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- 『阿寒国立公園トアイヌノ伝説』 §470 マリモ 毬藻 (2) 山本多助『阿寒国立公園とアイヌの伝説』(p.15)には『トウラサンペ』とある。たぶん「と・ラサンペ」tó-rasampeと書くべきものであろう。toは沼だが、rasampeは未詳。 (出典:知里植物編、方言:)
- Akan
- あかん 【名】[地名] 阿寒 (釧路地方西部。 阿寒湖から阿寒川が流れ出し、 釧路平野に出る)。 {E: a place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- amamtaskor
- アマㇺタㇱコㇿ 【amam-taskor】 穀物寒波:秋,10月中句過ぎに来る寒さ. タヌクラン クルッペ アン パㇰノ メアン ヒ アナㇰネ アマㇺタㇱコㇿ ネ ナンコㇿ ワ=今夜は霜が降りるかと思うほどの寒さ,これは穀物に実が入るための寒波であろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ape
- アペ 【ape】 火. ク・メライケ ナ ホクレ アペ アリ=私は寒いから早く火を燃やしてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
- apeari
- アペアリ 【ape ari】 火を焚く. ク・メライケ ナ ホクレ アペアリ=私は寒いから早く火を燃やしてくれ.イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) イリ・アン ヒ タ アナㇰネ "イリアペ" シコㇿ ア・イェ アペ ア・アリ ワ イリ・アン ペ ネ=熊送りの時に熊の皮を剥ぐ時は,「皮剥ぎの火」という火を燃やしてから皮剥ぎをするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- apekoyompitne
- アペコヨンピッネ 【ape-ko-yompitne】 寒さのために火にかじりつく.▷アペ=火 コヨンピッネ=(〜に)しがみつく マキㇷ゚? ソモ エ・オㇺケカㇻ ワ ソモ ネ ウン? エ・メライケ ワ ヘ エ・アペコヨンピッネ シリ アン=どうしたの? もしや風邪でもひいたのではないの? 寒くてか,火にかじりついているのは. (出典:萱野、方言:沙流)
- apekur
- アペクㇽ 【ape-kur】 火にあたる. タント ポーヘネ メアン.ホクレ アペサムン(アペサㇺ ウン) エㇰ ワ アペクㇽ=今日はなおさら寒い.早く火の前へ来て火にあたれ.テエータ アナㇰネ ウナㇻペ ウタㇻ アペクㇽ パ コㇿ ニサピヒ ネ ヤ アペケㇱケソ ワ アン ヒ ク・ヌカㇻ ペ ネ=ずっと昔はおばさんたちが火にあたるとすねなどに斑点がついていたのを見たものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- aynuraykeupas
- アイヌライケウパㇱ 【aynu-ray-ke-upas】 人殺し雪. ▷アイヌ=人 ライケ=殺す ウパㇱ=雪 *昭和10年前後のこと,私の祖母テカッテが,夜外へ出て寒さと雪の様子を見て,スイ ネイタカ アイヌライケウパㇱネスン=またどこかで人を殺している雪であろう,と言いながら入って来ると,次の日は必ずのようにどこそこで凍死者が出たという話が聞こえて来たものであった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- cawawke
- チャワウケ 【cawawke】 ひびがきれる,あかぎれ. タン マタ アナㇰネ エタカスレ メアン エ・テケ カ チャワウケ シリ=今年の冬は特別寒いので,お前の手もあかぎれしている. (出典:萱野、方言:沙流)
- cawawke(-an)
- チャワウケ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](5)ぞくぞくとさむけがする cawawke(-an)〔ča-wáŭ-ke チャわウケ〕[caw-aw-ke ザワ・ザワ・する;caw-aw(cawの反復形、ザワザワという音を表す擬声辞、あるいはゾクゾクという感じを表す擬容辞)+-ke(擬容辞について動詞をつくる語尾、もと動詞ki「する」から来た)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- cikanpeus
- チカンペウㇱ 【自動】[cikanpe-us 木の上の雪・…につく] 木の上から落ちてきた雪をかぶる。 ku=cikanpeus wa ku=merayke クチカンペウㇱ ワ クメライケ (私は)木の上から落ちてきた雪をかぶって寒い。(S) {E: to be covered with snow that has fallen from the tops of trees.} (出典:田村、方言:沙流)
- cinita
- チニタ 【cinita】 夢(旭川,阿寒地域),夢をみる. (出典:萱野、方言:沙流)
- cipuypuyke(-an)
- チプイプイケ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](6)ぞくぞくとさむけがする cipuypuyke(-an)〔či-púǐ-puǐ-ke チぷイプイケ〕[ci(=si 自分)+pu-puy-ke(ぞくぞくさせる)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- cipuyuyke(-an)
- チプユイケ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](7)ぞくぞくとさむけがする cipuyuyke(-an)〔či-pú-juǐ-ke チぷユイケ〕[ci(=si 自分)+puy-uy-ke(ぞく・ぞく・する)]⦅シラウラ、タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- cukicanuy
- チュキチャヌイ §068 サクラマス (6) cuk-icanuy(cu-kí-ca-nuy)「チュきチャヌイ」⦅阿寒、布伏内⦆秋、サケと一緒に川を上ってくるマス。 (出典:知里動物編、方言:)
- emetapunini
- エメタプニニ 【emetapunini】 寒そうな様子だ. エネ メアン ヒ タ ヒナㇰ ワ エ・エㇰ エメタプニニ カネ ワ.ホクレ アペクㇽ アペクㇽ=この寒さの中をどこから来たの寒そうな様子で.さあ早く火にあたれあたれ. (出典:萱野、方言:沙流)
- erokiusapappo
- エロキウㇱアパッポ §344 エゾカンゾウ (6) erokius-apappo (e-ró-ki-us-a-pap-po)「エろキウㇱ・アパッポ」 花 ⦅阿寒⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- etupecikka
- エトゥペチッカ 【etu-pe-cik-ka】 鼻汁をたらす.▷エトゥ=鼻 ペ=滴 チㇰ=落ちる カ=させる タント ポーヘネ メアン ペ ネ クス メライケ ワ エトゥペチッカ コㇿ アフン ワ エㇰ=今日はなおさら寒いものだから寒がって鼻水をたらしながら入って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
- hankeko
- ハンケコ 【hanke-ko】 近からず,遠い.▷ハンケ=近い コ=〜ない ハンケコ エ・エㇰ=遠いところを(君は)来たんだね.ハンケコ エ・アㇻパ=遠いところを(君は)行くんだね.タント アナㇰネ シノ メアン ペ イロオッコ エ・イミ ワ ハンケコ エ・アㇻパ ルスイ ヒ.タンペ ミ ワ アㇻパ=今日はとっても寒いのにそんな薄着をして遠い所へお前は行きたいの.これを着て行け. (出典:萱野、方言:沙流)
- hantakorapappo
- ハンタコラパッポ §342 クロユリ 黒百合 (3) hantakor-apappo (hán-ta-ko-ra-pap-po)「はンタコラパッポ」[apappo(花)] 花 ⦅阿寒⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- hecururu
- ヘチュルル 【自動】[he-cururu 頭・(擬態重複)] 首を引っ込める(寒くてちぢこまって)。 hecururu=an wa oka=an ヘチュルルアン マ オカアン 私たち首をすっこめている。(S) mérayke wa hecururu kane an メライケ ワ ヘチュルル カネ アン (彼は)寒いのでちぢこまっている。(S) {E: to pull in one's neck.} (出典:田村、方言:沙流)
- humi 2
- フミ 【形名】[名詞化辞](動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。 音や、 視覚以外の感覚、 感じ、 思いなどに関して用いられる。)…する/した/している音/感じ/気配/のよう。 …humi ne フミ ネ …のする音/感じ/気配/ようである。 humi an フミ アン …のようだ/…のか(なあ)。 hńta ninpa wa arpa humi an? フンタ ニンパ ワ アㇻパ フミ アン? 何を引きずって行く音だろうか。 a=ewémkoani mokko ninpa wa arpa humi un アエウェㇺコアニ モッコ ニンパ ワ アㇻパ フミ ウン たんかを引きずって行く音だよ。 ku=sikpake inteo yan humi an クシㇰパケ インテオ ヤン フミ アン 私の目頭に目やにがあがったようだ。 …humi! フミ!…なあ(感嘆)。 méan humi! メアン フミ! 寒いなあ。 tanpane anak a=tura rusuy humi! タンパネ アナㇰ アトゥラ ルスイ フミ! 今年こそは一緒に行きたいなあ。(S民話) wátaha irammakaka puspuske wa a=mi humi pirka ワタハ イランマカカ プㇱプㇱケ ワ アミ フミ ピㇼカ ふとんの綿が具合よくふくらんで掛けるのに気持ちがいい。(S) humi ka isam フミ カ イサㇺ …したような感じが全然しない、 ちっとも…しない。 sirmeman humi ka isam シㇼメマン フミ カ イサㇺ ちっとも涼しくなったようでもない。(W) k=éramasu humi ka isam ケラマス フミ カ イサㇺ 私はちっともおもしろくない。(S) tópenpe poronno a=o yakka tópen humi ka isam no runnu hi patek ne トペンペ ポロンノ アオ ヤッカ トペン フミ カ イサㇺ ノ ルンヌ ヒ パテㇰ ネ 甘いもの(砂糖)をたくさん入れても甘みが感じられないで、 しょっぱいだけだ。 ☆参考 あとに hi ヒ はつかない、 つまり humihi フミヒ とはならない。 ☆参考 humi フミ [名][所]《音、 感じ》については ☞humi(hi) フミ(ヒ) ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 ☞ruwe ルウェ {E: the sound, sense, feeling of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- humpeetor(-i)
-
フンペエトㇿ
§263 クラゲ (2) humpe-etor(-i) (húm-pe-e-tor)「ふンペエトㇿ」[
寒、様似⦆ (出典:知里動物編、方言:) - ikakustep
- イカクㇱテㇷ゚ 【i-ka-kuste-p】 上着. ク・メライケ ナ ネㇷ゚カ イカクㇱテㇷ゚ エネルサ(エン・エルサ)=私は寒いから.何か上着を貸してくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ikitara
- イキタラ §381 チシマザサ (10) ikitara (i-kí-ta-ra)「イきタラ」[iki(その節)tara(連続している)] 茎 ⦅美幌、阿寒⦆⦅C,p.337 釧路国阿寒郡、p.375 根室国野付郡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- imakucep
-
イマクチェㇷ゚
§013 フグ (6) imakucep (i-má-ku-čep)「イまクチェㇷ゚」[
寒⦆ (出典:知里動物編、方言:) - imakutcep
-
イマクッチェㇷ゚
§013 フグ (5) imakutcep (i-má-kut-čep)「イまクッチェㇷ゚」[
寒⦆ (出典:知里動物編、方言:) - imi 2
- イミ 【imi】 ②着る. イロオッコ エ・イミ=お前は薄着してるなぁ.タント アナㇰネ シノ メアン ペ イロオッコ エ・イミ ワ ハンケコ エ・アㇻパ ルスイ ヒ? タンペ ミ ワ アㇻパ=今日はとっても寒いのに,そんな薄着をして遠い所へお前は行きたいの? これを着て行け. (出典:萱野、方言:沙流)
- irektechiri
-
イレㇰテチリ
§342 シベリアハヤブサ 他(3) irekte-chiri (i-rek-te-ci-ri)「イレㇰテチリ」[
寒伝説⦆たか。[i-rekte-cir(物を・鳴らす・鳥)] (出典:知里動物編、方言:) - irookko
- イロオッコ 【irook-ko】 薄着(をする). イロオッコ エ・イミ=お前は厚着でないなぁ.タント アナㇰネ シノ メアン ペ イロオッコ エ・イミ ワ ハンケコ エ・アㇻパ ルスイ ヒ.タンペ ミ ワ アㇻパ=今日はとっても寒いのにそんな薄着をして遠い所へお前は行きたいの.これを着て行け. (出典:萱野、方言:沙流)
- iyukomi
- イユコミ 【i-u-ko-mi】 重ね着(する).▷イ=それ(=着物)を ウ=互い コ=に対して ミ=着る オンネ・アン コㇿ メライケエオ・アン ペ ネ クス イユコミ・アン ヤッカ ポーヘネ メライケ・アン フミ ネ ペコㇿ ヤイヌ・アン=年をとると寒がりになって重ね着をしてもなおさら寒いような気持ちになってしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
- ka 3
- カ 【副助】(予想以上、 追加、 意外を表す。) ①…も、 …までも。 eani ka un=tura エアニ カ ウントゥラ あなたも私たちと一緒に行こう。(S) tup ka uk トゥㇷ゚ カ ウㇰ 二つも/二つとも取った。(S) ②(二回以上重ねて)…も…も、 …と…、 (動詞句のあとで)…したり…したり(日本語の「…も…も」よりもむしろ「…と…」に当たる場合もある)。 okkayo ka menoko ka porono oka オッカヨ カ メノコ カ ポロンノ オカ 男も女もたくさんいる。(S) cáca ka an rupnemat ka an チャチャ カ アン ルㇷ゚ネマッ カ アン じいさまとばあさまがいた。 ku=koytak ka en=koytak ka ki クコイタㇰ カ エンコイタㇰ カ キ 私が彼に話したり、 彼が私に話したりした。(W会話) ③(否定表現の中で)(1)…も…しない。 ponno ka ポンノ カ 少しも(…しない)。 sinep ka シネㇷ゚ カ 一つも(…しない)。 sinen ka isam シネン カ イサㇺ 一人もいない。 nen ka isam ネン カ イサㇺ だれもいない。 nep ka ku=sak ネㇷ゚ カ クサㇰ 私は何も持っていない。 (2)(名詞句、 副詞句、 動詞句の後、 否定辞 somo ソモ の前に置かれて) ka somo ne カ ソモ ネ …ではない。 seta ka somo ne セタ カ ソモ ネ 犬ではない。(W) ka somo ki カ ソモ キ (動詞句の後で)…しもしない、 …したりなんかしない、 全然 …しない(否定の返事で「いいえ、 …しない」に似たニュアンスでも使われる)。 ponno ka e ka somo ki ポンノ カ エ カ ソモ キ 少しも食べない。(S) néun ka hawean ka somo ki ネウン カ ハウェアン カ ソモ キ (彼は)何も言わない。 ape ruy ka somo ki, méan na, ape pirka kor ka hopuni アペ ルイ カ ソモ キ、 メアン ナ、 アペ ピㇼカ コㇿ カ ホプニ 火が燃えていなくて寒いから火が良く燃えてきてから起きなさい(後の ka カ は日本語には訳せないが予想外(相手が予想していないと思われることがら)を示す)。(S) ④[慣用句]pokas ka un …a p ポカㇱ カ ウン…アㇷ゚ あんなに…だったのに。 easir ka エアシㇼ カ (強調するとき easiriː ka エアシリー カ)それはそれはもう本当に。 hike ka ヒケ カ …のに、 …しても、 …にもかかわらず。 pakno ka パㇰノ カ これだけ(で十分です)、 もういい。 sonno ka ソンノ カ やっぱり本当に、 思ったとおり、 聞いていたとおり。 somo ka ソモ カ まさか…しない。 ☆発音 ①②③では、 強調するとき直前の音節(つまり前の語の最後の音節)を高く上げる。 日常会話ではこのアクセントが多く聞かれる。 ☆参考 「も」と訳せる場合は hem ヘㇺ と置き換えられることもあるが、 hem ヘㇺ は単に「AもBも」とか「…もまた」とかを表し、 ka カ は予想以上のことや予想されていなかった新しい情報であることを示す。 {E: too; also.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kampinuyeapappo
- カンピヌイェアパッポ §330 アヤメ (3) kampi-nuye-apappo (kám-pi-nu-ye-a-pap-po)「かンピ・ヌイェ・アパッポ」[手紙・書く・花] 花 ⦅阿寒⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- kane 2
- カネ 【助動/接助/副助】(意外、 予想以上、 誇張の表現に多く使われる)。 ①[助動](なんと)…している。 ponpon kane ayne tane us wa isam ポンポン カネ アイネ タネ ウㇱ ワ イサㇺ だんだん小さくなってとうとう消えてしまった。(S) íne urepet kor kane p ne noyne イネ ウレペッ コㇿ カネㇷ゚ ネ ノイネ 四本指を持っているもの(ばけもの熊)であるらしく。 ②[接助](なんと)…して、 …したままで、 …するほど。 sinu kane reye kane ahup シヌ カネ レイェ カネ アフㇷ゚ 彼らはひざをついて身をずらしはって家の中へ入った(遠慮して身を低くして入る様子)。 mérayke wa hecururu kane an メライケ ワ ヘチュルル カネ アン 寒いので首をちぢめている。(S) suwop or k=ómare kikir mak iki ayne etuk kane iki kor an スウオㇷ゚ オㇿ コマレ キキㇼ マㇰ イキ アイネ エトゥㇰ カネ イキ コラン 箱に入れておいた虫どうやって出てきたのだろう。 ku=sanpe ka wen kane a=utári k=ésikarun クサンペ カ ウェン カネ アウタリ ケシカルン 気持ちも暗くなるほどに身内の者に会いたい。(S) ③[副助](慣用表現の中で、 副詞句の後に置かれて)néno kane an ネノ カネ アン …とそっくりだ。 sísam nisu a=kutkore ruwe néno kane an シサㇺ ニス アクッコレ ルウェ ネノ カネ アン 日本の臼に帯をしめさせたのみたいだ。 (néno an ネノ アン は《…に似ている》。) sekor kane セコㇿ カネ …というふうに(言った)(sekor セコㇿ《と(言った)》だけよりもちょっとした強めのニュアンスが加わる)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kapatcep
-
カパッチェㇷ゚
§071 ヒメマス(ベニマスの陸封) (1) kapatcep(ka-pát-cep)「カぱッチェㇷ゚」[
寒、美幌、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:) - karumpani
- カルンパニ §205 エゾヤマザクラ オオヤマザクラ (5) karumpa-ni (ka-rúm-pa-ni)「カるンパニ」[桜皮の・木] 茎 ⦅美幌、屈斜路、足寄、阿寒⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- katkoro
- カッコロ 【katkoro】 毛皮を縫い合わせて作った防寒衣.袖のないもので膝ぐらいまでの長さ,なるべく犬の皮を用いるが,鹿皮であれば共撃ちされるおそれがあるので狩りには向かない.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- kenew
- ケネウ §073 マスノスケ;オオスケ;クチグロマス;フキマス (1) kenew(ke-néw)「ケねウ」[kenew←kene←kennep←kemne-p]⦅近文1足寄II⦆[ベニマス(マスの王で6尺くらいもある)]⦅虻田、長万部、礼文華、(B)、穂別、斜里、布伏内⦆[夏ヌクイトキイル]⦅千歳(ラシャマス)、阿寒⦆[夏、暑イトキ上ッテクル、大キイノニナルト6尺モアル];⦅幌別⦆p. 43(マス←ギンマス)ケイジkenne-cep. (出典:知里動物編、方言:)
- kisaske
- キサㇱケ 【kisaske】 寒気がする:病気のために身体にいやな寒さを感じる. マキㇷ゚ クンネイワ ノ ク・キサㇱケ ソモカウン コㇺケカㇻ(ク・オㇺケカㇻ) ルスイ ヒ ソモ ネ ヤー=どうしたのだろうか,朝から寒気がする,まさか風邪でも引きたいというのではないだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
- kito
- キト 【kito】 ギョウジャニンニク:阿寒地方の呼び名. (出典:萱野、方言:沙流)
- kor 3
- コㇿ 【接助】①…しながら、 …しつつ。 suke kor an スケ コラン 煮炊きしている。 cís=an kor a=eyáykopuntek チサン コㇿ アエヤイコプンテㇰ 私は泣きながら喜んだ。 iku kor sinotcaki kor an イク コㇿ シノッチャキ コラン 彼は酒を飲みながら歌を歌っている。 ②…すれば、 …すると、 …する/したときは。 pon a=yupíhi ekimne kor a=turá ポン アユピヒ エキㇺネ コㇿ アトゥラ 小さい兄が山へ行くときは私も一緒に行った。 kesto an kor ケㇱト アン コㇿ 毎日毎日。 mata réra ruy kor méan マタ レラ ルイ コㇿ メアン 冬に風が強ければ寒い。 {E: ①while. ②if; when.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kuruppean
- クルッペアン 【kuruppe an】 霜が降りる. タヌクラン クルッペアン パㇰノ メアン ヒ アナㇰネ アマㇺタㇱコㇿ ネ ナンコㇿ ワ=今夜は霜が降りるかと思うほどの寒さ,これは穀物に実が入るための寒波であろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kusuhenea
- クスヘネア 【kusu he ne a】 それでだろうか. タン チュㇰ エアㇻキンネ メアン トゥナㇱ.クスヘネア ク・コㇿ ション ウレペチヒ ウウェチ ノイネ ポッピセ ネ アン=今年の秋はとっても寒くなるのが早い.それでだろうか,子供の足の指が霜焼けしたらしく水膨れになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- makta 2
- マㇰタ 【mak ta】 ②(村の,家の)奥の方に. マㇰ タ エ・アン エ・メライケ ナ.ナ サ タ サン アペクㇽ=奥の方にいてお前は寒いだろう.もっと囲炉裏の方に出て火にあたれ. (出典:萱野、方言:沙流)
- marawrekakko
- マラウレカㇰコ §134 スミレ (2) marawre-kakko (ma-ráw-re-kak-ko)「マらウレ・カㇰコ」[蝶・花] 花 ⦅阿寒⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- mawkusni
- マウクㇱニ §247 キタコブシ (2) mawkusni (máw-kus-ni)「まウクㇱニ」[maw(香気)kus(通る)ni(木)] 茎 ⦅阿寒⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- me
- メ 【名詞語根】寒さ。 ☆参考 独立の名詞としては使われない。 語構成の要素として使われている。 méan メアン [me-an 寒さ・ある]寒い、 mérayke メライケ [me-rayke 寒さ・…を殺す](人が)寒い。 (出典:田村、方言:沙流)
- me
- メ 【me】 寒さ. (出典:萱野、方言:沙流)
- méan
- メアン 【完動】[me-an 寒さ・ある] 寒い。 (天候に関して用いる。 人が寒く感じることではなく、 気温が低いことを言う。) cuk réra ruy kor méan チュㇰ レラ ルイ コㇿ メアン 秋に風がひどいと寒い。(W) méan korka ku=nepki kor k=an wa ku=popke メアン コㇿカ クネㇷ゚キ コㇿ カン ワ クポㇷ゚ケ 寒いけれど(=気温は低いけれど)私は仕事をしているので暖かい。(W) ☆対語 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ 暖い、 sir-sések シㇼセセㇰ 暑い。 ☆参考 体が寒いこと、 つまり自分が(人が)寒く感じることは mérayke メライケ。 {E: cold.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mean
- メアン 【me-an】 寒い.▷メ=寒さ アン=ある メアン フミー=寒いなあ.メアン ナ イテキ ソイネ=寒いから外へ出るな.タント ポーヘネ メアン.ホクレ アペサムン(アペサㇺ ウン) エㇰ ワ アペクㇽ=今日はなおさら寒い,早く火の前へ来て火にあたれ.タヌクラン クルッペ アン パㇰノ メアン ヒ アナㇰネ アマㇺタㇱコㇿ ネ ナンコㇿ ワ=今夜は霜が降りるかと思うほどの寒さ,これは穀物に実が入るための寒波であろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- mécirataroski
- メチラタロㇱキ 【自動】[me-ci-ra-ta-roski 寒さ・される・下・に・立てる](?) 寒気がする。 k=omke rusuy noyne ku=mecirataroski wa k=úruuruk コㇺケ ルスイ ノイネ クメチラタロㇱキ ワ クルウルㇰ 私はかぜをひきそうで寒気がしてふるえる。(S) {E: to feel chilled, cold.} (出典:田村、方言:沙流)
- mecirataroski(-an)
- メチラタロㇱキ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](9)さむけがする;体じゅうざわざわする mecirataroski(-an)〔mé-či-ra-ta-roš-ki めチラタロㇱキ〕[me(寒さ)+ci(自分を)+ra(下)+ta(に)+roski(立てる〔pl.〕)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- mécire
- メチレ 【自動】[me-ci-cire 寒さ・焼ける・させる] あまり寒くて皮膚がヒリヒリする(凍ったのでないかと思うくらいに)。 ku=nanu mécire humi as クナヌ メチレ フミ アㇱ 私の顔はあまり寒くてヒリヒリするようだ。(S) {E: for one's skin to smart from the cold.} (出典:田村、方言:沙流)
- mecire
- メチレ §810.やけど(火傷)[する](4)湯や湯気でやけどする mecire〔mé-či-re めチレ〕[me(meは「寒さ」の義、ただしもとはpe「水」か)+ci-re(煮え・させる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- meekot
- メエコッ 【me-ekot】 凍死する.▷メ=寒さ エコッ=それによって死ぬ (出典:萱野、方言:沙流)
- meekot
-
メエコッ
§266 ネコ (2) meekot (mé-e-kot)「めエコッ」[mekoの民衆語源解;‘寒さで死ぬるもの’;
寒さ)ekot(で死ぬ)] ⦅春採⦆ (出典:知里動物編、方言:) - meekot(-an)
- メエコッ §389.しぬ(死ぬ)(41)凍死する me-e-kot(-an)〔mé-e-kot めエコッ〕[寒さ・で・死ぬ]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- méhupka
- メフㇷ゚カ 【自動】[me-hup-ka 寒さ・はれる・させる] 寒さでふくれる。 ku=teke méhupka クテケ メフㇷ゚カ 私の手が寒さでふくれた。(S) {E: for something to swell with the cold.} (出典:田村、方言:沙流)
- mehupka
- メフㇷ゚カ §211.かっけ(脚気)(6)me-hupka〔mé:-Fup-ka めエ・フㇷ゚カ〕[me(寒さが)+hupka(腫らす)]⦅アイヌ医事談, p.104⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- mekampiru
- メカンピル §437.じんましん(蕁麻疹)(4)寒性蕁麻疹 me-kam-piru〔mé:-kam-pi-ru めー・カン・ピル〕[me(寒さが)+kam(肉を)+piru(拭う)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- mekampiru
- メカンピル §598.はしか(麻疹)(2)mekampiru〔mé-kam-pi-ru めカンピル〕[me(寒さが)+kam(肉を)+piru(拭う)]⦅ニイトイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- mekamuykor
- メカムイコㇿ §833.リウマチ(5)リウマチにかかる me-kamuy-kor〔mé-ka-muǐ-kor め・カムイ・コㇿ〕[me(寒さ〔の〕)+kamuy(神〔を〕)+kor(もつ)]⦅アイヌ医事談, p.104⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- mékar
- メカㇻ 【自動】[me-kar 寒さ・にあたる] 霜にあたる、 寒さにあたる。 mékar pakno oka kor síno kéraan メカㇻ パㇰノ オカ コㇿ シノ ケラアン (リンゴは)霜にあたる(寒さにあたる)ほどにもがずにおくと(甘味がついて)本当においしくなる。(S) {E: to be struck by frost.} (出典:田村、方言:沙流)
- memaw(-he)
- メマウ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](1)さむけ me-maw(-he)〔mé:-maŭ めーマウ〕[me(寒)+maw(気)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- memaw-an
- メマウアン 【完動】[me-maw-an 寒さ・空気・ある] 涼しい(=sirmeman シㇼメマン)。 {E: cool.} (出典:田村、方言:沙流)
- memawkoro(-an)
- メマウコロ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](2)さむけがする me-maw-koro(-an)〔mé:-maŭ-ko-ro めーマウコロ〕[me(寒)+maw(気)+koro(持つ)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- meoruncep
- メオルンチェㇷ゚ §067 サケ あきあじ、あきやじ 季(5) meorun-cep (mé-o-run-čep)「めオルンチェㇷ゚」[me(寒気)orun(へ向かって入る)cep(魚)、‘寒い頃の魚’]正月、二月の寒い頃に川へ上ってくるサケ。口が赤く歯も生えていず、体色はまだ銀鱗ではあるが、ハシリのサケよりは幾分黒いと。⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- mepayaya
- メパヤヤ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](4)さむけがする me-payaya〔mé-pa-ja-ja めパヤヤ〕[me(寒さ)+paya-ya(ぞくぞくする、行きわたる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- mérayke
- メライケ 【自動】[me-rayke 寒さ・…を殺す](人が)寒い。 e=merayke ciki amip mi エメライケ チキ アミㇷ゚ ミ あなた寒いなら着物を着なさい。(W) ☆参考 寒く感じることを言う。 寒い天候であることは méan メアン。 ☆参考 冷たいことは nam ナㇺ。 {E: for someone to be cold.} (出典:田村、方言:沙流)
- merayke
- メライケ 【me-rayke】 寒い,寒がる. ク・メライケ ナ ホクレ アペ アリ=私は寒いから早く火を燃やしてくれ.タント ポーヘネ メアン ペ ネ クス メライケ ワ エトゥペチッカ コㇿ アフン ワ エㇰ=今日はなおさら寒いものだから寒がって鼻水をたらしながら入って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
- meraykeeo
- メライケエオ 【merayke-e-o】 寒がりになる. オンネ・アン コㇿ メライケエオ・アン ペ ネ クス イユコミ・アン ヤッカ ポーヘネ メライケ・アン フミ ネ ペコㇿ ヤイヌ・アン=年をとると寒がりになって重ね着をしてもなおさら寒いような気持になってしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
- meraykewauruuruk
- メライケワウルウルㇰ 【merayke wa uruuruk】 寒さでふるえあがる. タント アナㇰネ メアン ペ イロオッコ イミ ワ オラウン メライケ ワ ウルウルㇰ=今日は寒いのに薄着をしているから寒さでふるえている. (出典:萱野、方言:沙流)
- metat
- メタッ §308 エゾノダケカンバ (5) me-tat (mé-tat)「め・タッ」[me(寒気)tat(樺皮)] 樹皮 ⦅近文、名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- metum peka
- メトゥㇺ ペカ 【me-tum-peka】 寒さの中を,この寒いのに. メトゥㇺペカ エ・エㇰ=寒さの中をお前は来た. (出典:萱野、方言:沙流)
- meus(-an)
- メウㇱ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](3)さむけがする me-us(-an)〔mé-uš めウㇱ〕[me(寒さが)+us(とりつく)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- moteki
- モテキ 【副】さいわいに、 うまい具合に。 moteki néno hawean pe ku=kotusworo モテキ ネノ ハウェアン ペ クコトゥㇱウォロ 幸いに(彼が)そう言うから(私は)それで話をつけた。(S) “ku=merayke na en=tumam wa en=kore”“moteki eci=tumám kus ne wa” 「クメライケ ナ エントゥマㇺ ワ エンコレ」「モテキ エチトゥマㇺ クㇱ ネ ワ」 「寒いからだいて寝てちょうだい」「いやよかったな、 それならだいて寝てあげよう」。(S) {E: happily; luckily.} (出典:田村、方言:沙流)
- na
- ナ 【na】 もっと,もう少し,さらに,まだ. マㇰ タ エ・アン エ・メライケ ナ.ナ サ タ サン アペクㇽ=奥の方にいてお前は寒いだろう.もっと囲炉裏の方に出て火にあたれ.ナ ホッケ ワ アン=まだ寝ている. (出典:萱野、方言:沙流)
- na/naa/naanaa
- ナ/ナア/ナアナア 【na/na-a/na-a na-a】 もっともっと,現状以上に何かの程度が高まることを表わす. タヌクラン アナㇰネ エアㇻキンネ タㇱコロユㇷ゚ケナ ナアナア イユコミワ アㇻパアニー=今夜は本当に寒さが厳しいので,もっともっと重ね着して行くんだよー[ユ].→ナナ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- neunkata
- ネウンカタ 【neun ka ta】 なんとか. クポニ(ク・ポン ヒ) タ ニナ クス クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ エキㇺネ・アㇱ エイタサ ク・メライケ ㇷ゚ ネ クス ク・ヌペコラパㇷ゚セ エ・ポロ ワ ネ ヤㇰネ ネウンカタ エ・イキ ワ ニㇱパ エ・ネ ㇷ゚ ネ ナ シコㇿ ク・ヤイヌ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ ノオカ ク・ニㇱパ ネ カ ソモ=私の少年時代,薪を取りに母とふたりで山へ行ったが,あまりにも寒いものだから涙を流しながら大きくなったらなんとかして金持ちになりたいと考えたものであった.さっぱり金持ちにもなれなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
- nitne
- ニッネ 【自動】①硬い、 コチコチである/になる。 méan kor nitne, sir-sések kor riten メアン コㇿ ニッネ、 シㇼセセㇰ コㇿ リテン 寒くなるとコチコチになる、 暑くなると柔らかくなる。 ②(けものや神が)悪い(凶暴である)。 nitne kamuy ニッネ カムイ 悪い(人を殺して食べたりする凶暴な)神、 「鬼」。 ☆対語 riten リテン 柔い。 ☆参考 niste ニㇱテ 頑丈である。 ritne リッネ 筋が多い。 niwen ニウェン 猛々しい。 {E: ①to be hard; stiff. ②to be fierce; ferocious.} (出典:田村、方言:沙流)
- nokipekonru
- ノキペコンル 【noki-pe-konru】 つらら.▷ノキ=軒 ペ=雫 コンル=氷 クポニ(ク・ポン ヒ) タ フチ ウタㇻ エネ エン・イェ ヒ ノキペコンル ア・ウㇰ コㇿ スイ メアン ペ ネ ナ イテキ ウㇰ アニ セコㇿ ア・エン・イェ ㇷ゚ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン) ク・ミッポ ウタㇻ エウン ネノ ク・イェ=私が子供の頃におばあさんが私に言ったのは,つららを取るともう1度寒くなるものだから取ってはならないと私は言われた.それを思い出して私の孫たちへ同じことを言っている.*つららを取ることは軒下に行くことになり危険なのでそのように教えたのであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
- nooka
- ノオカ 【nooka】 それほど,さっぱり. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ クワㇱ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ノオカ チェ(チ・エ) カ エアイカㇷ゚ ペ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ トペンペ カ ネㇷ゚ パㇰノ アン=私が子供の頃は菓子というものはそれほど食べられなかったが,今は甘い物もいくらでもある.ク・パハ トゥペサンペ イカㇱマ シネホッ パㇰノ アン ヒ ワノ イヌイェ パテㇰ ネㇷ゚キ ネ ク・キ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ ノオカ イヌイェ カ ソモ ク・キ=私の年が28歳の時から彫り物だけを仕事にしていたものであったが,今はそれほど彫り物も私はしていない.カムイ サシミ アナㇰネ ノオカ ポニ(ポン ヒ) ワノ ピㇼカ カ ソモ ㇷ゚ ネ チマウㇱ ネ ヤ ネユンネユン ア・エシシ ノオカイペ ネ クス ア・エヤㇺ ペ ネ=神の授かり子というものはそれほど小さい時からいい格好でもなくかさぶただらけとか人が避けるような姿をしているものなので大切にするものだ.クポニ(ク・ポン ヒ) タ ニナ クス クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ エキㇺネ・アㇱ エイタサ ク・メライケ ㇷ゚ ネ クス ク・ヌペコラパㇷ゚セ エ・ポロ ワ ネ ヤㇰネ ネンカタ エ・イキ ワ ニㇱパ エ・ネ ㇷ゚ ネ ナ シコㇿ ク・ヤイヌ ㇷ゚ ネ ア コㇿカ ノオカ ク・ニㇱパ ネ カ ソモ=私の少年時代,薪を取りに母とふたりで山へ行ったが,あまりにも寒いものだから涙を流しながら大きくなったらなんとかして金持ちになりたいと考えたものであったが,さっぱり金持ちにもなれなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
- notutontare
- ノトゥトンタレ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](8)悪寒で歯ががたがたする not-utontare〔no-tú-ton-ta-re ノとゥトンタレ〕[not(あごが)+u(互いの)+tom(胴を)+ta(打た)+re(せる);あごがお互いに打ちあう]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- nuwaptaskor
- ヌワㇷ゚タㇱコㇿ 【nuwap-taskor】 お産寒波:お産がある夜は特別寒いものであったという.▷ヌワㇷ゚=お産 タㇱコㇿ=寒波 (出典:萱野、方言:沙流)
- omke 2
- オㇺケ 【自動】かぜをひく(=omkekar オㇺケカㇻ)。 k=omke rusuy noyne ku=mecirataroski コㇺケ ルスイ ノイネ クメチラタロㇱキ 私はかぜをひきそうで寒気がする。(W) ☆参考 =omkekar オㇺケカㇻ {E: to catch a cold.} (出典:田村、方言:沙流)
- omkekar
- オㇺケカㇻ 【omke-kar】 風邪をひく. ポンペ アトゥサ ノ ホユプ コㇿ アン ワ.ネンカネ オㇺケカㇻ ナ ホクレ イミレ=子供が裸で走っているよ.もしものこと風邪でもひく(といけない)から早く着物を着せろ.マキㇷ゚ ソモ エ・オㇺケカㇻ ワ ソモ ネ ウン.エ・メライケ ワ ヘ エ・アペコヨンピッネ シリアン=どうしたのもしや風邪でもひいたのではないの.寒くてか,火にかじりついているのは.カニ カ コㇺケカㇻ(ク・オㇺケカㇻ) ワ ク・ホッケ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エアニ カ ヘ一.マㇰ イキ・アン ヤㇰ ピㇼカ ハウェ タ アン イヤイサマー=私も風邪をひいて寝ていたのにお前もかい.どうしたらいいというのだ,どうしよう.エ・オㇺケカㇻ ワ ヘ マキㇷ゚ エ・オピオ.オピオアニ(オピオ・アン ヒ) タ レㇷ゚ニハッ プンカㇻ ア・ポㇷ゚テ ワ ウウェヘ ア・ク コㇿ ナニ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=お前は風邪をひいたのか,どうして声が嗄れている.声が嗄れた時は赤ブドウ(チョウセンゴミシ)のつるを煎じてその汁を飲むとすぐよくなるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- onne 1
- オンネ 【onne】 ①年をとる.年寄りの. オンネ・アン コㇿ メライケエオ・アン ペ ネ クス イユコミ・アン ヤッカ ポーヘネ メライケ・アン フミ ネ ペコㇿ ヤイヌ・アン=年をとると寒がりになって重ね着をしてもなおさら寒いような気持ちになってしまう. (出典:萱野、方言:沙流)
- opoknanam
- オポㇰナナㇺ 【o-pokna-nam】 下から冷たい,下から寒い. ▷オ=それ ポㇰナ=下の方 ナㇺ=冷たい,寒い *敷き布団が薄いので下から冷えることを言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- paropetetne
- パロペテッネ 【paro-petetne】 口がかじかむ.酔いのために口がもつれる. メライケ・アン コㇿ ア・パロホ カ ペテッネ イタㇰ カ ア・エアイカㇷ゚=寒いと自分の口もかじかんでしゃべることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
- paropetetne
- パロペテッネ §269.口がまわらぬ[寒さなどのために]paro-petetne〔pa-ró-pe-tet-ne パろペテッネ〕[その口が・べとつく]⦅チトセ、ホべツ、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- parpa
- パㇻパ 【他動】[複](単 paru パル は独立の他動詞としては未出) …をあおぐ(うちわなどを使って風を当てる)。 ape ku=parpa ayne ape ruy アペ クパㇻパ アイネ アペ ルイ (私は)火を何回もあおいでやっと火がよく燃え出した。(S) en=parpa humi ku=merayke エンパㇻパ フミ クメライケ 私はあまりあおがれて寒い(暑いからとうちわであおいでくれるのはありがたいけれどそんなにあおがれては)。(S) {E: to fan …(repeatedly)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- petetne
- ペテッネ 【自動】①かじかむ。 ku=teke petetne クテケ ペテッネ 私は手がかじかんだ。(S) ku=paro petetne クパロ ペテッネ 私は口がかじかんだ(寒さで唇が紫色になり、 物を言うのもよく言えない状態になった)。(S) ② ☞eyaykoramu petetne エヤイコラム ペテッネ {E: ①to be numb with cold.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- poneuka
- ポネウカ 【pone-uka】 骨のように堅い堅雪:おとなが堅雪の上を走ってもぬからないのをいう.▷ポネ=骨 ウカ=硬雪 *昭和30年の1月,珍しく二風谷は大雪で深さ3尺はあったであろう.そこへ2月の初めに大雨が降った.この雨のことをキムンカムイ ポフライェㇷ゚(熊の神様が子供を洗う雨)という.その雨の後へもう一度寒波が来て言葉通りのポネウカになった.このような場合は鹿にとっては御難の冬.犬もアイヌも雪の上を自由に歩けるが鹿は腹がつかえ歩けなくなる.そこへ皆が走って行き手づかみにして肉を食べた.あの年の冬はこの村だけで100頭ほどの鹿を獲ったが,警察に引っぱって行くとすれば村人全員なので代表ひとりだけ始末書を書き,残りの村人は不問に付されたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
- poppise
- ポッピセ 【pop-pise】 水膨れ. タン チュㇰ エアㇻキンネ メアン トゥナㇱ クス ヘ ネ ヤ ク・コㇿ ション ウレペチヒ ウウェチ ノイネ ポッピセ ネ アン=今年の秋はとっても寒くなるのが早い,それでだろうか,子供の足の指が霜焼けしたらしく水膨れになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- sata 1
- サタ 【sa ta】 ①囲炉裏に近い所. マㇰ タ エ・アン エ・メライケ ナ.ナ サ タ サン アペクㇽ=奥の方にいてお前は寒いだろう.もっと囲炉裏の方に出て火にあたれ.*窓の方をマㇰタと言い,やや奥まった方から見て囲炉裏に近い方をサタという. (出典:萱野、方言:沙流)
- sesehmaw ani memaw koro
- セセㇸマウ アニ メマウ コロ §560.ねつ(熱)(4)熱が出て寒けがする seseh-maw ani me-maw koro〔sé:-seh-mau|a-ní|mé:-maŭ|ko-ró せーセㇸマウ・アに・めーマウ・コろ〕[seseh-maw(熱)+ani(で、のゆえに)+me(寒さ)+maw(気)+koro(〔彼〕持つ)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sések
- セセㇰ 【自動】①(ものが)熱い、 熱くなる、 温い、 温まる、 沸(わ)く。 sések sayo セセㇰ サヨ 熱いおかゆ。 sések kaspa wa ku=ku ka eaykap セセㇰ カㇱパ ワ クク カ エアイカㇷ゚ 熱すぎて(私は)飲めない。(S) tonpuri sések na ahupan トンプリ セセㇰ ナ アフパン おふろがわいたから入りなさい(ahupan アフパン は ahup yan アフㇷ゚ ヤン が続けて発音された形)。(W) úsey tane sések ウセイ タネ セセㇰ お湯がもうわいた。 ②(冷たいほうがよいものが)なまぬるい。 wakka keseke sések, kéra wen ワッカ ケセケ セセㇰ、 ケラ ウェン 水の飲み残しはなまぬるくて味が悪い。(S) ③(人が)暑い(暑く感じる)。 ku=sesek koyaywennukar クセセㇰ コヤイウェンヌカㇻ 私は暑くて苦しい。(W) ku=sesek humi! クセセㇰ フミ! 暑いなあ! ☆参考 天候に関して気温が高く暑いことを言うのには、 sir-sések シㇼセセㇰ [完動]が用いられる。 ☆参考 焼けつくようなひどい暑さを言う。 日本語東京方言等で「暑い」と言うような場合でもほどほどの暑さであれば popke ポㇷ゚ケ [自動]/sir-popke シㇼポㇷ゚ケ [完動] が使われる。 ☆参考 nam ナㇺ ぬるい、 冷たい。 meman メマン 涼しい。 mérayke メライケ 寒い。 {E: ① (for things) to be hot; warm; boiled. ② (for someone) to be, feel hot.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikina
- シキナ 【si-kina】 ガマ〔植〕.▷シ=本当 キナ=草 カニ アナㇰネ オルケㇱサㇰペ ク・ネ クス シキナ ピイェヘ ケトイタ(ク・エトイタ) シリ ネ ナ シコㇿ ハワナン(ハワン・アン) コㇿ タㇷ゚ストゥ オイカ ア・チャㇻパ ㇷ゚ ネ=私は子孫の絶えた者なのでガマ草の種を蒔くのだよ,と言いながら肩越しに後ろへ種を蒔き散らすものだ(雑草は繁殖力が旺盛なので,この沼の食べ物がなくなると,種を蒔いた人の子孫を食うという,それでこのようなまじない言葉を言うものである).*ござを編むのに使う草,沼に生えている.刈り取る時期があって,沙流川流域であれば9月18日前後,それより早く刈るとキナメ(草の寒さ)といって急に寒くなるものであると,刈る時期を牽制しあった. (出典:萱野、方言:沙流)
- síno 1
- シノ 【副】[si-no 主要/本当である・(副詞形成)] まことに、 本当に、 たいそう、 非常に。 síno méan シノ メアン まことに/たいそう寒い。(S) tanike akkari tanike síno pirka タニケ アッカリ タニケ シノ ピㇼカ これよりこっちの方が本当にいい(=ずっといい)。(S) ☆参考 sonno ソンノ 本当に(うそでなく真実に)。 earkinne エアㇻキンネ とっても、 ものすごく、 非常に。 síno シノ は、 程度が最高であるという意味で、 「本当に」とも「たいそう」とも訳せるが、 「うそではなく」という意味ではない。 また、 earkinne エアㇻキンネ が非常に口語的なくだけた言い方なのに対して síno シノ はきちんとした上品な言い方で、 年配の人が礼儀正しく話すときなどによく用いられる。 {E: really; truly; very much.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-mo
- シㇼモ 【完動】[sir-mo あたりの様子(完全動詞形成)・静か(である)] 静かである(天候について言う)。 sir-mo wa pirka ruwe! korka méan humi! シㇼモ ワ ピㇼカ ルウェ! コㇿカ メアン フミ! 静かでいいあんばいだねえ、 でも寒いなあ。(S) {E: to be calm.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-popke
- シㇼポㇷ゚ケ 【完動】[sir-popke あたりが・暖かい]暖かい(天気が)。 paykar or un sir-popke wa a=eyáykopuntek パイカㇻ オルン シㇼポㇷ゚ケ ワ アエヤイコプンテㇰ 春になってくると暖かくなるのでみんな喜ぶ。(W) ☆参考 寒かったあと気温が上がって楽になる/なったことを言うほか、 かなり暑くて汗ばむようなときでも言う。 ☆参考 popke ポㇷ゚ケ [自動]は人が主語で、 その人が暖かく感じることを言う。 {E: (for the weather) to be warm.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-sések
- シㇼセセㇰ 【完動】[sir-sések あたりが・暑い] 暑い(気温が高い)。 sir-sak kor sir-sések wa pirka シㇼサㇰ コㇿ シㇼセセㇰ ワ ピㇼカ 夏になると暑くてよい。(W) sir-sések korka k=omkekar wa ku=merayke シㇼセセㇰ コㇿカ コㇺケカㇻ ワ クメライケ 暑い天候だけれど私はかぜをひいているので寒い。(W) ☆参考 気温や室温が高くて、 だれでもが暑いと感じるような状態であることを言う。 英語なら to be hot ではなく It's hot に当たる。 ものや水などが熱いことは sések セセㇰ と言い、 人が暑く感じることも sések セセㇰ と言う。 ☆参考 sir-sések シㇼセセㇰ や sések セセㇰ は、 焼けつくような暑さのときに使い、 日本語東京方言などで「暑い」と言うようなときでも、 つゆどきのようなむし暑さやちょっとした暑さのときは、 popke ポㇷ゚ケ、 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ が使われる。 ☞sések セセㇰ、 popke ポㇷ゚ケ、 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ {E: (for the temperature) to be hot.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-tumusuyre
- シットゥムスイレ 【完動】[sir-tumu-suyre あたりの様子(完全動詞形成)・の中・(?)] 寒さがいくらかゆるむ。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for the cold to lessen slightly.} (出典:田村、方言:沙流)
- siukokarkari
- シウコカㇻカリ 【si-u-ko-kar-kari】 体を丸める,丸くなっている. ▷シ=自ら ウコカㇻカリ=丸くなる メライケワ ネノイネ シウコカㇻカリワ ホッケワアン=寒いらしく,体を丸めて寝ている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sokan
- ソカン §508.腸チフスsokan〔só-kan しょカン〕[<日本語‘傷寒'>⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sunkep
- スンケㇷ゚ §183 エゾヤマハギ (2) sunkep (sún-kep)「すンケㇷ゚」 茎 ⦅美幌、屈斜路、阿寒⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- taskor
- タㇱコㇿ 【名】冬の朝晩のひどい寒さ(「あらせ」)。 taskor an タㇱコㇿ アン 冷え込む。 taskor yupke タㇱコㇿ ユㇷ゚ケ ひどく冷え込む、 冷え込みがきつい。 {E: the severe cold of winter mornings and evenings.} (出典:田村、方言:沙流)
- taskor
- タㇱコㇿ 【taskor】 寒さ,寒波. タㇱコㇿ カ アマㇺタㇱコㇿ セコㇿ ア・イェㇷ゚ カ ヌワㇷ゚タㇱコㇿ セコㇿ ア・イェㇷ゚ カ アン ペ ネ=寒さといっても,穀物の寒さ(9月20日から10月10日までの間に急に寒くなること)という寒さもあるし,お産の寒さという寒さもあるものだ(お産のある夜は特別寒いものだという). (出典:萱野、方言:沙流)
- taskor an
- タㇱコㇿ アン 【taskor an】 寒い:寒さが厳しい. (出典:萱野、方言:沙流)
- tekepetetne
- テケペテッネ 【teke-petetne】 手がかじかむ. ポナニ(ポン・アン ヒ) タ アナㇰネ アミㇷ゚ カ ウェン ペ ネ クス ク・メライケ ク・テケペテッネ カ カㇺキㇼ(ク・アㇺキㇼ) タネ オカ ヘカッタㇻ アナㇰネ テケペテッネ カ エラムㇱカリ パ=私が子供の頃は着る物もよくないものだから.寒くて手もかじかむこともあったが,今いる子供たちは手がかじかむことも知らないであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
- toop
- トオㇷ゚ 【副】[to-o-p ほらあそこに・(強調)・(語末子音)] ずうっとはるか遠く。 toop tuyma hi wa k=ek wa ku=sireramiskari トオㇷ゚ トゥイマ ヒ ワ ケㇰ ワ クシレラミㇱカリ ずうっと遠い所から来て私は土地不案内です。(S) toop Karapto wano トオㇷ゚ カラㇷ゚ト ワノ はるか樺太から。(S言い伝え) toop Akan sekor a=ye uskehe ta トオㇷ゚ アカン セコㇿ アイェ ウㇱケヘ タ ずうっと遠く阿寒という所に。(S会話) toop iwor or un a=se wa トオㇷ゚ イウォロルン アセ ワ ずうっと遠く山奥へ背負って行って。(W民話) ☆参考 too トオ とニュアンスは異なるが同じ文脈でも使える場合も多い。 しかし家の中や見える所、 歩いて行ける程度の所については too トオ が使われ、 海外の見知らぬ国や、 普通に山菜とりなどには行くこともない山奥の地については toop トオㇷ゚ が使われている。 その中間の程度の所については両方が使われている。 また too トオ は「…にある」「…に行く」のような表現の前でばかり使われ、 toop トオㇷ゚ は「…から来る」や「…だ」のような表現の前でも使われている。 {E: faraway.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tumam 1
- トゥマㇺ 【他動】…をだいて寝る。 ku=merayke na en=tumam wa en=kore クメライケ ナ エントゥマㇺ ワ エンコレ 寒いからだいて寝てちょうだい。 cápe ku=tumam akus etoro wa ku=mokor ka eaykap チャペ クトゥマㇺ アクㇱ エトロ ワ クモコㇿ カ エアイカㇷ゚ 猫をだいて寝たらゴロゴロのどを鳴らして私は眠れなかった。 utumam ウトゥマㇺ だき合って寝る、 同衾する。 {E: to sleep embracing…} (出典:田村、方言:沙流)
- ur
- ウㇽ 【名】毛皮の上着、 外套。 seta ur セタ ウㇽ 犬の毛皮の袖なし。 yuk ur ユㇰ ウㇽ 鹿の毛皮の袖なし。 ☆参考 本来はチョッキのような袖のないもの、 首から膝の下まで毛のほうを内側にしてつくる、 冬外へ出るとき寒いので着る。 広義には毛皮の衣類をすべて ur ウㇽ と言う。 {E: a fur coat.} (出典:田村、方言:沙流)
- urepet/urepeci(hi)
- ウレペッ/ウレペチ(ヒ) 【ure-pet/ure-peci(hi)】 足の指. タン チュㇰ エアㇻキンネ メアン トゥナㇱ クス ヘ ネア ク・コㇿ ション ウレペチヒ ウウェチ ノイネ ポッピセ ネ アン=今年の秋はとっても寒くなるのが早い.それでだろうか,子供の足の指が霜焼けしたらしく水ぶくれになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- uruuruk
- ウルウルㇰ 【自動】[uruuru-k (擬態の語根の重複)・(自動詞形成)] ブルブルふるえる(寒くて)。 ku=mimaki ukikkik pakno k=úruuruk クミマキ ウキッキㇰ パㇰノ クルウルㇰ 私は寒くて歯がガチガチぶつかるほどふるえる。(S) ☆参考 恐ろしくてふるえることは tususke トゥスㇱケ《ふるえる》、 tususatki トゥスサッキ《ひどくガタガタガタガタふるえる》と言う。 寒くてかじかむことは petetne ペテッネ。 {E: to shiver (due to the cold).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uruuruk
- ウルウルㇰ 【uru-uruk】 (寒くて)ふるえる. イヨㇱキ ワ ソイ タ モコㇿ ワ アノントㇺ タ モㇱ ワ ウルウルㇰ コㇿ アフン ヒ ウン=酔っ払って外で眠って夜中に目を覚まし,ふるえながら入って来たんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- utumam
- ウトゥマㇺ 【u-tumam】 ふたりで寝る,抱き寝する. ホクレ ホクレ タヌクラン ポーヘネ メアン ナ ウトゥマㇺ ワ ホッケ ヤン=さあ早く早く,今晩はなおさら寒いのでふたりで寝なさい. (出典:萱野、方言:沙流)
- uweci
- ウウェチ 【自動】[u-w-e-ci 互いに・(挿入音)・と共に・やける](?) 凍傷になる(「雪の中にでも入っていると腐って指がとれたりする」)。(S) ☆参考 「しもやけ」にちょうど相当する語はない。 méhupka メフㇷ゚カ 寒さでふくれる。 kéttok ケットㇰ 「水かぶれ」(水仕事を長く続けていて赤くかぶれる)、 じんましん。 mécire メチレ 寒さでヒリヒリする。 cawawke チャワウケ ひび割れる、 ひびが切れる。 tekeperke テケペㇾケ 手にあかぎれが切れる。 ureperke ウレペㇾケ 足にあかぎれが切れる。 {E: to become frostbitten.} (出典:田村、方言:沙流)
- uweci
- ウウェチ 【uweci】 霜焼け(になる).凍傷(になる). タン チュㇰ エアㇻキンネ メアン トゥナㇱ クスヘ ネア ク・コㇿ ション ウレペチヒ ウウェチ ノイネ ポッピセ ネ アン=今年の秋はとっても寒くなるのが早い,それでだろうか,子供の足の指が霜焼けしたらしく水ぶくれになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- uweepakiun
- ウウェエパキウン 【副】[u-w-eepak-i-un 互い・(挿入音)・の次・(所属語尾)・へ] だんだんに(=uweepakta ウウェエパㇰタ)。 uweepakiun isam kor an ウウェエパキウン イサㇺ コラン (お菓子がたくさんあったが人が食べて)だんだんなくなっていく。(S) uweepakta méan ウウェエパㇰタ メアン だんだん寒くなる。 {E: gradually.} (出典:田村、方言:沙流)
- uweepakiun
- ウウェエパキウン 【u-e-epakiun】 だんだん. ウウェエパキウン メアン=だんだん寒くなる. (出典:萱野、方言:沙流)
- uweepakta
- ウウェエパㇰタ 【副】[u-w-eepak-ta 互い・(挿入音)・の次・に]だんだんに(=uweepakiun ウウェエパキウン)。 uweepakta méan ウウェエパㇰタ メアン だんだん寒くなる(=uweepakiun méan ウウェエパキウン メアン )。(S) {E: gradually.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uyuyke(-an)
- ウユイケ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](10)寒くてぶるぶるふるえる uyuyke(-an)〔u-júǐ-ke ウゆイケ〕[uy-uy-ke(ぶる・ぶる・する)]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- yawawke(-an)
-
ヤワウケ
§008.あかぎれ[る];ひび[割れる](5)yawawke(-an)〔ja-wáǔ-keヤわウケ〕[yawawke
寒気に冒されて傷があちこち出来ているの意⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
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萱野 茂『萱野茂のアイヌ語辞典』1996年 ©萱野れい子
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』1996年 ©田村洋一