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- hemesu
- ヘメス 【hemesu】 登る,上がる〔単〕. (出典:萱野、方言:沙流)
- hemesu
- ヘメス 【自動】[単](複は hemespa ヘメㇱパ)[he-mesu 頭・そぐ](魚が川上へ)上る、 (人が高い所へ)上がる、 (人が山に)登る。 suy or a=omáre yakun hemesu póka a=eáykap uske スヨㇿ アオマレ ヤクン ヘメス ポカ アエアイカㇷ゚ ウㇱケ …穴に入れられたら上がることもできないようなところ。(W民話) nupuri turasi hemesu=an ヌプリ トゥラシ ヘメスアン 私は山を登って行った。(W民話) ☆参考 自動詞であることに注意。 山や川は目的語にはならない。 ☆参考 人が川をさかのぼることは pet turasi arpa ペッ トゥラシ アㇻパ [単]と言い、 hemesu ヘメス とは言わない。 ☆参考 空中を上昇するのは rikin リキン、 川から岸に上がるのは yan ヤン ☆対語 san サン 山側(川上の方)から海側(川下の方)へ出る/下る/移動する。 ran ラン 山など(高い所)から低い所へ下りる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- a=eramuhemesusu
- アエラムヘメスス 【a=e-ramu-hemesusu】 私はそれによって満足した,すかっとした. ▷ア=私 エ=それ ラム=思い ヘメスス=満足 *ヘメススのひと言で満足にならないので,前後の言葉が必要である.ソンノ ネア ウェンクㇽ ライチェㇷ゚ネ ケラムヘメスス(ク・エラムヘメスス)=本当にあの悪い奴がのたれ死にしたそうで,私はすかっとした.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- cep hemesu
- チェㇷ゚ヘメス(チェㇷ゚ヘメㇱパ) §067 サケ あきあじ、あきやじ 他(4) cep hemesu(čep-he-me-su)(あるいはhemespa)「チェㇷ゚ヘメス(チェㇷ゚ヘメㇱパ)」⦅幌別⦆サケマスが川をのぼる。――hemesu「のぼる」。hemespaはその複数形。 (出典:知里動物編、方言:)
- eramuhemesusu
- エラムヘメスス 【e-ramu-hemesusu】 気分がすっきりする,安心する. プ オッタ(オㇿ タ) アン エルㇺ ア・キㇱマ ヒネ ミンタㇻ オルン ア・エシㇼキㇰ ワ ア・ライケ ア・エラムヘメスス=倉にいたネズミをつかまえて外庭で大地の上へ投げつけて気分がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
- hemesu-eaykap
- ヘメスエアイカㇷ゚ 【自動】[hemesu-eaykap のぼる・できない](=hemesu eaykap ヘメス エアイカㇷ゚) 登れない。 ruyapto ne ya kamuymaw ne ya ani hemesu-eaykap=an noyne húmas wa kusu ルヤㇷ゚ト ネ ヤ カムイマウ ネ ヤ アニ ヘメスエアイカㇷ゚アン ノイネ フマㇱ ワ クス 激しい雨やら神風やらで私は(山に)登ることができないように感じられたので。(W民話) {E: to be unable to climb.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kohemesu
- コヘメス 【他動】[単](複は kohemespa コヘメㇱパ)[ko-hemesu …に・登る] …に登る。 nupuri kohemesu ヌプリ コヘメス 山に登る。 {E: to climb…} (出典:田村、方言:沙流)
- ramuhemesusu
- ラムヘメスス 【ramu-hemesusu】 満足する.▷ラム=思い ヘメスス=登る (出典:萱野、方言:沙流)
- ankes
- アンケㇱ 【名】[an-kes 夜・末] 夜の終わり頃、 明け方の三〜四時頃。 ankes síno cep hemesu p ne アンケㇱ シノ チェㇷ゚ ヘメスㇷ゚ ネ 夜明け前の三時か四時ごろにいちばん鮭(アキアジ)がのぼるのだ。(S) {E: the time around the end of the night (3~4:00 AM).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ehutturasi
- エフットゥラシ 【自動/副】[e-hur-turasi その頭・山の斜面・に沿って上へ(行く)]坂道(山道)を上へ向かって(登る等)。 ehuttrasi ku=hemesu エフットゥラシ クヘメス 坂を登る。 {E: to go up a slope.} (出典:田村、方言:沙流)
- emuemu
- エムエム 【他動】…をはい登る。 weysir emuemu ayne easir nupuri ka ta hemesu ウェイシㇼ エムエム アイネ エアシㇼ ヌプリ カ タ ヘメス 険しい山をはい登るようにしてやっと頂上に登った。(S) {E: to creep, crawl up…} (出典:田村、方言:沙流)
- hemespa
- ヘメㇱパ 【自動】[複](単は hemesu ヘメス)(魚が川上へ)上る、 (人が台か何かの上へ)上がる、 (人が山を)登る。 cep hemespa チェㇷ゚ ヘメㇱパ 魚(鮭)が川を上る。 konkane cikappo ni hontom pakno rap hemespa kor oka コンカネ チカッポ ニ ホントㇺ パㇰノ ラㇷ゚ ヘメㇱパ コㇿ オカ 黄金の小鳥が木の中ほどまで下りたり上がったりしていた。(KC民話) nupuri turasi hemespa ヌプリ トゥラシ ヘメㇱパ 山を登る。 ☆参考 人が川をさかのぼるのは pet turasi paye ペッ トゥラシ パイェ [複]。 ☞hemesu ヘメス {E: to go upstream; climb (a mountain.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hemespapa
- ヘメㇱパパ 【自動】[複複](単は hemesu ヘメス)(たくさんの魚/大勢の人が皆)(川上へ/上へ/山へ)上る/上がる/登る。 kínup okes ta káne cise poro cise an uskehe ta hemespapa híne キヌㇷ゚ オケㇱ タ カネ チセ ポロ チセ アン ウㇱケヘ タ ヘメㇱパパ ヒネ (彼らは)カヤ原のはずれに金(かね)の大きな家があるところに(山道を)登って行って。(KC民話) {E: to go upstream; go up; climb. (pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kohemespa
- コヘメㇱパ 【他動】[複](単は kohemesu コヘメス) (二人以上が) …に登る。 nupuri kohemespa ヌプリ コヘメㇱパ (二人以上が)山に登る。 Petetokuspe kamuynupuri a=kohémespa ペテトクㇱペ カムイヌプリ アコヘメㇱパ 私はペテトクシペと言う神の山に登った。(W神謡語り) ☆参考 この用例では神の自叙なので、 一人でも複数形が使われている。 {E: to climb…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- níkomimu
- ニコミム 【自動】[ni-ko-mimu (< nimu ニム)木・に・よじ登る] 木登りする。 (手足を使って木に登ることを言う。) cápe níkomimu wa hemesu kor an チャペ ニコミム ワ ヘメス コラン 猫が木登りして登って行っている。 ☆参考 よじ登ることを表す単独の動詞は nimu ニム。 {E: to climb a tree.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- okuwan
- オクワン 【副詞(?)】[o-kuwan その下の方が・まっすぐである](次の表現で) okuwan as オクワン アㇱ (山や斜面が)急である。 okuwan as hur/nupuri オクワン アㇱ フㇽ/ヌプリ 急な斜面/山。 okuwan as uske kari hemesu オクワン アㇱ ウㇱケ カリ ヘメス 急なところから登る。 ☆参考 okuwan as オクワン アㇱ よりも kuwan as クワン アㇱ のほうがもっと急で、 高くなくても切り立っていることを言う。 okuwan as オクワン アㇱ は切り立っていなくても、 ただの急な坂道でも言う。(S) pira ピラ《崖》は kuwan as クワン アㇱ にきまっている。(S) {E: steep.} (出典:田村、方言:沙流)
- okuwas
- オクワㇱ 【自動】[< okuwan-as 切り立って・立っている](?) (山が)急である、 険しい。 okuwas hur/nupuri オクワㇱ フㇽ/ヌプリ 急な山。 okuwas uske kari hemesu オクワㇱ ウㇱケ カリ ヘメス 急なところから登る。 ☆参考 okuwan as オクワン アㇱ とも言う。 {E: to rise steeply; be steep.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rasmam
- ラㇱマㇺ 【自動】低い。 oro wa rasmam ápekor an uske kari ku=hemesu a korka オロ ワ ラㇱマㇺ アペコラン ウㇱケ カリ クヘメス ア コㇿカ (私は)いちばん低いように見えたところから登ったんだけれども…。(S) ☆参考 ram ラㇺ 木や山の低いことを言うのに通常は ram ラㇺ が使われている。 rasmam ラㇱマㇺ の意味・用法の詳細は不明。 {E: to be low; easy to climb.} (出典:田村、方言:沙流)
- riratte
- リラッテ 【自動】[rir-atte 波・…を掛ける] スーッと波をひく。 pet turasi cep riratte wa hemesu ペッ トゥラシ チェㇷ゚ リラッテ ワ ヘメス 川を魚が波をひいてのぼる。 {E: to make waves.} (出典:田村、方言:沙流)
- sítu
- シトゥ 【名】尾根(「つね、 ちね」)。 sítu mekka ta シトゥ メッカ タ 尾根の上に。(KK民話) sítu pes rán=an akusu シトゥ ペㇱ ラナン アクス (私が)尾根づたいに下って行くと。(KK民話) sítu turasi hemesu=an シトゥ トゥラシ ヘメスアン (私は)尾根づたいにのぼって行った。(KK民話) Yúpet kopakke un ratki sítu tanne sítu an wa ユペッ コパッケ ウン ラッキ シトゥ タンネ シトゥ アン ワ 勇別の方に向かって下がっている長い尾根があって。(KK民話) “sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an?” “a=sikíhi un” 「シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン?」 「アシキヒ ウン」 「一つの尾根を両方から一緒に持っていてお互いに会ったことがないものはなあに?」「(私たちみんなの)目よ。」(なぞなぞ) (W-S会話) {E: a ridge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- turasi 2
- トゥラシ 【後副】…に沿って上(かみ)の方へ、 (川や沢)をさかのぼって。 nupuri turasi hemesu=an ヌプリ トゥラシ ヘメスアン 私は山をのぼって行った。(W民話) pet turasi kotan sipirasa ペッ トゥラシ コタン シピラサ 川沿いに集落が(下から上へと)広がっていった。(S言い伝え) {E: upstream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayiyaykuste
- ヤイヤイクㇱテ 【自動】疲れきる、 息もできないほどすっかり疲れる。 ehutturasi ku=hemesu a ku=hemesu a ayne earkinne ku=yayyaykuste エフットゥラシ クヘメス ア クヘメス ア アイネ エアㇻキンネ クヤイヤイクㇱテ 私は急な坂道をのぼってのぼってすっかりくたびれた(ku=yayiyaykuste クヤイヤイクㇱテ が、 アクセントの関係で yi イ の部分が弱まり、 i が落ちた)。(S) ☆発音 yi イ の部分を高く発音する。 しかし、 接頭辞がついてアクセント核が前に移ると(つまり、 語頭の ya ヤ の部分が高くなると) i が落ちることも多い。 {E: to be tired; exhausted.} (出典:田村、方言:沙流)
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萱野 茂『萱野茂のアイヌ語辞典』1996年 ©萱野れい子
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』1996年 ©田村洋一