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- hemanta
- ヘマンタ 【hemanta】 何. (出典:萱野、方言:沙流)
- hemanta 1
- ヘマンタ 【名】[疑名] ①何。 hemanta an? ヘマンタ アン? 何ですか。 hemanta kusu ヘマンタ クス なぜ、 何のため(故)に。 hemanta ne (kusu) ヘマンタ ネ (クス) 何のために、 何をするために、 なぜ。 hemanta ka ヘマンタ カ (=nep ka ネㇷ゚ カ) 何も。 hemanta ka k=érampewtek ヘマンタ カ ケランペウテㇰ 何もわからない。 hemanta karpe ヘマンタ カㇻペ 何をするために、 なんのために。 ②なんとまあ。 hemanta ene kirsak siri! ヘマンタ エネ キㇼサㇰ シリ! なんとまあ弱いんだろう! hemanta ene tumasnu p ne siri an hi an! ヘマンタ エネ トゥマㇱヌㇷ゚ ネ シリ アニ アン! なんとまあ強いもんだなあ! ☆参考 日常すらすら話しているときはたいてい縮約形の hńta フンタ (W) (S)/hinta ヒンタ (KM) が使われる。 ゆっくりとていねいに言うときや「いったい全体何だ」というようなときに hemanta ヘマンタ が用いられる。 ☆参考 名前をたずねるときは使わない。 mak マㇰ/makanak マカナㇰ《どう》が使われる。 {E: ①what. ②Oh!; My Gosh!. (interj.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hemanta 2
- ヘマンタ 【名】[< hemanta 1] へんなやつ、 とんでもないやつ(へんなものや憎らしいものを呼ぶ言葉)。 poro hemanta karkarse pekor ek ポロ ヘマンタ カㇻカㇻセ ペコㇿ エㇰ 大きなへんなやつが転がるみたいにして来た(自動車のことを言っている、 冗談)。(S) hemanta kamiasi ヘマンタ カミアシ とんでもない憎らしいばけもの(悪党)。(W) ☆参考 hemanta ヘマンタ 1 と違って、 縮約形 hńta フンタ/hinta ヒンタ にならない。 {E: a weird person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hemanta eta
- ヘマンタ エター 【hemanta eta】 はあ:相手の言うことに問い返す言葉,なんでしょうか.*話がよく聞こえない時にもう1度問い返す場合にヘマンタエターと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
- hemantakusu
- ヘマンタクス 【hemanta kusu】 なぜ,どうして,なんのために. (出典:萱野、方言:沙流)
- hemantane
- ヘマンタネ 【hemanta ne】 何しに. ヘマンタネ アㇷ゚ト トゥㇺ タ エ・エㇰ シリ アーン=何しに雨の中をお前は来たの. (出典:萱野、方言:沙流)
- hemantaomotonewa
- ヘマンタオモトネワ 【hemanta omoto ne wa】 何が原因なのか. ヘマンタ オモト ネ ワ スイ ウムレㇰウコイキ イマチネㇷ゚ パタチンネ ワ エネ ア・カリー カ イサㇺ=何が原因なのか,またしても夫婦げんか,妻のほうがとりみだし手もつけられない。 (出典:萱野、方言:沙流)
- taanmosir a=eokerekor hemantaa=e
- タアンモシㇼ アエオケレコㇿ ヘマンタアエー 【taan-mosir a=e-okere-kor hemanta-a=e】 この国土を食べ終わったら何を食べたらいいだろうか. *トゥニンヤイェイソイタㇰ(ミミズの独り言)を表わし,少年時代にアイヌの笑い話として,父が聞かせてくれたもの.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- acikarata
- アチカラタ 【acikara ta】 こしゃくにも:人をあざけり笑う時の言葉.もうひとつは何かに驚いた時やびっくりした時に発する言葉.*ユカㇻには,「アチカラタ アヤカナタ」と対語で頻出. アチカラタ,エネ オカイ ペ ヘマンタ イェ クス エン・コチョラウキ ハウェ アン=からこしゃくにも,あのようなはした者が何を言うのに俺の所へ来ると言うのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- aciwruy
- アチウルイ 【自動】[aciw-ruy 槍を投げる・激しい](槍投げで)ものすごく遠くへ投げる。 hot hemanta ene aciwruy siri an hi an! ホッ ヘマンタ エネ アチウルイ シリ アニ アン! まあなんと遠くへ投げるんだろう。(S) {E: to throw a spear (a long way).} (出典:田村、方言:沙流)
- ahunporu
- アフンポル 【名】[ahun-poru 入る・洞穴] 死者の住む国の入口の洞穴。 “ahunporu sikopayar pe hemanta an?” “etupuyke”「アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン?」「エトゥプイケ」「あの世の入口の洞穴にそっくりのものはなあに?」「鼻のあな」(なぞなぞ)。(W-S会話) {E: a cave that is the entrance to the land of the dead.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- an 4
- アン 【自動】(質問表現の疑問詞/疑問詞句の後、 感嘆表現の ruwe ルウェ、 hawe ハウェ の類の形式名詞の後、 終助詞 nek ネㇰ の前等で、 ne ネ《である》に代わって用いられる。)…ですか? …だなあ! hunna an? フンナ アン? だれですか? hńna póho an? フンナ ポホ アン? だれの息子ですか。 ruwe an ルウェ アン …(した) のですか、 …のだなあ。 pirka okkaypo ne ruwe an! ピㇼカ オッカイポ ネ ルウェ アン! きれいな若者だなあ。 kú=ipe rusuy humi an! クイペ ルスイ フミ アン! 私おなかすいたなあ。 tapanpe hemanta an un? タパンペ ヘマンタ アヌン? これなんでしょうね。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ankura
- アンクラ 【ankura】 畔. ヘマンタ フナラ ㇷ゚ エネ トイ アンクラ タ ホック カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン ルウェ アン=何を探すのにあのように畑の畔で腰をかがめて歩いているものだ.ポロ トイ アンクラ タ イヨㇰペ アン ナ ホユプ ワ アㇻパ コㇿ ワ エㇰ=大きい畑の畔に鎌があるから,走って行って持って来い.エシㇼ パㇰノ トイ アンクラ オッタ(オㇿ タ) シノッ コㇿ アナㇷ゚(アン ア ㇷ゚) ヒナクン(ヒナㇰ ウン) アㇻパ ワ イサㇺ ルウェ アン=先程まで畑の畔に遊んでいたのに,どこへ行っていないのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- apkas
- アㇷ゚カㇱ 【apkas】 歩く. アㇷ゚カㇱ カトゥン=歩くふり.アㇷ゚カㇱ エシニューカ=歩き飽きる.アㇷ゚カㇱ ヌクリ=歩けない.ヘマンタ フナラ ㇷ゚ エネ トイ アンクラ タ ホック カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン ルウェ アン?=何を探すのに,あのように畑の畔で腰をかがめて歩いているものだ? (出典:萱野、方言:沙流)
- aptotumta
- アㇷ゚トトゥㇺタ 【apto tum ta】 雨の中.▷アㇷ゚ト=雨 トゥㇺ タ=中に ヘマンタネ アㇷ゚トトゥㇺタ エ・エㇰ シリ アーン?=何しに雨の中をお前は来たの? (出典:萱野、方言:沙流)
- arikiki
- アリキキ 【arikiki】 働く,努力する,よく働く,頑張る. ク・ポホ タㇷ゚ イキ メノコポ エアㇻキンネ アリキキ ㇷ゚ ネ ナ エトゥン ワ インカㇻ=息子よ,今の娘はとても働くから口をかけて(嫁に貰って)みろ.ソンノ エ・アリキキ ㇷ゚ ネ クス エネ ポロ トイ エ・キナカㇻ オケレ.エエパキタ ヘマンタ エ・カㇻ=本当にお前は働くものだからこんなに広い畑の草取りを終えた.その次に何をする.トゥナㇱ ノ コケレ(ク・オケレ) クナㇰ ク・ラム ワ カリキキ(ク・アリキキ) ア コㇿカ コシㇼコクンネ(ク・オシㇼコクンネ)=早く終わらせようと思って頑張ったけれども,暗くなってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- arkamiasi
- アㇻカミアシ 【名】[ar-kamiasi 全く・とんでもない悪いばけもの]とんでもない悪いやつ(ののしりの表現)。 hemanta kamiasi arkamiasi ku=kisma! ヘマンタ カミアシ アㇻカミアシ クキㇱマ! 悪党を、 とんでもない悪党をつかまえたぞ(どろぼうをつかまえたとき)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- as'as
- アㇱアㇱ 【as-as】 立ち止まり立ち止まり. ヘマンタ フナラ ヘコカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパ アㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥコヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして,さっぱり前へ進まないものだなあ.アフン ルスイ クㇽ ネ ノイネ チセ サㇺ タ アㇱアㇱ カネ イキ アㇷ゚ チセ アッカリ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=中へ入りたい人らしく,家の前に立ち止まり立ち止まりしていたのに,家を通り過ぎて行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- aynu-pákus
- アイヌパクㇱ 【間投】[aynu-pa-kus 人間・見つける・ために]いいねえ! aynu-pa-kus mokor wa an アイヌパークㇱ モコㇿ ワ アン いいねえ、 眠っていて。(W) hemanta okkaypo aynu-pákus póho ene pirka siri an hi an! ヘマンタ オッカイポ アイヌパークㇱ ポホ エネ ピㇼカ シリ アニ アン! なんてまあ、 あの若者、 いいねえ、 息子があんなに立派だこと! (S) ☆発音 pa パ の部分を伸ばし、 高く上げて言う。 ☆参考 感心して、 うらやましくて言う。 (出典:田村、方言:沙流)
- cikosatsatu
- チコサッサトウ 【他動】[中相][ci-ko-satsatu された・…に・ピッタリくっつける(?)]体にピッタリくっついている。 herikasi wa cikosatsatu hemanta mi kane oka ヘリカシ ワ チコサッサトゥ ヘマンタ ミ カネ オカ 今の人たちは、 上半身は体にピッタリくっついている変なものを着ている。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- cikositosito
- チコシトシト 【他動】[中相][ci-ko-sito-sito …された・…に(所有者を表す)・餅・(重複)](羊 (「めんよう」)の)毛がメチャクチャになって餅みたいになっている。 ku=konukosne humi! toy wente kor patek an numa cikositosito hemanta クコヌコㇱネ フミー! トイ ウェンテ コㇿ パテㇰ アン ヌマ チコシトシト ヘマンタ 憎らしいなあ! 畑を荒らしてばかりいる毛がメチャクチャになって餅になってるへんなやつ(羊)。(S) ☞cisitosito チシトシト、 sito シト ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- cinaynaye
- チナイナイェ 【他動】[中相][ci-nay-nay-e された・沢・(重複)・(他動詞形成)]メチャクチャである(整然とせず無秩序でクシャクシャなことを言う)。 cinaynaye hemanta, ataye ruyno eyyok kunak ye チナイナイェ ヘマンタ、 アタイェ ルイノ エイヨㇰ クナㇰ イェ こんなメチャクチャにつくってあるものを高く売ると言う。(S) {E: to be in a mess, disordered.} (出典:田村、方言:沙流)
- eepakita
- エエパキタ 【e-epaki ta】 その次に,次いで. ソンノ エ・アリキキ ㇷ゚ ネ クス エネ ポロ トイ エ・キナカㇻ オケレ エエパキタ ヘマンタ エ・カㇻ=本当にお前は働くものだから,こんなに広い畑の草取りを終えた,その次に何をするかな. (出典:萱野、方言:沙流)
- eeroskipa
- エエロㇱキパ 【複他動】[複複](単 eeas エエアㇱ、 複 eeroski エエロㇱキ は未出) …を(足)にはいている。 hemanta pukuru néno okay pe kemaha eeroskipa ヘマンタ プクル ネノ オカイ ペ ケマハ エエロㇱキパ (いまの人々は)へんな袋のようなもの(靴下)を足にはいている。(S) {E: to be wearing…on one's feet.} (出典:田村、方言:沙流)
- ehenipopo
- エヘニポポ 【他動】[e-he-nipopo …で・頭(顔)・(?)]…がすっぱくて顔をしかめる。 a=ehénipopo hemanta wakka アエヘニポポ ヘマンタ ワッカ 飲むとすっぱくて顔をしかめる変な水(酢のことを言っている)。(S) {E: to twist one's face on tasting something sour.} (出典:田村、方言:沙流)
- ehoyupu
- エホユプ 【他動】[単](複は ehoyuppa エホユッパ)[e-hoyupu …と共に・走る] …を持って走る。 hemanta i=esikari híne orowano ekimne i=ehoyupu humi as ヘマンタ イエシカリ ヒネ オロワノ エキㇺネ イエホユプ フミ アㇱ 私は何かにつかまえられてそれから山へ(走って)持って行かれる気配がしていた。(KK民話) {E: to run with…in hand.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekar
- エカㇻ 【複他動】[e-kar …で・つくる(する)] …で…をする、 (人)に…をする。 hemanta e=ekar kusu emus e=seturpeste e=seturpeste? ヘマンタ エエカㇻ クス エムㇱ エセトゥㇽペㇱテ エセトゥㇽペㇱテ? お前は(その刀で)何をするために刀を背中に入れてるんだ、 入れてるんだ。(W言い伝え) tasum kur…tektaksa póka e=ekar wa タスㇺ クㇽ …テㇰタㇰサ ポカ エエカㇻ ワ あなたは病人に(中略)手のマッサージだけでもして。(S会話) {E: to do something to someone; to do…with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekatuehanke
- エカトゥエハンケ 【e-katu-e-hanke】 死が早まる:何か変な化け物などを見たことによって死ぬ.▷エ=それで カトゥ=様子 ハンケ=近い テエータ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) アナ(アン ア) こきんウナㇻペ エネ ハワニ "ペウレアニタ(ペウレ・アン ヒ タ) ア・アキヒ トゥラノ カンカンプトゥ ウン ト オッタ(オㇿ タ) ヘマンタ キラウㇱ(キラウ ウㇱ) カミヤシ ヌカㇻ ヤㇰ イェ クス エカトゥイェハンケ ヒ ネ ナンコㇿ" シコㇿ エン・ヌレ=ずうっと前に下隣のこきんおばさんが「若い時に弟と一緒にカンカン沢に行き弟は沢尻の沼に何やら角のある化け物を見たという,それで死が早まったものであろう」と私に聞かせてくれた.*この話は実話で,こきんさんの弟,勘太郎さんとふたりでカンカンの沼へ行ったら勘太郎さんが何やら化け物,沼の中から子牛の頭のようなもの角のあるものが見えたというが,こきんさんの目には見えなかったと聞かせてくれたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
- ekiroroanka
- エキロロアンカ 【e-kiroroan-ka】 喜ばせる.▷エキロロアン=それを楽しいと思う カ=させる ニサッタ エㇰ ヤント ヘマンタ アニ ア・エキロロアンカ クス?=明日来る客を何で喜ばせようかなあ? (出典:萱野、方言:沙流)
- ekonukosne
- エコヌコㇱネ 【複他動】[e-ko-nukosne …について・…に・憎しみをだく](そのこと)について(人)を憎む。 hemanta i=ekonukosne he ki p ene ヘマンタ イエコヌコㇱネ ヘ キㇷ゚ エネ (彼は)何のことで私を憎んであんなふうに…。(W民話) {E: to dislike, hate someone because of something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- enepoeasir
- エネポエアシㇼ 【ene-po-easir】 あれほどまでに,これほどまでも. ヘマンタ エオラㇺペシㇱテ ㇷ゚ エネポエアシㇼ ヌイサウォッ イセポ コラチ キラ シリ アン=何に驚愕したものか,あれほどまでに山火事から逃れようとするウサギのように逃げて行くのだ.エネポエアシㇼ プサンキヤカンキ アン ペ オㇿ タ マㇰ イキ アン コㇿ アナン(アン・アン) ペ アン ホクレ ホクレ ホシッパ・アン ナ=あれほどまでに仏頂面をしている者の所で何をしていられるものか.早く早く戻るよ.エネポエアシㇼ ペッ オホ クナㇰ ソモ ク・ラム クス ク・ミピヒ チンキ カニ(ク・アニ) カネ ワ ク・ペッカス アㇷ゚ オホオイ アン ワ コリキライェ(ク・オリキライェ) カネ ペッ イクㇱ タ ク・ヤン=これほどまでも川が深いとは思わないで,私の着物の裾を持って川を渡ろうとしたのに,深い所があって着物をまくし上げて,川の向かい側へ私は上がった. (出典:萱野、方言:沙流)
- enukosne
- エヌコㇱネ 【enukosne】 しゃくにさわる. ヘマンタ エㇰ クス オトゥ イキンネ オレ イキンネ シエトコホ ソンコ クㇱテ ハウェアン ケヌコㇱネ(ク・エヌコㇱネ)=何者が来るとて2回も3回も自分が来ることの予定を伝えるのか,私はしゃくにさわる. (出典:萱野、方言:沙流)
- eokok
- エオコㇰ 【e-o-kok】 ひっかかる,つまずく. スマ ケオコㇰ(ク・エオコㇰ)=石に(私は)ひっかかった.ルンニ スマ エオコㇰ=流木が石にひっかかった.ハチㇼ アㇷ゚ エオコㇰ ワ アン=落ちたのにひっかかっている.テタ アン ヤㇰネ ヘカッタㇻ エオコㇰ ヤㇰ イヤイキㇷ゚テ ナ ソウスッ タ アヌ ワ エㇰ=ここにあると子供らがひっかかって危ないから,壁際に置いて来い.シㇼクンネ ワ カㇷ゚カㇱ(ク・アㇷ゚カㇱ) アクス ヘマンタ ケオコㇰ(ク・エオコㇰ) ワ ク・テッテㇾケ=夜になってから歩いたら何かにつまずき,私はふらふらっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
- eopanepane
- エオパネパネ 【他動】[e-o-pane-pane …で・その尻・はためく・(重複)] …を風にはためかせる、 …が風に吹かれてパッパッパッとなる。 opukurune ápekor oka hemanta eopanepane kane oka オプクルネ アペコㇿ オカ ヘマンタ エオパネパネ カネ オカ (いまの人々は)袋みたいな変なものを風にはためかせている(スカートをはいている現代風俗について話している)。(S) {E: to flutter (in the wind).} (出典:田村、方言:沙流)
- eparkoyakoya
- エパㇻコヤコヤ 【e-par-koya-koya】 まくし立てる,早口で言う:他人が聞いてもわからないことを口早に言う. イヨーハイ ヘマンタ アン ワ パロホ ウサッ オマ ペコㇿ エパㇻコヤコヤ=まーあ,あきれた.あれは何者だ.口に燠でも入ったようにまくし立てて. (出典:萱野、方言:沙流)
- epaskantara
- エパㇱカンタラ 【epaskantara】 気抜けしたようになっている,ぽわんとして立っている. エ・コㇿ フチ ソイ タ エパㇱカンタラ ワ アㇱ ワ アン ナ トゥラ ワ エㇰ ワ アペ サㇺ タ アレ=お前のおばあちゃんが外で気抜けしたように立っているから連れて来て火の側に座らせろ.キマテㇰアニタ(キマテㇰ・アン ヒ) タ アナㇰネ クニネ アン ペ アナㇰネ エパㇱカンタラ ワ アㇱトゥㇱテㇰ ワ アン ペ ネ=皆が驚いている時にその人によってはぽわーんとして金縛りにかかったように立ちすくんでいるものだ.ヘマンタ フナラ クㇱネ ヤ シットソソ コㇿ アン.アシヌマ アナㇰネ ネ ワアン ペ ア・ヌカㇻ ア・エパㇱカンタラ=何を探すためなのかあたりをかき回している.私はそれを見てぽわーんとして立っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
- epokor
- エポコㇿ 【他動】[e-pokor で・子を産む] …を産む。 ne ene a=ye hi ka a=erámpewtek no an hemanta wenkamuy sani ne noyne an pe epokor ネ エネ アイェ ヒ カ アエランペウテㇰ ノ アン ヘマンタ ウェンカムイ サニ ネ ノイネ アン ペ エポコㇿ (彼女は)いったいどう言ったらいいかもわからないような変な悪神の子みたいなものを産んだ。 ☆参考 当り前でないものを産んだというような話のときに言う。 普通に子どもを「産んだ」というときは、 kor コㇿ《持った、 産んだ》、 an アン《生まれた》と言う。(S) ☆参考 enuwap エヌワㇷ゚ …を分娩する。 yaykosanke ヤイコサンケ 出産する(雅語的、 よい言葉)。 {E: to give birth to…} (出典:田村、方言:沙流)
- erampewtek
- エランペウテㇰ 【他動】[否定動詞](肯定は eraman エラマン、 eramuan エラムアン) ①…がわからない、 …を知らない(知識がない)。 ene iki wa okay pe a=ne hi ka a=erámpewtek no エネ イキ ワ オカイ ペ アネ ヒ カ アエランペウテㇰ ノ 私たちがどうしてこのようにして暮らしているのかも(私)はわからずに。(W民話) “…hńta ne? e=eraman?” “hemanta ene katuhu an hi an? oar tap k=érampewtek” 「…フンタ ネ? エエラマン?」 「ヘマンタ エネ カトゥフ アニ アン? オアッ タㇷ゚ ケランペウテㇰ」「…は何だ? (あなた)わかる?」「何がそんなへんてこなんでしょう、 全然わからない。 」 (S-W会話) ②(動詞句の後に置かれて)…するすべがわからない(ためにできない)。 oro wa sipiraspa wa nérok aynu a=ne humi sekor yaynu ka erampewtek kor oka ruwe tasi ne nankor nek sekor… オロ ワ シピラㇱパ ワ ネロㇰ アイヌ アネ フミ セコㇿ ヤイヌ カ エランペウテㇰ コㇿ オカ ルウェ タシ ネ ナンコン ネㇰ セコㇿ… そこから広がってそのアイヌが私たちなのだと思うこともわからなく(=できなく)なってきているのだろうさ、 と… (S独話) ☆対語 肯定は eraman エラマン、 eramuan エラムアン。 ☆参考 人を知らないこと、 見覚えがないことは eramiskari エラミㇱカリ ☞eraman エラマン、 eramuan エラムアン、 eramiskari エラミㇱカリ {E: ①to not understand, know… ②don't know anything about…(so one can't do it due to that).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eramus
- エラムㇱ 【e-ram-us】 癖になる,慣れる,熟練する. ソンノ ヘー ヘマンタ エ・イッカ ハウェー.ネンカネ エラムㇱ ワ スイ ネノ イキ ヤㇰ ウェン ナ イマカケタ ソモ ネノ イキ クニネ ピㇼカノ イェ ワ ヌレ=本当かい,何を盗んだの.もしも癖になって再びそうしたらいけないので今後はそうしないようによく言って聞かせて. (出典:萱野、方言:沙流)
- ere
- エレ 【e-re】 食べさせる. ヘマンタ タネ ウシㇰタ エㇰ ルウェ アン.ピㇼカ メノコ ネ ヘㇺキ イシネレㇷ゚ ソモ ネ ヤー.サッチポロ ヘネ エレ ワ インカㇻ=何者が今頃来たもんだ,おまけに美人すぎる,化け物ではないか.干した筋子でも食べさせてみろ.ホクレ ポンペ ネㇷ゚カ エレ イペルスイ ワ ネ ノイネ イタンキ ハイタハイタ コㇿ アン ナ=早く子供に何か食べさせろ,腹が空いているらしくお椀を取ろうと何回も手を出しているから. (出典:萱野、方言:沙流)
- esikari
- エシカリ 【他動】…をつかまえる。 hemanta i=esikari híne ヘマンタ イエシカリ ヒネ 私は何かにつかまえられて。(KK民話) {E: to catch hold of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etoko yaykar
- エトコ ヤイカㇻ 【連他動】[etoko-yay-kar その先・自分を・つくる] すぐ先に起こる、 …の前兆である。 hemanta etoko yaykar kusu ene nísapno sir-toyarekurok a p ora ヘマンタ エトコ ヤイカㇻ クス エネ ニサㇷ゚ノ シットヤレクロㇰ アㇷ゚ オラ 何の前兆でこんなふうにまっ暗になって。(W会話) ☆参考 etok yaykar エトㇰ ヤイカㇻ は未出。 {E: to happen immediately before…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etokosonkokuste
- エトコソンコクㇱテ 【etoko-sonko-kuste】 予定を伝える:前もって伝言に行かせる. ヘマンタ エㇰ クス オトゥ イキンネ オレ イキンネ シエトコホ ソンコクㇱテ ハウェアン ケヌコㇱネ(ク・エヌコㇱネ)=何者が来るとて2回も3回も自分が来ることの予定を伝えるのか,私はしゃくにさわる. (出典:萱野、方言:沙流)
- etupuyke
- エトゥプイケ 【名】[所](概は etupuy エトゥプイ) …の鼻のあな。 “ahunporu sikopayar pe hemanta an?” “etupuyke”「アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン?」「エトゥプイケ」「死者の国の入口の洞穴にそっくりのものはなあに?」「鼻のあな」(なぞなぞ)。(W-S会話) {E: nostrils (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- euweramuosma
- エウウェラムオㇱマ 【e-u-e-ramu-osma】 同感する. ヘマンタ カ ウコパピロロ エイタㇰ コㇿ オカ アㇷ゚ エウウェラムオㇱマ パ ソイェンパ ワ イサㇺ=何やらひそひそ話をしていたがお互いに納得したと言わんばかりに外へ出て行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- ewkoyakamasi
- エウコヤカマシ 【他動】[e-uko-yakamasi …で・一緒に・[< 日本語]やかましい] …でさわぐ。 hemanta ewkoyakamasi kor oka hawe an? ヘマンタ エウコヤカマシ コロカ ハウェ アン? 何を言ってさわいでいるのか。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- hacire
- ハチレ 【hacire】 こぼす,落とす,倒す. アマㇺヌㇺ イテキ ハチレ ノ イペ アニー=飯粒をこぼさないように食べなさいよ.ヘマンタ フナラ クス ホック カネ ワ トヨㇿペカ(トイ オㇿ ペカ) エネ イキ シリ アン.ピパ ヘネ ハチレ ヒ ソモ ネ ヤ=何を探して腰を屈めて畑の中をあのようにするのだ,穂ちぎり用の貝などを落としたのではないだろうか.ホワーア マㇰ ク・イキ ヤㇰ ピㇼカ オカー ピㇼカ トゥキヌㇺ ク・ハチレ ワ ク・ペㇾパ.マㇰ ア・イェ ハウェ.ウンコトゥㇰ アニ ウコトゥッカ ワ インカㇻ=あーあ困った,どうしたらいいだろう,よい杯の上の粒を私は落として割ってしまった.どうにも言いようもない(しかたがない).松やにでくっつけてみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
- he
- ヘ 【he】 〜か,〜かい,〜なのか. ネㇷ゚カ ア・エラナㇰペ アン ワ ヘ アッチェウンウタㇻ インネ トパハ サㇷ゚ パ ルウェ アン=何か心配事でもあったのか,よその人たちが大勢下がって行ったよ.タ ㇷ゚ ヘ?=今かい?エシㇼ ヘ?=先程かい?ヘマンタ フナラ ヘ コカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパ アㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥコヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして,さっぱり前へ進まないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- hehewpa
- ヘヘウパ 【hehewpa】 覗く,覗き見(する). トト インカㇻ ヘマンタ カㇻ ペ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ コタン オペㇱ オㇱ アㇻパ ワ インカㇻ=あれあれ何をする者.家ごとに覗き見しながら村を通って行く,後へ行ってみろ.ク・サポ ポンノ ホㇱキ タㇷ゚ アㇻパ アイヌ エアㇻキンネ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ アㇻパ.シノ ク・イヨヤモㇰテ オカピクイラ・アン ワ インカㇻ・アン ロー=おねえさんちょっと待って,今行った人が家々ごとに覗きながら行った.本当に疑わしい,後をつけて行ってみよう. (出典:萱野、方言:沙流)
- hńta 1
- フンタ 【疑名】[hemanta ヘマンタ 1 の縮約形] ①(質問)何。 hńta an? フンタ アン? なんだい/なんですか? (hńta ne? フンタ ネ? 《何だ?》とも言う)。 hńta ekuskonna poro haw e=sanke wa k=éramutuy a na フンタ エクㇱコンナ ポロ ハウ エサンケ ワ ケラムトゥイ ア ナ なんだそれ突然大きな声を出してびっくりしたよ。(S) ②何か(できごとだけわかっていてその主または対象が何だかわからないときに使う)。 to, to, hńta moymoyke kor an ト、 ト、 フンタ モイモイケ コラン ほらあそこ、 あそこに何か動いている。(S) a, hńta kor wa ek kor an na ア、 フンタ コㇿ ワ エㇰ コラン ナ あ、 何か持って来ているよ。(S) (注 「何か食べたい」のようなときの「何でもいいから何か」は nep ka ネㇷ゚ カ。) ③hńta kusu フンタ クス [何・のため/故に] なぜ。 hńta kusu ene e=okasura hi an? フンタ クス エネ エオカスラ ヒ アン? なぜこんなときに行かせるの。(S) hńta ne フンタ ネ 何のために(「なにしに」)。 hńta un, kamuy ye a wa フンタ ウン、 カムイ イェ ア ワ なあに(ほかでもない)、 神が言ったのだわ(だから、 そのとおりになるんだ)。 ☆参考 日常の早い会話では hemanta ヘマンタ よりもこのほうが普通に使われる。 沙流川の下流でも中流でも言うがペナコリの川上まつ子さんは hinta ヒンタ と言う。 {E: ①what. ②something. ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hosurasura
- ホスラスラ 【ho-sura-sura】 陰部をちらちら見せる. クンネアシナナクス(クンネアシン・アン アクス) ヘマンタ オコッコ ネノ アン ペ ア・ヌカㇻ ヒクス ア・オリキライェ ヒネ ア・コホスラスラ アクス クリパンテㇰ ワ イサㇺ=夜,外へ出ると,何やら化け物らしい物,私は見たので,着物の前をさっとたくしあげて陰部をちらちら見せると,影がぱっと消えてしまった.*女性が山で熊に出会ったら,前をはだけて黒い部分を見せる.そして「パㇱクㇽ パㇰペ ヌカㇻヌカㇻ(烏ほどの物を見ろ見ろ)」と言うと熊は恥ずかしそうに目をそらして行ってしまうという. (出典:萱野、方言:沙流)
- hotasnu
- ホタㇱヌ 【自動】(…のことは)不安である、 非常な危険を感じる。 nociw tup uhewe uhewe pekor, a=nukár siri anakne, hotasnu=an hi kusu ノチウ トゥㇷ゚ ウヘウェ ウヘウェ ペコㇿ、 アヌカㇻ シリ アナㇰネ、 ホタㇱヌアニ クス 星が二つ交互に上がったり下がったりしているように見えるのは、 覚悟を決めなければならないほど危険なことなので(語り手訳)。(HC民話) hemanta etoko yaykar kusu ene nísapno síttoyárekurok a p ora ene kunne nociw ka a=nukár ruwe anakne, hotasnu kewtum koohana ne yakka ku=yaykorpare ヘマンタ エトコ ヤイカㇻ クス エネ ニサㇷ゚ノ シットヤレクロㇰ アㇷ゚ オラ エネ クンネ ノチウ カ アヌカン ルウェ アナㇰネ、 ホタㇱヌ ケウトゥㇺ コオハナ ネ ヤッカ クヤイコㇿパレ 何の前兆なのか、 急にまっ暗になり夜の星まで見えるのは、 心配で気がかりな気持ちを、 私のようなものでも抱(いだ)いた。(W会話) {E: to be uneasy; have something on one's mind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hotku
- ホック 【hotku】 かがむ. ヘマンタ フナラ ㇷ゚ エネ トイ アンクラ タ ホック カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン ルウェ アン=何を探すのにあのように畑の畔で腰をかがめて歩いているものだ.フㇱコ トゥシㇼ トゥㇺ ア・クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤ ア・エテテ ワ ホック カネ アナン(アン・アン) ワ ア・クㇱ ペ ネ.ウェンカムイ カ オンネㇷ゚ ネ クナㇰ ラム パ ワ エチャッケ ソモ ソイェネ ㇷ゚ ネ シコㇿ=古い墓地の中を通る場合はヨモギを杖にして腰を曲げて通るものだ.悪い化け物も年寄りだと思って汚ながって出て来ないものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- hunara
- フナラ 【hunara】 捜す. パㇻカ タ アネスウォㇷ゚ シネㇷ゚ アニクス(アン ヒクス) パテㇰ ア・セ ヒネ コタン フナラ クス ペッペㇱ・アン=梁の上に上等の宝をしまう箱があったので,私はそれだけを背負って村を探しに川を下った[ウ].ヘマンタ フナラ ㇷ゚ エネ トイ アンクラ タ ホック カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン ルウェ アン=何を探すのにあのように畑の畔で腰をかがめて歩いているものだ.ク・コㇿ タシロ フナㇰ タ エ・ハチレ ヘ エ・オイラ ヘ.ホクレ アㇻパ ワ フナラ ワ エㇰ=私の山刀をどこでお前は落としたのか,忘れたのか.早く行って捜して来い. (出典:萱野、方言:沙流)
- iki
- イキ 【iki】 する,行動する,働く. ヘマンタ フナラ クス ホック カネ ワ トヨㇿペカ(トイ オㇿ ペカ) エネ イキ シリ アン? ピパ ヘネ ハチレ ヒ ソモ ネ ヤ?=何を探して腰をかがめて畑の中をあのようにするのだ? 穂ちぎり用の貝などを落としたのではないだろうか? (出典:萱野、方言:沙流)
- imakaketa
- イマカケタ 【imakake ta】 あとで,今後は,次に. イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) メノコ オッカヨ ウコトゥㇱエタイェ メノコ ア・マケタロ コㇿ イマカケタ オッカヨ カムイ ア・ウㇰ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊送りの時に男と女が綱引きをして女が負けると,次に牡熊が獲れるそうだよ.タㇷ゚ アイヌ アン ナ イマカケタ エㇰ アニ=今人がいるので,のちほど来てね.ソンノ ヘー ヘマンタ エ・イッカ ハウェー? ネンカネ エラムㇱ ワ スイ ネノ イキ ヤㇰ ウェン ナ イマカケタ ソモ ネノ イキ クニネ ピㇼカ ノ イェ ワ ヌレ=本当かい.何を盗んだの? もしも癖になって再びそうしたらいけないので,今後はそうしないようによく言って聞かせて.タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ルイノ ルイノ ア・ヨㇺネレ ソモ ヤㇰネ イマカケタ スイ ウェンプリコㇿ ナ=今の場合は,強く強く懲らしめないと,次に再び悪いことをするであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
- inkanno
- インカンノ 【inkar no】 遠目が利く. ク・ユポ エ・インカンノ ナ ナイ イクㇱ タ ヘマンタ モイモイケ シリ イキ ナ ピㇼカノ ヌカㇻ ワ エン・コレ=兄よ,あなたは遠目が利くから,沢の向かい側に何やら動いている様子だから,よく見てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
- isinerep
- イシネレㇷ゚ 【i-si-ne-re-p】 化け物,幽霊. ヘマンタ タネ ウシㇰタ エㇰ ルウェ アン? ピㇼカ メノコ ネ ヘㇺ キ イシネレㇷ゚ ソモ ネ ヤー? サッチポㇿ ヘネ エレ ワ インカㇻ=何者が今頃来たもんだ?おまけに美人すぎる.化け物ではないか? 干した筋子でも食べさせてみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
- itasasa
- イタササ 【自動】①痛い、 響くからいやだ。 hemanta hawkor hawe itasasa an! ヘマンタ ハウコㇿ ハウェ イタササ アン! 何が大声出して、 いやだなあ(響くからいやだ)。(W) ②(間投詞的に使って)痛いなあ、 痛いねえ、 痛かったろうねえ。 ☆参考 痛いときや苦しいときに出る間投詞は hay! ハイー。 {E: to cry out in pain.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kama
- カマ 【kama】 またぐ,越える. イワン コタン カマ レキヒ スイェ ㇷ゚ ヘマンタ アン?=六つの村を越えてひげをなびかせるもの,なあに? *アイヌのなぞなぞ.答えはキケパㇻセイナウ(御幣の一種). (出典:萱野、方言:沙流)
- kankami
- カンカミ 【名】[< 日本語] 鏡。 Kiyo un kankami hemanta ne p an? キヨ ウン カンカミ ヘマンタ ネㇷ゚ アン? 京都の鏡はどうするの(京都の鏡とすずりをみやげに持って帰ると約束して出た父親がもどらないので幼い姉弟がさがしに出かけて歌う)。(W民話) ☆参考 昔、 yaykunnukarkane ヤイクンヌカㇻカネ《自分の姿を見る金物》と言った。(W) {E: a mirror.} (出典:田村、方言:沙流)
- kaspa 2
- カㇱパ 【助動】①あまり…をする、 …しすぎる。 poro kaspa ポロ カㇱパ 大きすぎる。 iruska kaspa イルㇱカ カㇱパ (彼は)あまりにも腹を立てた。 kú=ipe kaspa クイペ カㇱパ あまり食べた(=食べすぎた)。(W) ②(否定で)あまり…しない。 na sittumu peker kaspa ka somo ki ナ シットゥム ペケㇾ カㇱパ カ ソモ キ まだあまり明るくなっていない。 eytasa keweri kaspa ka somo ki, eytasa keweram ka somo ki エイタサ ケウェリ カㇱパ カ ソモ キ、 エイタサ ケウェラㇺ カ ソモ キ あまり背が高すぎもしない、 あまり背が低くもない。(S) k=e rusuy kaspa ka somo ki hemanta en=ere en=ere kus ye ケ ルスイ カㇱパ カ ソモ キ ヘマンタ エネレ エネレ クㇱ イェ (私が) あまり食べたくもない変なものを(彼は私に)食べなさい食べなさいと言う。(S) ☆参考 形の上で単数形に相当する kasu カス は、 特殊な場合にのみ使われる。 {E: ①too; too much; excessively. ②not very; not much.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kawekawe
- カウェカウェ 【他動】[kawe-kawe (擬音)・(重複)] バリバリ音をたてて噛む。 “hemanta e=kawekawe humi an?” “sumrak mame” 「ヘマンタ エカウェカウェ フミ アン?」「スㇺラㇰ マメ」 「何をあなたボリボリ噛んでいるの?」「あぶらっこい豆(この場合ピーナッツ)。」 (S) {E: to chew with a crunching sound} (出典:田村、方言:沙流)
- kikir
- キキㇼ 【名】[動物]虫、 虫けら。 kunne payoka kikir クンネ パヨカ キキㇼ 夜出歩く虫(ガ(蛾)のことを言っている)。(W) uwekari uwekari am us hemanta kikir ウウェカリ ウウェカリ アムㇱ ヘマンタ キキㇼ 左右両側から爪がたくさんついているヘンな虫(ムカデのことを言っている)。(W) aynu ka isam nep ka isam no, kikir ne rokpekor, usa kameasi ne rokpekor, patek a=kar wa a=i=kóhoppa ayke kusu アイヌ カ イサㇺ ネㇷ゚ カ イサㇺ ノ、 キキㇼ ネ ロㇰペコㇿ、 ウサ カメアシ ネ ロㇰペコㇿ、 パテㇰ アカㇻ ワ アイコホッパ アイケ クス 人間がいなくて、 虫けらみたいなものやばけものみたいなものばかりつくって私たちに置いて行ってくれても。(S言い伝え) ☆参考 チョウ、 コオロギ、 ブヨなど、 主に昆虫のような虫を言う、 イモ虫や毛虫の類は íkonpap イコンパㇷ゚ と言う。〔知分類 p.90 カ〕 {E: an insect.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kinno
- キンノ 【自動】[< kir-nu 脂肪・を持つ](?)[動物] (動物が)まるまる太っている。 paykar sey kuytop sinukare wa kinno パイカㇻ セイ クイトㇷ゚ シヌカレ ワ キンノ 三月のホッキは雁に見てもらいたくてまるまる太っている。(S) hot, hemanta puta kinno ruwe an! ホッ、 ヘマンタ プタ キンノ ルウェ アン! まあなんてこのブタ太っていること! ☆参考 mímus ミムㇱ (人が)太っている、 肉づきがいい。 ruwe ルウェ 太い(足が「太い」などにはこれを使う)。(S) {E: to be fat } (出典:田村、方言:沙流)
- kirsak
- キㇼサㇰ 【自動】[kir-sak 骨髄・を持たない] 弱い。 hemanta ene kirsak siri! ヘマンタ エネ キㇼサㇰ シリ! なんて弱いんだろう。 {E: to be weak} (出典:田村、方言:沙流)
- kokanu
- コカヌ 【kokanu】 (〜に)耳を傾ける,聞く. ヘマンタ フナラ ヘ コカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパ アㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥコヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして,さっぱり前へ進まないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- koohana
- コオハナ 【名】あんなやつ、 こんな者(さげすみや謙遜の表現)。 wenkur utar koohana hemanta kor wa i=aske uk kor oka hawe oka? ウェンクㇽ ウタㇻ コオハナ ヘマンタ コㇿ ワ イアㇱケ ウㇰ コロカ ハウェ オカ? 貧乏人ども、 あんなやつらが何を持っておれたちを招待すると言うのだろう。(W民話) hotasnu kewtum, koohana ne yakka ku=yaykorpare ホタㇱヌ ケウトゥム、 コオハナ ネ ヤッカ クヤイコㇿパレ [雅]気がかりな気持ちにこんな私のような者でもなりました。(W会話) {E: That rascal, fellow!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kopuntek
- コプンテㇰ 【ko-puntek】 (〜を)ほめる. ペウレクㇽ ネ コㇿカ エアㇻキンネ ピカンピカン ワ ネㇷ゚ カㇻ ヤッカ エアㇱカイ ワ ア・コプンテㇰ ルウェ ウン=若い者だがとっても身軽に動き何をやっても上手で,人にほめられるのだよ.ア・ミッポホ ミナ カネ アン ワ アフン ヒネ ヘマンタ イ・コタララ ア・ヌカㇻ アクス ア・スパ ヤㇺ ネ アアン.ア・ミッポホ ア・コプンテㇰ コㇿ ア・エ ルウェ ネ=私の孫がにこにこして入って来て,何やら私に伸ばすので,見るとそれはゆでたクリであった.孫をほめながら私は食べた.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) イセポカ カヌ(ク・アヌ) シネ イセポ クㇰ(ク・ウㇰ) ヒネ ク・イワㇰ アクス フチ エネ ハワニ ケライネクス イソンクㇽ サニ シコㇿ エン・イェ エン・コプンテㇰ ア エン・コプンテㇰ ア=私が小さい時.ウサギの罠をしかけ1匹のウサギを獲って帰って来ると祖母は,さすがに狩の名人の血統だ,と私をほめてくれたほめてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
- koraci
- コラチ 【koraci】 (〜の)ように,(〜の)如く,(〜と)同じ,そっくりで,それらしく. ウネノ コラチ=同じように.ヘマンタ エオラㇺペシㇱテ ㇷ゚ エネポ エアシㇼ ヌイ サウォッ イセポ コラチ キラ シリ アン=何に驚愕したものか,あれほどまでに山火事から逃れようとするウサギのように逃げて行くのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kotarara
- コタララ 【ko-tarara】 伸ばす,(〜へ)手に持って伸ばす,差し出す. ウェンタラㇷ゚ オッタ(オㇿ タ) ネㇷ゚ カ ア・イ・コタララ ワ ア・ウㇰ ヤㇰ ア・タカㇻ ネ ウェンタラㇷ゚ アナㇰネ パヨカカムイ パヨカ ヒ ネ クス ヤイカキㇰ・アン ペ ネ ナー=夢の中で何か伸ばされて受け取った夢を見ると,その夢は流行病の神が歩いているのだから自分自身で体をはらい清めるものだよ.ア・ミッポホ ミナ カネ アン ワ アフン ヒネ ヘマンタ イ・コタララ ア・ヌカㇻ アクス ア・スパ ヤㇺ ネ アアン.ア・ミッポホ ア・コプンテㇰ コㇿ ア・エ ルウェ ネ=私の孫がにこにこして入って来て,何やら私に伸ばすので,見るとそれはゆでたクリであった,孫をほめながら私は食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
- kus(u)
- クス/クㇱ 【接続/後副】①(動詞句の後で) …するために、 …したから。 mosma kur kor kusu é=iki hi ka somo ne モシマ クㇽ コㇿ クス エイキ ヒ カ ソモ ネ ほかの人が持つためにあなたはするのではない。 kemaha nam kusu suy soyne rusuy ケマハ ナㇺ クス スイ ソイネ ルスイ 足が冷たくなるのにまた外へ出たがる。 ②(名詞句の後で) …のために、 …のゆえに、 そのために。 mosma kur kusu ne kunak ku=ramu モㇱマ クㇽ クス ネ クナㇰ クラム ほかの人のためだと私は思った。 ekouwepekennu kus ek エコウウェペケンヌ クㇱ エㇰ 彼はあなたの話を聞きに来た。(S) ③(kus クㇱ にならず、 常に kusu クス の形で)(関係詞的用法)そのために…する/したところの…(…する/した目的)。 kusu e=arpa p epitta e=eraman ka somo ki no hńta kusu túnas e=hosipi hawe an? クス エアㇻパㇷ゚ エピッタ エエラマン カ ソモ キ ノ フンタ クス トゥナㇱ エホシピ ハウェ アン? そのためにおまえが行った事を(行った目的である勉強を)すっかりおぼえないで、 なぜ早く帰って来たのか。 ④熟語 hi kusu ヒ クス (だ)から、 そのために。 c=e ka etoranne hi kusu arorkisne kanpi níkor cómare hine… チェ カ エトランネ ヒ クス アロㇿキㇱネ カンピ ニコㇿ チョマレ ヒネ…. 食べたくなかったからそっと紙にくるんで…。(S) hemanta kus(u)/hńta kus(u) ヘマンタ/フンタ クス/クㇱ なぜ。 mak an kus(u) マカン クス/クㇱ どういうわけで。 mak an pe kus(u) マカン ペ クス/クㇱ どういうわけで。 makanak ne kus(u) マカナㇰ ネ クス/クㇱ どういうわけで。 wa kus(u) ワ クス/クㇱ …したから、 だからこそ。 pe ne kus(u) ペ ネ クス/クㇱ/p ne kus(u) プ ネ クス/クㇱ …する/したものだから、 …する/したので。 k=eywankep ka isam, a=konere p ne kusu ケイワンケㇷ゚ カ イサㇺ、 アコネレㇷ゚ ネ クス 私が使うのがない、 粉々にされたものだから。(S) hike kusu/ayke kusu ヒケ クス/アイケ クス …する/したからといって、 …したとしても。 keray(po) kus(u) ケライ(ポ) クス/クㇱ …したおかげで。 kus(u) keray(po) …クス/クㇱ ケライ(ポ) (動詞の後に置かれて)…したおかげで。 e=an kus(u) keray(po) エアン クス/クㇱ ケライ(ポ) あなたのおかげで。 ne kus(u) koraci ネ クス/クㇱ コラチ まるで…そっくりに。 kamuy ne kus koraci an onne kur カムイ ネ クㇱ コラチ アン オンネ クㇽ まるで神のような老人。(KC民話) 使役 + kusu ye クス イェ …するように言う(間接命令)。 i=ahupte kus(u) ye イアフㇷ゚テ クス/クㇱ イェ (引用文で)彼は私たちに入りなさいと言う。(NK民話) en=ere en=ere kus ye エネレ エネレ クㇱ イェ 私に食べなさい食べなさいと言う。(S) hunakke kusu フナッケ クス ☞hunakkekusu フナッケクス。 hinakke kusu ヒナッケ クス ☞hinakkekusu ヒナッケクス。 kusu an クス アン[単]/kusu oka クス オカ[複] とても…。 sattek kusu oka サッテㇰ クス オカ (二つ以上が)とてもやせこけている。(S会話) kus(u) ne クス/クㇱ ネ (未来の表現) …する(ことになっている)、 …しようとしている、 …します。 ☞kusu ne クス ネ ☆発音 早く話すとき強調しないときはしばしば語末の母音 u が落ちて kus クㇱ と発音される。 {E: ①in order to…; because one did… ②for…; because… ③that's why for that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kuykuy
- クイクイ 【kuy-kuy】 噛む,かじる,噛み砕く. トオーㇷ゚ キㇺ タ シノ ナㇺ ワッカ ア・ク ヒ タ アナㇰネ ア・クイクイ ペコㇿ イキ・アン ペ ネ.ソモ ア・クイクイ コㇿ ア・ホニヒ アㇻカ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン=ずうっと山奥で本当に冷たい水を飲む時は,噛み砕くようにするものだ.噛み砕かないと腹病みをするものなので聞いておきなさい(冷水を温めることを教える)."ヘマンタ エ・クイクイ コㇿ エ・アン シリ アン" "ア・セイレカ キミ ヌㇺ ク・クイクイ コㇿ カン(ク・アン) ルウェ ネ ワー"=「何をかじっているのですか?」「いりトウモロコシの粒をかじっているのだよ」タアン ポンペ ウヌフ イワㇰ モイレ ㇷ゚ ネ クス チㇱ ワ ク・ヤイコウェンヌカㇻ アマㇺ ア・クイクイ パㇻ アニ ア・ヌンヌンカ=この子の母が帰りが遅くて泣いて困ったので,ご飯を口に噛んで口移しで吸わせた. (出典:萱野、方言:沙流)
- mak 2
- マㇰ 【疑副】どう。 mak hawean マㇰ ハウェアン どう言う、 何と言う。 híne mak hawean? ヒネ マㇰ ハウェアン? そしたら(彼は)なんて言ったの? (S) (注 「何と言う」は hńta/hemanta フンタ/ヘマンタ《何》を使わず、 mak マㇰ を使って言う。) mak iki マㇰ イキ どうする、 何をする、 どのように過ごす。 a=irwaki mak iki kor an? アイㇼワキ マㇰ イキ コㇿ アン? 私たちの兄弟(兄または弟)はどうしている(達者か)? (兄弟姉妹の間の会話) (S) (注 「何をする」も mak マㇰ を使って mak iki マㇰ イキ と言う。 これは、 何をするか/しているか全然わからない場合に、 どのように時を過ごしているかを問う言い方である。 hńta/hemanta フンタ/ヘマンタ《何》を使って hńta kar フンタ カㇻ というのは、 何かをつくる/つくっているとか、 何かをする/しているとかがわかっていて、 具体的に何をするか/しているかを問う言い方である。) mak ye マㇰ イェ (それを)どう言う。 (次の慣用表現で)mak a=ye hawe? マカイェ ハウェ? (直訳すると)私たちは/一般に人は(それを)どう言うの=どう言いようもない、 しかたがない。 mak ku=ye hawe? マㇰ クイェ ハウェ? (直訳すると)私は(それを)どう言うの=どう言いようもない、 しかたがない。 ene kú=irara wa kú=iki p ne kus a=en=koyki ayke kusu mak ku=ye hawe? エネ クイララ ワ クイキㇷ゚ ネ クㇱ アエンコイキ アイケ クス マㇰ クイェ ハウェ 私はあんなに言うことをきかなかったんだから叱られてもしかたがない。 mak un a=ye hawe? マㇰ ウン アイェ ハウェ? いつまで言っていてもしょうがない、 それ以上言うことができないからこのままにしておこう。 mak un a=ye ya マㇰ ウン アイェ ヤ/マクン アイェ ヤ 何と言っても。 mak an マㇰ アン/マカン どのようである、 どんな。 mak an yakka pirka wa マㇰ アン ヤッカ ピㇼカ ワ どうでもいい。(S) mak an uske ta a=eywanke kor pirka p an? マㇰ アン ウㇱケ タ アエイワンケ コㇿ ピㇼカㇷ゚ アン? どんなときに使えばいいの? (S) mak e=réhe an? マㇰ エレヘ アン?/e=rehe mak an? エレヘ マㇰ アン? あなたの名前はなんというのですか。 mak ataye an? マㇰ アタイェ アン? 値段はいくらですか。 mak ani マカニ どうして、 どのようにして。 eci=ránmokka hawe ne p mak ani e=ruska p he an? エチランモッカ ハウェ ネㇷ゚ マカニ エルㇱカㇷ゚ ヘ アン? (私はあなたを)からかっただけなのに(あなたは)どうして怒るの? … hike mak? ヒケ マㇰ? …してはどうですか(提案) (S) ☆参考 mak マㇰ は makanak マカナㇰ と同義だが、 より簡単に(軽く)言う言い方。 沙流川筋では下流でも中流でも使うが、 千歳の白沢ナベさんによれば千歳では使わず、 軽く言うときでも makanak マカナㇰ を使う。 ☞makanak マカナㇰ {E: how; how…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- moymoyke
- モイモイケ 【moy-moy-ke】 動く. チュワン オカケ タ トイ アンクラ タ ポンノ モコㇿアナクス(モコㇿ・アン アクス) イ・カ トイクㇱ ペコㇿ ネ ヒネ モイモイケ・アン カ ア・エアイカㇷ゚.エウン アイヌ ハウ アㇱ クスケライ モㇱ・アン ネㇷ゚カ ウェンカムイ イイェヌチシㇱケ(イ・エヌチシㇱケ) ワ ネ ア ナンコㇿ=お昼ご飯の後,畑の峰半で少し眠ると,体の上を土でおおわれたようなかったるい気持になり動くこともできない.そこへ人声がしたお陰で目が覚めた.何か化け物が私をにらみつけていたのであろう.ナイ イクㇱ タ ヘマンタ モイモイケ シリ イキ ナ ピㇼカ ノ ヌカㇻ ワ エン・コレ=沢の向かい側に何やら動いている様子だからよく見てくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ne 4
- ネ 【格助】…に(なる、 する。)、 …として。 unu ne kor ruwe un ウヌ ネ コン ルウェ ウン (その子を)母親代わりになってひきとったのだよ。(W) porono ku=cire akus poonpepo ne nin ポロノ クチレ アクㇱ ポオンペポ ネ ニン たくさんゆでたらちょびっとにへった。 tup ne usaraye wa usa korpare トゥㇷ゚ ネ ウサライェ ワ ウサ コㇿパレ (それを)二つに分けて(二人の人に)それぞれ与えなさい。(S) …ne an ネ アン …になる。 íkonpap siseypere wa kinapoheporap ne an kor an イコンパㇷ゚ シセイペレ ワ キナポヘポラㇷ゚ ネ アン コラン 毛虫が生まれ変わってアゲハチョウになっているところだ。 tanto anak rataskep tókap-ipe ne an タント アナㇰ ラタㇱケㇷ゚ トカㇷ゚イペ ネ アン 今日はまぜごはんが昼食になる。(S) …ne kar …ネ カㇻ …を…にする。 néa poro a=yupí utarkorkur ne a=kar wa ネア ポロ アユピ ウタㇻコㇿクㇽ ネ アカㇻ ワ その大きい兄を村おさにして。(NK民話) pirka hi ne ピㇼカ ヒ ネ …よいことに…、 よくぞ…した、 …してよかった。(NK民話) hemanta ne ヘマンタ ネ/hńta ne フンタ ネ 何しに、 何のために。 na siw noyne an pe hemanta ne e=kar? ナ シウ ノイネ アン ペ ヘマンタ ネ エカㇻ? まだ苦いようなもの何しにとってきたの。(S) {E: to become; do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nep 1
- ネㇷ゚ 【疑名】(=hemanta ヘマンタ)何。 ☆参考 「何?」を沙流方言の日常語では通常 hemanta ヘマンタ または hńta フンタ というが、 時としてこの形も使われる。 歌や韻文では hemanta ヘマンタ ではなくこれが使われる。 {E: what.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- niwen
- ニウェン 【自動】きつい、 猛々しい、 (犬が)すぐ人にかみついてかかる(「いがむ」)、 (人の)厳しい、 「豪けつ」である(すごい)。 weyyuk koraci niwen ウェイユㇰ コラチ ニウェン 彼は悪い熊のように乱暴だ(酒を飲んで暴れ回る)。(S) iyapo anak niwen pe ne kusu hekattar anakne ehosi iki ka eaykap イヤポ アナㇰ ニウェン ペ ネ クス ヘカッタㇻ アナㇰネ エホシ イキ カ エアイカㇷ゚ 父は厳しいものだから子どもたちはまちがったことをすることができない。(S) hemanta húci niwen hawe an! omkekar yakka nepki rusuy ヘマンタ フチ ニウェン ハウェ アン! オㇺケカㇻ ヤッカ ネㇷ゚キ ルスイ まあなんとおばあちゃん「豪けつ」ねえ(=すごいねえ)、 かぜをひいているのに仕事をしたいんですって。(W) m {E: to be severe; harsh.} (出典:田村、方言:沙流)
- numa
- ヌマ 【名】[概/所] 毛(毛一般)。 numa us ヌマ ウシ 毛が生える、 毛が生えている(「おいている」)、 毛深い。 tek numa テㇰ ヌマ 手の毛。(W) nan numa ナン ヌマ 顔の毛(「みそげ」)。(W) numa cikositosito ヌマ チコシトシト【自動】「めんよう(=羊)の毛がメチャクチャになって餅みたいになっている」(悪口)。 ku=konukosne humi! toy wente kor patek an numa cikositosito hemanta クコヌコㇱネ フミ! トイ ウェンテ コㇿ パテㇰ アン ヌマ チコシトシト ヘマンタ 憎らしいなあ、 畑を荒らしてばかりいる毛がメチャクチャになって餅になってるへんなやつ。(S) ☆参考 人の毛も動物や毛虫の毛も。 人の体毛のことは kenuma ケヌマ とも言う。 髪の毛は otop オトㇷ゚、 ひげは rek レㇰ、 陰毛は honuma ホヌマ。 {E: hair; fur.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- okirasnu
- オキラㇱヌ 【自動】[o-kir-asnu その尻・力・すぐれている] 力が強い。 hemanta ene okirasnu siri, nep aste siri ka isam ヘマンタ エネ オキラㇱヌ シリ、 ネㇷ゚ アㇱテ シリ カ イサㇺ なんとまあ強いことだろう、 だれも立たせない(みんな投げ飛ばす)。 {E: to be strong; powerful.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- opatapururke
- オパタプルㇽケ 【opata-pururke】 上半身を波うたせる,身体をわなわなとふるわせる,ぷんぷん怒る,ぷりぷりする,かっかと怒る. ネㇷ゚ ワ アン ペ エ・エサッチュー ワ ネ ヤ ウㇰペエシリヤカカ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ネㇷ゚ カ ソモ イェ ノ オパタプルㇽケ コㇿ チソイェカッタ ワ イサㇺ=何が気にさわったのか手に取った物を荒っぽく扱っていたのに何も言わずにかなり怒った様子をしながらさっと外へ出て行ってしまって.ヘマンタクス アㇻパ ワ オラ スイ ネㇷ゚カ ア・ヌレ ワ ネ ノイネ オパタプルㇽケ コㇿ エㇰ フ ヤヨスラ ワ アン=何をしに行って,また何か聞かされたらしくぷんぷんしながら来て,自分の身体を投げ出すようにして寝そべっている.ウナㇻペ エㇰ ヒネ ク・サハ トゥラ ルスイ ワ ネユン シレン ヤッカ アㇻパ コパン ウナㇻペ アナㇰネ オパタプルㇽケ コㇿ アㇻパ ワ イサㇺ=叔母が来て,私の姉を連れて行きたくて,どんなに誘っても行くのをいやがり,叔母はぷりぷりしながら行ってしまった.オハイケヘ ア・カㇻ ヒ ヌ ワ オパタプルㇽケ コㇿ チョラウキ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=悪口を言われたのを聞いてかっかと怒って,向かって行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- opes
- オペㇱ 【o-pes】 (〜を)通って行く. ト ト インカㇻ ヘマンタ カㇻ ペ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ コタン オペㇱ.オㇱ アㇻパ ワ インカㇻ=あれあれ何をする者,家ごとに覗き見しながら村を通って行く.後へ行ってみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
- opicire
- オピチレ 【opici-re】 放つ,放してやる,放させてやる,放すように言う. セタオピチレ=犬を放つ.ヘマンタ ネ チカッポ エ・キㇱマ ワ エ・エㇰ.ホクレ オピチレ イヌヌカㇱケ=なんのために小鳥をつかまえてきたの.早く放せ,かわいそうだから. (出典:萱野、方言:沙流)
- opukurune
- オプクルネ 【自動】[o-pukuru=ne その尻が・袋・である]袋みたいである。 opukurune ápekor oka hemanta eopanepane kane oka オプクルネ アペコㇿ オカ ヘマンタ エオパネパネ カネ オカ 袋みたいなへんなものをパッパッと風にはためかせている(スカートをはいている現代の風俗を言っている)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- orampesiste
- オランペシㇱテ 【o-ram-pesis-te】 驚愕する,驚く. ヘマンタ エオラㇺペシㇱテ ㇷ゚ エネポエアシㇼ ヌイ サウォッ イセポ コラチ キラ シリ アン=何に驚愕したものか,あれほどまでに山火事から逃れようとするウサギのように逃げて行くのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- oro ci=kus isam kane
- オロ チクㇱ イサㇺ カネ 【oro ci=kus isam kane】 運が悪い,どこまでも不運である.▷オロ=そこ チ=私たち クㇱ=通る イサㇺ=ない →通る所もない イヨーハイ オウェヌシ ㇷ゚ アナㇰネ アㇻパ ヒ エピッタ オロチクㇱ イサㇺ カネ ウェン クㇽ ネ=まあ本当かい,運の悪い者は徹頭徹尾少しの道も開けずに悪くなるものだ.ソンノ イヌヌカㇱキ.タㇷ゚イキクㇽ アナㇰネ オロチクシ イサㇺ カネ アㇻパ ヒ エピッタ エカㇱカムイサㇰ=本当にかわいそうだ,今の人は通る所もないほどに行く先々全部運が悪い.ソンノ タパン ハワㇱ ク・ヌ ヒ オラーノ ポーヘネ イヨーハイ シトマレ.ヘマンタ イノンチㇼペ アン ワ ネスン オロチクㇱイサㇺカネ=本当にこの度の話を私が聞いて,なおさらなんとまあ恐ろしいことか.何か人を呪う者たちがいてなのであろうが,そこを通る所もないほどに運が悪い.*日本語であれば「運が悪けりゃ屁までも臭い」に似たような言葉である. (出典:萱野、方言:沙流)
- os arpa
- オㇱ アㇻパ 【os arpa】 ついて行く:後からついて行く. トト インカㇻ ヘマンタ カㇻ ペ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ コタン オペㇱ.オㇱアㇻパ ワ インカㇻ=あれあれ,何をする者,家ごとに覗き見しながら村を通って行く.後をついて行ってみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
- osoro(ho)
- オソロホ 【名】[所](概は osor オソㇿ)…の尻、 彼の尻。 hemanta ene osoroho poro ruwe an hi an! ヘマンタ エネ オソロホ ポロ ルウェ アニ アン! なんとまあずいぶんお尻が大きいもんだなあ。(S) {E: the buttocks, hips of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- otu ikinne ore ikinne
- オトゥ イキンネ オレ イキンネ 【o-tu ikir-ne o-re ikir-ne】 2回も3回も. ヘマンタ エㇰ クス オトゥイキンネ オレイキンネ シエトコホ ソンコクㇱテ ハウェアン ケヌコㇱネ(ク・エヌコㇱネ)=何者が来るとて2回も3回も自分が来ることの予定を伝えるのか,私はしゃくにさわる. (出典:萱野、方言:沙流)
- oyamokte
- オヤモㇰテ 【oyamokte】 不審に思う,不思議に思う,いぶかる. クンネ ソイ タ ソイネアナクス(ソイネ・アン アクス) リ コㇺニタイ ラマラマ(ラㇺ ア ラㇺ ア) ペコㇿ ラㇺ コㇺニタイ リ アリ ア ペコㇿ ア・ヌカㇻ.シノ ア・オヤモㇰテ クス ア・サハ エウン ア・イェ アクス オヤチキ トパットゥミ ネ アアン=夜,外へ出てみると高い灌木が低く低く見え,低い灌木が高く高く見えた.本当に不審に思ったので姉に言うと,知らなかったがそれは夜盗の群れであったのだ.*高い灌木が低く低く見え,低い灌木が高く高く見えたというのは,夜盗の群れが村の近くまで来て様子を見るために背伸びをしたり体を屈めたりしていることを表わす.クンネ シネンネ カㇷ゚カㇱ(ク・アㇷ゚カㇱ) アクス ニセㇺピㇼ タ ヘマンタ アン ワ コヤモㇰテ(ク・オヤモㇰテ) ルウェ ウン=夜ひとりで歩くと木の陰に何やらいて,私は不思議に思った. (出典:萱野、方言:沙流)
- oyra
- オイラ 【他動】…を忘れる、 (事柄)を忘れる、 (もの)を置き忘れる。 hemanta ku=ye kus ne a ka k=oyra ヘマンタ クイェ クㇱ ネ ア カ コイラ 私は何を言おうとしていたのか忘れた。(W) icen k=oyra イチェン コイラ 私はお金を忘れた。 ranma e=oyra hawe? ランマ エオイラ ハウェ? あなたはいつも忘れるの? (W) {E: to forget…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- paroaskay
- パロアㇱカイ 【自動】[paro-askay 口[所]・上手だ] 歌がうまい。 hemanta paroaskay hawe ene an hi an! ヘマンタ パロアㇱカイ ハウェ エネ アニ アン! 歌がうまいねえ。 {E: to sing well.} (出典:田村、方言:沙流)
- paroho usat oma pekor
- パロホ ウサッ オマ ペコㇿ 【paroho usat oma pekor】 ぺらぺら口に燠でも入ったように早口でしゃべりまくる.▷パロホ=口 ウサッ=燠 オマ=入った ペコㇿ=ように イヨーハイ ヘマンタ アン ワ パロホ ウサッ オマ ペコㇿ エパㇻコヤコヤ=まああきれた,あれは何者だ口に燠でも入ったようにまくしたてて. (出典:萱野、方言:沙流)
- patacinne
- パタチンネ 【patacin-ne】 とりみだす,半狂乱. ヘマンタ オモト ネ ワ スイ ウムレㇰウコイキ イマチネㇷ゚ パタチンネ ワ エネ ア・カリー(ア・カㇻ ヒ) カ イサㇺ=何が原因なのかまたしても夫婦げんか,妻のほうがとりみだし手もつけられない. (出典:萱野、方言:沙流)
- pocipoci
- ポチポチ 【他動】[poci-poci …をつつきくずす・(重複)] ①(泥)をつつきくずす、 (どろんこ)で遊ぶ。 yaci pocipoci ヤチ ポチポチ どろんこの中に入ってビチャビチャになって遊ぶ。 a=pocípoci toytoy アポチポチ トイトイ (人が歩いたために)ドブドブになった土。 ②[隠](比喩)(酔っている人)にあいづちを打つ。 hemanta ne pocipoci kor an pe an? ヘマンタ ネ ポチポチ コラン ペ アン? なにしに「ちょうして」(相手になって)いるの? =「やばちく」(きたなく)なるから(=まずいことになるから)あいづちを打つな(酒でも飲んでくどいている人に対して相づちを打っている人に言う)。(S) {E: ①to make ground muddy; to play with mud. ②to give agreeable answers to (someone who is drunk).} (出典:田村、方言:沙流)
- pus 1
- プㇱ 【自動】はじける、 破裂する、 爆発する、 (火が)とぶ。 ape pus humi as アペ プㇱ フミ アㇱ 火がはねた音がした。(W) hemanta tuwapneko pus humi an? ヘマンタ トゥワㇷ゚ネコ プㇱ フミ アン? 何がものすごい音を立てて爆発したんだろう。(S) pus anki yak anki an プㇱ アンキ ヤㇰ アンキ アン いまにも破裂しそうにつぶれそうにひどいふくれつらをしている。(W民話) {E: to burst.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rawnetokpa
- ラウネトㇰパ 【rawne-tokpa】 深くつつく,深くつつかれる. ヘマンタ オコッコチカㇷ゚ イラウネトㇰパ イカシレトㇰパ=何やら怪鳥が私を深くつつき浅くつつき. *ポンヤウンペが怪鳥につつかれている[ユ].(補遺編) ヘマンタ オコッコチカㇷ゚ イ・ラウネトㇰパ イ・カㇱレトㇰパ=何やら怪鳥が私を深くつつき浅くつつき.*ポンヤウンペが怪鳥につつかれている〔ユ〕. (出典:萱野、方言:沙流)
- rawraw
- ラウラウ 【rawraw】 コウライテンナンショウ〔植〕. マキㇷ゚ ヌマン ワノ ク・コッカサパ キロウㇱケ アㇻカ ワ ク・モコㇿ カ エアイカㇷ゚ ラウラウ ヘネ アン ヤㇰ ク・シㇼシル ワ ク・コトゥッカ ルスイ=どうしたのか昨日から私の膝の関節が痛くて眠ることもできない,テンナンショウでもあれば擦り下ろして貼りたいものだ(熱を下げる薬になる).*ケナㇱ カ タ フレ コンチ コㇿ ペ ヘマンタ アーン?(原っぱで赤い帽子をかぶっているものはなあに?)というなぞなぞがある.答えはラウラウ.秋になると頭の方が赤くなる.別名へびのたいまつ.球根は大きい玉葱くらいで焼いて食べられるが湿地に生えているものは毒がある.焼いた時に毛根の所の黄色い部分は捨てなければならない.その部分を食べると中毒する. (出典:萱野、方言:沙流)
- sawot
- サウォッ 【sawot】 (〜から)逃げる. ヘマンタ エオラㇺペシㇱテ ㇷ゚ エネポエアシㇼ ヌイ サウオッ イセポ コラチ キラ シリ アン=何に驚愕したものか.あれほどまでに,山火事から逃れようとするウサギのように逃げて行くのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- seturpeste
- セトゥㇽペㇱテ 【他動】[setur-pes-te 背中・に沿って上から下へ行く・させる] …を背中に沿って縦につけて持っている(用例では、 刀を着物の中に入れて背負っている)。 hemanta e=ekar kusu emus e=seturpeste e=seturpeste?! ヘマンタ エエカㇻ クス エムㇱ エセトゥㇽペㇱテ エセトゥㇽペㇱテ?! お前は何をするために刀を背中に入れているのだ。(W言い伝え) {E: to carry…upright on one's back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- seyreka
- セイレカ 【seyre-ka】 煎る. マメ セイレカ=豆を煎る.ヘマンタ エ・クイクイ コㇿ エ・アン シリ アン ア・セイレカ キミ ヌㇺ ク・クイクイ コㇿ カン(ク・アン) ルウェ ネ ワー=何をかじっているのですか? 煎りトウモロコシの粒をかじっているのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikkewe(he)
- シッケウェ(ヘ) 【名】[所](概は sikkew シッケウ) …の角(かど)、 …の隅。 kasi un e=kanpinuye hemanta sikkewe カシ ウン エカンピヌイェ ヘマンタ シッケウェ その上であなたが字を書くやつ(=机)の角(かど)。 {E: a, the corner of….} (出典:田村、方言:沙流)
- sikopayar
- シコパヤㇻ 【他動】[si-kopa-yar 自分・…を…とまちがえる・人にさせる] …によく似ている、 まるで…のようだ、 …のふりをする。 cituye mosir sikopayar poro rokuntew チトゥイェ モシㇼ シコパヤㇻ ポロ ロクンテウ まるで離れ島のような大きな客船。(S) husko an pe sikopayar フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ [慣用句]その間に何もしなかったようなふりをしてそ知らぬ顔をしている。(W民話) ahunporu sikopayar pe hemanta an? アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン? あの世の入口の洞穴にそっくりのものはなあに(なぞなぞで、 答えは etupuyke エトゥプイケ 鼻のあな)。(W会話) {E: to resemble…; pretend to be…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- simoye
- シモイェ 【自動】[si-moye 自分・を動かす] 働く。 hemanta ene simoye siri an! ヘマンタ エネ シモイェ シリ アン!なんとまあよく働くもんだねえ。 (S) ☆参考 働くことを表すいろいろな語については ☞nepke ネㇷ゚キ {E: to work.} (出典:田村、方言:沙流)
- sinciri
- シンチリ 【名】[< 日本語 すずり] すずり(硯)。 Kiyo un sinciri hemanta ne p an? キヨ ウン シンチリ ヘマンタ ネパン? 京都のすずりはどうするの(京都の鏡とすずりをみやげに持って帰ると約束した父親がもどらないので、 さがしに出かけた幼い姉弟の歌)。(W民話) {E: an inkstone. } (出典:田村、方言:沙流)
- sine
- シネ 【連体】一つ(一個/一本/一枚/一頭/一匹)の、 一人の。 sine sike シネ シケ 一個の荷物。 sine poyson シネ ポイソン 一人の子ども。 sine cup シネ チュㇷ゚ 一カ月。 sine to シネ ト 一日。 sine pa シネ パ 一年。 sine matnepoho シネ マッネポホ …の一人娘。 sine-an-pa-ta シネアンパタ ある年。 sine-an-pe-ta シネアンペタ あるとき。 sine-an-to-ta シネアントタ ある日。 sine an ta シネ アン タ あるとき。 sine to ne シネ ト ネ 一日で。 sine to ne a=e wa isam ruwe? シネ ト ネ アエ ワ イサㇺ ルウェ? (私たち、 あれを)一日で食べてしまったの? (S) “sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an?” “a=sikíhi un” 「シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン?」「アシキヒ ウン」 「一つの尾根を両方から一緒に持っていて互いに会ったことのないものはなあに?」「(私たちみんなの)目よ」(なぞなぞ)。 (S-W会話) {E: one as a counter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir/siri 1
- シㇼ/シリ 【sir/siri】 ①様子,あたり,天気. ヘマンタ ネ アㇷ゚ト トゥㇺ タ エ・エㇰ シリ アーン=何しに雨の中をお前は来たの. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirsum
- シㇼスㇺ 【sir-sum】 かんばつ(である),日照り(になる),不作(である),冷害. タンパ アナㇰネ チュㇰ アン ワ アㇷ゚ト アㇱ カ ソモ ワ シペ カ ソモ エㇰ カシケウン シㇼスㇺ ペ ネ クス アエㇷ゚ カ イサㇺ=今年は秋になってから雨が降らなかったのでサケも遡上しない,さらに夏は日照りが続きかんばつであったので食べ物もない.タン サㇰ アナㇰネ アㇷ゚トー カ イサㇺ シㇼスㇺ コㇿ ヘマンタ ア・エ クス=今年の夏は雨も降らない.日照りになり不作だったら何を食べるんだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirunhike
- シルンヒケ 【sirun-hike】 あいつめ,きゃつめ〔罵倒語〕. ヘマンタ シルンヒケ アン ワ オラウン イヨラㇺサッカ(イ・オラㇺサッカ).ア・コパㇱロタ ワ ア・ソヨマレ=きやつめ,いやがって私を軽蔑した.叱りつけて外へ出した. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirutu
- シルトゥ 【si-rutu】 進む,動く.ずって移動する. ヘマンタ フナラ ヘ コカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパアㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥ コヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして、さっぱり前へ進まないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sítu
- シトゥ 【名】尾根(「つね、 ちね」)。 sítu mekka ta シトゥ メッカ タ 尾根の上に。(KK民話) sítu pes rán=an akusu シトゥ ペㇱ ラナン アクス (私が)尾根づたいに下って行くと。(KK民話) sítu turasi hemesu=an シトゥ トゥラシ ヘメスアン (私は)尾根づたいにのぼって行った。(KK民話) Yúpet kopakke un ratki sítu tanne sítu an wa ユペッ コパッケ ウン ラッキ シトゥ タンネ シトゥ アン ワ 勇別の方に向かって下がっている長い尾根があって。(KK民話) “sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an?” “a=sikíhi un” 「シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン?」 「アシキヒ ウン」 「一つの尾根を両方から一緒に持っていてお互いに会ったことがないものはなあに?」「(私たちみんなの)目よ。」(なぞなぞ) (W-S会話) {E: a ridge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sosuturu
- ソストゥル 【位名】[所](概は未出、 uturu ウトゥル の概は utur ウトゥㇽ)[sos-uturu (本の)紙一枚・の間]本のページの間(紙と紙の間)。 hon sosuturu wa hemanta rapapse kor oka ホン ソストゥル ワ ヘマンタ ラパㇷ゚セ コロカ 本のページの間から何かパラパラ(たくさん)落ちている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- supa
- スパ 【supa】 煮る,ゆでる. ホクレ ポロ ス アニ チェㇷ゚ スパ ワ ウナㇻペ ウタㇻ ア・タㇰ ヤㇰネ チェㇷ゚ルㇽ ア・エ ナ=早く大きい鋼でサケを煮て,おばさんたちを招待してサケ汁を食べよう.エ・スパ チェㇷ゚ルㇽ ポンノ オパンペラㇰ ナ シッポ コㇿ ワ エㇰ=お前が煮た魚汁,少し塩味が足りないから塩を持って来てくれ.カムルㇽ ク・スパ ワ アン ナ ルリヒ サㇷ゚ケ ワ ピㇼカ チキ ス ヤンケ ワ アヌ.エ・ミチヒ イワㇰ ヤㇰ ア・エ ナ=肉汁を煮てあるので汁の味見をしてよかったら鍋を上げておけ.お前の父が帰って来たら食べるから.ア・ミッポホ ミナ カネ アン ワ アフン ヒネ ヘマンタ イ・コタララ ア・ヌカㇻ アクス ア・スパ ヤㇺ ネ アアン.ア・ミッポホ ア・コプンテㇰ コㇿ ア・エ ルウェ ネ=私の孫がにこにこして入って来て,何やら私に手を伸ばすので,見るとそれはゆでたクリであった.孫をほめながら私は食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
- takup/takupi(hi)
- タクㇷ゚/タクピ(ヒ) 【takup/takupi(hi)】 こればかり,これしか,これっぽち,〜しか,〜だけ. ネン エン・イェ ヤッカ タクピ ク・コㇿ イチェン エチ・エソウㇰテ.ヘマンタ ク・コㇿ ペ アーン=なんと言われてもそればかり持っていた銭,お前に貸した.何を持っているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- taneusikta
- タネウシㇰタ 【tane usik ta】 今頃になって. ヘマンタ タネ ウシㇰ タ エㇰ ルウェ アン.ピㇼカ メノコ ネ ヘㇺキ イシネレㇷ゚ ソモ ネ ヤー.サッチポㇿ ヘネ エレ ワ インカㇻ=何者が今頃来たもんだ.おまけに美人すぎる.化け物ではないか,干した筋子でも食べさせてみろ.エカン(エㇰ・アン) ナ エカン ナ シコㇿ ハウェアナナクス(ハウェアン・アン アクス) タネ ウシㇰ タ ヒ タ アイヌ シㇰヌ ワ アン ペ ネ ヤ シコㇿ ア・ウヌフ ハウェアン=来たよ来たよと私が言うと,今頃になってどんな人間が生きているものだと私の母は言った(長く音信不通だった時など). (出典:萱野、方言:沙流)
- toto
- トト 【to to】 あれあれ. トト ヌカㇻ ウクラン ソモ モコㇿ ペ ネ クス アヘスイェ コㇿ アン=あれあれ見なさい,昨夜眠っていないものだから居眠りしている.トト インカㇻ ヘマンタ カㇻ ペ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ コタン オペㇱ.オㇱ アㇻパ ワ インカㇻ=あれあれ何をする者,家ごとに覗き見しながら村を通って行く.後へ行ってみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
- toy/toye(he)
- トイ/トイェ(ヘ) 【toy/toye(he)】 土地,畑,土.耕土. ク・トイェヘ キナウㇱ ワ アン ペ ネ クス ケㇱト ク・キナカㇻ タント コケレ(ク・オケレ) ケラムシンネ(ク・エラムシンネ)=私の畑が草ぼうぼうになっていたものだから毎日草取りをして,今日終わって安心した.ヘマンタ フナラ クス ホック カネ ワ トヨㇿペカ(トイ オㇿ ペカ) エネ イキ シリ アン.ピパ ヘネ ハチレ ヒ ソモ ネ ヤ=何を探して腰を屈めて畑の中をあのようにするのだ.穂ちぎり用の貝などを落としたのではないだろうか.アントゥキ トイ オッタ(オㇿ タ) アントゥキ ケプㇱペ ポロンノ ハチㇼ ワ アン イカラㇱ ナ ウモマレ ワ エㇰ=小豆畑に小豆のさやがたくさん落ちていてもったいないから集めて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
- toyre
- トイレ 【自動】地響きする。 humi toyre kane korka hemanta tuwapneko pus humi an? フミ トイレ カネ コㇿカ ヘマンタ トゥワㇷ゚ネコ プㇱ フミ アン? 音が地響きしているけれど何がものすごい音をたてて爆発したのだろう。(S) {E: for the earth to rumble.} (出典:田村、方言:沙流)
- tumasnu
- トゥマㇱヌ 【自動】[tum-asnu 力・が充分ある](体が)丈夫である、 健康である、 (棒のようなものが)丈夫だ(折れにくい)。 tumasnu cikuni kumaha kar トゥマㇱヌ チクニ クマハ カㇻ 丈夫な木で物干し竿をつくりなさい。(S) hemanta ene tumasnu p ne siri an hi an! ヘマンタ エネ トゥマㇱヌㇷ゚ ネ シリ アニ アン! なんとまあ強いもんだなあ(ものをたくさん背負ったりよく働き乱暴なこともする)。 tumasnu nociw トゥマㇱヌ ノチウ よく光る星。 {E: to be healthy; strong.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tumsak
- トゥㇺサㇰ 【自動】[tum-sak 力・を持たない] 力が弱い。 hemanta ene tumsak siri! ヘマンタ エネ トゥㇺサㇰ シリ! なんて弱いんだろう。(S) ☆対語 tumkor トゥㇺコㇿ {E: to be weak.} (出典:田村、方言:沙流)
- tuwapneko
- トゥワㇷ゚ネコ 【副】[tuwapne-ko (?)・(反対の意味の副詞を形成する接尾辞)]ものすごく大きな音が響いて。 humi toyre kane korka hemanta tuwapneko pus humi an? フミ トイレ カネ コㇿカ ヘマンタ トゥワㇷ゚ネコ プㇱ フミ アン? 地響きして何だろうなあ、 ものすごい音がしたのは。(S) ☆参考 tuwapne トゥワㇷ゚ネ は[tuwap-ne (?)・のようである]だろうが、 tuwap トゥワㇷ゚ は不明。 {E: a reverberating, echoing sound.} (出典:田村、方言:沙流)
- ukokor
- ウココㇿ 【他動】[uko-kor 一緒に・…を持つ] ①…を一緒に持つ、 (夫婦の間に)(子ども)がいる/できる。 tane pon hekaci ukokor wa タネ ポン ヘカチ ウココㇿ ワ いまはもう二人の間に赤ちゃんが生まれて。(W民話) sine situ ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an? シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン? 一つの尾根を両方から一緒に持って互いに会ったことがないものはなあに(なぞなぞで、 答えは sikihi シキヒ 目)。 ②[u-ko-kor 互いに・対して・持つ] 取り合う、 奪い合う。 teeta anak usa ikor usa emus usa sintoko pirka hikehe ukokor rusuy kusu テエタ アナㇰ ウサ イコㇿ ウサ エムㇱ ウサ シントコ ピㇼカ ヒケヘ ウココンルスイ クス 昔は宝物や刀やシントコ(大きい容器)のよいものを取り合いたくて。(W言い伝え) {E: ①to have a child together (between a couple); to have…together. ②to struggle for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukopapiroroeitak
- ウコパピロロエイタㇰ 【u-ko-papiroro-e-itak】 ひそひそ話をする. ヘマンタ カ ウコパピロロエイタㇰ コㇿ オカ アㇷ゚ エウウェラムオㇱマパ ソイェンパ ワ イサㇺ=何やらひそひそ話をしていたがお互いに納得したと言わんばかりに外へ出て行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- umurek ukoyki
- ウムレㇰ ウコイキ 【umurek ukoyki】 夫婦げんか(をする). ヘマンタ オモト ネ ワ スイ ウムレㇰウコイキ.イマチネㇷ゚ パタチンネ ワ エネ ア・カリー(ア・カㇻ ヒ) カ イサㇺ=何が原因なのか,またしても夫婦げんか.妻のほうがとりみだし手もつけられない. (出典:萱野、方言:沙流)
- un 2
- ウン 【格助】[< un ウン 1] ①(連体句をつくる、 つまり名詞にかかる。) …にある/いる…、 …につく/ついている…、 (そこ)の、 …出身の。 Sar un kur サルン クㇽ 沙流の人(一語のアクセントで発音される)。 atuy or un cikap アトゥヨルン チカㇷ゚ 海の鳥。 te un húci テ ウン フチ ここの(=この家の)おばあさん。(S) (注 特定のおばあさんを言うときは un ウン でなく ta タ を使って te ta X húci テ タ X フチ ここの(この家の)Xおばあさん。(S) ) ②(連用句をつくる、 つまり動詞にかかる。) …へ/に(移動の方向/目的地、 心理的に向かう方向)、 …に/から(見える方向、 音や声などが聞こえる方向、 ものを取る相手やその場所)、 …で(仕事や飲食をする入れものの中や台の上などの場所)。 Tokiyo un k=arpa kusu ne トキヨ ウン カㇻパ クス ネ 私は東京へ行きます。(S) osmake un esirkociwe no a オㇱマケ ウン エシㇼコチウェ ノ ア 後ろへ押し分けて坐りなさい。(S) atuy or un put kor to アトゥヨルン プッ コッ ト 海へ口を持った沼。 urepeci osmake un an, kesupi kotcake un an ウレペチ オㇱマケ ウン アン、 ケスピ コッチャケ ウン アン 足指が後のほうにある、 かかとが前のほうにある。 ③siyoka un inkar シヨカ ウン インカㇻ 後ろを見る。 pínay asam un sir-kunne kane síran, rawne wa ki ピナイ アサムン シㇼクンネ カネ シラン、 ラウネ ワ キ 谷底の方が暗くなっている、 深くて。 to noski un háwas ト ノㇱキ ウン ハワㇱ 沼のまん中で声がする。 kamuy hayokpe/iyoykir ka un/a=uyna katu カムイ ハヨㇰペ/イヨイキㇼ カ ウン/アウイナ カトゥ [雅]立派なよろいかぶとを宝器類の上から取って下ろしたことを。(Sユーカラ) nisu or un iyuta ニス オルン イユタ 臼でヒエつきする。(W) káneya ka un ma カネヤ カ ウン マ (魚を)かなあみの上で焼く。(S) kasi un e=kanpinuye hemanta カシ ウン エカンピヌイェ ヘマンタ その上であなたが書きものするやつ(=机)。(S) {E: ①to be; exist; be from… ②to… ③from, at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- un 3
- ウン 【終助】①(名詞・副詞の後で、 ne ネ《…だ》を言わずに文を終止する。 会話の言い方で、 肯定の返事の表現に使われる。) …だよ、 …ですよ。 sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an? a=sikíhi un シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン? アシキヒ ウン 一つの尾根を両方から一緒に持っていてお互いに会ったことがないものは何ですか? 私たちの目ですよ。 ruwe un ルウェ ウン そうですよ。 ②(動詞の後で。 これも返事の表現らしい。)poronno ku=sanke wa k=ére kus ku=ye hike ka ponno ka e ka somo ki wa kú=iruska un ポロンノ クサンケ ワ ケレ クㇱ クイェ ヒケ カ ポンノ カ エ カ ソモ キ ワ クイルㇱカ ウン 私がたくさん出して食べなさいと言ったのに彼は少しも食べないので私は腹が立ったのよ。 hetak hokure i=komuy un! ヘタㇰ ホクレ イコムイ ウン! さあ早く(私の)シラミをとっておくれよ。(W民話) ③(疑問文で)何…/どう…だろう? k=éninuype íne un? ケニヌイペ イネ ウン。 私の枕どうしたろう(見つからないとき)。(S) réhe ene a=ye p ne hi ka k=éranpewtek hemanta kameasi un? レヘ エネ アイェㇷ゚ ネ ヒ カ ケランペウテㇰ ヘマンタ カメアシ ウン? その名前はなんと言うものだかもわからない、 なんていうばけものだろ。 ④(返事をうながす)“tane emonasnu?” “na kémonasap. eani un?” 「タネ エモナㇱヌ?」「ナ ケモナサㇷ゚、 エアニ ウン?」「もう終わったかい。」「まだ終わらない。 あなたは?」 (S) ⑤ruskare un! ルㇱカレ ウン (直訳すると)彼をそのことで不機嫌にさせよ=ああよかった(反語で、 喜びの表現)。 {E: a sentence-final particle that emphasises the speaker's conviction, especially in conjunction with imperative.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- unahunke
- ウナフンケ 【他動】[un-ahunke 自分の所に(?)/そこに(?)・(家に)入れる] …を招待する。 hemanta esakekar hemanta e=i=únahunke kor oka hawe an? ヘマンタ エサケカㇻ ヘマンタ エイウナフンケ コㇿ オカ ハウェ アン? (あんな貧乏人が)何で酒をつくり何をもってわれわれを招待すると言うのだろう。(W民話) ☆参考 aske uk アㇱケ ウㇰ [手・を取る]…を招待する。 tak タㇰ …を呼びに行く、 …を招待する。 {E: to invite…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- us 1
- ウㇱ 【us】 ①ついている,生えている. エセトゥルフ ヘマンタ ウㇱ ルウェ アン=お前の背中に何がついているのだ? (出典:萱野、方言:沙流)
- usikta
- ウシㇰタ 【usik ta】 今ごろに. タネ ウシㇰタ ヘマンタ アイヌ シㇰヌ ワ アン ペ アン=今ごろになってからなにの人間が生きているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- uwekari
- ウウェカリ 【自動/副】[u-w-ekari 互い・(挿入音)・の方に向かって] ①[自動][単](複は uwekarpa ウウェカㇻパ)(他の語の構成部分として)互いの方に向かって寄って来る(独立の自動詞としての用例はない)。 ②[副]両方から。 uwekari arki ウウェカリ アㇻキ (たとえば二人の人が)両方から来る(バッタリ行き合う)。 néa pínay uwekari soske híne ネア ピナイ ウウェカリ ソㇱケ ヒネ その谷の崖が両方からくずれて。(W言い伝え) uwekari uwekari ウウェカリ ウウェカリ あっちからもこっちからも、 代わるがわる、 入れかわり立ちかわり。 uwekari uwekari am us hemanta kikiri ウウェカリ ウウェカリ アムㇱ ヘマンタ キキリ 左右両側にたくさんのつめが生えているへんな虫(「ムカデ」の訳語として出た)。 uwekari uwekari kamuy opitta i=tomoytak hi ora ウウェカリ ウウェカリ カムイ オピッタ イトモイタキ オラ 代わるがわる神々が皆私のところに来てなだめてくれてから。(W神謡語り) {E: ① ②from both.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uweramuosma
- ウウェラムオㇱマ 【u-e-ramu-osma】 互いに納得する. ヘマンタ カ ウコパピロㇿ エイタㇰ コㇿ オカ アㇷ゚ エウウェラムオㇱマ パ ソイェンパ ワ イサㇺ=何やらひそひそ話をしていたがお互いに納得したといわんばかりに外へ出て行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- wentarap
- ウェンタラㇷ゚ 【自動】[wen-tarap 悪い・夢見る](?) 夢を見る。 ukuran ku=wentarap ウクラン クウェンタラㇷ゚ ゆうべ 私は夢を見た。(S) wentarap humi wen ウェンタラㇷ゚ フミ ウェン 夢見が悪い。(W) (動名詞として)wentarap he hemanta ku=ki humi ウェンタラㇷ゚ ヘ ヘマンタ クキ フミ 私は夢だか何だか見たようだ。(S) ☆参考 wen- ウェン がついているが「悪夢」という意味ではない。 ☆参考 他動詞は takar タカㇻ …を夢みる、 …という夢を見る。 {E: to dream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayosura
- ヤヨスラ 【yay-osura】 寝ころぶ.▷ヤイ=自身 オスラ=投げる →自分を投げたようにごろんと寝る ヘマンタクス アㇻパ ワ オラ スイ ネㇷ゚カ ア・ヌレ ワ ネ ノイネ オパタプルㇽケ コㇿ エㇰ ワ ヤヨスラ ワ アン=何をしに行って,また何か聞かされたらしくぷんぷんしながら来て,自分の身体を投げ出すようにして寝そべっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- ye
- イェ 【ye】 話す,言う. ヘマンタ クス エ・エㇰ? ハポ ヘネ エ・ウテㇰ ヒー? ホクレ イェ ワ エン・ヌレ=なんの用事で来たの? 母がお前を使いによこしたの? 早く話して私に聞かせて. (出典:萱野、方言:沙流)
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萱野 茂『萱野茂のアイヌ語辞典』1996年 ©萱野れい子
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』1996年 ©田村洋一