国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ

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ahun
アフン 【自動】[単](複は ahup アフㇷ゚)[ahu(=aw)-n 家などの中・(自動詞形成)](一人が)(家などに)入る。 ☆発音 hu フ の発音に注意。 日本語の フ と違う。 アフンとアホンの中間の発音。 {E: to enter (a house etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ahun
アフン 【ahun】 入る. ナニ エㇰ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ ア ㇷ゚ アフン ルウェー カ イサㇺ=すぐ来ると言いながら外へ出たのに,入る様子もない.チェㇷ゚コイキ オッタ(オㇿ タ) ヤ オルン アムㇱペ アフン コㇿ ア・シㇼコテ ワ チェㇷ゚ ア・ウㇰ パㇰノ ソモ ア・オピチ ㇷ゚ ネ=サケを獲りに行って網にカニがかかると,紐でカニを繋いでサケが獲れるまで放さないものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
ahuncuppok
アフンチュッポㇰ 【ahun-cup-pok】 西の方,日の入る方.▷アフン=入る チュㇷ゚=日,月 ポㇰ=下 (出典:萱野、方言:沙流)
ahunka
アフンカ 【ahun-ka】 厚司を織る時の横糸,緯(ぬき).▷アフン=入る カ=糸 (出典:萱野、方言:沙流)
ahunkanit
アフンカニッ 【ahun-ka-nit】 横糸を巻く細い棒.▷アフンカ=横糸 ニッ=棒 (出典:萱野、方言:沙流)
ahunke
アフンケ 【他動】[単](複は ahupte アフㇷ゚テ)[ahun-ke 入る・させる](家などに)(一人を) 入らせる、 入れる、 (家などの中に)通す。 ☆参考 ahunte アフンテ とも言う。 {E: to make someone enter (a house etc.); to enter} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ahunke 1
アフンケ 【ahun-ke】 ①(人を)入れる. (出典:萱野、方言:沙流)
ahunke 2
アフンケ 【ahun-ke】 ②(人を)招待する. アㇻパ ワ エ・ウナㇻペヘ アフンケ ワ エㇰ=行ってお前の伯母を招待して来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ahunporu
アフンポル 【名】[ahun-poru 入る・洞穴] 死者の住む国の入口の洞穴。 “ahunporu sikopayar pe hemanta an?” “etupuyke”「アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン?」「エトゥプイケ」「あの世の入口の洞穴にそっくりのものはなあに?」「鼻のあな」(なぞなぞ)。(W-S会話) {E: a cave that is the entrance to the land of the dead.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ahunra
アフンラ §338 アオバズク (14) ahunra (a-hun-ra)「アフンラ」 ⦅B⦆フクロウの一種 A kind of owl. (出典:知里動物編、方言:)
ahunrasampe
アフンラサンペ 【ahun-rasampe】 アオバズク,ミミズク,フクロウの一種. (出典:萱野、方言:沙流)
ahunrasampe
アフンラサンペ §338 アオバズク (4) ahunrasampe (a-hún-ra-sam-pe)「アふンラサンペ」[<aw-un-rasampe(あの世・に住む・ばけもの)] ⦅幌別、近文⦆コミミズク (出典:知里動物編、方言:)
ahunrasanpe
アフンラサンペ 【名】[動物](図鑑の写真によればフクロウ。 しかし「フクロウではない。 onancisapanpe オナンチサパンペ をかぶった鳥。 yukcikap ユㇰチカㇷ゚ によく似ていてよくまちがう。 あまり足を出していないものだ。」) (S)〔知分類 p.198 ahunrasampe コミミズク[< aw-un-rasampe (あの世・に住む・ばけもの)]〕 {E: a type of bird.} (出典:田村、方言:沙流)
ahunrupar
アフンルパㇻ 【名】[ahun-ru-par 入る・道・口] 死者の住む国へ行く穴の入口(=ahunporu アフンポル)。 {E: the entrance to the land of the dead.} (出典:田村、方言:沙流)
ahunrupar
アフンルパㇻ 【ahun-ru-par】 冥土の入り口.▷アフン=入る ル=道 パㇻ=口 "カンカン" セコㇿ ア・イェ ナイ ソ カ タ アフンルパㇻ アン ペ ネ ワ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=「カンカン」という沢の滝の上の方に冥土の入り口があって,私も見たことがある.*二風谷ではカンカン沢を2kmほど登った所の右岸台地にアフンルパㇻがある. (出典:萱野、方言:沙流)
ahunte
アフンテ 【他動】[単](複は ahupte アフㇷ゚テ)[ahun-te 入る・させる](家などに) 一人を入らせる、 入れる、 通す、 雇う。 {E: to let, make someone come into a house etc.; to employ someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ahunte
アフンテ 【ahun-te】 入れる. (出典:萱野、方言:沙流)
ahuntokompone
アフントコンポネ §281.くるぶし(踝)(7)ahun-tokompone〔a-Fún-to-kom-po-ne アふントコンポネ〕[ahun(<aun<aw-un↑、…)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cup ahun
チュㇷ゚ アフン 【cup ahun】 日が沈む. (出典:萱野、方言:沙流)
hoahunkei
アフンケイ 【ho-ahunke-i】 湾曲した地形.▷ホアフンケ=自ら入っている ヒ=所(→イ) *二風谷マンロー館の南側オサッ沢右岸で湾曲した所(『おれの二風谷』273頁). (出典:萱野、方言:沙流)
ikoahun
イコアフン 【自動】[単](複は ikoahup イコアフㇷ゚)[i-ko-ahun もの・に向かって・入る] あぶないところへ思い切って入る。 pon pewrep oka noyne haw as na ikoahun wa uk wa ek ポン ペウレㇷ゚ オカ ノイネ ハウ アㇱ ナ イコアフンマ ウㇰ ワ エㇰ 小さい子熊がいるらしい声がするから入って取って来なさい。(S) {E: to resolve oneself to enter a dangerous place or situation.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kisaru kari ahun
キサル カリ アフン §745.耳に入るkisaru kari ahun〔ki-sá-ru|ka-rí|a-Fún キさル・カり・アふン〕[kisaru(その耳)+kari(から)+ahun(入る)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
notakam(-i) ahun
ノタカㇺ アフン §693.頬がこけている(1)notakam(-i) ahun〔no-tá-kam|a-Fún ノたカㇺ・アふン〕[頬肉・入りこむ]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oahun
アフン 【他動】[o-ahun (そこ)に・入る] …に入る。 poncise or hene oahun ポンチセ オㇿ ヘネ オアフン 小屋の中にでもお入りなさい(pon cise or un hene ahun ポン チセ オルン ヘネ アフン と同じ意味だが、 or oahun オㇿ オアフン を使うほうが「よい言葉」)。 (S) pu or c=óahun プ オㇿ チョアフン 私(主人公の神)は倉の中に入った。(HC神謡) {E: to enter…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rawoahun
ラウォアフン 【raw-o-ahun】 沈んで行く,潜って行く. (出典:萱野、方言:沙流)
-us 5
ウㇱ 【接尾】(動詞接尾辞の一つ。 動詞に接尾し、 後に-i《所、 時》を伴って)…-usi 習慣として…する所/時。 iku 酒類を飲む;ikuusi 飲み屋。 mokor 眠る;mokorusi いつも皆が眠る所/時刻。 mokorusi pakita ahun kane iki モコルシ パキタ アフン カネ イキ いつも皆が寝るころにちょうど入って来た。 (出典:田村、方言:沙流)
ahunun
アフヌン 【ahun un】 入ったら(誘っている言葉).▷アフン=入る ウン=〜したら "チセ ソイ タ エㇰ ワ ネㇷ゚ カ エ・コピシ ハウェー?" "アフン ルスイ シコㇿ ネ アワ" "ヤクン アフヌン"=「家の前へ来て何かお前に尋ねたの?]「入りたいということだったよ」「それなら入ったら?」 (出典:萱野、方言:沙流)
ahup
アフㇷ゚ 【自動】[複](単は ahun アフン)(二人以上が)(家などに)入る。 {E: to enter (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ahuppa
アフッパ 【自動】[複複](単は ahun アフン)(家などに)(二人以上が皆) 入る。 {E: to enter (a house etc, ) (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ahupte
アフㇷ゚テ 【他動】[自動使役][複](単は ahunke アフンケ/ahunte アフンテ)(二人以上を)(家などに)入らせる/入れる/通す。 {E: to enter, into the house (pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ahuptepa
アフㇷ゚テパ 【他動】[複複](単は ahunke アフンケ/ahunte アフンテ)(二人以上が皆、 二人以上/二つ以上(皆)を)入らせる、 入れる。 {E: to let into, enter … (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
akkari 1
アッカリ 【akkari】 ①追い越す,通過する,通り過ぎる. ク・ニタン ペ ネ クス ホㇱキ アㇻパ ㇷ゚ ク・アッカリ=私は(歩くのが)早いので,先の人を追い越した.ク・シケパセ ㇷ゚ ネ クス,エノㇱ(エン・オㇱ) エㇰ ア ㇷ゚ エン・アッカリ ワ コシㇼムケレ(ク・オシㇼムケレ)=私は荷物が重いものだから,後ろから来た者が私を追い越して.私にはあの者の後ろ姿も見えない.アフン ルスイ クㇽ ネ ノイネ チセ サㇺ タ アㇱ アㇱ カネ イキ ア ㇷ゚ チセ アッカリ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=入りたい人らしく,家の前に立ち止まり立ち止まりしていたが,家を通り過ぎて行ってしまった.メノコポ ウタㇻ ネㇷ゚ ワ アン ペ ウウォミナ ウシウシパ コㇿ ウコイソイタㇰ コーロ(コㇿ) オカ ヒ ク・ヌ コㇿ チセ カッカリ(ク・アッカリ)=娘たちが何をしゃべっているのか,お互いに笑い声をたてながら話し合っているのを,私は聞きながら家の前を通り過ぎてきた. (出典:萱野、方言:沙流)
amuspe
アムㇱペ 【am-us-pe】 カニ. チェㇷ゚コイキ オッタ(オㇿ タ) ヤ オルン アムㇱペ アフン コㇿ ア・シㇼコテ ワ チェㇷ゚ ア・ウㇰ パㇰノ ソモ ア・オピチ ㇷ゚ ネ=サケを獲りに行って網にカニがかかると,紐でカニを繋いでサケが獲れるまで放さないものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
ancikari
アンチカリ 【名】[所](概は ancikar アンチカㇻ) …の夜。 néa maratto anak puyar kari a=ahúnte ruwe ne, ne ancikari maratto an ruwe ne ネア マラット アナㇰ プヤㇻ カリ アアフンテ ルウェ ネ、 ネ アンチカリ マラット アン ルウェ ネ その例の熊の頭は家から入れた、 その夜に熊送りをした。(NK民話) {E: the night of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
anontom
アノントㇺ 【名】[an-hontom 夜・途中] 夜中、 深夜。 anontom ta アノントㇺ タ こともあろうに真夜中に。 anontom ta ahun kane iki アノントㇺ タ アフン カネ イキ 夜中に入って来た(熊が、 どろぼうが)。(S) {E: in the middle of the night.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
anontom ta
アノントㇺ タ 【an-hontom ta】 夜中に. トゥナㇱ ク・ホッケ ア ㇷ゚ アノントㇺ タ ク・モㇱ ワ オラーノ ク・モコㇿ コヤイクㇱ=早くに寝たのに,夜中に目を覚まして,それから眠ることができない.イヨㇱキ ワ ソイ タ モコㇿ ワ アノントㇺ タ モン ワ ウルウルㇰ コㇿ アフン ヒ ウン=酔っ払って外で眠って夜中に目を覚まし,ふるえながら入って来たんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
apamaka
アパマカ 【自動】戸をあける(=apa maka アパ マカ)。 k=ápamaka na hokure kor wa ahun カパマカ ナ ホクレ コㇿ ワ アフン 私があけてあげるからさあ持って入りなさい。(W) ☆参考 この用例のような特別の状況文脈で使う。 特別な状況のないときは apa maka アパ マカ と二語で言う。(W) (出典:田村、方言:沙流)
apapa
アパパ 【apapa】 入り口の向こう側. コタン アパパ タ アユㇱニカムイ ア・ニスㇰ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ カ コタノルン(コタン オルン) アフン ニューケㇱ=村の入り日の向こう側にとげつきの神を頼んで置くと,病気の神も村へ入ることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
as'as
アㇱアㇱ 【as-as】 立ち止まり立ち止まり. ヘマンタ フナラ ヘコカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパ アㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥコヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして,さっぱり前へ進まないものだなあ.アフン ルスイ クㇽ ネ ノイネ チセ サㇺ タ アㇱアㇱ カネ イキ アㇷ゚ チセ アッカリ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=中へ入りたい人らしく,家の前に立ち止まり立ち止まりしていたのに,家を通り過ぎて行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
askor'eani
アㇱコㇿエアニ 【askor-e-ani】 両手で抱え持つ.▷アㇱコㇿ=両手いっぱい エ=〜でもって アニ=手に持つ タヌクラン ホカ ア・オ クス ネ ナ ソイネ ワ チクニ アㇱコㇿエアニ ワ アフンケ ワ アヌ=今夜火にくべるから,外に出て薪を両手で抱え持って入れておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ayusnikamuy
アユㇱニカムイ 【ay-us-ni-kamuy】 とげつきの神. コタン アパパ タ アユㇱニ カムイ ア・ニスㇰ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ カ コタノルン(コタン オルン) アフン ニューケㇱ=村の入り口の向こう側にとげつきの神を頼んで置くと,病気の神も村へ入ることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
c= 2
チ 【人接】[ci= チ 5 が母音の前で i を落とした形。][対立的一人称複数主格他動詞型](他動詞・コピュラ ne ネ《である》・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =as アㇱ が接尾する。) ①相手を含まない私たちが/の。 usa okay pe c=ewkoytak kor oka=as ウサ オカイ ペ チェウコイタㇰ コㇿ オカアㇱ 私たち(私と彼)はいろいろなことについて話し合った。 ②(神謡の中で神の自称)神である私が/の。 pu or c=óahun プ オㇿ チョアフン 私は倉の中に入った。(HC神謡) ☆参考 よりくわしくは ☞ci= チ 5 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cikuni
チクニ 【cikuni】 木,樹木,立木.薪. イユタニ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ パセ チクニ アニ ア・カㇻ ペ ネ セイェカパㇻ トペニ ペロ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=杵を作る木は重い木で作るもので,アサダ,イタヤ,ナラが最もよいものだ.チクニアフンケ=薪を家の中に入れよ. (出典:萱野、方言:沙流)
corpokta
チョㇿポㇰタ 【corpok ta】 下に. チセ ウフイ ネ ヤ マゥコウェン パ ㇷ゚ アナㇰネ ナニ チセ オルン ソモ ア・アフンケ ノ トゥッコ レㇾコ プ チョㇿポㇰ タ ア・レウシレ ㇷ゚ ネ=火事などで運の悪い者たちは.すぐに家へ入ることなく,二日か三日は倉の下に泊めるものだよ.*その昔のアイヌの倉は足が高いのでその下の空間は一坪半から二坪ほどの広さのものもあったものである. (出典:萱野、方言:沙流)
cup 1
チュㇷ゚ 【名】月、 太陽。 kunne cup クンネ チュㇷ゚ [夜(の)・月]月。 tókap cup トカㇷ゚ チュㇷ゚ [昼(の)・月]太陽。 cup kamuy チュㇷ゚ カムイ 月/日の神、 お月様、 お日様。 kunne cup (kamuy) クンネ チュㇷ゚ (カムイ) 月の神、 お月様。 tókap cup (kamuy) トカㇷ゚ チュㇷ゚ (カムイ) 日の神、 お日様。 cup ahun チュㇷ゚ アフン 月/日が沈む。 cup etuk チュㇷ゚ エトゥㇰ 月/日がほんの少し出かかる。 cup hetuku チュㇷ゚ ヘトゥク 月/日が出る(丸い全体が出る)。 cup nin sirara チュㇷ゚ ニン シララ[月が・減る・潮] 小潮。 cup a=rukí チュㇷ゚ アルキ 月/日が飲み込まれる=月蝕/日蝕でだんだん消えていく。 cup ran チュㇷ゚ ラン [日が・下りる]日が傾く。 cup ray チュㇷ゚ ライ [月/日が・死ぬ]月蝕/日蝕になる(皆既日食の場合)。 ruyno tane cup ran ルイノ タネ チュㇷ゚ ラン ずうっともう日が傾いた。(S) cup ri チュㇷ゚ リ [日・高い]日が昇る、 日が高い。 cup sikari sirara チュㇷ゚ シカリ シララ [月が・丸くなる・潮]大潮。 {E: the moon.} {E: the sun.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ermukoykip
エㇾムコイキㇷ゚ 【名】[ermu-koyki-p ネズミ・を襲う・もの][動物](=ahunrasanpe アフンラサンペ)(「ヨタカ」)コノハズクの類(?)。〔知分類 p.198 eremkoyki コミミヅク((シズナイ))〕 {E: a scops owl.} (出典:田村、方言:沙流)
etupecikka
エトゥペチッカ 【etu-pe-cik-ka】 鼻汁をたらす.▷エトゥ=鼻 ペ=滴 チㇰ=落ちる カ=させる タント ポーヘネ メアン ペ ネ クス メライケ ワ エトゥペチッカ コㇿ アフン ワ エㇰ=今日はなおさら寒いものだから寒がって鼻水をたらしながら入って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
etupuyke
エトゥプイケ 【名】[所](概は etupuy エトゥプイ) …の鼻のあな。 “ahunporu sikopayar pe hemanta an?” “etupuyke”「アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン?」「エトゥプイケ」「死者の国の入口の洞穴にそっくりのものはなあに?」「鼻のあな」(なぞなぞ)。(W-S会話) {E: nostrils (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyorot
エヨロッ 【他動】[e-iyorot …に・参加する] …に仲間入りする。 ahun wa iku eyorot アフン マ イク エヨロッ 彼は家に入って酒宴の仲間入りをした。(W言い伝え) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 yo)に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には eiyorot/eyyorot エイヨロッ の形が使われることが多い。 ☞eiyorot エイヨロッ、 iyorot イヨロッ {E: to become friends with…; to become a member, part of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
heyoki
ヘヨキ 【自動】[he-yoki 頭を・(?)] 遠慮(する)。 heyoki sak no ヘヨキ サㇰ ノ 遠慮せずに、 ためらわずに。 heyoki sak no ahun ヘヨキ サㇰ ノ アフン 遠慮せずに(家に)入って行きなさい。(W神謡語り) {E: to hesitate; hold back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
heyoki sak no
ヘヨキ サㇰ ノ 【heyoki sak no】 挨拶なしに,物も言わずに. ヘヨキ サㇰノ アフン=挨拶なしで家へ入る. (出典:萱野、方言:沙流)
hokao
ホカオ 【hoka o】 燃やす,火にくべる. タヌクラン ホカ ア・オ クス ネ ナ ソイネ ワ チクニ アㇱコㇿエアニ ワ アフンケ ワ アヌ=今夜火にくべるから,外に出て薪を両手で抱え持って入れておけ.アペ ウェン ナ チクニ コㇿ ワ エㇰ ホカオ=火が燃えていないので薪を持って来て燃やせ. (出典:萱野、方言:沙流)
honoysinotcaki
ホノイシノッチャキ 【honoy-sinotca-ki】 歌を口ずさむ,かすかな声で歌う. アチャポ ソンノ サケ エラムリテン ペ ネ クス ポンノ イク コㇿ ホノイシノッチャキ コーㇿ ウンマ オテㇰ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=おじさんは本当に酒を飲むと嬉しくなるものだから,少し飲んだだけで微かに歌を口ずさみながら,馬に乗って行ってしまった.タンペ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン アチャポ ノヌワㇱノ アフン カネ イキ ア・エランポㇰウェン ヒクス ポン トックリ ア・ホㇰ ヒネ ア・クレ アクス ラムリテン ワ ホノイシノッチャキ コㇿ ホシピ ワ アㇻパ=いつもないこと.下のおじさん,全く酒気なしにひょっこりと入って来た.かわいそうに思ったので小さい瓶を私が買って飲ませると,上機嫌になって微かな歌を口ずさみながら戻って行った.フチ シネンネ アペサㇺ タ ア ワ アン ホノイシノッチャキ コㇿ カエカ コㇿ アン=おばあさんはひとりで火の側で座っていて,かすかな声で歌を歌いながら糸を撚っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
i= 5
イ 【人接】(不定人称目的格の人称接辞) ①(包括的一人称複数) 相手を含む私たちを/に。 páse tono utar i=amkir パセ トノ ウタㇻ イアㇺキㇼ 和人の方々が私たち(あなたや私)を見知る。(W会話) i=konu rusuy pe イコヌ ルスイ ペ (彼が)私たち(あなたや私)に聞きたいこと。(S会話) a=i=kóuwepekennu アイコウエペケンヌ (不定の)人が私たち(あなたと私)に事の次第をたずねる=私たち(あなたと私)が事の次第をたずねられる。(S会話) ②(引用文中の一人称) 私(たち)を/に。 i=ahunte イアフンテ (引用文中で)(彼は)私を家に入らせる。 i=ahupte イアフㇷ゚テ (引用文中で)(彼は)私たちを家に入らせる。 “… i=epakasnu” sekor 「…イエパカㇱヌ」セコㇿ 「…を私に教えてください」と(言って…)。 i=ekari イエカリ (引用文中で)私(たち)の方に向かって。 i=etok ta イエトㇰ タ (引用文中で)私(たち)の前方で。 ③(敬意の二人称)あなた様を/に/の。 ④(一般に)人を/に/の、 ものを/に/の ☞i- イ 4 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
icen
イチェン 【icen】 金(かね),銭,貨幣. テエータ ネア クㇽ イチェン ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) ア コㇿカ ソモ エン・コホシピレ タネ ケラㇺキッカㇻ(ク・エラㇺキッカㇻ)=ずうっと前にあの人に金を貸したが,私に戻してくれないので諦めた.イチェン ア・エソウㇰ クス アㇻパアナ(アㇻパ・アン ア) コㇿカ ア・エラㇺヌクリ クス ネㇷ゚カ ソモ ア・イェ=私はお金を借りに行ったけれども,言い出しづらくて何も言えなかった.イチェン コㇿ アクス リㇰタ リㇰタ インカラ ヘンパラ パㇰノ エネ イキ クニ コタヌン ウタㇻ ウコピヌピヌ コㇿ ア・エオヤイタㇰ コㇿ アニカ(アン ヒ カ) エランペウテㇰノ=少し小金を持ったからと肩で風を切って歩き,いつまであのようにできるかと村人がひそひそ話をしてあざけっているのも知らずに.テタ カヌ(ク・アヌ) ア イチェン イサㇺ ルウェ ネ.オハシッタ アフン ペ ネア イッカ メノコ ネ クス ア・コラムヌ コㇿカ ネユン ア・イェ ヒー カ イサㇺ=ここに私が置いた銭がなくなったのだよ.留守にこの家に入った者はあの盗っ人女なので疑ってはいるが.どのように言うこともできない.テエタ エチ・エソウㇰテ イチェン タント エチ・エソウㇰテ ㇷ゚ ウコタㇺケ 1万円 ネ ナー=以前あなたに貸した金,今日貸したものとあわせて1万円だよ.*銭のことを昭和10年代には近所の老人たちはイチェンと言っていたが,大金になるとイコㇿ(宝)と言った.イコㇿと言えるほどの大金はめったに手にすることができなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
ikoahup
イコアフㇷ゚ 【自動】[複](単は ikoahun イコアフン)[i-ko-ahup もの・に・入る[複]](二人以上が)あぶないところへ思い切って入る。 {E: to resolve oneself to enter a dangerous place or situation. (pl.)} (出典:田村、方言:沙流)
iporokurkus
イポロクㇽクㇱ 【iporo-kur-kus】 顔に陰がある.▷イポロ=その顔色に クㇽ=陰(が) クㇱ=通る タㇷ゚イキクㇽ マキㇷ゚ イポロクㇽクㇱ カネ ヒネ アフン=今来た人どうしたのか顔に陰を持って入って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
ironne
イロンネ 【ironne】 茂る. エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェヘ アン.タント アナㇰネ シシㇼクンネ カ キ イヤイキㇷ゚テ ナ イワカン(イワㇰ・アン) ロー=こんなにイタドリが茂っている所へ入った足跡がある,今日は薄暗くもなったし,危ないから帰ることにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
isam 1
イサㇺ 【isam】 ①ない,なくなる,いない. ユㇰ カㇺ ナ ポロンノ アン クニ ペコㇿ ク・ヤイヌ アㇷ゚ タネ イサㇺ.エチ・エ ア ルウェ ヘ アン?=鹿の肉がもっとたくさんあったように私は思っていたが,もうない.お前たち食べたのかい?テ タ カヌ(ク・アヌ) ア イチェン イサㇺ ルウェ ネ.オハシッタ(オハシㇼ タ) アフン ペ ネア イッカ メノコ ネ クス ア・コラムヌ コㇿカ ネユン ア・イェ ヒー カ イサㇺ=ここに私が置いた銭がなくなったのだよ.留守にこの家に入った者はあの盗っ人女なので疑ってはいるが,どのように言うこともできない.エシㇼ パㇰノ トイ アンクラ オッタ(オㇿ タ) シノッ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ヒナクン アㇻパ ワ イサㇺ ルウェ アン?=先程まで畑の畔に遊んでいたのに,どこへ行っていないのだ? (出典:萱野、方言:沙流)
iyahunke
イヤフンケ 【i-ahunke】 人を招待する.▷イ=それ(人)を アフンケ=入れる (出典:萱野、方言:沙流)
iyaykipte
イヤイキㇷ゚テ 【i-yaykipte】 危険(である).危ない. タパヌㇱケ(タパン ウㇱケ) アナㇰネ タネ シㇼホルッケ アンキ アン.イヤイキㇷ゚テ ナ イテキ エチ・カランケ クニ ラム ヤン=この場所は今にも地滑りが起きそうだ.危険なので,絶対にお前たちは近寄ると思うな.ネノ アン ヤㇰネ アㇷ゚ト アㇱ コㇿ イヤイキㇷ゚テ ナ ナイェノイェ ワ アヌ アニー=このままだと雨が降ったら危険なので,沢(筋)を曲げておいてくれよ.エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェ ヘ アン.タント アナㇰネ シシㇼクンネ カ キ イヤイキㇷ゚テ ナ イワカン(イワㇰ・アン) ロ=こんなにイタドリが茂っている所へ入った足跡がある.今日は薄暗くもなったし,危ないから帰ることにしよう.ポロ スマ トモオㇱマ ヤㇰネ イヤイキㇷ゚テ ナ ホクレ チㇷ゚ サパ キル=大きい石にぶつかると危ないから,早く船の頭の向きを変えろ.シンタ オㇿ テンネ ㇷ゚ ア・オレ ヒ タ エイタサ ハウケ ヒ カ ウェンペ ネ.シピチピチ ワ ハチㇼ コㇿ イヤイキㇷ゚テ ㇷ゚ ネ クス=ゆりかごに赤ちゃんを乗せる時に,あまりにも(紐の縛り方が)緩いことも悪いものだ.体をくねらせて落ちると,危険だから. (出典:萱野、方言:沙流)
iyomommomo
イヨモンモモ 【自動】[i-y-omommomo ものごと(を)・(挿入音)・こまごま言う] ものごとをこまごま言う、 くわしく/事こまかに述べる。 iyomommomo wa ye イヨモンモモ ワ イェ 「まてえに言いなさい」=くわしく言いなさい。(W) somo iyomommomo no ka ahunke ソモ イヨモㇺモモ ノ カ アフンケ こまごまと言わなくてもいいから家へお通ししなさい。(W民話)(取り次ぎに出た人が中にもどって、 外にどのような人が来ているかを述べると、 家の主人、 つまり夫とか父とかが、 だれであっても中に入りたくて来ているのだから中へ通しなさいと言うときにこのように言う。 民話によく出てくる常套句。) {E: to explain in detail.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kari 3
カリ 【後副】(経由する所を示す。)(そこ)から、 (そこ)を通って。 puyar kari ahunte プヤㇻ カリ アフンテ 窓から入れる。 sep pínay kari kira セㇷ゚ ピナイ カリ キラ 広い谷を通って逃げる。(W民話) atuy sinpuy an híne kari ahup akusu アトゥイ シンプイ アン ヒネ カリ アフㇷ゚ アクス 海の水の湧き出る所があって彼らがそこから入って行くと。(S民話) k=áhun a korka kari ku=soyne hi ka k=érampewtek カフン ア コㇿカ カリ クソイネ ヒ カ ケランペテㇰ 私は入ったけれど(そこを通って)出る所が(出口が)わからない。(S) {E: (pass) through, along, by.} (出典:田村、方言:沙流)
ketupe
ケトゥペ 【ketupe】 針金虫. テエータ カムイ トゥミ アニタ(アン ヒ タ) オサッル オロケ ホアフンケイ ワ カムイ プㇱ フㇺ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) オロ タ アン カムイ ケトゥペ ネ ナンコㇿ=ずうっと昔,神の戦争があった時にオサッ沢の湾になった所から神が飛び立つ音がしたものだそうだ,あそこにいる神,針金虫であろう.*現在の場所でいうとオサッ橋の下流200m右岸の方の湾になっている所.祖母が教えてくれた話. (出典:萱野、方言:沙流)
kínit
キニッ 【名】[ki-nit カヤ・棒][植物] カヤの茎。 aynu ahun híne kínit sinep etaye cúna ape or epoypoye, nipeknu a p アイヌ アフン ヒネ キニッ シネㇷ゚ エタイェ チュナ アペ オㇿ エポイポイェ、 ニペㇰヌ アㇷ゚ 男の人が入って来てカヤの茎を一本引き抜いて埋けてある火をかきまわした、 火がついて明るくなったので。(NK民話) {E: reed stalks.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopuntek
コプンテㇰ 【ko-puntek】 (〜を)ほめる. ペウレクㇽ ネ コㇿカ エアㇻキンネ ピカンピカン ワ ネㇷ゚ カㇻ ヤッカ エアㇱカイ ワ ア・コプンテㇰ ルウェ ウン=若い者だがとっても身軽に動き何をやっても上手で,人にほめられるのだよ.ア・ミッポホ ミナ カネ アン ワ アフン ヒネ ヘマンタ イ・コタララ ア・ヌカㇻ アクス ア・スパ ヤㇺ ネ アアン.ア・ミッポホ ア・コプンテㇰ コㇿ ア・エ ルウェ ネ=私の孫がにこにこして入って来て,何やら私に伸ばすので,見るとそれはゆでたクリであった.孫をほめながら私は食べた.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) イセポカ カヌ(ク・アヌ) シネ イセポ クㇰ(ク・ウㇰ) ヒネ ク・イワㇰ アクス フチ エネ ハワニ ケライネクス イソンクㇽ サニ シコㇿ エン・イェ エン・コプンテㇰ ア エン・コプンテㇰ ア=私が小さい時.ウサギの罠をしかけ1匹のウサギを獲って帰って来ると祖母は,さすがに狩の名人の血統だ,と私をほめてくれたほめてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
koramunu
コラㇺヌ 【koramunu】 疑う:ある程度の確信がある場合. テ タ カヌ(ク・アヌ) ア イチェン イサㇺ ルウェ ネ.オハシッタ(オハシㇼ タ) アフン ペ ネア イッカ メノコ ネ クス ア・コラㇺヌ コㇿカ ネユン ア・イェ ヒー カ イサㇺ=ここに私が置いた銭がなくなったのだよ.留守にこの家に入った者はあの盗っ人女なので疑ってはいるが,どのように言うこともできない.エ・ヌカㇻ ペ ネ ヤㇰネ アンコラチ イェ アニ ソモ エ・イェ ヤㇰネ ア・イ・コラㇺヌ ナ=お前が見たのならばそのまま言いなさい,お前が言わないと私たちが疑われるよ.テエータ アナㇰネ イッカ ネヤ メノコ エパコアッ ネヤ ア・コラㇺヌㇷ゚ オカ コㇿ ウサイモンキレ カ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) コㇿカ カニ アナㇰネ ク・ヌ カ ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=大昔は盗っ人とか女性関係とか疑いがかけられると拷問もあったそうだが,私は聞いたことも見たこともない. (出典:萱野、方言:沙流)
kotarara
コタララ 【ko-tarara】 伸ばす,(〜へ)手に持って伸ばす,差し出す. ウェンタラㇷ゚ オッタ(オㇿ タ) ネㇷ゚ カ ア・イ・コタララ ワ ア・ウㇰ ヤㇰ ア・タカㇻ ネ ウェンタラㇷ゚ アナㇰネ パヨカカムイ パヨカ ヒ ネ クス ヤイカキㇰ・アン ペ ネ ナー=夢の中で何か伸ばされて受け取った夢を見ると,その夢は流行病の神が歩いているのだから自分自身で体をはらい清めるものだよ.ア・ミッポホ ミナ カネ アン ワ アフン ヒネ ヘマンタ イ・コタララ ア・ヌカㇻ アクス ア・スパ ヤㇺ ネ アアン.ア・ミッポホ ア・コプンテㇰ コㇿ ア・エ ルウェ ネ=私の孫がにこにこして入って来て,何やら私に伸ばすので,見るとそれはゆでたクリであった,孫をほめながら私は食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
kounake
コウナケ 【ko-una-ke】 (〜に)木灰をかける. ネㇷ゚ カ ウェンカムイ チセ オルン アフン ノイネ イキ コㇿ ア・コウナケ ウェンカムイ ネ ヤクン キラ ワ ソイネ.ウェンカムイ ソモ ネ ヤクン ウナ タサ アフン ペ ネ=何か得体の知れない悪い神が家へ入りそうにしたら,それに向かって木灰をかけると悪い神なら逃げて出る.悪い神でなければ木灰に向かって入って来るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunak
クナㇰ 【kunak】 〜と. アㇻパ クナㇰ イェ=行くと言った.ナニ エㇰ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ アㇷ゚ アフン ルウェー カ イサㇺ=すぐ来ると言いながら外へ出たのに入る様子もない.ク・イワㇰ クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ ク・レウシ ナ シネ アンチカㇻ エン・レウシレ=帰ろうと思ったが泊まる(ことにした)ので,一晩私を泊めてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
merayke
メライケ 【me-rayke】 寒い,寒がる. ク・メライケ ナ ホクレ アペ アリ=私は寒いから早く火を燃やしてくれ.タント ポーヘネ メアン ペ ネ クス メライケ ワ エトゥペチッカ コㇿ アフン ワ エㇰ=今日はなおさら寒いものだから寒がって鼻水をたらしながら入って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
nani
ナニ 【nani】 すぐ(に). ナニ エ=すぐ食べろ.ナニ エㇰ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ アㇷ゚ アフン ルウェー カ イサㇺ=すぐ来ると言いながら外へ出たのに入る様子もない.ポンノ アㇷ゚ト アㇱ コㇿ ナーニ ヌㇷ゚キ ネ ペッ ア・レコ ヒ ヌㇷ゚キペッ ネ=少し雨が降るとすぐに濁る川を名づけて濁る川.平取町内貫別など. (出典:萱野、方言:沙流)
niwkes
ニウケㇱ 【niwkes】 〜できない. イセポカ ア・アヌ ヒ タ ヘピタニ ネ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ チキサニ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ.ア・エネネ ヤッカ カイ ニューケㇱ ペ ネ=ウサギの罠をしかける時にばね木に作る木はアカダモが一番いいものだ.曲げても折れにくいものだ.テエータ ワノ アネアサ(アン・エアサ) ワ アナ(アン ア) トゥキパスイ ナ ク・カㇻ ニューケㇱ.ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ) コㇿ カン(ク・アン)=ずーっと前から私が注文を受けてあった捧酒箸,まだ作り終わらない.そのことについて私は気にしながらいる.コタン アパパ タ アユㇱ ニカムイ ア・ニスㇰ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ カ コタノルン(コタン オルン) アフン ニューケㇱ=村の入り口の向こう側にとげつきの神を頼んで置くと病気の神も村へ入ることができない.ネユン ア・イェ ヤッカ ア・エニューケㇱ=どのように私が言ってもいやがった(できない). (出典:萱野、方言:沙流)
nonuwasi
ノヌワシ 【nonuwasi】 全く酒気がない. タンペ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン アチャポ ノヌワシノ アフン カネ イキ.ア・エランポㇰウェン ヒクス ポン トックリ ア・ホㇰ ヒネ ア・クレ アクス ラムリテン ワ ホノイ シノッチャキ コㇿ ホシピ ワ アㇻパ=いつもないこと,下のおじさん,全く酒気なしにひょっこりと入って来た.かわいそうに思ったので小さい瓶を私が買って飲ませると上機嫌になって微かな歌を口ずさみながら戻って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
okewe
オケウェ 【okewe】 追い払う,追い出す,追放する. チカㇷ゚ オケウェ=鳥を追え.セタ チセ オルン アフン ナ.ホクレ オケウェ ワ ソヨマレ=犬が家へ入って来たよ.早く追い払って外へ出せ. (出典:萱野、方言:沙流)
opici
オピチ 【opici】 放す. チェㇷ゚コイキ オッタ(オㇿ タ) ヤ オルン アムㇱペ アフン コㇿ ア・シㇼコテ ワ チェㇷ゚ ア・ウㇰ パㇰノ ソモ ア・オピチ ㇷ゚ ネ=サケを獲りに行って網にカニがかかると紐でカニを繋ぎ,サケが獲れるまで放さないものであった.エ・キㇱマ ワ エ・アン トゥㇱ オピチ.タネ ピㇼカ ナ=お前がつかんでいる綱を放せ.もういいから. (出典:萱野、方言:沙流)
orun
オルン 【or-un】 (〜の所)ヘ,〜を. タㇷ゚ エシㇼ パㇰノ チセ ソイ タ アン ワ ク・ヌカㇻ アㇷ゚ チセ オルン アフン ワ ネ ノイネ チセ ソイ タ イサㇺ ワ=ついさきほどまで家の外でいたのを私は見たが,家へ入ったらしく,家の外にいないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
payokakamuy
パヨカカムイ 【payoka-kamuy】 病気の神様,流行病,天然痘,疱瘡. コタン アパパ タ アユㇱニカムイ ア・ニスㇰ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ カ コタノルン(コタン オルン) アフン ニューケㇱ=村の入り口の向こう側にとげつきの神を頼んで置くと病気の神も村へ入ることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
pontokkuri
ポントックリ 【pon-tokkuri】 小さい瓶. タンペ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン アチャポ ノヌワㇱノ アフン カネ イキ ア・エランポㇰウェン ヒクス ポントックリ ア・ホㇰ ヒネ ア・クレ アクス ラムリテン ワ ホノイシノッチャキ コㇿ ホシピ ワ アㇻパ=いつもないこと,下のおじさん,全く酒気なしにひょっこりと入って来た.かわいそうに思ったので小さい瓶を私が買って飲ませると,上機嫌になって微かな歌を口ずさみながら戻って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
póru
ポル 【名】ほらあな、 洞穴。 ☆参考 ahunporu アフンポル 地下の死者の国へ入っていく入口の洞穴。 nisa ニサ 木のほらあな、 うろ。 {E: a cave.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramuriten
ラムリテン 【ramu-riten】 機嫌がよい.快い,愉快,朗らか. アチャポ タヌクラン ラムリテン ワ ポロンノ イク ワ ネ ノイネ イヨㇱキ=おじさんは今夜機嫌がよくて量を多く飲んだらしく酔っ払った.タンペ オㇿ タ ウトゥㇽ ウン アチャポ ノヌワシノ アフン カネ イキ. ア・エランポㇰウェン ヒクス ポン トックリ ア・ホㇰ ヒネ ア・クレ アクス ラムリテン ワ ホノイシノッチャキ コㇿ ホシピ ワ アㇻパ=いつもないこと,下のおじさん,全く酒気なしにひょっこりと入って来た.かわいそうに思ったので小さい瓶を私が買って飲ませると上機嫌になって微かな歌を口ずさみながら戻って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
rorunpuyar
ロルンプヤㇻ 【ror-un-puyar】 上座の窓. キムンカムイ マラㇷ゚ト アナㇰネ ロルンプヤㇻ カリ ア・アフンケ ㇷ゚ ネ ワ=熊の神様の頭骨は上座の窓から入れるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwe
ルウェ 【ruwe】 様子,こと,ところ. ナニ エㇰ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ アㇷ゚ アフン ルウェ カ イサㇺ=すぐ来ると言いながら外へ出たのに入る様子もない. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwe/ruwe(he)
ルウェ/ルウェ(ヘ) 【ruwe/ruwe(he)】 足跡. アイヌ ルウェ=人間の足跡."ウクラン アㇱ アシㇼ ウパㇱ カ タ ポロ カムイ ルウェヘ アン ク・イシトマ クス ク・キラ ワ ク・イワㇰ" セコㇿ ハㇻキソ ウン ウナㇻペ ハウェアン=「昨夜降った新しい雪の上で大きい熊の足跡があり,私は恐ろしくなって逃げ帰って来た」と左隣のおばさんが言っていた.エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェヘ アン=これほどイタドリが茂っている所へ入った足跡がある. (出典:萱野、方言:沙流)
sat
サッ 【sat】 乾いた,乾く. ト サッ ワ イサㇺ=沼が乾いてしまった.エ・フライェ ワ ソイ タ エ・サッケ ア アミㇷ゚ サッ ナ ホクレ アフンケ=お前が洗って外に干した着物が乾いたので早く入れろ. (出典:萱野、方言:沙流)
seta
セタ 【名】[動物] 犬。 pinne seta ピンネ セタ 雄犬。 pon seta ポン セタ/ポイ セタ 小犬/子犬。 húre seta フレ セタ 赤犬=茶色い犬。 retar seta ukoykire p レタㇻ セタ ウコイキレㇷ゚ 白い犬をけんかさせるもの。(S会話)(なぞなぞで答えは mimaki ミマキ 歯。) seta ahun wa apausta a=perpa aan セタ アフン マ アパウㇱタ アペㇾパ アアン [比喩] 犬が入って戸がこわされたな=前歯が欠けている(「歯欠けの人を見てなぞかけてひやかしている」)。(W) seta sani セタ サニ 犬の子、 犬の子孫(ののしりの表現)。(W) a=eósoma ruwe íne/seta e wa isam/ne seta ine/a=rayke wa isam アエオソマ ルウェ イネ/セタ エ ワ イサㇺ/ネ セタ イネ/アライケ ワ イサㇺ うんちに出したのはどうなった、 犬が食べてしまった、 その犬はどうなった、 殺されてしまった。(KK掛け合い歌) ☆参考 犬は身近な動物で口承文学にもよく登場するが神としては出てこない。 用例にもあるようにいやしい役回りで出てきたり、 ののしりに使われたりする。 {E: a dog.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikopayar
シコパヤㇻ 【他動】[si-kopa-yar 自分・…を…とまちがえる・人にさせる] …によく似ている、 まるで…のようだ、 …のふりをする。 cituye mosir sikopayar poro rokuntew チトゥイェ モシㇼ シコパヤㇻ ポロ ロクンテウ まるで離れ島のような大きな客船。(S) husko an pe sikopayar フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ [慣用句]その間に何もしなかったようなふりをしてそ知らぬ顔をしている。(W民話) ahunporu sikopayar pe hemanta an? アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン? あの世の入口の洞穴にそっくりのものはなあに(なぞなぞで、 答えは etupuyke エトゥプイケ 鼻のあな)。(W会話) {E: to resemble…; pretend to be…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sini
シニ 【自動】休む、 休憩/休止する、 何もしないでいる、 訪問先の家に入ってしばらくの時をすごす、 (バスが)止まる、 寝床に入る、 (ごく年寄りが)亡くなる。 ponno sini=an ro ポンノ シニアン ロ 少し休もう。(S) e=sinki ciki ponno sini エシンキ チキ ポンノ シニ 疲れたのなら少し休みなさい。(S) ahun wa sini! アフン マ シニ! 入って休みなさい(=どうぞお入り下さい)(一人に)。 ahup wa sini yan! アフㇷ゚ ワ シニ ヤン! 入って休みなさい(=どうぞお入り下さい)(二人以上に)。 sinep anak somo sini no arpa wa isam シネㇷ゚ アナㇰ ソモ シニ ノ アㇻパ ワ イサㇺ(二台来たバスのうち)一台は止まらないで行ってしまった。(W) {E: to rest; take leave.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirekutkar
シレクッカㇻ 【si-rekut-kar】 咳払いをする. アヌン コタン タ アㇻパアニネ(アㇻパ・アン ヒネ) コタンコㇿクㇽ コㇿ チセ ネ ノイネ アン ウㇱケ タ アㇻパ・アン シレクッカㇻアナクス(シレクッカㇻ・アン アクス) ア・イ・アフンケ=よその村へ行って村おさの家らしい所へ行き,咳払いを私がしたら家の中へ入れられた. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkote
シㇼコテ 【sir-kote】 繋ぐ,ゆわえつける.▷シㇼ=大地 コテ=つける セタ シㇼコテ=犬を繋げ.エ・コㇿ ポイセタ(ポン セタ) キラ ナ.ホクレ キㇱマ ワ シㇼコテ ワ アヌ=お前の小犬が逃げたぞ.早く押さえて繋いでおけ.チェㇷ゚コイキ オッタ(オㇿ タ) ヤ オルン アムㇱペ アフン コㇿ ア・シㇼコテ ワ チェㇷ゚ ア・ウㇰ パㇰノ ソモ ア・オピチ ㇷ゚ ネ=サケを獲りに行って網にカニがかかると紐でカニを繋ぎ,サケが獲れるまで放さないものであった.チㇷ゚シㇼコテ=舟を繁ぐ.ウンマ シㇼコテ=馬を繋ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
sisirkunne
シシㇼクンネ 【si-sir-kunne】 薄暗くなる,日暮れ,宵. エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェヘ アン.タント アナㇰネ シシㇼクンネ カ キ イヤイキㇷ゚テ ナ.イワカン(イワㇰ・アン) ロ=これほどイタドリが茂っている所へ入った足跡がある,今日は薄暗くもなったし,危ないから帰ることにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
soy/soy(ke)(he)
ソイ/ソイ(ケ)(ヘ) 【soy/soy(ke)(he)】 外(そと),外部. チセ ソイケ タ=家の外側に.イヨㇱキ ワ ソイ タ モコㇿ ワ アノントㇺ タ モㇱ ワ ウルウルㇰ コㇿ アフン ヒ ウン=酔っ払って外で眠って夜中に目を覚まし,ふるえながら入って来たんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
soyne
ソイネ 【自動】[単](複は sóyenpa/sóyonpa ソイェンパ/ソヨンパ)[soy-ne(< ene) 外・へ(行く)](人や動物が家の中や穴の中などから)外に出る、 戸外へ出る。 ☆対語 ahun アフン。 ☆参考 沙流川中流では sóyene ソイェネ とも言う。 {E: to go outside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyomare
ソヨマレ 【soy-omare】 外へ出る. セタ チセ オルン アフン ナ ホクレ オケウェ ワ ソヨマレ=犬が家へ入って来たよ,早く追い払って外へ出せ. (出典:萱野、方言:沙流)
supa
スパ 【supa】 煮る,ゆでる. ホクレ ポロ ス アニ チェㇷ゚ スパ ワ ウナㇻペ ウタㇻ ア・タㇰ ヤㇰネ チェㇷ゚ルㇽ ア・エ ナ=早く大きい鋼でサケを煮て,おばさんたちを招待してサケ汁を食べよう.エ・スパ チェㇷ゚ルㇽ ポンノ オパンペラㇰ ナ シッポ コㇿ ワ エㇰ=お前が煮た魚汁,少し塩味が足りないから塩を持って来てくれ.カムルㇽ ク・スパ ワ アン ナ ルリヒ サㇷ゚ケ ワ ピㇼカ チキ ス ヤンケ ワ アヌ.エ・ミチヒ イワㇰ ヤㇰ ア・エ ナ=肉汁を煮てあるので汁の味見をしてよかったら鍋を上げておけ.お前の父が帰って来たら食べるから.ア・ミッポホ ミナ カネ アン ワ アフン ヒネ ヘマンタ イ・コタララ ア・ヌカㇻ アクス ア・スパ ヤㇺ ネ アアン.ア・ミッポホ ア・コプンテㇰ コㇿ ア・エ ルウェ ネ=私の孫がにこにこして入って来て,何やら私に手を伸ばすので,見るとそれはゆでたクリであった.孫をほめながら私は食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
tap iki kur
タㇷ゚ イキ クㇽ 【tap iki kur】 今帰った人:たった今来ていた人. タㇷ゚イキクㇽ マキㇷ゚ イポロクㇽクㇱ カネ ヒネ アフン=今来た人どうしたのか顔に陰を持って入って来た.タㇷ゚イキクㇽ イヤㇰネクㇽ ネ ルウェヘー=今来た人は弟のほうの人なのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
tasa
タサ 【tasa】 向かう. レラタサ=風に向かう.ネㇷ゚カ ウェンカムイ チセ オルン アフン ノイネ イキ コㇿ ア・コウナケ ウェンカムイ ネ ヤクン キラ ワ ソイネ ウェンカムイ ソモ ネ ヤクン ウナ タサ アフン ペ ネ=何か得体の知れない悪い神が家へ入りそうにしたら,それに向かって木灰をかけると悪い神なら逃げて出る.悪い神でなければ木灰に向かって入って来るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
temesirkik
テメシㇼキㇰ 【自動】[tem-e-sir-kik 手・で・あたり・を打つ] 手であたりをたたく、 (ユーカラに合わせて)手でひざなどをたたいて拍子を取る。 yúkar akusu néa kucan ahun híne temesirkik kor an ayne ユカㇻ アクス ネア クチャン アフン ヒネ テメシㇼキㇰ コㇿ アン アイネ (兄が)ユーカラを歌うとその雌熊が入って来て手で拍子を取っていてから。(NK民話) ☆参考 木の棒で拍子を取る(rep レㇷ゚)には炉ぶちをたたくが、 手で拍子をとるときはひざなどをたたく。(KSg) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
topsar
トㇷ゚サㇻ 【top-sar】 イタドリ. エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェヘ アン=これほどイタドリが茂っている所へ入った足跡がある. (出典:萱野、方言:沙流)
una
ウナ 【una】 灰,木灰. ネㇷ゚カ ウェンカムイ チセ オルン アフン ノイネ キ コㇿ ア・コウナケ ウェンカムイ ネ ヤクン キラ フ ソイネ.ウェンカムイ ソモ ネ ヤクン ウナ タサ アフン ペ ネ=何か得体の知れない悪い神が家へ入りそうにしたら,それに向かって木灰をかけると悪い神なら逃げて出る,悪い神でなければ木灰に向かって入って来るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
urekuspare
ウレクㇱパレ 【ure-kus-pa-re】 歩を運ぶ,歩いて行く. ▷ウレ=足 クㇱパ=通る レ=させる アフンナクス ポンメノコ ホマコチュイェ コッチャケヘ アウレクㇱパレ ホカエトッタ チェアシロッケアン=家へ入ると若い娘が後ずさりしたので,その前を通って横座の所へどっかと座った. *ユカㇻの中でポンヤウンペが独り者の女を訪問し,女が後へ寄って男に自分の前を通らせると訪問を受け入れ,前を通らせないと拒否したことになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uruuruk
ウルウルㇰ 【uru-uruk】 (寒くて)ふるえる. イヨㇱキ ワ ソイ タ モコㇿ ワ アノントㇺ タ モㇱ ワ ウルウルㇰ コㇿ アフン ヒ ウン=酔っ払って外で眠って夜中に目を覚まし,ふるえながら入って来たんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
uwerankarap
ウウェランカラㇷ゚ 【自動】[u-w-e-rankarap 互い・(挿入音)・と共に・あいさつする] あいさつし合う(この場合、 昔の作法による正式のあいさつをすることを言う)。 a=ahúnte híne, orano a=onáutari tura uwerankarap, uweyayrenka kor oka=an アアフンテ ヒネ、 オラノ アオナウタリ トゥラ ウウェランカラㇷ゚、 ウウェヤイレンカ コㇿ オカアン 私は(奥様を)家の中へ通して、 それから(奥様は)私の両親とあいさつを交わし、 会えた喜びを言い合って(私たちは)いた。(W民話) ne onne kur, uwerankarap=an wa okake an kor, i=kouwepekennu ネ オンネ クㇽ、 ウウェランカラㇷ゚アン ワ オカケ アン コㇿ、 イコウウェペケンヌ その老人は、 あいさつの交換が終わると、 私に(次のように)たずねた。(NK民話) {E: to greet one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yan 2
ヤン 【終助】①(複数の人、 つまり二人以上または敬意の二人称に対する命令/禁止の文で、 動詞の後に置かれる。 単複の区別のある動詞の場合は複数形が使われる。) arki yan アㇻキ ヤン (皆さん)来なさい、 (あなた様)おいで下さい。 ahup yan アフㇷ゚ ヤン (皆さん)入りなさい、 (あなた様)どうぞお入り下さい。 ②(単数の人に対しても動詞の後にこれが置かれて、 ややていねいな命令となることがある。) ahun yan アフン ヤン (あなた)お入りなさい。 ☆発音 1955〜60年代の、 ワテケさん、 サダモさんたちの発音では、 子音のあとでは通常 y が落ちて、 ahup an アフパン《入りなさい》、 inkar an インカラン《見なさい》のように発音されていた。 ☆参考 沙流川下流のサダモさんは②の言い方を使わず、 単数の人には単数形、 たとえば ek (あなた)来なさい/おいで、 ahun アフン (あなた)入りなさい、 二人以上または敬意の2人称で呼ぶ相手には複数形+yan ヤン、 という使い分けをしている。 {E: ①an imperative marker (pl.). ②a polite imperative marker (sg.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yépa
イェパ 【他動】[複](ye イェ は単複の区別なし)(二人以上が皆)…を言う。 …sekor yépa …セコㇿ イェパ (二人以上が皆)…と言う。 i=ahunte i=ahunte kusu yépa イアフンテ イアフンテ クス イェパ 彼らは私に入れ入れと言った。 ☆発音 用例で i=ahunte イアフンテ は iyahunte イヤフンテ と発音されている。 {E: to say…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)