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- kotan
- コタン 【名】村、 集落、 人々の住む地域(古老はしばしば「部落」と訳していた)。 Sar kotan サㇻ コタン 沙流地方(沙流川流域の村落のある所全体)。 kotan mawkaske コタン マウカㇱケ[maw-kaske 風・上の所] 村/集落の風上側の所/東側の所。 (出典:田村、方言:沙流)
- arkotan
- アㇻコタン 【名】[ar-kotan 一方の(=他の)・村] よその村。 {E: another, a strange, a different village.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- arkotan
- アㇻコタン 【ar-kotan】 よその村. アㇻコタン タ カㇻパ(ク・アㇻパ) ヒネ ル ウウェコホピ ウㇱケ タ カㇱ(ク・アㇱ) カネ ワ コタン レ ク・イェ ヒ ネ ク・ウウェペケンヌ アクス エネ エネ アㇻパ アニ ア・イ・イェパカㇱヌ=よその村ヘ私は行き,道の分かれる所で立ち止まって村の名前を言って尋ねると,こうこう行くのだと私に教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
- aynukotan
- アイヌコタン 【aynu-kotan】 アイヌの村. *シネチセ(1軒の家),トゥチセ(2軒の家),レチセ(3軒の家).そしてイネチセ(4軒の家)が集まればコタンを形成するといわれる.▷アイヌ=人 コタン=村 (出典:萱野、方言:沙流)
- ekotankor
- エコタンコㇿ 【他動】[e-kotan-kor (そこ)で・村・を持つ] …の村おさである、 …を治める。 {E: to be the village chief of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekotankorkur
- エコタンコㇿクㇽ 【名】[ekotankor-kur …(の村)を治める・人] …の村おさ。 {E: the village chief of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekotanne
- エコタンネ 【他動】[e-kotan-ne (そこ)で・村・である] …の村に住んでいる、 …の村人の仲間入りをする。 {E: to live in the village of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekotanne
- エコタンネ 【e-kotanne】 村の者になる,村人として仲間に入る. ▷エ=それ,人 コタン=村 ネ=なる *村人として受け入れられたこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- ekotannere
- エコタンネレ 【複他動】(他動詞の使役形)[e-kotan-ne-re (そこ)で・村・である・させる](人)を…の村に住まわせる。 {E: to make someone live in the village of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- enoyporkotanas
- エノイポㇿコタナㇱ §159.おでこ(2)enoyporkotanas〔e-nóǐ-por-ko-tà-nas エのイポㇿコタナㇱ〕[e(そこ)+noypor(前頭部、ひたい+ko(において)+tanas(凸出している)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- inehuykotan
- イネフイコタン 【inehuy-kotan】 どこかの村,見知らぬ村, ▷イネフイ=どこ コタン=村 イネフイモシㇼ イネフイコタン プㇱコサヌ ヤシコサヌ カムイエッフㇺ トゥリミㇺセ=どこの国か、どこの村かで,爆発音,破裂の音,神が来る音がひびき渡った……. *これはユカㇻに出てくる常套語[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- inne kotan
- インネ コタン 【inne kotan】 大勢の村.▷インネ=人口の多い コタン=村 (出典:萱野、方言:沙流)
- isoykun kotan eunciarere
- イソイクン コタン エウンチアレレ §034.結婚(する)(22)i-soykun kotan e-unci-arere〔i-sóǐ-kuŋ|ko-tán|e-ún-či-a-re-re イそイクン・コたン・エうンチアレレ〕⦅マオカ⦆【雅】隣村に家庭を持たせた。⦅→樺太の神謡, p.6⦆。[<i-(我ら)+soyke(の外、の隣)+un(の)+kotan(村)+-e-(に)+unci(火を)+are-re(焚か・せた)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- itunnapkotan
- イトゥンナㇷ゚コタン §123 アリ 蟻 (13) itunnap-kotan(i-tún-nap-ko-tan)「イとゥンナㇷ゚コタン」⦅旭川⦆アリの巣 (出典:知里動物編、方言:)
- iyekotanne
- イイェコタンネ 【i-ye-kotan-ne】 私の村の者になった,村人になる. ▷イ=その人 イェ=それ コタン=村 ネ=なる,なった(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- kamuykotan
- カムイコタン 【kamuy-kotan】 神の村:天の上にあると考えられていた. (出典:萱野、方言:沙流)
- kamuykotan orun oman
- カムイコタン オルン オマン §389.しぬ(死ぬ)(15)死ぬ kamuy-kotan orun oman〔ka-múǐ-ko-tan|o-rún|omán カむイコタン・オるン・オまン〕[神の国へ・行く]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kotan kes un ehorak cise
- コタンケスン エホラㇰチセ 【kotan-kesun e-horak-cise】 村の下端のあばら家.ウウェペケㇾという昔話で,悪さをした女が逃げ込む家. ウェンメノコ アトイキッカㇻ アウェンキッカㇻ コタンケスン エホラㇰチセ エウン ヤイ ニンパニンパ ワ アラパワイサㇺ=悪さをした女をすごくいじめ,すごくたたいたら,村はずれの半分倒れかかった家へ,自分自身を引きずるようにして,行ってしまった. *昔話の常套句[ウ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- kotan _otta
- コタノッタ 【kotan or ta】 村で.▷コタン=村 オッタ=で (出典:萱野、方言:沙流)
- kotan'utur
- コタンウトゥㇽ 【kotan-utur】 村の下座,村の西側へ. (出典:萱野、方言:沙流)
- Kotan-sitcire
- コタンシッチレ 【名】[< kotan-sir-ci-re 村/集落・地・焼ける・させる](ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公で人間の始祖となるために生まれた神の子の呼び名の最初の部分。 全部言うと次の通り。) Kotan-sitcire/Mosir-sitcire/Sanka-tososo/Hon-okkasi/Opoysuyanke/Oypepi-poro/Kamuy ne an kur コタンシッチレ/モシㇼシッチレ/サンカトソソ/ホノッカシ/オポイスヤンケ/オイペピポロ/カムイ ネ アン クㇽ [雅]村焼き、 国焼き、 棚荒らし、 腹の上、 小鍋上げ、 大茶碗、 神になる人。(Sユーカラ) ☆参考 最後の部分は Kamuy ne an kur カムイ ネ アン クㇽ《神になる人々》の代わりに Sípase kamuy シパセ カムイ《まことに尊い神》とも言われる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotan/kotanu(hu)
- コタン/コタヌ(フ) 【kotan/kotanu(hu)】 集落,部落,村. シネ チセ トゥ チセ レ チセ イネ チセ アン コㇿ モヨ ノ アン コタン セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワー=1軒の家,2軒の家,3軒の家,4軒の家があると,人の少ない村と表現されたものであった.図[コタン] (出典:萱野、方言:沙流)
- kotankarkamuy
- コタンカㇻカムイ 【kotan-kar-kamuy】 アイヌの国土を作った神様. (出典:萱野、方言:沙流)
- kotankes
- コタンケㇱ 【kotan-kes】 村の下端.▷コタン=村 ケㇱ=尻 *私の村二風谷では平取の方の村の端をコタンケㇱという.村の上の方をコタンパ=村の頭という言い方をする. (出典:萱野、方言:沙流)
- kotankohcikah
- コタンコㇹチカㇵ §334 シマフクロウ (5) kotan-koh-cikah (ko-tán-koh-či-kah)「コたンコㇹチカㇵ」[<kotan-kor-cikap] ⦅新問⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- kotankonnispa
- コタンコンニㇱパ 【名】[kotan-kor-nispa 村/集落・を持つ・長者] 村おさ(=kotankor nispa コタンコㇿ ニㇱパ)。 ☆参考 古老は「しゅうちょう(酋長)」または「しゅうちょうさん」と言っていた。 {E: a village head, chief.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotankor
- コタンコㇿ 【自動】[kotan-kor 村・を持つ] 村を領有する、 村を統治する、 村を守る。 kotankor kamuy コタンコㇿ カムイ 村を領有する神。 (1)フクロウ神。 (2)神の村での村おさの神。 kotankor kur コタンコㇿ クㇽ 村を領有する(治める)人=村おさ。 kotankor nispa コタンコン ニㇱパ 村を領有する(治める)長者=村おさ。 {E: a village; a town.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotankor-cikap
- コタンコッ チカㇷ゚ 【名】[kotan-kor-cikap 村・を領有する・鳥] 村を守る鳥=フクロウ。 (出典:田村、方言:沙流)
- kotankor-cikappo
- コタンコッ チカッポ [kotan-kor-cikap-po 村・を領有する・鳥・(指小辞)] 敬愛する村の守り神の鳥=フクロウ神さま。 (出典:田村、方言:沙流)
- kotankorkamuy
- コタンコㇿカムイ 【kotan-kor-kamuy】 シマフクロウ,フクロウ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kotankorkamuy
- コタンコㇿカムイ §334 シマフクロウ (7) kotan-kor-kamuy (ko-tán-kor-kamuy)「コたンコㇿカムイ」[<kotan(村)kor(所有する)kamuy(神)、村を守護する神] ⦅幌別、沙流、屈斜路、美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- kotankorkur
- コタンコㇿクㇽ 【名】村おさ(=kotankor kur コタンコㇿ クㇽ )。 ☆参考 古老は「しゅうちょう(酋長)」または「しゅうちょうさん」と言っていた。 {E: a village head, chief.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotankorkur
- コタンコㇿクㇽ 【kotan-kor-kur】 村おさ. タパン ハワㇱ アナㇰネ サウレ オルㇱペ ソモ ネ クス コタン コㇿ クㇽ ア・エサラマ=この問題はやさしい話ではないので村おさに任せよう. (出典:萱野、方言:沙流)
- kotankornispa
- コタンコㇿニㇱパ 【kotan-kor-nispa】 村持つ人,村おさ.▷コタン=村 コㇿ=持つ ニㇱパ=物持ち (出典:萱野、方言:沙流)
- kotankorocikah
- コタンコロチカㇵ §334 シマフクロウ (6) kotan-koro-cikah (ko-tán-ko-ro-či-kah)「コたンコロチカㇵ」[<kotan-kor-cikap] ⦅白浦⦆[=eturus.] (出典:知里動物編、方言:)
- kotankor[ceppo]
- コタンコㇿ[チェッポ] §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (8) kotan-kor[ceppo] (ko-tán-kor[cep-po])「コたンコㇿ[チェッポ]」[<kotan(村)kor(持つ、支配する)cep(魚)po(指小辞)] 成魚 ⦅白糠⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- kotankotcep
- コタンコッチェㇷ゚ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (7) kotankotcep (ko-tán-kot-cep)「コたンコッチェㇷ゚」[kotan(村)kot(<kor持つ、支配する)cep(魚)] 成魚 ⦅近文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- kotankotcikap
- コタンコッチカㇷ゚ §334 シマフクロウ (4) kotan-kot-cikap (ko-tán-kot-či-kap)「コたンコッチカㇷ゚」[<kotan-kor-cikap(村・所有する・鳥)、村を守護する鳥] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- kotankottasum(-i)
- コタンコッタスㇺ §594. ばいどく(梅毒)(2)kotan-kot-tasum(-i)〔ko-táŋ-kot-ta-sum コたン・コッ・タスㇺ〕[kotan(村を)+kot(領する)+tasum(病気)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kotannonnoitak
- コタンノンノイタㇰ 【自動】[kotan-nonnoitak 村・を祈る/のろう] 村にのろいをかける。 {E: to put a curse on a village.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotanorun
- コタノルン 【kotan or un】 村へ.▷コタン=村 オルン=へ (出典:萱野、方言:沙流)
- kotanpa
- コタンパ 【kotan-pa】 村の上端:上下は川の上流下流のこと.▷コタン=村 パ=頭 *私の村二風谷では二風谷から見て荷負の方角をいう. (出典:萱野、方言:沙流)
- kotanpa 1
- コタンパ 【名】[kotan-pa 村・の上手] 村の上手(かみて)。 {E: the upper part of a village.} (出典:田村、方言:沙流)
- kotanpa 2
- コタンパ 【名】[kotan-pa 村・口] 村の入口。 {E: the entrance to a village.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotanror
- コタンロㇿ 【kotan-ror】 村の上座.▷コタン=村 ロㇿ=上座 *二風谷村の場合は自分が住んでいる家から見て東側をコタンロㇿ,あるいはロッタ=上座,エロンネ=上の方などという. (出典:萱野、方言:沙流)
- kotansitcire mosirsitcire oypepi poro
- コタンシッチレ モシㇼシッチレ オイペピ ポロ 【kotan-sir-cire mosir-sir-cire oypepi poro】 村を焼き国土を焼き使うお椀の大きい人:ポンヤウンペの別名.敵側からの悪口[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- kotanu(hu)
- コタヌフ 【名】[所](概は kotan コタン)…の村、 …の集落、 …の地域。 {E: the village, town area of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotanun
- コタヌン 【kotan un】 村の,村へ,村の方へ. (出典:萱野、方言:沙流)
- mosma kotan un kur
- モㇱマ コタン ウン クㇽ 【mosma kotan un kur】 よそ者. (出典:萱野、方言:沙流)
- mosmakotan
- モㇱマコタン 【mosma-kotan】 別の村. (出典:萱野、方言:沙流)
- moyonoankotan
- モヨノアンコタン 【moyo no an kotan】 人の少ない村. シネ チセ トゥ チセ レ チセ イネ チセ アン コㇿ モヨ ノ アン コタン セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワー=1軒の家,2軒の家,3軒の家,4軒の家があると,人の少ない村と表現されたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
- Sikotan
- シコタン 【名】[< si-kotan 大きい・集落][地名]シコタン(色丹)。 {E: place name.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikotankonni
- シコタンコンニ 【si-kotan-kor-ni】 太い樹木.▷シ=本当に コタン=村 コㇿ=持つ ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
- tumamkotanne
- トゥマㇺコタンネ 【自動】[tumam-ko-tanne 胴・が・長い] 胴が長い(熊や豚について言う)。 {E: to have a long trunk, body (especially of a bear or a pig).}. (出典:田村、方言:沙流)
- ukotanastanas
- ウコタナㇱタナㇱ 【自動】[uko-tanas-tanas 皆一緒に・(擬態)出っぱっている・(重複)] でこぼこだ(あちこちでっぱっている)。 ru ukotanastanas kotnekotne ル ウコタナㇱタナㇱ コッネコッネ 道がでこぼこだ。 ☆参考 kotne コッネ は《へこむ》。 ☞tanas タナㇱ {E: to be rough; uneven.} (出典:田村、方言:沙流)
- ukotanastanas
- ウコタナㇱタナㇱ 【u-ko-tanas-tanas】 でこぼこの,あちこちでっぱっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- uwekotanne
- ウウェコタンネ 【自動】[u-w-e-kotan-ne 互い・(挿入音)・と一緒に・村・である/になる] 同じ村の村人になる。 a=yuputari kotanu un túp=an wa uwekotanne=an アユプタリ コタヌ ウン トゥパン ワ ウウェコタンネアン 私たちは(妻の父が死んでから妻の村を離れて)兄たちの村へ移って、 同じ村の村人になった。(NK民話) {E: to become a member of the same village.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayekotanne
- ヤイェコタンネ 【自動】[yay-e-kotan-ne 自分・で・集落・である/になる] 一軒家である(他の家から離れ、 一軒で一つのコタンをなす)。 yayekotanne wa an ヤイェコタンネ ワ アン 一軒家だ。(S) {E: to be a single house.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaykotanesikarun
- ヤイコタネシカルン 【自動】[yay-kotan-esikarun 自分・村・を懐かしく思い出す] 故郷を思い出す、 故郷を懐かしむ。 ☆対語 yaykotanoyra ヤイコタノイラ {E: to long for one's home town.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaykotanoyra
- ヤイコタノイラ 【自動】[yay-kotan-oyra 自分・村・を忘れる] 故郷を離れていて忘れている、 自分の村を忘れて帰って来ない。 ☆対語 yaykotanesikarun ヤイコタネシカルン {E: to be away from and forget one's home town.} (出典:田村、方言:沙流)
- a= 10
- ア 【人接】[不定人称主格他動詞型] ①[一般称]一般に人は/人が、 (特定の人ではなく)だれかが/だれでもが。 sekor a=ye セコㇿ アイェ …と(一般に人が)言う=言われる。 húresisam mosir sekor a=ye p ne wa フレシサㇺ モシㇼ セコㇿ アイェㇷ゚ ネ ワ (外国のことは)赤毛の異民族の国と(一般に人は)言うのだわ。(W) ②[受身]…される。 a=en=kopisi アエンコピシ (不定の)人が私にたずねる=私がたずねられる。 a=en=kopisi p anakne opitta ku=ye wa アエンコピシㇷ゚ アナㇰネ オピッタ クイェ ワ 私がたずねられることはすべて私は言って(=答えて)。(S会話) kamuy opitta oro wa a=i=koypak カムイ オピッタ オロ ワ アイコイパㇰ 私たちはすべての神々からとがめられる(罰を受ける)。(W民話) kotan a=arústekka コタン アアルㇱテッカ 村が全滅させられた。(NK民話) ③[包括的一人称複数]相手を含む私たちが/の。 tanto a=ewkoytak pe anak a=ewéraman hawe ne タント アエウコイタㇰ ペ アナㇰ アエウェラマン ハウェ ネ きょう私たち(あなたと私)が話し合ったことはお互いに(あなたと私が)わかり合った。(W会話) a=sikíhi un アシキヒ ウン 私たち(あなたも私もみんな)の目よ。(W会話) ④[引用文中の自称] 自分(たち)が/の、 私(たち)が/の。 “…a=e=ráyke kusu ne” sekor hawean 「…アエライケ クス ネ」セコㇿ ハウェアン 「…私はあなたを殺す」と彼は言った。(HK民話) ⑤[敬意の二人称] あなた様が/の。 mak yaynu=an kuni a=ramú kusu マㇰ ヤイヌアン クニ アラム クス 私がどんな気持ちになるとあなたはお思いになって…。(NK民話) ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ《である》・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =an アン が接尾する。 ☞=an アン ☆参考 ユーカラ(英雄叙事詩)を歌うときには、 母音で始まる動詞語幹の前で、 しばしば a= ア の代わりに an= アン の形が使われる。 北海道南部以外では、 日常語でも an= アン がたくさん使われる。 ☞an= アン {E: ①… ②passive. ③first person plural inclusive. ④… ⑤second person honorific.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- an 1
- アン 【自動】[単](複は oka オカ) ①ある、 いる、 存在する、 滞在する、 住む、 起こる。 kotan noski ta poro cise an コタン ノㇱキ タ ポロ チセ アン 村のまん中に大きな家がある。 sine pa an wa arpa シネ パ アン ワ アㇻパ (彼は)一年滞在して(帰って)行った。 sáha an サハ アン (彼には)姉がいる。 an pe アン ペ 本当のこと。 an koraci アン コラチ ありのままに。 an kus/kusu(keray(po)) アン クㇱ/クス (ケライ(ポ)) …のおかげで。 an pakno アン パㇰノ あるだけ。 maratto an マラット アン 熊送り(の宴)が催される。 niskur an ニㇱクㇽ アン くもる、 くもっている。 nu(we) an ヌ(ウェ) アン (獲物が)たくさんとれる。 katu(hu) an カトゥ(フ) アン (へんな)かっこうだ。 ②生まれる。 hekaci an na ヘカチ アン ナ 男の子が生まれたよ。(W) an hi wano アニ ワノ 生まれたときから。(S) ③(時を表す語の後に置かれて)(朝、 翌日、 いつ) になる。 kunneywa an クンネイワ アン 朝になる。 ciwnici an チウニチ アン 12時になる。(W) isimne an イシㇺネ アン 翌日になる。 …an kor …アン コㇿ …になると、 …毎に。 kunneywa an kor, tokap an kor, onuman an kor クンネイワ アン コㇿ、 トカㇷ゚ アン コㇿ、 オヌマン アン コㇿ 毎朝、 毎昼、 毎晩。(S会話) kesto an kor ケㇱト アン コㇿ 毎日毎日。 hempara an kor ヘンパラ アン コㇿ いつになったら。(W即興詩) oka(ke) an オカ(ケ) アン 終わる。 ④(格助詞 ne ネ の後に置かれて)…になる。 síporo cikap ne an シポロ チカㇷ゚ ネ アン (彼は)巨大な鳥になった。(W神謡語り) ⑤(動詞句+接続助詞の後に置かれて) anki an アンキ アン もう少しで…しそうである。 pekor an ペコㇿ アン …したようである。 ápekor an アペコㇿ アン まるで…したかのようである。 híne an ヒネ アン …して(しまって) いる、 してある。 wa an ワ アン …してある/…している。(☞⑧) kane an …カネ アン …して(いる状態で)ある。 kor an コㇿ アン …しつつある。 kotom an コトㇺ アン …するようである。 noyne an ノイネ アン …する(した)らしい。 ⑥(副詞や副詞句の後に置かれてこれを動詞句とする。) mosmano an モㇱマノ アン だまって(かまわないで)いる。 sonno an a! ソンノ アナ! 本当だねえ。 easir an a! エアシラナ! 全くねえ。 néno (kane) an ネノ (カネ) アン …に(よく)似ている。 pak(no) an パㇰ(ノ) アン …くらい(の大きさ/量)である。 sekor an セコㇿ アン/セコラン … という(ような)。 sekor réhe an セコン レヘ アン …という名前である。 sekor ku=rehe an セコㇿ クレヘ アン 私は…という名前です。 ⑦(熟語) sine an ta シネ アン タ (=sineanta) ある時。 sine an pa ta シネ アン パ タ ある年に。 sine an to ta シネ アン ト タ ある日(に)。 ne wa an… ネ ワ アン… (今ここで話題にしている)この…。 ⑧[補助動詞] wa an/híne an ワ アン/ヒネ アン …して(し終わって)いる、 …してある。 ek wa an エㇰ ワ アン (彼はもう)来ている。(W会話、 民話) a=suwé wa an アスウェ ワ アン (ごはんが)炊いてある。(W) e=hokuhu an wa an ruwe? エホクフ アン マ アン ルウェ? あなたの夫はいてあるのかい=ご主人いるかい(いま在宅しているか)? (W)(方言で「いてあったかい?」と言う言い方がある。 同じことを e=hokuhu an ruwe/isam ruwe? エホクフ アン ルウェ/イサㇺ ルウェ? 《あなたの夫はいるのかい/いないのかい?》と言うことも可能だが、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ と言うほうが好まれる。 一方、 夫を持っているかいないか(独身か)をたずねるときは an ruwe/isam ruwe アン ルウェ/イサㇺ ルウェ のほうを使い、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ とは言わない。) ☆参考 [否定のつくり方]否定辞 somo ソモ による否定は通常つくられず否定動詞 isam イサㇺ が使われる。 ☞isam イサㇺ {E: ①to be; exist; stay; live; happen. ②to be born. ③to become (in reference to time). ④to become… ⑤… ⑥… ⑦…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ar-uska
- アㇻウㇱカ/アルㇱカ 【他動】[ar-us-ka 全く・消える・させる] …を完全に消してしまう、 …をすっかり絶やす。 e=kotanu a=ar-uska a=arwente nankor エコタヌ アアルㇱカ アアㇻウェンテ ナンコㇿ あなたの村はすっかり絶やされすっかり滅ぼされるでしょう。(W民話) {E: to let something die, run out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ar-wente
- アㇻウェンテ 【他動】[ar-wen-te 完全に・悪い・させる] すっかりだめにする。 e=kotanu a=ar-uska a=ar-wente nankor エコタヌ アアㇻウㇱカ アアㇻウェンテ ナンコㇿ あなたの村はすっかり消され、 すっかり滅ぼされてしまうでしょう。(W民話) ☆発音 アㇽウェンテ。 {E: to completely destroy…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- aynu
- アイヌ 【名】①人間(神や動物などに対して)。 aynu kotan アイヌ コタン 人間の集落、 アイヌの村。 aynu mosir アイヌ モシㇼ 人間界(神の国に対する)。 ②男(menoko メノコ《女》に対して)。 ③アイヌ(民族名、 sísam シサㇺ《和人》など に対して)。 aynu itak アイヌ イタㇰ アイヌ語。 aynu mosir アイヌ モシㇼ アイヌの国/地 (多く、 北海道を指す)。 aynu cip アイヌ チㇷ゚( 直訳すると)アイヌの舟=丸木舟。 ④(kor コㇿ《…の》のあとに置かれて)おとうさん、 おとうちゃん。 e=kor aynu uymam wa/uymam-repunka エコㇿ アイヌ ウイマㇺ ワ/ウイマㇺレプンカ あなたのとうさんは交易に行って/交易をしに海を越えて行った。(S子守歌) a=kor totto/henoo uwan/pepa=kor aynu/wakka i=kure アコッ トット/ヘノオ ウワオ/ペパコㇿ アイヌ ワッカ イクレ おかあちゃん、 おとうちゃん、 水をください。(W神謡K) ☆参考 用例の子守歌の歌い手のサダモさんは、 父親のことを言うのに、 ふだんは iyapo イヤポ を使い、 「あなたのおとうさん」は e=kor iyapo エコㇿ イヤポ と言う。 神謡の歌い手ワテケさんは、 ふだんは míci ミチ を使い、 「私のおとうさん」は ku=mici クミチ と言う。 {E: ①a human-being. ②a man. ③an Ainu. ④a father.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ci= 5
- チ 【人接】[対立的一人称複数主格他動詞型] ①相手を含まない私たちが/の。 tane ci=ye kusu ne タネ チイェ クス ネ 今私たち(私と彼)は言います。 tun ren ci=ne híne トゥン レン チネ ヒネ 私たち二、 三人で。 ci=kotanu チコタヌ 私たちの村。 ②(神謡の中で、 神の自称)神である私が/の。 sakehe ci=kar サケヘ チカㇻ 私はそれで酒をつくった。(HC神謡) ③(民話の中の常套句で主人公の自称)私が/の。 hoski tas ci=nu rok pe! ホㇱキ タㇱ チヌ ロㇰ ペ! おれが先に聞いたんだ(川上男と川下男の民話で川上男が言う)。(W民話) ☆参考 母音で始まる語幹につくときは c= チ ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =as アㇱ が接尾する。 {E: ①first person plural exclusive (personal affix). ②reference to self for a god. ③reference to self for a hero in a folktale.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ean 1
- エアン 【他動】[e-an …に・ある][雅] …にある。 tan inne kotan/kamuy kotan/to teksama/ean ruwe ne タニンネ コタン/カムイ コタン/ト テㇰサマ/エアン ルウェ ネ [雅]村人の多い村、 神の村が湖のほとりにあった。(W神謡語り) {E: to exist; is; are.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eapkas
- エアㇷ゚カㇱ 【他動】[e-apkas (そのこと)で・歩く] …しに歩く(まわる、 旅する)。 kotan epitta imek eapkas コタン エピッタ イメㇰ エアㇷ゚カㇱ 村じゅう食べ物を配ってまわった。(HK民話) ☞apkas アㇷ゚カㇱ {E: to walk, go to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eappene
- エアッペネ 【他動】[e-appe-ne …に関して・[日本語]あっぺ(=不適切)・である]…しにくい。 etuhu nin wa ku=nuye eappene エトゥフ ニン マ クヌイェ エアッペネ (鉛筆の)先が減って書きにくい。(S) ru ukotanastanas wa k=apkas ka eappene ル ウコタナㇱタナㇱ ワ カㇷ゚カㇱ カ エアッペネ 道がでこぼこで歩きにくい。 {E: to be difficult to (do)…} (出典:田村、方言:沙流)
- eci= 2
- エチ 【人接】[二人称複数主格・目的格]あなたたちが/の/を/に。 eci=árki エチアㇻキ あなたたちは来る。 eci=kór ekasi エチコㇿ エカㇱ あなたたちが持つおじいさん=あなたたちのおじいさん(祖父)。 eci=uhékote エチウヘコテ あなたたちは互いに連れ添う。 eci=kotánuhu エチコタヌフ あなたたちの村。 a=eci=réspa アエチレㇱパ (引用文中で)私はあなたたちを育てた。 a=eci=koré アエチコレ (引用文中で)私はあなたたちに(それを)与える。 ☆発音 語幹のアクセントは変わらない。 eci= エチ はいつも低く発音し、 語幹の部分は、 eci= エチ がついていないときと同じアクセントで発音する。 {E: you (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eepak
- エエパㇰ 【位名】[概](所は eepaki(hi) エエパキ(ヒ), eepakke(he) エエパッケ(ヘ)) ①次。 ku=mataki eepak oruspe ye nankor na クマタキ エエパㇰ オルㇱペ イェ ナンコンナ 私の妹がこの次のことを言うでしょうよ=このあと続けて言いなさいね。(W会話) kotan eepak ta ku=nukar コタネエパㇰ タ クヌカㇻ 村のはずれで(彼に)会った。(W) ②端(長いものの端。 細長い矩形の短いほうの辺の方)。 {E: ①next. ②edge, tip.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ehanke
- エハンケ 【他動】[e-hanke (そこ)に・近い] …が近くなる、 …に近づく。 tokap'ipe ehanke トカㇷ゚イペ エハンケ 昼食に近づいた=もうじきお昼だ。(S) tane orun sáp=an kotan ehanke kor an タネ オルン サパン コタン エハンケ コラン もうそこへ私たちが行く村が近づきつつある=私たちは目的地の村に近づきつつある。(S) {E: to (go ) near, approach…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekasnukar
- エカㇱヌカㇻ 【他動】[e-kas-nukar …で・(人)の上・を見る] (人)に(もの)を授ける。 to kor kamuy pekanpe haru i=ekasnukar wa kusu a=kotánuhu siknu p ne a kusu ト コㇿ カムイ ペカンペ ハル イエカㇱヌカㇻ ワ クス アコタヌフ シㇰヌㇷ゚ ネ ア クス 湖の神が菱の実という食料を授けてくれたおかげで私たちの村が行きのびられたのだったから。(S会話) {E: to grant…to someone } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekohosipi
- エコホシピ 【他動】[e-ko-hosipi …に・に・もどる] …にもどって行く。 Tokiyo kotan/páse kotan/kotan tapkasi/ekohosipi [雅]トキヨ コタン/パセ コタン/コタン タㇷ゚カシ/エコホシピ (彼は)東京の都に帰って行く。(W即興詩) {E: to go back to…; return to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekoykar
- エコイカㇻ 【他動(複他?)】[e-ko-i-kar …に関して・…に・ものごとを・する]…に従う、 反対しない。 kotankorkur purihi aynu opitta ekoykar コタンコㇿクㇽ プリヒ アイヌ オピッタ エコイカㇻ 村長(むらおさ)のやり方には人はだれも反対しない。(S) ☞koykar コイカㇻ {E: to follow…; not disobey…} (出典:田村、方言:沙流)
- eniwcinne
- エニウチンネ 【他動】…を追い出す。 wenkur umurek néun ka mosma pet or un hene mosma kotan or un hene eci=eníwcinne hene ki wa ne yakun kanna a=eci=ipére yakka ウェンクㇽ ウムレㇰ ネウン カ モㇱマ ペトルン ヘネ モㇱマ コタノルン ヘネ エチエニウチンネ ヘネ キ ワ ネ ヤクン カンナ アエチイペレ ヤッカ 貧乏人夫婦をあなたたちがどこかよその川すじへでもよその村へでも追い出したならばまたあなたたちに食べ物を与えるけれども(そうしなければ与えないぞ)。(HK民話) ☆参考 〔久辞典 niuchinne 追出す、 逐出す〕 {E: to drive out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- enupur
- エヌプㇽ 【他動】[e-nupur (そこ)で・霊力を持つ](直訳すると)(そこ)に霊力をもつ=(神が)…を守る。 Kotan-sermak-enupur-kamuy コタンセㇾマㇰエヌプㇽカムイ 村の背後を守る神(屈斜路湖畔の山の昔の呼び名、 別名 Kamuy nupuri カムイ ヌプリ 神山)。 ☆参考 神が(そこ)を守ることを表す語の一つ。 ほかに enukor エヌコㇿ、 epunkine エプンキネ とも言う。 ☞nupur ヌプㇽ {E: to have spiritual power over…; (for god)to rule over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- epitta
- エピッタ 【後副】一つのものの全部(全体)、 …じゅう。 kotan epitta コタン エピッタ 村じゅう。 …hi epitta …ヒ エピッタ …した間じゅう、 …した所すべて。 ku=simonarserke epitta réne クシモナㇻセㇾケ エピッタ レネ 私の右半身が全部麻痺した。 netopake epitta arka ネトパケ エピッタ アㇻカ 体じゅう痛い。 to epitta nepki kor an ト エピッタ ネㇷ゚キ コㇿ アン (彼は)一日いっぱい(一日じゅう)働いている。(S) cise epitta toypana yaysamne チセ エピッタ トイパナ ヤイサㇺネ 家じゅう土ぼこりだらけだ。(S) ☆参考 opitta オピッタ は二つ以上あるいはたくさんのものや人すべて、 皆。 {E: throughout…; all over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eponciseanu
- エポンチセアヌ 【他動】[e-poncise-anu (人)のことで・小屋を・置く](人)のために小屋をつくって住まわせている。 a=wenmatnepo weysiyeye wa, kotan apapa ta a=epónciseanu アウェンマッネポ ウェイシイェイェ ワ、 コタン アパパ タ アエポンチセアヌ 私のふつつかな娘が悪い病気になって、 村の入り口に小屋をたてて住まわせています。(NK民話) ☆参考 eponcisekar エポンチセカㇻ とも言う。 {E: to build a hut for someone to live in.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- epunkine
- エプンキネ 【他動】[e-punki-ne …で・守護者・である] …を守る、 (国)を治める、 …の番をする、 …を看護する。 mosir/kotan epunkine kamuy モシㇼ/コタン エプンキネ カムイ 国/村を守る神。 yaynuwen wa epunkine wa an ヤイヌウェン ワ エプンキネ ワ アン 具合いが悪いので看護している。(S) {E: to protect, guard, govern…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- erekor
- エレコㇿ 【他動】[e-re-kor (そのこと)で・名前・を持つ](そのこと)で名前がつく。 oro ta aynu kotan ka oka hi erekor kusu オロタ アイヌ コタン カ オカ ヒ エレコㇿ クス そこにアイヌの村があったことによって名前がついたから。(S言い伝え) {E: to be named.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- erok
- エロㇰ 【他動】[e-rok (そこ)に・座る[複]](神が)(そこ)に住む。 Nupursar kotan petetok kasi erok kamuy ヌプㇽサㇻ コタン ペテトㇰ カシ エロㇰ カムイ この沙流地域の川の水源地にまします神。(W神謡語り) ☆参考 erokrok エロㇰロㇰ という重複形でも言う。 ほかにも神が住むことを表す語はいろいろある。 ☞ewak エワㇰ、 urokte ウロㇰテ、 horari ホラリ、 horarpa ホラㇻパ、 enukor エヌコㇿ {E: the place where the gods live.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etoko(ho)
- エトコ(ホ) 【位名】[所](概は etok エトㇰ) ①…の先、 前。 etoko ta anak siyeye nukar kur ne a korka tane anak somo no an エトコ タ アナㇰ シイェイェ ヌカㇻ クㇽ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰ ソモ ノ アン (彼は)以前には病気を見る人(=医者)だったけれど今はそれはやめている。(S) etoko un cup エトコ ウン チュㇷ゚ 前の月。 etoko un to エトコ ウン ト 前の日。 ②(河川)のいちばん奥、 水源地。 petetoko(ho) ペテトコ(ホ) その川すじ/その集落の川の水源地。 a=kor Sar kotan petetokoho アコㇿ サㇻ コタン ペテトコホ 私たちの沙流川流域集落の川の水源地。(W民話) nayetoko(ho) ナイェトコ(ホ) その沢すじ/その地域の沢の水源地。 yu etoko ユ エトコ 温泉の水源。 ruetoko/ruwetoko ルエトコ/ルウェトコ 進んで行く先。 {E: ①ahead of… ②the source of (a river).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eun 2
- エウン 【後副】①(人や物、 場所)に向かって 、 …へ、 そこへ。 tanto apto as, e=mokor wa e=an noyne an pe eun k=ek タント アㇷ゚ト アㇱ、 エモコㇿ ワ エアン ノイネ アン ペ エウン ケㇰ 今日は雨降りだ、 あなたが寝ているようなところへ私は来た。(S) hápo eun he ku=ye, iyapo eun he ku=ye ciki pirka? ハポ エウン ヘ クイェ、 イヤポ エウン ヘ クイェ チキ ピㇼカ? かあさんに言おうか、 とうさんに言うほうがいいだろうか。(S) arorkisne eun c=uk híne アロㇿキシネ エウン チュㇰ ヒネ 私たちはこっそりそこから取って。 hunpe yan yak a=ye wa eun kotan eun utar uwehopunpa wa sap wa isam フンペ ヤン ヤカイェ ワ エウン コタン エウン ウタㇻ ウウェホプンパ ワ サㇷ゚ ワ イサㇺ くじらが浜に上がったと言うのでそこへ集落じゅうの人々が一人残らず行ってしまった。 ②(連体形に) kotan eun utar コタン エウン ウタㇻ 集落(村)の人々。 ③eun po (hene) エウン ポ (ヘネ) そのためなおいっそう、 かえって。 rurwakka kasi a=otátpa yakka eun po uhuy ルㇽワッカ カシ アオタッパ ヤッカ エウン ポ ウフイ 海水を上にかけてもかえってなお燃える。 kusuri ku=ku akus eun po hene wen クスリ クク アクㇱ エウン ポ ヘネ ウェン 薬を飲んだらかえってなお悪くなった。(S) {E: to face towards…; to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyar
- エヤㇻ 【他動】[e-yar …を食べる・だれか不定の人にしてもらう] 人に食べさせる、 人に食べてもらう。 e=kor tópenpe sanke wa eyar エコㇿ トペンペ サンケ ワ エヤㇻ あなたの(つくった)お汁粉を出して食べていただきなさい。(S) a=kotánu epitta a=eyár ayne アコタヌ エピッタ アエヤㇻ アイネ (乾し肉や乾し魚を) 私の村中の人々に食べさせて(=与えて)いたがとうとう…。(W民話) {E: to feed someone something; have someone eat something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyewtanne
- エイェウタンネ 【他動】[e-i-e-utar-ne …で・人・と・同族・になる] …の人と親戚になる、 (そこ)の村人になる。 tapan Sar kotan kotan penikehe eyewtanne wa oka utar ka oka タパン サㇻ コタン コタン ペニケヘ エイェウタンネ ワ オカ ウタㇻ カ オカ この沙流地域の川上の方で村人の仲間入りをして住んでいる人たちもいる。(W言い伝え) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 yew )に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には eiyewtanne/eyyewtanne エイイェウタンネ の形が使われることが多いと予想される。 {E: to become related to…; become a member of a village.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eynonnoitak
- エイノンノイタㇰ 【他動】[e-inonnoitak …について・祈る] …のことを祈る。 nísapno ray wa turse ruwe ne híne orowano néun a=epótara néun a=eynonnoitak kotan epitta oka nispa uwekarpa wa a=eynonnoitak kasi a=kik yakka a=niwkes híne ニサㇷ゚ノ ライ ワ トゥㇽセ ルウェ ネ ヒネ オロワノ ネウン アエポタラ ネウン アエイノンノイタㇰ コタネピッタ オカ ニㇱパ ウウェカㇻパ ワ アエイノンノイタㇰ カシ アキㇰ ヤッカ アニウケㇱ ヒネ (私の一人娘が)突然死んで倒れて、 それからどんなにまじないをし、 どんなに祈り、 村じゅうの長者方が集まって娘のために祈っても(生き返らせるために)たたいても、 生き返らせることができなくて。(W民話) {E: to pray for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Honokkasi Opoysuyanke
- ホノッカシ オポイスヤンケ 【名】[< hon-okkasi o-poysu-yanke おなか・の上・に・小さい・鍋・を(火からおろして)のせる](ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公の神の子の呼び名の一部。 その父神の行状によってつけられた。) ☞Kotan-sitcire ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hontomo(ho)
- ホントモ(ホ) 【名】[所](概は hontom ホントㇺ)…の途中、 中流、 …の(木の)上下の中ほど、 その途中/中ほど。 Iskar hontomoho ta イㇱカㇻ ホントモホ タ 石狩川の中流で。(HC民話) hontomo ta ホントモ タ 途中で。 Yupet hontomo ekotankor kur ユペッ ホントモ エコタンコㇿ クㇽ 勇別川の中流の村長(むらおさ)。(W民話) {E: in the middle of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hotanukar
- ホタヌカㇻ 【他動】[hota-nukar (?)・を見る] …を見舞う、 …の様子を見る/見に行く。 isacise or un ku=henoye wa tasumkur ku=hotanukar wa orowa kotanpa un k=arpa kusu ne イサチセ オルン クヘノイェ ワ タスㇺクㇽ クホタヌカㇻ ワ オロワ コタンパ ウン カㇻパ クス ネ 病院へ寄って病人を見舞ってそれから集落の上(かみ)の方へ行く。(W) ☆参考 魚が網にかかったかどうか、 マイタケが出ているかどうかなどを見に行くのは nonkar ノンカㇻ。 {E: to go to visit, see, look in on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- inan
- イナン 【連体】どの。 inan kur イナン クㇽ どの人。 inan pe イナン ペ どのもの=どの者/どの子/どれ。 inan kotan イナン コタン どの村。 kotan un arpa ru inan ru ne? コタヌン アㇻパ ル イナン ル ネ? 集落(村)へ行く道はどの道ですか? (S) {E: which.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- inne
- インネ 【自動】[< ir-ne 集合・である]人数が多い。 inne utar インネ ウタㇻ 大勢の人々。 inne kotan インネ コタン 人口の多い村。 hekattar inne ヘカッタㇻ インネ 子どもが多い。(S) inne wa インネ ワ 大勢で。 inne wa arki インネ ワ アㇻキ (彼らは)大勢で来た。(S) inne=as wa arki=as ruwe un インネアㇱ ワ アㇻキアㇱ ルウェ ウン 私たちは大勢で来たのですよ。(S) {E: for there to be a lot of, many people; a large number of people.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ka(si) opiwki
- カ(シ) オピウキ 【連他動】[ka(si) o-piwki …の上・に・(?)] …を助ける(救助する、 援助する、 救援する)。 kotankor nispa matnepoho kasi a=opíwki wa a=siknure コタンコン ニㇱパ マッネポホ カシ アオピウキ ワ アシㇰヌレ (引用文中で)私が村おさの娘を救っていのちを助けた。 en=ka e=opiwki エンカ エオピウキ あなたが私を救ってくれる/くれた。 ☆参考 ikaopiwki イカオピウキ 人(のいのち)を救う、 人助けをする。 {E: to help, assist, aid…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kamuy 1
- カムイ 【名】①神。 …epunkine kamuy …エプンキネ カムイ (そこ)を守る神。 haru kamuy ハル カムイ 自然の恵みの食糧の神。 kanna kamuy カンナ カムイ 上天の神。 kimun kamuy キムン カムイ [山の・神] 熊(=kimunkamuy キムンカムイ)。 kemram kamuy ケㇺラㇺ カムイ 飢饉の神。 kotankor kamuy コタンコㇿ カムイ (1)村の守り神=フクロウ神。 (2)神の村での村おさの神。 mosirkar kamuy モシㇼカㇻ カムイ 国づくりの神。 páse kamuy パセ カムイ 尊い神(位の高い神)。 oripak kamuy オリパㇰ カムイ 天然痘の神。 payoka kamuy パヨカ カムイ 流行病の神。 repun kamuy レプン カムイ [沖の・神]シャチ ☞repunkamuy レプンカムイ。 nispa kamuy ニㇱパ カムイ 神のように尊い方(男性を尊んで言う表現)。 kamuy onisposo カムイ オニㇱポソ 神が空(雲)を突き抜けて落ちてくる=雷が落ちる。 kamuy cikap(-po) カムイ チカㇷ゚/チカッポ ☞kamuycikap カムイチカㇷ゚、 kamuycikappo カムイチカッポ。 kamuy cep カムイ チェㇷ゚ ☞kamuycep カムイチェㇷ゚。 kamuy hum カムイ フㇺ ☞kamuyhum カムイフㇺ。 kamuy nis カムイ ニㇱ ☞kamuynis カムイニㇱ ②神のように立派な、 非常に立派な…。 {E: ①a god. ②.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- katu(hu)
- カトゥフ 【名】[所](概は kat カッ) ①…の有様、 …のかっこう(恰好)。 ②変なかっこう。 katuhu an カトゥフ アン …のようなかっこうだ、 へんなかっこうだ(「ざま悪い」)。 ③(動詞に終わる節のあとに置かれて) …する/したわけ、 事情、 いきさつ、 次第。 tapan Sar kotan un topattumi sekor a=ye tumi ek katuhu ene an hi タパン サㇻ コタン ウン トパットゥミ セコㇿ アイェ トゥミ エㇰ カトゥフ エネ アニ この沙流川筋の集落群の地域にトパットウミ(群襲) という襲撃(戦い)が来た事の次第は次のようなことだった。(W言い伝え) ☞katu カトゥ {E: ①the appearance, shape, form, state of… ②a strange appearance. ③circumstances; reason.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kemosma
- ケモㇱマ 【自動】[kem-osma 飢饉・に突入する] 飢饉になる。 Yúpet emko kemosma wa ユペッ エㇺコ ケモサ ワ 勇別川の奧の方が飢饉になって。(W民話) kemosma kotan ケモㇱマ コタン 飢饉になった村。(W民話) {E: to be in famine.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kémus
- ケムㇱ 【他動】[kem-us 飢饉が・つく] …が飢饉になる。 a=kotánu kémus アコタヌ ケムㇱ 私の村が飢饉になった。(NK民話) {E: for…to be in famine.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kik(i) kar
- キㇰ/キキ カㇻ 【連他動】[防御・をする]…を防ぎ守る。 kotan kik kar コタン キㇰ カㇻ 村/国を防ぎ守る。 a=kor mosir kiki a=kar easkay アコㇿ モシㇼ キキ アカㇻ エアㇱカイ 私たちの国を防ぎ守ることができる。 “a=kor mosir epitta oka aynu hene sísam hene tumi or un a=nisúk yak easir mosir kik kar kotan kik kar a=eáskay oasi na” sekor 「アコㇿ モシレピッタ オカ アイヌ ヘネ シサㇺ ヘネ トゥミ オルン アニスㇰ ヤㇰ エアシㇼ モシㇼ キㇰ カㇻ コタン キㇰ カㇻ アエアㇱカイ オアシ ナ」 セコㇿ 「わが国じゅうのアイヌも和人も皆戦争に頼まれて行かなければ私たちは国土を守り国を守ることはできないよ」と…。(W会話) {E: to defend, protect…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kim
- キㇺ 【位名】[概](所は kimke(he) キㇺケヘ)(独立的にも相対的にも使われる。) ①(独立的に)山。 kim ta キㇺ タ 山に、 山で。 kim ta siruhuy ruwe he an? maciya uhuy ruwe he an? キㇺ タ シルフイ ルウェ ヘ アン? マチヤ ウフイ ルウェ ヘ アン? 山で山火事になっているのだろうか町が燃えているのだろうか。 ②(相対的に)…の山手。 kotan kim ta コタン キㇺ タ 村(集落)の山手に。 ☆参考 nupuri ヌプリ がうず高くもり上がった、 物体としての山を指すのに対し、 kim キㇺ は、 歩いたり採集等の仕事をしたり神が住んでいたりする、 場所としての山を言う。 ☆対語 pis ピㇱ 浜。 {E: ①a mountain. ②uptown.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kimke(he)
- キㇺケ(ヘ) 【位名】[所](概は kim キㇺ) その/それより山手の方。 piske kus pe kimke kuspe ピㇱケ クㇱ ペ キㇺケ クㇱペ (村の)浜の方を通る者も山の方を通る者も。(NK民話) tapan kotan kimkehe ta タパン コタン キㇺケヘ タ この村の山手の所に。(W言い伝え) {E: closer to the hilly, mountainous areas.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kiyanne
- キヤンネ §010.老若長幼―成長段階―を表す形容詞その他(14)kiyanne〔ki-ján-ne キやンネ〕⦅H. S.⦆年の多い;年長の;年上の;兄の;古い。〜kotan「年長の村」「村の中で最も古い村」⦅ユ研Ⅰ, p.129⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- kokusis
- コクシㇱ 【後副】[ko-kusis …に・(?)] …と一緒に、 …とともに。 tane heru néa kotankonnispa utari kokusis moyo utarpo wániw pak ne ya pakno takupi siknu wa oka タネ ヘル ネア コタンコンニㇱパ ウタリ コクシㇱ モヨ ウタㇻポ ワニウ パㇰ ネ ヤ パㇰノ タクピ シㇰヌ ワ オカ 今はただその村長の一族合わせてわずかの人、 十人ばかりだろうか、 それくらいしか生き残っていない。(W民話) {E: together with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kositoma
- コシトマ 【複他動】[ko-sitoma …に・…を恐れる] …の…を恐れる。 aynu opitta kosiratki wa ne wa ne yakne a=kosítoma wa kotan mawkar ka somo ki p ne ruwe ne na アイヌ オピッタ コシラッキ ワ ネ ワ ネ ヤㇰネ アコシトマ ワ コタン マウカㇻ カ ソモ キㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ 人は皆(アホウドリを)お守りにしているならば(疱瘡の神に)恐れられて村に伝染病がはやることもないのだよ。(HK民話) ☆参考 ☞sitoma シトマ {E: to be afraid of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotunas
- コトゥナㇱ 【他動】[ko-túnas… に対して・早い]…に早く対処する、 …を早く手当てする。 a=kotánu ta ka hekattar or péka honarkamon an, a=kotúnas wa pirka アコタヌ タ カ ヘカッタㇻ オㇿ ペカ ホナㇻカモン アン、 アコトゥナㇱ ワ ピㇼカ 私たちの集落にも子どもたちにおなかの病気がはやったが手当てが早かったので治った。(S) {E: to treat…quickly.} (出典:田村、方言:沙流)
- koyayterkere
- コヤイテㇾケレ 【他動】[ko-yay-terke-re …に向かって・自分・跳ぶ・させる][雅]…にとんで行く。 kotan ya hore/koyayterkere/ku=ki wa ne yak コタン ヤ ホレ/コヤイテㇾケレ/クキ ワ ネ ヤㇰ 村へ飛んで行ったなら。(KC即興詩) ☆参考 サダモさんのユーカラの中では似た文脈で yayoterkere ヤヨテㇾケレ と言っている。 {E: to rush to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mawkaske
- マウカㇱケ 【位名】[所](概は mawka マウカ)…の風上、 …の東の方。 eci=kotánu mawkaske ta エチコタヌ マウカㇱケ タ あなたの村の東手の方に。(W民話) {E: upwind of…; east of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosir
- モシㇼ 【名】[< mo-sir 小さい(?)/静かな・地]国土、 島、 地(広い範囲の大きなまとまった土地を言う。 一つの国を指すこともあり、 広く世界全体を指すこともある。 神の国、 人間の国等の「国」をも指し、 また、 せまく言うときは、 一つの島、 一つの地方を指すこともある。 kotan コタン が人の集まって住んでいる所、 つまり村や集落、 あるいは村々の集まり(地域)等を表すのに対し、 mosir モシㇼ は、 人が住んでいても住んでいなくても言う)。 a=kor mosir アコㇿ モシㇼ 私たちの国土(北海道を指すこともあり、 日本を指すこともある)。 aynu mosir アイヌ モシㇼ (神の国に対して)人間の国、 (sísam mosir シサㇺ モシㇼ に対して)アイヌの国(多くの場合北海道を指す)。 kamuy mosir カムイ モシㇼ 神の国、 天国。 kanna mosir カンナ モシㇼ 天の国(=神の国)。 repun mosir レプン モシㇼ 沖の島=海外(本州等も外国も含む)。 samor mosir サモㇿ モシㇼ 本州。 sísam mosir シサㇺ モシㇼ 和人の国(多くの場合、 本州以南を指す。 また北海道の中で交易相手の和人の住んでいた地方を指すこともある)。 mosir hoppa モシㇼ ホッパ (=mosiroppa モシロッパ)世を去る、 (身分のある人や敬われている人などが)亡くなる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Mosir-sitcire
- モシㇼシッチレ 【名】[< mosir sir-ci-re 国/土地/国土・地・焼ける・させる](原義は)国土を焼く(ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公の呼び名の一部)。 ☞Kotan-sitcire コタンシッチレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosma 1
- モㇱマ 【後副】…のほかに、 そのほかに、 (連体的に使われて) …のほかの…。 mosma mosma hawean モㇱマ モㇱマ ハウェアン 関係のない話をする、 話をそらす。 apto as hi mosma mak ku=ye kusu? アㇷ゚ト アㇱ ヒ モㇱマ マㇰ クイェ クス? 雨が降ることのほかには何を言えばいい? (S) en=mosma p oro wa etun エンモㇱマㇷ゚ オロ ワ エトゥン 私以外の人から借りなさい。(W) mosma kotan un kur モㇱマ コタヌン クㇽ 他の村の人。(W) {E: other; another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- moyo
- モヨ 【自動】(人数が)少ない。 (動物が少ないことにも言う。) moyo kotan モヨ コタン 住民の少ない村、 小さい村。 hekattar moyo ヘカッタㇻ モヨ こどもが少ない。(S) ☆対語 inne インネ。 {E: few; not many (people)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ne 2
- ネ 【連体】その…、 今言ったこの…。 ne ceppo ネ チェッポ (いま小魚のことを言ったが)この小魚。 ne epaha ネ エパハ (今話している)その年。 taan ru kari e=arpa yakun kotan an, ne kotan noskike ta an poro cise e=pisi kur unihi ne wa タアン ル カリ エアㇻパ ヤクン コタン アン、 ネ コタン ノㇱキケ タ アン ポロ チセ エピシ クㇽ ウニヒ ネ ワ この道を行くと集落がある、 その集落のまん中にある大きい家があなたの尋(たず)ねている人の家です。(S) ☆発音 ne ネ にアクセントを置いて(つまり高く)発音される。 {E: this, that…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- niyuturke
- ニユトゥㇽケ 【名】[所](概は niyutur ニユトゥㇽ)[古] …の歯の間、 彼の歯の間。 niyuturke sep ニユトゥㇽケ セㇷ゚ 歯の間が広い。(S)no ノ 1【接助】(動詞/動詞句の後に置かれて副詞句をつくる。) ①(肯定で)…するままで、 …するように、 …するほど(その他、 文脈によっていろいろに訳せる)。 hu no e=e siri? フ ノ エエ シリ? (S) 生で食べてるの? nep ka a=emína no a=ewtastasa hawe ka ネㇷ゚ カ アエミナ ノ アエウタㇱタサ ハウェ カ 何か笑うように(こっけいなことを)言い合うのも。(S会話) síno nitan kur anak na cup ri híne sirepa no a=kotánu kucacise or wa sirhanke p ne シノ ニタン クㇽ アナㇰ ナ チュㇷ゚ リ ヒネ シレパ ノ アコタヌ クチャチセ オㇿ ワ シㇼハンケㇷ゚ ネ 非常に足の速い人ならまだ日が高いうちに着くぐらい私の村は狩小屋から近いのです。(NK民話) ②(否定で)somo…no ソモ…ノ …せずに。 sekor somo hése no hawean セコㇿ ソモ ヘセ ノ ハウェアン …と息もつかずに言った。(S民話) korka a=nu ka somo ki no a=sikéhe a=kor híne ahun=an コㇿカ アヌ カ ソモ キ ノ アシケヘ アコㇿ ヒネ アフナン しかし私は(その言葉を)聞きもせずに荷物を持って家の中に入った。(W民話) iteki…no イテキ…ノ …せずに(…せよ)。 iteki cis no mokor イテキ チㇱ ノ モコㇿ 泣かないで眠りなさい。(S)ほか 子守歌 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nu(we) kooka
- ヌ(ウェ) コオカ 【連他動】[複](単は nu(we) koan ヌ(ウェ) コアン) (二人以上が)(狩猟や漁や交易の)収穫が多い、 …の獲物に恵まれる、 …がたくさんとれる。 yas wa cep nu kooka yak a=ye ヤㇱ ワ チェㇷ゚ ヌ コオカ ヤカイェ 彼らは流し網して魚をたくさんとったそうだ。 a=kotánu un utar uymam kor usa cihoki cipekusa wa paye kor ora, iyoype or ta ikor or ta usa imikinkay nuwe kooka wa yap ranke siri アコタヌ ウン ウタㇻ ウイマㇺ コㇿ ウサ チホキ チペクサ ワ パイェ コㇿ オラ、 イヨイペ オッタ イコロッタ ウサ イミキンカイ ヌウェ コオカ ワ ヤㇷ゚ ランケ シリ 私の村の人々が交易に行くと、 いつもいろいろな売り物を舟に積んで行っては、 宝器やら宝刀やらいろいろな衣料品などをどっさり手に入れて帰って来る様子を…。(S民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- numkoekomo
- ヌㇺコエコモ 【他動】[num-ko-e-komo 粒・に(?)/と共に(?)・その頭・を曲げる](?) [単](複は numkoekompa ヌㇺコエコンパ)…を取り囲む(?)。 tan a=kor kotan a=numkoekomo, numkoewciw=an wa oka=an ruwe ne na タン アコㇿ コタン アヌㇺコエコモ、 ヌㇺコエウチウアン マ オカアン ルウェ ネ ナ この私たちの村は囲まれて、 ぐるりと取り巻かれてしまっているのだから。(S独話) {E: to surround…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- numkoekompa
- ヌㇺコエコンパ 【他動】[複](単は numkoekomo ヌㇺコエコモ)(大勢の人たちで)…を取り囲んで攻める(?)。 ci=kor kotan numkoekompa rusuy kus チコㇿ コタン ヌㇺコエコンパ ルスイ クㇱ 彼らは私たちの村を取り囲んで攻めようとして。(S独話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Nupursar
- ヌプㇽサㇻ 【名】[nupur-sar 霊力のある・葦原][地名] 沙流川、 沙流地域(美称)。 Nupursar kotan ヌプㇽサㇻ コタン 沙流川筋の集落群全体(美称)。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oarpa
- オアㇻパ 【他動】[単](複は opaye オパイェ)[o-arpa (そこ)に・行く[単]](一人が)…に行く、 …へ行く。 sinrit kotan a=oárpa シンリッ コタン アオアㇻパ 私は先祖の国(あの世)に行く。 ☞arpa アㇻパ {E: to go to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oka 2
- オカ 【自動】(疑問文・感嘆文やある種の助詞の前などで ne ネ《である》の代りに置かれる。) ruwe oka ルウェ オカ (二人/二つ以上が) …だなあ。 eun inkar=an pakno inkar=an pakno kotan oka ranke ruwe oka! エウン インカラン パㇰノ インカラン パㇰノ コタン オカ ランケ ルウェ オカ! 見わたすかぎり部落がいくつもあるのだな。(S) aynu-pa-kus e p oka un! アイヌパークㇱ エㇷ゚ オカ ウン! いいねえ(あの人たちばかり)食べるんだなあ。(S) ☞an アン ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- omotone
- オモトネ 【他動】[o-moto-ne …のところで・もと・である] …がもとになる、 (そのこと)が起源である。 i=panake un kotankonnispa matnepoho kasi a=opíwki wa a=siknure hi omotone wa a=i=nómi p a=nepa a kusu イパナケ ウン コタンコニㇱパ マッネポホ カシ アオピウキ ワ アシㇰヌレ ヒ オモトネ ワ アイノミㇷ゚ アネパ ア クス 川下の村の村長の娘さんを私が救って生き返らせたことがもとになって私たちがまつられるようになったのだから。(W民話) {E: to be the origins of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- opaye
- オパイェ 【他動】[複](単は oarpa オアㇻパ)[o-paye …に・行く[複]](二人以上が)…に行く。 toop sísam kotan opaye hike opaye wa トオㇷ゚ シサㇺ コタン オパイェ ヒケ オパイェ ワ ずうっと遠く和人の国(「内地」)の方に行く人は行って。(S言い伝え) {E: to go to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Opoysuyanke
- オポイスヤンケ 【名】[o-pon-su-yanke そこに・小さい・鍋・を火から下ろしてのせる] Hon okkasi Opoysuyanke ホノッカシ/オポイスヤンケ (直訳すると)小鍋を火から下ろしておなかの上にのせる。 腹の上小鍋上げ(ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公の神の子の呼び名の一部) (Sユーカラ) ☞kotan sitcire コタン シッチレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oro
- オロ 【位名】[所](概は or オㇿ)…の所、 …の中、 そこ。 nupuri suptom a=tuypa wa oro péka inne maciya an ヌプリ スㇷ゚トㇺ アトゥイパ ワ オロ ペカ インネ マチヤ アン 山の中腹を切りひらいてそこに人口の多い町がある。 ku=patoye arka akus oro tasaske クパトイェ アㇻカ アクㇱ オロ タサㇱケ 私の唇が痛くなったがそこがヒリヒリする。(W) oro ta iyorot=an a kotan オロ タ イヨロッアン ア コタン そこで皆と一緒に住んでいた村=皆と一緒に住んでいた村。(S) oro oytak オロ オイタㇰ ☞or(o) oytak オㇿ/オロ オイタㇰ。 oro utaspa オロ ウタㇱパ ☞or(o) utaspa オㇿウタㇱパ/オロウタㇱパ (出典:田村、方言:沙流)
- oya 1
- オヤ 【連体】①ほかの、 よその。 oya mosir オヤ モシㇼ よその島。 oya kotan オヤ コタン よその(別の)村、 死者の国。 oya pa オヤ パ (=oyapa オヤパ)来年。 oya kotan un kur オヤ コタン ウン クㇽ よその村の人、 他村の者。 ② oya ciki オヤ チキ ☞oyaciki オヤチキ {E: ①other; another. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Oypepiporo
- オイペピポロ 【名】[< oypepi-poro 食器[所]・大きい](直訳すると)食器が大きい。 (ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公の呼び名の一部。) 大茶碗。(Sユーカラ) ☞Kotan sitcire コタン シッチレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pa 7
- パ 【名詞語根】口。 kotanpa コタンパ 村の入口(「村の上手」の意味もある)。 páipor パイポㇿ くちびるの色。 ☆参考 独立の単語としては par パㇻ の形が用いられる。 合成語の中では par パㇻ と pa パ の両方の形がある。 pa パ の形は決まった語の中に出てくる。 {E: the mouth.} (出典:田村、方言:沙流)
- peni
- ペニ 【位名】[所](概はない(?))[pe-un-i 川上・の・所](?) 川上(の地域)。 ta pet peni ta タ ペッ ペニ タ すぐそこの川上のところに。(NK民話) peni un kotan or ta ペニ ウン コタノッタ 川上の村に。(W言い伝え) {E: upper reaches of a river.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pesno
- ペㇱノ 【後副】[pes-no …に沿って下へ・(副詞形成)] …に沿って下の方へ。 tapan Sar kotan pesno kane sán=an タパン サㇻ コタン ペㇱノ カネ サナン 私はこの沙流地域(川沿いに続いている集落群)を川上から川下へと下って行った。(W神謡語り) {E: to follow a river downstream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- piskan
- ピㇱカン 【位名】[所](概は piskani(ke) ピㇱカニ(ケ))…のまわり、 …の周囲。 cise piskan ta チセ ピㇱカン タ 家の周囲に。(S) piskan kotan ta honarkamon an hawe as ピㇱカン コタン タ ホナㇻカモン アン ハウェ アㇱ あちこちの部落に腹痛病があるという話だ。 {E: around, in the area of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pitapita
- ピタピタ 【他動】[pita-pita …をほどく・(重複)] …を(しばってあるところを)全部ほどく。 a=kor kotankonnispa a=ocíhi pitapita híne oro wa úse i=anu híne アコㇿ コタンコンニㇱパ アオチヒ ピタピタ ヒネ オロ ワ ウセ イアヌ ヒネ わが村おさは私がくるまれていた棺筵のしばってある所をすっかりほどいて開きそこから私を出して。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- réko
- レコ 【他動】[re-ko 名前・(?)] …に名をつける、 …を…と(いう名で)呼ぶ、 …の名を言う。 aynu réko sinre patek oka ruwe ne アイヌ レコ シンレ パテㇰ オカ ルウェ ネ アイヌが名づけた地名ばかりがあるのです。(S言い伝え) semekatki kotan a=reko セメカッキ コタン アレコ 私はとんでもない村の名前を言った。(S民話) páseni sísam or ta a=reko katu aotamo パセニ シサㇺ オッタ アレコ カトゥ アオタモ パセニは日本人のところで名付けるしかたはアオダモ=日本語ではアオダモと言う。(W) kunneywa an kor hecirasa, tókap an kor ukocupke wa hemuymuye wa an nonno sísam or ta a=reko hi asagao sekor a=reko クンネイワ アン コㇿ ヘチラサ、 トカㇷ゚ アン コㇿ ウコチュㇷ゚ケ ワ ヘムイムイェ ワ アン ノンノ シサㇺ オッタ アレコ ヒ アサガオ セコㇿ アレコ 毎日朝になると開き、 昼になるとしぼんでしまう花を日本語ではアサガオと言う。(S) {E: to name, call…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- repotpe
- レポッペ 【名】[rep-ot-pe 沖・に産する・もの] 海産物、 海の幸。 Okikurmi kamuy kor katkemat repotpe eymek kusu kotan epitta imek eapkas オキクㇽミ カムイ コㇿ カッケマッ レポッペ エイメㇰ クス コタン エピッタ イメㇰ エアㇷ゚カㇱ オキクルミ神の奥方が海の幸を配るために村じゅう配って歩いた。(HK民話) {E: seafood.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rik
- リㇰ 【位名】[ri-k 高い・所] 上の方、 高い所。 toop rik ta kotan enkasike ta cup noka oma senkaki a=así wa an トオㇷ゚ リㇰ タ コタン エンカシケ タ チュㇷ゚ ノカ オマ センカキ アアシ ワ アン ずっと向こうの高い所に村の上の方に太陽の絵の入った布(日の丸の旗)が立ててある。(S) oripak ka erampewtek, rik péka rik péka inkar オリパㇰ カ エランペウテㇰ、 リㇰ ペカ リㇰ ペカ インカㇻ (彼は)へりくだって行儀よくすることを知らない、 上の方をあちこち見る。(S) (注 昔の作法では、 あちこち見回したりキョロキョロ、 ジロジロ見たりするのは礼儀知らずとされていた。) cápe rik péka sinot kor oka kor suy réra ruy oasi チャペ リㇰ ペカ シノッ コロカ コㇿ スイ レラ ルイ オアシ 猫が上の方でじゃれているからまた風が強くなるだろう。(S) ☆対語 ra ラ。 {E: above; over; a higher, upper place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sanike
- サニケ 【名】[所][雅]…の子、 …の子孫(=sani サニ)。 kotankonnispa/sanike ne wa コタンコンニㇱパ/サニケ ネ ワ(この子は)村おさの子孫で。 (W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
- Sanka-tososo
- サンカトソソ 【名】[san-ka-tososo 棚・の上・を荒らす][固有名]棚荒らし(ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公の呼び名の一部)。(Sユーカラ) ☞Kotan-sitcire コタンシッチレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Sar 3
- サㇻ 【名】[< sar 1葦原] [地名] ①沙流川(川の名)。 ②沙流川流域の地域。 Sar kotan サㇻ コタン 沙流川流域の地域(集落群のあるところ)。 Sar un kur サルン クㇽ 沙流の人、 沙流川流域の地域の人(住む人/出身の人)。 Sar un kur itak サルン クㇽ イタㇰ 沙流の人の言葉、 沙流方言。 ☆参考 北見の斜里川を Pinnesar ピンネサㇻ 男性のサラと言い、 これに対し日高の沙流川を Matnesar マッネサㇻ 女性のサラと言うことがある。 沙流川の昔の名称は Sísirmuka シシㇼムカ と言い、 これが正式の名称であるとも言われる。 {E: place name: ① the Saru River. ② the Saru River basin area.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- semekatki
- セメカッキ 【自動】[sem-ekatki (否定)・ある(?)]とんでもない、 でたらめな。 semekatki kotan a=reko セメカッキ コタン アレコ 私はでたらめな村の名を言った。(S民話) {E: Of course not!; What nonsense!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sermak
- セㇾマㇰ 【位名】[概](所は sermaka セㇾマカ)[ser-mak (?)・の奥] ①(位置名詞として) …の背後(空間的位置関係だけでなく、 霊的概念としても用いられる)。 kotan sermak enupur kamuy コタン セㇾマㇰ エヌプㇽ カムイ 村の背後を守る神。 ②(普通名詞として) …の背後にあるもの、 …の守り神。 {E: ① behind… ② something behind…; a protective god of…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikasuyre
- シカスイレ 【他動】[si-kasuy-re 自分・を手助けする・させる] …に自分のことを手伝わせる、 …に手伝ってもらう。 a=kotánu un utar sikasuyre wa pirka cise poro cise a=así ruwe ne híne アコタヌ ウン ウタㇻ シカスイレ ワ ピㇼカ チセ ポロ チセ アアシ ルウェ ネ ヒネ 村の人々に手伝ってもらって、 きれいな大きな家が建てられて。(W民話) {E: to have…help with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siknu
- シㇰヌ 【自動】[sik-nu 目・を持つ] 生きる、 死なずにすむ、 命をとりとめる。 yuptek kur nepki wa ukasuy e hike opitta ohonno siknu p ne na ユㇷ゚テㇰ クン ネㇷ゚キ ワ ウカスイ エ ヒケ オピッタ オホンノ シㇰヌㇷ゚ ネ ナ よく働ける人が働いて助け合って食べていく者が皆長生きするのですよ。(S民話) hetopo horka siknu ヘトポ ホㇿカ シㇰヌ (死にかかっていたその人は)また逆もどりして生きた=いのちを取りとめた。(W会話) tókor kamuy pekanpe haru i=ekasnukar wa kusu a=kotanuhu siknu p ne a kusu トコㇿ カムイ ペカンペ ハル イエカㇱヌカㇻ ワ クス アコタヌフ シㇰヌㇷ゚ ネ ア クス 湖の神が菱(ヒシ)の実を授けてくれたからこそ私たちの村が(=村人みんなが)生きながらえた(飢え死にせずにすんだ)のだったから。(S会話) siknu wa an [単]/siknu wa oka [複] シㇰヌ ワ アン/シㇰヌ ワ オカ 生きている。 {E: to be alive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sipirasa
- シピラサ 【自動】[単](複は sipiraspa シピラㇱパ)[si-pirasa 自分・を広げる] 広がる。 rupne pet anak pet turasi kotan sipirasa ルㇷ゚ネ ペッ アナㇰ ペッ トゥラシ コタン シピラサ 大きい川は、 川に沿って集落が広がっていった。(S言い伝え) {E: to widen; enlarge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-hanke
- シㇼハンケ 【完動/自動】[sir-hanke 地・近い] ①[完動]近い、 近くである、 時間が近づく。 tókap or un sir-hanke トカㇷ゚ オルン シㇼハンケ お昼に近づいた。(S) ②[自動]近い。 nitan kur anak na cup ri híne sirepa no a=kotánu kucacise or wa sir-hanke p ne ニタン クㇽ アナㇰ ナ チュㇷ゚ リ ヒネ シレパ ノ アコタヌ クチャチセ オㇿ ワ シㇼハンケㇷ゚ ネ 足の速い人ならまだ日が高いうちに行き着くくらいに私の村は狩小屋から近いのです。 NH民話 {E: ① for something to be near, close. ② to be near; close.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirankore
- シランコレ §011.身内 血縁の者(6)sirankore〔ši-ráŋ-ko-re シらンコレ〕⦅ビホロ、アショロ、カラフト⦆①親類;血縁の者。"anoka neampe ine pa asisne pa paxno pon hekachi an-ne orowa, ay-sirankore utara i-reske"「私は4才5才位の幼童であった頃から、私の親類の人々が私を育てた」⦅あいぬ物語, p.2⦆。②血につながる;血統を引く。"tanokay piskan kotan oxta Karaxto orun nispa utara 〜 aynu tani kayki okay" 「これら方々の村にカラフトの首領たちの血を引いている人が今もいる」⦅あいぬ物語, p.5⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- sirerun
- シレルン 【副】川の対岸(「川向い」)へ。 sirerun a=nukár kor paye=an kotan Nupkipet ne シレルン アヌカㇻ コㇿ パイェアン コタン ヌㇷ゚キペッ ネ 川向いに見ながら行く部落は貫気別(ぬきべつ)だ。(S) {E: on the other side, opposite bank of a river.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkunnetere
- シㇼクンネテレ 【自動】[sirkunne-tere 暗くなる・…を待つ] 暗くなるのを待つ、 日暮れを待つ。 kotan kim ta sirkunnetere=an コタン キㇺ タ シㇼクンネテレアン 私は村の山手で日暮れを待った。(NK民話) {E: to await darkness, nightfall.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirupaknoski
- シルパㇰノㇱキ 【位名】[sir-u-pak-noski 地・互い・まで・中央] 一つの地点からもう一つの地点へ行く途中のちょうどまん中あたりの所。 a=uníhi ne kotan sirupaknoski ta アウニヒ ネ コタン シルパㇰノㇱキ タ 私の家とその村とのちょうどまん中あたりで。(W民話) eci=kotánu un sáp=an sirupaknoski ta ek híne エチコタヌ ウン サパン シルパㇰノㇱキ タ エㇰ ヒネ 彼はあなたたちの村へ(下って)行く途中のまん中あたりまで来て。(W民話) {E: a place between two points; a place mid way between two spots, points, positions..} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sitcire
- シッチレ 【自動】[sír-ci-re 地/あたり・焼ける・させる](ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公である神の子の呼び名の一部。) ☞Kotan-sitcire コタンシッチレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- soyke(he)
- ソイケ(ヘ) 【位名】[所](概は soy ソイ)[soy-ke 外・の所]…の外、 戸外、 (家)の門口、 (家)の近くの所、 (人)の住んでいる家の外。 uni soyke ta ウニ ソイケ タ 彼の住んでいる家の外/前に。(S民話) kotankor nispa soyke ta コタンコㇿ ニㇱパ ソイケ タ 村長(むらおさ)の家の前/となりに。(W民話) pirka pon cise an híne soyke ta ピㇼカ ポン チセ アン ヒネ ソイケ タ 美しい小さな家があってその外/前で。(NK民話) {E: outside…; the gateway to…; near…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ta 3
- タ 【副】ここに、 ほらここに、 これ。 ta a=kotánu ta ka oka タ アコタヌ タ カ オカ ほらここに、 私たちの村にもある。(W会話) usa aep ka porono ta ene poronno a=kor ruwe oka ウサ アエㇷ゚ カ ポロノ タ エネ ポロンノ アコン ルウェ オカ いろいろ食べ物もたくさん、 ほらこのとおり私たちはたくさん持っている。(S民話) “kem ohownu wa en=kore” “ta, k=óhownu wa” 「ケㇺ オホウヌ ワ エンコレ」「タ、 コホウヌ ワ」 「針に糸を通してちょうだい」「ほら、 通したよ。」 (S) ésir ne hike ka pirka a korka ta po hene pirka エシン ネ ヒケ カ ピㇼカ ア コㇿカ タ ポ ヘネ ピㇼカ さっきのもよかったけれどこれはなおいい。(S) {E: here; this.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ta 4
- タ 【格助】①(空間的・時間的位置を示す副詞句をつくる。)…に、 …で。 Piratur ta ピラトゥッ タ 平取に/で。 a=kor mosir ta a=kar easkay アコㇿ モシッタ アカㇻ エアㇱカイ わが国でつくれる。(S) kotan eepak ta en=etunankar コタン エエパㇰ タ エネトゥナンカㇻ (彼は私に)部落のはずれで出会った。(S) ta a=kotanu ta ka oka タ アコタヌ タ カ オカ ほらここに、 私たちの村(地域)にもある。(W会話) te ta テ タ ここに/ここで。 taan ta タアン タ ☞taanta タアンタ uweepak ta ウウェエパㇰ タ ☞uweepakta ウウェエパㇰ sine an ta シネ アン タ ☞sineanta シネアンタ sine an pe ta シネ アン ペ タ あるとき。 sine an pa ta シネ アン パ タ ある年。 hi ta ヒ タ …したときに。 ②(連体的に使われて) te ta X húci テ タ X フチ ここのXおばあちゃま(特定のフチの場合に言う。 一般的に言う場合は te un húci テ ウン フチ と言う(☞un ウン)。(S) te ta poysisam テ タ ポイシサㇺ ここの(うちの)小さい和人。(S民話) aw ta pon weysisam アウ タ ポウ ウェイシサㇺ となりの小さい貧乏和人。(S民話) {E: locative in space and time: in, at etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- taa
- タア 【副】ここに、 すぐそこに、 ほら(ta タ 3 の強調形)、 これ。 (空間的に近い所を言うほか、 話していることがらに近い所をもさす。) taa a=kotánu pánake ta タア アコタヌ パナケ タ すぐそこに私たちの村の下手に。 taa oro ta án=an tono or ta タア オロ タ アナン トノ オッタ ここに、 いま私が住んでいる和人の家に。(S民話) “k=oypepihi mukkane emo oma na” “íne?” “taa“ 「コイペピヒ ムッカネ エモ オマ ナ」「イネ?」「タア」 「私のおわんの中に切ってないイモが入ってるよ。」「どう=どれ?」「ほらここに=これよ。」 (S) taa, ek wa inkar, taan pe ikemara somo ne? タア、 エㇰ ワ インカㇻ、 タアン ペ イケマラ ソモ ネ? ほら来てみなさい、 これはイケマの葉じゃない? (S) taa néno タア ネノ ☞taanéno タアネノ ☆発音 ターとのばすのではなく、 タとアを区切って言う。 ちょうどタッアーを早く言ったような発音 {E: here; right there; this (emphatic).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tak 1
- タㇰ 【他動】…を取って/持って来る、 (人)を連れて来る/呼んで来る/呼びに行く/迎えに行く(来ることを求める)、 (人)を招待する。 e=sanpe a=uk kusu a=e=ták wa e=ek ruwe ne na エサンペ アウㇰ クス アエタㇰ ワ エエㇰ ルウェ ネ ナ あなたの心臓を取るためにあなたは呼ばれて連れられて来たのだよ。(S民話) sakekar=an nen póka ki wa a=kotánu un utar a=tak wa サケカラン ネン ポカ キ ワ アコタヌ ウン ウタㇻ アタㇰ ワ 私はなんとかして酒をつくって村の人々を招待して。(W民話) {E: to bring…; lead, take someone to, from…; go, come to call…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tapkasi
- タㇷ゚カシ 【位名】[所](概は tapka タㇷ゚カ) …の上、 その上。 kotan tapkasi/ekohosipi コタン タㇷ゚カシ/エコホシピ [雅]村/くに(この場合故郷)に帰る。(W即興詩) (「…に行く」「…に来る」等を表す語の前で、 村(集落/地域/国)という場所を表現するのに、 歌謡や叙事詩等の韻文ではときおり kotan tapkasi コタン タㇷ゚カシ という表現が用いられる。 この二語で五音節となり、 韻文の一行分として整う。) ☆参考 tapkas(i)ke タㇷ゚カシケ/タㇷ゚カㇱケ は未出。 {E: above…; on top of (that).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- teeta
- テエタ 【名/副】①昔、 ずっと前。 teeta kane テエタ カネ 昔むかし。(W) (S)ほか teeta wano テエタ ワノ 昔から。(S) tan kotan ta teeta wano eci=oká p ne a ruwe? タン コタン タ テエタ ワノ エチオカㇷ゚ ネ ア ルウェ? あなたたちはずっと前からこの集落(村)に住んでいたのだったのですか(eci=oká p エチオカㇷ゚ は誤記か。 通常 oka オカ のあとに pe/p ペ/ㇷ゚《の》が続くときは okay pe オカイ ペ と言う)。(S) ②(連体的に使って)昔の。 teeta sinrit テエタ シンリッ 昔の先祖。(W) teeta ekasi utar テエタ エカシ ウタㇻ 昔のおじいさんがた。(S) {E: ①ancient times; long ago. ②ancient; long-ago.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tek 2
- テㇰ 【助動】①(動詞の後に置かれて)ちょっと…する(短時間、 瞬間に、 軽く)。 k=oyra tek コイラ テㇰ (私は)ちょっと忘れた、 ど忘れした。 terke tek テㇾケ テㇰ ピョンととんだ。 kasi k=éoma wa ku=yaysinire tek カシ ケオマ ワ クヤイシニレ テㇰ (私は)(これに)もたれてちょっと休む。(S) ponno síran tek kor ポンノ シラン テㇰ コㇿ 少したったら。 aptokar ayne retar tek アㇷ゚トカㇻ アイネ レタッテㇰ 雨に当たって当たってちょっと白ぽっくなった。(S) ②(副詞句の後に置かれて)ちょっと…。 eytasa poronno ne, na ponno tek ka omare エイタサ ポロンノ ネ、 ナ ポンノ テㇰ カ オマレ あまりたくさんだ、 もっと少なめに入れなさい。(S) a=kotánu pánake ta tek アコタヌ パナケ タ テㇰ 私の村のちょっと川下寄りに。(W民話) na mak ta tek anu ナ マㇰ タ テㇰ アヌ もう少し火から離しておきなさい。(S) {E: ①to do…for a moment, while; briefly. ②just a little; slightly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tososo
- トソソ 【他動】[toso-so …を荒らす・(重複)] ①…を荒らす。 ②(ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公の呼び名の一部の後半部。)Sanka-tososo サンカトソソ 棚荒らし。(Sユーカラ) ☞Kotan-sitcire コタン シッチレ {E: ①to lavage, ruin, damage… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tuk
- トゥㇰ 【自動】(芽が)出る、 (植物が)伸びる、 生長する (「おがる」)。 keni tuk ケニ トゥㇰ (木や草の)芽が出る、 芽をふく。 kina tuk pekor iki キナ トゥㇰ ペコㇿ イキ (子どもが)まるで草がのびるようにすくすくと育つ。 itto tuk pekor イット トゥㇰ ペコㇿ「一日おがりにおがるように」まるで一日で大きくなるように(どんどん大きくなることを表す慣用表現)。(W) kotan/mosir tuk コタン/モシㇼ トゥㇰ 村/国が栄える方へ向かう。(W) {E: to grow; bud; sprout.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tumi 1
- トゥミ 【名】戦争、 いくさ。 tumi an トゥミ アン 戦争がある、 戦争になる。(W) tumi epaye トゥミ エパイェ 戦争に行く。(W) tumi kor トゥミ コㇿ 戦争する(=tumikor トゥミコㇿ)。(W) tumi yupke トゥミ ユㇷ゚ケ 戦争がひどい=ひどい戦争がある。(W) tumi or un a=nisúk トゥミ オルン アニスㇰ 戦争に頼まれて行く=徴兵される。(W会話) tapan Sar kotan un topattumi sekor a=ye tumi ek katuhu タパン サㇻ コタヌン トパットゥミ セコライェ トゥミ エㇰ カトゥフ この沙流地域にトパットゥミという戦い(の軍団)が来たいきさつは。(W言い伝え) {E: war; a battle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- turasi 2
- トゥラシ 【後副】…に沿って上(かみ)の方へ、 (川や沢)をさかのぼって。 nupuri turasi hemesu=an ヌプリ トゥラシ ヘメスアン 私は山をのぼって行った。(W民話) pet turasi kotan sipirasa ペッ トゥラシ コタン シピラサ 川沿いに集落が(下から上へと)広がっていった。(S言い伝え) {E: upstream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- turasino
- トゥラシノ 【後副】[turasi-no …に沿って上(かみ)の方へ・(副詞形成)] …に沿って上(かみ)の方へ、 …沿いに上(かみ)に向かってずうっと。 nay ka pirka hike, turasino kotan oka ナイ カ ピㇼカ ヒケ、 トゥラシノ コタン オカ 沢でもよい沢は、 それにそって集落ができている。(S言い伝え) {E: upstream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uhekote 1
- ウヘコテ 【自動】[単](複は uhekotpa ウヘコッパ)[u-he-kote 互いに・頭・をつなぐ] 互いに連れ添う、 一緒に暮らす。 hetopo kotankonnispa ne an wa eci=uhékote yakun ヘトポ コタンコンニㇱパ ネ アン マ エチウヘコテ ヤクン 彼はもとどおり村おさになって、 あなた方が夫婦になって一緒に暮らせば。(W民話) ☆参考 uheturaste ウヘトゥラㇱテ とも言う。 {E: to be married; live together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uhuy
- ウフイ 【自動】燃える、 焼ける、 こげる。 uhuy wa paspasi an ウフイ ワ パㇱパシ アン (パンが)こげて炭に(真っ黒に)なった。(W) cise uhuy チセ ウフイ 家が燃える(火事)。 kotan un rok hi maciya un rok hi uhuy wa paye コタン ウン ロキ マチヤ ウン ロキ ウフイ ワ パイェ 村のあった所や町のあった所が燃えて行った。(W会話) ratcako uhuy ラッチャコ ウフイ ランプが燃える(ともる)。 uhuy ikuspe ウフイ イクㇱペ 焼けた柱(女性が死んだあと焼いた家の)。 uhuy nicica ウフイ ニチチャ 「焼けぼっくい」焼け跡に立っている焼けこげた棒杭。(W会話) sir-uhuy シルフイ[完動]あたり/地/山が燃える(山火事や野火で)。 ☆参考 調理のことではなく、 家や野山や物などが燃えたり焼けたり、 食べ物でも焼けすぎてこげたりすることを言う。 {E: to be burnt; scorched.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukosetane
- ウコセタネ 【自動】[u-ko-seta-ne 互い・に・犬・になる](直訳すると)互いに/一緒に犬のような振舞いをする(用例の文脈では兄妹相姦を言っている)。 hinak wa poro hon e=kor ruwe an yakun, ohaoka=an wa ukosetane=an sekor a=kotánu un utar i=ye kor i=kuriante ヒナㇰ ワ ポロ ホン エコン ルウェ アン ヤクン、 オハオカアン ワ ウコセタネアン セコㇿ アコタヌ ウン ウタㇻ イイェ コㇿ イクリアンテ どうしてお前はおなかが大きくなったのだ、 それでわれわれ兄と妹だけで犬みたいなことをしたと村の人たちが言って陰で笑う。(KH民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukoutur/ukowtur
- ウコウトゥㇽ 【位名】[概](所は ukouturu/ukowturu/ukouturke/ukowturke ウコウトゥル/ウコウトゥㇽケ)[u-ko-utur 互い・に対して・…の間](二つのもの/場所)の間。 kotan ukowtur ru kus コタン ウコウトゥンル クㇱ 村の家並みの間の道を通る。(S) {E: between; among.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- un 1
- ウン 【他動】①(そこ)にある、 (そこ)につく、 (ふたが)(そこに)しまる。 kotan un rok hi コタン ウン ロキ (そこに)村があった所。 puta un ka eaykap na, pirkano oro omare wa anu プタ ウン カ エアイカㇷ゚ ナ、 ピㇼカノ オロ オマレ ワ アヌ ふたがしまらないから(縁(ふち)からはみ出しているものを)しっかり中に入れておきなさい。(S) un-cise ウンチセ [雅](直訳すると)(彼が)そこにいる家=(彼)の家(☞uncise ウンチセ)。 ☆参考 日常語では、 述語動詞として使われることは少なく、 連体的用法が圧倒的に多い。 この場合は意味も他動詞 un ウン の意味とはずれており、 独立性の弱さから見ても、 格助詞と見られる。 {E: to be, exist, belong (there).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uronnu
- ウロンヌ 【自動】[u-ronnu 互い・を殺す[複]](直訳すると)殺し合いをする、 (用例の文脈では)皆殺しにされる、 皆死んでしまう。 kusu keraypo kotan epitta somo uronnu=an no クス ケライポ コタン エピッタ ソモ ウロンヌアン ノ そのおかげで(夜襲の群が来ることを予知した人が知らせてくれたおかげで)村じゅうが皆殺しにされずに。(W言い伝え) ☆参考 直訳すると《殺し合いをする》だが、 この用例の文脈では、 村の人々がよそからにやられて死んでしまうことを言っている。 ☆参考 単数形 urayke ウライケ は「殺し合う」。 {E: for all to be killed; kill each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uska
- ウㇱカ 【他動】[us-ka 消える・(他動詞化)](火や明りや電気)を消す、 (書いたもの)を消す(消しゴムなどで)、 (村/集落)を消滅させる。 sune uska スネ ウㇱカ 明りを消す。(W) sunke no kanpinuye=an kor uska wa isam スンケ ノ カンピヌイェアン コㇿ ウㇱカ ワ イサㇺ まちがって書くと消してしまう。(S会話) oripakpa yan wa, néa e=kotanu a=ar-uska, a=arwente nankor ruwe ne kusu オリパㇰパ ヤン マ、 ネア エコタヌ アアㇻウㇱカ、 アアㇻウェンテ ナンコン ルウェ ネ クス 天然痘が上陸して来て、 あのあなたの村はすっかり絶やされ、 すっかり滅ぼされてしまうだろうから。(W民話) {E: to put out, turn off, extinguish…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uturu
- ウトゥル 【位名】[所](概は utur ウトゥㇽ)(…の)間(空間的にも時間的にも)。 kotan uturu tuyma コタン ウトゥル トゥイマ 村と村の間が遠い。(W) a=eyáykewkor oruspe ka itak uturu ne wa síran ruwe un アエヤイケウコㇿ オルㇱペ カ イタㇰ ウトゥル ネ ワ シラン ルウェ ウン そういう苦労の思い出話も、 話の間に入っているのですよ。(W会話) uturu an kor ウトゥル アン コㇿ その間あいだに、 その間にときどきはさんで。 uturu ta ウトゥル タ ときどき、 時により、 間をおいて。 uturu ta ek ranke, uturu ta somo ranke ウトゥル タ エㇰ ランケ、 ウトゥル タ ソモ ランケ ときどき来ることもある、 来ないこともある。(S) uturu uturu ウトゥル ウトゥル ところどころ。 uturu uturu opusopus ウトゥル ウトゥル オプソプㇱ ところどころ穴がポツポツあいている。(S) {E: between (time and space).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwehopunpa
- ウウェホプンパ 【自動】[複](単は uwehopuni ウウェホプニ)[u-w-e-hopunpa 互い・(挿入音)・と一緒に・立ち/起き上がる[複]] ①いっせいに立ち上がる。 ②一人残らず(とんで)行ってしまう。 hunpe yan yak a=ye wa eun kotan eun utar uwehopunpa wa sap wa isam フンペ ヤン ヤカイェ ワ エウン コタネウン ウタㇻ ウウェホプンパ ワ サㇷ゚ ワ イサㇺ 鯨が上がった(=浜に打ち上げられた)と言うので、 集落の人たちは一人残らず行ってしまった。(S) {E: ①for everyone to stand up together. ②for everyone to fly, go out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwekarpa
- ウウェカㇻパ 【自動/名】[複](単の形は uwekari ウウェカリ。 しかしこの語は副詞としての用例のみがあり、 自動詞として用いられた例は未出)[u-w-ekar-pa 互い・(挿入音)・(ekari エカリ の語幹)に向かって・[複]] ①[自動]集まる。 kotan epitta oka nispa uwekarpa wa コタン エピッタ オカ ニㇱパ ウウェカㇻパ ワ 村じゅうの長者がたが集まって。(W民話) inne paskur uwekarpa híne インネ パㇱクㇽ ウウェカㇻパ ヒネ たくさんのカラスが集まって。(HC民話) cise sikno uwekarpa utar チセ シㇰノ ウウェカㇻパ ウタㇻ 家いっぱいに集まっている人々(この場合神々) (W神謡語り) ②[名]集まり、 集会。 {E: ①to gather; bring together. ②a gathering; a collection.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwohumseusi
- ウウォフㇺセウシ 【自動】[u-w-o-hum-se-usi 互い・(挿入音)・の尻・(擬声)・という・…に…をつける](攻めて行く人々が)皆でフムー(=オーッ)というような声をあげる、 ときの声をあげる。 orowano nérok kotan kor utar opitta uwohumseusi kor ekimne payepa オロワノ ネロㇰ コタン コㇿ ウタㇻ オピッタ ウウォフㇺセウシ コㇿ エキㇺネ パイェパ それからその村人たちは皆でオーッとときの声をあげながら山へ行った。(W言い伝え) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wente
- ウェンテ 【他動】[自動使役][wen-te 悪い/悪くなる・させる] …を悪くする/いためる/だめにする、 (約束)をやぶる。 kotan wente コタン ウェンテ 村をだめにする、 村をいためつける、 村を崩壊させる。 {E: to make…bad, hurt, ruin, spoil, break(a promise).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayeporospa
- ヤイェポロㇱパ 【他動】[複](単 yayeporose ヤイェポロセ は未出)[yay-e-porospa 自分・によって・名称をつける](二人以上皆が)…に自分の名前をつける、 …を自分の名前で呼ぶ。 inan mosir a=kor inan kotan a=kor sekor yaykata yaykata yayeporospa kor イナン モシㇼ アコㇿ イナン コタン アコㇿ セコㇿ ヤイカタ ヤイカタ ヤイェポロㇱパ コㇿ どの国は自分のだ、 どの村は自分のだと、 めいめい勝手に自分の名前をつけながら。(S言い伝え) ☆参考 eyayporospa エヤイポロㇱパ とも言う。 {E: to name…as one's own.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayikinneno
- ヤイキンネノ 【副】[yay-ikir-ne-no 自分・集まり・である・(副詞形成)] 一つだけ離れて。 yayikinneno an ヤイキンネノ アン 一軒家だ、 離れてポツンと一軒たっている(一軒でも一つのコタンというような状態を言う)。(S) yayikinneno an kotan ta e=an wa e=mismu nankor ヤイキンネノ アン コタン タ エアン マ エミㇱム ナンコㇿ あなたはへんぴな村にいて淋しいでしょう。(S) ☞yayekotanne ヤイェコタンネ (出典:田村、方言:沙流)
- yaykar
- ヤイカㇻ 【自動】[yay-kar 自分・をつくる] ①自分をつくる、 変身する。 pirkano yaykar ピㇼカノ ヤイカㇻ きれいに身づくろいする。 ne yaykar ネ ヤイカㇻ …に変身する、 …に化ける。 kotankonnispa ne yaykar コタンコンニㇱパ ネ ヤイカㇻ 彼は村長に化けた。(W民話) ② ☞etoko yaykar エトコ ヤイカㇻ {E: ①to transform; change. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaykotomka
- ヤイコトㇺカ 【他動】[yay-kotom-ka 自分・にふさわしい・(他動詞化)と思う][雅]…を自分の結婚相手としてふさわしいと思う、 …と結婚したい。 Kotan-sitcire/Mosir-sitcire/…/Kamuy ne an kur/ne yak easir/a=yaykotomka コタンシッチレ/モシㇼシッチレ/…/カムイ ネ アン クㇽ/ネ ヤㇰ エアシㇼ/アヤイコトㇺカ [雅]「村焼き国焼き(中略)神になる人」とでなければ私は結婚しません。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaywennukarpa
- ヤイウェンヌカㇻパ 【自動】[複](yaywennukar ヤイウェンヌカㇻ は単複の区別なし) (二人以上が皆)苦労する、 困る、 せつない。 a=kotánu kémus, a=utári ka kokusis yaywennukar=an-pa アコタヌ ケムㇱ、 アウタリ カ コクシㇱ ヤイウェンヌカㇻアンパ 私の村が飢饉になって村人共々苦しんだ。(NK民話) ☆参考 不定人称形は yaywennukar=an-pa ヤイウェンヌカㇻアンパ {E: to suffer; go through hardships (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
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萱野 茂『萱野茂のアイヌ語辞典』1996年 ©萱野れい子
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』1996年 ©田村洋一