイヌ オッカイポ レン パㇰノ ペソㇱ トゥㇺ タ シットゥライヌ パ.シㇼクンネ ワ キモレウシ ヒ タ オハイヌ ホチコㇰ ハウ ヌ ㇷ゚ ライ.ソモ ヌ パ ㇷ゚ シㇰヌ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずうっと昔,宿志別川の上流でアイヌの若者が3人ほどみぞれの降る中を道に迷った.暗くなって野宿した時に幻聴であるアオバズクの声を聞いた者は死に,聞かなかった者は生きたという.*その時に生き残った方が,木村文太郎さん. (出典:萱野、方言:沙流)
ohak
オハㇰ 【ohak】 (水などが)浅い. (出典:萱野、方言:沙流)
ohakot
オハコッ 【oha-kot】 空き地. (出典:萱野、方言:沙流)
ohare
オハレ 【oha-re】 空ける,からにする. ホクレ ワッカ オンタロ オハレ ワ オラーノ オソㇷ゚ソポ ワ オンタロ シㇰノ ワッカ タ ワ アヌ アニー=早く水樽を空けてゆすぎ,その後で水樽にいっぱい水を汲んでおいてくれ.チポロキㇼプ エ・スパ ワ ピㇱトモㇺケ コㇿ アン フミ アㇱ ナ ホクレ ヤンケ ワ スミヒ オハレ=腸間膜をお前が煮て,鍋の脂が煮え立つ音がしているぞ,早く上げて脂の方を空けろ. (出典:萱野、方言:沙流)
oharkisoun
オハㇻキソウン 【o-harki-so-un】 左座の方:横座から入口を見て左側がハㇻキソ. (出典:萱野、方言:沙流)
oharuposo
オハルポソ 【o-haru-poso】 食い根性がよい:食い根性がよすぎて全部他人に与えてしまい,自分の食べ物がない,食べ物を人に与える〔好意的な悪口〕.▷オ=それ ハル=穀物,食べ物 ポソ=くぐる,抜ける (出典:萱野、方言:沙流)
ohasir
オハシㇼ 【oha-sir】 空き家. (出典:萱野、方言:沙流)
ohasir'an
オハシㇼアン 【oha-sir-an】 留守だ. (出典:萱野、方言:沙流)
ohasir'un
オハシㇼウン 【oha-sir-un】 留守番(する).▷オハ=から シㇼ=あたり ウン=住む (出典:萱野、方言:沙流)
ohasir'unte
オハシㇼウンテ 【oha-sir-un-te】 留守番させる. タネポ ヘカッタㇻ パテㇰ ネ ワ コハシㇼウンテ(ク・オハシㇼウンテ) ㇷ゚ ネ クス エアㇻキンネ ク・シオカエポタラ コㇿ ケㇰ(ク・エㇰ) ヒ ウン=今初めて子供らだけで留守番をさせたので,とっても留守を案じながら私は来たのよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ohasirne
オハシㇼネ 【oha-sir-ne】 留守である. エオロハンケコ テパㇰノ ケㇰ(ク・エㇰ) ワ ウナㇻペ オハシㇼネ フナッケ クス ケㇰ(ク・エㇰ) ペ アン=こんなに遠い所,ここまで私が来て,おばさん留守なの,なんのために来たものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ohasirpunkine
オハシㇼプンキネ 【oha-sir-punkine】 留守番する. (出典:萱野、方言:沙流)
ohaw/ohawe(he)
オハウ/オハウェ(ヘ) 【ohaw/ohawe(he)】 (おかずとしての)汁,味噌汁. (出典:萱野、方言:沙流)
ohawkina
オハウキナ 【ohaw-kina】 ニリンソウ:鵡川地方の呼び名. *二風谷ではプクサキナ. (出典:萱野、方言:沙流)
ohay'araykotenke
オハイアライコテンケ 【ohayaraykotenke】 〜とともに泣きわめく.▷オハイ=と ア=私 ライケコンテ=泣きわめく "ハポ" オハイア・ライケコンテ=「母さん」と私は泣きわめいた. (出典:萱野、方言:沙流)
ohaykekar
オハイケカㇻ 【ohayke-kar】 悪口を言う. ウヌフ コハイケカㇻ(ク・オハイケカㇻ)=母親の悪口を私は言った.ソンーノ ポンノ ア ヤッカ ホクフ オハイケカㇻ イヨハイカㇻ ア イヨハイカㇻ ア アーイネ アㇻパ イサㇺ=本当に少し座っても自分の夫の悪口や陰口を言って言って,そして行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
ohayne
オハイネ 【ohayne】 本当. (出典:萱野、方言:沙流)
ohayne ohayne
オハイネ オハイネ 【ohayne ohayne】 そうだそうだ,本当だ本当だ. オハイネ オハイネ アㇻパ・アン ロー=そうだそうだ行きましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
ohayotke
オハヨッケ 【ohayotke】 からあげ(する):吐きそうになるが,何も出ないこと. (出典:萱野、方言:沙流)
ohepuni
オヘプニ 【o-he-puni】 陰茎が起きる,男根が立つ. ▷オ=陰茎 ヘ=自ら プニ=起きる,立つ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ohetke
オヘッケ 【ohet-ke】 流れ落ちる. エトンルイカ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ エトゥ オㇿ ワ オヘッケ エトㇿ パロホ イカ ワ ルイカ ネ アン ペ ア・イェ ㇷ゚ ネ=鼻の橋というものは鼻から出た鼻汁が口を越えて橋になったものを言うものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ohetu
オヘトゥ 【ohetu】 食べ物を口から出す. イテキ オヘトゥノ エ=口から出さずに食べろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ohewke
オヘウケ 【ohewke】 傾ける. イテキ オヘウケレ=だめよ,傾けては.ソモ オヘウケレ ノ カㇻ=傾かないように作れ.オヘウケ サㇰノ ソペㇱニ アヌ=傾くことのないようにゆき桁を置け. (出典:萱野、方言:沙流)
oho
オホ 【oho】 深い. (出典:萱野、方言:沙流)
ohoi
オホイ 【oho-i】 深い. (出典:萱野、方言:沙流)
ohoiosma
オホイオㇱマ 【oho-i osma】 深みに入る. ケケケケ オホイオㇱマ ナ ホシッパ ヤン.アペケㇱ カ インネ ナ=あれあれ(話が)深みに入った,戻りなさい,火の燃えさし(=子供)もたくさんいるから.*おとなの猥談が露骨になったら聞いていた別のおとながイタㇰマㇰクㇱテ(遠回しな言い方)信号を出す.アペケㇱ(火の燃えさし)とは子供たちのことであり,隠語である. (出典:萱野、方言:沙流)
ohokar
オホカㇻ 【oho-kar】 鎖縫い. ▷オホ=針のみぞ カㇻ=作る *アイヌの着物を刺繍する時の縫い方で,針のみぞ穴を並べたような,という言い方をする.これと対の言い方で,イカラリ(イ=それ,糸 カ=上 ラリ=押さえる,詰める)といい,糸を置いて上から押さえるように縫うことを言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ohonno
オホンノ 【ohonno】 長い間,久しく,しばらく,長く. オホンノ ソモ エチ・ヌカㇻ=しばらくの間,お前を見なかった.スㇺ カ オホンノ ア・アヌ コㇿ スㇺタイペヘ アン ペ ネ.ネ ウㇱケヘ アナㇰネ クッカン カ キ ア・エ エアイカㇷ゚ ナ オスラ アニー=油も長く置くと油の沈澱物がある.その分は傷んでいて食べられないから捨ててね. (出典:萱野、方言:沙流)
ohooy
オホオイ 【oho-oy】 深い所. エネポエアシㇼ ペッ オホ クナㇰ ソモ ク・ラム クス ク・ミピヒ チンキ カニ(ク・アニ) カネ ワ ク・ペッカス アㇷ゚ オホオイ アン ワ コリキライェ(ク・オリキライェ) カネ ペッ イクㇱタ ク・ヤン=これほどまでも川が深いとは思わないで,私の着物の裾を持って川を渡ろうとしたのに.深い所があって着物をまくし上げて,川の向かい側へ私は上がった. (出典:萱野、方言:沙流)
ohopuy
オホプイ 【oho-puy】 針穴,めど. (出典:萱野、方言:沙流)
ohoro
オホロ 【ohoro】 〜すぎる. エㇰ オホロ=来るのが遅すぎる.アン オホロ=長居しすぎた.モコㇿ オホロ=寝すぎた.カ(ク・ア) オホロ アイーネ シㇼクンネ クレ(ク・ウレ) エシッテㇺライパ コㇿ ク・イワㇰ オアシ=座りすぎてしまってあたりが真っ暗になり,私は足探りで帰らなければならなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
ohouske
オホウㇱケ 【oho-uske】 深い所. ペッチチャイ タ シノッ アニー.オホウㇱケ ウン イテキ アㇻパ=川の縁の浅い所で遊ぶんだぞ.深い所へ行ってはならないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
oika
オイカ 【o-ika】 (〜を)越える. シトゥオイカ=峰を越える.カニ アナㇰネ オルケㇱサㇰペ ク・ネ クス シキナ ピイェヘ ケトイタ(ク・エトイタ) シリ ネ ナ シコㇿ ハワナン(ハワン・アン) コㇿ タㇷ゚ストゥ オイカ ア・チャㇻパ ㇷ゚ ネ=私は子孫の絶えた者なのでガマ草の種を蒔くのだよ,と言いながら肩越しに後ろへ種を蒔き散らすものだ.*野草というものは食欲旺盛なので,そのように言いながら種を蒔かないと,子孫が食い殺されるので,まじない言葉としていうものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
oinuweus
オイヌウェウㇱ 【o-inuwe-us】 下の始末をしてやる. オンネ フチ ア・オイヌウェウㇱ コㇿ アン ヤㇰ ア・イェ ア ワ ヤイェラムシンネ ハウェ ネ ヤクン ピㇼカ ワ=年寄りおばあさん,下の始末をしてもらっていると聞いていたが,自分で自分のことを安心した(=死ぬ)ということはよかったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
oipep
オイペㇷ゚ 【oipe-p】 食器.▷オ=それで イペ=食べる ㇷ゚=物 テエータ ソンノ フㇱコ ノ アナㇰネ セイ ネ ペコㇿ アオイペㇷ゚ ネ ヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ).ウッシ ウㇱ ペ サモㇿモシㇼ ワ エㇰ ヒ オラ アナㇰネ ネ ワ アン ペ オイペㇷ゚ ネ ヤカイェ=ずっと古い時代は貝殻のような物を食器にしたという.漆塗りの物が和人の国から来るようになってから,それを食器に使うようになった. (出典:萱野、方言:沙流)
oiporposo
オイポㇿポソ 【o-ipor-poso】 青ざめる,血の気がひく.▷オ=それ イポㇿ=顔色 ポソ=潜る コタン ケスン(ケㇱ ウン) ペウタンケ ハウ アㇱ アクス ア・コㇿ ウナㇻペ オイポㇿポソ アㇱ カ コヤイクㇱ=村の下端へ危急を知らせる声が聞こえると,私のおばは顔が青ざめて立ち上がることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
oitakkote
オイタッコテ 【o-itak-kote】 葬式:引導を渡す. (出典:萱野、方言:沙流)
oitaknere
オイタㇰネレ 【o-itak-nere】 いいがかりの材料にする,文句をつける種にする. ▷オ=それ イタㇰ=言葉 ネ=なる レ=させる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
oitakusi
オイタクシ 【o-itak-usi】 呪いの言葉をかける,呪う.▷オ=そこで イタㇰ=言葉 ウシ=つける ネウン ア・イェ ヤッカ ア・エルサ イコㇿ ソモ イ・コホシピレ ヒクス ア・コヌコㇱネ ア・オイタクシ=いくら言っても私が貸した宝を戻さないので,憎たらしいから呪いの言葉をかけてやった. (出典:萱野、方言:沙流)
oka(y) 1
オカ(イ) 【oka(y)】 ①いる,ある,住む,暮らす,(〜に)なる〔複〕. インネ ワ オカ=たくさんいる.ネㇷ゚キ ワ オカ=働いている. (出典:萱野、方言:沙流)
oka(y) 2
オカ(イ) 【oka(y)】 ②〜したいものだ. フチ オンネ エトㇰタ エネ ハワニ ムニンニ ホラㇰ コラーチ パ ハウ サㇰノ コンネ(ク・オンネ) オカー シコㇿ パテㇰ ハウェアン ペ ネ アクス レンカピ コラチ オンネ.コタン エウン ウタㇻ ウウェカㇻパ ア・エトゥシㇼ カㇻ ペ ネ ア ワ=祖母が死ぬ前に言っていた言葉は朽ち木が倒れるように噂もなく死にたいものだ,とばかり言っていたものであったが希望通りに死んだ.村人全部が集まって埋葬してくれたものだったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
oka/okake(he)
オカ/オカケ(ヘ) 【oka/okake(he)】 後ろ:線的後ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
okake
オカケ 【okake】 後. ネㇷ゚キオカケ=働いた後. (出典:萱野、方言:沙流)
okake(he)
オカケ(ヘ) 【okake(he)】 跡. ホㇰノ イヨーハイ キムンカムイ イトゥンナㇷ゚ セチヒ プシロトト ワ エ オカケ=いやー驚きだ.熊がアリの巣を激しく掘り起こし食った跡だ.フンナ トイ オッタ(オㇿ タ) キナカㇻ オカケ アン?=誰が畑で草取りをした跡があるのだ? (出典:萱野、方言:沙流)
okakean
オカケアン 【okake-an】 終わってしまった. オカケアン ヤクン ピㇼカ=終わったのならばいい.イク オカケアン=飲み終わった後. (出典:萱野、方言:沙流)
okaketa
オカケタ 【okake ta】 後で,のちほど. ホㇱキ アㇻパ ワ イペ コㇿ アン オカケタ カㇻパ(ク・アㇻパ) クㇱネ ナ=先に行って食べていてくれ,後で私は行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
okamkir
オカㇺキㇼ 【okamkir】 わざと. イッカㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌパ クニネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした.イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ポロス オンナイ メシ ア・ピラサ ワ オカㇺキㇼ スケㇷ゚ ア・カㇻ ヒネ ヘペㇾイモカ オㇿ ア・オマレ ㇷ゚ ネ=熊送りの時は,大きい鍋の内側へ飯を広げ,わざとお焦げにこしらえて,子熊が神の国へ持って行くみやげ物の荷物に入れるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
okane
オカネ 【oka-ne】 後に. (出典:萱野、方言:沙流)
okapikuyra
オカピクイラ 【oka-pikuyra】 後をつける. クサポ ポンノ ホㇱキ タㇷ゚ アㇻパ アイヌ エアㇻキンネ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ アㇻパ.シノ ク・イヨヤモㇰテ オカピクイラ・アン ワ インカㇻ・アン ロー=おねえさんちょっと待って,今行った人が家々ごとに覗きながら行った.本当に疑わしい,後をつけて行って見よう.イッカエオㇷ゚ ネ ヒ ケラマン(ク・エラマン) ヒクス コカピクイラ(ク・オカピクイラ) ア コㇿカ ネノ アン イキ ソモ キ ノ アㇻパ ワ イサㇺ=盗み癖のある者なのを知っていたので後をつけたけれども,それをせずに行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
okaramotte
オカラモッテ 【oka-ram-otte】 悔やむ:帰った後でもっとちゃんとしてやりたかったと後悔する.▷オカ=後 ラㇺ=思う オッテ=入れる ポオン イチェン ポカ ソモ ク・コレ ノ ホシピ ワ コカラモッテ(ク・オカラモッテ)=少しの銭も私がやらずに戻ってしまい私は悔やんでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
okari
オカリ 【okari】 周囲,まわり,まわる. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) シㇼチュㇰ コㇿ クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ モセ・アㇱ チセ オカーリ カキ チ・カㇻ ペ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=私が小さい時秋になると母と一緒に茅を刈って家の周囲に雪囲いを作ったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
okari
オカリ 【okari】 代わりに. ク・イユタ アイネ ク・シンキ ナ アㇻパ ワ エノカリ(エン・オカリ) イトゥイトゥイェ ワ エン・コレ=私は搗き物をして疲れたので代わりに行って糠飛ばしをしてくれ.ク・ルカリ ルスイ ナ ポンノ エノカリ(エン・オカリ)=私は便所へ行って来たいので少し私に代わって. (出典:萱野、方言:沙流)
okaskamuysak
オカㇱカムイサㇰ 【o-kas-kamuy-sak】 運がない.▷オ=それに カㇱカムイ=憑き神 サㇰ=ない (出典:萱野、方言:沙流)
okaturaynu
オカトゥライヌ 【oka-turaynu】 見失う. マチヤ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エイタサ アイヌ インネ ㇷ゚ ネ クス ク・トゥラ クㇽ ヤアニ ヤアニ コカトゥライヌ(ク・オカトゥライヌ)=町ではあまりにも人が多いので一緒に行った人を危なく危なく見失うところだった. (出典:萱野、方言:沙流)
okaype
オカイペ 【okay-pe】 いる者たち. ウェンクㇽ ネ クス オカイペ=貧しくある者ども. (出典:萱野、方言:沙流)
okemtayayke
オケㇺタヤイケ 【o-kem-tayayke】 血がにじむ. カㇺ ア・サカンケ ヒ タ アナㇰネ ルウェ キミ パㇰノ ネ クワペッネ ア・カㇻ ア・スパ ヒネ ア・テイパ ワ ア・ヌカㇻ ポンノ オケㇺタヤイケ パㇰノ ア・スパ ス ポㇷ゚ ウㇱケ ワ ア・ヤンケ コㇿ ピㇼカ サカンケカㇺ ネ ア・カㇻ エアㇱカイ=肉を煮て干す場合は,太いトウモロコシほどに肉を縦切りにして,それを煮て,つまんでみて少し血がにじむくらいに煮てから鍋の煮え立っているところから上げると,おいしい干し肉が出来るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
okere
オケレ 【okere】 終わる,終わり. シネンネ マㇰ ク・カㇻ シコㇿ ク・ヤイヌ アㇷ゚ イイソネ エ・エㇰ クスケライポ コケレ(ク・オケレ) シリ アン イヤイライケレ=ひとりでどうしようと思っていたのに幸いにもお前が来てくれたお陰で終わった,ありがとう.カㇻオケレ=作り終わり.イペオケレ=食べ終わり. (出典:萱野、方言:沙流)
okettektek
オケッテㇰテㇰ 【okere-tek-tek】 さっと終わる.▷オケレ=終わる テㇰテㇰ=さっと (出典:萱野、方言:沙流)
okewe
オケウェ 【okewe】 追い払う,追い出す,追放する. チカㇷ゚ オケウェ=鳥を追え.セタ チセ オルン アフン ナ.ホクレ オケウェ ワ ソヨマレ=犬が家へ入って来たよ.早く追い払って外へ出せ. (出典:萱野、方言:沙流)
okewpa
オケウパ 【okewpa】 追い払う〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
okihitakne
オキヒタㇰネ 【okihi-takne】 荷物を背負う時に額と荷物の間の部分が短い.*この部分が長くても短くても背負いにくいのでちゃんとしなければならないものだ.この言葉は昭和43年5月16日に二谷善之助さんが教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
okikurmi turesmat
オキクㇽミ トゥレㇱマッ 【okikurmi tures-mat】 オキクルミの妻の名前. (出典:萱野、方言:沙流)
okikurmikamuy
オキクㇽミカムイ 【okikurmi kamuy】 オキクㇽミ神:アイヌに生活文化を教えた神の名.*沙流川に降臨したということでオキクㇽミの砦伝説などがある. (出典:萱野、方言:沙流)
okimne
オキㇺネ 【o-kimne】 山から. オキㇺネ ワノ アイヌ エㇰ ハウ カリカリ ヒクス プヤㇻ カ ア・オㇱマ インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) オヤチキ キムンカムイ スマウコㇿ パ ワ ネ アアン=山の方から人が来る声が響いてきたので窓から体を出して見ると,知らなかったが.熊を獲ってきたのであった. (出典:萱野、方言:沙流)
okimunpe
オキムンペ 【o-kim-un-pe】 山津波:大雨などのため山から多量の土砂が流れ出すこと,洪水. ケㇱト ケㇱト アㇷ゚ト ルイ シリ ネンカネ ポロワッカ アン オアシ オキムンペ ポーヘネ ア・シトマ=毎日毎日すごい雨降りだこと,もしものこと大洪水になりはしないか,山津波はなおさら恐ろしい. (出典:萱野、方言:沙流)
okirasak
オキラサㇰ 【o-kira-sak】 力が弱い. (出典:萱野、方言:沙流)
okirasnu
オキラㇱヌ 【o-kir-asnu】 力持ちだ,力が強い. ポン コㇿカ オキラㇱヌ ㇷ゚ ネ ナ タアンペ アニレ ワ アㇻパレ=小柄だが力がある者だから,この物を持たせて行かせろ.イネアㇷ゚クス オキラㇱヌ シリ イヨㇱキ ワ モコㇿ ワ アン アチャハ.エシタㇷ゚カアニテㇰ ワ ルラ ワ アㇻパ=なんともまあ力のあること,酔っ払って寝ていた伯父を引っ担いで送って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
okisaske
オキサㇱケ 【okisaske】 濡れて身震いする,ざわざわする. モンペ サン ラポㇰ タ ア・コチㇷ゚クタ オキサㇱケ コㇿ アウォㇱマ ワ エㇰ=すがが流れる最中に舟がひっくり返されて濡れて身震いしながら家へ飛び込んで来た. (出典:萱野、方言:沙流)
okitarunpe
オキタルンペ 【okitarunpe】 模様つきの大きいござ=ポロニカプンペ.*シキナ(ガマ草),アッニ(オヒョウの木)の皮で作る.広いものは幅1m30cm,長さ8mくらい. (出典:萱野、方言:沙流)
okkasike
オッカシケ 【okkasike】 以上. (出典:萱野、方言:沙流)
okkasita
オッカシタ 【okkasi ta】 その上,それ以上,つけ加えると. (出典:萱野、方言:沙流)
okkayo
オッカヨ 【okkayo】 一人前の男(24,25歳〜50歳の男). (出典:萱野、方言:沙流)
okkayo kor pe racin racin
オッカヨコㇿペ ラーチンラーチン 【okkayo kor pe racin racin】 (踊りの時のはやし言葉):男の持ち物ぶらりぶらり. (出典:萱野、方言:沙流)
okkayo sirpo a=uosmare
オッカヨ シㇼポ アウオㇱマレ 【okkayo sirpo a=u-osma-re】 男として成人した:成人男子としての風貌が備わった.▷オッカヨ=男 シㇼポ=様子 ア=私 ウ=互い オㇱマレ=入れる (出典:萱野、方言:沙流)
okkayoirwak
オッカヨイㇼワㇰ 【okkayo-irwak】 男兄弟. (出典:萱野、方言:沙流)
okkayokuwa
オッカヨクワ 【okkayo-kuwa】 男の墓標.*チクペニ(エンジュ)や,プンカウ(ドスナラ)で作り,オㇷ゚(槍)の形を型取っている. 図[オッカヨクワ] (出典:萱野、方言:沙流)
okkayopo/okkayopo(ho)
オッカヨポ/オッカヨポ(ホ) 【okkayo-po/-po(ho)】 男,息子. (出典:萱野、方言:沙流)
okkayoru
オッカヨル 【okkayo-ru】 男便所. (出典:萱野、方言:沙流)
okkayotar
オッカヨタㇻ 【okkayo-tar】 男の背負い縄. ▷オッカヨ=男 タㇻ=背負い縄 オッカヨタㇻアナㇰネ イラマンテクス エキㇺネパㇷ゚ネクス タリヒアナㇰネ ハイアニ アオシケㇷ゚ネワ=男は狩りに山へ行くので,その背負い縄はイラクサで編むものだよ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
okkaypo
オッカイポ 【okkaypo】 未婚の17〜30歳くらいの若者(男). (出典:萱野、方言:沙流)
okkew/okkewe(he)
オッケウ/オッケウェ(ヘ) 【okkew/okkewe(he)】 首筋,襟首. オッケウ カ ワ チニラㇻパレ コラチ=首筋の後から誰かに押さえつけらるようにすごく遠慮して座っている様子.オッケウ カシ ア・ピㇼカレ=謝礼として物をあげる(たいしたことのない娘を嫁にやる時に何かを持たせる).オッケウ マカ アッテ カネ=枕の上へ頭を置き,胸を広げて寝ている. (出典:萱野、方言:沙流)
okko
オッコ 【okko】 ちょっと,あんた,お姉さん:呼びかけ.親しい女友だちを女が呼ぶ時. "オッコ ポンノ ホㇱキ"=「お姉さんちょっと待って」 (出典:萱野、方言:沙流)
oknatara
オㇰナタラ 【ok-natara】 ふさぎこむ.悲しい,しおれる. オㇰナタラ ワ アン=ふさぎこんでいる.コㇰナタラ(ク・オㇰナタラ)=私がしおれる. (出典:萱野、方言:沙流)
okne
オㇰネ 【ok-ne】 しおれる,ふさぎこむ. (出典:萱野、方言:沙流)
okokko
オコッコ 【okokko】 化け物,亡霊,幽霊,妖怪. オコッコ アナㇰネ ルウトゥㇽ ペカ アㇷ゚カㇱ ペ ネ ナ イテキ ル ウトゥㇽ エチ・クㇱペ ネ ナ アニー=化け物は道の下側を歩くものだから,道の下側を通らないようにお前たちはするんだよ.*二風谷ではルウトゥㇽというのは道の西側をいう.ルロㇿは道の東側. (出典:萱野、方言:沙流)
okot
オコッ 【okot】 (〜に)くっつく. コㇿチセ ア・カㇻ ヒ タ コㇿハㇺ ア・ウㇰ ヒ タ コㇿハㇺ クㇽストゥ シネ トゥカハ ア・キㇱマ ワ ア・ケッケ ヒネ ア・エタイェ コㇿ コㇿカㇷ゚ コㇿハㇺ オコッ ワ ア・エイワンケ エニタン ペ ネ=フキ小屋を作る時はフキの葉の近くをひと握りだけ握って,それを折って引っ張るとフキの皮がフキの葉にくっついていてそれが使いやすいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
okpare
オㇰパレ 【okpare】 不孝(をする),いじめる,虐待する. ア・オㇰパレㇷ゚=不孝をされている者.イヨーハイ オンネ フチ ア・オㇰパレ ハウェ ク・ヌ ク・イケㇺヌ=まあ大変だ.年寄りおばあさんが不孝をされたと聞いて哀れに思った.ウヌオㇰパレ オナオㇰパレ パㇰノ ア・シトマ ㇷ゚ イサㇺ ペ ナ イキヤーウン ネノ エチ・イキ ナ=母不孝をする,父不孝をする,これほど恐ろしいものはない,万が一にもそのようなことをしてはならないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
oksut/oksutu(hu)
オㇰスッ/オㇰストゥ(フ) 【oksut/oksutu(hu)】 襟首:襟首から後頭下部にかけての部分,襟足,ぼんのくぼ. (出典:萱野、方言:沙流)
oksuy
オㇰスイ 【oksuy】 襟(えり)=ヌㇺサㇺ. (出典:萱野、方言:沙流)
okunnure
オクンヌレ 【okunnure】 びっくりする,あきれる,たまげる. ソンノ コクンヌレ(ク・オクンヌレ)=本当に私はびっくりした.ネウン ア・キㇰキㇰ ヤッカ ヨㇺネ カ ソモ キ ノ オトゥ スイ レ スイ イッカ ハウェ コクンヌレ(ク・オクンヌレ)=どのように殴られても懲りもしないで2回も3回も盗っ人をしているとは,私はあきれてしまった.イヨーハイ タント エトゥレン トゥペサント カ ネ ㇷ゚ ネイタカ シㇰヌ ワ アン ペ ネ ヤー シコㇿ ク・ヤイヌ アㇷ゚ イワンケ ノ ア・パ ヤㇰ ア・イェ ア・オクンヌレ ハワㇱ ネ=あーあ,たまげた.今日で8日になるのにどこかで生きているだろうかと私は考えていたが,元気で発見されたと言う,たまげた話だ. (出典:萱野、方言:沙流)
okus
オクㇱ 【o-kus】 裏返し. (出典:萱野、方言:沙流)
okusne
オクㇱネ 【okusne】 向こう側:川の向こう側に. (出典:萱野、方言:沙流)
okutciurar
オクッチウラㇻ 【okutci-urar】 濃い霧. (出典:萱野、方言:沙流)
okuyetunnay
オクイェトゥンナイ 【okuy-e-tunnay】 小便で弧を描く.▷オクイ=小便 エ=それで トゥンナイ=弧を描く (出典:萱野、方言:沙流)
okuyma
オクイマ 【okuyma】 小便する,排尿,尿. イテキ ホリピ ホリピ ノ アㇻパ オクイマ ワ エㇰ=踊りを踊るようなことをしないで行って小便をしてこい.テエータ にけ シコㇿ ア・イェ チャペ アン ペ ネ ヒネ オンネ アクス オヤコヤㇰ タ オクイマ オソマ ア・コイパㇰ ヒネ ネユン ア・エトパㇻ ヤッカ ホシピ ランケ イヨッタ イヨㇱタ レクチヒ イチェン ア・コテ プマハ ネ ヤㇰ ア・イェ アクス クスケライ ホシピ イサㇺ ペ ネ=ずっと昔ニケという猫がいて,年寄りになったらあちこちで小便や糞をたれ.それが悪いとて何回追放しても戻って来た,一番おしまいに首へ銭をつけて給料だよと言ったらそのお陰で戻って来なかったものだ.*オクイマ クス アㇻパ=小便に行く,とは言わずに,ハンケ アㇻパ(近くに行く)と言うのが本当の言い方.これをイタㇰマㇰクㇱテ(言葉を遠回しに言う)という. (出典:萱野、方言:沙流)
om/omi(hi)
オㇺ/オミ(ヒ) 【om/omi(hi)】 腿(もも),ふくらはぎ. (出典:萱野、方言:沙流)
oma
オマ 【oma】 入る:(物が器等に)入っている. (出典:萱野、方言:沙流)
omakaarpare
オマカアㇻパレ 【o-maka-arpa-re】 こじらせる. イヨㇱキ パ ㇷ゚ ネ クス ウヘコテノ オカ ワ ウコホノイセ パ ネン ア・イェ ヤッカ ウェナプ(ウェン アㇷ゚).エウン ナ シネン エㇰ アㇷ゚ セコㇿ オマカアㇻパレ ウコテㇾケ パ=酔っ払っているものだから互いに顔を見合わせいがみ合い私が何を言ってもだめだった.そこへもうひとり来たと思ったらこじらせて取っ組み合いになった. (出典:萱野、方言:沙流)
omakatetterke
オマカテッテㇾケ 【o-maka-tetterke】 (酔っ払って)ふらふらしている. (出典:萱野、方言:沙流)
oman
オマン 【oman】 行く. (出典:萱野、方言:沙流)
omanan
オマナン 【omanan】 歩く,歩きまわる. モシㇼ エピッタ オマナン ペ ネ クス スンケアㇱペ ソネアㇱペ イェ ア イェ ア=国中歩くものだから嘘の話や本当の話を言うわ言うわ.ネイタ ネ ヤッカ イユトゥㇽウェンテ ルスイ ペ オカイ ペ ネ クス スンケアㇱペ ソネアㇱペ イェ コㇿ オマナン=どこにでも仲たがいをさせたい者がいて,嘘の話や本当の話を言いふらして歩く. (出典:萱野、方言:沙流)
omanrupar
オマンルパㇻ 【oman-ru-par】 冥土の入口. チ・コㇿ シシㇼムカ タ ケラマン(ク・エラマン) オマンルパㇻ トゥㇷ゚ アン シネㇷ゚ アナㇰネ カンカン ルオㇿケ ソ カ タ アン シトゥ オッタ(オㇿ タ) ナ シネㇷ゚ アナㇰネ ニセウ プトゥフ タ アン=私どもの沙流川に私が知っている冥土の入り口は2か所あって1か所はカンカン沢の滝の上の峰の所に,もう1か所は仁世宇川の川尻にある. (出典:萱野、方言:沙流)
omanso
オマンソ 【oman-so】 炉端. (出典:萱野、方言:沙流)
omante
オマンテ 【oman-te】 行かせる. (出典:萱野、方言:沙流)
omaoma
オマオマ 【oma-oma】 あやす,機嫌をとる,なだめすかす. ポンペ キンラカㇻ ワ ホタッパタッパ コㇿ ライキリㇼセ,ウヌフ ネヤ サハ ネヤ ネユン オマオマ ヤッカ ア・コアナサㇷ゚=幼児が猛り立ったように手足をばたつかせて泣き叫び,母や姉がどのようにあやしても手余しした.ポンペ クンネチㇱ ルスイ ア・オマオマ ヤッカ ウェン ヒクス キサラリ ア・カㇻ ヒネ ア・スイェスイェ アクス ソモ チㇱ=子供が夜泣きをしかかりいくらなだめすかしてもだめなので耳長お化けを作って振ると泣くのをやめた. (出典:萱野、方言:沙流)
omap
オマㇷ゚ 【omap】 愛する,かわいがる. (出典:萱野、方言:沙流)
omare
オマレ 【omare】 入れる. カンナアトゥイ チ・ポㇰナレ ポㇰナアトゥイ チ・カンナレ パㇰノ リㇺルイ オカ タ アッケテㇰ ポロンノ コイヤンケ ア・ウウォマレ ヒネ サラニㇷ゚ オㇿ ア・オマレ=海の表が下になり海の底が表になるほどの大しけの後に,ホタテガイがたくさん寄り上がったので集めてサラニㇷ゚に入れた. (出典:萱野、方言:沙流)
omawkusni
オマウクㇱニ 【o-maw-kus-ni】 キタコブシ. (出典:萱野、方言:沙流)
omawnmawn
オマウンマウン 【o-mawn-mawn】 浮気者.▷オ=尻 マウンマウン=放浪する (出典:萱野、方言:沙流)
omawsuye
オマウスイェ 【o-maw-suye】 (〜へ)風で揺れる,宙に浮く. エキㇺネ・アン クス ホユプ・アン コㇿ ア・セトゥㇽ タ ア・コㇿ イカヨㇷ゚ オマウスイェ パㇰ ノ ニタナン(ニタン・アン)=狩のために山へ行く時に走ると,背中で矢筒が宙に浮くほどに私は足が速い.タヌクラン レラ ルイ ペ ネ クス アパオッキ オマウスイェ=今夜は風が強いので戸の簾が風で揺れる, (出典:萱野、方言:沙流)
omayarpe
オマヤㇻペ 【oma-yarpe】 おむつ. オマヤㇻペ ヤㇻペエㇺコ アイコレス=おむつの半分で私が育てられた.婚約者と1枚のおむつを半分に分けて育てられた[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
omekap
オメカㇷ゚ 【omeka-p】 飲み直す:本当の祝宴の後でもう1度飲む. ポロオメカㇷ゚=大きく飲み直す.ポンオメカㇷ゚=少し飲み直す. (出典:萱野、方言:沙流)
omke
オㇺケ 【omke】 咳(をする). (出典:萱野、方言:沙流)
omkeetor
オㇺケエトㇿ 【omke-etor】 咳の鼻汁. (出典:萱野、方言:沙流)
omkekar
オㇺケカㇻ 【omke-kar】 風邪をひく. ポンペ アトゥサ ノ ホユプ コㇿ アン ワ.ネンカネ オㇺケカㇻ ナ ホクレ イミレ=子供が裸で走っているよ.もしものこと風邪でもひく(といけない)から早く着物を着せろ.マキㇷ゚ ソモ エ・オㇺケカㇻ ワ ソモ ネ ウン.エ・メライケ ワ ヘ エ・アペコヨンピッネ シリアン=どうしたのもしや風邪でもひいたのではないの.寒くてか,火にかじりついているのは.カニ カ コㇺケカㇻ(ク・オㇺケカㇻ) ワ ク・ホッケ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エアニ カ ヘ一.マㇰ イキ・アン ヤㇰ ピㇼカ ハウェ タ アン イヤイサマー=私も風邪をひいて寝ていたのにお前もかい.どうしたらいいというのだ,どうしよう.エ・オㇺケカㇻ ワ ヘ マキㇷ゚ エ・オピオ.オピオアニ(オピオ・アン ヒ) タ レㇷ゚ニハッ プンカㇻ ア・ポㇷ゚テ ワ ウウェヘ ア・ク コㇿ ナニ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=お前は風邪をひいたのか,どうして声が嗄れている.声が嗄れた時は赤ブドウ(チョウセンゴミシ)のつるを煎じてその汁を飲むとすぐよくなるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ommekka
オンメッカ 【om-mekka】 太股の前の方. (出典:萱野、方言:沙流)
omommomo
オモンモモ 【omommomo】 さっと言う,略して言う[ユ]. タㇷ゚ネ カネ ア・コㇿ サポ イ・レス シㇼ ア・オモンモモ=このように私の姉は私を育てる様子をさっと言う.*オモンモモとひと言で言う場合は顔を上げずに目だけを動かしてあたりの様子を見ることを言うが,ユカㇻでは「さっと言う」「ここで省略して話を前へ進める」という意味になる場合が多い. (出典:萱野、方言:沙流)
omompe
オモンペ 【omompe】 股引:尻の割れたズボン下のようなもの. (出典:萱野、方言:沙流)
omonkotte
オモンコッテ 【o-mon-kotte】 大事にして仕事をさせない,過保護にする:ひとり娘やひとり息子を甘えさせる場合など. ニㇱパ ネ パ ㇷ゚ ネ クス オモンコッテ パ ワ ネㇷ゚キレ パ カ ソモ キ.ポロ コㇿ オラーノ トランネ ワ ヤイペレ ポーカ エアイカㇷ゚ オアシ=物持ちの人たちなので(子供を)大事にして仕事もさせない.大きくなったら骨惜しみ者になって自分で食うだけの働きもできない者になるであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
omonnure
オモンヌレ 【o-mon-nure】 ほめる,ほめそやす. ソンノ ポノッカイポ(ポン オッカイポ) パウェトㇰコㇿ ハウェ.ア・オモンヌレ=本当にまだ若い人なのに雄弁なこと.それをほめたい.ピㇼカㇷ゚ カ ウェンペ カ インクㇱ・アン ペ ネ クス セミタㇰ コラチ ア・イェ ワ ア・イ・オモンヌレ カ ア・イ・コイキ カ キ ㇷ゚ ネ=よいことも悪いことも予感がするので予言と同じように私は言ってほめられたり叱られたりするのよ.ヘカッタㇻ ポンノ カ ネㇷ゚キ パ コㇿ ア・オモンヌレ ア ア・オモンヌレ ア コㇿ エヤイコプンテㇰ パ ネㇷ゚ ネㇷ゚ イカスイエオ パ ㇷ゚ ネ=子供たちが少しでも仕事をしたら何回もほめる,そうすると喜んでいろいろな仕事を手伝うようになるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
omonpekare
オモンペカレ 【omonpekare】 大事にする. ソモ オモンペカレ ノ=大事にしようとせずに.*子供が薄着をしている時.老人がその親に向かって言う場合など.主として子供のことについて言っていたのを聞いた. (出典:萱野、方言:沙流)
omuken
オムケン 【omuken】 獲物が獲れない,空戻りする. ア・ウタリヒ シトゥ カリ ヘメㇱパ ナイパルㇽ タ イイェトコウㇱ クニ ア・イェ オヌマン パㇰノ アナン(アン・アン) ア コㇿカ オムケン・アン=私の仲間たちは峰に登って行き,私は沢縁で待ち伏せするように言われ夕方までいたが何も獲れない.シㇼチュㇰ アクス アウン エカシ ケサンチカㇻ チェㇷ゚コイキ クス ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ラン コㇿカ オムケン ノイネ=秋になったら隣のおじいさんが毎夜のように魚獲りに川へ下りているけれども何も獲れないらしい. (出典:萱野、方言:沙流)
omunseru
オムンセル 【o-mun-seru】 ごみにむせる. ソンノ イヨーハイ ヤイェシンニューケㇱ ペ ネ クス シッチャㇱヌレ カ ソモ キ オトイセル オムンセル ワ アン イオッセレケレ=本当にあきれたよ,だらしないものだから掃除もしないで土けむりにむせ,ごみにむせている,たまげたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
omuttek
オムッテㇰ 【omut-tek】 埋まる. チセ オムッテㇰ パㇰ ウパㇱアㇱ=家が埋まるくらい雪が降った. (出典:萱野、方言:沙流)
on
オン 【on】 発酵する. ニペㇱウォロ コマレ(ク・オマレ) ワ タント エアㇻワント ネ アクス ピㇼカノ オン ワ ソシヌ ノ ワ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=シナ皮を水にうるかして今日とともに7日目になったらよく発酵し,1枚1枚に剥がれ私は嬉しくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
ona/ona(ha)/onaa
オナ/オナ(ハ)/オナア 【ona/ona(ha)】 父,父親. (出典:萱野、方言:沙流)
onanci=sapa
オナンチサパ 【o-nan-ci=sapa】 古い熊の頭:イヨマンテ(熊送り)に神の国へ送った頭骨が白骨化した物.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
onanunuke
オナヌヌケ 【ona-nunuke】 父孝行. (出典:萱野、方言:沙流)
onaokpare
オナオㇰパレ 【ona-okpare】 父不孝. (出典:萱野、方言:沙流)
onautar/onautari
オナウタㇻ/オナウタリ 【ona-utar/-utari】 両親,親たち. (出典:萱野、方言:沙流)
onene
オネネ 【one-ne】 それが原因で. テエータ トゥカㇷ゚チタ チクニエゥナラ オネネウコイキアンワ ヤイケシテウタㇻ シピチャラタ エㇰペネヤカイェ=ずーっと昔に十勝で薪を取り合い,それが原因で村を出た人たちが静内へ来たものだそうだ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
onikapuncitarpe
オニカプンチタㇻペ 【o-nikap-un-citarpe】 半分模様つきのござ:シキナ(ガマ草),アッニ(オヒョウ)の皮で作る. (出典:萱野、方言:沙流)
onipici
オニピチ 【o-ni-pici】 木から落ちる. (出典:萱野、方言:沙流)
onit
オニッ 【o-nit】 魚卵のこぼれどめ:ヤナギの枝を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
onitusi
オニトゥシ 【o-nit-usi】 サケの産卵口へ木の枝を差す. ▷オ=産卵口 ニッ=木 ウシ=差す(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
onka
オンカ 【on-ka】 発酵させる. トゥレㇷ゚ イルㇷ゚ ア・ヌンパ オカケ シチヒ アナㇰネ コㇿコニ ハㇺ ア・コカㇻカリ ワ ア・オンカ ㇷ゚ ネ ナ=ウバユリの澱粉をしぼった残りのかすの方はフキの葉に包み発酵させるものだよ.トゥレㇷ゚ イルㇷ゚ ア・ウㇰ オカケヘ シチヒ アナㇰネ ア・ヌンパ ワ コㇿコニ ハㇺ ネヤ ノヤ ネヤ イロンネノ ア・コカㇻカリ ワ ア・アヌ ア・オンカ ㇷ゚ ネ ワ=ウバユリの澱粉を取った後の繊維の部分は,それをしぼってフキの葉とかヨモギなどで厚くくるんでおき,発酵させるものだよ.*ウバユリの根から澱粉を取った残りを発酵させる.また,山でシナ皮を剥ぎ,その日のうちに沼にうるかすこともオンカというが,真夏のことなので気温によっては1週問から10日ぐらいで上げて水洗いをする.このシナ皮をオンニペㇱという. (出典:萱野、方言:沙流)
onkami
オンカミ 【onkami】 礼拝する,おがむ,おじぎする,男の挨拶:胸の前で手を上下する. 図[オンカミ] (出典:萱野、方言:沙流)
onnay/onnayke
オンナイ/オンナイケ 【onnay/onnayke】 中,内部,屋内. モㇱアナクス(モㇱ・アン アクス) アリタオマㇷ゚ オンナイケ タ アナン(アン・アン) オヤチキ チㇷ゚ オㇿ アイヨマレ(ア・イ・オマレ) ワ ア・イ・モㇺカ ヒ ネ アアン=目を覚ましたら板付け船の中であった.知らなかったが船に入れられ流されたのであった[ユ].チセ オンナイ タ ネㇷ゚カ ア・トゥライヌ コㇿ スワッ ユㇷ゚ケノ ア・シナ コㇿ ホクレ フナラ ワ エン・コレ シコㇿ ア・イェ コㇿ ア・パ ㇷ゚ ネ ワー=家の中で何かなくなると,炉釣を強く紐で縛り「早く捜してくれ」と言うと発見できるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
onne 1
オンネ 【onne】 ①年をとる.年寄りの. オンネ・アン コㇿ メライケエオ・アン ペ ネ クス イユコミ・アン ヤッカ ポーヘネ メライケ・アン フミ ネ ペコㇿ ヤイヌ・アン=年をとると寒がりになって重ね着をしてもなおさら寒いような気持ちになってしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
onne 2
オンネ 【onne】 ②死ぬ. タㇷ゚ ウフナㇰ パㇰノ みさフチ ヤイェラナㇰ ワ アン コㇿカ オンネ ワ イサㇺ ア・コタヌ タ アナㇰネ タネ ア・エラナㇰペ シネㇷ゚ カ イサㇺ ワー=ついこの頃までみさばあさんが病気していたが亡くなったのでうちの村では心配事はひとつもないよ.コタンパ ウン エカシ ウクラン オンネ ヤㇰ ア・イェ=村の上端のじいさんが昨夜死んだそうだよ.*この場合のオンネというのは死という言葉でも敬称である.普通の言い方はライ(死ぬ)であるが,老人の場合はオンネ.あるいはモシㇼホッパ(国土を残す=死ぬ).年齢,あるいは地域社会への貢献の度合によっては死んだという言葉にも言い方がある. (出典:萱野、方言:沙流)
onne nisa ku=kotuk
オンネ ニサ クコトゥㇰ 【onne-nisa ku=kotuk】 年寄りの身体に私はくっついた.▷オンネ=年寄り,老人 ニサ=空洞,身体 ク=私 コトゥㇰ=くっつく *昔は大勢の子供が生まれ,末っ子になると父親は年寄りに見えたし,そうであったであろう.ご近所のおとなたちは年をとった父親の懐に寝ている子供を冷やかし「オンネニサ ク・コトゥㇰ オンネニサ ク・コトゥㇰ」と言うとその意味をよく知らない子供もおとなの口真似をして「オンネニサ ク・コトゥㇰ オンネニサ ク・コトゥㇰ」と言ってあたりのおとなの笑いを誘った. (出典:萱野、方言:沙流)
onne wa inukuri
オンネ ワ イヌクリ 【onne wa i-nukuri】 老衰(になる). (出典:萱野、方言:沙流)
onnehuci
オンネフチ 【onne-huci】 おばあさん. アㇻパ ワ オンネフチ タㇰ ワ エㇰ=行っておばあさんを呼んで来い. (出典:萱野、方言:沙流)
onnekur
オンネクㇽ 【onne-kur】 老人.おじいさん(親しみをこめた言葉). オンネクㇽ アㇷ゚カㇱ コㇿ エレラコノイパ ペコㇿ アㇷ゚カㇱ ペ ネ=老人が歩くと風に体がねじられるように歩くものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
onneorun
オンネオルン 【onne-orun】 年を寄るにしたがって. イペウナラ ㇷ゚ アナㇰネ カムイ コイパㇰ ワ オンネオルン イペー カ エアイカㇷ゚ ペ ネ=食い根性の悪い者は神から罰を受けて,年をとるにしたがって食うこともできないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
onnep
オンネㇷ゚ 【onne-p】 年寄り,老人. (出典:萱野、方言:沙流)
onnepaskur
オンネパㇱクㇽ 【onne paskur】 年寄り烏. オンネパㇱクㇽ イーネ タラ タㇰ ワ イーサㇺ ネー タラ イーネ…=年寄り烏はどうしたの,俵を取りに行ったのよ,その俵はどうしたの…[カムイユカㇻ].*オンネパㇱクㇽという言葉をそれだけで用いることはなく,これはカムイユカㇻの題名である. (出典:萱野、方言:沙流)
onnerusuy
オンネルスイ 【onne rusuy】 死期が近い. ア・スチヒ オンネルスイ ワ ネ ノイネ イペ カ ソモ キ ノ モコㇿ ワ パテㇰ アン.アプンノ イカフイェ・アン コㇿ アナン(アン・アン)=私のおばあさんは死ぬのが近くなったのか食べ物も食べずに眠ってばかりいる.静かにおばあさんの看病を私はしている. (出典:萱野、方言:沙流)
onnipes
オンニペㇱ 【on-nipes】 発酵したシナ皮. (出典:萱野、方言:沙流)
onnokka
オンノッカ 【onnokka】 子守歌を歌って子供をあやす.子守歌のことを沙流川地方はイヨンノッカ,静内地方ではイヨンルイカ,旭川ではイフンケという.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
onnuonnu
オンヌオンヌ 【onnu-onnu】 鼻歌(を歌う).もごもごと言う:ちゃんと声を出さない. シネンネ ネㇷ゚キアニタ(ネㇷ゚キ・アン ヒ タ) アナㇰネ ネㇷ゚ ワ アン ペ ア・オンヌオンヌ コㇿ ネㇷ゚キ・アン コㇿ トエシニューカ カ ソモ ア・キ ㇷ゚ ネ=ひとりで働くような時には,何か鼻歌などを歌いながら働くと,日飽きもしないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ononnoononno
オノンノオノンノ 【ononno ononno】 珍しい物を貰って喜んだ時に出す声. (出典:萱野、方言:沙流)
onruyka
オンルイカ 【onruyka】 あやす:赤ん坊の機嫌をとる. オンルイカ ワ アヌ=あやしておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ontaro
オンタロ 【ontaro】 樽. エイタサ パセㇷ゚ オンタロ オㇿ エ・オマレ ワ オンタロ アサマハ エソヨㇱマ ワ イサㇺ=あまりにも重いものをお前が樽に入れ,樽の底が抜けてしまった.ソンノ エネ サッテㇰ ペ オラーノ アサㇺ サㇰ オンタロ ネノ イペノ シリ=全くあのように痩せているくせに底なし樽のようによく食べること!(悪口)図[オンタロ] (出典:萱野、方言:沙流)
ontarosintoko
オンタロシントコ 【ontaro-sintoko】 樽行器,2斗樽とか4斗樽のような形のオンタロ(樽)やシントコ(行器)のこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
onturep'akam
オントゥレㇷ゚アカㇺ 【on-turep-akam】 ウバユリの干し団子:ウバユリの根の澱粉を発酵させたもの. トゥレㇷ゚ ア・タ ワ イルピヒ ア・ウㇰ ケセケヘ コㇿコニ ハㇺ ア・コカㇻカリ ワ ア・オンカ オントゥレㇷ゚アカㇺ ネ ア・カㇻ ワ ア・サッケ=ウバユリを掘って澱粉を取った残りをフキの葉にくるみ発酵させ,ウバユリ団子にして乾かす. (出典:萱野、方言:沙流)
onuman
オヌマン 【onuman】 晩方,夕方,夕暮れ.晩(暗くなってから寝るまで). (出典:萱野、方言:沙流)
onuman an kor
オヌマン アン コㇿ 【onuman an kor】 毎晩,毎夕. (出典:萱野、方言:沙流)
onuman'ipe
オヌマンイペ 【onuman-ipe】 夕食,夕飯. (出典:萱野、方言:沙流)
onumanipe
オヌマニペ 【onuman-ipe】 夕食. (出典:萱野、方言:沙流)
onumposo
オヌンポソ 【o-num-poso】 九死に一生を得る,助かる.▷オ=それ ヌㇺ=粒 ポソ=くぐる →たくさんの粒の中から一粒(=私)だけがくぐり抜けた. (出典:萱野、方言:沙流)
onuytasa
オヌイタサ 【onuytasa】 反対に:物の裏表の意味ではなく,主として人の行き来に対して,代りに(…と交代して). オヌイタサ アㇻパ=反対に行く.アㇻパ アㇷ゚ オヌイタサ エㇰ=行ったのに行き違いにやって来た. (出典:萱野、方言:沙流)
ooho
オオホ 【ooho】 深い. (出典:萱野、方言:沙流)
oohoi
オオホイ 【ooho-i】 深い所. (出典:萱野、方言:沙流)
ooka
オーカ 【ooka】 そうであったのか,そうかそうか,そうかい知らなかったよ. *昭和10年前後,隣にいた貝澤チエキノアというフチ(おばあさん)は,子供である私が何かいいことをすると,オーカ アクタナーと言って誉めてくれたものであった.そうかそうか,偉いぞと聞こえた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ookuciekkor opatatce
オークチエッコㇿ オパタッチェ 【ookuci-ek-kor opatatce】 隠れん坊の時に隠れている相手を笑わせる言葉. ▷オークチ=意味はない エッコㇿ=来ながら オパタッチェ=ぴりぴりっと下痢をする音 *オークチには言葉としての意味はないが,隠れている者がいそうなところを,高い声で言いながら歩くと笑ってくれるので,見つけることができた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
op
オㇷ゚ 【op】 槍. 図[オㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
op'ipe
オㇷ゚イペ 【op-ipe】 槍の穂先. テエータ アナㇰネ ユㇰ ニサㇷ゚ポネ アㇻケヘ ア・ケウレ ワ ア・エエンカ オㇷ゚イペ ネ ア・カㇻ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずーっと大昔は,鹿の脛の骨を片方を削ってとがらせて槍の穂先にしたものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
opakanere
オパカネレ 【o-paka-ne-re】 (〜で)馬鹿になる. イク オパカネレ=酒を飲んで馬鹿になる.メノコ オパカネレ=女のために馬鹿になる. (出典:萱野、方言:沙流)
opanperak
オパンペラㇰ 【o-pan-pe-rak】 薄味だ.▷オ=それ パン=薄い ペ=滴 ラㇰ=味 エ・スパ チェㇷ゚ルㇽ ポンノ オパンペラㇰ ナ シッポ コㇿ ワ エㇰ=お前が煮た魚汁,少し塩味が足りないから塩を持って来てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
opantaye
オパンタイェ 【o-pa-etaye】 探り出す:根掘り葉掘り聞き出す. ポンノ ルハイタ ㇷ゚ アナㇰネ シネ イタㇰ カ ア・オパンタイェ コㇿ ネㇷ゚ ネ ヤッカ オピッタ イェ ㇷ゚ ネ=ちょっぴり頭の足りない者は一言でも探りを入れるとなんでも言ってしまうものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
opatapururke
オパタプルㇽケ 【opata-pururke】 上半身を波うたせる,身体をわなわなとふるわせる,ぷんぷん怒る,ぷりぷりする,かっかと怒る. ネㇷ゚ ワ アン ペ エ・エサッチュー ワ ネ ヤ ウㇰペエシリヤカカ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ネㇷ゚ カ ソモ イェ ノ オパタプルㇽケ コㇿ チソイェカッタ ワ イサㇺ=何が気にさわったのか手に取った物を荒っぽく扱っていたのに何も言わずにかなり怒った様子をしながらさっと外へ出て行ってしまって.ヘマンタクス アㇻパ ワ オラ スイ ネㇷ゚カ ア・ヌレ ワ ネ ノイネ オパタプルㇽケ コㇿ エㇰ フ ヤヨスラ ワ アン=何をしに行って,また何か聞かされたらしくぷんぷんしながら来て,自分の身体を投げ出すようにして寝そべっている.ウナㇻペ エㇰ ヒネ ク・サハ トゥラ ルスイ ワ ネユン シレン ヤッカ アㇻパ コパン ウナㇻペ アナㇰネ オパタプルㇽケ コㇿ アㇻパ ワ イサㇺ=叔母が来て,私の姉を連れて行きたくて,どんなに誘っても行くのをいやがり,叔母はぷりぷりしながら行ってしまった.オハイケヘ ア・カㇻ ヒ ヌ ワ オパタプルㇽケ コㇿ チョラウキ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=悪口を言われたのを聞いてかっかと怒って,向かって行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
opatapururse
オパタプルㇽセ 【opata-pururse】 湯気がぼうぼうと立っている,湯気が立っている食べ物,湯気立ち. ネンスパㇷ゚ ネルウェネヤ オパタプルㇽセ アエㇷ゚アンワ アエコロアナン=誰が煮た食べ物か知らないが,湯気ぼうぼうの食べ物があって,私は食べていた[ユ]. *オパタプルㇽケだと,ぶんぶんと怒る,になる.プルㇽケとプルㇽセの違いに注意すること.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
opatatce
オパタッチェ 【opatatce】 腹下し,下痢(する). (出典:萱野、方言:沙流)
opattek
オパッテㇰ 【opattek】 大きく破れる. チセ オパッテㇰ=家の壁に大穴があいた(人が出入りできるくらい).アミㇷ゚ オパッテㇰ=着物に大穴があいた(人間の頭が入るくらい). (出典:萱野、方言:沙流)
opecikcik
オペチㇰチㇰ 【o-pe-cik-cik】 陰部が濡れる:性衝動に駆られて. (出典:萱野、方言:沙流)
opentari
オペンタリ 【opentari】 素姓を言う. トゥ カムイ シンリッ レ カムイ シンリッ ア・オペンタリ=ふたつの神の先祖,三つの神の先祖,その素姓を私は言う.*困って神々に頼みごとをする時. (出典:萱野、方言:沙流)
opeope
オペオペ 【ope-ope】 たどる,話の筋をたどる. ヤイオペオペ=自己紹介. (出典:萱野、方言:沙流)
oper
オペㇾ 【oper】 16歳〜20歳くらいの女,少女:かわいがって呼ぶ言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
operahamnehamne
オペラハㇺネハㇺネ 【opera-hamne-hamne】 ひらひらさせる:着物を着て帯を締めずにひらひらさせている. (出典:萱野、方言:沙流)
opes
オペㇱ 【o-pes】 (〜を)通って行く. ト ト インカㇻ ヘマンタ カㇻ ペ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ コタン オペㇱ.オㇱ アㇻパ ワ インカㇻ=あれあれ何をする者,家ごとに覗き見しながら村を通って行く.後へ行ってみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
opetpetke
オペッペッケ 【o-per-per-ke】 破れ着物,ぼろぼろの着物. ヒナㇰ ワ エㇰ イヤフㇷ゚ペ オペッペッケ アミㇷ゚ ミ カネ ㇷ゚ エㇰ ヒネ ヤイェヤントエトゥン=どこから来た乞食なのかぼろぼろの着物を着て泊めてくれと言った. (出典:萱野、方言:沙流)
opici
オピチ 【opici】 放す. チェㇷ゚コイキ オッタ(オㇿ タ) ヤ オルン アムㇱペ アフン コㇿ ア・シㇼコテ ワ チェㇷ゚ ア・ウㇰ パㇰノ ソモ ア・オピチ ㇷ゚ ネ=サケを獲りに行って網にカニがかかると紐でカニを繋ぎ,サケが獲れるまで放さないものであった.エ・キㇱマ ワ エ・アン トゥㇱ オピチ.タネ ピㇼカ ナ=お前がつかんでいる綱を放せ.もういいから. (出典:萱野、方言:沙流)
opicire
オピチレ 【opici-re】 放つ,放してやる,放させてやる,放すように言う. セタオピチレ=犬を放つ.ヘマンタ ネ チカッポ エ・キㇱマ ワ エ・エㇰ.ホクレ オピチレ イヌヌカㇱケ=なんのために小鳥をつかまえてきたの.早く放せ,かわいそうだから. (出典:萱野、方言:沙流)
opio
オピオ 【opio】 嗄(か)らす:声が嗄れる. エ・オㇺケカㇻ ワ ヘ マキㇷ゚ エ・オピオ.オピオアニ(オピオ・アン ヒ) タ レㇷ゚ニハッ プンカㇻ ア・ポㇷ゚テ ワ ウウェヘ ア・ク コㇿ ナニ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=お前は風邪をひいたのか,とうして声が嗄れている.声が嗄れた時は赤ブドウ(チョウセンゴミシ)のつるを煎じてその汁を飲むとすぐよくなるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
opisne
オピㇱネ 【o-pis-ne】 海岸の方. ハンケ マサㇻ トゥイマ マサㇻ マサㇻ ウトゥル パㇰ ノ ア・イ・コチㇷ゚エタイェ オピㇱネ パㇰノ トゥイマ パㇰノ=近い砂浜と遠い砂浜の間まで船とともに引っ張られ海岸の方まで遠いほどに. (出典:萱野、方言:沙流)
opitta
オピッタ 【opitta】 残らず,総体,皆,全部. ホクレ ホクレ ポロンノ イペ ヤン オピッタ エチ・エ ヤッカ スイ ク・スケ ナ=早く早くたくさん食べなさい,残らず食べてももう1度煮るので.イテキ オピッタ エ ノ ポンノ アヌ.エ・サハ イペルスイ コㇿ エㇰ ナンコㇿ ナ=全部食べないで少し残せ,お前の姉が腹をすかせて来るであろうから. (出典:萱野、方言:沙流)
opiwki
オピウキ 【opiwki】 助ける. ト ト ヌカㇻ ヌカㇻ キムンペ ピューキ ワ エㇰ ノイネ ヨコ ワ アン ナ.エン・カ オピューキ ワ エン・コレ=あれあれ見ろ見ろ.熊が向かって来るらしく構えている,助けてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
opke
オㇷ゚ケ 【opke】 おなら(をする),放庇. (出典:萱野、方言:沙流)
opkeni
オㇷ゚ケニ 【opkeni】 コブシ,キタコブシ.▷オㇷ゚ケ=屁 ニ=木 →枝を折ると臭いので屁をする木と名づけた *オマゥクㇱニという言い方もある.オ=尻 マゥ=空気 クㇱ=通る ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
opokin
オポキン 【opokin】 次々と. クㇰ(ク・ウㇰ) コㇿ オポキン ルラ=私が取ったら次々と運べ.ウオポキン エㇰ=次から次と来た. (出典:萱野、方言:沙流)
opoknanam
オポㇰナナㇺ 【o-pokna-nam】 下から冷たい,下から寒い. ▷オ=それ ポㇰナ=下の方 ナㇺ=冷たい,寒い *敷き布団が薄いので下から冷えることを言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
oporo
オポロ 【o-poro】 陰茎が大きい. オポロ ㇷ゚=陰茎が大きい者. (出典:萱野、方言:沙流)
oposo
オポソ 【o-poso】 通す,くぐる,通り抜ける. イワポソインカㇻ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ イタㇰ コラチ イワ オポソ カ アイヌ ヌカㇻ コㇿ アン アシトマ ウェンカムイ ネヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ)=岩を通してでも見えるという悪い神は言葉の通りに岩を通しても人間を見ている,それは恐ろしい化け物だそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
oposore
オポソレ 【oposo-re】 覗く. イプヤㇻ オポソレ=窓から覗く.イヤパ オポソレ=戸から覗く. (出典:萱野、方言:沙流)
oprak
オㇷ゚ラㇰ 【op-rak】 いやな味. ルㇽス プタ ネ ヤ ルㇽカスㇷ゚ ネ ヤ サヨス エウン ア・エイワンケ コㇿ オㇷ゚ラㇰ ペ ネ ナ イテキ ネノ イキ・アン ペ ネ ナ=汁鍋のふたや汁用のしゃもじを粥鍋に便うといやな味がするものなのでそのようにするものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
opunpuni
オプンプニ 【o-pun-puni】 おだてる. シケサㇻペ アナㇰネ ア・ウコシウトゥㇽウイルケ コㇿ ポーヘネ ウェン ナ.タㇰ ワ エㇰ ヤン ア・オプンプニ ワ ネㇷ゚カ ア・カレ クㇱネ ナ=ならず者は皆ではじき出すとなおさら悪いものだ.呼んで来なさい,おだてて何かやらせようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
opusi
オプシ 【opusi】 破る,やぶれる,穴をあける. (出典:萱野、方言:沙流)
oputuye
オプトゥイェ 【oputuye】 押す,押しつける,突き飛ばす. コプトゥイェ(ク・オプトゥイェ)=私が押しつける.オプトゥイェ ワ カㇻカㇻセレ=突っ転ばす. (出典:萱野、方言:沙流)
or'arpare
オㇿアㇻパレ 【or-arpa-re】 息絶える. (出典:萱野、方言:沙流)
or'oyaciki
オㇿオヤチキ 【or-oyaciki】 知らなかった. イ・レス エカシ オㇿオヤチキ キムンカムイ ネ アアン ヒクス ア・コアパセㇱケ ア・チセコウフイカ=私を育てたおじいさんは,知らなかったが熊であったので家の中に閉じ込めて家とともに焼いてしまった[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
or/orke
オㇿ/オㇿケ 【or/or(ke)】 そこ,〜の所,〜の中. (出典:萱野、方言:沙流)
ora
オラ 【ora】 そして,その,それから,それで. オラ ネ アイヌ イネ=そして,その人はどうしたの.ア・オナハ トゥラノ チェㇷ゚コイキ・アン クス ペトルン(ペッオㇿウン) アㇻパアナㇷ゚(アㇻパ・アン アㇷ゚) ネㇷ゚カ オイラ ヤㇰ イェ コㇿ ア・オナハ ホシピ.オラ マㇰネ シネンネ カㇱコッタ レウシ・アン=父と一緒にサケを獲りに川へ行ったら何か忘れたと言って父は戻った.そしてどうなったか,ひとりで仮小屋に泊まった. (出典:萱野、方言:沙流)
ora
オラー 【ora】 すぐに,それから,その後で. (出典:萱野、方言:沙流)
orakse
オラㇰセ 【orakse】 食べ足りない. イヨーハイ ク・スケ ポン ア ワ ネ ノイネ イペ オラㇰセ.ポンノ ホㇱキ ヤン ネㇷ゚カ ク・スパ ナ=まあーどうしよう,私が煮た物が少なかったらしく皆が食べたりない.少しの間待ってね,何か煮るから. (出典:萱野、方言:沙流)
orampesiste
オランペシㇱテ 【o-ram-pesis-te】 驚愕する,驚く. ヘマンタ エオラㇺペシㇱテ ㇷ゚ エネポエアシㇼ ヌイ サウォッ イセポ コラチ キラ シリ アン=何に驚愕したものか,あれほどまでに山火事から逃れようとするウサギのように逃げて行くのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
oramposo
オランポソ 【o-ram-poso】 驚く,びっくりする.▷オ=それ ラㇺ=思い ポソ=くぐる,抜ける →驚きの余り思いも考えも抜けてしまった オラㇺポソ セコㇿ ア・イェ コㇿカ シㇼウフイ ヒタ アナㇰネ イタㇰ コラチ ア・オラㇺポソ ワ ヤイカタ アナㇰネ ネㇷ゚カ ア・キ カ エアイカㇷ゚ ペ ネ=びっくりすると言っても火事の場合は言葉の通りに自分自身の考えが身体からくぐり抜けてしまって,自分では何もできないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
oramsakka
オラㇺサッカ 【o-ram-sakka】 軽蔑する,見下げる,馬鹿にする. アイヌイカラㇱ ケㇱト イク ア イク ア ウトゥル アン コㇿ ホッケ ワ パテㇰ アン ウェンクㇽ ネㇷ゚ ネ クス ア・オラㇺサッカ=惜しい人が毎日酒を飲んでばかりいて,その問に寝てばかりで貧乏なものだから軽蔑される.ソンノ エネ パウェトッコㇿペ ポンノ イク コㇿ チカトゥントゥン ア・オラㇺサッカ ノ イキ シリ アイヌイカラㇱ=本当にあのように雄弁な人が少し酒を飲むとおだって馬鹿にされるようなことをするものだ,人間がもったいない.アイヌ オッタ(オㇿ タ) イヨッタ ア・シトマ ア・オラムサッカ ㇷ゚ アナㇰネ イッカ ネ ナ.イテキ イッカ・アン ペ ネ ナ アニー=アイヌの所で一番恐ろしく軽蔑されるものは泥棒だ.泥棒だけはしてはならないよ.アイヌ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エイタサ ミムㇱペ オカ コㇿ ウェンセク シコㇿ ア・イェ ア・オラㇺサッカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=アイヌの所ではあまりにも太った者がいると悪い太り方と言って軽蔑されるものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
orano
オラノ 【orano】 それから,そして. (出典:萱野、方言:沙流)
oranrani
オランラニ 【o-ran-rani】 詰める. サラニㇷ゚ オランラニ=袋に詰める.クナウ ペ トゥㇺ ワ ア・プス アーペコㇿ アン カムイ イコㇿ ア・エウンケライ.イナウ ア・ケ ア ア・ケ ア イナウ トゥンプ ア・カㇻ ワ スウォㇷ゚ アサㇺ ア・オランラニ ルウェ ネ=フクジュソウの花の雫の中から掘り出したような神の宝刀を私は貰った.イナウをたくさん削ってイナウの寝床を作り宝箱の底へ詰め込んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
orap
オラㇷ゚ 【o-rap】 ~へ下りる,降臨する. アノミカムイ トイカオラㇷ゚=祭られている神が大地へ降臨した.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
orap'osamampe
オラㇷ゚オサマンペ 【o-rap-o-samampe】 タカノハガレイ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
orarpare
オーラㇻパレ 【or-arpa-re】 息をひきとる. (出典:萱野、方言:沙流)
oraun
オラウン 【oraun】 〜なのに,それから,そして. エ・ポンペ オラウン ケㇱト ニナ クス エ・エキㇺネ アクタナー=お前はまだ子供なのに毎日薪を取りに山へ行って感心なことだ.エ・コㇿ アイヌ エㇰ ヤㇰ ア・イェ ア ワ オラウン フナクン アㇻパ ルウェ アン=お前の父が来たよといったのに,それからどこへ行ったのよ. (出典:萱野、方言:沙流)
orawki
オラウキ 【orawki】 取り逃がす. ニサッタ セコㇿ ク・イヌ.アナッキ コㇿカ ニサッタ ネ ヤクン ア・オラウキ ナンコㇿ=明日にでもと私は聞いた.けれども,明日になったら取り逃がすであろう.オッカイポ アペケㇱ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) エ・ア コㇿ ポン ユㇰ ポカ エ・オラウキ ナ テウン エㇰ ワ ア=若者よ,炉尻に座ると小鹿も獲れないものだからここへ来て座れ. (出典:萱野、方言:沙流)
orawne
オラウネ 【o-raw-ne】 深い. ペトッタ(ペッ オㇿ タ) エチ・シノッ ヤッカ ペッチチャイ タ シノッ ヤン.オラウネ ウㇱケ アナㇰネ ア・シトマ ㇷ゚ ネ ナ=川でお前たちが遊んでも川縁の浅い所で遊びなさい.深い所は恐ろしいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
orawosma
オラウォㇱマ 【o-raw-osma】 (雪の中ヘ)沈む. (出典:萱野、方言:沙流)
oray'oray
オライオライ 【oray-oray】 びくびくする,おどおどする. シネン ア・ネ ワ エキㇺネ・アン ワ ネㇷ゚カ ソモ ア・ヌカㇻ ペ ア・コンラム カ オライ オライ キピㇷ゚ キピㇷ゚ ヒ タ アナㇰネ ネㇷ゚カ キムンペ イ・イェヌチシㇱケ ヒ ネ ナ ピㇼカノ シㇼウワンテ アン ペ ネ ナ=ひとりで山へ行き何も見えないのに私の心がびくびくしざわざわする時は何か獣ににらまれているものだからよくよくあたりに気をつけて見るものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ore
オレ 【o-re】 乗せる. ポンノ イヨㇱキ ワ アン コㇿカ ウンマ ア・オレ コㇿ ソモ ウンマイカ ナンコㇿ ナ オレ ワ アㇻパレ=少し酔っ払っているが馬に乗せると馬から落ちないであろうから乗せて行かせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
orepunpe
オレプンペ 【o-rep-un-pe】 津波.▷オ=それ レㇷ゚=沖 ウン=住む ペ=者 *津波は沖に住んでいて,しばしば陸地へ来る者と思っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
orere
オレレ 【o-re-re】 溶け込む,沈む. トゥムンチコソンテ アミアクス アミントゥムフ オレレワイサㇺ=魔の小袖を私が着ると,私の体の中へ溶け込んでしまった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
orikikutkor
オリキクッコㇿ 【o-riki-kut-kor】 帯を高々と締める:何かしようとする時に,その用意をしている様子.女性に対してのみ使う. ア・ウヌフ オリキクッコㇿ ワ チソイェカッタ=母が帯を高々と締めて,さっとばかり外へ飛び出した. (出典:萱野、方言:沙流)
orikiraye
オリキライェ 【o-riki-raye】 たくし上げる. エネポエアシㇼ ペッ オホ クナㇰ ソモ ク・ラム クス ク・ミピヒ チンキ カニ(ク・アニ) カネ ワ ク・ペッカス アㇷ゚ オホオイ アン ワ コリキライェ(ク・オリキライェ) カネ ペッ イクㇱ タ ク・ヤン=これほどまでも川が深いとは思わないで,私の着物の裾を持って川を渡ろうとしたのに深い所があって着物をたくし上げて,川の向かい側へ私は上がった. (出典:萱野、方言:沙流)
oriko
オリコ 【oriko】 (窓を)上げる,巻き上げる. プヤㇻ オリコ=窓を開ける(簾を巻き上げる). (出典:萱野、方言:沙流)
oripak
オリパㇰ 【oripak】 遠慮(する),行儀,礼儀正しくする. メノコ アナㇰネ ポニ(ポン ヒ) ワノ オリパㇰ ルイ コㇿ エ・ポロ ヤッカ シノ カッケマッ エ・ネ ㇷ゚ ネ ナ.オリパㇰ エアㇱカイ アニー=女というものは小さい時から遠慮がちにふるまうと大きくなっても上品な淑女になれるものだ.行儀をよくしなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
oripak'easkay
オリパㇰエアㇱカイ 【oripak easkay】 行儀よい.▷オリパㇰ=遠慮,行儀 エアㇱカイ=上手だ メノコ アナㇰネ ポニ(ポン ヒ) ワノ オリパㇰ ルイ コㇿ エ・ポロ ヤッカ シノ カッケマッ エ・ネ ㇷ゚ ネ ナ.オリパㇰ エアㇱカイ アニー=女というものは小さい時から遠慮がちにふるまうと大きくなっても上品な淑女になれるものだ.行儀をよくしなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
oripakruy
オリパㇰルイ 【oripak-ruy】 遠慮深い,慎み深い,上品だ. (出典:萱野、方言:沙流)
ormik-'ormik
オㇿミㇰオㇿミㇰ 【or-mik or-mik】 犬が小声で吠える.ワンワンなどと吠えるのではなく,ウォウォ ウォウォと吠えること.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ormomekar
オㇿモメカㇻ 【or-momekar】 なじる:相手に聞こえないような低い声で悪口を言う,ぶつぶつ言う. (出典:萱野、方言:沙流)
oro ci=kus isam kane
オロ チクㇱ イサㇺ カネ 【oro ci=kus isam kane】 運が悪い,どこまでも不運である.▷オロ=そこ チ=私たち クㇱ=通る イサㇺ=ない →通る所もない イヨーハイ オウェヌシ ㇷ゚ アナㇰネ アㇻパ ヒ エピッタ オロチクㇱ イサㇺ カネ ウェン クㇽ ネ=まあ本当かい,運の悪い者は徹頭徹尾少しの道も開けずに悪くなるものだ.ソンノ イヌヌカㇱキ.タㇷ゚イキクㇽ アナㇰネ オロチクシ イサㇺ カネ アㇻパ ヒ エピッタ エカㇱカムイサㇰ=本当にかわいそうだ,今の人は通る所もないほどに行く先々全部運が悪い.ソンノ タパン ハワㇱ ク・ヌ ヒ オラーノ ポーヘネ イヨーハイ シトマレ.ヘマンタ イノンチㇼペ アン ワ ネスン オロチクㇱイサㇺカネ=本当にこの度の話を私が聞いて,なおさらなんとまあ恐ろしいことか.何か人を呪う者たちがいてなのであろうが,そこを通る所もないほどに運が悪い.*日本語であれば「運が悪けりゃ屁までも臭い」に似たような言葉である. (出典:萱野、方言:沙流)
oro o
オロ オ 【oro o】 注(つ)ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
oro ta iyotta
オロ タ イヨッタ 【orota iyotta】 ここに最も,その中で一番. (出典:萱野、方言:沙流)
orohetopo
オロヘトポ 【oro-hetopo】 そしてまた反対に. オロヘトポ ホシピ=そしてまた戻って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
oronronke
オロンロンケ 【o-ronronke】 女性陰部のチック症. オ=陰部 ロンロンケ=チック症 *昭和20年代,隣村の40歳ぐらいのおばさんがにこにこしながら,今夜ね,山仕事に行っているうちの父さんが帰って来るよ,と言うので,どうして分かるの? 手紙でも来たのかい,と聞くと,違うよ,オロンロンケしたの,と言った.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
oropakno
オロパㇰノ 【oro-pakno】 そこまで.▷オロ=その所 パㇰノ=まで (出典:萱野、方言:沙流)
oropeka
オロペカ 【oro-peka】 そこから. オロペカ アㇻパ=そこから行け. (出典:萱野、方言:沙流)
orosutke
オロスッケ 【orosutke】 励ます. (出典:萱野、方言:沙流)
orota
オロタ 【oro ta】 あそこに,そこに,そこで.▷オロ=所 タ=に,で オロタ アン=あそこにいる.オロタ アㇻパ=あそこへ行け. (出典:萱野、方言:沙流)
orowano
オロワノ 【orowano】 それから,そして. シネ シトゥ チャッカリ(チ・アッカリ) オロワノ シットゥライヌ・アㇱ ヤアニ ヤアニ リトゥㇽオレウシ・アン クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ イワㇰ・アㇱ エアㇱカイ=ひとつの峰を私たちは過ぎた.それから道に迷い危なく危なく途中で泊まるかなあと思ったけれども帰ることができた. (出典:萱野、方言:沙流)
oroyaciki
オロヤチキ 【or-oyaciki】 知らない. テエータ ク・コㇿ フチ サハ ユㇰチセウンクㇽ コㇿペ ネ ア ヤㇰ ア・イェ クス オロヤチキ ウウタリ ア・ネ ハウェ ネ ワー=ずうっと昔に私の祖母の姉が幾千世(沙流郡門別町)の人と結婚したということであったので,知らなかったが,私とあなたは親戚であったのだね. (出典:萱野、方言:沙流)
orsineanta
オㇿシネアンタ 【or-sine-an-ta】 ある日のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
orukessak
オルケッサㇰ 【o-ru-kes-sak】 子孫が絶える.▷オ=そこで ル=道,血統 ケㇱ=残る サㇰ=ない イヨイタクシ セコㇿ ア・イェ イタㇰ カ イタㇰ タクㇷ゚ カ ア・シトマ イヨイタクシㇷ゚ アナㇰネ オルケㇱサㇰペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=人を呪うという言葉は言葉だけでも恐ろしいものだ,人を呪う言葉を知っている者の血統は絶えるものだという.カニ アナㇰネ オルケㇱサㇰペ ク・ネ クス シキナ ピイェヘ ケトイタ(ク・エトイタ) シリ ネ ナ シコㇿ ハワナン(ハワン・アン) コㇿ タㇷ゚ストゥ オイカ ア・チャㇻパ ㇷ゚ ネ=私は子孫の絶えた者なので,ガマ草の種を蒔くのだよ,と言いながら肩越しに後ろへ種を蒔き散らすものだ.*野草の種を蒔く時は真正面に向いて蒔くものではない.その理由は野草というものは繁殖力が旺盛なので,蒔かれた場所に食べ物がなくなると種を蒔いた人間の子孫まで食い尽くす.それが恐ろしいので種を蒔く時から「俺は子も孫もいない者だよ」と嘘を言う.そうするとその草は人間の子孫を食うのを諦めてそこにある物を食べているものだというふうに考えられていた.まじない言葉のひとつである. (出典:萱野、方言:沙流)
orun
オルン 【or-un】 (〜の所)ヘ,〜を. タㇷ゚ エシㇼ パㇰノ チセ ソイ タ アン ワ ク・ヌカㇻ アㇷ゚ チセ オルン アフン ワ ネ ノイネ チセ ソイ タ イサㇺ ワ=ついさきほどまで家の外でいたのを私は見たが,家へ入ったらしく,家の外にいないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
orupitne
オルピッネ 【o-ru-pit-ne】 裸の状態である,抜き身の刃物,裸. ポンペ カ インネ ㇷ゚ エ・ネㇷ゚キ ウㇱケ タ エエン ノタコㇷ゚ オルピッネ ノ アン ナ.エヤㇺ ワ オラー カ イペ アニー=小さい子供が大勢いるのにお前が仕事していた所に鋭利な刃物が裸のままであるぞ.しまってから食事をしなさい.*彫刻を本業にしていた時,母に言われた言葉だった. (出典:萱野、方言:沙流)
oruskurmarapto
オルㇱクㇽマラㇷ゚ト 【o-rus-kur-marapto】 後ろに毛皮のついた熊の頭.▷オ=それ ルㇱ=毛皮 クㇽ=ついたまま マラㇷ゚ト=熊の頭 (出典:萱野、方言:沙流)
oruspe
オルㇱペ 【or-us-pe】 噂話. ク・ポホー タパン ハワㇱ エウン イカ エカランケ ナ.ア・シトマ オルㇱペ ネ ナ=息子よ,この話へは絶対近づくではないぞ.恐ろしい噂だよ.タパン ハワㇱ アナㇰネ サウレ オルㇱペ ソモ ネ クス コタンコㇿクㇽ ア・エサラマ=この問題はやさしい話ではないので村おさに任せよう. (出典:萱野、方言:沙流)
orutomoma
オルトモマ 【o-ru-tom-oma】 家の近くで便をする:戸外に便所があったため,便所まで行かないで近くで用をたしてしまうこと.▷オ=それ(=便) ルトㇺ=道の近く オマ=入る ハンケノ アン ルカリウシ ウン アㇻパ カ ソモ キ パ ノ オルトモマパ=近くにある便所へ行きもせずにあの者たちは近くで大小便をしている者ら. (出典:萱野、方言:沙流)
oruunu
オルウヌ 【oruunu】 くっついて離れない. ウヌフ オルウヌ=母親にくっついて来る.スチヒ オルウヌ=おばあさんから離れない. (出典:萱野、方言:沙流)
oruunu
オルウヌ 【oruunu】 知っている. タパン イチャン アナㇰネ アッパケ ワノ コルウヌ(ク・オルウヌ) ウㇱケ ネ ナ イテキ エㇰ ヤン=この産卵床(俗にほりともいうサケの卵を生む場所)は最初から私が知っていた所なので,来ないでくれ.シシㇼムカ エトコホ ウェンサㇻ シコㇿ ア・イェ ウㇱケ タ テエータ ワノ アッニ アッ ペ ネ ワ コルウヌ(ク・オルウヌ)=沙流川の上流の悪い沙流川という場所に昔からオヒョウの木がたくさんあって私は知っている.ホクレ ホプニ ワ エウォンネ.シㇼピㇼカ クス ユㇰカルㇱ コルウヌ(ク・オルウヌ) ウㇱケ ウン エチ・トゥラ ナ=さあ早く起きて顔を洗え.天気がいいしマイタケが生えているのを知っている所にお前を連れて行くから.オッコ ヘタ エン・トゥラ.チキサニカルㇱ コルウヌ(ク・オルウヌ) ウㇱケ アン ナ ア・ウㇰ クス アㇻパ・アン ロー=姉よ,さあ一緒に行こう.アカダモキノコ(が出ると)私知っている所があるので,採りに行きましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
oruypeneemus
オルイペネエムㇱ 【oruypene-emus】 抜き身の刀,白刀:鞘から抜いた刀の刃.▷オルイペネ=鞘に入れていない エムㇱ=刀 ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ キㇺ タ アン ウェン シケサㇻペ ランマ オルイペネエムㇱ コッカ チョㇿポㇰ タ ヌイナ ワ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=昔話の中では,山にいるならず者は,いつでも抜き身の刀を膝の下へ隠しているものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
orwa
オㇿワ 【or-wa】 〜から. チセ オㇿワ=家から. (出典:萱野、方言:沙流)
os
オㇱ 【os】 サケ(雌). (出典:萱野、方言:沙流)
os
オㇱ 【os】 後で. (出典:萱野、方言:沙流)
os arpa
オㇱ アㇻパ 【os arpa】 ついて行く:後からついて行く. トト インカㇻ ヘマンタ カㇻ ペ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ コタン オペㇱ.オㇱアㇻパ ワ インカㇻ=あれあれ,何をする者,家ごとに覗き見しながら村を通って行く.後をついて行ってみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
os ek
オㇱ エㇰ 【os ek】 ついて来る:後ろから来る. (出典:萱野、方言:沙流)
os inkar
オㇱ インカㇻ 【os inkar】 見送る:後ろから見る. (出典:萱野、方言:沙流)
os os
オㇱ オㇱ 【os os】 犬をけしかける声. (出典:萱野、方言:沙流)
osaspekaisam
オサㇱペカイサㇺ 【os-aspe-ka-isam】 ぜんぜん返事がない,あれほど言ったのに音沙汰なし.あれほどくどく言ったのに全く返事がない. ▷オㇱ=後 アㇱペ=立つ物 カ=も イサㇺ=ない *オㇱアㇱペカイサㇺがオサㇱペカイサㇺになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
osawsawke
オサウサウケ 【o-saw-sawke】 緩い. オサウサウケ ワ ソモ モコㇿ=しまっていないので(赤ちゃんが)眠らない.オサウサウケ ナ ユㇷ゚ケ ノ シナ=緩いからきつく縛れ. (出典:萱野、方言:沙流)
osawtekka
オサウテッカ 【o-saw-tek-ka】 さっと抜く,▷オ=それ(刀)を サウテッカ=さっと抜く キムンカムイ ピューキ ワ エㇰ ヒクス ア・コㇿ タシロ ア・オサウテッカ ワ ヨコ・アン=熊が襲いかかってきたので,私は自分の山刀をさっと抜いて身構えた. (出典:萱野、方言:沙流)
osikkote
オシッコテ 【o-sik-kote】 惚れる,愛する,見とれる. コシッコテ(ク・オシッコテ) メノコ タント ニナ クス エキㇺネ シㇼ ク・ヌカㇻ=私の惚れた娘が,今日は薪採りに山へ行ったのを私は見た. (出典:萱野、方言:沙流)
osikkurkote
オシックㇽコテ 【o-sik-kur-kote】 目を離さない. ア・ホクフ イヨシックㇽコテ(イ・オシックㇽコテ).オヤチキ ホンコㇿ・アン ヒ ネ アアン=私の夫は私から目を離さなかった.知らなかったが私は妊娠していた. (出典:萱野、方言:沙流)
osiknuka
オシㇰヌカ 【o-siknu-ka】 慣れる:慣れ親しむ,なつく. (出典:萱野、方言:沙流)
osikoni/oskoni 1
オシコニ/オㇱコニ 【os(i)koni】 ①追いつく. ペトルン ペウタンケ ハウ アㇱ ヒ クス イカオパㇱ・アン アクス ヘカッタㇻ ウコチㇷ゚クタ ヒ ネ ロㇰ オカ イイソネカ オピッタ ア・オシコニ ワ ア・ヤンケ=川の方へ危急を知らせる声がしたので私も騒ぎを聞いて助けに走ると子供たちが舟をひっくり返したのであったが,幸いなことに皆が追いつき助け上げた. (出典:萱野、方言:沙流)
osikoni/oskoni 2
オシコニ/オㇱコニ 【os(i)koni】 ②(〜を)獲る,つかまえる. タント アナㇰネ ネア イペサㇰクㇽ ア・トゥラ ワ ソネ ネㇷ゚カ ア・オㇱコニ エアㇱカイ ヤ ウン=今日はあの狩の下手な者を私たちは連れてなんとか何か獲ることができるだろうか?キムンカムイ ユㇰ ケサンパ ヒ タ ユㇰ アナㇰネ ユㇰ ル カリ キラ コㇿ キムンカムイ アナㇰネ シㇼイッネトゥイェ ワ ヨコ ワ アン ユㇰ オシコニ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊が鹿を追いかける時,鹿が鹿道の通りに逃げると,熊は先回りをして待ち伏せをして鹿をつかまえるものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
osikpekare
オシㇰペカレ 【o-sik-peka-re】 目で確かめる.▷オ=それ シㇰ=目 ペカ=受ける レ=させる アイ アナㇰネ ソモ オウペカ コㇿ ウェン ペ ネ ナ ピㇼカノ オシㇰペカレ ワ ヌカㇻ ヤン=矢は真っ直ぐでないと悪いものだから,よく目で確かめて見るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
osikusis
オシクシㇱ 【o-si-kusis】 大便をする.*多くの場合野糞の時にこの言い方で,便所でのは,ヤイウテㇰ=自分で自分を使うという. (出典:萱野、方言:沙流)
osinritkomewe
オシンリッコメウェ 【o-sinrit-ko-mewe】 引っぱって根こそぎ倒す. (出典:萱野、方言:沙流)
osinritkomewke
オシンリッコメウケ 【o-sinrit-ko-mewke】 根こそぎ倒れる. タㇷ゚ ウフナㇰ アン ポロワッカ オッタ(オㇿ タ) ルウェ チクニ オシンリッコメウケ ワ ホルッケ ワ アン=この頃あった洪水の時に太い木が根のまま倒れて土とともに流れ出ていた. (出典:萱野、方言:沙流)
osioun
オシオウン 【o-si-o-un】 大便がでない,便秘(である),糞づまり. マキㇷ゚ トゥッコ カ レㇾコ カ コシオウン(ク・オシオウン) ワ ク・ソイママッキ ヤッカ ウェン ク・ヤイラムシッネ=どうしたのか二日も三日も私は大便が出ないので何回も何回も外へ出るのだがだめだ,わずらわしい. (出典:萱野、方言:沙流)
osirkokunne
オシㇼコクンネ 【o-sir-ko-kunne】 暗くなってしまった. トゥナㇱ ノ コケレ(ク・オケレ) クナㇰ ク・ラム ワ カリキキ(ク・アリキキ) ア コㇿカ コシㇼコクンネ(ク・オシㇼコクンネ)=早く終わらせようと思って頑張ったけれども暗くなってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
osirkosat
オシㇼコサッ 【o-sir-ko-sat】 地面にくっつく,乗り上げる,座礁する. チㇷ゚ コ(ク・オ) ワ エクㇱネ カㇻパ(ク・アㇻパ) アㇷ゚ チㇷ゚ オシㇼコサッ ヒネ ヤアーニ チㇷ゚ オロワ ケンプイナ(ク・エンプイナ) ク・ラムトゥイ=舟に乗っていて川の向かいへ行ったら舟の底がつかえて,危なく舟からのめって落ちそうになって驚いた.タㇷ゚ ウフナㇰ トマコマイ タ シ ポロ チㇷ゚ オシㇼコサッ.ク・マッネポホ ク・トゥラ ワ ク・ヌカㇻ クス カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=ついこの頃.苫小牧で大きな船が座礁した.私は娘を連れて見に行って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
osirmuke
オシㇼムケ 【o-sir-mu-ke】 見えなくなる. シトゥ イマカケウン オシㇼムケ=峰の向こうに見えなくなった.チㇷ゚ オシㇼムケ=舟が(水平線の向こうへ)見えなくなった.ク・シケ パセ ㇷ゚ ネ クス エノㇱ(エン・オㇱ) エㇰ ア ㇷ゚ エン・アッカリ ワ コシㇼムケレ(ク・オシㇼムケレ)=私は荷物が重いものだから後ろから来た者が私を追い越し,私にはあの者の後ろ姿も見えない.ペッ イクㇱウン オシㇼムケ=川の向こうへ見えなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
osiroma
オシロマ 【o-sir-oma】 落ち着く. ▷オ=それ シㇼ=大地 オマ=入る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
osirotke
オシロッケ 【o-sir-otke】 カヤ束の根本を揃える,大束や小束のカヤの根本を大地に突く. アクㇷ゚アンエトッタ キシナアンペネ ネキムイ アオシロッケコロ アエイワンケエニタン=屋根を葺く前にカヤを小束にする時に,そのカヤ束を大地にどすんどすんと突き立て根本を揃えると,使いやすいものだ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
osirpici
オシㇼピチ 【o-sir-pici】 滑り落ちる. (出典:萱野、方言:沙流)
osirus
オシルㇱ 【o-sir-us】 床につく,病床に伏す. タㇷ゚ ネノ パ トゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ ユㇷ゚ケ ヒ タ アナㇰネ オシルㇱクㇽ パテㇰ ネ ペコㇿ ネ ㇷ゚ ネ クス ウウェイノンノイタㇰ ペ カ イサㇺ=このように病気がはやる時には床に伏す者ばかりのようになるとおはらいの祈りをする者もいない.ウナㇻペ ヤイヌミウェン ワ オシルㇱ ワ アン ヤㇰ ク・イヌ ワ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ) コㇿカ ナ ク・ホタヌ カ ソモ=おばが身体の具合が悪くて病床に伏していると聞き,気にはしているがまだ見舞いにも行っていない. (出典:萱野、方言:沙流)
osisoun
オシソウン 【o-si-so-un】 右座の方:横座から入口を見て右がシソ. (出典:萱野、方言:沙流)
osittesu
オシッテス 【o-sir-tesu】 (つるっと)滑る. (出典:萱野、方言:沙流)
oske
オㇱケ 【oske】 編む. メノコウㇷ゚ソロクッ アナㇰネ アッテㇺエレテㇺ パㇰノ タンネ ノ ア・オㇱケ ㇷ゚ ネ ナ=女の懐紐は2尋半の長さに編むものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
oskearka
オㇱケアㇻカ 【oske-arka】 腹痛,腹が痛い. (出典:萱野、方言:沙流)
oskeop
オㇱケオㇷ゚ 【oske-o-p】 内臓,はらわた. (出典:萱野、方言:沙流)
oskur
オㇱクㇽ 【oskur】 もったいない,いたましい,惜しいと思う. エネ ケヤㇺ(ク・エヤㇺ) フミ アン ペ ネ アㇷ゚ エン・イヨチㇱパレ ハイー コㇱクㇽ(ク・オㇱクㇽ) フミー=あれほど私が大切に思っていた物を壊されてしまった,あーあもったいない.ケヤㇺ(ク・エヤㇺ) ワ カナ(ク・アン ア) タシロ ケルサ(ク・エルサ) アクス エノチㇱチㇱレ(エン・オチㇱチㇱレ) エアㇻキンネ コㇱクㇽ(ク・オㇱクㇽ)=私が大切にしていた山刀を貸したのになくしてしまい,本当に惜しいと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
osma
オㇱマ 【osma】 入る. (出典:萱野、方言:沙流)
osmak/osmake(he)
オㇱマㇰ/オㇱマケ(ヘ) 【osmak/osmake(he)】 後ろ,背後,裏. (出典:萱野、方言:沙流)
osmaketa
オㇱマケタ 【osmake ta】 後で. (出典:萱野、方言:沙流)
osmakewa
オㇱマケワ 【osmake wa】 後から. (出典:萱野、方言:沙流)
osoma
オソマ 【osoma】 大便をする,排便(する).*オソマ クス アㇻパ(大便に行く)とは言わずにトゥイマ アㇻパ(遠くに行く)と言うのが普通の言い方.これをイタㇰマㇰクㇱテ(言葉を遠回しに言う)という. (出典:萱野、方言:沙流)
osomasonapi
オソマソナピ 【osoma-sonapi】 大便の山. (出典:萱野、方言:沙流)
osopsopo
オソㇷ゚ソポ 【osopsopo】 ゆすぐ. ホクレ ワッカ オンタロ オハレ ワ オラーノ オソㇷ゚ソポ ワ オンタロ シㇰノ ワッカ タ ワ アヌ アニー=早く水樽をあけてゆすぎ,そのあとで水樽にいっぱい水を汲んでおいてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
osor/osoro(ho)
オソㇿ/オソロ(ホ) 【osor/osoro(ho)】 尻. (出典:萱野、方言:沙流)
osorkam/osorkami(hi)
オソㇿカㇺ/オソㇿカミ(ヒ) 【osor-kam/-kami(hi)】 尻の肉,脊部の肉. コソㇿカミ(ク・オソㇿカミ)ヒ タ アン フㇷ゚ イェ ヌ ノイネ フマㇱ ナ ヌカㇻ ワ ヌンパ ワ エン・コレ=私の尻にできた腫れ物が膿を持ったようだ,見てしぼってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
osorkes
オソㇿケㇱ 【osor-kes】 とこ尻:寝ている布団の足の方. (出典:萱野、方言:沙流)
osorkikunpe
オソㇿキクンペ 【osor-kik-un-pe】 月経帯. *ユカㇻの中で大切に育てられている少女が,針仕事の練習のために縫った袋物を,召使い女たちがオソㇿキクンペとして用いる.それを知った少女が両足をばたばたさせて泣きわめく場面がある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
osorpuy/osorpuye(he)
オソㇿプイ/オソㇿプイェ(ヘ) 【osor-puy/-puye(he)】 幽門:胃が十二指腸に続く部分,肛門〔卑〕. (出典:萱野、方言:沙流)
osorusi
オソルシ 【osor-usi】 腰を掛ける. ▷オソㇿ=尻 ウシ=つける,掛ける(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
osoyosma
オソヨㇱマ 【o-soy-osma】 底が抜ける. オンタロ オソヨㇱマ=樽の底が抜けた. (出典:萱野、方言:沙流)
osserkere
オッセㇾケレ 【osserkere】 あきれてしまった,たまげてしまった. ソンノヘー ネアオッカヨ イッカハウェー オッセㇾケレ ハワシネワー=本当かいよー,あの男が盗みをしたのー,あきれた話だなー.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ossikeop
オッシケオㇷ゚ 【ossike-o-p】 はらわた. (出典:萱野、方言:沙流)
ossikeporo
オッシケポロ 【ossike-poro】 利口だ:子供に関して. ホッノ イヨーハイ ネㇷ゚ イェ ヤッカ オッシケポロ ハウェ.チェホタシヌㇷ゚ ネ オアシ=まあたまげた,何を言っても利口な子供だ.行く末に期待と末恐ろしさのある者になりそうだ.ポンペ オラーノ オッシケポロ ㇷ゚ ネ クス ネㇷ゚カ ア・イェ コㇿ キサッタララ オラウン エパルラ=小さい癖に利口なものだから,何か私どもが言うと聞き耳を立てて聞いた話を運んで行く. (出典:萱野、方言:沙流)
osura
オスラ 【osura】 投げる,捨てる,なくす,失う. ホッノ イヨーハイ オスラ パㇰノ コㇿ ワ アン ヤッカ シネ カㇺトゥー カ ソモ イ・エレ ウェンサンペコㇿ=まあまああきれた,捨てるほど持っていても一切れの肉端も私に食べさせない,根性が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
osurpa
オスㇽパ 【osurpa】 投げる,捨てる〔複〕. ポロンノ ヌイラ ア・ウㇰ ヒネ エケシンネ ア・エイメㇰ ア コㇿカ ミマラハ フラルイ ア・ニㇱカ コㇿカ ア・オスㇽパ=たくさんウグイを獲ってあちこちに配ったが.残りににおいがついたのでもったいないと思ったが捨てた. (出典:萱野、方言:沙流)
ot
オッ 【ot】 棺桶. (出典:萱野、方言:沙流)
ot
オッ 【ot】 死骸,屍,死体. (出典:萱野、方言:沙流)
ot
オッ 【ot】 ずいぶん. オッ テエータ ポロサㇻ コタン タ シクㇱナ セコㇿ レヘアン シケサㇻクㇽ アン ワ コタヌン(コタン ウン) ウタㇻ エウコシトマレ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずいぶん前にポロサルという村にシクㇱナという名前の乱暴者がいて,村人たちは恐ろしがっていたものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ota
オタ 【ota】 砂. (出典:萱野、方言:沙流)
ota
オタ 【ota】 こぼす. (出典:萱野、方言:沙流)
otam
オタㇺ 【otam】 (昔の巡査に対しての言い方)刀. オタㇺ エㇰ ナ=巡査が来たよ. (出典:萱野、方言:沙流)
otanne
オタンネ 【o-tanne】 陰茎が長い. (出典:萱野、方言:沙流)
otcike
オッチケ 【otcike】 膳. 図[オッチケ] (出典:萱野、方言:沙流)
otcinekunip
オッチネクニㇷ゚ 【otcine-kuni-p】 至らない者,無能な者:ヘりくだりの言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
oteknu
オテㇰヌ 【o-tek-nu】 裕福だ. エチ・トゥラ ルスイ コㇿカ タント コテㇰサㇰ(ク・オテㇰサㇰ) ナ.エ・オテㇰヌ ナ イチェン ポンノ エネルサ(エン・エルサ)=あなたと一緒に行きたいが今日は手元不如意よ.あなたは裕福だから銭を少し私に貸して. (出典:萱野、方言:沙流)
oteksak
オテㇰサㇰ 【o-tek-sak】 手元不如意だ,裕福でない,手持ちの金がない. エチ・トゥラ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ルスイ コㇿカ コテㇰサㇰ(ク・オテㇰサㇰ) ワ エチ・トゥラ カ エアイカㇷ゚=あなたと一緒に弔問に行きたいけれど手元不如意のために一緒に行くことができない.←→オテㇰヌ (出典:萱野、方言:沙流)
oterke
オテㇾケ 【o-terke】 踏む,踏みつける. (出典:萱野、方言:沙流)
otetterke
オテッテㇾケ 【o-tetterke】 踏みしだく,踏みつける. (出典:萱野、方言:沙流)
otke
オッケ 【otke】 搗く,突く,刺さる,突き刺す. ウナㇻペ キヨリヨ ワ タント トゥラ イワン ト カネ.カワウセ ワ ア・オッケ カ エアイカㇷ゚ ナ ホクレ ランケレ=おばさんが火棚の上に物を載せてから今日で6日になった.乾燥しすぎで搗くことができなくなるから早く下ろさせろ.シプㇱケㇷ゚ ピㇼケㇷ゚ フライェ ワ イチャリ オルン ヤンケ ワ ペヘ トゥイェ ワ アヌ.ア・オッケ ワ シト ア・カㇻ ナ=イナキビの精白を洗ってざるに上げて水を切っておけ.搗いて団子を作るから.エ・オッケ ピヤパ ピㇼケ ヤㇰネ ムイ アニ エソイェ ワ ピㇼケㇷ゚ カㇻ ワ アヌ アニ=お前が搗いているヒエ,精白になったら箕でゆすって精白を作っておいてね. (出典:萱野、方言:沙流)
otke kane tokpa kane
オッケ カネ トㇰパ カネ 【otke kane tokpa kane】 しつこく,丁寧に,こんこんと(言い聞かす). オッケカネ トㇰパカネ コㇿ ワ エㇰ クニ ク・イェ ア サラニㇷ゚ サッオイラ ヤㇰ イェ コㇿ ソモ コㇿ ワ エㇰ.ク・イルㇱカ ア ク・イルㇱカ ア=突くようにつつくように(=しつこく)持って来いよと私が言った袋を,度忘れしたと言って持って来なかった.私は怒った怒った. (出典:萱野、方言:沙流)
otomrim
オトㇺリㇺ 【o-tom-rim】 (すごく)高い音. トゥ オトㇺリㇺ レ オトㇺリㇺ=ふたつの高音,三つの高音[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
otop'etupsi
オトㇷ゚エトゥㇷ゚シ 【otop-etupsi】 髪の先. (出典:萱野、方言:沙流)
otop/otopi(hi)
オトㇷ゚/オトピ(ヒ) 【otop/otopi(hi)】 髪,毛髪. (出典:萱野、方言:沙流)
otopcinki
オトㇷ゚チンキ 【otop-cinki】 髪の裾,髪の先端. オトㇷ゚チンキ エシッチューレ=髪の裾を大地へつけるようにして(座っている). (出典:萱野、方言:沙流)
otopkautur
オトㇷ゚カウトゥㇽ 【otop-ka-utur】 前髪の間.▷オトㇷ゚=髪 カ=糸 ウトゥㇽ=間 *髪を顔の前へたらしてその内側から他人を見る. (出典:萱野、方言:沙流)
otoyposo
オトイポソ 【o-toy-poso】 畑物が芽を出した.▷オ=それ=種 トイ=畑 ポソ=くぐる (出典:萱野、方言:沙流)
otoypospa
オトイポㇱパ 【o-toy-pospa】 芽が出る〔複〕. オトイポㇱパ ワ オカ=芽が出ている.*種を蒔いた後に芽が出たかどうかを確かめるために,ゆっくりと畑の中を歩いてみて芽が出ていると言う. (出典:萱野、方言:沙流)
otoypukka
オトイプッカ 【o-toy-pukka】 土盛りをする. ホクレ トイタ ヤン エウン エモ ア・エトイタ ケニトゥㇰ ヤクン キナカㇻ・アン ア・オトイプッカ エモタ・アン ワ ハㇺネスパ ワ ア・エ クㇱネ ナ=早く畑を耕しなさい,そこへジャガイモを蒔いて芽が出たら草を取って土盛りをしてジャガイモを掘ってゆでて食べるから.タネ エモ ア・オトゥイプッカ ヤㇰ ピㇼカ ノイネ ネ ナ チュワン オカタ ア・オトイプッカ ロー=もういもの土盛りをした方がいいみたいだから昼飯の後で土盛りをしようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
otoyseru
オトイセル 【o-toy-seru】 土けむりにむせる. ソンノ イヨーハイ ヤイェシンニューケㇱ ペ ネ クス シッチャㇱヌレ カ ソモ キ オトイセル オムンセル ワ アン イオッセレケレ=本当にあきれたよ,だらしないものだから掃除もしないで土けむりにむせ,ごみにむせている,たまげたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
otta
オッタ 【or ta】 (〜の)時に,(〜の)場所で,〜で.〜に,〜へ. イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) メノコ オッカヨ ウコトゥㇱエタイェ メノコ アマケタロ コㇿ イマカケタ オッカヨ カムイ ア・ウㇰ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊送りの時に男と女が綱引きをして女が負けると,次に雄熊が獲れるそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
otte 1
オッテ 【otte】 ①〜を〜に掛ける. (出典:萱野、方言:沙流)
otte 2
オッテ 【otte】 ②含ませる. パロホ ウセイ オッテ=口に湯を含ませる. (出典:萱野、方言:沙流)
otteeta
オッテエタ 【ot-teeta】 ずっと前,ずいぶん前に. (出典:萱野、方言:沙流)
ottena
オッテナ 【ottena】 和人がアイヌの男を呼ぶ呼び方. トノ サㇰ オッテナ エ・ネ ルウェー=お得意の殿さまはいないのかい?[ウ] (出典:萱野、方言:沙流)
ottukar
オットゥカㇻ 【ottukar】 うめく:寝うなり.踏ん張り声(を出す). (出典:萱野、方言:沙流)
otu henkuror ore henkuror
オトゥ ヘンクロㇿ オレ ヘンクロㇿ 【o-tu henkuror o-re henkuror】 そうかそうかとうなずきながら.▷オ=それ トゥ=ふたつ ヘンクロㇿ=うなずき オ=それ レ=三つ ヘンクロㇿ=うなずき (出典:萱野、方言:沙流)
otu ikinne ore ikinne
オトゥ イキンネ オレ イキンネ 【o-tu ikir-ne o-re ikir-ne】 2回も3回も. ヘマンタ エㇰ クス オトゥイキンネ オレイキンネ シエトコホ ソンコクㇱテ ハウェアン ケヌコㇱネ(ク・エヌコㇱネ)=何者が来るとて2回も3回も自分が来ることの予定を伝えるのか,私はしゃくにさわる. (出典:萱野、方言:沙流)
otu iwan suy ore iwan suy
オトゥ イワン スイ オレ イワン スイ 【o-tu iwan-suy o-re iwan-suy】 ふたつの6回三つの6度:何度も何度も. カニ アナㇰネ テ パㇰノ オトゥ イワンスイ オレ イワンスイ ア・エン・コカンタマ コㇿカ アイヌ コカンタマ カ ケアイカㇷ゚(ク・エアイカㇷ゚)=私は今までふたつの6回三つの6度(何度も何度も)だまされたけれど人をだますことは私はできない. (出典:萱野、方言:沙流)
otu kespa ta ore kespa ta
オトゥ ケㇱパ タ オレ ケㇱパ タ 【o-tu kes-pa ta o-re kes-pa ta】 2年も3年も. イヨーハイ オトゥ ケㇱパ タ オレ ケㇱパ タ エン・コソウㇰ ワ アヌ アイネ イロイケㇱネ タネ パキタ ホシピレ エアイカㇷ゚ シコㇿ ホワーㇻ=たまげたものだ,2年も3年も私から借りておきながら,今になって戻すことができないって,ひえーっ驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
otu konniki ore konniki
オトゥ コンニキ オレ コンニキ 【o-tu-kor-niki o-re-kor-niki】 (刀で斬られて)着物がぼろぼろになる. (出典:萱野、方言:沙流)
otu rusittok ore rusittok
オトゥ ルシットㇰ オレ ルシットㇰ 【o-tu-ru-sittoku o-re-ru-sittok】 九十九折[ユ]:うねうねと折れまがる山道.▷オ=それ トゥ=ふたつ ル=道 シットㇰ=肘 オ=それ レ=三つ ル=道 シットㇰ=肘 (出典:萱野、方言:沙流)
otu sanaske ore sanaske uwenoye
オトゥ サナㇱケ オレ サナㇱケ ウウェノイェ 【o-tu-san-aske o-re-san-aske u-e-noye】 礼拝する:両手を前へ出して2度3度礼拝する.アイヌ風の礼拝.▷オ=それ トゥ=ふたつ サン=出る アㇱケ=指 オ=それ レ=三つ サン=出る アㇱケ=指 ウ=互い ウェ=それ ノイェ=ねじり (出典:萱野、方言:沙流)
otu sasuysir ore sasuysir
オトゥ サスイシㇼ オレ サスイシㇼ 【o-tu sasuysir o-re sasuysir】 悠久に,永遠に. (出典:萱野、方言:沙流)
otu siwenpa ore siwenpa sirotappa
オトゥ シウェンパ オレ シウェンパ シロタッパ 【o-tu-si-wen-pa o-re-si-wenpa sir-otappa】 ひどい悪口を言う.▷オ=それ トゥ=ふたつ シ=本当 ウェン=悪い パ=言葉 オ=それ レ=二つ シ=本当 ウェン=悪い パ=言葉 シㇼ=あたり オタッパ=こぼす,溢れ出させる (出典:萱野、方言:沙流)
otu suy re suy
オトゥ スイ レ スイ 【o-tu suy re-suy】 2回も3回も. ソモ ヨㇺネ ノ オトゥ スイ レ スイ ウェン プリ コㇿ ヒ ネ クス タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ カムイ オㇿ ワ ア・パㇻコアッテ ㇷ゚ ネ ナンコㇿ ワ=懲りもせず2回も3回も悪いことをするのだから今回の場合は神様から罰を与えられるでありましょう.ネウン ア・キㇰキㇰ ヤッカ ヨㇺネ カ ソモ キ ノ オトゥ スイ レ スイ イッカ ハウェ コクンヌレ(ク・オクンヌレ)=どのように殴られても懲りもしないで2回も3同も盗っ人をしているとは,私はあきれてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
otu tapkanru ore tapkanru
オトゥ タㇷ゚カンル オレ タㇷ゚カンル 【o-tu tapkar-ru o-re tapkar-ru】 ふたつの舞三つの舞.▷オ=それ トゥ=ふたつ タㇷ゚カㇻ=舞 ル=道 オ=それ レ=三つ タㇷ゚カㇻ=舞 ル=道 (出典:萱野、方言:沙流)
otukukke
オトゥクッケ 【otukukke】 埋まる. チㇱ ワ パテㇰ アン メノコ ネ ノイネ シㇰラㇷ゚ タクㇷ゚ エオトゥクッケ カネ アン=泣いてばかりいる女らしく,まつげだけが見えるほどまぶたがはれている.*このような表現の時にだけ聞く.他の物が埋まる場合は オムッテㇰ. (出典:萱野、方言:沙流)
otupekare
オトゥペカレ 【otupekare】 粗末にしない,大切にする:あるものを1度に食べてしまわずに大切にする. タンパ アナㇰネ ポロワッカ カ アン アエㇷ゚ ハイタナ.ネㇷ゚ アエㇷ゚ ネ ヤッカ オトゥペカレ ノ スパ アニー=今年は洪水もあったりしたので食べ物が足りない.どんな食べ物でも粗末にしないように煮てね.タンパ ケマン ワ アエㇷ゚ ハイタ ノイネ.エアㇻキンネ ク・ラムチュㇷ゚テㇰ アエㇷ゚ ア・オトゥペカレ ロー=今年は食べ物が足りないらしい.とっても心細いので食べ物を大事にしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
oturaysampe aniekote
オトゥライサンペ アニエコテ 【o-tu-ray-sampe a-ni-ekote】 息を凝らす,じっと息を止める[ユ].▷オ=それ トゥ=ふたつ ライ=死 サンペ=心 ア=私 ニエコテ=つける →死んだような心に私はなった (出典:萱野、方言:沙流)
otusaspeci
オトゥサㇱペチ 【o-tu-sas-peci】 縦に裂かれたふたつの昆布. ▷オ=それ トゥ=ふたつ,2枚 サㇱ=昆布 ペチ=縦裂き オトゥサㇱペチ オレサㇱペチ アオプㇱナ ラチッケペコロ=2枚の昆布の縦裂きを,3枚の昆布の縦裂きを,体からぶら下がったそれと同じに. *ユカㇻの中でポンヤウンペが戦いの相手に斬られて,着ている物が縦に切り裂かれた昆布のようにと,描写されている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
otutanu
オトゥタヌ 【otutanu】 次に. テエータ アン アミㇷ゚ アナㇰネ ユㇰウㇽ オトゥタヌ アン ペ アットゥㇱ オトゥタヌ アン ペ ヤヤン センカキ ネ=ずっと昔の着物は鹿皮,次はオヒョウの皮で織った着物,次は普通の木綿ものてあった.クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ.オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦はムカゴイラクサが一番いい.次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
otuwasi
オトゥワシ 【otuwasi】 信頼する,見こみがある. アレㇰアイヌ ク・カㇻク タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エチ・オトゥワシ ナ.コイカウン ニㇱパ ウタㇻ エ・トモッ ワ エン・コレ アニー=甥である清太郎よ,この度はお前を信頼する.静内の人たちへの応対はよろしく頼む.*昭和10年頃平取村小平という所に父のいとこ姉トマアッノという人の夫である静内出身の月元という人が水死した.その時のウニウェンテ(神々の油断をたしなめる行事)の時,鹿戸ヨンケという人が私の父アレㇰアイヌ(清太郎)に頼んだ言葉.父はその時44歳くらい.ヨンケさんは沙流川でも有名な雄弁家であったが静内から来た人たちへの応対を父に託した. (出典:萱野、方言:沙流)
otuye
オトゥイェ 【o-tuye】 刈る. シプㇱケㇷ゚ ムンチロ ピヤパ ア・チャ オカケ タ イナンカヨ カ ソモ ア・オトイェ ヤㇰネ オヤパ パイカㇻ ア・オトゥイェ エアイカㇷ゚ ナ タント ア・オトイェ ロ=イナキビ,アワ,ヒエを穂摘みしおわった後に,摘み終わった茎を刈らずに残すと来年の春刈ることができないので,今日刈ってしまいましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
otuypa
オトゥイパ 【o-tuypa】 刈り取る. (出典:萱野、方言:沙流)
ouhuy
オウフイ 【o-uhuy】 裾の方から炎が燃え立つ. ウウェペケㇾ ネ ヤ ウパㇱクマ オッタ(オㇿ タ) オキクㇽミカムイ アイヌ カシオピューキ ヒ タ オウフイ ニカパットゥㇱ カリ シㇼ パテㇰ ア・ヌカㇻ シコㇿ アイェㇷ゚ネ=昔話や言い伝えの中に,オキクㇽミ神が人間を助ける時に,裾の方から炎が燃え立つ木の皮の着物が,ちらっと見えたと言うものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
oukirare
オゥキラレ 【o-u-kirare】 それで逃げる,皆が逃げる. エマゥカシケ エマゥポッケ オゥキラレ=お前のいやなにおいの上,お前のいやなにおいの下,それで皆が逃げるであろう(ウウェペケㇾ罰当たりシㇼマウォッテより)[ウ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
oukotnay
オウコッナイ 【o-u-kot-nay】 沢尻がくっついた沢:平取町振内にある地名.▷オ=尻 ウ=互い コッ=つく ナイ=沢 (出典:萱野、方言:沙流)
oukoykinere
オウコイキネレ 【o-ukoyki-ne-re】 けんかの原因. (出典:萱野、方言:沙流)
ounu
オウヌ 【o-unu】 つがう:ふたつの物が組み合う. アイ オウヌ=矢を弓につがえる. (出典:萱野、方言:沙流)
oupoporinne
オウポポリンネ 【o-upopo-rinne】 若生え(が生える):伐った木の根元から新しく生えた若芽. マタ ア・トゥイェ チクニ アナㇰネ オウポポリンネ ㇷ゚ ネ コㇿカ サㇰ ア・トゥイェ チクニ アナㇰネ ソモ オウポポリンネ ㇷ゚ ネ ワ=冬に伐採した木には若生えが生えるが,夏に伐採した木には若生えは生えないものだ, (出典:萱野、方言:沙流)
ouri
オウリ 【ouri】 掘る. エモプ オウリ ワ アヌ.エモ コマレ(ク・オマレ) クスネ ナ=ジャガイモを貯蔵する穴を掘っておけ.ジャガイモを入れるから.エモプ ラウネノ オウリ ワ アヌ.シㇼクンネ エトㇰタ エモ ア・オマレ ナ=ジャガイモを入れる穴を深く掘っておけ.暗くなる前にジャガイモを入れるので.トゥシㇼ ア・オウリ ヒ タ クンネ コポンチ ソナピヒ イタンキ オルン ア・ウㇰ ワ ア・アヌ ア・テケヘ ア・コタチ ワ クワ ア・ムライパ ㇷ゚ ネ=墓穴を掘る時に黒粘土をお椀に山盛りに取っておきそれを手のひらに塗りつけ墓標を撫でるものである. (出典:萱野、方言:沙流)
ourpa
オウㇽパ 【ourpa】 掘る〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ousi
オウシ 【o-usi】 継ぐ. オウシ ワ タンネレ=継ぎ足して長くする. (出典:萱野、方言:沙流)
ousike
オウシケ 【ousike】 根元,際. (出典:萱野、方言:沙流)
ousike(he)
オウシケ(ヘ) 【/ousike(he)】 (〜の)続き. エ・イェ ウウェペケㇾ オウシケヘ イェ=あなたが言った昔話の続きを言いなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
owenusi
オウェヌシ 【o-wen-usi】 運が悪くなる. ネユン ア・イェ ヤッカ ウェンカッチャㇺコㇿ ペ アナㇰネ オウェヌシ カムイ コイパㇰペ ネ ワー=どのように意見されようとも悪いことをする者は運が悪くなって神から罰をあてられるものだよ.ウルオカタ ウルオカタ チコシンニヌ カムイイコㇿ エイヨㇰ パ ヤㇰ ア・イェ ソモ オウェヌシパ ペ ヘ アン シコㇿ ク・ヤイヌ=子々孫々に秘宝として伝えられた神の宝を売ったということだが,それによって不運にならないものかと私は思っている.テエータ ワノ ウェンプリ コㇿ ペ サニケヘ アナㇰネ カムイコイパㇰ エパチコアン ワ オウェヌシ パ シリ=ずうっと昔から悪いことをした者の血統は神からも罰を受け罰があたり運の悪いことよ, (出典:萱野、方言:沙流)
owenusip
オウェヌシㇷ゚ 【o-wen-usi-p】 運の悪い者. イヨーハイ オウェヌシㇷ゚ アナㇰネ アㇻパ ヒ エピッタ オロチクㇱ イサㇺ カネ ウェン クㇽ ネ=まあ本当かい,運の悪い者は徹頭徹尾少しの道も開けずに悪くなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
oworkoas nupuri
オウォㇿコアㇱ ヌプリ 【o-wor-ko-as nupuri】 水際の崖. (出典:萱野、方言:沙流)
owpeka
オウペカ 【owpeka】 真っ直ぐ,正しい. (出典:萱野、方言:沙流)
owpekare
オウペカレ 【owpeka-re】 真っ直ぐにする. アイヌ イタㇰ アナㇰネ ウハイタ ウㇱケ ポロンノ オカ.ネ イタㇰ オウペカレ ワ カムイ オルン ソンコ アンパ ㇷ゚ イクパスイ ネ ルウェ タパン ナ=人間の言葉は至らない所がたくさんあるものだ,その言葉を真っ直ぐにして神へ伝言を持って行くのが捧酒箸ですよ.テエータ アナㇰネ イヌイェ・アン クㇱネ ヒケ カ ア・エイワンケㇷ゚ カ ケミアン シネ マキリ ア・レウェ ア・オウペカレ ワ ネㇷ゚キ・アン ペ ネ=ずっと昔は彫刻するにも道具が少なく,1丁の小刀を曲げたり真っ直ぐにしたりして仕事をしたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
owse
オウセ 【owse】 ただ. オウセ イタㇰタクㇷ゚=ただ言葉だけ,まったく架空の.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
owsehopuni
オウセホプニ 【owse hopuni】 宙を飛ぶように走る. ペウレアニタ(ペウレ・アン ヒ タ) アナㇰネ オウセホプニ・アン ペコㇿ パㇱ・アン ペ ネ ア コㇿカ オンネ・アン コㇿ アㇷ゚カㇱ カ ア・エコㇺコㇺセ=若い時には宙を飛ぶように走れたものであったが,年をとると歩くこともままならない. (出典:萱野、方言:沙流)
owseterke
オウセテㇾケ 【owse terke】 宙を飛ぶように,一気に走り去る. ▷オウセ=ひと飛びに テㇾケ=飛ぶ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
oya
オヤ 【oya】 違う. (出典:萱野、方言:沙流)
oyaciki
オヤチキ 【oyaciki】 知らなかったが. モㇱアナクス(モㇱ・アン アクス) アリタオマㇷ゚ オンナイケ タ アナン(アン・アン).オヤチキ チㇷ゚ オㇿ アイヨマレ(ア・イ・オマレ) ワ ア・イ・モㇺカ ヒ ネ アアン=自を覚ましたら板付け船の中であった.知らなかったが船に入れられ流されたのであった[ユ].クチャ チセ オッタ(オㇿ タ) レウシアナクス(レウシ・アン アクス) カムイ メノコ ウコイタㇰ ハウェ ア・ヌ イタㇰクッチャマ ペケㇾ ワ オケレ.オヤチキ スㇽク トノマッ ネ アアン=狩小屋に私が泊まっていたら神の女が話をしていたのを聞いたが,話し方がとてもきれいであった,知らなかったがトリカブト姫であった. (出典:萱野、方言:沙流)
oyaetaye
オヤエタイェ 【o-ya-etaye】 後ろへ引っ張る,あとずさりさせる. サッ チクニ ネ ㇷ゚ ネ クス アペ ピㇼカ アペヌイ タネ タネ トゥナ ウㇰ ノイネ.チクニ オヤエタイェ ヤン=乾いた薪なので火がよく燃えて炎が今にも今にも火棚につきそうだ.薪を後ろへ引っ張りなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
oyak un anu
オヤㇰ ウン アヌ 【oyak un anu】 別に置く,別の方へ置く. (出典:萱野、方言:沙流)
oyak un arpa
オヤㇰ ウン アㇻパ 【oyak un arpa】 別に行った,よそへ行く. (出典:萱野、方言:沙流)
oyakoyak
オヤコヤㇰ 【oyak-oyak】 あちこちで. オヤコヤㇰ タ タスㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ オルㇱペ ア・ヌ イシトマ・アン クス ハル アフㇷ゚カㇻ・アㇱ ワ ハルエカムイノミ・アン ルスイ=あちらこちらで病気が流行したと聞き恐ろしいので供物を貰い病気の神へあげたい.ソンーノ スイ ネア メノコ ネスン オヤコヤㇰ タ ネユンネユン ハウェアン イユコイキレ パハウェトイタ ハウェ=全くあの女であろう,あちらこちらでいろいろと言ってけんかさせる噂の種を蒔いたのは.テエータ カネ ニㇷ゚タニ タ うとむてけ シコㇿ ア・イェ ウナㇻペ アン ワ イカㇻカㇻ エアㇱカイ オヤコヤㇰ ワ チカㇻカㇻペ ア・エヤサラ ペ ネ ヤㇰ ア・イェ=ずうっと昔,二風谷にウトムテケというおばさんがいて,刺繍が上手であちらこちらから注文をされたということだ.タント カルスㇰ(カルㇱ ウㇰ) クス ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) アクス ユㇰカルㇱ ポロンノ ク・パ ワ オヤコヤㇰ タ カヌ(ク・アヌ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ヘタ エン・トゥラ ア・セ クス ネ ナ=今日きのこを採りに山ヘ行ったらマイタケをたくさん見つけた.あちこちで置いてきたから,さあ私と一緒に行ってくれ,背負ってくるから. (出典:萱野、方言:沙流)
oyakoyaki
オヤコヤキ 【oyak-oyak-i】 ほうぼうに(で). (出典:萱野、方言:沙流)
oyakta
オヤㇰタ 【oyak ta】 別に,ほか. オヤㇰタ アヌ=別へ置け. (出典:萱野、方言:沙流)
oyamokor
オヤモコㇿ 【oya-mokor】 死,死ぬ.▷オヤ=別の モコㇿ=眠り →別な眠りとは死ぬということである ク・コㇱマチヒ タネ オンネ ㇷ゚ ク・ネ ナ ネンカネ オヤモコㇿ ク・キ ノイネ シリキ ヒ タ イテキ エン・モソソ アニー.ネノ ネ ヒ タ ア・モソソ コㇿ アンオホㇿ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ナ=息子の嫁よ,私は年寄りなのでもしも別な眠り方(=死)をしようとしても私を起こしたりしないでね.そのような時に目を覚まさせると長患いをするものだそうだから. (出典:萱野、方言:沙流)
oyamokte
オヤモㇰテ 【oyamokte】 不審に思う,不思議に思う,いぶかる. クンネ ソイ タ ソイネアナクス(ソイネ・アン アクス) リ コㇺニタイ ラマラマ(ラㇺ ア ラㇺ ア) ペコㇿ ラㇺ コㇺニタイ リ アリ ア ペコㇿ ア・ヌカㇻ.シノ ア・オヤモㇰテ クス ア・サハ エウン ア・イェ アクス オヤチキ トパットゥミ ネ アアン=夜,外へ出てみると高い灌木が低く低く見え,低い灌木が高く高く見えた.本当に不審に思ったので姉に言うと,知らなかったがそれは夜盗の群れであったのだ.*高い灌木が低く低く見え,低い灌木が高く高く見えたというのは,夜盗の群れが村の近くまで来て様子を見るために背伸びをしたり体を屈めたりしていることを表わす.クンネ シネンネ カㇷ゚カㇱ(ク・アㇷ゚カㇱ) アクス ニセㇺピㇼ タ ヘマンタ アン ワ コヤモㇰテ(ク・オヤモㇰテ) ルウェ ウン=夜ひとりで歩くと木の陰に何やらいて,私は不思議に思った. (出典:萱野、方言:沙流)
oyamosir
オヤモシㇼ 【oya-mosir】 外国. (出典:萱野、方言:沙流)
oyamosirunkur
オヤモシルンクㇽ 【oya-mosir-un-kur】 外国人. (出典:萱野、方言:沙流)
oyaoya
オヤオヤ 【oya-oya】 違う,それぞれ,別々の. (出典:萱野、方言:沙流)
oyaoyap
オヤオヤㇷ゚ 【oya-oya-p】 別々の物. (出典:萱野、方言:沙流)
oyap
オヤㇷ゚ 【oya-p】 違う者,別人,他人,よそ者. オヤㇷ゚ エㇰ ナ=違う人が来たよ.オヤㇷ゚ アン ナ イテキ ネㇷ゚カ イェ ノ ネㇷ゚キ アニー=違う人がいるので余計なことを言わないで働け. (出典:萱野、方言:沙流)
oyapa
オヤパ 【oya-pa】 来年,明年. (出典:萱野、方言:沙流)
oyapapaykar
オヤパパイカㇻ 【oya-pa paykar】 来春,明春. (出典:萱野、方言:沙流)
oyasim
オヤシㇺ 【oya-sim】 明後日,あさって. (出典:萱野、方言:沙流)
oyasimsimkehe
オヤシㇺシㇺケヘ 【oya-sim-simkehe】 明々後日,やのあさって. (出典:萱野、方言:沙流)
oyauhuy
オヤウフイ 【o-ya-uhuy】 (囲炉裏の薪が)陸(おか)へ燃えてくる. (出典:萱野、方言:沙流)
oyaukuran
オヤウクラン 【oya-ukuran】 明日の夜. オヤウクラン ヤントコㇿ・アン オアシ ナ.エトコカㇻ ワ アヌ=明日の夜,客が泊まることになった.用意しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
oykesne
オイケㇱネ 【oykesne】 しまいに. ポオン イチェン カ エネオチㇱチㇱレ(エン・オチㇱチㇱレ) オイケㇱネ ア・エ クス アン ポオン アントゥキ カ エイヨㇰ ルスイ=少しの銭も使ってしまって,しまいに食べるためにある少しの小豆も売りたいの? (出典:萱野、方言:沙流)
oykioyki
オイキオイキ 【oyki-oyki】 探る. サラニㇷ゚ オㇿ オイキオイキ=袋の中を探る.ウㇷ゚ソロホ オイキオイキ=懐の中を探っている. (出典:萱野、方言:沙流)
oykus
オイクㇱ 【oykus】 漏る. ワッカ コマレ(ク・オマレ) ワ ピㇼカ クナㇰ ク・ラム クス サカエ コマレ(ク・オマレ) アクス クトシントコ オイクㇱ=水を入れてみて,いいと思ったので酒を醸す粥を入れたら,帯つきの行器が漏る. (出典:萱野、方言:沙流)
oyoperini
オヨペリニ 【oyoperi-ni】 サルスペリ,ハクウンボク. (出典:萱野、方言:沙流)
oyoyopota
オヨヨポタ 【oyoyo-pota】 びっくりした時に自然に出る声.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
oypean
オイペアン 【oype-an】 たくさんある. アㇷ゚タウン オイペアン=なんとまあ,たくさんあることだ.ア・コラㇻ ヤッカ オイペアン=くれてやってもまだたくさんある. (出典:萱野、方言:沙流)
oypeisam
オイペイサㇺ 【oype-isam】 少ない,少ない物. (出典:萱野、方言:沙流)
oyra
オイラ 【oyra】 忘れる. (出典:萱野、方言:沙流)
oyrapa
オイラパ 【oyra-pa】 忘れる〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
oysiru
オイシル 【oysiru】 産卵後のサケ:尾が擦れて白くなったもの.北海道ではほっちゃりと言う.▷オ=そこで イ=それ シル=擦れる (出典:萱野、方言:沙流)
oyuspe
オユㇱペ 【o-us-pe】 トゥキという杯の下台,受け台方のこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
p
ㇷ゚ 【p】 物,者. (出典:萱野、方言:沙流)
pa
パ 【pa】 頭 パウㇱペ ア・テッコノイェ リクンチョㇿカ(リクンシェホㇿカ) ランケチェㇿカ(ランケチェホㇿカ) ア・エキッカㇻ=頭に生えている物(髪の毛)手に巻きつけて,上へ逆さに,下へ逆さに,私は叩きつけた[ユ]. *この言葉は金田一京助先生とふたりで,ユカㇻの訳をしていた時に,逐語訳をつけることができずに二風谷に持ち帰って荷負本村の黒川てしめさんに教えてもらった,忘れることのできない言葉である.昭和37年のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
pa
パ 【pa】 向こう側. コタン パ=村の向こう側.ヌプリ パ タ=山の向こう側に. (出典:萱野、方言:沙流)
pa
パ 【pa】 病気,流行病. タㇷ゚ ネノ パ トゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ ユㇷ゚ケ ヒ タ アナㇰネ オシルㇱクㇽ パテㇰ ネ ペコㇿ ネ ㇷ゚ ネ クス ウウェイノンノイタㇰ ペ カ イサㇺ=このように病気がはやる時には床に伏す者ばかりのようになるとおはらいの祈りをする者もいない.タンパ マㇱキン パ トゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ ハウェ コタン ア・エニソマㇷ゚=今年はいつも以上に病気なるもの流行するというので村の事を案じている. (出典:萱野、方言:沙流)
pa
パ 【pa】 見つける,発見する,手に入れる. ホクレ ホクレ フㇱペ ア・パ ヤㇰ ア・イェ ナ アノカイ カ イトゥラ・アン ワ イカスイ・アン ロー=早く早く,川流れで死んだ鹿が見つかったそうだ,私たちも一緒に行って手伝いましょう.ウクランネ レラ ルイ ヒクス ヤㇺ ア・ウォマレ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ノクンネイワ ヘカッタㇻ イイェトゥㇱマㇰ(イ・エトゥㇱマㇰ) シネ ヤㇺ カ ア・パ エアイカㇷ゚=昨夜風が吹いたので私はクリを拾い集めると思っていたのに,全く朝早くから子供たちが私の先回りをして一粒のクリも見つけられなかった.アウン 木下アチャポ ニペㇱケㇷ゚ クス エキㇺネ アㇷ゚ シットゥライヌ ワ ネ ノイネ イワㇰ イサㇺ ワ ア・フナラ イワン ト パㇰノ ネ ワ ア・パ ㇷ゚ ネ=隣の木下おじさん.シナ皮を剥ぎに山へ行ったのに道に迷ったらしく帰って来ないので捜した.六日ぐらい過ぎてから見つけたものだ.*昭和28年頃,私の隣にいた木下源太郎さんというおじさんが山で迷い村中の人が出て捜し1週間ぐらいして発見されたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
pa
パ 【pa】 複数の者で行なう,何回も行なう. アㇷ゚ト トゥイ アクス インネ ウタㇻ ソイェンパ パ ワ ネㇷ゚キ パ コㇿ オカ=雨が上がると大勢の人たちが外へ出て仕事をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
pa
パ 【pa】 〜が,〜を,〜までも. (出典:萱野、方言:沙流)
pa/pa(ha)
パ/パ(ハ) 【pa/pa(ha)】 年. タンパ トゥラノ イワンパ イテキ エキㇺネ シコㇿ ア・イ・イェ=今年とともに6年は山へ行ってはならないと私は言われた[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
pa/pa(ha)
パ/パ(ハ) 【pa/pa(ha)】 湯気. タㇷ゚ ア・ヤンケ ス ネ ノイネ パハ アッ コㇿ アン ス プタ ア・ウㇰ アクス ピㇼカ メシ ネ ワ ア・エ ルウェ ネ=今上げた鍋らしく湯気が立っていたので鍋のふたを取るとおいしそうな飯なので私は食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
pacikoan
パチコアン 【paci-ko-an】 罰があたる. スクㇷ゚ トゥイ カ タ ネユンネユン アイヌ コイキ ㇷ゚ ネ クス パチコアン ワ オンネ オルン マウコウェン ワ イペ ポーカ エイシラㇺネ=一生の間にいろいろと人をいじめたものだから,年をとる方へ運が悪くて,食べることにも不自由している. (出典:萱野、方言:沙流)
pacikoanpe
パチコアンペ 【paci-ko-an-pe】 罰あたり者. (出典:萱野、方言:沙流)
pacinkar
パチンカㇻ 【pacinkar】 ガヤ:エゾメバル〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
paemko
パエㇺコ 【pa-emko】 半年. (出典:萱野、方言:沙流)
paepitta
パエピッタ 【pa-epitta】 年がら年中. (出典:萱野、方言:沙流)
paha
パハ 【/paha】 〜の蒸気,湯気.*ユカㇻでは湯気のことをマウという. (出典:萱野、方言:沙流)
pahaat
パハアッ 【paha-at】 湯気が立つ. (出典:萱野、方言:沙流)
pahaporo
パハポロ 【paha-poro】 年上. エナッカリ(エン・アッカリ) ポンノ パハポロ ノイネ ク・ヤイヌ=俺よりは少し年上らしく私は思った. (出典:萱野、方言:沙流)
pahaw/pahawe(he)
パハウ/パハウェ(ヘ) 【pa-haw/-hawe(he)】 噂,人の口を通して聞いた話,誰かから聞いた話,評判,風評. パハウ オペㇱ=噂の出所をたどる.カンナ カンナ ウウォスㇽパ パ ヤㇰ パハウ アン アクス タネ アン ハワㇱ アナㇰネ ソンノ ネ ノイネ=何回も何回も離婚すると噂があったが,今度の話は本当らしい.トオㇷ゚ トゥイマ シッタ(シㇼ タ) シㇼシモイェ ユㇷ゚ケ ㇷ゚ アン ワ シサㇺ マチヤ ウカエコネ シコㇿ アン パハウ ク・ヌ=ずうっと遠い所で強い地震があって和人の町が倒壊したという噂を私は聞いた. (出典:萱野、方言:沙流)
pahaweetoyta
パハウェエトイタ 【pa-hawe-e-toyta】 噂の種をまく. ソンーノ スイ ネア メノコ ネスン.オヤコヤㇰ タ ネユンネユン ハウェアン イユコイキレ パハウェエトイタ ハウェ=全くまたあの女であろう.あちらこちらでいろいろと言ってけんかさせる噂の種をまいたのは. (出典:萱野、方言:沙流)
pahawopes
パハウオペㇱ 【pa-haw-o-pes】 噂・悪口の出所をたどる.▷パ=口 ハウ=声 オ=それ ペㇱ=たどる (出典:萱野、方言:沙流)
pak
パㇰ 【pak】 罰する. (出典:萱野、方言:沙流)
pak(no)
パㇰ(ノ) 【pak(no)】 〜ぐらい,〜ほど,〜と同じ,〜まで. タン スマ パㇰノ アン ペ コㇿ ワ エㇰ=この石ぐらいの物持って来い.キㇺ タ ポロ ユㇰ スマウェヘ ク・コㇿ ナ カㇺ セ クニ ウタㇻ アシㇰネン パㇰノ エン・トゥラ ヤン=山で大きい鹿を獲ったので,肉を背負う人たち5人ほど私と一緒に来てくれよ.リトゥルパㇰノ クシケヘ エン・コイモココㇿ ワ エン・ルラ アニー=途中まで私の荷物を背負うのを手伝って送ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
pakar
パカㇻ 【pakar】 すすける. (出典:萱野、方言:沙流)
pakare
パカレ 【pakare】 燻製にする,煙をあてる,すすけさせる. チパチェㇷ゚ ネ ヤ オイシル ネ ヤ ポンノ ア・パカレ コㇿ ソモ ミミヒ ペネ コエトゥレンノ クッカン フラハ カ イサㇺ ペ ネ=死んで見つけたサケとか産卵の終わったサケとか,少しすすけさせると身も溶けないしそれとともに腐ったにおいもなくなるものだ.*食べ物を囲炉裏の上の火棚にのせてさっと煙のにおいをつける.少々傷みかかった肉や魚をそうする. (出典:萱野、方言:沙流)
pakari
パカリ 【pakari】 (目方,長さを)計る. シネ チョンパ パカリ ワ エネルサ(エン・エルサ)=1升計って私に貸して.チョンパ アニ アマㇺ パカリ ワ セ ワ アㇻパ.エイタサ パセ コㇿ エ・シンキ ナ トゥペサン チョンパ パㇰノ ヘネ コㇿ ワ アㇻパ アニ=升で米を計って背負って行け.あまり重いとお前が疲れるので8升ほどでも持って行けよ.チセニカㇻアニタ(チセニカㇻ・アン ヒ タ) アナㇰネ シネ テㇺ パㇰノ アン クワ ア・カㇻ ワ ネ クワ アニ ウマンキ ネ ヤ ソペㇱニ ネ ヤ イクㇱペ ネ ヤ ア・パカリ コㇿ ア・トゥイェ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=家材を作る時には一尋ほどある杖を作って,その杖で梁とか行き桁とか柱とか長さを計りながら伐るといいものだ.エシㇼ イユタㇷ゚ オㇿ ワ ピヤパ ピㇼケㇷ゚ ク・ヤンケ ワ セモッタ(セㇺ オㇿ タ) アン ナ チョンパ アニ パカリ ワ ウパㇰセㇾケ コㇿ ワ アㇻパ=朝,私がパッタリからヒエの精白を上げて入り口の所にあるので.升で量って半分持って行け.*パッタリ:水力を利用した精米用具.昭和10年代に二風谷村で40か所あったが昭和30年代萱野茂のパッタリを最後に今はない(平成7年,東京の民族文化映像研究所が二風谷で復元,現在嫁動している). (出典:萱野、方言:沙流)
pakasnu
パカㇱヌ 【pakasnu】 罰,罰する. ア・ウェンパカㇱヌ=重罰.ア・パカㇱヌ=それを罰する.スクㇷ゚ トゥイ カ タ ネユンネユン ウェンプリ コㇿ パ ハウ パテㇰ アン ペ ネ アクス オンネ ペコㇿ イキ ソモ ペコㇿ イキ カムイ オㇿ ワ ア・パカㇱヌ クス オンネー カ エアイカㇷ゚=一生の間にいろいろと悪事をした噂ばかりあったものだが,死にそうにしたかと思うと死にそうでもない,神から罰を受け死ぬこともできないのであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
pakatse
パカッセ 【pakat-se】 火がばちばちっと燃える音:松の葉などが燃える時の音. (出典:萱野、方言:沙流)
pake
パケ 【pake】 首領,頭. コタン オッタ(オㇿ タ) ウタㇻパケ シコㇿ ア・イェ クㇽ インネ コㇿカ タㇷ゚イキクㇽ ア・イェ ヒ ウタㇻパケ ネ ワ=村には仲間の首領と言われる人大勢いるが,今来て行った人,あの人のことを言うのが村の首領だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
pakekosne
パケコㇱネ 【pake-kosne】 口が早い,口が軽い:人の秘密や過失などをそっと他の人に言いつけること. ニサッタ イラマンテ クス エキㇺネ・アン シコㇿ アペサㇺ タ ア・イェ コㇿ アペフチカムイ パケコㇱネㇷ゚ ネ クス キムンチコイキㇷ゚ エウン イェ ㇷ゚ ネ ナ イテキ イェ ヤン=明日は狩のために山へ行くと火の側で言うと,火の神は口が早いので山の獲物に言うものなので言ってはいけません. (出典:萱野、方言:沙流)
pakenaynay
パケナイナイ 【pake-naynay】 エゾバカガイ. (出典:萱野、方言:沙流)
pakes
パケㇱ 【pakes】 飲み残りの酒,お流れ. (出典:萱野、方言:沙流)
pakeskor
パケㇱコㇿ 【pakes-kor】 杯を女に渡す:お祈りの後に女に杯を渡す. イク マラㇷ゚ト アニ(アン ヒ) タ アナㇰネ カムイノミ オカ タ ヤイカタ マチヒ ネ ヤ オシッコテ メノコネヤ ア・パケㇱコレ ネ ヒ タ アナㇰネ ウタㇻ オピッタ ヌ パ クニネ ア・ホトゥイェカㇻ ペ ネ=酒宴の席の場合は,神々を祭った後自分の妻や恋人などに杯を渡すが.その時は人々全部が聞こえるように呼ぶものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
paketunas
パケトゥナㇱ 【pake-tunas】 告げ口をする,早口(である). エアㇻキンネ パケトゥナㇱ ペ アペフチカムイ ネ ヤㇰ ア・イェ クス イラマンテ エキㇺネ ウシ アペサㇺ タ ソモ ア・イェ ㇷ゚ ネ ナ=とっても告げ口が好きな者が火の神だというので狩のために山へ行く場所を火の前で言わないものだよ.アウン ウナㇻペ パケトゥナㇱ ペ ネ クス イタキペ ア・エランペウテㇰ=隣のおばさんは早口でしゃべるものだから言っている言葉の意味が私はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
paketunaskamuy
パケトゥナㇱカムイ 【pake-tunas-kamuy】 火の神:口の早い神. アペフチカムイ アナㇰネ シンナ レヘ パケトゥナㇱカムイ シコㇿ カ ア・イェ ㇷ゚ ネ=火の神を別の呼び名を口の早い神ともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
paki
パキ 【paki】 エビ. ポンヤウンペ ア・ネ ワ シネ アンチカッタ(アンチカㇻ タ) ア・コㇿ クスネ メノコ エウン アㇻパ・アン ホッケ ワ アニクス チンキケセ ア・エタイタイェ アクス パキ シリ ネ シウココモ ヘセプイラ ヤイコセㇱケ ワ アン=私はポンヤウンペという者,ある夜のこと結婚することになっていた女の所へ行くと寝ていたので,据の方を2度3度と引っぱってみると,エビのように体を曲げ,息をも止めたようにじっとして動きもしない. (出典:萱野、方言:沙流)
pakisar
パキサㇻ 【pakisar】 口のまわりのいれずみ.▷パ=口 キサㇻ=耳 (出典:萱野、方言:沙流)
pakita
パキタ 【pakita】 たまに. パキタ カ ネㇷ゚カ カㇻ コㇿ イユニン=たまにしか仕事をしないと怪我をする. (出典:萱野、方言:沙流)
pakkay
パッカイ 【pakkay】 おんぶする:子供をおぶる,大人の場合は言わない. ヘカッタㇻ ナー ポニタ(ポン ヒ タ) エイタサ ア・パッカイレ コㇿ ヘトゥクー カ コヤイクㇱ ペ ネ ナ イテキ エイタサ パッカイレ ヤン=子供たちがまだ小さい時にあまりにも子供をおぶわせると成長することができないものだから.あまりにも多く子供をおぶわせるものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
pakkaykut
パッカイクッ 【pakkay-kut】 子供をおぶる帯. (出典:萱野、方言:沙流)
pakkaytar
パッカイタㇻ 【pakkay-tar】 子供をおぶる紐. (出典:萱野、方言:沙流)
pakko
パッコ 【pakko】 婆あ〔悪口〕. ウェン パッコ=糞婆あ. (出典:萱野、方言:沙流)
paknoka
パㇰノカ 【pakno-ka】 十分です,これでもういい,もういい. "ポロンノ アン ナ ナ エ ヤン" "パㇰノカ タネ ク・キロンヌ"=「たくさんあるのでもっと食べなさい」「これでいいもう腹いっぱい」 (出典:萱野、方言:沙流)
pakoat
パコアッ 【pakoat】 間違いをおかす,いさかいを起こす.事故を起こす. タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ソンノ ソンノ エチ・アパプ ナ.テ ワノ イテキ パコアッ ノ イキ アニー=今のことでは本当に本当に厳重に注意する,これからはこのように間違いをおかさないようにしてね.ネア オチャコックㇽ スイ メノコ エパコアッ ヤㇰ ア・イェ.エ・ヌ アー=ちんちんに柴がくっついているかのようなあの男がまたしても女性関係でいさかいを起こしたという.聞いたかい. (出典:萱野、方言:沙流)
pakokanu
パコカヌ 【pa-kokanu】 立ち聞き,盗み聞き.▷パ=口 コカヌ=耳を傾ける パコカヌ・アン コㇿ イヨㇱマケヘ ワ ウェンカムイ エㇰ ヤ カ ア・エラムㇱカリ ア・エマウコウェン ペ ネ ナ イテキ ネノ イキ ヤン=立ち聞きすると.後の方から悪い神が来たのも知らず,それによって不運になるものなので立ち聞きをするものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
pakosipasnup
パコシパㇱヌㇷ゚ 【pa-ko-sipasnu-p】 いつも叱られている者,失敗の多い者,まぬけな人.どじな人. ソンノ ネㇷ゚ ア・カレ ヤッカ オトゥ スイ レ スイ ヤイカニホセ エカㇷ゚ネ パコシパㇱヌㇷ゚ ネ シリ=本当に何をやらせても,2回3回自分で自分の上へ木を倒すと同じように,いつも叱られるようなことをする者だ. (出典:萱野、方言:沙流)
pakrototo
パㇰロトト 【pakrototo】 ばちばちと火が燃える音,ごちゃごちゃ,めちゃくちゃに壊すこと[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pakte
パㇰテ 【pak-te】 比べる. イナニケ ポロ ヤ トゥㇷ゚ ウパㇰテ ワ ヌカㇻ ヤン=どちらが大きいかふたつ置いて比べてみなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
pan
パン 【pan】 淡い,色・味などが薄い. エコン(エ・コㇿ) ルㇽ ルリヒ ポンノ オパンペラㇰ ナ シッポ オマレ=お前の汁,汁が少し味が薄いから塩を入れろ. (出典:萱野、方言:沙流)
pan niki tuye ka somo
パン ニキ トゥイェ カ ソモ 【pan niki tuye ka somo】 まくしたてる.▷パン=口 ニキ=ひだ トゥイェ=切る カ=も ソモ=しない →間をおかないでしゃべりまくる ソモ エㇰ アイネ エㇰ ペ ネ クス パンニキ トゥイェ カ ソモ キ ノ スンケ アㇱ ペ ソネ アㇱ ペ エハウカントゥㇽセ=しばらく来ないでいて来たものだから息もつかずにうその話や本当の話を声高にしゃべっている. (出典:萱野、方言:沙流)
pan'useypo
パンウセイポ 【pan-usey-po】 ぬるま湯. ▷パン=温かい ウセイポ=湯(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pana
パナ 【pana】 塵,粉塵,ほこり. タネタネ ネアヤント エㇰ ナンコㇿ ペ マㇰ エ・イキ シリ アン.ニサッタ カ シッチャㇱヌレ.パナアッ ワ ウェン ナ=今に今にあの客が来るであろうのに.何やっているの.明日でいいから掃除して.ほこりが立って悪いから. (出典:萱野、方言:沙流)
pana/panake(he)
パナ/パナケ(ヘ) 【pana/panake(he)】 川下,下,下の方. コタンパナケ=村の下の方. (出典:萱野、方言:沙流)
panata
パナタ 【pana ta】 下の方に. (出典:萱野、方言:沙流)
panaunpe
パナウンペ 【pana-un-pe】 下の方の者:昔話の主人公の名前.ペナウンペ(上の方の者)とパナウンペ,このふたりが主役でかなり多くの昔話がある.ペナンペ,パナンペともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
panco
パンチョ 【panco】 大工. (出典:萱野、方言:沙流)
pancomukar
パンチョムカㇻ 【panco-mukar】 手はびろ(斧),手斧.▷パンチョ=大工 ムカㇻ=まさかり 図[パンチョムカㇻ] (出典:萱野、方言:沙流)
panke
パンケ 【panke】 下の方向. ←→ペンケ (出典:萱野、方言:沙流)
pannoki
パンノキ 【pan-noki】 下の方の軒,西の方の軒. アシㇼ チセ ア・アシ ワ カムイノミ・アニタ(カムイノミ・アン ヒ タ) アナㇰネ チセ パンノキ チセ ペンノキ アンパ カムイ セコㇿ カムイレ ア・レアリ ㇷ゚ ネ=新しい家を建てて神を祭る時には,家の下の方の軒家の上の方の軒支える神と神の名を言うものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
panore
パノレ 【panore】 口先だけ,うわべだけの言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
panoreeaskay
パノレエアㇱカイ 【panore-easkay】 お世辞がうまい. (出典:萱野、方言:沙流)
panorep
パノレㇷ゚ 【panore-p】 口先だけの言葉の者,口はうまいが信用されない者. (出典:萱野、方言:沙流)
panpata
パンパタ 【pan-pata】 下手の方に,下のほうに. チセパンパタ エコㇿアイヌ ネㇷ゚キコㇿアンナ ホトゥイェカㇻワ エㇰ=家の下手の方でお前の父が仕事をしているので呼んで来い. *上手の方という場合は,ペンパタと言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pante
パンテ 【pan-te】 薄める. テエータ オカ アイヌ アナㇰネ ポンノ カ サケ コㇿパ コㇿ カムイノミ パ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ネノ アン イキ カ ア・パンテ ワ イサㇺ=ずうっと前のアイヌは少しでも酒を持つと神への祈りをしたものだが,今はそのようなことも薄められてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
pap
パㇷ゚ 【pa-p】 拾い物. ル オッタ(オㇿ タ) パㇷ゚ ネ ヤㇰ イェ コㇿ ポンサラニㇷ゚ コㇿ ワ エㇰ ネンカ ハチレ ㇷ゚ ネ ノイネ=道路に拾った物といって小さい袋を持って来た.誰か落とした物らしい. (出典:萱野、方言:沙流)
papiror'oitak/ukopapiror'oitak
パピロㇿオイタㇰ/ウコパピロㇿオイタㇰ 【papiror-o-itak/u-ko-papiror-o-itak】 ひそひそ話,相手の耳に口をつけるようにして言う,側の人にも聞こえないように言う. ▷パピロㇿ=ひそひそと オイタㇰ=それを言う ソンノネヤメノコウタㇻ スイネンカ オハイケカㇻパ ウコパピロㇿオイタㇰ コㇿオカ=本当にあの女たちはまだ誰かの悪口を言っていて,二人でひそひそ話をしている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
papisno
パピㇱノ 【pa pisno】 毎年. レプンカムイ エウン ア・マッネポホ アㇻパ ワ アン クスケライ パピㇱノ ア・コタヌ タ フンペ ヤン ワ ア・エ コㇿ アナン(アン・アン)=沖の神(シャチ)の所へ私の娘が嫁に行っている.そのお陰で年ごとに私たちの村へ鯨が寄り上がるので私は食べている[カムイユカㇻ]. (出典:萱野、方言:沙流)
papus
パプㇱ 【pa-pus】 (怒って)ふくれる.▷パ=口 プㇱ=弾ける (出典:萱野、方言:沙流)
papusturiri
パプㇱトゥリリ 【pa-pus-turiri】 ふくれっ面,むくれる. ア・コレ ㇷ゚ エラムホㇱキ ワ ヘ パプㇱトゥリリ ワ ソイネ シリ=やった物が気に入らないのかい,ふくれっ面して出て行ったのは. (出典:萱野、方言:沙流)
par maw ani itak
パㇻ マウ アニ イタㇰ 【par-maw ani itak】 息が絶える直前の言葉:死に瀕した人が最後の力をふりしぼって言う言葉.▷パㇻ=口 マウ=空気 アニ=で イタㇰ=言う オンネフチ イタㇰスラ ヘネ キ ルスイ ワ ネ ノイネ.パㇻマウ アニ イタㇰ コㇿカ ネㇷ゚ イェ ルスイ ハウェ ネ ヤ ア・ヌ フミー カ イサㇺ=年老いたおばあさんが遺言でもしたいらしい.息を絶え絶えに言うが何を言いたいのかさっぱり聞こえなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
par/paro(ho)
パㇻ/パロ(ホ) 【par/paro(ho)】 口. パㇻ アニ アナㇰネ ウトゥイェ パㇰノ ウライケ パㇰノ ウコイキ・アン ヤッカ イテキ ウキㇰ・アン ペ ネ ナ=口では互いを斬るほどに互いを殺すほどにけんかしても殴り合いはするものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
para
パラ 【para】 広い. (出典:萱野、方言:沙流)
parak
パラㇰ 【pa-rak】 すすけた味. ポンノ ホㇿセ チェㇷ゚ ネ ヤ カㇺ アナㇰネ クワペッネ ア・カㇻ ワ ア・パラㇰカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=少し傷んだ魚とか肉は縦に切ってそれにすすけた味をつけるといいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
parakina
パラキナ 【para-kina】 ミズバショウ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
parakot
パラコッ 【para-kot】 広い窪み:さじですくいとったような円形の窪み,圏谷. (出典:萱野、方言:沙流)
paramuriri
パラムリリ 【paramuriri】 葬式の時に死体を包んだござを縛る紐:イテセカ(シナの木の皮を撚った糸)で編む. ネンカ オンネ ワ ア・キモヌパ ヒ タ チシナオッ ニッ アニ ア・ニヌ ワ ア・シナ ㇷ゚ パラムリリ セコㇿ カネ ア・イェ ㇷ゚ ネ=誰かが亡くなって葬式の時に遺体を包んだござに,串で縫いそれを縛るものを遺体を縛る紐という. (出典:萱野、方言:沙流)
paraparak
パラパラㇰ 【para-parak】 わあわあ泣く. (出典:萱野、方言:沙流)
pararu
パラル 【para-ru】 通り. (出典:萱野、方言:沙流)
parasekor
パラーセコㇿ 【para sekor】 いい気持ちだ,ざまあみやがれ.腹いせ. エネ リㇰ タ リㇰ タ インカㇻ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ア・コソトゥイェ ハウェ.パラーセコㇿ=あれほど威張っていた者,ある物全部取られたという.ざまあみやがれ. (出典:萱野、方言:沙流)
parat
パラッ 【parat】 煙の味とにおいがする. (出典:萱野、方言:沙流)
paratek/parateke(he)
パラテㇰ/パラテケ(ヘ) 【paratek/-teke(he)】 手:手首から先. (出典:萱野、方言:沙流)
parato
パラト 【para-to】 広い沼. (出典:萱野、方言:沙流)
paraure/paraure(he)
パラウレ/パラウレ(ヘ) 【para-ure/-ure(he)】 足,足の甲:足首から先. (出典:萱野、方言:沙流)
parimomo 1
パリモモ 【parimomo】 ①口をすぼめる. (出典:萱野、方言:沙流)
parimomo 2
パリモモ 【parimomo】 ②クチボソ,ウグイ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
parka
パㇻカ 【parka】 屋根裏,梁の上. パㇻカ タ アネ スウォㇷ゚ シネㇷ゚ アニクス(アン ヒクス) パテㇰ ア・セ ヒネ コタン フナラ クス ペッペㇱ・アン=梁の上に上等の宝をしまう箱があったので,私はそれだけを背負って村を探しに川を下った[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
parkanhese
パㇻカンヘセ 【parka-kan-hese】 大きく息をする.▷パㇻカ=屋根裏 カン=上 ヘセ=息 (出典:萱野、方言:沙流)
parkar 1
パㇻカㇻ 【parkar】 ①辛い. (出典:萱野、方言:沙流)
parkar 2
パㇻカㇻ 【parkar】 ②焼酎.▷パㇻ=口 カㇻ=作る,しみる *アイヌはこれを飲んだ時に口ヘぴりっと来たので飲んだ時に口ヘぴりっとしみる飲み物と名づけた. (出典:萱野、方言:沙流)
parkew
パㇻケウ 【parkew】 カケス.*もうひとつの言い方はエヤミというが,ものを言うのが遅い子供の舌をカケスに噛ませるとしゃべれるようになるという.カケスは食欲な鳥で右手でカケスを握り,左手に餌を入れて出すとそれを啄む.したがって子供の舌を噛ますのは簡単である. (出典:萱野、方言:沙流)
parkewkamuy
パㇻケウカムイ →パㇻケウ (出典:萱野、方言:沙流)
parkoat
パㇻコアッ 【parkoat】 罰があたる. イッカㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌ パ クニネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
parkoatpe
パㇻコアッペ 【parkoat-pe】 罰あたり者. (出典:萱野、方言:沙流)
parkohayta
パㇻコハイタ 【par-ko-hayta】 口卑しい,食いしん坊,なんでも食べたがる. エアウネ ウン フチ エアㇻキンネ パㇻコハイタ ネㇷ゚ ネ ヤッカ エ=隣のおばあさんは本当になんでも食べたがり,なんでも食べる. (出典:萱野、方言:沙流)
parkokikkik
パㇻコキッキㇰ 【par-ko-kik-kik】 口止め:この話は絶対に他人に言うな,口の上を叩くようにして口止めする.▷パㇻ=口 コ=それ キㇰキㇰ=叩く エン・パㇻコキㇰキㇰ=口止めされた.ソモ カ タㇷ゚ネ エネ イキ クナㇰ ア・ラム ア ピㇼカ カッケマッ イッカ シリ ア・ヌカㇻ アクス イテキ ネンカ エウン イェ アニ シコㇿ カネ ア・エンパㇻコキㇰキㇰ=まさかのこと,そうするとは思わなかった,りっぱな婦人が盗みをしたのを私は見たら,誰にも言わないでねと私は口止めされた. (出典:萱野、方言:沙流)
parkosomomokor
パㇻコソモモコㇿ 【par-ko-somo-mokor】 腹がすいて眠れない.▷パㇻ=口 コ=それ ソモ=(否定) モコㇿ=眠る →口のために眠らない (出典:萱野、方言:沙流)
parnunnunte
パㇻヌンヌンテ 【par-nun-nun-te】 口移しにする. ナー イワタラㇷ゚ ネ ラポㇰ タ ア・ホッパ ㇷ゚ ネ クス ネㇷ゚ ポーカ ア・パㇻヌンヌンテ ワ ア・レス パㇱテッテㇾケ パㇰノ ポロ ルウェ ネ ワー=まだ赤子のうちに遺された者なのでいろいろな物を口移しにして育て,よちよち歩きするまでに大きくなったのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
paro(ho) oyki
パロ(ホ) オイキ 【paro(ho) o-iki】 養う,扶養する.▷パロ=口 オ=それ イキ=する →その口のために働く ア・エカシヒ オンネ クス パロ ア・オイキ=私のおじいさんは年とったので私が養う(パロ ア・オイキの形もある). (出典:萱野、方言:沙流)
paroho usat oma pekor
パロホ ウサッ オマ ペコㇿ 【paroho usat oma pekor】 ぺらぺら口に燠でも入ったように早口でしゃべりまくる.▷パロホ=口 ウサッ=燠 オマ=入った ペコㇿ=ように イヨーハイ ヘマンタ アン ワ パロホ ウサッ オマ ペコㇿ エパㇻコヤコヤ=まああきれた,あれは何者だ口に燠でも入ったようにまくしたてて. (出典:萱野、方言:沙流)
paronna ta nu
パロンナ タ ヌ 【paronna ta nu】 口から聞いた:また聞きではなく直接聞いた. ク・パハウォペㇱ ヒ カ ソモ ネ パロンナタ ク・ヌ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ペ ネ クス ソンノ オルㇱペ ネ ワ=私は噂をたどったのではない.口から聞いて来たので本当の話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
paronnata
パロンナタ 【paronna ta】 直接に. (出典:萱野、方言:沙流)
paronukarnukar
パロヌカㇻヌカㇻ 【par-o-nukar-nukar】 食べ物の世話をする. アウン ウナㇻペ ク・ミッポホ パロヌカㇻヌカㇻ ペ ネ クス エㇰ コㇿ オラーノ セトゥㇽ ワノ テㇺコㇿ ワノ ア・セナセナッカ=隣のおばさん,私の孫にいろいろと食べさせてくれるものだから,来ると背中の方から腕の所へまつわりつく. (出典:萱野、方言:沙流)
paroosopsopo
パロオソㇷ゚ソポ 【paro-osop-sopo】 口ゆすぎ. (出典:萱野、方言:沙流)
paroosuke
パロオスケ 【paro-o-suke】 〜のために煮たきをする.▷パロ=口 オ=それに スケ=煮る (出典:萱野、方言:沙流)
paropetetne
パロペテッネ 【paro-petetne】 口がかじかむ.酔いのために口がもつれる. メライケ・アン コㇿ ア・パロホ カ ペテッネ イタㇰ カ ア・エアイカㇷ゚=寒いと自分の口もかじかんでしゃべることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
parparse
パㇻパㇻセ 【par-par-se】 火が燃える,ぼうぼうと燃える. パㇻパㇻセ ワ イサㇺ=ぼうぼうと燃えてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
parparu
パㇻパル 【parparu】 あおぐ:うちわであおぐこと. アペ ア・アリ コㇿカ テイネ チクニ ネ ㇷ゚ ネ クス エプイプイセ ワ アペルイ カ ソモ キ.ア・パㇻパル アイーネ アペルイ=火を焚いたが濡れた薪なので煙ばかり出て火は燃えない.あおいだので火が燃えた. (出典:萱野、方言:沙流)
parpesni
パㇻペㇱニ 【par-pes-ni】 アイヌ家屋の中へ入って入口のところの目の前の梁の上に並べて乗せてある2本の棒. ▷パㇻ=梁の上 ペㇱ=たどる,ニ=木 *この2本の棒から火棚を下げる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
parse
パㇻセ 【par-se】 宙を舞う,飛び散る. コナㇺ パㇻセ=木の葉が舞う.ハヨㇷ゚ コㇱネ ㇷ゚ コナㇺ パㇻセ シコパヤㇻ=武具の軽い者,木の葉が舞う.それと同じに…[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
parsut'omap
パㇻスッオマㇷ゚ 【par-sut-omap】 長押しの槍. ▷パㇻスッ=長押し オマㇷ゚=入っている物,槍[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
parunpe/parunpe(he)
パルンペ/パルンペ(ヘ) 【par-un-pe/-pe(he)】 舌. (出典:萱野、方言:沙流)
parunpekuste
パルンペクㇱテ 【parunpe-kuste】 目のごみを舌で取る. ク・シキヒ マイオマ ノイネ ク・シㇰマカカ ケアイカㇷ゚(ク・エアイカㇷ゚) ナ.イネイネ テタ ホッケ パルンペ ク・クㇱテ ナ=私の目にごみが入ったらしく目を開けることもできないよ.どれどれここへ寝て舌通すので(普通のごみ=ムン 目に入ったごみ=マイ). *子供の頃に母にこのようなやりかたで目に入ったごみを取ってもらった. (出典:萱野、方言:沙流)
parur/parurke(he)
パルㇽ/パルㇽケ(ヘ) 【parur/parurke(he)】 端,縁. ア・ウタリヒ シトゥ カリ ヘメㇱパ ナイ パルㇽ タ イイェトコウㇱ クニ ア・イェ オヌマン パㇰノ アナン(アン・アン) ア コㇿカ オムケン・アン=私の仲間たちは尾根に登って行き,私は沢縁で待ち伏せするように言われ夕方までいたが何も獲れない.イテキ アイヌヌㇺケ ノ アペエトㇰ ワノ ニワ パルㇽ タ アン ウタㇻ パㇰノ イサㇷ゚テ アン ペ ネ=絶対に人選びせずに横座の方から内庭の縁に座っている人たちまで給仕するものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
parurkea=ekaye
パルㇽケアエカイェ 【parurke-a=e-kaye】 縁を折り込む:ござを織る時に縁を折ること. ▷パルㇽケ=縁 ア=それ エカイェ=折る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
parusipetuntu
パルシペトゥントゥ 【par-usi-pe-tuntu】 梁の上にある柱. ▷パㇻ=梁の上の空間 ウㇱ=付く,ある トゥントゥ=柱 *家の材料の名前でチセマカニ(家を開く木)という長方形の骨組みで,雪の重さで屋根が潰れるのを防ぐために横になっている柱.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pas
パㇱ 【pas】 炭.木炭. (出典:萱野、方言:沙流)
pas
パㇱ 【pas】 走る:小走り. パㇱ ワ エㇰ=走って来い.トトト トアン タ ウカ カ ペカ ポロ ユㇰ ホユプ シㇼ イキ ナ.パㇱ ワ アㇻパ ワ ネンカ カㇻ=あれあれあそこで堅雪の上を大きい鹿が走って行くよ.走って行ってなんとかしろ. (出典:萱野、方言:沙流)
pas'utekkar
パㇱウテッカㇻ 【pas-utek-kar】 走り使い.▷パㇱ=走る ウテㇰ=使う カㇻ=作る (出典:萱野、方言:沙流)
pas'utekpe
パㇱウテㇰペ 【pas-utek-pe】 使い走りの者,小間使い.▷パㇱ=走る ウテㇰ=使う ペ=者 (出典:萱野、方言:沙流)
pase
パセ 【pase】 重い,重大な,値打の高い. (出典:萱野、方言:沙流)
pasekamuy
パセカムイ 【pase kamuy】 位の高い神. (出典:萱野、方言:沙流)
paseni
パセニ 【pase-ni】 サワシバ.▷パセ=重い ニ=木 →その名に恥じないほどずしりと重い木 (出典:萱野、方言:沙流)
paseonkami
パセオンカミ 【pase onkami】 位の高い神への祈り. イセポトゥキ アナㇰネ パセオンカミ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ソモ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ ナ=厚手の杯は位の高い神へのお祈りには使わないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pasetara
パセタラ 【pase-tara】 丁寧に, パセタラ エチ・コオンカミ ナ=丁寧にあなたに礼拝する. (出典:萱野、方言:沙流)
paskaneterkekane
パㇱカネテㇾケカネ 【pas kane terke kane】 走るように跳ぶように,駆ける,速く走る. ノクンネイワ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ポーロ カムイ スマウェヘ ア・コㇿ.ア・エヤイコプンテㇰ パㇱ カネ テㇾケ カネ イワカン(イワㇰ・アン) コタヌン ウタㇻ ア・ニスㇰ=朝早くから山へ行ったら大きな熊を獲ることができた.喜んで走るように跳ぶように帰って来て村人を頼んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
paskuma
パㇱクマ 【paskuma】 教える. ペウレクㇽ ウタㇻ ア・エパㇱクマ ヒ アナㇰネ ネユンネユン アン ペ ネ アイヌ イキㇼ エネ アン ヒ ネ ヤ コタン エピッタ アン ナイレ ネ ヤ ポロンノ アン ペ ネ=若い人たちに教えることはいろいろあって,人々の血統とかがどうなっているかとか村中にある沢の名前とかたくさんあるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
paskur
パㇱクㇽ 【paskur】 烏:シエパㇱクㇽ(糞食い烏)=ハシブトガラス. パㇱクㇽ パㇰペ ヌカㇻヌカㇻ=烏ほどの物を見ろ見ろ.*女性が山で熊に出会った時,前をはだけて黒いものを見せながらこう言うと,熊は恥ずかしそうに目を逸らして行ってしまうという.クンネイワ ノ チセ カ ウン パㇱクㇽ ハウコㇿ.タント アナㇰネ ピㇼカ ヤント エㇰ ナンコㇿ=朝から屋根の上へ烏が声を出した.今日はいい客が来るであろう.*アイヌはカララㇰ(ハシボソガラス)のほうを格神のいい烏と考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
paskur'ape
パㇱクㇽアペ 【paskur-ape】 鬼火.▷パㇱクㇽ=烏 アペ=火 *青白い光で,昭和10年代造林人夫や測量人夫で山を歩いた時.夜はこの火を見たものだが平成7年現在は太い木の根もないので見ることができなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
paskur'ep
パㇱクㇽエㇷ゚ 【paskur-e-p】 ツルウメモドキ.▷パㇱクㇽ=烏 エ=食べる ㇷ゚=物 クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦はムカゴイラクサが一番いい,次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ.パㇱクㇽエㇷ゚ カプフ アニ メノコウㇷ゚ソㇿ ネ ヤ エムㇱ アッ ネ ヤ タラッ ネ ヤ ア・カㇻ コㇿ エアㇻキンネ ニㇱテ ワ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ツルウメモドキの皮で女性のお守り紐とか刀の下げ帯とか背負い縄の紐などを作ると本当に丈夫でいいものだ.*雪が降ってからつるになった赤い実を烏が食べるのでこの名がついている. (出典:萱野、方言:沙流)
paskursinot
パㇱクㇽシノッ 【paskur-sinot】 鳥遊び:遊び方の下手な者に言う.子供と遊んでというか,子供をかわいがっても乱暴にして泣かす大人のこと. ▷パㇱクㇽ=鳥 シノッ=遊び(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
paspas
パㇱパㇱ 【pas-pas】 消し炭,炭. (出典:萱野、方言:沙流)
pasrota
パㇱロタ 【pasrota】 悪口,苦情,文句.痛罵,ののしる. イヨーハイ ネア ウナㇻペ パㇱロタ ハウェ イヨイタクシ エカㇷ゚ ネ.ア・ヌー カ エチャッケ=いやーたまげた,あのおばさん,悪口の言い方人を呪うと同じようなものだ.聞くだけでも汚ない言葉だ. (出典:萱野、方言:沙流)
passayo
パッサヨ 【passayo】 走り粥:わずかのヒエとか米などに水を多くして粥を炊くと,煮え立つ鍋の中で米粒が走るように見えるので走り粥という. アエㇷ゚ イサㇺ ヒ タ アナㇰネ チェㇷ゚ルㇽ ネ ペコㇿ カㇺルㇽ ネ ペコㇿ ア・エ オカケ タ パㇱサヨ ア・カㇻ ワ ア・エ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ=食べ物のない時は,魚汁らしきもの肉汁らしきもの食べた後に,走り粥を煮て食べたものであったそうだ.*このような食べ方をアイヌイペ(アイヌたちの食べ方)と,半ば自嘲気味に言っていたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
paste
パㇱテ 【pas-te】 走らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
paste
パㇱテ 【pas-te】 気がつく. キムンカムイ アナㇰネ ア・シトマ ㇷ゚ ネ ア・クイラ ヒ パㇱテ コㇿ ヤイルカ エホシピ ワ ニ センピㇼ タ イイェトコウㇱ(イ・エトコウㇱ) ペ ネ=熊は恐ろしいものだ,後をつけられたことに気づくと自分の足跡を迂回して木の陰で待ち伏せをするものだ.ア・ユピヒ オナハ トゥラノ エキㇺネ クニ ネ ア・イェ ワ アナ(アン ア) ヒ ア・ヌ ア ㇷ゚ キラ ワ イサㇺ ア・オナハ ネ ワ アン ペ パㇱテ ワ イルㇱカ ア イルㇱカ ア=私の兄は父と一緒に山へ行くようにと言われていたのを,私は聞いたのに逃げてしまい,私の父はそれに気がつき怒って怒って. (出典:萱野、方言:沙流)
pastetterke
パㇱテッテㇾケ 【pas-tetterke】 よちよち歩きをする. ナー イワタラㇷ゚ ネ ラポㇰ タ ア・ホッパ ㇷ゚ ネ クス ネㇷ゚ ポーカ ア・パㇻヌンヌンテ ワ ア・レス パㇱテッテㇾケ パㇰノ ポロ ルウェ ネ ワー=まだ赤子のうちに遺された者なのでいろいろな物を口移しにして育て,よちよち歩きするまでに大きくなったのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
pasuske
パスㇱケ 【pasuske】 逃げまどう. キキㇼ パスㇱケ=蜘蛛の子を散らすように逃げまどう[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
pasuy
パスイ 【pasuy】 箸. イペパスイ=食べる箸. (出典:萱野、方言:沙流)
pasuy'op
パスイオㇷ゚ 【pasuy-o-p】 箸入れ. (出典:萱野、方言:沙流)
pasuysampe
パスイサンペ 【pasuy-sampe】 捧酒箸の心臓:アイヌが神々に願い事をする時に用いるへら状の道具の裏側の先の方につけるくぼみ.このくぼみを,パスイサンペあるいはパスイパルンペ(捧酒箸の舌)と言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pasyar
パㇱヤㇻ 【pas-yar】 走らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
pata
パタ 【pa ta】 上. チセ パ タ アン トイ オッタ(オㇿ タ) エ・ミチ キナカㇻ コㇿ アン ナ チュワン オッタ アエㇷ゚ コㇿ ワ アㇻパ=家の上の方にある畑にお前の父が草取りしているので昼に食べる物持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
patacinne
パタチンネ 【patacin-ne】 とりみだす,半狂乱. ヘマンタ オモト ネ ワ スイ ウムレㇰウコイキ イマチネㇷ゚ パタチンネ ワ エネ ア・カリー(ア・カㇻ ヒ) カ イサㇺ=何が原因なのかまたしても夫婦げんか,妻のほうがとりみだし手もつけられない. (出典:萱野、方言:沙流)
patapata
パタパタ 【patapata】 ハタハタ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
patce
パッチェ 【patce】 飛び散る. ウプンパッチェ=吹雪で雪が飛び散る.ウナパッチェ=木灰が飛び散る. (出典:萱野、方言:沙流)
patci
パッチ 【patci】 漆塗りの鉢,木鉢. (出典:萱野、方言:沙流)
patek
パテㇰ 【patek】 それだけを,〜だけ,〜ばかり. パㇻカ タ アネスウォㇷ゚ シネㇷ゚ アニクス(アン ヒクス) パテㇰ ア・セ ヒネ コタン フナラ クス ペッペㇱ・アン=梁の上に上等の宝をしまう箱があったので,私はそれだけを背負って村を探しに川を下った[ウ].エネ ク・ヤイウェンヌカㇻ アㇷ゚ ヒナコㇿ エネ パテㇰ ヘ ハイー ク・ヤイラムポㇰウェン フミー=あれほど苦労したのにたったこればかりかい,いやー私は少々不満に思うよ. (出典:萱野、方言:沙流)
patoy/patoye(he)
パトイ/パトイェ(ヘ) 【patoy/patoye(he)】 唇. (出典:萱野、方言:沙流)
pattaki
パッタキ 【pattaki】 バッタ. (出典:萱野、方言:沙流)
pattakikir
パッタキキㇼ 【patta-kikir】 バッタ:イナゴ・スズムシ・ウマオイ等々を含む. (出典:萱野、方言:沙流)
pattakup
パッタクㇷ゚ 【par-takup】 口だけ. パッタクㇷ゚ イヨアットゥイェ(イ・オアットゥイェ)=口で私を切るように=口ばかり達者なやつだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pattar
パッタㇻ 【pattar】 (煎り豆が)はぜる. (出典:萱野、方言:沙流)
pattarka
パッタㇻカ 【pattar-ka】 〜(トウモロコシなどを)はぜらせる. エカシ ミマキヒ ピㇼカ ㇷ゚ ネ クス ア・セイレカ マメ ア・パッタㇻカ キミ ネ ヤッカ エカウロトト フミ=おじいさんは歯がいいものだから煎り豆もはぜらせたトウキモロコシもばりばりとかじっている.キミパッタㇻカ=トウモロコシをはぜらせる. (出典:萱野、方言:沙流)
patum
パトゥㇺ 【patum】 流行病. ネイタカ パトゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ ヒ ア・ヌ コㇿ ウクリペ ア・ウㇰ ワ アパ オッタ(オㇿ タ) プヤㇻ オッタ ア・エウシ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ ソモ ヘノイェ ㇷ゚ ネ=どこかで流行病が蔓延したと聞いたらヤツメウナギを取って来て戸とか窓に差しておくと病気の神がよらないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pawasnu
パワㇱヌ 【paw-asnu】 雄弁. (出典:萱野、方言:沙流)
pawci
パウチ 【pawci】 淫乱. (出典:萱野、方言:沙流)
pawcikorpe
パウチコㇿペ 【pawci-kor-pe】 淫乱者. ヤイカタ アナㇰネ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペ ソモ ネ コㇿカ テエータ パウチコㇿペ アトゥㇱパ ワ ホユッパ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=私自身の目で見たものではないけれど,ずうっと昔に淫乱集団が裸で走っていたものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pawetenke
パウェテンケ 【pawetenke】 号令をかける. チセカㇻ ネ ヤ インネ ウタㇻ ネㇷ゚キ ヒ タ アナㇰネ イパウェテンケ クㇽ アン コㇿ イユニン サㇰノ ネㇷ゚ ネㇷ゚キ カ ア・オケレ ㇷ゚ ネ=家を建てるとか大勢の人たちが働く場合は,号令をかける人がいると怪我もなくどんな仕事も終わるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pawetok
パウェトㇰ 【pa-etok】 雄弁. アヌンクㇽ ネ ヤッカ イテキ アララ ㇷ゚ ネ ナ.パウェトㇰ コㇿ ペ カ ラメトㇰ コㇿ ペ カ オカ ㇷ゚ ネ ナ=他から来た人であってもなめてはいけないものだよ.雄弁な者も度胸のある者もいるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
pawetok puyar
パウェトㇰ プヤㇻ 【pawetok puyar】 雄弁の窓:門歯のすきまが広いこと.▷パウェトㇰ=雄弁 プヤㇻ=窓 (出典:萱野、方言:沙流)
pawetokkor
パウェトッコㇿ 【pa-etok-kor】 雄弁である(人). ソンノ ウタㇻパ シノ ウタㇻパ ネ ㇷ゚ ネ クス ア・エリㇰナヌカㇻ カシウン パウェトッコㇿ ハウェ ポーヘネ コトㇺ シリ=本当の首領,まことの首領であるので.皆が見上げるその上へ雄弁なこと,なおさら似合うこと. (出典:萱野、方言:沙流)
pawse
パウセ 【paw-se】 狐が啼く,狐の声. チロンヌㇷ゚パウセ=狐の声. (出典:萱野、方言:沙流)
pay
パイ 【pay】 薄い. パイ スプヤ アッ コㇿ アン=薄い煙が立っている. (出典:萱野、方言:沙流)
paye
パイェ 【paye】 行く,出発する,発つ〔複〕. オッコー タント アハ タ・アン クス ピクタトイ オルン パイェ・アン ロー=お姉さん,今日土豆を掘りに川原の砂畑まで行こうよ.エシㇼ パㇰノ テ タ ネㇷ゚キ パ コㇿ オカ ア コㇿカ アㇷ゚ト ルイ アクス キラ ワ パイェ ア ワ=先程まで皆がここで働いていたけれども雨が強くなったので皆が逃げて行ったよ.参照:アㇻパ (出典:萱野、方言:沙流)
paykar
パイカㇻ 【paykar】 春. (出典:萱野、方言:沙流)
payoka
パヨカ 【payoka】 歩く. エシㇼ インネウタㇻ ヘパシ パヨカ シリ ク・ヌカㇻ ネㇷ゚カ ア・エラナㇰ ペ アン ワ ソモ ネ ヤー=先程大勢の人たちが下のほうへ歩くのを私は見た.何か心配事でもあったのではないか. (出典:萱野、方言:沙流)
payokakamuy
パヨカカムイ 【payoka-kamuy】 病気の神様,流行病,天然痘,疱瘡. コタン アパパ タ アユㇱニカムイ ア・ニスㇰ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ カ コタノルン(コタン オルン) アフン ニューケㇱ=村の入り口の向こう側にとげつきの神を頼んで置くと病気の神も村へ入ることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
pe
ペ 【pe】 物:見たり触れたりして確かめることのできる物,者. ト アン ペ=あそこにある物(あの人).テタ アン ペ=ここにある物.フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ=昔からいる者らしくふるまう.タ アン ペ=ここにいる人. (出典:萱野、方言:沙流)
pe/pe(he)
ぺ/ぺ(ヘ) 【pe/pe(he)】 水.水滴,露,汁.何かから出て来る水・汁. キナペ=草露.ノキペ=雨だれ. (出典:萱野、方言:沙流)
pecakayne
ペチャカイネ 【pecakayne】 糊気がない. ペチャカイネ サヨ ネ フミー=糊気のない粥だねえ. (出典:萱野、方言:沙流)
pecankur
ペチャンクㇽ 【pecan-kur】 やせっぽっちの人,たいしたことのない者. (出典:萱野、方言:沙流)
pecihikar
ペチヒカㇻ 【pecihi-kar】 3枚に身おろしした魚を縦に切ること. (出典:萱野、方言:沙流)
peciiwor
ペチイウォㇿ 【peciiwor】 魚を獲りに行く川,(川の)漁場. (出典:萱野、方言:沙流)
peciwor
ペチウォㇿ 【peciwor】 川の中. (出典:萱野、方言:沙流)
pehe cik
ペヘ チㇰ 【pehe cik】 滴:汁が滴る. (出典:萱野、方言:沙流)
pehe numpa
ペヘ ヌンパ 【pehe numpa】 しぼる. (出典:萱野、方言:沙流)
pehetuye
ペヘトゥイェ 【pehe-tuye】 水切り(する):洗った米をざるに上げて水を切る.▷ペ(ヘ)=滴 トゥイェ=切る シプㇱケㇷ゚ ピㇼケㇷ゚ フライェ ワ イチャリ オルン ヤンケ ワ ペヘトゥイェ ワ アヌ.ア・オッケ ワ シト ア・カㇻ ナ=イナキビの精白を洗ってざるに上げて水を切っておけ.搗いて団子を作るから. (出典:萱野、方言:沙流)
peka
ペカ 【peka】 受ける. (出典:萱野、方言:沙流)
peka
ペカ 【peka】 〜を,〜に,〜へ,〜から. オコッコ アナㇰネ ル ウトゥㇽ ペカ アㇷ゚カㇱ ペ ネ ナ イテキ ル ウトゥㇽ エチ・クㇱ ペ ネ ナ アニー=化け物は道の下側を歩くものだから,道の下側を通らないようにお前たちはするんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
pekanke
ペカンケ 【pekan ke】 浮かぶ,浮く,浮上,浮揚:沈んでいた物が浮かび上がること. ネア エタㇱペ ペカンケ ワ エㇰ ヒクス アㇱナㇷ゚ アニ ア・トイコキㇰキㇰ ワ ア・ライケ=あの海馬(トド)が浮き上がってきたので櫂で殴り殺した.オペッネカ ワ カッパ ス ポㇷ゚ ワ オラーノ オマレ ペカンケ コㇿ チ ワ アン ペ ネ ナ ヤンケ アニー=それ,練ってから団子にして鍋が煮え立ってから入れて,浮いたら煮えているものだから上げてね. (出典:萱野、方言:沙流)
pekankere
ペカンケレ 【pekanke-re】 浮かせる. (出典:萱野、方言:沙流)
pekanpe
ペカンペ 【pekan-pe】 ヒシ(の実). (出典:萱野、方言:沙流)
pekaunni
ペカウンニ 【peka-un-ni】 厚司を織る時に糸を掛ける棒. (出典:萱野、方言:沙流)
pekennisatkaritek
ペケンニサッカリテㇰ 【peker-nisat-kari-tek】 夜明け前の一時.▷ペケㇾ=明るい ニサッ=朝 カリ=回る テㇰ=さっと →明るい朝が回る (出典:萱野、方言:沙流)
pekennupe
ペケンヌペ 【peker-nupe】 清い涙. トゥ ペケンヌペ レ ペケンヌペ ヤイコランケ=ふたつの清い涙,三つの清い涙,流しながら. (出典:萱野、方言:沙流)
peker
ペケㇾ 【peker】 澄む,明るい,清い,清らか. (出典:萱野、方言:沙流)
pekerkewtum
ペケㇾケウトゥㇺ 【peker-kewtum】 清い心,きれいな精神. (出典:萱野、方言:沙流)
pekerto
ペケㇾト 【peker to】 真っ昼間. (出典:萱野、方言:沙流)
peko
ペコ 【peko】 牛. テエータ モペッ タ モシㇼシンナイサㇺ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ オハインカㇻ クㇽ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ポロ ペコ ネノ アン レタㇻ ウㇱケ クンネ ウㇱケ アン ペ ネ シコㇿ ク・イヌ アㇺキㇼ=ずうっと昔,山門別村に,国土の他にいる化け物という恐ろしい物の幻を見た者がいたという,大きい牛のような姿をしていて白と黒のまだらのものだと聞いたことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
pekokarse
ペコカㇻセ 【pe-ko-karse】 粉に水を加えて団子にしようとして水を入れ過ぎたこと,粉に水を加え過ぎて団子にできない. ▷ペ=滴 コ=それ カㇻセ=からまる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pekor
ペコㇿ 【pekor】 ふり(をする):それらしく装うこと,〜のように,〜らしく. イテキ イテキ ネㇷ゚キ パ カ ソモ キ ノ エㇷ゚ イサㇺ パ ヤㇰ イェ イヤフㇷ゚ペ コラチ イキ パ ア・エラムニㇱテ ペコㇿ ア・カㇻ ヤㇰ イキヤーヌン ネㇷ゚キ パ ナ=だめだめ,働きもしないで食べ物がないと言って乞食のようにしている,冷たい態度をとるふりをしてやったほうがもしやのこと働くから.アㇻパ ペコㇿ イキ ソモ ペコㇿ イキ ワ アㇱ ワ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ラムユㇷ゚コサヌ ワ ホユプ ワ アㇻパ=行くようなふり,行かないようなふりをして立っていたが,考えが決まり走って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
pekorpekor
ペコㇿペコㇿ 【pekor pekor】 さっとさっと. (出典:萱野、方言:沙流)
pekuruppe
ペクルッペ 【pe-kuruppe】 露霜,水霜. (出典:萱野、方言:沙流)
pekusta
ペクㇱタ 【pekusta】 〜だからとて. ソンノ ウェンロㇰ ペクㇱタ ウインネレ ヘカッタㇻ エウトパネレ=本当に貧乏だからとて,大家族,子供たちが群れをなして. (出典:萱野、方言:沙流)
pena/pena(ke)
ペナ/ペナ(ケ) 【pena/pena(ke)】 川上,上の方. (出典:萱野、方言:沙流)
penata
ペナタ 【pena ta】 上の方. (出典:萱野、方言:沙流)
penaunpe
ペナウンペ 【pena-un-pe】 上の方の者:昔話の主人公の名前.ペナンペ (出典:萱野、方言:沙流)
pencay
ペンチャイ 【pencay】 帆掛け舟.ウウェペケㇾの中でトゥホㇰ エウトゥラ ペンチャイ(=40艘が一緒になった帆掛舟)と描写されている話などがあり,ペンチャイはたくさんの物の時に用いられる. (出典:萱野、方言:沙流)
pencay koyan
ペンチャイ コヤン 【pencay ko-yan】 帆掛け舟が来た〔比喩〕:思いがけずよいことがある. ソンノ ケカンパッコ(ク・エカンパッコ) ペンチャイ コヤン コラーチ ネㇷ゚ネㇷ゚ ケウンケライ(ク・エウンケライ) ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) ルウェ ネ ワー=本当に予期もしないのに帆掛け舟が私の所へ来たと同じようにいろいろ私は貰い物をして喜んでいる.タント アナㇰネ ペンチャイ コヤン エカㇷ゚ネ ポロンノ ウンケライ・アン=今日は帆掛け船が来たと同じほどにたくさん物を貰った. (出典:萱野、方言:沙流)
pene
ペネ 【pe-ne】 砕ける,潰れる.溶ける. (出典:萱野、方言:沙流)
peneemo
ペネエモ 【pene-emo】 潰れたいも.▷ペネ=潰れる エモ=いも エモ アナㇰネ トオㇷ゚ フㇱコ トイ ワノ アイヌ ウタㇻ エトイタ パ ワ エモシルㇷ゚ アニ シル ワ エ ヘメㇺ キ ルプㇱカ ワ ペネエモ ネ カ カㇻ パ ワ エ パ ㇷ゚ ネ=ジャガイモは,ずうっと昔からアイヌたちは蒔いていたもので,ジャガイモ下ろし金で下ろして食べたり,凍らせて潰れいもにして食べたりしたものだ.*ひと冬外で野ざらしにして凍ったり溶けたりしたジャガイモのこと. (出典:萱野、方言:沙流)
penekusu
ペネクス 【pe ne kusu】 ものだから,〜ので. トゥイマ ウㇱケ ワ ア・トクイェコㇿクㇽ エㇰ ペ ネ クス アネピッタ ウウェネウサㇻ・アン ヒネ シㇼコペケㇾ・アン=遠い所から友人が来たものだから,夜通し四方山話をして夜明かしをしてしまった.ウトゥルン アチャポ エㇰ コㇿ オラーノ アンオホロ ペ ネ クス ア・エイヌピタラ=道路のあちら(西側)のおじさんは来ると長居するのでいやがられる. (出典:萱野、方言:沙流)
penere
ペネレ 【pene-re】 潰す. (出典:萱野、方言:沙流)
peniun
ぺニウン 【peni-un】 奥地に住む. チセ ソイタ エㇰ ワ アン クㇽ ア・イェ マヌ ペニウン アスㇽ アㇱ ニㇱパ ソモ ネ ヤー=家の外へ来ておられる方は言うところの奥地に住む噂に高い物持ちの人ではないだろうか? (出典:萱野、方言:沙流)
peniunkur
ペニウンクㇽ 【peni-un-kur】 奥の方の人:二風谷からみると沙流川上流のアイヌをそう呼んでいた. (出典:萱野、方言:沙流)
penke
ペンケ 【penke】 上(かみ)の方. (出典:萱野、方言:沙流)
pennoki
ペンノキ 【pen-noki】 上の方の軒,東の方の軒. (出典:萱野、方言:沙流)
penram/penramu(hu)
ペンラㇺ/ペンラム(フ) 【penram/penramu(hu)】 胸. (出典:萱野、方言:沙流)
penup
ペヌㇷ゚ 【penup】 イケマ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
peot
ペオッ 【pe-ot】 水分がある,水気がある. (出典:萱野、方言:沙流)
pepcup
ペㇷ゚チュㇷ゚ 【pep-cup】 湿っている魚,生乾きの魚. (出典:萱野、方言:沙流)
pepkap
ペㇷ゚カㇷ゚ 【pepkap】 述懐する. →ヤイェペㇷ゚カㇷ゚ (出典:萱野、方言:沙流)
peposoinkar
ペポソインカㇻ 【pe-poso-inkar】 化け物:水を透かして見る化け物. ペ=水 ポソ=透かす インカㇻ=見る *想像上の化け物なのでその姿はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
pepunitara
ペプニタラ 【pepunitara】 にぎやかな,騒ぎ. (出典:萱野、方言:沙流)
pera
ペラ 【pera】 さじ,飯べら,織物のへら. (出典:萱野、方言:沙流)
peraay
ペラアイ 【pera-ay】 魚獲りの矢. (出典:萱野、方言:沙流)
perapasuy
ペラパスイ 【pera-pasuy】 ひらさじ:ランコ(カツラ)製. 図[ペラパスイ2種] (出典:萱野、方言:沙流)
peratneupas
ペラッネウパㇱ 【peratne-upas】 淡雪:一重(ひとえ)雪,一枚だけの雪. (出典:萱野、方言:沙流)
peray
ペライ 【peray】 釣る,釣り(をする). (出典:萱野、方言:沙流)
peray'imok
ペライイモㇰ 【peray-imok】 釣り餌;釣り餌には.トゥニン(ミミズ)を用いる.*ほんのわずかの食べ物を人にあげる時に,イモㇰパㇰノ(釣り餌ほど)少ないものだがと言って謙遜の意味を込めながら渡すものである. (出典:萱野、方言:沙流)
perayka
ペライカ 【peray-ka】 釣糸. (出典:萱野、方言:沙流)
peraykar
ペライカㇻ 【peray-kar】 釣る. (出典:萱野、方言:沙流)
perayni
ペライニ 【peray-ni】 釣竿. (出典:萱野、方言:沙流)
peraysiokku
ペライシオック 【peray-siokku】 アンコウ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
peraytukap
ペライトゥカㇷ゚ 【peray-tukap】 釣針. (出典:萱野、方言:沙流)
perke
ペㇾケ 【perke】 破れる,割れる,壊れる.やぶける. チㇷ゚ エヤㇱペㇾケ=舟が縦に割れた. (出典:萱野、方言:沙流)
pero
ペロ 【pero】 ナラ. イユタニ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ パセ チクニ アニ ア・カㇻ ペ ネ セイェカパㇻ トペニ ペロ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=杵を作る木は重い木で作るもので,アサダ,イタヤ,ナラが最もよいものだ.*秋にはドングリ(ニセウ)をたくさんつける.ニセウは食糧にしたのでナラの木は精神のよい木として数えられた. (出典:萱野、方言:沙流)
perokarus
ペロカルㇱ 【pero-karus】 シイタケ. (出典:萱野、方言:沙流)
peronisew
ペロニセウ 【pero-nisew】 ナラの実. (出典:萱野、方言:沙流)
perpa
ペㇾパ 【perpa】 壊す,割る. ホワーア マㇰ ク・イキ ヤㇰ ピㇼカ オカー ピㇼカ トゥキヌㇺ ク・ハチレ ワ ク・ペㇾパ.マㇰ ア・イェ ハウェ ウンコトゥㇰ アニ ウコトゥッカ ワ インカㇻ=あーあ困った,どうしたらいいだろう,よい杯の上の粒を私は落として割ってしまった.どうにも言いようもない(しかたがない).松やにでくっつけておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
pes 1
ペㇱ 【pes】 ①たどる,〜づたいに下る. シトゥ ア・オイカ アクス ナイ アン ワ ナイペㇱ・アン=峰を越えると沢があって沢をたどって私は下った. (出典:萱野、方言:沙流)
pes 2
ペㇱ 【pes】 ②〜づたいに. 参考:トゥラシ (出典:萱野、方言:沙流)
pesakar
ペサカㇻ 【pesa-kar】 鹿が体に泥を塗る,獣が泥の中へ体を埋めて遊ぶこと. (出典:萱野、方言:沙流)
pesakar'usi
ペサカㇻウシ 【pesa-kar-usi】 鹿が集まる谷地. タヌクラン クンネロㇰ・アン クス ペサカㇻウシ ウン アㇻパ・アン ロー=今夜は夜猟のために鹿が来る谷地へ行くことにしよう.*夜,鹿が集まって来て塩分のある泥を嘗める所をペサカㇻウシという.アイヌの狩人はそこへ行って待っていて鹿を獲る.平取町内では額平川の支流で宿志別川の左岸にペサカㇻウシがあるものだと,昭和16年に坂本三太郎というアイヌから聞いたことがある.その人の話では,嘗めるというより体を泥の中へ埋めるようにするものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
pese
ペセ 【pese】 くぐる,くぐり抜ける. ソンノネアクㇽ ヤイヌミウェン クホタヌアコㇿカ ソネ エペセㇷ゚ ネヤーシコㇿ クヤイヌヒウン=本当にあの人は病気なので,私が見舞いに行ったが,なんとかくぐり抜ける(生きられる)だろうかと,私は思っているんだよ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pesik 1
ペシㇰ 【pe-sik】 ①波紋.▷ペ=滴 シㇰ=目 →滴の目 アㇷ゚ト オカ タ ト サㇺ タ アㇻパ・アン ヒネ アナン(アン・アン) アクス ニカ ワ ニセウ ヌㇺ トゥㇽセ アクス ポロ ペシㇰ ピラサ ルウェ ネ=雨上がりに沼の側へ行っていると木の上からドングリの粒が落ちると大きい波紋が広がったのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pesik 2
ペシㇰ 【pe-sik】 ②しぶき. ポロ ワッカ オッタ(オㇿ タ) チㇷ゚ ア・オ ヒネ ペッペㇱアナクス(ペッペㇱ・アン アクス) ペシㇰ イ・カカムカム テイネ・アン=洪水の時に舟に乗って川を下ると,しぶきが私におおいかぶさって私は濡れてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
pesos
ペソㇱ 【pesos】 みぞれ. ペソㇱアㇱ=みぞれが降る. (出典:萱野、方言:沙流)
pet
ペッ 【pet】 川. (出典:萱野、方言:沙流)
pet uwekari
ペトゥウェカリ 【pet-u-ekari】 ふたまた(川).▷ペッ=川 ウウェカリ=行き合う (出典:萱野、方言:沙流)
petaru
ペタル 【pe-ta-ru】 水汲みに行く道,川へ行く道. エ・ヌー ト ペタル オッタ(オㇿ タ) タンネ キナスッ アン ワ コケウェ(ク・オケウェ) ヤッカ トンケ カ ソモ.アㇻパ オケウェ ワ エン・コレ=聞こえたかいあれ水汲みに行く道に長い蛇がいて私が追ってもびくともしない.行って追ってくれ.ウクラン ルイ レラ アン ワ ペタル オルン チクニ ホラㇰ ワ アン ナ オッカヨ ウタㇻ アㇻパ ワ アㇺケレ ワ イ・コレ=昨夜強い風が吹いて川へ行く道へ木が倒れていたから,男の人たち,行ってどかしてください. (出典:萱野、方言:沙流)
petcicay
ペッチチャイ 【pet-cicay】 浅瀬. テエータ アナㇰネ チェッポ スナンカㇻアニタ(スナンカㇻ・アン ヒ タ) アナㇰネ ペッチチャイ タ アナㇰネ ネㇷ゚ パㇰノ カ チチラ オカ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ア・ヌカㇻ フミー カ イサㇺ=ずうっと昔,小魚に灯を急に近づけて獲る時には浅瀬にはなんぼでもドジョウがいたものだったが,今は見ることもない. (出典:萱野、方言:沙流)
petcine
ペッチネ 【petcine】 濡れる,濡れた,びしょ濡れ(になる). ホッノ イヨーハイ アㇷ゚トトゥマㇱ タ エ・アㇷ゚カㇱ エ・ペッチネ シリ.ネンカネ エ・オㇺケカㇻ ヘネ キ=まあまああきれた,雨の中をお前は歩いてびしょ濡れになって.もしものこと風邪でもひくのではないか. (出典:萱野、方言:沙流)
petetok
ペテトㇰ 【pet-etok】 川の源,水源.▷ペッ=川 エトㇰ=先 (出典:萱野、方言:沙流)
petetoko
ペテトコ 【pet-etoko】 川上. (出典:萱野、方言:沙流)
petetokta
ペテトㇰタ 【pet-etok ta】 川の源に. (出典:萱野、方言:沙流)
peteukohi
ペテウコヒ 【<pet-e-u-kot-hi】 川が繋がった所.▷ペッ=川 エウコッ=繋がる ヒ=所 (出典:萱野、方言:沙流)
petikuswa
ペッイクㇱワ 【pet ikus wa】 川向かいから. (出典:萱野、方言:沙流)
petkasu
ペッカス 【pet kasu】 (歩いて)川を渡る. (出典:萱野、方言:沙流)
petkasuy
ペッカスイ 【pet-kasuy】 川を渡る,川を越える. ホリキライェ ワ ペッカスイ=着物の裾をまくって川を渡る.オッコ ポンノ ホㇱキ テオロホ カㇱレ ノイネ アン ナ ペッカスイ・アン ロー=姉よ少し待って,この場所が浅いようだから川を渡ろうよ.ペッカスイアニ(ペッカスイ・アン ヒ) タ アナㇰネ シㇼオハㇰ ウㇱケヘ ア・ヌㇺケ ワ ペッカスイ・アン ペ ネ=川を歩いて渡る時はあたりが浅い所を選んで川を渡るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
petmame
ペッマメ 【pet-mame】 さやのままの豆. ペッマメ ア・ハㇺネスパ ワ イワシスㇺ ヘネ ア・ウシ ワ ア・エ コㇿ ケラ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=青さやのままの豆を丸ごと煮てイワシ油などつけて食べると味がいいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
petneka
ペッネカ 【petneka】 練る. シト ペッネカ=団子を練る.オ ペッネカ ワ カッパ ス ポㇷ゚ ワ オラーノ オマレ ペカンケ コㇿ チ ワ アン ペ ネ ナ ヤンケ アニー=それ,練ってから団子にして.鍋が煮え立ってから入れて.浮いたら煮えているものだから上げてね. (出典:萱野、方言:沙流)
petnoka
ペッノカ 【pet-noka】 天の川,銀河.▷ペッ=川 ノカ=形 (出典:萱野、方言:沙流)
petoiramante
ペトイラマンテ 【pet-o-iramante】 川漁. (出典:萱野、方言:沙流)
petoput
ペトプッ 【petoput】 河口,川尻. →ペップッ (出典:萱野、方言:沙流)
petorun'ampayayap
ペトルンアンパヤヤㇷ゚ 【pet-or-un-ampayayap】 モクズガニ. (出典:萱野、方言:沙流)
petorunhorkaterkepe
ペトルンホㇿカテㇾケペ 【pet-or-un-horka-terke-pe】 川エビ類. (出典:萱野、方言:沙流)
petorunponcimakani
ペトルンポンチマカニ 【pet-or-un-pon-cimakani】 ごだっぺ (出典:萱野、方言:沙流)
petpa
ペッパ 【petpa】 (細長く)切る,裂く,破る. (出典:萱野、方言:沙流)
petpapetpa
ペッパペッパ 【petpa-petpa】 破れる,ぶっ裂く. センカキ イカラㇱ ナ イテキ ペッパペッパ アニー=布がもったいないのであまりぶっ裂くんではないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
petparur
ペッパルㇽ 【pet-parur】 川岸.▷ペッ=川 パルㇽ=岸 (出典:萱野、方言:沙流)
petpes
ペッペㇱ 【pet-pes】 川を下る. パㇻカ タ アネ スウォㇷ゚ シネㇷ゚ アニクス(アン ヒクス) パテㇰ ア・セ ヒネ コタン フナラ クス ペッペㇱ・アン=梁の上に上等の宝をしまう箱があったので,私はそれだけを背負って村を探しに川を下った[ウ].ポロ ワッカ オッタ(オㇿ タ) チㇷ゚ ア・オ ヒネ ペッペㇱアナクス(ペッペㇱ・アン アクス) ペシㇰ イ・カカムカム テイネ・アン=洪水の時に舟に乗って川を下ると,しぶきが私におおいかぶさって私は濡れてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
petput
ペップッ 【pet-put】 川下,河口,川尻. (出典:萱野、方言:沙流)
petruor
ペッルオㇿ 【pet-ruor】 川原. (出典:萱野、方言:沙流)
petsam
ペッサㇺ 【pet-sam】 川辺. ペッ サㇺ パㇰノ ク・シケヘ ク・セッセアチュー ナ アㇻスイネ エン・カスイ=川辺まで私の荷物を背負って運ぶので1回私を手伝ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
petteksam
ペッテㇰサㇺ 【pet-teksam】 岸,川端. (出典:萱野、方言:沙流)
pettomotuye
ペットモトゥイェ 【pet-tomo-tuye】 川を渡る:歩いて渡る. ペッ オハㇰ クナㇰ ク・ラム ワ ク・ペットモトゥイェ アクス オホイ アン ヒネ ク・オ テイネ=川が浅いと思って歩いて川を渡ったら,深い所があって,ちんちんも濡れた. (出典:萱野、方言:沙流)
petturasi
ペットゥラシ 【pet-turasi】 川を通る. シト オイカ・アン ルスイ クス ペットゥラシ・アン ポンナイ ア・トゥラシ シトゥ イマㇰ タ ラナン(ラン・アン) ルウェ ネ=私は峰を越えたいので,川を起り,小さい沢を遡り,峰の向こう側へ下った. (出典:萱野、方言:沙流)
petu
ペトゥ 【petu】 (細長く)切る. ア・ラウネペトゥ ア・カㇱレペトゥ イヨㇰペ アニ ア・ペトゥペトゥ カシ ア・キㇰ=その者を深く切り,その者を浅く切り,鎌でそれを切り切り,はらい清めた. (出典:萱野、方言:沙流)
pewan
ペワン 【pewan】 弱い,壊れそうな,もろい. (出典:萱野、方言:沙流)
pewanpe
ペワンペ 【pewan-pe】 壊れそうなもの,弱いもの. ソンノ ソンノ ペワン ペ ネ ナ アプンノ コㇿ ワ アㇻパ=本当に本当に壊れそうな物なので,静かに持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
pewapewat
ペワペワッ 【pewapewat】 今にも壊れそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pewre
ペウレ 【pewre】 若い. (出典:萱野、方言:沙流)
pewrehumse
ペウレフㇺセ 【pewre humse】 若い雄たけび,若者の気合い. (出典:萱野、方言:沙流)
pewrekur
ペウレクㇽ 【pewre-kur】 若人. ペウレクㇽ ネ コㇿカ ラメトコㇿケ(ラメトㇰ オㇿケ) パウェトㇰ トゥラ ア・オトゥワシ ナ エコシ ワ アヌ ヤン=若い人ではあるけれど度胸も雄弁もともに頼れるから任せておきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
pewrep
ペウレㇷ゚ 【pewre-p】 小熊. (出典:萱野、方言:沙流)
pewrep paste
ペウレㇷ゚パㇱテ 【pewre-p-pas-te】 熊を神の国へ送ること,子熊を走らせる. ▷ペウレㇷ゚=子熊 パㇱテ=走らせる タンマタタ ペウレㇷ゚パㇱテヒー カニカ クイヨロッルスイ=今年の冬に熊を送るのかい,私も加わりたいよ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pewtanke
ペウタンケ 【pewtanke】 危急を知らせる叫び声. (出典:萱野、方言:沙流)
pewtankehaw
ペウタンケハウ 【pewtanke haw】 危急を知らせる叫び声. タネ ホッケ・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アナナクス(アン・アン アクス) ヘパシ ペウタンケ ハウ ア・ヌ アロラㇺポソアニネ(アロラㇺポソ・アン ヒネ) ソヨテㇾケアナクス(ソヨテㇾケ・アン アクス) シㇼウフイ ネ ノイネ ポロ アペ ニペㇰ ア・ヌカㇻ=さて寝ようかなと思っていると,下の方から危急を知らせる叫び声が聞こえ驚いて外へ飛び出ると,火事らしく大きい火の光が見えた. (出典:萱野、方言:沙流)
peykosanu
ペイコサヌ 【pey-kosanu】 ぴしゃっと潰れる. (出典:萱野、方言:沙流)
pi
ピ 【pi】 抜く. タㇺ ピ フㇺ セㇾコサンパ=刀を抜く音しゅっとなった[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
pi
ピ 【pi】 かすかに. (出典:萱野、方言:沙流)
pi/piye(he)
ピ/ピイェ(ヘ) 【pi/piye(he)】 種. ピヤパピ=ヒエの種.ムンチロピ=アワの種.かぽちゃピ=カボチャの種.アタネピ=カブの種.エントピ=青エンドウの種.カニ アナㇰネ オルケㇱサㇰ ペ ク・ネ クス シキナ ピイェヘ ケトイタ(ク・エトイタ) シリ ネ ナ シコㇿ ハワナン(ハワン・アン) コㇿ タㇷ゚ストゥ オイカ ア・チャㇻパ ㇷ゚ ネ=私は子孫の絶えた者なのでガマ草の種を蒔くのだよ,と言いながら肩越しに後ろへ種を蒔き散らすものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
picirpe
ピチㇼペ 【picirpe】 蛆虫. (出典:萱野、方言:沙流)
picis
ピチㇱ 【pi-cis】 しくしく泣く. (出典:萱野、方言:沙流)
piciwpone
ピチウポネ 【piciw-pone】 白骨. (出典:萱野、方言:沙流)
piitak
ピイタㇰ 【pi-itak】 そっとささやく. (出典:萱野、方言:沙流)
piitakne
ピイタㇰネ 【pi-itak-ne】 小声で,低い声で. (出典:萱野、方言:沙流)
pikankoraci
ピカンコラチ 【pikan-koraci】 それと同じ,かくのごとし,このように[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pikanpikan 1
ピカンピカン 【pikan-pikan】 ①身軽に動く.敏捷な動き(をする). ソンノ ク・カㇻクフ ピカンピカン シリ ク・ヌカㇻ コㇿ アイヌパータ ペウレ パ ワ シコㇿ ク・ヤイヌ=本当に私の甥の敏捷な動きを見るといいものだなあ,若い者たちは,と私は思う.ペウレクㇽ ネ コㇿカ エアㇻキンネ ピカンピカン ワ ネㇷ゚カㇻ ヤッカ エアㇱカイ ワ ア・コプンテㇰ ルウェ ウン=若い者だがとっても身軽に動き何をやっても上手で,人にほめられるのだよ.ソンノ ピカンピカン ペ ネ クス ホㇱキ ホユㇷ゚テㇰ ニセンピㇼ ワ ピッコサヌ イラㇺトゥイパ エオ=全く身軽な者だから先にさっと走って行っては立ち木の陰から飛び出て私を驚かすことをやる.ク・コㇿ キヤンネポ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ク・ミッポホ トゥン アン ポニケヘ(ポン ヒケヘ) エアㇻキンネ ピカンピカン ワ カトゥ ク・ヌカㇻ=私の長男の所には孫がふたりいて,小さいほうが本当に動きが活発で見込みのある者と思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
pikanpikan 2
ピカンピカン 【pikan-pikan】 ②気が利く. イサㇷ゚テクㇽ アナㇰネ シノ ピカンピカン オッカイポ イサㇷ゚テ ㇷ゚ ネ コエトゥレンノ イテキ アイヌヌㇺケ ノ アペエトㇰ ワノ ニワ パルㇽタ アン ウタㇻ パㇰノ イサㇷ゚テ アン ペ ネ=給仕する人は本当に気の利く若者が給仕する,それとともに絶対に人選びせずに横座の方から内庭の縁に座っている人たちまで給仕するものだ.ナー ポン ヘカチ ネ コㇿカ ピカンピカン シリ カトゥフ ア・ヌカㇻノ アン シリ=まだ少年ではあるけれど気の利いたその動きの様子,見所のある様子. (出典:萱野、方言:沙流)
pikata
ピカタ 【pikata】 南,南風:南西風. (出典:萱野、方言:沙流)
pikata rera
ピカタ レラ 【pikata-rera】 南風. (出典:萱野、方言:沙流)
pikicitce
ピキチッチェ 【pi-kicitce】 くすくす笑い,相手に分かられないようにこっそり笑う.ピトゥントゥンケとも言う. ▷ピ=こっそり キチッチェ=笑う[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pikuku
ピクク 【pikuku】 扱(しご)く:細長いものを片手に握って他の手で引く. カンカン ピクク=腸をしごく.オッコ エ・アン ヤー ナイ サㇺ タ ポーロ ユㇰ ア・リ コㇿ アン ナ アㇻパ・アン ワ カンカン ヘネ ア・ピクク ワ ア・フライェ ナ ヘタ エン・トゥラ=姉よいるかい,沢の側に大きい鹿の皮剥ぎをしているので,行って腸などをしごいて洗うから,さあ一緒に行こう. (出典:萱野、方言:沙流)
pikuta
ピクタ 【pikuta】 砂:河原にある浜砂のようなさらさらした砂. (出典:萱野、方言:沙流)
pikutatoy
ピクタトイ 【pikuta toy】 川洲・川原の畑:柳原の間にある浜砂のような柔らかい所. ポロ ワッカ アン エオヤパ アナㇰネ ピクタトイ シノ ピㇼカ ㇷ゚ ネ.ムン ウㇱ カ ソモ ルロカㇻ・アン ワ ナーニ ユㇷ゚キㇼ・アン コㇿ チュㇰアン コㇿ ネㇷ゚パㇰノ アマㇺ ヌモノ=大洪水のあった次の年は川洲畑は本当にいいものだ,草も生えないし,畝を切ってすぐに種を蒔くと秋になればどっさり穀物が実る.オッコー タント アハ タ・アン クス ピクタトイ オルン パイェ・アン ロー=お姉さん,今日土豆を掘りに川原の砂畑まで行こうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
pikuyra
ピクイラ 【pikuyra】 後をつける. (出典:萱野、方言:沙流)
pinay
ピナイ 【pinay】 谷川,沢, (出典:萱野、方言:沙流)
pinne
ピンネ 【pinne】 雄の,牡の. (出典:萱野、方言:沙流)
pinneay
ピンネアイ 【pinne-ay】 雄の矢. イラマンテクス エキㇺネアンヒタ ピンネアイ マッネアイ アコㇿペネコㇿカ マッネアイ イソアニㇷ゚ ネヤㇰアイェ=狩りに山へ入る時に雄の矢と雌の矢を持って行くが,雌矢の方が獲物を手にしてくれる,という話だ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pinneraw
ピンネラウ 【pinne-raw】 雄鹿,一本角の恐ろしい鹿. (出典:萱野、方言:沙流)
pinni
ピンニ 【pinni】 ヤチダモ. (出典:萱野、方言:沙流)
pinuno
ピヌノ 【pinu no】 こっそり,そっと. ピヌノ イェ=こっそり言う. (出典:萱野、方言:沙流)
pinuno ye
ピヌノ イェ 【pinuno ye】 ささやく. (出典:萱野、方言:沙流)
pinupinu
ピヌピヌ 【pinu pinu】 ささやく,ひそひそ. ウコピヌピヌ=こっそり話す. (出典:萱野、方言:沙流)
pipa
ピパ 【pipa】 貝,カラスガイ,カワシンジュガイ. (出典:萱野、方言:沙流)
pipa
ピパ 【pipa】 穂摘み用貝殻,穂ちぎりに用いる貝. 図[ピパ] (出典:萱野、方言:沙流)
pir o
ピㇼ オ 【pir-o】 傷つく,傷,怪我. (出典:萱野、方言:沙流)
pir oma
ピㇼ オマ 【pir oma】 傷,傷つく. (出典:萱野、方言:沙流)
pir/piri(hi)
ピㇼ/ピリ(ヒ) 【pir/piri(hi)】 傷. (出典:萱野、方言:沙流)
pira
ピラ 【pira】 崖:木も草も生えていない崖. (出典:萱野、方言:沙流)
pirakka
ピラッカ 【pirakka】 下駄. ピラッカ ウㇱ ペ エㇰ フㇺ コンナ チトゥナㇱカ=下駄を覆いた者.来る音が足早に聞こえ. (出典:萱野、方言:沙流)
pirasa
ピラサ 【pirasa】 広げる. ナ ナ リカン ナ ソイ タ イサッケキ ピラサ ワ エウン サッケ ワ アヌ=まだまだ湿っているから外で簾を広げてそこへ干しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
pirasare
ピラサレ 【pirasa-re】 広げる:開いて大きくする.巻いた物やたたんだ物をひらく. ホクレ エ・シケヘ ピタ ワ ピラサレ.クヌカンルスイ(ク・ヌカㇻ ルスイ) ナ=早くお前の荷物をほどいて広げろ.私は見たいので. (出典:萱野、方言:沙流)
pirihi karkar
ピリヒ カㇻカㇻ 【pirihi kar-kar】 手当て(をする).▷ピリヒ=〜の傷 カㇻ=作る クポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ マキリ ネ ヤ タシロ ネ ヤ ケイワンケ(ク・エイワンケ) コヤコヤキヒ(ク・オヤコヤキヒ) ピロ コㇿ フチ ク・ピリヒ カㇻカㇻ ワ エン・コレ ㇷ゚ ネ ア ワ=小さい時は小刀とか山刀とかを使って私のあちこちに傷が出来ると,祖母が傷の手当てをしてくれたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
pirka
ピㇼカ 【pirka】 よい,美しい,きれい,かわいい,正しい,りっぱな,なおる,栄える. (出典:萱野、方言:沙流)
pirka hine
ピㇼカ ヒネ 【pirka hine】 幸いに. キㇺ タ ユㇰ カㇺ カヌ(ク・アヌ) ヒネ トゥ ト レ ト シラン ワ カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス ピㇼカ ヒネ アナイネノ アン ワ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=山に鹿の肉を置き二日三日過ぎて行ったけれど,幸いにそのままあって私は喜んだ.フチ ヤイヌミウェン ク・ラムチュㇷ゚テㇰ ア ワ ピㇼカ ヒネ ウウェカリノ エチ・エㇰ=おばあちゃんが病気で心細い思いをしていたのに.幸い両方からお前たちが来た. (出典:萱野、方言:沙流)
pirkakur
ピㇼカクㇽ 【pirka-kur】 丁寧に,慎重に, タパン ハワㇱ ア・ヤイピㇼカクㇽコシラㇺスイェ イマカケ タ ア・エエセ クニ ア・ラム コㇿ アナン(アン・アン)=この話,私自身慎重に考えて,後程返事をしようと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
pirkaokkayo
ピㇼカオッカヨ 【pirka okkayo】 美男子. (出典:萱野、方言:沙流)
pirkep
ピㇼケㇷ゚ 【pirke-p】 精白にした穀物:ヒエ.アワ,イナキビなど. エシㇼ イユタㇷ゚ オㇿ ワ ピヤパ ピㇼケㇷ゚ ク・ヤンケ ワ セモッタ(セㇺ オㇿ タ) アン ナ チョンパ アニ パカリ ワ ウパㇰセㇾケ コㇿ ワ アㇻパ=朝,私がパッタリからヒエの精白を上げて入り口の所にあるので,升で量って半分持って行け.ネㇷ゚カ エチ・コレ ルスイ コㇿカ ピㇼカ イモカ カ イサㇺ ナ サッチェㇷ゚ サカンケカㇺ コタマ ノ シプㇱケㇷ゚ ピㇼケㇷ゚ ヘネ コㇿ ワ アㇻパ アニー=何かあげたいけれどもいいみやげもないが,干し肉,干し魚それとともにイナキビの精白したものなど持って行きなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
pirkere
ピㇼケレ 【pirke-re】 精白にする. (出典:萱野、方言:沙流)
pirma
ピㇼマ 【pirma】 こっそり教える,耳打ちする,もらす:ひそかに人に知らせる. エン・ピㇼマ=私にこっそり教えてくれた.イピㇼマ=それをこっそり闇かせる.ウン・ピㇼマ=私たちへそっと耳打ちする. (出典:萱野、方言:沙流)
piro
ピロ 【pir-o】 怪我(する). ヒナコㇿ エ・ピロ ハウェアン.ホクレ エ・ミピヒ アㇺケ.ピロ ウㇱケ ク・ヌカㇻ クスネ ナ=どこを怪我したというのだ.早く着物を脱げ.怪我した所を私が見るから.→ピㇼオ (出典:萱野、方言:沙流)
pirpa
ピㇼパ 【pirpa】 拭く,ぬぐう. ヌペ ピㇼパ=涙を拭く.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) 学校 オッタ(オㇿ タ) イタピル・アㇱ.マタ ネ コㇿ ア・ピㇼパ オカケ ルプㇱ ワ アㇻパ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の時学校で床拭きをした.冬であれば拭いた後がすぐに凍っていったものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
piru 1
ピル 【piru】 ①拭く,ぬぐう. (出典:萱野、方言:沙流)
piru 2
ピル 【piru】 ②削る〔比喩〕. イヌイェアニタ(イヌイェ・アン ヒ タ) イヨッタ イヨㇱノ マキリ アニ トゥキパスイ ネ ヤ ニマ ネ ヤ ア・ケウレ ヒ マキリ ピル セコㇿ ア・イェ.マキリ アニ ア・ピル アーペコㇿ ア・ケウレ クス ア・イェ ヒ ネ=彫刻をする時に一番おしまいに小刀で棒酒箸とか木の器とかを削ることを小刀で拭くという.小刀で拭いたように削るのでいうのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pis
ピㇱ 【pis】 〜ごと. チセ ピㇱノ=家ごとに. (出典:萱野、方言:沙流)
pis
ピㇱ 【pis】 浜. (出典:萱野、方言:沙流)
pisakku
ピサック 【pisakku】 ひしゃく. (出典:萱野、方言:沙流)
pisakkunoka
ピサックノカ 【pisakku noka】 北斗七星. アイヌ アナㇰネ ピサックノカ シンナ レヘ "トイタサオッ" シコㇿ カ ア・イェ トイタウシ アン コㇿ トオㇷ゚ ヘリカシ キラ クス ア・イェ ヒ ネ=アイヌ民族は北斗七星の別の名を「畑耕しから逃げる」とも言う,畑時期になるとずうっと上へ逃げるのでそう言われるのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pise
ピセ 【pise】 浮き袋. シペ ピセ オルン チポㇿ ア・オマレ ワ ア・サッケ ワ ア・アヌ ヒ サッチポロ ネ ア・エ ヒ タ シネ ヌミヒ ランケ ア・エ ㇷ゚ ネ=サケの浮き袋に筋子を入れて乾かしたものが干し筋子で,食べる時は一粒ずつ食べるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
piseewar 1
ピセエワㇻ 【pise-ewar】 ①魚の浮き袋を吹く. (出典:萱野、方言:沙流)
piseewar 2
ピセエワㇻ 【pise-ewar】 ②子供がぶうぶうと言う. スイ タアン ポンペ ア・フㇱコレ ワ ネ ノイネ ピセエワㇻ コㇿ アン=この子供はまた古くなるらしくぶうぶうと言っている.*赤ちゃんが1回目の誕生日が近くなると,ぶうぶうと言うがこのことをピセエワㇻ(浮き袋をふくらます)という.次の子供を母親が宿す前兆だと周囲のおとなたちは言う. (出典:萱野、方言:沙流)
pisenere
ピセネレ 【pise-ne-re】 ふくらませる:ピセ(熊の膀胱,魚の浮袋)状にする,風船状にする. (出典:萱野、方言:沙流)
pisi
ピシ 【pisi】 尋ねる,問う. ア・エン・コピシ=私は尋ねられた.ホユプ ワ アㇻパ ワ タアン ムン マㇰ レヘ アン ペ ネ ヤ エ・コㇿ アチャポ エウン コピシ ワ エㇰ=走って行ってこの草の名前をなんというかお前の伯父へたずねて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
pisisi
ピシシ 【pisisi】 痛痒い思いをさせる. ソンーノ タパン イピシシㇷ゚ アナㇰネ イミ カシ ワ カ イ・ピシシ フミー=本当にこのイラクサは着物の上からでも私に痒い思いをさせる. (出典:萱野、方言:沙流)
piskan/piskani(ke)
ピㇱカン/ピㇱカニ(ケ) 【piskan/piskani(ke)】 まわり,周囲.縁. ニサッタ アナㇰネ インネ ウタㇻ シネウェエエㇰ ナ チセ ピㇱカン ピㇼカノ シッチャㇱヌレ ヤン=明日は大勢の人が遊びに来るから家の周囲をよく掃除しなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
piskanita
ピㇱカニタ 【piskani ta】 近くに. (出典:萱野、方言:沙流)
piski
ピㇱキ 【piski】 数える. ピㇱキ ヤン=数えなさい.ピㇱキ ワ インカㇻ=数えてみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
pisno
ピㇱノ 【pis no】 (〜する)ごとに,たびに,いつも,毎回. イタㇰ ピㇱノ=言葉ごとに.チセ ピㇱノ=家ごとに.コタン ピㇱノ=村ごとに.エㇰ ヒ ピㇱノ=来るたびに.アㇻパ ヒ ピㇱノ=行くたびに.フーン ク・マッカㇻク エ・エㇰ ヒ ピㇱノ イモカ トㇱカ イ・カオシケ クスケライポ フンペリカ ケ(ク・エ) エアㇱカイ=まあまあ私の姪,お前は来るごとにみやげ物の山を私のために背負って来る,そのお陰で鯨の脂身を私は食べられる. (出典:萱野、方言:沙流)
pisnopisno
ピㇱノピㇱノ 【pis no pis no】 ごと. (出典:萱野、方言:沙流)
pisoiramante
ピソイラマンテ 【pis-o-iramante】 海漁.▷ピㇱ=浜 イラマンテ=狙う,狩,猟,漁 →海での漁 (出典:萱野、方言:沙流)
pisoy/pisoye(he)
ピソイ/ピソイェ(ヘ) 【pisoy/pisoye(he)】 (魚の)浮き袋. テㇰピソイ=手刀(手のひらの側面).ケマピソイ=足首から先の外側(小指のつけ根から踵まで). (出典:萱野、方言:沙流)
pista
ピㇱタ 【pis ta】 浜辺に,海辺に. エ・ヌ アー.ピㇱ タ ポロ フンペ コイヤンケ ワ アン ヤㇰ ア・イェ.リカチャ クス アㇻパ・アン ロー=聞いたかい.浜に大きい鯨が漂着しているということだ.脂身を切りに行きましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
pistomomke
ピㇱトモㇺケ 【pistomomke】 鍋の油が煮え立つ. チポロキㇼプ エ・スパ ワ ピㇱトモㇺケ コㇿ アン フミ アㇱ ナ.ホクレ ヤンケ ワ スミヒ オハレ=腸間膜をお前が煮て,鍋の脂が煮え立つ音がしているぞ.早く上げて脂のほうをあけろ. (出典:萱野、方言:沙流)
pit
ピッ 【pit】 重り石:ござなどを編む時の重り石. ピッ ポトゥㇽセ シコパヤㇻ=まるで重り石がぽとんと落ちたように,座っていた人が横になるやいなやそのまま眠ってしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
pita
ピタ 【pita】 ほどく,解く. (出典:萱野、方言:沙流)
pitakke
ピタッケ 【pitakke】 解ける:結び目が離れる,帯が解ける. (出典:萱野、方言:沙流)
pitar
ピタㇻ 【pitar】 川原,砂利原. タパン ナイ エ・トゥラシ シトゥ イクㇱ タ アン ポン ナイ クワンノ エ・サン コㇿ ポロ ペッ アン ナ ピタㇻ オッタ(オㇿ タ) レウシ アニー=この沢をのぼって峰の向こう側にある小沢をまっすぐに下って行くと大きい川があるので,川原に泊まるのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
pitarpa
ピタㇻパ 【pitar-pa】 砂利原の頭(門別町内にある地名). (出典:萱野、方言:沙流)
pitce
ピッチェ 【pitce】 色あせる. (出典:萱野、方言:沙流)
pitkosanu
ピッコサヌ 【pit-kosanu】 さっと出る. アヌンクㇽ チセ ソイ クㇱ アクス セタ ピッコサヌ ア・クパパ エアㇻキンネ ケラムトゥイ(ク・エラムトゥイ)=よその人が家の前を通ったら,犬がさっと飛び出てきてその人が噛まれて,私は本当に驚いてしまった.イラマンテ クス エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ソモ カ エネ シㇼキ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ウェンユㇰ ピッコサヌ ア・イ・ウェンコイキカㇻ ライ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ ア・コヤイヌトゥンヌ=狩りのために山へ入ったら,まさかそうなるとは思わなかったのに,どうもうな熊がさっと飛び出て来てめちゃくちゃにいじめられ,死んだのか眠ったのか意識朦朧となった.ソンノ ピカンピカン ペ ネ クス ホㇱキ ホユプテㇰ ニセンピㇼ ワ ピッコサヌ イラムトゥイパ エオ=全く身軽な者だから先にさっと走って行っては立ち木の陰から飛び出て私を驚かすことをやる.ア・ユピヒ トゥラノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニセンピㇼ ワ シネ ハイカンヌㇷ゚ ピッコサヌ ア・ユピヒ カシ カムテㇰ アロラㇺポソ・アン コㇿ ネ ワ アン ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ ア・シㇼコオッケ ア・ユピヒ カシ ア・オピューキ=私は兄と山へ行ったら,木の陰から中ぐらいの熊が飛び出して私の兄におおいかぶさった,私は驚きながらその熊を槍で突き刺し兄を助けた.ポン セタ ア・トゥラ カネ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ヒナㇰ ワ シネ イセポ ピッコサヌ ア・エラムトゥイ=小さい犬を連れて山へ行くと,どこからか1匹のウサギがさっと出て私はびっくりした. (出典:萱野、方言:沙流)
pito 1
ピト 【pito】 ①神に対する敬称,神. (出典:萱野、方言:沙流)
pito 2
ピト 【pito】 ②人間に対する敬称,者. (出典:萱野、方言:沙流)
pittok
ピットㇰ 【pittok】 ハナウド. (出典:萱野、方言:沙流)
pituntunke
ピトゥントゥンケ 【pi-tun-tun-ke】 くすくす笑い. (出典:萱野、方言:沙流)
piwci
ピウチ 【piwci】 火打ち. (出典:萱野、方言:沙流)
piwcisuma
ピウチスマ 【piwci-suma】 火打ち石. (出典:萱野、方言:沙流)
piwki
ピウキ 【piwki】 向かう,向かって来る. ピューキ ワ エㇰ=襲いかかってくる.ピューキ ワ アㇻパ=向かって行く.ト ト ヌカㇻ ヌカㇻ キムンペ ピューキ ワ エㇰ ノイネ ヨコ ワ アン ナ.エン・カ オピューキ ワ エン・コレ=あれあれ見ろ見ろ,熊が向かって来るらしく構えている.助けてくれ.キムンカムイ ピューキ ワ エㇰ ヒクス ア・コㇿ タシロ ア・オサウテッカ ワ ヨコ・アン=熊が襲いかかってきたので,私は自分の山刀をさっと抜いて身構えた. (出典:萱野、方言:沙流)
piwnatara
ピウナタラ 【piw-natara】 息が荒い. ヘセハウ コピューナタラ=息する音が荒々しい. (出典:萱野、方言:沙流)
piyapa
ピヤパ 【piyapa】 ヒエ. (出典:萱野、方言:沙流)
piye
ピイェ 【piye】 脂がのっている. (出典:萱野、方言:沙流)
piyehe rapapse
ピイェヘ ラパㇷ゚セ 【piyehe rapapse】 種がこぼれる. (出典:萱野、方言:沙流)
piyekam
ピイェカㇺ 【piye-kam】 脂のある肉. (出典:萱野、方言:沙流)
piyekar
ピイェカㇻ 【piye-kar】 投げつける.ぶつける:かなり遠くにいる者を石などで狙う. トヨッタ(トイ オㇿ タ) ネㇷ゚キ コㇿ アナン(アン・アン) ウㇱケ ウン ウェンレラ エㇰ ヤㇰネ ウェンレラ エウン イヨㇰペ アニ ア・ピイェカㇻ ペ ネ.オカケ タ イヨㇰペ ア・ヌカㇻ コㇿ ケㇺ ウㇱ ワ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=畑で働いているところへ巻風が来たら巻風に向かって鎌をぶつける,その後で鎌を見ると鎌に血がついているものだという.巻風は化け物なのでそのようにするといい.セタ ミㇰ コㇿ エン・ケサンパ ヒクス スマ アニ ア・ピイェカㇻ アクス キラ ワ アㇻパ=犬が吠えながら私を追いかけてきたので石をぶつけると逃げて行った. (出典:萱野、方言:沙流)
piyep
ピイェㇷ゚ 【piye-p】 脂のあるもの. (出典:萱野、方言:沙流)
piyeyuk
ピイェユㇰ 【piye-yuk】 脂ののった鹿. ピイェユㇰ アナㇰネ ポネルㇽ ポーヘネ ケラアン.キリヒ ア・ソイパ ワ ア・ヌンヌン コㇿ ア・エ コㇿ ア・エトゥマㇱヌ ㇷ゚ ネ ナ=脂のある鹿は骨汁がなおさら味がある.骨髄をほじくって吸いながら食べると力が増すものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
piyota
ピヨタ 【pi-ota】 火山灰,砂.▷ピ=種 オタ=砂:火山灰は草などの種のように見えた (出典:萱野、方言:沙流)
po
ポ 【po】 小さい,わずかな,〜だけ. (出典:萱野、方言:沙流)
po
ポ 【-po】 亡くなった〜. ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に,言うところの水にうるかした昆布と同じであったことを思い出す.ク・ヘコテ ニㇱパ ポ エノッパ(エン・ホッパ) ワ タンパ エトゥレン トゥホッパ カネ こきん ウナㇻペ エネ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ=私の仕えた方(夫)が私を残して逝って今年で40年になったとこきんおばさんが述懐していたのを聞いたことがあった.ク・サハ ポ カ クㇽコトゥナㇱ アニ ヤイェウェンペ ネ アクス ネノ アン クㇽ ク・ヌカㇻ コㇿ ク・サハ ポ ケシカルン(ク・エシカルン)=亡くなった私の姉も小児麻痺で(足が)不自由であったので.そのような人を私は見ると亡くなった姉のことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
po hene
ポヘネ(ポーヘネ) 【po-hene】 なおさら. タント ポーヘネ シㇼセセㇰ ク・ミッポホ モコㇿ ワ アン コㇿカ ア・パㇻパル コㇿ アナン(アン・アン) ヒ ウーン=今日はなおさら暑いので私の孫が眠っているけれどもあおいでいるのだよ.カムイチェㇷ゚ アナㇰネ ア・マ コㇿ ポーヘネ ケラ ピㇼカ ㇷ゚ ネ.ホクレ マ ヤン=サケは焼くとなおさら味があるものだ,早く焼きなさい.ソンノ シンキ・アン ワ イワㇰ・アン ペ ア・コㇿ ポンペ イイェㇺエム(イ・エㇺエム) ワ ポーヘネ シンキ・アン=本当に疲れて帰って来たのに私の小さい子供が私にまつわりつき,なおさら疲れた. (出典:萱野、方言:沙流)
po(ho)
ポ(ホ) 【/poho】 〜の息子,子供. (出典:萱野、方言:沙流)
po/po(ho)
ポ/ポ(ホ) 【po/po(ho)】 子供,息子. (出典:萱野、方言:沙流)
poanakne
ポアナㇰネ 【po anakne】 なおさら. (出典:萱野、方言:沙流)
poapa
ポアパ 【po-apa】 陰門,女性の外部生殖器.▷ポ=子供 アパ=戸 →子供が出て来る戸 アイヌ アナㇰネ オロ ワ ポ ア・エヌワㇷ゚ クス ポ エㇰ ウシ シコㇿ ヤイヌ レコレ ルウェ ネ=アイヌはそこから子供が生まれるので,子供が来る所と思い名づけたのである。 (出典:萱野、方言:沙流)
pok
ポㇰ 【pok】 下,裏. (出典:萱野、方言:沙流)
poka
ポカ 【poka】 〜さえも,〜だけでも,〜ばかりも. オッカイポ アペケㇱ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) エ・ア コㇿ ポン ユㇰ ポカ エ・オラウキ ナ テウン エㇰ ワ ア=若者よ,炉尻に座ると小鹿も獲れないものだからここへ来て座れ.ポオン ピヤパ ピㇼケㇷ゚ ネ コㇿカ アン ナ ポカ コㇿ ワ アㇻパ アニ=少しだがヒエの精白があるのでそれだけでも持って行けよ. (出典:萱野、方言:沙流)
pokap
ポカㇷ゚ 【pokap】 後産.胞衣(えな). (出典:萱野、方言:沙流)
pokas'anpeka
ポカㇱアンペカ 【pokasanpeka】 そうでなくとも:このような話がなくても気にしていたのにとうとうそうか,というような場合. ポカㇱアンペカ ク・ラㇺチュㇷ゚テㇰ ア ワ フチ イサㇺ ハウェ=そうでなくても寂しいと思っていたのに,おばあさんが亡くなったのか. (出典:萱野、方言:沙流)
pokisir
ポキシㇼ 【pokisir】 陰門. メノコポキシㇼ=女性性器. (出典:萱野、方言:沙流)
pokke
ポッケ 【pokke】 ホッケ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
pokna
ポㇰナ 【pokna】 下(の),裏(の). (出典:萱野、方言:沙流)
poknamosir
ポㇰナモシㇼ 【pokna-mosir】 奈落:裏側の国土,地獄,冥土.アイヌが死んだら行く所と考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
poknanotkew/poknanotkewe(he)
ポㇰナノッケウ/ポㇰナノッケウェ(ヘ) 【pokna-notkew/-notkewe(he)】 顎:下顎全体. (出典:萱野、方言:沙流)
poknapatoy/poknapatoye(he)
ポㇰナパトイ/ポㇰナパトイェ(ヘ) 【pokna-patoy/-patoye(he)】 下唇. (出典:萱野、方言:沙流)
poknare
ポㇰナレ 【pokna-re】 〜組み伏せる. リㇰ ペカ ア・エヤㇷ゚キㇼ ア・ポㇰナレ アクス エアシㇼ テㇰ シケウ カ ウヌウヌ ヤユナㇱケ=腰投げをかけるようにして組み伏せると,そこで初めて自分の手で自分をかばいながら謝った. (出典:萱野、方言:沙流)
pokor
ポコㇿ 【po-kor】 (子供を)産む. (出典:萱野、方言:沙流)
poksey
ポㇰセイ 【pok-sey】 ホッキガイ. (出典:萱野、方言:沙流)
pokun
ポクン 【pokun】 陰(の)ほう. (出典:萱野、方言:沙流)
pon
ポン 【pon】 幼い,小さい,少しの. (出典:萱野、方言:沙流)
pon iyutani
ポンイユタニ 【pon-i-uta-ni】 小さい杵.→ ポニユタニ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pon nupuri
ポン ヌプリ 【pon nupuri】 丘,小山. (出典:萱野、方言:沙流)
pon'askepet
ポンアㇱケペッ →ポナㇱケペッ (出典:萱野、方言:沙流)
pon'erekus
ポンエレクㇱ 【pon-erekus】 コマイ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
pon'ewsupurotki
ポンエウスプロッキ 【pon-ewsupurotki】 ブリ(幼魚). (出典:萱野、方言:沙流)
pon'isatkeki
ポンイサッケキ 【pon i-satke-ki】 小さい簀:シキ(オニガヤ)製. 図[ポンイサッケキ] (出典:萱野、方言:沙流)
pon'itak
ポンイタㇰ →ポニタㇰ (出典:萱野、方言:沙流)
pon'ocina
ポンオチナ 【pon ocina】 赤ちゃん,嬰児. (出典:萱野、方言:沙流)
pon=an __hita
ポナニタ 【pon=an hita】 小さい時. (出典:萱野、方言:沙流)
ponaskepet
ポナㇱケペッ 【pon-aske-pet】 小指:小さい指. (出典:萱野、方言:沙流)
ponasketanne repunkamuy
ポナㇱケタンネ レプンカムイ 【pon-aske-tanne rep-un-kamuy】 シャチ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
ponayay
ポナヤイ 【pon-ayay】 赤ん坊. (出典:萱野、方言:沙流)
poncici (kamuy)
ポンチチ (カムイ) 【poncici】 ネコヤナギ.▷ポン=小さい チュチュ=犬 →ポンチチになる →小さい犬の神 *手のひらにのせて握ったりゆるめたりするとネコヤナギは動くものである. (出典:萱野、方言:沙流)
poncikap
ポンチカㇷ゚ 【pon-cikap】 小鳥. (出典:萱野、方言:沙流)
poncip
ポンチㇷ゚ 【pon-cip】 人中(じんちゅう):上唇の真ん中の舟のような形のくぼみ. (出典:萱野、方言:沙流)
poncompa
ポンチョンパ 【pon-compa】 小さい升,親指と手首の間にあるくぼみ,舟状くぼみ. ▷ポン=小さい チョンパ=升 *オキクㇽミカムイがくれた穀物,ヒエ・アワ・イナキビなど,大昔はこのくぼみにいっぱい入れただけで鍋にあふれるほどの飯になった.そのヒエ粒をアイヌが数えたので,それが悪いとして,あふれるぐらい増えなくなったので,鍋に入れて煮る物は,アイヌは数えてはならないものとされている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pone otkasi a=etomte
ポネオッカシ アエトㇺテ 【pone-ot-kasi a=e-tom-te】 遺体を飾る:男には刀を,女にはタマサイ(首飾り)を飾る.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pone/pone(he)
ポネ/ポネ(ヘ) 【pone/pone(he)】 骨. (出典:萱野、方言:沙流)
ponehurecimakani
ポネフレチマカニ 【pone-hure-cimakani】 ツマグロカジカ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ponekepkepi
ポネケㇷ゚ケピ 【pone-kep-kepi】 骨をかじる:鹿のあばら骨などを煮て,骨についている肉を前歯でかじって食べること. (出典:萱野、方言:沙流)
ponekewehomsu
ポネケウェホㇺス 【pone-kewe-homsu】 遺体に対するねぎらいの言葉,弔問者が言う言葉.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ponekoyukar
ポネコユカㇻ 【pone-ko-yukar】 遺体に聞かせる叙事詩:通夜に仏に聞かせるが必ずおしまいまで語るようにしなければならない.途中でやめて続きを聞きに仏が戻って来ては困る. (出典:萱野、方言:沙流)
ponerur
ポネルㇽ 【pone-rur】 骨汁. ピイェユㇰ アナㇰネ ポネルㇽ ポーヘネ ケラアン.キリヒ ア・ソイパ ワ ア・ヌンヌン コㇿ ア・エ コㇿ ア・エトゥマㇱヌ ㇷ゚ ネ ナ=脂のある鹿は骨汁がなおさら味がある.骨髄をほじくって吸いながら食べると力が増すものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ponesam'apeo
ポネサㇺアペオ 【pone-sam-ape-o】 通夜.▷ポネ=遺体 サㇺ=側,傍ら アペ=火 オ=入れる,置く →通夜というものは人間だけで遺体を守るのではなしに.火の神とともに守るということ (出典:萱野、方言:沙流)
ponesaya
ポネサヤ 【pone-saya】 骨製のさや.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
poneuka
ポネウカ 【pone-uka】 骨のように堅い堅雪:おとなが堅雪の上を走ってもぬからないのをいう.▷ポネ=骨 ウカ=硬雪 *昭和30年の1月,珍しく二風谷は大雪で深さ3尺はあったであろう.そこへ2月の初めに大雨が降った.この雨のことをキムンカムイ ポフライェㇷ゚(熊の神様が子供を洗う雨)という.その雨の後へもう一度寒波が来て言葉通りのポネウカになった.このような場合は鹿にとっては御難の冬.犬もアイヌも雪の上を自由に歩けるが鹿は腹がつかえ歩けなくなる.そこへ皆が走って行き手づかみにして肉を食べた.あの年の冬はこの村だけで100頭ほどの鹿を獲ったが,警察に引っぱって行くとすれば村人全員なので代表ひとりだけ始末書を書き,残りの村人は不問に付されたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
ponhekaci
ポンヘカチ 【pon-hekaci】 2歳〜6歳くらいの男の子. (出典:萱野、方言:沙流)
ponitak
ポニタㇰ 【pon-itak】 呪いの言葉. ポニタㇰ エラマン ペ アナㇰネ オルケㇱサㇰ ペ ネ=呪いの言葉を知っている者は血統が絶えるものだ.ポニタㇰ アナㇰネ ア・イェ イタㇰ ホシピ ヒ カ アン ヤイカニホセ エカㇷ゚ネ ネ クス イテキ ア・キ ㇷ゚ ネ ナ=呪いの言葉というものは,言った言葉が戻って来ることもある,自分で自分の上へ木を倒すようなものだから絶対にしてはならないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
poniwne
ポニウネ 【poniwne】 若い:年下の. (出典:萱野、方言:沙流)
poniwnep
ポニウネㇷ゚ 【poniwne-p】 小さいほうのもの:弟,妹. (出典:萱野、方言:沙流)
poniyutani
ポニユタニ 【pon-iyutani】 小さい杵:プンカウ(ドスナラ)製.▷ポン=小さい イユタニ=杵 (出典:萱野、方言:沙流)
ponmat
ポンマッ 【pon-mat】 妾:周囲の人が本妻と妾を一緒に呼ぶ場合.▷ポン=小さい マッ=妻 *ア・トゥシヒ:本妻が妾を呼ぶ場合(ア=私 トゥシヒ=綱)本妻と妾は一本の綱で結ばれている. (出典:萱野、方言:沙流)
ponmatkaci
ポンマッカチ 【pon-matkaci】 6歳〜12歳くらいの女の子. (出典:萱野、方言:沙流)
ponmenoko
ポンメノコ 【pon-menoko】 娘(既婚でもよい). (出典:萱野、方言:沙流)
ponmosir
ポンモシㇼ 【pon-mosir】 島. (出典:萱野、方言:沙流)
ponno
ポンノ 【ponno】 少し,わずか. (出典:萱野、方言:沙流)
ponnohaye
ポンノハイェ 【pon no haye】 それよりも少し小さい. ▷ポンノ=少し ハイェ=少ない,足りない(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ponnohoski
ポンノホㇱキ 【ponno hoski】 ちょっと待って. (出典:萱野、方言:沙流)
ponnoporo
ポンノポロ 【pon no poro】 少し大きい,わずかに大きい. ▷ポンノ=少し ポロ=大きい(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ponokkaypo
ポノッカイポ 【pon okkaypo】 若者.▷ポン=小さい オッカイポ=若者 ソンノ ポノッカイポ パウェトㇰ コㇿ ハウェ ア・オモンヌレ=本当にまだ若い人なのに雄弁なこと.それをほめたい. (出典:萱野、方言:沙流)
ponparunpe/ponparunpe(he)
ポンパルンペ/ポンパルンペ(ヘ) 【pon-par-un-pe/-pe(he)】 のどちんこ,のどひこ. (出典:萱野、方言:沙流)
ponpe
ポンペ 【ponpe】 赤ん坊. (出典:萱野、方言:沙流)
ponpecisaw
ポンペチサウ 【ponpe-cis-haw】 (子供の)泣き声. (出典:萱野、方言:沙流)
ponpet
ポンペッ 【pon-pet】 小川:大川から分かれている川のこと.洪水の後にはしばしば川の流れが変わるものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
ponpoho
ポンポホ 【pon poho】 下の息子. ク・ポンポホ ポロピロ ワ ヤイカフイェ コㇿ アン ワ ケラムシッネ(ク・エラムシッネ) ア コㇿカ タネ トゥサ ヒ エパ ワ ク・ラムホラライセ=私の小さいほうの息子が大怪我をして療養していて私の思いが乱れていたが,治癒する所へたどり着き,私の心配は解消した. (出典:萱野、方言:沙流)
ponramwano
ポンラㇺワノ 【pon-ram-wano】 子供の頃から. ポンラㇺ ワノ ネウンネウン セミタㇰ・アン ペ ネ ワ ア・イ・コイキ カ ア・イ・コプンテㇰ カ キ コㇿ ア・コポロ ㇷ゚ ネ=子供の頃からいろいろと予言をするので,私は叱られたりほめられたりしながら成長したものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ponre(he)
ポンレ(ヘ) 【pon-re(he)】 あだ名. テエータ フレナイ タ ポンレヘ エンコㇿ はる シコㇿ ア・イェ ウナㇻペ アン ワ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペ ネ=ずうっと前.振内にあだ名をエンコㇿはるというおばさんがいて見たことがあった. (出典:萱野、方言:沙流)
ponsaranip
ポンサラニㇷ゚ 【pon-saranip】 小さい袋,シナ皮で編んだ袋.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ponserke
ポンセㇾケ 【pon-serke】 半分より少なく. (出典:萱野、方言:沙流)
ponsion
ポンション(ポンシオン) 【pon-sion】 幼児. (出典:萱野、方言:沙流)
ponsu
ポンス 【pon-su】 小鍋. 図[ポンス] (出典:萱野、方言:沙流)
ponsukem'askepet
ポンスケㇺアㇱケペッ 【pon-su-kem-askepet】 薬指.▷ポン=小さい ス=鍋 ケㇺ=嘗める アㇱケペッ=指 →小さい鍋を嘗める指 (出典:萱野、方言:沙流)
ponsuma
ポンスマ 【pon-suma】 小石. (出典:萱野、方言:沙流)
ponsuop
ポンスオㇷ゚ 【pon-suop】 道具箱. (出典:萱野、方言:沙流)
ponsutuinaw
ポンストゥイナウ 【pon-sutu-inaw】 小さいヤナギで作ったイナウ. 図[ポンストゥイナウ] (出典:萱野、方言:沙流)
pontokkuri
ポントックリ 【pon-tokkuri】 小さい瓶. タンペ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン アチャポ ノヌワㇱノ アフン カネ イキ ア・エランポㇰウェン ヒクス ポントックリ ア・ホㇰ ヒネ ア・クレ アクス ラムリテン ワ ホノイシノッチャキ コㇿ ホシピ ワ アㇻパ=いつもないこと,下のおじさん,全く酒気なしにひょっこりと入って来た.かわいそうに思ったので小さい瓶を私が買って飲ませると,上機嫌になって微かな歌を口ずさみながら戻って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
pontus
ポントゥㇱ 【pon-tus】 妾. (出典:萱野、方言:沙流)
ponyaunpe
ポンヤウンペ 【pon-ya-un-pe】 ユカㇻの主人公の名前.▷ポン=小さい ヤ=陸 ウン=住む ペ=者 (出典:萱野、方言:沙流)
ponyuk
ポンユㇰ 【pon-yuk】 子鹿. (出典:萱野、方言:沙流)
poon
ポオン 【poon】 少しの. パナウンクㇽ エウン ポオン イチェン ネ コㇿカ ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) アㇷ゚ ソモ エン・コホシピレ.カシウン イイェシシ(イ・エシシ) ㇷ゚ ネ クス ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=川下の人へ少しの銭であったが貸したもの.だが私に返済しない,その挙げ句私を避けるものだから私はあの人を見たこともない.ポオン ピヤパ ピㇼケㇷ゚ ネ コㇿカ アン ナ ポカ コㇿ ワ アㇻパ アニ=少しだがヒエの精白があるのでそれだけでも持って行けよ. (出典:萱野、方言:沙流)
poonno
ポオンノ 【poonno】 わずかに,微々たるもの. (出典:萱野、方言:沙流)
poonpepo
ポオンペポ 【poonpepo】 ほんの少し,わずかに,少しだけ. ポオンペポ ネ コㇿカ サケ ク・カㇻ ナ アㇻパ ワ エカシ アㇱケウㇰ ワ エㇰ=少しだけれど酒を造ったので,行っておじいさんを招待して来い.エタカスレ ヤイトゥレンペ エヤㇺペ イコインカㇻクㇽ ネ パ ポオンペポ ネ ヤッカ イナウ トゥラノ ア・プマコレ ㇷ゚ ネ ヒ ク・ヌカㇻ ペ ネ=待別に自分自身の憑き神を大切にする者が産婆なので,わずかでもイナウとともに報酬をあげるものであることを私は見たものであった.ソンノ エネ チュㇷ゚ラン ペ ポオンペポ アン トイ キナカㇻ カ ソモ エ・オケレ シリ=本当にこんなに陽が落ちそうなのに少しの畑の草取りも終わらない.ユㇰ カㇺ ポオンペポ ネ コㇿカ コㇿ ワ アㇻパ ルㇽ ネ ヘネ カㇻ ワ エ・スチヒ エレ アニー=鹿の肉ほんの少しだけれど持って行き,汁になどしてお前のばあちゃんに食べさせてね.ソンノ イモㇰ パㇰノ ポオンペポ ネ コㇿカ コㇿ ワ アㇻパ ワ エ アニ=本当に釣り餌ほどに少しの物だけれど,持って行って食べてね. (出典:萱野、方言:沙流)
pop
ポㇷ゚ 【pop】 汗. (出典:萱野、方言:沙流)
pop
ポㇷ゚ 【pop】 煮え立つ,(鍋が)ふく,沸く. ス ポㇷ゚ ワ イカ ノイネ シㇼキ ナ ホクレ ス プタ ウㇰ=鍋が煮え立って溢れそうだから早く鍋のふたを取れ. (出典:萱野、方言:沙流)
pop'usey
ポㇷ゚ウセイ 【pop-usey】 熱湯. (出典:萱野、方言:沙流)
popke
ポㇷ゚ケ 【pop-ke】 暖かい. (出典:萱野、方言:沙流)
popkere
ポㇷ゚ケレ 【popke-re】 暖める,温める. ケマハ ポㇷ゚ケレ=足を温める.*食べ物を温める場合はセセッカという. (出典:萱野、方言:沙流)
poppeta
ポッペタ 【poppeta】 寝汗. (出典:萱野、方言:沙流)
poppeta
ポッペタ 【poppeta】 汗. ポㇷ゚ペタ アシン=汗をかく. (出典:萱野、方言:沙流)
poppetaasin
ポッペタアシン 【poppeta-asin】 汗をかく,汗が出る. (出典:萱野、方言:沙流)
poppise
ポッピセ 【pop-pise】 水膨れ. タン チュㇰ エアㇻキンネ メアン トゥナㇱ クス ヘ ネ ヤ ク・コㇿ ション ウレペチヒ ウウェチ ノイネ ポッピセ ネ アン=今年の秋はとっても寒くなるのが早い,それでだろうか,子供の足の指が霜焼けしたらしく水膨れになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
popporose
ポッポロセ 【popporose】 肌にぶつぶつが出来る. (出典:萱野、方言:沙流)
popte
ポㇷ゚テ 【pop-te】 沸かす,煮立たせる. (出典:萱野、方言:沙流)
poro 1
ポロ 【poro】 ①大きい. ポロペッ=大きい川.ポロチセ=大きい家.ポロクㇽ=老人. (出典:萱野、方言:沙流)
poro 2
ポロ 【poro】 ②増える,大きくなる,多くなる. ポロワッカ アン=洪水になった. (出典:萱野、方言:沙流)
poroaskepet
ポロアㇱケペッ 【poro-askepet】 親指. (出典:萱野、方言:沙流)
porokampi
ポロカンピ 【poro-kampi】 大きい帳場:アイヌの側から魚場へ来ている和人に対して言う. ▷ポロ=大きい カンピ=紙,帳場 *ポンカンピ(小さい紙,帳場)という言い方もある.ウウェペケㇾに出て来る言葉だが,シサㇺウウェペケㇾ(和人の昔話)にも出る.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
poroketusi
ポロケトゥシ 【poro-ketusi】 大きい荷物. ポロケトゥシ トモタルシ=大きい荷物に縄をかけて[ウ](主として嫁入りの時の荷物をいう). (出典:萱野、方言:沙流)
porokot
ポロコッ 【poro-kot】 大きな窪み(地名). (出典:萱野、方言:沙流)
porokur
ポロクㇽ 【poro-kur】 おとな,老人. イサㇷ゚テ・アン ヒ タ アナㇰネ アペサㇺ タ オカ ポロクㇽ ウタㇻ ホㇱキノ ア・コイプニ ㇷ゚ ネ ナ エラマン ワ オカ アニー=食べ物を配る時には火の側にいる老人たちのほうからさきに配るものだから覚えていてね. (出典:萱野、方言:沙流)
poromosir
ポロモシㇼ 【poro-mosir】 千島列島の呼び方. (出典:萱野、方言:沙流)
poronima
ポロニマ 【poro-nima】 大刳り鉢:アユㇱニ(センノキ),ピンニ(ヤチダモ)製. 図[ポロニマ] (出典:萱野、方言:沙流)
poronno
ポロンノ 【poronno】 たくさん,どっさり. ポロンノ イペ=たくさん食べてよ.ポロンノ コㇿ ワ アㇻパ=どっさり持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
porono
ポロノ →ポロンノ (出典:萱野、方言:沙流)
poropiro
ポロピロ 【poropir-o】 大怪我をする. ク・ポンポホ ポロピロ ワ ヤイカフイェ コㇿ アン ワ ケラムシッネ(ク・エラムシッネ) ア コㇿカ タネ トゥサ ヒ エパ ワ ク・ラムホラライセ=私の小さいほうの息子が大怪我をして療養していて私の思いが乱れていたが,治癒する所へたどり着き,私の心配は解消した. (出典:萱野、方言:沙流)
porosaranip
ポロサラニㇷ゚ 【poro-saranip】 大型の背負い袋. クポニ(ク・ポン ヒ) タ ムンチロ トイ オッタ(オㇿ タ) ク・イチャエイカスイ ポロサラニㇷ゚ シㇰ コㇿ クヌフ(ク・ウヌフ) セ ワ イワㇰ ペ ネ=私が子供の時にアワ畑で穂摘みを手伝い,大型の背負い袋がいっぱいになると母が背負って帰ったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
porosere(ke)
ポロセレ(ケ) 【poro-sere(ke)】 大方,大半の. アイヌ ポロセレ=大方の人々.イタㇰ ポロセレ=大方の言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
porosirihi
ポロシリヒ 【poro-sirihi】 大きい体. ポロシリヒ アン ワ オラウン トランネ=大きい体のくせに骨惜しみをして働かない(おとなに言うのではなく育ち盛りの少年や少女を母が叱る時に言う言葉.私も言われたものであった). (出典:萱野、方言:沙流)
porosu
ポロス 【poro-su】 大鍋. (出典:萱野、方言:沙流)
porosuy
ポロスイ 【poro-suy】 大きな穴. (出典:萱野、方言:沙流)
poroupas
ポロウパㇱ 【poro-upas】 どか雪. (出典:萱野、方言:沙流)
porowakka
ポロワッカ 【poro-wakka】 洪水,大洪水:アイヌは何十年も水に浸らなかった所へ水が浸ったらポロワッカと言う. ポロワッカ オカ タ ワッカ シノイェ アシㇼペッ アン ルウェ ネ ノイネ=大洪水の後で水の流れが変わって新しい川が出来ているようだ.ポロワッカ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ アッサㇷ゚ ア・コㇿ ワ アッサエユプ・アン ワ ペッ トモトゥイェ・アン ペ ネ=大洪水の時には櫂を手に持ち強く漕ぎ,大川を渡るものだよ.ケㇱト ケㇱト アㇷ゚ト ルイ シリ ネンカネ ポロワッカ アン オキムンペ ポーヘネ ア・シトマ=毎日毎日すごい雨降りだこと.もしものこと大洪水になりはしないか.山津波はなおさら恐ろしい.イヨーハイ ソモ ポロワッカ アン クス ヘ アシㇰネ ト パㇰノ カ アㇷ゚ト アㇱ クマ オルン イチャリ ヘネ ラチッケレ ヤン=あーあ大変もしものこと大洪水になるのかも,五日ぐらいも雨降っている,外の干し棹へざるでも下げなさい.*雨が降り続き洪水になりそうになったら,外の干し竿ざるを下げて天の神様へそんなに雨を降らせたいならばこのざるがいっぱいになるほど水を溜めろと言うと,天の神はざるを見ながら雨を降らせ,いくら降らせてもいっぱいにならないのを見てあきらめて雨が降りやむものという.昭和10年頃左隣の貝澤オロアッさんがそれをしていたのを見たことがあった. (出典:萱野、方言:沙流)
porowaokere
ポロワオケレ 【poro-wa-okere】 大きい大きい. ケㇺラㇺカムイ アナㇰネ ポロ ワ オケレ クンネ チカㇷ゚ ネㇷ゚ ネ シコㇿ ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=飢饉を司る神というものは大きい大きい黒い鳥の姿をしているものだと昔話の中では描写されているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
porse
ポㇿセ 【porse】 表現する. ウェンメノコ セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ カ ネユンネユン アン イスエチレ ウェンメノコ ホカパル ウェンメノコ イロンナピウェ ウェンメノコ イシケオプシ ウェンメノコ=悪女と表現される中でもいろいろあり.陰部の熱い悪い女,灰を飛ばす悪い女,座る時に男にくっつく悪い女,髪の間から私をにらむ悪い女.チカㇷ゚ ケプㇱペ アイヌ ヌカㇻ パ ワ エムㇱ ケプㇱペ ネヤ ヌイェ パ.ユカㇻ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ケプㇱペ ヌイェ シㇼカ ヌイェ ネㇷ゚キ ネ ア・キ シコㇿ カネ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=鳥のくちばしをアイヌたちは見て刀の鞘などを彫刻した,ユカラには鞘を彫り鞘の造りを彫ることを私は仕事にしていると表現されているものだ.ケㇺラㇺカムイ アナㇰネ ポロ ワ オケレ クンネ チカㇷ゚ ネ ㇷ゚ ネ シコㇿ ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=飢饉を司る神というものは大きい大きい黒い鳥の姿をしているものだと昔話の中では描写されているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
poru
ポル 【poru】 ほらあな.洞窟,土の中へ入っていく穴. (出典:萱野、方言:沙流)
posak
ポサㇰ 【po-sak】 子供を産めない,子供が出来ない. アウン コシマッ アンラコㇿ ソモ ネ.エㇰ ワ オラーノ レパ カ シラン ペ ポサㇰ シリ=隣の嫁クロユリではないのかい.来てからすでに3年にもなるのに子供を産めない様子は. (出典:萱野、方言:沙流)
poso
ポソ 【poso】 くぐる. イヤパオポソレ=戸のすき間から目をくぐらせて見る. (出典:萱野、方言:沙流)
posomi
ポソミ 【posomi】 細身の刀. タンネ ポソミ タㇰネ ポソミ=長い細身の刀,短い細身の刀.シㇼカ テㇱケ タンネ ポソミ=反りのある細身の長刀[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
potara
ポタラ 【potara】 案じる. (出典:萱野、方言:沙流)
potaranawkep
ポタラナウケㇷ゚ 【potara-nawke-p】 まじない用のかぎ:プンカウ(ドスナラ)製. (出典:萱野、方言:沙流)
potaratakusa
ポタラタクサ 【potara-takusa】 清め草:ノヤ(ヨモギ),フレアユㇱニ(タチイチゴ). (出典:萱野、方言:沙流)
potoki
ポトキ 【potoki】 偶像. カネ ポトキ イワン ポトキ シラㇻ ポトキ イワン ポトキ=金の偶像6体と石の偶像6体と[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
poturkes
ポトゥㇽケㇱ 【poturkes】 あざ. *蒙古斑のことはカムイテッコッという, (出典:萱野、方言:沙流)
poypoye
ポイポイェ 【poy-poye】 (手や棒などで)かき回す. ホカ ポイポイェ=囲炉裏の灰をかき回す. (出典:萱野、方言:沙流)
poysiknupo
ポイシㇰヌポ 【poysiknupo】 生きると思うな. ポイシㇰヌポ エ・キ クナㇰ ラム=(殺してしまうのだから)生きる望みを持つではない[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
poyson
ポイション →ポンション (出典:萱野、方言:沙流)
poyson
ポイソン →ポンション (出典:萱野、方言:沙流)
poysu
ポイス →ポンス (出典:萱野、方言:沙流)
poysuma
ポイスマ →ポンスマ (出典:萱野、方言:沙流)
pu
プ 【pu】 足高倉,倉. プケマ=倉の足.プニカㇻ=倉の梯子.プオンナイ=倉の中,倉の内側.プイカレ=倉の中から物を出すこと.図[プ] (出典:萱野、方言:沙流)
pukuru(pukuro)
プクル(プクロ) 【pukuru(pukuro)】 袋. (出典:萱野、方言:沙流)
pukusa
プクサ 【pukusa】 ギョウジャニンニク:旭川の方ではキト. (出典:萱野、方言:沙流)
pukusakina
プクサキナ 【pukusa-kina】 ニリンソウ,イッポンナ:穂別町和泉ではオハウキナ(汁用山菜)という. (出典:萱野、方言:沙流)
pukusara
プクサラ 【pukusa-ra】 干しプクサ. (出典:萱野、方言:沙流)
puma/puma(ha)
プマ/プマ(ハ) 【puma/puma(ha)】 賃金,給料. ニサッタ ネㇷ゚キ プマ サンニヨ アン シコㇿ ク・ポ ウタㇻ ハウェオカ ク・テレ ワ カン(ク・アン)=明日,働いていた賃金の清算があると息子たちが言っていたので私も待っている.*昭和10年頃,近くの貝澤チェキさんが自分の息子たちの清算日を楽しみにしてしゃべっていた時の言葉.テエータ にけ シコㇿ ア・イェ チャペ アン ペ ネ ヒネ オンネ アクス オヤコヤㇰ タ オクイマ オソマ ア・コイパㇰ ヒネ ネユン ア・エトパㇻ ヤッカ ホシピ ランケ.イヨッタ イヨㇱタ レクチヒ イチェン ア・コテ プマハ ネ ヤㇰ ア・イェ アクス クスケライ ホシピ イサㇺ ペ ネ=ずっと昔ニケという猫がいて,年寄りになったらあちこちで小便や糞をたれ,それが悪いとて何回追放しても戻って来た,一番おしまいに首へ銭をつけて給料だよと言ったらそのお陰で戻って来なかったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pumakore
プマコレ 【puma-kore】 報酬を渡す,給料をやる. エタカスレ ヤイトゥレンペ エヤㇺ ペ イコインカㇻクㇽ ネ パ ポオンペポ ネ ヤッカ イナウ トゥラノ ア・プマコレ ㇷ゚ ネ ヒ ク・ヌカㇻ ペ ネ=特別に自分自身の憑き神を大切にする者が産婆なので,わずかでもイナウとともに報酬をあげるものであることを私は見たものであった.タン チュㇷ゚ アナㇰネ シㇼピㇼカ ワ ネㇷ゚キ パ ウタㇻ ポロンノ ネㇷ゚キ パ.ニサッタ プマコレ エトホ ネ=今月は天気がよかった.働く人たち,たくさん働いた.明日は給料をやる日だ. (出典:萱野、方言:沙流)
puni
プニ 【puni】 持ち上げる,上げる,起こす. コンネ(ク・オンネ) ワ ウンマ カ ウン ク・テㇾケ カ エアイカㇷ゚ ナ ウンマ カ ウン エン・プニ=私は年をとって馬の上に跳ぶことができないので,馬の上へ持ち上げてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
punkar/punkari(hi)
プンカㇻ/プンカリ(ヒ) 【punkar/punkari(hi)】 (ブドウなどの)つる,ツタカズラ. ハップンカㇻ=ブドウづる.クッチプンカㇻ=コクワづる.カリㇷ゚ ア・カㇻ ヒ タ アナㇰネ プンカㇻ ア・アペコセセッカ ワ ア・レウェ コㇿ リテン ペ ネ ワ=つるの輪を作る時はつるを火にあぶり,それを曲げると柔らかいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
punkaw
プンカウ 【punkaw】 ドスナラ,ハシドイ. *腐りにくい木なので家を建てる時柱に用い,家を守るチセコㇿカムイという神を作る時はドスナラとエンジュを使う.墓標もドスナラとエンジュを使う. (出典:萱野、方言:沙流)
punki
プンキ 【punki】 番人. (出典:萱野、方言:沙流)
punkine
プンキネ 【punki-ne】 守る,守護する,見張り. ユラㇷ゚ ウン ルチㇱ パㇰノ フチ ケカノㇰ(ク・エカノㇰ) クス カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナ アペ エヤㇺ ノ オハシㇼ プンキネ ワ オカ ヤン=ユーラップ沢の峠までおばあちゃんの迎えに行って来るので火を大切にして留守番をしていなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
pupu
プープー 【pu-pu】 フグ類. (出典:萱野、方言:沙流)
puray
プライ 【puray】 窓(幌別地方の呼び方). (出典:萱野、方言:沙流)
puri/puri(hi)
プリ/プリ(ヒ) 【puri/puri(hi)】 習慣,風習,規則,性質,癖,しぐさ. (出典:萱野、方言:沙流)
purisamaa=eanasappe
プリサマアエアナサッペ 【puri-sama a=e-anasap-pe】 乱暴者,手余され者. (出典:萱野、方言:沙流)
puriwenpe
プリウェンペ 【puri-wen-pe】 荒くれ者,悪い者,余され者. (出典:萱野、方言:沙流)
purpurke
プㇽプㇽケ 【pur-pur-ke】 湧く. (出典:萱野、方言:沙流)
pus
プㇱ 【pus】 矢筒. サッチェㇷ゚ ア・プㇱコシナ ワ イット エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ウパㇱルヤンペ ホラホチュウェ ウパㇱエシットゥライヌ・アン サッチェㇷ゚ ア・エ ワ キモレウシ・アン=乾いた魚を矢筒に縛って日帰りで山に行ったら,すごい大雪が降り始めて,雪のために道に迷い乾いた魚を食べて山で泊まった.#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
pus
プㇱ 【pus】 浮き上がる. レン ワ アㇻパ アㇷ゚ シプㇱテㇰテㇰ=沈んで行ったのに自分でさっと浮き上がって来た. (出典:萱野、方言:沙流)
pus
プㇱ 【pus】 はじける,はね出る. キミ ア・パッタㇻカ アクス プㇱ ア プㇱ ア ルウェ ネ=トウモロコシをはぜらせるとはね出るはね出る. (出典:萱野、方言:沙流)
pus/pusi(hi)
プㇱ/プシ(ヒ) 【pus/pusi(hi)】 穂. アマㇺプㇱ=穀類の穂.ピヤパプシヒ=ヒエの穂.ムンチロプㇱ=アワの穂.シアマㇺプㇱ=イネの穂.シプㇱケㇷ゚プㇱ=イナキビの穂. (出典:萱野、方言:沙流)
pusa 1
プサ 【pusa】 ①総(ふさ):束ねた何本かの糸などの先をばらばらにして飾りにした物. (出典:萱野、方言:沙流)
pusa 2
プサ 【pusa】 ②房:ブドウのふさ. (出典:萱野、方言:沙流)
pusankiyakanki
プサンキヤカンキ 【pus-anki yak-anki】 仏頂面.▷プㇱ=はじける アンキ=〜しそうだ ヤㇰ=破裂する エネポ エアシㇼ プサンキヤカンキ アン ペ オㇿ タ マㇰ イキ アン コㇿ アナン(アン・アン) ペ アン.ホクレ ホクレ ホシッパ・アン ナ=あれほどまでに仏頂面をしている者の所で何をしていられるものか.早く早く戻るよ. (出典:萱野、方言:沙流)
pusi
プシ 【pusi】 こんがり焼く,焦がす. フチー コンプ プシ ワ エン・コレ ヤン.ルㇽ オㇿ ア・オマレ ナ=おばあちゃん昆布をこんがりと焼いてください,汁に入れるから. (出典:萱野、方言:沙流)
pusni
プㇱニ 【pus-ni】 ホオノキ.▷プㇱ=はぜる ニ=木 *火にくべるとぱちぱちはぜるので名づけられた.秋にはトウモロコシほどの実をつけ,それを煎じて飲むと冷え症に効き目がある. (出典:萱野、方言:沙流)
puspa
プㇱパ 【pus-pa】 掘り起こす. ウパㇱ ア コㇿカ タント シㇼポㇷ゚ケ ナ エモ プㇱパ ヤン=雪は多いが今日は暖かいからジャガイモを掘り起こしなさい.*穴を掘って埋めておいたジャガイモを冬に掘り出すことはしばしばあった. (出典:萱野、方言:沙流)
pusrototo
プㇱロトト 【pus-rototo】 激しく掘り起こす. ホッノ イヨーハイ キムンカムイ イトゥンナㇷ゚ セチヒ プㇱロトト ワ エ オカケ=いやー驚きだ,クマがアリの巣を激しく掘り起こし食った跡だ. (出典:萱野、方言:沙流)
pusu
プス 【pusu】 掘り起こす. トイ トゥㇺ クㇱペ トゥス エプス=土の中を通る者を呪術で掘り起こす.エモプ ア・カㇻ ヒ タ アナㇰネ マタ ア・プス ヒ タ ア・エラマン クニネ エモプ カ タ マメニ ア・アシ コㇿ ウパㇱ トゥㇺ タ ネ ヤッカ エモプ ア・パ エモプス・アン エアㇱカイ=ジャガイモ貯蔵の穴を作る時には,冬これを掘る時にわかるように穴の上へ豆をからませるための手柴を立てると,雪の中でもいも穴を見つけていもを掘り起こすことができるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
puta/puta(ha)
プタ/プタ(ハ) 【puta/puta(ha)】 ふた. ス ポㇷ゚ ワ イカ ノイネ シㇼキ ナ ホクレ ス プタ ウㇰ=鍋が煮え立って溢れそうだから早く鋼のふたを取れ. (出典:萱野、方言:沙流)
putakitci
プタキッチ 【puta-kitci】 豚の餌を入れる容器. (出典:萱野、方言:沙流)
putanesamampe
プタネサマンペ 【puta-ne-samampe】 アサバガレイ, (出典:萱野、方言:沙流)
putaunpatci
プタウンパッチ 【puta-un-patci】 ふたつき塗り鉢. 図[プタウンパッチ] (出典:萱野、方言:沙流)
putu
プトゥ 【putu】 河口. (出典:萱野、方言:沙流)
puy
プイ 【puy】 穴.*同じ穴でも壁の大穴はチセ トゥマㇺ オパッテㇰという. チセ キタイ オパッテㇰ=家の屋根の大穴. (出典:萱野、方言:沙流)
puy'o
プイオ 【puy-o】 穴がある. (出典:萱野、方言:沙流)
puyar
プヤㇻ 【puyar】 窓. (出典:萱野、方言:沙流)
puyarotki
プヤロッキ 【puyar-ot-ki】 窓簾:シキナ(ガマ草)で編む.▷プヤㇻ=窓 オッ=ある キ=簾 (出典:萱野、方言:沙流)
puyarsikrap
プヤㇻシㇰラㇷ゚ 【puyar-sik-rap】 東側の窓の上へ屋根を少し出して葺いたもの.▷プヤㇻ=窓 シㇰラㇷ゚=まつげ →窓のまつげ (出典:萱野、方言:沙流)
puyatek
プヤテㇰ 【puyatek】 かすかに,見えるか見えないか程度に[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
puyatek'urar
プヤテㇰウラㇻ 【puyatek-urar】 かすかな霧,見えるか見えないかの霧.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
puyne
プイネ 【puyne】 ひとり. (出典:萱野、方言:沙流)
puyneno
プイネノ 【puyne-no】 ひとりで. オアㇻ プイネノ=全くひとりで. (出典:萱野、方言:沙流)
puyra
プイラ 【puyra】 しぶき,水煙. (出典:萱野、方言:沙流)
puyraruypet
プイラルイペッ 【puyra-ruy-pet】 しぶきの強い川.▷プイラ=しぶき ルイ=強い ペッ=川 *日高管内新冠川の上流にある. (出典:萱野、方言:沙流)
puyrototke
プイロトッケ 【puy-rototke】 もうもうと出る. スプヤ プイロトッケ=煙がもうもうと出た. (出典:萱野、方言:沙流)
puytumare
プイトゥマレ 【puytumare】 聞くのがいや,耳ざわり. タネアナㇰネ カムイカㇻナンカ カムイカㇻシリカ アコㇿワクス アイヌイェイタㇰ アプイトゥマレ コヨイラクニㇷ゚ ソモネコㇿカ=今は神が作った顔,神が作った体を持っているので,人間が言う言葉を聞くのがいやであることを忘れてはいないけれど……. *アイヌ風の葬式引導渡しの言葉の一部分.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ra
ラ 【ra】 下,下の方,低い所. (出典:萱野、方言:沙流)
ra
ラ 【ra】 下る. (出典:萱野、方言:沙流)
ra/ra(ha)
ラ/ラ(ハ) 【ra/ra(ha)】 白子. シペ カカウェヘ ラハ ア・コタタ シッポ ア・オ エアㇻキンネ ケラ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=サケの氷頭と白子と切り刻んで塩で味をつけるととっても味がいいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
raasiasi
ラアシアシ 【ra-asi-asi】 よちよち歩き.▷ラ=羽 アシ=立てる →羽を立て立てする(両手を上げてふらふらしているのを羽根を立てているようだと表現) (出典:萱野、方言:沙流)
racici
ラチチ 【racici】 だらりと下がる. テㇺタチチ=手をだらりと下げている[ユ](ポンヤウンペが半殺しにされて手足をだらりと下げている様子). (出典:萱野、方言:沙流)
racinracin
ラチンラチン 【racin-racin】 ぶらりぶらり,ぶらんぶらん. メノココロペ ハーサ ハーサ オッカヨコロペ ラーチンラーチン=女の持ち物(陰部)がばくりばくりと口を広げ,男の持ち物(きんたま)がぶらりぶらり. *アイヌが祝い事で囲炉裏のまわりを回って踊る時に囃子言葉として言う.(補遺編) メノコ コㇿ ペ ハサハサ オッカヨ コㇿ ペ ラチンラチン=女の持ち物(陰部)がばくりばくりと口を広げ,男の持ち物(きんたま)がぶらりぶらり。*アイヌが祝い事で囲炉裏のまわりを回って踊る時に囃子言葉として言う。 (出典:萱野、方言:沙流)
racitke
ラチッケ 【racit-ke】 ぶら下がる. (出典:萱野、方言:沙流)
racitkere
ラチッケレ 【racitke-re】 ぶら下げる. ラチッケレ ワ コㇿ=ぶら下げて持つ.トゥッコ カ レㇾコ カ アㇷ゚ト ルイ ワ ポロ ワッカ アン ノイネ シㇼキ ナ イチャリ コㇿ ワ ソイェネ ワ クマ オㇿ ワ ラチッケレ カントコㇿカムイ エウン "ホクレ タパン イチャリ シㇰテ" セコㇿ コラㇺコㇿ=二日も三日も雨が強いので洪水になりそうだ,ざるを持って外へ出て干し竿から下げ,天の神様へ「さあ早くこのざるをいっぱいにせよ」と相談してみろ(雨を降りやますためのまじない). (出典:萱野、方言:沙流)
raciw
ラチュー 【raciw】 眉.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
raciwrikikur punpa kane
ラチウリキクㇽ プンパ カネ 【raciw-rikikur punpa kane】 眉尻をぐっと上げて.眉をきりっと上げて. (出典:萱野、方言:沙流)
rak
ラㇰ 【rak】 味,〜臭い,〜ぽい. スㇺラㇰ=油の味.パラㇰ=煤けた味. (出典:萱野、方言:沙流)
rakaisam
ラカイサㇺ 【raka isam】 利益がない,骨折り損. (出典:萱野、方言:沙流)
rakan
ラカン 【rakan】 小魚が産卵のために1か所に集まっている. オッコ エ・ヌ エ・ヌ オサッ プトゥフ タ チェッポ ラカン コㇿ アン ヤㇰ ア・イェ アㇻパ インカㇻ・アン ロ=姉よ,聞こえるかい,オサツ沢の沢尻で小魚が産卵のために1か所へ集まっているというので行ってみようよ.*ウグイが産卵のために大川の縁へ集まることをラカンという.このような時は人間が近づいても逃げないし,そのような時は網を入れたり驚かすものではなく見るだけにするものとされている. (出典:萱野、方言:沙流)
rakanceppo
ラカンチェッポ 【rakan-ceppo】 ほりを掘っている小魚. (出典:萱野、方言:沙流)
rakasak
ラカサㇰ 【raka-sak】 無益.利益がない. (出典:萱野、方言:沙流)
rakirur/rakirurke
ラキルㇽ/ラキルㇽケ 【rakirur/rakirurke】 (のしもち・ござ等の)縁(ふち),へり. (出典:萱野、方言:沙流)
rakka
ラッカ 【rakka】 におい. フララッカ=においをかぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
rakor
ラコㇿ 【rakor】 食べすぎる,腹にもたれる. イペ ア イペ ア アイネ ラコㇿ ワ ヘ アトゥ コㇿ アン ナ ワッカ コㇿ ワ アㇻパ クレ ワ エㇰ=食べて食べてそうして食べすぎたのか,へどを吐いているから水を持って行って飲ませてこい.カㇺルㇽ ネ ヤ シト ネ ヤ ク・エ ア ク・エ ア ク・ラコㇿ ワ ク・サンペエコイキ=肉汁とか団子とか食べて食べて食べすぎて胸焼けがする.エイタサ シト ク・エ ア ク・エ ア ク・ラコㇿ カシウン ク・イㇰマウレ クサンペエコイキ カ ク・キ ノイネ=あまりにもたくさん餅を食べて食べて腹にもたれる挙げ句,げっぷも出て胸焼けもしそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
rakrakpaye
ラㇰラㇰパイェ 【rak-rak-paye】 晴れてゆく[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
rakur
ラクㇽ 【rakur】 霧,霧雨,積雨. ラクラㇱ=霧雨が降る. (出典:萱野、方言:沙流)
ram
ラㇺ 【ram】 低い. ケウェラㇺクㇽ=背の低い人.ラㇺチクニ=低い木. (出典:萱野、方言:沙流)
ram'ositciw
ラㇺオシッチウ 【ram-o-sir-ciw】 考えが落ち着いている,考えがまとまっている. (出典:萱野、方言:沙流)
ram'osma
ラㇺオㇱマ 【ram-osma】 同意する,納得する. ホクレ コㇿ ワ アㇻパレ. ア・ラモㇱマ ㇷ゚ ネ ア ナ=早く持って行かせろ,納得してあった物であったから. (出典:萱野、方言:沙流)
ram'osmare
ラㇺオㇱマレ 【ram-osma-re】 同意させる,賛成させる. (出典:萱野、方言:沙流)
ram/ramu(hu)
ラㇺ/ラム(フ) 【ram/ramu(hu)】 心. オッコ オッコ アㇻスイネ エン・ラメイキ ワ エン・コレ=ちょっとお姉さんお姉さん,1回私の言うことを聞いてくれ(女性を口説く時の言葉). (出典:萱野、方言:沙流)
ramante
ラマンテ 【ramante】 狙う. チ・ラマンテㇷ゚=熊・鹿・狐など:私たち狙うもの. (出典:萱野、方言:沙流)
ramat/ramaci(hi)
ラマッ/ラマチ(ヒ) 【ramat/ramaci(hi)】 魂. (出典:萱野、方言:沙流)
ramattak'ikayop
ラマッタㇰイカヨㇷ゚ 【ramat-tak-ikayop】 魂を呼ぶ宝矢筒:ランコ(カツラ).ブリキン(ブリキ)製. (出典:萱野、方言:沙流)
ramattak'ikor
ラマッタㇰイコㇿ 【ramat-tak-ikor】 魂を呼ぶ宝刀. (出典:萱野、方言:沙流)
ramay
ラマイ 【ramay】 シラミの幼虫,小さいシラミ. (出典:萱野、方言:沙流)
ramcikuni
ラㇺチクニ 【ram-cikuni】 低木.▷ラㇺ=低い チクニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
ramciuk 1
ラㇺチウㇰ 【ram ci=uk】 ①①はっとする:思いがけないことにぶつかって驚く.▷ラㇺ=思い チ=私たち ウㇰ=取る②ぼんやりする:火事などの場合になすすべもなしに突っ立っている,ぼわーんとしている様子をラㇺチュㇰと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
ramciuk 2
ラㇺチウㇰ 【ram ci=uk】 ②②ぼんやりする:火事などの場合になすすべもなしに突っ立ている,ぼわーんとしている様子をラㇺチュㇰと言う.▷ラㇺ=思い チ=私たち ウㇰ=取る②ぼんやりする:火事などの場合になすすべもなしに突っ立っている,ぼわーんとしている様子をラㇺチュㇰと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
ramepakari
ラメパカリ 【ram-e-pakari】 想像する:実際に経験しないことを心に描くこと. (出典:萱野、方言:沙流)
rametok
ラメトㇰ 【ram-etok】 度胸,勇気のある. アヌンクㇽ ネ ヤッカ イテキ アララ ㇷ゚ ネ ナ. パウェトㇰ コㇿ ペ カ ラメトㇰ コㇿ ペ カ オカ ㇷ゚ ネ ナ=他から来た人であってもなめてはいけないものだよ.雄弁な者も度胸のある者もいるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
rametokkor
ラメトッコㇿ 【ram-etok-kor】 勇敢な,勇気ある,度胸がある. *アイヌ民族社会では村の長になるための三つの条件があり,それは,シレトㇰ(器量がいいこと),ラメトㇰ(度胸があること).パウェトㇰ(雄弁であること).世襲制ではなく,推薦制であった. (出典:萱野、方言:沙流)
ramkopastep
ラㇺコパㇱテㇷ゚ 【ram-ko-paste-p】 刀. (出典:萱野、方言:沙流)
ramma
ランマ 【ramma】 いつも,ふだん.つねづね. ウウェペケㇾ オㇿ タ アナㇰネ キㇺ タ アン ウェン シケサㇻペ ランマ オルイペネエムㇱ コッカ チョㇿポㇰ タ ヌイナ ワ アン ペ ネ ヤㇰ ア・イェ=昔話の中では山にいるならず者はいつでも抜き身の刀を膝の下へ隠しているものだそうだ[ウ].ランマ コラチ=いつものように.ランマ ウン=いつもと同じだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
rammaramma
ランマランマ 【ramma ramma】 いつもと同じ,普通に. (出典:萱野、方言:沙流)
rammokka
ランモッカ 【ram-mokka】 いたずら,からかう. (出典:萱野、方言:沙流)
ramne
ラㇺネ 【ramne】 無傷である,傷んでいない. ラㇺネノ アン ワ=傷んでいないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ramno
ラㇺノ 【ramno】 低く. ラㇺノ カネ アパ マカ=体を低くして戸を開けた. (出典:萱野、方言:沙流)
ramorkirpu
ラモㇿキㇼプ 【ram-or-kirpu】 脂身. (出典:萱野、方言:沙流)
ramositciwre
ラモシッチウレ 【ram-o-sir-ciwre】 落ち着いた,泰然としている. (出典:萱野、方言:沙流)
rampekamam
ランペカマㇺ 【ram-pekamam】 苦しむ,気苦労する,心が休まらない. (出典:萱野、方言:沙流)
rampiskire
ランピㇱキレ 【ram-piski-re】 胸算用(する):心の中で見積りをたてる.▷ラㇺ=思い ピㇱキ=数える レ=させる ナ シネ チュㇷ゚ ネㇷ゚キ・アン コㇿ ア・コㇿ チセ ウン イワㇰ・アン エアㇱカイ ランピㇱキレ・アン コㇿ ケㇱト ネㇷ゚キ・アン=あと1か月働くと自分の家へ帰ることができる,胸算用しながら毎日仕事をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
rampuy
ランプイ 【ram-puy】 考える穴.▷ラㇺ=思い プイ=穴 ク・ミッポウタㇻ チセ オㇿ タ アルケサンパパ ア・エラム ポプニニ ワ ランプイ カ ア・サㇰ=私の孫たちが家の中で追いかけっこして落ち着かず,考える穴もない. (出典:萱野、方言:沙流)
ramram/ramrami(hi)
ラㇺラㇺ/ラㇺラミ(ヒ) 【ram-ram/-rami(hi)】 鱗. (出典:萱野、方言:沙流)
ramramnoka
ラㇺラㇺノカ 【ramram-noka】 鱗彫り:アイヌ民族の彫刻にはこの彫り方の作品が多くある. (出典:萱野、方言:沙流)
ramsitciw
ラㇺシッチウ 【ram-sir-ciw】 落ち着き:ゆったりした様子. (出典:萱野、方言:沙流)
ramu
ラム 【ramu】 思う,考える. ソンノ ヘカッタㇻ アナㇰネ ネユン ラム パ カ ソモ キ ノ ウホユッパ レパ ㇷ゚ ネクス エソイネ ワ チセシッケウ オㇿ タ ウトモㇱマ パ=本当に子供たちは何も思うことなく走り回るものだから外側の家の角でぶつかった. (出典:萱野、方言:沙流)
ramua=siknere
ラムアシㇰネレ 【ramu a=sikne-re】 心配させる,思い煩わせる,気をもませる.▷ラム=思い ア=それ シㇰネ=もつれる (出典:萱野、方言:沙流)
ramua=ye
ラムアイェ 【ramu a=ye】 ほめられる,称賛される,感心される. ソンノ ウタㇻパ ネ クス ラムアイェノ イキ=本当の首領なのでほめられるようなことをした. (出典:萱野、方言:沙流)
ramuan
ラムアン 【ramu-an】 利口な,賢い. (出典:萱野、方言:沙流)
ramucuptek
ラムチュㇷ゚テㇰ 【ramu-cup-tek】 心細い.寂しい,わびしい. タンパ ケマン ワ アエㇷ゚ ハイタ ノイネ エアㇻキンネ ク・ラムチュㇷ゚テㇰ アエㇷ゚ ア・オトゥペカレ ロ=今年は食べ物が足りないらしい.とっても心細いので食べ物を大事にしよう.フチ ヤイヌミウェン ク・ラムチュㇷ゚テㇰ ア ワ ピㇼカ ヒネ ウウェカリノ エチ・エㇰ=おばあちゃんが病気で心細い思いをしていたのに,幸い両方からお前たちが来た.シノ シノ ホカンパ オルㇱペ ネ ㇷ゚ ネ クス ニㇱパ エエセ ヤ ソモ ヤ ク・エラムチュㇷ゚テㇰ アㇷ゚ ソンノ ク・エラムシンネ=本当に本当に難しい話であったので,あの方が承諾するかしないか心細い思いだったが本当に安心した.シネンネ ク・ホシピ ヘ キ セコㇿ ク・ヤイヌ ワ ク・ラムチュㇷ゚テㇰ ア ワ ピㇼカ ヒネ エ・エㇰ. ウウェニㇱテ ノ ホシッパ・アン ロ=ひとりで戻るのだろうかと思って私は寂しかったが,運よくお前が来た.頼り合って戻ろうや. (出典:萱野、方言:沙流)
ramueiki
ラムエイキ 【ramu-e-iki】 思いを大切にする,相手の思いを受け入れる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ramuhapur
ラムハプㇽ 【ramu-hapur】 やさしい,惜しまず人に与える. (出典:萱野、方言:沙流)
ramuhawke
ラムハウケ 【ramu hawke】 やさしい,親切な. (出典:萱野、方言:沙流)
ramuhemesusu
ラムヘメスス 【ramu-hemesusu】 満足する.▷ラム=思い ヘメスス=登る (出典:萱野、方言:沙流)
ramuhokasusu
ラムホカスス 【ramu-hokasusu】 心が混乱する,そわそわする,心がうわつく. (出典:萱野、方言:沙流)
ramuhopunini
ラムホプニニ 【ramu-hopunini】 気が気でない. (出典:萱野、方言:沙流)
ramuhorarayse
ラムホラライセ 【ramu-horarayse】 安心する,心配事がなくなる.▷ラム=思い ホラライセ=下がる ク・ポンポホ ポロピロ ワ ヤイカフイェ コㇿ アン ワ ク・エラムシッネ アコㇿカ タネ トゥ サヒ エパ ワ ク・ラムホラライセ=私の小さいほうの息子が大怪我をして療養していて私の思いが乱れていたが,治癒する所へたどり着き,私の心配は解消した. (出典:萱野、方言:沙流)
ramuhoski
ラムホㇱキ 【ramu-hoski】 不満である. (出典:萱野、方言:沙流)
ramuisam
ラムイサㇺ 【ramu-isam】 馬鹿. (出典:萱野、方言:沙流)
ramuisampe
ラムイサンペ 【ramu-isam-pe】 白痴.▷ラム=思い イサㇺ=ない ペ=者 (出典:萱野、方言:沙流)
ramukikkar
ラムキッカㇻ 【ramu-kikkar】 あきらめた. (出典:萱野、方言:沙流)
ramukoyki
ラムコイキ 【ramu-koyki】 気苦労させる.▷ラム=思い コイキ=いじめる (出典:萱野、方言:沙流)
ramukuttokore
ラムクットコレ 【ramu-kuttoko-re】 思いをひるがえさせる,逆に利用する.▷ラム=思い クットコ=反対にする レ=させる ウェンカムイ カ ア・イタㇰペカレ コㇿ ラム ア・クットコレ エアㇱカイ ペ ネ=悪い神もその神に合った言葉で対応すると思いをひるがえさせることができるものだ.コシンペ アイヌ トゥレン コㇿ イピㇼカレ ㇷ゚ カ オカ イウェンテ ㇷ゚ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ. ネ ヒ アア・エアラマン ワ ラム ア・クットコレ コㇿ シノ ピㇼカ ㇷ゚ ネ シコㇿ=妖精が人間の憑き神になると憑いた人間をよくする者もいるが悪くする者もいるという.それを覚えて思いを反対にする(逆に利用する)と本当にいいものだということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ramuninka
ラムニンカ 【ram-unin-ka】 かすかな記憶.心のどこかにかすかな記憶として残っている. ▷ラㇺ=思い ウニン=痛い,かすか カ=する(補遺編)▷ラム=思い ウニン=痛い,かすか カ=する (出典:萱野、方言:沙流)
ramuot
ラムオッ 【ramu-ot】 かわいそうだと思う,憐れむ:せっかく来てくれたのに何もしてやれなかったなあとかわいそうに思うこと. ク・マッネポホ ホシピ コㇿカ オㇱ ク・ラモッ=私の娘は帰ったが,何もしてやれず後味悪いなあ. (出典:萱野、方言:沙流)
ramupase
ラムパセ 【ramu-pase】 気が長い,落ち着きがある.▷ラム=思い パセ=重い (出典:萱野、方言:沙流)
ramuriten
ラムリテン 【ramu-riten】 機嫌がよい.快い,愉快,朗らか. アチャポ タヌクラン ラムリテン ワ ポロンノ イク ワ ネ ノイネ イヨㇱキ=おじさんは今夜機嫌がよくて量を多く飲んだらしく酔っ払った.タンペ オㇿ タ ウトゥㇽ ウン アチャポ ノヌワシノ アフン カネ イキ. ア・エランポㇰウェン ヒクス ポン トックリ ア・ホㇰ ヒネ ア・クレ アクス ラムリテン ワ ホノイシノッチャキ コㇿ ホシピ ワ アㇻパ=いつもないこと,下のおじさん,全く酒気なしにひょっこりと入って来た.かわいそうに思ったので小さい瓶を私が買って飲ませると上機嫌になって微かな歌を口ずさみながら戻って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
ramusikarun
ラムシカルン 【ramu-sikarun】 記憶力がよい,物忘れをしない. (出典:萱野、方言:沙流)
ramusinne
ラムシンネ 【ramu-sinne】 安心する. シノ シノ ホカンパ オルㇱペ ネㇷ゚ ネ クス ニㇱパ エエセ ヤ ソモ ヤ ク・エラムチュㇷ゚テㇰ アㇷ゚ ソンノ ク・エラムシンネ=本当に本当に難しい話であったので,あの方が承諾するかしないか心細い思いだったが本当に安心した. (出典:萱野、方言:沙流)
ramusitne
ラムシッネ 【ramu-sit-ne】 煩わしい.▷ラム=思い シッネ=もつれ ク・エラムシッネ=私は煩わしい. (出典:萱野、方言:沙流)
ramusitnere
ラムシッネレ 【ramu-sitne-re】 困らせる,気をもませる. (出典:萱野、方言:沙流)
ramusuye
ラムスイェ 【ramu-suye】 気を引く,なだめすかす. ▷ラム=思い スイェ=振る(補遺編)▷ラム=思い スイェ=振る (出典:萱野、方言:沙流)
ramutoranne
ラムトランネ 【ramu-toranne】 気が進まない,億劫だ. エキㇺネ ア・イ・シレン コㇿカ ラムトランネ・アン ヒクス ソモ イトゥラ・アン=私は山へ誘われたが気が進まなかったので私は行かなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
ramutunas
ラムトゥナㇱ 【ramu-tunas】 すばやい,聞いてすぐに行動する,思いが早い. ネㇷ゚カ ア・キマテㇰ ペ アン ヒ タ アナㇰネ アシンル コㇿ カムイ ア・コアスラニ ㇷ゚ ネ. ルコㇿ カムイ イヨッタ ラムトゥナㇱ ペ ネ ルウェ ネ ナ=何か急病人など出た場合は便所の神へ救いを求めるものだ.便所の神が一番動きが速いんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ramutunaskamuy
ラムトゥナㇱカムイ 【ramu-tunas-kamuy】 便所の神.▷ラム=思い トゥナㇱ=早い カムイ=神 (出典:萱野、方言:沙流)
ramutuy
ラムトゥイ 【ramu-tuy】 驚く,びっくり.▷ラム=思い トゥイ=切れる (出典:萱野、方言:沙流)
ramutuyka
ラムトゥイカ 【ramu-tuy-ka】 驚かす. (出典:萱野、方言:沙流)
ramutuypa
ラムトゥイパ 【ramu-tuypa】 驚く.▷ラム=思い トゥイパ=切る →思いも考えもそこで切れてしまう (出典:萱野、方言:沙流)
ramuusausat
ラムウサウサッ 【ramu-usa-usat】 気が散る,心がうわつく,思いがさだまらない.▷ラム=思い ウサウサッ=別々 ネㇷ゚カ ア・カㇻ クナㇰ ア・ラム ヤッカ ア・ミッポウタリ ウホユッパレ コㇿ ラムウサウサッ・アン ワ ネㇷ゚キ カ ア・エアイカㇷ゚=何かしようと思っても私の孫たちが走り回ると気が散ってしまって仕事もできない. (出典:萱野、方言:沙流)
ramuyupkosanu
ラムユㇷ゚コサヌ 【ramu-yup-kosanu】 考えが決まる,思いきって. アㇻパ ペコㇿ イキ ソモ ペコㇿ イキ ワ アㇱ ワ アン アㇷ゚ ラムユㇷ゚コサヌ ワ ホユプ ワ アㇻパ=行くようなふり,行かないようなふりをして立っていたが,考えが決まり走って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
ran
ラン 【ran】 下りる,降る. ハル ラン ナ=穀物降ったよう.*新築祝の時に何回もそう言いながら家の中でイナキビの粉で作った団子を撤くものである. (出典:萱野、方言:沙流)
ranke
ランケ 【ranke】 下ろす. ニソㇿ クㇱペ トゥッス エランケ=空を通る者を呪術で下ろす. (出典:萱野、方言:沙流)
ranke
ランケ 【ranke】 たびたび〜する. ①エㇰ ランケ イキヤクㇽ マキㇷ゚. ウフナㇰ エㇰ イサㇺ シリ アン. ソネ イワンケ ノ オカ ルウェヘ アン=たびたび来ていた人どうしたか.近頃は来ないものだ.本当に元気でいるのだろうかね.エㇰ ランケ=たびたび来る.アㇻパ ランケ=たびたびいく.②シニ ランケ=休みながら.イヨㇰペ シネㇷ゚ パテㇰ アン ナ ウウォカㇻパ ランケ ア・エイワンケ シネン ネㇷ゚キ コㇿ シネン シニ オヌマン パㇰノ モセ・アン ロ=鎌が1丁しかないので交代しながら使ってひとり働くとひとりが休み夕方までカヤ刈りをしよう.③ソンノ エ・サハ トゥラ ウネノ エチ・オカイ ペ ネ クス シネン ランケ エチ・ヌカㇻ コㇿ ク・エランペウテㇰ=本当にお前の姉と似ているものだからひとりずつ見ると私はわからなくなる. (出典:萱野、方言:沙流)
ranke
ランケ 【ranke】 〜しつつ. ①エㇰ ランケ イキヤクㇽ マキㇷ゚. ウフナㇰ エㇰ イサㇺ シリ アン. ソネ イワンケ ノ オカ ルウェヘ アン=たびたび来ていた人どうしたか.近頃は来ないものだ.本当に元気でいるのだろうかね.エㇰ ランケ=たびたび来る.アㇻパ ランケ=たびたびいく.②シニ ランケ=休みながら.イヨㇰペ シネㇷ゚ パテㇰ アン ナ ウウォカㇻパ ランケ ア・エイワンケ シネン ネㇷ゚キ コㇿ シネン シニ オヌマン パㇰノ モセ・アン ロ=鎌が1丁しかないので交代しながら使ってひとり働くとひとりが休み夕方までカヤ刈りをしよう.③ソンノ エ・サハ トゥラ ウネノ エチ・オカイ ペ ネ クス シネン ランケ エチ・ヌカㇻ コㇿ ク・エランペウテㇰ=本当にお前の姉と似ているものだからひとりずつ見ると私はわからなくなる. (出典:萱野、方言:沙流)
ranke
ランケ 【ranke】 〜ずつ. ①エㇰ ランケ イキヤクㇽ マキㇷ゚. ウフナㇰ エㇰ イサㇺ シリ アン. ソネ イワンケ ノ オカ ルウェヘ アン=たびたび来ていた人どうしたか.近頃は来ないものだ.本当に元気でいるのだろうかね.エㇰ ランケ=たびたび来る.アㇻパ ランケ=たびたびいく.②シニ ランケ=休みながら.イヨㇰペ シネㇷ゚ パテㇰ アン ナ ウウォカㇻパ ランケ ア・エイワンケ シネン ネㇷ゚キ コㇿ シネン シニ オヌマン パㇰノ モセ・アン ロ=鎌が1丁しかないので交代しながら使ってひとり働くとひとりが休み夕方までカヤ刈りをしよう.③ソンノ エ・サハ トゥラ ウネノ エチ・オカイ ペ ネ クス シネン ランケ エチ・ヌカㇻ コㇿ ク・エランペウテㇰ=本当にお前の姉と似ているものだからひとりずつ見ると私はわからなくなる. (出典:萱野、方言:沙流)
rankekanto
ランケカント 【ranke-kanto】 下の方の天. (出典:萱野、方言:沙流)
rankekantokorkamuy
ランケカントコㇿカムイ 【ranke-kanto-kor-kamuy】 下の方の天を司る神. (出典:萱野、方言:沙流)
rankekipipi
ランケキピピ 【ranke-kipipi】 下の方の破風.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
rankekor
ランケコㇿ 【ranke kor】 〜しながら. (出典:萱野、方言:沙流)
ranko
ランコ 【ranko】 カツラ:丸木舟を掘ると軽いので操作しやすいため.一番多く舟材として用いた. (出典:萱野、方言:沙流)
rannuma
ランヌマ 【rar-numa】 眉毛. (出典:萱野、方言:沙流)
ranpes
ランペㇱ 【ran-pes】 山の端,崖の端. (出典:萱野、方言:沙流)
rantupepi
ラントゥペピ 【ran-tupepi】 紐の端.▷ラン=下がっている トゥペピ=紐の端 (出典:萱野、方言:沙流)
raosima
ラオㇱマ →ラウォㇱマ (出典:萱野、方言:沙流)
rap
ラㇷ゚ 【rap】 下りる. (出典:萱野、方言:沙流)
rap/rapu(hu)
ラㇷ゚/ラプ(フ) 【rap/rapu(hu)】 羽,翼. (出典:萱野、方言:沙流)
rapapse
ラパㇷ゚セ 【rapapse】 落ちる. (出典:萱野、方言:沙流)
rapapsere
ラパㇷ゚セレ 【rapapse-re】 落とす (出典:萱野、方言:沙流)
rape
ラペ 【rape】 羽. (出典:萱野、方言:沙流)
rapempe
ラペンペ 【rapempe】 カヤ. (出典:萱野、方言:沙流)
rapnatara
ラㇷ゚ナタラ 【rap-natara】 しおれる. *植物がしおれるのはスムㇺケ. (出典:萱野、方言:沙流)
rapok
ラポㇰ 【rapok】 (〜の)頃,〜の間に,〜の最中. タヌクラン ワノ アシッチュㇷ゚ ア・ヌカㇻ. タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ ク・ホタㇱヌ=今夜から三日月が見えた.この月が円くなる頃私はお産をする.ナ イワタラㇷ゚ ネ ラポㇰ タ ア・ホッパㇷ゚ ネ クス ネㇷ゚ ポカ ア・パㇻヌンヌンテ ワ ア・レス パㇱテッテㇾケ パㇰノ ポロ ルウェ ネ ワ=まだ赤子のうちに遺された者なのでいろいろな物を口移しにして育て,よちよち歩きするまでに大きくなったのだよ.アヤイ モコㇿ ラポㇰ タ ホクレ アㇻパ ワ ワッカ タ ワ エㇰ=赤ちゃんが眠っている間に早く行って水を汲んで来い. (出典:萱野、方言:沙流)
rapokke
ラポッケ 【rapokke】 そのうちに. (出典:萱野、方言:沙流)
raporapo
ラポラポ 【raporapo】 羽ばたく. (出典:萱野、方言:沙流)
raporapora
ラポラポラ 【raporapora】 羽ばたく. (出典:萱野、方言:沙流)
rapte
ラㇷ゚テ 【rap-te】 下ろす. (出典:萱野、方言:沙流)
rapus'itunnap
ラプㇱイトゥンナㇷ゚ 【rap-us-itunnap】 羽アリ. (出典:萱野、方言:沙流)
rapusceppo
ラプㇱチェッポ 【rap-us-ceppo】 トビウオ. (出典:萱野、方言:沙流)
rapusni
ラプㇱニ 【rap-us-ni】 ニシキギ. (出典:萱野、方言:沙流)
rar
ラㇻ 【rar】 潜る. (出典:萱野、方言:沙流)
rar'eyakaka
ラㇻエヤカカ 【rar-e-yakaka】 眉で合図する. エ・ミチヒ イネ シコㇿ ア・コピシ アクス エ・ホッケイ ウン ラレヤカカ. ホッケ ワ アン ヒ ア・エラマン クス ネㇷ゚カ ソモ ア・イェ ノ ソイェネ・アン=父はどうしたと私が聞くと寝床の方へ眉で合図した,寝ているとわかったので私は何も言わずに出て来た. (出典:萱野、方言:沙流)
rar/raru(hu)
ラㇻ/ラル(フ) 【rar/raru(hu)】 眉,眉毛. (出典:萱野、方言:沙流)
rara
ララ 【rara】 なめてかかる,馬鹿にする,見下げる,みくびる. イテキ エン・ララ=私をなめるな.タネ ニㇱパ ネイタ パㇰノ ソモ ニㇱパ ネ. タネ ウェンクㇽ ネイタ パㇰノ ソモ ウェンクㇽ ネ. イテキ イララ・アン ペ ネ ナ=今の金持ちがいつまでも金持ちではない.今の貧乏人がいつまでも貧乏人ではない.絶対に人をなめてかかるものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
rarak
ララㇰ 【rarak】 滑る,すべっこい. ポノッカイポ エン・トゥラ ララㇰ カンポ ラルイパ コッネ ウㇱケ テケオㇿㇱキ=若者よ一緒に行こう,すべっこい肌を撫でてから窪みの部分に手を触れて〔猥談〕. (出典:萱野、方言:沙流)
rarak konru teske konru
ララㇰ コンル テㇱケ コンル 【rarak konru teske konru】 氷面. (出典:萱野、方言:沙流)
raraypa
ラライパ 【raraypa】 さする,撫でる. (出典:萱野、方言:沙流)
rareyaka
ラレヤカ 【rar-eyaka】 合図をする,目くばせする. (出典:萱野、方言:沙流)
rari
ラリ 【rari】 詰める.おさえる. (出典:萱野、方言:沙流)
rarip
ラリㇷ゚ 【rarip】 おさえた物,詰めた物. (出典:萱野、方言:沙流)
raripe
ラリペ 【rar-ipe】 潜って食べる:水鳥たちが潜って餌をあさって食べる.▷ラㇻ=水に潜る イペ=物を食べる  *ユカㇻの中でたくさんの水鳥が水に潜って餌をあさっている様子をポンヤウンペが見ての描写. (出典:萱野、方言:沙流)
rariw
ラリウ 【rariw】 丸木舟を上流へ向かって遡上させる. アッサ エユㇷ゚・アン ワ チㇷ゚ ア・ラリウ ヒネ トオㇷ゚ アㇻパ・アン=力いっぱい櫂をこぎ,舟を上流へ進め,ずうっと遠くへ行った. (出典:萱野、方言:沙流)
rarmani
ラㇻマニ 【rarmani】 オンコの木. (出典:萱野、方言:沙流)
rarpa
ラㇻパ 【rar-pa】 詰める. ア・チャ ムンチロ ポロ サラニㇷ゚ エウン ピㇼカノ ラㇻパ ワ オマレ. ネ ワ アン ペ ク・セ ワ ク・イワㇰ ナ=穂ちぎりしたアワを大きい袋へよく詰めて入れろ.私がそれを背負って帰るから. (出典:萱野、方言:沙流)
rarunuma
ラルヌマ 【raru-numa】 眉毛. (出典:萱野、方言:沙流)
raruturuhu
ラルトゥルフ 【/rar-uturuhu】 眉間. (出典:萱野、方言:沙流)
raruypa
ラルイパ 【raruypa】 撫でる. ポン オッカイポ エン・トゥラ ララッカンポ ラルイパ コッネウㇱケ テケロㇱキ …=若者よ,私と一緒に行きましょう,なめらかな肌を撫でた後に窪んだところへ手をあてて…〔猥談〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ras/rasu(hu)
ラㇱ/ラス(フ) 【ras/rasu(hu)】 切れ端,割り板,割りは. (出典:萱野、方言:沙流)
rascasi
ラㇱチャシ 【ras-casi】 割り板の柵. (出典:萱野、方言:沙流)
rasne
ラㇱネ 【ras-ne】 堅い:同じ物で片方が堅く片方が柔らかいという場合にこの言葉を使う. エ・ハㇺネスパ エモ ラㇱネ ヤㇰ ウェン ナ パスイ アニ オッケ ワ インカㇻ=お前がゆでているジャガイモ芯があると悪いから箸でつついてみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
rassaranip
ラッサラニㇷ゚ 【ras-saranip】 堅い背負い袋:フニペㇱ(生のシナ皮)で作った袋. (出典:萱野、方言:沙流)
rastarasta
ラㇱタラㇱタ 【ras-ta-ras-ta】 粗っぽく削る. *例えば,簡単に畑を耕すときは草を刈った後に,鍬で粗っぼく削って種を蒔く.また,切れ味の悪いなたで物を粗っぼく削るのもラㇱタラㇱタを使う. (出典:萱野、方言:沙流)
rasupa
ラスパ 【rasupa】 サビタ:ノリウツギ〔植〕. *内皮の薄緑色のねばねばした皮を布にくるんで髪を洗うときシャンプーがわりに用いた.枝は髄が太いのでチㇱポ(針入れ)やアパリ(網針),箸,狩猟用の矢の本体,熊送りのヘペライ(飾り矢)等を作った. (出典:萱野、方言:沙流)
rasupakap
ラスパカㇷ゚ 【rasupa-kap】 サビタの皮(洗髪用). (出典:萱野、方言:沙流)
rat
ラッ 【rat】 痰. エトㇿ ヘネ チマ ヘネ ラッ ヘネ エ ワ ヤイコトゥヤシ ワ アン ウェンペ=鼻汁でもかさぶたでも痰でも食らって満足していやがれ悪い奴〔悪口〕. (出典:萱野、方言:沙流)
rat/ratu(hu)
ラッ/ラトゥ(フ) 【rat/ratu(hu)】 ぬめり,粘液. (出典:萱野、方言:沙流)
rata
ラタ 【ra ta】 下に. (出典:萱野、方言:沙流)
rataskep
ラタㇱケㇷ゚ 【rataskep】 混ぜ煮:豆,カボチャ,イナキビの粉,シコロの実などいろいろな物を混ぜて煮た物. ①エモ ラタㇱケㇷ゚=ジャガイモの寄せ煮.エント ラタㇱケㇷ゚=青エンドウ豆の寄せ煮などいろいろな物を寄せ集めて煮て,塩で味つけをし,イワシ油をたっぷり入れてから上げる.白糠地方のアイヌは,チョスケㇷ゚(それらを入れて煮る物)という.②トアン ポンメノコ ラタㇱケㇷ゚ ネ ノイネ ア・コホヨイセ パㇰノ ピㇼカ ルウェ ルㇱカレウン=あの娘は混血児らしくふるいつきたくなるような美人だこと,よかったねー.*アイヌ語の中でも隠語のひとつ.本来ラタㇱケㇷ゚というのは混ぜ煮のことだが,混ざるという言葉にかけたもの.大抵のアイヌはその意味を知っているし普通に用いられた. (出典:萱野、方言:沙流)
rataskep
ラタㇱケㇷ゚ 【rataskep】 混血児〔隠語〕:人種の違う男女のあいだに生まれた子供に両方の特徴が混じること. ①エモ ラタㇱケㇷ゚=ジャガイモの寄せ煮.エント ラタㇱケㇷ゚=青エンドウ豆の寄せ煮などいろいろな物を寄せ集めて煮て,塩で味つけをし,イワシ油をたっぷり入れてから上げる.白糠地方のアイヌは,チョスケㇷ゚(それらを入れて煮る物)という.②トアン ポンメノコ ラタㇱケㇷ゚ ネ ノイネ ア・コホヨイセ パㇰノ ピㇼカ ルウェ ルㇱカレウン=あの娘は混血児らしくふるいつきたくなるような美人だこと,よかったねー.*アイヌ語の中でも隠語のひとつ.本来ラタㇱケㇷ゚というのは混ぜ煮のことだが,混ざるという言葉にかけたもの.大抵のアイヌはその意味を知っているし普通に用いられた. (出典:萱野、方言:沙流)
ratcako
ラッチャコ 【ratcako】 灯明台.灯,灯火:灯明台はカスㇷ゚ニ(エリマキ)とアッケテㇰ(ホタテガイ)を組み合わせて作る. (出典:萱野、方言:沙流)
ratcako kar
ラッチャコ カㇻ 【ratcako kar】 あかりをつける. (出典:萱野、方言:沙流)
ratci
ラッチ 【ratci】 (汲んでおいたのが濁りが沈んで)澄む,穏やかな,静かな. (出典:萱野、方言:沙流)
ratcire
ラッチレ 【ratci-re】 (澱粉などを)沈める. (出典:萱野、方言:沙流)
ratcitara
ラッチターラ 【ratcitara】 静かに,ゆったり,ゆっくり. セタッコ ソモ ウヌカㇻ・アン タント アナㇰネ アㇷ゚ト カ アㇱ ヒクス ラッチタラ ウウェネウサㇻ・アン エアㇱカイ=しばらく会っていなかったので今日は雨降りでもあるし,静かに四方山話をすることができる. (出典:萱野、方言:沙流)
ratneratne
ラッネラッネ 【rat-ne-rat-ne】 ぬるぬるする. ニペㇱ ウォㇿ ア・オ トゥッコ レㇾコ ネ コㇿ ラッネラッネ. アㇻワント パㇰノ ネ コㇿ ラトゥフトゥイ ペ ネ ネ ヒ タ ア・ヤンケ ワ ア・フライェ ワ ア・サッケ ㇷ゚ ネ=シナ皮を水にうるかし二日か三日するとぬるぬるする.八日ぐらいするとぬめりがきれる,その時水から上げて洗って乾かすものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ratun
ラートゥン 【ratun】 7人:人数を数える時. *昭和年月日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
raunkut
ラウンクッ 【ra-un-kut】 女の守り紐:長さは二尋半とされており,針ほどの細い糸(ツルウメモドキの皮の繊維)を8本で編んである.別の言い方でメノコウㇷ゚ソㇿ(女の懐・女の懐紐)ということもある.下腹部の素肌に巻きつけてあり,夫以外の者に手を触れさせてはならない. (出典:萱野、方言:沙流)
raunyaynu
ラウンヤイヌ 【raun-yaynu】 結核.▷ラウン=底 ヤイヌ=病気 →表から見えない底にある病気 *沙流川筋へ肺結核が持ち込まれたのは明治も終わりに近くなって平取本町のあるアイヌの所へ持って来た1枚の古着から始まったと聞いたことがある.聞かせてくれたのは鹿戸まりやさん,昭和年代でぐらいの方でした. (出典:萱野、方言:沙流)
raw
ラウ 【raw】 底. (出典:萱野、方言:沙流)
rawe
ラウェ 【rawe】 望む. ラウェ ㇷ゚ ネ クス=望んでいることなので. (出典:萱野、方言:沙流)
rawekatta
ラウェカッタ 【raw-ekatta】 (さっと水の中へ)引っぱり込む:油断させておいて,えいっとばかり相手を水の中に引っぱり込むこと.▷ラウ=底 エ=それ カッタ=さっと,とっさに (出典:萱野、方言:沙流)
rawkemina
ラウケミナ 【rawke-mina】 含み笑い,ほほえむ,微笑する. (出典:萱野、方言:沙流)
rawkesapse
ラウケサㇷ゚セ 【rawke-sapse】 含み舌打ち. (出典:萱野、方言:沙流)
rawkisakno
ラウキサㇰノ 【raw-ki-sak-no】 ふくみ心なく,下心なく,自分の利益を考えずに. ▷ラウ=下,底 キ=する サㇰノ=ない(補遺編)▷ラウ=下,底 キ=する サㇰノ=ない (出典:萱野、方言:沙流)
rawkotap
ラウコタㇷ゚ 【raw-ko-tap】 抱え込む,深々と抱く. (出典:萱野、方言:沙流)
rawkuske
ラウクㇱケ 【raw-kus-ke】 潜る,潜らせる. オトゥ イワン スイ オレ イワン スイ ア・ラウクㇱケレ=何回も何十回も水に潜らせた(まじないのための言葉). (出典:萱野、方言:沙流)
rawne
ラウネ 【rawne】 深い. (出典:萱野、方言:沙流)
rawneno
ラウネノ 【rawne no】 深く. エモプ ラウネ ノ オウリ ワ アヌ. シㇼクンネ エトㇰタ エモ ア・オマレ ナ=ジャガイモを入れる穴を深く掘っておけ.暗くなる前にジャガイモを入れるので.エモ アエトイタ ヒ タ アナㇰネ クロホ ラウネ ノ ア・カㇻ ペ ネ. ソモ ヤクン エモ ウェン ペ ネ=ジャガイモを蒔く時は畝を深くするものだ,そうしないとジャガイモがよくないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
rawnepinay
ラウネピナイ 【rawne pinay】 深い谷川. (出典:萱野、方言:沙流)
rawnetokpa
ラウネトㇰパ 【rawne-tokpa】 深くつつく,深くつつかれる. ヘマンタ オコッコチカㇷ゚ イラウネトㇰパ イカシレトㇰパ=何やら怪鳥が私を深くつつき浅くつつき. *ポンヤウンペが怪鳥につつかれている[ユ].(補遺編) ヘマンタ オコッコチカㇷ゚ イ・ラウネトㇰパ イ・カㇱレトㇰパ=何やら怪鳥が私を深くつつき浅くつつき.*ポンヤウンペが怪鳥につつかれている〔ユ〕. (出典:萱野、方言:沙流)
rawnkuttom
ラウンクットㇺ 【rawn-kuttom】 喉の奥から絞り出すような声. ウパレㇰテ エカシ エアㇻキンネ ラウンクットㇺ エアㇱカイ ペ エン ア ワ=ウパレㇰテおじいさんは喉の奥から声を出すのがとても上手な方であった.*サケハウともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
rawoahun
ラウォアフン 【raw-o-ahun】 沈んで行く,潜って行く. (出典:萱野、方言:沙流)
rawomap
ラウォマㇷ゚ 【ra-oma-p】 梁,うけ. (出典:萱野、方言:沙流)
rawopop
ラウォポㇷ゚ 【raw-o-pop】 底煮たり:鍋を火にかけてもなかなか煮立って来ない. (出典:萱野、方言:沙流)
raworer
ラウォレㇾ 【raw-o-rer】 沈む. (出典:萱野、方言:沙流)
raworerka
ラウォレㇾカ 【raw-o-rer-ka】 沈める. (出典:萱野、方言:沙流)
rawosma
ラウォㇱマ 【raw-osma】 飛び込む,飛んで潜る. ②オオオオ ヌカㇻ ヤン ヌカㇻ ヤン ウカ カ ペカ ユㇰ ホユプ ペ ラウォㇱマ ランケ ラウェオㇱマ ランケ コㇿ アン ナ. ネワアンペ ヌカㇻ アチャポ ネㇷ゚キ エホㇺトㇺネ ㇷ゚ソヨテㇾケ=あれあれあれあれ,見なさい見なさい,堅雪の上を鹿が走ったのにぬかりぬかりしているよ.それを見たおじさん,仕事の途中なのにさっと外へ飛び出して行った. (出典:萱野、方言:沙流)
rawosma
ラウォㇱマ 【raw-osma】 ぬかる. (出典:萱野、方言:沙流)
rawoterke
ラウォテㇾケ 【raw-o-terke】 (水に)飛んで潜る. (出典:萱野、方言:沙流)
rawraw
ラウラウ 【rawraw】 コウライテンナンショウ〔植〕. マキㇷ゚ ヌマン ワノ ク・コッカサパ キロウㇱケ アㇻカ ワ ク・モコㇿ カ エアイカㇷ゚ ラウラウ ヘネ アン ヤㇰ ク・シㇼシル ワ ク・コトゥッカ ルスイ=どうしたのか昨日から私の膝の関節が痛くて眠ることもできない,テンナンショウでもあれば擦り下ろして貼りたいものだ(熱を下げる薬になる).*ケナㇱ カ タ フレ コンチ コㇿ ペ ヘマンタ アーン?(原っぱで赤い帽子をかぶっているものはなあに?)というなぞなぞがある.答えはラウラウ.秋になると頭の方が赤くなる.別名へびのたいまつ.球根は大きい玉葱くらいで焼いて食べられるが湿地に生えているものは毒がある.焼いた時に毛根の所の黄色い部分は捨てなければならない.その部分を食べると中毒する. (出典:萱野、方言:沙流)
ray
ライ 【ray】 死,死ぬ,逝く. (出典:萱野、方言:沙流)
ray
ライ 【ray】 ひどく,大きい大きい. ウクラン チェㇷ゚ルㇽ ネ ヤ アシㇼ シプㇱケㇷ゚メシ ネ ヤ ライ ク・キロンヌ パㇰ ノ ク・エ クンネイワ イペ ク・エ カ エトランネ=昨夜魚汁とか新しいイナキビご飯とか.それはそれは腹いっぱいに食べたので朝食は食べるのもいやだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ray oka ta
ライ オカ タ 【ray oka ta】 死後. (出典:萱野、方言:沙流)
ray or pakno
ライ オㇿ パㇰノ 【ray or pak no】 死ぬまで,死んだ後まで,死んでからも. (出典:萱野、方言:沙流)
ray pekor iki
ライ ペコㇿ イキ 【ray pekor iki】 死んだふりをする. (出典:萱野、方言:沙流)
ray'uske
ライウㇱケ 【ray-uske】 死んだ所. (出典:萱野、方言:沙流)
raycep/raycepi(hi)
ライチェㇷ゚/ライチェピ(ヒ) 【ray-cep/-cepi(hi)】 動物の)死体,死骸. ①ク・アキ ポンノ ホㇱキ ネㇷ゚カ ウェン フラ ソモ エ・ヌ ヤ. ネㇷ゚カ ライチェㇷ゚ アン ヒ ソモ ネ ヤ=弟よ少し待ってくれ.何か悪いにおいがしないかい,何かの死体があるのではないだろうか.オッコ オッコ ソイネ ワ インカㇻ トオㇷ゚ ペッ イクㇱタ パㇱクㇽ ウコトイセ ワ オカ. ネㇷ゚カ ライチェピヒ アン ワ ソモ ネ ウン=姉さん姉さん,外へ出て見て,ずうっと川の向こうで烏が集まっている.何かの死体があるのではないだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
raycep/raycepi(hi)
ライチェㇷ゚/ライチェピ(ヒ) 【ray-cep/-cepi(hi)】 のたれ死に,犬死に. ①ク・アキ ポンノ ホㇱキ ネㇷ゚カ ウェン フラ ソモ エ・ヌ ヤ. ネㇷ゚カ ライチェㇷ゚ アン ヒ ソモ ネ ヤ=弟よ少し待ってくれ.何か悪いにおいがしないかい,何かの死体があるのではないだろうか.オッコ オッコ ソイネ ワ インカㇻ トオㇷ゚ ペッ イクㇱタ パㇱクㇽ ウコトイセ ワ オカ. ネㇷ゚カ ライチェピヒ アン ワ ソモ ネ ウン=姉さん姉さん,外へ出て見て,ずうっと川の向こうで烏が集まっている.何かの死体があるのではないだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
rayciskar
ライチㇱカㇻ 【ray-cis-kar】 人が死んだ時の泣き声.▷ライ=死 チㇱ=泣く カㇻ=作る *死体の側で泣く. (出典:萱野、方言:沙流)
raye
ライェ 【raye】 撫でる. (出典:萱野、方言:沙流)
raye
ライェ 【raye】 歩を運ぶ. カムイ ネ クス コラチ アン クㇽ アウナライェ=神であるそれらしい方が家の中へ歩を運ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
rayehanke
ライエハンケ 【ray-e-hanke】 近いうちに死ぬ.▷ライ=死ぬ エ=それ ハンケ=近い (出典:萱野、方言:沙流)
rayetokoyki
ライエトコイキ 【ray-etok-oyki】 死ぬ準備(をする). *アイヌの老人たちはさりげなく死のための準備をする. (出典:萱野、方言:沙流)
rayhepututu
ライヘプトゥトゥ 【ray-hepututu】 ぷんとする. (出典:萱野、方言:沙流)
rayhocikacika
ライホチカチカ 【ray-ho-cika-cika】 手足をひどくばたつかせる. ア・コㇿ クチャチセ タ アㇻパ・アン アクス チロンヌㇷ゚ シネレㇷ゚ アン ワ イ・コテㇾケ ア・シレカッタ アクス ライホチカチカ ライ ルウェ ネ=私の狩小屋へ行くと狐が人間に化けていて私に取っ組んできたので大地へ叩きつけると手足をばたつかせ死んでしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
rayhoketu
ライホケトゥ 【ray-hoketu】 えいっと飛ぶ,(さっと)走り去る. (出典:萱野、方言:沙流)
rayhotuypa
ライホトゥイパ 【ray-hotuypa】 叫ぶ,大声で人を呼ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
raykamuy
ライカムイ 【ray-kamuy】 幽霊. (出典:萱野、方言:沙流)
rayke
ライケ 【ray-ke】 殺す. エネ ウェンプリコㇿ ハウェ ネ ヤㇰ アナㇰネ カムイ オㇿワ ア・ライケ エアシㇼ キ ナンコㇿ ワ=そのような悪事をしたのであれば神の方から殺されるでありましょうよ.イヨハイシトマレ エ・ヌ ア. アッチェウン オルㇱペ ネ コㇿカ アフㇷ゚カㇻ ワ レス ヤㇰ ア・イェ ポンペ キッキㇰ ワ ライケ ヤㇰ ア・イェ=本当にたまげたことだが聞いたかい.よその話だが貰って育てていた子供を叩いて殺したということだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
raykeanki
ライケアンキ 【rayke anki】 半殺し.殺しそうだ,殺すかも.▷ライケ=殺す アンキ=そうに (出典:萱野、方言:沙流)
raykepa
ライケパ 【raykepa】 殺す〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
raykere
ライケレ 【rayke-re】 殺させる. (出典:萱野、方言:沙流)
raykewehe
ライケウェヘ 【ray-kewehe】 死んだ体,死人,屍.▷ライ=死 ケウェヘ=死体 (出典:萱野、方言:沙流)
raykeyar
ライケヤㇻ 【rayke-yar】 殺させる. (出典:萱野、方言:沙流)
raykirirse
ライキリㇼセ 【ray-kirirse】 死ぬほどの叫び声(をあげる). ポンペ キンラカㇻ ワ ホタッパタッパ コㇿ ライキリㇼセ,ウヌフ ネ ヤ サハ ネ ヤ ネユン オマオマ ヤッカ ア・コアナサㇷ゚=幼児が猛り立ったように手足をばたつかせて泣き叫び.母や姉がどのようにあやしても手余しした.ウェン セタ イ・エミㇰ タネタネ イ・クパパ ノイネ イキ クス ア・シㇼコオテㇾケ アクス ライキリㇼセ コㇿ キラ=犬が私に吠えながら今にも噛みつきそうなので蹴飛ばしたらきゃんきゃん言って逃げた. (出典:萱野、方言:沙流)
raykootetterke
ライコオテッテㇾケ 【ray-ko-otetterke】 踏みにじる. (出典:萱野、方言:沙流)
raykoraci
ライコラチ 【ray koraci】 死ぬ思いで,やっとの思いで,ようやくのこと. (出典:萱野、方言:沙流)
raykotenke
ライコテンケ 【ray-ko-tenke】 泣き騒ぐ. ハポオハイ ライコテンケ=母さーんと泣き騒ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
raykoyaykuspe
ライコヤイクㇱペ 【ray-koyaykus-pe】 死ぬことのできないもの. (出典:萱野、方言:沙流)
raykur
ライクㇽ 【ray-kur】 死人. (出典:萱野、方言:沙流)
raykurhos
ライクㇽホㇱ 【raykur-hos】 死人用脚半:木綿(白地の切り伏せ)製. (出典:萱野、方言:沙流)
raykurkarop
ライクㇽカロㇷ゚ 【raykur-karop】 死人用火打ち用具入れ(葬具). (出典:萱野、方言:沙流)
raykurkeri
ライクㇽケリ 【raykur-keri】 死人用靴:木綿,シナ皮の細紐で編む. (出典:萱野、方言:沙流)
raykurkoasni
ライクㇽコアㇱニ 【raykur-ko-as-ni】 墓標. (出典:萱野、方言:沙流)
raykursiyuk
ライクㇽシユㇰ 【raykur-siyuk】 死装束. (出典:萱野、方言:沙流)
raykurtar
ライクㇽタㇻ 【raykur-tar】 死人用背負い縄. (出典:萱野、方言:沙流)
raykurtekunpe
ライクㇽテクンペ 【raykur-tekunpe】 死人用手甲. (出典:萱野、方言:沙流)
raymik
ライミㇰ 【raymik】 挨拶,女の礼拝. *左手の人差し指に右手の人差し指をそっと添えて,その右人差し指を鼻の下にあて,左から右へすっと擦る(アイヌ婦人の挨拶の仕方). (出典:萱野、方言:沙流)
raynottarara
ライノッタララ 【ray-not-tarara】 ぐいっとばかり頭をもたげる. ▷ライ=ぐいっと ノッタララ=頭を上げた,陰茎を立てた *『カムイユカㇻと昔話』181頁の中の「消えたちんちん」の一節.(補遺編)▷ライ=ぐいっと ノッタララ=頭を上げた,陰茎を立てた *『カムイユカラと昔話』頁の中の「消えたちんちん」の一節. (出典:萱野、方言:沙流)
rayoci
ラヨチ 【rayoci】 虹. エカイラヨチ=屈曲した虹[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
rayokata
ラヨカタ →ライ オカ タ (出典:萱野、方言:沙流)
rayoki
ラヨキ 【rayoki】 シラミ,毛ジラミ. (出典:萱野、方言:沙流)
rayorpakno
ラヨㇿパㇰノ →ライ オㇿ パㇰノ (出典:萱野、方言:沙流)
rayparaparak
ライパラパラㇰ 【ray-paraparak】 泣き叫ぶ.▷ライ=死ぬ パラパラㇰ=泣く →死ぬほどに泣いているということ (出典:萱野、方言:沙流)
raypasirota
ライパㇱロタ 【ray-pas(i)rota】 高い声で怒る. ペッパルㇽ トㇱカ カ タ ヘカッタㇻ ウオプトゥイパ コㇿ ク・ハㇰマハㇰマ ク・ライパㇱロタ ヤッカ ヌ シリ カ イサンパ=川の縁の一段高い所で子供たちが押し合いへしあいしている,それを見て私はひやひやして高い声で怒っても(子供たちは)聞いた様子もない. (出典:萱野、方言:沙流)
rayrup/rayrupi(hi)
ライルㇷ゚/ライルピ(ヒ) 【ray-rup/ray-rupi(hi)】 大群. シプㇱケㇷ゚ トイ オㇿ タ アマメチカッポ ライルピヒ オカ スマ アニ ア・ピイェカㇻ アクス キラ パ ルウェ ネ=イナキビ畑にスズメの群れがいたので石をぶつけると逃げて行った. (出典:萱野、方言:沙流)
raysicupupu
ライシチュププ 【ray-si-cupupu】 身を縮める. マラㇷ゚ト オカ タ ラッチタラ ウウェネウサㇻパ コㇿ オカ アㇷ゚ ネ クスネ ヤ ウパウレ コㇿ オカ アㇷ゚ シネン マッコサンパ ウコテㇾケ パ. ソンノ チカッポ パㇰノ ク・ヤイヌ ク・ライシチュププ=宴の後に静かに四方山話をしていたのにどうしてか激しい言い合いになった,ひとりがさっと立ち上がり取っ組み合いになった,私は本当にスズメくらいの心になって身を縮めていた. (出典:萱野、方言:沙流)
raysonapi
ライソナピ 【ray-sonapi】 大盛り. ア・コㇿ クㇱネ メノコ オㇿ タ アㇻパ・アン アクス ピㇼカ メシ スパ ヒネ ライソナピヒ イ・コイプニ. ソナピ アㇻケ ア・コルッルトゥ=結婚することになっている女の所へ私が行くとおいしいご飯を炊いて大盛りの飯を私にくれた,大盛り飯の半分を女の方へ押しやった.*結婚式の印にひとつのお椀に飯を盛って婿さんが半分食べて残り半分を女に渡した(食べてくれれば結婚してもいいという意志表示になる). (出典:萱野、方言:沙流)
rayta
ライタ 【rayta】 草の実. (出典:萱野、方言:沙流)
raytopaha
ライトパハ 【ray-topaha】 たくさんの群. (出典:萱野、方言:沙流)
raytoska
ライトㇱカ 【ray-toska】 多量.たくさんの,山ほどの. (出典:萱野、方言:沙流)
raytukap
ライトゥカㇷ゚ 【ray-tukap】 死霊. アイヌ ライトゥカㇷ゚ カリ ヤㇰ ア・イェ ナ. クンネ イテキ ソイネ ヤン=人間の死霊が徘徊しているという.夜は絶対に外へ出るな. (出典:萱野、方言:沙流)
raytukunne
ライトゥクンネ 【ray-tukunne】 死ぬほどしびれた,ひどくしびれた. (出典:萱野、方言:沙流)
re
レ 【re】 三つ(の) (出典:萱野、方言:沙流)
re
レ 【re】 させる,られる. カレ=作らせる.エレ=食べさせる.モコレ=眠らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
re/re(he)
レ/レ(ヘ) 【re/re(he)】 名前. (出典:萱野、方言:沙流)
reeretpo
レーレッポ 【reeretpo】 ゴミ虫.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
rehot
レホッ 【re-hot】 60. (出典:萱野、方言:沙流)
rehotnen
レホッネン 【re-hotnen】 60人. (出典:萱野、方言:沙流)
rek
レㇰ 【rek】 さえずる,鳴く. クスイェㇷ゚ エネ レㇰ ヒ "クスイェㇷ゚ トイタ フチ ワッカタ カッケマッ スケ ポントノ イペ"=山鳩がさえずる声は「山鳩が畑を耕し,おばあさんが水を汲み,淑女が煮炊きをし,若殿が食べる」.*私萱野茂の父親は,アレㇰアイヌ(ア・座る レㇰ・さえずる アイヌ・人 →座ってしゃべる人,雄弁な人)という名であった. (出典:萱野、方言:沙流)
rek (ka) sak kur
レㇰ (カ) サㇰ クㇽ 【rek (ka) sakkur】 髭のない人. (出典:萱野、方言:沙流)
rek'us
レㇰウㇱ 【rek-us】 髭が生える. (出典:萱野、方言:沙流)
rek/reki(hi)
レㇰ/レキ(ヒ) 【rek/reki(hi)】 髭. (出典:萱野、方言:沙流)
reka
レカ 【reka】 ほめる.たたえる. エネ アレカ ヒ カ イサㇺ=どのようにほめればよいかほめる言葉もない. (出典:萱野、方言:沙流)
rekihimemke
レキヒメㇺケ 【rekihi-memke】 髭剃り.▷レキヒ=髭 メㇺケ=剃る (出典:萱野、方言:沙流)
rekihiresu
レキヒレス 【rekihi-resu】 髭を伸ばす.▷レキヒ=髭 レス=育てる,成長させる (出典:萱野、方言:沙流)
rekisarussu
レキサルッス 【re-kisar-us-su】 三つの耳つきの大鍋. (出典:萱野、方言:沙流)
rekisnunupe
レキㇱヌヌペ 【re-kisnu-nupe】 三つの湿った涙. トゥキㇱヌヌペ レキㇱヌヌペ アヤイコランケ=ふたつの湿った涙,三つの湿った涙,私自身が落とした.(補遺編) トゥキㇱヌヌペ レキㇱヌヌペ ア・ヤイコランケ=ふたつの湿った涙,三つの湿った涙,私自身が落とした. (出典:萱野、方言:沙流)
rekkisara
レッキサラ 【rek-kisara】 もみあげ. ▷レッ=髭 キサㇻ=耳,髭の耳(補遺編)▷レㇰ=髭 キサラ=耳,髭の耳 (出典:萱野、方言:沙流)
rekkurpo ka carehayta
レックㇽポ カ チャレハイタ 【rek-kur-poka c-ar-ehayta】 髭もそろっていない若者.▷レㇰ=ひげ クㇽ=影 ポカ=ばかりも チ=それ アㇻ=全く エハイタ=足りない (出典:萱野、方言:沙流)
rekkuttar
レックッタㇻ 【rek-kuttar】 ヨブスマソウ. (出典:萱野、方言:沙流)
rekmamatu cearhaytare
レㇰママトゥ チェアㇻハイタレ 【rek-mamatu ci-e-ar-hayta-re】 髭の生え方が今一歩,髭の生え揃っていないこと. ▷レㇰ=髭 ママトゥ=生え方 チェ=それ アㇻ=全く ハイタレ=足りない *髭の生え揃っていない若者(ユ).(補遺編)▷レㇰ=髭 ママトゥ=生え方 チェ=それ アㇻ=全く ハイタレ=足りない *髭の生え揃っていない若者〔ユ〕. (出典:萱野、方言:沙流)
rekte
レㇰテ 【rekte】 鳴らす. (出典:萱野、方言:沙流)
rekuciiyun
レクチイユン 【rekuci-iyun】 喉づまり(する). ア・ミッポホ レクチイユン ワ ライキマテㇰ・アン. アウン フチ イコトゥナㇱ ネユンネユン ア・カㇻ アイネ アトゥ クスケライ ア・シㇰヌレ=私の孫が喉に物をつまらせて私は死ぬほど驚いた.隣の婆さんがすばやく助けに来てくれていろいろと手当てをして戻したお陰で生かすことができた. (出典:萱野、方言:沙流)
rekucikayayse
レクチカヤイセ 【rekuci-kayayse】 喉が鳴る,喉鳴り.▷レクチ=喉 カヤイセ=鳴る フンナ サケ コㇿ ワ エㇰ ワ ク・ク クス ク・レクチカヤイセ フミ アン=誰が酒を持って来て私が飲むために喉鳴りがするのだろうか.*喉鳴りがするのは誰かが酒を持って来て酒を飲める前兆. (出典:萱野、方言:沙流)
rekut kasi koikatara
レクッカシ コイカタラ 【rekutkasi ko-i=katara】 首の上にそれをあふれさせて. ピリカメノコ モナㇰピリカㇷ゚ レクッカシ コイカタラ=美しい女はそうでなくても美しいのに,首の上(胸の上)にそれがあふれるほど,タマサイという首飾りをつけている.(補遺編) ピㇼカ メノコ モナㇰ ピㇼカ ㇷ゚ レクッカシ コイカタラ=美しい女はそうでなくても美しいのに,首の上(胸の上)にそれがあふれるほど,タマサイという首飾りをつけている. (出典:萱野、方言:沙流)
rekut/rekuci(hi)
レクッ/レクチ(ヒ) 【rekut/rekuci(hi)】 喉,首. (出典:萱野、方言:沙流)
rekutunpe
レクトゥンペ 【rekut-un-pe】 首飾り:コンカネ(鋼).クンネセンカキ(黒い木綿布)などで作る. (出典:萱野、方言:沙流)
ren
レン 【ren】 沈む. (出典:萱野、方言:沙流)
ren
レン 【ren】 3人. レニウネ=3人で. (出典:萱野、方言:沙流)
ren ikasma waniw
レン イカㇱマ ワニウ 【ren ikasma waniw】 13人. (出典:萱野、方言:沙流)
rena=ne
レナネ 【ren a=ne】 3人. (出典:萱野、方言:沙流)
reniwne
レニウネ 【reniw ne】 3人で. (出典:萱野、方言:沙流)
renka
レンカ 【renka】 沈める. (出典:萱野、方言:沙流)
renka
レンカ 【renka】 望み,希望. フチ オンネ エトㇰタ エネ ハワニ ムニンニ ホラㇰ コラチ パハウ サㇰノ ク・オンネ オカ シコㇿ パテㇰ ハウェアン ペ ネ アクス レンカピ コラチ オンネ コタン エウン ウタㇻ ウウェカㇻパ ア・エトゥシㇼ カㇻ ペ ネ ア ワ=祖母が死ぬ前に言っていた言薬は朽ち木が倒れるように噂もなく死にたいものだ,とばかり言っていたものであったが希望通りに死んだ,村人全部が集まって埋葬してくれたものだったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
renkap
レンカㇷ゚ 【renka-p】 希望. レンカㇷ゚ ネ クス=本人が希望することなので(好きなようにさせておけ). (出典:萱野、方言:沙流)
renkayne
レンカイネ 【renkay-ne】 勝手に,好きなように,思召し(により). (出典:萱野、方言:沙流)
renna
レンナ 【renna】 3人:人数を数える時に言う言葉. *昭和年月日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
renuspe
レヌㇱペ 【ren-us-pe】 三つ星(オリオン座),棒杵星.イユタニノチュー (出典:萱野、方言:沙流)
reokneiporo
レオㇰネイポロ 【re-ok-ne-iporo】 三つの憂い顔. トゥオㇰネイポロ レオㇰネイポロ=ふたつの憂い顔,三つの憂い顔.(補遺編) トゥオㇰネイポロ レオㇰネイポロ=ふたつの憂い顔,三つの憂い顔. (出典:萱野、方言:沙流)
rep
レㇷ゚ 【rep】 三つ. (出典:萱野、方言:沙流)
rep ikasma wanpe
レㇷ゚ イカㇱマ ワンペ 【rep ikasma wanpe】 13. (出典:萱野、方言:沙流)
rep/repke(he)
レㇷ゚/レㇷ゚ケ(ヘ) 【rep/repke(he)】 沖. (出典:萱野、方言:沙流)
rep/repke(he)
レㇷ゚/レㇷ゚ケ(ヘ) 【rep/repke(he)】 炉の中心. (出典:萱野、方言:沙流)
repa
レパ 【repa】 沖漁.漁. (出典:萱野、方言:沙流)
repacip
レパチㇷ゚ 【repa-cip】 交易船. ニサッタ ノシㇼクンネイワ ウイマメアㇻパ・アン ルスイ クス ア・サッサトゥワ アン ア チホキ レパチㇷ゚ オㇿ ア・オマレ=明日,朝の暗いうちから交易に行きたいので,乾かしてあった毛皮を交易船に入れた.ア・オ ワ アン ポン レパチㇷ゚ ネンカ イ・エトㇰ ワ エタイェ ペコㇿ カンペ クㇽカ エチャラㇻセ=私が乗っている小さな交易船,誰かが前の方から引っぱるように水面を滑っている[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
repnaoske
レㇷ゚ナオㇱケ 【repna-oske】 三つ編み(にする). (出典:萱野、方言:沙流)
repni
レㇷ゚ニ 【rep-ni】 拍子棒:ユカㇻをする時に手に持つ棒のこと. ホクエレㇷ゚ ソモ ア・キ ㇷ゚ ネ=夫がユカㇻをする時に妻はレㇷ゚ニを持ってはならないことになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
repnihat
レㇷ゚ニハッ 【repni-hat】 赤ブドウ:チョウセンゴミシ〔植〕. エ・オㇺケカㇻ ワ ヘ. マキㇷ゚ エ・オピオ. オピオ・アン ヒ タ レㇷ゚ニハッ プンカㇻ ア・ポㇷ゚テ ワ ウウェヘ ア・ク コㇿ ナニ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=お前は風邪をひいたのか.どうして声がかれている,声がかれた時は赤ブドウ(チョウセンゴミシ)のつるを煎じてその汁を飲むとすぐよくなるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
repo
レポ 【rep-o】 沖にある. (出典:萱野、方言:沙流)
repo
レポ 【rep-o】 炉の中心にある. (出典:萱野、方言:沙流)
repoiramante
レポイラマンテ 【rep-o-iramante】 沖漁をする. レポイラマンテ・アン クス チㇷ゚ ア・オ ワ アㇻパ・アン アクス アッコㇿカムイ シプステㇰテㇰ ヤニ ア・イ・ライケ=沖漁をすると思って舟に乗って沖へ出ると,タコがさっと浮き上がってきて危なく私は殺されそうになった[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
repoparse
レポパㇻセ 【rep-o-parse】 遭難する. (出典:萱野、方言:沙流)
repotpe
レポッペ 【rep-ot-pe】 海にいるもの:海にいる魚類の総称をいう.▷レㇷ゚=沖 オッ=いる ペ=もの. (出典:萱野、方言:沙流)
reptacikoykip
レㇷ゚タチコイキㇷ゚ 【rep ta cikoykip】 沖の獲物. (出典:萱野、方言:沙流)
repun
レプン 【rep-un】 沖へ. (出典:萱野、方言:沙流)
repun cikoykip
レプン チコイキㇷ゚ 【repun cikoykip】 海の獣. (出典:萱野、方言:沙流)
repun iwor
レプン イウォㇿ 【repun-iwor】 漁場:行きつけの海とその漁場. (出典:萱野、方言:沙流)
repunkamuy
レプンカムイ 【repun kamuy】 シャチ. (出典:萱野、方言:沙流)
repunkur
レプンクㇽ 【rep-un-kur】 外国人.外人.▷レプン=沖の クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
repunmosir
レプンモシㇼ 【repun-mosir】 沖の方の島.外国.▷レㇷ゚=沖 ウン=ある モモシㇼ=島 (出典:萱野、方言:沙流)
repunsir
レプンシㇼ 【repun-sir】 沖の島. (出典:萱野、方言:沙流)
repunsiratki
レプンシラッキ 【rep-un-siratki】 アホウドリ,アホウドリの頭の神. (出典:萱野、方言:沙流)
rer
レㇾ 【rer】 沈む. ホクレ ホユプ ワ アㇻパ. アパ レㇾ ワ アン ノイネ. チェㇷ゚ ア・ウㇰ エアㇱカイ ナ=早く走って行け.浮標が沈んでいるように見える.サケが獲れそうだぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
rer wa isam
レㇾ ワ イサㇺ 【rer wa isam】 沈んでしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
rera
レラ 【rera】 買う. アㇻパ レラ アウ エㇰ=行って買って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
rera
レラ 【rera】 風. (出典:萱野、方言:沙流)
rera as
レラ アㇱ 【rera as】 風が吹く. (出典:萱野、方言:沙流)
rera isam
レラ イサㇺ 【rera isam】 風がやんだ. (出典:萱野、方言:沙流)
rera yupke
レラ ユㇷ゚ケ 【rera yupke】 (激しく)風が吹く. (出典:萱野、方言:沙流)
reraatkatu
レラアッカトゥ 【rera-at-katu】 風向き,病気流行の前兆. オヤコヤㇰ タ レラアッカトゥ ア・オヤモㇰテ ヤㇰ ア・イェ クス ハルエカムイノミ・アㇱ ルスイ クス ハル アフㇷ゚カㇻ クス ク・エㇰ ヒ ネ ワ=あちらこちらで風向きが(流行病に対しての別の言い方)不審というので穀物を持って神を祭りたいと思い穀物を貰いに私は来た.*貝澤なつさんが昭和年頃までそのように言いながら来てくれたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
rerakare
レラカレ 【rera-kare】 風にあてる. ヤイレラカレ=気分が悪い時など自分で外に出て風にあたる.*弔問に着て行った着物はすぐに家の中に入れずに外で物干しにかけて風にあてる. (出典:萱野、方言:沙流)
reraparu
レラパル 【rera-paru】 風で飛ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
rerar/rerari(hi)
レラㇻ/レラリ(ヒ) 【rerar/rerari(hi)】 胸,乳房. ケライ カッケマッ ネ クス レラㇻ カシ イカ カネ イムッ シリ ア・エラヤㇷ゚=さすが淑女であるだけに胸の上が溢れるほどに首飾りをし,感心なことよ. (出典:萱野、方言:沙流)
reraruy
レラルイ 【rera-ruy】 風が強い. (出典:萱野、方言:沙流)
rerasuye
レラスイェ 【rera-suye】 ゆらめく. (出典:萱野、方言:沙流)
reratasa
レラタサ 【rera-tasa】 向かい風. (出典:萱野、方言:沙流)
rerko
レㇾコ 【rerko】 三日. クンネ レㇾコ ノイワン レㇾコ トカㇷ゚レㇾコ ノイワン レㇾコ=夜の日三日,本当六つの三日,昼の日三日,本当六つの三日(長い日数や多い日数を表現).トゥッコ レㇾコ アン コㇿ イラマンテ クス ク・エキㇺネ ナ イユタ ワ ピㇼケㇷ゚ カㇻ ワ エン・コレ アニ=二日か三日したら狩のために私は山へ入るから搗き物をして精白をこしらえてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
respa
レㇱパ 【respa】 飼う,育てる〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
resu
レス 【resu】 育てる,養う,飼う.扶養,養育. ナ イワタラㇷ゚ ネ ラポㇰ タ ア・ホッパ ㇷ゚ ネ クス ネㇷ゚ ポカ ア・パㇻヌンヌンテ ワ ア・レス パㇱテッテㇾケ パㇰノ ポロ ルウェ ネ ワ=まだ赤子のうちに遺された者なのでいろいろな物を口移しにして育て,よちよち歩きするまでに大きくなったのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
resuy
レスイ 【re-suy】 3回. (出典:萱野、方言:沙流)
retar
レタㇻ 【retar】 白い,真っ白. ルレタㇻ=少し白い. (出典:萱野、方言:沙流)
retar umma
レタㇻ ウンマ 【retar-umma】 白馬. (出典:萱野、方言:沙流)
retarcironnup
レタㇻチロンヌㇷ゚ 【retar-cironnup】 白狐. (出典:萱野、方言:沙流)
retarka
レタㇻカ 【retar-ka】 晒す. (出典:萱野、方言:沙流)
retarpas
レタㇻパㇱ 【retar-pas】 灰:おきの上が白くなった状態をいう.灰のことはウナ. (出典:萱野、方言:沙流)
retarpe
レタㇻペ 【retar-pe】 白髪. (出典:萱野、方言:沙流)
retarsenkaki
レタㇻセンカキ 【retar-senkaki】 白布. (出典:萱野、方言:沙流)
retattatni
レタッタッニ 【retar-tat-ni】 シラカンバ.▷レタㇻ=白い タッ=カバ ニ=木  *女の刺青はシラカンバを燃やした煤で色をつけた. (出典:萱野、方言:沙流)
retattopeni
レタットペニ 【retar-tope-ni】 ソネ.▷レタㇻ=白い トペ=乳液 ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
reto
レト 【re to】 三日. (出典:萱野、方言:沙流)
rew
レウ 【rew】 とまる,小鳥が枝にとまる. (出典:萱野、方言:沙流)
rewancupkoni
レワンチュㇷ゚コニ 【re-wan-cup-koni】 三つの10か月が縮む,三つの10か月が過ぎるほど.何十か月も月が満月になったり縮んだりの長い年月.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
rewarewakkur
レワレワックㇽ 【rewa-rewak-kur】 弱々しい人,あまり頼れそうにない人. *神様がアイヌを助けに来る場合にそのように見えるという.普通の人にはこのような言い方はしないものである[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
rewe
レウェ 【rewe】 曲げる. タアン サㇰマ ルウェ ワ ア・レウェ エアイカㇷ゚ ナ ナ ポンノ アネ サㇰマ コㇿ ワ エㇰ=このカヤを押さえる柴は太くて曲げにくいからもっと細いカヤ押さえの柴を持って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
rewewse
レウェウセ 【rewewse】 たわむ. ウウェペケㇾ オㇿ タ アナㇰネ アテケカㇻペ カケンチャ レウェウセ カネ ア・アッテ シコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=昔話の中では刺繍した物が掛け棹がたわむほどに掛けてある,と描写されているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
rewke
レウケ 【rewke】 曲がる,曲がった. (出典:萱野、方言:沙流)
rewkemakiri
レウケマキリ 【rewke-makiri】 曲がった小刀. (出典:萱野、方言:沙流)
rewpa
レウパ 【rewpa】 曲げる〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
rewpare
レウパレ 【rewpa-re】 這わせる. イシㇰレウパレ=それに目を這わせる. (出典:萱野、方言:沙流)
rewsi
レウシ 【rewsi】 泊まる. アッチェ タ アㇻパ・アン レウシ・アン コㇿ ク・クンネアシン ク・エヤイランマルイェ=よそへ行って泊まると私は小便に起きるので気がひける. (出典:萱野、方言:沙流)
rewsire
レウシレ 【rewsi-re】 泊める. ク・イワㇰ クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ ク・レウシ ン アシネ アンチカㇻ エン・レウシレ=帰ろうと思ったが泊まる(ことにした)ので,一晩私を泊めてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
rewsiusi
レウシウシ 【rewsi-usi】 泊まる所. (出典:萱野、方言:沙流)
reye
レイェ 【reye】 這う. (出典:萱野、方言:沙流)
reyep
レイェㇷ゚ 【reye-p】 犬. *犬は普通セタと言う.やや丁寧に言う場合. (出典:萱野、方言:沙流)
reyereye
レイェレイェ 【reye-reye】 這いずる,よつんばい. (出典:萱野、方言:沙流)
ri
リ 【ri】 高い. ケウェリクㇽ=背の高い人. (出典:萱野、方言:沙流)
ri
リ 【ri】 伸びている. ウパㇱ カ ル ワ イサㇺ. イコパㇰサㇺ タ ネ ヤクン プクサ リ ナンコㇿ ナ アㇻパ ワ タ ワ エㇰ=雪もとけてしまった.日当たりにならばギョウジャニンニクが伸びているであろうから行って採って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ri
リ 【ri】 動物の皮を剥ぐ,むく. (出典:萱野、方言:沙流)
rik
リㇰ 【rik】 上,上の方へ. (出典:萱野、方言:沙流)
rik ta rik ta inkar
リㇰ タ リㇰ タ インカㇻ 【rik ta rik ta inkar】 高慢な態度(をとる).▷リㇰタリㇰタ=上の方を インカㇻ=見る イチェン コㇿ アクス リㇰタ リㇰタ インカㇻ ヘンパラ パㇰノ エネ イキ クニ コタヌン ウタㇻ ウコピヌピヌ コㇿ ア・エオヤイタㇰ コㇿ アン ヒ カ エランペウテㇰ ノ=少し小金を持ったからと肩で風を切って歩き,いつまであのようにできるかと村人がひそひそ話をしてあざけっているのも知らずに. (出典:萱野、方言:沙流)
rika
リカ 【rika】 鯨肉. (出典:萱野、方言:沙流)
rikaca
リカチャ 【rika-ca】 脂身を切る. エ・ヌ ア. ピㇱタ ポロ フンペ コイヤンケ ワ アン ヤㇰ ア・イェ. リカチャ クス アㇻパ・アン ロ=聞いたかい.浜に大きい鯨が漂着しているということだ.脂身を切りに行きましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
rikan
リカン 【rikan】 乾燥不足(である),湿気のある,湿る. アマㇺ カウレ コㇿ イユタ・アン ヤッカ ア・エニタン コㇿカ リカン コㇿ オラノ コネ ワ イサㇺ ペ ネ=穀物が乾燥していると搗き物をしてもしやすいけれども,乾燥不足だと砕けてしまうものだよ.リカンペ ア・オッケ コㇿ コネ ワ イサㇺ ペ ネ ナ. ナ トゥッコ レㇾコ カウレレ ワ ア・オッケ ロ=乾燥不足のまま搗くとこなれてしまうものだ.あと二日か三日乾燥させてから搗くことにしよう.*ヒエ粒,アワ粒.イナキビの粒などが十分に乾いていないこと.イナウ アナㇰネ オッカヨ ウタㇻ ケ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ピㇼカ イナウ ア・ケ ヒ アナㇰネ イナウネニ エイタサ ソモ ア・サッケ カウレ イナウネニ エイタサ ソモ ア・サッケ カウレ カㇱパ ヤッカ リカン カㇱパ ヤッカ ウェン ペ ネ ナ. エラムオカ ヤン アニ=                    イナウというものは男たちが削るもので,美しいイナウを削るのにはイナウを削る材料をあまり乾かしすぎないこと,乾かしすぎても湿りすぎても悪いものだ.覚えておいてね. (出典:萱野、方言:沙流)
rikani
リカニ 【rik-an-ni】 家を建てるときの柱から上の材料の総称.▷リㇰ=上 アン=ある ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
rikekatta
リケカッタ 【rik-ekatta】 上へさっと上げる. (出典:萱野、方言:沙流)
rikin
リキン 【rikin】 上がる. (出典:萱野、方言:沙流)
rikoraye
リコライェ 【ri-ko-raye】 上げる. エモ チ ヤ. パスイ エタラレ ワ インカㇻ チ ノイネ ネ ヤクン エチキキ ワ ス リコライェ ワ ヤンケ=ジャガイモが煮えたかい.箸を刺してみて煮えたようであれば煮汁を流して鍋を高くしてから上げろ. (出典:萱野、方言:沙流)
rikosinot
リコシノッ 【riko-sinot】 上へ遊ぶ,熊が人間を手鞠のように上へ投げては受け,投げては受けること. ▷リッ(リコ)=上 シノッ=遊ぶ(補遺編)▷リッ(リコ)=上 シノッ=遊ぶ (出典:萱野、方言:沙流)
rikpekahacir
リㇰペカハチㇼ 【rik-peka-hacir】 倒れる:人間がバタッと倒れる. (出典:萱野、方言:沙流)
rikpekaturse
リㇰペカトゥㇽセ 【rik-peka-turse】 転倒(する). オンネ・アン コㇿ ネ ア・エオコㇰペ カ ア・エランペウテㇰ ノ ニフㇺ トゥㇽセ ア・シコパヤㇻ リㇰペカトゥㇽセ・アン ペ ネ=年をとるとひっかかった物もわからずに木片が落ちるのと同じように転倒するものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
rikta
リㇰタ 【rik ta】 上に. (出典:萱野、方言:沙流)
rikun
リクン 【rikun】 上. (出典:萱野、方言:沙流)
rikun corka ranke corka
リクン チョㇿカ ランケ チョㇿカ 【rikun ci-ehorka ranke ci-ehorka】 上へ逆さに下へ逆さに.▷リクン=上へ チ=それ エホㇿカ=逆さま ランケ=下 チ=それ エホㇿカ=逆さま  *昭和年頃であったであろうか,金田一京助先生とユカㇻの和訳をしていたが,この「リクンチョㇿカ ランケチョㇿカ」がわからず家へ宿題として持ち帰り近所のおばあさんたちに教えてもらいに歩いた.荷負本村の黒川てしめさんが「リクン チエホㇿカ ランケ チエホㇿカ」といとも簡単に逐語訳をしてくれた.前後8年ほど金田一京助先生とのユカㇻ訳でふたりがかりで解けなかった言葉は後にも先にもこの言薬だけであった.ポンヤウンペというユカㇻの主人公が婚約者に裏切られ,その女の髪の毛を右手に巻きつけて振り回すと,女の体は上へ逆さに下へ逆さに宙を舞うという描写であった. (出典:萱野、方言:沙流)
rikunki
リクンキ 【rik-un-ki】 上の火棚の簀. イヨアイ ネ ナ イテキ シㇼ カ タ アヌ ノ リクンキ カ ウン ヌイナ ワ アヌ アニ=毒矢なので下に置かないで上の方の火棚の上へ隠しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
rikunkipipi
リクンキピピ 【rikun-kipipi】 上の方の破風,ユカㇻに出て来る城の破風. ▷リクン=上 キピピ=破風[ユ](補遺編)▷リクン=上 キピピ=破風〔ユ〕. (出典:萱野、方言:沙流)
rikunsuy
リクンスイ 【rik-un-suy】 煙出し穴:家の屋根棟木の両側にある三角の穴. (出典:萱野、方言:沙流)
rim
リㇺ 【rim】 波. (出典:萱野、方言:沙流)
rimimse
リミㇺセ 【rimimse】 叫び声. (出典:萱野、方言:沙流)
rimnatara
リㇺナタラ 【rim-natara】 響く. (出典:萱野、方言:沙流)
rimnurimnu
リㇺヌリㇺヌ 【rim-nu-rim-nu】 どすんどすん,地響きの音. (出典:萱野、方言:沙流)
rimruy
リㇺルイ 【rim-ruy】 時化. (出典:萱野、方言:沙流)
rimse
リㇺセ 【rimse】 踊り(を踊る):静内.旭川での言い方. (出典:萱野、方言:沙流)
rise
リセ 【rise】 抜く,むしる. トイ オㇿ タ ムンリセ・アン ヒ タ アマㇺコポイケ ワ ウェナマㇺ アン ナ イテキ オイラ ノ リセ アニ=畑で草を抜く時に普通のヒエに混ざって食べられないヒエがあるので忘れずに抜くのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
rispa
リㇱパ 【rispa】 引き抜く. ムン リㇱパ=草むしりをする.ク・オトピヒ リㇱパ=私の髪の毛をむしった.トイ オㇿ タ エモ オトイプッカ エトコ タ リ ムン リㇱパ ワ オラノ オトイプッカ アニ=畑にジャガイモの土盛りをする前に背の高い草を引き抜いてから土盛りをしなさい.*両方の手で,あるいはやや力を入れて草を引き抜く時はリㇱパ,片手で手首に力を入れるぐらいの時はリセ(抜く)という.同じ草抜きでも力の入れ方で言い方が違う. (出典:萱野、方言:沙流)
risparispa
リㇱパリㇱパ 【rispa-rispa】 引っぱり抜く,次々と引き抜く. (出典:萱野、方言:沙流)
ristektek
リㇱテㇰテㇰ 【ris-tek-tek】 むしりとる,引っぱりとる,ぶったくる. シノッ コㇿ アン ア・ミッポホ ア・ホトゥイェカㇻ ヒネ ウヌフ エウン ア・アニレ クス ポン トゥトゥッコ ア・コトゥリリ アクス リㇱテㇰテㇰ ワ ホユプ ワ アㇻパ=遊んでいた孫を私が呼んで,母親の所へ持たせるために小さい包みを伸ばすと乱暴にむしりとって走って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
rit/rici(hi)
リッ/リチ(ヒ) 【rit/rici(hi)】 筋,腱,血管. (出典:萱野、方言:沙流)
riten
リテン 【riten】 しなやか,柔かい,ねばる. (出典:萱野、方言:沙流)
ritenni
リテンニ 【riten-ni】 ツツジ.▷リテン=やわらかい ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
riterite
リテリテ 【rite-rite】 もみほぐす. (出典:萱野、方言:沙流)
ritne
リッネ 【rit-ne】 (肉などが)堅い. (出典:萱野、方言:沙流)
rittek
リッテㇰ 【rit-tek】 老いのために体の動きが鈍る. オンネ ネ マヌ ㇷ゚ リッテㇰ ネ マヌ ㇷ゚ …=老いというもの,そのために体が鈍り…. (出典:萱野、方言:沙流)
ritur
リトゥㇽ 【ritur】 途中. イナニウン エ・アㇻパ リトゥㇽ パㇰノ ウコイラム・アン ロ=どこへ行くの,途中まで一緒に行きましょう.シネ シトゥ チ・アッカリ オロワノ シットゥライヌ・アㇱ ヤアニ ヤアニ リトゥロレウシ・アン クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ イワㇰ・アㇱ エアㇱカイ=ひとつの峰を私たちは過ぎた,それから道に迷い危なく危なく途中で泊まるかなあと思ったけれども,帰ることができた. (出典:萱野、方言:沙流)
ritutta
リトゥッタ 【riturta】 途中に. リトゥッタ レウシ=途中に泊まる. (出典:萱野、方言:沙流)
riwakkamuyne
リワッカムイネ 【riwak-kamuy-ne】 鎮座する神. リワッカムイネ リワッピトネ=鎮座する神,鎮座する人(神) *ユカㇻでは,ピトシリネ カムイシリネ(神のように,神である人のように)と描写されているが,神々のことを言う[ユ].(補遺編) リワッカムイネ リワッピトネ=鎮座する神,鎮座する人(神).*ユカㇻでは,ピトシリネ カムイシリネ(神のように,神である人のように)と描写されているが,神々のことを言う〔ユ〕. (出典:萱野、方言:沙流)
riya
リヤ 【riya】 年を越す,越える. (出典:萱野、方言:沙流)
riyaaep
リヤアエㇷ゚ 【riya-aep】 冬越しした食料,蓄えた食料,古い食料. (出典:萱野、方言:沙流)
riyaharu
リヤハル 【riya-haru】 冬越し穀物. (出典:萱野、方言:沙流)
riyamame
リヤマメ 【riya-mame】 古々豆. (出典:萱野、方言:沙流)
riyamus
リヤムㇱ 【<riya-ham-us】 ▷リヤハムㇱ】シャクナゲ.▷リヤ=冬越し ハㇺ=葉 ウㇱ=つく  *冬の間も青々とした葉がついているのでこの名がついた.シャクナゲの葉を火にあぶると葉の表面にうっすらと油のような糊が出てくるので,それを巻きそのまま冷やすともとに戻らない.それに火をつけて葉巻タバコとしていたずら半分に吸うとタバコのようなにおいがするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
riyap
リヤㇷ゚ 【riya-p】 1年たった熊. (出典:萱野、方言:沙流)
ro
ロー 【ro】 〜しましょう.〜しよう. アㇻパ・アン ロ=行きましょう.イエㇷ゚・アン ロ=食べましょう.ホッケ・アン ロ=寝よう.タント シㇼピㇼカ クス エキㇺネ・アン ロ=今日は天気がよいので山へ行こう. (出典:萱野、方言:沙流)
rok
ロㇰ 【rok】 座る〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
rok
ロㇰ 【rok】 〜しつつ,〜して,〜する. ヘカッタㇻ パㇱ ロㇰ パㇱ ロㇰ コㇿ オカ クス ロㇰテ ワ アヌ=子供たちが走り回っているので座らせておけ.ウクラン アネピッタ イク ロㇰ イク ロㇰ ウタㇻ アヘスイパ ワ オカ=昨夜,夜通し飲んで飲んでいた人たちみんなで居眠りをしている. (出典:萱野、方言:沙流)
rok oka
ロㇰ オカ 【rok oka】 〜だったのだ〔アアンの複数形〕. ペッ オㇿ ウン ペウタンケ ハウ アㇱ ヒ クス イカオパㇱ・アン アクス ヘカッタㇻ ウコチㇷ゚クタ ヒネ ロコアカ イイソネカ オピッタ ア・オシコニ ワ ア・ヤンケ=川の方へ危急を知らせる声がしたので私も騒ぎを聞いて助けに走ると子供たちが舟をひっくり返したのであったが,幸いなことに皆が追いつき全部の子供を助け上げた. (出典:萱野、方言:沙流)
rokpa
ロㇰパ 【rokpa】 座る〔複〕. イク・アン エトㇰ タ ウタㇻ オピッタ チセ オㇿ タ ロㇰパ ワ アン ルウェ ク・ヌカㇻ ワ ク・エㇰ ア ワ=酒を飲む(私たち)前に人々がみんな家の中で座っているのを私は見て来たよ. (出典:萱野、方言:沙流)
rokte
ロㇰテ 【rok-te】 座らせる.▷ロㇰ=座る テ=させる エㇸカッタㇻ パㇱ ロㇰ パㇱ ロㇰ コㇿ オカ クス ロㇰテ ワ アヌ=子供たちが走り回っているので座らせておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
rokuntew
ロクンテウ 【rokuntew】 帆掛け舟. *ロクンテウエトゥ(帆船のへ先)という名前の岩が平取町内長知内にある. (出典:萱野、方言:沙流)
ronnu
ロンヌ 【ronnu】 殺す. ウクラン ワノ セタ ウォセ ア ウォセ ア クス コタン カシ ア・ラム ロンヌ=昨晩から犬がしきりに遠吠えする.村に災いが起きる恐れがあるから殺せ. (出典:萱野、方言:沙流)
ronronatki
ロンロナッキ 【ron-ron-atki】 がやがやする. コタン ケㇱ ウン ペウタンケ ハウ ク・ヌ アクス コタン パ ワノ アイヌ エㇰ ハウェ ロンロナッキ=村の下端で危急を知らせる叫び声がするのを聞いたので,村の上手から人の来る声ががやがやする. (出典:萱野、方言:沙流)
ror
ロㇿ 【ror】 上座:囲炉裏からロルンプヤㇻ(上座の窓)までの間. (出典:萱野、方言:沙流)
ror'osiraye
ロㇿオシライェ 【ror-o-si-raye】 床上げ:出産の後.産婦が普通の生活に戻ること.▷ロㇿ=上座 オ=それ産婦 シ=自ら ライェ=寄る タント エイワント ネ クス ロロシライェ エトホ ネ ワ=今日で六日だから床上げの日だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
rorke
ロㇿケ 【rorke】 上座の方,奥. イナウコッシントコ ロㇿケ タ トゥキ アヌ=イナウを飾ったシントコの上座の方に杯を置け.イナウチパ ロㇿケ タ イリ コㇿ オカ=祭壇の奥で皮剥ぎをしていた. (出典:萱野、方言:沙流)
rorun
ロルン 【ror-un】 上座の. ア・ヌヌケ ナ,ロルン ソ カ タ アヌ=大事な物だから上座へ置け. (出典:萱野、方言:沙流)
rorunpe
ロルンペ 【ror-un-pe】 戦争. ②タ ネノ アン ユㇷ゚ケ ロルンペ オㇿ タ アナㇰネ キヤンネクㇽ トモ ア・コカヌ コㇿ ピㇼカ ナ イトㇺコカヌ ヤン=このように重大な行事の時には年上の人の指示に耳を傾けるといいものだから皆で指示を待ちなさい.ロルンペ カ タ アㇱケウコㇺ ア・エトゥリメチウ ウタㇱパ パㇰノ ウケウェホㇺス・アン ルウェ ネ=悲しい時に握り拳を前へ突き出し,お互いともに私たちはねぎらいあった. (出典:萱野、方言:沙流)
rorunpe
ロルンペ 【ror-un-pe】 重大な行事,悲しみの儀式. ②タ ネノ アン ユㇷ゚ケ ロルンペ オㇿ タ アナㇰネ キヤンネクㇽ トモ ア・コカヌ コㇿ ピㇼカ ナ イトㇺコカヌ ヤン=このように重大な行事の時には年上の人の指示に耳を傾けるといいものだから皆で指示を待ちなさい.ロルンペ カ タ アㇱケウコㇺ ア・エトゥリメチウ ウタㇱパ パㇰノ ウケウェホㇺス・アン ルウェ ネ=悲しい時に握り拳を前へ突き出し,お互いともに私たちはねぎらいあった. (出典:萱野、方言:沙流)
rorunpecinika
ロルンペチニカ 【ror-un-pe-cinika】 一列になって行進する:川や海で人が溺れて死んだ時,あるいは火事のあった後に行なう.また,戦争に行く前に士気を高揚させるための歩みでもある.ひとりでも行なう. (出典:萱野、方言:沙流)
rorunpuyar
ロルンプヤㇻ 【ror-un-puyar】 上座の窓. キムンカムイ マラㇷ゚ト アナㇰネ ロルンプヤㇻ カリ ア・アフンケ ㇷ゚ ネ ワ=熊の神様の頭骨は上座の窓から入れるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
rorunso
ロルンソ 【ror-un-so】 上座,横座. *狐,テンなどの頭骨は上座に置く. (出典:萱野、方言:沙流)
roski
ロㇱキ 【roski】 立ち上がる,立つ〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
roskire
ロㇱキレ 【roski-re】 立てる. イクㇱペ ロㇱキレ=柱を立てる. (出典:萱野、方言:沙流)
roysekane
ロイセカネ 【royse kane】 騒がしく,ざわざわとざわめいている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ru
ル 【ru】 道,道路. (出典:萱野、方言:沙流)
ru
ル 【ru】 足跡. (出典:萱野、方言:沙流)
ru
ル 【ru】 流域:川の流れにそっている地域.降った雨がその川に流れ込む地域. ペッ ル オㇿ=川の流域.ナイ ル オㇿ=沢の流域. (出典:萱野、方言:沙流)
ru
ル 【ru】 便所. (出典:萱野、方言:沙流)
ru
ル 【ru】 溶ける. ウパㇱ カ ル ワ イサㇺ. イコパㇰサㇺ タ ネ ヤクン プクサ リ ナンコㇿ ナ アㇻパ ワ タ ワ エㇰ=雪も溶けてしまった,日当たりにならばギョウジャニンニクが伸びているであろうから行って採って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ru
ル 【ru】 さっと,少し. ルチレ=さっと煮る.ルクンネ=少し黒い.ルフレ=少し赤い. (出典:萱野、方言:沙流)
ruaspa
ルアㇱパ 【ru-aspa】 耳が遠い,聾.▷ル=少し アㇱパ=耳が遠い (出典:萱野、方言:沙流)
ruci
ルチ 【ru-ci】 生煮え.▷ル=さっと チ=煮える (出典:萱野、方言:沙流)
rucire
ルチレ 【ru-ci-re】 さっとゆでる.▷ル=さっと チレ=煮る (出典:萱野、方言:沙流)
rucis
ルチㇱ 【rucis】 峠. ソモカ エ・エㇰ クナㇰ ク・ラム ア ワ エ・エㇰ ク・ポホ カ アㇻパ アㇷ゚ ルチㇱ オㇿ タ ヘネ ソモ エチ・ウウェトゥナンカㇻ ルウェヘ アン=まさかお前が来るとは思っていなかったのにお前が来た,私の息子も行ったのに峠ででも行き合わなかったかい?ユラㇷ゚ ウン ルチㇱ パㇰノ フチ ク・エカノㇰ クス ク・アㇻパ ワ ク・エㇰ ナ アペ エヤㇺ ノ オハシㇼ プンキネ ワ オカ ヤン=ユーラップ沢の峠までおばあちゃんの迎えに行って来るので火を大切にして留守番をしていなさい(母がそう言いながら出て行ったものだ). (出典:萱野、方言:沙流)
ruepakasnu
ルエパカㇱヌ 【ru-epakasnu】 道案内.▷ル=道 エパカㇱヌ=教える (出典:萱野、方言:沙流)
ruhay
ルハイ 【ru-hay】 少し馬鹿だ. イテキ エハサ ノ アン. ルハイ ネノ アア・イヌカㇻ ナ=口を開けていてはだめよ.少し馬鹿のように見られるよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruhayta
ルハイタ 【ru-hayta】 頭がちょっと足りない.▷ル=少し ハイタ=足りない ポンノ ルハイタ ㇷ゚ アナㇰネ シネ イタㇰ カ ア・オパンタイェ コㇿ ネㇷ゚ ネ ヤッカ オピッタ イェ ㇷ゚ ネ=ちょっぴり頭の足りない者は一言でも探りを入れるとなんでも一言ってしまうものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruhu
ルフ 【ru-hu】 半煮えである,半生(なま). ルフ ノイネ ネ ナ ナ ポンノ ポㇷ゚テ ワ オラカ ス ヤンケ=まだ半煮えらしいのでもう少し煮立たせてから鍋を上げろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruhure
ルフレ 【ru-hure】 桃色,だいだい色. (出典:萱野、方言:沙流)
ruipe
ルイペ 【ru-ipe】 凍らせたサケ.▷ル=溶ける エ=食べる ペ=もの →溶ける食べ物 (出典:萱野、方言:沙流)
ruiyoski
ルイヨㇱキ 【ru-iyoski】 生酔い,ほろ酔い. (出典:萱野、方言:沙流)
rukaneakam
ルカネアカㇺ 【ru-kane-akam】 溶けた金の団子:ユカㇻの中に出て来る武器のこと. ▷ル=溶ける,溶けた カネ=金,鉄 アカㇺ=団子 *アイヌの貯蔵食料の中でオントゥレㇷ゚ アカㇺ(ウバユリの大団子)という物は,直径が7寸に厚さが1寸ほどもあり,その大団子を想像する.(補遺編)▷ル=溶ける,溶けた カネ=金,鉄 アカㇺ=団子 *アイヌの貯蔵食料の中でオントゥレㇷ゚ アカㇺ(ウバユリの大団子)という物は,直径が寸に厚さが寸ほどもあり,その大団子を想像する. (出典:萱野、方言:沙流)
rukari
ルカリ 【ru-kari】 便所へ行く. (出典:萱野、方言:沙流)
rukariusi
ルカリウシ 【ru-kari-usi】 便所. ハンケノ アン ルカリウシ ウン アㇻパ カ ソモ キ パ ノ オルトモマ パ=近くにある便所へ行きもせずにあの者たちは近くで大便をしている者ら. (出典:萱野、方言:沙流)
ruki
ルキ 【ruki】 飲み込む,飲み下す.ルクシシイ (出典:萱野、方言:沙流)
rukoci
ルコチ 【/rukoci】 〜の跡,足跡. (出典:萱野、方言:沙流)
rukorkamuy
ルコㇿカムイ 【ru-kor-kamuy】 便所の神.▷ル=便所 コㇿ=持つ カムイ=神 ネㇷ゚カ ア・キマテㇰ ペ アン ヒ タ アナㇰネ アシンル コㇿ カムイ ア・コアスラニ ㇷ゚ ネ ルコㇿ カムイ イヨッタ ラムトゥナㇱ ペ ネ ルウェ ネ ナ=何か急病人など出た場合は便所の神へ救いを求めるものだ.便所の神が一番動きが速いので助けてもらえるんだよ.*普通はアシンルコㇿカムイと言わずにルコㇿカムイだけで便所の神と言うことになる.ルコㇿカムイにお願いをする時に立てるチェホㇿカケㇷ゚は頭の方を平らにするものである.このイナウはめったに立てないが,私の父が立てていたのを何回も見たことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
rukpa
ルㇰパ 【ruk-pa】 飲み込む. (出典:萱野、方言:沙流)
rukunne
ルクンネ 【ru-kunne】 灰色,ねずみ色:少し黒い. (出典:萱野、方言:沙流)
rukus'isiy
ルクㇱイシイ 【rukusisiy】 アメマス. (出典:萱野、方言:沙流)
rum
ルㇺ 【rum】 矢尻:根曲がり竹で作る. (出典:萱野、方言:沙流)
rumaype
ルマイペ 【ru-maype】 ドンコ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
rumaypetomne
ルマイペトㇺネ 【rumaype-tom-ne】 夜に光って見える動物の目の色:青白い光り方の色のことをいう[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
rumcip
ルㇺチㇷ゚ 【rum-cip】 矢尻の内側のわずかなくぼみ. ▷ルㇺ=矢尻 チㇷ゚=舟 *このくぼみにアイシロシ(持ち主の印,筆者の場合は3本棒にシャチの背びれ)と毒を練り込む部分がある.(補遺編)▷ルㇺ=矢尻 チㇷ゚=舟 *このくぼみにアイシロシ(持ち主の印,筆者の場合は本棒にシャチの背びれ)と毒を練り込む部分がある. (出典:萱野、方言:沙流)
rumnetop
ルㇺネトㇷ゚ 【rum-ne-top】 根曲がり竹. (出典:萱野、方言:沙流)
rune
ルネ 【ru ne】 〜のだ. (出典:萱野、方言:沙流)
runeakusu
ルネアクス 【ru ne akusu】 〜のだったら. (出典:萱野、方言:沙流)
runep
ルネㇷ゚ 【ru ne p】 〜のだったが. (出典:萱野、方言:沙流)
runnu
ルンヌ 【rur-nu】 塩辛い. (出典:萱野、方言:沙流)
ruorke
ルオㇿケ 【ru-orke】 流域. チ・コㇿ シシㇼムカ タ ク・エラマン オマンルパㇻ トゥㇷ゚ アン シネㇷ゚ アナㇰネ カンカン ルオエケ ソ カ タ アン シトゥ オㇿ タ ナ シネㇷ゚ アナㇰネ ニセウ プトゥフ タ アン=私どもの沙流川に私が知っている冥土の入り口は2か所あって1か所はカンカン沢流域の滝の上の峰の所に,もう1か所は仁世宇川の川尻にある. (出典:萱野、方言:沙流)
rup/rupi(hi)
ルㇷ゚/ルピ(ヒ) 【rup/rupi(hi)】 群れ:小鳥など小型のものの群れ. (出典:萱野、方言:沙流)
rupesnay
ルペㇱナイ 【ru-pes-nay】 道をたどる沢. (出典:萱野、方言:沙流)
rupespet
ルペㇱペッ 【ru-pes-pet】 道をたどる川:地名で道内あちこちにある.▷ル=道 ペㇱ=たどる ペッ=川 (出典:萱野、方言:沙流)
rupiskan
ルピㇱカン 【ru-piskan】 道端,道路の両側. (出典:萱野、方言:沙流)
rupne
ルㇷ゚ネ 【rupne】 大きい,大きくなる. タント エモ タ・アン ワ ルㇷ゚ネ エモ ポロンノ アン シリ ク・ヌカㇻ ア ナ アフㇷ゚カレ. ア・ハㇺネスパ ワ ア・エ ナ=今日ジャガイモ掘りをして大きいジャガイモがたくさんあったのを私は見たから貰いに行かせろ.ゆでて食べるから. (出典:萱野、方言:沙流)
rupnekur
ルㇷ゚ネクㇽ 【rupne-kur】 (中年の)おとな. (出典:萱野、方言:沙流)
rupnemat
ルㇷ゚ネマッ 【rupne-mat】 中年すぎの婦人.おばあさん. (出典:萱野、方言:沙流)
rupopkeusey
ルポㇷ゚ケウセイ 【ru-popke-usey】 ぬるま湯. (出典:萱野、方言:沙流)
rupus
ルプㇱ 【rupus】 凍死する,凍る. イット エキㇺネ・アン ア ㇷ゚ ウパㇱ ユㇷ゚ケ ウパㇱ エシットゥライヌ・アン ヤアニ ヤアニ ルプㇱ・アン イキヤナイネ イワㇰ・アン ア・オナハ イ・ケウェホㇺス ルウェ ネ=日帰りと思って山へ行ったのに大雪降りになって雪によって方角を見失い危なく危なく凍死しそうになり,どうにかこうにかして帰って来たら父は私をねぎらってくれた.ク・ポン ヒ タ 学校 オㇿ タ イタピル・アㇱ マタ ネ コㇿ ア・ピㇼパ オカケ ルプㇱ ワ アㇻパ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の時学校で床拭きをした.冬であれば拭いた後がすぐに凍っていったものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
rupuska
ルプㇱカ 【rupus-ka】 凍らせる. エモ アナㇰネ トオㇷ゚ フㇱコ トイ ワノ アイヌ ウタㇻ エトイタ パ ワ エモシルㇷ゚ アニ シル ワ エ ヘメㇺ キ ルプㇱカ ワ ペネエモ ネ カ カㇻ パ ワ エ パㇷ゚ ネ=ジャガイモはずうっと昔からアイヌたちは蒔いていたものでジャガイモ下ろし金で下ろして食べたり凍らせて潰れいもにして食べたりしたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
rupustoytoy
ルプㇱトイトイ 【rupus-toy-toy】 凍土. (出典:萱野、方言:沙流)
rur'itanki
ルㇽイタンキ 【rur-itanki】 汁椀. (出典:萱野、方言:沙流)
rur/ruri(hi)
ルㇽ/ルリ(ヒ) 【rur/ruri(hi)】 汁,味. ①カムルㇽ ク・スパ ワ アン ナ ルリヒ サㇷ゚ケ ワ ピㇼカ チキ ス ヤンケ ワ アヌ. エ・ミチヒ イワㇰ ヤㇰ ア・エ ナ=肉汁を煮てあるので汁の味見をしてよかったら鍋を上げておけ.お前の父が帰って来たら食べるから.ルリヒ オパンペラㇰ=汁の味が薄い. (出典:萱野、方言:沙流)
rur/ruri(hi)
ルㇽ/ルリ(ヒ) 【rur/ruri(hi)】 海の潮. ①カムルㇽ ク・スパ ワ アン ナ ルリヒ サㇷ゚ケ ワ ピㇼカ チキ ス ヤンケ ワ アヌ. エ・ミチヒ イワㇰ ヤㇰ ア・エ ナ=肉汁を煮てあるので汁の味見をしてよかったら鍋を上げておけ.お前の父が帰って来たら食べるから.ルリヒ オパンペラㇰ=汁の味が薄い. (出典:萱野、方言:沙流)
rura
ルラ 【rura】 運ぶ. ①サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ パップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し,沢の中を流すとたくさん運べるものだよ.②ルラ ワ アㇻパ=送って行け.トアン ポン マッカチ アナㇰネ シㇼクンネ コㇿ エアㇻキンネ イシトマエオ ㇷ゚ ネ ナ ルラ ワ エㇰ=あの女の子は暗くなるととっても怖がる者だから送って来い.パセ シケ カ コㇱネ シケ カ アン ナ イナニケ カ セ ワ コタン カランケ パㇰノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるのでどれかを背負って村の近くまで私を送ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
rura
ルラ 【rura】 送る,見送る. ①サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ パップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し,沢の中を流すとたくさん運べるものだよ.②ルラ ワ アㇻパ=送って行け.トアン ポン マッカチ アナㇰネ シㇼクンネ コㇿ エアㇻキンネ イシトマエオ ㇷ゚ ネ ナ ルラ ワ エㇰ=あの女の子は暗くなるととっても怖がる者だから送って来い.パセ シケ カ コㇱネ シケ カ アン ナ イナニケ カ セ ワ コタン カランケ パㇰノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるのでどれかを背負って村の近くまで私を送ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
rura
ルラ 【rura】 戻す,返す,返済する. ①サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ パップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し,沢の中を流すとたくさん運べるものだよ.②ルラ ワ アㇻパ=送って行け.トアン ポン マッカチ アナㇰネ シㇼクンネ コㇿ エアㇻキンネ イシトマエオ ㇷ゚ ネ ナ ルラ ワ エㇰ=あの女の子は暗くなるととっても怖がる者だから送って来い.パセ シケ カ コㇱネ シケ カ アン ナ イナニケ カ セ ワ コタン カランケ パㇰノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるのでどれかを背負って村の近くまで私を送ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruray
ルライ 【ru-ray】 半死.▷ル=さっと ライ=死ぬ (出典:萱野、方言:沙流)
rure
ルレ 【ru-re】 溶かす.▷ル=溶ける レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
ruretar
ルレタㇻ 【ru-retar】 灰色,ねずみ色:やや白い. (出典:萱野、方言:沙流)
rurkasup
ルㇽカスㇷ゚ 【rur-kasup】 汁しゃもじ. ルㇽス プタ ネ ヤ ルㇽカスㇷ゚ ネ ヤ サヨス エウン ア・エイワンケ コㇿ オㇷ゚ラㇰ ペ ネ ナ イテキ ネノ イキ・アン ペ ネ ナ=汁鍋のふたや汁用のしゃもじを粥鍋に使うといやな味がするものなのでそのようにするものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
rurkes
ルㇽケㇱ 【rur-kes】 残り汁. (出典:萱野、方言:沙流)
rurkorkur
ルㇽコㇿクㇽ 【rur-kor-kur】 網の棒を持つ人. *貝澤まめさんが教えてくれた言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
rurkosimpu
ルㇽコシンプ 【rur-kosimpu】 海の妖精. コシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ルㇽコシンプ イワコシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ オカ クニ ネ ネ ワ メノコ ネ カ オカ オッカヨ ネ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ=妖精というものは海の妖精,山の妖精というものがいて,時によっては女にもなり男にもなっているものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
rurkosuye
ルㇽコスイェ 【rur-ko-suye】 漂う. (出典:萱野、方言:沙流)
ruro(ho)
ルロ(ホ) 【ruro(ho)】 畝. エモ ア・エトイタ ヒ タ アナㇰネ ルロホ ラウネ ノ ア・カㇻ ペ ネ. ソモ ヤクン エモ ウェン ペ ネ=ジャガイモを蒔く時は畝を深くするものだ.そうしないとジャガイモがよくないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruro(ho) kar
ルロ(ホ) カㇻ 【ruro(ho)-kar】 畝きり(をする). (出典:萱野、方言:沙流)
ruro(ho) kar
ルロ(ホ) カㇻ 【ruro(ho)-kar】 男としての用を足せなくなる. (出典:萱野、方言:沙流)
ruror
ルロㇿ 【ru-ror】 道の上側,道の東側. *二風谷での場合は沙流川の方をルウトゥㇽ・(道の下側)といい,山側のことをルロㇿ・(道の上側,東側)という. (出典:萱野、方言:沙流)
rurototke
ルロトッケ 【ru-rototke】 溶ける. (出典:萱野、方言:沙流)
rursu
ルㇽス 【rur-su】 汁鍋. ルㇽス プタ ネ ヤ ルㇽカスㇷ゚ ネ ヤ サヨス エウン ア・エイワンケ コㇿ オㇷ゚ラㇰ ペ ネ ナ イテキ ネノ イキ・アン ペ ネ ナ=汁鍋のふたや汁用のしゃもじを粥鍋に使うといやな味がするものなのでそのようにするものではない.*汁鍋で粥を煮るとオㇷ゚ラㇰ(いやな味がする)ので,汁鍋と粥鍋を別に使い分けていた. (出典:萱野、方言:沙流)
rus/rusi(hi)
ルㇱ/ルシ(ヒ) 【rus/rusi(hi)】 毛皮,皮. (出典:萱野、方言:沙流)
rusat
ルサッ 【ru-sat】 生乾き. (出典:萱野、方言:沙流)
rusiknak
ルシㇰナㇰ 【ru-sik-nak】 半盲. (出典:萱野、方言:沙流)
ruska
ルㇱカ 【ruska】 腹を立てる,怒る. ク・ヌイェ カ ルㇱカ ㇷ゚ ネ コㇿカ ク・サハポ カ ヤイェウェンペ ネ ワ エホラㇰホラㇰ コㇿ アㇷ゚カㇱ ペ ネ ア ワ=書くのも腹立たしいことだが亡くなった私の姉も身体の不自由な人で歩く時に身体を傾かせながら歩く人であったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruskare
ルㇱカレー 【ruska-re】 よかったなあ,それは安心だ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruskareun
ルㇱカレウーン 【ruska-re un】 よかったよー,ああよかった. (出典:萱野、方言:沙流)
rusuy
ルスイ 【rusuy】 〜したい,〜しそうになる. ク・ルカリ ルスイ ナ ポンノ エン・オカリ=私は便所へ行って来たいので少し私に代わって.ポンペ クンネチㇱ ルスイ ア・オマオマ ヤッカ ウェン ヒクス キサラリ ア・カㇻ ヒネ ア・スイェスイェ アクス ソモ チㇱ=子供が夜泣きをしかかりいくらなだめすかしてもだめなので耳長お化けを作って振ると泣くのをやめた.ピㇼカ ヒネ エ・エㇰ コエカリ ネ ペコㇿ. フチ オンネ ルスイ ノイネ イキ ナ トゥッコ レㇾコ トリ クナㇰ ラム=ちょうどよく言い合わせたようにあなたが来た.おばあさんが亡くなりそうな様子なので二日か三日滞在すると思ってよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruteksam
ルテㇰサㇺ 【ru-tek-sam】 道端. (出典:萱野、方言:沙流)
ruteyne
ルテイネ 【ru-teyne】 湿る:少し濡れている. (出典:萱野、方言:沙流)
rutke
ルッケ 【rutke】 崩れる. (出典:萱野、方言:沙流)
rutom
ルトㇺ 【rutom】 土間,内庭. (出典:萱野、方言:沙流)
rutom
ルトㇺ 【rutom】 途中,道の途中. (出典:萱野、方言:沙流)
rutomunki
ルトムンキ 【rutom-un-ki】 土間と囲炉裏の間へ敷く簾. (出典:萱野、方言:沙流)
rutu
ルトゥ 【rutu】 寄せる,手で動かしてずらす. エロンネ ルトゥ=上座へ寄せろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruutur
ルウトゥㇽ 【ru-utur】 道の下側. *二風谷ではルウトゥㇽというのは道の西側をいう.ルロㇿは道の東側.オコッコ アナㇰネ ルウトゥㇽ ペカ アㇷ゚カㇱ ペ ネ ナ イテキ ルウトゥㇽ エチ・クㇱ ペ ネ ナ アニー・化け物は道の下側を歩くものだから,道の下側を通らないようにお前たちはするんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwe
ルウェ 【ruwe】 太い. タアン サㇰマ ルウェ ワ ア・レウェ エアイカㇷ゚ ナ ナ ポンノ アネ サㇰマ コㇿ ワ エㇰ=このカヤを押さえる柴は太くて曲げにくいからもっと細いカヤ押さえの柴を持って来い.ルウェ トゥㇱ ネ コㇿカ タネ フㇱコ ㇷ゚ ネ クス トゥイ ワ ウンマ キラ ワ イサㇺ. トゥㇱ ウウォウシ ワ アヌ=太い綱であるがもう古いので切れて馬が逃げてしまった.綱を繋いでおけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwe
ルウェ 【ruwe】 様子,こと,ところ. ナニ エㇰ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ アㇷ゚ アフン ルウェ カ イサㇺ=すぐ来ると言いながら外へ出たのに入る様子もない. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwe
ルウェ 【ruwe】 〜(し)た,〜の(だ),〜のが,〜のを. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwe un
ルウェ ウン 【ruwe-un】 はい,そうです. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwe/ruwe(he)
ルウェ/ルウェ(ヘ) 【ruwe/ruwe(he)】 足跡. アイヌ ルウェ=人間の足跡."ウクラン アㇱ アシㇼ ウパㇱ カ タ ポロ カムイ ルウェヘ アン ク・イシトマ クス ク・キラ ワ ク・イワㇰ" セコㇿ ハㇻキソ ウン ウナㇻペ ハウェアン=「昨夜降った新しい雪の上で大きい熊の足跡があり,私は恐ろしくなって逃げ帰って来た」と左隣のおばさんが言っていた.エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェヘ アン=これほどイタドリが茂っている所へ入った足跡がある. (出典:萱野、方言:沙流)
ruweaskepet
ルウェアㇱケペッ 【ruwe-askepet】 親指. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwehean
ルウェヘアン 【ruwehe an】 ようである. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwehean
ルウェヘアン 【ruwehe an】 足跡がある. アㇻパ ルウェヘ アン=行った足跡がある. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwekankan
ルウェカンカン 【ruwe-kankan】 大腸,はらわた. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwekem
ルウェケㇺ 【ruwe-kem】 皮針,太い針. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwene
ルウェネ 【ruwe ne】 様子である. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwesankasiko pasekamuy
ルウェサンカシコ パセカムイ 【ruwe-san-ka-sik-o pase-kamuy】 水の神の名前. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwop
ルウォㇷ゚ 【ru-o-p】 リス,シマリス. (出典:萱野、方言:沙流)
ruy
ルイ 【ruy】 多い. ①イペ ルイ=食べる量が多い.モコㇿ ルイ=眠る時間が多い.イヨ ルイ=入る量が多い.②アㇷ゚ト ルイ=雨が強く降る.ルイ レラ=強い風.ウパㇱ ルイ=雪が強く降る. (出典:萱野、方言:沙流)
ruy
ルイ 【ruy】 強い. ①イペ ルイ=食べる量が多い.モコㇿ ルイ=眠る時間が多い.イヨ ルイ=入る量が多い.②アㇷ゚ト ルイ=雨が強く降る.ルイ レラ=強い風.ウパㇱ ルイ=雪が強く降る. (出典:萱野、方言:沙流)
ruy
ルイ 【ruy】 砥石. (出典:萱野、方言:沙流)
ruyanpe
ルヤンペ 【ruyanpe】 雨,嵐,荒天. (出典:萱野、方言:沙流)
ruyanpe ruy
ルヤンペ ルイ 【ruyanpe ruy】 嵐. (出典:萱野、方言:沙流)
ruyanpe tum ta
ルヤンペ トゥㇺ タ 【ruyanpe tum ta】 雨降りの中. ルヤンペ トゥㇺ タ エエㇰ?=雨降りの中を来たの? (出典:萱野、方言:沙流)
ruyapto
ルヤㇷ゚ト 【ruy-apto】 大雨,強い雨. (出典:萱野、方言:沙流)
ruyka
ルイカ 【ruyka】 橋.▷ル=道 イカ=越える (出典:萱野、方言:沙流)
ruyke
ルイケ 【ruyke】 研ぐ. ハイ ノタコㇷ゚ エヌカㇻ ワ チタタㇷ゚ ク・カㇻ カ エトランネ. ポンノ ホㇱキ ク・ルイケ ナ=あーあ刃物が切れないのでぬたを作るのもいやだ.ちょっと待って俺が研ぐから. (出典:萱野、方言:沙流)
ruyno
ルイノ 【ruy-no】 強く. タンペ オㇿ タ アナㇰネ ルイノ ルイノ ア・ヨㇺネレ ソモ ヤㇰネ イケマケ タ スイ ウェンプリコ ナ=今の場合は強く強く懲らしめないと次に再び悪いことをするであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
ruypene
ルイペネ 【ruype-ne】 凍死する〔隠語〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ruyruy
ルイルイ 【ruy-ruy】 降りそそぐ. ルイ ルイ アㇷ゚ト=強い雨. (出典:萱野、方言:沙流)
ruyruye
ルイルイェ 【ruy-ruye】 撫でる. (出典:萱野、方言:沙流)
ruyruypa
ルイルイパ 【ruy-ruypa】 撫でる. (出典:萱野、方言:沙流)
sa/sa(ha)
サ/サ(ハ) 【sa/sa(ha)】 姉. エシㇼ エ・サハ エㇰ ワ ニサッタ キナチャ クス ト オルン アㇻパ・アン ナ トゥナㇱ ホプニ ワ ヤイェトコイキ シコㇿ ネ ア ナ ヌ ワ アヌ=先程お前の姉が来て,明日ガマ草を刈りに沼へ行くので早く起きて準備しなさい,ということであったので聞いておけ(母親が姉娘からの伝言を妹娘に伝える). (出典:萱野、方言:沙流)
sak
サㇰ 【sak】 ない. イチェン ク・サㇰ=銭私にない. (出典:萱野、方言:沙流)
sak
サㇰ 【sak】 夏,真夏. (出典:萱野、方言:沙流)
sakae
サカエ 【sakae】 酒を醸す粥. ワッカ コマレ(ク・オマレ) ワ ピㇼカ クナㇰ ク・ラム クス サカエ コマレ アクス クトシントコ オイクㇱ=水を入れてみて.いいと思ったので酒を醸す粥を入れたら,帯つきの行器が漏る. (出典:萱野、方言:沙流)
sakaekasup
サカエカスㇷ゚ 【sakae-kasup】 酒粥杓子:プㇱニ(ホオノキ)で作る. 図[サカエカスㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
sakaenamtep
サカエナㇺテㇷ゚ 【sakae-namte-p】 酒粥ざまし:ピンニ(ヤチダモ),ランコ(カツラ),ペロ(ナラ)で作る. 図[サカエナㇺテㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
sakanke
サカンケ 【sakanke】 煮て干す. サカンケ キミ=煮て干したトウモロコシ.カㇺ ア・サカンケ ヒ タ アナㇰネ ルウェ キミ パㇰノ ネ クワペッネ ア・カㇻ ア・スパ ヒネ ア・テイパ ワ ア・ヌカㇻ ポンノ オケㇺタヤイケ パㇰノ ア・スパ スポㇷ゚ ウㇱケ ワ ア・ヤンケ コㇿ ピㇼカ サカンケ カㇺ ネ ア・カㇻ エアㇱカイ=肉を煮て干す場合は,太いトウモロコシほどに肉を縦切りにして煮て,つまんでみて少し血がにじむくらいに煮てから,鍋の煮え立っているところから上げると,おいしい干し肉が出来るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sakanram
サカンラㇺ 【sakan-ram】 荒い気性,時によっては前後の見境もなくなる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sakanramkor
サカンラㇺコㇿ 【sakan-ram-kor】 気性が荒い.猛り狂う心を持つ. (出典:萱野、方言:沙流)
sakayo
サカヨ 【sakayo】 けんか,言い争い. (出典:萱野、方言:沙流)
sakayokar
サカヨカㇻ 【sakayo-kar】 けんかする,文句・言いがかりをつける,いばりちらす. ア・ホクフ イク ルイ ペ ネ イヨㇱキ コㇿ オラーノ サカヨカㇻ エアㇻキンネ ア・エシㇼキラㇷ゚=私の夫は飲みすぎる人で酔うとけんかするので本当に私は苦労する.ヌマン パㇰノ ネㇷ゚キ ワ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) サンニヨ アニタ(アン ヒ タ) プマハ エホㇱキ シコㇿ イェ コㇿ サカヨカㇻ ハウェ ネ ノイネ=昨日まで働いていたのに精算の時に報酬に不満があると文句を言っているらしいよ.スイ ネア ウェンクㇽ サカヨカㇻ コㇿ アン ノイネ.ヤㇺス コラチ ア・コアナサㇷ゚=またしてもあの悪い者,いばりちらしているらしい.クリのいがと同じで手余されている. (出典:萱野、方言:沙流)
sakcironnup koraci
サㇰチロンヌㇷ゚ コラチ 【sak-cironnup koraci】 貧相だ.▷サㇰ=夏 チロンヌㇷ゚=狐 コラチ=〜のようだ ソンノ タㇷ゚ イキ ウェンメノコ ア・コサマ ㇷ゚ カ イサㇺ.ア・イェ ロㇰ クニ サㇰチロンヌㇷ゚ コラチ アン=本当に今来て行った悪い女,比較するものもない.言うところの夏の狐のような者だ.*アイヌがいう夏の狐は.毛は抜け落ち所々に抜け残りの毛があって,顔にふくらみもなく,目はつり上がり,それはそれは貧相に見えるもの.それでそのように言う. (出典:萱野、方言:沙流)
sake
サケ 【sake】 酒. (出典:萱野、方言:沙流)
sakehaw
サケハウ 【sake-haw】 歌,男が舞を舞う時の声. (出典:萱野、方言:沙流)
sakehe
サケヘ 【sakehe】 繰り返し言葉:カムイユカㇻ=神のほうからアイヌに注文をつけ,話の時に一言いってはサケヘという繰り返し言葉が入る.長いサケヘには,トゥノヤケ レノヤケ クトゥンケ カムイケ カムイチカッポ フㇺフㇺフㇺというのもある. (出典:萱野、方言:沙流)
sakeiyuskur
サケイユㇱクㇽ 【sake-i-us-kur】 酒宴を司る人. マラㇷ゚ト オッタ(オㇿ タ) イメㇰ・アン ヒ タ ホㇱキノ サケイユㇱクㇽ ア・コイプニ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン アニー=酒宴で食べ物を配る時,最初に酒宴を司る人に配るものなので聞いておきなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
sakeiyuste
サケイユㇱテ 【sake-i-us-te】 酒宴を司らせる. ピラウトゥッタ(ピラウトゥㇽ タ) イヨマンテ アン クㇱネ オロ タ ア・イ・サケイユㇱテ シコㇿ ネ ワ ユタㇻクㇽ エㇰ ヒクス ア・コシムシㇱカ ルウェ ネ=平取に熊送りがあり,その時に私に祭司をということで使者が来たのでそれに対して返事をした. (出典:萱野、方言:沙流)
sakekar
サケカㇻ 【sake-kar】 酒作り(をする). メノコ ウタㇻ イユタ ワ ウン・コレ ヤン.アシㇼパ オッタ(オㇿ タ) サケカㇻ・アン ワ シンヌラッパ・アン クスネ ナ=女性の方々は搗き物をしてください.新しい年に酒を作って先祖供養をしよう.図[サケカㇻ①][サケカㇻ②][サケカㇻ③] (出典:萱野、方言:沙流)
sakemawekor
サケマウェコㇿ 【sake-mawe-kor】 酒気を帯びていた. (出典:萱野、方言:沙流)
sakenoye
サケノイェ 【sake-noye】 泥酔する.▷サケ=酒 ノイェ=ねじる *酒にねじられる.普通の酔っ払いはイヨㇱキ. (出典:萱野、方言:沙流)
sakenumpa
サケヌンパ 【sake-numpa】 酒を搾る. (出典:萱野、方言:沙流)
sakesapke
サケサㇷ゚ケ 【sake-sapke】 利き酒:酒を口に含んでその善し悪しを味わい分けること. (出典:萱野、方言:沙流)
sakeukusis
サケウクシㇱ 【sake-u-kusis】 酒を醸す.▷サケ=酒 ウ=互い クシㇱ=発酵した (出典:萱野、方言:沙流)
sakipe
サキペ 【sakipe<sak-e-pe】 マス.▷サㇰ=夏 エ=食べる ペ=物 →サキペ サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ ハップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し.沢の中を流すとたくさん運べるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
sakir
サキㇼ 【sakir】 長い棒:家を建てる時に使う材料.根元の太さが4cmくらいのカヤをあてるための棒. (出典:萱野、方言:沙流)
sakma
サㇰマ 【sakma】 カヤ押さえ柴:根元の太さが3cmほどの棒.屋根を葺く時カヤを押さえるもので屋根の表からは見えない. (出典:萱野、方言:沙流)
sakmaninpa
サㇰマニンパ 【sak-ma ninpa】 カヤ押さえの柴を引っぱる,虎刈り. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) フチ コトピヒ(ク・オトピヒ) ハサミ アニ トゥイパ コㇿ オカケヘ オタ カ ペカ サㇰマ ア・ニンパ ルウェヘ ネノ アン.ウトゥラ シノッ ヘカッタㇻ サㇰマニンパ サㇰマニンパ シコㇿ エン・イェ エン・ヤイコプンパ=私が小さい頃,祖母がにぎりばさみで私の髪の毛を切ると,その跡が土の上をカヤ押さえ柴をひっぱったような跡(俗に言う虎刈り)になる.一緒に遊ぶ子供たちが,カヤ押さえの柴引っ張りカヤ押さえの柴引っ張りと私に言って冷やかしたものだ.*日本語で直訳すると長いがサㇰマニンパは語呂もよかった. (出典:萱野、方言:沙流)
sakno
サㇰノ 【sak no】 なくて. ネㇷ゚カ サㇰ ノ エㇰ=何もなく来た. (出典:萱野、方言:沙流)
saknoski
サㇰノㇱキ 【sak-noski】 夏:盛夏(7月半ばから8月). (出典:萱野、方言:沙流)
sakos
サコㇱ 【sak-hos】 夏脚絆:シナの木の皮で作る. 図[サコㇱ] (出典:萱野、方言:沙流)
sakpa
サㇰパ 【sak-pa】 夏. サㇰパ イワン パ マタパ イワン パ=夏の年6年,冬の年6年.このように言う場合にのみ「パ」をつける. (出典:萱野、方言:沙流)
saksomoa=yep
サㇰソモアイェㇷ゚ 【sak somo a=ye-p】 大蛇. ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ サㇰソモアイェㇷ゚ ニ カ タ アン ワ エトロ コㇿ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=昔話の中では大蛇が木の上にいて大いびきをかいているということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sakusahura
サクサフラ 【sakusa-hura】 わきが.▷サクサ=わきが フラ=におう (出典:萱野、方言:沙流)
sam
サㇺ 【sam】 方へ. アペ サㇺ タ エㇰ=火の方へ来い. (出典:萱野、方言:沙流)
sam/sama(ke)(he)
サㇺ/サマ(ケ)(ヘ) 【sam/sama(ke)(he)】 側(に),横(に). (出典:萱野、方言:沙流)
sama
サマ 【sama】 比べる. (出典:萱野、方言:沙流)
samaekimatek
サマエキマテㇰ 【sama-e-kimatek】 ~のことを案じている.外側から人のことを案じている. ▷サマ=側 エ=それ キマテッ=心配する,気にする ネアクㇽ エアㇻキンネ イクルイワ サマエキマテㇰ コㇿカン=あの人が本当に飲み過ぎて,他人ごとながら私は案じている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
samakehe
サマケヘ 【samakehe】 かたわら,側. (出典:萱野、方言:沙流)
samama
サママ 【sam-ama】 横たえる. (出典:萱野、方言:沙流)
samamni
サマㇺニ 【samam-ni】 倒木. サマㇺニ オイカ=倒木を越える. (出典:萱野、方言:沙流)
samampe 1
サマンペ 【samampe】 ①カレイ,カレイ類. (出典:萱野、方言:沙流)
samampe 2
サマンペ 【samampe】 ②女性の陰毛の形〔陰語〕. (出典:萱野、方言:沙流)
samata
サマタ 【sama-ta】 側に. ク・シケヘ パセ ㇷ゚ ネ クス サマタ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナクス(ク・アン アクス) ペウレクㇽ エㇰ ヒネ アンパテㇰ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=私の荷物が重いものだから側で立っていると若者が来てさっと持って行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
samatki
サマッキ 【samatki】 横,横向きになる. (出典:萱野、方言:沙流)
samatkinisu
サマッキニス 【samatki-nisu】 横臼. 図[サマッキニス] (出典:萱野、方言:沙流)
same
サメ 【same】 サメ. (出典:萱野、方言:沙流)
samnere
サㇺネレ 【sam-ne-re】 斜. イシㇰサㇺネレ=横目で見る,斜めに見る. (出典:萱野、方言:沙流)
samo
シャモ/サモ 【samo】 和人:シサㇺウタㇻの略. (出典:萱野、方言:沙流)
samor
サモㇿ 【sam-or】 側の. (出典:萱野、方言:沙流)
samormosir
サモㇿモシㇼ 【sam-or-mosir】 日本国(側の国):アイヌ側からの言い方. (出典:萱野、方言:沙流)
sampe 1
サンペ 【sampe】 ①心,精神,気持ち,気分. (出典:萱野、方言:沙流)
sampe 2
サンペ 【sampe】 ②心臓. (出典:萱野、方言:沙流)
sampe pirka
サンペ ピㇼカ 【sampe pirka】 性質がいい,気だてがいい. (出典:萱野、方言:沙流)
sampeci=noypa
サンペチノイパ 【sampe ci=noypa】 空腹. (出典:萱野、方言:沙流)
sampeekoyki
サンペエコイキ 【sampe-e-koyki】 胸焼け(する). エイタサ シト ケ(ク・エ) ア ケ(ク・エ) ア ク・ラコㇿ カシウン ク・イㇰマウレ ク・サンペエコイキ カ ク・キ ノイネ=あまりにもたくさん餅を食べて食べて腹にもたれる挙げ句,げっぷも出て胸焼けもしそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sampehorarayse
サンペホラライセ 【sampe-horarayse】 胸がすっとする,気が晴れる. (出典:萱野、方言:沙流)
sampemurmurse
サンペムㇽムㇽセ 【sampe-mur-mur-se】 どきどきする,胸騒ぎ:心配事や悪いことが起きそうな予感などの為に動悸が激しくなること. (出典:萱野、方言:沙流)
sampemurse
サンペムㇽセ 【sampe-mur-se】 気絶,失神,ひきつけを起こす. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) しものあ セコㇿ ア・イェ ウナㇻペ サンペムㇽセ ワ アチャポ ウタㇻ ウナㇻペ ウタㇻ ウキマテッカ ワ ホユッパ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=私が子供の頃シモノアというおばさんがひきつけを起こしおじさんやおばさんが驚いて走ったのを私は見た記憶がある. (出典:萱野、方言:沙流)
sampepo
サンペポ 【sampe-po】 いとしい人,恋人,恋い焦がれている人,恋しくてじっとしていられない恋人のこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sampesituri
サンペシトゥリ 【sampe-si-turi】 胸がすっとする.▷サンペ=心臓 シ=自ら トゥリ=伸びる イッカ ㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌ パ クニ ネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
sampetoktokse
サンペトㇰトㇰセ 【sampe-tok-tok-se】 心臓が脈打つ,鼓動がする. (出典:萱野、方言:沙流)
samta
サㇺタ 【sam ta】 側に. (出典:萱野、方言:沙流)
samun
サムン 【sam-un】 (〜の)側の,側(へ). エン・サムン エㇰ=私の側へ来い. (出典:萱野、方言:沙流)
san
サン 【san】 棚,干し棚. サン カ タ アヌ=棚の上に置け. (出典:萱野、方言:沙流)
san
サン 【san】 出る,(水が)流れる,おりる,くだる:山から里へ,川上から川下へ,また,火の側へ行く. タパン ナイ エ・トゥラシ シトゥ イクㇱタ アン ポン ナイ クワンノ エ・サン コㇿ ポロ ペッ アン ナ ピタㇻ オッタ(オㇿ タ) レウシ アニー=この沢をのぼって峰の向こう側にある小沢をまっすぐに下って行くと大きい川があるので,川原に泊まるのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
san/sani(ke)(he)
サン/サニ(ケ)(ヘ) 【san/sani(ke)(he)】 子孫. (出典:萱野、方言:沙流)
sanca otta mina kane
サンチャ オッタ ミナ カネ 【san-ca or ta mina kane】 満面に笑みをたたえる.▷サン=出る チャ=口 オッタ=〜に ミナ=笑う カネ=〜しながら (出典:萱野、方言:沙流)
sani
サニ 【/sani】 〜の血統. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) イセポカ カヌ(ク・アヌ) シネ イセポ クㇰ(ク・ウㇰ) ヒネ ク・イワㇰ アクス フチ エネ ハワニ ケライネクス イソンクㇽ サニ シコㇿ エン・イェ エン・コプンテㇰ ア エン・コプンテㇰ ア=私が小さい時,ウサギの罠をしかけ1匹のウサギを獲って帰って来ると祖母は,さすがに狩の名人の血統だ,と私をほめてくれたほめてくれた.ウェンペ サニ ウェンペ タイペ ネ ロㇰ ペクㇱタ トランネ ワ ホッケ ワ パテㇰ アン イペ ポーカ エアイカㇷ゚=貧乏の血統,貧乏の血筋だからといって,からっぽやんで(骨惜しみして)寝てばかりいて食べることもできない.*ウェンペサニ:これはアイヌ社会での典型的な悪口であって,貧乏するとこのように言われる. (出典:萱野、方言:沙流)
sanikehe
サニケヘ 【/sanikehe】 (〜の)血統. テエータ ワノ ウェンプリ コㇿ ペ サニケヘ アナㇰネ カムイコイパㇰ エパチコアン ワ オウェヌシ パ シリ=ずうっと昔から悪いことをした者の血統は神からも罰を受け罰があたり運の悪いことよ. (出典:萱野、方言:沙流)
sankararip
サンカラリㇷ゚ 【san-ka-rari-p】 魚を簾状に干してある上に降った雪.▷サン=棚 カ=上 ラリ=詰める ㇷ゚=物=雪 *トルㇽカラリㇷ゚=川原で積んである魚の上に降った雪.トルㇽ=山に積んである魚 カ=上 ラリ=押さえる ㇷ゚=物,雪.これは貝澤正雄さんが教えてくれた言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
sanke
サンケ 【sanke】 出す. エクㇱネ ホトゥイパ ハウ アㇱ ヒクス ク・ソイネ アクス アイヌ アン ヒクス チㇷ゚ ア・サンケ ア・クサ ワ エカン(エㇰ・アン)=川の向こうで呼ぶ声が聞こえたので外へ出ると人がいたので,私は舟を出し渡して来た. (出典:萱野、方言:沙流)
sanniyo
サンニヨ 【sanniyo】 精算・会計・勘定(する),計画,つもり. ク・ポホ ウタㇻ タント サンニヨ アン クス イチェン ケウンケライ(ク・エウンケライ) ナンコㇿ=私の息子たちは今日(給料の)精算があるので,お金を私は貰えるだろう.ニサッタ ネㇷ゚キ プマ サンニヨ アン シコㇿ ク・ポ ウタㇻ ハウェオカ ク・テレ ワ カン(ク・アン)=明日,働いていた賃金の精算があると息子たちが言っていたので私も待っている.*昭和10年頃,近くの貝澤チェキノアさんが自分の息子たちの精算日を楽しみにしてしゃべっていた時の言葉.また,手持ちの金が少なくなると「ヘンパラ サンニヨ アン(会計はいつになるだろう)」と言っていたものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
sanoput
サノプッ 【san-o-put】 河口. (出典:萱野、方言:沙流)
sanrukonna maknatara
サンルコンナ マㇰナタラ 【san-ru-konna mak-natara】 清い流れきらきら光って流れている[ユ]:高い所から沙流川のようなきれいな流れを見下ろした描写. (出典:萱野、方言:沙流)
santasarampe
サンタサランペ 【santa-sarampe】 中国渡来の布:金糸や銀糸で織られた布.サパンペ(冠)につけてある. (出典:萱野、方言:沙流)
santek/santeke(he)
サンテㇰ/サンテケ(ヘ) 【san-tek/-teke(he)】 末裔.子孫,血統. イッカ ㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌ パ クニ ネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
santu
サントゥ 【santu】 下がる峰,山の出崎. (出典:萱野、方言:沙流)
sanu
サヌ 【sanu】 急に.*サヌの一言で急にとはならない.前後の言葉によって用いる. ピッコサヌ=急に出た,さっと出た.マッコサヌ=さっと立った. (出典:萱野、方言:沙流)
sap
サㇷ゚ 【sap】 下りる〔複〕:山から里へ,川上から川下へ,火の側へ行く時も. ニサッタ ア・ヘコテクㇽ トゥラノ エピㇱネ サパン(サㇷ゚・アン)=明日,私の夫とともに浜へ行く. (出典:萱野、方言:沙流)
sapa/sapa(ha)
サパ/サパ(ハ) 【sapa/sapa(ha)】 頭. (出典:萱野、方言:沙流)
sapaha epitce
サパハ エピッチェ 【sapaha epitce】 禿げている. (出典:萱野、方言:沙流)
sapaha pirka
サパハ ピㇼカ 【sapaha pirka】 りこうな. (出典:萱野、方言:沙流)
sapahaarka
サパハアㇻカ 【sapaha-arka】 頭痛〈がする). (出典:萱野、方言:沙流)
sapanekur
サパネクㇽ 【sapa-ne-kur】 首領.▷サパ=頭 ネ=なる クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
sapanep
サパネㇷ゚ 【sapa-ne-p】 頭(かしら).▷サパ=頭 ネ=なる ㇷ゚=者 (出典:萱野、方言:沙流)
sapanpe
サパンペ 【sapa-un-pe】 冠. 図[サパンペ] (出典:萱野、方言:沙流)
sapapere
サパペレ 【sapa-pere】 ヒエとかアワを臼に入れて搗き,籾から精白になる前に中身が見えはじめた状態,つまり籾の頭が割れた状態を言う. ▷サパ=頭 ペレケ=割れた *サパペレケがサパペレになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sapapone
サパポネ 【sapa-pone】 頭骨. (出典:萱野、方言:沙流)
sapauspe
サパウㇱペ 【sapa-us-pe】 髪の毛. (出典:萱野、方言:沙流)
sapikir/sapikiri(hi)
サピキㇼ/サピキリ(ヒ) 【sapikir/-ikiri(hi)】 子孫,系統. (出典:萱野、方言:沙流)
sapke 1
サㇷ゚ケ 【sapke】 ①味見(する). ルㇽサㇷ゚ケ=汁の味見をする.カㇺルㇽ ク・スパ ワ アン ナ ルリヒ サㇷ゚ケ ワ ピㇼカ チキ ス ヤンケ ワ アヌ.エ・ミチヒ イワㇰ ヤㇰ ア・エ ナ=肉汁を煮てあるので,汁の味見をして,よかったら鍋を上げておけ,お前の父が帰って来たら食べるから. (出典:萱野、方言:沙流)
sapke 2
サㇷ゚ケ 【sapke】 ②イナウの材料の乾き具合を見る:イナウネニの乾き具合を見ることをサㇷ゚ケ(味見)という. エシㇼ イナウネニ ク・サㇷ゚ケ アクス タネ ピㇼカ ナ イナウケ・アン ロー=先程イナウを削る材料の乾き具合を見たら,もういいので,イナウを削ることにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
sapo
サポ 【sapo】 姉(呼びかけ). (出典:萱野、方言:沙流)
sappa
サッパ 【sap-pa】 くだる〔複〕. ネㇷ゚カ ア・エラナㇰペ アン ワ ヘ アッチェウンウタㇻ インネ トパハ サㇷ゚パ ルウェ アン=何か心配事でもあったのか,よその人たちが大勢くだって行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
sapse
サㇷ゚セ 【sap-se】 あざ笑い(する). (出典:萱野、方言:沙流)
sapte
サㇷ゚テ 【sap-te】 出す,撤収(する):普通はクチャサㇷ゚テの形に限る. トオㇷ゚ トゥイマ クチャ オルン アㇻパアナ(アㇻパ・アン ア) コㇿカ タンペ オッタ(オㇿ タ) オムケン・アン ワ トゥナㇱノ クチャサㇷ゚テ・アン=ずうっと遠い狩小屋へ行ったけれど,このたびは猟がなく,早く狩小屋を撤収した. (出典:萱野、方言:沙流)
sar
サㇻ 【sar】 葦原(あしはら),よしはら,湿地. (出典:萱野、方言:沙流)
sar/sara(ha)
サㇻ/サラ(ハ) 【sar/sara(ha)】 尻尾,尾. チェㇷ゚サㇻ=魚の尾. (出典:萱野、方言:沙流)
sara
サラ 【sara】 現れる.おおわれて見えなかったものが,例えば月が雲から.開いた. サラ ワ アン=開いている. (出典:萱野、方言:沙流)
sarakapi
サラカピ 【sara-kapi】 ホタテガイ.*アッケテㇰという言い方もある. (出典:萱野、方言:沙流)
sarakkamuy
サラッカムイ 【sarak-kamuy】 水死人. サラㇰカムイ ネ オカ ヒ タ メノコ アナㇰネ クットコ ノ アン オッカヨ アナㇰネ ウㇷ゚シ ノ アン ペ ネ=水死した者は,女は仰向けになっているし男はうつ伏せになっているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sarampa
サランパ 【sarampa】 さよなら(外へ出てしまってから互いに). (出典:萱野、方言:沙流)
sarampaki
サランパキ 【sarampa-ki】 いとまごい.*少年時代,近くに住んでいたマンロー先生の所へ祖母と行くと,帰り際に祖母は「サランパキ・アン ナー」と言っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
sarampe
サランペ 【sarampe】 布,絹,絹布. (出典:萱野、方言:沙流)
sarampe tum o urepuni
サランペ トゥㇺ オ ウレプニ 【sarampe tum o-ure-puni】 りっぱな着物を重ね着した神が歩く. アイヌ エクㇺ チトゥナㇱカ プヤㇻオリコ インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) サランペトゥㇺ オウレプニ カムイ ネ クス コラーチ アン クㇽ アニネ(アン ヒネ) エネ ハワニ=人が来る足音が聞こえたかと思うと,窓のすだれが上げられ,私が見ると,りっぱな着物を重ね着した神が,神なので,神に相応しい人がいて言うことには….*昔話の1節で,神がアイヌに語りかける時は東側の窓をめくり上げて話を始めるが,多くの場合は夢の中でである. (出典:萱野、方言:沙流)
sarampeceppo
サランペチェッポ 【sarampe-cep-po】 シマダイ. (出典:萱野、方言:沙流)
saranip
サラニㇷ゚ 【saranip】 背負い袋:木の皮を編んで作った袋状の物. 図[サラニㇷ゚2種] (出典:萱野、方言:沙流)
saraniptese
サラニㇷ゚テセ 【saranip-tese】 袋物編み. (出典:萱野、方言:沙流)
sarare
サラレ 【sara-re】 開ける,開く. スオㇷ゚ プタハ サラレ=箱のふたを開けろ. (出典:萱野、方言:沙流)
sarki
サㇻキ 【sarki】 アシ,ヨシ〔稀・雅〕. (出典:萱野、方言:沙流)
sarmokor
サㇻモコㇿ 【sar-mokor】 うたた寝(する),仮寝. アペ サㇺ タ エ・サㇻモコㇿ コㇿ エ・オㇺケカㇻ ナ ホクレ ホプニ ワ セトッタ(セッ オㇿ タ) ホッケ=火の側でうたた寝をすると風邪をひくから早く起きて寝床で寝ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
sarmowsimosi
サㇻモーシモシ 【sar-mowsimosi】 眠っている男根を目覚めさせる,陰茎を勃起させる. ▷サㇻ=尾,男根に対して陰語的な言い方 モーシモシ=目を覚ませ *昭和36年から42年まで登別温泉ケーブルの観光地でアイヌとして働いていた時代に,一緒にいたエカㇱやフチが笑いながらいろいろな話を聞かせてくださったが,この言葉もその時に聞いたもの.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sarorun(cikap)
サロルン(チカㇷ゚) 【sar-or-un (cikap)】 ツル〔鳥〕. (出典:萱野、方言:沙流)
sarorunkamuy
サロルンカムイ 【sar-or-un-kamuy】 ツル〔鳥〕.▷サㇻ=湿地 オㇿ=所 ウン=住む カムイ=神 →サロルンカムイ (出典:萱野、方言:沙流)
sarpokisiwninsamampe
サㇻポキシウニンサマンペ 【sar-poki-siwnin-samampe】 スナガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
sarunkur
サルンクㇽ 【sar-un-kur】 沙流川の人. フナㇰ ワ エ・エㇰ.サルンクㇽ エ・ネ ルウェヘ アン=どこから来たの.お前は沙流川の人なのかね.*年寄りが他から来た若者に出身地を尋ねる時に言う.門別川のアイヌへはモペトゥンクㇽ(モペッ ウンクㇽ),鵡川の人へはムカウンクㇽ,静内川の人へはシペチャリウンクㇽ,新冠の人へはニカプンクㇽ(ニカㇷ゚ ウンクㇽ)と言うという.アイヌが相手を呼ぶ場合にたいていは出身地を先に言うものである.サルンクㇽ萱野茂という風にである. (出典:萱野、方言:沙流)
sas
サㇱ 【sas】 昆布. (出典:萱野、方言:沙流)
sas
サㇱ 【sas】 合掌材,アイヌ風の家を建てる時の材料.日本語では垂木.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sasitapi
サシタピ 【sasitabi】 刺し足袋. 図[サシタビ] (出典:萱野、方言:沙流)
sasunitara
サスニタラ 【sasunitara】 (サラサラ)鳴る. (出典:萱野、方言:沙流)
sasuysir
サスイシㇼ 【sasuy-sir】 未来,永遠,悠久,いつまでも. (出典:萱野、方言:沙流)
sasuysirpakno
サスイシㇼパㇰノ 【sasuy-sir-pak-no】 悠久に:想像もつかないずっと昔から変わらずに続く様子. (出典:萱野、方言:沙流)
sat
サッ 【sat】 乾いた,乾く. ト サッ ワ イサㇺ=沼が乾いてしまった.エ・フライェ ワ ソイ タ エ・サッケ ア アミㇷ゚ サッ ナ ホクレ アフンケ=お前が洗って外に干した着物が乾いたので早く入れろ. (出典:萱野、方言:沙流)
sat'oyra
サッオイラ 【sat-oyra】 度忘れ(する). オッケ カネ トㇰパ カネ コㇿ ワ エㇰ クニ ク・イェ ア サラニㇷ゚ サッオイラ ヤㇰ イェ コㇿ ソモ コㇿ ワ エㇰ.ク・イルㇱカ ア ク・イルㇱカ ア=突くようにつつくように(=しつこく)持って来いよと私が言った袋を,度忘れしたと言って持って来なかった.私は怒った怒った. (出典:萱野、方言:沙流)
sat'oyrakar
サッオイラカㇻ 【sat-oyra-kar】 度忘れ(する). (出典:萱野、方言:沙流)
sata 1
サタ 【sa ta】 ①囲炉裏に近い所. マㇰ タ エ・アン エ・メライケ ナ.ナ サ タ サン アペクㇽ=奥の方にいてお前は寒いだろう.もっと囲炉裏の方に出て火にあたれ.*窓の方をマㇰタと言い,やや奥まった方から見て囲炉裏に近い方をサタという. (出典:萱野、方言:沙流)
sata 2
サタ 【sa ta】 ②川に近い方.*山の麓から見て川に近い方をサタ,麓の方をマㇰタと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
satcep
サッチェㇷ゚ 【sat-cep】 丸干しのサケ,干し魚. (出典:萱野、方言:沙流)
satcikuni
サッチクニ 【sat-cikuni】 乾いた薪. (出典:萱野、方言:沙流)
satcipor
サッチポㇿ 【satcipor】 干し筋子. (出典:萱野、方言:沙流)
satke
サッケ 【satke】 涸(から)す,乾かす,干す. ポン ト ネ ヤッカ イテキ ア・サッケ ㇷ゚ ネ ナ.チエッポ,イヌヌカㇱ ナ=小さい沼であっても涸すものではないよ.小魚がかわいそうだから.タント ア・ウㇰ ソㇿマ ホクレ チレ ワ アプッキ カ タ サッケ アニー=今日採って来たゼンマイを早くゆがいてすだれの上で乾かしなさい.レラ アㇱ ノイネ シリキ ナ エ・サッケ キナ アプッキ コカㇻカリ ワ ウカオ ワ アヌ=風が吹いて来るようなので,お前が干した山菜をすだれに包んでしまっておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
satkepa
サッケパ 【sat-ke-pa】 乾かす〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
satsatu
サッサトゥ 【sat-satu】 軽蔑される,ほじくる:人のあらをほじくる. (出典:萱野、方言:沙流)
satte
サッテ 【satte】 カヤそろえ:トドマツの板で作る. 図[サッテ] (出典:萱野、方言:沙流)
sattek
サッテㇰ 【sat-tek】 やせる,やせている. ソンノ エネ サッテㇰ ペ オラーノ アサㇺ サㇰ オンタロ ネノ イペノ シリ=全くあのようにやせているくせに底なし樽のようによく食べること! (出典:萱野、方言:沙流)
sattek wa okere
サッテㇰ ワ オケレ 【sattek wa okere】 やせこける. フナㇰ ワ エㇰ セタ サッテㇰ ワ オケレ ㇷ゚ エシー ネンカ アㇻパ=どこから来た犬,やせこけて,しっしっ,どこかへ行け. (出典:萱野、方言:沙流)
sawnu
サウヌ 【sawnu】 ゆるい. *セタテㇰパㇱテ=早く行く,速く行く,急ぐこと,一言で言うと,かどわかす,速く走ること[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
sawnure
サウヌレ 【sawnu-re】 ゆるめる. (出典:萱野、方言:沙流)
sawot
サウォッ 【sawot】 (〜から)逃げる. ヘマンタ エオラㇺペシㇱテ ㇷ゚ エネポエアシㇼ ヌイ サウオッ イセポ コラチ キラ シリ アン=何に驚愕したものか.あれほどまでに,山火事から逃れようとするウサギのように逃げて行くのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sawre
サウレ 【sawre】 やさしい,やさしくかかわる. タパン ハワㇱ アナㇰネ サウレ オルㇱペ ソモ ネ クス コタンコㇿクㇽ ア・エサラマ=この問題はやさしい話ではないので村おさに任せよう.タパン オルㇱペ アナㇰネ サウレ・アン ペ ソモ ネ ナ カムイ ア・エコシ ㇷ゚ ネ ナ.イテキ エカッキ アニ=この事はやさしいことではないので神に任せることにしよう.それにかかわるでないぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
sawrere
サウレレ 【sawre-re】 ゆるめる. イテキ シコッパ シナノ サウレレ=あまりきつく縛らないでゆるめる. (出典:萱野、方言:沙流)
sawsawke
サウサウケ 【saw-saw-ke】 ゆるんでいる. サウサウケ ワ ソモ モコㇿ=ゆるんでいて眠らない.*昭和10年代は赤ちゃんを着物に包んで眠らせた.その時に包み方がゆるいと眠らないといっていた. (出典:萱野、方言:沙流)
say/saye(he) 1
サイ/サイェ(ヘ) 【say/saye(he)】 ①連(れん):ひとくくりの物を数える言葉. カルㇱ シネ サイ=シイタケ1連.*シイタケ10個をチミンニペㇱ(生のシナ皮を裂いたもの)を用いてひとくくりにした.それをひとつら,ふたつら,と数えたものであった.秋シイタケはひとつらが10銭ほど,米1升が25銭であった時代のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
say/saye(he) 2
サイ/サイェ(ヘ) 【say/saye(he)】 ②鳥や虫の群. チカㇷ゚ サイ=鳥の群. (出典:萱野、方言:沙流)
saya
サヤ 【saya】 鞘(さや):鞘のことはシㇼカとも言うし,ケプㇱペと言う場合もある. (出典:萱野、方言:沙流)
saye
サイェ 【saye】 (糸を)巻く. ホワーㇻ ヌイト ク・サイェ クナㇰ ク・ラム アクス ウウェシッネ エネ ク・カリーカ(ク・カㇻ ヒ カ) イサㇺ=ああ,糸を巻きたいと思ったのにもつれてしまってどうしようもない. (出典:萱野、方言:沙流)
sayehekar
サイェヘカㇻ 【sayehe-kar】 巻いてくくる,たぐってくくる. タンネ トゥㇱ サイェヘカㇻ ワ エㇰ=長い網を手で巻いてこい. (出典:萱野、方言:沙流)
saymonkire
サイモンキレ 【saymon-ki-re】 盟神探湯(くがたち). (出典:萱野、方言:沙流)
sayo
サヨ 【sayo】 粥(かゆ). (出典:萱野、方言:沙流)
sayokasup
サヨカスㇷ゚ 【sayo-kasup】 粥杓子・プㇱニ(ホオノキ)で作る. 図[サヨカスㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
sayosu
サヨス 【sayo-su】 粥鍋. ルㇽス プタ ネ ヤ ルㇽカスㇷ゚ ネ ヤ サヨス エウン ア・エイワンケ コㇿ オㇷ゚ラㇰ ペ ネ ナ イテキ ネノ イキ・アン ペ ネ ナ=汁鍋のふたや汁用のしゃもじを粥鍋に使うといやな味がするものなのでそのようにするものではない.*汁鍋で粥を煮るとオㇷ゚ラㇰ(=いやな味)がするので,汁鍋と粥鍋を別に使い分けていた. (出典:萱野、方言:沙流)
saysintoko
サイシントコ 【say-sintoko】 たがのかかった行器(ほかい). (出典:萱野、方言:沙流)
se
セ 【se】 背負う. サッ チクニ ポロンノ タ ワ アリ アニ.ニサッタ ク・セ クス ケㇰ(ク・エㇰ) ナ=乾いた薪をたくさん取っておいてよ.明日背負いに来るから. (出典:萱野、方言:沙流)
seepapakno
セエパパㇰノ 【se-epa-pak-no】 背負えるだけ. (出典:萱野、方言:沙流)
seiyotenonkoy
セイヨテノンコイ 【seiyo-tenonkoy】 タオル:西洋手ぬぐい. (出典:萱野、方言:沙流)
seki
セキ 【seki】 溝. (出典:萱野、方言:沙流)
sekor
セコㇿ 【sekor】 〜と(言う,思う),こうこう,〜する. (出典:萱野、方言:沙流)
sekorkane
セコㇿカネ 【sekor-kane】 〜と. (出典:萱野、方言:沙流)
seku
セク 【seku】 太る,太っている,肥える.*人のことをウェン セク(悪い太り方)という場合もあるが,この言葉には軽蔑の意味が込められており一種の悪口なのでセクという言い方はしないほうがよい. →ミムㇱ (出典:萱野、方言:沙流)
sekukur
セククㇽ 【seku-kur】 太った人. (出典:萱野、方言:沙流)
sem
セㇺ 【sem】 物置,入口・玄関の土間になっている所. (出典:萱野、方言:沙流)
semapa
セマパ 【sem-apa】 入口,玄関. (出典:萱野、方言:沙流)
semascispo
セマㇱチㇱポ 【semas-cis-po】 嘘泣き,泣いたふり. (出典:萱野、方言:沙流)
semastek
セマㇱテㇰ 【semas-tek】 腹いっぱいになる. (出典:萱野、方言:沙流)
semastusupo
セマㇱトゥスポ 【semas-tusupo】 少しの呪術,少しだけの霊力. ▷セマㇱ=少しの トゥスポ=呪術を セマㇱトゥスポ アヤイコ シッカシマ=さっとした呪いを私自身で大切に守っている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
semitak
セミタㇰ 【sem-itak】 予言(をする):凶事の予言.気味悪がられる. ピㇼカㇷ゚ カ ウェンペ カ インクㇱ・アン ペ ネ クス セミタㇰ コラチ ア・イェ ワ ア・イ・オモンヌレ カ ア・イ・コイキ カ キ ㇷ゚ ネ=よいことも悪いことも予感がするので予言と同じように私は言ってほめられたり叱られたりするのよ.ホッノ イヨーハイ アチャポ アナㇰネ ウウェインカㇻ ペ コラーチ ウェンペ ヘネ ピㇼカㇷ゚ ヘネ エセミタㇰキ=本当にたまげた,おじさんは千里眼のように悪いことでもいいことでもそれを予言する.*あらぬことを口走るとその通りになる.神の落としだねである者にそうした人がいるという. (出典:萱野、方言:沙流)
semitakpe
セミタㇰペ 【sem-itak-pe】 予言者. (出典:萱野、方言:沙流)
semkatune
セㇺカトゥネ 【semkatu-ne】 例を見ない,普通でない,残酷を極める. ライネヤッカ セㇺカトゥネ アライケルウェ ネアコㇿカ=死ぬといっても,残酷を極めた殺し方で殺したのではあったが……[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
semkoraci
セㇺコラチ 【sem-koraci】 同じように. (出典:萱野、方言:沙流)
semokkayoramu
セモッカヨラム 【sem-okkayo-ramu】 男として認めない,男と認めず馬鹿にする[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
semorporono
セモㇿポロノ 【semor porono】 やや大きい,やや歳上だ,少しだけ歳上だ. オキクㇽミ アコㇿユピ ナーポロクㇽ アイェハウェ ネクナㇰ アラムアワ イヤッカリ セモㇿポロノ アンペネアアン=オキクㇽミが,私の兄とはもっと歳上の人を言うのであろうと思っていたが,私よりはやや歳上の人であった[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sempi
センピ 【sempi】 楔. 図[センピ] (出典:萱野、方言:沙流)
sempir/sempiri(ke)(he)
センピㇼ/センピリ(ケ)(ヘ) 【sem-pir/-piri(ke)(he)】 陰. チセ センピリ=家の陰.ニ センピリケタ=木の陰に.チセ センピリケタ=家の陰に.ア・アキヒ トゥラノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニ センピㇼ ワ ハイカンヌㇷ゚ シネㇷ゚ ピッコサヌ イ・カカムテㇰ.イ・ヨㇱ エㇰ コㇿ アン ア・アキヒ ホユプ ワ エㇰ ネア ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ シㇼコオッケ イ・カオピューキ クスケライ シㇰヌ・アン=弟とふたりで狩りに行くと立ち木の陰から若い熊が1匹さっと出て来て私の上へかぶさった.後から来ていた弟が走って来てその若い熊を槍で突き殺し私を助け,そのお陰で私は生きた. (出典:萱野、方言:沙流)
sempirke oytak
センピㇼケ オイタㇰ 【sempirke-oitak】 陰口をいう. (出典:萱野、方言:沙流)
semsihosi
セㇺシホシ 【sem-sihosi】 なじる:自分のことを棚に上げて他人のことをなじる. (出典:萱野、方言:沙流)
senkaki
センカキ 【senkaki】 布,綿布. テエータ アナㇰネ メノコサパムイェㇷ゚ クンネ センカキ パテㇰ ネ アコㇿカ タネ アン メノコウタㇻ オッカヨ マタンプㇱ エサパムイェパ=ずっと昔は女が頭に巻く布は黒い布だけであったが,今いる女たちは男用の鉢巻きを頭に巻いている.テエータ アン アミㇷ゚ アナㇰネ ユㇰウㇽ オトゥタヌ アン ペ アットゥㇱ オトゥタヌ アン ペ ヤヤン センカキ ネ=ずっと昔の着物は鹿皮.次はオヒョウの皮で織った着物,次は普通の木綿ものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
sennatara
センナタラ 【sen-natara】 薙ぎ倒す[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
senneohay
センネオハイ 【senne ohay】 まさかそのようなこと,そのようなことはないだろう,本当かい〔間投詞〕. (出典:萱野、方言:沙流)
sep
セㇷ゚ 【sep】 広い,幅. セㇷ゚ ウㇱケ エココモ ワ ウカウカ ワ アヌ=広いほうを折り込んで縫いつけておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
sep'uske
セㇷ゚ウㇱケ 【sep-uske】 広っぱ. (出典:萱野、方言:沙流)
sepepatki
セペパッキ 【sepep-atki】 響き渡る. (出典:萱野、方言:沙流)
sepkautur
セㇷ゚カウトゥㇽ 【sep-ka-utur】 広い糸の間. セㇷ゚カウトゥㇽ ア・シックㇱパレ=広い糸の間を目を通して(ポンヤウンペが窓から家の中を覗く時に窓の簾に顔をあてて見る)[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
seppa
セッパ 【seppa】 鍔. (出典:萱野、方言:沙流)
seppirankane
セッピランカネ 【sep-pirankane】 広い平金. ▷セㇷ゚=広い ピランカネ=平らな金板[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sepre
セㇷ゚レ 【sep-re】 広げる. (出典:萱野、方言:沙流)
sere
セレ 【se-re】 背負わす. (出典:萱野、方言:沙流)
serhum
セㇾフㇺ 【ser-hum】 しゅっと音がする. (出典:萱野、方言:沙流)
serimpo
セリンポ 【serimpo】 煙管. (出典:萱野、方言:沙流)
sermak/seremaka
セㇾマㇰ/セレマカ 【sermak/seremaka】 魂. (出典:萱野、方言:沙流)
sermakausi
セㇾマカウシ 【sermaka a=usi】 無事であることを念じる.▷セㇾマㇰ=魂、命 カ=上 ア=それ ウシ=つける (出典:萱野、方言:沙流)
sermakkasi a=kononnoytak
セㇾマッカシ アコノンノイタㇰ 【sermak-kasi a=ko-nonno-itak】 不運を念じる.*魂の上へ祈るよい言葉ではない.前後にそれ相当の言葉がある. (出典:萱野、方言:沙流)
sermakkor
セㇾマッコㇿ 【sermak-kor】 運が強い. セㇾマㇰコㇿ クス シㇰヌ=運が強いので生きた. (出典:萱野、方言:沙流)
seru
セル 【seru】 むせる:食べ物が気管に入った場合も. スプヤ セル=煙にむせる.ワッカ セル=水にむせる. (出典:萱野、方言:沙流)
sesek
セセㇰ 【sesek】 熱い. (出典:萱野、方言:沙流)
sesekka
セセッカ 【sesek-ka】 温める,熱くする,沸かす,焙る. エシリ ア・エ ア アマㇺ ケセケ ヘネ セセツカ ク・イペ ルスイ ナ=朝食べたご飯の残りなどを温めてくれ,腹がすいたので.セトゥㇽ セセッカ=背中を焙る.テケ セセッカ=手を焙る. (出典:萱野、方言:沙流)
seske
セㇱケ 【seske】 かぶせる,おおう.塞ぐ,閉める,閉じる. (出典:萱野、方言:沙流)
sesseaciw
セッセアチウ 【se-se-aciw】 中出しする:何回にも分けて途中まで運ぶこと,背中で背負いやすい所まで運ぶ. テタ ク・シケヘ カヌ(ク・アヌ) ワ ミマラハ ク・セッセアチュー ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アクス カヌ(ク・アヌ) アㇷ゚ オアㇻ イサㇺ ネンカ セ ワ エン・コレ ヒ ネ ヤクン ピㇼカ コㇿカ=ここに荷物を置いて残りを中出ししてきたら,置いた物がまったくなくなってしまった,誰か背負ってくれたのならばいいけれども.ペッ サㇺ パㇰノ ク・シケヘ ク・セッセアチュー ナ アㇻスイネ エン・カスイ=川辺まで私の荷物を背負って運ぶので1回私を手伝ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
sesserke
セッセㇾケ 【sesserke】 しくしく泣く,しゃくりあげて泣く,すすり泣き,むせぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
set/seci(hi)
セッ/セチ(ヒ) 【set/seci(hi)】 巣,寝床. チカッポセッ=小鳥の巣.ホッノ イヨーハイ キムンカムイ イトゥンナㇷ゚ セチヒ プシロトト ワ エ オカケ=いやー驚きだ熊がアリの巣を激しく掘り起こし食った跡だ. (出典:萱野、方言:沙流)
seta
セタ 【seta】 犬.狼(古い時代の呼び方). (出典:萱野、方言:沙流)
setaento
セタエント 【seta-ento】 ナギナタコウジュ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
setaeturus
セタエトゥルㇱ 【seta-etu-rus】 犬の鼻の皮(のようなやつだ)〔悪口〕.▷セタ=犬 エトゥ=鼻 ルㇱ=皮 (出典:萱野、方言:沙流)
setakko
セタッコ 【setak-ko】 長い間,しばらく. セタッコ イサㇺ=長い間いない.セタッコ フチ ヤイェラムシッネ ワ ク・ケㇺヌ アㇷ゚ オンネ ハウェ ネ ヤクン エヤイラムシンネ.エㇺコネ ク・コトゥヤシ ハウェ ネ ワー=ずいぶん長くおばあさんが苦しんでいて私はかわいそうだと思っていたが,死んだというなら自分で自分の事を安心した.半面はよかったというところだ.セタッコ ソモ ウヌカㇻ・アン タント アナㇰネ アㇷ゚ト カ アㇱ ヒクス ラッチターラ ウウェネウサㇻ・アン エアㇱカイ=しばらく会っていなかったので今日は雨降りでもあるし,静かに四方山話をすることができる. (出典:萱野、方言:沙流)
setakorkoni
セタコㇿコニ 【seta-kor-koni】 ゴボウ. ▷セタ=犬 コㇿコニ=フキ *ゴボウというのは葉が広いので犬のフキといったのであろう.ゴボウの実のいがは人にまとわりついたら離れない.いがのことをイパコカリㇷ゚(人にまとわりつく物)と言い,男にまとわりついて離れない女性のこともイパコカリㇷ゚と言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
setamik
セタミㇰ 【seta-mik】 犬が吠える. (出典:萱野、方言:沙流)
setamunciro
セタムンチロ 【seta-munciro】 エノコログサ(ねこじゃらし)〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
setani
セタニ 【seta-ni】 エゾノコリンゴ〔植〕.▷セタ=犬 ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
setapukusa
セタプクサ 【seta-pukusa】 スズラン. (出典:萱野、方言:沙流)
setaukonupur
セタウコヌプㇽ 【seta-uko-nupur】 犬の交尾. (出典:萱野、方言:沙流)
setaur
セタウㇽ 【seta-ur】 犬皮の衣. 図[セタウㇽ] (出典:萱野、方言:沙流)
setawose
セタウォセ 【seta-wose】 犬の遠吠え. (出典:萱野、方言:沙流)
settompa
セットンパ 【settompa】 墓,墓地. (出典:萱野、方言:沙流)
setur/seturu(hu)
セトゥㇽ/セトゥル(フ) 【setur/seturu(hu)】 背中. (出典:萱野、方言:沙流)
seturkiki
セトゥㇽキキ 【setur-kiki】 背中をかく. (出典:萱野、方言:沙流)
setursesekka
セトゥㇽセセッカ 【setur-sesekka】 背中あぶり. (出典:萱野、方言:沙流)
seutkanrikinrikin
セウッカンリキンリキン 【seut-kan-rikin-rikin】 泣きじゃくる. (出典:萱野、方言:沙流)
seututke
セウトゥッケ 【seut-otke】 胸騒ぎ. (出典:萱野、方言:沙流)
sewri/sewri(hi)
セウリ/セウリ(ヒ) 【sewri/sewri(hi)】 喉(前側,外も中も),気管. (出典:萱野、方言:沙流)
sey
セイ 【sey】 貝.貝類. (出典:萱野、方言:沙流)
seyekapar
セイェカパㇻ 【sey-e-kapar】 アサダ〔植〕.▷セイ=貝 エ=それで カパㇻ=薄い皮の薄い木 イユタニ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ パセ チクニ アニ ア・カㇻ ペ ネ セイェカパㇻ トペニ ペロ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=杵を作る木は重い木で作るもので,アサダ.イタヤ,ナラが最もよいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
seypirakka
セイピラッカ 【sey-pirakka】 貝下駄:セイ(ホッキ貝),チポㇷ゚テニペㇱ(木灰で煮たシナ皮)で作る. 図[セイピラッカ] (出典:萱野、方言:沙流)
seyreka
セイレカ 【seyre-ka】 煎る. マメ セイレカ=豆を煎る.ヘマンタ エ・クイクイ コㇿ エ・アン シリ アン ア・セイレカ キミ ヌㇺ ク・クイクイ コㇿ カン(ク・アン) ルウェ ネ ワー=何をかじっているのですか? 煎りトウモロコシの粒をかじっているのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
si
シ 【si】 糞,大便. オシオウン=糞詰まり.オシクシㇱ=大便をする.シ エ ワ アン=糞でもくらっていろ(これは悪口だがあまり悪意は感じられないもの).→オソマ (出典:萱野、方言:沙流)
si
シ 【si】 本当に,まったく,最も,ぐっと. (出典:萱野、方言:沙流)
si
シ 【si】 子供. (出典:萱野、方言:沙流)
si
シ 【si】 自分(で),自ら. シヘコテ=自分の方へ. (出典:萱野、方言:沙流)
si
シ 【si】 それ(を),〜の. (出典:萱野、方言:沙流)
siamam
シアマㇺ 【si-amam】 米,白米. (出典:萱野、方言:沙流)
sianno
シアンノ 【si-ar-no】 全く,まことに,本当だ,そうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
siapekes
シアペケㇱ 【si-ape-kes】 太い燃えさし.▷シ=太い,本当の アペケㇱ=燃えさし シアペケㇱ ア・テㇰサイカレ シネレ ワ エㇰ チロンヌㇷ゚ ア・トイコキㇰキㇰ ア・ライケ ルウェ ネ=太い燃えさし,さっと手に取って,化けて来た狐を殴りつけて殺したのだ(ウウェペケㇾの一節「ひとつぶのサッチポロ」90頁 平凡社). (出典:萱野、方言:沙流)
siapepasuy
シアペパスイ 【si-ape-pasuy】 太い火箸. シアペパスイ テㇰサイカレ イ・カエウシエウシ=太い火箸を手に持って私を殴った[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
siapka
シアㇷ゚カ 【si-apka】 大きい雄鹿. (出典:萱野、方言:沙流)
siarikiki
シアリキキ 【si-arikiki】 本当によく働く. (出典:萱野、方言:沙流)
siasur'aste
シアスㇽアㇱテ 【si-asur-aste】 有名になる.▷シ=自ら アスㇽ=噂 アㇱテ=立てる *よからぬ噂を立てた場合は蔑みの意味をこめられることがあるので注意. (出典:萱野、方言:沙流)
sici(hi)
シチ(ヒ) 【/sici(hi)】 〜の屑,澱粉を取った残りかす. ヌイト シチヒ=糸屑.トゥレㇷ゚ イルㇷ゚ ア・ヌンパ オカケ シチヒ アナㇰネ コㇿコニ ハㇺ ア・コカㇻカリ ワ ア・オンカ ㇷ゚ ネ ナ=ウバユリの澱粉を搾った残りのかすのほうはフキの葉に包み発酵させるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
sicupka
シチュㇷ゚カ 【si-cup-ka】 東. (出典:萱野、方言:沙流)
sicuppok
シチュッポㇰ 【si-cup-pok】 西. (出典:萱野、方言:沙流)
sicupupu
シチュププ 【si-cupupu】 身を縮める,恐ろしい.▷シ=自ら チュププ=丸める →自分自身の体を出来るたけ小さく丸めるほどに恐ろしい思いをした. キムンカムイ ク・ヌカㇻ ク・ライシチュププ=クマを私は見て死ぬほどに身を縮めた. (出典:萱野、方言:沙流)
sieminayarpe
シエミナヤㇻペ 【si-e-mina-yar-pe】 道化者. (出典:萱野、方言:沙流)
siepaskur
シエパㇱクㇽ 【si-e-paskur】 ハシブトガラス. (出典:萱野、方言:沙流)
sierampokwente
シエランポㇰウェンテ 【si-e-ram-pok-wen-te】 憐れみを乞う. (出典:萱野、方言:沙流)
sietaye
シエタイェ 【si-etaye】 引っこむ. (出典:萱野、方言:沙流)
sietokoa=sonkokuste
シエトコアソンコクㇱテ 【si-etoko a=sonko-kuste】 前もって知らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
sietuuyna
シエトゥウイナ 【si-etu-uyna】 自分の鼻を押さえる:驚きのあまり鼻の穴から魂が飛び出さないように両方の手で鼻を押さえるしぐさ. 図[シエトゥウイナ] (出典:萱野、方言:沙流)
sihekotehotuyekar
シヘコテホトゥイェカㇻ 【si-hekote-hotuyekar】 自分の方へ呼び集める.▷シ=自分 ヘコテ=方に ホトゥイェカㇻ=呼ぶ (出典:萱野、方言:沙流)
sihon
シホン 【sihon】 赤子,赤ん坊. (出典:萱野、方言:沙流)
sihopinupka
シホピヌㇷ゚カ 【si-hopi-nupka】 手放したがらない,未練があって放さない. (出典:萱野、方言:沙流)
sihosi
シホシ 【si-hosi】 逆に,反対に. (出典:萱野、方言:沙流)
sihumnuyar
シフㇺヌヤㇻ 【si-hum-nu-yar】 自分の音を聞かせる:家の外へ来て,家の中に入りたいので私は外に来ているよ,と咳払いする.あるいは壁をとんとんと叩いたり,テㇱマ(雪輪)とテㇱマをぶつけて音を立てること.▷シ=自ら フㇺ=音 ヌ=聞く ヤㇻ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
siitakkorkur
シイタㇰコㇿクㇽ 【si-itak-kor-kur】 本当に雄弁な人,雄弁な者. ▷シ=本当に イタㇰ=言葉 コㇿ=持つ クㇽ=人,者(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sik
シㇰ 【sik】 いっぱいになる,いっぱいである. (出典:萱野、方言:沙流)
sik'etokousikosanu
シㇰエトコウシコサヌ 【sik-etoko-usi-kosanu】 目の前からさっと消える,目の先が見えなくなった. ▷シッ=目 エトコ=先 ウシコサヌ=さっと消えた(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sik/siki(hi)
シㇰ/シキ(ヒ) 【sik/siki(hi)】 目. (出典:萱野、方言:沙流)
sika opiwkiyar
シカ オピウキヤㇻ 【sika opiwki-yar】 助けを求める. (出典:萱野、方言:沙流)
sikaesinayar
シカエシナヤㇻ 【si-ka-esina-yar】 自分の秘密を他に漏らさないように頼む.▷シ=自ら エシナ=隠す ヤㇻ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
sikannatki 1
シカンナッキ 【<si-ka-nanu-atki】 ①回る:猫の尾に紐をつけるとぐるぐる回る,それの様子をいう. (出典:萱野、方言:沙流)
sikannatki 2
シカンナッキ 【<si-ka-nanu-atki】 ②まるい:円,球. (出典:萱野、方言:沙流)
sikannatkire
シカンナッキレ 【<si-ka-nanu-atki-re】 回す. (出典:萱野、方言:沙流)
sikanto
シカント 【si-kanto】 天空. (出典:萱野、方言:沙流)
sikantokotor
シカントコトㇿ 【si-kanto-kotor】 宇宙. (出典:萱野、方言:沙流)
sikapekuste
シカペクㇱテ 【si-ka-pe-kuste】 自分の悪事を隠す.▷シ=自ら カ=上 ペ=水 クㇱテ=通らせる →自分の体の上に水を流しているかのように隠れている. (出典:萱野、方言:沙流)
sikari
シカリ 【si-kari】 まるい(円,球),まるくなる. タヌクラン ワノ アシッチュㇷ゚ ア・ヌカㇻ.タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ ク・ホタㇱヌ=今夜から三日月が見えた,この月がまるくなる頃私はお産をする. (出典:萱野、方言:沙流)
sikaricup
シカリチュㇷ゚ 【sikari-cup】 満月.▷シカリ=丸い チュㇷ゚=月 (出典:萱野、方言:沙流)
sikarikari
シカリカリ 【si-kari-kari】 ぐるぐる回る. (出典:萱野、方言:沙流)
sikarimpa
シカリンパ 【si-karimpa】 まるい:円形,回る. (出典:萱野、方言:沙流)
sikasesikere
シカセシケレ 【si-ka-sesike-re】 蒲団を掛けてもらう. ▷シ=自ら カ=上 セシケ=掛ける,覆う,被せる レ=させる クコロション クホッケナ エンカセシケアニー=孫よ,私は寝るので蒲団を掛けてくれよ. *祖母テカッテは孫である私にそう言いながら,セッ(寝床)へ這うようにして行くので必ず蒲団掛けをしたものであった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sikasioikire
シカシオイキレ 【si-kasio-ikire】 世話をしてもらう,めんどうを見てもらう. ▷シ=自ら カシオイキレ=めんどうを見てもらう タネコンネ(クオンネ) ワ クポホウタㇻ クシカシオイキレ=私も歳を取ったので,息子たちにめんどうを見てもらっている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sikasuyre
シカスイレ 【si-kasuy-re】 手伝わせる. (出典:萱野、方言:沙流)
sikay/sikaye(he)
シカイ/シカイェ(ヘ) 【sikay/sikaye(he)】 目釘,釘:竹などを用いる. (出典:萱野、方言:沙流)
sikayekaye
シカイェカイェ 【si-kaye-kaye】 稲妻の形,稲光のように屈曲した模様.▷シ=自ら カイェカイェ=折れ折れする (出典:萱野、方言:沙流)
sikcupucupu
シㇰチュプチュプ 【sik-cupu-cupu】 何回も目を閉じる,まぶしくて目をばちばちする,目で合図する.▷シㇰ=目 チュプチュプ=何回も閉じる (出典:萱野、方言:沙流)
sike
シケ 【sike】 背負う. (出典:萱野、方言:沙流)
sike/sike(he)
シケ/シケ(ヘ) 【sike/sike(he)】 荷物. ク・シケヘ パセ ㇷ゚ ネ クス サマ タ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナクス(ク・アン アクス) ペウレクㇽ エㇰ ヒネ アンパテㇰ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=私の荷物が重いものだから側で立っていると若者が来てさっと持って行ってしまった.パセ シケ カ コㇱネ シケ カ アン ナ イナニケカ セ ワ コタン カランケ パㇰノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるのでどれかを背負って村の近くまで私を送ってくれ.イワㇰ・アン ナ ホクレ シケカㇻ コㇱネ ヒケ セ ワ トゥナㇱノ イワㇰ ワ スケ エトコイキ コㇿ アン=帰るので急いで荷物を作り軽いほうを背負って,早く帰って煮物の用意をしていてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
sikeopusi
シケオプシ 【sik-e-opusi】 にらむ. ピㇼカ メノコ ネ コㇿカ ナヌフ ソモ サンケ ノ オトㇷ゚ ウトゥㇽ ワ イ・シケオプシ アーペコㇿ イキ エアㇻキンネ ケオハイシトマ(ク・エオハイシトマ)=いい女なのだが顔を出さずに髪の間から私をにらみつけているみたいで,私はとっても気味が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
sikepuni
シケプニ 【sik-e-puni】 そっと見上げる:目上の人に対してそっと見上げる様子. イ・コシケプニ=そっと私を見上げた. (出典:萱野、方言:沙流)
sikerayke
シケライケ 【sik-e-rayke】 にらむ,にらみつける.▷シㇰ=目 エ=それ ライケ=殺す (出典:萱野、方言:沙流)
sikere
シケレ 【sike-re】 背負わせる.▷シケ=背負う レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
sikerpe
シケㇾペ 【sikerpe】 シコロ(キハダ)の実.ブドウのような実がなりその実を香辛料として用いる.木の内側の黄色い部分を剥いで乾燥させ粉にしたものを打ち身や挫きをした時水で練って患部に貼ると効き目がある. (出典:萱野、方言:沙流)
sikerpeni
シケㇾペニ 【sikerpe-ni】 シコロ(キハダ)の木. (出典:萱野、方言:沙流)
sikesar
シケサㇻ 【sik-esar】 わがまま,横暴. (出典:萱野、方言:沙流)
sikesarkur
シケサㇻクㇽ 【sik-esar-kur】 乱暴者. (出典:萱野、方言:沙流)
sikesarpe
シケサㇻペ 【sik-esar-pe】 乱暴者. シケサㇻペ アナㇰネ ア・ウコシウトゥㇽウイルケ コㇿ ポーヘネ ウェン ナ.タㇰ ワ エㇰ ヤン.ア・オプンプニ ワ ネㇷ゚カ ア・カレ クㇱネ ナ=ならず者は皆ではじき出すとなおさら悪いものだ.呼んで来なさい,おだてて何かやらせようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
siki
シキ 【siki】 オニガヤ. (出典:萱野、方言:沙流)
sikihi ka uciw kane
シキヒ カ ウチウ カネ 【sikihi ka uciw kane】 目も開かないほどだ. ト エピッタ ク・ホック カネ ク・ネㇷ゚キ アクス ケヌフㇷ゚(ク・エヌフㇷ゚) ク・シキヒ カ ウチュー カネ=1日いっぱい腰を曲げて働いたら顔が腫れて目も開かないほどだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sikina
シキナ 【si-kina】 ガマ〔植〕.▷シ=本当 キナ=草 カニ アナㇰネ オルケㇱサㇰペ ク・ネ クス シキナ ピイェヘ ケトイタ(ク・エトイタ) シリ ネ ナ シコㇿ ハワナン(ハワン・アン) コㇿ タㇷ゚ストゥ オイカ ア・チャㇻパ ㇷ゚ ネ=私は子孫の絶えた者なのでガマ草の種を蒔くのだよ,と言いながら肩越しに後ろへ種を蒔き散らすものだ(雑草は繁殖力が旺盛なので,この沼の食べ物がなくなると,種を蒔いた人の子孫を食うという,それでこのようなまじない言葉を言うものである).*ござを編むのに使う草,沼に生えている.刈り取る時期があって,沙流川流域であれば9月18日前後,それより早く刈るとキナメ(草の寒さ)といって急に寒くなるものであると,刈る時期を牽制しあった. (出典:萱野、方言:沙流)
sikipip
シキピㇷ゚ 【sikipip】 見ないふりをする,目を避ける[ユ].*狩人は熊の交尾を見たらよいことがあるから,見てみぬふりをして通り過ぎるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sikiru
シキル 【si-kiru】 向く. チェㇷ゚ シキル ア・シコパヤㇻ=魚のようにさっと身を翻す. (出典:萱野、方言:沙流)
sikisakisa
シキサキサ 【si-kisa-kisa】 身ぶるいする:犬などが川を泳いで渡った後,体をふって水を切ること. (出典:萱野、方言:沙流)
sikite
シキテ 【si-kite】 牙. (出典:萱野、方言:沙流)
sikittektek
シキッテㇰテㇰ 【<si-kiru-tek-tek】 身を翻す.▷シ=自ら キル=向ける,動かす テㇰテㇰ=さっと,急に ←シキルテㇰ (出典:萱野、方言:沙流)
sikiutacup
シキウタチュㇷ゚ 【si-ki-uta-cup】 4月. (出典:萱野、方言:沙流)
sikkamuk
シッカムㇰ 【sik-kamuk】 目を閉じる,目をつむる. ポンペ クンネチㇱ ヒ タ シㇰトココ ワ チㇱ ヒ タ アナㇰネ カッキクㇱ ヒ ネ.シッカムㇰ ワ チㇱ ヒ アナㇰネ モコン ルスイ ワ ネ=赤子が夜泣きする時に目を開けて泣くのは化け物が憑いている,目を閉じている場合は眠たい時だ. (出典:萱野、方言:沙流)
sikkap
シッカㇷ゚ 【sik-kap】 瞼.▷シㇰ=目 カㇷ゚=皮 シッカㇷ゚ ウタサレ=瞼を閉じている. (出典:萱野、方言:沙流)
sikkasma
シッカㇱマ 【sikkasma】 預かる. (出典:萱野、方言:沙流)
sikkasmare
シッカㇱマレ 【sikkasma-re】 預ける. (出典:萱野、方言:沙流)
sikkeruru
シッケルル 【sik-keruru】 かっと目を開く,目を勢いよく開く. (出典:萱野、方言:沙流)
sikkes/sikkese(he)
シッケㇱ/シッケセ(ヘ) 【sik-kes/-kese(he)】 目尻. (出典:萱野、方言:沙流)
sikkew/sikkewe(he)
シッケウ/シッケウェ(ヘ) 【sikkew/sikkewe(he)】 隅,角. チセ シッケウ=家の隅.アペオイ シッケウ タ ア・アシ ㇷ゚ イヌンペサウㇱペ ネ ワ カシ タ ネㇷ゚ネㇷ゚ ア・ケウレ.シンナ レヘ ヘカチペカクㇽ ヘカチペカマッ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=炉の角々に立てる物が削り台であり,その上にいろいろな物を削る.別の名を子供を受ける男,子供を受ける女というものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
sikkewikuspe
シッケウイクㇱペ 【sikkew-ikuspe】 角柱. (出典:萱野、方言:沙流)
sikkoyunin
シッコユニン 【sik-ko-yunin】 目が痛い. (出典:萱野、方言:沙流)
sikmasasa
シㇰマササ 【sik-masasa】 目を大きく開く. (出典:萱野、方言:沙流)
siknak
シㇰナㇰ 【sik-nak】 目が見えない,盲である. (出典:萱野、方言:沙流)
siknakkur
シㇰナックㇽ 【sik-nak-kur】 盲人. (出典:萱野、方言:沙流)
sikno
シㇰノ 【sik no】 いっぱいに. シㇰノ オマレ=いっぱいに入れろ.シネアン パイカㇻ イサロイキㇷ゚ ア・コㇿ ヒネ オケネウㇱ トゥラシ アㇻパ・アン タㇱテㇰテㇰ イサロイキㇷ゚ シㇰノ プクサキナ ア・ウㇰ ワ イワカン(イワㇰ・アン)=ある春のこと,やや大型の背負い袋を持ってオケネウシ(という沢)をのぼって行き,あっという間にやや大型の背負い袋いっぱいにニリンソウを採取して帰って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
siknu
シㇰヌ 【siknu】 生きる. シㇰヌ ワ ホシピ=生還する.テ タ アナン(アン・アン) ヤッカ アエㇷ゚ カ イサㇺ.パイカㇻ パㇰノ ネユンポカ イキ・アン ワ シㇰヌ・アン ソモ キ ヤㇰネ コタン ア・アルㇱテッカ エライエコッネ ネ クス シリペ・アン クス アㇷ゚カㇱ・アン クスネ=ここにいても食べ物もない.春までなんとかして生きていなければ村が消えてしまいそうだ,どうせなら食べ物を探しによその村へ歩いて来るよ. (出典:萱野、方言:沙流)
siknum/siknumi(hi)
シㇰヌㇺ/シㇰヌミ(ヒ) 【sik-num/-numi(hi)】 目玉,眼球. (出典:萱野、方言:沙流)
siknure
シㇰヌレ 【siknu-re】 生かす. (出典:萱野、方言:沙流)
sikoekte
シコエㇰテ 【si-ko-ek-te】 呼びつける. (出典:萱野、方言:沙流)
sikoetaye
シコエタイェ 【si-ko-etaye】 (ぐっと)引っぱる.▷シ=自ら コ=に エタイェ=引っぱる (出典:萱野、方言:沙流)
sikoiruskare
シコイルㇱカレ 【si-ko-iruska-re】 相手を怒らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
sikomewe
シコメウェ 【si-ko-mewe】 けんかを売る.挑発する:相手をからかってわざと向かって来るように仕向ける.▷シ=自ら コ=に対して メウェ=ひっくり返す →自分の方へわざと返す. (出典:萱野、方言:沙流)
sikonun
シコヌン 【si-ko-nun】 吸い込む.*昔アイヌ女性が口のまわりにいれずみをした時,沼ガヤを管にして粥をすすったという. (出典:萱野、方言:沙流)
sikopayar
シコパヤㇻ 【sikopayar】 〜(の)ように,(〜に)似せる. (出典:萱野、方言:沙流)
sikopop
シコポㇷ゚ 【sikopop】 錆:刃物が錆びる,錆びついている. フンペ ア・チャ ヒ タ アナㇰネ シコポㇷ゚ ノタコㇷ゚ アニ ア・チャ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=鯨を切る時は錆びついた刃物で切るといいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
sikor
シコㇿ 【sikor】 〜と,そう,こうこう. (出典:萱野、方言:沙流)
sikorar
シコララ 【si-korar】 押し売り嫁.▷シ=自ら コララ=くれてやる,くれてしまう (出典:萱野、方言:沙流)
sikorkane
シコㇿカネ 【sikor-kane】 〜と. (出典:萱野、方言:沙流)
sikotak
シコタㇰ 【si-ko-tak】 自分の所へ招待する.▷シ=自分 コ=〜へ タㇰ=招待する (出典:萱野、方言:沙流)
sikotankonni
シコタンコンニ 【si-kotan-kor-ni】 太い樹木.▷シ=本当に コタン=村 コㇿ=持つ ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
sikotcakehe
シコッチャケヘ 【si-kotca-ke-he】 自分の前. (出典:萱野、方言:沙流)
sikotcanere
シコッチャネレ 【si-kotca-ne-re】 仲介・仲裁を頼み込む,両方の間にたって交渉を進めてもらう.▷シ=自分 コッチャ=前 ネ=なる レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
sikotcanereyar
シコッチャネレヤㇻ 【si-kotca-ne-re-yar】 仲介・仲裁を頼む. (出典:萱野、方言:沙流)
sikoyantonere
シコヤントネレ 【si-ko-yanto-nere】 泊める,泊まらせる.▷シ=自ら コ=それを ヤント=客 ネ=に レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
sikoyupupu
シコユププ 【si-ko-yupupu】 抱きしめる. (出典:萱野、方言:沙流)
sikparur
シㇰパルㇽ 【sik-parur】 目縁. シㇰパルㇽ フレ センカキ ア・エカイェ アー ペコㇿ アン ペ=目の縁に赤い布を織り込んだようなもの=大蛇[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
sikpuy/sikpuye(he)
シㇰプイ/シㇰプイェ(ヘ) 【sik-puy/-puye(he)】 目つき,まなざし.▷シㇰ=目 プイ=穴 *昭和10年頃の私の少年時代,道を歩いていると見知らぬおとなが私に言った.「ポン はつめ ソモ ネ ウン?シㇰプイェ ク・キㇼ=小さいはつめではないか?目つきに見覚えがある」と,母の名を言うものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
sikramat/sikramaci(hi)
シㇰラマッ/シㇰラマチ(ヒ) 【sik-ramat/-ramaci(hi)】 ひとみ(方言:めぼとけ). (出典:萱野、方言:沙流)
sikrap/sikrapu(hu)
シㇰラㇷ゚/シㇰラプ(フ) 【sik-rap/-rapu(hu)】 まつげ. (出典:萱野、方言:沙流)
sikrappa
シㇰラッパ 【sik-rappa】 瞬く. (出典:萱野、方言:沙流)
sikrapparappa
シㇰラッパラッパ 【sik-rappa-rappa】 まばたき. (出典:萱野、方言:沙流)
siksam'inkar
シㇰサㇺインカㇻ 【sik-sam-inkar】 流し目. (出典:萱野、方言:沙流)
siksamnere
シㇰサㇺネレ 【sik-sam-ne-re】 流し目,横目で見る. (出典:萱野、方言:沙流)
siksut
シㇰスッ 【sik-sut】 まなじり.目尻. シㇰスッ コンナ プユヤッキ(ユカㇻの中で涙が溢れるという意味). (出典:萱野、方言:沙流)
siksut konna ekopuyuise
シㇰスッコンナ エコプユイセ 【sik-sut-konna e-ko-puyuise】 涙があふれる,涙が目からあふれ出る. ▷シㇰスッ=目尻 コンナ=が エコプユイセ=それがあふれる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sikte
シㇰテ 【sikte】 いっぱいにする. (出典:萱野、方言:沙流)
sikteno
シㇰテノ 【sik-te no】 いっぱいに. (出典:萱野、方言:沙流)
siktokoko
シㇰトココ 【sik-tokoko】 目を見開く. イワタラㇷ゚ アナㇰネ チㇱ ヒ タ シㇰトココ ワ チㇱ ヒ アナㇰネ ネㇷ゚カ ヌカㇻ ワクス イキ ヒ ネ ワ ア・エヤㇺ ペ ネ=赤子が泣く時に目をぱっちり開けて泣くのは何か化け物が見えているのだから大切にするものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
sikuma
シクマ 【sikuma】 峰. (出典:萱野、方言:沙流)
sikuma situ
シクマ シトゥ 【sikuma situ】 分水嶺. (出典:萱野、方言:沙流)
sikurianteyar
シクリアンテヤㇻ 【si-kuri-ante-yar】 噂をまき散らす,陰口を言われるようなことをする.▷シ=自ら クリ=陰 アンテ=それを置く ヤㇻ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur
シクトゥㇽ 【sik-utur】 エゾネギ,アサツキ.*この言葉は穂別町の小山太郎さんが教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur
シクトゥㇽ 【sik-utur】 目の間. カムイ シクトゥㇽ(シㇰ ウトゥㇽ) アイヌ シクトゥㇽ トゥㇱマㇰ ワ アㇻウェン トゥカㇷ゚ カリ ハウェ=神の目や人間の目,そのすき間をかいくぐって化け物が徘徊しているのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur poro
シクトゥㇽ ポロ 【sik-utur poro】 粗い. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur rupne
シクトゥㇽ ルㇷ゚ネ 【sik-utur rupne】 粗い. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur sep
シクトゥㇽ セㇷ゚ 【sik-utur sep】 粗い(網やざるの目). (出典:萱野、方言:沙流)
sikuyruke
シクイルケ 【sik-uyruke】 目を配る.▷シㇰ=目 ウイルケ=入れる コタン カシ シクイルケ=村の様子に注意深く目を配る. (出典:萱野、方言:沙流)
simacici
シマチチ 【si-macici】 かがまる:自分の体を縮めること. (出典:萱野、方言:沙流)
simaketare
シマケタレ 【si-maketa-re】 自ら負ける,力尽きる. タパントゥミオッタ イキネイペカ シマケタレ エキナ オッカヨアナㇰネ フォイキㇷ゚ ネルウェタパンナ=この戦いにもしも負けることがあってはならない,男という者,気合いを入れるものであるぞ. *負けることはマケタロと言い,勝つことをカッタロと言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
simatumatu
シマトゥマトゥ 【si-matu-matu】 身もだえする,精神的な苦しさに体をねじるように動かすこと,身もだえして泣く. シマトゥマトゥコㇿ チシコㇿアン=身もだえしながら泣いていた[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
simawtacup
シマウタチュㇷ゚ 【si-maw-ta-cup】 6月. (出典:萱野、方言:沙流)
simemokka
シメモッカ 【simemokka】 嘲笑する,あざける,馬鹿にする. (出典:萱野、方言:沙流)
simokore
シモコレ 【si-mokor-re】 狸寝入り,寝たふりをする.▷シ=自ら モコㇿ=眠る レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
simomanpe
シモマンペ 【si-momanpe】 (大型の)鹿. (出典:萱野、方言:沙流)
simon
シモン 【simon】 右. (出典:萱野、方言:沙流)
simonpok'omare
シモンポㇰオマレ 【si-mon-pok-omare】 見下げる,自分より弱い者として見下す. ▷シ=自ら モン=力 ポㇰ=下 オマレ=入れる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
simonsam
シモンサㇺ 【simon-sam】 右側. (出典:萱野、方言:沙流)
simontek/simonteke(he)
シモンテㇰ/シモンテケ(ヘ) 【si-mon-tek/-teke(he)】 右手.▷シ=本当に モン=働く テㇰ=手 (出典:萱野、方言:沙流)
simoysam/simoysama(ke)(he)
シモイサㇺ/シモイサマ(ケ)(ヘ) 【simon-sam/-sama(ke)(he)】 右,右側. ←シモン (出典:萱野、方言:沙流)
simpi
シンピ 【simpi】 マグロ. (出典:萱野、方言:沙流)
simusiska
シムシㇱカ 【si-musis-ka】 咳払い(をする):家の人に自分が来ていることを知らせるための咳払い.▷シ=自ら ムシㇱ=むせる カ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
simuyamuya
シムヤムヤ 【si-muya-muya】 (いやなので体を)振る:いやたいやだと体を横に振る.両手を前で組んで上半身を横に振る, (出典:萱野、方言:沙流)
sina
シナ 【sina】 縛る. (出典:萱野、方言:沙流)
sinasina
シナシナ 【sina-sina】 縛る:きつく縛る. (出典:萱野、方言:沙流)
sine 1
シネ 【sine】 ①ひとつの,1. (出典:萱野、方言:沙流)
sine 2
シネ 【sine】 ②ある. シネ アンチカㇻ タ=ある夜のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
sine cikir
シネ チキㇼ 【sine-cikir】 1本足. (出典:萱野、方言:沙流)
sine ikinne
シネ イキンネ 【sine ikir ne】 みな同じに,1列に.▷シネ=ひとつ イキㇼ=縫い目 ネ=なる (出典:萱野、方言:沙流)
sineancikar
シネアンチカㇻ 【sine ancikar】 一晩,一夜. (出典:萱野、方言:沙流)
sineanine
シネアニネ 【sine an hi ne】 ある日. (出典:萱野、方言:沙流)
sineanta
シネアンタ 【sine an hi ta】 ある日. エイタサ イウォㇿ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォㇿ ホタヌカㇻ クス エキㇺネ・アン キムンペ アピㇼ シッチニナニナ ア・エヤイコプンテㇰ=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場を見舞うために山へ行くと獲物の足跡があたり一面にこちゃこちゃとあって私は喜んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sineanto
シネアント 【sine an to】 ある日. (出典:萱野、方言:沙流)
sinecompa
シネチョンパ 【sine-compa】 1升. エシㇼ イユタㇷ゚ オㇿ ワ ピヤパ ピㇼケㇷ゚ ク・ヤンケ ワ セモッタ(セㇺ オㇿ 夕) アン ナ チョンパ アニ パカリ ワ ウパㇰセㇾケ コㇿ ワ アㇻパ=朝,私がばったりからヒエの精白を上げて入り口の所にあるので,升で量って半分持って行け.オッコー ピㇼケㇷ゚ エ・コㇿ チキ シネ チョンパ エン・コソウㇰテ.ク・ヤイモンニㇱカ ワ イユタ カ ケアイカㇷ゚(ク・エアイカㇷ゚) ナ=姉よ,精白したものあったら1升私に貸して.私は忙しくて,搗くこともできないので. (出典:萱野、方言:沙流)
sinecup
シネチュㇷ゚ 【sine-cup】 1か月. (出典:萱野、方言:沙流)
sinehot
シネホッ 【sine-hot】 20▷シネ=ひとつの ホッ=20 *アイヌが数を数える時は1から20まで行ったら,マッチの棒あるいは印になるものをひとつ置いて,もう1度1から20まで数える.印の物が5個になったらアシㇰネホッ=五つの20,つまり100になる.100のことはシネクンクトゥと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
sineitak
シネイタㇰ 【sine itak】 ひと言. (出典:萱野、方言:沙流)
sinekunkutu
シネクンクトゥ 【sine-kunkutu】 100 (出典:萱野、方言:沙流)
sinen
シネン 【sine-n】 ひとり. (出典:萱野、方言:沙流)
sinen ikasma hotnen
シネン イカㇱマ ホッネン 【sinen ikasma hotnen】 21人. (出典:萱野、方言:沙流)
sinen ikasma waniw
シネン イカㇱマ ワニウ 【sinen ikasma waniw】 11人. (出典:萱野、方言:沙流)
sinenna
シネンナ 【sinen-na】 ひとり:人数を数える時に言う言葉.*昭和58年5月7日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
sinenne
シネンネ 【sinen-ne】 ひとりで,ひとりでに. ユッカルㇱ アン ウㇱケ コルウヌ(ク・オルウヌ) シネンネ ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) アクス ア・エン・ヌカㇻ=マイタケの生えている所を私は知っていたのでひとりで山へ入ると,他人に見られた.アヌン コタン タ イヤㇱケウㇰ クス アㇻパアニ(アㇻパ・アン ヒ) タ アナㇰネ シネンネ ソモ アㇻパ・アン ペ ネ ナ=よその村へ人を招待しに行く時はひとりで行くものではない.オハシッタ(オハ シㇼ タ) ポンペ シネンネ アン ウェンカスノ ケランポㇰウェン(ク・エランポㇰウェン) クス ク・トゥラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=誰もいない所に幼子がひとりでいたのであまりにもかわいそうに思って連れて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
sinenocipakno
シネノチパㇰノ 【sine-noci pakno】 ひと口ほどの. ▷シネノチ=ひと口 パㇰノ=ほどの(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sinenot
シネノッ 【sine-not】 ひと口:食べ物をひと口. (出典:萱野、方言:沙流)
sinensinen
シネンシネン 【sinen sinen】 ひとりずつ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinenum
シネヌㇺ 【sine-num】 ひと粒. (出典:萱野、方言:沙流)
sinep
シネㇷ゚ 【sine-p】 ひとつ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinep ikasma asiknehot
シネㇷ゚ イカㇱマ アシㇰネホッ 【sinep ikasma asikne-hot】 101 (出典:萱野、方言:沙流)
sinep ikasma hot
シネㇷ゚ イカㇱマ ホッ 【sinep ikasma hot】 21 (出典:萱野、方言:沙流)
sinep ikasma wanpe
シネㇷ゚ イカㇱマ ワンペ 【sinep ikasma wanpe】 11 (出典:萱野、方言:沙流)
sinep patek
シネㇷ゚ パテㇰ 【sinep patek】 たったひとつ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinep ranke
シネㇷ゚ ランケ 【sinep ranke】 ひとつずつ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinep takup
シネㇷ゚ タクㇷ゚ 【sinep takup】 たったひとつ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinepa
シネパ 【sine-pa】 1歳,1年. (出典:萱野、方言:沙流)
sinepes
シネペㇱ 【sinepes】 九つ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinepesaniw
シネペサニウ 【sinepesan-iw】 9人. (出典:萱野、方言:沙流)
sinepesanpe
シネペサンペ 【sinepesan-pe】 九つ,9. (出典:萱野、方言:沙流)
sineramne
シネラㇺネ 【sine-ram-ne】 ひと思い. (出典:萱野、方言:沙流)
sinerasuhu
シネラスフ 【sine-rasuhu】 1片. シネ ラスフ ポカ エネレ(エン・エレ)=1片でも食べさせてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
sineraye
シネライェ 【sine-raye】 どうせなら,ひとまず:後のことはともかく. (出典:萱野、方言:沙流)
sinere
シネレ 【sinere】 (人間に)化ける,なりかわる.▷シ=自ら ネ=なる レ=させる ア・コㇿ クチャチセ タ アㇻパアナクス(アㇻパ・アン アクス) チロンヌㇷ゚ シネレ ㇷ゚ アン ワ イ・コテㇾケ ア・シレカッタ アクス ライホチカチカ ライ ルウェ ネ=私の狩小屋へ行くと狐が人間に化けていて私に取っ組んで来たので大地へ叩きつけると手足をばたつかせ死んでしまった.チロンヌㇷ゚ シネレ ㇷ゚ ソモ ネ ヤー.クチャチセ オルン エネ ピㇼカ メノコ エㇰ ヒ アナㇰネ ア・オヤモㇰテ=狐が化けた者ではないだろうか.狩小屋へこのような美人が来るということは私は不審に思う.シ アペケㇱ ア・テㇰサイカレ シネレ ワ エㇰ チロンヌㇷ゚ ア・トイコキㇰキㇰ ア・ライケ ルウェ ネ=太い燃えさし,さっと手に取って,化けて来た狐を殴りつけて殺したのだ(ウウェペケㇾの1節『ひとつぶのサッチポロ』90頁 平凡社). (出典:萱野、方言:沙流)
sinerep
シネレㇷ゚ 【sinere-p】 偽の者. (出典:萱野、方言:沙流)
sinerettukor
シネレットゥコㇿ 【sine-ret-tu-kor】 タラ:屑のような1本の髭を持った魚の意味. ▷シネ=ひとつ レッ=髭 トゥ=屑 コㇿ=持つ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sinesay
シネサイ 【sine-say】 1連:10個の繋がり,シイタケなどを. (出典:萱野、方言:沙流)
sinesinrici
シネシンリチ 【sine-sinrici】 同根. (出典:萱野、方言:沙流)
sinetem
シネテㇺ 【sine-tem】 一尋. (出典:萱野、方言:沙流)
sineto
シネト 【sine-to】 1日. (出典:萱野、方言:沙流)
sinetukaha
シネトゥカハ 【sine-tukaha】 ひと握り, コㇿチセ ア・カㇻ ヒ タ コㇿハㇺ クㇽストゥ シネ トゥカハ ア・キㇱマ ワ ア・ケッケ ヒネ ア・エタイェ コㇿ コㇿカㇷ゚ コㇿハㇺ オコッ ワ ア・エイワンケ エニタン ペ ネ=フキ小屋を作る時はフキの葉の近くをひと握りだけ握って,それを折って引っ張るとフキの皮がフキの葉にくっついていてそれが使いやすいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinetuy'omap
シネトゥイオマㇷ゚ 【sine-tuy-oma-p】 双生児.双子.▷シネ=ひとつの トゥイ=腸 オマ=入る ㇷ゚=者 (出典:萱野、方言:沙流)
sinetuy'op
シネトゥイオㇷ゚ 【sine-tuy-o-p】 双子.▷シネ=ひとつ トゥイ=腸 オ=入る ㇷ゚=者 →ひとつの腸に入っていた者 (出典:萱野、方言:沙流)
sinetuy'or'op
シネトゥイオㇿオㇷ゚ 【sine-tuy-or-o-p】 ひとつの腹の中のもの,きょうだい[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
sinewe
シネウェ 【sinewe】 (近くへ)遊びに行く. (出典:萱野、方言:沙流)
sineweeek
シネウェエエㇰ 【sinewe-e-ek】 遊びに来る. ニサッタ アナㇰネ インネ ウタㇻ シネウェエエㇰ ナ チセ ピㇱカン ピㇼカノ シッチャㇱヌレ ヤン=明日は大勢の人が遊びに来るから家の周囲をよく掃除しなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
sinewpa
シネウパ 【sinew-pa】 シネウェ(遊びに行く)の複数形. ▷シネウェ=遊びに行く パ=それら(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sini
シニ 【sini】 休む. (出典:萱野、方言:沙流)
siniranke
シニランケ 【sini-ranke】 休み休み. (出典:萱野、方言:沙流)
sinire
シニレ 【sini-re】 休ませる. (出典:萱野、方言:沙流)
siniskanto
シニㇱカント 【si-nis-kanto】 雲の空,一番上の方の空.▷シ=本当に ニㇱ=雲 カント=空 (出典:萱野、方言:沙流)
siniwka
シニウカ 【siniwka】 あきた. (出典:萱野、方言:沙流)
siniyorap
シニヨラㇷ゚ 【siniyorap】 8月. (出典:萱野、方言:沙流)
sinkep
シンケㇷ゚ 【sinkep】 ハギ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
sinkepmunnuyep
シンケㇷ゚ムンヌイェㇷ゚ 【sinkep mun-nuye-p】 ハギぼうき. 図[シンケㇷ゚ムンヌイェㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
sinki
シンキ 【sinki】 疲れる.くたびれた. ソンノ シンキ・アン ワ イワㇰ・アン ペ ア・コㇿ ポンペ イイェㇺエム(イ・エㇺエム) ワ ポーヘネ シンキ・アン=本当に疲れて帰って来たのに私の小さい子供が私にまつわりつき、なおさら疲れた. (出典:萱野、方言:沙流)
sinkop/sinkopi(hi)
シンコㇷ゚/シンコピ(ヒ) 【sinkop/sinkopi(hi)】 (糸とか紐の)端. オトゥ カ シンコㇷ゚ オレ カ シンコㇷ゚ ランケランケ=ふたつの糸の糸端三つの糸端下ろし[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
sinna
シンナ 【sinna】 違う,変わる.別の. ペッ シンナ コㇿ イポㇿセ カ ウウェシンナイノ アン ペ カ アン=川が違うと表現の仕方が違うものもある.アイヌ アッパケ ア・エホリッパ シンナ トリ ネ シンナ チカㇷ゚ ネ ア・イ・ヌカㇻ カネ=人々の先頭になって私は踊り、別な鳥として異彩を放つ私を皆は見ている(ユカㇻの中でポンヤウンペの恋人が目立っている様子). (出典:萱野、方言:沙流)
sinnarehe
シンナレヘ 【sinna-rehe】 別名. アイヌ アナㇰネ ピサックノカ シンナレヘ "トイタサオッ" シコㇿ カ ア・イェ.トイタ ウシ アン コㇿ トオㇷ゚ ヘリカシ キラ クス ア・イェ ヒ ネ=アイヌ民族は北斗七星の別の名を「畑耕しから逃げる」とも言う.畑時期になるとずうっと上へ逃げるのでそう言われるのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinnatoyne
シンナトイネ 【sinna-toy-ne】 特別に. (出典:萱野、方言:沙流)
sinnaynaye
シンナイナイェ 【sir-nay-nay-e】 大地に絵を描くこと,堅くなった土に文字を書き,それを柔らかい土で隠す土遊びの類い. *昭和10年前後,アイヌの子供たちで,字隠しという言い方で遊んだものであった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sinnayno
シンナイノ 【sinnay no】 別に. ウウェシンナイノ=別々に. (出典:萱野、方言:沙流)
sinnayno an
シンナイノ アン 【sinnayno an】 変わる,違う. (出典:萱野、方言:沙流)
sinne
シンネ 【sinne】 〜(の)ように. (出典:萱野、方言:沙流)
sinninup
シンニヌㇷ゚ 【sir-ninu-p】 大地を縫うもの,ござピン:シンケㇷ゚(ハギ)製. 図[シンニヌㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
sinnisatta
シンニサッタ 【sir-nisatta】 明日になる,翌日になる. ▷シㇼ=あたり ニサッタ=明日に(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sinnurappa
シンヌラッパ 【sin-nurappa】 先祖を祭る,先祖供養:お盆の頃,お神酒をあげて死者の供養をする. シンヌラッパ シコㇿ ア・イェ コㇿ ピㇼカ アエㇷ゚ アン コㇿ アペ サㇺ タ ネ ヤ ソイ タ ヌサ オッタ(オㇿ タ) ネ ヤ シンリッ ウタㇻ レヘ ア・イェ コㇿ ア・アヌ ㇷ゚ ネ=先祖供養ということでおいしい食べ物があると,火の側とか外の祭壇の前で先祖の名を言いながら置くものである。*旭川ではイヤレと言い,静内ではイチャㇻパと言う,図[シンヌラッパ] (出典:萱野、方言:沙流)
sinnurappausi
シンヌラッパウシ 【sin-nurappa-usi】 先祖供養の場所.外の祭壇,家の方から見て左端に先祖供養の場所がある. ▷シンリッ=先祖 ヌラッパ=供養 ウシ=所,場所(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sino
シノ 【sino】 非常に,本当(の),まったく,どのような,最も. (出典:萱野、方言:沙流)
sino
シノ 【sino】 〜を. (出典:萱野、方言:沙流)
sino yayramekomo
シーノヤイラメコモ 【sino-yay-ram-e-komo】 本当に老衰の激しいもの. (出典:萱野、方言:沙流)
sinonruki
シノンルキ 【si-non-ruki】 生唾をのむ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinot
シノッ 【sinot】 遊ぶ,遊び. テ タ シノッ コㇿ アナ(アン・ア) コㇿカ タㇷ゚ アㇻパ ア ワ=ここで遊んでいたけれど今行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinot'eo
シノッエオ 【sinot-eo】 遊び好きだ. オッカイポ ウタㇻ シノッエオ パ=若者たちは遊び好きだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinotca
シノッチャ 【sinot-ca】 歌. (出典:萱野、方言:沙流)
sinotcaki
シノッチャキ 【sinot-ca-ki】 歌う. (出典:萱野、方言:沙流)
sinotcaor'itak
シノッチャオㇿイタㇰ 【sinot-ca-or-itak】 歌の中の言葉.*アイヌの歌は決まった歌詞はあまりなく,即興的に歌詞を歌いこむものが多い.チソㇿイタㇰ=チㇱ オㇿ イタㇰ=泣きながらの言葉,泣きながらしゃべるという言い方もある. (出典:萱野、方言:沙流)
sinotcaranke
シノッチャランケ 【sinot-caranke】 遊びの討論会. テエタ アナㇰネ オッカイポ ウタㇻ ウウェカㇻパ コㇿ スンケ アㇱ ペ ソネ アㇱ ペ エウパウレ シノッチャランケ コラチ ネ ア コㇿカ タネ アン ウタㇻ ネノ アン イキ ソモ キ パ=昔は若者たちが集まると嘘の事や本当の事を口論し,遊びの討論会のようなものであったが今の人たちはそのようなことはしなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
sinotnumat arikoraypa
シノッヌマッ アリコライパ 【sinot-numat a-rik-o-raypa】 遊びの胸紐を上の方へ私は上げる:娘が思春期になり胸のふくらみを気にしはじめる年頃になったこと.今まで胸がはだけても気にしなかったが,急に胸紐を気にするようになった.思春期になる. (出典:萱野、方言:沙流)
sinotnumatpo ciwtasare
シノッヌマッポ チウタサレ 【sinot-numatpo ci=u-tasa-re】 遊びの胸紐を交互にして. ▷シノッ=遊び ヌマッポ=紐 チ=それ ウタサレ=交互に結び *今までは胸をはだけて遊んでいたが,少し恥ずかしくなり胸紐を上へ上げる歳頃になった[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sinotponku
シノッポンク 【sinot-pon-ku】 遊びの小弓:クネニ(オンコ),カリンパ(サクラの皮)で作る. ポンノ ポロアナクス(ポロ・アン アクス) ア・エカシヒ アㇰ シノッポンク アㇰ シノッポンアイ カㇻ ワ イ・コレ ヒクス アㇰ シノッ・アン=少し私が大きくなったらおじいさんが遊びの弓と遊びの矢を作ってくれたので弓遊びをした. (出典:萱野、方言:沙流)
sinoye
シノイェ 【si-noye】 曲がって変わる. ポロワッカ オカ タ ワッカ シノイェ アシㇼペッ アン ルウェ ネ ノイネ=大洪水の後で水の流れが変わって新しい川が出来ているようだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinpuy
シンプイ 【sir-puy】 泉,湧き水,井戸.▷シㇼ=大地 プイ=穴 →水は大地の穴から湧いている (出典:萱野、方言:沙流)
sinrit'oriwakmosir
シンリッオリワㇰモシㇼ 【sinrit-o-riwak-mosir】 先祖が暮らしている国土,死人の霊魂が行く所,冥土. (出典:萱野、方言:沙流)
sinrit/sinrici(hi) 1
シンリッ/シンリチ(ヒ) 【sin-rit/-rici(hi)】 ①根. (出典:萱野、方言:沙流)
sinrit/sinrici(hi) 2
シンリッ/シンリチ(ヒ) 【sin-rit/-rici(hi)】 ②先祖. (出典:萱野、方言:沙流)
sinrupuskap
シンルプㇱカㇷ゚ 【sir-rupus-ka-p】 大地を凍らせる雨. (出典:萱野、方言:沙流)
sinrus
シンルㇱ 【sir-rus】 苔. (出典:萱野、方言:沙流)
sinta
シンタ 【sinta】 ゆりかご:シケㇾペニ(キハダの木),シキ(オニガヤ)で作る. 図[シンタ] (出典:萱野、方言:沙流)
sintaatuhu
シンタアトゥフ 【sinta-atuhu】 ゆりかごの紐.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sintakisar
シンタキサㇻ 【sinta-kisar】 ゆりかごの耳.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sintatumama
シンタトゥママ 【sinta-tumama】 ゆりかごの本体.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sintoko
シントコ 【sintoko】 行器(ほかい). 図[シントコ] (出典:萱野、方言:沙流)
sintoko osmak a=i=eoranrani
シントコ オㇱマㇰ アイェオランラニ 【sintoko-osmak a=i=e-oranrani】 シントコの後ろへ詰め込まれた:大切にされる人が酒宴の席でイナウコッシントコの後ろへ座らされる様子. (出典:萱野、方言:沙流)
sintokopo
シントコポ 【sintoko-po】 副葬用シントコ:漆器. 図[シントコポ] (出典:萱野、方言:沙流)
sinu
シヌ 【sinu】 寄る,いざる,ずる. (出典:萱野、方言:沙流)
sinuma
シヌマ 【sinuma】 本人,その人. (出典:萱野、方言:沙流)
sinutapka
シヌタㇷ゚カ 【si-nutap-ka】 大平原の上.ユカㇻの中でポンヤウンペの城のある所の地名.シヌタㇷ゚カタ イレスサポ イレシパヒネ=大平原の上に,私を育てている姉,私を育て…….ユカㇻの常套句[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sinuye
シヌイェ 【si-nuye】 いれずみ(をする).*いれずみをする時は,まず手頃な鍋の底をきれいに洗って水を入れて火に掛ける.その下へシラカンバの皮を細かく裂いて燃やす.するとカバ皮のすすが鍋底へつく.鍋をそっと上げてぬるま湯になった水を捨てていれずみをしようとする者の前へ伏せる.口のまわりに傷をつけては鍋底のすみを傷口に擦り込む.1週間くらいで傷口のかさぶたが落ちて仕上がる. (出典:萱野、方言:沙流)
sioarwenruy
シオアㇻウェンルイ 【si-oar-wen-ruy】 全く悪い,全くよい:前後の言葉によって善と悪の両極端に使い分けられる. タネ アン ピㇼカ シオアㇻウェンルイ=(今までの美しさ)それに増して今日の美しさ. (出典:萱野、方言:沙流)
sioca
シオチャ 【si-o-ca】 おかっばに髪を切る.▷シ=自分 オ=それ(=髪の毛) チャ=切る クポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ フチ ウタㇻ カ レキヒ レス ワ アン エカシ ウタㇻ カ オピッタ シオチャ ワ オカ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ネノアン プリ カ オアㇻ イサㇺ=私が子供の頃(昭和10年)は,おばあさんたちも,ひげをのばしているおじいさんたちも,おかっばに髪を切っていたものであったが,今はその風習もすっかりなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
siokaepotara
シオカエポタラ 【si-oka-epotara】 留守を案ずる.▷シ=自分 オカ=後 エポタラ=案ずる,気づかう タネポ ヘカッタㇻ パテㇰ ネ ワ コハシㇼウンテ(ク・オハシㇼウンテ) ㇷ゚ ネ クス エアㇻキンネ ク・シオカエポタラ コㇿ ケㇰ(ク・エㇰ) ヒ ウン=今初めて子供らだけで留守番をさせたのでとっても留守を案じながら私は来たのよ. (出典:萱野、方言:沙流)
siokaun
シオカウン 【si-oka un】 自分の後ろの方へ.▷シ=自分 オカ=後ろ ウン=〜へ (出典:萱野、方言:沙流)
siokunnure
シオクンヌレ 【si-okumure】 いばる. (出典:萱野、方言:沙流)
sion
シオン 【sion】 子供:かわいがって呼ぶ言葉. ←ション (出典:萱野、方言:沙流)
sionpiyar
シオンピヤㇻ 【sionpiyar】 未亡人,寡婦,女やもめ. ウネノ シオンピヤㇻ ネ ㇷ゚ ネ クス ウトゥヤㇱカラㇷ゚ パ ワ ネ ノイネ ウトクイェコㇿ パ=同じように後家(未亡人)なので同情しあうらしく仲がいい. (出典:萱野、方言:沙流)
siosmakehe
シオㇱマケヘ 【si-osmakehe】 自分の後ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
sipar'uyna
シパㇻウイナ 【si-par-uyna】 自分の口を押さえる:驚きのあまり口から魂が飛び出さないように両方の手で口を押さえるしぐさ.この場合は「ホッノ イヨーハイ シトマレ=まあ,あきれてしまったよ…」と言うものである.▷シ=自ら パㇻ=口 ウイナ=とる (出典:萱野、方言:沙流)
sipasnu
シパㇱヌ 【sip-asnu】 利口な. (出典:萱野、方言:沙流)
sipasnuno
シパㇱヌノ 【sip-asnuno】 際立って. (出典:萱野、方言:沙流)
sipe
シペ 【sipe<si-e-pe】 サケ.*アイヌはサケを主食としていたし,定住の場所はサケの来る所までと決まっていた.▷シ=本当に エ=食べる ペ=物 (出典:萱野、方言:沙流)
sipettek
シペッテㇰ 【sipettek】 終わる. タパン ネㇷ゚キ アンピㇼ パㇰノ カ イユニン サㇰノ シペッテㇰ クニ カムイ プンキ アン ペ ネ ナ=この仕事中に爪傷ほどの怪我もなく終わりますように神のご守護があるでありましょう[カムイノミ]. (出典:萱野、方言:沙流)
sipi
シピ 【sipi】 蘇生する. (出典:萱野、方言:沙流)
sipicar
シピチャㇻ 【sipicar】 静内(の):静内町の古い時代の呼称. (出典:萱野、方言:沙流)
sipicipici
シピチピチ 【si-pici-pici】 体をくねらせる. シンタ オㇿ テンネㇷ゚ ア・オレ ヒ タ エイタサ ハウケ ヒ カ ウェンペ ネ.シピチピチ ハチㇼ コㇿ イヤイキㇷ゚テ クス=ゆりかごに赤ちゃんを乗せる時に,あまりにもゆるいことも悪いものだ.体をくねらせ落ちると危険なので. (出典:萱野、方言:沙流)
sipine
シピネ 【sipine】 着物を身につける,装う. (出典:萱野、方言:沙流)
sipine wa an
シピネ ワ アン 【sipine wa an】 用意している.▷シピネ=着物を身につける ワ=〜て アン=いる (出典:萱野、方言:沙流)
sipirasa
シピラサ 【sipirasa】 開く. エプイケ シピラサ=開花する. (出典:萱野、方言:沙流)
sipita
シピタ 【si-pita】 着物を脱ぐ.▷シ=自分 ピタ=ほどく (出典:萱野、方言:沙流)
sipitappa
シピタッパ 【si-pitappa】 着物を脱ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
sipopkep
シポㇷ゚ケㇷ゚ 【si-pop-ke-p】 刀,武器. (出典:萱野、方言:沙流)
siporapora
シポラポラ 【si-pora-pora】 立って手足をばたばたさせる. (出典:萱野、方言:沙流)
sippo
シッポ 【sippo】 塩. エ・スパ チェㇷ゚ルㇽ ポンノ オパンペラㇰ ナ シッポ コㇿ ワ エㇰ=お前が煮た魚汁,少し塩味が足りないから塩を持って来てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
sipporur
シッポルㇽ 【sippo-rur】 塩汁. (出典:萱野、方言:沙流)
sippousi
シッポウシ 【sippo-usi】 塩をつける. (出典:萱野、方言:沙流)
sipsip
シㇷ゚シㇷ゚ 【sip-sip】 トクサ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
sipuskep
シプㇱケㇷ゚ 【si-puske-p】 イナキビ. (出典:萱野、方言:沙流)
sipuskepmesi
シプㇱケㇷ゚メシ 【sipuskep-mesi】 イナキビご飯. ウクラン チェㇷ゚ルㇽ ネヤ アシㇼ シプㇱケㇷ゚メシ ネヤ ライ ク・キロンヌ パㇰノ ケ(ク・エ) クンネイワイペ ケ(ク・エ) カ エトランネ=昨夜,魚汁とか新しいイナキビご飯とか,それはそれは腹いっぱいに食べたので朝食は食べるのもいやだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sipusu
シプス 【si-pusu】 浮かぶ,浮く,浮き出る,地中・水中から出る. (出典:萱野、方言:沙流)
sipusutektek
シプステㇰテㇰ 【si-pusu-tek-tek】 さっと浮き上がる. レポイラマンテ・アン クス チㇷ゚ ア・オ ワ アㇻパアナクス(アㇻパ・アン アクス) アッコㇿカムイ シプステㇰテㇰ ヤニ ア・イ・ライケ=沖漁をすると思って舟に乗って沖へ出ると,タコがさっと浮き上がって来て危なく私は殺されそうになった. (出典:萱野、方言:沙流)
sipuyne
シプイネ 【sipuyne】 少し,わずかな,少ない. (出典:萱野、方言:沙流)
sir
シリ 【sir】 〜なことだ〔感嘆〕. ウヌヌケ パㇰノ ア・エラヤㇷ゚ ペ イサㇺ ペ ウトゥルン メノコポ ウヌヌケ シリ!=孝行ほど感心されることはないものだが,西隣の娘の親孝行なこと! (出典:萱野、方言:沙流)
sir'an
シㇼアン 【sir-an】 〜なのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sir'eepakke
シㇼエエパッケ 【sir-eepak-ke】 あのあたりの近く,あの所の近く. ▷シㇼ=あたり,所,~のあたり エエパッケ=近く,~に近い(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sir'etu
シㇼエトゥ 【sir-etu】 岬.▷シㇼ=陸地 エトゥ=鼻,先 (出典:萱野、方言:沙流)
sir'iki
シㇼイキ 【sir-iki】 〜している様子だ,そのようだ,そのように見える. (出典:萱野、方言:沙流)
sir'itnetuye
シㇼイッネトゥイェ 【sir-itne-tuye】 先回り. (出典:萱野、方言:沙流)
sir'ohak
シㇼオハㇰ 【sir-ohak】 浅い. ペッカスイアニ(ペッカスイ・アン ヒ) タ アナㇰネ シㇼオハㇰ ウㇱケヘ ア・ヌㇺケ ワ ペッカスイ・アン ペ ネ=川を歩いて渡る時はあたりが浅い所を選んで川を渡るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sir'onuman
シㇼオヌマン 【sir-onuman】 日暮れ,夕暮れ. (出典:萱野、方言:沙流)
sir'uhuy
シㇼウフイ 【sir-uhuy】 火事(になる).▷シㇼ=あたり ウフイ=燃える タネ ホッケ・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アナナクス(アン・アン アクス) ヘパシ ペウタンケ ハウ ア・ヌ アロラㇺポソアニネ(アロラㇺポソ・アン ヒネ) ソヨテㇾケアナクス(ソヨテㇾケ・アン アクス) シㇼウフイ ネ ノイネ ポロ アペ ニペㇰ ア・ヌカㇻ=さて寝ようかなと思っていると,下の方から危急を知らせる叫び声が聞こえ驚いて外へ飛び出ると,火事らしく大きい火の光が見えた.チセ ア・アシ ヒ タ アナㇰネ ナ ウウォヤㇰタ ア・アシ.ネンカネ シㇼウフイ ヒ タ ア・シトマ クス=家を建てる時はそれぞれ別々に建てる.もしも火事になった時恐ろしいので.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) アㇻスイネ シㇼウフイ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ.コタンケㇱ ワ ペウタンケ ハウ アㇱ アクス フチ チソイェカッタ コタンケスン(コタンケㇱウン) ワ アㇻスイネ ペウタンケ コタンパ ウン トゥ スイ レ スイ ペウタンケ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=私が子供の時に1回だけ火事を見たことがある,村の下端からウォーイという叫び声が聞こえたら祖母が飛び出て,(火元が見える)村の下端へ1回だけウォーイと叫び,村の上の方へ2回3回と叫んだのを見たものであった(貝澤ちこさんの家の火事,昭和8年頃). (出典:萱野、方言:沙流)
sir'utur
シㇼウトゥㇽ 【sir-utur】 あちらとこちらの間.▷シㇼ=あたり ウトゥㇽ=間 (出典:萱野、方言:沙流)
sir'uwampare
シㇼウワンパレ 【sir-uwampare】 あたりを見る,あたりの様子を注意深く見る. ▷シㇼ=あたり ウワンパレ=よく見る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sir/siri 1
シㇼ/シリ 【sir/siri】 ①様子,あたり,天気. ヘマンタ ネ アㇷ゚ト トゥㇺ タ エ・エㇰ シリ アーン=何しに雨の中をお前は来たの. (出典:萱野、方言:沙流)
sir/siri 2
シㇼ/シリ 【sir/siri】 ②地.大地,島.アイヌモシㇼ.▷アイヌ=人間,人 モ=静か シㇼ=大地 →人間の静かな大地(北海道の古い時代の呼び名). (出典:萱野、方言:沙流)
siramkir
シラㇺキㇼ 【sir-amkir】 付近の地形を知っている.▷シㇼ=あたり アㇺキㇼ=知っている (出典:萱野、方言:沙流)
siramniwkeste
シラㇺニウケㇱテ 【si-ram-niwkes-te】 納得しない,承知しない.▷シ=自分 ラㇺ=思い ニューケㇱ=できない テ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
siramsuye
シラㇺスイェ 【si-ram-suye】 思い出す,自分をふりかえる. ヤイコトゥイマ シラㇺスイェ=自分の過去をふりかえる. (出典:萱野、方言:沙流)
siramuisamte
シラムイサㇺテ 【si-ramuisam-te】 知らんふりをする,かまとと. テエタ ワノ ネユンネユン パハウェヘ ア・ヌ ア カッケマッ シラムイサㇺテ ワ タント イヨロッ ワ アン.ア・エシㇰサㇺネレ ヒ カ エランペウテㇰ ノ=ずっと前からいろいろと噂のあった奥様が知らん顔をして今日は皆に混じっている.蔑みの目で見られているのも知らずに. (出典:萱野、方言:沙流)
siran 1
シラン 【siran】 ①(〜という)様子だ,(〜に)なる. アウン コシマッ アンラコㇿ ソモ ネ.エㇰ ワ オラーノ レパ カ シラン ペ ポサㇰ シリ=隣の嫁,クロユリではないのかい.来てからすでに3年にもなるのに子供を産めない様子は.アㇷ゚ト アㇱ ノイネ シラン ナ チクニ ポロンノ アフㇷ゚テ ワ アヌ=雨が降りそうだから薪をたくさん入れておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
siran 2
シラン 【siran】 ②たつ,過ぎる. (出典:萱野、方言:沙流)
siranpakamuy
シランパカムイ 【sir-anpa-kamuy】 樹木の神.▷シㇼ=大地 アンパ=持つ カムイ=神 →大地を支え持っている神が樹木だと考えている. (出典:萱野、方言:沙流)
sirapa
シラパ 【sir-apa】 雨漏り.▷シㇼ=あたり アパ=漏る (出典:萱野、方言:沙流)
sirapoknu
シラポㇰヌ 【sirapok-nu】 甘く見る,みくびる.馬鹿にする. (出典:萱野、方言:沙流)
sirappa
シラッパ 【si-rappa】 羽ばたく. (出典:萱野、方言:沙流)
sirapparappa
シラッパラッパ 【si-rappa-rappa】 羽ばたき. (出典:萱野、方言:沙流)
sirar
シラㇻ 【sirar】 濃い:(粥や糊が)固い. (出典:萱野、方言:沙流)
sirara
シララ 【sirara】 磯,平磯,海面に見えていない平らな岩礁[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sirari
シラリ 【sirari】 酒粕. (出典:萱野、方言:沙流)
sirarnisu
シラㇻニス 【sirar-nisu】 (石の)挽き臼. 図[シラㇻニス] (出典:萱野、方言:沙流)
sirarsayo
シラㇻサヨ 【sirar-sayo】 固粥:飯に近いくらいの粥. (出典:萱野、方言:沙流)
siratkikamuy
シラッキカムイ 【siratki-kamuy】 家の中に置いてある神.*狐の頭はキムンシラッキ,アホウドリの頭はレプンシラッキ. (出典:萱野、方言:沙流)
siraw
シラウ 【siraw】 アブ. (出典:萱野、方言:沙流)
sirawekoyki
シラウェコイキ 【sir-hawe-koiki】 大声でどなりつける. ▷シㇼ=あたり ハウェ=声 コイキ=いじめる *シㇼハウェコイキがシラウェコイキになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
siraye
シライェ 【siraye】 寄る. (出典:萱野、方言:沙流)
sircuk
シㇼチュㇰ 【sir-cuk】 秋になる. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) シㇼチュㇰ コㇿ クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ モセ・アㇱ チセ オカーリ カキ チ・カㇻ ペ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=私が小さい時,秋になると母と一緒にカヤを刈って家の周囲に雪囲いを作ったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
sirecakke
シレチャッケ 【sir-e-cakke】 (あたりを)汚ながる.▷シㇼ=あたり エチャッケ=汚ながる (出典:萱野、方言:沙流)
sirekariwaek
シレカリワエㇰ 【sir-e-kari wa ek】 遠回りで来る.▷シㇼ=あたり エ=それ カリ=回る ワ=〜て エㇰ=来る (出典:萱野、方言:沙流)
sirekatta
シレカッタ 【sir-ekatta】 投げる,叩きつける. (出典:萱野、方言:沙流)
sirekurok
シレクロㇰ 【sir-ekurok】 暗い,真っ暗だ. (出典:萱野、方言:沙流)
sirekutkar
シレクッカㇻ 【si-rekut-kar】 咳払いをする. アヌン コタン タ アㇻパアニネ(アㇻパ・アン ヒネ) コタンコㇿクㇽ コㇿ チセ ネ ノイネ アン ウㇱケ タ アㇻパ・アン シレクッカㇻアナクス(シレクッカㇻ・アン アクス) ア・イ・アフンケ=よその村へ行って村おさの家らしい所へ行き,咳払いを私がしたら家の中へ入れられた. (出典:萱野、方言:沙流)
siren
シレン 【siren】 誘う. ウシレン=誘い合う.アチャポ チェㇷ゚コイキ クス エン・シレン コㇿカ ア・エラムホカスス クス ソモ アㇻパ・アン=おじさんが魚獲りに私を誘ったが、気が進まなかったので行かなかった.エ・アキヒ チセ オッタ(オㇿ タ) アン チキ シレン ワ エㇰ=お前の弟が家にいたら誘ってこい.トオトオ ウカ カ タ ユㇰ ラオㇱマ コㇿ アン ナ セコㇿ アレクㇱコンナ ア・エン・シレン ホユプ・アン=あれあれ堅雪の上で鹿がぬかっていると,まったく急に誘われたので私は走った.タン チュㇷ゚ タ トゥイマ モシルン(モシㇼ ウン) ア・エン・シレン ヤッカ ク・ヤイモンニㇱカ ㇷ゚ ネ クス ソモ カㇻパ(ク・アㇻパ) クナㇰ ク・イェ.ケヤイアシシカㇻ(ク・エヤイアシシカㇻ) コㇿ カン(ク・アン)=今月,遠い国へ私は誘われたが忙しいものだから行かないと言った.後悔している. (出典:萱野、方言:沙流)
sirepa
シレパ 【sir-epa】 着く,到着する,届く.▷シㇼ=あたり エパ=着く タント シㇼペケㇾ ヒ タ ケㇰ(ク・エㇰ) エパ ヤー シコㇿ ク・ヤイヌ コㇿ ク・ヤイニタンテ アクス イイソネ ク・シレパ=今日明るいうちに到着するかなあと思いながら急いで来たがどうやら着いた.エン・コシレパ=私に届く.エ・コシレパ=あなたに届く. (出典:萱野、方言:沙流)
sirepare
シレパレ 【sirepa-re】 届ける. (出典:萱野、方言:沙流)
sireramuskari
シレラムㇱカリ 【sir-e-ramuskari】 あたりを知らない. (出典:萱野、方言:沙流)
siresikte
シレシㇰテ 【sir-e-sikte】 大地いっぱいにする. (出典:萱野、方言:沙流)
siretok
シレトㇰ 【sir-etok】 器量. (出典:萱野、方言:沙流)
siretokkor
シレトッコㇿ 【sir-etok-kor】 美しい,美貌,器量がよい. (出典:萱野、方言:沙流)
sirhorutke
シㇼホルッケ 【sir-horutke】 地滑り,土砂崩れ. タパヌㇱケ アナㇰネ タネ シㇼホルッケ アンキ アン イヤイキㇷ゚テ ナ イテキ エチ・カランケ クニ ラム ヤン=この場所は今にも地滑りが起きそうだ、危険なので絶対にお前たちは近寄ると思うな. (出典:萱野、方言:沙流)
sirhorutu
シㇼホルトゥ 【sir-ho-rutu】 地滑り.▷シㇼ=大地 ホ=自ら ルトゥ=寄せる (出典:萱野、方言:沙流)
sirhurarakka
シㇼフララッカ 【sir-hura-rak-ka】 大地のにおいをかぐ:犬があたりのにおいをかぎながら歩く様子. ア・コㇿ セタ ア・トゥラ ヒネ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) シㇼフララッカ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ホユㇷ゚テㇰテㇰ アクス ヒナㇰ ワ シネ イセポ ケサンパ ワ エㇰ=私の犬を連れて山へ行ったら,大地のにおいをかいでいたと思うと,さっと走り出し,どこからか1匹のウサギを追い出して来た. (出典:萱野、方言:沙流)
sirhutne
シㇼフッネ 【sir-hutne】 (土地・家が)狭い. ヘカッタㇻ アナㇰネ シㇼフッネ ウㇱケ ウン ウフトゥフトゥパ ワ シノッ ルスイ=子供たちは狭い所で押し合いへしあいをして遊びたいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
siri/siri(hi)
シリ/シリ(ヒ) 【siri/siri(hi)】 図体. ポロシリヒ アン ワ オラーウン ヌンペネ=大きい図体していながら甘えている. (出典:萱野、方言:沙流)
siriki
シリキ 【siriki】 様子(だ). レラ アㇱ ノイネ シリキ ナ エ・サッケ キナ アプッキ コカㇻカリ ワ ウカオ ワ アヌ=風が吹いて来るようなので,お前が干した山菜をすだれに包んでしまっておけ.テエータ アナㇰネ ネノ アン シリキ ソモ ア・ヌカㇻ ペ ネ ア コㇿカ タネ オカ ペウレクㇽ アナㇰネ ホクフ カシエオマー カネ オカイパ=ずうっと昔はそのような様子を見ることはなかったが,今いる若い人は自分の夫にしなだれかかっている. (出典:萱野、方言:沙流)
sirine
シリネ 【siri ne】 〜だった. (出典:萱野、方言:沙流)
siripe
シリペ 【siripe】 他の村へ食べ物を貰いに行く,調達する:村が飢饉になり,別の村へ食べ物を分けてもらいに行くこと. テ タ アナン(アン・アン) ヤッカ アエㇷ゚ カ イサㇺ.パイカㇻ パㇰノ ネユンポカ イキ・アン ワ シㇰヌ・アン ソモ キ ヤㇰネ コタン ア・アルㇱテッカ.エライエコッネ ネ クス シリペ・アン クス アㇷ゚カㇱ・アン クスネ=ここにいても食べ物もない.春までなんとかして生きていなければ村が消えてしまいそうだ,どうせなら食べ物を探しによその村へ歩いて来るよ.ア・コタヌ ケムㇱ ワ アエㇷ゚ カ イサㇺ ペ ネ クス ア・コㇿ タマサイ ネ ヤ ア・ホクフ コㇿ イコㇿ ネ ヤ ア・セ カネ オヤ コタン オルン シリペ クス アㇻパ・アン=私の村が飢饉になり,食べ物がないので,私の玉飾りや私の夫が持っていた宝刀などを背負って別の村へ食べ物を分けてもらいに私は行った. (出典:萱野、方言:沙流)
sirire
シリレ 【siri-re】 地名:あたりの名前:自分たちが暮らしている所から別の方角を言う場合. タ アン ペ アナㇰネ シリレ ネ ヒネ 二風谷小学校 カランケ オカ アイヌ アナㇰネ 萱野茂アイヌ資料館 アン ウㇱケ ヌㇷ゚ シコㇿ レコレ ワ アン ペ ネ ア ワ=これは地名であって,二風谷小学校近くにいた人は萱野茂アイヌ資料館のある場所を,野原と名づけていたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
siriyap
シリヤㇷ゚ 【si-riya-p】 二冬越した熊. (出典:萱野、方言:沙流)
sirka
シㇼカ 【sirka】 (鞘の)飾り,鞘. (出典:萱野、方言:沙流)
sirka
シㇼカ 【sirka】 地面. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkamu
シㇼカム 【sir-kamu】 大地にうつ伏す. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkap
シㇼカㇷ゚ 【sirkap】 カジキマグロ(メカジキ),サメ(ツノザメ). (出典:萱野、方言:沙流)
sirkasakpenankasakpe
シㇼカサㇰペナンカサㇰペ 【sirka-sak-pe nanka-sak-pe】 取柄のない者:たいした器量でない者(へりくだった言い方). (出典:萱野、方言:沙流)
sirkaske
シㇼカㇱケ 【sir-kaske】 表. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkata
シㇼカタ 【sir-ka ta】 土の上. シㇼカタ アヌ=土の上へ置け. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkatanne
シㇼカタンネ 【sirka-tanne】 造りの長い刀,ぐっと反った長い刀,反りのある長刀. ▷シㇼカ=造り タンネ=長い(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sirki
シㇼキ 【sirki】 模様. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkikkik
シㇼキㇰキㇰ 【sir-kik-kik】 壁をたたく:家の外まで行って,客である私が来ていることを,家の人に知らせるために外壁をたたくこと. ▷シㇼ=あたり キㇰキㇰ=たたく(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sirkio
シㇼキオ 【sirki-o】 斑点,斑,まだら,斑紋. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkirap
シㇼキラㇷ゚ 【sirkirap】 悩む,不自由する,心が痛む,悲しいことが多い. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkirap'eo
シㇼキラㇷ゚エオ 【sirkirap-eo】 悲しいことが多い. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkisnatara
シㇼキㇱナタラ 【sir-kis-natara】 静かな:シンと静まりかえっている. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkootke
シㇼコオッケ 【sir-ko-otke】 突き殺す:大地とともに突き刺す.▷シㇼ=大地 コ=それ オッケ=突き刺す ア・アキヒ トゥラノ エキンネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニ センピㇼ ワ ハイカンヌㇷ゚ シネㇷ゚ ピッコサヌ イ・カカムテㇰ.イ・ヨㇱ エㇰ コㇿ アン ア・アキヒ ホユプ ワ エㇰ ネア ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ シㇼコオッケ イ・カオピューキ クスケライ シㇰヌ・アン=弟とふたりで狩りに行くと立ち木の陰から若い熊が1匹さっと出て来て私の上へかぶさった.後から来ていた弟が走って来てその若い熊を槍で突き殺し私を助け,そのお陰で私は生きた.ア・ユピヒ トゥラノ エキンネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニ セㇺピㇼ ワ シネ ハイカンヌㇷ゚ ピッコサヌ ア・ユピヒ カシ カムテㇰ.アロラㇺポソ・アン コㇿ ネ ワ アン ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ ア・シㇼコオッケ ア・ユピヒ カシ ア・オピューキ=私は兄と山へ行ったら,木の陰から中ぐらいの熊が飛び出して私の兄におおいかぶさった.私は驚きながらその熊を槍で突き刺し兄を助けた. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkopeker
シㇼコペケㇾ 【sir-ko-peker】 夜明かしする,徹夜. トゥイマウㇱケ ワ ア・トクイェコㇿクㇽ エㇰ ペ ネ クス アネピッタ ウウェネウサㇻ・アン ヒネ シㇼコペケㇾ・アン=遠い所から友人が来たものだから,夜通し四方山話をして夜明かしをしてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkorkamuy
シㇼコㇿカムイ 【sir-kor-kamuy】 樹木の神. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkote
シㇼコテ 【sir-kote】 繋ぐ,ゆわえつける.▷シㇼ=大地 コテ=つける セタ シㇼコテ=犬を繋げ.エ・コㇿ ポイセタ(ポン セタ) キラ ナ.ホクレ キㇱマ ワ シㇼコテ ワ アヌ=お前の小犬が逃げたぞ.早く押さえて繋いでおけ.チェㇷ゚コイキ オッタ(オㇿ タ) ヤ オルン アムㇱペ アフン コㇿ ア・シㇼコテ ワ チェㇷ゚ ア・ウㇰ パㇰノ ソモ ア・オピチ ㇷ゚ ネ=サケを獲りに行って網にカニがかかると紐でカニを繋ぎ,サケが獲れるまで放さないものであった.チㇷ゚シㇼコテ=舟を繁ぐ.ウンマ シㇼコテ=馬を繋ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkotor
シㇼコトㇿ 【sir-kotor】 山の斜面. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkunne
シㇼクンネ 【sir-kunne】 暗い,暗くなる,日が暮れる,夜.▷シㇼ=あたり クンネ=暗い アㇻパ ワ エ・ウナㇻペヘ タㇰ ワ エㇰ.シㇼクンネ ナ アペケㇱ ヘネ コㇿ ワ アㇻパ=行ってお前の伯母を呼んで来い.暗いので薪の燃えさしなどを持って行け(昔はこれがしばしばあったこと). (出典:萱野、方言:沙流)
sirkurainaw
シㇼクライナウ 【sirkura-inaw】 熊の首を押さえて締めるイナウ:イヨマンテ(熊送り)の時に熊の首を締める棒. (出典:萱野、方言:沙流)
sirma
シㇼマ 【sirma】 澱,不純物.*アイヌの悪口の中でウェンペシㇼマというのがある.悪い者の澱,悪い者のかす,悪口そのものであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
sirmata
シㇼマタ 【sir-mata】 冬になる. (出典:萱野、方言:沙流)
sirmauspe
シㇼマウㇱペ 【sirma-us-pe】 髪の毛[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
sirmeman
シㇼメマン 【sir-meman】 涼しい. タント シㇼメマン=今日は涼しい. (出典:萱野、方言:沙流)
sirokane
シロカネ 【sirokane】 銀,白銀. (出典:萱野、方言:沙流)
sirokanepisakku
シロカネピサック 【sirokane-pisakku】 銀の柄杓. ▷シロカネ=白銀,銀 ピサック=柄杓(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
siromacise
シロマチセ 【sir-oma-cise】 りっぱな家.▷シㇼ=大地 オマ=入る チセ=家 (出典:萱野、方言:沙流)
siromainaw
シロマイナウ 【sir-oma-inaw】 より房つきのイナウ:スス(ヤナギ)製. 図[シロマイナウ作り] (出典:萱野、方言:沙流)
sironuman
シロヌマン 【sir-onuman】 日が暮れる,夕暮れになる. (出典:萱野、方言:沙流)
sirosi
シロシ 【sirosi】 しるし(印),符号. イナウ シロシ=イナウにつける印.アイ シロシ=竹で作った鏃につける印.萱野茂の先祖のアイシロシは横三本の棒の上へ魚の背びれである. (出典:萱野、方言:沙流)
sirosio
シロシオ 【sirosi-o】 しるしをつける,点をうつ. (出典:萱野、方言:沙流)
sirosma
シロㇱマ 【sir-osma】 どたっと倒れる. (出典:萱野、方言:沙流)
sirota
シロタ 【sir-ota】 空ける,樽に入れてあった水を空ける. ▷シㇼ=大地 オタ=空ける,くつがえす *シㇼオタがシロタになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sirotappa
シロタッパ 【sir-otappa】 撤き散らす. (出典:萱野、方言:沙流)
sirotkaita
シロッカイタ 【sir-ot-kaita】 海底に食い込んだ錨. ▷シㇼ=大地,海底 オッ=つく カイタ=錨 *シㇼオッカイタがシロッカイタになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sirouri
シロウリ 【sir-ouri】 掘る.▷シㇼ=大地 オウリ=掘る →シロウリ (出典:萱野、方言:沙流)
sirpeker
シㇼペケレ 【sir-peker】 夜が明ける,明るくなる,夜明け. (出典:萱野、方言:沙流)
sirpirka
シㇼピㇼカ 【sir-pirka】 晴れ(だ),気候がよい,天気がよい. タンパ アナㇰネ シㇼピㇼカ ア クス ハル アン ルウェ ネ ワ=今年は気候がよかったので豊作になるんだよ.ヌマン シㇼピㇼカ アㇷ゚ タント クンネイワノ ソランソラン ペコㇿ アㇷ゚ト アㇱ ク・ソイネー カ エアイカㇷ゚=昨日はいい天気だったのに今日は朝から滝のような雨が降って私は外へ出ることもできない.タント アナㇰ シㇼピㇼカ コㇿカ アマメチカッポ シシㇼクンネ パㇰノ ソイ タ アン ニサッタ アナㇰネ アㇷ゚ト アㇱ ノイネ=今日はいい天気であったが,薄暗くなるまでスズメが外にいたので明日は雨であろう. (出典:萱野、方言:沙流)
sirpo
シㇼポ 【sirpo】 様子. メノコシㇼポ ア・ウォㇱマレ=娘といえる様子になった. (出典:萱野、方言:沙流)
sirpok/sirpoki(ke)(he)
シㇼポㇰ/シㇼポキ(ケ)(ヘ) 【sir-pok/-poki(ke)(he)】 (布等の)裏. (出典:萱野、方言:沙流)
sirpokke
シㇼポッケ 【sirpokke】 アイナメ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
sirpopke
シㇼポㇷ゚ケ 【sir-popke】 暖かい. タント ワノ モキウタチュㇷ゚ エアㇻキンネ シㇼポㇷ゚ケ ワ ウパㇱ ル ワ アㇻパ シリ=今日から3月,とっても暖かいので雪が融けていく様子だ. (出典:萱野、方言:沙流)
sirpuri
シㇼプリ 【sir-puri】 あたりの風習,アイヌの風習. シㇼプリ ネ クス ネノ イキ ヤン=あたりの風習なので,そのようにしましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
sirsak
シㇼサㇰ 【sir-sak】 夏になる. (出典:萱野、方言:沙流)
sirsep
シㇼセㇷ゚ 【sir-sep】 (土地・家が)広い. (出典:萱野、方言:沙流)
sirsesek
シㇼセセㇰ 【sir-sesek】 暑い. タント ポーヘネ シㇼセセㇰ ク・ミッポホ モコㇿ ワ アン コㇿカ ア・パㇻパル コㇿ アナン(アン・アン) ヒ ウーン=今日はなおさら暑いので孫が眠っているけれども扇いでいるのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
sirsimoye
シㇼシモイェ 【sir-si-moye】 地震. トオㇷ゚ トゥイマ シッタ(シㇼ タ) シㇼシモイェ ユㇷ゚ケㇷ゚ アン ワ シサㇺ マチヤ ウカエコネ シコㇿ アン パハウ ク・ヌ=ずうっと遠い所で強い地震があって和人の町が倒壊したという噂を私は聞いた.パㇱクㇽ ネ ヤ エヤミ ネ ヤ ハウコㇿ パ コㇿ スワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ シㇼシモイェ エㇰ ヒネ ア ワ=烏とかカケスとか声を出しながら飛び立ったかと思うと同時に,ぐらぐらと地震が来たものであった.ソイ タ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エヤミ ネ ヤ パㇱクㇽ ネ ヤ チカㇷ゚ ウタㇻ ハウコㇿ コㇿ ウコスワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ ペコㇿ フマㇱ.オヤチキ シㇼシモイェ ネ アアン=外で私が立っていると,カケスや烏や鳥たちが声を出しながら一斉に飛び立ったと思うと,あたりがぐらぐらしたように感じた,知らなかったが地震であった. (出典:萱野、方言:沙流)
sirsiru
シㇼシル 【sir-siru】 こする,擦る,擦り下ろす,磨く. エルㇺタンプ アン コㇿ キナスッ カプフ ア・コシㇼシル ワ トイ トゥㇺ ア・オマレ コㇿ チピル アーペコㇿ イランマカカ トゥサ ㇷ゚ ネ=いぼが出来たら蛇の皮をこすりつけ,その皮を土に埋めると拭き取ったようにきれいに治るものだ.ニンカリ シㇼシル=耳輪を磨く.クポニ(ク・ポン ヒ) タ フチ エネ イキ ヒ コㇿ ニンカリ サンケ ワ ウナ アニ シㇼシル ア シㇼシル ア アイネ キサラハ コテ ㇷ゚ ネ シリ ク・ヌカㇻ ペ ネ ア ワー=私が小さい時におばあさんのしたことは,自分の耳輪を出して来て,木灰で磨いて磨いて,それから耳につけたのを見たものだった.マキㇷ゚ ヌマン ワノ ク・コッカサパ キロウㇱケ アㇻカ ワ ク・モコㇿ カ エアイカㇷ゚ ラウラウ ヘネ アン ヤㇰ ク・シㇼシル ワ ク・コトゥッカ ルスイ=どうしたのか昨日から私の膝の関節が痛くて眠ることもできない、テンナンショウでもあれば擦り下ろして貼りたいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sirsum
シㇼスㇺ 【sir-sum】 かんばつ(である),日照り(になる),不作(である),冷害. タンパ アナㇰネ チュㇰ アン ワ アㇷ゚ト アㇱ カ ソモ ワ シペ カ ソモ エㇰ カシケウン シㇼスㇺ ペ ネ クス アエㇷ゚ カ イサㇺ=今年は秋になってから雨が降らなかったのでサケも遡上しない,さらに夏は日照りが続きかんばつであったので食べ物もない.タン サㇰ アナㇰネ アㇷ゚トー カ イサㇺ シㇼスㇺ コㇿ ヘマンタ ア・エ クス=今年の夏は雨も降らない.日照りになり不作だったら何を食べるんだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
sirsut
シㇼスッ 【sir-sut】 山の麓. (出典:萱野、方言:沙流)
sirsutsurke
シㇼスッスㇽケ 【sir-sur-surke】 悪天候,大嵐.暴風雨. (出典:萱野、方言:沙流)
siru
シル 【siru】 こする,擦(す)る. タント ア・タ エモ ポロ ヒケ ヌㇺケ ワ エモシルㇷ゚ アニ シル ア・エ ナ=今日掘ったジャガイモ,大きいほうを選びいも擦りで擦り下ろして,食べるので. (出典:萱野、方言:沙流)
siruhuy
シルフイ 【sir-uhuy】 山火事,野火,火事. (出典:萱野、方言:沙流)
siruita
シルイタ 【siruita】 奥の方:囲炉裏端から見て奥の方. シルイタ アヌ=奥の方へ置け. (出典:萱野、方言:沙流)
sirunhike
シルンヒケ 【sirun-hike】 あいつめ,きゃつめ〔罵倒語〕. ヘマンタ シルンヒケ アン ワ オラウン イヨラㇺサッカ(イ・オラㇺサッカ).ア・コパㇱロタ ワ ア・ソヨマレ=きやつめ,いやがって私を軽蔑した.叱りつけて外へ出した. (出典:萱野、方言:沙流)
sirunpe
シルンペ 【sirun-pe】 悪い者. (出典:萱野、方言:沙流)
sirus sinne
シルㇱシンネ 【sir-us-sinne】 暗い,灯火が点されていない. ▷シㇼ=あたり ウㇱ=消える シンネ=~ように *シㇼウシシンネがシルㇱシンネになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sirutu
シルトゥ 【si-rutu】 進む,動く.ずって移動する. ヘマンタ フナラ ヘ コカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパアㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥ コヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして、さっぱり前へ進まないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sirutuamset
シルトゥアㇺセッ 【si-rutu-amset】 自ら寄り眠る寝床,移動自在の寝台. ▷シ=自ら ルトゥ=寄る,寄せる アㇺ=眠る セッ=寝床 イヨイキリ コッチャタアン シルトゥアㇺセッ アㇺセッカタ トミカヌイェ シリカヌイェ=宝壇の前にある移動自在の寝台の寝床の上に,前立てを彫り刀の造りを彫る[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
siruwante
シルワンテ 【siru-wante】 眺める. (出典:萱野、方言:沙流)
sirwen
シㇼウェン 【sir-wen】 悪い天気. (出典:萱野、方言:沙流)
sisak
シサㇰ 【si-sak】 珍しい,めったにない,大して. (出典:萱野、方言:沙流)
sisakpe
シサㇰペ 【si-sak-pe】 珍しい食べ物,おいしいもの. (出典:萱野、方言:沙流)
sisam
シサㇺ 【sisam】 和人,日本の. (出典:萱野、方言:沙流)
sisam'itak
シサㇺイタㇰ 【sisam itak】 日本語,日本の言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
sisam'utar
シサㇺウタㇻ 【sisam-utar】 和人,日本人.▷シ=私 サㇺ=側,近く ウタㇻ=仲間,隣人 (出典:萱野、方言:沙流)
sisamitak
シサミタㇰ →シサㇺイタㇰ →シサㇺイタㇰ (出典:萱野、方言:沙流)
sisammosir
シサンモシㇼ 【sisam-mosir】 日本国:津軽海峡から西の方. (出典:萱野、方言:沙流)
sisermak'usiyar
シセㇾマㇰウシヤㇻ 【si-sermak-usi-yar】 神に守護を願う.▷シ=自ら セㇾマㇰウシ=守護をつける ヤㇻ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
sisermakuste
シセㇾマクㇱテ 【si-sermak-us-te】 守ってくれるよう願う,祈る.▷シ=自ら セㇾマㇰウㇱ=守護がつく テ=させる. (出典:萱野、方言:沙流)
sisi
シシ 【sisi】 のける. エシシ=それをのける. (出典:萱野、方言:沙流)
sisipi
シシピ 【si-sipi】 元のように栄える,昔のように一族が繁栄する.▷シ=自ら シピ=蘇生する (出典:萱野、方言:沙流)
sisirkunne
シシㇼクンネ 【si-sir-kunne】 薄暗くなる,日暮れ,宵. エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェヘ アン.タント アナㇰネ シシㇼクンネ カ キ イヤイキㇷ゚テ ナ.イワカン(イワㇰ・アン) ロ=これほどイタドリが茂っている所へ入った足跡がある,今日は薄暗くもなったし,危ないから帰ることにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
sisirmuka
シシㇼムカ 【si-sir-mu-ka】 沙流川の古い名前.▷シ=本当に シㇼ=あたり ム=つまる,塞がる カ=させる *雨が降るたびに上流から土砂が流出し河口が門別の方へ寄ったり鵡川の方へ寄ったりした.それを河口がつまるとアイヌは考えてあたりがつまる川と名づけた.その説明を聞いた日本人は日本語で,砂の流れる川,砂流川と名づけたがいつの時代からか砂の文字が沙になった. (出典:萱野、方言:沙流)
sisitomayar
シシトマヤㇻ 【si-sitoma-yar】 威嚇する,脅す. (出典:萱野、方言:沙流)
siso
シソ 【siso】 右座:横座から入口の方を見て右側を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
sisoya
シソヤ 【si-soya】 赤バチ,スズメバチ. (出典:萱野、方言:沙流)
sispa
シㇱパ 【sispa】 避ける,よける. (出典:萱野、方言:沙流)
sisuye
シスイェ 【si-suye】 揺れる. (出典:萱野、方言:沙流)
sisuyesuye
シスイェスイェ 【si-suye-suye】 揺れ動く. (出典:萱野、方言:沙流)
sit/sici(hi)
シッ/シチ(ヒ) 【sit/sici(hi)】 屑. (出典:萱野、方言:沙流)
sitapkaani
シタㇷ゚カアニ 【si-tap-ka-ani】 かつぐ:肩に乗せたり肩から背中に掛けてかつぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
sitapkaomare
シタㇷ゚カオマレ 【si-tap-ka-omare】 かつぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
sitat
シタッ 【si-tat】 樺,マカバ▷シ=本当 タッ=樺 *山で狩小屋を作る時,この木の皮を屋根や囲いに使った. (出典:萱野、方言:沙流)
sitayki 1
シタイキ 【sitayki】 ①叩く,殴る. (出典:萱野、方言:沙流)
sitayki 2
シタイキ 【sitayki】 ②織る. アットゥㇱ シタイキ=厚司を織る.へらで叩いて織るのでこう言う. (出典:萱野、方言:沙流)
sitcasnure
シッチャㇱヌレ 【sir-casnure】 掃除する,片づける,きれいにする. ソンノ イヨーハイ ヤイェシンニューケㇱ ペ ネ クス シッチャㇱヌレ カ ソモ キ オトイセル オムンセル ワ アン.イオッセレケレ=本当にあきれたよ,だらしないものだから掃除もしないで土けむりにむせ,ごみにむせている,たまげたものだ.ソンノ ク・コㇿ オペㇾ ケライ カッケマッ エ・ネ オアシ クス イランマカカ エ・シッチャㇱヌレ エアㇱカイ シリ=ああ孫娘よ,さすがに淑女になるであろうからすっかり掃除をするのが上手なこと(私の祖母は私の姉にそう言ってほめていたものであった). (出典:萱野、方言:沙流)
sitcatcari
シッチャッチャリ 【sir-car-cari】 散らかす. (出典:萱野、方言:沙流)
sitcininanina
シッチニナニナ 【sir-ci-nina-nina】 あたりをこちゃこちゃにする. カパㇻウパㇱ カ タ イセポ アピㇼ シッチニナニナ ワ アン カアリアナクス(カアリ・アン アクス) シネ イセポ ア・オシコニ=さっと降った雪の上にウサギの足跡がこちやこちやあったので罠をかけたらウサギ1匹獲ることができた.エイタサ イウォㇿ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォㇿ ホタヌカㇻ クス エキㇺネ・アン キムンペ アピㇼ シッチニナニナ ア・エヤイコプンテㇰ=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場を見舞うために山へ行くと獲物の足跡があたり一面にこちゃこちゃとあって私は喜んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sitcirimnure
シッチリㇺヌレ 【sir-ci-rim-nu-re】 あたりに響き渡る. (出典:萱野、方言:沙流)
sitciw
シッチュー 【sitcuw】 大地に刺す. ニソシッチュー イマカケタ=大地に雲が突き刺さるその向こう側に. *ニシオシッチュー(ニシ=雲 オ=それ シッチュー)がニソシッチューになる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sitcuk
シッチュㇰ 【sir-cuk】 秋(になる). →シㇼチュㇰ (出典:萱野、方言:沙流)
sitne
シッネ 【sit-ne】 煩わしい,もつれる. (出典:萱野、方言:沙流)
sito
シト 【sito】 団子,餅. 図[シト作り] (出典:萱野、方言:沙流)
sitoarawe
シトアラウェ 【sito-arawe】 団子の煮汁. (出典:萱野、方言:沙流)
sitokappa
シトカッパ 【sito-kappa】 団子を丸める.▷シト=団子 カッパ=丸めて平たくすること (出典:萱野、方言:沙流)
sitoki
シトキ 【sitoki】 球飾りの真ん中の金属:首飾りの下の方につく丸いもの. (出典:萱野、方言:沙流)
sitokkere
シトッケレ 【si-tokke-re】 狙いを定める:弓に矢をつがえて狙いを定める[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
sitoma
シトマ 【sitoma】 恐れる,恐ろしい,こわい. エネ アン ペ ク・シトマ アクス ムカウンクㇽ ア・キモカㇻ ヤㇰ ア・イェ=そうしたことを私は恐れていたのだが,鵡川の人が山で熊に殺されたそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sitomusi
シトムシ 【sitomusi】 (刀を)下げる,(刀を)佩く. エムシ シトムシ=刀を下げる.タシロ シトムシ=山刀を下げる.マキリ シトムシ=小さい刃物を下げる. (出典:萱野、方言:沙流)
sitonin
シトニン 【sito-nin】 串団子.イヨマンテ(熊送り)の時に作る団子.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sitonoski
シトノㇱキ 【sito-noski】 団子の真ん中.イヨマンテ(熊送り)の時に,あるいはチセノミ(新築祝い),ウトㇺヌカㇻ(結婚式)に作る.直径13cmほどの団子を4つに切った中の短冊形を言い,外側の半月形のものをシトラキルル(団子の縁)と言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sitopera
シトペラ 【sito-pera】 団子べら:ランコ(カツラ),トペニ(イタヤ),プㇱニ(ホオノキ)製. 図[シトペラ] (出典:萱野、方言:沙流)
sitopetneka
シトペッネカ 【sito-petneka】 団子をこねる.粉に水を入れてこねることをシトペッネカ レという. (出典:萱野、方言:沙流)
sittap
シッタㇷ゚ 【sir-ta-p】 踏み鋤:カリンパニ(サクラ)で作る. 図[シッタㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
sittap
シッタㇷ゚ 【sir-ta-p】 大地を耕す物:右手に持ってトゥレㇷ゚タ(ウバユリ掘り)やアハ(土豆)などを掘る道具.材料は鹿の角またはイタヤ,アオダモなど堅い木を用いる.足で踏む鍬の役目の物もあるが,同じくシッタㇷ゚という.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sittek/sittekka
シッテッ/シッテッカ 【sittekka】 我慢する,我慢させる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sittemraypa
シッテㇺライパ 【sir-tem-raypa】 手探り(する).▷シㇼ=あたり テㇺ=手 ライパ=撫でる シㇼテㇺライパがシッテㇺライパになる (出典:萱野、方言:沙流)
sitteske
シッテㇱケ 【sir-teske】 あたりが滑る,凍っていて滑る. (出典:萱野、方言:沙流)
sittok/sittoki(hi)
シットㇰ/シットキ(ヒ) 【sittok/sittoki(hi)】 肘. (出典:萱野、方言:沙流)
sittokap
シットカㇷ゚ 【sir-tokap】 昼(になる). (出典:萱野、方言:沙流)
sittososo
シットソソ 【sir-tososo】 騒々しい,やかましい:物音をたててうるさい. (出典:萱野、方言:沙流)
sittumpeker
シットゥンペケㇾ 【sir-tum-peker】 夜明け.▷シㇼ=あたり トゥㇺ=中 ペケㇾ=明るい →あたりの中が少し明るくなった (出典:萱野、方言:沙流)
sitturaynu
シットゥライヌ 【sir-turaynu】 迷う:道に迷う. シネ シトゥ チャッカリ(チ・アッカリ).オロワノ シットゥライヌ・アㇱ ヤアニ ヤアニ リトゥㇽオレウシ・アン クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ イワㇰ・アㇱ エアㇱカイ=ひとつの峰を私たちは過ぎた.それから道に迷い,危なく危なく途中で泊まるかなーと思ったけれども,帰ることができた. (出典:萱野、方言:沙流)
sittuyma
シットゥイマ 【sir-tuyma】 遠い. (出典:萱野、方言:沙流)
situ
シトゥ 【situ】 尾根,峰,つね(峰). ア・ウタリヒ シトゥカリ ヘメㇱパ ナイパルㇽ タ イイェトコウㇱ(イ・エトコウㇱ) クニ ア・イェ オヌマン パㇰノ アナン(アン・アン) ア コㇿカ オムケン・アン=私の仲間たちは尾根に登って行き,私は沢縁で待ち伏せするように言われ夕方までいたが何も獲れない. (出典:萱野、方言:沙流)
situokes
シトゥオケㇱ 【situ-o-kes】 峰尻. シトゥオケㇱ タ アン ポン ナイ エウン アㇻパ ワ ワッカタ ワ エㇰ=峰尻にある小さい沢へ行って水を汲んで来い. (出典:萱野、方言:沙流)
siturare
シトゥラレ 【si-tura-re】 自分と一緒に連れて行く. ▷シ=自ら トゥラ=一緒に レ=させる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
situriri
シトゥリリ 【si-turiri】 背伸び(する). (出典:萱野、方言:沙流)
situririsimacici
シトゥリリシマチチ 【si-turiri si-macici】 伸び縮み. (出典:萱野、方言:沙流)
siukokarakari
シウコカラカリ 【si-u-ko-karakari】 丸くなる. (出典:萱野、方言:沙流)
siukokarkari
シウコカㇻカリ 【si-u-ko-kar-kari】 体を丸める,丸くなっている. ▷シ=自ら ウコカㇻカリ=丸くなる メライケワ ネノイネ シウコカㇻカリワ ホッケワアン=寒いらしく,体を丸めて寝ている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
siw
シウ 【siw】 苦い. (出典:萱野、方言:沙流)
siwente
シウェンテ 【si-wen-te】 足が遅い,歩くのが遅い,のろい. ソンノ オハシㇼウン ワ アン ヤッカ ピㇼカ ㇷ゚ チㇱ コㇿ ポカ ウン・ケサンパ ㇷ゚ オラーノ シウェンテ.ホクレ エㇰ=本当に留守番をしていてもいいものを,泣きながら後を追いかけてから,足が遅い.早く来い.*母にそう言われながら母方の実家まで片道16kmの道のりを門別村山門別へ行ったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
siwni
シウニ 【siw-ni】 にがき:皮を胃腸薬として用いた.▷シュー=苦い ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
siwnikap
シユーニカㇷ゚ 【siw-ni-kap】 にがきの皮. ▷シューニ=にがき カㇷ゚=皮 シューニカㇷ゚ イタンキオㇿ アオマレ ウセイ アオマレワ アクコㇿ ホニヒアラカヒタ トテッペネワ=にがきの皮をお椀に入れてお湯を注ぎ,それを飲むと腹病みが治るものだ. *腹病みの薬.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
siwnin
シウニン 【siwnin】 (少し青みがある)黄色,緑. (出典:萱野、方言:沙流)
siwninkumi
シウニンクミ 【siwnin-kumi】 青かび. (出典:萱野、方言:沙流)
siwre
シウレ 【siw-re】 留守番[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
siwri
シウリ 【siwri】 シウリザクラ〔植〕.*縦にきれいに割れる木なので舟の櫂やマレㇷ゚(魚獲りのかぎ)の柄に使った.この木の名は日本語と同じ. (出典:萱野、方言:沙流)
siwsiwatki
シウシワッキ 【siw-siw-atki】 風がうなる. ニタイカㇻペ シューシュワッキ=林にあたる風の音がびゅーっとうなる. (出典:萱野、方言:沙流)
siwto/siwto(ho)
シウト/シウト(ホ) 【siwto/siwto(ho)】 しゅうと,しゅうとめ(夫の父,母). (出典:萱野、方言:沙流)
siwtohapo
シウトハポ 【siwto-hapo】 しゅうとめ. (出典:萱野、方言:沙流)
siwtomici
シウトミチ 【siwto-mici】 しゅうと. (出典:萱野、方言:沙流)
siyamam
シヤマㇺ 【si-amam】 米. (出典:萱野、方言:沙流)
siyante
シヤンテ 【si-ante】 腹を立てる,気にする. (出典:萱野、方言:沙流)
siyekimatekka
シイェキマテッカ 【si-e-kimatek-ka】 おどす,さあどうしてくれる返事をしろ. (出典:萱野、方言:沙流)
siyetaye
シイェタイェ 【si-etaye】 引っこむ. (出典:萱野、方言:沙流)
siyeye
シイェイェ 【siyeye】 病気(になる). (出典:萱野、方言:沙流)
siyokunnure
シヨクンヌレ 【si-okunnure】 いばる,えらぶる. (出典:萱野、方言:沙流)
siyonini
シヨニニ 【siyonini】 しぼむ. (出典:萱野、方言:沙流)
siyonpiyar
シヨンピヤラ 【siyon-piyar】 後家,夫が先に死んでしまった女性.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
siyorkewtum
シヨㇿケウトゥㇺ 【si-or-kewtum】 嬉しい気持ち,楽しい気持ち[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
siyorkewtumu
シヨロケゥトゥㇺ 【si-or-kewtumu】 驚きの気持ち,驚きの精神[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
siyororun
シヨロルン 【si-or-orun】 自分(の)所へ. (出典:萱野、方言:沙流)
siyuk
シユㇰ 【si-yuk】 装う. (出典:萱野、方言:沙流)
siyuk
シユㇰ 【si-yuk】 熊,牝熊. (出典:萱野、方言:沙流)
siyuncike
シユンチケ 【siyuncike】 スズキ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
so
ソ 【so】 滝. (出典:萱野、方言:沙流)
so
ソ 【so】 〜しようかな. (出典:萱野、方言:沙流)
so
ソー 【so】 本当かい,真実かい. (出典:萱野、方言:沙流)
so 1
ソ 【so】 ①座,床,敷物. (出典:萱野、方言:沙流)
so 2
ソ 【so】 ②面. (出典:萱野、方言:沙流)
so 3
ソ 【so】 ③平岩:海岸に見え隠れしている岩. (出典:萱野、方言:沙流)
soatay
ソアタイ 【so-atay】 借金. ク・ポホ ソアタイ タㇰ クス カㇻパレ(ク・アㇻパレ) クス ク・イェ ヤッカ エウッチケ ワ アㇻパ コパン=私の息子に借金取りに行かせようと私が言っても尻込みして行くのをいやがった. (出典:萱野、方言:沙流)
soataykar
ソアタイカㇻ 【so-atay-kar】 借金を返す. (出典:萱野、方言:沙流)
soataytak
ソアタイタㇰ 【so-atay-tak】 借金を請求する.▷ソアタイ=貸し タㇰ=迎える,請求する (出典:萱野、方言:沙流)
soetokotuyeni
ソエトコトゥイェニ 【so-etoko-tuye-ni】 横桁. (出典:萱野、方言:沙流)
sohokar
ソホカㇻ 【soho-kar】 ござを敷く,敷物を敷く. (出典:萱野、方言:沙流)
sokar ka ta
ソッカㇻカタ 【so-kar ka ta】 床(敷物を敷いてない床). (出典:萱野、方言:沙流)
sokarmat
ソカㇻマッ 【so-kar-mat】 本妻. →チパンケマッ (出典:萱野、方言:沙流)
sokes
ソケㇱ 【so-kes】 入口の方:囲炉裏から見て. (出典:萱野、方言:沙流)
sokoni
ソコニ 【sokoni】 ニワトコ.*内側の薄緑色の出たところを木のまま煎じて飲むと心臓病に効き目があるとか. (出典:萱野、方言:沙流)
somo
ソモ 【somo】 違う. (出典:萱野、方言:沙流)
somo hayta ya
ソモ ハイタ ヤー 【somo hayta ya】 足りなくないかい. (出典:萱野、方言:沙流)
somo un somo
ソモユンソモ 【somo un somo】 なんとかして,かろうじて. ソモユンソモ ピㇼカ クニ ア・ラム=かろうじて元気を回復するかもしれない. (出典:萱野、方言:沙流)
somohe
ソモヘ 【somo he】 違うか. (出典:萱野、方言:沙流)
somohose
ソモホセ 【somo hose】 返事しない. (出典:萱野、方言:沙流)
somoitak
ソモイタㇰ 【somo itak】 唖である,口がきけない人. (出典:萱野、方言:沙流)
somoka
ソモカ 【somoka】 まさか. ソモカ エネ ハワㇱ クナㇰ ア・ラム=まさかそのような話になるとは思わなかった.ソモカ エネ イキ・アン クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ エネ イキ・アン.ソンノ ヤイアパプ ア・キ ナ イテキ エン・コイキ=まさかそうすると思わなかったのにそうしてしまった.本当に私は謝るので私をいじめないで.ソモカ エ・エㇰ クナㇰ ク・ラム ア ワ エ・エㇰ=まさか来るとは思っていなかったのにお前は来た. (出典:萱野、方言:沙流)
somoki
ソモキ 【somo ki】 しない.できない. (出典:萱野、方言:沙流)
somokino
ソモキノ 【somo ki no】 〜しないで. (出典:萱野、方言:沙流)
somone
ソモネ 【somo ne】 違う,〜ない. (出典:萱野、方言:沙流)
somoneun
ソモネウン 【somo ne un】 (〜で)ないだろうか. ポンノ アㇱ ワ イコカヌ.キㇺペ ハウ ソモ ネ ウン=少し止まって耳を澄まして聞け.熊の声ではないだろうか?シサㇺ アナㇰネ トゥミ エラマㇱパ ㇷ゚ ネ ハウ ソモ ネ ウン.スイ アトゥイ イクㇱ タ ウコトゥミコㇿ パ ヤㇰ ア・イェ ク・イシトマ=和人というのは戦争が好きな人たちではないのかな.またしても海の向こうで戦争を始めたそうだ,私は恐ろしい. (出典:萱野、方言:沙流)
somoneyakanak
ソモネヤカナㇰ 【somo ne yak anak】 〜でなければ. (出典:萱野、方言:沙流)
somoyakun
ソモヤクン 【somo yakun】 そうしないと. エモ ア・エトイタ ヒ タ アナㇰネ クロホ ラウネ ノ ア・カㇻ ペ ネ ソモ ヤクン エモ ウェン ペ ネ=ジャガイモを蒔く時は畝を深くするものだ.そうしないとジャガイモがよくないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
somoyaykatanuno
ソモヤイカタヌノ 【somo yaykata-nu no】 遠慮もせずに.▷ソモ=(否定) ヤイカタヌ=遠慮する ノ=〜で (出典:萱野、方言:沙流)
somoyaysitomap
ソモヤイシトマㇷ゚ 【somo yay-sitoma-p】 恥知らず. (出典:萱野、方言:沙流)
sompa
ソンパ 【sompa】 そば. (出典:萱野、方言:沙流)
sompaokina
ソンパオキナ 【sompa-o-kina】 ウキヤガラ,エゾアブラガヤ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
son
ソン →シオン,ション →シオン,ション (出典:萱野、方言:沙流)
son
ション(ソン) 【son】 赤ん坊,子供,孫. ク・コㇿ ション イヤイ ナ イテキ ニテㇰ アネ ウㇱケ パㇰノ アㇻパ アニー=坊や,危ないから木の枝の細い所まで行くんでないよ.ク・コㇿ ション ソイネ ワ ニ ウイペ ウウォマレ ワ エㇰ.カペアリ(ク・アペアリ) クスネ ナ=孫よ,外へ出て薪の屑を集めて来い.私が火を燃やすから.*孫という言葉はミッポというが普通はク・コㇿ ション=小さい男の子,クコロペㇾ(ク・コㇿ オペㇾ)=小さい女の子というふうに呼ぶものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sonapi
ソナピ 【sonapi】 てんこ盛り,山盛り:山盛りご飯. (出典:萱野、方言:沙流)
sonapiarke
ソナピアㇻケ 【sonapi-arke】 盛り飯の半分:結婚式で新郎が食べた残り半分の飯のこと.▷ソナピ=山盛り アㇻケ=半分. 図[ソナピアㇻケ] (出典:萱野、方言:沙流)
sone
ソネ 【sone】 なんとか,間違いなく. タント アナㇰネ ネア イペサㇰクㇽ ア・トゥラ ワ ソネ ネㇷ゚カ ア・オシコニ エアㇱカイ ヤ ウン=今日はあの狩の下手な者を私たちは連れてなんとか何か獲ることができるだろうか?アチャポ キㇺタ シットゥライヌ ワ タント エイネレㇾコ ネ ワ.ソネ シㇰヌ ワ アン ルウェヘ アン ウーン=おじさんが山で道に迷って今日で4日になる.問違いなく生きているだろうかね. (出典:萱野、方言:沙流)
soneaspe
ソネアㇱペ 【sone-as-pe】 本当の話. ネイタ ネ ヤッカ イユトゥㇽウェンテ ルスイ ペ オカイ ペ ネ クス スンケアㇱペ ソネアㇱペ イェ コㇿ オマナン=どこにでも仲たがいをさせたい者がいて,嘘の話や本当の話を言いふらして歩く.テエタ アナㇰネ オッカイポ ウタㇻ ウウェカㇻパ コㇿ スンケアㇱペ ソネアㇱペ エウパウレ シノッチャランケ コラチ ネ ア コㇿカ タネ アン ウタㇻ ネノ アン イキ ソモ キ パ=昔は若者たちが集まると嘘の事や本当の事を口論し,遊びの討論会のようなものであったが今の人たちはそのようなことはしなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
sonep
ソネㇷ゚ 【so-ne-p】 敷物(一般). (出典:萱野、方言:沙流)
soneun
ソネウン 【sone-un】 間違いなく. オホンノ クチャチセ オハシㇼ ネ ワ アン ソネウン ク ヘネ アイ ヘネ ウオマ ノ アン ルウェヘ アン=しばらくの間狩小屋を空き家にしていたが,間違いなく弓や矢が揃っているのだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
sonko
ソンコ 【sonko】 言伝て(の). (出典:萱野、方言:沙流)
sonkokorkur
ソンココㇿクㇽ 【sonko-kor-kur】 使者. (出典:萱野、方言:沙流)
sonkoye
ソンコイェ 【sonko-ye】 伝える,伝言:目の前へ来て伝言を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
sonno
ソンノ 【sonno】 必ず,本当に,まことに. (出典:萱野、方言:沙流)
sonno anpe
ソンノ アンペ 【sonno an-pe】 本当,真実. ソンノ ヘー? アンペ ヘー?=本当かい. (出典:萱野、方言:沙流)
sonno he iyohay
ソンノ ヘー イヨーハイ 【sonno he iyohay】 本当かいあきれたことだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnoasir
ソンノアシㇼ 【sonno asir】 真新しい. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnohetap
ソンノヘタㇷ゚ 【sonno he tap】 本当のことだよ. ソンノヘタㇷ゚ ウェンペサニ ネ ロㇰ ペ クㇱタ トランネ パ ワ イペー カ エアイカㇷ゚ パ=本当のことだよ,貧乏人の血統だからとて骨惜しみをして食うことばかりもできない者たちだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnooruspe
ソンノオルㇱペ 【sonno or-us-pe】 本当の話. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnopoho
ソンノポホ 【sonno poho】 本当の息子. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnorehe
ソンノレヘ 【sonno rehe】 本名. ⇔ポンレヘ(渾名) (出典:萱野、方言:沙流)
sonnosapo
ソンノサポ 【sonno sapo】 本当の姉. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnoyupihi
ソンノユピヒ 【sonno yupihi】 本当の兄. (出典:萱野、方言:沙流)
sonoki
ソノキ 【sonoki】 損. ア・エン・ソノキレ=私は損をさせられた. (出典:萱野、方言:沙流)
sopa
ソパ 【sopa】 上座の方:囲炉裏から見て,家の東側の隅.▷ソ=座 パ=頭 (出典:萱野、方言:沙流)
sopaunkamuy
ソパウンカムイ 【sopa-un-kamuy】 家の守護神.*チセコㇿカムイともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
sopes
ソペㇱ 【so-pes】 上座から下座へ向かって踊り下ること. ▷ソ=座 ペㇱ=下ること ホリッパ=踊る *ちなみに囲炉裏のまわりを回って踊るこの踊りでは,男たちが刀を抜いて右手に持つが,上座へ進む場合にのみ刀を前へ突き出す.下座へ向く時は刀を胸に当てたままとする.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sopesni
ソペㇱニ 【so-pes-ni】 桁. (出典:萱野、方言:沙流)
soran soran pekor
ソラン ソラン ペコㇿ 【so-ran so-ran pekor】 滝のような:滝のように降る大雨.▷ソ=滝 ラン=降る ペコㇿ=ようなものだ. ヌマン シㇼピㇼカ アㇷ゚ タント クンネイワノ ソランソラン ペコㇿ アㇷ゚ト アㇱ ク・ソイネー カ エアイカㇷ゚=昨日はいい天気だったのに今日は朝から滝のような雨が降って私は外へ出ることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
sori
ソリ 【sori】 そり:物を積んで運ぶ道具. (出典:萱野、方言:沙流)
sorma
ソㇿマ 【sorma】 ぜんまい. タント ア・ウㇰ ソㇿマ ホクレ チレ ワ アプッキ カ タ サッケ アニー=今日採ってきたぜんまいを早くゆがいてすだれの上で乾かしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
soske
ソㇱケ 【soske】 剥げる,むける. (出典:萱野、方言:沙流)
soskepira
ソㇱケピラ 【soske-pira】 割がれた崖,草も木も生えていない崖. (出典:萱野、方言:沙流)
sosnu
ソㇱヌ 【sosnu】 1枚1枚剥がれる.*シナ皮などを沼に漬けたり.木灰を入れて煮たものを水洗いして乾かし1枚1枚剥がす. (出典:萱野、方言:沙流)
sosnure
ソㇱヌレ 【sosnu-re】 1枚1枚剥がす. (出典:萱野、方言:沙流)
soso
ソソ 【soso】 剥がす.むく. (出典:萱野、方言:沙流)
sospa
ソㇱパ 【sospa】 むく,剥がす. (出典:萱野、方言:沙流)
sotki
ソッキ 【sotki】 寝床. ソッキ アサㇺ アンパカムイ イ・イェリキクㇽ オッケ カネ=寝床の底を支える神,私を上へ突くかのように[ユ].ウワリソッキ=産褥.アペソッキ=火の神の寝床. (出典:萱野、方言:沙流)
soturasihorippa
ソトゥラシホリッパ 【so-turasi horippa】 下座から上座へ向かって踊り進むこと. ▷ソ=座 トゥラシ=辿る ホリッパ=踊る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sowsut/sowsutu(hu)
ソウスッ/ソウストゥ(フ) 【sowsut/sowsutu(hu)】 座の隅,壁際:炉から離れた壁際. (出典:萱野、方言:沙流)
soy/soy(ke)(he)
ソイ/ソイ(ケ)(ヘ) 【soy/soy(ke)(he)】 外(そと),外部. チセ ソイケ タ=家の外側に.イヨㇱキ ワ ソイ タ モコㇿ ワ アノントㇺ タ モㇱ ワ ウルウルㇰ コㇿ アフン ヒ ウン=酔っ払って外で眠って夜中に目を覚まし,ふるえながら入って来たんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
soya
ソヤ 【soya】 蜂. (出典:萱野、方言:沙流)
soyacise
ソヤチセ 【soya-cise】 蜂の家,蜂の巣. ▷ソヤ=蜂 チセ=家(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
soyaset
ソヤセッ 【soya-set】 蜂の巣. (出典:萱野、方言:沙流)
soyene
ソイェネ 【soyene】 外に出る. フㇱコ トゥシㇼ トゥㇺ ア・クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤ ア・エテテ ワ ホック カネ アナン(アン・アン) ワ ア・クㇱ ペ ネ.ウェンカムイ カ オンネㇷ゚ ネ クナㇰ ラム パ ワ エチャッケ ソモ ソイェネ ㇷ゚ ネ シコㇿ=古い墓地の中を通る場合はヨモギを杖にして腰を曲げて通るものだ.悪い化け物も年寄りだと思って汚ながって出て来ないものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
soyenere
ソイェネレ 【soyene-re】 (外に)出す. エオㇿセタッコ ウッシュー ネ コㇿ ワ オラーウン ネㇷ゚カ ソモ コレ ノ ソイェネレ.イヨーハイ シトマレ=あれほど長い間召使いにしていたのに,何もやらずに出してしまった.あきれたものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
soyenpa
ソイェンパ 【soyenpa】 外へ出る,(大勢の者が,皆が)外へ出て行った. (出典:萱野、方言:沙流)
soymamatki
ソイママッキ 【soy-mam-atki】 何回も外へ出る. マキㇷ゚ トゥッコ カ レㇾコ カ コシオウン(ク・オシオウン) ワ ク・ソイママッキ ヤッカ ウェン ク・ヤイラムシッネ=どうしたのか二日も三日も私は大便が出ないので何回も何回も外へ出るのだがだめだ,わずらわしい. (出典:萱野、方言:沙流)
soyna/soyna(ke)(he)
ソイナ/ソイナ(ケ)(ヘ) 【soyna/soyna(ke)(he)】 外側. チセ ソイナケ=家の外側.ニㇱパ アニヌシ(アン ウシ) チセ ソイナケ ワノ ア・エラマン=物持ちの住居は、家の外側からでもわかる. (出典:萱野、方言:沙流)
soyne
ソイネ 【soyne】 外へ出る. ヌマン シㇼピㇼカ アㇷ゚ タント クンネイワノ ソランソラン ペコㇿ アㇷ゚ト アㇱ ク・ソイネー カ エアイカㇷ゚=昨日はいい天気だったのに今日は朝から滝のような雨が降って私は外へ出ることもできない.エ・アキヒ チㇱ ナ イイェオマㇷ゚ コㇿ ワ エㇰ カイ ワ ソイネ=お前の弟が泣くからおぶい紐を持って来ておぶって外へ出ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
soynere
ソイネレ 【soyne-re】 外へ出す. (出典:萱野、方言:沙流)
soyo
ソヨ 【soy-o】 外へ出す. ムン ソヨ=ごみを外へ出す. (出典:萱野、方言:沙流)
soyomare
ソヨマレ 【soy-omare】 外へ出る. セタ チセ オルン アフン ナ ホクレ オケウェ ワ ソヨマレ=犬が家へ入って来たよ,早く追い払って外へ出せ. (出典:萱野、方言:沙流)
soyosma
ソヨㇱマ 【soy-osma】 抜ける. エイタサ パセ ㇷ゚ オンタロ オㇿ エ・オマレ ワ オンタロ アサマハ エソヨㇱマ ワ イサㇺ=あまりにも重いものをお前が樽に入れ,樽の底が抜けてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
soyoterke
ソヨテㇾケ 【soy-o-terke】 さっと外へ飛び出る. タネ ホッケ・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アナナクス(アン・アン アクス) ヘパシ ペウタンケ ハウ ア・ヌ アロラㇺポソアニネ(アロラㇺポソ・アン ヒネ) ソヨテㇾケアナクス(ソヨテㇾケ・アン アクス) シㇼウフイ ネ ノイネ ポロ アペ ニペㇰ ア・ヌカㇻ=さて寝ようかなと思っていると,下の方から危急を知らせる叫び声が聞こえ驚いて外へ飛び出ると,火事らしく大きい火の光が見えた.オオオオ ヌカラン(ヌカㇻ ヤン) ヌカラン ウカ カ ペカ ユㇰ ホユプ ペ ラウォㇱマ ランケ ラウォㇱマ ランケ コㇿ アン ナ.ネワ アン ペ ヌカㇻ アチャポ ネㇷ゚キ エホㇺトㇺネ ㇷ゚ ソヨテㇾケ=あれあれあれあれ,見なさい見なさい,堅雪の上を鹿が走ったのにぬかりぬかりしているよ,それを見たおじさん,仕事の途中なのにさっと外へ飛び出して行った. (出典:萱野、方言:沙流)
soypasoypa
ソイパソイパ 【soypa-soypa】 ほじくる. ピイェユㇰ アナㇰネ ポネルㇽ ポーヘネ ケラアン.キリヒ ア・ソイパ ワ ア・ヌンヌン コㇿ ア・エ コㇿ ア・エトゥマㇱヌ ㇷ゚ ネ ナ=脂のある鹿は骨汁がなおさら味がある,骨髄をほじくって吸いながら食べると力が増すものだ.ク・キサラハ マヤイケ ク・ソイパソイパ=私の耳がかゆいので私はほじくった. (出典:萱野、方言:沙流)
soyta
ソイタ 【soy-ta】 外に. (出典:萱野、方言:沙流)
soyun'apa
ソユンアパ 【soyun-apa】 外の戸口. ▷ソユン=外の方 アパ=戸(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
soyunitara
ソユニタラ 【soy-un-itara】 外にもれる. ソモカ チセ アン クナㇰ ア・ラム ウㇱケ タ チセ アン ヒネ アペニペキ ソユニタラ.ヤイレンカネ ヤイェヤントエトゥン・アン=まさかそこに家があると思わなかった所に家があり火の光が外へもれている,喜んで泊めてもらうことを頼んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
soyunmintar
ソユンミンタㇻ 【soyun-mintar】 外庭:踏み固められた土の部分で,家の前に夏でも草を生えさせない所. (出典:萱野、方言:沙流)
su
ス 【su】 鍋. ス アッ=鍋づる.ス オンナイ=鍋の内側.ス キサㇻ=鍋の耳.ス アサㇺ=鍋の底.ス フライェ=鍋を洗う.ス イカ=鍋が溢れた.ス ヤンケ=鍋を上げろ. (出典:萱野、方言:沙流)
sukayanke
スカヤンケ 【su-ka-yanke】 つまみ食い:鍋から物を上げて食べる. (出典:萱野、方言:沙流)
suke
スケ 【suke】 煮炊きする,炊事する,料理する. エ・オナハ イペ ルスイ コㇿ イワㇰ ナンコㇿ ナ ホクレ アペ アリ.ク・スケ クスネ ナ=お前の父が腹を空かせて帰って来るだろうから早く火を焚け.私が煮炊きをするから. (出典:萱野、方言:沙流)
sukekotekkankari
スケコテッカンカリ 【suke-ko-tek-kan-kari】 手早く煮炊きをする. ▷スケ=煮炊き コ=それ テッ=手 カン=上 カリ=回る,動く *煮炊きのために忙しく手が動くこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sukem'askepet
スケㇺアㇱケペッ 【su-kem-aske-pet】 中指.▷ス=鍋 ケㇺ=嘗める アㇱケペッ=指 →鍋を嘗める指 (出典:萱野、方言:沙流)
sukemakiri
スケマキリ 【suke-makiri】 包丁. 図[スケマキリ] (出典:萱野、方言:沙流)
sukep
スケㇷ゚ 【sukep】 焦げ(る),焦げ飯. コチポイェㇷ゚ ア・スパ ヒ タ アナㇰ ラッチターラ ネ ヤッカ ソモ シニ・アン ノ ア・ウコポイェ コㇿ エアシㇼ ソモ スケㇷ゚ ネ=粉粥を煮る時は静かにでも休まずに混ぜると初めて焦げないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sukep hura
スケㇷ゚フラ★音声なし 【sukep-hura】 飯が焦げたにおい. (出典:萱野、方言:沙流)
sukerkeri
スケㇾケリ 【su-ker-keri】 鍋をがりがりと削って音を出す.*熊が人家に近づいた時にピパ(穂ちぎり)で鍋をこすると熊が最も嫌う音がする. (出典:萱野、方言:沙流)
sukup
スクㇷ゚ 【sukup】 成長する,育つ,若い(40歳代まで). (出典:萱野、方言:沙流)
sukupasnu
スクパㇱヌ 【sukup-asnu】 成長がよい.▷スクㇷ゚=育ち アㇱヌ=よい (出典:萱野、方言:沙流)
sukupkina
スクㇷ゚キナ 【sukup-kina】 バイケイソウ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
sukupnuraukot
スクㇷ゚ヌラウコッ 【sukup-nuraukot】 禍根,わざわいの起こるもと. *今禍根を絶つようにしないと子孫のために悔いを残す[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sukuptuykata
スクㇷ゚トゥイカタ 【sukup-tuy ka ta】 成長過程. (出典:萱野、方言:沙流)
sukus
スクㇱ 【sukus】 日光,日がさす. (出典:萱野、方言:沙流)
sukuscire
スクㇱチレ 【sukus-cire】 日焼け. (出典:萱野、方言:沙流)
sukuscise
スクㇱチセ 【sukus-cise】 日除け:葉のままの柳の木などで作る日除けの家. (出典:萱野、方言:沙流)
sukuskar
スクㇱカㇻ 【sukus-kar】 日あたり. (出典:萱野、方言:沙流)
sukuspirka
スクㇱピㇼカ 【sukus-pirka】 よい天気,好天. (出典:萱野、方言:沙流)
sum
スㇺ 【sum】 しなびる. (出典:萱野、方言:沙流)
sum
スㇺ 【sum】 西. (出典:萱野、方言:沙流)
sum kina ne noykosampa
スㇺキナネ ノイコサㇺパ 【sum-kina-ne noikosampa】 しおれた草と同じように体がそのまま崩れ落ちた. サンペポセコㇿ ハウェアンコㇿ イカウン スㇺキナネ ノイコサㇺパ=恋人よーと言いながら,私の体の上へしおれた草と同じように,体のままに崩れ落ちた[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sum'usi
スㇺウシ 【sum-usi】 油をつける. (出典:萱野、方言:沙流)
sum/sumi(hi)
スㇺ/スミ(ヒ) 【sum/sumi(hi)】 油脂, クッカンスㇺ=傷んだ油.チポㇿキㇼプ エ・スパ ワ ピㇱトモㇺケ コㇿ アン フミ アㇱ ナ.ホクレ ヤンケ ワ スミヒ オハレ=腸間膜をお前が煮て,鍋の脂が煮え立つ音がしているぞ.早く上げて脂のほうを上げろ. (出典:萱野、方言:沙流)
suma
スマ 【suma】 石. (出典:萱野、方言:沙流)
sumaepiyekar
スマエピイェカㇻ 【suma-e-piye-kar】 石をぶつける. (出典:萱野、方言:沙流)
sumari
スマリ 【sumari】 狐. (出典:萱野、方言:沙流)
sumaw/sumawe(he)
スマウ/スマウェ(ヘ) 【su-maw/-mawe(he)】 (殺した)熊. (出典:萱野、方言:沙流)
sumawkor
スマウコㇿ 【su-maw kor】 獲物が手に入る,熊を獲る:鹿や熊を獲っても熊が死んだ,鹿が死んだなどとは言わずにスマウコㇿ・アン(獲物を手に入れた)という.▷ス=鍋 マウ=湯気 コㇿ=持つ →鍋の湯気をたてることができる→食べ物が手に入る タン ト ポン ユㇰ ク・スマウコㇿ=今日小さい鹿を私は獲った.キㇺ タ ポロ ユㇰ スマウェヘ ク・コㇿ ナ カㇺ セ クニ ウタㇻ アシㇰネン パㇰノ エン・トゥラ ヤン=山で大きい鹿を獲ったので,肉を背負う人たち5人ほど私と一緒に来てくれよ(スマウェ ク・コㇿの形もある).オキㇺネ ワノ アイヌ エㇰ ハウ カリカリ ヒクス プヤㇻ カ ア・オㇱマ インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) オヤチキ キムンカムイ スマウコㇿ パ ワ ネ アアン=山の方から人が来る声が響いて来たので窓から体を出して見ると,知らなかったが.熊を獲って来たのであった.ナイクスン(ナイクㇱ ウン) アチャポ オサッ エトコホ タ スマウコㇿ ヤㇰ ア・イェ アクス コタヌン(コタン ウン) ウタㇻ ウハウェポポ パ コㇿ ナイ トゥラシ アㇻパ ア ワ=沢の向かいのおじさんがオサツ沢の奥の方で熊を獲ったということで村人たちは大勢でがやがや騒ぎながら沢をのぼって行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
sumawne
スマウネ 【su-maw-ne】 獲物となる.▷ス=鍋 マウ=湯気 ネ=なる (出典:萱野、方言:沙流)
sumkinane
スㇺキナネ 【sum-kina-ne】 しおれた草,真夏に刈った草のようにしおれる. ▷スㇺ=しおれる キナ=草 ネ=なる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sumkotaci
スㇺコタチ 【sum-kotaci】 油を塗る. (出典:萱野、方言:沙流)
sumpekap
スㇺペカㇷ゚ 【sum-peka-p】 家の角合掌,垂木. ▷スㇺ=角 ペカㇷ゚=受ける物(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sumrera
スㇺレラ 【sum-rera】 西風. (出典:萱野、方言:沙流)
sumtaype
スㇺタイペ 【sum-taype】 油の沈澱物. (出典:萱野、方言:沙流)
sumumke
スムㇺケ 【sumumke】 なえる,しおれる. タント シㇼピㇼカ ㇷ゚ ネ クス エシㇼ ア・オトゥイェ キナ タネ スムㇺケ=今日は天気がいいものだから今朝刈った草がもうしおれている. (出典:萱野、方言:沙流)
sunancup
スナンチュㇷ゚ 【sune-an-cup】 10月.▷スネ=たいまつ アン=ある チュㇷ゚=月 →たいまつを持ってサケを獲る月 (出典:萱野、方言:沙流)
sunci
スンチ 【sunci】 糸にする腱:リチヒ(鹿のアキレス腱),筋. (出典:萱野、方言:沙流)
sune
スネ 【sune】 たいまつ,あかり,灯火.*カヤを束ねて火をつけ,あかしにしたものをいう.たいまつをあかりにしてサケを獲ることもあった. (出典:萱野、方言:沙流)
sunekar
スネカㇻ 【sune-kar】 点火. (出典:萱野、方言:沙流)
suneni
スネニ 【sune-ni】 灯火用の樺皮をはさむ木:チキサニ(アカダモ)で作る. (出典:萱野、方言:沙流)
sunke
スンケ 【sunke】 嘘をつく. (出典:萱野、方言:沙流)
sunkeaspe
スンケアㇱペ 【sunke-as-pe】 嘘の話. ネイタ ネ ヤッカ イユトゥㇽウェンテ ルスイ ペ オカイ ペ ネ クス スンケアㇱペ ソネアㇱペ イェ コㇿ オマナン=どこにでも仲たがいをさせたい者がいて,嘘の話や本当の話を言いふらして歩く.テエタ アナㇰネ オッカイポ ウタㇻ ウウェカㇻパ コㇿ スンケアㇱペ ソネアㇱペ エウパウレ シノッチャランケ コラチ ネ ア コㇿカ タネ アン ウタㇻ ネノ アン イキ ソモ キ パ=昔は若者たちが集まると嘘の事や本当の事を口論し,遊びの討論会のようなものであったが今の人たちはそのようなことはしなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
sunkeirenka
スンケイレンカ 【sunke-irenka】 嘘のいいがかり.▷スンケ=嘘 イレンカ=いいがかり (出典:萱野、方言:沙流)
sunkemina
スンケミナ 【sunke-mina】 作り笑い.▷スンケ=嘘 ミナ=笑い (出典:萱野、方言:沙流)
sunkep
スンケㇷ゚ 【sunke-p】 嘘つき. (出典:萱野、方言:沙流)
sunku
スンク 【sunku】 エゾマツ.*民話の中でアイヌを助けるのはこの木が多いので,エゾマツをいう場合スンクトノマッ(エゾマツの淑女)と敬称をつけて呼ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
sunyasamampe
スンヤサマンペ 【sunya-samampe】 クロスジガレイ,マツカワ. (出典:萱野、方言:沙流)
suopus
スオプㇱ 【su-opus】 鍋に穴が空いた. (出典:萱野、方言:沙流)
suouhuy
スオウフイ 【su-o-uhuy】 鍋が焦げる. スオウフイ ナ アペ エタイェ=鍋が焦げたよ,火を引け. (出典:萱野、方言:沙流)
sup
スㇷ゚ 【sup】 ススキ. (出典:萱野、方言:沙流)
supa
スパ 【supa】 煮る,ゆでる. ホクレ ポロ ス アニ チェㇷ゚ スパ ワ ウナㇻペ ウタㇻ ア・タㇰ ヤㇰネ チェㇷ゚ルㇽ ア・エ ナ=早く大きい鋼でサケを煮て,おばさんたちを招待してサケ汁を食べよう.エ・スパ チェㇷ゚ルㇽ ポンノ オパンペラㇰ ナ シッポ コㇿ ワ エㇰ=お前が煮た魚汁,少し塩味が足りないから塩を持って来てくれ.カムルㇽ ク・スパ ワ アン ナ ルリヒ サㇷ゚ケ ワ ピㇼカ チキ ス ヤンケ ワ アヌ.エ・ミチヒ イワㇰ ヤㇰ ア・エ ナ=肉汁を煮てあるので汁の味見をしてよかったら鍋を上げておけ.お前の父が帰って来たら食べるから.ア・ミッポホ ミナ カネ アン ワ アフン ヒネ ヘマンタ イ・コタララ ア・ヌカㇻ アクス ア・スパ ヤㇺ ネ アアン.ア・ミッポホ ア・コプンテㇰ コㇿ ア・エ ルウェ ネ=私の孫がにこにこして入って来て,何やら私に手を伸ばすので,見るとそれはゆでたクリであった.孫をほめながら私は食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
supki
スㇷ゚キ 【supki】 アシ(ヨシ),カヤ. (出典:萱野、方言:沙流)
supop
スポㇷ゚ 【su-pop】 鍋が煮え立つ.▷ス=鍋 ポㇷ゚=煮え立つ (出典:萱野、方言:沙流)
suppakar
スッパカㇻ 【suppa-kar】 縛る:今背負う荷物を縛ること. (出典:萱野、方言:沙流)
supun
スプン 【supun】 ウグイ. (出典:萱野、方言:沙流)
suputa
スプタ 【su-puta】 鍋蓋. (出典:萱野、方言:沙流)
supuya
スプヤ 【supuya】 煙. パイスプヤ=わずかな煙. (出典:萱野、方言:沙流)
supuyakar
スプヤカㇻ 【supuya-kar】 けむい,けむたい. ク・コㇿ ション ク・スプヤカㇻ ナ アㇻパ ワ アパ アシ=孫よ,私がけむたいから行って戸を閉めろ. (出典:萱野、方言:沙流)
surku 1
スㇽク 【surku】 ①トリカブト. (出典:萱野、方言:沙流)
surku 2
スㇽク 【surku】 ②毒,矢毒. (出典:萱野、方言:沙流)
surkuay
スㇽクアイ 【surku-ay】 毒矢. (出典:萱野、方言:沙流)
surkukarus
スㇽクカルㇱ 【surku-karus】 毒きのこ. (出典:萱野、方言:沙流)
surkukiksuma
スㇽクキㇰスマ 【surku-kik-suma】 矢毒臼. 図[スㇽクキㇰスマ] (出典:萱野、方言:沙流)
surkuku
スㇽクク 【surku-ku】 服毒. (出典:萱野、方言:沙流)
surkukusuri
スㇽククスリ 【surku-kusuri】 ショウブ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
surkusake
スㇽクサケ 【surku-sake】 毒酒. (出典:萱野、方言:沙流)
surkusapke
スㇽクサㇷ゚ケ 【surku-sapke】 毒味(する). (出典:萱野、方言:沙流)
surokonesamampe
スロコネサマンペ 【su-oro-ko-ne-samampe】 アブラガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
sururke
スルㇽケ 【sururke】 流行する. オヤコヤㇰ タ タスㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ オルㇱペ ア・ヌ イシトマ・アン クス ハル アフㇷ゚カㇻ・アㇱ ワ ハルエカムイノミ・アン ルスイ=あちらこちらで病気が流行したと聞き恐ろしいので供物を貰い病気の神へあげたい.ネイタカ パトゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ ヒ ア・ヌ コㇿ ウクリペ ア・ウㇰ ワ アパ オッタ(オㇿ タ) プヤㇻ オッタ ア・エウシ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ ソモ ヘノイェ ㇷ゚ ネ=どこかで流行病が蔓延したと聞いたらヤツメウナギを獲って来て戸とか窓に差しておくと病気の神がよらないものだ.タンパ マㇱキン パトゥム ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ ハウェ コタン ア・エニソマㇷ゚=今年はいつも以上に病気なるもの流行するというので村の事を案じている. (出典:萱野、方言:沙流)
sus
スㇱ 【sus】 泳ぐ,水浴する,入浴する. (出典:萱野、方言:沙流)
susam
スサㇺ 【susam】 シシャモ. (出典:萱野、方言:沙流)
susu
スス 【susu】 ヤナギ:神に捧げるためのイナウを作る材料. (出典:萱野、方言:沙流)
sut/suci(hi)
スッ/スチ(ヒ) 【sut/suci(hi)】 祖母,先祖. ユㇰ カㇺ ポオンペポ ネ コㇿカ コㇿ ワ アㇻパ ルㇽ ネ ヘネ カㇻ ワ エ・スチヒ エレ アニー=鹿の肉ほんの少しだけれど持って行き,汁になどしてお前のばあちゃんに食べさせてね.ア・スチヒ オンネ ルスイ ワ ネ ノイネ イペ カ ソモ キ ノ モコㇿ ワ パテㇰ アン.アプンノ イカフイェ・アン コㇿ アナン(アン・アン)=私のおばあさんは死ぬのが近くなったのか食べ物も食べずに眠ってばかりいる.静かにおばあさんの看病を私はしている. (出典:萱野、方言:沙流)
sutkewitak
スッケウイタㇰ 【sut-kew-itak】 祖母のかばね言葉:ありもしないいいがかりをつける場合に並べる言葉[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
sutsurke
スッスㇽケ 【sutsurke】 暴風雨,大嵐,悪天候. (出典:萱野、方言:沙流)
suttomo
スットモ 【sut-tomo】 根元. アチャポ ア・ヌ ヤー オケネウㇱ エトコホ ポーロ ペロ スットモ タ ユㇰカルㇱ アン ナ.エチ・エピㇼマ ナ アㇻパ ウㇰ ワ エㇰ ヤン=おじさんちょっと,オケネウㇱ沢の源の大きいナラの木の根元にマイタケがある,あなたにこっそり教えるから行って取って来なさい. (出典:萱野、方言:沙流)
sutu
ストゥ 【sutu】 制裁棒:イワニ(アオダモ)製. 図[ストゥ] (出典:萱野、方言:沙流)
sutukap
ストゥカㇷ゚ 【sutu-kap】 プドウづるの皮. (出典:萱野、方言:沙流)
sutuker
ストゥケㇾ 【sutu-ker】 ブドウづるの皮で作った靴,わらじ(夏用). 図[ストゥケㇾ] (出典:萱野、方言:沙流)
suwanu
スワヌ 【suwanu】 急降下する,滑空する,飛ぶ. カパチㇼ スワヌ ワ エㇰ ヒネ チカㇷ゚ アㇺコサイェ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=ワシが急降下してきてニワトリを爪でつかまえて行ってしまった.パㇱクㇽ ネ ヤ ハウコㇿ パ コㇿ スワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ シㇼシモイェ エㇰ ヒ ネ ア ワ=烏とかカケスとか声を出しながら飛び立ったかと思うと同時に,ぐわらぐわらと地震が来たものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
suwanuhum
スワヌフㇺ 【suwanu-hum】 羽音:鳥のはばたく音. (出典:萱野、方言:沙流)
suwat
スワッ 【suwat】 自在鈎,炉鈎. 図[スワッ] (出典:萱野、方言:沙流)
suwat a=tusure
スワッ アトゥスレ 【suwat-a=tusu-re】 失せもの捜しのおまじない.▷スワッ=自在鈎 ア=それ トゥス=呪術 レ=させる *家の中で何か見つかられない場合に自在鈎を紐で縛り,失せものが出て来るまで解かないものであった。そのことをスワッ ア・トゥスレという. (出典:萱野、方言:沙流)
suwe
スウェ 【suwe】 煮る. (出典:萱野、方言:沙流)
suwop
スウォㇷ゚ 【suwop】 箱. イコㇿオスウォㇷ゚=宝物を入る箱.図[スウォㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
suy
スイ 【suy】 穴,ほら穴. (出典:萱野、方言:沙流)
suy
スイ 【suy】 再び,また,今度. ネア セタ スイ エㇰ ナ オケウェ=あの犬がまた来たから追い出せ. (出典:萱野、方言:沙流)
suy
スイ 【suy】 〜回:1回,2回の回. (出典:萱野、方言:沙流)
suye
スイェ 【suye】 振る,ゆさぶる,ゆする. アッ ア・コテ ワ ア・スイェ ペコㇿ=紐をつけて振るようなものだ(子供の動きの様子).シンタ スイェ イヨンノッカ=ゆりかごをゆする子守歌. (出典:萱野、方言:沙流)
suye
スイェ 【suye】 湯がく:野菜などのあくを抜くため熱湯に浸すこと. (出典:萱野、方言:沙流)
suyesuye
スイェスイェ 【suye-suye】 振る,ゆさぶる. ヤㇺニ スイェスイェ=クリの木をゆさぶる.サㇻ スイェスイェ=しっぽを振る. (出典:萱野、方言:沙流)
suykere
スイケレ 【suykere】 終わる. トゥミ スイケレ=戦いが終わる.ウェンペ スイケレ=悪いことが終わる[ユ].*この言い方はユカㇻの時のもの.普通はオケレ=終わるという. (出典:萱野、方言:沙流)
suyne
スイネ 【suy-ne】 度,回. アㇻスイネ=1度(回).トゥスイネ=2度.レスイネ=3度(回).*このような場合ネを省略してもよい. (出典:萱野、方言:沙流)
suypa
スイパ 【suypa】 振り回す. (出典:萱野、方言:沙流)
suysuy
スイスイ 【suy-suy】 またしても,またも. スイスイ イキヤクㇽ ヤイェシンノヤノヤ ワ ヘサシ サン.ウェンコシパㇱヌ ㇷ゚=またもやあの人が身体をよじって人の間を抜けて前へ出た.たいしたこともないくせに目立ちたがって.スイスイ アヌン メノコ クイラ コㇿ アン ナ.ネンカ アンパコアッ キ ヤㇰ ウェン ナ シノッチャキ コㇿ オㇱ アㇻパ=またしても他の女を尾行している.なんらかの間違いをすると悪いので歌を歌いながら後へ行け. (出典:萱野、方言:沙流)
suysuye
スイスイェ 【suy-suye】 ゆする,ゆりうごかす. (出典:萱野、方言:沙流)
ta
タ 【ta】 掘る,耕す,汲む. エモ タ=ジャガイモを掘る.アハ タ=土豆を掘る.シネン ア・ネ ワ オヌマン パㇰノ ア・タ オケレ クナㇰ ア・ラム トイ ア・コヤイクㇱ ルウェ ネ=私ひとりで夕方までには耕し終わると思った畑が.私できなかったんだよ.トイ タ=畑を耕す.ワッカ タ=水を汲む. (出典:萱野、方言:沙流)
ta
タ 【ta】 採る. キナ タ=山菜を採る.プクサ タ クス エキㇺネ・アン ロー=ギョウジャニンニクを採りに山へ行こう. (出典:萱野、方言:沙流)
ta
タ 【ta】 今,ここ,これ,この. タ テ タ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) フナクン アㇻパ ワ イサㇺ ルウェ アン=今ここにいたのにどこへ行っていないのだろう. (出典:萱野、方言:沙流)
ta
タ 【ta】 〜で,〜に,〜へ(場所). トアン タ=あそこに.テ タ=ここに. (出典:萱野、方言:沙流)
ta ta otta
タ タ オッタ 【ta ta or ta】 そこで,そういうわけで,だから. ア・ヌ ㇷ゚ ネ クス ア・コシラムイサㇺテ カ エアイカㇷ゚ タタオッタ カトゥトゥルㇱノ ネ コㇿカ ヤイェトコイキ・アン=私が聞いたことなので知らん顔もできないものだから,そこで,いやいやながらだが自分も行くしたくをした. (出典:萱野、方言:沙流)
taa
タア 【taa】 あれ. (出典:萱野、方言:沙流)
taa neno an
タア ネノ アン 【taa neno an】 こんなようなもの. (出典:萱野、方言:沙流)
taan
タアン 【taan】 この. (出典:萱野、方言:沙流)
taaneno
タアネノ 【taa neno】 このように. (出典:萱野、方言:沙流)
taanita
タアニタ 【ta an i ta】 あちらに. (出典:萱野、方言:沙流)
taaniun
タアニウン 【ta an i un】 あそこへ(に),そちらに. エ・ミチ ヒナㇰ タ アン? タシロ シトムシ カネ タアニウン アㇻパ ア ワ ナニ エㇰ ナンコㇿ ワ=お前の父はどこにいる?山刀を腰に下げてあそこへ行ったが,すぐ来るであろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
taanmosir a=eokerekor hemantaa=e
タアンモシㇼ アエオケレコㇿ ヘマンタアエー 【taan-mosir a=e-okere-kor hemanta-a=e】 この国土を食べ終わったら何を食べたらいいだろうか. *トゥニンヤイェイソイタㇰ(ミミズの独り言)を表わし,少年時代にアイヌの笑い話として,父が聞かせてくれたもの.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
taanpe
タアンペ 【taan pe】 これ,この物. (出典:萱野、方言:沙流)
taanpeneno
タアンペネノ 【taanpe neno】 このとおりに,これと同じように. エムㇱ ケプㇱペ エ・カㇻ ルスイ ヒ ネ ヤクン タアンペ ネノ アン ペ カㇻ ワ インカㇻ=刀の鞘を作ってみたいのならば,これと同じような物を作ってみなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
taanta
タアンタ 【taan ta】 そこに(すぐ近く). (出典:萱野、方言:沙流)
taap
タアーㇷ゚ 【taap】 これ. (出典:萱野、方言:沙流)
taene
タエネ 【ta ene】 これこのとおり. ソンノ ピㇼカ ヤント レウシ コㇿ タエネ ペンチャイ コヤン コラーチ=本当にいい客が泊まるとこれこのとおり,帆掛け舟が私の所へ来たと同じようなものだ.*思いもしないいいことがあるとペンチャイコヤン(帆掛け舟が私の所へ来た)といって喜ぶものである. (出典:萱野、方言:沙流)
tak
タㇰ 【tak】 玉,かたまり. カタㇰ=糸玉.キムンカムイ アイヌ ケセアンパ ヒ タ アナㇰネ コイスㇺ タㇰ エクパ アーペコㇿ アン ワ ホユプ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊が人間を追いかける時には泡のかたまりをくわえたような格好で走るものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tak 1
タㇰ 【tak】 ①呼ぶ,招待する:もっと丁寧に言う場合はアㇱケアニ(招待する).声を出して人を呼ぶ場合はホトゥイェカㇻになる.タㇰは何か食べさせるために呼びに行く,あるいは行かせる時に限って用いる. アㇻパ ワ オンネ フチ タㇰ ワ エㇰ=行っておばあさんを呼んで来い.オヤ コタン タ イヨマンテ アン ワ ア・エン・タㇰ カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス ウェンカスノ ピㇼカ メノコポ アン ワ ク・コホヨイセ=よその村で熊送りがあり私は招待されて行ったら,あまりにも美しい娘がいて私は欲しくなった.アㇻパ エ・コㇿ ウナㇻペ タㇰ ワ エㇰ=行ってお前の叔母を招待して来い. (出典:萱野、方言:沙流)
tak 2
タㇰ 【tak】 ②取る. アタイェヘ タㇰ=代価を取る. (出典:萱野、方言:沙流)
takar
タカㇻ 【takar】 夢をみる,夢みる. ウェンタラㇷ゚ オッタ(オㇿ タ) ネㇷ゚カ ア・イ・コタララ ワ ア・ウㇰ ヤㇰ ア・タカㇻ ネ ウェンタラㇷ゚ アナㇰネ パヨカカムイ パヨカ ヒ ネ クス ヤイカキㇰ・アン ペ ネ ナー=夢の中で何か伸ばされて受け取った夢をみると,その夢は流行病の神が歩いているのだから自分自身で体をはらい清めるものだよ.モコㇿ ヘ ネ ヤ タカㇻ ヘ ネ ヤ ア・コン(ア・コㇿ) ラㇺ カ シッネ カネ タナㇰ カネ=眠りなのか夢なのか私の思いももつれるように凸凹になり. (出典:萱野、方言:沙流)
takaysara
タカイサラ 【takaysara】 トゥキ(漆塗り杯)の受け台. (出典:萱野、方言:沙流)
takkop
タッコㇷ゚ →タㇷ゚コㇷ゚ →タㇷ゚コㇷ゚ (出典:萱野、方言:沙流)
takne
タㇰネ 【tak-ne】 凸,かたまり. (出典:萱野、方言:沙流)
takne
タㇰネ 【tak-ne】 短い. タㇰネノ カㇻ=短く作れ. (出典:萱野、方言:沙流)
taknepikor
タㇰネピコㇿ 【takne-p-ikor】 短い宝刀. 図[タㇰネピコㇿ] (出典:萱野、方言:沙流)
taknere
タㇰネレ 【takne-re】 短くする:長い物を短くすること. (出典:萱野、方言:沙流)
taktak
タㇰタㇰ 【tak-tak】 かたまり. (出典:萱野、方言:沙流)
taktakse
タㇰタㇰセ 【tak-tak-se】 丸い(球). (出典:萱野、方言:沙流)
taktaksep
タㇰタㇰセㇷ゚ 【tak-tak-se p】 まん丸,丸い物,かたまり. (出典:萱野、方言:沙流)
taktaksere
タㇰタㇰセレ 【tak-tak-se-re】 丸める. シト ア・カㇻ ヒ タ アナㇰネ ホㇱキノ ア・タㇰタㇰセレ ネ オカケ タ ア・カッパ コㇿ ア・カㇻ エニタン=団子をこしえる時には最初に丸めてそのあとで平たくするとしやすいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
takup/takupi(hi)
タクㇷ゚/タクピ(ヒ) 【takup/takupi(hi)】 こればかり,これしか,これっぽち,〜しか,〜だけ. ネン エン・イェ ヤッカ タクピ ク・コㇿ イチェン エチ・エソウㇰテ.ヘマンタ ク・コㇿ ペ アーン=なんと言われてもそればかり持っていた銭,お前に貸した.何を持っているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
takuppe
タクッペ 【takuppe】 谷地坊主:湿地に生えた草が伸びては重なり重なりして,高さが1m位になった枯れ草. (出典:萱野、方言:沙流)
takuppe sapa
タクッペ サパ 【takuppe-sapa】 ざんばら髪〔比喩〕.▷タクッペ=谷地坊主 サパ=頭 →谷地坊主のように頭をざんばらにしている. (出典:萱野、方言:沙流)
takusa
タクサ 【takusa】 清め草:病人を治すために清める草.ヨモギとアカイチゴの柴を混ぜて使う. (出典:萱野、方言:沙流)
takusaani
タクサアニ 【takusa-ani】 清め草を手に持つ. イタㇰタクサ タクサアニ エカクキㇰ=言葉の清め草,清め草でお前を祓い清める.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tamaninu
タマニヌ 【tama-ninu】 ばらばらになった玉粒を糸に通す,首飾りの玉を糸に通す. (出典:萱野、方言:沙流)
tamasay
タマサイ 【tama-say】 首飾り.玉飾り. 図[タマサイ] (出典:萱野、方言:沙流)
tamekoyki
タメコイキ 【tam-e-koyki】 刀でいじめる. ポンノ ポンノ ア・タメコイキ クナㇰ ア・ラム ア コㇿカ ア・オアㇻライケ=さっとさっと刀でいじめようと思ったが,全く殺してしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
tamipekur
タミペクㇽ 【tam-ipe-kur】 シャチ. (出典:萱野、方言:沙流)
tampaku
タンパク 【tampaku】 煙草. タンパク ク=煙草を吸う. (出典:萱野、方言:沙流)
tampakuop
タンパクオㇷ゚ 【tampaku-o-p】 煙草入れ:ネㇱコ(クルミ),ユㇰポネ(鹿の骨)製. 図[タンパクオㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
tan
タン 【tan】 今,この. (出典:萱野、方言:沙流)
tan'ukuranne
タンウクランネ 【tan ukuran ne】 今晩. (出典:萱野、方言:沙流)
tanancikar
タナンチカㇻ 【tan-ancikar】 今夜. (出典:萱野、方言:沙流)
tanat
タナッ 【tanat】 凸,盛り上がっている.*二風谷にタナッシㇼという地名がある. (出典:萱野、方言:沙流)
tanattanat
タナッタナッ 【tanat-tanat】 盛り上がる,盛り上がって煮え立つ. ス ノㇱキ タナッタナッ=鍋が煮え立つ(鍋の中が盛り上がり盛り上がり). (出典:萱野、方言:沙流)
tancuk
タンチュㇰ 【tan cuk】 今秋. (出典:萱野、方言:沙流)
tancup
タンチュㇷ゚ 【tan cup】 今月. (出典:萱野、方言:沙流)
tane
タネ 【tane】 今,すぐ,間もなく,もう,今度. タネ エㇰ ナンコㇿ=間もなく来るであろう.タネ カㇻパ(ク・アㇻパ) ソ=さて行こうかな. (出典:萱野、方言:沙流)
taneanakne
タネアナㇰネ 【tane anakne】 今はもう,最早. タネ アナㇰネ イェㇷ゚ ネ ウㇷ゚ソㇿ ア・ヤイコヌイナ パㇰノ ポロ メノコポ ア・ネ=今はもう恥ずかしい懐を自分で隠すほどの大きな娘に私はなった[ユ](自分自身の胸のふくらみを気にする年頃をいう). (出典:萱野、方言:沙流)
tanepakita
タネパキタ 【tane pak-ita】 今頃になって. (出典:萱野、方言:沙流)
tanepo 1
タネポ 【tane-po】 ①初めて. タネポ タㇷ゚ ク・イヌ ナ=初耳だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
tanepo 2
タネポ 【tane-po】 ②今. (出典:萱野、方言:沙流)
tanetane
タネタネ 【tane tane】 ほどなく. タネタネ エㇰ ナンコㇿ=ほどなく来るであろう.タネタネ チ ナンコㇿ=ほどなく煮えるであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
taneusikta
タネウシㇰタ 【tane usik ta】 今頃になって. ヘマンタ タネ ウシㇰ タ エㇰ ルウェ アン.ピㇼカ メノコ ネ ヘㇺキ イシネレㇷ゚ ソモ ネ ヤー.サッチポㇿ ヘネ エレ ワ インカㇻ=何者が今頃来たもんだ.おまけに美人すぎる.化け物ではないか,干した筋子でも食べさせてみろ.エカン(エㇰ・アン) ナ エカン ナ シコㇿ ハウェアナナクス(ハウェアン・アン アクス) タネ ウシㇰ タ ヒ タ アイヌ シㇰヌ ワ アン ペ ネ ヤ シコㇿ ア・ウヌフ ハウェアン=来たよ来たよと私が言うと,今頃になってどんな人間が生きているものだと私の母は言った(長く音信不通だった時など). (出典:萱野、方言:沙流)
tankarip
タンカリㇷ゚ 【tankarip】 大腸と小腸の間にある白い粒々の筋.*食べられないことはないがおいしくない. (出典:萱野、方言:沙流)
tanmata
タンマタ 【tan-mata】 この冬. ソンノ タンマタ アナㇰネ ウパㇱ ポロ クパㇱケ(ク・ウパㇱケ) カ コヤイクㇱ=本当にこの冬は雪が多くて私は雪掃きもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
tanne
タンネ 【tanne】 長い. エ・アミヒ タンネ ナ トゥイェ ワ アヌー=お前の爪が伸びているから切っておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
tannecep
タンネチェㇷ゚ 【tanne-cep】 ウナギ. (出典:萱野、方言:沙流)
tannehesarpare
タンネヘサㇻパレ 【tanne hese-arpa-re】 ため息(をつく).▷タンネ=長い ヘセ=息 アㇻパレ=行かせる ネㇷ゚ ワ アン ペ エラナㇰ ワ ネ ヤ オトゥ スイ レ スイ タンネヘサㇻパレ メフントキキ ワ アン=何を気にしてか,2回3回ため息をついて首をうなだれている. (出典:萱野、方言:沙流)
tannepikor
タンネピコㇿ 【tannep-ikor】 長い宝刀. 図[タンネピコㇿ] (出典:萱野、方言:沙流)
tannere
タンネレ 【tanne-re】 長くする.長くのばす. トゥㇱタンネレ=縄を長くのばす. (出典:萱野、方言:沙流)
tannetusa
タンネトゥサ 【tanne tusa】 長袖. (出典:萱野、方言:沙流)
tannu
タンヌ 【tannu】 イルカ. (出典:萱野、方言:沙流)
tanpa
タンパ 【tan-pa】 今年. (出典:萱野、方言:沙流)
tanpaykar
タンパイカㇻ 【tan-paykar】 今春. (出典:萱野、方言:沙流)
tanpe
タンペ 【tan-pe】 これ. (出典:萱野、方言:沙流)
tanpe otta
タンペ オッタ 【tan-pe or ta】 今度は,今に限って. エキㇺネ ア・シレン ヤッカ タンペ オッタ(オㇿ タ) コソモタㇱヌ アㇷ゚ ネ オヌマン ワノ ヤイヌミウェン ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=山へ誘われても,今に限って知らん顔をしていたのに,その夜から病気になったそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tanpeneno
タンペネノ 【tan-pe neno】 このように. タンペ ネノ ケㇺアン ヒ タ アナㇰネ アエㇷ゚ アン パㇰノ ア・ウコウサライェ ワ ア・エ ㇷ゚ ネ ナ=このように飢饉の時には食べ物はあるだけをお互いに分け合って食べるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
tansak
タンサㇰ 【tan sak】 この夏. (出典:萱野、方言:沙流)
tanto
タント 【tan to】 今日,本日. (出典:萱野、方言:沙流)
tanto kunneywa
タント クンネイワ 【tanto kunneywa】 今朝. (出典:萱野、方言:沙流)
tantotorici=astustekka
タントトリチアㇱトゥㇱテッカ 【tan-to tori ci=as tus-tek-ka】 立ち尽くす,じっとして立ち続ける.▷タント=今日 トリ=滞在 チ=それ アㇱ=立つ トゥㇱテッカ=金縛り (出典:萱野、方言:沙流)
tantuka
タントゥカ 【tantuka】 穂束:主として種として残す束. ピヤパ タントゥカ=ヒエの穂束.ムンチロ タントゥカ=アワの穂束.シプㇱケㇷ゚ タントゥカ=イナキビの穂束. (出典:萱野、方言:沙流)
tanukuran
タヌクラン 【tan-ukuran】 今晩,今夜. タヌクラン レウシ ワ アㇻパ=今晩泊って行け.タヌクラン アナㇰ ノチュー クㇽカ テㇱナタラ トイタサオッ ア・ヌカンノ=今夜は星月夜で北斗七星がよく見える. (出典:萱野、方言:沙流)
tanuske
タヌㇱケ 【tan-uske】 この場所.ここ. テエータ タヌㇱケ タ ヤイコアン フチ アン ペ ネ ア コㇿカ タネ チセ コッ パテㇰ アン=ずっと前にこの場所で独り者のおばあさんが住んでいたものであったが,今は家の跡しかない. (出典:萱野、方言:沙流)
tap
タㇷ゚ 【tap】 今,ちょうど. タㇷ゚ カㇻパ(ク・アㇻパ) クナㇰ ク・ラム=今行こうと思っていたところだ.タㇷ゚ ク・ソイネ アクス アㇷ゚ト ハウケ ナ ホクレ ホシピ=今,私が外に出てみると雨が小降りになったから早く戻れ.タㇷ゚ エㇰ クㇽ エ・アㇺキㇼ クㇽ ネ ルウェー.テエータ ク・ヌカㇻ ペ ネ ア ワー=今来た人はお前の知っている人かい.ずっと前に私が見たことがある者だよ.イテキ エ.タㇷ゚ オタ カ ウン ク・ハチレ ㇷ゚ ネ ナ=食べるんでない.今私が土の上へ落とした物だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
tap easir
タペヤシㇼ 【tap-e-asir】 今初めて. (出典:萱野、方言:沙流)
tap iki a p
タㇷ゚ イキ ヤ ㇷ゚ 【tap iki a p】 この頃亡くなった者. タㇷ゚イキヤㇷ゚ ウナㇻペ マㇰ ネ ワ ネ ヤカ ア・エラムㇱカリ コㇿカ カリ ヤㇰ ア・イェ アイヌ ウタㇻ ウシトマレ クンネ アン コㇿ ソイネ クㇽ カ イサㇺ=この頃亡くなったおばさん,どうしてか知らないが化けたということで,人々は恐ろしがって暗くなると外へ出る人もいない. (出典:萱野、方言:沙流)
tap iki kur
タㇷ゚ イキ クㇽ 【tap iki kur】 今帰った人:たった今来ていた人. タㇷ゚イキクㇽ マキㇷ゚ イポロクㇽクㇱ カネ ヒネ アフン=今来た人どうしたのか顔に陰を持って入って来た.タㇷ゚イキクㇽ イヤㇰネクㇽ ネ ルウェヘー=今来た人は弟のほうの人なのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
tap uhunak
タㇷ゚ ウフナㇰ 【tap uhunak】 この頃. タㇷ゚ウフナㇰ パㇰノ みさフチ ヤイェラナㇰ ワ アン コㇿカ オンネ ワ イサㇺ ア・コタヌ タ アナㇰネ タネ ア・エラナㇰペ シネㇷ゚ カ イサㇺ ワ=ついこの頃までミサばあさんが病気していたが亡くなったのでうちの村では心配事はひとつもないよ.タㇷ゚ウフナㇰ アン チㇷ゚サンケ オッタ(オㇿ タ) アシㇼ ポン チㇷ゚ ク・カㇻ アイヌ オピッタ オ ワ シノッパ=ついこのあいだあった舟おろしの時に新しい小さい舟を私が掘って,みんなで乗って遊んだ.チ・コㇿ イヨルンクㇽ アッパケ タ アナㇰネ ネㇷ゚キ ㇷ゚ ネ アㇷ゚ タㇷ゚ウフナㇰ アナㇰネ ホッケ ワ パテㇰ アン=私の所の召使いは最初にはよく働いたのに,この頃では寝てばかりいる."アウタ アナ(アン ア) ウタㇻ マキㇷ゚ イサㇺ ルウェ アン?" "ウワー タㇷ゚ウフナㇰ パㇰ アナ(アン ア) ペコㇿ ク・ヤイヌ アㇷ゚ レウシ ノ チェㇷ゚コイキ クス ヘネ アㇻパ パ ルウェ ソモ ネ ウン"=「隣にいた人たち,どうしていないのだろう?」「知らないね,この頃までいたように思うけれど,泊まりがけでサケ獲りにでも行っているのではないだろうか」. (出典:萱野、方言:沙流)
tap'iki
タㇷ゚イキ 【tapiki】 今来て行った. ソンノ タㇷ゚イキ ウェンメノコ ア・コサマ ㇷ゚ カ イサㇺ.ア・イェ ロㇰ クニ サㇰチロンヌㇷ゚ コラチ アン=本当に今来て行った悪い女,比較する物もない.言うところの夏の狐のような者だ. (出典:萱野、方言:沙流)
tapa=yekuni
タパイェクニ 【tap a=ye kuni】 言うところの. ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に.言うところの水にうるかした昆布と同じ色であったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
tapakno
タパㇰノ 【ta pak no】 ここまで. (出典:萱野、方言:沙流)
tapan
タパン 【tap-an】 この. (出典:萱野、方言:沙流)
tapanna
タパンナ 【tap-an na】 ですよ. アイヌ イタㇰ アナㇰネ ウハイタ ウㇱケ ポロンノ オカ.ネ イタㇰ オウペカレ ワ カムイ オルン ソンコ アンパ ㇷ゚ イクパスイ ネ ルウェ タパン ナ=人間の言葉は至らないところがたくさんあるものだ.その言葉を真っ直ぐにして神へ伝言を持って行くのが捧酒箸ですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
tapanpe
タパンペ 【tap-an-pe】 これ,この物. (出典:萱野、方言:沙流)
tapanuske
タパヌㇱケ 【tap-an uske】 この場所. タパヌㇱケ アナㇰネ タネ シㇼホルッケ アンキ アン.イヤイキㇷ゚テ ナ イテキ エチ・カランケ クニ ラム ヤン=この場所は今にも地滑りが起きそうだ.危険なので絶対にお前たちは近寄ると思うな. (出典:萱野、方言:沙流)
tape
ターぺ 【tape】 今,今かい?たった今かい? (出典:萱野、方言:沙流)
tapere/tapere(he)
タペレ/タペレ(ヘ) 【tapere/tapere(he)】 肩甲骨. (出典:萱野、方言:沙流)
taperepone
タペレポネ 【tapere pone】 肩の骨.肩甲骨. (出典:萱野、方言:沙流)
tapkanru
タㇷ゚カンル 【tapkanru】 舞いを舞う. →オトゥ タㇷ゚カンル オレ タㇷ゚カンル (出典:萱野、方言:沙流)
tapkar
タㇷ゚カㇻ 【tap-kar】 舞い(を舞う),踊る. タㇷ゚カㇻ アナㇰネ オッカヨ シネン サケハウ キ コㇿ アㇱ ワ タㇷ゚カㇻ オㇱマケ タ シネ メノコ イイェタㇷ゚カㇻ ペ ネ コㇿカ ホクエタㇷ゚カㇻ ソモ ア・キ ㇷ゚ ネ シコㇿ ネ=舞いは男がひとり,酒を飲んだ時に出す声を出しながら立って舞う,後ろへ女がひとり一緒に舞うが,夫の舞いに妻がついてはならないという.*男が立って舞うと後へ女性がついて舞う.妻が夫の舞いについてはいけないとされる.(男のみ.一歩一歩足を踏み鳴らしてゆっくりと進む). (出典:萱野、方言:沙流)
tapkir/tapkiri(hi)
タㇷ゚キㇼ/タㇷ゚キリ(ヒ) 【tap-kir/-kiri(hi)】 (動物の)足:骨のままの足肉のこと. シネ タㇷ゚キㇼ コㇿ ワ アㇻパ ワ エ=足を1本持って行って食べろ. (出典:萱野、方言:沙流)
tapkop
タㇷ゚コㇷ゚ 【tapkop】 小さい山(丘),丸い山,あたりから見て目立つ山.*平取町内荷負ペナコリの東側にある目立つ山を,ペナコリの人たちはタㇷ゚コㇷ゚という.この山は遠くからでも目立つ山である.このような言い方の山は道内あちこちにある. (出典:萱野、方言:沙流)
tapne
タㇷ゚ネ 【tap ne】 こうこう. ニサッタ ワノ イラマンテ・アン クス キムン・アン クナㇰ ア・ラム ア コㇿカ ア・マチヒ オㇺケカㇻ ワ マウェコㇿ.タㇷ゚ネ ネ シコㇿ ア・イェ ソモ エキㇺネアン=明日から狩のために山へ入ると思っていたが,私の妻が風邪をひいて熱が出た.こうこうだと言って山へ行かないことにした. (出典:萱野、方言:沙流)
tapnekane
タㇷ゚ネカネ 【tap ne kane】 こうこうで. (出典:萱野、方言:沙流)
tapneno
タㇷ゚ネノ 【tap neno】 このように. タㇷ゚ネノ パ トゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ ユㇷ゚ケ ヒ タ アナㇰネ オシルㇱクㇽ パテㇰ ネ ペコㇿ ネ ㇷ゚ ネ クス ウウェイノンノイタㇰ ペ カ イサㇺ=このように病気がはやる時には床に伏す者ばかりのようになるとおはらいの祈りをする者もいない. (出典:萱野、方言:沙流)
tapnetapne
タㇷ゚ネタㇷ゚ネ 【tap ne tap ne】 こうこうで:このようなことで. (出典:萱野、方言:沙流)
tapsut/tapsutu(hu)
タㇷ゚スッ/タㇷ゚ストゥ(フ) 【tapsut/-sutu(hu)】 肩. (出典:萱野、方言:沙流)
tapta
タㇷ゚タ 【tap ta】 これこそ. タン オルㇱペ タㇷ゚タ ソンノ アン オルㇱペ ネ=これこそ本当の話だ. (出典:萱野、方言:沙流)
tar
タㇻ 【tar】 背負い縄:シナの木の皮,ツルウメモドキの皮,ハイキナ(イラクサ),カパイ(背の低いイラクサ). 図[タㇻ] (出典:萱野、方言:沙流)
tara
タラ 【tara】 俵. シネ タラ=1俵. (出典:萱野、方言:沙流)
tarak
タラㇰ 【tarak】 凸. (出典:萱野、方言:沙流)
tarap
タラㇷ゚ 【tarap】 夢. タラㇷ゚ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ=夢か幻か. (出典:萱野、方言:沙流)
tarapkata
タラㇷ゚カタ 【tarap ka ta】 夢枕:ウェンタラㇷ゚といわずにこのような場合にはタラㇷ゚という. (出典:萱野、方言:沙流)
tarara
タララ 【tarara】 上げる,手に持って伸ばす. (出典:萱野、方言:沙流)
taratarak
タラタラㇰ 【tara-tarak】 凹凸,でこぼこ. (出典:萱野、方言:沙流)
taripe
タリペ 【tar-ipe】 荷物を背負う縄の額にあたる広い部分. (出典:萱野、方言:沙流)
taritari
タリタリ 【tari tari】 振り回す. (出典:萱野、方言:沙流)
tarkintarkin
タㇻキンタㇻキン 【tarkin tarkin】 振れる,揺れ動く. ク・セ ㇷ゚ タㇻキンタㇻキン=私の荷物が背中で揺れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tasa
タサ 【tasa】 向かう. レラタサ=風に向かう.ネㇷ゚カ ウェンカムイ チセ オルン アフン ノイネ イキ コㇿ ア・コウナケ ウェンカムイ ネ ヤクン キラ ワ ソイネ ウェンカムイ ソモ ネ ヤクン ウナ タサ アフン ペ ネ=何か得体の知れない悪い神が家へ入りそうにしたら,それに向かって木灰をかけると悪い神なら逃げて出る.悪い神でなければ木灰に向かって入って来るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tasare
タサレ 【tasa-re】 交換する. ア・タサレ=それを交換する.ウタサレ=互いに交換する.テエータ アイヌ モヨ ヒ タ アナㇰネ メノコ ウタサレ シコㇿ ネ ワ ク・マタキ エチ・コレ ナ エ・マタキヒ エン・コレ セコㇿ アン ハワㇱ カ アン ペ ネ=ずーっと昔に人間が少なかった時代は,女を交換するということで,私の妹を嫁にやるのでお前の妹を私の嫁にくれという話もあったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tasi
タシ 【tasi】 〜こそ. (出典:萱野、方言:沙流)
tasiro/tasiro(ho)
タシロ/タシロ(ホ) 【tasiro/tasiro(ho)】 山刀:刃の厚さも重さもなたと同じように作られているが先の方が尖っているのがタシロという. (出典:萱野、方言:沙流)
tasirokepuspe
タシロケプㇱペ 【tasiro kep-us-pe】 タシロの鞘.▷タシロ=山刀 ケプㇱペ=鞘 図[タシロとケプㇱペ] (出典:萱野、方言:沙流)
tasironip
タシロニㇷ゚ 【tasiro-nip】 タシロの柄. (出典:萱野、方言:沙流)
tasirosikayehe
タシロシカイェヘ 【tasiro sikayehe】 タシロの目釘. (出典:萱野、方言:沙流)
taskor
タㇱコㇿ 【taskor】 寒さ,寒波. タㇱコㇿ カ アマㇺタㇱコㇿ セコㇿ ア・イェㇷ゚ カ ヌワㇷ゚タㇱコㇿ セコㇿ ア・イェㇷ゚ カ アン ペ ネ=寒さといっても,穀物の寒さ(9月20日から10月10日までの間に急に寒くなること)という寒さもあるし,お産の寒さという寒さもあるものだ(お産のある夜は特別寒いものだという). (出典:萱野、方言:沙流)
taskor an
タㇱコㇿ アン 【taskor an】 寒い:寒さが厳しい. (出典:萱野、方言:沙流)
tasmaktasmak
タㇱマㇰタㇱマㇰ 【tasmak tasmak】 息づかいが荒い,息を切らす. (出典:萱野、方言:沙流)
tastektek
タㇱテㇰテㇰ 【tas-tek-tek】 あっという間に,さっと,すぐに. シネ アン パイカㇻ イサロイキㇷ゚ ア・コㇿ ヒネ オケネウㇱ トゥラシ アㇻパ・アン タㇱテㇰテㇰ イサロイキㇷ゚ シㇰノ プクサキナ ア・ウㇰ ワ イワカン(イワㇰ・アン)=ある春のこと,やや大型の背負い袋を持ってオケネウㇱ(という沢)をのぼって行き,あっという間にやや大型の背負い袋一杯にニリンソウを採取して帰って来た.トゥㇱ トゥイ チカッポ コラチ タㇱテㇰテㇰ キラ ワ イサㇺ=紐の切れた小鳥のようにさっと逃げ去った.タㇱテㇰテㇰ エㇰ=行ったと思ったらすぐに来た.エシㇼ エ・ミ ワ エ・ソイネ アㇷ゚ タㇱテㇰテㇰ エ・イチャッケレレ.エ・ヤチポチ ヒー=さっき着て外へ出たのにすぐにお前は汚してきた,泥んこをこねていたのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
tasum
タスㇺ 【tasum】 病気(になる). オヤコヤㇰ タ タスㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ オルㇱペ ア・ヌ イシトマ・アン クス ハル アフㇷ゚カㇻ・アㇱ ワ ハルエカムイノミ・アン ルスイ=あちらこちらで病気が流行したと聞き恐ろしいので供物を貰い病気の神へあげたい. (出典:萱野、方言:沙流)
tasutuy
タストゥイ 【tasu-tuy】 死ぬ:息が切れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tasutuynoyne
タストゥイノイネ 【tasu-tuy noyne】 息が切れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tat
タッ 【tat】 樺皮. (出典:萱野、方言:沙流)
tata 1
タタ 【tata】 ①叩き切る,切り刻む:鹿の骨,魚の頭などをタシロあるいはまさかりのような刃物で切り刻むこと. (出典:萱野、方言:沙流)
tata 2
タタ 【tata】 ②かじる. エルㇺ ネㇷ゚カ タタ コㇿ コナハ(ク・オナハ) エネ ハワニ エルㇺカムイ ノ トノケヘ エルㇺ ノットゥ タ アン ペ ネ ナ.エチ・コヨンヌッパ ナ シコㇿ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=ネズミが何か物をかじったら私の父が言ったのは.ネズミの神の最も偉い神は襟裳の岬にいるものだ.お前をそこへ訴えるぞ,と言っていたのを聞いたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tatatata
タタタタ 【tatatata】 切り刻む. (出典:萱野、方言:沙流)
tatni
タッニ 【tat-ni】 樺. (出典:萱野、方言:沙流)
tatnikap
タッニカㇷ゚ 【tat-nikap】 樺の皮(たきつけ用). (出典:萱野、方言:沙流)
tatpas koyomomke ekapne
タッパㇱ コヨモㇺケ エカㇷ゚ネ 【tat-pas koyomomke ekap-ne】 痛い〔比喩〕:燃えている樺皮の炭がついたと同じだ. アㇻカ セコㇿ ア・イェ ヤッカ タッパㇱコヨモㇺケエカㇷ゚ネ アㇻカ ワ ケヤイウェンヌカㇻ(ク・エヤイウェンヌカㇻ)=痛いといっても,真っ赤に燃えた樺皮が手にへばりついたような痛さで,痛くて私は本当につらかった.*燃えている樺皮は黒いねばねばした状態になっていて,これが手や足につくと熱くて痛いものである.タッパㇱ コヨモㇺケ コラーチ:燃えている樺皮がくっついたと同じような痛さ. (出典:萱野、方言:沙流)
tatpaskararase ekannayukar
タッパㇱカララセ エカンナユカㇻ 【tat-pas-karara-se e-kanna-yukar】 樺皮を燃やした時に黒い炭が手などにからみつく痛さを再現した言葉,激痛が走る. ▷タッ=樺 パㇱ=炭 カララセ=からまる エ=それ カンナ=再び ユカㇻ=真似る *痛さに対しての表現であるが,何々の時のような痛さと具体的に言う.今様に言うならば燃えているゴムの塊の一部など,べたっとした物が手にからみついたような痛さということ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tattarake
タッタラケ 【tattarake】 ぐらぐら煮え立っている. スノㇱキ タッタラケ=鍋の真ん中がぐらぐらと煮え立っている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tatuspe
タトゥㇱペ 【tat-us-pe】 灯火,灯:樺皮を燃やして灯にする. (出典:萱野、方言:沙流)
tawki
タウキ 【tawki】 叩き切る. ユㇰポネ アン ナ タウキ ワ スパ ワ アヌ.オヌマン ア・エ ナ=鹿の骨あるから,叩き切って煮ておけ.夕飯時に食べるから. (出典:萱野、方言:沙流)
tay
タイ 【tay】 林. (出典:萱野、方言:沙流)
tayekane
タイェカネ 【ta ye kane】 しゃべる,言い並べる,まくしたてる[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
tayki
タイキ 【tayki】 ノミ. テエータ フチ ウタㇻ エネ ハウェオカ ヒ フㇱコ ノ アナㇰネ キソ アン ワ カシウン トマ ア・トゥリ ヤッカ サㇰ アン コㇿ タイキ アッ ペ ネ アー シコㇿ エン・ヌレ パ=ずうっと前,おばあさんたちが言った言葉は,古い時代はカヤで編んだ簾を敷き,その上へガマ草で織ったござを敷いたが,夏になるとノミがいたものだと私に聞かせてくれたものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
taype/taype(he)
タイペ/タイペ(ヘ) 【taype/taype(he)】 血統,子孫,胤,子〔悪口〕. マㇰ タ エカシ カ イッカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ア ワ タイペヘ カ イッカ エオ.ソンノ ウェン ペ ネ ハウェ ネ=遠い先祖の祖父も泥棒したものだと聞いたのにその血統も手癖が悪い.本当に悪い者だよね.ウェシサㇺ タイペヘ=悪い和人の血統.ウェンペ タイペヘ=悪い者の血統.カニ カ ク・タイペヘ インネ クス ク・ヤヤㇷ゚テ.エタㇻカ イタㇰ エタㇻカ イキ ソモ ク・キ シコㇿ ク・ヤイヌ=私も,私の末裔が大勢なので自重したい.でたらめを言ったりでたらめしたりしてはならないと私は考える. (出典:萱野、方言:沙流)
taype/taype(he)
タイペ/タイペ(ヘ) 【taype/taype(he)】 澱(おり),沈殿物:油の沈殿物. ソモ クッカン ペコㇿ ク・ヤイヌ ワ スㇺ ク・ホㇰ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アㇷ゚ オヤチキ クッカン スㇺ ネ アアン.トックリ アサㇺ タ タイペヘ カ アン=傷んでいないと思ったので油を買ってきたのに,知らなかったが傷んだ油であった,瓶の底には澱もあった.スㇺ オホンノ ア・アヌ コㇿ タイペヘ アン ペ ネ ナ.ネウㇱケヘ アナㇰネ イテキ エイワンケ アニ=油を長く置くと沈澱物があるものなのだ.その部分は使わないようにしてね. (出典:萱野、方言:沙流)
te
テ 【te】 〜させる. (出典:萱野、方言:沙流)
teeta
テエタ 【teeta】 昔,ずっと前,以前,しばらく前,古い. オッ テエータ=ずーっと昔. (出典:萱野、方言:沙流)
teetaiwano
テエタイワノ 【teeta-i wano】 前から. (出典:萱野、方言:沙流)
tek
テㇰ 【tek】 ふっと,さっと. (出典:萱野、方言:沙流)
tek'aya
テㇰアヤ 【tek-aya】 手の筋,指紋. (出典:萱野、方言:沙流)
tek'eepakiun
テㇰエエパキウン 【tek-e-epaki-un】 手の向こう側へ. タネ テㇰエエパキウン ア・ウテㇰ パㇰノ ポロ マッカチ=今は手の向こう側へ使えるほどに大きくなった女の子. (出典:萱野、方言:沙流)
tek'eepakiun a=eywanke
テㇰエエパキウン アエイワンケ 【tek-e-epaki-un a=eywanke】 手の向こうへ使える〔比喩〕:2,3歳くらいの子供のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
tek'ikre
テㇰイㇰレ 【tek-ikre】 指の節. (出典:萱野、方言:沙流)
tek'iporo
テㇰイポロ 【tek-iporo】 手の顔色.▷テㇰ=手 イポロ=顔色 イキヤ オッカイポ エウン タント ク・ホタヌ ワ ケㇰ.テㇰイポロ ク・ワンパレ ケアナサㇷ゚(ク・エアナサㇷ゚)=あの若者へ今日見舞いに行って来た.手の顔色を見て来たが心配だ.*重い病人は本当の顔色よりも手の顔色で生死を判断されるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tek'uyruke
テㇰウイルケ 【tek-uyruke】 手で探す. アパテㇰサㇺ テㇰウイルケ シネキエタイェワ ホカエポイホイェワ スネネカㇻ=戸口の所を手で探して,1本のカヤを抜き取り,埋めてある火にぶすっと差し灯を作り[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tek/teke(he) 1
テㇰ/テケ(ヘ) 【tek/teke(he)】 ①手. (出典:萱野、方言:沙流)
tek/teke(he) 2
テㇰ/テケ(ヘ) 【tek/teke(he)】 ②枝. ニテケヘ=木の枝. (出典:萱野、方言:沙流)
tekaniokewe
テカニオケウェ 【tek-ani-okewe】 払いのける:まつわりつくものを手で払いのぞく. (出典:萱野、方言:沙流)
tekanire
テカニレ 【tek-ani-re】 手(を)持たせる. (出典:萱野、方言:沙流)
tekcikir eine cikir
テㇰチキㇼ エイネ チキㇼ 【tek-cikir e-ine cikir】 よつんばい:手も足のようにして足とともに4本の足. フチ シノ オンネ ワ オラーノ アナㇰネ セッ オㇿ ワ アペサムン サン ヒ タ アナㇰネ テㇰチキㇼ エイネチキㇼ コㇿ カネ=おばあさんが,うんと年をとってからは,寝床から火の側へ出る時に両方の手とともに四つの足で出て来たものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
tekehe omare
テケヘ オマレ 【tekehe omare】 渡す,手渡す. (出典:萱野、方言:沙流)
tekehesesekka
テケヘセセッカ 【tekehe sesek-ka】 手をあぶる.▷テケヘ=手 セセㇰ=熱い カ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
tekehuraye
テケフライェ 【teke-huraye】 手を洗う.▷テケ=手 フライェ=洗う (出典:萱野、方言:沙流)
tekeinu
テケイヌ 【tek-einu】 手をあてる. (出典:萱野、方言:沙流)
tekeipe
テケイペ 【tek-e-ipe】 つまみ食い:手づかみで食べる.▷テケ=手で イペ=食う (出典:萱野、方言:沙流)
tekepaste
テケパㇱテ 【tek-e-paste】 盗む.▷テㇰ=手 エ=それを パㇱ=走る テ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
tekeperke
テケペㇾケ 【teke-perke】 (手の)あかぎれ(がきれる). タネ アナㇰネ ウレペㇾケ ㇷ゚ カ テケペㇾケ ㇷ゚ カ イサㇺ コㇿカ テエータ アナㇰネ チセ カ ウェン ペ ネ クス ウレペㇾケ カ テケペㇾケ カ アン ペ ネ ア ワー=今は足があかぎれになった者も手があかぎれになった者もいないけれど昔は家も悪かったし足のあかぎれ手のあかぎれもあったものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
tekepetetne
テケペテッネ 【teke-petetne】 手がかじかむ. ポナニ(ポン・アン ヒ) タ アナㇰネ アミㇷ゚ カ ウェン ペ ネ クス ク・メライケ ク・テケペテッネ カ カㇺキㇼ(ク・アㇺキㇼ) タネ オカ ヘカッタㇻ アナㇰネ テケペテッネ カ エラムㇱカリ パ=私が子供の頃は着る物もよくないものだから.寒くて手もかじかむこともあったが,今いる子供たちは手がかじかむことも知らないであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
tekesinotte
テケシノッテ 【tek-e-sinot-te】 まさぐる:手でもてあそぶ,いじる. (出典:萱野、方言:沙流)
teketuype
テケトゥイペ 【teke-tuy-pe】 手の切れた者:役に立たない者に言う悪口. (出典:萱野、方言:沙流)
tekkaki
テッカキ 【tek-kaki】 手庇(てびさし). テッカキポ リクイルケ ラウイルケ=手庇を上げたり下げたりしながら遠くを見る.ネㇷ゚ ワ アン ペ ヌカンルスイ(ヌカㇻ ルスイ) クス テッカキポ リクイルケ ラウイルケ コㇿ アン ルウェ ネ=何を見たいのか,手庇を上へ上げたり下へ下げたりしながらいるんだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tekkiray
テッキライ 【tek-kiray】 指櫛. (出典:萱野、方言:沙流)
tekkokpe
テッコㇰペ 【tek-ok-pe】 おしゃぶり:ケネ(ハンノキ)製. 図[テㇰコㇰペ〕 (出典:萱野、方言:沙流)
tekkoparparu
テㇰコパㇻパル 【tek-ko-parparu】 手で扇ぐ,手に持った物で扇ぐ. ▷テㇰ=手 コ=それ パㇻパル=扇ぐ[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tekkotor/tekkotoro(ho)
テッコトㇿ/テッコトロ(ホ) 【tek-kotor/-kotoro(ho)】 手のひら. (出典:萱野、方言:沙流)
tekkotpe
テッコッペ 【tek-kot-pe】 赤ちゃんのおしゃぶり,おもちゃ. (出典:萱野、方言:沙流)
tekkoyupu
テッコユプ 【tek-ko-yupu】 (手できちんと)握る. (出典:萱野、方言:沙流)
tekkup
テックㇷ゚ 【tek-kup】 翼,羽. (出典:萱野、方言:沙流)
tekkut
テックッ 【tek-kut】 手首の刺青.▷テㇰ=手 クッ=帯 テエータ アナㇰネ メノコポ ウタㇻ ウトㇺヌカㇻ ヒ タ パキサㇻ コエトゥレンノ テックッ カ コㇿ ワ エアシㇼ ア・オモンヌレ.テックッ ポカ サㇰノ ホクコㇿ コㇿ クリ ア・アンテ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずーっと大昔は娘たちが結婚する時,口のまわりの刺青とともに,手首の帯という刺青をして初めてほめられた.手首の帯という刺青もせずに夫を持つと陰口を言われたものだそうだ.*昔は口のまわりは別としても最低,手首には刺青をした.手首に刺青をしないでお嫁に行くと,テックッポカ サㇰノ シコラㇻ ヤㇰ ア・イェ(手首に帯もしないで嫁に行ったそうだよ)と笑い者にされた. (出典:萱野、方言:沙流)
tekmekka/tekmekka(si)
テㇰメッカ/テㇰメッカ(シ) 【tekmekka/-mekka(si)】 手の甲. (出典:萱野、方言:沙流)
teknum
テㇰヌㇺ 【tek-num】 握り拳. (出典:萱野、方言:沙流)
tekociwciwe
テコチウチウェ 【tek-o-ciw-ciwe】 手招きする.*手の平を上へ向けて手招きをするものであったが,今はそれをやる人が少ないようだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tekopicire
テコピチレ 【tek-opici-re】 手放す. (出典:萱野、方言:沙流)
tekorrep
テコㇿレㇷ゚ 【tekor-rep】 手拍子,拍手. ク・ユカㇻ アクス ヌ ワ オカ ウタㇻ テコㇿレㇷ゚パ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) ク・ユカㇻ コアリキキ=私がユカㇻをすると聞いていた人たちが手拍子をとってくれた,私はうれしくなってユカㇻをするのに力を入れた. (出典:萱野、方言:沙流)
tekparparu
テㇰパㇻパル 【tek-parparu】 手招きする.*アイヌの手招きは手のひらを上へ向けて呼ぶ.そのほうが遠くからでもこちらの意思を相手に伝えることができる.肘から上を動かす程度にする. ウトゥラ・アン ワ イラマンテ・アン クス エキㇺネ・アン ア・ユピヒ ニセㇺピㇼ ワ イ・テㇰパㇻパル アプンノ サマ タ アㇻパ・アン ナイ イクスン(イクㇱ ウン) ヤカカ クス インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) ポロ カムイ アン ルウェ ネ=一緒に狩のために山に入った私の兄が木の陰から私に手招きをするので,静かに側へ行った,沢の向かい側を指差したので見てみると大きい熊がいた.ア・マチヒ トヨッタ(トイオㇿタ) アン ヒネ イ・コテㇰパㇻパル ヒクス サマタ アㇻパアナクス(アㇻパ・アン アクス) オヌマン パㇰノ ア・オケレ ルスイ ナ キナカㇻ エン・カスイ シコㇿ ネ ワ ア・カスイ=私の妻が畑にいて,私に手招きするので側へ行くと,夕方までに終わらせたいので草取りを手伝ってと言うので,私が手伝いをした. (出典:萱野、方言:沙流)
tekpisoye
テㇰピソイェ 【tek-pisoye】 手刀:右手の小指から手首までのふくらみの部分. テㇰピソイェヘ=手の浮き袋.シペ トゥイェヘ タ ピソイェヘ シコㇿ ア・イェ ウㇱケ アン ペ ネ ネ ピソイェヘ ノカハ コラチ アン ヒクス ア・レコ ㇷ゚ ネ=サケの腸に浮き袋というところがあるものだが,その浮き袋と形が同じなので名づけられた. (出典:萱野、方言:沙流)
teksam/teksama(ha)
テㇰサㇺ/テㇰサマ(ハ) 【tek-sam/-sama(ha)】 横,脇,目の前. ピㇼカ ヒネ イレスカムイ テㇰサマ タ ウウェチューサケ エチ・ク ワ ネ クス ネイタ パㇰノ ピㇼカ ウウェトゥラㇱトゥラㇱ エチ・キ ㇷ゚ ネ ナ アニー=縁あって火の神の目の前で夫婦の契りの酒をあなたたちは飲んだので,いつまでも仲睦まじくするのですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
teksampe
テㇰサンペ 【tek-sampe】 手の脈.手首の脈. ヨㇺクㇽ・アン ヒ タ テㇰサンペ ヘネ ケマサンペ ヘネ ア・ピㇱキ コㇿ ヨㇺクㇽアナ(ヨㇺクㇽ・アン ア) ヒ ア・オイラ ㇷ゚ ネ ワ=しゃっくりをした時に手首の脈か足首の脈を数えるとしゃっくりをしていたのを忘れるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
teksaykare
テㇰサイカレ 【tek-saykare】 さっと取る,急いで取る,すばやく取る. ポオン イチェン ネ コㇿカ ク・コトゥリリ アクス テㇰサイカレ ワ チソイェカッタ ワ イサㇺ=少しの銭だけれども,私が伸ばすとさっと取って飛び出て行ってしまった.シアペケㇱ ア・テㇰサイカレ シネレ ワ エㇰ チロンヌㇷ゚ ア・トイコキㇰキㇰ ア・ライケ ルウェ ネ=太い燃えさし,さっと手に取って,化けて来たキツネを殴りつけて殺したのだ[ウ](『ひとつぶのサッチポロ』90頁,平凡社). (出典:萱野、方言:沙流)
teksaykare
テㇰサイカレ 【tek-saykare】 手でさっと取る,手でむしり取る. ▷テㇰ=手 サイカレ=さっと取った(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
teksikewkaunuunu
テㇰシケゥカウヌウヌ 【tek-si-kew-ka-unuunu】 手で自分の身体をかばう.▷テㇰ=手 シ=自ら ケウ=身体 カ=上 ウヌウヌ=入れる入れる リㇰ ペカ ア・エヤㇷ゚キㇼ ア・ポㇰナレ アクス エアシㇼ テㇰシケウカウヌウヌ ヤユナㇱケ=腰投げをかけるようにして組み伏せると,そこで初めて自分の手で自分をかばいながら謝った. (出典:萱野、方言:沙流)
teksurare
テㇰスラレ 【tek-surare】 手を離す,仕方がない. ▷テㇰ=手 スラレ=離す[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tektek
テㇰテㇰ 【tek-tek】 さっと〜する(これだけで使われることはなく,前後の言葉による). リㇱテㇰテㇰ=さっとむしり取った.ホユㇷ゚テㇰテㇰ=さっと走る. (出典:萱野、方言:沙流)
tekukot/tekukoci(hi)
テクコッ/テクコチ(ヒ) 【teku-kot/-koci(hi)】 手の跡. (出典:萱野、方言:沙流)
tekunpe
テクンペ 【tek-un-pe】 手甲(てっこう). 図[テクンペ] (出典:萱野、方言:沙流)
tekyenunpa
テㇰイェヌンパ 【tek-e-nunpa】 男の礼拝:手をすりあわせる. メノコ アナㇰネ オッカヨ ネノ テㇰイェヌンパ ㇷ゚ ソモ ネ=女は男のように指先をすりあわせるものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
tem
テㇺ 【tem】 尋(ひろ):両手を左右に伸ばした長さ,約1.8m. アッテㇺ=半尋.アッテㇺ エ レ テㇺ=3尋半. (出典:萱野、方言:沙流)
tem
テㇺ 【tem】 腕. (出典:萱野、方言:沙流)
tem'epakari
テㇺエパカリ 【tem-e-pakari】 幾尋あるか測る. (出典:萱野、方言:沙流)
temcaricari
テㇺチャリチャリ 【tem-caricari】 両手を広げて驚く.▷テㇺ=腕 チャリチャリ=散らかす (出典:萱野、方言:沙流)
teme
テメ 【teme】 尋:幾尋あるか測る. (出典:萱野、方言:沙流)
temka
テㇺカ 【temka】 生き返る,蘇生する. (出典:萱野、方言:沙流)
temkor
テㇺコㇿ 【tem-kor】 腕. アウン ウナㇻペ ク・ミッポホ パロヌカㇻヌカㇻ ペ ネ クス エㇰ コㇿ オラーノ セトゥㇽ ワノ テㇺコㇿ ワノ ア・セナセナッカ=隣のおばさん,私の孫にいろいろと食べさせてくれるものだから,来ると背中の方から腕の所へまつわりつく. (出典:萱野、方言:沙流)
temkor'ani
テㇺコㇿアニ 【tem-kor-ani】 腕の内側で抱え持つ. (出典:萱野、方言:沙流)
temmun
テンムン 【temmun】 海辺のごみ,寄り上がった海草. (出典:萱野、方言:沙流)
temnikor
テㇺニコㇿ 【tem-nikor】 腕の内側. (出典:萱野、方言:沙流)
tempa
テンパ 【tempa】 さわる. (出典:萱野、方言:沙流)
tempakno
テㇺパㇰノ 【tem-pakno】 尋ぐらい:1間ぐらい. (出典:萱野、方言:沙流)
tempatempa
テンパテンパ 【tempa tempa】 さわる,まさぐる,手でいじる. (出典:萱野、方言:沙流)
temricihi
テㇺリチヒ 【tem-ricihi】 腕の筋. ▷テㇺ=腕 リチヒ=筋 テエータアナㇰネ イッカネヤ メノコエペカ アコイパッペ ケイキリチ テㇺリチヒ アトゥイパㇷ゚ ネヤㇰアイェ=ずーっと昔は盗人とか女性関係での罰は,足の筋や腕の筋を切ったという話だ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tenke
テンケ 【tenke】 飛ばす. アイヌ ウウェカㇻパ ワ ネㇷ゚カ ア・カㇻ ヒ タ アナㇰネ コタンパナウン アチャポ イパウェテンケ クスケライ ネㇷ゚ ネㇷ゚キ カ ウウォマノ=人が集まって何か作る時には,村の上端のおじさんが皆に声をとばし,そのお陰でどんな仕事もまとまって行くものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tennep
テンネㇷ゚ 【tenne-p】 赤子,おしめつきの赤子. (出典:萱野、方言:沙流)
tenonkoy
テノンコイ 【tenonkoy】 手拭い〔日本語〕. (出典:萱野、方言:沙流)
teor
テオㇿ 【te-or】 ここ. (出典:萱野、方言:沙流)
teoro(ho)
テオロ(ホ) 【/teoro(ho)】 この場所. オッコ ポンノ ホㇱキ テオロホ カㇱレ ノイネ アン ナ ペッカスイ・アン ロー=姉よ少し待って,この場所が浅いようだから川を渡ろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
tepa
テパ 【tepa】 ふんどし. (出典:萱野、方言:沙流)
tepakno
テパㇰノ 【te pakno】 今まで. (出典:萱野、方言:沙流)
teppo
テッポ 【teppo】 鉄砲〔日本語〕. (出典:萱野、方言:沙流)
teppotama
テッポタマ 【teppo-tama】 たま(弾丸). (出典:萱野、方言:沙流)
tere
テレ 【tere】 待つ. タネ イワㇰ クニ ク・ラム ク・テレ ワ カン(ク・アン) ヤッカ イワㇰ モイレ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ)=もう帰るであろうと思って待っているけれど帰りが遅いので気にしている. (出典:萱野、方言:沙流)
tere ayne
テレ アイーネ 【tere-ayne】 ずーっと待って. (出典:萱野、方言:沙流)
teritanne
テリタンネ 【teri-tanne】 ナミガイ. (出典:萱野、方言:沙流)
terke
テㇾケ 【terke】 跳ねる,跳ぶ. テㇾケ ワ ホプニ=跳ね起きる. (出典:萱野、方言:沙流)
terkeipe
テㇾケイペ 【terke-ipe】 蛙.▷テㇾケ=跳ぶ イペ=食べる (出典:萱野、方言:沙流)
terketerke
テㇾケテㇾケ 【terke-terke】 躍り上がる,跳ね上がる,跳ねる. (出典:萱野、方言:沙流)
tes
テㇱ 【tes】 すがら:魚を導くための木抗にヤナギの柴を千鳥掛けにする. ペトッタ(ペッ オㇿ タ) シペ ア・ウㇰ クス ヤ ア・アヌ ヒ タ ポンノ ネ ヤッカ テㇱ ア・カㇻ コㇿ チェㇷ゚ ア・ウㇰ エアㇱカイ ペ ネ=川で魚を獲るために刺し網を仕掛ける時に,少しでもすがらを作るとサケを獲りやすいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tese
テセ 【tese】 (敷物などを)編む. (出典:萱野、方言:沙流)
teskao
テㇱカオ 【teska-o】 糸で編む. テㇱカオ サラニㇷ゚=糸で編んだ袋物. (出典:萱野、方言:沙流)
teskar
テㇱカㇻ 【teskar】 伝言,ことづけ. ア・テㇱカㇻコレ=伝言を持たせる.テㇱカㇻ エㇰ クス カㇻパ(ク・アㇻパ)=ことづけが来たから私は行く. (出典:萱野、方言:沙流)
teskekonru
テㇱケコンル 【teske-konru】 鏡氷,てらてらの氷. テㇱケコンル カ ウン カパㇻ ウパㇱ アㇱ ネ オカケヘ ア・クㇱ コㇿ オシッテス・アン カ キ イヤイキㇷ゚テ ㇷ゚ ネ=鏡氷の上へうっすらと雪が降り.その後を通るとすってんと転ぶこともあって危ないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tesketeske
テㇱケテㇱケ 【teske-teske】 のたうち回る. アキッノクニㇷ゚ チェㇷ゚テㇱケテㇱケ シコパヤㇻワ ライワアㇻパ=私が強くなぐった者は,サケがのたうつのと同じように死んでいった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tesko
テㇱコ 【tesko】 伝言,ことづけ. トゥイマ コタン シペチャㇻ ウン エ・アㇻパ ウカットゥイマ ノ ネ ヤッカ ピㇼカ ナ テㇱコ ポカ エン・コレ.ウコアスンヌ ポカ ア・キ ナ=遠い村静内へお前は行く,間が遠くてもいいからことづけだけでも私にくれ.互いに噂を聞くだけでもするから. (出典:萱野、方言:沙流)
tesma
テㇱマ 【tesma】 軟雪用かんじき:トゥレㇷ゚ニ(クワ),クッチプンカㇻ(コクワづる)で作る. 図[テㇱマ] (出典:萱野、方言:沙流)
tesnatara
テㇱナタラ 【tes-natara】 穏やか,なめらか,平たい. コタン クㇽカ テㇱナタラ=村の上が穏やかである.タヌクラン アナㇰ ノチュー クㇽカ テㇱナタラ トイタサオッ ア・ヌカンノ=今夜は星月夜で北斗七星(畑時季に逃げる星)がよく見える. (出典:萱野、方言:沙流)
testek
テㇱテㇰ 【tes-tek】 表面が乾く:団子を一晩置くと表面が乾くようなこと. (出典:萱野、方言:沙流)
teta
テタ 【teta】 このあいだ(数日前). (出典:萱野、方言:沙流)
teta
テタ 【te ta】 ここに. "テタ フㇱコ ムイ カ アン アシㇼ ムイ カ アン イナンペ エコン(エ・コㇿ) ルスイ" "フㇱコ ヒケ クコン(ク・コㇿ) ルスイ"=「ここに古い箕もある,新しい箕もある,どちらのほうをあなたは欲しいか」「古いほうを私は欲しい」 (出典:萱野、方言:沙流)
tetteri
テッテリ 【tetteri】 大きい鍋で大量に煮た粉粥:食べるための物ではなく,ユカㇻに出て来るもの.たっぽんたっぽんと煮え立っている粥を大しゃもじですくって相手にかける[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
tetterke
テッテㇾケ 【tet-terke】 よろめく:体がよろよろする,ふらついて倒れそうになる,よちよち:幼児や重い荷を背負った人の歩き方. テッテㇾケ ワ ハチㇼ=よろめいて転ぶ.ピッ ウウォマレ・アン クス ピタㇻ カ ペカ ホック・アン カネ アㇷ゚カㇱアナイネ(アㇷ゚カㇱ・アン アイネ) アㇱアナクス(アㇱ・アン アクス) ヌトッカリ アン ワ テッテㇾケ・アン=重り石を集めるために,砂利原の上を腰を屈めてしばらく歩き,立ったら目まいをしてよろめいた. (出典:萱野、方言:沙流)
teun
テウン 【te-un】 ここへ. オッカイポ アペケㇱ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) エ・ア コㇿ ポン ユㇰ ポカ エ・オラウキ ナ テウン エㇰ ワ ア=若者よ,炉尻に座ると小鹿も獲れないものだからここへ来て座れ. (出典:萱野、方言:沙流)
tewa
テワ 【tewa】 今. (出典:萱野、方言:沙流)
tewano
テワノ 【tewano】 今から. (出典:萱野、方言:沙流)
tewna
テウナ 【tewna】 ちょうな. 図[テウナ] (出典:萱野、方言:沙流)
tewnin
テウニン 【tewnin】 アワビ貝の内側の色. (出典:萱野、方言:沙流)
tewnintewnin
テウニンテウニン 【tewnin tewnin】 闇に光る獣の目の色. (出典:萱野、方言:沙流)
teye
テイェ 【teye】 押さえる. (出典:萱野、方言:沙流)
teyne
テイネ 【teyne】 濡れる,じめじめした,湿地(の). ポロワッカ オッタ(オㇿ タ) チㇷ゚ ア・オ ヒネ ペッペㇱアナクス(ペッペㇱ・アン アクス) ペシㇰ イ・カカムカㇺ テイネ・アン=洪水の時に舟に乗って川を下ると,しぶきが私におおいかぶさって私は濡れてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
teynemosir
テイネモシㇼ 【teyne-mosir】 濡れた国土. イノンチㇼ ウェンカムイ アナㇰネ アッテイネモシㇼ ア・コキル ㇷ゚ ネ=人を呪う悪い神は濡れた国土へ向けてやるものだ.*アイヌが想像しているもので,この国土の裏側にあって悪いことをした神でも人間でも行かされる所.ポㇰナモシㇼ=裏側の国土ともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
teynere
テイネレ 【teyne-re】 濡らす. オ アㇻパ キナ テイネレ ワ エㇰ.カワウセ ク・テセ エアイカㇷ゚ ナ=ほら行ってガマ草を濡らして来てくれ.乾きすぎて編めないので. (出典:萱野、方言:沙流)
teypateypa
テイパテイパ 【teypa teypa】 押さえる. (出典:萱野、方言:沙流)
teyunteyun
テユンテユン 【teyun-teyun】 サメ腹子. (出典:萱野、方言:沙流)
to
ト 【to】 湖,沼. (出典:萱野、方言:沙流)
to
ト 【to】 日. (出典:萱野、方言:沙流)
to
ト 【to】 十(数える時). (出典:萱野、方言:沙流)
to
ト 【to】 あれ(を). (出典:萱野、方言:沙流)
to or osma pekor
ト オㇿ オㇱマ ペコㇿ 【to or osma pekor】 急に静かになった.▷ト=沼 オㇿ=所 オㇱマ=入る ペコㇿ=ようなものだ *子供たちが大騒ぎしていたのに一斉に帰ってしまって急にシーンとなって.まるで沼の底へ潜ったようだ(ことわざ). (出典:萱野、方言:沙流)
toan
トアン 【toan】 その,あの. (出典:萱野、方言:沙流)
toan uske
トアン ウㇱケ 【toan uske】 そこ:離れた所,あそこ. (出典:萱野、方言:沙流)
toani
トアニ 【toani】 〜の方. (出典:萱野、方言:沙流)
toaniun
トアニウン 【toani-un】 そちらへ,あちらへ. (出典:萱野、方言:沙流)
toankur
トアンクㇽ 【toan-kur】 あの人. (出典:萱野、方言:沙流)
toanpe
トアンペ 【toan-pe】 それ,あれ. (出典:萱野、方言:沙流)
toanta
トアンタ 【toan ta】 そこに,あそこに. (出典:萱野、方言:沙流)
toanuskehe
トアヌㇱケヘ 【toan-uskehe】 方位,あちら側,あちらの方. (出典:萱野、方言:沙流)
tocep
トチェㇷ゚ 【to-cep】 フナ. (出典:萱野、方言:沙流)
toemko
トエㇺコ 【to-emko】 半日. (出典:萱野、方言:沙流)
toepitta
トエピッタ 【to-epitta】 1日中. (出典:萱野、方言:沙流)
toesiniwka
トエシニウカ 【to-esiniwka】 日飽きする. シネンネ ネㇷ゚キアニタ(ネㇷ゚キ・アン ヒ タ) アナㇰネ ネㇷ゚ ワ アン ペ ア・オンヌオンヌ コㇿ ネㇷ゚キ・アン コㇿ トエシニューカ カ ソモ ア・キ ㇷ゚ ネ=ひとりで働くような時には何か鼻歌などを歌いながら働くと,日飽きもしないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
toetannecup
トエタンネチュㇷ゚ 【to-etanne-cup】 1月. (出典:萱野、方言:沙流)
tokap
トカㇷ゚ 【tokap】 昼,昼間:夜に対する,明るい間. (出典:萱野、方言:沙流)
tokap usik ta
トカㇷ゚ ウシㇰ タ 【tokap usik ta】 昼間:夜に対する,明るい間. (出典:萱野、方言:沙流)
tokap'ipe
トカㇷ゚イペ →トカピペ (出典:萱野、方言:沙流)
tokapcup
トカㇷ゚チュㇷ゚ 【tokap-cup】 太陽. (出典:萱野、方言:沙流)
tokapcup a=ruki
トカㇷ゚チュㇷ゚ アルキ 【tokap-cup a=ruki】 日食.▷トカㇷ゚チュㇷ゚=太陽 ア・ルキ=呑まれる (出典:萱野、方言:沙流)
tokapcup ray
トカㇷ゚チュㇷ゚ ライ 【tokap-cup ray】 日食:皆既食.▷トカㇷ゚チュㇷ゚=太陽 ライ=死ぬ (出典:萱野、方言:沙流)
tokapcupkamuy
トカㇷ゚チュㇷ゚カムイ 【tokap-cup-kamuy】 太陽. (出典:萱野、方言:沙流)
tokapipe
トカピペ 【tokap-ipe】 昼食. (出典:萱野、方言:沙流)
tokapipe etok ta
トカピペ エトㇰ タ 【tokap-ipe etok ta】 午前:昼食の前に. (出典:萱野、方言:沙流)
tokapipe oka ta
トカピペ オカ タ 【tokap-ipe oka ta】 午後:昼食の後に. (出典:萱野、方言:沙流)
tokapmokor
トカㇷ゚モコㇿ 【tokap mokor】 昼寝. (出典:萱野、方言:沙流)
tokapnoski
トカㇷ゚ノㇱキ 【tokap noski】 正午. (出典:萱野、方言:沙流)
tokapracici
トカㇷ゚ラチチ 【tokap racici】 乳房が下がっている. チェㇷ゚ フㇺ ヘネ カㇺ フム ヘネ アン チキ マッネ セタ コレ.イトノンテ ノイネ トカㇷ゚ラチチ=魚の片でも肉片でもあったら雌犬にくれてやれ.乳を飲ませているらしく乳房が下がっている. (出典:萱野、方言:沙流)
tokasu
トカス 【to-kasu】 シナの木の皮を沼にひたし日数が過ぎたこと. ▷ト=沼 カス=過ぎた,越えた *水にひたして少し腐敗させることをオンカ(発酵させる)というが,トカスすると腐るので注意しなければならない.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tokes
トケㇱ 【to-kes】 夕方. (出典:萱野、方言:沙流)
tokikar
トキカㇻ 【tokikar】 キュウリウオ,チカ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
tokiroro
トキロロ 【to-kiroro】 雲ひとつないよい天気,快晴. タント トキロロ アン クス ニサッタ アㇷ゚トアㇱ ナンコㇿ=今日は雲ひとつないよい天気だったので明日は雨が降るだろう.#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
tokkoni
トッコニ 【tokkoni】 マムシ,蛇(総称). (出典:萱野、方言:沙流)
tokkuri
トックリ 【tokkuri】 瓶. ソモ クッカン ペコㇿ ク・ヤイヌ ワ スㇺ ク・ホㇰ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アㇷ゚ オヤチキ クッカン スㇺ ネ アアン.トックリ アサㇺ タ タイペヘ カ アン=傷んでいないと思ったので油を買ってきたのに,知らなかったが傷んだ油であった.瓶の底には澱もあった. (出典:萱野、方言:沙流)
toknatara
トㇰナタラ 【tok-natara】 矢が当たる音:ポンヤウンペが遊びの弓に矢をつがえ柱を射ると.柱に矢がぱしっと当たった[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
tokom
トコㇺ 【tokom】 くるぶし. (出典:萱野、方言:沙流)
tokompone
トコンポネ 【tokom-pone】 くるぶし:手も足も. (出典:萱野、方言:沙流)
tokompone
トコㇺポネ 【tokom-pone】 くるぶし:足の関節の両側に突起した骨,手首の外側の突起した骨. *平取町本町と私が暮らしている二風谷村の中間,国道の東側に,ペンケトコㇺ(上の方のくるぶし山),パンケコトㇺ(下の方のくるぶし山)というふたつの山が,くるぶしのような形で並んでいる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tokomuspatci
トコムㇱパッチ 【tokom-us-patci】 突起のある漆塗りの木鉢. ▷トコㇺ=突起 ウㇱ=付き パッチ=鉢(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tokomuspatci
トコムㇱパッチ 【tokom-us-patci】 くるぶしつき鉢. 図[トコムㇱパッチ] (出典:萱野、方言:沙流)
tokpatokpa
トㇰパトㇰパ 【tokpa tokpa】 ついばむ. (出典:萱野、方言:沙流)
tokse
トㇰセ 【tok-se】 動悸がする,鼓動をうつ. (出典:萱野、方言:沙流)
toktokse
トㇰトㇰセ 【tok-tok-se】 動悸がする. (出典:萱野、方言:沙流)
toktukan
トㇰトゥカン 【toktukan】 しっぺをはる,指で弾く. (出典:萱野、方言:沙流)
tokuy/tokuye(he)
トクイ/トクイェ(ヘ) 【tokuy/tokuye(he)】 友達.親しい人. (出典:萱野、方言:沙流)
tokuyekorkur
トクイェコㇿクㇽ 【tokuye-kor-kur】 友達.友人. トゥイマウㇱケ ワ ア・トクイェコㇿクㇽ エㇰ ペ ネ クス アネピッタ ウウェネウサㇻ・アン ヒネ シㇼコペケㇾ・アン=遠い所から友人が来たものだから,夜通し四方山話をして夜明かしをしてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
tom
トㇺ 【tom】 (キラッと)光る,照る,輝く. (出典:萱野、方言:沙流)
toma
トマ 【toma】 ござ,敷物. 図[トマ] (出典:萱野、方言:沙流)
tomakas
トマカㇱ 【toma-kas】 ござで作った仮小屋. トマカㇱ ア・カㇻ ヒ タ トマ タンネ チキ エトゥㇷ゚シケヘ ア・コエコモ ㇷ゚ ネ ナ アニー=ござで仮小屋を作る時にござが長いのならば先の方を曲げるものだよ.*ござの仮小屋は変死人が出た時に作って遺体を安置し,そこから葬式をするもので,昭和10年頃,平取村荷菜でウワッという人が水死した時に見たことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
tomari
トマリ 【tomari】 港,湾,入江.とまり:船がとまる所. (出典:萱野、方言:沙流)
tomasut
トマスッ 【toma-sut】 ござを巻いたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
tomatese
トマテセ 【toma-tese】 ござ編み. (出典:萱野、方言:沙流)
tomatuna
トマトゥナ 【toma-tuna】 巻いたござをのせてある棚.▷トマ=ござ トゥナ=棚 (出典:萱野、方言:沙流)
tomihura
トミフラ 【tomihura】 香る. (出典:萱野、方言:沙流)
tomikanuye sirkanuye
トミカヌイェ シㇼカヌイェ 【tomi-ka-nuye sirka-nuye】 前立てを彫り刀の造りを彫り. ▷トミ=前立て カ=上,表面 ヌイェ=彫り シㇼカ=刀の鞘の表面 ヌイェ=彫り ポンヤウㇺペアネワ トミカヌイェ シㇼカヌイェ ネㇷ゚キネアキ=私,ポンヤウㇺペは,前立てを彫刻し刀の造りを彫刻し,それを仕事とした. *ユカㇻの常套語としてしばしば出る言葉.かつてトミを富裕と訳していたが,富裕を彫刻するとはおかしい.アイヌ民族の第一等の宝でトミカムイ(前立ての神)という物がある.それは紛れもなく兜の前立てであったので,トミを鍬形あるいは前立てとした[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tomisanpeci
トミサンペチ 【tomisanpeci】 ポンヤウンペというユカㇻの主役が住んでいる所の目の前を流れている川の名. トミサンペチ シヌタㇷ゚カタ アコㇿサポ イレスヒネ=トミサンペチは大平原上に私の姉や私を育てた[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tomo
トモ 【tomo】 側(へ). (出典:萱野、方言:沙流)
tomo
トモ 【tomo】 仲裁(の):前後の言葉によって仲裁の意味になる.単独では仲裁の意はない. (出典:萱野、方言:沙流)
tomokokanu
トモコカヌ 【tomo-ko-kanu】 (〜に)任せる,(〜に)耳を傾ける. ネㇷ゚カ マラㇷ゚ト オッタ(オㇿ タ) ウウェソㇷ゚キ・アン ヒ タ アナㇰネ サケイユㇱクㇽ トモ ア・コカヌㇷ゚ ネ=何か酒宴の時に着座する時は祭司の人に全面的に任せるものだ.タ ネノ アン ユㇷ゚ケ ロルンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ キヤンネクㇽ トモ ア・コカヌ コㇿ ピㇼカ ナ イトㇺコカヌ ヤン=このように重大な行事の時には,年上の人の指示に耳を傾けるといいものだから皆で指示を待ちなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
tomooitak
トモオイタㇰ 【tomo-o-itak】 なだめる. ソンーノ ウウタリネ ペ オラーノ ウコウェンサンペコㇿ パ.アヌン アナㇰネ トモオイタㇰ カ エアイカㇷ゚=本当に親戚なのに仲が悪いものだ,他人には仲直りさせることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
tomoosma
トモオㇱマ 【tomo-osma】 ぶつかる. ポロ スマ トモオㇱマ ヤㇰネ イヤイキㇷ゚テ ナ ホクレ チㇷ゚ サパ キル=大きい石にぶつかると危ないから早く船の頭の向きを変えろ. (出典:萱野、方言:沙流)
tomot
トモッ 【tomot】 行き合う. (出典:萱野、方言:沙流)
tomotuye
トモトゥイェ 【tomo-tuye】 渡る,横切る. アトゥイ トモトゥイェ=海を渡る.ポロワッカ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ アッサㇷ゚ ア・コㇿ ワ アッサエユプ・アン ワ ペッ トモトゥイェ・アン ペ ネ=大洪水の時には櫂を手に持ち強く漕ぎ,大川を渡るものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
tompi
トンピ 【tompi】 光. (出典:萱野、方言:沙流)
tomta wano
トㇺタ ワノ 【tomta wano】 近頃:数日前から今まで,以前に. (出典:萱野、方言:沙流)
tomte
トㇺテ 【tom-te】 光らす. (出典:萱野、方言:沙流)
tomteno
トㇺテノ 【tomte-no】 丁寧に.▷トㇺテ=光らす ノ=全く トㇺテノ カㇻ=丁寧に作った. (出典:萱野、方言:沙流)
tomtom
トㇺトㇺ 【tom-tom】 ぴかぴか光る. (出典:萱野、方言:沙流)
toncikamani
トンチカマニ 【toncikamani】 敷居. タアン ハワㇱ アナㇰネ トンチカマニ チョロポㇰ ア・クㇱテ ワ ア・ヌ オルㇱペ ネ ワー=この話は敷居の下を通して私どもが聞く話だよ.*その話によっては聞くだけでも縁起の悪いような話を聞いた場合に話を浄化するまじない言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
tonka
トンカ 【tonka】 鉄鍬. クッカ タ ク・コㇿ トンカ タ ク・コㇿ ネ ワ ネ ネ ヤㇰネ トアン ヌプリ ク・ラㇱタラㇱタ=鋤があれば,鍬があれば,あの山を削り取って(恋歌).ウクラン エアウネ カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ トンカ ケトゥン(ク・エトゥン) ヒ ク・イェ アクス ウナㇻペ アン ノイネ ハウェアン ナ.アㇻパ ワ エトゥン ワ エㇰ=昨夜,私は隣へ行って鍬を借りたいと言ったらおばさんはあるようだと言っていた.行って借りて来い.*イペヘ(刃の部分)が鉄で出来ている.図[トンカ2種] (出典:萱野、方言:沙流)
tonkekasomo
トンケカソモ 【tonke ka somo】 びくともしない,反応がない. シネアンタ ネㇷ゚カ ア・サㇰ ノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) トゥスニケ シネㇷ゚ ニ カ タ アニクス(アン ヒクス) ポン スマ シネㇷ゚ ア・ウㇰ ヒネ ア・コピイェカㇻ アクス エポソカネ トンケ カ ソモ=ある日のこと何も持たずに山へ行くとエゾリスが1匹木の上にいたので小さい石をひとつ取って投げつけたが,言うまでもないがびくともしなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
tonkori
トンコリ 【tonkori】 絃楽器の一種. (出典:萱野、方言:沙流)
tonnatara
トンナタラ 【ton-natara】 輝く,光っている. (出典:萱野、方言:沙流)
tonoke
トノケ 【tonoke】 殿,〜様. (出典:萱野、方言:沙流)
tonon
トノン 【tonon】 お乳を飲む. (出典:萱野、方言:沙流)
tononmimak
トノンミマㇰ 【tonori-mimak】 前歯,門歯.▷トノン=乳を吸う ミマㇰ=歯 (出典:萱野、方言:沙流)
tononnumi
トノンヌミ 【tonon-numi】 乳首.▷トノン=乳を吸う ヌミ=粒 (出典:萱野、方言:沙流)
tononnumiuweci
トノンヌミウウェチ 【tonon-numi-u-e-ci】 乳首の隈:妊娠によって乳首の回りに出来る隈. (出典:萱野、方言:沙流)
tononte
トノンテ 【tonon-te】 乳を飲ませる. エチ・オカリ ク・ネㇷ゚キ ナ ホクレ アㇻパ ワ ポンペ トノンテ ワ エㇰ=あなたに代わって私が働くので早く行って赤ちゃんに乳を飲ませて来い.エ・コㇿ ポンペ チㇱ ルスイ ワ ネ ノイネ キチッチェ コㇿ アン ナ.ホクレ アㇻパ ワ トノンテ=あんたの赤ちゃんが泣きたいらしく,うめき声を出していたよ.早く行って乳を飲ませろ. (出典:萱野、方言:沙流)
tonoski
トノㇱキ 【to-noski】 真昼,正午.▷ト=日 ノㇱキ=真ん中 (出典:萱野、方言:沙流)
tonoto
トノト 【tonoto】 酒(一般),酒の類. (出典:萱野、方言:沙流)
tonpuku
トンプク 【tonpuku】 道服:道士の着る着物.*これはウウェペケㇾなどで神様が着ている着物として出て来る.フレトンプク イカクㇱテ カムイ アン ワ(赤い道服を上から着た神が)と描写されている.トンプクとはどんな着物だろうか和人のらしいが,と私が聞くと東京の岡村吉右衛門さんが道服という着物があるからそれかも知れないと教えてくれたので.トンプク=道服とした. (出典:萱野、方言:沙流)
tonto
トント 【tonto】 皮,なめし皮. (出典:萱野、方言:沙流)
tontocip
トントチㇷ゚ 【tonto-cip】 皮船:アイヌが神の国へ迷い込み帰りに乗せてもらう船のこと,昔話に出て来るもの. (出典:萱野、方言:沙流)
tontone
トントネ 【tonto-ne】 はげている. (出典:萱野、方言:沙流)
too
トオ 【too】 10人:人数を数える時に言う言葉.*昭和58年5月7日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
too
トオ 【too】 そら,ほら(指し示す). (出典:萱野、方言:沙流)
tookautar
トオカウタㇻ 【tooka-utar】 あの人たち. (出典:萱野、方言:沙流)
tookere
トオケレ 【to-okere】 1日中. (出典:萱野、方言:沙流)
tooneno
トオネノ 【too neno】 あのように, (出典:萱野、方言:沙流)
tooneno an
トオネノ アン 【tooneno an】 あんな. (出典:萱野、方言:沙流)
tooniun
トオニウン 【tooni un】 あちらへ(ずっと遠く). (出典:萱野、方言:沙流)
toonta
トオンタ 【toonta】 あそこに,ずっと遠い所に. (出典:萱野、方言:沙流)
toop
トオㇷ゚ 【toop】 ずーっと,遥か. トオㇷ゚ トゥイマ シッタ(シㇼ タ) シㇼシモイェ ユㇷ゚ケ ㇷ゚ アン ワ シサㇺ マチヤ ウカエコネ シコㇿ アン パハウ ク・ヌ=ずーっと遠い所で強い地麓があって和人の町が倒壊したという噂を私は聞いた. (出典:萱野、方言:沙流)
toophoskino
トオㇷ゚ホㇱキノ 【toop hoski no】 ずーっと昔. (出典:萱野、方言:沙流)
toophoskita
トオㇷ゚ホㇱキタ 【toop hoski ta】 ずっと以前に. (出典:萱野、方言:沙流)
toopteeta
トオㇷ゚テエタ 【toop teeta】 昔々. (出典:萱野、方言:沙流)
tootoo
トオトオ 【too too】 あれあれ. トオトオ アㇷ゚ト アㇱ シリ イキ ナ.アサッケㇷ゚ ア・アフㇷ゚テ クス ネナ エン・カスイ=あれあれ,雨が降って来ている様子だ.干し物を入れるので私を手伝ってくれ.トオトオ ウカ カタ ユㇰ ラオㇱマ コㇿ アン ナ セコㇿ アレクㇱコンナ ア・エン・シレン ホユプ・アン=あれあれ堅雪の上で鹿がぬかっていると全く急に誘われたので私は走った. (出典:萱野、方言:沙流)
top
トㇷ゚ 【top】 竹,笛. (出典:萱野、方言:沙流)
topa/topa(ha)
トパ/トパ(ハ) 【topa/topa(ha)】 群,群れる:鹿とか馬など大型のものの場合. アㇷ゚カ トパ=雄鹿の群.ユㇰトパ=鹿の群. (出典:萱野、方言:沙流)
topantopan
トパントパン 【topan topan】 振り回す[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
topattumi
トパットゥミ 【topat-tumi】 夜盗が群れになって襲う,夜討ち. クンネ ソイ タ ソイネアナクス(ソイネ・アン アクス) リ コㇺニタイ ラマラマ(ラㇺ ア ラㇺ ア) ペコㇿ ラㇺ コㇺニタイ リ ア リ ア ペコㇿ ア・ヌカㇻ.シノ ア・オヤモㇰテ クス ア・サハ エウン ア・イェ アクス オヤチキ トパットゥミ ネ アアン=夜,外へ出てみると高い灌木が低く低く見え,低い灌木が高く高く見えた.本当に不審に思ったので姉に言うと,知らなかったがそれは夜盗の群れであったのだ.*高い灌木が低く低く見え低い灌木が高く高く見えたというのは,夜盗の群れが村の近くに来て,様子を見るために背伸びしたり体を屈めたりしていることを表わす. (出典:萱野、方言:沙流)
tope
トペ 【tope】 乳,乳液,乳汁. (出典:萱野、方言:沙流)
tope
トペ 【tope】 (草木の乳状の)汁. (出典:萱野、方言:沙流)
topeeatu
トペエアトゥ 【tope-e-atu】 吐乳:乳児が飲んだ乳を吐くこと. (出典:萱野、方言:沙流)
topen
トペン 【topen】 甘い. (出典:萱野、方言:沙流)
topeni
トペニ 【tope-ni】 イタヤカエデ.▷トペ=乳液 ニ=木 イユタニ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ パセ チクニ アニ ア・カㇻ ペ ネ セイェカパㇻ トペニ ペロ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=杵を作る木は重い木で作るもので,アサダ,イタヤ,ナラが最もよいものだ.*春早くこの木に斜めに傷をつけて樹液を採り,それを煮つめて飴を作った. (出典:萱野、方言:沙流)
topenpe
トペンペ 【topen-pe】 甘いもの,菓子の類,砂糖. (出典:萱野、方言:沙流)
topipa
トピパ 【to-pipa】 ヌマガイ. (出典:萱野、方言:沙流)
topiroro
トピロロ →トキロロ (出典:萱野、方言:沙流)
toponra
トポンラ 【toponra】 水苔,藻. サㇰネ ポンナイ アサㇺ トポンラ ウㇱ コㇿ ポロワッカ アン ペ ネ=夏に小沢の沢底に水苔が多くつくと洪水になるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
topsar
トㇷ゚サㇻ 【top-sar】 イタドリ. エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェヘ アン=これほどイタドリが茂っている所へ入った足跡がある. (出典:萱野、方言:沙流)
topse
トㇷ゚セ 【top-se】 唾する,唾を吐く. (出典:萱野、方言:沙流)
toranne
トランネ 【toranne】 怠ける,骨惜しみ(する):苦労することをいやがること. シネ トランネ ヘカチ アン ヒネ ワッカ ア・タレ アクス ピサック アニ イヌンペ キㇰキㇰ コㇿ "アイヌパータ イヌンペ アナㇰネ ケㇱト セトゥㇽ セセㇰ ワ ホッケ ワ アン" シコㇿ ハワン=ひとりのからっぽやみ(=骨惜しみ)の少年がいて水を汲みに行かされたらひしゃくで炉縁を叩きながら「いいものだなあ 炉縁は毎日背中あぶりをして寝ている」と言った.ソンーノ トランネ ㇷ゚ アナㇰネ ネㇷ゚カ ア・カレ コㇿ ホㇱキノ イヨロモメカㇻ ワ エアシㇼ カ トゥトゥルㇱノー アㇱ ペ ネ=本当のからっぽやみ(怠け者)は何かさせると先にぶつぶつ言ってから初めていやいやながら立つものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
torannenumasut
トランネヌマスッ 【toranne numa-sut】 できもの:働くのがいやなできもの,毛の根に出来る小さいできものをヌマスッというが,働かないでいると痛まない. フㇷ゚ ア・レコ ヒ トランネヌマスッ ネㇷ゚キヌマスッ ネ ウレペッ ヌマ ネ ヤ テケペッ ヌマ ネ ヤ オロ タ ヘトゥク フㇷ゚ ア・イェ ヒ ネ ネㇷ゚キ・アン ワ ソモ アㇻカ ㇷ゚ ネㇷ゚キ ヌマスッ ネ ソモ ネㇷ゚キ・アン コㇿ ソモ アㇻカ ㇷ゚ トランネヌマスッ ネ=できものの名前のことを,骨惜しみできもの,働くできもの,足指の毛や手の指の毛に出来るできものを言うもので,働けば痛くないものは働きできもの,仕事をしなければ痛くないものを骨惜しみできものという. (出典:萱野、方言:沙流)
torasampe
トラサンペ 【to-raw-sampe】 マリモ.▷ト=沼 ラウ=底 サンペ=心臓 *湖の底にいる化け物と言ってアイヌは大切にはしなかった.食べられない物はアイヌの側からそれほど大切にしないし,重要だとは思わなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
torattus
トラットゥㇱ 【torar-tus】 (なめした)皮紐. (出典:萱野、方言:沙流)
tori
トリ 【tori】 滞在する. ピㇼカ ヒネ エ・エㇰ コエカリネ ペコㇿ フチ オンネ ルスイ ノイネ イキ ナ トゥッコ レㇾコ トリ クナㇰ ラム=ちょうどよく言い合わせたようにあなたが来た,おばあさんが亡くなりそうな様子なので二日か三日滞在すると思ってよ. (出典:萱野、方言:沙流)
toriiyoski
トリイヨㇱキ 【tori-iyoski】 二日酔(する).▷トリ=滞在する イヨㇱキ=酔う ホッノ イヨーハイ スイ トリイヨㇱキ ワ ネスン.ホプニ カ ソモ キ=まあまああきれてしまった,また二日酔いしたのだろう.起きもしないこと. (出典:萱野、方言:沙流)
torurkararip
トルㇽカラリㇷ゚ 【torur-ka-rari-p】 シシャモを獲って山積みしてある上へ降った雪の名前.▷トルㇽ=山積みの魚 カ=上 ラリ=詰める ㇷ゚=物=雪 (出典:萱野、方言:沙流)
tosi
トシ 【tosi】 ふるい:通し,粉通し. (出典:萱野、方言:沙流)
toska
トㇱカ 【toska】 小山ほど. フーン ク・マッカㇻク エ・エㇰ ヒ ピㇱノ イモカ トㇱカ イ・カオシケ クスケライポ フンペリカ ケ(ク・エ) エアㇱカイ=まあまあ私の姪,お前は来るごとにみやげ物の山を私のために背負って来る,そのお陰で鯨の脂身を私は食べられる. (出典:萱野、方言:沙流)
toska
トㇱカ 【toska】 岸:川岸. ペッパルㇽ トㇱカ カ タ ヘカッタㇻ ウオプトゥイパ コㇿ ク・ハㇰマハㇰマ ク・ライパㇱロタ ヤッカ ヌ シリー カ イサㇺパ=川の縁の一段高い所で子供たちが押し合いへしあいしている,それを見て私はひやひやして高い声で怒っても(子供たちは)聞いた様子もない. (出典:萱野、方言:沙流)
toska ika
トㇱカ イカ 【toska ika】 洪水:川が溢れる.*涙が溢れることもトㇱカイカ=川岸が溢れるという〔隠語〕. (出典:萱野、方言:沙流)
totakne
トタㇰネ 【to-takne】 日が短い. トゥナㇱ コケレ(ク・オケレ) クナㇰ ク・ラム コㇿ ク・イチャ ア コㇿカ ト タㇰネ ㇷ゚ ネ クス ク・コシㇼコクンネ=早く終わると思いながら私は穂ちぎりをしていたが.日も短いものだから(その仕事によって)暗くなってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
totanne
トタンネ 【to-tanne】 日が長い. (出典:萱野、方言:沙流)
totce
トッチェ 【totce】 (打ち身で)腫れる,こぶ,凸. (出典:萱野、方言:沙流)
totek
トテㇰ 【totek】 治る,痛みがとまる. (出典:萱野、方言:沙流)
toteksam
トテㇰサㇺ 【to-teksam】 沼の縁. (出典:萱野、方言:沙流)
toto
トト 【to to】 あれあれ. トト ヌカㇻ ウクラン ソモ モコㇿ ペ ネ クス アヘスイェ コㇿ アン=あれあれ見なさい,昨夜眠っていないものだから居眠りしている.トト インカㇻ ヘマンタ カㇻ ペ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ コタン オペㇱ.オㇱ アㇻパ ワ インカㇻ=あれあれ何をする者,家ごとに覗き見しながら村を通って行く.後へ行ってみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
totonup
トトヌㇷ゚ 【totonup】 ハイマツ. (出典:萱野、方言:沙流)
totta
トッタ 【totta】 かます,特大袋:チ・ポㇷ゚テ ニペㇱ(煮たシナの木の皮)で編む. 図[トッタ] (出典:萱野、方言:沙流)
totto
トット 【totto】 母. (出典:萱野、方言:沙流)
totto/totto(ho)
トット/トット(ホ) 【totto/totto(ho)】 乳房(ふつうこれを使う). (出典:萱野、方言:沙流)
tottonum/tottonumi(hi)
トットヌㇺ/トットヌミ(ヒ) 【tottonum/-numi(hi)】 乳首. (出典:萱野、方言:沙流)
tottoto
トットト 【tottoto】 どんどん足早に行ってしまった. ウコイラㇺアンヤㇰセコ クヤイヌクス クシレンアㇷ゚ エンホッパワ トットト アㇻパワイサㇺ=一緒に行くものと思って誘ったのに,私を残してどんどん行ってしまった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
toy
トイ 【toy】 〔強意〕. (出典:萱野、方言:沙流)
toy/toye(he)
トイ/トイェ(ヘ) 【toy/toye(he)】 土地,畑,土.耕土. ク・トイェヘ キナウㇱ ワ アン ペ ネ クス ケㇱト ク・キナカㇻ タント コケレ(ク・オケレ) ケラムシンネ(ク・エラムシンネ)=私の畑が草ぼうぼうになっていたものだから毎日草取りをして,今日終わって安心した.ヘマンタ フナラ クス ホック カネ ワ トヨㇿペカ(トイ オㇿ ペカ) エネ イキ シリ アン.ピパ ヘネ ハチレ ヒ ソモ ネ ヤ=何を探して腰を屈めて畑の中をあのようにするのだ.穂ちぎり用の貝などを落としたのではないだろうか.アントゥキ トイ オッタ(オㇿ タ) アントゥキ ケプㇱペ ポロンノ ハチㇼ ワ アン イカラㇱ ナ ウモマレ ワ エㇰ=小豆畑に小豆のさやがたくさん落ちていてもったいないから集めて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
toyan
トヤン 【toyan】 大地.地表[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
toyankarpe
トヤンカㇻペ 【toyan-kar-pe】 大地に当たる風[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
toyanramusura
トヤンラムスラ 【toyan-ramu-sura】 大地から思い放し. ▷トヤン=大地 ラム=思い スラ=放し[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
toycise
トイチセ 【toy-cise】 半地下式の家. (出典:萱野、方言:沙流)
toyekrok
トイェクロㇰ 【toy-ekrok】 色が黒い,漆黒. (出典:萱野、方言:沙流)
toyerum
トイエルㇺ 【toy-erum】 大ネズミ. (出典:萱野、方言:沙流)
toyka
トイカ 【toyka】 地面. (出典:萱野、方言:沙流)
toykararip
トイカラリㇷ゚ 【toy-ka-rari-p】 大地を押さえる雪:土の上に積んである物の上に降った雪.▷トイ=土 カ=上 ラリ=詰める ㇷ゚=物=雪 (出典:萱野、方言:沙流)
toykikkar
トイキッカㇻ 【toy-kikkar】 (ひどく)殴る. ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ カッチャマハ ウェンメノコ ア・トイキッカㇻ コㇿ コタンケスン(コタンケㇱ ウン) エホラㇰチセ オルン ヤイニンパニンパ セコㇿ ネ ㇷ゚ ネ=昔話の中では行ないの悪い女が父や母に殴られると村はずれの半分潰れた家へ自分の身体を引きずるようにして行ったと描写されている. (出典:萱野、方言:沙流)
toyko
トイコ 【toy-ko】 強く〔強意〕. トイコキㇰキㇰ=強く殴る.トイコペネ=強く潰す. (出典:萱野、方言:沙流)
toykoenucisiske
トイコエヌチシㇱケ 【toy-ko-enucisiske】 にらみつける. (出典:萱野、方言:沙流)
toykoesina
トイコエシナ 【toy-ko-esina】 ひた隠し(にする). (出典:萱野、方言:沙流)
toykoetaye
トイコエタイェ 【toy-ko-etaye】 引っぱる. (出典:萱野、方言:沙流)
toykohepokiki
トイコヘポキキ 【toy-ko-hepokiki】 すっかりうなだれる. (出典:萱野、方言:沙流)
toykokikkik
トイコキッキㇰ 【toy-ko-kikkik】 ひどく殴る. ネア エタㇱペ ペカンケ ワ エㇰ ヒクス アㇱナㇷ゚ アニ ア・トイコキㇰキㇰ ワ ア・ライケ=あの海馬(トトゥ)が浮き上がってきたので櫂で殴り殺した. (出典:萱野、方言:沙流)
toykokisma
トイコキㇱマ 【toy-ko-kisma】 ひっつかむ. (出典:萱野、方言:沙流)
toykopene
トイコペネ 【toy-ko-pene】 潰れる:大地とともに潰れる,ぺちゃんこ:押し潰されて平たくなった様子. (出典:萱野、方言:沙流)
toykoperpa
トイコペㇾパ 【toy-ko-perpa】 ぶち壊す. (出典:萱野、方言:沙流)
toykoramutuy
トイコラムトゥイ 【toy-ko-ramu-tuy】 びっくり仰天する. (出典:萱野、方言:沙流)
toykorayke
トイコライケ 【toy-ko-rayke】 ぶち殺す. (出典:萱野、方言:沙流)
toykotawki
トイコタウキ 【toy-ko-tawki】 ぶった切る:なたで切る. (出典:萱野、方言:沙流)
toyneramu
トイネラム 【toyne-ramu】 憎らしく思う,憎いと思う気持ち.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
toypana
トイパナ 【toy-pana】 (土・砂)ほこり. (出典:萱野、方言:沙流)
toyru
トイル 【toy-ru】 道,小路,山へ入る細道. (出典:萱野、方言:沙流)
toysiapka
トイシアㇷ゚カ 【toy-si-apka】 悪い雄鹿,人殺しをしそうな大鹿,大きい化け物鹿. (出典:萱野、方言:沙流)
toysirunkur
トイシルンクㇽ 【toy-sirun-kur】 悪い者. (出典:萱野、方言:沙流)
toysirunpe
トイシルンペ 【toy-sirun-pe】 悪い者. (出典:萱野、方言:沙流)
toysotkarne a=kar
トイソッカㇻネ アカㇻ 【toy-sot-kar-ne a=kar】 人間を殺した熊を人間の下に入れてその上へ人間を埋葬する.▷トイ=土 ソッカㇻネ=敷物として ア=私たち カㇻ=作る (出典:萱野、方言:沙流)
toysoya
トイソヤ 【toy-soya】 ジバチ. (出典:萱野、方言:沙流)
toyta
トイタ 【toy-ta】 畑を耕す.畑作.▷トイ=畑 タ=耕す (出典:萱野、方言:沙流)
toytasaot
トイタサオッ 【toyta-saot】 北斗七星.▷トイタ=畑を耕す サオッ=逃げる →畑時季になると逃げてしまう星 タヌクラン アナㇰ ノチュー クㇽカ テㇱナタラ トイタサオッ ア・ヌカンノ=今夜は星月夜で北斗七星がよく見える. (出典:萱野、方言:沙流)
toytasowso
トイタソーソ 【toy-ta sowso】 畑を耕せという意味の遊び歌:子供たちがシッタㇷ゚という片手で持つ道具に見立て,横に並んで右手に持った鎌の先で地面を突きながら,トイタソーソ トイタソーソ(畑を耕せ,畑を耕せ)と声を揃えて言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
toytatampaku
トイタタンパク 【toy-ta-tampaku】 煙草:自家製煙草. (出典:萱野、方言:沙流)
toytausian
トイタウシアン 【toyta-usi an】 畑時季になる. アイヌ アナㇰネ ピサックノカ シンナレヘ "トイタサオッ" シコㇿ カ ア・イェ.トイタウシアン コㇿ トオㇷ゚ ヘリカシ キラ クス ア・イェ ヒ ネ=アイヌ民族は北斗七星の別の名を「畑耕しから逃げる」とも言う.*畑時季になるとずうっと上へ逃げるのでそう言われるのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
toytomne
トイトㇺネ 【toy-tomne】 青あざ,打ち身のために内出血してできた青黒いあざ. イヨーハイシトマレ スイマチヒ キㇰワネノイネ ナヌフトイトㇺネ=あーあ恐ろしい事だ,また妻を殴ったらしく顔に青あざがある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
toytoy
トイトイ 【toy-toy】 地面,土,土の塊. (出典:萱野、方言:沙流)
toytoy us kam
トイトイ ウㇱ カㇺ 【toy-toy-us-kam】 土のついた肉.*ひとりの女が子供を育てるときに狩場の跡へ行って,皆が皮剥ぎをしていらない部分を投げ捨てた肉を拾い集めて持ってきた様子[ウ].土のついた肉だけで私は育てられた,と出て来る. (出典:萱野、方言:沙流)
toyupas'as
トユパㇱアㇱ 【toy-upasas】 火山灰が降る.▷トイ=土 ウパㇱ=雪 アㇱ=降る (出典:萱野、方言:沙流)
tu
トゥ 【tu】 屑. ソンノ ハルコㇿ カムイ ネ ワ.カㇺ トゥー カ サㇰノ キㇼプウㇱ ヨヨヨ ヨヨヨ=本当に肥えた熊だ.肉の端もなく脂身ばかりだ,よかったよかった.ニペㇱ トゥ ネ ヤッカ エヤㇺ ワ アヌ アニ.ク・カエカ クスネ ナ=シナ皮の屑であっても大事にして置けよ.私が糸に撚るので. (出典:萱野、方言:沙流)
tu
トゥ 【tu】 ふたつの. (出典:萱野、方言:沙流)
tu supne rera re supne rera
トゥスㇷ゚ネレラ レスㇷ゚ネレラ 【tu-supne-rera re-supne-rera】 ふたつの強風,三つの強風. ▷トゥ=ふたつ スㇷ゚ネ=強い レラ=風 レ=三つ スㇷ゚ネ=強い レラ=風[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuayyoay
トゥアイヨアイ 【tuay-yoay】 魔物を射る矢.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuci
トゥチ 【tuci】 槌,横槌. (出典:萱野、方言:沙流)
tuhot
トゥホッ 【tu-hot】 40 (出典:萱野、方言:沙流)
tuhotnen
トゥホッネン 【tu-hotnen】 40人. (出典:萱野、方言:沙流)
tuk
トゥㇰ 【tuk】 (草が)伸びる,育つ. ナー ウシンネ キナ トゥㇰ ペコㇿ ムン トゥㇰ ペコㇿ ク・コㇿ ション ヘトゥク シリ=日1日と草が伸びるように草が育つように私の子供が成長する. (出典:萱野、方言:沙流)
tuk
トゥㇰ 【tuk】 見える. (出典:萱野、方言:沙流)
tuka
トゥカ 【tuka】 束:アイヌ民族が片手で持つ杵の握りの部分=イユタニトゥカ. (出典:萱野、方言:沙流)
tukamuynisne
トゥカムイニㇱネ 【tu-kamuy-nis-ne】 ふたつの神雲. アカㇻワアンペ トゥカムイニㇱネ レカミニㇱネ ウカエプンパ=私の刺繍物,ふたつの神雲,三つの神雲,重なり湧き起こる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tukan
トゥカン 【tukan】 打つ. トットゥカン=しっぺ,中指を親指の先へつけてぴしっと相手を打つこと. (出典:萱野、方言:沙流)
tukap
トゥカㇷ゚ 【tukap】 釣針. (出典:萱野、方言:沙流)
tukap
トゥカㇷ゚ 【tukap】 幽霊. (出典:萱野、方言:沙流)
tukap'imok
トゥカㇷ゚イモㇰ 【tukap-imok】 釣り餌.▷トゥカㇷ゚=釣針 イモㇰ=餌 ソンノ トゥカㇷ゚イモㇰ パㇰノ ポオンペポ アン キㇼプ ネ コㇿカ コㇿ ワ アㇻパ ワ エ アニー=本当に釣り餌ほどに少ない脂身だが持って行って食べてね.*本当に少ない食べ物をわずかずつ分けて食べることを.トゥカㇷ゚ イモㇰ パㇰノ(釣り餌ほどの物を分けて食べよう)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
tukari/tukarike(he)
トゥカリ/トゥカリケ(ヘ) 【tukari/tukarike(he)】 こちら側,手前,近く. (出典:萱野、方言:沙流)
tukepcaromap
トゥケㇷ゚チャロマㇷ゚ 【tu-kep-caro-map】 槍.ユカㇻに出て来る槍のこと.普通はオㇷ゚,場面によってはユカㇻにパㇻスッオマㇷ゚という言い方で槍が出る.槍は,トゥケㇷ゚チャロマㇷ゚,オㇷ゚,パㇻスッオマㇷ゚の三通りの呼び名がある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuki
トゥキ 【tuki】 杯(さかずき)の総称:お椀のような形の塗り物. (出典:萱野、方言:沙流)
tukinum
トゥキヌㇺ 【tuki-num】 杯.*トゥキというのは受け台のついたものを言うが,台をつけない上のほうの杯,椀だけをいう場合はトゥキヌㇺと言う.下の受け台のほうをオユㇱペあるいはタカイサラと言う.▷トゥキ=杯 ヌㇺ=粒 (出典:萱野、方言:沙流)
tukipasuy
トゥキパスイ 【tuki-pasuy】 捧酒箸:アイヌの願いを神に伝えてくれるへら状の道具. 図[トゥキパスイ] (出典:萱野、方言:沙流)
tukisnunupe
トゥキㇱヌヌペ 【tu-kisnu-nupe】 ふたつの湿った涙. ▷トゥ=ふたつ キㇱヌ=湿める ヌペ=涙(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tukunne
トゥクンネ 【tukunne】 痺れる. ケマトゥクンネ=足が痺れる.ハイー ク・ケマハ カシ タ カ(ク・ア) ワ ネ ア ノイネ トゥクンネ ワ カㇱ(ク・アㇱ) カ エアイカㇷ゚=あーあ自分の足の上へ座ったらしく,痺れて立つことができない.ア・ケマハ トゥクンネ コㇿ ネㇷ゚カ ア・ムテㇰワ ア・ノイポロホ ア・コトゥッカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=足が痺れたら何かにつばをつけて自分の額にくっつけると治るものだ(紙につばをつけてびったりとつけたものであった). (出典:萱野、方言:沙流)
tukusis
トゥクシㇱ 【tukusis】 アメマス〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
tum
トゥㇺ 【tum】 〜の中. フㇱコ トゥシㇼ トゥㇺ ア・クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤ ア・エテテ ワ ホック カネ アナン(アン・アン) ワ ア・クㇱペ ネ ウェンカムイ カ オンネ ㇷ゚ ネ クナㇰ ラム パ ワ エチャッケ ソモ ソイェネ ㇷ゚ ネ シコㇿ=古い墓地の中を通る場合はヨモギを杖にして腰を曲げて通るものだ,悪い化け物も年寄りだと思って汚ながって出て来ないものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
tum/tumu(hu)
トゥㇺ/トゥム(フ) 【tum/tumu(hu)】 力. (出典:萱野、方言:沙流)
tuma
トゥマ 【tuma】 ひび. (出典:萱野、方言:沙流)
tumahura
トゥマフラ 【tuma-hura】 木綿が燃えたにおい. (出典:萱野、方言:沙流)
tumam
トゥマㇺ 【tumam】 抱く,添い寝(する),性交する. トゥマㇺ ワ ホッケ=抱いて寝る.ウトゥマㇺアン ロー=ふたりで寝ようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
tumam/tumama(ha)
トゥマㇺ/トゥママ(ハ) 【tumam/tumama(ha)】 胴,体,幹,壁. (出典:萱野、方言:沙流)
tumamnoske
トゥマㇺノㇱケ 【tumam-noske】 腰:体の真ん中. (出典:萱野、方言:沙流)
tumamunni
トゥマムンニ/トゥママウンニ 【tumam-unni】 厚司(アットゥシ)を織る道具の一部品,体の後ろへ当てる板を曲げた物. ▷トゥママ=体 ウンニ=入る木,板(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tumaoma
トゥマオマ 【tuma-oma】 ひびが入る:陶器などに出来る細い割れ目. トゥマオマ ワ ペㇾケ=ひび割れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tumasake
トゥマサケ 【tumasake】 木綿を燃やした煙.*夜泣きする子供にこのにおいをかがせると眠る. (出典:萱野、方言:沙流)
tumasnu
トゥマㇱヌ 【tum-asnu】 強い. (出典:萱野、方言:沙流)
tumi
トゥミ 【tumi】 戦争,戦. トパットゥミ=夜盗. (出典:萱野、方言:沙流)
tumi cip ne manu p esiraraonne
トゥミチㇷ゚ ネマヌㇷ゚ エシララオンネ 【tumi-cip nemanup e-sirara-onne】 軍船なるもの,それがひしめいて. ▷トゥミ=軍,戦い チㇷ゚=舟 ネマヌㇷ゚=なるもの エ=それ シララオンネ=ひしめきあって[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tumieray
トゥミエライ 【tumi-e-ray】 戦死. (出典:萱野、方言:沙流)
tumikor
トゥミコㇿ 【tumi-kor】 戦争する. (出典:萱野、方言:沙流)
tumkor
トゥㇺコㇿ 【tum-kor】 力が強い,力持ち. (出典:萱野、方言:沙流)
tumpu
トゥンプ 【tumpu】 部屋.個室. (出典:萱野、方言:沙流)
tumsak
トゥㇺサㇰ 【tum-sak】 力が弱い,力がない. (出典:萱野、方言:沙流)
tumta
トゥㇺタ 【tum ta】 〜の中に,間に. ムントゥㇺタ=草の中に.アイヌトゥㇺタ=人の間に. (出典:萱野、方言:沙流)
tumun
トゥムン 【tumun】 ごみ,ちり. (出典:萱野、方言:沙流)
tumunci
トゥムンチ 【tumunci】 悪魔.悪鬼. (出典:萱野、方言:沙流)
tumunpana
トゥムンパナ 【tumun-pana】 ちり. トゥムンパナハ アッ=ごみぼこりが立つ. (出典:萱野、方言:沙流)
tumus
トゥムㇱ 【tum-us】 房:束ねた糸の端を散らしたもの,木の鈴. (出典:萱野、方言:沙流)
tumusesek
トゥムセセㇰ 【tumu-sesek】 ぬるい. (出典:萱野、方言:沙流)
tumuskotkasup
トゥムㇱコッカスㇷ゚ 【tum-us-kot-kasup】 木鈴のついたしゃもじ. (出典:萱野、方言:沙流)
tumuskotpasuy
トゥムㇱコッパスイ 【tum-us-kot-pasuy】 木鈴つきの箸:クネニ(オンコ)で作る.*普段使われる箸ではなく.子供や孫がご飯を食べられるようになった時に,父親または祖父が作ってお祝いとして子供に贈る箸.1本の材料の頭の方を鈴のようにくり抜いて残す. (出典:萱野、方言:沙流)
tun
トゥン 【tun】 ふたり. トゥンネ=ふたりで. (出典:萱野、方言:沙流)
tun ikasma hotnen
トゥン イカㇱマ ホッネン 【tun ikasma hotnen】 22人. (出典:萱野、方言:沙流)
tun ikasma waniw
トゥン イカㇱマ ワニウ 【tun ikasma waniw】 12人. (出典:萱野、方言:沙流)
tuna
トゥナ 【tuna】 火棚:囲炉裏の上に下がっている棚. 図[トゥナ] (出典:萱野、方言:沙流)
tunaetu
トゥナエトゥ 【tuna-etu】 火棚の鼻. ▷トゥナ=火棚 エトゥ=鼻 *火棚の上座の側にあるバナナのような形をした部分のこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tunankar
トゥナンカㇻ 【tunankar】 行き合う. (出典:萱野、方言:沙流)
tunas
トゥナㇱ 【tunas】 早い,速い. トゥナㇱ ク・ホッケ アㇷ゚ アノントㇺタ ク・モㇱ ワ オラーノ ク・モコㇿ コヤイクㇱ=早くに寝たのに,夜中に目を覚ましそれから眠ることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
tunashopuni
トゥナㇱホプニ 【tunas-hopuni】 早起き. (出典:萱野、方言:沙流)
tunashotke
トゥナㇱホッケ 【tunas-hotke】 早寝. (出典:萱野、方言:沙流)
tunaska
トゥナㇱカ 【tunas-ka】 急がせる,せかす, (出典:萱野、方言:沙流)
tunasno
トゥナㇱノ 【tunas-no】 早く,急いで. ニサッタ アナㇰネ イット エキㇺネ ク・キ クスネ ナ トゥナㇱノ ホプニ クナㇰ ラム=明日は日帰りで山へ行くから早く起きると思え.タパン ポン トイ トゥン ネ ワ エチ・ウカスイ ワ ネ ヤㇰネ トゥナㇱノ エチ・キナカㇻ オケレ ナ ホクレ イキ ヤン=この小さい畑,ふたりで手伝い合うならば早く草取りが終わるから早くしなさい.フーン エチ・ウコトㇺ ルウェー.トゥナㇱノ ピㇼカ ポンペ エチ・ヤイコサンケ ヒ ク・ヌカㇻ ワ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) ルスイ ナ アニー=まあお前たちの似合うことよ.早くかわいい赤ちゃんをふたりの間で産んだのを私は見て喜びたいからね. (出典:萱野、方言:沙流)
tunaste
トゥナㇱテ 【tunas-te】 急がせる. (出典:萱野、方言:沙流)
tunatumam
トゥナトゥマㇺ 【tuna-tumam】 火棚の本体. ▷トゥナ=火棚 トゥマㇺ(トゥママハ)=本体(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tunatunat
トゥナトゥナッ 【tuna-tunat】 揺れる,きしむ:たとえば.子供たちがあばれて床が揺れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tunci
トゥンチ 【tunci】 通訳. (出典:萱野、方言:沙流)
tunin
トゥニン 【tunin】 ミミズ. (出典:萱野、方言:沙流)
tunna
トゥンナ 【tunna】 ふたり:人数を数える時に言う言葉.*昭和58年5月7日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
tunne
トゥンネ 【tunne】 気が進まない.億劫だ. (出典:萱野、方言:沙流)
tunni
トゥンニ 【tunni】 カシワ:カシワには粒の大きいニセウ(どんぐり)がなる. (出典:萱野、方言:沙流)
tunninisew
トゥンニニセウ 【tunni-nisew】 カシワの実. (出典:萱野、方言:沙流)
tuntek
トゥンテㇰ 【tuntek】 響く. (出典:萱野、方言:沙流)
tuntu
トゥントゥ 【tuntu】 柱. (出典:萱野、方言:沙流)
tuntunko
トゥントゥンコ 【tuntunko】 サメの卵.*サメの卵は飯粒のような形をしていて.それをトゥントゥンコといっていたのを聞いた.普通サケの卵やウグイの卵はチポㇿという. (出典:萱野、方言:沙流)
tunuise
トゥヌイセ 【tunuise】 連なり出る. アユピイェイタㇰ ウゥェトゥヌイセ=兄が言う言葉が連なり出る. *ウ(互いに)・トゥヌイセがウゥェトゥヌイセになる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tununatki
トゥヌナッキ 【tununatki】 響き渡る[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tununitara
トゥヌニタラ 【tununitara】 響いている. (出典:萱野、方言:沙流)
tuokneiporo
トゥオㇰネイポロ 【tu-ok-ne iporo】 ふたつの憂い顔. ▷トゥ=ふたつ オㇰネ=憂い イポロ=顔色 トゥオㇰネイポロ レオㇰネイポロ エヌラッキ=ふたつの憂い顔,三つの憂い顔,沈痛な様子[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tup
トゥㇷ゚ 【tup】 移る,場所を移す. チセ トゥㇷ゚=家を移った. (出典:萱野、方言:沙流)
tup
トゥㇷ゚ 【tup】 ふたつ. (出典:萱野、方言:沙流)
tup ikasma asiknehot
トゥㇷ゚ イカㇱマ アシㇰネホッ 【tup ikasma asikne hot】 102 (出典:萱野、方言:沙流)
tup ikasma hot
トゥㇷ゚ イカㇱマ ホッ 【tup ikasma hot】 22 (出典:萱野、方言:沙流)
tup ikasma wanpe
トゥㇷ゚ イカㇱマ ワンペ 【tup ikasma wanpe】 12 (出典:萱野、方言:沙流)
tup ranke
トゥㇷ゚ ランケ 【tup ranke】 ふたつずつ. (出典:萱野、方言:沙流)
tupe
トゥペ 【tupe】 縛る. (出典:萱野、方言:沙流)
tupepi
トゥペピ 【tupepi】 (糸とか紐の)端. (出典:萱野、方言:沙流)
tupes
トゥペㇱ 【tupes】 八つ. (出典:萱野、方言:沙流)
tupesaniw
トゥペサニウ 【tupesan-iw】 8人. (出典:萱野、方言:沙流)
tupesanpe
トゥペサンペ 【tupesan-pe】 8,八つ. (出典:萱野、方言:沙流)
tupesanto
トゥペサント 【tupesan-to】 八日. (出典:萱野、方言:沙流)
tupetupe
トゥペトゥペ 【tupe-tupe】 何回も縛る. (出典:萱野、方言:沙流)
tupitupit
トゥピトゥピッ 【tupitupit】 あばた(の). (出典:萱野、方言:沙流)
tupka
トゥㇷ゚カ 【tup-ka】 移植する. (出典:萱野、方言:沙流)
tupnerepne
トゥㇷ゚ネレㇷ゚ネ 【tup-ne rep-ne】 ふたつ三つに. (出典:萱野、方言:沙流)
tupte
トゥㇷ゚テ 【tup-te】 移す. (出典:萱野、方言:沙流)
tur/turi(hi)
トゥㇽ/トゥリ(ヒ) 【tur/turi(hi)】 垢. トゥㇽ ウㇱ ペ シㇰヌ=垢のついている病人は生きる.トゥㇽ サㇰ ペ ライ=垢のついていない病人は死ぬ. (出典:萱野、方言:沙流)
tura
トゥラ 【tura】 連れる,一緒に行く,連れて行く. エ・コㇿ フチ ソイタ エパㇱカンタラ ワ アㇱ ワ アン ナ トゥラ ワ エㇰ ワ アペ サㇺ タ アレ=お前のおばあちゃんが外で気抜けしたように立っているから連れて来て火の側に座らせろ.ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ エアㇻキンネ イケサンパ エオ ㇷ゚ ア・ネ ア・ウヌフ ネンカ アㇻパ ノイネ シㇼキ コㇿ イイェトゥㇱマㇰ・アン ア・トゥラ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の時はとっても追いかける癖めいたものがあって,母がどこかへ行きそうな様子があると先回りをしてでも母と一緒に行ったものだ.ホクレ ホプニ ワ エウォンネ.シㇼピㇼカ クス ユㇰカルㇱ コルウヌ(ク・オルウヌ) ウㇱケ ウン エチ・トゥラ ナ=さあ早く起きて顔を洗え.天気がいいしマイタケが生えているのを知っている所にお前を連れて行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
tura
トゥラ 【tura】 〜と. ソンノ エ・サハ トゥラ ウネノ エチ・オカイ ペ ネ クス シネン ランケ エチ・ヌカㇻ コㇿ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=本当にお前の姉と似ているものだからひとりずつ見ると私はわからなくなる. (出典:萱野、方言:沙流)
turamukor
トゥラムコㇿ 【turamukor】 臆病な,意気地なし,度胸がない. (出典:萱野、方言:沙流)
turano
トゥラノ 【tura no】 一緒に. トゥラノ アㇻパ=一緒に行け. (出典:萱野、方言:沙流)
turasi 1
トゥラシ 【turasi】 ①のぼる,遡る,たどる. オサッ ア・トゥラシ ワ オサッ エトコタ アㇻパ・アン シモンサムン ラナン(ラン・アン) コㇿ アペッ ネ.ハㇻキサムン ラナン(ラン・アン) コㇿ マカウシ エトコホ ネ=オサツ沢をたどりオサツ沢の源へ行き右へ下りるとアペツ沢.左へ下りるとマカウシ沢の源だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
turasi 2
トゥラシ 【turasi】 ②〜づたいに,〜沿いに. ペットゥラシ=川沿いに.ナイトゥラシ=沢沿いに.シネ アン パイカㇻ イサロイキㇷ゚ ア・コㇿ ヒネ オケネウㇱ トゥラシ アㇻパ・アン タㇱテㇰテㇰ イサロイキㇷ゚ シㇰノ プクサキナ ア・ウㇰ ワ イワカン(イワㇰ・アン)=ある春のこと,やや大型の背負い袋を持ってオケネウシ(という沢)をのぼって行き,あっという間にやや大型の背負い袋いっぱいにニリンソウを採取して帰って来た.ナイクスン(ナイクㇱ ウン) アチャポ オサッ エトコホ タ スマウコㇿ ヤㇰ ア・イェ アクス コタヌン(コタン ウン) ウタㇻ ウハウェポポ パ コㇿ ナイ トゥラシ アㇻパ ア ワ=沢の向かいのおじさんがオサツ沢の奥の方で熊を獲ったということで村人たちは大勢でがやがや騒ぎながら沢をのぼって行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
turaynu
トゥライヌ 【turaynu】 見つからない,見当らない,なくす. ク・コㇿ ペ ク・トゥライヌ=私のものが見つからない.クンネ ㇷ゚ ク・カㇻ クナㇰ ク・ラム コㇿ クンネ コポンチ トゥムン アッ コマレ(ク・オマレ) アㇷ゚ ネヒネ オㇿ ネア ウㇱケ コイラ(ク・オイラ) ク・トゥライヌ=黒い色のものにしようと思って黒い粘土の中へオヒョウの皮を浸けたのに浸けた場所を私はすっかり忘れて捜し出せない. (出典:萱野、方言:沙流)
turaywenray
トゥライウェンライ 【tu-ray-wen-ray】 悶死(する),悶え苦しんで死ぬ. (出典:萱野、方言:沙流)
turen
トゥレン 【turen】 憑く. コシンプ アイヌ トゥレン コㇿ イピㇼカレ ㇷ゚ カ オカ イウェンテ ㇷ゚ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ネヒ ア・エラマン ワ ラム ア・クットコレ コㇿ シノ ピㇼカ ㇷ゚ ネー シコㇿ=妖精が人間の憑き神になると憑いた人間をよくする者もいるが悪くする者もいる.それを覚えて思いを反対にする(=逆に利用する)と本当にいいものだということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
turenkamuy
トゥレンカムイ 【turen-kamuy】 憑き神.*憑いている神によってその人の運.不運が決まるという. (出典:萱野、方言:沙流)
turenpe
トゥレンペ 【turen-pe】 憑いている者. (出典:萱野、方言:沙流)
turep
トゥレㇷ゚ 【turep】 ウバユリ,オオウバユリ. (出典:萱野、方言:沙流)
turep onka
トゥレㇷ゚ オンカ 【turep-onka】 ウバユリを発酵させる:ウバユリの澱粉を取った残りを発酵させる. (出典:萱野、方言:沙流)
turep'irup
トゥレㇷ゚イルㇷ゚ 【turep-irup】 ウバユリの澱粉. (出典:萱野、方言:沙流)
turepni
トゥレㇷ゚ニ 【turep-ni】 クワ. (出典:萱野、方言:沙流)
turepsito
トゥレㇷ゚シト 【turep-sito】 ウバユリ団子. (出典:萱野、方言:沙流)
tures/turesi(hi)
トゥレㇱ/トゥレシ(ヒ) 【tures/turesi(hi)】 (男,兄から見た)妹〔雅〕. (出典:萱野、方言:沙流)
turi
トゥリ 【turi】 (舟の)棹:シウニ(ニガキ).アユㇱニ(タラノキ)製. 図[トゥリ] (出典:萱野、方言:沙流)
turi(turiri)
トゥリ(トゥリリ) 【turi】 伸ばす:相手に渡すために手に持って伸ばす. (出典:萱野、方言:沙流)
turimeciw
トゥリメチュー 【turi-mecuw】 相手の労をねぎらい,あるいは無事を喜んで,右腕を強く屈伸させること.右腕を強く相手に向けて屈伸させる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
turituri
トゥリトゥリ 【turi-turi】 せかすように伸ばす. (出典:萱野、方言:沙流)
turmokorir
トゥㇽモコリㇼ 【turmokorir】 マルタニシ. (出典:萱野、方言:沙流)
turpa
トゥㇽパ 【turpa】 伸ばす,(網を)張る. (出典:萱野、方言:沙流)
tursak
トゥㇽサㇰ 【tur-sak】 きれいだ,清潔だ:垢のついていない. (出典:萱野、方言:沙流)
turse
トゥㇽセ 【turse】 落ちる,落下する,ころぶ. ソンノ エヤシㇼ エネ アン ウㇱケ タ ソモカタㇷ゚ネ イユニン クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ニカㇻ ホントㇺ ワ トゥㇽセ イユニン ヤㇰ ア・イェ=本当に全くあんな所で怪我するとは思わなかったのに,はしごの途中から落ちて怪我をしたという. (出典:萱野、方言:沙流)
tursere
トゥㇽセレ 【turse-re】 落とす. (出典:萱野、方言:沙流)
turur
トゥルㇽ 【turur】 魚を山積みにしてあるもの.*スサㇺ(シシャモ)などを山積みしてある上へ降った雪のことを,トゥルㇽカラリㇷ゚(魚の山を押さえる雪)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
turus
トゥルㇱ 【tur-us】 汚れる,汚ない:垢・ごみ・泥のついた. (出典:萱野、方言:沙流)
turusi
トゥルシ 【turusi】 朦朧とする. アコン(ア・コㇿ) ラㇺ コンナ トゥルシタラ=私の思い朦朧として. (出典:萱野、方言:沙流)
turusino
トゥルシノ 【turusi no】 大儀そうに. カトゥトゥㇽシノ=大儀そうに. (出典:萱野、方言:沙流)
tus sawrere
トゥㇱ サウレレ 【tus-sawre-re】 縄を綬める. (出典:萱野、方言:沙流)
tus'etupsi
トゥㇱエトゥㇷ゚シ 【tus-etupsi】 縄端 (出典:萱野、方言:沙流)
tus'ukno
トゥㇱウㇰノ 【tus-uk-no】 縄を受けやすい. イヨマンテ(熊送り)の時に檻の中にいる熊に縄を掛けるが,すぐに縄を受ける熊を言う. ▷トゥㇱ=縄 ウㇰ=取る ノ=よく,全く *なかなか縄に掛からない熊をトゥㇱエマカ(縄をいやがる)と言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tus/tusi(hi)
トゥㇱ/トゥシ(ヒ) 【tus/tusi(hi)】 綱,紐. トゥㇱ トゥイ チカッポ=紐の切れた小鳥(のように逃げてしまった). (出典:萱野、方言:沙流)
tusa
トゥサ 【tusa】 治る. ク・ポンポホ ポロピロ ワ ヤイカフイェ コㇿ アン ワ ケラムシッネ(ク・エラムシッネ) ア コㇿカ タネ トゥサ ヒ エパ ワ ク・ラムホラライセ=私の小さいほうの息子が大怪我をして療養していて私の思いが乱れていたが,治癒する所へたどり着き.私の心配は解消した.エルㇺタンプ アン コㇿ キナスッ カプフ ア・コシㇼシル ワ トイ トゥㇺ ア・オマレ コㇿ チピル アーペコㇿ イランマカカ トゥサ ㇷ゚ ネ=いぼが出来たら蛇の皮をこすりつけ,その皮を土に埋めると拭き取ったようにきれいに治るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tusa/tusa(ha)
トゥサ/トゥサ(ハ) 【tusa/tusa(ha)】 袖. ウヌフ エカヌナラ ㇷ゚ ネ クス トゥサハ エヘナリㇱパ コㇿ アㇱ ワ アン=母の帰りを待っていて袖を歯でむしりながら立っている. (出典:萱野、方言:沙流)
tusamukru
トゥサムㇰル 【tusa-mukru】 肘枕. (出典:萱野、方言:沙流)
tusamukru yaykotutturi
トゥサムㇰル ヤイコトゥットゥリ 【tusa-mukru yaykotutturi】 肘枕.▷トゥサ=袖 ムㇰル=枕 →肘を枕にすると言わずに袖を枕にすると言う (出典:萱野、方言:沙流)
tusapar/tusaparo(ho)
トゥサパㇻ/トゥサパロ(ホ) 【tusa-par/-paro(ho)】 袖口. (出典:萱野、方言:沙流)
tusapuykari
トゥサプイカリ 【tusa-puy kari】 身八つ口から. トゥサプイカリ イ・ヌカㇻ アアン=着物をかぶって,身八つ口から見た. (出典:萱野、方言:沙流)
tusare
トゥサレ 【tusa-re】 治す. (出典:萱野、方言:沙流)
tusihi
トゥシヒ 【/tusihi】 妾:本妻からみての妾.*本妻と妾は1本の縄で結ばれていると考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
tusir
トゥシㇼ 【tusir】 墓,墓場. ヘカッタㇻ トゥシㇼ ウトゥル クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤエテテ ホック カネ オカ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ ライトゥカㇷ゚カ オンネ ㇷ゚ ネ クナㇰ ラム ワ ソモ ホサㇻパ ㇷ゚ ネ=子供たちが墓の間を通る時は,ヨモギを杖に腰を曲げて歩くと,幽霊も老人と思って見向きもしないものだ.*このような歩き方は昭和10年前後まで私ども子供うちでは普通のことであった.**図の風景は昭和40年代の二風谷の墓所の様子.昭和60年に改造され現在はこの風景は見ることができない.図[トゥシㇼ] (出典:萱野、方言:沙流)
tuskote
トゥㇱコテ 【tus-kote】 縄をつける,縛る.▷トゥㇱ=縄 コテ=つける セタ トゥㇱコテ=犬に縄をつけろ. (出典:萱野、方言:沙流)
tusmak
トゥㇱマㇰ 【tusmak】 かいくぐる.急ぐ. カムイ シクトゥル(シㇰ ウトゥル) アイヌ シクトゥル トゥㇱマㇰ ワ アㇻウェントゥカㇷ゚ カリ ハウェ=神の目や人間の目,そのすき間をかいくぐって化け物が徘徊しているのかい.ウウェトゥㇱマㇰ=互いに先を争い.イイェトゥㇱマㇰ(イ・エトゥㇱマㇰ)=私よりも先にと急ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
tusnatki
トゥㇱナッキ 【tusnatki】 においがたなびく. トノトフラ チセオンナイ エトゥㇱナッキ=酒のにおいが家懐にたなびいている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tusokni
トゥソㇰニ 【tus-ok-ni】 (熊送りの時に)子熊を繋ぐ柱.*材科はキハダの木.太さ15cm.長さ約3m.1mは土へ埋める. (出典:萱野、方言:沙流)
tustek
トゥㇱテㇰ 【tus-tek】 金縛り. タネ アナㇰネ チセ カ ピㇼカ クス エルㇺ カ イサㇺ コㇿカ テエータ アナㇰネ エルㇺ ア ワ ソ オロペカ ホユッパ ホッケアニ(ホッケ・アン ヒ) タ イ・カ タ エルㇺ アン コㇿ トゥㇱテㇰ・アン ペ ネ シコㇿ ク・イヌ・ㇷ゚ ネ ア ワ=今は家もいいのでネズミもいないが昔はネズミが多くて家の中を走り回っていた.寝た時に身体の上にネズミがいると金練りになるものだと聞いたことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
tusu
トゥス 【tusu】 呪術:占う,占いによって託宣を出す. (出典:萱野、方言:沙流)
tusukur
トゥスクㇽ 【tusu-kur】 呪術者. (出典:萱野、方言:沙流)
tusunike
トゥスニケ 【tusunike】 リス,エゾリス(方言:キネズミ). シネアンタ ネㇷ゚カ ア・サㇰ ノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) トゥスニケ シネㇷ゚ ニ カ タ アニクス(アン ヒクス) ポン スマ シネㇷ゚ ア・ウㇰ ヒネ ア・コピイェカㇻ アクス エポソカネ トンケ カ ソモ=ある日のこと何も持たずに山へ行くとエゾリスが1匹木の上にいたので小さい石をひとつ取って投げつけたが,言うまでもないがびくともしなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
tusup
トゥスㇷ゚ 【tusup】 巫女. (出典:萱野、方言:沙流)
tusurepni
トゥスレㇷ゚ニ 【tusu-repni】 呪術の時に手に持つ棒. (出典:萱野、方言:沙流)
tususatki
トゥスサッキ 【tusus-atki】 わななく:体や手足がぶるぶるふるえる. (出典:萱野、方言:沙流)
tususke
トゥスㇱケ 【tusus-ke】 ふるえる. (出典:萱野、方言:沙流)
tusuy
トゥスイ 【tu-suy】 2回,2度. (出典:萱野、方言:沙流)
tutanu
トゥタヌ 【tutanu】 次に,2番目の. トゥタヌクㇽ=次の人. (出典:萱野、方言:沙流)
tutko
トゥッコ 【tutko】 二日. トゥッコ レㇾコ アン コㇿ イラマンテ クス ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) ナ イユタ ワ ピㇼケㇷ゚ カㇻ ワ エン・コレ アニー=二日か三日したら狩のために私は山へ入るから搗き物をして精白をこしらえてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
tutkorerko
トゥッコレㇾコ 【tutko rerko】 二日か三日.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuto
トゥト 【tuto】 二日. (出典:萱野、方言:沙流)
tutturi
トゥットゥリ 【tur-turi】 伸ばす,着物のしわを伸ばす. (出典:萱野、方言:沙流)
tutukko
トゥトゥッコ 【tutukko】 包み. ネア メノコ スイ ホクコイワㇰ クス ネ ノイネ ポン トゥトゥッコ エヤㇻポㇰアニ カネ ニタン ワ.アㇻパ シリ ク・ヌカㇻ=あの女はまた男の所へ行くためらしく,小さい包みを小脇に抱えて急いで行ったのを,私は見た.*昭和5年から10年代は赤ん坊をざぶとんより少し広いふとんに包んだ,それをトゥトゥッコと呼んでいた.小脇に抱えるぐらいの包みを言う. (出典:萱野、方言:沙流)
tuturep
トゥトゥレㇷ゚ 【tuturep】 ウバガイ. (出典:萱野、方言:沙流)
tutut
トゥトゥッ 【tutut】 ハト,ツツドリ. (出典:萱野、方言:沙流)
tuwa
トゥワ 【tuwa】 ひと冬越した木の実:クリとかどんぐりの渋味の抜けたもの. トゥワニセウ=ひと冬越したどんぐり. (出典:萱野、方言:沙流)
tuwan cupkoni rewan cupkoni
トゥワンチュㇷ゚コニ レワンチュㇷ゚コニ 【tuwan-cup-koni rewan-cup-koni】 ふたつの10か月が縮み,三つの10か月が縮み.ユカㇻ特有の言い回しで,20か月も30か月も,ということである. ▷トゥ=ふたつ ワン=10 チュㇷ゚=月 コ=それ 二=縮み レ=三つ ワン=10 チュㇷ゚=月 コ=それ 二=縮み トゥワンチュㇷ゚コニ レワンチュㇷ゚コニ ソモエエㇰペネクス エアㇻキンキネ エチエポタラコㇿ カンアㇷ゚ イイソネ アプンノエチエㇰ ケラムシンネ=20か月も30か月もお前が来ないので,私は本当にお前たちのことを案じていたが,幸いなことに無事に戻って来て安心した.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuwapneko
トゥワㇷ゚ネコ 【tuwapne-ko】 少なからず. (出典:萱野、方言:沙流)
tuwtututu
トゥートゥトゥトゥ 【tuwtututu】 子犬を呼ぶ時に出す声. ホーホホホとも言う.この声を出すと床下にいた子犬たちが出て来た.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuy
トゥイ 【tuy】 切れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tuy
トゥイ 【tuy】 (木の葉などがとれて)落ちる. ウクラン レラ ルイ ワ ヤㇺ トゥイ ナンコㇿ ナ ホクレ アㇻパ ワ ウウォマレ ワ エㇰ=昨夜は風強かったのでクリが落ちたであろうから早く行って集めて来い.アマㇺ ア・チャ ワ ア・セ フ イワカン(イワㇰ・アン) ヒ タ ナ ニ ソモ ア・ピラサ コㇿ ウコセセㇰ ワ ウェン ペ ネ.コㇿカ シプㇱケㇷ゚ ネノ トゥッコ レㇾコ ア・サッケ ワ ア・キㇰ ペ アナㇰネ シネ アンチカㇻ ア・アヌ ワ ウコセセㇰ コㇿ トゥイ エニタン ペ ネ=ヒエなどを穂だけ摘み取って背負って帰って来た時にすぐに広げなければ蒸れてしまって悪いものだ,けれどもイナキビのように二日か三日乾かしてから穂から粒を落とすために(からさおで)叩くものは一晩そのまま置いて蒸れると粒が落ちやすいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tuy
トゥイ 【tuy】 〜の中. (出典:萱野、方言:沙流)
tuy/tuye(he)
トゥイ/トゥイェ(ヘ) 【tuy/tuye(he)】 内臓,はらわた:魚のはらわた,鹿・熊などの内臓. チェㇷ゚ トゥイェヘ カㇻ=魚のはらわたを取れ.ユㇰ スマウェヘ ア・コㇿ ナ トゥイェヘ フライェ ヤン.ユㇰラㇺ ネ ヒケ アナㇰネ パㇱクㇽ エイメッコレ=鹿を獲ったので腸を洗いなさい,肺臓は烏に配ってやれ.*昔に親不孝した息子がいて自分たちはおいしい肉を食べて目の見えない親にはユㇰラㇺ(肺臓)の部分を食べさせた.それを食べた親は年をとるといいことはないものだ,何を食べても汁っ気もないと言って嘆いたというが親不孝の息子たちは神様から罰せられたという. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyaskarap
トゥヤㇱカラㇷ゚ 【tuyaskarap】 憐れむ,同情する. (出典:萱野、方言:沙流)
tuye
トゥイェ 【tuye】 斬る,切る,伐採する. タネ タネ イ・トゥイェ ノイネ イキ ヒクス ホㇱキ ルイノ ア・オアットゥイェ=今にも今にも私を斬りそうにしたので,私のほうが先にさっと斬った.エ・アミヒ タンネ ナ トゥイェ ワ アヌー=お前の爪が伸びているから切っておけ.オトゥ スイ レ スイ ウェンプリコㇿ アヌン ヌカㇻ ヤクン ア・エラムニㇱテ セコㇿ ア・イェ ナンコㇿ ヤッカ タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ケイキリチ ア・トゥイェ ロー=2回3回と悪事をする,他人が見たら残酷と言うかもしれないが,今回は足のふくらはぎの健を切ってしまいましょう.マタ ア・トゥイェ チクニ アナㇰネ オウポポリンネ ㇷ゚ ネ コㇿカ サㇰ ア・トゥイェ チクニ アナㇰネ ソモ オウポポリンネ ㇷ゚ ネ ワ=冬に伐採した木には若生えが生えるが,夏に伐採した木には若生えは生えないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyere
トゥイェレ 【tuye-re】 落とす. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyma
トゥイマ 【tuyma】 遠い. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyma arpa
トゥイマ アㇻパ 【tuyma-arpa】 大便をする〔隠語〕.▷トゥイマ=遠く アㇻパ=行く (出典:萱野、方言:沙流)
tuymaa
トゥイマア 【tuyma-a】 大便する. (出典:萱野、方言:沙流)
tuymahesarpare
トゥイマヘサㇻパレ 【tuyma-hese-arpa-re】 ため息をつく.▷トゥイマ=遠く ヘセ=息 アㇻパレ=行かせる (出典:萱野、方言:沙流)
tuymakucacise
トゥイマクチャチセ 【tuyma-kuca-cise】 遠い所にある仮に作った狩り小屋. ▷トゥイマ=遠い クチャチセ=仮に作った狩り小屋 (補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuymanokkus
トゥイマノックㇱ 【tuyma-nok-kus】 ぶんとしてあちらを向く,ぶんとしてあごをしゃくる.▷トゥイマ=遠く ノッ=あご クㇱ=通る アイヌエイヌピタラ ノイネ ウナㇻペ トゥイマノックㇱ=人をじゃまに思っているらしく,おばさんはプンとあちらを向いた. (出典:萱野、方言:沙流)
tuymauske
トゥイマウㇱケ 【tuyma-uske】 遠い所. (出典:萱野、方言:沙流)
tuypa
トゥイパ 【tuypa】 切る〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
tuypatuypa
トゥイパトゥイパ 【tuypa-tuypa】 切り刻む. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyre
トゥイレ 【tuy-re】 (クリの実などを)落とす. (出典:萱野、方言:沙流)
tuytuye
トゥイトゥイェ 【tuy-tuye】 (箕で)糠飛ばし(する). アㇻスイネ トゥイトゥイェ.オカケ タ ア・オッケ コㇿ ア・オッケ エニタン ナ=1回糠を飛ばせ.その後で搗くと搗きやすいから. (出典:萱野、方言:沙流)
u
ウ 【u】 お互い,互いに,みんな. オッコ タント シㇼピㇼカ クス エン・カスイ.ニサッタ エチ・カスイ ナ ウタㇱパ ウカスイ・アン ロー=姉さん,今日は天気がよいので私の手伝いをしてくれ.明日あなたの手伝いをするからお互い手伝い合うことにしよう.キムン・アン ヒ タ アナㇰネ ウウェプンキネ・アン ワ エアシㇼ アプンノ イラマンテ・アン エアㇱカイ=狩に山に入る時は互いを守り合って初めて無事に猟をすることができる. (出典:萱野、方言:沙流)
uamkir
ウアㇺキㇼ 【u-amkir】 顔見知り(である).▷ウ=互い アㇺキㇼ=知っている タネポ エチ・ウヌカㇻ ペコㇿ ク・ヤイヌ ア コㇿカ ヘンパラ ワノ エチ・ウアㇺキㇼ ワ エチ・オカ ヒ アン=今初めてお前たちが顔を合わせるような気がしたがいつから顔見知りになっていたのだ? (出典:萱野、方言:沙流)
uamkire
ウアㇺキレ 【u-amkir-re】 紹介する.▷ウ=互いに アㇺキㇼ=知っている レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
uarkiso
ウアㇻキソ 【u-ar-ki-so】 隣り合う. (出典:萱野、方言:沙流)
uatokatu
ウアトカトゥ 【u-at-o-katu】 系列,系統の様子. ▷ウアト=ちりばめる カトゥ=様子(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ucipkonere
ウチㇷ゚コネレ 【u-cip-kone-re】 難破(する):暴風雨のため船が壊れること. (出典:萱野、方言:沙流)
ucipkowente
ウチㇷ゚コウェンテ 【u-cip-ko-wen-te】 難破する. ハイ ク・サンペー アッケㇱ タ ウェンヤトイネ ウタㇻ ウチㇷ゚コウェンテ セコㇿ コタン クㇽカㇱ ハウシタイキ イヨーハイ=ああ心臓も止まりそうだ,厚岸へ強制徴用された人たちが難破したと村の上へ知らせが来た,どうしようか.*平取町内中貫気別の木村コヌマタンさんが,おばあさんから聞いた話だとして厚岸のウチㇷ゚コウェンテの話を聞かせてくれ.録音してある. (出典:萱野、方言:沙流)
ucistaspare
ウチㇱタㇱパレ 【u-cis-taspa-re】 互いに泣く(再会を喜んたり,別れを惜しんだりして). (出典:萱野、方言:沙流)
ucokcoksekar
ウチョㇰチョㇰセカㇻ 【u-cok-cok-se-kar】 接吻しあう. (出典:萱野、方言:沙流)
ue
ウエ 【u-e】 共食い(する). (出典:萱野、方言:沙流)
uemko
ウエㇺコ 【u-emko】 半分ずつ. オッコー セモッタ(セㇺ オㇿ タ) ポン ユㇰ オアッタㇷ゚キㇼ アン ナ エ・ウナㇻペヘ トゥラノ ウエㇺコ セ ワ アㇻパ アニー=姉よ,入り口の所に小さい鹿の片足があるのでお前の叔母と半分ずつ背負って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
uesinnaoka
ウェシンナオカ 【u-e-sinna-oka】 別々にいる,別々に暮らす. ▷ウ=互いに ウェ=それ シンナ=別々 オカ=いる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uhawepopo
ウハウェポポ 【u-hawe-popo】 大勢でがやがや騒ぐ. ナイクスン(ナイクㇱ ウン) アチャポ オサッ エトコホ タ スマウコㇿ ヤㇰ ア・イェ アクス コタヌン(コタン ウン) ウタㇻ ウハウェポポ パ コㇿ ナイ トゥラシ アㇻパ ア ワ=沢の向かいのおじさんがオサツ沢の奥の方で熊を獲ったということで村人たちは大勢でがやがや騒ぎながら沢を登って行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
uhawtaroyse
ウハウタロイセ 【u-haw-taroyse】 騒がしい,騒々しい声が聞こえる. (出典:萱野、方言:沙流)
uhaye
ウハイェ 【u-haye】 足りない,不足している. チセニ ウウォマ ワ アン クニ ク・ラム アㇷ゚ポンノ ウハイェ ノイネ ネ ナ アㇻパ ワ トゥイェ ワ エㇰ ヤン=家を建てる材料が揃っていると私は思っていたが少し足りない,行って伐って来なさい. (出典:萱野、方言:沙流)
uhayta
ウハイタ 【u-hayta】 足りない(揃っているべきものが).至らない. アイヌ イタㇰ アナㇰネ ウハイタ ウㇱケ ポロンノ オカ.ネ イタㇰ オウペカレ ワ カムイ オルン ソンコ アンパ ㇷ゚ イクパスイ ネ ルウェ タパン ナ=人間の言葉は至らない所がたくさんあるものだ.その言葉を真っ直ぐにして神へ伝言を持って行くのが捧酒著ですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
uhekote
ウヘコテ 【u-hekote】 向かい合う. ウウォシッコテ パ ㇷ゚ アナㇰネ ウヘコテ ソモ ア ノ イシㇰサㇺネレ パ ネㇷ゚カ エウコピヌピヌ パ コㇿ オカ=恋人同士は向かい合って座りもしないで横目で顔を見ながらなにやらひそひそ話をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
uhoppa
ウホッパ 【u-hoppa】 別れる. (出典:萱野、方言:沙流)
uhosi
ウホシ 【u-hosi】 反対,逆. (出典:萱野、方言:沙流)
uhunak
ウフナㇰ 【uhunak】 この頃. (出典:萱野、方言:沙流)
uhunak uhunak
ウフナㇰ ウフナㇰ 【uhunak uhunak】 たびたび. (出典:萱野、方言:沙流)
uhunak wano
ウフナㇰ ワノ 【uhunak wano】 近頃:数日前から今まで. (出典:萱野、方言:沙流)
uhutuhutu
ウフトゥフトゥ 【uhutu-hutu】 押し合いへしあい(する):人と人とが押し合ってごたごたと混雑すること. イヤイ ナ アペ サㇺ タ イテキ ウフトゥフトゥ ヤン=危ないから火の側で押し合いへしあいするんでないよ.ヘカッタㇻ アナㇰネ シㇼフッネ ウㇱケ ウン ウフトゥフトゥ パ ワ シノッ ルスイ=子供たちは狭い所で押し合いへしあいをして遊びたいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
uhuy
ウフイ 【uhuy】 燃える,焼ける. (出典:萱野、方言:沙流)
uhuyka
ウフイカ 【uhuy-ka】 燃やす,焼く. (出典:萱野、方言:沙流)
uhuynicica
ウフイニチチャ 【uhuy nicica】 焼け跡のハギとかカヤの根. (出典:萱野、方言:沙流)
uhuynupuri
ウフイヌプリ 【uhuy nupuri】 火山. (出典:萱野、方言:沙流)
uhuywaisam
ウフイワイサㇺ 【uhuy wa isam】 燃え尽きる. (出典:萱野、方言:沙流)
uinnere
ウインネレ 【u-inne-re】 大勢である,大家族(である).▷ウ=互い インネ=大勢だ レ=させる ウインネレ ワ アエㇷ゚ ポカ エイㇱラㇺネ パ ノイネ ハワㇱ ナ ネㇷ゚カ ア・エ ノイネ オカイペ コㇿ ワ アㇻパ コレ ワ エㇰ=大勢なので食べ物に不自由しているらしいと聞いたので何か食べられるような物を持って行ってあげてこい.ソンノ ウェンロㇰ ペクㇱタ ウインネレ ヘカッタㇻ エウトパネレ=本当に貧乏だからとて大家族子供たちが群れをなして. (出典:萱野、方言:沙流)
uirwakne
ウイㇼワㇰネ 【u-irwak-ne】 きょうだいである(男女の別なく). (出典:萱野、方言:沙流)
uirwakneutar
ウイㇼワㇰネウタㇻ 【u-irwak-ne utar】 きょうだい:兄弟姉妹. (出典:萱野、方言:沙流)
uk
ウㇰ 【uk】 取る,受け取る.拾う,採取する. ク・コㇿ ション ソイェネ ワ チクニ ウㇰ ワ エㇰ.カペアリ(ク・アペアリ) クㇱネ ナー=孫よ,外へ行って薪を取って来い.私が火を焚きたいので.シネアン パイカㇻ イサロイキㇷ゚ ア・コㇿ ヒネ オケネウㇱ トゥラシ アㇻパ・アン タㇱテㇰテㇰ イサロイキㇷ゚ シㇰノ プクサキナ ア・ウㇰ ワ イワカン(イワㇰ・アン)=ある春のこと,やや大型の背負い袋を持ってオケネウㇱ(という沢)を登って行き,あっという間にやや大型の背負い袋一杯にニリンソウを採取して帰って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
uka
ウカ 【uka】 堅雪. (出典:萱野、方言:沙流)
ukaekone
ウカエコネ 【u-ka-e-kone】 倒壊する. トオㇷ゚ トゥイマ シッタ(シㇼ タ) シㇼシモイェ ユㇷ゚ケㇷ゚ アン ワ シサㇺ マチヤ ウカエコネ シコㇿ アン パハウ ク・ヌ=ずうっと遠い所で強い地震があって和人の町が倒壊したという噂を私は聞いた. (出典:萱野、方言:沙流)
ukaekonere
ウカエコネレ 【u-ka-e-kone-re】 壊す. (出典:萱野、方言:沙流)
ukamure
ウカムレ 【u-kamure】 重ねる,重ね合わせる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukao
ウカオ 【u-ka-o】 積み上げる.▷ウ=互いに カ=上に オ=入れる (出典:萱野、方言:沙流)
ukao
ウカオ 【ukao】 しまう,片づける. レラ アㇱ ノイネ シリキ ナ エ・サッケ キナ アプッキ コカㇻカリ ワ ウカオ ワ アヌ=風が吹いて来るようなので,お前が干した山菜を簾に包んでしまっておけ.イチャッケレ ㇷ゚ アナㇰネ イテキ ウカオ ノ アヌ ワ ホクレ フライェ=汚ない物はしまっておかないで早く洗え.エ・ミピヒ イテキ チャッチャリ ノ ウカオ ワ アヌ=お前の着物を散らかしておかないでしまっておけ.メノコ アナㇰネ ケㇺ ヌイト エイワンケ オカヘ イランマカカ シッチャㇱヌレ ワ ネㇷ゚ ネ ヤッカ ウコカㇻカリ ワ ウカオ ㇷ゚ ネ ナ=女というものは針と糸を使った後もきれいに掃除をしてなんでもまとめて包んでしまうものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukaosmare
ウカオㇱマレ 【u-ka-osma-re】 溜(た)める. (出典:萱野、方言:沙流)
ukarankepa
ウカランケパ 【u-karanke pa】 近づき合う. フウーン ウウォシッコテパ ワ ネ ノイネ ネユン ポーカ ウカランケパ ルスイ シリ=ああそうか,惚れ合っているらしくなんとかかんとかして近づき合いたい様子だ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukasuy
ウカスイ 【u-kasuy】 手伝い合う. タパン ポン トイ トゥン ネ ワ エチ・ウカスイ ワ ネ ヤㇰネ トゥナㇱノ エチ・キナカㇻ オケレ ナ ホクレ イキ ヤン=この小さい畑,ふたりで手伝い合うならば早く草取りが終わるから早くしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
ukataanu
ウカタアヌ 【u-ka-ta-anu】 重ねる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukataari
ウカタアリ 【u-ka-ta-ari】 重ねる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukatarayranke
ウカタライランケ 【u-ka-ta-ray-ranke】 相ともに死ぬほど. ア・ウナㇻペヘ オトゥ イワンパ オレ イワンパ ソモ ア・ヌカㇻ アイネ ソモカ ア・ヌカㇻ クナㇰ ア・ラム ロㇰ ペ エㇰ カネ イキ.エアシリ カ ウカタライランケ チサナアナ(チㇱ・アン ア ・アン ア)=私の叔母,何年も何年も会わないでいた.まさか見ると思わないでいたのに突然来た.本当にお互いの体の上に死んだかと思うほどに泣き崩れた. (出典:萱野、方言:沙流)
ukateomare
ウカテオマレ 【u-kat-e-omare】 互いに好きになる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukattuyma
ウカットゥイマ 【u-kat-tuyma】 間をあける. ウカットゥイマノ エトイタ=間をあけて蒔け.ウカットゥイマノ ポコㇿ=間をあけて子供を産む.ウカットゥイマノ ネ ヤッカ ピㇼカ ナ エノタヌカㇻ(エン・ホタヌカㇻ) アニー=間が遠くてもいいので私の様子を見に来てね. (出典:萱野、方言:沙流)
ukauk
ウカウㇰ 【u-ka-uk】 綾取り(する). フチ エ・ヌー.カニッ オㇿ ワ ポンノ カ クㇰ(ク・ウㇰ) ナ アニー.ク・サハ トゥラ ウカウㇰ・アン ナ=おばあちゃん聞こえるかい.糸を掛ける棒から少し糸を取るよ.お姉ちゃんと綾取りするから. (出典:萱野、方言:沙流)
ukauka
ウカウカ 【uka-uka】 継ぎ当て(する). (出典:萱野、方言:沙流)
ukauka
ウカウカ 【uka-uka】 縫う:粗縫いする,しつけ縫いする. エコモ ワ ウカウカ=折り込んで縫え.セㇷ゚ ウㇱケ エココモ ワ ウカウカ ワ アヌ=広いほうを折り込んで縫いつけておけ.ク・コロペㇾ(ク・コㇿ オペㇾ) メノコ エ・ネ ナ ク・モウリヒ イキリ ヘチャウェ ウㇱケ ウカウカ ワ エン・コレ=孫娘よ,お前は女だから私の肌着の縫い目の綻びた所を粗縫いしてくれ.*祖母テカッテは孫娘である私の姉にこう言っていたものだった.ウカウカという言葉は,上手でなくてもいいよ,という意味を含んだ時の言葉である. (出典:萱野、方言:沙流)
ukaymimak
ウカイミマㇰ 【ukay-mimak】 八重歯. (出典:萱野、方言:沙流)
ukeske
ウケㇱケ 【u-keske】 呪い合う:相手に災いがあるように祈る.▷ウ=互い ケㇱケ=呪う ペウレ ウタㇻ ヌ ワ オカ ヤン.ウタㇱパ ウケㇱケ パㇰノ ア・シトマ ㇷ゚ イサㇺ ペ ネ ナ.イキヤクナㇰ ネノアン ヤイヌ エチ・コㇿ ナ=若い人たち聞いておけ.お互いに呪い合うほど恐ろしいことはないものだ.万が一にもそのような気持ちを持ってはならない. (出典:萱野、方言:沙流)
ukeskor
ウケㇱコㇿ 【u-kes-kor】 相続(する),受け継ぐ. オルケㇱサㇰペ アン コㇿ オラーノ ウケㇱコㇿ シコㇿ ネ ワ ネンカ ア・アㇻパレ ㇷ゚ ネ コㇿカ カーカ アシトマ イコマウコウェン ヒーカ アンペ ネ クス エタㇻカ イキ ソモ アン ペ ネ=子孫が絶えた者がいるとそれから相続すると言っては誰か身内を行かせるがそれも恐ろしいものだ.巻き添えをくうこともあるものなのでやみくもにそうするものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
ukewehomsu
ウケウェホㇺス 【u-kewe-homsu】 互いにねぎらう. ロルンペ カ タ アㇱケウコㇺ ア・エトゥリメチュー ウタㇱパ パㇰノ ウケウェホㇺス・アン ルウェ ネ=悲しい時に握り拳を前へ突き出し,お互いともに私たちはねぎらいあった.ソンノ ポロ ワッカ オッタ(オㇿ タ) チㇷ゚ エチ・オ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ) アㇷ゚ エチ・イワㇰ ウケウェホㇺス・アン ナー=本当に洪水の時にお前たちが舟に乗って私はうんと心配したがお前たちが帰って来て互いにねぎらうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukimatekka
ウキマテッカ 【u-kimatek-ka】 皆を驚かせる.▷ウ=互い キマテㇰ=驚く,騒ぐ カ=させる ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) しものあ セコㇿ ア・イェ ウナㇻペ サンペムㇽセ ワ アチャポ ウタㇻ ウナㇻペ ウタㇻ ウキマテッカ ワ ホユッパ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=私が子供の頃シモノアというおばさんがひきつけを起こしおじさんやおばさんが驚いて走ったのを私は見た記憶がある. (出典:萱野、方言:沙流)
ukirkopiwe
ウキㇼコピウェ 【u-kir-ko-piwe】 膝で相手の膝を押す:狭い所に座って相手の膝に膝をつける. (出典:萱野、方言:沙流)
ukirorpakte
ウキロㇿパㇰテ 【u-kiror-pakte】 力くらべ(する). (出典:萱野、方言:沙流)
ukirosere
ウキロセレ 【u-kir-o-se-re】 あぐら(をかいて座る). オッカヨ ア ヒ タ アナㇰネ ウキロセレ ワ ア ヒ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=男が座る時はあぐらをかいて座るのが一番いいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
uknicihi
ウㇰニチヒ 【uknicihi】 肋骨,あばら骨. (出典:萱野、方言:沙流)
uknit
ウㇰニッ 【uknit】 舟の肋,人間の肋骨.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uko
ウコ 【u-ko-】 お互いに. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoapapu
ウコアパプ 【u-ko-apapu】 互いに注意する,これからそうしてはいけません. ▷ウ=互いに コ=それ アパプ=注意される,他人から注意を受ける,諭される.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ukoapkas
ウコアㇷ゚カㇱ 【u-ko-apkas】 往来(する). オンネ・アン コㇿ ヘル ウコアㇷ゚カㇱ ポカ ケヤイオチㇱチㇱレ(ク・エヤイオチㇱチㇱレ) ク・ケマハ カ アㇻカ=年をとるとただの往来も私自身大儀になった,足も痛いし.ウウタリ アナㇰネ ネユンポカ ウサㇺオウペカレ ウタサロㇱキ サㇰノ ウコアㇷ゚カㇱ ペ ネ ナ=親戚同士はなんとかして助け合いをして対立することなく行き来するものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoasunnu
ウコアスンヌ 【u-ko-asur-nu】 互いに噂を聞く,相手の噂を聞く.▷ウ=互い コ=〜に対して アスㇽ=噂 ヌ=聞く トゥイマ コタン シペチャㇻ ウン エ・アㇻパ ウカットゥイマ ノ ネ ヤッカ ピㇼカ ナ テㇱコ ポカ エン・コレ.ウコアスンヌ ポカ ア・キ ナ=遠い村静内へお前は行く,間が遠くてもいいからことづけだけでも私にくれ.互いに噂を聞くだけでもするから. (出典:萱野、方言:沙流)
ukocaranke
ウコチャランケ 【u-ko-ca-ranke】 話し合い・相談・談判(する):お互いに思っていることを言葉として下ろし,皆に聞いてもらう.文句やいいがかりでなく話し合いをしようという意味.▷ウ=互い コ=〜に対して チャ=言葉 ランケ=下ろす ウクラン イクソ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ コタンケスン(コタンケㇱ ウン) クㇽ トゥラ ウコイキ ワ コタンケスンクㇽ ポロピロ.ウコチャランケ ユㇷ゚ケ ウトゥルン アチャポ イヤシンケ(イアシンケ) ヤㇰ ア・イェ ワ=昨夜の酒宴の席で,道路の西側のおじさんと村の下端のおじさんがけんかをして村の下端のおじさんが大怪我をした.強談判があって道の西側のおじさんが償いをしたそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukocipkuta
ウコチㇷ゚クタ 【u-ko-cip-kuta】 わざと舟をひっくり返す. ケㇱパ ケㇱパ シシㇼムカ ニㇷ゚タニ コタン タ チㇷ゚サンケ セコㇿ ア・イェ イペマラㇷ゚ト イクマラㇷ゚ト アン ペ ネ コㇿカ ネヒオロタ ウコチㇷ゚クタ カ アン.オッカイポ ウタㇻ シノッエオパ=毎年毎年沙流川二風谷村に舟おろしという食の宴,飲の宴があるが,その時にわざと舟をひっくり返すこともある.若者たちは遊び好きだ.*舟遊びの時にわざと舟をひっくり返して遊ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukociw
ウコチウ 【u-ko-ciw】 交合・性交(する). (出典:萱野、方言:沙流)
ukoeunara
ウコエウナラ 【u-ko-e-unara】 互いに取り合う.▷ウ=互い コ=それを エウナラ=やりたくない アエシノッペ ウコエウナラ・アㇱ ワ カキヒ(ク・アキヒ) ク・チㇱテ=おもちゃを取り合いして(私は)弟を泣かせた. (出典:萱野、方言:沙流)
ukohakmahakma
ウコハㇰマハㇰマ 【u-ko-hakma-hakma】 ささやきあう. ソンノ スイ アチャポ イ∃ㇱキ ワ モコㇿ ペ ネ クス イタㇰ・アン ヒ カ ウコハㇰマハㇰマ・アン ソンノ ア・エランペカマㇺ=本当にまたおじさんが酔っ払って眠ったものだからものを言うのもささやきあうのも全く不自由(気苦労)なことだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukohawpuni
ウコハウプニ 【u-ko-haw-puni】 騒ぐ.▷ウ=互いに コ=〜に対して ハウ=声 プニ=起こす (出典:萱野、方言:沙流)
ukoheraye
ウコヘライェ 【u-ko-heraye】 似ている. ウサタイㇼワㇰ ネアㇷ゚クスン エネポ エアシリ ウコヘライパ=いとこだからとてこれほどまでに似ているものか. (出典:萱野、方言:沙流)
ukohetamputampu
ウコヘタンプタンプ 【u-ko-he-tampu-tampu】 うごめく:蛆虫がうごめいている. ヘカッタㇻ シノッ シリ エネ アニ モソㇱペ ウコヘタンプタンプ シリ ネノー カネ イキ パ コㇿ シノッ パ=子供たちが遊ぶ様子と言えば蛆虫がうごめいているかのようにしながら遊んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukohonoyse
ウコホノイセ 【u-ko-honoyse】 (犬や猫が)にらみあって声を出す. ウェン セタ ウタㇻ ウウェトゥナンカㇻ コㇿ オラーノ タネ タネ ウコテㇾケ パ ペコㇿ ニルシヒ サンケ パ ウコホノイセ=悪い犬ども,行き合うと今にも今にも取っ組み合うかのように牙を出してにらみあって声を出す. (出典:萱野、方言:沙流)
ukohopi
ウコホピ 【u-ko-hopi】 別々に. (出典:萱野、方言:沙流)
ukohopire
ウコホピレ 【u-ko-hopi-re】 分かつ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoiram
ウコイラㇺ 【u-ko-iram】 一緒に行く. テエータ アナㇰネ ウコイラㇺ・アㇱ ワ ネㇷ゚キ・アㇱ ペ ネ ア コㇿカ ネㇷ゚カ エン・コヤイトゥナㇷ゚ ワ ネ ノイネ クリヒ カ ソモ ク・ヌカㇻ=ずっと前は一緒に仕事をしたものであったが何か私に不満があるらしく,影も見たことがない.イナニウン エ・アㇻパ.リトゥㇽ パㇰノ ウコイラㇺ・アン ロー=どこへ行くの.途中まで一緒に行きましょう.オッコ オッコ ポンノ エン・テレ シㇼクンネ ワ ク・イシトマ チセ ソイ パㇰノ ウコイラㇺ・アン ロー=姉さん姉さん,少し待ってくれ,暗くなって怖いから家の前まで一緒に行こう.シネンネ ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ オッコ ウタㇻ ウトゥラ カネ ヒネ エㇰ ワ ウコイラㇺ・アン=ひとりで山へ行くと思っていたら姉たちがふたりで来たので一緒に行った. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoisoytak
ウコイソイタㇰ 【u-ko-isoytak】 話し合う. メノコポ ウタㇻ ネㇷ゚ ワ アン ペ ウウォミナウシウシパ コㇿ ウコイソイタㇰ コーㇿ オカ ヒ ク・ヌ コㇿ チセ カッカリ(ク・アッカリ)=娘たちが何をしゃべっているのかお互いに笑い声をたてながら話し合っているのを私は聞きながら家の前を通り過ぎてきた. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoitak
ウコイタㇰ 【u-ko-itak】 言葉を交わす. クチャ チセ オッタ(オㇿ タ) レウシアナクス(レウシ・アン アクス) カムイ メノコ ウコイタㇰ ハウェ ア・ヌ イタククッチャマ ペケㇾ ワ オケレ.オヤチキ スㇽク トノマッ ネ アアン=狩小屋に私が泊まっていたら神の女が話をしていたのを聞いたが,話し方がとてもきれいであった,知らなかったがトリカブト姫であった.ニㇱパ ウタㇻ ラッチターラ ウコイタㇰ コーㇿ オカ メノコ ク・ネ ㇷ゚ ク・ヌ カ ケヤイランマルイェ(ク・エヤイランマルイェ) クス ク・ソイネ=偉い人たちが静かに言葉を交わしているのに女の私が聞いているのも気がひけるので出て来た. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoitaknu
ウコイタㇰヌ 【u-ko-itak-nu】 示し合わせる. ペウレクㇽ ウタㇻ ネ クス ネㇷ゚カ ソモ イェ ノ ソイネ パ コㇿカ ウコイタㇰヌ ワ オカイペ ネ クス ネプン(ネㇷ゚ フㇺ) カ ネパウ(ネㇷ゚ ハウ) カ イサㇺ=若い者たちなので何も言わずに外へ出たけれど示し合わせていたらしくなんの音もなんの声も聞こえない. (出典:萱野、方言:沙流)
ukokarkari
ウコカㇻカリ 【u-ko-kar-kari】 まとめて包む. メノコ アナㇰネ ケㇺ ヌイト エイワンケ オカケ イランマカカ シッチャㇱヌレ ワ ネㇷ゚ ネ ヤッカ ウコカㇻカリ ワ ウカオ ㇷ゚ ネ ナ=女というものは針と糸を使った後もきれいに掃除をしてなんでもまとめて包んでしまうものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukokarse
ウコカㇻセ 【u-ko-kar-se】 煮つまらない. ウコニン クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ エイタサ ウウェヘ ア ワ ウコカㇻセ=煮つまると思ったのにあまりにも煮汁が多すぎて煮つまらない. (出典:萱野、方言:沙流)
ukokauk
ウコカウㇰ 【u-ko-ka-uk】 綾取りをする. (出典:萱野、方言:沙流)
ukokewtumkor
ウコケウトゥㇺコㇿ 【u-ko-kewtum-kor】 示し合わせる(互いに心を同じにする). (出典:萱野、方言:沙流)
ukokewtumuwen
ウコケウトゥㇺウェン 【u-ko-kewtumu-wen】 仲が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
ukokomke
ウココㇺケ 【u-ko-komke】 老人がお互いに体が小さくなった. ホワーㇻ ヘㇺタレヘ オンネ ネ ワ カニ パテㇰ ソモ ネ アウン エカシ カ ウココㇺケ シリ ク・ヌカㇻ コㇿ ク・ラムチュㇷ゚テㇰ=あーあなんのこと老化であって,私ばかりではなく隣のおじいちゃんも体が小さくなっていく様子を見ると私は心細くなってきた. (出典:萱野、方言:沙流)
ukokopasrota
ウココパㇱロタ 【u-ko-ko-pasrota】 皆で悪口を言う,皆が一緒になってののしる. ▷ウ=互いに コ=それ パ=口 シㇼオタ=大地に空ける *大勢の者でひとりの人を一斉にののしること.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ukokorewen
ウココレウェン 【u-ko-kor-e-wen】 皆でいじめる,ひとりの者をよってたかっていじめる. ▷ウ=互いに コ=それ コㇿ=持つ エウェン=それは悪い(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ukokusis no
ウコクシㇱ ノ 【u-ko-kusis no】 お互いに. タンパ ネノ シㇼスㇺ ヒ タ アナㇰネ コタン エピッタ ウコクシㇱ ノ アエㇷ゚ カ イサㇺ=今年のように干ばつの時は村中お互いに食べ物もない. (出典:萱野、方言:沙流)
ukomaktekka
ウコマㇰテッカ 【u-ko-mak-tek-ka】 ともに喜ぶ:宴の喜びの場合に限る.▷ウ=互いに コ=〜に対して マㇰテッカ=開催する イペマラㇷ゚ト イクマラㇷ゚ト ア・ウコマㇰテッカ=食宴,酒宴をともに喜ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukomastekka
ウコマㇱテッカ 【u-ko-mas-tekka】 たけなわである. イペマラㇷ゚ト ウコマㇱテッカ=食の宴がたけなわである. (出典:萱野、方言:沙流)
ukomat'ewnar
ウコマッエウナㇻ 【u-ko-mat-ewnar】 女を取り合う:人間でも熊や鹿などの動物でも,ひとりの女(雌)をはさんで争うこと.▷ウ=互い コ=〜に対して マッ=女,妻 エウナㇻ=やりたくない,渡すのがいやだ (出典:萱野、方言:沙流)
ukomuy
ウコムイ 【u-komuy】 シラミを取り合う.▷ウ=互い コムイ=シラミを取る テエータ アナㇰネ キ カ ウㇽキ カ アッ ペ ネ ロㇰ クス トヨッタ(トイ オㇿ タ) チュワン オッタ(オㇿ タ) ウナㇻペ ウタㇻ ウコムイ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペ ネ ア ワ=ずうっと昔は頭のシラミも体につくシラミもたくさんいたもので,畑で昼食時におばさんたちがシラミを取り合うのを見たことがあったものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukonin
ウコニン 【u-ko-nin】 煮つまる.▷ウウェ=煮汁 コ=それに対して ニン=縮まる(ウウェコニン→ウコニン) エモ ネ ヤッカ カポチャ ネ ヤッカ ア・ハㇺネスパ ヒ タ ウコニン クニネ ア・スパ コㇿ ケラハ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ジャガイモもカボチャもゆでる時に煮つまるように煮ると味がいいものだ.ウコニン クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ エイタサ ウウェヘ ア ワ ウコカㇻセ=煮つまると思ったのにあまりにも煮汁が多すぎて煮つまらない. (出典:萱野、方言:沙流)
ukonoynoyke
ウコノイノイケ 【u-ko-noynoyke】 絡まる:ロープ等が絡まる. イヨーハイ エネ ウコノイノイケ トゥㇱ マㇰ ア・カㇻ ペ アン.ノㇱキケ ヘネ トゥイェ ワ オペㇱ ワ ヌカㇻ=あーあどうしよう,このように絡まった網をどうするものだ.真ん中ででも切ってたどって見ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukonucaktek
ウコヌチャㇰテㇰ 【u-ko-nucaktek】 楽しむ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukonupetne
ウコヌペッネ 【u-ko-nupetne】 喜び合う,互いに嬉しそうにする. (出典:萱野、方言:沙流)
ukonupur
ウコヌプㇽ 【u-ko-nupur】 交尾(する). ネイタカ タンネㇷ゚ ウコヌプㇽ コㇿ アン ヒ ア・ヌカㇻ ヤッカ ア・エシキピㇷ゚ カシウン キナハㇺ ヘネ ア・アヌ コㇿ エチ・コケウトゥㇺコㇿ ナ ネイタ パㇰノ エネプンキネ(エン・エプンキネ) アニー セコㇿ ア・イェ コㇿ ア・アッカリ コㇿ ア・エマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ=どこかで蛇が交尾しているのを見たら.見ないふりをしながら,その上へ草の葉などで被いをしながら,お前たちの味方をするので私を守ってねと言いながら通り過ぎると,それによって運がよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoomanno
ウコオマンノ 【u-ko-oman no】 たびたび. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoomoinu
ウコオモイヌ 【u-ko-o-mo-inu】 性交(する).▷ウ=互い コ=〜に対して オ=そこで モ=静か イヌ=聞く →それでお互いを静かに確かめ合う タパン イタㇰ エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ) フチ レヘ エネ アニ とぅるしの セコㇿ ア・イェ エアㇻキンネ イタㇰ マㇰクㇱテ エアㇱカイ アイヌ イタㇰ アニ ホイェ オカ タ ウコオモイヌ セコㇿ ア・イェ イタㇰ エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ) ㇷ゚ ネ ア ワ=この言葉を私に教えてくれたおばあちゃんの名は,トゥルシノというとても言葉の言い回しの上手な方,アイヌ語で猥談を語った後に性交という言葉を教えてくれたものだった.*お互いの性器の部分で静かに聞く,確かめ合う.世界中の人間がそれぞれの国の言葉で表現しているだろうが,これほど具体的かつ上品な言葉は少ないかもしれない. (出典:萱野、方言:沙流)
ukopapiroroeitak
ウコパピロロエイタㇰ 【u-ko-papiroro-e-itak】 ひそひそ話をする. ヘマンタ カ ウコパピロロエイタㇰ コㇿ オカ アㇷ゚ エウウェラムオㇱマパ ソイェンパ ワ イサㇺ=何やらひそひそ話をしていたがお互いに納得したと言わんばかりに外へ出て行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoparruy
ウコパㇻルイ 【u-ko-par-ruy】 しゃべりあう.▷ウ=互い コ=〜に対して パㇻ=口 ルイ=強い (出典:萱野、方言:沙流)
ukopayoka
ウコパヨカ 【u-ko-payoka】 往来.▷ウ=互いに コ=〜に対して パイェオカ=行く(パイェオカ→パヨカ) (出典:萱野、方言:沙流)
ukopinupinu
ウコピヌピヌ 【u-ko-pinu-pinu】 ひそひそ話(をする). イチェン コㇿ アクス リㇰタ リㇰタ インカㇻ ヘンパラ パㇰノ エネ イキ クニ コタヌン ウタㇻ ウコピヌピヌ コㇿ ア・エオヤイタㇰ コㇿ アニカ(アン ヒ カ) エランペウテㇰ ノ=少し小金を持ったからと肩で風を切って歩き,いつまであのようにできるかと村人がひそひそ話をしてあざけっているのも知らずに.ネㇷ゚ ワ アン ペ エウコピヌピヌ シリ ネ ア キサラハ エウシ カネ エウコヘトゥットゥリパ=どんなことをふたりでひそひそ話しているのか耳へ刺さるようにお互いの体を寄せ合っている. (出典:萱野、方言:沙流)
ukopopkeusi
ウコポㇷ゚ケウシ 【u-ko-popke-usi】 蛇の巣.*太い風倒木や立ったまま空洞になった樹木,あるいは岩穴のような所がそうであった.このような所へ近づいたりいたずらすると罰があたると言ってアイヌは近づかないものとしていた.▷ウ=互い コ=それ ポㇷ゚ケ=温かい ウシ=所 (出典:萱野、方言:沙流)
ukoporokke
ウコポロッケ 【u-ko-porokke】 こちゃこちゃ(だ). ソンノ イヨㇱキパ コㇿ オラーノ ネㇷ゚ イェ ハウェ ネ ヤ ウコポロッケ エタㇻカ イタㇰパ ク・ヌー カ エトランネ=全く酔っ払ってしまうとそれからは何をいっているのかこちゃこちゃめちゃくちゃにしゃべって,私は聞くのもいやになってしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
ukopoye
ウコポイェ 【u-ko-poye】 混ぜる. エ・シットキヒ ワノ アㇱケペッ パㇰノ ピㇼカノ フライェ ワ オラ サカエ カㇺタチ ウコポイェ=お前の肘から指まできれいに洗ってから酒を醸す粥とこうじを混ぜろ.コチポイェㇷ゚ ア・スパ ヒ タ アナㇰ ラッチターラ ネ ヤッカ ソモ シニ・アン ノ ア・ウコポイェ コㇿ エアシリ ソモ スケㇷ゚ ネ=粉粥を煮る時は静かにでも体まずに混ぜると初めて焦げないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukopoyke
ウコポイケ 【u-ko-poyke】 混ざる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukopoykep
ウコポイケㇷ゚ 【u-ko-poyke-p】 混ざった者,混血. メノコポ ピㇼカ ルウェー.ソモ ウコポイケ ㇷ゚ ソモ ネ ヤー=きれいな娘だなー.もしやのこと混ざった者(混血)ではないだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
ukopoykere
ウコポイケレ 【u-ko-poyke-re】 混ぜ合わせる:液体や粉状の物をかき回してひとつにする. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoputpuk
ウコプップㇰ 【u-ko-put-puk】 皆でよってたかっていじめる,1匹の犬を5匹も6匹もの犬がいじめているのと同じ様子. ▷ウ=互いに コ=それ プップㇰ=ごちゃごちゃと *ひとりの人を大勢でよってたかっていじめること.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ukopuyuise
ウコプユイセ 【u-ko-puyuise】 込み上げる,涙が込み上げる,怒りが込み上げる. ▷ウ=互いに コ=それ プユイセ=込み上げる アサンペパケ アサンペケセ ウコプユイセ=心臓の頭から心臓のしまいまで込み上げる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ukor
ウコㇿ 【u-kor】 つがう:雄と雌が交尾する,結婚する,夫婦になる.▷ウ=互いに コㇿ=持つ (出典:萱野、方言:沙流)
ukoramuosma
ウコラムオㇱマ 【uko-ramu-osma】 合意する.意気投合する,相談する.▷ウ=互いに コ=〜に対して ラムオㇱマ=納得する →互いに納得しあう. ウトゥラ エキㇺネ・アン ヒ ア・ウコラムオㇱマ=一緒に山へ行くことを合意した. (出典:萱野、方言:沙流)
ukore
ウコレ 【u-kore】 結婚させる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukorespa
ウコレㇱパ 【u-ko-respa】 いいなずけになっている,婚約させる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukosama
ウコサマ 【u-ko-sama】 比べる. ホㇱキ エ・ウㇰ シペ タㇷ゚ エ・ウㇰ シペ イナンペ ポロ ヤ ウコサマ ワ インカㇻ=先程獲ったサケと今獲ったサケとどちらが大きいか比べて見ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukosattek
ウコサッテㇰ 【u-ko-sat-tek】 互いに痩せ細る,性交のはげしいふたりが重なったまま痩せ細る. ウコサッテㇰワ ライワイサㇺ=ふたりが痩せ細って死んでしまった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ukose
ウコセ 【u-ko-se】 一緒に背負う,別々な物をひとつにまとめて背負う. ▷ウ=互いに コ=それ セ=背負う(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ukosesek 1
ウコセセㇰ 【u-ko-sesek】 ①交尾(する).▷ウ=互いに コ=〜に対して セセㇰ=あたたかい →お互いにぬくもる キㇺ タ キムンペ ネ ヤッカ ネㇷ゚ ネ ヤッカ ウコセセㇰ ワ オカ シリ ア・ヌカㇻ ヤッカ ソモ ア・ヌカㇻ ペコㇿ アナン(アン・アン) ワ ア・アッカリ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン アニー=山て熊でもなんでも交尾しているのを見ても見ないふりをして通り過ぎるものだから聞いておきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
ukosesek 2
ウコセセㇰ 【u-ko-sesek】 ②蒸れる. アマㇺ ア・チャ ワ ア・セ ワ イワカン(イワㇰ・アン) ヒ タ ナニ ソモ ア・ピサラ コㇿ ウコセセㇰ ワ ウェン ペ ネ.コㇿカ シプㇱケㇷ゚ ネノ トゥッコ レㇾコ ア・サッケ ワ ア・キㇰ ペ アナㇰネ シネ アンチカㇻ ア・アヌ ワ ウコセセㇰ コㇿ トゥイェ ニタン ペ ネ=ヒエなどを穂だけ摘み取って背負って帰って来た時にすぐに広げなければ蒸れてしまって悪いものだ.けれどもイナキビのように二日か三日乾かしてから穂から粒を落とすために(からさおで)叩くものは一晩そのまま置いて蒸れると粒が落ちやすいものだ.*この話は昭和63年アイヌ農耕実習のためにイナキビを耕作した時に青木トキさんが聞かせてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
ukosetane
ウコセタネ 【u-ko-seta-ne】 兄妹で夫婦になる.▷ウ=互いに コ=〜に対して セタ=犬 ネ=になる →互いに犬になる イヨーハイ ヘㇺタウタㇻ ウコセタネ ヤㇰ ア・イェ.ク・ヌー カ ク・イェー カ エチャッケ オルㇱペ=まああきれた,あの者たちが兄妹で犬になったそうだ.聞くのも言うのも汚ない話だ.*アイヌ社会では親子や兄妹でそのような噂だけでもあってはならないこととされる.万が一にもそのような噂が立ったとしたらあの者たちは犬になったと言って最も軽蔑されるという. (出典:萱野、方言:沙流)
ukositne
ウコシッネ 【u-ko-sit-ne】 絡まる:団子状に絡まる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukosiutur'uiruke
ウコシウトゥㇽウイルケ 【u-ko-si-utur-uiruke】 はじき出す:退け者にする,じゃま者をはじき出す. シケサㇻペ アナㇰネ ア・ウコシウトゥルウイルケ コㇿ ポーヘネ ウェン ナ.タㇰ ワ エㇰ ヤン.ア・オプンプニ ワ ネㇷ゚カ ア・カレ クㇱネ ナ=ならず者は皆ではじき出すとなおさら悪いものだ,呼んで来なさい.おだてて何かやらせようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotacitaci
ウコタチタチ 【u-ko-taci-taci】 混ぜる,混ぜこぜにする. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotaktakse
ウコタㇰタㇰセ 【u-ko-tak-tak-se】 固まる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotamke
ウコタㇺケ 【u-ko-tamke】 あわせて.▷ウ=互いに コ=に対して タㇺケ=あわせる テエタ エチ・エソウㇰテ イチェン タント エチ・エソウㇰテ ㇷ゚ ウコタㇺケ 1万円 ネ ナー=以前あなたに貸した金,今日貸したものとあわせて1万円だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotanastanas
ウコタナㇱタナㇱ 【u-ko-tanas-tanas】 でこぼこの,あちこちでっぱっている. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotaratarak
ウコタラタラㇰ 【u-ko-taratarak】 でこぼこの. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoterke
ウコテㇾケ 【u-ko-terke】 取っ組み合う,つかみあい(をする),相撲(をする).▷ウ=互いに コ=〜に対して テㇾケ=跳ぶ マラㇷ゚ト オカ タ ラッチターラ ウウェネウサㇻパ コㇿ オカ アㇷ゚ ネクスネヤ ウパウレ コㇿ オカ アㇷ゚ シネン マッコサンパ ウコテㇾケ パ.ソンノ チカッポ パㇰノ ク・ヤイヌ ク・ライシチュププ=宴の後に静かに四方山話をしていたのにどうしてか激しい言い合いになった.ひとりがさっと立ち上がり取っ組み合いになった.私は本当にスズメくらいの心になって身を縮めていた. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoterkeukoyki
ウコテㇾケウコイキ 【u-ko-terke ukoyki】 取っ組み合いのけんか(をする). (出典:萱野、方言:沙流)
ukotom
ウコトㇺ 【u-kotom】 似合う. フーン エチ・ウコトㇺ ルウェー トゥナㇱノ ピㇼカ ポンペ エチ・ヤイコサンケ ヒ ク・ヌカㇻ ワ ケヤイコプンテㇰ ルスイ ナ アニー=まあお前たちの似合うことよ,早くかわいい赤ちゃんをふたりの間で産んだのを私は見て喜びたいからね. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotoyse
ウコトイセ 【u-ko-toyse】 集まる,(虫などが)たかる. オッコ オッコ ソイネ ワ インカㇻ.トオㇷ゚ ペッ イクㇱ タ パㇱクㇽ ウコトイセ ワ オカ.ネㇷ゚カ ライチェピヒ アン ワ ソモ ネ ウン=姉さん姉さん,外へ出て見て.ずうっと川の向こうで烏が集まっている.何かの死体があるのではないだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotukka
ウコトゥッカ 【u-kotuk-ka】 くっつける,接(つ)ぐ. ホワーア マㇰ ク・イキ ヤㇰ ピㇼカ オカー.ピㇼカ トゥキヌㇺ ク・ハチレ ワ ク・ペㇾパ.マㇰ ア・イェ ハウェ ウンコトゥㇰ アニ ウコトゥッカ ワ インカㇻ=あーあ困った,どうしたらいいだろう.よい杯の上の部分を私は落として割ってしまった,どうにも言いようもない(しかたがない),松やにでくっつけておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotumikor
ウコトゥミコㇿ 【u-ko-tumi-kor】 戦争する. シサㇺ アナㇰネ トゥミ エラマㇱパ ㇷ゚ ネ ハウ ソモ ネ ウン.スイ アトゥイ イクㇱタ ウコトゥミコㇿ パ ヤㇰ ア・イェ.ク・イシトマ=和人というのは戦争が好きな人たちではないのかな.またしても海の向こうで戦争を始めたそうだ.私は恐ろしい.*昭和12年,日本の中国に対する侵略戦争の噂を聞き隣の貝澤オロアッノというおばさんがそう言っていた記憶がある. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotus'etaye
ウコトゥシエタイェ 【u-ko-tus-etaye】 綱引き(する).▷ウ=互い コ=〜に対して トゥㇱ=綱 エタイェ=引っぱる イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) メノコ オッカヨ ウコトゥㇱエタイェ メノコ アマケタロ コㇿ イマカケ タ オッカヨ カムイ ア・ウㇰ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊送りの時に男と女が綱引きをして女が負けると,次に牡熊が獲れるそうだよ.イヨマンテ オッタ ヘペㇾトゥㇱ ア・ピタ オカケヘ タ ネ トゥㇱ アニ ウコトゥㇱエタイェ・アン ペ ネ=熊送りの時に熊を繋いだ綱をほどいた後にその綱で綱引きをするものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukouk
ウコウㇰ 【u-ko-uk】 歌を次から次と取る,輪唱する. (出典:萱野、方言:沙流)
ukouk'upopo
ウコウㇰウポポ 【u-ko-uk-upopo】 輪唱:合唱する人々が何人かに分れて同じ旋律を数小節の間をおき追いかけるようにうたう合唱.▷ウ=互いに コ=〜に対して ウㇰ=取る ウポポ=歌 (出典:萱野、方言:沙流)
ukousaraye
ウコウサライェ 【u-ko-usaraye】 分かち合う. タンペ ネノ ケㇺアン ヒ タ アナㇰネ アエㇷ゚ アン パㇰノ ア・ウコウサライェ ワ ア・エ ㇷ゚ ネ ナ=このように飢饉の時には食べ物はあるだけをお互いに分け合って食べるものだよ.タンパ アナㇰネ シリㇼスㇺ ポオン アエㇷ゚ カ ウコウサライェ ワ ア・エ エアシㇼ キ ㇷ゚ ネ ナ.アエㇷ゚ オトゥペカレ ヤン アニー=今年は不作(干ばつ)で少しの食べ物をも分かち合って食べなければならないのだよ.食べ物を経済(節約)して食べなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoutur/ukouturu(ke)
ウコウトゥㇽ/ウコウトゥル(ケ) 【uko-utur/-uturu(ke)】 間,境. ポロチセ ポンチセ ウコウトゥルケ タ シプㇱケㇷ゚ ケトイタ(ク・エトイタ) ルスイ コㇿカ ピㇼカ ヤー=大きい家と小さい家の間へイナキビを私は蒔きたいが,いいかい.トイウコウトゥル=畑と畑の間.チセウコウトゥル=家と家との間. (出典:萱野、方言:沙流)
ukowensampekor
ウコウェンサンペコㇿ 【u-ko-wen-sampe-kor】 仲が悪い.▷ウ=互い コ=〜に対して ウェン=悪い サンペ=心臓,心,精神 コㇿ=持つ ソンーノ ウウタリネ ペ オラーノ ウコウェンサンペコㇿ パ アヌン アナㇰネ トモオイタㇰ カ エアイカㇷ゚=本当に親戚なのに仲が悪いものだ,他人には仲直りさせることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoyantone
ウコヤントネ 【u-ko-yanto-ne】 同宿(する). タネ シㇼクンネ エハンケ カ キ ナ タヌクラン テタ ムネウカオマㇷ゚ ヘネ ア・カㇻ ワ ウコヤントネ・アン ロー=すでに日暮れも近いので今夜はここで草のおがみ小屋でも作って同宿しようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoyayapapu
ウコヤヤパプ 【u-ko-yayapapu】 仲直りする. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoyayrenkapa
ウコヤイレンカパ 【u-ko-yay-renkapa】 相ともに喜ぶ,皆で喜んでいる. ▷ウ=互いに コ=それ ヤイレンカ=喜び パ=それら,大勢,皆で(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ukoyaysampepokas
ウコヤイサンペポカㇱ 【u-ko-yay-sampe-pokas】 あーあいやになっちゃった.▷ウ=互い コ=それに ヤイ=自身の サンペ=心臓 ポカㇱ=醜い (出典:萱野、方言:沙流)
ukoyki
ウコイキ 【u-koyki】 けんか(する). パㇻ アニ アナㇰネ ウトゥイェ パㇰノ ウライケ パㇰノ ウコイキ・アン ヤッカ イテキ ウキㇰ・アン ペ ネ ナ=口では互いを斬るほどに互いを殺すほどにけんかしても殴り合いはするものではない.ウクラン イクソ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ コタンケスン(コタンケㇱ ウン) クㇽ トゥラ ウコイキ ワ コタンケスンクㇽ ポロピロ.ウコチャランケ ユㇷ゚ケ ウトゥルン アチャポ イヤシンケ(イアシンケ) ヤㇰ ア・イェ ワ=昨夜の酒宴の席で,道路の西側のおじさんと村の下端のおじさんがけんかをして村の下端のおじさんが大怪我をした.強談判があって道の西側のおじさんが償いをしたそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoyomyomi
ウコヨㇺヨミ 【u-ko-yom-yomi】 しわくちゃになる,しわがよる. ホッノ イヨーハイ.ク・ナヌフ カンカミ オルン ク・ヌカㇻ コㇿ ウコヨㇺヨミ ヒ ク・ヌカㇻ ケヤイシトマ(ク・エヤイシトマ)=まあまあいやになっちゃう.自分の顔を鏡で見るとしわになっていて恥ずかしい.*しわになるという言葉は貝澤はぎさんに教えてもらったものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
ukpeesiryakaka
ウㇰペエシㇼヤカカ 【uk-pe-e-sir-yakaka】 荒っぽく扱う:ひとりで腹を立て,取る物を荒っぽい扱いをする,つんけんする.▷ウㇰ=取る ペ=物 エ=それで シㇼ=あたり ヤカカ=指す ネㇷ゚ ワ アン ペ エ・エサッチュー ワ ネ ヤ ウㇰペエシㇼヤカカ コㇿ アナㇷ゚ ネㇷ゚カ ソモ イェ ノ オパタプルㇽケ コㇿ チソイェカッタ ワ イサㇺ=何が気にさわったのか手に取った物を荒っぽく扱っていたのに何も言わずにかなり怒った様子をしながらさっと外へ出て行ってしまって. (出典:萱野、方言:沙流)
ukpetekehayta
ウㇰペテケハイタ 【uk-pe tek-e-hayta】 取るものも取りあえず:手に取った物をも落としながらしたくする大急ぎの様子.▷ウㇰ=取る ペ=物 テㇰ=手 エ=それで ハイタ=足りない アウン ウナㇻペ ピラトゥルン(ピラトゥㇽ ウン) エン・シレン イモンタピレ ㇷ゚ ネ クス クㇰ(ク・ウㇰ) ペ ク・テケハイタ コㇿ ケㇰ(ク・エㇰ) ルウェ ウン=隣のおばさんが平取へ私を誘い急がせるものだから取るものも取りあえず来たのだよ.ナー クンネイワイペ カ ソモ ノ アン ウㇱケ ウン アㇻパ・アン カルスㇰ(カルㇱ ウㇰ) クス ク・シレン アクス ウㇰペテケハイタ コㇿ ヤイェトコイキ=まだ朝飯を食べていないところへ私は行ってキノコ取りに行こうと誘うと取るものもとりあえず自分のしたくをしはじめた. (出典:萱野、方言:沙流)
ukte
ウㇰテ 【uk-te】 取らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
ukuran
ウクラン 【ukuran】 昨夜,昨晩,ゆうべ:昨日寝てから今朝起きるまで. ト ト ヌカㇻ ウクラン ソモ モコㇿ ペ ネ クス アヘスイェ コㇿ アン=あれあれ見なさい,昨夜眠っていないものだから居眠りしている.フチ エ・ヌー ホㇱキ ウクラン カ ウクラン カ ウウェペケㇾ ソモ エ・イェ ア ナ タヌクラン イェ ワ エン・ヌレ=おばあちゃん聞こえるかい,一昨日の夜も昨晩も昔話を言わなかったので今晩は言って聞かせてや. (出典:萱野、方言:沙流)
ukuripe
ウクリペ 【ukuripe】 ヤツメウナギ. ネイタカ パトゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ ヒ ア・ヌ コㇿ ウクリペ ア・ウㇰ ワ アパ オッタ(オㇿ タ) プヤㇻ オッタ ア・エウシ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ ソモ ヘノイェ ㇷ゚ ネ=どこかで流行病が蔓延したと聞いたらヤツメウナギを獲って来て戸とか窓に差しておくと病気の神がよらないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukusis
ウクシㇱ 【u-kusis】 発酵(する). ポㇷ゚ケノ ア・イミレ クスケライポ トゥナシノ ウクシㇱ.マラㇷ゚ト アン エトホ パㇰノ サケ ピㇼカ ナンコㇿ=暖かく着せたお陰で早く発酵した.宴の日までにいい酒になるであろう.*夏は別にして冬にどぶろくを醸す場合は酒桶を暖かく包まなければ発酵しないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
umake
ウマケ 【umake】 ほごれる. オンタロ ウマケ=樽がほごれた. (出典:萱野、方言:沙流)
umamaanpesomone
ウママアンペソモネ 【umamaanpe somo ne】 普通の者ではない:普通の者ではかなわんであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
umamki
ウマㇺキ 【umamki】 梁(はり). (出典:萱野、方言:沙流)
umatakikor
ウマタキコㇿ 【u-mataki-kor】 女きょうだいである:妹と姉. (出典:萱野、方言:沙流)
umatapakor
ウマタパコㇿ 【u-matapakor】 女きょうだいである:妹と兄. (出典:萱野、方言:沙流)
umatnepokor
ウマッネポコㇿ 【u-matnepo-kor】 親子である. (出典:萱野、方言:沙流)
umatnepokorutar
ウマッネポコルタㇻ 【u-matnepo-kor utar】 親子:親と娘. (出典:萱野、方言:沙流)
umay
ウマイ 【umay】 菓子. アウン ポンペ ウマイ ク・コレ クナㇰ ク・イェ アクス エシカリ ワ ホユプ ワ アㇻパ=隣の子供に菓子をやるよと言ったらわしづかみにして走って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
umikekane
ウミケカネ 【umi-kekane】 まばゆいほどの光,ぴかっと光っている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
umma
ウンマ 【umma】 馬. ピㇼカ ワ オケレ ムイ ネ アㇷ゚ ウンマ オテㇾケ ワ ア・コネレ ワ イサㇺ=よい箕のであったのに,馬が踏んで潰されてしまった.ルウェ トゥㇱ ネ コㇿカ タネ フㇱコ ㇷ゚ ネ クス トゥイ ワ ウンマ キラ ワ イサㇺ.トゥㇱ ウウォウシ ワ アヌ=太い綱であるがもう古いので切れて馬が逃げてしまった.綱を繋いでおけ.*このようなことは昭和30年代までしばしばあった話で,物置の中へ放れ馬が入り込み,物を壊しても馬の持ち主には責任がなくて,物置の防備を怠った者が悪いとされた.昭和30年代前半頃までは部落会の申し合わせによって12月1日から3月いっぱいまでは馬を自由に村の中へ放牧してもよいことになっていた. (出典:萱野、方言:沙流)
ummaika
ウンマイカ 【umma-ika】 馬から落ちる. (出典:萱野、方言:沙流)
ummakitci
ウンマキッチ 【umma-kitci】 馬の餌を入れる容器. (出典:萱野、方言:沙流)
ummaotek
ウンマオテㇰ 【umma-o-tek】 馬に乗る. アチャポ ソンノ サケエラムリテン ペ ネ クス ポンノ イク コㇿ ホノイシノッチャキ コーㇿ ウンマオテッ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=おじさんは本当に酒を飲むと嬉しくなるものだから,少し飲んだだけで微かに歌を口ずさみながら,馬に乗って行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
umomare
ウモマレ 【umomare】 集める:主として小さい物,指先か片手でさっと取れる物を集める場合. アントゥキ トイ オッタ アントゥキ ケプㇱペ ポロンノ ハチㇼ ワ アン イカラㇱ ナ ウモマレ ワ エㇰ=小豆畑に小豆のさやがたくさん落ちていてもったいないから集めてこい.タン マタネ シノ ルイ レラ アン ヒ タ アッケテㇰ ポロンノ コイヤンケ カニ カ カㇻパ(ク・アㇻパ) ヒネ クモマレ(ク・ウモマレ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ヒネ ケアケア(ク・エ ア ク・エ ア)=今年の冬,大時化の後にホタテガイがたくさん波で打ち上げられ,私も行って拾い集めてきて食べた食べた.→ウウェカリレ (出典:萱野、方言:沙流)
umsu
ウㇺス 【umsu】 蓄える. (出典:萱野、方言:沙流)
umsupirkep
ウㇺスピㇼケㇷ゚ 【umsu-pirke-p】 蓄えてあった精白した穀物. (出典:萱野、方言:沙流)
umuraypa
ウムライパ 【u muraypa】 挨拶(お互いの相手の頭や背中を撫でながら).*弔問に行きお互いの背中へ手を回し悔やみを言い,あるいは泣く.昭和30年代まではこの風習があった.▷ウ=互い ムライパ=抱き合う (出典:萱野、方言:沙流)
umurek
ウムレㇰ 【umurek】 夫婦. タㇷ゚ ウフナㇰ ウトㇺヌカㇻ パ ペウレ ウムレㇰ アン コㇿ オラーノ ウクラン マケタマケタネ シコㇿ カネ エヤイプニ パ ミナ ロㇰ ミナ ロㇰ=この頃結婚したばかりの若夫婦がいると,昨夜はどうしてこうしてとからかって笑って笑って.図[ウムレㇰ] (出典:萱野、方言:沙流)
umurek ukoyki
ウムレㇰ ウコイキ 【umurek ukoyki】 夫婦げんか(をする). ヘマンタ オモト ネ ワ スイ ウムレㇰウコイキ.イマチネㇷ゚ パタチンネ ワ エネ ア・カリー(ア・カㇻ ヒ) カ イサㇺ=何が原因なのか,またしても夫婦げんか.妻のほうがとりみだし手もつけられない. (出典:萱野、方言:沙流)
umurek utar
ウムレㇰ ウタㇻ 【umurek utar】 夫婦. (出典:萱野、方言:沙流)
umusa
ウムサ 【umusa】 抱き合って泣く,抱擁:弔問に行き,死者を安置してある側で抱き合って泣くこと. (出典:萱野、方言:沙流)
umusa
ウムサ 【umusa】 (挨拶のやり方):座って相手の肩の上へ自分のあごを乗せ,両手を双方ともに背中へ回し,手のひらで軽く撫でたり叩いたりする.親愛の情の表現.ウムライパとは全く違う. (出典:萱野、方言:沙流)
un
ウン 【un】 所,〜に,〜の,〜ヘ,〜まで. (出典:萱野、方言:沙流)
un 1
ウン 【un】 ①住む,ある,いる. (出典:萱野、方言:沙流)
un 2
ウン 【un】 ②入れる (出典:萱野、方言:沙流)
un=kotuk
ウンコトゥク 【un=kotuk】 松ヤニ,糊:松ヤニとホッチャリの皮を噛んで用いた.▷ウン=私たちに コトゥク=くっつく ホワーア マㇰ ク・イキ ヤㇰ ピㇼカ オカー.ピㇼカ トゥキヌㇺ ク・ハチレ ワ ク・ペㇾパ.マㇰ ア・イェ ハウェ.ウンコトゥク アニ ウコトゥッカ ワ インカㇻ=あーあ困った,どうしたらいいだろう.よい杯の上の部分を私は落として割ってしまった.どうにも言いようもない(=しかたがない).松ヤニでくっつけておけ.*松ヤニはルㇺ(矢尻)に毒を塗る時に接着剤として使う. (出典:萱野、方言:沙流)
un=kotukranke
ウンコトゥㇰランケ 【un=kotuk-ranke】 松ヤニ下ろし:赤ちゃんが生まれて最初のうんちは黒い松ヤニのような色をしていて,これをウンコトゥㇰランケと言う.このうんちが出ると,イコインカㇻクㇽ(産婆さん)も家族も安心する.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
un=memke
ウンメムケ 【un=memke】 熊の頭の化粧:イヨマンテ(熊送り)の夜中に,熊の頭骨の鼻の毛と耳の毛を残して脳漿を取り出し,その後へ麹を詰め,舌を取ってその代わりに笹の葉を1枚入れて,イナウでくるむこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
un=pirma
ウンピㇼマ 【un=pirma】 (私に)こっそり知らせる.そっと教える. (出典:萱野、方言:沙流)
un=tere
ウンテレ 【un=tere】 待ち合わせる. ウコイラㇺ・アン クナㇰ ク・ラム ワ ウン・テレ ワ カナ(ク・アン ア) コㇿカ エㇰモイレ クス ホㇱキ カㇻパ(ク・アㇻパ)=一緒に行こうと思って待ち合わせていたが,来るのが遅いから私は先に行く. (出典:萱野、方言:沙流)
una
ウナ 【una】 埋める:囲炉裏の火を埋めるという時にのみ使う.他のものを埋める時にはウナとは言わない. アペウナ・アン ヒ タ アナㇰネ シネンネ ア・ウナ ㇷ゚ ネ.トゥン ア・ネ ワ アペウナ・アン コㇿ シネン エトイ シネン ヤイカオクイマ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン=火を埋める時には,ひとりで埋めるものだ.ふたりで火を埋めると,ひとりははげ頭になりひとりは寝小便たれになるものなので,聞いておきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
una
ウナ 【una】 灰,木灰. ネㇷ゚カ ウェンカムイ チセ オルン アフン ノイネ キ コㇿ ア・コウナケ ウェンカムイ ネ ヤクン キラ フ ソイネ.ウェンカムイ ソモ ネ ヤクン ウナ タサ アフン ペ ネ=何か得体の知れない悪い神が家へ入りそうにしたら,それに向かって木灰をかけると悪い神なら逃げて出る,悪い神でなければ木灰に向かって入って来るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
unake
ウナケ 【una-ke】 灰をかける. (出典:萱野、方言:沙流)
unarpe
ウナㇻペ 【unarpe】 おばさん(他人),伯母,叔母. アㇻパ ワ エ・ウナㇻペヘ タㇰ ワ エㇰ.シㇼクンネ ナ アペケㇱ ヘネ コㇿ ワ アㇻパ=行ってお前の伯母を呼んで来い.暗いので薪の燃えさしなどを持って行け.*昭和10年頃,父がサケを獲って来ると伯母ウモシマテッを呼びにこのような言い方で使いに行かされた. (出典:萱野、方言:沙流)
uneno
ウネノ 【u-ne-no】 似て,同じ. ソンノ エ・サハ トゥラ ウネノ エチ・オカイ ペ ネ クス シネン ランケ エチ・ヌカㇻ コㇿ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=本当にお前の姉と似ているものだからひとりずつ見ると私はわからなくなる. (出典:萱野、方言:沙流)
unenoan
ウネノアン 【u-ne-no an】 同じである. ウネノ アン ペコㇿ ク・ヤイヌ クス ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アㇷ゚ オヤチキ ウオヤㇷ゚ ネ アアン ワ シリキ ヒ カ ウウェシンナイノアン=同じ物のように思ったので持って来たのに,知らなかったが違うものであった,模様も別々であった. (出典:萱野、方言:沙流)
unenooka
ウネノオカ 【u-ne-no oka】 似ている. (出典:萱野、方言:沙流)
unew
ウネウ 【unew】 オットセイ. (出典:萱野、方言:沙流)
uni/uni(hi)
ウニ/ウニ(ヒ) 【uni/uni(hi)】 家. タヌクラン エカシ エアㇻキンネ ラムリテン ワ イク アイーネ ウェニヨㇱキ ナ ウニ パㇰノ ルラ ワ アㇻパ=今夜はおじいさんが上機嫌で飲んで酔いすぎたから家まで送って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
unisapka
ウニサㇷ゚カ 【u-nisap-ka】 急死する〔隠語〕. (出典:萱野、方言:沙流)
uniwente
ウニウェンテ 【u-niwen-te】 儀式的行進(をする):火事とか水死人のあった時,対面して挨拶をする,神々に注意を促す行進(をする). ナー ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) クオピラ タ コナハ(ク・オナハ) コㇿ ウサタイリワㇰ とまあっの セコㇿ レヘ アン ウナㇻペ ホクフ ペトッタ(ペッ オㇿ タ) イサㇺ オロ タ アン ウニウェンテ ク・ヌカㇻ=まだ小さい時に小平(平取本町と二風谷の間の村)で私(父のいとこ)の,トマアッノというおばさんの夫が川で溺れて亡くなり,そこであった神々に注意を促す行進を私は見た.*昭和10年前後のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
unkeray
ウンケライ 【unkeray】 貰う. (出典:萱野、方言:沙流)
unno
ウンノ 【un no】 〜まで. (出典:萱野、方言:沙流)
untak
ウンタㇰ 【un-tak】 招待する. (出典:萱野、方言:沙流)
unterewasirkopeker
ウンテレワシㇼコペケㇾ 【un-tere wa sir-ko-peker】 待ち明かす:人が来るのを一晩中待って夜を明かす. (出典:萱野、方言:沙流)
unu/unu(hu)
ウヌ/ウヌ(フ) 【unu/unu(hu)】 母,母親. (出典:萱野、方言:沙流)
unukar
ウヌカㇻ 【u-nukar】 顔を合わせる,会う. タネポ エチ・ウヌカㇻ ペコㇿ ク・ヤイヌ ア コㇿカ ヘンパラ ワノ エチ・ウアㇺキㇼ ワ エチ・オカ ヒ アン=今初めてお前たちが顔を合わせるような気がしだがいつから顔見知りになっていたのだ? (出典:萱野、方言:沙流)
ununiununi
ウヌニウヌニ 【ununi-ununi】 大儀そうにする.ためらう. エシㇼ ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) クス ク・シレン アクス ウヌニウヌニ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) オヤチキ オㇺケカㇻ ワ ネ アアン ハウェー=今朝山へ行くのに私が誘っても大儀そうにしていたが,知らなかったが,風邪をひいていたのだったか.イヨッカヨ(イオッカヨ) ネ ヒケ ウヌニウヌニ コㇿ アン ペ オラーウン ネユンネユン イェ パ ワ メノコ コタㇺタマ シコㇿ ク・イヌ ア ワー=男のほうはためらっていたのに,その後でいろいろ言って女を押しつけたと私は聞いたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ununuke
ウヌヌケ 【u-nunuke】 親孝行(する). ウヌヌケ パㇰノ ア・エラヤㇷ゚ ペ イサㇺ ペ ウトゥルン メノコポ ウヌヌケ シリ!=孝行ほど感心されることはないものだが,西隣の娘の親孝行なこと! (出典:萱野、方言:沙流)
ununukesampe
ウヌヌケサンペ 【ununuke-sampe】 孝養心. (出典:萱野、方言:沙流)
unununuke
ウヌヌヌケ 【unu-nunuke】 母孝行. (出典:萱野、方言:沙流)
unuokpare
ウヌオㇰパレ 【unu-okpare】 母不孝. (出典:萱野、方言:沙流)
unupure
ウヌプレ 【u-nupure】 交尾する. キㇺ タ ネㇷ゚カ ウヌプレ コㇿ オカ ヤッカ ソモ ア・ヌカㇻー ペコㇿ アナン(アン・アン) ワ ア・アッカリ ㇷ゚ ネ ナ アニー=山で何かが交尾していても見ないふりをして通り過ぎるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
unuwapte
ウヌワㇷ゚テ 【u-nuwap-te】 お産(をする). エ・ヌ アー ウクラン コタンケㇱ タ ウヌワㇷ゚テ アン ヤㇰ ア・イェ ㇷ゚ ウェンヌワㇷ゚ ネヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ) ク・イケㇺヌ=聞いたかい,昨晩村の下端でお産があったそうだが死産だったそうなので哀れに思った.ウヌワㇷ゚テ・アン ヒ タ アナㇰネ ウサルンカムイ セコㇿ ア・イェ ワ アペ ウサッタ(ウサㇻ タ) ポン アペ ア・アリ ワ ヌワㇷ゚ テㇰサㇺ ア・コプンキネレ ㇷ゚ ネ=お産の時には下座の神といって火の下座に小さい火を燃やしお産を見守る神とするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
uokkanekut
ウオッカネクッ 【u-ok-kane-kut】 鎖[ユ].▷ウ=互い オㇰ=入る,ひっかかる カネ=金 クッ=帯 (出典:萱野、方言:沙流)
uokpare
ウオㇰパレ 【u-okpare】 親不孝. ウヌオㇰパレ=母不孝.オナオㇰパレ=父不孝.パㇰノ ア・ヌエウュンペ ウオㇰパレ ネ ㇷ゚ ヘㇺタウタㇻ ウオㇰパレ パ ヒ ク・ヌ ケヤイサッチャンペネ(ク・エヤイサッチャンペネ)=これぐらい聞きづらいことは他にないのが親不孝なのに,あの者たちが親不孝をしていると聞いて私はすっかり気分を悪くした. (出典:萱野、方言:沙流)
uoma
ウォマ 【u-oma】 揃う. オホンノ クチャチセ オハシㇼ ネ ワ アン ソネウン ク ヘネ アイ ヘネ ウオマ ノ アン ルウェヘ アン=しばらくの間狩小屋を空き家にしていたが,まちがいなく弓や矢が揃っているのだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
uomarpare
ウオマㇻパレ 【u-omarpa-re】 集める. ホクレ ホクレ タヌㇱケタ(タン ウㇱケ タ) タヌクラン レウシ・アン ナ ネッ ポロンノ ウオマㇻパレ テウン ルラ ヤン.ポロアペ ア・アリ ナ=さあ早く早く,この場所で今晩泊まるので流木をたくさん集めてここへ運びなさい.大きい火を焚くことにするから. (出典:萱野、方言:沙流)
uonnere
ウオンネレ 【u-onne-re】 知っておく,覚えておく. ク・イェ イタㇰ ウオンネレ=私の言う言葉を覚えておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
uoptespare
ウオㇷ゚テㇱパレ 【u-op-tespare】 互いに槍を摺り合わせる. ▷ウ=互いに オㇷ゚=槍 テㇱパレ=摺り合わせる *ユカㇻの一場面,お互いの無事を喜び槍の穂先を摺り合わせる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uoputuypa
ウオプトゥイパ 【u-oputuypa】 押し合う. ペッパルㇽ トㇱカ カ タ ヘカッタㇻ ウオプトゥイパ コㇿ ク・ハㇰマハㇰマ ク・ライパㇱロタ ヤッカ ヌ シリー カ イサㇺパ=川の縁の一段高い所で子供たちが押し合いへしあいしている,それを見て私は冷や冷やして高い声で怒っても(子供たちは)聞いた様子もない. (出典:萱野、方言:沙流)
uos'uos
ウオㇱウオㇱ 【u-os u-os】 次々.▷ウ=互い オㇱ=後から ウオㇱウオㇱ アイヌ エㇰ=次から次と人が来た.タント ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) ニセンピッタ(ニセンピㇼ タ) ク・ヨコ ワ カナクス(ク・アン アクス) モマンペ ネ ヤ アㇷ゚カ ネ ヤ ウオㇱウオㇱ サン ペ ネ クス ポロンノ スマウェヘ ク・コㇿ=今日山へ行って木の陰に待ち構えていると雌鹿や雄鹿が次から次と出て来たのでたくさんの猟があった. (出典:萱野、方言:沙流)
uosikkote
ウオシッコテ 【u-o-sik-kote】 恋(する).▷ウ=互い オ=そこで シㇰ=目 コテ=つなぐ =ウウォシッコテ ペウレクㇽ ウタㇻ ウオシッコテ パ ワ ネ ノイネ ネユン ポーカ ウサㇺエアㇷ゚カㇱ パ=若者たちは恋心があってるらしくてなんとかかんとか一緒に歩こうとしている. (出典:萱野、方言:沙流)
uosurpa
ウオスㇽパ 【u-osurpa】 離婚(する).▷ウ=互いに オスㇽパ=捨てる (出典:萱野、方言:沙流)
uoyap
ウオヤㇷ゚ 【u-oya-p】 違うもの. ウネノ アン ペコㇿ ク・ヤイヌ クス ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アㇷ゚ オヤチキ ウオヤㇷ゚ ネ アアン ワ シリキ ヒ カ ウウェシンナイノアン=同じ物のように思ったので持って来たのに,知らなかったが違うものであった,模様も別々であった. (出典:萱野、方言:沙流)
up/upi(hi)
ウㇷ゚/ウピ(ヒ) 【up/upi(hi)】 白子:雄の魚の腹の中にある乳白色の精子のかたまり. シペ ウピヒ カカウェヘ ア・コタタ ワ チタタㇷ゚ ア・カㇻ ペ ネ=サケの白子と氷頭(頭の軟骨)を一緒に切り刻んでぬたを作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
upakitara
ウパキタラ 【upakitara】 変わりなく,今までと同じように. ウパキタラ エチ・オカ ヤー=変わりなくお前たちいたかい?エチ・ウウェラナㇰ ヤㇰ ア・イェ ヒ ク・ヌ ヒケカ ク・ホタヌ ポカ ク・ヤイェシンニューケㇱ ウパキタラ エチ・オカ ヤー=お前たち,病人がいて大変なことを聞いていながら見舞いにも行かずに私はからっぽやんでいたが,変わりなくしていたかい?ウパキターラ エチ・オカ ヤー.チョカ カ イワンケ ノ オカ・アㇱ=変わりなくお前たちはいたかい,私たちも元気でいたよ.エカシ オンネ ルスイ ワ ヘ エ・カシフイェ コㇿ エ・アン ヤㇰ ク・イヌ ソネ ウパキタラ エチ・オカ ヤー=おじいさんが死に近いのか,お前が看病していたと聞いたが,変わりなくいたかい. (出典:萱野、方言:沙流)
upakno
ウパㇰノ 【u-pak-no】 同じ(数量等). (出典:萱野、方言:沙流)
upaknouneno
ウパㇰノウネノ 【u-pak-no u-ne-no】 同じように. (出典:萱野、方言:沙流)
upakserke
ウパㇰセㇾケ 【u-pak-serke】 半分(に). エシㇼ イユタㇷ゚ オロ ワ ピヤパ ピㇼケㇷ゚ ク・ヤンケ ワ セモッタ(セㇺ オㇿ タ) アン ナ チョンパ アニ パカリ ワ ウパㇰセㇾケ コㇿ ワ アㇻパ=朝,私がパッタリからヒエの精白を上げて入り口の所にあるので,升で量って半分持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
upakte
ウパㇰテ 【u-pak-te】 比べる,比較する. チセカㇻ・アン ヒ タ アナㇰネ チセニ ピㇼカ ノ ア・ウパㇰテ ワ ア・ヌカㇻ ペ ネ ナ=家を建てる時は家材をよく比べて見るものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
upar
ウパㇻ 【upar】 煤(すす). (出典:萱野、方言:沙流)
upar'us
ウパㇻウㇱ 【upar-us】 煤(すす)ける. (出典:萱野、方言:沙流)
upas
ウパㇱ 【upas】 雪.▷ウ=互い パㇱ=走る.*雪は天からアイヌの村に競争して遊びに来ると考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
upas as
ウパㇱ アㇱ 【upas as】 雪が降る. (出典:萱野、方言:沙流)
upas esitturaynu
ウパㇱ エシットゥライヌ 【upas-e-sir-turaynu】 雪のために道に迷う. ▷ウパㇱ=雪 エ=それ シッ(シリ)=あたり,その近く トゥライヌ=見つけられない,分からない(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
upascironnup
ウパㇱチロンヌㇷ゚ 【upas-cironnup】 白狐.*見ただけで幸せになると信じられていた. (出典:萱野、方言:沙流)
upashorutke
ウパㇱホルッケ 【upas-horutke】 雪崩. (出典:萱野、方言:沙流)
upaske
ウパㇱケ 【upas-ke】 雪かきをする. ホワーㇻ ウクラン スイ ウパㇱアㇱ アアン ナ ク・コㇿ ション ホクレ ホプニ ワ ウパㇱケ.ク・ソイネー カ ケアイカㇷ゚(ク・エアイカㇷ゚)=あーあどうしよう,昨日の夜また雪が降っていたんだね,孫よ早く起きて雪かきをしてね,私は外へ出ることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
upaskep
ウパㇱケㇷ゚ 【upas-ke-p】 雪かき用具. 図[ウパㇱケㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
upaskikir
ウパㇱキキㇼ 【upas-kikir】 ゆきむし. ウパㇱキキㇼ ア・ヌカㇻ ワ シネ チュㇷ゚ ネ コㇿ ソンノ ウパㇱ アㇱ ペ ネ=ゆきむしが見えてから1か月すると本当の雪が降るものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
upaskuma
ウパㇱクマ 【upaskuma】 言い伝え,古い話を聞かせる. アイヌ オッタ(オㇿ タ) ウパㇱクマ アナㇰネ ア・エチャヌㇷ゚コㇿ ペ ネ シンリッ オルㇱペ ネ ヤッカ ウルオカタ ウルオカタ ア・エラマン ペ ネ=アイヌの所での言い伝えはそれを参考にすることができるし,先祖の話も子孫へ次の世代へと教えられるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
upasporo
ウパㇱポロ 【upas poro】 雪がつもる. (出典:萱野、方言:沙流)
upasru
ウパㇱル 【upas-ru】 雪どけ:雪がとけて水になること. (出典:萱野、方言:沙流)
upasruyanpe
ウパㇱルヤンペ 【upas-ruyanpe】 風雪,暴風雪.▷ウパㇱ=雪 ルヤンペ=嵐 (出典:萱野、方言:沙流)
upastum
ウパㇱトゥㇺ 【upas-tum】 雪中. (出典:萱野、方言:沙流)
upawre
ウパウレ 【upawre】 言い争い(をする),口論する. ポンノ ホㇱキ ヤン.アヌン アン ワ ア・エヤイシトマ ナ イテキ ウパウレ ヤン=少し待ちなさい,他人がいて恥ずかしいから言い争いはやめなさい.ウパウレ アナㇰネ ウトゥイェ パㇰノ ウライケ パㇰノ アン ヤッカ ウキㇰ アナㇰネ ソモ アン ペ ネ=言い合いは斬るほどに殺すほどにしてもいいが殴り合いはしないものだ.マㇰネ ワ ネ ヤー カ ケラムㇱカリ(ク・エラムㇱカリ) コㇿカ アチャポ ウタㇻ ユㇷ゚ケ ウパウレ パ コㇿ オカ コㇿカ エタㇻカ イヨㇿイタㇰ カ ク・シトマ クス ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=どうしてか知らないけれどおじさんたちが激しく口論していたがでたらめに口を挟むのが恐ろしかったので私は逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
upenkam
ウペンカㇺ 【upen-kam】 うまそうな肉(人間)だ:鬼が人間を見て言う言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
upepewakka
ウペペワッカ 【upepe-wakka】 雪どけ水. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) ウペペワッカ サン ラポㇰ セキ ク・カㇻ コㇿ アウン ウナㇻペ エン・コイキ ㇷ゚ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=私が子供の頃,雪どけ水が流れる時に溝を作ると,隣のおばさんが私を叱ったのを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
upeu
ウペゥ 【upeu】 岩人参:山奥の崖に自生している,根が薬になる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
upipi
ウピピ 【upipi】 別々に. ウピピ ウピピ イペ パ コㇿ ポーヘネ アエㇷ゚ ハイタ ナ ホクレ エㇰ ワ イペ オケレ パ ヤン=別々に食べるとなおさら食べ物が足りないから早く来て食べ終わらせなさい.*昔の子供は食べすぎて叱られ,今の子供は食べなくて叱られる. (出典:萱野、方言:沙流)
upis
ウピㇱ 【upis】 揃い,連なる. (出典:萱野、方言:沙流)
upiskan ta
ウピㇱカン タ 【u-piskan ta】 ほうぼう,あちこち. (出典:萱野、方言:沙流)
upokor
ウポコㇿ 【u-po-kor】 親子である. (出典:萱野、方言:沙流)
upokorutar
ウポコルタㇻ 【u-po-kor-utar】 親子:親と息子. (出典:萱野、方言:沙流)
upopo
ウポポ 【upopo】 座り歌(を歌う). 図[ウポポを歌う] (出典:萱野、方言:沙流)
upsi
ウㇷ゚シ 【upsi】 揃い,連(つら). (出典:萱野、方言:沙流)
upsi
ウㇷ゚シ 【upsi】 うつ伏せになる,伏す. サラㇰカムイ ネ オカ ヤッカ メノコ アナㇰネ クットコ ノ アン オッカヨ アナㇰネ ウㇷ゚シ ノ アン ペ ネ=水死した者は女は仰向けになっているし男はうつ伏せになっているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
upsineetoro
ウㇷ゚シネエトロ 【upsi-ne-etoro】 粒の大きい組み紐,組み房. ▷ウㇷ゚シネ=大粒 エトロ=組み房[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
upsinetumus
ウㇷ゚シネトゥムㇱ 【upsi-ne-tum-us】 大粒の鈴,粒の大きい鈴[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
upsinohotke
ウㇷ゚シノホッケ 【upsi no hotke】 伏臥(する):うつ伏せに寝ること. (出典:萱野、方言:沙流)
upsire
ウㇷ゚シレ 【upsi-re】 伏せる. ウㇷ゚シレ ワ アヌ=伏せて置け. (出典:萱野、方言:沙流)
upsor/upsoro(ho) 1
ウㇷ゚ソㇿ/ウㇷ゚ソロ(ホ) 【upsor/upsoro(ho)】 ①〜の中,〜の内部. (出典:萱野、方言:沙流)
upsor/upsoro(ho) 2
ウㇷ゚ソㇿ/ウㇷ゚ソロ(ホ) 【upsor/upsoro(ho)】 ②懐. タネ アナㇰネ イェㇷ゚ネ ウㇷ゚ソㇿ ア・ヤイコヌイナ パㇰノ ポロ メノコポ ア・ネ=今はもう恥ずかしい懐を自分で隠すほどの大きな娘に私はなった[ユ](自分自身の胸のふくらみを気にする年頃を言う). (出典:萱野、方言:沙流)
upsorotam
ウㇷ゚ソロタㇺ 【upsoro-tam】 懐刀:ユカㇻに出る言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
upun
ウプン 【upun】 吹雪. (出典:萱野、方言:沙流)
upunpatce
ウプンパッチェ 【upun-patce】 吹雪く. エシㇼ アナㇰネ シㇼピㇼカ アㇷ゚ ト ノㇱキ ワノ ウプンパッチェ ヤアーニ ク・シットゥライヌ=朝方はいい天気だったのに昼の間から吹雪になって危なく私は道に迷うところだった. (出典:萱野、方言:沙流)
ur/uri(hi)
ウㇽ/ウリ(ヒ) 【ur/uri(hi)】 毛皮:人間が着られるように加工したもの,毛皮の外套. セタウㇽ=犬の皮.ユㇰウㇽ=鹿の皮.ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ ク・ヌカㇻ ウㇽ イヨッタ ア ペ セタ ウㇽ ネ.アペ サㇺ タ カ ソホ ア・カㇻ ワ アン ペ ネ ア ワ=私が子供の頃に一番多くあったのは犬の皮であった.火の側にも敷いてあったものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
urametokouwante
ウラメトコウワンテ 【u-rametok-o-uwante】 勝負をする.▷ウ=互いに ラメトㇰ=度胸 ウワンテ=見比べる (出典:萱野、方言:沙流)
urar
ウラㇻ 【urar】 霧,もや. シネアンタ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ウラㇻエシットゥライヌ・アン アㇷ゚カㇱアナイネ(アㇷ゚カㇱ・アン アイネ) ウラㇻ ヘチャカ シㇼコクンネ アン コㇿ ネ コㇿカ イワㇰ・アン=ある日のこと山へ行ったら,霧で道に迷った.歩いて歩いて,霧が晴れ,夜になったけれども帰って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
urar'okanto
ウラㇻオカント 【urar-o-kanto】 霧のある空,霧の空.▷ウラㇻ=霧 オ=入る カント=空 (出典:萱野、方言:沙流)
urarhecaka
ウラㇻヘチャカ 【urar hecaka】 霧散する:霧が散るように消えてなくなること. (出典:萱野、方言:沙流)
urarmokorir
ウラㇻモコリㇼ 【urar-mokorir】 エゾマテガイ. (出典:萱野、方言:沙流)
uray
ウライ 【uray】 やな:魚を獲る仕掛け. ウライ コㇿ=やなを持っている. (出典:萱野、方言:沙流)
ure
ウレ 【ure】 足. (出典:萱野、方言:沙流)
ureasam/ureasama(ha)
ウレアサㇺ/ウレアサマ(ハ) 【ure-asam/-asama(ha)】 足の裏. (出典:萱野、方言:沙流)
ureecari
ウレエチャリ 【ure-e-cari】 蹴る(たくさんをパラッと). (出典:萱野、方言:沙流)
ureerutu
ウレエルトゥ 【ure-e-rutu】 足で寄せる.▷ウレ=足 エ=それで ルトゥ=寄せる レプンクㇽ ア・ウレルトゥ オカケヘ タ チョアㇱロッケ・アン=沖の人を足で寄せてその後へどっかと座った.アㇷ゚カㇱ・アン ウㇱケ タ オンタロ アン クス クレエルトゥ(ク・ウレエルトゥ)=歩いて行く所に樽があったので足で寄せた. (出典:萱野、方言:沙流)
ureesittemraypa
ウレエシッテㇺライパ 【ure-e-sir-tem-raypa】 足探り(する):真っ暗の所を足探りで歩くこと.▷ウレ=足 エ=それで シㇼ=あたり テㇺ=手 ライパ=撫でる (出典:萱野、方言:沙流)
ureetursere
ウレエトゥㇽセレ 【ure-eturse-re】 蹴る(ひとつを). (出典:萱野、方言:沙流)
ureharu
ウレハル 【ure-haru】 熊の足の裏側の肉. ▷ウレ=足 ハル=食べ物 *イヨマンテ(熊送り)の後にサケイユㇱクㇽ(祭司)を務めてくださった方にお礼として,ニンカリシト(耳環団子)とウレハルをあげることになっている.野生の熊が獲れた時に村おさ的な存在の人に,ウレハルを持って行くのが礼儀とされていた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
urekreku
ウレㇰレク 【urekreku】 なぞなぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
urekuspare
ウレクㇱパレ 【ure-kus-pa-re】 歩を運ぶ,歩いて行く. ▷ウレ=足 クㇱパ=通る レ=させる アフンナクス ポンメノコ ホマコチュイェ コッチャケヘ アウレクㇱパレ ホカエトッタ チェアシロッケアン=家へ入ると若い娘が後ずさりしたので,その前を通って横座の所へどっかと座った. *ユカㇻの中でポンヤウンペが独り者の女を訪問し,女が後へ寄って男に自分の前を通らせると訪問を受け入れ,前を通らせないと拒否したことになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uremekka
ウレメッカ 【ure-mekka】 足の甲. (出典:萱野、方言:沙流)
uren
ウレン 【uren】 両方(両手,両足等). (出典:萱野、方言:沙流)
uren'utorsam
ウレンウトㇿサㇺ 【uren-utor-sam】 両脇. (出典:萱野、方言:沙流)
urenas
ウレナㇱ 【u-ren-as】 3人搗き(する):ひとつの臼を3人で搗く.▷ウ=互い レン=3人 アㇱ=立つ(ウレンアㇱ→ウレナㇱ) (出典:萱野、方言:沙流)
urenkema/urenkema(ha)
ウレンケマ/ウレンケマ(ハ) 【uren-kema/-kema(ha)】 両足. (出典:萱野、方言:沙流)
urenker
ウレンケㇾ 【uren-ker】 両方の靴. (出典:萱野、方言:沙流)
urenpiskan/urenpiskani(ke)
ウレンピㇱカン/ウレンピㇱカニ(ケ) 【uren-piskan/-piskani(ke)】 両側. (出典:萱野、方言:沙流)
urensik/urensiki(hi)
ウレンシㇰ/ウレンシキ(ヒ) 【uren-sik/siki(hi)】 両眼. (出典:萱野、方言:沙流)
urentek/urenteke(he)
ウレンテㇰ/ウレンテケ(ヘ) 【uren-tek/-teke(he)】 両手. イク ア イク ア コㇿ オラーノ ウェニヨシキ アㇷ゚カㇱ カ コヤイクㇱ ウレンテㇰ ア・ニタタ=飲んで飲んでそのあげく泥酔して歩くこともできない,両方の手を支えられて. (出典:萱野、方言:沙流)
ureperke
ウレペㇾケ 【ure-perke】 (足の)あかぎれ(がきれる). タネ アナㇰネ ウレペㇾケ ㇷ゚ カ テケペㇾケ ㇷ゚ カ イサㇺ コㇿカ テエータ アナㇰネ チセ カ ウェン ペ ネ クス ウレペㇾケ カ テケペㇾケ カ アン ペ ネ ア ワー=今は足があかぎれになった者も手があかぎれになった者もいないけれど昔は家も悪かったし足のあかぎれ手のあかぎれもあったものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
urepet/urepeci(hi)
ウレペッ/ウレペチ(ヒ) 【ure-pet/ure-peci(hi)】 足の指. タン チュㇰ エアㇻキンネ メアン トゥナㇱ クス ヘ ネア ク・コㇿ ション ウレペチヒ ウウェチ ノイネ ポッピセ ネ アン=今年の秋はとっても寒くなるのが早い.それでだろうか,子供の足の指が霜焼けしたらしく水ぶくれになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
urepokecup
ウレポケチュㇷ゚ 【urepoke-cup】 9月. (出典:萱野、方言:沙流)
urepuni
ウレプニ 【ure-puni】 神が歩く. (出典:萱野、方言:沙流)
urerutrutu
ウレルッルトゥ 【ure-rut-rutu】 足探りする. スネ ク・コㇿ ペッ サㇺ タ イチャン アヌㇱケ(アン ウㇱケ) タ カㇻパ(ク・アㇻパ) アㇷ゚ ルイ レラ アン ヒネ スネ ウㇱテㇰ.ク・レルッルトゥ(ク・ウレルッルトゥ) ワ アプンノ アペ サムン(サㇺ ウン) ク・ホシピ=たいまつを持って川の縁の産卵床のある所まで行ったのに強い風が吹いてたいまつがぱっと消えた.足探りで静かに火の側へ戻って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
urespa
ウレㇱパ 【u-respa】 育て合う. (出典:萱野、方言:沙流)
urki
ウㇽキ 【urki】 シラミ:人間の肌につくシラミ. (出典:萱野、方言:沙流)
urkikoyki
ウㇽキコイキ 【urki-koyki】 シラミ取り(をする). (出典:萱野、方言:沙流)
urkio
ウㇽキオ 【urki-o】 シラミたかり(である). ウㇽキオ タンチェン ク・コㇿ ペ ネ ナーア ウㇽキオ フートン ク・コㇿ ペー ネ ナーア エメㇱケ チャーワン エメㇱケ ポイシュー ク・コㇿ ペ ネ ナーア "かか なーらんかあ ふふ なら一んかあ…"=シラミのたかった丹前を私は持っている,シラミのたかった布団を私は持っている,欠けた茶碗と欠けた小鍋を私は持っている,「かかあにならないか,夫婦にならないか…」*昭和10年前後の恋歌.わざと日本語とアイヌ語をごちゃまぜにして言う.問違ったふりをしてわざと「欠けた布団に欠けた丹前,しらみたかりの茶碗に鍋」などともいう.おしまいの…では「鳥でさえもかかと鳴く,汽車でさえもふふとなく,かかならんか,ふふならんか」と続いて行き笑いを誘えればそれでよし.このイヨハイオチㇱ(恋唄)は当時のアイヌ青年,二谷栄治さんが語っていたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
uruokata
ウルオカタ 【uruokata】 子から孫ヘ,子々孫々. ウルオカタ アコシンヌㇷ゚=子から孫へと伝える宝.アイヌ オッタ(オㇿ タ) ウパㇱクマ アナㇰネ ア・エチャヌㇷ゚コㇿ ペ ネ シンリッ オルㇱペ ネ ヤッカ ウルオカタ ウルオカタ ア・エラマン ペ ネ=アイヌの所での言い伝えはそれを参考にすることができるし,先祖の話も子孫へ次の世代へと教えられるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
uruuruk
ウルウルㇰ 【uru-uruk】 (寒くて)ふるえる. イヨㇱキ ワ ソイ タ モコㇿ ワ アノントㇺ タ モㇱ ワ ウルウルㇰ コㇿ アフン ヒ ウン=酔っ払って外で眠って夜中に目を覚まし,ふるえながら入って来たんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
uruurukka
ウルウルッカ 【uruuruk-ka】 ふるわせる. (出典:萱野、方言:沙流)
uruyruye
ウルイルイェ 【u-ruyruye】 挨拶する:手や体などを撫で合って懐かしがる. (出典:萱野、方言:沙流)
us
ウㇱ 【us】 消える. アペ ウㇱ=火が消えた.スネ ウㇱ=あかりが消えた.ラッチャコ ウㇱ=灯が消えた. (出典:萱野、方言:沙流)
us 1
ウㇱ 【us】 ①ついている,生えている. エセトゥルフ ヘマンタ ウㇱ ルウェ アン=お前の背中に何がついているのだ? (出典:萱野、方言:沙流)
us 2
ウㇱ 【us】 ②履(は)く. ピラッカ ウㇱ=下駄を履く.ケㇾ ウㇱ=鹿皮などを材料にして縫った履物を履く.ホㇱ ウㇱ=脚半を履く.オモンペ ウㇱ=尻の割れたズボン下のようなものを履く.ストゥケㇼ ウㇱ=アイヌ風の耳の多いわらじを履く. (出典:萱野、方言:沙流)
usa
ウサ 【usa】 〜も,〜など,いろいろ. (出典:萱野、方言:沙流)
usakor
ウサコㇿ 【u-sa-kor】 女きょうだいである. (出典:萱野、方言:沙流)
usam'eapkas
ウサㇺエアㇷ゚カㇱ 【u-sam-e-apkas】 一緒に歩く. ペウレクㇽ ウタㇻ ウオシッコテパ ワ ネ ノイネ ネユンポーカ ウサㇺエアㇷ゚カㇱパ=若者たちは恋心があってるらしくてなんとかかんとか一緒に歩こうとしている. (出典:萱野、方言:沙流)
usam'owpekare
ウサㇺオウペカレ 【u-sam-owpekare】 助け合う,欠点を隠し合う.▷ウ=互い サㇺ=前 オウペカレ=真っ直ぐにする ウウタリ アナㇰネ ネユンポカ ウサㇺオウペカレ ウタサロㇱキ サㇰノ ウコアㇷ゚カㇱ ペ ネ ナ=親戚同士はなんとかして助け合いをして対立することなく行き来するものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
usama
ウサマ 【u-sama】 互いに並べる,互いに比べる,比較する.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
usaoka
ウサオカ 【usa oka】 いろいろな. (出典:萱野、方言:沙流)
usaokaype
ウサオカイペ 【usa okay pe】 いろいろ. (出典:萱野、方言:沙流)
usar
ウサㇻ 【usar】 下座の方. ウヌワㇷ゚テ・アン ヒ タ アナㇰネ ウサルンカムイ セコㇿ ア・イェ ワ アペ ウサッタ(ウサㇻ タ) ポンアペ ア・アリ ワ ヌワㇷ゚ テㇰサㇺ ア・コプンキネレ ㇷ゚ ネ=お産の時には下座の神といって火の下座に小さい火を燃やしお産を見守る神とするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
usaraye
ウサライェ 【usaraye】 別々にする,分ける,分配する,開く,広がる. ウサライェ ワ コレ=別々にしてあげる,分けてあげる. (出典:萱野、方言:沙流)
usarunkamuy
ウサルンカムイ 【usar-un-kamuy】 下座の方の神. ウヌワㇷ゚テ・アン ヒ タ アナㇰネ ウサルンカムイ セコㇿ ア・イェ ワ アペ ウサッタ(ウサㇻ タ) ポンアペ ア・アリ ワ ヌワㇷ゚ テㇰサㇺ ア・コプンキネレ ㇷ゚ ネ=お産の時には下座の神といって火の下座に小さい火を燃やしお産を見守る神とするものだ.ウサルンカムイ ウワリカムイ タヌクラン ウヌワㇷ゚テ ウワリ アン ナ ピㇼカノ ウネプンキネ(ウン・エプンキネ) ワ ウン・コレ ヤン=下座の神,お産を司る神,今夜はお産が,産むことがあるのでよく私どもを守ってください.*囲炉裏の中に普通に火をたいてあるのとは別に,もうひとつ入口に近い方に火をたく.それは本当の火よりも一段位の低い神でお産を司る神とされている. (出典:萱野、方言:沙流)
usat
ウサッ 【u-sat】 (煮汁が)乾く.▷ウウェヘ=煮汁 サッ=乾く(ウウェヘサッ→ウサッ) (出典:萱野、方言:沙流)
usat
ウサッ 【usat】 燠,消し炭. ホッノ イヨーハイ.パロホ ウサッ オマ ペコㇿ エパㇻコヤコヤ ハウェ=まああきれてしまった.口の中に燠が入ったように早口でしゃべりまくる. (出典:萱野、方言:沙流)
usatairwak
ウサタイㇼワㇰ 【u-sa-ta irwak】 いとこ,またいとこ,はとこ.▷ウ=互い サタ=前側 イㇼワㇰ=兄弟 ソンノ ウサタイㇼワㇰ ネ パ ㇷ゚ オラーノ ネㇷ゚ワ アン ペ クスネ ヤカ ケラムㇱカリ(ク・エラムㇱカリ) コㇿカ ウウェポッパパ ワ ケランペカマㇺ(ク・エランペカマㇺ)=本当になあ,いとこの者たちなのになんの理由か知らないけれど憎しみ合うので私は気苦労する.ウサタイㇼワㇰ ネ アㇷ゚ クスン エネポ エアシリ ウコヘライパ=いとこだからとてこれほどまでに似ているものか. (出典:萱野、方言:沙流)
usatuye
ウサトゥイェ 【usa-tuye】 別々に切る:人間を斬る場合の語[ユ].▷ウサ=別々 トゥイェ=切る ウェンレプンクㇽ トゥㇷ゚ネ レㇷ゚ネ ア・ウサトゥイェ=悪い沖の人をふたつに三つに斬ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
usausa
ウサウサ 【usa usa】 めいめい,それぞれ,おのおの,別々. ウサウサ コㇿ ワ パイェ=めいめい持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
usaymonkire
ウサイモンキレ 【u-saymon-ki-re】 拷問. テエータ アナㇰネ イッカ ネヤ メノコ エパコアッ ネヤ ア・コラムヌㇷ゚ オカ コㇿ ウサイモンキレ カ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) コㇿカ カニ アナㇰネ ク・ヌ カ ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=大昔は盗っ人とか女性関係とか疑いがかけられると拷問もあったそうだが,私は聞いたことも見たこともない. (出典:萱野、方言:沙流)
usayneusayne
ウサイネウサイネ 【u-sayne u-sayne】 いろいろ. (出典:萱野、方言:沙流)
usayun
ウサユン 【usayun】 ばらばらになる:桶や樽のようなたがの入った物がばらばらになること. タネ タネ オンタロ クチヒ ハチㇼ ワ ウサユン ノイネ アン ナ.イテキ コネ クニネ アプンノ アヌ アニー=今にも今にも樽のたがが外ればらばらになりそうだ.砕けないように静かに置くのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
use
ウセ 【use】 普通(の). (出典:萱野、方言:沙流)
useanu
ウセアヌ 【use-anu】 脱ぐ,抜く. (出典:萱野、方言:沙流)
usekur
ウセクㇽ 【use-kur】 普通の人. (出典:萱野、方言:沙流)
useno
ウセノ 【use no】 そのままで. ウセノ エ・アニ ヒ?=そのまま君は持つの? (出典:萱野、方言:沙流)
usep
ウセㇷ゚ 【use-p】 縫っていない反物:反物にだけ使う語. (出典:萱野、方言:沙流)
userewsi
ウセレウシ 【use-rewsi】 野宿,山で小屋のない所に泊まること. キㇺタレゥシ アンヒタカ イカー ウセレウシ エチキナー ムンアニヘネ チャイチャイ アニヘネ カㇱコッ アカㇻペネナアニー=もしも山で泊る時に,何もない所で泊るものではない,草ででも,木の柴ででも,仮小屋を作るものだよ.柴の1本でも立てて,それに身を寄せて泊るものと教えてもらった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
usey
ウセイ 【usey】 湯,沸かし湯. (出典:萱野、方言:沙流)
useykar
ウセイカㇻ 【usey-kar】 沸かす. (出典:萱野、方言:沙流)
useypop
ウセイポㇷ゚ 【usey-pop】 沸騰する.▷ウセイ=湯 ポㇷ゚=煮えたぎる (出典:萱野、方言:沙流)
usi
ウシ 【usi】 場所,所. ワッカ タ ウシ=水を汲む所.モセ ウシ=カヤを刈る所.ニナ ウシ=薪を取る所.ヘメス ウシ=登る所.ラン ウシ=下る所.ペサカㇻ ウシ=鹿が泥を体に擦りつける所.シニ ウシ=休む所.エアㇻキンネ パケトゥナㇱ ペ アペフチカムイ ネ ヤㇰ ア・イェ クス イラマンテ エキㇺネ ウシ アペサㇺ タ ソモ ア・イェ ㇷ゚ ネ ナ=とっても告げ口が好きな者が火の神だというので狩のために山へ行く場所を火の前で言わないものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
usi
ウシ 【usi】 つける,塗る. シッポ ウシ=塩をつける.サト ウシ=砂糖をつける.クスリ ウシ=薬をつける.ペッマメ ア・ハㇺネスパ ワ イワシスㇺ ヘネ ア・ウシ ワ ア・エ コㇿ ケラ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=青さやのままの豆をまるごと煮てイワシ油などつけて食べると味がいいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
usikkasma
ウシッカㇱマ 【u-sikkasma】 互いに大切にする,互いに守り合う. ▷ウ=互いに シッカㇱマ=守る,目を離さない,見守っている(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
usikta
ウシㇰタ 【usik ta】 今ごろに. タネ ウシㇰタ ヘマンタ アイヌ シㇰヌ ワ アン ペ アン=今ごろになってからなにの人間が生きているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
usinna anu
ウシンナ アヌ 【u-sinna anu】 離す,別々に置く. (出典:萱野、方言:沙流)
usinna usinna
ウシンナ ウシンナ 【u-sinna u-sinna】 めいめい. (出典:萱野、方言:沙流)
usinne
ウシンネ 【u-sinne】 日一日. ク・イェー カ エラムキッカㇻ コㇿカ タント カ ク・ホタヌ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナー ウシンネ ネ ペコㇿ サッテㇰ ペコㇿ ク・ヤイヌ ケラムチュㇷ゚テㇰ(ク・エラムチュㇷ゚テㇰ)=言うもいやなことだが今日も見舞いに行って来たが日一日と痩せるように思って心細い.ナー ウシンネ キナ トゥㇰ ペコㇿ ムン トゥㇰ ペコㇿ ク・コㇿ ション ヘトゥク シリ=日一日と草が伸びるように草が育つように私の子供が成長する. (出典:萱野、方言:沙流)
usipinere
ウシピネレ 【u-sipine-re】 死人に死装束をつける. ケライ カッケマッ ネ ア クス タㇷ゚ネ テクンペ ヘネ ホㇱ ヘネ ラウンクッ ヘネ ネㇷ゚ ネ ヤッカ ウウォマ ノ アン ウシピネレ・アン エアㇱカイ=さすがに淑女であっただけに手甲も脚半も貞操帯も全部揃っていて死人に装束をつけるのもやりやすい.*心ある一家の主婦というものは家族に万が一の事があっても戸惑うことのないようにある程度の死装束は準備しておくのが美徳とされている. (出典:萱野、方言:沙流)
usis/usisi(hi)
ウシㇱ/ウシシ(ヒ) 【usis/usisi(hi)】 ひづめ,偶蹄. (出典:萱野、方言:沙流)
usitomare
ウシトマレ 【u-sitoma-re】 (皆が)恐ろしがる,怖がる. タㇷ゚イキヤ ウナㇻペ マㇰ ネ ワ ネ ヤカ ア・エラムㇱカリ コㇿカ カリ ヤㇰ ア・イェ アイヌ ウタㇻ ウシトマレ クンネ アン コㇿ ソイネ クㇽ カ イサㇺ=この頃亡くなったおばさん,どうしてか知らないが化けたということで,人々は恐ろしがって暗くなると外へ出る人もいない. (出典:萱野、方言:沙流)
uska
ウㇱカ 【us-ka】 消す. スネ ウㇱカ=灯を消す.アㇻパ ワ アペ ウㇱカ ワ エㇰ=行って火を消してこい. (出典:萱野、方言:沙流)
uske
ウㇱケ 【uske】 場所,所. シシㇼムカ エトコホ ウェンサㇻ シコㇿ ア・イェ ウㇱケ タ テエータ ワノ アッニ アッ ペ ネ ワ コルウヌ(ク・オルウヌ)=沙流川の上流の悪い沙流川という場所に昔からオヒョウの木がたくさんあって私は知っている. (出典:萱野、方言:沙流)
uspe
ウㇱペ 【us-pe】 履物.▷ウㇱ=靴下や足袋などを足につける ペ=物 (出典:萱野、方言:沙流)
ussi
ウッシ 【ussi】 ウルシ.*若木はアイヌの家を建てる時カヤを押さえるサㇰマ(柴木)として用いる.ウルシに弱い人はかぶれるが,かぶれないまじないは,木をなたで斬りお前は俺より弱いと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
ussikar
ウッシカㇻ 【ussi-kar】 ウルシをかく(ウルシにかぶれる). ホワーㇻ ヌマン ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) アㇷ゚ スイ クッシカㇻ(ク・ウッシカㇻ) ノイネ オヤコヤキ マヤイケ フミ アㇱ=あーあ,いやになっちゃう,昨日山へ行ったらまたウルシかいた(ウルシにかぶれた)らしくあちこちが痒くなったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ussipunkar
ウッシプンカㇻ 【ussi-punkar】 ツタウルシ. (出典:萱野、方言:沙流)
ussiw
ウッシウ 【ussiw】 召使い. エオㇿセタッコ ウッシュー ネ コㇿ ワ オラーウン ネㇷ゚カ ソモ コレ ノ ソイェネレ イヨーハイ シトマレ=あれほど長い間召使いにしていたのに,何もやらずに出してしまった,あきれたものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ussiw'ekor
ウッシウエコㇿ 【ussiw-e-kor】 召使いとして使う. (出典:萱野、方言:沙流)
ustek
ウㇱテㇰ 【us-tek】 ぱっと消える,完全に消える. スネ ク・コㇿ ワ ペッ サㇺ タ イチャン アヌㇱケ(アン ウㇱケ) タ カㇻパ(ク・アㇻパ) アㇷ゚ ルイ レラ アㇱ ヒネ スネ ウㇱテㇰ.クレルッルトゥ(ク・ウレルッルトゥ) ワ アプンノ アペ サムン(サㇺ ウン) ク・ホシピ=たいまつを持って川の縁の産卵床のある所まで行ったのに強い風が吹いてたいまつがぱっと消えた.足探りで静かに火の側へ私は戻って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
ustekka
ウシテッカ 【us-tek-ka】 完全に消す. (出典:萱野、方言:沙流)
usurure
ウスルレ 【u-surure】 互いに擦り合わせる,しまいに混ぜ合わせて搗くこと. タパンピリケㇷ゚ アウスルレワ アオケレ=この精白をひとまとめにして搗いて終わりだ. *ヒエとかアワを臼に入れて搗き,精白にしたものをひとまとめにして搗くことで,この言葉はこの場合にのみ用いる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uta
ウタ 【uta】 搗く. (出典:萱野、方言:沙流)
uta
ウタ 【uta】 ナマコ. (出典:萱野、方言:沙流)
utamtespare
ウタㇺテシパレ 【u-tam-tespare】 互いに刀と刀を摺り合わせる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
utaperari
ウタペラリ 【u-tap-e-rari】 肩を接する. アヌン コタン ワ エㇰ ウタㇻ エアㇻキンネ パウェトㇰ パテㇰ ウタペラリ.イタサイタㇰ アナㇰネ エチ・サラマ ナ=よその村から来られた方々,本当に雄弁ばかりが肩を接して来ている.答えることはお前に任すよ. (出典:萱野、方言:沙流)
utapke
ウタㇷ゚ケ 【utapke】 (家や着物などを)修理(する),つくろう,継ぎ(をする),修繕する. アミㇷ゚ ウタㇷ゚ケ=着物の継ぎをする.ホワーㇻ スイ アㇷ゚ト アㇱ ノイネ テエタ アン ルイ レラ オッタ(オㇿ タ) チセ キタイ レラパル アㇷ゚ト アㇱ コㇿ シラパ ワ ケランペカマㇺ(ク・エランペカマㇺ) ナ ニサッタ ヘネ ウタㇷ゚ケ ワ エン・コレ=まあどうしよう,また雨が降りそうだ.この前あった強い風の時に屋根のてっぺんが風で飛び.雨が降ると雨漏りして,私は困っているので,明日にでも修繕してくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
utapke a utapke a
ウタㇷ゚ケ ア ウタㇷ゚ケ ア 【utapke a utapke a】 継ぎはぎ(する):継ぎはぎだらけ. (出典:萱野、方言:沙流)
utar
ウタㇻ 【utar】 人々,仲間. (出典:萱野、方言:沙流)
utari
ウタリ 【utari】 (〜の)親戚,(〜の)仲間. (出典:萱野、方言:沙流)
utarpa
ウタㇻパ 【utar-pa】 首領,偉人. ソンノ ウタㇻパ シノ ウタㇻパ ネ ㇷ゚ ネ クス ア・エリㇰナヌカㇻ カシウン パウェトッコㇿ ハウェ ポーヘネ コトㇺ シリ=本当の首領,まことの首領であるので,皆が見上げるその上へ雄弁なこと,なおさら似合うこと. (出典:萱野、方言:沙流)
utarpake
ウタㇻパケ 【utar pake】 仲間のかしら:尊敬できる相手に対する敬称. ク・ユㇷ゚ ウタㇻパケ=私の兄である方.カクタㇻパケ(ク・アㇰ・ウタㇻパケ)=私の弟である方. (出典:萱野、方言:沙流)
utasare
ウタサレ 【u-tasa-re】 交換する.取り替える. (出典:萱野、方言:沙流)
utasaroski
ウタサロㇱキ 【u-tasa-roski】 対立(する),仲たがい(する). ウアパヌㇷ゚ エチ・ネ ナ ウタサロㇱキ コイサㇺ ノ ウトクイェコㇿ ヤン=お互いに親戚になるのだから,対立することなく仲よくしなさい.ウウタリ アナㇰネ ネユンポカ ウサㇺオウペカレ ウタサロㇱキ サㇰノ ウコアㇷ゚カㇱ ペ ネ ナ=親戚同士はなんとかして助け合いをして対立することなく行き来するものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
utaspa
ウタㇱパ 【utaspa】 互いに. (出典:萱野、方言:沙流)
utaspare
ウタㇱパレ 【utaspa-re】 取り替える. (出典:萱野、方言:沙流)
utaspaukasuy
ウタㇱパウカスイ 【utaspa u-kasuy】 互助.手伝い合う. (出典:萱野、方言:沙流)
utcikam/utcikami(hi)
ウッチカㇺ/ウッチカミ(ヒ) 【utci-kam/kami(hi)】 太股. ハイー エチ・ヌカレ カ ケヤイシトマ(ク・エヤイシトマ) コㇿカ クッチカミヒ(ク・ウッチカミヒ) タ ポロ フㇷ゚ アン ナ ヌカㇻ ワ イェオッ ワ アン チキ ヌンパ ワ エン・コレ=ああ痛い.お前に見せるのも恥すかしいけれど大股に大きい腫れ物が出来ているので見て膿を持っていたらしぼってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
utcike
ウッチケ 【utcike】 意気地なし,ひっこみ思案(だ). イタㇰエウッチケ・アン コㇿ ナニ ナニ ネノ ネ ㇷ゚ ネ クス アㇻ スイ ネ ヘネ トゥ スイ ヘネ イタㇰ・アン コㇿ イタㇰエアㇱカイ・アン ペ ネ ワー=しゃべるのに意気地なしでいるとすぐすぐそのままになってしまうものだ,1回か2回かしゃべるとしゃべれるようになるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
utcikekunip
ウッチケクニㇷ゚ 【utcike-kuni-p】 意気地のない者. (出典:萱野、方言:沙流)
utek
ウテㇰ 【utek】 使う:人を使いに出すこと,雇う. タネ テㇰエエパキウン ア・ウテㇰ パㇰノ ポロ マッカチ=今は手の向こう側へ使えるほどに大きくなった女の子.*こちらからあの物を取ってくれと言うとそれに応えて物を取ってくれるぐらいの子供のことをそのように言う.1歳半から2歳ぐらいまでの子供. (出典:萱野、方言:沙流)
utekanpa
ウテカンパ 【u-tek-anpa】 手をつなぐ. タヌクラン アナㇰネ エアㇻキンネ シㇼクンネ ナ.ウテカンパ ワ アプンノ ホシッパ ヤン=今夜は本当に真っ暗だ,手をつないで静かに戻りなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
utekruyruye
ウテㇰルイルイェ 【u-tek-ruyruye】 互いに手を取り合って撫でる. オホンノ ソモ ウヌカㇻ パ ㇷ゚ ネ クス ウテㇰルイルイェ パ コㇿ ウウェヤイレンカ パ=しばらく会っていないものだから互いに手を撫で合いながら挨拶をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
utekruyruypa
ウテㇰルイルイパ 【u-tek ruyruypa】 互いに手を取り合う. セタッコ ソモ ウヌカㇻ パ ㇷ゚ ネ クス ウヌカㇻ パ アクス ウテㇰルイルイパ パ コㇿ ウウェヤイコプンテㇰ=しばらく会っていなかったものだから,会ったら手を取り合って喜んでいた. (出典:萱野、方言:沙流)
utka
ウッカ 【utka】 瀬. ペトッタ(ペッ オㇿ タ) ヤㇱ・アン コㇿ ウッカ オッタ(オㇿ タ) ポーヘネ チェㇷ゚ ア・ウㇰ エアㇱカイ ペ ネ=川で網を流す時に瀬の所でなおさらサケを獲ることができるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
utnit/utnici(hi)
ウッニッ/ウッニチ(ヒ) 【utnit/utnici(hi)】 あばら骨,肋骨. (出典:萱野、方言:沙流)
utokiat
ウトキアッ 【utoki-at】 墓標に巻く紐.シナ皮の黒白の4本編みの細紐. (出典:萱野、方言:沙流)
utokuyekor
ウトクイェコㇿ 【u-tokuye-kor】 仲よし(だ). ウアパヌㇷ゚ エチ・ネ ナ ウタサロㇱキ コイサㇺ ノ ウトクイェコㇿ ヤン=お互いに親戚になるのだから,対立することなく仲よくしなさい.ウネノ シオンピヤㇻ ネ ㇷ゚ ネ クス ウトゥヤㇱカラㇷ゚ パ ワ ネ ノイネ ウトクイェコㇿ パ=同じように後家(未亡人)なので同情しあうらしく仲がいい. (出典:萱野、方言:沙流)
utokuyekorpe
ウトクイェコㇿペ 【u-tokuye-kor-pe】 友達,友人. (出典:萱野、方言:沙流)
utomciwre
ウトㇺチウレ 【u-tom-ciw-re】 重ね着する. (出典:萱野、方言:沙流)
utomnukar
ウトㇺヌカㇻ 【u-tom-nukar】 結婚する.▷ウ=互い トㇺ=方 ヌカㇻ=見る →お互いの方を見つめ合う タン チュㇷ゚ シカリ ヒ タ ペウレクㇽ ウタㇻ ウトㇺヌカㇻ マラㇷ゚ト アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=この月が円くなった時に若者たちの結婚式の祝宴があるそうだ.タㇷ゚ ウフナㇰ ウトㇺヌカㇻ パ ペウレ ウムレㇰ アン コㇿ オラーノ ウクラン マケタマケタネ シコㇿ カネ エヤイプニ パ ミナ ロㇰ ミナ ロㇰ=この頃結婚したばかりの若夫婦がいると,昨夜はどうしてこうしてとからかって笑って笑って. (出典:萱野、方言:沙流)
utomosma
ウトモㇱマ 【u-tom-osma】 出くわす.▷ウ=互い トモㇱマ=ぶつかる ソンノ ヘカッタㇻ アナㇰネ ネユン ラム パ カ ソモ キ ノ ウホユッパレパ ㇷ゚ ネ クス エソイネ ワ チセシッケウ オッタ(オㇿ タ) ウトモㇱマ パ=本当に子供たちは何も思うことなく走り回るものだから外側の家の角でぶつかった. (出典:萱野、方言:沙流)
utonna
ウトンナ 【utonna】 斜視,藪にらみ. (出典:萱野、方言:沙流)
utonnasiko
ウトンナシコ 【utonna-si-ko】 斜視,やぶにらみ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
utorosam'ea
ウトロサㇺエア 【utor-o-sam-e-a】 横座り(する):女性の座り方でこの座り方が普通だと考えられている. (出典:萱野、方言:沙流)
utorsam/utorsama
ウトㇿサㇺ/ウトㇿサマ 【utorsam/sama】 横.横の方,側面. トゥサ ムㇰル エトゥットゥリ ワ ウトㇿサㇺエホッケ=自分の袖を引っ張って枕にして横になって寝た(ユカㇻに多く出る). (出典:萱野、方言:沙流)
uttap
ウッタㇷ゚ 【uttap】 かすべ(エイ). (出典:萱野、方言:沙流)
utukanni
ウトゥカンニ 【utukan-ni】 ミズキ.神に捧げるためのイナウを作る材料.イナウの材料はミズキとヤナギの2種類に限定していた. (出典:萱野、方言:沙流)
utukari ta utukari ta
ウトゥカリ タ ウトゥカリ タ 【u-tukari ta u-tukari ta】 近くに近くに. ポロ ペッ アナㇰネ ウトゥカリタ ウトゥカリタ ケペレペ ネ ウㇱケ アン ペ ネ ワ チㇷ゚モㇺ カ エアイカㇷ゚=大きい川には近くに近くに淀になった所があって舟が流れることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
utumam
ウトゥマㇺ 【u-tumam】 ふたりで寝る,抱き寝する. ホクレ ホクレ タヌクラン ポーヘネ メアン ナ ウトゥマㇺ ワ ホッケ ヤン=さあ早く早く,今晩はなおさら寒いのでふたりで寝なさい. (出典:萱野、方言:沙流)
utunas
ウトゥナㇱ 【u-tun-as】 ふたり搗き.▷ウ=互い トゥン=ふたり アㇱ=立つ →ひとつの臼をふたりで搗く ホクレ ウトゥナㇱ ワ ポロンノ ムンチロ ピㇼケㇷ゚ カㇻ パ.オヌマン シト ア・カㇻ ワ ア・エ クㇱネ ナ=さあ早くふたり搗きをしてたくさんアワの精白を作れ.今晩餅をこしらえて食べるから. (出典:萱野、方言:沙流)
utur
ウトゥㇽ 【utur】 下座:囲炉裏から入口の方,主として家の西側を言う,西側. アペケㇱウトゥㇽ=下座,下側.ル ウトゥㇽ=道の下側.チセ ウトゥㇽ=家の下側.エウトゥンネ=自分の家から見て西側.ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ エㇰ コㇿ オラーノ アンオホロ ペネクス ア・エイヌピタラ=道路のあちら(西側)のおじさんは来ると長居するのでいやがられる.*自分の家から見て東側をエロンネあるいはロッタと言い,西側をエウトゥンネあるいはウトゥㇽと言う.私が生まれ育った二風谷神社入り口国道近くから見て,昔の貝澤松一さんの家の方をエロンネまたはロッタ,そして国道から西側の貝澤宇吉さんの家の方をエウトゥンネまたはウトゥㇽと言った. (出典:萱野、方言:沙流)
utur/uturu(hu)
ウトゥㇽ/ウトゥル(フ) 【utur/uturu(hu)】 (〜の)間. チセ ウトゥㇽ=家の間.ナユトゥㇽ(ナイ ウトゥㇽ)=沢と沢の間.シトゥ ウトゥㇽ=峰と峰の間.オナウタㇻ ウコウトゥルケタ=親達の間に. (出典:萱野、方言:沙流)
utura
ウトゥラ 【u-tura】 一緒(である),連れ,同伴者.▷ウ=互いに トゥラ=連れる ポナニタ(ポン・アン ヒ タ) ウトゥラ シノッ・アン ウㇱケ ネ アクス ア・キㇼウㇱケ ネ ワー=子供の時に一緒に遊んだ所なので私どもの知っている所だよ.オッコー エ・ヌ アー.タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ タ ニㇷ゚タニ タ イヨマンテ アン ヤㇰ ア・イェ.ウトゥラ・アン ワ アㇻパ・アン ロー=お姉さん聞いたかい.この月が丸くなった頃に二風谷で熊送りがあるそうだ.一緒に行こうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
uturu ta
ウトゥル タ 【uturu ta】 ときどき. (出典:萱野、方言:沙流)
uturu uturu
ウトゥル ウトゥル 【uturu uturu】 ところどころ. ウクラン クヨㇱキ(ク・イヨㇱキ) ワ ウトゥルウトゥル コイラ(ク・オイラ) アアン=昨晩は私は酔ってところどころ忘れたらしい. (出典:萱野、方言:沙流)
uturun
ウトゥルン 【utur-un】 西側. ウヌヌケ パㇰノ ア・エラヤㇷ゚ ペ イサㇺ ペ ウトゥルン メノコポ ウヌヌケ シリ!=孝行ほど感心されることはないものだが,西隣の娘の親孝行なこと! (出典:萱野、方言:沙流)
utur_ ta
ウトゥッタ 【utur ta】 下座に. オッカヨ アナㇰネ アペケㇱ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) ア コㇿ ポン ユㇰ パテㇰ ウㇰ ペ ネ クス イテキ ア・アレ ㇷ゚ ネ=男は火尻の下座へ座ると小鹿しか獲れなくなるから,そこへ座らせるものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
utuyaskarap
ウトゥヤㇱカラㇷ゚ 【u-tuyaskarap】 憐れみ合う. ウネノ シオンピヤㇻ ネ ㇷ゚ ネ クス ウトゥヤㇱカラㇷ゚ パ ワ ネ ノイネ ウトクイェコㇿ パ=同じように後家(未亡人)なので同情しあうらしく仲がいい. (出典:萱野、方言:沙流)
utuypa
ウトゥイパ 【utuypa】 赤ちゃんの脇の下のただれ. (出典:萱野、方言:沙流)
uunukor
ウウヌコㇿ 【u-unu-kor】 親子である:母子に限る. (出典:萱野、方言:沙流)
uunukorutar
ウウヌコルタㇻ 【u-unu-kor-utar】 親子:母子に限る. (出典:萱野、方言:沙流)
uutari
ウウタリ 【u-utari】 親類,仲間,同族. タㇷ゚ イキ ウタㇻ ウウタリ ネ パ ノイネ イㇼシㇰプイポ ウコアリパ=今の人たち親類らしく目つきがそっくりだった.ソンーノ ウウタリ ネ ペ オラーノ ウコウェンサンペコㇿ パ アヌン アナㇰネ トモオイタㇰ カ エアイカㇷ゚=本当に親戚なのに仲が悪いものだ,他人には仲直りさせることもできない.オロヤチキ ウウタリ ア・ネ ハウェ ネ ワー=知らなかったが,私とあなたは親戚であったのだね. (出典:萱野、方言:沙流)
uwa
ウワ 【uwa】 知らないよ,わからないよ〔間投詞〕. "オッコー テ タ ピパ カヌ(ク・アヌ) ペコㇿ ク・ヤイヌ ソモ エ・ヌカㇻ アー" "ウワ"=「姉よ,ここへ穂ちぎりを置いたような気がするが見なかったかい?」「知らないよ」"アウタ アナ(アン ア) ウタㇻ マキㇷ゚ イサㇺ ルウェ アン" "ウワー.タㇷ゚ウフナㇰ パㇰノ アナ(アン ア) ペコㇿ ク・ヤイヌ アㇷ゚ レウシノ チェㇷ゚コイキ クス ヘネ アㇻパ パ ルウェ ソモ ネ ウン"=「隣にいた人たちどうしていないのだろう」「知らないね.この頃までいたように思うけれど,泊まりがけでサケ獲りにでも行っているのではないだろうか」 (出典:萱野、方言:沙流)
uwakikor
ウワキコㇿ 【u-aki-kor】 男きょうだいである:弟と兄妹. (出典:萱野、方言:沙流)
uwari
ウワリ 【u-ari】 産む. ウサルンカムイ ウワリカムイ タヌクラン ウヌワㇷ゚テ ウワリ アン ナ ピㇼカノ ウネプンキネ(ウン・エプンキネ) ワ ウン・コレ ヤン=下座の神,お産を司る神,今夜はお産が,産むことがあるのでよく私どもを守ってください.*普通の言い方ではウヌワㇷ゚テ(うなり声,お産)と言うが,ウワリカムイというのは囲炉裏の中で日頃燃やしている火の入り口に近い方にもうひとつ小さい火を燃やし,この火の神にお産を見守ってもらうものと考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
uwato
ウワト 【uwato】 系列. アイヌ エネ ウワト ヒ=アイヌの系列,先祖からの血統.ア・ポトノケ イタカン(イタㇰ・アン) チキ ウピㇼカ ヌ ヤン.ア・コㇿ シンリッ ウワト クニ エネ オカヒ…=私の息子殿よ,私の言う言葉をよくお聞きください.私どもの先祖その血統はこうであるのだ…. (出典:萱野、方言:沙流)
uwatore
ウワトレ 【uwato-re】 揃える.▷ウワト=同じものがある レ=させる →同じものを集めるという意味 ア・コㇿ タマサイ トゥイ ヒクス ア・ウワトレ=私の首飾りが切れたので揃えろ.ウワトレ ワ アヌ=揃えておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
uwatte
ウワッテ 【u-atte】 増える,繁殖する. (出典:萱野、方言:沙流)
uwe-
ウウェ 【u-e-】 互いに. (出典:萱野、方言:沙流)
uwe/uwe(he)
ウウェ/ウウェ(ヘ) 【uwe/uwe(he)】 汁(野菜の煮物の). オッコー エㇰ ワ インカㇻ.カㇺルㇽ ウウェヘ ア ワ イカ ノイネ シㇼキ.コチヒ ヤンケ ヤン=姉よ,来て見てくれ,肉汁の汁が多いので溢れそうだ.半分上げなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
uweaynu
ウウェアイヌ 【u-e-aynu】 人食い人種.▷ウ=互いに エ=〜を食べる アイヌ=人間 ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) ウウェアイヌトノ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ナヌフ アㇻケ クンネ ㇷ゚ ネー セコㇿ ネ ア ワ=昔話の中では人食い人種殿は顔の半分が黒いものだと言われるものであった.*人食い人は顔の半分が黒いものだというふうに普通のアイヌと全く違うと想像していた. (出典:萱野、方言:沙流)
uweci
ウウェチ 【uweci】 霜焼け(になる).凍傷(になる). タン チュㇰ エアㇻキンネ メアン トゥナㇱ クスヘ ネア ク・コㇿ ション ウレペチヒ ウウェチ ノイネ ポッピセ ネ アン=今年の秋はとっても寒くなるのが早い,それでだろうか,子供の足の指が霜焼けしたらしく水ぶくれになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
uweciw ipe
ウウェチウ イペ 【u-e-ciw ipe】 結婚の食事をする,山盛飯をふたりで食べる. (出典:萱野、方言:沙流)
uweciw marapto
ウウェチウ マラㇷ゚ト 【u-e-ciw marapto】 結婚の宴. (出典:萱野、方言:沙流)
uweciw sake
ウウェチウ サケ 【u-e-ciw sake】 結婚の酒. (出典:萱野、方言:沙流)
uwecutkonno
ウウェチュッコンノ 【u-e-cutkonno】 互いに恥ずかしい,ふたりで恥ずかしい. ▷ウ=互いに ウェ=それ チュッコンノ=恥ずかしい[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uweeokok
ウウェエオコㇰ 【u-e-eokok】 浮気する,不義密通=性交の隠語.▷ウ=互いに エ=それで エオコㇰ=〜に引っ掛かる マッ カ コㇿ ホク カ コㇿ ペ ウウェオコㇰ ヒ ア・コオシコニパ ユㇷ゚ケ チャランケ アン ヤㇰ ア・イェ=妻もいて夫もいる者どもが浮気をし,それが発覚して強い談判が始まったそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
uweepakiun
ウウェエパキウン 【u-e-epakiun】 だんだん. ウウェエパキウン メアン=だんだん寒くなる. (出典:萱野、方言:沙流)
uweepakta
ウウェエパㇰタ 【u-e-epak ta】 だんだん. ウウェエパㇰタ シㇼポㇷ゚ケ=だんだん暖かくなる. (出典:萱野、方言:沙流)
uweeroski
ウウェエロㇱキ 【u-e-e-roski】 揃えて出す. カパㇻペイタンキ カパㇻペオッチケ ア・ウウェエロㇱキ=薄手のお椀と薄手のお膳を相揃えて出した[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
uwehe
ウウェヘ 【/uwehe】 煮汁. ウウェヘ ア ノイネ=煮汁が多いようだ.ウウェヘ エチキキ=煮汁を流せ.ス ポㇷ゚ ワ ウウェヘ イカ ノイネ シㇼキ ナ ホクレ ネㇷ゚カ エウン ルリヒ ニセ ワ アヌ=鍋が煮え立って煮汁がふきこぼれそうなので早く何か入れ物に汁をすくっておけ.エ・オㇺケカㇻ ワ ヘ マキㇷ゚ エ・オピオ,オピオ アニ(オピオ・アン ヒ) タ レㇷ゚ニハッ プンカㇻ ア・ポㇷ゚テ ワ ウウェヘ ア・ク コㇿ ナニ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=お前は風邪をひいたのか,どうして声が嗄れている,声が嗄れた時は赤ブドウ(チョウセンゴミシ)のつるを煎じてその汁を飲むとすぐよくなるものだよ.ウコニン クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ エイタサ ウウェヘ ア ワ ウコカㇻセ=煮つまると思ったのにあまりにも煮汁が多すぎて煮つまらない. (出典:萱野、方言:沙流)
uwehopuni
ウウェホプニ 【u-e-hopuni】 一斉に立つ,一緒に立ち上がる. (出典:萱野、方言:沙流)
uwehumseeciw
ウウェフㇺセエチウ 【u-e-humse-eciw】 気合をかけあいながら対面する:変事があった場合の対面のしかた. (出典:萱野、方言:沙流)
uweinkar
ウウェインカㇻ 【u-e-inkar】 千里眼(である).予言(する). ホッノ イヨーハイ アチャポ アナㇰネ ウウェインカㇻ ペ コラーチ ウェンペ ヘネ ピㇼカㇷ゚ ヘネ エセミタㇰ キ=本当にたまげた,おじさんは千里眼のように悪いことでもいいことでもそれを予言する. (出典:萱野、方言:沙流)
uweinonnoitak
ウウェイノンノイタㇰ 【u-e-inonno-itak】 おはらいの祈り(をする):神々に向かって病気が治るように祈る.誰かが誰かのためにおはらいの祈りをする. タㇷ゚ ネノ パ トゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ ユㇷ゚ケ ヒ タ アナㇰネ オシルㇱクㇽ パテㇰ ネ ペコㇿ ネ ㇷ゚ ネ クス ウウェイノンノイタㇰ ペ カ イサㇺ=このように病気がはやる時には床に伏す者ばかりのようになるとおはらいの祈りをする者もいない. (出典:萱野、方言:沙流)
uweipakta
ウウェイパㇰタ 【u-e-ipak ta】 だんだん. タント アナㇰネ アクㇷ゚・アン ヒ ケユタラ(ク・エユタラ) ワ アン クス ウウェイパㇰタ アイヌ エㇰ ナンコㇿ ワー=今日は建て前することを村人に知らせてあるので,だんだんと人が来るだろう. (出典:萱野、方言:沙流)
uweirpak
ウウェイリパㇰ 【u-e-irpak】 同時に,一緒に. ソンノ ウウェイㇼパㇰノ エチ・オカ ㇷ゚ ロルン メノコポ エネ アリキキ エ・シキヒ ニテマカ(ニッ エマカ) ワ インカㇻ=本当に同時に生まれたお前たち,上隣の娘のあの働くこと,お前の目(の上まぶたと下まぶたの間)に棒を挟んで見ろよ.*用例の言葉は母親から実の娘を叱る言葉だが,叱られた娘は比較された娘のことをわけもなく憎むものなので言ってはいけない.私のいとこ姉はるのが聞かせてくれた言葉であった. (出典:萱野、方言:沙流)
uwekap
ウウェカㇷ゚ 【u-e-kap】 懐かしがる:再会を喜び合う,挨拶する. ソンノ ウウェカㇷ゚・アン.ナーナ カ ウウェネウサㇻ・アン ルスイ コㇿカ ウウェコホピ・アン オアシ.マㇰ ア・イェ ハウェ=本当に懐かしいことだ.まだまだいろいろな話をしたいけれど離ればなれにならなければならない.どのように言いようもない. (出典:萱野、方言:沙流)
uwekarino
ウウェカリノ 【u-e-kari no】 両方から. フチ ヤイヌミウェン ク・ラムチュㇷ゚テㇰ ア ワ ピㇼカ ヒネ ウウェカリノ エチ・エㇰ=おばあちゃんが病気で心細い思いをしていたのに,幸い両方からお前たちが来た. (出典:萱野、方言:沙流)
uwekarire
ウウェカリレ 【u-e-kari-re】 集める. タヌクラン テタ レウシ・アン ナ.ホクレ ネッ ウウェカリレ.ポロ アペ ア・アリ クㇱネ ナ=今夜はここで野宿する.さあ,流木を集めろ.大きい火を燃やすから.→ウモマレ (出典:萱野、方言:沙流)
uwekarpa
ウウェカㇻパ 【u-e-karpa】 集まる,集い(を持つ). タヌクラン アナㇰネ ヤㇱ・アン クス ヤイニ タイ タ ウウェカㇻパ・アン ヒ ク・イェ ワ アン=今夜は網流しをするためにドロの木の林(二風谷にある地名)へ集まることを私は言っておいたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
uwekatayerotke
ウウェカタイェロッケ 【u-e-katayerotke】 仲がよい,仲よし(の人). (出典:萱野、方言:沙流)
uwekohopi
ウウェコホピ 【u-e-ko-hopi】 別離(する),離ればなれになる. ソンノ ウウェカㇷ゚・アン.ナーナ カ ウウェネウサㇻ・アン ルスイ コㇿカ ウウェコホピ・アン オアシ.マㇰ ア・イェ ハウェ=本当に懐かしいことだ.まだまだいろいろな話をしたいけれど離ればなれにならなければならない.どのように言いようもない.アㇻコタン タ カㇻパ(ク・アㇻパ) ヒネ ル ウウェコホピ ウㇱケ タ カㇱ(ク・アㇱ) カネ ワ コタン レ ク・イェ ヒネ ク・ウウェペケンヌ アクス エネ エネ アㇻパ アニ アイイェパカㇱヌ〈ア・イ・エパカㇱヌ)=よその村へ私は行き,道の分かれる所で立ち止まって村の名前を言って尋ねると,こうこう行くのだと私に教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
uwekohoppa
ウウェコホッパ 【u-e-ko-hoppa】 別れる. (出典:萱野、方言:沙流)
uwekot
ウウェコッ 【u-e-kot】 互いに死ぬ,二人で死ぬ. ▷ウ=互いに ウェ=それ コッ=死ぬ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uwenewsar
ウウェネウサㇻ 【u-e-newsar】 四方山話・世間話(をする).話し合って楽しむ.▷ウ=互い エ=それを ネウサㇻ=話し相手にする トゥイマ ウㇱケ ワ ア・トクイェコㇿクㇽ エㇰ ペ ネ クス アネピッタ ウウェネウサㇻ・アン ヒネ シㇼコペケㇾ・アン=遠い所から友人が来たものだから.夜通し四方山話をして夜明かしをしてしまった.セタッコ ソモ ウヌカㇻ・アン タント アナㇰネ アㇷ゚ト カ アㇱ ヒクス ラッチターラ ウウェネウサㇻ・アン エアㇱカイ=しばらく会っていなかったので今日は雨降りでもあるし,静かに世間話をすることができる. (出典:萱野、方言:沙流)
uweniste
ウウェニㇱテ 【u-e-niste】 頼り合う. シネンネ ク・ホシピ ヘ キ セコㇿ ク・ヤイヌ ワ ク・ラムチュㇷ゚テㇰ ア ワ ピㇼカ ヒネ エ・エㇰ ウウェニㇱテ ノ ホシッパ・アン ロー=ひとりで戻るのだろうかと思って私は寂しかったが,運よくお前が来た,頼り合って戻ろうや. (出典:萱野、方言:沙流)
uwenoyekar
ウウェノイェカㇻ 【u-e-noye-kar】 互いにそれをねじる,礼拝のこと. オトゥサンペチ オレサンペチ ウウェノイェカㇻ イコオンカミ=ふたつの指を,三つの指を相ねじりつつ,私に礼拝した.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uweomanno
ウウェオマンノ 【u-e-oman no】 次から次と,ゆっくりと. (出典:萱野、方言:沙流)
uweomante
ウウェオマンテ 【u-e-oman-te】 記憶をたどる:忘れていたことを思い出そうとする,考えをまとめる. ライ ヘネ ヤ モコㇿ ヘネ ヤ ア・コン(ア・コㇿ) ラムシッネ カネ タナㇰ カネ イキヤナイネ(イキ・アン アイネ) ホマッ(ホマㇻ) タカㇻ ネ ア・コン ラム ウウェオマンテ=死んだのか眠ったのか私の思いももつれてしまい凸凹になってしまい,そのうちにかすかな夢のように,私の思い,考えをまとめてみると. (出典:萱野、方言:沙流)
uwepekennu
ウウェペケンヌ 【u-e-peker-nu】 尋ねる. アㇻコタン タ カㇻパ(ク・アㇻパ) ヒネ ル ウウェコホピ ウㇱケ タ カㇱ(ク・アㇱ) カネ ワ コタン レ ク・イェ ヒネ ク・ウウェペケンヌ アクス エネ エネ アㇻパ アニ ア・イ・イェパカㇱヌ=よその村へ私は行き,道の分かれる所で立ち止まって村の名前を言って尋ねると,こうこう行くのだと私に教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
uwepeker
ウウェペケㇾ 【u-e-peker】 物語(を言う):伝説・おとぎ話等. ウナㇻペー ウウェペケㇾ ワ エン・ヌレ.エ・イェ ウウェペケㇾ アナㇰネ ア・エチャヌㇷ゚コㇿペ パテーㇰ ネ ㇷ゚ ネ クス ク・ヌ ルスイ=おばさんよ.昔話を私に聞かせてくれ,あなたの昔話は聞いてためになる話ばかりなので私は聞きたい. (出典:萱野、方言:沙流)
uwepoppa
ウウェポッパ 【u-e-pop-pa】 憎しみ合う,いがみあう. ソンノ ウサタイㇼワㇰ ネ パ ㇷ゚ オラーノ ネㇷ゚ ワ アン ペ クスネ ヤカ ケラムㇱカリ(ク・エラムㇱカリ) コㇿカ ウウェポッパ パ ワ ケランペカマㇺ(ク・エランペカマㇺ)=本当になあ,いとこの者たちなのになんの理由か知らないけれど憎しみ合うので私は気苦労する. (出典:萱野、方言:沙流)
uwepotara
ウウェポタラ 【u-e-potara】 まじない(をする). ナイクスン(ナイクㇱ ウン) ウナㇻペ ヤイヌミウェン ワ マㇰ ア・カㇻ ヤッカ ウェン ワ タント ユㇷ゚ケ ウウェポタラ アン ペ ネ ヤカィェ(ヤㇰ ア・イェ) カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ)ナ=沢の向かいのおばが病気でどうしてもよくならないので今日強くまじないをするそうだから私は行って来るから.ナイクㇱ タ アン ウナㇻペ ヤイヌミウェン タント ユㇷ゚ケ ウウェポタラ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ホタヌ クス カㇻパ(ク・アㇻパ) ナ ヌ ワ アヌ=沢の向かいのおばさんが病気で今日大事なおまじないが行なわれるというので私は見舞いに行くから聞いておいてね. (出典:萱野、方言:沙流)
uweramasu
ウウェラマス 【u-eramasu】 性交する(動物),愛する. (出典:萱野、方言:沙流)
uweramuosma
ウウェラムオㇱマ 【u-e-ramu-osma】 互いに納得する. ヘマンタ カ ウコパピロㇿ エイタㇰ コㇿ オカ アㇷ゚ エウウェラムオㇱマ パ ソイェンパ ワ イサㇺ=何やらひそひそ話をしていたがお互いに納得したといわんばかりに外へ出て行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
uweranak
ウウェラナㇰ 【u-eranak】 病人がいて大変だ. エチ・ウウェラナㇰ ヤㇰ ア・イェ ヒ ク・ヌ ヒケカ ク・ホタヌ ポカ ク・ヤイェシンニューケㇱ ウパキタラ エチ・オカ ヤー=お前たち,病人がいて大変なことを聞いていながら見舞いにも行かずに私はからっぽやんでいたが.変わりなくしていたかい? (出典:萱野、方言:沙流)
uwerankarap
ウウェランカラㇷ゚ 【u-e-ram-karap】 あなたの心にそっと触れる. タネポ ウヌカㇻ・アン ルウェ ネ クス ウウェランカラㇷ゚・アン ペ ネ ナー=今初めてお会いするわけですが,あなたの心にそっと触れて挨拶したい. (出典:萱野、方言:沙流)
uwerayninne
ウウェライニンネ 【u-e-rayninne】 子育て(をする). ルㇱカレウン アロアㇱカイ ノ エ・エㇰ シリ タネ ウウェライニンネ エ・オケレ シリ ヘー=よかったね,身軽な様子でお前が来て,今は子育ても終わったのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesatciw
ウウェサッチウ 【u-e-satciw】 あたり散らす,互いにあたり散らす. イヨーハイ シトマレ ネㇷ゚ ワ アン ペ ウウェサッチュー シリ ネ ヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) コㇿカ ウㇰペ エシㇼヤカカ=本当に恐ろしい,何を理由にお互いにあたり散らす様子なのか知らないけれど,取るものをも荒っぽいやり方だ. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesayne
ウウェサイネ 【u-e-say-ne】 群がる(鳥・子供). (出典:萱野、方言:沙流)
uwesinnayno
ウウェシンナイノ 【u-e-sinnay no】 別々に,違って. タパン センカキ ウネノ オカ ペコㇿ ク・ヤイヌ ㇷ゚ アタイェヘ ウウェシンナイノ アン ワ コヤモㇰテ(ク・オヤモㇰテ)=この布地は同じ物のように思うのに,値段が別々になっていて私は不審に思っている.ペッ シンナ コㇿ イポㇿセ カ ウウェシンナイノ アン ペ カ アン=川が違うと表現のしかたが違うものもある. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesinnayno an
ウウェシンナイノ アン 【u-e-sinnay no an】 別々だ. ウネノ アン ペコㇿ ク・ヤイヌ クス ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アㇷ゚ オヤチキ ウオヤㇷ゚ ネ アアン ワ シリキヒ カ ウウェシンナイノアン=同じ物のように思ったので持って来たのに,知らなかったが違うものであった,模様も別々であった. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesinnayno oka
ウウェシンナイノ オカ 【u-e-sinnay no oka】 形が違う. ウネノ オカ ペコㇿ ネ ヒクス ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ピㇼカノ ク・ヌカㇻ アクス ウウェシンナイノ オカ ケサッチャン(ク・エサッチャン) ペ ネ=同じようなので持って来てよく見たら形が違うので私はちょっと気にくわないのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesitke
ウウェシッケ 【u-e-sit-ke】 絡まる(糸などが),もつれる. ヌイト ク・サイェ クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ ウウェシッシッケ ワ エネ ク・カリー(カㇻ ヒ) カ イサㇺ ナ エㇰ ワ ヌカㇻ ワ エン・コレ=糸を巻こうと思ったけれどももつれてしまってどうすることもできないので,来て見てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesitne
ウウェシッネ 【u-e-sitne】 もつれる.▷ウ=互いに エ=それで シッネ=もつれる ホワーラ ヌイト ク・サイェ クナㇰ ク・ラム アクス ウウェシッネ エネ ク・カリーカ(ク・カㇻ ヒ 力) イサㇺ=あーあ,糸を巻きたいと思ったのにもつれてしまってどうしようもない. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesopki
ウウェソㇷ゚キ 【u-e-sopki】 着座する:炉を挟むように上座の窓の方へ向かい合って座る. ネㇷ゚カ マラㇷ゚ト オッタ(オㇿ タ) ウウェソㇷ゚キ・アン ヒ タ アナㇰネ サケイユㇱクㇽ トモ ア・コカヌㇷ゚ ネ=何か酒宴の時に着座する時は祭司の人に全面的に任せるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesosna
ウウェソㇱナ 【u-e-sosna】 行き違いになる. タㇷ゚ エ・ユピヒ エ・ヘコテ アㇻパ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ アㇷ゚ ソモ エ・ヌカㇻ ノ エ・エㇰ シリ.ネイタカ エチ・ウウェソㇱナ=たった今お前の兄がお前の所へ向かって行くと言って外へ出たのに,見ないで来たのかい,どこかで行き違いになったんだな. (出典:萱野、方言:沙流)
uwetastasa
ウウェタㇱタサ 【u-e-tas-tasa】 意見(考え方)が違う,争う. アヌン アニ(アン ヒ) タ アナㇰネ ウウェタㇱタサ・アン コㇿ ア・エヤイシトマ ㇷ゚ ネ.アヌン イサㇺ ヒ タ アナㇰ ネㇷ゚ ネ ヤッカ イェ ヤン アニー=他人がいる時は意見が違うと恥ずかしいものだ,他人がいない時はなんでも言いなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
uwetopane
ウウェトパネ 【u-e-topa-ne】 (獣が)群がる. (出典:萱野、方言:沙流)
uwetunankar
ウウェトゥナンカㇻ 【u-e-tunankar】 行き合う,出会う,会う.▷ウ=互いに エ=それで トゥナンカㇻ=行き合う ソモカ エ・エㇰ クナㇰ ク・ラム ア ワ エ・エㇰ.ク・ポホ カ アㇻパ アㇷ゚ ルチㇱ オッタ(オㇿ タ) ヘネ ソモ エチ・ウウェトゥナンカㇻ ルウェヘ アン=まさかお前が来るとは思っていなかったのにお前が来た,私の息子も行ったのに峠ででも行き合わなかったかい? (出典:萱野、方言:沙流)
uwetunuyse
ウウェトゥヌイセ 【u-e-tunuyse】 滔々(とうとう)と. (出典:萱野、方言:沙流)
uweturasiturasi
ウウェトゥラシトゥラシ 【u-e-turasi-turasi】 仲睦まじい,仲がよい:子犬がじゃれて立ち上がり立ち上がりしているように仲がよい. ピㇼカ ヒネ イレスカムイ テㇰサマ タ ウウェチューサケ エチ・ク ワ ネ クス ネイタ パㇰノ ピㇼカ ウウェトゥラシトゥラシ エチ・キ ㇷ゚ ネ ナ アニー=縁あって火の神の目の前で夫婦の契りの酒をあなたたちは飲んだので,いつまでも仲睦まじくするのですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
uweturen
ウウェトゥレン 【u-e-turen】 対(つい). ク・ケリヒ テ タ ウウェトゥレン ノ カヌ(ク・アヌ) アㇷ゚ アㇻケヘ イサㇺ ネンカネ セタ ヘネ エクパ ルウェ ソモ ネ ヤー=私の履物をここへ対にして置いたのに片方がない.もしや大がくわえたのではないだろうか.*昔の履物は鹿の皮などで作られたからしばしば犬に持って行かれた. (出典:萱野、方言:沙流)
uwetusmak
ウウェトゥㇱマㇰ 【u-e-tusmak】 先を争う.競争する.▷ウ=互い エ=それを トゥㇱマㇰ=先を争う ソンノ ペトッタ(ペッ オㇿ タ) フㇱペ ア・パ ヤㇰ ア・イェ アクス アチャポ ウタㇻ ウウェトゥㇱマㇰ ワ ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ホユッパ=本当にまあ川で氷の下で死んだ鹿が見つかったと聞いたら,おじさんたちは先を争って川へ走った. (出典:萱野、方言:沙流)
uweyaykopuntek
ウウェヤイコプンテㇰ 【u-e-yaykopuntek】 互いに喜ぶ.▷ウ=互いに エ=それを ヤイ=自身 コプンテㇰ=ほめる セタッコ ソモ ウヌカㇻ パ ㇷ゚ ネ クス ウヌカㇻ パ アクス ウテㇰルイルイパ パ コㇿ ウウェヤイコプンテㇰ=しばらく会っていなかったものだから,会ったら手を取り合って喜んでいた. (出典:萱野、方言:沙流)
uweyayramuikasure
ウウェヤイラムイカスレ 【u-e-yay-ramu-i-kasu-re】 互いに我こそはと思っている,相手に負けてはならないと頑張っている. (出典:萱野、方言:沙流)
uweyayrenka
ウウェヤイレンカ 【u-e-yayrenka】 しばらくぶりで会ったふたりが懐かしみ合う. アチャポ ウタㇻ ヘンパㇰ パ カ ソモ ウヌカㇻ ノ オカ タント ウヌカㇻ ワ ソンノ ウウェヤイレンカ パ コㇿ オカ=おじたちは何年も会わずにいて,今日しばらくぶりで会って本当に懐かしみ合っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
uweyokpuri
ウウェヨㇰプリ 【u-eyok-puri】 お互いを尊敬しあう風習:年下の者にでも尊敬できる者には兄,姉と尊敬の念を込めて言う言い方. ウウェヨップリ ネ アクス タㇷ゚ネ マタㇰ ネ ヤッカ サポ ネ ク・イェ アㇰ ネ ヤッカ ユポ ネ ク・イェ=お互いを尊敬しあう風習であるが故に妹であるけれど姉と呼び弟ではあるけれど兄と呼ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
uweyokpuri
ウウェヨップリ 【u-eyok-puri】 互いに相手を尊敬する風習,歳下の人に対しても兄あるいは姉と呼ぶ. *クユポ(私の兄),クサポ(私の姉).日本風に言うと自分よりも若い人に兄あるいは姉と言ったら失礼に当たるであろうが,アイヌでは大切な言い方のひとつである.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uwohumseeciw
ウウォフㇺセエチウ 【u-o-humse-eciw】 気合をかけあう. コタン ケスン(ケㇱ ウン) ウコイキ ハウ ウェンルイ アクス オッカイポ ウタㇻ ウウォフㇺセエチューパ コㇿ チソヨクタ=村の下端でけんかをしている声が激しく聞こえると若者たちが気合をかけあいながら外へ飛び出した. (出典:萱野、方言:沙流)
uwokarpa
ウウォカㇻパ 【u-o-karpa】 交代(する). イヨㇰペ シネㇷ゚ パテㇰ アン ナ ウウォカㇻパ ランケ ア・エイワンケ シネン ネㇷ゚キ コㇿ シネン シニ オヌマン パㇰノ モセ・アン ロー=鎌が1丁しかないので交代しながら使ってひとり働くとひとり休み夕方までカヤ刈りをしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
uwokkanekut
ウウォッカネクッ 【u-ok-kane-kut】 鎖. (出典:萱野、方言:沙流)
uwoma
ウウォマ 【u-oma】 揃う. チセニ ウウォマ ワ アン クニ ク・ラム アㇷ゚ ポンノ ウハイェ ノイネ ネ ナ.アㇻパ ワ トゥイェ ワ エㇰ ヤン=家を建てる材料が揃っていると私は思っていたが少し足りない,行って伐って来なさい. (出典:萱野、方言:沙流)
uwomap
ウウォマㇷ゚ 【u-omap】 仲がよい(子供たちが).▷ウ=互いに オマㇷ゚=かわいがる (出典:萱野、方言:沙流)
uwomare
ウウォマレ 【u-omare】 拾い集める,寄せ集める. ホクレ ホクレ タネ シㇼクンネ ナ.ネッ ポロンノ ウウォマレ ア・セ ワ イワカン(イワㇰ・アン) ナ=早く早くもう日が暮れそうだ.薪にできる流木をたくさん拾い集めろ,背負って帰るから.ヤㇺ ウウォマレ=クリを拾い集める.エモ ウウォマレ=ジャガイモを拾い集める.*少年時代に畑仕事をして帰り際になると母は私にそう言い,薪を集めて背負って家へ帰ってきたものだった.時にはアイヌシケ(アイヌ風の背負い方)といって背負い縄の広い部分を頭に掛けて背負うこともあったが,シサㇺシケ(和人の背負い方)は胸の所で縛るやり方, (出典:萱野、方言:沙流)
uwominausiusipa
ウウォミナウシウシパ 【u-o-mina-usi-usi-pa】 笑い声を立て合う. メノコポ ウタㇻ ネㇷ゚ ワ アン ペ ウウォミナウシウシパ コㇿ ウコイソイタㇰ コーロ(コㇿ) オカ ヒ ク・ヌ コㇿ チセ カッカリ(ク・アッカリ)=娘たちが何をしゃべっているのかお互いに笑い声をたてながら話し合っているのを私は聞きながら家の前を通り過ぎてきた. (出典:萱野、方言:沙流)
uwonakor
ウウォナコㇿ 【u-ona-kor】 親子である:父子に限る. (出典:萱野、方言:沙流)
uwonakorutar
ウウォナコルタㇻ 【u-ona-kor-utar】 親子:父子に限る. (出典:萱野、方言:沙流)
uwonuytasa
ウウォヌイタサ 【u-onuytasa】 行き違いになる.▷ウ=互い オヌイタサ=反対に エチ・エカノㇰ クナㇰ イェ コㇿ クンネイワノ アㇻパ アㇷ゚ ネイタカ エチ・ウウォヌイタサ シリ ネ ハウェ=お前を迎えると言いながら朝から行ったのにどこかでお前たちは行き違いになったわけだな. (出典:萱野、方言:沙流)
uwopokin uwopokin
ウウォポキン ウウォポキン 【u-opokin u-opokin】 次から次と. ホクフ カ イサㇺ オカケヘ タ ポホ ウタリ カ ウウォポキン ウウォポキン ライ ワ イサㇺ エヤイポㇰタチㇱ コㇿ アン シリ ケヌペッネ(ク・エヌペッネ)=夫が死にその後で息子たちが次から次と死んでしまい自分の悲運を悲しんでいるのを見て,私ももらい泣きをした. (出典:萱野、方言:沙流)
uwosikkotepa
ウウォシッコテパ 【u-o-sik-kote pa】 愛しあう,恋をする.▷ウ=互いに オ=そこに シㇰ=目 コテ=繋ぐ パ=〔複〕 テエータ アナㇰネ ペウレクㇽ ウタㇻ ウウォシッコテパ コㇿ ネユンネユン カ シノッチャオㇿイタㇰ パ ㇷ゚ ネ ア ワ=ずうっと古い時代は若者たちが恋をするといろいろと歌の中へ言葉を入れたものであった.ウウォシッコテパ ㇷ゚ アナㇰネ ウヘコテ ソモ ア ノ イシㇰサㇺネレ パ ネㇷ゚カ エウコピヌピヌ パ コㇿ オカ=恋人同土は向かい合って座りもしないで横目で顔を見ながらなにやらひそひそ話をしている.ウウォシッコテパ シリ ネ ノイネ ネユンポーカ イキ パ コㇿ ウカランケ オカ シリ イキ パ=お互いに恋心があるらしく.なんとかしては近くにいるようにしている.フウーン ウウォシッコテパ ワ ネ ノイネ ネユンポーカ ウカランケパ ルスイ シリ=ああそうか,惚れ合っているらしくなんとかかんとかして近づき合いたい様子だ. (出典:萱野、方言:沙流)
uwosikkoteyaynu
ウウォシッコテヤイヌ 【u-o-sik-kote-yaynu】 恋心(を持つ). (出典:萱野、方言:沙流)
uwosmare
ウウォㇱマレ 【u-osma-re】 備える.▷ウ=互い オㇱマ=入る レ=させる メノコシリポ ア・ウウォㇱマレ=一人前の娘の様子を備えた(=私は一人前の娘になった). (出典:萱野、方言:沙流)
uwosurpa
ウウォスㇽパ 【u-osurpa】 離婚する. カンナ カンナ ウウォスㇽパ パ ヤㇰ パハウ アン アクス タネ アン ハワㇱ アナㇰネ ソンノ ネ ノイネ=何回も何回も離婚すると噂があったが,今度の話は本当らしい. (出典:萱野、方言:沙流)
uwotutanu
ウウォトゥタヌ 【u-o-tutanu】 順番. ウウォトゥタヌ ウウォトゥタヌ ウㇰ ワ アㇻパ=順番に取って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
uwousi
ウウォウシ 【u-o-usi】 繋ぐ(短い物を),繋ぎ足す. ルウェ トゥㇱ ネ コㇿカ タネ フㇱコ ㇷ゚ ネ クス トゥイ ワ ウンマ キラ ワ イサㇺ.トゥㇱ ウウォウシ ワ アヌ=太い綱であるがもう古いので切れて馬が逃げてしまった.綱を繋いでおけ. (出典:萱野、方言:沙流)
uwoyakta
ウウォヤㇰタ 【u-oyak-ta】 別々に. チセ ア・アシ ヒ タ アナㇰネ ナ ウウォヤㇰタ ア・アシ.ネンカネ シㇼウフイ ヒ タ ア・シトマ クス=家を建てる時はそれぞれ別々に建てる.もしも火事になった時恐ろしいので. (出典:萱野、方言:沙流)
uyake
ウヤケ 【uyake】 ばらばらにほぐれる,樽のたがが外れてばらばらになること. オンタロウヤケ=樽がばらばら.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uyayeasirkar
ウヤイェアシㇼカㇻ 【u-yay-e-asir-kar】 後添いを貰う.▷ウ=互いに ヤイ=自身 エ=それで アシㇼ=新しい カㇻ=作る (出典:萱野、方言:沙流)
uymam
ウイマㇺ 【uymam】 交易. ニサッタ ノシㇼクンネイワ ウイマㇺエアㇻパ・アン ルスイ クス ア・サッサトゥ ワ アナ(アン ア) チホキ レパチㇷ゚ オㇿ ア・オマレ=明日,朝の暗いうちから交易に行きたいので,乾かしてあった毛皮を交易船に入れた. (出典:萱野、方言:沙流)
uymam esan
ウイマㇺエサン 【uymam-esan】 交易に行く,別の地方へ物々交換に舟で行く. ▷ウイマㇺ=交易 エ=それ サン=出る,行く(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uyna
ウイナ 【uyna】 取る,受け取る,拾う. アンクラ オッタ(オㇿ タ) イヨㇰペ コイラ(ク・オイラ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ナ アㇻパ ウイナ ワ エㇰ=畑の畔に鎌を忘れてきたから行って取って来い. (出典:萱野、方言:沙流)
uyotsatpene
ウヨッサッペネ 【uyot-satpe-ne】 礼儀を知らぬ者のように,礼儀知らずと同じに. ウヨッサッペネ アユピヒ チンキケセ アウコライェ=礼儀を知らぬ者のように,私の恋人の着物の裾を両方の手でつかまえた[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uype/uype(he)
ウイペ/ウイペ(ヘ) 【uype/uype(he)】 屑. ク・コㇿ ション ソイネ ワ ニ ウイペ ウウォマレ ワ エㇰ.カペアリ(ク・アペアリ) クスネ ナ=孫よ,外へ出て薪の屑を集めて来い.私が火を燃やすから. (出典:萱野、方言:沙流)
uyruke
ウイルケ 【uyruke】 つける:装身具のみに用いる. ニンカリ キサㇻ ウイルケ=耳輪を耳につける.テクンカネ テㇰ ウイルケ=腕輪を腕にはめる.レクトゥンペ レクッ ウイルケ=首飾りを首につける. (出典:萱野、方言:沙流)
uyrup
ウイルㇷ゚ 【<un-rup】 住民.▷ウン=住む ルㇷ゚=群れ,集団 ニㇷ゚タニ ウイルㇷ゚=二風谷の住民. (出典:萱野、方言:沙流)
uyupikor
ウユピコㇿ 【u-yupi-kor】 男きょうだいである:兄と弟妹. (出典:萱野、方言:沙流)
wa
ワ 【wa】 〜から. (出典:萱野、方言:沙流)
wa
ワ 【wa】 〜して,〜ので. (出典:萱野、方言:沙流)
wa
ワ 【wa】 〜よ. (出典:萱野、方言:沙流)
wakka
ワッカ 【wakka】 水. (出典:萱野、方言:沙流)
wakka asin usi
ワッカ アシン ウシ 【wakka-asin-usi】 泉.湧き水. (出典:萱野、方言:沙流)
wakka cik
ワッカ チㇰ 【wakka cik】 雫,水が滴る. (出典:萱野、方言:沙流)
wakka epururse
ワッカ エプルㇽセ 【wakka epururse】 吹く,口にふくんだ水を霧吹きする. (出典:萱野、方言:沙流)
wakka kasi ota
ワッカ カシ オタ 【wakka kasi o-ta】 水をかける. (出典:萱野、方言:沙流)
wakkakep
ワッカケㇷ゚ 【wakka-ke-p】 あか汲み:水あかをかき出す道具. (出典:萱野、方言:沙流)
wakkata
ワッカタ 【wakka ta】 水を汲む.▷ワッカ=水 タ=汲む (出典:萱野、方言:沙流)
wakkauskamuy
ワッカウㇱカムイ 【wakka-us-kamuy】 水の神. (出典:萱野、方言:沙流)
wakusu
ワクス 【wakusu】 〜ので,だから. ポンノ ク・ヌ ルスイ ペ アン ワクス エカシ エウン ク・アㇻパ アクス イク コㇿ アン ク・イェ エラㇺ キッカㇻ ワ ク・キラ ワ ク・エㇰ=少し聞きたいことがあったので祖父の所へ行くと飲んでいたので言うのを諦めて逃げてきた. (出典:萱野、方言:沙流)
wampare
ワンパレ 【wampa-re】 見る,見渡す. イキヤ オッカイポ エウン タント ク・ホタヌ ワ ク・エㇰ テキポㇿ ク・ワンパレ ク・エアナサㇷ゚=あの若者へ今日見舞いに行って来た,手の顔色を見て来たが心配だ. (出典:萱野、方言:沙流)
waniw
ワニウ 【wan-iw】 人. (出典:萱野、方言:沙流)
wano
ワノ 【wa no】 〜をも,〜から. (出典:萱野、方言:沙流)
wanpe
ワンペ 【wan-pe】 10,10個の物. (出典:萱野、方言:沙流)
warantuka
ワラントゥカ 【warantuka】 ハモ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
watara
ワタラ 【watara】 平磯. (出典:萱野、方言:沙流)
watcirewep
ワッチレウェㇷ゚ 【watci-rewe-p】 曲げものシントコ:漆器.このシントコの別名をマサシントコとも言うが屋根裏のマサを連想しての言い方であったのかもしれない.アイヌたちは南隣の日本の国から持ち込まれた漆塗りの道具を見てはその形に合わせていろいろと名づけている.エトゥヌㇷ゚(鼻を使う物・片口),エチユシ(そこにちんちんのある物・酒差し)などなど. (出典:萱野、方言:沙流)
wattes
ワッテㇱ 【wattes】 藁(わら). (出典:萱野、方言:沙流)
wayasap
ワヤサㇷ゚ 【wayasap】 賢くない,馬鹿. (出典:萱野、方言:沙流)
wayasnu
ワヤㇱヌ 【wayasnu】 賢い,利口. (出典:萱野、方言:沙流)
wayru
ワイル 【wayru】 間違い(をする),あやまち.うっかり犯した罪. (出典:萱野、方言:沙流)
wayse
ワイセ 【way-se】 大声で泣く声. (出典:萱野、方言:沙流)
wen
ウェン 【wen】 だめだ,悪い,間違っている,みすぼらしい. イテキ ハウコㇿ パ ヤン.タネ ウェン ノイネ シㇼキ ナ=お前たち声を出さないで.(この人は)もうだめな(=もう息を引き取る)様子だ. (出典:萱野、方言:沙流)
wen'inaw
ウェンイナウ 【wen-inaw】 悪いイナウ,悪い神に上げるイナウ. ▷ウェン=悪い イナウ=御幣 *どんな神が悪い神かというと,人間に悪さをする神,病気を撒き散らす神を言う.その神を人間の村から退散願うために,普通はイナウとして用いないソコニ(ニワトコ),パセニ(サワシバ)などでイナウを作り,サケの背びれ,腹びれ,胸びれ,しっぽを供物としてあげることになっている.→ウェニナウ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
wen'uske
ウェンウㇱケ 【wen-uske】 悪所. (出典:萱野、方言:沙流)
wenamam
ウェナマㇺ 【wen-amam】 悪い穀物,食べられないヒエ. トヨッタ(トイ オㇿ タ) ムンリセ・アニタ(ムンリセ・アン ヒ タ) アマㇺ コポイケ ワ ウェナマㇺ アン ナ イテキ オイラ ノ リセ アニー=畑で草を抜く時に普通のヒエに混ざって食べられないヒエがあるので忘れずに抜くのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenhayayse
ウェンハヤイセ 【wen-hayayse】 悪い叫び声:危急を知らせる声.ペウタンケほどではない.いやなざわめき,よからぬ前兆のざわめき:遠くへ聞こえるざわめきはよいことではない予感. (出典:萱野、方言:沙流)
wenhura
ウェンフラ 【wen-hura】 悪臭. ク・アキ ポンノ ホㇱキ.ネㇷ゚カ ウェンフラ ソモ エ・ヌ ヤー.ネㇷ゚カ ライチェㇷ゚ アン ヒ ソモ ネ ヤ=弟よ少し待ってくれ,何か悪いにおいがしないかい.何かの死体があるのではないだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
weninaw
ウェニナウ 【wen-inaw】 悪い御幣.▷ウェン=悪い イナウ=御幣 セタ ネ ヤ チロンヌㇷ゚ ネ ヤ ソンノ ウェンカムイ ア・イワㇰテ ヒ タ アナㇰネ ソコニ ネヤ パセニ ネヤ ウェニナウ ネ ア・カㇻ ペ ネ=犬とか狐とか本当に悪い神を神の国へ送り返す時にはニワトコやサワシバなどを悪い御幣として作るものだ.*犬とか狐とか蛇とかが人間に取り憑いて崇る場合がある.その時に呪術者の託宣に従っておはらいをするが.その時に作られるのがウェニナウである. (出典:萱野、方言:沙流)
wenipokas
ウェニポカㇱ 【wen-ipokas】 醜い:うんと醜い,すごく醜い. エネ ウェニポカㇱ ペ オラーノ ヤイェシンノヤノヤ ワ シコラㇻ ルスイ=あれほど醜いくせに人前へ出たがって自分を誰かにくれたがる. (出典:萱野、方言:沙流)
weniruska/wen'iruska
ウェニルㇱカ/ウェンイルㇱカ 【wen-i-ruska】 本当に腹が立った,悪く腹が立つ. ▷ウェン=悪い イルㇱカ=怒る ウェニルㇱカ ポカネスンアキ=本当に腹が立ったんだよ,俺は.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
weniyokunnure
ウェニヨクンヌレ 【wen-iyokunnure】 悪くたまげる. (出典:萱野、方言:沙流)
weniyokunure
ウェニーヨクヌレ 【wen-iyokunure】 たまげる. (出典:萱野、方言:沙流)
weniyoski
ウェニヨㇱキ 【wen-iyoski】 泥酔(する),酔いすぎる.▷ウェン=悪い イヨㇱキ=酔っ払い(ウェンイヨㇱキ→ウェニヨㇱキ) イク ア イク ア コㇿ オラーノ ウェニヨㇱキ アㇷ゚カㇱ カ コヤイクㇱ.ウレンテㇰ ア・ニタタ=飲んで飲んでそのあげく泥酔して歩くこともできない.両方の手を支えられて.ウェニヨㇱキ ㇷ゚ エㇰ ヒネ イチェン エネコソウㇰ(エン・エコソウㇰ) ルスイ ク・シトマ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) アウン アチャポ エㇰ ヒネ エン・カケウェ.エアㇻキンネ ク・ヤイライケ=泥酔したといってもいいような者が来て銭を貸してくれと言い私が恐ろしく思っていると隣のおじさんが来て私に加勢してくれた,本当にありがたかった.タヌクラン エカシ エアㇻキンネ ラムリテン ワ イク アイーネ ウェニヨㇱキ ナ ウニ パㇰノ ルラ ワ アㇻパ=今夜はおじいさんが上機嫌で飲んで酔いすぎたから家まで送って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkamuy 1
ウェンカムイ 【wen-kamuy】 ①悪い神,化け物. ウェンカムイ カ カムイ ネ ア・イェ.ラム ア・クットコレ コㇿ イピㇼカレ カ キㇷ゚ ネ=悪い神も神という.その思いを反対にすると人間を守ることもあるものだ.ク・ポホ ウタㇻ トゥイマ ノ ネㇷ゚キ エアㇻパ コㇿ ウェンカムイ イラメパカリ コラチ ケポタㇻパ(ク・エポタㇻパ)=息子たちが遠くへ働きに行くと悪い神が想像するかのように私は案じている.*子供たちが仕事に出た後,あのように怪我はしないかこのように病気にならないかと悪いことばかり想像する,これは悪魔の想像そのものであったと,母が述懐していたものだったが,母の年齢に近づいた私もそのようになってきた.シロヌマン パㇰノ ソイ タ シノッ・アン コㇿ ウェンカムイ アン ペ ネ ナ.ホクレ チセ オルン アフㇷ゚ アフㇷ゚=夕暮れになるまで外で遊ぶと化け物がいるものだ.早く家へ入れ入れ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkamuy 2
ウェンカムイ 【wen-kamuy】 ②陰核〔隠語〕. メノコ コㇿ ウェンカムイ アナㇰネ ネ ワ アン ペ エペカ メノコ カ オッカヨ カ ウコシットゥライヌ ㇷ゚ ネ.クス ネ ヤ ウェンカムイ シコㇿ カ ア・イェ ㇷ゚ ネ ワ=女性の陰核というものはそれによって女も男も道に迷うものだ.それでだろうか.悪い神とも言うものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkasuno
ウェンカスノ 【wen-kasu no】 あまりにも. オヤ コタン タ イヨマンテ アン ワ ア・エン・タㇰ カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス ウェンカスノ ピㇼカ メノコポ アン ワ ク・コホヨイセ=よその村で熊送りがあり私は招待されて行ったら,あまりにも美しい娘がいて私は欲しくなった.ウヌ ウタリ ネンカ アㇻパ ワ ネ ノイネ オハシッタ(オハシㇼ タ) ポンペ シネンネ アン ウェンカスノ ケランポㇰウェン(ク・エランポㇰウェン) クス ク・トゥラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=母親たちがどこかへ行ったらしく,誰もいない所に幼子がひとりでいたのであまりにもかわいそうに思って連れて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkatcamkor
ウェンカッチャㇺコㇿ 【wen-katcam-kor】 悪いことをする,悪い性質(を持つ). ネユン ア・イェ ヤッカ ウェンカッチャㇺコㇿ ペ アナㇰネ オウェヌシ カムイ コイパㇰペ ネ ワー=どのように意見されようとも悪いことをする者は運が悪くなって神から罰をあてられるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkewtumkor
ウェンケウトゥㇺコㇿ 【wen-kewtum-kor】 ずるい(根性が悪い). (出典:萱野、方言:沙流)
wenkinrane i=kohetari
ウェンキンラネ イコヘタリ 【wen-kinra-ne i=ko-hetari】 怒った顔でさっと振り向く.▷ウェン=悪い キンラ=猛り ネ=なる イ=私 コ=に ヘタリ=自ら起こす ソモカ タㇷ゚ネ エネ アン イタㇰ ア・イ・コスイェ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ア・イ・ウェンイェカㇻ ウェンキンラネ イ・コヘタリ=まさかのこと,そのような言葉が私に降り注ぐとは思わなかったのに,私は悪く言われたので怒った顔でさっと振り向いた. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkosipasnu
ウェンコシパㇱヌ 【wen-ko-sipasnu】 悪いほうへ目立つ:たいしたことのない者が目立ちたがる,控え目にできない者,それでいてまるっきりの馬鹿でもない者. スイスイ イキヤクㇽ ヤイェシンノヤノヤ ワ ヘサシ サン ウェンコシパㇱヌ ㇷ゚=またもやあの人が身体をよじって人の間を抜けて前へ出た,たいしたこともないくせに目立ちたがって. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkoykikar
ウェンコイキカㇻ 【wen-koyki-kar】 めちゃくちゃにいじめる. イラマンテ クス エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ソモカ エネ シㇼキ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ウェンユㇰ ピッコサヌ ア・イ・ウェンコイキカㇻ ライ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ ア・コヤイヌトゥンヌ=狩のために山へ入ったら,まさかそうなるとは思わなかったのに,どうもうな熊がさっと飛び出て来てめちゃくちゃにいじめられ,死んたのか眠ったのか意識朦朧となった. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkur
ウェンクㇽ 【wen-kur】 貧乏人:貧乏の他,こいつ,このやろう,などとその場によって使い分けられる.必ずしも悪意ばかりではない. ソンノ ウェン ロㇰ ペ クㇱタ ウインネレ ポーヘネ ウェンクㇽ ネ パ=本当に悪いからとて子供ばかり多い,なおさらのこと貧乏になる.ウェンクㇽ キンカイ パセ ㇷ゚ ネ=貧乏者の荷物は重いものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkur ikor kor
ウェンクㇽ イコㇿ コㇿ 【wen-kur-ikor-kor】 見せびらかす,自慢する:貧乏人が宝を持つ. ウェンクㇽ アナㇰネ ネンポーカ イキ ワ シネ イコㇿ ポカ コㇿ コㇿ オラーノ ヌカラㇻ ルスイ.タパイェ(タㇷ゚ ア・イェ) クニ ウェンクㇽ イコㇿ コㇿ=貧乏人はなんとかしてひとつの宝だけでも持つと,それから誰かに見せたがる,このことを貧乏人が宝を持つ(=自慢する)という.*私がアイヌの生活用具を買い集め始めた当初の昭和28年頃,珍しい物が手に入るとだれかれに出して見せたがった.その様子を見ていた母が「ウェンクㇽ イコㇿ コㇿ]と言ってたしなめてくれたので,それからはそうしなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkuraspa
ウェンクラㇱパ 【wen-kuraspa】 軽蔑する,馬鹿にする,蔑む. ニㇱパ ネ パ ㇷ゚ ネイタ パㇰノ ソモ ニㇱパ ネ.ウェンクㇽ セコㇿ ア・イェ ウタㇻ ネイタ パㇰノ ソモ ウェンクㇽ ネ.イテキ ア・ウェンクラㇱパ ㇷ゚ ネ=物持ちと称せられる者はいつまでも物持ちではない.貧乏と言われる人たちはいつまでも貧乏人ではない.絶対に軽蔑してはいけないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkurcise
ウェンクㇽチセ 【wen-kur cise】 貧乏な家. ニㇱパ アヌシ(アン ウシ) アナㇰネ エソイネ ワノ ア・エラマン.ウェンクㇽチセ アナㇰネ チセ ソイ タ ホカアオㇷ゚ カ イサㇺ ムン ポーカ イサㇺ=物持ちの家は外から見てもわかる.貧乏な家は家の外に薪もないし,ごみばかりもない. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkut'onne
ウェンクッオンネ 【wen-kut-or-ne】 絶壁,断崖,崖.▷ウェン=悪い クッ=崖 オㇿ=所 ネ=なる →悪い崖になっている所 イㇱカㇻ エトコホ ソウンペッ アナㇰネ イタㇰコラチ ウェンクッオンネ アイヌ カ アㇷ゚カㇱ エアイカㇷ゚=石狩川の源,滝のある川(層雲峡)は言葉通り絶壁なので人間も歩くことができない. (出典:萱野、方言:沙流)
wenmenoko
ウェンメノコ 【wen-menoko】 悪女. ウェンメノコ セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ カ ネユンネユン アン イスエチレ ウェンメノコ ホカパル ウェンメノコ イロンナピウェ ウェンメノコ イシケオプシ ウェンメノコ=悪女と表現される中でもいろいろあり,陰部の熱い悪い女.灰を飛ばす悪い女,座る時に男にくっつく悪い女,髪の間から私をにらむ悪い女. (出典:萱野、方言:沙流)
wenmunira
ウェンムニラ 【wen-munira】 ごみ(屑).ほこりより大きく掃いて掃除する. (出典:萱野、方言:沙流)
wennuwap
ウェンヌワㇷ゚ 【wen-nuwap】 死産.▷ウェン=悪い ヌワㇷ゚=お産 エ・ヌ アー ウクラン コタンケㇱ タ ウヌワㇷ゚テ アン ヤㇰ ア・イェ ㇷ゚ ウェンヌワㇷ゚ ネヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ) ク・イケㇺヌ=聞いたかい,昨晩村の下端でお産があったそうだが死産だったそうなので哀れに思った. (出典:萱野、方言:沙流)
wenosoyunpe
ウェノソユンペ 【wen-osoyunpe】 悪霊. (出典:萱野、方言:沙流)
wenpasrota
ウェンパㇱロタ 【wen-pasrota】 毒づく. ソンノ イヨーハイ イヨイタクシ エカㇷ゚ネ ウェンパㇱロタ ハウェ.ケオハイシトマ(ク・エオハイシトマ)=本当にいやなことだよ.呪いの言葉さながらに毒づく,私は薄気味悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
wenpe
ウェンペ 【wen-pe】 悪人,悪者,貧乏人. マㇰタエカㇱ カ イッカ ㇷ゚ ネヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ) ア ワ タイペヘ カ イッカエオ ソンノ ウェンペ ネ ハウェ ネ=遠い先祖の祖父も泥棒したものだと聞いたのにその血統も手癖が悪い,本当に悪い者だよね.ネア ウェンペ アン ヒ ア・エラマン ヒ ネ ヤクン エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ) ク・コチョラウキ ナ=あの悪者のいる所をお前が知っているのなら私に教えてくれ,これから向かって行くから.イㇱラㇺネ ㇷ゚ ウェンペ シコㇿ ア・イェ ヤッカ アイヌ オピッタ ソモ ネ ㇷ゚ ネ ヤイヌミウェン ペ カ オカ ニサㇱヌ トゥマㇺ コㇿペ オラーノ トランネ ㇷ゚ ソンノ ウェンペ ネ ワー=不自由している者,貧乏人といってもそれらの者全部ではないものだ,病気の者もいるし健康な身体でありながら骨惜しみの怠け者こそ本当の貧乏人だよ.*アイヌ社会でのウェンペ(悪い者)とは,泥棒,手癖が悪いこと.健康な体でありながら働きもしないで食べるにも困るような貧乏している者はアイヌ(人間)とは言わず,ウェンペ(悪い奴)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
wenpeiyokatuye
ウェンペイヨカトゥイェ 【wen-pe-i-oka-tuye】 たいしたことのない者が生き残る(他人が言うよりも自分自身のことを述懐していることが多い). エネ ピㇼカ ク・ユピヒ ネヤ ク・サハ ネヤ ライ ワ イサㇺ.タㇷ゚ ア・イェ クニ ウェンペイヨカトゥイェㇷ゚ ネ カン(ク・アン) ルウェ ネ ルウェ ウン=あのように立派な兄とか姉が死んでしまった.これのことをたいしたことのない私が生きている者として私はいるんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenpesani
ウェンペサニ 【wen-pe-sani】 悪いものの血統,貧乏人の血統. ソンノヘタㇷ゚ ウェンペサニ ネ ロㇰ ペ クㇱタ トランネ パ ワ イペー カ エアイカㇷ゚パ=本当のことだよ,貧乏人の血統だからとて骨惜しみをして食うことばかりもできない者たちだ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenpesirma
ウェンペシㇼマ 【wenpe-sirma】 悪いものの澱(悪口.めったに口にしない). (出典:萱野、方言:沙流)
wenpeusi
ウェンペウシ 【wen-pe-usi】 葬式(悪い場所). ウェンペウシ タ ピㇼカ ㇷ゚ オッタ(オㇿ タ) ヤイクㇽサㇷ゚テ イイェマウネ・アン ペ ネ ナ=悲しい所(葬式)にでも祝い事の場所へでも自分の姿を見せ,人と交わるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenpuri
ウェンプリ 【wen-puri】 罪を犯す. (出典:萱野、方言:沙流)
wenpurikor
ウェンプリコㇿ 【wen-puri-kor】 罪を犯す(悪事をする). オトゥ スイ レ スイ ウェンプリコㇿ.アヌン ヌカㇻ ヤクン ア・エラムニㇱテ セコㇿ ア・イェ ナンコㇿ ヤッカ タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ケイキリチ ア・トゥイェ ロー=2回3回と悪事をする.他人が見たら残酷と言うかもしれないが,今回は足のふくらはぎの腱を切ってしまいましょう.タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ルイノ ルイノ ア・ヨㇺネレ ソモ ヤㇰネ イマカケタ スイ ウェンプリコㇿ ナ=今の場合は強く強く懲らしめないと次に再び悪いことをするであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
wenrera
ウェンレラ 【wen-rera】 巻風,竜巻,つむじ風. トヨッタ(トイ オㇿ タ) ネㇷ゚キ コㇿ アナン(アン・アン) ウㇱケ ウン ウェンレラ エㇰ ヤㇰネ ウェンレラ エウン イヨㇰペ アニ ア・ピイェカㇻ ペ ネ.オカケタ イヨㇰペ ア・ヌカㇻ コㇿ ケㇺ ウㇱ ワ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=畑で働いている所へ巻風が来たら巻風に向かって鎌をぶつける.その後で鎌を見ると鎌に血がついているものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
wensampekor
ウェンサンペコㇿ 【wen-sampe-kor】 けちんぼうだ,根性悪. ホッノ イヨーハイ オスラ パㇰノ コㇿ ワ アン ヤッカ シネ カㇺトゥ カ ソモ イ・エレ ウェンサンペコㇿ=まあまああきれた,捨てるほど持っていても一切れの肉端も私に食べさせない,けちんぼうだ(根性が悪い).イミナコタマタマ コㇿ パノレ ㇷ゚ ポーヘネ ウェンサンペコㇿ ペ オカ ㇷ゚ ネ ナ シコㇿ オンネ ウタㇻ ハウェオカ ㇷ゚ ネ=ふたつの笑い三つの笑みを私に振り向けながら口の上手な者ほど底意地が悪い者がいるものだと老人たちは言うものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
wensapakar
ウェンサパカㇻ 【wen-sapa-kar】 悪い頭を作る. *夫に先立たれた妻が喪に服する意味で髪を短く切るが,普通は下唇と顎の中間まである髪を耳たぶより上まで切ってしまう.唇の下まで髪が伸びるまで,チㇱコンチ(涙の被り物)という三角頭巾を被り喪に服していたが,私が見た記憶では昭和6年か7年頃に,隣の家の貝澤オロアッノさんが最初で最後である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
wenseku
ウェンセク 【wen-seku】 悪い太り方(をしている). アイヌ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エイタサ ミムㇱペ オカ コㇿ ウェンセク シコㇿ ア・イェ ア・オラムサッカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=アイヌの所ではあまりにも太った者がいると悪い太り方と言って軽蔑されるものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
wensikesarpe
ウェンシケサㇻペ 【wen-sikesar-pe】 ならず者. ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) ウェンシケサㇻペ エネ ヤイヌ ヒ イルイケ イタンキ アニ ヘネ ア・イ・イペレ ヤㇰネ チャランケ モトホ ネ ア・カㇻ シコㇿ ヤイヌ=昔話の中でならず者が思うことは研ぎ水を入れる椀などで私に食べさせてくれればいいがかりの原因にしたいものだと思った. (出典:萱野、方言:沙流)
wensirunkur
ウェンシルンクㇽ 【wen-sirun-kur】 悪い人:これは悪口であるので人前で言う言葉ではなく陰口の場合に言う.これの対語としてトイシルンクㇽという言葉があるが意味は同じ. (出典:萱野、方言:沙流)
wensiyeye
ウェンシイェイェ 【wen-siyeye】 悪い病気. アイヌイカラㇱ ウェンシイェイェ ヘネ キ シリ ネ ノイネ イポロホ カ ウェン=もったいない人が悪い病気にかかったらしく顔色も悪い.*昭和10年代には肺結核のことをそう呼んでいた. (出典:萱野、方言:沙流)
wentarap
ウェンタラㇷ゚ 【wentarap】 夢(をみる). ウェンタラㇷ゚ オッタ(オㇿ タ) ネㇷ゚ カ ア・イ・コタララ ワ ア・ウㇰ ヤㇰ ア・タカㇻ ネ ウェンタラㇷ゚ アナㇰネ パヨカカムイ パヨカ ヒ ネ クス ヤイカキㇰ・アン ペ ネ ナー=夢の中で何か伸ばされて受け取った夢をみるとその夢は流行病の神が歩いているのだから自分自身で体をはらい清めるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
wentarapte
ウェンタラㇷ゚テ 【wentarap-te】 夢をみさせる.▷ウェンタラㇷ゚=夢をみる テ=させる →神様が夢をみさせる チセコㇿカムイ ア・ネ,トパットゥミ エㇰ ノイネ シリキ クス チセコㇿクㇽ ア・ウェンタラㇷ゚テ=私は家の守護神であって,夜盗が来る様子なので家主に夢をみさせた.カムイ オㇿワ アイヌ ア・ウェンタラㇷ゚テ クスケライポ アイヌ アナㇰネ ネㇷ゚ ネㇷ゚ アン ペ エラムオカ シコㇿ ウウェペケㇾ オルㇱペ タ アン ペ ネ ワ=神からアイヌたちが夢をみせてもらえるお陰で,アイヌたちはいろいろなことを知ることができると昔話の中にあるものだ.*道東のアイヌは夢のことをチニタ(夢)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
wente
ウェンテ 【wente:wen-te】 壊す,破壊する. (出典:萱野、方言:沙流)
wentoykanto
ウェントイカント 【wen-toy-kanto】 悪い大地の空. ウェントイカント コキル=悪い大地の空へ追放する. (出典:萱野、方言:沙流)
wenyatoyne
ウェンヤトイネ 【wen-yatoy-ne】 強制徴用される. ハイ ク・サンペー アッケㇱ タ ウェンヤトイネ ウタㇻ ウチㇷ゚コウェンテ セコㇿ コタン クㇽカㇱ ハウシタイキ イヨーハイ=ああ心臓も止まりそうだ,厚岸へ強制徴用された人たちが難破したと村の上へ知らせが来た,どうしようか. (出典:萱野、方言:沙流)
wenyaynu
ウェンヤイヌ 【wen-yaynu】 肺結核. (出典:萱野、方言:沙流)
wenyuk
ウェンユㇰ 【wen yuk】 人食い熊. イラマンテ クス エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ソモカ エネ シㇼキ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ウェンユㇰ ピッコサヌ ア・イ・ウェンコイキカㇻ ライ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ ア・コヤイヌトゥンヌ=狩のために山へ入ったら,まさかそうなるとは思わなかったのに,どうもうな熊がさっと飛び出て来てめちゃくちゃにいじめられ,死んだのか眠ったのか意識朦朧となった.ウェンユㇰ アナㇰネ エㇺコホ チポロ ペ ア・オ アーペコㇿ エㇺコホ チクイパソㇿ(チ・クイパㇱ オㇿ) ア・クㇱテ アーペコㇿ アン ペ ネー セコㇿ ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) ア・イェ ㇷ゚ ネ=どうもうな熊は体の半分が筋子を潰した汁をかけたような赤い色,体半分は消し炭を噛んだ汁に潜らせたような黒い色をしていると昔話の中では言われるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
weysampekor
ウェイサンペコㇿ 【wen-sampe-kor】 ずるい(根性が悪い). (出典:萱野、方言:沙流)
wo
ウォ 【wo】 親指と人差し指をのばした長さ. (出典:萱野、方言:沙流)
wor
ウォㇿ 【wor】 水. イテセアニタ(イテセ・アン ヒ タ) キナ カワウセ コㇿ カイ ペ ネ クス アㇻスイネ ウォㇿ ア・クㇱテ ア・テイネカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ござを編む時にガマ草が乾いていると折れるものだから,1回だけさっと水の中を潜らせ濡らすといいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
woro
ウォロ 【wor o】 水に浸ける.▷ウォㇿ=水 オ=入れる タント ニペㇱ ク・ケㇷ゚ ワ ケㇰ(ク・エㇰ).ネエトホ ウォロ ア・オ コㇿ ピㇼカノ オン ペ ネ クス タネ シシㇼクンネ コㇿカ トオㇿ パㇰノ カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=今日シナ皮を剥いで来た.その日に水に潰けるとよく発酵するものだから,もう薄暗くなったけれど沼まで行って来る.タント ア・ケㇷ゚ ニペㇱ ウォロ クス カㇻパ(ク・アㇻパ) ナ エン・トゥラ=今日剥いで来たシナ皮を水に浸けに行くので一緒に行ってや. (出典:萱野、方言:沙流)
worokompu
ウォロコンプ 【wor-o-kompu】 真っ青な顔色(のたとえ).▷ウォㇿ=水の中 オ=入れる コンプ=昆布 →水にうるけた昆布 ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスㇽタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェ(タㇷ゚ ア・イェ) クニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に,言うところの水にうるかした昆布と同じであったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
worokompusikopayar
ウォロコンプシコパヤㇻ 【wor-o-kompu sikopayar】 水にうるけた昆布のようだ. (出典:萱野、方言:沙流)
worokoyki
ウォロコイキ 【wor-o-koyki】 水でいじめる:泳げない者をわざと川ヘ投げ込む. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) ナー ク・マ エアイカㇷ゚ ヒ タ ク・ユピ ウタㇻ エン・ウォロコイキ.クスケライ ク・マ エアㇱカイ ペ ネ ア ワ=私が小さい時,またまだ泳げない時に,兄たちは私を川でいじめた.そのお陰で私は泳げるようになったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
worunpe
ウォルンペ 【wor-unpe】 湧き水にいる蚤と同じ形のクリーム色の虫,水にいる虫. ▷ウォロ=水 オルン=いる ペ=物,虫 *昭和31年に亡くなった父アレㇰアイヌの話では,毒性が強い虫なので矢毒に混ぜると毒の利き目が早く,熊がすぐに死ぬものだと言っていた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
wosa
ウォサ 【wosa】 筬(おさ):厚司織りの道具. (出典:萱野、方言:沙流)
wose
ウォセ 【wo-se】 遠吠え(する):狼や大の遠吠えする声. テエ一タ ナ ク・ポン ラポㇰ タ アナㇰネ セタ ウォセ コㇿ パヨカカムイ ホトゥイパ シㇼ ネ セコㇿ ネ ワ イシㇺネト タ ア・イワㇰテ パ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=ずーっと昔,私が少年時代は犬が遠吠えをすると病気の神を呼んでいるといって翌日神の国へ送るために殺していたのを見たものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
wose
ウォセ 【wose】 穂から粒を採る:穂から籾にする. ウナㇻペ エ・アン シリー.キヨリヨ ワ カナ(ク・アン ア) ピヤパ カウレ ワ アン クス ク・イウォセ ルスイ ナ エン・カスイ=おばさんよ,いたのかい.火棚に載せてあったヒエが乾いているので穂から籾にしたいから手伝って. (出典:萱野、方言:沙流)
woyoy woyoy
ウォョーイ ウォョーイ 【woyoy woyoy】 (叫び声):火事とか水に溺れた人を見た時の声.ペウタンケ(危急の時)の声. (出典:萱野、方言:沙流)
ya
ヤ 【ya】 網. (出典:萱野、方言:沙流)
ya
ヤ 【ya】 陸,岸,おか. (出典:萱野、方言:沙流)
ya
ヤ 【ya】 上る. (出典:萱野、方言:沙流)
ya
ヤ 【ya】 〜か. ソンノ ネ ヤ?=本当か?ピㇼカ ヤ?=いいか?タンペ ネ ヤ?=これか? (出典:萱野、方言:沙流)
ya
ヤ 【ya】 〜(だ)よ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaani
ヤアニ 【yaani】 危なく〜しそうになる. キㇺ タ ヤアニ カムイ エン・ライケ ヒ タ ク・アキヒ アン クスケライポ ク・シㇰヌ=山で危なく熊に殺されそうになった時,私の弟がいたお陰で私は生きた. (出典:萱野、方言:沙流)
yaanihonko
ヤアニホンコ 【yaani-honko】 奇跡的に. (出典:萱野、方言:沙流)
yaanipo
ヤアニポ 【yaani-po】 奇跡的に. (出典:萱野、方言:沙流)
yaaniyaani
ヤアニヤアニ 【yaani yaani】 危なく,あやうく. イット エキㇺネ・アン ア ㇷ゚ ウパㇱ ユㇷ゚ケ ウパセシットゥライヌ・アン ヤアニ ヤアニ ルプㇱ・アン イキヤナイネ イワㇰ・アン ア・オナハ イ・ケウェホㇺス ルウェ ネ=日帰りと思って山へ行ったのに大雪降りになって雪によって方角を見失い危なく危なく凍死しそうになり,どうにかこうにかして帰って来たら父は私をねぎらってくれた.マチヤ オㇿ タ アナㇰネ エイタサ アイヌ インネ ㇷ゚ ネ クス クトゥラ クㇽ ヤアニ ヤアニ ク・オカトゥライヌ=町ではあまりにも人が多いので一緒に行った人を危なく危なく見失うところだった. (出典:萱野、方言:沙流)
yaayka 1
ヤアイカ 【yaayka】 ①からくも,やっと,ようやく. (出典:萱野、方言:沙流)
yaayka 2
ヤアイカ 【yaayka】 ②ひょっとしたら.もしや. (出典:萱野、方言:沙流)
yaci
ヤチ 【yaci】 谷地,泥. イヨハイ スイ ヤチ ポチポチ ワ ネ ノイネ ミピヒ イチャッケレレ=あ〜あ,また谷地遊び(泥遊び)をしたらしく着ている物を汚した. (出典:萱野、方言:沙流)
yacine uske
ヤチネ ウㇱケ 【yaci-ne uske】 泥,ぬかるみ. (出典:萱野、方言:沙流)
yacipoci
ヤチポチ 【yaci-poci】 泥をこねる. エシㇼ エ・ミ ワ エ・ソイネ アㇷ゚ タㇱテㇰテㇰ エ・イチャッケレレ. エ・ヤチポチ ヒ=さっき着て外へ出たのにすぐにお前は汚してきた,泥んこをこねていたの. (出典:萱野、方言:沙流)
yacipocipoci
ヤチポチポチ 【yaci-poci-poci】 泥んこ遊び(をする). イヨハイ スイ ヤチポチポチ ワ ネ ノイネ ミピヒ イチャッケレレ=あーあ,また泥んこ遊びをしたらしく着ている物を汚した. (出典:萱野、方言:沙流)
yaciwakka
ヤチワッカ 【yaci-wakka】 泥水. (出典:萱野、方言:沙流)
yaekatta
ヤエカッタ 【ya-ekatta】 さっと陸へ上げる. ▷ヤエ=陸 カッタ=さっと(補遺編)▷ヤエ=陸 カッタ=さっと (出典:萱野、方言:沙流)
yaetaye
ヤエタイェ 【ya-etaye】 網引き. (出典:萱野、方言:沙流)
yairayke
ヤイライケ 【yai-ray-ke】 ありがたい,感謝する. ア・エカンパㇰ カ ソモ キ アㇷ゚ エネ ポロ イチェン ク・エウンケライ シノ ヤイライケ・アン=私は予想もしていなかったのにこれほどの大金.貰って本当にありがたいものだ.*ありがたいという意味になったり自殺という意味になったりするので前後の関係を見るべし. (出典:萱野、方言:沙流)
yaitupare
ヤイトゥパレ 【yaitupare】 気をつける,注意する,用心. ヤイトゥパレノ アㇻパ=用心して行け.エ・イヨㇱキ ナ イテキ ルイカ イカ ノ ヤイトゥパレノ アㇻパ アニ=あなたは酔っ払っているから橋から落ちないように気をつけて行ってね. (出典:萱野、方言:沙流)
yak
ヤㇰ 【yak】 〜なら,〜(だ)と. (出典:萱野、方言:沙流)
yak a=ye
ヤㇰ アイェ 【yak a=ye】 〜だそうだ,〜という. アイヌイカラㇱ ア・レポカㇻ ヤㇰ ア・イェ. タㇷ゚ イキ クㇽ オナハ カ ア・レポカㇻ ペ ネ アㇷ゚=もったいない人が沖で死んだそうだ.今亡くなった人の父親も海で死んだものであったのに. (出典:萱野、方言:沙流)
yak _a=ye
ヤカイェ →ヤㇰ アイェ (出典:萱野、方言:沙流)
yaka
ヤカ 【yaka】 指す.指さす. (出典:萱野、方言:沙流)
yaka
ヤカ 【ya-ka】 〜なのか.〜も,〜やら. (出典:萱野、方言:沙流)
yakaka
ヤカカ 【yakaka】 指さす. ウトゥラ・アン ワ イラマンテ・アン クス エキㇺネ・アン ア・ユピヒ ニセンピㇼ ワ イ・テㇰパㇻパル アプンノ サマ タ アㇻパ・アン. ナイ イクㇱ ウン ヤカカ クス インカㇻ・アン アクス ポロ カムイ アン ルウェ ネ=一緒に狩のために山に入った私の兄が木の陰から私に手招きをするので.静かに側へ行った.沢の向かい側を指さしたので見てみると大きい熊がいた. (出典:萱野、方言:沙流)
yakanak
ヤカナㇰ 【yak anak】 〜だから,〜ならば. (出典:萱野、方言:沙流)
yakanakne
ヤカナㇰネ 【yak anak ne】 〜すると,〜ならば. (出典:萱野、方言:沙流)
yakayaka
ヤカヤカ 【yaka-yaka】 指さし(する) (出典:萱野、方言:沙流)
yake
ヤケ 【yake】 陸(に). (出典:萱野、方言:沙流)
yaki
ヤキ 【yaki】 セミ. (出典:萱野、方言:沙流)
yakka
ヤッカ 【yakka】 けれども,〜しても,だが,〜なのに. (出典:萱野、方言:沙流)
yaknatara
ヤㇰナタラ 【yak-natara】 響く. (出典:萱野、方言:沙流)
yakne
ヤㇰネ 【yakne】 〜すると,〜なら. ポロ スマ トモオㇱマ ヤㇰネ イヤイキㇷ゚テ ナ ホクレ チㇷ゚ サパ キル=大きい石にぶつかると危ないから早く船の頭の向きを変えろ. (出典:萱野、方言:沙流)
yakoraun
ヤコラウン 【yak oraun】 〜ならば. (出典:萱野、方言:沙流)
yakpa
ヤㇰパ 【yakpa】 潰す,押し潰す. (出典:萱野、方言:沙流)
yaku
ヤク 【yaku】 潰す,破裂する. *熊などを解体するとき間違って胆嚢を潰した時にニンケコヤクと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
yaku
ヤク 【yaku】 役目. (出典:萱野、方言:沙流)
yakun
ヤクン 【yakun】 それなら,〜ならば,〜しては,まず. ヤクン エㇰ=それならこい.ヤクン アㇻパ=それなら行け.ヤクン ホㇱキ イペ=それならまず先に食べろ. (出典:萱野、方言:沙流)
yakura
ヤクラ 【yakura】 櫓[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
yam
ヤㇺ 【yam】 クリ(の実). (出典:萱野、方言:沙流)
yamni
ヤㇺニ 【yam-ni】 クリ(の木). (出典:萱野、方言:沙流)
yamosaranip
ヤモサラニㇷ゚ 【yam-o-saranip】 クリの実を入れた袋. (出典:萱野、方言:沙流)
yamsu
ヤㇺス 【yam-su】 クリのいが:手に負えない者という意味も. ソンノ ネア ウェンクㇽ イヨㇱキ コㇿ オラノ ヤㇺス コラチ ア・エアナサㇷ゚=本当にあの悪い奴は酔っ払ったらクリのいがと同じで手に負えない. (出典:萱野、方言:沙流)
yamtuy
ヤㇺトゥイ 【yam-tuy】 クリが落ちる. (出典:萱野、方言:沙流)
yan
ヤン 【yan】 〜しなさい. イペ ヤン=食べなさい.ホッケ ヤン=寝なさい.イク ヤン=酒を飲みなさい.アㇻパ ヤン=行きなさい.エㇰ ヤン=来なさい. (出典:萱野、方言:沙流)
yan
ヤン 【yan】 上る. (出典:萱野、方言:沙流)
yan=anawa
ヤナナワ 【yan=an a wa】 上ったのに. (出典:萱野、方言:沙流)
yanawe
ヤナウェ 【yanawe】 上った. (出典:萱野、方言:沙流)
yani
ヤニ 【yani】 危なく. レポイラマンテ・アン クス チㇷ゚ ア・オ ワ アㇻパ・アン アクス アッコㇿカムイ シプステㇰテㇰ ヤニ ア・イ・ライケ=沖漁をすると思って舟に乗って沖へ出ると,タコがさっと浮き上がってきて危なく私は殺されそうになった[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
yanihonko
ヤニホンコ 【yanihonko】 危なく. (出典:萱野、方言:沙流)
yaniyani
ヤニヤニ 【yani yani】 危なく危なく. ハイ ヤニヤニ セタ エン・クパパ ノイネ イキ クワ アニ セタ コケウェ チカッポ パㇰ ノ ク・ヤイヌ コㇿ クキラ ワ ク・エㇰ=いやー危なく危なく犬が私を噛みそうにして,杖で犬を追い払い,スズメほどに思いながら逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
yanke
ヤンケ 【yanke】 (定位置に,陸に)上げる.揚げる:舟から荷物を揚げる. ク・コㇿ ヤ ネンカ ヤンケ ワ チェㇷ゚ コㇿ ワ アㇻパ ア・ルㇱカ コㇿ イワㇰ・アン=私の網を誰かが上げて魚を持って行った,私は腹を立てて帰って来た.ペッ オㇿ ウン ペウタンケ ハウ アㇱ ヒ クス イカオパㇱ・アン アクス ヘカッタㇻ ウコチㇷ゚クタ ヒ ネ ロコカ イイソネカ オピッタ ア・オシコニ ワ ア・ヤンケ=川の方へ危急を知らせる声がしたので私も騒ぎを聞いて助けに走ると子供たちが舟をひっくり返したのであったが,幸いなことに皆が追いつき全部の子供を(水から)上げた.エモ チ ヤ パスイ エタラレ ワ インカㇻ チ ノイネ ネ ヤクン エチキキ ワ スリコライェ ワ ヤンケ=ジャガイモが煮えたかい,箸を刺してみて煮えたようであれば煮汁を流して鍋を高くしてから上げろ.シプㇱケㇷ゚ ピㇼケㇷ゚ フライェ ワ イチャリ オルン ヤンケ ワ ペヘ トゥイェ ワ アヌ ア・オッケ ワ シト ア・カㇻ ナ=イナキビの精白を洗ってざるに上げて水を切っておけ,搗いて団子を作るから. (出典:萱野、方言:沙流)
yannet
ヤンネッ 【yan-net】 海岸に漂着した流木. ▷ヤン=上がる,漂着 ネッ=流木 *川原にある流木はひと言でネッという. イワㇰアンヒタ ネッウゥォマレワ イワㇰアンロー=帰る時に流木を集めて薪にするため背負って帰りましょうよ[ユ].(補遺編)▷ヤン=上がる,漂着 ネッ=流木 *川原にある流木はひと言でネッという.イワㇰ・アン ヒ タ ネッ ウウォマレ ワ イワㇰ・アン ロ=帰る時に流木を集めて薪にするため背負って帰りましょうよ〔ユ〕. (出典:萱野、方言:沙流)
yanto
ヤント 【yanto】 客,泊り. クンネイワ ノ チセ カ ウン パㇱクㇽ ハウコㇿ タント アナㇰネ ピㇼカ ヤント エㇰ ナンコㇿ=朝から屋根の上へ烏が声を出した,今日はいい客が来るであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
yantoanpaampayayap
ヤントアンパアンパヤヤㇷ゚ 【yanto-anpa-ampayayap】 ヤドカリ. (出典:萱野、方言:沙流)
yantoetun
ヤントエトゥン 【yanto-etun】 エゾキリガイダマシ〔貝〕アンパヤヤイモコリリ (出典:萱野、方言:沙流)
yantokor
ヤントコㇿ 【yanto-kor】 客が泊まる,客を泊める. オヤウクラン ヤントコㇿ・アン オアシ ナ. エトコカㇻ ワ アヌ=明日の夜,客が泊まることになった.用意しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
yantone
ヤントネ 【yanto-ne】 泊まる. (出典:萱野、方言:沙流)
yantone kur
ヤントネ クㇽ 【yanto-ne-kur】 お客,泊り客. (出典:萱野、方言:沙流)
yantone=an
ヤントネアン 【yanto-ne=an】 泊めてもらう. (出典:萱野、方言:沙流)
yaoskep
ヤオㇱケㇷ゚ 【ya-oske-p】 クモ.▷ヤ=網 オㇱケ=編む ㇷ゚=もの虫 (出典:萱野、方言:沙流)
yap
ヤㇷ゚ 【yap】 陸へ上る,上陸する. (出典:萱野、方言:沙流)
yapeka
ヤペカ 【yapeka】 陸の方から. ヤペカ アㇷ゚カㇱ=陸の方から歩く. (出典:萱野、方言:沙流)
yapkir
ヤㇷ゚キㇼ 【yapkir】 投げ捨てる. (出典:萱野、方言:沙流)
yapte
ヤㇷ゚テ 【yap-te】 上げる. (出典:萱野、方言:沙流)
yar
ヤㇻ 【yar】 木の皮:狩小屋を建てる時,屋根とか囲いに使えるぐらいの広さや長さのあるものをいう.どんな木の皮でもヤㇻというものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
yar
ヤㇻ 【yar】 破れる,破れた. (出典:萱野、方言:沙流)
yar
ヤㇻ 【yar】 〜させる. (出典:萱野、方言:沙流)
yar'itanki
ヤㇻイタンキ 【yar-itanki】 樹皮の椀:シラカバの皮製. (出典:萱野、方言:沙流)
yar'niyatusi
ヤㇻニヤトゥシ 【yar-ni-at-us-i】 樹皮の手桶:サクラの皮を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
yarcip
ヤㇻチㇷ゚ 【yar-cip】 樹皮舟:シコロの木の皮を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
yarcise
ヤㇻチセ 【yar-cise】 木の皮で茸いた家:ランコ(カツラ)の木の皮を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
yarikayop
ヤリカヨㇷ゚ 【yar-ikayop】 樹皮の矢筒:サクラの皮,シラカバの皮を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
yarke
ヤㇻケ 【yarke】 破る. (出典:萱野、方言:沙流)
yarmuy
ヤㇻムイ 【yar-muy】 樹皮の箕:カリンパ(サクラの木の皮),クッチプンカㇻ(コクワづる),ハップンカㇻ(ブドウづる)を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
yarnima
ヤㇻニマ 【yar-nima】 樹皮の器:カバ.サクラの皮を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
yaro
ヤロ 【yaro】 たてがます:ニシン粕を入れるかます. テエタ アイヌ ウタㇻ ウェンヤトイネ ヒ タ ヌカㇻ ワ エㇰ ペ ヤロ シコㇿ ア・イェ シンヌラッパ アン ヒ タ アイヌ オㇿ タ シプイネ ペコㇿ ア・ヌカㇻ ヤッカ カムイ モシㇼ タ シレパ ヒ タ ヤロ シンネ シレパ ナンコㇿ=ずうっと昔にアイヌたちが強制徴用された時,見て来た物がたてがますといった.先祖供養の時に(言う言葉の中に)アイヌの所でわずかのように見えるけれど神の国へ着いた時はたてがますのような量になり届くであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
yarpe/yarpe(he)
ヤㇻペ/ヤㇻペ(ヘ) 【yarpe/yarpe(he)】 つづれ,布,おむつ. (出典:萱野、方言:沙流)
yarpekoteynep
ヤㇻペコテイネㇷ゚ 【yarpe-ko-teyne-p】 赤ちゃん.▷ヤㇻペ=ぼろ屑 コ=それとともに テイネ=濡れる ㇷ゚=者  *このような言い方をすると化け物も汚ながって手をつけないと考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
yarpeni
ヤㇻペニ 【yarpe-ni】 灌木. (出典:萱野、方言:沙流)
yarpesit
ヤㇻペシッ 【yar-pe-sit】 ぼろ屑. (出典:萱野、方言:沙流)
yarpisakku
ヤㇻピサック 【yar-pisakku】 樹皮のひしゃく:マカバの皮,イテセカ他を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
yarpok'eani
ヤㇻポㇰエアニ 【yarpok-e-ani】 脇の下に抱える. (出典:萱野、方言:沙流)
yarpok/yarpoki(hi)
ヤㇻポㇰ/ヤㇻポキ(ヒ) 【yar-pok/-poki(hi)】 脇,脇の下. (出典:萱野、方言:沙流)
yarsit
ヤㇻシッ 【yar-sit】 継ぎに使う布きれ,つづれ,ぼろくず. ヤㇻシテオプㇱナラチッケ=ぼろ着物を着た人. (出典:萱野、方言:沙流)
yarsitne
ヤㇻシッネ 【yar-sit-ne】 ぼろぼろ:着物がひどく傷んで破れている. (出典:萱野、方言:沙流)
yarur
ヤルㇽ 【ya-rur】 網の棒,流し網の柄. (出典:萱野、方言:沙流)
yas
ヤㇱ 【yas】 (魚を)すくう,流し網をする. ヘタ エン・トゥラ タヌクラン アナㇰネ チェㇷ゚ ア ナ. ヤㇱ・アン クス アㇻパ・アン ロ=さあ俺と行こう,今夜はサケが多いぞ.網ですくいに行こう.タヌクラン アナㇰネ ヤㇱ・アン クス ヤイニ タイ タ ウウェカㇻパ・アン ヒ ク・イェ ワ アン=今夜は網流しをするためにドロノキの林へ集まることを私は言っておいたよ.ペッ オㇿ タ ヤㇱ・アン コㇿ ウッカ オㇿ タ ポヘネ チェㇷ゚ ア・ウㇰ エアㇱカイ ペ エン=川で網を流す時に瀬の所でなおさらサケを獲ることができるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yasa
ヤサ 【yasa】 (布などを)裂く,破く. (出典:萱野、方言:沙流)
yasiperpa
ヤシペㇾパ 【yasi-perpa】 断ち割る. (出典:萱野、方言:沙流)
yaskar
ヤㇱカㇻ 【yas-kar】 汁の具だけをすくい取る:しゃもじで具だけを選んで取ること. (出典:萱野、方言:沙流)
yaske
ヤㇱケ 【yaske】 手を洗う. *手を洗う場合にだけヤㇱケという.物を洗うのはフライェ.顔を洗う場合だけはエウォンネ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaske
ヤㇱケ 【yaske】 裂ける,割れる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaskosampa
ヤㇱコサンパ 【yas-ko-sampa】 爆発する. (出典:萱野、方言:沙流)
yaspa
ヤㇱパ 【yaspa】 裂く. (出典:萱野、方言:沙流)
yasya
ヤㇱヤ 【yas-ya】 すくい網:木綿,古くはツルウメモドキの糸で編んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yatacikoykip
ヤタチコイキㇷ゚ 【ya ta ci-koyki-p】 陸の獲物. (出典:萱野、方言:沙流)
yattuy
ヤットゥイ 【yattuy】 ござ:ガマ草で編む *静内地方の呼び方.二風谷ではトマという. (出典:萱野、方言:沙流)
yattuy
ヤットゥイ 【yattuy】 トンビ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaun
ヤウン 【ya-un】 陸(の). (出典:萱野、方言:沙流)
yautek 1
ヤウテㇰ 【yautek】 ①冷める. ①アエㇷ゚ ヤウテㇰ=食べ物が冷めた. (出典:萱野、方言:沙流)
yautek 2
ヤウテㇰ 【yautek】 ②死後硬直(する). (出典:萱野、方言:沙流)
yawyawse
ヤウヤウセ 【yaw-yaw-se】 犬が吠えながら近づいて来る.意気地のない犬が恐ろしさのあまり吠える声.「キャンキャン」に近い.強く吠える場合はミㇰ. (出典:萱野、方言:沙流)
yay
ヤイ 【yay】 自分,自身,自ら.我. (出典:萱野、方言:沙流)
yay'apapu
ヤイアパプ →ヤヤパプ (出典:萱野、方言:沙流)
yay'iramure
ヤイイラムレ 【yay-iramure】 おとなしい:身寄りがなくて遠慮深い. (出典:萱野、方言:沙流)
yay'iramure
ヤイイラムレ 【yay-iramure】 おとなしい:身寄りがなくて遠慮深い. *昔二風谷村に貝澤松雄さんという人がいたが,その人が山仕事に行っていてある朝,昨夜見た夢の中で日頃大切に使っていた急須が太股の上へ落ちて割れた夢を見たと言いながら仕事に出た.仕事中に角材と立ち木に太股を挟まれ片足を切断することになってしまった.だによってアイヌは夢を大切にするべしと言われていたものであった.昭和5年頃の話であるがアイヌは夢は神のお告げと思って大事にしていた.また,ウェンタラㇷ゚ オッタ アヌ ユカㇻと言って夢の中でユカㇻを聞かされることがあり,このような場合はそのままもう1度寝るようなことをせずに側にいる誰かを起こしてすぐに語って聞かせる,そうでないと忘れてしまうものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yay'utek
ヤイウテㇰ →ヤユテㇰ (出典:萱野、方言:沙流)
yayan
ヤヤン 【yayan】 普通の. テエタ アン アミㇷ゚ アナㇰネ ユクㇽ オトゥタヌ アン ペ アットゥㇱ オトゥタヌ アン ペ ヤヤン センカキ ネ=ずっと昔の着物は鹿皮.次はオヒョウの皮で織った着物,次は普通の木綿ものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
yayanni
ヤヤンニ 【yayan-ni】 ドロノキ. *普通の木.木のうちで最も精神のよくない木だと考えられていた. (出典:萱野、方言:沙流)
yayansenkaki
ヤヤンセンカキ 【yayan-senkaki】 綿布. (出典:萱野、方言:沙流)
yayapapu
ヤヤパプ 【yay-apapu】 詫びる,謝る,謝罪する. ソンノ ク・ヤヤパプ=本当に私は謝ります.ソモカ エネ イキ・アン クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ エネ イキ・アン ソンノ ヤヤパプ ア・キ ナ イテキ エン・コイキ=まさかそうすると思わなかったのにそうしてしまった,本当に私は謝るので私をいじめないで. (出典:萱野、方言:沙流)
yayapteno
ヤヤㇷ゚テノ 【yayapte no】 自重して. (出典:萱野、方言:沙流)
yayasis
ヤヤシㇱ 【yay-asis】 後悔する. (出典:萱野、方言:沙流)
yayasiskar
ヤヤシㇱカㇻ 【yay-asis-kar】 後悔する. トゥイマ レプンクㇽ オカ ウㇱケ ウン ア・エン・シレン ヤッカ ク・ヤイモンニㇱカ ペコㇿ ク・ヤイヌ ワ ソモ ク・アㇻパ ア コㇿカ ク・ヤヤシㇱカㇻ=遠い沖の人たちのいる所(外国)へ私は誘われたが忙しいように思って行かなかったが後悔している. (出典:萱野、方言:沙流)
yayasurani
ヤヤスラニ 【yay-asur-ani】 助けを求める,自分のことを他人に知らせる.▷ヤイ=自身 アスㇽ=噂 アニ=持つ (出典:萱野、方言:沙流)
yayattasa
ヤヤッタサ 【yay-at-tasa】 謝礼,礼:礼のために物を贈る. (出典:萱野、方言:沙流)
yayattasap
ヤヤッタサㇷ゚ 【yay-at-tasa-p】 世話になったお礼の品. (出典:萱野、方言:沙流)
yaycinani
ヤイチナニ 【yay-cin-ani】 自分で小便をする.子供が自分で小便できるようになったという場合. (出典:萱野、方言:沙流)
yaycire
ヤイチレ 【yay-cire】 やけど,自分でやけどする. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeasirkar
ヤイェアシㇼカㇻ 【yay-e-asir-kar】 再婚(する).▷ヤイ=自身 エ=それ アシㇼ=新しい カㇻ=作る ナ ペウレクㇽ チセ サㇰ ヤㇰ ア・イェ ク・エサッチャンペネ ワ ク・アン ア コㇿカ ヤイェアシㇼカㇻ ヤㇰ ク・イヌ ク・コトゥヤシ=まだ若い人が妻に死なれたということで気がもめていたけれど,再婚したと聞きよかったと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeaspap
ヤイェアㇱパㇷ゚ 【yay-e-aspa-p】 自分自身のことは聞こえない者:他人のことは開いて知っているくせに自分のことは耳に入っていない者〔悪口〕.▷ヤイ=自身 アㇱパ=聞こえない ㇷ゚=者 リㇰ タ リㇰ タ インカㇻ ワ ウェンクㇽ オㇿ タ ソモ イペ ソモ イク ㇷ゚ ネ クス オハイケ アカㇻ ヤッカ ヤイェアㇱパㇷ゚ コラチ ネ ワ=頭が高く上ばかり見て,貧乏人の所では食いもしない飲みもしないものだから,陰口を言われても自分自身のことは聞こえないようなものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayecitakte
ヤイェチタㇰテ 【yay-e-ci-itak-te】 自らの悪事を言う,問わず語り,告白する:自分では言うまいと思っても神罰によってしゃべらされてしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
yayehororse
ヤイェホロㇿセ 【yay-e-hororse】 いがむ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayehororse
ヤイェホロㇿセ 【yay-ehoror-se】 気負う:力があるように見せかける,酒を飲んで力む. ポンノ イク コㇿ ヤイェホロㇿセ ワ ア・コップク ㇷ゚ ヨㇺネ カ ソモ ノ スイスイ=少し飲むと気負いたってめちゃくちゃにされるのにこりもしないでまたまた. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeimontasa
ヤイェイモンタサ 【yay-e-i-mon-tasa】 仇討ち,復讐. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeininpisi
ヤイェイニンピシ 【yay-e-ininpisi】 運勢を見てもらう,将来の運命を予言してもらう. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeinukuri
ヤイェイヌクリ 【yay-e-i-nukuri】 控え目,控え目な態度. ▷ヤイ=自分 エ=それ イヌクリ=大儀だ,億劫だ ネヤアチャポ エウン カラパヒ アナㇰネ エアㇻキンネ クヤイェイヌクリ=あのおじさんの所へ私が行くのは,本当に億劫だ.(補遺編)▷ヤイ=自分 エ=それ イヌクリ=大儀だ,健劫だ ネヤ アチャポ エウン カㇻパ ヒ アナㇰネ エアㇻキンネ ク・ヤイェイヌクリ=あのおじさんの所へ私が行くのは,本当に億劫だ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayekataitak
ヤイェカタイタㇰ 【yay-e-ka-ta-itak】 詫びる,自分を弁護する.▷ヤイ=自身 エ=それ カタ=上に イタㇰ=言う →自分自身で自分のことを言う エネ ポロホ アン アㇷ゚ ポホ ウェンプリコㇿ ヒ エラマン アクス タシテㇰテㇰ ヤイェカタイタㇰ コㇿ アン=あれほどの口であったのに息子が悪いことをしたことがわかったら全く急に詫びを言っているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayekatuwen
ヤイェカトゥウェン 【yay-e-katu-wen】 ばつが悪い,恥をかく,体裁が悪い.▷ヤイ=自身 カトゥ=姿,様子 ウェン=悪い. ナ チュㇷ゚ リ ラポㇰ チェㇷ゚コイキ クス ペッ オㇿ タ ラン・アン よまいアチャポ ハンチャ パテㇰ ミ カネ ワ ヤ エシタㇷ゚カアニ オ ラチン ラチン コㇿ ヘパシ ワ アㇻパ. エㇺコ タ ヤイェカトゥウェン カトゥン カ ソモ. アシヌマ ヤイェカトゥウェン・ヤン=まだまだ陽の高いうちにサケ獲りに川へ下りたら,よまいおじさんが腰までの長さの作業衣を着ただけで網を担ぎ,持ち物をぶらぶらさせて下の方へ行った.それでいながらばつが悪い様子もない.私のほうがきまりが悪かった.*貝澤はぎおばさんが聞かせてくれた話. (出典:萱野、方言:沙流)
yayemaka kayairuke
ヤイェマカ カヤイルケ 【yay-e-maka kaya-iruke】 体をのけ反らせる,自分の体を後ろへのけ反らせて驚く. ▷ヤイェ=自分 マカ=開く,のけ反る,後へ反り返る カヤ=帆,舟の帆 イルケ(ウイルケ)=のように→カヤイルケ=舟の帆のように *大きさが5寸か6寸の白狐に,鯨を1頭丸のまま持って空を飛ぶフリという大きい鳥が騙されて鯨を横取りされ,それを知ったフリが体を満帆のようにのけ反らせている様子(『カムイユカㇻと昔話』420頁より).(補遺編)▷ヤイェ=自分 マカ=開く,のけ反る,後へ反り返る カヤ=帆,舟の帆 イルケ(ウイルケ)=のように→カヤイルケ=舟の帆のように *大きさが寸か寸の自狐に,鯨を頭丸のまま持って空を飛ぶフリという大きい鳥が騙されて鯨を横取りされ,それを知ったフリが体を満帆のようにのけ反らせている様子(『カムイユカラと昔話』頁より). (出典:萱野、方言:沙流)
yayemoskarkar
ヤイェモㇱカㇻカㇻ 【yay-e-mos-karkar】 鹿とか犬が自分の寝床を作るために体をぐるぐる回すこと:犬を含めて野生動物が草原で寝る時に体を2回か3回ぐるっと回してから寝る.その様子を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
yayepuriwen
ヤイェプリウェン 【yay-e-puri-wen】 意地を持つ. ヌ ワ アヌ アニ. タパン シㇼキ アナㇰ ハウケ アン ペ ソモ ネ ナ オッカヨ アナㇰネ ヤイェプリウェン ペ ネ エ・ポロ コㇿ エ・ヤイェイモンタサ クニ ラム=聞いておけよ,このことは少しのことではないぞ,男というもの意地を持ってお前が成長してから仕返しをすると思っていてくれ.ウェンクㇽ サニ ウェンクㇽ タイペ セコㇿ ソモ ア・イ・イェ クニネ ヤイコオㇿスッケ ヤイェプリウェン・アン ペ ネ ナ=貧乏人の子供.貧乏人の血統と言われないように自分自身を励まし意地を持つものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeramekomo
ヤイェラメコモ 【yay-e-ram-e-komo】 自分自身を諦める.▷ヤイ=自身 エ=それ ラㇺ=思い エ=それ コモ=折り曲げる ソンノ オンネ フチ ヤイェラメコモ ワ イタㇰスラ ヤㇰ ア・イェ=本当に年寄りのおばあさんが自分自身を諦め,遺言をしたそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayerammaruye
ヤイェランマルイェ 【yay-e-rammaruye】 自ら遠慮して,自分でおずおずしながら,恥ずかしそうに. ▷ヤイェ=自分 ランマルイェ=遠慮しながら,おずおずと *先に来る言葉があるので遠慮とかおずおずに使えるが,このひと言では使わない.(補遺編)▷ヤイェ=自分 ランマルイェ=遠慮しなが ら,おずおずと *先に来る言葉があるので遠慮とかおずおずに使えるが,このひと言では使わない. (出典:萱野、方言:沙流)
yayerampokiwen
ヤイェランポキウェン 【yay-e-ram-poki-wen】 悲しむ:心が満たされない. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeramusitne
ヤイェラムシッネ 【yay-e-ramu-sitne】 苦しむ. セタッコ フチ ヤイェラムシッネ ワ ク・ケㇺヌ アㇷ゚ オンネ ハウェ ネ ヤクン エヤイラㇺシンネ. エㇺコ ネ ク・コトゥヤシ ハウェ ネ ワ=ずいぶん長くおばあさんが苦しんでいて私はかわいそうだと思っていたが,死んだというなら自分で自分の事を安心した,半面はよかったというところだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayesanniyo
ヤイェサンニヨ 【yay-e-sanniyo】 自分の進む方向を決めて働く,自分のことを精一杯やる,まじめな.▷ヤイ=自身 エ=それを サンニヨ=計画する (出典:萱野、方言:沙流)
yayesara
ヤイェサラ 【yay-esara】 自分の食べる分がない:お給仕をしていて自分の食べる分を残さないこと.▷ヤイ=自身 エサラ=足りない (出典:萱野、方言:沙流)
yayesarama
ヤイェサラマ 【yay-esarama】 自分で引き受ける,自分で責任をとる. (出典:萱野、方言:沙流)
yayesiknakpe
ヤイェシㇰナㇰペ 【yay-e-siknak-pe】 自分自身のことは見えない者:他人のことはとやかく言うが自分のことは何もできない者のことを言う〔悪口〕.▷ヤイ=自身 シㇰナㇰ=見えない ペ=者 ニㇱパネ ㇷ゚ アナㇰネ ウェンクㇽ ウタㇻ イペ カ エアイカㇷ゚ ヤッカ ソモ ヌカㇻ ペコㇿ センピㇼケ タ ア・オㇿモメカㇻ ヤッカ ヤイェシㇰナㇰ ペ ネ=金持ちは貧乏人が食うこともできずにいても見ないふりをしていて,陰で非難されていても自分自身のことは見えないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayesikoronu
ヤイェシコロヌ 【yay-e-sikoronu】 まつわりつく,自分を売り込む. エネ イポカㇱ ペ オラウン ネユンポカ ヤイェシコロヌ マㇰネ ㇷ゚ ネ ヤ カ ア・エラムㇱカリ=たいした器量でもないのにそれでもなんとか自分を売り込む,どうなるものか私は知らない. (出典:萱野、方言:沙流)
yayesinniwkes
ヤイェシンニウケㇱ 【yay-e-sir-niwkes】 だらしない,しまりがない,家のことをちゃんとできない.▷ヤイ=自分 エ=それ シンニウケㇱ=できない (出典:萱野、方言:沙流)
yayesinniwkespe
ヤイェシンニウケㇱペ 【yay-e-sir-niwkes-pe】 だらしのない者. ヤイェシンニウケㇱペ アナㇰネ ソモ エウォンネ ワ インテ コヤンラㇱネ ネヒ ネノ アㇺ ワ イペ コㇿ アン=だらしのない者は顔を洗いもせずに目やにをこびりつけたままで食べている.ソンノ イヨハイ ヤイェシンニウケㇱペ ネ クス シッチャㇱヌレ カ ソモ キ オトイセル オムンセル ワ アン イオッセㇾケレ=本当にあきれたよ,だらしないものだから掃除もしないで土けむりにむせ,ごみにむせている,たまげたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayesinnoyanoya
ヤイェシンノヤノヤ 【yay-e-sir-noya-noya】 人込みの中を体をよじりながら前へ出ようとする,でしゃばる,しゃしゃりでる.▷ヤイ=自身 シㇼ=あたり ノヤノヤ=よじるよじる エネ ウェニポカㇱ ペ オラノ ヤイェシンノヤノヤ ワ シコラㇻルスイ=あれほど醜いくせに人前へ出たがって自分を誰かにくれたがる.スイスイ イキヤクㇽ ヤイェシンノヤノヤ ワ ヘサシ サン ウェンコシパㇱヌ ㇷ゚=またもやあの人が身体をよじって人の間を抜けて前へ出た,たいしたこともないくせに目立ちたがって. (出典:萱野、方言:沙流)
yayesitturaynup
ヤイェシットゥライヌㇷ゚ 【yay-e-sir-turaynu-p】 自分自身を見失う者:自分自身の行き先を見失い迷っている者〔悪口〕.▷ヤイ=自身 エ=それで シㇼ=あたり トゥライヌ=見つけない ㇷ゚=者 (出典:萱野、方言:沙流)
yayetunap
ヤイェトゥナㇷ゚ 【yay-etunap】 妬む,羨む. ヤイカタ アナㇰネ ソモ ネㇷ゚キ ノ トランネ ワ アン ワ オラ ソモ モコㇿ ノ ネㇷ゚キ ワ ニㇱパ ネ コㇿ ヤイェトゥナㇷ゚ コㇿ アン=自分では働きもしないで骨惜しみをしていてから,夜も寝ないで働いて金持ちになった者を妬んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
yayewen
ヤイェウェン 【yay-e-wen】 体が不自由だ:足が不自由だとか手が不自由だとか外見でわかる時の言い方. ク・ヌイェ カ ルㇱカ ㇷ゚ ネ コㇿカ ク・サハポ カ ヤイェウェンペ ネ ワ エホラㇰホラㇰ コㇿ アㇷ゚カㇱ ペ ネ ア ワ=書くのも腹立たしいことだが亡くなった私の姉も身体の不自由な人で歩く時に身体を傾かせながら歩く人であったよ.ク・サハポ カ クㇽコトゥナㇱ アニ ヤイェウェンペ ネ アクス ネノアン クㇽ ク・ヌカㇻ コㇿ ク・サハポ ク・エシカルン=亡くなった私の姉も小児麻痺で(足が)不自由であったので,そのような人を見ると私は亡くなった姉のことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeyamno
ヤイェヤㇺノ 【yay-eyamno】 気をつける. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeyantoetun
ヤイェヤントエトゥン 【yay-e-yanto-etun】 宿を借りる:自分の泊まる宿を借りる.▷ヤイ=自分 ヤント=宿 エトゥン=借りる →この場合のヤントは泊まる場所をいうが,客人,客という意味で用いられる場合もある ク・ポン ヒ タ ル サㇺ タ オカ・アㇱ ペ ネ クス イヤフㇷ゚シサㇺ ネ ヤ ヤイェヤントエトゥン クス ヘノイパ コㇿ ク・コㇿ ハポ アナㇰネ ナニ レウシレㇷ゚ ネ ア ヒ ク・エシカルン=私が子供の時は道路の側にいたものだから,物もらいの和人などが宿を借りたいといって寄ると,私の母はすぐに泊めたものであったことを思い出す.ソモカ チセ アン クナㇰ ア・ラム ウㇱケ タ チセ アン ヒネ アペニペキ ソユニタラ. ヤイレンカネ ヤイェヤントエトゥン・アン=まさかそこに家があると思わなかった所に家があり火の光が外へもれている,喜んで泊めてもらうことを頼んだ.ヒナㇰ ワ エㇰ イヤフッペ オペッペッケ アミㇷ゚ ミ カネ ㇷ゚ エㇰ ヒネ ヤイェヤントエトゥン=どこから来た乞食なのかぼろぼろの着物を来て泊めてくれと言った. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeyaysitoma
ヤイェヤイシトマ 【yay-e-yaysitoma】 自分のことが恥ずかしい. (出典:萱野、方言:沙流)
yayhomsu
ヤイホㇺス 【yay-homsu】 危機一髪(で助かった). (出典:萱野、方言:沙流)
yayhuymampa
ヤイフイマンパ 【yay-huymampa】 後ろめたい,気がひける. エネポ エアシㇼ イペマラㇷ゚ト イクマラㇷ゚ト アン ヒ ア・エラムㇱカリ ヒクス ネㇷ゚カ ソモ ア・コㇿ ノ エク・アン ワ オラ ヤイフイマンパ・アン コㇿカ エネ ネ ヒ カ イサㇺ ルウェ ネ=これほどに食の宴飲の宴あることを知らずに,何も持たずに私は来て後ろめたい思いを私はしたけれども,どのようにすることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
yayikireno
ヤイキレノ 【yay-iki-re-no】 孤独を好む,ひとりで離れている,村からやや離れた所にひとりで暮らしている. (出典:萱野、方言:沙流)
yayipere
ヤイペレ 【yay-ipe-re】 自分が食べるだけの働きをする. ニㇱパ ネ パ ㇷ゚ ネ クス オモンコッテ パ ワ ネㇷ゚キレ パ カ ソモ キ. ポロ コㇿ オラノ トランネ ワ ヤイペレ ポカ エアイカㇷ゚ オアシ=物持ちの人たちなので(子供を)大事にして仕事もさせない,大きくなったら骨惜しみ者になって自分で食うだけの働きもできない者になるであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykahuye
ヤイカフイェ 【yay-kahuye】 闘病する. ク・ポンポホ ポロピロ ワ ヤイカフイェ コㇿ アン ワ ク・エラムシッネ ア コㇿカ タネ トゥサ ヒ エパ ワ ク・ラムホラライセ=私の小さいほうの息子が大怪我をして療養していて私の思いが乱れていたが,治癒する所へたどり着き,私の心配は解消した. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykakewe
ヤイカケウェ 【yay-ka-ke-we】 自分をかばう,自分に降りかかりそうな危難を自らの力で防ぐ. ▷ヤイ=自分自身 カ=上 ケウェ=追い払う,防ぐ(補遺編)▷ヤイ=自分自身 カ=上 ケウェ=追い払 う,防ぐ (出典:萱野、方言:沙流)
yaykakik
ヤイカキㇰ 【yay-ka-kik】 自分の体をはらい清める:化け物を見た時などに自分の体をはらい清める. ウェンタラㇷ゚ オㇿ タ ネㇷ゚カ ア・イ・コタララ ワ ア・ウㇰ ヤㇰ ア・タカㇻ ネ ウェンタラㇷ゚ アナㇰネ パヨカカムイ パヨカ ヒ ネ クス ヤイカキㇰ・アン ペ ネ ナ=夢の中で何か伸ばされて受け取った夢を見ると,その夢は流行病の神が歩いているのだから自分自身で体をはらい清めるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykanihose
ヤイカニホセ 【yay-ka ni hose】 自分で自分の上に木を倒す:墓穴を掘る. ヤイカニホセ エカㇷ゚ネ=墓穴を掘るようなものだ.ホッノ イヨハイ コオアナポ ヤイカニホセ エカㇷ゚ネ サカヨカㇻ ルスイ シリ=いやーあきれたよ,がらにもなく自分の上へ木を伐り倒すと同じようにけんかの種を作りたい様子. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykaokuyma
ヤイカオクイマ 【yay-ka-okuyma】 寝小便(する),夜尿症. アペウナ・アン ヒ タ アナㇰネ シネンネ ア・ウナ ㇷ゚ ネ. トゥン ア・ネ ワ アペウナ・アン コㇿ シネン エトイ シネン ヤイカオクイマ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン=火を埋める時にはひとりで埋めるものだ.ふたりで火を埋めるとひとりははげ頭になりひとりは寝小便たれになるものなので聞いておきなさい.イテキ. エイタサ イクレ ヤン イヨㇱキ ルイ コㇿ ヤイカオクイマ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ ナ=だめですよ,あまり飲ませたら.酔いすぎると寝小便するものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykaomare
ヤイカオマレ 【yay-ka-omare】 白状する.▷ヤイ=自分 カ=上 オマレ=入れる (出典:萱野、方言:沙流)
yaykaoniwen
ヤイカオニウェン 【yay-ka-oniwen】 逆にたんかをきる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykaopiwki
ヤイカオピウキ 【yay-ka-opiwki】 自分で自分を助ける. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykaosoma
ヤイカオソマ 【yay-ka-osoma】 寝糞たれ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykaramu
ヤイカラム 【yay-ka-ramu】 我が身を案ずる,自分の上へ災いがかかることを恐れる,不運続きの者に手を貸して巻き添えになることを恐れる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykarkarsere
ヤイカㇻカㇻセレ 【yay-karkarse-re】 (苦しみもがいて)のたうつ. イユニン クス ヤイカㇻカㇻセレ=痛いためにのたうちまわる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykata
ヤイカタ 【yay-ka-ta】 自分で,ひとりでに. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykatanu
ヤイカタヌ 【yay-katanu】 遠慮する. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykatcipi
ヤイカッチピ 【yay-kat-sipi】 蘇生する,生き返る.どん底の生活にまで落ちたが元のようによい生活をするようになったという場合にも使う. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykatekar
ヤイカテカㇻ 【yay-kat-ekar】 片思い. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykatuwen
ヤイカトゥウェン 【yay-katu-wen】 体裁が悪い,きまりが悪い,照れくさい. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykeste
ヤイケㇱテ 【yay-keste】 流れ歩く. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykestep
ヤイケㇱテㇷ゚ 【yay-keste-p】 流れ者. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykewkor
ヤイケウコㇿ 【yay-kew-kor】 恐ろしい目にあった,死ぬ思いをした,危機一髪のところで助かった. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykiki
ヤイキキ 【yay-kiki】 掻く. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykimatekka
ヤイキマテッカ 【yay-kimatek-ka】 急ぐ,あわてる,自分で自分を急がせる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykimuykanomi
ヤイキムイカノミ 【yay-kimuy-ka-nomi】 自分自身の守り神に願いごとを念じる.▷ヤイ=自身 キムイ=頭 カ=上 ノミ=祭る,拝む.礼拝 *カムイノミ(神に祈る)時に棒酒箸の先へおみきをつけ,左肩,右肩,次に頭へつける,このやり方をヤイキムイカノミという. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykipniwkes
ヤイキㇷ゚ニウケㇱ 【yay-kip-niwkes】 死ぬのはいやだ.▷ヤイ=自身 キㇷ゚=する ニウケㇱ=できない (出典:萱野、方言:沙流)
yaykirare
ヤイキラレ 【yay-kira-re】 自分で逃げる. イヨㇱキウタㇻ インネワオカ ウパゥレパㇷ゚カオカ イシトマアンクス ヤイキラレアン=酔っぱらった人が大勢いて,口で言い争う者もいたから,恐ろしくなったので,私は逃げて来た.(補遺編) イヨㇱキ ウタㇻ インネ ワ オカ ウパウレパ ㇷ゚ カ オカ イシトマ・アン クス ヤイキラレ・アン=酔っぱらった人が大勢いて,ロで言い争う者もいたから,恐ろしくなったので,私は逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykoan
ヤイコアン 【yay-ko-an】 独り者(である). テエタ タン ウㇱケ タ ヤイコアン フチ アン ペ ネ ア コㇿカ タネ チセ コッ パテㇰ アン=ずっと前にこの場所で独り者のおばあさんが住んでいたものであったが,今は家の跡しかない. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykoankur
ヤイコアンクㇽ 【yay-ko-an-kur】 男やもめ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykoanpe
ヤイコアンペ 【yay-ko-an-pe】 自炊者. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykoaykar
ヤイコアイカㇻ 【yay-ko-ay-kar】 間違って自分に刺さった矢を自分で抜くこと,体に刺さった矢を抜く. ▷ヤイ=自分 コ=それ アイ=矢 カㇻ=抜く,作る *他人が仕掛けた仕掛け弓に掛かった場合に,大急ぎで矢を向こう側へたたいて抜くこと.ためらっていると毒が回って死ぬことになる.(補遺編)▷ヤイ=自分 コ=それ アイ=矢 カㇻ=抜く,作る *他人が仕掛けた仕掛け弓に掛かった場合に,大急ぎで矢を向こう側へたたいて抜くこと.ためらっていると毒が回って死ぬことになる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykoeramunin
ヤイコエラムニン 【yay-ko-eramu-nin】 うっかりした,気がつかなかった,ぼんやりしていた. ▷ヤイ=自分 コ=それ エラム=その思い ニン=縮む,しぼむ.(補遺編)▷ヤイ=自分 コ=それ エラム=その思い ニン=縮む,しぼむ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykoitak
ヤイコイタㇰ 【yay-ko-itak】 つぶやく,問わず語り(をする),独り言.▷ヤイ=自身 コ=に イタㇰ=言う →自分自身につぶやく シネンネ アン ペ オラウン ヤイコイタㇰ コㇿ アン=ひとりでいるのに,自分自身に何か言っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykokatpat
ヤイコカッパッ 【yay-kokatpat】 私自身反省する,あのように言わなければよかったのにと反省する. ▷ヤイ=自分 コカッパッ=反省する(補遺編)▷ヤイ=自分 コカッパッ=反省する (出典:萱野、方言:沙流)
yaykomekare
ヤイコメカレ 【yay-ko-mekare】 食べ残す,自分の為に食べ物を残すこと. *主として煮た食べ物のことをいう. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykonere
ヤイコネレ 【yay-konere】 流産する,死産させる,中絶する:自分で胎児を死亡させる.▷ヤイ=自身 コネレ=潰す (出典:萱野、方言:沙流)
yaykonuyna
ヤイコヌイナ 【yay-ko-nuyna】 自分で隠す. タネ アナㇰネ イェㇷ゚ネ ウㇷ゚ソㇿ ア・ヤイコヌイナ パㇰノ ポロ メノコポ ア・ネ=今はもう恥ずかしい懐を自分で隠すほどの大きな娘に私はなった[ユ](自分自身の胸のふくらみを気にする年頃をいう). (出典:萱野、方言:沙流)
yaykooriknere
ヤイコオリㇰネレ 【yay-ko-o-rik-ne-re】 一口で飲み干す,一気に飲む,ぐっと飲む. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykopinupinu
ヤイコピヌピヌ 【yay-ko-pinu-pinu】 つぶやく. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykoranke
ヤイコランケ 【yay-ko-ranke】 はらはらと落とす. トゥ ペケンヌペ レ ペケンヌペ ヤイコランケ=ふたつの清い涙,三つの清い涙,はらはら落とし. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykosanke
ヤイコサンケ 【yay-ko-san-ke】 産む. フン エチ・ウコトㇺ ルウェ. トゥナㇱノ ピㇼカ ポンペ エチ・ヤイコサンケ ヒ ク・ヌカㇻ ワ ク・エヤイコプンテㇰ ルスイ ナ アニ=まあお前たちの似合うことよ.早くかわいい赤ちゃんをふたりの間で産んだのを私は見て喜びたいからね. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykosankep
ヤイコサンケㇷ゚ 【yay-ko-san-ke-p】 自分の子供. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykosikannatki
ヤイコシカンナッキ 【yay-ko-sikannatki】 まごまごする:どうしてよいかわからず,まごつく様子. チロンヌㇷ゚ ケセアンパ コㇿ ネㇷ゚ ネ クス ネ ヤ セタ ヤイコシカンナッキ ワ ホユプ エアイカㇷ゚. チロンヌㇷ゚ オㇷ゚ケ コㇿ セタ ネノ イキ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ=犬が狐を追いかけると,どうしてなのか犬がどうすればいいのかわからず走ることができなくなる.狐が屁をたれると犬がそうするものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykosiramsuye
ヤイコシラㇺスイェ 【yay-ko-si-ram-suye】 考える,思いめぐらす.▷ヤイ=自身 コ=それ イㇱ=自ら ラㇺ=思いスイェ=ふる (出典:萱野、方言:沙流)
yaykosiramsuypa
ヤイコシラㇺスイパ 【yay-ko-si-ram-suypa】 考える,思いめぐらす〔複〕.▷ヤイ=自身 コ=それ シ=自ら ラㇺ=思い スイパ=ふる ク・エヤイコシラㇺスイパ=私は考えをめぐらす.エネ ヤイコシラㇺスイパ=私のことを考える. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykosohosipi
ヤイコソホシピ 【yay-ko-so-hosipi】 後添いを貰う. アチャポ アシリキンネ ヤイコソホシピ ヤㇰ ク・イヌ ク・エヤイコプンテㇰ=おじさんが新しく後添いを貰ったと聞き,私は喜んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykosos
ヤイコソㇱ 【yay-ko-sos】 妊娠で腹が大きくなる. エ・ヤイコソㇱ シリ ヘンパラ エ・ホタㇱヌッピヒ ネ ルウェ アン=あなた自身の体が重そうだが,いつ臨月になる様子なの. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykotcakar
ヤイコッチャカㇻ 【yay-kotca-kar】 自分の前を作る:暖かくなるように自分の前の火の面倒をすること. テエタ アペオイ オㇿ タ アペ ア・アリ ヒ タ ヤイコッチャカㇻ ワ シネンネ ポㇷ゚ケ ノ アペクㇽ ヒ ア・イェ ㇷ゚ ネ ア ワ=ずうっと昔に炉の中で火を燃やしていた時,自分で自分の前を作って(火の面倒をして)ひとりで暖かくあたることを言ったものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykotomkap
ヤイコトㇺカㇷ゚ 【yay-kotomka-p】 自分に似合うもの.▷ヤイ=自身 コトㇺカ=似合う ㇷ゚=者 カムイ モシㇼ タ ア・ヤイコトㇺカㇷ゚ ア・フナラ ヤッカ イサㇺ=神の国で自分に似合いの者を(私は)探したがいなかった[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykotuyma
ヤイコトゥイマ 【yay-ko-tuyma】 自分の過去. ヤイコトゥイマ シラㇺスイェ=自分の過去をふりかえる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykoyomare
ヤイコヨマレ 【yay-ko-omare】 手酌:自分自身の杯に酒を入れる.▷ヤイ=自身 コ=それ=酒 オマレ=入れる (出典:萱野、方言:沙流)
yaykurkata
ヤイクㇽカタ 【yay-kur-ka-ta】 自分で,自分自身で. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykurnuyna
ヤイクㇽヌイナ 【yay-kur-nuyna】 身を隠す,体を隠す.▷ヤイ=自身 クㇽ=陰 ヌイナ=隠す (出典:萱野、方言:沙流)
yaykursapte
ヤイクㇽサㇷ゚テ 【yay-kur-sapte】 自分の姿を見せる. ウェンペ ウシ タ ピㇼカㇷ゚ オㇿ タ ヤイクㇽサㇷ゚テ イイェマウネ・アン ペ ネ ナ=悲しい所(葬式)にでも祝い事の場所へでも自分の姿を見せ,人と交わるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaymonakte
ヤイモナㇰテ 【yay-monakte】 目が冴える. (出典:萱野、方言:沙流)
yaymonikor
ヤイモニコㇿ 【yay-moni-kor】 忙しい. (出典:萱野、方言:沙流)
yaymonniska
ヤイモンニㇱカ 【yay-mon-niska】 忙しい. タン チュㇷ゚ タ トゥイマ モシㇼ ウン ア・エン・シレン ヤッカ ク・ヤイモニㇱカ ㇷ゚ ネ クス ソモ ク・アㇻパ クナㇰ ク・イェ ク・エヤヤシㇱカㇻ コㇿ ク・アン=今月遠い国へ私は誘われたが忙しいものだから行かないと言った,後悔している. (出典:萱野、方言:沙流)
yaymonpoktusmak
ヤイモンポㇰトゥㇱマㇰ 【yay-mon-pok-tusmak】 忙しい最中に何かをする.▷ヤイ=自身 モン=働く ポㇰ=下 トゥㇱマㇰ=急ぐ (出典:萱野、方言:沙流)
yaymotoho
ヤイモトホ 【yay-motoho】 自分の先祖. ヤイモトホ ヌ ルスイ オッカイポ エㇰ ヒクス ピㇼカノ ア・ヌレ アクス エラムシンネ ワ ホシピ ワ アㇻパ=自分の先祖のことを聞きたい若者が来たのでよく聞かせると安心して戻って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynennenu
ヤイネンネヌ 【yay-nen-nenu】 シラミ探し(する).▷ヤイ=自分で ネンネヌ=髪の毛の中に指先を這わせてシラミを探す オンネ フチ シネンネ アン ワ ヤイネンネヌ コㇿ アン=年寄りのおばあさん,ひとりでいて,シラミ探しをしていた. (出典:萱野、方言:沙流)
yayni
ヤイニ 【yay-ni】 ドロノキ. タヌクラン アナㇰネ ヤㇱ・アン クス ヤイニ タイ タ ウウェカㇻパ・アン ヒ ク・イェ ワ アン=今夜は網流しをするためにドロノキの林へ集まることを私は言っておいたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynikorosma
ヤイニコロㇱマ 【yay-nikor-osma】 恥ずかしい.▷ヤイ=自身 ニコㇿ=ひだ オㇱマ=入る →自分の体にひだを作って入る(それほど恥ずかしい)  *日本語で,穴があったら入りたいというのと同じ意味になるがアイヌ語は具体的に聞こえる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynino
ヤイニノー 【yay-nino】 エゾバフンウニ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayninpaninpa
ヤイニンパニンパ 【yay-ninpa-ninpa】 身体を引きずって行く. ウウェペケㇾ オㇿ タ アナㇰネ カッチャマハ ウェンメノコ ア・トイキッカㇻ コㇿ コタン ケㇱ ウン エホラㇰチセ オルン ヤイニンパニンパ セコㇿ ネ ㇷ゚ ネ=昔話の中では行ないの悪い女が父や母に殴られると村はずれの半分潰れた家へ自分の身体を引きずるようにして行ったと描写されている. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynita
ヤイニタ 【yay-nita】 がまん(する). (出典:萱野、方言:沙流)
yaynitante
ヤイニタンテ 【yay-nitan-te】 急ぐ.▷ヤイ=自身 ニタン=急ぐ テ=させる タント シㇼペケㇾ ヒ タ ク・エㇰ エパ ヤ シコㇿ ク・ヤイヌ コㇿ ク・ヤイニタンテ アクス イイソネ ク・シレパ=今日明るいうちに到着するかなあと思いながら急いで来たがどうやら着いた. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynu 1
ヤイヌ 【yay-nu】 ①思う,考える. ヤイヌ コㇿ アン=思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynu 2
ヤイヌ 【yay-nu】 ②病気をする. フチ ヤイヌ ヤㇰ ア・イェ アㇷ゚ ピㇼカ ヤ=おばあさんが病気らしいが,いいのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
yaynueo
ヤイヌエオ 【yaynu-eo】 病気がちである. ク・コㇿ キヤンネ マッネポ アナㇰネ ポン ヒ タ アナㇰネ ヤイヌエオ ヤアニ ヤアニ ク・オラウキ クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ タネ アナㇰ ミムㇱ ワ ニサㇱヌ=私の長女は小さい時は病気がちで,危なく危なく死ぬかと思ったが,今は太って健康だ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynumiwen
ヤイヌミウェン 【yay-numi-wen】 病気(だ).▷ヤイ=自分の ヌミ=粒 ウェン=悪い ソンノ オンネ フチ ヤイヌミウェン ワ ア・オイヌウェウシ コㇿ アン ヤㇰ ア・イェ=本当の年寄のおばあさんが病気で下の始末を人にしてもらっているということだ.マキㇷ゚ エ・イポロ ウェン ルウェ アン ソモ エ・ヤイヌミウェン ルウェヘ アン=どうしたの? 顔色が悪くて.病気ではないのかい.ナイクㇱ ウン ウナㇻペ ヤイヌミウェン ワ マㇰ ア・カㇻ ヤッカ ウェン ワ タント ユㇷ゚ケ ウウェポタラ アン ペ ネ ヤㇰ ア・イェ ク・アㇻパ ワ ク・エㇰ ナ=沢の向かいのおばが病気でどうしてもよくならないので今日強くまじないをするそうだから私は行ってくるから.フチ ヤイヌミウェン ク・ラムチュㇷ゚テㇰ ア ワ ピㇼカ ヒネ ウウェカリノ エチ・エㇰ=おばあちゃんが病気で心細い思いをしていたのに,幸い両方からお前たちが来た.エ・ミチ ヤイヌミウェン ワ ホッケ ワ アン フㇺコウェン ヤㇰ イェ ナ イテキ エ・フミヒ アㇱテ ノ イキ=お前の父が病気で寝ていて音がうるさいと言うから音をたてないようにしろ.ナ ペウレクㇽ ネ クニ ク・ラム アㇷ゚ ヤイヌミウェン ヤㇰ ア・イェ ク・ホタヌ ワ ク・エㇰ コㇿカ エアㇻキンネ ア・エラムサラㇰ=まだ若い人と私は考えていたのに,病気だという噂なので私が見舞いに行って来たが本当に心配だ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynumiwen'eo
ヤイヌミウェンエオ 【yay-numi-wen e-o】 病気がちだ マキㇷ゚ タㇷ゚ ウフナㇰ ワノ ウナㇻペ ヤイヌミウェネオ エイノンノイタㇰ ワ エン・コレ ヤン=どうしたことやらついこの頃からおばさんが病気がちだ,はらい清めてくださいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynupa
ヤイヌパ 【yay-nupa】 生き返る:意識が戻る. チュㇷ゚ ライ コㇿ ノヤ アニ イナウ アニ チュㇷ゚カムイ コワッカケ パ コㇿ "チュㇷ゚カムイ ヤイヌパ ヤイヌパ" セコㇿ カネ ハウェオカ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ=太陽が死ぬ(日食)とヨモギとかイナウとかで太陽に水をかけながら.「太陽の神生き返って生き返って」と言ったものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynuyna
ヤイヌイナ 【yay-nuyna】 隠れる,身を隠す. (出典:萱野、方言:沙流)
yayohumsekotekane
ヤヨフㇺセコテカネ 【yay-o-humse-kote kane】 自分自身に気合いを入れる. ▷ヤイオ(ヤヨ)=自分 フㇺセ=気合いを コテ=つける カネ=して(補遺編)▷ヤヨ(ヤヨ)=自分 フㇺセ=気合いを コテ=つける カネ=して (出典:萱野、方言:沙流)
yayokapaste
ヤヨカパㇱテ 【yay-oka-paste】 後悔する.▷ヤイ=自身 オカ=後 パㇱテ=気づく →自分自身で後になって気がつく ウヌ オㇰパレ ア・キ ア コㇿカ タネ アヤヨカパㇱテ=母に不孝をしたけれど今は私は後悔している. (出典:萱野、方言:沙流)
yayokoyki/yay'okoyki
ヤヨコイキ/ヤイオコイキ 【yay-o-koyki】 自分で自分の陰部をいじめる,自慰. ▷ヤイ=自分 オ=陰部 コイキ=いじめる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
yayomap
ヤヨマㇷ゚ 【yay-omap】 口惜しい,悔しがる.▷ヤイ=自身 オマㇷ゚=かわいそうだ (出典:萱野、方言:沙流)
yayomonnure
ヤヨモンヌレ 【yay-omonnure】 自慢(する),自賛,我ぼめ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayomsu
ヤヨㇺス 【<yay-homsu】 ▷ヤイホムㇱ】危機一髪,非常に危なかったこと.▷ヤイ=自身 ホㇺス=危機一髪 (出典:萱野、方言:沙流)
yayopepkap
ヤヨペㇷ゚カㇷ゚ 【yay-o-pepkap】 自分自身の事を述懐する. ペウレ・アン ヒ タ アナㇰネ ネユン ネユン カ ウェンプリコㇿ カ ア・キㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ オンネ・アン ペウレクㇽ エウン ヤヨペㇷ゚カㇷ゚ アン ヒ ウン=若い時にはいろいろと悪いこともしたものであったが,今は年寄りになって若者へ自分自身を述懐しているのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayopeyope
ヤヨペヨペ 【<yay-opes-opes】 自己紹介(する).▷ヤヨペソペㇱ】自己紹介(する). (出典:萱野、方言:沙流)
yayopokin
ヤヨポキン 【yay-opokin】 自分の事は自分でする.▷ヤイ=自分自身 オポキン=次から次へと →自分で自分のことを次から次へと面倒をみる (出典:萱野、方言:沙流)
yayosura
ヤヨスラ 【yay-osura】 寝ころぶ.▷ヤイ=自身 オスラ=投げる →自分を投げたようにごろんと寝る ヘマンタクス アㇻパ ワ オラ スイ ネㇷ゚カ ア・ヌレ ワ ネ ノイネ オパタプルㇽケ コㇿ エㇰ ワ ヤヨスラ ワ アン=何をしに行って,また何か聞かされたらしくぷんぷんしながら来て,自分の身体を投げ出すようにして寝そべっている. (出典:萱野、方言:沙流)
yayoturimkote
ヤヨトゥリㇺコテ 【yay-o-turimkote】 悪い出来事を知らす前触れの声. ユㇷ゚ケ ソンコ コタン オㇿ ウン ア・コアスㇽプス ヒ タ アナㇰネ ソンココㇿクㇽ アナㇰネ コタン カランケ コㇿヤヨトゥリㇺコテ ㇷ゚ ネ=ただならぬ伝言を村へ持って行く時には,使者は村へ近づきながらフォオオオオフム フォオオオオフムと言うものだ.*ふたりで狩りに行きひとりが熊に襲われ瀬死の重傷を負い残ったひとりが村に来て皆に知らせる,本当の様子を言う前にホホホホーホイ,ホホホホーホイ,ホホホホーホイと言う声を出す. (出典:萱野、方言:沙流)
yayotuwas
ヤヨトゥワㇱ 【yay-o-tuwas】 自信. (出典:萱野、方言:沙流)
yayotuymaanuanu
ヤヨトゥイマアヌアヌ 【yay-o-tuyma-anu-anu】 へっぴり腰である:体をかがめて不安定な腰つき. カニ アナㇰネ トッコニ ク・シトマ シネアンタ トイ アンクラ タ トッコニ アン ワ ク・ヤヨトゥイマアヌアヌ シリ ク・シユトホ ヌカㇻ ヒネ ココウ エネ イキ ヒ ヤヨトゥイマアヌアヌ ミナ ア ミナ ア=私はマムシを怖がる者で,ある日のこと畑の峰にマムシがいてへっぴり腰で見ていた様子を私の舅が見て,婿殿がこうしていたと尻を後へ突き出し笑って笑って. (出典:萱野、方言:沙流)
yayowpekare
ヤヨウペカレ 【yay-owpekare】 自分自身を真っ直ぐにする:自分自身の身ずまいをただす.クヤヨウペカレ /(私は)自分自身を真っ直ぐにする. (出典:萱野、方言:沙流)
yaypakari
ヤイパカリ 【yay-pakari】 自殺(する).▷ヤイ=自身 パカリ=計る (出典:萱野、方言:沙流)
yaypar'osuke
ヤイパㇻオスケ 【yay-par-o-suke】 (自分で自分の食べ物を)煮る.▷ヤイ=自分 パㇻ=口 オ=それ スケ=煮る (出典:萱野、方言:沙流)
yayparoiki
ヤイパロイキ 【yay-par-o-iki】 自活する,自分で自分の口を養う.▷ヤイ=自身 パㇻ=口 オ=それ イキ=する *年端もいかぬ子が他人の家へ行かされ.そこの家の子守などをして食べさせてもらうこと. (出典:萱野、方言:沙流)
yayparparu
ヤイパㇻパル 【yay-parparu】 自分をあおぐ. シㇼセセㇰ ヒ タ アナㇰネ タアン アワンキ アニ ク・ヤイパㇻパル コㇿ ク・アン ルウェ ネ ワ=暑い時にはこの扇で自分自身をあおぎながらいるんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaypaye
ヤイパイェ 【yay-pa-ye】 言う,自分の噂を言う,告白.▷ヤイ=自身 パ=口 イェ=言う (出典:萱野、方言:沙流)
yaypoktacis
ヤイポㇰタチㇱ 【yay-pok ta cis】 自分の不幸を悔やんで泣く,ひっそりと泣く. (出典:萱野、方言:沙流)
yaypuni
ヤイプニ 【yay-puni】 ふざける.からかう,冗談. ソンノ ネアクㇽ アン コㇿ オラノ ヤイプニ エオ ㇷ゚ ネ クス サマ タ オカイパ ㇷ゚ ミナ ロㇰ ミナロㇰ=本当にあの人がいると冗談好きなものだから側にいる者たち笑って笑って. (出典:萱野、方言:沙流)
yaypunieokur
ヤイプニエオクㇽ 【yay-puni e-o kur】 からかうのが好きな人. ネユンネユン ヤイプニエオクㇽ アン ペ ネ ヒネ イペ エユカㇻ カ キ アㇷ゚カㇱ エユカㇻ カ キ イタㇰ エユカㇻ カ キ アエミナ ノ イキ ㇷ゚ ネ=いろいろとからかうのが好きな人がいて,食べるのを真似る,歩くのを真似る,しゃべるのを真似る,皆を笑わせるようにするんだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayram'atte
ヤイラㇺアッテ 【yay-ram-atte】 精神を統一する,注意深い.気持を落ち着けてころばないように歩くこと.▷ヤイ=自身 ラㇺ=思い アッテ=立てる ヤイラマッテ ワ ルイカ カ クㇱ=精神を統一して橋を渡った(一本橋の上を渡る時の心境をいう). (出典:萱野、方言:沙流)
yayram'atte wa apkas
ヤイラㇺアッテ ワ アㇷ゚カㇱ 【yay-ram-atte wa apkas】 病み上がりの体ふらつきを支えながら歩く心. (出典:萱野、方言:沙流)
yayramekomo
ヤイラメコモ 【yay-ram-e-komo】 遭難死直前(である).人事不省(に陥る),昏睡状態(になる),意識不明(になる).▷ヤイ=自身 ラㇺ=思い エコモ=折り曲げる ヤイランポㇰウェン【ヤイランポㇰウェン】不満に思う.エネ ク=ヤイウェンヌカㇻ アㇷ゚ ヒナコロ エネ パテㇰ ヘ ハイー ク=ヤイランポㇰウェン フミー=あれほど苦労したのにたったこればかりかい,いやー私は少々不満に思うよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayramekotpa
ヤイラメコッパ 【yay-ramekotpa】 ひとり立ちできた,一人前に暮らしている. タネアポホウタㇻ ヤイラメコッパ ラムシンネアン=今は私の子供たちがひとり立ちできたので,私も安心だ.(補遺編) タネ ア・ポホ ウタㇻ ヤイラメコッパ ラムシンネ・アン=今は私の子供たちがひとり立ちできたので,私も安心だ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayramkikkar
ヤイラㇺキッカㇻ 【yay-ram-kikkar】 やめてしまう,あきらめる. (出典:萱野、方言:沙流)
yayrampokwen
ヤイランポㇰウェン 【yay-ram-pok-wen】 不満に思う. エネ ク・ヤイウェンヌカㇻ アㇷ゚ ヒナコロ エネ パテㇰ ヘ ハイ ク・ヤイランポㇰウェン フミ=あれほど苦労したのにたったこればかりかい,いやー私は少々不満に思うよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayramtomoitak
ヤイラㇺトモイタㇰ 【yay-ram-tomo-itak】 思い留まる. (出典:萱野、方言:沙流)
yayramuositciwre
ヤイラムオシッチウレ 【yay-ramu-o-sir-ciw-re】 心を落ち着ける. アイヌ オㇿ タ アナㇰネ インカㇻ イコシンニヌㇷ゚ カ イヌ イコシンニヌㇷ゚ カ アン ペ ネ ワ ネㇷ゚ ア・ヌカㇻ ヤッカ ネㇷ゚ ア・ヌ ヤッカ ア・ヤイラムオシッチウレ ワ ア・ヌ カ ア・ヌカㇻ カ キㇷ゚ ネ=アイヌの社会では見た宝,聞いた宝などがある,何か見ても何か聞いても心を落ち着けて聞いたり見たりするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayrat
ヤイラッ 【yay-rat】 つわり.▷ヤイ=自身 ラッ=見失う →自分自身を見失うほどつらいものだと言う (出典:萱野、方言:沙流)
yayrayke
ヤイライケ 【yay-rayke】 自殺.▷ヤイ=自身 ライケ=殺す (出典:萱野、方言:沙流)
yayrenkane
ヤイレンカネ 【yay-renka-ne】 喜んで. ソモカ チセ アン クナㇰ アラム ウㇱケ タ チセ アン ヒネ アペニペキ ソユニタラ. ヤイレンカネ ヤイェヤントエトゥン・アン=まさかそこに家があると思わなかった所に家があり火の光が外へもれている.喜んで泊めてもらうことを頼んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayrerap
ヤイレラㇷ゚ 【yay-rerap】 歌に託して自分の思いを言う. (出典:萱野、方言:沙流)
yayresuppo
ヤイレスッポ 【yay-resup-po】 みなしご,孤児. ヤイレスッポ エカㇷ゚ネ エ・スクㇷ゚ ヤッカ アイヌ エ・ネ ㇷ゚ ネ ナ=孤児のような育ち方をお前はしているがりっぱな人間になるんだよ.*そのような子供に直接言うのではなく,あだ名のように呼ぶ時に使う場合と,貧乏な家の子供に上記のような言葉で励まして用いる場合とがある. (出典:萱野、方言:沙流)
yayriserise
ヤイリセリセ 【yay-rise-rise】 自分で自分の髪を引っぱる. (出典:萱野、方言:沙流)
yayriterite
ヤイリテリテ 【<yay-riten-riten】 ▷ヤイリテンリテン】背伸びをする,病みあがりの体を少しだけ動かす,自分の体をもみほぐす.▷ヤイ=自分 リテンリテン=柔らかくする ▷ヤイ=自分 リテンリテン=柔らかくする (出典:萱野、方言:沙流)
yayruka ehosipi
ヤイルカ エホシピ 【yay-ru ka e-hosipi】 自分の足跡を迂回する. キムンカムイ アナㇰネ ア・シトマ ㇷ゚ ネ. ア・クイラ ヒ パㇱテ コㇿ ヤイルカ エホㇱピ ニ センピㇼ タ イ・エトコウㇱ ペ ネ=熊は恐ろしいものだ.後をつけられたことに気づくと自分の足跡を迂回して木の陰で待ち伏せをするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayruka eusieusi
ヤイルカ エウシエウシ 【yay-ru ka eusi-eusi】 通う,何回何回も行ったり来たりすること. (出典:萱野、方言:沙流)
yaysama
ヤイサマ 【yay-sama】 歌,即興歌(歌謡の一種).▷ヤイ=自分 サマ=側,前 →自分自身のことを言う (出典:萱野、方言:沙流)
yaysamanena
ヤイサマネナ 【yaysama ne na】 歌(歌謡の一種). (出典:萱野、方言:沙流)
yaysamne
ヤイサㇺネ 【yaysamne】 心配事でなく,何事もなく,単に,普通に. ヤイサㇺネ エ・エㇰ ヒ?=心配事で来たのではないの?ヤイサㇺネ ネ ヤクン ピㇼカ=心配事でないのならいいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaysampepokas
ヤイサンペポカㇱ 【yay-sampe-pokas】 腹が立つ,気が滅入る,しゃくにさわる(しかし人には言えない). (出典:萱野、方言:沙流)
yaysermakka koorsutke
ヤイセㇾマッカ コオㇿスッケ 【yay-sermak-ka ko-orsutke】 自分自身の魂を励ます. テエタ シサㇺ トゥミ アン ヒ タ ク・ユピ ポ カ トゥミエイヨロッ ネ ヒ タ アイヌ アナㇰネ セㇾマカハ ユㇷ゚ケ ㇷ゚ ネ ナ シコㇿ ヤイセㇾマッカコ オㇿスッケ・アン ペ ネ シコㇿ ハワン ヒ ク・ヌ=ずうっと昔和人の戦争のあった時に死んだ私の兄も戦争に行かされ,その時にアイヌは魂が強いものだと自分自身の魂を励ましたものだったよと言っていたのを聞いたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaysinire
ヤイシニレ 【yay-sini-re】 休む. (出典:萱野、方言:沙流)
yaysiporore
ヤイシポロレ 【yay-si-poro-re】 我慢.痩せ我慢(する). クンネイワイペ ソモ ノ エㇰ ヒ ア・エラマン クス ア・イペレ クス ア・イェ ヤッカ ヤイシポロレ ワ ソモ エ ノ アㇻパ. タンペ ア・イェ ヒ ウェン シサㇺ ヤイシポロレ=朝食を食べずに来たことを知っていたので食べなさいと私が言ったけれども痩せ我慢をして食べないで行った,これのことを貧乏和人の痩せ我慢. (出典:萱野、方言:沙流)
yaysirsiru
ヤイシㇼシル 【yay-sir-siru】 自分の体をこする. (出典:萱野、方言:沙流)
yaysitoma
ヤイシトマ 【yay-sitoma】 恥ずかしがる,恥ずかしい. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytapapa
ヤイタパパ 【yay-tapapa】 体を横たえる,横になる. ポンヤウンペ ア・ネ ワ シネ アン アンチカㇻ タ ア・コㇿ クㇱネ メノコ サマ タ アㇻパ・アン ア・コヤイタパパ ルウェ ネ=私はポンヤウンペという者である夜のこと結婚することになっている女その側へ行って体を横たえたのであった. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytekkisma
ヤイテッキㇱマ 【yay-tek-kisma】 暇だ.▷ヤイ=自身 テㇰ=手 キㇱマ=つかまえる →暇なので自分の手をつかまえている エシㇼ ワノ ウパㇱ ユㇷ゚ケ ㇷ゚ ネ クス ソイェネ カ ア ・エアイカㇷ゚. ヤイテッキㇱマ・アン ワ アン・アン=先程から雪が強く降っているので外へ出ることもできない,私は暇にしている. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytomoitak
ヤイトモイタㇰ 【yay-tomo-itak】 自分で我慢する. ▷ヤイ=自分 トモー方へ イタㇰ=言う. *まあまあ今は,と自分に言い聞かせて我慢する.(補遺編)▷ヤイ=自分 トモ=方へ イタㇰ=言う. *まあまあ今は,と自分に言い聞かせて我慢する. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytunaska
ヤイトゥナㇱカ 【yay-tunas-ka】 急ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytupareno arpa
ヤイトゥパレノ アㇻパ 【yaitupare no arpa】 気をつけて行け(行く人に対して):強いて言えばさよならということになるが,さよならに相当する言葉はないと言ったほうがいいであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytupareno paye yan
ヤイトゥパレノ パイェ ヤン 【yaitupare no paye yan】 気をつけて行きなさい(行く人に対して). (出典:萱野、方言:沙流)
yayturasinot
ヤイトゥラシノッ 【yay-tura-sinot】 ひとり遊び(する). ア・ミッポホ ユピヒ イサㇺ コㇿ ネㇷ゚ ワ アン ペ イェ コㇿ ヤイトゥラシノッ コㇿ アン ペ ネ=私の孫は兄がいないと何やら独り言をいいながらひとり遊びをしているのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytus'atte
ヤイトゥㇱアッテ 【yay-tus-atte】 首吊り自殺(する),縊死.▷ヤイ=自身 トゥㇱ=綱 アッテ=かける イヨハイ イカッウェンテ クス ヤイトゥサッテ ヤㇰ ア・イェ. ア・シトマ オルㇱペ ネ ワ=いやー大変なことだ,人の顔を汚すために首吊り自殺したそうだ,恐ろしい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytuytuye
ヤイトゥイトゥイェ 【yay-tuy-tuye】 自分の体のほこりを払い落とす. (出典:萱野、方言:沙流)
yayukauka
ヤユカウカ 【yay-uka-uka】 自分の着物を繕う:衣服のほつれや破れを直す. (出典:萱野、方言:沙流)
yayunaske
ヤユナㇱケ 【yay-unaske】 詫びる,言い訳する,釈明する. リㇰ ペカ ア・エヤㇷ゚キㇼ ア・ポㇰナレ アクス エアシㇼ テㇰシケウカウヌウヌ ヤユナㇱケ=腰投げをかけるようにして組み伏せると.そこで初めて自分の手で自分をかばいながら謝った. (出典:萱野、方言:沙流)
yayunnatara
ヤユンナタㇻ 【yay-nu-natara】 もの思いにふけっている,どうしたらいいものだろうかとひとりでじっともの思いにふける.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
yayutar_ tuye
ヤユタッ トゥイェ 【yay-utar-tuye】 身内を斬る[ユ]:ポンヤウンペに味方をする女が自分の兄や父を斬る話.▷ヤイ=自身の ウタㇻ=仲間 トゥイェ=斬る (出典:萱野、方言:沙流)
yayutek
ヤユテㇰ 【yay-utek】 便所へ行く.▷ヤイ=自身 ウテㇰ=使う  *便所に行くことは他人に頼むことはできない.だによって自分自身を必ず使うことになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
yayuykus
ヤユイクㇱ 【yay-uykus】 諦める,仕方がないなあ〔ユ〕.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
yaywennukar
ヤイウェンヌカㇻ 【yay-wen-nukar】 苦しむ:肉体に痛みを感じる,つらい.▷ヤイ=自身 ウェン=悪い ヌカㇻ=見る →自分自身が悪く見える. ネユンネユン エ・ヤイウェンヌカㇻ ヤㇰ ク・イヌ ヤッカ エチ・カシオピウキ カ エアイカㇷ゚ カニ カ ウェンクㇽ ク・ネ ㇷ゚ ネ クス=いろいろお前が苦しんでいると私は聞いていてもお前を助けることもできない,私も貧乏者なものだから. (出典:萱野、方言:沙流)
yaywentarapkokanu
ヤイウェンタラㇷ゚コカヌ 【yay-wentarap-kokanu】 自分自身の夢に耳を傾ける. *昔二風谷村に貝澤松雄さんという人がいたが,その人が山仕事に行っていてある朝,昨夜見た夢の中で日頃大切に使っていた急須が太股の上へ落ちて割れた夢を見たと言いながら仕事に出た.仕事中に角材と立ち木に太股を挟まれ片足を切断することになってしまった.だによってアイヌは夢を大切にするべしと言われていたものであった.昭和5年頃の話であるがアイヌは夢は神のお告げと思って大事にしていた.また,ウェンタラㇷ゚ オッタ アヌ ユカㇻと言って夢の中でユカㇻを聞かされることがあり,このような場合はそのままもう1度寝るようなことをせずに側にいる誰かを起こしてすぐに語って聞かせる,そうでないと忘れてしまうものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ye
イェ 【ye】 膿(うみ). コソㇿカミヒ(ク・オソㇿカミヒ) タ アン フㇷ゚ イェ ヌ ノイネ フマㇱ ナ.ヌカㇻ ワ ヌンパ ワ エン・コレ=私の尻に出来た腫れ物が膿を持ったようだ.見てしぼってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
ye
イェ 【ye】 話す,言う. ヘマンタ クス エ・エㇰ? ハポ ヘネ エ・ウテㇰ ヒー? ホクレ イェ ワ エン・ヌレ=なんの用事で来たの? 母がお前を使いによこしたの? 早く話して私に聞かせて. (出典:萱野、方言:沙流)
yemanu
イェマヌ 【ye manu】 言うところの. タㇷ゚ ア・イェ マヌ ハワㇱ アナㇰ ク・ヌ ア ワ=今あなたが言ったところのその話は私は(前に)聞いたよ.チセ ソイ タ エㇰ ワ アン クㇽ ア・イェ マヌ ペニウン アスㇽ アㇱ ニㇱパ ソモ ネ ヤー?=家の外へ来ておられる方は,言うところの奥地に住む噂に高い物持ちの人ではないだろうか? (出典:萱野、方言:沙流)
yenu
イェヌ 【ye-nu】 膿が出る,化膿する. コソㇿカミヒ(ク・オソㇿカミヒ) タ アン フㇷ゚ イェヌ ノイネ フマㇱ ナ.ヌカㇻ ワ ヌンパ ワ エン・コレ=私の尻に出来た腫れ物が化膿したようだ,見てしぼってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
yeot
イェオッ 【ye-ot】 膿む,化膿する. ポン フㇷ゚ ネ コㇿカ イェオッ ノイネ アㇻカ ナ ヌカㇻ ワ エン・コレ=小さい腫れ物ではあるけれど膿んだらしく痛いので,見てくれ.ハイー! エチ・ヌカレ カ ケヤイシトマ(ク・エヤイシトマ) コㇿカ クッチカミヒ(ク・ウッチカミヒ) タ ポロ フㇷ゚ アン ナ ヌカㇻ ワ イェオッ ワ アン チキ ヌンパ ワ エン・コレ=ああ痛い! お前に見せるのも恥ずかしいけれど太股に大きい腫れ物が出来ているので,見て膿を持っていたらしぼってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
yepnu
イェㇷ゚ヌ 【yepnu】 恥ずかしい. タネ アナㇰネ イェㇷ゚ヌ ウㇷ゚ソㇿ ア・ヤイコヌイナ パㇰノ ポロ メノコポ ア・ネ=今はもう恥ずかしい懐を自分で隠すほどの大きな娘に私はなった(ユカㇻで,自分自身の胸のふくらみを気にする年頃を言う). (出典:萱野、方言:沙流)
yepnuupsoro
イェㇷ゚ヌウㇷ゚ソロ 【yep-nu-upsoro】 いまだ若い懐,まだ若い,結婚にはいま少し早い少年か少女.青年と言いたいがあと少しの年月が必要だ. イェㇷ゚ヌウㇷ゚ソロ アヤイコ シッカシマ=若い懐を自分自身で守っている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
yokina
ヨキナ 【yokina】 4人:人数を数える時. *昭和年月日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
yoko
ヨコ 【yoko】 構える,待ち構える,待ち伏せ,狙う. キムンカムイ ピウキ ワ エㇰ ヒクス ア・コㇿ タシロ ア・オサウテッカ ワ ヨコ・アン=クマが襲いかかって来たので,私は自分の山刀をさっと抜いて身構えた.タント ク・エキㇺネ ニセンピㇼ タ ク・ヨコ ワ ク・アン アクス モマンペ ネ ヤ アㇷ゚カ ネ ヤ ウオスオㇱ サン ペ ネ クス ポロンノ スマウェヘ ク・コㇿ=今日山へ行って木の陰に待ち構えていると雌鹿や雄鹿が次から次と出て来たのでたくさんの猟があった.ウパㇱ トゥㇺ タ ヨコ・アン ワ アン・アㇷ゚ シネ ユㇰ シトゥ カリ ラン ヒクス クワ アニ ホラホチュウェ・アン イイェトゥㇱマㇰ・アン=雪の中で待ち構えていたら1頭の鹿が峰から下りたので杖で滑り下りて先回りをした. (出典:萱野、方言:沙流)
yokoni
ヨコニ 【yoko-ni】 伏せ木:イワニ(アオダモ)製. (出典:萱野、方言:沙流)
yomkur
ヨㇺクㇽ 【yomkur】 しゃっくり. (出典:萱野、方言:沙流)
yomne
ヨㇺネ 【yomne】 懲りる. ソモ ヨㇺネ ノ オトゥ スイ レ スイ ウェン プリ コㇿ ヒ ネ クス タンペ オㇿ タ アナㇰネ カムイ オㇿ ワ ア・パㇻコアッテ ㇷ゚ ネ ナンコㇿ ワ=懲りもせず2回も3回も悪いことをするのだから今回の場合は神様から罰を与えられるでありましょう.ネウン ア・キキㇰ ヤッカ ヨㇺネ カ ソモ キ ノ オトゥ スイ レ スイ イッカ ハウェ ク・オクンヌレ=どのように殴られても懲りもしないで2回も3回も盗っ人をしているとは,私はあきれてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
yomomke
ヨモㇺケ 【yomomke】 焦げてしわしわになる:毛皮のようなものを火に近づけるとしわしわになる.その状態のこと. (出典:萱野、方言:沙流)
yomyom
ヨㇺヨㇺ 【yomyom】 しわ. (出典:萱野、方言:沙流)
yoni
ヨニ 【yoni】 引っこめる. エン・コトゥリリ アㇷ゚ ヨニ ワ イサㇺ=俺に伸ばしたのに引っこめてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
yorpuy/yorpuye(he)
ヨㇿプイ/ヨㇿプイェ(ヘ) 【yorpuy/yorpuye(he)】 肛門,尻の穴. (出典:萱野、方言:沙流)
yospe/yospe(he)
ヨㇱペ/ヨㇱペ(ヘ) 【yospe/yospe(he)】 (動物の)胃,胃袋. (出典:萱野、方言:沙流)
yoyoyo
ヨヨヨ 【yoyoyo】 よかったよかった. ソンノ ハルコㇿ カムイ ネ ワ カㇺ トゥ カ サㇰ ノ キㇼプウㇱ ヨヨヨ ヨヨヨ=本当に肥えた熊だ,肉の端もなく脂身ばかりだ,よかったよかった. (出典:萱野、方言:沙流)
yu
ユ 【yu】 湯,温泉.冷泉. (出典:萱野、方言:沙流)
yuk
ユㇰ 【yuk】 鹿. (出典:萱野、方言:沙流)
yuk'ur
ユㇰウㇽ 【yuk-ur】 鹿皮の衣. テエタ アン アミㇷ゚ アナㇰネ ユクㇽ オトゥタヌ アン ペ アットゥㇱ オトゥタン アン ペ ヤヤン センカキ ネ=ずっと昔の着物は鹿皮,次はオヒョウの皮で織った着物,次は普通の木綿ものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
yukar
ユカㇻ 【yukar】 英雄叙事詩. *今までの多くの本にはユーカラと書かれているがアイヌ民族の間ではユーカラと言うのではなしにユカㇻと言う.*ウェンタラㇷ゚ オッタ(オㇿ タ) ア・ヌ ユカㇻと言って夢の中でユカㇻを聞かされることがあり,このような場合はそのままもう1度寝るようなことをせずに側にいる誰かを起こしてすぐに語って聞かせる,そうでないと忘れてしまうものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yukar
ユカㇻ 【yukar】 真似る:誰かが聞かせてくれた長い長い物語,それを真似て次に誰かに聞かせる,それをユカㇻと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
yukecikappo
ユケチカッポ 【yuk-e-cikappo】 ホオジロ:頬に白い線のある小鳥. (出典:萱野、方言:沙流)
yukkarus
ユッカルㇱ 【yuk-karus】 マイタケ. (出典:萱野、方言:沙流)
yukker/yukkeri(hi)
ユッケㇾ/ユッケリ(ヒ) 【yuk-ker/-keri(hi)】 鹿皮の靴.ユッケレ (出典:萱野、方言:沙流)
yukketunci
ユッケトゥンチ 【yuk-ketunci】 鹿の皮. (出典:萱野、方言:沙流)
yukki
ユッキ 【yukki】 ダニ. (出典:萱野、方言:沙流)
yukram/yukrami(hi)
ユㇰラㇺ/ユㇰラミ(ヒ) 【yukram/yukrami(hi)】 肺臓. ユㇰ スマウェヘ ア・コㇿ ナ トゥイェ ヘ フライェ ヤン. ユㇰラㇺ ネ ヒケ アナㇰネ パㇱクㇽ エイメッコレ=鹿を獲ったので腸を洗いなさい.肺臓は烏に配ってやれ.*昔に親不孝した息子がいて自分たちはおいしい肉を食べて目の見えない親にはユㇰラㇺ(肺臓)の部分を食べさせた.それを食べた親は年をとるといいことはないものだ,何を食べても汁っ気もないと言って嘆いたというが親不孝の息子たちは神様から罰せられたという. (出典:萱野、方言:沙流)
yuksapaunni
ユㇰサパウンニ 【yuk-sapa-un-ni】 熊の頭骨を乗せる二股になった木. ▷ユㇰ=熊 サパ=頭 ウン=入る ニ=木 *イヨマンテ(熊送り)の時に作って用いる.(補遺編)▷ユㇰ=熊 サパ=頭 ウン=入る ニ=木 *イヨマンテ(熊送り)の時に作って用いる. (出典:萱野、方言:沙流)
yuktopakina
ユㇰトパキナ 【yuk-topa-kina】 フッキソウ,ユキノシタ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
yup/yupi(hi)
ユㇷ゚/ユピ(ヒ) 【yup/yupi(hi)】 兄. (出典:萱野、方言:沙流)
yupe
ユーペ 【yupe】 チョウザメ. (出典:萱野、方言:沙流)
yupke
ユㇷ゚ケ 【yupke】 強い,きつい. トオㇷ゚ トゥイマ シㇼ タ シㇼシモイェ ユㇷ゚ケ ㇷ゚ アン ワ シサㇺ マチヤ ウカエコネ シコㇿ アン パハウ ク・ヌ=ずうっと遠い所で強い地震があって和人の町が倒壊したという噂を私は聞いた. (出典:萱野、方言:沙流)
yupkeno
ユㇷ゚ケノ 【yupke-no】 強く. ユㇷ゚ケ ノ シナ=強く縛れ.ユㇷ゚ケ ノ イェ=強く言え. (出典:萱野、方言:沙流)
yupkenuwap
ユㇷ゚ケヌワㇷ゚ 【yupke-nuwap】 難産. (出典:萱野、方言:沙流)
yupkir
ユㇷ゚キㇼ 【yupkir】 蒔く:ヒエやアワなど小さい種をパラパラと蒔く. ポロ ワッカ アン エオヤパ アナㇰネ ピクタトイ シノ ピㇼカ ㇷ゚ ネ. ムン ウㇱ カ ソモ ルロカㇻ・アン ワ ナニ ユㇷ゚キㇼ・アン コㇿ チュカン コㇿ ネㇷ゚ パㇰノ アマㇺ ヌモノ=大洪水のあった次の年は川洲畑は本当にいいものだ,草も生えないし畝を切ってすぐに種を蒔くと秋になればどっさり穀物が実る.*豆を蒔くのはエトイタ. (出典:萱野、方言:沙流)
yupkosanu
ユㇷ゚コサヌ 【yup-kosanu】 急に強まる. ウヌニ ウヌニ コㇿ アン アㇷ゚ ラム ユㇷ゚コサヌ ヒネ アㇻパ ワ イサㇺ=もじもじしていたのに思いが急に強まって行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
yupnispake
ユㇷ゚ニㇱパケ 【yup-nispake】 兄様:尊敬して言う場合. (出典:萱野、方言:沙流)
yupo
ユポ 【yupo】 兄. (出典:萱野、方言:沙流)
yuppa
ユッパ 【yuppa】 握る. チユッパㇷ゚=片手で握った握り飯. (出典:萱野、方言:沙流)
yuppoohay a=raykotenke
ユッポオハイ アライコテンケ 【yup-po-ohay a=ray-ko-tenke】 愛しい人よと泣いて喜ぶ. ▷ユㇷ゚ポ=恋人 オハイ=よ ア=それ ライコテンケ=死ぬほどに喜び,叫ぶ[ユ](補遺編)▷ユッポ=恋人 オハイ=よ ア=それ ライコテンケ=死ぬほどに喜び,叫ぶ〔ユ〕. (出典:萱野、方言:沙流)
yupu
ユプ 【yupu】 きつく締める,力を入れる. (出典:萱野、方言:沙流)
yuputari
ユプタリ 【yup-utari】 〜の兄たち. (出典:萱野、方言:沙流)
yupyupkere
ユㇷ゚ユㇷ゚ケレ 【yup-yup-kere】 励ます,頑張れと言い聞かせる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
yupyupu
ユㇷ゚ユプ 【yup-yupu】 ぎゅっと締める. (出典:萱野、方言:沙流)
yutar
ユタㇻ 【yutar】 伝言する. (出典:萱野、方言:沙流)
yutarkur
ユタㇻクㇽ 【yutar-kur】 使者. ピラウトゥㇽ タ イヨマンテ アン クㇱネ オロ タ ア・イ・サケイユㇱテ シコㇿ ネ ワ ユタㇻクㇽ エㇰ ヒクス ア・コシムシㇱカ ルウェ ネ=平取に熊送りがあり,その時に私に祭司をということで使者が来たのでそれに対して返事をした(昭和年に父が). (出典:萱野、方言:沙流)
aynuuttap
アイヌウッタㇷ゚ §012 サメガスベ (3) aynu-uttap (áy-nu-ut-tap)「あイヌウッタㇷ゚」[*uttap(エイ)] ⦅浦河⦆ (出典:知里動物編、方言:)
heroki
ヘロキ §020 ニシン (1) heroki (he-ró-ki)「ヘろキ」 成魚 ⦅長万部、礼文、虻田、幌別、白老、様似、近文、多蘭泊*⦆ (出典:知里動物編、方言:)
poro
ポロ §010.老若長幼―成長段階―を表す形容詞その他(11)poro〔po-ró ポろ〕⦅H. S. K.⦆親である;親の;年多い;多い;大きい。[<pono**(子を・持つ)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
totonup
トトヌㇷ゚ §413 ハイマツ (1) totonup (to-tó-nup)「トとヌㇷ゚」[<*totorup<*metot-or-o-hup(奥山・の所・に群生する・松)] 茎 ⦅名寄⦆⦅A沙流・石狩・十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)