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- kanto
- カント 【kanto】 天,天空,大空,宇宙. (出典:萱野、方言:沙流)
- kanto
- カント 【名】[kan-to 上の・湖沼] 天、 空(多くの場合、 空の上にある神の住む世界を言う)。 ☆参考 見えている空は nisor ニソㇿ、 niskotor ニㇱコトㇿ、 kantokotor カントコトㇿ。 その中のいちばん下の層が úrarkanto ウラㇻカント で雲(niskur ニㇱクㇽ)のある空、 中間が nociwokanto ノチウォカント で星(nociw ノチウ)のある空、 いちばん上が síniskanto シニㇱカント で、 何もない天空。 さらにその上に kantorimosir カントリモシㇼ 天上界、 上天があり、 これが神の住む天、 天国である。(S) {E: heaven; the heavens.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- cékantoor-soye
- チェカントオㇿソイェ 【他動】[中相][c(i)-e-kanto-or-soye された・その頭が・天・のところ・をえぐる]天に向かってそびえている。 cékantoor-soye kane an poro nupuri チェカントオㇿソイェ カネ アン ポロ ヌプリ 天に向かってそびえている大きな(高い)山。 {E: to rise, soar to the sky, the heavens (eg. a mountain).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekantontone
- エカントントネ §597.はげあたま(はげ頭)(4)頭の頂がはげている e-kan-tonto-ne〔e-kán-ton-to-ne エかントントネ〕[e(頭)+kan(上端)+tonto(毛のとれた皮)+ne(のようになっている)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- iskantori
- ニㇱカントリ §398 (その他の鳥名) niskan-tori (nís-kan-to-ri)「にㇱカントリ」[<nis-ka-un-tori(天・上・の・鳥)] ⦅幌別、沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- kantokotor
- カントコトㇿ 【名】[kanto-kotor 天・のこちらの面] 空、 見えている空(=niskotor ニㇱコトㇿ、 nísor ニソㇿ)。 {E: the sky.} (出典:田村、方言:沙流)
- kantokotor
- カントコトㇿ 【kanto-kotor】 空:天の下面. (出典:萱野、方言:沙流)
- kantopunkiyo
- カントプンキヨ 【kanto-punkiyo】 天の奉行所. ▷カント=天の国 プンキヨ=奉行所[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- kantorikamuy
- カントリカムイ 【kanto-ri-kamuy】 雨と雪を作る神[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- kantorimosir
- カントリモシㇼ 【名】[kanto-ri-mosir 天・高い・国] 空のさらに上の世界(天)。 {E: heaven.} (出典:田村、方言:沙流)
- nociw'okanto
- ノチウオカント 【nociw-o-kanto】 星の空.▷ノチュー=星 オ=にある カント=空 (出典:萱野、方言:沙流)
- nociwokanto
- ノチウォカント 【名】[nociw-o-kanto 星・がそこにある・天] 空の中間層(星のあるところ)。 ☞kanto カント {E: the middle level of the sky.} (出典:田村、方言:沙流)
- rankekanto
- ランケカント 【ranke-kanto】 下の方の天. (出典:萱野、方言:沙流)
- rankekantokorkamuy
- ランケカントコㇿカムイ 【ranke-kanto-kor-kamuy】 下の方の天を司る神. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikanto
- シカント 【si-kanto】 天空. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikantokotor
- シカントコトㇿ 【si-kanto-kotor】 宇宙. (出典:萱野、方言:沙流)
- sínis-kanto
- シニㇱカント 【名】[si-nis-kanto 本当の・空・天] 空の最上層。 ☞kanto カント {E: the highest level of the sky.} (出典:田村、方言:沙流)
- siniskanto
- シニㇱカント 【si-nis-kanto】 雲の空,一番上の方の空.▷シ=本当に ニㇱ=雲 カント=空 (出典:萱野、方言:沙流)
- urar'okanto
- ウラㇻオカント 【urar-o-kanto】 霧のある空,霧の空.▷ウラㇻ=霧 オ=入る カント=空 (出典:萱野、方言:沙流)
- úrarkanto
- ウラㇻカント 【名】空の最下層(雲のある所)。 ☞kanto カント {E: the lowest stratum of the sky.} (出典:田村、方言:沙流)
- wentoykanto
- ウェントイカント 【wen-toy-kanto】 悪い大地の空. ウェントイカント コキル=悪い大地の空へ追放する. (出典:萱野、方言:沙流)
- wo wo kar kanto kanto
- ウォ ウォ カラ カント カント 【間投】[< 擬音] (子犬の神謡の折り返し。) (KM神謡) ☆参考 kanto カント は《天》。 (出典:田村、方言:沙流)
- a=eminap
- アエミナㇷ゚ 【a=e-mina-p】 笑われ者.道化者.▷ア=人(が) エ=それで ミナ=笑う ㇷ゚=者 →笑われる者 スンケ アㇱ ペ ソンノ アㇱ ペ エハウカントゥㇽセ ア・エミナㇷ゚ ネ アン=嘘の話や本当の話を声高にまくしたて,笑われ者になっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- ciesoypakar
- チエソイパカㇻ 【他動】[中相][ci-e-soypa-kar される・その頭・えぐる・させる][雅](天に)とどくばかりにそびえる。 kanto kotor ciesoypakar カント コトㇿ チエソイパカㇻ (山が)天にとどくばかりに高くそびえている。(W神謡) ☆参考 歌うときの形。 ☞cékantoorsoye チェカントオㇿソイェ (出典:田村、方言:沙流)
- cikosomokur yaykatanu
- チコソモクㇽ ヤイカタヌ 【ci-ko-somokur yay-katanu】 私に遠慮もしないで,私に遠慮もせずに. ▷チコ=私に ソモクㇽ=それ ヤイカタヌ=遠慮 チコソモクㇽ ヤイカタヌノ シネンネアンペコㇿ ネㇷ゚ワアンペ エハウカントゥㇽセ=私に遠慮もせずに,ひとりでいるかのように何かをわめきちらしている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- esoypakar
- エソイパカㇻ 【他動】[e-soypa-kar その頭・…をえぐる・(他動詞化)](中相形で、 次のような慣用表現で) kanto kotor/ciesoypakar カント コトㇿ/チエソイパカㇻ (山が)天にとどくばかりに高くそびえている。(W神謡K) ☞cékantoor-soye チェカントオㇿソイェ (出典:田村、方言:沙流)
- icari
- イチャリ 【icari】 ざる. トゥッコ カ レㇾコ カ アㇷ゚ト ルイ ワ ポロ ワッカ アン ノイネ シㇼキ ナ.イチャリ コㇿ ワ ソイェネ ワ クマ オㇿ ワ ラチッケレ カントコㇿカムイ エウン "ホクレ タパン イチャリ シㇰテ" セコㇿ コラㇺコㇿ=二日も三日も雨が強いので洪水になりそうだ.ざるを持って外へ出て干し棹から下げ,天の神様へ,「さあ早くこのざるをいっぱいにせよ」と相談してみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kemram
- ケㇺラㇺ 【名】[kem-ram 飢饉・心] kemram kamuy ケㇺラㇺ カムイ 飢饉の神。 kanto or wa kemram kamuy ran wa i=resu hi ne aan カント オㇿ ワ ケㇺラㇺ カムイ ラン ワ イレス ヒ ネ アアン 実は天から飢饉の神が下って来て私を育ててくれたのだった。(W民話) {E: the god of famine.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kokiru
- コキル 【ko-kiru】 (〜へ)追放する. ウェントイカント コキル=悪い大地の空へ追放する.イノンチㇼ ウェンカムイ アナㇰネ イレスカムイ オロワノ アッテイネモシㇼ ア・コキル ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワ=人を呪うような悪い神は火の神様から奈落へ向けて追放されるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- koramkor
- コラㇺコㇿ 【ko-ram-kor】 相談する.ちょっかいをかける,女を口説く,女を誘ってみる,頼む. エン・コラㇺコㇿ=私に相談する.ウコラㇺコㇿ=互いに相談する.トゥッコ カ レㇾコ カ アㇷ゚ト ルイ ワ ポロワッカ アン ノイネ シㇼキ ナ.イチャリ コㇿ ワ ソイェネ ワ クマ オㇿ ワ ラチッケレ カントコㇿカムイ エウン ホクレ タパン イチャリ シㇰテ セコㇿ コラㇺコㇿ=二日も三日も雨が強いので洪水になりそうだ.ざるを持って外へ出て干し竿から下げ,天の神様へさあ早くこのざるをいっぱいにせよ,と相談してみろ(雨を降りやませる呪い). (出典:萱野、方言:沙流)
- kosiyetaypa
- コシイェタイパ 【他動】[ko-si-etaypa …に・自分・を引く[複]](…の方)に引かれるように行ってしまう。 kanto-kotor/kosiyetaypa カントコトㇿ/コシイェタイパ(鳥の姿になった私の夫は)空に向かって引かれるようにして行ってしまった。(W神謡) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotor
- コトㇿ 【kotor】 面. フㇽコトㇿ=坂の面.カントコトㇿ=空の面=表面.ニコトㇿ=ニコトロホ=上顎の内側. (出典:萱野、方言:沙流)
- mosirso
- モシㇼソ 【名】[mosir-so 国土・広がりを持つ所] kanto or wa/mosirso ka ta/rán=an ruwe カント オㇿ ワ/モシㇼソ カ タ/ラナン ルウェ [雅]天から地上に降りて来ましたが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- niskotor
- ニㇱコトㇿ 【名】[nis-kotor 空・面] 空、 下から見えている空。 ☆参考 文脈や状況によって nisor ニソㇿ、 kanto-kotor カントコトㇿ などとも言う。 ☆参考 kanto カント 天。 {E: the sky.} (出典:田村、方言:沙流)
- noyaimos
- ノヤイモㇱ 【noya-imos】 ヨモギ神. オキクㇽミカムイ アイヌモシㇼ ワ リクンカント オリキン ヒ タ アイヌモシㇼ エプンキネレ クス ニスㇰ ワ アヌ ㇷ゚ ノヤイモㇱカムイ ネ ルウェ ネ=オキクㇽミ神がアイヌの国土から天の国へ行く時にアイヌの国を守護するために頼んでおいたのがヨモギの神なのだ.図[ノㇷ゚ヤイモㇱ] (出典:萱野、方言:沙流)
- or
- オㇿ 【位名】[概](所は oro/orke オロ/オㇿケ) ①(モノを表す名詞の後に置かれて、 そのモノを場所としてとらえる名詞句とする。 場所や時を表す名詞の後に置かれると、 よりはっきりとその場所、 その時を示す。 目的語として位置を表す名詞句を要求する語、 たとえば位置格助詞 ta タ《…に/で》、 un ウン《…へ》など、 動詞の接頭辞 o- オ《…に/で》など、 他動詞 kus クㇱ《…を通る》、 oma オマ《…に入る/位置する》などの前で多く使われる。) …の所、 …のとき。 (その他、 文脈によって…の中、 …の家、 …の上などいろいろに訳せる。)sapa or o ki サパ オㇿ オ キ 頭につくシラミ。 mesi itanki or a=o kor メシ イタンキ オㇿ アオ コㇿ ごはんを茶わんによそうと。(W会話) poro su or oma sayo ポロ ス オㇿ オマ サヨ 大鍋に入っているおかゆ。(W民話) apa or pak k=arpa korka アパ オㇿ パㇰ カㇻパ コㇿカ 私は戸口の所まで行ったけれど。(W) nis or péka hopuni ニソㇿ ペカ ホプニ 空を飛んだ。(S民話) toy or ta nepki kor an トヨッタ ネㇷ゚キ コラン (彼は)畑で働いている。 suy or osma スヨㇿ オㇱマ 穴に飛び込んだ(落ちた)。(S) iteki en=or ta ahup yan イテキ エノッ タ アフㇷ゚ ヤン 私の家に入らないで下さい。(S) kesikomu sekor sísam or ta a=ye ケシコム セコㇿ シサㇺ オッタ アイェ 消しゴムと日本語で言う。 kanto or un rikin カント オルン リキン 天に昇る。(S言い伝え) atuy or un cikap アトゥヨルン チカㇷ゚ 海の鳥。(W民話) nis or wa ran ニソㇿ ワ ラン 空から降りて来た。(W民話) ②…or ta …or ta …オッタ …オッタ ☞otta オッタ 2。 or wa オㇿ ワ (受け身表現の行為者、 oro wa オロ ワ とも言う。)…によって。 kamuy or wa ene a=e=yáynure カムイ オㇿ ワ エネ アエヤイヌレ あなたは神からそう思わされた。(W民話) ☆参考 所属形は oro オロ の例が圧倒的で、 orke オㇿケ は1例のみ。 orke オㇿケ には別の用法がある。 {E: ①from… ②by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pan niki tuye ka somo
- パン ニキ トゥイェ カ ソモ 【pan niki tuye ka somo】 まくしたてる.▷パン=口 ニキ=ひだ トゥイェ=切る カ=も ソモ=しない →間をおかないでしゃべりまくる ソモ エㇰ アイネ エㇰ ペ ネ クス パンニキ トゥイェ カ ソモ キ ノ スンケ アㇱ ペ ソネ アㇱ ペ エハウカントゥㇽセ=しばらく来ないでいて来たものだから息もつかずにうその話や本当の話を声高にしゃべっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- racitkere
- ラチッケレ 【racitke-re】 ぶら下げる. ラチッケレ ワ コㇿ=ぶら下げて持つ.トゥッコ カ レㇾコ カ アㇷ゚ト ルイ ワ ポロ ワッカ アン ノイネ シㇼキ ナ イチャリ コㇿ ワ ソイェネ ワ クマ オㇿ ワ ラチッケレ カントコㇿカムイ エウン "ホクレ タパン イチャリ シㇰテ" セコㇿ コラㇺコㇿ=二日も三日も雨が強いので洪水になりそうだ,ざるを持って外へ出て干し竿から下げ,天の神様へ「さあ早くこのざるをいっぱいにせよ」と相談してみろ(雨を降りやますためのまじない). (出典:萱野、方言:沙流)
- roski 1
- ロㇱキ 【自動】[複](単は as アㇱ)(二つ以上/二人以上が)立つ、 立ち止まる、 立っている。 roski wa oka ロㇱキ ワ オカ (彼らは)立っている。 cékantoor-soye kane an sunku tup roski híne an チェカントオㇿソイェ カネ アン スンク トゥㇷ゚ ロㇱキ ヒネ アン 天にも届くばかりのエゾマツが二本立っていた。(HC民話)(注 川下のワテケさん、 サダモさんの言い方では as híne an アㇱ ヒネ アン となるところである。)soy wa roski aw wa roski ソイ ワ ロㇱキ アウ ワ ロㇱキ(彼らは)外へ出ては立ち止まり、 家へ入っては立ち止まる(心配でオロオロして出たり入ったりしている様子の描写)。(KK民話) kurukpeciyay roski クルㇰペチヤイ ロㇱキ 霜柱が立つ。(W) (S) {E: to stand (up); stand still.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sákehe 1
- サケヘ 【名】[所](概は sa サ) ①(神謡)の折り返し(リフレイン)。 ②折り返しとメロディーやリズムとを合わせた、 その節(歌い方)全体。 ☆発音 sakehe サケヘ《…の酒》とはアクセントがちがう。 ☆参考 神謡を歌うときは最初に折り返しが歌われ、 そのあと1行おきに入る場合もあり、 数行に1回ずつ入ることもある。 折り返しの言葉もメロディーも入れる場所も、 それぞれの神謡によってだいたい決まっている。 神謡の終わりの部分は語りになるし、 神謡によっては途中で語りが入る場合もあるが、 語りの部分には折り返しはつかない。 折り返しの言葉の中には、 カッコウの神の神謡の han kakkok kakkok ハン カッコク カッコク、 熊の神の神謡の houwepahm ホウウェパフム、 子犬の神謡の wo wo kar kanto kanto ウォ ウォ カラ カント カント のように、 自叙する動物神や動物のなき声を模したものが目立つが、 状況を象徴的に表しているらしいものや、 何を表しているかわからないものもたくさんある。 折り返しも、 歌詞の部分と同様、 伝わるうちに変化してきたと思われるものも多い。 {E: ① the refrain of epic chants. ② the refrain together with the melody or rhythm of epic chant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- soye 1
- ソイェ 【他動】[単](複は soypa ソイパ) …をえぐる。 (次の語の中の要素として) cékantoor-soye チェカントオㇿソイェ [c(i)-e-kanto-or-soye …される・その頭・天・の所・をえぐる](大木や大山などが)天に向かってそびえ立っている。 ☆参考 独立の動詞としては未出。 ☞soypa ソイパ {E: to rise up to the skies, heavens.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Susuranpeci
- ススランペチ 【名】[susu-ran-peci 柳の葉・落ちる・川[所]][固有名]天界(kantorimosir カントリモシㇼ)にある川の名。(W) (S) (出典:田村、方言:沙流)
- totto 2
- トット 【名】[< totto トット 1]おかあちゃん、 ママ(母親を表す幼児語)。 (「…のおかあちゃん」は、 所属形ではなく …kor totto …コㇿ トット/コットット。) ci=kor totto/wo wo kar kanto kanto/horkew nikne hi/ek wa/e wa isam na/wo wo kar kanto kanto/totto isam wa/ene iki=as hi ka/isam na チコㇿ トット ウォ ウォ カラ カント カント/ホㇿケウ ニㇰネ ヒ/エㇰ ワ/エ ワ イサㇺ ナ/ウォ ウォ カラ カント カント/トット イサㇺ ワ/エネ イキアシ カ/イサㇺ ナ [雅]ぼくたち/わたしたちのママはオオカミのひどいやつが来て食べられてしまったよ、 ママがいなくなって、 ぼくたち/わたしたちはどうすることもできなくて困っているんだよ(子犬たちが天の神であるオオカミおじいさまに訴えている歌の一部)。(KM神謡) {E: children's language for 'mother'.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- un= 6
- ウン 【人接】[除外的一人称複数目的格] 私たちを/に。 kanto kor ekasi un=ka opiwki wa un=kore yan カント コㇿ エカシ ウンカ オピウキ ワ ウンコレ ヤン 天を守る神のおじいさま、 私たちを助けて下さい(母を亡くした子犬たちが天の狼の神に助けを求めている)。(KM神謡) {E: you (subject); me (object).} (出典:田村、方言:沙流)
- wa 1
- ワ 【格助】①(位置名詞の後に置かれて、 移動の起点を示す。)…から(場所を示す)。 Mosirpasari wa ek モシㇼパサリ ワ エㇰ 斜里(しゃり)から来た。(W民話) osmake wa kotcake wa terke=an オㇱマケ ワ コッチャケ ワ テㇾケアン 私は(寝ている彼の)後ろから前へ前から後ろへと跳びはねてまたいだ。(W民話) kanto or wa kemram kamuy ran カント オㇿ ワ ケㇺラㇺ カムイ ラン 天から飢饉の神が降りて来た。(W民話) oro wa karkarse オロ ワ カㇻカㇻセ そこからころがった。(S会話) ②(《…に》と訳される場合もある。 その場合、 ta タ や un ウン を使った言い方とはニュアンスが異なる。 wa ワ はこの場合も、 動作の起点を示す。) te wa mono a テ ワ モノ ア 「ここから座れ」=ここに来て座りなさい。 (注 te ta mono a テ タ モノ ア (近くにいる人に)ここに座りなさい。 te un mono a テ ウン モノ ア ここへ座りなさい。) ③(受け身の行為者を示す。)or wa/oro wa オㇿ ワ/オロ ワ (人)から。 kamuy or wa okamkir ene a=e=yáynure wa カムイ オㇿ ワ オカㇺキㇼ エネ アエヤイヌレ ワ あなたは神からわざとそのように思わされて。(W民話) ④(連体的に使われて) onnayke wa asamaha オンナイケ ワ アサマハ 内側の底。 soynake wa asamaha ソイナケ ワ アサマハ 外側の底。 {E: ①from…(place). ②… ③from…(people). ④…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayteknawa
- ヤイテㇰナワ 【副】[yay-tek-na-wa 自分・手・の方・から][雅]自分一人のはからいで。(S) yayteknawa/kanto or wa/mosirso ka ta/rán=an ruwe ヤイテㇰナワ/カント オㇿ ワ/モシㇼソ カ タ/ラナン ルウェ [雅]私は自分一人のはからいで天から地上に降りて来ましたが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
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萱野 茂『萱野茂のアイヌ語辞典』1996年 ©萱野れい子
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』1996年 ©田村洋一