国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ

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a
ア 【a】 燃える. アペ ア=火が燃える.サッ チクニ ホカ ア・オ コㇿ アペ ア=乾いた薪を、火に入れると、火が燃える. (出典:萱野、方言:沙流)
ape
アペ 【名】火。 ape ári アペ アリ 火をたく、 たきつける。 ape ruy アペ ルイ 火が燃える/燃えている ape us アペ ウㇱ 火が消える。 ape úna アペ ウナ 火を灰の中に埋(い)ける。 ape nipek アペ ニペㇰ 火の明り。 ape sam アペ サㇺ 火のそば、 炉ばた。 ☆参考 火事のことは ape アペ とは言わない。 家の火事は cise uhuy チセ ウフイ、 山野の火事は siruhuy シルフイ。 {E: a fire.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cise
チセ 【名】①家。 cise as チセ アㇱ 家がある(建っている)。 toanta re cise as トアンタ レ チセ アㇱ あそこに三軒の家がある。 cise kar チセ カㇻ 家を建てる。 cise un utar チセ ウン ウタㇻ 家族。 cise-kor… チセコㇿ… ☞cisekor チセコㇿ。 cise soy チセ ソイ 家の外、 家のすぐそば、 門口。 cise uhuy チセ ウフイ 家が燃える、 火事である/になる。 horak cise ホラㇰ チセ 崩壊した家。 kuca cise クチャ チセ 狩小屋。 soya-cise ソヤ チセ ハチの巣。 toysoya cise トイソヤ チセ スズメバチの巣(鳥の巣は set セッ)。 ②奥さん cise tókapipe kusu na arki isam チセ トカピペ クス ナ アㇻキ イサㇺ 奥さんはお昼ご飯を食べにまだ来ない。(W) {E: ①a house; a (bee)hive. ②a wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eun 2
エウン 【後副】①(人や物、 場所)に向かって 、 …へ、 そこへ。 tanto apto as, e=mokor wa e=an noyne an pe eun k=ek タント アㇷ゚ト アㇱ、 エモコㇿ ワ エアン ノイネ アン ペ エウン ケㇰ 今日は雨降りだ、 あなたが寝ているようなところへ私は来た。(S) hápo eun he ku=ye, iyapo eun he ku=ye ciki pirka? ハポ エウン ヘ クイェ、 イヤポ エウン ヘ クイェ チキ ピㇼカ? かあさんに言おうか、 とうさんに言うほうがいいだろうか。(S) arorkisne eun c=uk híne アロㇿキシネ エウン チュㇰ ヒネ 私たちはこっそりそこから取って。 hunpe yan yak a=ye wa eun kotan eun utar uwehopunpa wa sap wa isam フンペ ヤン ヤカイェ ワ エウン コタン エウン ウタㇻ ウウェホプンパ ワ サㇷ゚ ワ イサㇺ くじらが浜に上がったと言うのでそこへ集落じゅうの人々が一人残らず行ってしまった。 ②(連体形に) kotan eun utar コタン エウン ウタㇻ 集落(村)の人々。 ③eun po (hene) エウン ポ (ヘネ) そのためなおいっそう、 かえって。 rurwakka kasi a=otátpa yakka eun po uhuy ルㇽワッカ カシ アオタッパ ヤッカ エウン ポ ウフイ 海水を上にかけてもかえってなお燃える。 kusuri ku=ku akus eun po hene wen クスリ クク アクㇱ エウン ポ ヘネ ウェン 薬を飲んだらかえってなお悪くなった。(S) {E: to face towards…; to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kasi
カシ 【位名】[所](概は ka カ) ①…の(その)上 (接触して上)、 …の見える側。(「高い方」「上の方」ではなく、 外側、 見えるほうの側を言う。)kasi ta a カシ タ ア その上に座った。(S民話) kasi ta rók=an pon huton kasi un ape pus wa uhuy カシ タ ロカン ポン フトン カシ ウン アペ プㇱ ワ ウフイ その上に座る小さいふとん(=座ぶとん)の上へ火がはねてこげた。(W) rurwakka kasi a=otátpa yakka eun po uhuy ルㇽワッカ カシ アオタッパ ヤッカ エウン ポ ウフイ 海水をその上にかけてもなおさら燃える。(S) okkew kasi pirkare オッケウ カシ ピㇼカレ [慣用句](直訳すると)えり首の上を豊かにする=(娘に)嫁入りのよい品々を持たせる(背中に、 つまりえり首のところに荷物を背負うからこういう、 えり首よりも上の頭のあたりという意味ではない。「持参金をつけてやる」に相当する)。(NK民話) cup nupur manu kasi nis kus チュㇷ゚ ヌプㇽ マヌ カシ ニㇱ クㇱ 太陽が霊力があると言うけれどその上を雲が通る(太陽より上ではなく、 太陽のこちら側を雲が通ることを言う)。(KK掛け合い歌) ②(動詞句の後に置かれて)kasi ta カシ タ …しながら。 ku=kemeyki kasi ta k=aysuye クケメイキ カシ タ カイスイェ 私は針仕事をしながらいねむりしている。 ☆発音 早く話しているとき kasi ta カシ タ はしばしば i が落ちて kas ta カㇱ タ と発音される。 ☞ka(si) カ(シ)… {E: ①top of… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuyunin
ヌユニン 【他動】[nuy-unin 燃え・痛む(?)] こげめがつく、 こげて茶色くなる(着物でもざるでも)。 nuyunin noyne húra at ヌユニン ノイネ フラ アッ こげているらしく匂いがする=こげくさい。(S) ☆参考 uhuy ウフイ 燃える、 黒こげになる、 ouhuy オウフイ 一部焼ける、 こげる。 {E: to burn…; scorch…a brown colour.} (出典:田村、方言:沙流)
otatpa
オタッパ 【他動】[複](ota オタ は単複の区別なし)[ota-atpa …をかける・激しく/何回もする](水など)をザーザーかける。 ☆参考 「大勢でかける。 一人でかけるなら ota オタ と言う。」 (S) rur wakka kasi a=otátpa yakka eun po uhuy ルㇽ ワッカ カシ アオタッパ ヤッカ エウン ポ ウフイ 海水をかけてもなおいっそう燃える。 (出典:田村、方言:沙流)
ouhuy
オウフイ 【自動】[o-uhuy その尻が・燃える/こげる]こげる。 ouhuy húra at オウフイ フラ アッ こげくさい。 ouhuy sirka オウフイ シㇼカ こげた刀、 ouhuy attus オウフイ アットゥㇱ こげた厚司(あつし)。 ☆参考 Okikurmi kamuy オキクㇽミ カムイ《オキクルミ神》はこげた厚司を着、 こげた刀を下げていた。 よく「すそが焦げた」とか「すそこげ…」と訳されるが、 ワテケさんによれば、 ouhuy オウフイ は単に《こげた…》。 (出典:田村、方言:沙流)
pakatse
パカッセ 【pakat-se】 火がばちばちっと燃える音:松の葉などが燃える時の音. (出典:萱野、方言:沙流)
pakrototo
パㇰロトト 【pakrototo】 ばちばちと火が燃える音,ごちゃごちゃ,めちゃくちゃに壊すこと[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
parparse
パㇻパㇻセ 【par-par-se】 火が燃える,ぼうぼうと燃える. パㇻパㇻセ ワ イサㇺ=ぼうぼうと燃えてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
ratcako
ラッチャコ 【名】あかり、 ランプ。 ratcako kar ラッチャコ カㇻ あかりをつける(ともす)。 ratcako uhuy ラッチャコ ウフイ あかりがつく(燃える)。 ☆参考 昔はいろりの下座、 南西側の隅に棒を立ててその上に貝殻を皿にしてのせ、 その中に油を入れて燃やしてあかりとした。 これを ratcako ラッチャコ と言う。 カンビ(樺)の皮を燃やして明りとするときはこれを sune スネ と言う。 それを棒にはさんで外へ持って出てたいまつにするとき、 これを tatuspe タトゥㇱペ と言う。 {E: a light; a lamp.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruyka 1
ルイカ 【他動】[ruy-ka (火が)燃える・(他動詞)](火を)燃す、 燃やす、 燃えるようにする。 ape ruyka アペ ルイカ 火を燃やす(炎を出してよく燃えるようにする)。 ☆参考 ただ点火して火をたくことは ape ári アペ アリ。 {E: to burn…} (出典:田村、方言:沙流)
sir'uhuy
シㇼウフイ 【sir-uhuy】 火事(になる).▷シㇼ=あたり ウフイ=燃える タネ ホッケ・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アナナクス(アン・アン アクス) ヘパシ ペウタンケ ハウ ア・ヌ アロラㇺポソアニネ(アロラㇺポソ・アン ヒネ) ソヨテㇾケアナクス(ソヨテㇾケ・アン アクス) シㇼウフイ ネ ノイネ ポロ アペ ニペㇰ ア・ヌカㇻ=さて寝ようかなと思っていると,下の方から危急を知らせる叫び声が聞こえ驚いて外へ飛び出ると,火事らしく大きい火の光が見えた.チセ ア・アシ ヒ タ アナㇰネ ナ ウウォヤㇰタ ア・アシ.ネンカネ シㇼウフイ ヒ タ ア・シトマ クス=家を建てる時はそれぞれ別々に建てる.もしも火事になった時恐ろしいので.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) アㇻスイネ シㇼウフイ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ.コタンケㇱ ワ ペウタンケ ハウ アㇱ アクス フチ チソイェカッタ コタンケスン(コタンケㇱウン) ワ アㇻスイネ ペウタンケ コタンパ ウン トゥ スイ レ スイ ペウタンケ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=私が子供の時に1回だけ火事を見たことがある,村の下端からウォーイという叫び声が聞こえたら祖母が飛び出て,(火元が見える)村の下端へ1回だけウォーイと叫び,村の上の方へ2回3回と叫んだのを見たものであった(貝澤ちこさんの家の火事,昭和8年頃). (出典:萱野、方言:沙流)
sir-uhuy/siruhuy
シルフイ 【完動】[sir-uhuy 地・燃える]山火事(になる)、 野火(になる)。 {E: for a bushfire, forest fire to break out.} (出典:田村、方言:沙流)
uhuy
ウフイ 【自動】燃える、 焼ける、 こげる。 uhuy wa paspasi an ウフイ ワ パㇱパシ アン (パンが)こげて炭に(真っ黒に)なった。(W) cise uhuy チセ ウフイ 家が燃える(火事)。 kotan un rok hi maciya un rok hi uhuy wa paye コタン ウン ロキ マチヤ ウン ロキ ウフイ ワ パイェ 村のあった所や町のあった所が燃えて行った。(W会話) ratcako uhuy ラッチャコ ウフイ ランプが燃える(ともる)。 uhuy ikuspe ウフイ イクㇱペ 焼けた柱(女性が死んだあと焼いた家の)。 uhuy nicica ウフイ ニチチャ 「焼けぼっくい」焼け跡に立っている焼けこげた棒杭。(W会話) sir-uhuy シルフイ[完動]あたり/地/山が燃える(山火事や野火で)。 ☆参考 調理のことではなく、 家や野山や物などが燃えたり焼けたり、 食べ物でも焼けすぎてこげたりすることを言う。 {E: to be burnt; scorched.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhuy
ウフイ 【uhuy】 燃える,焼ける. (出典:萱野、方言:沙流)
uhuyka
ウフイカ 【他動】[uhuy-ka 燃える・(他動詞化)] …を燃す、 …を燃やす、 …を焼く、 …をこがす。 kanpi uhuyka カンピ ウフイカ 紙を燃す。 wenakun k=úhuyka hene ki? ウェナクン クフイカ ヘネ キ? (雑草が次々に生えてきてどうにもならない、 )しかたがないから燃やしてでもしまおうかな。(S) ☆参考 調理ではなく、 ものを燃やしたりこがしたりすることを言う。 調理して焼くことは ma マ。 {E: to burn, roast…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhuynupuri
ウフイヌプリ 【名】[uhuy-nupuri 燃える・山] 火山。 {E: a volcano.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhuyunin
ウフユニン 【自動】[uhuy-unin 燃える・痛む] こげる。 ☆参考 nuyunin ヌユニン とも言う。 ☆参考 uhuy ウフイ だけでもこげることを表す。 {E: to be burnt; scorched.} (出典:田村、方言:沙流)