国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ

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iyaynomare
イヤイノマレ 【自動】[雅]まあ立派な(人格、 器量、 恰幅)。 iyaynomare/aynu pito/an nankora イヤイノマレ/アイヌ ピト/アン ナンコラ [雅]まあこんな立派な人物、 人間だか神様だか、 こんな立派な人間もあるものだろうか。(S) {E: How wonderful!} (出典:田村、方言:沙流)
kayno
カイノ §005.男児;幼少年(10)kayno〔káǐ-no かイノ〕⦅シラウラ⦆男児;少年。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
kaynon(-i)
カイノン §514.つば(唾);よだれ(涎)(3)口中にたまったつば;なまつば kaynon(-i)〔káǐ-non かイノン〕[kay(砕けた)+non(つば)]⦅H.⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
oripakruypatu itak kaynon yayko rukpa
オリパㇰルイパトゥ イタㇰ カイノン ヤイコ ルㇰパ §514.つば(唾);よだれ(涎)(6)なまつばを呑み呑みする oripak-ruy-pa、tu itak kaynon yay-ko rukpa〔o-rí-pak-ruǐ-pa|tu-í-tak-kaǐ-non|jáǐ-ko-ruk-pa オりパㇰルイパ・トゥいタㇰ・かイノン・やイコルㇰパ〕[oripak(おそれる、はばかる)、ruy(ひどく…する)、-pa(第三人称複数の語尾)、tu(何度も何度も)、itak(物を言う)、kaynon(生つばを)、yay(自分)、ko(で)、rukpa(のみこんだ)]「彼等はひどく恐れて、幾度も幾度も物を言おうとしては、なまつばをのみこんだ」⦅ユ研Ⅱ, p.279⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raynokew(-he)
ライノケウ §387.したい(死体);死骸(3)rayno-kew(-he)〔ráǐ-no-keŭ らイノケウ〕[ray(死んだ)+no(十分に…した)+kew(死体);「十分に死んだ死体」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raynottarara
ライノッタララ 【ray-not-tarara】 ぐいっとばかり頭をもたげる. ▷ライ=ぐいっと ノッタララ=頭を上げた,陰茎を立てた *『カムイユカㇻと昔話』181頁の中の「消えたちんちん」の一節.(補遺編)▷ライ=ぐいっと ノッタララ=頭を上げた,陰茎を立てた *『カムイユカラと昔話』頁の中の「消えたちんちん」の一節. (出典:萱野、方言:沙流)
sinnayno
シンナイノ 【副】[sinna-y-no 違っている・(挿入音)・(副詞形成)] 違って、 別に、 異なるように。 katuhu sinnayno an カトゥフ シンナイノ アン 姿かたちが違っている。 {E: differently; as if different.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinnayno
シンナイノ 【sinnay no】 別に. ウウェシンナイノ=別々に. (出典:萱野、方言:沙流)
sinnayno an
シンナイノ アン 【sinnayno an】 変わる,違う. (出典:萱野、方言:沙流)
usinnayno
ウシンナイノ 【副】[u-sinna-y-no 互い・(と)異なる・挿入音・(副詞形成)] 互いに異なって。 {E: mutually different.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwesinnayno
ウウェシンナイノ 【u-e-sinnay no】 別々に,違って. タパン センカキ ウネノ オカ ペコㇿ ク・ヤイヌ ㇷ゚ アタイェヘ ウウェシンナイノ アン ワ コヤモㇰテ(ク・オヤモㇰテ)=この布地は同じ物のように思うのに,値段が別々になっていて私は不審に思っている.ペッ シンナ コㇿ イポㇿセ カ ウウェシンナイノ アン ペ カ アン=川が違うと表現のしかたが違うものもある. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesinnayno
ウウェシンナイノ 【副】別々に(互いに異なるように)。 {E: separately.} (出典:田村、方言:沙流)
uwesinnayno an
ウウェシンナイノ アン 【u-e-sinnay no an】 別々だ. ウネノ アン ペコㇿ ク・ヤイヌ クス ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アㇷ゚ オヤチキ ウオヤㇷ゚ ネ アアン ワ シリキヒ カ ウウェシンナイノアン=同じ物のように思ったので持って来たのに,知らなかったが違うものであった,模様も別々であった. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesinnayno oka
ウウェシンナイノ オカ 【u-e-sinnay no oka】 形が違う. ウネノ オカ ペコㇿ ネ ヒクス ク・コㇿ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ピㇼカノ ク・ヌカㇻ アクス ウウェシンナイノ オカ ケサッチャン(ク・エサッチャン) ペ ネ=同じようなので持って来てよく見たら形が違うので私はちょっと気にくわないのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ye rusuype kaynon ka ta yaykoruki
イェ ルスイペ カイノン カ タ ヤイコルキ §514.つば(唾);よだれ(涎)(5)なまつばを呑み呑みする ye rusuy-pe kaynon ka ta yay-ko-ruki〔jé-ru-suǐ-pe|káǐ-noŋ-ka-ta|jáǐ-ko-ru-ki いえルスイペ・かイノンカタ・やイコルキ〕[ye(言い)、rusuy(たい)、pe(ものを)、kaynon(なまつば)、ka-ta(の上・に)、yay(自分)、ko(で)、ruki(呑みこむ)]「物を言おうとして、なまつばと一緒にのみこみのみこみ、なかなか言い出せぬ」⦅聖典, p.59⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
aca
アチャ §027.伯父、叔父(3)aca〔á-ča あチャ〕①日常語で伯父叔父を指す⦅レブン、ホロべツ、サル、テシオ、マオカ、タラントマリ⦆。樺太では雅語でも用いる。"e-koro〜tu ayno ka an"「お前の叔父は二人もいる」⦅マオカ⦆。伯父叔父を区別する時はporo-aca「大きい・おじ」、pon-aca「小さい・おじ」とする⦅ホロベツ、テシオ⦆。keyanne an-aca「年上の・我が・おじ」、poniwne an-aca「若い方の・我が・おじ」などの言い方もある⦅マオカ、タラントマリ⦆。an-kiane-aca「我が・年上の・おじ」an-poniwne-aca「我が年下の・おじ」とも言う⦅ニイトイ⦆。父方の伯叔父はona orowano aca「父・からの・おじ」、母方のはunu orowano aca「母・からの・おじ」と言う⦅ホロベツ⦆。②日常語で父を指す⦅シズナイ、ウラカワ、ビロオ、シラヌカ、アカン、ビホロ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
eramaspa
エラマㇱパ 【他動】[複](単は eramasu エラマス)皆でおもしろく思う。 nep ka sinnayno oka a=erámaspa p hene oka wa ne kunak ku=ramu ネㇷ゚ カ シンナイノ オカ アエラマㇱパㇷ゚ ヘネ オカ ワ ネ クナㇰ クラム 何か変わったおもしろいものでもあるからかと思った。(S) {E: for everyone to think that something is funny.} (出典:田村、方言:沙流)
homekayaynu
ホメカヤイヌ 【他動】気絶させる。(受け身の形、 つまり不定人称形で) a=homékayaynu アホメカヤイヌ 気絶する。 kamuy sirosma ruwe ne akusu ne wenkur umurek a=homékayaynu híne ruray ruwe ne カムイ シロㇱマ ルウェ ネ アクス ネ ウェンクㇽ ウムレㇰ アホメカヤイヌ ヒネ ルライ ルウェ ネ 雷が落ちると、 その貧しい夫婦は気絶して意識不明になった。(HK民話) ☆参考 語末の部分、 yanu ヤヌ とも yaynu ヤイヌ とも yayno ヤイノ とも聞こえる。 〔知分類になし〕 {E: to faint; to make…faint.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
matah(k-i)
マタㇵ §026.妹(4)matah(k-i)〔má-tah まタㇵ〕⦅シラウラ、マオカ⦆【常、雅】妹(女が言う)。[<mat-ak]。"innayno an-mataki"「これ妹よ」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
oka 1
オカ 【自動】[複](単は an アン) ①(二人以上/二つ以上が)ある、 いる、 住んでいる、 暮らしている。 ②(副詞の後に置かれて)…である。 usa oka ウサ オカ いろいろな。 sinnayno oka シンナイノ オカ (二人/二つ以上が)違っている。 …noyne oka …ノイネ オカ (二人/二つ以上が)…らしい。 …néno oka …ネノ オカ (二人/二つ以上が)…に似ている。 kusu oka クス オカ (二人/二つ以上が)とても…である。 sattek kusu oka サッテㇰ クス オカ 二人ともひどくやせている。(S会話) ③[補助動詞] …kor oka コㇿ オカ/コロカ (二人以上が)…しつつある。 horippa kor oka ホリッパ コㇿ オカ/コロカ (彼らは)踊っている。 …wa oka ワ オカ (二人/二つ以上が) …している、 もう…して(しまって)いる、 …してある。 númo wa oka ヌモ ワ オカ (皆)実が入っている。 ④[熟語] oka kus keray オカ クㇱ ケライ (二人以上の)…のおかげで。 (注 oka オカ は複、 単は an アン。) ☆参考 -pa パ(複数語尾)の前と pe ペ《もの、 の》の前では okay オカイ の形をとり、 okaypa オカイパ、 okay pe オカイ ペ となる。 他の母音で終わる動詞のように p ㇷ゚ は使われない(oka p オカㇷ゚ とは言わない)。 {E: to be; live, be living (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinna
シンナ 【自動】①別である、 別になっている、 違う。 …sinna…sinna… …シンナ…シンナ …と…は別になっている。 irenka itak sinna, yayirayke itak sinna, kamuynomi itak sinna イレンカ イタㇰ シンナ、 ヤイライケ イタㇰ シンナ、 カムイノミ イタㇰ シンナ 裁判の言葉やお礼の言葉や神祈とうの言葉をそれぞれ別々に…。 ② ☞eypottumma sinna エイポットゥンマ シンナ ☆参考 [副]は sinnayno シンナイノ 違って。 {E: to be separate; different.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwaste
ウワㇱテ 【自動】[u-w-as-te 互い・(挿入音)・立つ・させる](?) (植物が)繁殖する、 (人間でも)子孫が生まれてふえる。 nonno o wa ipeo wa pókor hi koraci aynu ka uwaste ノンノ オ ワ イペオ ワ ポコリ コラチ アイヌ カ ウワㇱテ (木が)花が咲いて実がなるのと同じように人間もふえていく。(S言い伝え) motoho anak sinep ne korka uwaste katu repun iworso atuyso ka wa uwaste hike néno aynu ne yakka usinnayno katkor モトホ アナㇰ シネㇷ゚ ネ コㇿカ ウワㇱテ カトゥ レプン イウォㇿソ アトゥイソ カ ワ ウワㇱテ ヒケ ネノ アイヌ ネ ヤッカ ウシンナイノ カッコㇿ 起源は一つであってもふえ方が沖の方、 海外から妻をめとってふえた者はそれなりに同じ人間であっても姿形が違っている。(S言い伝え) tapan yam e=carpa yakun oro wano yam sekor a=ye p uwaste yakne タパン ヤㇺ エチャㇻパ ヤクン オロ ワノ ヤㇺ セコㇿ アイェㇷ゚ ウワㇱテ ヤㇰネ あなたがこの栗をまけばそこから栗というものがふえていって。(W神謡語り) ☆参考 動物が繁殖することは uwatte ウワッテ。 {E: to breed; reproduce.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)