国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ

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sampe
サンペ §320.こころ(心)(4)sampe〔sám-pe さンペ〕[心臓]⦅サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
sampe 1
サンペ 【sampe】 ①心,精神,気持ち,気分. (出典:萱野、方言:沙流)
sampe 2
サンペ 【sampe】 ②心臓. (出典:萱野、方言:沙流)
sanpe
サンペ 【名】[概/所](所は sanpehe サンペヘ とも) [san-pe 出る・もの] 心臓(自分の胸のあたりの内部を外から感じていうとき胃やその付近をさすことがしばしばある。 「気分が良い、 悪い」などの「気分」に当たる用法もある)。 sanpe arka サンペ アㇻカ 胃が痛い、 気持ちが悪い。 níham úsey ka eytasa uwenupur kor nani ku=sanpe arka na paknoka en=kure ニハㇺ ウセイ カ エイタサ ウウェヌプㇽ コㇿ ナニ クサンペ アㇻカ ナ パㇰノカ エンクレ 木の葉の湯(=お茶)があまり濃いと私はすぐに気持ちが悪く(胃の具合が悪く)なるからもう飲ませないで下さい。(S) sanpe pirka サンペ ピㇼカ 気だてがいい(「根性がいい」)。 sanpe wen サンペ ウェン 気持ちがふさぐ、 うれしくない。 ku=sanpe ka wen kane a=utári k=ésikarun クサンペ カ ウェン カネ アウタリ ケシカルン 私は気持ちもふさぐほどに身内の人に会いたい。(S) weysanpekor ウェイサンペコㇿ [wen-sanpe-kor 悪い・気だて・を持つ] 根性が悪い。 {E: the heart.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
a=sampekese
サンペケセ 【a=sampe-kese】 私の心臓のしまい,思いのしまい,心をしまう. ▷ア=私 サンペ=心臓,心,思い,いとおしい,いとおしく思う ケセ=しまう,しまい *サンペポ=いとおしい人,恋人(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=sampekeseekopuyuise
サンペケセエコプユイセ 【a=sampe-kese-e-ko-puyuise】 私の心臓のしまいがあふれる,ぐっと来る,胸に激しく込み上げて来る,強く心に感じる,涙があふれる. ▷ア=私 サンペ=心臓 ケセ=しまい エコ=それ プユイセ=あふれる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=sampepake
サンペパケ 【a=sampe-pake】 私の心臓の頭の方,私の心の内,私の思いの内側. ▷ア=私 サンペ=心臓 パ=頭 ケ=~の方(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ahunrasampe
アフンラサンペ 【ahun-rasampe】 アオバズク,ミミズク,フクロウの一種. (出典:萱野、方言:沙流)
ahunrasampe
アフンラサンペ §338 アオバズク (4) ahunrasampe (a-hún-ra-sam-pe)「アふンラサンペ」[<aw-un-rasampe(あの世・に住む・ばけもの)] ⦅幌別、近文⦆コミミズク (出典:知里動物編、方言:)
ahunrasanpe
アフンラサンペ 【名】[動物](図鑑の写真によればフクロウ。 しかし「フクロウではない。 onancisapanpe オナンチサパンペ をかぶった鳥。 yukcikap ユㇰチカㇷ゚ によく似ていてよくまちがう。 あまり足を出していないものだ。」) (S)〔知分類 p.198 ahunrasampe コミミズク[< aw-un-rasampe (あの世・に住む・ばけもの)]〕 {E: a type of bird.} (出典:田村、方言:沙流)
cehsampearaka
チェㇸサンペアラカ §123.うえる(餓える)(10)空腹で眠れぬ ceh-sampe-araka〔čéh-sam-pe-a-ra-ka ちぇㇸサンペアラカ〕[ceh(食物)+sampe(心臓)+araka(病む)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cikihsampe
チキㇶサンペ §041.足の脈どころcikih-sampe〔či-kíç-sam-peチきㇶサンペ〕[cikih(<cikir足)+sampe(心臓、脈どころ)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ciseorosampe
チセオロサンペ §277 くま (65) ciseorosampe (či-sé-o-ro-sam-pe)「チせオロサンペ」[<cise(家)or(中)o(から)san(出た)-pe(もの)] ⦅美幌⦆穴から出たばかりの子グマ (出典:知里動物編、方言:)
cisesampe
チセサンペ 【cise-sampe】 家の心臓. チセ ア・アシ ワ チセノミ・アン ヒ タ ロルンプヤㇻ ウレン イクㇱペ オㇱマケ ウン イナウタㇰタㇰ ア・オマレ ネ ワ アン ペ ア・イェ ヒ チセサンペ ネ=家を建てて新築祝いをする時に,上座の窓,両脇の柱,その後へイナウのかたまりを入れるもの,それのことを名づけ,家の心臓という. (出典:萱野、方言:沙流)
eawrasampe
エアウラサンペ §338 アオバズク (6) eawrasampe (e-áw-ra-sam-pe)「エあウラサンペ」[<] ⦅多蘭泊⦆コミミズク (出典:知里動物編、方言:)
esampesituri
サンペシトゥリ 【e-sampe-situri】 (〜で)気持ちがすうっとする. イッカㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌ パ クニネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした.ア・ホニヒ アㇻカ コㇿ ソコニ ニテケヘ ア・ケッケ ワ ア・ポㇷ゚テ ペヘ ア・ク コㇿ ア・エサンペシトゥリ ㇷ゚ ネ=腹が痛い時にはニワトコの枝を折って煎じて飲むと,それによって気持ちがよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
esanpeawoma
サンペアウオマ 【他動】[e-sanpe-aw-oma …で・心・中・に入れる] …をあわれに思う。(不定人称形で) a=esánpeawoma アエサンペアウオマ/アイサンペアウオマ あわれである、 あわれな…。 a=esánpeawoma no an アエサンペアウオマ ノ アン あわれである、 まことにあわれな…。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
esanpesituri
サンペシトゥリ 【他動】[e-sanpe-situri …で・心臓(=心)・伸びる] …で気が晴れる、 …で気分がよくなる、 …で気持ちがいい。 toan ponmenoko pirka mokor ki wa an, esanpesituri nankor トアン ポンメノコ ピㇼカ モコㇿ キ ワ アン、 エサンペシトゥリ ナンコㇿ あの娘さんよく眠っている。 よっぽど気持ちがいいんでしょうねえ。(W) soy péka kú=iki wa asir réra ku=seru, níya húra ku=seru, síno k=ésanpesituri ソイ ペカ クイキ ワ アシンレラ クセル、 ニヤ フラ クセル、 シノ ケサンペシトゥリ 私は外にいて(外で何かをして、 外の仕事をして)新鮮な空気を吸い、 木の芽の匂いを吸い、 たいそう気持ちがよくなった。(S) a=ye wa a=esánpesituri アイェ ワ アエサンペシトゥリ 私はしゃべって気が晴れた。(S民話) {E: to feel good, light about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esanpesituripa
サンペシトゥリパ 【他動】[複](esanpesituri は単複の区別なし)(二人以上が)…で気分がよくなる、 …で気持ちがいい。 néa pon ninkiri ukousaraye wa e, síno esanpesituripa ネア ポン ニンキリ ウコウサライェ ワ エ、 シノ エサンペシトゥリパ そのおにぎりを二人で分けて食べ、 それで二人とも気分がよくなった(元気になった)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
esanpeunuwen
サンペウヌウェン 【他動】[e-sanpe-unu-wen で・胸/気持ち・につける・悪い] 気持ちが悪い、 胸が悪い(食当り等で)。 ika k=e akus k=ésanpeunuwen wa k=éhetkosanpa イカ ケ アクㇱ ケサンペウヌウェン マ ケヘッコサンパ 私はイカを食べたら気持ちが悪くなって急にゲッと吐いた。(S) {E: to feel sick; unwell about , due to…} (出典:田村、方言:沙流)
etusuysampe
エトゥスイサンペ §725.みけんの急所etusuy-sampe〔e-tú-suǐ-sam-pe エとぅスイ・サンペ〕[etusuy(鼻穴)+sampe(脈どころ)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
eyaysanpe-siturire
エヤイサンペシトゥリレ 【他動】[e-yay-sanpe-situri-re …で・自分・気持ちが・のびる・させる] …で自分の気を晴らす。 aynu sinotca a=ye a a=ye a a=ye a wa a=eyáysanpesiturire アイヌ シノッチャ アイェ ア アイェ ア アイェ ア ワ アエヤイサンペシトゥリレ 私はアイヌの歌を歌って歌って歌って気を晴らした。(S民話) ☞sanpesituri サンペシトゥリ {E: to refresh oneself by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hacahapo oarasampe
ハチャハポ オアラサンペ §021.子(17)haca-hapo oarasam-pe〔ha-čá|há-po|o-á-ra-sam-pe ハちゃ・はポ・オあラサンペ〕⦅クッシャロ⦆父も母も無い者;みなしご。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hay ku=sampe
ハイ クサンペー 【hai ku=sampe】 ああ心臓も止まりそうだ. ハイ ク・サンペー アッケㇱ タ ウェンヤトイネ ウタㇻ ウチㇷ゚コウェンテ セコㇿ コタン クㇽカシ ハウシタイキ イヨーハイ=ああ心臓も止まりそうだ,厚岸へ強制徴用された人たちが難破したと村の上へ知らせが来た,どうしようか.*木村コヌマタンさんが聞かせてくれた話. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkasampe
イッカサンペ 【ikka-sampe】 盗心.▷イッカ=盗む,盗み サンペ=心,心臓 (出典:萱野、方言:沙流)
isampesiyuk
サンペシユㇰ 【isam-pe-siyuk】 死装束. シネアンタ ア・ウナㇻペヘ エウン アㇻパアナクス(アㇻパ・アン アクス) ウナㇻペ ウムレㇰ マッネポホ トゥラノ イサㇺペシユㇰ キ ワ オカ ルウェ ネ エアㇻキンネ ア・エラムトゥイ マッネポホ ア・トゥラ ワ キラ・アン=ある日のこと,おばさんの所へ行くとおばさん夫婦と娘とが一緒に死装束をしていたので,私は本当に驚いて娘を連れて逃げた(萱野茂『カムイユカㇻと昔話』238頁「淫乱の群れ」より). (出典:萱野、方言:沙流)
iwarasampe
イワラサンペ 【iwa-raw-sampe】 化け物(岩の底にいる化け物).▷イワ=岩 ラウ=底 サンペ=心臓 イワラサンペ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ マカン カッコㇿ ペ ネ ヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=「岩の下の心臓」という悪い神は,どのような姿をしているものか私にはわからない.*想像上の化け物なのでその姿はわからない.この化け物と対になるそうな名のものにトラサンペ(湖の下の心臓=マリモ)がある. (出典:萱野、方言:沙流)
karamasanpe
カラマサンペ §048 サメガレイ (4) karamasanpe (ka-ra-ma-san-pe)「カラマサンペ」 ヤセガレイ、カワガレイ?⦅根室⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kemasampe
ケマサンペ 【kema-sampe】 足の脈:かかととくるぶしの間の脈.▷ケマ=足 サンペ=心臓 (出典:萱野、方言:沙流)
koyaysampepokas
コヤイサンペポカㇱ 【ko-yay-sampe-pokas】 あの人にとっては残念なことだ,あのようなことをしなければいい人だったのになあー,惜しい人だがもう駄目だ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koyaysanpepokas
コヤイサンペポカㇱ 【他動】[ko-yay-sanpe-pokas …に対し・自分・心・劣る](?) …を困ったことだと思う。 {E: to be in trouble about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ku=yaysampepokas
クヤイサンペポカㇱ 【ku=yay-sampe-pokas】 気苦労(する),気が重い,がっかりする.▷ク=私 ヤイ=自身 サンペ=心臓=思い ポカㇱ=がっかり ネユンネユン アン オルㇱペ ク・ヌ コㇿ コオアナカ ポネヘ ポカ オンネㇷ゚ラㇰペ ク・ネ クス ク・ヤイサンペポカㇱ=いろいろな噂話を聞くと,からこしゃくにも骨ばかりも老人の味のする者として気が重くなる(老人の独り言). (出典:萱野、方言:沙流)
noyporsampe
ノイポㇿサンペ §673.ひよめき;おどりこ;だいしんもん(大顫門)(6)noypor-sampe〔nóǐ-por-sam-pe のイポㇿ・サンペ〕[noypor(前頭部)+sampe(脈搏)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oturaysampe aniekote
オトゥライサンペ アニエコテ 【o-tu-ray-sampe a-ni-ekote】 息を凝らす,じっと息を止める[ユ].▷オ=それ トゥ=ふたつ ライ=死 サンペ=心 ア=私 ニエコテ=つける →死んだような心に私はなった (出典:萱野、方言:沙流)
oturaysanpe ekote
オトゥライサンペ エコテ 【他動】[慣用他動詞句](…しては)大変だと思う。 a=oráwki kuni oturaysanpe a=ekóte hi kusu アオラウキ クニ オトゥライサンペ アエコテ ヒ クス 私は彼を見失っては大変だと思ったから。(HC民話) {E: to think for… to happen, occur would be disastrous, awful.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pakesampe
パケサンペ §333.こめかみ(顳じゅ)(2)pake-sampe〔pá-ke-sam-pe ぱケサンペ〕[頭部・脈]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pasampe
サンペ §333.こめかみ(顳じゅ)(1)pa-sampe〔pá-sam-pe ぱサンペ〕[頭・脈]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pasuysampe
パスイサンペ 【pasuy-sampe】 捧酒箸の心臓:アイヌが神々に願い事をする時に用いるへら状の道具の裏側の先の方につけるくぼみ.このくぼみを,パスイサンペあるいはパスイパルンペ(捧酒箸の舌)と言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pohsampe
ポㇹサンペ §098.陰部―いんかく(陰核)(3)poh-sampe〔póh-sam-pe ぽㇹサンペ〕[poh(女性陰部)+sampe(心臓)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ramuisampe
ラムイサンペ 【ramu-isam-pe】 白痴.▷ラム=思い イサㇺ=ない ペ=者 (出典:萱野、方言:沙流)
rissampe
リッサンペ §412.じょおみゃく(静脈)(3)頸静脈 ris-sampe〔rís-sam-peリッサンペ〕[<rit(筋)+sampe(脈)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampe murmurse
サンペ ムㇽムㇽセ §754.胸さわぎする(2)sampe murmurse〔sám-pe|múr-mur-se さンペ・むㇽムㇽセ〕[心臓が・湧き立つ]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampe pirka
サンペ ピㇼカ 【sampe pirka】 性質がいい,気だてがいい. (出典:萱野、方言:沙流)
sampe terketerke
サンペ テㇾケテㇾケ §754.胸さわぎする(1)sampe terke-terke〔sám-pe|tér-ke-ter-ke さンペ・てㇾケ・テㇾケ〕[心臓が・跳ねる・跳ねる]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampeah(-tu)
サンペアㇵ §543.どうみゃく(動脈)(2)大動脈始部 sampe-ah(-tu)〔sám-pe-ah さンペアㇵ〕[sampe(心臓)+ah(<at ひも)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampeah(t-u)
サンペアㇵ §430.心臓に近い大血管;大動脈始部(1)sampe-ah(t-u)〔sám-pe-ah さンペアㇵ〕[「心臓の・紐」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampeah(t-u)
サンペアㇵ §518.つむじ(旋毛);まきめ(3)背中にある旋毛 sampe-ah(t-u)〔sám-pe-ah さンペアㇵ〕[「心臓の・紐」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampearaka
サンペアラカ §761.胸の病気(4)胸が苦しく吐気を伴う病気 sampe-araka〔sám-pe-a-ra-ka さンペアラカ〕[sampe(心臓)+araka(病気)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampearka
サンペアㇻカ §078.胃病(3)胃痛 sampe-arka〔sám-pe-ar-ka さンペアㇻカ〕[sampe(心臓、この場合は心臓と覚しき辺り+arka(痛み)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampecaru
サンペチャル §431.心耳(2)sampe-caru〔sám-pe-ča-ru さンペチャル〕[心臓・のロ]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampeci=noypa
サンペチノイパ 【sampe ci=noypa】 空腹. (出典:萱野、方言:沙流)
sampecinoypa
サンペチノイパ §417.食欲亢進して眠れぬ;おなかがすいて眠れない(2)食欲亢進して眠れぬ;おなかがすいて眠れない sampe-cinoypa〔sám-pe-či-noǐ-pa さンペチノイパ〕[心臓が・ねじれる]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampecinoypa(-an)
サンペチノイパ §123.うえる(餓える)(11)空腹でたまらぬ sampe-cinoypa(-an)〔sám-pe-či-noǐ-pa さンペチノイパ〕[sampe(心臓が)+cinoypa(cinoyeの反復形、ぐるぐるよじれる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampeekoyki
サンペエコイキ 【sampe-e-koyki】 胸焼け(する). エイタサ シト ケ(ク・エ) ア ケ(ク・エ) ア ク・ラコㇿ カシウン ク・イㇰマウレ ク・サンペエコイキ カ ク・キ ノイネ=あまりにもたくさん餅を食べて食べて腹にもたれる挙げ句,げっぷも出て胸焼けもしそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sampeekoyki
サンペエコイキ §078.胃病(6)胃が悪くて胸がやける sampe-ekoyki〔sám-pe-ekoǐ-ki さンペエコイキ〕[sampe(↑)+e(において)+koyki(いじめる)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampehorarayse
サンペホラライセ 【sampe-horarayse】 胸がすっとする,気が晴れる. (出典:萱野、方言:沙流)
sampekuhcara
サンペクㇷチャラ §431.心耳(1)sampe-kuhcara〔sám-pe-kuh-ča-raさンペクㇷチャラ〕[「心臓の入口」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampemurmurse
サンペムㇽムㇽセ 【sampe-mur-mur-se】 どきどきする,胸騒ぎ:心配事や悪いことが起きそうな予感などの為に動悸が激しくなること. (出典:萱野、方言:沙流)
sampemurse
サンペムㇽセ 【sampe-mur-se】 気絶,失神,ひきつけを起こす. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) しものあ セコㇿ ア・イェ ウナㇻペ サンペムㇽセ ワ アチャポ ウタㇻ ウナㇻペ ウタㇻ ウキマテッカ ワ ホユッパ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=私が子供の頃シモノアというおばさんがひきつけを起こしおじさんやおばさんが驚いて走ったのを私は見た記憶がある. (出典:萱野、方言:沙流)
sampemurse
サンペムㇽセ §245.きぜつする(気絶する);気が遠くなる;気を失う;人事不省になる(8)気絶する sampe-murse〔sám-pe-mur-se さンペムㇽセ〕[sampe(心臓)+murse(?)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampenumat
サンペヌマッ §762.胸の皮の切り残しsampe-numat〔sám-pe-nu-mat さンペヌマッ〕[sampe(心臓)+numat(女性の肌衣の胸もとの紐)]⦅フシコ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampepispiske
サンペピㇱピㇱケ §254.食いすぎて気持が悪いsampe-pispiske〔sám-pe-piš-piš-ke さンペピㇱピㇱケ〕[sampe(心臓)+pispiske(ぷくんぷくんとする)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampepo
サンペポ 【sampe-po】 いとしい人,恋人,恋い焦がれている人,恋しくてじっとしていられない恋人のこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
samperih(c-i)
サンペリㇶ §430.心臓に近い大血管;大動脈始部(2)sampe-rih(c-i)〔sám-pe-riç さンペリㇶ〕[心臓の・腱]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampesasatke
サンペササッケ §078.胃病(9)胃が悪くて胸が焼ける sampesa-satke〔sám-pe-sàt-sat-ke さンペ・さッサッケ〕[sampe(心臓)、sat-sat-ke〔かわき・かわき・する〕]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampesikurpa(-an)
サンペシクㇽパ §123.うえる(餓える)(12)空腹でたまらぬ sampe-sikurpa(-an)〔sám-pe-ši-kur-pa さンペシクㇽパ〕[sampe(心臓が)+sikurpa(=sikirpa きりきり舞いをする)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampesituri
サンペシトゥリ 【sampe-si-turi】 胸がすっとする.▷サンペ=心臓 シ=自ら トゥリ=伸びる イッカ ㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌ パ クニ ネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
sampesituri(-an)
サンペシトゥリ §669.病気が治る(6)病人の調子がよい sampe-situri(-an)〔sám-pe-ši-tu-ri さンペシトゥリ〕[心臓・伸びる]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampetasum(-i)
サンペタスㇺ §078.胃病(4)胃病 sampe-tasum(-i)〔sám-pe-ta-sum さンペタスㇺ〕[sampe(↑)+ta-sum(病)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampetasum(-i)
サンペタスㇺ §432.心臓病sampe-tasum(-i)〔sám-pe-ta-súm さンペ・タすㇺ〕[心臓・病]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampetasum(-i)
サンペタスㇺ §761.胸の病気(5)胸が苦しく吐気を伴う病気 sampe-tasum(-i)〔sám-pe-ta-sum さンペ・タスㇺ〕[sampe(心臓)+tasum(病)]⦅ナヨロ、テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampetoktokse
サンペトㇰトㇰセ 【sampe-tok-tok-se】 心臓が脈打つ,鼓動がする. (出典:萱野、方言:沙流)
sampetoranne
サンペトランネ §245.きぜつする(気絶する);気が遠くなる;気を失う;人事不省になる(1)sampe-toranne〔sám-pe-to-ràn-ne さンペトランネ〕[sampe(心臓)+toranne(怠ける)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampetumsak
サンペトゥㇺサㇰ §078.胃病(5)胃のぐあいが悪い sampe-tumsak〔sám-pe-tum-sak さンペトゥㇺサㇰ〕[sam-pe(↑)+tumsak(元気が無い、tum 力、sak を欠く)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampeyukram(-i)
サンペユㇰラㇺ §591.はい(肺);肺臓(4)肺臓 sampe-yukram(-i)〔sám-pe-juk-ram さンペ・ユㇰラㇺ〕[sampe(前えでるもの、心臓)+yukram(↑)]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sanpe-mawmawke
サンペマウマウケ 【自動】[sanpe-mawmaw-ke 気分・(擬態の語根の重複)・(自動詞形成)]気分が悪くなる。 aː, ku=sinki humi! tanto anakne ku=sanpe-mawmawke kane ku=sinki アー、 クシンキ フミー! タント アナㇰネ クサンペマウマウケ カネ クシンキ ああ疲れたなあ、 今日は気分が悪くなるほど疲れた。(S) (出典:田村、方言:沙流)
sanpe-situri
サンペシトゥリ 【自動】[sanpe-situri 心臓/気持ち・伸びる] 気持ちがいい、 気が晴れる。 ☆参考 esanpe-situri エサンペシトゥリ [他動]…で気持がいい/よくなる。 nucaktek ヌチャㇰテㇰ 気持ちが明るい。 気持ちよく眠っているときは sanpesituri サンペシトゥリ。 {E: to feel well; be comfortable.} (出典:田村、方言:沙流)
sanpeekoyki
サンペエコイキ 【自動】[sanpe-e-koyki 胸・で・いじめる] 胸やけする(胸が苦しくなり苦い水がのどの方に出て来る)。 {E: to have heartburn.} (出典:田村、方言:沙流)
sanpehe
サンペヘ 【名】[所](概は sanpe サンペ)…の心臓、 彼/彼女の心臓。 {E: the heart of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sanpepok
サンペポㇰ 【名】[概](所は sanpepoki サンペポキ)[sanpe-pok 心臓・の下] みぞおち(「みずおとし」)。(S) {E: the pit of the stomach.} (出典:田村、方言:沙流)
sanpepoki
サンペポキ 【名】[所](概は sanpepok サンペポㇰ) …のみぞおち。 {E: the pit of the stomach of…} (出典:田村、方言:沙流)
sanpeunuwen
サンペウヌウェン 【自動】[sanpe-un-wen 胸/気持ち・の方へ(?)・悪い] 気持ちが悪い、 胸が悪い(食当たり等で)。 {E: to feel unwell; be uncomfortable.} (出典:田村、方言:沙流)
sanpewen
サンペウェン 【自動】[sanpe-wen 気分・悪い] 気分が悪い(脳貧血のように)。 {E: to feel unwell; be in a bad mood.} (出典:田村、方言:沙流)
sesekkosampetoranne
セセッコサンペトランネ §413.しょきあたり(暑気あたり)(7)熱射病 sesek-ko-sampetoranne〔sé-sek-ko-sàm-pe-to-ran-ne せセㇰコサンペトランネ〕[sesek(暑気)+ko(のために)+sampetoranne(気が遠くなる)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sinepesanpe
シネペサンペ 【名】[数名][sinepesan-pe 九つの・もの] 九個(九個のもの)。 {E: nine things.} (出典:田村、方言:沙流)
sinepesanpe
シネペサンペ 【sinepesan-pe】 九つ,9. (出典:萱野、方言:沙流)
tehsampe
テㇸサンペ §133.腕の脈どころ(橈骨動脈搏)teh-sampe〔téh-sam-pe てㇸサンペ〕[「手の・脈」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tehsampe
テㇸサンペ §531.手首の脈;橈骨動脈搏(3)teh-sampe〔téh-sam-pe てㇸサンペ〕[手の・脈搏]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
teksampe
テㇰサンペ 【tek-sampe】 手の脈.手首の脈. ヨㇺクㇽ・アン ヒ タ テㇰサンペ ヘネ ケマサンペ ヘネ ア・ピㇱキ コㇿ ヨㇺクㇽアナ(ヨㇺクㇽ・アン ア) ヒ ア・オイラ ㇷ゚ ネ ワ=しゃっくりをした時に手首の脈か足首の脈を数えるとしゃっくりをしていたのを忘れるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
teksampe
テㇰサンペ §531.手首の脈;橈骨動脈搏(1)tek-sampe〔ték-sam-pe てㇰサンペ〕[手の・脈搏]⦅ホロべツ、サル、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
teksanpe
テㇰサンペ 【名】[tek-sanpe 手・心臓] 手の脈。 {E: the pulse at the wrist.} (出典:田村、方言:沙流)
tessampe
テッサンペ §531.手首の脈;橈骨動脈搏(2)tes-sampe〔tés-sam-pe てッサンペ〕[手の・脈搏]。⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tomisanpeci
トミサンペチ 【tomisanpeci】 ポンヤウンペというユカㇻの主役が住んでいる所の目の前を流れている川の名. トミサンペチ シヌタㇷ゚カタ アコㇿサポ イレスヒネ=トミサンペチは大平原上に私の姉や私を育てた[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
torasampe
トラサンペ 【to-raw-sampe】 マリモ.▷ト=沼 ラウ=底 サンペ=心臓 *湖の底にいる化け物と言ってアイヌは大切にはしなかった.食べられない物はアイヌの側からそれほど大切にしないし,重要だとは思わなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
tupesanpe
トゥペサンペ 【名】[tupesan-pe 八つの・もの] 八つ(八個/八匹/八羽…)、 八個のもの。 {E: eight things, items etc.} (出典:田村、方言:沙流)
tupesanpe
トゥペサンペ 【tupesan-pe】 8,八つ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukowensampekor
ウコウェンサンペコㇿ 【u-ko-wen-sampe-kor】 仲が悪い.▷ウ=互い コ=〜に対して ウェン=悪い サンペ=心臓,心,精神 コㇿ=持つ ソンーノ ウウタリネ ペ オラーノ ウコウェンサンペコㇿ パ アヌン アナㇰネ トモオイタㇰ カ エアイカㇷ゚=本当に親戚なのに仲が悪いものだ,他人には仲直りさせることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoweysanpekor
ウコウェイサンペコㇿ 【自動】[u-ko-wen-sanpe-kor 互い・に対して・悪い・心・を持つ]互いに悪心をいだく、 (家族や仲間の間で)一方が他方に対して悪心をいだく、 いがみ合う。 sine hon or wa hetukpa utar iteki ukoweysanpekor no シネ ホン オㇿ ワ ヘトゥㇰパ ウタㇻ イテキ ウコウェイサンペコン ノ 一つのおなかから生まれた人々(兄弟/同胞)は互いに悪い心を持たないで…。(S民話) {E: to have bad intentions about each other; quarrel.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukoyaysampepokas
ウコヤイサンペポカㇱ 【u-ko-yay-sampe-pokas】 あーあいやになっちゃった.▷ウ=互い コ=それに ヤイ=自身の サンペ=心臓 ポカㇱ=醜い (出典:萱野、方言:沙流)
ununukesampe
ウヌヌケサンペ 【ununuke-sampe】 孝養心. (出典:萱野、方言:沙流)
uresampe
ウレサンペ §511.つちふまず(土踏まず)(4)ure-sampe〔u-ré-sam-pe ウれサンペ〕[ure(足)+sampe(急所)]⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
uresanpe
ウレサンペ 【名】[概/所][ure-sanpe 足・心臓] 土ふまず。 {E: the arch of the foot.} (出典:田村、方言:沙流)
uresanpehe
ウレサンペヘ 【名】[所](概は uresanpe ウレサンペ) …の土ふまず。 {E: the arch of the foot of…} (出典:田村、方言:沙流)
wensampekor
ウェンサンペコㇿ 【wen-sampe-kor】 けちんぼうだ,根性悪. ホッノ イヨーハイ オスラ パㇰノ コㇿ ワ アン ヤッカ シネ カㇺトゥ カ ソモ イ・エレ ウェンサンペコㇿ=まあまああきれた,捨てるほど持っていても一切れの肉端も私に食べさせない,けちんぼうだ(根性が悪い).イミナコタマタマ コㇿ パノレ ㇷ゚ ポーヘネ ウェンサンペコㇿ ペ オカ ㇷ゚ ネ ナ シコㇿ オンネ ウタㇻ ハウェオカ ㇷ゚ ネ=ふたつの笑い三つの笑みを私に振り向けながら口の上手な者ほど底意地が悪い者がいるものだと老人たちは言うものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
weysampekor
ウェイサンペコㇿ 【wen-sampe-kor】 ずるい(根性が悪い). (出典:萱野、方言:沙流)
weysanpekor
ウェイサンペコㇿ 【自動】[wen-sanpe-kor 悪い・心・を持つ] 悪い心を持つ、 心が悪い、 根性が悪い。 ☆参考 wenkewtumkor ウェンケウトゥㇺコㇿ《気性が悪い》とも言う。 wenpurikor ウェンプリコㇿ は《行い/素行が悪い、 悪い事をする》。 {E: to be bad natured.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
weysanpekore
ウェイサンペコレ 【他動】[自動使役] [wen-sanpe-kor-e 悪い・心・を持つ・させる] または [wen-sanpe-kore 悪い・心・を与える] …に悪い心を持たせる、 …の心を悪くさせる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yawresampe
ヤウレサンペ §338 アオバズク (5) yawresampe (yáw-re-sam-pe)「やウレサンペ」 ⦅新問、多蘭泊⦆コミミズク (出典:知里動物編、方言:)
yaysampepokas
ヤイサンペポカㇱ 【yay-sampe-pokas】 腹が立つ,気が滅入る,しゃくにさわる(しかし人には言えない). (出典:萱野、方言:沙流)
『阿寒国立公園トアイヌノ伝説』 §470 マリモ 毬藻 (2) 山本多助『阿寒国立公園とアイヌの伝説』(p.15)には『トウラサンペ』とある。たぶん「と・ラサンペ」tó-rasampeと書くべきものであろう。toは沼だが、rasampeは未詳。 (出典:知里植物編、方言:)
anun
アヌン 【anun】 他人.よそ者,客. アヌン コㇿ ペ=他人の持ち物.アヌン ウタㇻ=他の地方の仲間,他の地方の同じ民族.ポンノ ホㇱキ ヤン.アヌン アン ワ ア・エヤイシトマ ナ イテキ ウパウレ ヤン=少し待ちなさい.他人がいて恥ずかしいから,言い争いはやめなさい.アヌン アニ(アンヒ) タ アナㇰネ ウウェタㇱタサ・アン コㇿ ア・エヤイシトマㇷ゚ ネ.アヌン イサㇺ ヒ タ アナㇰ ネㇷ゚ ネ ヤッカ イェ ヤン アニー=他人がいる時は意見が違うと恥ずかしいものだ.他人がいない時はなんでも言いなさいね.ソンーノ ウウタリネ ペ オラーノ ウコウェンサンペコㇿパ.アヌン アナㇰネ トモオイタㇰ カ エアイカㇷ゚=本当に親戚なのに仲が悪いものだ.他人には仲直りさせることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
arokamkinno
アロカㇺキンノ 【ar-okamkir-no】 わざと. ウェン サンペ コㇿ ペ アナㇰネ ニㇱパ オッタ(オㇿ タ) イク オカ アン コㇿ アロカㇺキンノ ウコイキ ペコㇿ イキ パ ワ トゥキ ネ ヤ オッチケ ネ ヤ ウカエコネレ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=精神の悪い者は物持ちの家で酒を飲み終わった後で,わざとけんかの真似をして杯とかお膳を壊すものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
cisekorkamuy
チセコㇿカムイ 【名】[cise-kor-kamuy 家・を持つ・神] ①家の守り神(木幣の形につくり、 中央部に心臓(sanpehe サンペヘ)として、 木を燃やして消した消し炭の一かけを削り花にくるんだものをつけてある。 家の上座の壁際の北側寄りの所に置いてある)。 ②(=cisekor kamuy チセコロ カムイ) ☞cisekor チセコㇿ {E: ①protective god of the house. ②…} (出典:田村、方言:沙流)
ekote 1
エコテ 【他動】(慣用句の後半部) ☞oturaysanpe ekote オトゥライサンペ エコテ (出典:田村、方言:沙流)
epeka(no)
エペカ(ノ) 【後副】[e-peka-no …をめがける・(副詞形成)]…をめがけて、 …の正面に、 …にちょうど当たるように。 pukuru paro epeka(no) omare プクル パロ エペカ(ノ) オマレ 袋の口に入るように入れなさい。 uresanpe epeka(no) nitotke ウレサンペ エペカ(ノ) ニトッケ ちょうど土ふまずのところにとげがささった。 i=epekano/pet tuyka ta/makan katkor pe/as híne イエペカノ/ペッ トゥイカ タ/マカン カッコㇿ ペ/アㇱ ヒネ [雅]私のまん前に、 川の岸辺にどんなものだかが立って。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ermukoykip
エㇾムコイキㇷ゚ 【名】[ermu-koyki-p ネズミ・を襲う・もの][動物](=ahunrasanpe アフンラサンペ)(「ヨタカ」)コノハズクの類(?)。〔知分類 p.198 eremkoyki コミミヅク((シズナイ))〕 {E: a scops owl.} (出典:田村、方言:沙流)
esatcampene
エサッチャンペネ 【e-sat-sampe-ne】 気をもむ,気にくわない,気が滅入る.▷エ=それで サッ=乾く サンペ=心臓 ネ=なる →心臓が乾いたような気持ちになるほど気にしている ウネノ オカ ペコㇿ ネ ヒクス ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ピㇼカノ ク・ヌカㇻ アクス ウウェシンナイノ オカ ケサッチャンペネ(ク・エサッチャンペネ)=同じようなので持って来てよく見たら形が違うので私はちょっと気にくわないのだ.オンネ オルン エウンポーヘネ ウェン ケサッチャンペネ(ク・エサッチャンペネ)=年をとるほうヘかえって悪くなって気をもんでいる.クルッペ エトㇰタ ク・イチャ オケレ クナㇰ ク・ラム アㇷ゚ ウクラン ワノ アㇷ゚ト ルイケサッチャンペネ(ク・エサッチャンペネ) アㇷ゚ アㇷ゚ト トゥイ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) コㇿ ク・ヤイェトコイキ=霜が来る前に穂ちぎりを終わらせようと思っていたのに昨夜から雨降りになって気が滅入っていたのだが,雨が晴れて私は喜んで畑へ行くしたくをした. (出典:萱野、方言:沙流)
hawsitayki
ハウシタイキ 【haw-sitayki】 知らせが来る:凶報が来る▷ハウ=声 シタイキ=叩く,殴る ハイ ク・サンペー アッケㇱ タ ウェンヤトイネ ウタㇻ ウチㇷ゚コウェンテ セコㇿ コタン クㇽカㇱ ハウシタイキ イヨーハイ=ああ心臓も止まりそうだ.厚岸へ強制徴用された人たちが難破したと村の上へ知らせが来た,どうしようか.*凶報はまるで村そのものを声で殴るような大変なことである. (出典:萱野、方言:沙流)
ikmawre
イクマウレ 【ik maw-re】 げっぶ(する),おくび. エイタサ シト ケ(ク・エ) ア ケ(ク・エ) ア ク・ラコㇿ カシウン ク・イㇰマウレ ク・サンペエコイキ カ ク・キ ノイネ=あまりにもたくさん餅を食べて食べて腹にもたれるあげく,げっぷも出て胸焼けもしそうだ.ハイー ク・イペ アイーネ ク・ライセマㇱテㇰ.ク・イㇰマウレ ア ク・イㇰマウレ ア=あーあ.私はずっと食べて食べて腹がはちきれそうだ.そしてげっぷばかり出ている. (出典:萱野、方言:沙流)
ipepise
イペピセ 【名】[概/所][ipe-pise 食べる・袋] (人間の)胃袋。 ipepise siseku ayne racitke イペピセ シセク アイネ ラチッケ 胃袋がふくれてふくれて下がる。(S) ☆参考 胃が痛いことを言うにはこの語を使わず sanpe サンペ を使う。 ku=sanpe arka クサンペ アㇻカ 私は胃が痛い。(W) {E: the (human) stomach.} (出典:田村、方言:沙流)
itomnukar(-an)
イトㇺヌカㇻ §034.結婚(する)(3)itomnukar(-an)〔i-tóm-nu-kar イとㇺヌカㇻ〕⦅チカブミ、ホロべツ⦆夫となる;妻となる。"a-kor unarpe Tomisampet e-〜"⦅ユ研Ⅱ, p.733⦆「我が叔母はトミサンペツに嫁入った」。[i-(それ〔の〕)+tom(体〔を〕)+nu(持つ〔ことを〕)+kar(する)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
kane 2
カネ 【助動/接助/副助】(意外、 予想以上、 誇張の表現に多く使われる)。 ①[助動](なんと)…している。 ponpon kane ayne tane us wa isam ポンポン カネ アイネ タネ ウㇱ ワ イサㇺ だんだん小さくなってとうとう消えてしまった。(S) íne urepet kor kane p ne noyne イネ ウレペッ コㇿ カネㇷ゚ ネ ノイネ 四本指を持っているもの(ばけもの熊)であるらしく。 ②[接助](なんと)…して、 …したままで、 …するほど。 sinu kane reye kane ahup シヌ カネ レイェ カネ アフㇷ゚ 彼らはひざをついて身をずらしはって家の中へ入った(遠慮して身を低くして入る様子)。 mérayke wa hecururu kane an メライケ ワ ヘチュルル カネ アン 寒いので首をちぢめている。(S) suwop or k=ómare kikir mak iki ayne etuk kane iki kor an スウオㇷ゚ オㇿ コマレ キキㇼ マㇰ イキ アイネ エトゥㇰ カネ イキ コラン 箱に入れておいた虫どうやって出てきたのだろう。 ku=sanpe ka wen kane a=utári k=ésikarun クサンペ カ ウェン カネ アウタリ ケシカルン 気持ちも暗くなるほどに身内の者に会いたい。(S) ③[副助](慣用表現の中で、 副詞句の後に置かれて)néno kane an ネノ カネ アン …とそっくりだ。 sísam nisu a=kutkore ruwe néno kane an シサㇺ ニス アクッコレ ルウェ ネノ カネ アン 日本の臼に帯をしめさせたのみたいだ。 (néno an ネノ アン は《…に似ている》。) sekor kane セコㇿ カネ …というふうに(言った)(sekor セコㇿ《と(言った)》だけよりもちょっとした強めのニュアンスが加わる)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kasinukar
カシヌカㇻ 【kasi-nukar】 授かる. アイヌ アナㇰネ ピㇼカ ケウトゥㇺ コㇿ コㇿ ソモ ネンカ ヤイヌ・アン ヤッカ チ・カㇱヌカㇻ ヒ カ アン ペ ネ.イテキ ウェンサンペコㇿ・アン ペ ネ ナー=人間というものはよい精神を持っていると,思いもしない所で授かり物があるものだ.だによって悪い精神を持つものではないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kasiun
カシウン 【kasi un】 その上,その挙げ句. シットゥイマ カシウン エ・シケ パセ ナ シニ ランケ アㇻパ アニー=遠いし,その上あなたの荷物が重いので,休み休み行ってね.パナウンクㇽ エウン ポオン イチェン ネ コㇿカ ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) アㇷ゚ ソモ エン・コホシピレ.カシウン イイェシシ(イ・エシシ) ㇷ゚ ネ クス ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=川下の人へ少しの銭であったが貸したものだが私に返済しない.その挙げ句私を避けるものだから私はあの人を見たこともない.エイタサ シト ケ(ク・エ) ア ケ(ク・エ) ア ク・ラコㇿ カシウン ク・イㇰマウレ ク・サンペ エコイキ カ ク・キ ノイネ=あまりにもたくさん餅を食べて食べて腹にもたれる挙げ句,げっぷも出て胸焼けもしそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kat/katu(hu)
カッ/カトゥ(フ) 【kat/katu(hu)】 姿,様子. イワラサンペ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ マカン カッコㇿ ペ ネ ヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=岩の下の心臓という悪い神はどのような姿をしているものか私はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
ke 1
ケ 【他動】(ものの表面)をか(掻)く(こすって削る)。 イナウ(木の御幣)をか(掻)く(木の表面を削って御幣をつくる)。 canan inawpo/[u]ke ruwe ne チャナン イナウポ/[ウ]ケ ルウェ ネ 「サーッとした」(=あまり立派でない)イナウ(木幣)をつくった。(W神謡K) inawke イナウケ イナウ(木幣)をつくる。 wakkakep ワッカケㇷ゚ 舟の中の水をかき出す道具(「あかとり」)。 ke ケ 2【間投】(意外なことを知って驚いた気持ちの軽い表現。)えっ、 あれっ。 ke, sanpehe sak no ek hawe ne yakun mak ne hawe? ケ、 サンペヘ サㇰ ノ エㇰ ハウェ ネ ヤクン マㇰ ネ ハウェ? (自分の心臓を木の上に干したまま忘れて来たとサルが言うのを聞いてクラゲが)えっ、 心臓を持たずに来たのではしょうがないじゃないか。(S民話) ke ke ke ke iyohay! ケ ケ ケ ケ イヨーハイ! あらあらあらあらまあ大変だ(ちらかっている所へ突然お客が来てびっくりしてあわてて)。(S) ☆参考 iyohay sitomare イヨハイ シトマレ は、 本当にあきれた/びっくりしたことの表現。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
keci
ケチ 【keci】 うめき声を出す,呻吟する,苦しむ. サンペ ケチ=心臓が苦しい. (出典:萱野、方言:沙流)
kekke
ケッケ 【kekke】 折る:例えば柴を1本折る場合.膝にあてて両手に力を入れて折るのはカイェ.膝にあてないで折れるのはケッケ. ケッケ ワ アヌ=折っておけ.ケッケ ワ ホカオ=折って火にくべろ.ホクレ コㇿコニ ハㇺ ケッケ ワ エㇰ ヤン.コㇿチセ ア・カㇻ ナ=早くフキの葉を折り取って来なさい.フキの葉の家を造るから.ア・ホニヒ アㇻカ コㇿ ソコニ ニテケヘ ア・ケッケ ワ ア・ポㇷ゚テ ペヘ ア・ク コㇿ ア・エサンペシトゥリ ㇷ゚ ネ=腹が痛い時にはニワトコの枝を折って煎じて飲むと,それによって気持ちがよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
makan
マカン 【mak-an】 どのような. イワラサンペ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ マカン カッコㇿ ペ ネ ヤ カ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=岩の下の心臓という悪い神はどのような姿をしているものか私はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
minakotamatama
ミナコタマタマ 【mina-ko-tama-tama】 お世辞笑いをする. イ・ミナコタマタマ コㇿ パノレ ㇷ゚ ポーヘネ ウェンサンペ コㇿ ペ オカ ㇷ゚ ネ ナ シコㇿ オンネ ウタㇻ ハウェオカ ㇷ゚ ネ=お世辞笑いをしながら,口の上手な者ほど底意地が悪い者がいるものだと老人たちは言うものだ.ア・ミナコタマタマ コㇿ ア・イェ アクス ク・セ ワ カㇻパ(ク・アㇻパ) チェㇷ゚ ホㇰ ワ エン・コレ ア ワー=お世辞笑いをしながら言ったら,私が背負って行った魚を買ってくれたよ. (出典:萱野、方言:沙流)
nam
ナㇺ 【自動】冷たい(「しゃっこい」)、 (熱くあるべきものが)ぬるい。 nam wa k=ésanpesituri humi! ナンマ ケサンペシトゥリ フミー! 冷たくて気持ちがいいなあ。(W) tonpuri wakka ponno nam na apeari yan トンプリ ワッカ ポンノ ナㇺ ナ アペアリ ヤン おふろのお湯が少しぬるいから火をたきなさい。(W) {E: to be cold; tepid.} (出典:田村、方言:沙流)
noka/noka(ha)
ノカ/ノカ(ハ) 【noka/noka(ha)】 形. アイヌ アナㇰネ キムンカムイ ノカ ヘネ ネㇷ゚ネㇷ゚ ノカハ ソモ カㇻ ペ ネ.ウェンサンペ コㇿ ペ カㇻ ペ アナㇰネ ネノ ウェンサンペ コㇿ ワ ア・シトマ ㇷ゚ ネ シコㇿ テエタ クㇽ ハウェ オカイ ペ ネ=アイヌは熊の形とかいろいろなものの形は作らないものであった.悪い精神の者が作った物.そのように悪い精神を持って恐ろしいものだと昔の人は言ったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nooka
ノオカ 【nooka】 それほど,さっぱり. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ クワㇱ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ノオカ チェ(チ・エ) カ エアイカㇷ゚ ペ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ トペンペ カ ネㇷ゚ パㇰノ アン=私が子供の頃は菓子というものはそれほど食べられなかったが,今は甘い物もいくらでもある.ク・パハ トゥペサンペ イカㇱマ シネホッ パㇰノ アン ヒ ワノ イヌイェ パテㇰ ネㇷ゚キ ネ ク・キ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ノオカ イヌイェ カ ソモ ク・キ=私の年が28歳の時から彫り物だけを仕事にしていたものであったが,今はそれほど彫り物も私はしていない.カムイ サシミ アナㇰネ ノオカ ポニ(ポン ヒ) ワノ ピㇼカ カ ソモ ㇷ゚ ネ チマウㇱ ネ ヤ ネユンネユン ア・エシシ ノオカイペ ネ クス ア・エヤㇺ ペ ネ=神の授かり子というものはそれほど小さい時からいい格好でもなくかさぶただらけとか人が避けるような姿をしているものなので大切にするものだ.クポニ(ク・ポン ヒ) タ ニナ クス クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ エキㇺネ・アㇱ エイタサ ク・メライケ ㇷ゚ ネ クス ク・ヌペコラパㇷ゚セ エ・ポロ ワ ネ ヤㇰネ ネンカタ エ・イキ ワ ニㇱパ エ・ネ ㇷ゚ ネ ナ シコㇿ ク・ヤイヌ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ ノオカ ク・ニㇱパ ネ カ ソモ=私の少年時代,薪を取りに母とふたりで山へ行ったが,あまりにも寒いものだから涙を流しながら大きくなったらなんとかして金持ちになりたいと考えたものであったが,さっぱり金持ちにもなれなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
nupur 1
ヌプㇽ 【自動】(お茶や汁が)濃い。 uwe nupur ウウェ ヌプㇽ 煮出した汁が/お茶の出たのが濃い。 níham úsey ka eytasa uwe nupur kor nani ku=sanpe arka na pakno ka en=kure ニハㇺ ウセイ カ エイタサ ウウェ ヌプㇽ コㇿ ナニ クサンペ アㇻカ ナ パㇰノ カ エンクレ 木の葉のお湯(=お茶)もあまり濃く出ると私はすぐ気持ちが悪くなるからもう飲ませないでください(もう結構です)。(S) {E:(for tea, soup etc)to be strong.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuye
ヌイェ 【nuye】 彫る.いれずみ. ク・パハ トゥペサンペ イカㇱマ シネホッ パㇰノ アン ヒ ワノ イヌイェ パテㇰ ネㇷ゚キ ネ ク・キ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ノオカ イヌイェ カ ソモ ク・キ=私の歳が28歳の時から彫り物だけを仕事にしていたものであったが,今はそれほど彫り物も私はしていない. (出典:萱野、方言:沙流)
okamkir
オカㇺキㇼ 【okamkir】 わざと. イッカㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌパ クニネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした.イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ポロス オンナイ メシ ア・ピラサ ワ オカㇺキㇼ スケㇷ゚ ア・カㇻ ヒネ ヘペㇾイモカ オㇿ ア・オマレ ㇷ゚ ネ=熊送りの時は,大きい鍋の内側へ飯を広げ,わざとお焦げにこしらえて,子熊が神の国へ持って行くみやげ物の荷物に入れるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
osura
オスラ 【osura】 投げる,捨てる,なくす,失う. ホッノ イヨーハイ オスラ パㇰノ コㇿ ワ アン ヤッカ シネ カㇺトゥー カ ソモ イ・エレ ウェンサンペコㇿ=まあまああきれた,捨てるほど持っていても一切れの肉端も私に食べさせない,根性が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
parkoat
パㇻコアッ 【parkoat】 罰があたる. イッカㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌ パ クニネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
purio
プリオ 【自動】[puri-o 行状・そこにある] 気性が激しい。 a=wenmatnepoho purio kaspa siri an hi an wa a=koyáysanpepokas a yakka アウェンマッネポホ プリオ カㇱパ シリ アニ アン マ アコヤイサンペポカサ ヤッカ 私のふつつかな娘はどうも気性が激しすぎたようで私は困ったことだなあと思っていたが。(W神謡語り) {E: to be bad natured.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rákese
ラケセ 【名】[所][ra-kese 蔓の出始めの葉・末端](次のような文脈で)系統。 sucihi ene weysanpekor pe ne akus wen pe rákese ray koyaykus pe ne kus, weysanpekor スチヒ エネ ウェイサンペコㇿ ペ ネ アクㇱ ウェン ペ ラケセ ライ コヤイクㇱ ペ ネ クㇱ、 ウェイサンペコㇿ 彼の祖母があんなに根性の悪い奴だったが、 悪いことの系統が絶えかねたものだから、 (彼は)根性が悪い。(S) ☆参考 子孫の系統のことは sápikir サピキㇼ と言って、 そういう意味の系統には ikir イキㇼ が使われる。 {E: geneology; geneological inheritance.} (出典:田村、方言:沙流)
rakor
ラコㇿ 【rakor】 食べすぎる,腹にもたれる. イペ ア イペ ア アイネ ラコㇿ ワ ヘ アトゥ コㇿ アン ナ ワッカ コㇿ ワ アㇻパ クレ ワ エㇰ=食べて食べてそうして食べすぎたのか,へどを吐いているから水を持って行って飲ませてこい.カㇺルㇽ ネ ヤ シト ネ ヤ ク・エ ア ク・エ ア ク・ラコㇿ ワ ク・サンペエコイキ=肉汁とか団子とか食べて食べて食べすぎて胸焼けがする.エイタサ シト ク・エ ア ク・エ ア ク・ラコㇿ カシウン ク・イㇰマウレ クサンペエコイキ カ ク・キ ノイネ=あまりにもたくさん餅を食べて食べて腹にもたれる挙げ句,げっぷも出て胸焼けもしそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ram 2
ラㇺ 【名】[概](所は ramu(hu) ラム(フ)) ①心。 ② ☞ram(u)…ラㇺ/ラム… ☆参考 sanpe サンペ 心臓、 胃のあたりの具合からくる気分、 (語構成要素として)人に対していだく心。 ossike オッシケ おなかの中、 口先やうわベや見かけに対して心の中。 kewtum ケウトゥㇺ 気性、 気立て、 気持ち。 {E: heart (in feelings or emotions one has for another).} (出典:田村、方言:沙流)
santek/santeke(he)
サンテㇰ/サンテケ(ヘ) 【san-tek/-teke(he)】 末裔.子孫,血統. イッカ ㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌ パ クニ ネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
siyeye
シイェイェ 【自動】①病気になる、 病気である。 siyeye wa an yak a=ye シイェイェ ワ アン ヤカイェ 病気だったそうだ。(S) siyeye utar oka kor motoho ye シイェイェ ウタㇻ オカ コㇿ モトホ イェ 彼は病気の人々がいるとその原因を言い当てた。(NK民話) ②(名詞として)病気。 e=sanpe a=e yak easir a=kor siyeye pirka sekor hawean híne エサンペ アエ ヤㇰ エアシㇼ アコㇿ シイェイェ ピㇼカ セコㇿ ハウェアン ヒネ あなたの心臓を食べなければ私の病気はよくなりませんと言って。(S民話) hem tasum hem siyeye a=ki wa ヘㇺ タスㇺ ヘㇺ シイェイェ アキ ワ 病気になったり病にかかったりして(身の上話型の民話の終りの方で、 もう死が近いことを言う場面によく出てくる表現)。(W民話) ☆参考 tasum タスㇺ も同義。 siyeye シイェイェ も tasum タスㇺ もほぼ同じように使われ、 これといった意味の違いがあるかどうか不明。 ただ、 ワテケさんとサダモさんの会話の中では、 tasum タスㇺ ばかりが使われている。 {E: ① to get, be sick, ill. ② a sickness; an illness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sum kina ne noykosampa
スㇺキナネ ノイコサㇺパ 【sum-kina-ne noikosampa】 しおれた草と同じように体がそのまま崩れ落ちた. サンペポセコㇿ ハウェアンコㇿ イカウン スㇺキナネ ノイコサㇺパ=恋人よーと言いながら,私の体の上へしおれた草と同じように,体のままに崩れ落ちた[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tak 1
タㇰ 【他動】…を取って/持って来る、 (人)を連れて来る/呼んで来る/呼びに行く/迎えに行く(来ることを求める)、 (人)を招待する。 e=sanpe a=uk kusu a=e=ták wa e=ek ruwe ne na エサンペ アウㇰ クス アエタㇰ ワ エエㇰ ルウェ ネ ナ あなたの心臓を取るためにあなたは呼ばれて連れられて来たのだよ。(S民話) sakekar=an nen póka ki wa a=kotánu un utar a=tak wa サケカラン ネン ポカ キ ワ アコタヌ ウン ウタㇻ アタㇰ ワ 私はなんとかして酒をつくって村の人々を招待して。(W民話) {E: to bring…; lead, take someone to, from…; go, come to call…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toktokse
トㇰトㇰセ 【自動】[tok-tok-se (擬音の語根)・(重複)・という] 動悸がする、 脈が早い。 ku=sanpe toktokse クサンペ トㇰトㇰセ 心臓がドキドキする。(S) {E: to beat; palpitate.} (出典:田村、方言:沙流)
tomooitak
トモオイタㇰ 【tomo-o-itak】 なだめる. ソンーノ ウウタリネ ペ オラーノ ウコウェンサンペコㇿ パ.アヌン アナㇰネ トモオイタㇰ カ エアイカㇷ゚=本当に親戚なのに仲が悪いものだ,他人には仲直りさせることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
tupes
トゥペㇱ 【間投】八(数えるとき)。 「八個」は tupesanpe トゥペサンペ。 {E: eight as a counter.} (出典:田村、方言:沙流)
ucipkowente
ウチㇷ゚コウェンテ 【u-cip-ko-wen-te】 難破する. ハイ ク・サンペー アッケㇱ タ ウェンヤトイネ ウタㇻ ウチㇷ゚コウェンテ セコㇿ コタン クㇽカㇱ ハウシタイキ イヨーハイ=ああ心臓も止まりそうだ,厚岸へ強制徴用された人たちが難破したと村の上へ知らせが来た,どうしようか.*平取町内中貫気別の木村コヌマタンさんが,おばあさんから聞いた話だとして厚岸のウチㇷ゚コウェンテの話を聞かせてくれ.録音してある. (出典:萱野、方言:沙流)
uk
ウㇰ 【他動】[単](複は uyna ウイナ) ①…を取る、 …を得る、 …を受け取る、 …を奪う。 noskike ta an a suwop a=uk wa ノㇱキケ タ アナ スウォㇷ゚ アウㇰ ワ まん中にあった箱を私は取って。(HK民話) haru pirkapi uk rusuy kusu ハル ピㇼカピ ウㇰ ルスイ クス よいみのり(食物の収穫)を得たいから。(S会話) ataye uk (その)料金を受け取る。 e=sanpehe a=uk kusu a=e=túra wa e=ek hi エサンペヘ アウㇰ クス アエトゥラ ワ エエキ あなたの心臓を取る(奪う)ためにあなたは連れられて来たことを。(S民話) yaku uk kamuy ヤク ウㇰ カムイ 役目を持たされている神。 ② ☞aske uk アㇱケ ウㇰ、 teke uk テケ ウㇰ ☆参考 「…を取って(人に)渡す」の意味では使われず、 「受け取る」、 「手に取る」、 「奪う」などを表す。 「そこにあるものを取って(私に渡して)下さい」と言うようなときは uk ウㇰ ではなく ekte エㇰテ《よこす》が使われる。 {E: to get, receive…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukimatekka
ウキマテッカ 【u-kimatek-ka】 皆を驚かせる.▷ウ=互い キマテㇰ=驚く,騒ぐ カ=させる ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) しものあ セコㇿ ア・イェ ウナㇻペ サンペムㇽセ ワ アチャポ ウタㇻ ウナㇻペ ウタㇻ ウキマテッカ ワ ホユッパ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=私が子供の頃シモノアというおばさんがひきつけを起こしおじさんやおばさんが驚いて走ったのを私は見た記憶がある. (出典:萱野、方言:沙流)
ukopuyuise
ウコプユイセ 【u-ko-puyuise】 込み上げる,涙が込み上げる,怒りが込み上げる. ▷ウ=互いに コ=それ プユイセ=込み上げる アサンペパケ アサンペケセ ウコプユイセ=心臓の頭から心臓のしまいまで込み上げる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
utukari
ウトゥカリ 【位名】[u-tukari 互い・の手前] utukari ta ウトゥカリ タ (直訳すると)互いの手前に=しょっちゅう、 何回も。 a=weyyupi weysanpekor kusu ene e=matnepoho utukari ta yáni rayke ranke hike ka アウェイユピ ウェイサンペコㇿ クス エネ エマッネポホ ウトゥカリ タ ヤニ ライケ ランケ ヒケ カ 私のろくでなしの兄が悪心をだいてあなたの娘さんを何回もくり返しもう少しで殺しそうになったけれども。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uutari
ウウタリ 【u-utari】 親類,仲間,同族. タㇷ゚ イキ ウタㇻ ウウタリ ネ パ ノイネ イㇼシㇰプイポ ウコアリパ=今の人たち親類らしく目つきがそっくりだった.ソンーノ ウウタリ ネ ペ オラーノ ウコウェンサンペコㇿ パ アヌン アナㇰネ トモオイタㇰ カ エアイカㇷ゚=本当に親戚なのに仲が悪いものだ,他人には仲直りさせることもできない.オロヤチキ ウウタリ ア・ネ ハウェ ネ ワー=知らなかったが,私とあなたは親戚であったのだね. (出典:萱野、方言:沙流)
uwenoyekar
ウウェノイェカㇻ 【u-e-noye-kar】 互いにそれをねじる,礼拝のこと. オトゥサンペチ オレサンペチ ウウェノイェカㇻ イコオンカミ=ふたつの指を,三つの指を相ねじりつつ,私に礼拝した.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
wenyatoyne
ウェンヤトイネ 【wen-yatoy-ne】 強制徴用される. ハイ ク・サンペー アッケㇱ タ ウェンヤトイネ ウタㇻ ウチㇷ゚コウェンテ セコㇿ コタン クㇽカㇱ ハウシタイキ イヨーハイ=ああ心臓も止まりそうだ,厚岸へ強制徴用された人たちが難破したと村の上へ知らせが来た,どうしようか. (出典:萱野、方言:沙流)