国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ

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ku
ク 【ku】 飲む:食べ物の場合はルキと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
ku 1
ク 【他動】…を飲む。 kusuri ku クスリ ク 薬を飲む。 wakka ku ワッカ ク 水を飲む。 úsey ku ウセイ ク 湯を飲む。 ☆参考 おつゆ(スープ、 みそ汁等)は e エ 食べる。 酒やビール等のアルコール飲料を飲むことは iku イク。 しかし何を飲むかを特に取り立てて言うには sake ku サケ ク《酒(清酒)を飲む》のように言う。 赤ん坊がお乳を飲むことは totto e トット エ のように e エ《食べる》を使って言う。 {E: to drink, take…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ku 2
ク 【名】[概](所は kúhu クフ)弓。 ☆参考 ku ク 「アマッポ」と同じ発音だが、 所属形が違う。 ☆参考 矢は ay アイ。 {E: a bow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ku 3
ク 【名】[概](所は kuwehe クウェヘ)「アマツポ」(動物を獲るための仕掛弓)。 ku or osma ク オㇿ オㇱマ (獲物が)「アマッポ」にかかる。(S) ☆参考 アマッポの弦は kúka クカ、 矢は ay アイ、 動物がひっかかると発射する仕掛けの紐は notka ノッカ、 発射することは cak チャㇰ《はじける》、 アマッポをしかけることは kuari クアリ。 ☆参考 ku ク《弓》と同じ発音だが、 所属形が違う。 {E: a hunting bow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
a=aynukorkur
アアイヌコㇿクㇽ 【a=aynu-kor-kur】 大切にされるべき人、尊敬されるべき人.▷ア=それ アイヌ=人間 コㇿ=持つ クㇽ=人 タアンクㇽ アナㇰネ ア・アイヌコㇿクㇽ ネ=この人は、大切にされるべき人だ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=aynukorkur
アアイヌコㇿクㇽ 【a=aynu-kor-kur】 人として大切にされる人.主として,イヨマンテ(熊送り)の時に祭主として祭を取り仕切ってもらう人をいう.人として,男として最も大切に尊敬される人.▷ア=それ アイヌ=人,人間,男 コㇿ=持つ クㇽ=人(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=cipiyerekur
アチピイェレクㇽ 【a=cipiyere-kur】 馬鹿にされる人.▷ア=人(が) チピイェレ=生まれや血筋について悪く言う クㇽ=人 →氏素姓を悪く言われる人 (出典:萱野、方言:沙流)
a=ekotekur
アエコテクㇽ 【a=e-kote-kur】 夫(妻側から夫をいう場合だけ使う言葉).▷ア=それ エ=それを コテ=結びつける クㇽ=お方,人 →結びつけられた人 (出典:萱野、方言:沙流)
a=kusausi
アクサウシ 【a=kusa-usi】 渡し場.▷ア=人(が) クサ=船で渡す,船載する ウシ=いつも〜する場所 (出典:萱野、方言:沙流)
a=kuwakore
アクワコレ 【a=kuwa-kore】 礼をする(品物か何かで).*アイヌ社会は物を借りた場合,その物に応じてお礼の意味で借りた時より多く返すのが当たり前で,その物のことを,クワコレ(杖を持たせる)という.▷ア=それ クワ=杖,利子,利息 コレ=くれてやる,持たせてやる (出典:萱野、方言:沙流)
a=rekuci wa ratkiratki
アレクチワ ラッキラッキ 【a=rekuci-wa ratki-ratki】 私の首からぶら下がりぶら下がり,子供が親の首からぶら下がる,恋人の首からぶら下がり. ▷ア=私 レクチ=首 ワ=から ラッキラッキ=ぶら下がる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=sikakustep
アシカクㇱテㇷ゚ 【a=si-ka-kuste-p】 上から着る物.▷ア=人(が) シ=自分 カ=〜の上 クㇱテ=通らす,ふさぐ ㇷ゚=物 ク・イワㇰ クナㇰ ク・ラム ク・ソイネ アクス アㇷ゚ト アㇱ コㇿ シラン(シㇼ アン) ナ ネㇷ゚カ ア・シカクㇱテㇷ゚ エネルサ(エン・エルサ)=私が帰ろうと思って外へ出たら.雨が降っているので,何か上から着る物を私に貸して. (出典:萱野、方言:沙流)
a=yerokkuni
アイェロックニ 【a=ye rok kuni】 言うところの.(噂に聞いていたはずの,人々が前々から口に何度もしていた,いわゆる)▷ア=人が イェ=言う ロㇰ=〜ていた クニ=きっと〜はずの ソンノ タㇷ゚イキ ウェンメノコ ア・コサマㇷ゚ カ イサㇺ.ア・イェ ロㇰ クニ サㇰチロンヌㇷ゚ コラチ アン=本当に今来て去って行った悪い女は比較する物もない.言うところの夏の狐のような者だ(夏の狐は冬毛の残りが体のあちこちに団子になってついていて,不格好なもの). (出典:萱野、方言:沙流)
aekuwakorpe
アエクワコㇿペ 【名】[a=e-kuwakor-pe 我々が(人が)・それで・杖をつく・もの]杖。(W) ☆参考 kuwa クワ とも言う。 kuwa クワ は墓標のことも言う。 (出典:田村、方言:沙流)
aino kuribeta
ソノ他 §015 ギンボ (13) 「その他」aino kuribetaカツナキ⦅厚岸⦆(納日186) (出典:知里動物編、方言:)
akinekur(-i)
アキネクㇽ §024.弟(2)aki-ne-kur(-i)〔a-kí-ne-kur アきネクㇽ〕⦅ホロべツ⦆【雅】弟。⦅→神謡集, p.50⦆。[aki(その弟)+ne(である)+-kur(ひと)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
aknokur
アㇰノクㇽ 【ak-no kur】 弓の上手な人. (出典:萱野、方言:沙流)
akoykarkunip
アコイカㇻクニㇷ゚ 【a-koykarkunip】 従うもの.▷ア=人(が) コイカㇻ=真似てする クニ=べき ㇷ゚=もの タㇷ゚ ニㇱパ イェ イタㇰ アンコラチ ネ クス ウタㇻ オピッタ ア・コイカㇻクニㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ=今,村おさが言った言葉は正しいので,村人全部それに従うことにしましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
aksinotponku
アㇰシノッポンク 【ak-sinot-pon-ku】 弓遊び用の小さい弓.▷アㇰ=矢を射る シノッ=遊び,遊ぶ ポン=小さな ク=弓 (出典:萱野、方言:沙流)
akuhponi
アクㇷポニ §038.あしくび(足首);足関節部(9)akuh-poni〔a-kúh-po-niアくㇷポニ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
akup
アクㇷ゚ 【akup】 屋根葺き:屋根をカヤなどでおおう. スイ ネイタカ アクㇷ゚ アン セコㇿ ク・イヌ エアㇻキンネ ケラヤㇷ゚(ク・エラヤㇷ゚)=またどこかで屋根葺きをすると聞いて,私は本当に感心した.*アクㇷ゚という言葉はペナコリ村の川上金次郎さんが私に用例のような言葉で問いかけられ覚えたものである. (出典:萱野、方言:沙流)
akuppokunpe
アクッポクンペ 【名】[akup-pok-un-pe (?)・の下・にある・もの]屋根の裏側にはったすすよけの簀(す)。 ☆参考 シナノキの皮(nipes ニペㇱ )で編んで屋根の裏一面にはった。 そうしないとすすがついて火事になる恐れがある。(S) (出典:田村、方言:沙流)
akuppokunpe
アクㇷ゚ポクンペ 【akup-pok-un-pe】 カヤ屋根を葺く時にカヤの下へ広げる簾,よしず. ▷アクㇷ゚=屋根葺き ポㇰ=下 ウン=入る ペ=物 *アクㇷ゚ポㇰウンペが,声に出す時はアクㇷ゚ポクンペになる.幅が2m,長さ4mほどに編むもので,なるべく太いカヤを選び根本を揃えるので,編み上がった物は自然に扇形になっている.普通の簾は根本を互い違いにするので幅も長さも同じだが,アクㇷ゚ポクンペは扇形に編んだ方が使いやすいものだ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
akur
アクㇽ 【自動】(動物が)吐く。 ☆参考 人が吐くことは atu アトゥ と言う。(W) {E: to regurgitate (animal).} (出典:田村、方言:沙流)
akura(-an)
アクラ §154.おくび[が出る];おく気[が出る](2)akura(-an)〔a-kú-ra アくラ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
akus
アクㇱ 【接】[akusu アクス の語末の u ウ が語調によって落ちた形。]…すると、 …したところ…。 ☆発音 アクㇲ。 ☞akusu アクス ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
akusponi
アクㇱポニ §674.ひれ(鰭);ひれの骨(鰭條)(21)せびれ[の鰭條] akus-poni〔a-kúš-po-ni アくㇱ・ポニ〕[<aka-us-poni]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
akusu
アクス 【接】…すると、 …したところ…(=akus アクㇱ)。 ☆参考 過去のことに関して使われる。 …したところ、 帰結として次のようなことが起こったとか、 わかったとかいうふうに、 次には新情報が示される。 日常語的な表現。 ☆参考 awa アワ …したが(話が展開するときに言う)。 a kus(u) ア クㇱ/クス …したために、 …したから。 wa kus(u) ワ クㇱ/クス …する/したから。 kor コㇿ …すれば、 …する/したときに。 yak/yakne ヤㇰ/ヤㇰネ …すると(よい、 困るなど)。 ☆参考 a kus(u) ア クㇱ/クス《…したために》と同じ発音。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
akusu
アクス 【akusu】 〜したら,〜すると,〜ので. アマメチカッポ ポロンノ アン ウㇱケ ウン セタ ホユプ アクス チカッポ オピッタ キラ ワ イサㇺ=スズメがたくさんいる所ヘ.犬が走ったのでスズメは全部逃げてしまった.タㇷ゚ ク・ソイネ アクス アㇷ゚ト ハウケ ナ.ホクレ ホシピ=今.私が外に出てみたら雨が小降りになっていたよ.早く戻れ.ポンノ ク・ヌ ルスイ ペ アン ワ クス エカシ エウン カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス イク コㇿ アン.ク・イェ エラㇺキッカㇻ ワ ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=少し聞きたいことがあったので,祖父の所へ行くと,飲んでいた.言うのを諦めて逃げて来た.セタ ミㇰ コㇿ エン・ケサンパ ヒクス スマ アニ ク・ピイェカㇻ アクス キラ ワ アㇻパ=犬が吠えながら私を追いかけてきたので,石をぶつけると,逃げて行った.エㇰ アクス=来たので,アㇻパ アクス=行ったので.ホユプ アクス=走ったので.モコㇿ アクス=眠ったので.イペ アクス=食べたので.アㇷ゚ト アㇱ アクス=雨が降ったので. (出典:萱野、方言:沙流)
akutana
アクタナー 【akutana】 感心だなあ. エ・ポンペ オラウン ケㇱト ニナ クス エ・エキㇺネ アクタナー=お前はまだ子供なのに毎日薪を取りに山へ行って感心なことだ. *私の近くに住んでいたチェキノアというおばあさんが私にそう言ってくれたものであった.タㇷ゚ アシㇼノ エㇰ コㇱマッ ソンノ ネㇷ゚キノ シリ アクタナー!=今新しく来た嫁は本当に働くこと,感心したなあ! (出典:萱野、方言:沙流)
akuyu
アクユ §162.おんせん(温泉)(3)a-ku-yu〔a-kú-ju アくユ〕[a(我ら)+ku(飲む)+yu(温泉)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
amamkuttar
アマㇺクッタㇻ §284 ウラジロタデ ウラジロイタドリ (2) amam-kuttar (a-mám-kut-tar)「アまㇺ・クッタㇻ」[穀物の生ずる中空円棒状茎] 茎 ⦅幌別⦆⦅A千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
amipkupakupa
アミㇷ゚クパクパ 【自動】[amip-kupakupa 着物を・をかむ・(重複)] 着物をかみかみする(民話の中で、 シラミにたかられた盲目の老人がシラミをかみつぶすために)。 {E: for clothing to be chewed.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
amitannekur
アミタンネクㇽ 【ami-tanne-kur】 ▷アミ=爪 タンネ=長い クㇽ=人、神 ワッカウㇱカムイ イタㇰアンヤッカ チューラッペマㇰ カムイカッケマッ コトゥキアニクキルスイナ アミタンネクㇽ カムイエカシ タパントゥキ コトゥキライェ=水の神と申しましても,瀬を司る神の淑女にこの杯を贈りたいので,川ガニの神,神の翁がこの杯を取り次ぎ……と続けるものであり,川ガニは水の神の取り次ぎ役と思っている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
amkirkur
アㇺキㇼクㇽ 【amkir-kur】 知人. トオㇷ゚ エコイカ タ シネ フチ オンネ ヤㇰ ア・イェ アスッタサアナクス(アスッタサ・アン アクス) ア・アㇺキㇼクㇽ カ イサㇺ ペ ネ クス ア・イ・コサッサトゥ ペコㇿ ヤイヌ・アン=ずーっと東の方でひとりの老婆が亡くなったと聞き弔問に行ったが,知った人もいないので,うさんくさい顔で見られたような気がした. (出典:萱野、方言:沙流)
ampayayamokuriri
アンパヤヤモクリリ §433 ヤドカリ (1) ampayaya-mokuriri(am-pa-ya-ya-mo-ku-ri-ri)「アンパヤヤモクリリ」Hermit crab. (出典:知里動物編、方言:)
an kusu tasi
アン クス タシ 【an kusu tasi】 (〜の)お陰で. ナー アㇻスイネ ク・イェ コㇿカ カキヒ(ク・アキヒ) アンクスタシ ク・シㇰヌ ヒ ネー ネㇰ=もう1度言うけれども,弟がいたお陰で私は生きたんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
an __hi kusu
アニクス 【an hikusu】 あるので,いるので,なって. (出典:萱野、方言:沙流)
anakusu
アナクス 【an akusu】 〜あったら,(〜し)たら,〜と.▷アン=ある アクス=ので (出典:萱野、方言:沙流)
anekut
アネクッ 【ane-kut】 細帯.▷アネ=細い クッ=帯 (出典:萱野、方言:沙流)
áneponkut
アネポンクッ 【名】[áne-pon-kut 細い・小さい・帯]腰紐。 {E: a waistband; a girdle.} (出典:田村、方言:沙流)
ankukacuy
アンクカチュイ §190 トンボ(蜻蛉) (11) ankukacuy (án-ku-ka-cuy)「あンクカチュイ」 ⦅美幌⦆トンボ類 (出典:知里動物編、方言:)
ankura
アンクラ 【ankura】 畔. ヘマンタ フナラ ㇷ゚ エネ トイ アンクラ タ ホック カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン ルウェ アン=何を探すのにあのように畑の畔で腰をかがめて歩いているものだ.ポロ トイ アンクラ タ イヨㇰペ アン ナ ホユプ ワ アㇻパ コㇿ ワ エㇰ=大きい畑の畔に鎌があるから,走って行って持って来い.エシㇼ パㇰノ トイ アンクラ オッタ(オㇿ タ) シノッ コㇿ アナㇷ゚(アン ア ㇷ゚) ヒナクン(ヒナㇰ ウン) アㇻパ ワ イサㇺ ルウェ アン=先程まで畑の畔に遊んでいたのに,どこへ行っていないのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ankusukeraypo
アンクスケライポ 【an kusu keraypo】 (〜の)お陰で. キㇺ タ ヤアニ カムイ エン・ライケ ヒ タ カキヒ(ク・アキヒ) アンクスケライポ ク・シㇰヌ=山で危なく熊に殺されそうになった時,私の弟がいたお陰で私は生きた. (出典:萱野、方言:沙流)
antehoku
アンテホク §033.いいなずけ(許嫁)(8)ante-hoku〔án-te-ho-ku あンテホク〕⦅エイトイ⦆いいなずけの夫。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
antehoku
アンテホク §036.おっと(夫)(7)ante-hoku〔án-te|ho-kú あンテ・ホく〕⦅H. S.⦆【雅】①連れそう夫。e-〜「汝のつれそう夫」⦅聖典, p.175⦆。②⦅ニイトイ⦆いいなずけの夫。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
antehoku(hu)
アンテホク(フ) 【名】[所](概の例はない。 hokuhu ホクフ の概は hoku ホク。)[ante-hoku-hu いさせる・夫・(所属語尾)]…の夫。 a=antehoku アアンテホク (引用文中、 伝承中で)私の夫。(W神謡) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
anunkur
アヌンクㇽ 【anun-kur】 他から来た人.▷アヌン=他地方(の) クㇽ=お方 アヌンクㇽ ネ ヤッカ イテキ アララ ㇷ゚ ネ ナ.パウェトㇰ コㇿ ペ カ ラメトㇰ コㇿ ペ カ オカ ㇷ゚ ネ ナ=他から来た人であってもなめてはいけないものだよ.雄弁な者も度胸のある者もいるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
apekur
アペクㇽ 【自動】[ape-kur 火・(?)] 火にあたる。 sáta sap wa apekuran サタ サㇷ゚ ワ アペクラン 火のそばへ進んであたりなさい(apekuran アペクラン は apekur yan アペクㇽ ヤン を続けて発音した形)。(S) ☆参考 「日に当たる」は sukuskar スクㇱカㇻ、 雨や嵐に「当たる」ことは kar カㇻ。 {E: to warm oneself by a fire.) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
apekur
アペクㇽ 【ape-kur】 火にあたる. タント ポーヘネ メアン.ホクレ アペサムン(アペサㇺ ウン) エㇰ ワ アペクㇽ=今日はなおさら寒い.早く火の前へ来て火にあたれ.テエータ アナㇰネ ウナㇻペ ウタㇻ アペクㇽ パ コㇿ ニサピヒ ネ ヤ アペケㇱケソ ワ アン ヒ ク・ヌカㇻ ペ ネ=ずっと昔はおばさんたちが火にあたるとすねなどに斑点がついていたのを見たものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
apkaskucan
アㇷ゚カㇱクチャン §277 くま (71) apkas-kucan (áp-kas-ku-čan)「あㇷ゚カㇱクチャン」[<apkas(歩く)kucan(雌グマ)] ⦅美幌⦆他のクマがすでに穴ごもりしたのにまだ山野をうろついている雌グマ (出典:知里動物編、方言:)
aptokikunpe
アㇷ゚トキクンペ 【名】[apto-kik-un-pe 雨・防御・そこにある(?)・もの](?) 雨具、 傘。 nep ka aptokikunpe ku=sak no k=ek akus nísapno apto as humi an ネㇷ゚ カ アㇷ゚トキクンペ クサㇰ ノ ケㇰ アクㇱ ニサㇷ゚ノ アㇷ゚ト アㇱ フミ アン 何も雨具(傘)を持たずに来たら急に雨が降って来た。(S) {E: rainwear.} (出典:田村、方言:沙流)
ar'ekuskonna
アㇻエクㇱコンナ 【ar-ekuskonna】 突然に. イヨーハイ! アイヌイカラㇱ イサㇺ ハウェ アㇻエクㇱコンナ ク・ヌ ㇷ゚ ネ クス コアシッチュー(ク・オアシッチュー) パㇰノ ク・ラムトゥイ=ああ大変!もったいない人が亡くなったということを突然に聞いたので,私は尻もちをつくほど驚いた.#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
arekuskonna
アレクㇱコンナ 【副】[ar-ekuskonna 全く・突然] 全く、 突然に。 ☞ekuskonna エクㇱコンナ {E: suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arekuskonna
アレクㇱコンナ 【ar-ekuskonna】 全く急に. トオ トオ ウカ カ タ ユㇰ ラオㇱマ コㇿ アン ナ セコㇿ アレクㇱコンナ ア・エン・シレン ホユプ・アン=あれあれ堅雪の上で鹿がぬかっていると突然に誘われたので私は走った.#NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
arikkokuttar
アリッコクッタㇻ §262 カラマツソウ (2) arikko-kuttar (a-rík-ko-kut-tar)「アりッコ・クッタㇻ」 茎 ⦅A石狩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
aripekunne
アリペクンネ 【名】[ar-ipe-kunne 片側の・刀身・黒い] 一方だけ刃のついた小さい刀。 ☆参考 刃のない側が黒いのでこの名がある。(S) {E: a small single-bladed sword.} (出典:田村、方言:沙流)
aripekunne
アリペクンネ 【ar-ipe-kunne】 小刀. レタㇻ チロンヌㇷ゚ ア・ネ アリペクンネ オㇱマケタ ヌイナㇰ・アン=私は白狐で小さい刃物の後ろへ隠れた[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
arkuanno
アㇻクアンノ 【副】[ar-kuanno 全く・まっすぐに]まっすぐに、 真正面に。 arkuanno/i=teksama ta/petso ka ta アㇻクアンノ/イテㇰサマ タ/ペッソ カ タ [雅]真正面に私の脇に川面の上に。(Sユーカラ) ☆発音 これは歌うときの発音。 時によって arkuwanno アㇻクワンノ とも発音する。 ☞kuwan クワン、 kuwanno クワンノ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arkuwanno
アㇻクワンノ 【副】[ar-kuwanno 全く・まっすぐに]まっすぐに、 真正面に。 arkuwanno/kamuy nis kotor/koyaytunaska アㇻクワンノ/カムイ ニㇱ コトㇿ/コヤイトゥナㇱカ [雅]まっすぐに天の神の国へ行ってしまう。(Sユーカラ) ☆発音 歌うときは、 時によって arkuanno アㇻクアンノ とも発音する。 ☞kuwan クワン、 kuwanno クワンノ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arkuwanno
アㇻクワンノ 【ar kuwan no】 真っ直ぐに. イレスカムイ イェ ㇷ゚ エ・ヌ ワ アㇻクワンノ シンリッモシㇼ エ・コアㇻパ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ=火の神の言うことを聞いて,真っ直ぐにあなたは先祖の国へ行くのだよ(引導渡しの言葉に出て来る). (出典:萱野、方言:沙流)
asinnookenkuta(-an)
アシンノオケンクタ §295.初経;初潮[がある](1)asinno-okenkuta(-an)〔a-šín-no-o-kèŋ-ku-ta アしンノオケンクタ〕[新しく・陰部が血をぶちまける]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
askakucan
アㇱカクチャン §277 くま (33) aska-kucan (ás-ka-ku-čan)「あㇱカクチャン」 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
askekursut
アㇱケクㇽスッ 【名】[概](所は askekursutu(hu) アㇱケクㇽストゥ(フ))[aske-kursut 手・根元] 指の付け根(=askepet ousi アㇱケペッ オウシ)。 {E: the base of a finger.} (出典:田村、方言:沙流)
askekursutu(hu)
アㇱケクㇽストゥ(フ) 【名】[所](概は askekursut アㇱケクㇽスッ)(彼)の指のつけ根。 (出典:田村、方言:沙流)
atanerekuci
アタネレクチ §235 センダイカブラ (2) atane-rekuci (a-tá-ne-re-ku-ci)「アたネ・レクチ」[アタネ・の首] 茎の基部 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
atceunkur
アッチェウンクㇽ 【atce-un-kur】 他人.▷アッチェ=よそ ウン=(に)住む クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
attuskut
アットゥㇱクッ 【at-tus-kut】 厚司帯.▷アットゥㇱ=厚司 クッ=帯 図6[アットゥㇱクッ] (出典:萱野、方言:沙流)
atuy kurka(si)
アトゥイ クㇽカ(シ) 【atuy kurka(si)】 海の表.▷アトゥイ=海 クㇽカ=(表面一帯に)上 (出典:萱野、方言:沙流)
atuykunkamuy
アトゥイクンカムイ §278 あざらし (2) atuykunkamuy (a-túy-kun-ka-muy)「アとゥイクンカムイ」[<atuy(海を)kor(所有する・支配する)kamuy(神)] ⦅白浦⦆アザラシの神名 (出典:知里動物編、方言:)
atuyukururpe
アトゥイウクルㇽペ §004 マアナゴ(はも) (3) atuy-ukururpe (a-túy-u-ku-rur-pe)「アとゥイウクルㇽペ」[<海・うなぎ] ⦅白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
awunkur
アウンクㇽ 【aw-un kur】 隣の人.▷アウ=隣 ウン=〜の,〜に住む クㇽ=人 アウンクㇽ アン ヤ アㇻパ ヌカㇻ ワ エㇰ!=隣の人がいるかどうか行って見て来い! (出典:萱野、方言:沙流)
ay'eymekkur
アイエイメㇰクㇽ 【ay-e-imek-kur】 矢を配る人. ▷アイ=矢 エイメㇰ=配る クㇽ=人 *イヨマンテ(熊送り)の時にヘペㇾアイ(俗に花矢)という矢を男の子に配って歩く人.最初の1本目は熊を養っていた家の子供か孫に渡し,熊の頭に射ることのないようにと注意しながら手渡しする.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ayke kusu/ayke kus
アイケ クス/アイケ クㇱ 【接助】[…すると・だから (といって)] …したとしても、 …したからといって。 néun a=en=ye ayke kus ku=ye hawe? ネウン アエイイェ アイケ クㇱ クイェ ハウェ? どんなに言われたからといって言うものか。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aynu-pákus
アイヌパクㇱ 【間投】[aynu-pa-kus 人間・見つける・ために]いいねえ! aynu-pa-kus mokor wa an アイヌパークㇱ モコㇿ ワ アン いいねえ、 眠っていて。(W) hemanta okkaypo aynu-pákus póho ene pirka siri an hi an! ヘマンタ オッカイポ アイヌパークㇱ ポホ エネ ピㇼカ シリ アニ アン! なんてまあ、 あの若者、 いいねえ、 息子があんなに立派だこと! (S) ☆発音 pa パ の部分を伸ばし、 高く上げて言う。 ☆参考 感心して、 うらやましくて言う。 (出典:田村、方言:沙流)
aynukur
アイヌクㇽ 【名】[aynu-kur 人間・影] 人影、 人の姿、 遠くから見える人間らしい形。 {E: a human shadow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aynukur(-i)
アイヌクㇽ §188.かげ(影)(3)影法師 aynu-kur(-i)〔áǐ-nu-kur あイヌ・クㇽ〕[人・影]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
aynukur/aynukuri(hi)
アイヌクㇽ/アイヌクリ(ヒ) 【aynu-kur/-kuri(hi)】 人影.▷アイヌ=人 クル=影 アパサムン(アパ サㇺ ウン) アイヌクリヒ ク・ヌカㇻ=戸口の前に人影を私は見た. (出典:萱野、方言:沙流)
aynukurmam(-a)
アイヌクㇽマㇺ §188.かげ(影)(4)影法師 aynu-kurmam(-a)〔áǐ-nu-kur-mam あイヌ・クㇽマム〕[人・影]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
aynukursey(-e)
アイヌクㇽセイ §387.したい(死体);死骸(17)人間の死体 aynu-kursey(-e)〔áǐ-nu-kur-seǐ あイヌクㇽセイ〕[aynu(人間)+kursey(死体)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
aynukursey(-e)
アイヌクㇽセイ §481.たましい;霊魂(24)aynu-kursey(-e)〔áǐ-nu-kur-seǐ あイヌ・クㇽセイ〕[aynu(人間)+kur(魂)+se(負う)+i(もの)]⦅サル、ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
Aynurakkur
アイヌラックㇽ 【名】[< aynu-rak-kur 人間・っぽい・人(=神)][固有名]アイヌラックル(人間の始祖である神の子の呼び名)。 e=rekor katu/Aynurakkur/e=ne ruwe ne エレコㇿ カトゥ/アイヌラックㇽ/エネ ルウェ ネ [雅]あなたの呼び名はアイヌラックルというのです。(Sユーカラ) ☞rak ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aynurakkur
アイヌラックㇽ 【aynu-rak-kur】 オキクㇽミカムイの別名.▷アイヌ=人間(の) ラㇰ=味(がする) クㇽ=人→人間の味がする人 (出典:萱野、方言:沙流)
ayuskuttar
アユㇱクッタㇻ §017 アザミの類 (1) ayus-kuttar (a-yús-kut-tar)「アゆㇱクッタㇻ」[ay(とげ)us(多くついている)kuttar(筒状茎)] 茎葉 ⦅美幌、屈斜路⦆⦅A石狩・天塩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
c=amaku
チャマク 【c=ama-ku】 仕掛け弓. (出典:萱野、方言:沙流)
c=aniku
チャニク 【c=ani-ku】 弓:手に持つ弓. (出典:萱野、方言:沙流)
c=aynukorkur
チャイヌコㇿクㇽ 【c=aynu-kor-kur】 大事にしなければならない人. (出典:萱野、方言:沙流)
c=ekunip
チェクニㇷ゚ 【c=e-kuni-p】 魚〔雅〕.▷チ=我々 エ=食べる クニㇷ゚=である物 (出典:萱野、方言:沙流)
c=ekuniprur
チェクニㇷ゚ルㇽ 【c=e-kuni-p-rur】 魚汁. フウーン ケラアン チェクニㇷ゚ルㇽ ポロンノ ケ(ク・エ) ア ケ(ク・エ) ア=まあまあおいしい魚汁,たくさん食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
cahkuru
チャㇵクル §480.たまご(卵)(11)浜へ寄り上ったニシンの卵;いわゆる「ぶりこ」 cahkuru〔čáh-ku-ru ちゃㇵクル〕⦅シラウラ、マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
caro kunne
チャロクンネ §073 マスノスケ;オオスケ;クチグロマス;フキマス (3) caro kunne(ca-ró-kun-ne)「チャろクンネ」[caro(その口)kunne(黒い)]Carokunneクチグロマス(モシオグサ)。 (出典:知里動物編、方言:)
kunip
チェクニㇷ゚ 【名】[動物][c(i)-e-kuni-p される・食べる・べき・もの] 食べる物、 魚。 {E: something that can be eaten; food; fish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cekurupna
チェクルㇷ゚ナ 【ci=e-ku-irupna】 陰茎,男性性器.▷チ=私たち エ=それ ク=飲む ルㇷ゚ナ=丸まま →女性側から陰茎をいう場合,私どもが丸まま呑み込む物という (出典:萱野、方言:沙流)
cep kuma tay kam kuma tay
チェㇷ゚ クマ タイ カㇺ クマ タイ 【cep-kuma-tay-kam-kuma-tay】 魚や肉を乾かす干し竿の林.▷チェㇷ゚=魚 クマ=干し竿 タイ=林 カㇺ=肉 *狩の上手なアイヌの家の前には,魚や肉を乾かす干し竿が林のように立っている. (出典:萱野、方言:沙流)
cep-kurki
チェㇷ゚クㇽキ 【名】[cep kurki 魚・えら][動物]魚のえら(=cep kurki チェㇷ゚ クㇽキ)。 ☞kurki クㇽキ {E: the gills of a fish.} (出典:田村、方言:沙流)
cewsamkur-unuunu
チェウサㇺクㇽウヌウヌ 【他動】[他動][中相][c(i)-e-u-sam-kur unu-unu された・で・互い・のそば・影・つける・(重複)][雅](目が星のように) キラキラ輝いてそこらじゅうを見渡している。 einkarpe pon nociw ne cewsamkur-unuunu エインカㇻペ ポン ノチウ ネ チェウサㇺクㇽウヌウヌ [雅]目が小さい星のようにキラキラ輝いてそこらじゅうを見渡している(鋭い眼光の描写)。(S民話) {E: to shine brightly; sparkle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ci=amaku
チアマク 【ci=ama-ku】 仕掛け弓. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kupeni
チクペニ 【ci=ku-pe-ni】 エンジュ.▷チ=我ら ク=飲む ペ=雫 ニ=木 *民話やカムイユカㇻの中では「広い広い山の中,奥山の山懐で立ち木の神は数多いが雄弁と度胸を兼ね備えた神の中の神」と表現している. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kusru
チクㇱル 【ci=kus-ru】 道. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kutkes
チクッケㇱ 【ci=kutkes】 咳払い,えへんえへん,いざないを問うための咳払い:他人の家の外へ行って「入っていいか」という合図のための咳払い.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=kuypas
チクイパㇱ 【ci=kuy-pas】 噛んだ消し炭. ウェンユㇰ アナㇰネ エㇺコホ チポロ ペ ア・オター ペコㇿ エㇺコホ チクイパソㇿ(チ・クイパㇱ オㇿ) ア・クㇱテ アーペコㇿ アン ペ ネー セコㇿ ウウェペケㇾ オッタ ア・イェ ㇷ゚ ネ=どうもうな熊は体の半分が筋子を潰した汁をかけたような赤い色,体半分は消し炭を噛んだ汁にくぐらせたような黒い色をしていると昔話の中では言われるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=rektekuttar
チレㇰテクッタㇻ 【ci=rekte-kuttar】 ヨブスマソウ〔植〕,笛. (出典:萱野、方言:沙流)
cikap-tekkupi(hi)
チカㇷ゚テックピヒ 【名】[鳥・翼][動物]鳥の翼。 (出典:田村、方言:沙流)
cikapkutci
チカㇷ゚クッチ §137 マタタビ (3) cikap-kutci (ci-káp-kut-ci)「チかㇷ゚クッチ」[cikap(鳥)kutci(サルナシ)] 果実 ⦅荻伏⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cikapkutci
チカㇷ゚クッチ §138 ミヤママタタビ (1) cikap-kutci (ci-káp-kut-ci)「チかㇷ゚クッチ」[鳥の・サルナシ] 果実 ⦅名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cikapkutcipunkar
チカㇷ゚クッチプンカㇻ §137 マタタビ (8) cikapkutci-punkar (ci-káp-kut-chi-pun-kar)「チかㇷ゚クッチプンカㇻ」[マタタビの生える蔓] 茎 ⦅荻伏⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cikapsunku
チカㇷ゚スンク §415 アカエゾマツ やちしんこ (1) cikap-sunku (ci-káp-sun-ku)「チかㇷ゚・スンク」[cikap(鳥)sunku(エゾマツの茎)] 茎 ⦅穂別、名寄、美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cikaptekkup
チカㇷ゚テックㇷ゚ 【cikap-tekkup】 鳥の翼. (出典:萱野、方言:沙流)
cikirkutunin(-i)
チキㇼクトゥニン §038.あしくび(足首);足関節部(8)cikir-kutunin(-i)〔či-kír-ku-tu-ninチきㇼクトゥニン〕[cikir(足)+kutu-nin(関節部)]⦅クッシャロ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cikitanekusu
チキタネクス 【ciki ta ne kusu】 どうせなら(しかたがない). ペウレウタㇻ ウウォシッコテ ハウェ ネ ヤクン チキタネ クス ア・ウトㇺヌカレ ロ=若者たちがお互いに目と目を繋ぐ(恋しあう)というのなら,どうせなら結婚させよう. (出典:萱野、方言:沙流)
cikosomokur koyaykatanu
チコソモクㇽ コヤイカタヌ 【分離他動】[中相][ci-kosomokur koyaykatanu …すること・…に対して無礼なことをする/言う](ekarkar エカㇻカㇻ の前に置かれて) …に対して無礼なことをする/言うこと。 wen menoko/utar orkehe/cikosomokur/koyaykatanu/i=ekarkar kus/hawkor hawe/oka ya sekor ウェン メノコ/ウタロㇿケヘ/チコソモクㇽ/コヤイカタヌ/イエカㇻカㇻ クㇱ/ハウコㇿ ハウェ/オカ ヤ セコㇿ [雅]悪い女どもが私に対して無礼なことをしゃべっているのだろうかと。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cikosomokur yaykatanu
チコソモクㇽ ヤイカタヌ 【ci-ko-somokur yay-katanu】 私に遠慮もしないで,私に遠慮もせずに. ▷チコ=私に ソモクㇽ=それ ヤイカタヌ=遠慮 チコソモクㇽ ヤイカタヌノ シネンネアンペコㇿ ネㇷ゚ワアンペ エハウカントゥㇽセ=私に遠慮もせずに,ひとりでいるかのように何かをわめきちらしている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cikuhkewtumkoro
チクㇷケウトゥㇺコロ §827.よう(酔う)(5)酒に酔う cikuh-kewtumkoro〔či-kúh-keŭ-tum|ko-ró チくㇷ・ケウトゥㇺ・コろ〕[cikup(酒)+kewtum(心)+koro(もつ)]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.79】 (出典:知里人間編I、方言:)
cikuni
チクニ 【名】[ci-ku-ni された・(?)・木][植物] 木(立木でも木材でも)、 薪(=ni ニ)。 cikuni ani a=kar チクニ アニ アカㇻ 木でつくる。 sat cikuni サッ チクニ 乾いた木。 ruwe cikuni ルウェ チクニ 太い木。 ram cikuni/hapkitayke/ku=rakonoye/ri cikuni/suptomorke/ku=rakonoye ラㇺ チクニ/ハㇷ゚キタイケ/クラコノイェ/リ チクニ/スㇷ゚トモㇿケ/クラコノイェ 低い木は梢のてっぺんを私は羽で巻きつけながら飛び高い木は幹の中ほどのところを私は羽で巻きつけながら飛ぶ。(KC即興歌) {E: a tree; wood; firewood.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cikuni
チクニ 【cikuni】 木,樹木,立木.薪. イユタニ ア・カㇻ チクニ アナㇰネ パセ チクニ アニ ア・カㇻ ペ ネ セイェカパㇻ トペニ ペロ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=杵を作る木は重い木で作るもので,アサダ,イタヤ,ナラが最もよいものだ.チクニアフンケ=薪を家の中に入れよ. (出典:萱野、方言:沙流)
cikuniaw/cikuniawe(he)
チクニアウ/チクニアウェ(ヘ) 【cikuni-aw/-awe(he)】 木の枝のふたまた:木の幹がふたまたにあるいは三つまたになっている部分のことをアウェ,あるいはアウェヘというものである.木の枝はニテㇰ(木の手)という. (出典:萱野、方言:沙流)
cikuniaya
チクニアヤ 【cikuni aya】 木目. (出典:萱野、方言:沙流)
cikuniikpuy
チクニイㇰプイ 【cikuni-ikpuy】 木の芯. (出典:萱野、方言:沙流)
cikunimuy
チクニムイ 【名】[cikuni-muy 木・箕(み)] 木製で、 中をほりぬいてつくった箕(み)(=cikuni muy チクニ ムイ)。 ☞muy ムイ {E: wooden; a dug-out winnowing basket.} (出典:田村、方言:沙流)
cikuniperpa
チクニペㇾパ 【cikuni-perpa】 薪割り. (出典:萱野、方言:沙流)
cikunisikaye
チクニシカイェ 【cikuni-sikaye】 (木で作った)目釘. (出典:萱野、方言:沙流)
cikunitokom
チクニトコㇺ 【cikuni-tokom】 木の瘤. (出典:萱野、方言:沙流)
cikunituci
チクニトゥチ 【名】[cikuni-tuci 木・槌(つち)]木槌(=cikuni tuci チクニ トゥチ)。 {E: a mallet.} (出典:田村、方言:沙流)
cikunitumama
チクニトゥママ 【cikuni-tumama】 木の幹. (出典:萱野、方言:沙流)
cikupakikir
チクパキキㇼ §111 クワガタムシ;鍬形虫 (2) ci-kupa-kikir(čí-ku-pa-ki-kir)「ちクパキキㇼ」[<ci-(陰茎)kupa(かじる)kikir(虫)] ⦅幌別、高島⦆クワガタムシの成虫(♂) (出典:知里動物編、方言:)
cikupakikir
チクパキキㇼ §112 カミキリムシ (4) ci-kupa-kikir(či-ku-pa-ki-kir)「チクパキキㇼ」⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
cikupap
チクパㇷ゚ 【ci-kupa-p】 カブトムシ,クワガタムシ. (出典:萱野、方言:沙流)
cikupap
チクパㇷ゚ §111 クワガタムシ;鍬形虫 (4) cikupap(čí-ku-pap)「ちクパㇷ゚」[<ci(陰茎)kupa(かじる)-p(者)]クワガタムシの成虫(♂)⦅千歳・穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
cikupapap
チクパパㇷ゚ §111 クワガタムシ;鍬形虫 (5) cikupapap(čí-ku-pa-pap)「ちクパパㇷ゚」[<ci(陰茎)kupapa(かじりかじりする)-p(者)] ⦅旭川、名寄⦆ (出典:知里動物編、方言:)
cikupeni
チクペニ §185 エンジュ イヌエンジュ (1) cikupeni (ci-kú-pe-ni)「チくペニ」 茎 ⦅北海道全域⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cikupenni
チクペンニ §185 エンジュ イヌエンジュ (2) cikupenni (ci-kú-pen-ni)「チくペンニ」 茎 ⦅美幌、屈斜路、名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cikupsokasi rapkosanu
チクㇷ゚ソカシ ラㇷ゚コサヌ 【ci-kup-so-kasi rap-kosanu】 宴の座が静まり返る. ▷チ=私たち クㇷ゚=飲む ソ=座 カシ=上  ラㇷ゚コサヌ=静まり返る[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cikursut(-u)
チクㇽスッ §107.陰部―男性の性器(14)陰茎根部 ci-kursut(-u)〔čí-kur-sut ちクㇽスッ〕[ci(陰茎)+kursut(つけ根、根もと)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cikusi
チクシ 【名】[ci-kus-i 我々が/される・…を通る・所] 通り道、 通る所。 rusittokkay=an no apkas=an kunine cikusi a=kar ruwe an ルシットッカイアン ノ アㇷ゚カㇱアン クニネ チクシ アカンルウェアン ジグザグに歩くように道をつくってあるのだ。(S) {E: a path; a passage.} (出典:田村、方言:沙流)
cikuwaekari
チクワエカリ §505.ちゅうぶう(中風)(1)中風で倒れる cikuwaekari〔či-kú-wa-e-ka-ri チくワエカリ〕[ci(我々が)+kuwa(杖)+ekari(に当る)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cikuy
チクイ 【他動】[中相][ci-kuy された・かみつぶす] かみつぶされた。 cikuy pas チクイ パㇱ かみつぶされた消し炭、 粉墨。 emko cipor pe a=otá emko cikuy pas a=kuste ápekor an kameasi エㇺコ チポㇿ ペ アオタ エㇺコ チクイ パㇱ アクㇱテ アペコㇿ アン カメアシ 半分は筋子をつぶしてぶっかけたような、 半分は粉墨をまぶしたようなばけもの(悪いクマの描写の常套句)。(KK民話) {E: to be crushed, broken into fine pieces.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cimuttam notaku ciyaytaraye
チムッタㇺ ノタク チヤイタライェ §389.しぬ(死ぬ)(66)自刃する ci-mut-tam notaku ci-yay-ta-raye〔či-mút-tam|no-tá-ku|či-jáǐ-tà-ra-je チむッタㇺ・ノたㇰ・チやイタライェ〕[ci(我)+mut(帯びている)+tam(刀)、notaku(その刃)、ci(我)+yay(自分を)+ta(そこへ)+raye(押しやる)]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
cinkuwa
チンクワ 【cin-kuwa】 皮張り棒:熊の皮や鹿の皮を広げて乾かす時に皮の外側にあてる棒.▷チン=皮を張る クワ=杖(杖ぐらいの太さのものという意味から) (出典:萱野、方言:沙流)
ciohayaku
チオハヤク §295 サカマタ;シャチ (7) ciohayaku (ci-ó-ha-ya-ku)「チおハヤク」[<ci-ohaya-kur(われらが・おそれる・神)] ⦅樺太⦆ (出典:知里動物編、方言:)
cipekusa
チペクサ 【他動】[単](複は cipekuspa チペクㇱパ)[cip-e-kusa 舟・で・…を川を渡す] …を舟にのせて運ぶ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cipekuspa
チペクㇱパ 【他動】[複](単は cipekusa チペクサ)(二人以上が/二つ以上を)舟にのせて運ぶ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cipkuta
チㇷ゚クタ 【cip-kuta】 舟をひっくり返す. ペトルン(ペッオㇿウン) ペウタンケ ハウ アㇱ ヒ クス イカオパㇱ・アン アクス ヘカッタㇻ ウコチㇷ゚クタ ヒ ネ ロㇰオカ イイソネカ オピッタ ア・オシコニ ワ ア・ヤンケ=川の方へ危急を知らせる声がしたので私も騒ぎを聞いて助けに走ると子供たちが舟をひっくり返したのであったが,幸いなことに皆が追いつき全部の子供を助け上げた. (出典:萱野、方言:沙流)
cirawokuta
チラウォクタ 【他動】[中相][ci-ra-w-o-kuta される・下・(挿入音)・に・全部こぼして(あけて)しまう]バラバラツと落ちる。 ponki ka o p cirawokuta ポンキ カ オㇷ゚ チラウォクタ (上から綱で下げられていた)カヤの簀(す、 「すだれ」)の物置き棚にのっていたものがバラバラッと下に落ちてしまった。(NK民話) ☆参考 w は a と o の二つの母音が続くのをきらって挿入された音。 {E: for something to drop, fall in pieces, e'where.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cirektekuttar
チレㇰテクッタㇻ 【名】[ci-rekte-kuttar される・鳴らす・円筒の茎] ①[植物]「ラッパグサ」。 ②草笛。 〔知分類 p.12 ヨブスマソウ〕 {E: ①trumpet grass. ②a reed pipe.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cirektekuttar
チレㇰテクッタㇻ §014 ヨブスマソウ (10) cirekte-kuttar (ci-rék-te-kut-tar)「チれㇰテクッタㇻ」[ci(我々が)rékte(鳴らす)kúttar(筒)] 茎 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cirukutci
チルクッチ §138 ミヤママタタビ (2) ciru-kutci (ci-rú-kut-ci)「チるクッチ」[原形はおそらくciri-kutci「鳥のサルナシ」、蔓に生じるからそれに連想してciru-kutciとなまったのであろう] 果実 ⦅美幌、名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cirukutcipunkar
チルクッチプンカㇻ §138 ミヤママタタビ (9) cirukutci-punkar (ci-rú-kut-ci-pun-kar)「チるクッチプンカㇻ」[鳥のサルナシのなる蔓] 茎 ⦅美幌、足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cis'etokoikikusu kicitce
チㇱエトコイキクス キチッチェ 【cis-etok-o-iki kusu kicitce】 (赤ん坊が)泣く用意のために声を出している.▷チㇱ=泣く エトㇰ=前 オ=〜で イキ=する クス=ために キチッチェ=うめき声 (出典:萱野、方言:沙流)
cisekorewenkur(-i)
チセコレウェンクㇽ §038.やもめ(4)cise-kor-e-wen-kur(-i)〔či-sé-ko-re-weŋ-kur チせコレウェンクㇽ〕⦅ハルトリ⦆配偶者にたびたび死なれる不適の者。[家・もち・において・悪い]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
cisekorkur
チセコㇿクㇽ 【名】家の主人(=cisekor kur チセコㇿ クㇽ)。 ☞cisekor チセコㇿ {E: the householder; the man, owner of a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisekorkur
チセコㇿクㇽ 【cise-kor-kur】 主人,家の主. (出典:萱野、方言:沙流)
cisekoromahnekuh(ru/r-u)
チセコロマㇵネクㇷ §037.妻(6)cise-koro-mahnekuh(ru/r-u)〔či-se-ko-ro-mah-ne-kuh チせコロマㇵネクㇷ〕⦅シラウラ⦆主婦。[(家を・もつ・女)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
cisesakkur
チセサックㇽ 【cise-sak-kur】 妻に先立たれた男. プサ サㇰ コンチ コㇿ オッカヨ アナㇰネ ナー マッサックㇽ ネ.チセサックㇽ カ コンチプサハ マチヒ コオスラ クス プサハ イサㇺ ペ ネ=房のない帽子を持っている男はいまだ妻のない人.妻に先立たれた男も帽子の房を妻と一緒に埋葬したので,房がないものなのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
cisikurure
チシクルレ 【他動】[中相][ci-si-kur-u-re …された・自分・影/姿・(他動詞形成)・させる](?) [雅]近寄って来る。 teksama ta/makan katkor pe/cisikurure テㇰサマ タ/マカン カッコㇿ ペ/チシクルレ [雅]そのすぐそばにどんなものだか近寄って来た。(Sユーカラ) ☆参考 sikuru シクル、 sikurure シクルレ の用例は未出。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisoyokuta
チソヨクタ 【他動】[中相][ci-soy-okuta される・外・にパツと全部あけてしまう] 皆でいっせいに外に駆け出す。 {E: for everyone to rush out of s'where together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisoyokuta
チソヨクタ 【ci-soy-o-kuta】 外へ飛び出す. コタン ケスン(ケㇱ ウン) ウコイキ ハウ ウェンルイ アクス オッカイポ ウタㇻ ウウォフㇺセエチューパ コㇿ チソヨクタ=村の下端でけんかをしている声が激しく聞こえると,若者たちが気合を掛け合いながら外へ飛び出した. (出典:萱野、方言:沙流)
ciukumaw
チウクマウ §063 ホウズキ (1) ciukumaw (ci-ú-ku-maw)「チうクマウ」[ci(我々が)ukú(吹く)maw(漿果)] 果実 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ciwkus
チウクㇱ 【ciw-kus】 泣く:顔の表を沢が流れるように泣く[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
cokus'amip
チョクㇱアミㇷ゚ 【ci=hokus-amip】 裏返しにした着物. シネアンタ イワン チョクㇱアミㇷ゚ ミ クㇽ エㇰ ヒネ イイェトゥン(イ・エトゥン) ルスイ アクス ア・ユピヒ エエセ ルウェ ネ=ある日のこと,6枚の裏返しの着物を着た男が来て私を嫁に欲しいと言った,私の兄はそれを承諾した[ウ](裏返しにした6枚の着物を着ているというのは,1年に6人の妻が死んだというのではなく,今までに6人ということであろう).*男女ともに連れ合いが死ぬと約1年間は着物を裏返しにして着るものであった.この風習は私が知っている範囲では,昭和6年頃に隣家の貝澤オロアッノさんが.夫が亡くなった時に裏返しの着物を着ていたのを見たのが最後であった. (出典:萱野、方言:沙流)
corpokkekus
チョㇿポッケクㇱ 【corpokke kus】 くぐる:下を通る. (出典:萱野、方言:沙流)
cuphetuku
チュㇷ゚ヘトゥク 【cup-hetuku】 日が出る.cup rikin とは言わない. (出典:萱野、方言:沙流)
cuporunkur
チュポルンクㇽ 【cup-or-un-kur】 月の人:骨惜しみをした少年が神によって月へ行かされ,手桶を持ったまま立っている.▷チュㇷ゚=月 オㇿ=所 ウン=住む クㇽ=人 テエータ トランネ ヘカチ アン ワッカ ア・タレ アクス イヌンペ ネ ヤ イクㇱペ ネ ヤ エパトゥレンテ ア・コイパㇰ クス チュポルンクㇽ ネ ア・カㇻ ヒ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずーっと大昔に怠け者の少年がいて,水汲みをさせられたら炉縁とか柱にいいがかりをつけ,それが悪いとて罰せられ,月の人にさせられてしまったという. (出典:萱野、方言:沙流)
e=kaku=kikyakne
エカクキㇰヤㇰネ 【e=ka-ku=kik-yakne】 お前の上を祓い清める,体の上を祓い清める. ▷エ=お前,あなた カ=上,上体 ク=私 キㇰ=たたく,祓い清める ヤㇰネ=ならば(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
eakur
エアクㇽ 【他動】[e-akur …で・(動物が)吐く](動物が)…を吐く。 ☆参考 自動詞は akur アクㇽ。 人間が吐くのは eatu エアトゥ[他動]、 atu アトゥ[自動]。 {E: (for animals) to regurgitate.} (出典:田村、方言:沙流)
earkucakorpe
エアㇻクチャコㇿペ §099.陰部-女性性器の種類(3)恥丘の半面にのみ陰毛の生えているもの earkucakorpe〔e-ár-ku-ča-kor-pe エあㇻクチャコㇿペ〕[ear-kuca(片屋根の小屋)+kor(もつ)+pe(もの)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ecakuras
エチャクラㇱ 【ecakuras】 枝(柴)のまま. エント ア・エトイタ コㇿ クスイェㇷ゚ ソモ エタイェ クニネ エチャクラㇱ シンケㇷ゚ カシ ウン ア・ピラサ ピㇼカノ ケニトゥㇰ コㇿ エント ニテㇰ ネ ア・アシ=青エンドウ豆を蒔いた時に山バトが抜かないように枝のままのハギを上へ並べよく芽が出そろったら青エンドウ豆の手柴として立てる. (出典:萱野、方言:沙流)
ecirirkekur
エチリㇼケクㇽ 【e-cirirke-kur】 戸口を守る男神. (出典:萱野、方言:沙流)
eciwkururu
エチウクルル 【自動】[e-ciw-kururu その頭・流れ・(擬態)ふるわせゆらす(?)](川の中に立っている棒が)流れのためにふるえゆれる。 urayni eciwkururu kor an ウライニ エチウクルル コラン 魚をとるやなの杭が流れのためにゆれている。(S) {E: to sway, rock in the current (of a river).} (出典:田村、方言:沙流)
ehekus
エヘクㇱ 【ehekus】 息が詰まる,息ができないほどいやなにおい. エウェンフラハアニ アエヘクㇱアンキ=お前の悪いにおいで,私は息が詰まりそうだ(狐にナラの木の女神が怒っている様子).(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ekasakorkutu
エカサコㇽクトゥ §117 オオカサモチ、オニカサモチ (2) ekasakorkutu (e-ká-sa-kor-ku-tu)「エかサコㇽクトゥ」[e(頭)kasa(笠)kor(もつ)kutu(筒茎)] 茎 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ekasikutci
エカㇱクッチ §137 マタタビ (4) ekasi-kutci (e-ká-si-kut-ci)「エかㇱクッチ」[ekasi(祖父)kutci(サルナシ)] 果実 ⦅有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ekasikutcipunkar
エカシクッチプンカㇻ §137 マタタビ (10) ekasikutci-punkar (e-ká-si-kut-ci-pun-kar)「エかシクッチプンカㇻ」[マタタビの生える蔓] 茎 ⦅有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ekatkikus
エカッキクㇱ 【ekatki-kus】 崇(たた)りが憑く,化け物が憑く. ポイション ネㇷ゚ ワ アン ペ エカッキクㇱ クンネチㇱ エアㇻキンネ ケアナサㇷ゚(ク・エアナサㇷ゚)=赤ちゃんが何が崇ったのか夜泣きをして本当に手余してしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
ekaytama rekuciaraka
エカイタマ レクチアラカ §580.のどの病気;咽喉痛(9)カタツムリ咽喉痛 ekaytama rekuci-araka〔e-káǐ-ta-ma|re-kú-či-a-ra-ka エかイタマ・レくチアラカ〕[カタツムリ・咽喉病]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ekimnekuwa
エキㇺネクワ 【ekimne-kuwa】 山杖:プンカウ(ドスナラ)で作る. 図[エキㇺネクワ] (出典:萱野、方言:沙流)
ekisarsutu komawkururu
エキサㇻストゥ コマウクルル 【慣用句】[e-kisar-sutu ko-mawkururu …で・耳・の根元・が(擬音擬態などの叙述を導く)・風がピューピュー鳴る][雅]a=ekísarsutu komawkururu アエキサㇻストゥ コマウクルル(私が飛んで行くと)私の耳もとで風がピューピューと鳴る(それほど速く飛んでいる)。(Sユーカラ) ☞ekisarsutu mawkururu エキサㇻストゥ マウクルル、 komawkururu コマウクルル (出典:田村、方言:沙流)
ekisarsutu mawkururu
エキサㇻストゥ マウクルル 【慣用句】[e-kisar-sutu mawkururu …で・耳・の根元・風がピューピュー鳴る][雅](次の慣用表現で) a=ekísarsutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅](直訳すると)それで私の耳元を風がピューピュー吹く=(私が飛んで行くと)私の耳もとで風がピューピューと鳴る(それほど速く飛んでいる)。(Sユーカラ) ☆参考 同様の文脈で a=ekísarsutu/komawkururu アエキサㇻストゥ/コマウクルル とも言っている。 ☞mawkururu マウクルル ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekotankorkur
エコタンコㇿクㇽ 【名】[ekotankor-kur …(の村)を治める・人] …の村おさ。 {E: the village chief of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekoypokun
エコイポクン 【副】[e-koypok-un その頭・西・の方へ]海岸沿いに西の方(有珠・虻田の方)へ。 ☞koypok コイポㇰ {E: westward along the coast.} (出典:田村、方言:沙流)
ekoypokun
エコイポクン 【e-koypok-un】 西の方へ. エコイポクン(エコイポㇰ ウン) アㇻパ ア ワー=西の方へ行ったよ.*沙流川から見て鵡川とか白老の方向. (出典:萱野、方言:沙流)
ekucasanke
エクチャサンケ 【他動】[e-kuca-sanke (人)と一緒に・狩小屋・を出す](人)と一緒に山猟から家に帰る。 {E: to return home with someone from hunting in the mountains.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekuhcikah
エクㇷチカㇵ §352 コオリガモ;おおな (1) ekuh-cikah (e-kúh-či-kah)「エくㇷチカㇵ」 ⦅多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ekuhkuruaraka
エクㇷクルアラカ §085.いたむ(痛む)(12)締めつけられるような痛み ekuhkuru-araka〔e-kúh-ku-ru-a-ra-ka エくㇷクル・アラカ〕[e(そこに)+kuh(kut 帯)+kuru(<kor もつ)+araka(痛み)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ekunnaot
エクンナオッ §245.きぜつする(気絶する);気が遠くなる;気を失う;人事不省になる(4)ekunnaot〔e-kún-na-ot エくンナオッ〕[<e(それについて)+kur(影・黒)+na(の方に)+ot(ずっと居る)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ekupa
エクパ 【他動】[e-kupa その一部・をかむ]口にくわえる。 ☞kupa クパ {E: to hold something in, by the mouth.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekupa
エクパ 【e-kupa】 くわえる. ク・ケリヒ テタ ウウェトゥレンノ カヌ(ク・アヌ) アㇷ゚ アㇻケヘ イサㇺ.ネンカネ セタ ヘネ エクパ ルウェ ソモ ネ ヤー=私の履物をここへ対にして置いたのに片方がない.もしや犬がくわえたのではないだろうか.*昔の履物は鹿の皮などで作られていたため,しばしば犬に持って行かれた.キムンカムイ アイヌ ケセアンパ ヒ タ アナㇰネ コイスㇺ タㇰ エクパ アーペコㇿ アン ワ ホユプㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊が人間を追いかける時には泡のかたまりをくわえたような格好で走るものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekuriante
エクリアンテ 【他動】[単][e-kuri-an-te (それ)について・その影を・ある・させる](人)を…のことで陰で笑う。 ☞kuri ante クリ アンテ {E: to laugh behind someone's back about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekuriantepa
エクリアンテパ 【他動】[複](ekuriante エクリアンテ は単複の区別なし)(二人以上が皆)(人)を…のことで陰で笑う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekurkot
エクㇽコッ 【他動(?)】[e-kurkot (それ)で(?)・光り輝く][雅](次の慣用表現の中で) …で(?)輝く。 cisekankotor emike kane ekurkot kane チセカンコトㇿ エミケ カネ エクㇽコッ カネ [雅](いろいろなものを飾って)家の天井が光り輝いている(ばかりに美しくなった)。 ☞kurkot クㇽコッ {E: to shine; sparkle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekurok
エクロㇰ 【自動】[e-kur-ok その頭(?)・影・(?)] まっ黒い、 真っ暗である。 {E: to be jet black; pitch dark.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekurok
エクロㇰ 【ekurok】 黒い(顔の色が),暗い. (出典:萱野、方言:沙流)
ekuskonna
エクㇱコンナ 【ekuskonna】 急に,突如,突然,不意に,前ぶれもなしに. エクㇱコンナ エン・シレン=急に私を誘った.エクㇱコンナ エㇰ=急に来た. (出典:萱野、方言:沙流)
ekuskonna ray wa turse
エクㇱコンナ ライ ワ トゥㇽセ §389.しぬ(死ぬ)(67)卒倒して死ぬ ekuskonna ray wa turse〔e-kúš-kon-na|ráǐ-wa|túr-se エくㇱコンナ・らイ・ワ・とぅㇽセ〕[突然・死ん・で・倒れる]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ekusna
エクㇱナ 【自動】[e-kus-na その頭が・向こう側・の方へ(行く)](?) 行き着く、 届く。 sóne ekusna hi he an un? ソネ エクㇱナ ヒ ヘ アヌン? 本当に向こうへ届くだろうか? (S) {E: to arrive; reach.} (出典:田村、方言:沙流)
ekusne
エクㇱネ 【自動/副】[e-kus-ne その頭・川の向こう岸・になる] ①[自動]「川向かい」(=川の向こう岸)へ行く。 ②[副]「川向かい」(=川の向こう岸)へ。 ekusne wa エクㇱネ ワ 「川向い」へ。 {E: ①to cross a river. ②to the other side of a river.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekusne
エクㇱネ 【ekusne】 向かい側へ. エクㇱネ ワ ユㇰ ア・ヌカㇻ ヒクス シㇼ イットゥイェ・アン ルスイ クス ウパㇱ トゥラノ アネチャララセ(ア・エチャララセ) ワ フㇽペㇱ・アン=向かい側へ鹿が見えたので近回りしようと思い,雪と一緒に滑って坂を下った. (出典:萱野、方言:沙流)
ekusurikar
エクスリカㇻ 【e-kusuri-kar】 (〜のために)製薬する. (出典:萱野、方言:沙流)
ekusurikar
エクスリカㇻ §260.くすり(薬)(5)薬治する e-kusuri-kar〔e-kú-su-ri-kar エくスリカㇻ〕[e(それについて)+kusuri(薬を)+kar(つくる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ekusurikar
エクスリカㇻ §509.ちりょう(治療)[する](5)療治する[薬物で] ekusurikar〔e-kú-su-ri-kar エくスリカㇻ〕[e(それについて)+kusuri(薬を)+kar(つくる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ekuta
エクタ 【他動】[e-kuta その(一部)・をあける(全部こぼす)]…の一部分をこぼす(「まかす」)。 {E: to pour out, spill…} (出典:田村、方言:沙流)
ekutatke
エクタッケ 【自動】[ekut(a)-at-ke その一部(上の方)をこぼす・(?)・(自動詞形成)] あふれてこぼれる。 wakka ekutatke kor an ワッカ エクタッケ コラン 水がつぎすぎて「まかれた」(=あふれてこぼれた)。(íka イカ は「ついでおいたのが傾いたりしてまかれた」。) (W) (出典:田村、方言:沙流)
ekutcam
エクッチャㇺ 【名】[e-kutcam …で/その・のど(声)](次の慣用表現で)その声。 itak ne manu p/ekutcam konna/kanemay ne/uwetunuyse イタㇰ ネ マヌㇷ゚/エクッチャㇺ コンナ/カネマイ ネ/ウウェトゥヌイセ [雅]ものを言う声が金(かね)の響きのように美しく響く。(Sユーカラ) ☞kutcam クッチャㇺ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekutkor
エクッコㇿ 【複他動】[e-kutkor …で・帯をしめる](帯)をしめる、 …を帯にしてしめる。 kut a=ekútkor クッ アエクッコㇿ 帯をしめる。(W) {E: to use…as a belt, sash; fasten with a belt.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekutkor
エクッコㇿ 【e-kut-kor】 帯を締める. (出典:萱野、方言:沙流)
ekutkore
エクッコレ 【複他動】[e-kutkor-e …で・帯をしめる・させる](帯)をしめさせる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekuttesusu
エクッテスス §108.陰部―男性性器の種類(1)上方へ反り返っている陰茎;うわぞりの陰茎;方言「天井まら」 ekuttesusu〔e-kút-te-su-su エくッテスス〕[e(頭)+kuttesusu(仰向いている、<kut のど、tesu反らす)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
emakkakur
エマッカクㇽ 【e-mak-ka-kur】 照らす.*「ホタルの婿選び」というカムイユカㇻに出て来る言葉.普通はマッカクㇽ=照らすというふうには用いない.▷エ=それで マㇰ=奥の方 カ=上 クㇽ=影 (出典:萱野、方言:沙流)
emkokusu
エㇺコクス 【後副(?)】[半分・のために]そのために、 それの影響で(?)。 emkokusu/cási upsor/tónon sukus/cieomare/semkoraci エㇺコクス/チャシ ウㇷ゚ソㇿ/トノン スクㇱ/チエオマレ/セㇺコラチ [雅]そのために城の中はまるで昼の光に照らされているかのように…。(Sユーカラ) ☆参考 emko エㇺコ 1《半分》や emko エㇺコ 2《川のずっと上流の方》などと関係があるのか不明。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
enankurkasi
エナンクㇽカシ 【名】[接頭+名][e-nan-kurkasi …で・顔・の表面[所]](直訳すると)…で顔面が=(雅語の慣用表現で)…の顔面に…。 ☞次項 (出典:田村、方言:沙流)
enankurkasi cihopunire
エナンクㇽカシ チホプニレ 【慣用句】[enankurkasi ci-hopuni-re …の顔の上一面に・された・起こる・させる][雅]…が顔の上に起こって/立っている。 a=kor wenpuri/a=enánkurkasi/cihopunire アコㇿ ウェンプリ/アエナンクㇽカシ/チホプニレ [雅][慣用句]私の腹立ちで私の顔の上に青すじが立っている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
enitkurki
エニックㇽキ §241.傷つく(9)けがする enitkurki〔e-nít-kur-ki エにックㇽキ〕[e(そこにおいて)、nit(棒)、kur(当る)、ki(する);棒にぶち当ることをする]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
enpaku
エンパク 【名】[< 日本語][植物]エンバク(燕麦)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
enupakus
エヌパクㇱ §713.まぶしい(眩しい)(3)外から入った時に屋内が暗くてしばらく何も見えない enupakus〔e-nú-pa-kuš エぬパクㇱ〕[e-nu-pa-kus 目・のかみ・において・通りすぎる]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
eokunnure
エオクンヌレ 【e-okunnure】 (〜に)感心する. パウェトㇰ コㇿ クㇽ ネㇷ゚ ネ クス タㇰネ イタㇰ ネ コㇿカ イタㇰイペ ピㇼカ ハウェ.ケオクンヌレ(ク・エオクンヌレ)=雄弁な人なので短い言葉ではあったが言葉の中身がよかった.私は感心した. (出典:萱野、方言:沙流)
eotukutke
エオトゥクッケ 【e-otukutke】 埋まる. チㇱ ワ パテㇰ アン メノコ ネ ノイネ シㇰラㇷ゚ タクㇷ゚ エオトゥクッケ カネ アン=泣いてばかりいる女らしく,まつげだけが見えるほどまぶたがはれている. (出典:萱野、方言:沙流)
epakutciki
エパクッチキ 【他動】…でばくちをやる。 toy ka opitta eyyok wa epakutciki, eyku, ayne tane anak aratusa トイ カ オピッタ エイヨㇰ ワ エパクッチキ、 エイク、 アイネ タネ アナㇰ アラトゥサ (彼は)田畑もみんな売ってそれでばくちをやり、 酒を飲み、 とうとう今はまるはだかになった。(S) {E: to gamble at…} (出典:田村、方言:沙流)
epankuwaus
エパンクワウㇱ 【e-pan-kuwa-us】 後ろ足の長い熊.*このような姿の熊に迫われたら坂の下に向かって逃げる.▷エ=それ パン=後,下 クワ=杖 ウㇱ=つく (出典:萱野、方言:沙流)
epankuwaus(-kamuy)
エパンクワウㇱ §277 くま (40) epankuwaus(-kamuy) (e-pán-ku-wa-us)「エぱンクワウㇱ」[‘尻の方に杖をついているクマ’;<e(そこ)pan(しも・下方・下体)kuwa(杖)us(ついている)kamuy(神)] ⦅幌別、穂別、美幌⦆後ろ足の長いクマ (出典:知里動物編、方言:)
epenkuwaus
エペンクワウㇱ 【e-pen-kuwa-us】 前足の長い熊.*このような姿の熊に追われたら坂の上へ向かって逃げる.▷エ=それ ペン=前 クワ=杖 ウㇱ=ある (出典:萱野、方言:沙流)
epenkuwaus(-kamuy)
エぺンクワウㇱ §277 くま (39) epenkuwaus(-kamuy) (e-pén-ku-wa-us)「エぺンクワウㇱ」[‘前の方に杖をついているクマ’;<e(そこ)pen(かみ・上方・上体)kuwa(杖)us(ついている)kamuy(神)] ⦅幌別、穂別、美幌⦆前足の長いクマ (出典:知里動物編、方言:)
epirkakunresu
エピㇼカクンレス 【他動】[e-pirka-kur-resu (それ)で・良い・(< 影/姿)・育てる][雅](それ)で良く育てる。 i=epirkakunresu i=omapresu イエピㇼカクンレス イオマㇷ゚レス (父は)それで私を良く育て、 かわいがって育ててくれた。(NK民話) {E: to raise, bring up… well.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epirkakur-respa
エピㇼカクㇽレㇱパ 【他動】[e-pirka-kur-respa …で・よく・(< 影/姿)・…を育てる][雅]そうやって…をよく大切に育てる。 i=epirkakur/respa kane イエピㇼカクㇽ/レㇱパ カネ [雅]私を大切に育てて。(Sユーカラ) ☆参考 韻文では2行に分かれる。 日常語の昔話では epirkakunresu エピㇼカクンレス。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epuruku
エプルク §447 エブリコ (8) epuruku (e-pú-ru-ku)「エぷルク」 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
eramnukuri
エラㇺヌクリ 【e-ram-nukuri】 言い出しづらい. (出典:萱野、方言:沙流)
eramu-ikurkuru
エラムイクㇽクル 【他動】[e-ramu-i-kurkur-u …で・心[所]・ものを・(擬態重複)・(他動詞形成)]…が気にかかる、 …を心配する。 X eramu ka ikurkuru X エラム カ イクㇽクル Xさんがそのことを案じている。(W) k=éramu-ikurkuru ケラムイクㇽクル 私はそのことが気がかりだ。 ☆参考 eramu エラム のあとに助詞 ka カ《も》が入ることもある。 {E: to have someone, something on one's mind.} (出典:田村、方言:沙流)
eramuikurkur
エラムイクㇽクㇽ 【e-ramu-ikurkur】 気にする,心配する,悩む,落ち着かない.▷エ=それ ラム=思い クㇽクㇽ=めぐらせる ア・コㇿ クチャ チセ エウン シネ パ カ ソモ アㇻパ・アン ワ ア・エラムイクㇽクㇽ ア コㇿカ アンアイネノ アン ワ ア・エラムシンネ=私の持っている狩小屋へ1年も行かずにいたので気にしていたが,そのままあったので私は安心した.タネ イワㇰ クニ ク・ラム ク・テレ ワ カン(ク・アン) ヤッカ イワㇰ モイレ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ)=もう帰るであろうと思って待っているけれど帰りが遅いので気にしている.ク・ポ ウタリ エキㇺネ アㇷ゚ イワㇰ モイレ パ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ)=息子たちが山へ行ったのに帰りが遅くて私は気にする.ウナㇻペ ヤイヌミウェン ワ オシルㇱ ワ アン ヤㇰ ク・イヌ ワ ケラムイクㇽクㇽ コㇿカ ナ ク・ホタヌ カ ソモ=おばが身体の具合が悪くて病床に伏していると聞き,気にはしているがまだ見舞いにも行っていない. (出典:萱野、方言:沙流)
eramunupekus
エラムヌペクㇱ 【他動】[e-ramu-núpe-kus …で・心[所]・涙・…を通る]…を悲しむ。 {E: to feel sad over…; feel sorry for…} (出典:田村、方言:沙流)
eratkus
エラックㇱ 【自動】[e-rat-kus その頭/顔・粘液・…を通る] よだれをたらす。 toan poyson eratkus トアン ポイソン エラックㇱ あの子よだれをたらしている。(W) eratkus kor patek an エラックㇱ コㇿ パテㇰ アン しょっちゅうよだれをたらしている。(S) {E: to drool; dribble.} (出典:田村、方言:沙流)
erawkuske
エラウクㇱケ 【他動】[e-raw-kus-ke その頭・水の中・を通る・させる]悪霊ばらいのため…の体を水の中に突っ込んで上げる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erawkuske
エラウクㇱケ 【e-raw-kuske】 まじないのため水にくぐらす:気がふれたような病気の者を川ヘ連れて行き,深い所へわざと潜らして気づかせようとすること.▷エ=それで ラウ=底 クㇱケ=通す (出典:萱野、方言:沙流)
erawnkuci
エラウンクチ 【e-rawn-kuci】 その底の声,底力のある言葉. ▷エ=それ ラウン=底 クチ=声,言葉 エラウンクチ ペケレカネ=底力のあるきれいな言葉[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
erekuci
エレクチ §092 タラ (2) erekuci(e-re-ku-či)「エレクチ」⦅ますみ⦆タラ。 (出典:知里動物編、方言:)
erekuciun(-an)
エレクチウン §752.むせる(噎せる)(3)e-rekuci-un(-an)〔e-ré-ku-či-un エれクチウン〕[e(それで)+rekuci(その咽喉)+un(に入る)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
erekus
エレクㇱ 【名】[e-rek-us その頭(顔)・ひげ・(そこ)に生えている][動物]①タラ。 ②(あだなとして)ドジョウ。 aynu or ta/paye=as ki kor/erekus erekus sekor/a=i=yé ki wa/iruska=as kus/santa soaso/somo ci=ye wa アイヌ オッタ/パイェアㇱ キ コㇿ/エレクㇱ エレクㇱ セコㇿ/アイイェ キ ワ/イルㇱカアㇱ クㇱ/サンタ ソアソ/ソモ チイェ ワ 人間のところに行くと「ひげ生え、 ひげ生え」と言われるので腹が立つから言わない(聞かれたことを教えてやらない)よ(ドジョウが言っている)。(W神謡K)〔知分類 p.66〕 {E: a cod fish.} (出典:田村、方言:沙流)
erekus
エレクㇱ 【e-rek-us】 スケトウダラ,タラ.▷エ=そこに レㇰ=ひげ ウㇱ=つける (出典:萱野、方言:沙流)
erekus
エレクㇱ §092 タラ (1) erekus(e-ré-kus)「エれクㇱ」⦅長万部、礼文、虻田、幌別、白老、白糠、多蘭泊、真岡、富内⦆タラ。 (出典:知里動物編、方言:)
erekusrekuciaraka
エレクㇱレクチアラカ §580.のどの病気;咽喉痛(10)マダラ咽喉病 erekus-rekuci-araka〔e-ré-kuš|re-kú-či-a-ra-ka エれクㇱ・レくチアラカ〕[マダラ・咽喉病]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
eritnesukup
エリッネスクㇷ゚ 【e-rit-ne-sukup】 苦労して育つ.▷エ=それ リッ=筋 ネ=である スクㇷ゚=育つ (出典:萱野、方言:沙流)
erokus
エロクㇱ §092 タラ (3) erokus(e-ró-kus)「エろクㇱ」成魚⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
erumkina kutuhe
エルㇺキナクトゥヘ §053 オオバコ (7) erumkina kutuhe 「エるㇺキナクトゥヘ」[erúmkina(オオバコ)kutúhe(の円棒状の茎)] 花・茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
erurikikur-punpa
エルリキクㇽプンパ 【他動】[e-ru-riki-kur-punpa …で・すじ(髪)・上へ・(< 影/姿)・…を上へ持ち上げる(?)][雅](頭飾り)を髪を上げた上に立ててかぶっている。 retar cipanup/erurikikur/punpa kane レタッ チパヌㇷ゚/エルリキクㇽ/プンパ カネ [雅]白い頭かざりを髪を上げた上に立ててかぶっている。(Sユーカラ) ☆対語 erurikikur-raypa エルリキクㇽライパ。 ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erurikikur-raypa
エルリキクㇽライパ 【他動】[e-ru-riki-kur-raypa …で・すじ(髪)・上へ・(< 影/姿)・…を行かせる][雅](頭飾り)を髪を上げた上にねかせてかぶっている。 kunne cipanup/erurikikur/raypa kane クンネ チパヌㇷ゚/エルリキクㇽ/ライパ カネ [雅]黒い頭飾りを髪を上げた上にねかせてかぶっている。(Sユーカラ) ☆対語 erurikikur-punpa エルリキクㇽプンパ。 ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esamkuy
エサㇺクイ 【他動】[e-sam-kuy その一部分・(< …のそば)・を噛む] …を一部分食べる、 かじりかけにする。 esamkuy pe emkoho osura wa an エサㇺクイ ペ エㇺコホ オスラ ワ アン かじりかけの半分が捨ててある。(S) nep nukar yakka esamkuy kor patek an ネㇷ゚ ヌカㇻ ヤッカ エサㇺクイ コㇿ パテㇰ アン 彼は何を見てもすぐ口に入れてかじる。(S) {E: to eat a part of…; gnaw, nibble on…} (出典:田村、方言:沙流)
esirasirahku
エシラシラㇵク §277 くま (55) esirasirahku (e-sí-ra-si-rah-ku)「エしラシラㇵク」 ⦅相浜⦆昔話(tu-itah)の中で‘大きなクマ’を言う (出典:知里動物編、方言:)
esirkunneywa
エシㇼクンネイワ 【esir-kunneywa】 今朝. (出典:萱野、方言:沙流)
esiyewpaskumayar
エシイェウパㇱクマヤㇻ 【他動】[e-si-e-upaskuma-yar …で・自分・について・語り伝える・させる] …で自分のことを語り伝えさせる。 néa Ayoro wano sipirasa kuni p yamnitay ne yakun, tapan pe póka a=esíyewpaskumayar kuni p ne ruwe ne na ネア アヨロ ワノ シピラサ クニㇷ゚ ヤㇺニタイ ネ ヤクン、 タパン ペ ポカ アエシイェウパㇱクマヤㇻ クニㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ そのアヨロから栗の木林が広がることになるなら(なるのだから)、 このことだけでも人に語り伝えてもらうべきことなのだよ。(W神謡語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esumkus
エスㇺクㇱ 【自動】[e-sum-kus その頭・油・…を通る] あまり油気を食べたためにげっぷが出る。 {E: to belch after eating oily food.} (出典:田村、方言:沙流)
esumkusi
エスㇺクシ §435.じんちゅう(人中)(1)esumkusi〔e-súm-ku-ši エすㇺクシ〕[esum(鼻汁)+kus(通る)+i(所)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etemkunnere
エテㇺクンネレ 【他動】[e-tem-kunne-re …で・腕・黒くなる・させる](?) …を(どこかへ行こうとしても)だいて押えようとする、 (酔っぱらいなど)の世話をやく。 etemkunnere kor an エテㇺクンネレ コㇿ アン (彼は酔っぱらった人の)世話をやいている。(S) {E: to look after…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etokosonkokuste
エトコソンコクㇱテ 【etoko-sonko-kuste】 予定を伝える:前もって伝言に行かせる. ヘマンタ エㇰ クス オトゥ イキンネ オレ イキンネ シエトコホ ソンコクㇱテ ハウェアン ケヌコㇱネ(ク・エヌコㇱネ)=何者が来るとて2回も3回も自分が来ることの予定を伝えるのか,私はしゃくにさわる. (出典:萱野、方言:沙流)
etokun
エトクン 【etok-un】 先ヘ. (出典:萱野、方言:沙流)
etokus
エトクㇱ 【助動】[etok-us …の先・につく] もうすぐ…しそうになっている。 onnean etokus オンネアン エトクㇱ もうすぐ老死する。 ☆参考 oasi オアシ もうすぐ…しようとしている。 oasi オアシ は会話で頻繁に使われ、 「さあ、 もう行かなきゃ」というようなときにも使われる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etokus
エトクㇱ 【etokus】 (〜する)ことになる,(〜し)そうだ,(〜する)ようだ. エㇰ エトクㇱ=来ることになった(来そうだ).アㇻパ エトクㇱ=行くことになった(行きそうだ).ライ エトクㇱ ノイネ=死にそうな様子だ. (出典:萱野、方言:沙流)
etukunneseta
エトゥクンネセタ §268 イヌ (44) etu-kunne-seta (e-tú-kun-ne-se-ta)「エとゥクンネセタ」[<etu(鼻)kunne(黒い)seta(犬)] ⦅名寄⦆ (出典:知里動物編、方言:)
etupokunni/etupok'unni
エトゥポクンニ/エトゥポㇰウンニ 【etu-pok-unni】 鼻の下に入る木,屋根の骨組みの材料.煙出し口の所に用いられている. ▷エトゥ=鼻 ポㇰ=下 ウン=入る ニ=木(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
eturpakkunip
エトゥㇽパックニㇷ゚ 【eturpak-kuni-p】 比べるもの. (出典:萱野、方言:沙流)
ewkoramkur-turpa
エウコラㇺクㇽトゥㇽパ/エウコラㇺクットゥㇽパ 【他動】(韻文では分離)[e-u-ko-ram-kur-turpa …について・互い・と共に・心・有様・を伸ばす[複]] …について皆で一緒にいろいろとよく考えて相談し合う。 sekor okay pe/kamuy opitta/ewkoramkur/turpa kane セコロカイ ペ/カムイ オピッタ/エウコラㇺクㇽ/トゥㇽパ カネ [雅]ということを神々はみな一緒に考えて先のことを案じていました。(Sユーカラ) ☆発音 日常語で話すときは全体を続けて ewkoramkutturpa エウコラㇺクットゥㇽパ と発音する。 しかしアクセントは二語のアクセント。 ☆参考 韻文で歌うときは2行に分かれる。 ☆参考 『音声資料3』に ewkoramkotturpa エウコラㇺコットゥㇽパ とあるのは誤り。 {E: to seriously talk over…with someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkuskusu
エウクㇱクス 【他動】[e-u-kuskusu …について・互い・(擬音または擬態の重複)(?)] …のことを自分はできない、 自分はいやだと言い合う。 …をいやだいやだと言う、 断り合う。 nen tausa/e=resu kuni p/ewkuskusu ネン タウサ/エレス クニㇷ゚/エウクㇱクス [雅]いったいだれがあなたを育てるかと皆尻込みし押しつけ合っていました。(Sユーカラ) {E: to mutually disagree over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewpaskuma
エウパㇱクマ 【他動】[e-upaskuma …について・語り伝える] …を語り伝える、 …についてその起源やいわれやいきさつなどを教え伝える。 iresu sápo/i=ewpaskuma/somo ki p he an sekor/yaynu=an hike イレス サポ/イエウパㇱクマ/ソモ キㇷ゚ ヘ アン セコㇿ/ヤイヌアニケ [雅]育ての姉は私に教えてくれなかったのかと思うと。(Sユーカラ語り) {E: to tell, relate…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyakukor
エヤクコㇿ 【他動】[e-yaku-kor …で・役目・を持つ] …を任務としている、 …の役目をもつ、 …の係である、 …の職についている。 toy patek orouspe nu eyakukor kur トイ パテㇰ オロウㇱペ ヌ エヤクコㇿ クㇽ 畑ばかりのことを聞く係りの人=役場の職員で田んぼに関する相談の係員。(S) {E: to have the duty, role of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyakukor
エヤクコㇿ 【e-yaku-kor】 役目を持つ. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) コンププシ アナㇰネ フチ エヤクコㇿ ルㇽス ア・ヤンケ コッポㇰタ ス オルン ア・エコロトト コㇿ ケラハ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の頃昆布をこんがり焼くのは祖母の役目で,汁鍋を上げる直前に鍋へ砕くと味がいいものであった, (出典:萱野、方言:沙流)
eyakukorpa
エヤクコㇿパ 【他動】[複](eyakukor エヤクコㇿ は単複の区別なし)(二人以上が皆/二つ以上のことを皆)…を任務としている。 {E: to be in charge of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykosnekur-punpa
エヤイコㇱネクㇽプンパ 【他動】[複][e-yay-kosne-kur-punpa …で・自分・軽く・(< 影/姿)・…を持ち上げる][雅](風)で体が浮き上がる。 toytoy ka wa/hopuni réra/maw sirkasi/a=eyáykosnekur/punpa kane トイトイ カ ワ/ホプニ レラ/マウ シㇼカシ/アエヤイコㇱネクㇽ/プンパ カネ [雅]土の上から立ちのぼる風に吹かれたように体が軽く浮き上がって。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 同様の文脈で ekosne-punpa エコㇱネプンパ、 eyayrikikur-punpa エヤイリキクㇽプンパ、 eyayrikikur-kosnepuni エヤイリキクㇽコㇱネプニ も使われている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykurkasam-pirasa
エヤイクㇽカサㇺピラサ 【他動】[e-yay-kuruka-sam-pirasa …で・自分・の上一面・(< のそば)・…を広げる][雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/a=eyáykurkasam/pirasa kane カムイ コソンテ/アエヤイクㇽカサㇺ/ピラサ カネ [雅]私は立派な小袖を自分の体の上に広げて身につけ…。(Sユーカラ語り) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 別の箇所で sikurkasam-opirasa シクㇺカサㇺオピラサ と言っている。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykurpok-rameciw
エヤイクㇽポㇰラメチウ 【他動】[e-yay-kurpok-ram-e-ciw …のことで・自分・の下・心・そこで・ささる]…のことをどうなるだろうかと心配して困っている。 e=eyaykurpok-rameciw kor e=an ruwe ne nankor エエヤイクㇽポㇰラメチウ コㇿ エアン ルウェ ネ ナンコㇿ (明日は裁判か税金か大変なことがあるから)あなたはどうなるかしらと思って困っているんでしょう。(S) (出典:田村、方言:沙流)
eyayrikikur-hopunpa
エヤイリキクㇽホプンパ 【他動】[e-yay-riki-kur-hopunpa …で・自分・高く・(< 影/姿)・飛ぶ][雅](道の上)で体が空中に浮かび上がる。 kiroru tuyka/a=eyáyrikikur/hopunpa kane キロル トゥイカ/アエヤイリキクㇽ/ホプンパ カネ [雅]道の上で私の体がスーッと上へ上がって。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 似た文脈で eyayrikikur-punpa エヤイリキクㇽプンパ とも言っている。 (出典:田村、方言:沙流)
eyayrikikur-kosnepuni
エヤイリキクㇽコㇱネプニ 【他動】[e-yay-riki-kur-kosne-puni …で・自分・高く・(< 影/姿)・軽く・…を持ち上げる][雅](そこ)で空中に浮かび上がる。 iresu sápo/kamuy maw etok/eyayrikikur/kosnepuni イレス サポ/カムイ マウェトㇰ/エヤイリキクㇽ/コㇱネプニ [雅]育ての姉は神風の前方で軽々と浮かび上がって行き。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayrikikur-punpa
エヤイリキクㇽプンパ 【他動】[e-yay-riki-kur-punpa …に・自分・高く・(< 影/姿)・…を持ち上げる][雅](空)に浮かび上がってのぼっていく。 ney ta pakno/sínis kotor/eyayrikikur/punpa korka ネイ タ パㇰノ/シニㇱ コトㇿ/エヤイリキクㇽ/プンパ コㇿカ [雅]どこまでも大空へ高々とのぼって行ったけれども。(Sユーカラ) ☆参考 似た文脈で eyayrikikur hopunpa エヤイリキクㇽ ホプンパ、 eyayrikikur kosnepuni エヤイリキクㇽ コㇱネプニ とも言っている。 ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaysukupka
エヤイスクㇷ゚カ 【e-yay-sukup-ka】 恨みに思う,根に持つ. ケヤイスクㇷ゚カ(ク・エヤイスクㇷ゚カ)=私は一生恨みに思っている.ペウレ ウタㇻ アナㇰネ ナニナニ スクㇷ゚ ペ ネ ネンカネ ア・シコイルㇱカレ コㇿ エヤイスクㇷ゚カ パ ㇷ゚ ネ ヤイトゥパレ・アン ペ ネ ナ=若い人たちはすぐに成長するものだ.万が一にも怒らせるようなことをすると,根に持つものなのだから注意しなけれはならないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eyku
エイク 【他動】[e-iku …で・飲酒する]…で酒を飲む。 toy ka opitta eyyok wa epakutciki, eyku, ayne tane anak aratusa トイ カ オピッタ エイヨㇰ ワ エパクッチキ、 エイク、 アイネ タネ アナㇰ アラトゥサ 彼は田畑もみんな売ってしまってそれでバクチをやり、 酒を飲み、 とうとう今はまるはだか(一文なし)だ。(S) {E: to drink liquor at, from…} (出典:田村、方言:沙流)
eykusne
エイクㇱネ 【副詞(?)】[e-ikus-ne その頭が・ものの向こう・である]そこから向こうへ。 toan uske wano eykusne anak mosma kur kor uske ne トアン ウㇱケ ワノ エイクㇱネ アナㇰ モㇱマ クㇽ コㇿ ウㇱケ ネ あそこから向こうはほかの人の場所だ。(S) {E: from there to over there.} (出典:田村、方言:沙流)
eypokun
エイポクン 【自動】[e-i-pok-un …で・人・の下・についている] 他より劣っている、 他より少ない。 inanike eykaun ya eypokun ya? イナニケ エイカウン ヤ エイポクン ヤ? どちらが多いだろうか少ないだろうか。(S) ☆対語 eykaun エイカウン {E: to be less (than).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eypottumma kurkus
エイポットゥンマ クㇽクㇱ 【慣用句】[e-ipor-tum-wa kur-kus …が・顔色・の中・から・影/姿(が)・…を通る][雅](次のような慣用表現で)…が顔色に現れる。 iruska ipor/a=eypottumma/kurkus kane イルㇱカ イポロ/アエイポットゥンマ/クㇽクㇱ カネ [雅]怒りの色が私の顔に現れていた。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hakketek kut
ハッケテックッ §216 ホタテ、エゾギンチャク(エゾキンチャクガイ) (10) hakketek kut (hak-ke-tek-kut)「ハッケテックッ」ホタテ (出典:知里動物編、方言:)
hamkur
ハㇺクㇽ 【名(?)】[ham-kur 葉・影/姿](次項の語の中で)葉がたくさんついている…。 (出典:田村、方言:沙流)
hamkur-cikuni
ハㇺクㇽチクニ/ハㇺクッチクニ 【名】[葉の影・木]葉がたくさんついた木。(HC民話) ☆[発音]同じ話者が両方の発音をしている。 (出典:田村、方言:沙流)
hanku
ハンク 【名】[概/所] へそ(臍)。 {E: the navel.} (出典:田村、方言:沙流)
hanku
ハンク §683.へそ(臍)(1)hanku〔háŋ-ku はンク〕⦅ホロベツ、チカブミ、サル、ナヨロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hanku/hanku(hu)
ハンク/ハンク(フ) 【hanku/hanku(hu)】 臍. (出典:萱野、方言:沙流)
hankuat(-u)
ハンクアッ §685.へそのお(臍の緒)、さいたい(臍帯)(1)hanku-at(-u)〔háŋ-ku-at はンクアッ〕[へそ・ひも]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hankucinoye
ハンクチノイェ 【自動】[hanku-cinoye へそ・よじれる] へそのあたりがキリキリ痛む。 ☆参考 cinoye チノイェ [他動中相][ci-noye される・よじる] よじられる、 よじれる。 {E: to have a sharp pain in the area of the navel.} (出典:田村、方言:沙流)
hankucotca
ハンクチョッチャ 【名】[hanku-cotca へそ・を射る][動物] トンボ。 {E: a dragonfly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hankucotca
ハンクチョッチャ §190 トンボ(蜻蛉) (2) hankucotca (hán-ku-cot-cap)「はンクチョッチャ」[<hanku(へそ)cotca(つく)] ⦅沙流、幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hankucotca(p)
ハンクチョッチャ(ㇷ゚) 【hanku-cotca(p)】 トンボ. (出典:萱野、方言:沙流)
hankucotcap
ハンクチョッチャㇷ゚ §190 トンボ(蜻蛉) (1) hankucotcap (hán-ku-cot-cap)「はンクチョッチャㇷ゚」[<hanku(へそ)cotca(つく)-p(もの)] ⦅穂別、千歳、幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hankuhu
ハンクフ 【名】[所](概は hanku ハンク)…のへそ。 {E: the navel of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hankukacuy
ハンクカチュイ §190 トンボ(蜻蛉) (9) hankukacuy (hán-ku-ka-cuy)「はンクカチュイ」[<hanku(へそ)kacuy(突く)] ⦅足寄、美幌、高島、屈斜路⦆トンボ類 (出典:知里動物編、方言:)
hankuporo
ハンクポロ §539.でべそ(出臍)[である](1)hanku-poro〔háŋ-ku-po-ro はンクポロ〕[へそ・大きい]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hankupuy(-e)
ハンクプイ §684.へそあな(臍窩)(1)hanku-puy(-e)〔háŋ-ku-puǐ はンク・プイ〕[へそ・あな]⦅ホロべツ、サル、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hankuusi
ハンクウシ §807.ももの骨(4)大腿骨頭 hanku-usi〔háŋ-ku-u-ši はンクウシ〕[hanku(こぶし)+us(ついている)+-i(所)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
haspahkutu
ハㇱパㇵクトゥ §287 オオイタドリ (5) haspahkutu (hás-pah-ku-tu)「はㇱパㇵクトゥ」 枯茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
haukutorke
ハウクトㇿケ 【haukutorke】 声色,物を言う際の声質など[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
haweneyakun
ハウェネヤクン 【hawe ne yakun】 そうであるなら,とにもかくにも,なんなら,なんにせよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hawsikurkaotte
ハウシクㇽカオッテ 【自動】[haw-si-kurka-otte 声・自分・の上一面・に…をつける] オーイと叫びながら走る。 {E: to run while screaming out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hay ku=ramutuy humi
ハイ クラムトゥイ フミ 【hai ku=ramutuy humi】 ああ,驚いた.▷ク=私 ラム=思い トゥイ=切れる →思いが切れる→驚く (出典:萱野、方言:沙流)
hay ku=sampe
ハイ クサンペー 【hai ku=sampe】 ああ心臓も止まりそうだ. ハイ ク・サンペー アッケㇱ タ ウェンヤトイネ ウタㇻ ウチㇷ゚コウェンテ セコㇿ コタン クㇽカシ ハウシタイキ イヨーハイ=ああ心臓も止まりそうだ,厚岸へ強制徴用された人たちが難破したと村の上へ知らせが来た,どうしようか.*木村コヌマタンさんが聞かせてくれた話. (出典:萱野、方言:沙流)
haytakur
ハイタクㇽ 【hayta-kur】 馬鹿:少し足りない人.▷ハイタ=足りない クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
haytakurusani
ハイタクルサニ §016.子孫(16)haytakuru-sani〔háǐ-ta-ku-ru-sa-nì はイタクル・サニ〕⦅マオカ⦆馬鹿者の子(悪口に用いる)。[hayta(足りない)+kuru(<kur 人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hekacipekakur
ヘカチペカクㇽ 【hekaci-peka-kur】 子供を受ける男,削り台.別の言い方をイヌンペサウㇱペ(炉縁の前にある物)とも言うし、ノタッペカクㇽ(刃を受ける男)と言うこともある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hekotekur
ヘコテクㇽ 【he-kote-kur】 夫.▷ヘ=自ら コテ=繋ぐ クㇽ=人 →自らを繋ぐ人 "エ・ヘコテクㇽ タント チセ オッタ(オㇿ タ) アン ヤ," "イサㇺ.ク・ヘコテクㇽ エキㇺネ ワ イサㇺ"=「あなたのだんなさんは今日家にいるかい?」「いない,私の夫は山へ行ってしまった」ニサッタ ア・ヘコテクㇽ トゥラノ エピㇱネ サパン(サㇷ゚・アン)=明日,私の夫とともに浜へ行く. (出典:萱野、方言:沙流)
hekotekur
ヘコテクㇽ §036.おっと(夫)(14)hekote-kur〔he-kó-te-kur へこテクㇽ〕⦅ハルトリ⦆夫;妻。an-〜「私の夫」「私の妻」[hekote(連れそう)+-kur(人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hekunra
ヘクンラ 【自動】ねぼけている。 ku=mokonrusuy wa ku=hekunra クモコンルスイ ワ クヘクンラ 私は眠くてねぼけている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
hekushekus
ヘクㇱヘクㇱ 【hekus-hekus】 ぐずぐずして決断力がない,だだをこねる. (出典:萱野、方言:沙流)
hemantakusu
ヘマンタクス 【hemanta kusu】 なぜ,どうして,なんのために. (出典:萱野、方言:沙流)
hemkuror
ヘㇺクロㇿ 【hemkuror】 うなずく. オトゥ ヘㇺクロㇿ,オレ ヘㇺクロㇿ=2度うなずき,3度うなずく(そうかそうかとうなずく). (出典:萱野、方言:沙流)
hepertakusa
ヘペㇾタクサ 【heper-takusa】 子熊の清め草:笹.*熊送りの時の道具. (出典:萱野、方言:沙流)
herekus
ヘレクㇱ §092 タラ (4) herekus(he-ré-kus)「ヘれクㇱ」成魚⦅荻伏、浦河、様似⦆ (出典:知里動物編、方言:)
herekuskewsut
ヘレクㇱケウスッ §093 スケトウダラ (1) herekus-kewsut(he-ré-kus-kew-sut)「ヘれクㇱケウスッ」⦅様似、浦河、荻伏⦆スケトウダラ。 (出典:知里動物編、方言:)
herukuwanno
ヘルクワンノ 【heru-kuwanno】 ただ真っすぐに. ▷ヘル=ただ クワンノ=真っすぐに(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
herupattakup
ヘルパッタクㇷ゚ 【heru-pat-takup】 ただ口だけ,口だけ達者. ▷ヘル=ただ ハッ(パラ)=口 タクㇷ゚=だけ ヘルパッタクㇷ゚ イヨアットゥィェ=ただ口だけで、私を全く切る.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
heruponetakup
ヘルポネタクㇷ゚ 【heru-pone-takup】 ただ骨だけ. ヘル=ただ ポネ=骨 タクㇷ゚=だけ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
héserekuci(hi)
ヘセレクチ(ヒ) 【名】[所](概は heserekut ヘセㇾクッ)の気管。 {E: the windpipe of…} (出典:田村、方言:沙流)
héserekut
ヘセレクッ 【名】[概](所は heserekuci(hi) ヘセレクチ(ヒ))[hese-rekut 息をする・のど] 気管。 {E: the windpipe.} (出典:田村、方言:沙流)
heserekut/heserekuci(hi)
ヘセレクッ/ヘセレクチ(ヒ) 【heserekut/-rekuci(hi)】 気管. (出典:萱野、方言:沙流)
hetuku
ヘトゥク 【自動】[he-tuku 頭・を突き出す][単](複は hetukpa ヘトゥㇰパ)(月や太陽が)出る、 (もぐっている人が)顔を出す/出て来る、 (植物が)芽を出す/生える、 (また人間でも)生まれる。 nan nipeki/hetuku cup ne/iyenucupki/ciwre kotom ナン ニペキ/ヘトゥク チュㇷ゚ ネ/イイェヌチュㇷ゚キ/チウレ コトㇺ [雅](その女神の)顔の輝きがさしのぼる朝日のように日の光がさすのにも似て。(Sユーカラ) tanepo níya hetuku タネポ ニヤ ヘトゥク 今やっと木の芽が出てきた。(S) rar wa ya esirpicire wa turano hetuku ラㇻ ワ ヤ エシㇼピチレ ワ トゥラノ ヘトゥク もぐって網をはずして持って浮いて来なさい。(S) usimne usimne hetuku ウシㇺネ ウシㇺネ ヘトゥク 一日一日と成長する。(S) ☆参考 月や太陽がほんの少しだけ出かかったのは etuk エトゥㇰ。 hetuku ヘトゥク は全体が出たこと。 高く昇ったのは ri リ。 {E: to rise; come out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hetuku 1
ヘトゥク 【hetuku】 ①育つ,伸びる,成長する. ク・ミッポホ イット コラチ ヘトゥク シリ ク・ヌカㇻ エアㇻキンネ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=私の孫が日に日に育つのを見て本当に私は嬉しく思っている(方言:おがる). (出典:萱野、方言:沙流)
hetuku 2
ヘトゥク 【hetuku】 ②芽を出す,出る,生える. (出典:萱野、方言:沙流)
hi kusu
ヒ クス 【接助】[…する/したこと・のために]だから。 ☞hi ヒ 2 (出典:田村、方言:沙流)
hi ne yakun
ヒ ネ ヤクン 【hi ne yakun】 〜のであるなら. ネア ウェン ペ アン ヒ ア・エラマン ヒ ネ ヤクン エネパカㇱヌ(エン・エパカㇱヌ) ク・コチョラウキ ナ=あの悪者のいる所をお前が知っているのなら私に教えてくれ,これから向かって行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
hike kusu
ヒケ クス 【接助】[…すること・のために]…したからといって、 たとえ…したとしても。 néno án=an hike kusu i=rayke kusu iki kor an pe ネノ アナン ヒケ クス イライケ クス イキ コラン ぺ たとえこうして隠れていても彼は私を殺そうとしているのだから。(W民話) (出典:田村、方言:沙流)
hikusu
ヒクス 【hikusu】 〜ので,そこで,そして. カムイ オッタ(オㇿ タ) ア・ヤイコトㇺカ ㇷ゚ ア・フナラ ヤッカ イサㇺ ヒクス アイヌ オルン インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) エアニ パテㇰ ア・ヤイコトㇺカ=神の所で私に似合う者を探したがいないので人間の方を見ると,お前ばかりが私に似合う.セタ ミㇰ コㇿ エン・ケサンパ ヒクス スマ アニ ア・ピイェカㇻ アクス キラ ワ アㇻパ=犬が吠えながら私を追いかけてきたので石をぶつけると逃げて行った. (出典:萱野、方言:沙流)
hinakke kus(u)
ヒナッケ クス/ヒナッケ クㇱ 【副】[hinak-ke-kusu どこ・の所・のために] せっかく(…したのに)。 hinakke kusu ikoyyomap póka a=ki rusuy kusu ponmat kor hi a=ki rusuy a p ene ek ruwe ka isam ヒナッケ クス イコイイョマㇷ゚ ポカ アキ ルスイ クス ポンマッ コリ アキ ルスイ アㇷ゚ エネ エㇰ ルウェ カ イサㇺ せっかく私はせめて人の子どもでもかわいがりたかったから夫にめかけを持ってもらいたかったのに、 このように夫は全然もどって来ない。(W民話) ☆参考 沙流川下流のサダモさんは hunakke kusu フナッケ クス と言う。 ワテケさんは両方使う。 {E: where; what place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hinakoro kusu
ヒナコロ クス 【副】[hinak-oro-kusu どこ・のところ・のために]せっかく。 ☞hinakke kusu ヒナッケ クス (出典:田村、方言:沙流)
hinakun
ヒナクン 【hinak un】 どこへ. (出典:萱野、方言:沙流)
hinekusu
ヒネクス 【hi ne kusu】 そして. (出典:萱野、方言:沙流)
hocaku
ホチャク 【自動】[ho-ca-ku 尻・(はじけることを表す語根)・(他動詞形成)](鳥が)糞をする。 ni rewpok ta cise as wa nítek ka ta cikap hocaku kor cise kasi un hocaku ニ レウポㇰ タ チセ アㇱ ワ ニテㇰ カ タ チカㇷ゚ ホチャク コㇿ チセ カシ ウン ホチャク 木のかしいでいる下に家があるので木の枝の上で鳥が糞をすると家の上に糞を落とす。(S) ☆参考 犬や猫の場合は人間と同じく osoma オソマ、 okuyma オクイマ を使う。 (出典:田村、方言:沙流)
hocaku
ホチャク 【hocaku】 下痢する,(腹が)下る. (出典:萱野、方言:沙流)
hocinuturkuste
ホチヌトゥㇽクㇱテ 【他動】[ho-cin-utur-kus-te 尻・上脚・の間・を通る・させる] 股(また)の間を通す/にはさむ。 {E: to fasten something through the crotch.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoku
ホク 【名】[概/所] 夫。 {E: husband.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoku
ホク §036.おっと(夫)(1)hoku〔ho-kú ホく〕⦅H.⦆①夫。②合成語の中では「男」の意をもつ。[ok-kayのokと関係あるか]。hoku-kanaw-ne「男声で」(mat-kanaw-ne「女声で」に対する)。hoku-sittok i-ko-anu「男のように肘を張る」⦅ユ研Ⅱ, p.283⦆。hoku-yuk「雄熊」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hoku konutustekno ikupapa
ホク コヌトゥㇱテㇰノ イクパパ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(40)女が交合の際に興奮のあまりかみつく hoku ko-nutustekno ikupapa〔ホく・コぬトゥㇱテㇰノ・イくパパ〕[hoku(男、夫)+ko(に対して)+nu(歓喜を)+tustek-no(きおって、きそって)+i(人を)+kupapa(かみかみする)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hoku konutusteknocis
ホク コヌトゥㇱテㇰノチㇱ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(41)女が交合の際に興奮のあまり泣く hoku ko-nutustekno-cis〔ホく・コぬトゥㇱテㇰノ・ちㇱ〕[男・のために歓喜がこみあげて来て・泣く]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hoku(hu)
ホク(フ) 【名】[所](概は hoku ホク)…の夫。 {E: the husband of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoku-nispake
ホクニㇱパケ 【名】[hoku-nispa-ke 夫・偉い人・(所属語尾)]…の旦那さま(夫を尊んで言う表現)。 a=hokú-nispake アホクニㇱパケ(引用文中)私の尊いご主人様(=夫)。 {E: an expression of respect used to one's husband.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoku/hoku(hu)
ホク/ホク(フ) 【hoku/hoku(hu)】 夫. (出典:萱野、方言:沙流)
hokuci
ホクチ 【hokuci】 火おこし:火をおこす道具.アカダモの木の根を乾かした物. (出典:萱野、方言:沙流)
hokuekira
ホクエキラ 【hoku-e-kira】 男と逃げる. ナー ペウレ クナㇰ ク・ラム ア ポンメノコ ホクエキラ ヤㇰ ク・イヌ ケオクンヌレ(ク・エオクンヌレ)=まだ若いと思っていた娘が男と逃げたと聞いて,私はあきれてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
hokukoiwak
ホクコイワㇰ 【hoku-ko-iwak】 男の所へ通う.▷ホク=夫 コ=それに対して イワㇰ=帰る ネア メノコ スイ ホクコイワㇰ クスネ ノイネ ポン トゥトゥッコ エヤㇻポㇰアニ カネ ニタン ワ アㇻパ シリ ク・ヌカㇻ=あの女はまた男の所へ行くためらしく小さい包みを小脇に抱えて急いで行ったのを私は見た.参考:マッコイワㇰ=女の所へ通うこと. (出典:萱野、方言:沙流)
hokukoiwak(an-)
ホクコイワㇰ §036.おっと(夫)(15)hoku-ko-iwak(an-)〔ho-kú-ko-i-wak ホくコイワㇰ〕⦅H.⦆夫のもとへ寝に行く;夫訪いする⦅→聖典, p.294⦆。[hoku(夫)+ko(に、のもとへ)+iwak(行く、行き住む)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hokukor
ホクコㇿ 【hoku-kor】 嫁に行く. メノコ アナㇰネ ホクコㇿメ エトㇰタ イカㇻカㇻ エアㇱカイ クス オカイペ ネ ナ シコㇿ ア・ウヌフ イ・イェ クス ピㇼカ センカキ ア・カㇻカㇻ コㇿ アナン(アン・アン)=娘というものは夫を持つ前に刺繍を上手にするものだと母が私に言うので上等な布に私は刺繍をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
hokukor(-an)
ホクコㇿ §034.結婚(する)(29)hokukor(-an)〔ho-kú-kor ホくコㇿ〕⦅ホロベツ、サル⦆夫をもつ。[hoku(男、夫)+kor(もつ)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hokukosikuppe
ホクコシクッペ §033.いいなずけ(許嫁)(6)hoku-ko-sikup-pe〔ho-kú-ko-ši-kup-pe ホくコシクㇷ゚ペ〕⦅ホロべツ⦆いいなずけの夫がある者。[hoku(夫)+-ko-(のために)+sikup(育った)+-pe(者)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hokunehekaci
ホクネヘカチ §006.若者;青少年(10)hokune-hekaci〔ho-kú-u-ne-he-ka-či ホくウネヘカチ〕⦅タラントマリ⦆【雅】15〜17才ぐらいの少年。[ho(陰部)+kune(<kunne 黒くなっている)+hekaci(男子)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hokunispa
ホクニㇱパ §036.おっと(夫)(12)hoku-nispa〔ho-kú-niš-pa ホくニㇱパ〕⦅チカブミ⦆【雅】夫君;亭主どの。"an-〜!"「私の亭主どのよ!」。[hoku(夫)+nispa(首額);‘夫なる首領'の義]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hokununuke
ホクヌヌケ 【自動】[hoku-nunuke 夫・をよく処遇する] 「夫によく仕える」、 夫を大事にする。 {E: to care for one's husband.} (出典:田村、方言:沙流)
hokure
ホクレ 【副】①さあ早く、 どうぞ、 どんどん、 さっさと(主にうながすときに使う)。 eci=ápkas etok ta hokure poronno ipe yan エチアㇷ゚カㇱ エトㇰ タ ホクレ ポロンノ イペ ヤン あなたたち出歩く(出かける)前に、 さあ、 たくさん食べなさい。(S) hokure ka a=ku ka somo ki ホクレ カ アク カ ソモ キ (引用文中)私はどんどん飲みはしなかった。 ②[慣用句]hokure kunak ホクレ クナㇰ さあ早く。 hokure kunak hayok yan! ホクレ クナㇰ ハヨㇰ ヤン! さあ早く武装しなさい。(W言い伝え) ③(間投詞のように) hokure hokure! ホクレ ホクレ! 早く早く、 さあさあどうぞ。 ☆参考 heta ヘタ/hetak ヘタㇰ はこれから始めよう/始めなさいというときのただのうながし《さあ》。 hokure ホクレ は早く、 どんどん、 さっさと、 といったような、 ニュアンスを含む副詞。 両方続けて hetak hokure ヘタㇰ ホクレ とも言う。 ☆参考 命令・要求表現での用法が圧倒的に多い。 相手(2人称)に対する要求(命令の形や yak pirka na ヤㇰ ピㇼカ ナ などの形)のほか、 包括的1人称複数《私たち》に対する要求、 つまりさそいの言い方(主語不定人称形)もある。 叙述文で使われている例は否定表現になっている。 (出典:田村、方言:沙流)
hokure
ホクレ 【hokure】 早く,急げ,さあっ. ホクレ アㇻパ=急いで行け.ホクレ コㇿコニ ハㇺ ケッケ ワ エㇰ ヤン.コㇿ チセ ア・カㇻ ナ=早くフキの葉を折り取って来なさい.フキの葉の家を作るから. (出典:萱野、方言:沙流)
hokurehokure
ホクレホクレ 【hokure hokure】 急いで,急げ. (出典:萱野、方言:沙流)
hokus
ホクㇱ 【自動】(家や木などが)倒れる、 (比喩的に)倒産する。 ☆参考 hácir ハチㇼ ころぶ、 落ちる。 horak ホラㇰ 根こそぎ倒れる、 家など崩壊する。 hokus-hokus kane ホクㇱホクㇱ カネ/ホクソクㇱ カネ (大勢が)ずらりと並んで寝て(いる)。 hokus-hokus kane mokor wa okay pe ホクㇱホクㇱ カネ モコㇿ ワ オカイ ペ ずらりと並んで横たわり眠っている者たち。(HK民話) {E: to fall down; collapse.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hokus
ホクㇱ 【hokus】 倒れる,ひっくり返る. (出典:萱野、方言:沙流)
hokusak menoko
ホクサㇰ メノコ §033.いいなずけ(許嫁)(15)hoku-sak menoko〔ho-kú-sak|me-nó-ko ホくサㇰ・メのコ〕⦅ホロべツ⦆【雅】許嫁の夫のない女。[hoku(夫)+sak(を持たぬ)+menoko(女)]。"a-turesi utar, somo ka hoku-sak menoko utar eci-ne ruwe ka somo tapan na. ikanepeka rit-us kane okay-pe utar eci-nukar ko, orun eci-itak na! eci-mina na!"「我が妹たちよ、決して許嫁の夫の無い女たちで汝らはあるのでないのだよ。ゆめゆめ筋ばっている者ども(=男たち)を汝ら見ても、それへ汝ら物言いかけるのではないよ!汝ら笑いかけるのではないよ!」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hokusaknopo
ホクサㇰノポ §021.子(35)hokusakno-po〔ho-kú-sak-no-po ホくサㇰノポ〕⦅チカブミ⦆私生児。[hoku(夫)+sak-no(無しの)+po(子)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hokusakpe
ホクサㇰペ §038.やもめ(2)hokusakpe〔ho-kú-sak-pe ホくサㇰペ〕⦅ホロべツ⦆やもめ[hoku(夫)+sak(を持たぬ)+-pe(者)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hokuscep
ホクㇱチェㇷ゚ §062 マグロ (6) hokus-cep (ho-kus-cep)「ホクㇱチェㇷ゚」 ⦅B⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hokuste
ホクㇱテ 【他動】[自動使役][hokus-te 倒れる・させる] …を倒す。 {E: to throw, knock down…} (出典:田村、方言:沙流)
hokuste
ホクㇱテ 【hokus-te】 ひっくり返す,倒す. ク・シユトホ チュニ(チ・ウニ) タ エㇰ ワ イク コㇿ アン ミッポ ウタㇻ ウホユッパレ シㇰ ノ サケ オマ トゥキ ホクㇱテ パ.アㇺカㇺコモㇺセ ペコㇿ ハワン コㇿ チャッセテㇰ アㇻパ ワ イサㇺ=私の舅が私の家に来て酒を飲んでいた.孫たちが走り回り酒がいっぱい入った杯をひっくり返した.悲鳴のような声を出したが舌打ちして行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
hokuwne(-an)
ホクウネ §101.陰部―いんもう(陰毛)(2)hokuwne(-an)〔ho-kú:-ne ホくウネ〕[ho(陰部)+kuwne(<kunne 黒くなる)]⦅タラントマリ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
hokuyuk
ホクユㇰ §277 くま (24) hokuyuk (ho-kú-yuk)「ホくユㇰ」[<hoku(おとこ)yuk(えもの)] ⦅天塩⦆雄グマ (出典:知里動物編、方言:)
hokuyukemawri
ホクユケマウリ §217 クロイチゴ (2) hokuyuk-emawri (ho-kú-yu-ke-maw-ri)「ホくユケマウリ」[雄熊・いちご] 果実 ⦅A沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
honi sekuhke
ホニ セクㇷケ §633.腹が張る(1)honi sekuhke〔ho-ní|se-kúh-ke ホに・セくㇷケ〕[その腹・ふくれる]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
horokahetukuhekaci
ホロカヘトゥクヘカチ §353.産―さかご(逆子);足位分娩児(2)horoka-hetuku-hekaci〔ho-ró-ka|he-tú-ku|he-ká-či ホろカ・へとぅク・へかチ)[さかさに・生れた・子]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hotku
ホック 【自動】かがむ(「こごむ」)。 {E: to stoop; bend forward.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hotku
ホック 【hotku】 かがむ. ヘマンタ フナラ ㇷ゚ エネ トイ アンクラ タ ホック カネ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ アン ルウェ アン=何を探すのにあのように畑の畔で腰をかがめて歩いているものだ.フㇱコ トゥシㇼ トゥㇺ ア・クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤ ア・エテテ ワ ホック カネ アナン(アン・アン) ワ ア・クㇱ ペ ネ.ウェンカムイ カ オンネㇷ゚ ネ クナㇰ ラム パ ワ エチャッケ ソモ ソイェネ ㇷ゚ ネ シコㇿ=古い墓地の中を通る場合はヨモギを杖にして腰を曲げて通るものだ.悪い化け物も年寄りだと思って汚ながって出て来ないものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hotkuhotku
ホックホック 【hotku-hotku】 かがめかがめ:少し風が強いのに,粒の小さい種を畑に蒔く時など. (出典:萱野、方言:沙流)
hotkure
ホックレ 【他動】[hotku-re かがむ・させる] 傾ける(本来、 かがませる)。 a=hotkure a=hotkure kane a=etóyta アホックレ アホックレ カネ アエトイタ (さつまいもの苗の植え方)ななめにして植える。 {E: to lean…} (出典:田村、方言:沙流)
hoyyaku
ホイヤク §473.だたい(堕胎)する(1)hoyyaku〔hóǐ-ya-ku ほイヤク〕[<hon(子の入っている腹、胎児)+yaku(潰す)]⦅ホロべツ、ハルトリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hucikuni
フチクニ 【hu-cikuni】 生木. (出典:萱野、方言:沙流)
ku
フク 【名】[< 日本語]洋服。 ☆参考 amip アミㇷ゚ は衣服一般、 洋服も含まれる。 (出典:田村、方言:沙流)
Hukumici
ふくみち 【名】[日本語][地名] 福満(ふくみつ。 沙流郡門別町富川町の一部になっている。 沙流川下流の、 もと Piraka ピラカ といった二つの集落のうち川の東岸の集落と Uyotpe ウヨッペ とを含む)。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hukumpo
フクンポ §161 アリジゴク(幼) (1) hukumpo(hu-kum-po)「フクンポ」⦅穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
humkuspare
フㇺクㇱパレ 【他動】[hum-kus-pa-re 音・…を通る・(複)・させる][雅] kasi humkuspare カシ フㇺクㇱパレ [雅] …に音を鳴り響かせる。 tu repun mosir/mosirso kasi/humkuspare トゥ レプン モシㇼ/モシㇼソ カシ/フㇺクㇱパレ [雅] いくつもの沖の島(外国)の地面の上に音を鳴り響かせます。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hunakke kus(u)
フナッケ クス/フナッケ クㇱ 【副】[hunak-ke-kusu どこの所・のために] せっかく(…したのに)。 hunakke kusu arki=an a p ene a=nimára eci=né wa hunak un eci=payé rusuy hawe an フナッケ クス アㇻキアナㇷ゚ エネ アニマラ エチネ ワ フナクン エチパイェ ルスイ ハウェ アン せっかく私たちは一緒に来たのにあなたたちだけが分かれてどこかへ行きたいと言うのか。(S言い伝え) ☆参考 沙流川下流から鵡川にかけて使われる形。 沙流川中流の人は hinakke kus(u) ヒナッケ クス/ヒナッケ クㇱ と言う。 {E: some place; somewhere.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hunakor kusu/kus
フナコㇿ クス/クㇱ 【副】[どこのところ・のために] せっかく(…したのに)(=hunakke kusu/kus フナッケ クス/クㇱ)。 (出典:田村、方言:沙流)
hunakun
フナクン 【hunak un】 どこへ:道で会ったときの挨拶がわりにもなる. (出典:萱野、方言:沙流)
hunara koyaykus
フナラ コヤイクㇱ 【hunara koyaykus】 捜し出せない. ア・タシロホ ネユン ク・フナラ ヤッカ ク・フナラ コヤイクㇱ=あなたの山刀をどんなに捜しても捜し出せない. (出典:萱野、方言:沙流)
hunta kus(kusu)
フンタ クㇱ(クス) 【hunta kus(kusu)】 なぜ,どうして. (出典:萱野、方言:沙流)
hurekutomarawrep
フレクトマラウレㇷ゚ §153 シータテハ (1) hure-kutomarawrep(hú-re-ku-to-ma-raw-rep)「ふレクトマラウレㇷ゚」⦅雪裡⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hureni rekuciaraka
フレニ レクチアラカ §580.のどの病気;咽喉痛(6)ノリウツギ咽喉病;のどがからからに乾く咽喉病 hure-ni rekuci-araka〔Fu-ré-ni|re-kú-či-a-ra-ka フれニ・レくチアラカ〕[hure-ni(ノリウツギ)+rekuci-araka(咽喉病)]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
huresunku
フレスンク §415 アカエゾマツ やちしんこ (4) hure-sunku (hú-re-sun-ku)「ふレスンク」[赤い・エゾマツ] 茎 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
huretakahka rekuciaraka
フレタカㇵカ レクチアラカ §580.のどの病気;咽喉痛(7)赤ガニ咽喉病 hure-takahka rekuci-araka〔Fu-ré-ta-kah-ka|re-kú-či-a-ra-ka フれタカㇵカ・レくチアラカ〕[hure(赤い)+takahka(カニ)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
i=katoykuspekor
イカトイクㇱペコㇿ 【i=ka toy kus pekor】 (私が)かったるい〔比喩〕.▷イ=私 カ=上 トイ=土 クㇱ=通る ペコㇿ=ような →体の上を土でおおわれたような チュワン オカケ タ トイ アンクラ タ ポンノ モコㇿアナクス(モコㇿ・アン アクス) イ・カトイクㇱ ペコㇿ ネ ヒネ モイモイケ・アン カ ア・エアイカㇷ゚ エウン アイヌ ハウ アㇱ クスケライ モㇱ・アン.ネㇷ゚ カ ウェンカムイ イイェヌチシㇱケ(イ・エヌチシㇱケ) ワ ネ ア ナンコㇿ=お昼ご飯の後,畑の畔で少し眠ると,体の上を土でおおわれたようなかったるい気持になり動くこともできない.そこへ人声がしたお陰で目が覚めた,何か化け物が私をにらみつけていたのであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
i=kurkasikeuwanpare
イクㇽカシケウワンパレ 【i=kur-kasike-uwanpare】 私の様子をじっと見る,私を不審そうに観察する,注意して私を見る. ▷イ=私 クㇽ=姿 カシケ=上 ウワンパレ=観察する(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iekanokurki
イエカノクㇽキ §420.しらみ(1)病人につくシラミ iekanok-urki〔i-é-ka-nok-úr-ki イえカノㇰ・うㇽキ〕[i(我らを、人を)+ekanok(迎える)+urki(シラミ)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ietokoansurku
イエトコアンスㇽク §249 トリカブト (15) ietokoan-surku (i-é-to-to-an-sur-ku)「イえトコアンスㇽク」[i(それ)-etoko(の先)-an(ある)-surku(ブシ根)] 根 ⦅穂別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ietunaskasurku
イエトゥナㇱカスㇽク §249 トリカブト (14) ietunaska-surku (i-é-tu-nas-ka-sur-ku)「イえトゥナㇱカスㇽク」[i(それ)-e(について)-tunaska(急がせる、tunas早い、-kaさせる)-surku(ブシ根)] 根 ⦅穂別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ihok kur
イホックㇽ 【名】[売買する・人] 商人、 仲買人。 {E: a merchant.} (出典:田村、方言:沙流)
ihokusi
イホクシ 【名】[ihok-us-i 売買する・いつも…する習慣のある・所] マーケット(市場、 いろいろな小さい店が一緒にかたまってある所)。 {E: a market.} (出典:田村、方言:沙流)
ika kunak
イカークナㇰ 【ika kunak】 もし. オッコー ク・イキ シリ エ・ヌカㇻ シㇼ ネ ナ.イカークナㇰ エ・イェ ワ ネ ヤㇰネ ネノ イキ エチ・エカㇻカㇻ ナ.ヌ ワ アヌ=お姉さんよ,私のしたことを見てしまったね.もし人に言ったらお前が見たことと同じことをお前にするからね.聞いておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikakustep
イカクㇱテㇷ゚ 【名】[i-ka-kus-te-p もの・上・を通る・させる・もの] 上着。 ikakustep pirka korka pokna-amip wen イカクㇱテㇷ゚ ピㇼカ コㇿカ ポㇰナアミㇷ゚ ウェン 上着は良いが下着が悪い。(S) ☆対語 pokna-amip ポㇰナアミㇷ゚ 下着。 {E: a coat; a jacket.} (出典:田村、方言:沙流)
ikakustep
イカクㇱテㇷ゚ 【i-ka-kuste-p】 上着. ク・メライケ ナ ネㇷ゚カ イカクㇱテㇷ゚ エネルサ(エン・エルサ)=私は寒いから.何か上着を貸してくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikiyakunak
イキヤクナㇰ 【ikiya kunak】 万が一にも〜してはいけない. ウヌオㇰパレ オナオㇰパレ パㇰノ ア・シトマ ㇷ゚ イサㇺ ペ ネ ナ.イキヤクナㇰ ネノ エチ・イキ ナ=母不孝をする.父不孝をする.これほど恐ろしいものはない.万が一にもそのようなことをしてはならないよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikkakur
イッカクㇽ 【名】[ikka-kur 盗む・人] どろぼう(=ikka-sísam イッカシサㇺ)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikkakur
イッカクㇽ 【ikka kur】 盗人,泥棒. (出典:萱野、方言:沙流)
ikoinkarkur
イコインカㇻクㇽ 【i-ko-inkar-kur】 産婆,助産婦.▷イ=それ コ=それを インカㇻ=見る クㇽ=人 タネ タネ ア・タㇰ ア イコインカㇻクㇽ エク クス ネ ア ヤッカ ナ ソモ エㇰ ルウェ ネ ワ=今に今に呼びに行った助産婦が来るはずだったが,いまだに来ないのだよ.エタカスレ ヤイトゥレンペ エヤㇺペ イコインカㇻクㇽ アナㇰネ ポオンペポ ネ ヤッカ イナウ トゥラノ ア・プマコレ ㇷ゚ ネ ヒ ク・ヌカㇻ ペ ネ=特別に自分自身の憑き神を大切にする者が産婆なので,わずかでもイナウとともに報酬をあげるものであることを,私は見たものである. (出典:萱野、方言:沙流)
ikoinkarkur
イコインカㇻクㇽ §356.産―産婆;助産者(1)ikoinkar-kur〔i-kó-in-kar-kur イこインカㇻクㇽ〕[とりあげる・人]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ikokut
『イコクッ』 §287 オオイタドリ (2) ikokut 『イコクッ』 ⦅A十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ikokuttar
イコクッタㇻ 【iko-kuttar】 どんぐい,オオイタドリ.▷イコ=節 クッタㇻ=筒 ヘカッタㇻ エシノッ チレㇰテトㇷ゚ イコクッタㇻ アニ ア・カㇻ ペ ネ ワ=子供たちがおもちゃにする笛はどんぐいで作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikokuttar
イコクッタㇻ §287 オオイタドリ (3) ikokuttar (i-kó-kut-tar)「イこクッタㇻ」[ik(節)o(多くある)kuttar(中空円棒状茎)] 茎 ⦅名寄⦆⦅A沙流・石狩・天塩・千歳など⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ikokutu
イコクトゥ §287 オオイタドリ (1) ikokutu (i-kó-ku-tu)「イこクトゥ」[ik(節)o(多くある)kutu(中空円棒状茎)] 茎 ⦅長万部、美幌、屈斜路、足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ikosikupmat(c-i)
イコシクㇷ゚マッ §033.いいなずけ(許嫁)(7)ikosikupmat(c-i)〔i-kó-ši-kup-mat イこシクㇷ゚マッ〕⦅ホロべツ⦆いいなずけの妻[i-(その人)+-ko-(のために)+sikup(成長した)+mat(女)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ikotcanekur
イコッチャネクㇽ 【i-kotcane-kur】 代理人:取りなしてくれる人. (出典:萱野、方言:沙流)
iku
イク 【自動】[i-ku ものを・飲む] 酒類を飲む。 ☆参考 酒、 ビール、 ウイスキー等何でもアルコール飲料を飲むことを言う。 ☆参考 他動詞 ku ク は水でもジュースでも酒類でも何でもを目的語として、 それを飲むことを言う。 {E: to drink (alcohol).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iku
イク 【iku】 酒を飲む,飲酒. ポンノ ク・ヌ ルスイ ペ アン ワ クス エカシ エウン カㇻパ(ク・アㇻパ) アクス イク コㇿ アン ク・イェ エラㇺキッカㇻ ワ ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=少し聞きたいことがあったので祖父の所へ行くと酒を飲んでいたので,言うのを諦めて逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuipe
イクイペ 【iku-ipe】 飲み食い(をする).▷イク=酒を飲む イペ=食べる (出典:萱野、方言:沙流)
ikum
イクㇺ 【ikum】 土,砂.これはカムイユカㇻに出て来る言葉で,熊が冬越しした穴から出る時に,フㇱコイクㇺ ソイオマレ(古い土を外へ出せ)と言うが,普通はオタ,あるいはトイトイ,火山灰はピヨタ(ピ=粒,種 オタ=土:声に出す時はピヨタという).(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ikunnere
イクンネレ 【自動】[i-kunne-re ものを・黒くなる・させる] 布を黒く染める。 ikunnere kor an イクンネレ コラン 布を黒く染めている。(W) ☞kunnere クンネレ、 kunne クンネ {E: to dye cloth, material black.} (出典:田村、方言:沙流)
ikunnere
イクンネレ 【i-kunne-re】 (黒く)染める.▷イ=物(を) クンネ=黒,黒くなる レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
ikupa 1
イクパ 【自動】[複](iku イク は単複の区別なし)(二人以上が皆で)酒を飲む。 {E: to drink alcohol (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikupa 2
イクパ 【自動】[i-kupa もの/人を・噛む](犬が)人にかみつく。 seta sirkote wa anu yan, iteki kirare no, ikupa wa a=sitóma na セタ シㇼコテ ワ アヌ ヤン、 イテキ キラレ ノ、 イクパ ワ アシトマ ナ 犬をつないでおきなさい、 逃がさないで、 人にかみついて恐ろしいから。(S) {E: (for a dog) to bite, snap at someone} (出典:田村、方言:沙流)
ikupakikir
イクパキキㇼ §111 クワガタムシ;鍬形虫 (8) i-kupa-kikir(i-ku-pa-ki-kir)「イクパキキㇼ」⦅美幌、足寄、屈斜路、様似、本別〔井上9〕⦆クワガタムシの成虫(♂)ビII, 34〜5 (出典:知里動物編、方言:)
ikupapaimah(k-i)
イクパパイマㇵ §582.は(歯)(7)前歯i-kupapa-imah(k-i)〔i-kú-pa-pa-i-mah イくパパイマㇵ〕[i(物を)+kupapa(噛み噛みする)+imah(歯)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ikupasuy
イクパスイ 【名】[iku-pasuy 酒を飲む・箸] 奉酒箸、 献酒箸(神に酒を献ずるために使う木製品。 箸とは言っても二本の棒ではなく一本のへら。 幅3センチ前後、 長さ30センチ前後。 背部には彫刻がしてある。 先端はややとがり気味で薄く舌状に削られ、 後部は丸味を帯びる。 右手にこれを持ち、 左手の酒杯(túki トゥキ)の中の酒に先端を入れ、 ついた酒のしずくを神にふりかけながら祈りの言葉を言う。 その後飲むときにこのへらで口ひげを持ち上げているように見られたことから、 日本語では「ひげべら」と呼ばれたこともある)。 ☆参考 túkipasuy トゥキパスイ とも言う。 ☆参考 ipepasuy イペパスイ ものを食べるのに使う箸。 ☞pasuy パスイ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikupasuy
イクパスイ 【iku-pasuy】 捧酒著:お祈りの時に神へアイヌの願いを伝えてくれる著.▷イク=酒を飲む パスイ=箸 アイヌ イタㇰ アナㇰネ ウハイタ ウㇱケ ポロンノ オカ.ネ イタㇰ オウペカレ ワ カムイ オルン ソンコ アンパ ㇷ゚ イクパスイ ネ ルウェ タパン ナ=人間の言葉は至らない所がたくさんあるものだ.その言葉を真っ直ぐにして神へ伝言を持って行くのが捧酒箸なのですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikura
イクラ §234.かんせつ(関節)(2)ikura〔i-kú-ra イくラ〕⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ikure
イクレ 【他動】[自動使役][iku-re 酒を飲ま・せる] …に酒類(アルコール飲料)を飲ませる。 ☆参考 a=ikúre a a=ikúre a アイクレ ア アイクレ ア 彼はどんどん酒をつがれてたくさん飲まされた。(W言い伝え) {E: to make, let someone drink alcohol.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikurerari
イクレラリ 【自動】[i-kur-e-rari 人・影/姿・で・…を押えつける] 人を威圧するように威風堂々としている(?)。 ikurerari no an イクレラリ ノ アン 品のある、 立派な。 {E: to overawe; overpower.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
Ikuresuye
イクレスイェ 【名】[人名]イクレスイェ(アイヌの伝説上の豪雄で、 超能力をもつが、 モデルがいたと考えられる。 Yúpet ユペッ (湧別) もしくは Iskari イㇱカㇼ (石狩) の人とされる:児島記述)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikuriante
イクリアンテ 【i-kuri-ante】 悪口を言う,馬鹿にする,あざける.▷イ=それ クリ=陰 アンテ=置く イチンチミ ウナㇻペ エㇰ ワ ア ワ アン アイネ アㇻパ ワ イサㇺ スイ イクリアンテ ルスイ ワ ネ ネㇰ=他人をよく観察するおばさんが来て座っていてから行ってしまった,いつもの通り悪口を言いたくてだろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikurkuru
イクㇽクル 【自動】[i-kur-kur-u ものを・(擬態の語根)・(重複)・(他動詞形成)] ☞eramu-ikurkuru エラム イクㇽクル (出典:田村、方言:沙流)
ikuru
『イクル』 §009 ノコギリソウ (3) ikuru 『イクル』 ⦅C日高国静内郡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ikururu
イクルル 【ikururu】 産気づく,陣痛. エ・ウヌフ イクルル ヤㇰ イェ ナ ホユプ ワ アㇻパ うこウナㇻペ タㇰ ワ エㇰ=お前の母が産気づいたと言っているから走って行って,ウコおばさんを呼んで来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ikururu
イクルル §343.産―じんつう(陣痛)[を病む](9)陣痛を催す;産気ずく ikururu〔i-kú-ru-ru イくルル〕[i(それが、胎児が)+kuru-ru(当たり・当たりする)]⦅ハルトリ、クッシャロ、ビホロ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ikus
イクㇱ 【自動】[i-kus もの(が)・(そこ)を通る] (次のような慣用表現で)洪水で水びたしになる。 porowakka an wa nutap ka ikus ポロワッカ アン マ ヌタㇷ゚ カ イクㇱ 大水(洪水)があって川端がそこらじゅう水びたしになった。(S) (出典:田村、方言:沙流)
ikus un
イクスン(イクシュン) 【i-kus un】 向かい側(へ).▷イ=それ(川) クㇱ=向かい ウン=へ (出典:萱野、方言:沙流)
ikusa
イクサ 【自動】[i-kusa 人を・舟で川を渡す] 人を(舟で川を)渡す。 {E: to ferry someone across a river by boat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikusakanram
イクサカンラㇺ 【名】[概](所は ikusakanrami(hi) イクサカンラミ(ヒ))[iku-sakan-ram 飲酒する・(?)・心]酒を飲んだ後の乱暴になる気持ち、 (悪い)酒ぐせ。 {E: (bad) drunken behaviour.} (出典:田村、方言:沙流)
ikusakanrami(hi)
イクサカンラミ(ヒ) 【名】[所](概は ikusakanram イクサカンラㇺ) …の酒を飲んだ後の乱暴になる気持ち、 酒ぐせ。 ikusakanrami pirka イクサカンラミ ピㇼカ 飲んでも乱暴しない、 酒ぐせがいい。 ikusakanrami wen イクサカンラミ ウェン 飲むと乱暴する、 酒ぐせが悪い。 (出典:田村、方言:沙流)
ikusakayo
イクサカヨ 【iku-sakayo】 酒を飲んでのけんか.▷イク=酒を飲む サカヨ=いさかい,けんか (出典:萱野、方言:沙流)
ikusakur
イクサクㇽ 【i-kusa-kur】 渡し守.▷イ=それ(を) クサ=渡す クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
ikusausi
イクサウシ 【i-kusa-usi】 渡船場.▷イ=それ(を) クサ=渡す ウシ=場所 トヨㇿ(トイ オㇿ) ワ イワㇰ・アン イクサウシ タ エカン(エㇰ・アン) ヒネ ライホトゥイパアナクス(ライホトゥイパ・アン アクス) アチャポ エㇰ ヒネ イ・クサ ルウェ ネ=畑から帰ってきて渡船場で高い声で呼ぶと,おじさんが来て私は渡してもらった. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuso
イクソ 【名】[iku-so 酒を飲む・席] 酒宴の席(酒宴を催すために敷くござ、 またそのござの敷かれた席)。 ikuso situri イクソ シトゥリ 酒席がのべられた(ござが敷かれた)。(W言い伝え) {E: seat, place at a banquet.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikuso
イクソ 【iku so】 酒宴の席.▷イク=酒を飲む ソ=座,席 ウクラン イクソ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ コタンケスン(コタンケㇱ ウン) クㇽ トゥラ ウコイキ ワ コタンケスンクㇽ ポロピロ.ウコチャランケ ユㇷ゚ケ ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ イヤシンケ ヤㇰ ア・イェ ワ=昨夜の酒宴の席で,道路の西側のおじさんと村の下端のおじさんがけんかをして,村の下端のおじさんが大怪我をした.強談判があって,道の西側のおじさんが償いをしたそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuspe
イクㇱペ 【名】柱、 杭(家を支えるものも、 外で柵や物や棒を支えるものも)。 osiso un ror wa sikkew or un ikuspe オシソ ウン ロㇿ ワ シッケウ オルン イクㇱペ 家の右座の上座の(東北の)隅の柱。 oharkiso un ror wa sikkew ikuspe オハㇻキソ ウン ロㇿ ワ シッケウ イクㇱペ 左座の上座の(東南の)隅の柱。 oharkiso un útur wa sikkew ikuspe オハㇻキソ ウン ウトゥㇽ ワ シッケウ イクㇱペ 左座の下座の(西南の)隅の柱。 osiso un útur wa sikkew ikuspe オシソ ウン ウトゥㇽ ワ シッケウ イクㇱペ 右座の下座の(西北の)隅の柱。 osiso un apasam un ikuspe オシソ ウン アパサムン イクㇱペ 右座側の出入口脇の柱。 uhuy ikuspe ウフイ イクㇱペ 「焼けぼっくい」=焼け跡に立っている木の棒(柱の焼けたもの等)。 ☆参考 「家のあちこちがくさっても四隅の柱だけは残ると言う。 punkaw プンカウ《「トスナラ」=ハシドイ》という木でつくる。 この木はくさらない。 外側がくさっても芯が残って針金のようになって立っている。」 (S) {E: a post; a pillar.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikuspe
イクㇱペ 【i-kus-pe】 柱. チセ ア・アシ ヒ タ アナㇰネ イクㇱペ イテキ エウタㇱタサ クニネ ア・オウペカレノ ア・アシ ㇷ゚ ネ ナ=家を建てる時は柱があちこち出入りのないように,真っ直ぐに並べて立てるものだよ.アイヌチセ ア・アシ ヒ タ チュㇷ゚カ ワ ア・アシ イクㇱペ ホㇱキノ ア・アシ オロ ワ トゥㇱ ア・トゥリ マㇰナウ ウン イクㇱペ ピカタ ウン イクㇱペ シュㇺ ウン ペ ア・アシ ㇷ゚ ネ=アイヌ風の家を建てる場合には,東の方の柱を最初に立て,それから縄を引っぱり,北の方の柱,南の柱,西の柱と立てるものだ.参考:トゥントゥ=大切な柱 (出典:萱野、方言:沙流)
ikuspepar
イクㇱペパラ 【i-kus-pe-par】 柱の口,柱の上端の受け口,横桁と行き桁の受け口. ▷イクㇱペ=柱 パㇻ=口 *別の言い方で,パルシペトゥントゥ(口のある柱)というのもある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ikuspetuyep
イクㇱペトゥイェㇷ゚ §067 サケ あきあじ、あきやじ  川(24) ikuspetuyep(i-kus-pe-tu-yep)「イクㇱペトゥイェㇷ゚」[ikuspe(柱)tuye(切る)-p(者)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ikusta
イクㇱタ 【i- kus ta】 向かい側に. ペッ イクㇱ タ=川の向かい側に.ル イクㇱ タ=道の向かい側に.ナイ イクㇱ タ ポロンノ ユㇰ オカ エウン ア・コㇿ セタ ホユプ アクス アルテㇾケレ ワ キラ ワ イサㇺ=沢の向かい側にたくさん鹿がいてそこへ私の犬が走って行ったら跳ねて走って逃げてしまった.ペッ イクㇱ タ ア・コㇿ トイ アン ペ ネ クス クンネイワ アㇻスイネ オヌマン アㇻスイネ チㇷ゚ アニ ア・イ・クサ=川の向かい側に私の畑があるものだから朝に1回夕方に1回舟で渡してもらう. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuswa
イクㇱワ 【i-kus wa】 向かい側,向こう岸. (出典:萱野、方言:沙流)
ikutara
イクタラ §381 チシマザサ (11) ikutara (i-kú-ta-ra)「イくタラ」[同上] 茎 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ikutasa
イクタサ 【自動】[iku-tasa 酒類を飲む・…と交換する] 酒宴に招かれて行く。 é=utari opitta ikutasa wa isampa wa エウタリ オピッタ イクタサ ワ イサンパ ワ あなたの家族皆が(家じゅうみんな)招待されて行ってしまって…。(S) (出典:田村、方言:沙流)
ikutasa
イクタサ 【iku-tasa】 酒宴の席へ行く.▷イク=酒を飲む タサ=向かう (出典:萱野、方言:沙流)
ikuusi
イクウシ 【名】[iku-us-i 酒を飲む・習慣になっている・所] 飲み屋、 酒場。 {E: a public drinking house.} (出典:田村、方言:沙流)
ikuynimak
イクイニマㇰ 【名】[概](所は ikuynimaki(hi) イクイニマキ(ヒ))[i-kuy-nimak もの・を噛む・歯] 奥歯、 臼歯。 ☆対語 tononmimak トノンミマㇰ 前歯。 ☞mimak ミマㇰ {E: the back teeth; the premolars and molars.} (出典:田村、方言:沙流)
ikuynimak
イクイニマㇰ §582.は(歯)(34)臼歯 ikuy-nimak〔i-kúǐ-ni-mak イくイニマㇰ〕[i(物を)+kuy(噛む)+nimak(歯)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ikuynimak/ikuynimaki(hi)
イクイニマㇰ/イクイニマキ(ヒ) 【i-kuy-nimak/-nimaki(hi)】 奥歯,臼歯.▷イ=それ(を) クイ=噛む ニ(ミ)マㇰ=歯 #NAME? (出典:萱野、方言:沙流)
ikuynimaki(hi)
イクイニマキ(ヒ) 【名】[所](概は ikuynimak イクイニマㇰ)…の奥歯、 臼歯。 (出典:田村、方言:沙流)
ikuyra
イクイラ 【ikuyra】 後をつける,こっそりついていく. キムㇱプ コㇿ ヤㇰ ア・イェ クㇽ シネアンタ エキㇺネ ヒクス オㇿ アプンノ イクイラアナクス(イクイラ・アン アクス) ソンノカ コㇿ キムㇱプ エウン アㇻパ=山に秘密の倉を持っていると言われている人が,ある日のこと山へ行ったのでこっそり後をつけると,本当にも持っている秘密の倉へ行った[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
imahkokutu
イマㇵコクトゥ §325 サイハイラン (4) imahkokutu (i-máh-ko-ku-tu)「イまㇵコクトゥ」[<imahkotuk] 塊茎 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
imakucep
イマクチェㇷ゚ §013 フグ (6) imakucep (i-má-ku-čep)「イまクチェㇷ゚」[<imakutcep] ⦅美幌、屈斜路、斜里、阿寒⦆ (出典:知里動物編、方言:)
imakutcep
イマクッチェㇷ゚ §013 フグ (5) imakutcep (i-má-kut-čep)「イまクッチェㇷ゚」[<imak-kor-cep(歯・もつ・魚)] ⦅阿寒⦆ (出典:知里動物編、方言:)
imokirikasukup
イモキリカスクㇷ゚ 【imokirika-sukup】 哀れな生活,人に同情される生活. (出典:萱野、方言:沙流)
imonkanukarkur
イモンカヌカㇻクㇽ §295 サカマタ;シャチ (17) imonkanukarkur (i-món-ka-nu-kar-kur)「イもンカヌカㇻクㇽ」[<i-mon-ka-nukar-kur(われらの・手・の上を・見そなわす・神)] ⦅礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
inaw-pinnekur
イナウピンネクㇽ 【名】[木幣・男性の・人](直訳すると)木幣男=いろりの中の上座側の端に立てられた逆削り木幣(céhorkakep チェホㇿカケㇷ゚、 これが口上を神に伝える)。 {E: to make, wittle inaw.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inawkut
イナウクッ 【inaw-kut】 イナウの帯. ▷イナウ=御幣 クッ=帯 *イナウにはキケパㇻセ(房をよじらない物)とキケチノイェ(房をよじった物)などがある.削った時はイナウクッと言い,イナウキケ(イナウの一房をよじった物)を1本,キケパㇻセやキケチノイェの外側から縛っておく.神に捧げる時にこの帯を解き,内側に縛り直して初めてイナウとしての効力が出る大切な帯である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
íne kus(u) un
イネ クス ウン/イネ クスン [ine-kus(u)-un どうである・ために・(強め・納得の助辞)](=inekus(u) un イネクス ウン) そうだもの…、 なるほど…も当然だ。 íne kusu un k=érampewtek hawe an! イネ クス ウン ケランペウテㇰ ハウェ アン! それだもの私がわからなかったわけだわ。(W会話) ine kus un páse humi an! イネクスン パセ フミ アン! そうだもの(当然)重いさ。 {E: Ah really!; That's right!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ineap kusun
イネヤㇷ゚クスン 【ine ap kusun】 なんとまあ. "ヘンパラ エ・アシ チセ ネ ルウェ アン ヤ?" "トゥパ パㇰノ ネ" "イネヤㇷ゚クスン ピㇼカ ルウェー"=「いつ建てた家なの?」「まだ2年ぐらい」「なんとまあいいこと」 (出典:萱野、方言:沙流)
ineapkusta
イネアㇷ゚クㇱタ 【ineap kus ta】 なんとまあ. イネアㇷ゚クㇱタ チクニ ピㇼカ=なんとまあ薪がいいこと!イネアㇷ゚クㇱタ チェㇷ゚ アッ=なんとまあサケが多いこと! (出典:萱野、方言:沙流)
inekusun
イネクスン 【ine kusun】 それでなのか,それだから. ク・イペレ ヤッカ ソモ イペ アㇷ゚ イペ ワ エㇰ アアン ヒー.イネクスン ネㇷ゚カ ソモ エ=私が食べさせようとしても食べなかったが,食べてきたのであったわけだ.それでなのか,何も食べないのは. (出典:萱野、方言:沙流)
inkikunne sipuskep
インキクンネ シプㇱケㇷ゚ 【inki-kunne si-pus ke-p】 黒い色のイナキビ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
inkus
インクㇱ 【自動】悪いことが起こることを察知/予知する、 悪い予感がする。 maratto an kor síran korka inkus utar oka ruwe ne, topattumi ek noyne iramuan ruwe ne マラット アン コㇿ シラン コㇿカ インクㇱ ウタㇻ オカ ルウェ ネ、 トパットゥミ エㇰ ノイネ イラムアン ルウェ ネ 酒宴が行われていたけれど、 予知する人たちがいて、 夜襲の群団が来るらしいとわかった。(W言い伝え) a=i=ráyke wa a=sapáha arerepasi arpa yakun, inkus=an pe ne ruwe ne na アイライケ ワ アサパハ アレレㇷ゚ アシ アㇻパ ヤクン、 インクサン ペ ネ ルウェ ネ ナ 私が殺されて私の首(=頭)がずうっと沖の方へ飛んで行ったら、 恐ろしいことの前兆ですからね。(W民話) {E: to have a premonition that something bad is going to happen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inkus
インクㇱ 【inkus】 予感(がする). ピㇼカㇷ゚ カ ウェンペ カ インクㇱ・アン ペ ネ クス セミタㇰ コラチ ア・イェ ワ ア・イ・オモンヌレ カ ア・イ・コイキ カ キ ㇷ゚ ネ=よいことも悪いことも予感がするので,預言と同じように私は言って,ほめられたり叱られたりするのよ. (出典:萱野、方言:沙流)
inonnoitakkur/inonnoytakkur
イノンノイタックㇽ 【名】祈る人。 ☆参考 「巫女、 坊さん」の訳として出た。 {E: a prayer (ie one who prays.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inoskunmompeh(c-i)
イノㇱクンモンペㇸ §821.なかゆび(中指)(6)inoskun-mompeh(c-i)〔i-nóš-kum-mom-peh イのㇱクン・モンペㇸ〕[i(その)+noske(まんなか)+un(の)+mompeh(ゆび)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
inukuri
イヌクリ 【自動】[単](複は inukurpa イヌクㇽパ)[i-nukuri ものごと・をするのがおっくうで/体がきかなくてよくできない]体が自由に動かなくて/たいぎで/おっくうでものごとができない(疲れきって、 年とって)。 ☞nukuri ヌクリ {E: for the body not to move freely (due to tiredness, age.} (出典:田村、方言:沙流)
inukuri
イヌクリ 【i-nukuri】 老衰のために動けない. タネ オンネ オルン ア・エハンケ ノイネ シノ イヌクリ・アン イペ カ ア・コヤイクㇱ イタㇰ カ ア・コヤイクㇱ=もう死ぬほうに近いらしく本当に老衰のために動けなくなり,私は食べることもできない,しゃべることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
inukurpa
イヌクㇽパ 【自動】[複](単は inukuri イヌクリ)(二人以上が) 体が自由に動かなくて/たいぎで/おっくうでものごとができない。 tane onnepa wa inukurpa utar ne wa kasi a=oyki kor an pe a=ne korka タネ オンネパ ワ イヌクㇽパ ウタン ネ ワ カシ アオイキ コラン ペ アネ コㇿカ (両親は)もう年とって体の自由もききませんので私が養っているのですが。(S民話) {E: for the body not to move freely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iokuyra(-an)
イオクイラ §832.よばいする(夜ばいする)(1)iokuyra(-an)〔i-ó-kuǐ-ra イおクイラ〕[i(それの)+o(陰部)+kuyra(に忍びよる)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ionkakuttar
イオンカクッタㇻ §029 ハンゴンソウ ななつば (1) ionka-kuttar (i-ón-ka-kut-tar)「イおンカクッタㇻ」[i(それを)ónka(放置しておいてねばりをなくさせる、風化させる)kúttar(円棒状茎)] 茎 ⦅名寄、近文⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ipankuyupo
イパンクユポ §023.兄(20)ipankuyupo〔i-páŋ-ku-ju-po イぱンクユポ〕⦅チカブミ⦆【雅:神謡】養育してくれている年上の男;まま兄。=i-resu-yupi、[<ipe-yan-kuy-yupo;ipe(食事)+-yar(させる)+kun(べき)+yupo(兄)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
iperekuci
イペレクチ 【ipe-rekuci】 食べる喉,口の奥の部分,食道・気道に通じ声帯がある. ▷イペ=食べる レクチ=喉 *声帯のことは,ポンパルンペ(小さい舌)という.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iperekuci(hi)
イペレクチ(ヒ) 【名】[所](概は iperekut イペレクッ) …の食道。 {E: the gullet of…} (出典:田村、方言:沙流)
iperekut
イペレクッ 【名】[概](所は iperekuci(hi) イペレクチ(ヒ))[ipe-rekut ものを食べる・のど] 食道。 {E: the gullet.} (出典:田村、方言:沙流)
iperekut(c-i)
イペレクッ §414.しょくどう(食道)(1)ipe-rekut(c-i)〔ipé-re-kut イ舳レクッ〕[ipe(食事する)+rekut(のど)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
iperekut/iperekuci(hi) 1
イペレクッ/イペレクチ(ヒ) 【ipe-rekut/-rekuci(hi)】 ①食道.▷イペ=食べる レクッ=喉 (出典:萱野、方言:沙流)
iperekut/iperekuci(hi) 2
イペレクッ/イペレクチ(ヒ) 【ipe-rekut/-rekuci(hi)】 ②喉笛. (出典:萱野、方言:沙流)
ipo(-o)-ko-kunne
イポコクンネ §173.顔色が黒い;色黒であるipo(-o)-ko-kunne〔i-pór-ko-kùn-ne イぽㇿコクンネ〕[顔色・において・黒い]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
iporokurkus
イポロクㇽクㇱ 【iporo-kur-kus】 顔に陰がある.▷イポロ=その顔色に クㇽ=陰(が) クㇱ=通る タㇷ゚イキクㇽ マキㇷ゚ イポロクㇽクㇱ カネ ヒネ アフン=今来た人どうしたのか顔に陰を持って入って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
iram'ikurkurre 1
イラㇺイクㇽクㇽレ 【i-ram-i-kur-kur-re】 ①煩わしい,うるさい,面倒臭い. (出典:萱野、方言:沙流)
iram'ikurkurre 2
イラㇺイクㇽクㇽレ 【i-ram-i-kur-kur-re】 ②悩み,苦しみ,心配事. (出典:萱野、方言:沙流)
iram-ikurkure
イラㇺイクㇽクレ 【自動】[i-ram ikurkur-e 人の・心・をわずらわさす・させる](直訳すると)人の心をわずらわさせる=聞いて気がかりな話/ことである。 iram-ikurkure ta haw as! イラㇺイクㇽクレ タ ハウ アㇱ! 気がかりな話だなあ。(S) {E: to cause trouble, inconvenience (not physically but mentally, emotionally).} (出典:田村、方言:沙流)
iramantekur
イラマンテクㇽ 【i-ramante-kur】 狩人. (出典:萱野、方言:沙流)
irenka utur eapkas kur
イレンカ ウトゥㇽ エアㇷ゚カㇱ クㇽ 【irenka-utur-e-apkas-kur】 仲裁人.▷イレンカ=もめごと ウトゥル=間 エ=それ アㇷ゚カㇱ=歩く クㇽ=人 →もめている人の間を行ったり来たりする人 (出典:萱野、方言:沙流)
irenkakuwa
イレンカクワ 【irenka-kuwa】 罰金,謝罪金,落とし前.▷イレンカ=もめごと クワ=利息,詫びのための金品 (出典:萱野、方言:沙流)
iresukur
イレスクㇽ §374.しきゅう(子宮)(7)iresukur〔i-ré-su-kur イれスクㇽ〕[i(それを)+resu(育てる)+kur(神)]⦅―医事談, p.80⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
iripaponpakuy
イリパポンパクイ §278 あざらし (49) iripa-pon-pakuy (i-rí-pa-pon-pa-kuy)「イりパポンパクイ」 ⦅真岡⦆ (出典:知里動物編、方言:)
irkur
イㇼクㇽ 【ir-kur】 身内たち. (出典:萱野、方言:沙流)
irkur(-i)
イㇼクㇽ §011.身内 血縁の者(10)irkur(-i)〔ír-kur いㇼクㇽ〕⦅H.⦆①兄弟姉妹⦅ホロべツ⦆。②親類⦅クッシャロ⦆。〜utar a-ne「我らは一族である⦅ユ研Ⅱ, pp.662, 665⦆。[ir(血がつながっている)+kur(人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
irurakuwa
イルラクワ 【i-rura-kuwa】 墓標.▷イ=それ(死人)を ルラ=送る クワ=墓標 (出典:萱野、方言:沙流)
irwaknekur
イㇼワㇰネクㇽ §022.きょうだい(兄弟姉妹)(3)irwak-ne-kur〔ír-wak-ne-kur いㇼワㇰネクㇽ〕⦅サル、ホロベツ⦆兄弟。tu〜「二人兄弟」⦅ユ研Ⅱ, p.446⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
irwakutari
イㇼワクタリ 【名】[所](概 irwakutar イㇼワクタㇻ は未出)[irwak-utar-i 兄弟姉妹・人々・(所属語尾)]…の兄弟姉妹たち(「全部を言う」)。(S) ☆発音 イㇽワクタリ。 {E: brothers and sisters, siblings of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
isaptekur
イサㇷ゚テクㇽ 【i-sapte-kur】 給仕人. イサㇷ゚テクㇽ アナㇰネ シノ ピカンピカン オッカイポ イサㇷ゚テ ㇷ゚ ネ コエトゥレンノ イテキ アイヌヌㇺケノ アペエトㇰ ワノ ニワ パルㇽタ アン ウタㇻ パㇰノ イサㇷ゚テ アン ペ ネ=給仕する人は本当に気の利く若者が給仕する.それとともに絶対に人選びせずに,横座の方から内庭の縁に座っている人たちまで給仕するものだ.*この場合,宴席などでは貧富の差によって給仕の順を後先にしてはいけない. (出典:萱野、方言:沙流)
isaykaku
イサイカク 【isaykaku】 じゃまをする,口出しをする,干渉する:子供が親の仕事を手伝いたがってじゃまになることなど. ポンペ イサイカク ワ ケラナㇰ(ク・エラナㇰ) ナ トゥラ ワ アㇻパ=子供がじゃまをしてうるさいから連れて行け. (出典:萱野、方言:沙流)
isermakus
イセㇾマクㇱ 【自動】[i-sermak-us もの・の蔭・につく](神が)蔭で守護する(用例では名詞として使われている) kamuy isermakus an カムイ イセㇾマクㇱ アン 神の守護がある。 ☆参考 sisermakuste シセㇾマクㇱテ (神)に守護を願う。 {E: (for a god) to protect from behind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
isimekuttar
イシメクッタㇻ §196 オニシモツケ (3) isime-kuttar (i-sí-me-kut-tar)「イしメクッタㇻ」 茎葉 ⦅名寄⦆⦅A上川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
isimekutu
イシメクトゥ §196 オニシモツケ (2) isime-kutu (i-sí-me-ku-tu)「イしメクトゥ」 茎葉 ⦅十勝、千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
isirkurantere
イシㇼクランテレー 【isirkurantere】 あきれてしまった,たまげてしまった. ホッノ イヨーハイ イシㇼクランテレー.スイ ウェンプリ コㇿ ハウェー? オトゥスイ レスイ ア・ヨㇺネレ ヤッカ ソモ ヨㇺネノ=まあまああきれてしまった.また悪いことをしたの?2回3回懲りさせられても懲りもせずに. (出典:萱野、方言:沙流)
isonkur
イソンクㇽ 【ison-kur】 狩の名人. ア・オナハ アナㇰネ シノ イソンクㇽ ネ ㇷ゚ ネ クス ケㇱト ユㇰ ネ チキ カムイ ネ チキ エアウナルラ=私の父は本当に狩の名人なので,毎日鹿とか熊とかを家へ運んで来る[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
isonkur'itatani
イソンクㇽイタタニ 【ison-kur-itatani】 背の低い人.*ヤイプニイタㇰ(からかい言葉)の一種.狩の上手な人の肉切り台は始終使っているので減って背が低くなっている.▷イソンクㇽ=狩の上手な人 イタタニ=肉切り台 (出典:萱野、方言:沙流)
isoyankekur
イソヤンケクㇽ §295 サカマタ;シャチ (13) isoyankekur (i-só-yan-ke-kur)「イそヤンケクㇽ」[<iso-yanke-kur(海さち〔クジラ〕を・浜へ上げる・神] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
isoykun kotan eunciarere
イソイクン コタン エウンチアレレ §034.結婚(する)(22)i-soykun kotan e-unci-arere〔i-sóǐ-kuŋ|ko-tán|e-ún-či-a-re-re イそイクン・コたン・エうンチアレレ〕⦅マオカ⦆【雅】隣村に家庭を持たせた。⦅→樺太の神謡, p.6⦆。[<i-(我ら)+soyke(の外、の隣)+un(の)+kotan(村)+-e-(に)+unci(火を)+are-re(焚か・せた)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
itakkutcama
イタㇰクッチャマ 【itak-kut-sama】 話し方.▷イタㇰ=話す クッ=喉 サマ=前,様子(イタㇰクッサマ→イタㇰクッチャマ) クチャ チセ オッタ(オㇿ タ) レウシアナクス(レウシ・アン アクス) カムイ メノコ ウコイタㇰ ハウェ ア・ヌ イタㇰクッチャマ ペケㇾ ワ オケレ オヤチキ スㇽク トノ マッ ネ アアン=狩小屋に私が泊まっていたら,神の女が話をしていたのを聞いたが,話し方がとてもきれいであった.知らなかったがトリカブト姫であった[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
itakmakkuste
イタㇰマックㇱテ 【自動/名】[itak-mak-kus-te 言葉・後ろ・を通る・させる] ①[自動]隠し言葉(第三者や子どもたちにはわからないような言い方)を使う。 ②[名]自分たちだけで通じ合い、 第三者や子どもたちにはわからないような言い方、 隠し言葉。 itakmakkuste ani ye イタㇰマックㇱテ アニ イェ 隠し言葉(人にわからないような言い方)で言いなさい。 ☆参考 第三者に隠すことばかりが目的でもないようである。 隠喩を用いて言う言い方で、 その中には、 即興的に瞬間に思いついて言う場合もあれば、 言いならわされて、 大人ならだれでも知っているような決まった言い回しもある。 たとえば、 apekes oyao na アペケㇱ オヤオ ナ 燃え尻の火が炉ぶち板に燃えうつるぞ=こいつはおしゃべりだからあまり深いことまで聞かせるな。(S) toska íka na トㇱカ イカ ナ 川堤があふれるぞ=あまり言うと泣くからもうやめておきなさい。(S) iteki supki yak haw néno hawean イテキ スㇷ゚キ ヤㇰ ハウ ネノ ハウェアン ヨシがつぶれるみたいなことを言うな=取り返しのつかないようなことを言うな。(S) 本辞典では[隠]と表示してあるが、 日本語で言う「隠語」とは違う概念であるから注意。 {E: ①secret words; a secret code. ②to use a secret code so that others will not understand.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itakmakkuste
イタㇰマックㇱテ 【itak-mak-kuste】 遠回しに言う.▷イタㇰ=言葉 マㇰ=奥 クㇱテ=通す カㇽク ネ ヤ マッカㇽク ネ ヤ ア・カㇱパオッテ ヒ タ アナㇰネ イテキ ア・コイキノ ピㇼカノ イタㇰマㇰクㇱテ・アン ペ ネ ナ アニー=甥や姪に意見をする時は,怒ったりせずに,よく遠回しに言うものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
itaktakusa
イタㇰタクサ 【itak-takusa】 言葉の清め草,言葉で清める. ▷イタㇰ=言葉 タクサ=清め草 *昭和36年6月に過労のために私は入院した.その時に見舞いに来てくださったのが貝澤前太郎さんでしたが,アイヌ語で次のように言ってくれた. ネㇷ゚クスネヤ ペゥレアイヌ エネワオラーノ ネㇷ゚タスミ エキヒネヤッカ イタㇰタクサ タクサアニ エカクキッ ネワネヤㇰネ イットコラチ エニサㇱヌナ……(何のために若いあなたでありながら,何の病気をしたというのか.言葉の清め草,その清め草で私があなたを祓い清めると,あっという間に元気になるでありましょう……)と言葉ひとつで祓い清めてもらって,数日後に退院できたので,イタㇰタクサは忘れられない言葉になった.平成14年1月に冬青社より出版された私の本の題名に選んだ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
itenpatenpakur
イテンパテンパクㇽ 【名】[i-tenpatenpa-kur 人を・もみ療治する・人] 指圧ét(「あんま」)。 {E: a masseur (masseuse.).} (出典:田村、方言:沙流)
itomotkur
イトモックㇽ 【i-tomot-kur】 猟運の強い人.▷イ=それ(=獲物) トモッ=出会う,遭遇する クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
iworosunku
イウォロスンク 【iwor-o-sunku】 アカマツ.▷イウォㇿ=ずうっと山奥 オ=にある スンク=エゾマツ →山奥に生えているエゾマツ (出典:萱野、方言:沙流)
iwottusukur
イウォットゥスクㇽ §286 リス きねずみ (7) iwottusukur (i-wót-tu-su-kur)「イうォットゥスクㇽ」[<iwor(山の)tusu(巫術を行う)kur(神)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
iyahupkur
イヤフㇷ゚クㇽ 【名】[i-y-ahup-kur もの・(挿入音)・入る・人] ものごい。 {E: a beggar.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyahupkur
イヤフㇷ゚クㇽ 【i-ahup-kur】 乞食. エソイネ イヤフㇷ゚クㇽ エㇰ シリ イキ ナ.ネㇷ゚カ コチャリ=外へ乞食が来ている様子だ.何か恵んでやれ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaknekur
イヤㇰネクㇽ 【i-ak-ne-kur】 弟のほう.▷イ=その アㇰ=弟 ネ=である クㇽ=人 タㇷ゚イキクㇽ イヤㇰネクㇽ ネ ルウェ ヘー?=今来た人は弟なのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
iyaskeukkur
イヤㇱケウックㇽ 【i-aske-uk-kur】 (客を)招待しに行く人. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoitakusi
イヨイタクシ 【i-o-itak-usi】 呪いをかける,呪う.▷イ=人,相手 オ=それ イタㇰ=言葉 ウシ=つける →言葉を人になすりつける コタン レ コイラ(ク・オイラ) コㇿカ トオㇷ゚ トゥイマ オカ ウタㇻ イヨイタクシ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ア・コシトマㇷ゚ ネ=村の名前は忘れたけれどずっと遠くにいる仲間は人に呪いの言葉をかけられるとかで,恐ろしがられているものだ."イヨイタクシ" セコㇿ ア・イェ イタㇰ カ イタㇰ タクㇷ゚ カ ア・シトマ.イヨイタクシㇷ゚ アナㇰネ オルケㇱサㇰペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=「人を呪う」という言葉は言葉だけでも恐ろしいものだ.人を呪う言葉を知っている者の血統は絶えるものだという.ソンノ イヨーハイ イヨイタクシ エカㇷ゚ネ ウェン パㇱロタ ハウェ ケオハイシトマ(ク・エオハイシトマ)=本当にいやなことだよ,呪いの言葉さながらに毒づく,私は薄気味悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
iyokunnure
イヨクンヌレ 【i-okunnure】 驚く.たまげる,あきれる. ア・エイヨクンヌレ ㇷ゚=それには驚いたよ.ソンノ イヨーハイ クヨクンヌレ(ク・イヨクンヌレ) フミー=それは本当かい,あきれたよー.*静内地方ではイヨクンヌカという (出典:萱野、方言:沙流)
iyokunure
イヨクヌレ 【自動】[i-y-okunure ものごと・(挿入音)・にあきれる] あきれる、 びっくりする(「たまげる」)。 mak un=okake ta iyokunure hi an マㇰ ウノカケ タ イヨクヌレ ヒ アン 私たちが出たあとにどんなにかびっくりしているだろうなあ。(S) ☞okunure オクヌレ {E: to be surprised; amazed.} (出典:田村、方言:沙流)
iyokuruste
イヨクルㇱテ 【自動】[i-y-o-kur-us-te 人・(挿入音)・その尻・影/姿・(そこ)につく・させる]「まてえな」(ていねいな)言葉を使う。 iyokuruste wa ye yan イヨクルㇱテ ワ イェ ヤン 「まてえな」言葉で言いなさい。(W) iyokuruste itak イヨクルㇱテ イタㇰ 「まてえな」(ていねいな)言葉。(W) (出典:田村、方言:沙流)
iyokus
イヨクㇱ 【他動】[i-y-okus もの・(挿入音)・を裏返す] 着物を裏返す。 ☞okus オクㇱ {E: to turn clothing inside out.} (出典:田村、方言:沙流)
iyokus
イヨクㇱ 【i-hokus】 裏返し(に着る). ホワーㇻ ク・ヤイモンニㇱカ アㇷ゚ クスン ク・イヨクㇱ ヤー カ ケラムㇱカリ(ク・エラムㇱカリ)=どうしよう,忙しかったにしても,着物を裏返しに着ていたのも私は全く知らなかった.*男女ともに連れ合いが死ぬと約1年間は着物を裏返しにして着るものであった.所用で外に出るときは裏返しの着物の片袖を頭へ被り,身八つ口から目を出して歩く(死んだ夫が迎えに来てもわからないように).この風習は私が知っている範囲では,昭和6年頃に隣家の貝澤オロアッノさんが,夫が亡くなった時に裏返しの着物を着ていたのを見たのが最後であった. (出典:萱野、方言:沙流)
iyokuyra
イヨクイラ 【自動】[i-y-o-kuyra もの・(挿入音)・尻・のところへ忍んで行く](男が)夜に女のところへ忍んで行く(「よばい」に行く)。 iyokuyra p イヨクイラㇷ゚ 夜に女の所へ忍んで行く男(「よばいと」)。 iyokuyra p ek siri ne kunak ci=ramu イヨクイラㇷ゚ エㇰ シリ ネ クナㇰ チラム 私たちは「よばいと」が来たのだと思った。(S) {E: for a man to pay a secret visit on a woman.} (出典:田村、方言:沙流)
iyokuyra(-an)
イヨクイラ §832.よばいする(夜ばいする)(2)iyokuyra(-an)〔i-jó-kuǐ-ra イよクイラ〕[<i-o-kuyra]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
iyomapkur
イヨマㇷ゚クㇽ 【i-omap-kur】 子煩悩な人. (出典:萱野、方言:沙流)
iyomare pisakku
イヨマレ ピサック 【i-oma-re pisakku】 酒つぎ杓子:漆器. 図[イヨマレピサック] (出典:萱野、方言:沙流)
iyorunkur
イヨルンクㇽ 【名】[i-y-or-un-kur 人・(挿入音)・の所・にいる人] 住み込んでこまごました仕事を手伝う人。 aynu okkaypo/iyorunkur ne/ek nankor アイヌ オッカイポ/イヨルンクン ネ/エㇰ ナンコㇿ 人間の男が住み込みの手伝い人のようになってやって来るだろう。(W神謡) ☆参考 人間の姿になって人間の女と夫婦になって暮らしていた神が天に帰って行ったあとに、 このような男が現れて、 二人の間に子どもができた後、 女は天に上げられて神である夫と本当の結婚をして幸せに暮らすことになる。 神謡や民話のよくあるテーマの一つ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyorunkur
イヨルンクㇽ 【i-or-un-kur】 召使い:住み込みの召使い,下僕(昔話の中では悪役として出て来る).▷イ=それ(の) オㇿ=内 ウン=に住む クㇽ=人 チ・コㇿ イヨルンクㇽ アッパケ タ アナㇰネ ネㇷ゚キ ㇷ゚ ネ アㇷ゚ タㇷ゚ウフナㇰ アナㇰネ ホッケ ワ パテㇰ アン=私の所の召使いは,最初にはよく働いたのに,この頃では寝てばかりいる. (出典:萱野、方言:沙流)
iyosoyosmarewenkur
イヨソヨㇱマレウェンクㇽ §108.陰部―男性性器の種類(4)陰茎の長い者 iyosoyosmare-wenkur〔i-jó-so-još-ma-re-wèŋ-kur イよソヨㇱマレ・うぇンクㇽ〕[i(我の)+o(陰部を)+soyosmare(外に飛び出さす)+wen(悪い)+kur(魔物)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ka(si)-wakka-kus
カワッカクㇱ §047.汗をかく(7)ka(si)-wakka-kus〔ka-(ší-)wak-ka-kušカ(し)ワッカクㇱ〕[ka(上、kasiその上)+wakka(水)+kus(通る、流れる)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
káerikinkur
カエリキンクㇽ 【名】[ka-e-rikin-kur 糸・で・上へのぼる・人(男)][動物]「クモの王の雄。」 (S)(体の直径3センチもあるという)。 〔知分類 p.113 [雅]クモ(♂)〕 {E: a male spider.} (出典:田村、方言:沙流)
kaerikinkur
カエリキンクㇽ §205 クモの類 (21) ka-e-rikin-kur (ká-e-ri-kin-kur)「かエリキンクㇽ」[<ka(糸)e(で)rikin(登る)kur(神)] ⦅沙流⦆【雅】クモ類(♂) (出典:知里動物編、方言:)
kakkum
カックㇺ 【kakkum】 ひしゃく. (出典:萱野、方言:沙流)
kakkura
カックラ §107 フジコ;キンコ (3) kakkura(kák-ku-ra)「かックラ」⦅幌別、様似⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kakkuy
カックイ 【kakkuy】 差し杭:ペロ(ナラ)製. 図[カックイ] (出典:萱野、方言:沙流)
kakura
カクラ §107 フジコ;キンコ (1) kakura(ká-ku-ra)「かクラ」⦅美幌、室蘭、虻田、礼文、白糠⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kamkumatay
カㇺクマタイ 【kam-kuma-tay】 肉を乾かす干し棹の林. ▷カㇺ=肉 クマ=干し棹 タイ=林 イソンクル アンウシ ネノイネ チセソイタ チェㇷ゚クマタイ カㇺクマタイ アンルウェネ=狩り上手の人のいる所らしく,家の外に魚を乾かす干し棹の林,肉を乾かす干し棹の林があった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kamuinkarkur
カムインカㇻクㇽ §295 サカマタ;シャチ (12) kamuinkarkur (ka-mú-in-kar-kur)「カむインカㇻクㇽ」[<kamuy(神)inkar(見る)-kur(神)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kamukura
カムクラ §437.じんましん(蕁麻疹)(3)kamu-kura〔ka-mú-ka-ra カむカラ〕[kamu(その肉)+kara(に当る)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kamuycep pasekur
カムイチェㇷ゚ パセクㇽ §073 マスノスケ;オオスケ;クチグロマス;フキマス (5) kamuy-cep pase-kur(ka-múy-cep pa-se-kur)「カむイチェㇷ゚ パセクㇽ」⦅美幌⦆普通の鮭よりも一回り大きく鱗の光り方も模様も違う。網走川や常呂川では普通の鮭に混じって毎年一尾ぐらいとれる。マスノスケKamuycepのsapa-ne-kurである。これがとれると、下あごの骨をとって生のまま切り刻んで火神(ape-huci)にあげる。 (出典:知里動物編、方言:)
kamuyerekus
カムイエレクㇱ §093 スケトウダラ (3) kamuy-erekus(ka-múy-e-re-kus)「カむイエレクㇱ」⦅白糠⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kamuyhokuhu
カムイホクフ 【名】[所](概は未出。 hokuhu ホクフ の概は hoku ホク)[kamuy-hoku-hu 神・ 夫・(所属語尾)] …の神である夫、 …の神のように立派な夫。 a=kamúyhokuhu アカムイホクフ 私の神なる夫=神である私の夫。(W民話) {E: a god-like man.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kamuykutci
カムイクッチ §137 マタタビ (5) kamuy-kutci (ka-múy-kut-ci)「カむイクッチ」[kamuy(悪魔)kutci(サルナシ)] 果実 ⦅様似⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kamuykutcipunkar
カムイクッチプンカㇻ §137 マタタビ (9) kamuykutci-punkar (ka-múy-kut-ci-pun-kar)「カむイクッチプンカㇻ」[マタタビの生える蔓] 茎 ⦅様似⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kánepisakku
カネピサック 【名】[káne-pisakku 金(かね)・ひしゃく] 金(かね)のひしゃく。(S) (出典:田村、方言:沙流)
kankan'okustep
カンカンオクㇱテㇷ゚ 【kankan-okuste-p】 鹿とか熊の腸を裏返しにする細い棒.*この棒は先の方が二股になっている. (出典:萱野、方言:沙流)
kankukacuy
カンクカチュイ §190 トンボ(蜻蛉) (10) kankukacuy (kán-ku-ka-cuy)「かンクカチュイ」 ⦅美幌⦆トンボ類(コ91) (出典:知里動物編、方言:)
kao paskur
カオパㇱクㇽ §299 ハシボソガラス  関(3) kao paskur (ka-o pas-kur)「カオパㇱクㇽ」 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kapaskur
カパㇱクㇽ §299 ハシボソガラス  関(4) ka-paskur (ka-pas-kur)「カパㇱクㇽ」 ⦅美幌⦆ワタリガラス(北IV, 68) (出典:知里動物編、方言:)
karaku
カラク §029.おい(甥)(2)karaku〔ka-rá-ku カらク〕⦅シラウラ、ニイトイ、チライ、シラヌシ⦆①甥。②徒弟[<karku]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
karaku
カラク §031.いとこ(従兄弟姉妹)(4)karaku〔ka-rá-ku カらク〕⦅S. タライカを除く⦆徒弟。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
karimpaunku
カリンパウンク 【karimpa-un-ku】 サクラの皮を巻いた弓:クネニ(イチイ)にカリンパ(サクラの樹皮)を巻く. [カリンパウンク] (出典:萱野、方言:沙流)
karku
カㇻク 【名】[概/所] 甥(おい)(「おいこ」)(acapo アチャポ《伯叔父》と unarpe ウナㇻペ《伯叔母》の息子)。 ☆参考 matkarku マッカㇻク めい(姪)。 {E: a nephew.} (出典:田村、方言:沙流)
karku
カㇻク §029.おい(甥)(1)karku〔kár-ku かㇻク〕⦅H.⦆①甥。②従兄弟⦅クッシャロ、アカン⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
karku
カㇻク §031.いとこ(従兄弟姉妹)(1)karku〔kár-ku かㇻク〕⦅クッシャロ、アカン⦆従兄弟。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
karku aki
カㇻク アキ §031.いとこ(従兄弟姉妹)(2)karku aki〔kár-ku|a-ki かㇻク・アキ〕⦅アカン⦆従弟。karku an-aki「いとこである・僕らの弟」「僕らの徒弟」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
karku yupi
カㇻク ユピ §031.いとこ(従兄弟姉妹)(3)karku yupi〔kár-ku|ju-pi かㇻク・ユピ〕⦅アカン⦆従兄。karku ay-yupi〔kár-ku|aǐ-ju-pi〕「いとこである・ぼくらの兄」「ぼくらの従兄」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
karku/karku(hu)
カㇻク/カㇻク(フ) 【karku/karku(hu)】 甥(おい). (出典:萱野、方言:沙流)
karkuhu
カㇻクフ 【名】[所](概は karku カㇻク)…の甥(「おいこ」)。 {E: the nephew of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
karkunekur(-i)
カㇻクネクㇽ §029.おい(甥)(4)karku-nekur(-i)〔kár-ku-ne-kur かㇻクネクㇽ〕⦅ホロべツ⦆【雅】甥じゃひと;甥。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
kasekurkur
カセクㇽクㇽ §287 シマリス:シマネズミ (2) kasekurkur (ka-sé-kur-kur)「カせクㇽクㇽ」[<kasi-ikir-kor-kur(その上に・線を・もつ・神)] ⦅足寄、春採⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kasi ciwkus
カシ チウクㇱ 【kasi ciw-kus】 流れる:その上を水が流れる. フㇱペ カシチュークㇱ=死んだ鹿の上を水が流れている. (出典:萱野、方言:沙流)
kasiikirkus
カシイキㇼクㇱ §287 シマリス:シマネズミ (1) kasiikirkus (ka-si-i-kir-kus)「カシイキㇼクㇱ」[<kasi-ikir-kus(その上に・線・通っている)] ⦅幌別、礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kasikurukuru
カシクルクル §287 シマリス:シマネズミ (3) kasikurukuru (ka-sí-ku-ru-ku-ru)「カしクルクル」 ⦅白糠⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kaspekurkur
カㇱペクㇽクㇽ §287 シマリス:シマネズミ (5) kaspekurkur (kás-pe-kur-kur)「かㇱペクㇽクㇽ」 ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kasukurukuru
カスクルクル §287 シマリス:シマネズミ (4) kasukurukuru (ka-sú-ku-ru-ku-ru)「カすクルクル」 ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
katkikus
カッキクㇱ 【katki-kus】 (魔物が,化け物が)憑(つ)く,取り憑かれる,障りがつく,崇る,悪霊などが災いをする. ソンノ ケスクラン アン コㇿ クンネチㇱ.カッキクㇱ ワ ソモ ネ ヤ ウン=本当に毎晩毎晩夜泣きする,憑き物でも憑いているのではないだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
kayakurihi
カヤクリヒ 【kaya-kurihi】 帆影:遠くに見える帆. (出典:萱野、方言:沙流)
kaykuma
カイクマ 【名】たきつけにする細い木、 たきぎ、 柴。 ☆参考 has ハㇱ 生えている小さい細い木。 ca チャ 枝の先の細い枝。 {E: firewood} (出典:田村、方言:沙流)
kaykuma
カイクマ 【kaykuma】 柴,薪:おとなの指より太い柴薪.膝にあてて両方の手で引っ張って折れるくらいのものまでを言う. (出典:萱野、方言:沙流)
kaykuma
カイクマ 【kaykuma】 ウサギ:勇払郡穂別地方その他で. チ・コㇿ コタン タ アナㇰネ イセポ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ コㇿカ ムカ ホントモ タ アン コタン タ アナㇰネ カイクマ セコㇿ ア・ポㇿセ ㇷ゚ ネ=私たちの村ではウサギをイセポと言うけれど鵡川という川の中ほどの村ではカイクマと言う(表現する)のだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kaykuma
カイクマ §284 うさぎ (3) kaykuma (káy-ku-ma)「かイクマ」[‘折って火にくべる木’;kay 折れる kuma 棒] ⦅日高〔静内〕、浦河、様似、幌満horoman⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kaykumata
カイクマタ 【自動】[kaykuma-ta 柴木・をとってくる] たきつけの細い木を刈り集める、 柴刈りする。 ☆参考 刈ることも拾うことも含めて取ってくることを言う。 nína ニナ は一般にまきやたきぎにする木を取ることを言う。 {E: to gather firewood} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kaykumaterke
カイクマテㇾケ 【kaykuma-terke】 白波,三角波.▷カイクマ=ウサギ テㇾケ=跳ぶ →白いウサギが跳んだように見える波 (出典:萱野、方言:沙流)
kaykumauwomare
カイクマウウオマレ 【自動】[kaykuma-uwomare たきぎ・を拾い集める] たきつけにする細い柴木を拾い集める。 ☆参考 落ちているのを拾い集めることを言う。 刈ることには言わない。 ☞kaykumata カイクマタ (出典:田村、方言:沙流)
kem kus
ケㇺ クㇱ §488.血が出る;出血する(3)血がどっと出る kem kus〔kém-kuš けㇺ・クㇱ〕[kem(血)+kus(通過する)] (出典:知里人間編I、方言:)
kemahuresurku
ケマフレスㇽク §249 トリカブト (11) kema-hure-surku (ke-má-hu-re-sur-ku)「ケまフレスㇽク」[kema(足)hure(赤い)surku(ブシ根)] 根 ⦅幌別、沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kemakosnekur
ケマコㇱネクㇽ §270 キタキツネ、きつね (9) kemakosnekur (ke-má-kos-ne-kur)「ケまコㇱネクㇽ」[‘足の軽い神さま’<kame(足)kosne(軽い)kur(神)] ⦅北海道⦆キツネの神としての名 (出典:知里動物編、方言:)
kemakuci
ケマクチ §038.あしくび(足首);足関節部(6)kema-kuci〔ke-má-ku-čiケまクチ〕[kema(足)+kuci(の首、<kut首)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kemakuciki
ケマクチキ §038.あしくび(足首);足関節部(7)kema-kuciki〔ke-má-ku-či-kiケまクチキ〕[<kema-kuci(↑)+ki(-ke所)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kemakunnesurku
ケマクンネスㇽク §249 トリカブト (12) kema-kunne-surku (ke-má-kun-ne-sur-ku)「ケまクンネスㇽク」[kema(足)kunne(黒い)surku(ブシ根)] 根 ⦅幌別、沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kematunaskur
ケマトゥナㇱクㇽ §270 キタキツネ、きつね (10) kematunaskur (ke-má-tu-nas-kur)「ケまトゥナㇱクㇽ」[‘足の早い神さま’<kema(足)tunas(早い)kur(神)=kemákosnekur] ⦅北海道⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kemkus
ケㇺクㇱ 【自動】[kem-kus 血・(そこを)通る] 血が出る(鼻血や喀血のとき)。 ☆参考 kemnu ケㇺヌ は一般に血が出ること、 出血することを言う。 {E: to bleed (as from the nose or to spit blood).} (出典:田村、方言:沙流)
kemkus
ケㇺクㇱ 【kem-kus】 血がどっと出る(鼻血や喀血の時). (出典:萱野、方言:沙流)
kenasikunni
ケナシクンニ §227 エゾスグリ (1) kenasikunni (ke-ná-si-kun-ni)「ケなシクンニ」[kenasi(木原)ka(の上)un(にある)ni(木)] 茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
keraynekusu
ケライネクス 【keray ne kusu】 さすがに. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) イセポカ カヌ(ク・アヌ) シネ イセポ クㇰ(ク・ウㇰ) ヒネ ク・イワㇰ アクス フチ エネ ハワニ ケライネクス イソンクㇽ サニ シコㇿ エン・イェ エン・コプンテㇰ ア エン・コプンテㇰ ア=私が小さい時ウサギの罠をしかけ1匹のウサギを獲って帰って来ると祖母は,さすがに狩の名人の血統だ,と私をほめてくれたほめてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
kesukuran
ケスクラン 【名/副】[kes-ukuran 毎…・晩] 毎晩、 毎夜。 kesukuran an kor ケスクラン アン コㇿ 毎晩毎晩。 kesukuran an kor uwepeker kus ek ケスクラン アン コㇿ ウウェペケㇾ クㇱ エㇰ 彼は毎晩毎晩物語りしに(民話を語りに)来る。(S) ☆参考 kasancikar カサンチカㇻ は、 人が寝ている夜中のこと、 kesukuran ケスクラン は、 夜になってからまだ起きている間のことについて言う。 ukuran ウクラン だけだと《昨晩》。 {E: every night.} (出典:田村、方言:沙流)
kesukuran
ケスクラン 【kes-ukuran】 毎晩,夜ごと,夜な夜な. (出典:萱野、方言:沙流)
keweramkur
ケウェラㇺクㇽ 【kewe-ram-kur】 背の低い人. (出典:萱野、方言:沙流)
kewerikur
ケウェリクㇽ 【kewe-ri-kur】 背の高い人. (出典:萱野、方言:沙流)
kikir arkare wa hokus
キキㇼ アㇻカレ ワ ホクㇱ §641.ひきつけ[る];てんかん[の発作を起す](8)ひきつける kikir arkare wa hokus〔ki-kír|ár-ka-re-wa|ho-kúš キきㇼ・あㇻカレ・ワ・ホくㇱ〕[虫が・病気をさせ・て・倒れる]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kikitanekusu
キキタネクス 【kikita ne kusu】 てっとりばやく,どうせなら. ウウォシッコテ パ ワ イキ パ シリ ネ ヤクン キキタネクス エ・マッネポホ トゥラレ オラ=互いに惚れ合ってそうしているのであれば,どうせならお前の娘を連れて行かせろよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kikoyaykus
キコヤイクㇱ 【ki koyaykus】 できない.▷キ=する コヤイクㇱ=できない マㇰ ア・イェ ヤッカ キ・コヤイクㇱ ハウェ ネ ヤクン マㇰ ア・イェ ㇷ゚ アン イワㇰテ イワㇰテ=どのように言ってもできないと言うのなら言いようもない,帰せ帰せ. (出典:萱野、方言:沙流)
kimunkunaw
キムンクナウ §253 フクジュソウ (2) kimun-kunaw (ki-mún-ku-naw)「キむン・クナウ」[山の・クナウ] 花 ⦅A沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kinasitunkur
キナシトゥンクㇽ 【名】[< kina-sut-un-kur 草・の根元・にいる・人][動物] ヘビ。(KS-NI) ☆参考 kinasutunkur キナストゥンクㇽ の聞きまちがいか。 〔知分類 p.224 kinasutunkur アオダイショオ〕 {E: a snake.} (出典:田村、方言:沙流)
kinasutkorkur
キナスッコㇿクㇽ §422 アオダイショウ (7) kinasutkorkur (ki-ná-sut-kor-kur)「キなスッコㇿクㇽ」[<kina-sut-kor-kur(草・の根もとを・所有する・神)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kinasutunkur
キナストゥンクㇽ 【名】[kina-sut-un-kur 草・の根元・にいる・人][動物] ヘビ。 ☞kinasut キナスッ〔知分類 p.224 アオダイショオ〕 {E: a snake.} (出典:田村、方言:沙流)
kinasutunkur
キナストゥンクㇽ 【kina-sut-un-kur】 蛇.▷キナ=草 スッ=根元 ウン=住む クㇽ=者 (出典:萱野、方言:沙流)
kinasutunkur
キナストゥンクㇽ §422 アオダイショウ (4) kinasutunkur (ki-ná-su-tun-kur)「キなストゥンクㇽ」[<kina-sut-un-kur(草・の根もと・にいる・神)] ⦅幌別、白老、穂別、千歳、沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kirkur
キㇼクㇽ 【kir-kur】 知っている人,見覚えのある人.▷キㇼ=見覚えがある クㇽ=人,人間 タㇷ゚イキクㇽ エ・キㇼクㇽ ネ ルウェ.ミナー カネ エ・コイソイタㇰ=今の人お前の知っている人かい.笑いながら話をして. (出典:萱野、方言:沙流)
kisarapuyyekus
キサラプイイェクㇱ §747.みみだれ;じろう(耳漏)(1)kisarapuy-ye-kus〔ki-sá-ra-puǐ-jé-kuš キさラプイ・いぇクㇱ〕[<(耳孔・膿・通る)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kisarmukukke
キサㇻムクッケ 【kisar-mukukke】 耳が塞がる:高い山へ登った時など耳がおかしくなること. (出典:萱野、方言:沙流)
kiyannekur
キヤンネクㇽ 【kiyane-kur】 年上の人. タネノアン ユㇷ゚ケ ロルンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ キヤンネクㇽ トモ ア・コカヌ コㇿ ピㇼカ ナ イトㇺコカヌ ヤン=このように重大な行事の時には年上の人の指示に耳を傾けるといいものだから皆で指示を待ちなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
koaycarikur koaycarimat
コアイチャリクㇽ コアイチャリマッ 【ko-ay-cari-kur ko-ay-cari-mat】 タラノキ.▷コ=そこに アイ=矢 チャリ=散らかす クㇽ=人 マッ=女 →そこに矢を散らかす人 (出典:萱野、方言:沙流)
kohnekuh(ru/r-i)
コㇹネクㇷ §032.むこ(婿・聟)(4)kohnekuh(ru/r-i)〔kóh-ne-kuh こㇹネクㇷ〕⦅カラフト⦆【雅】むこ。[<kok-ne-kur]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
kohokus
コホクㇱ 【他動】[ko-hokus …と一緒に・倒れる] …と一緒に倒れる。 nenkane kohokus wa uiyuninka hene ki kusu, iyaykipte ネンカネ コホクㇱ ワ ウイユニンカ ヘネ キ クス、 イヤイキㇷ゚テ もし(自転車と)一緒に倒れて二人でけがでもしたらあぶないのに(自転車に二人乗りしている子どもを見て)。(S) {E: for…to fall over, off together.} (出典:田村、方言:沙流)
kohokuste
コホクㇱテ 【複他動】[ko-hokus-te …に・倒れる・させる] …の上に…を倒す。 nusa kohokuste ヌサ コホクㇱテ (赤ん坊)の上に祭壇を倒してかぶせる(敵に見つからず神々に守られるように)。(W民話) ☆参考 同じ話者が nusa kohorakte ヌサ コホラㇰテ とも言っている。 {E: to knock, bring down…on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koikutasa
コイクタサ 【ko-iku-tasa】 ~の開いた酒宴に行く,招待されて飲みに行く. ▷コ=それ イク=飲む タサ=向かう,行く(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koikutasa/koykutasa
コイクタサ 【他動】[単](複は koikutaspa/koykutaspa コイクタㇱパ)[ko-iku-tasa …に・酒を飲む(こと)・交代でする] …に招かれて酒を飲みに行く/来る、 …に酒宴に招かれて行く/来る。 Kusur un nispa utar sake kor kor a=koykutasa クスルン ニㇱパ ウタㇻ サケ コㇿ コㇿ アコイクタサ 釧路の長者方が酒があるときは私が招かれて酒を汲みかわしに行った。(NK民話) {E: to be invited to go, come drinking by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koikutaspa/koykutaspa
コイクタㇱパ 【他動】[複](単は koikutasa/koykutasa コイクタサ) (二人以上が)…に招かれて酒を飲みに行く/来る、 …に酒宴に招かれて行く/来る。 sake a=kor kor i=koykutaspa サケ アコㇿ コㇿ イコイクタㇱパ 私に酒があるときは彼らが私の家に酒を飲みに来た。(NK民話)(前項の用例のあとに続く部分) {E: to be invited to go, come drinking by…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kokirawrikikur pumpakane
コキラウリキクㇽ プンパカネ 【ko-kiraw-rikikur pumpakane】 角を高々と上げて. カンナカムイ コキラウリキクㇽ プンパカネ=竜神が角を高々と上げている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koknekur(-i)
コㇰネクㇽ §032.むこ(婿・聟)(3)koknekur(-i)〔kók-ne-kur こㇰネクㇽ〕⦅エベオツ、チカブミ⦆むこじゃひと。[kok(むこ)+ne(である)+kur(ひと)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
kokumrakumra
コクㇺラクㇺラ 【自動】[ko-kumrakumra …が・ゴーゴーと鳴る](地震の地鳴りのような音が)ゴーゴーと鳴る。 pokna-mosir un/ahun hum konna/kokumrakumra ポㇰナモシルン/アフヌㇺ コンナ/コクㇺラクㇺラ 地獄へ入って行く音がゴーゴーと地鳴りのように響く。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
kokusis
コクシㇱ 【後副】[ko-kusis …に・(?)] …と一緒に、 …とともに。 tane heru néa kotankonnispa utari kokusis moyo utarpo wániw pak ne ya pakno takupi siknu wa oka タネ ヘル ネア コタンコンニㇱパ ウタリ コクシㇱ モヨ ウタㇻポ ワニウ パㇰ ネ ヤ パㇰノ タクピ シㇰヌ ワ オカ 今はただその村長の一族合わせてわずかの人、 十人ばかりだろうか、 それくらいしか生き残っていない。(W民話) {E: together with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kokusis
コクシㇱ 【kokusis】 〜ともに. オナハ コクシㇱ ア・チㇱテ ハウェ=父とともに泣かされたという. (出典:萱野、方言:沙流)
komawkururu
コマウクルル 【自動】[ko-maw-kururu (擬音擬態を導く)…が・風・(擬音の重複)][雅](直訳すると)…が風でピューピュー鳴る。 a=ekísarsutu/komawkururu アエキサㇻストゥ/コマウクルル [雅]耳元に風がピューピューと鳴り響く。(Sユーカラ) ☆参考 非常に速いスピードで進んで(飛んで/走って)行くことの表現。 ☆参考 同じユーカラを歌わずに語っている中では mawkururu マウクルル と言っている。 ☞mawkururu マウクルル ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
komawnukuri
コマウヌクリ 【他動】[ko-maw-nukuri …に・気・…する元気がない]…に恐ろしくて近寄れない。 kor rametok/hon or wano/a=komáwnukuri コㇿ ラメトㇰ/ホン オㇿ ワノ/アコマウヌクリ [雅]その勇猛さにはおなかにいるうちから恐ろしくてだれも近寄ることができない。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koninkar kusu
コニンカㇻ クス 【副】[ko-n-inkar kusu それに(?)・(挿入子音)・見る(?)・ために](?) [雅](これから話を始めようとするときに相手の注意を求める言葉。)よく聞いて下さい。(S) koninkar kusu/a=respa pito/a=respa kamuy コニンカㇻ クス/アレㇱパ ピト/アレㇱパ カムイ [雅]よく聞いてください、 私が育てたお方私が育てた神よ。(Sユーカラ) ☆参考 歌われたときの形。 語られた中では同じ話者が inkar kusu インカㇻ クス と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koomokukke
コオモクッケ 【他動】[雅](次の慣用表現の中で)…に姿を消す。 síniskurka/koomokukke シニㇱクㇽカ/コオモクッケ [雅]天高くのぼって姿が見えなくなった。(W神謡語り) ☆参考 この世での生活を終えた神が鳥の姿になって天の神の国へ帰って行くシーンで使われる表現。 {E: for the form of to disappear in…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kootukutke
コオトゥクッケ 【ko-otukutke】 埋まる. ネㇷ゚ ワ アン ペ エシㇼキラㇷ゚ ワ ネ ルウェ ネ ヤ シㇰラㇷ゚ エㇺコ コオトゥクッケ カネ オカ=どんなことを嘆き悲しんでいるのかまつげの半分が埋まるほどにまぶたがはれている[ユ][ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kopakun
コパクン 【kopak un】 (〜の)方へ. チセ コパクン=家の方へ.アイヌ コパクン=人の方へ.ペッ コパクン=川の方へ. (出典:萱野、方言:沙流)
kopukpuku
コプㇰプク 【ko-pukpuku】 めちゃくちゃにする. (出典:萱野、方言:沙流)
koramnukuri
コラㇺヌクリ 【他動】[ko-ram-nukuri …に対して・心・弱くてできない]…におじけづいいてしまう。 ene rametok/kamuy kusnamne/koramnukuri p/sípase kamuy/ne a híne エネ ラメトㇰ/カムイ クㇱナㇺネ/コラㇺヌクリㇷ゚/シパセ カムイ/ネ ア ヒネ [雅]そのように勇猛な神ですからどの神も皆おじけづいてしまうのが本当に尊い神の子で。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koramnukuri
コラㇺヌクリ 【ko-ram-nukuri】 近づきにくい,とっつきにくい,気が重い.大儀だ.▷コ=それ ラㇺ=思い ヌクリ=面倒で億劫である ネア アチャポ オㇿワ ケソウㇰ(ク・エソウㇰ) ルスイ ペ アン コㇿカ ク・コラㇺヌクリ ワ ナ ソモ ク・イェ ノ カン(ク・アン) ヒ ウン=あのおじさんから借りたい物があるけれども.近づきにくいので私はまだ何も言っていないのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
korkur
コㇿクㇽ §036.おっと(夫)(13)kor-kur〔kór-kur こㇿクㇽ〕⦅ホべツ⦆夫。ku-〜「私の夫」。[kor(持つ、所有する)+-kur(人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
korkur(-i)
コㇿクㇽ §019.父(14)kor-kur(-i)〔kór-kur こㇿクㇽ〕⦅ビロオ⦆父。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
korpisakku
コㇿピサック 【名】[kor-pisakku フキ・ひしゃく] フキの葉でつくったひしゃく(フキの葉を裏へ折り曲げて茎にしばりつけるとひしゃくになる。 外を歩いていてのどが乾いたときなどにつくって使う)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
korpokkur
コㇿポックㇽ 【kor-pok-kur】 フキの葉の下にいる人:フキの葉の下に暮らしていて時にアイヌを助けてくれるともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
kosirkokunne
コシㇼコクンネ 【ko-sir-ko-kunne】 (〜によって)暗くなった.▷コ=それ(仕事)で シㇼ=あたり コ=に クンネ=黒い,暗い トゥナㇱ コケレ(ク・オケレ) クナㇰ ク・ラム コㇿ ク・イチャ ア コㇿカ チュㇰ アナㇰネ ト タㇰネ ㇷ゚ ネ クス ク・コシㇼコクンネ=早く終わると思いながら私は穂ちぎりをしていたが,秋は日も短いものだから(その仕事によって)暗くなってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
kosomokur-koyaykatanu
コソモクㇽ コヤイカタヌ 【他動】[ko-somo-kur ko-yaykatanu …に対して・(否定)・有様・(叙述を導く)・行儀よくする][雅](人)に対して無礼なことを言う/する。 wen menoko/utar orkehe/ci-kosomokur/koyaykatanu/i=ekarkar kus ウェン メノコ/ウタㇻ オㇿケヘ/チコソモクㇽ/コヤイカタヌ/イエカㇻカㇻ クㇱ [雅]悪い女どもが私に対して無礼なことを言うために。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotaktaku
コタㇰタク 【複他動】[ko-taktaku …に・…を塊にする(重複)] …をかためて/まるめて(塊にして)…にくっつける。 ☆参考 tak タㇰ 塊(かたまり)。 {E: to make…round, hard and stick it to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotankorkur
コタンコㇿクㇽ 【名】村おさ(=kotankor kur コタンコㇿ クㇽ )。 ☆参考 古老は「しゅうちょう(酋長)」または「しゅうちょうさん」と言っていた。 {E: a village head, chief.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotankorkur
コタンコㇿクㇽ 【kotan-kor-kur】 村おさ. タパン ハワㇱ アナㇰネ サウレ オルㇱペ ソモ ネ クス コタン コㇿ クㇽ ア・エサラマ=この問題はやさしい話ではないので村おさに任せよう. (出典:萱野、方言:沙流)
kotekutapure
コテクタプレ 【他動】[ko-tek-u-tapu-re …に対し/と共に・手・互い・(?)・させる]…を手の中ににぎる。 téta icen k=ánu akus uk wa kotekutapure wa an テタ イチェン カヌ アクㇱ ウㇰ ワ コテクタプレ ワ アン 私がここにお金を置いたところ、 彼はそれを取って手の中ににぎっている。(S) {E: to grasp…in the palm of the hand.} (出典:田村、方言:沙流)
koyaykus
コヤイクㇱ 【他動】(そのときの都合や状況のために)…ができない、 …をしかねる。 haː, na kosne kunak ku=ramu a p páse humi! ku=puni koyaykus ハー、 ナ コㇱネ クナㇰ クラム アㇷ゚ パセ フミー! クプニ コヤイクㇱ (S) まあ、 まだ軽いと思っていたのに重いねえ、 持ち上げられない(子どもに、 大きくなったことをほめて)。 ☆参考 状況や都合など、 自分以外の要因によってできないことを言う。 eaykap エアイカㇷ゚ は能力が足りない意味での「できない」ことや、 もっと広く一般的な意味で「できない」ことにも使われる。 すると人に気の毒だからとか、 してはならないことだからとかで「するわけにはいかない」という意味での「できない」は eyayramkar エヤイラㇺカㇻ。 {E:to be unable to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyaykus
コヤイクㇱ 【koyaykus】 できない,〜しあぐねる,仕上げられない. イペコヤイクㇱ=食べられない.イクコヤイクㇱ=酒を飲めない.トゥナㇱ ク・ホッケ アㇷ゚ アノントㇺ タ ク・モㇱ ワ オラーノ ク・モコㇿ コヤイクㇱ=早くに寝たのに,夜中に目を覚ましそれから眠ることができない.コタン ケスン(ケㇱ ウン) ペウタンケ ハウ アㇱ アクス ア・コㇿ ウナㇻペ オイポㇿポソ アㇱ カ コヤイクㇱ=村の下端へ危急を知らせる声が聞こえると,私のおばは顔が青ざめて立ち上がることもできない.シネン ア・ネ ワ オヌマン パㇰノ ア・タ オケレ クナㇰ ア・ラム トイ ア・コヤイクㇱ ルウェ ネ=私ひとりで夕方までには耕し終わると思った畑が,できなかったんだよ.フナラコヤイクㇱ=探しあぐねる.ネㇷ゚キコヤイクㇱ=仕事を仕上げられない. (出典:萱野、方言:沙流)
koykutasa
コイクタサ 【他動】[単](予想形。 未出。 複 koykutaspa コイクタㇱパ の形で出てきた。)[ko-iku-tasa …に酒を飲む・…を交換する(単)] ☞koykutaspa コイクタㇱパ (出典:田村、方言:沙流)
koykutaspa
コイクタㇱパ 【他動】[複](単 は未出。 taspa タシパ の単は tasa タサ)[ko-iku-taspa …に・酒を飲む・交換する[複]] 二人以上が…のところに(招かれて)酒を飲みに行く/来る。 sakekor kor i=aske uyna, a=koykutaspa, sake a=korpa kor i=koykutaspa, sisak tokuy ne ukopayoka=an サケコㇿ コㇿ イアㇱケ ウイナ、 アコイクタㇱパ、 サケ アコㇿパ コㇿ イコイクタㇱパ、 シサㇰ トクイ ネ ウコパヨカアン 彼らが酒を手に入れると私たちは招かれて酒を汲みかわしに行き、 私たちが酒を手に入れたときは彼らが私たちの家へ酒宴に来た、 たぐいまれな親友として互いに行き来した。(NK民話) {E: to be invited to go, come drinking at…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ku(a-an-)
ク §581.のむ(飲む)(1)ku(a-、an-)〔kú く〕 (出典:知里人間編I、方言:)
ku/kuwe(he)
ク/クウェ(ヘ) 【ku/kuwe(he)】 弓. クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦はムカゴイラクサが一番いい,次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ.図[ク] (出典:萱野、方言:沙流)
ku=
ク 【ku=】 私. (出典:萱野、方言:沙流)
ku= 4
ク 【人接】[一人称単数主格](自動詞・他動詞・デアル動詞 ne ネ・名詞・一部の副詞に接頭する。)ku=nu クヌ 私は(それを)聞く。 ku=kor ekasi クコㇿ エカシ/クコレカシ 私が持つおじいさん=私のおじいさん(祖父)。 ku=saha クサハ 私の姉。 ☆参考 沙流方言の日常会話では、 i= イ で始まる語幹に接頭する時、 通常 ku= ク と i イ とで一つの音節 kuy クイ となる。 たとえば kú=itak クイタㇰ《私は話す》は kuytak クイタㇰ と発音する。 その他の母音、 つまり a, e, o, u ア、 エ、 オ、 ウ の前では u ウ が落ちて k= ㇰ という形になる(☞k= ㇰ)。 ただし歌謡や叙事詩などを歌うときには母音 a, e, o, u ア、 エ、 オ、 ウ の前でも通常 u ウ が保たれる。 たとえば ku=an クアン 私はいる(日常会話では k=an カン)。 ku=utari クウタリ 私の身内(日常会話では k=útari クタリ)。 {E: “I” (first person singular subject prefix).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ku=hekotekur
クヘコテクㇽ 【ku=he-kote-kur】 (自分の)夫.▷ク=私 ヘ=自ら コテ=繋ぐ クㇽ=人 →私自身を繋いである人 (出典:萱野、方言:沙流)
ku=iperusuy
クイペルスイ 【ku=ipe rusuy】 (私は)腹ぺこだ,ひもじい,空腹だ,腹が減った. (出典:萱野、方言:沙流)
ku=itakpe
クイタㇰペ 【ku=itak-pe】 境界棒,目印.*洪水の後に薪になりそうな流木を見つけた時に第一発見者は玉石などをその流木の上へ載せる.これはクイタㇰペの役目をし,守らなければならない.村人は先に発見した人の権利を守ったものである.▷ク=私が イタㇰ=言う ペ=物 [クイタㇰペ] (出典:萱野、方言:沙流)
ku=tusihi
クトゥシヒ 【ku=tusihi】 妾(めかけ):本妻から妾に言う言い方.本妻と妾は1本の綱で結ばれているという考え.▷ク=私の トゥシヒ=綱 (出典:萱野、方言:沙流)
ku=yaysampepokas
クヤイサンペポカㇱ 【ku=yay-sampe-pokas】 気苦労(する),気が重い,がっかりする.▷ク=私 ヤイ=自身 サンペ=心臓=思い ポカㇱ=がっかり ネユンネユン アン オルㇱペ ク・ヌ コㇿ コオアナカ ポネヘ ポカ オンネㇷ゚ラㇰペ ク・ネ クス ク・ヤイサンペポカㇱ=いろいろな噂話を聞くと,からこしゃくにも骨ばかりも老人の味のする者として気が重くなる(老人の独り言). (出典:萱野、方言:沙流)
ku=yupo
クユポ 【ku=yupo】 私の兄. ▷ク=私 ユポ=兄,恋人 *歳下の者にであっても,尊敬できる者には兄,あるいは姉と呼ぶのが,アイヌ社会では礼儀とされている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kuani
クアニ 【代名】[一人称単数] 私 (韻文の中で用いる形。 この方言では話し言葉では káni カニ と言う)。 {E:“I” (first person singular pronoun.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuani
クアニ 【kuani】 私.▷ク=私が アン=居る ヒ=所(クアンヒ→クアニ) (出典:萱野、方言:沙流)
kuaniyaykata
クアニヤイカタ 【kuani yaykata】 自分自身で.▷クアニ=私 ヤイカタ=自分で (出典:萱野、方言:沙流)
kuapa
クアパ 【ku-apa】 弓の戸口. ▷ク=弓 アパ=戸口(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kuari
クアリ 【自動】[ku-ari 仕掛弓・を置く](=kuwari クワリ)「アマッポ」(動物を獲るための仕掛弓)をしかける。 ku=kuari/ku=kuwari ククアリ/ククワリ 私はアマッポを仕掛ける。 {E: to set a hunting bow as a trap to catch game.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuari
クアリ 【ku-ari】 仕掛け弓.▷ク=弓 アリ=置く (出典:萱野、方言:沙流)
kuca
クチャ 【名】「かりごや」(狩小屋、 猟のために滞在する山中の小屋)。 ☆参考 kucacise クチャチセ とも言う。 {E: a mountain hunting hut.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucacise
クチャチセ 【名】[kuca-cise 猟小屋・家] 「かりごや」(狩小屋、 猟のために滞在する山中の小屋)。 ☞kuca クチャ {E: a mountain hunting hut.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucacise
クチャチセ 【kuca-cise】 狩小屋:狩に行った時に仮に泊まる家. ア・コㇿ クチャチセ タ アㇻパアナクス(アㇻパ・アン アクス) チロンヌㇷ゚ シネレ ㇷ゚ アン ワ イ・コテㇾケ ア・シレカッタ アクス ライホチカチカ ライ ルウェ ネ=私の狩小屋へ行くと狐が人間に化けていて私に取っ組んできたので大地へ叩きつけると手足をばたつかせ死んでしまった.ア・コㇿ クチャチセ エウン シネ パ カ ソモ アㇻパ・アン ワ ア・エラムイクㇽクㇽ ア コㇿカ アン アイネノ アン ワ ア・エラムシンネ=私の持っている狩小屋へ1年も行かずにいたので気にしていたが,そのままあったので私は安心した. (出典:萱野、方言:沙流)
kucakor
クチャコㇿ 【自動】[kuca-kor 猟小屋・を持つ] 山中の「かりごや」(狩小屋、 猟小屋)に泊まる/滞在する、 狩小屋(猟小屋)に滞在して猟をする。 {E: to go to stay in a mountain hunting hut.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucan
クチャン 【名】[動物]雌(めす)熊。(NK民話) ☆対語 síyuk シユㇰ 雄(おす)熊。 〔知分類 p.154 kucan 雌熊(成獣);4、 5歳以上の雌熊((H.S.))〕 {E: a female bear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucan
クチャン 【kucan】 雄熊. (出典:萱野、方言:沙流)
kucan
クチャン §277 くま (32) kucan (ku-čán)「クちャン」 ⦅北海道、樺太⦆雄グマ(成獣)、四、五歳以上の雄グマ (出典:知里動物編、方言:)
kucan
クチャン §277 くま (53) kucan (ku-čán)「クちャン」 (出典:知里動物編、方言:)
kucanturep
クチャントゥレㇷ゚ §277 くま (72) kucan-turep (ku-čán-tu-rep)「クちャントゥレㇷ゚」[<kucan(雌グマを)tura(連れている)-p(もの)] ⦅美幌⦆雌グマを連れている雄グマ (出典:知里動物編、方言:)
kucasanke
クチャサンケ 【自動】[単](複は kucasapte クチャサㇷ゚テ)[kuca-sanke 猟小屋・を(山側の方から海側の方向へ)出す[単]] 猟期を終えて狩小屋(猟小屋)から村へ帰る。 {E: to return from the mountain hunting hut to the village at the end of the hunting season.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucasapte
クチャサㇷ゚テ 【自動】[複](単は kucasanke クチャサンケ)[kuca-sapte 猟小屋・を(山の方から海の方向へ)出す[複]](二人以上が)猟期を終えて猟小屋から村へ帰る。 {E: to return from the mountain hunting hut to the village at the end of the hunting season (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucasapte
クチャサㇷ゚テ 【kuca-sapte】 狩小屋を撤収する. トオㇷ゚ トゥイマ クチャ オルン アㇻパアナ(アㇻパ・アン ア) コㇿカ タンペ オッタ(オㇿ タ) オムケン・アン ワ トゥナㇱノ クチャサㇷ゚テ・アン=ずうっと遠い狩小屋へ行ったけれど,このたびは猟がなく早く狩小屋を撤収した. (出典:萱野、方言:沙流)
kuci 1
クチ 【名】[所](概は kut クッ) …ののど(歌う声)。 ☆参考 kucihi クチヒ の形があるかどうか不明。 概念形が単独の語として使われるかどうかも不明。 rekut レクッ のど。 {E: the singing voice of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuci 2
クチ ☞kuci(hi) クチ(ヒ) (出典:田村、方言:沙流)
kuci askay
クチ アㇱカイ §310.声がよい(1)kuci askay〔ku-čí-aš-kaǐ クち・アㇱカイ〕[kuci(その咽喉)+askay(達者である、できる)]⦅ホロべツ⦆【常】【雅―ユ研Ⅱ, p.824】 (出典:知里人間編I、方言:)
kuci kanna
クチ カンナ §309.声が高いkuci kanna〔ku-čí-kan-na クち・カンナ〕[その声・高い]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuci(hi)
クチ(ヒ) 【名】[所](概は kut クッ)…の帯、 その帯。 kucihi anak arsuyne a=siná クチヒ アナㇰ アㇻスイネ アシナ (死者の場合)帯はたった一回だけしばる。(W) kuci a=pitá híne inkar=an akusu クチ アピタ ヒネ インカラン アクス 彼の帯をといてみると。(W言い伝え) {E: a belt, a sash of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucikayayse
クチカヤイセ §576.のどが鳴る(1)kucikayayse〔ku-čí-ka-jaǐ-se クちカヤイセ〕[kuci(その喉)+kayayse(ググッと鳴る)]⦅ホロべツ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kucimome
クチモメ §054 マガレイ (3) kucimome (ku-cí-mo-me)「クちモメ」 成魚 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kucimomne
クチモㇺネ §054 マガレイ (1) kucimomne (ku-cí-mom-ne)「クちモㇺネ」 成魚 ⦅長万部、礼文、虻田⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kucimoni
クチモニ §054 マガレイ (2) kucimoni (ku-cí-mo-ni)「クちモニ」 成魚 ⦅礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kucimowmunesamampe
クチモウムネサマンペ 【kucimowmune-samampe】 マガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
kucimu
クチム §308.声がかれる(2)kuci-mu〔ku-čí-mu クちム〕[kuci(その咽喉)+mu(塞がる、詰まる)]⦅クッシャロ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kucipeker
クチペケㇾ 【自動】[kuci-peker そののど[所]・澄んでいる] 声が澄んでいる、 澄んだ声の…。 kucipeker menoko sinotca haw クチペケㇾ メノコ シノッチャ ハウ 声の澄んだ女性の歌う声。(NK民話) (出典:田村、方言:沙流)
kucipeker
クチペケㇾ 【kuci-peker】 声がきれい,発音がはっきりしている. ▷クチ=声 ペケㇾ=きれい,澄む(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kucir
クチㇼ 【自動】(雄犬などが)片方の後足を上げて柱などに小便する。 apa sam un kucir tek アパ サムン クチッテㇰ 片足を上げて出入口のわき(の柱)にシャッとオシッコをひっかけた。(W民話) {E: (for a male dog etc.) to raise a hind leg and urinate on a post etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucir
クチㇼ 【kucir】 小便する. (出典:萱野、方言:沙流)
kuciri
クチリ §276 クズリ (1) kuciri (ku-či-ri)「クチリ」 ⦅白浦、落帆⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kucirinkucirin
クチリンクチリン §406.小便をもらして歩く(2)kucirin-kucirin〔ku-čí-rin|ku-čí-rin クちリン・クちリン〕[<kucirir-kucirir 小便をたらしたらしつずける;kucir 小便をする、kucir-ir 小便をたらしつずける]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kucirtek(kucittek)
クチㇼテㇰ(クチッテㇰ) 【kucirtek】 小便をかける.ペナンペ(上の者)パナンペ(下の者)の昔話の中で,ペナンペ(川上の者)あるいはパナンペ(川下の者)が入り口の柱に小便をかけること.「エㇰ イペ コㇿ ア・エ・パㇱクマ=来て食べなさい.話を聞かせよう」と言うと「アパサㇺ タ クチッテㇰ ワ アㇻパ=入口にさっと小便して行った」と出て来る.普通は人間には用いない.人間が小便をする場合はオクイマあるいはハンケアㇻパ(近くへ行く)という. (出典:萱野、方言:沙流)
kuciwa
クチワ 【名】[< 日本語] (馬の)くつわ。 {E: a bit (for a horse, etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuciwa
クチワ 【kuciwa】 くつわ(はみ:くつわの馬の口の中に入れる部分).*アイヌ社会へ馬が入ったのはそう古くはないが,丸木舟の次に便利な乗り物として,あるいは農耕馬として定着した.ナリワコーオーチャンチャン クチワコーオーチャンチャン=鳴り輪の音を響かせて,くつわの音を響かせて…と歌にも歌われている. (出典:萱野、方言:沙流)
kuciyeetampakuku
クチイェエタンパクク §122.陰部に関する悪口(2)ku-ciye-e-tampaku-ku!〔ku-čí-ye-e-tám-pa-ku-kuクちイェ・エ・たンパくク・ク〕[ku(私)+ciye(の陰茎)+e(で)+tampaku(たばこ)+ku(のめ)](俺の陰茎でたばこでものみやがれ!)⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuekay
クエカイ ☞kuwekay クウェカイ (出典:田村、方言:沙流)
kuepittano racitke apkor humas
クエピッタノ ラチッケ アㇷ゚コㇿ フマㇱ §483.だるい;かったるい;ものうい;倦怠感を覚える(11)体がだらっとしたように感ずる ku-epittano racitke apkor humas〔ク・えピッタノ・ラちッケ・あㇷ゚コㇿ・ふマㇱ〕[ク・えピッタノ(私・の体じゅう)+ラちッケ(ぶら下っている)+あㇷ゚コㇿ(かのように)+ふマㇱ(感じられる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kugaci
クガチ 【名】[日本語] 九月。 kugaci cup クガチ チュㇷ゚ 九月の月=九月。(W民話) ☆発音 g は[N]、 つまり ガ はいわゆる鼻濁音で発音されている。 ☆参考 昔のアイヌ語では níhorak ニホラㇰ。 {E: September.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuhkina
クㇷキナ §359 バイケイソウ (4) kuh-kina (kúh-ki-na)「くㇷ・キナ」[sikuh-kina(<sikup-kina)の上略形] 茎葉 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuhkurusike
クㇷクルシケ §322.こし(腰)(6)kuhkurusike〔kúh-ku-ru-ši-ke くㇷクルシケ〕[<kut(帯)+kor(もつ)+uske(所);‘帯をしめる所']⦅マオカ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
kuhtarumpe
クㇷタルンペ §296 くじら(クジラ (9) kuhtarumpe (kúh-ta-rum-pe)「くㇷタルンペ」[<kuttar-humpe] ⦅真岡、白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kuhtoko(-an)
クㇷトコ §004.仰向けに寝る(2)kuhtoko(-an)〔kúh-to-koくっトコ〕[<kuttoko]⦅S.タライカを除く⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hu
クフ 【名】[所](概は ku ク)…の弓。 ku=kuhu ククフ 私の弓。 ☆参考 アマッポ(仕掛弓)を意味する ku ク の所属形は kuwe(he) クウェ(ヘ)。 {E: the, a bow of…} (出典:田村、方言:沙流)
ka
クカ 【名】[ku-ka 弓・糸] 仕掛弓(「アマッポ」)の弦(つる)。 {E: a bowstring.} (出典:田村、方言:沙流)
kuka
クカ 【ku-ka】 弦:弓に張る糸,弓弦.パㇱクㇽエㇷ゚(ツルウメモドキの皮),カパイ(エゾイラクサの繊維).▷ク=弓 カ=糸 クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ.オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦はムカゴイラクサが一番いい,次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kukerkep
クケㇾケㇷ゚ §139 シナノキ (4) kukerkep (ku-kér-kep)「クけㇾケㇷ゚」[<ku-perke-p] 内皮、またはそれから取った繊維 ⦅荻伏、様似⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kukerkepni
クケㇾケㇷ゚ニ §139 シナノキ (8) kukerkep-ni (ku-kér-kep-ni)「クけㇾケㇷ゚ニ」[クケㇽケㇷ゚の取れる木] 茎 ⦅荻伏、様似⦆⦅A十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kukew
クケウ 【名】[概](所は kukewe(he) クケウェ(ヘ)) [ku-kew 弓・骨](?) 鎖骨(さこつ)。 {E: the clavicles (collarbones).} (出典:田村、方言:沙流)
kukew(-e
クケウ(エ §335.さこつ(鎖骨)(1)ku-kew(-e〔H.〕;-he〔S.〕)〔kú-keŭ くケウ、kú:-keŭ くーケウ〕[ku(弓)+kew(骨)]⦅ビホロ、クッシャロ;シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kukewe(he)
クケウェ(ヘ) 【名】[所](概は kukew クケウ) …の鎖骨。 {E: the clavicles of…} (出典:田村、方言:沙流)
kukewponi
クケウポニ §335.さこつ(鎖骨)(2)kukew-poni〔kú-keŭ-po-ni くケウポニ〕[肩・骨]⦅タラントマリ、マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kukka
クッカ 【kukka】 鋤. クッカ タ ク・コㇿ トンカ タ ク・コㇿ ネ ワ ネ ヤㇰネ トアン ヌプリ ク・ラㇱタラㇱタ=鋤があれば,鍬があれば,あの山を削り取って(恋歌). (出典:萱野、方言:沙流)
kukkaruykep
クッカルイケㇷ゚ §429 アマガエル (4) kukkaruykep (kúk-ka-ruy-kep)「くッカルイケㇷ゚」[<kukka(鍬)ruyke(研ぐ)p(者)] ⦅千歳⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kukura
ククラ §107 フジコ;キンコ (2) kukura(ku-kú-ra)「クくラ」⦅白浦、多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kum(-i)
クㇺ §234.かんせつ(関節)(12)膝などの関節 kum(-i)〔kúmくㇺ〕[こぶ]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuma
クマ 【名】物干し棒(肉や魚やいろいろなものを干す棒)。 {E: a pole for drying clothes etc.} (出典:田村、方言:沙流)
kuma
クマ 【kuma】 干し竿,棒:プンカウ(ドスナラ),フㇷ゚(トドマツ). (出典:萱野、方言:沙流)
kumakar
クマカㇻ 【自動】[kuma-kar 物干し棒・をつくる] 杭を立て棒を渡して物干し場をつくる(=kuma kar クマ カㇻ)。 soy ta kumakar=an ソイ タ クマカラン 外に物干し場をつくる。(S) {E: to make a clothesline by suspending a pole between the forks of a tree.} (出典:田村、方言:沙流)
kumatay
クマタイ 【kuma-tay】 干し竿の林.▷クマ=干し竿 タイ=林 チェㇷ゚ クマタイ カㇺ クマタイ=魚を干す竿の林,肉を干す竿の林.*昔は物持ちのアイヌの象徴として,家の前に魚の干し竿の林,肉の干し竿の林があると描写した. (出典:萱野、方言:沙流)
kumerin
クメリン §209 オオタカネバラ (6) kumerin (ki-mé-rin)「クめリン」[<ギリヤク語] 果実 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kumerin
クメリン §210 カラフトバラ (3) kumerin (ku-mé-rin)「クめリン」[ギリヤク語から] 果実 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kumi
クミ 【名】かび。 kumi us クミ ウㇱ かびがはえる。 kunne kumi クンネ クミ 黒かび。 retar kumi レタㇻ クミ 白かび。 hoski i=kopunpa p/[u]kunne kumi/ehopunpa na/iyos i=kopunpa p/retar kumi/ehopunpa wa ホㇱキ/イコプンパㇷ゚/[ウ]クンネ クミ/エホプンパ ナ/イヨㇱ イコプンパㇷ゚/レタㇻ クミ/エホプンパ ワ (育ての兄が)先に出してくれた食べ物には黒かびが生え、 あとから出してくれたものには白かびが生えて。 (W神謡K) {E: mould.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kumi
クミ 【kumi】 かび. クミ ウㇱ=かびがはえた.クミ ラㇰ=かびの味. (出典:萱野、方言:沙流)
kumius
クミウㇱ 【kumi-us】 かびる. (出典:萱野、方言:沙流)
kumontumu konna sumnatara
クモントゥム コンナ スㇺナタラ §483.だるい;かったるい;ものうい;倦怠感を覚える(10)体がだるい ku-montumu konna sum-natara〔ク・もントゥム・コンナ・すㇺナタラ〕[ク・もントゥム(私・の体力)+コンナ(は)+すㇺナタラ(萎えている)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kumrakumra
クㇺラクㇺラ 【自動】[擬音] ゴーゴーと(地震の地鳴りのような)音がする。 ☞kokumrakumra コクㇺラクㇺラ (出典:田村、方言:沙流)
kumrakumra
クㇺラクㇺラ 【kumra kumra】 ぐらぐら.ぐわらぐわら(音の描写). パㇱクㇽ ネ ヤ エヤミ ネ ヤ ハウコㇿ パ コㇿ スワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ シㇼシモイェ エㇰ ヒネ ア ワ=烏とかカケスとか声を出しながら飛び立ったかと思うと同時に,ぐらぐらと地震が来たものであった.ソイ タ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エヤミ ネ ヤ パㇱクㇽ ネ ヤ チカㇷ゚ ウタㇻ ハウコㇿ コㇿ ウコスワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ ペコㇿ フマㇱ.オヤチキ シㇼシモイェ ネ アアン=外で私が立っていると,カケスや烏や鳥たちが声を出しながら一斉に飛び立ったと思うと,あたりがぐらぐらしたように感じた.知らなかったが地震であった. (出典:萱野、方言:沙流)
kumusewah(k-an)
クムセワㇵ §448.すわる(座る)(29)膝を出して座る;おすわりする kumusewah(k-an)〔kú-mu-se-wah くムセワㇵ〕[<kumusi(ひざ)+-e-(で)+wak(座る)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kumusi
クムシ §644.ひざ(膝)(3)kumusi〔ku-mú-ši クむシ〕[kum(関節)+us(ついている)+i(所)]⦅シラウラ、トンナイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kumusiekausponi
クムシエカウㇱポニ §647.膝の骨;しつがいこつ(膝蓋骨)(4)kumusi-e-ka-us-poni〔ku-mú-ši-e-ka-uš-po-ni クむシ・エカウㇱ・ポニ〕[<(膝・について・上・についている・骨)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kumusisapa
クムシサパ §645.ひざかぶ;ひざがしら;膝蓋部(5)kumusi-sapa〔ku-mú-ši-sa-pa クむシ・サパ〕[膝・頭]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kumusisapahka
クムシサパㇵカ §645.ひざかぶ;ひざがしら;膝蓋部(7)kumusi-sapahka〔クむシ・サパㇵカ〕[膝・頭]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kumusisapakka
クムシサパッカ §645.ひざかぶ;ひざがしら;膝蓋部(6)kumusi-sapakka〔ku-mú-ši-sa-pak-ka クむシ・サパッカ〕[kumusi(ひざ)+sapa(頭)+ka(上)]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunak
クナㇰ 【kunak】 〜と. アㇻパ クナㇰ イェ=行くと言った.ナニ エㇰ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ アㇷ゚ アフン ルウェー カ イサㇺ=すぐ来ると言いながら外へ出たのに入る様子もない.ク・イワㇰ クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ ク・レウシ ナ シネ アンチカㇻ エン・レウシレ=帰ろうと思ったが泊まる(ことにした)ので,一晩私を泊めてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunak 1
クナㇰ 【接助】[名詞化引用][< kun-yak …する予定/はず/べきである・…ということ](動詞に終わる文(節)の後に置かれ、 次に ye イェ《…を言う》、 ramu ラム《…を思う》等の他動詞が来て、 前の文をその目的語にし、 未来のことや推量していることに関する間接引用文をつくる。)…するということ。 kunak ramu クナㇰ ラム …すると/するだろうと思う。 kunak ye クナㇰ イェ …すると/するだろうと/しようと言う。 tanto anak ek kunak ye タント アナㇰ エㇰ クナㇰ イェ (彼は)今日は来ると言った。(S) en=ramu e=satka hawe ne kunak ku=ramu akusu エンラム エサッカ ハウェ ネ クナㇰ クラム アクス 私を喜ばせるようにだましたのだと思ったら…。(S) ☆参考 kuni クニ も使われる。 ☆参考 すでに起こったことや確認ずみのことに関しては yak ヤㇰ が用いられる。 yak ye ヤㇰ イェ したと言う。 間接命令は使役形+kusu ye クス イェ …しなさいと言う。 ☆参考 sekor セコㇿ《…と》も引用に使われるが、 引用文を名詞化しない。 ☞sekor セコㇿ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunak 2
クナㇰ 【接助】hokure kunak ホクレ クナㇰ さあ早く。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
Kunasir
クナシㇼ 【名】[地名] 国後。 {E: place name.} (出典:田村、方言:沙流)
kunaw
クナウ 【kunaw】 フクジュソウ. クナウ ペ トゥㇺ ワ ア・プス アーペコㇿ アン カムイ イコㇿ ア・エウンケライ イナウ ア・ケ ア ア・ケ ア イナウ トゥンプ ア・カㇻ ワ スウォㇷ゚ アサㇺ ア・オランラニ ルウェ ネ=フクジュソウの花の雫の中から掘り出したような神の宝刀を私は貰った.イナウをたくさん削ってイナウの寝床を作り宝箱の底へ詰め込んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunaw
クナウ §031 タンポポ (1) kunaw (ku-náw)「クなウ」 花 ⦅幌別、長万部⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kunaw
クナウ §253 フクジュソウ (1) kunaw (ku-náw)「クなウ」 花 ⦅様似、荻伏⦆⦅A沙流・鵡川・千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kunawnonno
クナウノンノ 【kunaw-nonno】 フクジュソウ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuneni
クネニ 【ku-ne-ni】 イチイ,オンコ〔植〕:狩猟用の弓を作る木.▷ク=弓 ネ=なる ニ=木 クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ.オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦はムカゴイラクサが一番いい.次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuneni
クネニ §418 イチイ (4) kuneni (ku-né-ni)「クねニ」[ku(弓)ne(になる)ni(木)] 木 ⦅荻伏⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuni 1
クニ 【助動】…することになっている、 …する見込みである、 …することが望ましい、 …するべきである、 …しよう。 ekimne a=e=sé wa a=e=ráyke kuni sekor an pe エキㇺネ アエセ ワ アエライケ クニ セコㇿ アン ペ あなたを山へ運んで行って殺そうということを。(W民話) tun ku kuni sake トゥン ク クニ サケ 二人が飲む酒(飲むべき/ことができる酒)。(S民話) herepasi arpa kuni pekor iki, pet turasi arpa kuni pekor iki, ayne, arherepasi arpa ヘレパシ アㇻパ クニ ペコㇿ イキ、 ペッ トゥラシ アㇻパ クニ ペコㇿ イキ、 アイネ、 アㇻヘレパシ アㇻパ (その飛び上がった首は)沖の方へ行くみたいにし、 川の方へ向かって行くみたいにしていてから、 しまいにずうっと沖の方へ行ってしまった。(W民話) en=kupa kuni pekor ku=yaynu エンクパ クニ ペコㇿ クヤイヌ (その犬)が私にかみつこうとしているように私は思った。(W) kuni p クニㇷ゚ …する(べき)もの。 c=e kuni p anakne porono an チェ クニㇷ゚ アナㇰネ ポロノ アン 私たちが食べるものはたくさんある。(S) (注 cékunip チェクニㇷ゚ [名]は《魚》。)oro ta, e=ewonne usa ki, e=wakkaku usa ki ranke kuni p ne na オロ タ、 エエウォンネ ウサ キ、 エワッカク ウサ キ ランケ クニㇷ゚ ネ ナ あなたはそこで顔を洗ったり、 水を飲んだりすればいいのですよ。(W民話) mak é=iki hawe an? somo an kuni p e=ye hawe ne na ne na マㇰ エイキ ハウェアン? ソモ アン クニㇷ゚ エイェ ハウェ ネ ナ ネ ナ あなたは何をなさる(とおっしゃる)のですか。 してはならないことをおっしゃっておられるのですよ。(W民話) kuni hi クニ ヒ ☞kunihi クニヒ ☆参考 他の助動詞のように文末に置かれることは少なく、 連体的に使われることが多い。 それも p ㇷ゚《もの、 の》の前が圧倒的に多い。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuni 1
クニ 【kuni】 ①〜だろうと. エㇰ クニ ク・ラム=(彼は)来るだろうと思う.シㇰヌ クニ ク・ラム=(彼は)生き返るだろうと私は思う. (出典:萱野、方言:沙流)
kuni 2
クニ 【接助】…するように、 …しようとして、 …するつもりで。 hńta a=omáre kuni ene ponko a=oúri hi an? フンタ アオマレ クニ エネ ポンコ アオウリ ヒ アン? 何を埋めるのにこんなに大きく掘ったんだい。(S) a=ninú kuni kem etarare wa anu アニヌ クニ ケㇺ エタラレ ワ アヌ 縫うように針をさしておきなさい。(W) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuni 2
クニ 【kuni】 ②はず(の). エアㇻキンネ イカㇻカㇻ エアㇱカイ ウナㇻペ ネ ナ エ・ミ クニ チカㇻカㇻペ アサ ワ インカㇻ=とっても刺繍の上手なおばさんだからお前が着る刺繍の着物を注文してみなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
kuni 3
クニ 【形名】[kun-(h)i …するべき/予定/はずである・こと] ①(動詞に終わる文(節)の後に置かれてこれを名詞句にする。) …するで(あろう)ということ、 できる(ような)こと、 …する(べき)こと。 tap a=ye kuni tónonsukus ne humi as タㇷ゚ アイェ クニ トノンスクㇱ ネ フミ アㇱ これを言うのが真昼の凪(なぎ)だなあ。 ene…kuni エネ…クニ このように…するであろうこと=次のように…するであろう/することになっている。 ene ne kuni エネ ネ クニ こう(次のように)なるでしょう。 ene an kuni エネ アン クニ このような(次のような)ことが起こるでしょう。 (注 すでに起こったことであれば、 kuni クニ の代わりに hi ヒ が使われるところである。) ②[名詞化引用](次に「言う」「思う」「考える」「相談する」「言いつける」等々を意味する他動詞が来て、 kuni クニ で名詞化された文をその目的語とする間接引用文となる。) kuni ramu クニ ラム …すると思う。 e=mismu kuni ku=ramu エミㇱム クニ クラム あなたがさびしいだろうと私は思った。(S) kuni ye クニ イェ …すると言う。 opitta nisatta hunak un paye kuni ye kor oka オピッタ ニサッタ フナクン パイェ クニ イェ コㇿオカ みんなで明日どこかへ行くという話をしている。(S) a=saha i=nukar kuni a=ekímatek kusu アサハ イヌカㇻ クニ アエキマテㇰ クス 私は姉に見られるのではないかと気が気ではないので。(W民話) poro a=yupí a=saha a=ewtannere kuni a=ewkoramkor híne ポロ アユピ アサハ アエウタンネレ クニ アエウコラㇺコㇿ ヒネ 私たちは大きい兄と姉とを結婚させようと相談して。(NK民話) akihi a=ne kuni eraman kuni a=sitóma アキヒ アネ クニ エラマン クニ アシトマ 私が彼の弟だということを彼が知るのが(=彼に知られるのが)私は恐ろしかった。(S民話) pirka aynu ne/e=an kuni/e=takar kusu/ne na ピㇼカ アイヌ ネ/エアン クニ/エタカㇻ クス/ネ ナ あなたは立派な人になることを夢に見るのだよ。(NKy子守歌) ③(動詞句の後に続かず、 文頭に置かれて、 その前に言われた内容全体を受ける場合もある。)そうする(であろう)ということ。 “…néno yaynu hani!” “e pirka ruwe un, kuni ku=ramu kor k=ek pe ne kusu 「…ネノ ヤイヌ ハニ!」「エー、 ピㇼカ ルウェ ウン、 クニ クラム コㇿ ケㇰ ペ ネ クス」…「そう思いなさいよ。」「ええ、 いいよ。 私はそう思いながら来たのだから…。」/ ☆参考 間接引用の kuni クニ は kunak クナㇰ と言い換えられる場合もある。 しかし、 kunak クナㇰ の後に来る他動詞は、 ほとんどの場合 ramu ラム《…(ということ)を思う》または ye イェ《…(ということ)を言う》に限られている。 一方、 kuni クニ の後には ramu ラム、 ye イェ のほか、 eraman エラマン《…を知る》、 epakasnu エパカㇱヌ《…を教える》、 sitoma シトマ《…を恐れる》、 ekaspaotte エカㇱパオッテ《…を命じる》、 ewkoramkor エウコラㇺコㇿ《…を相談する》、 eese エエセ《…を承諾する》、 kar カㇻ《…をする》、 ki キ《…をする》、 takar タカㇻ《…を夢見る》等々いろいろな他動詞が来る。 さらに間接引用文をつくる以外に、 ne ネ《である》が後に続いて、 《…する予定/はず/つもり…である》というような使い方もある。 一方、 すでに起こったこと、 確認ずみのことに関して言うには kuni クニ ではなく yak ヤㇰ が用いられる。 ☞kunak クナㇰ、 yak ヤㇰ、 sekor セコㇿ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuni 3
クニ 【kuni】 ③〜ように. アㇻパ クニ ク・イェ ア ワ=行くように,私が行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunihi
クニヒ 【形名】(=kuni hi クニ ヒ) …するであろうこと、 …するべきこと。 …するようにということ。 aynu ka kar wa i=kore kuni hi a=ekóramkor hike? アイヌ カ カㇻ ワ イコレ クニ ヒ アエコラㇺコㇿ ヒケ? 我々のために人間もつくって下さるようにということを(国づくりの神に)相談してみないか? (S言い伝え) mosma utar e p hayta kuni(hi) tas ne nek モㇱマ ウタㇻ エㇷ゚ ハイタ クニ(ヒ) タㇱ ネ ネㇰ ほかの人々が食べるのが足りなくなるのではなかろうか。(S) ☆参考 kuni クニ 3と同義だが、 よりはっきりと念を入れて言う言い方。 用例のほとんどで、 直後に息つぎをしている。 ☞kuni クニ 3 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunikusu
クニクス 【kuni kusu】 〜であるために,〜だろうから. エ・エ クニ クス ク・スケ ワ アン ナ エ アニー=あなたが食べるために私が煮てあるから食べてね.レウシ クニクス=泊まるだろうから. (出典:萱野、方言:沙流)
kunine
クニネ 【接助】…するように(することを目指して)。 cise soy ta ka poronno cikuni oka kunine iki=an チセ ソイ タ カ ポロンノ チクニ オカ クニネ イキアン 私は家の外にもたくさん薪があるようにした。(W民話) nep ka i=kare somo ki kunine iki kor oka=an ネㇷ゚ カ イカレ ソモ キ クニネ イキ コㇿ オカアン (彼女は)私に何もさせないようにして(何もかもしてくれて、 それほど私を大事にしてくれて)(私たちは)暮らしていた。(W民話) {E: so as to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunine
クニネ 【kuni ne】 〜ように. タネ タネ オンタロ クチヒ ハチㇼ ワ ウサユン ノイネ アン ナ.イテキ コネ クニネ アプンノ アヌ アニー=今にも今にも樽のたがが外ればらばらになりそうだ.砕けないように静かに置くのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunineankor
クニネアンコㇿ 【kunine-ankor】 それで. イケマ ア・マ ワ ア・エ ヒ タ エイタサ ア・エ コㇿ クス イヨㇱキ・アン ワ ア・エコチャ クニネアンコㇿ ア・エコッ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=イケマを焼いて食べる時,あまり多く食べるとそれによって酔っ払ったようになりふらふらする.時にはそれで死ぬこともあるそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuninenewa
クニネネワ 【kuni ne ne wa】 時によっては,なりゆき次第では. コシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ルㇽコシンプ イワコシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ オカ クニネネワ メノコ ネ カ オカ オッカヨ ネ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=妖精というものは海の妖精山の妖精というものがいて,時によっては女にもなり男にもなっているものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunip
クニㇷ゚ 【名】[名詞化辞][kuni-p …するべき・もの](=kuni p クニㇷ゚)…するべきもの。 ☞kuni クニ 1 {E: should.} (出典:田村、方言:沙流)
kunip
クニㇷ゚ 【kuni-p】 〜であるもの:(やがて)〜であるはずのもの. アㇻパ クニㇷ゚ ネ=行くものだ.エ クニㇷ゚ ネ=食べるものだ.ソノキ クニㇷ゚=損するものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunipekor
クニペコㇿ 【kuni pekor】 〜だろうと. ホンコㇿ クニ ペコㇿ ク・ヤイヌ=彼女は妊娠しているだろうと私は思う.チェㇷ゚ エㇰ クニ ペコㇿ ク・ヤイヌ=魚が来るだろうと私は思う.モコㇿ クニ ペコㇿ ク・ヤイヌ=(彼は)眠ったように私は思う. (出典:萱野、方言:沙流)
kunit
クニッ §157 ツリバナ (2) kunit (kú-nit)「くニッ」[ku(弓)nit(柄)] 茎 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kunkew(-he)
クンケウ §031.あごの骨(3)あごkunkew(-he)〔kúŋ-keǔくンケウ〕[kun(?)+kew(骨)]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunki
クンキ 【名】[< 日本語] 釘(くぎ)。 {E: a nail.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunki
クンキ 【kunki】 釘(くぎ).*アイヌ語には濁音がなかったので釘はクンキ,あずきはアントゥキと言った.日本語から借用. (出典:萱野、方言:沙流)
kunne
クンネ 【kunne】 暗い,真っ暗だ,黒い. シㇼ クンネ ナ ヤイトゥパレ ノ ホシピ アニー=あたりが暗いので気をつけて戻るんだよ.カ(ク・ア) オホㇿ アイーネ シㇼ クンネ クレエシッテㇺライパ(ク・ウレエシッテㇺライパ) コㇿ ク・イワㇰ オアシ=座りすぎてしまってあたりが真っ暗になり,私は足探りで帰らなければならなくなった.ルクンネ=少し黒い.ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) ウウェアイヌトノ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ナヌフ アㇻケ クンネ ㇷ゚ ネー セコㇿ ネ ア ワ=昔話の中では人食い人種殿は顔の半分が黒いものだといわれるものであった.タアン アッカㇷ゚ コㇿ ワ アㇻ パ ワ クンネ ヤチ オルン オマレ ワ クンネレ アニー=このオヒョウの皮を持って行って黒い谷地へ入れて黒くしてね. (出典:萱野、方言:沙流)
kunne
クンネ 【kunne】 夜. チュㇷ゚ ラン パㇰノ エ・ネㇷ゚キ エシㇼコクンネ ナ.ホクレ イワㇰ=陽が落ちるまで働いて夜になってしまうよ,早く帰れ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunne 1
クンネ 【自動】[< kur-ne 影・である] 黒い、 暗い、 黒く/暗くなる。 kunne cipanup クンネ チパヌㇷ゚ 黒い頭飾り布。 ☆参考 ekurok エクロㇰ まっ黒い。 sir-kunne シㇼクンネ あたりが暗くなる/暗い、 日が暮れる、 夜になる。 ☆対語 retar レタㇻ 白い、 peker ペケㇾ 明るい。 {E: to be black; dark.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunne 2
クンネ 【名/副】[< kunne クンネ 1] ①[名]夜。 kunne an クンネ アン 夜になる、 暗くなる。 ②(副詞として)夜に。 tókap he paye=an, somo yakun kunne he paye=an? トカㇷ゚ ヘ パイェアン、 ソモ ヤクン クンネ ヘ パイェアン? 昼間行こうかそれとも夜行こうか。(S) kunne hene tókap hene クンネ ヘネ トカㇷ゚ ヘネ 夜も昼も。 kunne ka tókap ka クンネ カ トカㇷ゚ カ 夜も昼も。(S) kunne tókap クンネ トカㇷ゚ 夜も昼も。 kunne tókap e=a wa patek e=an クンネ トカㇷ゚ エア ワ パテㇰ エアン 夜も昼もあなたは座ってばかりいる(=寝ないで起きている)。(S) kunne cup クンネチュㇷ゚ 月(=kunnecup クンネチュㇷ゚)。 {E: ①night. ②at night.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunne 3
クンネ 【後副】[kur-ne 影/形様・として][雅]…のように。 ranpes kunne cisiturire ランペㇱ クンネ チシトゥリレ 海岸の斜面のように長く伸びている(たくさんの宝器が陳列されている様子の描写)。 {E: like, as…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunne otop(-i)
クンネ オトㇷ゚ §217.髪の種類(8)くろかみ(黒髪) kunne otop(-i)〔kún-ne-o-top くンネオトㇷ゚〕[黒い・髪]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunneapappo
クンネアパッポ §330 アヤメ (4) kunne-apappo (kún-ne-a-pap-po)「くンネ・アパッポ」[黒い・花] 花 ⦅屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kunneapkas
クンネアㇷ゚カㇱ 【kunne-apkas】 夜歩き(する). (出典:萱野、方言:沙流)
kunneapkas
クンネアㇷ゚カㇱ §826.夜歩きするkunne-apkas〔kún-ne-ap-kaš くンネ・アㇷ゚カㇱ〕[kunne(黒く、暗く)+apkas(歩く)]⦅ナヨロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunneasin
クンネアシン 【kunne-asin】 夜小便に出る. アッチェ タ アㇻパ・アン レウシ・アン コㇿ ク・クンネアシン ケヤイランマルイェ(ク・エヤイランマルイェ)=他所へ行って泊まると私は小便に起きるので気がひける.ウクラン トゥ スイ カ レ スイ カ ク・クンネアシン ペ ネ クス ク・モコㇿ ヤー カ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=昨夜は2回も3回も小便に起きて眠ったのかもわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneasin(-an)
クンネアシン §404.小便に出る(2)夜中小便しに戸外へ出る kunne-asin(-an)〔kún-ne-a-šin くンネアシン〕[夜・出る]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunneasin(-an)
クンネアシン §470.だいべん(大便)(13)夜中大小便に出る kunne-asin(-an)〔kún-ne-a-šinくンネ・アシン〕[夜中・出る]⦅ビホロ、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnecironnup
クンネチロンヌㇷ゚ 【kunne-cironnup】 黒狐. クンネチロンヌㇷ゚ アナㇰネ パセ カムイ ネ クス ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ サパハ ア・コシラッキ コㇿ ア・エマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ=黒狐は位の高い神なので,獲った場合にはその頭を神として祭れば運がよくなるものだ.*クンネチロンヌㇷ゚(黒狐)とレタㇻチロンヌㇷ゚(白狐)はめったに獲れないものなので獲ったら頭骨を神として魂を入れて守護神にするといい. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnecis
クンネチㇱ 【kunne-cis】 夜泣き(する). ポイション ネㇷ゚ ワ アン ペ エカッキクㇱ クンネチㇱ.エアㇻキンネ ケアナサㇷ゚(ク・エアナサㇷ゚)=赤ちゃんが何が崇ったのか夜泣きをして本当に手余してしまった.ソンノ ケスクラン アン コㇿ クンネチㇱ.カッキクㇱ ワ ソモ ネ ヤ ウン=本当に毎晩毎晩夜泣きする.憑きものでも憑いているのではないだろうか.ポンペ クンネチㇱ ヒ タ シットココ ワ チㇱ ヒ タ アナㇰネ カッキクㇱ ヒ ネ.シッカムㇰ ワ チㇱ ヒ アナㇰネ モコンルスイ ワ ネ=赤子が夜泣きする時に目を開けて泣くのは化け物が憑いている.目を閉じている場合は眠たい時だ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnecup
クンネチュㇷ゚ 【名】[kunne-cup 夜・日/月] 月(特に明言する必要がなければ単に cup チュㇷ゚ と言う)。 (kunne)cup a=rukí (クンネ)チュㇷ゚ アルキ (直訳すると)月が飲み込まれる=月食になる(消えて行く)。 (kunne)cup ray (クンネ)チュㇷ゚ ライ (直訳すると)月が死ぬ=月食になる(皆既食)。 (kunne)cup kamuy (クンネ)チュㇷ゚ カムイ【名】(直訳すると)月の神=お月様。 ☆参考 tókapcup トカㇷ゚チュㇷ゚ 太陽。 {E: the moon.} (出典:田村、方言:沙流)
kunnecup
クンネチュㇷ゚ 【kunne-cup】 月.▷クンネ=黒い,夜 チュㇷ゚=月 (出典:萱野、方言:沙流)
kunnecupkamuy
クンネチュㇷ゚カムイ 【kunne-cup-kamuy】 月. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnecupray
クンネチュㇷ゚ライ 【kunne-cup-ray】 月食. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneecinke
クンネエチンケ §420 カメ (5) kunne-ecinke (kún-ne-e-čin-ke)「くンネエチンケ」[<黒い・亀] ⦅室蘭、幌別、白老⦆アオウミガメ E. ‘green turtle’, Chelonia japonica. (出典:知里動物編、方言:)
kunneemawri
クンネエマウリ 【kunne-emawri】 熊イチゴ,黒イチゴ.▷クンネ=黒い エマウリ=イチゴ (出典:萱野、方言:沙流)
kunneemawri
クンネエマウリ §217 クロイチゴ (1) kunne-emawri (kún-ne-e-maw-ri)「くンネ・エマウリ」[黒い・いちご] 果実 ⦅A沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kunneewen
クンネエウェン 【kunne-e-wen】 鳥目(である). クンネエウェンクㇽ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ナ イテキ エイタサ エハㇺ ノ ホシピ ルスイ ヤクン トゥナㇱ ホシピレ=鳥目の人ということであったので,あまり引きとめずに戻りたいと言ったら早く戻らせろ.*昭和10年頃,平取に平村某なる男がいて,その人が来ると父たちはあまり引きとめることをしないで,明るいうちに帰らせたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnehay
クンネハイ 【名】[kunne-hay 黒い・イラクサ][植物]「イラグサ」(=イラクサ)。 ☆参考 「イラグサに痛くないのと痛いのとあるがこれは痛くないほう。 乾かして皮をむくと麻みたいで黒い、 その黒い皮を言う。 ipisisiphay イピシシㇷ゚ハイ とも言う。」 (S) ☞retarhay レタㇻハイ〔知分類 p.162 ipisisip オオバイラクサ〕 {E: the dried, blackish outer layers of a type of non-stinging nettle.} (出典:田村、方言:沙流)
kunneikonkap
クンネイコンカㇷ゚ §160 アオムシ(幼虫) (4) kunne-ikonkap(kún-ne-í-kon-kap)「くンネいコンカㇷ゚」⦅幌別⦆黒いアオムシ (出典:知里動物編、方言:)
kunneisomeciw(-e)
クンネイソメチウ §033.あざ(痣)(6)黒あざkunne-isomeciw(-e)〔kún-ne-i-sò-me-čiǔくンネ・イそメチウ〕[黒い・あざ] ⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunneitunnap
クンネイトンゥナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (19) kunne-itunnap(kún-ne-i-tun-nap)「くンネイトンゥナㇷ゚」⦅幌別⦆クロヤマアリ (出典:知里動物編、方言:)
kunnekamakata
クンネカマカタ §144 カラスアゲハ;ミヤマカラスアゲハ(成) (4) kunne-kamakata(kún-ne-ka-ma-ka-ta)「くンネカマカタ」⦅様似⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kunnekamuy
クンネカムイ §424 カラスヘビ(方言);シマヘビの変種 (4) kunne-kamuy (kún-ne-ka-muy)「くンネカムイ」[<黒い・神] ⦅千歳、美幌、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kunnekes
クンネケㇱ 【kunne-kes】 黒あざ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnekes(-i)
クンネケㇱ §033.あざ(痣)(3)黒あざkunne-kes(-i)〔kún-ne-kešくンネケㇱ〕[黒い・斑紋]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnekes(-i)
クンネケㇱ §700.ほくろ(黒子)(3)kunne-kes(-i)〔kún-ne-keš くンネ・ケㇱ〕[kunne(黒い)+kes(班)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnekinaemawri
クンネキナエマウリ §358 エンレイソウ (5) kunne-kinaemawri (kún-ne-ki-na-e-maw-ri)「くンネ・キナエマウリ」[黒い・草エマウリ] 果実 ⦅A沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kunnemarewrew
クンネマレウレウ §144 カラスアゲハ;ミヤマカラスアゲハ(成) (3) kunne-marewrew(kún-ne-ma-rew-rew)「くンネマレウレウ」⦅様似⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kunnenino
クンネニノ §108 うに類 (3) kunne-nino(kún-ne-ni-no)「くンネニノ」[<kunne(黒い)nino(ウニ)]⦅虻田、長万部⦆ムラサキウニ (出典:知里動物編、方言:)
kunnenisat
クンネニサッ 【kunne-nisat】 早朝,夜明け直前. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnenuma
クンネヌマ §217.髪の種類(9)黒髪 kunne-numa〔kún-ne-nu-ma くンネ・ヌマ〕[黒毛]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunneotop
クンネオトㇷ゚ 【kunne-otop】 黒髪. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnep
クンネㇷ゚ 【kunne-p】 オヒョウの皮:ネㇱコ(クルミ)の皮を煮つめて出来る黒い汁で染めたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnep
クンネㇷ゚ 【kunne-p】 黒布. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnepake
クンネパケ §309 シジュウカラ (3) kunne-pake (kún-ne-pa-ke)「くンネパケ」[<kunne(黒い)pake(頭)] ⦅春採⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kunnepas
クンネパㇱ 【名】[kunne-pas 黒い・燃えかす] 消炭(木が燃えておき(燠)になってから消えたもの)(=kunne pas クンネ パㇱ)。 ☆参考 今の「炭」(木炭)を言うにもこの語を使うこともある。 ☆参考 retarpas レタㇻパㇱ[白い・燃えかす] 木がすっかり燃えて灰になったがまだ木の形のままであるもの。 paspas パㇱパㇱ 消炭。 {E: cinders.} (出典:田村、方言:沙流)
kunnepas
クンネパㇱ 【kunne-pas】 消し炭. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnepaspas
クンネパㇱパㇱ 【kunne-pas-pas】 消し炭. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnepatta
クンネパッタ §177 コオロギ類 (2) kunne-patta(kún-ne-pat-ta)「くンネパッタ」⦅礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kunnepiyapa
クンネピヤパ §401 ヒエ (5) kunne-piyapa (kún-ne-pi-ya-pa)「くンネ・ピヤパ」[kunne(黒い)piyapa(ヒエ)] ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kunnepkar
クンネㇷ゚カㇻ 【自動】[kunne-p-kar 黒い・もの・をつくる] 着物/布を黒く染める。 ☆参考 húrepkar フレㇷ゚カㇻ 着物/布を赤く染める。 {E: to dye clothing, material black, dark.} (出典:田村、方言:沙流)
kunnepkar
クンネㇷ゚カㇻ 【kunne-p kar】 黒く染める. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnepoysas
クンネポイサㇱ §452 キタフノリ (2) kunnepoysas (kún-ne-poy-sas)「くンネポイサㇱ」[kunne(黒い)poy(<pon 小さい)sas(コンブ)] ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kunnere
クンネレ 【他動】[kunne-re 黒くなる・させる] …を黒くする。 a=kunnere pintoro ani herikasi cup or un inkar an アクンネレ ピントロ アニ ヘリカシ チュポルン インカラン 黒くいぶしたガラスで空の上の太陽を見た。(W会話) ☆参考 布や着物を黒く染めることは kunnepkar クンネㇷ゚カㇻ。 {E: to blacken…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunnere
クンネレ 【kunne-re】 黒く染める. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnerekkamuy
クンネレッカムイ §335 エゾフクロウ (1) kunne-rek-kamuy (kún-ne-rek-ka-muy)「くンネレッカムイ」[kunne(夜)rek(鳴く)kamuy(神)] ⦅美幌、屈斜路、塘路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kunnerit(c-i)
クンネリッ §412.じょおみゃく(静脈)(1)kunne-rit(c-i)〔kún-ne-ritくンネ・リッ〕[黒い・筋]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnerok
クンネロㇰ 【kunne-rok】 夜討ち(する),夜の猟(をする).▷クンネ=夜 ロㇰ=座る タヌクラン クンネロㇰ・アン クス ペサカㇻ ウシ ウン アㇻパ・アン ロー=今夜は夜猟のために鹿が来る谷地へ行くことにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneru
クンネル 【名】[kunne-ru 黒い・筋] 黒髪。 retanru kunneru upakte レタンル クンネル ウパㇰテ 白髪と黒髪と半々だ。(S) ☆参考 retanru レタンル 白髪(しらが)。 otop オトㇷ゚ 髪の毛。 {E: black hair} (出典:田村、方言:沙流)
kunnesenkaki
クンネセンカキ 【kunne-senkaki】 黒布. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneseta
クンネセタ §268 イヌ (23) kunne-seta (kún-ne-se-ta)「くンネセタ」[<kunne(黒い)seta(イヌ)] ⦅北海道⦆黒イヌ (出典:知里動物編、方言:)
kunnesiknak
クンネシㇰナㇰ §812.やもうしょお(夜盲症);とりめ(鳥目)kunne-siknak〔kún-ne-šik-nak くンネ・シㇰナㇰ〕[kunne(暗い)+siknak(盲目である)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnesiknum
クンネシㇰヌㇺ 【名】[概](所は kunnesiknumi(hi) クンネシㇰヌミ(ヒ))[kunne-siknum 黒い・目玉] 黒目、 目玉の黒い部分。 ☆参考 retarsiknum レタㇻシㇰヌㇺ 白目。 sikramat シㇰラマッ ひとみ。 {E: the irises of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
kunnesiknum(-i)
クンネシㇰヌㇺ §770.黒目(1)kunne-siknum(-i)〔kún-ne-šik-num くンネ・シㇰヌㇺ〕[黒い・目玉]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnesiknum/kunnesiknumi(hi)
クンネシㇰヌㇺ/クンネシㇰヌミ(ヒ) 【kunne-sik-num/-numi(hi)】 黒目. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnesiknumi(hi)
クンネシㇰヌミ(ヒ) 【名】[所](概は kunnesiknum クンネシㇰヌㇺ) …の黒目。 {E: the irises of…} (出典:田村、方言:沙流)
kunnesisnun(m-i)
クンネシㇱヌン §770.黒目(2)kunne-sis-nun(m-i)〔kún-ne-šiš-nun くンネ・シㇱヌン〕[黒い・目玉]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnesoyoiki
クンネソヨイキ §470.だいべん(大便)(10)夜中大小便に出る kunne-soyoiki〔kún-ne-so-yoǐ-ki くンネ・ソヨイキ〕〔夜・外へ出る〕⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnesoyokari(-an)
クンネソヨカリ §470.だいべん(大便)(15)夜中下痢などで何度も大小便に出る kunne-soyokari(-an)〔kún-ne-so-yo-ka-riくンネ・ソヨカリ〕[夜・戸外へ通う]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnesoyoyki
クンネソヨイキ §404.小便に出る(3)夜中小便しに戸外へ出る kunne-soyoyki〔kún-ne-so-yoǐ-ki くンネソヨイキ〕[夜・外へ行動する]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnesumi
クンネスミ 【名】[kunne-sumi 黒い・[< 日本語]墨] 墨。 kunnesumi esapakarkar クンネスミ エサパカㇻカㇻ [黒い墨・で頭をきれいに整える] 白髪染めで髪を黒く染める。 ☆参考 sumi スミ だけだと通常は木炭を指す。 {E: ink} (出典:田村、方言:沙流)
kunnesumi
クンネスミ 【kunne-sumi】 墨. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnetureh
クンネトゥレㇸ §098 クロマメノキ (2) kunne-tureh (kún-ne-tu-reh)「くンネトゥレㇸ」[<kunne(黒い)turep(果実)] 果実 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kunneywa
クンネイワ 【名】[kunne-i-wa 暗い・時・から] ①朝。 ②(副詞的に使われて) 朝に。 kunneywa an クンネイワ アン 朝になる。 kunneywa an kor クンネイワ アン コㇿ 毎朝。 kunneywa túnasno ek クンネイワ トゥナㇱノ エㇰ 朝早く来る。(S) kunneywa kopak クンネイワ コパㇰ 朝方(9時ごろでも)。 kunneywa-ipe クンネイワ イペ 朝食を食べる、 朝食。 {E: ①morning. ②in the morning.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunneywa
クンネイワ 【kunneywa】 朝. クンネイワ ノ チセ カ ウン パㇱクㇽ ハウコㇿ.タント アナㇰネ ピㇼカ ヤント エㇰ ナンコㇿ=朝から屋根の上へ鳥が声を出した.今日はいい客が来るであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneywa pisno
クンネイワ ピㇱノ 【kunnneywa pis-no】 毎朝.▷クンネイワ=朝 ピㇱノ=ごと イセンイセン ネア ウナㇻペ クンネイワピㇱノ イペ エペカ ノ エㇰ シリ=またしてもあのおばさん.毎朝食べているのを目がけて来ている. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneywaipe
クンネイワイペ 【kunneywa-ipe】 朝飯. オッコー ポンノ エン・テレ ナ クンネイワイペ ソモ ク・キ ア ナ ク・イペテㇰ ワ エチ・トゥラ ナ=お姉さん,少し待って,まだ朝ご飯を食べていなかったのでさっと食べてあなたと一緒に行くから.ハイー エシㇼ カ ソモ ク・イペ ヒ タ アイヌ エㇰ ペ ネ クス クンネイワイペ コイラ(ク・オイラ) アアン.ク・イペルスイ フミー=あーあ,朝食前に客がきたので朝飯を食べ忘れてしまった,腹が減ったなあ.ナー クンネイワイペ カ ソモ ノ アン ウㇱケ ウン アㇻパ・アン カルスク(カルㇱ ウㇰ) クス ク・シレン アクス ウㇰペテケハイタ コㇿ ヤイェトコイキ=まだ朝飯を食べていないところへ私は行ってきのこ採りに行こうと誘うととるものもとりあえず自分のしたくをしはじめた. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneywano
クンネイワノ 【副】[kunne-i-wano 暗い・時・から] 朝、 朝から。 ☆参考 nókunneywano ノクンネイワノ 早朝まだ暗いうちから。 {E: (from) morning.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunneywano
クンネイワノ 【kunney wano】 朝から. ヌマン シㇼピㇼカ アㇷ゚ タント クンネイワノ ソランソラン ペコㇿ アㇷ゚ト アㇱ ク・ソイネー カ エアイカㇷ゚=昨日はいい天気だったのに今日は朝から滝のような雨が降って私は外へ出ることもできない.クンネイワノ イチャアナアナ(イチャ・アン ア ・アン ア) ポーロ サラニㇷ゚ トゥㇷ゚ カ レㇷ゚ カ ア・ラㇻパ カネ ムンチロ ア・チャ=朝早くから穂摘みをして大きな袋にふたつも三つも詰め込んで,アワの穂を摘んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kunnuitak
クンヌイタㇰ 【<kunne-itak】 呪いの言葉. トゥ クンヌイタㇰ レ クンヌイタㇰ ア・コトゥリカㇻ=ふたつの呪いの言葉,三つの呪いの言葉,あの人に伸ばしてやった. (出典:萱野、方言:沙流)
kunohikes(-i)
クノヒケㇱ §037.妻(20)kunohikes(-i)〔kúŋ-či-keš くンチケㇱ〕⦅サル⦆【祈詞】妻。"e-si-kuncikesi e-pawetenke"「汝の自分の妻に汝が命令し」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
kuntukapap
クントゥカパㇷ゚ §012 サメガスベ (10) kuntukapap (kún-tu-ka-pap)「くントゥカパㇷ゚」[<kuntu(巨大な)kapa(扁平な)-p(者)] ⦅白老、幌別、虻田、長万部⦆アカエイの特に大きいもの⦅長IV 43, 虻 9⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kunumnoski
クヌㇺノㇱキ 【ku-num-noski】 弓の真ん中,弓を握る部分. ▷ク=弓 ヌㇺ=粒 ノㇱキ=真ん中(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kup(-i)
クㇷ゚ §234.かんせつ(関節)(13)kup(-i)〔くㇷ゚〕⦅H.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kupa
クパ 【他動】…を噛む、 …をかみつぶす。 urki ku=kupa ウㇽキ ククパ シラミを私はかみつぶす。(S) ☆発音 ku=pa クパ《私は見つける》と同じ発音。 ☆参考 基本的には一回かむことを言う。 何回もかむことは kupakupa クパクパ、 一回かみついたまましばらく離さないことは kupapa クパパ、 口に入れた食べ物をよくかむ(咀嚼する)ことは kuykuy クイクイ、 一部分をかむ(くわえる)ことは ekupa エクパ。 {E: to bite, chew…} (出典:田村、方言:沙流)
kupa
クパ 【kupa】 噛む,かじる. (出典:萱野、方言:沙流)
kupakupa
クパクパ 【他動】…を何回もか(噛)む、 …をかみつぶす。 ☞kupa クパ {E: to bite, chew…to pieces.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kupapa
クパパ 【他動】[kupa-pa …を噛む・(重複)](犬などが)…にかみつく、 (蚊が)さす(「かじる」)。 etutanne en=kupapa エトゥタンネ エンクパパ 私はカ(蚊)に「かじられた」(くわれた、 さされた)。(W) ☞kupa クパ {E: (for a dog, mosquito) to bite…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kupapa
クパパ 【kupapa】 噛む,かじる. アヌンクㇽ チセ ソイ クㇱ アクス セタ ピッコサヌ ア・クパパ エアㇻキンネ ケラムトゥイ(ク・エラムトゥイ)=よその人が家の前を通ったら,犬がさっと飛び出て来て噛まれて,私は本当に驚いてしまった.ハイー ヤニヤニ セタ エン・クパパ ノイネ イキ クワ アニ セタ コケウェ(ク・オケウェ) チカッポ パㇰノ ク・ヤイヌ コㇿ ク・キラ ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=いやー危なく危なく犬が,私を噛みそうにして,杖で犬を追い払い,スズメほどに思いながら逃げて来た. (出典:萱野、方言:沙流)
kuperkep
クペㇾケㇷ゚ §139 シナノキ (3) kuperkep (ku-pér-kep)「クぺㇾケㇷ゚」[<ko-perkep, ko(共に)perke(裂ける)p(もの)] 内皮、またはそれから取った繊維 ⦅美幌、屈斜路、足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuperkepni
クペㇾケㇷ゚ニ §139 シナノキ (7) kuperkep-ni (ku-pér-kep-ni)「クぺㇾケㇷ゚ニ」[クペㇽケㇷ゚の取れる木] 茎 ⦅美幌、屈斜路、足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kupita
クピタ 【kupita】 中洲:水面に出ている砂地. ホㇱキ パ タ アン ポロワッカ クスケライ ヘネ ヤ クピタ トイ ピㇼカ ポロンノ ムンチロ ケトイ夕(ク・エトイタ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ルウェ ネ ワー=前の年にあった洪水のお陰だろうか 中洲畑がよくて たくさんアワを蒔いてきたのだよ(クピタトイ=1,2年で使い捨てにする砂地畑). (出典:萱野、方言:沙流)
kupka
クㇷ゚カ 【名】くわ(鍬)(鉄部が長めの長方形で、 うね(畝)をつくる等に使われる種類の鍬)。 ☆参考 土を掘り起こし耕すための鉄部の厚いくわ(唐鍬)は tonka トンカ。 {E: a hoe; a plough.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kupkaruykep,-i
クㇷ゚カルイケㇷ゚ §429 アマガエル (5) kupkaruykep,-i (kúp-ka-ruy-kep)「くㇷ゚カルイケㇷ゚」[<kupka(鍬を)ruyke(研ぐ)p(者)] ⦅穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kur
クㇽ 【kur】 人,男. (出典:萱野、方言:沙流)
kur
クㇽ 【kur】 影. ニㇱクㇽ=雲影. (出典:萱野、方言:沙流)
kur 1
クㇽ 【名】[概](所は kuri(hi) クリ(ヒ)) ①影(うつる影)。 ②「人影」というときの「影」、 姿、 見える形。 nociw kur ka maknatara ノチウ クㇽ カ マㇰナタラ 星影(星の見える形=星)もあかあかと輝いている。(W会話) mosir kur a=nukár モシㇼ クㇽ アヌカㇻ 島影(=島の形)が見える。(W) yaykunnukarkane ヤイクンヌカㇻカネ[yay-kur-nukar-kane 自分の・姿・を見る・金属][古] 鏡。 ☆参考 日本語の「影」と同様、 うつる影のことも、 姿/形のことも言う。 {E: ①(a) shadow. ②form; external appearance.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kur 2
クㇽ 【名】[被修飾名][< kur クㇽ 1]…の人、 …する/した人。 ☆参考 動詞(動詞句)、 連体詞の後に置かれて修飾されてのみ使われる。 一般的に言って、 pe/p ペ/ㇷ゚《もの、 者》と比べると敬意を含むことが多く、 大人の男性を指すことが多い。 一人だけ。 ☆参考 二人以上には utar ウタㇻ《人々》が使われる。 ☆参考 aynu アイヌ《人間》、 utar ウタラ《人々》は修飾語なしにも使われ、 文頭にも立つことができる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kur 3
クㇽ 【名詞語根】[< kur クㇽ 1] ①影、 姿、 見える形。 ☞kur クㇽ 1 ②人。 ☞kur クㇽ 2 ③[雅](ユーカラの言葉や決まった言い回しの中で、 韻律を整える働きをする。)pet-kur-etoko ペックレトコ [川・(< 影/姿)・の先端(=水源地)] 川の水源地の所(日常語では petetoko ペテトコ)。 ☆参考 ③の場合、 kur クㇽ 自体は特別のモノを指さないが、 見える形のあるモノを表す名詞の後に置かれたり、 そうでなくても、 見える様子を描写する表現に使われることが多い。 したがって kur クㇽ 1 の用法の延長と言える。 語構成または語源の表示では、 (< 影/姿)のように書いておく。 ☆参考 見える形のないことがらや、 特に場所・位置の表現には sam/sama サㇺ/サマ がよく使われる。 ほかにこの種の決まったモノを指さず韻律を整える働きをするものに orke オㇿケ、 ta タ がある。 (出典:田村、方言:沙流)
kur(-i)
クㇽ §188.かげ(影)(1)kur(-i)〔kúrくㇽ〕⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kura
クラ 【名】[概](所は kuraha クラハ)[< 日本語](馬の)くら(鞍)。 {E: a saddle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kura/kura(ha)
クラ/クラ(ハ) 【kura/kura(ha)】 鞍,荷鞍. (出典:萱野、方言:沙流)
kuraha
クラハ 【名】[所](概は kura クラ) …のくら(鞍)。 {E: a saddle of…} (出典:田村、方言:沙流)
kurasno
クラㇱノ §168 ガンコウラン (1) kurasno (ku-rás-no)「クらㇱノ」[<kurasnoh<kurasno(黒い)-p(もの)] 果実 ⦅樺太各地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kurasnoetuhka
クラㇱノエトゥㇷカ §298 ハシブトガラス (4) kurasno-etuhka (ku-rás-no-e-tuh-ka)「クらㇱノエトゥㇷカ」[黒い・カラス] ⦅鵜城⦆ハシブトガラス (出典:知里動物編、方言:)
kurasnu
クラㇱヌ 【自動】[kur-asnu 影/現れ・(たくさんできることを表す接尾辞)] 光線によっていろいろに光る(玉虫もようのように)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
re
クレ 【複他動】[他動使役][ku-re …を飲む・させる] …に…を飲ませる。 ☆参考 ikure イクレ [他動][自動使役]酒やビール等のアルコール飲料を飲ませる。 {E: to let, make…drink…} (出典:田村、方言:沙流)
kure
クレ 【ku-re】 飲ませる. イペ ア イペ ア アイーネ ラコㇿ ワ ヘ アトゥ コㇿ アン ナ ワッカ コㇿ ワ アㇻパ クレ ワ エㇰ=食べて食べてそうして食べすぎたのか,へどを吐いているから水を持って行って飲ませて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
repa
クレパ 【複他動】[複](kúre クレ は単複の区別なし) (二人以上皆が/に)…を飲ませる。 {E: to let, make…drink… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuri ante
クリ アンテ 【連他動】[その影[所]・をいさせる](人)を笑う/嘲笑する。 na e=hotke wa e=an ruwe? iyohay, hetak hopuni, kuri a=ante na ナ エホッケ ワ エアン ルウェ? イヨーハイ、 ヘタㇰ ホプニ、 クリ アアンテ ナ (あなたは)まだ寝ているの? まああきれた、 早く起きなさい、 笑われるから。(S) ☆参考 emina エミナ《…のことを笑う》は、 嘲笑するとは限らない。 ただおかしくて/おもしろくて笑うことにも言う。 {E: to laugh, scoff at…} (出典:田村、方言:沙流)
kuri(hi)
クリ(ヒ) 【名】[所](概は kur クㇽ) …の影、 …の姿。 eci=kurí oterke wa inkaran エチクリ オテㇾケ ワ インカラン あなたたちの影を踏んでみなさい(inkaran インカラン は inkar yan インカㇻ ヤン の y が落ちた形)。 kurihi an クリヒ アン 影が映っている。 kurihi iki クリヒ イキ [その影/姿(が)・動いている] 障子の向こうを通る人や動いている人などの影が映って見える。 {E: the shadow, form of…} (出典:田村、方言:沙流)
kuri(hi)
クリ(ヒ) 【/kuri(hi)】 (〜の)影. テエータ アナㇰネ ウコイラㇺ・アㇱ ワ ネㇷ゚キ・アㇱ ペ ネ ア コㇿカ ネㇷ゚カ エン・コヤイトゥナㇷ゚ ワ ネ ノイネ クリヒ カ ソモ ク・ヌカㇻ=ずっと前は一緒に仕事をしたものであったが何か私に不満があるらしく,影も見たことがない.→クㇽ (出典:萱野、方言:沙流)
kuri(hi) an
クリ(ヒ) アン 【kuri(hi) an】 影がうつる. (出典:萱野、方言:沙流)
kuripan
クリパン 【自動】[kuri-pan その影/姿(が)・うすくなる] 姿が消える。 sekor hawean tek kor kuripan tek híne isam セコㇿ ハウェアン テㇰ コㇿ クリパン テㇰ ヒネ イサㇺ (神がお告げを)このように言うとパッと姿が消えてしまった。(W民話) {E: to disappear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuripantek
クリパンテㇰ 【kuri-pan-tek】 (ばっと)消える,見えなくなる.*目の前にいた化け物が消えたと言う時にこの言い方をする.▷クリ=影 パン=薄い テㇰ=さっと (出典:萱野、方言:沙流)
kurka
クㇽカ 【位名】[kur-ka 影/姿・の上] ①(名詞句の後に置かれて)…の(全体の)上、 …の上面一帯。 so kurka míke kane ソ クㇽカ ミケ カネ 床(ゆか)の上が光っている。(S) yukermu kurka néno an iro ユケㇾム クㇽカ ネノ アン イロ ネズミの背中のような色。(W) iresu sinta/sinta kurka/kamuy oran na/kamuy oinkar イレス シンタ/シンタ クㇽカ/カムイ オラン ナ/カムイ オインカㇻ ゆりかごの上に神様が下るよ、 そこを神様が見守ってくれるよ。(S子守歌) ②(主に雅語で、 動詞の後に置かれて)…しながら、 …ているとき。 mokor kurka ta e=ek aan hawe ne wa モコㇿ クㇽカ タ エエカアン ハウェ ネ ワ 皆が眠ってしまった後にあなたは来たんだなあ。(S) ouhuy sirka/ouhuy attus/henoo uwao/kari kurka/…/kamuy itak haw オウフイ シㇼカ/オウフイ アットゥㇱ/ヘノオ ウワオ/カリ クㇽカ/…/カムイ イタㇰ ハウ こげた刀、 こげた厚司(の着物)がクルッと回りながら(=…厚司をクルッとひるがえしながら)(中略)と神が言う声が…。(W神謡K) (注 日常語では mokor kurka ta モコㇿ クㇽカ タ [慣用句]の例が二例出たのみである。 ☞kurkasike クㇽカシケ) ☆対語 kurpok クㇽポㇰ …の下。 {E: above…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurka/kurkasi(ke)(he)
クㇽカ/クㇽカシ(ケ)(ヘ) 【kurka/kurkasi(ke)(he)】 (その)上,挙げ句に. (出典:萱野、方言:沙流)
kurkampa
クㇽカンパ §707.魔につかれたような、狐につままれたような、ぼうとした顔つきをしているkurkampa〔kúr-kam-pa くㇽカンパ〕[kur(魔が)+kampa(一面にかぶさっている、kamu かぶさる、-pa 複数語尾)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kurkamu
クㇽカム §184.顔つきがぼおとしている(3)魔がさしたようにぼおとした顔つきをしている kur-kamu〔kúr-ka-mu くㇽカム〕[kur(魔)+kamu(かぶさる)]⦅テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kurkasi
クㇽカシ 【位名】[所](概は kurka クㇽカ) …の(全体の)上、 …の上面一帯、 その(全体の)上。 uk wa orano kurkasi onupecikka ウㇰ ワ オラノ クㇽカシ オヌペチッカ (彼女は)(坊やを)だき上げてからその上にポロポロ涙をこぼした。(W民話) (出典:田村、方言:沙流)
kurkasike
クㇽカシケ 【位名】[所](概は kurka クㇽカ)(=kurkasi クㇽカシ) ①その(全体の)上(の所)、 その上面一帯。 i=kurkasike/onuperanke イクㇽカシケ/オヌペランケ [雅](鳥になって空を飛んでいる父神は)私の体の上に涙を降らせた。(W神謡語り) ②[雅](動詞句の前に置かれて)…している間に、 …しながら。 kurkasike itako クㇽカシケ イタコ[その上・に言葉を置く] そうしている間に/そうしながら話をする/しゃべり始める。 ranke núpe/uturatura/kurkasike/itako hawe/ene oka hi ランケ ヌペ/ウトゥラトゥラ/クㇽカシケ/イタコ ハウェ/エネ オカ ヒ [雅]涙をあとからあとからとめどなく流し、 そうしている間に話し始めて次のように言った。(W神謡語り) ☆発音 歌うときは kurkasike クㇽカシケ と発音され、 話すときは通常 i が落ちて kurkaske クㇽカㇱケ と発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurkaske
クㇽカㇱケ ☞kurkasike クㇽカシケ (出典:田村、方言:沙流)
kurke
クㇽケ 【名】(昔ある人が犬を呼んだ呼び方として伝えられている言葉の中に出てくる意味不明の語。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurki
クㇽキ 【名】[動物](魚の)えら。 ☆参考 cepkurki チェㇷ゚クㇽキ とも言う。 〔知分類 p.77 金594 うおのえら 鰓 クリキ イラプ〕 {E: the gills of a fish.} (出典:田村、方言:沙流)
kurki
クㇽキ §147.えら(鰓)(1)kurki〔kúr-ki くㇽキ〕⦅ホロべツ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kurki/kurki(hi)
クㇽキ/クㇽキ(ヒ) 【kurki/kurki(hi)】 鰓(えら). (出典:萱野、方言:沙流)
kurkietuk
クㇽキエトゥㇰ §186.がっかせんえん(顎下腺炎)kurki-etuk〔kúr-ki-e-tuk くㇽキ・エトゥㇰ〕[kurki(えら)+etuk(出る;e 頭、tuk 出す)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kurkot
クㇽコッ 【自動】[kur-kot 影・つく] 光り輝く。(次の対句の中で) míke kane kurkot kane ミケ カネ クㇽコッ カネ 光り輝きわたっている。 cise upsoro míke kane kurkot kane チセ ウㇷ゚ソロ ミケ カネ クㇽコッ カネ [慣用表現]家の中が光り輝くばかりに美しい。(W民話) {E: to shine; sparkle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurkotkane
クㇽコッカネ 【kur-kot-kane】 光り輝く,ぴかぴかしている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kurkotunas
クㇽコトゥナㇱ 【自動】[kur-ko-túnas 影・に・早い]「中風にかかる」=中風になる。(S) ku=kurkotunas wa ku=kema ka réne ku=teke ka réne ククㇽコトゥナㇱ ワ クケマ カ レネ クテケ カ レネ 私は中風にかかって足もきかない手もきかない。(S) 「魔がとりついて急に気分が悪くなる」 [kur(魔)+ko(それに対して)+tunas(早くなる)]((サル))〔知分類 p.388〕 {E: to be paralysed.} (出典:田村、方言:沙流)
kurkotunas
クㇽコトゥナㇱ 【kur-ko-tunas】 小児麻痺,顔面神経麻痺. ク・サハ ポ カ クㇽコトゥナㇱ アニ ヤイェウェンペ ネ アクス ネノ アン クㇽ ク・ヌカㇻ コㇿ ク・サハ ポ ケシカルン(ク・エシカルン)=亡くなった私の姉も小児麻痺で(足が)不自由であったので,そのような人を私は見ると亡くなった姉のことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
kurkotunas
クㇽコトゥナㇱ §704.魔が身にとりついて急に気分が悪くなるkurkotunas〔kúr-ko-tu-naš くㇽコトゥナㇱ〕[kur(魔)+ko(それに対して)+tunas(早くなる)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kurkotunaspe
クㇽコトゥナㇱペ 【kurko-tunas-pe】 半身不随の者. (出典:萱野、方言:沙流)
kurkus
クㇽクㇱ 【自動】[kur-kus 影(が)・…を通る] ①[慣用句]iporo kurkus イポロ クㇽクㇱ (怒って)渋い顔をしている。(S) ②☞eypottumma kurkus エイポットゥンマ クㇽクㇱ (出典:田村、方言:沙流)
kurmam(-a)
クㇽマㇺ §188.かげ(影)(2)kurmam(-a)〔kúr-mam くㇽマム〕[kur(↑)+mam(?)]⦅ホロべツ、サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
kurmat
クㇽマッ 【名】[kur-mat 人・女] 和人の女性。 ☆参考 pon kurmat ポン クㇽマッ 和人の若い女性。 tonomat トノマッ 和人の女性の敬称。 menoko/pon menoko メノコ/ポン メノコ はアイヌの女性/若い女性。 (S){E: a Japanese woman.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurmat
クㇽマッ 【kur-mat】 日本人女性,和人の女. (出典:萱野、方言:沙流)
kurohokar
クロホカㇻ 【kuroho-kar】 うねきり(をする). (出典:萱野、方言:沙流)
kuromasam
クロマサㇺ 【kur-oma-sam】 日陰:日陰をクロマサㇺといい,日なたをイコパㇰサㇺという. (出典:萱野、方言:沙流)
kuromatota
クロマトタ 【kuromatota】 暗い夜に,真っ暗い夜. クロマトタ イキコロカイキ=暗い夜ではあったけれど[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kurototkeimok
クロトッケイモㇰ §212 ミミズ (6) kurototke-imok (ku-ro-tot-ke-i-mok)「クロトッケイモㇰ」 ⦅旭川⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kurpok
クㇽポㇰ 【位名】[kur-pok 影/姿・の下] …の下面、 …の下一面。 ni kurpok ta ニ クㇽポㇰ タ 木の下に(木の(幹の)下側に、 木の下の地面に)。(S) ☆対語 kurka クㇽカ …の上面。 ☆参考 kurka クㇽカ は直接の上面を言うが、 kurpok クㇽポㇰ は、 直接の下面も離れた下の方も表す。 {E: lower area of; below.} (出典:田村、方言:沙流)
kurpok(ke) rameciw
クㇽポッケ ラメチウ 【連他動】[kurpok(ke) ram-e-ciw …の下・心・そこに・ささる](人)の問題を考えてどうなるのだろうかと心配している。 (出典:田村、方言:沙流)
kurpok/kurpoki(ke)(he)
クㇽポㇰ/クㇽポキ(ケ)(ヘ) 【kur-pok/-poki(ke)(he)】 下,下面. ニ クㇽポㇰ=木陰. (出典:萱野、方言:沙流)
kursut
クㇽスッ 【位名】[概](所は kursutu クㇽストゥ)[kur-sut 影/姿・の根元]…の根元(木なら、 幹の一番下の方)。 ☆参考 ous オウㇱ …の根元(木なら、 生えている所のすぐそば)。 {E: the root, base of…} (出典:田村、方言:沙流)
kursut/kursutu(hu)
クㇽスッ/クㇽストゥ(フ) 【kursut/kursutu(hu)】 根元:木の最下部. (出典:萱野、方言:沙流)
kursutu
クㇽストゥ 【位名】[所](概は kursut クㇽスッ) …の根元。 paratek kursutu pakno パラテㇰ クㇽストゥ パㇰノ 手(手首から先)のつけ根まで=手首まで。(W) {E: the root, base of…} (出典:田村、方言:沙流)
kuruka
クルカ 【位名】[kurka クㇽカ《…の上》が歌の中で r ㇽ の後に母音を入れて発音された形] ☞kurka クㇽカ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuruki
クルキ §147.えら(鰓)(2)kuruki〔ku-rú-ki クるキ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kurukpe
クルㇰペ 【名】霜。 kurukpe an クルㇰペ アン 霜がおりる/おりている。 kurukpe ran クルㇰペ ラン 霜がおりる。 {E: frost.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurukpeciyay
クルㇰペチヤイ 【名】[kurukpe-ciyay 霜・栓] 霜柱。 kurukpeciyay roski クルㇰペチヤイ ロㇱキ 霜柱がたつ。 {E: frost columns.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurukpekar
クルㇰペカㇻ 【自動】[kurukpe-kar 霜・にあたる] 霜にあたる。 kurukpekar kor easir sonno tópen クルㇰペカㇻ コㇿ エアシㇼ ソンノ トペン (りんごは)霜に「かかったら」(=あたると)うんと甘くなる(霜にあたらないとあまり甘くならない)。(S) {E: to be affected by frost.} (出典:田村、方言:沙流)
kuruma
クルマ 【名】[日本語] 乗用車、 自家用車。 (W) ☆参考 昔はなかった。 録音当時、 タクシー、 バス、 汽車などと合わせて aop アオㇷ゚ とも言い、 取り立てて自家用車を言うのには kuruma クルマ と言っていた。 {E: a car; a vehicle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurumakay
クルマカイ 【名】[日本語] 車櫂(くるまがい)。 {E: an oar.} (出典:田村、方言:沙流)
kuruni
クルニ §318 デロ ドロノキ (3) kuruni (ku-rú-ni)「クる・ニ」[<kurunni] 茎 ⦅美幌⦆⦅F樺太⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuruni
クルニ §319 ヤマナラシ ハコヤナギ (1) kuruni (ku-rú-ni)「クるニ」[<kurunni(→§318、注2)] 茎 ⦅屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kurunki
クルンキ 【kurunki】 栗毛馬. (出典:萱野、方言:沙流)
kurunkurun
クルンクルン 【kur-un kur-un】 影が動く.▷クㇽ=影 ウン=入る クㇽ=影 ウン=入る (クㇽウンクㇽウン→クルンクルン) (出典:萱野、方言:沙流)
kurunni
クルンニ §318 デロ ドロノキ (4) kurunni (ku-rún-ni)「クるンニ」[→下記注2] 茎 ⦅足寄⦆⦅A十勝・石狩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuruppe
クルッペ 【kuruppe】 霜. (出典:萱野、方言:沙流)
kuruppean
クルッペアン 【kuruppe an】 霜が降りる. タヌクラン クルッペアン パㇰノ メアン ヒ アナㇰネ アマㇺタㇱコㇿ ネ ナンコㇿ ワ=今夜は霜が降りるかと思うほどの寒さ,これは穀物に実が入るための寒波であろうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuruppeciyay
クルッペチヤイ 【kuruppe-ciyay】 霜柱. (出典:萱野、方言:沙流)
kuruppeeci
クルッペエチ 【kuruppe-e-ci】 霜焼け. (出典:萱野、方言:沙流)
kururup
クルルㇷ゚ §429 アマガエル (7) kururup (ku-rú-rup)「クるルㇷ゚」[<クルルと鳴く者] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kuruyse
クルイセ 【kuruyse】 ユカㇻに出て来る鳥の名前. (出典:萱野、方言:沙流)
kus
クㇱ 【kus】 通る. (出典:萱野、方言:沙流)
kus 1
クㇱ 【他動】(場所)を通る。 {E: to pass through…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kus 2
クㇱ 【位名】(川)の向こう側。 ruyka kus ta en=akkari ルイカ クㇱ タ エナッカリ 橋の向こうで追い越された。(S) {E: the other side of (a river).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kus 3
クㇱ (kusu クス 1 が弱く発音されて語末の母音が落ちた形。) ☞kus(u) クス/クㇱ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kus(u)
クス/クㇱ 【接続/後副】①(動詞句の後で) …するために、 …したから。 mosma kur kor kusu é=iki hi ka somo ne モシマ クㇽ コㇿ クス エイキ ヒ カ ソモ ネ ほかの人が持つためにあなたはするのではない。 kemaha nam kusu suy soyne rusuy ケマハ ナㇺ クス スイ ソイネ ルスイ 足が冷たくなるのにまた外へ出たがる。 ②(名詞句の後で) …のために、 …のゆえに、 そのために。 mosma kur kusu ne kunak ku=ramu モㇱマ クㇽ クス ネ クナㇰ クラム ほかの人のためだと私は思った。 ekouwepekennu kus ek エコウウェペケンヌ クㇱ エㇰ 彼はあなたの話を聞きに来た。(S) ③(kus クㇱ にならず、 常に kusu クス の形で)(関係詞的用法)そのために…する/したところの…(…する/した目的)。 kusu e=arpa p epitta e=eraman ka somo ki no hńta kusu túnas e=hosipi hawe an? クス エアㇻパㇷ゚ エピッタ エエラマン カ ソモ キ ノ フンタ クス トゥナㇱ エホシピ ハウェ アン? そのためにおまえが行った事を(行った目的である勉強を)すっかりおぼえないで、 なぜ早く帰って来たのか。 ④熟語 hi kusu ヒ クス (だ)から、 そのために。 c=e ka etoranne hi kusu arorkisne kanpi níkor cómare hine… チェ カ エトランネ ヒ クス アロㇿキㇱネ カンピ ニコㇿ チョマレ ヒネ…. 食べたくなかったからそっと紙にくるんで…。(S) hemanta kus(u)/hńta kus(u) ヘマンタ/フンタ クス/クㇱ なぜ。 mak an kus(u) マカン クス/クㇱ どういうわけで。 mak an pe kus(u) マカン ペ クス/クㇱ どういうわけで。 makanak ne kus(u) マカナㇰ ネ クス/クㇱ どういうわけで。 wa kus(u) ワ クス/クㇱ …したから、 だからこそ。 pe ne kus(u) ペ ネ クス/クㇱ/p ne kus(u) プ ネ クス/クㇱ …する/したものだから、 …する/したので。 k=eywankep ka isam, a=konere p ne kusu ケイワンケㇷ゚ カ イサㇺ、 アコネレㇷ゚ ネ クス 私が使うのがない、 粉々にされたものだから。(S) hike kusu/ayke kusu ヒケ クス/アイケ クス …する/したからといって、 …したとしても。 keray(po) kus(u) ケライ(ポ) クス/クㇱ …したおかげで。 kus(u) keray(po) …クス/クㇱ ケライ(ポ) (動詞の後に置かれて)…したおかげで。 e=an kus(u) keray(po) エアン クス/クㇱ ケライ(ポ) あなたのおかげで。 ne kus(u) koraci ネ クス/クㇱ コラチ まるで…そっくりに。 kamuy ne kus koraci an onne kur カムイ ネ クㇱ コラチ アン オンネ クㇽ まるで神のような老人。(KC民話) 使役 + kusu ye クス イェ …するように言う(間接命令)。 i=ahupte kus(u) ye イアフㇷ゚テ クス/クㇱ イェ (引用文で)彼は私たちに入りなさいと言う。(NK民話) en=ere en=ere kus ye エネレ エネレ クㇱ イェ 私に食べなさい食べなさいと言う。(S) hunakke kusu フナッケ クス ☞hunakkekusu フナッケクス。 hinakke kusu ヒナッケ クス ☞hinakkekusu ヒナッケクス。 kusu an クス アン[単]/kusu oka クス オカ[複] とても…。 sattek kusu oka サッテㇰ クス オカ (二つ以上が)とてもやせこけている。(S会話) kus(u) ne クス/クㇱ ネ (未来の表現) …する(ことになっている)、 …しようとしている、 …します。 ☞kusu ne クス ネ ☆発音 早く話すとき強調しないときはしばしば語末の母音 u が落ちて kus クㇱ と発音される。 {E: ①in order to…; because one did… ②for…; because… ③that's why for that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kusa
クサ 【他動】[単](複は kuspa クㇱパ)…を舟で川を渡す。 {E: to take…across a river by boat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kusa
クサ 【kusa】 舟で渡す. エクㇱネ ホトゥイパ ハウ アㇱ ヒクス ク・ソイネ アクス アイヌ アン ヒクス チㇷ゚ ア・サンケ ア・クサ ワ エカン(エㇰ・アン)=川の向こうへ呼ぶ声が聞こえたので外へ出ると人がいたので,私は舟を出し渡して来た.トヨㇿ(トイ オㇿ) ワ イワㇰ・アン イクサウシ タ エカン(エㇰ・アン) ヒネ ライホトゥイパアナクス(ライホトゥイパ・アン アクス) アチャポ エㇰ ヒネ イ・クサ ルウェ ネ=畑から帰って来て渡船場で高い声で呼ぶとおじさんが来て私は渡してもらった. (出典:萱野、方言:沙流)
san
クサン 【名】[ku-san 仕掛弓・棚] アマッポ(仕掛弓)を仕掛けるのに使うもの。 ani kuwari=an kúsan kay pakno upas poro アニ クワリアン クサン カイ パㇰノ ウパㇱ ポロ それを使ってアマッポを仕掛ける「弓棚」が折れるほどたくさん雪が積もる。(W) ☆参考 アマッポを仕掛ける木(kútek クテㇰ)のことか。 詳細不明。 (出典:田村、方言:沙流)
kusceppo
クㇱチェッポ 【kus-cep-po】 ドジョウ:沙流川ではチチラという. (出典:萱野、方言:沙流)
kusisi
クシシ 【kusisi】 醸す. (出典:萱野、方言:沙流)
kuskeray
クㇱケライ 【kus-keray】 (〜の)お陰で. →クスケライ (出典:萱野、方言:沙流)
kuskeray(po)/kusukeray(po)
クㇱケライ(ポ)/クスケライ(ポ) 【kus(u)keray(po)】 〜のお陰で. フーン ク・マッカㇻク エ・エㇰ ヒ ピㇱノ イモカ トㇱカ イ・カオシケ クスケライポ フンペリカ ケ(ク・エ) エアㇱカイ=まあまあ私の姪,お前は来るごとにみやげ物の山を私のために背負って来る,そのお陰で鯨の脂身を私は食べられる.タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エ・アン クスケライポ ア・ウタリウタㇻ アプンノ イワㇰ パ.ソンノ エチ・コプンテㇰ ナ=今の場合はあなたのお陰で仲間たちが無事に帰って来た.本当にあなたをほめますよ.ソンノ ク・マッネポホ イ・カオイキ クスケライポ ネㇷ゚ カ ケシㇼキラㇷ゚(ク・エシㇼキラㇷ゚) カ ソモ キ=本当に私の娘が私を養ってくれるお陰で私は何も不自由をしない.ク・イチャ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) インネウタㇻ エㇰ ワ エン・カスイ クスケライポ ア・オケッテㇰテㇰ=私が穂ちぎりをしていると,大勢の人が来て私を手伝ってくれ,そのお陰でさっと終わってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
kusnamne
クㇱナㇺネ 【後副】[kus-namne ために・(?)]…だから(?)。 ene rametok/kamuy kusnamne/koramnukuri p エネ ラメトㇰ/カムイ クㇱナㇺネ/コラㇺヌクリㇷ゚ [雅]そのように勇猛な神ですからどの神も皆おじけづいてしまうのが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kusnaotke
クㇱナオッケ 【他動】[kus-na-otke その向こう側・のほうへ・突き刺す] …を突き抜けるまで刺す。 ahaː, e=kusnaotke somo ki yakka pirka p hńta kus e=kusnaotke siri an? アハー、 エクㇱナオッケ ソモ キ ヤッカ ピㇼカㇷ゚ フンタ クㇱ エクㇱナオッケ シリ アン? まあ、 突き通して刺さなくてもいいのに、 どうして突き通るまで刺すの。(S) {E: to pierce, stab through…} (出典:田村、方言:沙流)
kusnare
クㇱナレ 【kusna-re】 通す. ハㇻキカ クㇱナレ=シナ縄を通す.シカイェヘ クㇱナレ=目釘を通す. (出典:萱野、方言:沙流)
kusnena
クㇱネナ 【kus-ne na】 〜するから,〜するよ. ホクレ ホㇱキ アㇻパ ワ アパウㇱタ チカシヒ アㇺケ ワ アヌ.タネ カㇻパ(ク・アㇻパ) クㇱネナ=早く先に行って戸の心張り棒を外しておけ,今すぐ私も行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
kuspa
クㇱパ 【他動】[複](単は kusa クサ )(二人以上を)…を舟で川を渡す。 {E: to take …across a river by boat (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuspare
クㇱパレ 【複他動】[他動使役][複](単は kuste クㇱテ)[kus-pa-re …通る・[複]・させる](二人以上に/二つ以上を皆)…を…に通す。 {E: to pass…through… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuspare
クㇱパレ 【kus-pa-re】 通らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
kusparepa
クㇱパレパ 【複他動】[他動使役][複複](単は kuste クㇱテ) (二人以上が皆)(二人以上に/二つ以上を皆)…を …に通す。 huype oro emus kusparepa フイペ オロ エムㇱ クㇱパレパ (その熊の)レバーに刀を通した(切って供した)。 {E: to pass… through… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kusta
クㇱタ 【kus ta】 だからとて. ソンノヘタㇷ゚ ウェンペ サニ ネ ロㇰ ペ クㇱタ トランネ パ ワ イペー カ エアイカㇷ゚ パ=本当のことだよ,貧乏人の血統だからとて骨惜しみをして食うことばかりもできない者たちだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kusta
クㇱタ 【kus ta】 向かいへ. クㇱタ アㇻパ=向かいへ行け. (出典:萱野、方言:沙流)
kuste
クㇱテ 【複他動】[他動使役][kus-te …を通る・させる] …に…を通す。 corpokke kuste チョㇿポッケ クㇱテ その下をくぐらす(裁縫で、 くけるとき糸を)。(W) kasi toy a=kuste カシ トイ アクㇱテ 上に土をかぶせる。 emko cipor pe a=otá emko cikuy pas a=kuste ápekor an kameasi エㇺコ チポㇿ ペ アオタ エㇺコ チクイ パㇱ アクㇱテ アペコラン カメアシ 半分は筋子をつぶしてぶっかけたような、 半分は粉炭をまぶしたようなばけもの(悪い熊の描写の常套句)。 {E: to pass…through…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuste
クㇱテ 【kus-te】 通す. イテセアニタ(イテセ・アン ヒ タ) キナ カワウセ コㇿ カイ ペ ネ クス アㇻスイネ ウォㇿ ア・クㇱテ ア・テイネカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ござを編む時にガマ草が乾いていると折れるものだから,1回だけさっと水の中を通して濡らすといいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kusu
クス 【kusu】 故に,〜ので,〜のために,それによって. アㇻパ クス=行ったので.イケマ ア・マ ワ ア・エ ヒ タ エイタサ ア・エ コㇿ クス イヨㇱキ・アン ワ ア・エコチャ.クニネ アン コㇿ ア・エコッ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=イケマを焼いて食べる時,あまり多く食べるとそれによって酔っ払ったようになりふらふらする.時にはそれで死ぬこともあるそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kusu
クス 【kusu】 〜するはず. エㇰ クス ネ アㇷ゚ マキㇷ゚ ソモ エㇰ ルウェ アン=来るはずであったのにどうして来ないのだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
kusu 1
クス 【接助/後副】☞kus(u) クス/クㇱ (出典:田村、方言:沙流)
kusu 2
クス 【副助】こそ。 káni kusu somo k=e na, eani kusu e カニ クス ソモ ケ ナ、 エアニ クス エ 私こそ食べないからあなたこそ食べなさい。(S) sore kusu ソレ クス それこそ(sore ソレ は[< 日本語])。 {E: just; indeed.} (出典:田村、方言:沙流)
kusu ne/kus ne
クス ネ/クㇱ ネ 【接助+デアル動】(未来の表現) …する(ことになっている)、 …しようとしている、 …します。 aynu itak ne ci=ye kusu ne アイヌ イタㇰ ネ チイェ クス ネ (それを)私たちはアイヌ語で言います。(S独話) núman k=ek kusu ne a korka ヌマン ケㇰ クス ネ ア コㇿカ 私はきのう来るつもりだったけれど。(S会話) e=utari e=ere yakun e=utari opitta ray kusu ne aan pe エウタリ エエレ ヤクン エウタリ オピッタ ライ クス ネ アアン ペ あなたが(これを)あなたの村人に食べさせたらあなたの村人はみんな死ぬところだったが。(NK民話) ☆発音 早く言うときは kus ne クㇱ ネ となることが多い。 (出典:田村、方言:沙流)
kusuhenea
クスヘネア 【kusu he ne a】 それでだろうか. タン チュㇰ エアㇻキンネ メアン トゥナㇱ.クスヘネア ク・コㇿ ション ウレペチヒ ウウェチ ノイネ ポッピセ ネ アン=今年の秋はとっても寒くなるのが早い.それでだろうか,子供の足の指が霜焼けしたらしく水膨れになっている. (出典:萱野、方言:沙流)
kusun 1
クスン 【後副】[kusu-un ために・(納得の助辞)] …(だ)から、 なるほど…(だ)からなのだなあ、 …のために…なのかなあ。 {E: because; for that reason.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kusun 2
クスン 【接助】(=kusu クス)(歌い方で語末に n ン が発音されたもの。 このような音は通常は表記されていない。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kusune
クスネ 【kusune】 〜するから. ホッケ クスネ=寝るから.アㇻパ クスネ=行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
kusune na
クスネ ナ 【kusune na】 〜するから. ヒナコㇿ エ・ピロ ハウェアン.ホクレ エ・ミピヒ アㇺケ.ピロ ウㇱケ ク・ヌカㇻ クスネ ナ=どこを怪我したというのだ.早く着物を脱げ.怪我した所を私が見るから. (出典:萱野、方言:沙流)
kusune wa
クスネ ワ 【kusune wa】 〜だろう. アㇻパ クスネ ワ=行くだろう. (出典:萱野、方言:沙流)
kusuperi
クスペリ 【名】[< 日本語 グスベリ < 英語 gooseberry] [植物]グスベリ。(W) (出典:田村、方言:沙流)
Kusur
クスㇽ 【名】[地名] ①釧路川。 ②釧路地方。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kusuri
クスリ 【名】[< 日本語] 薬。 kusuri o poysu クスリ オ ポイス 薬の入った小鍋。 {E: medicine.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kusuri
クスリ 【kusuri】 薬. (出典:萱野、方言:沙流)
kusuri
クスリ §260.くすり(薬)(1)kusuri〔ku-sú-ri クすり〕⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kusuriahupkarkur
クスリアフㇷ゚カラクル 【kusuri-ahupkar-kur】 薬をもらう人. ▷クスリ=薬 アフㇷ゚カラ=もらう クㇽ=人 *自殺するために毒を飲んだ者を助けるべく,人糞を水で溶かして服毒者に飲ませる前に,薬を作った人がひと口飲んでから飲ませることになっている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kusuriaspeket(c-i)
クスリアㇱペケッ §822.くすりゆび(薬指)(5)kusuri-aspeket(c-i)〔ku-sú-ri-aš-pe-ket クすり・アㇱペケッ〕[kusuri(くすり)+aspeket(ゆび)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kusurikaraaynu
クスリカラアイヌ §084.いしゃ(医者)(2)kusuri-kara-aynu〔ku-sú-ri-ka-ra-aǐ-nu クすリカラアイヌ〕[薬・作る・人]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kusurikina
クスリキナ §260.くすり(薬)(4)薬草 kusuri-kina〔ku-sú-ri-ki-na クすリキナ〕[薬・草]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kusuriohaw(-he)
クスリオハウ §260.くすり(薬)(2)薬湯 kusuri-ohaw(-he)〔ku-sú-ri-o-haw クすり・オハウ〕[薬・煎汁]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kusuriusey(-he)
クスリウセイ §261.くすりゆ;やくとお(薬湯)kusuri-usey(-he)〔ku-sú-ri-u-seǐ クすリウセイ〕[kusuri(くすり)+usey(煎汁)]⦅S. タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kusuriwahka
クスリワㇵカ §260.くすり(薬)(3)薬液 kusuri-wahka〔ku-sú-ri-wah-ka クすリワㇵカ〕[kusuri(薬)+wahka(水)]⦅マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
suwep
クスウェㇷ゚ 【名】[ku-suwe-p (鳴き声の擬音)/弓・…を煮る・もの](?) [動物]ハト(鳩)(山鳩)。 ☆参考 kúsuwep toytaː, huːci wakkataː クースウェㇷ゚ トイター、 フーチ ワッカター《鳩は畑を耕す、 おばあさんは水を汲む》と鳴く。(S)〔知分類 p.208〕 {E: a pigeon; a dove.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kusuwep
クスウェㇷ゚ 【kusuwep】 ハト. (出典:萱野、方言:沙流)
kusuwep
クスウェㇷ゚ §358 キジバト (4) kusuwep (kú-su-wep)「くスウェㇷ゚」 ⦅網走⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kusuyep
クスイェㇷ゚ 【kusuyep】 山バト(キジバト). クスイェㇷ゚ エネ レㇰ ヒ "クスイェㇷ゚ トイタ フチ ワッカタ カッケマッ スケ ポントノ イペ"=山バトがさえずる声は「山バトが畑を耕し.おばあさんが水を汲み,淑女が煮炊きをし,若殿が食べる」.*事実そのように聞こえるものである.昭和10年代のアイヌの子供たちは、山バトの声を聞くと「クスイェㇷ゚トイタ」と真似をして一緒に声を出しながら遊んだものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
kusuyep
クスイェㇷ゚ §358 キジバト (3) kusuyep (kú-su-yep)「くスイェㇷ゚」 ⦅幌別、千歳⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kut
クッ 【kut】 断崖,崖. クッコロカムイ イペカクスケライ シッヌアン=崖を持つ神が私を受けてくれたお陰で私は生きた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kut
クッ §571.のど(咽喉)(4)kut〔kút くッ〕:kuci〔クち〕(第3人称形) (出典:知里人間編I、方言:)
kut 1
クッ 【名】[概](所は kuci(hi) クチ(ヒ)) 帯。 {E: a belt; a sash.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kut 2
クッ 【名】ひどい岩崖。 {E: a harsh rocky cliff.} (出典:田村、方言:沙流)
kut 3
クッ 【名詞語根】[概](所は kuci(hi)? クチ(ヒ)) のど。 ☆参考 独立の単語としては rekut[概]/rekuci(hi)[所] レクッ/レクチ(ヒ) と言う。 kut クッ が独立の名詞として使われるかどうか不明。 所属形の長い形 kucihi クチヒ があるかどうかも不明。 {E: the throat.} (出典:田村、方言:沙流)
kut/kuci(hi) 1
クッ/クチ(ヒ) 【kut/kuci(hi)】 ①帯. クッ コㇿ=帯を締める.クッ ピタ=帯をほどく.ク・クチヒ イネ ウン=私の帯はどうした?オリキクッコㇿ=帯を高く締める.*昔話やユカㇻの中に女性が何かをしようとする時,帯を高く締め直し,さっとばかりにと描写される. (出典:萱野、方言:沙流)
kut/kuci(hi) 2
クッ/クチ(ヒ) 【kut/kuci(hi)】 ②たが. タネ タネ オンタロ クチヒ ハチㇼ ワ ウサユン ノイネ アン ナ.イテキ コネ クニネ アプンノ アヌ アニー=今にも今にも樽のたがが外ればらばらになりそうだ,砕けないように静かに置くのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuta
クタ 【他動】…を(入れ物の中から)あける/全部出す(「まかす」)、 …の中味をあける(容器の中の水などを全部捨てて空にする)、 …の中味を(ザッと)出す。 nupki kuta ヌㇷ゚キ クタ よごれ水を捨てる(昔は川や泉から水を汲んで来て使い、 使ったあとの水は外に捨てた)。 ☆参考 目的語は中味の場合もあるし、 入れ物の場合もある。 ☆参考 ekuta エクタ …の一部分を「まかす」、 こぼす。 {E: to open, spill…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuta 1
クタ 【kuta】 ①剥がれる. チマ クタ=かさぶたが剥がれる.この場合のクタというのは同じ「剥がれる」でもチマクタにのみ用いられる言葉で,別の物が剥がれるときはソソ,あるいはソㇱケ,メㇱケという. (出典:萱野、方言:沙流)
kuta 2
クタ 【kuta】 ②(入っている水を)空ける,流す,こぼす. ワッカ クタ=水を空けろ.イテキ エヘウケレ ノ コㇿ ワ アㇻパ.エ・エヘウケレ ヤㇰネ エ・クタ ワ イサㇺ ナ=傾けないようにして持って行け,お前が傾けたらこぼしてしまうぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuta 3
クタ 【kuta】 ③捨てる. ムン クタ=ごみを捨てる. (出典:萱野、方言:沙流)
kutcaktonin
クッチャㇰトゥニン §212 ミミズ (19) kutcak-tonin (kut-čak-to-nin)「クッチャㇰトゥニン」[帯ナキ] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kutcam
クッチャㇺ 【名】[概](所は kutcama クッチャマ)[kut-sam のど・(< そば)] 声、 こわね(声音)、 声の音色。 ☞ekutcam エクッチャㇺ {E: the voice; the tone of voice.} (出典:田村、方言:沙流)
kutcam konna
クッチャㇺ コンナ 【kut-sam konna】 言いはじめる. エ・クッチャㇺ コンナ ウウェトゥヌイセ=ものを言いはじめその声が滔々とよどみなく(多くはユカㇻに出て来る). (出典:萱野、方言:沙流)
kutcam(-a)
クッチャㇺ §307.こえ(声)(3)kutcam(-a)〔kút-čam くッチャㇺ〕[kut(のど)+sam(そば)]⦅ホロべツ、サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
kutcam(-a)
クッチャㇺ §571.のど(咽喉)(8)のどの中の辺 kutcam(-a)〔kút-cam くッチャㇺ〕[kut(のど)+sam(そば)]⦅ホロベツ、サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
kutcam/kutcama(ha)
クッチャㇺ/クッチャマ(ハ) 【kut-sam/-sama(ha)】 発音,声(声の音色). ペウレクㇽ ネ コㇿカ クッチャマハ ペケㇾ エアㇻキンネ イタㇰエアㇱカイ=若い人であるけれど発音もきれいだしとても話し上手だ. (出典:萱野、方言:沙流)
kutcama
クッチャマ 【名】[所](概は kutcam クッチャㇺ) …の声の音色。 kutcama pirka クッチャマ ピㇼカ 声がいい、 声がきれいだ。(S) itak kutcama uneno an イタㇰ クッチャマ ウネノ アン (二人の)しゃべる声がよく似ている。(S) {E: the tone of voice of…} (出典:田村、方言:沙流)
kutcar(-i)
クッチャㇻ §571.のど(咽喉)(9)のどの入口 kutcar(-i)〔kút-čar くッチャㇻ〕[kut(のど)+car(口)]⦅H.⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
Kutcaro
クッチャロ 【名】[kut-caro のど・その口] [地名]屈斜路。 ☆参考 caro チャロ は東部方言の形で、 沙流方言の paro パロ に当たる。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kutci
クッチ 【名】[植物]サルナシ(「コクワ」)の実(山に生えている木の実、 秋にとれる、 山ブドウより大粒で水分が多く、 甘くておいしい)。 kutci pirka クッチ ピㇼカ 「コクワ」が豊作だ(よくなっている)。(S)〔知分類 p.75「サルナシ」〕 (出典:田村、方言:沙流)
kutci
クッチ 【kutci】 コクワ,サルナシ. (出典:萱野、方言:沙流)
kutci
クッチ §136 サルナシ (1) kutci (kút-ci)「くッチ」 漿果 ⦅北海道各地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kutcikar
クッチカㇻ 【自動】[kutci-kar コクワ(サルナシ)・を採る] サルナシ(「コクワ」)を採る。 (出典:田村、方言:沙流)
kutcipunkar
クッチプンカㇻ 【kutci-punkar】 コクワつる. (出典:萱野、方言:沙流)
kutcipunkar
クッチプンカㇻ §136 サルナシ (2) kutci-punkar (kút-ci-pun-kar)「くッチプンカㇻ」[上記漿果の生じる蔓] 茎 ⦅北海道各地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kutcir(-an)
クッチㇼ §403.小便[する](3)kutcir(-an)〔kút-čir くッチㇼ〕[<kuy(小便)+cir(垂れる)]⦅ホロべツ―民譚集, p.16⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kutcunkur
クッチュンクㇽ §073 マスノスケ;オオスケ;クチグロマス;フキマス (2) kutcunkur(kút-cun-kur)「くッチュンクㇽ」⦅虻田、長万部⦆クチグロマス。 (出典:知里動物編、方言:)
tek
クテㇰ 【名】[ku-tek 仕掛弓・手] 「アマッポ」(仕掛弓)を仕掛ける木。 {E: a tree for setting up a hunting bow as a trap.} (出典:田村、方言:沙流)
kutkan
クッカン 【kutkan】 (油が)傷んでいる. ソモ クッカン ペコㇿ ク・ヤイヌ ワ スㇺ ク・ホㇰ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アㇷ゚ オヤチキ クッカン スㇺ ネ アアン.トックリ アサㇺ タ タイペヘ カ アン=傷んでいないと思ったので油を買ってきたのに,知らなかったが傷んだ油であった.瓶の底には澱もあった.スㇺ カ オホンノ ア・アヌ コㇿ スㇺタイペヘ アン ペ ネ.ネ ウㇱケヘ アナㇰネ クッカン カ キ ア・エエアイカㇷ゚ ナ オスラ アニー=油も長く置くと油の沈澱物がある.その分は傷んでいて食べられないから捨ててね. (出典:萱野、方言:沙流)
kutkaruykep
クッカルイケㇷ゚ §429 アマガエル (6) kutkaruykep (kút-ka-ruy-kep)「クッカルイケㇷ゚」[<kutka-ruyke-p(鍬・研ぐ・者)] ⦅厚真⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kutkes(-e)
クッケㇱ §571.のど(咽喉)(16)のどの奥 kutkes(-e)〔kút-keš くッケㇱ〕[kut(のど)+kes(下端)]⦅サル、ホロべツ⦆【雅】―"kay-si-kutkes-makaraye"⦅ユ研Ⅱ, p.463⦆[kay(<kan はるか>+si(自分の)+kutkes(のどの下端を)+maka(奥の方へ)+raye(押しやる)]「のどの奥の方で咳払いをする」(外から訪う時、客は入口で男ならエエエエと咳払いし、女ならオホホホと咳払いする、内の者はそれを聞くと誰か来たとて、座敷をしつらえ(横座へ新しいござを敷くなどして)入口に迎えに出る―ユ研Ⅱ, p.463脚註(3)) (出典:知里人間編I、方言:)
kutkes(-e)(a-)maknaraye
クッケㇱ(アマㇰナライェ §460.咳払いをする(1)kut-kes(-e)(a-)maknaraye〔kút-keš-mák-na-ra-ye くッケㇱ・まㇰナライェ〕[kut-kes(喉の奥)+mak(奧)+na(の方え)+raye(やる)]【ユ研Ⅱ, p、789】 (出典:知里人間編I、方言:)
kutkes(i-)
クッケㇱ §307.こえ(声)(4)kutkes(i-)〔kut-keš くッケㇱ〕[kut(のど)+kes(末)]⦅ホロベツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
kutkew(-e)
クッケウ §031.あごの骨(2)あご[の骨]kutkew(-e)〔kút-keǔくっケウ〕[kut(のど)+kew(骨)]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kutkor
クッコㇿ 【自動】[kut-kor 帯・持つ] 帯をしめる。 a=yupíhi kutkor hene ki ka somo ki no 私の兄は帯もしめずに。(NK民話) ☆参考 ekutkor エクッコㇿ[他動]…を帯にしてしめる。 ☆参考 ukoekutkor ウコエクッコㇿ 何枚もの着物を着て一緒に帯をしめる(ユーカラなどの口承文学の中でよく出てくる表現の一部)。 {E: to fasten a belt, a sash.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kutkor
クッコㇿ 【kut-kor】 (帯を)締める. (出典:萱野、方言:沙流)
kutkorkamuy
クッコㇿカムイ 【kut-kor-kamuy】 断崖の神.*昔話の中に,息子を呪う父親が断崖へ息子を突き落とすがクッコㇿカムイがそれを助けるという話が出て来る. (出典:萱野、方言:沙流)
kutkoruske
クッコルㇱケ 【名】[kutkor-uske 帯をしめる・ところ] 胴まわり、 ウエスト(帯をしめるところ)。 {E: the waist.} (出典:田村、方言:沙流)
kutmaketa
クッマケタ 【自動】[kut-mak-e-ta のど・後ろ・に・する(?)] 首をヒョイと後ろへ曲げる。 {E: to tilt back the head.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kutnoye
クッノイェ §018.赤子が父などを求めて首をまわす[口を向ける]kut-noye〔kút-no-jeくッノイェ〕[kut(のど首)+noye(ねじる)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kutomaraurep
クトマラウレㇷ゚ §144 カラスアゲハ;ミヤマカラスアゲハ(成) (2) kutomaraurep(ku-to-ma-ra-u-rep)「クトマラウレㇷ゚」⦅雪裡⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kutosintoko
クトシントコ 【kut-o-sintoko】 たがつきシントコ:漆器. ワッカ コマレ(ク・オマレ) ワ ピㇼカ クナㇰ ク・ラム クス サカエ コマレ アクス クトシントコ オイクㇱ=水を入れてみて,いいと思ったので酒を醸す粥を入れたら,たがつきの行器が漏る.図[クトシントコ] (出典:萱野、方言:沙流)
kutourikka
クトウリッカ §278 あざらし (42) kuto-urikka (ku-tó-u-rik-ka)「クとウリッカ」 ⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kutpokeciw
クッポケチウ 【他動】[kut-pok-e-ciw 帯・の下・に・さす](刀)を腰に(帯/ベルトの下に)さす。 kamuy ranke tam/a=kutpokeciw カムイ ランケ タㇺ/アクッポケチウ [雅]私は神から下されたような立派な刀を腰にさした。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kutpokeciw
クッポケチウ 【kut-pok-e-ciw】 (腰に刀を)佩(は)く.▷クッ=帯 ポㇰ=下 エ=それを エチュー=差す (クッポㇰエチュー→クッポケチュー) カムイ ランケ タㇺ ア・クッポケチュー=神授の刀を腰に差し(ユカㇻに多く出て来る) (出典:萱野、方言:沙流)
kuttar
クッタㇻ 【kuttar】 イタドリ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuttar
クッタㇻ §287 オオイタドリ (4) kuttar (kút-tar)「くッタㇻ」[中空円棒状茎] 茎 ⦅幌別⦆⦅A有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuttaramam
クッタラマㇺ §284 ウラジロタデ ウラジロイタドリ (1) kuttar-amam (kút-ta-ra-mam)「くッタラマㇺ」[中空円棒状茎に生ずる穀物] 果実 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuttarhumpe
クッタㇻフンペ §296 くじら(クジラ (8) kuttar-humpe (kut-tar-hum-pe)「くッタㇻフンペ」ナガスクジラの類⦅北海道⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kuttek
クッテㇰ 【名】(次の慣用表現の中で) kuttek supuyaha soyne クッテㇰ スプヤハ ソイネ 煙がもくもくと出る。 {E: for smoke to pour, belch out of.} (出典:田村、方言:沙流)
kuttesu(-an)
クッテス §002.あおむく(仰向く)(1)kuttesu(-an)〔kút-te-suくっテス〕[kut(のどを)+tesu(反らす)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuttesusu(-an)
クッテスス §002.あおむく(仰向く)(2)顔を仰向けにしているkuttesusu(-an)〔kút-te-su-suくっテスス〕[kut(のど)+tesu-su(tesuの反復形、反らしている)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuttoko
クットコ 【kuttoko】 反対にする,裏表になる,仰向けになる. サラㇰカムイ ネ オカ ヤッカ メノコ アナㇰネ クットコ ノ アン オッカヨ アナㇰネ ウㇷ゚シ ノ アン ペ ネ=水死した者は女は仰向けになっているし男はうつ伏せになっているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuttoko(-an)
クットコ §004.仰向けに寝る(1)kuttoko(-an)〔kút-to-koくっトコ〕[kut(のどを)+toko(つきだす)]⦅H.一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuttokohokus
クットコホクㇱ 【kuttoko-hokus】 仰向けに倒れる.▷クットコ=反対に ホクㇱ=倒れる (出典:萱野、方言:沙流)
kuttokono
クットコノ 【副】[kut-toko-no のど・を突き出す・(副詞形成)](?) 仰向けに。 kuttokono hotke クットコノ ホッケ 仰向けに寝る。(W) ☆対語 upsino ウㇷ゚シノ うつぶせに。 {E: face up.} (出典:田村、方言:沙流)
kuttokono
クットコノ 【kuttoko-no】 仰向けに,逆に. オッカイポ コンル カ タ オシッテス ワ クットコノ ハチㇼ ア・エミナ=若者が氷の上でツルッと滑って仰向けに転んで笑われた. (出典:萱野、方言:沙流)
kuttokonohotke(-an)
クットコノホッケ §566.ねる(寝る)(6)仰臥する kuttokono-hotke(-an)〔kút-to-ko-no|hót-ke くットコノ・ホッケ〕[kuttoko-no(仰向けに、kut-toko-no「のどを・つきだし・て」)+hotke(寝る)]⦅ホロベツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuttokore
クットコレ 【kuttoko-re】 反対にさせる. ウェンカムイ カ カムイ ネ ア・イェ.ラム ア・クットコレ コㇿ イピㇼカレ カ キ ㇷ゚ ネ=悪い神も神という,その思いを反対にすると人間を守ることもあるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuttom
クットㇺ 【名】[概](所は kuttomo(ho) クットモ(ホ))[kut-tom のど・の中(?)] ①のど。 ②「浪花節のようにうなる声」(低い声をふるわせるようにうなるようにして歌う声、 男性の歌い方の一つ)。 ☞kuttomsinotca クットㇺシノッチャ ☆参考 一般に「のど」は rekut レクッ。 {E: ①the throat. ②…} (出典:田村、方言:沙流)
kuttom
クットㇺ 【kuttom】 喉(声の出る所としての). (出典:萱野、方言:沙流)
kuttom
クットㇺ 【kuttom】 喉の奥から絞り出すような声を出す:浪曲師が出すような声. ウパレㇰテ エカシ エアㇻキンネ ラウンクットㇺ エアㇱカイ ペ ネ ア ワ=ウパレㇰテおじいさんは,喉の奥から声を出すのがとても上手な人であった. (出典:萱野、方言:沙流)
kuttom(-o)
クットㇺ §571.のど(咽喉)(7)のど kuttom(-o)〔kút-tom くットㇺ〕[kut(のど)+tom(中)]⦅ホロべツ、チカブミ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuttom(-o)sat
クットㇺサッ §574.のどがかわく;渇する(3)kuttom(-o)sat〔kút-tom|sát くットㇺ・さッ〕[のど・乾く]⦅ホロベツ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuttom(-o)sattek
クットㇺサッテㇰ §574.のどがかわく;渇する(4)kuttom(-o)sattek〔kút-tom|sát-tek くットㇺ・さッテㇰ〕[のど・ちょっと乾く]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuttomo(ho)
クットモ(ホ) 【名】[所](概は kuttom クットㇺ) ①のど。 kuttomo oun クットモ オウン のどにつまる(=rekuci oun レクチ オウン)。 kuttomo sat/satsat クットモ サッ/サッサッ のどがかわいた(rekuci sat/satsat レクチ サッ/サッサッ)。 ②「浪花節のようにうなる声」(低い声でうなるように歌う声、 男性の歌い方の一つ)。 kuttomo pirka クットモ ピㇼカ のどがいい(男性の歌い方として、 うなるのが上手である)。(S) {E: ①the throat. ②…} (出典:田村、方言:沙流)
kuttomsinotca
クットㇺシノッチャ 【名】[kuttom-sinotca のど・歌](男性の歌い方の一つとして)「浪花節みたいな声を出してうなること」(=低い声をふるわせて、 うなるような声で歌うこと)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
kuttomtokse
クットㇺトㇰセ §573.のどぼとけ(喉仏);喉頭結節(4)kuttom-tokse〔kút-tom-tok-se くットㇺトㇰセ〕[のど・凸出した]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuttotta
クットッタ 【名】[kut-totta のど・大袋][動物](鳥の)胃袋。 cikap kuttotta チカㇷ゚ クットッタ 鳥の胃袋。 ☞totta トッタ {E: the stomach (of a bird.).} (出典:田村、方言:沙流)
kutu
クトゥ 【kutu】 梁. (出典:萱野、方言:沙流)
kutunesas
クトゥネサㇱ §468 ワカメ ナンブワカメ (1) kutunesas (ku-tú-ne-sas)「クとゥネサㇱ」[kutu(円棒)ne(状の)sas(コンブ)] ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kutuntonin
クトゥントニン §212 ミミズ (18) kut-un-tonin (kút-un-to-nin)「くトゥントニン」 ⦅幌別⦆タマクラミミズ (出典:知里動物編、方言:)
kutusas
クトゥサㇱ §468 ワカメ ナンブワカメ (2) kutu-sas (ku-tú-sas)「クとゥサㇱ」[“円棒・昆布”] ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kututur
クトゥトゥㇽ 【名】[概](所は未出。 utur ウトゥㇽ の所は uturu(hu))[kut-utur きりたった岩崖・の間] きりたった岩崖の間の狭く深い所。 {E: between steep rocky mountains.} (出典:田村、方言:沙流)
kuwa
クワ 【名】[概](所は kuwa(ha) クワ(ハ)) ①杖。 ②墓標。 raykur kuwa ライクㇽ クワ 死んだ人の杖すなわち墓標。 ③利子。 kuwa kor kane クワ コㇿ カネ [熟語] (文字通りには)杖をついて=利子がついて。 onaha korpa p opitta kuwa kor kane a=hosíppare nankor オナハ コㇿパㇷ゚ オピッタ クワ コㇿ カネ アホシッパレ ナンコㇿ 彼の父親が持っていたものは全部利子がついて返されるでしょう。(W民話) {E: ①a stick; a staff. ②a grave marker. ③interest.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuwa
クワ 【kuwa】 杖. クワエチャラセ=杖で滑る.クワエテテ=杖をつく.図[クワ] (出典:萱野、方言:沙流)
kuwa
クワ 【kuwa】 利息,利子. ネアクㇽ イチェン ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) アクス ポーロ クワ エテテレ ワ エン・コホシピレ=あの人に金を貸したら大きく利息を持たせて返してくれた.クワ コㇿ ワ エㇰ=利子がつく(クワ=杖 コㇿ=持つ ワ=する エㇰ=来る).*昔は金はなかったが,物を貸したらそれに何か利子をつけて返して来た.そのことを杖を持って帰って来たと言った. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwa
クワ 【kuwa】 墓標. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwaecarase
クワエチャラセ 【kuwa-e-carase】 杖で滑る:杖で体を支えて急な斜面を滑り下りる.▷クワ=杖 エ=それで チャラセ=滑る (出典:萱野、方言:沙流)
kuwaha
クワハ 【名】[所](概は kuwa クワ)…の杖、 …の墓標。 {E: the stick, staff, grave marker of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuwakore
クワコレ 【kuwa-kore】 礼をする,謝礼をする:品物か何かで. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwamuraypa
クワムライパ 【kuwa muraypa】 墓標を撫でる. トゥシㇼ ア・オウリ ヒ タ クンネ コポンチ ソナピヒ イタンキ オルン ア・ウㇰ ワ ア・アヌ ア・テケヘ ア・コタチ ワ クワ ア・ムライパ ㇷ゚ ネ=墓穴を掘る時に,黒粘土をお椀に山盛りに取っておきそれを手のひらに塗りつけ,墓標を撫でるものである. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwan
クワン 【副】まっすぐに、 (崖が)切り立って。 kuwan as クワン アㇱ 急だ、 切り立っている。 kuwan as hur/kuwan as nupuri クワン アㇱ フㇽ/クワン アㇱ ヌプリ 切り立った山。 ☆参考 okuwas/okuwan as オクワㇱ/オクワン アㇱ よりもさらに急で、 高くなくても切り立っていることを言う。 {E: rising steeply.} (出典:田村、方言:沙流)
kuwan
クワン 【kuwan】 真っ直ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwanno
クワンノ 【副】まっすぐに。 kuwanno reye yak pirka korka ekesinne henoye uske ka an クワンノ レイェ ヤㇰ ピㇼカ コㇿカ エケシンネ ヘノイェ ウㇱケ カ アン まっすぐに這えばいいけれどあちこち曲がったところもある(ノートに文字を書くのを虫がはうのにたとえて言った言葉)。(S) kuwanno e=arpa yakun クワンノ エアㇻパ ヤクン (あなたが)まっすぐ行けば。(S) {E: directly; straight.} (出典:田村、方言:沙流)
kuwanno
クワンノ 【kuwan-no】 真っ直ぐに.簡単に. タパン ナイ エ・トゥラシ シトゥ イクㇱ タ アン ポン ナイ クワンノ エ・サン コㇿ ポロ ペッ アン ナ ピタㇻ オッタ(オㇿ タ) レウシ アニー=この沢をのぼって峰の向こう側にある小沢を真っ直ぐに下って行くと大きい川があるので,川原に泊まるのだよ.タント アナㇰネ ホカンパ イタㇰ ソモ ク・イェ ノ ヘル クワンノ ク・イタㇰ=今日は難しい言葉を私は言わずにごく簡単にしゃべる. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwapet
クワペッ 【kuwa-pet】 一串の魚の切り身:一串分のサケの切り身に紐を通した物をいう. ク・コㇿ ション タパン クワペッ エアウネ コㇿ ワ アㇻパ アニー=孫よ,この一串の魚を隣へ持って行ってね. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwapet(c-i)
クワペッ §554.にく(肉)(24)棒状の切って乾したクマの肉 kuwa-pet(c-i)〔ku-wá-pet クわ・ペッ〕[kuwa(棒)+pet(裂片)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuwapetne
クワペッネ 【kuwapet-ne】 縦切りに(肉を). カㇺ ア・サカンケ ヒ タ アナㇰネ ルウェ キミ パㇰノ ネ クワペッネ ア・カㇻ ア・スパ ヒネ ア・テイパ ワ ア・ヌカㇻ ポンノ オケㇺタヤイケ パㇰノ ア・スパ ス ポㇷ゚ ウㇱケ ワ ア・ヤンケ コㇿ ピㇼカ サカンケカㇺ ネ ア・カㇻ エアㇱカイ=肉を煮て干す場合は,太いトウモロコシほどに肉を縦切りにして,それを煮て,つまんでみて少し血がにじむくらいに煮てから鍋の煮え立っているところから上げるとおいしい干し肉が出来るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwapetne kar
クワペッネ カㇻ 【kuwapet-ne kar】 縦に切る. ポンノ ホㇿセ チェㇷ゚ ネ ヤ カㇺ アナㇰネ クワペッネ ア・カㇻ ワ ア・パラㇰカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ=少し痛んだ魚とか肉は縦に切ってそれに煤けた味をつけるといいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwari
クワリ 【自動】[ku-ari 弓・を置く](=kuari クアリ)(動物を獲るための)アマッポ(仕掛弓)をしかける。 {E: to set a hunting bow as a trap to catch game.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuwari
クワリ 【ku-ari】 仕掛け弓:クネニ(オンコの木),タッ(ガンビの木の皮),トペニ(イタヤの木),パㇱクㇽエㇷ゚ カ(ツルウメモドキの繊維から作った糸),他で作る. 図[クワリ] (出典:萱野、方言:沙流)
kuwari
クワリ 【kuwari】 仕掛け弓の糸を張ってあるところ:熊の足が糸に触れると矢が発射する.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kuwas
クワㇱ 【名】[< 日本語クワシ] 菓子。 ☆参考 tópenpe トペンペ《甘いもの》、 umay ウマイ[< 日本語]《おいしいもの》のような言い方もある。 {E: sweets.} (出典:田村、方言:沙流)
kuwas
クワㇱ 【kuwas】 菓子の類. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) アナㇰネ クワㇱ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ノオカ チェ(チ・エ) カ エアイカㇷ゚ ペ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰネ トペンペ カ ネㇷ゚ パㇰノ アン=私が子供の頃は菓子というものはそれほど食べられなかったが,今は甘い物もいくらでもある. (出典:萱野、方言:沙流)
kuwe(he)
クウェ(ヘ) 【名】[所](概は ku ク)…のアマッポ(熊などを獲るための仕掛弓)。 ☆参考 普通の手に持って矢を射る弓も、 概念形はアマッポと同じく ku ク だが、 その所属形は kúhu クフ。 (出典:田村、方言:沙流)
kuwekay
クウェカイ 【名】[kuw-e-kay アマッポ(仕掛弓)・その頭(が)・折れる][古](月の名)2月。 ani kuwari=an kúsan kay pakno upas poro wa kusu kuwekay アニ クワリアン クサン カイ パㇰノ ウパㇱ ポロ ワ クス クウェカイ アマッポ(仕掛弓)を仕掛けるために使う弓棚が折れるほど雪がたくさん積もるからクウェカイ。(W) (出典:田村、方言:沙流)
kuwekaycup
クウェカイチュㇷ゚ 【ku-e-kay-cup】 11月. (出典:萱野、方言:沙流)
kuy
クイ 【kuy】 噛む. (出典:萱野、方言:沙流)
kuy
クイ 【kuy】 小便. (出典:萱野、方言:沙流)
kuy 1
クイ 【他動】(食物)をかむ、 …を咀嚼(そしゃく)する。 ☆参考 何回もよくかむことは kuykuy クイクイ、 ガブリと一口かんだりかみついたりかみつぶしたりすることは kupa クパ、 kupapa クパパ、 kupakupa クパクパ。 ボリボリかじることは kepkepi ケㇷ゚ケピ。 {E: to bite, chew…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuy 2
クイ 【名詞語根】尿。 ☆参考 kuywakka クイワッカ 尿、 小便の水。 okuyma オクイマ 小便(オシッコ)する。 {E: urine.} (出典:田村、方言:沙流)
kuy(-e
クイ(エ §402.しょおべん(小便)(1)kuy(-e〔H.〕、-he〔S.〕)〔kúǐ くイ〕⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuy(a-an-)
クイ §222.かむ(噛む)(1)kuy(a-;an-)〔kúǐ くイ〕⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuyak
クヤㇰ §306 ヒバリ (9) kuyak (ku-yák)「クやㇰ」[<鳴き声] ⦅千歳⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kuyepohko
クイェポㇹコ §447 エブリコ (7) kuyepohko (ku-yé-poh-ko)「クいェポㇹコ」[<kuyopohko] ⦅落帆⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuyetesu(-an)
クイェテス §407.小便を山なりに出すkuyetesu(-an)〔kúǐ-e-te-su クいえテス〕[kuy(尿)+e(で)+tesu(反らす)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuykarus
クイカルㇱ §447 エブリコ (3) kuy-karus (kúy-ka-rus)「くイカルㇱ」[グイマツ(の)・キノコ] ⦅A⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuykuy
クイクイ 【他動】[kuy-kuy …をかむ・(重複)] …をよく(何回も)かむ/咀嚼する、 (小鳥が)ついばむ。 ☆参考 かじることは kepkepi ケㇷ゚ケピ、 カブリとかむことは kupa クパ、 口にくわえることは ekupa エクパ。 {E: to chew…well; (for a small bird) to peck (at)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuykuy
クイクイ 【kuy-kuy】 噛む,かじる,噛み砕く. トオーㇷ゚ キㇺ タ シノ ナㇺ ワッカ ア・ク ヒ タ アナㇰネ ア・クイクイ ペコㇿ イキ・アン ペ ネ.ソモ ア・クイクイ コㇿ ア・ホニヒ アㇻカ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン=ずうっと山奥で本当に冷たい水を飲む時は,噛み砕くようにするものだ.噛み砕かないと腹病みをするものなので聞いておきなさい(冷水を温めることを教える)."ヘマンタ エ・クイクイ コㇿ エ・アン シリ アン" "ア・セイレカ キミ ヌㇺ ク・クイクイ コㇿ カン(ク・アン) ルウェ ネ ワー"=「何をかじっているのですか?」「いりトウモロコシの粒をかじっているのだよ」タアン ポンペ ウヌフ イワㇰ モイレ ㇷ゚ ネ クス チㇱ ワ ク・ヤイコウェンヌカㇻ アマㇺ ア・クイクイ パㇻ アニ ア・ヌンヌンカ=この子の母が帰りが遅くて泣いて困ったので,ご飯を口に噛んで口移しで吸わせた. (出典:萱野、方言:沙流)
kuykuy
クイクイ §362 その他(シギの類) (1) kuykuy (kúy-kuy)「くイクイ」[<鳴き声] ⦅白浦、多来加⦆シギの類(比較的小さいもの) (出典:知里動物編、方言:)
kuykuy(a-an-)
クイクイ §222.かむ(噛む)(2)吐き出すために噛み噛みする kuy-kuy(a-;an-)〔kúǐ-kuǐ くイクイ〕⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuyohpise
クヨㇹピセ §696.ぼうこう(膀胱);小便袋(3)kuyoh-pise〔ku-jóh-pi-se クよㇹ・ピセ〕[kuyoh(<kuy-o-p 尿・入っている・もの)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuyomohko
クヨモㇹコ §447 エブリコ (6) kuyomohko (ku-yó-moh-ko)「クよモㇹコ」[<kuyopohko] ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuyop(-i)
クヨㇷ゚ §696.ぼうこう(膀胱);小便袋(5)kuyop(-i)〔ku-jóp クよㇷ゚〕[kuy(尿)+o(入っている)+p(もの)]⦅サル、ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuyopise
クヨピセ §696.ぼうこう(膀胱);小便袋(2)kuy-o-pise〔ku-jó-pi-se クよ・ピセ〕[kuy(小便)+o(入っている)+pise(ゴム状の袋)]⦅マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuyopohko
クヨポㇹコ §447 エブリコ (5) kuyopohko (ku-yó-poh-ko)「クよポㇹコ」[<kuy-o-pok-ka-o-p グイマツ(の)・尻・の下・の所・にいる・者] ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuyoy
クヨイ 【名】[概](所 kuyoye(he) クヨイェ(ヘ) は未出)[kuy-o-hi 尿・入る・ところ] 膀胱(「小便袋」)。 {E: the bladder.} (出典:田村、方言:沙流)
kuyoy pise
クヨイ ピセ 【名】[膀胱・ふうせんのようにふくらむ/ふくらんだ袋](熊の)膀胱の袋(熊の膀胱をきれいに洗ったもの、 袋として利用する。) “a=ewár kor pisene, a=sikónum kor kaptek pe hńta an?” “kuyoy pise” 「アエワㇻ コㇿ ピセネ、 アシコヌㇺ コㇿ カㇷ゚テㇰ ペ フンタ アン?」「クヨイ ピセ」 「吹けばふくらみ吸えばペチャンコになるものはなあに?」「(熊の)膀胱の袋。」(なぞなぞ) (S) {E: the bladder (of a bear).} (出典:田村、方言:沙流)
kuyoy(-e)
クヨイ §696.ぼうこう(膀胱);小便袋(1)kuyoy(-e)〔ku-jóǐ クよイ〕[kuy(小便)+o(入っている)+i(もの)]⦅クッシャロ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuyoy/kuyoye(he)
クヨイ/クヨイェ(ヘ) 【kuy-oy/-oye(he)】 膀胱(ぼうこう),水袋(鹿の膀胱). キムンカムイ クヨイェヘ アナㇰネ ワッカ ア・オマレ ワ ア・ポロレ ヤッカ シネ チョンパ パㇰノ ア・オマレ エアㇱカイ.ユㇰ クヨイ アナㇰネ レ チョンパ カ ア・オマレ パㇰノ ポロ ㇷ゚ ネ=熊の膀胱は水を入れて大きくしても1升ぐらいしか入らない.鹿の膀胱は3升も入れられるぐらい大きいものだ.図[クヨイ] (出典:萱野、方言:沙流)
kuyra
クイラ 【他動】(…のところへ)忍んで行く。 waranpe kuyra wa arpa wa nísapno ureetursere, yak irupi irammakaka an na ワランペ クイラ ワ アㇻパ ワ ニサㇷ゚ノ ウレエトゥㇽセレ、 ヤㇰ イルピ イランマカカ アン ナ ワラビに忍び足で近づいて行って急にけとばしなさい、 そうすれば澱粉がきれいに出ているから。(S) kuyra wa arpa, ramu tuypa クイラ ワ アㇻパ、 ラム トゥイパ そっと行っておどかしてやりなさい。(S) {E: to sneak to…} (出典:田村、方言:沙流)
kuyra
クイラ 【kuyra】 後をつける,尾行する. キムンカムイ アナㇰネ ア・シトマ ㇷ゚ ネ,ア・クイラ ヒ パㇱテ コㇿ ヤイルカエホシピ ニ センピㇼ タ イェトコウㇱ(イ・エトコウㇱ) ペ ネ=熊は恐ろしいものだ,後をつけられたことに気づくと自分の足跡を迂回して木の陰で待ち伏せをするものだ.スイスイ アヌン メノコ クイラ コㇿ アン ナ.ネンカ アン パコアッ キ ヤㇰ ウェン ナ シノッチャキ コㇿ オㇱ アㇻパ=またしても他の女を尾行している.なんらかの間違いをすると悪いので歌を歌いながら後へ行け. (出典:萱野、方言:沙流)
kuysamausi
クイサマウシ §646.膝の関節;しつかんせつ(2)kuysama-usi〔kúǐ-sa-ma-u-ši くイサマウシ〕[kuysama(<kuysapa 膝頭)+usi(関節、ついている所)]⦅マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuysapa
クイサパ §645.ひざかぶ;ひざがしら;膝蓋部(8)kuysapa〔kúǐ-sa-pa くイサパ〕[<kum(ひざ)+sapa(かしら)]⦅タライカ、シラウラ、マオカ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuysapaaraka
クイサパアラカ §645.ひざかぶ;ひざがしら;膝蓋部(9)膝かぶの痛む病気 kuysapa-araka〔kúǐ-sa-pa-a-ra-ka くイサパ・アラカ〕[ひざかぶ・痛む]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuysapaihri
クイサパイㇶリ §646.膝の関節;しつかんせつ(1)kuysapa-ihri〔kúǐ-sa-pa-iç-ri くイサパイㇶリ〕[膝・関節]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuysi
クイシ §644.ひざ(膝)(4)kuysi〔kúǐ-ši くイシ〕[<kum-si<kum-usi]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuytakpe
クイタㇰペ 【名】[ku-itak-pe (?)・ものを言う・もの](?) 境界棒、 自分の見つけた場所などを示す十字柱(木を十文字に、 ちょうど十字架のような形に組み合わせたもの。 「ここがおれの見つけたところだというようなところに立てておく」)。(S) kuytakpe néno oka ru or ta iteki cisekar=an pe ne na, inan kur ka hokus pe ne wa a=sitóma p ne na クイタㇰペ ネノ オカ ル オッタ イテキ チセカㇻアン ペ ネ ナ、 イナン クㇽ カ ホクㇱ ペ ネ ワ アシトマㇷ゚ ネ ナ 十字路には家を建てるものではないよ、 だれかひっくりかえる(=つぶれる)んだから恐ろしいんだから。(S) ☆発音 kú=itak pe クイタㇰ ペ《私がものを言うの、 私がしゃべるのに》と同じ発音。 ☆参考 toypunki トイプンキ《土地の番人》とも言う。 ☆参考 〔久辞典稿:「境界標」〕〔萱民具 p.197 につくり方や使途などについてのよりくわしい説明がある。 ku ク は「私」と解釈されている〕 {E: a boundary marker, in the form of a wooden cross.} (出典:田村、方言:沙流)
kuytakpe-ihunarap
クイタㇰペイフナラㇷ゚ 【名】[kuytakpe-ihunara-p 十字柱・さがしものをする・もの] さがしものをするときに持って歩く十字柱(「枯れヨモギを十字に組み合わせたもの、 これに inonnoitak イノンノイタㇰ して(魂を入れ言葉を入れて)持って歩くと必ず落とした所へ行き、 探しものが見つかる」)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
kuytoh
クイトㇹ §347 ガン(雁);マガン (2) kuytoh (kúy-toh)「くイトㇹ」 ⦅富内⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kuytok
クイトㇰ §347 ガン(雁);マガン (3) kuytok (kúytok)「くイトㇰ」 ⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kuytop
クイトㇷ゚ 【名】[動物]ガン(雁)。 kuytop say クイトㇷ゚ サイ 雁の列。 kuytop kamuy hopunpa siri apkas siri a=koykar sinot hararki sekor a=ye クイトㇷ゚ カムイ ホプンパ シリ アㇷ゚カㇱ シリ アコイカㇻ シノッ ハラㇻキ セコライェ 雁の神が飛んで歩く様子を模した遊び(踊り)をハララキと言う。(S独話)〔知分類 p.203 ガン;マガン〕 {E: a wild goose.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuytop
クイトㇷ゚ 【kuytop】 ガン〔鳥〕. (出典:萱野、方言:沙流)
kuytop
クイトㇷ゚ §347 ガン(雁);マガン (1) kuytop (kúy-top)「くイトㇷ゚」 ⦅近文、美幌、屈斜路、静内、浦河、穂別、幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kuytopkina
クイトㇷ゚キナ §190 クサフジ (2) kuytop-kina (kúy-top-ki-na)「くイトㇷ゚キナ」[雁・草] 茎葉 ⦅様似⦆⦅A沙流・上川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuytopkina
クイトㇷ゚キナ §344 エゾカンゾウ (3) kuytop-kina (kuy-top-ki-na)「くイトㇷ゚・キナ」[雁・草] 葉 ⦅A上川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuytopkina
クイトㇷ゚キナ §380 ウキヤガラ (2) kuytop-kina (kúy-top-ki-na)「くイトㇷ゚キナ」[雁・草] 稈 ⦅千歳ネシコシ⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuywahka
クイワㇵカ §402.しょおべん(小便)(3)kuy-wahka〔kúǐ-wah-ka くイワㇵカ〕[<kuy-wakka]⦅S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kuywakka
クイワッカ 【名】[kuy-wakka 小便・水] 小便、 尿、 オシッコ。 kuywakka us wa an クイワッカ ウㇱ ワ アン 小便(尿)がついている。(S) ☆参考 小便(オシッコ)をすることは okuyma オクイマ。 {E: urine.} (出典:田村、方言:沙流)
kuywakka
クイワッカ 【kuy-wakka】 小便. (出典:萱野、方言:沙流)
kuywakka
クイワッカ §402.しょおべん(小便)(2)kuy-wakka〔kúǐ-wak-ka くイワッカ〕[kuy(小便)+wakka(水)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mahkaraku
マㇵカラク §030.めい(姪)(3)mahkaraku〔máh-ka-ra-ku まㇵカラク〕⦅S.⦆姪。[<mat-karku]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
mahneikupakikir
マㇵネイクパキキㇼ §111 クワガタムシ;鍬形虫 (3) mahne-ikupakikir(mah-neikupakikir)「まㇵネイくパキキㇼ」クワガタムシ類の成虫(♀) (出典:知里動物編、方言:)
mahnekuh(ru-ru)
マㇵネクㇷ §003.おんな(女)(9)mahnekuh(ru、-ru)〔máh-ne-kuh まㇵネクㇷ〕[mah(mat 女)+-ne(である)+kuh(kur ひと)]⦅S.⦆女。〜pahno ko-yaymatuh⦅ニイトイ⦆「一人前の女に成人した」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
mahnekuha
マㇵネクハ §448.すわる(座る)(18)横座り;膝を折って座って両足を横へ出すようにして片尻を床につけて座る座り方 mahnekuh-a〔máh-ne-kuh-á: まㇵネクㇷあー〕[女・座り]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mahnekuha ki
マㇵネクハ キ §448.すわる(座る)(19)横座りする mahnekuh-a ki〔máh-ne-kuh-á:-kí: まㇵネクッあー・きー〕[女座りを・する]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mahnekuhpo
マㇵネクㇷポ §021.子(9)mahnekuh-po〔máh-ne-kuh-pó まㇵネクㇷ・ぽ〕⦅S.⦆女児。[‘女・児'の義]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
mahnekuhran(an-)koro
マㇵネクㇷランコロ §603.はつじょう(発情)[する](4)女心がつく mahnekuh-ran-(an-)koro〔máh-ne-kuh-ran|(aŋ-)ko-ró まㇵネクㇷ・ラン・コろ〕[女・心を・もつ]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mahtekuh(ru/-ru)
マㇵテクㇷ §003.おんな(女)(10)mahtekuh(ru/-ru)〔máh-te-kuh まㇵテクㇷ〕⦅ウソロ⦆女。[<mat-ne-kur]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
mahtekuhrampokonte
マㇵテクㇷランポコンテ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(28)女が男に肌身を許す mahtekuh-rampo-konte〔máh-te-kuh-ram-po-kon-te まㇵテクッ・ランポ・コンテ〕[mahtekuh(女)+ram-po(心、-poは指小辞)+konte(与える)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
makacinkanhokus(-an)
マカチンカンホクㇱ §003.仰向けに倒れて足を宙にばたばたさせる(2)maka-cin-kan-hokus(-an)〔ma-ká-čiŋ-kan-ho-kùšマかチンカンホくㇱ〕[maka(のど)+cin(足)+kan(末)+hokus(倒れる);後方へひっくり返ってその勢いで両足が宙を切る]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mákahokus
マカホクㇱ 【自動】[maka-hokus 後ろへ・倒れる] 仰向けに倒れる。 {E: to fall over face up.} (出典:田村、方言:沙流)
makahokus
マカホクㇱ 【maka-hokus】 仰向けになる,仰向けに倒れる,ひっくり返る. ア・ミッポホ ポニケヘ(ポン ヒケヘ) コㇿ ワ アン ペ ア・コウㇰ コㇿ マカホクㇱ ワ ライ ホケレケレ コㇿ チㇱ ペ ネ=私の孫,小さいほうのは持っているものを取ると仰向けになり,足をばたばたさせて泣くものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
makun
マクン 【連体】[mak-un 奥・にある] 奥の、 (海側でなく)山側の。 (=mak un マㇰ ウン) {E: the innermost…; the mountains (as opposed to the sea.).} (出典:田村、方言:沙流)
makun-amunin
マクンアムニン/マクナムニン 【名】[概](所は makun-amunini マクンアムニニ)[mak-un-amunin 奥・にある・腕] 上はく、 腕のひじから上の部分。 {E: the upper arm.} (出典:田村、方言:沙流)
makun-amunini
マクンアムニニ/マクナムニニ 【名】[所](概は makun-amunin マクンアムニン)…の腕のひじから上の部分。 {E: the upper arm of…} (出典:田村、方言:沙流)
makunamunin(-i)
マクナムニン §127.うで(腕)(8)にのうで makun-amunin(-i)〔ma-kú-na-mu-nin マくナムニン〕[makun(奥の)+amunin(うで)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
makunapa
マクナパ §374.しきゅう(子宮)(4)makun-apa〔ma-kú-na-pa マくナパ〕[奥の・戸口]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
makunekasi
マクネカシ §013.先祖;祖先(4)mak-un-ekasi〔má-ku-ne-ka-ši まクネカシ〕⦅ホロベツ、アショロ⦆先祖の翁(曾祖父以上の)。[mak(奥、山手)+un(にいる)+ekasi(祖父、翁)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
makunhuci
マクンフチ §013.先祖;祖先(8)mak-un-huci〔má-kun-Fu-či まクンフチ〕⦅ホロベツ⦆先祖の婆(曾祖母以上の)。[mak(奥、山)+un(にいる)+huci(祖母、婆)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
makunni
マクンニ §223 ナナカマド (6) makun-ni (ma-kún-ni)「マくンニ」[mak(山の方)un(にある)ni(木)] 茎 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
makunnimah(k-i)
マクンニマㇵ §582.は(歯)(15)臼歯 makun-nimah(k-i)〔ma-kún-ni-mah マくン・ニマㇵ〕[makun(奥の)+nimah(歯)]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
makunnimak(-i)
マクンニマㇰ §582.は(歯)(14)奥歯;臼歯 makun-nimak(-i)〔ma-kún-ni-mak マくン・ニマㇰ〕[奥の・歯]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
makunoksut tokse
マクノㇰスッ トㇰセ §056.頭の後部;後頭部(10)後頭部隆起[している] makun-oksut tokse〔ma-kú-nok-sut|tók-se マくノㇰスッ・とㇰセ〕[makun-oksut(後頭部)、tokse(凸出している)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
makunoksut(-u)
マクノㇰスッ §056.頭の後部;後頭部(7)makun-oksut(-u)〔ma-kú-nok-sut マくノㇰスッ〕[mak(後)、mak-un〔マくン〕(後の)、 oksut(うなじ;うなじの奥、うなじの上方)⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
makuntapsut(-u)
マクンタㇷ゚スッ §127.うで(腕)(7)にのうで makun-tapsut(-u)〔ma-kún-tap-sut マくンたㇷ゚スッ〕[奥の・うで]⦅チカブミ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
makuykuy
マクイクイ §362 その他(シギの類) (2) ma-kuykuy (má-kuy-kuy)「まクイクイ」[<ma(浜)kuykuy(小さいしぎ)] ⦅白浦⦆シギの小さいもの (出典:知里動物編、方言:)
makuysapa
マクイサパ §056.頭の後部;後頭部(1)makuy-sapa〔ma-kúǐ-sa-pa マくイサパ〕[mak(後)+un(にある)+sapa(頭)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
makuysir
マクイシㇼ 【mak un sir】 古い時代. マクイシㇼ ワノ アイヌ アナㇰ オカ=古い時代からアイヌはいた. (出典:萱野、方言:沙流)
marekurep
マレㇰウレㇷ゚ §158 尺トリ (6) marek-urep(má-rek-u-rep)「まレㇰウレㇷ゚」[<marek(マレッポを)ore(乗せる)-p(者)]⦅本別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
matkakuru
マッカクㇽ 【matkakuru】 照らす[カムイユカㇻ]. (出典:萱野、方言:沙流)
matkarku
マッカㇻク 【名】[概/所][mat-karku 女・甥] めい(姪)(acapo アチャポ《おじ》、 unarpe ウナㇻペ《おば》の娘)。 ☆対語 karku おい(甥)。 {E: a niece.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
matkarku
マッカㇻク §030.めい(姪)(1)matkarku〔mát-kar-ku まッカㇻク〕⦅H.⦆①姪。②従姉妹。[mat(女)+karku(甥、従弟)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
matkarku
マッカㇻク §031.いとこ(従兄弟姉妹)(5)matkarku〔mát-kar-ku まッカㇻク〕⦅H.⦆従姉妹。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
matkarku mataki
マッカㇻク マタキ §031.いとこ(従兄弟姉妹)(6)matkarku mataki〔mát-kar-ku|má-ta-ki まッカㇻク・まタキ〕⦅アカン⦆従妹(女が言う)。matkarku an-mataki〔mát-kar-ku|ám-ma-ta-ki〕「いとこである・私たちの妹」「私たちの従妹」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
matkarku sapo
マッカㇻク サポ §031.いとこ(従兄弟姉妹)(7)matkarku sapo〔mát-kar-ku|sá-po まッカㇻク・さポ〕⦅アカン⦆従姉。matkarku ay-sapo〔mát-kar-ku|áǐ-sa-po〕「いとこである・私たちの姉さん」「私たちの従姉」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
matkarku turesi
マッカㇻク トゥレシ §031.いとこ(従兄弟姉妹)(8)matkarku turesi〔mát-kar-ku|tu-ré-ši まッカㇻク・トゥれシ〕⦅アカン⦆従妹(男から言う)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
matkarku/matkarku(hu)
マッカㇻク/マッカㇻク(フ) 【mat-karku/-karku(hu)】 姪. フーン ク・マッカㇻク エ・エㇰ ヒ ピㇱノ イモカ トㇱカ イ・カオシケ クスケライポ フンペリカ ケ(ク・エ) エアㇱカイ=まあまあ私の姪,お前は来るごとにみやげ物の山を私のために背負って来る,そのお陰で鯨の脂身を私は食べられる. (出典:萱野、方言:沙流)
matkarkuhu
マッカㇻクフ 【名】[所](概は matkarku マッカㇻク) …の姪。 {E: a, the niece of…} (出典:田村、方言:沙流)
matkosikuppe
マッコシクッペ §033.いいなずけ(許嫁)(5)mat-ko-sikup-pe〔mát-ko-ši-kup-pe まッコシクㇷ゚ペ〕⦅ホロベツ⦆いいなずけの妻がある者。[mat(妻)+-ko-(のために)+sikup(成長した)+-pe(者)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
matku
マック §030.めい(姪)(2)matku〔mát-ku まック〕⦅チカブミ⦆姪。[matkarkuの中略形]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
matkuwa
マックワ 【mat-kuwa】 女の墓標. (出典:萱野、方言:沙流)
matsakkur
マッサックㇽ 【mat-sak-kur】 未婚の男. プサ サㇰ コンチ コㇿ オッカヨ アナㇰネ ナー マッサックㇽ ネ チセサックㇽ カ コンチプサハ マチヒ コオスラ クス プサハ イサㇺ ペ ネ=房のない帽子を持っている男はいまだ妻のない人,妻に先立たれた男も帽子の房を妻と一緒に埋葬したので,房がないものなのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
mawkurur
マウクルㇽ 【maw-kurur】 空気が鳴る. レラエトㇰ アニエコㇱネ アキサㇻストゥ マウクルㇽ=風の先へ軽やかに身を委ね,私の耳元に空気が鳴る(空気が触れる)[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mawkururu
マウクルル 【自動】[maw-kurur-u 風・(擬音重複)・(他動詞形成)](直訳すると)風がピューピュー鳴らす=(次のような慣用句で)風でピユーピユー鳴っている。 a=ekisársutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅]私の耳元で風がピューピュー鳴っていた(ユーカラの主人公の少年などが猛スピードで進んで、 あるいは飛んで行くことの形容)。(Sユーカラ語り) ☆参考 同じ文脈で komawkururu コマウクルル とも言っている。 {E: the whistling sound of wind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mawkusni
マウクㇱニ §247 キタコブシ (2) mawkusni (máw-kus-ni)「まウクㇱニ」[maw(香気)kus(通る)ni(木)] 茎 ⦅阿寒⦆ (出典:知里植物編、方言:)
menokokuwa
メノコクワ 【名】[menoko-kuwa 女・墓標] 女の墓標、 女性の墓に立てる墓標。 {E: a grave marker used on a woman's grave.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
menokokuwa
メノコクワ 【menoko-kuwa】 女の墓標:チクペニ(エンジュ),プンカウ(ドスナラ)で針を型取る. メノコ クワ アナㇰネ ケㇺ プイ ネノ ア・カㇻ センカキ ア・エムイェカㇻ ペ ネ=女の墓標は針の穴のように作って,そこへ墓標布をつけるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
mimakutur
ミマクトゥㇽ 【名】[概](所は mimakuturu(hu) ミマクトゥル(フ))[mimak-utur 歯・間] 歯の間。 ☆参考 niyutur ニユトゥㇽ [古]。 {E: between the teeth.} (出典:田村、方言:沙流)
mimakuturu(hu)
ミマクトゥル(フ) 【名】[所](概は mimakutur ミマクトゥㇽ)… の歯の間。 mimakuturu sep ミマクトゥル セㇷ゚ 歯の間が広くあいている。(S) (eniyutunnu エニユトゥンヌ は昔の言い方。) (S) {E: between the teeth of…} (出典:田村、方言:沙流)
mina kusu c=otesusu c=orewewe
ミナ クス チョテスス チョレウェウェ 【mina kusu c=otesusu c=orewewe】 抱腹絶倒. (出典:萱野、方言:沙流)
minakoyaykus(-an)
ミナコヤイクㇱ §845.わらう(笑う)(2)抱腹絶倒する mina-koyaykus(-an)〔mí-na-ko-jàǐ-kuš みナコヤイクㇱ〕[mina(笑う)+koyaykus(できない);それ以上笑おうとしても笑うことができない、の意]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mintaruskur
ミンタㇻウㇱクㇽ §268 イヌ (34) mintar-us-kur (mín-tar-us-kur)「みンタㇻウㇱクㇽ」[<mintar(庭)us(においでになる)kur(神)] ⦅美幌⦆【雅】 (出典:知里動物編、方言:)
mohacankur
モハチャンクㇽ §295 サカマタ;シャチ (15) mohacankur (mó-ha-čan-kur)「もハチャンクㇽ」[<mo-acane-kur(小さな・頭目である・神)] シャチ神を兄弟第二柱の神と考え、その弟神を指して言う⦅礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
mohku
モㇹク §268 イヌ (37) mohku (móh-ku)「もㇹク」[むく犬の‘むく’か] ⦅白浦⦆【雅】 (出典:知里動物編、方言:)
mokorkoyaykus
モコㇿコヤイクㇱ 【mokor koyaykus】 寝そびれる,眠れない.▷モコㇿ=眠る コヤイクㇱ=できない (出典:萱野、方言:沙流)
mokorkurkaan
モコㇿクㇽカアン 【mokor-kurka-an】 寝静まる. (出典:萱野、方言:沙流)
monkurkasi
モンクㇽカシ 【名】[mon-kurkasi 手(体)・の上全面][雅](次の慣用句で)monkurkasi kosumnatara モンクㇽカシ コスㇺナタラ [雅]体がすっかり疲れてしまっている。 tane ne kusu/a=monkurkasi/kosumnatara タネ ネ クス/アモンクㇽカシ/コスㇺナタラ [雅]今はもう私は疲れてきました。(Sユーカラ語り) ☞emontum エモントゥㇺ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mosma kotan un kur
モㇱマ コタン ウン クㇽ 【mosma kotan un kur】 よそ者. (出典:萱野、方言:沙流)
mosospekut
モソㇱペクッ §058 エゾノクガイソウ (1) mosospe-kut (mo-sós-pe-kut)「モそㇱペクッ」[ウジ・円棒状茎] 茎 ⦅A十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)
mukku
ムック 【名】口琴(楽器の一種、 竹でつくり、 糸を引くとその糸をつけてある部分が振動する、 その振動する部分を口の中で共鳴させるとブンブンと音がする、 おみやげものの店では「ムックリ」として売られている)。 ☞mukkuri ムックリ {E: a type of musical instrument.} (出典:田村、方言:沙流)
mukkur
ムックㇽ 【mukkur】 口琴,竹で作った楽器. 図[ムックリ] (出典:萱野、方言:沙流)
mukkuri
ムックリ 【名】楽器の一種、 口琴。 ☆参考 サダモさんは mukku ムック と言っていた。 いまは mukkuri ムックリ という発音があちこちで聞かれる。 1950年代、 北海道各地では mukkur ムックㇽ と言い、 樺太ライチシカ方言には mukkun ムックン という語があった(『方言辞典』を参照)。 ☞mukku ムック (出典:田村、方言:沙流)
mukuru
ムクル §387.したい(死体);死骸(12)死体[クマ、フクロウなどの] mukuru〔mu-kú-ru ムくル〕[<Jap.むくろ?]⦅クッシャロ⦆[=sumaw] (出典:知里人間編I、方言:)
mukusa
ムクサ §336 ギョウジャニンニク (2) mukusa (mu-kú-sa)「ムくサ」 茎葉 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
mukuttar
ムクッタㇻ §063 ホウズキ (2) mu-kuttar (mú-kut-tar)「むクッタㇻ」 茎葉 ⦅石狩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
mun-soyokuta
ムンソヨクタ 【自動】[mun-soy-okuta 草/ごみ・外・に…を捨てる] ごみを外へ出す(=mun soyokuta ムン ソヨクタ)。 mun-soyokuta=an wa cise onnay a=kerkeri ayne ムンソヨクタアン マ チセ オンナイ アケㇾケリ アイネ 私はごみを外へ出し家の中をガリガリと掃き掃除をして。(W民話) {E: to put, take out rubbish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
munkutausi
ムンクタウシ 【mun-kuta-usi】 ごみ投げ場. (出典:萱野、方言:沙流)
munoskunkamuy
ムノㇱクンカムイ §422 アオダイショウ (10) munoskunkamuy (mú-nos-kun-ka-muy)「むノㇱクンカムイ」[<mun-noske-un-kamuy] ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
munpokunpe
ムンポクンペ 【名】[mun-pok-un-pe 草・の下・にいる・もの][動物]ヘビ。 ☆参考 tokkoni トッコニ とか kinasut キナスッ とかいう「いやな名前」を言うことを避けて言う。(W) {E: a snake.} (出典:田村、方言:沙流)
murikunne
ムリクンネ §402 アワ 粟 (11) muri-kunne (mu-ri-kun-ne)「ムりクンネ」[muri(その果皮)kunne(黒い)] 子実 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
murkur
ムㇽクㇽ 【mur-kur】 籾のままの. ムㇽクㇽ ピヤパ=籾のままのヒエ. (出典:萱野、方言:沙流)
murkur-amam
ムㇽクㇽ アマㇺ 【名】[mur-kur-amam ぬか・影/姿・米] 玄米。 {E: unpolished rice.} (出典:田村、方言:沙流)
murkutausi
ムㇽクタウシ 【mur kuta usi】 糠を捨てる所.*外のヌサ(祭壇)の左側に糠を捨てた. (出典:萱野、方言:沙流)
nakus
ナクㇱ 【na kus】 〜たら. (出典:萱野、方言:沙流)
nakusu
ナクス 【na kusu】 〜(し)たら,〜(する)と. (出典:萱野、方言:沙流)
nankurkasi
ナンクㇽカシ 【名】顔の上一面(=nan kurkasi ナン クㇽカシ)。 ☞nan ナン ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nayukurpe
ナユクㇽペ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  b(5) nay-ukurpe(ná-yu-kur-pe)「なユクㇽペ」[nay(川)ukurpe(ウナギ)]⦅多来加⦆ヤツメ。 (出典:知里動物編、方言:)
ne wa an pe kusu
ネ ワ アン ペ クス 【ne wa an pe kusu】 その物のために. (出典:萱野、方言:沙流)
neahikekusu
ネアヒケクス 【ne a hike kusu】 だからといって. ネアヒケクス ア・トゥラ ハウェ?=だからといって連れて行くの?ネアヒケクス ソモ ア・イェ ハウェ?=だからといって言わないのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
neakur 1
ネアクㇽ 【nea-kur】 ①あの人. ネㇷ゚カ アン コㇿ オラーノ ネアクㇽ チカトゥンカトゥン シネンネ アン ペコㇿ ア・エオウミナウㇱ=何かあるとあの人はふざけ回ってひとりでいるかのように笑いの渦の芯になる. (出典:萱野、方言:沙流)
neakur 2
ネアクㇽ 【nea-kur】 ②亡き人.▷ネア=であった クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
neakusu
ネアクス 【ne akusu】 〜であったから,〜だったら,〜だった. ネア クㇽ コㇿ ペ ネ アクス=あの人の持ち物であったから. (出典:萱野、方言:沙流)
neapkusun
ネアㇷ゚クスン 【ne ap kusun】 だからとて. ウサタイㇼワㇰ ネアㇷ゚クスン エネポ エアシㇼ ウコヘライパ=いとこだからとてこれほどまでに似ているものか. (出典:萱野、方言:沙流)
nehaweneyakun
ネハウェネヤクン 【ne hawe ne yakun】 それならば.▷ネ=なる ハウェ=声 ネ=である ヤクン=ならば (出典:萱野、方言:沙流)
nekusne
ネクㇱネ 【ne kusne】 〜(に)なる. (出典:萱野、方言:沙流)
nekusu
ネクス 【ne kusu】 〜だから.〜なので. (出典:萱野、方言:沙流)
nekusuneya
ネクスネヤ 【ne kusu ne ya】 どうしてか. マラㇷ゚ト オカ タ ラッチターラ ウウェネウサㇻ パ コㇿ オカ アㇷ゚ ネクスネヤ ウパウレ コㇿ オカ アㇷ゚ シネン マッコサンパ ウコテㇾケ パ ソンノ チカッポ パㇰノ ク・ヤイヌ ク・ライシチュププ=宴の後に静かに四方山話をしていたのにどうしてか激しい言い合いになった.ひとりがさっと立ち上がり取っ組み合いになった.私は本当にスズメくらいの心になって身を縮めていた. (出典:萱野、方言:沙流)
nerokpekusta
ネロㇰペクㇱタ 【ne rok pe kus ta】 だからといって. (出典:萱野、方言:沙流)
newakusu
ネワクス 【ne wakusu】 〜だから. (出典:萱野、方言:沙流)
neyakanakun
ネヤカナクン 【ne yak anak un】 〜ならば. タント アナㇰネ ク・ヤイモンニㇱカ コㇿカ ニサッタ ネヤカナクン エチ・トゥラ ナ シネアンチカㇻ レウシ ヤン=今日は私忙しいけれども,明日ならばお前と一緒に行けるので一晩泊まりなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
neyun an kusu
ネユン アン クス 【neyun an kusu】 なぜに.▷ネユン=なぜ アン=ある クス=ゆえに (出典:萱野、方言:沙流)
Níkekke-wenkur
ニケッケウェンクㇽ 【名】[木をポキポキ折る・貧しい人][固有名](人の呼び名の一部。) Níkekke-wenkur Nínoye-wenkur ニケッケウェンクㇽ ニノイェウェンクㇽ 木折り貧乏人木ねじり貧乏人(民話に登場する一人の男の呼び名、 貧しくてまきを切る刃物もないのでこう呼ばれていた)。(W民話) ☆参考 逆の順序でも言っている。 {E: to break thin branches (for firewood).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nikur/nikuri(hi)
ニクㇽ/ニクリ(ヒ) 【ni-kur/-kuri(hi)】 木陰. (出典:萱野、方言:沙流)
nikursut/nikursutu(hu)
ニクㇽスッ/ニクㇽストゥ(フ) 【ni-kur-sut/-sutu(hu)】 木の根元.▷ニ=木 クㇽ=蔭 スッ=根元 (出典:萱野、方言:沙流)
nimakkursut(-u)
ニマックㇽスッ §583.はぐき;しぎん(歯齦)(3)nimak-kursut(-u)〔ni-mák-kur-sut ニまㇰクㇽスッ〕[nimak(歯)+kursut(根もと)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nimakutur(-u)
ニマクトゥㇽ §589.歯間nimak-utur(-u)〔ni-má-ku-turニまクトゥㇽ〕[nimak(歯)+utur(間)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ninkekoyaku
ニンケコヤク 【ninke-ko-yaku】 胆嚢破裂.▷ニンケ=胆嚢 コ=とともに ヤク=破裂する *胆嚢が破裂すると熊の内臓が苦くなって食べることができなくなるので,潰さないように注意するものである. (出典:萱野、方言:沙流)
Nínoye-wenkur
ニノイェウェンクㇽ 【名】[木をねじる・貧しい人](人の呼び名の一部。) Nínoye-wenkur Níkekke-wenkur ニノイェウェンクㇽ ニケッケウェンクㇽ 木ねじり貧乏人木折り貧乏人(民話に登場するある貧しい男の呼び名、 貧しくてまきを切るための刃物も持っていないためにこう呼ばれていた)。 ☆参考 逆の順序でも言っている。 {E: to twist the branches of a tree (in order to break them).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ninumcikuni
ニヌㇺチクニ §313 オニグルミ (5) ninum-cikuni (ní-num-ci-ku-ni)「にヌㇺ・チクニ」[クルミの・木] 茎 ⦅穂別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
niokuy
ニオクイ §285 ねずみ (11) niokuy (ni-ó-kuy)「ニおクイ」[<ni(木)o(尻)kuy(かじる)]エゾヤチネズミ(ベットホウドネズミ Clethrionomys refocanus Bedfordiae THOMAS.)⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nípisakku
ニピサック 【名】[ni-pisakku 木・ひしゃく] 木製のひしゃく。 ☆参考 kánepisakku カネピサック 金属製のひしゃく。 {E: a wooden dipper.} (出典:田村、方言:沙流)
nírukum
ニルクㇺ 【名】[ni-rukum 木・切った丸太] 木の棒の切ったもの。 ☆参考 níik ニイㇰ 切ったまき。 níhum ニフㇺ 切った丸太。 {E: a piece of cut stick, wood.} (出典:田村、方言:沙流)
nisaocikuni
ニサオチクニ 【nisa-o-cikuni】 空洞の木.▷ニサ=空洞 オ=入る チクニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
nisattakunneywa
ニサッタクンネイワ 【nisatta-kunneywa】 明朝,翌朝. (出典:萱野、方言:沙流)
Niserikin-Kaeran kur
ニセリキンカエラン クㇽ 【名】[雲でのぼる・糸でおりる・人](sarorun-cikappo サロルンチカッポ《ヨシキリ》の神謡に登場する、 ヨシキリの神の兄の呼び名。) (W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
nisikuci
ニシクチ §414.しょくどう(食道)(4)nisikuci〔ni-ší-ku-či ニしクチ〕⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
niskur
ニㇱクㇽ 【名】[nis-kur 空・影] 雲。 kamuy-niskur カムイニㇱクㇽ 雷雲。 upas-niskur ウパㇱニㇱクㇽ 雪雲。 niskur an ニㇱクㇽ アン/ニㇱクラン 曇る、 曇っている。 {E: clouds.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
niskur
ニㇱクㇽ 【niskur】 雲. (出典:萱野、方言:沙流)
niskur an
ニㇱクㇽ アン 【niskur an】 曇る,曇り. (出典:萱野、方言:沙流)
nisoparakur-ciwre
ニソパラクㇽチウレ 【他動】[nis-o-para-kur-ciw-re 雲・その尻・幅広い・(< 影/姿)・ささる・させる][雅]真っ黒な雲が一面に広がる。 iyos nisihi/ruyanpe-nis ne/nisoparakur/ciwre kane イヨㇱ ニシヒ/ルヤンペ ニㇱ ネ/ニソパラクㇽ/チウレ カネ [雅]その後に続いて来る雲は嵐の雲になって真っ黒な雲が一面に広がり。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nissineykur-otte
ニッシネイクㇽオッテ 【自動】[nis-siney-kur otte 雲・(?)・(< 影/姿)・…に…をつける](?) [雅](次のような文脈で)あたりの雲を払いのける。 kamuy oma nis/nissineykur/otte kane カムイ オマ ニㇱ/ニッシネイクㇽ/オッテ カネ [雅]神が乗っている雲があたりの雲を払いのけながら。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nisuykurukuru
ニスイクルクル §287 シマリス:シマネズミ (6) nisuykurukuru (ni-súy-ku-ru-ku-ru)「ニすイクルクル」[<ni-suy-kor-kur(木・穴・もつ・神)] ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nitkus
ニックㇱ §085.いたむ(痛む)(7)突然ずきんと痛む nit-kus〔nít-kuš にックㇱ〕[nit(串)+kus(通る)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
niyokuy
ニヨクイ §285 ねずみ (12) niyokuy (ni-ó-kuy)「ニよクイ」[<ni(木)o(尻)kuy(かじる)]エゾヤチネズミ⦅近文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nkumasanke
アンクマサンケ §375 (その他の鳥名)  an-kuma-sanke (án-ku-ma-san-ke)「あンクマサンケ」⦅白浦、富内⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nokananmanukusu
ノカナンマヌクス 【nokan-anmanu-kusu】 小さ過ぎるからといって,若過ぎるからといって. ▷ノカン=小さい,若い アンマヌ=からといって クス=ために *イェㇷ゚ネウㇷ゚ソロ=若い懐,若過ぎるためにあなたの心が分からなかった[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nokankur
ノカンクㇽ 【名】[nokan-kur 幼い・人]子ども。 ☆対語 rupnekur ルㇷ゚ネクㇽ 大人。 {E: a child; children.} (出典:田村、方言:沙流)
nokikuspe
ノキクㇱペ §219.整容―さかやき(月代)[成人の髪容で前頭部を三日月形に剃ること](9)12、3歳の少年の耳前部の髪が抜毛によって眉と繋がったもの nokikuspe〔no-kí-kuš-pe ノきクㇱペ〕[noki(軒)、kus(を通っている)、pe(もの)]⦅アブタ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nokunneywa
ノクンネイワ 【no-kunneywa】 全く朝早く. ウクラン ネ レラ ルイ ヒクス ヤㇺ ア・ウォマレ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ノクンネイワ ヘカッタㇻ イイェトゥㇱマㇰ(イ・エトゥㇱマㇰ) シネ ヤㇺ カ ア・パ エアイカㇷ゚=昨夜風が吹いたので私はクリを拾い集めると思っていたのに,全く朝早くから子供たちが私の先回りをして一粒のクリも見つけられなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
kunneywano
ノクンネイワノ 【副】夜明けに。 kesto nókunneywano hopuni wa an ranke ケㇱト ノクンネイワノ ホプニ ワ アン ランケ 毎朝暗いうちから起きている。(S) {E: at dawn, daybreak.} (出典:田村、方言:沙流)
nokunneywano
ノクンネイワノ 【no-kunneywa no】 明け方. (出典:萱野、方言:沙流)
nokuyak
ノクヤㇰ 【名】[動物]ツバメ。 〔知分類 p.189 アマツバメ〕 {E: a swallow.} (出典:田村、方言:沙流)
nokuyak
ノクヤㇰ §318 アマツバメ (1) nokuyak (no-ku-yak)「ノクヤㇰ」[<no(よい)kuyak(鳴き声)] ⦅B⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nokuyap
ノクヤㇷ゚ 【nokuyap】 ツバメ. (出典:萱野、方言:沙流)
nonnoo-tokkuri
ノンノオトックリ 【名】[nonno-o-tokkuri 花・(そこ)に入る・びん] 花びん。(W) (出典:田村、方言:沙流)
norinkura
ノリンクラ 【名】[< 日本語(乗り鞍)] 鞍(馬具の一つ)。 {E: a saddle.} (出典:田村、方言:沙流)
noskunmompeh(c-i)
ノㇱクンモンペㇸ §821.なかゆび(中指)(5)noskun-mompeh(c-i)〔nóš-kum-mom-peh のㇱクン・モンペㇸ〕[nosike(中央)+un(の)+mompeh(指)]⦅チライ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
notaku(hu)
ノタク(フ) 【名】[所](概は notak ノタㇰ) …の刃。 (出典:田村、方言:沙流)
notkiri kurun kane an
ノッキリ クルン カネ アン §032.あごひげが生えているnotkiri kurun kane an〔のっキリ・くルン・カネ・アン〕[notkiri(彼の下あご)、kurun(黒くなっている)、kane(状態に)、an(ある)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
notkus
ノックㇱ 【自動】[not-kus あご・の向こう側へ渡る(?)](?) そっぽを向く。 hńta kus e=notkus? フンタ クㇱ エノックㇱ? どうしてあなたそっぽを向くの? (S) {E: to look the other way.} (出典:田村、方言:沙流)
notkus
ノックㇱ 【not-kus】 顎をしゃくる,横を向く. (出典:萱野、方言:沙流)
noyahamussurku
ノヤハムㇱスㇽク §249 トリカブト (7) noyahamus-surku (no-yá-ha-mus-sur-ku)「ノやハムㇱスㇽク」[noya(ヨモギ)ham(葉)us(ついている)surku(ブシ根)] 根 ⦅A空知⦆ (出典:知里植物編、方言:)
noykosanu i=kurkasike onoyoyse
ノイコサヌ イクㇽカシケ オノヨイセ 【noykosanu i=kurkasike onoyoyse】 私の体の上へ身を投げ出した,恋人に会った女が相手の上へ身を投げ出した. ▷ノイコサヌ=力を抜いて イクㇽカㇱケ=私の体の上 オノヨイセ=くずれ落ちる *ユカㇻの中でポンヤウンペの婚約者が,ポンヤウンペに会った時の様子.スㇺキナネノイコサヌ(しおれた草のようにくずれ落ちた)という言い方もある[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
noyporoikus
ノイポロイクㇱ 【noyporo-ikus】 予知する,前兆. チ・コㇿ コタン タ アナㇰネ ノイポロイクㇱ シコㇿ アン イタㇰ ク・ヌ エラムㇱカリ.トカㇷ゚チ フㇱコ セコㇿ ア・イェ コタン タ ク・ヌ オルㇱペ ノイポロ イクㇱ ネ ルウェ ネ=私の村では予知するという言葉も聞いたことがない.十勝の伏古というアイヌの村で聞いた話が,予知するという言葉だ. (出典:萱野、方言:沙流)
nuku(a-)
ヌク §399.しゃぶる(3)骨などをかじってしゃぶる nuku(a-)〔nu-kú ヌく〕⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nuku(a-an-)
ヌク §581.のむ(飲む)(5)煮た魚の骨を噛んでその汁を呑みこむ nuku(a-、an-)〔nu-kú ヌく〕⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nukuki
ヌクキ 【名】小米(こごめ、 砕けた米)。 poppetasin okake nukuki a=ocári ápekor an ポッペタシン オカケ ヌクキ アオチャリ アペコラン 汗をかいたあとが小米でもふりまいたようになった。(W) {E: broken, crushed rice.} (出典:田村、方言:沙流)
nukunne
ヌクンネ 【自動】[nu-kunne 顔・黒い] 顔の色が黒い。 {E: to have a dark complexion.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nukuri
ヌクリ 【他動】(疲れて/体調が悪くて/年取って体の自由がきかなくて/おっくうで)…できない、 …する気になれない。 ipe ka a=nukúri wa án=an イペ カ アヌクリ ワ アナン (引用文中の)私は(恋わずらいで)ものを食べる気にもならなかった。(HC民話) sirunno maskin a=nukár kor a=e=ráyke hi ka a=nukúri a=ruska シルンノ マㇱキン アヌカㇻ コㇿ アエライケ ヒ カ アヌクリ アルㇱカ まさか自分の目で見ながらあなたを殺す気にもなれないし心もおだやかでない。(W民話) aep isam yakun po hunak un apkas=an ka nukuri yak po isitoma=an kusu アエㇷ゚ イサㇺ ヤクン ポ フナㇰ ウン アㇷ゚カㇱアン カ ヌクリ ヤㇰ ポ イシトマアン クス 食べ物がなくなったら、 なおさら、 どこかへ歩いて行く元気もなくなってはなおいっそう恐ろしいから。(W民話) {E: cannot do…; to be unable to do.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nukuri
ヌクリ 【nukuri】 億劫だ,気が進まない.面倒臭い. (出典:萱野、方言:沙流)
nukuripe
ヌクリペ §007 ボラ (2) nukuripe (nu-kú-ri-pe)「ヌくリペ」[<原稿なし] ⦅礼文華⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nukuripe
ヌクリペ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  a(1) nukuripe(nu-kú-ri-pe)「ヌくリペ」⦅長万部、虻田、礼文華、東静内⦆ (出典:知里動物編、方言:)
numakur
ヌマクㇽ 【numa-kur】 毛皮(の). (出典:萱野、方言:沙流)
numatakusa
ヌマタクサ §284.毛の房numa-takusa〔nu-má-ta-ku-sa ヌまタクサ〕[numa(毛)+takusa(<Jap.「手草」)]⦅ホロベツ⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.628】 (出典:知里人間編I、方言:)
nupkikuta
ヌㇷ゚キクタ 【自動】[nupki-kuta 汚水・を(ザツと)あける] 汚れ水を捨てる。 ☆参考 昔、 水道や下水のなかった時代、 水は川や泉から汲んできて使い、 使用ずみの汚れ水は外に捨てた。 {E: to throw out, dipose of dirty water.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nupkurunni
ヌㇷ゚クルンニ §319 ヤマナラシ ハコヤナギ (2) nup-kurunni (núp-ku-run-ni)「ぬㇷ゚・クルンニ」[nup(野)kurunni(→§318、注2)] 茎 ⦅A十勝・沙流・石狩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
nuppukusa
ヌㇷ゚プクサ §340 スズラン キミカゲソウ (6) nup-pukusa (núp-pu-ku-sa)「ぬㇷ゚プクサ」[nup(野)pukusa(ギョウジャニンニクの葉)、たぶんcironnup-pukusaがもとであろう] 葉 ⦅A千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
nupsunku
ヌㇷ゚スンク §337 キジカクシ (5) nup-sunku (núp-sun-ku)「ぬㇷ゚スンク」[野・エゾ松] 茎葉 ⦅A上川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
nupurikesunkur
ヌプリケスンクㇽ 【名】[nupuri-kes-un-kur 山・の末端・にいる・人]山すその人=熊のいちばん悪いのの呼び名(=nupurikesun-cáca)。 {E: the people around the very base of a mountain.} (出典:田村、方言:沙流)
nupurikesunkur
ヌプリケスンクㇽ §277 くま (17) nupuri-kes-un-kur (nu-pú-ri-kes-un-kur)「ヌぷリケスンクㇽ」 (出典:知里動物編、方言:)
nupurikesunpuriwenkur
ヌプリケスンプリウェンクㇽ 【nupuri kes un puri wen kur】 手余された熊. (出典:萱野、方言:沙流)
nupurinoskiunkur
ヌプリノㇱキウンクㇽ §277 くま (15) nupuri-noski-un-kur (nu-pú-ri-nos-ki-un-kur)「ヌぷリノㇱキウンクㇽ」 (出典:知里動物編、方言:)
nupuripaunkur
ヌプリパウンクㇽ §269 オオカミ (7) nupuripaunkur (nu-pú-ri-pa-un-kur)「ヌぷリパウンクㇽ」[<nupuri(山)pa(かみて)un(にいる)kur(神)‘山のかみてに住む神’] ⦅胆振、日高⦆オオカミの神としての名 (出典:知里動物編、方言:)
nupurkur
ヌプㇽクㇽ 【nupur-kur】 みこ:占いや予言のできる人.霊感のある人,霊力のある人. (出典:萱野、方言:沙流)
nusahokuste
ヌサホクㇱテ 【nusa-hokus-te】 祭壇を倒す:昔話のなかで村中が流行病で全滅しそうになった時に,村おさが赤子をひとり祭壇の後ろへ置いてまじない言葉を言うこと. タネアナㇰネ イヌクリアンナ アノミカムイ インネアナ イナンカムイカ タパンポンペ レスワネヤㇰネ イナウサンテㇰネ シトゥリナンコㇿナー=今すでに身動きもできなくなった,私が祭った神,大勢いるどの神かが,この幼児を育ててくれれば,イナウを受け継ぐ者として生き延びてくれるであろう. *ウウェペケㇾ(昔話)の常套語としてしばしば出て来る[ウ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ocakotkur
オチャコックㇽ 【o-ca-kot-kur】 ちんちんに柴がくっついているかのような男:男の持ち物に柴がくっついているかのように女がひっかかる.▷オ=尻=ちんちん チャ=柴 コッ=付く クㇽ=人 ネア オチャコックㇽ スイ メノコ エパコアッ ヤㇰ ア・イェ エ・ヌ アー=ちんちんに柴がくっついているかのようなあの男がまたしても女性関係でいさかいを起こしたという,聞いたかい. (出典:萱野、方言:沙流)
ocaku
オチャク §300.下痢[する](10)水様下痢便[を出す] ocaku〔o-čá-ku オちゃク〕[<o(尻)+caku(ザザアッと流す)> (出典:知里人間編I、方言:)
ocaku
オチャク §470.だいべん(大便)(3)水様下痢便;鳥の糞 ocaku〔o-čá-ku オちゃク〕〔o(尻)+cak(ザーッという音)+o(する)〕⦅テシオ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ohetuku
オヘトゥク 【他動】[o-hetuku…に・生える]…に生える。 pet kenas ka e=ohetuku ペッ ケナㇱ カ エオヘトゥク おまえは川の山岸の上に生えた(イケマ(ikema イケマ)という草の根を食べて仮死した人を蘇生させるためにそのイケマを叱ってまじないをする時の言葉の一部)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
oimakusmahnekuh
オイマクㇱマㇵネクㇷ §099.陰部-女性性器の種類(26)陰部に歯が生えている女 o-imakus-mahnekuh〔o-í-ma-kuš-mah-ne-kuh オいマクㇱマㇵネクㇷ〕[o(陰部)+imak(歯)+us(ついている)+mahnekuh(女)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oitakusi
オイタクシ 【o-itak-usi】 呪いの言葉をかける,呪う.▷オ=そこで イタㇰ=言葉 ウシ=つける ネウン ア・イェ ヤッカ ア・エルサ イコㇿ ソモ イ・コホシピレ ヒクス ア・コヌコㇱネ ア・オイタクシ=いくら言っても私が貸した宝を戻さないので,憎たらしいから呪いの言葉をかけてやった. (出典:萱野、方言:沙流)
okapikuyra
オカピクイラ 【他動】[oka-pi-kuyra そのあと・こっそり・(?)] こっそり…のあとをつける。 {E: to secretly follow after…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okapikuyra
オカピクイラ 【oka-pikuyra】 後をつける. クサポ ポンノ ホㇱキ タㇷ゚ アㇻパ アイヌ エアㇻキンネ チセ ピㇱノ ヘヘウパ コㇿ アㇻパ.シノ ク・イヨヤモㇰテ オカピクイラ・アン ワ インカㇻ・アン ロー=おねえさんちょっと待って,今行った人が家々ごとに覗きながら行った.本当に疑わしい,後をつけて行って見よう.イッカエオㇷ゚ ネ ヒ ケラマン(ク・エラマン) ヒクス コカピクイラ(ク・オカピクイラ) ア コㇿカ ネノ アン イキ ソモ キ ノ アㇻパ ワ イサㇺ=盗み癖のある者なのを知っていたので後をつけたけれども,それをせずに行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
okekus(-an)
オケクㇱ §300.下痢[する](3)okekus(-an)〔o-ké-kuš オけクㇱ〕[o(尻)+ke(油)+kus(通る)]⦅オシャマンベ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okekushumpe
オケクㇱフンペ §296 くじら(クジラ (11) okekus-humpe (o-ké-kus-hum-pe)「オけクㇱフンペ」[<o-ke-kus-humpe(尻から・油・出る・クジラ)、<okekus-humpe(下痢する・クジラ)、このクジラは味がよいので食べ過ぎて下痢するのでこう呼ぶと]ナガスクジラの類⦅礼文、長万部⦆ (出典:知里動物編、方言:)
okenkuta(-an)
オケンクタ §291.月経[が下りる、である](11)月経が下りる okenkuta(-an)〔o-kéŋ-ku-ta オけンクタ〕[o(陰部)+kem(血)+kuta(ぶちまける)]⦅シラウラ、ニイトイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okenkutaken(m-i)
オケンクタケン §291.月経[が下りる、である](18)経血 okenkuta-ken(m-i)〔o-kéŋ-ku-ta-keŋ オけンクタケン〕[okenkuta(月経↑)+ken(<kem 血)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okenkutaohta eiwanketepa
オケンクタオㇹタ エイワンケテパ §292.月経帯(4)okenkuta-ohta eiwanke-tepa〔オけンクタ・オㇹタ・エいワンケ・テぱ〕[okenkuta(月経が下りる)+ohta(際に)+eiwanke(使用する)+tepa(褌)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okenkutatepa
オケンクタテパ §292.月経帯(3)okenkuta-tepa〔o-kéŋ-ku-ta-te-pa オけンクタテパ〕[okenkuta(月経)+tepa(ふんどし)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
Okikurmi
オキクㇽミ 【名】[固有名] オキクルミ(伝説の主人公。 Samayunkur サマユンクㇽ と対で語られることが多い。 他地方でオキキリムイなどとも呼ばれる。 神とも人とも見られ、 人間の始祖 Aynurakkur アイヌラックㇽ と同一視されることもある:児島記述)。 Okikurmi kamuy オキクㇽミ カムイ オキクルミ神 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okikurmi turesmat
オキクㇽミ トゥレㇱマッ 【okikurmi tures-mat】 オキクルミの妻の名前. (出典:萱野、方言:沙流)
okikurmikamuy
オキクㇽミカムイ 【okikurmi kamuy】 オキクㇽミ神:アイヌに生活文化を教えた神の名.*沙流川に降臨したということでオキクㇽミの砦伝説などがある. (出典:萱野、方言:沙流)
okkayokuwa
オッカヨクワ 【okkayo-kuwa】 男の墓標.*チクペニ(エンジュ)や,プンカウ(ドスナラ)で作り,オㇷ゚(槍)の形を型取っている. 図[オッカヨクワ] (出典:萱野、方言:沙流)
okoypokun
オコイポクン 【副】[o-koypok-un その尻が・波の下手の方・にある] 有珠・虻田の方向(西の方)から。 ☆対語 ekoypokun エコイポクン 有珠・虻田の方(西の方)へ。 {E: from the west.} (出典:田村、方言:沙流)
oku
オク §036.おっと(夫)(2)oku〔o-kú オく〕⦅チカブミ、ビホロ、クッシャロ⦆夫。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
okunekaci
オクネカチ §006.若者;青少年(11)okunekaci〔o-kú-ne-ka-či オくネカチ〕[<o(陰部)+kunne(黒い)+hekaci(男子)]⦅トオロ⦆15〜17才位の少年。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
okunekattar(-i)
オクネカッタㇻ §006.若者;青少年(12)okunekattar(-i)〔o-kú-ne-kat-tar オくネカッタㇻ〕[o(陰部)+kunne(黒くなっている)+hekattar(こども)]⦅トオロ⦆15〜17才位の少年。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
okunne
オクンネ 【自動】[o-kunne その尻が・黒い]陰毛が生えている(男女とも)。 somo okunne menoko anak a=sitómap ne ソモ オクンネ メノコ アナㇰ アシトマㇷ゚ ネ 陰毛の生えてない女は恐ろしいもんだ。(S) {E: to have pubic hair.} (出典:田村、方言:沙流)
okunne(-an)
オクンネ §101.陰部―いんもう(陰毛)(1)o-kunne(-an)〔o-kún-ne オくンネ〕[o(陰部)+kunne(黒くある、黒くなる)]⦅H. S.⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
okunneh
オクンネㇸ §006.若者;青少年(13)okunneh〔o-kún-neh オくンネㇸ〕[<o(陰部)+kunne(黒くなる)+-p(者)]⦅S.⦆【雅】15〜17才位の少年。(→古語, p.111)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
okunnekina
オクンネキナ 【名】[o-kunne-kina その尻が・黒い・草][植物](編む草の一つの名、 下のほうが水に入っていて、 そこが黒い。)〔知分類になし〕 (出典:田村、方言:沙流)
okunnure
オクンヌレ 【他動】ひどく驚く、 あきれる。 ☆参考 沙流川中流の二風谷の話者が言う。 下流のワテケさんは okunure オクヌレ と言う。 {E: to be dumbfounded, very surprised, amazed at, by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okunnure
オクンヌレ 【okunnure】 びっくりする,あきれる,たまげる. ソンノ コクンヌレ(ク・オクンヌレ)=本当に私はびっくりした.ネウン ア・キㇰキㇰ ヤッカ ヨㇺネ カ ソモ キ ノ オトゥ スイ レ スイ イッカ ハウェ コクンヌレ(ク・オクンヌレ)=どのように殴られても懲りもしないで2回も3回も盗っ人をしているとは,私はあきれてしまった.イヨーハイ タント エトゥレン トゥペサント カ ネ ㇷ゚ ネイタカ シㇰヌ ワ アン ペ ネ ヤー シコㇿ ク・ヤイヌ アㇷ゚ イワンケ ノ ア・パ ヤㇰ ア・イェ ア・オクンヌレ ハワㇱ ネ=あーあ,たまげた.今日で8日になるのにどこかで生きているだろうかと私は考えていたが,元気で発見されたと言う,たまげた話だ. (出典:萱野、方言:沙流)
okunure
オクヌレ 【他動】ひどく驚く、 あきれる。 ☆参考 沙流川下流の形。 中流の二風谷の話者は okunnure オクンヌレ と言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okuripe
オクリペ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  a(3) okuripe(o-kú-ri-pe)「オくリペ」[<ukuripe?]⦅近文⦆ヤツメ、カワヤツメ。 (出典:知里動物編、方言:)
okurmip
オクㇽミㇷ゚ §289 シカ (14) okurmip (o-kúr-mip)「オくㇽミㇷ゚」[<oku-ur-mi-p(男・衣・着てる・もの)]雌ジカでありながらその皮に雄ジカのような模様のついているもの⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
okus
オクㇱ 【他動】(着物)を裏返す、 …を裏返しにする。 hńta e=eyaykimatekka kus to e=mi p ka e=okus wa e=mi, e=us pe ka ehorka e=us siri an? フンタ エエヤイキマテッカ クㇱ ト エミㇷ゚ カ エオクㇱ ワ エミ、 エウㇱ ペ カ エホㇿカ エウㇱ シリ アン? あなた何をあわててほら、 服も裏返しに着てスカートも後ろ前にはいてるのよ。(S) cókus amip チョクㇱ アミㇷ゚/チョクサミㇷ゚ 裏返した着物(昔、 夫や妻に先立たれた人が着たと言う)。(UT) ☆参考 ehorka エホㇿカ 逆に。 {E: to turn (clothing) inside out.} (出典:田村、方言:沙流)
okus
オクㇱ 【o-kus】 裏返し. (出典:萱野、方言:沙流)
okusne
オクㇱネ 【副】[o-kus-ne その尻が・向こう側・である/になる] 川の向こう側から、 川の向こう岸に(ある)。 ☆対語 ekusne エクㇱネ 川の向こう側へ(行く)。 {E: from the opposite side, bank of a river.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okusne
オクㇱネ 【okusne】 向こう側:川の向こう側に. (出典:萱野、方言:沙流)
okutciurar
オクッチウラㇻ 【okutci-urar】 濃い霧. (出典:萱野、方言:沙流)
okutkeseciw
オクッケセチウ 【自動】[o-kut-kes-e-ciw その尻・のど・の末端・に・ささる] 一拍一拍を歯切れよく区切るように(スタッカートのように)拍子をつけて歌う、 「まるく歌わずに四角に歌うこと、 拍子がとれるように。」 (S) okutkeseciw wa upopo オクッケセチウ ワ ウポポ 拍子をつけてウポポを歌う。 {E: to keep time with beat.} (出典:田村、方言:沙流)
okuwan
オクワン 【副詞(?)】[o-kuwan その下の方が・まっすぐである](次の表現で) okuwan as オクワン アㇱ (山や斜面が)急である。 okuwan as hur/nupuri オクワン アㇱ フㇽ/ヌプリ 急な斜面/山。 okuwan as uske kari hemesu オクワン アㇱ ウㇱケ カリ ヘメス 急なところから登る。 ☆参考 okuwan as オクワン アㇱ よりも kuwan as クワン アㇱ のほうがもっと急で、 高くなくても切り立っていることを言う。 okuwan as オクワン アㇱ は切り立っていなくても、 ただの急な坂道でも言う。(S) pira ピラ《崖》は kuwan as クワン アㇱ にきまっている。(S) {E: steep.} (出典:田村、方言:沙流)
okuwas
オクワㇱ 【自動】[< okuwan-as 切り立って・立っている](?) (山が)急である、 険しい。 okuwas hur/nupuri オクワㇱ フㇽ/ヌプリ 急な山。 okuwas uske kari hemesu オクワㇱ ウㇱケ カリ ヘメス 急なところから登る。 ☆参考 okuwan as オクワン アㇱ とも言う。 {E: to rise steeply; be steep.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okuyesikari
オクイェシカリ §409.しょおべんずまり;閉尿(3)okuyesikari〔o-kú-je-ši-ka-ri オくイェシカリ〕[o(陰部)+kuy(小便)+eskari(つまる)]⦅シラウラ、マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okuyetunnay
オクイェトゥンナイ 【okuy-e-tunnay】 小便で弧を描く.▷オクイ=小便 エ=それで トゥンナイ=弧を描く (出典:萱野、方言:沙流)
okuykoeskari(-an)
オクイコエㇱカリ §409.しょおべんずまり;閉尿(2)okuykoeskari(-an)〔o-kúǐ-ko-èš-ka-ri オくイコエㇱカリ〕[o(陰部が)+kuy(尿)+ko(で)+eskari(つまる)]⦅ホロべツ、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okuyma
オクイマ 【自動】[o-kuy-ma(< oma) その尻・尿・そこにある] 小便(オシッコ)する。 ☆参考 小便(尿)は kuywakka クイワッカ、 大便することは osoma オソマ。 {E: to urinate.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okuyma
オクイマ 【okuyma】 小便する,排尿,尿. イテキ ホリピ ホリピ ノ アㇻパ オクイマ ワ エㇰ=踊りを踊るようなことをしないで行って小便をしてこい.テエータ にけ シコㇿ ア・イェ チャペ アン ペ ネ ヒネ オンネ アクス オヤコヤㇰ タ オクイマ オソマ ア・コイパㇰ ヒネ ネユン ア・エトパㇻ ヤッカ ホシピ ランケ イヨッタ イヨㇱタ レクチヒ イチェン ア・コテ プマハ ネ ヤㇰ ア・イェ アクス クスケライ ホシピ イサㇺ ペ ネ=ずっと昔ニケという猫がいて,年寄りになったらあちこちで小便や糞をたれ.それが悪いとて何回追放しても戻って来た,一番おしまいに首へ銭をつけて給料だよと言ったらそのお陰で戻って来なかったものだ.*オクイマ クス アㇻパ=小便に行く,とは言わずに,ハンケ アㇻパ(近くに行く)と言うのが本当の言い方.これをイタㇰマㇰクㇱテ(言葉を遠回しに言う)という. (出典:萱野、方言:沙流)
okuyma(-an)
オクイマ §403.小便[する](1)okuyma(-an)〔o-kúǐ-ma オくイマ〕[‘尻から尿を出す'の意か;<o(尻)+kuy(尿)+ma(動詞語尾)]⦅イブリ、ヒダカ西部、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okuymaeskari(-an)
オクイマエㇱカリ §409.しょおべんずまり;閉尿(1)okuyma-eskari(-an)〔o-kúǐ-ma-èš-ka-ri オくイマ・エㇱカリ〕[okuyma(小便)+eskari(つまる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okuymapuy(-e)
オクイマプイ §555.にょうどうこう(尿道孔)(1)okuyma-puy(-e)〔o-kúǐ-ma-puǐ オくイマプイ〕[小便する・穴]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okuyru
オクイル 【名】[okuy(< okuyma)-ru 小便する・あと]小便(オシッコ)のあと。 okuyru o kane an オクイル オ カネ アン 小便のあとがついている。(S) {E: a urine stain.} (出典:田村、方言:沙流)
okuyuk
オクユㇰ §277 くま (25) oku-yuk (o-kú-yuk)「オくユㇰ」[<oku(男)yuk(クマ)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
omawkururu
オマウクルル 【自動】[o-maw-kururu その尻・風・ピューピュー吹く](次のような文脈で) setur kasi ta/ikayop ne a p/omawkururu (男たちの)背中の上で矢入れ袋が風に吹かれるみたいに浮いている(速く走っている様子の描写)。(W神謡K) ☆参考 別の話者の語った民話で、 同様の文脈で、 omawsuye オマウスイェ が使われている。 (出典:田村、方言:沙流)
omawkusni
オマウクㇱニ 【o-maw-kus-ni】 キタコブシ. (出典:萱野、方言:沙流)
omawkusni
オマウクㇱニ §247 キタコブシ (1) omawkusni (o-máw-kus-ni)「オまウクㇱニ」[o(尻、そこ)maw(風、香気)kus(通る)ni(木)] 茎 ⦅北海道各地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
omkursut
オㇺクㇽスッ 【名】[概](所は omkursutu(hu) オㇺクㇽストゥ(フ))もものつけ根。 ☆参考 この形では未出。 omkursutu オㇺクㇽストゥ[所] の形で出てきた。 {E: the groin.} (出典:田村、方言:沙流)
omkursutu(hu)
オㇺクㇽストゥ(フ) 【名】[所](概は omkursut オㇺクㇽスッ)[om-kursutu 腿(もも)・根元] …のもものつけ根(前側)。 ☆参考 内またのもものつけ根は císutu チストゥ。 {E:the groin of…} (出典:田村、方言:沙流)
onikuy
オニクイ §285 ねずみ (13) onikuy (o-ní-kuy)「オにクイ」[<ni(木)o(尻)kuy(かじる)の音位転倒]エゾヤチネズミ⦅天塩⦆ (出典:知里動物編、方言:)
onimakusmenoko
オニマクㇱメノコ §099.陰部-女性性器の種類(25)陰部に歯が生えている女 onimakus-menoko〔o-ní-ma-kuš-me-no-ko オにマクㇱメノコ〕[o(陰部)+nimak(歯)+us(生えている)+menoko(女)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
onkami-kur
オンカミクㇽ 【名】[onkami-kur 拝む・人]拝む人「お寺さん」=坊さん。 ☆参考 「坊さん」の訳語として出た。 {E: a (Buddhist) priest.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onke ani rekuci mayamaya
オンケ アニ レクチ マヤマヤ §201.風邪でのどがかゆいonke ani rekuci mayamaya〔おンケ・アに・レくチ・マヤマヤ〕[風邪・で・その咽喉が・むずむずする]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
onke ani rekuci otampuus
オンケ アニ レクチ オタンプウㇱ §200.風邪で声がつぶれるonke ani rekuci o-tampu-us〔óŋ-ke-a-nì|re-kú-či|o-tám-pu-uš おンケ・アに・レくチ・オたンプㇱ〕[onke(風邪)、ani(で)、rekuci(その咽喉)、o(において)+tampu(栓)+us(つく)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
onkukerkep
オンクケㇾケㇷ゚ §139 シナノキ (5) on-kukerkep (ón-ku-ker-kep)「おン・クケㇾケㇷ゚」[on(鮮度の落ちた、なれた)kukerkep(シナノキの繊維)] 水の中につけておいてべとべとにやわらかくなった繊維をいう ⦅様似⦆ (出典:知里植物編、方言:)
onne nisa ku=kotuk
オンネ ニサ クコトゥㇰ 【onne-nisa ku=kotuk】 年寄りの身体に私はくっついた.▷オンネ=年寄り,老人 ニサ=空洞,身体 ク=私 コトゥㇰ=くっつく *昔は大勢の子供が生まれ,末っ子になると父親は年寄りに見えたし,そうであったであろう.ご近所のおとなたちは年をとった父親の懐に寝ている子供を冷やかし「オンネニサ ク・コトゥㇰ オンネニサ ク・コトゥㇰ」と言うとその意味をよく知らない子供もおとなの口真似をして「オンネニサ ク・コトゥㇰ オンネニサ ク・コトゥㇰ」と言ってあたりのおとなの笑いを誘った. (出典:萱野、方言:沙流)
onne wa inukuri
オンネ ワ イヌクリ 【onne wa i-nukuri】 老衰(になる). (出典:萱野、方言:沙流)
onnecikuni
オンネチクニ §045 エゾニワトコ (7) onne-cikuni (ón-ne-ci-ku-ni)「おンネチクニ」[onne(老大な)cikuni(木)] 茎 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
onneikupakikir
オンネイクパキキㇼ §111 クワガタムシ;鍬形虫 (7) onne-ikupakikir(ón-ne-i-kú-pa-ki-kir)「おンネイくパキキㇼ」⦅足寄⦆クワガタムシの成虫(♂) (出典:知里動物編、方言:)
onnekur
オンネクㇽ 【onne-kur】 老人.おじいさん(親しみをこめた言葉). オンネクㇽ アㇷ゚カㇱ コㇿ エレラコノイパ ペコㇿ アㇷ゚カㇱ ペ ネ=老人が歩くと風に体がねじられるように歩くものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
onnekur/onne kur
オンネクㇽ 【名】[onne-kur 年老いた・人]おじいさん、 高齢の男性(敬意のある表現)。 ☞ekasi エカシ、 cáca チャチャ {E: an old man (polite).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onnepaskur
オンネパㇱクㇽ 【onne paskur】 年寄り烏. オンネパㇱクㇽ イーネ タラ タㇰ ワ イーサㇺ ネー タラ イーネ…=年寄り烏はどうしたの,俵を取りに行ったのよ,その俵はどうしたの…[カムイユカㇻ].*オンネパㇱクㇽという言葉をそれだけで用いることはなく,これはカムイユカㇻの題名である. (出典:萱野、方言:沙流)
onnepaskur
オンネパㇱクㇽ §297 ワタリガラス;オオガラス (1) onne-paskur (ón-ne-pas-kur)「おンネパㇱクㇽ」[‘老大なる・からす’] ⦅北海道、金城⦆ワタリガラス (出典:知里動物編、方言:)
onnerumahnekuh
オンネルマㇵネクㇷ §009.老婆(5)onne-ru-mahnekuh〔ón-ne-ru-mah-ne-kuh おンネルマㇵネクㇷ〕⦅カラフト⦆老婆。[(老い・すぎている・女)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
onnetukusis
オンネトゥクシㇱ §074 アメマス (2) onne-tukusis(ón-ne-tu-ku-sis)「おンネトゥクシㇱ」[onne(親の)tukusis(♂)]⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
onpakekunne
ポンパケクンネ §310 ヒガラ pon-pake-kunne (pón-pa-ke-kun-ne)「ぽンパケクンネ」[<pon-pake-kunne(小さい・頭・黒い・〔鳥〕) ⦅屈斜路、浦河⦆こがら、ヒガラ (出典:知里動物編、方言:)
ookuciekkor opatatce
オークチエッコㇿ オパタッチェ 【ookuci-ek-kor opatatce】 隠れん坊の時に隠れている相手を笑わせる言葉. ▷オークチ=意味はない エッコㇿ=来ながら オパタッチェ=ぴりぴりっと下痢をする音 *オークチには言葉としての意味はないが,隠れている者がいそうなところを,高い声で言いながら歩くと笑ってくれるので,見つけることができた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
opetkusun
オペックスン 【副】[o-pet-kus-un その尻・川・の向こう側・にある] 川の向こう側(「川向い」)に/から。 opetkusun wa オペックスン マ ☞opetkusunma オペックスンマ (出典:田村、方言:沙流)
opetkusunma
オペックスンマ 【副】[o-pet-kus-un-wa その尻・川・の向こう側・に向く・…して] 川向いから、 川向いに。 opetkusunma ku=sikehe k=ánu a na uk wa se wa ek wa en=kore オペックスンマ クシケヘ カヌ ア ナ ウㇰ ワ セ ワ エㇰ ワ エンコレ 川向いに私の荷物を置いて来たから取って背負って来て(=運んで来て)ください。(S) {E: from the opposite side, bank of a river.} (出典:田村、方言:沙流)
opukurune
オプクルネ 【自動】[o-pukuru=ne その尻が・袋・である]袋みたいである。 opukurune ápekor oka hemanta eopanepane kane oka オプクルネ アペコㇿ オカ ヘマンタ エオパネパネ カネ オカ 袋みたいなへんなものをパッパッと風にはためかせている(スカートをはいている現代の風俗を言っている)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
oraunkur kamuy
オラウンクㇽカムイ §324 ヨタカ (2) oraunkur kamuy (o-rá-un-kur-ka-muy)「オらウンクㇽカムイ」[<o-ra-un-kur(地下界から来る神;あの世の神;-kurは今‘ひと’‘おかた’などの意になっているので、さらにていねいに-kamuyをつけてよぶ) ⦅屈斜路、美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
orikikutkor
オリキクッコㇿ 【自動(?)/他動(?)】[o-riki-kut-kor その尻を・上に上げて・帯・を持つ(=帯をしめる)] 膝の上まで着物のすそをまくる。 {E: to roll up the bottom of one's clothing to above the knees.} (出典:田村、方言:沙流)
orikikutkor
オリキクッコㇿ 【o-riki-kut-kor】 帯を高々と締める:何かしようとする時に,その用意をしている様子.女性に対してのみ使う. ア・ウヌフ オリキクッコㇿ ワ チソイェカッタ=母が帯を高々と締めて,さっとばかり外へ飛び出した. (出典:萱野、方言:沙流)
oro ci=kus isam kane
オロ チクㇱ イサㇺ カネ 【oro ci=kus isam kane】 運が悪い,どこまでも不運である.▷オロ=そこ チ=私たち クㇱ=通る イサㇺ=ない →通る所もない イヨーハイ オウェヌシ ㇷ゚ アナㇰネ アㇻパ ヒ エピッタ オロチクㇱ イサㇺ カネ ウェン クㇽ ネ=まあ本当かい,運の悪い者は徹頭徹尾少しの道も開けずに悪くなるものだ.ソンノ イヌヌカㇱキ.タㇷ゚イキクㇽ アナㇰネ オロチクシ イサㇺ カネ アㇻパ ヒ エピッタ エカㇱカムイサㇰ=本当にかわいそうだ,今の人は通る所もないほどに行く先々全部運が悪い.ソンノ タパン ハワㇱ ク・ヌ ヒ オラーノ ポーヘネ イヨーハイ シトマレ.ヘマンタ イノンチㇼペ アン ワ ネスン オロチクㇱイサㇺカネ=本当にこの度の話を私が聞いて,なおさらなんとまあ恐ろしいことか.何か人を呪う者たちがいてなのであろうが,そこを通る所もないほどに運が悪い.*日本語であれば「運が悪けりゃ屁までも臭い」に似たような言葉である. (出典:萱野、方言:沙流)
oromakuttar
オロマクッタㇻ §029 ハンゴンソウ ななつば (4) oroma-kuttar (o-ró-ma-kut-tar)「オろマクッタㇻ」[oró(その中)omá(に入れる)kúttar(円棒状茎)] 茎 ⦅穂別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
oromakutu
『オロマクツ』 §117 オオカサモチ、オニカサモチ (3) oromakutu『オロマクツ』 ⦅B⦆ (出典:知里植物編、方言:)
oruitakur- rutke
オルイタクㇽルッケ 【自動】[o-ru-ita-kur-rutke その尻・跡・板・(< 影/姿)・ずって動く][雅](島が死んで神になって)木の枝からすべり落ちる。 kamuy sinne/pito sinne/apiskatu apiska/oruitakur/rutke=an na カムイ シンネ/ピト シンネ/アピシカトゥ アピシカ/オルイタクㇽ/ルッケアン ナ 私は(死んで)神になって止まっていた木の枝からすべり落ちた。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
oruskur
オルㇱクㇽ 【自動】[o-rus-kur そこに・毛皮・影/姿](?) (殺した熊の頭を上座に据えてあるものに関して)毛皮がついている。 oruskur maratto オルㇱクㇽ マラット 毛皮がついたままの熊の頭。 {E: for a dead bear to have it's fur still attached.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oruskurmarapto
オルㇱクㇽマラㇷ゚ト 【o-rus-kur-marapto】 後ろに毛皮のついた熊の頭.▷オ=それ ルㇱ=毛皮 クㇽ=ついたまま マラㇷ゚ト=熊の頭 (出典:萱野、方言:沙流)
osakunsame
オサクンサメ §083 ひとくいざめ (1) osakun-same(o-sá-kun-sa-me)「オさクンサメ」成魚⦅虻田⦆ヒトクイザメ。 (出典:知里動物編、方言:)
osikkurkote
オシックㇽコテ 【他動】[o-sik-kur-kote (そこ)に・目・影/姿・を結びつける] …をじっと見つめる。 {E: to glare, stare at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osikkurkote
オシックㇽコテ 【o-sik-kur-kote】 目を離さない. ア・ホクフ イヨシックㇽコテ(イ・オシックㇽコテ).オヤチキ ホンコㇿ・アン ヒ ネ アアン=私の夫は私から目を離さなかった.知らなかったが私は妊娠していた. (出典:萱野、方言:沙流)
osikusis
オシクシㇱ 【o-si-kusis】 大便をする.*多くの場合野糞の時にこの言い方で,便所でのは,ヤイウテㇰ=自分で自分を使うという. (出典:萱野、方言:沙流)
osirkokunne
オシㇼコクンネ 【o-sir-ko-kunne】 暗くなってしまった. トゥナㇱ ノ コケレ(ク・オケレ) クナㇰ ク・ラム ワ カリキキ(ク・アリキキ) ア コㇿカ コシㇼコクンネ(ク・オシㇼコクンネ)=早く終わらせようと思って頑張ったけれども暗くなってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
oskekuyatatke
オㇱケクヤタッケ §632.腹が鳴る;腹鳴する(2)oske-kuyatatke〔óš-ke|ku-já-tat-ke おㇱケ・クやタッケ〕[腹の中が・グーグーする]⦅テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oskur
オㇱクㇽ 【他動】(なくなったもの)を惜しかったと残念に思う。 na ene a=oskur pe ne akus ene isam hawe an hi an? ナ エネ アオㇱクㇽ ペ ネ アクㇱ エネ イサㇺ ハウェ アニ アン? まだまだ生きていてほしい人であったが亡くなったって言うのか。(S) áponko an icen ku=kor pirka santoku or oma wa ku=hacire wa isam wa k=óskur アポンコ アン イチェン クコㇿ ピㇼカ サントク オㇿ オマ ワ クハチレ ワ イサンマ コㇱクㇽ たいした額の(=たくさんの額の)お金が私の上等の財布に入っていたのを落としてしまって惜しかった。(S) {E: to regret, long for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oskur
オㇱクㇽ 【oskur】 もったいない,いたましい,惜しいと思う. エネ ケヤㇺ(ク・エヤㇺ) フミ アン ペ ネ アㇷ゚ エン・イヨチㇱパレ ハイー コㇱクㇽ(ク・オㇱクㇽ) フミー=あれほど私が大切に思っていた物を壊されてしまった,あーあもったいない.ケヤㇺ(ク・エヤㇺ) ワ カナ(ク・アン ア) タシロ ケルサ(ク・エルサ) アクス エノチㇱチㇱレ(エン・オチㇱチㇱレ) エアㇻキンネ コㇱクㇽ(ク・オㇱクㇽ)=私が大切にしていた山刀を貸したのになくしてしまい,本当に惜しいと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
osomakoyaykus(-an)
オソマコヤイクㇱ §690.便秘[する];ふんずまり[する](2)osoma-koyaykus(-an)〔o-só-ma-ko-jaǐ-kuš オそマ・コヤイクㇱ〕[osoma(大便する)+koyaykus(できない)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorkikunpe
オソㇿキクンペ 【osor-kik-un-pe】 月経帯. *ユカㇻの中で大切に育てられている少女が,針仕事の練習のために縫った袋物を,召使い女たちがオソㇿキクンペとして用いる.それを知った少女が両足をばたばたさせて泣きわめく場面がある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
osorkokumpe
オソㇿコクンペ §021.赤子のおむつ(1)osorkokumpe〔o-sór-ko-kum-pe オそㇿコクンペ〕[<osor(尻)+ka(の上)+o(につく)+kun(べき)+pe(もの)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorkupa
オソㇿクパ §189 ハサミムシ(挟虫) (4) osorkupa (o-sór-ku-pa)「オそㇿクパ」 ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
otakunkamarusa
オタクンカマルサ §008 シロヨモギ (3) otakun-kamarusa (o-tá-kun-ka-ma-ru-sa)「オたクンカマルサ」[otá(砂浜)ka(の上)un(にある)kamárusa(ヨモギ)] 葉 ⦅大泊⦆ (出典:知里植物編、方言:)
otakuru
オタクル §260 ヤマシャクヤク ベニバナヤマシャクヤク (4) otakuru (o-tá-ku-ru)「オたクル」 根 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
otcinekunip
オッチネクニㇷ゚ 【otcine-kuni-p】 至らない者,無能な者:ヘりくだりの言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
otu henkuror
オトゥ ヘンクロㇿ 【名】[otu henkuror 二つの・(?)](次の慣用表現の中で) otu henkuror koanu オトゥ ヘンクロㇿ コアヌ (ore henkuror オレ ヘンクロㇿ が省略された形。)…を(=…が来たことを)何度もうなずいて喜ぶ。 i=nukar a p sekor, ney wano i=amkir pe koraci, otu henkuror i=koanu i=omap a i=omap a イヌカラㇷ゚ セコㇿ、 ネイ ワノ イアㇺキㇼ ペ コラチ、 オトゥ ヘンクロㇿ イコアヌ イオマパ イオマパ (その神様は)私を見たとたんに、 どこかで私を見て私を前から知っているみたいに、 ニコニコと私を見てうなずきながら大喜びして私をだいたりなでたりしてかわいがってくれた。(W神謡語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otu henkuror ore henkuror
オトゥ ヘンクロㇿ オレ ヘンクロㇿ 【o-tu henkuror o-re henkuror】 そうかそうかとうなずきながら.▷オ=それ トゥ=ふたつ ヘンクロㇿ=うなずき オ=それ レ=三つ ヘンクロㇿ=うなずき (出典:萱野、方言:沙流)
otukukke
オトゥクッケ 【otukukke】 埋まる. チㇱ ワ パテㇰ アン メノコ ネ ノイネ シㇰラㇷ゚ タクㇷ゚ エオトゥクッケ カネ アン=泣いてばかりいる女らしく,まつげだけが見えるほどまぶたがはれている.*このような表現の時にだけ聞く.他の物が埋まる場合は オムッテㇰ. (出典:萱野、方言:沙流)
oya kuttom iyosma
オヤ クットㇺ イヨㇱマ §752.むせる(噎せる)(4)oya kuttom iyosma〔o-já-kut-tom|i-jóš-ma オや・クットㇺ・イよㇱマ〕[oya(別の)+kuttom(のど)+i(物が)+osma(そこに入る)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oyamosirunkur
オヤモシルンクㇽ 【oya-mosir-un-kur】 外国人. (出典:萱野、方言:沙流)
oyaukuran
オヤウクラン 【oya-ukuran】 明日の夜. オヤウクラン ヤントコㇿ・アン オアシ ナ.エトコカㇻ ワ アヌ=明日の夜,客が泊まることになった.用意しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
oyekuste
オイェクㇱテ §840.りんしつ(淋疾);りんびょお(淋病)(1)oyekuste〔o-yé-kuš-te オいぇクㇱテ〕[o(陰部)+ye(膿)+kus-te(通ら・せる)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oykus
オイクㇱ 【自動】[o-i-kus その尻・もの・通る]もる(漏る)。 wakka o ontaro oykus kor an ワッカ オ オンタロ オイクㇱ コㇿ アン 水の入った樽(水樽、 水桶)がもっている。 ☆参考 主語は水ではなく入れ物。 {E: a leak.} (出典:田村、方言:沙流)
oykus
オイクㇱ 【oykus】 漏る. ワッカ コマレ(ク・オマレ) ワ ピㇼカ クナㇰ ク・ラム クス サカエ コマレ(ク・オマレ) アクス クトシントコ オイクㇱ=水を入れてみて,いいと思ったので酒を醸す粥を入れたら,帯つきの行器が漏る. (出典:萱野、方言:沙流)
oytakusi
オイタクシ 【他動】[o-itak-usi (そこ)に・言葉・…に…をつける] 祈る。 ☆参考 「祈る」の訳語として出た。 用例はない。 {E: to pray to…for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pakakusay
パカクサイ 【自動】[日本語 ばかくさい] ばからしい。 toy-pakakusay/wen-pakakusay トイパカクサイ/ウェンパカクサイ [雅]ひどくばからしい、 すごくばからしい。(MM即興歌) {E: to be foolish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pakekunne
パケクンネ §309 シジュウカラ (2) pake-kunne (pá-ke-kun-ne)「ぱケクンネ」[<pake-kunne(頭・黒い)] ⦅浦河⦆ (出典:知里動物編、方言:)
pakkaykut
パッカイクッ 【pakkay-kut】 子供をおぶる帯. (出典:萱野、方言:沙流)
pakutciki
パクッチキ 【自動】[pakutci-ki ばくち(日本語)・をする] ばくちをやる。 {E: to gamble.} (出典:田村、方言:沙流)
pakutcitama
パクッチタマ 【名】[pakutci-tama ばくち(日本語)・玉] さいころ。 {E: a die (pl. dice).} (出典:田村、方言:沙流)
pakuy
パクイ §278 あざらし (22) pakuy (pá-kuy)「ぱクイ」 ⦅多来加、白浦⦆ゴマフアザラシ Phoca richerdii pribilofensis J. A. ALLEN. の成体 (出典:知里動物編、方言:)
pantukum(-i)
パントゥクㇺ §224.からだ(体);躯幹(22)下体[臍の辺から下、下肢を含む] pan-tukum(-i)〔pán-tukum ぱントゥクㇺ〕[pan(下方の)+tukum(=rukum 断片)]⦅S.⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
paro kem kus
パロ ケㇺ クㇱ §212.かっけつ(喀血)[する](1)喀血 paro kem kus〔pa-ró-kem-kuš パろ・けㇺ・くㇱ〕[そのロを・血が・通る]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
paroikus
パロイクㇱ §212.かっけつ(喀血)[する](2)喀血 paro-ikus〔pa-ró-i-kuš パろ・イクㇱ〕[paro(その口を)+i(それが、=血が)+kus(通る)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
paroikus
パロイクㇱ §592.肺病(10)肺病喀血 paro-ikus〔pa-ró-i-kuš パろ・イクㇱ〕[paro(その口を)+i(それが、 =血が)+kus(通る、どっと出る)]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
parokemkus
パロケㇺクㇱ §592.肺病(9)肺病喀血 paro-kem-kus〔pa-ró|kém-kuš パろ・ケㇺクㇱ〕[paro(その口を)+kem(血が)+kus(通る、どっと出る)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
parumpekunneturkesosita
パルンペクンネトゥㇽケソシタ §268 イヌ (40) parumpe-kunne-turkes-o-sita (pa-rúm-pe-kún-ne-tur-ke-so-si-ta)「パるンペくンネトゥㇽケソシタ」[<parumpe(舌に)kunne(黒い)turkes(ほくろ)o(ある)sita(犬)] ⦅美幌⦆舌に黒い点々のついているイヌ(こういう相のイヌは良犬とされている) (出典:知里動物編、方言:)
parunpekuste
パルンペクㇱテ 【parunpe-kuste】 目のごみを舌で取る. ク・シキヒ マイオマ ノイネ ク・シㇰマカカ ケアイカㇷ゚(ク・エアイカㇷ゚) ナ.イネイネ テタ ホッケ パルンペ ク・クㇱテ ナ=私の目にごみが入ったらしく目を開けることもできないよ.どれどれここへ寝て舌通すので(普通のごみ=ムン 目に入ったごみ=マイ). *子供の頃に母にこのようなやりかたで目に入ったごみを取ってもらった. (出典:萱野、方言:沙流)
pasekur
パセクㇽ §073 マスノスケ;オオスケ;クチグロマス;フキマス (5) pase-kur(pa-se-kur)「パセクㇽ」⦅美幌⦆マスノスケkamuy-cep sapa-ne-kur(鮭の王)網走川や常呂川で毎年一尾くらいkamuy-cepに混じってとれる。この下あごの骨をとって生のまま刻んでape-huciにあげる。 (出典:知里動物編、方言:)
paskuma
パㇱクマ 【他動】(人)に先祖や起源や素性の話を教え伝える、 …に言い伝えを語り伝える。 upaskuma=an ciki nu yan sekor a=kor ekasi utar haweoka kor i=paskuma hawe ene an hi sekor ku=kor ekasi hawean kor en=paskuma hawe ene an hi ウパㇱクマアン チキ ヌ ヤン セコㇿ アコレカシ ウタㇻ ハウェオカ コㇿ イパㇱクマ ハウェ エネ アニ セコㇿ クコレカシ ハウェアン コㇿ エンパㇱクマ ハウェ エネ アニ 先祖の言い伝えを話してあげるから聞きなさいと自分のおじいさん方が言いながら自分たちにこのように語り伝えてくれたんだよと私の祖父が言いながら私に次のように語り伝えてくれた。(S独話) síno utarpa/síno rametok/a=paskuma kusu ne kor シノ ウタㇻパ/シノ ラメトㇰ/アパㇱクマ クス ネ コㇿ [雅]まことの強者まことの勇者に先祖(素性)の話をするときは。(Sユーカラ) ☆参考 upaskuma ウパㇱクマ 言い伝えを語る、 言い伝え。 {E: to tell, relate…to…; have someone listen to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
paskuma
パㇱクマ 【paskuma】 教える. ペウレクㇽ ウタㇻ ア・エパㇱクマ ヒ アナㇰネ ネユンネユン アン ペ ネ アイヌ イキㇼ エネ アン ヒ ネ ヤ コタン エピッタ アン ナイレ ネ ヤ ポロンノ アン ペ ネ=若い人たちに教えることはいろいろあって,人々の血統とかがどうなっているかとか村中にある沢の名前とかたくさんあるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
paskunto
パㇱクント §215 イガイ (1) paskunto (pás-kun-to)「ぱㇱクント」[paskur(カラス)to(乳房)] ⦅藻汐草⦆ (出典:知里動物編、方言:)
paskuntori
パㇱクントリ §299 ハシボソガラス  関(5) paskuntori (pás-kun-to-ri)「ぱㇱクントリ」[<paskur-tori(からす・どり)] ⦅白浦⦆【祈詞】からす (出典:知里動物編、方言:)
paskur
パㇱクㇽ 【名】[動物]カラス(総称)。 nítek ka ta paskur sinep rew híne “kaːk kaːk…” ニテㇰ カ タ パㇱクㇽ シネㇷ゚ レウ ヒネ 「カーㇰ カーㇰ…」木の枝にカラスが一羽止まって「カーカー…」。(W民話) paskur rek haw wen パㇱクㇽ レㇰ ハウ ウェン カラスのなきようが悪い(不吉ななき方だ)。(W) nisatta paskur cis koraci ニサッタ パㇱクㇽ チㇱ コラチ 明日はカラスの泣くように(泣いて帰るだろう)(料理屋に行ってお金をたくさん使って、 酔いがさめたら泣くだろう等、 酔っぱらって夜遅くまで遊んでいる人を笑って言う)。 ☆参考 口承文学にもよく登場する。 役回りはどちらかというと、 不吉なことの前兆、 悪ふざけをする者など、 きらわれる役が多いようである。 ☆参考 paskur パㇱクㇽ に次の四種がある。 síepaskur シエパㇱクㇽ[si-e-paskur 糞を食べる・カラス] くちばしが長い、 ただ kaːk kaːk カーㇰ カーㇰ と鳴く。 kararak カララㇰ[< (声の擬音)] karr, karr カㇽㇽ、 カㇽㇽ と鳴く。 sirarkokari シラㇻコカリ[sirar-ko-kari 海岸の岩・に・回る](?) karr həː, karr həː カㇽㇽ ハー、 カㇽㇽ ハー と鳴く。 okep オケㇷ゚[o-kep その尻が・毛がない] 「夜歩くカラス、 根性悪い。」 (S)〔知分類 p.1〕 {E: a crow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
paskur
パㇱクㇽ 【paskur】 烏:シエパㇱクㇽ(糞食い烏)=ハシブトガラス. パㇱクㇽ パㇰペ ヌカㇻヌカㇻ=烏ほどの物を見ろ見ろ.*女性が山で熊に出会った時,前をはだけて黒いものを見せながらこう言うと,熊は恥ずかしそうに目を逸らして行ってしまうという.クンネイワ ノ チセ カ ウン パㇱクㇽ ハウコㇿ.タント アナㇰネ ピㇼカ ヤント エㇰ ナンコㇿ=朝から屋根の上へ烏が声を出した.今日はいい客が来るであろう.*アイヌはカララㇰ(ハシボソガラス)のほうを格神のいい烏と考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
paskur wen rek
パㇱクㇽウェンレㇰ §299 ハシボソガラス  関(6) paskur wen rek (pas-kur-wen-rek)「ぱㇱクㇽウェンレㇰ」 ⦅近文⦆原義‘カラスが悪く鳴く’‘カラスが不吉に鳴く’。いわゆるカラス鳴きが悪いこと。 (出典:知里動物編、方言:)
paskur'ape
パㇱクㇽアペ 【paskur-ape】 鬼火.▷パㇱクㇽ=烏 アペ=火 *青白い光で,昭和10年代造林人夫や測量人夫で山を歩いた時.夜はこの火を見たものだが平成7年現在は太い木の根もないので見ることができなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
paskur'ep
パㇱクㇽエㇷ゚ 【paskur-e-p】 ツルウメモドキ.▷パㇱクㇽ=烏 エ=食べる ㇷ゚=物 クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦はムカゴイラクサが一番いい,次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ.パㇱクㇽエㇷ゚ カプフ アニ メノコウㇷ゚ソㇿ ネ ヤ エムㇱ アッ ネ ヤ タラッ ネ ヤ ア・カㇻ コㇿ エアㇻキンネ ニㇱテ ワ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ツルウメモドキの皮で女性のお守り紐とか刀の下げ帯とか背負い縄の紐などを作ると本当に丈夫でいいものだ.*雪が降ってからつるになった赤い実を烏が食べるのでこの名がついている. (出典:萱野、方言:沙流)
paskurarewrew
パㇱクㇽアレウレウ §144 カラスアゲハ;ミヤマカラスアゲハ(成) (1) paskur-arewrew(pas-kur-a-rew-rew)「パㇱクㇽアレウレウ」⦅旭川⦆ (出典:知里動物編、方言:)
paskuraru
パㇱクラル §182 エゾノレンリソウ (1) paskuraru (pás-ku-ra-ru)「ぱㇱクラル」[カラスの・弁当] 果実 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
paskurep
パㇱクレㇷ゚ §047 カンボク (2) paskurep (pás-ku-rep)「ぱㇱクレㇷ゚」[paskur(カラスが)e(食う)p(物)] 果実 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
paskureray ki
パㇱクレライ キ §389.しぬ(死ぬ)(63)犬死する;野たれ死する paskur-e-ray ki〔páš-ku-re-raǐ|kí ぱㇱクレライ・き〕[paskur(カラス)+-e-(に関する)+ray(死ぬ)+ki(する)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
paskurhunkokko
パㇱクㇽフンコッコ §424 カラスヘビ(方言);シマヘビの変種 (2) paskur-hunkokko (pás-kur-hun-kok-ko)「ぱㇱクㇽフンコッコ」[<からす・へび] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
paskurkamuy
パㇱクㇽカムイ §424 カラスヘビ(方言);シマヘビの変種 (1) paskur-kamuy (pas-kur-ka-muy)「ぱㇱクㇽカムイ」[<からす・神] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
paskurmame
パㇱクㇽマメ §181 ハマエンドウ (2) paskur-mame (pás-kur-ma-me)「ぱㇱクㇽマメ」[カラス・豆] 果実 ⦅長万部⦆ (出典:知里植物編、方言:)
paskurmarewrew
パㇱクㇽマレウレウ §144 カラスアゲハ;ミヤマカラスアゲハ(成) (5) paskur-marewrew(pas-kur-ma-rew-rew)「パㇱクㇽマレウレウ」⦅美幌II,34、屈斜路、名寄、屈斜路、コ88、池田ikeda、高島⦆ (出典:知里動物編、方言:)
paskuro
パㇱクロ §298 ハシブトガラス (6) paskuro (pas-ku-ro)「パㇱクロ」 ⦅千島⦆からす (出典:知里動物編、方言:)
paskursinot
パㇱクㇽシノッ 【paskur-sinot】 鳥遊び:遊び方の下手な者に言う.子供と遊んでというか,子供をかわいがっても乱暴にして泣かす大人のこと. ▷パㇱクㇽ=鳥 シノッ=遊び(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
paskutcihomap
パㇱクッチホマㇷ゚ §424 カラスヘビ(方言);シマヘビの変種 (3) paskut-cihomap (pás-kut-či-ho-map)「ぱㇱクッチホマㇷ゚」[<からす・へび] ⦅穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
paskuto
パㇱクト §215 イガイ (2) paskuto (pas-ku-to)「パㇱクト」 ⦅礼文華⦆(方言:シウリカイ、ニタリガイ) (出典:知里動物編、方言:)
paskuttar
パㇱクッタㇻ §269 ナンバンハコベ (1) paskuttar (pás-kut-tar)「ぱㇱクッタㇻ」[paskur(カラス)tar(荷負縄)] 茎葉 ⦅A十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)
paskutto
パㇱクット §215 イガイ (3) paskutto (pas-kut-to)「パㇱクット」 ⦅幌別⦆ヒヨリ貝 (出典:知里動物編、方言:)
paskutto
パㇱクット §215 イガイ (4) paskutto (pás-kut-to)「ぱㇱクット」[<paskur(カラス)to(貝)] ⦅白老、幌別、礼文⦆ムラサキガイ、エゾイガイ、エゾヒバリガイなど。 (出典:知里動物編、方言:)
pattakup
パッタクㇷ゚ 【par-takup】 口だけ. パッタクㇷ゚ イヨアットゥイェ(イ・オアットゥイェ)=口で私を切るように=口ばかり達者なやつだ. (出典:萱野、方言:沙流)
patukuku
パトゥクク §266.口を尖らして不平顔をする(4)patukuku〔pá-tu-ku-ku ぱトゥクク〕[pa(口を)+tukuku(つきだしている)]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pecankur
ペチャンクㇽ 【pecan-kur】 やせっぽっちの人,たいしたことのない者. (出典:萱野、方言:沙流)
pehkutu
ペㇸクトゥ §014 ヨブスマソウ (7) pehkutu (péh-ku-tu)「ぺㇸクトゥ」[<pet-kutu] 茎 ⦅白浦、真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pekampekuttar
ペカンペクッタㇻ §029 ハンゴンソウ ななつば (8) pekampe-kuttar (pe-kám-pe-kut-tar)「ペかンペクッタㇻ」[ヒシ(の)・円棒茎] 茎 ⦅A石狩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pekampekutu
ペカンペクトゥ §029 ハンゴンソウ ななつば (7) pekampe-kutu (pe-kám-pe-ku-tu)「ペかンペクトゥ」[pekampe(ヒシの実)kutu(円棒茎)] 茎 ⦅美幌、屈斜路、足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pekkutu
ペックトゥ §014 ヨブスマソウ (6) pekkutu (pék-ku-tu)「ぺックトゥ」[<pet(川)kutu(筒)] 茎 ⦅白糠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pekuruppe
ペクルッペ 【pe-kuruppe】 露霜,水霜. (出典:萱野、方言:沙流)
pekusta
ペクㇱタ 【pekusta】 〜だからとて. ソンノ ウェンロㇰ ペクㇱタ ウインネレ ヘカッタㇻ エウトパネレ=本当に貧乏だからとて,大家族,子供たちが群れをなして. (出典:萱野、方言:沙流)
pekutu
ペクトゥ §014 ヨブスマソウ (5) pe-kutu (pé-ku-tu)「ぺクトゥ」[pe(水)kutu(筒)] 茎 ⦅長万部、礼文華⦆ (出典:知里植物編、方言:)
penekusu
ペネクス 【pe ne kusu】 ものだから,〜ので. トゥイマ ウㇱケ ワ ア・トクイェコㇿクㇽ エㇰ ペ ネ クス アネピッタ ウウェネウサㇻ・アン ヒネ シㇼコペケㇾ・アン=遠い所から友人が来たものだから,夜通し四方山話をして夜明かしをしてしまった.ウトゥルン アチャポ エㇰ コㇿ オラーノ アンオホロ ペ ネ クス ア・エイヌピタラ=道路のあちら(西側)のおじさんは来ると長居するのでいやがられる. (出典:萱野、方言:沙流)
peniunkur
ペニウンクㇽ 【peni-un-kur】 奥の方の人:二風谷からみると沙流川上流のアイヌをそう呼んでいた. (出典:萱野、方言:沙流)
penrekuci
ペンレクチ 【名】[所](概は penrekut ペンレクッ )[pen-rekut-i 上の・のど・(所属語尾)][動物](熊の)首(頭)。 penrekuci a=etúrsere ペンレクチ アエトゥㇽセレ そうして熊の首を切り落とした(この場合「頭」をさしている)。 〔知分類になし〕 {E: (the head) the neck (of a bear).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
penrekut
ペンレクッ 【名】[概](所は penrekuci ペンレクチ)(鹿の、 あるいは動物一般の?)首の前側(人間で言えばのどに相当する部分)。(W) (S) ☆[対]panrekut パンレクッ。 (出典:田村、方言:沙流)
pentukum(-i)
ペントゥクㇺ §224.からだ(体);躯幹(20)上体[臍の辺から上、首を除く] pen-tukum(-i)〔pén-tu-kum 舳ントゥクㇺ〕[pen(上方の)+tukum(=rukum 断片)]⦅S.⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
peraysiokku
ペライシオック 【peray-siokku】 アンコウ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
Petetokuspe
ペテトクㇱペ 【名】[petetok-us-pe 川の水源地・についている・もの][地名](川の水源地にある山の名。) ①(釧路の藻琴山の昔の名。) ②(沙流川の上流の山の古名、 今の幌尻岳のことらしい。) {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
petikuswa
ペッイクㇱワ 【pet ikus wa】 川向かいから. (出典:萱野、方言:沙流)
petkuretoko
ペックレトコ 【位名】[所](概の用例はない)[pet-kur-etoko 川・姿・の先端][雅]川の水源地。 epa=kor petpo/petkuretoko/iworso ka wa エパコㇿ ペッポ/ペックレトコ/イウォㇿソ カ ワ [雅]我が川の上(かみ)のはずれの奥地の方から。(Sユーカラ) ☆参考 日常語ではpetetok ペテトㇰ [概]/petetoko(ho) ペテトコ(ホ)[所]。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
petkus
ペックㇱ 【位名】[pet-kus 川・を渡った向う側] 川向こう、 川の向こう側。 ☆参考 古老は日本語では「川向かい」と言っていた。 {E: the opposite side, bank of a river.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
petkuttar
ペックッタㇻ §014 ヨブスマソウ (8) pet-kuttar (pét-kut-tar)「ぺックッタㇻ」[pet(川)kuttar(筒)] 茎 ⦅A有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
petorunkuruni
ペトルンクルニ §318 デロ ドロノキ (5) petorun-kuruni (pé-to-run-ku-ru-ni)「ぺトルン・クルニ」[pet(川)or(の中)un(にある)kurunni(魔の木?)] 茎 ⦅屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pewrekur
ペウレクㇽ 【pewre-kur】 若人. ペウレクㇽ ネ コㇿカ ラメトコㇿケ(ラメトㇰ オㇿケ) パウェトㇰ トゥラ ア・オトゥワシ ナ エコシ ワ アヌ ヤン=若い人ではあるけれど度胸も雄弁もともに頼れるから任せておきなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
pikan mahtekuh
ピカン マㇵテクㇷ §347.産―難産[する](4)分娩が長びく状態にある女 pikan mahtekuh〔pi-kán|máh-te-kuh ピかン・まㇵテクㇷ〕[pikan(急を要する)+mahtekuh(女)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pikuku
ピクク 【pikuku】 扱(しご)く:細長いものを片手に握って他の手で引く. カンカン ピクク=腸をしごく.オッコ エ・アン ヤー ナイ サㇺ タ ポーロ ユㇰ ア・リ コㇿ アン ナ アㇻパ・アン ワ カンカン ヘネ ア・ピクク ワ ア・フライェ ナ ヘタ エン・トゥラ=姉よいるかい,沢の側に大きい鹿の皮剥ぎをしているので,行って腸などをしごいて洗うから,さあ一緒に行こう. (出典:萱野、方言:沙流)
pikuta
ピクタ 【pikuta】 砂:河原にある浜砂のようなさらさらした砂. (出典:萱野、方言:沙流)
pikutatoy
ピクタトイ 【pikuta toy】 川洲・川原の畑:柳原の間にある浜砂のような柔らかい所. ポロ ワッカ アン エオヤパ アナㇰネ ピクタトイ シノ ピㇼカ ㇷ゚ ネ.ムン ウㇱ カ ソモ ルロカㇻ・アン ワ ナーニ ユㇷ゚キㇼ・アン コㇿ チュㇰアン コㇿ ネㇷ゚パㇰノ アマㇺ ヌモノ=大洪水のあった次の年は川洲畑は本当にいいものだ,草も生えないし,畝を切ってすぐに種を蒔くと秋になればどっさり穀物が実る.オッコー タント アハ タ・アン クス ピクタトイ オルン パイェ・アン ロー=お姉さん,今日土豆を掘りに川原の砂畑まで行こうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
pikuyra
ピクイラ 【pikuyra】 後をつける. (出典:萱野、方言:沙流)
pinnekur
ピンネクㇽ 【名】[pinne-kur 男性の・人] 男(=okkayo オッカヨ)。 inaw-pinnekur イナウピンネクㇽ (直訳すると)木幣男(céhorkakep チェホㇿカケㇷ゚《逆削り木幣》の別名)。 ☆参考 通常「男の人」のことを言うには使わない。 (出典:田村、方言:沙流)
pirkakur
ピㇼカクㇽ 【pirka-kur】 丁寧に,慎重に, タパン ハワㇱ ア・ヤイピㇼカクㇽコシラㇺスイェ イマカケ タ ア・エエセ クニ ア・ラム コㇿ アナン(アン・アン)=この話,私自身慎重に考えて,後程返事をしようと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
pisakku
ピサック 【名】[< 日本語 ひしゃく] ひしゃく。 pisakku ani nise ピサック アニ ニセ ひしゃくで汲む(水を、 酒を)。(W) (S) {E: a dipper( for water, sake, etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pisakku
ピサック 【pisakku】 ひしゃく. (出典:萱野、方言:沙流)
pisakkunoka
ピサックノカ 【pisakku noka】 北斗七星. アイヌ アナㇰネ ピサックノカ シンナ レヘ "トイタサオッ" シコㇿ カ ア・イェ トイタウシ アン コㇿ トオㇷ゚ ヘリカシ キラ クス ア・イェ ヒ ネ=アイヌ民族は北斗七星の別の名を「畑耕しから逃げる」とも言う,畑時期になるとずうっと上へ逃げるのでそう言われるのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
pisekut(c-i)
ピセクッ §345.産―いわたおび(岩田帯);姙娠5カ月目ぐらいから腹にしめる帯pise-kut(c-i)〔pi-sé-kut ピせクッ〕[pise(ふくれた腹)+kut(帯)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
poho sika kusu kara tokoho
ポホ シカ クス カラ トコホ §374.しきゅう(子宮)(9)poho sika kusu kara tokoho〔ぽホ・シか・クす・カら・トこホ〕[子が出ようとしている所]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pokun
ポクン 【pokun】 陰(の)ほう. (出典:萱野、方言:沙流)
pokupap
ポクパㇷ゚ §111 クワガタムシ;鍬形虫 (9) po-kupap(pó-ku-pap)「ぽクパㇷ゚」⦅旭川⦆クワガタムシの成虫(♀) (出典:知里動物編、方言:)
pokupapap
ポクパパㇷ゚ §111 クワガタムシ;鍬形虫 (10) po-kupapa-p(pó-ku-pa-pap)「ぽクパパㇷ゚」⦅旭川⦆クワガタムシ類の成虫(♀) (出典:知里動物編、方言:)
pokuso
ポクソ 【名】[日本語 ぼくそう(牧草)][植物] 「ボクソー」(牧草)=クローバー。 〔知分類になし〕 {E: clover.} (出典:田村、方言:沙流)
pon'erekus
ポンエレクㇱ 【pon-erekus】 コマイ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
ponikupakikir
ポンイクパキキㇼ §111 クワガタムシ;鍬形虫 (11) pon-ikupakikir(pon-i-ku-pa-ki-kir)「ポンイクパキキㇼ」⦅足寄⦆クワガタムシの成虫(♀) (出典:知里動物編、方言:)
ponkur
ポンクㇽ 【名】[pon-kur 小さい・人] 子ども。 ☆参考 =nokan kur ノカン クㇽ ☆対語 porokur ポロクㇽ 大人 {E: a child; children.} (出典:田村、方言:沙流)
ponkur
ポンクㇽ §006.若者;青少年(9)pon-kur〔póŋ-kur ぽンクㇽ〕[pon(小さい)+-kur(ひと)]⦅ホロベツ、サル⦆若者。(→ユ研Ⅱ, p.815)。[pon(若い)+-kur(人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ponkurmat
ポンクㇽマッ 【名】[pon-kurmat 小さい・和人の女性] 若い和人女性、 和人の娘。 {E: a young Japanese girl, woman.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ponokunnekaci
ポノクンネカチ §006.若者;青少年(14)pon-okunnekaci〔pó-no-kun-ne-ka-či ぽノクンネカチ〕[pon(年若い)+okunnekaci(少年)]⦅S.⦆【雅】15〜17才位の少年。(→古謡, p.111)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ponpaskutto
ポンパㇱクット §096.陰部―女性の性器(20)女の子の性器 pon-paskutto〔póm-paš-kut-to ぽンパㇱクット〕[pon(小さい)+paskutto(ハマグリ)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ponrupnekur(-i)
ポンルㇷ゚ネクㇽ Ⅱ_§002.おとこ(男)(16)pon-rupnekur(-i)〔pón-rup-ne-kur ぽンルㇷ゚ネクㇽ〕⦅ホロべツ:神謡集, p.108⦆小男。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
pontokkuri
ポントックリ 【pon-tokkuri】 小さい瓶. タンペ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン アチャポ ノヌワㇱノ アフン カネ イキ ア・エランポㇰウェン ヒクス ポントックリ ア・ホㇰ ヒネ ア・クレ アクス ラムリテン ワ ホノイシノッチャキ コㇿ ホシピ ワ アㇻパ=いつもないこと,下のおじさん,全く酒気なしにひょっこりと入って来た.かわいそうに思ったので小さい瓶を私が買って飲ませると,上機嫌になって微かな歌を口ずさみながら戻って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
pontukusis
ポントゥクシㇱ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (4) pon-tukusis(pón-tu-ku-sis)「ぽントゥクシㇱ」[pon(小さい)tukusis(アメマス)]⦅似湾(p.46)、藻汐草、厚真、屈斜路14⦆イワナ。 (出典:知里動物編、方言:)
pontukusis
ポントゥクシㇱ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (10) pon-tukusis(pón-tu-ku-sis)「ぽントゥクシㇱ」[<pon(子の)tukusis(アメマス)]成魚⦅厚真、似湾、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
popukuru
ポプクル §360.産―えな;あとざん;胞衣;胎盤(5)po-pukuru〔pó-pu-ku-ruぽプクル〕[子・袋]⦅チカブミ、タライカ、シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
popukurukorohekaci
ポプクルコロヘカチ §361.産―胞衣を被って生れた子;袋子;幸帽児(2)po-pukuru-koro-hekaci〔pó-pu-ku-ru|ko-ró|he-ká-či ぽプクル・コろ・へかチ〕[えな・持つ・子]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
popukurukorohetukuhekaci
ポプクルコロヘトゥクヘカチ §361.産―胞衣を被って生れた子;袋子;幸帽児(1)po-pukuru-koro-hetuku-hekaci〔pó-pu-ku-ru|ko-ró|he-tú-ku|he-ká-či ぽプクル・コろ・へとぅク・へかチ〕[po-pukuru(胞衣)+koro(持ち)+heuku(生れた)+hekaci(子)]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
porokur
ポロクㇽ 【名】[poro-kur 大きい・人] おとな。 ☆対語 ponkur ポンクㇽ 子ども。 {E: an adult.} (出典:田村、方言:沙流)
porokur
ポロクㇽ 【poro-kur】 おとな,老人. イサㇷ゚テ・アン ヒ タ アナㇰネ アペサㇺ タ オカ ポロクㇽ ウタㇻ ホㇱキノ ア・コイプニ ㇷ゚ ネ ナ エラマン ワ オカ アニー=食べ物を配る時には火の側にいる老人たちのほうからさきに配るものだから覚えていてね. (出典:萱野、方言:沙流)
porokutu
ポロクトゥ §105 エゾニュウ (2) poro-kutu (po-ró-ku-tu)「ポろクトゥ」[poro(大きい)kutu(筒状茎)] 茎 ⦅白浦⦆⦅A十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)
porosikupkur
ポロシクㇷ゚クㇽ §008.老翁(12)poro-sikup-kur〔po-ró-ši-kup-kur ポろシクㇷ゚クㇽ〕⦅ホロべツ⦆【雅】老翁。[(大いに・成長した・人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
porosikupmat
ポロシクㇷ゚マッ §009.老婆(4)poro-sikup-mat〔po-ró-ši-kup-mat ポろシクㇷ゚マッ〕⦅ホロべツ⦆【雅―神謡集, p.10】老婦人。[(大いに・成長した・女)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
porosukup
ポロスクㇷ゚ 【自動】[poro-sukup 大きい・壮年になる] 壮年/熟年である/になる(あまり年老いてもいないし若すぎもしない)。 porosukup kur ポロスクㇷ゚ クㇽ 熟年の人(男性)(五十歳代ぐらいの人)。 {E: to be in the prime of life.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
porotukusis
ポロトゥクシㇱ §074 アメマス (3) poro-tukusis(po-ro-tu-ku-sis)「ポロトゥクシㇱ」⦅パコロ⦆(180) (出典:知里動物編、方言:)
potaratakusa
ポタラタクサ 【potara-takusa】 清め草:ノヤ(ヨモギ),フレアユㇱニ(タチイチゴ). (出典:萱野、方言:沙流)
poysey rekuciaraka
ポイセイ レクチアラカ §580.のどの病気;咽喉痛(8)小貝咽頭病 poy-sey rekuci-araka〔póǐ-seǐ|re-kú-či-a-ra-ka ぽイセイ・レくチアラカ〕[poy(<pon 小さい)+sey(貝)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
poysikupkina
ポイシクㇷ゚キナ §359 バイケイソウ (3) poysikupkina (póy-si-kup-ki-na)「ぽイシクㇷ゚キナ」[poysi(赤児)siku(成長する)kina(草)] 茎葉 ⦅名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
poysikuppe
ポイシクッペ §005.男児;幼少年(13)poysikuppe〔póǐ-ši-kup-pe ぽイシクッペ〕[pon(小さい)+sikuppe(若者)]⦅ビホロ⦆少年。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
pukuru
プクル 【名】[< 日本語 ふくろ] 袋。 {E: a bag.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pukuru(pukuro)
プクル(プクロ) 【pukuru(pukuro)】 袋. (出典:萱野、方言:沙流)
pukusa
プクサ 【名】[植物]「キトピロ」。 〔知分類 p.195 ギョオジャニンニク〕 {E: a kind of wild garlic (B.).} (出典:田村、方言:沙流)
pukusa
プクサ 【pukusa】 ギョウジャニンニク:旭川の方ではキト. (出典:萱野、方言:沙流)
pukusa
プクサ §336 ギョウジャニンニク (1) pukusa (pu-kú-sa )「プくサ」 茎葉 ⦅長万部、虻田、有珠、室蘭、幌別、白老、穂別、鵡川、沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pukusacir
プクサチㇼ 【名】[pukusa-cir キトピロ(ギョウジャニンニク)・鳥][動物](鳥の名)。 〔知分類になし〕 {E: name of a bird.} (出典:田村、方言:沙流)
pukusaciri
プクサチリ §306 ヒバリ (8) pukusa-ciri (pu-kú-sa-či-ri)「プくサチリ」[<]ヒバリ⦅網走⦆クイナ⦅春採⦆シジュウカラ⦅藻汐草⦆ (出典:知里動物編、方言:)
pukusakina
プクサキナ 【名】[pukusa-kina][植物]「イッポンナ」イチリンソウ(?)/ニリンソウ(?)。 ☆参考 「おつゆ」(みそ汁)の実にする。 ☆参考 鵡川の古老は ohawkina オハウキナ とも言っていた。 〔知分類 p.148 ニリンソウの茎葉〕 (出典:田村、方言:沙流)
pukusakina
プクサキナ 【pukusa-kina】 ニリンソウ,イッポンナ:穂別町和泉ではオハウキナ(汁用山菜)という. (出典:萱野、方言:沙流)
pukusakina
プクサキナ §255 ニリンソウ (1) pukusa-kina (pu-kú-sa-ki-na)「プくサ・キナ」 茎葉 ⦅長万部、幌別、荻伏、様似、美幌、名寄、白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pukusakina
プクサキナ §434 エゾフユノハナワラビ (1) pukusa-kina (pu-kú-sa-ki-na)「プくサキナ」[pukúsa(ギョウジャニンニク)kina(草)] 裸葉 ⦅D屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pukusamarewrew
プクサマレウレウ §145 キアゲハ(成);アゲハ(成) (3) pukusa-marewrew(pu-kú-sa-ma-rew-rew)「プくサマレウレウ」⦅美幌II,34⦆ (出典:知里動物編、方言:)
pukusara
プクサラ 【名】[pukusa-ra キトピロ・葉][植物] ギョウジャニンニク「キトピロ」の葉。 {E: the leaves of (a kind of wild garlic (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
pukusara
プクサラ 【pukusa-ra】 干しプクサ. (出典:萱野、方言:沙流)
puyraussurku
プイラウㇱスㇽク §249 トリカブト (8) puyraus-surku (púy-ra-us-sur-ku)「ぷイラウㇱスㇽク」[puy(エゾリュウキンカの)ra(葉)us(ついている)surku(ブシ根)] 根 ⦅A空知⦆ (出典:知里植物編、方言:)
raciwrikikur punpa kane
ラチウリキクㇽ プンパ カネ 【raciw-rikikur punpa kane】 眉尻をぐっと上げて.眉をきりっと上げて. (出典:萱野、方言:沙流)
rahku
ラㇵク §274 ラッコ (3) rahku (rah-ku)「らㇵク」 ⦅落帆⦆ (出典:知里動物編、方言:)
rakur
ラクㇽ 【名】きりさめ(霧雨)(「きり」)。 {E: a misty rain.} (出典:田村、方言:沙流)
rakur
ラクㇽ 【rakur】 霧,霧雨,積雨. ラクラㇱ=霧雨が降る. (出典:萱野、方言:沙流)
ramcikuni
ラㇺチクニ 【ram-cikuni】 低木.▷ラㇺ=低い チクニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
ramukuttokore
ラムクットコレ 【ramu-kuttoko-re】 思いをひるがえさせる,逆に利用する.▷ラム=思い クットコ=反対にする レ=させる ウェンカムイ カ ア・イタㇰペカレ コㇿ ラム ア・クットコレ エアㇱカイ ペ ネ=悪い神もその神に合った言葉で対応すると思いをひるがえさせることができるものだ.コシンペ アイヌ トゥレン コㇿ イピㇼカレ ㇷ゚ カ オカ イウェンテ ㇷ゚ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ. ネ ヒ アア・エアラマン ワ ラム ア・クットコレ コㇿ シノ ピㇼカ ㇷ゚ ネ シコㇿ=妖精が人間の憑き神になると憑いた人間をよくする者もいるが悪くする者もいるという.それを覚えて思いを反対にする(逆に利用する)と本当にいいものだということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
raprapkutcar(-o)
ラㇷ゚ラㇷ゚クッチャㇻ §756.胸の骨(10)胸骨剣身 raprap-kutcar(-o)〔ráp-rap-kut-čar らㇷ゚ラㇷ゚・クッチャㇻ〕[rap-rap(胸骨)+kutcar(のど首)]⦅ビホロ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rapusnupurkur
ラプㇱヌプㇽクㇽ §426 マムシ  蛇神(9) rap-us-nupur-kur (rá-pus-nu-pur-kur)「らプㇱヌプㇽクㇽ」[<羽・生えている・霊力ある・神] ⦅幌別、沙流⦆【雅】竜蛇 (出典:知里動物編、方言:)
raunkuharaka
ラウンクハラカ §580.のどの病気;咽喉痛(4)のどの奥の病 raun-kuh-araka〔ra-úŋ-kuh|a-rá-ka ラうンクㇷ・アらカ〕[奥の・のど・痛]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raunkut
ラウンクッ 【ra-un-kut】 女の守り紐:長さは二尋半とされており,針ほどの細い糸(ツルウメモドキの皮の繊維)を8本で編んである.別の言い方でメノコウㇷ゚ソㇿ(女の懐・女の懐紐)ということもある.下腹部の素肌に巻きつけてあり,夫以外の者に手を触れさせてはならない. (出典:萱野、方言:沙流)
raunkut(c-i)
ラウンクッ §571.のど(咽喉)(14)咽喉の奥 raun-kut(c-i)〔ra-ún-kut ラうンクッ〕[raun(奥の)+kut(のど)]⦅ホロべツ、サル⦆【雅―:ユ研Ⅱ, pp.800, 824, 聖典, p.230】 (出典:知里人間編I、方言:)
rawkuske
ラウクㇱケ 【自動】[raw-kus-ke 水底・を通る・(自動詞形成)](?) 水の中を「もぐって歩く」=水中をもぐって動く(泳ぐためにわざと)。 raw péka rawkuske kor an ラウ ペカ ラウクㇱケ コラン 水の中をもぐって歩いて(動いて)いる。(S) {E: to dive into water.} (出典:田村、方言:沙流)
rawkuske
ラウクㇱケ 【raw-kus-ke】 潜る,潜らせる. オトゥ イワン スイ オレ イワン スイ ア・ラウクㇱケレ=何回も何十回も水に潜らせた(まじないのための言葉). (出典:萱野、方言:沙流)
rawnkuttom
ラウンクットㇺ 【rawn-kuttom】 喉の奥から絞り出すような声. ウパレㇰテ エカシ エアㇻキンネ ラウンクットㇺ エアㇱカイ ペ エン ア ワ=ウパレㇰテおじいさんは喉の奥から声を出すのがとても上手な方であった.*サケハウともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
raykoyaykuspe
ライコヤイクㇱペ 【ray-koyaykus-pe】 死ぬことのできないもの. (出典:萱野、方言:沙流)
raykuhponi
ライクㇷポニ §163.がいこつ(骸骨)(2)raykuh-poni〔ráǐ-kuh-po-ni らイクㇷポニ〕[死人の・骨]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raykuhsani
ライクㇷサニ §016.子孫(14)raykuh-sani〔ráǐ-kuh-sa-nì らイクㇷサニ〕⦅S.⦆亡者の子。(悪口に用いる)。"pon Otasut-un-kux, pon〜, kirare menoko"⦅古謡, p.156⦆「オタスッの首領の子である亡者の小せがれめが追い払った女」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
raykur
ライクㇽ 【名】[ray-kur 死ぬ/死んだ・人影](鵡川の言葉)死んだおばけ。 {E: a ghost.} (出典:田村、方言:沙流)
raykur
ライクㇽ 【ray-kur】 死人. (出典:萱野、方言:沙流)
raykur(-i)
ライクㇽ §481.たましい;霊魂(5)「死者の」霊魂 ray-kur(-i)〔ráǐ-kur らイクㇽ〕[ray(死んだ)+kur(神、霊)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raykurhos
ライクㇽホㇱ 【raykur-hos】 死人用脚半:木綿(白地の切り伏せ)製. (出典:萱野、方言:沙流)
raykurkarop
ライクㇽカロㇷ゚ 【raykur-karop】 死人用火打ち用具入れ(葬具). (出典:萱野、方言:沙流)
raykurkeri
ライクㇽケリ 【raykur-keri】 死人用靴:木綿,シナ皮の細紐で編む. (出典:萱野、方言:沙流)
raykurkoasni
ライクㇽコアㇱニ 【raykur-ko-as-ni】 墓標. (出典:萱野、方言:沙流)
raykurpone
ライクㇽポネ §163.がいこつ(骸骨)(1)raykur-pone〔ráǐ-kur-po-ne らイクㇽポネ〕[ray(死んだ)+kur(ひと)+pone(骨)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raykursani
ライクㇽサニ §016.子孫(13)raykur-sani〔ráǐ-kur-sa-nì らイクㇽサニ〕⦅ホロベツ⦆亡者の子。(悪口に用いる)。[ray-kur(死霊)+sani(↑)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
raykursiyuk
ライクㇽシユㇰ 【raykur-siyuk】 死装束. (出典:萱野、方言:沙流)
raykurtar
ライクㇽタㇻ 【raykur-tar】 死人用背負い縄. (出典:萱野、方言:沙流)
raykurtekunpe
ライクㇽテクンペ 【raykur-tekunpe】 死人用手甲. (出典:萱野、方言:沙流)
raytukunne
ライトゥクンネ 【ray-tukunne】 死ぬほどしびれた,ひどくしびれた. (出典:萱野、方言:沙流)
rek (ka) sak kur
レㇰ (カ) サㇰ クㇽ 【rek (ka) sakkur】 髭のない人. (出典:萱野、方言:沙流)
rekkurmam(-a)
レックㇽマㇺ §642.ひげ(髭)(3)あごひげ rek-kurmam(-a)〔rék-kur-mam れㇰ・クㇽマㇺ〕[rek(ひげ)+kurmam(かげ)]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekkurpo
レックㇽポ 【名】[rek-kur-po ひげ・影/姿・(指+指)](次の慣用句の中で)少しのひげ。 rekkurpo ka céarayta/carehayta レックㇽポ カ チェアライタ/チャレハイタ ひげが少しはえかかっている(男のまだ年若い様子)。(NK民話) {E: a light beard.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rekkurpo ka carehayta
レックㇽポ カ チャレハイタ 【rek-kur-poka c-ar-ehayta】 髭もそろっていない若者.▷レㇰ=ひげ クㇽ=影 ポカ=ばかりも チ=それ アㇻ=全く エハイタ=足りない (出典:萱野、方言:沙流)
rekkuttar
レックッタㇻ 【rek-kuttar】 ヨブスマソウ. (出典:萱野、方言:沙流)
rekkuttar
レㇰクッタㇻ §014 ヨブスマソウ (11) rek-kuttar (rék-kut-tar)「れㇰクッタㇻ」[rek(鳴る)kuttar(筒)] 茎 ⦅穂別⦆⦅千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
rekreku
レㇰレク 【他動】[rek-rek-u (?)・(重複)・(他動詞形成)] …になぞなぞの問題を出す。 suy eci=rékreku na スイ エチレㇰレク ナ また私があなたになぞなぞの問題を出すからね。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rekuci mu
レクチ ム §308.声がかれる(3)rekuci mu〔re-kú-či-mu レくチ・ム〕[その咽喉・ふさがる]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekuci mu
レクチ ム §575.のどがつまる(1)rekuci mu〔re-kú-či-mu レくチ・ム〕[そののど・つまる]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekuci pone un
レクチ ポネ ウン §577.のどに物がひっかかる(3)rekuci pone un〔re-kú-či|po-né|ún レくチ・ポね・うン〕[rekuci(その咽喉)+pone(骨が)+un(入る)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekuci(hi)
レクチ(ヒ) 【名】[所](概は rekut レクッ)…ののど、 その(彼の)のど(中も外も)。 rekuci tanne レクチ タンネ 首が長い。(S) oya rekuci aep osma オヤ レクチ アエㇷ゚ オㇱマ 違うのどに(=気管に)食べ物が入ってしまった。(S) ku=rekuci arka クレクチ アㇻカ 私はのどが痛い。 rekuci sat(sat) レクチ サッ/レクチ サッサッ [自動]のどが渇く。 ku=rekuci satsat クレクチ サッサッ 私はのどが渇いた。(W) kamuy rekuci a=tuyé wa a=rayke カムイ レクチ アトゥイェ ワ アライケ 私は熊ののど首を切って殺した。(HK民話) rayke wa rekucihi tuytektek ライケ ワ レクチヒ トゥイテㇰテㇰ 彼は(妻を)殺してそののど(首)をバサリと切った。(W民話) {E: the throat of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rekuciaraka
レクチアラカ §580.のどの病気;咽喉痛(2)のどの病気 rekuci-araka〔re-kú-či|a-rá-ka レくチ・アらカ〕⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekuciarka
レクチアㇻカ §580.のどの病気;咽喉痛(1)のどの痛み rekuci-arka〔re-kú-či-ar-ka レくチアㇻカ〕[そののど・痛む]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekucicarara
レクチチャララ §460.咳払いをする(2)rekuci-carara〔re-kú-či-ča-ra-ra レくチ・チャララ〕[rekuci(その咽喉を)+carara(=sara-re 開かせる)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekuciiyun
レクチイユン 【rekuci-iyun】 喉づまり(する). ア・ミッポホ レクチイユン ワ ライキマテㇰ・アン. アウン フチ イコトゥナㇱ ネユンネユン ア・カㇻ アイネ アトゥ クスケライ ア・シㇰヌレ=私の孫が喉に物をつまらせて私は死ぬほど驚いた.隣の婆さんがすばやく助けに来てくれていろいろと手当てをして戻したお陰で生かすことができた. (出典:萱野、方言:沙流)
rekuciiyun
レクチイユン §577.のどに物がひっかかる(2)rekuci-iyun〔re-kú-či-i-jún レくチ・イゆン〕[rekuci(その咽喉)+e(そこに)+un(入る)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekucikayayse
レクチカヤイセ 【rekuci-kayayse】 喉が鳴る,喉鳴り.▷レクチ=喉 カヤイセ=鳴る フンナ サケ コㇿ ワ エㇰ ワ ク・ク クス ク・レクチカヤイセ フミ アン=誰が酒を持って来て私が飲むために喉鳴りがするのだろうか.*喉鳴りがするのは誰かが酒を持って来て酒を飲める前兆. (出典:萱野、方言:沙流)
rekucikayayse
レクチカヤイセ §576.のどが鳴る(2)rekuci-kayayse〔re-kú-či-ka-jaǐ-se レくチ・カヤイセ〕[その咽喉・ググと鳴る]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekucisat
レクチサッ §574.のどがかわく;渇する(1)rekuci-sat〔re-kú-či-sat レくチサッ〕[そののど・乾く]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekucisatmawne
レクチサッマウネ §574.のどがかわく;渇する(5)rekuci-sat-maw-ne〔re-kú-či|sát-maŭ-ne レくち・さッ・マウ・ネ〕[rekuci(そののど)+sat(乾いた)+maw(気)+ne(になる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekucisattek
レクチサッテㇰ §574.のどがかわく;渇する(2)rekuci-sattek〔re-kú-či-sat-tek レくチサッテㇰ〕[rekuci(そののど)+sattek(sat乾く、-tekちょっと…する)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekuciskew(-he)
レクチㇱケウ §286.けいこつ(頸骨);頸椎骨(3)rekuciskew(-he)〔re-kú-čiš-keŭ レくチㇱケウ〕[<rekut(のど)+iskew(<ikkew 背柱)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekuciun
レクチウン §577.のどに物がひっかかる(1)rekuci-un〔re-kú-či-un レくチウン〕[その咽喉・に入る]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekuciwen
レクチウェン §580.のどの病気;咽喉痛(5)のどの病気;ジフテリヤ rekuci-wen〔re-kú-či-wen レくチウェン〕[そののど・悪い]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekuharaka
レクハラカ §580.のどの病気;咽喉痛(3)のどの病気;咽喉痛 rekuh-araka〔re-kúh|a-rá-ka レくㇷ・アらカ〕[「のど・痛み」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekuhkuhcara
レクㇷクㇷチャラ §571.のど(咽喉)(10)甲状腺 rekuh-kuhcara〔re-kúh-kuh-ča-ra レくㇷクㇷチャラ〕[「のどの・入口」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekusceppo
レクㇱチェッポ §009 ドジョウ (5) rekus-ceppo (ré-kus-cep-po)「れクㇱチェッポ」[rek(ひげ)us(生えている)ceppo(小魚)] 成魚 ⦅白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
rekut
レクッ 【名】[概](所は rekuci(hi) レクチ(ヒ))[re-kut (?)・のど] のど(顔と胸の間の前側および中)。 ☆参考 後ろ首は okkew オッケウ。 {E: the throat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rekut esikari
レクッ エシカリ §575.のどがつまる(2)rekut esikari〔re-kút|e-ší-ka-ri レくッ・エしカリ〕[のど・ふさがる]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekut kasi koikatara
レクッカシ コイカタラ 【rekutkasi ko-i=katara】 首の上にそれをあふれさせて. ピリカメノコ モナㇰピリカㇷ゚ レクッカシ コイカタラ=美しい女はそうでなくても美しいのに,首の上(胸の上)にそれがあふれるほど,タマサイという首飾りをつけている.(補遺編) ピㇼカ メノコ モナㇰ ピㇼカ ㇷ゚ レクッカシ コイカタラ=美しい女はそうでなくても美しいのに,首の上(胸の上)にそれがあふれるほど,タマサイという首飾りをつけている. (出典:萱野、方言:沙流)
rekut(c-i)
レクッ §571.のど(咽喉)(1)rekut(c-i)〔re-kút レくッ〕[<rek(物言う、鳴る)+kut(のど)]⦅H. S. タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekut(c-i)
レクッ §571.のど(咽喉)(2)rekut(c-i)〔re-kút レくッ〕[<rekut]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rekut/rekuci(hi)
レクッ/レクチ(ヒ) 【rekut/rekuci(hi)】 喉,首. (出典:萱野、方言:沙流)
rekutpuy
レクップイ 【名】[rekut-puy のど・孔] のどの孔、 のどの中。 {E: within the throat.} (出典:田村、方言:沙流)
rekuttannekikir(-i)
レクッタンネキキㇼ §114 メノコツチハンミョウ;ミチハンミョウ(斑猫);ミチシルベ (1) rekuttanne-kikir(-i)(re-kút-tan-ne-ki-kir)「レくッタンネキキㇼ」[rekut(首)tanne(長い)kikir(虫)]⦅沙流⦆メノコツチハンミョウ (出典:知里動物編、方言:)
rekutumpekorkamuy
レクトゥンペコㇿカムイ §277 くま (80) rekutumpe-kor-kamuy (re-kú-tum-pe-kor-ka-muy)「レくトゥンペコㇿカムイ」[<rekutumpe(首輪)kor(もつ)kamuy(神)] ⦅美幌⦆月の輪を持っているクマ (出典:知里動物編、方言:)
rekutunpe
レクトゥンペ 【名】[rekut-un-pe のど・につく・もの] 首飾り布、 チョーカー(女性の装身具の一つ)。 ☆参考 首飾り玉は tamasay タマサイ。 {E: a cloth for necklace; a choker.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rekutunpe
レクトゥンペ 【rekut-un-pe】 首飾り:コンカネ(鋼).クンネセンカキ(黒い木綿布)などで作る. (出典:萱野、方言:沙流)
rekutuyruke
レクトゥイルケ 【他動】[rekut-uyruke のど・…につける][雅](首飾り玉、 玉連)を首にかける。 pirka tamasay rekutuyruke ピㇼカ タマサイ レクトゥイルケ [雅] 美しい玉の首飾りを首にかけた(女性や女神が正装するときの描写の一部。 これから死ぬ/神の国へ行くというときに支度をしている)。(W民話) {E: to wear…around the neck.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
renkakusu
レンカクス 【後副】[renka-kusu 意図・のために](主格人称接辞をとる。)自分の好きで、 自分の意志で。 ku=renkakusu kú=iki p ne kusu ku=kor hápo eun ka iyapo eun ka ku=ye ka eaykap, k=arpa ka eaykap クレンカクス クイキㇷ゚ ネ クス クコㇿ ハポ エウン カ イヤポ エウン カ クイェ カ エアイカㇷ゚、 カㇻパ カ エアイカㇷ゚ 自分の好きでしたのだから母にも父にも言うこともできない、 母や父のところに行くこともできない。(S) {E: as one likes.} (出典:田村、方言:沙流)
repunkur
レプンクㇽ 【名】[rep-un-kur 沖・にいる・人] 海外の人(主に外国人を指す)。 repunkur mosir レプンクㇽ モシㇼ 外国。 repunkur atuy レプンクㇽ アトゥイ 外国の海。 ☆対語 yaunkur ヤウンクㇽ 自国の人(北海道の人)。 {E: a foreigner; someone from overseas.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
repunkur
レプンクㇽ 【rep-un-kur】 外国人.外人.▷レプン=沖の クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
repunkurinawnani
レプンクリナウナニ §223 ナナカマド (9) repunkur-inawnani (re-pún-ku-ri-naw-ne-ni)「レぷンクリナウナニ」[rep-un-kur-inaw-na-ni「沖・の・神(の)・幣を・切り取る・木」] 茎 ⦅礼文華⦆ (出典:知里植物編、方言:)
repunukurumpo
レプンウクルンポ §004 マアナゴ(はも) (4) repun-ukurumpo (re-pún-u-ku-rum-po)「レぷンウクルンポ」[<沖の・うなぎ] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
rérahokuste
レラホクㇱテ 【自動】[réra-hokuste 風・…を倒す]風で倒れる。(W) (出典:田村、方言:沙流)
retarokuyma
レタロクイマ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(54)淫水;精液 retar-okuyma〔re-tá-ro-kuǐ-ma レたロクイマ〕[retar(白い)+okuyma(小便)]⦅ホべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rewarewakkur
レワレワックㇽ 【rewa-rewak-kur】 弱々しい人,あまり頼れそうにない人. *神様がアイヌを助けに来る場合にそのように見えるという.普通の人にはこのような言い方はしないものである[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
rewkurka
レウクㇽカ 【位名】[概](所は rewkurkasi レウクㇽカシ)[rew-kurka (曲がっていることを表す擬態の語根)・…の上面一帯] 曲がって斜めになっているものの上側(立ち木等の)。 ☆対語 rewpok レウポㇰ。 {E: the upper area of something on an incline.} (出典:田村、方言:沙流)
rewkurkasi
レウクㇽカシ 【位名】[所](概は rewkurka レウクㇽカ)曲がって斜めになっているもののその上側。 ☆参考 rewkurkas(i)ke レウクㇽカシケ/レウクㇽカㇱケ は未出。 (出典:田村、方言:沙流)
rewkurpok
レウクㇽポㇰ 【位名】[概](所は rewkurpoki レウクㇽポキ) [rew-kurpok (曲がっていることを表す擬態の語根)・…の下面一帯]曲がって斜めになっているものの下側(立ち木等の)。 ☆対語 rewka レウカ。 {E: the lower area of….} (出典:田村、方言:沙流)
rewkurpoki
レウクㇽポキ 【位名】[所](概は rewkurpok レウクㇽポク)曲がって斜めになっているもののその下側。 ☆参考 rewkurpok(i)ke レウクㇽポキケ/レウクㇽポッケ は未出。 (出典:田村、方言:沙流)
rikun
リクン 【連体】[rik-un 高い所・にある](=rik un リㇰ ウン)高い所の、 上の方の。 rikun suy リクン スイ(沙流川下流のワテケさん、 サダモさんの発音では rikuy suy リクイスイ)家の天井の煙出し穴。 rikun puyar リクン プヤㇻ [上の・窓] 二階の窓。(S) {E: above; the high area of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rikun
リクン 【rikun】 上. (出典:萱野、方言:沙流)
rikun corka ranke corka
リクン チョㇿカ ランケ チョㇿカ 【rikun ci-ehorka ranke ci-ehorka】 上へ逆さに下へ逆さに.▷リクン=上へ チ=それ エホㇿカ=逆さま ランケ=下 チ=それ エホㇿカ=逆さま  *昭和年頃であったであろうか,金田一京助先生とユカㇻの和訳をしていたが,この「リクンチョㇿカ ランケチョㇿカ」がわからず家へ宿題として持ち帰り近所のおばあさんたちに教えてもらいに歩いた.荷負本村の黒川てしめさんが「リクン チエホㇿカ ランケ チエホㇿカ」といとも簡単に逐語訳をしてくれた.前後8年ほど金田一京助先生とのユカㇻ訳でふたりがかりで解けなかった言葉は後にも先にもこの言薬だけであった.ポンヤウンペというユカㇻの主人公が婚約者に裏切られ,その女の髪の毛を右手に巻きつけて振り回すと,女の体は上へ逆さに下へ逆さに宙を舞うという描写であった. (出典:萱野、方言:沙流)
rikun-tonpi
リクントンピ 【名】[rik-un-tonpi 高い所・の・日輪] [雅]空の太陽(=rikomatonpi)。 {E: the sun.} (出典:田村、方言:沙流)
rikuncapus(-i)
リクンチャプㇱ §273.唇―うわくちびる(上唇)(6)rikun-capus(-i)〔ri-kún-ča-puš リくンチャプㇱ〕[rikun(上の)+capus(唇)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rikuncise
リクンチセ 【名】[rikun-cise 上の・家] 二階。 ☆参考 昔はなかった。 {E: the second floor of a house etc..} (出典:田村、方言:沙流)
rikunkamuy
リクンカムイ §284 うさぎ (10) rikunkamuy (ri-kún-ka-muy)「リくンカムイ」[<rik(上)un(にいる)kamuy(神)] ⦅白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
rikunkamuy
リクンカムイ §291 ジャコウジカ (3) rikun-kamuy (ri-kún-ka-muy)「リくンカムイ」[<rik-un-kamuy(高み・にいる・神)] ⦅富内⦆【神名】 (出典:知里動物編、方言:)
rikunki
リクンキ 【rik-un-ki】 上の火棚の簀. イヨアイ ネ ナ イテキ シㇼ カ タ アヌ ノ リクンキ カ ウン ヌイナ ワ アヌ アニ=毒矢なので下に置かないで上の方の火棚の上へ隠しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
rikunkipipi
リクンキピピ 【rikun-kipipi】 上の方の破風,ユカㇻに出て来る城の破風. ▷リクン=上 キピピ=破風[ユ](補遺編)▷リクン=上 キピピ=破風〔ユ〕. (出典:萱野、方言:沙流)
rikunparka
リクンパㇻカ 【名】[rikun-parka 上の・家の中の高い所] 家の中の一番上の方。 {E: the highest part of a house.} (出典:田村、方言:沙流)
rikunsuy
リクンスイ 【rik-un-suy】 煙出し穴:家の屋根棟木の両側にある三角の穴. (出典:萱野、方言:沙流)
rikunsuy/rikuysuy
リクンスイ/リクイスイ 【名】[rikun-suy 高い所の・穴] 天井の煙出し穴。(W) heynu rikunsuy kari/heynu soyoterke=an ヘイヌ リクンスイ カリ/ヘイヌ ソヨテㇾケアン [雅]私は煙出し穴から外へとび出した。(HC神謡) ☆参考 「これはユーカラなどの言い方で、 日常語では saramanto サラマント と言う。」 (S) {E: a ceiling smoke-flue.} (出典:田村、方言:沙流)
rikuysuyka
リクイスイカ 【名】[rikun-suy-ka 高い所の・穴・の上] 天井の煙出しの穴。 {E: a ceiling smoke-flue.} (出典:田村、方言:沙流)
riyatukusis
リヤトゥクシㇱ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (5) riya-tukusis(ri-yá-tu-ku-sis)「リやトゥクシㇱ」[riya(越年した)tukusis(アメマス)、riya(越冬する)]イワナ。 (出典:知里動物編、方言:)
rokugaci
ロクガチ 【名】[日本語 六月] rokugaci cup ロクガチ チュㇷ゚ 六月。 (gは[N]、 つまりガはいわゆる鼻濁音で発音されている)。 {E: June.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rokuntew
ロクンテウ 【名】[< 日本語 ろくでう(六条)(?)] 「客船。」 (S) ☆参考 pencay ペンチャイ 弁財船(和人の交易の)「貨物船。」 cip チㇷ゚ 舟、 丸木舟。 {E: a passenger boat.} (出典:田村、方言:沙流)
rokuntew
ロクンテウ 【rokuntew】 帆掛け舟. *ロクンテウエトゥ(帆船のへ先)という名前の岩が平取町内長知内にある. (出典:萱野、方言:沙流)
rukotcakorkur
ルコッチャコㇿクㇽ Ⅱ_§002.おとこ(男)(11)rukotca-kor-kur〔rúŭ-kot-ča-kor-kur るウコッチャコㇿクㇽ〕⦅ビホロ⦆前頭部の頭髪を剃っている成人男子。[ru-kotca(さかやき、ru頭髪、kotca前)+kor(もつ)+-kur(者)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
rukum
ルクㇺ 【名】[概](所は rukumi(hi) ルクミ(ヒ)) [ru-kum ただの(?)・棒] 棒状のものを割らないでそのまま短く切ったもの、 短く切った棒。 kaykuma rukum an カイクマ ルクㇺ アン 柴(細い木)の短く切ったのがある。(S) (出典:田村、方言:沙流)
rukumi(hi)
ルクミ(ヒ) 【名】[所](概は rukum ルクㇺ)(棒状のもの)の短く切ったもの。 rukumihi kar ルクミヒ カㇻ 縦に裂かないでまるのまま棒状に切りなさい(大根や人参を)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
rukunne
ルクンネ 【自動】[ru-kunne やや・黒い] やや黒い、 黒っぽい。 ☞kunne クンネ {E: to be blackish.} (出典:田村、方言:沙流)
rukunne
ルクンネ 【ru-kunne】 灰色,ねずみ色:少し黒い. (出典:萱野、方言:沙流)
rukus'isiy
ルクㇱイシイ 【rukusisiy】 アメマス. (出典:萱野、方言:沙流)
runeakusu
ルネアクス 【ru ne akusu】 〜のだったら. (出典:萱野、方言:沙流)
rupnekur
ルㇷ゚ネクㇽ 【名】[rupne-kur 大粒である・人] 大人。 (=rupne kur ルㇷ゚ネ クㇽ) ☆対語 nokankur ノカンクㇽ 子ども。 {E: an adult.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rupnekur
ルㇷ゚ネクㇽ 【rupne-kur】 (中年の)おとな. (出典:萱野、方言:沙流)
rurkorkur
ルㇽコㇿクㇽ 【rur-kor-kur】 網の棒を持つ人. *貝澤まめさんが教えてくれた言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwekur
ルウェクㇽ 【名】[ruwe-kur 太い・人] 家の主人。 ruwekur ka cise or un nepki ki kor an ルウェクㇽ カ チセ オルン ネㇷ゚キ キ コラン ご主人も家の仕事をしている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
ruyanpekur
ルヤンペクㇽ 【名】[ruyape-kur 嵐・雲] 嵐の雲。 (=ruyanpe kur ルヤンペ クㇽ) {E: storm-clouds.} (出典:田村、方言:沙流)
sake-iyus kur
サケイユㇱ クㇽ 【名】[sake-i-usi-kur 酒・もの/人・にそれをつける・人](?) 酒宴に招待された主賓(当日の祭司をつとめる)。 ☆参考 招待したほうの人(酒宴を催す家の主人)は sake-sanke kur サケ サンケ クㇽ。 {E: guests invited to a feast} (出典:田村、方言:沙流)
sake-sanke kur
サケサンケ クㇽ 【名】[sake-sanke-kur 酒・を出す・人] 酒宴の主人側、 酒を振舞う人。 ☆参考 招待された主賓は sakeiyuskur サケイユㇱクㇽ。 二人が上座で向き合って儀式をする。 {E: the host of a banquet.} (出典:田村、方言:沙流)
sakeiyuskur
サケイユㇱクㇽ 【sake-i-us-kur】 酒宴を司る人. マラㇷ゚ト オッタ(オㇿ タ) イメㇰ・アン ヒ タ ホㇱキノ サケイユㇱクㇽ ア・コイプニ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン アニー=酒宴で食べ物を配る時,最初に酒宴を司る人に配るものなので聞いておきなさいね. (出典:萱野、方言:沙流)
sakepisakku
サケピサック 【名】[sake-pisakku 酒・ひしゃく] 酒を汲むひしゃく(=sake pisakku サケピサック)。 {E: a dipper used to scoop sake.} (出典:田村、方言:沙流)
sakeukusis
サケウクシㇱ 【sake-u-kusis】 酒を醸す.▷サケ=酒 ウ=互い クシㇱ=発酵した (出典:萱野、方言:沙流)
sakusahura
サクサフラ 【sakusa-hura】 わきが.▷サクサ=わきが フラ=におう (出典:萱野、方言:沙流)
sakusahura
サクサフラ §843.わきが[がくさい](1)わきが sakusa-hura〔sa-kú-sa-Fu-ra サくサフラ〕[sakusa(わきが)+hura(におい)]⦅ホロベツ、テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sakusahuraat
サクサフラアッ §843.わきが[がくさい](2)わきががくさい sakusa-hura-at〔sa-kú-sa-Fu-ra-at サくサフラアッ〕[わきがの・臭・する]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sakusahurawen
サクサフラウェン §843.わきが[がくさい](3)わきががくさい sakusa-hura-wen〔sa-kú-sa-Fu-ra-wen サくサフラウェン〕[わきがの・臭が・悪い]⦅テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
Samayunkur
サマユンクㇽ 【名】[固有名] サマユンクル(伝説の主人公。 Okikurmi オキクㇽミ と対になって、たいてい悪い役回りで登場する)。 (出典:田村、方言:沙流)
samorunerekus
サモルンエレクㇱ §093 スケトウダラ (4) samorun-erekus(sa-mó-run-e-re-kus)「サもルンエレクㇱ」[<sam(隣国)orun(の)erekus(タラ)]⦅白老、幌別⦆スケトウダラ。 (出典:知里動物編、方言:)
samorunkur
サモルンクㇽ 【名】[samor-un-kur 本州・の・人] 本州の人、 本州人、 内地人。 ☆対語 yaunkur ヤウンクㇽ [ya-un-kur 陸・の・人] 北海道の人、 repunkur レプンクㇽ [rep-un-kur 沖・の・人] 海外の人、 外国人。 {E: a person from Honshu (Japanese).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sampekuhcara
サンペクㇷチャラ §431.心耳(1)sampe-kuhcara〔sám-pe-kuh-ča-raさンペクㇷチャラ〕[「心臓の入口」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampesikurpa(-an)
サンペシクㇽパ §123.うえる(餓える)(12)空腹でたまらぬ sampe-sikurpa(-an)〔sám-pe-ši-kur-pa さンペシクㇽパ〕[sampe(心臓が)+sikurpa(=sikirpa きりきり舞いをする)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
santoku
サントク 【名】[< 日本語 三徳]三つ折りの財布(札入れ)。 áponko an icen ku=kor pirka santoku or oma wa アポンコ アン イチェン クコㇿ ピㇼカ サントク オㇿ オマ ワ たいした額の(=たくさんの額の)お金が私の上等の三つ折りの財布に入っていて。(S) (出典:田村、方言:沙流)
sapa nitkus nitkus
サパ ニックㇱ ニックㇱ §443.ずつう(頭痛)(4)頭がズキンズキンと痛む sapa nit-kus nit-kus〔sa-pá-nít-kuš-nít-kuš サぱ・にックㇱ・にックㇱ〕[頭に串が次から次とさしこまれる]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sapakapkekur
サパカㇷ゚ケクㇽ §275 カワウソ (5) sapa-kapke-kur (sa-pá-kap-ke-kur)「サぱカㇷ゚ケクㇽ」[<sapa(頭)kapke(はげている)kur(神)] ⦅千歳⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sapanekur
サパネクㇽ 【名】(昔の)役人、 主だった人、 上に立つ人。 {E: an official; a leader.} (出典:田村、方言:沙流)
sapanekur
サパネクㇽ 【sapa-ne-kur】 首領.▷サパ=頭 ネ=なる クㇽ=人 (出典:萱野、方言:沙流)
sapanitkus
サパニックㇱ §443.ずつう(頭痛)(3)頭がズキンと痛む sapa-nit-kus〔sa-pá-nít-kuš サぱ・にックㇱ〕[nit(串)、kus(通る);頭の中に串でも刺しこんだように痛む]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sarakuh(p-i)
サラクㇷ §674.ひれ(鰭);ひれの骨(鰭條)(35)尾びれ sarakuh(p-i)〔sa-rá-kuh サらクㇷ〕[<sara(尾)+ka(の上)+o(にある)+-p(もの)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sarunkur
サルンクㇽ 【sar-un-kur】 沙流川の人. フナㇰ ワ エ・エㇰ.サルンクㇽ エ・ネ ルウェヘ アン=どこから来たの.お前は沙流川の人なのかね.*年寄りが他から来た若者に出身地を尋ねる時に言う.門別川のアイヌへはモペトゥンクㇽ(モペッ ウンクㇽ),鵡川の人へはムカウンクㇽ,静内川の人へはシペチャリウンクㇽ,新冠の人へはニカプンクㇽ(ニカㇷ゚ ウンクㇽ)と言うという.アイヌが相手を呼ぶ場合にたいていは出身地を先に言うものである.サルンクㇽ萱野茂という風にである. (出典:萱野、方言:沙流)
satcikuni
サッチクニ 【sat-cikuni】 乾いた薪. (出典:萱野、方言:沙流)
sawokuta
サウオクタ 【他動】[sa-w-o-kuta 前(外)・(母音連続をさける挿入音)・に・…を全部出してしまう](しまってあるもの)を全部出す、 …をどんどん出してくる。 {E: to take, bring out all of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
saykur
サイクㇽ 【名】[say-kur 輪になったもの/群・影](ウポポと呼ばれる輪唱歌の中で)まわりをとり囲んでいる者。 hunpepa wa ku=tukan/tuyma saykur saykuste/tarapso ka tareciw フンペパ ワ クトゥカン/トゥイマ サイクㇽ サイクㇱテ/タラㇷ゚ソ カ タレチウ [雅]クジラの頭から殺していけ/遠くから来た大勢の者に囲まれている/眠っているうちにやられるぞ。(Sほかウポポ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
saykuste
サイクㇱテ 【自動】[say-kus-te 輪になったもの/群・…を通る・させる](直訳すると)群が通る(ウポポと呼ばれる輪唱歌の歌詞の一部)。 ☞saykur サイクㇽ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
seku
セク 【他動】…をふくらます。 seku wa anu セク ワ アヌ ふくらませておきなさい。 {E: to blow up, inflate…} (出典:田村、方言:沙流)
seku
セク 【seku】 太る,太っている,肥える.*人のことをウェン セク(悪い太り方)という場合もあるが,この言葉には軽蔑の意味が込められており一種の悪口なのでセクという言い方はしないほうがよい. →ミムㇱ (出典:萱野、方言:沙流)
sekuhpe
セクㇷペ §006.若者;青少年(7)sekuhpe〔se-kúh-pe セくㇷペ〕[<sukuhpe(↑)]⦅S.⦆若者。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sekukke
セクッケ 【自動】[seku-k-ke ふくらます・(次の子音の重複)・(自動詞形成)]ふくれる。 {E: to be swollen; blown up.} (出典:田村、方言:沙流)
sekukur
セククㇽ 【seku-kur】 太った人. (出典:萱野、方言:沙流)
sekumasarkeswaacanekamuy
セクマサㇻケㇱワアチャネカムイ §270 キタキツネ、きつね (11) sekuma-sarkes-wa-aca-ne-kamuy (se-kú-ma-sar-kes-wa-a-ča-ne-ka-muy)「セくマサㇻケㇱワアチャネカムイ」[<sekuma(山の)sarkes(はし)wa(で)aca(長老)ne(になっている)kamuy(神)] ⦅樺太⦆キツネ神の首領 (出典:知里動物編、方言:)
sekustori
セㇰウㇱトリ §419 (その他の鳥名)  (34) sek-us-tori(sek-us-to-ri)「セㇰウㇱトリ」⦅沙流、幌別⦆【雅】 (出典:知里動物編、方言:)
setapukusa
セタプクサ 【seta-pukusa】 スズラン. (出典:萱野、方言:沙流)
setapukusa
セタプクサ §340 スズラン キミカゲソウ (1) seta-pukusa (se-tá-pu-ku-sa)「セたプクサ」[seta(犬)pukusa(ギョウジャニンニクの葉)] 葉をいう ⦅幌別、沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
setasurku
セタスㇽク §249 トリカブト (5) seta-surku (se-tá-sur-ku)「セたスㇽク」[犬・ブシ根] 根 ⦅北海道⦆ (出典:知里植物編、方言:)
setpokuncikap
セッポクンチカㇷ゚ §328 ヤマゲラ;おおげら(方言) (7) setpokun-cikap (sét-po-kun-či-kap)「せッポクンチカㇷ゚」[<set-pok-un-cikap(檻〔巣?〕・下・の・鳥) ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sewrehkurupoh(k-i)
セウレㇸクルポㇹ §571.のど(咽喉)(6)のどくび(咽喉部)sewreh-kurupoh(k-i)〔séŭ-reh-ku-ru-poh せウレㇸクルポㇹ〕[「のど・下」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sewrikurpok(-i)
セウリクㇽポㇰ §571.のど(咽喉)(17)咽元[のどぼとけの下の辺]sewrikurpok(-i)〔séŭ-ri-kur-pok せウリクㇽポㇰ〕[sewri(のど)+kurpok(下)]⦅ホロべツ、サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
sewrikutunin(-i)
セウリクトゥニン §573.のどぼとけ(喉仏);喉頭結節(2)sewri-kutunin(-i)〔séŭ-ri-ku-tu-nin せウリクトゥニン〕[のど・ふし]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sicorpokkuste
シチョロポックㇱテ 【他動】[si-corpok-kusu-te 自分・の下・を通る・させる](鳥が)(矢)を自分の下を通す(自分に当たらないようによける)。(W神謡K) ☆対語 siyenkakuste シイェンカクㇱテ。 ☆参考 péka ペカ (矢)を受け取る=(矢)に当たる。 (出典:田村、方言:沙流)
síe-paskur
シエパㇱクㇽ 【名】[si-e-paskur 糞・を食べる・カラス][動物](カラスの一種、 くちばしが長い、 ただカーカと鳴く。)ハシブトガラス(?) paskur etupsihi tanne hike síepaskur ne パㇱクㇽ エトゥㇷ゚シヒ タンネ ヒケ シエパㇱクン ネ カラスのくちばしの長いやつはシエパシクル(ハシブトガラス?)だ。(S) 〔知分類になし。 p.179 síe-paskur ((ホロベツ))ハシブトガラス〕 {E: a type of crow.} (出典:田村、方言:沙流)
sienkakuste
シエンカクㇱテ ☞siyenkakuste シイェンカクㇱテ (出典:田村、方言:沙流)
siepaskur
シエパㇱクㇽ 【si-e-paskur】 ハシブトガラス. (出典:萱野、方言:沙流)
sietokoa=sonkokuste
シエトコアソンコクㇱテ 【si-etoko a=sonko-kuste】 前もって知らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
sihacankur
シハチャンクㇽ §295 サカマタ;シャチ (16) sihacankur (si-ha-čan-kur)「シハチャンクㇽ」[<si-acane-kur(大きな・頭目である・神)] シャチ神を兄弟二柱と考え、その兄神を指して言う⦅礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
siitakkorkur
シイタㇰコㇿクㇽ 【si-itak-kor-kur】 本当に雄弁な人,雄弁な者. ▷シ=本当に イタㇰ=言葉 コㇿ=持つ クㇽ=人,者(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sik(-i)-(y)okuste
シㇰ(ヨクㇱテ §769.白目を出す(1)sik(-i)-(y)okuste〔šík-o-kuš-te しㇰオクㇱテ、シきヨクㇱテ〕[sik(目)+okus(ひっくりかえる)+te(させる)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikapekuste
シカペクㇱテ 【si-ka-pe-kuste】 自分の悪事を隠す.▷シ=自ら カ=上 ペ=水 クㇱテ=通らせる →自分の体の上に水を流しているかのように隠れている. (出典:萱野、方言:沙流)
sikenkuma
シケンクマ §717.まゆ(眉)(7)sikenkuma〔ši-kéŋ-ku-ma シけンクマ〕[<sikenkomah]⦅チライ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikesarkur
シケサㇻクㇽ 【sik-esar-kur】 乱暴者. (出典:萱野、方言:沙流)
siki osoyun tokikusis
シキ オソユン トキクシㇱ §784.目を剥く[びっくりして]siki osoyun tokikusis〔ši-kí|o-só-jun|to-kí-ku-šiš シき・オそユン・トきクシㇱ〕[siki(その目が)+o-soy-un(内から外へ)+toki(凸出して)+kus-is(kusの反復形、行っている)]⦅ユ研Ⅱ, p.648⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikinasutunkur
シキナストゥンクㇽ §422 アオダイショウ (5) sikinasutunkur (sí-ki-na-su-tun-kur)「しキナストゥンクㇽ」[<si-(本当の・真の)] ⦅穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sikkewikuspe
シッケウイクㇱペ 【sikkew-ikuspe】 角柱. (出典:萱野、方言:沙流)
siknakkur
シㇰナックㇽ 【sik-nak-kur】 盲人. (出典:萱野、方言:沙流)
sikotcata tekukopite
シコッチャタ テクコピテ §448.すわる(座る)(24)両膝を前に立てて尻で座り両手を前に回してつなぐ座り方[をする] si-kotca-ta tek-ukopite〔si-kót-ča-ta-te-ku-ko-pi-teシこッチャタ・テくコピテ〕[si(自分)+kotca(の前)+ta(で)+tek(手を)+u(お互い)+ko(に)+opi(別れ〔る〕)+te(さす)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikpo ne kusu inkar
シㇰポ ネ クス インカㇻ §749.みる(見る)(13)見るともなしに見る sikpo ne kusu inkar〔šík-po-ne-ku-su-íŋ-kar しㇰポ・ネ・クス・いンカㇻ〕[目・である・から・見る]⦅ユ研Ⅱ, p.599⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikuma
シクマ 【sikuma】 峰. (出典:萱野、方言:沙流)
sikuma situ
シクマ シトゥ 【sikuma situ】 分水嶺. (出典:萱野、方言:沙流)
sikumakesunkamuy
シクマケスンカムイ §270 キタキツネ、きつね (12) sikuma-kes-unkamuy (si-kú-ma-kes-un-ka-muy)「シくマケスンカムイ」[<sikuma(山)kes(はし)un(の)kamuy(神)] ⦅樺太⦆【雅】Kindaichi, KKI, p. 146 (出典:知里動物編、方言:)
sikumanoskiunkamuy
シクマノㇱキカムイ §277 くま (59) sikuma-noski-un-kamuy (si-kú-ma-nos-ki-ka-muy)「シくマノㇱキカムイ」[<sikuma(山)noski(のまん中)un(にいる)kamuy(神)] ⦅白浦⦆叙事詩háwkiの中でクマを言う (出典:知里動物編、方言:)
sikumapauskamuy
シクマパウㇱカムイ §277 くま (60) sikuma-pa-us-kamuy (si-kú-ma-pa-us-ka-muy)「シくマパウㇱカムイ」[<sikuma(山)pa(のかみて)un(にいらっしゃる)kamuy(神)] ⦅白浦⦆叙事詩の中でクマを言う (出典:知里動物編、方言:)
sikunnukarar
シクンヌカラㇻ 【自動】[si-kur-nukar-ar 自分・姿・を見る・人にされる][雅]人に姿を見られる。 a=ruska katun/a=ki wa/sikunnukarar/=an yakka アルㇱカ カトゥン/アキ ワ/シクンヌカラㇻ/アン ヤッカ [雅]憤慨している様子を見られても。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikunnukare
シクンヌカレ 【他動】[si-kur-nukar-e 自分・姿・見る・…にさせる] …に自分の姿を見られる。(S) {E: to be looked at by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikunukar
シクヌカㇻ §441.すがめ;しゃし(斜視);やぶにらみ(7)sik-unukar〔šík-u-nu-kar しㇰウヌカㇻ〕[sik(目)+u(互いを+nukar(見る)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikup
シクㇷ゚ §010.老若長幼―成長段階―を表す形容詞その他(10)sikup〔ši-kúp シくㇷ゚〕⦅ホロべツ⦆【常】若い。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sikup(-an)
シクㇷ゚ §082.生きる(3)sikup(-an)〔ši-kúp シくㇷ゚〕⦅ホロべツ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikupetakne
シクペタㇰネ §082.生きる(5)短命である sikup-e-takne〔ši-kú-pe-tak-ne シくペタㇰネ〕[生きること・において・短い]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikupetanne
シクペタンネ §082.生きる(4)長生する sikup-e-tanne〔ši-kú-pe-tan-ne シくペタンネ〕[sikup(=sukup 生きること)+e(において)+tanne(長い)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikupkina
シクㇷ゚キナ §359 バイケイソウ (2) sikup-kina (si-kúp-ki-na)「シくㇷ゚・キナ」[成長する・草] 茎葉 ⦅厚真、穂別⦆⦅A沙流・鵡川・石狩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sikupsikup
シクㇷ゚シクㇷ゚ §359 バイケイソウ (1) sikup-sikup (si-kúp-si-kup)「シくㇷ゚・シクㇷ゚」[成長せよ!成長せよ!] 茎葉 ⦅幌別⦆⦅A有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sikurianteyar
シクリアンテヤㇻ 【si-kuri-ante-yar】 噂をまき散らす,陰口を言われるようなことをする.▷シ=自ら クリ=陰 アンテ=それを置く ヤㇻ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
sikurkasam eopirasa
シクㇽカサㇺ エオピラサ 【他動】[sí-kurka-sam e-o-pirasa 自分・の上一面・(< …のそば)・で・に・…を広げる][雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/a=sikúrkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクㇽカサㇺ/エオピラサ [雅]立派な小袖を私は自分の体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ) ☆参考 同じユーカラを語っている別の箇所で a=eyáykurkasam/pirasa kane アエヤイクㇽカサㇺ/ピラサ カネ とも言っている。 ☞eyaykurkasam エヤイクㇽカサㇺ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikurkasam opirasa
シクㇽカサㇺ オピラサ 【他動】[si-kurka-sam o-pirasa 自分・の上一面・(< …のそば)・そこに・広げる][雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/sikurkasam/opirasa カムイ コソンテ/シクㇽカサㇺ/オピラサ [雅](姉は)立派な小袖を体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikuro
シクロ §595.ばかである;おろかである(22)何かにばかされてぼうとしている者、うかつ者、阿呆。ばか sikuro〔ši-kú-ro シくロ〕[si(本当の)+kur(魔が)+o(ついている)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikuron
シクロン §595.ばかである;おろかである(23)何かにばかされてぼうとしている者、うかつ者、阿呆。ばか sikuron〔ši-kú-ron シくロン〕⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikuron ne akar
シクロン ネ アカㇻ §595.ばかである;おろかである(17)ばかになる sikuron ne a-kar〔ši-kú-ron-ne|a-kár シくロン・ネ・アかㇻ〕[sikuron(物に憑かれた状態)+ne(に)+a-kar(させられる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikurpokuyruke
シクㇽポクイルケ 【他動】[si-kurpok-uyruke 自分・の下側・につける] …を服従させる。 a=kor mosir a=sikúrpokuyruke アコㇿ モシㇼ アシクㇽポクイルケ 私たちの国(日本)は負けたのだから何を言われても文句言えない(勝った国の命令に従わなければならない)。(S) {E: to make…obey.} (出典:田村、方言:沙流)
sikusare
シクサレ 【他動】[si-kusa-re 自分・を川を渡す・…にさせる] …に川を渡してもらう(=…のこぐ渡し舟に乗って川を渡る)。 {E: for…to ferry one across a river.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikusayar
シクサヤㇻ 【自動】[si-kusa-yar 自分・を川を渡す・人にさせる] 人に川を渡してもらう(=渡し舟に乗って川を渡る)。 {E: to be ferried across a river.} (出典:田村、方言:沙流)
sikusayarpa
シクサヤㇻパ 【自動】[複](sikusayar シクサヤㇻ は単複の区別なし)(二人以上が皆で)人に川を渡してもらう(渡し舟に乗って川を渡る)。 {E: to be ferried across a river(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikusewen
シクセウェン §413.しょきあたり(暑気あたり)(5)日射病 sikus-ewen〔ši-kú-se-wen シくセウェン〕[sikus(日光)+e(で)+wen(悪くなる)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikutsapke
シクッサㇷ゚ケ §460.咳払いをする(3)えへんと咳払する sikut-sapke〔ši-kút-sap-ke シくッ・サㇷ゚ケ〕[si(自分の)+kut(のどを)+sapke(味を見る、あんばいを見る、ためす)]⦅テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikutur
シクトゥㇽ 【sik-utur】 エゾネギ,アサツキ.*この言葉は穂別町の小山太郎さんが教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur
シクトゥㇽ 【sik-utur】 目の間. カムイ シクトゥㇽ(シㇰ ウトゥㇽ) アイヌ シクトゥㇽ トゥㇱマㇰ ワ アㇻウェン トゥカㇷ゚ カリ ハウェ=神の目や人間の目,そのすき間をかいくぐって化け物が徘徊しているのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur
シクトゥㇽ §334 エゾネギ (1) sikutur (si-kú-tur)「シくトゥㇽ」 葉、及び球茎 ⦅穂別⦆⦅A沙流・鵡川・千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sikutur poro
シクトゥㇽ ポロ 【sik-utur poro】 粗い. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur rupne
シクトゥㇽ ルㇷ゚ネ 【sik-utur rupne】 粗い. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur sep
シクトゥㇽ セㇷ゚ 【sik-utur sep】 粗い(網やざるの目). (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur(-u)
シクトゥㇽ §723.みけん(眉間)(2)sik-utur(-u)〔ši-kú-tur シくトゥㇽ〕[sik(目)+rutur(間、隙)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikuturukearaka
シクトゥルケアラカ §724.みけんの痛みsikuturuke-araka〔ši-kú-tu-ru-ke-a-rà-ka シくトゥルケ・アラカ〕[みけんの所が・痛む]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikutut
シクトゥッ §334 エゾネギ (2) sikutut (si-kú-tut)「シくトゥッ」 葉、及び球茎 ⦅長万部、幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sikuwosi
シクウォシ §441.すがめ;しゃし(斜視);やぶにらみ(6)sik-uwosi〔ší-ku-wo-ši しㇰウォシ〕[sik(目)+u(お互いを)+osi(追う)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikuyruke
シクイルケ 【sik-uyruke】 目を配る.▷シㇰ=目 ウイルケ=入れる コタン カシ シクイルケ=村の様子に注意深く目を配る. (出典:萱野、方言:沙流)
sikuyruke(-an)
シクイルケ §749.みる(見る)(4)sik-uyruke(-an)〔ší-kuǐ-ru-ke しクイルケ〕[目を・置く(uyruある uyru-keあら・しめる)]⦅ユ研Ⅱ, p.355⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sinekunkutu
シネクンクトゥ 【sine-kunkutu】 100 (出典:萱野、方言:沙流)
sinep takup
シネㇷ゚ タクㇷ゚ 【sinep takup】 たったひとつ. (出典:萱野、方言:沙流)
sinewe kur
シネウェ クㇽ 【名】[訪問する・人]訪問客。 ☆参考 「客」の訳語として出た。 {E: a vistor; a guest.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sínis kurka
シニㇱ クㇽカ 【名】[si-nis-kurka 真の・空・の面][雅](次の慣用表現で)空、 高い空、 大空。 sínis kurka/koomokukke シニㇱ クㇽカ/コオモクッケ [雅] 高い空にのぼって行って見えなくなった(地上の生活を終えた神が鳥の姿になって天に帰って行く様子の描写) (W神謡) 。 {E: the sky.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinosurku
シノスㇽク §249 トリカブト (13) sino-surku (sí-no-sur-ku)「しノスㇽク」[sino(本当の)surku(ブシ根)] 根 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sinotponku
シノッポンク 【sinot-pon-ku】 遊びの小弓:クネニ(オンコ),カリンパ(サクラの皮)で作る. ポンノ ポロアナクス(ポロ・アン アクス) ア・エカシヒ アㇰ シノッポンク アㇰ シノッポンアイ カㇻ ワ イ・コレ ヒクス アㇰ シノッ・アン=少し私が大きくなったらおじいさんが遊びの弓と遊びの矢を作ってくれたので弓遊びをした. (出典:萱野、方言:沙流)
siokunnure
シオクンヌレ 【si-okumure】 いばる. (出典:萱野、方言:沙流)
sipaskur
シパㇱクㇽ §298 ハシブトガラス (1) si-paskur (sí-pas-kur)「しパㇱクㇽ」[si(糞)paskur(カラス)] ⦅幌別⦆ハシブトガラス (出典:知里動物編、方言:)
sipekuttar
シペクッタㇻ §196 オニシモツケ (4) sipe-kuttar (sí-pe-kut-tar)「しペクッタㇻ」[sipe(サケ)kuttar(筒茎)] 茎葉 ⦅A沙流・千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sippo ka sakno ionumakokuykuy
シッポ カ サㇰノ イオヌマコクイクイ §122.陰部に関する悪口(3)sippo ka sakno i-o-numa-ko-kuykuy!〔しッポ・カ・さㇰノ・イ・お・ヌマ・コクイクイ!〕[sippo(塩)、ka(も)、sak-no(無し・に)、i(私の)+o(陰部を)+numa(毛)+ko(とともに)+kuykuy(噛み噛みせよ)]〔俺の陰茎を塩もつけずに噛みやがれ!)⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sipuymawkus
シプイマウクㇱ §320 トラツグミ (1) sipuymawkus (sí-puy-maw-kus)「しプイマウクㇱ」[<sipuy-maw-kus(肛門・風・通る)] ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sir-ekurok
シレクロㇰ 【完動】[sir-ekurok あたり・まっ暗だ] まっ暗だ、 暗闇だ。 {E: to be (completely) dark.} (出典:田村、方言:沙流)
sir-kunne/sirkunne
シㇼクンネ 【完動】[sir-kunne あたりの様子(完全動詞形成)・黒い/暗い] 暗い、 暗くなる、 日が暮れる、 夜になる。 {E: to be, grow dark.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-toyarekurok
シットヤレクロㇰ 【完動】[sir-toy-ar-ekurok あたり・ひどく・全く・まっ黒い] まっ暗である。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: to be completely dark; pitch black.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirankuri
シランクリ §011.身内 血縁の者(7)sirankuri〔ši-ráŋ-ku-ri シらンクリ〕⦅カラフト⦆親類。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sirekurok
シレクロㇰ 【sir-ekurok】 暗い,真っ暗だ. (出典:萱野、方言:沙流)
sirekutkar
シレクッカㇻ 【自動】[si-rekut-kar 自分・のど・(他動詞形成)](のどにひっかかったとき)咳払いする。 ☆参考 咳をすることは omke オㇺケ、 訪問する家の前で合図の咳払いをすることは simusiska シムシㇱカ。 {E: to cough; clear one's throat.} (出典:田村、方言:沙流)
sirekutkar
シレクッカㇻ 【si-rekut-kar】 咳払いをする. アヌン コタン タ アㇻパアニネ(アㇻパ・アン ヒネ) コタンコㇿクㇽ コㇿ チセ ネ ノイネ アン ウㇱケ タ アㇻパ・アン シレクッカㇻアナクス(シレクッカㇻ・アン アクス) ア・イ・アフンケ=よその村へ行って村おさの家らしい所へ行き,咳払いを私がしたら家の中へ入れられた. (出典:萱野、方言:沙流)
sirekutkar(-an)
シレクッカㇻ §459.咳[する](7)sirekutkar(-an)〔ši-ré-kut-kar シれクッカㇻ〕[si(自分の)+rekut(のどを)+kar(払う)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
siritkuma
シリックマ §412.じょおみゃく(静脈)(2)静脈の太い筋 si-rit-kuma〔ší-rit-ku-maし・リッ・クマ〕[si(大きな)+rit(筋)+kuma(峯)]⦅ホロべツ⦆【雅―ユ研II, p. 719】 (出典:知里人間編I、方言:)
sirkirapkur
シㇼキラㇷ゚クㇽ §038.やもめ(9)sirkirap-kur〔šír-ki-rap-kur しㇼキラㇷ゚クㇽ〕⦅サル⦆妻に死なれた男。=cisesakkur[sirkirap(不自由している)+-kur(人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sirkunne
シㇼクンネ 【sir-kunne】 暗い,暗くなる,日が暮れる,夜.▷シㇼ=あたり クンネ=暗い アㇻパ ワ エ・ウナㇻペヘ タㇰ ワ エㇰ.シㇼクンネ ナ アペケㇱ ヘネ コㇿ ワ アㇻパ=行ってお前の伯母を呼んで来い.暗いので薪の燃えさしなどを持って行け(昔はこれがしばしばあったこと). (出典:萱野、方言:沙流)
sirkunnetere
シㇼクンネテレ 【自動】[sirkunne-tere 暗くなる・…を待つ] 暗くなるのを待つ、 日暮れを待つ。 kotan kim ta sirkunnetere=an コタン キㇺ タ シㇼクンネテレアン 私は村の山手で日暮れを待った。(NK民話) {E: to await darkness, nightfall.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirkur-wen
シㇼクㇽウェン 【完動】[sir-kur-wen あたり・(< 影/姿)・悪い] 曇っている。 ponno sirkur-wen a korka tane hecaka ポンノ シㇼクㇽウェン ア コㇿカ タネ ヘチャカ 少し曇っていたけれどもう晴れた。(W) {E: to be cloudy; clouded.} (出典:田村、方言:沙流)
sirkurainaw
シㇼクライナウ 【sirkura-inaw】 熊の首を押さえて締めるイナウ:イヨマンテ(熊送り)の時に熊の首を締める棒. (出典:萱野、方言:沙流)
sirkuran
シㇼクラン 【間投】[< sir-kur-an あたり・影・ある](?) ああ悲しい。 {E: Oh how sad!} (出典:田村、方言:沙流)
sirkutut
シㇽクトゥッ §334 エゾネギ (4) sirkutut (sír-ku-tut)「しㇽクトゥッ」 葉、及び球茎 ⦅荻伏⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sirokanepisakku
シロカネピサック 【sirokane-pisakku】 銀の柄杓. ▷シロカネ=白銀,銀 ピサック=柄杓(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sirpokun-amip
シㇼポクンアミㇷ゚ 【名】[sirpok-un-amip 裏・がついている・着物] 袷(あわせ、 裏のついた着物)。 {E: lined clothing.} (出典:田村、方言:沙流)
sirukutci
シルクッチ §138 ミヤママタタビ (3) siru-kutci (si-rú-kut-ci)「シるクッチ」[上記のciru-kutciから、さらにそれが漿果なので汁に連想してsiru-kutciとなったものか] 果実 ⦅D屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
siseku
シセク 【自動】[si-seku 自分・をふくらます] ふくれる(ふくれていく)。 {E: to be swollen.} (出典:田村、方言:沙流)
sisermakuste
シセㇾマクㇱテ 【他動】[si-sermak-us-te 自分・の背後・につく・させる](神)に守ってもらう、 (神)に守護を願う、 (願い事をかなえてくれるように)祈る。 tasum kur apunno e=tusare kuni sekor kamuy ne yakka sisermakuste wa… タスㇺ クㇽ アプンノ エトゥサレ クニ セコㇿ カムイ ネ ヤッカ シセㇾマクㇱテ ワ… あなたが病人をちゃんと治すようにと、 神様にも守護を祈って…。(S会話) ☞sermak セㇾマㇰ。 {E: to pray to (the gods) for protection.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sisermakuste
シセㇾマクㇱテ 【si-sermak-us-te】 守ってくれるよう願う,祈る.▷シ=自ら セㇾマㇰウㇱ=守護がつく テ=させる. (出典:萱野、方言:沙流)
sisirkunne
シシㇼクンネ 【si-sir-kunne】 薄暗くなる,日暮れ,宵. エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェヘ アン.タント アナㇰネ シシㇼクンネ カ キ イヤイキㇷ゚テ ナ.イワカン(イワㇰ・アン) ロ=これほどイタドリが茂っている所へ入った足跡がある,今日は薄暗くもなったし,危ないから帰ることにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
sisunku
シスンク §414 エゾマツ (2) si-sunku (sí-sun-ku)「しスンク」[本当の・スンク] 木 ⦅A⦆ (出典:知里植物編、方言:)
síttoyárekurok
シットヤレクロㇰ ☞sir-toyarekurok シットヤレクロㇰ (出典:田村、方言:沙流)
situkaptukusis
シトゥカㇷ゚トゥクシㇱ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (3) situkap-tukusis(si-tú-kap-tu-ku-sis)「シとぅカㇷ゚トゥクシㇱ」⦅美幌⦆イワナ (出典:知里動物編、方言:)
siwninkumi
シウニンクミ 【siwnin-kumi】 青かび. (出典:萱野、方言:沙流)
siyankur
シヤンクㇽ §426 マムシ (7) siyankur (si-yán-kur)「シやンクㇽ」[<si-an-kur(本当・の・神)] ⦅長万部⦆ (出典:知里動物編、方言:)
siyenkakuste
シイェンカクㇱテ 【他動】[si-y-e-enka-kus-te 自分・(挿入音)・の上方・を通る・させる](鳥が)(矢)を自分の上を通す(当たらないようによける)。 (W神謡K) ☆対語 sicorpokkuste シチョロポックシテ。 ☆参考 péka ペカ (矢)を受け取る=(矢)に当たる。 (出典:田村、方言:沙流)
siyokunnure
シヨクンヌレ 【si-okunnure】 いばる,えらぶる. (出典:萱野、方言:沙流)
siyokunure
シヨクヌレ 【自動】[si-y-okunu-re 自分・(挿入音)・(?)・させる]えらぶる。 ☆参考 okunure オクヌレ は《…に驚きあきれる》。 {E: to be proud; give oneself airs.} (出典:田村、方言:沙流)
sokarhoku
ソカㇻホク §036.おっと(夫)(8)so-kar-hoku〔só-kar-ho-ku そカㇻ・ホク〕⦅H.⦆【雅】かしずく夫。e-〜「汝のかしずく夫」⦅聖典, p.175⦆。[so(座席を)+kar(つくる、しつらえる)+hoku(夫);そのために座席をしつらえてかしずく夫]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
somoyakun
ソモヤクン 【somo yakun】 そうしないと. エモ ア・エトイタ ヒ タ アナㇰネ クロホ ラウネ ノ ア・カㇻ ペ ネ ソモ ヤクン エモ ウェン ペ ネ=ジャガイモを蒔く時は畝を深くするものだ.そうしないとジャガイモがよくないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sonkokorkur
ソンココㇿクㇽ 【sonko-kor-kur】 使者. (出典:萱野、方言:沙流)
sorekusu
ソレクス 【副】[sore-kusu それ(日本語)・こそ] それこそ(程度のすごいことを言うとき、 それを導くためにその表現の前に置かれる語の一つ)。 ☆参考 同様の文脈でよく使われる easir エアシㇼ は、 アイヌ語本来の語で、 この語を古老はよく「それこそ」と訳している。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyokuta
ソヨクタ 【他動】[soy-o-kuta 外・に・(中の物)を全部外に出してしまう](ごみなど)を家の中から外へ出す/戸外へ掃き出す。 {E: to put, take…out; sweep…out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sukuhiwanehpo
スクヒワネㇸポ §006.若者;青少年(4)sukuh-iwanehpo〔su-kúh-i-wa-neh-po スくㇷイワネㇸポ〕[sukuh(成長した)+iwanehpo(少年)]⦅S.⦆若者、青年(あいぬ物語, p.164) (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sukuhmahnekuh(ru/-ru)
スクㇷマㇵネクㇷ §007.むすめ(娘)(25)sukuh-mahnekuh(ru/-ru)〔su-kúh-mah-ne-kuh スくㇷマㇵネクㇷ〕[sukuh(<sukup 成長した、若い)+mahnekuh(<mat-ne-kur 女・である・ひと)]⦅シラウラ、アイハマ、ナイブチ⦆年頃の娘。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sukuhohkayo
スクホㇹカヨ §006.若者;青少年(5)sukuh-ohkayo〔su-kúh-oh-ka-jo すくㇷオㇹカヨ〕[sukuh(若い)+ohkayo(男)]⦅S.⦆若者。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sukuhpe
スクㇷペ §006.若者;青少年(6)sukuhpe〔su-kúh-pe スくㇷペ〕[sukuh(成長した、若い)+-pe(者)]⦅シラウラ⦆若者。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sukup
スクㇷ゚ 【自動】①成長する、 子どもから大人へ、 若年から壮年になり壮年期をすごして老年へと向かって成長して/年を取っていく、 (若い大人として)暮らす/人生を過ごす。 tan te pakno sukup tuyka ta a=ki kor oka=an hi タン テ パㇰノ スクㇷ゚ トゥイカ タ アキ コㇿ オカアニ 私たちがこれまで生きてきた間にしていたことを。(W会話) iruka sukup kor tu po re po a=kor kor イルカ スクㇷ゚ コㇿ トゥ ポ レ ポ アコㇿ コㇿ 少しの間暮らすうちに二、 三人の子どもができたとき。(HC民話) ②若い(老いていない、 まだ元気でよく働ける)、 壮年である。 sukup kur スクㇷ゚ クㇽ 若い人(二十代から三十五、 六まで) (S)、 (十代二十代から三十代四十代の中年まで) (S) poro sukup kur ポロ スクㇷ゚ クㇽ 熟年の人、 初老の人。 en=or ta anak sukup utar poronno oka na nep ka a=emónasap ciki sikasuyre yan エノッタ アナㇰ スクプタㇻ ポロンノ オカ ナ ネㇷ゚ カ アエモナサㇷ゚ チキ シカスイレ ヤン 私の所には若い人たちが大勢いるから何か忙しいときには手伝わせなさい。(S) (注 [対] onne オンネ 年老いている。) ③[名]成長している間、 人生の間、 若いとき(老年になる前全部)。 sukup epitta スクㇷ゚ エピッタ 小さいときからずっと。 sukup hontom eysam スクㇷ゚ ホントㇺ エイサㇺ 人生の途中で亡くなる=老いるまで生きずにまだ若いうちに、 三十代、 四十代ぐらいで死ぬ。 sukup noski epa スクㇷ゚ ノㇱキ エパ 人生のなかば(壮年)に達する。 ☆参考 pewre ペウレ は十代から二十代ぐらいの若年を言い、 成長する意味はない。 ☆参考 小さい子どもが成長して大きくなることは poro ポロ。 {E: ① to mature, grow up. ② young. (from about 20~35, 36 years of age). ③ to be young: refers to the passing of the years (as a young adult). } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sukup
スクㇷ゚ 【sukup】 成長する,育つ,若い(40歳代まで). (出典:萱野、方言:沙流)
sukup
スクㇷ゚ §010.老若長幼―成長段階―を表す形容詞その他(9)sukup〔su-kúp スくㇷ゚〕⦅H.⦆若い。〜menoko「若い女」⦅ホロベツ⦆。〜-kur「若い人」⦅ホロベツ⦆。〜-kur yaynu「若い人の思い」「恋」⦅ホロベツ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sukup(-an)
スクㇷ゚ §082.生きる(2)sukup(-an)〔su-kúp スくㇷ゚〕⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sukupasnu
スクパㇱヌ 【sukup-asnu】 成長がよい.▷スクㇷ゚=育ち アㇱヌ=よい (出典:萱野、方言:沙流)
sukupekaci
スクペカチ 【自動+名】[sukup hekaci 成長する・少年 ]青年、 (十八、 九歳)。 ☆参考 sukup スクㇷ゚ と hekaci ヘカチ が続けて発音されて h が消えたもの。 {E: a youth; a young man(18, 19 years old).} (出典:田村、方言:沙流)
sukuphekaci
スクㇷ゚ヘカチ §006.若者;青少年(2)sukup-hekaci〔su-kúp-he-ka-či スくㇷ゚ヘカチ〕⦅ホロべツ⦆【雅―若者;青年(→ユ研Ⅱ, p.893)。「(成人した・少年)」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sukupkina
スクㇷ゚キナ 【名】[sukup-kina 成長する・草][植物](草の名、 「五、 六尺にもなる、 茎が太く筒になっている」。) (W)〔知分類 p.212 sikupkina バイケェソォ ((厚真、 穂別))((A沙流・鵡川・石狩))〕 {E: a type of grass.} (出典:田村、方言:沙流)
sukupkina
スクㇷ゚キナ 【sukup-kina】 バイケイソウ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
sukupkur
スクㇷ゚クㇽ §006.若者;青少年(3)sukupkur〔su-kúp-kur スくㇷ゚クㇽ〕⦅ホロべツ、サル⦆若い人;若人。"〜-yaynu"「若人の思い」「恋わずらい」(ユ研Ⅰ, pp.96, 101)。"〜-kewtum「若人の心」「青春の情」「恋病」(ユ研Ⅰ, p.97)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sukupkurpurikor(-an)
スクㇷ゚クㇽプリコㇿ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(24)sukupkur-puri-kor(-an)〔su-kúp-kur-pu-ri-kor スくㇷ゚クㇽプリコㇿ〕[su-kup-kur(若い・人)+puri(の振舞を)+kor(持つ)]⦅ホロベツ、サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
sukupnuraukot
スクㇷ゚ヌラウコッ 【sukup-nuraukot】 禍根,わざわいの起こるもと. *今禍根を絶つようにしないと子孫のために悔いを残す[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sukuppa
スクッパ 【自動】[複](sukup スクㇷ゚ は単複の区別なし)(二人以上が)大人(壮年)になる、 若年から老年に向かって成長して/年をとっていく。 {E: to grow into, become an adult (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sukupporop
スクッポロㇷ゚ Ⅱ_§002.おとこ(男)(10)sukup-porop〔sú-kup-po-rop スくㇷ゚ポロㇷ゚〕[sukup(成長した)、poro(年多い)、-p(者)]⦅ホロベツ⦆【雅】高齢者;年寄。(ユ研Ⅱ, p.799)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sukuppurikor
スクップリコㇿ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(25)sukup-puri-kor〔su-kúp-pu-ri-kor スくㇷ゚プリコㇿ〕[sukup(若い)+puri(振舞)+kor(持つ)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sukuppurikore
スクップリコレ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(26)肌身を許す;身を任せる sukup-puri-kore〔su-kúp-pu-ri-ko-re スくㇷ゚プリコレ〕[若い・振舞を・与える]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sukuptuykata
スクㇷ゚トゥイカタ 【sukup-tuy ka ta】 成長過程. (出典:萱野、方言:沙流)
sukus
スクㇱ 【名】日ざし。 sukus tom スクㇱ トム 日がさす。(W) sukus ruy スクㇱ ルイ 日ざしが強い。(S) sukus yupke スクㇱ ユㇷ゚ケ 日ざしが強い。(W) sukus hawke スクㇱ ハウケ 日ざしが弱い。(W) tónon-sukus トノンスクㇱ 真昼の雲も風もないよい天気のよい日ざし。 {E: sunlight; the rays of the sun.} (出典:田村、方言:沙流)
sukus
スクㇱ 【sukus】 日光,日がさす. (出典:萱野、方言:沙流)
sukuscire
スクㇱチレ 【sukus-cire】 日焼け. (出典:萱野、方言:沙流)
sukuscise
スクㇱチセ 【sukus-cise】 日除け:葉のままの柳の木などで作る日除けの家. (出典:萱野、方言:沙流)
sukusekot(-an)
スクセコッ §413.しょきあたり(暑気あたり)(6)日射病で死ぬ;日光に照らされて暑さに耐えられずに死ぬ sukus-ekot(-an)〔su-kú-se-kot スくセコッ〕[sukus(日光)+e-kot(それで・死ぬ)]⦅サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
sukuskar
スクㇱカㇻ 【自動】[sukus-kar 日ざし・に当たる] 日光に当たる、 日ざしを受ける。 sukuskar uske iro wen スクㇱカㇻ ウㇱケ イロ ウェン (菜っぱを外に出しておいたため)日に当たったところが色が悪くなった。(S) ku=mipihi tane sukuskar ayne mátek wa okere クミピヒ タネ スクㇱカㇻ アイネ マテㇰ ワ オケレ 私の着物(が)日に当たってもうすっかり色がはげてしまった。(S) {E: to be exposed to the sunlight.} (出典:田村、方言:沙流)
sukuskar
スクㇱカㇻ 【sukus-kar】 日あたり. (出典:萱野、方言:沙流)
sukuspirka
スクㇱピㇼカ 【sukus-pirka】 よい天気,好天. (出典:萱野、方言:沙流)
sukusracici
スクㇱラチチ 【自動】[sukus-racici 日ざし(が)・…をたれ下がらせる] 日に当たってしおれる。 {E: to wither in the sunlight.} (出典:田村、方言:沙流)
sukustoy
スクㇱトイ 【名】[sukus・toy 日ざし・(< 土地?)][雅]真昼の明るい光。 otu imeru/ore imeru/sukustoy kunne/uciw-itara オトゥ イメル/オレ イメル/スクㇱトイ クンネ/ウチウイタラ 何本もの光が真昼の明るい光のように互いに反射してきらめき合っている。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
sukusuku
スクスク §426 ヤマドリゼンマイ (3) sukusuku (su-kú-su-ku)「スくスク」 胞子 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sukusuku
スクスク §429 クサソテツ コゴミ (4) sukusuku (su-kú-su-ku)「スくスク」 胞子 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sukusyasa
スクㇱヤサ 【自動】[sukus-yasa 日ざし(が)・…を裂く]日に当たってすきまがあく。 ontaro sukusyasa wa oykus オンタロ スクㇱヤサ ワ オイクㇱ 桶が日に当たってすきまがあいたのでもる。(S) {E: for something to dry and crack in the sunlight.} (出典:田村、方言:沙流)
sukutut
スクトゥッ §334 エゾネギ (3) sukutut (su-kú-tut)「スくトゥッ」 葉、及び球茎 ⦅美幌、屈斜路⦆⦅A有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sumapukumpe
スマプクンペ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (9) sumapukumpe (su-má-pu-kum-pe)「スまプクンペ」[<suma(石)pok(下)un(にいる)pe(者)] ⦅天塩、名寄⦆ (出典:知里動物編、方言:)
suncikeerekus
スンチケエレクㇱ §093 スケトウダラ (2) suncike-erekus(sún-či-ke-r-re-kus)「すンチケエレクㇱ」[suncike(やせている)erekus(タラ)]⦅礼文⦆スケトウダラ、スケソ(方言)Theragra chalcogramma(PALLAS). (出典:知里動物編、方言:)
sunku
スンク 【名】[植物] エゾマツ(「シンコマツ」)。(W) (S)〔知分類 p.236〕 {E: a Yezo spruce (a type of pine tree).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sunku
スンク 【sunku】 エゾマツ.*民話の中でアイヌを助けるのはこの木が多いので,エゾマツをいう場合スンクトノマッ(エゾマツの淑女)と敬称をつけて呼ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
sunku
スンク §414 エゾマツ (1) sunku (sún-ku)「すンク」 茎 ⦅北海道・樺太⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sunkuyar
スンクヤㇻ §414 エゾマツ (3) sunku-yar (sún-ku-yar)「すンク・ヤㇻ」 樹皮 ⦅各地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
supunkurkina
スプンクㇽキナ §190 クサフジ (4) supunkurkina (su-pún-kur-ki-na)「スぷンクㇽキナ」[supun(ウグイ)kurki(えら)kina(草)] 茎葉 ⦅A鵡川・千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
supuymawkus
スプイマウクㇱ §320 トラツグミ (2) supuymawkus (sú-puy-maw-kus)「すプイマウクㇱ」[<sipuy-maw-kus(肛門を・空気が・通る)、尻からああいう声を出すとアイヌは考えている] ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
surku
スㇽク §249 トリカブト (1) surku (súr-ku)「すㇽク」 根 ⦅北海道⦆ (出典:知里植物編、方言:)
surku
スㇽク §546.どく(毒)(1)surku〔súr-ku すㇽク〕[もとトリカブトの根]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
surku 1
スㇽク 【名】[植物]トリカブト(「ブシ」)(根も葉も含めて)。(S) surku nonno スㇽク ノンノ トリカブトの花(藤色で美しい)。 surku sinrit スㇽク シンリッ トリカブトの根(猛毒で、 熊を殺す毒矢に使われる)。 〔知分類 p.139 (トリカブトの)根〕 {E: an aconite; a wolfsbane.} (出典:田村、方言:沙流)
surku 1
スㇽク 【surku】 ①トリカブト. (出典:萱野、方言:沙流)
surku 2
スㇽク 【名】毒(昔はトリカブトの根の毒が用いられた)。 surku e スㇽク エ [毒・を食べる] 毒をのむ。 {E: poison (from the roots of a wolfsbane).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
surku 2
スㇽク 【surku】 ②毒,矢毒. (出典:萱野、方言:沙流)
surkuay
スㇽクアイ 【surku-ay】 毒矢. (出典:萱野、方言:沙流)
surkuemawri
スㇽクエマウリ 【名】[surku-emawri 毒・イチゴ][植物]ヘビイチゴ。〔知分類になし。 p.115 hurep シロバナノヘビイチゴ〕 {E: an Indian strawberry.} (出典:田村、方言:沙流)
surkuepuy
スㇽクエプイ §249 トリカブト (4) surku-epuy (súr-ku-e-puy)「すㇽクエプイ」[surku(ブシ根)epuy(頭部)] 花 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
surkukar
スㇽクカㇻ §504.ちゅうどく(中毒)する(5)トリカブトに中毒する surku-kar〔súr-ku-kar すㇽクカㇻ〕[surku(トリカブトの毒)+kar(に当る)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
surkukarus
スㇽクカルㇱ 【surku-karus】 毒きのこ. (出典:萱野、方言:沙流)
surkukiksuma
スㇽクキㇰスマ 【surku-kik-suma】 矢毒臼. 図[スㇽクキㇰスマ] (出典:萱野、方言:沙流)
surkuku
スㇽクク 【surku-ku】 服毒. (出典:萱野、方言:沙流)
surkukusuri
スㇽククスリ 【surku-kusuri】 ショウブ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
surkusake
スㇽクサケ 【surku-sake】 毒酒. (出典:萱野、方言:沙流)
surkusapke
スㇽクサㇷ゚ケ 【surku-sapke】 毒味(する). (出典:萱野、方言:沙流)
suruku
スルク §249 トリカブト (2) suruku (su-rú-ku)「スるク」 根 ⦅樺太⦆ (出典:知里植物編、方言:)
surukukusuri
スㇽククスリ §362 ショウブ (1) suruku-kusuri (súr-ku-ku-su-ri)「すㇽク・クスリ」[surku(トリカブトの根、毒)kusuri(薬)] 根茎 ⦅幌別、穂別、足寄⦆⦅A沙流・鵡川・千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
surukuru
スルクル §340 オジロワシ (6) surukuru (su-ru-ku-ru)「スルクル」 ⦅千島⦆ (出典:知里動物編、方言:)
taktaku
タㇰタク 【他動】[tak-tak-u 塊・(重複)・(他動詞形成)]…をにぎって丸める。 upas taktaku ウパㇱ タㇰタク 雪を丸める=雪玉をつくる(雪合戦で)。(S) sito taktaku シト タㇰタク 餅を丸める=丸餅をつくる。(S) amam taktaku wa poyson ére アマㇺ タㇰタク ワ ポイソン エレ おにぎりをつくってぼうやに食べさせなさい。(S) {E: to make…round, spherical.} (出典:田村、方言:沙流)
takuhponi
タクㇷポニ §305.けんこうこつ(肩胛骨)(4)takuh-poni〔ta-kúh-po-ni タくㇷポニ〕[肩・骨]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
takup
タクㇷ゚ 【副助】…だけ、 …しか…しない。 rur takup i=erepa ルッ タクㇷ゚ イエレパ 彼らは汁だけしか食べさせてくれなかった(肉も魚もくれなかった)。(W民話) apekur takup a=ki アペクッ タクㇷ゚ アキ 私は火にあたっているだけだった(炊事も何の仕事もせずに)。(W民話) teknum takup etuk kane kú=isitoma テㇰヌㇺ タクㇷ゚ エトゥㇰ カネ クイシトマ 手首だけ出てきて(私は)恐ろしかった。(S) ku=cis a ku=cis a kor patek k=an pe un, ku=yaypira takup ki wa クチサ クチサ コㇿ パテㇰ カン ペ ウン、 クヤイピラ タクㇷ゚ キ ワ 私は泣いて泣いてばかりいたんだよ、 ただもうがっかりして。(S) ☆参考 patek パテㇰ《だけ、 ばかり》が肯定的に「…だけ/ばかり…する/した」というニュアンスで使われているのに対して、 takup タクㇷ゚ は「…しか…しない」という否定的なニュアンスで使われる。 {E: just; only.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
takup(-i)
タクㇷ゚ §202.かた(肩)(2)takup(-i)〔ta-kúp タくㇷ゚〕[<tap(肩)+kup(首、関節)]⦅ナヨロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
takup/takupi(hi)
タクㇷ゚/タクピ(ヒ) 【takup/takupi(hi)】 こればかり,これしか,これっぽち,〜しか,〜だけ. ネン エン・イェ ヤッカ タクピ ク・コㇿ イチェン エチ・エソウㇰテ.ヘマンタ ク・コㇿ ペ アーン=なんと言われてもそればかり持っていた銭,お前に貸した.何を持っているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
takupi
タクピ 【副助+所属語尾】[takup-i …だけ・(所属語尾)](名詞が所属形にならず、 その代りに、 その後に置かれた takup タクㇷ゚《…しか…しない》に所属形語尾がつく。) a=sapá takupi erepasi arpa yakun アサパ タクピ エレパシ アㇻパ ヤクン 私の頭だけ(体から離れて)はるか沖の方へ行ったならば。(W民話) ku=hon takupi poro wa ora icen ka ku=sak クホン タクピ ポロ ワ オラ イチェン カ クサㇰ 私はおなかだけ大きくなってお金はない。(S) {E: just; only.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
takuppe
タクッペ 【takuppe】 谷地坊主:湿地に生えた草が伸びては重なり重なりして,高さが1m位になった枯れ草. (出典:萱野、方言:沙流)
takuppe sapa
タクッペ サパ 【takuppe-sapa】 ざんばら髪〔比喩〕.▷タクッペ=谷地坊主 サパ=頭 →谷地坊主のように頭をざんばらにしている. (出典:萱野、方言:沙流)
takusa
タクサ 【名】[< 日本語]手草(たくさ) ☞tektakusa テㇰタクサ (出典:田村、方言:沙流)
takusa
タクサ 【takusa】 清め草:病人を治すために清める草.ヨモギとアカイチゴの柴を混ぜて使う. (出典:萱野、方言:沙流)
takusaani
タクサアニ 【takusa-ani】 清め草を手に持つ. イタㇰタクサ タクサアニ エカクキㇰ=言葉の清め草,清め草でお前を祓い清める.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tamipekur
タミペクㇽ 【tam-ipe-kur】 シャチ. (出典:萱野、方言:沙流)
tampaku
タンパク 【tampaku】 煙草. タンパク ク=煙草を吸う. (出典:萱野、方言:沙流)
tampaku
タンパク §061 タバコ (1) tampaku (tám-pa-ku)「たンパク」[<日本語“たばこ”] 葉 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tampaku ikkewehe
タンパク イッケウェヘ §061 タバコ (2) tampaku ikkewehe 「たンパク いッケウェヘ」[tampaku(タバコ)ikkewehe(の腰骨)] 茎 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tampakuop
タンパクオㇷ゚ 【tampaku-o-p】 煙草入れ:ネㇱコ(クルミ),ユㇰポネ(鹿の骨)製. 図[タンパクオㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
tan tan kurke
タン タン クㇽケ 【?】(昔ある人が三匹の犬を呼んだ呼び方として伝えられている言葉の中に出てくる意味不明の語。) (KK犬を呼ぶ歌) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tan'ukuranne
タンウクランネ 【tan ukuran ne】 今晩. (出典:萱野、方言:沙流)
tanpaku
タンパク 【名】[< 日本語] たばこ。 tanpaku ku タンパク ク[たばこ・を飲む]たばこを吸う。 tanpaku sine pa ku=ku rusuy タンパク シネ パ クク ルスイ 私はたばこを一服吸いたい。(W) ☆参考 きざみも紙巻きも。 ワテケさんはきざみたばこをきせるにつめて吸っていた。 ☆参考 kiseri キセリ きせる。 {E: tobacco; cigarettes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tanpakuku
タンパクク 【自動】[tanpaku-ku たばこ・飲む](=tanpaku ku タンパク ク)たばこを吸う。 ku=tanpakuku クタンパクク 私はたばこを吸う。(W) {E: to smoke a cigarette, tobacco.} (出典:田村、方言:沙流)
tanpakuop
タンパクオㇷ゚ 【名】[概][tanpaku-o-p たばこ・入る・もの] タバコ入れ。 {E: a tobacco pouch.} (出典:田村、方言:沙流)
tanpakuopi(hi)
タンパクオピ(ヒ) 【名】[所]…のタバコ入れ。 {E: a tobacco pouch of…} (出典:田村、方言:沙流)
tanto kunneywa
タント クンネイワ 【tanto kunneywa】 今朝. (出典:萱野、方言:沙流)
tanukuran
タヌクラン 【名/副】[tan-ukuran この・ゆうべ] 今晩、 今夜。 ☆参考 ukuran ウクラン だけだと《昨晩》。 {E: this evening; tonight.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tanukuran
タヌクラン 【tan-ukuran】 今晩,今夜. タヌクラン レウシ ワ アㇻパ=今晩泊って行け.タヌクラン アナㇰ ノチュー クㇽカ テㇱナタラ トイタサオッ ア・ヌカンノ=今夜は星月夜で北斗七星がよく見える. (出典:萱野、方言:沙流)
tap iki kur
タㇷ゚ イキ クㇽ 【tap iki kur】 今帰った人:たった今来ていた人. タㇷ゚イキクㇽ マキㇷ゚ イポロクㇽクㇱ カネ ヒネ アフン=今来た人どうしたのか顔に陰を持って入って来た.タㇷ゚イキクㇽ イヤㇰネクㇽ ネ ルウェヘー=今来た人は弟のほうの人なのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
tapa=yekuni
タパイェクニ 【tap a=ye kuni】 言うところの. ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に.言うところの水にうるかした昆布と同じ色であったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
tat-pisakku
タッピサック 【名】カンビの皮(樺皮)製のひしゃく。 ☆発音 t ッ の発音に注意。 つまる音ではない。 {E: a dipper made from the bark of the birch tree.} (出典:田村、方言:沙流)
tehkuci
テㇸクチ §530.てくび;腕関節部(3)teh-kuci〔téh-ku-či てㇸクチ〕[手・の首]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tehkuciki
テㇸクチキ §530.てくび;腕関節部(5)teh-kuciki〔téh-ku-či-ki てㇸクチキ〕[<tek-kuci-ke]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tehkumusi
テㇸクムシ §650.ひじ(肘)(3)teh-kumusi〔téh-ku-mu-ši てㇸクムシ〕[teh(うで)+kumusi(膝)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekahkuci
テカㇵクチ §530.てくび;腕関節部(1)tek-ahkuci〔te-káh-ku-či テかㇵクチ〕[「手・首」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekahkuci
テカㇵクチ §530.てくび;腕関節部(6)tek-ahkuci〔te-káh-ku-či テかㇵクチ〕[手・の首]⦅トンナイ、シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekahkuciki
テカㇵクチキ §530.てくび;腕関節部(7)tek-ahkuciki〔te-káh-ku-či-ki テかㇵクチキ〕[手・の首・の所]⦅トンナイ、シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekkuci
テックチ §530.てくび;腕関節部(2)tek-kuci〔ték-ku-či てㇰクチ〕[tek(手)+kuci(の首、の咽喉、<kut)]⦅チカブミ、クッシャロ、タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekkuci(hi)
テックチ(ヒ) 【名】[所](概は tekkut テックッ)…の手の入墨。 {E: the hand tatoos of…} (出典:田村、方言:沙流)
tekkucike
テックチケ §530.てくび;腕関節部(4)tekkucike〔ték-ku-či-ke てックチケ〕[手・の首・の所]⦅チカブミ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekkup
テックㇷ゚ 【名】[概][tek-kup 手・(?)][動物](鳥の)翼。 ☆参考 羽は rap ラㇷ゚、 尾羽は ois オイㇱ。 〔知分類 人間 p.272((ホロベツ))てくび〕 {E: a wing.} (出典:田村、方言:沙流)
tekkup
テックㇷ゚ 【tek-kup】 翼,羽. (出典:萱野、方言:沙流)
tekkup(-i)
テックㇷ゚ §530.てくび;腕関節部(11)tek-kup(-i)〔ték-kup てックㇷ゚〕[手・関節]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekkup,-i/-u
テックㇷ゚ §419 (その他の鳥名)  (31) tekkup, -i/-u(ték-kup)「てックㇷ゚」⦅幌別⦆翼[もと手首の義] (出典:知里動物編、方言:)
tekkupi(hi)
テックピ(ヒ) 【名】[所](概は tekkup テックㇷ゚)[動物] …(鳥)の翼。 {E: a (the) wing(s) of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekkuspare
テックㇱパレ 【他動】[tek-kus-pa-re 手・を・…を通る・(複)・させる][雅]…に手を入れる。 ketusi upsor/tekkuspare ケトゥシ ウㇷ゚ソㇿ/テックㇱパレ [雅](姉は)ながもちの中に手を差し入れた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekkut
テックッ 【名】[tek-kut 手・帯] 手(手の甲から前腕にかけて)の入墨。(W) ☆参考 昔の成人女性は口のまわりだけでなく手の甲から前腕にかけても入れ墨をしていた。 ちょうど飾り布を帯状に巻いたようなデザインで、 横に平行して並ぶ数本の1〜1.5センチ幅ぐらいの帯状のすじと、 斜めに交差するやや細めのすじ数本とを基調とし、 ほかに点や折れ曲がった線などが加えられることもあった。 {E: a hand tatoo.} (出典:田村、方言:沙流)
tekkut
テックッ 【tek-kut】 手首の刺青.▷テㇰ=手 クッ=帯 テエータ アナㇰネ メノコポ ウタㇻ ウトㇺヌカㇻ ヒ タ パキサㇻ コエトゥレンノ テックッ カ コㇿ ワ エアシㇼ ア・オモンヌレ.テックッ ポカ サㇰノ ホクコㇿ コㇿ クリ ア・アンテ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=ずーっと大昔は娘たちが結婚する時,口のまわりの刺青とともに,手首の帯という刺青をして初めてほめられた.手首の帯という刺青もせずに夫を持つと陰口を言われたものだそうだ.*昔は口のまわりは別としても最低,手首には刺青をした.手首に刺青をしないでお嫁に行くと,テックッポカ サㇰノ シコラㇻ ヤㇰ ア・イェ(手首に帯もしないで嫁に行ったそうだよ)と笑い者にされた. (出典:萱野、方言:沙流)
tekkutunin(-i)
テックトゥニン §530.てくび;腕関節部(9)tek-kutunin(-i)〔ték-ku-tu-nin てㇰクトゥニン〕[tek(手)+kut(首)+unin(関節)]⦅ビホロ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekkuwapoecararse
テックワポエチャラㇻセ §831.よつんばいになる(3)よつんばいになる[のめって] tek-kuwapo-e-cararse〔ték|ku-wá-po|e-čá-rar-se てㇰ・クわポ・エちゃラㇻセ〕[tek(手)+kuwapo(小杖、kuwa 杖、-po指小辞)+e(それで、すなわち「手の小杖で」「手を杖にして」)+cararse(すべって行く)]⦅ユ研Ⅱ, p.599⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tektakusa
テㇰタクサ 【名】[tek-takusa 手・手草] 手の手草(たくさ)、 マッサージ。 téwano e=arpa wa sóne tasum kur tektakusa póka e=ekar wa テワノ エアㇻパ ワ ソネ タスㇺ クㇽ テㇰタクサ ポカ エエカㇻ ワ あなたは今から行って本当に病人に手のマッサージだけでもしてあげて。(S会話) ☆参考 病気の治療法の一つで、 巫力(ある種の超能力)のある人が手でたたいたりさすったりする。 ☆発音 k と s の間で u は無声化し、 ほとんど tektaksa テㇰタㇰサ のように聞こえる。 {E: a massage.} (出典:田村、方言:沙流)
tekukamure
テクカムレ 【自動】[tek-u-kamure 手・互いに・かぶせる] 互いに手を合わせる。(W) ☆参考 utekkamure ウテッカムレ とも言う。(W) {E: to join the hands.} (出典:田村、方言:沙流)
tekukoci
テクコチ §530.てくび;腕関節部(12)tekukoci〔té-ku-ko-či てクコチ〕[tek(手)+ukoci(<u-kot-i、u「互い」 kot「につく」 i「所」、くっつき合っている所)]⦅チカブミ、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekukoci(hi)
テクコチ(ヒ) 【名】[所](概は tekukot テㇰコッ) …の手首。 {E: the wrists of…} (出典:田村、方言:沙流)
tekukot
テクコッ 【名】[概](所は tekukoci(hi) テクコチ(ヒ))[tek-u-kot 手・互い・につながる] 手首。(W) {E: the wrists.} (出典:田村、方言:沙流)
tekukot/tekukoci(hi)
テクコッ/テクコチ(ヒ) 【teku-kot/-koci(hi)】 手の跡. (出典:萱野、方言:沙流)
tekukotukka
テクコトゥッカ 【自動】[tek-u-kotukka 手・互い・…を…にくっつける] 手を合わせる(自分の両手を)。 ☆参考 tekukamure テクカムレ 別々の人が互いに手を重ね合わせる。 {E: to join the hands.} (出典:田村、方言:沙流)
tekunin(-i)
テクニン §530.てくび;腕関節部(10)tek-unin(-i)〔té-ku-nin てクニン〕[手・関節]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekunkane
テクンカネ 【名】[tek-un-kane 手・についている・金] 腕輪、 ブレスレット。 ☆参考 「うでわ」の訳語として出た。 昔の装飾品としては特になかったらしい。 その代り女性は前腕に入れ墨をしていた。 ☞tekkut テックッ {E: a bracelet.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekunpe
テクンペ 【名】[tek-un-pe 手・についている・もの] 手甲(てっこう)(手の甲から前腕にかけて手の上側につける布製のカバー)。 tekunpe kor テクンペ コㇿ 手甲をつける。 askepeci pis pis oma tekunpe アㇱケペチ ピㇱ ピㇱ オマ テクンペ 指が一本一本入る手甲=手袋。(S) {E: a covering for the back of the hand.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekunpe
テクンペ 【tek-un-pe】 手甲(てっこう). 図[テクンペ] (出典:萱野、方言:沙流)
tekup,-i/-u
テクㇷ゚ §419 (その他の鳥名)  (32) tekup, -i/-u(tek-úp)「テくㇷ゚」⦅沙流⦆翼 (出典:知里動物編、方言:)
tekusi
テクシ §064.あばら;あばらぼね(16)第一肋骨 tekusi〔té-ku-ši てクシ〕[tek(手)+us(ついている)+i(所)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekusipsip
テクシㇷ゚シㇷ゚ §422 スギナ (1) tekusipsip (te-kú-sip-sip)「テくシㇷ゚シㇷ゚」[tek(手)us(多くある)sipsip(トクサ)] 栄養茎 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tekusipsipepuyke
テクシㇷ゚シペプイケ §422 スギナ (2) tekusipsip-epuyke (te-kú-sip-si-pe-puy-ke)「テくシㇷ゚シペプイケ」[スギナの・芽] 胞子茎 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tekuskikir
テクㇱキキㇼ §265 ゾウリムシ(草履虫) (2) tek-us-kikir (ték-us-ki-kir)「てクㇱキキㇼ」[<tek(手)us(叢生している)kikir(虫)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tekusnit(c-i)
テクㇱニッ §064.あばら;あばらぼね(17)胴についている肋骨 tekus-nit(c-i)〔té-kuš-nit てクㇱニッ〕[tek(手)+us(ついている)+nit(串、細棒)]⦅ニシべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tekutapure
テクタプレ 【自動】[tek-utapure 手・(?)] こぶしをにぎる。 tekutapure kane wa kikkik oasi テクタプレ カネ ワ キッキㇰ オアシ (彼は)げんこつをにぎってなぐろうとした。(S) ☆参考 にぎりこぶしは teknum テㇰヌㇺ。 {E: to make a fist.} (出典:田村、方言:沙流)
tekutasare
テクタサレ 【自動】[tek-utasare 手・互いに交差させる] 腕組みする。 ukirosore wa oraun tekutasare wa nottarara wa an ウキロソレ ワ オラウン テクタサレ ワ ノッタララ ワ アン (彼は)あぐらをかいてそして腕組みしてあごをつき出し上を向いている。(S) {E: to fold one's arms.} (出典:田村、方言:沙流)
tekuwenunpa
テクウェヌンパ 【自動】[複](単の用例はない)[tek-u-e-nunpa 手・互い・と一緒に・…を押ししぼる[複]] 両手をすり合わせる(アイヌ民族の伝統的な拝礼の仕方である onkami オンカミ のときの仕草の一つ)。 {E: to rub the hands together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekuysipsip
テクイシㇷ゚シㇷ゚ §423 イヌスギナ (2) tekuysipsip (te-kúy-sip-sip)「テくイシㇷ゚シㇷ゚」[tek(手)un(ある)sipsip(トクサ)] 茎 ⦅A有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tetaranuma kunnenuma inuma inuturupahte
テタラヌマ クンネヌマ イヌマ イヌトゥルパㇵテ §217.髪の種類(11)胡麻塩頭である tetara-numa kunne-numa inuma inuturupahte〔テたラヌマ・くンネヌマ・イぬマ・イぬトゥルパㇵテ〕[tetara-numa(白い・毛)、kunne-numa(黒い・毛)、i(その)+nu(<ru 頭髪>+u-turupah-te(相匹敵せ・しめる);白い毛黒い毛とがその頭髪を相半ばせしめている]⦅エイトイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
toankur
トアンクㇽ 【toan-kur】 あの人. (出典:萱野、方言:沙流)
tokkuri
トックリ 【名】[< 日本語]びん(瓶)。 pintoro tokkuri ピントロ トックリ ガラスびん。(W) ☆参考 一升瓶でも牛乳瓶でも。 とっくりはなかった。(W) {E: a bottle.} (出典:田村、方言:沙流)
tokkuri
トックリ 【tokkuri】 瓶. ソモ クッカン ペコㇿ ク・ヤイヌ ワ スㇺ ク・ホㇰ ワ ケㇰ(ク・エㇰ) アㇷ゚ オヤチキ クッカン スㇺ ネ アアン.トックリ アサㇺ タ タイペヘ カ アン=傷んでいないと思ったので油を買ってきたのに,知らなかったが傷んだ油であった.瓶の底には澱もあった. (出典:萱野、方言:沙流)
kutcar
トクッチャㇻ 【名】[地名] 屈斜路(釧路にある地名の一つ)。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kutcar
トクッチャㇻ 【名】[to-kutcar 湖・のどもと]湖や沼から川への出口。 ☞kutcar クッチャㇻ {E: the opening of a lake or swamp into a river.} (出典:田村、方言:沙流)
tokuy
トクイ 【名】[概](所は tokuy(he) トクイェ(ヘ)) [< 日本語 とくい(得意)] 親しい友、 親しく交際している友達。 sisak tokuy ne シサㇰ トㇰイ ネ またとない朋友として/となって。 {E: a close, intimate friend.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tokuy/tokuye(he)
トクイ/トクイェ(ヘ) 【tokuy/tokuye(he)】 友達.親しい人. (出典:萱野、方言:沙流)
tokuye(he)
トクイェ(ヘ) 【名】[所](概は tokuy トクイ) …の親しい友達。 ku=tokuye クトクイェ 私の親しい友達。 {E: the close friend of…} (出典:田村、方言:沙流)
tokuyekor
トクイェコㇿ 【他動】[tokuye-kor …の親しい友達・を持つ] …と親しい。 {E: to be close to…} (出典:田村、方言:沙流)
tokuyekorkur
トクイェコㇿクㇽ 【tokuye-kor-kur】 友達.友人. トゥイマウㇱケ ワ ア・トクイェコㇿクㇽ エㇰ ペ ネ クス アネピッタ ウウェネウサㇻ・アン ヒネ シㇼコペケㇾ・アン=遠い所から友人が来たものだから,夜通し四方山話をして夜明かしをしてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
tominkarkur
トミンカㇻクㇽ §295 サカマタ;シャチ (11) tominkarkur (to-mín-kar-kur)「トみンカㇻクㇽ」[<tomi(宝物)inkar(見る)-kur(神)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tomiseku
トミセク 【自動】[tomi-seku 富(が)・ふくらます] 金ぶとりする。(S) {E: to become rich.} (出典:田村、方言:沙流)
tónon-sukus
トノンスクㇱ 【名】[tónon-sukus 昼間の・日差し] 昼間の風のない雲のない静かないい天気(夏でも冬でも)。 tónon-sukus an トノンスクㇱ アン 昼間の風のない雲のない静かないい天気だ。(S) cási upsor/tónon-sukus/cieomare/semkoraci チャシ ウㇷ゚ソㇿ/トノンスクㇱ/チエオマレ/セㇺコラチ [雅]城の中はまるで昼の光に照らされているかのように。(Sユーカラ) {E: a windless, cloudless calm day.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tonpuku
トンプク 【tonpuku】 道服:道士の着る着物.*これはウウェペケㇾなどで神様が着ている着物として出て来る.フレトンプク イカクㇱテ カムイ アン ワ(赤い道服を上から着た神が)と描写されている.トンプクとはどんな着物だろうか和人のらしいが,と私が聞くと東京の岡村吉右衛門さんが道服という着物があるからそれかも知れないと教えてくれたので.トンプク=道服とした. (出典:萱野、方言:沙流)
tontokura
トントクラ 【名】[tonto-kura 毛を抜いた皮・鞍]馬の鞍(馬具)。 ☆参考 norinkura ノリンクラ とも言う。 {E: a harness.} (出典:田村、方言:沙流)
tosirpokun
トシㇼポクン §323 ミソサザイ (3) tosirpokun (to-sír-pok-un)「トしㇼポクン」[<tosir-pok-un-kurの下略] ⦅浦河⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tosirpokun kamuy
トシㇼポクンカムイ §323 ミソサザイ (1) tosirpokun kamuy (to-sír-po-kun-ka-muy)「トしㇼポクンカムイ」[<tosir-pok-un-kamuy(川岸の下の穴・の下・に入る・神)] ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tosirpokunkur
トシㇼポクンクㇽ §323 ミソサザイ (2) tosirpokunkur (to-sir-po-kun-kur)「トシㇼポクンクㇽ」[<tosir-pok-un-kur(川岸の穴・に入る・神)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tositcorpokun
トシッチョㇿポクン §323 ミソサザイ (5) tositcorpokun (to-sít-čor-po-kun)「トしッチョㇿポクン」[<tosir-corpok-un-kur(川岸の穴・の下・に入る・神)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tottokaykuma
トットカイクマ §262 ウミヤナギ  (1) totto-kaykuma (tót-to-kay-ku-ma)「とットカイクマ」[<totto(母)kaykuma(折柴)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
toyankura
トヤンクラ 【名】[toy-ankura 畑・(?)]畑の縁(へり)の草。 toyankura otuye トヤンクラ オトゥイェ 畑のへりの草を刈る。(W) (出典:田村、方言:沙流)
toyarekurok
トヤレクロㇰ 【自動】[toy-ar-ekurok ひどく・全く・まっ黒/まっ暗である]完全にまっ黒/まっ暗である。 ☞sir-toyarekurok シットヤレクロㇰ (出典:田村、方言:沙流)
toyekurok
トイェクロㇰ 【自動】[toy-ekurok ひどく・まっ黒い] ①まっ黒である。 ②(比喩的に)(肌の色が)日焼けした色である。 nanuhu ka toyekurok ナヌフ カ トイェクロㇰ 顔もまっ黒だ(よく日焼けしている)。(W) {E: to be pure, jet black.} (出典:田村、方言:沙流)
toyhokukor
トイホクコㇿ §726.みずむし(水虫)(4)女の人の足の指の間が掘れて土が溜まって痛くかゆい toy-hoku-kor〔tóǐ-ho-ku-kor とイ・ホク・コㇿ〕[土の・夫を・もつ]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
toysirunkur
トイシルンクㇽ 【toy-sirun-kur】 悪い者. (出典:萱野、方言:沙流)
toytatampaku
トイタタンパク 【toy-ta-tampaku】 煙草:自家製煙草. (出典:萱野、方言:沙流)
toyukurupe
トユクルペ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  b(4) toyukurupe(to-yu-ku-ru-pe)「トユクルペ」[<toy(土)ukurpe(ウナギ)]⦅真岡、白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tuhkuh
トゥㇷクㇷ §284 ウラジロタデ ウラジロイタドリ (5) tuhkuh (túh-kuh)「とゥㇷクㇷ」 枯茎 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tuhkuh
トゥㇷクㇷ §287 オオイタドリ (8) tuhkuh (túh-kuh)「とゥㇷクㇷ」 茎 ⦅鵜城⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tukunne
トゥクンネ 【tukunne】 痺れる. ケマトゥクンネ=足が痺れる.ハイー ク・ケマハ カシ タ カ(ク・ア) ワ ネ ア ノイネ トゥクンネ ワ カㇱ(ク・アㇱ) カ エアイカㇷ゚=あーあ自分の足の上へ座ったらしく,痺れて立つことができない.ア・ケマハ トゥクンネ コㇿ ネㇷ゚カ ア・ムテㇰワ ア・ノイポロホ ア・コトゥッカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=足が痺れたら何かにつばをつけて自分の額にくっつけると治るものだ(紙につばをつけてびったりとつけたものであった). (出典:萱野、方言:沙流)
tukunne
トゥクンネ §392.しびれる(痺れる)(2)tukunne〔tu-kún-ne トゥくンネ〕[<tukur(死体)+ne(になっている)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tukunne 1
トゥクンネ 【自動】しびれる。 {E: to become numb.} (出典:田村、方言:沙流)
tukunne 2
トゥクンネ 【名(?)】中風。(W) {E: palsy; paralysis.} (出典:田村、方言:沙流)
tukunnecatcarke
トゥクンネチャッチャㇻケ §392.しびれる(痺れる)(4)しびれて知覚を失っていたのがやがてぜんまいがほぐれるようにちりちりとほどけて行く tukunne-catcarke〔tu-kún-ne|čát-čar-ke トゥくンネ・ちゃッチャㇻケ〕[tukunne(しびれる)+catcarke(<car-car-ke 散り・散り・する)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tukunnekocatcarke
トゥクンネコチャッチャㇻケ §392.しびれる(痺れる)(3)しびれて知覚を失っていたのがやがてぜんまいがほぐれるようにちりちりとほどけて行く tukunne-ko-catcarke〔tu-kún-ne|ko-čát-čar-ke トゥくンネ・コ・ちゃッチャㇻケ〕[tuknnne(しびれ)+ko(において)+catcarke(<car-car-ke 散り・散り・する)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tukusas
トゥクサㇱ §468 ワカメ ナンブワカメ (3) tukusas (tu-kú-sas)「トゥくサㇱ」[上記の音位転倒(metathesis)] ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tukusis
トゥクシㇱ 【名】[動物] アメマス(長さ20センチ位、 白黒の斑がある、 秋の初めにとれる)。(S)〔知分類 p.58〕 {E: a kind of trout.} (出典:田村、方言:沙流)
tukusis
トゥクシㇱ 【tukusis】 アメマス〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
tukusis
トゥクシㇱ §074 アメマス (1) tukusis(tu-kú-sis)「トゥくシㇱ」[<ru(跡)kusis]⦅多蘭泊、近文、穂別、萩野、千歳、多来加、美幌、沙流、富内、春採⦆アメマス。 (出典:知里動物編、方言:)
tunkirurkur
トゥンキルㇽクㇽ §276 アカザ (6) tunkirurkur (tún-ki-rur-kur)「とゥンキルㇽクㇽ」 茎葉 ⦅有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tuserikinkur
トゥㇱエリキンクㇽ §205 クモの類 (18) tus-e-rikin-kur (tús-e-ri-kin-kur)「とゥㇱエリキンクㇽ」[<tus(綱)e(で)rikin(登る)kur(神)] ⦅幌別⦆【雅】クモ類(♂) (出典:知里動物編、方言:)
tusukur
トゥスクㇽ 【名】[tusu-kur 神おろしをする・人]神おろしする人(男女)、 巫女、 シャーマン。 ☞tusu トゥス {E: a shaman.} (出典:田村、方言:沙流)
tusukur
トゥスクㇽ 【tusu-kur】 呪術者. (出典:萱野、方言:沙流)
tuymakucacise
トゥイマクチャチセ 【tuyma-kuca-cise】 遠い所にある仮に作った狩り小屋. ▷トゥイマ=遠い クチャチセ=仮に作った狩り小屋 (補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuymakuh(c-i)
トゥイマクㇷ §571.のど(咽喉)(15)のどの奥 tuyma-kuh(c-i)〔túǐ-ma-kuh トゥイマクㇷ〕[<tuyma(遠い)+kut(のど)]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.129】 (出典:知里人間編I、方言:)
tuymanokkus
トゥイマノックㇱ 【tuyma-nok-kus】 ぶんとしてあちらを向く,ぶんとしてあごをしゃくる.▷トゥイマ=遠く ノッ=あご クㇱ=通る アイヌエイヌピタラ ノイネ ウナㇻペ トゥイマノックㇱ=人をじゃまに思っているらしく,おばさんはプンとあちらを向いた. (出典:萱野、方言:沙流)
ucipekusa
ウチペクサ 【自動】[u-cip-e-kusa 互い・舟・で・(人)を川を渡す] 一緒に舟で川/海を越えて行く。 {E: to cross a river or the seas together in a boat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ucirikutci
ウチリクッチ §138 ミヤママタタビ (4) uciri-kutci (u-cí-ri-kut-ci)「ウちリクッチ」[もとciri-kutciで“鳥の・サルナシ”の義] 果実 ⦅網走⦆ (出典:知里植物編、方言:)
uhekotekur
ウヘコテクㇽ §035.夫婦(5)uhekotekur〔u-hé-ko-te-kur ウへコテクㇽ〕⦅ホロべツ⦆夫婦。[u-hekote-kur(添い・合った・人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
uhsiponehetukuhekaci
ウㇷシポネヘトゥクヘカチ §354.うつぶせに生れた赤ん坊;腹位で娩出した子uhsipone-hetuku-hekaci〔úh-ši-po-ne|he-tú-ku|he-ká-či うㇷシポネ・へとぅク・へかチ〕[うつ伏せに・生れた・子]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ukakusno
ウカクㇱノ 【副】[u-ka-kus-no 互い・の上・を通る・(副詞形成)] 同じ所を二度通って。 ukakusno paye ruwehe an ウカクㇱノ パイェ ルウェヘ アン 同じ所を二度通って行った跡がある=足跡が重なっている。(S) káha ukakusno kar カハ ウカクㇱノ カㇻ (かごを編むのに)同じ所を二度編んである。(S) ukakusno a=ninninu ウカクㇱノ アニンニヌ 同じ所を二度縫ってある。(S) {E: through the same place twice.} (出典:田村、方言:沙流)
ukakuspare
ウカクㇱパレ 【他動】[u-ka-kus-pa-re 互い・の上・を通る・(複)・させる](次の慣用表現の中で)…を何回もくり返す。 otu tapkanru/ore tapkanru/ukakuspare オトゥ タㇷ゚カンル/オレ タㇷ゚カンル/ウカクㇱパレ [雅]何回も何回も両手を広げてかざし一歩一歩進んでいく舞いをくり返した。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukocipkuta
ウコチㇷ゚クタ 【u-ko-cip-kuta】 わざと舟をひっくり返す. ケㇱパ ケㇱパ シシㇼムカ ニㇷ゚タニ コタン タ チㇷ゚サンケ セコㇿ ア・イェ イペマラㇷ゚ト イクマラㇷ゚ト アン ペ ネ コㇿカ ネヒオロタ ウコチㇷ゚クタ カ アン.オッカイポ ウタㇻ シノッエオパ=毎年毎年沙流川二風谷村に舟おろしという食の宴,飲の宴があるが,その時にわざと舟をひっくり返すこともある.若者たちは遊び好きだ.*舟遊びの時にわざと舟をひっくり返して遊ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoekutkor
ウコエクッコㇿ 【他動】[uko-e-kut-kor 一緒に・それで・帯・を持つ] …を着てその全部の上から帯をしめる。 iwan kosonte/ukoekutkor/iwan kosonte/opanere híne イワン コソンテ/ウコエクッコㇿ/イワン コソンテ/オパネレ ヒネ[雅] 六枚の小袖を着て全部の上から帯をしめ、 六枚の小袖を羽織って地上から天へ帰る神が正装するときの描写の慣用表現)。(Sユーカラ) ☞ekutkor エクッコㇿ {E: to put on something and then fasten with a belt, obi.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukokusis no
ウコクシㇱ ノ 【u-ko-kusis no】 お互いに. タンパ ネノ シㇼスㇺ ヒ タ アナㇰネ コタン エピッタ ウコクシㇱ ノ アエㇷ゚ カ イサㇺ=今年のように干ばつの時は村中お互いに食べ物もない. (出典:萱野、方言:沙流)
ukokusispa
ウコクシㇱパ 【副】[uko-kusis-pa 一緒に・(?)・[複]] 皆一緒に、 皆共々に、 皆いっせいに。 {E: everyone together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukopusakur suypa
ウコプサクㇽ スイパ 【自動】[uko-pusa-kur suypa 一緒に・房飾り・(< 影/姿)・をゆらす][雅](飾ってある宝刀の)飾りがいっせいに(風に)ゆれる。 ukopusakur/suypa kane ウコプサクㇽ/スイパ カネ [雅]宝刀の房飾りがいっせいにゆらゆらゆれていた。(Sユーカラ) ☞pusa プサ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukoramkur-turpa
ウコラㇺクㇽトゥㇽパ/ウコラㇺクットゥㇽパ 【自動】[uko-ram-kur-turpa 一緒に・心・(影/姿)・を伸ばす(複)][雅]皆で一緒に先のことまで考える。 kamuy opitta/ukoramkur/turpa kane カムイ オピッタ/ウコラㇺクㇽ/トゥㇽパ カネ]神々はみな一緒に考えて先のことを案じていました。(Sユーカラ語り) ☆参考 他動詞は ewkoramkur-turpa エウコラㇺクㇽトゥㇽパ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukosikup(-an)
ウコシクㇷ゚ §033.いいなずけ(許嫁)(1)ukosikup(-an)〔u-kó-ši-kup ウこシクㇷ゚〕⦅クッシャロ⦆いいなずけである。[u-(互い)+-ko-(のために)+sikup(成長する)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ukosikupka(an-)
ウコシクㇷ゚カ §033.いいなずけ(許嫁)(3)ukosikupka(an-)〔u-kó-ši-kup-ka ウこシクㇷ゚カ〕⦅クッシャロ⦆いいなずけとして育てる。[u-ko-sikup-ka(お互い・のために・成長・させる)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ukosukup
ウコスクㇷ゚ 【自動】[uko-sukup 一緒に・育つ] 一緒に育てられる。 {E: to be brought up together.} (出典:田村、方言:沙流)
ukotaktaku
ウコタㇰタク 【他動】[uko-tak-tak-u 一緒に・塊・(重複)・(他動詞形成)] …を両手でにぎってかたまりにする、 …をおにぎりにする。 amam ukotaktaku wa kore アマㇺ ウコタㇰタク ワ コレ ごはんをおにぎりにして(=おにぎりをつくって)あげなさい。(S) {E: to clench…in, with both hands.} (出典:田村、方言:沙流)
ukoyaysikupka(-an)
ウコヤイシクㇷ゚カ §033.いいなずけ(許嫁)(2)ukoyaysikupka(-an)〔u-kó-jaǐ-ši-kup-ka ウこヤイシクㇷ゚カ〕⦅ビホロ⦆いいなずけである。[u-ko-yay-sikup-ka(お互い・のために・自分を・成長・させる)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ukuhse(-an)
ウクㇷセ §547.どもる(吃る)ukuhse(-an)〔u-kúh-se ウくㇷセ〕[<uk-uk-se(ウッ!ウッ!と言う)]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ukuran
ウクラン 【名/副】ゆうべ、 昨晩(昨日寝て今朝起きるまでの間)。 ukuran ku=wentarap ウクラン クウェンタラㇷ゚ 私はゆうべ夢を見た。 ukuran ne ウクラン ネ ゆうべ(昨晩)に。 ☆参考 tanukuran タヌクラン は《今晩》。 {E: (last) evening; last night.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukuran
ウクラン 【ukuran】 昨夜,昨晩,ゆうべ:昨日寝てから今朝起きるまで. ト ト ヌカㇻ ウクラン ソモ モコㇿ ペ ネ クス アヘスイェ コㇿ アン=あれあれ見なさい,昨夜眠っていないものだから居眠りしている.フチ エ・ヌー ホㇱキ ウクラン カ ウクラン カ ウウェペケㇾ ソモ エ・イェ ア ナ タヌクラン イェ ワ エン・ヌレ=おばあちゃん聞こえるかい,一昨日の夜も昨晩も昔話を言わなかったので今晩は言って聞かせてや. (出典:萱野、方言:沙流)
ukurikina
ウクリキナ §345 タチギボウシ (2) ukuri-kina (u-kú-ri-ki-na)「ウくリキナ」 葉 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ukuripe
ウクリペ 【名】[動物] ヤツメウナギ。 〔知分類 p.73 カワヤツメ〕 {E: a lamprey.} (出典:田村、方言:沙流)
ukuripe
ウクリペ 【ukuripe】 ヤツメウナギ. ネイタカ パトゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ ヒ ア・ヌ コㇿ ウクリペ ア・ウㇰ ワ アパ オッタ(オㇿ タ) プヤㇻ オッタ ア・エウシ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ ソモ ヘノイェ ㇷ゚ ネ=どこかで流行病が蔓延したと聞いたらヤツメウナギを獲って来て戸とか窓に差しておくと病気の神がよらないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukuripe
ウクリペ §099 ウナギ (1) ukuripe(u-kú-ri-pe)「ウくリペ」⦅穂別⦆ウナギ。 (出典:知里動物編、方言:)
ukuripe
ウクリペ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  a(2) ukuripe(u-kú-ri-pe)「ウくリペ」[<nukuripe?]⦅幌別、厚真、美幌、名寄⦆ヤツメ、カワヤツメ。 (出典:知里動物編、方言:)
ukurkina
ウクㇽキナ §345 タチギボウシ (1) ukur-kina (u-kúr-ki-na)「ウくㇽキナ」 葉 ⦅幌別、穂別、鵡川、名寄⦆⦅A上川・有珠・千歳・天塩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ukurpe
ウクㇽペ §015 ギンボ (17) ukurpe (u-kúr-pe)「ウくㇽペ」 ⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ukurupe
ウクルペ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  a(4) ukurupe(u-kú-ru-pe)「ウくルペ」[<ukuripe?]⦅富内、白浦⦆ヤツメ。 (出典:知里動物編、方言:)
ukurupehuhpe
ウクルペフㇷペ §156.おでき;できもの;はれもの;しゅもつ(20)ヤツメウナギの腫物 ukurupe-huhpe〔u-kúr-pe-Fuh-pe ウくㇽペ・フㇷペ〕[ukurupe(ヤツメウナギ)、…]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ukurupesapaaraka
ウクルペサパアラカ §443.ずつう(頭痛)(15)ヤツメウナギの頭痛 ukurupe-sapa-araka〔u-kú-ru-pe-sa-pa-a-ra-ka ウくルペ・サパアラカ〕[ヤツメウナギ・頭痛]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ukurupetasumpe
ウクルペタスンペ §156.おでき;できもの;はれもの;しゅもつ(27)ヤツメウナギのひょう疽 ukurupe-tasumpe〔u-kúr-pe-ta-sum-peウくㇽペ・タスンペ〕[ヤツメウナギ・ひょう疽]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ukururpe
ウクルㇽペ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  a(5) ukururpe(u-kú-rur-pe)「ウくルㇽペ」[< ?]⦅白老⦆ヤツメ、カワヤツメ。 (出典:知里動物編、方言:)
ukusis
ウクシㇱ 【u-kusis】 発酵(する). ポㇷ゚ケノ ア・イミレ クスケライポ トゥナシノ ウクシㇱ.マラㇷ゚ト アン エトホ パㇰノ サケ ピㇼカ ナンコㇿ=暖かく着せたお陰で早く発酵した.宴の日までにいい酒になるであろう.*夏は別にして冬にどぶろくを醸す場合は酒桶を暖かく包まなければ発酵しないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukuyuh
ウクユㇷ §277 くま (56) ukuyuh (u-kú-yuh)「ウくユㇷ」[<hoku-yuk] ⦅相浜、白浦⦆説話の中で雄グマを言う (出典:知里動物編、方言:)
umurekkur(-i)
ウムレックㇽ §035.夫婦(2)umurekkur(-i)〔u-mú-rek-kur ウむレックㇽ〕⦅ホロベツ⦆夫婦。[umu-rek-kur(結婚した・人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
umurekur(-i)
ウムレクㇽ §035.夫婦(3)umurekur(-i)〔u-mú-re-kur ウむレクㇽ〕⦅ホロべツ⦆夫婦。[<umurek-kur>。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
umurekutar
ウムレクタㇻ 【名】(=umurek utar ウムレㇰ ウタㇻ) ☞umurek ウムレㇰ {E: husband and wife.} (出典:田村、方言:沙流)
uokkanekut
ウオッカネクッ 【u-ok-kane-kut】 鎖[ユ].▷ウ=互い オㇰ=入る,ひっかかる カネ=金 クッ=帯 (出典:萱野、方言:沙流)
uokuyra(-an)
ウオクイラ §832.よばいする(夜ばいする)(3)u-okuyra(-an)〔u-ó-kuǐ-ra ウおクイラ〕[u(お互いの)+o(陰部)+kuyra(に忍びよる)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
upas-niskur
ウパㇱニㇱクㇽ 【名】[雪・雲] 雪雲。 {E: snow clouds.} (出典:田村、方言:沙流)
upaskuma
ウパㇱクマ 【自動/名】[u-paskuma 互い・にものごとを教え伝える] ①[自動]事実や教え(☞②)を語り伝える。 ②[名]教え伝える話、 言い伝え、 先祖の話(その家系に代々伝えて教えとする話、 昔のできごとを伝える歴史物語や伝説もあれば、 自分の体験や見聞を伝える話、 またものごとの起源やいわれを説明する話等、 いろいろな言い伝えの総称)。 {E: ①to transmit teachings; teach. ②teachings; ancestor tales.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
upaskuma
ウパㇱクマ 【upaskuma】 言い伝え,古い話を聞かせる. アイヌ オッタ(オㇿ タ) ウパㇱクマ アナㇰネ ア・エチャヌㇷ゚コㇿ ペ ネ シンリッ オルㇱペ ネ ヤッカ ウルオカタ ウルオカタ ア・エラマン ペ ネ=アイヌの所での言い伝えはそれを参考にすることができるし,先祖の話も子孫へ次の世代へと教えられるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
upaskur
ウパㇱクㇽ 【名】[upas-kur 雪・影(この場合、 雲)] 雪雲 ☆参考 =upas-niskur ウパㇱ ニㇱクㇽ。 upaskur an ウパㇱクㇽ アン 雪雲が出ている。 {E: snow clouds.} (出典:田村、方言:沙流)
úranniskur
ウランニㇱクㇽ 【名】[urar-niskur 霧/霞・雲] 雨も雪も降らせない白い薄い雲。 uranniskur an ウランニㇱクㇽ アン うすぐもりだ。 {E: light clouds.} (出典:田村、方言:沙流)
ureahkuci
ウレアㇵクチ §038.あしくび(足首);足関節部(3)ure-ahkuci〔u-ré-ah-ku-čiウれアㇵクチ〕[足・の首]⦅トンナイ、シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ureahkutuke
ウレアㇵクトゥケ §038.あしくび(足首);足関節部(4)ure-ahkutuke〔u-ré-ah-ku-tu-keウれアㇵクトゥケ〕[ure(足)+ahkutu(その首)+ke(の所)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
urekreku
ウレㇰレク 【自動】[u-rekreku 互い・になぞをかける] ①なぞなぞ遊びをする(一方がなぞなぞの問題を出し、 他方が当てる遊びをする)。 urekreku=an ro ウレクアン ロ なぞなぞ遊びをしよう。(S会話) ②(名詞として)なぞなぞ。 {E: ①to be a riddle (v.). ②a riddle (n.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
urekreku
ウレㇰレク 【urekreku】 なぞなぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
urekuci
ウレクチ §038.あしくび(足首);足関節部(1)ure-kuci〔u-ré-ku-čiウれクチ〕[足・の首]⦅チカブミ、タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
urekuciki
ウレクチキ §038.あしくび(足首);足関節部(2)ure-kuciki〔u-ré-ku-či-kiウれクチキ〕[urekuci(↑)+ki(<-ke所)]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
urekuspare
ウレクㇱパレ 【ure-kus-pa-re】 歩を運ぶ,歩いて行く. ▷ウレ=足 クㇱパ=通る レ=させる アフンナクス ポンメノコ ホマコチュイェ コッチャケヘ アウレクㇱパレ ホカエトッタ チェアシロッケアン=家へ入ると若い娘が後ずさりしたので,その前を通って横座の所へどっかと座った. *ユカㇻの中でポンヤウンペが独り者の女を訪問し,女が後へ寄って男に自分の前を通らせると訪問を受け入れ,前を通らせないと拒否したことになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
urekuste
ウレクㇱテ 【他動】[ure-kus-te 足・…を通る・させる][雅]…を通る。 harkiso sam/a=urékuste/ahun=an híne ハㇻキソ サㇺ/アウレクㇱテ/アフナン ヒネ [雅]城の南側をふみつけながら通って城に入って。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
urki kupa
ウㇽキ クパ §420.しらみ(3)シラミを取って噛む urki kupa〔úr-ki-ku-pá うㇽキ・クぱ〕⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
usekur
ウセクㇽ 【use-kur】 普通の人. (出典:萱野、方言:沙流)
usicikuni
ウシチクニ §166 ヤマウルシ (2) usi-cikuni (ú-si-ci-ku-ni)「うシ・チクニ」[usi(うるし)cikuni(木)] 茎 ⦅A沙流など⦆ (出典:知里植物編、方言:)
uskuy(-he)
ウㇱクイ §421.しり(尻);臀部(9)uskuy(-he)〔úš-kuǐ うㇱクイ〕[<us-puy]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
uskuykan(m-i)
ウㇱクイカン §424.尻の肉;臀部の肉(3)uskuy-kan(m-i)〔úš-kuǐ-kan うㇱクイカン〕[<uskuy(尻)+kam(肉)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
uskuypuy(-he)
ウㇱクイプイ §319.こうもん(肛門);しりのあな(7)uskuy-puy(-he)〔úš-kuǐ-puǐ うㇱクイプイ〕[「尻・穴」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
utarkorkur
ウタㇻコㇿクㇽ 【名】[utar-kor-kur 人々/同族・を持つ・人] 族長、 村長(むらおさ)。 {E: a family head; a village chief.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utcikekunip
ウッチケクニㇷ゚ 【utcike-kuni-p】 意気地のない者. (出典:萱野、方言:沙流)
utkakorkur
ウッカコㇿクㇽ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (4) utka-kor-kur (út-ka-kor-kur)「うッカコㇿクㇽ」[utka(瀬)kor(領有する、支配する)kur(神)] 川の瀬にいる大きなカジカ ⦅虻田⦆ (出典:知里動物編、方言:)
utokuyekor
ウトクイェコㇿ 【自動】[u-tokuye-kor 互い・(その)親友[所]・を持つ] 互いに親しくつき合う、 親しい/深い友だちどうしになる。 utokuyekor moto ne poro sóuk=an pe ne a p ウトクイェコㇿ モト ネ ポロ ソウカン ペ ネ アㇷ゚ 親友になるもととして(=親友としてまた会うために)私はたくさんの借財をしていたのだったが。(KK民話) {E: to become mutually close friends.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utokuyekor
ウトクイェコㇿ 【u-tokuye-kor】 仲よし(だ). ウアパヌㇷ゚ エチ・ネ ナ ウタサロㇱキ コイサㇺ ノ ウトクイェコㇿ ヤン=お互いに親戚になるのだから,対立することなく仲よくしなさい.ウネノ シオンピヤㇻ ネ ㇷ゚ ネ クス ウトゥヤㇱカラㇷ゚ パ ワ ネ ノイネ ウトクイェコㇿ パ=同じように後家(未亡人)なので同情しあうらしく仲がいい. (出典:萱野、方言:沙流)
utokuyekorpe
ウトクイェコㇿペ 【u-tokuye-kor-pe】 友達,友人. (出典:萱野、方言:沙流)
uttoykunne
ウットイクンネ §009 ドジョウ (9) uttoykunne (út-toy-kun-ne)「うットイクンネ」[<ur(衣)toy(はなはだ)kunne(黒い)] 成魚 ⦅白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
uwekur
ウウェクㇽ 【名】[u-w-e-kur 互い・(挿入音)・を食べる・人] 「食蛮人」。 uwekur mosir ウウェクㇽ モシㇼ 「食蛮人」の国。 ☆参考 「人間が人間(を)食う。 アイヌは熊の頭の数(が)あるほど財産家だが、 彼らは人間の頭の数(が)あるほど財産家だと言う。」 (S) (古老の挙げた民族名の引用は差し控える)。 {E: a savage; a barbarian.} (出典:田村、方言:沙流)
uwokkanekut
ウウォッカネクッ 【名】[uwokkane-kut 金鎖(かなぐさり)・帯] 金鎖(かなぐさり)のベルト(英雄叙事詩ユーカラの主人公 Poyyaunpe ポイヤウンペ が hayokpe ハヨㇰペ《よろい》の上からしめる)。 uwokkanekut/earsaynéno/a=yaykosaye ウウォッカネクッ/エアㇻサイネノ/アヤイコサイェ [雅]金鎖(かなぐさり)のベルトを一回じめにきちんとしめた。(Sユーカラ) {E: a gold chain.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwokkanekut
ウウォッカネクッ 【u-ok-kane-kut】 鎖. (出典:萱野、方言:沙流)
wakka-pisakku
ワッカピサック 【名】[wakka-pisakku 水・ひしゃく] みず汲みびしゃく。 {E: a water dipper.} (出典:田村、方言:沙流)
wakkaku
ワッカク 【自動】[wakka-ku 水・を飲む](=wakka ku ワッカク) 水を飲む。 ku=wakkaku クワッカク 私は水を飲む(=wakka ku=ku ワッカ クク)。 {E: to drink water.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wakkaku-ontaro
ワッカクオンタロ 【名】[wakka-ku-ontaro 水・を飲む・たる/桶] 水だる、 水桶(「おけ」の訳語として出た)。 {E: a water pail.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wakkakukuttar
ワッカククッタㇻ §014 ヨブスマソウ (4) wakka-ku-kuttar (wák-ka-ku-kut-tar)「わッカククッタㇻ」[wakka(水)ク(飲む)kuttar(筒)] 茎 ⦅名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
wakkakukutu
ワッカククトゥ §014 ヨブスマソウ (2) wakka-ku-kutu (wák-ka-ku-ku-tu)「わッカククトゥ」[wakka(水)ku(飲む)kutu(円棒、筒)] 茎 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
wakkakuttar
ワッカクッタㇻ §014 ヨブスマソウ (3) wakka-kuttar (wák-ka-kut-tar)「わッカクッタㇻ」[wakka(水)kuttar(筒)] 茎 ⦅A沙流・天塩・上川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
wakkakutu
ワッカクトゥ §014 ヨブスマソウ (1) wakka-kutu (wák-ka-ku-tu)「わッカクトゥ」[wakka(水)kutu(筒、円棒)] 茎 ⦅様似、足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
wakusu
ワクス 【接】[wa-kusu …して・故に] だから(wa kusu ワ クス の前の部分が言われなくて、 文頭に来た形、 前の文で言ったことまたは言われたことを受けて言う)。 wakusu somo k=ek ruwe un ワクス ソモ ケㇰ ルウェ ウン だから来なかったんだよ。(S) {E: because one did…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wakusu
ワクス 【wakusu】 〜ので,だから. ポンノ ク・ヌ ルスイ ペ アン ワクス エカシ エウン ク・アㇻパ アクス イク コㇿ アン ク・イェ エラㇺ キッカㇻ ワ ク・キラ ワ ク・エㇰ=少し聞きたいことがあったので祖父の所へ行くと飲んでいたので言うのを諦めて逃げてきた. (出典:萱野、方言:沙流)
wenakun
ウェナクン 【副】[wen-yakun だめである・なら] それなら、 しかたがないから。 “áponko an emo makanak ani a=suwé kusu?” “wenakun kasi wakka a=omáre hene ki” 「アポンコ アン エモ マカナㇰ アニ アスウェ クス?」「ウェナクン カシ ワッカ アオマレ ヘネ キ」 「こんなにたくさんのいもをどうやって煮るの」「じゃあ、 しかたがないから水でも加えよう。」 (S) {E: then; as there's nothing that can be done.} (出典:田村、方言:沙流)
wenhokuhu
ウェンホクフ 【名】[所](概の用例はない)[wen-hoku-hu 悪い・夫・[所]](一人称、 引用一人称(不定人称形)で使われる。)…の悪い/だめな/悪党の夫。 a=wenhokuhu アウェンホクフ (引用文中で)私の悪党の夫。(W民話) {E: the bad husband of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
weniyokunnure
ウェニヨクンヌレ 【自動】[wen-iyokunnure ひどく・あきれる](=weniyokunure ウェニヨクヌレ)ひどくあきれる。(NK民話) ☞iyokunnure イヨクンヌレ {E: to be greatly disgusted, amazed, apalled.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
weniyokunnure
ウェニヨクンヌレ 【wen-iyokunnure】 悪くたまげる. (出典:萱野、方言:沙流)
weniyokunure
ウェニヨクヌレ 【自動】[wen-iyokunure ひどく・あきれる](=weniyokunnure ウェニヨクンヌレ)ひどくあきれる。(W民話) ☞iyokunure イヨクンヌレ {E: to be greatly disgusted, amazed, apalled.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
weniyokunure
ウェニーヨクヌレ 【wen-iyokunure】 たまげる. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkur
ウェンクㇽ 【名】[wen-kur 悪い/貧しい・人] 貧乏人。 wenkur umurek ウェンクㇽ ウムレㇰ 貧乏人夫婦、 貧しい夫婦。 wenkur húci ウェンクㇽ フチ 貧しい老婦人。 (注 wen húci ウェン フチ は《だめなおばあさん》)。 ☆参考 isram イㇱラㇺ/isramne イㇱラㇺネ 貧しい。 ikoytupa イコイトゥパ (貧しくて)ものに不自由している。 {E: a poor person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenkur
ウェンクㇽ 【wen-kur】 貧乏人:貧乏の他,こいつ,このやろう,などとその場によって使い分けられる.必ずしも悪意ばかりではない. ソンノ ウェン ロㇰ ペ クㇱタ ウインネレ ポーヘネ ウェンクㇽ ネ パ=本当に悪いからとて子供ばかり多い,なおさらのこと貧乏になる.ウェンクㇽ キンカイ パセ ㇷ゚ ネ=貧乏者の荷物は重いものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkur ikor kor
ウェンクㇽ イコㇿ コㇿ 【wen-kur-ikor-kor】 見せびらかす,自慢する:貧乏人が宝を持つ. ウェンクㇽ アナㇰネ ネンポーカ イキ ワ シネ イコㇿ ポカ コㇿ コㇿ オラーノ ヌカラㇻ ルスイ.タパイェ(タㇷ゚ ア・イェ) クニ ウェンクㇽ イコㇿ コㇿ=貧乏人はなんとかしてひとつの宝だけでも持つと,それから誰かに見せたがる,このことを貧乏人が宝を持つ(=自慢する)という.*私がアイヌの生活用具を買い集め始めた当初の昭和28年頃,珍しい物が手に入るとだれかれに出して見せたがった.その様子を見ていた母が「ウェンクㇽ イコㇿ コㇿ]と言ってたしなめてくれたので,それからはそうしなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkuraspa
ウェンクラㇱパ 【wen-kuraspa】 軽蔑する,馬鹿にする,蔑む. ニㇱパ ネ パ ㇷ゚ ネイタ パㇰノ ソモ ニㇱパ ネ.ウェンクㇽ セコㇿ ア・イェ ウタㇻ ネイタ パㇰノ ソモ ウェンクㇽ ネ.イテキ ア・ウェンクラㇱパ ㇷ゚ ネ=物持ちと称せられる者はいつまでも物持ちではない.貧乏と言われる人たちはいつまでも貧乏人ではない.絶対に軽蔑してはいけないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkurcise
ウェンクㇽチセ 【wen-kur cise】 貧乏な家. ニㇱパ アヌシ(アン ウシ) アナㇰネ エソイネ ワノ ア・エラマン.ウェンクㇽチセ アナㇰネ チセ ソイ タ ホカアオㇷ゚ カ イサㇺ ムン ポーカ イサㇺ=物持ちの家は外から見てもわかる.貧乏な家は家の外に薪もないし,ごみばかりもない. (出典:萱野、方言:沙流)
wenkursani
ウェンクㇽサニ §016.子孫(5)wenkur-sani〔wéŋ-kur-sa-ni うえンクㇽサニ〕⦅ホロべツ⦆貧乏人の子孫。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
wenkut
ウェンクッ 【名】[wen-kut ひどい・岩山] きりたった岩山。 {E: a steep rocky mountain.} (出典:田村、方言:沙流)
wenkut'onne
ウェンクッオンネ 【wen-kut-or-ne】 絶壁,断崖,崖.▷ウェン=悪い クッ=崖 オㇿ=所 ネ=なる →悪い崖になっている所 イㇱカㇻ エトコホ ソウンペッ アナㇰネ イタㇰコラチ ウェンクッオンネ アイヌ カ アㇷ゚カㇱ エアイカㇷ゚=石狩川の源,滝のある川(層雲峡)は言葉通り絶壁なので人間も歩くことができない. (出典:萱野、方言:沙流)
wenseku
ウェンセク 【wen-seku】 悪い太り方(をしている). アイヌ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エイタサ ミムㇱペ オカ コㇿ ウェンセク シコㇿ ア・イェ ア・オラムサッカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=アイヌの所ではあまりにも太った者がいると悪い太り方と言って軽蔑されるものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
wensirunkur
ウェンシルンクㇽ 【wen-sirun-kur】 悪い人:これは悪口であるので人前で言う言葉ではなく陰口の場合に言う.これの対語としてトイシルンクㇽという言葉があるが意味は同じ. (出典:萱野、方言:沙流)
wentoyniskur
ウェントイニㇱクㇽ 【名】[wen-toy-niskur ひどい・すごい・雲]雨雲。 {E: rain clouds.} (出典:田村、方言:沙流)
weyseku
ウェイセク 【自動】[wen-seku 貧しい・ふくらます] 貧乏でふとる(「びんぼうぶくれする」)。(S) {E: to have a swollen belly due to malnourishment.} (出典:田村、方言:沙流)
weyyaysukupka
ウェイヤイスクㇷ゚カ 【自動】[wen-yaysukupka ひどく・つらかったことを思い出す]思い出しても本当に恐ろしくつらい、 ひどく恐ろしかったことが忘れられない。 ☞yaysukupka ヤイスクㇷ゚カ {E: to recall, be unable to forget some terrible incident} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
worokuta
ウオロクタ 【他動】[wor-o-kuta 水中・に・…を(入れ物から)出して捨てる] …を水中に捨てて流す、 …を水中にぶちまけてしまう。 a=worókuta アウオロクタ 水中にぶちまけられる、 洪水で水に流されてしまう。 {E: for something thrown into the water to be swept away..} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
worunkutu
ウォルンクトゥ §014 ヨブスマソウ (9) worunkutu (wó-run-ku-tu)「うォルンクトゥ」[wor(水)un(に入る)kutu(筒)] 茎 ⦅藻汐草⦆ (出典:知里植物編、方言:)
yaku
ヤク 【yaku】 潰す,破裂する. *熊などを解体するとき間違って胆嚢を潰した時にニンケコヤクと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
yaku
ヤク 【yaku】 役目. (出典:萱野、方言:沙流)
yaku 1
ヤク 【他動】[単](複は yakpa ヤㇰパ) (形のあるもの)をグシャッとつぶす(たとえば生たまごを、 箱を)、 (かたまり)をくだく。 yakyaku ヤㇰヤク グシャグシャにつぶす、 粉々に砕く。 ☆参考 kapa カパ (厚みのあるもの)を偏平に(ペチャンコに)つぶす。 kapkapa カㇷ゚カパ 同。 ☆参考 kónere コネレ 粉々にする。 {E: to crush…} (出典:田村、方言:沙流)
yaku 2
ヤク 【名】[概/所][< 日本語 ヤク(役)] 役目、 職務。 yaku uk ヤク ウㇰ (神が上位の神から、 役人が上位の人から)役目を受ける、 特別の役目を持たされる、 (大名が)禄高を受ける。 poronno yaku uk páse tono ポロンノ ヤク ウㇰ パセ トノ「昔の禄の大きい大名」。(S) {E: a role; a duty.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yakuhu
ヤクフ 【名】[所](概は yaku ヤク)…の役目、 その役目。 {E: the role, duty of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yakukor
ヤクコㇿ 【自動】[yaku-kor 役目・を持つ] 役目を持つ。 {E: to have a role, duty.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yakukore
ヤクコレ 【他動】…に役目を与える。 taa pakno e=kar kuni eci=yakúkore na タア パㇰノ エカㇻ クニ エチヤクコレ ナ ここまでするのをあなたの役目(分担/係りの仕事)とするからね。(S) {E: to give a role, duty to…} (出典:田村、方言:沙流)
yakun
ヤクン 【接】[yak-un …すれば・(強め/肯定)] ①…する/したならば、 …する/したのだとすれば。 (後続の文を言う前に状況を設定する働きをする。 必ずしも仮定条件とは限らず、 事実を認め、 納得した上で、 「そうであるなら」「それなら」「その場合は」のような表現にも用いられる。) e=arpa yakun e=eraman エアㇻパ ヤクン エエラマン 行けばわかる。(S) somo e yakun nepki ka eaykap kuni ramu ソモ エ ヤクン ネㇷ゚キ カ エアイカㇷ゚ クニ ラム 彼はそれを食べなければ働くことができないと思った。(S民話) potara=an yakun oraun nep ka a=i=kóre yakun somo a=eyáyye no a=uk yak pirka p ポタラアン ヤクン オラウン ネㇷ゚ カ アイコレ ヤクン ソモ アエヤイイェ ノ アウㇰ ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ 悪神ばらいをしたのなら何かくれると言われたら、 辞退せずに受け取ればよかったのに。(NK民話) hawe ne yakun ハウェ ネ ヤクン そういうことなら、 それなら、 それでは。 ②(文頭に置かれ、 前の文との関係で)それなら、 それでは、 じゃあ。 yakun suy ku=ye na ヤクン スイ クイェ ナ じゃあまた(私が)言うから。(S会話) {E: ①if; when. ②then.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yakun
ヤクン 【yakun】 それなら,〜ならば,〜しては,まず. ヤクン エㇰ=それならこい.ヤクン アㇻパ=それなら行け.ヤクン ホㇱキ イペ=それならまず先に食べろ. (出典:萱野、方言:沙流)
yakun somo
ヤクン ソモ/ヤクイソモ 【慣用句】[それなら・(否定)] もちろんそうだ(そうでないことがあるものか)(反語表現)。 yakun somo, káni ku=nuye ruwe un ヤクイ ソモ、 カニ クヌイェ ルウェ ウン もちろん私が書いたんですよ。(S) yakun somo, k=e wa isam ruwe un ヤクイ ソモ、 ケ ワ イサㇺ ルウェ ウン もちろん(私が)食べてしまったよ。(S) {E: the negative particle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yakura
ヤクラ 【yakura】 櫓[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
yakyaku
ヤㇰヤク 【他動】[単](複は yakyakpa ヤㇰヤㇰパ)[yak-yak-u (つぶすことを表す語根)・(重複)・(他動詞形成)](yaku ヤク の重複形) …を何回もつぶす、 …をグチャグチャにつぶす。 {E: to crush…repeatedly, finely.} (出典:田村、方言:沙流)
yantone kur
ヤントネ クㇽ 【yanto-ne-kur】 お客,泊り客. (出典:萱野、方言:沙流)
yápukuru
ヤプクル 【名】[ya-pukuru 網・袋] 網袋、 網でつくった袋。 (W) (出典:田村、方言:沙流)
yarpisakku
ヤㇻピサック 【yar-pisakku】 樹皮のひしゃく:マカバの皮,イテセカ他を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
yaunkur
ヤウンクㇽ 【名】[ya-un-kur 陸・の・人](=ya un kur ヤ ウン クㇽ)陸の/この島の/北海道の人。 ☆対語 repunkur レプンクㇽ 沖の人=海の向こうの人。 {E: refers to the land, island, people of Hokkaido.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayaysurku
ヤヤイスㇽク §249 トリカブト (6) yayay-surku (ya-yáy-sur-ku)「ヤやイスㇽク」[<yayan-surku(普通の・ブシ根)] 根 ⦅北海道⦆ (出典:知里植物編、方言:)
yayeinukuri
ヤイェイヌクリ 【yay-e-i-nukuri】 控え目,控え目な態度. ▷ヤイ=自分 エ=それ イヌクリ=大儀だ,億劫だ ネヤアチャポ エウン カラパヒ アナㇰネ エアㇻキンネ クヤイェイヌクリ=あのおじさんの所へ私が行くのは,本当に億劫だ.(補遺編)▷ヤイ=自分 エ=それ イヌクリ=大儀だ,健劫だ ネヤ アチャポ エウン カㇻパ ヒ アナㇰネ エアㇻキンネ ク・ヤイェイヌクリ=あのおじさんの所へ私が行くのは,本当に億劫だ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayenukuri
ヤイェヌクリ 【自動】[yay-e-nukuri 自分・について・…が自由にできない]「遠慮する」(ためらうことか)。 yayenukuri somo ki no ka ヤイェヌクリ ソモ キ ノ カ 遠慮しないで。(W) (出典:田村、方言:沙流)
yayewpaskuma
ヤイェウパㇱクマ 【自動】[yay-e-upaskuma 自分・について・語り伝える] 自分のことを語り伝える、 自分の身の上話をする。 {E: to talk about oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayeypokunu
ヤイェイポクヌ 【他動】[yay-eypokunu 自分・を…より下位に置く]…よりも下位になる、 …に負ける。 ☆対語 yayeykaunu ヤイェイカウヌ {E: to lose to…; be defeated by….} (出典:田村、方言:沙流)
yayhetukure
ヤイヘトゥクレ 【自動】[単](複は yayhetukpare ヤイヘトゥㇰパレ)[yay-hetuku-re 自分・成長する・させる] ①(育てる人がいなくて)一人で育つ。 ②(一つが)自然に生える。 {E: ①to grow up alone. ②to grow naturally.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayiyaykuste
ヤイヤイクㇱテ 【自動】疲れきる、 息もできないほどすっかり疲れる。 ehutturasi ku=hemesu a ku=hemesu a ayne earkinne ku=yayyaykuste エフットゥラシ クヘメス ア クヘメス ア アイネ エアㇻキンネ クヤイヤイクㇱテ 私は急な坂道をのぼってのぼってすっかりくたびれた(ku=yayiyaykuste クヤイヤイクㇱテ が、 アクセントの関係で yi イ の部分が弱まり、 i が落ちた)。(S) ☆発音 yi イ の部分を高く発音する。 しかし、 接頭辞がついてアクセント核が前に移ると(つまり、 語頭の ya ヤ の部分が高くなると) i が落ちることも多い。 {E: to be tired; exhausted.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykakuste
ヤイカクㇱテ 【他動】[yay-ka-kus-te 自分・の上・を通る](直訳すると)…を自分の上を通す。 (次の表現で) kapar toypo/a=yaykakuste/án=an awa カパッ トイポ/アヤイカクㇱテ/アナン アワ [雅]私は土けむりをかぶって身をかくしていたところ。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykaokuyma
ヤイカオクイマ 【自動】[yay-ka-okuyma 自分・の上・小便する] 寝小便する。 ☆参考 座っていてオシッコをもらすのは áokuyma アオクイマ。 {E: to wet the bed.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykaokuyma
ヤイカオクイマ 【yay-ka-okuyma】 寝小便(する),夜尿症. アペウナ・アン ヒ タ アナㇰネ シネンネ ア・ウナ ㇷ゚ ネ. トゥン ア・ネ ワ アペウナ・アン コㇿ シネン エトイ シネン ヤイカオクイマ ㇷ゚ ネ ナ ヌ ワ オカ ヤン=火を埋める時にはひとりで埋めるものだ.ふたりで火を埋めるとひとりははげ頭になりひとりは寝小便たれになるものなので聞いておきなさい.イテキ. エイタサ イクレ ヤン イヨㇱキ ルイ コㇿ ヤイカオクイマ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ ナ=だめですよ,あまり飲ませたら.酔いすぎると寝小便するものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykoankur
ヤイコアンクㇽ 【yay-ko-an-kur】 男やもめ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykocipkuta
ヤイコチㇷ゚クタ 【自動】[yay-ko-cip-kuta 自分・に・舟・をひっくり返して中味をぶちまける] 自分の乗っている舟をひっくり返す。 {E: for the boat one is on to capsize.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykohokuspare
ヤイコホクㇱパレ 【他動】[yay-ko-hokuspa-re 自分・に向かって・倒れる[複]・させる] (自分の言ったこと)の悪意を自分が受ける。 yaykohokuspare kusu hawean hi ne wa ヤイコホクㇱパレ クス ハウェアニ ネ ワ 「自分がかぶることを言ってるんだ。」 (S) ☆参考 複数形の形であるが単数形として予想される yaykohokuste ヤイコホクㇱテ は未出。 ☆参考 yaykaonihose ヤイカオニホセ 自分がしたことのために自分が被害を受ける。 {E: for one's speaking ill of others to come back on oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykookuiyma(-an)
ヤイコオクイイマ §559.ねしょうべん(寝小便)[する](3)yaykookuiyma(-an)〔jáǐ-ko-o-kuǐ-ma やイコオクイマ〕[yay(自分)+ko(に)+okuyma(小便する)]⦅サル、テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yaykosnekur punpa
ヤイコㇱネクㇽ プンパ 【他動】[yay-kosne-kur punpa 自分・軽く・(< 影/姿)・…を持ち上げる][雅]…を(軽々と)持ち上げる。 hopuni réra/maw sirkasi/a=i=yáykosnekur/punpa kane ホプニ レラ/マウ シㇼカシ/アイヤイコㇱネクㇽ/プンパ カネ [雅]吹き上げた風、 空気の上に私は軽々とのせられて。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykurkata
ヤイクㇽカタ 【副】[yay-kur-ka-ta 自分・(< 影/姿)・の上・で] 自分で、 (自分のことをするのに)人にさせないで、 自分で自分のことを。 yaykurkata ye hike makanak ne wa mosma kur sikotcanere ヤイクㇽカタ イェ ヒケ マカナㇰ ネ ワ モㇱマ クㇽ シコッチャネレ 自分で言えばいいのに他の人に言ってもらう。(S) yaykurkata ci=nuye rusuy ヤイクㇽカタ チヌイェ ルスイ 私たちは人に頼まず私たち自身で書きたい。(W) ☆参考 yaykata ヤイカタ とも言う。 yaykata ヤイカタ のほうが意味が広く、 いろいろな状況で使われる。 {E: by oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykurkata
ヤイクㇽカタ 【yay-kur-ka-ta】 自分で,自分自身で. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykurnuyna
ヤイクㇽヌイナ 【yay-kur-nuyna】 身を隠す,体を隠す.▷ヤイ=自身 クㇽ=陰 ヌイナ=隠す (出典:萱野、方言:沙流)
yaykursapte
ヤイクㇽサㇷ゚テ 【yay-kur-sapte】 自分の姿を見せる. ウェンペ ウシ タ ピㇼカㇷ゚ オㇿ タ ヤイクㇽサㇷ゚テ イイェマウネ・アン ペ ネ ナ=悲しい所(葬式)にでも祝い事の場所へでも自分の姿を見せ,人と交わるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaynukur
ヤイヌクㇽ 【名】[yaynu-kur 体具合い・人] 体具合いの悪い人(yaynuwen kur ヤイヌウェン クㇽ)。 {E: someone in a bad state of health.} (出典:田村、方言:沙流)
yayokoypokunu
ヤヨコイポクヌ 【自動】[yay-o-koypok-unu 自分・その尻・波の下手・につける] 波の下手(しもて)寄りである(西寄りである)。 (次の句で) yayokoypokunu pikata ヤヨコイポクヌ ピカタ 「西しかた」=西南西風。 ☆対語 yayokoykaunu ヤヨコイカウヌ ☞réra レラ {E: for a west-south-west wind to blow.} (出典:田村、方言:沙流)
yayokucikaewak
ヤヨクチカエワㇰ 【自動】[yay-o-kuci-ka-ewak 自分・その尻・その帯・の上・に位置する](?) ひざを折ってかかとの上に尻をのせて座る(女子の正式の座り方)。 ku=yayokucikaewak ka somo ki no ku=honumsamomare wa patek k=a, ku=kema arka wa kus クヤヨクチカエワㇰ カ ソモ キ ノ クホヌㇺサモマレ ワ パテㇰ カ、 クケマ アㇻカ ワ クㇱ 私は正座しないで横座りしてばかり座る、 足が痛いから。(S) ☆参考 いろいろな座り方については ☞a ア 1 {E: to sit with ones legs folded under oneself with one's buttocks on one's heels.} (出典:田村、方言:沙流)
yayokuykuy
ヤヨクイクイ §122.陰部に関する悪口(22)yayokuykuy!〔ヤよクイクイ!〕[yay(自分の)+o(陰部を)+kuykuy(噛み噛みせよ)](てめえの陰部を噛み噛みしてろ!)⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yayonumakokuykuy
ヤヨヌマコクイクイ §122.陰部に関する悪口(23)yayo-numa-ko-kuykuy!〔ヤよヌマコクイクイ!〕[yay(自分の)+o(陰部を)+numa(毛)+ko(とともに)+kuykuy(噛み噛みせよ)](てめえのしろものを毛のまま噛み噛みしやがれ!)⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yaypunieokur
ヤイプニエオクㇽ 【yay-puni e-o kur】 からかうのが好きな人. ネユンネユン ヤイプニエオクㇽ アン ペ ネ ヒネ イペ エユカㇻ カ キ アㇷ゚カㇱ エユカㇻ カ キ イタㇰ エユカㇻ カ キ アエミナ ノ イキ ㇷ゚ ネ=いろいろとからかうのが好きな人がいて,食べるのを真似る,歩くのを真似る,しゃべるのを真似る,皆を笑わせるようにするんだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayrekutpoye
ヤイレクッポイェ 【自動】[yay-rekut-poye 自分の・のど・をかきまわす] のどに指をつっこんで吐くようにする。 eatu, yayrekutpoye wa eatu エアトゥ、 ヤイレクッポイェ ワ エアトゥ 吐きなさい、 のどに指をつっこんで押えて吐きなさい。(S) {E: to poke one's fingers down one's throat so as to vomit.} (出典:田村、方言:沙流)
yayrekuttuskote(-an)
ヤイレクットゥㇱコテ §389.しぬ(死ぬ)(51)縊死する yay-rekut-tus-kote(-an)〔yáǐ-re-kut-tuš-ko-te やイレクットゥㇱコテ〕[yay(自分の)+rekut(のどに)+tus(縄を)+kote(結びつける)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yaysitomkurnukar
ヤイシトㇺクㇽヌカㇻ §034.結婚(する)(8)yay-si-tom-kur-nukar〔jaǐ-ši-tom-kur-nu-kar やイシトㇺクㇽヌカㇻ〕⦅ホロベツ⦆【雅】夫となる;妻となる;結婚する。[yay(自分)+si(自身の)+tom(体を)+-kur(目的語あるいは補語につく接辞)+nu-kar(所有させる)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
yaysukupka
ヤイスクㇷ゚カ 【自動】[yay-sukup-ka 自分・人生を進む・(他動詞化)] 苦労した(恐ろしい目に会った/つらかった)体験を思い出す(が忘れられない/を思い出してもつらい)。 ☆参考 似た文脈で yaykewkor ヤイケウコㇿ も使われる。 {E: to remember, not forget past hardships or painful experiences.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaysurkuere
ヤイスㇽクエレ 【自動】[yay-surku-ere 自分・毒・…に…を食べさせる] 服毒する。 {E: to take poison.} (出典:田村、方言:沙流)
yayuykus
ヤユイクㇱ 【yay-uykus】 諦める,仕方がないなあ〔ユ〕.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
yomkur
ヨㇺクㇽ 【自動】しゃっくりする。 {E: to hiccup.} (出典:田村、方言:沙流)
yomkur
ヨㇺクㇽ 【yomkur】 しゃっくり. (出典:萱野、方言:沙流)
yukkuttar
ユㇰクッタㇻ §029 ハンゴンソウ ななつば (5) yuk-kuttar (yúk-kut-tar)「ゆㇰクッタㇻ」[yuk(シカ)kuttar(筒状茎)] 茎 ⦅穂別⦆⦅A上川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
yukkuttar
ユㇰクッタㇻ §196 オニシモツケ (5) yuk-kuttar (yúk-kut-tar)「ゆㇰクッタㇻ」[yuk(熊)kuttar(筒茎)] 茎・葉 ⦅A沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
yukkutu
ユㇰクトゥ §029 ハンゴンソウ ななつば (6) yuk-kutu (yúk-ku-tu)「ゆㇰクトゥ」[yuk(シカ)kutu(筒茎)、ただし、語源はi(それを)uk(取り出す)kutu(円棒茎)] 茎 ⦅様似⦆ (出典:知里植物編、方言:)
yukusis(-i)
ユクシㇱ §654.ひずめ(蹄)(2)シカのひずめ yuk-usis(-i)〔jú-ku-šiš ゆクシㇱ〕[鹿・ひずめ]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yupinekur
ユピネクㇽ §023.兄(3)yupi-ne-kur〔ju-pí-ne-kur ユぴネクㇽ〕⦅ホロベツ⦆【雅】兄;あにじゃひと。[yupi(その兄、兄)+ne(である)+-kur(ひと)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
yutarkur
ユタㇻクㇽ 【yutar-kur】 使者. ピラウトゥㇽ タ イヨマンテ アン クㇱネ オロ タ ア・イ・サケイユㇱテ シコㇿ ネ ワ ユタㇻクㇽ エㇰ ヒクス ア・コシムシㇱカ ルウェ ネ=平取に熊送りがあり,その時に私に祭司をということで使者が来たのでそれに対して返事をした(昭和年に父が). (出典:萱野、方言:沙流)
“Kiorokushikina”
『キオロクシキナ』 §263 アキカラマツ (3) “Kiorokushi-kina” 『キオロクシキナ』 ⦅G 樺太⦆ (出典:知里植物編、方言:)
フナㇰ タ エパㇰ/フナㇰ タ エパッカ/フナㇰ タ エパーカ 【慣用句】ちょうどいいあんばいに(…してよかった。) hunak ta epak e=ek wa ku=mismu ka somo ki フナㇰ タ エパㇰ エエㇰ ワ クミㇱム カ ソモ キ いいあんばいに来てくれたので私はさびしくない。(S) hunak ta epak ka e=pa p an un フナㇰ タ エパㇰ カ エパㇷ゚ アヌン いいあんばいにあなたが見つけたね(他の人だったら見つけても拾ってくれないだろうが)。(S) hunak ta epaː ka somo =itura wa ene =iki hi an sekor ku=raman, poro k=éyayomusu フナㇰ タ エパー カ ソモ クイトゥラ ワ エネ クイキ ヒ アン セコㇿ クラマン、 ポロ ケヤヨムス (ついていってこんなに何度もトイレに起きたら他の人も眠れないし自分も気の毒に思うところだった、 ) いいあんばいについて行かないでこうしているのだと思ったらほんとに行かないでよかったなあと思った。(S) {E: fortunately.} (出典:田村、方言:沙流)
『ヲタクナエエンキキナ』 §278 オカヒジキ (2) 植物誌(E、p.380)には、ほかに、『ヲタクナエエンキキナ』(樺太アイヌ名)と出ている。これは明らかに「オたクナイェンケキナ」otákun-ayenkekinaで、otakun
-i 2
イ 【接尾】[< hi ヒ](動詞に接尾して名詞をつくる。) ①[他動名詞化]…を…すること。 cis チㇱ 泣く; cisi チシ …を泣くこと(-i イ 1 とは平行しない。 むしろ -i(hi) イ(ヒ) と通じるものがある)。 ②…する所。 cikus チクㇱ 人が通る/通った、 通られる; cikus-i チクシ 通る所、 通り道。 ③…する/したとき。 turepta トゥレㇷ゚タ ウバユリ(オオウバユリ)を掘る、 -us ウㇱ …する習慣になっている; tureptausi トゥレㇷ゚タウシ ウバユリを掘る習慣になっているとき=ウバユリを掘る時期。 ④…したもの。 san サン (山手の方から海手の方へ)出る; san-i サニ …の出たもの=…の子/子孫。 (出典:田村、方言:沙流)
-tektek
テㇰテㇰ 【接尾】(動作・行為を表す動詞に接尾し、 動作が急激にまたは瞬間的に行われることを表す。 母音で終わる動詞の、 語末の母音を除いて接尾する。 子音に終わる動詞に接尾している例はない。) maka マカ …を開ける;maktektek マㇰテㇰテㇰ …を急に開ける。 ekuskonna apa maktektek エクㇱコンナ アパ マㇰテㇰテㇰ (彼は)突然戸をガラガラッと開けた。(S) etaye エタイェ 引っぱる;etaytektek エタイテㇰテㇰ キュッと引っぱる。 nonno etaytektek ノンノ エタイテㇰテㇰ (彼はさしてある花を)ヒョッと引き抜いた。(S) hopuni ホプニ 飛ぶ;hopuntektek ホプンテㇰテㇰ パッと飛び立つ。 ☆参考 tek テㇰ 2[助動] と形は似ているが意味・用法は異なる。 (出典:田村、方言:沙流)
-us 5
ウㇱ 【接尾】(動詞接尾辞の一つ。 動詞に接尾し、 後に-i《所、 時》を伴って)…-usi 習慣として…する所/時。 iku 酒類を飲む;ikuusi 飲み屋。 mokor 眠る;mokorusi いつも皆が眠る所/時刻。 mokorusi pakita ahun kane iki モコルシ パキタ アフン カネ イキ いつも皆が寝るころにちょうど入って来た。 (出典:田村、方言:沙流)
-usi 3
ウシ 【接尾】[< usi 2] いつも…する(習慣のある)所/とき。 ihok 買い物をする; ihokusi イホクシ マーケット。 iku 酒類を飲む; ikuusi イクウシ 飲み屋。 hotke ホッケ 寝る; hotkeusi ホッケウシ 寝る時間(時刻)。 {E: at the usual time, place.} (出典:田村、方言:沙流)
-utar 2
ウタㇻ 【接尾】[< utar 人々]…たち (「…あと」)。 ku=poutari クポウタリ[ku=po-utar-i] 私の息子たち(息子や娘)。 (ku=poho クポホ 私の息子。) onautar オナウタリ [ona-utar-i] 彼の父親たち(=父母)。 (onaha オナハ 彼の父親。) {E: a plural suffix marker for people.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
-wosmare
ウォㇱマレ 【他動語幹】(次のような表現の中で) tane anakne/okkayo sirpo/e=wosmare wa kus タネ アナㇰネ/オッカヨ シㇼポ/エウォㇱマレ ワ クㇱ [雅]今はもうあなたは一人前の男の姿になられましたから。(Sユーカラ) ☆参考 uwosmare ウウォㇱマレ にアクセントを前に動かす接頭辞がついたときに語幹として出る形。 ☞uwosmare ウウォシマレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
-yokte
ヨㇰテ 【自動語幹】☞iyokte イヨㇰテ-yokunure ヨクヌレ【自動語幹】☞iyokunure イヨクヌレ (出典:田村、方言:沙流)
=an 7
アン 【人接】[不定人称主格自動詞型] ①(一般称)(代名詞は使わない)人が。 potara=an yakun oraun nep ka a=i=kóre yakun…a=uk yak pirka p ポタラアン ヤクン オラウン ネㇷ゚ カ アイコレ ヤクン…アウㇰ ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ (一般に人が)おはらいをしたら、 何かくれたら受け取ればいいのに。 ②(包括的一人称複数)(代名詞は aoká アオカ)相手を含む私たちが。 uinere=an kusu ne na ウイネレアン クス ネ ナ (あなたと私とで)どっちがほしいかの当てもの遊びをしよう。(S会話) ③(引用文中の自称)(代名詞は単数 asinuma アシヌマ、 複数 aoká アオカ)自分(たち)が、 私(たち)が(昔話をはじめ口承文学の中の用例のほとんどはこれである)。 “… ek=an” sekor hawean 「…エㇰアン」セコㇿ ハウェアン 「…(私は)来た」と彼は言った。(S民話) ④(敬意の二人称)(代名詞は aoká アオカ)あなた様が。 nen póka ponmatkor=an yakne ネン ポカ ポンマッコラン ヤㇰネ なんとかして(=どうか)あなたが第二夫人をお持ちになれば。(W民話) ☆参考 自動詞に接尾する。 他動詞・コピュラ ne ネ《である》・名詞などには a= ア が接頭する。 =an アン は人称接辞と言っても、 独立性が強く、 しばしば一つの動詞の機能を示す。 ☞an アン 2①,② ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
a 1
ア 【自動】[単](複は rok ロㇰ) ①(一人が)座る。 móno a モノ ア ひざを折って下に座る。(S) toanta a トアンタ ア あそこに座りなさい。(S) a ka ecakke wa hopecinea ア カ エチャッケ ワ ホペチネア (彼は)座るのをきたながってしゃがんでいる。(S) ②(寝ないで)起きている。 a ohor kur ア オホㇿ クㇽ (直訳すると)座っているのが長い人=夜ふかしの人。 ☆参考 いろいろな座り方:kokkaea コッカエア ひざをついてかかとを立てて座る。 hopecinea ホペチネア しゃがむ。 ukirosore ウキロソレ あぐらをかく(男子の正式な座り方)。 yayokucikaewak ヤヨクチカエワㇰ ひざを折ってかかとの上に尻をのせて座る(女子の正式な座り方)。 honumsamomare wa a ホヌㇺサモマレ ワ ア 横座りする。 ☆対語 as アㇱ 立つ、 立っている。 hopuni ホプニ 立ち上がる、 起き上がる。 {E: ①to sit. ②to be awake (not asleep). ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
a= 10
ア 【人接】[不定人称主格他動詞型] ①[一般称]一般に人は/人が、 (特定の人ではなく)だれかが/だれでもが。 sekor a=ye セコㇿ アイェ …と(一般に人が)言う=言われる。 húresisam mosir sekor a=ye p ne wa フレシサㇺ モシㇼ セコㇿ アイェㇷ゚ ネ ワ (外国のことは)赤毛の異民族の国と(一般に人は)言うのだわ。(W) ②[受身]…される。 a=en=kopisi アエンコピシ (不定の)人が私にたずねる=私がたずねられる。 a=en=kopisi p anakne opitta ku=ye wa アエンコピシㇷ゚ アナㇰネ オピッタ クイェ ワ 私がたずねられることはすべて私は言って(=答えて)。(S会話) kamuy opitta oro wa a=i=koypak カムイ オピッタ オロ ワ アイコイパㇰ 私たちはすべての神々からとがめられる(罰を受ける)。(W民話) kotan a=arústekka コタン アアルㇱテッカ 村が全滅させられた。(NK民話) ③[包括的一人称複数]相手を含む私たちが/の。 tanto a=ewkoytak pe anak a=ewéraman hawe ne タント アエウコイタㇰ ペ アナㇰ アエウェラマン ハウェ ネ きょう私たち(あなたと私)が話し合ったことはお互いに(あなたと私が)わかり合った。(W会話) a=sikíhi un アシキヒ ウン 私たち(あなたも私もみんな)の目よ。(W会話) ④[引用文中の自称] 自分(たち)が/の、 私(たち)が/の。 “…a=e=ráyke kusu ne” sekor hawean 「…アエライケ クス ネ」セコㇿ ハウェアン 「…私はあなたを殺す」と彼は言った。(HK民話) ⑤[敬意の二人称] あなた様が/の。 mak yaynu=an kuni a=ramú kusu マㇰ ヤイヌアン クニ アラム クス 私がどんな気持ちになるとあなたはお思いになって…。(NK民話) ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ《である》・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =an アン が接尾する。 ☞=an アン ☆参考 ユーカラ(英雄叙事詩)を歌うときには、 母音で始まる動詞語幹の前で、 しばしば a= ア の代わりに an= アン の形が使われる。 北海道南部以外では、 日常語でも an= アン がたくさん使われる。 ☞an= アン {E: ①… ②passive. ③first person plural inclusive. ④… ⑤second person honorific.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
acapo
アチャポ 【名】[aca-po おじ・(指小辞)] ①(親族としての)おじさん、 父母の兄弟や男のいとこ。 kor acapo コㇿ アチャポ …のおじさん(伯叔父)。 ku=kor acapo クコㇿ アチャポ/クコラチャポ (私のおじさん(伯父/叔父)。 ②(他人の)おじさん、 妻子があり孫がないぐらいの年齢の男(子どもぐらいの年齢のものが、 またはそれ以外のものでもそのくらいの気持ちで言う)。 ☆参考 二風谷以外で言う。 二風谷では áca アチャ といい、 acapo アチャポ というと「死んだおじ」のことになる。 {E: ①an uncle. (relative) ② an uncle (non-relative).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aha 2
アハ 【間投】①まあ、 あらあら(驚いたときに言う)。 ahaː, kusnaotke somo ki yakka pirka p アハー、 クㇱナオッケ ソモ キ ヤッカ ピㇼカㇷ゚ まあ、 突き通して刺さなくてもいいのに。(S) ②(歌のはやしの一部。) ☆発音 ①ではたいてい ahaː アハー と伸ばされ、 ときには[ahセa ahセa ahセa]つまり アヘア に近いような発音もある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ahuptere
アフㇷ゚テレ 【複他動】[他動使役][ahupte-re 入らせる[複]・させる](二人以上を)出迎えて家の中へ通すようにさせる。(直訳すると)入らせさせる、 中へ通させる。 nen eci=ahúptere kur ka isam na ahuppa yan ネン エチ アフㇷ゚テレ クㇽ カ イサㇺ ナ アフッパ ヤン だれもあなた方を出迎えさせて家の中にお通しさせる者(取り次ぎをさせる若い女性など)はいませんから(勝手に)入って下さい。(KC民話) この場合、 話者は eci=ahupte エチアフㇷ゚テ《あなた方を出迎えて家の中にお通しする》と言うつもりだったのかもしれない。 そうすれば、 「取り次ぎをする者はいませんから…」という意味になる。) {E: to let into, enter… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ak(-i)
アㇰ §024.弟(1)ak(-i)〔ák あㇰ〕[イブリ及びヒダカ西部では第3人称短形のアクセントはa-kí、チカブミ、カラフトではá-ki]①弟⦅チカブミ、フシコ、ハルトリ、カラフト⦆。②徒弟⦅シラヌカ、ニイトイ、チライ⦆。③年下の甥を指すこともある。akarku an-aki⦅タラントマリ⦆「甥である我が弟」。karaku ne kato, aki ne kato, chi-yay-ko-reske⦅樺太アイヌの神謡, pp.24〜7⦆「甥である男児、弟である男児を、わしは自分の所で育てた」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
amip
アミㇷ゚ 【名】[概](所は mipi(hi) ミピ(ヒ))[a=mi-p我々が/人が・着る・もの] 着物、 衣服。 mour mi wa kasi wa amip mi, ur mi モウㇽ ミ ワ カシ ワ アミㇷ゚ ミ、 ウㇽ ミ 下着を着てその上から着物を着、 外套を着なさい。(W) ☆参考 広義には布団や丹前も含み、 狭義には下着や外套以外のいわゆる着物、 衣服を言う。 ☆参考 mipihi ミピヒ (彼)の着物。 ku=mipi クミピ 私の着物。 {E: clothing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ammahka
アンマㇵカ §017.孫(6)ammahka〔ám-mah-ka あンマㇵカ〕⦅ウソロ⦆①孫。②男子でも女子でも幼い者に対して言う。ku-〜「私の孫よ」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ampocicikar
アンポチチカㇻ 【他動(?)】[am-pocici-kar 爪・ほじる(?)・する(他動詞化)](…に)爪を立てる。 íne, k=ampocicikar wa ku=inkar ro, taa, sonno ka isa wa イネ、 カンポチチカㇻ ワ クインカンロ、 タア、 ソンノ カ イサ ワ どれ、 (かぼちゃに)爪を立ててみよう、 ああ、 本当に実が入っているわ。(S) (出典:田村、方言:沙流)
amset
アㇺセッ 【名】[am-set (?)・寝台/高床][雅]高床(たかどこ)。 cituye amset チトゥイェ アㇺセッ[切られた・高床][雅]高床(たかどこ)。 cituye amset/káne amset/amset kurka/a=i=óresu wa/án=an katu チトゥイェ アㇺセッ/カネ アㇺセッ/アㇺセッ クㇽカ/アイオレス ワ/アナン カトゥ [雅]別づくりの高床(たかどこ)、 金(かね)の高床、 高床の上で私が育てられていたことを。(Sユーカラ語り) ☞set セッ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
amunin
アムニン 【名】[概](所は amunini(hi) アムニニ(ヒ)) 腕。makun-amunin マクン アムニン 上膊(ひじから上)。 sanke-amunin サンケ アムニン 下膊(前腕、 ひじから下、 手首まで)。 {E: the arm.} (出典:田村、方言:沙流)
amunini(hi)
アムニニ(ヒ) 【名】[所](概は amunin アムニン)…の腕。e=tusa mákoraye, e=amunini a=huráye kusu ne na エトゥサ マコライェ、 エアムニニ アフライェ クス ネ ナ あなたの袖をまくりなさい、 腕を洗ってあげるから。(S) {E: the/an arm of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
an 1
アン 【自動】[単](複は oka オカ) ①ある、 いる、 存在する、 滞在する、 住む、 起こる。 kotan noski ta poro cise an コタン ノㇱキ タ ポロ チセ アン 村のまん中に大きな家がある。 sine pa an wa arpa シネ パ アン ワ アㇻパ (彼は)一年滞在して(帰って)行った。 sáha an サハ アン (彼には)姉がいる。 an pe アン ペ 本当のこと。 an koraci アン コラチ ありのままに。 an kus/kusu(keray(po)) アン クㇱ/クス (ケライ(ポ)) …のおかげで。 an pakno アン パㇰノ あるだけ。 maratto an マラット アン 熊送り(の宴)が催される。 niskur an ニㇱクㇽ アン くもる、 くもっている。 nu(we) an ヌ(ウェ) アン (獲物が)たくさんとれる。 katu(hu) an カトゥ(フ) アン (へんな)かっこうだ。 ②生まれる。 hekaci an na ヘカチ アン ナ 男の子が生まれたよ。(W) an hi wano アニ ワノ 生まれたときから。(S) ③(時を表す語の後に置かれて)(朝、 翌日、 いつ) になる。 kunneywa an クンネイワ アン 朝になる。 ciwnici an チウニチ アン 12時になる。(W) isimne an イシㇺネ アン 翌日になる。 …an kor …アン コㇿ …になると、 …毎に。 kunneywa an kor, tokap an kor, onuman an kor クンネイワ アン コㇿ、 トカㇷ゚ アン コㇿ、 オヌマン アン コㇿ 毎朝、 毎昼、 毎晩。(S会話) kesto an kor ケㇱト アン コㇿ 毎日毎日。 hempara an kor ヘンパラ アン コㇿ いつになったら。(W即興詩) oka(ke) an オカ(ケ) アン 終わる。 ④(格助詞 ne ネ の後に置かれて)…になる。 síporo cikap ne an シポロ チカㇷ゚ ネ アン (彼は)巨大な鳥になった。(W神謡語り) ⑤(動詞句+接続助詞の後に置かれて) anki an アンキ アン もう少しで…しそうである。 pekor an ペコㇿ アン …したようである。 ápekor an アペコㇿ アン まるで…したかのようである。 híne an ヒネ アン …して(しまって) いる、 してある。 wa an ワ アン …してある/…している。(☞⑧) kane an …カネ アン …して(いる状態で)ある。 kor an コㇿ アン …しつつある。 kotom an コトㇺ アン …するようである。 noyne an ノイネ アン …する(した)らしい。 ⑥(副詞や副詞句の後に置かれてこれを動詞句とする。) mosmano an モㇱマノ アン だまって(かまわないで)いる。 sonno an a! ソンノ アナ! 本当だねえ。 easir an a! エアシラナ! 全くねえ。 néno (kane) an ネノ (カネ) アン …に(よく)似ている。 pak(no) an パㇰ(ノ) アン …くらい(の大きさ/量)である。 sekor an セコㇿ アン/セコラン … という(ような)。 sekor réhe an セコン レヘ アン …という名前である。 sekor ku=rehe an セコㇿ クレヘ アン 私は…という名前です。 ⑦(熟語) sine an ta シネ アン タ (=sineanta) ある時。 sine an pa ta シネ アン パ タ ある年に。 sine an to ta シネ アン ト タ ある日(に)。 ne wa an… ネ ワ アン… (今ここで話題にしている)この…。 ⑧[補助動詞] wa an/híne an ワ アン/ヒネ アン …して(し終わって)いる、 …してある。 ek wa an エㇰ ワ アン (彼はもう)来ている。(W会話、 民話) a=suwé wa an アスウェ ワ アン (ごはんが)炊いてある。(W) e=hokuhu an wa an ruwe? エホクフ アン マ アン ルウェ? あなたの夫はいてあるのかい=ご主人いるかい(いま在宅しているか)? (W)(方言で「いてあったかい?」と言う言い方がある。 同じことを e=hokuhu an ruwe/isam ruwe? エホクフ アン ルウェ/イサㇺ ルウェ? 《あなたの夫はいるのかい/いないのかい?》と言うことも可能だが、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ と言うほうが好まれる。 一方、 夫を持っているかいないか(独身か)をたずねるときは an ruwe/isam ruwe アン ルウェ/イサㇺ ルウェ のほうを使い、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ とは言わない。) ☆参考 [否定のつくり方]否定辞 somo ソモ による否定は通常つくられず否定動詞 isam イサㇺ が使われる。 ☞isam イサㇺ {E: ①to be; exist; stay; live; happen. ②to be born. ③to become (in reference to time). ④to become… ⑤… ⑥… ⑦…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
an 4
アン 【自動】(質問表現の疑問詞/疑問詞句の後、 感嘆表現の ruwe ルウェ、 hawe ハウェ の類の形式名詞の後、 終助詞 nek ネㇰ の前等で、 ne ネ《である》に代わって用いられる。)…ですか? …だなあ! hunna an? フンナ アン? だれですか? hńna póho an? フンナ ポホ アン? だれの息子ですか。 ruwe an ルウェ アン …(した) のですか、 …のだなあ。 pirka okkaypo ne ruwe an! ピㇼカ オッカイポ ネ ルウェ アン! きれいな若者だなあ。 =ipe rusuy humi an! クイペ ルスイ フミ アン! 私おなかすいたなあ。 tapanpe hemanta an un? タパンペ ヘマンタ アヌン? これなんでしょうね。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
anak
アナㇰ 【副助】[< an-yak ある・…すれば](=anakne アナㇰネ) …は、 …はね、 …というものは、 …のほうは、 …としては。 kusuri anak kusuri ne クスリ アナㇰ クスリ ネ 日本語の薬はアイヌ語でクスリだ。(W) mosir anak a=kar yakka epunkine kur isam yakun wen モシㇼ アナㇰ アカㇻ ヤッカ エプンキネ クㇽ イサㇺ ヤクン ウェン 国土はつくったけれど守る(治める)人がいなければだめだ。(S言い伝え) ☆参考 話題(トピック)を示す。 Aは…だがBは…だというような対比にも用いられる。 「…は」と訳せるが、 日本語で「…は」というような文脈でいつもこの助詞が使われるわけではない。 むしろアイヌ語では、 話題となる語に助詞がつかない場合が多い。 この助詞を伴うのは、 ここまでが話題(トピック)で、 いまからこの話題についての話が展開する、 ということを知らせる場合である。 なお、 これをよりゆっくりと、 かつはっきりと表示するのには anakne アナㇰネ が用いられる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
áne
アネ 【自動】[a-ne (?)・(のよう)である] 細い(主にものや植物、 しかし人にも言う)、 とがる、 とがっている。 áne cikuni アネ チクニ 細い木。 ☆対語 ruwe ルウェ 太い。 {E: to be thin; sharp.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ani 2
アニ 【後副】…で(手段・原因)、 …によって、 …を用いて、 …することによって、 それでもって。 makiri ani kewre マキリ アニ ケウレ 小刀で削る。(S) áponko an emo makanak ani a=suwé kusu? アポンコ アン エモ マカナㇰ アニ アスウェ クス? こんなにたくさんのいもをどうやって煮よう。 horkakemasi ani ninu kor an ホㇿカケマシ アニ ニヌ コㇿ アン 返し針して縫っている。 ani ipakari=an pe アニ イパカリ アン ペ それで計る/量るもの(この場合「さし」=ものさし)。(W) {E: by…; according to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ankapuy(-e)
アンカプイ §683.へそ(臍)(5)anka-puy(-e)〔áŋ-ka-puǐ あンカ・プイ〕[anka(=hanku へそ)+puy(穴)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
anki
アンキ 【接助】今にも…しそうに。 opitta isam anki, poonpepo takupi an オピッタ イサㇺ アンキ、 ポオンペポ タクピ アン みんななくなりそうにほんのわずかしかない。(S) {E: about to be, will be (B.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
anrur
アンルㇽ 【名】[ar-rur 反対側の・海水]北見の方(沙流地方から見て陸地の向こう側の海ぞいの地方。 方角で言うと北東になる)。 anrur ruyanpekur kus wa koyka ta sirepa kor nani menas as アンルㇽ ルヤンペクㇽ クㇱ ワ コイカ タ シレパ コㇿ ナニ メナㇱ アㇱ 北見の方を嵐の雲が通って釧路の方に着いたらまもなくやませ(南東風)が吹く。(S) {E: north-east.} (出典:田村、方言:沙流)
ante 2
アンテ 【他動】[< ante 1] ☞kuri ante クリ アンテ (出典:田村、方言:沙流)
ante(a-an-)
アンテ §034.結婚(する)(19)ante(a-,an-)〔án-te あンテ〕⦅H. S.⦆【雅】①許嫁の。〜-maci「彼の許嫁の妻」⦅ニイトイ⦆。①連れそう。e-〜-hoku「汝の・つれそう・夫」⦅サル⦆。an-〜-menoko「我が・つれそう・女」⦅マオカ―樺太神謡, p.34⦆。an-〜menoko「我が・つれそう・女」⦅古謡, p.191⦆。[an-te(あら・しめる、=おく)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
antemaci(hi)
アンテマチ(ヒ) 【名】[所](概の例はない。 macihi マチヒ の概は mat マッ。)[ante-mat-i(hi) いさせる・妻・(所属語尾)]…の正妻。 a=antemaci(hi) アアンテマチ(ヒ) (引用文中、 伝承中で)私の正妻。 ☆参考 sókarmaci(hi) ソカㇻマチ(ヒ) とも。 ☆対語 antehoku アンテホク 夫。 {E: one's legal wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
antuki
アントゥキ 【名】[< 日本語][植物]アズキ(「ショウズ」)。 antuki ku=kikkik アントゥキ クキッキㇰ あずき落としをする(アズキをたたいて実を落とす)。(S) 〔知分類 p.108アズキの子實((幌別))〕 {E: azuki (red) beans.} (出典:田村、方言:沙流)
anun(-i)
アヌン §012.他人anun(-i)〔a-nún アぬン〕⦅H. S.⦆他人。(apa「身内」に対する)。〜matapa 本当の娘でない、親類でない年下の女に「妹」と呼びかける時に言う⦅ホロべツ⦆。"〜ka somo a-ne na"「わしは他人ではないんだぜ」⦅ユ研Ⅱ, p.666⦆。"nep 〜-i a-ne wa kusu, i-ko-onkami?"「わしは他人ではないのに、わしに向って改まっておじぎするのかい?」⦅同, p.665⦆。〜nispa「他村の首領」。〜-tah[<〜-utar]「他人ども」⦅シラウラ⦆。〜-utar「他人ども」「他村の人々」「よそものども」⦅ホロべツ⦆。ci-〜-kopa「他人扱いする」「よそよそしく扱う」⦅古謡, p.132⦆。u-〜-kopa「他人扱いする」⦅ビホロ⦆。[<ar-un(あちらの、山の彼方の)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
apa
アパ §011.身内 血縁の者(1)apa〔a-pá アぱ〕⦅H. S.⦆親類;身内。anunに対する。〜-sak-kur「身内の無い者」「けいるいの無い者」⦅ホロベツ⦆。"ar〜-sak-kur tun moymoyke ren moymoyke ki-p tapan na" 「まったく係累の無い者は(後顧のうれいが無いので)二人前のはたらきをするもんですよ」⦅ユ研Ⅱ, pp.714〜5⦆。un-apa-kore(→別項)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
apamaka
アパマカ 【自動】戸をあける(=apa maka アパ マカ)。 k=ápamaka na hokure kor wa ahun カパマカ ナ ホクレ コㇿ ワ アフン 私があけてあげるからさあ持って入りなさい。(W) ☆参考 この用例のような特別の状況文脈で使う。 特別な状況のないときは apa maka アパ マカ と二語で言う。(W) (出典:田村、方言:沙流)
apemaw
アペマウ 【名】[ape-maw 火・気] 火のほとり。 apemaw yupke wa ku=sesek アペマウ ユㇷ゚ケ ワ クセセㇰ 火のほとり(熱気)が強くて私は暑い。(W) (出典:田村、方言:沙流)
áponko
アポンコ 【副】[a-pon-ko(?)・小さい・(反語的副詞形成)]こんなに/そんなに/あんなにたくさん。 nákatune áponko e=korar sir ne wa ナカトゥネ アポンコ エコラㇻ シン ネ ワ まあそんなにたくさんあげなくてもいいでしょう。(S) áponko an icen ku=kor pirka santoku or oma wa ku=hacire wa isam wa k=oskur アポンコ アン イチェン クコㇿ ピㇼカ サントク オㇿ オマ ワ クハチレ ワ イサㇺ マ コㇱクㇽ たいした額の(=たくさんの額の)お金を私の上等の財布に入ったまま落としてしまって残念だ。(S) {E: a lot of; much; plenty of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ar- 1
アㇻ 【接頭】(性質を表す自動詞(形容詞)に接頭して、 程度が完全であることを表す。) ekurok エクロㇰ 黒い;arekurok アレクロㇰ 真っ黒い。 ☆参考 単独の語としては、 oar オアㇻ [副]《全く、 完全に》がある。 ☆参考 ar- アㇻ と後の部分とで二語のようなアクセントで区切りも入れて発音される語もあり、 全体が一語のアクセントで一つづきに発音される語もある。 (出典:田村、方言:沙流)
aratusa
アラトゥサ 【自動】[ar-atusa すっかり・はだかになる] 丸はだかになる、 丸はだかである、 (比喩的に)一文なしになる。 toy ka opitta eyyok wa epakutciki, eyku, ayne tane anak aratusa トイ カ オピッタ エイヨㇰ ワ エパクッチキ、 エイク、 アイネ タネ アナㇰ アラトゥサ 畑も皆売ってそれでばくちをし、 それで飲酒し、 そのあげく今は丸はだか(=一文なし)だ。 ☆参考 yaywente ヤイウェンテ 「かまどかえす」家の財産をすっかり失う、 家をつぶす。 ☞atusa アトゥサ {E: to lose all one's possessions.} (出典:田村、方言:沙流)
aremko 1
アレㇺコ 【他動】[ar-emko 一方の・半分](受け身表現で)a=arémko アアレㇺコ 人生半ばで死んでしまう。 inne utar ukokusispa pa ani a=arémko wa isam インネ ウタㇻ ウコクシㇱパ パ アニ アアレㇺコ ワ イサㇺ 大勢の人々が皆一緒に伝染病にやられて死んでしまった。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ari 3
アリ 【接助】[他方言](引用文を受けて)…と、 …と言って。 ☆参考 「幌別・有珠の言葉で ku=nuye ari ku=koese クヌイェ アリ クコエセ のように言う。 沙流では ku=nuye sekor ku=koese クヌイェ セコㇿ クコエセ と言う。」 (W) (出典:田村、方言:沙流)
arka
アㇻカ 【自動】痛む、 痛い(「やむ」)、 (その部分に病気が)ある。 hay! arka humi! ハイ!アㇻカ フミ! ああ痛いなあ。 ku=néoro ka arka ka somo ki クネオロ カ アㇻカ カ ソモ キ 私の体はどこも悪くない。(S) {E: to be painful; to hurt, } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arkamiasi
アㇻカミアシ 【名】[ar-kamiasi 全く・とんでもない悪いばけもの]とんでもない悪いやつ(ののしりの表現)。 hemanta kamiasi arkamiasi ku=kisma! ヘマンタ カミアシ アㇻカミアシ クキㇱマ! 悪党を、 とんでもない悪党をつかまえたぞ(どろぼうをつかまえたとき)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
arorkisne
アロㇿキㇱネ 【副】そっと内緒(ないしょ)で、 こっそり。 arorkisne ukopinupinu kor oka na アロㇿキㇱネ ウコピヌピヌ コㇿ オカ ナ (彼らは)こっそり内緒話(ないしょばなし)しているよ。(S) arorkisne epirma wa núre アロㇿキㇱネ エピㇼマ ワ ヌレ そっと警告して聞かせてあげなさい。(S) nen ka somo i=nukar kunine arorkisne paye=an kus ne na ネン カ ソモ イヌカㇻ クニネ アロㇿキㇱネ パイェアン クㇱ ネ ナ (あなたと私は)だれにも見られないようにこっそり出かけて行くんだよ。(S) arorkisne otam! アロㇿキㇱネ オタㇺ! [隠](直訳すると)こっそりサーベル=こっそり警官を呼んで来なさい。(S) {E: secretly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arsuyne
アㇻスイネ 【副】[ar-suy-ne 一・回・として] 一回。 arsuyne patek ku=kiske a p un アㇻスイネ パテㇰ クキㇱケ アプン 1回だけ(カヤを)背負っただけだよ。(S) arsuyne ka kanpi ek isam アㇻスイネ カ カンピ エキサㇺ 一回も手紙が来ない。(W) ☆参考 回数を数えるときは単に arsuy アㇻスイ と言う。 arsuyne アㇻスイネ は連用語として「ただ一回だけ…」というときに使う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
as 1
アㇱ 【自動】[単](複は roskiro ロㇱキロ) ①立つ、 立ち止まる、 止まる。 ku=hoyupu wa nísap k=as ka eaykap クホユプ ワ ニサㇷ゚ カㇱ カ エアイカㇷ゚ 走ってきたので急に立ち止まることができなかった。(S) ②(日が)出ている。 na cup as híne ナ チュㇷ゚ アㇱ ヒネ まだ日が出ているうちに。 ③(戸が)しまる、 しまっている。 apa as wa an アパ アㇱ ワ アン 戸がしまっている。 ☆発音 as wa アㇱ ワ の発音は アㇲ ワ。 ☆参考 座っている人が立ち上がることには hopuni ホプニ を使う。 as アㇱ は、 すでに立っていることや、 歩いたり飛んだりしている者がある場所に止まって立つことを言う。 {E: ①to stand; stand still; stop. ②for the sun to rise. ③to be closed.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
asinno
アシンノ 【副】[asir-no 新しい・(副詞形成)] 新しく、 新たに。 inan kur asinno ek kur an? イナン クㇽ アシンノ エㇰ クㇽ アン? どの人が新しく来た人ですか? (S) asinno a=ta cip アシンノ アタ チㇷ゚ 新しくつくった舟。(S) {E: newly; again.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
asinuma
アシヌマ 【代名】[a-sinuma (不定人称)・自分] [不定人称単数] ①(引用文中で káni カニ《私》の代りに用いられる。) 自分、 私(引用文の中の自称者、 自叙している人)。 asinuma anakne wenkur a=ne アシヌマ アナㇰネ ウェンクㇽ アネ「私は貧乏人です」(と彼は言った)。(W民話) ②[稀] ご自分、 あなた様自身。(民話や叙事詩などの口承文学の多くは、 主人公が自叙する話を語り手が引用して語る形式になっているため、 一人称の káni カニ《私》や cóka チョカ《私たち》はほとんど現れず、 その代わりにこの不定人称の asinuma アシヌマ[単]/aoká アオカ[複]が使われる。 これは引用文であるためであって、 話し手自身のことを言うのには、 こうは言わない。 話し手自身が貧乏人であることを「私は貧乏人です」と言うには、 asinuma anakne wenkur a=ne アシヌマ アナㇰネ ウェンクㇽ アネ とは言わない。 káni anakne wenkur ku=ne カニ アナㇰネ ウェンクㇽ クネ のように、 一人称の形で言う。 {E: ①(one)self; I. ②(your)self; you.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
asirpa
アシㇼパ 【名】[asir-pa 新しい・年] 新年(=asir pa アシㇼ パ)。 asirpa a=uk yakun アシㇼパ アウㇰ ヤクン 新年になったら(年が変われば)。 asirpa a=uk wa onkami=an na アシㇼパ アウㇰ ワ オンカミアンナ 新年を迎えて拝礼しましょう=新年おめでとう。 W. {E: New Year.} (出典:田村、方言:沙流)
asunankarun
アスナンカルン 【他動】…をだいて寝る(男女間)。 katkemat kamuy ukuran ne, a=akíhi asunankarun カッケマッ カムイ ウクラン ネ、 アアキヒ アスナンカルン お嬢様をゆうべに私の弟がだいて寝ました。(NK民話) ☆参考 親が子をだいて寝るなど一般的にだいて寝ることは tumam トゥマㇺ 。 {E: to rock, cradle…to sleep.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
asuranipa
アスラニパ 【自動】[複](単は asurani アスラニ) (二人以上が)緊急事態を知らせる。 tanukuran kurukpe ran noyne síran na sekor asuranipa kor タヌクラン クルㇰペ ラン ノイネ シラン ナ セコㇿ アスラニパ コㇿ 今夜霜がおりそうですからと知らせながら…。(S) (注 1960年代、 鵡川の春日で、 そのような晩には有線放送の警報を聞いてすぐ農民はとび出して行き、 稲を守るために田のまわりでむしろを燃やす。) (出典:田村、方言:沙流)
at 2
アッ 【自動】①(虫や魚などが)たくさんいる/出る。 ukuran etutanne at wa ku=mokor ka koyaykus ウクラン エトゥタンネ アッ ワ クモコㇿ カ コヤイクㇱ ゆうべ蚊が多くて私は眠れなかった。(W) ②(煙や湯気が)立つ、 (光が)光る、 (においが)する。 supuya at スプヤ アッ 煙が出る。 nipeki at ニペキ アッ 光る。 húra at フラ アッ においがする。 {E: ①for there to be a lot of …(such as insects, fish, etc.). ②(for smoke, steam) to rise; (for a light) to shine; to smell.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atce
アッチェ 【位名】よそ(他人の家)。 atce ta アッチェ タ よその、 そとの(家族でない)。 atce ta ku=saha アッチェ タ クサハ いとこ姉。(W) atce ta ku=kosmaci アッチェ タ クコㇱマチ 外嫁。 atce ta ku=mippoho アッチェ タ クミッポホ 外孫。 atce un アッチェ ウン よその、 親戚でない。(W) atce wa アッチェ ワ よそから、 外から(他人の家から)。 {E: another person's, a stranger's house.} (出典:田村、方言:沙流)
attomsama emawrari
アットㇺサマ エマウラリ 【連他動】[ar-tom-sama e-maw-rari 全く・まっすぐ当たる正面のまん中・の側・で・息・を押える] …に忠実に従う。 tap nispa ne wa usa yaypuni ki wa oka rok pe tane anak eci=áttomsama emawrari nispa katkemat eci=né kuni p kusu タㇷ゚ ニㇱパ ネ ワ ウサ ヤイプニ キ ワ オカ ロㇰ ペ タネ アナㇰ エチアットㇺサマ エマウラリ ニㇱパ カッケマッ エチネ クニㇷ゚ クス 今まで金持ちでいろいろいばってあなた方を見下していた者たちが今はあなた方に忠実に従うようになるので。(W民話) {E: to faithfully follow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atu 1
アトゥ 【自動】吐く(胃袋の中のものを吐く)(「へどかやす」)。 iyoski wa atu okake icakkere イヨㇱキ ワ アトゥ オカケ イチャッケレ (彼が)酔って吐いたあとが汚い。(W) ipe ewen wa atu kor an イペ エウェン マ アトゥ コㇿ アン (彼は)食べ物にあたって吐いている。(W) ☆参考 他動詞は eatu エアトゥ…を吐く。 ☆参考 動物が吐くことは akur アクㇽ。 ☆参考 口の中のものをペッと吐き出すことは ewar エワㇻ。 {E: to vomit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atu(hu) 2
アトゥ(フ) 【名】[所](概は at アッ)(…の)ひも(つけてあるひも)。 ponno en=tere, atuhu ku=kar kusu ne na ポンノ エンテレ、 アトゥフ クカㇻ クス ネ ナ ちょっと待って、 鼻緒(はなお)をすげるから。(S) ku=kor toke atuhu soske kor an クコッ トケ アトゥフ ソㇱケ コラン 私の時計のバンド(この場合、 皮製の)がはがれてきている。(W) {E: a string, a cord of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
awa
アワ 【接】[a-wa …した・…して] …して、 …したが(「…したけ」)(一つのことを述べ終わり、 それを前置きとしてこれから話が展開することを示す。 ややフォーマルな表現で、 きちんとした会話や伝説、 昔話、 叙事詩などで使われる) 。 hetopo horka siknu awa asirikinne montumu kasi mosma kur kem a=o wa ヘトポ ホㇿカ シㇰヌ アワ アシリキンネ モントゥム カシ モㇱマ クㇽ ケㇺ アオ ワ またふたたび息を吹き返したが、 新たに他の人の血を輸血されて…。(W会話) ☆参考 hike ヒケ …したが(軽い前置き)。 ☞hike ヒケ ③。 korka コㇿカ けれども(逆説)。 akus(u) アクㇱ/アクス …すると。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
awna
アウナ 【位名】[aw-na (家の)内・の方] 内側。 apa awna wa ku=kuwa k=ánu アパ アウナ ワ ククワ カヌ 私は戸口の内側に私の杖を置いた。(S) {E: the inside; the interior.} (出典:田村、方言:沙流)
awokoyma(-an)
アウォコイマ §559.ねしょうべん(寝小便)[する](1)awokoyma(-an)〔a-wó-koǐ-ma アうぉコイマ〕[<aw(内)+o(で)+okuy-ma(小便する)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
áy-ay
アイアイ/アヤイ 【名】[幼] 人形、 赤ちゃん。 ku=kor áy-ay kakka クコㇿ アイアイ カッカ [幼]私の赤ちゃんおんぶ(人形をおんぶする)。(S) unarpe, áyay en=kayre ウナㇻペ、 アヤイ エンカイレ おばさん、 赤ちゃんをおんぶさせて。(W) ☆参考 pónayay ポナヤイ (人間の)赤ちゃん。 {E: a doll; a baby.} (出典:田村、方言:沙流)
aykonukar
アイコヌカㇻ 【他動】[ay-ko-nukar 矢・に合わせて・見る] 矢で…をねらう。 ram cikuni/hapkitayke/ri cikuni/suptom orke/a=aykonukar ラㇺ チクニ/ハㇷ゚キタイケ/リ チクニ/スㇷ゚トモㇿケ/アアイコヌカㇻ [雅]低い木ならば梢のてっぺん、 高い木ならば幹の中程くらいのところに私は矢を置いて(その鹿を)ねらって。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ayne
アイネ 【接】[a-hine …した(完了)・…して]…したあげく、 長い間 … してから、 さんざん…してとうとう。 toy ka opitta eyyok wa epakutciki, eyku, ayne tane anak aratusa トイ カ オピッタ エイヨㇰ ワ エパクッチキ、 エイク、 アイネ タネ アナㇰ アラトゥサ 土地も皆売ってそれでばくちをし、 酒を飲み、 とうとう今は丸はだかだ。(S) iki ayne イキ アイネ いろいろ苦労(努力)してやっと。 =iki ayne ku=kira wa k=ek クイキ アイネ クキラ ワ ケㇰ やっとのことで逃げて来た。(S) kar ayne カㇻ アイネ いろいろ(苦労)努力してようやく。 tokkuri toytoy emastek wa an, wa kusu ku=kar ayne ku=huraye ruwe un トックリ トイトイ エマㇱテㇰ ワ アン、 ワ クス クカㇻ アイネ クフライェ ルウェ ウン 瓶に土がいっぱい入っていた、 だから苦労してようやく洗ったのよ。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aynu
アイヌ 【名】①人間(神や動物などに対して)。 aynu kotan アイヌ コタン 人間の集落、 アイヌの村。 aynu mosir アイヌ モシㇼ 人間界(神の国に対する)。 ②男(menoko メノコ《女》に対して)。 ③アイヌ(民族名、 sísam シサㇺ《和人》など に対して)。 aynu itak アイヌ イタㇰ アイヌ語。 aynu mosir アイヌ モシㇼ アイヌの国/地 (多く、 北海道を指す)。 aynu cip アイヌ チㇷ゚( 直訳すると)アイヌの舟=丸木舟。 ④(kor コㇿ《…の》のあとに置かれて)おとうさん、 おとうちゃん。 e=kor aynu uymam wa/uymam-repunka エコㇿ アイヌ ウイマㇺ ワ/ウイマㇺレプンカ あなたのとうさんは交易に行って/交易をしに海を越えて行った。(S子守歌) a=kor totto/henoo uwan/pepa=kor aynu/wakka i=kure アコッ トット/ヘノオ ウワオ/ペパコㇿ アイヌ ワッカ イクレ おかあちゃん、 おとうちゃん、 水をください。(W神謡K) ☆参考 用例の子守歌の歌い手のサダモさんは、 父親のことを言うのに、 ふだんは iyapo イヤポ を使い、 「あなたのおとうさん」は e=kor iyapo エコㇿ イヤポ と言う。 神謡の歌い手ワテケさんは、 ふだんは míci ミチ を使い、 「私のおとうさん」は ku=mici クミチ と言う。 {E: ①a human-being. ②a man. ③an Ainu. ④a father.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aynucip
アイヌチㇷ゚ 【名】[aynu-cip アイヌ・舟]丸木舟(=aynu cip アイヌ チㇷ゚)。 aynucip o アイヌチㇷ゚ オ 丸木舟に乗る/丸木舟をこぐ。 ☆参考 pencay ペンチャイ 弁財船(和人の交易の貨物船)。 rokuntew ロクンテウ 和人の客船。 {E: a canoe.} (出典:田村、方言:沙流)
ayya
アイヤ 【間投】(苦痛や困ったことの表現)ああ(痛い、 だるい、 ひどい等)。 ayya ku=cikiri! アイヤー クチキリー! ああこの足!(人間の足は通常 kema ケマ を使うので、 ku=kema(ha) クケマ(ハ)と言うところだが、 動物の足を表す cikir チキㇼ を使って ku=cikiri クチキリ《私の畜生の足》と言うことによって、 どうしようもない困った足だという気持ちを表している)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
c- 1
チ 【接頭】[中相形形成][ci- チ 4 が母音の前で i を落とした形] ①(他動詞に接頭して中相の表現となる。 日本語に訳すと通常三人称を主語とする自動詞に、 または受け身に訳せる。) …される、 された。 cúkopoyepoye uske チュコポイェポイェ ウシケ グルグルとうずを巻いている所。(ukopoyepoye ウコポイェポイェ …をグルグルかきまぜる。) cópirasa チョピラサ …に広がる。(opirasa オピラサ …を…に広げる。) heynu nan kurkasi/heynu kor wenpuri/heynu cópirasa ヘイヌ ナン クㇽカシ/ヘイヌ コㇿ ウェンプリ/ヘイヌ チョピラサ 彼の顔一面に怒りの色が広がった。(HC神謡) ②(自動詞または他動詞に使役語尾または他動詞化語尾がつくと同時にこの c- チ が接頭して、 美文的なニュアンスを伴った別の表現になる。) c-éosmare チェオㇱマレ [c-e-osma-re される・(中相)それで・…に突進する・させる(使役)] それで…に突入する。 weysakayo céosmare ウェイサカヨ チェオㇱマレ それでひどい大げんかが起こった。 ③(人に対する行為を表す他動詞に接頭し、 後に ekarkar エカㇻカㇻ《する》の人称形が置かれて韻文調・美文調の表現になる。) kamuy nis ka wa/c-épunkine/a=e=ékarkar kus ne na カムイ ニㇱ カ ワ/チェプンキネ/アエエカㇻカㇻ クㇱ ネ ナ 私は天の神の国からあなたを守ってあげますからね。(Sユーカラ語り) cikimatekka a=i=ékarkar チキマテッカ アイエカㇻカㇻ 私たちはみんな本当にびっくりした。(W会話) ☆参考 よりくわしくは ☞ci- チ 4 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
carearayta
チャレアライタ 【自動】(次の表現で) rekkurpo ka carearayta レックㇽポ カ チャレアライタ ひげが少しはえかかっており、 まだはえそろっていない。(KM民話) ☞cearayta チェアライタ (出典:田村、方言:沙流)
cási
チャシ 【名】[< ci-asi-i された・たてる・ところ] ①柵、 境の垣(外からの侵入を防ぐためのもの、 鉄条網も)。 ras cási ラㇱ チャシ 木の割端でつくった柵。 unma o cási ウンマ オ チャシ 馬牧場(の囲い)。 ②家 (通常、 家のことは cise チセ と言うが、 ウポポ(斉唱・輪唱する歌謡)や叙事詩の中で cási チャシ と言う。 神の住む家は cási チャシ と言うのが普通であり、 また特別の人の館(やかた)か大邸宅を指すこともあり、 「城」とも訳される)。 ne nupuri nupuri kitay ta cásikor wa an kunine ネ ヌプリ ヌプリ キタイ タ チャシコㇿ ワ アン クニネ (その神が) その山の山頂に城をかまえて住むように。(S言い伝え) Aspet un cási アㇱペトゥン チャシ 芦別(「本当は鷲別」 (S))の家。(Sほかウポポ) ③とりで。 {E: ①a fence. ②a house. ③a fort.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
céarayta
チェアライタ 【他動】[中相][c(i)-e-ar-hayta (された)・で・全く・足りない](?) (次の慣用表現で)(ひげが)はえそろっていない、 少しはえかかっている。 rekkurpo ka céarayta レックㇽポ カ チェアライタ ひげが少しはえかかっている(男のまだ年若い様子)。(NK民話) ☆参考 話者によって carearayta チャレアライタ (KM)、 carehayta チャレハイタ (KSg)、 と言ってる。 なお『金田一京助選集Ⅱ』に rek-kurumama chie-ara-haita《ひげの黒ばみまだ全からず》とある。 ☞『音声資料6』 p.38 の脚注2 {E: to have, grow a thin, patchy beard.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cep
チェㇷ゚ 【名】[< c(i)-e-p 我々が・食べる・もの][動物] ①魚。 cep koyki チェㇷ゚ コイキ 魚をとる。 sat cep サッ チェㇷ゚ 干し魚。 cep atkoci チェㇷ゚ アッコチ 魚の尾。 kamuy cep カムイ チェㇷ゚ [神・魚] 鮭。 ②(狭義に) 鮭(「あきあじ」)。 cep hemespa チェㇷ゚ ヘメㇱパ 魚(鮭)が川を上る ☆参考 cékunip チェクニㇷ゚《食べるべきもの、 真》とも言う。 ipe イペ《食べ物》の語で魚を表すこともある。 {E: ①a fish. ②a salmon.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cepkoyki
チェㇷ゚コイキ 【自動】[cep-koyki 魚・をとる] 魚とりする、 漁労する(=cep koyki チェㇷ゚ コイキ)。 ku=cepkoyki クチェㇷ゚コイキ《私は魚とりする》とも、 cep ku=koyki チェㇷ゚ クコイキ《私は魚をとる》とも言う。 cep チェㇷ゚ に修飾語がつくときは poro cep ku=koyki ポロ チェㇷ゚ クコイキ《私は大きな魚(鮭)をとった》のように、 cep チェㇷ゚ と koyki コイキ を離して言う。 {E: to fish; catch fish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ceywanke
チェイワンケ 【他動】[中相][c(i)-eywanke 我々が/…される・使う] 使われる。 ceywanke kur チェイワンケ クㇽ 雇人。 ☞cútek チュテㇰ、 ussiw ウㇱシウ {E: to be used by, for…} (出典:田村、方言:沙流)
ci 1
チ 自動】①(食べ物が)焼け(てい)る、 煮える(生ではなく、 食べられる状態になることを言う。 hu フ の対)。 ci ceppo チ チェッポ 焼けた魚。 ②(が)やけどになる。 ku=teke ci noyne arka humi as クテケ チ ノイネ アㇻカ フミ アㇱ 私の手やけどしたらしく痛いようだ。(S) ③(実が)熟する。 ④(植物が)枯れる。 {E: ①to be cooked (roasted, boiled etc.). ②to get burnt, scalded. ③to ripen. ④for grass etc. to wither.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ci- 4
チ 【接頭】[中相形形成] ①[中相](他動詞に接頭して中相の表現となる。 日本語に訳すと三人称を主語とする自動詞にまたは受け身に訳せる。)…される、 された。 cari チャリ 散らす;cicari チチャリ 散らされた、 散らばった。 kemihi cicari uskehe ケミヒ チチャリ ウㇱケヘ その血が散らばった所。(S会話) ②[使役中相](自動詞または他動詞に使役語尾または他動詞化語尾がつくと同時にこの ci- チ が接頭して、 美文的なニュアンスを伴った別の表現になる。) hopuni ホプニ 起き上がる、 飛ぶ;cihopunire チホプニレ [ci-hopuni-re された(中相)・起こる・させる(使役)] 起こった、 勃発した。 kamuy tumi ne ya tono tumi ne ya cihopunire カムイ トゥミ ネ ヤ トノ トゥミ ネヤ チホプニレ 神戦だか聖戦だかが起こった。(W会話) ③[中相動名詞](人に対する行為を表す他動詞に接頭し、 後に ekarkar エカㇻカㇻ《する》の人称形が置かれて、 韻文調・美文調の表現になる。)horkarutu ホㇿカルトゥ 後ろへ押しもどす;cihorkarutu チホㇿカルトゥ 後ろへ押しもどされること。 iteki eytasa cihorkarutu a=eci=ekárkar kunine イテキ エイタサ チホㇿカルトゥ アエチエカㇻカㇻ クニネ あなたたちはあまり後ろへ押しもどされる(差別されて後へ押されて理屈をとられる)ことのないように。(S言い伝え)☆参考 ②③は叙事詩の中、 ことにユーカラ(英雄叙事詩)の中で多く使われる。 そういった叙事詩の表現を日常語の中で使うと、 美文調・古風・荘重・重大といったようなニュアンスを伴う。 ①②③とも、 人称形ではないのに、 人称形と同じように、 接頭辞はほとんどつかず、 人称接辞がついて人称形になったりすることもない。 「分詞」と呼ぶのはそのためである。 ☆参考 日常語では、 人称接辞とは違って、 ほとんど決まった語、 決まった言い回しに現れる。 化石化した語も多い。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ci= 5
チ 【人接】[対立的一人称複数主格他動詞型] ①相手を含まない私たちが/の。 tane ci=ye kusu ne タネ チイェ クス ネ 今私たち(私と彼)は言います。 tun ren ci=ne híne トゥン レン チネ ヒネ 私たち二、 三人で。 ci=kotanu チコタヌ 私たちの村。 ②(神謡の中で、 神の自称)神である私が/の。 sakehe ci=kar サケヘ チカㇻ 私はそれで酒をつくった。(HC神謡) ③(民話の中の常套句で主人公の自称)私が/の。 hoski tas ci=nu rok pe! ホㇱキ タㇱ チヌ ロㇰ ペ! おれが先に聞いたんだ(川上男と川下男の民話で川上男が言う)。(W民話) ☆参考 母音で始まる語幹につくときは c= チ ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =as アㇱ が接尾する。 {E: ①first person plural exclusive (personal affix). ②reference to self for a god. ③reference to self for a hero in a folktale.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cicar
チチャㇻ 【位名】(湖の)出口に近い所。 tó cicar ト チチャㇻ 湖の岸で、 出口(to kutcar ト クッチャㇻ)と横(to teksam ト テㇰサㇺ)との中間で出口に近い所。 (出典:田村、方言:沙流)
cicipiyepkore
チチピイェㇷ゚コレ 【他動】[中相][cipiyepkore にさらにもう一つ中相接頭辞 ci- チ がついた形。](ekarkar エカㇻカㇻ の前に置かれて) …の悪口を言うこと。 makanak an pe/epeka kusu ene/cicipiyepkore/yupke hike/a=i=ékarkar wa マカナㇰ アン ペ/エペカ クス エネ/チチピイェㇷ゚コレ/ユㇷ゚ケ ヒケ/アイエカㇻカㇻ ワ [雅]どんな者のことを言うためにこんなに悪口のひどいのを私に向けて言っている。(Sユーカラ語り) m ☞cipiyepkore チピイェㇷ゚コレ (出典:田村、方言:沙流)
cieomare
チエオマレ 【他動】[中相][ci-e-omare される・そこに・入れる](直訳すると)…に入れられている。(次の慣用表現で) tónonsukus cieomare トノンスクㇱ チエオマレ [雅]真昼の光に照らされている。 cási upsor/tónonsukus/cieomare/semkoraci チャシ ウㇷ゚ソㇿ/トノンスクㇱ/チエオマレ/セㇺコラチ [雅]城の中はまるで昼の光に照らされているかのように。(Sユーカラ) ☆参考 歌うときの形。 話すときは céomare チェオマレ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cihecirore
チヘチロレ 【他動】[自動使役][中相][ci-hecir-o-re される・踊り/遊び・をする・させる]おどけて踊ったり跳ねたりする。 suy etoy kur cihecirore siri スイ エトイ クㇽ チヘチロレ シリ またはげた人おどけている。 「踊ったり跳ねたりおもしろくとんで歩く、 人を笑わすように。」 (S) ☆参考 hecir ヘチㇼ は沙流では使わないが、 八雲に heciri ヘチリ《輪になって踊る》、 樺太に hecire ヘチレ《遊ぶ》がある。(方言辞典) (出典:田村、方言:沙流)
cihetukpare
チヘトゥㇰパレ 【他動】[中相][ci-hetukpa-re された・出てくる[複]・させる](次の文脈で)たくさん出てくる。 kamuyniskur/kamuykur cihetukpare カムイニㇱクㇽ/カムイクㇽ チヘトゥㇰパレ 雷雲がモクモクと出てきた。(W) (出典:田村、方言:沙流)
cihopunire
チホプニレ 【他動】[自動使役][中相][ci-hopuni-re される・起きる・させる] ①起こる、 勃発する。 kamuy tumi ne ya tono tumi ne ya cihopunire カムイ トゥミ ネ ヤ トノ トゥミ ネ ヤ チホプニレ 神戦だか聖戦だかが勃発した。 ②☞enankurkasi cinopunire エナンクㇽカシ チホプニレ {E: to occur; happen; break out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cikanpe
チカンペ 【名】[cikuni-kan-pe 木・の上にある・もの](?) 木の上にのっている雪。 cikanpe pirka ruwe! チカンペ ピㇼカ ルウェ! 木の上の雪きれいだなあ! (S) {E: the snow on the tops of trees.} (出典:田村、方言:沙流)
cikanpeus
チカンペウㇱ 【自動】[cikanpe-us 木の上の雪・…につく] 木の上から落ちてきた雪をかぶる。 ku=cikanpeus wa ku=merayke クチカンペウㇱ ワ クメライケ (私は)木の上から落ちてきた雪をかぶって寒い。(S) {E: to be covered with snow that has fallen from the tops of trees.} (出典:田村、方言:沙流)
ciki
チキ 【接】①…したら(…しなさい)。(条件節をつくる接続助詞の一つ。 後に要求表現が来る。) e=e rusuy ciki e エエ ルスイ チキ エ 食べたければ食べなさい。 ku=ye ciki nu クイェ チキ ヌ (直訳すると)私が言ったら聞きなさい=私が今から言うことを聞きなさい。 hawe ne ciki ハウェ ネ チキ それでは/それなら(…しなさい)。 ②…ne ciki …ne ciki … ネ チキ… ネ チキ …も…も。 oya ciki オヤ チキ なんと(…だったのだ)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cikisokiso
チキソキソ 【他動】[中相][ci-kis-o-kiso される・(擬態の語根)・(他動詞形成)・(重複)] モソモソする(シラミがついて)、 ザワザワする(子どもたちが遊びでさわいで)。 ku=kio noyne ku=sapa cikisokiso クキオ ノイネ クサパ チキソキソ 私シラミがついたらしく頭がモソモソする。(Sユーカラ) {E: the sensation of having head lice; for children at play to be noisy.} (出典:田村、方言:沙流)
cikositosito
チコシトシト 【他動】[中相][ci-ko-sito-sito …された・…に(所有者を表す)・餅・(重複)](羊 (「めんよう」)の)毛がメチャクチャになって餅みたいになっている。 ku=konukosne humi! toy wente kor patek an numa cikositosito hemanta クコヌコㇱネ フミー! トイ ウェンテ コㇿ パテㇰ アン ヌマ チコシトシト ヘマンタ 憎らしいなあ! 畑を荒らしてばかりいる毛がメチャクチャになって餅になってるへんなやつ(羊)。(S) ☞cisitosito チシトシト、 sito シト ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cimesu
チメス 【他動】[中相][ci-mesu …された・はがす/そぐ] 毛がなくツルツルだ(ツルッとはがしたように)。 oksutu cimesu オㇰストゥ チメス えりくびに毛がない(獣に関して)。 hokure arpa, okusu cimesu! ホクレ アㇻパ、 オクス チメス! 早く行け、 えり首のそがれたやつ(シラミをとってあげるとだまされてえり首をかじられたトドに向かってかじった男が言う)。(W民話) ☞mesu メス {E: to make something smooth and hairless.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cinaynaye
チナイナイェ 【他動】[中相][ci-nay-nay-e された・沢・(重複)・(他動詞形成)]メチャクチャである(整然とせず無秩序でクシャクシャなことを言う)。 cinaynaye hemanta, ataye ruyno eyyok kunak ye チナイナイェ ヘマンタ、 アタイェ ルイノ エイヨㇰ クナㇰ イェ こんなメチャクチャにつくってあるものを高く売ると言う。(S) {E: to be in a mess, disordered.} (出典:田村、方言:沙流)
cínine
チニネ 【自動】[ci-ni-ne 枯れた・木・になる](木や草や花が)枯れる。 cínine cikuni チニネ チクニ 枯れ木。 {E: (for trees, grasses, flowers etc.) to wither.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cinita
チニタ 【自動】うなされる。 ku=cinita wa yaani a=en=tustekka クチニタ ワ ヤアニ アエントゥㇱ テッカ うなされてもう少しで気が遠くなるところだった。(S) {E: to have a nightmare.} (出典:田村、方言:沙流)
cinoye
チノイェ 【他動】[中相][ci-noye …された・ねじる]ねじれている。 cinoye kuwa チノイェ クワ ねじれ木の杖。 káne kuwa/cinoye kuwa/kuwa tuykasi/notomare カネ クワ/チノイェ クワ/クワ トゥイカシ/ノトマレ [雅](姉は)金(かね)のねじれ木の杖の上にあごをのせている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ciorankekar
チオランケカㇻ 【他動】[中相][ci-o-ranke-kar される・(そこ)に・下ろす・させる][雅]…に降りる、 …に落ちる。 ranke mosir/mosirso kurka/ciorankekar ランケ モシㇼ/モシㇼソ クㇽカ/チオランケカㇻ [雅](彼は)下界の国の国土の上に下りてきます。(Sユーカラ) ranke núpe/numus apto ne/i=kurkasike/ciorankekar ランケ ヌペ/ヌムサㇷ゚ト ネ/イクㇽカシケ/チオランケカㇻ [雅](姉)の落とす涙が大粒の雨のように私の上に落ちてきた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ciose
チオセ 【他動】[中相][ci-ose …すること・そこに背負っていく] kasi ciose カシ チオセ[kasi ose カシ オセ の中相形](人)のところに背負って(持って/運んで)行く。 ekimne=an yak/yuk cikoykip/kasi ciose/a=e=ékarkar/ki kus ne na エキㇺネアン ヤㇰ/ユㇰ チコイキㇷ゚/カシ チオセ/アエエカㇻカㇻ/キ クㇱ ネ ナ [雅]私が山へ行ってシカをとり背負って来てあげますから。(Sユーカラ) ☞ka(si) ose ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cip
チㇷ゚ 【名】舟。 aynu cip アイヌ チㇷ゚ アイヌの舟=丸木舟。 ☆参考 pencay ペンチャイ 弁財船(交易の貨物船)。 rokuntew ロクンテウ 大きな客船。 {E: a boat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cipor
チポㇿ 【名】[動物]筋子(すじこ)、 鮭やマスなどの卵。 emko cipor pe a=otá emko cikuy pas a=kuste ápekor an kameasi エㇺコ チポㇿ ペ アオタ エㇺコ チクイ パㇱ アクㇱテ アペコラン カメアシ 半分は筋子をつぶしてぶっかけたような、 半分は粉墨をまぶしたようなばけもの(悪いクマの描写の常套句)。 ☆参考 ニシン以外の魚の卵(鮭の筋子だけでなく、 マスの筋子もタラコも。 ニシンの卵(カズノコ)は cipor チポㇿ と言わず homa ホマ と言う)。(S)〔知分類 p.46〕 {E: salmon roe.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
círe
チレ 【他動】[ci-re 煮える/焼ける・させる] ①(食べ物を)ゆでる、 湯通しする。 iruka círe tek イルカ チレ テㇰ さっと湯通ししなさい。(S) ②…をやけどする、 やけどさせる、 (食べ物以外のもの)に焼け跡をつけてしまう。 ku=teke ku=cire クテケ クチレ 私は手をやけどした。(S) sések pe e=yanke yak ussi e=cire wa a=e=kóyki セセㇰ ペ エヤンケ ヤㇰ ウッシ エチレ ワ アエコイキ 熱いものをのせると漆を焼いて(お膳の塗りが白くなって)叱られるよ。(S) aoypep a=roski okake a=cire ruwe an アオイペㇷ゚ アロㇱキ オカケ アチレ ルウェ アン 食器を置いた跡が焼けた。 {E: ①to boil (food). ②to burn, scald…} (出典:田村、方言:沙流)
cirikeh
チリケㇸ §138 ミヤママタタビ (5) cirikeh (ci-rí-kuh)「チりケㇸ」[ciri(鳥)keh(
cise
チセ 【名】①家。 cise as チセ アㇱ 家がある(建っている)。 toanta re cise as トアンタ レ チセ アㇱ あそこに三軒の家がある。 cise kar チセ カㇻ 家を建てる。 cise un utar チセ ウン ウタㇻ 家族。 cise-kor… チセコㇿ… ☞cisekor チセコㇿ。 cise soy チセ ソイ 家の外、 家のすぐそば、 門口。 cise uhuy チセ ウフイ 家が燃える、 火事である/になる。 horak cise ホラㇰ チセ 崩壊した家。 kuca cise クチャ チセ 狩小屋。 soya-cise ソヤ チセ ハチの巣。 toysoya cise トイソヤ チセ スズメバチの巣(鳥の巣は set セッ)。 ②奥さん cise tókapipe kusu na arki isam チセ トカピペ クス ナ アㇻキ イサㇺ 奥さんはお昼ご飯を食べにまだ来ない。(W) {E: ①a house; a (bee)hive. ②a wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisekankotor
チセカンコトㇿ 【名】[cise-kan-kotor 家・上の・内面][雅]天井(屋根の内側)。 tan huskotoy wa/cisekankotor/a=konóttesusu/án=an korka タン フㇱコトイ ワ/チセカンコトロ/アコノッテスス/アナン コㇿカ 私はずうっと長い間天井を見上げていたけれども。(Sユーカラ) cisekankotor míke kane kurkot kane チセカンコトㇿ ミケ カネ クㇽコッ カネ 家の天井(内面)が光り輝くほど美しい。(W民話) {E: the ceiling.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisekor
チセコㇿ 【自動】[cise-kor 家・を持つ] 家を所有する、 家のあるじである。 cisekor kur チセコㇿ クㇽ 家の主人。 cisekor katkemat チセコㇿ カッケマッ 家の奥様(主婦)。 cisekor kamuy チセコㇿ カムイ (1)(神々の村での話の中で)その家の主人である神。(2) ☞cisekorkamuy チセコㇿカムイ。 cisekor kur チセコㇿ クㇽ 家の主人。 cisekor nispa チセコンニㇱパ 家の主人。 cisekor tono チセコットノ 身分の高い和人(さむらい)の家の主人。 {E: to own, be the master of a house; be a householder.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisenihi
チセニヒ 【名】[所](概は ciseni チセニ)…でつくった家の材料の木。 ipasi pirka cikuni cisenihi a=kar poronno ki noyne an イパシ ピㇼカ チクニ チセニヒ アカㇻ ポロンノ キ ノイネ アン 木目のよい木はそれで家の材料をたくさんつくるのによい=木目のよい木からは家の材木がたくさんつくれる。(S) (出典:田村、方言:沙流)
cisepota
チセポタ 【連体】[cise-po-ta 家・(指小辞)・においての] 直系の家の。 cisepota ku=kosmaci チセポタ クコㇱマチ 内嫁。 cisepota ku=mippoho チセポタ クミッポホ 内孫。 ☆対語 atceta アッチェタ 外の。 ☆参考 副詞か。 連用語としての用法は未出。 {E: one's direct family line.} (出典:田村、方言:沙流)
cisesak
チセサㇰ 【自動】[cise-sak 家・を持たなくなる] ①妻に死なれる(=macihi isam マチヒ イサㇺ)。(W) cisesak wa kusu チセサㇰ ワ クス (彼は)奥さんが亡くなったから。(W) ②妻または夫に死なれる、 やもめになる。(S) ku=cisesak wa ku=yaykoyantone クチセサㇰ ワ クヤイコヤントネ 私は妻(又は夫)に死なれて一人でいる。(S) {E: to be widowed.} (出典:田村、方言:沙流)
cisiturire
チシトゥリレ 【他動】[自動使役][中相][ci-situri-re された・のびる・させる][雅]伸びている。 rampes kunne cisiturire ランペㇱ クンネ チシトゥリレ [雅](陳列された宝物が)海岸の下の段丘の斜面のように長く伸びている(宝物がたくさん陳列されている状態の表現)。 ☞situri シトゥリ {E: to be stretched; lengthened.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
císutu
チストゥ 【名】[所](概は未出)[cin-sutu 内もも・の根元] もものつけ根の内側(股側)の部分。 císutu ninoninok チストゥ ニノニノㇰ もものつけ根がグリグリしている(リンパ腺が腫れている)。(S) ☆参考 omkursutu オㇺクㇽストゥ もものつけ根の前側の部分。 ☆参考 n は s の前で y イ になるので cin-sutu チンストゥ が ciy-sutu チイストゥ すなわち cisutu チストゥ と発音されるのであろう。 ci チ《陰茎》の根元とはとらえにくい。 〔知分類になし〕 {E: the groin; the inguinal region.} (出典:田村、方言:沙流)
ciw 1
チウ 【他動】… にささる、 …を刺す、 しみる(薬がしみて痛い)。 ku=teke kusuri ciw クテケ クスリ チウ 私の手に薬がしみる。 hay:, kusuri a=usí akus ciw humi! ハイー、 クスリ アウシ アクㇱ チウ フミー! ああ、 薬をつけたらしみるなあ。(S) wasanpi parkar, k=étupuyke ka kus, ku=siki ka ciw ワサンピ パㇻカㇻ、 ケトゥプイケ カ クㇱ、 クシキ カ チウ わさびがからい、 私の鼻のあなも通る、 私の目にもしみる。(S) {E: to smart; sting.} (出典:田村、方言:沙流)
ciw 2
チウ 【名】流れ。 nan kurkasi ciw kus kane ナン クㇽカシ チウ クㇱ カネ (直訳すると)顔の上を流れが通っている=さめざめと涙を流して泣いている。 ciw ruy チウ ルイ 潮が流れる。 ciw kurkasi roski チウ クㇽカシ ロㇱキ 水柱が立つみたいにとうとうと流れる。 {E: a flow; a stream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ciwkorari
チウコラリ 【他動】[ciw-ko-rari 流れ・と共に・下へ押えつける] (受け身の言い方で) a=ciwkorari アチウコラリ 渦のため下へキュッとひっぱられる。 moy or osma wa a=ciwkorari wa hetuku ka somo ki モヨㇿ オㇱマ ワ アチウコラリ ワ ヘトゥク カ ソモ キ 渦の中に巻き込まれて下へキュッと引っぱられて出てこない。(S) (出典:田村、方言:沙流)
ciwre
チウレ 【他動】[ciw-re 刺さる・させる] ①…を刺す。 ②(雅語で) ☞eese-ciwre エエセチウレ、 iyenucupki ciwre イイェヌチュㇷ゚キ チウレ、 otu santuka ciwre オトゥサントゥカ チウレ、 eyaykesupka ciwre エヤイケスㇷ゚カ チウレ、 nisoparakur ciwre ニソパラクㇽ チウレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
córankekar
チョランケカㇻ 【他動】[中相][c(i)-o-ranke-kar される・そこに・下ろす・する][雅]降りそそぐ。 ranke núpe/ruyaptosane/i=kurkasi/córankekar ランケ ヌペ/ルヤㇷ゚トサネ/イクㇽカシ/チョランケカㇻ [雅] 降ってくる涙が大雨のように私の上に降りそそいだ。(W 神謡語り) {E: to pour…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
corpokke(he)
チョㇿポッケ(ヘ) 【位名】[所](概は corpok チョㇿポㇰ) その下(の所)。 corpokke kus チョㇿポッケ クㇱ (その下を)くぐる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cup 1
チュㇷ゚ 【名】月、 太陽。 kunne cup クンネ チュㇷ゚ [夜(の)・月]月。 tókap cup トカㇷ゚ チュㇷ゚ [昼(の)・月]太陽。 cup kamuy チュㇷ゚ カムイ 月/日の神、 お月様、 お日様。 kunne cup (kamuy) クンネ チュㇷ゚ (カムイ) 月の神、 お月様。 tókap cup (kamuy) トカㇷ゚ チュㇷ゚ (カムイ) 日の神、 お日様。 cup ahun チュㇷ゚ アフン 月/日が沈む。 cup etuk チュㇷ゚ エトゥㇰ 月/日がほんの少し出かかる。 cup hetuku チュㇷ゚ ヘトゥク 月/日が出る(丸い全体が出る)。 cup nin sirara チュㇷ゚ ニン シララ[月が・減る・潮] 小潮。 cup a=rukí チュㇷ゚ アルキ 月/日が飲み込まれる=月蝕/日蝕でだんだん消えていく。 cup ran チュㇷ゚ ラン [日が・下りる]日が傾く。 cup ray チュㇷ゚ ライ [月/日が・死ぬ]月蝕/日蝕になる(皆既日食の場合)。 ruyno tane cup ran ルイノ タネ チュㇷ゚ ラン ずうっともう日が傾いた。(S) cup ri チュㇷ゚ リ [日・高い]日が昇る、 日が高い。 cup sikari sirara チュㇷ゚ シカリ シララ [月が・丸くなる・潮]大潮。 {E: the moon.} {E: the sun.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cup 2
チュㇷ゚ 【名】①(年月日の)月 ②…カ月(月数の単位)。 tu cup re cup トゥ チュㇷ゚ レ チュㇷ゚ 二、 三カ月。 tan cup タン チュㇷ゚ [この・月]今月。 cup emko チュㇷ゚ エㇺコ [月・の半分]半月、 15日。 cup noski チュㇷ゚ ノㇱキ 月のまん中、 満月。(W) cup poro sere チュㇷ゚ ポロ セレ [月・大きい・部分]二十日ごろ。 ☆参考 [昔の月の呼び方] towetanne トウェタンネ 1月、 kuwekay クウェカイ 2月、 kiwtacup キウタチュㇷ゚ 3月、 mocup モチュㇷ゚ 4月、 sincicup シンチチュㇷ゚ 5月、 mawtacup マウタチュㇷ゚ 6月、 mawcicup マウチチュㇷ゚ 7月、 haprap ハㇷ゚ラㇷ゚ 8月、 níhorak ニホラㇰ 9月、 urepok ウレポㇰ 10月、 ruwekaricup ルウェカリチュㇷ゚ 11月、 curup チュルㇷ゚ 12月。 ☆参考 1955年、 ワテケさんは hacigaci cup ハチガチ チュㇷ゚ 8月、 kugaci cup クガチ チュㇷ゚ 9月のように言っていた。 {E: ①month. ②counter for months.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cupewen
チュペウェン 【自動】[cup-e-wen 月(女性のおなか)・で・悪い] 月経が下りる、 月経中(生理中)である。(最も良い言葉、 体裁良く言う)。 ku=cupewen クチュペウェン 私は月経中(生理中)だ。(S) ☆参考 cupnukar チュㇷ゚ヌカㇻ[自動]、 cupiran チュピラン[自動]、 ohure オフレ[自動](悪口)、 omunin オムニン[自動](悪口)、 menokotasum メノコタスㇺ【名】などの言い方がある。 {E: to be in menstruation; have one's periods.} (出典:田村、方言:沙流)
cupi(hi)
チュピ(ヒ) 【名】[所](概は cup チュㇷ゚) …の(生殖器としての)腹、 おなか。 cupihi iyo チュピヒ イヨ [おなか・にものが入っている](動物が)はらんでいる。 cupihi iyo noyne ku=ramu チュピヒ イヨ ノイネ クラム 私は(この動物の)おなかに子が入っているらしく思う。(S) ☆参考 人間が妊娠していることは honkor ホンコㇿ。 (出典:田村、方言:沙流)
cuppa
チュッパ 【他動】[複](単は cupu チュプ)(二つ以上)をつぼめる、 (敷いてあるござなど)をみんな丸めて片づける、 (敷いてあるふとん)をたたむ。 to epitta ehotkehi cuppa ka somo ki no ト エピッタ エホッケヒ チュッパ カ ソモ キ ノ 一日いっぱい寝床をたたまないで。(W) ku=kar pe ku=cuppa クカㇻ ペ クチュッパ (私は)つくったもの(敷きものなど)をみんな丸めて片づける。(S) {E: to narrow…; fold…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cupu
チュプ 【他動】[単](複は cuppa チュッパ)[cup-u (すぼめることを表す語根)・(他動詞形成)]…をまるめる、 つぼめる。 so ku=cupu ソ クチュプ 私は敷いたごさをはがして丸めて片づける。(S) (出典:田村、方言:沙流)
curup
チュルㇷ゚ 【名】[古](月の名)12月。 upunpatce cup ne wa kusu curup sekor a=ye ウプンパッチェ チュㇷ゚ ネ ワ クス チュルㇷ゚ セコライェ 雪煙の立つ月だからチュルプと言う。(W) ☆参考 語構成・語源未詳。 (出典:田村、方言:沙流)
cútek
チュテㇰ 【他動】[中相][c(i)-utek される・(人を)使う/使いにやる]使われる/使いにやられる…。 cútek kur チュテㇰ クㇽ 使用人。 cútek ussiw チュテㇰ ウッシウ 使用人、 (使い走りの)召使い。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cuwan
チュワン 【名】[< 日本語ちゅうはん(昼飯)であろう。]昼弁当。(W) 昼食(日本語だ。 あまり使わない)。(S) cuwan ku=se wa k=arpa チュワン クセ ワ カㇻパ 弁当をしょって(=持って)行く。(W) {E: lunch; the midday meal.} (出典:田村、方言:沙流)
cuwan-e
チュワンエ 【自動】[cuwan-e 昼飯・食べる] 昼飯を食べる(新しい言葉)。(S) tanto ku=cuwan-e ka somo ki wa タント クチュワンエ カ ソモ キ ワ 今日私は昼飯を食べてないので… (S) {E: to eat lunch.} (出典:田村、方言:沙流)
e- 8
エ 【接頭】[名詞語根的接頭辞][< e エ 7](多くの場合、 動詞に接頭する。 取り得る目的語の数は変わらない。)その一部分。 oha オハ [自動]からっぽである;eoha エオハ [自動]いっぱいになっていない。 kuta クタ [他動]…を全部こぼす/からにする;ekuta エクタ [他動]…の一部分をこぼす。 (出典:田村、方言:沙流)
e- 11
エ 【接頭】[< e- エ 9](雅語や雅語的表現の中で、 名詞や位置名詞に接頭して)…で。 a=ekísarsutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル[a=e-kisar-sutu maw-kururu 私・…で・耳・の根元[所]・風・ピューピュー吹く][雅]私の耳元で風がピューピュー鳴る。 a=e-táp-ka konna/racinitara アエタㇷ゚カ コンナ ラチニタラ[a=e-tap-ka konna racin-itara 私・…で・肩・の上・(擬態の叙述を導く)・ぶらさがる・…した状態が続いている][雅](直訳すると)…で私の肩の上がぶらさがっている=…が私の肩の上でぶらさがっている。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
e= 13
エ 【人接】[二人称単数主格および目的格] あなたが/の/を/に。 e=hosipi エホシピ あなたはもどる。 e=kor húci エコㇿ フチ あなたが持つおばあさん=あなたのおばあさん(祖母)。 e=onaha エオナハ あなたの父親。 a=e=ráyke kusu ne アエライケ クス ネ (引用文中で)私はあなたを殺す。 a=e=kóre アエコレ (引用文中で)私はあなたにそれを与える。 e=os ek エオㇱ エㇰ (彼は)あなたの後から来る。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eapamakapa
エアパマカパ 【他動】[複](eapamaka エアパマカ は単複の区別なし)(二人以上が皆で)(そこ)で戸をあける、 (人)に戸をあけてあげる。 oripakpa kor toy tukari eapamakapa híne ahup ruwe ne akus… オリパㇰパ コㇿ トイ トゥカリ エアパマカパ ヒネ アフㇷ゚ ルウェ ネ アクㇱ… 彼らは畏れかしこまりながら地面に近いごく下の方で戸をあけて家に入ると…。(KC民話) ☞eapamaka エアパマカ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eappene
エアッペネ 【他動】[e-appe-ne …に関して・[日本語]あっぺ(=不適切)・である]…しにくい。 etuhu nin wa ku=nuye eappene エトゥフ ニン マ クヌイェ エアッペネ (鉛筆の)先が減って書きにくい。(S) ru ukotanastanas wa k=apkas ka eappene ル ウコタナㇱタナㇱ ワ カㇷ゚カㇱ カ エアッペネ 道がでこぼこで歩きにくい。 {E: to be difficult to (do)…} (出典:田村、方言:沙流)
eappisep
エアッピセㇷ゚ §021.子(34)eappisep〔e-áp-pi-sep エあッピセㇷ゚〕⦅チカブミ⦆【雅】私生児。(=hoku-sakno-po)。"anokay anakne nep ka kamiasike 〜 somo a-ne ruwe tapan"「私は別に怪しい者の子なぞではありません」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
eappiseyar
エアッピセヤㇻ 【他動】[e-ap-pise-yar そこに・(?)・ふくらむ袋・人にさせる]はらませる(妊娠させる)。 kamuy rametok/eappiseyar pe/ne wa ne yakun カムイ ラメトㇰ/エアッピセヤㇻ ペ/ネ ワ ネ ヤクン [雅]神の勇者がはらませたものであるならば。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ear
エアㇻ 【副/接頭】一つだけ(の)、 一回だけ(の)。 ear ku=hopsekar ki エアㇻ クホㇷ゚セカㇻキ (私は水を)一口飲んだ。(W) heru ear a=nukár a=onáha ki kor ヘル エアㇻ アヌカㇻ アオナハ キ コㇿ 私はただ一度だけ父に会って。(W神謡語り) earkem エアㇻケㇺ 一針。 ☆発音 n (ナ行音)の前では ean- エアン と発音される。 eanninu エアンニヌ 一針縫う。 {E: only one of; only once.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ear-amne
エアㇻアㇺネ/エアラㇺネ 【自動】[ear-am-ne 一つの・(?)・である]単衣(ひとえ)の。 ear-amne amip エアㇻアㇺネ/エアラㇺネ アミㇷ゚ 単衣の着物。(W) ☆参考 sirpokun amip シㇼポクン アミㇷ゚ 袷(あわせ) {E: single-layered clothing.} (出典:田村、方言:沙流)
earpa
エアㇻパ 【他動】[e-arpa …に・行く][単](複は epaye エパイェ)…しに行く。 ku=sinot earpa クシノッ エアㇻパ 私は遊びに行く(ku=sinot kus k=arpa クシノッ クㇱ カㇻパ《私は遊ぶために行く》とも言う)。(S) ☆参考 e=arpa エアㇻパ《あなたは行く》と同じ発音。 {E: to go to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
earpeneno
エアㇻペネノ 【副】[ear-pe-ne-no 一つだけの・もの・になる・(副詞形成)]たった一枚。 earpeneno ku=mi エアㇻペネノ クミ 私はそれだけたった一枚着る(肌着も何も着ないで)。(S) {E: (only) one of.} (出典:田村、方言:沙流)
earsayneno
エアㇻサイネノ 【副】[ear-say-ne-no ただ一つの・巻き・である・(副詞形成)]一巻きに、 一回巻きに、 一重に(ひとえ)に巻いて。 uwokkane kut/earsay neno/a=yaykosaye ウウオッカネ クッ/エアㇻサイ ネノ/アヤイコサイェ [雅]金鎖の(かなぐさり)のベルトを一回巻きに巻いた(しめた)。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
easir 1
エアシㇼ 【副】[e-asir …で・新しい](条件節の後で)(そうして)初めて、 (そう)しなければ …しない。 yakun easir ヤクン エアシㇼ …であればこそ。 yak easir pirka ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …しなければならない/いけない/だめだ。 a=ipére kor easir soyne p ne na, iyohay parkohayta アイペレ コㇿ エアシㇼ ソイネㇷ゚ ネ ナ、 イヨハイ パㇻコハイタ 食べさせたらやっと出て行くんだ(食べさせなければ出て行かない)、 あきれたいやしんぼうだ。 ☆参考 easirki エアシㇼキ【助動】…しなければならない。 tanepo タネポ 今初めて。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eatceun
エアッチェウン 【副】[< e-atce-un その頭・よそ・へ向く]よそ(他の家)へ。 toan unarpe eatceun arpa wa ipe kunak ye トアン ウナㇻペ エアッチェウン アㇻパ ワ イペ クナㇰ イェ あのおばさん(中年女性)はよそ(他の家)へ行って食べると言っている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
eatu
エアトゥ 【他動】[e-atu …で・吐く] …を吐く(人が胃袋の中のものを)。 eatu, yayrekutpoye wa eatu エアトゥ、 ヤイレクッポイェ ワ エアトゥ 吐きなさい、 口の中に指をつっこんで押えて吐きなさい。(S) ☆参考 自動詞は atu アトゥ。 動物が吐くことは eakur エアクㇽ[他動]/akur アクㇽ[自動]。 {E: to vomit… (human); regurgitate… (animal).} (出典:田村、方言:沙流)
eaykap
エアイカㇷ゚ 【他動】[否定動詞][e-aykap …について・できない/へただ] ①…ができない、 …がへただ。 ②[助動詞的用法](動詞句の後に置かれて)…することができない、 …するのがへただ(可能でない、 能力が低い/ない)。 ☆対語 easkay エアㇱカイ。 ☆参考 koyaykus 状況や都合などによっていまできない、 しかねる。 eyayramkar (することが適切でない、 してはならない、 すると人に迷惑をかける等のため)するわけにいかない、 できない、 あえてしない。 eaykap エアイカㇷ゚ は、 可能ではないことや、 能力によってへたであるとかできないとかを言うほか、 広くいろいろな意味での「できない」をも表す。 {E: ①to be poor at… ②to be unable to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eaykapte
エアイカㇷ゚テ 【複他動】[他動使役][eaykap-te …ができない・させる]…に…をできなくさせる。 ku=toranne wa ku=mokor ka a=en=éaykapte クトランネ ワ クモコㇿ カ アエネアイカㇷ゚テ 私が「からっぽやんで」(=怠けて)眠ろうにもそうさせてくれない。(W) (出典:田村、方言:沙流)
eaynukoykipa
エアイヌコイキパ 【他動】[複](単複の区別のない eaynukoyki エアイヌコイキ の用例は未出) …で人を襲う。 eponcisearipa wa kasi oyoko, ne wa an pe po hene eaynukoykipa piske kus pe kimke kus pe koma utaspa エポンチセアリパ ワ カシ オヨコ、 ネ ワ アン ペ ポ ヘネ エアイヌコイキパ ピㇱケ クㇱ ペ キㇺケ クㇱ ペ コマ ウタㇱパ 小屋をつくって(妹を)住まわせて見張っており、 そうやってなおいっそう人を襲い、 浜手の方を通る人も山手の方を通る人も襲ってものを取る。(NK民話) {E: to tease, bully someone over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ecarase
エチャラセ 【他動】[e-carase で・すべる] …ですべる。 kuwa ecarase クワ エチャラセ 杖を持ってすべる。 ☞cárase チャラセ (出典:田村、方言:沙流)
ecarse
エチャㇻセ 【他動】[e-car-se …で・速くすべる] …を持って速くすべる。 kuwa ecarse クワ エチャㇻセ 杖を持ってできるだけ速くすべる(「今のスキーにあたる。 棒の先にぶどうづるをつけて雪にささらないようにし、 杖を持ってすべる。 奥山に鹿を追うのでも」)。(S) ☆参考 ecarase エチャㇻセ[他動]/carase チャラセ[自動]もすべることを表すが、 これは自然にすべることを言うのに対し、 ecarse エチャㇻセ[他動]/carse チャㇻセ[自動]は、 スピードを上げてすべることを言うらしい。 ☞carse チャㇻセ {E: to skate, ski fast while holding…} (出典:田村、方言:沙流)
eehamkar
エエハㇺカㇻ 【他動】[e-eham-kar …のことで・ひきとめる・する](…があるからと言って)(帰ろうとする人)をひきとめる(=eeham エエハㇺ)。 té un húci emo suwe wa ora en=eehamkar wa kus k=e wa k=ek ruwe un テ ウン フチ エモ スウェ ワ オラ エネエハㇺカㇻ ワ クㇱ ケ ワ ケㇰ ルウェ ウン ここのおばあちゃまがじゃがいもをゆでてくれて食べて行きなさいと言ってひきとめられたので食べて来たのよ。(S) {E: to detain, hold back…} (出典:田村、方言:沙流)
eepak
エエパㇰ 【位名】[概](所は eepaki(hi) エエパキ(ヒ), eepakke(he) エエパッケ(ヘ)) ①次。 ku=mataki eepak oruspe ye nankor na クマタキ エエパㇰ オルㇱペ イェ ナンコンナ 私の妹がこの次のことを言うでしょうよ=このあと続けて言いなさいね。(W会話) kotan eepak ta ku=nukar コタネエパㇰ タ クヌカㇻ 村のはずれで(彼に)会った。(W) ②端(長いものの端。 細長い矩形の短いほうの辺の方)。 {E: ①next. ②edge, tip.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eepakke(he)
エエパッケ(ヘ) 【名】[所](概は eepak エエパㇰ) その次(の所)。 ku=ye eepakke e=ye kor e=an クイェ エエパッケ エイェ コㇿ エアン 私が言うそばからあなたが言っている。(S) ek eepakke ta エㇰ エエパッケ タ 来てすぐに。(S) maciya eepakke wano an cise マチヤ エエパッケ ワノ アン チセ 町はずれにある家。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eeroskipa
エエロㇱキパ 【複他動】[複複](単 eeas エエアㇱ、 複 eeroski エエロㇱキ は未出) …を(足)にはいている。 hemanta pukuru néno okay pe kemaha eeroskipa ヘマンタ プクル ネノ オカイ ペ ケマハ エエロㇱキパ (いまの人々は)へんな袋のようなもの(靴下)を足にはいている。(S) {E: to be wearing…on one's feet.} (出典:田村、方言:沙流)
eese
エエセ 【他動】[e-ese (それ)について・承諾の返事をする] …を承諾/に同意する。 utokuyekor=an kuni a=eése wa ウトクイェコラン クニ アエエセ ワ 親しくつき合おうということに私は同意して。(HK民話) {E: to consent to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ehapurukni
エハプルㇰニ §249.きゅうしょ(急所)(2)ehapurukni〔e-há-pu-ru-ku-ni エはプルクニ〕[e(そこにおいて)+hapuru(柔かである)+kun(べき)+i(所)]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.139】 (出典:知里人間編I、方言:)
ehawkoas
エハウコアㇱ 【他動】[e-hawkoas …のことで抗議を受ける] …のことで問題にされる、 告訴するとか弁償せよとか言われる。 mosmakur puta ku=rayke wa k=éhawkoas モㇱマクㇽ プタ クライケ ワ ケハウコアㇱ 私は他人のブタを殺してしまったので抗議を受けている(「何万円のブタだから弁償せいとか言われる」)。(S) ☞hawkoas ハウコアㇱ (出典:田村、方言:沙流)
ehayok
エハヨㇰ 【他動】[e-hayok …で・武装する]…で武装する。 e=ehayok kuni p エエハヨㇰ クニㇷ゚ [雅]あなたが武装するためのもの。(Sユーカラ語り) e=ehayok pe/turano rán=an エエハヨㇰ ペ/トゥラノ ラナン [雅]私はあなたのよろいかぶとも持って天から下りて来ました。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ehayta
エハイタ 【他動】[e-hayta …に・足りない]…にはずれる、 (人)に当たらない、 (人)が(それを)もらえない。 sinep ranke ku=kore rusuy korka sinep hayta, inan kur ehayta oasi ruwe an un? シネㇷ゚ ランケ クコレ ルスイ コㇿカ シネㇷ゚ ハイタ、 イナン クㇽ エハイタ オアシ ルウェ アヌン? 一つずつあげたいけれど一つ足りない、 どの人に当たらないのだろうなあ。(S) {E: to miss, be wrong about…; lose (in a lottery draw etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
ehaytare
エハイタレ 【他動】[e-hayta-re(そこ)に・届かない・させる]…に当てない。 a=eníkikkik/áne cikuni/a=eháytare/ruwe cikuni/a=epékare wa アエニキッキㇰ/アネ チクニ/アエハイタレ/ルウェ チクニ/アエペカレ ワ [雅]私は木にバンバンぶつけた、 細い木にはぶつけず太い木にはぶつけて…。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ehopunpa
エホプンパ 【他動】[複](単 ehopuni は未出)[e-hopunpa …で・立つ][雅](かび)が生える。 hoski i=kopunpa p/[u]kunne kumi/ehopunpa na/iyos i=kopunpa p/retar kumi/ehopunpa wa ホㇱキ イコプンパㇷ゚/[ウ]クンネ クミ エホプンパ ナ/イヨㇱ イコプンパㇷ゚/レタㇻ クミ/エホプンパ ワ 先に出してくれた食べものには黒いかびが生え、 あとから出してくれた食べものには白いかびが生えた。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ehorak
エホラㇰ 【自動】[e-horak その頭(が)・倒れる] 傾く(「かしがる」)。 wenkur ne kusu ehorak cise or ta okay pe ne ruwe ne ウェンクㇽ ネ クス エホラㇰ チセ オッタ オカイ ペ ネ ルウェ ネ (彼は)貧しいから傾いた家に住んでいた。(NK民話) {E: to lean, incline.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ehorka
エホㇿカ 【副】[e-horka その頭・逆に] 逆に、 さかさまに。 hńta e=eyaykimatekka kus to e=mi p ka e=okus wa e=mi, e=us pe ka ehorka e=us siri an? フンタ エエヤイキマテッカ クㇱ ト エミㇷ゚ カ エオクㇱ ワ エミ、 エウㇱ ペ カ エホㇿカ エウㇱ シリ アン? あなた何をあわてて、 そら、 着るもの(服)も裏返しに着てるし、 はくもの(スカート)も後ろ前にはいてるの。(S) {E: opposite; reverse; upside down.} (出典:田村、方言:沙流)
ehutturasi
エフットゥラシ 【自動/副】[e-hur-turasi その頭・山の斜面・に沿って上へ(行く)]坂道(山道)を上へ向かって(登る等)。 ehuttrasi ku=hemesu エフットゥラシ クヘメス 坂を登る。 {E: to go up a slope.} (出典:田村、方言:沙流)
ehuyne
エフイネ 【副】(次のような構文で)たとえ…。 ehuyne …yakka エフイネ…ヤッカ たとえ…であるとは言え、 いくら…であっても。 ehuyne hekaci e=ne yakka エフイネ ヘカチ エネ ヤッカ たとえあなたは子どもであっても。 ehuyne pakno …yakka エフイネ パㇰノ…ヤッカ 「さすがに」…であっても。 ehuyne pakno X kuruma o easkay yakka na okkasi ta easkay kur an エフイネ パㇰノ X クルマ オ エアㇱカイ ヤッカ ナ オッカㇱ タ エアㇱカイ クㇽ アン さすがのXさんがどんなに車の運転が上手(じょうず)でも、 まだそれ以上に上手な人がいる(運転免許の試験に合格しなかった人のことを言っている)。(W) {E: even if…; even though} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eikar
エイカㇻ 【他動】[e-i-kar …で・ものを・つくる(する)] …で(ものごとを)する/つくる。 mak eikar he ki rusuy kusu ene iki humi an? マㇰ エイカㇻ ヘ キ ルスイ クス エネ イキ フミ アン? (兄はあの小刀で)いったい何をしたくてあんなことをしているのだろう。(NK民話) {E: to do, make something with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eikra
エイㇰラ 【他動】…を送る(背負ってでも小包ででも)。 antuki k=éikra kusu ne アントゥキ ケイㇰラ クス ネ あずきを送ります。(W) ☆参考 人を送って行くのは rúra ルラ。 {E: to send…} (出典:田村、方言:沙流)
einkarpe
エインカㇻペ 【名】[e-inkar-pe それで・見る・もの][雅] 目。 einkarpe pon nociw ne cewsamkur unuunu エインカㇻペ ポン ノチウ ネ チェウサㇺクㇽ ウヌウヌ [雅] 目は小さな星のようにキラキラ光って、 そこらじゅうを見わたしている。(S民話) {E: an eye; the eyes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
einramsitne
エインラㇺシッネ 【他動】[e-ir-ramsitne …のことで・一連・心にかける]…を心にかける。 nepki kuni patek einramsitne ネㇷ゚キ クニ パテㇰ エインラㇺシッネ 「仕事のことだけを心にしている」。(S) {E: to worry, think about…} (出典:田村、方言:沙流)
eirpak
エイㇼパㇰ 【後副】…と一緒に、 …と同時に。 eirpak ku=sirepa エイㇼパㇰ クシレパ 私は彼と一緒に着いた。(S) {E: together with…; at the same time as…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eirwakkor
エイㇼワッコㇿ 【他動】[e-irwak-kor …で・兄弟・を持つ] …と兄弟である/になる。 hunna ene cip turano a=arémko yakun ne tumunci kamuy eirwakkor pe ne hawe ne nankor wa フンナ エネ チㇷ゚ トゥラノ アアレㇺコ ヤクン ネ トゥムンチ カムイ エイㇼワッコㇿ ペ ネ ハウェ ネ ナンコㇿ ワ だれかそのように舟もろともに死んだのならその鬼神の兄弟分になっているんでしょうねえ。(W会話) ☆発音 エイㇽワッコㇿ。 {E: to have brothers; to be brothers with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekanay
エカナイ 【名】昔、 もと。 ekanay wano wenkur ka somo ne エカナイ ワノ ウェンクㇽ カ ソモ ネ もとから貧乏人だったのではない。(W民話) ☆参考 この一例しかない。 ekanaywano エカナイワノ で一語か。〔久辞典 ekanai(wa) 以前に、 元から、 元来〕 {E: long ago.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekap
エカㇷ゚ 【他動】…にあいさつする、 …に会いたいと思っている。 eci=ekáp kor k=an akusu e=ek siri エチエカㇷ゚ コㇿ カナクス エエㇰ シリ あんたに会いたいと思っていたけ(=いたところ)来たんだね。(KSg) uwekap ウウェカㇷ゚ [u-ekap] あいさつする。 (出典:田村、方言:沙流)
ekar
エカㇻ 【複他動】[e-kar …で・つくる(する)] …で…をする、 (人)に…をする。 hemanta e=ekar kusu emus e=seturpeste e=seturpeste? ヘマンタ エエカㇻ クス エムㇱ エセトゥㇽペㇱテ エセトゥㇽペㇱテ? お前は(その刀で)何をするために刀を背中に入れてるんだ、 入れてるんだ。(W言い伝え) tasum kur…tektaksa póka e=ekar wa タスㇺ クㇽ …テㇰタㇰサ ポカ エエカㇻ ワ あなたは病人に(中略)手のマッサージだけでもして。(S会話) {E: to do something to someone; to do…with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekarkar 2
エカㇻカㇻ 【他動】[雅] ①(名詞の後で)(人)に…をする。 teknimawpo k=ékarkar wa テㇰニマウポ ケカㇻカㇻ ワ 私は彼に手の湿布をしてあげて(癒やすために手でさわってあげて)。(W会話) ②(他動詞の中相動名詞形つまり ci-/c- の接頭した形の後にこの ekarkar エカㇻカㇻ の人称形が置かれて)…する。 ci-…k=ékarkar チ…ケカㇻカㇻ 私は …する。 ci-… a=eci=ekarkar チ… アエチエカㇻカㇻ あなたたちが…される。 iteki eytasa ci-horkarutu a=eci=ekárkar kunine イテキ エイタサ チホㇿカルトゥ アエチエカㇻカㇻ クニネ あなたたちは「あんまり差別されてあとへ押されるような理屈をとられるような」ことがないように。(S言い伝え) {E: ①to do…(to someone) ②to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekasi 2
エカシ 【名】おじいさん。 ①年配の男性(爺)。 ②祖父。 kor ekasi コㇿ エカシ (彼)のおじいさん、 祖父(父または母の父およびそれと同世代以上の親族の男子)。 ☆対語 húci フチ。 ☆参考 onne kur オンネ クㇽ 老人。 cáca チャチャ じいさん。 ekasi エカシ は通常尊敬を伴う。 ☆参考 祖父を表す場合、 ekas エカㇱ と異なり、 親近感を伴い、 日常普通に用いられる表現。 自分の、 相手の、 のように親しい関係の祖父は通常これで表す。 呼びかけは ekasi エカシ または ku=kor ekasi クコレカシ。 {E: ①an old man. ②a grandfather.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekasnukar
エカㇱヌカㇻ 【他動】[e-kas-nukar …で・(人)の上・を見る] (人)に(もの)を授ける。 to kor kamuy pekanpe haru i=ekasnukar wa kusu a=kotánuhu siknu p ne a kusu ト コㇿ カムイ ペカンペ ハル イエカㇱヌカㇻ ワ クス アコタヌフ シㇰヌㇷ゚ ネ ア クス 湖の神が菱の実という食料を授けてくれたおかげで私たちの村が行きのびられたのだったから。(S会話) {E: to grant…to someone } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekaspaotte
エカㇱパオッテ 【複他動】[e-kaspaotte (そのこと)で・(人)に命令する] …に…を命じる。 a=utáripo sikirpa kuni a=ekáspaotte wa a=sikírpare ruwe ne アウタリポ シキㇼパ クニ アエカㇱパオッテ ワ アシキㇼパレ ルウェ ネ 私は私の村人たちには引き返すように命じて引き返させた。(W民話) {E: to order…to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekenkenu
エケンケヌ 【他動】…と覚悟する。 tanto poronno penkiyo an kuni k=ékenkenu kor k=ek タント ポロンノ ペンキヨ アン クニ ケケンケヌ コㇿ ケㇰ 今日はたくさん勉強があると私は覚悟して来た。(S) {E: to resolve oneself to do…; brace oneself for…} (出典:田村、方言:沙流)
ekesinne
エケシンネ 【副】[e-ke-sir-ne その頭・(?)・土地/あたり・である/になる](e-…-ne は《…へ》) あちこちへ、 あちこちに。 ekesinne nepki kus paye utar エケシンネ ネㇷ゚キ クㇱ パイェ ウタㇻ あちこちへ働きに行く人々。(S) ekesinne e=inkar yakun pirka wa エケシンネ エインカㇻ ヤクン ピㇼカ ワ どこでも見えればいいね。(S) ☆対語 okesinne オケシンネ あちこちから。 {E: here and there.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekisarsutu
エキサㇻストゥ 【名】[接頭+名+位名][e-kisar-sutu …で・耳・の根元[所]][雅](直訳すると)…で耳の根元(が)。(次の慣用句で) ☞ekisarsutu komawkururu エキサㇻストゥ コマウクルル、 ekisarsutu mawkururu エキサㇻストゥ マウクルル (出典:田村、方言:沙流)
ekohopi 1
エコホピ 【他動】[e-ko-hopi …で・…に・…を残して去る](?) …と別れる。 a=ekóhopi ka koyaykus pe an? ene katuhu an pe アエコホピ カ コヤイクㇱ ペ アン? エネ カトゥフ アン ペ 別れられないようなものか、 あんな変なやつ。(S) {E: to part, separate from…} (出典:田村、方言:沙流)
ekokomo
エココモ 【他動】[e-ko-komo その頭・…に・…を折り曲げる](棒)に(ふとんなど)をかける。 kuma ekokomo クマ エココモ 物干し棒に(ふとんを)掛ける。 ☆参考 物干し棒にふとんなどをかけるときは折り曲げてかけるのでこう言う。 {E: to hang (futon)… over a frame for drying.} (出典:田村、方言:沙流)
ekonramu
エコンラム 【名】[接頭+名][e-kor-ramu …で・持つ・心][雅](次の慣用表現の中で)…の心/意識が…。 ekonramu sitne kane tának kane エコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ [雅]無我夢中で、 意識がもうろうとして、 夢うつつで(ある)。 a=ekónramu/sitne kane/tának kane/ék=an humi/a=ekísarsutu/mawkururu アエコンラム/シッネ カネ/タナㇰ カネ/エカン フミ/アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅]私が無我夢中で飛んで来ると耳元で風がピューピュー鳴っていた。(W神謡語り) ray he ne ya mokor he ne ya a=ekonramu sitne kane tának kane ライ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ アエコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ 死んだのか眠ったのか、 (私は)夢うつつになっていた。(HC民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekopepka
エコペㇷ゚カ 【複他動】(人)の(しわざ)を忘れない。 i=ramkoyki katu a=ekópepka p ne a kusu イラㇺコイキ カトゥ アエコペㇷ゚カㇷ゚ ネ ア クス (兄に)からかわれたのが忘れられないことだったから。(NK民話) {E: to not forget someone's doings.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekoramkor
エコラㇺコㇿ 【複他動】[e-ko-ram-kor (そのこと)について・(人)に・心を持つ] …について(人)と相談する。 aynu ka kar wa i=kore kunihi a=ekóramkor hike? アイヌ カ カㇻ ワ イコレ クニヒ アエコラㇺコㇿ ヒケ? (大地をつくった神に)人間もつくってくれることを(くれるように)相談してみてはどうだろう。(S言い伝え) {E: to talk with, ask advice from someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekosne-punpa
エコㇱネ プンパ 【複他動】[e-kosne-punpa (そこ)に・軽く・…を持ち上げる][雅]…を(そこ)に軽く持ち上げる。(次のような受け身(主語不定人称)の形で) maw sirkasi/an=i=ekosne/punpa kane マウ シㇼカシ/アニエコㇱネ/プンパ カネ 空気の上に私は軽くのせられて。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 同様の文脈で eyaykosnekur-punpa エヤイコㇱネクㇽプンパ も使われている。 (出典:田村、方言:沙流)
ekosomo-yaykatanu
エコソモヤイカタヌ 【他動】[e-ko-somo-yaykatanu …で・…に・(否定)・礼儀正しい][雅](人)に対して無礼なことをする/言う(ci-… ekarkar チ… エカㇻカㇻ の構文で)。 ciyekosomo[ci-ekosomo]/yaykatanu/i=ekarkar kusu チイェコソモ/ヤイカタヌ/イエカㇻカㇻ クス[雅]まるで無礼なことを私に言うために。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 (出典:田村、方言:沙流)
ekoykar
エコイカㇻ 【他動(複他?)】[e-ko-i-kar …に関して・…に・ものごとを・する]…に従う、 反対しない。 kotankorkur purihi aynu opitta ekoykar コタンコㇿクㇽ プリヒ アイヌ オピッタ エコイカㇻ 村長(むらおさ)のやり方には人はだれも反対しない。(S) ☞koykar コイカㇻ {E: to follow…; not disobey…} (出典:田村、方言:沙流)
emastek
エマㇱテㇰ 【他動】[e-mastek で・いっぱいである] …でいっぱいである、 …がいっぱいつまっている。 toytoy emastek wa an トイトイ エマㇱテㇰ ワ アン 土がいっぱい入っている。(S) si emastek! シ エマㇱテㇰ! 糞でいっぱいになっていろ(「くそくらえ」)=余計なことを言うな。(S) ku=siki toytoy emastek humi as na nukar wa en=kore クシキ トイトイ エマㇱテㇰ フミ アㇱ ナ ヌカㇻ ワ エンコレ 私の目に土がいっぱい入ったような感じだから見てください。(S) {E: to be full of…; filled with…} (出典:田村、方言:沙流)
emike
エミケ 【他動(?)】[e-mike その上部が(?)/それで(?)・輝く][雅](次のような慣用表現の中で) …で(?)輝く。 cisekankotor emike kane ekurkot kane チセカンコトㇿ エミケ カネ エクㇽコッ カネ[雅](いろいろなものを飾って) 家の天井が光り輝いている(ばかりに美しくなった)。(W民話) ☆参考 よく似た文脈で同じ話者が míke kane kurkot kane ミケ カネ クㇽコッ カネ と、 e- をつけずに言っている。 {E: for the inner part of a house to shine, sparkle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
emina
エミナ 【他動】[e-mina …について・笑う] …のことを笑う。 emina rusuy エミナ ルスイ …のことを笑いたい、 …がおかしい。 k=émina rusuy ayne ku=ye ka koyaykus ケミナ ルスイ アイネ クイェ カ コヤイクㇱ 私はおかしくておかしくて言うことができない。(W会話) {E: to laugh, smile at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
emoykokarke
エモイコカㇻケ 【自動(?)】[e-moy-ko-kar-ke その頭が・渦・と共に・(回ることを表す語根)・(自動詞形成)]渦に巻かれてグルグル回る。 moy or osma wa a=ciwkorari wa hetuku ka somo ki, emoykokarke kor an モヨㇿ オㇱマ ワ アチウコラリ ワ ヘトゥク カ ソモ キ、 エモイコカㇻケ コラン 渦に巻き込まれてまん中に入って下へひっぱられて出られず渦巻きと一緒にクルクル回っている。(S) henpara suy emoykokarke kor an wa suke okere kusu? ヘンパラ スイ エモイコカㇻケ コラン マ スケ オケレ クス? また渦巻きと一緒にグルグル回っていていつごはんのしたくが終わるのだろう(いつまでもはかがいかないことに対する悪口)。(S) {E: to be caught in a whirlpool.} (出典:田村、方言:沙流)
en= 1
エン 【人接】[一人称単数目的格]私を/に。 ku=kor hápo en=kay kane wa クコㇿ ハポ エンカイ カネ ワ 私の母が私をおぶって。(S独話) a=en=kopisi p anakne アエンコピシㇷ゚ アナㇰネ 私にたずねられたことは。(S会話) konpu yanke wa en=kore! コンプ ヤンケ ワ エンコレ! (沖の鳥さん)昆布を打ち上げておくれ。(S独話) {E: me.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
en= 2
エン 【人接】[主語二人称単数、 目的語一人称単数] あなたが私を/に。 ku=saha e=ne wa ene en=koysoytak クサハ エネ ワ エネ エンコイソイタㇰ 私の姉であるあなたがこう私に話してくれた。(S会話) en=rekreku eaykap エンレㇰレク エアイカㇷ゚ あなたは私になぞなぞの問題を出すことができない。(S会話) {E: you (second person singular subject).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ene 2
エネ 【副】このように、 そのように。 ene…hi エネ…ヒ …する仕方、 どう…する(した)かというと、 このように(次のように)…した。 ene ku=sirosio hi ka k=érampewtek エネ クシロシオ ヒ カ ケランペウテㇰ どんな印をつけたらいいのかわからない。(S) ene…kuni エネ…クニ …するべき仕方、 このように(次のように)するべきだ/ことになっている。 …ruwe(hawe/siri/humi) ene an hi an? …ルウェ (ハウェ/シリ/フミ) エネ アニ アン? …した(する/している)のだろうか(しばしば驚きの表現)。 ene an エネ アン このような、 そのような。 ene he tap(ne) エネ ヘ タㇷ゚(ネ) こんなにも、 あんなにも。 ene an エネ アン こんな、 そんな、 あんな。 ene káni ka ku=yaynu エネ カニ カ クヤイヌ 私もそう思う。 ene ku=ye hi ka isam エネ クイェ ヒ カ イサㇺ どう言うこともできない。 ene ka (tap) エネ カ (タㇷ゚) そんなに/あんなに/こんなに。 ene ka tap kor rusuy wa an pe mosmano an wa ora os iruska kor an エネ カ タㇷ゚ コン ルスイ ワ アン ペ モㇱマノ アン マ オラ オㇱ イルㇱカ コラン そんなに欲しかったのにだまっていてあとで怒っている。(S) {E: like this, that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eniste
エニㇱテ 【他動】[e-niste …で・強い]…を頼りに/あてにして安心している。 sirkunne yakka taan kur a=turá yakun a=eníste シㇼクンネ ヤッカ タアン クㇽ アトゥラ ヤクン アエニㇱテ 暗くてもこの人と一緒に行けば安心だ。(S) a=eníste hum ko yupnatara アエニシテ フㇺ コ ユㇷ゚ナタラ [雅](私たちは)それをあてにして安心している。 rep ta a=kor mosir anakne haru an yak a=ye kusu a=eníste hum ko yupnatara レㇷ゚ タ アコㇿ モシㇼ アナㇰネ ハル アン ヤカイェ クス アエニㇱテ フㇺコ ユㇷ゚ナタラ 内地(本州)は豊作だそうだから私たちはあてにして安心している。(S) ☆参考 「…に強い」という意味の用例はない。 〔久辞典 191 その為にかたい、 それに持ち耐へる、 (それ)に強い、 に耐へる、 堪へる Sake a-e-nishte〕 {E: to rely on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eniwcinne
エニウチンネ 【他動】…を追い出す。 wenkur umurek néun ka mosma pet or un hene mosma kotan or un hene eci=eníwcinne hene ki wa ne yakun kanna a=eci=ipére yakka ウェンクㇽ ウムレㇰ ネウン カ モㇱマ ペトルン ヘネ モㇱマ コタノルン ヘネ エチエニウチンネ ヘネ キ ワ ネ ヤクン カンナ アエチイペレ ヤッカ 貧乏人夫婦をあなたたちがどこかよその川すじへでもよその村へでも追い出したならばまたあなたたちに食べ物を与えるけれども(そうしなければ与えないぞ)。(HK民話) ☆参考 〔久辞典 niuchinne 追出す、 逐出す〕 {E: to drive out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
enkas(i)ke
エンカㇱケ/エンカシケ 【位名】[所](概は enka エンカ) その(離れた)上。 ne menokopo ehotke hi enkaske ta ponki a=otúseatte ネ メノコポ エホッケ ヒ エンカㇱケ タ ポンキ アオトゥセアッテ その若い女性の寝床の上にカヤを編んだ簀(す、 「すだれ」)の棚が綱で下げられてあった。(NK民話) sekor yaynu kor/pon cikisani/enkaske kus hi セコㇿ ヤイヌ コㇿ/ポン チキサニ/エンカㇱケ クㇱ ヒ [雅]そう思いながら小さいハルニレの木の上を通ったときに。(Sユーカラ) ☆発音 話しているときは通常 i が落ちて enkaske エンカㇱケ と発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
éno
エノ 【他動】[e-no …を食べる・よく…する] …を好きでいつもよく食べる。 k=éno p ne korka tap anak ku=honi sik wa somo k=e ケノㇷ゚ ネ コㇿカ タㇷ゚ アナㇰ クホニ シㇰ ワ ソモ ケ いつも好きで食べるんだけど今はおなかがいっぱいだから食べない。(S) {E: to indulge in one's favourite food.} (出典:田村、方言:沙流)
enpa
エンパ 【他動】[複](単は ene エネ)(二人以上が)…にはって行く。 ruyka ka enpa akusu ルイカ カ エンパ アクス (二人が)橋の上に上がると(=よじのぼると)。(W民話) ☆参考 目的語は場所。 (出典:田村、方言:沙流)
enunuke
エヌヌケ 【複他動】[e-nunuke (それ)について・…を大事によく遇する](そのこと)で(人)を厚遇する。 tasum kur kor tasum pirka wa ne wa an pe a=e=énunuke タスㇺ クㇽ コッ タスㇺ ピㇼカ ワ ネ ワ アン ペ アエエヌヌケ 病人が病気が良くなってそのことであなたがよくしてもらえる(お礼がたくさんもらえる)…。(S会話) ☞núnuke ヌヌケ {E: to receive…warmly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
enupetataus
エヌペタタウㇱ 【自動】[e-núpe-tata-us その顔・涙・(?)(重複)・…が…につく]涙が絶えず出てくる(眼病、 ごみ、 煙のため)。 k=énupetataus wa nep ku=nukar humi ka isam ケヌペタタウㇱ ワ ネㇷ゚ クヌカㇻ フミ カ イサㇺ (私は)涙が出て出てなにも見えない。(S) (出典:田村、方言:沙流)
enuypa
エヌイパ 【複他動】[複](nuypa ヌイパ の単は nuye ヌイェ)[e-nuypa (そこ)に・…を書く[複]](そこ)に…を書く。 ta a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enúypa wa oka yakun タ アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン 今ここで私たちが言った言葉が二ページか三ページの紙の上に書かれていれば。(W会話) {E: to write…on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eokok
エオコㇰ 【他動】[e-o-kok (そこ)に・その尻(が)・(擬態の語根)ひっかかる] …にひっかかる。 punkar k=éokok wa ku=hacir プンカㇻ ケオコㇰ ワ クハチㇼ 私は草のつるにひっかかって(つまづいて)ころんだ。(S) {E: to be caught on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eomuken
エオムケン 【他動】[e-omuken …に関して・獲物がとれない] 獲物がとれない。 sine yuk póka sine kamuy póka eomuken no kucasanke=an シネ ユㇰ ポカ シネ カムイ ポカ エオムケン ノ クチャサンケアン 私はただ一頭の鹿も一頭の熊もとれずに狩小屋の猟を終えて村に帰った。(HC民話) ☞omuken オムケン ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eopanepane
エオパネパネ 【他動】[e-o-pane-pane …で・その尻・はためく・(重複)] …を風にはためかせる、 …が風に吹かれてパッパッパッとなる。 opukurune ápekor oka hemanta eopanepane kane oka オプクルネ アペコㇿ オカ ヘマンタ エオパネパネ カネ オカ (いまの人々は)袋みたいな変なものを風にはためかせている(スカートをはいている現代風俗について話している)。(S) {E: to flutter (in the wind).} (出典:田村、方言:沙流)
eopirasa
エオピラサ 【複他動】[e-o-pirasa …で・(そこ)で・…を広げる](次のような文脈で)sikurkasam eopirasa シクㇽカサㇺ エオピラサ [雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/a=sirkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクㇽカサㇺ/エオピラサ [雅]立派な小袖を私は自分の体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ) ☆参考 ふしをつけずに語っている中では、 e- エ をつけず sikurkasam opirasa シクㇽカサㇺ オピラサ とも言っている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eoripak
エオリパㇰ 【他動】[e-oripak (人)に・遠慮する(かしこまる)] …を畏れてかしこまる、 …を敬ってへりくだりつつしむ/遠慮がちに振舞う(図々しくしない)、 …に恐縮する。 nisatta k=éoripak yakka tónoski wano ku=san rusuy ニサッタ ケオリパㇰ ヤッカ トノㇱキ ワノ クサン ルスイ 明日は恐縮ですがお昼から(川上側から)来たい。(W) i=eoripak pe イエオリパㇰ ぺ [雅](育ての姉は)私に畏れてかしこまり。(Sユーカラ) m ☆参考 古老によっては「遠慮する」と訳す。 しかし、 出されたものを「遠慮して」受け取らないというようなときの「遠慮する」には使われない。 遠慮して辞退することは eyayye エヤイイェ と言う。 ☞oripak オリパㇰ {E: to be reserved about…; hold back from doing…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eosoma
エオソマ 【他動】[e-osoma …で・大便する] …をうんちに出す。 ne sake íne? /a=ku wa isam/a=ku ruwe íne/a=eósoma wa isam ネ サケ イネ? /アク ワ イサㇺ/アク ルウェ イネ/アエオソマ ワ イサㇺ [雅]その酒はどうなった、 飲まれてしまった、 飲まれたのはどうなった、 うんちに出されてしまった。(KK掛け合い歌) {E: to defecate…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epa= 2
エパ 【人接】[雅][引用一人称単数主格他動詞型][ep-a (音節数をふやす)・(不定人称主格他動詞型の接頭辞)](ユーカラ等を歌うときに、 リズムの関係で、 通常使われる不定人称主格の接頭辞 a= ア の前に ep エㇷ゚ をつけて一音節ふやすもの。 ep には、 積極的な意味はないらしい。) epa=kor sápo エパコㇿ サポ 私のねえさん。(Sユーカラ) epa=kor petpo エパコㇿ ペッポ 私の川。(Sユーカラ) epa=kor cási エパコッ チャシ 私の城。(Sユーカラ) epa=ki kusu エパキ クス (私は)したから。(Sユーカラ) epa=ki ki wa エパキ キ ワ (私は)して。(Sユーカラ) ☆参考 pepa= ペパ という形を使って pepa=kor ペパコㇿ などのように言う人もいる。 ☆参考 これまでの用例では、 epa=/pepa= エパ/ペパ は、 主人公が自分のことを言う表現にのみ使われており、 一般の人々のことを言うときや受け身の表現、 相手に対する敬称などに使われた例はない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epaha
エパハ 【名】[所](概 epa エパ はない。 pa パ は《年》) [e-paha その・年[所]]その年、 そのことに当たっている年。 ne epaha ネ エパハ (そのことがあった/ある)その年。(W会話) kanna mosir ka a=oríkin epaha ne kusu カンナ モシㇼ カ アオリキン エパハ ネ クス 天の神の国に昇る年だから。(HC民話) {E: that year; that time.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epahekotere
エパヘコテレ 【他動】[e-pa-hekote-re …について・口・…の方向に向く・させる](人に)(…のことで)けちをつける/文句を言う、 …をけなす。 en=epahekotere kor antuki ku=kikkik エネパヘコテレ コㇿ アントゥキ クキッキㇰ へただのやり方が悪いのと文句を言われながらあずき落としをした。(S) {E: to complain about…} (出典:田村、方言:沙流)
epawsi 1
エパウシ 【他動】[e-pa-usi そこへ・口・を…につける(?)] …をねだる。 toan ta an a p epawsi wa ora ku=kore a p un トアン タ アン アㇷ゚ エパウシ ワ オラ クコレ アㇷ゚ ウン そこにあったものを(彼が)くれくれと言うのであげてしまったんだよ。(S) {E: to ask a person to…} (出典:田村、方言:沙流)
epeka 1
エペカ 【他動】[e-peka …で・受けとめる] …に(くじで)当たる、 ちょうど(正面に)当たる、 該当する。 a=epéka p ene wen ruwe an hi an? アエペカㇷ゚ エネ ウェン ルウェ アニ アン? (S) あなたが(くじで)当たったものはこんな悪いのだったんですね? (S) epeka no móno a エペカ ノ モノ ア (この人に)向き合って座りなさい。(S) kamuy rorunpe epeka kusu カムイ ロルンペ エペカ クス (直訳すると)神の襲撃が当たったために=伝染病にやられて。 {E: to win in a lottery draw.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epeka(no)
エペカ(ノ) 【後副】[e-peka-no …をめがける・(副詞形成)]…をめがけて、 …の正面に、 …にちょうど当たるように。 pukuru paro epeka(no) omare プクル パロ エペカ(ノ) オマレ 袋の口に入るように入れなさい。 uresanpe epeka(no) nitotke ウレサンペ エペカ(ノ) ニトッケ ちょうど土ふまずのところにとげがささった。 i=epekano/pet tuyka ta/makan katkor pe/as híne イエペカノ/ペッ トゥイカ タ/マカン カッコㇿ ペ/アㇱ ヒネ [雅]私のまん前に、 川の岸辺にどんなものだかが立って。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epentursere
エペントゥㇽセレ 【他動】[e-pen-turse-re その頭・上へ(?)・落ちる・させる](…の首)を切り落とす。 rekuci epentursere レクチ エペントゥㇽセレ その(熊の)首を切り落とす。 {E: to cut off someone's head.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epese
エペセ 【他動】…で生きる(助かる、 治る)。 ekot kunak a=ramú a p a=kar ayne epese wa an エコッ クナㇰ アラム アㇷ゚ アカㇻ アイネ エペセ ワ アン 彼はそれで死ぬのだと皆思っていたがいろいろと治療してそれでやっと治った。(S) {E: to be alive due to…} (出典:田村、方言:沙流)
epiciwka
エピチウカ 【他動】[古]…を強奪する(「とりかえす」、 「いまは kouk コウㇰ と言う」)。(S) ku=mi noyne an pe en=epiciwka クミ ノイネ アン ペ エネピチウカ 私が着るもの「着るにいいもの」を(彼が)「とりかえしてしまった」=彼に無理やり奪い取られてしまった(「いまは en=kouk wa isam エンコウㇰ ワ イサㇺ と言う」)。(S) {E: to rob…; (take back…).} (出典:田村、方言:沙流)
epirka
エピㇼカ 【他動】[e-pirka …で・よくなる] …でよくなる、 …でもうける。 en=kip e=niwkes a kusu iyonuytasa e=kip ku=niwkes wa nen póka é=iki wa e=epirka kunine エンキㇷ゚ エニウケㇱ ア クス イヨヌイタサ エキㇷ゚ クニウケㇱ ワ ネン ポカ エイキ ワ エエピㇼカ クニネ 私が悪かったとき(困っていたとき)あなたが助けてくれたからこんどは(私が)あなたを助けてあげてなんとかしてあなたがえらくなるように…。(S) a=epírka ruwe! アエピㇼカ ルウェ! (畑のものが)良くできていますねえ。(S) epirka kunine patek iki エピㇼカ クニネ パテㇰ イキ (彼は)もうかるようなことばかりする。(S) a=epírka kuni a=esánniyo p ne na アエピㇼカ クニ アエサンニヨㇷ゚ ネ ナ 得になることをよく考えてするんだよ。(S) {E: to improve due to…; to make a profit from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epirma
エピㇼマ 【複他動】[e-pirma …について・警告する](人)に(…のこと)をそっと警告する。 i=epirma hawe ne yakun a=kocánupkor イエピㇼマ ハウェ ネ ヤクン アコチャヌㇷ゚コㇿ 私たちにそう言って教えてくれるんだから警戒しよう。(S) ☆発音 エピㇽマ と発音する。 {E: to quietly warn someone of something.} (出典:田村、方言:沙流)
epitta
エピッタ 【後副】一つのものの全部(全体)、 …じゅう。 kotan epitta コタン エピッタ 村じゅう。 …hi epitta …ヒ エピッタ …した間じゅう、 …した所すべて。 ku=simonarserke epitta réne クシモナㇻセㇾケ エピッタ レネ 私の右半身が全部麻痺した。 netopake epitta arka ネトパケ エピッタ アㇻカ 体じゅう痛い。 to epitta nepki kor an ト エピッタ ネㇷ゚キ コㇿ アン (彼は)一日いっぱい(一日じゅう)働いている。(S) cise epitta toypana yaysamne チセ エピッタ トイパナ ヤイサㇺネ 家じゅう土ぼこりだらけだ。(S) ☆参考 opitta オピッタ は二つ以上あるいはたくさんのものや人すべて、 皆。 {E: throughout…; all over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eporose
エポロセ 【複他動】[e-porose …で・…を言い表す] …によって…を言い表す。 a=motóutari tan mosir ta yappa kusu keraypo oka=an hi a=i=éporose kus, Aynu Mosir, Hokkaito Mosir sekor tane anak a=ye hawe ne アモトウタリ タン モシッタ ヤッパ クス ケライポ オカアニ アイエポロセ クㇱ、 アイヌ モシㇼ、 ホッカイト モシㇼ セコㇿ タネ アナㇰ アイェ ハウェ ネ 私たちの先祖がこの島に上陸したおかげで私たちアイヌがこの島に住んでいるということによって名づけられたから、 アイヌの島、 北海道の島と今は言われるのです。(S言い伝え) {E: to give verbal expression to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eposo
エポソ 【他動】[e-poso …で・貫く] …を貫く、 …を突き抜ける、 …を通りぬける、 (病気などから)やっと治る。 iwan aynu-ikir eposo húci イワン アイヌイキㇼ エポソ フチ 六代にわたって生きたおばあさん。(S独話) =iki ayne k=époso クイキ アイネ ケポソ どうにかやっと治った。(S) {E: to pass through…; recover from a sickness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epunkinere
エプンキネレ 【複他動】[他動使役][epunkine-re …を守る・させる] …に…を守らせる、 …に…の番をさせる。 emus easkay utar kesukuran an kor pu a=epúnkinere kor síran エムㇱ エアㇱカイ ウタㇻ ケスクラン アン コㇿ プ アエプンキネレ コㇿ シラン 剣の達人たちが毎晩倉の番をさせられていた。(W民話) (出典:田村、方言:沙流)
epuriwen
エプリウェン 【他動】[e-puri-wen (人)と共に・行い・悪い] …に加勢する。 pakno i=epuriwen siri ne wa ne yakun, akkari e=an wa ne yak a=eyám kusu パㇰノ イエプリウェン シリ ネ ワ ネ ヤクン、 アッカリ エアン ワ ネ ヤㇰ アエヤㇺ クス あなたはこれほど私に加勢してくれたのだから、 これ以上ここにいては心配だから…。(HK民話) {E: to help, aid, assist….} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eramaspa
エラマㇱパ 【他動】[複](単は eramasu エラマス)皆でおもしろく思う。 nep ka sinnayno oka a=erámaspa p hene oka wa ne kunak ku=ramu ネㇷ゚ カ シンナイノ オカ アエラマㇱパㇷ゚ ヘネ オカ ワ ネ クナㇰ クラム 何か変わったおもしろいものでもあるからかと思った。(S) {E: for everyone to think that something is funny.} (出典:田村、方言:沙流)
eramiskari
エラミㇱカリ 【他動】[否定動詞] ①(人)を知らない(見知らない)、 おぼえがない。 siketoknawa a=erámiskari okkaypo sinep soy ta ek na シケトㇰナワ アエラミㇱカリ オッカイポ シネㇷ゚ ソイ タ エㇰ ナ 全然知らない(見覚えのない)若い男が一人、 門口に来ています。(W言い伝え) ku=mokorkasu wa sir-onuman ya ka k=éramiskari クモコㇿカス ワ シロヌマン ヤ カ ケラミㇱカリ 寝すぎて晩になったのもわからなかった。(S) ②(動詞句の後に置かれて)…したことがない。 k=arpa ka eramiskari カㇻパ カ エラミㇱカリ 私は行ったことがない。(W会話) ☆対語 肯定は amkir アㇺキㇼ。 ☆参考 erampewtek エランペウテㇰ …がわからない、 …を知らない(知識がない)。 ☞amkir アㇺキㇼ、 erampewtek エランペウテㇰ {E: to not know, remember, recall…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erampokwen
エランポㇰウェン 【他動】[e-ram-pok-wen …で・心・の下・悪い] …を憐れむ。 kamuy erampokwen pe ne kusu カムイ エランポㇰウェン ペ ネ クス 神が憐れんでくれたので。(W民話) ☆参考 erampokiwen エランポキウェン とも言う。 目的格人称接辞がつくときは erampokwen エランポㇰウェン が使われている。 目的格人称接辞がつかないとき、 つまりどの人称接辞もつかないかまたは主格の人称接辞だけがつくときは、 erampokiwen エランポキウェン のほうが多く使われているが、 また erampokwen エランポㇰウェン の例もある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eramu-mukkosanpa
エラムムッコサンパ 【他動】(次の慣用句で)ひどくされて気が遠くなるほどびっくりする。 tasaaspe e=eramu-mukkosanpa kusu ne na タサアㇱペ エエラム ムッコサンパ クス ネ ナ[慣用句]仕返しに気が遠くなるほどやっつけてやるからな。(S) {E: to be shocked at being treated badly.} (出典:田村、方言:沙流)
eramucuptek
エラムチュㇷ゚テㇰ 【他動】[e-ramu-cup-tek …で・心[所]・(すぼむことを表す語根)・ちょっと…する]…で心細い。 e=utari opitta ikutasa wa isampa wa sinenne e=an wa somo e=eramucuptek? エウタリ オピッタ イクタサ ワ イサンパ ワ シネンネ エアン マ ソモ エエラムチュㇷ゚テㇰ? 家じゅうみんな招待されて行ってしまってあなた一人でいて心細くないかい? (S) k=éramucuptek korka onuman k=útari sap nankor ケラムチュㇷ゚テㇰ コㇿカ オヌマン クタリ サㇷ゚ ナンコㇿ 心細いけれど夕方には家の人たちが(川上の方から)帰って来るでしょう。(S) {E: to be lonely over…} (出典:田村、方言:沙流)
eramuriten
エラムリテン 【他動】[e-ramu-riten …で・心[所]・柔かい]…で気分をよくする、 …でおとなしく機嫌よくなる。 iku kor orano eramuriten イク コㇿ オラノ エラムリテン (彼は)(普段は乱暴でも)飲むとおとなしい。 tonoto eramuriten トノト エラムリテン 酒でいい機嫌になる。 {E: to be in a good mood due to…; be in a quiet mood.} (出典:田村、方言:沙流)
eramus
エラムㇱ 【他動】[e-ram-us (そこ)に・心・つく] …に慣れる(習熟する、 くせになる)。 nepki eramus ネㇷ゚キ エラムㇱ (彼は)仕事に慣れた。(S) a=ipére wa eramus wa suy ek kuni kusu アイペレ ワ エラムㇱ ワ スイ エㇰ クニ クス 彼に食べさせてくせになってまた来るのに(食事を出さないようにとの勧告)。(S) {E: to get used to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erankarap
エランカラㇷ゚ 【他動】[e-rankarap (人)と・あいさつする](人)にあいさつする。 k=arpa híne k=a akusu en=erankarap uwerankarap=as カㇻパ ヒネ カ アクス エネランカラㇷ゚ ウウェランカラㇷ゚アㇱ 私が行って座ると家の主人が私にあいさつし、 家の主人と私とがお互いにあいさつをかわした。(S) ☆参考 家の主人(cisekorkur チセコㇿクㇽ)が先にあいさつする。(S) ☆参考 uwerankarap ウウェランカラㇷ゚ 互いにあいさつし合う。 ☞rankarap ランカラㇷ゚ {E: to greet someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erawe
エラウェ 【他動】…をこれこそと楽しみにしている。 k=érawe p ne akus en=ere wa kéraan humi! ケラウェㇷ゚ ネ アクㇱ エネレ ワ ケラアン フミ! 食べたかったのだが食べさせてくれておいしいなあ。(S) X ku=matnepo k=érawe X クマッネポ ケラウェ 「X(どこそこの息子)でなければうちの娘にくれられないなあ。」 (S) ku=poho k=érawe p ne akusu, esirosi a=korár wa isam クポホ ケラウェㇷ゚ ネ アクス、 エシロシ アコラㇻ ワ イサㇺ うちの息子の嫁にもらいたいと思って楽しみにしていたのによそへ嫁にやられてしまった。(S) {E: to be really looking forward to…} (出典:田村、方言:沙流)
ereko
エレコ 【他動】[e-reko (そのこと)で・名づける](そのこと)で…を名づける。 níkaypa nínoye wa patek apekor apekur pe ne wakusu a=eréko katu Níkekke-wenkur Nínoye-wenkur sekor a=reko okkaypo an wa ニカイパ ニノイェ ワ パテㇰ アペコㇿ アペクㇽ ペ ネ ワクス アエレコ カトゥ ニケッケウェンクㇽ ニノイェウェンクㇽ セコㇿ アレコ オッカイポ アン マ (貧しくて刃物もないので)木を折り木をねじり切って火をたいていたのでそのことから名づけて「木折り貧乏人木ねじり貧乏人」と呼ばれている若い男がいて。(W民話) {E: to give someone, something a name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erekor
エレコㇿ 【他動】[e-re-kor (そのこと)で・名前・を持つ](そのこと)で名前がつく。 oro ta aynu kotan ka oka hi erekor kusu オロタ アイヌ コタン カ オカ ヒ エレコㇿ クス そこにアイヌの村があったことによって名前がついたから。(S言い伝え) {E: to be named.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
érepa
エレパ 【複他動】[他動使役][複](ére エレ は単複の区別なし)(二人以上の皆が/に)…に…を食べさせる。 rur takup i=erepa ルッ タクㇷ゚ イエレパ 彼らは私におつゆしか食べさせてくれなかった。(W民話) ☆発音 ere pa エレ パ《…で三年》とはアクセントが違う。 {E: to feed someone something (pl).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ermupu
エㇾムプ 【名】[ermu-pu ネズミ・倉](星座の名)(直訳すると)ネズミの倉(オリオン座らしい。外の4つの星が倉の足(脚))。 ermupu episne cikirihi horak wa oka kusu tanpa anak rir ruy nankor エㇾムプ エピㇱネ チキリヒ ホラㇰ ワ オカ クス タンパ アナㇰ リンルイ ナンコㇿ 「ネズミの倉」(星座)の沖の側の足が倒れているから今年は海はしけてばかりいるにちがいない。(S) {E: Orion.} (出典:田村、方言:沙流)
erum 1
エルㇺ 【名】矢の先の毒を入れるところ。 ay etupsi surku a=o uske a=ye katuhu erum, ermu anak cikoykip ne ruwe ne アイ エトゥㇷ゚シ スㇽク アオ ウㇱケ アイェ カトゥフ エルㇺ、 エㇾム アナㇰ チコイキㇷ゚ ネ ルウェ ネ 矢の先の毒を入れる所を言う言い方が エルㇺ で、 エㇾム (発音は エㇽム)《ネズミ》は獣(けもの)です。(W) {E: the place on the end of an arrow for poison.} (出典:田村、方言:沙流)
erupsik
エルㇷ゚シㇰ 【位名】…の先(端) cise erupsik チセ エルㇷ゚シㇰ 家の東側。 cise erupsik kus チセ エルㇷ゚シㇰ クㇱ 家の東側を通る。(S) {E: the east side of a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esanniyo
エサンニヨ 【他動】①(こうしたらこうなる、 それからどうなって…というふうに)考える、 …を考慮する、 …を心づもりしている、 …を見はからう。 nisatta Sar un k=arpa kusu ne na nep ka en=sere kuni esanniyo yan ニサッタ サルン カㇻパ クス ネ ナ ネㇷ゚ カ エイセレ クニ エサンニヨ ヤン 明日私は沙流へ行くから何か持たせるものを考えて(準備して)ください。(S) arki kuni k=ésanniyo no ekari ku=san kusu ne アㇻキ クニ ケサンニヨ ノ エカリ クサン クス ネ 彼らが来るのにちょうど行きあうように見はからって私は行きます。(S) wen cikuni/ne kotomno/esanniyo wa kusu/kor etoranne ウェン チクニ/ネ コトㇺノ/エサンニヨ ワ クス/コㇿ エトランネ [雅]よくない木であるように思ったために結婚する気になりませんでした。(Sユーカラ語り) ②…に勘定を払う。 a=esánniyo wa ek yak a=ye アエサンニヨ ワ エㇰ ヤカイェ 彼は働いたお金をもらってきたそうだ。 ☞sanniyo {E: ①to think about, consider, foresee… ②to pay off one's bill} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esanpesituri
エサンペシトゥリ 【他動】[e-sanpe-situri …で・心臓(=心)・伸びる] …で気が晴れる、 …で気分がよくなる、 …で気持ちがいい。 toan ponmenoko pirka mokor ki wa an, esanpesituri nankor トアン ポンメノコ ピㇼカ モコㇿ キ ワ アン、 エサンペシトゥリ ナンコㇿ あの娘さんよく眠っている。 よっぽど気持ちがいいんでしょうねえ。(W) soy péka =iki wa asir réra ku=seru, níya húra ku=seru, síno k=ésanpesituri ソイ ペカ クイキ ワ アシンレラ クセル、 ニヤ フラ クセル、 シノ ケサンペシトゥリ 私は外にいて(外で何かをして、 外の仕事をして)新鮮な空気を吸い、 木の芽の匂いを吸い、 たいそう気持ちがよくなった。(S) a=ye wa a=esánpesituri アイェ ワ アエサンペシトゥリ 私はしゃべって気が晴れた。(S民話) {E: to feel good, light about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esanpeunuwen
エサンペウヌウェン 【他動】[e-sanpe-unu-wen で・胸/気持ち・につける・悪い] 気持ちが悪い、 胸が悪い(食当り等で)。 ika k=e akus k=ésanpeunuwen wa k=éhetkosanpa イカ ケ アクㇱ ケサンペウヌウェン マ ケヘッコサンパ 私はイカを食べたら気持ちが悪くなって急にゲッと吐いた。(S) {E: to feel sick; unwell about , due to…} (出典:田村、方言:沙流)
esikarun
エシカルン 【他動】…が恋しい、 …を思い出す、 …を覚えている。 ku=kor hekattar/[u]kesto an kor/ku=esikarun クコㇿ ヘカッタㇻ/[ウ]ケㇱト アン コㇿ/クエシカルン 私の子どもたちを私は毎日毎日思い出す。(S即興詩) ☆発音 すらすら話すときは通常 s と k の間の i の音が消えて eskarun エㇱカルン と発音される。 主語一人称単数形は k=eskarun ケㇱカルン。 この用例は歌であるために ku=esikarun クエシカルン と発音されている。 {E: to long for, recall, remember…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esina
エシナ 【他動】①(…のこと)を隠す、 …を秘密にする。 hunakoro un a=esína hawe? sekor yaynu=an kusu フナコロ ウン アエシナ ハウェ? セコㇿ ヤイヌアン クス 別に隠す必要はないわ、 と私は思ったので。(W民話) ② ☞ka(si) esina カ(シ) エシナ {E: to hide, conceal…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ésir
エシㇼ 【副】さっき、 今朝。 ésir ek エシㇼ エㇰ さっき来た。(W) ésir kunneywa エシㇼ クンネイワ 今朝。(W) ésir tek エシッ テㇰ ついさっき、 ちょっと前に。(W) {E: this morning.} (出典:田村、方言:沙流)
esiramkirpa
エシラㇺキㇼパ 【他動】[複](esiramkir エシラㇺキㇼ は単複の区別なし)(二人以上が皆)…によって道がわかる。 ru a=eráman pe ne kusu i=esiramkirpa wa ル アエラマン ペ ネ クス イエシラㇺキㇼパ ワ 私が道を知っていたので皆私のおかげで道がわかって。(KH民話) (出典:田村、方言:沙流)
esirosi korar
エシロシ コラㇻ 【他動】[慣用他動詞句][不定使役][e-sirosi kor-ar …について・しるし・を持つ・人に…させる]よそへ嫁にやる。 ku=poho k=érawe p ne akusu, esirosi a=korár wa isam クポホ ケラウェㇷ゚ ネ アクス、 エシロシ アコラㇻ ワ イサㇺ なんとかしてうちの息子の嫁にもらいたいと思っていたのによそへ嫁にやられてしまった。(S) ☆参考 esirosi kor エシロシ コㇿ、 esirosi kore エシロシ コレ は未出。 {E: to another place.} (出典:田村、方言:沙流)
esirpicire
エシㇼピチレ 【他動】[自動使役][esirpici-re はずれる・させる]…をはずす(ひっかかっているものを)。 rar wa ya esirpicire wa turano hetuku ラㇻ ワ ヤ エシㇼピチレ ワ トゥラノ ヘトゥク (魚をとる網が水中の何かにひっかかったから)もぐって網をはずして持って出て来なさい。(S) {E: to take off…} (S) (出典:田村、方言:沙流)
esiruwoka-kohoppa
エシルウオカ コホッパ 【他動】[e-si-ruwoka-ko-hoppa …に・自分・の死後・に・…を置いて去る]…を自分の死後に残す。 a=esíruwoka/kohoppa kuni p/e=ne ruwe ne アエシルウォカ/コホッパ クニㇷ゚/エネ ルウェ ネ (天に帰る私は)お前をこの世に残して行く。(W神謡語り) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 {E: after one's death.} (出典:田村、方言:沙流)
esisuyatpa
エシスヤッパ 【他動】[esisuy(e)-atpa …を腕で振る・急激に…する]…を腕全体で急激に振る。 esisuyatpa kor en=kore kuni ye a p un エシスヤッパ コㇿ エンコレ クニ イェ アプン (彼は)腕を大きく振りながら、 私にくれると言うことを言ったんだよ(「返してくれと言ったらふてくされてそのうち返してやろうと思っていたよ!とどなりつけて腕を後ろへフウッと急激に振って返してよこした」)。(S) ☞esisuye エシスイェ {E: to shake one's arms.} (出典:田村、方言:沙流)
esisuye
エシスイェ 【他動】[e-si-suye …と共に・自分・を振る] …を腕全体で振る、 …を振り回す。 tekehe esisuye テケヘ エシスイェ 腕を振り回す。(S) tus esisuye トゥㇱ エシスイェ 綱を振り回す。(S) cikuni esisuye チクニ エシスイェ 木(棒)を振り回す。(S) ☆参考 野球のバットを振るなどにはこの語を使う。 ゆりかごをゆらすのは suye スイェ。 {E: to shake, swing with…one's arm; swing…round.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esiyetaye
エシイェタイェ 【他動】[単](複は esiyetaypa エシイェタイパ)[e-si-etaye …で・自分・を引っ張る] ①(二つ以上の) …で自分を引っぱる、 …を引き寄せる。 néun póka, siyetok un cikuni a=esíyetaye wa, iki=an ayne… ネウン ポカ シイェトクン チクニ アエシイェタイェ ワ、 イキアナイネ なんとかして、 自分の前方の木につかまって自分をひっぱり上げながら登り続けて… (W民話) ② ☞etok(o) esiyetaye エトㇰ/エトコ エシイェタイェ (出典:田村、方言:沙流)
etakasure
エタカスレ 【副】[e-ta-kasu-re …で・(?)・過剰である・させる] 抜きん出て、 他(の人)よりよけいに。 tu kankitay oma kusu etakasure ramuan nankor トゥ カンキタイ オマ クス エタカスレ ラムアン ナンコㇿ 二つの頭頂がある(=つむじが二つある)から人より利口だろう。(W) etakasure kor rusuy エタカスレ コンルスイ 余分に欲しがる。(W) etakasure ponehe tanas エタカスレ ポネヘ タナㇱ 人より骨が高い(ほお骨がはっている)。(W) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etanpaun
エタンパウン 【副】[e-tan-pa-un その頭・この・川の…側・へ]川のこちら側へ。 okusne wa petkasu wa etanpaun ek kor an オクㇱネ ワ ペッカス ワ エタンパウン エㇰ コㇿ アン (彼は)「川向かい」(=川の向こう側)から歩いて川を渡ってこちら側へやって来ている。(S) ☆参考 [対]otanpaun オタンパウン 川のこちら側から。 okusne オクㇱネ 川の向こう側から。 {E: to the near bank of a river.} (出典:田村、方言:沙流)
etara
エタラ 【他動】…にささる。 noyporo op etara ノイポロ オㇷ゚ エタラ (彼の) ひたいに槍がささった。(S会話) kema etara yakun iyaykipte ケマ エタラ ヤクン イヤイキㇷ゚テ (針が)足にささったらあぶない。(W) {E: to stick into…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eteseske
エテセㇱケ 【自動(?)】[e-tes-es-ke その頭・(反(そ)ることを表す語根)・(重複)・(自動詞形成)](直訳すると)その先が反(そ)っている。(次の表現の中で)(唇が)厚くなる(?)。 pátoye eteseske パトイェ エテセㇱケ (渋いために)唇が厚くなったような感じがする。(S) iyohay, ku=patoye ka eteseske kane siratek イヨハイ、 クパトイェ カ エテセㇱケ カネ シラテㇰ まあ、 私の唇も厚くなったように渋い。(S) {E: for the lips to swell.} (出典:田村、方言:沙流)
eteskar
エテㇱカㇻ 【他動】…に(来るようにと)ことづてをやる、 …に注文する。 k=éteskar a korka nep ek ru ka isam ケテㇱカㇻ ア コㇿカ ネㇷ゚ エㇰ ル カ イサㇺ (何日においでよと便りを)ことづけてやったのに、 だれも(直訳すると何も)来ない。(S) tane tane a=o wa hoyuppa=an kuruma a=etéskar wa ek noyne háwas タネ タネ アオ ワ ホユッパアン クルマ アエテㇱカㇻ ワ エㇰ ノイネ ハワㇱ まもなく、 乗って走る車(ハイヤー)を頼んだので、 来るらしいということです。(W独話) {E: to order…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etok 1
エトㇰ 【位名】[概](所は etoko(ho))[< e-tok その頭・突き出る](空間・時間) …の先、 …の前。 etok ta エトㇰ …より前に。 kumius etok ta a=e noyne an pe クミウㇱ エトㇰ タ アエ ノイネ アン ペ かびが生えないうちに食べるほうがいいのに。(S) hotke=an etok ta ホッケアン エトㇰ タ 寝る前に。(KK民話) {E: ahead of….} (出典:田村、方言:沙流)
etok(o) esiyetaye
エトㇰ/エトコ エシイェタイェ 【連他動】[(その)先・自分を引っぱる] …より前に先回りして行く。 ek noyne síriki hi kusu etoko a=esíyetaye híne ék=an híne エㇰ ノイネ シリキ ヒ クス エトコ アエシイェタイェ ヒネ エカン ヒネ (彼が)来るような様子なので私は先回りして家に帰って。 {E: to get ahead of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etoko orke
エトコ オㇿケ 【位名】[雅]その前に。 makan katkor pe/sapte kuni/etoko orke/tapan kamuy maw/ketusi upsor wa マカン カッコㇿ ペ/サㇷ゚テ クニ/エトコ オㇿケ/タパン カムイ マウ/ケトゥシ ウㇷ゚ソㇿ ワ [雅]どのようなものを出すのか、 出す前に神風がながもちの中から…。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etoko yaykar
エトコ ヤイカㇻ 【連他動】[etoko-yay-kar その先・自分を・つくる] すぐ先に起こる、 …の前兆である。 hemanta etoko yaykar kusu ene nísapno sir-toyarekurok a p ora ヘマンタ エトコ ヤイカㇻ クス エネ ニサㇷ゚ノ シットヤレクロㇰ アㇷ゚ オラ 何の前兆でこんなふうにまっ暗になって。(W会話) ☆参考 etok yaykar エトㇰ ヤイカㇻ は未出。 {E: to happen immediately before…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etoko(ho)
エトコ(ホ) 【位名】[所](概は etok エトㇰ) ①…の先、 前。 etoko ta anak siyeye nukar kur ne a korka tane anak somo no an エトコ タ アナㇰ シイェイェ ヌカㇻ クㇽ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰ ソモ ノ アン (彼は)以前には病気を見る人(=医者)だったけれど今はそれはやめている。(S) etoko un cup エトコ ウン チュㇷ゚ 前の月。 etoko un to エトコ ウン ト 前の日。 ②(河川)のいちばん奥、 水源地。 petetoko(ho) ペテトコ(ホ) その川すじ/その集落の川の水源地。 a=kor Sar kotan petetokoho アコㇿ サㇻ コタン ペテトコホ 私たちの沙流川流域集落の川の水源地。(W民話) nayetoko(ho) ナイェトコ(ホ) その沢すじ/その地域の沢の水源地。 yu etoko ユ エトコ 温泉の水源。 ruetoko/ruwetoko ルエトコ/ルウェトコ 進んで行く先。 {E: ①ahead of… ②the source of (a river).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etomnukar(-an)
エトㇺヌカㇻ §034.結婚(する)(6)etomnukar(-an)〔e-tóm-nu-kar エとㇺヌカㇻ〕⦅チカブミ⦆【雅】…と結婚する。"poy-Samayekur ci-〜"「サマイクㇽの子と私は結婚した」。"Petu-tom-un-kur ci-〜 wa sisak uwepirka ci-ki"「ペトゥトㇺの酋長と私は結婚してまたと無い幸福な暮しをしている」。"Otasut-un-nispa an-ne ineno, sino katke-mat an-〜, nep an-ewen ka somo ki, ekaci patek an-eramasuy"「オタスッの酋長で私はあって、立派な婦人を妻にし、何を不自由するということもせず、子だけが欲しかった」。[e(そこにおいて)+tom(体を)+nu(所有することを)+kar(する)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
etopse
エトㇷ゚セ 【他動】[e-topse で・唾吐く] 口の中からペッと吐き出す。 kikir ku=seru, ku=rekuci osma a korka k=óhetu wa k=étopse wa isam キキㇼ クセル、 クレクチ オㇱマ ア コㇿカ コヘトゥ ワ ケトㇷ゚セ ワ イサㇺ 私は虫を吸い込んで、 のどに入ってしまったけれど咳払いして出してペッと吐き出してしまった。(S) {E: to spit out something (from the mouth).} (出典:田村、方言:沙流)
etoycotca
エトイチョッチャ 【他動】[e-toy-cotca …で・地・射る] …で地面を射る。 rapuhu ay ne a=kar wa a=etóycotca a=emúncotca wa tos to ayrapkina hetuku ruwe an nek! ラプフ アイ ネ アカㇻ ワ アエトイチョッチャ アエムンチョッチャ ワ トㇱ ト アイラㇷ゚キナ ヘトゥク ルウェ アン ネㇰ! その(カラスの)羽で矢をつくってそれで地面を射たりごみを射たりしたから矢羽根草(クサソテツ)が生えたのさ。(KK掛け合い歌)の結びの語り。 {E: to shoot at the ground with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etuk
エトゥㇰ 【自動】[e-tuk その頭・突き出る] 頭/先が突き出る。 etuk ruwe ka isam, k=éenke wa eci=koré エトゥㇰ ルウェ カ イサㇺ、 ケエンケ ワ エチコレ (鉛筆の)先が出ていない、 私が削ってあげる。(W) cup etuk kor an チュㇷ゚ エトゥㇰ コラン 太陽が(森から)少し出てきた。(W)55夏-152 ☆参考 最後の例で、 出てしまって森から離れかけたときは hetuku kor an ヘトゥク コラン。(W) {E: to stick out; project.} (出典:田村、方言:沙流)
etumasmasa
エトゥマㇱマサ 【自動】[etu-masmasa 鼻・を開いたり閉じたりする] 鼻をピクピク動かす。 k=étumasmasa wa húraha ku=nu ケトゥマㇱマサ ワ フラハ クヌ 私は鼻をピクピクさせて匂いをかいだ。(S) {E: to twitch, wriggle the nose.} (出典:田村、方言:沙流)
etun 1
エトゥン 【他動】…を借りる。 a=kor tennep a=kay wa arpa=an wa tutko rerko póka a=etún kusu ne na アコッ テンネㇷ゚ アカイ ワ アㇻパアン マ トゥッコ レㇾコ ポカ アエトゥン クス ネ ナ このかわいい赤ちゃんをおぶって行ってせめて二、 三日でもお借りしますから。(W民話) ☆参考 使うためにちょっと借りて後で返すようなものを借りることを言う。 erusa エルサ は、 そのようなものを貸すこと、 hosipire ホシピレ は返すことを言う。 ☆参考 esouk エソウㇰ (お金、 米など、 借財となるようなもの)を借りる。 {E: to borrow…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etun 2
エトゥン 【他動】[< etun 1] …を嫁にもらう、 …を妻にする。 pirka uske wa a=etún pe oraun ピㇼカ ウㇱケ ワ アエトゥン ペ オラウン いいところから嫁にもらいに来るのに。(S) pirka menoko etun híne síno katkemat hekote ピㇼカ メノコ エトゥン ヒネ シノ カッケマッ ヘコテ (彼は)美しい女性を妻に迎えて立派な奥さんと連れそった。(NK民話) hunna mat etun hike nep ka sak no mat etun pe ne wa ene iki hi an フンナ マッ エトゥン ヒケ ネㇷ゚ カ サㇰ ノ マッ エトゥン ペ ネ ワ エネ イキ ヒ アン だれが嫁をもらうのに結納の品も持って行かずに嫁をもらうやつがあるか。(NK民話) a=yupíhi etun wa i=kore rusuy pe ne yakun アユピヒ エトゥン ワ イコレ ルスイ ペ ネ ヤクン 兄が私に(彼女を)嫁にもらってくれたいのなら。(NK民話) nen ka ponmat etun wa ネン カ ポンマッ エトゥンマ だれか二人目の妻にして。(W民話) {E: to receive a bride from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etupsihi
エトゥㇷ゚シヒ 【名】[所](概は etupsi エトゥㇷ゚シ)[動物]…のくちばし。 paskur etupsihi tanne hike síepaskur ne パㇱクㇽ エトゥㇷ゚シヒ タンネ ヒケ シエパㇱクンネ カラスのくちばしの長いのはシエパシクル《糞を食べるカラス》だ。(S) {E: the beak of…} (出典:田村、方言:沙流)
Eturacici
エトゥラチチ 【名】[< etu-racici 鼻・をダラリと下げる《鼻がダラリとたれ下がっている》][固有名]鼻下がり大男(ユーカラに出てくる、 鼻があまり長くて racitke ラチッケ してる=たれ下がっている)。 Eturacici/wenniskuri/cihetukure/ek kotomno/an=esánniyo エトゥラチチ/ウェンニㇱクリ/チヘトゥクレ/エㇰ コトㇺノ/アネサンニヨ [雅]鼻下がり大男のまっ黒い雲がモクモク出て来た、 (彼が)来るらしく思われる。(W) (出典:田村、方言:沙流)
eturas
エトゥラㇱ 【他動】 …にとびかかる、 とんではねて…にとびつく。 néa ponmenoko a=kosírepa hoskino ki híne a=etúras a=etúras kane iki=an akusu ネア ポンメノコ アコシレパ ホㇱキノ キ ヒネ アエトゥラㇱ アエトゥラㇱ カネ イキアン アクス その娘さんの所に私のほうが兄より先に着いて、 ピョンピョン跳ねて娘さんにとびかかりとびかかりすると。(W民話)(エゾイタチの自叙) {E: to throw oneself upon…; jump at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etursere
エトゥㇽセレ 【複他動】[e-turse-re …で・落ちる・させる] …で…をとばす、 …で…を切り落とす。 ure etursere ウレ エトゥㇽセレ 足で(それを)けとばす。(W) a=sitómusi a p a=sikóetaye híne néa kimunkamuy a=tawki hi ta kamuy renkayne penrekuci a=etúrsere ruwe ne アシトムシ アㇷ゚ アシコエタイェ ヒネ ネア キムンカムイ アタウキ ヒ タ カムイ レンカイネ ペンレクチ アエトゥㇽセレ ルウェ ネ 私が腰に差していた山刀を引き抜いて熊に切りつけとき、 神のおかげでその首を切り落とした。(HK民話) {E: to cut off…; cut away…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etutanne
エトゥタンネ 【名】[etu-tanne その鼻・長い] [動物]カ(蚊)。 etutanne en=kupapa エトゥタンネ エンクパパ 私はカに「かじられた」(=くわれた、 さされた)。(W) {E: a mosquito.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eun 2
エウン 【後副】①(人や物、 場所)に向かって 、 …へ、 そこへ。 tanto apto as, e=mokor wa e=an noyne an pe eun k=ek タント アㇷ゚ト アㇱ、 エモコㇿ ワ エアン ノイネ アン ペ エウン ケㇰ 今日は雨降りだ、 あなたが寝ているようなところへ私は来た。(S) hápo eun he ku=ye, iyapo eun he ku=ye ciki pirka? ハポ エウン ヘ クイェ、 イヤポ エウン ヘ クイェ チキ ピㇼカ? かあさんに言おうか、 とうさんに言うほうがいいだろうか。(S) arorkisne eun c=uk híne アロㇿキシネ エウン チュㇰ ヒネ 私たちはこっそりそこから取って。 hunpe yan yak a=ye wa eun kotan eun utar uwehopunpa wa sap wa isam フンペ ヤン ヤカイェ ワ エウン コタン エウン ウタㇻ ウウェホプンパ ワ サㇷ゚ ワ イサㇺ くじらが浜に上がったと言うのでそこへ集落じゅうの人々が一人残らず行ってしまった。 ②(連体形に) kotan eun utar コタン エウン ウタㇻ 集落(村)の人々。 ③eun po (hene) エウン ポ (ヘネ) そのためなおいっそう、 かえって。 rurwakka kasi a=otátpa yakka eun po uhuy ルㇽワッカ カシ アオタッパ ヤッカ エウン ポ ウフイ 海水を上にかけてもかえってなお燃える。 kusuri ku=ku akus eun po hene wen クスリ クク アクㇱ エウン ポ ヘネ ウェン 薬を飲んだらかえってなお悪くなった。(S) {E: to face towards…; to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eusi
エウシ 【複他動】[e-usi その頭・つける] …の先の方/上の方に…をつける、 …に…を先の方だけ刺す。 eusi pakno ne エウシ パㇰノ ネ 「ちょびっとしかささらなかった」(突き抜けるまでささらなかった)。(S) sakma tom eusi wa anu サㇰマ トㇺ エウシ ワ アヌ 壁の横に渡してある木の所にさしておきなさい。(S) ☆発音 k=、 e=などの接頭辞がついて e の部分が高く発音されるときは、 e と u が二重母音になって k=ewsi ケウシ、 e=ewsi エエウシ のようになる。 ☆参考 槍などで突くことは otke オッケ、 槍がささることは opusi オプシ、 etara エタラ、 突き抜けるまで刺すことは kusna otke クㇱナ オッケ。 ☞ewsi エウシ {E: to attach…to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
euwopitte/ewwopitte
エウウォピッテ 【他動】[e-u-opitte その頭・互い・を結ぶ(?)] …を結ぶ。 ureneepakke ewwopitte/ewopitte wa ári ウレネエパッケ エウウォピッテ/エウォピッテ ワ アリ (俵の)両端を結んで(つなぎ合わせて)おきなさい(1枚に編んだものの編み始めと編み終わりをつなぎ合わせて袋にすることを言っている)。(S) nuyto etupsike k=ewwopitte wa k=ári akusu kem ounu ka eaykap siri iki ヌイト エトゥㇷ゚シケ ケウウォピッテ ワ カリ アクス ケㇺ オウヌ カ エアイカㇷ゚ シリ イキ 糸の端を私が結んでおいたところ(彼は)針に通すことができない様子だ(何本もある糸の両端の先を結んで一つに束ねてしまったことを言っている)。(S) ☆参考 接頭辞がつくことによって語頭の e が高く発音されるときに多く使われる語幹の形。 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは ewopitte エウォピッテ という形をとることが多い。 ☞ewopitte エウォピッテ {E: to link, join…} (出典:田村、方言:沙流)
ewarewar
エワレワㇻ 【自動】[ewar-ewar 吹く・(重複)]フーフー吹く、 吹き続ける。 ní-sinrit apeo kusu ewarewar ニシンリッ アペオ クス エワレワㇻ 木の根に火をつけると吹いている(ハレニレの木の根の枯れたのが川に入って流れてくる、 岸に上がって乾く、 木の根に火をつけると吹いている)。(HY) (出典:田村、方言:沙流)
ewen
エウェン 【他動】[e-wen …で・悪い] ①…で悪くなる、 (食べ物に)あたる、 損する。 amam e kor ewen アマㇺ エ コㇿ エウェン ご飯を食べるとよくない。(S) e wa suy ewen エ ワ スイ エウェン 食べたからまた悪くなった。(S) e wa ewen wa etupi エ ワ エウェン ワ エトゥピ 食べてあたったからもう食べない。(S) =ipe ewen humi ne noyne ku=honi arka クイペ エウェン フミ ネ ノイネ クホニ アㇻカ 私は食べ物にあたったらしくおなかが痛い。(S) a=ewén kuni a=ramú p somo a=ki p ne na アエウェン クニ アラムㇷ゚ ソモ アキㇷ゚ ネ ナ 損するようなことはするもんでない。(S) ewen kunine patek iki エウェン クニネ パテㇰ イキ 損するようなことばかりしている。(S) ②(動詞の後に置かれて)…しにくい。 …することがよくできない。 tópe esirkotuk kor níkap soske ewen トペ エシㇼコトゥㇰ コㇿ ニカㇷ゚ ソㇱケ エウェン 木の汁が出なくなって木の皮がくっつくと木の皮がむけにくくなる。(S) ci=nu ewen pe he un ci=ye チヌ エウェン ペ ヘ ウン チイェ 耳が遠いわけじゃないんだぞ(川下男と川上男の昔話で川上男が言う決まり文句の一つ)。 {E: ①for…to go bad; for…to be damaged. ②for…to be difficult to do…; cannot do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eweraman
エウェラマン 【他動】[e-u-e-raman …について・互い・と共に・わかる] …が皆/二人とも一致してわかる。 sinrit oruspe, kamuy oruspe, ney ta pakno sineatkino a=ewéraman kuni sekor ku=yaynu kor k=an シンリッ オルㇱペ、 カムイ オルㇱペ、 ネイ タ パㇰノ シネアッキノ アエウェラマン クニ セコㇿ クヤイヌ コㇿ カン 先祖のこと、 神のことが、 いつまでも混乱しないできちんと皆にわかるのだと私は思っている。(W会話) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 we )に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には euweraman/ewweraman エウウェラマン の形が使われることが多いと予想される。 ☞eraman エラマン {E: to mutually know…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewesikaye
エウェシカイェ 【他動】[e-u-e-si-kaye …で・互い・と共に・自分・を折る][雅](次のような慣用表現で) tu imeru kur/re imeru kur/cisekankotor/ewesikaye/semkoraci トゥ イメル クㇽ/レ イメル クㇽ/チセカンコトㇿ/エウェシカイェ/セㇺコラチ [雅]たくさんの光が天井に反射してキラキラときらめくようであった。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkopaste
エウコパㇱテ 【自動】[e-ukopaste その頭が・互いにもたれ合う](上の方で)もたれ合う。 cikuni ewkopaste チクニ エウコパㇱテ 木がもたれ合っている。(W) {E: to lean on one another} (出典:田村、方言:沙流)
ewkoramkor
エウコラㇺコㇿ 【他動】[e-u-ko-ram-kor …について・互い・に・心を・持つ] …について相談する。 hetopo suy a=kor mosir ne a=kar kunihi kamuy tono tutanu sapane utar opitta ewkoramkor kor síran ヘトポ スイ アコㇿ モシㇼ ネ アカㇻ クニヒ カムイ トノ トゥタヌ サパネ ウタㇻ オピッタ エウコラㇺコㇿ コㇿ シラン (北方領土を)また再び私たちの国土に取りもどすことを、 天皇の次の高い位の方々が皆で相談している。(S) {E: to consult with someone about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewnukare
エウヌカレ 【他動】[e-unukare (そこ)で・(それ)を皆が見る] (そこ)でそれを皆が見る/皆にそれが見える。 mosirso kurka/a=ewnukare モシㇼソ クㇽカ/アエウヌカレ 世界中にいる人皆が(それを)見る/皆に(それが)見える。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
ewpis
エウピㇱ 【他動】[e-u-pis …に関して・互い・(めいめい…ずつを表す語根)]…がみんな(めいめい)にあたる、 めいめいが…の分配を受ける。 a=ewpis kus ne hawe ne wa アエウピㇱ クㇱ ネ ハウェ ネ ワ 私たち二人とも「あたる」(=もらえる)と言っているよ(一つしかないものを半分ずつ食べようと言うのに対して)。(S), a=ewpis no sine ceppo ranke a=e ro アエウピㇱ ノ シネ チェッポ ランケ アエ ロ みんな魚を一匹ずつ食べよう。(S) {E: to distribute…evenly.} (出典:田村、方言:沙流)
ewtastasa
エウタㇱタサ 【他動】[e-u-tastasa …で・互い・やりとりする(重複)] 互いに…をやりとり(話し合い)する、 …を話し合う。 nep ka a=emína kunine a=ewtastasa te wano ki hike? ネㇷ゚ カ アエミナ クニネ アエウタㇱタサ テ ワノ キ ヒケ? 何かおもしろおかしく話し合う会話をこれからしてはどうかしら。(S会話) {E: to mutually talk over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewtek
エウテㇰ 【他動】[e-útek …で・…に使い走りをさせる]…を使いにやる。 toan kur k=éwtek トアン クㇽ ケウテㇰ あの人を使いにやった。(W) (出典:田村、方言:沙流)
ewtekkar
エウテッカㇻ 【他動】[e-útek-kar …で・…に使い走りをさせる・する](人)を使いにやる。 eci=otúwasi wa kusu eci=éwtekkar hawe ne na arpa wa en=kore エチオトゥワシ ワ クス エチエウテッカㇻ ハウェ ネ ナ アㇻパ ワ エンコレ あなたでなければならないと思ったのであなたに行ってもらうんだから行ってください。(S) {E: to have someone go somewhere for one.} (出典:田村、方言:沙流)
eyamkomoyremoyre
エヤㇺコモイレモイレ 【他動】[eyam-ko-moyre-moyre (大切に)しまう・のに・遅くなる・(重複)] …の始末に手間取る。 ku ka a=cuppa, ya ka a=satke wa a=eyámkomoyremoyre ク カ アチュッパ、 ヤ カ アサッケ ワ アエヤㇺコモイレモイレ 私はわな(仕掛け弓、 アマッポ)もすぼめてはずし、 網も引き上げて干して、 そうした後始末に手間取って遅くなった。(HK民話) {E: to be troubled with doing…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyay(e)rampokiwen
エヤイェランポキウェン/エヤイランポキウェン 【他動】[e-yay-erampokiwen …について・自分を・憐れむ] …をいやだと思う、 …を残念に思う。 a=uníhi kasi péka ru kus wa, patek a=eyáyerampokiwen kor oka=an アウニヒ カシ ペカ ル クㇱ ワ、 パテㇰ アエヤイェランポキウェン コㇿ オカアン 私たちの家の上を道が通っていて、 私たちはそのことだけをいやだと思いながら暮らしていた。(W民話) {E: to think that…is bad, unpleasant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayanu
エヤヤヌ 【他動】[e-yay-anu …について・自分・を置く](?) …をがまんする。 eun arpa=an rusuy, nísapno arpa=an rusuy, a=eyáyanu ka eaykap hi kusu エウン アㇻパアン ルスイ、 ニサㇷ゚ノ アㇻパアン ルスイ、 アエヤヤヌ カ エアイカピ クス 私は彼のところへ行きたくなった、 急に行きたくなった、 がまんできないので…。(W民話) {E: to put up with, endure…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayecitakte
エヤイェチタㇰテ 【他動】[e-yay-e-ci-itak-te …について・自分の・ことについて・される・話す・させる](?) (自分のことについて)…を言う、 …を自白する。 ne wa an pe iyoski akusu eyayecitakte wa ネ ワ アン ペ イヨㇱキ アクス エヤイェチタㇰテ ワ そのことを彼は酔っぱらったところポロッと自分から言ってしまって。(W言い伝え) {E: to confess something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayhawkere
エヤイハウケレ 【他動】[e-yay-hawke-re …で・自分・弱くなる・させる] …をかわいそうに思う。 isram ruwe okay pe a=uk ka eyayhawkere kus, pirka ruwe ne yak a=ye kor a=kohósipire イㇱラㇺ ルウェ オカイ ペ アウㇰ カ エヤイハウケレ クㇱ、 ピㇼカ ルウェ ネ ヤㇰ アイェ コㇿ アコホシピレ 彼らは貧しい人たちなので私はその品物を受け取るのもかわいそうな気がしたので、 結構ですと言ってそれを彼に返した。(HK民話) {E: to feel sorry, pity for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykamuynere
エヤイカムイネレ 【他動】[e-yay-kamuy-ne-re …で・自分を・神・になる・させる] …で立派な神になる。 i=okake ta eci=sínnurappa eci=i=nómi wa i=kore yak kamuy or ta a=eyáykamuynere kusu ne na イオカケ タ エチシンヌラッパ エチイノミ ワ イコレ ヤㇰ カムイ オッタ アエヤイカムイネレ クス ネ ナ 私の死後にあなたたちが先祖供養をし私をまつってくれれば私は神の国で立派な神になるのだから。(W民話) a=eyáykamuy/nére kor アエヤイカムイ/ネレ コㇿ それで私が天に昇って神になったら(a=eyáykamuynere アエヤイカムイネレ が韻文で二行に分けて発音されている)。(Sユーカラ語り) {E: to become a great god.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykarap
エヤイカラㇷ゚ 【他動】[e-yay-karap …のことで・自分を・(?)]…のことで気の毒に思う、 申し訳なく思う。 núman somo k=ek a hi k=éyaykarap kusu tanto anak ku=tokapmokor ka somo ki no k=ek ヌマン ソモ ケㇰ ア ヒ ケヤイカラㇷ゚ クス タント アナㇰ クトカㇷ゚モコㇿ カ ソモ キ ノ ケㇰ 私は昨日来なかったことを気の毒に思うから今日は昼寝もしないで来た。(S) ☆参考 eyaypataraye エヤイパタライェ とも言う。 {E: to feel sorry for, about…} (出典:田村、方言:沙流)
eyaykatekar
エヤイカテカㇻ 【他動】[e-yaykatekar …で・恋する] …を恋する、 …を恋しく思う。 a=kor pon menoko a=eyáykatekar kus cis patek a=ki アコㇿ ポン メノコ アエヤイカテカㇻ クㇱ チㇱ パテㇰ アキ あのいとしい若い女性が恋しくて私は泣いてばかりいた。(HC民話) ☞yaykatekar ヤイカテカㇻ {E: to love…; feel love for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykewtum-ekosanniyo
エヤイケウトゥㇺエコサンニヨ 【他動】[e-yay-kewtum-e-ko-sanniyo …について・自分・心・で・…に・考える][雅] tu pirka kuni p/e=eyaykewtum/ekosanniyo トゥ ピㇼカ クニㇷ゚/エエヤイケウトゥㇺ/エコサンニヨ [雅]いろいろなことをご自分の心で考えるのですよ。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 ekosanniyo エコサンニヨ は e=kosanniyo か。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykewtum-eohunara
エヤイケウトゥㇺエオフナラ 【他動】[e-yay-kewtum-e-o-hunara …で・自分・心・で・そこで・…を探す]…を自分の心で考えて心のすみずみまでさがす(探る)。 pirkanopo/e=yaykewtum ka/eohunara/tu pirka kuni p/e=eyaykewtum/ekosanniyo ピㇼカノポ/エヤイケウトゥㇺ カ/エオフナラ/トゥ ピㇼカ クニㇷ゚/エエヤイケウトゥㇺ/エコサンニヨ [雅]よくよくご自分の心で考え、 いろいろなことを心のすみずみまでさがし、 いろいろなことをご自分の心で考えるのですよ。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 eohunara エオフナラ は e=ohunara か。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykimatekka
エヤイキマテッカ 【他動】[e-yaykimatekka …で・急ぎあわてる] …で急ぐ、 …であわてる。 hńta e=eyaykimatekka kus to e=mi p ka e=okus e=mi, e=us pe ka ehorka e=us siri an? フンタ エエヤイキマテッカ クㇱ ト エミㇷ゚ カ エオクㇱ エミ、 エウㇱ ペ カ エホㇿカ エウㇱ シリ アン? あなた何をあわてて、 ほら、 服も裏返しに着てはくもの(スカート)も後ろ前にはいてるのよ。(S) ☞yaykimatekka ヤイキマテッカ、 kimatek キマテㇰ {E: to be in a hurry about…} (出典:田村、方言:沙流)
eyaykonupuru
エヤイコヌプル 【他動】(eyaykonupur の誤記か?)…が気に入る、 …が好きである。 k=éyaykonupuru humi ka isam ケヤイコヌプル フミ カ イサㇺ 私はそれをちっとも好きではない。(S) ☆参考 ku=konupuru humi ka isam クコヌプル フミ カ イサㇺ とも言う。 {E: to like…; be pleased with…} (出典:田村、方言:沙流)
eyaykoram-petetne
エヤイコランペテッネ 【他動】[< eyaykoramu-petetne (次項)](次の慣用句で)(子育てする)のに苦労する(=eyaykoramu-petetne エヤイコラムペテッネ)。 resu póka eyaykoram-petetne レス ポカ エヤイコランペテッネ …を育てるのに苦労する、 苦労して…を育てる。 ene he tap a=resú póka eyaykoram-petétne kuni p a=poho ne awa エネ ヘ タㇷ゚ アレス ポカ エヤイコランペテッネ クニㇷ゚ アポホ ネ アワ あんなに苦労して息子を育てたのに。(W民話) (出典:田村、方言:沙流)
eyaynunuke
エヤイヌヌケ 【他動】[e-yay-nunuke …で・自分・を好遇する(?)] …(するの)が「もったいない」=おそれ多い、 …するわけにはいかない。 …sekor kamuy yaynu hi toy ka osma eyaynunuke kusu …セコㇿ カムイ ヤイヌ ヒ トイ カ オㇱマ エヤイヌヌケ クス …と神が思ったことが地に落ちてしまうのはおそれ多いので。(W神謡語り) néa kupka páse kamuy eywanke p ne a p heru toykomunin ka eyaynunuke kusu ネア クㇷ゚カ パセ カムイ エイワンケㇷ゚ ネ アㇷ゚ ヘル トイコムニン カ エヤイヌヌケ クス そのくわ(鍬)は尊い神が使ったものだったので地に朽ち果てるのはおそれ多いから。(S言い伝え) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaynusasi
エヤイヌサシ 【他動】[e-yay-nusasi …で・自分・をなぐさめる]…で自らをなぐさめる、 …で気持ちがなぐさめられる。 e=ok kane wa patek e=an ayke kus mak ne hawe? nep ka ye ka ki, sinotcaki kor an, yak e=eyaynusasi na エオㇰ カネ ワ パテㇰ エアン アイケ クㇱ マㇰ ネ ハウェ? ネㇷ゚ カ イェ カ キ、 シノッチャキ コラン、 ヤㇰ エエヤイヌサシ ナ そんな悲しい顔ばかりしてたってだめなんだから、 何か言いなさい、 歌でも歌いなさい、 気持ちがなぐさめられるから。(S) ☞enusasire エヌサシレ {E: to console oneself over…} (出典:田村、方言:沙流)
eyayomusu
エヤヨムス 【他動】(eyayomsu エヤヨㇺス の誤りか?)しないでよかったなあと思う。 hunakta-epaːka somo =itura wa ene =iki hi an sekor ku=raman, poro k=éyayomusu フナㇰタエパーカ ソモ クイトゥラ ワ エネ クイキ ヒ アン セコㇿ クラマン、 ポロ ケヤヨムス (私は)いいあんばいに一緒に行かなくてこうしているのだと思ったらまあ行かなくてよかったなあと思った。(S) {E: to think that it would have been better not to have done…} (出典:田村、方言:沙流)
eyayoraye
エヤヨライェ 【他動】[e-yay-o-raye (そのこと)に関して・自分を・(そこ)に行かせる](次の慣用表現で) aynu okka eyayoraye アイヌ オッカ エヤヨライェ [慣用句]…のことで人の上にのぼる。 ison hene aynu okka eyayoraye p ne kusu イソン ヘネ アイヌ オッカ エヤヨライェㇷ゚ ネ クス 狩をしても他の人よりも獲物がたくさんとれるので。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayoteknure
エヤヨテㇰヌレ 【他動】[e-yay-o-tek-nu-re …で・自分・の所で・手・持つ・させる] …を手に入れる。 nen ka ta a=kar yak a=rayke oka! sekor yaynu kusu surku eyayoteknure híne ネン カ タ アカㇻ ヤㇰ アライケ オカ! セコㇿ ヤイヌ クス スㇽク エヤヨテㇰヌレ ヒネ 彼はなんとかして(あいつを)殺してやりたいものだなあと思ったので毒を手に入れて。(S民話) {E: to get, buy…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaypataraye
エヤイパタライェ 【他動】…で気の毒に思う。 =itura wa ora ene ku=soykankari yakun mosma kur ka mokor ka eaykap, yaykata ka k=éyaypataraye aan クイトゥラ ワ オラ エネ クソイカンカリ ヤクン モㇱマ クㇽ カ モコㇿ カ エアイカㇷ゚、 ヤイカタ カ ケヤイパタライェ アアン もしあのとき私も一緒に行ってそしてこんなに何度もトイレに起きたとしたら、 ほかの人も眠れないし自分も気の毒な思いをするところだった。(S) {E: to feel sorry for…} (出典:田村、方言:沙流)
eyayrampokiwen
エヤイランポキウェン 【他動】[e-yay-rampokiwen …のことで・自分・を憐れむ] …を残念に思う。 …のことで残念/不満足である。 nep ka a=emína no a=ewtastasa hawe ka a=nuyár ka somo ki yak eyayrampokiwen nenkane ki kusu ネㇷ゚ カ アエミナ ノ アエウタㇱタサ ハウェ カ アヌヤㇻ カ ソモ キ ヤㇰ エヤイランポキウェン ネンカネ キ クス 何かおもしろおかしくやりとりする(話し合う)のも聞かせてあげないと、 (彼が)残念に思うといけないから。(S会話) {E: to feel regret, unsatisfied about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayramsitne
エヤイラㇺシッネ 【他動】[e-yay-ram-sitne …のことで・自分・心・苦しい] …で骨を折る、 …を一生懸命やる、 …がつらい(=eyayramusitne エヤイラムシッネ)。 ene k=éyayramsitne wa ku=kar a ku=kar a a p, sine to ne a=e wa isam ruwe? エネ ケヤイラㇺシッネ ワ クカラ クカラ アㇷ゚、 シネ ト ネ アエ ワ イサㇺ ルウェ? あんなに一生懸命に骨を折って骨を折ってつくったのに(私たちは)一日で食べてしまったの? (S) {E: to do…with all one's effort; have a hard time with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayrenka
エヤイレンカ 【他動】[e-yay-renka …と一緒に・自分の・意向(を述べる)](?) …との再会を喜ぶ、 (会った人)にあいさつする。 e=poro wa earkinne eci=erámiskari, akusu ku=pisi akus eani ne aan, hńta kusu en=eyayrenka ka somo ki? エポロ ワ エアㇻキンネ エチエラミㇱカリ、 アクス クピシ アクㇱ エアニ ネ アアン、 フンタ クス エネヤイレンカ カ ソモ キ? あなたは大きくなったのですっかり見違えた。 そこで人に聞いたらあなただった。 どうして私に知らん顔していたの? (S) ☆参考 uweyayrenka ウウェヤイレンカ 互いに会った(喜びの)あいさつをかわす。 {E: to be joyed at meeting someone again.} (出典:田村、方言:沙流)
eyayukaomare
エヤユカオマレ 【他動】[e-yay-uka-omare …に関して・自分を・上へ上へと・置く](病気)がだんだんよくなる。 sóne eyayukaomare kuni p he an? ソネ エヤユカオマレ クニㇷ゚ ヘ アン? 本当になおるのだろうかなあ。(S) ☆参考 なおらないかもしれないほど重い病気は síːno páse yaynu/tasum ne noyne シーノ パセ ヤイヌ/タスㇺ ネ ノイネ《本当に重い病気らしい》と言う。(S) {E: for…to gradually improve.} (出典:田村、方言:沙流)
eyayye
エヤイイェ 【他動】[e-yay-ye …について・自分・を言う] …を遠慮して断る(贈りものを遠慮して受け取らない等)。 potara=an yakun oraun nep ka a=i=kóre yakun somo a=eyáyye no a=uk yak pirka p ポタラアン ヤクン オラウン ネㇷ゚ カ アイコレ ヤクン ソモ アエヤイイェ ノ アウㇰ ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ 悪神払いをしたなら何か(お礼の品を)くれたら遠慮しないで受け取ればいいのに。(NK民話) {E: to reservedly decline, turn down…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eykaun
エイカウン 【自動】[e-i-ka-un その頭が・人・の上・にある] 他よりまさる、 他より多い。 inanike eykaun ya eypokun ya? イナニケ エイカウン ヤ エイポクン ヤ? どちらが多いか少ないか。(S) X eykaun no amip kor X エイカウン ノ アミㇷ゚ コㇿ (彼は)Xより多く着物を持っている。(S) {E: to be greater, more (than).} (出典:田村、方言:沙流)
eyki
エイキ 【他動】[e-iki …で・ものごとをする] …でものごとをする。 ikotca eyki kur イコッチャ エイキ クㇽ 人の前でものごとをする人=先生。 nokoeyki ノコエイキ のこぎりを使って仕事をする。 makirieyki マキリエイキ マキリ(小刀)を使って仕事をする。 tasiroeyki タシロエイキ タシロ(山刀)を使って仕事をする。 {E: to do something by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eynupitara
エイヌピタラ 【他動】…をじゃまにする。 a=konúkosne kur ek kor a=eynupitara アコヌコㇱネ クㇽ エㇰ コㇿ アエイヌピタラ 憎んでいる人が来ると(いつも遊びに来ていやだなあ、 早く行けばいいのにと)じゃまにする。 mosma mise oro wa a=eynupitara mise モㇱマ ミセ オロ ワ アエイヌピタラ ミセ 他の店からじゃまにされている店。(W) (出典:田村、方言:沙流)
eyoko
エヨコ 【他動】[e-yoko …に関して・待ちかまえる]…を待ち伏せする、 (獲物)を来たらとろうと待ちかまえる。 kamuy san kuni ramu wa eyoko wa an カムイ サン クニ ラム ワ エヨコ ワ アン 熊が来ると思って待ちかまえている。 ☞yoko ヨコ {E: to wait around for game, hunt.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyomne
エヨㇺネ 【他動】こりる。 ukuran arki yan sekor ku=hawean a korka =isam, híne a=eyómne hawe? ウクラン アㇻキ ヤン セコㇿ クハウェアン ア コㇿカ クイサㇺ、 ヒネ アエヨㇺネ ハウェ? ゆうべおいでなさいと私は言ったけれど私はいませんでした、 それであなたはこりなさったのですか。(S) {E: to learn a lesson from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyonnuppa
エヨンヌッパ 【他動】[e-iyonnuppa …のことを・告げ口する](人)のことを告げ口する。 os iwak=an pe ne kusu i=etok un i=eyonnuppa hawe as kor an オㇱ イワカン ペ ネ クス イエトクン イエヨンヌッパ ハウェ アㇱ コラン (兄が帰ってから)そのあとから私が帰ったので、 私が家に入らないうちに家の中から兄が私のことを告げ口している声がしていた。(KH民話) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 yon)に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には eiyonnuppa/eyyonnuppa エイヨンヌッパ の形が使われることが多い。 {E: to inform on…over, about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyorot
エヨロッ 【他動】[e-iyorot …に・参加する] …に仲間入りする。 ahun wa iku eyorot アフン マ イク エヨロッ 彼は家に入って酒宴の仲間入りをした。(W言い伝え) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 yo)に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には eiyorot/eyyorot エイヨロッ の形が使われることが多い。 ☞eiyorot エイヨロッ、 iyorot イヨロッ {E: to become friends with…; to become a member, part of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eypakasnu
エイパカㇱヌ 【他動】[e-i-pakasnu …について・人・を教える] …を人に教える。 nep ne yakka eypakasnu kur ネㇷ゚ ネ ヤッカ エイパカㇱヌ クㇽ 何でも人に教える人(=先生)。(W) {E: to teach, tell someone…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eypottumma kosinna
エイポットゥンマ コシンナ 【慣用句】[e-ipor-tum-wa ko-sinna …で・顔つき・の中・から・(雅語で叙述を導く)…が・違う][雅]…で顔つきからして違っている。 kamuy ne kusu/kamuy ipor/eypottumma/kosinna kane カムイ ネ クス/カムイ イポㇿ/エイポットゥンマ/コシンナ カネ [雅]神だから神の顔つきが人間の顔とは違っている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyrusa
エイルサ 【他動】[e-i-rusa で・人に・貸す(?)] …を人に貸す。 ku=toye sine pa mosma k=eyrusa クトイェ シネ パ モㇱマ ケイルサ 私の畑を1年だけ人に貸す。(S) ☆参考 erusa エルサ [複他動](人)に(もの)を貸す。 ☆参考 お金や財宝を貸すことには使わない。 {E: to lend s.o…} (出典:田村、方言:沙流)
eysam
エイサㇺ 【他動】[e-isam …で・ない/なくなる] …で亡くなる。 sukup hontom eysam スクㇷ゚ ホントㇺ エイサㇺ 人生のなかばで(あまり年取らないうちに)亡くなる。 {E: to die from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
haciko
ハチコ §010.老若長幼―成長段階―を表す形容詞その他(3)haciko〔ha-čí-ko ハちコ〕⦅S.⦆小さい;幼い。〜utah cis-ahci te okay-ahci;sikihi ka okore〜pahno cis okay-ahci⦅ウソロ⦆「幼い子どもたちが泣いていた;その日も皆小さくなるほど泣いていた」。〜-an orano may-nehpo sinne i-ko-yaykara a an-acaha itaki ahkari an-ki ka an-kowakusu⦅ウソロ⦆「私の幼い頃から女の子のように私を可愛がってくれた私の叔父の言うことにそむくわけには参らぬ」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hácir
ハチㇼ 【自動】落ちる、 ころぶ。 ikiya e=hacir na! イキヤ エハチンナ! ころばないようにね。(S) ☆参考 hokus ホクㇱ 木や家などが倒れる。 horak ホラㇰ 家などが崩壊する。 turse トゥㇽセ 急激に墜落/転倒する。 ran ラン 下降する(おりる、 落ちる、 降る)。 {E: to drop; fall down.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hácire
ハチレ 【他動】[自動使役][hacir-e 落ちる/ころぶ・させる]…を落とす、 …をころばす。 áponko an icen ku=kor pirka santoku or oma wa ku=hacire wa isam wa k=oskur アポンコ アン イチェン クコㇿ ピㇼカ サントク オㇿ オマ ワ クハチレ ワ イサㇺ マ コㇱクㇽ たいした額の(=たくさんの額の)お金を私の上等の財布に入ったまま落としてしまって残念だ。(S) {E: to drop, to make…fall; knock down…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hámuki
ハムキ 【自動】[hamu-ki ねんね・をする][幼] ねんねする。(眠ることを表す幼児語。 二、 三歳の幼児に言う言葉。 居眠りしている子どもをだいて行きながら、 子守歌の中で、 等)。 hámuki hani! ハムキ ハニ! おねんねしなさいよ。(S) huna hámuki フナ ハムキ ねんねしなさい。(=huna hamu iki フナ ハム イキ) (S子守歌) hamuki wa ne yak/iresu sinta/sinta kurka/kamuy oran na ハムキ ワ ネ ヤㇰ/イレス シンタ/シンタ クㇽカ/カムイ オラン ナ ねんねすればゆりかごの上に神がおりるよ。(S子守歌) ☆参考 人称形にはならないらしい。 最後の用例で、 mokor モコㇿ を使えば e=mokor エモコㇿ と人称形になるところだが、 hamuki ハムキ は e= エ がつかずそのままの形で出ている。 ☆参考 大人の言葉では mokor モコㇿ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hanasi
ハナシ 【名】[日本語] 話。(次のような対句の中で) pirka hanasi/pirka isoytak/ku=ki ciki ピㇼカ ハナシ/ピㇼカ イソイタㇰ/クキ チキ よい話、 すてきな話を私がしたなら。 K即興歌 ☆参考 アイヌ語と日本語との同義の語を使っての対句である。 {E: a talk; a tale; a story.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hanca
ハンチャ 【名】[< 日本語]半てん。 hanca ku=mi rusuy uske ka an ハンチャ クミ ルスイ ウㇱケ カ アン 半てんを着たいときもある。(W) (出典:田村、方言:沙流)
hancaha
ハンチャハ 【名】[所](概は hanca ハンチャ)…でつくった半てん。 tapanpe hancaha ku-kar rusuy korka sirpok ne p isam タパンペ ハンチャハ クカン ルスイ コㇿカ シㇼポㇰ ネㇷ゚ イサㇺ これ(この布地)で半てんをつくりたいけれど裏地がない。(W) (出典:田村、方言:沙流)
hani
ハニ 【終助】(…しなさい)よ、 ね、 (…するから)ね。(命令文や、 言外に要求を含んだ na ナ《…する/したから(…せよ)》に終わる文の後に置かれて、 親しみ深くやさしい言い聞かせを示す。 同輩や目下、 子どもや弱い人に対して親愛感やいつくしみやいたわりを込めて話す中で使われる。) iteki cis no mokor hani! イテキ チㇱ ノ モコㇿ ハニ! 泣かないで眠りなさいよ/ね。 uwenewsar yan hani! ウウェネウサㇻ ヤナニー! 二人で楽しく語り合いなさいね。(W会話) hoskino eci=rékreku kusu ne na hani! ホㇱキノ エチレㇰレク クス ネ ナ ハニ! まず私があなたになぞなぞの問題を出すからね。(S会話) iteki cápe haw ki hani! イテキ チャペ ハウ キ ハニ! ネコのなき声をしてはだめだよ。(S民話) ☆発音 h はしばしば弱まり、 アニ のように聞こえることがある。 速く話しているとき、 子音に続くときは落ちることが多く、 特に n のあとではたいてい落ちて、 …nani! …ナニ! のように発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hankea
ハンケア 【自動】[hanke-a 近い・座る] 小便する、 オシッコする、 小便しにトイレに行く(「いい言葉」)。(W) ku=hankea wa k=ek クハンケア ワ ケㇰ 小便(オシッコ)してきます、 トイレに行ってきます。(W) {E: to urinate.} (出典:田村、方言:沙流)
hanko cohca
ハンコチョㇹチャ §190 トンボ(蜻蛉) (3) hanko cohca (hán-ko-coh-ca)「はンコチョㇹチャ」[ku(へそ)cohca(つく)] ⦅鵜城⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hankokaciw
ハンコカチウ §190 トンボ(蜻蛉) (8) hankokaciw (hán-ko-ka-ciw)「はンコカチウ」[ku(へそ)kaciw(つく)] ⦅近文、名寄⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hankokacuy
ハンコカチュイ §190 トンボ(蜻蛉) (12) hankokacuy (hán-ko-ka-cuy)「はンコカチュイ」[hanko(←hanku)] ⦅美幌20⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hápo
ハポ 【名】①おかあさん(母を表すいちばん普通の日常語。 第三者としての言及にも呼びかけにも使われる)。 ku=kor hápo クコㇿ ハポ 私の母。 hápo! ハポ! おかあさん!(呼びかけ。 遠くにいる母を呼ぶにはハポーとポを高く、 長く伸ばして言う。) ②[慣用句] hápo kor ハポ コㇿ 母方の。 hápo kor húci ハポ コㇿ フチ 母方の祖母(=母の母)。(S) ☆対語 míci ミチ 父(沙流中流以上)、 iyapo イヤポ 父(沙流下流、 鵡川)。 ☆参考 unu ウヌ 母親。 totto トット おかあちゃん。 {E: ①mother. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
haprap
ハㇷ゚ラㇷ゚ 【名】[hap-rap 葉・落ちる][古](月の名)8月。 rupne níham heracici kusu a=ye hi haprap ルㇷ゚ネ ニハㇺ ヘラチチ クス アイェ ヒ ハㇷ゚ラㇷ゚ 大きい木の葉がたれ下がっているために言うのがハプラプ。(W) ☆参考 ワテケさんは hap ハㇷ゚ を hamuhu ハムフ《葉》だと言い、 rap ラㇷ゚ を rapapse ラパㇷ゚セ《ハラハラと落ちる》で、 もう落ちるばかりのことだと説明していた。 本当に葉が散る9月は níhorak ニホラㇰ と言う。 (出典:田村、方言:沙流)
hása
ハサ 【自動】口をあける。 hása, e=mimaki ku=nukar kusu ne na ハサ、 エミマキ クヌカㇻ クス ネ ナ 口を開けなさい、 歯を見てあげるから。(S) {E: to open the mouth.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hásare
ハサレ 【他動】[hasa-re 口をあける・させる、 (口)をあける] …の口をあける、 (口)をあける。 e=mimaki ku=nukar kusu ne na e=paro hásare! エミマキ クヌカㇻ クス ネ ナ エパロ ハサレ! 歯を見てあげるから口をあけなさい。 “pukuru paro hásare!” “ku=hasare na, omare wa en=kore!” 「プクル パロ ハサレ!」「クハサレ ナ、 オマレ ワ エンコレ!」 「袋の口をあけなさい。」「口をあけるから入れてください。」 (S) {E: to open the mouth of…} (出典:田村、方言:沙流)
hawe 2
ハウェ 【形名】[名詞化辞][< haw-e 声・(所属語尾)] ①動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。 言われたこと、 話されたこと、 声に関することに用いられる。 …(と言った)の、 (…と言った)こと。 …hawe ne …ハウェ ネ (…と言った)のだ。 káni ne hawe somo ne ya? カニ ネ ハウェ ソモ ネ ヤ? 私のことを言ってるのではないだろうか。 …hawe (he) an? …ハウェ (ヘ) アン? (…と言った)のですか。 …hawe un …ハウェ ウン (…と言った)のだよ。 “hńta e=eyayominausi hawe an?” “kanpi ku=nukar wa k=émina hawe un”「フンタ エエヤヨミナウシ ハウェ アン?」「カンピ クヌカㇻ ワ ケミナ ハウェ ウン」「何を一人で笑ってるの。」「手紙を読んで笑っているのよ。」 …hawe ene an hi …ハウェ エネ アニ 次のように言った/話した/言うのが聞こえた。 …hawe! …ハウェ! …(だ)なあ! ku=hawe wen hawe! クハウェ ウェン ハウェ! 私の声はひどいねえ。(S独話) …hawe? …ハウェ? …なの?/…だって (言うの)?/(反語的に)なんてとんでもない。 tane hosippa=an hawe? タネ ホシッパアン ハウェ? もうお帰りになったの。 mak ne hawe? マㇰ ネ ハウェ? どうなるのか=どうにも(なんにも)ならない。 ②文頭に置かれ、 その前に言われたことがらを受けてその全体を名詞化する。 hawe un ハウェ ウン そう(言ったの)だよ。 hawe ne ciki ハウェ ネ チキ それなら、 そういうことなら、 それでは(…しなさい)。 hawe ne yakun ハウェ ネ ヤクン それなら、 そういうことなら、 それでは(…するよ)。 ☆参考 後に he ヘ はつかない、 つまり hawehe ハウェヘ とはならない。 ☆参考 hawe ハウェ [名][所]《声》については ☞hawe(he) ハウェ(ヘ) ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 ☞ruwe ルウェ {E: ①(is to be placed at the end of a sentence to make it a noun.) what was said, accepted. ②(is to be placed at the beginning of a sentence to make what was said a noun.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
haweokay
ハウェオカイ 【自動】[複](haweoka ハウェオカ の、 pe ペ の前での形。) 言う。 haweokay pe ne kusu ハウェオカイ ペ ネ クス (彼らは)(…と)言ったので。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hawkor
ハウコㇿ 【自動】[haw-kor 声・を持つ]声を出す、 ものを言う、 しゃべる。 …kus/hawkor hawe/oka ya sekor …クㇱ/ハウコㇿ ハウェ/オカ ヤ セコㇿ …するようなことをしゃべっているのだろうかと。(Sユーカラ) ☆参考 itak イタㇰ 言葉をしゃべる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hayka
ハイカ 【名】[hay-ka 麻状の繊維・糸] retarhay レタㇻハイ や kunnehay クンネハイ でつくった糸。(S) {E: thread made from…} (出典:田村、方言:沙流)
hayok
ハヨㇰ 【自動】武装する。 hokure kunak hayok yan! ホクレ クナㇰ ハヨㇰ ヤン! さあみんな急いで武裝しなさい。(S独話) hayok num ikir ハヨㇰ ヌミキㇼ [武装する・粒・の集合] 武装した人の集団、 武装した人々。 hayok=an ruwe/ne hi tapan na ハヨカン ルウェ/ネ ヒ タパン ナ [雅]私はよろいをつけたのです。(Sユーカラ) ☆参考 最後の例で、 「よろいをつけた(武装した)」と言っている女神は、 実は正装したのであって、 金のよろいはつけていない。 hayoksaknopo ハヨㇰサㇰノポ の星印の注記を参照。 {E: to be armed.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hayoksaknopo
ハヨㇰサㇰノポ 【副】[hayok-sak-no-po よろい(武装する)・を持たない・(副詞形成)・(指小辞)][雅]「よろいをつけずに」(武装せずに)。 kamuy rametok/a=paskuma kus ne kor/hayoksaknopo/somo an kuni p/upaskuma ne kus カムイ ラメトㇰ/アパㇱクマ クㇱ ネ コㇿ/ハヨㇰサㇰノポ/ソモ アン クニㇷ゚/ウパㇱクマ ネ クㇱ [雅]神のような勇者に先祖の話をして聞かせようとするときにはよろいをつけないで(武装しないで)話し伝えるものではありませんから。(Sユーカラ) ☆参考 サダモさんによれば、 そういうときにはいつ切りかかられてもいいようによろいをつけるのだとのこと。 しかしこの女神は、 六枚の小袖を着て帯をしめ、 六枚の小袖を羽織り、 玉飾りを首にかけ耳環を耳につけ(つまり天に昇る身支度の正装をし)、 ねじれ木の杖の上にあごをのせてから、 このように言い、 そして「だからよろいをつけた」と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hekaci
ヘカチ §005.男児;幼少年(5)hekaci〔he-ká-či ヘかチ〕⦅レブン、ウス、ムロラン、ホロべツ、サル、カラフト⦆①男児(4〜5才から15〜16才ぐらいまでの)。"anoka neampe ine pa asisne pa paxno pon hekachi an-ne"「私は4才5才ぐらいの小さい男の子であった」⦅あいぬ物語, p.2⦆。"naa sinepisan pa ne hekachi an-ne kusu" 「まだ9才の男児で私はあったから」⦅同書, p.13⦆。②こども(男女を問わず、赤ん坊をも含めて)。[<he-katu-i(生れた・者)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hekote 2
ヘコテ 【後副】】…の方へ。 hekote inkar ヘコテ インカㇻ …の方を見る。 hekote itak ヘコテ イタㇰ …の方に向かってものを言う。 e=hekote ku=kiru エヘコテ クキル (私はこれを)あなたの方へ向ける。(S) (人称接辞 en=/un= エン/ウン が接頭するとき語頭の h は落ちて、 en=ekote エネコテ、 un=ekote ウネコテ となる。 それ以外にも h が弱まって エコテ のように聞こえる場合もある。)en=ekote kiru エネコテ キル 私の方へ向けなさい。(S) un=ekote ka ye ka eyayramkar ウネコテ カ イェ カ エヤイラㇺカㇻ 私たちのところへも言ってくることもできないでいる。(S) {E: to, towards…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hekote(a-)
ヘコテ §034.結婚(する)(16)hekote(a-)〔he-kó-te へこテ〕⦅ホロべツ、サル⦆①仕える。②つれそう。〜-kur 配偶者。[he(顔、頭を)+kote(結びつける)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hem
ヘㇺ 【副助】…もまた。 káni hem ku=ye カニ ヘㇺ クイェ 私も言う。(W会話) sókar hem ki munnuwe hem ki ソカㇻ ヘㇺ キ ムンヌウェ ヘㇺ キ ござも敷き掃き掃除もした。 hem tasum hem siyeye ki ヘㇺ タスㇺ ヘㇺ シイェイェ キ [慣用句]病気やらわずらいやらをした(=くり返し病気になった)(身の上話型の民話の終りのほうで、 死んで神の国に行くときが近づいたことを言うときの常套句)。 taanpe hem toaníke hem en=kore タアンペ ヘㇺ トアニケ ヘㇺ エンコレ これもあれもください。(S) okkayo hem menoko hem porono oka オッカヨ ヘㇺ メノコ ヘㇺ ポロンノ オカ 男も女もたくさんいる。(S) ☆参考 ka カ[副助]も《も》と訳せるが、 ka カ は「さらにその上に…も」というニュアンスを含み、 hem ヘㇺ は「他のことがらと共に…もまた」というニュアンスを含む。 最後の用例などは、 ka カ も hem ヘㇺ もどちらも使える。 {E: also.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hemanta 1
ヘマンタ 【名】[疑名] ①何。 hemanta an? ヘマンタ アン? 何ですか。 hemanta kusu ヘマンタ クス なぜ、 何のため(故)に。 hemanta ne (kusu) ヘマンタ ネ (クス) 何のために、 何をするために、 なぜ。 hemanta ka ヘマンタ カ (=nep ka ネㇷ゚ カ) 何も。 hemanta ka k=érampewtek ヘマンタ カ ケランペウテㇰ 何もわからない。 hemanta karpe ヘマンタ カㇻペ 何をするために、 なんのために。 ②なんとまあ。 hemanta ene kirsak siri! ヘマンタ エネ キㇼサㇰ シリ! なんとまあ弱いんだろう! hemanta ene tumasnu p ne siri an hi an! ヘマンタ エネ トゥマㇱヌㇷ゚ ネ シリ アニ アン! なんとまあ強いもんだなあ! ☆参考 日常すらすら話しているときはたいてい縮約形の hńta フンタ (W) (S)/hinta ヒンタ (KM) が使われる。 ゆっくりとていねいに言うときや「いったい全体何だ」というようなときに hemanta ヘマンタ が用いられる。 ☆参考 名前をたずねるときは使わない。 mak マㇰ/makanak マカナㇰ《どう》が使われる。 {E: ①what. ②Oh!; My Gosh!. (interj.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hemem
ヘメㇺ 【副助/副】[hem-hem …も・(重複)] ①[副助](hem ヘㇺ《…も》の強調形。) ②[副](前の名詞が現れなくて)それも。 yakun hemem ku=nuye ヤクン ヘメㇺ クヌイェ じゃあそれも書きましょう。(W) (出典:田村、方言:沙流)
hemesu
ヘメス 【自動】[単](複は hemespa ヘメㇱパ)[he-mesu 頭・そぐ](魚が川上へ)上る、 (人が高い所へ)上がる、 (人が山に)登る。 suy or a=omáre yakun hemesu póka a=eáykap uske スヨㇿ アオマレ ヤクン ヘメス ポカ アエアイカㇷ゚ ウㇱケ …穴に入れられたら上がることもできないようなところ。(W民話) nupuri turasi hemesu=an ヌプリ トゥラシ ヘメスアン 私は山を登って行った。(W民話) ☆参考 自動詞であることに注意。 山や川は目的語にはならない。 ☆参考 人が川をさかのぼることは pet turasi arpa ペッ トゥラシ アㇻパ [単]と言い、 hemesu ヘメス とは言わない。 ☆参考 空中を上昇するのは rikin リキン、 川から岸に上がるのは yan ヤン ☆対語 san サン 山側(川上の方)から海側(川下の方)へ出る/下る/移動する。 ran ラン 山など(高い所)から低い所へ下りる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hemesu-eaykap
ヘメスエアイカㇷ゚ 【自動】[hemesu-eaykap のぼる・できない](=hemesu eaykap ヘメス エアイカㇷ゚) 登れない。 ruyapto ne ya kamuymaw ne ya ani hemesu-eaykap=an noyne húmas wa kusu ルヤㇷ゚ト ネ ヤ カムイマウ ネ ヤ アニ ヘメスエアイカㇷ゚アン ノイネ フマㇱ ワ クス 激しい雨やら神風やらで私は(山に)登ることができないように感じられたので。(W民話) {E: to be unable to climb.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hempara
ヘンパラ 【副】[疑副] いつ。 hempara e=ek? ヘンパラ エエㇰ? あなたはいつ来た? hempara ka ヘンパラ カ いつか。 hempara ka ku=nukar a kotom an kur ne ヘンパラ カ クヌカㇻ ア コトㇺ アン クㇽ ネ いつか見たような人だ。(S) hempara an kor ヘンパラ アン コㇿ いつになったら。(W即興詩) hempara ne yakka ヘンパラ ネ ヤッカ いつでも。(W即興詩) hempara mametara k=司kka so k=司kka so so k=司kka ヘンパラ マメタラ ケイッカ ソ ケイッカ ソ ソ ケイッカ おれがいつ豆俵を盗んだ…(ヒバリの鳴き声、 ネズミにこういってチャランケ(談判)する)。(W) hempara suy honoye kus ene an? ヘンパラ スイ ホノイェ クㇱ エネ アン? [隠] (彼は)いつまた傾くのだろう? =長尻で一向に帰らない。(S) {E: when.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hene
ヘネ 【副助】①(一例として提示する。) …でも(あるいはそうでなくても)、 …なり。 hekattar hene ikipa ruwe ne kuni ku=ramu ヘカッタㇻ ヘネ イキパ ルウェ ネ クニ クラム 子どもたちでもやったんだろうと私は思う。(S) cip hene a=kar wa チㇷ゚ ヘネ アカㇻ ワ 舟か何かをつくって。 e=os ek hene ki ka somo ki エオㇱ エㇰ ヘネ キ カ ソモ キ あなたの後から来たりなどしもしない。 tup hene rep hene ku=kor rusuy トゥㇷ゚ ヘネ レㇷ゚ ヘネ クコン ルスイ 二つでも三つでもいいからほしい。 ohonno hene iruka hene オホンノ ヘネ イルカ ヘネ 長い間でも短い間でも。(W会話) ②po hene ポ ヘネ なおいっそう(po ポ《なお》を強調する言い方)。 {E: ①even…; either…or… ②more; even more.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
henkotpa
ヘンコッパ 【他動】[複(?)] …にうなずく。 sekor hawean=an akusu orano tu suy re suy i=henkotpa ne ya ki kor セコㇿ ハウェアナン アクス オラノ トゥ スイ レ スイ イヘンコッパ ネ ヤ キ コㇿ 私がそう言うと、 彼は二度も三度もうなずいたりしながら。(KK民話) ☆参考 複数形の形だが、 対応する単数形は未出。 {E: to nod to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
heporap
ヘポラㇷ゚ 【名】[動物] チョウ(蝶)(「チョウチョ」)。 ☆参考 チョウ(蝶)のような形のガ(蛾)を apeetun-heporap アペエトゥン ヘポラㇷ゚ [火を借りる・チョウ]または kunne-heporap クンネヘポラㇷ゚[夜・チョウ]と呼び、 それに対してチョウを tókap-heporap トカㇷ゚ヘポラㇷ゚[昼・チョウ]と言う。(S) {E: a butterfly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hererke
ヘレㇾケ 【自動】[her-er-ke つや・(重複)・(自動詞形成)](熊の毛並みが)つやつや光る。 kasikehe hererke kane an kucan カシケヘ ヘレㇾケ カネ アン クチャン 背中がつやつや光っているめす熊。(NK民話) {E: to shine brightly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
herokikar
ヘロキカㇻ 【自動】[heroki-kar ニシン・をつくる/する] ニシン漁場で働く。 kuani pista ku=an/herokika(r) okkayo クアニ ピㇱタ クアン/ヘロキカ(ㇻ) オッカヨ 私は浜のニシン漁場で働く男(歌う口調によって語末の r が落ち、 herokika ヘロキカ と発音している)。(S自作の歌) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
heru
ヘル 【副】ただ…(だけ)、 たった…。 heru sinep takup ne ruwe? ヘル シネㇷ゚ タクㇷ゚ ネ ルウェ? たった一つだけなの? (S) heru apamaka hi pakno ne wa oar isam ヘル アパマカ ヒ パㇰノ ネ ワ オアリサㇺ ただ戸を開けただけですぐいなくなった。(S) {E: only; just.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
héseturiri
ヘセトゥリリ 【自動】[hese-turi-ri 息・を伸ばす・(重複)] フーツと長く息を吐く、 息を伸ばす、 ほっとして息をつく。 ku=toye ku=kar okere wa ku=heseturiri クトイェ クカロケレ ワ クヘセトゥリリ 私の畑の仕事をすませて私はほっとして息をついた。(S) {E: to sigh in relief.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hetak
ヘタㇰ 【間投】(=heta ヘタ) さあ、 そら。(うながす言葉。) na e=hotke wa e=an ruwe? iyohay, hetak hopuni! ナ エホッケ ワ エアン ルウェ? イヨハイ、 ヘタㇰ ホプニ! まだ寝ているの? まああきれた、 さあ起きなさい。(S) hetak hokure ヘタㇰ ホクレ さあ早く、 さあさあどうぞ。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hetari
ヘタリ 【自動】[he-tari 頭・を上げる] 頭を上げる、 (木片が)飛び上がる。 hepoki hetari kane onkami ヘポキ ヘタリ カネ オンカミ 頭を下げたり上げたりして拝礼する(おじぎのことを言っている)。(S) cikuni ku=tawki akusu emko hetari wa ani ku=yaykik ruwe un チクニ クタウキ アクス エㇺコ ヘタリ ワ アニ クヤイキㇰ ルウェ ウン 私が 薪を(割ろうとして)たたいたら半分飛んで来て私はそれで自分を打ったのだよ。(S) ☆対語 hepoki ヘポキ {E: to lower one's head; to jump up.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hetopo
ヘトポ 【副】また(もどって)、 逆もどりして、 やり直して。 ta hetopo e=kar akus pirka wa タ ヘトポ エカㇻ アクㇱ ピㇼカ ワ やり直したら良くなったよ。(S) hetopo horka ヘトポ ホㇿカ また逆戻りして(帰って行く)。(W即興詩) {E: to go back; redo.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hetukpa
ヘトゥㇰパ 【自動】[複](単は hetuku ヘトゥク)(植物などが)生える、 (人間が)生まれる。 sine hon or wa hetukpa utar シネ ホン オㇿ ワ ヘトゥㇰパ ウタㇻ 一つの腹から生まれた人々。(S民話) {E: to grow, spring up (plants); give birth to (humans).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hi 2
ヒ 【形名】[名詞化辞](動詞/動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。) ①…する/したこと honkor=an hi ka a=erámpewtek ホンコラニ カ アエランペウテㇰ 私は妊娠していたのも知らなかった。 noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルㇱカ クス ひたいに大きな穴を開けられたことに腹が立ったので。(S民話) kamuy yaynu hi toy ka osma eyaynunuke kusu カムイ ヤイヌ ヒ トイ カ オㇱマ エヤイヌヌケ クス 神が思った事が地面に落ちるのは畏れ多いので。(S言い伝え) ene…hi エネ…ヒ …する仕方、 どのように…する/したかということ。 ene iki hi ka isam エネ イキ ヒ カ イサㇺ どうしようもない。 ene hawean hi エネ ハウェアニ (直訳すると)このように言ったことは=次のように言った。 hi néno ヒ ネノ …したまま。 ene an a hi néno (kane) エネ アナ ヒ ネノ (カネ) もとあったとおりに。 sike=an hi néno シケアニ ネノ 私は荷物を背負ったまま。(W神謡語り) hi nani ヒ ナニ …するとすぐ。 soyne hi nani ソイネ ヒ ナニ 外へ出てすぐ。 hi kusu ヒ クス …する/したから、 だから。 ②(文頭に置かれ、 前の文の内容を受けてその全体を名詞化する。) hi ne ヒ ネ そうだよ。 ③とき。 kéman hi ta ケマニ タ 飢饉だったときに。(W会話) tekehe turiri hi ta テケヘ トゥリリ ヒ タ 手をのばしたときに。(HK民話) poro=an hi wano ポロアニ ワノ (引用文中)私が大きくなってから。 hi ora(no)/hi oraun ヒ オラ (ノ)/ヒ オラウン …してから。 ne hi pakno ネ ヒ パㇰノ そのときまで。 ④ところ(所)。 tun ehotke hi トゥン エホッケ ヒ 二人が寝る所。(NK民話) ☆発音 ☞hi ヒ 1 {E: ①to; in; that. ②(is to be placed at the beginning of a sentence to make what was previously said a noun form. ③time. ④place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hike 2
ヒケ 【形名】[名詞化辞](hi ヒ 2 に所属形語尾のついた形だが、 hi ヒ とは意味・用法が異なる。) ①…することは、 …したら。 hike mak? ヒケ マㇰ ? …したらどう? (婉曲な勧め、 提案。) e=e hike mak? エエ ヒケ マㇰ? 食べたらどう? (S) …hike makanak ne wa? ヒケ マカナㇰ ネ ワ? …したらどうですか? (S) ene cis kor arpa rusuy pe a=arpare hike makanak ne wa? エネ チㇱ コㇿ アㇻパ ルスイ ペ アアㇻパレ ヒケ マカナㇰ ネ ワ? あんなに泣いて行きたがるもの行かせたらどうですか? (S) (後に mak マㇰ《どう》が略されて)hike? ヒケ? …したら? nep ka oyra noyne yaykohosipi kusu a=tere hike? ネㇷ゚ カ オイラ ノイネ ヤイコホシピ クス アテレ ヒケ? 何か忘れたらしく戻って行ったから待っていないか? (S) ②…したが/するとき (話が次の内容に展開するときに用いる)。 …un kur a=ne híne án=an hike …ウン クㇽ アネ ヒネ アナン ヒケ 私は…の人でしたが。(Wほか民話) ☞hike(he) ヒケ(ヘ) {E: ①to do…is to…; if one did… ②one did…; when one does…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hike ka
ヒケ カ 【接助】[…すること・も]…しても、 …した/しているのに。 poronno ku=sanke wa k=ére kus ku=ye hike ka ponno ka e ka somo ki ポロンノ クサンケ ワ ケレ クㇱ クイェ ヒケ カ ポンノ カ エ カ ソモ キ 私がたくさん出して食べなさいと言うのに彼は少しも食べない。(S) (出典:田村、方言:沙流)
híne 2
ヒネ 【接助】…した/しているときに。 nokan=an híne anakne ノカナニネ アナㇰネ 私が小さかったときは。(W会話) ku=pon híne isam ruwe ne yak a=ye クポン ヒネ イサㇺ ルウェ ネ ヤカイェ (父は)私の小さい時に亡くなったのだそうです。(S) na sések híne a=e ro ナ セセㇰ ヒネ アエ ロ 熱いうちに食べよう。(W) ☆参考 「小さい時に」は hi ta ヒ タ を使って ku=pewre hi ta クペウレ ヒ タ のようにも言い、 また pewre or ta ペウレ オㇿ タ とも言う。 {E: the time when…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
híne un somo
ヒネ ウン ソモ 【慣用句】[それなら・(否定)] もちろん。(S) ☞yakun somo ヤクン ソモ/ヤクイソモ (出典:田村、方言:沙流)
hńta 1
フンタ 【疑名】[hemanta ヘマンタ 1 の縮約形] ①(質問)何。 hńta an? フンタ アン? なんだい/なんですか? (hńta ne? フンタ ネ? 《何だ?》とも言う)。 hńta ekuskonna poro haw e=sanke wa k=éramutuy a na フンタ エクㇱコンナ ポロ ハウ エサンケ ワ ケラムトゥイ ア ナ なんだそれ突然大きな声を出してびっくりしたよ。(S) ②何か(できごとだけわかっていてその主または対象が何だかわからないときに使う)。 to, to, hńta moymoyke kor an ト、 ト、 フンタ モイモイケ コラン ほらあそこ、 あそこに何か動いている。(S) a, hńta kor wa ek kor an na ア、 フンタ コㇿ ワ エㇰ コラン ナ あ、 何か持って来ているよ。(S) (注 「何か食べたい」のようなときの「何でもいいから何か」は nep ka ネㇷ゚ カ。) ③hńta kusu フンタ クス [何・のため/故に] なぜ。 hńta kusu ene e=okasura hi an? フンタ クス エネ エオカスラ ヒ アン? なぜこんなときに行かせるの。(S) hńta ne フンタ ネ 何のために(「なにしに」)。 hńta un, kamuy ye a wa フンタ ウン、 カムイ イェ ア ワ なあに(ほかでもない)、 神が言ったのだわ(だから、 そのとおりになるんだ)。 ☆参考 日常の早い会話では hemanta ヘマンタ よりもこのほうが普通に使われる。 沙流川の下流でも中流でも言うがペナコリの川上まつ子さんは hinta ヒンタ と言う。 {E: ①what. ②something. ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hócikok
ホチコㇰ 【名】[鳴き声の擬音][動物](フクロウの一種) アオバズク(?)(「hoːcikoːk ホーチコーㇰ と鳴く」 (S) 「鳥のうちでもみったくない(みにくい)鳥」 (W))。 hócikok néno an ホーチコㇰ ネノ アン (直訳すると)アオバズクのようである=「みったくない」(=みにくい、 ぶかっこうな)。 hócikok néno an pe ホーチコㇰ ネノ アン ペ 「みったくない」人。 hócikok néno an tekunpe ホチコㇰ ネノ アン テクンペ 不格好な手袋。(W) 〔知分類 p.198 ((ホロベツ))〕 {E: a type of owl.} (出典:田村、方言:沙流)
hokanpa
ホカンパ 【自動】むずかしい、 ややこしい。 hokanpa nepki ホカンパ ネㇷ゚キ むずかしい仕事。(S) hokanpa oruspe ホカンパ オルㇱペ むずかしいこと/話。(W会話) hokanpa kur ホカンパ クㇽ 何を聞いてもまっすぐに答えずもったいぶって横へそれながら教える人。(S) ☆対語 isayka イサイカ やさしい、 簡単である。 {E: to be difficult; confusing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hokonu(-an)
ホコヌ §034.結婚(する)(30)hokonu(-an)〔ho-kó-nu ホこヌ〕⦅シラウラ、マオカ⦆夫をもつ;とつぐ。[hoku(男、夫)+nu(もつ)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
homanno
ホマンノ 【副】[hamar-no ぼんやりとかすかである・(副詞形成)] うす(淡)く、 かすかに。 homanno ku=nukar ホマンノ クヌカㇻ 私にはうすく/ぼんやりと見える。 ku=sapa sirka ta k=ánu kor homanno hotuypa haw ku=nu クサパ シㇼカ タ カヌ コㇿ ホマンノ ホトゥイパ ハウ クヌ(私が)頭を地面につけるとかすかに人の呼び声が聞こえる。(S) {E: lightly; thinly; weakly; faintly.} (出典:田村、方言:沙流)
homaritara
ホマリタラ 【自動/副】[homar-itara かすかな・(状態が続いていることを表す)] かすかに、 ぼうっとかすんで(いる)。 to kesehe homaritara to pakehe homaritara ト ケセヘ ホマリタラ ト パケヘ ホマリタラ 湖の下(しも)の方もぼんやりとかすみ、 湖の上(かみ)の方もぼんやりとかすんで見える。(W民話) homaritara cip kur ku=nukar ホマリタラ チㇷ゚ クㇽ クヌカㇻ かすかに舟影が(=舟が)見える。(W) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
homekayaynu
ホメカヤイヌ 【他動】気絶させる。(受け身の形、 つまり不定人称形で) a=homékayaynu アホメカヤイヌ 気絶する。 kamuy sirosma ruwe ne akusu ne wenkur umurek a=homékayaynu híne ruray ruwe ne カムイ シロㇱマ ルウェ ネ アクス ネ ウェンクㇽ ウムレㇰ アホメカヤイヌ ヒネ ルライ ルウェ ネ 雷が落ちると、 その貧しい夫婦は気絶して意識不明になった。(HK民話) ☆参考 語末の部分、 yanu ヤヌ とも yaynu ヤイヌ とも yayno ヤイノ とも聞こえる。 〔知分類になし〕 {E: to faint; to make…faint.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hon
ホン 【名】[概](所は honi ホニ, honihi ホニヒ) 腹、 おなか、 腹部一帯。 hon ne kor pe/totta kunne/sisamomare ホン ネ コㇿ ペ/トッタ クンネ/シサモマレ (直訳すると)おなかとして持っているものを大袋のように自分のそばに置く=(食べて食べて食べて)おなかが大袋みたいに体から離れたみたいにふくれます。(Sユーカラ) ☆参考 honkor ホンコㇿ 妊娠する。 {E: the belly; the stomach; the abdomen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
honi(hi)
ホニ(ヒ) 【名】[所](概は hon ホン)…の腹、 おなか。 honihi sanke wa hotke yak hankucinoye hene ki kusu ホニヒ サンケ ワ ホッケ ヤㇰ ハンクチノイェ ヘネ キ クス おなかを出して寝ておなかが痛くでもなると困るから。(S) honi(hi) arka ホニ(ヒ) アㇻカ おなかが痛い(「はらやみする」)。 =ipe ewen humi ne noyne ku=honi arka クイペ エウェン フミ ネ ノイネ クホニ アㇻカ 食べ物にあたったらしくおなかが痛い。(S) honi sik ホニ シㇰ 満腹する。 ku=honi sik クホニ シㇰ 私はおなかがいっぱいだ。 {E: the belly, stomach, abdomen of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
honoye
ホノイェ 【自動】[ho-noye 尻を・ねじる] ①(柱が)傾く、 (建物が)柱が歪みねじれて傾いている。 taan cikue cikiri honoye タアン チクエ チキリ ホノイェ この机は足が傾いている。(S) unihi honoye ウニヒ ホノイェ 彼の家は傾いている。(S) honoye wa hokus anki an ホノイェ ワ ホクㇱ アンキ アン 傾いて倒れそうになっている。(S) okimne cikirihi honoye wa oka kusu tanpa anak okimunpe an nankor オキㇺネ チキリヒ ホノイェ ワ オカ クス タンパ アナㇰ オキムンペ アン ナンコㇿ (ermupu エㇾムプ という星座名の)山側(=北側)の足が傾いているから今年は山津波(洪水)があるだろう。(S) (☞ermupu エㇾムプ) ②(比喩的に)帰って行く。 hempara suy honoye kus ene an? ヘンパラ スイ ホノイェ クㇱ エネ アン? [隠]いつまた傾こうというのだろう=(長尻の客が)いつ帰るのだろう。(S) honoye ka somo ki ホノイェ カ ソモ キ [隠]全然傾かない=長尻でいっこうに帰らない。(S) ☆参考 建物などがゆがんで傾く/傾いていることを言う。 置いてあるものが傾く/傾いて(かしいで)いることは ohewke オヘウケ、 上から下がっている鍋などが傾いていることは ehewke エヘウケ。 {E: ①to lean; incline. ②…} (出典:田村、方言:沙流)
hontomo(ho)
ホントモ(ホ) 【名】[所](概は hontom ホントㇺ)…の途中、 中流、 …の(木の)上下の中ほど、 その途中/中ほど。 Iskar hontomoho ta イㇱカㇻ ホントモホ タ 石狩川の中流で。(HC民話) hontomo ta ホントモ タ 途中で。 Yupet hontomo ekotankor kur ユペッ ホントモ エコタンコㇿ クㇽ 勇別川の中流の村長(むらおさ)。(W民話) {E: in the middle of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoppa
ホッパ 【他動】[< hop-pa (置いて去ることを表す語根)・(複)]…を置いて行く、 …を残して去る。 néa ekayni a=ehúsi wa a=hoppa a a=mipa p ネア エカイニ アエフシ ワ アホッパ ア アミパㇷ゚ その切り株にかぶせて置いて行った私の着物。(HC民話) a=unúhu a=onáha kira híne yap híne oraun sinenne a=i=hóppa tono or ta ki p ne kusu アウヌフ アオナハ キラ ヒネ ヤㇷ゚ ヒネ オラウン シネンネ アイホッパ トノ オッタ キㇷ゚ ネ クス 私の母と父は逃げて国へ帰ってしまってそれから私は一人和人の殿様の家に残されたので。(S民話) oar tennep hoppa wa isam オアッ テンネㇷ゚ ホッパ ワ イサㇺ ほんの赤ん坊を残して亡くなった。(W民話) mosir hoppa モシㇼ ホッパ 世を去る=(身分の高い人や重要な人が)死ぬ(=mosiroppa モシロッパ)。 a=kor nispa mosir hoppa hi oro wano アコㇿ ニㇱパ モシㇼ ホッパ ヒ オロ ワノ 私の主人が世を去ったときから。(W民話) ☆参考 複数形の形だが、 沙流方言では単複区別なく用いられる。 単数形の形をもつ hopi ホピ は、 派生語の中に現れる。 {E: to leave…behind, over.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hopunpa
ホプンパ 【自動】[複](単は hopuni ホプニ) ①(二人以上/二羽以上が)起きる、 起き上がる、 立ち上がる、 飛ぶ。 ② ☞eyayrikikur-hopunpa エヤイリキクㇽホプンパ {E: to get up; jump up; fly. (pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
horak
ホラㇰ 【自動】[ho-rak 尻を・(?)](木や家が)倒れる、 崩れ落ちる。 horak cise ホラㇰ チセ 崩壊した(くずれ倒れた)家。 ☆参考 hokus ホクㇱ(木や家が)倒れる、 転倒する。 hácir ハチㇼ ころぶ、 落ちる。 {E: for a tree, house etc. to fall down, collapse.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hóre hóre
ホレ ホレ 【間投】(Okikurmi kamuy オキクㇽミ カムイ《オキクルミ神》の神謡の折り返し。) ☆参考 hóre hóːre ホレ ホーレ と、 二つ目の ホ をのばして歌っている。 anna hóre hóre hóre アンナ ホレ ホレ ホーレ という折り返しを持つ神謡もある。 (出典:田村、方言:沙流)
hos
ホㇱ 【名】きゃはん ☆参考 雅語では kinatuyehos キナトゥイェホㇱ。 ☆参考 tekunpe テクンペ 手甲。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hosi
ホシ 【後副】…に背を向けて。 réra hosi ku=sikcupupu レラ ホシ クシㇰチュププ 私は風下に向かって目をギュッとつぶる。(S) {E: to face one's back to…} (出典:田村、方言:沙流)
hosipi
ホシピ 【自動】[単](複は hosippa ホシッパ)[ho-sipi 尻を・(?)] 帰る、 引き返す、 もどる。 ☆参考 訪問先を辞して自宅へ向かうとき ku=hosipi na クホシピ ナ《私は帰りますから》と言う話者と k=arpa na カㇻパ ナ《私は行きますから》と言う話者とある。 ☆参考 yaykohosipi ヤイコホシピ 忘れ物でもしてちょっともどる。 {E: to return; go back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoski 1
ホㇱキ 【他動】に酔う。 socu ku=ku wa ku=hoski ソチュ クク ワ クホㇱキ 私は焼酎を飲んで酔った。(S) ☆参考 ihoski/iyoski イホㇱキ/イヨㇱキ [自動]酒類に酔う、 酔っぱらう。 {E: to be (get) drunk on…} (出典:田村、方言:沙流)
hoski 2
ホㇱキ 【副】①先に、 最初に。 hoski arpa kor an, e=os k=arpa kusu ne na ホㇱキ アㇻパ コラン、 エオㇱ カㇻパ クス ネ ナ 先に行っていなさい、 (私は)あなたの後から行くから。(S) uwerpak hoyuppa=an ro, inan kur hoski sirepa ya ウウェㇾパㇰ ホユッパアン ロ、 イナン クㇽ ホㇱキ シレパ ヤ 一緒に走ろう、 どの人が(=だれが)最初に着くか。(S) ②ちょっと待って(その前にすることがあるからちょっと待ってと、 急いで止めるときに言う)。 ponno hoski! ポンノ ホㇱキ! ちょつ、 ちょっと待って! ③(時を表す語の前に置かれて、 一つ前のその時を表す。) hoski an ホㇱキ アン 去年の、 もう一つ前の。 hoski an to ホㇱキ アン ト 一昨日(少し他方言の感じがある)(=hoskinuman ホㇱキヌマン)。 hoski cukne ホㇱキ チュㇰネ 一昨年の秋(二つ前の秋)。(cukne チュㇰネ は去年の秋、 この前の秋。) hoski matane ホㇱキ マタネ 一昨年の冬、 二つ前の冬。 hoski paykar(ne?) ホㇱキ パイカㇻ(ネ?) 一昨年の春、 二つ前の春。 hoski sakne ホㇱキ サㇰネ 一昨年の夏、 二つ前の夏。 hoski isam cup ホㇱキ イサㇺ チュㇷ゚ 先月(=hoskicup ホㇱキチュㇷ゚)。 {E: ①firstly; before. ②Wait a moment! ③used in expressions of time.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hotanukar
ホタヌカㇻ 【他動】[hota-nukar (?)・を見る] …を見舞う、 …の様子を見る/見に行く。 isacise or un ku=henoye wa tasumkur ku=hotanukar wa orowa kotanpa un k=arpa kusu ne イサチセ オルン クヘノイェ ワ タスㇺクㇽ クホタヌカㇻ ワ オロワ コタンパ ウン カㇻパ クス ネ 病院へ寄って病人を見舞ってそれから集落の上(かみ)の方へ行く。(W) ☆参考 魚が網にかかったかどうか、 マイタケが出ているかどうかなどを見に行くのは nonkar ノンカㇻ。 {E: to go to visit, see, look in on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hotari
ホタリ 【自動】[ho-tari 尻・を上げる] (木が)根こそぎになる。 cikuni hotari チクニ ホタリ 木が根こそぎになった。 réra ani hotari wa an レラ アニ ホタリ ワ アン 風で根こそぎ倒れている。 ☆参考 hokus ホクㇱ 倒れる。 hácir ハチㇼ ころぶ/落ちる。 {E: for a tree to be uprooted.} (出典:田村、方言:沙流)
hotasnu
ホタㇱヌ 【自動】(…のことは)不安である、 非常な危険を感じる。 nociw tup uhewe uhewe pekor, a=nukár siri anakne, hotasnu=an hi kusu ノチウ トゥㇷ゚ ウヘウェ ウヘウェ ペコㇿ、 アヌカㇻ シリ アナㇰネ、 ホタㇱヌアニ クス 星が二つ交互に上がったり下がったりしているように見えるのは、 覚悟を決めなければならないほど危険なことなので(語り手訳)。(HC民話) hemanta etoko yaykar kusu ene nísapno síttoyárekurok a p ora ene kunne nociw ka a=nukár ruwe anakne, hotasnu kewtum koohana ne yakka ku=yaykorpare ヘマンタ エトコ ヤイカㇻ クス エネ ニサㇷ゚ノ シットヤレクロㇰ アㇷ゚ オラ エネ クンネ ノチウ カ アヌカン ルウェ アナㇰネ、 ホタㇱヌ ケウトゥㇺ コオハナ ネ ヤッカ クヤイコㇿパレ 何の前兆なのか、 急にまっ暗になり夜の星まで見えるのは、 心配で気がかりな気持ちを、 私のようなものでも抱(いだ)いた。(W会話) {E: to be uneasy; have something on one's mind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hotke
ホッケ 【自動】寝る、 横たわる。 kuttokono hotke クットコノ ホッケ 仰向け(あおむけ、 「あおぬけ、 あおのけ」)に寝る。(W) utor-ehotke ウトㇿエホッケ/ウトレホッケ 横を向いて寝る。(W) utorsamne wa hotke ウトㇿサㇺネ ワ ホッケ 横を向いて寝る。(W) upsino hotke ウㇷ゚シノ ホッケ うつぶせに寝る。 ☆発音 東部方言で hokke ホッケ と発音されるが、 沙流・鵡川ほか広い地域では hotke ホッケ の「ッ」は t であり、 つまる音ではない。 ホッケ のように発音する。 ☆参考 眠ることは mokor モコㇿ。 hotke ホッケ は身を横たえること、 上向きにでも横向きにでも。 {E: lie down.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hu 2
フ 【自動】不良じみている(「なまいきだ」、 人をばかにして弱い者にはつっかかっていく、 乱暴する、 酒を飲んであばれるなど、 チンピラのような」)。(S) earkinne hu p ne na エアㇻキンネ フㇷ゚ ネ ナ とても「なまいき」 なんだ=とても不良じみているんだ。(S) ☆参考 karkarse カㇻカㇻセ 「コロズク」=不良じみた行為をする。 rumayne ルマイネ 半なまである、 なま煮えである、 (比喩的に)少し「半ばか」である。 {E: to be bad; shameless; delinquent.}-hu フ 3【接尾】[所属形形成](本辞典では「所属語尾」とも書いてある。 名詞の所属形をつくる。 母音 u のあとにつく。)hoku ホク [概]夫;hokuhu ホクフ [所]…の夫。 (出典:田村、方言:沙流)
húci
フチ 【名】おばあさん、 ①祖母 (「まごばあちゃん」)、 先祖の女性。 kor húci コㇿ フチ の祖母。 ku=kor húci クコㇿ フチ 私の祖母。 húci! フチ! おばあちゃん!(呼びかけ) ②老媼、 年輩の女性。 kamuy ne noyne an húci カムイ ネ ノイネ アン フチ 神様のように立派な老婦人。 Kamuy-húci カムイフチ [神・おばあさま]=火の女神。 ☆発音 u を高く、 はっきり発音する。 hci フチ にならないように注意。 ☆対語 ekasi エカシ {E: ①a grandmother. ②an old woman.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
humi 2
フミ 【形名】[名詞化辞](動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。 音や、 視覚以外の感覚、 感じ、 思いなどに関して用いられる。)…する/した/している音/感じ/気配/のよう。 …humi ne フミ ネ …のする音/感じ/気配/ようである。 humi an フミ アン …のようだ/…のか(なあ)。 hńta ninpa wa arpa humi an? フンタ ニンパ ワ アㇻパ フミ アン? 何を引きずって行く音だろうか。 a=ewémkoani mokko ninpa wa arpa humi un アエウェㇺコアニ モッコ ニンパ ワ アㇻパ フミ ウン たんかを引きずって行く音だよ。 ku=sikpake inteo yan humi an クシㇰパケ インテオ ヤン フミ アン 私の目頭に目やにがあがったようだ。 …humi! フミ!…なあ(感嘆)。 méan humi! メアン フミ! 寒いなあ。 tanpane anak a=tura rusuy humi! タンパネ アナㇰ アトゥラ ルスイ フミ! 今年こそは一緒に行きたいなあ。(S民話) wátaha irammakaka puspuske wa a=mi humi pirka ワタハ イランマカカ プㇱプㇱケ ワ アミ フミ ピㇼカ ふとんの綿が具合よくふくらんで掛けるのに気持ちがいい。(S) humi ka isam フミ カ イサㇺ …したような感じが全然しない、 ちっとも…しない。 sirmeman humi ka isam シㇼメマン フミ カ イサㇺ ちっとも涼しくなったようでもない。(W) k=éramasu humi ka isam ケラマス フミ カ イサㇺ 私はちっともおもしろくない。(S) tópenpe poronno a=o yakka tópen humi ka isam no runnu hi patek ne トペンペ ポロンノ アオ ヤッカ トペン フミ カ イサㇺ ノ ルンヌ ヒ パテㇰ ネ 甘いもの(砂糖)をたくさん入れても甘みが感じられないで、 しょっぱいだけだ。 ☆参考 あとに hi ヒ はつかない、 つまり humihi フミヒ とはならない。 ☆参考 humi フミ [名][所]《音、 感じ》については ☞humi(hi) フミ(ヒ) ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 ☞ruwe ルウェ {E: the sound, sense, feeling of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
humi(hi)
フミ(ヒ) 【名】[所](概は hum フㇺ)…の音、 …の感じ。 humi(hi) as フミ(ヒ) アㇱ …の音がする、 鳴る、 …の感じがする。 humi(hi) aste フミ(ヒ)アㇱテ …の音を立てる、 …を鳴らす(楽器でも鈴や太鼓など叩いて鳴らすものの場合)。 ani humi a=aste p アニ フミ アアㇱテㇷ゚ それで音を鳴らすもの(楽器)。 iteki e=humi aste イテキ エフミ アㇱテ あなたの音を立ててはいけません(=物音をたてないようにしなさい)。(W独話) (S) humi(hi) ka isam フミ(ヒ) カ イサㇺ …の音がしない。 cip yanke humi as akus ora, humihi ka isam チㇷ゚ ヤンケ フミ アサクㇱ オラ、 フミヒ カ イサㇺ 彼が舟を岸に着ける音がしたが、 そのあとその音が全然しなくなった。(NK民話) {E: the sound of…; the feeling of …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hunakor
フナコㇿ 【名】[概](所は hunakoro フナコロ) ①どこの所。 hunakor e=yuninka hawe an? フナコㇿ エユニンカ ハウェ アン? どこを痛くしたの? (S) ②なあんだ(たいしたことではない)。 hunakor ene pak an pe tanto ne yakka ku=kar wa フナコㇿ エネ パㇰ アン ペ タント ネ ヤッカ クカㇻ ワ なあんだ、 「こればっこ」(たったこれだけ)のもの、 きょうでも払ってやる。(S) (出典:田村、方言:沙流)
húnine
フニネ 【自動】[hu-ni-ne なまの・木・である] 生木(なまき)である(木の、 枯れてない)。 húnine cikuni フニネ チクニ 生木。 {E: to be a live tree; be raw wood.} (出典:田村、方言:沙流)
hunpepa
フンペパ 【名】[hunpe-pa クジラ・頭][動物]クジラの頭(ウポポ(斉唱・輪唱する歌謡)の中で使われている)。 hunpepa wa/ku=tukan フンペパ ワ/クトゥカン クジラの頭から殺していけ。(Sウポポ) {E: the head of a whale.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hur
フㇽ 【名】山の急坂(下からだんだん高くなって行く急な斜面)。 hur ka ta フㇽ カ タ 山の急坂/崖の上に。 hur tapka フッ タㇷ゚カ 山の急な斜面の上(の平らになった所)。 hur tapka a=osíraye フッ タㇷ゚カ アオシライェ 私は山を登って行って山のいちばん高い所に上がった。(KK民話) hur tom フッ トㇺ 山の急坂/崖面のまん中。 hur hontom フㇽ ホントㇺ 山の急坂/崖の中ほど。 hur monpok フㇽ モンポㇰ 山の急坂/崖の下の方。 te péka hemespa=an kor eytasa hur okuwas テ ペカ ヘメㇱパアン コㇿ エイタサ フㇽ オクワㇱ ここから登るとあまり坂が急だ。 {E: a steep mountain slope.} m (出典:田村、方言:沙流)
húre
フレ 【自動】赤い。 húre nonno フレ ノンノ 赤い花。(S会話) húre su フレ ス 赤い鍋(アルマイトの黄色い鍋を指して)。(W) ☆参考 オレンジ系の黄から紫くらいまでの範囲にわたり、 茶色っぽい色まで含むが、 典型的なのは血のような赤い色。 ☆参考 siwnin シウニン 青い(緑を中心とする)。 retar レタㇻ 白い。 kunne クンネ 黒い。 {E: to be red.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
húresisam
フレシサㇺ 【名】[húre-sísam 赤い・異民族] 白人。 ☆参考 髪の毛が赤いから。(W) ☆参考 repunkur レプンクㇽ 外国人。 ☞sísam シサㇺ {E: a Caucasian.} (出典:田村、方言:沙流)
hurkap
フㇽカㇷ゚ 【名】[概](所は hurkapu(hu) フㇽカプ(フ))[hur-kap (?)・皮][動物](?) カラスにつつかれて骨と皮ばかりになった魚や鳥の死骸。 cikap hurkap チカㇷ゚ フㇽカㇷ゚ カラスにつつかれて骨と皮ばかりになった鳥の死骸。 hurkap takupi an フㇽカㇷ゚ タクピ アン(直訳すると)彼の骨と皮ばかりの死骸しかない=(彼は)やせこけて着物だけみたいだ。(S) ☆参考 raycep ライチェㇷ゚ 死骸。 〔知分類 人間 p.120 ((ホロベツ、 クッシャロ)) 皮〕 {E: the remains of a fish, bird etc that has been picked clean by a crow, leaving just skin and bones.} (出典:田村、方言:沙流)
husko
フㇱコ 【自動】古い。 husko sinrit フㇱコ シンリッ 古い先祖=昔の先祖。 teeta husko sinrit oka híne テエタ フㇱコ シンリッ オカ ヒネ 昔、 ずっと昔の先祖が(生きて)いたときに。(W会話) husko maratto フㇱコ マラット 古い熊の頭骨。 husko an pe sikopayar フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ [慣用句]もとあったとおりにする=もとどおりに何くわぬ顔をしている。 os a=okápikuyra a korka kira=an híne a=uní ta ék=an híne husko an pe a=sikópayar híne án=an オㇱ アオカピクイラ ア コㇿカ キラアン ヒネ アウニ タ エカン ヒネ フㇱコ アン ペ アシコパヤㇻ ヒネ アナン 私は(姉の)あとをこっそりつけて行っていたのだったが、 逃げて家に帰って来て、 もとどおりにして何くわぬ顔をしていた。(W民話) {E: to be old.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
huskore
フㇱコレ 【他動】[husko-re 古くなる・させる](直訳すると)古くならせる。(受け身、 つまり不定人称形で)a=huskore アフㇱコレ 下に子ども(弟か妹)ができる(兄か姉になる)。 a=huskore p ne kusu na ponpe ne hawe ne nankor アフㇱコレㇷ゚ ネ クス ナ ポンペ ネ ハウェ ネ ナンコㇿ 下に子どもができたというのだからまだ小さい子どもだったのでしょう。(S民話)の途中の卜書きの独話 {E: to become an older brother or sister of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hussa
フッサ 【副/名】[擬音](病人の治療のためにフツフツと息を吹きかける時の擬音、 またその行為。) hussa tura フッサ トゥラ フッフッと息を吹きかけながら。(W会話) hussa hussa iki フッサ フッサ イキ フッフッと息を吹きかける。 aynu nupur wa kus tasta hussa hussa ikipa kor oraun siknupa nek! アイヌ ヌプㇽ ワ クㇱ タㇱタ フッサ フッサ イキパ コㇿ オラウン シㇰヌパ ネㇰ! 人間は霊力がすぐれているから(死んでも)フツフツと息を吹きかければ生き返るのさ。(KK掛け合い歌)の最後の語りの部分 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hutarumpe
フタルンペ §296 くじら(クジラ (10) hutarumpe (hú-ta-rum-pe)「ふタルンペ」[<kuttar-humpe] ⦅多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
huype
フイペ 【名】[概/所] [hu-ipe 生で・食べる物]肝臓、 レバー。 huype oro emus kusparepa フイペ オロ エムㇱ クッパレパ 彼らは熊のレバーに刀を通して切った。(NK民話) {E: liver.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
i- 4
イ 【接頭】[< 人接 i=] ①[人接 i= イ 5 の ④の用法](他動詞・後置副詞・位置名詞など、 目的語を取る語に接頭して、 その目的語の代りになる。 したがって、 目的語を一つ取る他動詞にこれが接頭すると自動詞になり、 目的語を二つ取る他動詞すなわち複他動詞にこれが接頭すると、 目的語を一つだけ取る他動詞すなわち単他動詞になる。 この種の接頭辞には他に u- ウ《互い》、 yay- ヤイ《自分》、 si- シ《自分》がある。)一般に人を/に/の、 ものを/に/の。 tura トゥラ …と同行する;itura イトゥラ 人と同行する。 huraye フライェ …を洗う;ihuraye イフライェ ものを洗う、 洗いもの(洗濯)をする。 ②(語によって、 特殊な意味にきまっている場合もある。) ku ク …を飲む;iku イク 酒類を飲む。 omap オマㇷ゚ …をかわいがる; iyomap イヨマㇷ゚ [< i-omap]子どもをかわいがる。 ③(普通名詞に接頭して)一般的に人の…(普通名詞は通常目的語を取らないが、 限られた決まった語で普通名詞にこの i- イ が接頭してつくられているものがある。 だいたい身体部分の名称と親族名称で、 所属形の場合が多いが、 一つの名詞として固まった語や、 さらに他の要素がついた派生語の中では、 概念形も現れる)。 maci(hi) マチ(ヒ) …の妻; imaci(hi) イマチ(ヒ) 人の妻、 妻のほう。 nay ナイ 沢;inay イナイ [概]/inaye イナイェ [所]尻の割れ目(尻たぶの間)。 ④(i-の接頭した名詞が何かあるものを所属の対象とする名詞として固まっている場合もある。) ruwe(he) ルウェ(ヘ) …の通った跡;iruwe(he) イルウェ(ヘ) 熊の足跡。 sapa サパ 頭;isapakikni イサパキㇰニ 鮭の頭をたたく木の棒 ⑤(その他の決まった語構成)i-…-ne ネ (「…」のところに親族名称の概念形が入る。 これまでの用例ではいつも連体的に使われている。) mátak マタㇰ 妹;imatakne イマタㇰネ 人の妹である、 姉妹のうちの妹のほうの。 ☆参考 本辞典では原則として、 この i= イ を切り離さず、 これの接頭した語全体を見出しに出してあるので、 i イ で始まる諸項目の中で分析表示の中に i- イ とあり「人」「もの」の訳のついているものを参照。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
icakkere
イチャッケレ 【自動】[i-cak-ke-re 人を・(不快にする(?)ことを表す語根)・(自動詞形成)・させる] 汚い、 よごれる。 =icakkere wa kamuy or un k=onkami ka eoripak クイチャッケレ ワ カムイ オルン コンカミ カ エオリパㇰ 私はよごれているので神様に拝むのも「もったいない」(=おそれ多い)。(S) icakkere hawas hi ne a! イチャッケレ ハワシ ネ ア! (直訳すると)きたならしい話だなあ=そんなこと聞きたくもない。(S) {E: to be, get dirty.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
icanuymarewrew
イチャヌイマレウレウ §145 キアゲハ(成);アゲハ(成) (4) icanuy-marewrew(i-ca-nuy-ma-rew-rew)「イチャヌイマレウレウ」⦅屈斜路⦆黒 と赤い点のある(kut)キアゲハ、アゲハ。 (出典:知里動物編、方言:)
icen 1
イチェン 【名】お金(紙幣も硬貨も)。 húre icen フレ イチェン[赤い・お金]一銭銅貨。 icen poronno a=e=kóre kusu ne na イチェン ポロンノ アエコレ クス ネ ナ (引用文中で)お金をたくさんあげるから。 ☆参考 お金のことを ikor イコㇿ《宝》と言うこともある。 {E: money.} (出典:田村、方言:沙流)
iehankere
イエハンケレ 【自動】[i-e-hanke-re もの・に・近くなる・させる・][雅](獲物をとるのに)近づいてとる。 ihayta kur patek/iehankere/háwas hike イハイタ クㇽ パテㇰ/イエハンケレ/ハワシケ [雅]鹿をとることのへたな人ばかり近くでとるという話だが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ihayta
イハイタ 【自動】[i-hayta もの・…に不十分である](次の文脈で)鹿をとることがへたである。 ihayta kur patek/iehankere/イハイタ クㇽ パテㇰ/イエハンケレ [雅]鹿をとることのへたな人ばかり近くでとる…。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iisoneka
イイソネカ 【副】[< 自動 i-iso-ne-ka ものを・本当・である・(他動詞化)](?) よくまあ…したものだ。 wenisitoma=an kor orano sama ta hotke=an hike, iisoneka, siknu=an híne kunneywa an ウェニシトマアン コㇿ オラノ サマ タ ホッケアン ヒケ、 イイソネカ、 シㇰヌアニネ クンネイワ アン 私はひどく恐ろしく思いながら彼のそばに寝たが、 よくまあ殺されもせず、 生きていて朝になった。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
íka 1
イカ 【自動/他/後副】①[自動]近道する、 あふれる。 pet íka ペッ イカ 川があふれる。 ku=ika wa k=ek クイカ ワ ケㇰ 私は近道して来た。 sirkohokayekaye ayne suy íka シㇼコホカイェカイェ アイネ スイ イカ 蛇行していてついにまたあふれた。 ②[他/後副](山や尾根や川)を越えて近道して(行く)。 Akkes un iwor íka arpa=an ruwe ne アッケㇱ ウン イウォㇿ イカ アㇻパアン ルウェ ネ 厚岸へ山(の谷間)を越えていった。(HK民話) tane tane toska íka noyne sir iki タネ タネ トㇱカ イカ ノイネ シㇼ イキ まもなく水が堤防を越えてあふれそうだ。(S) toska íka na トㇱカ イカ ナ [隠](直訳すると)川が堤防を越えてあふれるぞ=これ以上言うと泣くからもうやめておきなさい。 ☆発音 ku=ika クイカ、 e=ika エイカ の発音は kuyka、 eyka とはならない。 ku/íka, e/íka のように i イ を高く、 しかもはっきり発音する。(S) {E: ①to take a short cut. ②to take a short cut through, across (mountains, rivers etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikaras
イカラㇱ 【自動/副】①[自動]もったいない(「いたましい」)。 munin yak ikaras na hokure e yan! ムニン ヤㇰ イカラㇱ ナ ホクレ エ ヤン! くさったらもったいないから早く食べなさい。(S) ②[副]もったいなくも hńta kus mikanpako ikaras e=perpa ruwe an? フンタ クㇱ ミカンパコ イカラㇱ エペㇾパ ルウェ アン? どうしてみかん箱をもったいない、 こわしてしまうの。(S) {E: ①to be wasteful (v.). ②wastefully (adv.).} (出典:田村、方言:沙流)
ikaraski
イカラㇱキ 【自動】もったいない(「いたましい」)。 munin yak ikaraski na hokure e yan! ムニン ヤㇰ イカラㇱキ ナ ホクレ エ ヤン! くさったらもったいないから早く食べなさい。(S) (間投詞的にも使う。) munin wa isam, ikaraski! ムニン ワ イサㇺ、 イカラㇱキ くさってしまった、 もったいない! (S) ☆参考 失ったものや亡くなった人を惜しむことは oskur オㇱクㇽ。 {E: to be wasteful.} (出典:田村、方言:沙流)
ikaripe
イカリペ 【自動】沖の漁をする(haynaari ハイナアリ 延縄漁をして)。 ikaripe kur イカリペ クㇽ 沖の漁で生活する人。 ikaripe utar イカリペ ウタㇻ 沖の漁で生活する人々。 ☞haynaari ハイナアリ {E: to fish off-shore.} (出典:田村、方言:沙流)
ikasma
イカㇱマ 【自動】[i-kas(u)-(o)ma もの・を超えてそれ以上に・ある](?) ①余る。 taa pakno ikasma kusu ku=hosipire タア パㇰノ イカㇱマ クス クホシピレ これだけ余ったから私は返す。(S) ②(数詞の中で次のように用いる) sine pa ikasma hotne pa シネ パ イカㇱマ ホッネ パ [一・年・余る・二十年]二十一年。 sinep ikasma wanpe シネㇷ゚ イカㇱマ ワンペ [一つ・余る・十]十一。 {E: ①to be left over; exceed. ②to exceed (used in reference to figures).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikasuy
イカスイ 【自動】[i-kásuy 人・を手助けする] 人の手伝いをする、 人に/皆に協力する。 ukuran wano arpa wa ikasuy kor an ウクラン ワノ アㇻパ ワ イカスイ コラン(おばさんは奥さんの亡くなった家に)ゆうべから行って手伝いをしている。(W) yaykata anak nep ka ku=kar somo ki yakka =ipe easkay korka sinrit ku=ramu wa nen póka =ikasuy siri un ヤイカタ アナㇰ ネㇷ゚ カ クカㇻ ソモ キ ヤッカ クイペ エアㇱカイ コㇿカ シンリッ クラム ワ ネン ポカ クイカスイ シリ ウン 自分は何もしないでも食べていけるけれど一族を思って何とか手助けしているのだよ。(S) ☆参考 ikaopiwki イカオピウキ 人を救う。 ☞kásuy カスイ (出典:田村、方言:沙流)
ikatkor
イカッコㇿ §011.身内 血縁の者(16)ikatkor〔i-kát-kor イかッコㇿ〕⦅ホべツ⦆同民族である。〜-pe「同民族の者」。〜-kur「同」。[i-(それの)+kat(形状を)+kor(もつ)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ikayop
イカヨㇷ゚ 【名】[ik-ay-o-p (?)・矢・入れる・もの]矢入れ、 矢筒(「矢さし」)。(S) soyne kusu ne akusu ikayop komaknasikirpa híne ayeroskipa ソイネ クス ネ アクス イカヨㇷ゚ コマㇰナシキㇼパ ヒネ アイェロㇱキパ (熊が)外に出ようとしたとき(兄たちは)矢入れを取りに奧へもどってから矢を射て(熊を)しとめた。(NK民話) {E: a quiver for arrows.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikesuy
イケスイ 【自動】怒って出ていく、 いやがって立ち去る、 家出する。 isane p ruska kusu ikesuy a ruwe tapan イサネㇷ゚ ルㇱカ クス イケスイ ア ルウェ タパン (そのことに)姉のほうが腹を立てて出て行ってしまったのでした。(W独話) {E: to leave, run away from home in an angry state.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iki
イキ 【自動】[i-ki ものごとを・する] ①する、 ふるまう、 行なう。 iki ayne イキ アイネ (苦心して/がんばりつづけて)ようやく。 …siri iki … シリ イキ …している様子である。 ene iki hi エネ イキ ヒ どうするかということ、 しかた。 ene iki hi ka isam エネ イキ ヒ カ イサㇺ どうしようもない。 ②(名詞として使われて)行い。 ene an iki patek kipa エネアニキ パテㇰ キパ そのような行いばかりする。(S会話) … péka iki …ペカ イキ …を歩く、 …を旅する。 ihokusi péka ikuusi péka é=iki ayne e=ek ruwe somo ne ya? イホクシ ペカ イクウシ ペカ エイキ アイネ エエㇰ ルウェ ソモ ネ ヤ? マーケットや飲み屋をあなた歩いてきたのではないのか。(S) ③[熟語]… hawe iki wa/…humi iki wa …ハウェ イキ ワ/…フミ イキ ワ (あきれた言い方の一つで、 反語的に用いられる。)こともあろうに…なんていうことを言ってる、 こともあろうに…なんてことをして音をたてている、 よくも…言う/…音を出すもんだね。 kasusne hawe iki wa! カスㇱネ ハウェ イキ ワ! まあ、 たいしたことを言ってきた(=ひどい話だなあ)(kasusne カスㇱネ は《大したことはない》) (☞wa ワ 3)。 pe/p iki ペ/ㇷ゚ イキ …している(いぶかって言う言い方)。 hńta kohehewpa wa nukar pe iki? フンタ コヘヘウパ ワ ヌカㇻ ペ イキ? 何をのぞいて見てるんだろう。 hńta ewkopinupinu p ikipa? フンタ エウコピヌピヌㇷ゚ イキパ? 何をコソコソ話し合っているんだろう。(S) ④[雅](韻文の中で、 また会話でも美文調で話すとき、 ときおり ne ネ《である》の代わりに使われる。 用例では korka/korkayki コㇿカ/コㇿカイキ《けれども》、 yakka/yakkayki ヤッカ/ヤッカイキ《…しても》の前に置かれている。 ne ネ を使った表現とは多少ニュアンスが違う。) onne p iki korka オンネㇷ゚ イキ コㇿカ 年老いた者ではあるけれど。(onne p ne korka オンネㇷ゚ ネ コㇿカ 年老いた者だけれど。) (W神謡語り) pon cikisani/pon menoko/iki korkayki/kamuy moyremat ポン チキサニ/ポン メノコ/イキ コㇿカイキ/カムイ モイレマッ [雅]小さいハルニレの若い女性ではあるが、 まるで女神様のように…。(Sユーカラ) iki yakkayki イキ ヤッカイキ [雅]…も。 inan henpara/iki yakkayki イナン ヘンパラ/イキ ヤッカイキ [雅]いつどんなときでも。(Sユーカラ) {E: ①to do; conduct; behaviour (v.). ②conduct, behaviour, action (n.). ③… ④… } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikineypeka
イキネイペカ 【副】[iki-ney-péka どんな…でも・どこ・で](?) [雅](禁止の言い方の一つ。)けっして(…してはいけない)。 síno utarpa/ikineypeka/tumuan kewtum/i=kokor kuni p/somo tapan na シノ ウタㇻパ/イキネイペカ/トゥムアン ケウトゥㇺ/イココㇿ クニㇷ゚/ソモ タパン ナ [雅]まことの強者はけっして憤慨して私に敵意を持つのではありませんよ。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikiyaun
イキヤウン 【副】[< iki-ya-un ものごとをする・かどうか・(判断の助詞)](動詞のあとに助詞 wa ワ を伴って) ikiyaun…wa イキヤウン…ワ もしかすると…するのではないだろうか。 ikiyaun túnasno e=ek wa sekor ku=raman イキヤウン トゥナㇱノ エエㇰ ワ セコㇿ クラマン もしかするとあなたが早く来るかもしれないなと私は思った。(W会話) ☆参考 沙流川下流の人が言う。 中流の人は ikaanun イカアヌン と言う。 {E: if…happens, maybe…will occur.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikopet
イコペッ 【自動】(馬、 鹿、 熊などが)水を飲むとき一緒に悪い虫を飲んだためにその場で倒れて死んでしまう。 wakka ku wa ora ikopet aan noyne ray wa an ワッカ ク ワ オラ イコペッ アアン ノイネ ライ ワ アン 水を飲んで毒虫にあたったらしく死んでいる。(S) {E: (for a horse, deer, bear, etc.) to drink toxic water and die.} (出典:田村、方言:沙流)
ikosawre
イコサウレ 【自動】[i-ko-sawre 人・に対して・ゆるい]厳しくない、 人に甘い。 ikosawre yakun uk ka eaykap イコサウレ ヤクン ウㇰ カ エアイカㇷ゚ きちんとしなかったら(借金が)取れない。 {E: to be generous.} (出典:田村、方言:沙流)
imakake(he)
イマカケ(ヘ) 【位名】[所](概は imak イマㇰ) ①その向こう、 それより向こう、 その後ろ。 en=imakake ta an a wa エニマカケ タ アナ ワ 私よりもっと向こうにあったよ。(S) porke imakake a=osíraye kor ポㇿケ イマカケ アオシライェ コㇿ 堀割の向こう側に私たちが着いたとき。(HK民話) ②その後。 sukup kur anakne otu sukup ne ore sukup ne sukup yakka imakakehe eyayriko uske okay pe ne na スクㇷ゚ クㇽ アナㇰネ オトゥ スクㇷ゚ ネ オレ スクㇷ゚ ネ スクㇷ゚ ヤッカ イマカケヘ エヤイリコ ウㇱケ オカイ ペ ネ ナ 若い人というものはいろいろ浮き沈みがあって成長し、 後にまた良くなるときがあるものだよ。(S) imakake(he) ta イマカケ(ヘ) タ そのあとで、 後になって。 {E: ①over there; behind that. ②after; later on.} (出典:田村、方言:沙流)
imatne
イマッネ 【自動】[i-mat-ne 人の・妻・である]奥さんである、 (夫婦のうち)妻のほうである。 imatne kur イマッネ クㇽ 奥様、 どこそこの奥さんである人。 {E: to be the wife.} (出典:田村、方言:沙流)
inan
イナン 【連体】どの。 inan kur イナン クㇽ どの人。 inan pe イナン ペ どのもの=どの者/どの子/どれ。 inan kotan イナン コタン どの村。 kotan un arpa ru inan ru ne? コタヌン アㇻパ ル イナン ル ネ? 集落(村)へ行く道はどの道ですか? (S) {E: which.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inani
イナニ 【疑名】[inan-hi どの・ほうのもの/人/所] (二つ以上のうちの)どの/どちら(のほう)のもの/人/所。 inani un イナニ ウン どっちへ(あっちかこっちか)。 inani un k=arpa kor pirka? イナニ ウン カㇻパ コㇿ ピㇼカ? (あっちの町かこっちの町か)どっちへ行けばいいだろう? (S) ☆参考 人については inan kur イナン クㇽ、 ものについては inan pe イナン ペ や inanike イナニケ が多く使われ、 inani イナニ は場所について「どっちへ」「どっちに」「どっちから」のような表現に多く使われるようである。 {E: which person, place etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inaye(he)
イナイェ(ヘ) 【名】[所](概は inay イナイ)…の尻の割れ目(尻たぶの間)。 apto ruy wa ku=teyne ora =inaye opes nay san kane アㇷ゚ト ルイ ワ クテイネ オラ クイナイェ オペㇱ ナイ サン カネ 雨がひどくて私はぬれてお尻の割れ目を沢が流れている。(S) {E: the crease of the buttocks of…} (出典:田村、方言:沙流)
íne 1
イネ 【自動】①どうだ、 どうした、 どうなった。 ne seta íne? ネ セタ イネ? その犬はどうした/どうなった。(KK掛け合い歌) k=éninuype íne un? ケニヌイペ イネ ウン? 私の枕どうしたんだろう(見当たらない)。(S) cisekorkur íne? チセコㇿクㇽ イネ? ご主人は? (S) ②(間投詞的に)どら。 íne, e=tapsutu ku=tenpatenpa na イネ、 エタㇷ゚ストゥ クテンパテンパ ナ どら、 肩をもんであげるから。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
íne henpak
イネ ヘンパㇰ 【連体】[どう・いくつの]いくつもの、 いくつも。 tane ora íne henpak pa síran pe ne kusu タネ オラ イネ ヘンパㇰ パ シラン ペ ネ クス いまはもうその時から何年もたっているから。(W民話の後の独話) sine itak ne korka íne henpak a=ye itak ne シネ イタㇰ ネ コㇿカ イネ ヘンパㇰ アイェ イタㇰ ネ 一つの言葉だがいくつにも言う言葉だ。(W) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ineap
イネアㇷ゚ 【名】[単](複は inerokpe イネロㇰペ)[ine-a-p どうである・…した・もの](感嘆)なんとまあ…。 ①(多くの場合、 次のような慣用表現で用いられる。) ineap…ya ka eramiskari イネ アㇷ゚…ヤ カ エラミㇱカリ なんとまあ見たことも聞いたこともないほど/びっくりするほど…だ。 ineap arikiki ineap ison wa síriki ya ka a=erámiskari イネアㇷ゚ アリキキ イネアㇷ゚ イソン ワ シリキ ヤ カ アエラミㇱカリ (彼は)本当にまあよく働き、 獲物がたくさんとれるさまはびっくりするほどだ。(W民話) ②(後半部分…ya ka eramiskari ヤ カ エラミㇱカリ なしに) ineap kusun uneno kane oka ruwe! イネアㇷ゚ クスン ウネノ カネ オカ ルウェ よくもまあ似ているもんだね。(S) ☆発音 íne イネ《どうである》とはアクセントが違い、 í イ が低く ne ネ のほうが高く発音される。 ☆参考 単数形だが、 二人以上のことに使われることもある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inerokpe
イネロㇰペ 【名】[複](単は ineap イネアㇷ゚)[íne-rok-pe どうである・…した[複]・もの] ①(多くの場合次のような慣用表現で) なんとまあ…。 inerokpe (kus(u)) …ya ka eramiskari イネロㇰペ (クㇱ/クス) …ヤ カ エラミㇱカリ なんとまあ見たことも聞いたこともないほど/びっくりするほど…だ(感嘆の表現)。 inerokpe kusu, onne p iki korka siretokkorpa ruwe oka ya ka a=erámiskari イネロㇰペ クス、 オンネㇷ゚ イキ コㇿカ シレトッコㇿパ ルウェ オカ ヤ カ アエラミㇱカリ なんとまあ、 年老いてはいるけれど二人ともそれはそれはびっくりするくらい美しい方々でした。(W神謡語り) ②[雅](後に ya ka eramiskari ヤ カ エラミㇱカリ を使わずに) inerokpe kus/pet iwor kasi/komaknatara イネロㇰペ クㇱ/ペッ イウォㇿ カシ/コマㇰナタラ [雅]なんとまあ川ぞいの景色が美しく開けている。(Sユーカラ) iresu sápo/inerokpe kus/i=eoripak pe/i=tukarike/kosikerana/atte kane イレス サポ/イネロㇰペ クㇱ/イエオリパㇰ ペ/イトゥカリケ/コシケラナ/アッテ カネ [雅]育ての姉はなんとまあ私に畏れてかしこまり私をまともに見ず目を下の方へ伏せている。(Sユーカラ) ☆参考 íne イネ《どうである》とはアクセントが違い、 第一音節の i イ が低く、 第二音節つまり ne ネ の部分が高く発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inkattomta
インカットㇺタ 【副】[inkar-tom-ta 見る・のまん中・で] 見てる間に。 urameturente wa nepkipa p ne kus inkattomta nispanepa ウラメトゥレンテ ワ ネㇷ゚キパㇷ゚ ネ クㇱ インカットㇺタ ニㇱパネパ (彼らは)心を一つにして働いたので見る見るうちに金持ちになった。(S) (出典:田村、方言:沙流)
inki
インキ 【連体】[雅]どの。 inki kamuy/e=resu kuni p/sinen ka isam インキ カムイ/エレス クニㇷ゚/シネン カ イサㇺ [雅]どの神もあなたを育てようとするものは一人もいませんでした。(Sユーカラ) inki pito/inki kamuy/iki yakka インキ ピト/インキ カムイ/イキ ヤッカ [雅]どの御方もどの神であっても。(Sユーカラ語り) ☆参考 日常語では inan イナン。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inomi
イノミ 【自動】[i-nomi ものを・祀る] 祭祀をする。 inomi=an siri nukar rusuypa kusu イノミアン シリ ヌカン ルスイパ クス (和人たちは)私たちが祭りをする(この場合、 菱の実まつりをする)ところを見たいから。 会話 {E: to hold, have a festival.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inteoyan
インテオヤン 【自動】[inte-oyan 目やに・(そこ)に上陸する] 目やにが(目頭に)出てくる。 ku=sikpake inteoyan humi an クシㇰパケ インテオヤン フミ アン 私の目頭に目やにが出て(上がって)くるようだ。(S) ☆発音 ☞inteo インテオ {E: for mucous to be excreted from the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
inu
イヌ 【自動】[i-nu ものを・聞く] ①聞く。 heru inu takup ne hawe ne ヘル イヌ タクㇷ゚ ネ ハウェ ネ ただ話に聞くだけだ。(W会話) itak=an ciki pirkano é=inu katu ene an hi イタカン チキ ピㇼカノ エイヌ カトゥ エネ アニ 私がいまから話をするからよくお聞きなさい。(W民話) inu=an akusu イヌアナクス(うわさに)聞いたところでは。(W民話) ②[補助動詞]…wa inu …ワ イヌ …してみる。 e wa inu エ ワ イヌ 食べてみなさい。 kopisi wa inu コピシ ワ イヌ 彼にきいて(たずねて)みなさい。 ☆発音 =inu クイヌ、 é=inu エイヌ は、 ku= ク と i イ、 e= エ と i イ が kuy クイ、 ey エイ という一音節の二重母音に発音する。 ☆参考 視覚は含まず、 聴覚、 触覚、 味覚、 嗅覚によること、 また心の中の考えや思い、 感じなどについて言う。 視覚に関することについては、 inu イヌ ではなく inkar インカㇻ を使う。 ☆参考 他動詞は nu ヌ …を聞く、 …が聞こえる。 {E: ①to hear; listen. ②to try (to)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inun
イヌン 【自動】[i-nun ものを・吸いとる] 魚とりをする(槍で突くのも釣り針でひっかけるのも、 自分のほうへ吸い取るように引っぱるから)。(S) Cirpet sekor a=ye pet…eun inun kusu arpa チㇼペッ セコライェ ペッ…エウン イヌン クス アㇻパ チリペッという川(中略)彼はそこへ魚とりに行った。(HK民話) inun kus paye イヌン クㇱ パイェ [隠]彼らは支笏湖へ魚とりに行く(cepkoyki kus paye チェㇷ゚コイキ クㇱ パイェ と言えないとき、 わからないように言う)。(S) {E: to go fishing} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inunukeas
イヌヌケアㇱ 【自動】かわいそうである。 e=inunukeas wa kusu エイヌヌケアㇱ ワ クス あなたがかわいそうだから。(S) {E: to be bad off; miserable.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inunuketo
イヌヌケト 【名】[i-nunuke-to 人/もの・を大切によく処遇する・日]元日。 ☆参考 inomito イノミト、 páse inunuketo パセ イヌヌケト とも言う。 ☆参考 「お金も出さず、 人へものもやらないでうちだけでやる日。 朝から掃き掃除もしない。 sine to patek ne kusu iteki kunneywano munnupa yan シネ ト パテㇰ ネ クス イテキ クンネイワノ ムンヌパ ヤン《一日だけだから朝から掃き掃除をするんでない》と言った。」 (S) ☆参考 正月二日は ihokto イホㇰト《売り買いの日》(初荷の日)。(S) {E: New Year's Day; the first day of the year.} (出典:田村、方言:沙流)
ipakasnu
イパカㇱヌ 【自動】[i-pakasnu 人を・戒める] 人のいい悪いを(うるさく)言う。 ipakasnu kur i=ekari ek kor an na イパカㇱヌ クㇽ イエカリ エㇰ コラン ナ 口うるさい人が私たちの方へ(=こっちへ)向かってやってきたよ。(S) {E: to criticise, praise, speak bad, good about someone.} (出典:田村、方言:沙流)
ipankoyupo
イパンコユポ §023.兄(21)ipankoyupo〔i-pá-ko-ju-po イぱンコユポ〕⦅チカブミ⦆【雅:神謡】養育してくれている年上の兄;まま兄。[ipankoryupoとipankuyupoの混合形か]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ipaore
イパオレ 【自動】人に負けまいとする。 ipaore kusu nepki イパオレ クス ネㇷ゚キ 人に負けまいとして働く。(S会話) {E: so as not to be defeated.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ipe 1
イペ 【自動】ものを食べる、 食事する、 食べて(生きて)いく、 (名詞として)食べること、 食事。 hokure ipe ipe! iku iku! ホクレ イペ イペ! イク イク! さあどんどん食べなさい、 どんどん飲みなさい。(S民話) ipe ka a=etóranne イペ カ アエトランネ 私はものを食べるのもいやだ。(S民話) (NK民話) ipe=an kor pisno イペアン コㇿ ピㇱノ 私たちが食事をするときいつも。(S会話) é=ipe easkay kuni a=ki kusu ne na エイペ エアㇱカイ クニ アキ クス ネ ナ あなたが食べていけるようにしてあげるから。(HC民話) kunneywa ipe クンネイワ イペ 朝食を食べる、 朝食。 tókap ipe トカㇷ゚ イペ 昼食を食べる、 昼食。 onuman ipe オヌマン イペ/オヌマニペ 夕食を食べる、 夕食。 ipe rápok ta イペ ラポㇰ タ 食事中に。 ipe oka ta イペ オカ タ 食事の後に。 ipe etok ta イペ エトㇰ タ 食事の前に。 {E: to eat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ipehe
イペヘ 【名】[所](概は ipe イペ)…の実。 itak ipehe イタㇰ イペヘ/イタキペヘ 言葉の中味、 意味内容。 poronno ku=toyta a korka ipehe ka isam ポロンノ クトイタ ア コㇿカ イペヘ カ イサㇺ たくさんつくったけれどみのりがなかった。(S) {E: the truth, substance (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ipeoko
イペオコ 【副】[ipeo-ko 実が入っている・(反意の副詞をつくる接尾辞)] こんなわずか。 ipeoko patek en=kore イペオコ パテㇰ エンコレ こんなわずかしかくれない(食べ物でも布でも)。(S) ipeoko an pon kapoca mak ku=suwe wa k=e ruwe an pe an? イペオコ アン ポン カポチャ マㇰ クスウェ ワ ケ ルウェ アン ペ アン? これっぽっちのカボチャどうやって料理して食べるんだ。(S) {E: very little; a small amount of; Just this!} (出典:田村、方言:沙流)
ipepise
イペピセ 【名】[概/所][ipe-pise 食べる・袋] (人間の)胃袋。 ipepise siseku ayne racitke イペピセ シセク アイネ ラチッケ 胃袋がふくれてふくれて下がる。(S) ☆参考 胃が痛いことを言うにはこの語を使わず sanpe サンペ を使う。 ku=sanpe arka クサンペ アㇻカ 私は胃が痛い。(W) {E: the (human) stomach.} (出典:田村、方言:沙流)
ipewnara
イペウナラ 【自動】[ipe-eunara 食べること・に関してけちである]食物を人にやるのを惜しがる(「食い根性が悪い」)。 ipewnara p ne kusu kéraan pe suwe kor an a hike ka un=eham ka somo ki イペウナラㇷ゚ ネ クス ケラアン ペ スウェ コラナイケ カ ウネハㇺ カ ソモ キ「食い根性の悪い」やつだからおいしいごちそうをつくっていたのに私たちに食べて行きなさいとも言わなかった。(S) {E: to be stingy with food.} (出典:田村、方言:沙流)
ipisisip
イピシシㇷ゚ 【名】[植物] イラクサの痛くないほうのもの(それを乾かしてむくと麻みたいで黒い)。 ipisisip hay イピシシㇷ゚ ハイ イピシシプ(痛くないイラクサ)の皮(=kunne hay クンネ ハイ)。 〔知分類 p.162 ipisisip オオバイラクサ、 エゾイラクサの青い茎葉((幌別))((A有珠))〕 {E: a non-stinging nettle (urtica takedana ohwi (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
iporo(ho)
イポロ(ホ) 【名】[所](概は ipor イポㇿ)…の顔色、 …の顔つき。 iporo anu イポロ アヌ[顔つき・を置く] 隠す(言うのが気の毒だから見て見ないふりをする)。 m iporo kurkus イポロ クㇽクㇱ (怒って)しぶい顔をしている。 iporo rirot イポロ リロッ 心の中のことが顔色に出る。 iporo siw イポロ シウ 苦い顔をしている、 いつも笑わない。 hńta e=ruska wa é=iporo siw ruwe ene an hi an? フンタ エルㇱカ ワ エイポロ シウ ルウェ エネ アニ アン? 何を怒ってそんなに苦い顔をしているの? (S) iporo tuyreko an イポロ トゥイレコ アン ムスッと(=ブスッと)している。(S) iporo uuk イポロ ウウㇰ (怒って)顔色を変える。 iporo wen イポロ ウェン 憤慨の色を表す。 mosma mosma ku=hawean akus ora iporo wen kusu an wa soyne モㇱマ モㇱマ クハウェアン アクㇱ オラ イポロ ウェン クス アン マ ソイネ 私が関係のないほかのことばかり言ったら彼はひどく憤慨した顔をして外へ出て行った。(S) ratcako iporo ラッチャコ イポロ ランプの燃えかた、 燈火の様子。 {E: the facial complexion, looks of…} (出典:田村、方言:沙流)
ipukitara
イプキタラ 【自動】[ipuk-itara 突き出る・…した状態が続いている](次のような慣用表現で)(顔に)ありありと出ている。 iruska ipor/a=nan kurka ta/ipukitara イルㇱカ イポㇿ/アナン クㇽカ タ/イプキタラ [雅]怒りの色が私の顔一面に青すじが立つほど出ている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iramkoyki
イラㇺコイキ 【自動】[i-ram-koyki 人の・心・をいじめる][ram(u) koyki の目的語不定人称形] 人をなぶる。 okamkir iramkoyki=an kusu paye=an katu ne オカㇺキㇼ イラㇺコイキアン クス パイェアン カトゥ ネ わざと人をなぶる(ばかにしてからかう)ために行ったわけだ。(NK民話) {E: to tease; harass.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
irammakaka
イランマカカ 【副】[i-ram-makaka 人の・心を・広々と開く] とても美しく、 とてもよく、 すてきに、 立派に、 いい具合に。 wátaha irammakaka puspuske ワタハ イランマカカ プㇱプㇱケ ふとんがとてもよくふくらんだ。(S) taan hekaci anak sunke ka somo ki, mosma kur néno etarka iki ka somo ki, hawean ka somo ki, irammakaka pirka oasi kuni hekaci ne noyne katu ku=nukar タアン ヘカチ アナㇰ スンケ カ ソモ キ、 モㇱマ クㇽ ネノ エタㇻカ イキ カ ソモ キ、 ハウェアン カ ソモ キ、 イランマカカ ピㇼカ オアシ クニ ヘカチ ネ ノイネ カトゥ クヌカㇻ この子はうそもつかない、 ほかの人のようにやたらなこともしもしない、 言いもしない、 立派に出世する子だろうと私は見込んでいる。(S) irammakaka an イランマカカ アン とても美しい、 すてきな、 立派な。 {E: beautifully; wonderfully; finely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iramno
イラㇺノ 【副】同時に、 一緒に。 iramno sirepa=as イラㇺノ シレパアㇱ 同時に/一緒に私たちは着いた。(S) yakun aoká ka iramno pay=an hike? ヤクン アオカ カ イラㇺノ パヤニケ? それなら私たちも一緒に行きましょうか(pay=an パヤン は paye=an パイェアン が早く発音されて縮まった形)。(S) ☆参考 uweirpak/uwerpak ウウェイㇼパㇰ/ウウェㇾパㇰ 同時に。 utura ウトゥラ 一緒に連れだって。 {E: together (with.); at the same time as.} (出典:田村、方言:沙流)
irampotarare
イランポタラレ 【自動】[i-ram-potara-re 人(の)・心・不安になる・させる]やかましい、 うるさい。(間投詞的に)やかましいなあ、 うるさいなあ。 hekattar irampotarare, hawehe ne ya humihi ne ya, ku=yaykosiramsuypa ka eaykap ヘカッタㇻ イランポタラレ、 ハウェヘ ネ ヤ フミヒ ネ ヤ、 クヤイコシラㇺスイパ カ エアイカㇷ゚ 子どもたちやかましいなあ、 声だか音だか、 私は考えることもできない。(S) haː, irampotarare, an-epitta isomomokore ハー、 イランポタラレ、 アネピッタ イソモモコレ ああ、 こやかましい、 夜どおしだれも眠らせない。(S) ☆参考 二つ目の例のように間投詞的にも使う。 {E: to be noisy.} (出典:田村、方言:沙流)
iramu
イラム 【自動】[i-ramu ものを・思う](…と)思われる、 …(という)気がする。 op ek noyne iramu hi kusu オㇷ゚ エㇰ ノイネ イラム ヒ クス 槍が(飛んで)来そうな気がしたから。(S会話) {E: to be thought, believed, considered…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
irapokkari
イラポッカリ 【自動】[i-ra-pok-kari ひと/ものごと・低い所・の下・を通る]何の役にも立たない。 irapokkari kur イラポッカリ クㇽ 何の役にも立たない人。 {E: to be useless; worthless.} (出典:田村、方言:沙流)
iratcire-an
イラッチレアン 【完動】[< i-ratci-re-an 人を・静かになる・させる・ある] シーンと静まり返る。 akusu poro kucacise an, soyke ta iratcire-an híne síran アクス ポロ クチャチセ アン、 ソイケ タ イラッチレアン ヒネ シラン すると大きな狩小屋があった、 その外ではシーンと静まり返っていた。(NK民話) {E: to quieten down completely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ironne
イロンネ 【自動】[< ir-onne ひとまとまり・大きい]厚い、 (木の葉や草などが)茂る、 深く茂っている。 ironne kanpisos イロンネ カンピソㇱ 厚い本。(W) ironne nítay イロンネ ニタイ 木がたくさん茂っている林/森。 mun ironne ムン イロンネ 草が生い茂っている。(W) niskur ironne wa sir-kunne ニㇱクㇽ イロンネ ワ シㇼクンネ 雲が厚くて暗い。(W) ☆対語 kapar カパㇻ 薄い。 ☆参考 ruwe ルウェ 太い。 {E: to be thick.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iruwe
イルウェ 【名】[i-ruwe もの・の通った跡[所]] 熊の足跡。 iruwe an kusu ku=nukar akusu íne urepet us pe ne aan イルウェ アン クス クヌカラクス イネ ウレペッ ウㇱ ペ ネ アアン 熊の足跡があったので見たら四本指のやつだった。 ☆参考 四本指の熊は、 たちの悪い人食い熊だと言われる。 {E: paw prints, tracks left by a bear.} (出典:田村、方言:沙流)
isapke
イサㇷ゚ケ 【自動】[i-sapke ものを・味見する](=surku sapke スㇽク サㇷ゚ケ)毒を口に入れて試す。 ☆参考 トリカブトの毒を矢につける場合、 昔の人(男)は少し口に入れて舌にのせ、 そのピリッとした感覚でその毒の強さをみた。 ☆参考 (KT) 毒は surku スㇽク。 {E: to taste test poison in order to measure its strength.} (出典:田村、方言:沙流)
isaykano
イサイカノ 【副】[isayka-no 簡単である・(副詞形成)]簡単に。 isaykano túnasno a=kar nepki patek ku=ki rusuy イサイカノ トゥナㇱノ アカン ネㇷ゚キ パテㇰ クキ ルスイ 私は簡単に早くやる仕事ばかりしたい。(S) isaykano itak イサイカノ イタㇰ 簡単に言う(たくさんのことでも少ない言葉でわかりやすく言う)。(S) {E: simply; easily.} (出典:田村、方言:沙流)
isonukoan
イソヌコアン 【自動】[iso-nu-koan 獲物・の豊猟・がある](山へ行って等)たくさんとって来る。 =isonukoan クイソヌコアン(私は) 獲物をたくさんとって来た。 ☞nu(we) koan ヌ(ウェ) コアン {E: to take, catch a lot of game (by going into the mountains etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
isram
イㇱラㇺ 【名/自動】[is-ram (?)・心(人)] ①[名]貧しい人。 isram ne イㇱラㇺ ネ 貧しい人である、 貧しい。 isram ne ruwe a=erámpokiwenpa patek ka ki a p イㇱラㇺ ネ ルウェ アエランポキウェンパ パテㇰ カ キ アㇷ゚ 私は彼らが貧しいのをかわいそうに思ってばかりいたが。(NH民話) ②[自動]貧しい。 sanke híne i=sam omare hike, isram ruwe okay pe a=uk ka eyayhawkere kus サンケ ヒネ イサㇺ オマレ ヒケ、 イㇱラㇺ ルウェ オカイ ペ アウㇰ カ エヤイハウケレ クㇱ (彼は宝刀を)出して来て私のそばに置いたが、 貧しいのに受け取っては気の毒だと私は思ったので。(NK民話) ☆参考 wenkur ウェンクㇽ 貧しい人。 日常会話ではこの wenkur ウェンクㇽ のほうがずっと多く使われる。 {E: to be poor; miserable.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itako
イタコ 【他動】[itak-o 言葉を・そこに置く](そこ)に言葉を置く/入れる。(次の慣用表現で) kurka(sike) itako クㇽカ/クㇽカシケ イタコ [雅](その)上に言葉を置く=(そう)しながら話す、 言葉を言う。 ranke núpe/uturatura/kurkasike/itako hawe/ene oka hi ランケ ヌペ/ウトゥラトゥラ/クㇽカシケ/イタコ ハウェ/エネ オカ ヒ [雅]落ちる涙がとめどなく流れ、 そうしながら言った言葉は次のよう。(W神謡語り) {E: to speak of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itaso
イタソ 【名】[ita-so 板・座れるように整えたゆか] 板敷きのゆか(床)。 itaso kurka heri at kane イタソ クㇽカ ヘリ アッ カネ 板敷きの床の上一面が光っている。(S) {E: wooden flooring.} (出典:田村、方言:沙流)
iteki
イテキ 【副】①(禁止)…するな(「するんでない」)、 …しないように(その出来事が起こらないことを話し手が希望することを表す)。 iteki cis イテキ チㇱ 泣くな(「泣くんでない」)。 iteki arpa! イテキ アㇻパ! 行くな、 行ってはだめ(「行くんでない」)。 iteki supki yak haw néno haweoka yan イテキ スㇷ゚キ ヤㇰ ハウ ネノ ハウェオカ ヤン [隠] ヨシがつぶれるように言うな(ヨシは一度踏まれてつぶれると、 もうもとどおりにふくれることができない。 そのように取り返しのつかないようなことを言うな)。(S) iteki ca hepita haw néno hawean イテキ チャ ヘピタ ハウ ネノ ハウェアン [隠]柴がはじけてのびるように言うな(細い枝の先が頭を押えられて曲がっているのを放すとパッとはじけてのびる、 そのように短気を起こすな、 すぐに怒ってはいけない)。 iteki mik kor an イテキ ミㇰ コㇿ アン[隠] ほえるな=横から口を出すな。 ②iteki…no イテキ…ノ …せずに。 iteki cis no mokor イテキ チㇱ ノ モコㇿ 泣かないで眠りなさい。 iteki…kunine イテキ…クニネ …しないように。 iteki iruska kunine pirkano tasa é=itak yak easir pirka p ne na イテキ イルㇱカ クニネ ピㇼカノ タサ エイタㇰ ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカㇷ゚ ネ ナ 彼が腹を立てないように、 うまく受け答えをしなくてはいけませんよ。(S民話) (S) {E: Don't} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ittone
イットネ 【副】[itto-ne 一日・として] 日帰りで。 nisatta ittone Sirawoy un k=arpa wa k=ek kusu ne ニサッタ イットネ シラウォユン カㇻパ ワ ケㇰ クス ネ 明日私は日帰りで白老へ行って来る。(S) {E: a day trip; to go and return in one day.} (出典:田村、方言:沙流)
iwanke
イワンケ 【自動】達者である、 元気である、 健康である(病気でない)。 é=iwanke wa e=an ya/e=ana? エイワンケ ワ エアン ヤ/エアナ? あなたは元気/達者でいますか。 =iwanke wa k=an クイワンケ ワ カン 私は元気/達者でいます。 a=matápautari hem iwanke wa oka ya? アマタパウタリ ヘㇺ イワンケ ワ オカ ヤ? あなたの妹さんがたも達者でいますか。(S) {E: to be well; healthy.} (出典:田村、方言:沙流)
iwankeno
イワンケノ 【副】[iwanke-no 達者である・(副詞形成)]達者で。 iwankeno e=an ya? イワンケノ エアン ヤ あなたは元気/達者でいますか。 iwankeno k=an イワンケノ カン 私は元気/達者でいます。 sóne a=utári opitta iwankeno oka ruwe he an? ソネ アウタリ オピッタ イワンケノ オカ ルウェ ヘ アン? 本当に私たちの親戚は皆達者でいるのでしょうか。(S) ☆参考 最近 iwanke wa イワンケ ワ との混同が起こり、 1990年代のいまは、 iwankeno イワンケノ を人称形にして ku= ク、 e= エ をつけて =iwankeno クイワンケノ、 é=iwankeno エイワンケノ と言う人もいる。 {E: healthily.} (出典:田村、方言:沙流)
iwor 1
イウォㇿ 【名】尾根と尾根の間の比較的平らな部分、 山の谷間(たにあい)(熊狩りなどをする所、 狩場)、 山奥。 iwor íka イウォㇿ イカ 山(谷あい、 狩場)を越えて(行く)。 ayop tapika a=mut wa iwor or ta apkas=an アヨㇷ゚ タピカ アムッ ワ イウォロッタ アㇷ゚カㇱアン 私は矢入れ袋を肩から下げて山歩きをした(山の狩場を歩いた)。(HK民話) iramante kusu tuyma iwor or ta kucacise ku=kar wa oro ta k=an イラマンテ クス トゥイマ イウォロッタ クチャチセ クカㇻ ワ オロ タ カン 熊狩りをするために遠い山奥の狩場に狩小屋をつくってそこに暮らした。(W) hunak ta iwor or ta rik péka a=eyápkir híne フナㇰ タ イウォロッタ リㇰ ペカ アエヤㇷ゚キㇼ ヒネ どこか山奥で高い所から投げとばされて。(S民話) ☆参考 「だれそれの猟場」のように縄ばりのような概念で使われた例は出てこない。 {E: the valley between two ridges.} (出典:田村、方言:沙流)
iwor-ukaeraye
イウォㇿウカエライェ 【自動】[iwor-u-ka-e-raye 山奥の谷あい・互い・の上・に・行かせる] 尾根の集まっている山の上のほうを横切って近道して行く(山の下の方を通ると尾根も沢も幾つも横切らなければならず、 また遠回りであるから)。 sítu hontom a=kus wa iwor-ukaeraye=an シトゥ ホントㇺ アクㇱ ワ イウォㇿウカエライェアン 尾根の途中を通って近道して行こう。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyahuppe
イヤフッペ 【名】[i-y-ahup-pe もの・(挿入音)・入る・もの](=iyahupkur イヤフㇷ゚クㇽ)乞食(ものごいの人を指す見下げた言い方)。 {E: a beggar.} (出典:田村、方言:沙流)
iyani
イヤニ 【自動】[i-y-ani もの・(挿入音)・を携える] 食べ物を食べさせたくて持って行く。 ☆参考 接頭辞 ko- コ がつくときは koyani コヤニ、 また人称接頭辞 ku= ク、 e=エ がつくときは ku=yani クヤニ、 e=yani エヤニ となることがある。 {E: to carry, take food to feed someone.} (出典:田村、方言:沙流)
iyanu
イヤヌ 【自動】[i-y-anu もの・(挿入音)・を置く](?) 腰をかがめる。 kesto an kor ku=yanu kane wa k=ek ケㇱト アン コㇿ クヤヌ カネ ワ ケㇰ 毎日毎日私は腰をかがめて来る。(S) ☆参考 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときはこの用例のように ku=yanu クヤヌ、 e=yanu エヤヌ となることがある。 {E: to bend one's back.} (出典:田村、方言:沙流)
iyapi
イヤピ 【自動】体が不自由である(手とか足とか、 体のどこかに故障があるために思うように動けない人の属性を言う、 「悪い言葉ではない」)。(S) yayewen wa iyapi ヤイェウェン マ イヤピ 体に具合いの悪いところがあって体が不自由だ。(S) ☆参考 inukuri イヌクリ は年とって、 あるいはひどく疲れていたり病気などのために体が重く、 動くのがおっくうでさっさと動くことができない状態を言う。 {E: as some part of one's body is physically handicapped, one cannot move as one would like.} (出典:田村、方言:沙流)
iyapo
イヤポ 【名】父、 おとうさん。 ku=kor iyapo クコㇿ イヤポ/クコリヤポ 私の父。(S) iyapo! イヤポ! おとうさん(呼びかけ。 遠くから呼ぶときなどイヤポーと伸ばして発音する)。 iyapo kor イヤポ コㇿ 父方の。 iyapo kor húci イヤポ コㇿ フチ 父方の祖母(=父の母)。(S) ☆参考 沙流川下流から鵡川にかけて使う。 沙流川・門別川中流以上では míci ミチ を使う。 ワテケ(鳩沢ふじの)さんは、 沙流川下流の福満に生まれ育ったが、 父親がずっと山の方の Hatonay ハトナイ(鳩内)の人だったため、 子どものときから míci ミチ を使っていた。 それで大人になってからも míci ミチ を使う。 呼びかけは ku=mici クミチ。 異父妹のサダモさんは養父母が川下の人だったため iyapo イヤポ を使う。(W−S) ☞míci ミチ {E: father.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyaysama
イヤイサマ 【自動/間投】iyaysama hawe ne a! イヤイサマ ハウェ ネ ア! 困った話だなあ。(S) iyaysama! イヤイサマ! 困ったねえ、 すまないねえ。 ke ke ke ke, hokure hokure, iyaysama, su ukao su ukao, sanke, citarpe sanke, iyaysama ケ ケ ケ ケ、 ホクレ ホクレ、 イヤイサマ、 ス ウカオ ス ウカオ、 サンケ、 チタㇻペ サンケ、 イヤイサマ …あらあらあらあら、 早く早く、 困ったな、 鍋をしまって鍋をしまって、 出して、 ござを出して、 困ったな… (S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iye-e-
イイェエ 【接頭】[i-y-e-e もの・(挿入音)・(と一緒)で・で]…番目。(「二」以上の数詞と共に用いられる。) iye-einen イイェエイネン 四人目。 iye-einep ne イイェエイネㇷ゚ ネ 四番目の。 iye-einep ne ku=poho イイェエイネㇷ゚ ネ クポホ 四番目の息子。 iye-eiwan to イイェエイワン ト 六日目。(W神謡) iye-ere pa イイェエレ パ 三年目。(W民話) iye-erep イイェエレㇷ゚ 三番目。 iye-erep ne イイェエレㇷ゚ネ 三番目の。 iye-ererko イイェエレㇾコ[名][i-e-e-rerko もの・で・それで・三日] 三日目。 iye-etup イイェエトゥㇷ゚ 二番目。 a=o uske oro wa iye-erep oro ta ráp=an アオ ウㇱケ オロ ワ イイェエレㇷ゚ オロ タ ラパン 乗った所から三つ目で降りましょう。(S) ☆参考 電車に乗ってから次の次の駅で降りることを言っている。 乗った駅を一つ目として数えている。 ☆発音 二語のアクセントで発音される。 iyé-etú、 iyé-eré。 ☆参考 このように iye-e- イイェ エ を使って言う「…番目」の言い方はサダモさんのみから聞いた。 ワテケさんによれば「…番目」という言い方はなく、 hoski a=ye p, iyos a=ye p, na iyos a=ye p ホㇱキ アイェㇷ゚、 イヨㇱ アイェㇷ゚、 ナ イヨㇱ アイェㇷ゚《最初に言ったこと、 その後に言ったこと、 さらに後に言ったこと》のように言う。 しかしワテケさんも、 神謡の中では iye-eiwan to イイェエイワン ト《六日目の日》のようにこの形を使って歌っている。 (出典:田村、方言:沙流)
iyekenkenu
イイェケンケヌ 【自動】覚悟する。 tasaaspe e=eramu-mukkosanpa kusu ne na, iyekenkenu kor an タサアㇱペ エエラムムッコサンパ クス ネ ナ、 イイェケンケヌ コㇿ アン 仕返しに気が遠くなるほどやっつけてやるからな、 覚悟していろ。(S) {E: to be ready; prepared.} (出典:田村、方言:沙流)
iyemetu
イイェメトゥ 【自動】[i-y-e-metu 人に・(挿入音)・…のことで(?)・(?)]酒を飲み残して持って行って/持って来てあげる。 ☆参考 接頭辞 ko- コ がつくときは koyemetu コイェメトゥ、 また人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときも ku=yemetu クイェメトゥ、 e=yemetu エイェメトゥ となることがある。 {E: to take home left over alcohol.} (出典:田村、方言:沙流)
iyenucupki-ciwre
イイェヌチュㇷ゚キチウレ 【自動】[i-y-e-nu-cup-ki-ciwre 人・(挿入音)・そこに・顔・日/月・(する)・さす][雅]そこに日の光がさす。 nan nipeki/hetuku cup ne/iyenucupki/ciwre kotom/pirka ruwe ナン ニペキ/ヘトゥク チュㇷ゚ ネ/イイェヌチュㇷ゚キ/チウレ コトㇺ/ピㇼカ ルウェ [雅]顔の輝きがさしのぼる朝日のように日の光がさすのにも似てまぶしいほど美しい。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyepakasnu
イイェパカㇱヌ 【他動】[i-y-pakasnu 人・(挿入音)・について・…を教える]人に…を教える。 kanpi iyepakasnu kur カンピ イイェパカㇱヌ クㇽ 読み書き(勉強)を人に教える人(=先生)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
iyetupeknu
イイェトゥペㇰヌ 【自動】悔やみを言う。 somo e=yetupeknu kusu e=arpa? ソモ エイェトゥペㇰヌ クス エアㇻパ? (あなた)お悔やみにいかないの? (S) ☆参考 人称接辞 ku= ク、 e= エ のように、 アクセント核(声の高さの上がる所)を前の音節へ動かす接頭辞がつくときは ku=yetupeknu クイェトゥペㇰヌ、 e=yetupeknu エイェトゥペㇰヌ となる。 {E: to speak out one's frustrations.} (出典:田村、方言:沙流)
iyo 1
イヨ 【他動】[i-y-o もの・(挿入音)・…に…を入れる]…にものを入れる。(名詞として使われて)入れること。 …or iyo オㇿ イヨ…へ物を入れる。 pon pukuru or iyo wa upsor omare ポン プクル オㇿ イヨ ワ ウㇷ゚ソㇿ オマレ 小さい袋にものを入れて懐に入れなさい。(W) itanki or iyo イタンキ オㇿ イヨ おわん/茶碗に食べ物をよそう。(W) {E: to put something in…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyoattuye
イヨアットゥイェ 【自動】[i-y-oar-tuye 人/ものを・(挿入音)・全く・…を切る](?) (次の慣用表現の中で) par takupi iyoattuye p パッ タクピ イヨアットゥイェㇷ゚ 「口ばかり屁理屈ぬかす」=口ばかり達者なやつ。(S) {E: to quibble.} (出典:田村、方言:沙流)
iyohay-sitomare
イヨハイシトマレ 【間投】[iyohay-sitoma-re おやまあ・…を恐れる・させる] a=ye hi ka a=eyáykaramu p hńta kusu e=ye yak a=ye, iyoːhay-sitomare, mak ne kusu ene e=ye p an? アイェ ヒ カ アエヤイカラムㇷ゚ フンタ クス エイェ ヤカイェ、 イヨーハイシトマレ、 マㇰ ネ クス エネ エイェㇷ゚ アン? 言うのも恐ろしいことをどうしてあなた言ったそうだ、 あきれたね、 言ってどうするの。(S) ☞iyohay イヨハイ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyokte
イヨㇰテ 【他動】[i-y-ok-te ものに・(挿入音)・…をひっかける・させる] …をかぎ状のものでひっかける。 iyokte wa uk イヨㇰテ ワ ウㇰ かぎでひっかけて取りなさい。(S) ku=yokte híne k=uk クヨㇰテ ヒネ クㇰ 私はかぎでひっかけて取った。(S) ☆参考 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときは ku=yokte クヨㇰテ、 e=yokte エヨㇰテ となる。 {E: to hang (up)…on a hook.} (出典:田村、方言:沙流)
iyomap
イヨマㇷ゚ 【自動】[i-y-omap ものを・(挿入音)・可愛がる] 子どもをかわいがる。 iyomap=an rusuy kusu a=etún kusu ne na イヨマパン ルスイ クス アエトゥン クス ネ ナ 子どもをかわいがりたいので(赤ちゃんを)お借りしますから。(W民話) iyomap-eykoytupa=an イヨマㇷ゚エイコイトゥパアン 子どもがいないために子どもをかわいがることができなくて、 子どもをかわいがりたくてたまらない。(W民話) ☆参考 接頭辞 ko- コ がつくとき、 その前にさらに接頭辞がつかなければ koyomap コヨマㇷ゚ となる。 ☆参考 ikoiyomap/ikoyyomap イコイヨマㇷ゚ 他の人の子どもをかわいがる。 {E: to show affection to children.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyomare
イヨマレ 【自動】[i-y-omare ものを・(挿入音)・入れる] お酌する、 酒をつぐ。 ☆参考 接頭辞 ko- コ がつくとき、 その前にさらに接頭辞がつかなければ koyomare コヨマレ となる。 また人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときも ku=yomare クヨマレ、 e=yomare エヨマレ となることがある。 {E: to pour alcohol.} (出典:田村、方言:沙流)
iyomauske
イヨマウㇱケ 【名】[i-y-oma-uske もの・(挿入音)・そこにある・ところ][隠]ものがある所=男の陰部。 iyomauske a=yaspa yak a=ye kus ekot oasi イヨマウㇱケ アヤㇱパ ヤカイェ クㇱ エコッ オアシ (彼は)陰部が裂かれたと言うからそれで死ぬだろう。(S) ☆参考 「けがしたとか病気とか言うときまさかおちんぼのとこと言えないからこう言う。」 (S) {E: the penis.} (出典:田村、方言:沙流)
iyonruyka
イヨンルイカ 【自動/名】①[自動][i-y-onruyka もの/人を・(挿入音)・子守歌で寝かしつける] 子守歌を歌う。 ②[名]子守歌。 ☆参考 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときは ku=yonruyka クヨンルイカ、 e=yonruyka エヨンルイカ という形をとることがある。 ☆参考 沙流川下流から鵡川の言葉。 沙流川中流では iyonnokka イヨンノッカ と言う。 ihunke イフンケ は他方言。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyonuytasa
イヨヌイタサ 【副】[i-y-onuytasa 人・(挿入音)・に交代して] 今度は交代して。 henpaksuy ka aynurayke yak a=ye wa iyonuytasa a=rayke hawe un ヘンパㇰスイ カ アイヌライケ ヤカイェ ワ イヨヌイタサ アライケ ハウェ ウン 何回も人殺しをしたそうで今度は反対に殺されるのだそうだ。(S) iyonuytasa káni ka ku=kikkik イヨヌイタサ カニ カ クキッキㇰ 仕返しに私もなぐる。(S) en=kip e=niwkes a kusu iyonuytasa e=kip ku=niwkes エンキㇷ゚ エニウケㇱ ア クス イヨヌイタサ エキㇷ゚ クニウケㇱ あなたが私を助けてくれたから今度は私があなたを助けてあげる。(S) {E: let's switch, take turns.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyorot
イヨロッ 【自動】[i-y-or-ot 人・(挿入音)・のところ・にいる] 仲間入りする、 集団の中の一員である/になる。 iyorot a? イヨロッ ア? 彼も入っていたのか。(S) horippa or ta iyorot ホリッパ オッタ イヨロッ (彼は)踊りの輪に加わった。(W言い伝え) kamuy or ta ikoytupa kor iyorot kor an カムイ オッタ イコイトゥパ コㇿ イヨロッ コラン 神の国で不自由しながら神々の中で暮らしている。(W民話) ☆参考 接頭辞 e- エ がつくときは eyorot エヨロッ となる。 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときも ku=yorot クヨロッ、 e=yorot エヨロッ という形をとることがある。 {E: to join, to associate with } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyorotte
イヨロッテ 【他動】[iyorot-te 仲間入りする・させる] (人)を仲間入りさせる。 ☆参考 接頭辞 e- エ がつくときは eyorotte エヨロッテ、 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときは ku=yorotte クヨロッテ、 e=yorotte エヨロッテ という形をとることがある。 {E: to make, let join, associate with.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyos
イヨㇱ 【副】[i-y-os 人・(挿入音)・のあとから] あとから、 あとで。 iyos ek ora hoski arpa wa isam イヨㇱ エㇰ オラ ホㇱキ アㇻパ ワ イサㇺ 彼はあとから来て先に行ってしまった。(S) iyos an イヨㇱ アン あと(後)からの。 iyos an kor hápo イヨㇱ アン コㇿ ハポ (彼)のあとの母、 (彼)の継母。 iyos an ku=kor hápo イヨㇱ アン クコㇿ ハポ 私の後の母=私の継母。 iyos an kor iyapo イヨㇱ アン コㇿ イヤポ (彼)のあとの父、 (彼)の継父。 iyos an ku=kor iyapo イヨㇱ アン クコㇿ イヤポ 後の 私の父=私の継父。(S) {E: after.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyosikkote
イヨシッコテ 【自動】[i-y-osikkote 人・(挿入音)・に恋をする] 恋をする。 ☆参考 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときは ku=yosikkote クヨシッコテ、 e=yosikkote エヨシッコテ という形になることがある。 {E: to fall in love.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyoski
イヨㇱキ 【自動】[i-y-oski (< i-hoski) もの・(挿入音)・に酔う] 酔う、 酔っぱらう(=ihoski イホㇱキ)。 iku wa iyoski イク ワ イヨㇱキ 酒を飲んで酔う。(W) a=ire a a=ire a akus ora earkinne iyoski, híne iyoski wa an rápokke ta アイクレ ア アイクレ ア アクㇱ オラ エアㇻキンネ イヨㇱキ、 ヒネ イヨㇱキ ワ アン ラポッケ タ 彼にどんどん飲ませたところひどく酔っぱらった。 そして酔っぱらっている間に…。(W言い伝え) {E: to be, get drunk.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyosno
イヨㇱノ 【副】[i-y-os-no 人・(挿入音)・のあとから・(副詞語尾)] そのあとから/あとで、 その次に、 それに続いて。 hoskino…, oro wa nítay suptom uhuy wa paye, iyosno toytoy uhuy wa arpa ホㇱキノ…、 オロ ワ ニタイ スㇷ゚トㇺ ウフイ ワ パイェ、 イヨㇱノ トイトイ ウフイ ワ アㇻパ 最初に(中略)、 それから林の中ほどが燃えていく、 あとから土が燃えていく。(S) iyotta iyosno ku=ye a itak イヨッタ イヨㇱノ クイェ ア イタㇰ 私がいちばんあとで言った言葉。(S) ☆参考 iyos イヨㇱ だけでも言うが、 iyos イヨㇱ をさらに念を入れて言う言い方。 {E: after.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyoyra
イヨイラ 【自動】[i-y-oyra もの・(挿入音)・…を忘れる] もの忘れする、 忘れっぽい。 ku=yoyra hi koturse wa iyoyra hawe somo ne? クヨイラ ヒ コトゥㇽセ ワ イヨイラ ハウェ ソモ ネ? (彼は)私の忘れっぽいのがうつって忘れっぽいのではないかなあ。(H) ☆参考 ku= ク、 e= エ がつくときの語幹はこの例のように yoyra ヨイラ という形をとることがある。 (出典:田村、方言:沙流)
iyunin
イユニン 【自動】[i-y-unin もの・(挿入音)・が痛い](打って、 ぶつけて)痛い、 痛くなる、 うずく、 ひどく痛む。 ☆参考 arka アㇻカ は一般に《痛い》、 また体のどこかが病んでいることも言う。 iyunin イユニン は疼痛、 激痛など、 ひどく痛むこと。 ☆参考 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときは ku=yunin クユニン、 e=yunin エユニン という形をとる。 ☞unin ウニン {E: to be painful, ache; become painful.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyuninka
イユニンカ 【他動】[iyunin-ka 痛い・(他動詞化)] 痛くする。 “hunakor e=yuninka hawe an?” “ku=teke un” 「フナコㇿ エユニンカ ハウェ アン?」「クテケ ウン」 「(あなたは)どこを痛くしたの?」「(私の)手よ。」 (S) e=siren wa ora ene a=e=íyuninka エシレン マ オラ エネ アエイユニンカ (ay'íyuninka アイイユニンカ と発音している。) (彼が)あなたを誘ってそしてそのようにあなたがけがをさせられた。(S) ☆参考 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときは ku=yuninka クユニンカ、 e=yuninka エユニンカ という形をとる。 {E: to make… painful.} (出典:田村、方言:沙流)
iyutakikir
イユタキキㇼ §190 トンボ(蜻蛉) (16) iyuta-kikir (i-yú-ta-ki-kir)「イゆタキキㇼ」[kucotcap) (出典:知里動物編、方言:)
iyutapke
イユタㇷ゚ケ 【自動】[i-y-utapke もの・(挿入音)・をつくろう] つぎもの(つくろいもの)をする。 ☆参考 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときは ku=yutapke クユタㇷ゚ケ、 e=yutapke エユタㇷ゚ケ という形をとる。 {E: to mend.} (出典:田村、方言:沙流)
k=
ㇰ 【人接】[一人称単数主格](自動詞・他動詞・コピュラ・普通名詞・一部の副詞に接頭する。 北海道南部の日高西部から胆振東部にかけての方言の日常会話で、 ku= ク が母音 a, e, o, u ア、 エ、 オ、 ウ に始まる語幹に接頭するときに u ウ が落ちた形。 その場合、 この k ㇰ と語幹の第一音節の母音(+子音)と共に一つの音節をつくる。 アクセント核はこの第一音節に置かれる。) k=an カン 私はいる。 k=ek ケㇰ 私は来る。 k=ókere コケレ 私は(それを)終わる。 k=útari(hi) クタリ(ヒ) 私の同族の人々。 ☆参考 歌うときには通常 u ウ が落ちず、 ku= ク の形が使われる。 ku=an クアン 私はいる、 ku=ek クエㇰ 私は来る。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka 2
カ 【位名】[概](所は kasi カシ、 kas(i)ke(he) カㇱケ/カシケ(ヘ)) ①(…の)上(接触した上)、 …の見える側。 suwop ka ta an スウォㇷ゚ カ タ アン 箱の上にある。(S) ni ka péka sinot kor an ニ カ ペカ シノッ コㇿ アン (サルが)木の上で遊んでいる。(S) toy ka osma トイ カ オㇱマ 地面に落ちる。 en=ka ta a エンカ タ ア 私の上に座りなさい。 uka ta uka ta ári ウカ タ ウカ タ アリ 互いの上に互いの上に置く=次々に重ねる。(S) i-ka wa a=mi p イカ ワ アミㇷ゚ ものの上から着るもの(=上着)。(W) (ズボンに対して言うのではなく、 シャツなどを着ている上、 つまり外側を言っている。) ②(比喩的に)kanpi ka ta e=hacir yak wen na カンピ カ タ エハチㇼ ヤㇰ ウェン ナ 書物の上で(=勉強で)(あなたが)落ちるといけないから。 ③[熟語] íka ka ta イカ カ タ 本当に。 ④(熟語動詞の前部要素として) ☞ka(si) カ(シ)… ☆対語 pok ポㇰ、 corpok チョロポㇰ。 ☆参考 enka エンカ …の離れた上、 上方。 kurka クㇽカ …の上面一帯。 ☆参考 ほかに、 ka カ の前に何かがついた位置名詞も少くない。 cupka チュㇷ゚カ 日の出る方向、 東。 koyka コイカ 海ぞいに東、 静内・釧路の方。 mawka マウカ 風上。 rewka レウカ 曲がって斜めになっているものの上側。 sirka シㇼカ 見えている側、 おもて。 tuyka トゥイカ ものの上端。 {E: ①top of… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka 3
カ 【副助】(予想以上、 追加、 意外を表す。) ①…も、 …までも。 eani ka un=tura エアニ カ ウントゥラ あなたも私たちと一緒に行こう。(S) tup ka uk トゥㇷ゚ カ ウㇰ 二つも/二つとも取った。(S) ②(二回以上重ねて)…も…も、 …と…、 (動詞句のあとで)…したり…したり(日本語の「…も…も」よりもむしろ「…と…」に当たる場合もある)。 okkayo ka menoko ka porono oka オッカヨ カ メノコ カ ポロンノ オカ 男も女もたくさんいる。(S) cáca ka an rupnemat ka an チャチャ カ アン ルㇷ゚ネマッ カ アン じいさまとばあさまがいた。 ku=koytak ka en=koytak ka ki クコイタㇰ カ エンコイタㇰ カ キ 私が彼に話したり、 彼が私に話したりした。(W会話) ③(否定表現の中で)(1)…も…しない。 ponno ka ポンノ カ 少しも(…しない)。 sinep ka シネㇷ゚ カ 一つも(…しない)。 sinen ka isam シネン カ イサㇺ 一人もいない。 nen ka isam ネン カ イサㇺ だれもいない。 nep ka ku=sak ネㇷ゚ カ クサㇰ 私は何も持っていない。 (2)(名詞句、 副詞句、 動詞句の後、 否定辞 somo ソモ の前に置かれて) ka somo ne カ ソモ ネ …ではない。 seta ka somo ne セタ カ ソモ ネ 犬ではない。(W) ka somo ki カ ソモ キ (動詞句の後で)…しもしない、 …したりなんかしない、 全然 …しない(否定の返事で「いいえ、 …しない」に似たニュアンスでも使われる)。 ponno ka e ka somo ki ポンノ カ エ カ ソモ キ 少しも食べない。(S) néun ka hawean ka somo ki ネウン カ ハウェアン カ ソモ キ (彼は)何も言わない。 ape ruy ka somo ki, méan na, ape pirka kor ka hopuni アペ ルイ カ ソモ キ、 メアン ナ、 アペ ピㇼカ コㇿ カ ホプニ 火が燃えていなくて寒いから火が良く燃えてきてから起きなさい(後の ka カ は日本語には訳せないが予想外(相手が予想していないと思われることがら)を示す)。(S) ④[慣用句]pokas ka un …a p ポカㇱ カ ウン…アㇷ゚ あんなに…だったのに。 easir ka エアシㇼ カ (強調するとき easiriː ka エアシリー カ)それはそれはもう本当に。 hike ka ヒケ カ …のに、 …しても、 …にもかかわらず。 pakno ka パㇰノ カ これだけ(で十分です)、 もういい。 sonno ka ソンノ カ やっぱり本当に、 思ったとおり、 聞いていたとおり。 somo ka ソモ カ まさか…しない。 ☆発音 ①②③では、 強調するとき直前の音節(つまり前の語の最後の音節)を高く上げる。 日常会話ではこのアクセントが多く聞かれる。 ☆参考 「も」と訳せる場合は hem ヘㇺ と置き換えられることもあるが、 hem ヘㇺ は単に「AもBも」とか「…もまた」とかを表し、 ka カ は予想以上のことや予想されていなかった新しい情報であることを示す。 {E: too; also.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka(si) cisun
カ(シ) チスン 【連他動】[ka(si) cis-un …の上・泣く・そこにある](死者)を悼んでなきがらに手を置いて泣く。 osisoun wa ray kur a=turí híne an, híne ora kasi cisun kor an オシソウン マ ライ クㇽ アトゥリ ヒネ アン、 ヒネ オラ カシ チスン コラン 右側に死者が横たえられていた、 そして女がなきがらに手を当てて泣いていた。(W民話) {E: to cry mournfully over a dead body.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka(si) eoma
カ(シ) エオマ 【連他動】[ka(si) e-oma …の上・その頭が・そこに・位置する] …にもたれる。 kasi k=éoma wa ku=yaysinire tek カシ ケオマ ワ クヤイシニレ テㇰ 私は(これに)もたれてちょっと休む。(S) {E: to lean on…} (出典:田村、方言:沙流)
ka(si) konitata
カ(シ) コニタタ 【連他動】[ka(si)-ko-nitata …の上・に/(その人)の…を・…をそっと押えてあげる]…をそっと押えてあげる。 nen póka ramat kasi a=konítata yakun ネン ポカ ラマッ カシ アコニタタ ヤクン なんとか魂を(抜け出ないように)押えてもらったのであれば(=死にかかっていたところを巫術によって助けてもらったのであれば)。(W会話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
Kaeran
カエラン 【< 自動】[ka-e-ran 糸・で・下りる](次の神の呼び名の一部) Niserikin-Kaeran kur ニセリキンカエラン クㇽ 雲で上り糸で下りる人(神)(sarorun-cikappo サロルンチカッポ《ヨシキリ》の神謡に登場する、 ヨシキリの神の兄)。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
kamuy kosonte
カムイ コソンテ 【名】[神・小袖] 小袖、 龍の形など金メールでも入った立派な着物。(S) kamuy kosonte/a=sirkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクㇽカサㇺ/エオピラサ [雅] 私は立派な小袖を自分の体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ) {E: fine clothing adorned with a dragon design etc in gold mail.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kamuy moyremat
カムイ モイレマッ 【名】[kamuy moyre-mat 神・ゆったりとしている・女] 女神様、 女神のような立派な尊い女性。 hunakke kusu/iresu sápo/kamuy moyremat/cikaspaotte/i=ekarkar pe フナッケ クス/イレス サポ/カムイ モイレマッ/チカㇱパオッテ/イエカㇻカㇻ ペ [雅]せっかく育ての姉の女神様に言いつけられたのに。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kamuy-ranke-tam
カムイランケタㇺ 【名】[神(が)・下ろした・刀][雅]神から下されたような立派な刀。 kamuy-ranke-tam/a=kutpokeciw カムイランケタㇺ/アクッポケチウ [雅]私は神から下されたような立派な刀を腰にさした。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kane 2
カネ 【助動/接助/副助】(意外、 予想以上、 誇張の表現に多く使われる)。 ①[助動](なんと)…している。 ponpon kane ayne tane us wa isam ポンポン カネ アイネ タネ ウㇱ ワ イサㇺ だんだん小さくなってとうとう消えてしまった。(S) íne urepet kor kane p ne noyne イネ ウレペッ コㇿ カネㇷ゚ ネ ノイネ 四本指を持っているもの(ばけもの熊)であるらしく。 ②[接助](なんと)…して、 …したままで、 …するほど。 sinu kane reye kane ahup シヌ カネ レイェ カネ アフㇷ゚ 彼らはひざをついて身をずらしはって家の中へ入った(遠慮して身を低くして入る様子)。 mérayke wa hecururu kane an メライケ ワ ヘチュルル カネ アン 寒いので首をちぢめている。(S) suwop or k=ómare kikir mak iki ayne etuk kane iki kor an スウオㇷ゚ オㇿ コマレ キキㇼ マㇰ イキ アイネ エトゥㇰ カネ イキ コラン 箱に入れておいた虫どうやって出てきたのだろう。 ku=sanpe ka wen kane a=utári k=ésikarun クサンペ カ ウェン カネ アウタリ ケシカルン 気持ちも暗くなるほどに身内の者に会いたい。(S) ③[副助](慣用表現の中で、 副詞句の後に置かれて)néno kane an ネノ カネ アン …とそっくりだ。 sísam nisu a=kutkore ruwe néno kane an シサㇺ ニス アクッコレ ルウェ ネノ カネ アン 日本の臼に帯をしめさせたのみたいだ。 (néno an ネノ アン は《…に似ている》。) sekor kane セコㇿ カネ …というふうに(言った)(sekor セコㇿ《と(言った)》だけよりもちょっとした強めのニュアンスが加わる)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kanemay
カネマイ 【名】[< káne-may 金属・響き] 金(かね)の響き。 kanemay ne uwetunuyse カネマイ ネ ウウェトゥヌイセ 金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる(金物をたたいたときにウンウンウン…というような音が響く、 そのような響きのことを言う)。(S) itak ne manu p/ekutcam konna/kanemay ne/uwetunuyse イタㇰ ネ マヌㇷ゚/エクッチャㇺ コンナ/カネマイ ネ/ウウェトゥヌイセ [雅](姉が)ものを言うとその声が金(かね)の響きのように美しく響く。(Sユーカラ) m sinotcaki hawe kanemay ne uwetunuyse シノッチャキ ハウェ カネマイ ネ ウウェトゥヌイセ [雅] 歌う声が金(かね)の響きのように美しく響く。(S) ☆発音 káne カネ《金(かね)》とはアクセントが違い、 第二音節 ne ネ を高く発音する。 {E: a metallic sound.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
káni
カニ 【代名】[一人称単数][< ku-an-i 私が(1人称単数主格接辞)・ある・こと] 私。 ☆参考 多くの方言(多くの地方)で kuani クアニ と言う。 この方言では韻文(歌)の中でのみ kuani クアニ と言い、 話し言葉では káni カニ と言う。 {E: “I” (first person singular subject pronoun).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kankami
カンカミ 【名】[< 日本語] 鏡。 Kiyo un kankami hemanta ne p an? キヨ ウン カンカミ ヘマンタ ネㇷ゚ アン? 京都の鏡はどうするの(京都の鏡とすずりをみやげに持って帰ると約束して出た父親がもどらないので幼い姉弟がさがしに出かけて歌う)。(W民話) ☆参考 昔、 yaykunnukarkane ヤイクンヌカㇻカネ《自分の姿を見る金物》と言った。(W) {E: a mirror.} (出典:田村、方言:沙流)
kankitay
カンキタイ 【名】[kan-kitay 上・頂上] 頭のてっぺん、 つむじ。 tu kankitay oma kusu etakasure ramuan nankor トゥ カンキタイ オマ クス エタカスレ ラムアン ナンコㇿ つむじが二つあるから格別に利口な人になるだろう。(W) {E: the crown of the head.} (出典:田村、方言:沙流)
kanna 1
カンナ 【副】[kan-na 上の・方へ] また、 重ねて、 もう前にしたのにさらにまた。 kanna e=perpa ruwe? カンナ エペㇾパ ルウェ? またこわしたの? (S) kanna k=ek hi ta ku=kor wa k=ek カンナ ケㇰ ヒ タ クコㇿ ワ ケㇰ この次に来る時に持って来ます。(S) kanna kanna カンナ カンナ 何度も何度も。 kanna kanna ek カンナ カンナ エㇰ 何度も何度も来る。(S) kanna suy カンナ スイ また再び。 kanna suy ek hani! カンナ スイ エㇰ ハニ! またおいでよ/またいらっしゃいね。(S) {E: again.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kanpe
カンペ 【名】[kan-pe 上の・水]波の上。 kanpe kurka eto&sosatki カンペ クㇽカ エトソサッキ [慣用句](舟が)波を切ってザーザーと音をさせて行く。(S) kanpe kurka ecarse カンペ クㇽカ エチャㇻセ (舟が)波の上をサーッとすべって行く。(S) (出典:田村、方言:沙流)
kanto
カント 【名】[kan-to 上の・湖沼] 天、 空(多くの場合、 空の上にある神の住む世界を言う)。 ☆参考 見えている空は nisor ニソㇿ、 niskotor ニㇱコトㇿ、 kantokotor カントコトㇿ。 その中のいちばん下の層が úrarkanto ウラㇻカント で雲(niskur ニㇱクㇽ)のある空、 中間が nociwokanto ノチウォカント で星(nociw ノチウ)のある空、 いちばん上が síniskanto シニㇱカント で、 何もない天空。 さらにその上に kantorimosir カントリモシㇼ 天上界、 上天があり、 これが神の住む天、 天国である。(S) {E: heaven; the heavens.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kapu(hu)
カプ(フ) 【名】[所](概は kap カㇷ゚) …の皮、 その皮。 ku=kapu kapar wa tayki en=e クカプ カパㇻ ワ タイキ エネ (私は)私の皮膚が薄いので蚤に食われた。(W) toan cikuni kapuhu トアン チクニ カプフ あの木の皮。(W) ☆参考 níkap ニカㇷ゚[概]/níkapu(hu) ニカプ(フ)[所] は《樹皮》 {E: the skin, bark of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kar 1
カㇻ 【他動】①…をつくる、 (仕事など具体的なこと)をする。 cise kar チセ カㇻ 家を建てる(=cisekar チセカㇻ)。 suy kar スイ カㇻ 穴をあける、 穴を掘る。 pirkep kar ピㇼケㇷ゚ カㇻ 精白する。 harkika kar ハㇻキカ カㇻ なわをなう。 úsey kar ウセイ カㇻ お湯をわかす。 …ne kar …ネ カㇻ …を…につくる/する。 rapuhu ay ne a=kar ラプフ アイ ネ アカㇻ その羽を矢にした(=その羽で矢をつくった)。 hńta e=kar kusu e=ek? フンタ エカㇻ クス エエㇰ? あなたは何をしに来たの。(S民話) nep ka a=kar ka eaykap ネㇷ゚ カ アカㇻ カ エアイカㇷ゚ (引用文中で)私は何もすることができない。(W民話) ②(代金)を払う。 ataye kar アタイェ カㇻ 代金/代価を払う、 弁償する。 ③ ☞kik(i) kar キㇰ/キキ カㇻ ☆参考 「…をする」に相当する語はいろいろあるが、 それぞれ意味・用法が違う。 ki キ[他動]…をする。 iki イキ[自動] 行う、 ふるまう。 an アン[自動]…がある、 行われる、 一般に人が行う、 あなたも私も一緒に…する/しよう。 ☞ki キ {E: ①to make, do… ②to pay the cost for… ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kar 2
カㇻ 【他動】(木や草の実)を採る/摘む、 収穫する、 (皮) をむく。 nonno kar ノンノ カㇻ 花を摘む。 hat kar ハッ カㇻ ぶどうを摘む(=hatkar ハッカㇻ)。 kapuhu kar カプフ カㇻ その皮をむく。 tane hetukpa pewre top a=kar kusu ekimne=an タネ ヘトゥㇰパ ペウレ トㇷ゚ アカㇻ クス エキㇺネアン 出たばかりの若い竹(=タケノコ)を掘りに山へ行こう。 toy or un pe opitta tane a=kar nisa トヨルン ペ オピッタ タネ アカン ニサ 畑のものをみんなもう取り入れてしまった。(S) {E: to pick, gather…; peel…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kara
カラ 【他動+助詞】[kar ya カㇻ ヤ が続けて発音された形] nékon ku=ye ya/nékon ku=kara ネコン クイェ ヤ/ネコン クカラ どう言おうか、 どうしようか。(KK即興詩) ☞kar カㇻ 1、 kar カㇻ 2、 kar カㇻ 3、 ya ヤ {E: to make, do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
karanke
カランケ 【他動/後副】[kar-hanke (?)・近い] ①[他動]…から近い。 ②[後置]…の近くに、 その近くに。 karanke iteki kus yan カランケ イテキ クㇱ ヤン (あなたたち)その近くを通ってはだめですよ。(S) ☆対語 kattuyma カットゥイマ …から遠い。 {E: ①to go near, approach… ②near…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kararak
カララㇰ 【名】[動物] カラスの一種、 karr, karr カㇽㇽ カㇽㇽ と鳴く。 ☞paskur パㇱクㇽ〔知分類 p.179 ハシボソガラス〕 {E: a carrion crow.} (出典:田村、方言:沙流)
káre
カレ 【複他動】[他動使役][kar-e つくる/する・させる] …に…をつくらせる/させる。 nep ne yakka kar wa, nep ka i=kare somo ki kunine iki kor oka=an ネㇷ゚ ネ ヤッカ カㇻ ワ、 ネㇷ゚ カ イカレ ソモ キ クニネ イキ コㇿ オカアン (彼女は)何もかもしてくれて、 何も私にさせないようにして(大事にしてくれて)私たちはすごした。(W民話) {E: to make, let…do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kari 3
カリ 【後副】(経由する所を示す。)(そこ)から、 (そこ)を通って。 puyar kari ahunte プヤㇻ カリ アフンテ 窓から入れる。 sep pínay kari kira セㇷ゚ ピナイ カリ キラ 広い谷を通って逃げる。(W民話) atuy sinpuy an híne kari ahup akusu アトゥイ シンプイ アン ヒネ カリ アフㇷ゚ アクス 海の水の湧き出る所があって彼らがそこから入って行くと。(S民話) k=áhun a korka kari ku=soyne hi ka k=érampewtek カフン ア コㇿカ カリ クソイネ ヒ カ ケランペテㇰ 私は入ったけれど(そこを通って)出る所が(出口が)わからない。(S) {E: (pass) through, along, by.} (出典:田村、方言:沙流)
karop
カロㇷ゚ 【名】[kar-o-p (?)・を入れる・もの] 小物入れ。 karop takup se kane híne カロㇷ゚ タクㇷ゚ セ カネ ヒネ 弓矢などを持たず、 身の回りの物を入れた小物入れだけを背負って(気軽ないでたちであることを表す)。(HK民話)〔萱民具 p.131 火打ち用具入れ〕 ☆参考 『音声資料』(1-6)にはその用例は出てこない。 {E: an accessory case; a small pouch.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
karus
カルㇱ 【名】[植物] きのこ(茸)(総称)。 surku karus スㇽク カルㇱ 毒きのこ。 a=e karus アエ カルㇱ 食用きのこ。 〔知分類 p.245〕 {E: a mushroom; a toadstool.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
karusuk
カルスㇰ 【自動】[karus-uk 茸・とる] きのこ採りする。 ku=karusuk kus k=ómanan クカルスㇰ クㇱ コマナン (S) (私は)きのこ採りに歩く。 {E: to pick mushrooms.} (出典:田村、方言:沙流)
kas 1
カㇱ 【名】木を組み合わせてつくった漁小屋(三角屋根になるように木をもたせかけてつくる。 中に入って火にあたれるくらいの大きさ)。 ☆参考 山の狩猟をするための狩小屋は kuca クチャ。 {E: a wooden fishing hut.} (出典:田村、方言:沙流)
kas(i)ke(he) 1
カシケ(ヘ)/カシケ(ヘ) 【名】[所]…のうわべ。 k=ossike péka ku=cis kor k=an korka ku=kaske anak mína ápekor an kane コッシケ ペカ クチㇱ コㇿ カン コㇿカ クカㇱケ アナㇰ ミナ アペコㇿ アン カネ 私は心の中では泣いていますけれどうわべはまるで笑っているみたいにしていて。(W独話) ☆対語 ossike オッシケ ☞kas(i)ke(he) カシケ(ヘ)/カシケ(ヘ) 2 {E: the surface of…} (出典:田村、方言:沙流)
kasi
カシ 【位名】[所](概は ka カ) ①…の(その)上 (接触して上)、 …の見える側。(「高い方」「上の方」ではなく、 外側、 見えるほうの側を言う。)kasi ta a カシ タ ア その上に座った。(S民話) kasi ta rók=an pon huton kasi un ape pus wa uhuy カシ タ ロカン ポン フトン カシ ウン アペ プㇱ ワ ウフイ その上に座る小さいふとん(=座ぶとん)の上へ火がはねてこげた。(W) rurwakka kasi a=otátpa yakka eun po uhuy ルㇽワッカ カシ アオタッパ ヤッカ エウン ポ ウフイ 海水をその上にかけてもなおさら燃える。(S) okkew kasi pirkare オッケウ カシ ピㇼカレ [慣用句](直訳すると)えり首の上を豊かにする=(娘に)嫁入りのよい品々を持たせる(背中に、 つまりえり首のところに荷物を背負うからこういう、 えり首よりも上の頭のあたりという意味ではない。「持参金をつけてやる」に相当する)。(NK民話) cup nupur manu kasi nis kus チュㇷ゚ ヌプㇽ マヌ カシ ニㇱ クㇱ 太陽が霊力があると言うけれどその上を雲が通る(太陽より上ではなく、 太陽のこちら側を雲が通ることを言う)。(KK掛け合い歌) ②(動詞句の後に置かれて)kasi ta カシ タ …しながら。 ku=kemeyki kasi ta k=aysuye クケメイキ カシ タ カイスイェ 私は針仕事をしながらいねむりしている。 ☆発音 早く話しているとき kasi ta カシ タ はしばしば i が落ちて kas ta カㇱ タ と発音される。 ☞ka(si) カ(シ)… {E: ①top of… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kaspa 2
カㇱパ 【助動】①あまり…をする、 …しすぎる。 poro kaspa ポロ カㇱパ 大きすぎる。 iruska kaspa イルㇱカ カㇱパ (彼は)あまりにも腹を立てた。 =ipe kaspa クイペ カㇱパ あまり食べた(=食べすぎた)。(W) ②(否定で)あまり…しない。 na sittumu peker kaspa ka somo ki ナ シットゥム ペケㇾ カㇱパ カ ソモ キ まだあまり明るくなっていない。 eytasa keweri kaspa ka somo ki, eytasa keweram ka somo ki エイタサ ケウェリ カㇱパ カ ソモ キ、 エイタサ ケウェラㇺ カ ソモ キ あまり背が高すぎもしない、 あまり背が低くもない。(S) k=e rusuy kaspa ka somo ki hemanta en=ere en=ere kus ye ケ ルスイ カㇱパ カ ソモ キ ヘマンタ エネレ エネレ クㇱ イェ (私が) あまり食べたくもない変なものを(彼は私に)食べなさい食べなさいと言う。(S) ☆参考 形の上で単数形に相当する kasu カス は、 特殊な場合にのみ使われる。 {E: ①too; too much; excessively. ②not very; not much.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kasu 1
カス 【他動】…を凌ぐ、 …以上である。 ta ene okkayo kasu nispa a=ne ruwe an kusu タ エネ オッカヨ カス ニㇱパ アネ ルウェ アン クス これこのとおり私は(女であっても)並の男には負けないくらいの長者だから。(W民話) aynu kasu poro aynu アイヌ カス ポロ アイヌ 普通の男にもましてきわだって大きい立派な男。(NK民話) {E: to exceed…} (出典:田村、方言:沙流)
kasu 2
カス 【助動】…しすぎる。 =ipe kasu クイペ カス 私は食べすぎた。 ku=mokor kasu クモコㇿ カス 私は寝すぎた(眠りすぎた)。 ipe=an kasu siri somo ne? イペアン カス シリ ソモ ネ? あなた食べ過ぎるのではありませんか。(S表) {E: to over do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kasusne
カスㇱネ 【自動】大したことなくてすむ(けがが、 税金が、 罰金が)。 kasusne kane yakun pirka wa カスㇱネ カネ ヤクン ピㇼカ ワ (けがが)あまり大したことなくて(ひどく痛くなくて)よかったなあ。(S) haː, kasusne hawe iki wa! ハー、 カスㇱネ ハウェ イキ ワ! ああ、 「たいしたこと」言ってきた(反語)=「百円ぐらいですむと思ったのに何万もと言ってきた。」 (S) ☆参考 病気のことには言わない。(S) {E: to be of little significance, importance; not be serious.} (出典:田村、方言:沙流)
katka konna caknatara
カッカ コンナ チャㇰナタラ 【自動詞句】[雅] 気が浮き浮きしている。 tanto anak ponno ku=katka konna caknatara, a=en=íkure p ne kus タント アナㇰ ポンノ クカッカ コンナ チャㇰナタラ、 アエニクレㇷ゚ ネ クㇱ 今日は私は少し気が浮き浮きしている、 飲ましてくれたので。(S) {E: to feel carefree, light-hearted.} (出典:田村、方言:沙流)
katka konna rennatara
カッカ コンナ レンナタラ 【自動詞句】[雅] 気が沈んでいる。 tanto anak niskur an wa ne humi he an, ku=katka konna rennatara, nep ku=kar rusuy ka somo ki タント アナㇰ ニㇱクㇽ アン ワ ネ フミ ヘ アン、 クカッカ コンナ レンナタラ、 ネㇷ゚ クカンルスイ カ ソモ キ 今日は曇っているからだろうか、 気が沈んで、 何をする気もしない。(S) {E: to feel down, despondent.} (出典:田村、方言:沙流)
katkemat(c-i)
カッケマッ §003.おんな(女)(12)katkemat(c-i)〔kát-ke-mat かッケマッ〕⦅H.⦆身分のある女;淑女;貴婦人[katke(しとやかな)+mat(女)]。ku-sapo〜「私の姉である貴婦人よ」「お姉様」⦅ユ研Ⅰ, p.131⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
katu
カトゥ 【形名】[所][< kat-u] ①(動詞に終わる節のあとに置かれてこれを名詞化し、 次のような意味合いを持った名詞句をつくる。)(…する/した)しかた、 どのように…したかということ。 ku=ye katu wen クイェ カトゥ ウェン 私の言い方が悪い(言葉使いが)。(W) kar katu pirka カㇻ カトゥ ピㇼカ つくり方がいい。(S) ②(「…したわけだ」「こういうわけだ」と言うときの)わけ、 事情、 いきさつ、 ことの次第。 opitta kese a=anpa akusu kasi un toy horutke katu teeta oruspe ne wa síran オピッタ ケセ アアンパ アクス カシ ウン トイ ホルッケ カトゥ テエタ オルㇱペ ネ ワ シラン (夜襲に来た人々が見破られて)皆追いかけられて(崖の間で)上に土がくずれ落ちて下敷きになったいきさつが昔の話になっている。(W言い伝え)のしめくくりの独話。 ③(文頭に置かれて、 前の文で述べられたことの次第を説明する。) katu ene an hi カトゥ エネ アニ それは次のようなことだったのです、 いまから説明します、 つまり…。 ④(決まった言い方) katu ka isam カトゥ カ イサㇺ めったに…しない、 たまにしか…しない。 ek katu ka isam pe ne kus hempara ku=kore easkay ya ka k=éramiskari p エㇰ カトゥ カ イサㇺ ペ ネ クㇱ ヘンパラ クコレ エアㇱカイ ヤ カ ケラミㇱカリㇷ゚ (彼は)たまにしか来ないのだからいつ(私がこれを)渡せるかわからないもの。(S) ☞katu(hu) カトゥ(フ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
katu nukar
カトゥ ヌカラ 【連他動】[…のあり方・を見る] …を将来有望と見込む。 irammakaka pirka oasi kuni hekaci ne noyne katu ku=nukar イランマカカ ピㇼカ オアシ クニ ヘカチ ネ ノイネ カトゥ クヌカㇻ 立派に出世する子どもだろうと私は見込んでいる。 ☆参考 恐らく kat(u) nukar カッ/カトゥ ヌカㇻ ではないかと思うが、 kat nukar カッ ヌカㇻ は未出。 {E: to expect…to have a promising future.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
katu-caktek
カトゥ チャㇰテㇰ 【自動】[あり方・さっぱりしている] さっぱりして気持ちがいい。 pirka sukus an wa káni ka ku=katu-caktek ピㇼカ スクㇱ アン ワ カニ カクカトゥチャㇰテㇰ いい日差しで私も気持ちがいい。 {E: to feel good, happy, refreshed.} (出典:田村、方言:沙流)
katun
カトゥン 【名】(まるで …のような)ふり/様子/態度。 … katun ki カトゥン キ …のような/…しているようなふり/様子/態度をする、 …のように振舞う。 k=ómap korka k=ómap katun ka somo ku=ki コマㇷ゚ コㇿカ コマㇷ゚ カトゥン カ ソモ クキ 私は(その子を)かわいいと思うがかわいがる様子もしない。(W) {E: appearance; attitude.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kaynu
カイヌ §005.男児;幼少年(11)kaynu〔káǐ-nu かイヌ〕⦅マオカ、シラウラ⦆①14〜15才の男児;少年。②マオカでは息子や甥を呼ぶのに用いる。③シラウラでは夫や夫の兄を呼ぶのに用いる。ku〜「私の兄さん」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
kaynu
カイヌ §023.兄(15)kaynu〔káǐ-nu かイヌ〕①⦅シラウラ⦆兄;夫の兄。ku-〜「私の兄さん!」。②⦅マオカ⦆むすこ;甥。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
kaynu
カイヌ §036.おっと(夫)(4)kaynu〔káǐ-nu かイヌ〕①⦅シラウラ⦆夫;兄。ku-〜「私の兄」「兄さん!」。②⦅タラントマリ⦆息子;甥。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
kayun/kay-un
カユン/カイウン 【副助】[ka-y-un …も・(挿入音)・(念押しの助詞)]…のほうは。 káni kayun mak mosma p ku=ye hawe? カニ カユン マㇰ モㇱマㇷ゚ クイェ ハウェ? 私のほうはほかに何を言うの? (もう言うことがないからこんどはあなたが何か言ってください)。(W会話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kaːk
カーㇰ 【間投】(カラスの鳴き声) kaːk kaːk カーㇰ カーㇰ カー カー。 ☆参考 カラスの一般的な名称は paskur パㇱクㇽ。 {E: the call, cry of a crow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ke 1
ケ 【他動】(ものの表面)をか(掻)く(こすって削る)。 イナウ(木の御幣)をか(掻)く(木の表面を削って御幣をつくる)。 canan inawpo/[u]ke ruwe ne チャナン イナウポ/[ウ]ケ ルウェ ネ 「サーッとした」(=あまり立派でない)イナウ(木幣)をつくった。(W神謡K) inawke イナウケ イナウ(木幣)をつくる。 wakkakep ワッカケㇷ゚ 舟の中の水をかき出す道具(「あかとり」)。 ke ケ 2【間投】(意外なことを知って驚いた気持ちの軽い表現。)えっ、 あれっ。 ke, sanpehe sak no ek hawe ne yakun mak ne hawe? ケ、 サンペヘ サㇰ ノ エㇰ ハウェ ネ ヤクン マㇰ ネ ハウェ? (自分の心臓を木の上に干したまま忘れて来たとサルが言うのを聞いてクラゲが)えっ、 心臓を持たずに来たのではしょうがないじゃないか。(S民話) ke ke ke ke iyohay! ケ ケ ケ ケ イヨーハイ! あらあらあらあらまあ大変だ(ちらかっている所へ突然お客が来てびっくりしてあわてて)。(S) ☆参考 iyohay sitomare イヨハイ シトマレ は、 本当にあきれた/びっくりしたことの表現。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kekke 2
ケッケ 【他動】(細いたきぎなどを何本も一緒に)折る。 kaykuma kekke kor an カイクマ ケッケ コラン 柴木をポキポキ折っている。(S) ☆参考 箸や木の枝を一本折るなどは kaye カイェ。 kekke ケッケ ではない。(S) {E: to break (firewood etc. ).} (出典:田村、方言:沙流)
kemahuraye
ケマフライェ 【自動】[kema-huraye 足・を洗う] 足を洗う(=kema huraye ケマ フライェ)。 ku=kemahuraye クケマフライェ 私は足を洗う(ku=kema ku=huraye クケマ クフライェ とも言う)。 ☆参考 yaske ヤㇱケ 手を洗う。 ewonne エウォンネ 顔を洗う。 {E: to wash one's feet.} (出典:田村、方言:沙流)
kemnu 1
ケㇺヌ 【自動】[kem-nu 血・を持つ] 血が出る。 kemkus ケㇺクㇱ は喀血などでドッと血が出ることを言う。 {E: to bleed.} (出典:田村、方言:沙流)
kempoppise
ケンポッピセ 【名】[kem-pop-pise 血・水ぶくれ・風船状の袋] 「血ぶくれ」(血が外に出ないで皮膚の中にたまって水ぶくれのようになっているもの)。(S) Samayunkur tusunapanu/tektuypoki tusunapanu/tu kempoppise/re kempoppise/eeracitke サマユンクㇽ トゥスナパヌ/テㇰトゥイポキ トゥスナパヌ/トゥ ケンポッピセ/レ ケンポッピセ/エエラチッケ サマユンクルの手の下側にいくつもいくつもの血の袋が下がっている。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
kepkepi
ケㇷ゚ケピ 【他動】[kep-kep-i (擬音の語根)・(重複)・(他動詞形成)] …をかじる(ガリガリと)。 ku=kepkepi kusu ne wa クケㇷ゚ケピ クス ネ ワ 私は(これを)かじるよ。(S) {E: to gnaw…} (出典:田村、方言:沙流)
keray
ケライ 【副】(いろいろな熟語や決まった言い回しの中で、 「さすがに」に似たニュアンスを与える。) kus(u) keray クス/クㇱ ケライ …したおかげで、 さすが…するからこそ。 ku=poho ne kus keray hok wa ek クポホ ネ クㇱ ケライ ホㇰ ワ エㇰ さすがうちの息子だからこそ買ってきた。(S) keray kusu ケライ クス=kus(u) keray クス/クㇱ ケライ。 keray…ne ケライ…ネ さも/さすがに…らしく。 keray kamuy ne/kamuy ipor/annoyekar ケライ カムイ ネ/カムイ イポㇿ/アンノイェカㇻ [雅]さも神らしく顔つきもいかにも神の顔つきらしい。(Sユーカラ) keray ne kusu ケライ ネ クス さすがに…だから/だけあって。 kamuy kar cási/keray ne kusu/cási kamuy/pirka katu カムイ カㇻ チャシ/ケライ ネ クス/チャシ カムイ/ピㇼカ ルウェ [雅]神のつくられた城だけあって、 さすがに立派な城の美しいことを。(Sユーカラ) keray tausa ケライ タウサ さすがに。 keray tausa/kamuy kar cási/an pe ne kus ケライ タウス/カムイ カッ チャシ/アン ペ ネ クㇱ [雅]さすがに神のつくられた城だから。(Sユーカラ語り) {E: thanks to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
keraypo
ケライポ 【副】[keray-po さすがに・(指小辞)](kusu/kus クス/クㇱ の後に置かれて) kus(u) keraypo クス/クㇱ ケライポ まさに…したおかげで(kus(u) keray クス/クㇱ ケライ を強めた言い方)。 an kus(u) keraypo アン クス/クㇱ ケライポ …のおかげで。 iyayraykere, e=an kus keraypo イヤイライケレ、 エアン クㇱ ケライポ ありがとう、 あなたのおかげで。(S) keraypo kusu ケライポ クス=kus(u) keraypo クス/クㇱ ケライポ。 {E: thanks to.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kese(he)
ケセ(ヘ) 【位名】[所](概は kes ケㇱ)…の/その下手(しもて)の端/末端。 m to kesehe ト ケセヘ 沼の下(しも)の端(出口の方)。(S) (注 [対]to pakehe ト パケヘ)kese(he) kor ケセ(ヘ) コㇿ …のあとをつぐ。 nispa kesehe ku=kor ニㇱパ ケセヘ クコㇿ 私は長者のあとをつぐ。(S) {E: the lower edge, side, end of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
keseke
ケセケ 【名】[所](概が用いられるかどうか不明)[kes-e-ke…の末端・(所属語尾)・…のところ] ①最後のところ/時。 ②(飲食物)の残り物。 aep keseke mus kotoyse a na iteki e アエㇷ゚ ケセケ ムㇱ コトイセ ア ナ イテキ エ 食べ物の残りにハエがたかったから食べるんでない(=食べてはいけない)。(S) wakka keseke sések wakka hunna ku hawe? ワッカ ケセケ セセㇰ ワッカ フンナ ク ハウェ? 水の飲み残しのなまぬるい水なんかだれが飲むものか。(反語) (S) {E: ①the last place, time. ②leftover food or drink.} (出典:田村、方言:沙流)
kesokeso
ケソケソ 【自動】模様(まだら)がついている(一色であるべきトマトやカボチャに)。 munin rusuy kus nanuhu kesokeso ムニン ルスイ クㇱ ナヌフ ケソケソ 腐りかかって(トマトの)顔にまだら模様がついている。(S) {E: to be designed, patterned.} (出典:田村、方言:沙流)
kewe homsu
ケウェ ホㇺス 【連他動】[…の体・危なかったことの見舞いを言う]…に危なかったことの見舞いを言う(なんとか無事に切り抜けたときに)。 a=kor emustasiro a=tuymaturi a=hanketuri kor kewe a=homsu ruwe ne akusu アコㇿ エムㇱタシロ アトゥイマトゥリ アハンケトゥリ コㇿ ケウェ アホㇺス ルウェ ネ アクス 私は私の太刀づくりの山刀を遠くかざしたり近くかざしたりしながら彼に危なかったことの見舞いを言った、 すると。(HK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kewkaske
ケウカㇱケ 【接】[< 位名][kew-kasike 体・その上](次の雅語的表現の中で)そのために。 ☆参考 kasike カシケ の s と k の間の i が落ちてこのように発音されている。 kamuy tumi ne ya tono tumi ne ya cihopunire, kewkaske cikimatekka a=i=ékarkar カムイ トゥミ ネ ヤ トノ トゥミ ネ ヤ チホプニレ、 ケウカㇱケ チキマテッカ アイエカㇻカㇻ [雅]神戦だか聖戦だかが起こった、 そのために私たちはびっくりした。(W会話) ☆参考 この用例のような文脈・状況で日常語で「そのために」「だから」と言うには hi kusu ヒ クス が多く使われる。 場合によって wa kusu ワ クス も使われる。 {E: for that reason; due to that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kewsut
ケウスッ 【名】[概](所は kewsutu(hu) ケウストゥ(フ)) (親族名称としての)おじ、 伯父/叔父。 「この場にいない人、 亡くなったかまたは遠くにいる伯叔父を言う。」 (S) ku=kewsututari too Tokapci ta oka クケウストゥタリ トオ トカㇷ゚チ タ オカ 私のおじさんたちは遠く離れて十勝にいる。(S) ☆参考 通常「おじさん」と言うのには acapo アチャポ (二風谷では áca アチャ)が使われる。 ☞áca アチャ、 acapo アチャポ {E: an, the uncle.} (出典:田村、方言:沙流)
ki 1
キ 【他動】①…をする。 iteki cápe haw ki hani! イテキ チャペ ハウ キ ハニ! 猫の声をするなよ。(S民話) ②(動詞を名詞として使い、 その後にこの ki キ をおいて)…をする。 ruyka poro opus ki wa an na iyaykipte na, yayitupareno arpa ルイカ ポロ オプㇱ キ ワ アン ナ イヤイキㇷ゚テ ナ、 ヤイトゥパレノ アㇻパ 橋が大きな穴あきをしている(=橋に大きな穴があいている)からあぶないから気をつけて行きなさい。 pon sikepo ki kane wa ek ポン シケポ キ カネ ワ エㇰ 彼は小さい荷物背負いをして(=小さい荷物を背負って)来た。 pirka usapki e=ki kusu ne na ピㇼカ ウサㇷ゚キ エキ クス ネ ナ (あなたは)よい働きをする(=よく働く)のですよ。 ③(動詞の後に hi ヒ《こと》を置き、 その後にこの ki キ を置いて) hi ki rusuy ヒ キ ルスイ…してもらいたい、 …してほしい。 ci túnas hi ku=ki rusuy チ トゥナㇱ ヒ クキ ルスイ 私は(イモなどが)早く煮えてほしい。 ④(代動詞として、 つまり本動詞のあとに副詞(連用語)や名詞(主語・目的語)が補われたり、 また副助詞がついたりした場合に、 そのあとに ki キ を置くことによって再び全体が動詞句として機能する、 つまり文を終止したり次に助動詞や接続助詞等々が続いたりすることができる。)…する。 Kusur ta patek nuwe an ranma ki p ne yak a=ye クスㇽ タ パテㇰ ヌウェ アン ランマ キㇷ゚ ネ ヤカイェ 釧路でばかりいつも(それが)たくさん取れるのだそうだ。(S会話) a=kopásrota a=ukókikkikpa a=onáha ka a=unúhu ka ki アコパㇱロタ アウコキッキㇰパ アオナハ カ アウヌフ カ キ 私は父も母もののしったりボカボカなぐったりした。(S民話) a=mipa p a=huráypa póka somo ki p ne kusu アミパㇷ゚ アフライパ ポカ ソモ キㇷ゚ ネ クス 私は着るものを洗いさえしなかったので。(W民話) ⑤(韻文で、 韻律を整えるために、 音節数の足りない行の動詞のあとに置かれる。 文法機能上は、 他のいろいろな他動詞(easkay エアㇱカイ、 eaykap エアイカㇷ゚ など)の助動詞的用法と同じになる。) ⑥ ki humi pirka キ フミ ピㇼカ 安心する、 気持ちがいい。 nep póka k=ére wa ku=ki humi pirka ネㇷ゚ ポカ ケレ ワ クキ フミ ピㇼカ (私は)彼に少しでも食べさせて安心した。(S) {E: ①to do… ②… ③… ④… ⑤… ⑥…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ki- 5
キ 【接頭】(自動詞に接頭し、 ある種の強調の気持ちを添える。 ニュアンスの詳細は不明。 人称変化は他動詞型となるが、 目的語をとらない自動詞のままである。少数の自動詞にのみ見られる。 人称は、 これまでに出たすべての例で、 一人称 ku=ki-… クキ… または引用一人称、 つまり不定人称形 a=ki-… アキ… である。) (出典:田村、方言:沙流)
kí-cis
キチㇱ 【自動】(人称変化は他動詞型)[ki-cis …をする・泣く] 泣く(cis チㇱ の強調形)。 a=ki-cis ani kunne hene tókap hene i=koyaywennukarpa アキチㇱ アニ クンネ ヘネ トカㇷ゚ ヘネ イコヤイヌウェンヌカㇻパ 私が泣くために両親は夜も昼も切ない思いをした。(S民話) {E: to cry.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kí-hopuni
キホプニ 【自動】(人称変化は他動詞型。)[ki-hopuni …をする・飛ぶ] 飛ぶ、 立ち上がる、 起き上がる(hopuni ホプニ の強調形)。 tapan te wano ku=ki-hopni タパン テ ワノ クキホプニ 私はここから飛んで行く(行きたいなあ)。(S即興詩) sotki ka ta/a=ki-hopuni/amset ka ta a=ki-hopuni ソッキ カ タ/アキホプニ/アㇺセッ カ タ/アキホプニ [雅]私は寝床の上に起き上がった、 高床の上に立ち上がった。(Sユーカラ語り) ☞ki キ 5、 hopuni ホプニ {E: to fly; stand up; get up.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kí-tontaro
キトンタロ 【自動】[ki-tontaro する・(日本語の「飛ぶ」をアイヌ語の動詞にした形)] 飛ぶ(強調形)。 ku=kihopuni/ku=kitontaro クキホプニ/クキトンタロ 私は飛んで行く(のだがなあ)。(KK即興詩) ☆参考 アイヌ語の hopuni ホプニ と日本語の「飛ぶ」をアイヌ語の形にした tontaro トンタロ とを並べて対句にしている。 このように、 アイヌ語と日本語の同義の語を使った同義語並列的な対句は、 即興歌の技法の一つである。 ☞ki- キ {E: to fly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kikir
キキㇼ 【名】[動物]虫、 虫けら。 kunne payoka kikir クンネ パヨカ キキㇼ 夜出歩く虫(ガ(蛾)のことを言っている)。(W) uwekari uwekari am us hemanta kikir ウウェカリ ウウェカリ アムㇱ ヘマンタ キキㇼ 左右両側から爪がたくさんついているヘンな虫(ムカデのことを言っている)。(W) aynu ka isam nep ka isam no, kikir ne rokpekor, usa kameasi ne rokpekor, patek a=kar wa a=i=kóhoppa ayke kusu アイヌ カ イサㇺ ネㇷ゚ カ イサㇺ ノ、 キキㇼ ネ ロㇰペコㇿ、 ウサ カメアシ ネ ロㇰペコㇿ、 パテㇰ アカㇻ ワ アイコホッパ アイケ クス 人間がいなくて、 虫けらみたいなものやばけものみたいなものばかりつくって私たちに置いて行ってくれても。(S言い伝え) ☆参考 チョウ、 コオロギ、 ブヨなど、 主に昆虫のような虫を言う、 イモ虫や毛虫の類は íkonpap イコンパㇷ゚ と言う。〔知分類 p.90 カ〕 {E: an insect.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kikita
キキタ 【副】[kiki-ta 防御・(助詞)](?) しかたなく(?)。 kikita ne kus(u) キキタ ネ クス/クㇱ しかたがないから。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kimatek
キマテㇰ 【自動】びっくりする(恐ろしくて)、 あせった気持ちになる、 あわてる。 ☆参考 ekimatek エキマテㇰ[他動]…にあわてる。 ramutuy ラムトゥイ[自動]/eramutuy エラムトゥイ[他動] 突然のことでハッとびっくりする。 iyokunure イヨクヌレ[自動]/okunure オクヌレ[他動] あきれる。 erayap エラヤㇷ゚[他動] …に感嘆する。 {E: to be surprised; be rushed; panic.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kimke(he)
キㇺケ(ヘ) 【位名】[所](概は kim キㇺ) その/それより山手の方。 piske kus pe kimke kuspe ピㇱケ クㇱ ペ キㇺケ クㇱペ (村の)浜の方を通る者も山の方を通る者も。(NK民話) tapan kotan kimkehe ta タパン コタン キㇺケヘ タ この村の山手の所に。(W言い伝え) {E: closer to the hilly, mountainous areas.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kimunkamuy
キムンカムイ 【名】[動物][kim-un-kamuy 山・にいる・神](=kimun-kamuy キムン カムイ) 山の神=熊。 ☆参考 最も正式な呼び名。 通常簡単に言うときは kamuy カムイ と言う。 ほかに kamuy-caca カムイチャチャ《神/熊・じいさん》のような呼び方もある。 ☆参考 合成語の要素としては yuk ユㇰ が熊を表すことがある。 ☆参考 kucan クチャン 雌熊、 síyuk シユㇰ 雄熊、 heper ヘペㇾ 子熊、 pewrep 同(呼び名)、 wenkamuy ウェンカムイ ばけもの(悪い熊を悪く言う呼び名)、 nupurikesun cáca ヌプリケスン チャチャ 山すそのじじい(最もたちの悪い熊の呼び名)、 そのほか、 昔は熊の年齢・性別・性質・それに対する話者の気持ちなどによっていろいろな名称が使い分けられていたらしい。 〔知分類 p.151〕 {E: a mountain god; a bear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kimuy
キムイ 【名】[ki-muy カヤ/ヨシ・束][植物] ヨシ(葦)の束。 sine kimuy mak pak ranke ku=kar kor pirka? シネ キムイ マㇰ パㇰ ランケ クカㇻ コㇿ ピㇼカ? ヨシ(葦)一束(「いっぱ」)につきいくら払えばいいでしょうか。(S) ☆参考 アクセントは kímuy キムイ ではなく kimúy キムイ。 {E: a bunch of reeds} (出典:田村、方言:沙流)
kimuyso
キムイソ 【名】[kim-un-so 山・の・広がりのある所] 山の奧の地。 kimuyso ka ta/a=erának kuni p/isam he ki ya? キムイソ カ タ/アエラナㇰ クニㇷ゚/イサメ キ ヤ? [雅] 山奥のほうではいやなことはありませんか。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kina
キナ 【名】[植物]草。 aykocararke kina réhe ikaray ne アイコチャラㇻケ キナ レヘ イカライ ネ とげだらけの草の名はイラクサだ。(S) a=tesé kina アテセ キナ [ござに編む・草] ガマ。 a=e kina アエ キナ [食べる・草] 食用の草。 surku kina スㇽク キナ [毒・草] 毒草。 kina us キナ ウㇱ [草・(そこに)つく/生える] (畑)に草が生える。 kina kar キナ カㇻ 草取りする。 emo kina e=kar hawe? エモ キナ エカㇻ ハウェ? (あなたは)いも畑の草取りをするんですって? (W) ☆参考 食用の野草、 薬草、 毒草、 畑の雑草、 野菜等、 生活に関係ある草を言う。 そのへんに生えている雑草のことは「ごみ」と同じく mun ムン と言う。 〔知分類 p.273〜274〕 {E: edible and medicinal grasses, plants used in daily life (not weeds.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kinaokeura
キナオケウラ §369 クイナ (3) kina-okeura (ki-na-o-kew-ra)「キナオケウラ」⦅B⦆Water-rail. Rallus aquaticus indicus. Syn: okura. (出典:知里動物編、方言:)
kinasut
キナスッ 【名】[kina-sut 草・の根元] ①草の根元。 ②[動物]ヘビ(人を噛まないよいヘビ)。(W) ☆参考 kinasut kamuy キナスッ カムイ 草の根元の神=ヘビ。 kinasut-un-kur キナストゥンクㇽ 草の根元の人=ヘビ。 tokkoni トッコニ 悪いヘビ、 マムシ。 munpokunpe ムンポクンペ《草の下のもの》(tokkoni トッコニ とか kinasut キナスッ とか言うのを避けて言う)。 tannekamuy タンネカムイ《長い神》(同)。 {E: ①the roots of grasses, plants. ②a snake.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kinno
キンノ 【自動】[< kir-nu 脂肪・を持つ](?)[動物] (動物が)まるまる太っている。 paykar sey kuytop sinukare wa kinno パイカㇻ セイ クイトㇷ゚ シヌカレ ワ キンノ 三月のホッキは雁に見てもらいたくてまるまる太っている。(S) hot, hemanta puta kinno ruwe an! ホッ、 ヘマンタ プタ キンノ ルウェ アン! まあなんてこのブタ太っていること! ☆参考 mímus ミムㇱ (人が)太っている、 肉づきがいい。 ruwe ルウェ 太い(足が「太い」などにはこれを使う)。(S) {E: to be fat } (出典:田村、方言:沙流)
kir 1
キㇼ 【他動】…におぼえ(見覚え、 聞き覚え)がある、 …であの人だとわかる。 sikpuye ku=kir シㇰプイェ クキㇼ 目もとに見覚えがある、 目もとで彼だとわかる。(S) {E: to recognise, know, recall…} (出典:田村、方言:沙流)
kirkew
キㇼケウ 【名】[概](所は kirkewe(he) キㇼケウェ(ヘ))[kir-kew 足・骨格] ①足の付け根の幅の広い骨(通常は死んだ鹿、 熊、 豚、 牛等の。 生きているときには言わない)。(S) yuk kirkew ユㇰ キㇼケウ 鹿の足の付け根の骨。(S) ②(次の表現で) kirkew ka(si) キㇼケウ カ(シ)あぐらをかいている足の上面、 ひざ。 heynu Poysar un kur/heynu kirkew kasi/heynu c=óreporep ヘイヌ ポイサㇻ ウン クㇽ/ヘイヌ キㇼケウ カシ/ヘイヌ チョレポレㇷ゚ 私は小沙流の人のひざの上をトントンたたいた。(HC神謡) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kironnu
キロンヌ 【自動】[kiror-nu 力・を持つ] 満腹する。 =ipe ayne ku=kironnu クイペ アイネ クキロンヌ 私は食べて食べておなかがいっぱいになった。(S) {E: to be full; satisfied.} (出典:田村、方言:沙流)
kisaorawki
キサオラウキ 【自動】[kisa-orawki 汽車・を取り逃がす] 汽車に間に合わない、 汽車に乗り遅れる。 ku=kisaorawki ruwe un クキサオラウキ ルウェ ウン 私は汽車に乗り遅れたのよ。(S) ☞orawki オラウキ (出典:田村、方言:沙流)
kisaoskoni
キサオㇱコニ 【自動】[kisa-oskoni 汽車・に追いつく] 汽車に間に合う。 ku=kisaoskoni noyne síran クキサオㇱコニ ノイネ シラン 私は汽車に間に合ったらしい。(S) ☞oskoni オㇱコニ (出典:田村、方言:沙流)
kisarsutu
キサㇻストゥ 【名】[概](所は未出。 sutu ストゥ の概は sut スッ)耳もと。 a=ekísarsutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅](それによって)私の耳もとで風がピューピューと鳴り響く(ものすごいスピードで飛んで/走って行く様子の描写の常套句)。(Sユーカラ語り) ☆参考 『音声資料9』に a=kisarsutu/mawkururu アキサㇻストゥ/マウクルル とあるのは誤り。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kisaruyruke
キサルイルケ 【他動】[kisar-uyruke 耳・につける][雅] …を耳につける。 kamuy ninkari/kisaruyruke カムイ ニンカリ/キサルイルケ [雅]立派な耳環を耳につけた。(Sユーカラ) ☆参考 kisareokte キサレオㇰテ とも言う。 kisaruyruke キサルイルケ は rekutuyruke レクトゥイルケ《…を首につける》への連想ではなかろうか。 ☆参考 頭飾りを頭に巻くことは epanu エパヌ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kiserihi
キセリヒ 【名】[所](概は kiseri キセリ) …のきせる(パイプも)。 ku=kiserihi sinotcaki kor an kusu ruyanpe an noyne hum as クキセリヒ シノッチャキ コㇿ アン クス ルヤンペ アン ノイネ フㇺ アㇱ 私のきせるが歌を歌っているから嵐がある(雨が降る)らしい。(S) {E: the smoking pipe of…} (出典:田村、方言:沙流)
kiwtacup
キウタチュㇷ゚ 【名】[kiw-ta-cup ユキザサ・を掘る・月][古] (月の名)3月。 upas ru wa pis ta masar ka ta peperota=an hi a=eréko kusu kiwtacup ウパㇱ ル ワ ピㇱ タ マサㇻ カ タ ペペロタアニ アエレコ クス キウタチュㇷ゚ 雪がとけて浜の斜面でユキザサ掘りをすることから名づけたのでキウタチュプ。(W) ☆参考 知里『分類アイヌ語辞典』 p.209では kiw キウ はヒメイズイの根茎((美幌))((A千歳))。 しかしこのワテケさんの説明では pepero ペペロ《ユキザサ》と同義に使われている。 pepero ペペロ の古名か。 (出典:田村、方言:沙流)
kiyanne
キヤンネ 【自動】①年上である。 kiyanne kur キヤンネ クㇽ 年上の(ほうの)人。 iyotta kiyanne ku=poho イヨッタ キヤンネ クポホ 一番年長の私の息子=私の長男。(S) ②身分が上である。 {E: to be older; aged.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kiyanne
キヤンネ §021.子(13)kiyanne〔ki-ján-ne キやンネ〕⦅H. S.⦆年長の〜-kur長男⦅ホロべツ⦆。〜-po長男⦅ホロべツ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
koan 1
コアン 【他動】[ko-an …に対して・ある] …が与えられる、 …があびせられる。 a=yupkehawe heynu/e=koan yakun アユㇷ゚ケハウェ ヘイヌ/エコアン ヤクン 私のせいであなたが厳しい談判を受けたなら。(HC神謡) {E: to be given…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koanu
コアヌ 【複他動】[ko-anu に対して・置く](次の言い回しで) otuhenkuror koanu オトゥヘンクロㇿ コアヌ (訪ねて来た子ども)に対して何度も首を縦にふって喜びを表す(喜び迎える様子)。 i=nukar a p sekor, ney wano i=amkir pe koraci otuhenkuror i=koanu i=omap a i=omap a イヌカラㇷ゚ セコㇿ、 ネイ ワノ イアㇺキㇼ ペ コラチ オトゥヘンクロㇿ イコアヌ イオマパ イオマパ 私を見た途端に、 まるでどこからか私を見知ってでもいたみたいにウンウンと首を縦にふってうなずきながらよく来たよく来たと私をだいたりなでたりしてかわいがってくれた。(W神謡語り) {E: to nod one's head in pleasure about; be pleased about.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koar-uweun/koaruweun
コアㇻウウェウン/コアルウェウン 【自動】[ko-ar-uweun (雅語で叙述を導く)…が・全く・そろっている][雅] …がそろっている。 (次のような文脈で)…のひとそろいを、 …を全部そろいで。 kunne kosonte/kunne cipanup/koar-uweun/yaynenayne/esipine pe クンネ コソンテ/クンネ チパヌㇷ゚/コアㇻウウェウン/ヤイネナイネ/エシピネ ペ [雅]黒い小袖、 黒い頭かざりのひとそろいを上から下までそろいで身につけている者。(Sユーカラ) kamuy cipanup/kamuy ninkari/kamuy tamasay/koaruweun/sánasapte カムイ チパヌㇷ゚/カムイ ニンカリ/カムイ タマサイ/コアルウェウン/サナサㇷ゚テ [雅]立派な頭飾り、 立派な耳飾り立派な耳飾りを全部そろいで出してきた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koasurani
コアスラニ 【他動】[ko-asur-ani …(のところ)に・知らせ・を持って行く] (人)にあぶないことやせっぱつまっていることの知らせを届ける、 …に危急を知らせる。 yupihi koasurani kusu túnas arpa! ユピヒ コアスラニ クス トゥナㇱ アㇻパ! (彼が死にそうだから)彼の兄に知らせに早く行きなさい。(S) {E: to warn, tell someone about…} (出典:田村、方言:沙流)
kocan
コチャン 【間投】[ko-can (擬音の叙述へ導く小辞)・(擬音)] …がチヤン(と鳴る)。 kuciwa kocan, a/nariwa kocanca クチワ コチャン、 ア/ナリワ コチャンチャ [雅]くつわがチャン、 あ、 鳴り輪がチャンチャ。(S即興詩) {E: for something to make a clanging sound.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kocanca
コチャンチャ 【間投】[ko-canca (擬音の叙述へ導く小辞)・(擬音・重複)] …がチヤンチヤン(と鳴る)。 kuciwa kocan, a/nariwa kocanca クチワ コチャン、 ア/ナリワ コチャンチャ [雅]くつわがチャン、 あ、 鳴り輪がチャンチャ。(S即興歌) {E: for something to make a clanging sound.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kocanupkor
コチャヌㇷ゚コㇿ 【他動】[ko-canu-p-kor …に・(?)・こと・持つ] …を聞いて参考になる。 en=pirma p ne kus ku=kocanupkor wa k=an kus ne wa エンピㇼマㇷ゚ ネ クㇱ クコチャヌㇷ゚コㇿ ワ カン クㇱ ネ ワ (彼が)私にそっと知らせてくれたから私はよく気をつけていますから。(S) ☆参考 canup チャヌㇷ゚ も canupkor チャヌㇷ゚コㇿ も未出。〔久辞典107 chanupkor 参考になる、 よい教訓になる〕〔((B)) chanup “An object. An end”〕 {E: to listen to and act upon another's suggestion.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kocorawki
コチョラウキ 【他動】[ko-corawki …に・向かって行く] …に向かって行く、 …を攻撃しに行く。 toyehe ta unma ci=sirkote sekor hawean kur un=kocorawki wa ek トイェヘ タ ウンマ チシㇼコテ セコㇿ ハウェアン クㇽ ウンコチョラウキ ワ エㇰ (S) 私たちが(彼の)畑に馬を繋いだと言う人が私たちに談判しに来た。 {E: to go to…; go to attack…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koeneramu
コエネラム 【自動】何がなんだかわけがわからない。 “koeneramu!” sekor hotuyekar, wa ora hóse ciki mosma mosma hawean, yakun po hene koeneramu nankor na 「コエネラム!」セコㇿ ホトゥイェカㇻ、 ワ オラ ホセ チキ モㇱマ モㇱマ ハウェアン、 ヤクン ポ ヘネ コエネラム ナンコンナ 何もわからない(ばか)と言って彼を呼びなさい、 そうして返事をしたら、 いろんな関係のないほかのことを言いなさい、 そうすればなおさらわけがわからなくなるだろうから。(S) ☆参考 理解力や判断力が低いという属性について言う。 何かを理解しない/できないということは、 別の動詞 erampewtek エランペウテㇰ を使って言う。 {E: be confused, be at a loss.} (出典:田村、方言:沙流)
koeunpipka
コエウンピㇷ゚カ 【複他動】[ko-eunpipka …に対して・…を疑う](人)の(話)を疑う。 núman e=ek kunak e=ye korka eci=kóeunpipka ヌマン エエㇰ クナㇰ エイェ コㇿカ エチコエウンピㇷ゚カ きのうあなたは来ると言ったが私はあなたの言うことを信じなかった。(S) {E: to doubt…} (出典:田村、方言:沙流)
kohemespa
コヘメㇱパ 【他動】[複](単は kohemesu コヘメス) (二人以上が) …に登る。 nupuri kohemespa ヌプリ コヘメㇱパ (二人以上が)山に登る。 Petetokuspe kamuynupuri a=kohémespa ペテトクㇱペ カムイヌプリ アコヘメㇱパ 私はペテトクシペと言う神の山に登った。(W神謡語り) ☆参考 この用例では神の自叙なので、 一人でも複数形が使われている。 {E: to climb…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kohenmawkarpare
コヘンマウカㇻパレ 【他動】[ko-hen-maw-kar-pa-re …に対して・顔(?)・風・つくる・(複)・させる](?) (何を言われても)知らん顔をして聞き流す。 e=horkapaspare akus kohenmawkarpare エホㇿカパㇱパレ アクㇱ コヘンマウカㇻパレ「どんどんお前にあげ足とられたらこんどわかんなーいふりしてる、 しらばくれーてる。」 (S) {E: to take no notice of whatever is said.} (出典:田村、方言:沙流)
kohepusu
コヘプス 【他動】[ko-he-pusu …に・頭・を出す](水の上)に浮き上がる。 raworer ranke aworun/kanpe kurka aworun/kohepusu ranke aworun ラウォレン ランケ アウォルン/カンペ クㇽカ アウォルン/コヘプス ランケ アウォルン (子どもは)沈んだり波の上に出たり…。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
kohorakte
コホラㇰテ 【複他動】[ko-horak-te …に・倒れる・させる] …に…を倒す。 nusa kohorakte ヌサ コホラㇰテ (赤ん坊)の上に祭壇を倒してかぶせる(敵に見つからず神々に守られるように)。(W民話) ☆参考 同じ話者が nusa kohokuste ヌサ コホクㇱテ とも言っている。 {E: to knock, bring down…on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koiyomap/koyyomap
コイヨマㇷ゚ 【他動】[ko-i-omap に・人/もの・をかわいがる] ku=kosmaci ku=koiyomap クコㇱマチ クコイヨマㇷ゚ 私には嫁の子どもたちが特別にかわいい。 ☆参考 接頭辞がつくことによって語頭の ko コ が高く発音されるときに多く使われる語幹の形。 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= ア または eci= エチ)のみがついたときは koyomap コヨマㇷ゚ という形をとることが多い。 ☞koyomap コヨマㇷ゚ {E: to love, show affection to…} (出典:田村、方言:沙流)
kokatpak
コカッパㇰ 【他動】[ko-kat-pak (人)に/の・あり方・を戒める](人の)したことを悪く思う。 eci=kokátpak wa eci=nukár kor eci=kóyki kuni ku=ramu kor k=an エチコカッパㇰ ワ エチヌカㇻ コㇿ エチコイキ クニ クラム コㇿ カン 私はあなたのことを悪いと思ってこんど会ったら怒ってやろうと思っていた。 (「悪い噂を聞いたので本当だったら意見してやろうと思っていた。」) (S) {E: to think bad of someone} (出典:田村、方言:沙流)
kokiroryupu
コキロㇿユプ 【他動】[ko-kiror-yupu…に・力・…をきつく締(し)める]…力を出して締(し)める。 pukuru atu/esikari wa/cupu turmake turmake/raprap pispis/kokiroryupu プクル アトゥ/エシカリ ワ/チュプ トゥルマケ トゥルマケ/ラプラプ ピシピシ/コキロㇿユプ (兄は)袋のひもをつかんで力を出してギュッとしめた。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
kokkaea
コッカエア 【自動】[kokka-e-a ひざ・で・座る] ひざをついてかかとを立てて座る。 ☆参考 昔、 酒宴のとき、 祭司をつとめる長老 sake-iyus kur サケイユㇱ クㇽ を迎える家の主人 sake-sanke kur サケサンケ クㇽ は、 刀を下げて迎え、 kokkaea コッカエア して(ひざをついてかかとを立てて座って) toan uske…rok wa en=kore yan トアン ウㇱケ…ロㇰ ワ エンコレ ヤン《あちらにお座りください》と言って手をとって連れて行き、 その人が座るまでうしろでまた kokkaea コッカエア して onkami オンカミ して(手を上下して拝礼して)いる。(W) ☆参考 uske ウㇱケ と rok ロㇰ との間に脱落(ノートの筆記もれ)がある。 un ウン《へ》か、 wa ワ《から》か。 {E: to kneel.} (出典:田村、方言:沙流)
kokkaesitciw
コッカエシッチウ 【自動】[kokka-e-sir-ciw ひざ・で・地・にささる] ひざをついて転ぶ。 ku=kokkaesitciw wa ku=kokkasapa arka a p un クコッカエシッチウ ワ クコッカサパ アㇻカ アプン 私はひざをついて転んでひざが痛くなったのだよ。(S) {E: to fall over onto one's knees, } (出典:田村、方言:沙流)
kokkasapa
コッカサパ 【名】[概/所][kokka-sapa ひざ・頭] ひざ(膝)。 ku=kokkaesitciw wa ku=kokkasapa arka a p un クコッカエシッチウ ワ クコッカサパ アㇻカ アプン 私はひざをついて転んでひざが痛くなったのだよ。(S) {E: the knees.} (出典:田村、方言:沙流)
kokor
ココㇿ 【複他動】[ko-kor …に・持つ] ①(人)の(持っているもの)を取り上げる/もらう。 a=kiyánnepoho i=kokor rusuy アキヤンネポホ イココンルスイ 彼は私たちの上の息子をほしがった。(S民話) ②…に対して…を持つ。 tumu an kewtum/i=kokor kuni p/somo tapan na トゥム アン ケウトゥㇺ/イココㇿ クニㇷ゚/ソモ タパン ナ [概]憤慨して私に敵意を持つのではありませんよ。(Sユーカラ) ☆参考 kouk コウㇰ は…を奪う/強奪する。 {E: to take away, receive… from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koma utaspa
コマ ウタㇱパ 【連他動(?)】[(?)・…を互いに交換する] …を襲う。 piske kus pe kimke kus pe koma utaspa sikesar kor okay pe ne ruwe ne ピㇱケ クㇱ ペ キㇺケ クㇱ ペ コマ ウタㇱパ シケサㇻ コㇿ オカイ ペ ネ ルウェ ネ 家の浜手を通る人も山手を通る人も襲っておどして物を取っている。(NK民話) {E: to attack, assault…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
komaknatara
コマㇰナタラ 【自動】[ko-mak-natara …が(擬音擬態を導く)・(開いて明るいことを表す語根)・(状態が続いていることを表す接尾辞)][雅]…が広々と/明るく開いている。 inerokpe kus/pet-iwor kasi/komaknatara/an=ramasu/an=uwésuye イネロㇰペ クㇱ/ペッイウォㇿ カシ/コマㇰナタラ/アンラマス/アヌウスイェ [雅]なんとまあ川ぞいの景色が美しく開けていて、 おもしろく心楽しい。(Sユーカラ) ☞maknatara マㇰナタラ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
komawa
コマワ 【他動】[ko-mawa に対し・飢えている] …をむさぼり食う、 大喜びして食べる。 e=komawa wa e=e hi ku=ki rusuy kusu eci=ecínkar na e エコマワ ワ エエ ヒ クキ ルスイ クス エチエチンカンナ エ あなたに大喜びして食べてもらいたいと思って残しておいたのだから食べなさい。(S) {E: to devour…} (出典:田村、方言:沙流)
komham
コㇺハㇺ 【名】[kom-ham 小柏・葉] [植物]コガシワ(小柏)の葉。 komham turse yakun コㇺハㇺ トゥㇽセ ヤクン [慣用句]小柏の葉が落ちたら(常に落ちないので、 起こらないことを言う表現)。 komham turse yakun k=ésouk kane ataye ku=kar コㇺハㇺ トゥㇽセ ヤクン ケソウㇰ カネ アタイェ クカㇻ 小柏の葉が落ちたら借りている代金を払う(いつまでも払う気がないことの表現)。(S) ☆参考 ponkomni ポンコㇺニ 小柏の木。〔知分類 p.274 kom-ham((幌別))枯葉・病葉〕 (S) {E: the leaves of an oak tree.} (出典:田村、方言:沙流)
komokmoki
コモㇰモキ 【複他動】[ko-mok-mok-i …に・(擬態の語根)・(重複)・(他動詞形成)] …にちょっかいをかける、 …の…をだまし取ろうとうまいことを言う。 sinenne patek pirka p patek kor kusu nep a=komókmoki yakka pirka wa シネンネ パテㇰ ピㇼカㇷ゚ パテㇰ コㇿ クス ネㇷ゚ アコモㇰモキ ヤッカ ピㇼカ ワ (彼は)一人だけいいものばかり持っているのだから何を人に持って行かれてもいいよ。(S) {E: to take…from…by deception; to be mischievous with…} (出典:田村、方言:沙流)
konci
コンチ 【名】帽子(布製頭巾、 長い布をふたつに折って後ろを縫ったもの、 丈は首まで)。 cikarkar konci チカㇻカㇻ コンチ 刺しゅうの入った頭巾(子ども用)。(S) a=koré kuni/cikarkar konci/a=kor wa yan=an アコレ クニ/チカㇻカㇻ コンチ/アコㇿ ワ ヤナン 私は(結婚したいと思うその方に)さしあげるべき刺しゅうした頭巾を持って来ました。(Sユーカラ) {E: headwear; a hood.} (出典:田村、方言:沙流)
konna
コンナ 【副助】[雅](名詞の後や「動詞に終わる節+ru ル《…(している)の》/sir シㇼ《様子》/haw ハウ《声》/hum フㇺ《音》」などの名詞句の後に置かれて、 それがどんなであるかを叙述する表現(多くの場合擬音語・擬態語)を導く。)…は/が/を。 ku=kewtumu konna oknatara クケウトゥム コンナ オㇰナタラ 私の心は悲しみに打ちひしがれている。(W独話) pirakka us pe ek hum konna keuskeus ピラッカ ウㇱ ペ エㇰ フㇺ コンナ ケウㇱケウㇱ げたをはいている者の来る音がカラッカラッと聞こえる。(NK民話) ☆参考 ユーカラでは頻繁に使われる。 リズムによって ko コ または konna コンナ (二音節必要なとき)が用いられる。 ek hum konna エㇰ フㇺ コンナ《来る音が》は4音節。 konna コンナ の代りに ko コ を使うと3音節になってしまい、 足りない。 arpa=an hum ko アㇻパアン フㇺ コ《私が行く音が》は5音節。 ko コ の代りに konna コンナ を使うと6音節になってしまい、 多すぎる。 ☆参考 後に続く叙述表現がさらに接頭辞 ko- コ を伴う場合もある。 ☞ko コ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
konnarpe
コンナㇻペ 【名】[< kor unarpe 持つ/…の・おばさん](早口で言ったために u ウ が落ちた形。) …のおばさん、 彼のおばさん、 …の伯叔母。 ku=konnarpe クコンナㇻペ=ku=kor unarpae クコㇿ ウナㇻパ 私の伯叔母。 ☆参考 ときどき使われる形だが、 まねをして使うと ku=kor unarpe クコㇿ ウナㇻペ と直される。 つまり、 正しい形とは認められていない。 {E: the aunt of…} (出典:田村、方言:沙流)
konnarpe
コンナㇻペ §028.おば(伯母、叔母)(7)konnarpe〔kón-nar-pe こンナㇻペ〕①伯叔母⦅シズナイ、シラヌカ、チロット、アカン、ビホロ、クッシャロ⦆。kor-〜「彼の叔母」、e-〜「君の叔母」、ku-〜「私の叔母」⦅ビホロ⦆。②義母⦅クッシャロ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
konupuru
コヌプル 【他動】[ko-nupur …に・霊力がある](konupur コヌプㇽ の聞きまちがいか。)…が好きである/気に入る、 (子ども)がかわいい(と思う)。 nonno pirka korka ku=konupuru(ku=konupur?) humi ka isam ノンノ ピㇼカ コㇿカ クコヌプル(クコヌプㇽ?) フミ カ イサㇺ 花はきれいだけれど私は好きではない。(S) ☞nupur ヌプㇽ {E: to like, be pleased with…} (出典:田村、方言:沙流)
koohana
コオハナ 【名】あんなやつ、 こんな者(さげすみや謙遜の表現)。 wenkur utar koohana hemanta kor wa i=aske uk kor oka hawe oka? ウェンクㇽ ウタㇻ コオハナ ヘマンタ コㇿ ワ イアㇱケ ウㇰ コロカ ハウェ オカ? 貧乏人ども、 あんなやつらが何を持っておれたちを招待すると言うのだろう。(W民話) hotasnu kewtum, koohana ne yakka ku=yaykorpare ホタㇱヌ ケウトゥム、 コオハナ ネ ヤッカ クヤイコㇿパレ [雅]気がかりな気持ちにこんな私のような者でもなりました。(W会話) {E: That rascal, fellow!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koohanapo
コオハナポ 【名】[koohana-po あんな/こんなもの・(指小辞)] あんな/こんなつまらない者(koohana コオハナ を強調した言い方)。 wenkur utar koohanapo mak iki híne sakekarpa ウェンクㇽ ウタㇻ コオハナポ マㇰ イキ ヒネ サケカㇻパ 貧乏人のあんなやつらがどうやって酒をつくったんだ…。(W民話) káni ka pet ruwor ta koohanapo, poon siyamamtoy ku=kar akusu カニ カ ペッ ルウォッタ コオハナポ、 ポオン シヤマㇺトイ クカㇻ アクス 私も川ぞいの土地に自分のような者でも、 わずかばかりの田んぼをつくったところ…。(W会話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koomap
コオマㇷ゚ 【複他動】[ko-omap …に/の・…をかわいがる](他の人)の(子)をかわいがる、 …を特にかわいがる。 ku=poho kor hekattar ku=koomap クポホ コㇿ ヘカッタㇻ クコオマㇷ゚ 私には私の息子の子どもたちがかわいい。(S) {E: to love, have affection for (another person's child.).} (出典:田村、方言:沙流)
koomappa
コオマッパ 【複他動】[複](koomap コオマㇷ゚ は単複の区別なし)(他の人)の(子どもたち)を(二人以上皆を)かわいがる。 ku=poho kor hekattar ku=koomappa クポホ コㇿ ヘカッタㇻ クコオマッパ 私は私の息子の子どもたち(五人いるのが五人とも)皆かわいい。(S) {E: to love, have affection for (another person's children)(pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
kopa
コパ 【複他動】[ko-pa …に・…を見つける]…を…とまちがえる/と取りちがえる。 X ne kunak ku=kopa wa kese k=anpa, en=kohosari akus mosma kur ne aan X ネ クナㇰ クコパ ワ ケセ カンパ、 エンコホサリ アクㇱ モㇱマ クン ネ アアン 私はその人をXだとまちがえて後を追った、 私の方を振り返ったのを見るとほかの人だった。(S) {E: to mistake…for…} (出典:田村、方言:沙流)
kopak 1
コパㇰ 【他動】[ko-pak …に・とがめる]…をとがめる。 somo a=poho a=hosípire yak po kamuy i=kopak kusu ソモ アポホ アホシピレ ヤㇰ ポ カムイ イコパㇰ クス 息子を返さないとなおいっそう神様が私をとがめる(=神のおとがめを受ける)から。(W神謡語り) ne wa an pe a=eci=kopák wa kusu ネ ワ アン ペ アエチコパㇰ ワ クス そのことで私はあなたたちをとがめて。(KC民話) {E: to blame, reprimand…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopaki
コパキ 【位名】[所](概は kopak コパㇰ) その方向にあって近く。 na kunneywa kopaki péka ek kor an ナ クンネイワ コパキ ペカ エㇰ コラン まだ朝方に来ている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopan
コパン 【他動】(しばしば動詞句のあとに置かれて、 助動詞的に使われて)…(すること)をきらう/いやがる/断る/拒否する。 ku=kopan クコパン 私はいやだ/お断りします。 wakkata hekaci wakkata kopan ワッカタ ヘカチ ワッカタ コパン 水汲み少年が水汲みするのをいやだと言ってしなかった。(W) ☆対語 eese エエセ …を承諾する。 {E: to hate, dislike, refuse, deny…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopopte
コポㇷ゚テ 【他動】[ko-popte …と一緒に・煮立たせる] …と一緒に煮立たせる。 kunne iro a=omáre wa ora oro amip a=omáre wa a=kopópte kor irammakaka kunne クンネ イロ アオマレ ワ オラ オロ アミㇷ゚ アオマレ ワ アコポㇷ゚テ コㇿ イランマカカ クンネ 黒い染料を入れてそれからそこに着物を入れて(その染料と一緒に)煮るときれいに黒く染まる。(S) {E: to boil…together.} (出典:田村、方言:沙流)
kopunkine
コプンキネ 【他動】[ko-punkine …に・護衛する](次のような表現の中で) aynu kotca kopunkine アイヌ コッチャ コプンキネ [人間・の前・に護衛する] 人間を(疫病神からさえぎって)守る。 aynu kotca kopunkine p tan isokapiw ne kusu アイヌ コッチャ コプンキネㇷ゚ タン イソカピウ ネ クス 人間を疫病神から守ってくれるものがこのアホウドリだから。(HK民話) {E: to protect…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopuntek
コプンテㇰ 【他動】[ko-puntek …に・喜ぶ] …のことを喜ぶ/ほめる/ねぎらう、 (人)を迎えて喜ぶ/よく来たと言ってほめ、 ねぎらう、 を歓迎する。 eci=kopúntek エチコプンテㇰ ようこそねえ。(W) kopuntek yan コプンテㇰ ヤン ほめてあげなさい。(W)…kamuy katkemat néno póka yaynu, néno póka iki yakun síno a=kopúntek hawe ne wa カムイ カッケマッ ネノ ポカ ヤイヌ、 ネノ ポカ イキ ヤクン シノ アコプンテㇰ ハウェ ネ ワ 奥方様がせめてそのように考え、 そのようになさるのでしたら、 まことに喜ばしく思います。(W神謡語り) ekasi ka húci ka e=kopuntek nankor エカシ カ フチ カ エコプンテㇰ ナンコㇿ おじい様もおばあ様もあなたを喜んで迎えてくれるでしょう。(W神謡語り) {E: to be pleased with…; welcome…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopurianu
コプリアヌ 【他動】(人)のことを言わない/言うわけにいかない/言ったらよくないから胸のうちにたたんでおく。 en=kopurianu wa iteki ye エンコプリアヌ ワ イテキ イェ 私のことを胸のうちにたたんでおいて言わないようにしなさい。(S) ku=kopurianu wa kusu kasi un mun k=ánu wa k=ek クコプリアヌ ワ クス カシ ウン ムン カヌ ワ ケㇰ (ヘビがいたことを)言ったらたたるので上に草をのせて来た。(S) {E: to hold back saying something to someone} (出典:田村、方言:沙流)
kopuskosanpa
コプㇱコサンパ 【自動】[ko-pus-kosanpa …が(擬音擬態を導く)・(破裂の擬音)・急に…する][雅]…がピュッと鳴る、 …でピュッ/プス/パンと音がする。 pirka petpo/petkuretoko/kopuskosanpa ピㇼカ ペッポ/ペックレトコ/コプㇱコサンパ [雅]美しい川の水源地でピュッと物音がした。(Sユーカラ) ☞puskosanpa プㇱコサンパ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kor 1
コㇿ 【他動】①…を持つ、 … を所有する。 inan pe ku=kor kor pirka hawe an? イナン ペ クコㇿ コㇿ ピㇼカ ハウェ アン? どっちを持てばいいのかなあ? (W会話) pawetok ka kor siretok ka kor パウェトㇰ カ コㇿ シレトㇰ カ コㇿ 彼は雄弁さも持っており美しさも持っている=口も達者だし器量もいい。 kor rusuy コン ルスイ …がほしい、 …をほしがる。 ②…を(手や頭に)つける/かぶる、 つけて/かぶっている。 tekunpe kor テクンペ コㇿ 手甲をはめる。 sapanpe kor サパンペ コㇿ 冠をかぶる(頭につける)。 (注 体に着ることは mi ミ、 足や腰から下にはくことは us ウㇱ、 鉢巻などを頭に巻くことは epanu エパヌ、 手ぬぐいなどでほおかぶりすることは hekokari ヘコカリ。) ③(子)を生む (「子どもを持つ」)。 “poyson kor yak a=ye” “hńta kor yak a=ye?” “matkaci kor yak a=ye” 「ポイソン コㇿ ヤㇰ アイェ」「フンタ コㇿ ヤㇰ アイェ?」「マッカチ コㇿ ヤㇰ アイェ」 「子どもを持った(赤ちゃんが生まれた)そうだ。」「何を持ったと言う(どっちが生まれたって)?」「女の子を持ったと言う(女の子が生まれたそうだ)。」 (S) cikap tamanko kor noyne hawkor hawe as チカㇷ゚ タマンコ コン ノイネ ハウコㇿ ハウェ アㇱ にわとりが卵を生んだらしく、 なく声がする。(W) (注 出産することは nuwap ヌワㇷ゚ [日常語]または yaykosanke ヤイコサンケ [雅]) ④(神が)領有する。 nupuri kor kamuy ヌプㇼ コㇿ カムイ 山を領有する神=山を守る/統治する神=山の神。 ⑤…の …。 ku=kor hekattar クコㇿ ヘカッタㇻ 私の子どもたち。 a=kor mosir アコㇿ モシㇼ 私たちの国=わが国(=日本)。(S) ku=kor hápo クコㇿ ハポ 私の母。 ku=ponpoho kor ku=kosmaci クポンポホ コㇿ クコㇱマチ 私の下の息子の嫁(別家の嫁)。(S) kor kur コㇿ クㇽ …の夫。 ⑥ ☞kes(e) kor ケㇱ/ケセ コㇿ {E: ①to have, possess… ②attach, wear…(on one's hands, head.) ③to have, give birth to (a child). ④one's…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kor 3
コㇿ 【接助】①…しながら、 …しつつ。 suke kor an スケ コラン 煮炊きしている。 cís=an kor a=eyáykopuntek チサン コㇿ アエヤイコプンテㇰ 私は泣きながら喜んだ。 iku kor sinotcaki kor an イク コㇿ シノッチャキ コラン 彼は酒を飲みながら歌を歌っている。 ②…すれば、 …すると、 …する/したときは。 pon a=yupíhi ekimne kor a=turá ポン アユピヒ エキㇺネ コㇿ アトゥラ 小さい兄が山へ行くときは私も一緒に行った。 kesto an kor ケㇱト アン コㇿ 毎日毎日。 mata réra ruy kor méan マタ レラ ルイ コㇿ メアン 冬に風が強ければ寒い。 {E: ①while. ②if; when.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koraci
コラチ 【後副】…のように、 …そっくりに、 まるで…みたいに(「…といっしょ」)。 upas koraci retanno iro ウパㇱ コラチ レタンノ イロ 雪のようにまっ白い色。 réra koraci iki ikkasisam レラ コラチ イキ イッカシサㇺ 風のように行動するどろぼう(和人の昔話の一つ)。(W) hńta kusu somo e=ye no e=kor wa e=arpa? ikka koraci フンタ クス ソモ エイェ ノ エコㇿ ワ エアㇻパ? イッカ コラチ なぜ言わないで持って行くの、 どろぼうみたいに。(S) an koraci アン コラチ ありのままに。 eani ta an koraci e=ye hawe ne wa エアニ タ アン コラチ エイェ ハウェ ネ ワ あなたこそ本当のことを言っているんだなあ。 ☆参考 néno ネノ …に似て。 そのほかに似た意味・用法の後置副詞は ☞sirine シリネ、 kunne クンネ ☆参考 pekor ペコㇿ、 ápekor アペコㇿ、 kotom コトㇺ、 noyne ノイネ は接続助詞、 動詞のあとに置かれる。 sikopayar シコパヤㇻ は他動詞《…にそっくりである》。 {E: as, like…; just like…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kore
コレ 【複他動】①…に…を与える。 en=kore! エンコレ! …を私に与えよ/くれ/ください。 toan kur en=kore ト アン クㇽ エンコレ あの人が(私にこれを)くれた。(W) eci=koré na エチコレ ナ (これを)あげるよ。(W) icen poronno a=e=kóre kusu ne na イチェン ポロンノ アエコレ クス ネ ナ お金をたくさん(引用文中の私があなたに)あげるから。(S民話) hoku ka a=kore ホク カ アコレ (彼女は)夫も与えられた(=結婚させられた)。(W言い伝え) poronno a=en=kore wa kusu nimaraha ku=seyar ポロンノ アエンコレ ワ クス ニマラハ クセヤㇻ (私は)たくさん与えられた(もらった)から少し人におすそわけして持たせてあげた。(W) ②[補助動詞]…wa kore …ワ コレ(…のために)…してあげる/くれる。 néno iki wa en=kore hani! ネノ イキ ワ エンコレ ハニ! そうしてくださいな。(W会話) e=ek wa un=kore kusu エエㇰ ワ ウンコレ クス あなたが私たちのために来てくれたから。(W会話) ☆参考 与えて持って行かせることは sére セレ《背負わせる》とも言う。 食べ物を与えて食べさせることは ére エレ[他動使役]/ipere イペレ[自動使役]。 korar コラㇻ は与える相手を特定せず「人に与える」「人にもらってもらう」ことを言い、 この語は娘を「嫁にやる」ことにも使う。 「もらう」ことには korar コラㇻ も使うが、 もう少していねいに、 くれた人を尊敬して言うには eunkeray エウンケライ[他動]《…をいただく》/unkeray ウンケライ[自動]を使う。 m {E: ①to give… to… ②to do…for…; have…done by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
korka
コㇿカ 【接/接助】[kor-ka …するとき/しつつ・も] けれども、 しかし。 hay! ku=hopuni etoranne humi! korka ku=hopuni so ハイ! クホプニ エトランネ フミ! コㇿカ クホプニ ソ ああ起きるのいやだなあ、 だけど起きよう。 k=arpa a korka é=isam カㇻパ ア コㇿカ エイサㇺ (S) 私は行ったけれどあなたはいなかった。 ☆参考 korka コㇿカ と似たような文脈で逆説の表現に yakka ヤッカ も使われる。 yakka ヤッカ は「…しても、 …したのに」という譲歩の表現にもよく使われる。 hike ka ヒケ カ はもっぱら譲歩に使われ、 「…にもかかわらず」という強い譲歩を表す。 korka コㇿカ は単純な逆説に使われる。 hike ヒケ や awa アワ なども「…が、 …けれども」と訳されるが、 逆説ではない。 {E: but; however.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
korkayki
コㇿカイキ 【接助】[korka-i-ki けれども・ものごとを・する][雅]けれども、 しかし。 a=erának kuni p/kamuy oruspe/isam korkayki アエラナㇰ クニㇷ゚/カムイ オルㇱペ/イサㇺ コㇿカイキ [雅]いやなことは神のことにはありませんが。(Sユーカラ) pon cikisani/pon menoko/iki korkayki/kamuy moyremat ポン チキサニ/ポン メノコ/イキ コㇿカイキ/カムイ モイレマッ [雅]小さいハルニレの木の若い女性とは言ってもまるで女神様のようで…。(Sユーカラ語り) ☆参考 日常語では korka コㇿカ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kormenoko
コㇿメノコ §037.妻(4)kor-menoko〔kór-me-no-ko こㇿメノコ〕⦅ホベツ⦆妻。ku-〜「私の妻」。[kor(持つ、所有する)+menoko(女)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
korpa
コㇿパ 【他動】[複](kor コㇿ は単複の区別なし) (二人以上が/二つ以上を)…を持つ。 tane utar anakne tane sísam puri patek tono puri patek korpa kusu タネ ウタㇻ アナㇰネ タネ シサㇺ プリ パテㇰ トノ プリ パテㇰ コㇿパ クス 今の人々は今は和人の習慣ばかり殿(和人男子の尊称)の習慣ばかり持っているから。(S会話) onaha korpa p opitta オナハ コㇿパㇷ゚ オピッタ 彼の父親が持っていたもの全部。(W民話) {E: to have… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosara
コサラ 【名】[kosa-ra フジ・葉/出始めのつる][植物] 「フジ」(クズの一種)の出始めのつる。 kosara hetuku wa an コサラ ヘトゥク ワ アン 「フジ」の葉が出ている。(S) ☆参考 「フジ」は藤ではない。 ☞kosa コサ {E: the first vine shoots of the kosa plant.} (出典:田村、方言:沙流)
kosikerana-atte
コシケラナアッテ 【他動】[ko-sik-e-ra-na-atte (そこ)に・目・…で・下・の方・につける](次の慣用句で) …tukarike kosikerana atte …トゥカリケ コシケラナ アッテ …をまともに見ず目を下の方へ伏せる。 iresu sápo/inerokpe kus/i=eoripak pe/i=tukarike/kosikerana/atte kane イレス サポ/イネロㇰペ クㇱ/イエオリパㇰ ペ/イトゥカリケ/コシケラナ/アッテ カネ [雅]私の姉は、 なんとまあ、 私に畏れてかしこまり私をまともに見ず目を下の方へ伏せている。(Sユーカラ) ☆参考 tukari トゥカリ は《…の手前》 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosiramuysamte
コシラムイサㇺテ 【他動】[ko-si-ramu-isam-te …に対して・自分・心[所]・ない・させる](ramuysam ラムイサㇺ は《わからない》、 si-…-re シ…レ は《…する/であるかのように見せる》。)知らんぷりをする、 わからない/聞こえないふりをする。 ene hawean korka ku=kosiramuysamte wa somo ku=nu ápekor k=an エネ ハウェアン コㇿカ クコシラムイサㇺテ ワ ソモ クヌ アペコㇿ カン 彼はそんなことを言っていたけれど私は知らんぷりをして聞こえないふりをしていた。(S) {E: to pretend not to hear, know…} (出典:田村、方言:沙流)
kosiratki
コシラッキ 【他動】[ko-siratki …に・(?)] …をお守りにする。 néa isokapiw a=kosíratki rusuy kusu ネア イソカピウ アコシラッキ ルスイ クス そのアホウドリをお守りにしたいから。(HK民話) {E: to make…a lucky charm.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosirepa
コシレパ 【他動】[ko-sirepa …に・到着する] …に到着する、 …の所まで行き着く。 ney pak paye=an yakka siyetokun maciya a=nukár kor a=kosírepa ka koyaykus ネイ パㇰ パイェアン ヤッカ シイェトクン マチヤ アヌカㇻ コㇿ アコシレパ カ コヤイクㇱ どこまで行っても先に町が見えているけれどなかなか着かない。(S) {E: to arrive at, reach…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosirerma
コシレㇾマ 【後副】…のついでに、 …するついでに。 kesto kunneywa pisno ewonne kosirerma wakka omare ranke ケㇱト クンネイワ ピㇱノ エウォンネ コシレㇾマ ワッカ オマレ ランケ 毎日朝ごとに(毎朝)顔を洗うついでに(花瓶に)水を入れなさい。(S) {E: while one is at (about) doing…; while one has the occassion to do…} (出典:田村、方言:沙流)
kosnepuni
コㇱネプニ 【他動】[kosne-puni 軽く・…を持ち上げる][雅]…を軽々と持ち上げる。 ☞eyayrikikur-kosnepuni エヤイリキクㇽコㇱネプニ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosonte
コソンテ 【名】[< 日本語] 小袖、 「金メールの入った美しい立派な絹の着物(男子のみ着る)」。(S) iwan kosonte/ukoekutkor/iwan kosonte/opanere híne イワン コソンテ/ウコエクッコㇿ/イワン コソンテ/オパネレ ヒネ 六枚の小袖(立派な着物)を着て帯をしめ六枚の小袖(立派な着物)を上に羽織って(神が天に帰ろうとするときの身じたくの常套句。 男神でも女神でも)。(W神謡語り) {E: wadded silk clothing for men.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotaci
コタチ 【複他動】…に(ベタベタしたもの)をくっつける/ぬりつける。 kunnesumi sapaha kotaci wa kunnere クンネスミ サパハ コタチ ワ クンネレ 墨(白髪染め)を頭にぬりつけて黒く染める。(W) ☆参考 うるしや顔料をぬることや食べ物に味つけのために油をつけることなどは usi ウシ。 {E: to stick…to…} (出典:田村、方言:沙流)
Kotan-sitcire
コタンシッチレ 【名】[< kotan-sir-ci-re 村/集落・地・焼ける・させる](ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公で人間の始祖となるために生まれた神の子の呼び名の最初の部分。 全部言うと次の通り。) Kotan-sitcire/Mosir-sitcire/Sanka-tososo/Hon-okkasi/Opoysuyanke/Oypepi-poro/Kamuy ne an kur コタンシッチレ/モシㇼシッチレ/サンカトソソ/ホノッカシ/オポイスヤンケ/オイペピポロ/カムイ ネ アン クㇽ [雅]村焼き、 国焼き、 棚荒らし、 腹の上、 小鍋上げ、 大茶碗、 神になる人。(Sユーカラ) ☆参考 最後の部分は Kamuy ne an kur カムイ ネ アン クㇽ《神になる人々》の代わりに Sípase kamuy シパセ カムイ《まことに尊い神》とも言われる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotankor
コタンコㇿ 【自動】[kotan-kor 村・を持つ] 村を領有する、 村を統治する、 村を守る。 kotankor kamuy コタンコㇿ カムイ 村を領有する神。 (1)フクロウ神。 (2)神の村での村おさの神。 kotankor kur コタンコㇿ クㇽ 村を領有する(治める)人=村おさ。 kotankor nispa コタンコン ニㇱパ 村を領有する(治める)長者=村おさ。 {E: a village; a town.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotca
コッチャ 【位名】[概](所は kotcake コッチャケ)[kot-sa (?)・…の前] ①(空間的に)…の前(面前、 止まった位置にあるものの前)。 masar kotca péka kus マサㇻ コッチャ ペカ クㇱ 砂浜の前を通る。 ②(心理的に)人を非難や攻撃や不利なことから守るためにかばう位置/立場。 ☆参考 etok エトㇰ …の先、 (移動しているもの)の前方(行く手の方)、 (時間的に)以前。 osmak オㇱマㇰ …の後ろ(背後)。 {E: in front of…; ahead of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotcake(he)
コッチャケ(ヘ) 【位名】[所](概は kotca コッチャ)[kotca-ke(he) …の前・の所] ①(空間的に)その前(の所)、 その面前。 taan kur iteki kotcake kus no osmake kus タアン クㇽ イテキ コッチャケ クㇱ ノ オㇱマケ クㇱ この人の前を通らないで後ろを通りなさい。(S) en=kotcake ta e=an wa ci=nukar ka eaykap エンコッチャケ タ エアン マ チヌカㇻ カ エアイカㇷ゚ 私の前にあなたがいて私たちは見ることができない。(S) ta e=kotcake ta an wa タ エコッチャケ タ アン ワ ほらそこに、 あなたの前にあるよ。(S) ②(心理的に)(その人)の前(かばう位置/立場)。 Kamuyuci ka/han kakkok kakkok/i=kotcake ta/ye ruwe ne カムユチ カ/ハン カッコク カッコク/イコッチャケ タ/イェ ルウェ ネ 火の女神様も私のためにとりなそうとしてお願いしたりあやまったりいろいろ言ってくれたけれども。(W神謡) ☆対語 osmake オㇱマケ。 {E: ahead; in front of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotki
コッキ 【他動】(他の人の罪に対し怒って/戒めのために)(罪のないもの)を罰する。 pirka kewtum kor nispa ka wenkur umurek a=kotki epeka somo unkeray somo kamuy nukar pe ne kusu ピㇼカ ケウトゥㇺ コㇿ ニㇱパ カ ウェンクㇽ ウムレㇰ アコッキ エペカ ソモ ウンケライ ソモ カムイ ヌカㇻ ペ ネ クス よい心を持っている長者も、 貧乏人夫婦が悪いことをしたためにとがめを受けて、 ものももらえず神様がかえりみてくれなかったのだから。(HK民話) ku=kotki kus ku=kikkik クコッキ クㇱ クキㇰキㇰ 私は別の人に腹が立って(この子を)ボカボカなぐった(子ども同士がけんかして、 自分の子は悪くないのにその相手の子が泣くのでその親が怒って来る。 すると「きもやけて」もう遊ぶんでないと言って、 その相手に「腹立つまぎれに」自分の子をたたく)。(S) {E: to punish someone not at fault as an example to others.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotne
コッネ 【自動】[kot-ne くぼみ・である/になる] へこむ、 へこんで/くぼんでいる。 pakisara kotne wa pó hene kotom パキサラ コッネ ワ ポ ヘネ コトㇺ 口角がへこんで(えくぼができて)なおかわいい。 ku=kor ita kotne uske ka an tanas uske ka an クコㇿ イタ コッネ ウㇱケ カ アン タナㇱ ウㇱケ カ アン うちの床(ゆか)はへこんだ所もあるし出っぱった所もある。 ☆対語 tanas タナㇱ 出っぱる。 ☆参考 kapke カㇷ゚ケ (出っぱりが)ひっこむ、 平らになる。 {E: to be dented, depressed.} (出典:田村、方言:沙流)
kotom 1
コトㇺ 【他動】…にふさわしい、 …に似合う(衣服でもことがらでも)。 en=kotom エンコトㇺ 私に似合う。 e=kotom エコトㇺ あなたに似合う。 kamuy ne yakka kotom a kuni p ne na カムイ ネ ヤッカ コトマ クニㇷ゚ ネ ナ 神様にもふさわしいことだったのだから。(W会話) {E: to suit…; look good in…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotpokke
コッポッケ 【位名】[所](概は kotpok コッポㇰ) …のちょっと前の所。 en=kotpokke péka arpa kor an エンコッポッケ ペカ アㇻパ コラン 私の前を行っている。(S) en=kotpokke kus no sirepa ruwe ne yak a=ye エンコッポッケ クㇱ ノ シレパ ルウェ ネ ヤカイェ 私のちょっと前に着いたのだそうだ。(S) {E: just before, in front of, ahead of…} (出典:田村、方言:沙流)
kotukka
コトゥッカ 【複他動】[kotuk-ka くっつく・させる] ①…を…につける/くっつける/はりつける)。 ②[慣用句]ape kotukka アペ コトゥッカ 火を…につける。 ☆参考 nína=an ayne oraun konto ape a=kotúkka akusu sat cikuni ne p ne kusu páraparase ニナアン アイネ オラウン コント アペ アコトゥッカ アクス サッ チクニ ネㇷ゚ ネ クス パラパラセ 私はしばらくたきぎとりをしていて、 それからこんどそのたきぎに火をつけると乾いた木なのでメラメラと燃え上がった。(HC民話) ☆参考 別のものにピタッと接触させたりはりつけたりすることを言う。 他のいろいろなくっつけ方の表現については ☞usi ウシ {E: to stick…to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koturse
コトゥㇽセ 【他動】[ko-turse …に向かって・落ちる](病気が)…にうつる。 en=koturse kuni ku=sitoma エンコトゥㇽセ クニ クシトマ 私に病気がうつるのが恐ろしい。(S) wenpenramkor pe ne na e p keseke iteki e yan, nenkane eci=kotúrse yak a=sitóma na ウェンペンラㇺコㇿ ペ ネ ナ エㇷ゚ ケセケ イテキ エ ヤン、 ネンカネ エチコトゥㇽセ ヤㇰ アシトマ ナ 胸の悪い人だから食べ残しを食べてはだめよ、 もしあなたたちにうつったら恐ろしいから。(S) ku=yoyra hi koturse wa iyoyra hawe somo ne? クヨイラ ヒ コトゥㇽセ ワ イヨイラ ハウェ ソモ ネ? (彼は)私の忘れっぽいのがうつって忘れっぽいのではないかな。(W) {E: (for a disease, sickness) to spread to…} (出典:田村、方言:沙流)
kotuyasi
コトゥヤシ 【他動】[ko-tuyasi …に・頼りにする]…に頼って/…を頼りにして安心する/もう大丈夫と思う。 icen poronno pa yak a=ye, a=kotúyasi hawe ne wa イチェン ポロンノ パ ヤカイェ、 アコトゥヤシ ハウェ ネ ワ お金をたくさん拾ったそうだ、 よかったねえ。(S) toan kur tura yakun a=kotúyasi トアン クㇽ トゥラ ヤクン アコトゥヤシ (彼が)あの人と一緒に行けば大丈夫だ(と私たちは安心できる)。(W-S) {E: to feel at ease, secure about…due to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyatatke
コヤタッケ 【自動】[ko-yat-at-ke (擬音を導く接頭辞)・(擬音の語根)・(重複)・(自動詞形成)](?) (おなかが)グーグー鳴る(「腹鳴りする」)。 honi koyatatke ホニ コヤタッケ (空腹のため)腹鳴りする。(S) tap úsey ku=ku akusu ku=honi koyatatke kor an, kikir iperusuy humi ne nankor タㇷ゚ ウセイ クク アクス クホニ コヤタッケ コラン、 キキㇼ イペルスイ フミ ネ ナンコㇿ 今お茶を飲んだところおなかがグーグー鳴っている、 虫がおなかがすいたのだろう。(W) {E: gurgling sound of the stomach} (出典:田村、方言:沙流)
koyaykatanu
コヤイカタヌ 【自動】☞kosomokur koyaykatanu コソモクㇽ コヤイカタヌ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyaynutunnu
コヤイヌトゥンヌ 【他動】[ko-yaynu-tunnu …に・気持ち・(?)] ボーッとなる、 気を失いかける。 ku=kimatek ayne ku=koyaynutunnu クキマテㇰ アイネ クコヤイヌトゥンヌ 私はびっくりして気を失いかけた。(S) {E: to lose consciousness; be in a daze.} (出典:田村、方言:沙流)
koyayosura
コヤヨスラ 【他動】[ko-yay-osura (そこ)に・自分・を投げ落とす][雅]…に身を投げ出す。 cituye amset/amset kurka/a=koyáyosura チトゥイェ アㇺセッ/アㇺセッ クㇽカ/アコヤヨスラ [雅]私は高床の上に体を投げ出した。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyaypasuypa
コヤイパスイパ 【他動】[ko-yay-pa-suypa …に対して・自分・口・をゆらす(複)](人)のことを悪く言う。 nen ka é=iki hene/ki yakne/a=e=kóyaypasuypa kuni/a=ramú wa kusu ネン カ エイキ ヘネ/キ ヤㇰネ/アエコヤイパスイパ クニ/アラム ワ クス [雅]あなたが何かしたりするとあなたが人から悪く言われると私は思ったから。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyayramkes-mewe
コヤイラㇺケㇱメウェ 【他動】[ko-yay-ram-kes-mewe …に対して・自分・心・の末端・をはがす] …に対して一生けんめいになる。 tasum kur tektaksa póka e=ekar wa……pirkano a=e=ékoyayirayke kunine koyayramkes-mewe wa tasum kur apunno e=tusare kuni sekor タスㇺ クㇽ テㇰタㇰサ ポカ エエカㇻ ワ……ピㇼカノ アエエコヤイライケ クニネ コヤイラㇺケㇱメウェ ワ タスㇺ クㇽ アプンノ エトゥサレ クニ セコㇿ 病人になんとかマッサージだけでもしてあげて(中略)あなたが充分に感謝されるように一生けんめいになって病人を無事に治してあげるようにと。(S会話) ☆参考 同種の状況で eyayramkesmewpa エヤイラㇺケㇱメウパ も出ている。 単数と複数の違いはあるが、 e-… と ko-… との違いは未詳。 {E: to put all one's effort into…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyaysomomokore
コヤイソモモコレ 【他動】[ko-yay-somo-mokor-e …に対して・自分を・…しない・眠る・させる] …を夜も眠らずにする、 寝る間も惜しんで…をする。 ku=koyaysomomokore no ku=yayhonokka クコヤイソモモコレ ノ クヤイホノッカ 私は夜も眠らずに勉強する。(S) {E: to stay awake at night to…} (出典:田村、方言:沙流)
koyayterkere
コヤイテㇾケレ 【他動】[ko-yay-terke-re …に向かって・自分・跳ぶ・させる][雅]…にとんで行く。 kotan ya hore/koyayterkere/ku=ki wa ne yak コタン ヤ ホレ/コヤイテㇾケレ/クキ ワ ネ ヤㇰ 村へ飛んで行ったなら。(KC即興詩) ☆参考 サダモさんのユーカラの中では似た文脈で yayoterkere ヤヨテㇾケレ と言っている。 {E: to rush to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyaytunaska
コヤイトゥナㇱカ 【自動】[ko-yay-túnas-ka …に向かって・自分・早い・(他動詞化)](直訳すると)…に向かって急ぐ。 (ユーカラの中で次のような文脈で)行ってしまう。 arkuwanno/kamuy niskotor/koyaytunaska アㇻクワンノ/カムイ ニㇱコトㇿ/コヤイトゥナㇱカ [雅]まっすぐに神の国の空へ行ってしまう。(Sユーカラ) ☞yaytunaska ヤイトゥナㇱカ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyaywennukarpa
コヤイウェンヌカㇻパ 【他動】[複](koyaywennukar コヤイウェンヌカㇻ は単複の区別なし) (二人以上が皆で) …に苦しむ/切ない思いをする。 a=kicis ani kunne hene tókap hene i=koyaywennukarpa アキチㇱ アニ クンネ ヘネ トカㇷ゚ ヘネ イコヤイウェンヌカㇻパ (養父母は)私が泣くために夜も昼も切ない思いをした。(S民話) {E: to be distressed by…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyka
コイカ 【位名】[概](所は koykas(i)ke)[koy-ka 波・の上] 海沿いに東の方、 つまり静内、 釧路の方(方角で言うと東ないし東南の方)。 koyka un itak/koyka ta itak コイカ ウン イタㇰ/コイカ タ イタㇰ 静内や釧路の方(東の方)の言葉。 anrur ruyanpekur kus wa koyka ta sirepa kor nani menas as アンルㇽ ルヤンペクㇽ クㇱ ワ コイカ タ シレパ コン ナニ メナㇱ アㇱ 北見の方(北東)を嵐の雲が通って静内・釧路の方(東)に着くとまもなくやませ(南風)が吹く。(S) ☆参考 cupka チュㇷ゚カ 日の出る方角、 東。 土地の方向として東を言うときには koyka コイカ が最も一般的に使われる。 ☆対語 koypok コイポㇰ 海沿いに西の方、 つまり有珠、 虻田の方。 {E: along the coast in an easterly direction.} (出典:田村、方言:沙流)
koykar
コイカㇻ 【他動】[ko-i-kar …に合わせて・ものを・つくる/する] …を模する、 …をモデルとする。 kuytop kamuy hopunpa siri apkas siri a=koykar sinot hararki sekor a=ye クイトㇷ゚ カムイ ホプンパ シリ アㇷ゚カㇱ シリ アコイカㇻ シノッ ハラㇻキ セコライェ 雁(がん)の神が飛んで行く様子を模した遊び(踊り)はハララキと言う。(S独話) hawe ku=nu wa kusu ku=koykar wa tane sinotca ne ku=ye hawe ne ハウェ クヌ ワ クス クコイカㇻ ワ タネ シノッチャ ネ クイェ ハウェ ネ …と言っていた声を私は聞いたからそれを模していま歌にして歌います。(S独話) {E: to imitate…; use…as a model.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyki
コイキ 【他動】[ko-i-ki …に対して・ものを・する] ①…を怒りつける、 …を叱りつける、 …をいじめる、 …を襲う、 (鳥や魚)をとる。 ne kusu a=koyki hawe ka erampewtek ネ クス アコイキ ハウェ カ エランペウテㇰ (この子は)なぜ怒られているのかわからない。(W独話) kimunkamuy i=koyki yakka キムンカムイ イコイキ ヤッカ 熊が(引用文中の)私を襲っても(=熊に襲われても)。(HK民話) cep koyki チェㇷ゚ コイキ 魚をとる。 cikap koyki チカㇷ゚ コイキ 鳥をとる(rayke ライケ とも言う)。 ceppokoyki チェッポコイキ 小魚をとる。 hawekoyki ハウェコイキ 言葉で叱り/どなりつける。 ② ☞ram(u) koyki ラㇺ/ラム コイキ ☆参考 獣をとることは rayke [単]/ronnu[複] ライケ/ロンヌ。 鳥を打つことには koyki コイキ も rayke ライケ も使う。 魚を「釣る」ことは peraykar ペライカㇻ。) {E: to scold, bully, attack, catch(birds or fish).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koynu
コイヌ 【他動】[ko-i-nu …に/から・ものを・聞く](人)に/からものを聞く、 (人)から話が耳に入る。 tu asur orke re asur orke a=koynu yakun cis tura ikemnu=an kor oka=an トゥ アスㇽ オㇿケ レ アスㇽ オㇿケ アコイヌ ヤクン チㇱ トゥラ イケㇺヌアン コㇿ オカアン たくさんのうわさが伝わって来るのを聞くと私たちは涙が出るほど気の毒だなあと思っている。(W会話) {E: to listen to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyok
コヨㇰ 【他動】[ko-ihok …に・売る](人に)売る。 “tan pe ku=hok rusuy en=koyok hani” “e, eci=koyók kusu ne na, ataye ruyno” 「タン ペ クホㇰ ルスイ エンコヨㇰ ハニ」「エ、 エチコヨㇰ クス ネ ナ、 アタイェ ルイノ」 「これ私買いたい、 私に売ってくれよ。」「ええ、 売ってあげるよ、 高く。」 (S) {E: to sell to…} (出典:田村、方言:沙流)
koyomap
コヨマㇷ゚ 【他動】[ko-iyomap …に・(…の)・子どもをかわいがる]…の子どもを特に愛する。 ☆参考 接頭辞がつかないときや、 アクセントを動かさない接頭辞つまり人称接頭辞 a= ア または eci= エチ のみがついたときに多く使われる形。 アクセントは yo ヨ に置かれる、 つまり yo ヨ が高く発音される。 その他の接頭辞、 たとえば人称接頭辞 ku= ク などがついて ko コ にアクセントが置かれるときは ku=koiyomap/ku=koyyomap クコイヨマㇷ゚ のように、 語幹には koiyomap/koyyomap コイヨマㇷ゚ の形が使われることが多い。 ☞koiyomap コイヨマㇷ゚ {E: to show affection to, love other person's child, children.} (出典:田村、方言:沙流)
koysam
コイサㇺ 【他動】[ko-isam (叙述を導く)…が・ない](次の表現の中で)…がない、 …が起こらない。 kamuy siyante koysam kuni p ne nankor na カムイ シヤンテ コイサㇺ クニㇷ゚ ネ ナンコンナ 神様が怒ることがないようにお願いします。(W独話) {E: to bring to nothing (B.).} (出典:田村、方言:沙流)
koysum
コイスㇺ 【名】[koy-sum 波・油] あわ(泡)、 あぶく。 koysum ekupa コイスㇺ エクパ 泡をくわえる(クマが疲れて口から泡を出している様子)。 húre koysum フレ コイスㇺ 赤い泡=水に浮いているさび。(S) {E: foam; froth; bubbles.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koytak
コイタㇰ 【他動】[ko-itak …に・話す] …にものを言う/話しかける、 …に話をする。 ku=koytak ka en=koytak ka ki クコイタㇰ カ エンコイタㇰ カ キ 私が彼にも話しをしたし、 彼が私にも話をした。(S) ☆参考 ukoytak ウコイタㇰ 互いにしゃべり合う。 ☞itak イタㇰ {E: to talk, speak to…} (出典:田村、方言:沙流)
koytakmuye
コイタㇰムイェ 【他動】[ko-itak-muye …に・言葉・を束ねる] …に言葉を言い置く。 tanpa ne anak kanna mosir ka a=oríkin epaha ne kusu, a=e=kóytakmuye ka ki rusuy kus, a=e=síkoekte ruwe ne kus タンパ ネ アナㇰ カンナ モシㇼ カ アオリキン エパハ ネ クス、 アエコイタㇰムイェ カ キ ルスイ クㇱ、 アエシコエㇰテ ルウェ ネ クㇱ 今年は私は天の神の国に昇る年に当たっているので、 あなたに言葉を言い置くこともしたくて、 それであなたを私のところへ来させたのだから。(HC民話) {E: to leave a message for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
maci(hi)
マチ(ヒ) 【名】[所](概は mat マッ) …の妻。 ku=maci/ku=macihi クマチ/クマチヒ 私の妻。 ku=maci ku=rara cik クマチ クララ チㇰ 私の妻は何もできないと私は思うから ☆参考 親族関係の表現。 尊敬をもって言うには kor katkemat コㇿ カッケマッ《…の奥様》が使われる。 ☞katkemat カッケマッ {E: the wife of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mak 1
マㇰ 【位名】[概](所は makke マッケ)(独立的にも相対的にも使われる。) (…の)後ろ側、 (…の)奥、 (海側に対して)山側、 山奥の方、 (家の中の)いろりから遠い方。 toop mak ta k=ánu wa ora os k=érampewtek トオㇷ゚ マㇰ タ カヌ ワ オラ オㇱ ケランペウテㇰ (私はそれを)ずうっと奥の方/後ろの方に置いてあとでわからなくなった。(S) iyotta mak wano an ikuynimak イヨッタ マㇰ ワノ アン イクイニマㇰ 一番奥のほうにある奥歯(親知らず)。(W) mak ta ekasi マㇰ タ エカシ 先祖のおじいさん、 ひいおじいさん。 {E: behind, inside…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mak 2
マㇰ 【疑副】どう。 mak hawean マㇰ ハウェアン どう言う、 何と言う。 híne mak hawean? ヒネ マㇰ ハウェアン? そしたら(彼は)なんて言ったの? (S) (注 「何と言う」は hńta/hemanta フンタ/ヘマンタ《何》を使わず、 mak マㇰ を使って言う。) mak iki マㇰ イキ どうする、 何をする、 どのように過ごす。 a=irwaki mak iki kor an? アイㇼワキ マㇰ イキ コㇿ アン? 私たちの兄弟(兄または弟)はどうしている(達者か)? (兄弟姉妹の間の会話) (S) (注 「何をする」も mak マㇰ を使って mak iki マㇰ イキ と言う。 これは、 何をするか/しているか全然わからない場合に、 どのように時を過ごしているかを問う言い方である。 hńta/hemanta フンタ/ヘマンタ《何》を使って hńta kar フンタ カㇻ というのは、 何かをつくる/つくっているとか、 何かをする/しているとかがわかっていて、 具体的に何をするか/しているかを問う言い方である。) mak ye マㇰ イェ (それを)どう言う。 (次の慣用表現で)mak a=ye hawe? マカイェ ハウェ? (直訳すると)私たちは/一般に人は(それを)どう言うの=どう言いようもない、 しかたがない。 mak ku=ye hawe? マㇰ クイェ ハウェ? (直訳すると)私は(それを)どう言うの=どう言いようもない、 しかたがない。 ene =irara wa =iki p ne kus a=en=koyki ayke kusu mak ku=ye hawe? エネ クイララ ワ クイキㇷ゚ ネ クㇱ アエンコイキ アイケ クス マㇰ クイェ ハウェ 私はあんなに言うことをきかなかったんだから叱られてもしかたがない。 mak un a=ye hawe? マㇰ ウン アイェ ハウェ? いつまで言っていてもしょうがない、 それ以上言うことができないからこのままにしておこう。 mak un a=ye ya マㇰ ウン アイェ ヤ/マクン アイェ ヤ 何と言っても。 mak an マㇰ アン/マカン どのようである、 どんな。 mak an yakka pirka wa マㇰ アン ヤッカ ピㇼカ ワ どうでもいい。(S) mak an uske ta a=eywanke kor pirka p an? マㇰ アン ウㇱケ タ アエイワンケ コㇿ ピㇼカㇷ゚ アン? どんなときに使えばいいの? (S) mak e=réhe an? マㇰ エレヘ アン?/e=rehe mak an? エレヘ マㇰ アン? あなたの名前はなんというのですか。 mak ataye an? マㇰ アタイェ アン? 値段はいくらですか。 mak ani マカニ どうして、 どのようにして。 eci=ránmokka hawe ne p mak ani e=ruska p he an? エチランモッカ ハウェ ネㇷ゚ マカニ エルㇱカㇷ゚ ヘ アン? (私はあなたを)からかっただけなのに(あなたは)どうして怒るの? … hike mak? ヒケ マㇰ? …してはどうですか(提案) (S) ☆参考 mak マㇰ は makanak マカナㇰ と同義だが、 より簡単に(軽く)言う言い方。 沙流川筋では下流でも中流でも使うが、 千歳の白沢ナベさんによれば千歳では使わず、 軽く言うときでも makanak マカナㇰ を使う。 ☞makanak マカナㇰ {E: how; how…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
makan
マカン 【副】(次の表現で)どのように。 makan ne kor マカン ネ コㇿ 都合により、 「どうやらしたら」=どうかすると、 場合によっては。(W) makan ne kor/mosirso kurka/oran wa マカン ネ コㇿ/モシㇼソ クㇽカ/オラン マ [雅]時によると地上に降りて。(Sユーカラ語り) makan katkor pe/ek hum konna/koturimimse/kokewrototke マカン カッコㇿ ペ/エㇰ フㇺ コンナ/コトゥリミㇺセ/コケウロトッケ [雅]どんなものだかやって来る音がブルンブルンと鳴りゴーゴーと響く。(Sユーカラ) ☆参考 長く言うと makanan マカナン。 makanan マカナン も makan マカン も限られた文脈で使われている。 一般的に「どのように」という疑問の表現には nékon ネコン、 nékona ネコナ、 あるいは日常語と同じ makanak マカナㇰ などが使われている。 ☆参考 日常語では makanak マカナㇰ《どのように》、 mak マㇰ《どのように》(縮約形)があるが、 用法は makan マカン と同じではない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
makanak
マカナㇰ 【副】どう、 どのように。 makanak katuhu an kur マカナㇰ カトゥフ アン クㇽ いったいどんな格好をした人。(W) makanak an マカナㇰ アン どのようである、 どんな。 makanak an itak e=nu rusuy hawe an? マカナㇰ アン イタㇰ エヌ ルスイ ハウェ アン? どんな言葉をあなたは聞きたいの? (S) ☆参考 mak マㇰ と同義だが「いったいどのように」という、 疑問の意をよりはっきりさせる。 ☆参考 千歳の白沢ナベさんによれば、 千歳の方では mak マㇰ は使わず、 軽く言うときでも makanak マカナㇰ を使う。 {E: how; what; which.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
makanan
マカナン 【副】[雅]どのように。 makanan ne kor マカナン ネ コㇿ [雅]時によると。 makanan ne kor/ranke mosir/mosirso kurka/ciorawkekar マカナン ネ コㇿ/ランケ モシㇼ/モシㇼソ クㇽカ/チオランケカㇻ [雅]時によると下界の国の国土の上に下りて来ます。(Sユーカラ) ☆参考 同じユーカラの語られた中では同様の文脈で makan ne kor マカナン ネ コㇿ と言っている。 ☞makan マカン ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mákip
マキㇷ゚ 【疑副】[mak-iki-p どう・する/した・もの](?) いったいどうして、 いったいどうなって、 どうしたんだろう。 makip an? マキㇷ゚ アン? どうしたんだろう。 mákip ene, sinenne ku=nupe ran kor an humi an hi an? マキㇷ゚ エネ、 シネンネ クヌペ ラン コラン フミ アニ アン? どうしてこうひとりでに涙ばっかり出るんだろうなあ。(S) iyohay mákip toan pe mipihi an イヨハイ マキㇷ゚ トアン ぺ ミピヒ アン あれえ、 あの人の着物変だなあ。(S) {E: How in the world? ; What on earth? } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
makiri
マキリ 【名】[概/所][< 日本語] マキリ、 小刀。 ☆参考 「… のマキリ」は makiri(hi) マキリ(ヒ) とも kor makiri コㇿ マキリ とも言う。 ku=makirihi クマキリヒ/ku=kor makiri クコㇿ マキリ 私のマキリ。(S) {E: a knife; a short sword.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
makkesama
マッケサマ 【位名】[mak-ke-sama …の奥・の所・側] tu makkesama kotuye トゥ マッケサマ コトゥイェ (直訳すると)二つの(=いくつもの)その奥の所を…に対して切る=人が何度断っても聞かずに自分の意志を通す。 a=kopán yak a=ye yakka tu makkesama i=kotuye i=etun kuni koyayotuyma anuanu アコパン ヤㇰ アイェ ヤッカ トゥ マッケサマ イコトゥイェ イエトゥン クニ コヤヨトゥイマ アヌアヌ 私がいくら断っても彼は聞かず、 私を嫁にもらうとしつこく言い続けた。 民話 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
maknatara
マㇰナタラ 【自動】[mak-natara (明るさや開放を表す語根)・…した状態が続いている] あかあかと明るい。 nociw kur ka maknatara ノチウ クㇽ カ マㇰナタラ 星影もあかあかと明るく輝いている。(W会話) ☞komaknatara コマㇰナタラ {E: to be very bright; dazzling.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mákoraye
マコライェ 【他動】[mak-o-raye 後ろ・に・やる] 後ろへやる、 (袖を)まくる。 e=tusa mákoraye, e=amunini a=huráye kus ne na エトゥサ マコライェ、 エアムニニ アフライェ クㇱ ネ ナ (あなたの)袖をまくりなさい、 腕を洗ってあげるから。(S) ☆参考 simakoraye シマコライェ[自分を・後ろへやる]は《ひまをとる》。 {E: to roll up (the sleeves).} (出典:田村、方言:沙流)
maktektek
マㇰテㇰテㇰ 【他動】[mak-tektek あける(maka の語根)・急にする] パッと開(あ)ける。 ekuskonna apa maktektek エクㇱコンナ アパ マㇰテㇰテㇰ (彼は)突然戸をパッと開けた。(S) {E: to open…suddenly.} (出典:田村、方言:沙流)
masar
マサㇻ 【名】海辺の(砂浜より上の)斜面。 sawun masar サウン マサㇻ [sa-un-masar 前・の・海辺の斜面] 海辺の斜面が二段になっているとき海側の部分。 makun masar マクン マサㇻ [mak-un-masar 奥側・の・海辺の斜面] 海辺の斜面が二段になっているとき陸側の部分。 {E: a slope at the beach or seashore (above, beyond the sandy beach).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
maskin
マㇱキン 【副】(思いがけないことを表す。 正確な意味は不明。) ①そんなことをしては。 puyne k=an pekor =itak maskin eci=kémnu ka ki プイネ カン ペコㇿ クイタㇰ マㇱキン エチケㇺヌ カ キ 私一人だけしかいないようなことを言ってはあなたがかわいそうだ。(NZ独話) a=omáp yakun maskin niwen utar or ta nepkire アオマㇷ゚ ヤクン マㇱキン ニウェン ウタㇻ オッタ ネㇷ゚キレ かわいいならなおさらきびしい人々のところで「かせがせれ」(働かせなさい)。(W)(「かわいい子には旅をさせ」に似た、 ことわざのような一つの慣用表現。) ② sirunno maskin シルンノ マㇱキン まさか。 maskin he tap/maskin heta マㇱキン ヘ タㇷ゚/マシキン ヘタ なおいっそう (Sユーカラ) {E: ①if one does that then… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mastek
マㇱテㇰ 【自動】物がいっぱいつまっている、 ふくれてピンと張る。 k=ossike mastek pekor ku=yaynu コッシケ マㇱテㇰ ペコㇿ クヤイヌ 私のおなかに物がいっぱいつまっているような気がする(腹が立って)。(S) ☆参考 emastek エマㇱテㇰ [他動]…がいっぱいつまっている。 ☆参考 sik シㇰ はただいっぱいになる/なっていること、 つまり少しだけとか半分だけ入っているのでなく満ちる/満ちていること。 しばしばよい意味に使われる。 mastek マㇱテㇰ は余計なものやよくないものがいっぱいギュウギュウつまっていてよくないことを言うらしい。 {E: to be stopped; stuffed; blocked (up).} (出典:田村、方言:沙流)
mat
マッ 【名】[概](所は maci(hi)) 女、 妻。 mat kor マッ コㇿ [女/妻・を持つ] 妻を持つ、 妻をめとる。 te wano anak mat ka a=kor kusu ne テ ワノ アナㇰ マッ カ アコㇿ クス ネ これからは妻もめとります。(S民話) mat etun マッ エトゥン [女/妻・を借りる]妻をめとる。 mat ne kor マッ ネ コㇿ …を妻にする。 kamuy moyremat カムイ モイレマッ 神のような(落ち着いた上品な立派な)女/女神。 mat-koyomare マッコヨマレ 女たちにもおしゃくしてやる。(S) {E: a woman; a wife.} (出典:田村、方言:沙流)
mátaki(hi)
マタキ(ヒ) 【名】[所](概は mátak マタㇰ) (…の)妹。 (姉に対する妹)。 (呼びかけにも使われる。) ku=matakihi he! クマタキヒ ヘー! 妹よ、 久しぶりに会えてうれしいわ。(W会話) {E: a, the younger sister of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
matapa
マタパ §011.身内 血縁の者(3)mat-apa〔ma-tá-pa マたパ〕⦅サル⦆。①女の身内。"〜sak-kur a-ne"「女の身内がわしには無い」⦅聖典, p.99⦆。②妹[mat(女)+apa(身内)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
matapa 2
マタパ 【名】[概/所][mat-apa 女・親族](兄に対する)妹。 matapa kor kur matapaha tura wa ek, korar rusuy kusu マタパ コㇿ クㇽ マタパハ トゥラ ワ エㇰ、 コラン ルスイ クス 妹のある男が妹を連れて来た、 嫁にやりたいので。(S) ☆参考 tures(i) トゥレㇱ/トゥレシ と言う場合もある。 matapa マタパ のほうが日常語的。 叙事詩では tures(i) トゥレㇱ/トゥレシ のほうが使われる。 ☆対語 mátak マタㇰ 姉に対する妹。 {E: a younger sister.} (出典:田村、方言:沙流)
matkorepa
マッコレパ 【他動】[複](matkore マッコレ は単複の区別なし) (二人以上の男)に妻を与える、 …を結婚させる。 atuyso ka wa a=matkorepa hike iporo retar kusu oka アトゥイソ カ ワ アマッコレパ ヒケ イポロ レタㇻ クス オカ 海外から妻を与えられた人々はとても色が白い。(S言い伝え) {E: to give a wife to…; make…marry.(pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
matnepo
マッネポ §021.子(7)matnepo〔mát-ne-po まッネポ〕⦅H.⦆娘;女児。ku-matnepoho〔ku-mát-ne-po-ho〕「私の娘」[mat(女)+ne(である)+po(子)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
matsak
マッサㇰ 【自動】[mat-sak 妻・を持たない]妻を持たない。 e=matsak no/sinen e=ne wa/e=an yakun エマッサㇰ ノ/シネン エネ ワ/エアン ヤクン [雅]妻を持たずにあなた一人でいたのでは。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mawcicup
マウチチュㇷ゚ 【名】[maw-ci-cup ハマナシの実・熟する・月][古](月の名)7月。 maw ci wa a=e cup kusu mawcicup マウ チ ワ アエ チュㇷ゚ クス マウチチュㇷ゚ 「ハマナス」(=ハマナシ)の実が熟して食べる月、 そのためにマウチチユプ。(W) (出典:田村、方言:沙流)
mawtacup
マウタチュㇷ゚ 【名】[maw-ta-cup ハマナシの実・を掘る/取ってくる・月][古](月の名)6月。 hekattar eramasu wa etoyta rusuy kusu a=ye hi mawtacup ヘカッタㇻ エラマス ワ エトイタ ルスイ クス アイェ ヒ マウタ チュㇷ゚ 子どもたちが楽しんでそれ(ハマナシ)を植えたがるからそれで言うのがマウタチュプ。(W) (出典:田村、方言:沙流)
mawtum
マウトゥㇺ 【名】[maw-tum 気・の中](?) しようとしている/しているつもりでいるがそうできていない様子/格好。 ku=nitan mawtum ku=ki wa k=ek クニタン マウトゥㇺ クキ ワ ケㇰ 格好だけは急いで(あまり早くないが)来た。(S) sike mawtum ki ruwe シケ マウトゥㇺ キ ルウェ 変なしょい方をしている。(S) aynu mawtum アイヌ マウトゥㇺ 当り前でない汚い人。(S) (出典:田村、方言:沙流)
méan
メアン 【完動】[me-an 寒さ・ある] 寒い。 (天候に関して用いる。 人が寒く感じることではなく、 気温が低いことを言う。) cuk réra ruy kor méan チュㇰ レラ ルイ コㇿ メアン 秋に風がひどいと寒い。(W) méan korka ku=nepki kor k=an wa ku=popke メアン コㇿカ クネㇷ゚キ コㇿ カン ワ クポㇷ゚ケ 寒いけれど(=気温は低いけれど)私は仕事をしているので暖かい。(W) ☆対語 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ 暖い、 sir-sések シㇼセセㇰ 暑い。 ☆参考 体が寒いこと、 つまり自分が(人が)寒く感じることは mérayke メライケ。 {E: cold.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mécirataroski
メチラタロㇱキ 【自動】[me-ci-ra-ta-roski 寒さ・される・下・に・立てる](?) 寒気がする。 k=omke rusuy noyne ku=mecirataroski wa k=úruuruk コㇺケ ルスイ ノイネ クメチラタロㇱキ ワ クルウルㇰ 私はかぜをひきそうで寒気がしてふるえる。(S) {E: to feel chilled, cold.} (出典:田村、方言:沙流)
mécire
メチレ 【自動】[me-ci-cire 寒さ・焼ける・させる] あまり寒くて皮膚がヒリヒリする(凍ったのでないかと思うくらいに)。 ku=nanu mécire humi as クナヌ メチレ フミ アㇱ 私の顔はあまり寒くてヒリヒリするようだ。(S) {E: for one's skin to smart from the cold.} (出典:田村、方言:沙流)
méhupka
メフㇷ゚カ 【自動】[me-hup-ka 寒さ・はれる・させる] 寒さでふくれる。 ku=teke méhupka クテケ メフㇷ゚カ 私の手が寒さでふくれた。(S) {E: for something to swell with the cold.} (出典:田村、方言:沙流)
meman
メマン 【自動】(人)が涼しい。 sak réra ruy kor sir-meman wa ku=meman サㇰ レラ ルイ コㇿ シㇼメマン マ クメマン 夏に風が強いと天候が涼しくて私は涼しく感じる。(W) ☆参考 涼しく感じることを言う。 涼しい天候であることは sir-meman シㇼメマン と言う。 {E: to be cool.} (出典:田村、方言:沙流)
Menas 2
メナㇱ 【名】[地名] 東南の方向の地域(沙流地方からみて静内・釧路の方を言う)。 Menas un kur メナㇱ ウン クㇽ/メナスンクㇽ 静内・釧路の地方の人。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
menoko
メノコ 【名】[< 日本語] ①(広義に)一般に女性。 ②(狭義に)アイヌ民族の成人女子。(W) (S) ☆対語 okkayo オッカヨ《男》。 ☆参考 kurmat クㇽマッ 和人の女性。(W) (S) {E: ①a woman ②an adult, mature woman.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
merkot
メㇾコッ 【自動】[mer-kot つや・…についている](目が)ギョロギョロしている。 sik takupi merkot シㇰ タクピ メㇾコッ 目ばかり「ケロケロ」(=ギョロギョロ)していた。(W) (出典:田村、方言:沙流)
meske
メㇱケ 【自動】[mes-ke (もぐ/はぐ等を表す語根)・(自動詞形成)] もげる、 はがれる。 suma ani a=kar yakun meske yakka yaske yakka ukotuk ka eaykap スマ アニ アカㇻ ヤクン メㇱケ ヤッカ ヤㇱケ ヤッカ ウコトゥㇰ カ エアイカㇷ゚ (人間を)石でつくったらもげても(欠けても)裂けてもくっつくことができない。(S言い伝え) ☆参考 他動詞は mesu メス。 ☆参考 emeske エメㇱケ 上のほうが/一部がもげる、欠ける。 {E: to come off.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mi
ミ 【他動】(衣服)を着る、 (掛布団)を掛ける(「着る」)。 a=mi wa okay pe a=huráypa póka somo ki no heru, a=mi wa hotke=an, hopuni=an wa á=an kor a=mi, hotke=an kor a=mi amip patek a=mi wa án=an アミ ワ オカイ ペ アフライパ ポカ ソモ キ ノ ヘル、 アミ ワ ホッケアン、 ホプニアン マ アアン コㇿ アミ、 ホッケアン コㇿ アミ アミㇷ゚ パテㇰ アミ ワ アナン 私(民話の主人公)は、 着ているものを洗いもしないでただ、 着て(かけて)寝て、 起きているときにも着て、 寝るときにも着る(かける)着物ばかりを着ていた。(W民話) kurmat mi amip kurmat mi pirka kut ne yakka a=i=ékutkore クㇽマッ ミ アミㇷ゚ クㇽマッ ミ ピㇼカ クッ ネ ヤッカ アイエクッコレ 和人女性の着る着物を着せてくれて和人女性のしめる美しい帯もしめさせてくれた。(HC民話) {E: to wear (clothes).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
míci
ミチ 【名】父、 おとうさん。 (1人称単数《私の父》のときだけ人称接頭辞がつく。 語末に hi ヒ はつかない。) ku=mici クミチ 私の父。 (その他の人称では「…の」を表すのに kor コㇿ が使われる。) kor mici コㇿ ミチ 彼の父。 (呼び掛けは ku=ク をつけて言う。) ku=mici クミチ! おとうさん! ☆参考 沙流川・門別川の中流以上の地域の人が使う。 沙流川下流および鵡川下流地域の人は iyapo イヤポ。 ワテケさんは沙流川下流の出身だが父親が奥の Hatonay ハトナイ の人だったため míci ミチ を使う。(W) {E: a father.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
micimici
ミチミチ §017.孫(10)micimici〔mí-či-mi-či みチミチ〕⦅マオカ⦆【昔話において】孫。ku-〜「私の孫よ」[<mici(孫)の説話的反復形]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
míke
ミケ 【自動】光る、 輝く、 ピカピカ(ツヤツヤ)している(床や天井や家の中が)。 cise upsor mike kane kurkot kane チセ ウㇷ゚ソㇿ ミケ カネ クㇽコッ カネ 家の中が美しく光り輝いている。(W民話) {E: to shine; sparkle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mim 1
ミㇺ 【他動】…を一本一本に裂く。 ku=mim wa eci=ére クミㇺ ワ エチエレ(干し魚を)(私が)さいて(あなたに)食べさせてあげる。 ☆参考 布や紙をビリッと裂くことは yasa ヤサ、 細く切ることは petu ペトゥ。(S) {E: to tear, break off…one by one.} (出典:田村、方言:沙流)
mimici
ミミチ 【名】[mimi-ci 身[所]・焼けている](直訳すると)身が焼けている(icanuy イチャヌイ《マス》のあだな)。 aynu or ta/paye=an ki kor/mimici mimici sekor/a=i=ye kusu somo ci=ye na アイヌ オッタ/パイェアン キ コㇿ/ミミチ ミミチ セコㇿ/アイイェ クス/ソモ チイェ ナ 人間のところへ行くと「身焼け、 身焼け」と言われるから言わない(教えてやらない)ぞ。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
mipi(hi)
ミピ(ヒ) 【名】[所](概は amip アミㇷ゚)[mi-p-i(hi) 着る・もの・(所属語尾)] …の着物、 …が着るもの。 ku=mipi(hi) クミピ(ヒ) 私の着物。 e=mipi(hi) エミピ(ヒ) あなたの着物。 mipihi ミピヒ 彼の着物。 {E: the clothes of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mise
ミセ 【名】[< 日本語] 店。 ☆参考 ihokusi イホクシ はアイヌ語での表現で、 マーケット(小さい店の集まり)をさしていた。 {E: a shop.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mocup
モチュㇷ゚ 【名】[mo-cup 達者である・月][古](月の名)4月。 iwankeno mo wa oka, te wano nepki=an kusu mocup イワンケノ モ ワ オカ、 テ ワノ ネㇷ゚キアン クス モチュㇷ゚ 達者で静かに暮らしていて、 これから働き始めるからモチュプ。(W) (出典:田村、方言:沙流)
mokoreray
モコレライ 【自動】[mokor-eray 眠る・…してうっかりする] 寝過ごす。 ku=mokoreray wa ora k=ek moyre クモコレライ ワ オラ ケㇰ モイレ 私は寝過ごして来るのが遅くなった。(S) {E: to oversleep.} (出典:田村、方言:沙流)
mokorkasu
モコㇿカス 【自動】[mokor-kasu 眠る・…しすぎる]寝すぎる。 ku=mokorkasu クモコㇿカス 私は寝すぎた(寝坊した)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
mom
モㇺ 【自動】(ものが水中などを)流れる。 mom hike mom, a=turáynu hike a=turáynu モㇺ ヒケ モㇺ、 アトゥライヌ ヒケ アトゥライヌ (洪水で)流れるものは流れ、 見つからない者は見つからなくなった=流された人や行方不明になった人々がいた。(S会話) ☆参考 水などが流れることにはこの語は使わず、 次のように言う。 ciw kus チウ クㇱ 流れが(そこを)通る、 nay san ナイ サン 沢が流れる。 {E: to flow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
momka
モㇺカ 【他動】[mom-ka 流れる・(他動詞化)] … を流す(ものを水中などに)。 a=momka wa isam アモㇺカ ワ イサㇺ 流されてしまった。(S) ☆参考 水などを流すことには使わない。 バケツの水などを流すことは kuta クタ と言う。 {E: to wash away…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
monak 2
モナㇰ 【副】ただでさえ、 そうでなくても。 monak pirka p mínarusuy kusu iki wa pó hene pirka モナㇰ ピㇼカㇷ゚ ミナルスイ クス イキ ワ ポ ヘネ ピㇼカ ただでさえかわいいがニコニコしていてなおかわいい。(KT会話) ☆発音 mónak モナㇰ《目がさめている》とはアクセントが違う。 {E: (not) even if.} (出典:田村、方言:沙流)
móno a
モノ ア 【自動】[副+自動][単](複は móno rok モノ ロㇰ)[< 静かに・座る](?) 座る、 下に座る(あぐらをかかずにひざを折って)。 té ta móno a テ タ モノ ア ここに座りなさい。(S) móno k=a ayne ku=hopuni kor ku=kema ukonitne モノ カ アイネ クホプニ コㇿ クケマ ウコニッネ 長い間座っていて立ち上がると足が棒のようにかたくなっている。(S) ☆参考 昔は男はあぐらをかくのが正式の座り方で、 これは略式の座り方であった。 {E: to sit (down).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
móno áre
モノ アレ 【他動】[副+自動使役]座らせる。 ikuso or ta móno a=are wa イクソ オッタ モノ アアレ ワ (彼は)酒席に座らされて。(W言い伝え) {E: to make, let sit (down).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
monowahpo
モノワㇵポ §007.むすめ(娘)(20)monowahpo〔mo-nó-wah-po モのワㇵポ〕⦅マオカ⦆【雅―tuitak(昔話)、ucaskuma(酋長談)などにおいて】少女。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
monrayke
モンライケ 【自動】[mon-rayke (仕事をする)手・殺す](山へ行って)働く。 (名詞として使って) 仕事。 ekimne monrayke kusu paye エキㇺネ モンライケ クス パイェ 彼らは山へ仕事に行った。 ☆参考 「山へ仕事に行って二日でも三日でも泊まって来る。 nepki ネㇷ゚キ に行ったら昼ごはんにでも夜にでも帰って来る。」 (W) ☆参考 畑仕事や家の中や外まわりの仕事など、 通常のいろいろな仕事をすることは皆 nepki ネㇷ゚キ。 {E: to work.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
montapire
モンタピレ 【他動】急がせる。 ☆参考 k=ósoro en=montapire wa kus コソロ エンモンタピレ ワ クㇱ 私のお尻が私を急がせたから=私はウンチをがまんできなかったから。(S) {E: to make someone busy with, at…} (出典:田村、方言:沙流)
montumu(hu)
モントゥム(フ) 【名】[所](概は montum モントゥㇺ) (…の)体の具合/調子。 yaykata ku=montumuhu ku=nu wa ku=sini kusu ne ヤイカタ クモントゥムフ クヌ ワ クシニ クス ネ 私は自分で自分の体具合いを聞いて休みます=自分の体具合を感じてわかって、 それに応じて休みます。(W) montumu páse モントゥム パセ 気分が悪い、 体がだるい。 tanto ku=montumu páse kusu hum as タント クモントゥム パセ クス フマㇱ 今日は私はなんだか体がだるいようだ。(S) {E: the condition of the body of…} {E: to feel tired, dull.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
moromahpo
モロマㇵポ §007.むすめ(娘)(19)moromahpo〔mo-ró-mah-po モろマㇵポ〕[moro(?kuma(酋長談)などに用いられる】少女;未婚の若い女。pon moromahpo「若い娘」⦅千徳, pp.2, 3⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
móse 1
モセ 【自動】ヨシ(葦)を刈る。 móse=an kus paye=an ro! モセアン クㇱ パイェアン ロ! ヨシ(葦)を刈りに行こう。(S) ponno ku=mose so ポンノ クモセ ソ (私)ちょっとヨシ刈りしよう。(S) {E: to cut reeds.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mósekar
モセカㇻ 【他動】(草)を刈る。 unma e p mósekar kus arpa ウンマ エㇷ゚ モセカㇻ クㇱ アㇻパ (彼は)馬の餌を刈りに行った(=móse モセ)。(S) sarki mósekar kus arpa サㇻキ モセカㇻ クㇱ アㇻパ (彼は)ヨシ(葦)を刈りに行った。(S) ☆参考 穀物を刈る(下の方を鎌で切る)ことは otuye オトゥイェ。 {E: to cut, mow (grass).} (出典:田村、方言:沙流)
mosma 1
モㇱマ 【後副】…のほかに、 そのほかに、 (連体的に使われて) …のほかの…。 mosma mosma hawean モㇱマ モㇱマ ハウェアン 関係のない話をする、 話をそらす。 apto as hi mosma mak ku=ye kusu? アㇷ゚ト アㇱ ヒ モㇱマ マㇰ クイェ クス? 雨が降ることのほかには何を言えばいい? (S) en=mosma p oro wa etun エンモㇱマㇷ゚ オロ ワ エトゥン 私以外の人から借りなさい。(W) mosma kotan un kur モㇱマ コタヌン クㇽ 他の村の人。(W) {E: other; another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mosma 2
モㇱマ 【後副】…だけ。 sine pa mosma シネ パ モㇱマ 一年だけ。 ku=toye sine pa mosma k=eyrusa クトイェ シネ パ モㇱマ ケイルサ 私の畑を一年だけ人に貸す。(S) ☆参考 sine pa patek シネ パ パテㇰ 一年だけ、 sine pa takup シネ パ タクㇷ゚ 一年だけしか…しない。 {E: only…; just…} (出典:田村、方言:沙流)
moteki
モテキ 【副】さいわいに、 うまい具合に。 moteki néno hawean pe ku=kotusworo モテキ ネノ ハウェアン ペ クコトゥㇱウォロ 幸いに(彼が)そう言うから(私は)それで話をつけた。(S) “ku=merayke na en=tumam wa en=kore”“moteki eci=tumám kus ne wa” 「クメライケ ナ エントゥマㇺ ワ エンコレ」「モテキ エチトゥマㇺ クㇱ ネ ワ」 「寒いからだいて寝てちょうだい」「いやよかったな、 それならだいて寝てあげよう」。(S) {E: happily; luckily.} (出典:田村、方言:沙流)
moyre
モイレ 【自動】①遅い、 のろい、 遅れる。 mak an pe kusu e=moyre a ruwe an? マㇰ アン ペ クス エモイレ ア ルウェ アン? どういうわけで(あなたは)遅くなったの。(W会話) ②(助動詞的用法)…するのが遅い、 …し遅れている。 e=ye moyre エイェ モイレ あなたは言い遅れている(すぐに言うべきなのになかなか言わない)。(S会話) ③moyre as モイレ アㇱ [慣用句](次のような文脈で)(天に帰る神が)もっと遅く行く。 moyre as pe a=ikóramu awa, na sittumupeker kaspa ka somo ki no モイレ アㇱ ペ アイコラム アワ、 ナ シットゥムペケㇾ カㇱパ カ ソモ キ ノ (父が天に昇るとは聞いたが)もっと遅く行くのだと思っていたのに、 まだあまり明るくもならないうちに…。(W神謡) ☆参考 kamuy moyremat カムイ モイレ マッ [神・遅い・女] 位が高い立派な女性、 女神(伝統的な価値観では、 身分の高い女性はゆったりと落ち着いているとされる)。 {E: ①to be slow; late. ②to be slow to, at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
moyremoyre
モイレモイレ 【自動】[moyre-moyre 遅くなる・(重複)] とても遅い、 ずいぶん遅れる。 ku=moyremoyre クモイレモイレ 私はひどく遅れてしまった。(S) {E: to be very, rather late, slow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mu
ム 【自動】つまる、 通る孔がふさがる。 núpe kus puyehe mu wa ne nankor wa ヌペ クㇱ プイェヘ ム ワ ネ ナンコㇿ ワ 涙の通る穴がつまったからだろう。(S) ku=kiserihi mu クキセリヒ ム 私のキセルがつまった。(S) {E: to be stopped; blocked; for a hole, opening to be clogged.} (出典:田村、方言:沙流)
mukkane
ムッカネ 【自動】まるい(角がない)、 まるのままである(切ってない)。 a=kewre yakun okake anak mukkane, mukkane ciki ora pirkano piru wa anu アケウレ ヤクン オカケ アナㇰ ムッカネ、 ムッカネ チキ オラ ピㇼカノ ピル ワ アヌ 削るとそのあとは角がなくなる、 角がとれたらこんどはきれいにやすりをかけておきなさい。(S) mukkane cikuni ムッカネ チクニ 割ってない薪。(S) k=oypepihi mukkane emo oma na コイペピヒ ムッカネ エモ オマ ナ 私のおわんに切ってないいもが入っているよ。 ☆参考 いもなどが切ってないことは、 ramne ラㇺネ ともいう。 ramne ラㇺネ は壊れていなく完形であること、 mukkane ムッカネ は丸くまとまった形状をしていることを言う。 emukkane nonno エムッカネ ノンノ は花のつぼみ。(S) {E: to be round; to be left as a whole.} (出典:田村、方言:沙流)
mun
ムン 【名】[植物] ①草、 雑草。 (一般的に、 物体としての草。 cikuni チクニ《木》に対する。) mun ewkaomap ムン エウカオマㇷ゚ 草ぶきの三角小屋。 ②ごみ。 ☆参考 食用草・薬草・毒草・畑の雑草など、 生活に関係のある草は kina キナ と言う。 {E: ①grass; weeds. ②garbage.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
munpe
ムンペ 【名】[mun-pe 草・汁][植物] 草の汁(無色の)。 munpe etuku ムンペ エトゥク 草の汁が出る。(S) ☆参考 乳色の汁は muntope ムントペ。 kinape キナペ は《露》。 {E: grass sap.} (出典:田村、方言:沙流)
musis
ムシㇱ 【自動】むせる(煙に、 臭いに、 食べ物に、 水に)。 ku=musis クムシㇱ 私はむせた。(S) {E: to be choked.} (出典:田村、方言:沙流)
na 1
ナ 【副】①まだ。 na cup ri híne ナ チュㇷ゚ リ ヒネ まだ日が高いうちに。(NK民話) na oar tennep ne híne ナ オアッ テンネㇷ゚ ネ ヒネ (彼が)まだほんの赤ん坊だったときに。(W民話) na hoku sak no an ナ ホク サㇰ ノ アン まだ夫がいない(未婚である)。(W民話) na ek isam ナ エキサㇺ (彼は)まだ来てない。(W) na túnas na, na hotke wa an ナ トゥナㇱ ナ、 ナ ホッケ ワ アン まだ早いから、 もっと寝ていなさい。(S) na an wa ナ アン ワ まだあるよ。(S) ②もっと。 na na poronno ナ ナ ポロンノ もっともっとたくさん。 na usayne usayne ナ ウサイネ ウサイネ まだそのほかいろいろ。 na inne=as wa ナ インネアㇱ ワ 私たちはもっと大勢で。 na ku=kor rusuy humi! ナ クコンルスイ フミ! もっとほしいなあ。(S) na akkari pirka hike ku=kor rusuy ナ アッカリ ピㇼカ ヒケ クコンルスイ これよりもっといいのがほしい。(S) na uimakta ナ ウイマㇰタ まだその後その後に、 だんだん。 na uimakta keweri kor oka ナ ウイマㇰタ ケウェリ コロカ だんだん背が高くなりつつある。(S) {E: ①yet; still. ②more.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
na 3
ナ 【終助/接助】①(要求の根拠を示す。後に要求表現が続くことが多い。 倒置されて要求表現のほうが前に出ることもある。 要求が言葉で表現されなくても、 暗に要求を含んでいる。) …する/したから(…せよ)、 …ぞ、 …よ。 ney ta ka arpa=an wa án=an kusu ne na sinenne an! ネイ タ カ アㇻパアン ワ アナン クス ネ ナ シネンネ アン! 私はどこかへ行って暮らすから一人で暮らしなさい! (W民話) …sekor ku=yaynu kor k=an ruwe ne na hani! …セコㇿ クヤイヌ コㇿ カン ルウェ ネ ナ ハニ! 私は…と考えているのだからね(そのつもりでいなさいよ)。 W会話 a=e=ráyke kusu ne na ne na アエライケ クス ネ ナ ネ ナ (私はあなたを)殺すぞ、 殺してやるからな(そう思え)。 (W民話) ② …nankor na ナンコンナ (直訳すると)…するだろうぞ=…するのだよ/…しなさいよ(予言の形をとった命令表現、 親が子に、 神が人に言うとき等に使う)。 kari e=arpa nankor na カリ エアㇻパ ナンコンナ あなたはそこから行くのだよ/行きなさいよ。(S民話) …yak pirka na …ヤㇰ ピリカ ナ (直訳すると)…するとよいぞ=…するがよい、 …しなさい(目下への命令表現の一つ)。 iteki …yak pirka na イテキ …ヤㇰ ピㇼカ ナ Vしないがよい、 …してはいけない(目下への禁止表現の一つ)。 ikiya …na イキヤ …ナ …しないようにね(沙流川下流地域で)。 ikiya e=hacir na イキヤ エハチン ナ ころばないようにね。(S) ikaanun …na イカアヌン …ナ …しないようにね(沙流川中流地域で)。 ruwe/hawe tapan na ルウェ/ハウェ タパン ナ …のであります(改まった言い方で ruwe ne ルウェ ネ の代わりに使われる、 na をつけない場合もあるが、 つけることが多い)。 ruwe/hawe tapta an na ルウェ/ハウェ タㇷ゚タ アン ナ …のであります(前の言い方と同じ状況で使われる、 強調した言い方)。 {E: ①sentence-final particle indicating speaker's strong conviction. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
na 4
ナ 【終助/間助】①[< 日本語(?)] …なあ!、 …ね。 “iyohay”“sitomare na!” 「イヨハイ」 「シトマレ ナー」 あきれたことだねえ。(W-S会話) k=éyaypira na! ケヤイピラ ナー! がっかりしたなあ(ひとり言)。(S) “hawe ne yakun na, ” “ey, ” “ekurok mosir wa, na, pone ka sak, cikir ka sak…” 「ハウェ ネ ヤクン ナ、 」「エイ」「エクロㇰ モシㇼ ワ、 ナ、 ポネ カ サㇰ、 チキㇼ カ サㇰ…」 「それではね」「ええ」「まっ黒い国からね、 骨もない、 足もない…」 (S-W-S会話) ②(即興歌のはやしことばの一部。)yaysama-ne-na ヤイサマネナ (直訳すると)自分の側だよ=自分のことだよ、 自分の心の思いだよ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
namne
ナㇺネ 【副】[nam-ne (?)・で](?)(次の熟語で)maknak namne マカナㇰ ナㇺネ [雅]いったいどのように。 makanak namne/motokor katu/oka a kuni p/a=ne wa tapne マカナㇰ ナㇺネ/モトコㇿ カトゥ/オカ ア クニㇷ゚/アネ ワ タㇷ゚ネ [雅]自分はいったいどのような素性をもつものであったがためにこのように。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nan
ナン 【名】[概](所は nanu(hu) ナヌ(フ)) 顔。 nan ka sak sir ka sak ナン カ サㇰ シㇼ カ サㇰ [慣用句]器量もよくないし姿も美しくもない(娘を結婚させようとする相手に向かって父親が娘のことを謙遜して言う)。 nan kurkasi ciw kus kane ナン クㇽカシ チウ クㇱ カネ [雅](直訳すると)顔一面を流れが通って=涙をたくさん流して(さめざめと泣く様子の描写)。 nan kurkasi heynu/kor wenpuri heynu/cópirasa ナン クㇽカシ ヘイヌ/コㇿ ウェンプリ ヘイヌ/チョピラサ [雅] 顔一面に怒りの色が広がった。(HC神謡) {E: the face.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nariwa
ナリワ 【名】[< 日本語] 鳴り輪(馬鈴のことか)。 ☆参考 kuciwa クチワ くつわ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
naye
ナイェ 【他動】[nay-e すじ・(他動詞形成)] …にすじをつける。 tusa tuypoki ku=naye kor k=an トゥサ トゥイポキ クナイェ コㇿ カン 私は袖下にへらですじをつけている(和裁をしていて、 袖下の縫い目の位置に印をつけているとき)。(W) ☆参考 単数形の形だが複数形 naypa ナイパ は未出。 たくさんすじをつけることは naynaye ナイナイェ {E: to draw a line on, mark… (with a spatula.} (出典:田村、方言:沙流)
nayoro
ナヨロ §067 サケ あきあじ、あきやじ  他(31) nayoro (na-yó-ro)「ナよロ」[ku-nai(我らが・そこで・水を・飲む・小川)にcep nayoro ka somo ki(サケが川へ入らぬ)などと言う。⦅沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nayorun
ナヨルン §067 サケ あきあじ、あきやじ  他(33) nayorun 「ナヨルン」cep a-tukan kusu an pon-ku (出典:知里動物編、方言:)
ne 1
ネ 【デアル動】(「AはBである」というときの「である」に相当する。 「…になる」と訳せる場合もある。 主語(A)と補語(B)をとる。 人称変化は他動詞型。)…だ、 …である。 (káni)wenkur ku=ne ウェンクㇽ クネ (私は)貧乏人だ(=私は貧しい)。(W) káni ne カニ ネ (それは)私だ。(W) toan uske k=únihi ne トアン ウㇱケ クニヒ ネ あそこは私の家だ。(S) …ne ya… ne ya …ネ ヤ…ネ ヤ …だとか…だとか。 …pe/p ne …ペ/ㇷ゚ ネ …する/したのだ、 …するものだ。 …pe/p ne kusu …ペ/ㇷ゚ ネ クス …する/したものだから、 …ので。 néun hene ka e=kor rusuy pe ne a kus ora ネウン ヘネ カ エコン ルスイ ペ ネ ア クㇱ オラ あなたが何としてでもほしいと言ったので。(S) kus(u) ne クス/クㇱ ネ …する(未来)。 nispa e=ne kus ne na ニㇱパ エネ クㇱ ネ ナ あなたは立派な人になるのだよ。(S子守歌) ruwe ne ルウェ ネ …した/する(のだ)(確かなことについて)。 hawe ne ハウェ ネ …した/する(のだ)(言ったことや聞いたことについて)。 siri ne シリ ネ …している(見えている様子について)。 ne wa ネ ワ (1)…であって。 (2)(数名詞と共に次のように用いられる。) tup ka ne wa uk トゥㇷ゚ カ ネ ワ ウㇰ 二つともとった。(S) tun ne wa トゥン ネ ワ 二人で。 tun a=ne wa トゥン アネ ワ あなたと私と二人で。 tun ci=ne wa トゥン チネ ワ (あなたは入らず)私たち二人で。 {E: is; to be …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ne 2
ネ 【連体】その…、 今言ったこの…。 ne ceppo ネ チェッポ (いま小魚のことを言ったが)この小魚。 ne epaha ネ エパハ (今話している)その年。 taan ru kari e=arpa yakun kotan an, ne kotan noskike ta an poro cise e=pisi kur unihi ne wa タアン ル カリ エアㇻパ ヤクン コタン アン、 ネ コタン ノㇱキケ タ アン ポロ チセ エピシ クㇽ ウニヒ ネ ワ この道を行くと集落がある、 その集落のまん中にある大きい家があなたの尋(たず)ねている人の家です。(S) ☆発音 ne ネ にアクセントを置いて(つまり高く)発音される。 {E: this, that…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ne 3
ネ 【連体】何らの…(もない)、 何らかの…(があるか)。 ne aep ka isam ネ アエㇷ゚ カ イサㇺ 何も食べものがない(どんな食べ物もいっさいない)。 ne oro ka ネ オロ カ (=néoro ka ネオロ カ) どこか、 どこも。 ne (ene)…ka erampewtek ネ (エネ)…カ エランペウテㇰ いったいどう…か全くわからない。 ne ye p ka a=erámpewtek ネ イェㇷ゚ カ アエランペウテㇰ 何を言ってるのかわからない。(S) ne ene ne a hi ka ku=koyayrampewtek ネ エネ ネ ア ヒ カ クコヤイランペウテㇰ どうだったのかわからなくなった。(S) ne kusu k=ómare a hi ka k=érampewtek ネ クス コマレ ア ヒ カ ケランペウテㇰ 何のために(しおりをノートに)はさんだのかわからなくなった。(S) ne an pe ka k=érampewtek ネ アン ペ カ ケランペウテㇰ 何なのだかわからなかった。(S) ☆発音 ne ネ にアクセントを置いて(つまり高く)発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ne 4
ネ 【格助】…に(なる、 する。)、 …として。 unu ne kor ruwe un ウヌ ネ コン ルウェ ウン (その子を)母親代わりになってひきとったのだよ。(W) porono ku=cire akus poonpepo ne nin ポロノ クチレ アクㇱ ポオンペポ ネ ニン たくさんゆでたらちょびっとにへった。 tup ne usaraye wa usa korpare トゥㇷ゚ ネ ウサライェ ワ ウサ コㇿパレ (それを)二つに分けて(二人の人に)それぞれ与えなさい。(S) …ne an ネ アン …になる。 íkonpap siseypere wa kinapoheporap ne an kor an イコンパㇷ゚ シセイペレ ワ キナポヘポラㇷ゚ ネ アン コラン 毛虫が生まれ変わってアゲハチョウになっているところだ。 tanto anak rataskep tókap-ipe ne an タント アナㇰ ラタㇱケㇷ゚ トカㇷ゚イペ ネ アン 今日はまぜごはんが昼食になる。(S) …ne kar …ネ カㇻ …を…にする。 néa poro a=yupí utarkorkur ne a=kar wa ネア ポロ アユピ ウタㇻコㇿクㇽ ネ アカㇻ ワ その大きい兄を村おさにして。(NK民話) pirka hi ne ピㇼカ ヒ ネ …よいことに…、 よくぞ…した、 …してよかった。(NK民話) hemanta ne ヘマンタ ネ/hńta ne フンタ ネ 何しに、 何のために。 na siw noyne an pe hemanta ne e=kar? ナ シウ ノイネ アン ペ ヘマンタ ネ エカㇻ? まだ苦いようなもの何しにとってきたの。(S) {E: to become; do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ne wa oka
ネ ワ オカ 【連体】[複](単は ne wa an ネワアン) 今言っているこの/その、 今/さっき言ったそれらの/あの。 ne wa oka a=se rok cékunip ネ ワ オカ アセ ロㇰ チェクニㇷ゚ さっき話したあの私が背負って来た魚を (W民話) (出典:田村、方言:沙流)
néa
ネア 【連体】[単](複は nérok ネロㇰ)[ne-a (そう)である・…した] 前に話したあの/その、 件(くだん)の、 例の。 néa a=akíhi ネア アアキヒ (前に弟のことを話したが)その弟。 néa poyseta he an? ネア ポイセタ ヘ アン? 以前に見たあの子犬かい。 néa kur ネア クㇽ (直訳すると)あの人=うちの人(自分の夫のことを他の人に言う)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nékon
ネコン 【疑副】どのように。 ku=kor hekattar/nékon yaynu kor/nékon iki kor/oka nankora クコㇿ ヘカッタㇻ/ネコン ヤイヌ コㇿ/ネコン イキ コㇿ/オカ ナンコラ 私の子どもたちはどのように思いどのように過ごしているのだろう(=何を考え何をしているのだろう)。(S即興詩) ☆参考 他方言では日常語でも使われるが、 沙流方言の日常会話語では通常これは使われず makanak/mak マカナㇰ/マㇰ と言う。 しかし歌や韻文の中では、 nékon ネコン がよく使われる。 {E: how.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nékona
ネコナ 【副】[雅]どのように。 na imakakehe ta/nékona síno/katkor kuni p/hekaci ne híne ora ナ イマカケヘ タ/ネコナ シノ/カッコㇿ クニㇷ゚/ヘカチ ネ ヒネ オラ [雅]後になってこの子はいったいどのようなものになるかわからない…。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nen ka ne wa
ネン カ ネ ワ 【副】(=nenkane ネンカネ) どうかして、 ひょっとして、 もし。 nen ka ne wa iyununep ek kane kor mak =iki kusu? ネン カ ネ ワ イユヌネㇷ゚ エㇰ カネ コㇿ マㇰ クイキ クス? (S) どうかして(=もし)母熊が来たらどうしよう。(S) {E: in some way; somehow; by chance; if.} (出典:田村、方言:沙流)
nen ne yakka 2
ネン ネ ヤッカ 【副】(=néun ne yakka ネウン ネ ヤッカ) ①どうしても、 必ず、 どんなことがあっても。 “nisatta anak nen ne yakka k=arpa” sekor hawean kor k=ókaramotte 「ニサッタ アナㇰ ネン ネ ヤッカ カㇻパ」セコㇿ ハウェアン コㇿ コカラモッテ あしたはどうしても行きますと言うので名残(なごり)惜しい。(S) ②(否定で)決して(…しない)。 k=arpa kuni néno ramu kor an, nen ne yakka somo k=arpa kusu ne na カㇻパ クニ ネノ ラム コラン、 ネン ネ ヤッカ ソモ カㇻパ クス ネ ナ 私が行くかと思っていなさい、 絶対に行かないからな。(S) {E: surely; without fail.} (出典:田村、方言:沙流)
nen póka
ネン ポカ 【副】(=néun póka ネウン ポカ)なんとかして。 nen póka é=iki wa e=epirka kunine ネン ポカ エイキ ワ エエピㇼカ クニネ あなたがなんとかして出世するように。(S) nen póka ka ネン ポカ カ いろいろと(へんなことを)(=néun póka ka ネウン ポカ カ)。 {E: somehow or other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nenkane
ネンカネ 【副】[nen-ka-ne どう・か・である] ひょっとして(…する恐れがある)。 nenkane a=e=ráyke yakun a=sitóma wa kus ネンカネ アエライケ ヤクン アシトマ ワ クㇱ ひょっとしてあなたが殺されでもしたら恐ろしいから。(S民話) e p keseke iteki e yan, nenkane eci=kotúrse yak a=sitóma na エㇷ゚ ケセケ イテキ エ ヤン、 ネンカネ エチコトゥㇽセ ヤㇰ アシトマ ナ (彼の)食べ残しを食べるのはやめなさい、 もしあなたたちに(病気が)うつったら恐ろしいから。(S) nenkane kira kusu ネンカネ キラ クス 逃げるつもりだな。(S) ☆参考 好ましくない予想に用いられる。 {E: possibly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
néno
ネノ 【後副】[ne-no …である・(副詞形成)](名詞句の後に置かれて、 またその名詞句が表現されなくても)…に似て、 (…と)同じように、 そのように、 それなりに。 néno an ネノ アン …に似ている、 (それに/そのことに)似たような…。 néno kane ネノ カネ …によく似て、 そっくりに。 sikpuye e=neno kane an wa ku=kir akusu sonno ka e=poho ne a ruwe シㇰプイェ エネノ カネ アン マ クキラクス ソンノ カ エポホ ネ ア ルウェ 目もとがあなたによく似ているのでそうだなと思ったがやっぱりあなたの息子だったのだね。(S) k=arpa kuni néno ramu kor an カㇻパ クニ ネノ ラム コㇿ アン 私が行くかと思っていろ(決して行かないからな)。(S) nankor pe néno, nansak pe néno ナンコㇿ ペ ネノ、 ナンサㇰ ペ ネノ [慣用句]信用のある者はそれなりに、 信用のない者はそれなりに。(S) te wano anak somo néno =iki kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ クイキ クス ネ ナ これからはあんなことをしませんから。(S) …hi néno …ヒ ネノ …するにつれて。 poro hi néno siretokkor kor an ポロ ヒ ネノ シレトッコㇿ コㇿ アン 大きくなるにつれて美しくなってくる。(S) …hi néno an …ヒ ネノ アン …したままでいる。 a hi néno an wa mákahokus ア ヒ ネノ アン マ マカホクㇱ (彼は)座ったままで仰向けに倒れた。(S) ekap-néno エカㇷ゚ ネノ[雅]…(の)ように。 {E: like; the same as.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nep ka
ネㇷ゚ カ 【名+副助】①何か。 nep ka k=e rusuy humi! ネㇷ゚ カ ケ ルスイ フミ! 何か食べたいなあ。(S) ②何も。 nep ka wenpuri ku=sak pe ora ネㇷ゚ カ ウェンプリ クサㇰ ペ オラ 私は何も悪いことをしてないのに。(S) {E: ①something. ②nothing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
népa
ネパ 【デアル動】[複](ne ネ は単複区別なし)[ne-pa である・[複]](二人以上/二つ以上が皆)…だ、 …である。 tumunci kamuy népa wa okay pe ne a kusu siwnin to ne wa an トゥムンチ カムイ ネパ ワ オカイ ペ ネ ア クス シウニン ト ネ ワ アン (そこにいたのは)鬼神たちであったものだったから(そこは)緑の沼になっている。(S会話) {E: to be.(pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nesi
ネシ 【副助】全く/本当に/すっかり…した(強め)。 weniyokunure póka nesi a=ki ウェニヨクヌレ ポカ ネシ アキ (引用文中で)私はすっかりあきれはてた。(W民話) {E: very; just; really totally.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
néun 1
ネウン 【不定副】(疑問副詞 makanak/mak マカナㇰ/マㇰ《どのように、 どう》に対する不定副詞) ①どう(か)、 どのように(か)。 ②どんなに(…しても)。 néun ka ネウン カ どうか、 どうも。 néun néun ネウン ネウン いろいろ(して)、 いろいろと(変なことを)。 néun póka ネウン ポカ どうにか(して)、 なんとかして。 néun póka ka okay pe ネウン ポカ カ オカイ ペ いろいろなもの。 néun póka ka haweokay pe uwekarpare wa rewsire iteki ki yan ネウン ポカ カ ハウェオカイ ペ ウウェカㇻパレ ワ レウシレ イテキ キ ヤン いろんなことを言うやつを集めて泊まらせるんじゃないよ。(S) néun a=en=ye ayke kus ku=ye hawe? ネウン アエイイェ アイケ クㇱ クイェ ハウェ? どんなに私をおどしたからといって私は言うものか。(S) néun hene ka e=kor rusuy pe ne a kus ora ネウン ヘネ カ エコン ルスイ ペ ネ ア クㇱ オラ (S) あなたが何としてでもほしいと言ったので。 ☆発音 早く言うと nen ネン とも発音される。 {E: ①how; somehow. ②no matter what.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ney ta
ネイ タ 【不定位名+格助】①どこで(も/か)、 どこに(も/か)、 いつも/か。 ney ta ka ネイ タ カ どこかに/で、 いつか。 ney ta ka sakayokar hawe ka isam ネイ タ カ サカヨカㇻ ハウェ カ イサㇺ どこかで「だはんこいた」(=わがままや無理なことを言った)ということもきかない。 ney ta ka arsuyne paye=an ro ネイ タ カ アㇻスイネ パイェアン ロ (S) いつか一度行こう。 ney ta oka utar ka ネイ タ オカ ウタㇻ カ どこにいる人々も。 ney ta ne yakka ネイ タ ネ ヤッカ どこにでも。 ②ney ta pakno ネイ タ パㇰノ いつまでも。 ney ta un…sak ネイ タ ウン…サㇰ いつも…する。 taan hekaci ney ta un parkohayta sak タアン ヘカチ ネイ タ ウン パㇻコハイタ サㇰ この子(男の子)はいつも口がいやしい(いつでも何か食べたがる)。(S) ney ta un en=rammokka sak hawe iki wa ネイ タ ウン エンランモッカ サㇰ ハウェ イキ ワ いつも私をからかってばかりいるわ。(S) (注 よくないことに用いる、 非難の気持ちを含む。 ranma ランマ はよいことについても使われる。(S) ) somo ney ta ki ソモ ネイ タ キ いつもそうする。 hat punkar he emawri punkar he k=éokok híne ku=hacir, k=áni wakka opitta ku=kuta wa isam ranke, somo ney ta ki p un ハッ プンカㇻ ヘ エマウリ プンカㇻ ヘ ケオコㇰ ヒネ クハチㇼ、 カニ ワッカ オピッタ ククタ ワ イサㇺ ランケ、 ソモ ネイ タ キプン (私は)ブドウ蔓かイチゴの蔓かにひっかかってころんで持っている水を全部こぼしてしまう、 いつもそうするのよ。(S) {E: as usual.} {E: where; when.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ni 1
ニ 【他動】(味のいいもののだし汁や煎じた湯)を吸う。 ruri póka ni ルリ ポカ ニ (おつゆの実を食べなくてもせめて)汁だけでも吸いなさい。(S) ☆参考 ohaw オハウ《おつゆ、 みそ汁、 スープ》、 wakka ワッカ《水》、 úsey ウセイ《湯》等については言わない。 ohaw オハウ《おつゆ》は e エ《食べる》、 wakka ワッカ《水》や úsey ウセイ《お湯》は ku ク《飲む》と言う。 おかゆなどをすすることは hopsekar ホㇷ゚セカㇻ、 horopsekar ホロㇷ゚セカㇻ、 赤ん坊が乳を吸うような吸い方は nunnun ヌンヌン と言うが、 また totto e トット エ《おっぱいを食べる=お乳を飲む》という言い方もある。 空気などを吸うことは seru セル。 {E: to suck (in), sip…} (出典:田村、方言:沙流)
ni 2
ニ 【名】木、 たきぎ、 まき(=cikuni チクニ)。 ni hontom pakno ニ ホントㇺ パㇰノ 立ち木の中ほどまで。 ni ka péka sinot pe osoro néno ニ カ ペカ シノッ ペ オソロ ネノ 木の上で遊ぶもの(=サル)のお尻のように(酔って赤い顔をしている人をからかう言葉)。 ni ahupte ニ アフㇷ゚テ まきを家の中に取り込む。 ni ikir ニ イキㇼ 家の外に積んであるまきの一積み。 ni ani a=kar ニ アニ アカㇻ 木でつくる。 arpa arpa ni tom osma p? アㇻパ アㇻパ ニ トモㇱマㇷ゚? 行っては行っては先々で木にぶつかるものは? (なぞなぞで、 答えは mukar ムカㇻ《まさかり》)。 ☆参考 製材してある材木(「材」)は caymoku チャイモク と言って区別する。(S) ☆参考 samamni サマㇺニ 倒木。 ekayni エカイニ 切り株、 折れ木。 atni アッニ オヒョウニレの木。 cikisani チキサニ ハルニレの木。 nipesni シナの木。 その他、 木の名前には ni ニ のつくものが多い。 また ciseni チセニ 家の建材の名称にも ni ニ のつくものがいろいろある。 {E: trees; wood; firewood.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nicitne
ニチッネ 【自動】[< cini-nit-ne 足・棒・になる](?)「足が棒になる」(たくさん歩いた後、 ももの裏側が硬くなったみたいに疲れる)。 earkinne ku=nicitne, somo e=nicitne? エアㇻキンネ クニチッネ、 ソモ エニチッネ? 私はとても足が疲れて「棒になった」、 あなたはそうじゃないか。(S) {E: to have cramped, stiff legs.} (出典:田村、方言:沙流)
níhorak
ニホラㇰ 【名】[ni-horak 木・倒れる][古](月の名)9月。 munham ka níham ka tuy wa kusu a=ye hi níhorak ne ムンハㇺ カ ニハㇺ カ トゥイ ワ クス アイェ ヒ ニホラㇰ ネ 草の葉も木の葉も落ちるから言うのがニホラクだ。(W) ☆参考 1955年にワテケさんは kugaci cup クガチ チュㇷ゚ と言っていた。 (出典:田村、方言:沙流)
nimak
ニマク 【名】[概](所は nimaki(hi) ニマキ(ヒ))[ni-mak 歯・(?)] 歯。 ☆参考 他のあちこちの方言で使われる形。 沙流川下流のワテケさん、 サダモさんは、 mimak[概]/mimaki(hi) ミマㇰ/ミマキ(ヒ)[所] を使っていた。 サダモさんは「nimak/nimaki(hi) ニマㇰ/ニマキ(ヒ) がほんとだ」と言ったが、 話すときは mimak/mimaki(hi) ミマㇰ/ミマキ(ヒ) と言っていた。 ikuynimak イクイニマㇰ《犬歯、 糸切り歯》という語の中には nimak ニマㇰ が出る。) {E: a tooth; the teeth.} (出典:田村、方言:沙流)
nimara(ha)
ニマラ(ハ) 【名】[所](概はnimar ニマㇻ) ①半数、 数ある中の一部(人でも駄菓子や豆などでも)。 ②連れ(同じグループの仲間)。 a=nimára nepki kor okaype ora sinenne ku=sini アニマラ ネㇷ゚キ コロカイペ オラ シネンネ クシニ 私たちの連れの者が働いているのに私一人だけが休んでいる。(S) hńta kus e=nimara nepki kor oka rápok sinenne e=a wa e=an! フンタ クㇱ エニマラ ネㇷ゚キ コロカ ラポㇰ シネンネ エア ワ エアン! どうしておまえの連れが働いている間、 一人おまえは座っているんだ。(S) ☆参考 一個のものの半分は emko エㇺコ。 {E: ①half. ②a group of friends.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nin
ニン 【自動】減る。(消費して減ることでなく、 それ自身縮んで小さく/かさが少なくなることを言う。 野菜、 雪、 水、 月などについて言う。) karus a=suwé kor nin カルㇱ アスウェ コㇿ ニン きのこを煮れば減る。(S) kina a=cire kor nin キナ アチレ コㇿ ニン 菜っぱをゆでれば減る。(S) poronno ku=cire akus poonpepo ne nin wa isam ポロンノ クチレ アクㇱ ポオンペポ ネ ニン マ イサㇺ たくさんゆでたらほんのわずかに減ってしまった。(S) wakka nin ワッカ ニン (川の)水が減った。(S) ☆対語 poro ポロ 大きくなる、 (川の水が)ふえる。 {E: to decrease.} (出典:田村、方言:沙流)
nipopke
ニポㇷ゚ケ 【自動】(食べ物が)いたむ、 古くなって変質して食べられなくなる(「あめる」)。 nipopke wakka iteki ku yan ニポㇷ゚ケ ワッカ イテキ ク ヤン くさった水は飲まないようにしなさい。(S) nipopke yak wen na, na arsuyne popte wa anu ニポㇷ゚ケ ヤㇰ ウェン ナ、 ナ アㇻスイネ ポㇷ゚テ ワ アヌ 悪くなる(「あめる」)といけないからもう一度煮立てておきなさい。(S) ☆参考 木や草がくさることは munin ムニン、 魚や肉がくさることは horse ホㇿセ。 {E: (for food)to rot.} (出典:田村、方言:沙流)
níras
ニラㇱ 【名】[ni-ras 木・割り端] 木切れ、 木の割り端(わりは、 割った小片)。 ☆参考 níik ニイㇰ 切ったまき。 nirukum ニルクㇺ 切った棒。 {E: a piece of wood; woodchips.} (出典:田村、方言:沙流)
nis
ニㇱ 【名】①空。 nis hecaka ニㇱ ヘチャカ/ニセチャカ 空が晴れる。 nis or péka hopuni ニソㇿ ペカ ホプニ 空を飛んだ。(S民話) kanna nis カンナ ニㇱ/kamuy nis カムイ ニㇱ 上天、 神の住む所。 nis kotor ニㇱ コトㇿ ☞niskotor ニㇱコトㇿ ②雲(=niskur ニㇱクㇽ)。 cup nupur manu/kasi nis kus チュㇷ゚ ヌプㇽ マヌ/カシ ニㇱ クㇱ 太陽がえらいと言うけれどその上を雲が通るよ。(KK掛け合い歌) {E: ①the sky; ②clouds.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nisao
ニサオ 【自動】[nisa-o 木の空洞・(そこ)にある](木に)空洞がある。 nisao cikuni ニサオ チクニ 空洞のある木。 nisao noyne nísuptom púyo wa an ニサオ ノイネ ニスㇷ゚トㇺ プヨ ワ アン 空洞があるらしく立ち木の中ほどの所に穴があいている。 poro samamni nisao samamni oro cironnup o wa oka ポロ サマㇺニ ニサオ サマㇺニ オロ チロンヌㇷ゚ オ ワ オカ 空洞のある大きな倒木にキツネが入って住んでいる。(S) (出典:田村、方言:沙流)
nísap 1
ニサㇷ゚ 【自動/副】①[自動] 急である。 ②[副] 急に(=nísapno ニサㇷ゚ノ)。 káni ka ku=hoyupu wa nísap k=as ka eaykap wa e=tom k=osma hi ne a p un カニ カ クホユプ ワ ニサㇷ゚ カㇱ カ エアイカㇷ゚ ワ エトㇺ コㇱマ ヒ ネ アプン 私も走って来て急に立ち止まることができなくてあなたにぶつかったのだよ。(S) ☆発音 nisap ニサㇷ゚《すね》とはアクセントが違う。 ☆参考 瞬間に始まる/始めることを言う。 ekuskonna エクㇱコンナ《突然》と似ているが、 この用例のような文脈では ekuskonna エクㇱコンナ は使えない。 {E: ①to be sudden (v.). ②suddenly (adv.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nísapno
ニサㇷ゚ノ 【副】[nisap-no 急である・(副詞形成)] 急に。 nísapno apto as humi an ニサㇷ゚ノ アㇷ゚ト アㇱ フミ アン 急に雨が降ってきた。(S) ☆参考 nísap(no) ニサㇷ゚(ノ) と ekuskonna エクㇱコンナ《突然》のどちらもが使える場合も少なくないが、 ekuskonna エクㇱコンナ は、 予想外の事が前ぶれなしに起こってびっくりするような話に使われる。 nísap(no) ニサㇷ゚(ノ) は、 びっくりするようなことでなくても、 あることが瞬間に起こることを言う。 ☞ekuskonna エクㇱコンナ {E: suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nísapramta
ニサㇷ゚ラㇺタ 【副】[nísap-ram-ta 急な・心・に](次のような文脈で)急に。 sine an to ta/nísapramta/ekimne rusuy/epa=ki kusu シネ アン ト タ/ニサㇷ゚ラㇺタ/エキㇺネ ルスイ/エパキ クス [雅]ある日のこと私は急に山へ行きたくなったので。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nisat
ニサッ 【名】[< nis-at 空・(光が)ある](?) 夜明け前の空の白み、 夜明けの薄明るいこと。(W) kunne nisat クンネ ニサッ 夜明け前に空が白む直前の東の空に黒い雲が出ること。(S) peker nisat ペケンニサッ 夜が明け始めて東が白んで来ること。(S) nisat ek ニサッ エㇰ 夜が明けてくる。 yoci ne kor nisat ek ヨチ ネ コㇿ ニサッ エㇰ 4時になれば少し薄明るくなる。(W) ☆参考 さらに夜が明けて明るくなるのは sirpeker シㇼペケㇾ。 {E: the glow of the dawn sky; daybreak.} (出典:田村、方言:沙流)
nisewpo
ニセウポ 【名】[nisew-po カシワの実・(指小辞)][植物] 小さなカシワの実、 ドングリ。 sine nisewpo hancikiki/ekupa kane hancikiki シネ ニセウポ ハンチキキ/エクパ カネ ハンチキキ (カケスの神は)一粒のドングリをくわえて。(HC神謡) {E: the acorns of oak trees.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
niska
ニㇱカ 【他動】①…を惜しむ(惜しいと思う)。 ku=niska wa ku=korar ka somo ki クニㇱカ ワ クコラㇻ カ ソモ キ 私は惜しくて人にあげない。(S) ②(動詞句のあとに置かれ助動詞的に使われて) …するのを惜しむ/惜しがる。 eyar niska wa eyar ka somo ki ayne nipopkere エヤン ニㇱカ ワ エヤㇻ カ ソモ キ アイネ ニポㇷ゚ケレ (彼は)(その食べ物を)人にあげるのを惜しがってあげないでおいてとうとう「あめさせて」(くさらせて)しまった。(S) ☆参考 食べ物を人にあげるのを惜しむけちな人は ipewnara イペウナラ と言われる。 ものをなくしたり、 人に死なれたりしたとき惜しかったということや人と別れるとき名残りを惜しむことは oskur オㇱクㇽ、 もの惜しみして(けちけちして)使わないことは yaykotcakar ヤイコッチャカㇻ などと言う。 {E: ①to feel sorry, regret for… ②to regret having done…} (出典:田村、方言:沙流)
nispa
ニㇱパ 【名】裕福な男性、 裕福で身分の高い男性、 金持ち、 男子の尊称、 旦那様。 ☆対語 wenkur ウェンクㇽ《貧乏人》、 katkemat カッケマッ《身分の高い裕福な立派な女性》。 {E: a well off, rich man.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nispake
ニㇱパケ 【名】[所][nispa-ke 長者・(所属語尾)](次の語の中で)hoku-nispake ホク ニㇱパケ [夫・長者・(所属語尾)] …の夫(尊称)。 {E: the husband of…(polite)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
niste
ニㇱテ 【自動】固い、 丈夫である(こわれにくい)。 niste kam ne wa ku=kuykuy ka eaykap ニㇱテ カㇺ ネ ワ ククイクイ カ エアイカㇷ゚ かたい肉なので私は噛むことができない。 (筋のせいではなく、 歯がたたないように固い。) ☆参考 senkaki センカキ《布》、 ka カ《ひも》、 suma スマ《石》、 kam カㇺ《肉》などについて言う。肉などが筋だらけでかたいことは ritne リッネ、 編む草のかたいことは cawre チャウレ。 氷のようにコチコチに硬いことは nitne ニッネ。 ☆対語 riten リテン 柔い、 hapur ハプㇽ こわれやすい。 ☆参考 eniste エニㇱテ は《…を頼りにする》。 {E: to be hard; solid.} (出典:田村、方言:沙流)
nisteno
ニㇱテノ 【副】[niste-no 固い・(副詞形成)] 固く(ごはんのたき方について)。 na ponno nisteno ku=suwe kunak ku=ramu a p wakka poro no ku=kar wa ora péne amam ku=suwe ナ ポンノ ニㇱテノ クスウェ クナㇰ クラム アㇷ゚ ワッカ ポロ ノ クカㇻ ワ オラ ペネ アマㇺ クスウェ もう少し固く炊こうと思ったのに水をたくさんにしてビチャビチャのごはんを炊いてしまった。 (出典:田村、方言:沙流)
nísutu(hu)
ニストゥ(フ) 【名】[所](概は nísut ニスッ) …の内側の歯茎。 ku=nisutu kapu soske クニストゥ カプ ソㇱケ 私の内側の歯茎の皮がむけた。(S) (出典:田村、方言:沙流)
nisuwamne
ニスワㇺネ 【自動】(人、 布、 着物などが)丈夫である、 頑丈である。 nisuwamne no kar wa uste ニスワㇺネ ノ カㇻ ワ ウㇱテ (足袋を)丈夫につくってはかせなさい。(S) ku=nisuwamne, wa kusu, ku=neoro ka arka ka somo ki p ne kus =iperuy クニスワㇺネ、 ワ クス、 クネオロ カ アㇻカ カ ソモ キㇷ゚ ネ クㇱ クイペルイ 私は丈夫だ、 だからどこも悪くないので大食だ。(S) ☆参考 こわれ/破れては困るもののこわれ/破れにくいことや人の体が丈夫なことを言う。 ☆参考 niste ニㇱテ も、 ものが丈夫なことを言うことがあるが、 人の体が丈夫なことは言わない。 ☆参考 iwanke イワンケ 健康である(病気でない)。 {E: to be solid; substantial.} (出典:田村、方言:沙流)
nitan
ニタン 【自動】足が速い、 速く歩く/走る。 ku=nitan ka eaykap クニタン カ エアイカㇷ゚ 私は速く走れない。(S) ☆参考 enitan エニタン …するのが速い。 {E: to run; walk fast.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nitat
ニタッ 【名】湿地(「やち」)。 nitat or ta hetuku cikuni punkaw sekor a=ye ニタトッタ ヘトゥク チクニ プンカウ セコライェ 湿地に生える木はハシドイという。(W) ☆参考 yaci ヤチ とも言う。 {E: damp ground.} (出典:田村、方言:沙流)
nitata
ニタタ 【他動】(倒れそうな病人を)そっと支える、 (手ぬぐいをのせた病人の頭を)そっと押える。 ku=yaynuwen na en=nitata wa en=kore! クヤイヌウェン ナ エンニタタ ワ エンコレ! 私、 気分が悪くて倒れそうだから支えてちょうだい。(S) {E: to gently support…} (出典:田村、方言:沙流)
nítek
ニテㇰ 【名】[概](所は niteke(he) ニテケ(ヘ))[ni-tek 木・手] 木の枝。 nitek ka ta paskur sinep rew híne ニテㇰ カ タ パㇱクㇽ シネㇷ゚ レウ ヒネ 木の枝の上にカラスが一羽とまって。(W民話) {E: a branch of a tree.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nitotke
ニトッケ 【自動】[nit-otke 棒/とげ(が)・…を突く] とげがささる(ヨシやカヤやハギの切株等がささることを言う)。 ku=teke nitotke na etaye wa en=kore クテケ ニトッケ ナ エタイェ ワ エンコレ 私の手にとげがささったから抜いてちょうだい。(S) e=hacir wa e=teke nitotke ruwe? エハチㇼ ワ エテケ ニトッケ ルウェ? (あなた)転んで手にとげがささったのかい? (S) ☆参考 主語はとげのささった体の部分、 手など。 {E: to be pricked by a thorn.} (出典:田村、方言:沙流)
nitus 2
ニトゥㇱ 【自動】[nit-us 茎・ついている](?) 茎が太い。 kími nitus ruwe! キミ ニトゥㇱ ルウェ! トウモロコシの茎が太くできてるなあ。(S) nitus kina ニトゥㇱ キナ 茎の太い草。 ☆発音 nítus ニトゥㇱ《柄がついている》とはアクセントが違う。 ☆参考 木に関しては言わない。 太い木は ruwe cikuni ルウェ チクニ 。 トウモロコシの実がよくできているのは pusi pirka プシ ピㇼカ。(S) ☞us ウㇱ 4 {E: for stems to be thick.} (出典:田村、方言:沙流)
niwen
ニウェン 【自動】きつい、 猛々しい、 (犬が)すぐ人にかみついてかかる(「いがむ」)、 (人の)厳しい、 「豪けつ」である(すごい)。 weyyuk koraci niwen ウェイユㇰ コラチ ニウェン 彼は悪い熊のように乱暴だ(酒を飲んで暴れ回る)。(S) iyapo anak niwen pe ne kusu hekattar anakne ehosi iki ka eaykap イヤポ アナㇰ ニウェン ペ ネ クス ヘカッタㇻ アナㇰネ エホシ イキ カ エアイカㇷ゚ 父は厳しいものだから子どもたちはまちがったことをすることができない。(S) hemanta húci niwen hawe an! omkekar yakka nepki rusuy ヘマンタ フチ ニウェン ハウェ アン! オㇺケカㇻ ヤッカ ネㇷ゚キ ルスイ まあなんとおばあちゃん「豪けつ」ねえ(=すごいねえ)、 かぜをひいているのに仕事をしたいんですって。(W) m {E: to be severe; harsh.} (出典:田村、方言:沙流)
niwkes
ニウケㇱ 【他動】①…をしようとしてもすることができない、 …をし残す、 しきれない。 tono nispa ka niwkes pe nen póka kamuy isermakus an kusu teknimawpo k=ékarkar wa トノ ニㇱパ カ ニウケㇱ ペ ネン ポカ カムイ イセㇾマクㇱ アン クス テㇰニマウポ ケカㇻカㇻ ワ 和人のお医者様方も治せなかったのを私は神の守護のおかげで手を当ててあげて(その人は治った)。(W会話) tanto epitta kinaha ku=kar kunak ku=ramu a korka ponno ku=niwkes タント エピッタ キナハ クカㇻ クナㇰ クラム ア コㇿカ ポンノ クニウケㇱ (S) 今日全部草を取ろうと思ったけれど少し残った。 ②(助動詞的に使われて)e=se niwkes ciki nimara anu エセ ニウケㇱ チキ ニマラ アヌ 背負いきれなかったら半分(一部)残しなさい。(S) ③☞kip niwkes キㇷ゚ ニウケㇱ {E: to leave…unfinished, behind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
níya
ニヤ 【名】[植物] ①木の芽(枝から出る葉になるもの)。 ②地面から出る芽。 níya tuk kor oka ニヤ トゥㇰ コロカ 木の芽が萌え出た。(S) tanepo níya hetuku タネポ ニヤ ヘトゥク いまやっと芽が出た。(S)〔知分類になし〕 ☆参考 níkom ニコㇺ 枝から出る木の芽。(W) {E: ①buds (on the branches of trees). ②sprouts that project through the surface of the earth.} (出典:田村、方言:沙流)
niyutur
ニユトゥㇽ 【名】[概](所は niyuturke ニユトゥㇽケ)[ni-utur 歯・の間][古] 歯の間。 ☆参考 今の言葉では mimakutur[概]/mimakuturu[所] ミマクトゥㇽ/ミマクトゥル。 {E: the gap, space between teeth.} (出典:田村、方言:沙流)
niyuturke
ニユトゥㇽケ 【名】[所](概は niyutur ニユトゥㇽ)[古] …の歯の間、 彼の歯の間。 niyuturke sep ニユトゥㇽケ セㇷ゚ 歯の間が広い。(S)no ノ 1【接助】(動詞/動詞句の後に置かれて副詞句をつくる。) ①(肯定で)…するままで、 …するように、 …するほど(その他、 文脈によっていろいろに訳せる)。 hu no e=e siri? フ ノ エエ シリ? (S) 生で食べてるの? nep ka a=emína no a=ewtastasa hawe ka ネㇷ゚ カ アエミナ ノ アエウタㇱタサ ハウェ カ 何か笑うように(こっけいなことを)言い合うのも。(S会話) síno nitan kur anak na cup ri híne sirepa no a=kotánu kucacise or wa sirhanke p ne シノ ニタン クㇽ アナㇰ ナ チュㇷ゚ リ ヒネ シレパ ノ アコタヌ クチャチセ オㇿ ワ シㇼハンケㇷ゚ ネ 非常に足の速い人ならまだ日が高いうちに着くぐらい私の村は狩小屋から近いのです。(NK民話) ②(否定で)somo…no ソモ…ノ …せずに。 sekor somo hése no hawean セコㇿ ソモ ヘセ ノ ハウェアン …と息もつかずに言った。(S民話) korka a=nu ka somo ki no a=sikéhe a=kor híne ahun=an コㇿカ アヌ カ ソモ キ ノ アシケヘ アコㇿ ヒネ アフナン しかし私は(その言葉を)聞きもせずに荷物を持って家の中に入った。(W民話) iteki…no イテキ…ノ …せずに(…せよ)。 iteki cis no mokor イテキ チㇱ ノ モコㇿ 泣かないで眠りなさい。(S)ほか 子守歌 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nociw
ノチウ 【名】星。 nociw kur ノチウ クㇽ 星影。 nociw kur ka maknatara ノチウ クㇽ カ マㇰナタラ 星影が(=星が)明るく輝いている。(W会話) nociw onisposo ノチウ オニシポソ 星が落ちる。 nociw tup ノチウ トゥㇷ゚ 星が流れる。 kunne nociw クンネ ノチウ 夜の星。 nisatsawot nociw ニサッサウォッ ノチウ 夜が明けると逃げる星=明けの明星(金星)。(S) ☆参考 ほかに星座名として ermupu エㇾムプ《ネズミの倉》、 iyutani イユタニ《杵(きね)》、 marattosapa マラットサパ《熊の頭》、 renuspe レヌㇱペ《三人星》などがある。 ☆参考 北極星の名前はないらしい。 星を見て方角を知ったというような話は出てこない。 {E: the stars.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
noiwan
ノイワン 【連体】[no-iwan (多いことを表す?)・六つの][雅](慣用表現の中で)六つの(=たくさんの)。 kunne rerko/noiwan rerko/tókap rerko/noiwan rerko クンネ レㇾコ/ノイワン レㇾコ/トカㇷ゚ レㇾコ/ノイワン レㇾコ 夜の日数は六日、 昼の日数は六日=六日六晩。 tunoiwan suy トゥノイワイスイ [二つの・六・回]何回も何回も。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
notak
ノタㇰ 【名】[概](所は notaku(hu) ノタク(フ)) 刃。 {E: the edge of a knife etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
notka
ノッカ 【名】[not-ka あご(?)・紐]仕掛弓(「アマッポ」、 ku ク)から引いてある紐(これにひっかかると発射する)。 (出典:田村、方言:沙流)
notomare
ノトマレ 【他動】[not-oware あご・を…に置く。](次のような文脈で)…にあごをのせている。 cinoye kuwa/kuwa tuykasi/notomare チノイェ クワ/クワ トゥイカシ/ノトマレ [雅]ねじれた杖の上にあごをのせている。(Sユーカラ) kuwa kurka/notomare wa クワ クㇽカ/ノトマレ [雅]杖の上にあごをのせて。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nottarara
ノッタララ 【自動】[not-tarara あご・を上に高く差し上げている] あごを突き出し上を向いている。 ukirosore wa oraun tekutasare wa nottarara wa an ウキロソレ ワ オラウン テクタサレ ワ ノッタララ ワ アン (彼は)あぐらをかいてそして腕を組んであごを突き出して上を向いている。(S) ☆参考 nottesusu ノッテスス とも言う。 {E: to stick out one's jaw.} (出典:田村、方言:沙流)
noye
ノイェ 【他動】[単](複は noypa ノイパ)[noy-e (ねじれを表す擬態の語根)・(他動詞形成)] …をねじる、 …をひねる、 (糸)をよる。 kapu noye カプ ノイェ 皮をひねる(つねるように、 けんかで)。 pirkano noye wa péhe nunpa, yak túnas sat kus ne na ピㇼカノ ノイェ ワ ペヘ ヌンパ、 ヤㇰ トゥナㇱ サッ クㇱ ネ ナ (手ぬぐいを)よくねじって水気をしぼりなさい、 そうすれば早く乾くから。(S) {E: to wind, twist…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
noykosanpa
ノイコサンパ 【自動】[noy-kosanpa (ねじれを表す語根)・急に…する] 急に倒れる、 急死する。 omakatetterke kor an ayne ekuskonna noykosanpa オマカテッテㇾケ コラン アイネ エクㇱコンナ ノイコサンパ 千鳥足で歩いていて突然フラフラッと倒れた。(S) yaysurkuere p ne kusu noykosanpa ヤイスㇽクエレㇷ゚ ネ クス ノイコサンパ 毒を飲んだものだから急に死んだ。(S) {E: to faint, die suddenly.} (出典:田村、方言:沙流)
noytek
ノイテㇰ 【自動】[noy-tek (ねじれることを表す語根)・急に…する] 急にフラッとなる、 卒倒する、 グニャッとなる、 突然死ぬ。 ekuskonna noytek エクㇱコンナ ノイテㇰ (座っていたのが)突然フラッと倒れた。(S) {E: to faint, die suddenly.} (出典:田村、方言:沙流)
nu 1
ヌ 【他動】①(声や音)を聞く/が聞こえる、 (話や事柄)を聞く/を聞いて知る/を聞いて従う、 (自分の体調)を感知する、 (匂い/臭気)を感じる。 kuci-peker menoko sinotca haw a=nu クチペケㇾ メノコ シノッチャ ハウ アヌ (私には)澄んだ声の女性が歌う声が聞こえた。(NK民話) k=úwepeker ciki nu yan! クウェペケッ チキ ヌ ヤン! 昔話をしてあげるから聞きなさい。(S) a=onáha ye p a=unúhu ye p somo a=nu ka eaykap pe ne kusu アオナハ イェㇷ゚ アウヌフ イェㇷ゚ ソモ アヌ カ エアイカㇷ゚ ペ ネ クス 父母の言うことを聞かないわけにいかないので。(W民話) húra nu フラ ヌ 匂いを感じる、 匂いがする。 tanpaku supuya nu wa omke rusuy nankor タンパク スプヤ ヌ ワ オㇺケ ルスイ ナンコㇿ たばこの煙のにおいを吸ったので咳が出そうになったのでしょう。(W) ☆参考 意識的に匂いをかぐことは húrarapkar フララㇷ゚カㇻ と言う。 ②[補助動詞]wa nu ワ ヌ …してみる。 kopisi wa nu コピシ ワ ヌ きいて(たずねて)みなさい。(S) ☆参考 動詞が他動詞のときにのみ用いる、 自動詞のときには inu イヌ を用いる、 また他動詞のときでも inu イヌ も用いる。 ③(慣用表現) e=nu エヌ (直訳すると)あなたは聞こえるか/聞こえますか=もしもし、 ねえ、 あのう(eani エアニ で呼ぶ相手に呼びかける)。 a=nu アヌ (直訳すると)あなた様はお聞こえになりますか=もしもし(aoká アオカ で呼ぶ相手に、 つまり女性から男性に、 また目上の人に敬意を表して呼びかける)。 {E: ①to listen to…; …can be heard. ②to try to do… ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nu(we) koan
ヌ(ウェ) コアン 【連他動】[単](複は nu(we) kooka ヌ(ウェ) コオカ) (一人が)…の獲物に恵まれる、 …がたくさんとれる。 (猟や漁や交易の)収穫が多い。 cep nu koan チェㇷ゚ ヌ コアン 魚がたくさんとれる。 “yam nuwe e=koan yak a=ye?” “ene nuwe ku=koan wa k=éyaykopuntek pe un” 「ヤㇺ ヌウェ エコアン ヤㇰ アイェ?」 「エネ ヌウェ クコアン マ ケヤイコプンテㇰ ペ ウン」 「あなた栗をたくさんとったそうね。」「こんなにたくさんとってうれしいのよ。」 (S) yuk ne ciki kamuy ne ciki nuwe koan wa ユㇰ ネ チキ カムイ ネ チキ ヌウェ コアン マ (彼は)鹿でも熊でもたくさんとれて。(S民話) ☆参考 nukoan ヌコアン が自動詞として使われた例が一例ある。 ☞nukoan ヌコアン ☆参考 実がたくさんなることは iyono イヨノ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nu(we) kooka
ヌ(ウェ) コオカ 【連他動】[複](単は nu(we) koan ヌ(ウェ) コアン) (二人以上が)(狩猟や漁や交易の)収穫が多い、 …の獲物に恵まれる、 …がたくさんとれる。 yas wa cep nu kooka yak a=ye ヤㇱ ワ チェㇷ゚ ヌ コオカ ヤカイェ 彼らは流し網して魚をたくさんとったそうだ。 a=kotánu un utar uymam kor usa cihoki cipekusa wa paye kor ora, iyoype or ta ikor or ta usa imikinkay nuwe kooka wa yap ranke siri アコタヌ ウン ウタㇻ ウイマㇺ コㇿ ウサ チホキ チペクサ ワ パイェ コㇿ オラ、 イヨイペ オッタ イコロッタ ウサ イミキンカイ ヌウェ コオカ ワ ヤㇷ゚ ランケ シリ 私の村の人々が交易に行くと、 いつもいろいろな売り物を舟に積んで行っては、 宝器やら宝刀やらいろいろな衣料品などをどっさり手に入れて帰って来る様子を…。(S民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nukar
ヌカㇻ 【他動】①…を見る、 …が見える、 …に会う、 (本など)を読む(黙読する)、 …をよく見て調べる、 (神が)顧(かえりみ)てくれる、 (占いで/超能力で)未来のことや相手の素性などがわかる。 maciya ka ku=nukar, atuy ka ku=nukar マチヤ カ クヌカㇻ、 アトゥイ カ クヌカㇻ 町も見える、 海も見える。(S) kanpi nukar カンピ ヌカㇻ 本/書類/手紙を見る/読む。 toan pe toykokisma yan, netopake a=nukár kusu ne na トアン ペ トイコキㇱマ ヤン、 ネトパケ アヌカㇻ クス ネ ナ あいつをしっかりつかまえろ、 体を見て調べるからな。(W言い伝え) yaycipsikeka-nukar ヤイチㇷ゚シケカヌカㇻ [自分の舟荷・を見る]自分の舟荷を見る(舟のとも(うしろ)の方に座ることの表現)。 ekasnukar エカㇱヌカㇻ [e-kasi-nukar …で・の上・を見る](人)に(もの)を授ける。 ②☞katu nukar カトゥ ヌカㇻ ☆参考 ものや人やことがらを見る/が見えることに使う。 「こっちを見る」「上を見る」のようにある方向を見ることには自動詞の inkar インカㇻ を使う。 ☞inkar インカㇻ {E: to see, look at, meet…; …can be seen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
numa
ヌマ 【名】[概/所] 毛(毛一般)。 numa us ヌマ ウシ 毛が生える、 毛が生えている(「おいている」)、 毛深い。 tek numa テㇰ ヌマ 手の毛。(W) nan numa ナン ヌマ 顔の毛(「みそげ」)。(W) numa cikositosito ヌマ チコシトシト【自動】「めんよう(=羊)の毛がメチャクチャになって餅みたいになっている」(悪口)。 ku=konukosne humi! toy wente kor patek an numa cikositosito hemanta クコヌコㇱネ フミ! トイ ウェンテ コㇿ パテㇰ アン ヌマ チコシトシト ヘマンタ 憎らしいなあ、 畑を荒らしてばかりいる毛がメチャクチャになって餅になってるへんなやつ。(S) ☆参考 人の毛も動物や毛虫の毛も。 人の体毛のことは kenuma ケヌマ とも言う。 髪の毛は otop オトㇷ゚、 ひげは rek レㇰ、 陰毛は honuma ホヌマ。 {E: hair; fur.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
numasut
ヌマスッ 【名】[numa-sut 毛・の根元] 関節部にできる悪質のできもの(手首、 膝のすぐ下、 足首のくるぶしの脇、 などにできる。 ふつうの húpo フポ とちがってプクッとふくれてなかなか膿をもたない)。 numasut hetuku ヌマスッ ヘトゥク 関節部の悪いできものができる。 tekukocihi ta numasut hetuku テクコチヒ タ ヌマスッ ヘトゥク (S)〔知分類 p.393 底豆((ホロベツ))〕 {E: a corn; a wart; a blister.} (出典:田村、方言:沙流)
numi(hi)
ヌミ(ヒ) 【名】[所](概は num ヌㇺ)[植物] …の粒、 …の粒状の実、 (おつゆ)の汁でない実の部分。 numi kar ヌミ カㇻ (殻や皮の中の)実を出す。 numi rupne mame ヌミ ルㇷ゚ネ マメ 粒の大きい豆。 na ponno túnas e=ek yak numihi ka eci=ére p ne kus (ne a korka) e=ek moyre wa ora rur takupi an ナ ポンノ トゥナㇱ エエㇰ ヤㇰ ヌミヒ カ エチエレㇷ゚ ネ クㇱ (ネ ア コㇿカ) エエㇰ モイレ ワ オラ ルッ タクピ アン もう少し早くあなたが来たら実も食べさせてあげるのだったけれどあなたの来るのが遅かったので汁しかない。 (注:ノートに脱字あり、 ()内の文字は筆者が加筆した。) (S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
numke
ヌㇺケ 【他動】[num-ke 粒・(動詞形成)]…を選ぶ。 a=numke a kur sineatki wa アヌㇺケ ア クㇽ シネアッキ ワ 私たちの選んだ人が決まって=私たちが投票した人が当選して…。(W) cinumke-kanpi チヌㇺケカンピ 辞書。(W) {E: to choose, select…} (出典:田村、方言:沙流)
numkoekompa
ヌㇺコエコンパ 【他動】[複](単は numkoekomo ヌㇺコエコモ)(大勢の人たちで)…を取り囲んで攻める(?)。 ci=kor kotan numkoekompa rusuy kus チコㇿ コタン ヌㇺコエコンパ ルスイ クㇱ 彼らは私たちの村を取り囲んで攻めようとして。(S独話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
numkoewciw
ヌㇺコエウチウ 【自動】[num-ko-e-u-ciw 粒・に(?)/と共に(?)・その頭・互い・にさせる] とり囲まれている。 numkoewciw=an wa oka=an ruwe ne na hokure kunak hayok yan ヌㇺコエウチウアン マ オカアン ルウェ ネ ナ ホクレ クナㇰ ハヨㇰ ヤン 私たちは取り囲まれてしまっているのだから、 さあ早く武装しなさい。(S独話) {E: to be surrounded.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
numpe
ヌンペ §067 サケ あきあじ、あきやじ  処(3) numpe (num-pe)「ヌンペ」ニカワ。魚の皮を口中でかんで造る。吉田118(Kut.) (出典:知里動物編、方言:)
nunnun
ヌンヌン 【他動】[nun-nun …を吸う・(重複)](乳など)を吸う(赤ん坊が乳を吸うような、 しゃぶって吸う動作を表す、 つまり唇をぴったりあてて空気がもれないようにし、 口の中の圧力を下げることによって吸うことを言う)。 péhe nunnun ペヘ ヌンヌン (ミカンの)つゆを吸いなさい。(S) nunnun kor e ヌンヌン コㇿ エ チュッとすすりながら食べる(キャンデーを)。 (注 kem kor e ケㇺ コㇿ エ なめなめ食べる。) (W) ☆参考 固めのおかゆなどを音を立ててすすることは horopsekar ホロㇷ゚セカㇻ、 ゆるいおかゆやおつゆなどをただ吸って口の中に入れることは hopsekar ホㇷ゚セカㇻ、 おつゆの汁の部分や煎じ湯などを吸う(飲む)ことは ni ニ、 水や飲み物を飲むことは ku ク。 赤ん坊が乳を飲むことを普通には totto e トット エ と言う。 {E: to suck (on)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
núpe
ヌペ 【名】[概/所](所は núpe(he) ヌペ(ヘ))[nu-pe 目・汁] 涙、 …の涙。 ranke núpe/uturatura ランケ ヌペ/ウトゥラトゥラ [雅] 涙があとからあとから流れる。(W神謡語り) ranke núpe/ruyaptosane/i=kurkasi/córankekar ランケ ヌペ/ルヤㇷ゚トサネ/イクㇽカシ/チョランケカㇻ [雅] 涙が大雨のように私の上に降りそそぐ。(W神謡語り) núpe tura ヌペ トゥラ 涙を流しながら、 涙が出るほど、 涙ながらに(=cis tura チㇱ トゥラ)。 núpe tura k=éyaykopuntek ヌペ トゥラ ケヤイコプンテㇰ 私は涙が出るほどうれしい、 涙を流して喜んでいる。 e=cis-núpe e=cis-etori a=oypepi osma wa ipe ka a=eáykap エチㇱヌペ エチセトリ アオイペピ オㇱマ ワ イペ カ アエアイカㇷ゚ あなたの泣いた涙と鼻汁が私の食器に入るので私はものを食べることもできない。(HC民話)(民話の中で、 大切な人に死なれて泣き暮らしている人に夢の中で死者が現れて泣かないようにさとす常套句。) {E: tears; tears of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
núpe-ot
ヌペオッ 【自動】[涙・…につく/(そこ)に出てくる]涙ぐむ、 涙をためる。 ku=nupe-ot kane k=émina kor k=an クヌペオッ カネ ケミナ コㇿ カン 私は涙ぐんで(涙が出るほど)笑っている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
núpecikka
ヌペチッカ 【自動】[núpe-cik-ka 涙・滴る・(他動詞化)] 涙を落とす。 ku=nupecikka クヌペチッカ 私は涙がこぼれた。(S) {E: to cry.} (出典:田村、方言:沙流)
núpehe
ヌペヘ 【名】[所](概は nupe ヌペ)…の涙、 その涙。 cis aan noyne núpehe cirir kane an, inunukaski チサアン ノイネ ヌペヘ チリㇼ カネ アン、 イヌヌカㇱキ 泣いたらしくて涙が流れている、 かわいそうだなあ。(S) ku=nupehe ka rapapse rapapse kane クヌペヘ カ ラパㇷ゚セ ラパㇷ゚セ カネ 私の涙もポロポロこぼれている。(W独話) cis núpehe (彼の)泣いた涙。(S会話) {E: the tears of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nupur 1
ヌプㇽ 【自動】(お茶や汁が)濃い。 uwe nupur ウウェ ヌプㇽ 煮出した汁が/お茶の出たのが濃い。 níham úsey ka eytasa uwe nupur kor nani ku=sanpe arka na pakno ka en=kure ニハㇺ ウセイ カ エイタサ ウウェ ヌプㇽ コㇿ ナニ クサンペ アㇻカ ナ パㇰノ カ エンクレ 木の葉のお湯(=お茶)もあまり濃く出ると私はすぐ気持ちが悪くなるからもう飲ませないでください(もう結構です)。(S) {E:(for tea, soup etc)to be strong.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nupur 3
ヌプㇽ 【他動】…を神力で守る。 aynu e=nupur kus pet kenas ka e=ohetuku p ne na, aynu e=rayke kus e=hetuku p ka somo ne na アイヌ エヌプㇽ クㇱ ペッ ケナㇱ カ エオヘトゥクㇷ゚ ネ ナ、 アイヌ エライケ クㇱ エヘトゥクㇷ゚ カ ソモ ネ ナ (S) あなたは人間を守るために川の山岸に生えたのだぞ、 人間を殺すために生えたのではないのだぞ(ikema イケマ を叱る言葉)。(S) ☞ikema イケマ {E: to protect…by divine power.} (出典:田村、方言:沙流)
nupuri
ヌプリ 【名】山。 poro nupuri ポロ ヌプリ 大きい山。 ri nupuri リ ヌプリ 高い山。 okuwas nupuri オクワㇱ ヌプリ 急な(切り立った)山。 Ayoro nupuri アヨロ ヌプリ [地名] アヨロ山。 ☆参考 kim キㇺ [位名]も《山》と訳されるが、 kim キㇺ がそこへ行ったりその中を歩いたり働いたりする場所としての山を表すのに対し、 nupuri ヌプリ は地上にうず高くもり上がった形をしている物体としての山を表す。 ☆参考 日本語で比喩的に「山」と表現するようなたくさんの集まりや積み重なりをアイヌ語では toska トㇱカ《土手》、 ikir イキㇼ《集まり》、 takma《丸いかたまり》などと言うこともある。 {E: a mountain.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nupurkasure
ヌプㇽカスレ 【他動】[nupur-kasu-re 霊力がある・…しすぎる・させる](nupurkasu ヌプㇽカス《霊力がありすぎる》の使役形)わけがわからなくさせる。 ku=kosoataytak kunak ku=ramu akus en=nupurkasure híne ku=ye ka oyra wa k=ek クコソアタイタㇰ クナㇰ クラム アクㇱ エンヌプㇽカスレ ヒネ クイェ カ オイラ ワ ケㇰ 借金を取って来ようと思ったのに忍術使いみたいにされて私は言うのも忘れて帰って来た。(S) (出典:田村、方言:沙流)
nupurupe
ヌプルペ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  a(6) nupurupe(nu-pú-ru-pe)「ヌぷルペ」[kuripe、これを俗解してnupur-pe(霊力ある・者)に]⦅様似⦆ヤツメ、カワヤツメ。 (出典:知里動物編、方言:)
núre
ヌレ 【複他動】[他動使役][nu-re 聞く・させる] …に…を聞かせる/知らせる。 yakun ku=ye wa eci=núre kusu ne ヤクン クイェ ワ エチヌレ クス ネ では私が言って(あなたに)聞かせてあげよう。(S会話) ☆参考 日本語で「教える」「教えてあげる」と言うような状況でも使われる。 {E: to tell…to…; to make…listen to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuretar
ヌレタㇻ 【他動】[nu-retar 顔・白い]色白である(顔の色について言う)。 nuretar kusu an pirka ponmenoko ヌレタㇻ クス アン ピㇼカ ポンメノコ 色の白い美しい娘さん。(S) ☆対語 nuhure ヌフレ 顔が赤い、 nukunne ヌクンネ 顔の色が黒い(浅黒い)。 {E: to be white (especially complexion).} (出典:田村、方言:沙流)
nusa
ヌサ 【名】祭壇(家の外の東側にある)。 nusa cise ukowturu wano yayotapkar-eciwitara ヌサ チセ ウコウトゥル ワノ ヤヨタㇷ゚カレチウイタラ (父は)祭壇と家との間のあたりから鳥の羽ばたきのような踏舞をしていた。(W神謡語り) nusa kohorakte/kohokuste ヌサ コホラㇰテ/コホクㇱテ (死に際に赤ん坊の守護養育を神に願って)(赤ん坊)の上に祭壇を倒す。 inan a=nomi kamuy ne yakka resu wa i=kore sekor hawean kor nusa e=kohokuste イナン アノミ カムイ ネ ヤッカ レス ワ イコレ セコㇿ ハウェアン コㇿ ヌサ エコホクㇱテ 私がおまつりしているどの神でもいいですから(この子を)育ててくださいと(お前の父親は死に際に)言いながらお前の上に祭壇を倒した。(W民話) nusa e=kohorakte kor ヌサ エコホラㇰテ コㇿ (お前の父親は)お前の上に祭壇を倒しながら。(W民話) {E: an altar.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nutokkari
ヌトッカリ 【自動】[nu-tok-kari 目・突き出る(?)・を回る/回す]目が回る、 めまいがする。 sikannatki ayne nutokkari シカンナッキ アイネ ヌトッカリ グルグル回って目が回った。(S) ku=nutokkari yaani ku=hacir クヌトッカリ ヤアニ クハチㇼ (S) めまいがして私はもう少しで倒れるところだった。 {E: to feel dizzy.} (出典:田村、方言:沙流)
nuwap
ヌワㇷ゚ 【自動】①(苦しんで)うなる。 ②お産する。 nuwap kusu ne na esotkikar ヌワㇷ゚ クス ネ ナ エソッキカㇻ お産するところだから産褥をつくりなさい。(S) nuwap hi pakno ne p ekurok siri a=omáre wa a=anú wa k=énisomap k=éramu-ikurkuru kusu ratcako ku=kar ヌワㇷ゚ ヒ パㇰノ ネㇷ゚ エクロㇰ シリ アオマレ ワ アアヌ ワ ケニソマㇷ゚ ケラムイクㇽクル クス ラッチャコ クカㇻ お産したばかりの者をこんな暗いところへ入れておいて薄気味が悪く気がかりだから私は明りをつける。(S) {E: ①to groan, moan (in pain). ②to give birth.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuye
ヌイェ 【他動】①…に彫りもの/彫刻をする。 ②…にいれずみをする。 tekmekkasi patek a=nuyé kane an テㇰメッカシ パテㇰ アヌイェ カネ アン 手の甲(手の上側)だけいれずみしてある。(S) ③…に字を書く。 ponkanpi nuye ポンカンピ ヌイェ はがきを書く。(W) (S) ④…を書く。 a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enuypa wa oka yakun アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン 私たちの話した言葉が二ページか三ページにでも書かれてあれば。(W会話) ☆参考 kanpinuye カンピヌイェ は《紙にものを書く=書きものをする》。 inuye イヌイェ は《ものに彫りものをする=彫刻をする》。 sinuye シヌイェ は《自分に彫りものをする=入れずみする》。 sirkanuye シㇼカヌイェ、 tomikanuye トミカヌイェ、 ikorkanuye イコㇿカヌイェ はいずれも[雅]刃のさやに彫刻をする。 ☆参考 本来の用法では、 目的語は通常、 デザイン(形や模様)ではなく、 刃物の当たるもの(木や手)である。 たとえば熊を nuye ヌイェ すると言わない。 同様に、 紙に文字を書くことは kanpi カンピ《紙》を nuye ヌイェ すると言い、 カタカナを書くことは katakana ani kanpi nuye カタカナ アニ カンピ ヌイェ [カタカナ・で・紙・に書きものをする]のように言う。 しかし ④のように、 「このことを書く」「その話を書く」というような言い方もする。 {E: ②tatoo… ③write on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuyranaya
ヌイラナヤ 【名】[nuyra-naya キウリ・(?)]キウリ乾し場(キウリを串に刺して、 外の物干し棒にかけて干す、 その干してある所を言う)。 aynu-pa-kus, nuyranaya tanne naya henpak henpak oka ruwe! アイヌパークㇱ、 ヌイラナヤ タンネ ナヤ ヘンパㇰ ヘンパㇰ オカ ルウェ! いいねえキウリがあんなにたくさん干してある。(S) ☞nuyra ヌイラ (出典:田村、方言:沙流)
o 3
オ 【他動】①(舟、 馬等)に乗る。 unma o ウンマ オ 馬に乗る。 kuruma o クルマ オ 車に乗る。 ②(舟)を漕ぐ。 cip o チㇷ゚ オ (1)舟に乗る。 cip o チㇷ゚ オ (2)舟をこぐ。 ☆参考 aop アオㇷ゚ [a=o-p 一般に人が・乗る・もの] 乗り物。 {E: ①to board, get on (a boat, horse etc.). ②to row (a boat).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
o 4
オ 【複他動】(目的語の一つは「もの」、 もう一つは「場所」。)(そこ)に(たくさんのもの/数えられないものや液体)を入れる、 (食物)を(茶わん)によそう、 (酒など)を(盃)につぐ、 (もの)を(そこ)にのせる/掛ける(☞omare オマレ)。 mesi itanki or a=o メシ イタンキ オㇿ アオ ごはんを茶わんによそう(入れる)。(W会話) oro siyamam a=uk yakun a=o kusu ne na オロ シヤマㇺ アウㇰ ヤクン アオ クス ネ ナ その中へお米をとったら入れるからね。(S) toy kasi o トイ カシ オ 土をその上にのせる(=土にうめる)。(W) sirosi o シロシ オ 印を(そこに)つける。(W) teke o テケ オ …を…に手渡す。(S) sinep sinep teke o シネㇷ゚ シネㇷ゚ テケ オ 一つ一つ手渡して(手の中に入れて)やりなさい。(S) {E: to hand…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oapkas
オアㇷ゚カㇱ 【他動】[o-apkas (そこ)に・歩く] …に通う。 a=kor nispa/Iskar etokoho/oapkas katu/a=ruska kusu アコン ニㇱパ/イㇱカㇻ エトコホ/オアㇷ゚カㇱ カトゥ/アルㇱカ クス 私の主人が石狩川の水源地のほうに通うのに私は腹が立ったから。(W神謡語り) {E: to go to….} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oasi 2
オアシ 【助動】まさに…しようとしている、 いま…するところだ、 …する気になる、 …しかかる。 te wano ku=ye oasi hawe tapan na テ ワノ クイェ オアシ ハウェ タパン ナ 今から言うところです。(W独話) mame ka ipeo oasi noyne マメ カ イペオ オアシ ノイネ 豆も実が入りかけているらしく。(S) opitta e=eraman oasi hawe he an? オピッタ エエラマン オアシ ハウェ ヘ アン? あなたはみんな覚えようというのですか。(S) tap unukar=an hi pakno ne wa ora suy uwekohoppa=an oasi na! タㇷ゚ ウヌカラニ パㇰノ ネ ワ オラ スイ ウウェコホッパアン オアシ ナ! 今会ったばかりなのにまた別れなければならないのかなあ。(S) {E: ①to start, begin… ②to be about to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oasta
オアㇱタ 【他動】…を見下して悪く言う(?)。 iteki a=i=óasta kunine イテキ アイオアㇱタ クニネ 人にばかにされないように。(S民話) {E: to say bad things about and look down upon…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oattapne
オアッタㇷ゚ネ 【副】[oar-tapne 全く・このとおり]気の毒なことに、 すまないなあ。 oattapne síno オアッタㇷ゚ネ シノ まことにお気の毒です(間投詞のように言う。 副詞 síno シノ は後につくことに注意)。 oattapne e=mesu kuni é=iki he an un? オアッタㇷ゚ネ エメス クニ エイキ ヘ アヌン? ああもぎとれる(手で割れる)んだろうか(リンゴを手で二つに割ろうとするのを見て言った言葉)。(S) oattapne nep ka eci=érep ka isam, eci=korép ka isam, ku=ramuot humi wen humi! オアッタㇷ゚ネ ネㇷ゚ カ エチエレㇷ゚ カ イサㇺ、 エチコレㇷ゚ カ イサㇺ、 クラムオッ フミ ウェン フミ! 申し訳ないなあ、 何も食べさせるものもない、 あげるものもない、 お気の毒だなあ。(S) {E: sorry; pity.} (出典:田村、方言:沙流)
ocis-usi
オチㇱウシ/オチスシ 【他動】[o-cis-usi 尻・泣く・…に…をつける]…が名残惜しくて泣く。 oramkote kur arpa wa oraun okaramotte wa ocisusi, inunukeas オラㇺコテ クㇽ アㇻパ ワ オラウン オカラモッテ ワ オチスシ、 イヌヌケアㇱ 愛する人が行ってしまうので名残惜しくて泣いている、 かわいそうに。(S) ku=kor poyson isam wa k=ócis-usi クコㇿ ポイソン イサㇺ ワ コチㇱウシ 私の子どもが亡くなったので悲しくてならない。(S) {E: to cry with reluctance to leave…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ociseunpa
オチセウンパ 【自動/副】[o-cise-un-pa その尻・家・へ・皆] ①[自動](次のような文脈で)家族そろう。 eci=ocíseunpa wa henpakiw eci=ne? エチオチセウンパ ワ ヘンパキウ エチネ? あなたたちは家族みんなで何人ですか。(S) ②[副]一家総出で。 ociseunpa nokan hike rupne hike opitta uwesamuysamun wa nepki kor patek oka, aynu-paːkus オチセウンパ ノカン ヒケ ルㇷ゚ネ ヒケ オピッタ ウウェサムイサムン ワ ネㇷ゚キ コㇿ パテㇰ オカ、 アイヌパークㇱ 一家総出で小さい人も大きい人も(子どもたちも大人たちも)みんな並んで働いてばかりいる、 いいねえ。(S) {E: ①to gather one's family together; one's complete family. ②the whole family working together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oeroski
オエロㇱキ 【他動】[o-e-roski (そこ)で・(そこ)で(?)・立つ[複]](?)/[その尻・に・立つ[複]](?) (鳥が)(そこ)に止まる。 síruwe ni/nítek kurka/a=oéroski シルウェ ニ/ニテㇰ クㇽカ/アオエロㇱキ 私(フクロウの神)はすごく太い木の枝の上に止まった。 (W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
ohasey
オハセイ §222 ウバガイ;ホッキガイ;ホッキ(方言) (11) oha-sey (o-ha-sey)「オハセイ」 ⦅富内⦆sey-ko-yaku神 122 貝殻 (出典:知里動物編、方言:)
ohasinnonkar
オハシンノンカㇻ 【自動】[ohasir-nonkar 留守の家・の様子を見に行く] 留守の家の様子を見に行く(だれも来ていないか、 どろぼうが入らないか、 いためられていないか)。 ku=sapoutari isam wa kusu k=óhasinnonkar wa k=ek ruwe un クサポウタリ イサンマ クス コハシンノンカㇻ ワ ケㇰ ルウェ ウン 姉たちがいないので留守の家の様子を見て来たんだよ。(S) ☆参考 別のときに同じ話者がこの語は「冗談」に言うとも言っている。 ☞nonkar ノンカㇻ {E: to go to look in on a house where no one is at home.} (出典:田村、方言:沙流)
ohasir
オハシㇼ 【名】[oha-sir 空の・あたり] 留守の所、 だれもいない家。 ohasir an オハシㇼ アン 留守である(家の中にだれもいない)。 ohasir hoppa オハシㇼ ホッパ 家を留守にする、 家を出てよそへ出かける。 tane sine pa emko ka ohasir hoppa pe ne kusu タネ シネ パ エㇺコ カ オハシㇼ ホッパ ペ ネ クス もう半年も家を留守にしていたので。(W民話) {E: a house with no one at home.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ohasir-hoppa
オハシㇼホッパ 【自動】[ohasir-hoppa 留守の家・を残して去る] 家を留守にする。 tane sine pa emko ka ohasir-hoppa pe ne kusu タネ シネ パ エㇺコ カ オハシㇼホッパ ペ ネ クス もう一年以上も家を留守にしていたので。(W民話) (出典:田村、方言:沙流)
ohaw
オハウ 【名】(食物としての)汁(みそ汁、 野菜や肉や魚のスープなど、 実も汁も含めて)(「おつゆ」)。 ohaw kar オハウ カㇻ おつゆをつくる(「たく」)。 ohaw e オハウ エ おつゆ(汁、 スープ)を食べる。 ☆参考 ohaw オハウ は ku ク《飲む》とか ni ニ《吸う》とか言わず e エ《食べる》と言う。 ☆参考 沙流川中流ではこれを rur ルㇽ と言うのも聞くが、 下流のワテケさん・サダモさんは ohaw オハウ《おつゆ(実も汁も含めて)》と rur ルㇽ《だし、 だし汁(実を含まない)》とを区別している。 {E: soup.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ohawe(he)
オハウェ(ヘ) 【名】[所](概は ohaw オハウ) …の汁(みそ汁、 野菜や肉や魚のスープなど)(「おつゆ」)、 それの汁/スープ。 emo hem kina hem ceppo hem ohawe ku=kar ruwe un エモ ヘㇺ キナ ヘㇺ チェッポ ヘㇺ オハウェ クカン ルウェ ウン 私はいもや野菜や小魚の入ったおつゆをつくったのだよ。(S) {E: …soup.} (出典:田村、方言:沙流)
ohay/ohayke kar
オハイ/オハイケ カㇻ 【連他動】(人)の陰口/悪口を言う。 en=ohay kar kor an hawe as エノハイカㇻ コラン ハウェ アㇱ (彼は)私の悪口を言っているらしい。(S) sinewe kunak ye a p ek ruwe ka isam wa ohayke ku=kar kor k=an シネウェ クナㇰ イェ アㇷ゚ エㇰ ルウェ カ イサンマ オハイケ クカㇻ コㇿ カン (あの人は)遊びに来ると言ったのに来ないので私はかげ口を言っていたのよ。(W) ☆参考 iyohaykar イヨハイカㇻ [自動] 人のかげ口/悪口を言う。 {E: to talk bad of someone behind their back.} (出典:田村、方言:沙流)
ohetu
オヘトゥ 【他動】[単](複は ohetpa オヘッパ) …を口やのどから吐き出す、 びんの口から出す(細いところに入っているものを)。 iteki ruki no ohetu! イテキ ルキ ノ オヘトゥ! 飲み込まないで吐き出しなさい。(S) tokkuri or wa ohetu トックリ オㇿ ワ オヘトゥ びんから流し出しなさい。(S) kikir ku=seru ku=rekuci osma a korka k=óhetu wa k=étopse wa isam キキㇼ クセル クレクチ オㇱマ ア コㇿカ コヘトゥ ワ ケトㇷ゚セ ワ イサㇺ 私は虫を吸い込んでのどに入ったけれど咳ばらいしてペッと吐き出してしまった。(S) ☆参考 胃から吐くことは atu アトゥ [自動]/eatu エアトゥ [他動]。 口の中の小さな異物を口先からフッと吐き出すことは ewar エワㇻ。 舌先でペッと吐き出すことは etopse エトㇷ゚セ。 {E: to throw up, spit out…; for…to gush, spill out.} (出典:田村、方言:沙流)
ohonno
オホンノ 【副】[ohor-no (時間が)長い・(副詞形成)] 長時間(にわたって)、 長い間に。 iruka hene ohonno hene イルカ ヘネ オホンノ ヘネ 短い間でも長い間でも。 nep ka ku=kar ka somo ki no k=an pe ne na ohonno sini wa arpa ネㇷ゚ カ クカㇻ カ ソモ キ ノ カンペ ネ ナ オホンノ シニ ワ アㇻパ 私は何もしないでいるのだからゆっくり休んで行きなさい(=ゆっくりして行きなさい)。(S) ☆対語 iruka イルカ {E: for; over a long time.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ohor
オホㇿ 【自動】長く続く、 時間的に長い。 a ohor kur ア オホㇿ クㇽ 座っている(=寝ないで起きている)のが長い人=夜ふかしの人。 {E: to continue for a long time.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oinkar
オインカㇻ 【他動】[o-inkar (そこ)に/から・見る[自動]] …のところを/で/から見る。 iresu sinta/sinta kurka/kamuy oran na/kamuy oinkar イレス シンタ/シンタ クㇽカ/カムイ オラン ナ/カムイ オインカㇻ ゆりかごの上に神が降りそこを神が見守ってくれる。(S子守歌) {E: to view…from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ok
オㇰ 【他動語根】…にひっかかる。 uwok-kane-kut ウウォㇰカネクッ [互い(u)・にひっかかる(ok)・金(かね)・帯][雅]鎖の金帯=金鎖(かなぐさり)のベルト。 (出典:田村、方言:沙流)
oka 1
オカ 【自動】[複](単は an アン) ①(二人以上/二つ以上が)ある、 いる、 住んでいる、 暮らしている。 ②(副詞の後に置かれて)…である。 usa oka ウサ オカ いろいろな。 sinnayno oka シンナイノ オカ (二人/二つ以上が)違っている。 …noyne oka …ノイネ オカ (二人/二つ以上が)…らしい。 …néno oka …ネノ オカ (二人/二つ以上が)…に似ている。 kusu oka クス オカ (二人/二つ以上が)とても…である。 sattek kusu oka サッテㇰ クス オカ 二人ともひどくやせている。(S会話) ③[補助動詞] …kor oka コㇿ オカ/コロカ (二人以上が)…しつつある。 horippa kor oka ホリッパ コㇿ オカ/コロカ (彼らは)踊っている。 …wa oka ワ オカ (二人/二つ以上が) …している、 もう…して(しまって)いる、 …してある。 númo wa oka ヌモ ワ オカ (皆)実が入っている。 ④[熟語] oka kus keray オカ クㇱ ケライ (二人以上の)…のおかげで。 (注 oka オカ は複、 単は an アン。) ☆参考 -pa パ(複数語尾)の前と pe ペ《もの、 の》の前では okay オカイ の形をとり、 okaypa オカイパ、 okay pe オカイ ペ となる。 他の母音で終わる動詞のように p ㇷ゚ は使われない(oka p オカㇷ゚ とは言わない)。 {E: to be; live, be living (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oka 2
オカ 【自動】(疑問文・感嘆文やある種の助詞の前などで ne ネ《である》の代りに置かれる。) ruwe oka ルウェ オカ (二人/二つ以上が) …だなあ。 eun inkar=an pakno inkar=an pakno kotan oka ranke ruwe oka! エウン インカラン パㇰノ インカラン パㇰノ コタン オカ ランケ ルウェ オカ! 見わたすかぎり部落がいくつもあるのだな。(S) aynu-pa-kus e p oka un! アイヌパークㇱ エㇷ゚ オカ ウン! いいねえ(あの人たちばかり)食べるんだなあ。(S) ☞an アン ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okake(he)
オカケ(ヘ) 【位名】[所](概は oka オカ)…のその後(あと)、 …のそのあとの状況/状態。 okake an オカケ アン それが終る。 tayki e okake poronno an タイキ エ オカケ ポロンノ アン ノミにくわれたあとがたくさんある。(W) okake ta オカケ タ …のあとで、 …したあとで、 あとで。 ku=sinewe en=okake ta e=ek aan hawe ne wa クシネウェ エノカケ タ エエカアン ハウェ ネ ワ 私が遊びに行った後にあなたは来たんだという話だなあ。 okake ta ka ukoytak=an ro オカケ タ カ ウコイタㇰアン ロ あとで一緒にお話ししましょう。(S) okakehe ta オカケヘ タ そのあとで。 {E: after; after that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okamkir
オカㇺキㇼ 【副】わざと、 意図的に。 okamkir kor nuyto etupsike k=ewwopitte wa k=ári akusu kem ounu ka eaykap siri iki オカㇺキㇼ コン ヌイト エトゥㇷ゚シケ ケウウォピッテ ワ カリ アクス ケㇺ オウヌ カ エアイカㇷ゚ シリ イキ 私はわざと(いたずらして)(彼女の)糸の端を結び合わせておいたところ(彼女は)針に通せないでいる。(S) ☆参考 ユーカラには arokamkinno アロカㇺキンノ[ar-okamkir-no 全く・わざと・(副詞形成)]が出ている。 {E: on purpose; intentionally.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okaramotte
オカラモッテ 【他動】[oka-ram-otte その後・心・を…につける]…を名残惜しく思う。 te wano henpak waniciri ka arpa kunak ye wa k=ókaramotte p un テ ワノ ヘンパㇰ ワニチリ カ アㇻパ クナㇰ イェ ワ コカラモッテプン ここから何十里も行くと言うので私は名残惜しいのよ。(S) {E: to be reluctant to leave…} (出典:田村、方言:沙流)
okasaske
オカサㇱケ 【自動】(容器が)浅い。 okasaske poysu オカサㇱケ ポイス 浅い小鍋。(S) okasaske wa kusu rur ka a=omáre ka somo ki オカサㇱケ ワ クス ルㇽ カ アオマレ カ ソモ キ (nima ニマ《皿》は)浅いから汁なんか入れない。(S) ☆対語 orawne オラウネ (容器が)深い。 ☆参考 穴やみぞが浅いことは kasre カㇱレ、 水や川が浅いことは ohak オハㇰ。 {E: (for a vessel, container)to be shallow.} (出典:田村、方言:沙流)
okep
オケㇷ゚ 【名】[動物]カラスの一種(「夜歩く、 根性が悪い」)。(S) ☆参考 カラスの総称は paskur パㇱクㇽ。 カラスのいろいろな種類については ☞paskur パㇱクル〔知分類 p.218、 夜鳴く悪鳥の一〕 {E: a type of crow (name of a very rare bird said to be of ill omen (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
okkasi
オッカシ 【位名】[所](概は okka オッカ)…のまだその上。 X kuruma o easkay yakka na okkasi ta easkay kur an X クルマ オ エアㇱカイ ヤッカ ナ オッカㇱ タ エアㇱカイ クㇽ アン Xさんは車の運転が上手(じょうず)だけれどもまだもっと上手な人がいる(まだ上がある)。(W)(okkasi ta は話すとき通常 i が落ちて okkas ta オッカㇱ タ と発音される。)hon okkasi ta/oypepi asi wa ホノッカシ タ/オイペピ アシ ワ [雅]おなかの上に食器をのせて。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okkayo
オッカヨ 【名】男、 男性。 menoko ka okkayo ka メノコ カ オッカヨ カ 女も男も。 okkayo sirpo uwosmare pakno an オッカヨ シㇼポ ウウォㇱマレ パㇰノ アン (少年が成長して)男らしい姿になるほどになった、 男らしい若者に成長した。 okkayo hekaci オッカヨ ヘカチ 男の子(hekaci ヘカチ だけで男の子であることを表すが特に女でないことを強調して言う)。 okkayo ikor オッカヨ イコㇿ 男の宝物(刀剣類など)。 “poyson kor yak a=ye” “hńta kor yak a=ye?” “okkayo poyson kor yak a=ye” 「ポイソン コㇿ ヤカイェ」「フンタ コㇿ ヤカイェ?」「オッカヨ ポイソン コㇿ ヤカイェ」 「子どもを持った(=子どもが生まれた)そうだ」「(直訳すると)何を持ったと言っているか=どっちが生まれたって(男の子か女の子か)?」「男の子が生まれたそうだ。」 (S) m okkayo-irwak オッカヨイㇼワㇰ 男兄弟(男のいとこを含む)。 okkayo-irwak patek ku=kor オッカヨイㇼワㇰ パテㇰ クコㇿ 私は男兄弟ばかり持っている(女の姉妹や女のいとこがいない)。(S) ☆対語 menoko メノコ ☆参考 女性に対して男性を表す語。 aynu アイヌ《人間》も場合によって男性を指すことがある。 ☆参考 動物の雄(おす)は pinne ピンネ [連体] 雄の…。 {E: a man; a male.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okkayopo
オッカヨポ 【名】[okkayo-po 男・子] 息子。 okkayopo patek ku=kor オッカヨポ パテㇰ クコㇿ 男の子ばかり私は持っている。(S) ☆参考 po ポ だけで「息子」を表すが、 特に女でなく男の子ということを強調的に表す場合、 たとえば「娘だけいて男の子がいなかった」あるいはその逆のような文脈で使われる。 ☆参考 娘は matnepo マッネポ {E: a son.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okkaypo
オッカイポ §006.若者;青少年(1)okkaypo〔ók-kaǐ-po おッカイポ〕①若い男;若者;青年。[okkay(男)+-po(指小辞)]。②⦅ビホロ⦆casi(砦)の中に召使われている家来を言う。=ussiw(-e)〔úš-šiŭ〕。soun-〜〔so-ún-ok-kaǐ-po〕[<soy(外)+un(の)+ok-kaypo(家来)]「城外に走り使いする家来」。③⦅クッシャロ⦆英雄詞曲の主人公Otasut-un-kurの家来、頭が小さく鳥のようで、体が大きく、常に雄鹿の毛皮を着ているという強い男。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
okkaypo
オッカイポ §021.子(2)okkay-po〔ók-kaǐ|pó-o おッカイ・ぽオ〕⦅クッシャロ⦆男児。okkay ku-po〔ók-kaǐ|ku-pó〕「男である・私の子」「私の男児」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
oknatara
オㇰナタラ 【自動】[ok-natara 悲しくてうなだれる・その状態が続いている] (慣用句で、 kewtumu ケウトゥム《…の気持ち》のあとに置かれて)悲しみにうちひしがれている。 ku=kewtumu konna oknatara クケウトゥム コンナ オㇰナタラ 私の心は悲しくて悲しくてたまらない。(W) ☞ekewtum oknatara エケウトゥㇺ オㇰナタラ {E: be torn apart by sadness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okoyma(-an)
オコイマ §403.小便[する](2)okoyma(-an)〔o-kóǐ-ma オこイマ〕[<okuyma]⦅ビホロ、クッシャロ、ハルトリ、シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okrawnunu
オㇰラウヌヌ 【自動】[ok-raw-nunu 首・深み・(?)] 首を引っ込める、 出ていた首を着物の中にヒョイとひっこめる。 ku=yayrire wa ku=inkar kor ranma apto as kor ora suy k=ókrawnunu ranke ayne tanepo k=ek, seyeppo néno kane クヤイリレ ワ クインカㇻ コㇿ ランマ アㇷ゚ト アㇱ コㇿ オラ スイ コㇰラウヌヌ ランケ アイネ タネポ ケㇰ、 セイェッポ ネノ カネ 私は背伸びして見るとまだ雨が降っているのでまた首をひっこめひっこめしてやっと今来た、 カタツムリみたいに。(S) {E: to pull back the neck, the head.} (出典:田村、方言:沙流)
oksutu tapsutu ukoyupyupke
オㇰストゥ タㇷ゚ストゥ ウコユㇷ゚ユㇷ゚ケ §288.けいれんする(痙攣する)(14)衿首と肩先がひくひく動く oksutu tapsutu uko-yupyupke〔ók-su-tu|táp-su-tu|u-kó-jup-jup-ke おㇰストゥ・たㇷ゚ストゥ・ウこユㇷ゚ユㇷ゚ケ〕[okusutu(その衿首)、tapsutu(その肩先)、u-ko(相・共に)+yupyupke(ひくひくする)]⦅チカブミ、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
omakatetterke
オマカテッテㇾケ 【自動】[o-maka-tetterke その尻・後ろへ・ピョンピョン跳ねる]ふらつきながら歩く、 千鳥足で歩く。 omakatetterke kor an ayne ekuskonna noykosanpa オマカテッテㇾケ コラン アイネ エクㇱコンナ ノイコサンパ ヨロヨロとふらつきながら歩いていたが突然フラフラーッと倒れた。(S) {E: to totter, stagger along.} (出典:田村、方言:沙流)
omanan
オマナン 【自動】[単](複は payoka パヨカ)[oman-an 行く・ある/いる](あちこち)歩く、 歩き回る(徒歩でも、 走っても、 乗り物でも)、 旅する、 行き来する。 nítay tum péka ku=karusuk kus k=ómanan ニタイ トゥㇺ ペカ クカルスㇰ クㇱ コマナン 私は林の中をキノコとりに歩き回った。(S) {E: to travel; come and go.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
omke 2
オㇺケ 【自動】かぜをひく(=omkekar オㇺケカㇻ)。 k=omke rusuy noyne ku=mecirataroski コㇺケ ルスイ ノイネ クメチラタロㇱキ 私はかぜをひきそうで寒気がする。(W) ☆参考 =omkekar オㇺケカㇻ {E: to catch a cold.} (出典:田村、方言:沙流)
omotone
オモトネ 【他動】[o-moto-ne …のところで・もと・である] …がもとになる、 (そのこと)が起源である。 i=panake un kotankonnispa matnepoho kasi a=opíwki wa a=siknure hi omotone wa a=i=nómi p a=nepa a kusu イパナケ ウン コタンコニㇱパ マッネポホ カシ アオピウキ ワ アシㇰヌレ ヒ オモトネ ワ アイノミㇷ゚ アネパ ア クス 川下の村の村長の娘さんを私が救って生き返らせたことがもとになって私たちがまつられるようになったのだから。(W民話) {E: to be the origins of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
omuken
オムケン 【自動】獲物がとれない。 hankeno omuken=an kusu hanke kucacise or un ekimne=an ハンケノ オムケナン クス ハンケ クチャチセ オㇿ ウン エキㇺネアン 近い所にあまり獲物がとれなくなったので、 近くの山の狩小屋に行った。(HC民話) {E: to have a bad hunt, catch.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onaha
オナハ 【名】[所](概は ona オナ)…の父親、 彼/彼女の父親。 k=ónaha コナハ 「おれのおとっちゃん。」 (S) k=ónaha k=únuhu コナハ クヌフ 私の両親。 ☆参考 呼びかけには ku=mici クミチ (沙流川中流以上)、 iyapo イヤポ (沙流川下流、 鵡川)を使う。 {E: the father of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onkami
オンカミ 【自動】[< 日本語 おがみ] 拝礼する。 ①(狭義に、 アイヌ民族の男子の正式な拝礼を指す。)両手を胸の前でてのひらを上に向けて上下に動かす形式で拝礼する。 ②(広義に、 拝礼一般を指す。) hepoki hetari kane onkami ヘポキ ヘタリ カネ オンカミ 頭を下げたり上げたりしておじぎする。 ③拝む。 onkami-kur オンカミクㇽ 拝む人=「お寺さん」(=坊さん)。 ④[比喩]onkami kor an オンカミ コラン(直訳すると)拝んでいる=いねむりしている。(W) {E: ①customary, ritual praying form. ②worshipping (gen.). ③to worship.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onne 1
オンネ 【自動】①年とる、 年寄りである。 ②(キノコが)熟し過ぎる。 ☆参考 古いことは husko フㇱコ と言い、 onne オンネ とは言わない。 ☆対語 sukup スクㇷ゚ 壮年である、 pewre ペウレ 若い。 {E: ①to age; grow old. ②to be overripe.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onne 2
オンネ 【自動】(老人が)死ぬ、 老死する。 nen póka ku=kor hekattar ku=sikore yakun ora k=onne yakka pirka ネン ポカ クコㇿ ヘカッタㇻ クシコレ ヤクン オラ コンネ ヤッカ ピㇼカ なんとか私の子どもたちを一人前にしてからなら私は死んでもいい。(S) núman onne yak a=ye ヌマン オンネ ヤカイェ (老人が)きのう亡くなったそうだ。(S) {E: to die of old age.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onruyka
オンルイカ 【他動】(子ども)に子守歌を歌ってやる(寝かしつけるために)。 poyson k=onruyka kor k=an ポイソン コンルイカ コㇿ カン 私は子どもに子守歌を歌ってやっているところだ。(S) iruka kay wa onruyka kor an, yak mokor kusu ne na イルカ カイ ワ オンルイカ コㇿ アン、 ヤㇰ モコㇿ クス ネ ナ ちょっとおぶって子守歌を歌ってあげていなさい、 そうすれば眠るから。(S) ☆参考 沙流川下流と鵡川で言う。 沙流川中流の二風谷以上では onnokka オンノッカ。 ☆参考 iyonruyka イヨンルイカ [自動] 子守歌を歌う、 子守歌。 {E: to sing a lullaby (to children).} (出典:田村、方言:沙流)
ontaro
オンタロ 【名】[< 日本語 おおだる(大樽)] 樽。 pon ontaro ポン オンタロ 小さい樽、 桶。 wakkaku-ontaro ワッカクオンタロ 水樽、水桶。(W) ☆参考 níoki ニオキ 水を汲んでくる桶。 ☆参考 酒樽のことは ontaro オンタロ と言わず sintoko シントコ と言う。 {E: a barrel; a tub.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onumposo
オヌンポソ 【自動】[単](複は onumpospa オヌンポㇱパ)[o-num-poso その尻が・粒(=人々)・を貫き通る] 生き残る。 utari opitta isam rok ayne, sinep ne takup onumposo pon hekaci ウタリ オピッタ イサㇺ ロㇰ アイネ、 シネㇷ゚ ネ タクㇷ゚ オヌンポソ ポン ヘカチ 親戚がみんな亡くなってしまって、 たった一人ぼっちで生き残った男の子。(S) {E: to survive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onuperanke
オヌペランケ 【他動】[o-nupe-ran-ke (そこ)に・涙を・降る・させる](そこ)に涙を降らせる。 i=kurkasike/onuperanke イクㇽカシケ/オヌペランケ [雅](鳥の姿になって空を旋回していた父は)私の体じゅうの上に涙を落とした。(W神謡語り) {E: to cry on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onuytasa
オヌイタサ 【他動/後副】[o-nuy-tasa その尻・(?)・…と交代する] ①[他動]…に代わる、 …と交代する、 …と行き違いになる。 eci=onúytasa wa eci=kopásrota エチオヌイタサ ワ エチコパㇱロタ (いつも言われているが今度は)(あなたに交代して)私があなたを悪く言う。(S) hunak ta en=onuytasa aan hawe an un? フナㇰ タ エノヌイタサ アアン ハウェ アヌン? どこで行き違いになったのだろう。 ②[後副]…に交代して今度は。 e=onuytasa k=arpa エオヌイタサ カㇻパ あなたに代わって今度は私が行く。(S) en=kopisi, yak onuytasa ku=ye kusu ne na エンコピシ、 ヤㇰ オヌイタサ クイェ クス ネ ナ 私に質問しなさい、 そしたら私が答えるから。(S) {E: ①to alternate, change places with…; miss each other. ②alternately; in turns.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
opanere
オパネレ 【他動】…をはおる(着るだけで帯をしめない)。 iwan kosonte/ukoekutkor/iwan kosonte/opanere híne イワン コソンテ/ウコエクッコㇿ/イワン コソンテ/オパネレ ヒネ 六枚の小袖を着て帯をしめ、 六枚の小袖をはおって。(W神謡語り) ☆参考 昔話、 神謡、 ユーカラなどで、 神が地上の生活を終えて天に帰るしたくをする場面でよく出てくる表現。 {E: to wear…(unfastened).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
openpak
オペンパㇰ 【他動】(見るべきでないもの)を見てしまう。 ikiya openpak na イキヤ オペンパㇰ ナ (彼が)見ないようにね=彼に見られないようにしなさい、 彼に見せてはだめよ。(S) k=ópenpak korka ku=ye ka eyayramkar コペンパㇰ コㇿカ クイェ カ エヤイラㇺカㇻ 私は見てしまったけれど(そのことを)言うわけにいかない。(S) {E: to look at something one should not see.} (出典:田村、方言:沙流)
oper
オペㇾ 【名】[o-per(ke) その尻が・割れている](女の子を年長者がかわいがって呼ぶ語、 次のような連語で使う。)ku=kor oper クコロペㇾ 私のかわいいおじょうちゃん。 (幼児から二十歳前後までの少女や若い女性について言う。 呼びかけるときにも、 主語や目的語として話すときにも使う。) {E: a term of endearment for a young girl (up to about 20 years old.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oper
オペㇾ §017.孫(7)oper〔o-pér オ舳ㇾ〕⦅ホロべツ⦆孫娘。ku-kor〜「私の孫娘」。[oper(女児)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
operpo
オペㇾポ §017.孫(8)operpo〔o-pér-po オ舳ㇾポ〕⦅ハギノ⦆孫娘。ku-kor〜「私の孫娘」[oper(女児)+-po(愛称辞)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
opirasa
オピラサ 【他動】[o-pirasa (そこ)に・…を広げる]…を(そこ)に広げる。 (次の表現で)sikurkasam opirasa シクㇽカサㇺ オピラサ [雅](小袖)を自分の体に合わせて広げてみる。 kamuy kosonte sikurkasam opirasa カムイ コソンテ シクㇽカサㇺ オピラサ [雅](姉は)立派な小袖を体に合わせて広げた(=広げて身につけた)。(Sユーカラ語り) ☆参考 歌っている中では sikurkasam eopirasa シクㇽカサㇺ エオピラサ と言っている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
opitta
オピッタ 【副】(二つ以上/二人以上が)皆、 (二つでも、 たくさんでも、 数も量も)全部。 kamuy opitta カムイ オピッタ 全ての神、 神全員。 pirka amip opitta ピㇼカ アミㇷ゚ オピッタ すべての美しい着物、 美しい着物(は)みんな。 aynu opitta arki アイヌ オピッタ アㇻキ 人(男)はみんな来た。 inanike ne yakka opitta ku=kor rusuy イナニケ ネ ヤッカ オピッタ クコン ルスイ どっちでも両方ともほしい。 sine netopa eus pe ne kus opitta ray シネ ネトパ エウㇱ ペ ネ クㇱ オピッタ ライ (二つの頭が)一つの体についていたので両方とも死んでしまった。(S民話) c=ópitta チョピッタ 私たちみんな。 eci=opitta エチオピッタ あなたたちみんな。 aoká opitta アオカ オピッタ あなたを含めて私たちみんな。 ☆参考 epitta エピッタ は一つのものの全体。 {E: everyone; all.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
opiyo
オピヨ 【自動】[o-pi-o その尻・小声・…に入る](声が)かすれる。 hawe opiyo ハウェ オピヨ 声がかすれて出ない。 k=ómkekar noyne ku=hawe opiyo コㇺケカㇻ ノイネ クハウェ オピヨ 私はかぜをひいたらしく声がかすれている。(W) {E: to have a hoarse voice.} (出典:田村、方言:沙流)
opokin
オポキン 【副】(…しているとそれにつれて)次々に。 ku=nu kor opokin k=éraman クヌ コㇿ オポキン ケラマン(私は)聞けば次々にすぐわかる。(W) e=tuytuye p opokin téor omare エトゥイトゥイェㇷ゚ オポキン テオㇿ オマレ あなたが箕(み)でごみをとばしているものを次々にここに入れなさい。(S) {E: one after another.} (出典:田村、方言:沙流)
opos
オポㇱ 【他動】…をたどる。 menokopo san ruwe an hi kusu a=opós híne sán=an ruwe ne メノコポ サン ルウェ アニ クス アオポㇱ ヒネ サナン ルウェ ネ 娘が下って行った足跡があったので私はそれをたどって行った。(KK民話) {E: to trace, follow, pursue…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
opoysan
オポイサン 【名】[o-pon-san その尻(=から(の))・小さい・子孫(子)][雅](次の慣用句で)kamuy opoysan カムイ オポイサン [雅]神の子。 sípase kamuy/kamuy opoysan/e=ne wa kusu シパセ カムイ/カムイ オポイサン/エネ ワ クス [雅]あなたは尊い神の子なのですから。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
or
オㇿ 【位名】[概](所は oro/orke オロ/オㇿケ) ①(モノを表す名詞の後に置かれて、 そのモノを場所としてとらえる名詞句とする。 場所や時を表す名詞の後に置かれると、 よりはっきりとその場所、 その時を示す。 目的語として位置を表す名詞句を要求する語、 たとえば位置格助詞 ta タ《…に/で》、 un ウン《…へ》など、 動詞の接頭辞 o- オ《…に/で》など、 他動詞 kus クㇱ《…を通る》、 oma オマ《…に入る/位置する》などの前で多く使われる。) …の所、 …のとき。 (その他、 文脈によって…の中、 …の家、 …の上などいろいろに訳せる。)sapa or o ki サパ オㇿ オ キ 頭につくシラミ。 mesi itanki or a=o kor メシ イタンキ オㇿ アオ コㇿ ごはんを茶わんによそうと。(W会話) poro su or oma sayo ポロ ス オㇿ オマ サヨ 大鍋に入っているおかゆ。(W民話) apa or pak k=arpa korka アパ オㇿ パㇰ カㇻパ コㇿカ 私は戸口の所まで行ったけれど。(W) nis or péka hopuni ニソㇿ ペカ ホプニ 空を飛んだ。(S民話) toy or ta nepki kor an トヨッタ ネㇷ゚キ コラン (彼は)畑で働いている。 suy or osma スヨㇿ オㇱマ 穴に飛び込んだ(落ちた)。(S) iteki en=or ta ahup yan イテキ エノッ タ アフㇷ゚ ヤン 私の家に入らないで下さい。(S) kesikomu sekor sísam or ta a=ye ケシコム セコㇿ シサㇺ オッタ アイェ 消しゴムと日本語で言う。 kanto or un rikin カント オルン リキン 天に昇る。(S言い伝え) atuy or un cikap アトゥヨルン チカㇷ゚ 海の鳥。(W民話) nis or wa ran ニソㇿ ワ ラン 空から降りて来た。(W民話) ②…or ta …or ta …オッタ …オッタ ☞otta オッタ 2。 or wa オㇿ ワ (受け身表現の行為者、 oro wa オロ ワ とも言う。)…によって。 kamuy or wa ene a=e=yáynure カムイ オㇿ ワ エネ アエヤイヌレ あなたは神からそう思わされた。(W民話) ☆参考 所属形は oro オロ の例が圧倒的で、 orke オㇿケ は1例のみ。 orke オㇿケ には別の用法がある。 {E: ①from… ②by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
or(o) utaspa
オㇿ/オロ ウタㇱパ 【連他動】行き交う。 ekesinne nepki kus paye utar oro utaspa siri nukar kor an エケシンネ ネㇷ゚キ クㇱ パイェ ウタㇻ オロ ウタㇱパ シリ ヌカㇻ コラン (彼は)あちこち働きに行く人びとが行き交うのを見ている。(S) {E: a place; there.} (出典:田村、方言:沙流)
ora
オラ 【後副/接】[or-wa …の所/とき・から、 oro-wa その所/とき・から] ①[後副]…から、 それから、 その次に。 téta e=ek hi ora tane henpakto e=an? テタ エエキ オラ タネ ヘンパㇰト エアン? あなたがここに来たときからもう何日いますか(=何日たったか)。(S) ②(つなぎ言葉として)それから、 そして、 こんど。 híne ora ヒネ オラ そしてそれから。 híne ora káni hem ku=ye ヒネ オラ カニ ヘㇺ クイェ こんど私も言う。(W会話) ③(主張する気持ちのニュアンスを添える小辞として) yaykata ora ヤイカタ オラ 自分こそ。 yaykata ora a=ecákke noyne an pe ヤイカタ オラ アエチャッケ ノイネ アン ペ 自分こそきたながれるようなざまをして(=ような者なのに)。(S) ukao wa en=kore ora ウカオ ワ エンコレ オラ しまってくださいよ。(S) iteki ora! イテキ オラ! だめだよ、 やめなさいよ。(S) {E: ①after that; next. ②after that; next time; next; then (as a conjunction).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oran
オラン 【他動】[o-ran (そこ)に・降りる] …に降りる。 ranke mosir/oran hum konna/koturimimse ランケ モシㇼ/オラン フㇺ コンナ/コトゥリミㇺセ (神が)下界(地上)に降りる音がブルンブルンと鳴り響き。(Sユーカラ) iresu sinta/sinta kurka/kamuy oran na イレス シンタ/シンタ クㇽカ/カムイ オラン ナ ゆりかごの上に神が降りるよ。(S子守歌) ☞ka(si) oran カ(シ) オラン {E: to go down, descend to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oraun
オラウン 【接】[oro-wa-un そこ・から・助辞] それから。 Taro oraun Hanako tanukuran iway an kunak a=ye タロ オラウン ハナコ タヌクラン イワイ アン クナカイェ 太郎とそれから花子とは今晩婚礼があるそうだ。(S) {E: then; after that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
orawki
オラウキ 【他動】…を取り逃がす、 …に追いつけない、 …に遅れる、 …しそこなう。 ci=nukar rusuy kus paye=as akus c=órawki wa isam チヌカン ルスイ クㇱ パイェアㇱ アクㇱ チョラウキ ワ イサㇺ 私たちは見たいので行ったところ遅れて見そこなってしまった。(S) a=oráwki ki wa/iwak=an yakne/a=i=kóyki ki na アオラウキ キ ワ/イワカン ヤㇰネ/アイコイキ キ ナ つかまえずに帰ったら叱られるよ。(S即興詩) ☆参考 kisaorawki キサオラウキ 汽車に乗り遅れる。 pasu-orawki パスオラウキ バスに乗り遅れる。 ☆対語 oskoni オㇱコニ。 {E: to let…go free, to be late for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ore
オレ 【連体/接頭辞】(otu… オトゥ と対にして使われて)三つの。 otu…ore… オトゥ… オレ… 二つも三つもの=いくつもいくつもの。 otu kesto ta/ore kesto ta オトゥ ケㇱト タ/オレ ケㇱト タ [雅]毎日毎日来る日も来る日も。(Sユーカラ) otu tapkanru/ore tapkanru/ukakuspare オトゥ タㇷ゚カンル/オレ タㇷ゚カンル/ウカクㇱパレ [雅]何回も何回も両手を広げ一歩一歩進んでいく踊りをくり返した。(Sユーカラ) (叙事詩でも昔話でも、 人の姿になっていた神が天に帰るために鳥の姿になるシーンでよく出てくる表現。) otu suy konna ore suy konna オトゥ スイ コンナ オレ スイ コンナ [雅]二回も三回も(=何回も何回も)。 ☆参考 前半の otu… オトゥ… の部分だけが言われて、 後半の ore… オレ の部分が省略されることもある。 話すときや昔話を語るときなどには、 後半をいうときでも ore オレ の代りに re レ と言って、 otu… re… オトゥ… レ… となることもある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oreporep
オレポレㇷ゚ 【他動】[o-rep-orep そこに・拍子を取ってたたく・(重複)](そこ)をトントンたたいて拍子を取る。 heynu Poysar un kur/heynu kirkew kasi/heynu c=óreporep ヘイヌ ポイサㇻ ウン クㇽ/ヘイヌ キㇼケウ カシ/ヘイヌ チョレポレㇷ゚ 私は小沙流の人のひざの上をトントンたたいた。(HC神謡) {E: to beat in time with…; beat on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oresu
オレス 【複他動】[o-resu(そこ)で・…を育てる](その場所)で…を育てる。 tunpu upsor a=orésu トゥンプ ウㇷ゚ソㇿ アオレス [雅]彼は間じきりをしてつくられた特別の部屋の中で大切に育てられた。(S) kane amset/amset kurka/a=i=óresu カネ アㇺセッ/アㇺセッ クㇽカ/アイオレス 私は金(かね)の高床の上で育てられた。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
orikin
オリキン 【他動】[o-rikin …に・上昇する](そこ)に昇る。 poro nuynipek nísor orikin wa an ポロ ヌイニペㇰ ニソㇿ オリキン マ アン 大きな山火事の明るみが空に上がっている。(S) tanpa ne anak kanna mosir ka a=oríkin epaha ne kusu タンパ ネ アナㇰ カンナ モシㇼ カ アオリキン エパハ ネ クス 今年は私が天の神の国に昇る年ですから。(HC民話) {E: to go up, climb, ascend…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oriwak
オリワㇰ 【他動】(神などが)住む、 (動物が)巣くう。 tumunci kamuy, senneyaywa oriwak uske ne wa kusu トゥムンチ カムイ、 センネヤイワ オリワㇰ ウㇱケ ネ ワ クス 鬼神が本当に住んでいる所だから。(W会話) ☆参考 神が住むことを表すにはいろいろな表現がある。 ☞erok エロㇰ、 erokrok エロㇰロㇰ、 ewak エワㇰ、 iwak イワㇰ、 horari ホラリ、 horarpa ホラㇻパ。 また、 epunkine エプンキネ《…を守る》、 enupur エヌプㇽ、 enukor エヌコㇿ 等。 {E: (for a god) to live…; (for an animal, bird) to nest…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oro
オロ 【位名】[所](概は or オㇿ)…の所、 …の中、 そこ。 nupuri suptom a=tuypa wa oro péka inne maciya an ヌプリ スㇷ゚トㇺ アトゥイパ ワ オロ ペカ インネ マチヤ アン 山の中腹を切りひらいてそこに人口の多い町がある。 ku=patoye arka akus oro tasaske クパトイェ アㇻカ アクㇱ オロ タサㇱケ 私の唇が痛くなったがそこがヒリヒリする。(W) oro ta iyorot=an a kotan オロ タ イヨロッアン ア コタン そこで皆と一緒に住んでいた村=皆と一緒に住んでいた村。(S) oro oytak オロ オイタㇰ ☞or(o) oytak オㇿ/オロ オイタㇰ。 oro utaspa オロ ウタㇱパ ☞or(o) utaspa オㇿウタㇱパ/オロウタㇱパ (出典:田村、方言:沙流)
oruspe(he)
オルㇱペ(ヘ) 【名】[所](概はない(?))[or-us-pe …の所・についている・もの] …のこと、 …に関する事柄/話/噂。 (=orouspe オロウㇱペ) k=óruspe ye kor an wa kusu en=nukar akusu nani ye a p eyokkot コルㇱペ イェ コㇿ アン ワ クス エンヌカㇻ アクス ナニ イェ アㇷ゚ エヨッコッ 私のことを言っていたので私を見たらすぐ言っていたのをやめてしまった。(S) {E: a matter, story concerning…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osirepa
オシレパ 【自動(?)】[o-sir-epa その尻が・地・に着く] すっかり終る、 終了する。 iku osirepa pakno イク オシレパ パㇰノ 酒宴が終わるまで。 HC神謡の最後の語りの部分 {E: to finish completely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osirkatki
オシㇼカッキ 【自動】[o-sir-kat-ki その尻・地・あり方・する](?) 一カ所に落ち着いている。 oyak péka patek =iki wa k=ósirkatki ka somo ki オヤㇰ ペカ パテㇰ クイキ ワ コシㇼカッキ カ ソモ キ 私は旅行ばかりしていてちっとも一カ所に落ち着いていない。(S) {E: to settle down in one place.} (出典:田村、方言:沙流)
osirkoanpa
オシㇼコアンパ 【他動】[o-sirko-anpa その尻を・強く・手で持つ]無理やり引き止める。 c=ósirkoanpa yakka arpa tóho ek yakun nani arpa wa isam nankor チョシㇼコアンパ ヤッカ アㇻパ トホ エㇰ ヤクン ナニ アㇻパ ワ イサㇺ ナンコㇿ 私たちが強く引き止めても(この人は)行く日が来たらすぐ行ってしまうでしょう。(S) {E: to forcibly keep back…} (出典:田村、方言:沙流)
osiso
オシソ 【位名】[o-síso その尻・右座(si-so 主な・座)] 右座(家の、 炉を中心として北側、 上座から見て右の座)、 北側。 osiso un オシソ ウン (=osisoun オシソウン)右座の方から、 右座の方に。 osiso péka cise teksam kus オシソ ペカ チセ テㇰサㇺ クㇱ 裏の方(家の北側)から家の横を通る。 ☆対語 oharkiso オハㇻキソ {E: the seat on the right; the north side.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ositciwre
オシッチウレ 【他動】[o-sir-ciw-re その尻・地・刺さる・させる] (直訳すると)地に刺さる、 (気持ち、 考えなど)を決める。 kewtumu ositciwre ケウトゥム オシッチウレ 心を決める、 決心する。 kewtumu ositciwre kunine ye ケウトゥム オシッチウレ クニネ イェ 心を決めるように言いなさい。 eyaykewtum ositciwre エヤイケウトゥㇺ オシッチウレ (そのこと)について自分の心を決める(=決心する)。 ene e=yaynu hi ositciwre エネ エヤイヌ ヒ オシッチウレ あなたの考えを決めなさい。 {E: to decide…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osmake
オㇱマケ 【位名】[所](概は osmak オㇱマㇰ)…の後ろ、 その背後。 osmake wa kotcake wa オㇱマケ ワ コッチャケ ワ その後からその前から(=彼の前へ後ろへと)。 taankur iteki kotcake kus no osmake péka kus タアンクㇽ イテキ コッチャケ クㇱ ノ オㇱマケ ペカ クㇱ この人の前を通らないで後ろを通りなさい。(S) e=osmake ta an kur hunna an? エオㇱマケ タ アン クㇽ フンナ アン? あなたの後ろにいる人はだれですか。(S) siyosmake シヨㇱマケ [si-osmake] 自分の背後。 {E: behind…; the back of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osoma
オソマ 【自動】[< o-si-oma その尻・糞・そこにある] 大便する。 ☆参考 名詞「大便、 糞」は si シ。 ☆参考 鵡川の話者の語った民話には osoma オソマ が名詞「大便、 糞」として使われた例がある。 ☆参考 okuyma オクイマ 小便する。 {E: to defecate.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osopsopo
オソㇷ゚ソポ 【他動】[o-sopsop-o その尻・(擬音の重複)・(他動詞形成)] (口)をブクブクとゆすぐ。 paro osopsopo パロ オソㇷ゚ソポ 口をゆすぐ。 ku=paro k=ósopsopo クパロ コソㇷ゚ソポ 私は口をゆすいでいる。(W) (出典:田村、方言:沙流)
osorokar
オソロカㇻ 【自動】[osoro-kar その尻・を処置する]尻を拭(ふ)く。 hńta kus kanpi e=perpaperpa ruwe an? ikaraski, ani e=etuhukar yakka e=osorokar yakka pirka p フンタ クㇱ カンピ エペㇾパペㇾパ ルウェ アン? イカラㇱキ、 アニ エエトゥフカㇻ ヤッカ エオソロカㇻ ヤッカ ピㇼカㇷ゚ どうして紙をビリビリに破ったの、 もったいない、 それで鼻を拭いてもお尻を拭いてもいいのに。(S) {E: to wipe one's bottom, buttocks.} (出典:田村、方言:沙流)
ossike(he)
オッシケ(ヘ) 【名】[所](概は ossi オッシ) ①…の中、 その中(餅の中やリンゴの中)。 ossike tópenpe a=o sito オッシケ トペンペ アオ シト 中にあんこの入った餅。(W) ossike kikir o ruwe an オッシケ キキロ ルウェ アン(リンゴの)中に虫が入っている。 ossike kunne ruwe オッシケ クンネ ルウェ 中が黒くなっている。(W) ②…の腹の中(胃より下、 人間のみ、 主に特別の言い回しの中で用いる)。 ③心の中。 k=ossike péka ku=cis kor k=an コッシケ ペカ クチㇱ コㇿ カン 私はおなかの中で(=心の中で)泣いている。(W独話) ossike arka オッシケ アㇻカ [腹の中が・痛い] (1) 腹をこわす(下痢する等)。 (2) 憤慨する、 しゃくにさわる(「はらんばいわるい」)。 =ipeyar wa suy e=ossike arka kor an クイペヤㇻ ワ スイ エオッシケ アㇻカ コラン 私が人に食べさせたら(食べ物を与えたら)またあなたは機嫌を悪くしているんだね。(S) (3) 色事をする。 ossike pirka オッシケ ピㇼカ 腹の中は良い(=心は良い)。 ossike pirka korka kanparo wen オッシケ ピㇼカ コㇿカ カンパロ ウェン 腹の中は良いが(気はいいが)口が悪い。 ossike poro オッシケ ポロ [(頭の)中が・大きい] りこうだ(子どもが)。 ossike wen オッシケ ウェン [腹の中が・悪い] 腹黒い。 (出典:田村、方言:沙流)
ossikeop
オッシケオㇷ゚ 【名】[ossike-o-p おなかの中・にたくさん入っている・もの]はらわた、 臓物。 a=tuyé akus ossikeop pututke アトゥイェ アクㇱ オッシケオㇷ゚ プトゥッケ (おなかを)切ったら臓物が飛び出した。(S) ossikeop yaskenisitonkes オッシケオㇷ゚ ヤㇱケニシトンケㇱ [雅](槍で突かれ刀で切られて)はらわたが飛び出してブランブランしている。(S) {E: the entrails; the internal organs.} (出典:田村、方言:沙流)
ossiwen
オッシウェン 【自動】[ossi-wen 腹の中・悪い]憤慨する、 機嫌を損ねる(「はらんばい悪い」)。 =ipeyar wa suy e=ossiwen クイペヤㇻ ワ スイ エオッシウェン 私が人に食べさせたら(食べ物をあげたら)またあなたは機嫌を損ねている。(S) ☆参考 ossike arka オッシケ アㇻカ とも言う。 {E: to get very angry.} (出典:田村、方言:沙流)
osura
オスラ 【他動】[単](複は osurpa オスㇽパ)(一つ) を投げる(どこへ投げるか決まっているとき)、 …をなくす、 …を捨てる(近くへ)、 …を離縁する。 rorunpuyar pok un tun sike osura hum as ロルンプヤㇻ ポクン トゥン シケ オスラ フㇺ アㇱ 東窓の下へ二人が背負い荷をドスンと投げおろす音がした。 ekimne a=e=sé wa a=e=ósura kusu ne na エキㇺネ アエセ ワ アエオスラ クス ネ ナ おまえを山に運んで行って捨てるからな。(W民話) kem a=osúra kor suwat a=siná ケㇺ アオスラ コㇿ スワッ アシナ 針をなくしたときは炉かぎをしばる(「見つかるまで解いてやらないぞと言っておけば早く見つかる。 見つかったらどうもありがとうと言ってほどいてやる」)。(S) ☆参考 どこに投げるか決まっておらず遠くへ投げることは eyapkir エヤㇷ゚キㇼ と言う。 {E: to throw…; to throw away…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osuste
オスㇱテ 【複他動】[他動使役][osus-te (おふろ)に入る・させる]…を(おふろ)に入れる。 hokure tonpuri or un osuste ホクレ トンプリ オルン オスㇱテ 早く(子どもを)おふろに入れなさい。(W) (出典:田村、方言:沙流)
ota 1
オタ 【複他動】[< o-ta (そこ)に・…を汲む](目的語の一つは液体、 一つは場所。)(水、 油など)を(そこ)にかける、 …を…に(ひしゃくで)汲み入れる(ひしゃくから大きい入れ物にあける)。 ratcako sum hene ponno oro ota wa uhuyka ラッチャコ スㇺ ヘネ ポンノ オロ オタ ワ ウフイカ ランプの油でもそこにかけて燃やしなさい。(S) pisakku ani nise wa saysintoko oro ota ピサック アニ ニセ ワ サイシントコ オロ オタ ひしゃくで汲んで宴席の酒びつに入れなさい。 emko cipor pe a=otá emko cikuy pas a=kuste ápekor an kameasi エㇺコ チポㇿ ペ アオタ エㇺコ チクイ パㇱ アクㇱテ アペコラン カメアシ 半分は筋子のつぶしたのをぶっかけたような、 半分は粉炭をまぶしたようなばけもの(悪いクマの描写の常套句)。 {E: to scoop, pour…into…} (出典:田村、方言:沙流)
otamoy
オタモイ 【名】[ota-moy 砂・渦](?) 海辺の砂浜(風に吹かれてうずまきのように必ず模様がついているものだ)。(S) otamoy teksam a=kus オタモイ テㇰサㇺ アクㇱ 砂浜のふち(山側でも海側でも)を通る。(S) {E: a sandy beach on the shoreline.} (出典:田村、方言:沙流)
otanpaun
オタンパウン 【副】川のこちら側から。 ☆参考 opetpaun オペッパウン とも言う。 ☆対語 opetkusun オペックスン。 {E: from the near bank of a river.} (出典:田村、方言:沙流)
otop
オトㇷ゚ 【名】[概](所は otopi(hi) オトピ(ヒ))髪の毛(全体も一本一本も)。 otop téta an オトㇷ゚ テタ アン 髪の毛がここにある(落ちている)。 ☆参考 合成語の中では ru ル が髪の毛を表すことがある:retanru レタンル 白髪、 kunneru クンネル 黒髪。 {E: hair (collectively, as well as individual strands).} (出典:田村、方言:沙流)
otte
オッテ 【複他動】[他動使役][ot-te …についている・させる] ①…を…につける。 ②hoka-otte ホカオッテ[雅] ☞(鍋)を火にかける ☞nissineykurotte ニッシネイクㇽオッテ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otu rusittok ore rusittok
オトゥ ルシットㇰ オレ ルシットㇰ 【o-tu-ru-sittoku o-re-ru-sittok】 九十九折[ユ]:うねうねと折れまがる山道.▷オ=それ トゥ=ふたつ ル=道 シットㇰ=肘 オ=それ レ=三つ ル=道 シットㇰ=肘 (出典:萱野、方言:沙流)
oturaysanpe ekote
オトゥライサンペ エコテ 【他動】[慣用他動詞句](…しては)大変だと思う。 a=oráwki kuni oturaysanpe a=ekóte hi kusu アオラウキ クニ オトゥライサンペ アエコテ ヒ クス 私は彼を見失っては大変だと思ったから。(HC民話) {E: to think for… to happen, occur would be disastrous, awful.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otutanu
オトゥタヌ 【後副/副】①その次に。 otutanu ek kur オトゥタヌ エㇰ クㇽ 次に来た人。(S) ②(連体的に使われて)次の。 otutanu kur オトゥタヌ クㇽ 次の人。(S) otutanu-askepet オトゥタヌアㇱケペッ【名】[概](所は otutanu-askepeci オトゥタヌアㇱケペチ)[次の・指]薬指。 {E: ①in the next place; after; next. ②next; following.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otuunu
オトゥウヌ 【複他動】[o-tu-unu その尻・糸(弦)・に…をつける][雅](弓)に(矢)をつがえる(=otuuyruke オトゥウイルケ)。 túrus pon ku/túrus pon ay/apiskatu apiska/otuunu wa トゥルㇱ ポン ク/トゥルㇱ ポナイ/アピシカトゥ アピシカ/オトゥウヌ ワ きたない小さな弓にきたない小さな矢をつがえて。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
otuuyruke
オトゥウイルケ 【複他動】[o-tu-uyruke その尻・糸(弦)に…をつける][雅](弓)に(矢)をつがえる(=otuunu オトゥウヌ)。 pirka pon ku/pirka pon ay/otuuyruke ピㇼカ ポン ク/ピㇼカ ポナイ/オトゥウイルケ[雅] 立派な小さい弓に立派な小さい矢をつがえて。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
otuyke
オトゥイケ 【名】[o-tuy-hike その尻・切れている・もの](悪いやつを指すののしりの表現)「あん畜生」、 あの野郎。(W) néa a=wenhokuhu, sirunike otuyke, ene hawean hi ネア アアウェンホクフ、 シルニケ オトゥイケ、 エネ ハウェアン ヒ あの私の悪党亭主、 あん畜生、 あの野郎がこう言った。(W民話) ☆参考 sirunike シルニケ も同義。 {E: That fellow!; That rascal! (a derogatory remark.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otuymasirun
オトゥイマシルン 【副】[o-tuyma-sir-un その尻が・遠い・所・にある] 遠くから。 otuymasirun wano ku=hotku kane wa k=ek オトゥイマシルン マノ クホック カネ ワ ケㇰ 私は遠くからかがんで(腰を曲げて)来た。(S) {E: from afar.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ouhuy
オウフイ 【自動】[o-uhuy その尻が・燃える/こげる]こげる。 ouhuy húra at オウフイ フラ アッ こげくさい。 ouhuy sirka オウフイ シㇼカ こげた刀、 ouhuy attus オウフイ アットゥㇱ こげた厚司(あつし)。 ☆参考 Okikurmi kamuy オキクㇽミ カムイ《オキクルミ神》はこげた厚司を着、 こげた刀を下げていた。 よく「すそが焦げた」とか「すそこげ…」と訳されるが、 ワテケさんによれば、 ouhuy オウフイ は単に《こげた…》。 (出典:田村、方言:沙流)
Ouhuy-sirka Ouhuy-níkapattus
オウフイ シㇼカ オウフイ ニカパットゥㇱ 【名】[< ouhuy-sirka ouhuy-níkap-attus こげた・刀のさや・こげた・木の皮(の)・厚司(あつし)] [固有名]すそこげ刀すそこげ厚司(または、こげ刀こげ厚司、人間の始祖アイヌラックル(Aynurakkur アイヌラックㇽ)の呼び名の一つ、その父神が天も地も燃やしながらかけめぐっていたことからつけられた)。(Sユーカラ) ☞ouhuy オウフイ (出典:田村、方言:沙流)
oun
オウン 【他動】[o-un その尻が・そこにある]…につまって抜けられない。 rekuci oun レクチ オウン (食べ物などが)のどにつまる。 kuttomo oun クットモ オウン のどにつまる。 {E: to stop, block, clog up…} (出典:田村、方言:沙流)
ounoun
オウノウン 【他動】[o-un-oun …につまって抜けられない・(重複)](狭いところで) …につかえる、 (そこ)につかえて抜けられない。 i=os etaspe ek a p , néa pínay hutne p ne kusu, ounoun híne i=os ek ka eaykap イオㇱ エタㇱペ エカㇷ゚、 ネア ピナイ フッネㇷ゚ ネ クス、 オウノウン ヒネ イオㇱ エㇰ カ エアイカㇷ゚ 私のあとをトドが追いかけて来たが、 その谷はせまいので、 トドはつかえてしまって私のあとを追って来ることができない。(W民話) ☆参考 euneun エウネウン は家や部屋の入口でためらってさっさと中に入らずに留まっていることを言う。 ounoun オウノウン は反対に、 狭いところに入ったものが抜けられなくて留まっていることを言う。 {E: to get stuck on, caught in( a narrow area, place).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ousike
オウシケ §018.親(10)ousike〔o-ú-ši-ke オうシケ〕⦅チカブミ⦆親。[もと"根の所"の義;pon cikuni ousikehe"小さい木の根もと"などと言う;o(尻)+us(ついている)+-i(所)+-ke(部分)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ouske
オウㇱケ 【位名】[所](概は ous オウㇱ)[ousi-ke …の下/ふもと・の所]…の下/根元の所、 その下/根元の所、 (山の)ふもとの所。 nupuri ouske ヌプリ オウㇱケ 山のふもと(の所)。 ouske wakka kotatpa ne ya unmasi ku=kor wa k=ek wa ouske k=o ne ya オウㇱケ ワッカ コタッパ ネ ヤ ウンマシ クコㇿ ワ ケㇰ ワ オウㇱケ コ ネ ヤ (私はその木の)根元に水をかけたり馬糞を持って来て根元に置いたり。(S)/ {E: the base; the foot.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
owpeka
オウペカ 【自動】まっすぐである。 owpeka cikuni オウペカ チクニ まっすぐな木。 owpeka ru オウペカ ル まっすぐな道。 ☆参考 kuwan as hur クワン アㇱ フㇽ きりたった山。 {E: to be straight.} (出典:田村、方言:沙流)
owpekano
オウペカノ 【副】まっすぐに、 正直に。 owpekano nep ka ye hawe an オウペカノ ネㇷ゚ カ イェ ハウェ アン(彼は)本当のこと(うそでないこと)ばかり言っている。(S) ☆参考 「まっすぐに」は kuwanno クワンノ とも言う。 ☆参考 an koraci アン コラチ ありのままに。 {E: directly.} (出典:田村、方言:沙流)
oya 1
オヤ 【連体】①ほかの、 よその。 oya mosir オヤ モシㇼ よその島。 oya kotan オヤ コタン よその(別の)村、 死者の国。 oya pa オヤ パ (=oyapa オヤパ)来年。 oya kotan un kur オヤ コタン ウン クㇽ よその村の人、 他村の者。 ② oya ciki オヤ チキ ☞oyaciki オヤチキ {E: ①other; another. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oyak
オヤㇰ 【位名】[oya-k 他の・所]…の他の所、 よそ。 oyak un arpa オヤクン アㇻパ よそへ行きなさい、 どきなさい。(W) oyak péka iki オヤㇰ ペカ イキ よそに行っている、 旅行する。 oyak péka patek =iki wa k=ósirkatki ka somo ki オヤㇰ ペカ パテㇰ クイキ ワ コシㇼカッキ カ ソモ キ 私は旅行ばかりしていてちっとも落ち着いていない。 {E: another place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oyakata
オヤカタ 【名】[< 日本語 親方]王、 首領。 onaha ne kamuy pákorkamuy oyakata ne yak ye p ne kusu オナハ ネ カムイ パコㇿカムイ オヤカタ ネ ヤㇰ イェㇷ゚ ネ クス 父親である神は天然痘の神の首領だと(あの人は)言っていたから。(W民話) {E: a (the) parent(s); a master.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oyakke(he)
オヤッケ(ヘ) 【位名】[所](概は oyak オヤㇰ)…の他の所、 そのほかの所、 よそ。 e=oyakke un エオヤッケ ウン あなたのいない所へ、 あなたから別れて。 oyakke ta ku=nuye オヤッケ タ クヌイェ 私は違うところに書いた。(W) {E: another, a different place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oyasim
オヤシㇺ 【名/副】[oya-sim 他の・翌日]あさって、 明後日。 oyasim wano suy yayhonokka=an kus ne na オヤシㇺ ワノ スイ ヤイホノッカアン クㇱ ネ ナ あさってからまた勉強するからね。(S) {E: the day after tomorrow.} (出典:田村、方言:沙流)
oyawot
オヤウォッ 【自動】[oya-w-ot 他の[所]・(挿入音)・…にたくさん(何回も)現れる]寄り道する。 oyakoyak ta k=óyawot kor k=ek ayne ku=moyre オヤコヤㇰ タ コヤウォッ コㇿ ケㇰ アイネ クモイレ ほうぼうに寄り道して来て遅くなった。 {E: to drop in, by on the way.} (出典:田村、方言:沙流)
oype-an
オイペアン 【自動】[o-ipe-an その尻・中味・ある]「わりにある」、 思ったよりたくさんある。 naa ponno an kunak ku=ramu a p oype-an ruwe an ナア ポンノ アン クナㇰ クラム アㇷ゚ オイペアン ルウェ アン もっと少ないと思っていたのに案外たくさんあった。(S) (出典:田村、方言:沙流)
oype-isam
オイペイサㇺ 【自動】[o-ipe-isam その尻・中味・ない]「わりに少ない」、 思ったより少ない。 naa an kunak ku=ramu a p oype-isam ナア アン クナㇰ クラム アㇷ゚ オイペイサㇺ もっとあると思っていたのにこれだけしかなかった。(S) (出典:田村、方言:沙流)
oyra
オイラ 【他動】…を忘れる、 (事柄)を忘れる、 (もの)を置き忘れる。 hemanta ku=ye kus ne a ka k=oyra ヘマンタ クイェ クㇱ ネ ア カ コイラ 私は何を言おうとしていたのか忘れた。(W) icen k=oyra イチェン コイラ 私はお金を忘れた。 ranma e=oyra hawe? ランマ エオイラ ハウェ? あなたはいつも忘れるの? (W) {E: to forget…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oytakkote
オイタッコテ 【他動】[o-itak-kote](そこ)に・言葉・をつなぐ…に引導をわたす、 葬式をする。 「引導をわたすこと、 坊さんがお経をあげること。」 (W) iyoytakkote kur イヨイタッコテ クㇽ 坊さん。 {E: to hold a funeral.} (出典:田村、方言:沙流)
p 1
ㇷ゚ 【形名】(=pe ペ)(母音の後では p ㇷ゚、 子音の後および言い始めでは pe ペ。) ①[被修飾名]…もの、 者、 やつ(多くの場合モノや動物。 人間の場合は主に子どもや女性を指し、 大人の男子の場合は低く見た言い方)。 retar seta ukoykire p レタㇻ セタ ウコイキレㇷ゚ 白い犬をけんかさせるもの(なぞなぞで、 答えは mimaki ミマキ 歯)。(S) soy ta arki p ソイ タ アㇻキㇷ゚ 門口に来た者(=人)。 ②[被修飾名]…こと(ことがら)。 ye p koraci イェㇷ゚ コラチ 彼が言ったことのとおりに(=彼の言ったとおり)。 ③[名詞化辞]…の。 …p ne …ㇷ゚ ネ …のだ。 Piratur ta nupur ekasi an hi a=nu p ne a hi kusu ピラトゥッ タ ヌプレカシ アニ アヌㇷ゚ ネ ア ヒ クス 平取に霊力のある(占いやまじないのできる)老人がいることを聞いたのだったから(=聞いていたから)。(NK民話) …p ne …ㇷ゚ ネ …するものだ(説明/教え/さとし)。 néno eci=ikí p ne na ネノ エチイキㇷ゚ ネ ナ (あなたがた)そうするのだよ(=そうしなさいね)。(KK民話) …p ne kusu …ㇷ゚ ネ クス …する/したものだから、 …ので。 sisam tátatata p ne kusu シサㇺ タタタタㇷ゚ ネ クス (彼が)自分のそばをトントンたたいたので。(S民話) …kuni p ne …クニㇷ゚ ネ …することになっている/する(べき)ものだ(予定/教え/予言/言いつけ)。 yam o saranip/e=se kane wa/e=yan kuni p/ne ruwe ne na ヤモ サラニㇷ゚/エセ カネ ワ/エヤン クニㇷ゚/ネ ルウェ ネ ナ (あなたは)栗の入った背負い袋を背負って国へ帰るのですよ。(W神謡語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pa 8
パ 【名詞語根】[< pa 7](数連体詞の後に置かれて。) ①(酒の杯数)…杯。 “henpakpa a=ku?” “re pa ku=ku” 「ヘンパㇰパ アク?」 「レパ クク」 「酒杯に何杯お飲みになりましたか?」 「三杯飲みました。」 (W) ②たばこ「一服」の「服」(「二服」「三服」は言わない)。 tanpaku sine pa ku=ku rusuy タンパク シネ パ クク ルスイ たばこを一服のみたい=ちょっとたばこを吸いたい(二口でも三口でもよい)。(W) ☆参考 茶碗やおわんやゆのみの杯数を数えるには itanki イタンキ が使われる。 ☆参考 接尾辞と見ることもできるが、 読みやすさのために離して書く。 {E: a counter for cups, glasses of drink.} (出典:田村、方言:沙流)
páhawe(he)
パハウェ(ヘ) 【名】[所](概は pahaw パハウ) ①…のうわさ/風説(まだはっきりしていないただのうわさ)。 páhawe as パハウェ アㇱ (そのことの)噂がある/立つ。 ②[雅]言ったこと、 (次のような文脈で)言った悪口。 nep páhawe/i=konu kuni p ネㇷ゚ パハウェ/イコヌ クニㇷ゚ [雅]何か悪口でも私が言ったのを聞いたみたいに。(Sユーカラ) m {E: a rumour; gossip; hearsay.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pak 1
パㇰ 【他動】…がきらいだ、 …が気にくわない。 toan pe ku=pak トアン ペ クパㇰ あいつ気にくわない。(W) {E: to hate…} (出典:田村、方言:沙流)
pakane
パカネ 【自動】[paka-ne [< 日本語]ばか・である/になる] ばかだ、 呆ける。 ku=pakane siri ne wa クパカネ シリ ネ ワ 私ばかなのね。(W会話) pakane p パカネㇷ゚ ばか者。 {E: to be a fool; foolish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pákasnu
パカㇱヌ 【他動】…を戒める、 …を教える、 …を罰する、 (罪あるもの)をひどくこらしめいじめる。 a=i=pákasnu kunak a=ye, hetak kira=an ro アイパカㇱヌ クナㇰ アイェ、 ヘタㇰ キラアン ロ 私たちは罰せられるという話だ、 さあ逃げよう。(S) {E:to tell; punish} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pakita
パキタ 【後副】[paki-ta …までの時(?)・に] ちょうど…のときに、 今ようやく。 kunneywa kopak pakita ek kor an クンネイワ コパㇰ パキタ エㇰ コラン ちょうど朝ごろに来つつある。(S) tókapipe pakita トカピペ パキタ ちょうど昼食のときに。(S) {E: exactly at that time.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pakno
パㇰノ 【後副】[pak-no …まで/ほど・(副詞形成)] ①…まで。 te pakno テ パㇰノ 今まで。 uni pakno ウニ パㇰノ 彼の家まで。 Tokiyo pakno henpak to ne wa sirepa? トキヨ パㇰノ ヘンパㇰ ト ネ ワ シレパ? 東京まで何日で着きますか。(S) onne utar onne pakno オンネ ウタㇻ オンネ パㇰノ 年老いた人々が亡くなるまで。 ②…ぐらい。 sine cup pakno シネ チュㇷ゚ パㇰノ 一ヵ月ぐらい。 ínep pakno イネㇷ゚ パㇰノ 四つほど。 asiknep pakno アシㇰネㇷ゚ パㇰノ 五つほど。 attem pakno an senkaki アッテㇺ パㇰノ アン センカキ 半ひろ(三尺)ほどある布。(S) mak pak ku=kar kor pirka? マㇰ パㇰ クカㇻ コㇿ ピㇼカ? (お金を)いくらぐらい払えばいいですか。(S) ③…ほど(比較の対象)。 k=éraman pakno ケラマン パㇰノ 私がわかるだけ(のことは全部)。(S会話) tuymano a=turá easkay pakno an hekaci トゥイマノ アトゥラ エアㇱカイ パㇰノ アン ヘカチ 遠くへ連れて行くことができるほどに(大きく)なった男の子。(NK民話) k=éaskay pakno túnas k=ek ケアㇱカイ パㇰノ トゥナㇱ ケㇰ (私は)できるだけ早く来ます。(S) ④[熟語・慣用表現]pakno/pakno ka パㇰノ/パㇰノ カ これまで、 これで終わり。 pakno ka ku=ye パㇰノ カ クイェ これで私が言うことは終わりです。 pakno ka パㇰノ カ 「もうたくさん」(もっと食べるようにとか、 お代わりをどうぞとか言われたときにこれ以上いらないと断る言い方)。 pakno ka c=e wa iyayiraykere パㇰノ カ チェ ワ イヤイライケレ (私たちは)もう充分(「たくさん」)いただきました、 ごちそうさま。(S) ney ta pakno ネイ タ パㇰノ いつまでも。 utaspa pakno ウタㇱパ パㇰノ 互いに。 (tap)…hi pakno ne (タㇷ゚)…ヒ パㇰノ ネ 今…したばかりだ。 tap unukar=an hi pakno ne wa ora suy uwekohoppa=an wa paye=an oasi na タㇷ゚ ウヌカラニ パㇰノ ネ ワ オラ スイ ウウェコホッパアン マ パイェアン オアシ ナ(私たちは)今会ったばかりなのにまた別れて行かなければならないのかなあ。(S) {E: ①until. ②about; roughly. ③the extent of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pancikiri
パンチキリ 【名】[所](概 pancikir パンチキㇼ は未出)[pan-cikir-i 下側の・足・(所属語尾)] (動物)の後足。 a=ruska kusu/símomanpe/pancikiri/an=esíkari アルㇱカ クス/シモマンペ/パンチキリ/アネシカリ [雅] 私は腹が立ったから大きな雄鹿の後足をつかんでふりまわした。(Sユーカラ) ☆対語 pencikiri ペンチキリ …の前足。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
parakina
パラキナ 【名】[para-kina 幅広い・草][植物]ミズバショウ(?)(「春真っ先に出る、 葉の直径2尺(60センチ)もある草、 丈は1メートルぐらいになる」)。(W)〔知分類 p.216 ミズバショオ〕 {E: a skunk cabbage.} (出典:田村、方言:沙流)
pararu
パラル 【名】[para-ru 幅広い・道] 道路、 広い通り。 kuwanno pararu kari e=arpa yak e=moyre クワンノ パラル カリ エアㇻパ ヤㇰ エモイレ (あなた)まっすぐ大通りから行くと遅くなる。 {E: a broad, wide road.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
paratek
パラテㇰ 【名】[概](所は parateke(he) パラテケ(ヘ))[para-tek 幅広い・手] 手の手首から先の部分。 paratek kursutu pakno パラテㇰ クㇽストゥ パㇰノ 手(手首から先)のつけ根まで=手首まで。(W) ☆参考 特に手首から先の部分だけだということを明確に言う言い方。 普通に「手」のことを言う場合は、 手全体を表す語 tek テㇰ [概]/teke(he) テケ(ヘ)[所] を使う。 手首から上の腕の部分だけを言うには amunin アムニン を使う。 {E: a (the) hand(s).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
párimomo
パリモモ 【自動】[pa-rimo-mo 口・をすぼめる・(重複)…している]口をすぼめている。 párimomo kane an パリモモ カネ アン (口を大きく見せたくないために)口をすぼめている。(S) aynu or ta/paye=an ki kor/párimomo parimomo sekor/santa soaso/a=i=ye wa tapne/iruska=an kusu/somo a=ye na アイヌ オッタ パイェアン キ コㇿ/パリモモ パリモモ セコㇿ/サンタ ソアソ/アイイェ ワ タㇷ゚ネ/イルㇱカアン クス/ソモ アイェ ナ 人間の国に行くと口すぼめ、 口すぼめと言われるので腹が立つから言わないよ(きかれたことを教えないよ)(supun スプン《ウグイ》が言う)。(W神謡) (出典:田村、方言:沙流)
paro(ho)
パロ(ホ) 【名】[所](概は par パㇻ) ①…の口(人の、 動物の、 ものの口(出口、 入り口))。 ku=paro(ho) クパロ(ホ) 私の口。 paroho パロホ 彼の口。 paro usi パロ ウシ …をほんの少し食べる(口につける程度食べるという意味)。 e=paro póka usi エパロ ポカ ウシ たくさんはないが口につけるだけでも食べなさい。(S) e=paro esirsiru! エパロ エシㇼシル! 口まめよりも手まめ(口と手と合わせてやりなさい、 口を手にしてやりなさい)。(S) paroho kemkus パロホ ケㇺクㇱ[口[所]・血がそこを通る](彼は) 喀血(かっけつ)する。(S) paroho koyke パロホ コイケ [他方言][口[所]・ゆがむ[他方言] 口がゆがんで(曲がって)いる。](沙流では paroho ohewke パロホ オヘウケ と言う。) (S) paroho ohewke パロホ オヘウケ[口[所]・傾く] 口が歪んでいる。(S) yospe paroho ヨㇱペ パロホ 胃袋の口。(W) paro-askay パロアㇱカイ ☞paroaskaya パロアㇱカイ。 paro-siratek パロシラテㇰ ☞parosiratek パロシラテㇰ ② ☞par(o) osuke パㇻ/パロ オスケ、 par(o) oyki パㇻ/パロ オイキ ☆参考 合成語の要素としてはもちろん、 連他動詞の前部要素としても、 所属形は短い形(ho ホ のつかない形)paro パロ が使われる。 {E: the mouth of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
parpa
パㇻパ 【他動】[複](単 paru パル は独立の他動詞としては未出) …をあおぐ(うちわなどを使って風を当てる)。 ape ku=parpa ayne ape ruy アペ クパㇻパ アイネ アペ ルイ (私は)火を何回もあおいでやっと火がよく燃え出した。(S) en=parpa humi ku=merayke エンパㇻパ フミ クメライケ 私はあまりあおがれて寒い(暑いからとうちわであおいでくれるのはありがたいけれどそんなにあおがれては)。(S) {E: to fan …(repeatedly)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
parparse
パㇻパㇻセ 【自動】[parpar-se(擬態重複)・となる] ボーッと/メラメラと燃え上がる。 amip parparse アミㇷ゚ パㇻパㇻセ 着物が燃え上がった。(S) nína=an ayne oraun ape a=kotúkka akusu sat cikuni ne p ne kusu parparse ニナアン アイネ オラウン アペ アコトゥッカ アクス サッ チクニ ネㇷ゚ ネ クス パㇻパㇻセ しばらく私はたきぎとりをしていてそれからそのたきぎに火をつけたところ、 乾いた木なのでボーッと燃え上がった。(KK民話) {E: to burst into flames.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
paruparu
パルパル 【他動】[paru-paru あおぐ・(重複)] …をはたく、 …にはたきをかける。 so kurka paruparu ソ クㇽカ パルパル 床(ゆか)の上をはたく。 {E: to strike, hit…} (出典:田村、方言:沙流)
párurke
パルㇽケ 【位名】端の方。 hńta kus ene otcike párurke ta e=anu, iyaykipte フンタ クㇱ エネ オッチケ パルㇽケ タ エアヌ、 イヤイキㇷ゚テ どうしてこのようにお膳の端の方に置くの、 あぶないねえ。(S) {E: towards the edge of.} (出典:田村、方言:沙流)
pas 2
パㇱ 【名】燃えかす(ランプの芯などの、 たきぎの)。 kunne pas クンネ パㇱ 木などが燃えておき(赤く火のついている炭、 usat ウサッ )になって消えたもの、 消炭。 retar pas レタㇻ パㇱ おき(usat ウサッ)がさらに燃えて、 そのままの形で灰になったもの。 cikuy pas チクイ パㇱ [かみくだかれた・消し炭](次の用例のような慣用表現で) emko cipor pe a=otá emko cikuy pas a=kuste ápekor an kameasi エㇺコ チポㇿ ペ アオタ エㇺコ チクイ パㇱ アクㇱテ アペコラン カメアシ 半分は筋子をつぶしてぶっかけたような、 半分は粉炭をまぶしたようなばけもの(民話の中で、 悪い熊の描写)。(KK民話) ☆参考 retar pas レタㇻ パㇱ がさらにくずれて粉々の灰になったものは úna ウナ と言う。 ☞paspas パㇱパㇱ {E: ashes, cinders.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
paspasi
パㇱパシ 【名】[所](概は paspas パㇱパㇱ) …の消し炭。 uhuy paspasi ウフイ パㇱパシ (それ)を燃やしてできた消し炭、 …の燃えかす。 arki koyaykus pe kam a=uhúyka, uhuy paspasi kirouske a=usípa アㇻキ コヤイクㇱ ペ カㇺ アウフイカ、 ウフイ パㇱパシ キロウㇱケ アウシパ (煎じ汁を飲みに)来られない者には肉を燃やしてこげて炭になったのを節々にぬってあげた。(NK民話) uhuy wa paspasi an ウフイ ワ パㇱパシ アン (パンが)こげて炭になった(=まっ黒にこげた)。(W) ☆参考 長い形 paspasihi パㇱパシヒ は未出。 {E: the ashes, cinders of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pasusu
パスス 【他動】…(のしわざ)を見破る。 a=pasúsu アパスス ばれた。 a=pasúsu p ne kusu yaykirare wa isam アパススㇷ゚ ネ クス ヤイキラレ ワ イサㇺ (夜襲に来ていたやつらは)見破られたものだから逃げて行ってしまった。(W言い伝え) {E: to see through, detect (the doings of)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pasuy
パスイ 【名】箸(はし)。 tumsikot pasuy トゥㇺシコッ パスイ 下げ飾りのついた箸(菓子などの取り箸に使う)。 ikupasuy イクパスイ 奉酒箸/献酒箸。 túkipasuy トゥキパスイ 同。 ipepasuy イペパスイ 食事の箸。 apepasuy アペパスイ 火箸。 ☆参考 最も普通には、 食べ物をはさむ二本一組の箸(ipepasuy イペパスイ)を指す。 神に酒をささげる儀式のときなどには、 奉酒箸(ikupasuy イクパスイ/túkipasuy トゥキパスイ)のことを指すこともある。 {E: chopsticks.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
patek
パテㇰ 【後副】…ばかり、 …だけ。 káni patek en=kore カニ パテㇰ エンコレ 私だけにくれた。(S) kam patek c=e kor oka=as カㇺ パテㇰ チェ コㇿ オカアㇱ 私たちは肉ばかり食べている(いつも肉を食べている)。(S) poonpepo patek an ポオンペポ パテㇰ アン ほんの少しだけある=少ししかない。(W民話) e=cis patek ki p ne kusu エチㇱ パテㇰ キㇷ゚ ネ クス あなたが泣いてばかりいるので。(HC民話) hotke=an wa patek án=an ホッケアン ワ パテㇰ アナン 寝てばかりいた(いつも寝ていた)。(NK民話) patek a=kor rusuy pe パテㇰ アコン ルスイ ペ ただ一つほしいもの。(W民話) patek ku=kor su パテㇰ クコㇿ ス[それだけ・私が持っている・鍋]私のたった一つの鍋。(S) ☆参考 最後の二例は関係詞的用法。 ☆参考 takup タクㇷ゚ …しか…しない。 {E: just; only.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
paye
パイェ 【自動】[複](単は arpa アㇻパ) ①(二人以上が)行く。 eun sinot kusu paye utar エウン シノッ クス パイェ ウタㇻ そこへ遊びに行った人たち。(S会話) ②wa paye ワ パイェ(出来事が)だんだん手前から向こうへ移行する、 …していく。 uhuy wa paye ウフイ ワ パイェ 燃えていった。 ☆参考 川上/山手方向から川下/海手方向へ行くことにはこれを使わず、 san サン [単]/sap サㇷ゚ [複]と言う。 {E: to go (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
paykar
パイカㇻ 【名】春。 síno paykar シノ パイカㇻ 盛春(四月から五月いっぱい)。 paykar opicino パイカㇻ オピチノ [春・を手放すように] 春の終わりに(六、 七月)。 paykar opicino kími k=étoyta akus na k=e eaykap パイカㇻ オピチノ キミ ケトイタ アクㇱ ナ ケ エアイカㇷ゚ 春の終わりにトウモロコシをまいたところまだ食べられない。(S) sir-paykar シㇼパイカㇻ 春になる。 {E: spring.} (出典:田村、方言:沙流)
payyekar
パイイェカㇻ 【他動】…をけなす、 …にけちをつける。 wenkur anak nep kéraan pe a=ere yakka payyekar ウェンクㇽ アナㇰ ネㇷ゚ ケラアン ペ アエレ ヤッカ パイイェカㇻ 貧乏人はどんなおいしいものを食べさせてもおいしいと言わない。(S) a=payyekar アパイイェカㇻ けなされる。(S) ☆参考 裕福な人はおいしいとほめて喜んで食べるそうで、 そのことは ohapseeciw オハㇷ゚セエチウ と言う。 {E: to find fault with…} (出典:田村、方言:沙流)
pe 2
ペ 【形名】(p ㇷ゚ 1 と同じ語。 母音の後では p ㇷ゚、 子音の後およびポーズ(無音)の後では pe ペ が現われる。) ①[被修飾名](連体修飾語に修飾されてのみ使われる。 それ以外の点では普通名詞と同様に機能する。) …もの、 者、 人、 やつ(多くの場合、 モノや動物、 人間の場合は敬意を含まない表現で主に子どもや女性などを指す)。 hunak wa ek pe e=ne ruwe an? フナㇰ ワ エㇰ ペ エネ ルウェ アン? あなたはどこから来たもの(子ども)なの? ②[被修飾名]…こと。 mak an pe kusu マㇰ アン ペ クス どんなことのため(故)に。 ③[名詞化辞] …の/もの。 …pe ne …ペ ネ …のだ/ものだ(説明/教え/さとし)。 sekor sekor a=kar pe ne na セコㇿ セコㇿ アカㇻ ペ ネ ナ こういうふうにつくるものだよ(つくるんだよ)。 …pe ne kusu …ペ ネ クス …する/したものだから、 …ので。 nitan=an pe ne kusu ニタナン ペ ネ クス 私は足が早いので。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pe 3
ペ 【接助】[< pe 2] …のに、 …だったが。 …pe ora …ペ オラ …のに、 …のでありながら一方では。 ene an nispa a=kor pe ora, po sak no oka=an hi ka a=ruska kusu エネ アン ニㇱパ アコㇿ ペ オラ、 ポ サㇰ ノ オカアニ カ アルㇱカ クス これほどの長者を夫に持ちながら、 子どもに恵まれずに暮らしているのが不満だったから。(W民話) pirka amip poronno kor pe ora yaykotcakar wa wen amip patek mi ピㇼカ アミㇷ゚ ポロンノ コㇿ ペ オラ ヤイコッチャカㇻ ワ ウェン アミㇷ゚ パテㇰ ミ (あの人は)いい着物をたくさん持っているのにしまっておいて悪い着物ばかり着る。(S) {E: an article; a thing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
péka 1
ペカ 【他動】(投げ渡されたものなど)を受けとめる。 ku=peka na クペカ ナ (投げてくれれば)(私)受け取るよ。 ay péka アイ ペカ 矢を受け取る(けものや鳥の神が矢に当たってくれることを言う)。 kanna nis ka un a=e=péka wa, kamuy or ta sonno ukor síno ukor eci=kí kus ne na カンナ ニㇱ カ ウン アエペカ ワ、 カムイ オッタ ソンノ ウコㇿ シノ ウコㇿ エチキ クㇱ ネ ナ 私があなたを天に引き取って、 あなた方は神の国で本当の結婚、 まことの結婚をするのです。(HC民話) {E: to catch…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pekennupe
ペケンヌペ 【名】[peker-nupe 澄んだ・涙][雅] 涙。 tu pekennupe/re-pekennupe/ku=yaykoranke トゥ ペケンヌペ/レ ペケンヌペ/クヤイコランケ [雅]私は二しずくも三しずくもの涙(=たくさんの涙)を流す。(KK即興詩) {E: tears.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
peker
ペケㇾ 【自動】①明るい。 sittumu peker シットゥム ペケㇾ 夜が明けてきて少し明るくなる。 ②(水などが)澄んでいる、 澄む。 kuci peker menoko クチ ペケㇾ メノコ [そののど・澄んでいる・女性] 澄んだ声の女性。 ③peker irenka ciomare ペケㇾ イレンカ チオマレ [慣用句]死にかかっている者が生きそう(命をとりとめそう)だ。(W) ☆参考 sir-peker シㇼペケㇾ (すっかり)夜が明ける、 明るくなる、 明るい。 {E: ①to be bright; clear. ②(for water etc.) to become clear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pekor
ペコㇿ 【接助】…するみたいに、 …するかのように。 a=eyáykopuntek pekor hawean=an アエヤイコプンテㇰ ペコㇿ ハウェアナン 私はそれをさも喜んでいるかのように言った。(KK民話) ittotuk pekor e=poro イットトゥㇰ ペコㇿ エポロ あなたはまるで一日で育つみたいにどんどん大きくなる。(W神謡語り) hetopo ukoyki ne pekor, ukotumuwen ne pekor ki wa kusu ヘトポ ウコイキ ネ ペコㇿ、 ウコトゥムウェン ネ ペコㇿ キ ワ クス また逆もどりして戦争みたいに仲たがいみたいにしたから。(S言い伝え) ☆参考 別の事がら(行為/できごと)に類似していることを表す比較の表現の一つ。 事実に反することや事実かどうかわからないことに比較する場合が多いが、 いつもそうと決まってはいない。 ☆参考 類似を表す語はいろいろあるが、 最もよく使われる néno ネノ《…のように、 …に似て》は名詞/名詞句を受ける。 koraci コラチ《…とそっくりに、 …のとおりに》も多くの場合名詞/名詞句を受ける。 ápekor アペコㇿ《…したかのように》は pekor ペコㇿ と同じく動詞句を受ける接続助詞だが、 ニュアンスは異なる。 noyne ノイネ、 kotom コトㇺ は動詞句を受ける接続助詞だが、 これらとは違って類似を表すのではなく推測を表す。 ☞ápekor アペコㇿ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pencay
ペンチャイ 【名】[< 日本語 べんざいせん(弁財船)] 交易の貨物船(「定期船」)。(S) ☆参考 rokuntew ロクンテウ 客船。 cip チㇷ゚ 丸木舟、 小さい舟。 {E: a goods, cargo ship, vessel.} (出典:田村、方言:沙流)
péne
ペネ 【自動】[pe-ne 水気・(のよう)である] ①(水気が多くて)ビチャビチャである、 (果物などがつぶれて)ビチャビチャになる。 wakka poro no ku=kar wa ora péne amam ku=suwe ワッカ ポロ ノ クカㇻ ワ オラ ペネ アマㇺ クスウェ 私は水を多くしてビチャビチャのご飯を炊いてしまった。(S) péne emo ペネ エモ 「しばれいも」、 冬に外に置いて凍らせたジャガイモ。 yospe paroho péne ヨㇱペ パロホ ペネ 胃袋の口がとける(=胃がんになる)。(W) ②(比喩的に)(絹布等の着古して)薄くなっている(すき通っていてもなお切れない状態)。 tane ku=mipi péne wa an, péne yakka pirka amip ne ruwe! タネ クミピ ペネ ワ アン、 ペネ ヤッカ ピㇼカ アミㇷ゚ ネ ルウェ! もう私の着物、 古くなって、 すき通るほど薄くなっている、 薄くなってもいい着物だねえ。 ☆参考 ①[対]niste ニㇱテ 固い。 siratek シラテㇰ (ごはんやおかゆに関して)固めである。 {E: ①to be watery, mushy. ②to become thin.} (出典:田村、方言:沙流)
pepunitara
ペプニタラ 【自動】[pepun-itara (擬音)・(状態が続いていることを表す接尾辞)]にぎやかである。 hekattar haw pepunitara, aynu-pá:kus ヘカッタㇻ ハウ ペプニタラ、 アイヌパークㇱ 子どもたちの声がにぎやかだ、 いいなあ。(S) tanto racio hawehe pepunitara ka somo ki タント ラチオ ハウェヘ ペプニタラ カ ソモ キ 今日はラジオの声がにぎやかでない。(S) {E: to be lively; noisy.} (出典:田村、方言:沙流)
pes
ペㇱ 【名】海岸の砂浜(otanikor オタニコㇿ)より上の、 山になっている所(段丘(?))の斜面。(S) sanke-pes/ranpes サンケペㇱ/ランペㇱ (二段になっているとき)下側(海側)の斜面。 makun-pes/rikun-pes マクンペㇱ/リクンペㇱ (二段になっているとき)上側(山側)の斜面。 (出典:田村、方言:沙流)
petetne
ペテッネ 【自動】①かじかむ。 ku=teke petetne クテケ ペテッネ 私は手がかじかんだ。(S) ku=paro petetne クパロ ペテッネ 私は口がかじかんだ(寒さで唇が紫色になり、 物を言うのもよく言えない状態になった)。(S) ② ☞eyaykoramu petetne エヤイコラム ペテッネ {E: ①to be numb with cold.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
petokomo
ペトコモ 【自動/副】[pet-o-komo 川・その尻・…を折り曲げる] ①[自動]川下を回る(となりの川筋に行くのに、 川を渡れず、 川下へ下って海辺から別の川筋へ出てさかのぼる)。 ku=petokomo wa k=ek クペトコモ ワ ケㇰ 私は川下を回って来た。(S) ②[副]川下を回って。 petokomo k=ek ペトコモ ケㇰ 川下を回って私は来た。(S) ☆対語 petekari ペテカリ。 {E: ①to turn around at downstream (and go upstream from a different route. (v.i.) ②turn around at downstream. (adv.) (NOTE: Since one can not cross over to the other river, one has to first go downstream and get out to the ocean and then go upstream (of the other river).)} (出典:田村、方言:沙流)
petuturu
ペトゥトゥル 【位名】[所](概は petutur ペトゥトゥㇽ) …の川の間。 tan Iskar etoko wano petuturu e=kus wa タン イㇱカㇻ エトコ ワノ ペトゥトゥル エクㇱ ワ あなたはこの石狩川の水源地から川の間(石狩川と勇別川の間)を通って(何とかして勇別の村まで行く)。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pewre
ペウレ 【自動】若い(人間なら二十歳台ぐらい)。 pewre utar ペウレ ウタㇻ 若い人々、 若者たち。 ☆対語 onne オンネ 年老いている。 ☆参考 sukup スクㇷ゚ は青年期を過ぎているがまだ老いていない、 壮年期にあることを言う。 pon ポン 小さい/幼い、 poniwne ポニウネ 年下である。 ☆参考 pewre-p ペウレㇷ゚ 子熊。 {E: to be young.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
picici
ピチチ 【他動】(人間の皮)をむく。 kap takupi a=picíci p ne kusu kemnu ka somo ki カㇷ゚ タクピ アピチチㇷ゚ ネ クス ケㇺヌ カ ソモ キ 皮だけしかむかれなかったので血が出ない。(S) {E: to peel off (human skin).} (出典:田村、方言:沙流)
picitce
ピチッチェ 【自動】①(人体に関して)…の皮がむける、 (皮)がむける。 kapuhu picitce カプフ ピチッチェ (人体の)皮がむける。 ku=kiki ayne kapuhu picitce クキキ アイネ カプフ ピチッチェ 私は掻(か)いて掻いて皮がむけた。(S) kemaha picitce ケマハ ピチッチェ 足の皮がむける。 nanuhu picitce ナヌフ ピチッチェ 顔の皮がむける。 ②色があせる。 iroho picitce イロホ ピチッチェ (着物等の)色があせた。 k=ótopi picitce コトピ ピチッチェ 髪が色あせた(白髪染めがはげた)。 ☆参考 イモか何かの皮がむけることは pitce ピッチェ。 {E: ①for (human) skin to peel, come off. ②for colour to fade.} (出典:田村、方言:沙流)
pintoro
ピントロ 【名】[< 日本語 ビードロ] ガラス。 a=kunnere pintoro ani herikasi cup or un inkar=an アクンネレ ピントロ アニ ヘリカシ チュポルン インカラン 私たちはみんな黒くいぶしたガラスで太陽の方を見上げた。(W会話) {E: glass.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pirasa
ピラサ 【他動】①…をひろげる。 ② ☞eyaykurkasam pirasa エヤイクㇽカサㇺ ピラサ {E: to open up, out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
piri(hi)
ピリ(ヒ) 【名】[所](概は pir ピㇼ)…の傷。 ku=kema piri arka wa k=apkas eaykap クケマ ピリ アㇻカ ワ カㇷ゚カㇱ エアイカㇷ゚ 私は足の傷が痛んで歩けない。(S) piri uciw ピリ ウチウ 傷口がふさがる。 tam pir oma kane pirihi uciw ka somo ki タㇺ ピㇼ オマ カネ ピリヒ ウチウ カ ソモ キ 刀傷がついていて傷がふさがらない。(S) {E: wounds of…} (出典:田村、方言:沙流)
pirma
ピㇼマ 【他動】(人)にそっと警告する。 en=pirma p ne kus ku=kocanupkor wa k=an kus ne wa エンピㇼマㇷ゚ ネ クㇱ ク コチャヌㇷ゚コㇿ ワ カン クㇱ ネ ワ 私にそうっと教えてくれたから私はよく警戒していますから。(S) ☆参考 ipirma/unpirma イピㇼマ/ウンピㇼマ 人々に/皆に警告する。 epirma エピㇼマ …に…を警告する。 {E: to quietly warn someone of something.} (出典:田村、方言:沙流)
pis 2
ピㇱ 【副】(次のように二度くりかえして言う。) pis pis ピㇱ ピㇱ それぞれ、 一つ一つ。 askepeci pis pis oma tekunpe アㇱケペチ ピㇱ ピㇱ オマ テクンペ 指が一本一本入る手甲(=手袋)。(S) {E: each.} (出典:田村、方言:沙流)
pise
ピセ 【名】[動物] 熊の膀胱(ぼうこう)、 魚の浮き袋、 また風船状にふくらんだ袋。 poro pise kotuk wa an ポロ ピセ コトゥㇰ ワ アン 大きな袋がついている(おじいさんの首の大きくふくれたこぶのことを言っている)。(S) ☆参考 本来熊の膀胱(ぼうこう)や魚の浮き袋を言うが、 またいろいろ、 そのような、 風船状にふくらんだものをさす。(S) ☞kuyoy クヨイ 〔萱民具 主に鹿の膀胱を使い、 熊の膀胱は小さいのであまり使わない〕〔知分類 p.37((H;S))い(胃);いぶくろ(胃袋)〕 {E: bladder (of a bear). the air bladder of a fish.} (出典:田村、方言:沙流)
piske
ピㇱケ 【位名】[所](概は pis ピㇱ)…の浜側の所、 その浜側の所。 piske kus pe kimke kus pe ピㇱケ クㇱ ペ キㇺケ クㇱ ペ 家の浜手を通る人も山手を通る人も。(NK民話) {E: a beachside place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pisno
ピㇱノ 【後副】[pis-no 一つ一つ・(副詞形成)] ①…ごとに。 cise pisno チセ ピㇱノ 一軒一軒の家ごとに(=どの家にも)。 cup pisno チュㇷ゚ ピㇱノ 月ごとに(=毎月)。(S) ②一つ/一回の…につき一つずつ。 ipe=an kor pisno a=eywankep イペアン コㇿ ピㇱノ アエイワンケㇷ゚ ものを食べるときそのたびに使うもの。 kesto kunneywa pisno… ケㇱト クンネイワ ピㇱノ 毎日朝ごとに。 {E: every; each.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pita
ピタ 【他動】…をほどく。 kut pita クッ ピタ 帯を解く。 e=kuci pita エクチ ピタ あなたの帯を解きなさい。(W) kuci pita クチ ピタ (彼の)帯を解く。 ker pita ケㇾ ピタ 靴をほどく(=靴をぬぐ)。 {E: to untie, unlace, take apart…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pitatke
ピタッケ 【自動】ほどける。 urenetupsike ewwopitte, iteki pitatke kunine ウレネトゥㇷ゚シケ エウウォピッテ、 イテキ ピタッケ クニネ 両端を結んでおきなさい、 ほどけないように。(S) {E: to come loose.} (出典:田村、方言:沙流)
pito
ピト 【名】[< 古い日本語 人(フィト)][雅]神と同等の人(多くの場合 kamuy カムイ《神、 神のような立派な/尊い人》の類義語として、 類義語並列の対句に用いられる)。 a=respa pito/a=respa kamuy アレㇱパ ピト/アレㇱパ カムイ [雅]私が育てたお方、 私が育てた神よ。(Sユーカラ) pak pito ne/pak siretok/ne wa ne yakun パㇰ ピト ネ/パㇰ シレトㇰ/ネ ワ ネ ヤクン [雅]これほど位の高いものでこれほど立派なものであったならば。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
piyekar
ピイェカㇻ 【他動】[pi-y-e-kar 小石大の粒・(挿入音)・で・打つ] …に(石を)ぶつける。 =iruska kus noyporo ku=piyekar a p un クイルㇱカ クㇱ ノイポロ クピイェカㇻ アㇷ゚ ウン 私は腹が立ったから(あいつの)ひたいに石をぶつけてやったんだよ。(S) ani piyekar アニ ピイェカㇻ …に…を(石をぶつけるように)ぶつける。 okamkir c=épekare kunine os kími ani ci=piyekar オカㇺキㇼ チェペカレ クニネ オㇱ キミ アニ チピイェカㇻ 私たちは彼にわざと当たるように後からトウキビをぶつけてやった。(S) {E: to hit (a rock) against…} (出典:田村、方言:沙流)
po 1
ポ 【名】[概](所は poho ポホ) ①息子。 sine po kor シネ ポ コㇿ 一人の息子を持っている。 po sak kur ポ サㇰ クㇽ 子ども(息子)のいない人。 ②(語構成要素として)子ども(男女を問わず)。 {E: ①a son. ②a child.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pok
ポㇰ 【位名】…の下(そば、 ふもと)。 nupuri pok ヌプリ ポㇰ 山の下、 山のふもと。 rorunpuyar pok ロルンプヤㇻ ポㇰ 東窓の下、 東窓のそば(屋内でも屋外でも)。 apa pok ta an wa an アパ ポㇰ タ アン マ アン 戸口の下にいた。(S) toska pok un yap=an ro トㇱカ ポㇰ ウン ヤパン ロ 堤の下(岸)へ舟を寄せよう。(S) ☆参考 「下」でも、 机の下やふとんの下などのように、 何かのものの下は corpok チョㇿポㇰ。 ☆参考 この語根の前にいろいろな要素がついて、 corpok チョㇿポㇰ のほかにもいろいろなニュアンスの違った位置名詞がつくられている。 ☞monpok モンポㇰ、 kurpok クㇽポㇰ、 rewpok レウポㇰ、 tuypok トゥイポㇰ、 koypok コイポㇰ、 cuppok チュッポㇰ、 sirpok シㇼポㇰ ほか。 {E: below; the base of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
póka
ポカ 【副助】[po-ka (指小辞)・も] ①(せめて)…でも、 やっと…は。 sine cise tu cise póka eci=kár yakun シネ チセ トゥ チセ ポカ エチカㇻ ヤクン あなたがたは一軒か二軒だけでも家を建てれば。 tanto póka e=ek wa タント ポカ エエㇰ ワ あなたは(きのうは来なかったが)まあ今日になってでもようやく来て…。(W会話) ikoyyomap póka a=ki rusuy イコイヨマㇷ゚ ポカ アキ ルスイ (子どもがないので)せめて人の子をかわいがることだけでもしたい。(W民話) sonno póka ソンノ ポカ 本当に、 やっぱり、 はたして、 思ったとおり、 聞いていたとおり。 ponno ponno póka k=étoyta kus keraypo ku=kor ruwe un ポンノ ポンノ ポカ ケトイタ クㇱ ケライポ クコン ルウェ ウン ほんの少しだけでもまいたおかげでとれたのだよ。(S) néun póka/nen póka ネウン ポカ/ネン ポカ どうにか、 なんとかして。 nen póka é=iki wa e=epirka kunine ネン ポカ エイキ ワ エエピㇼカ クニネ なんとかしてあなたがえらくなるように。(S) ②(否定で)…さえ…しない。 sapa póka sak cip サパ ポカ サㇰ チㇷ゚ 船首すらない舟。(W民話) a=i=núkare póka somo ki no アイヌカレ ポカ ソモ キ ノ 私に見せてもくれずに。(W民話) {E: ①somehow or other; finally. ②not even.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pokna-cinki
ポㇰナチンキ 【名】[概/所](着物の)下前のすそ。 raykur amip pokna-cinki ika wa an ライクㇽ アミㇷ゚ ポㇰナチンキ イカ ワ アン 死者の着物は下前のすそが上になる。(W) ☆対語 ikawa-cinki イカワチンキ。 (出典:田村、方言:沙流)
pókor
ポコㇿ 【自動】[po-kor 子・を持つ] 子を持つ、 子を産む、 子の親になる(「子どもを持つ」)。 (人間も動物も) ku=kor seta pókor クコㇿ セタ ポコㇿ 私の犬が子を生んだ。(S) {E: to give birth to a child; become a parent.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pon
ポン 【自動】小さい、 少ない、 年若い、 幼い。 pon cikuni ポン チクニ 小さい木。 kewe pon kusu oka ケウェ ポン クス オカ 体がとても小さい。(S民話) a=oskoni katu pon ruwe ne アオㇱコニ カトゥ ポン ルウェ ネ (魚が)手に入るのが少なかった。(NK民話) pon hekaci ポン ヘカチ 幼い男の子。 pon menoko ポン メノコ 若い女性。 pon katkemat ポン カッケマッ 若い婦人(若い奥さん、 お嬢さん)。 pon yupi ポン ユピ 兄が二人いるうちの年下のほうの兄。 ku=pon híne クポン ヒネ 私が幼かったときに。 ☆対語 poro ポロ。 ☆参考 nokan ノカン たくさんのものがそろって小さい、 幼い。 poniwne ポニウネ 年下である。 pewre ペウレ 若い。 {E: to be small; few; young.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pon okkayo
ポン オッカヨ/ポノッカヨ 【名】(特殊な状況で)男の赤ちゃん。 aynu-pa-kus pon okkayo kor hawe an! アイヌパークㇱ ポン オッカヨ コㇿ ハウェ アン! いいねえ、 男の子を持った(男の子が生まれた)って。(S) ☆参考 男か女かが問題のときに言う。 普通は okkayo オッカヨ は大人の男性を指す。 {E: a baby boy; a male child.} (出典:田村、方言:沙流)
poniwne
ポニウネ 【自動】[pon-iw-ne 小さい/年少の・人・である] (主に兄弟姉妹の中で)年下である、 年下のほうの。 poniwne a=yupí ポニウネ アユピ (兄が二人いるうちの)年下のほうの自分の兄(引用文中で)。 poniwne wa an kur ポニウネ ワ アン クㇽ 年下のほうの人。 poniwne matnepoho ポニウネ マッネポホ 彼の下の娘、 彼の末娘。 poniwne ku=matnepoho ポニウネ クマッネポホ 私の下の娘、 私の末娘。 poniwne póho ポニウネ ポホ 彼の下の息子、 彼の末息子。 poniwne ku=poho ポニウネ クポホ 私の下の息子、 私の末息子。 poniwne kur ポニウネ クㇽ 下の子、 末子。(S) ☆対語 kiyanne キヤンネ。 ☆参考 pon ポン 小さい、 年若い。 おばあさんが二人いたら年下のほうのおばあさんは pon húci ポン フチ、 poniwne ポニウネ ではない。 {E: to be younger.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ponki 2
ポンキ 【名】[pon-ki 小さい・カヤ] カヤを編んでつくった小さい簀(す)(すだれ状のもの)。 osiso un wa ne menokopo ehotke hi enkaske ta ponki a=otúseatte. …ne, otuseat wa a=nukár a ponki atu tuypa híne, ponki ka o p cirawokuta sitcikewrototo オシソ ウン ワ ネ メノコポ エホッケ ヒ エンカㇱケ タ ポンキ アオトゥセアッテ。 …ネ、 オトゥセアッ ワ アヌカㇻ ア ポンキ アトゥ トゥイパ ヒネ、 ポンキ カ オㇷ゚ チラウォクタ シッチケウロトト 右座のその娘の寝床の上に小さいカヤ(萱)の簀(す)が綱でつるされていた。 …その、 綱でつるされていたのをさっき見たあのカヤを編んでつくった小さい簀(す)の棚の綱を(兄が)切って、 棚の上にのっていたものが下に落ちて散らばって、 ガラガラとすごい音を立てた。(HK民話) ☆参考 普通は山へ行くときに持って行く。 この用例では物置棚として使われている。(HK) {E: a straw blind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ponko
ポンコ 【副】[pon-ko 小さい・(反語的意味の副詞をつくる接尾辞)] こんなに/あんなに大きく、 ずいぶん大きく。 ponko an pe totto e ポンコ アン ペ トット エ あんなに大きいのにおっぱい飲んでる。(S) hńta a=omáre kuni ene ponko a=oúri hi an? フンタ アオマレ クニ エネ ポンコ アオウリ ヒ アン ? 何を埋めるのにこんなに大きく掘ったんだい。(S) ☆参考 áponko アポンコ は《こんなに/あんなに/ずいぶんたくさん》。 {E: rather large.} (出典:田村、方言:沙流)
ponmatkore
ポンマッコレ 【他動】[自動使役][ponmatkor-e 第二の妻を持つ・させる] 二人目の妻(本妻以外の妻、 「めかけ」)を持たせる。 hokuhu ponmatkore kusu ye ホクフ ポンマッコレ クス イェ (妻が)夫に「めかけ」を持ってくださいと言った。(W民話) {E: to let take a second wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ponmenoko
ポンメノコ 【名】[pon-menoko 小さい・女] 若い女性、 娘(=pon menoko ポン メノコ)。 ☆参考 主にアイヌ民族の若い女性を言う。 和人の若い女性は ponkurmat ポンクㇽマッ。(W) (S) ☆参考 ペナコリの川上まつ子さんは、 和人の若い女性のことも ponmenoko ポンメノコ と言っていた。 {E: a young girl; a daughter.} (出典:田村、方言:沙流)
ponno
ポンノ 【副】[pon-no 小さい/少ない・(副詞形成)] ①少し、 ちょっと。 poronno etoyta utar néno, ponno etoyta utar néno, amam ka ipeono ポロンノ エトイタ ウタン ネノ、 ポンノ エトイタ ウタン ネノ、 アマㇺ カ イペオノ (米を)たくさんつくった人はそれなりに、 少しつくった人はそれなりに、 米もよくみのった。(S会話) ponno hoski! ポンノ ホㇱキ! ちょっと待って。(S) ponno póka ポンノ ポカ 少しでも、 いくらかでも。 ponno ponno ポンノ ポンノ ☞ponnoponno ポンノポンノ ponno ku=hehewpa wa ku=inkar ポンノ クヘヘウパ ワ クインカㇻ (私は)ちょっとのぞいて見る。(S) ②[慣用句]ponno an uske ta ポンノ アン ウㇱケ タ 惜しいところで(もう少しで)。 {E: ①few; little. ②come close to; nearly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ponram
ポンラㇺ 【名】[pon-ram 小さい・心](次の言い回しの中で)幼少、 幼いとき。 ponram oro wano ポンラㇺ オロ ワノ 幼少時から、 幼いときから。 a=yupíhi isoytak kus oyaciki ponram oro wano uweinkar kur ne aan アユピヒ イソイタㇰ クㇱ オヤチキ ポンラㇺ オロ ワノ ウウェインカㇻ クㇽ ネ アアン 兄が話してくれたからわかったのだが、 実は兄は小さいときから目に見えないことでも見ているようにわかる能力の持ち主だったのであった。(NK民話) {E: an infant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
poon emko
ポオン エㇺコ 【名】[とても小さい・半分] 四半分、 四分の一。 noskike pak póka en=kore yak pirka p poon emko takupi en=kore ノㇱキケ パㇰ ポカ エンコレ ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ ポオン エㇺコ タクピ エンコレ (彼は私に)半分ぐらいでもくれればいいのに四分の一しかくれない。(S) {E: a quarter.} (出典:田村、方言:沙流)
poonpepo
ポオンペポ 【名】[poon-pe-po とても少ない・もの・(指小辞)] ほんの少しのもの。 hńta uwe poonpepo ne híne oraun áponko an emo makanak ani a=suwé kusu? フンタ ウウェ ポオンペポ ネ ヒネ オラウン アポンコ アン エモ マカナㇰ アニ アスウェ クス? 何こんな汁が少しばかりでそしてこんなにたくさんのいもをどうやって煮るの。(S) porono ku=cire akus poonpepo ne nin wa isam ポロノ クチレ アクㇱ ポオンペポ ネ ニン マ イサㇺ たくさんゆでたところほんのわずかに減ってしまった。(S) {E: very few.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
popke
ポㇷ゚ケ 【自動】[pop-ke (擬態の語根)・(自動詞形成)]暖かい(「ほとる」)。 ku=popke wa, pirka wa クポㇷ゚ケ ワ、 ピㇼカ ワ 私は暖かいよ、 (ふとんをかけないで)いいよ。(W) ☆参考 天候が暖かいこと、 つまり気温が低くないことは sir-popke シㇼポㇷ゚ケ と言う。 popke ポㇷ゚ケ は人やものが主語で、 人の場合は暖かく感じることを言う。 {E: to be warm.} (出典:田村、方言:沙流)
poppetaasin
ポッペタアシン 【自動】[pop-pe-ta-asin ボコボコ煮立つ・水分・(?)・出る] 汗が出る、 汗をかく。 ku=poppetaasin クポッペタアシン 私汗をかいた。 poppetaasin okake nukuki a=ocári ápekor an ポッペタアシン オカケ ヌクキ アオチャリ アペコㇿ アン 汗をかいた後がこごめでもふりまいたようだ。(W) {E: to sweat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
poro
ポロ 【自動】大きい、 大きくなる、 年上のほうの、 かさが多い、 (川の水が)ふえる。 poro cise ポロ チセ 大きい家。 cikap kasuno poro cikap チカㇷ゚ カスノ ポロ チカㇷ゚ 普通の鳥よりもっと大きい鳥(=とても大きな鳥)。 poro sayo ポロ サヨ たくさんのおかゆ。 poro wakka ポロ ワッカ 大水(洪水)。 poro paraparak an ポロ パラパラㇰ アン (引用文中)私は大泣きをした、 大声で泣き叫んだ。(HC民話) poro a=yupí ポロ アユピ 私の(二人以上いる兄のうちの)年上の兄。 poro acapo ポロ アチャポ 二人いるおじのうち年上のほうのおじ。 poro serke ポロ セㇾケ 大部分、 大半。 poro sike ki ポロ シケ キ 大きな/たくさんの荷物を背負う。 e=poro yakun エポロ ヤクン あなたが大きくなったら。 wakka poro ワッカ ポロ (川の)水がふえる。(S) ☆対語 pon ポン 小さい、 少ない。 ☆参考 kiyanne キヤンネ 年上である。 {E: to be, become big, large, many.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
poro maciya
ポロ マチヤ 【名】[大きい・市街地] 大都会、 大都市。 tono patek oka poro maciya oro wa e=apkas hi an yak ku=nu ruwe ne トノ パテㇰ オカ ポロ マチヤ オロ ワ エアㇷ゚カシ アン ヤㇰ クヌ ルウェ ネ あなたが和人の方々ばかりが住む大都会から旅して来たのだと私は聞いた。(NZ挨拶) {E: a capital, major city.} (出典:田村、方言:沙流)
poronno
ポロンノ 【副】[poro-no 大きい/多い・(副詞形成)] たくさん。 kina haru poronno a=kar キナ ハル ポロンノ アカㇻ 私は野菜をたくさんとった(収穫した)。 yam poronno oka ヤㇺ ポロンノ オカ 栗がたくさんある。 poronno =itak yakka wen ポロンノ クイタㇰ ヤッカ ウェン 私がたくさんしゃべってもよくない。(S) utari poronno oka ウタリ ポロンノ オカ 親戚がたくさんある。(S) eytasa poronno a=kar wa oraun ku=kor wa k=apkas ayne ku=yakyaku wa isam エイタサ ポロンノ アカㇻ ワ オラウン クコㇿ ワ カㇷ゚カㇱ アイネ クヤㇰヤク ワ イサㇺ (おにぎりを)あまりたくさんつくってくれて、 私はそれを持って歩いているうちにつぶしてしまった。(S) ☆参考 形の上では porono ポロノ の強調形だが、 porono ポロノ はサダモさんがときどき用いたのみで、 他はいつも poronno ポロンノ が用いられていた。 ☆対語 ponno ポンノ 少し。 ☆参考 inneno インネノ (人が)大勢で、 inne インネ 大勢である。 {E: big; large; many; a lot of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pósak
ポサㇰ 【自動】[po-sak 子・を持っていない] 子どもがいない。 pósak kur ポサㇰ クㇽ 子どものいない人。 ☆参考 ukoposak ウコポサㇰ 夫婦の間に子どもがいない。 {E: to be childless.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
poysoya-kamuy
ポイソヤカムイ 【名】[pon-soya-kamuy 小さい・ハチ・神][動物] ミツバチ。 poysoya-kamuy suy kapocá nonno ka pokusó nonno ka suy kotuk wa oka, tópen uske uyna rusuy kusu he ポイソヤカムイ スイ カポチャ ノンノ カ ポクソ ノンノ カ スイ コトゥㇰ ワ オカ、 トペン ウㇱケ ウイナ ルスイ クス ヘ ミツバチがまたカボチャの花やクローバーの花にまた止まっている、 甘いところ(蜜)がほしいからか。(S) ☆参考 利口なもんだ、 神のうちに入る、 葬式の日には頭に白い鉢巻をして悔やみに来る。(S)〔知分類 p.87 póy-soyay ((ホロベツ))小形のハチ〕 {E: a honeybee.} (出典:田村、方言:沙流)
punpa
プンパ 【他動】[複](単は puni プニ) ①(二つ以上)を持ち上げる。 ② ☞eyaykosnekur punpa エヤイリキクㇽ プンパ erurikikur punpa エルリキクㇽ プンパ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pusa
プサ 【名】[概/所][< 日本語 ふさ(房)] 房かざり(刀のさやの)。 ☆参考 日本語の「房」の形状はしていない。 三角や四角の布のかざりが下げて(つけて)あるもので、 刀の房かざりは、 四角い布にししゅうし、 つり紐の両すそにつけてある。 ukopusakur/suypa kane ウコプサクㇽ/スイパ カネ [雅] 宝刀のつり紐のすそから下がっている房かざりがいっせいにゆれている。(Sユーカラ) ☆参考 糸、 紐やくさりで下げられた小さな玉やサイコロの形などの飾りは tumsi トゥㇺシ。 {E: a tassel on a sword etc.} (出典:田村、方言:沙流)
puspuske
プㇱプㇱケ 【自動】[puspus-ke (擬態の語根の重複)・自動詞形成] ふくらむ(干した布団が、 腹が) ku=honi puspuske クホニ プㇱプㇱケ おなかが張った(ガスがたまって)。 {E: to swell (up).} (出典:田村、方言:沙流)
pustura
プㇱトゥラ 【自動】[pus-tura 穂・を伴う] 穂がついている(米、 稗、 麦、 粟等)。 pustura siyamam プㇱトゥラ シヤマㇺ 穂のままの米。(S) ☆参考 nonkitura ノンキトゥラ もみのままである、 murkur ムㇽクㇽ 精白してない。 pirkep ピㇼケㇷ゚ 精白したもの。 {E: to be in ear, come into ear (cereals).} (出典:田村、方言:沙流)
pututke
プトゥッケ 【自動】[put-ut-ke (擬音擬態の語根)・(重複)・(自動詞形成)] 立て続けにプップッととびだす/吹き出す。 a=tuyé akus ossikeop pututke アトゥイェ アクㇱ オッシケオㇷ゚ プトゥッケ (「盲腸」の手術かなにかで)(腹を)切ったら臓物がとびだした。(S) {E: to spill out.} (出典:田村、方言:沙流)
puyarmaka
プヤㇻマカ 【自動】[puyar-maka 窓・を開く](=puyar maka プヤㇻ マカ)窓を開ける。 ku=puyarmaka na puyar kari ahupte クプヤㇻマカ ナ プヤㇻ カリ アフㇷ゚テ (私が)窓をあけるから窓から入れなさい。(W) ☆参考 このような文脈がなくて、 ただ窓をあけることを言うには puyar maka プヤㇻ マカ、 puyar ku=maka プヤㇻ クマカ のように、 二語で言う。(W) (出典:田村、方言:沙流)
puyarseske
プヤㇻセㇱケ 【自動】[puyar-seske 窓・をふさぐ](=puyar seske プヤㇻ セㇱケ)窓をしめる。 ku=puyarseske クプヤㇻセㇱケ 私は窓をしめる。 ☆参考 特別の文脈がないとへん。 puyar ku=seske プヤㇻ クセㇱケ のほうが言いやすい。(W) (出典:田村、方言:沙流)
ra 2
ラ 【名】[概/所][植物](草の)葉、 (蔓草の場合は)出始めの短い蔓。 turep ra トゥレㇷ゚ ラ ウバユリ(「ウバイロ」)の葉。 (=turep ham トゥレㇷ゚ ハㇺ) mukekas ra ムケカㇱ ラ ツリガネニンジン(?)の出始めの蔓/葉。 ikema ra イケマ ラ イケマの出始めの蔓/葉。 kosa ra コサ ラ 「フジ」の出始めの蔓/葉。 cituyrep ra チトゥイレㇷ゚ ラ カガイモ(?)の出始めの蔓/葉。 pukusa ra プクサ ラ ギョウジャニンニク(「キトピロ」)の葉。 muk ra ムㇰ ラ バアソブ(?)の出始めの蔓/葉。 ☆参考 蔓がのびてからまるようになればもう ra ラ と言わず、 kosa コサ 「フジ」の場合は kosa at コサ アッ [「フジ」・紐]と言い、 他の植物のつるは punkar プンカㇻ と言う。 〔知分類 p.281 地下部を食用とする草本植物の葉〕 {E: a blade of grass.} (出典:田村、方言:沙流)
racici
ラチチ 【他動】[racit-i (たれ下がる意味の語基)・(他動詞形成)](目的語となる名詞概念形のあとについて自動詞をつくる。) …をダラリと下げている。 toan nonno okkew-racici ruwe an hi! トアン ノンノ オッケウラチチ ルウェ アニ! あの花、 首をダランと下げているねえ(しおれて)。(W) kimun kamuy ka sinki p ne kusu parunpe-racici キムン カムイ カ シンキㇷ゚ ネ クス パルンペラチチ 熊も疲れたものだから舌をだらりと出して(下げて)いる。(HK民話) kema-racici ケマラチチ(高いいすに腰かけて)足をブランと下げている。(S) mon-racici モンラチチ(神謡の中で死んだ動物(神)が梁の上から)手(=前足)をダラリと下げている。(HC神謡) ☆参考 独立の他動詞としては未出。 ☆参考 自動詞は racitke ラチッケ ぶら下がる。 ☆参考 ra ラ は《下の方》。 {E: to hang, lower something loosely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rak
ラㇰ 【他動】①…の味がする、 …っぽい、 …のけ(気)がある、 …の味/においがある。 sippo rak シッポ ラㇰ 塩気がある。(S) tópenpe rak トペンペ ラㇰ 砂糖気がある。(S) tópen rak トペン ラㇰ 甘味がある。(S) sum rak スㇺ ラㇰ 油気がある。(S) cep rak チェㇷ゚ ラㇰ 魚くさい(魚の味がついている)。(S) toy rak トイ ラㇰ 土のような味がする(1956年当時の「安いマコロンの味」)。(S) sum rak mame スㇺ ラㇰ マメ 油っこい豆(ピーナッツを指してこう言った。) (S) sippo rak ka somo ki, tópenpe ka rak ka somo ki シッポ ラㇰ カ ソモ キ、 トペンペ カ ラㇰ カ ソモ キ 塩気が全然ない、 砂糖気も全然ない。(S) ku=teke kam húra rak クテケ カㇺ フラ ラㇰ 私の手に肉の匂いがついている。(S) ②…を味わう、 (少し)食べる。 pewre or ta a=kar wa a=e rok pe a=rak wa ペウレ オッタ アカㇻ ワ アエ ロㇰ ペ ア ラㇰ ワ (いただいたおかげで)若いときにつくって食べていたものを(今また)味わうことができて。(NK民話) ③(比喩的に)…の部類に属するもの。 (日本語の「…の端くれ」という言い方を思い起こさせる。) nispa rak pe aynu rak pe a=akíhi ne a p ニㇱパ ラㇰ ペ アイヌ ラㇰ ペ アアキヒ ネ アㇷ゚ 弟は長者であり男であるのに。(NK民話) ☆参考 Aynurakkur アイヌラックㇽ 人間っぽい神、 人間の部類に属する人(神)(人間の始祖となった神の子の呼び名)。(Sユーカラ) {E: ①to have a…flavour, taste, scent. ②to taste, appreciate… ③to belong to the class category of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
raka
ラカ 【名】[概/所] みのり、 収穫。 ku=toyehe raka sak pe ne korka uypehe póka k=úwomare wa ku=inkar クトイェヘ ラカ サㇰ ペ ネ コㇿカ ウイペヘ ポカ クウォマレ ワ クインカㇻ 私の畑、 全然みのってないのだけれど、 せめてくずでも集めてみるよ。(S) ☆参考 「みのりがない」というときに使う。 ☞rakaha ラカハ (出典:田村、方言:沙流)
rákese
ラケセ 【名】[所][ra-kese 蔓の出始めの葉・末端](次のような文脈で)系統。 sucihi ene weysanpekor pe ne akus wen pe rákese ray koyaykus pe ne kus, weysanpekor スチヒ エネ ウェイサンペコㇿ ペ ネ アクㇱ ウェン ペ ラケセ ライ コヤイクㇱ ペ ネ クㇱ、 ウェイサンペコㇿ 彼の祖母があんなに根性の悪い奴だったが、 悪いことの系統が絶えかねたものだから、 (彼は)根性が悪い。(S) ☆参考 子孫の系統のことは sápikir サピキㇼ と言って、 そういう意味の系統には ikir イキㇼ が使われる。 {E: geneology; geneological inheritance.} (出典:田村、方言:沙流)
rakonoye
ラコノイェ 【他動】[ra-ko-noye 羽・で・ねじる](恋歌の中の慣用表現の中で)(鳥が)…を羽で巻きつけながら飛ぶ(=…のまわりをグルグル飛び回る)。 ram cikuni/hapkitayke/ku=rakonoye/ri cikuni/suptomorke/ku=rakonoye ラㇺ チクニ/ハㇷ゚キタイケ/クラコノイェ/リ チクニ/スㇷ゚トモㇿケ/クラコノイェ 低い木はその梢のてっぺんを羽で巻きつけながら飛び、 高い木はその幹のまん中へんのところを羽で巻きつけながら飛ぶ。(KC恋歌) {E:(for a bird) to fly with…wrapped in its wings.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ram 1
ラㇺ 【自動】[ra-m 低い所・(?)]低い(山、 木、 家などが)。 ram cikuni ラㇺ チクニ 低い木。 ram hur ラㇺ フㇽ 低い山。(S) ☆対語 ri リ 高い。 {E: (for a mountain, tree, house etc.) to be low.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ram(u) isamka
ラㇺ/ラム イサㇺカ 【連他動】[(…の)心・をなくさせる] …におせじを言う(「べんこふる」)。 e=ram isamka wa suy ene e=hawean hi nu rusuy kusu hawean hi ne na, iteki etarka hawean エラㇺ イサㇺカ ワ スイ エネ エハウェアニ ヌ ルスイ クス ハウェアニ ネ ナ、 イテキ エタㇻカ ハウェアン (彼は)べんこふって(=さも親しそうにして)あなたの心を探って、 またあなたがどう言うかを聞こうとしてるんだから、 うっかりしたことを言うなよ。(S) {E: to flatter…} (出典:田村、方言:沙流)
ram(u) tuypa
ラㇺ/ラム トゥイパ 【連他動】…をおどかす、 …をびっくりさせる。 arpa ramu tuypa アㇻパ ラム トゥイパ 行って(彼を)おどかしてやりなさい。(S) en=ramu tuypa エンラム トゥイパ 彼が私をおどかした=私はおどかされた。(S) ramu ku=tuypa ラム クトゥイパ 私は(彼を)おどかしてやった。(S) paye=an ramu a=tuypa ro パイェアン ラム アトゥイパ ロ 行って(彼を)おどかしてやろう。(S) ☆参考 複数形の形だが目的語(つまり対象となる人)が一人でもこの形が使われる。 ramu tuye ラム トゥイェ とは言わない。(S) ☆参考 自動詞は単数形がある。 ramutuy ラムトゥイ びっくりする。 {E: to surprise…} (出典:田村、方言:沙流)
ramamke
ラマㇺケ 【自動】[ram-am-ke 低い・(重複)・(自動詞形成)](坂が)ゆるやかだ(「なるい」)。 ramamke hur kari ku=ran ラマㇺケ フㇽ カリ クラン 私はゆるやかな坂道からおりる。(W) {E: to be gently sloping.} (出典:田村、方言:沙流)
raman
ラマン 【自動】[ram-an 心・ある](…だろう/だろうかと)思う。 “ikiya un túnasno e=ek wa” sekor ku=raman 「イキヤ ウン トゥナㇱノ エエㇰ ワ」 セコㇿ クラマン ひょっとするとあなたが早く来るのではないかなと私は思った。(W会話) ☆参考 沙流川下流のワテケさんの言葉。 中流二風谷の二谷国松さんは ramuan ラムアン と言っていた。 ☆参考 …しようと思う、 気の毒だと思うなど、 一般的に「思う」ことを言うには yaynu ヤイヌ が使われる。 {E: to think, believe…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramat
ラマッ 【名】[概](所は ramatu(hu)/ramaci(hi) ラマトゥ(フ)/ラマチ(ヒ)) 魂。 nen póka ne wa ramat kasi a=konítata yakun ネン ポカ ネ ワ ラマッ カシ アコニタタ ヤクン 何とかして魂を押えてもらえば(=命をとりとめさせてもらえば)。(W会話) aynu ramat, ray aynu ramat tama ani kane an tekehe アイヌ ラマッ、 ライ アイヌ ラマッ タマ アニ カネ アン テケヘ 人の魂、 死んだ人の魂の玉を持っている彼の手を。(W民話) pirka isoytak, pirka ramat kor uwepeker ピㇼカ イソイタㇰ、 ピㇼカ ラマッ コㇿ ウウェペケㇾ よい話、 よい魂を持つ民話。(W独話) {E: the soul; the spirit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramatu(hu)
ラマトゥ(フ) 【名】[所](概は ramat ラマッ)(=ramatuhu ラマトゥフ)…の魂。(W) tanpa ne ere pa aep ramatu a=uk kor án=an ruwe ne hi kusu タンパ ネ エレ パ アエㇷ゚ ラマトゥ アウㇰ コㇿ アナン ルウェ ネ ヒ クス 今年で3年(=これまで3年間)私は食べ物の魂を取って(=奪って)いるのだから(飢饉の神が言った言葉)。(W民話) pak kewtumu pirka pak ramatu pirka katkemat oar isam pe e=ne aan ruwe ne パㇰ ケウトゥム ピㇼカ パㇰ ラマトゥ ピㇼカ カッケマッ オアリサㇺ ペ エネ アアン ルウェ ネ あなたがこれほど気性のよい、 これほど魂のよい奥様はいないというほどのすばらしい人だということがわかった。(W民話) ☆参考 1959年、 61年に民話の中で「魂」の意味で使われた。 ☞ramaci ラマチ {E: the soul, spirit of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rameciw
ラメチウ 【他動】[ram-e-ciw 心・そこに・ささる] ☞kurpok(ke) rameciw クㇽポッケ ラメチウ (出典:田村、方言:沙流)
ramkor
ラㇺコㇿ 【自動】[ram-kor 心・を持つ] 死者の親族である。 ramkor kur ラㇺコㇿ クㇽ 死者の親族(一人)。 ramkor utar ラㇺコㇿ ウタㇻ 死者の親族の人々。 sonno ramkor utar ソンノ ラㇺコㇿ ウタㇻ [本当の・死者の親族の・人々]死者の息子、 娘、 兄弟。(S) {E: to be the relatives of a deceased person.} (出典:田村、方言:沙流)
ramositciwre
ラモシッチウレ 【自動】泰然としている、 落ち着いている(「人が何をしていても知らん顔をしている、 地震で皆出ても一人残っている等」)。(S) ramositciwre kur ne kusu etarka eun nísapno itak ka somo ki ラモシッチウレ クㇽ ネ クス エタㇻカ エウン ニサㇷ゚ノ イタㇰ カ ソモ キ 落ち着いた人だからやたらにすぐに口を出さない。(S) {E: to be calm.} (出典:田村、方言:沙流)
ramossi
ラモッシ 【名】[ram-ossi 心・の中] 心の中。 ramossi wano ラモッシ ワノ 心から。 ramossi wano eci=osíknuka ラモッシ ワノ エチオシㇰヌカ 私はあなたが心から好きだ。(S) ramossi wano ku=koyruska ラモッシ ワノ クコイルㇱカ 私は心から彼に憤慨している。(S) {E: within one's heart.} (出典:田村、方言:沙流)
rampokiwen
ランポキウェン 【自動】[ram-poki-wen 心・その下・悪い] 人をかわいそうだと思う、 かわいそうだ。 ku=rampokiwen kusu ku=korar クランポキウェン クス クコラㇻ 私はかわいそうだと思ったから(それを)あげた。(S) ☆参考 rampokwen ランポㇰウェン とも言う。 ☆参考 erampokiwen エランポキウェン [他動]…をかわいそうに思う。 {E: to be sad, feel sorry for someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramu 1
ラム 【他動】[ram-u 心・(他動詞形成)] ①…と思う、 …を思う、 …を考える。 nispa ne kusu kewtumu ka pirka p ne kunak a=ramú a p ニㇱパ ネ クス ケウトゥム カ ピㇼカㇷ゚ ネ クナㇰ アラム アㇷ゚ 長者(富者)だから心もよいものとばかり思っていたが。(W民話) nisatta anakne i=os arpa kuni ramu ニサッタ アナㇰネ イオㇱ アㇻパ クニ ラム 明日は私の行った後から行くつもりでいなさい。(S民話) ②(熟語) eci=ramu a! エチラム ア! (直訳すると)私はあなたを思った=やれやれ困ったやつだ。 ku=ramu humi! クラム フミ! (直訳すると)私は思うなあ=やれやれ困ったやつだ。 ③ ☞ram(u)…ラㇺ/ラム… {E: ①to believe, think (that)… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramukirakirak
ラムキラキラㇰ 【自動】[ramu-kira-kira-k その心・逃げる・(重複)・(自動詞形成)] 気味が悪い。 ku=ramukirakirak wa ku=kira wa k=áhun, =isitoma wa クラムキラキラㇰ ワ クキラ ワ カフン、 クイシトマ ワ (暗くて)気味が悪いので私は逃げて家に入った、 こわくて。 {E: to have a bad feeling.} (出典:田村、方言:沙流)
ramuoka 2
ラムオカ 【自動】[複](単は ramuan ラムアン)(二人以上が)(…と)思う。 a=yuputari mak ramuoka kusu ne ya? アユプタリ マㇰ ラムオカ クス ネ ヤ? 兄たちは何を考えてるのだろうか。(NK民話) ☆参考 沙流川中流二風谷の二谷国松氏の言葉、 この一例のみ。 ☞ramuan ラムアン 2 {E: to think, believe (that)… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramuot
ラムオッ 【自動】[ramu-ot その心・そこにある](次のような文脈で) ku=ramuot humi wen クラムオッ フミ ウェン 気の毒だなあと思う。(S) (出典:田村、方言:沙流)
ramutuy
ラムトゥイ 【自動】[ramu-tuy その心・切れる] びっくりする。 hay:, ku=ramutuy humi! ハイー、 クラムトゥイ フミー! ああびっくりした。(S) ☆参考 他動詞は eramutuy エラムトゥイ …にびっくりする、 ram(u) tuypa ラㇺ/ラム トゥイパ …をびっくりさせる。 {E: to be surprised.} (出典:田村、方言:沙流)
ran
ラン 【自動】[単](複は rap ラㇷ゚)[ra-n 下の方・(動詞形成)] 上から下へ下がる、 下りる、 川の方へ行く、 (空から)降る、 (涙やしずくが)落ちる。 pet or ta ku=sus kus ku=ran ペトッタ クスㇱ クㇱ クラン 私は川へ泳ぎに行く。(S) ☆対語 rikin リキン 下から上へ上る/昇る ☆参考 川上から川下の方へ移動することは san サン、 落ちるべきでないものがまちがって落ちることは hácir ハチㇼ、 急激に落下(墜落)することは turse トゥルセ。 {E: to lower; drop; go down.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ranke 3
ランケ 【副助】…ずつ。 sinep ranke シネㇷ゚ ランケ 一つずつ。 tup ranke トゥㇷ゚ ランケ 二つずつ。 mak pak ranke マㇰ パㇰ ランケ どのくらい/いくつぐらいずつ。 sine kímuy mak pak ranke ku=kar kor pirka? シネ キムイ マㇰ パㇰ ランケ クカㇻ コㇿ ピㇼカ? カヤ一束につきいくらぐらいずつ払えばいいですか。(S) menoko sinep okkayo sinep ranke ne wa oka メノコ シネㇷ゚ オッカヨ シネㇷ゚ ランケ ネ ワ オカ 女一人男一人ずつでいる。(S) a=ewpis no sine ceppo ranke a=e ro アエウピㇱ ノ シネ チェッポ ランケ アエ ロ みんなで魚を一匹ずつ食べよう。(S) {E: each; every.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ranpes
ランペㇱ 【名】[ra-un- pes 下・の・段丘](?) [雅] 海岸の砂浜(otanikor オタニコㇿ)より上の、 坂になっている所が二段になっているときその下の方の斜面。 ranpes kunne/cisiturire ランペㇱ クンネ/チシトゥリレ [雅]海岸の斜面のように長く伸びている(宝器がたくさんあって左右前後上下に並べられ積み重ねられていることを描写する慣用表現)。(Sユーカラ) (NK民話) ☆対語 rikun-pes リクンペㇱ ☆参考 日常語では sawun masar サウン マサㇻ。(S) {E: a sandy beach.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rap 2
ラㇷ゚ 【名】[概](所は rapu(hu) ラプ(フ))[動物] 羽(翼ではなく一本一本の)。 ☆参考 体の羽毛は konkon コンコン、 尾羽は ois オイㇱ、 翼は tekkup テックㇷ゚。 ☆参考 語構成の要素としては ra ラ の形で出ることもある。〔知分類 p.221 rap, -i/-u〕 {E: a feather.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rápok
ラポㇰ 【位名】[概](所は rápoki, rapokke ラポキ、 ラポッケ) ①(多くの場合、 動詞句の後に置かれる。) …している間、 …している途中、 …している時。 rápok ta ラポㇰ タ …している間に。 ipe rápok ta ek kor an イペ ラポㇰ タ エㇰ コラン 食べている最中に彼は来ている(来つつある)。 a=kor híne sóyonpa=an rápok ta ne pon menoko anakne アコㇿ ヒネ ソヨンパアン ラポㇰ タ ネ ポン メノコ アナㇰネ (私がそれを)持って外へ出て行っているときにその娘は…。(W民話) ②(rápok ラポㇰ がついてできた句は、 格助詞を伴わずそのままでも連用語(副詞句)となる。) tókap ne kunak a=ramu rápok sirkunne トカㇷ゚ ネ クナㇰ アラム ラポㇰ シㇼクンネ 昼間だと思っている間に暗くなった。(W会話) hńta kus e=nimara nepki kor oka rápok sinenne e=a wa e=an フンタ クㇱ エニマラ ネㇷ゚キ コロカ ラポㇰ シネンネ エア ワ エアン なぜあなたの連れが働いているのにあなたは一人で座っているんだ。(S) a=yupíhi nína inawcipa kar, rápok asinuma cise onnay wano a=kerkeri アユピヒ ニナ イナウチパ カㇻ、 ラポㇰ アシヌマ チセ オンナイ ワノ アケㇾケリ 兄はたきぎを取って来たり幣場をつくったりしていた、 その間私は家の中から外まで掃除をしていた。(KH民話) ☆参考 概念形 rápok ラポㇰ と所属形 rapoki/rapokke ラポキ/ラポッケ の用法の違いは不明。 {E: ①at the time of doing…; in the middle of doing…; while doing… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rápokke
ラポッケ 【位名】[所](概は rápok ラポㇰ) …している間、 …している時、 その間。 a=kor nispa a=hekótpa híne oka=an rápokke ta ene háwas hi アコン ニㇱパ アヘコッパ ヒネ オカアン ラポッケ タ エネ ハワシ 私の主人と夫婦になって暮らしていた間にこんなうわさが聞こえた。(W民話) e=an rápokke wano irammakaka a=koytakpa エアン ラポッケ ワノ イランマカカ アコイタㇰパ あなたが滞在しているうちから私は彼らにちゃんと立派に話しかけるようにする。(S民話) a=utári ka kokusis yaywennukar=an-pa, rápokke, Sikot un cep asur as アウタリ カ コクシㇱ ヤイウェンヌカㇻアンパ、 ラポッケ、 シコトゥン チェパスラㇱ 村人もみんな共々に苦しんだ、 そうしているうちに、 千歳の方に魚がとれるといううわさが立った。(NK民話) {E: at the time of…; while doing…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rar 1
ラㇻ 【自動】水中にもぐる。 rar wa ya esirpicire wa turano hetuku ラㇻ ワ ヤ エシㇼピチレ ワ トゥラノ ヘトゥク (舟から飛び込んで)もぐって網のひっかかったのをはずして持って浮いて来なさい。(S) {E: to dive into water.} (出典:田村、方言:沙流)
rára
ララ 【他動】(人)を何もできると思わない、 …を何もできない人だと思って見下げる。 ku=maci ku=rara cik クマチ クララ チㇰ 私の妻はなにもできないから(tureptacir トゥレㇷ゚タチㇼ という名の鳥の鳴き声)。 ☆参考 irara イララ 人を軽視して悪いいたずらをする。 {E: to make fun of; mock (B.).} (出典:田村、方言:沙流)
rasmam
ラㇱマㇺ 【自動】低い。 oro wa rasmam ápekor an uske kari ku=hemesu a korka オロ ワ ラㇱマㇺ アペコラン ウㇱケ カリ クヘメス ア コㇿカ (私は)いちばん低いように見えたところから登ったんだけれども…。(S) ☆参考 ram ラㇺ 木や山の低いことを言うのに通常は ram ラㇺ が使われている。 rasmam ラㇱマㇺ の意味・用法の詳細は不明。 {E: to be low; easy to climb.} (出典:田村、方言:沙流)
rataritari
ラタリタリ 【自動】[ra-tari-tari 羽・を上に上げる・(重複)] 羽を上下に動かす、 羽ばたきする。 isokapiw rataritari tekkupi taritari kor, tekkupi kasi ta ay teske wa イソカピウ ラタリタリ テックピ タリタリ コㇿ、 テックピ カシ タ アイ テㇱケ ワ かもめが羽をバタバタさせ、 翼をバタバタさせると、 翼の上で(疫病神の)矢がそれて(当たらない)。 {E: to flap the wings.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
raw
ラウ 【名】水などのもぐって行く中、 深いところ、 沈む底の方。 raw péka ekte ラウ ペカ エㇰテ(人に見られないように)着物の下からくぐらせてこっそりよこしなさい。(W) raw péka apkas cip ekuskonna sipusu kane iki ラウ ペカ アㇷ゚カㇱ チㇷ゚ エクㇱコンナ シプス カネ イキ 水の底を「歩く」(動く)舟(=潜水艦)が突然「ヒョーッと」(スウーッと)浮いてきた。(S) rawomap ラウォマㇷ゚ [raw-oma-p 水底・に置かれる・もの]水底に沈めて魚を獲るやな(簗)。 ☆参考 wor ウォㇿ は水の中。 {E: underwater; the bottom of the water.} (出典:田村、方言:沙流)
rawe
ラウェ 【他動】…を楽しみにしている。 paye=as kuni ci=rawe kor oka=as パイェアㇱ クニ チラウェ コㇿ オカアㇱ 行こうと楽しみにしている。(S) ku=rawe kusu ku=resu p ne akus ene k=épirka siri an hi un クラウェ クス クレスㇷ゚ ネ アクㇱ エネ ケピㇼカ シリアニ ウン 子どもを育てて大きくすれば大事にしてくれるだろうと楽しみにして育てたらとても孝行されてうれしいのよ。(S) {E: to look forward to…; to hope for…} (出典:田村、方言:沙流)
rawke
ラウケ 【位名】[所](概念形 raw ラウ の用例はない。)[raw-ke 深み・の所] ①その深み。 (「心の中」を表すこともある。) ②[熟語] rawke uk ラウケ ウㇰ どうしてよいかわからず内心おもしろくない。 “nen ka hawean=an hi ki rusuy kusu he iki?” sekor ramuan=an rawke a=uk kusu néun ka hawean=an ka somo ki 「ネン カ ハウェアナニ キ ルスイ クス ヘ イキ?」セコㇿ ラムアナン ラウケ アウㇰ クス ネウン カ ハウェアナン カ ソモ キ 「私に何か言ってほしくてそうしているのだろうか」と私は思ったが、 何と言っていいのかわからず腹立たしいので何も言わなかった。(NK民話) {E: ①depth. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rawot
ラウォッ 【自動】[raw-ot 深み・につく]少し沈む。 ku=yaari akus cep oma noyne rawot wa an クヤアリ アクㇱ チェㇷ゚ オマ ノイネ ラウォッ ワ アン 私が網を置いたら魚が入ったらしく少し沈んでいる。(S) {E: to partly, slightly sink.} (出典:田村、方言:沙流)
raye 2
ライェ 【他動】[ray-e 死ぬ・(他動詞形成)] 死なせる、 殺す、 皆殺しにする(?)。 iraye rusuy kus arki wa okay pe イライェ ルスイ クㇱ アㇻキ ワ オカイ ペ みんなを殺そうと来ている者たち。(W言い伝え) ☆参考 「殺す」ことを表すのに通常は rayke ライケ [単]《(一人/一匹)を殺す》、 ronnu ロンヌ [複]《(二人/二頭以上)を殺す》が用いられる。 raye ライェ がこれらとどう違うのか不明である。 この資料では、 「我々を皆殺しにする(ために他地域からやってきた)」という文脈で使われている。 語形は単数形である。 あるいは i=raye イライェ《私たちを殺す》ではなく iraye イライェ《人殺しする》という自動詞か。 {E: to kill…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
raypa
ライパ 【他動】[複](単は raye ライェ) ①(合成語・派生語の中で)(二つ以上を)(ある方向へ)やる、 行かせる、 移動させる。 ② ☞erurikikur raypa エルリキクㇽ ライパ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
re 1
レ 【名】[概/所] ①[概] 名前、 名称(人の名も、 ものの名称も)。 re ka sak レ カ サㇰ 名前がない。 re kor kur レ コㇿ クㇽ 有名な人。(S) ②[所](=réhe レヘ)…の名前、 …の名称。 Ikuresuye sekor a=re an pe ne イクレスイェ セコㇿ アレ アン ペ ネ 私の名前はイクレスイエというのです。(HK民話) {E: ①name. ②the name of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
re 2
レ 【名】[概/所]歯茎。 na re takupi an ナ レ タクピ アン (赤ん坊が)まだ歯茎だけしかない(歯が生えていない)。(S) {E: the gums.} (出典:田村、方言:沙流)
réhe 1
レヘ 【名】[所](概は re レ)…の名前、 …の名称、 彼/彼女の名前。 mak e=rehe an? マㇰ エレヘ アン/e=rehe mak an エレヘ マㇰ アン? あなたの名前は何といいますか。(KM) Kinakoype sekor réhe an utarkorkur キナコイペ セコㇿ レヘ アン ウタㇻコㇿクㇽ キナコイペという名前の村長。(HK民話) a=onáha réhe Kancasuye ne アオナハ レヘ カンチャスイェ ネ 私の父の名前はカンチャスイエです。(HK民話) to or ta patek okay pe réhe marimo ne ト オッタ パテㇰ オカイ ペ レヘ マリモ ネ 湖にばかりあるものの名前(名称)がマリモです。(W会話) réhe a=ye yak pirka レヘ アイェ ヤㇰ ピㇼカ (それの)名前を言えばいい。(S) {E: name of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rek 1
レㇰ 【自動】(鳥などが)鳴く、 (ムックリ(口琴)や笛などが)鳴る。 hoyya pewrep rek haw ホイヤー ペウレㇷ゚ レㇰ ハウ 子熊のなく声。(Sほかウポポ) ku=rekte kusu ne yakka rek ka somo ki クレㇰテ クス ネ ヤッカ レㇰ カ ソモ キ (笛が)私が鳴らそうとしても鳴らない。(S) sayren rek kusu sini=an ro サイレン レㇰ クス シニアン ロ(お昼の)サイレンが鳴ったから休みましょう。(W) {E: (for birds) to sing; the sound of a flute etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
réko
レコ 【他動】[re-ko 名前・(?)] …に名をつける、 …を…と(いう名で)呼ぶ、 …の名を言う。 aynu réko sinre patek oka ruwe ne アイヌ レコ シンレ パテㇰ オカ ルウェ ネ アイヌが名づけた地名ばかりがあるのです。(S言い伝え) semekatki kotan a=reko セメカッキ コタン アレコ 私はとんでもない村の名前を言った。(S民話) páseni sísam or ta a=reko katu aotamo パセニ シサㇺ オッタ アレコ カトゥ アオタモ パセニは日本人のところで名付けるしかたはアオダモ=日本語ではアオダモと言う。(W) kunneywa an kor hecirasa, tókap an kor ukocupke wa hemuymuye wa an nonno sísam or ta a=reko hi asagao sekor a=reko クンネイワ アン コㇿ ヘチラサ、 トカㇷ゚ アン コㇿ ウコチュㇷ゚ケ ワ ヘムイムイェ ワ アン ノンノ シサㇺ オッタ アレコ ヒ アサガオ セコㇿ アレコ 毎日朝になると開き、 昼になるとしぼんでしまう花を日本語ではアサガオと言う。(S) {E: to name, call…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rékore
レコレ 【他動】[re-kore 名前・を…に与える]…に名前をつける。 sípase kamuy/kamuy opoysan/e=ne wa kusu/a=e=rékore hi/ne hi tapan na シパセ カムイ/カムイ オポイサン/エネ ワ クス/アエレコレ ヒ/ネ ヒ タパン ナ [雅]あなたはまことに尊い神の子なのですからそれでその名前をつけられたのですからね。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rekte
レㇰテ 【他動】[自動使役][rek-te 鳴る・させる](口琴、 草笛、 尺八など)を鳴らす。 mukkuri rekte hawe as ムックリ レㇰテ ハウェ アㇱ ムックリ(口琴)を鳴らす音がする。(S) ☆参考 「口にあてて鳴らすものに関して言う。」 (S) {E: to play (a flute etc.)} (出典:田村、方言:沙流)
réne
レネ 【自動】麻痺する、 不随になる。 ku=kurkotunas wa ku=kema ka réne ku=teke ka réne ククㇽコトゥナㇱ ワ クケマ カ レネ クテケ カ レネ 私は中風にかかって(=なって)足もきかない手もきかない。(S) {E: to be paralyzed; numb.} (出典:田村、方言:沙流)
renkayne
レンカイネ 【後副】[renka-y-ne 意図・(挿入音)・として](主格人称接辞をとる。)…の意志によって、 勝手に、 …によって、 …次第で。 kamuy renkayne カムイ レンカイネ 神の思召によって、 神様のおかげで。 ku=renkayne k=ek クレンカイネ ケㇰ 私は勝手に(自分の意志で)来た。(S) e=renkayne iteki iki エレンカイネ イテキ イキ あなたの勝手なことをするな。(S) katu renkayne カトゥ レンカイネ ありようによって、 都合によって。 ciw sinoye katu renkayne チウ シノイェ カトゥ レンカイネ 流れの曲り方に従って=水の流れに従って。 ☆参考 yayrenkayne ヤイレンカイネ 自分のいいように、 自由に。 {E: as one wishes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rennatara
レンナタラ 【自動】[雅] 気が沈む。 tanto anak niskur an wa ne humi he an, ku=katka konna rennatara, nep ku=kar rusuy ka somo ki タント アナㇰ ニㇱクㇽ アン ワ ネ フミ ヘ アン、 クカッカ コンナ レンナタラ、 ネㇷ゚ クカンルスイ カ ソモ キ 今日は曇っているからだろうか、 気が沈んで、 何をする気もしない。(S) {E: to be tired; weak.} (出典:田村、方言:沙流)
repotpe
レポッペ 【名】[rep-ot-pe 沖・に産する・もの] 海産物、 海の幸。 Okikurmi kamuy kor katkemat repotpe eymek kusu kotan epitta imek eapkas オキクㇽミ カムイ コㇿ カッケマッ レポッペ エイメㇰ クス コタン エピッタ イメㇰ エアㇷ゚カㇱ オキクルミ神の奥方が海の幸を配るために村じゅう配って歩いた。(HK民話) {E: seafood.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rerko 2
レㇾコ 【名】(日数の単位、 四日間以上のときに用いる。古い言い方)…日間。 kunne rerko/noiwan rerko/han kakkok kakkok/tókap rerko/noiwan rerko/kakkok cikap/rek kane kor クンネ レㇾコ/ノイワン レㇾコ/ハン カッコク カッコク/トカㇷ゚ レㇾコ/ノイワン レㇾコ/カッコㇰ チカㇷ゚/レㇰ カネ コㇿ 夜も昼も六日六晩カッコウが鳴き続けて。 [雅] (W神謡) henpak rerko ヘンパㇰ レㇾコ 何日間(「はらんばいわるいとき」(憤慨したとき)言う。 henpak to ヘンパㇰ ト は普通に言う)。(S) ☆参考 「一日間」は sine to シネ ト、 「二日間は」 tutko トゥッコ。 ☆参考 月の中の日にちの名称としては to ト《日》を用いて íne to イネ ト《四日》、 henpak to ヘンパㇰ ト《何日》と言う。 日数を表すには、 沙流川下流のワテケさん、サダモさんは rerko レㇾコ と to ト の両方を使い、 ニュアンスの違いがある。 沙流川中流および新しいアイヌ語では、 日にちの名称と日数を区別せず両方とも to ト《日》を使って ine to イネ ト《四日》、 henpak to ヘンパㇰ ト《何日》と言う。 íne rerko イネ レㇾコ 四日間。 {E: a unit for counting days.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
respa
レㇱパ 【他動】[複](単は resu レス)(二人/二匹/二頭以上を)/(二人以上が)…を育てる、 飼う(「あずかう」)。 sinen ku=ne wa ku=respa シネン クネ ワ クレㇱパ 私一人で彼らを皆育てた。(S) epirkakur-respa エピㇼカクㇽレㇱパ[雅]…をよく(大切に)育てる。 {E: to raise, bring up children, animals. (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
retanru
レタンル 【名】[retar-ru 白い・筋] 白髪(しらが)。 retanru kunneru upakte レタンル クンネル ウパㇰテ 白髪と黒髪と半々だ。(S) ☆参考 文脈によって白髪を retarpe レタㇻペ とも言う。 {E: white, grey hair.} (出典:田村、方言:沙流)
retarpas
レタㇻパㇱ 【名】[retar-pas 白い・炭] 炭(またはおき)の形のままの灰。 ☆参考 木が燃えたかすを pas パㇱ、 おき(usat ウサッ)になって消えた炭(消し炭)を kunnepas クンネパㇱ と言う。 さらに燃えて、 形がくずれずに灰になったものが retarpas レタㇻパㇱ と呼ばれ、 それがくずれて粉々になったものが úna ウナ《灰》である。 ☞kunnepas クンネパㇱ、 usat ウサッ {E: ash.} (出典:田村、方言:沙流)
retarsiknum
レタㇻシㇰヌㇺ 【名】[retar-siknum 白い・目玉] 白目。 ☆対語 kunnesiknum クンネシㇰヌㇺ 黒目。 {E: the white of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
rew
レウ 【自動】(鳥が/神が)止まる、 止まっている。 nítek ka ta paskur sinep rew híne ニテㇰ カ タ パㇱクㇽ シネㇷ゚ レウ ヒネ 木の枝の上にカラスが一羽止まって。(W民話) ☆参考 orew オレウ [他動](鳥が)…に止まる。 rewsi レウシ (人が)泊まる。 {E: (for a bird) to stop, settle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ri 1
リ 【自動】高い。 ri cikuni リ チクニ 高い木。 ri nupuri リ ヌプリ 高い山。 na cup ri ナ チュㇷ゚ リ まだ日が高い(まだまだ夕暮れにならない)。 túnasno ri kane uske un kira=an トゥナㇱノ リ カネ ウㇱケ ウン キラアン 早く高いところへ逃げよう(津波のとき)。(S) ☆対語 ram ラㇺ 低い。 ☆参考 山、 木、 家などについて言う。 人の身長のことは keweri ケウェリ《背丈が高い》と言い、 ri リ とは言わない。 {E: to be high.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rikinkamuy
リキンカムイ §291 ジャコウジカ (2) rikin-kamuy (ri-kín-ka-muy)「リきンカムイ」[kun 高所(天国)にいる、kamuy 神]神名⦅白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
rimse
リㇺセ 【自動】[rim-se (擬音・擬態の語根)・…と言う] 踊る。 kuani ka ku=rimse クアニ カ クリㇺセ 私も踊る。(S自作の歌) ☆参考 東部・中部・北部など北海道各地の方言で用いられる。 沙流方言では、 通常は horipi ホリピ [単]/horippa ホリッパ [複] と言うが、 歌や叙事では使われることがある。 この用例で horipi ホリピ を使うと音節数が多すぎてリズムが合わなくなる。 {E: to dance.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rit
リッ 【名】[概](所は rici(hi) リチ(ヒ)) 筋、 すじ。 rit patek ne wa ku=kuykuy ka eaykap リッ パテㇰ ネ ワ ククイクイ カ エアイカㇷ゚ (この肉は)筋ばかりなので(私は)かむことができない。 {E: muscle; sinew.} (出典:田村、方言:沙流)
riyariya
リヤリヤ 【自動/副】[riya-riya 越年する・(重複)] ①[自動]何年もたつ riyariya mame ne wa ci ka koyaykus ruwe un リヤリヤ マメ ネ ワ チ カ コヤイクㇱ ルウェ ウン 何年もたった古い豆だからなかなか煮えないのよ。(S) ②[副]何年も何年も。 ☆参考 人称形は未出。 riyariya oka yan リヤリヤ オカ ヤン 何年でも(そちらに)滞在なさいませ(早く帰って来てほしいときに反語表現で)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
rok 1
ロㇰ 【自動】[複](単は a ア) (二人以上が)座る、 寝ないで起きている。 hetak rok wa ikokanu yan ヘタㇰ ロㇰ ワ イコカヌ ヤン さあみんな座ってよく聴きなさい。(S) a ohor kur patek rok ア オホㇿ クㇽ パテㇰ ロㇰ (直訳すると)座っているのが長い人々だけが座っていた=(早寝の人は寝てしまって)夜ふかしの人々だけがまだ起きていた。(NK民話) ☆参考 いろいろな座り方については ☞a ア 1 {E: to sit; be awake (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rok 2
ロㇰ 【助動】[複](単は a ア) (二人以上が/二つ以上を)以前に…した。 pewre or ta a=kar wa a=e rok pe ペウレ オッタ アカㇻ ワ アエ ロㇰ ペ 若いときにつくって食べていたもの。 a=onáha ene i=respa siri pirka rok pe ne kusu アオナハ エネ イレㇱパ シリ ピㇼカ ロㇰ ペ ネ クス 父が私を育ててくれた育て方が良かったので。(S民話) ine rok pe イネ ロㇰ ペ ☞inerokpe {E: to have done…in the past (pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
rokokáy
ロコカイ 【助動】[複](単は aan アアン)(rok'oka/rokoka ロㇰオカ/ロコカ の、 pa パ/pe ペ が前に置かれたときの形。) onaha kor rokokáy pe kuwa kor wa arki オナハ コン ロコカイ ペ クワ コㇿ ワ アㇻキ (返されてみて)父が持っていたのだとわかったものが(=父の持ち物だったものが)、 利子をつけられて返されて来た。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
roski 1
ロㇱキ 【自動】[複](単は as アㇱ)(二つ以上/二人以上が)立つ、 立ち止まる、 立っている。 roski wa oka ロㇱキ ワ オカ (彼らは)立っている。 cékantoor-soye kane an sunku tup roski híne an チェカントオㇿソイェ カネ アン スンク トゥㇷ゚ ロㇱキ ヒネ アン 天にも届くばかりのエゾマツが二本立っていた。(HC民話)(注 川下のワテケさん、 サダモさんの言い方では as híne an アㇱ ヒネ アン となるところである。)soy wa roski aw wa roski ソイ ワ ロㇱキ アウ ワ ロㇱキ(彼らは)外へ出ては立ち止まり、 家へ入っては立ち止まる(心配でオロオロして出たり入ったりしている様子の描写)。(KK民話) kurukpeciyay roski クルㇰペチヤイ ロㇱキ 霜柱が立つ。(W) (S) {E: to stand (up); stand still.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ru 2
ル 【名】[概](所は ruwe(he) ルウェ(ヘ)) ①跡、 道。 áne ru アネ ル 細い道。 núpe ru o kane ヌペ ル オ カネ 涙の流れた跡がついている。 pet ru ペッ ル 川筋、 川が流れているため低くなっている所。 ru sittok ル シットㇰ 道の曲がり角。 ②[語根](語構成要素として)筋、 髪の毛。 kunneru クンネル 黒い髪の毛。 retanru レタンル 白い髪の毛。 {E: ①a track; a path. ②hair string; hair.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ru 4
ル 【形名】(名詞化辞として)…する/したの…。 k=éteskar a korka nep ek ru ka isam ケテㇱカㇻ ア コㇿカ ネㇷ゚ エㇰ ル カ イサㇺ 私がことづけをやったのになにも(だれも)来ない。(S) paskur ipe ru néno kane an パㇱクㇽ イペ ル ネノ カネ アン カラスがものを食べるのと同じようだ。(S) ru konna ル コンナ [雅] …しているのは…。 poro cise as ru konna mewnatara ポロ チセ アㇱ ル コンナ メウナタラ 大きな家が立っている様子がしっかりと立派で美しい=大きな家が堂々と立っている。 ☞ruwe ルウェ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rúkari
ルカリ 【自動】[ru-kari 便所・を回る] 便所へ行く、 用便に行く。 ☆参考 トイレのことを asinru アシンル(男性用)、 menokoru メノコル(女性用)という。 asin アシン は《出る》、 menoko メノコ は《女》。 ru ル は第一義的には《道》だが、 この場合トイレを言う。 ☆参考 rúkari ルカリ は普通のいい言葉。 yayutek ヤユテㇰ は上品な言葉。 ku=rukari wa k=ek クルカリ ワ ケㇰ《(私は)トイレに行って来ます》の代りに k=arpa tek wa k=ek カㇻパ テㇰ ワ ケㇰ《(私は)ちょっと行って来ます》と婉曲に言うこともある。(W) {E: to go to the toilet.} (出典:田村、方言:沙流)
ruki
ルキ 【他動】[単](複は rukpa ルㇰパ)[ruk-i (飲み込むことを表す語根)・(他動詞形成)] …を飲み込む。 iteki ruki no ohetu イテキ ルキ ノ オヘトゥ 飲み込まないで吐き出しなさい。(S) ☆参考 口の中のものをゴクンと飲み込んで食道/胃へ入れることを言う。 液体を飲むことは ku ク。 {E: to swallow…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rum
ルㇺ 【名】もり先(repa レパ《ツノザメ漁》をする op オㇷ゚《槍、 もり》の先につけるもの、 先は金(かね)でその下には骨がついており、 それが op オㇷ゚ にささっている。 金(かね)は骨にきちんとかぶさっている)。 rum etu/kane ne ruwe ne/kane kursutu/pone ne ruwe ne ルㇺ エトゥ/カネ ネ ルウェ ネ/カネ クㇽストゥ/ポネ ネ ルウェ ネ もり先の先端は金(かね)だ、 金(かね)の根元の部分は骨だ。(S神謡の解説) ☆参考 ワテケさんが歌っている神謡では runum ルヌㇺ といっている。 (出典:田村、方言:沙流)
rumayne
ルマイネ 【自動】[ru-mayne やや・(?)] ①半生でまだ芯がある、 充分やわらかく煮えていない(じゃがいもなど)。 ②(比喩的に)あまり頭がよくない(「半ばかだ」)。 ku=sapa niskur an noyne ku=rumayne hum as クサパ ニㇱクㇽ アン ノイネ クルマイネ フマㇱ 私の頭はくもっているらしく私は「半ばか」のようだ。(S) {E: to be half-raw; half-cooked.} (出典:田村、方言:沙流)
rupaye
ルパイェ 【自動】[ru-pa-ye ただの・口・言う](?) (歌いもの)をふしをつけずに語る。 rupaye ani ye ルパイェ アニ イェ (ふしのある歌い物を)ふしをつけずに語る。 tane pakno anak ku=rupaye ani ku=ye a korka yúkar sinotca ku=koki te wano ki kusu ne タネ パㇰノ アナㇰ クルパイェ アニ クイェ ア コㇿカ ユカㇻ シノッチャ クコキ テ ワノ キ クス ネ いままではふしをつけないで語りましたけれどもユーカラのふしをつけてこれからやります。(S独話) ☆参考 神謡(kamuyukar カムユカㇻ)やユーカラ(yúkar ユカㇻ 英雄叙事詩)等は本来ふしをつけて歌う韻文の口承文学であるが、 これらをふしをつけずに語ることを言う。 ☆対語 sákoye サコイェ/sákekoye サケコイェ [sa(ke)-ko-ye ふし・と共に・言う](神謡)をふしと折り返しをつけて歌う。 sinotca koki シノッチャ コキ ふしをつけてする。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rupnemat
ルㇷ゚ネマッ 【名】[rupne-mat 大粒である・女] 年配の女性、 老女、 ばあちゃん(「ばば」)。 rupnemat utar oka ルㇷ゚ネマッ ウタㇻ オカ 「ばばたちいた。」 (S) ☆参考 rupnekur ルㇷ゚ネクㇽ は《大人》だが、 rupnemat ルㇷ゚ネマッ は年取った女性を言う。 しばしば cáca チャチャ《老翁、 じいちゃん》との対語として使われる。 ekasi エカシ《老紳士、 長老、 おじいさま》、 húci フチ《老婦人、 おばあさま》が敬意を伴った尊称であるのに対し、 cáca チャチャ と rupnemat ルㇷ゚ネマッ には、 そのような敬意のニュアンスはない。 日常会話では rupnemat ルㇷ゚ネマッ よりも húci フチ のほうがよく使われる。 民話には rupnemat ルㇷ゚ネマッ もよく出てくる。 {E: an elderly woman.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rur 1
ルㇽ 【名】[概](所は ruri(hi) ルリ(ヒ))[< rur 2 海水 ] ①汁、 汁気、 だし汁、 ②だし(煮汁の味)、 あく、 塩気。 aoypenima okasaske wa kusu rur ka a=omáre ka somo ki, pe sak noyne oka aep patek a=omáre アオイペニマ オカサㇱケ ワ クス ルㇽ カ アオマレ カ ソモ キ、 ペ サㇰ ノイネ オカ アエㇷ゚ パテㇰ アオマレ 皿は浅いので汁などは入れない、 水気のないような食べ物ばかり入れる。(S) ☆参考 沙流川中流では、 食物としての汁(みそ汁など)もこの語で表すが、 沙流川下流や鵡川では、 それは ohaw オハウ と言い、 rur ルㇽ は、 汁(スープ)の水分の部分やだしを言う。 {E: ①soup; juice; stock. ②a salty, strong taste.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rúrapa
ルラパ 【他動】[複](rúra ルラ は単複の区別なし)(二人以上が)(二つ/二人以上を)…を運ぶ、 持って行く、 連れて行く。 kor wa okay pe opitta rúrapa p ne kusu コㇿ ワ オカイ ペ オピッタ ルラパㇷ゚ ネ クス 持っていたものを全部持って行かれてしまったので。(W民話) {E: to carry, take, lead…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rusesek
ルセセㇰ 【自動】[ru-sesek やや・熱い] やや熱い、 なまぬるい。 rusesek wa ku=ku ka etoranne ルセセㇰ ワ クク カ エトランネ なまぬるくて飲むのがいやだ。(W) rusesek na na namka ルセセㇰ ナ ナ ナㇺカ なまぬるいからもっと冷やしなさい。(W) ☞sések セセㇰ {E: to be slightly hot, warm.} (出典:田村、方言:沙流)
rusittokkay
ルシットッカイ 【自動】[ru-sittok-kay 道・ひじ・折れる] ジグザグに歩く。 rusittokkay=an no apkas=an kunine cikusi a=kar ruwe an ルシットッカイアン ノ アㇷ゚カㇱアン クニネ チクシ アカン ルウェ アン ジグザグに歩くように通り道をつくってあるのだ。(S) {E: to walk in a zigzag manner.} (出典:田村、方言:沙流)
ruska
ルㇱカ 【他動】…を怒る、 …のことで腹を立てる、 …に憤慨する、 …のことがおもしろくない、 …のことで不機嫌になる。 noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルㇱカ クス (彼は)ひたいに大きな穴をあけられたことに憤慨して。(S会話) ene iruska katun ki siri a=ruska エネ イルㇱカ カトゥン キ シリ アルㇱカ (彼が)そんなに不機嫌そうにしていることに私は腹が立った。(W民話) sirunno maskin a=nukár kor a=e=ráyke hi ka a=nuri a=ruska ruwe ne kusu シルンノ マㇱキン アヌカㇻ コㇿ アエライケ ヒ カ アヌクリ アルㇱカ ルウェ ネ クス まさか目の前に見ながらあなたを殺すなんて、 そんな気にもなれないし不愉快だから。(W民話) {E: to get angry at…, over…; fly into a rage over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rusuy
ルスイ 【助動】①…したい、 …したがる。 emina rusuy エミナ ルスイ …を笑いたい=…がおかしい。 k=émina rusuy ayne ku=ye ka koyaykus ケミナ ルスイ アイネ クイェ カ コヤイクㇱ 私は(これが)おかしくておかしくて(それを)言うことができない。(W会話) kor rusuy コンルスイ …を持ちたい=…がほしい。 nep a=e rusuy ka somo ki nep a=kor rusuy ka somo ki ネㇷ゚ アエ ルスイ カ ソモ キ ネㇷ゚ アコン ルスイ カ ソモ キ (私は)何を食べたいとも思わず何をほしいとも思わなかった=何不自由なく暮らしていた。(W民話) (民話で主人公が自叙する中によく出てくる表現。) hi ki rusuy ヒ キ ルスイ …するようにしたい、 …するようになることを望む、 …してほしい。 ci tunas hi ku=ki rusuy チ トゥナシ クキ ルスイ 早く煮えるようにしたい、 早く煮えてほしい。(S) pon katkemat ka ku=mataki amkir hi ku=ki rusuy kusu ポン カッケマッ カ クマタキ アㇺキリ クキ ルスイ クス お嬢さんにも私の妹を覚えて(見知って)もらいたいので。(W会話) ②…しそうである。 omke rusuy オㇺケ ルスイ せき(咳)が出そうだ。(W) tane k=étoranne rusuy humi as タネ ケトランネ ルスイ フミ アㇱ もういやになりそうになった、 なんだかいやになりそうな気がする。(W) ☆参考 é-rusuy エルスイ […を食べる・…したい](食べもの)が好きだ。 ipe-rusuy イペルスイ [ものを食べる・…したい] 空腹だ。 mokor-rusuy モコンルスイ [眠る・…したい] 眠い。 {E: to want to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rutke
ルッケ 【自動】[rut-ke (擬態の語根)・(自動詞形成)] ①ずれて動く、 すべる。 ②脆(もろ)い、 ボロボロくずれてくる。 rutke suma ルッケ スマ もろい石。 rutke pira ルッケ ピラ もろい崖。 a=keré kor rutke uske ne wa a=sitóma アケレ コㇿ ルッケ ウㇱケ ネ ワ アシトマ さわるとボロボロくずれる所だから恐ろしい。(S) ③☞oruitakur-rutke オルイタクㇽルッケ ☆参考 形の上で対応する他動詞は rutu ルトゥ《…を押してずらす》。 したがって rutke ルッケ のもとの意味は、 ずれて動くことだろうから崖などがボロボロくずれることをこの語で言うのは、 表層がずれて動くところをとらえているのであろう。 {E: to be easily broken.} (出典:田村、方言:沙流)
rútom 2
ルトㇺ 【名】[ru-tom 道・の途中] 道の途中。 ku=honi arka wa a=en=montapire wa rútom ta ku=ki wa k=ek クホニ アㇻカ ワ アエンモンタピレ ワ ルトㇺ タ クキ ワ ケㇰ おなかが痛くて急がされて道の途中でして来た。 (出典:田村、方言:沙流)
rutteksam
ルッテㇰサㇺ 【位名】[rur-teksam 海水・の横] 海端、 波打ち際のすぐ上。 陸地の端の海岸線沿いの所。 rutteksam kus ルッテㇰサㇺ クㇱ 海岸線沿いの所を通る=海岸に沿って進む(=rutteksamkor ルッテㇰサㇺコㇿ)。 {E: the edge of the shore.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rutteksamkor
ルッテㇰサㇺコㇿ 【自動】海端を通る。 ☆参考 rutteksam kus ルッテㇰサㇺ クㇱ とも言う。 {E: to pass along the shoreline???} (出典:田村、方言:沙流)
ruwe 1
ルウェ 【自動】太い。 ruwe cikuni ルウェ チクニ 太い木。 e=kema ruwe ruwe! エケマ ルウェ ルウェ! あんたの足太いねえ。(KM独話) ☆参考 人が太っていることは通常は mímus ミムㇱ と言う。 悪口として、 ものが太いように ruwe ルウェと言うこともある。(S) ☆対語 áne アネ {E: to be fat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruwe 3
ルウェ 【形名】[< ru-e 跡・(所属語尾)](名詞化辞として、 確かなこと、 確認ずみのことだというニュアンスを含む名詞句をつくる。) ①(動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。)…する/した/している/であること、 …したあと、 …した結果、 …したの。 taa a=en=kore ruwe nukar, hápo タア アエンコレ ルウェ ヌカㇻ、 ハポ ほら私がもらったのごらん、 かあさん。(S) ruwe ne ルウェ ネ …する/したのだ/です。 ruwe? ルウェ? …する/したの(ですか)? …なの(ですか)? ruwe! ルウェ! …したなあ! …だなあ! ruwe an! ルウェ アン! …したなあ!…だなあ! ruwe an? ルウェ アン? …する/した(のです)か? …する/したの? (多くの場合、 疑問詞を持つ疑問文に用いられる)。 ruwe he an? ルウェ ヘ アン? …する/したのか? …する/したの? (疑問詞のない、 当否を問う疑問文で。 ruwe? ルウェ? だけでも疑問文になるが、 he an ヘ アン をつけるともっと強い疑問になる。) e=eraman ruwe he an? エエラマン ルウェ ヘ アン? いったい君はわかっているのかい(わかっていないんじゃないか)。 eci=mokór wa eci=oká ruwe he an? エチモコㇿ ワ エチオカ ルウェ ヘ アン? いったいあなたたちは眠っているのか(しっかりしなきゃだめじゃないか)。(S独話) ruwe somo he an? ルウェ ソモ ヘ アン? …する/したのではないか。 ruwe tapan ルウェ タパン …する/したのであります、 …する/…したのでございます。 ruwe un ルウェ ウン (返事として)ええ、 …する/したのだよ、 そうですよ。 kuni ku=ramu kor k=ek ruwe un クニ クラム コㇿ ケㇰ ルウェ ウン ええ、 (私は)そう思いながら来たのよ。(S会話) ②(文頭に置かれ、 その前に言われたことがらを受けてその全体を名詞化する。) ruwe ene an hi ルウェ エネ アニ そのことはつまりこういうことだ。 ③(動詞に終わっている文の後ばかりとは限らない。 前の文と統語関係が切れている場合もある。) ruwe un ルウェ ウン (肯定の返事として間投詞のように) そうする/したのだよ、 そうだよ。 “…a=ye hawe tapan na” “e, ruwe un“ 「アイェ ハウェ タパン ナ」「エー、 ルウェ ウン」 「…ということを私は言いましたよ。」「ええ、 そのとおりです。」 (W-S会話) ☆参考 後に -he ヘ はつかない(ruwehe とはならない)。 ☆参考 場合によって ru ル の形が使われる。 ☞ru ル ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 hawe ハウェ(話された言葉および声に関することに用いられる)、 humi フミ(音や感覚、 感じに関することに用いられる。 ただし視覚以外)、 siri シリ(目の前に見えている様子に関することに用いられる)。 {E: to do; did; in the process of doing; the out come, result of having done…; did… (to be placed in front of a sentence or phrase to make what was previously said into a noun form; it doesn't necessarily always come after a verb ending.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruwekaricup
ルウェカリチュㇷ゚ 【名】[ru-w-ekari-cup 通り道・(挿入音)・を先回りする・月][古](月の名)11月。 yukkesanpa=an wa kusu ruwekari-cup sekor a=ye ユッケサンパアン マ クス ルウェカリチュㇷ゚ セコライェ 鹿追いをするからルウェカリチュプ《先回りする月》と言う(雪もあまり「おっきくなく」(たくさん積もらず)草もじゃましないので nayetok ナイェトㇰ《沢の水源地》に行って前からつかまえる)。(W) ☆参考 ruekaricup ルエカリチュㇷ゚ とも言う。(W) (出典:田村、方言:沙流)
ruy 1
ルイ 【自動/助動】①[自動]激しい。 réra ruy レラ ルイ 風が激しい。 hawe(he) ruy ハウェ(ヘ) ルイ 声が大きい、 大声で言う。 ruri ruy ルリ ルイ あくが強い、 だしがきつすぎる。 ataye ruy アタイェ ルイ(値段が)高い。 ②[助動]…するのが激しい、 ひどく…する。 ye ruy イェ ルイ 激しく言う、 しつこく言う。 eytasa ratki ruy wa osirkaociw wa ku=suye ka eaykap エイタサ ラッキ ルイ ワ オシㇼカオチウ ワ クスイェ カ エアイカㇷ゚ (ぶらんこが)あまりたれ下がりすぎて下につかえてゆらすことができない。(S) ☆対語 hawke ハウケ(声が)小さい、 (値段が)安い。 {E: ①to be violent; severe; strong; hard. ②to do…is severe, violent, etc.; to do…cruely, harshly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruyanpe
ルヤンペ 【名】[ruy-an-pe 激しい・ある・もの] ①嵐。 ruyanpe as ルヤンペ アㇱ 嵐になる/嵐である(「しける」)。 ruyanpe as yakka apto as yakka ルヤンペ アㇱ ヤッカ アㇷ゚ト アㇱ ヤッカ 嵐が吹いても雨が降っても(運動会はやるそうだ)。(W) ruyanpe ruy ルヤンペ ルイ 嵐が激しい(「しける」)。 upas ruyanpe ウパㇱ ルヤンペ 雪嵐=吹雪。 ②雨。 tanto ruyanpe an noyne síran タント ルヤンペ アン ノイネ シラン 今日は天気が悪い、 雨が降りそうだ。(W)(注 「もう降っているときは apto as kor an アㇷ゚ト アㇱ コラン、 降りそうだというときは ruyanpe an noyne ルヤンペ アン ノイネ と言う。(W))ranke núpe/ruyanpe kunne/i=kurkasike/ciorankekar ランケ ヌペ/ルヤンペ クンネ/イクㇽカシケ/チオランケカㇻ(鳥の姿になって飛んでいる夫が)落とす涙が雨のように私の上に降ってきた。(W神謡)(注 同じワテケさんが語った別の神謡では、 同様の場面で ruyaptosane ルヤㇷ゚トサネ と言っている。) ☆参考 地方によっては雨が降ることを ruyanpe as ルヤンペ アㇱ と言うが、 沙流地方の日常語ではただ雨が降るのは apto as アㇷ゚ト アㇱ と言い、 ruyanpe as ルヤンペ アㇱ は嵐やしけや吹雪のことを言う。 しかし ②の用例のように、 状況・文脈によって、 雨を ruyanpe ルヤンペ と言う場合もある。 {E: a storm.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruyaptosane
ルヤㇷ゚トサネ 【副】[ruy-apto-sa-ne 激しい・雨・(?)・のように][雅] 土砂降りの雨のように。 ranke núpe/ruyaptosane/i=kurkasi/córankekar ランケ ヌペ/ルヤㇷ゚トサネ/イクㇽカシ/チョランケカㇻ 落とす涙が土砂降りの雨のように私の上に落ちて来た。(W神謡語り)(注 人間の姿から鳥の姿になって天へ帰って行く神が別れを惜しむ様子の描写、 民話にもよく出てくる場面である。) ☆参考 同じワテケさんが歌った別の神謡で ruyanpe kunne ルヤンペ クンネ と言っている。 {E: to rain heavily.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruyka 2
ルイカ 【名】[< ru-ika 道・を越えて近道する] 橋。 ruyka ka kus ルイカ カ クㇱ [橋・の上・を通る]橋を渡る。 ☆参考 帯広や旭川以北等では u と i が入れ替わって riwka リウカ と言い、 宗谷では rewka レウカ と言う。 {E: a bridge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruyno
ルイノ 【副】[ruy-no 激しい・(副詞形成)] 激しく、 ひどく、 うんと。 ruyno kursutu péka tuye wa horakte ルイノ クㇽストゥ ペカ トゥイェ ワ ホラㇰテ ずうっと一番根元から切って倒しなさい。 ruyno yaypopkere wa ora hotke ルイノ ヤイポㇷ゚ケレ ワ オラ ホッケ 充分暖まってから寝なさい。(S) ruyno suppa ukoyuppa wa sina ルイノ スッパ ウコユッパ ワ シナ うんときつく締めてしばりなさい。(S) ☆発音 強調すると ruyiːno ルイーノ と発音される。 ☞ruy ルイ {E: violently; extremely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sakanram
サカンラㇺ 【名】[概](所は sakanrami(hi) サカンラミ(ヒ))[sakan-ram (?)・心] 短気、 激しい気性。 kimunkamuy sakanram a=koysitoma キムンカムイ サカンラㇺ アコイシトマ 熊の気性が恐ろしい。(S) sake-sakanram/iku-sakanram サケサカンラㇺ/イクサカンラㇺ 激しい酒ぐせ。 {E: short-tempered; irritability.} (出典:田村、方言:沙流)
sake-sakanram
サケサカンラㇺ 【名】[概](所は sakesakanrami サケサカンラミ)[sake-sakanram 酒・激しい気性](=iku-sakanram イクサカンラㇺ)激しい酒ぐせ(酒を飲むと酔っぱらって怒って騒いだりあばれたりする)。 {E: drunken behaviour.} (出典:田村、方言:沙流)
sakhorak
サㇰホラㇰ 【自動】[sak-horak 夏・倒れる](樹木が)夏に倒れる。 sakhorak hamkur cikuni ne kusu hamuhu ka sat ni ka sat wa an サㇰホラㇰ ハㇺクㇽ チクニ ネ クス ハムフ カ サッ ニ カ サッ ワ アン 夏に倒れた葉のついた木だから葉も乾き木も乾いていた。(HC民話) {E: (for trees) to fall down in summer.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sam 1
サㇺ 【位名】[概](所は sama サマ、 samake(he) サマケ(ヘ)) …のそば。 i=sam kus hi ta イサㇺ クシタ 私のそばを通ったときに。(HK民話) to sam ta kor wa ran wa ト サㇺ タ コㇿ ワ ラン マ (それを)沼のほとりに持って行って (W民謡) ape sam アペ サㇺ (=apesam アペサㇺ)火のそば、 炉端。 ヤㇻペサモマㇷ゚ [yarpe-sam-oma-p ぼろ・のそば・にいる・もの] おしめにくるまった赤ん坊。 {E: near…; beside…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sam 2
サㇺ 【位名語根】(名詞/位置名詞の後に接尾辞のようについて) ①…の方、 …の側。 símoysam シモイサㇺ[s知on-sam 右の・側](…の)右側。 teksam テㇰサㇺ [tek-sam 手・のそば]…の横。 ②[雅](ユーカラ yúkar ユカㇻ《英雄叙事詩、 ユーカラ》)の中や雅語的慣用句などの中で、 多くの場合、 位置名詞の概念形の後に置かれて、 音節数を整える。 これといった積極的な意味はなさそうであるが、 場所に関する表現の中に多く出てくる。 詳細は不明。 語構成または語源の表示の中では(< …のそば)と書いておく。)kamuy kosonte/a=sirkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクㇽカサㇺ/エオピラサ 私は立派な小袖を自分の体の上に広げて合わせてみた。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
sama 1
サマ 【位名語根】[所](概は sam サㇺ)…のそば、 そのそば。 sama ta a サマ タ ア その/彼のそばに座る。 sama un arpa サマ ウン アㇻパ その/彼のそばへ行く。 apeop sama ta an pe アペオㇷ゚ サマ タ アン ペ 火鉢のそばにあるもの。(S) cócireni sama ta ku=nina wa an na se wa ek チョチレニ サマ タ クニナ ワ アン ナ セ ワ エㇰ 根回しした木のそばにまきとりしてあるから背負って来なさい。(S)sama oma サマ オマ {E: near…; beside…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
san 1
サン 【自動】[単](複は sap サㇷ゚)[sa-n 前(奥の反対)・へ行く(移動の動詞を形成)] ①(川下方向へ)行く/来る、 (水が)流れる、 (魚が)下る、 (浜へ)出る。 pis ta san ピㇱ タ サン 浜に出る。 kesto an kor arpa=an sán=an ruwehe ケㇱト アン コㇿ アㇻパアン サナン ルウェヘ 毎日毎日(山の方へ)行ったり(山の方から町の方へ帰って)来たりしてついた道。(S民話) ②火(いろり)の方(sa サ)へ行く。 sá ta san サ タ サン 火のそばに行く。(S) sá ta sap wa apekuran サ タ サㇷ゚ ワ アペクラン 火のそばに行ってあたりなさい。(S) ☆参考 山手/川上の方から海手/川下の方へ移動することを言う。川下の方から川上の方へ向かう移動や横の移動には arpa アㇻパ [単]/paye パイェ [複]《行く》や ek エㇰ [単]/arki アㇻキ [複]《来る》が使えるが、 川上の方から川下の方への移動にはそれらの語は使われず、 たとえ隣りの家に行くときでもこの san サン[単]/sap サㇷ゚ [複]が使われる。 ☆参考 家の中で、 いろりは海や沼になぞらえられ、 奥の方(壁際の方)は山手に、 いろりばたの方は海手に、 またいろりの中では中央の方は沖に、 炉ぶちの所は岸になぞらえた言い方で表現される。 {E: ①to go downstream, upstream; (for water) to flow; (for fish) to go downstream; to go onto a beach; go from the inside of a house towards the hearth. ② to go to, towards a fireplace.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sánasanke
サナサンケ 【他動】[単](複は sánasapte サナサㇷ゚テ)[sa-na-sanke 前・の方へ・…を出す[単]]…を(中から)出す。 káne kuwa/cinoye kuwa/sánasanke/kamuy tamasay/sánasanke カネ クワ/チノイェ クワ/サナサンケ/カムイ タマサイ/サナサンケ [雅] (姉は)金(かね)のねじれ杖を取り出し、 立派な玉の首かざりを取り出した。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sánasapte
サナサㇷ゚テ 【他動】[複](単は sánasanke サナサンケ)[sa-na-sapte 前・の方へ・…を出す(複)]…を(中から)出す。 kamuy kosonte/sánasanke/cinoye kuwa/káne kuwa/sánasapte カムイ コソンテ/サナサンケ/チノイェ クワ/カネ クワ/サナサㇷ゚テ [雅]立派な小袖を出してきた。 ねじれた杖、 金(かね)の杖を出してきた。(Sユーカラ) ☆参考 ユーカラだから一個のものでも複数形で言っている。 ユーカラでも、 同じ用例の中にもあるように、 単数形で言うこともある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sani
サニ 【名】[所](概は san サン)[san-i 出る/出たもの・(所属語尾)]…の子、 …の子孫。 wenpe sani ウェンペ サニ 貧乏人の子(悪口、 ののしり)。 wenkur sani ウェンクㇽ サニ 貧乏人の子(悪口、 ののしり)。 nispa sani utarpa sani ne kusu pirka siri ニㇱパ サニ ウタㇻパ サニ ネ クス ピㇼカ シリ 偉人の子孫えらい人々の子孫だから栄えるのだ。 (「普通の話言葉ではない。」) (S) ☆参考 大勢の場合は san サン の複数形の sap サㇷ゚ が使われて、 sapi サピ となる。 sani サニ も sapi サピ も、 後に hi ヒ のついた形の例は出ていない。 ☆参考 悪口、 ののしりには sani サニ の代りに taype タイペ、 uype ウイペ も使われる。 ☆参考 sápikir サピキㇼ 子孫の系統、 子孫の総称。 sasini サシニ[雅](神の)子、 世継ぎ。 {E: a child, descendant of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sankeekasi
サンケエカシ §014.祖父(4)sanke-ekasi〔sáng-ke-e-ka-ši さンケエカシ〕⦅ビロオ⦆祖父。[sanke(ma-kun「奥の」、「山手の」に対して「炉端の」、「浜手の」の意)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sannanu
サンナヌ 【名】[所](概の例はない。 nanu ナヌ の概は nan ナン)[san-nanu 前の・顔[所]](?) [雅]顔。 kamuy sannanu カムイ サンナヌ …の神々しい顔。 kamuy sannanu/hetuku cup ne/iyenucupki/ciwre kane カムイ サンナヌ/ヘトゥク チュㇷ゚ ネ/イイェヌチュㇷ゚キ/チウレ カネ [雅](その女神の)神々しい顔にはさしのぼる朝日のように日の光がさしている。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sannitpo
サンニッポ §017.孫(9)san-nitpo〔sán-nit-po さンニッポ〕⦅ホロべツ、ハギノ⦆①ひまご;曾孫。ku-〜「私のひまご」⦅ハギノ⦆。②子孫。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sanpe
サンペ 【名】[概/所](所は sanpehe サンペヘ とも) [san-pe 出る・もの] 心臓(自分の胸のあたりの内部を外から感じていうとき胃やその付近をさすことがしばしばある。 「気分が良い、 悪い」などの「気分」に当たる用法もある)。 sanpe arka サンペ アㇻカ 胃が痛い、 気持ちが悪い。 níham úsey ka eytasa uwenupur kor nani ku=sanpe arka na paknoka en=kure ニハㇺ ウセイ カ エイタサ ウウェヌプㇽ コㇿ ナニ クサンペ アㇻカ ナ パㇰノカ エンクレ 木の葉の湯(=お茶)があまり濃いと私はすぐに気持ちが悪く(胃の具合が悪く)なるからもう飲ませないで下さい。(S) sanpe pirka サンペ ピㇼカ 気だてがいい(「根性がいい」)。 sanpe wen サンペ ウェン 気持ちがふさぐ、 うれしくない。 ku=sanpe ka wen kane a=utári k=ésikarun クサンペ カ ウェン カネ アウタリ ケシカルン 私は気持ちもふさぐほどに身内の人に会いたい。(S) weysanpekor ウェイサンペコㇿ [wen-sanpe-kor 悪い・気だて・を持つ] 根性が悪い。 {E: the heart.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sanpe-mawmawke
サンペマウマウケ 【自動】[sanpe-mawmaw-ke 気分・(擬態の語根の重複)・(自動詞形成)]気分が悪くなる。 aː, ku=sinki humi! tanto anakne ku=sanpe-mawmawke kane ku=sinki アー、 クシンキ フミー! タント アナㇰネ クサンペマウマウケ カネ クシンキ ああ疲れたなあ、 今日は気分が悪くなるほど疲れた。(S) (出典:田村、方言:沙流)
sápo
サポ 【名】[sa-po 姉・(指小辞)] 姉、 ねえさん、 年上の女きょうだいまたは女のいとこ、 あまり年の違わない女性の年長者。 ku=sapo he! クサポ ヘ! ねえさん、 しばらくねえ、 会えてうれしいわ。(S会話) e=kor sápo ka/nepki somo ki yakne エコㇿ サポ カ/ネㇷ゚キ ソモ キ ヤㇰネ あなたのねえさんが働かなかったら。(S子守歌) iresu sápo イレス サポ 育ての姉、 養姉。(Sユーカラ) (注 ユーカラの主人公は孤児で、 養姉に育てられる。) ☆参考 所属形語尾 -ho ホ はつかない。 一人称単数のみ ku=sapo クサポ《私の姉》と人称形で言う。 他の人称では kor コㇿ《…を持つ》を用いて kor sápo コㇿ サポ《彼/彼女の姉》のように言うが、 それよりも多く sáha サハ が用いられる。 引用文の中の自称では a=kor sápo アコㇿ サポ《私の姉》等のように言う。 ☆参考 sa サ [概]/sáha サハ [所] が冷静客観的な親族関係の表現で、 呼びかけなどには使われないのに対し、 この sápo サポ は、 愛着や近しい感情を伴う表現である。 呼びかけには ku=sapo クサポ が使われる。他人の女性への呼びかけの場合は必ずしも相手が年上とは限らず、 初対面の場合や、 そうでなくても礼儀上尊敬を示すとき、 話し手のほうが年上であっても言うことがある。 高齢の女性には húci フチ《おばあさま》、 中高年には unarpe ウナㇻペ《おばさん》と言い、 やや若い人に ku=sapo クサポ と言うらしい。 ☆対語 yúpo ユポ。 ☞sa サ 1、 saha サハ、 yúpo ユポ。 {E: an older sister; an affectionate term for a young girl.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sapo
サポ §025.姉(2)sapo〔sá-po さポ〕⦅H. S.⦆①肉親の姉。ku-sapo〔ku-sá-po クさポ〕「私の姉」⦅チトセ、サル、シズナイ、サマニ、チロット、メムロ、シラヌカ、アカン、ビホロ、チカブミ、エベオツ、タラントマリ⦆。②妻の姉;兄の妻。③年長の女を血縁の有無にかかわらず言う。i-resu-〜「我を・育てし・姉」「まま姉」⦅ユ研Ⅱ, pp.239, 613⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
Sar 3
サㇻ 【名】[< sar 1葦原] [地名] ①沙流川(川の名)。 ②沙流川流域の地域。 Sar kotan サㇻ コタン 沙流川流域の地域(集落群のあるところ)。 Sar un kur サルン クㇽ 沙流の人、 沙流川流域の地域の人(住む人/出身の人)。 Sar un kur itak サルン クㇽ イタㇰ 沙流の人の言葉、 沙流方言。 ☆参考 北見の斜里川を Pinnesar ピンネサㇻ 男性のサラと言い、 これに対し日高の沙流川を Matnesar マッネサㇻ 女性のサラと言うことがある。 沙流川の昔の名称は Sísirmuka シシㇼムカ と言い、 これが正式の名称であるとも言われる。 {E: place name: ① the Saru River. ② the Saru River basin area.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
saramanto
サラマント 【名】[sara-manto (?)・[< 日本語]窓]天井の煙出しの穴。 ☆参考 神謡やユーカラなどでは rikuysuy リクイスイ [< rikun-suy 上の・窓]と言う。 (出典:田村、方言:沙流)
sat 2
サッ 【自動】広げたように見える。 nociw kur ka sat kane ノチウ クㇽ カ サッ カネ 星がいっぱい広げたように見える。 {E: to appear as if spread out.} (出典:田村、方言:沙流)
sáta
サタ 【位名+格助】(=sa ta サ タ) 前に、 いろりの方に。 sáta sap wa apekuran サタ サㇷ゚ ワ アペクラン 火のそばへ出て火にあたりなさい。 (apekuran アペクラン apekur yan アペクㇽ ヤン が続けて発音された形) (S) ☆対語 mak ta マㇰ タ {E: before, in front of, near a fire.} (出典:田村、方言:沙流)
sáta-irwaki(hi)
サタイㇼワキ(ヒ) 【名】[所](概は sátairwak サタイㇼワㇰ)…のいとこ。 núman kunneywa téun unarpe sata-irwaki cisesak wa kusu ukuran wano arpa wa ikasuy kor an ヌマン クンネイワ テウン ウナㇻペ サタイㇼワキ チセサㇰ ワ クス ウクラン マノ アㇻパ ワ イカスイ コラン きのうの朝ここの(=この家の)おばさんのいとこが奥さんに亡くなられたので、 おばさんは夕べから行って手伝いをしている。(W) ☆発音 irwaki イㇼワキ の発音は イㇽワキ。 {E: the cousin(s) of…} (出典:田村、方言:沙流)
satnatara
サッナタラ 【自動】[sat-natara (擬態の語根)/乾く・…している(状態を表す接尾辞)](星が)いっぱい広げたように見える。 nociw kur ka satnatara ノチウ クㇽ カ サッナタラ 星影が(=星が)いっぱい広げたように見える。 ☞sat サッ 2 (出典:田村、方言:沙流)
satsat
サッサッ 【自動】[sat-sat 乾く・(重複)](次の表現の中で) rekuci satsat レクチ サッサッ のどが乾く/乾いた。(W)(rekuci sat レクチ サッ とも言う。) ☞sat サッ 1 {E: to be dry (e.g.: to be thirsty).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sawnu
サウヌ 【自動】(帯など体につけるものが)ゆるい。 ku=kuci sawnu na yupu wa en=kore ククチ サウヌ ナ ユプ ワ エンコレ 私の帯がゆるいからしめてちょうだい。(S) ☆対語 yupke ユㇷ゚ケ。 ☆参考 sawre サウレ は《たるんでいる》。 {E: to be loose (as in a belt, sash).} (出典:田村、方言:沙流)
sawnure
サウヌレ 【他動】[自動使役][sawnu-re ゆるくなる・させる](帯など体につけるもの)をゆるめる。 ku=kuci sawnure ククチ サウヌレ 私の帯をゆるめてちょうだい。(S) {E: to loosen…(as in a belt, sash).} (出典:田村、方言:沙流)
sawre
サウレ 【自動】①ゆるんでいる。 ②一生懸命やらない。 ku=sawre hike =iperepa easkay hawe? クサウレ ヒケ クイペレパ エアㇱカイ ハウェ? 私が何もしなかったらみんなに食べさせられない(反語表現)。(S) {E: ① loose ② to not do one's best; not try hard.} (出典:田村、方言:沙流)
sawun
サウン 【連体】[sa-w-un 前の方・(母音連続をさける挿入音)・にある]前の。 sawun-amunin サウンアムニン 前腕、 下膊(ひじと手首の間)。 (=sanke-amunin サンケアムニン) sawun masar サウン マサㇻ 前側の段丘の斜面 (「海岸が前の低い方と後ろの高い方の二段になっているときの前の低い方」)。(S)/海に近い草原。(W) ☆参考 ユーカラの中ではこれを ranpes ランペㇱ と言う。 ☆参考 makun マクン 奥の。(S) {E: the front; the fore.} (出典:田村、方言:沙流)
saysintoko
サイシントコ 【名】[san-sintoko 前に出る・櫃、 容器]大きな酒の容器から小出しにして酒席の上座のいろりの近くに置かれる酒の容器。 ☆参考 それに向き合って座るのが sakesankekur サケサンケクㇽ と sakeiyuskur サケイユㇱクㇽ。(S) ☆参考 沙流川の川下のワテケさんとサダモさんの発音。 中流の人や若い人の発音では、 しばしば sansintoko サンシントコ と言われる。 {E: a sake vessel placed at the seat of honour at a feast.} (出典:田村、方言:沙流)
sekor
セコㇿ 【接/副】[se-kor と言う・…しながら] ①(引用文/引用句を受ける。 多くの場合「言う」「思う」「たずねる」などを意味する語 hawean ハウェアン、 itak イタㇰ、 ye イェ、 yaynu ヤイヌ、 uwepekennu ウウェペケンヌ などへつなぐ。)(母音の後では、 しばしば s の後の e が落ちて …skor …ㇱコㇿ と発音される。) ②(昔話の終わりに用いられて)…とさ。 ③(何かのやり方を説明するのに、 そのしぐさをして見せながら)こういうふうに(二度くり返して言う)。 sekor sekor a=mimáki a=utómosmare hi セコㇿ セコㇿ アミマキ アウトモㇱマレ ヒ こういうふうにこういうふうに歯をぶつけ合わせること(歯をぶつけ合わせて見せながら言っている)。(W会話) sekor an pe セコン ペ このような/そのようなこと/もの。 ④(熟語) …pe/p sekor …ペ/ㇷ゚ セコㇿ …した途端に、 …したときすぐに。 temcaricari=an a p sekor テㇺチャリチャリアナㇷ゚ セコㇿ 手をバタバタした途端に。 sekor ne セコン ネ …と言った/言っているのだ、 …ということだ。 kanna k=ek kusu ne wa sekor ne hawe ne wa カンナ ケㇰ クス ネ ワ セコㇿ ネ ハウェ ネ ワ (私は)また来ますよと言ったのです。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sekoskosne
セコㇱコㇱネ 【自動】[se-kos-kos-ne (?)・(軽いものを表す語根)・(重複)・のようである][sekosne セコㇱネ《意外に軽い》の強調]「かるっこーい」=とても軽い。 poro ápekor an sikehe ne korka sekoskosne ポロ アペコラン シケヘ ネ コㇿカ セコㇱコㇱネ かさばかり大きいみたいな荷物だが「かるっこーい」(=とても軽い) (S) sekoskosne, sóne poro pakno an kuni hekaci he? セコㇱコㇱネ、 ソネ ポロ パㇰノ アン クニ ヘカチ ヘ? 軽いなあ、 本当に大きくなるまで生きている子どもか(寿命のないものではなかろうか)。(S) {E: to be very light (not heavy).} (出典:田村、方言:沙流)
sekosne
セコㇱネ 【自動】[se-kos-ne (?)・(軽いものを表す語根)・のようである]意外に軽い、 ずいぶん軽い。 ku=pirakka eytasa sekosne クピラッカ エイタサ セコㇱネ 私の下駄あんまり軽い。(S) ☆参考 kosne コㇱネ 軽い。 {E: to be unexceptedly light.} (出典:田村、方言:沙流)
semkoraci
セㇺコラチ 【後副】[雅]…のように、 …するように。 tónon sukus/cieomare/semkoraci/cási upsor/enipekoma トノン スクㇱ/チエオマレ/セㇺコラチ/チャシウㇷ゚ソㇿ/エニペコマ [雅]まるで昼の光に照らされているかのように城の中は光り輝いていた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
semokkayoram
セモッカヨラㇺ 【名】[sem-okkayo-ram (否定)・男・(< 心)](次の慣用表現で)男らしくなさ。 semokkayoram a=koré セモッカヨラㇺ アコレ [雅]男らしくないと思われる。 iruska katun/e=ki wa ne kor/semokkayoram/a=e=kóre pe ne na イルㇱカ カトゥン/エキ ワ ネ コㇿ/セモッカヨラㇺ/アエコレ ペ ネ ナ [雅]腹を立てた振舞いをしたならば、 男らしくないと思われますからね。(Sユーカラ) ney ta pakno/cís=an yakun/semokkayoram/a=i=kóre sekor ネイ タ パㇰノ/チサン ヤクン/セモッカヨラㇺ/アイコレ セコㇿ [雅]いつまでも泣いていたならば男らしくないと思われると。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sempir
センピㇼ 【位名】[概](所は sempiri/sempirke センピリ/センピㇼケ) …の陰、 …の後ろにかくれて見えない所、 (人)のいない/聞いていない陰。 cikuni sempir ta ás=an híne án=an チクニ センピリ タ アサン ヒネ アナン 私は木の後ろに隠れて立っていた。(HK民話) {E: behind…; in the shadow of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sempirkasi eyaytursakka
センピㇼカシ エヤイトゥㇽサッカ §033.いいなずけ(許嫁)(13)sempirkasi e-yaytursakka〔sém-pir-ka-ši|e-jáǐ-tur-sak-ka せンピㇼカシ・エやイトゥㇽサッカ〕⦅ホロべツ⦆【雅】許嫁の夫のために身を清く保つ;許嫁の夫のために処女(貞操)を守る。[sempir(陰)+kasi(ka「上」の第3人称形、その上)+-e-(において)+yay(自分に)+tur(垢を)+sak-ka(無から・しめる);‘その人の居ない所で自分の身に垢がつかないようにする'の意]。"ki-yanne-kur, a-poro-turesi, sempirkasi e-yaytarsakka"「兄の方は、私の上の方の妹が、その居ない所で自分の身を清く保っている」(兄の方とは私の上の妹が許嫁の妻になっている)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sempirsama etursakka
センピㇼサマ エトゥㇽサッカ §033.いいなずけ(許嫁)(14)sempirsama e-tursakka〔sém-pir-sa-ma|e-túr-sak-ka せンピㇼサマ・エとぅㇽサッカ〕⦅ホロベツ⦆【雅】許嫁の夫のために身を清く保たせる;許嫁の夫のために処女(貞操)を守らせる。[sempir(陰)+sama(sam「側」の第3人称形、その側)+-e-(において)+tur(垢)+sak-ka(無から・しめる);‘その陰の所で(その人の居ない所で)身を清く保たせる'の義]。"Iyoci-un-kur a-aktonoke sempirsama e-e-tursakka-an wa e-resu-an na"「イヨチびとである我が弟御のためにその居ない所で汝の身を清く保たせつつ汝を我は育てたのである」(汝はイヨチびとの許嫁の妻である)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
senneyaywa
センネヤイワ 【副】本当に、 真実に。 tap opitta tumunci kamuy senneyaywa oriwak uske ne wa kusu sirki hi ne タㇷ゚ オピッタ トゥムンチ カムイ センネヤイワ オリワㇰ ウㇱケ ネ ワ クス シㇼキ ヒ ネ これはすべて鬼神が本当に住んでいたところだから起こったことだ。(W会話) {E: really; truly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sére 1
セレ 【複他動】[他動使役][se-re …を背負う・させる] …に…を背負わせる(荷物を運ばせることを言うときの表現)。 kími eci=ére rusuy kusu hápo en=sere wa k=ek キミ エチエレ ルスイ クス ハポ エイセレ ワ ケㇰ 「トウキビ」(=トウモロコシ)をあなた方に食べさせたくて母が私にそれを背負わせて私が来た=トウモロコシをあげたいからと母に持たされて来ました。(S) {E: to make…carry…on their backs.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
seri(hi)
セリ(ヒ) 【名】[所](概は ser セㇾ)…の布幅、 …の身幅。 ku=mi p seri sep クミㇷ゚ セリ セㇷ゚ 私の着ている着物は身幅が広い。(S) {E: the width of…} (出典:田村、方言:沙流)
sermak(a) us
セㇾマㇰ/セㇾマカ ウㇱ 【連他動】[…の背後・につく]…を陰で守ってあげる(神が人を)。 e=sermaka a=us kusu ne na エセㇾマカ アウㇱ クス ネ ナ 私(神)がおまえを守ってあげるから。(W神謡K) ☆参考 sisermakuste シセㇾマクㇱテ (神)に守護を願う。 (出典:田村、方言:沙流)
seru
セル 【他動】…を吸い込む(息を吸う拍子に口の中へ入って来る)。 wen húra seru ウェン フラ セル 悪い匂いを吸い込む。(S) kikir ku=seru キキㇼ クセル 私は虫を吸い込んだ。(S) níyahurahene seru, asir tursak réra hene seru ニヤフラ ヘネ セル、 アシッ トゥㇽサㇰ レラ ヘネ セル 木の芽の匂いでも吸いなさい、 新鮮なきれいな空気でも吸いなさい。(S) {E: to breathe, suck in…} (出典:田村、方言:沙流)
sések
セセㇰ 【自動】①(ものが)熱い、 熱くなる、 温い、 温まる、 沸(わ)く。 sések sayo セセㇰ サヨ 熱いおかゆ。 sések kaspa wa ku=ku ka eaykap セセㇰ カㇱパ ワ クク カ エアイカㇷ゚ 熱すぎて(私は)飲めない。(S) tonpuri sések na ahupan トンプリ セセㇰ ナ アフパン おふろがわいたから入りなさい(ahupan アフパン は ahup yan アフㇷ゚ ヤン が続けて発音された形)。(W) úsey tane sések ウセイ タネ セセㇰ お湯がもうわいた。 ②(冷たいほうがよいものが)なまぬるい。 wakka keseke sések, kéra wen ワッカ ケセケ セセㇰ、 ケラ ウェン 水の飲み残しはなまぬるくて味が悪い。(S) ③(人が)暑い(暑く感じる)。 ku=sesek koyaywennukar クセセㇰ コヤイウェンヌカㇻ 私は暑くて苦しい。(W) ku=sesek humi! クセセㇰ フミ! 暑いなあ! ☆参考 天候に関して気温が高く暑いことを言うのには、 sir-sések シㇼセセㇰ [完動]が用いられる。 ☆参考 焼けつくようなひどい暑さを言う。 日本語東京方言等で「暑い」と言うような場合でもほどほどの暑さであれば popke ポㇷ゚ケ [自動]/sir-popke シㇼポㇷ゚ケ [完動] が使われる。 ☆参考 nam ナㇺ ぬるい、 冷たい。 meman メマン 涼しい。 mérayke メライケ 寒い。 {E: ① (for things) to be hot; warm; boiled. ② (for someone) to be, feel hot.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sésekka
セセッカ 【他動】[sesek-ka 熱い・(他動詞形成)]…を熱くする、 …を沸かす、 …を温める。 sésekka wa ku セセッカ ワ ク (これを)温めて飲みなさい。(S) ☆対語 namka ナㇺカ さます、 冷やす。 {E: to heat, warm, boil…} (出典:田村、方言:沙流)
seturpeste
セトゥㇽペㇱテ 【他動】[setur-pes-te 背中・に沿って上から下へ行く・させる] …を背中に沿って縦につけて持っている(用例では、 刀を着物の中に入れて背負っている)。 hemanta e=ekar kusu emus e=seturpeste e=seturpeste?! ヘマンタ エエカㇻ クス エムㇱ エセトゥㇽペㇱテ エセトゥㇽペㇱテ?! お前は何をするために刀を背中に入れているのだ。(W言い伝え) {E: to carry…upright on one's back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sewri
セウリ 【名】[概/所]のど(外部すなわち首の前部も、 内部すなわち食道および気管も合わせて言う)。(S) ☆参考 この説明だと rekut レクッ と同義だが、 実際にはのど一般の話では rekut レクッ[概]/rekuci レクチ[所] ばかりが頻繁に使われる。〔知分類 p.123気管〕 {E: the throat.} (出典:田村、方言:沙流)
sewrihi
セウリヒ 【名】[所](概は sewri セウリ)…ののど(外部も内部も)。 sewrihi arka セウリヒ アㇻカ (彼は)のどが痛む(=rekuci arka レクチ アㇻカ)。(S) {E: the throat of…} (出典:田村、方言:沙流)
seyyampe
セイヤンペ §216 ホタテ、エゾギンチャク(エゾキンチャクガイ) (6) sey-yampe (sey-yam-pe)「セイヤンペ」 ⦅白浜⦆ホタテcioipe sei. Cahrakuニスル (出典:知里動物編、方言:)
si- 3
シ- 【接頭】(他動詞および目的語を取る位置名詞などに接頭して、 一つの目的語の代りになる接頭辞の一つ。 目的語を一つ取る他動詞にこれが接頭すると自動詞になり、 目的語を二つ取る複他動詞にこれが接頭すると、 目的語を一つだけ取る他動詞すなわち単他動詞になる。 この種の接頭辞には他に i- イ《人/もの》、 u- ウ《互い》、 yay- ヤイ《自分》がある。) ①自分(を、 に)。 (「…を…する」という意味の他動詞に接頭し、 「…が…なる」という意味の自動詞を形成する。) turi トゥリ …を伸ばす;situri シトゥリ 伸びる。 ②(位置名詞について)自分(その文の主語の人自身)の。 etok エトㇰ …の前方; siyetok シイェトㇰ[si-etok シエトㇰ] 自分の前方。 (たとえば次のような文脈で):siyetok un inkar シイェトㇰ ウン インカㇻ (彼は)彼自身の前方を見る。 siyetok un ku=inkar シエトクン クインカㇻ 私は私自身の前方を見る。 ③(使役/不定使役の接尾辞と組み合わさって) si-…(自動詞)-re/e/te(使役) シ-…-レ/エ/テ ☞別項1、 2、 si-…(他動詞)-yar/ar (不定使役) シ-…-ヤㇻ/アㇻ ☞別項 ☆参考 yay- ヤイ- も《自分自身》を示す再帰の接頭辞だが、 意味・用法に違いがある。 yay- ヤイ は、 それが目的語として接頭している他動詞の主語と同一人物を指すが、 si- シ はそうとは限らず、 多くの場合、 それが接頭している語が含まれている動詞句の(したがってその節/文の)主語と同一の人物を指す。 同じ語に yay- ヤイ、 si- シ の両方がそれぞれ接頭してできた対の語もある。 次の一対の例では、 yay- ヤイ- が意志のある自分を示し、 si- シ- のほうは単に他動詞を自動詞化している。 yaypusu ヤイプス (もぐっていた人が)自分で泳ぐなり何なりして浮いて出る。 sipusu シプス (沈んでいたものが)ひとりでに浮き上がる。(W) しかし、 いつもこれと同じ違いがあるとは限らない。 また yay- ヤイ は、 意味上の制約がないかぎりどんな他動詞にもつくが、 si- シ はそうではない。 その代わり si- シ- はいろいろな位置名詞につくが yay- ヤイ は限られた位置名詞にしかつかない。) (出典:田村、方言:沙流)
sicorpok
シチョㇿポㇰ 【位名】[再帰][si-corpok 自分・下]自分の下。 sicorpok un シチョㇿポクン 自分の下の方へ。 sicorpok un inkar シチョㇿポクン インカㇻ 下を見下ろす。 sicorpok un ku=inkar akusu maciya ka ku=nukar, atuy ka ku=nukar シチョㇿポㇰ ウン クインカㇻ アクス マチヤ カ クヌカㇻ、 アトゥイ カ クヌカㇻ 私は下を見ると町も見える、 海も見える。(S) {E: below oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
sik 1
シㇰ 【自動】満ちる、 いっぱいになる、 満ちている、 いっぱいである。 ku=honi sik クホニ シㇰ 私はおなかがいっぱい(満腹)だ。 toanpe sik somo ki, ponno eohap ne wa トアンペ シㇰ ソモ キ、 ポンノ エオハㇷ゚ ネ ワ [比喩]あいついっぱいでない、 少し足りないんだ(「うすばかだ」)(悪口)。(S)(名詞の後に置かれて) …sik no …シㇰ ノ …いっぱいに。 itanki sik no wakka omare イタンキ シㇰ ノ ワッカ オマレ おわん/茶碗/ゆのみ/コップにいっぱいに水を入れなさい。(S) {E: to be full.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sik 2
シㇰ 【名】[概](所は siki(hi) シキ(ヒ)) 目。 sik ani ka rayke noyne シㇰ アニ カ ライケ ノイネ 目ででも殺すように(にらみつける恐ろしい様子の描写)。(W民話) sik o シㇰ オ 目が開く、 見えるようになる。 sik a=o hi a=eyáykopuntek kusu シㇰ アオ ヒ アエヤイコプンテㇰ クス 私は目が見えるようになったのがうれしくて。(W民話) sik oriyak kane シㇰ オリヤㇰ カネ 目のとどくかぎり(ずうっと向こうまで)。(W民話) ☆参考 網の目は siktu シㇰトゥ。 布地の目は káuturu カウトゥル[所]ざるやござ・むしろの目は kiyuturu キユトゥル[所]。 {E: the eyes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikamare
シカマレ 【自動】[si-kama-re 自分を・またぐ・させる](日にちなどの)間をとばす、 間があく。 sine cup sikamare no nepki kus ek シネ チュㇷ゚ シカマレ ノ ネㇷ゚キ クㇱ エㇰ 一カ月おいて(次の次の月に)働きに来る。(S) tu cup sikamare no ek ranke トゥ チュㇷ゚ シカマレ ノ エㇰ ランケ (彼はいつも)二カ月おきに来る。(S) to sikamare no/sine to sikamare no ト シカマレ ノ/シネ ト シカマレ ノ 一日おいて、 一日おきに。(S) íne to sikamare he ne ya asikne to sikamare he ne ya ku=ye kusu ne イネ ト シカマレ ヘ ネ ヤ アシㇰネ ト シカマレ ヘ ネ ヤ クイェ クス ネ 四日後か五日後に言います。(S) {E: refers to intervals of time eg. every other day; every second month etc.} (出典:田村、方言:沙流)
sikapkap
シカㇷ゚カㇷ゚ 【自動】病身だ、 病弱だ。 sikapkap kor patek an wa a=erámu-ikurkuru hawe tap tapan シカㇷ゚カㇷ゚ コㇿ パテㇰ アン マ アエラムイクㇽクル ハウェ タㇷ゚ タパン(この人は)弱くて病気してばかりいてみんな心配しているのですよ。(S) {E: to have a weak constitution.} (出典:田村、方言:沙流)
sikaye(he)
シカイェ(ヘ) 【名】[所](概は sikay シカイ) …のめくぎ。 ku=kor emus sikaye ku=kar クコㇿ エムㇱ シカイェ クカㇻ 私は私の刀にめくぎを打つ。(S) {E: a rivet, wedge of…} (出典:田村、方言:沙流)
sikenukar
シケヌカㇻ 【他動】[sik-e-nukar 目・で・…を見る][雅]…を見る。 (この用例では)占いして見る。 pon cikisani ne/hetuku katu/sikenukar pe/ne korkayki ポン チキサニ ネ/ヘトゥク カトゥ/シケヌカㇻペ/ネ コㇿカイキ [雅]小さいハルニレの木が生えたのだということを占いして見たのですけれども。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikesanpare
シケサンパレ 【他動】[si-kesanpa-re 自分・を追いかける・させる] …に自分のあとを追いかけさせる。 urametok uwante=an kusu kimunkamuy a=sikésanpare awa ウラメトㇰ ウワンテアン クス キムンカムイ アシケサンパレ アワ (熊と)度胸くらべをするためにおれは熊にあとを追いかけさせていたのに。(HK民話) ☞kes(e) anpa ケㇱ/ケセ アンパ {E: to make…follow after oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikesar
シケサㇻ 【自動】悪事をする(?)。 piske kus pe kimke kus pe koma utaspa sikesar kor okay pe ne ruwe ne ピㇱケ クㇱ ペ キㇺケ クㇱ ペ コマ ウタㇱパ シケサㇻ コㇿ オカイ ペ ネ ルウェ ネ (家の)浜側を通る人も山側を通る人も襲って物を取り、 悪事をしている(?)。(NK民話) ☆発音 sikesara シケサラ かもしれない。 {E: to } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siki(hi) 2
シキ(ヒ) 【名】[所](概は sik シㇰ)…の目。 siki(hi) poro シキ(ヒ) ポロ 目が大きい。 siki hetke ápekor an シキ ヘッケ アペコㇿ アン 目が飛び出すみたいだ。 siki unukar シキ ウヌカㇻ 寄り目だ(目が真ん中へ寄っている)。(S) siki-yupupu シキユププ ☞sikiyupupu シキユププ sikihi iyo シキヒ イヨ 目にごみか何か入る。 ku=siki iyo クシキ イヨ 私の目に何か入った。(S) sikihi karikari シキヒ カリカリ キョロキョロする。 sikihi karikari somo ki シキヒ カリカリ ソモ キ キョロキョロしない(目元が落ち着いている)。(S) a=sikíhi makkosanpa アシキヒ マッコサンパ 急に私の目が見えるようになった。(W民話) sikihi nokan kusu oka ekasi ka an húci ka an シキヒ ノカン クス オカ エカシ カ アン フチ カ アン とても目の小さいおじいさんとおばあさんがいた。(S民話) {E: the eyes of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikirpa
シキㇼパ 【自動】[複](単は sikiru シキル)(二人以上が)(…の方へ)向く、 向きを変える、 (…の方へ)向かう。 a=utáripo sikirpa kuni a=ekáspaotte wa アウタリポ シキㇼパ クニ アエカㇱパオッテ ワ 私は死んだ村人たちにあの世へ行くように命じて。(HK民話) ☆発音 シキㇽパ。 ☆参考 例文では、 先祖の所へ行くことを言っている。 {E: to face, turn towards…(pl.)..} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikirpare
シキㇼパレ 【他動】[自動使役][複](単 sikirure シキルレ は未出)[sikirpa-re (二人以上が)向きを変える・させる](二人以上)を…の方へ向ける/向かわせる。 a=utáripo sikirpa kuni a=ekáspaotte wa a=sikírpare ruwe ne アウタリポ シキㇼパ クニ アエカㇱパオッテ ワ アシキㇼパレ ルウェ ネ 私は死んだ村人たちにあの世へ行くように命じてあの世へ行かせた。(HK民話) ☆参考 用例では、 死んだ村人たちを先祖の所へ行かせたことを言っている。 {E: to make…face, turn towards… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikittare
シキッタレ 【自動】[si-kittare 自分を・(?)] 自分の身を守る。 saksamawe tura a=ecákke p isokapiw ne awa, sikittare kusu apa or ta punkinere ruwe an wa サㇰサマウェ トゥラ アエチャッケㇷ゚ イソカピウ ネ アワ、 シキッタレ クス アパ オッタ プンキネレ ルウェ アン ワ 臭くてきたなくておれの大きらいなアホウドリを、 自分の身を守るために戸口のところに置いて番をさせやがって。(HK民話) ☆参考 sikikkare シキッカレ と同義か。 ☞kik(i) kar キㇰ/キキ カㇻ {E: to protect oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikkasma
シッカㇱマ 【他動】…をしまってちゃんととっておく、 …を保存/保管する。 …oka/okake(he) sikkasma …オカ/オカケ(ヘ) シッカㇱマ …の跡を継ぐ。 tono oka a=sikkasma トノ オカ アシッカㇱマ 私は殿の跡を継ぐ。(S民話) okake a=sikkasma wa páse tono ne án=an kusu ne na オカケ アシッカㇱマ ワ パセ トノ ネ アナン クス ネ ナ 私は(父上の)跡を継いで立派なさむらいになるから。(S民話) {E: to preserve, keep, store…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikmokte
シㇰモㇰテ 【他動】[< sik-mok-te 目・えさで釣る(?)・させる] ちょっと目につく/目に入る。 imok sikmokte ka somo ki イモㇰ シㇰモㇰテ カ ソモ キ えさが目につかない/目に入らない。 ku=sikmokte wa k=e rusuy クシㇰモㇰテ ワ ケ ルスイ 私は(それが)ちょっと目について/目に入って食べたかった。(S) {E: for…to come into view, catch one's eye.} (出典:田村、方言:沙流)
siknu
シㇰヌ 【自動】[sik-nu 目・を持つ] 生きる、 死なずにすむ、 命をとりとめる。 yuptek kur nepki wa ukasuy e hike opitta ohonno siknu p ne na ユㇷ゚テㇰ クン ネㇷ゚キ ワ ウカスイ エ ヒケ オピッタ オホンノ シㇰヌㇷ゚ ネ ナ よく働ける人が働いて助け合って食べていく者が皆長生きするのですよ。(S民話) hetopo horka siknu ヘトポ ホㇿカ シㇰヌ (死にかかっていたその人は)また逆もどりして生きた=いのちを取りとめた。(W会話) tókor kamuy pekanpe haru i=ekasnukar wa kusu a=kotanuhu siknu p ne a kusu トコㇿ カムイ ペカンペ ハル イエカㇱヌカㇻ ワ クス アコタヌフ シㇰヌㇷ゚ ネ ア クス 湖の神が菱(ヒシ)の実を授けてくれたからこそ私たちの村が(=村人みんなが)生きながらえた(飢え死にせずにすんだ)のだったから。(S会話) siknu wa an [単]/siknu wa oka [複] シㇰヌ ワ アン/シㇰヌ ワ オカ 生きている。 {E: to be alive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikoekte
シコエㇰテ 【他動】[si-ko-ek-te 自分・の方に・来る・させる] 自分の所に来させる。 a=kor nispa a=katéomare wa kusu sinotca ani a=sikóekte ka ki ruwe ne wa アコン ニㇱパ アカテオマレ ワ クス シノッチャ アニ アシコエㇰテ カ キ ルウェ ネ ワ 私はあなた様を好きになったので歌を歌って私のところへ来させて。(NK民話) {E: to have…come towards oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikonun
シコヌン 【他動】[si-ko-nun 自分・の方へ・吸う]…を(細い口から)吸う/吸い込む/(スポイトのような細いもので)吸い取る。 a=ewár kor pisene, a=sikónun kor kaptek pe hńta an? アエワㇻ コㇿ ピセネ、 アシコヌン コㇿ カㇷ゚テㇰ ペ フンタ アン? 吹くとふくらみ吸うとペチャンコになるものはなあに(なぞなぞで、 答えは kuyoypise クヨイピセ 熊の膀胱の袋)。(S) ☆対語 ewar エワㇻ 細い口からフッと吹く。 ☆参考 nunnun ヌンヌン (乳など)を吸う。 {E: to suck up, in…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikopayar
シコパヤㇻ 【他動】[si-kopa-yar 自分・…を…とまちがえる・人にさせる] …によく似ている、 まるで…のようだ、 …のふりをする。 cituye mosir sikopayar poro rokuntew チトゥイェ モシㇼ シコパヤㇻ ポロ ロクンテウ まるで離れ島のような大きな客船。(S) husko an pe sikopayar フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ [慣用句]その間に何もしなかったようなふりをしてそ知らぬ顔をしている。(W民話) ahunporu sikopayar pe hemanta an? アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン? あの世の入口の洞穴にそっくりのものはなあに(なぞなぞで、 答えは etupuyke エトゥプイケ 鼻のあな)。(W会話) {E: to resemble…; pretend to be…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
síkore 2
シコレ 【他動】[sik-o-re 目・つく・させる]…を育てる、 (何もわからない赤ん坊)を物がわかるまでにする、 一人前にする。 nen póka ku=kor hekattar ku=sikore yakun ora k=onne yakka pirka ネン ポカ クコㇿ ヘカッタㇻ クシコレ ヤクン オラ コンネ ヤッカ ピㇼカ なんとかして私の子どもたちを一人前にしてからなら私は死んでもいい。(S) {E: to raise, bring up…} (出典:田村、方言:沙流)
sikotcanere
シコッチャネレ 【他動】[si-kotca-ne-re 自分・の前・になる・させる](他の人)に自分に代ってしてもらう。 yaykurkata ye hike makanak ne wa, mosma kur sikotcanere ヤイクㇽカタ イェ ヒケ マカナㇰ ネ ワ、 モㇱマ クㇽ シコッチャネレ (彼は)自分で言えばいいのに他の人に言ってもらう。(S) ☞kotca コッチャ {E: to have…do…in one's place.} (出典:田村、方言:沙流)
sikpuye(he)
シㇰプイェ(ヘ) 【名】[所](概は sikpuy シㇰプイ) …の目もと。 sikpuye ku=kir シㇰプイェ クキㇼ 私は彼の目もとに見覚えがある。(S) sine sikpuye kor シネ シㇰプイェ コㇿ 彼らは目もとが同じだ(そっくりだ)。(S) {E: the eyes, the expression of the eyes of…} (出典:田村、方言:沙流)
siktokoko
シㇰトココ 【自動】[sik-tokoko 目・出っぱらせる(重複)]大きな目を開けてじっと見る。 ku=nukar humi ka isam, ku=siktokoko yakka k=érampewtek クヌカㇻ フミ カ イサㇺ、 クシㇰトココ ヤッカ ケランペウテㇰ 私には全然見えない、 大きな目を開いて見てもわからない。(S) {E: to look wide-eyed.} (出典:田村、方言:沙流)
sime
シメ 【他動】…を木の皮で染める。 ku=mipi sime wa en=kore クミピ シメ ワ エンコレ 私の着物を染めてください。 ☆参考 木の皮を煎じると、 きれいに「かば色」(みかん色)になる。 はじめ濃くすると濃い赤になり、 後で入れたものはうすくなる(mátek マテㇰ)。 黒くするときは、 「かば色」にしてからどろどろの中へ入れるときれいにつやのいい黒になる。(S) {E: to dye…using the bark of trees.} (出典:田村、方言:沙流)
símon-arserke
シモナㇻセㇾケ 【名】[símon-ar-serke 右の・片方の・部分] 右半身 (=símoysam wa arserke シモイサㇺ ワ アㇻセㇾケ)。 ku=simonarserke epitta réne クシモナㇻセㇾケ エピッタ レネ 私の右半身が全部麻痺した。(S) {E: the right-hand side of the body.} (出典:田村、方言:沙流)
sincicup
シンチチュㇷ゚ 【名】[sin(< sir(?))-ci-cup あたり・焼ける・月](?) [古](月の名)5月。 te wano sir-popke na sekor a=ye cup kusu sincicup テ ワノ シㇼポㇷ゚ケ ナ セコライェ チュㇷ゚ クス シンチチュㇷ゚ これから暖かくなるからねと言う月のために シンチチュㇷ゚ (月の名を説明している)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
sinen
シネン 【名】[数名][sine-n 一つの・人] 一人。 sinen ne wa シネン ネ ワ 一人で。 sinen ku=ne wa k=ek シネン クネ ワ ケㇰ 私はたった一人で来た。 sinen e=ne wa e=ek ruwe? シネン エネ ワ エエㇰ ルウェ? (あなたは)たった一人で来たのかい。 {E: alone; one person only.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinenne
シネンネ 【副】[sinen-ne 一人・である] ①一人で。 sinenne k=ek シネンネ ケㇰ 私は一人で来た(sinen ku=ne wa シネン クネ ワ とも言う)。 ②ひとりでに。 mákip ene, sinenne ku=nupe ran kor an humi an hi an? マキㇷ゚ エネ、 シネンネ クヌペ ラン コラン フミ アニ アン? どうしてこうひとりでに涙が出ているのだろう。(S) ☆参考 「ひとりでに」は yaykata ヤイカタ とも言う。 {E: alone; by oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinnaramu
シンナラム 【他動】[sinna-ramu 別に・…を思う] …を差別扱いする(よいほうにでなく悪いほうに、 他の人と違う扱いをする)。 a=en=sinnaramu アエンシンナラム 私は「別扱い」された。(S) a=i=sínnaramu siri ku=ruska p un アイシンナラム シリ クルㇱカプン(一緒に招待された中で私たちだけが「下膳(しもぜん)」の方に座らされたので)私たちが差別扱いされたことで私は怒っているのよ。(S) {E: to discriminate against…} (出典:田村、方言:沙流)
sinotca
シノッチャ 【名】[sinot-sa 遊ぶ・ふし] 歌(ふしをつけて歌うもの)、 歌のふし(メロディー)。 sinotca ye シノッチャ イェ 歌を歌う。 yúkar sinotca ku=koki té wano ki kusu ne ユカラ シノッチャ クコキ テ ワノ キ クス ネ (いまふしをつけないで語ったユーカラを)ユーカラのふしをつけて今からやります。(S独話) ☆参考 sáke(he) サケ(ヘ)《(歌の)ふし》はその歌または歌い手が持っている歌い方で、 折り返しだけを指すこともある。 sinotca シノッチャ は音楽(曲)としての歌、 歌声、 メロディー。 {E: a song; the melody of a song.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinrit 2
シンリッ 【名】[概](所は sinrici(hi) シンリチ(ヒ))[sir-rit 地・すじ] ①先祖。 sinrit koycarpa シンリッ コイチャㇻパ 先祖を供養する。 ②一族(先祖も、 子孫も含めて家全体)。 yaykata anak nep ka ku=kar somo ki yakka =ipe easkay korka sinrit ku=ramu wa nen póka =ikasuy siri un ヤイカタ アナㇰ ネㇷ゚ カ クカㇻ ソモ キ ヤッカ クイペ エアㇱカイ コㇿカ シンリッ クラム ワ ネン ポカ クイカスイ シリ ウン 自分は(私自身は)何もしないでも食べられるけれど一族を思って何とか手助け(=協力)しているのだよ。(S) {E: one's family clan, ancestors.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinrit(c-i)
シンリッ §018.親(12)sinrit(c-i)〔šín-rit しンリッ〕⦅サル⦆【雅】親。"〜orawki-p ku-ne ruwe ne" 「親をとり逃した者で私はあります」(二親にとり残されたみなし児の私であります)(ユ研Ⅰ, p.103)。"ku-kor〜ek wa"「私の親が来て」(ユ研Ⅰ, p.104)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sinrit-nomi
シンリッノミ 【名】[< 自動][先祖・をまつる]先祖まつり(用例ではお彼岸)。 sinrit-nomi ehanke kusu tayko kik humi as シンリッノミ エハンケ クス タイコ キㇰ フミ アㇱ お彼岸が近いからたいこをたたく音がする(このたいこは日蓮宗のたいこを指している)。(W) ☆参考 アイヌ伝統文化の先祖まつりは sinnurappa シンヌラッパ。 (出典:田村、方言:沙流)
sinritkomewke
シンリッコメウケ 【自動】[sinrit-ko-mewke 根・と共に・めくれる](木が)根こそぎに倒れる。 sinritkomewke poro ruwe cikuni シンリッコメウケ ポロ ルウェ チクニ 根こそぎ倒れている大きな太い木。(HC民話) ☆参考 osinritkomewke オシンリッコメウケ とも言う。 {E: for a tree to be uprooted.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinrus
シンルㇱ 【名】[sir-rus 地・毛皮](地面の)こけ(苔)。 sinrus us シンルㇱ ウㇱ コケが生える。 pira kotor (suma kasi/cikuni kasi) sinrus us wa an ピラ コトㇿ (スマ カシ/チクニ カシ) シンルㇱ ウㇱ ワ アン 崖面(石の上/木の上)にコケが生えている。 〔知分類 p.244〕 {E: moss.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinukare
シヌカレ 【他動】[si-nukar-e 自分を・見る・させる]…に自分を見せる。 paykar sey kuytop sinukare wa kinno パイカㇻ セイ クイトㇷ゚ シヌカレ ワ キンノ 三月ごろのホッキ貝は雁に見てもらいたくてまるまると太っている。(S) {E: to have…look at oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
sipine
シピネ 【自動】[単](複 sipinpa シピンパ は未出。 esipinpa エシピンパ [他動]の形で出ている。)[si-pine 自分・(?)] 身支度をする(着るべき物を着、 身につけるべきものを身につける)。 sipine=as kusu ne na ponno un=tere yan シピネアㇱ クス ネ ナ ポンノ ウンテレ ヤン (私たち)身支度をするからちょっと待って下さい。(S) {E: to get dressed.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir 2
シㇼ 【形名】(名詞化辞として、 動詞句に終わる文の後に置かれ、 見えることに関し、 「…する様子/…している様子」というニュアンスを含んだ名詞句をつくる。)(…している)様子、 …の。 ①(=siri シリ) tanepo apkas pe e=ne sir ne yakun タネポ アㇷ゚カㇱ ペ エネ シン ネ ヤクン あなたが初めて来たのなら。(S民話) (同じような文脈で siri シリ が多く使われる。 siri シリ と sir シㇼ とに用法やニュアンスの違いがあるかどうか不明。 ②sir ko シㇼ コ [様子・(擬音/擬態の表現を導く接辞)][雅]…する様子が/は…。 i=nukar sir ko caynatara イヌカㇻ シㇼ コ チャイナタラ 私を見る様子がジローツとしている=私をジローツとにらみつけている。(W民話) {E: an appearance; a condition ; a manner; a state.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-cikewrototo
シッチケウロトト 【完動】[名+他動中相][sir-ci-kew-rotot-o あたり・…される・(擬音の語根)・(音などの連続を表す接尾辞)・(他動詞形成)] ガラガラガラと/パラパラパラと/ドロドロドロと音がする。 otuseat wa a=nukár a ponki atu tuypa híne ponki ka o p cirawokuta sir-cikewrototo akusu オトゥセアッ ワ アヌカラ ポンキ アトゥ トゥイパ ヒネ ポンキ カ オㇷ゚ チラウォクタ シッチケウロトト アクス さっき私たちが見た、 綱でつるされているカヤ製の棚の綱を(彼が)切って、 棚の上にのっていたものが落ちてバラバラに散らばってドスンガタガタとものすごい音を立てると。(NK民話) ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-cipukrototo
シㇼチプㇰロトト/シッチプㇰロトト 【完動】[sir-ci-puk-rotot-o あたり・される・プツ(擬音の語根)・(音の連続を表す接尾辞)・(他動詞形成)] プツプツプツと音がする。 hotke=an wa ne urkio amip a=kukupa kor sir-cipukrototo ホッケアン マ ネ ウㇽキオ アミㇷ゚ アクパクパ コㇿ シㇼチプㇰロトト 私が寝てそのシラミのついた着物をあちこちかんでいるとプップップップッと音がする。(W民話) ☆参考 『音声資料2』の例では sir シㇼ の部分で、 一瞬止まったために r ㇼ が響いた。 続けて発音すると sitcipukrototo シッチプㇰロトト。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-citurimeta
シッチトゥリメタ 【完動】[名+他動中相][sir-ci-turim-eta あたり・…される・(爆音の擬音)・(他動詞形成)]バリバリバリバリドンドンダンダンと大砲のような大きな音がする。 réra wen híne apu perke hum apu yaske hum sir-citurimeta híne ekimatekpa kus kira wa yap レラ ウェン ヒネ アプ ペㇾケ フㇺ アプ ヤㇱケ フㇺ シッチトゥリメタ ヒネ エキマテㇰパ クㇱ キラ ワ ヤㇷ゚ 風が悪くて流氷が割れる音、 流氷が裂ける音がバリバリバリバリドンドンダンダンと大砲の音のように響いて、 みんなびっくりしたので逃げて帰って来た。(S) ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for something to make a booming cannon-like sound.} (出典:田村、方言:沙流)
sir-hanke
シㇼハンケ 【完動/自動】[sir-hanke 地・近い] ①[完動]近い、 近くである、 時間が近づく。 tókap or un sir-hanke トカㇷ゚ オルン シㇼハンケ お昼に近づいた。(S) ②[自動]近い。 nitan kur anak na cup ri híne sirepa no a=kotánu kucacise or wa sir-hanke p ne ニタン クㇽ アナㇰ ナ チュㇷ゚ リ ヒネ シレパ ノ アコタヌ クチャチセ オㇿ ワ シㇼハンケㇷ゚ ネ 足の速い人ならまだ日が高いうちに行き着くくらいに私の村は狩小屋から近いのです。 NH民話 {E: ① for something to be near, close. ② to be near; close.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-humumatki
シㇼフムマッキ 【完動】[sir-humum-atki あたり・(擬音重複)・(自動詞形成)]グーグーグーと音がする。 ku=sapa un sir-humumatki クサパ ウン シㇼフムマッキ 頭の中でグーグーグーグー「頭鳴りしていた」(音が鳴っていた)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
sir-kawrototke
シㇼカウロトッケ 【完動】[sir-kaw-rotot-ke あたり・(擬音の語根)・(音が続いて起こることを表す)・(自動詞形成)] カウカウカウと音がする。 amipkupakupa=an kor sir-kawrototke アミㇷ゚クパクパアン コㇿ シㇼカウロトッケ 私が(シラミのついた)着物をかんでいると、 カウカウカウと音がする。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-kikkik
シㇼキッキㇰ 【自動】[sir-kikkik あたり・をたたく(重複)] あたりをトントン/バンバンたたく、 ノックする、 来訪を知らせるために出入口のそばのものをトントンたたいて物音をさせる。 soy ta arpa=án híne, sir-kikkik, sir-kerkeri=an kor án=an akusu ソイ タ アㇻパアン ヒネ、 シㇼキッキㇰ、 シㇼケㇾケリアン コㇿ アナン アクス 私は玄関の前まで行って、 そのへんをたたいたり、 そのへんのカヤなどをひっかいたりしていると。(KH民話) sir-kikkik=an, nep soyne ru ka isam シㇼキッキㇰアン、 ネㇷ゚ ソイネ ル カ イサㇺ ノックしてみたがだれも出てこない。(S) ☞kikkik キッキㇰ、 sirkerkeri シㇼケㇾケリ {E: to knock (on a door).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-meman/sirmeman
シㇼメマン 【完動】[sir-meman あたり(完全動詞形成)・涼しい]涼しい(天候について言う)。 sak réra ruy kor sirmeman サㇰ レラ ルイ コㇿ シㇼメマン 夏に風が強いと涼しい。(W) sir-meman wa ku=meman シㇼメマン ワ クメマン 涼しくなったので私は涼しい。(W) ☆参考 暑かったのが気温が下がってしのぎやすくなる/なったことを言う。 meman メマン[自動]は人が主語で、 その人が涼しく感じることを言う。 {E: (for the weather) to be cool.} (出典:田村、方言:沙流)
sir-onuman
シロヌマン 【完動】[sir-onuman あたり(完全動詞形成)・夕方/晩方] 夕方/晩方/日暮れどきになる。 tane sir-onuman wa sir-kunne p hunak un eci=payé? タネ シロヌマン ワ シㇼクンネㇷ゚ フナクン エチパイェ? もう夕方になって暗いのにあなたたちはどこへ行くの? (S) {E: to grow into dusk, early evening.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-peker/sirpeker
シㇼペケㇾ 【完動】[sir-peker あたりの様子(完全動詞形成)・明るい] 明るい、 明るくなる、 夜が明ける。 ☆対語 sirkunne シㇼクンネ {E: to be bright; become bright.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-sep
シㇼセㇷ゚ 【完動】[sir-sep あたり・広い] 場所が広い、 広々している、 幅が広い。 sir-sep uske ta sinenne k=apkas ka =isitoma シㇼセㇷ゚ ウㇱケ タ シネンネ カㇷ゚カㇱ カ クイシトマ 広いところを一人で歩くのは恐ろしい。(S) {E: for somewhere, something to be wide, expansive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-sések
シㇼセセㇰ 【完動】[sir-sések あたりが・暑い] 暑い(気温が高い)。 sir-sak kor sir-sések wa pirka シㇼサㇰ コㇿ シㇼセセㇰ ワ ピㇼカ 夏になると暑くてよい。(W) sir-sések korka k=omkekar wa ku=merayke シㇼセセㇰ コㇿカ コㇺケカㇻ ワ クメライケ 暑い天候だけれど私はかぜをひいているので寒い。(W) ☆参考 気温や室温が高くて、 だれでもが暑いと感じるような状態であることを言う。 英語なら to be hot ではなく It's hot に当たる。 ものや水などが熱いことは sések セセㇰ と言い、 人が暑く感じることも sések セセㇰ と言う。 ☆参考 sir-sések シㇼセセㇰ や sések セセㇰ は、 焼けつくような暑さのときに使い、 日本語東京方言などで「暑い」と言うようなときでも、 つゆどきのようなむし暑さやちょっとした暑さのときは、 popke ポㇷ゚ケ、 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ が使われる。 ☞sések セセㇰ、 popke ポㇷ゚ケ、 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ {E: (for the temperature) to be hot.} (出典:田村、方言:沙流)
siramkorepa
シラㇺコレパ 【他動】[複](siramkore シラㇺコレ は単複の区別なし)(二人以上)と血がつながっている。 ku=siramukorepa p tun ka oka クシラムコレパㇷ゚ トゥン カ オカ 私の身内のものが二人いた。(S) {E: to have the same blood as… (i.e. to be related) (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
síran
シラン 【完動】[sir-an あたり/様子・ある] ①(…で)ある、 状況が(そう)なっている。 maratto an kor síran マラット アン コㇿ シラン 酒宴が行われていた。(W言い伝え) i=etok un aynu sinotcaki haw as kor síran イイェトㇰ ウン アイヌ シノッチャキ ハウ アㇱ コㇿ シラン 私の行く手にアイヌが歌う声がしていた。(S民話) uunukor utar oka híne síran ウウヌコㇿ ウタㇻ オカ ヒネ シラン 母と子が住んでいた。(W民話) a=erámasu no síran pe ne kusu アエラマス ノ シラン ペ ネ クス おもしろいような状態になっているので。(S会話) ene an tennep an hike a=i=núkare póka somo ki no síran hi an エネ アン テンネㇷ゚ アン イケ アイヌカレ ポカ ソモ キノ シラニ アン このような赤ちゃんがいたのにいままで私に見せてもくれなかったんだなあ。(W民話) ②時がたつ。 sóyonpa wa ora setakko síran pe ソヨンパ ワ オラ セタッコ シラン ペ 外出してからずいぶん長くたったのに。(S) iruka síran kor イルカ シラン コㇿ 少したつと。(NK民話) tu to re to hancikiki/síran ki kor トゥ ト レ ト ハンチキキ/シラン キ コㇿ 二、 三日たつと。(HC神謡) ☆参考 民話の冒頭で三人称の登場人物を紹介をするときには、 主語を特定しないこの完全動詞形が用いられる。 ①の最後の例では、 そのあとすぐに主人公の自叙となり、 sine po kor unarpe a=ne híne án=an シネ ポ コㇿ ウナㇻペ アネ ヒネ アナン 私は一人の息子を持つ中年の女性でした、 と、 引用文中の自称(すなわち不定人称形)になっている。 {E: ① circumstances, refers to space and time (B.). ② to take time; for time to pass.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siratek
シラテㇰ 【自動】[< sirar-tek かたい・やや…](?) ①かたい(おかゆ、 糊、 こねたもの等、 ドロドロのものの水分が少なくて)。 na ponno sayone tek no e=kar noyne an pe eytasa siratek ruwe an hi an! ナ ポンノ サヨネ テㇰ ノ エカン ノイネ アン ペ エイタサ シラテㇰ ルウェ アニ アン! もう少しゆるくすればよかったのにあまり固く練ってしまったんだなあ。(S) ②(熟語) paro siratek パロ シラテㇰ (渋くて/甘くて)口のあたりが厚くなったように変な感じになる。(S) hu kaki k=e akus ku=patoye unno ironne pekor ku=paro siratek フ カキ ケ アクㇱ クパトイェ ウンノ イロンネ ペコㇿ クパロ シラテㇰ 生の柿を食べたら唇のほうまで厚くなったみたいに口が変になった。(S) ☆参考 (味が)しぶいことは、 parkosiratek パㇻコシラテㇰ、 parsiratekka パㇻシラテッカ。 {E: ① (for rice gruel, paste, dough etc.) to be thick, stiff. ② …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
síre
シレ 【自動】[sir-e 自然・がそれを食べる](?) (食物が)カサカサになって白いものがプチプチ出る(昆布のかこい方が悪くて白い粉状のものがつく、 野草に湯通しして陰干ししたのにかびが生える等)。 konpu síre コンプ シレ 昆布に白い粉状のものがついた。(S) kumius wa síre クミウㇱ ワ シレ かびが生えて「プチプチに」なった。(S) {E: for food to become dry and covered in a white powdery substance (e.g. kombu seaweed).} (出典:田村、方言:沙流)
siren
シレン 【他動】…を一緒に行こうとさそう。 ene monasap ruwe an pe a=sirén yakka somo i=tura nankor kusu tun a=ne wa pay=an エネ モナサㇷ゚ ルウェ アン ペ アシレン ヤッカ ソモ イトゥラ ナンコㇿ クス トゥナネ ワ パヤン (あの人は)あんなにいそがしいんだからさそっても行かないでしょうから私たち二人だけで行きましょう(pay=an パヤン=paye=an パイェアン)。(S) X siren wa arpa wa nasi eikkapa wa ora a=kisma wa a=kikkik ruwe ne yak a=ye wa X k=éasiskar pe un うちの子はXにさそわれて行って二人でナシを盗んでつかまってたたかれたそうで私はXをうらんでいるのよ。(S) a=yuputari ikaanun nen ka haweoka híne menokopoutar inani ka siren na tura na sekor ramuan=an アユプタリ イカアヌン ネン カ ハウェオカ ヒネ メノコポウタㇻ イナニ カ シレン ナ トゥラ ナ セコㇿ ラムアナン 兄さんたちがもしかして何とか言って娘さんたちのだれか一人をさそわないかな連れて行かないかなと私は思った。(NK民話) {E: to invite, tempt…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siresure
シレスレ 【他動】[si-resu-re 自分・を育てる・させる]…に育てられる。 unu takup siresure ウヌ タクㇷ゚ シレスレ 母親だけに育てられる。(S) {E: to be raised, brought up by…} (出典:田村、方言:沙流)
siri
シリ 【名/形名】[所](概は sir シㇼ) ①(普通名詞として)(=sirihi シリヒ)…の様子、 地、 地面、 所、 あたり。 ②[形名](名詞化辞として)(動詞句に終わる文の後に置かれて、 見える様子に関する説明の名詞句をつくる。) …する/している様子。 a=onáha i=respa siri pirka rok pe ne kusu アオナハ イレㇱパ シリ ピㇼカ ロㇰ ペ ネ クス 父が私を育ててくれた育て方がよかったので。(S民話) …siri ne …シリ ネ …する/した/している様子だ、 (見たところ)…する/した/しているのだ。 tanepo póka a=porómacihi omanan siri ne na タネポ ポカ アポロマチヒ オマナン シリ ネ ナ 初めてあなたの本妻様がお見えになったのですから。(W民話) …siri an …シリ アン (1)(感嘆文で)…しているなあ。 (2)(主に疑問詞のある疑問文で)(この様子は)…しているのか。 a=kor katkemat mak é=iki siri an? アコㇿ カッケマッ マㇰ エイキ シリ アン? 奥様、 何をしていらっしゃるのですか。(W民話) …siri? …シリ? (主に当否を問う疑問文で)…しているのか。 tanepo ape e=ari siri? タネポ アペ エアリ シリ? 今やっと火を焚きつけたの? …siri iki …シリ イキ …している(そういう様子の行動をしている)。 tu moto orke hunar kor as wa an siri iki トゥ モト オㇿケ フナㇻ コㇿ アㇱ ワ アン シリ イキ 彼はいろいろと素性をさぐりながら立っていた(そういう様子をしていた)。(W民話) ☞sir シㇼ {E: ① earth; land; place; appearance. ② …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirkasi/sirkas(i)ke
シㇼカシ/シㇼカシケ/シㇼカㇱケ 【位名】[所](概は sirka シㇼカ)[sir-kasi/kas(i)ke 地・その上] ①…の上。 toytoy ka wa/hopuni réra/maw sirkasi/a=eyáykosnekur/punpa kane トイトイ カ ワ/ホプニ レラ/マウ シㇼカシ/アエヤイコㇱネクㇽ/プンパ カネ 土の上から立ちのぼる風に吹かれたように体が軽く浮き上がって (Sユーカラ) m ②…の表(おもて)(布や着物のおもて)、 その表。 {E: the outer surface of…(clothing, material).} (出典:田村、方言:沙流)
sirkote
シㇼコテ 【他動】(複は sirkotpa シㇼコッパ)[sir-kot-e あたり・につながれる・(他動詞形成)](馬、 犬、 船など)をつなぐ。 toan cikuni or un sirkote トアン チクニ オルン シㇼコテ あの木につなぎなさい。 (toan cikuni kote トアン チクニ コテ とも言う。) (S) ☞sirkot シㇼコッ {E: to connect, tie…} (出典:田村、方言:沙流)
sírpekettere
シㇼペケッテレ 【自動】[sirpeker-tere 明るくなる・…を待つ] 明るくなるのを待つ、 夜が明けるのを待つ。 sirpekettere=an na シㇼペケッテレアン ナ (我々は皆)夜が明けて明るくなるのを待つから。(HC民話) ☆対語 sirkunnetere シㇼクンネテレ {E: to await the light of dawn.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirpoki/sirpokke
シㇼポキ/シㇼポッケ 【位名】[所](概は sirpok シㇼポㇰ) …の裏(布や着物の)。 sirpokke ne kuni p シㇼポッケ ネ クニㇷ゚ 裏側になるもの=裏地 (W) sirpokke wa itak a=omáre シㇼポッケ ワ イタㇰ アオマレ 裏から言葉を入れる=テープを裏返してB面に言葉を録音する。(W) {E: the inner surface of… (material, clothing).} (出典:田村、方言:沙流)
sirunike
シルニケ 【名】[所](概の用例はない)[sir-un-hike 地・にいる・やつ]この/あの野郎、 畜生(ののしりの表現)。 néa a=wenhokuhu sirunike otuyke ene hawean hi ネア アウェンホクフ シルニケ オトゥイケ エネ ハウェアニ あの私の悪党の亭主、 あの野郎、 あん畜生がこう言った。(W民話) {E: Damn it!; Damn you!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirunno
シルンノ 【副】[sir-un-no 地・にいる・(副詞形成)] まさか(…しない)、 とんでもない(感情を込めて強く否定する)。 (否定の表現の前で使われて) まさか(…しない)。 sirunno ikoytupa kaspa ka somo ki シルンノ イコイトゥパ カㇱパ カ ソモ キ まさかあまり難儀しても(=困っても)いない。(S) sirunno okuyma ruwe ka somo ne nankor シルンノ オクイマ ルウェ カ ソモ ネ ナンコㇿ まさかオシッコしたのじゃないだろう。(S) sirunno maskin シルンノ マㇱキン まさか(…しない)。 {E: Oh no!; You're kidding!; Of course not!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sisak
シサㇰ 【自動】[si-sak 自分・を欠く] めずらしい、 めったに見ることができない、 めったにない(よい意味で使われる。人のことには言わない)。 sisak maratto シサㇰ マラット たぐいまれなすばらしい酒宴。 sisak pe ka en=kore iyayiːraykere! シサㇰ ペ カ エンコレ イヤイーライケレ! 珍しいものを下さって本当にありがとう。 sisak tokuy ne utokuyekor=an kusu ne na シサㇰ トクイ ネ ウトクイェコラン クス ネ ナ 私たちはまたとない親友として親しくおつき合いしよう。(HK民話) {E: to be unusual; rare.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sisakpeka-opas
シサㇰペカオパㇱ 【自動】[sisak-pe-kaopas めずらしい・もの・のところへかけつける] めずらしいものがとれたというので手伝いに行く。 sirkap a=rayke yak a=ye wa ku=sisakpekaopas, somo eani hem e=san wa e=inkar? シㇼカㇷ゚ アライケ ヤカイェ ワ クシサㇰペカオパㇱ、 ソモ エアニ ヘㇺ エサン マ エインカㇻ? ツノザメがとれたと言うので(私は)行って手伝ってあげるのよ、 あなたも行ってみない? (S) ☞ka(si) opas カ(シ) オパㇱ {E: to go help as one heard something rare was caught; to go help with something unusual that has been caught.} (出典:田村、方言:沙流)
sisipi
シシピ 【自動】ふえる(?)。 a=utári ka sisipi wa utari-inne=an ruwe ne kusu アウタリ カ シシピ ワ ウタリインネアン ルウェ ネ クス (私の)村人もふえて村人が大勢になったので。(HK民話) {E: to increase.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sitekorsam-unte
シテコㇿサㇺウンテ 【他動】[sik-tek-or-sam-un-te 自分・手・の中・(< …のそば)・(そこ)にある・させる][雅]…を手に持つ。 káne kuwa/sitekorsam/unte kane カネ クワ/シテコㇿサㇺ/ウンテ カネ [雅] 金(かね)の杖を手に持って。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sítu
シトゥ 【名】尾根(「つね、 ちね」)。 sítu mekka ta シトゥ メッカ タ 尾根の上に。(KK民話) sítu pes rán=an akusu シトゥ ペㇱ ラナン アクス (私が)尾根づたいに下って行くと。(KK民話) sítu turasi hemesu=an シトゥ トゥラシ ヘメスアン (私は)尾根づたいにのぼって行った。(KK民話) Yúpet kopakke un ratki sítu tanne sítu an wa ユペッ コパッケ ウン ラッキ シトゥ タンネ シトゥ アン ワ 勇別の方に向かって下がっている長い尾根があって。(KK民話) “sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an?” “a=sikíhi un” 「シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン?」 「アシキヒ ウン」 「一つの尾根を両方から一緒に持っていてお互いに会ったことがないものはなあに?」「(私たちみんなの)目よ。」(なぞなぞ) (W-S会話) {E: a ridge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siwto
シウト 【名】[概/所][< 日本語] しゅうと、 しゅうとめ(夫または妻の父母兄弟姉妹)。 ☆参考 通常 acapo アチャポ おじさん、 unarpe ウナㇻペ おばさん、 onne kur オンネ クㇽ 老人(男性) などの語の前に置かれる。 日本語と違って舅・姑や小舅・小姑を父、 母、 兄弟姉妹とは言わない。 ☞siwtoho シウトホ {E: one's in-laws.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siwto-hápo
シウトハポ 【名】[siwto-hápo しゅうと/しゅうとめ・母] 姑、 夫または妻の母(=siwto(ho) unarpe シウト(ホ) ウナㇻペ)。 ku=siwtohapo クシウトハポ 私のしゅうとめ(姑、 夫または妻の母)。 {E: mother-in-law.} (出典:田村、方言:沙流)
siwto-iyapo
シウトイヤポ 【名】舅、 夫または妻の父(=siwto(ho) acapo シウト(ホ) アチャポ)。 ku=siwto-iyapo クシウトイヤポ 私のしゅうと(夫または妻の父)。(S) {E: father-in-law.} (出典:田村、方言:沙流)
siwtoho
シウトホ 【名】[所](概は siwto シウト) …のしゅうと、 しゅうとめ(夫または妻の父母兄姉弟妹)。 siwto(ho) acapo シウト(ホ) アチャポ 舅、 夫または妻の父。 siwto(ho) kiyanne kur シウト(ホ) キヤンネ クㇽ 夫または妻の兄。 siwto(ho) okkaypo シウト(ホ) オッカイポ 小舅、 夫または妻の兄弟。 siwto(ho) onne kur シウト(ホ) オンネ クㇽ 舅である老人、 夫または妻の年老いた父。 siwto(ho) ponmenoko シウト(ホ) ポンメノコ 小姑、 夫または妻の姉妹。 siwto(ho) unarpe シウト(ホ) ウナㇻペ 姑、 夫または妻の母。 siwto(ho) kiyanne mat シウト(ホ) キヤンネ マッ 夫または妻の姉。(S) {E: the in-laws of…} (出典:田村、方言:沙流)
siyante
シヤンテ 【自動】[si-y-an-te 自分・(挿入音)・ある/いる・させる](?) 怒る、 腹立つ。 kamuy siyante koysam kuni p ne nankor na カムイ シヤンテ コイサㇺ クニㇷ゚ ネ ナンコン ナ 神様が怒ることのないようにお願いします。(W独話) {E: to be, get angry.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyetok
シイェトㇰ 【位名】[概](所は未出。 etok エトㇰ の所は etoko)[si-y-etok 自分・(挿入音)・の先] (次の文脈で)自分の進んでいる前方。 siyetok un シイェトㇰ ウン ①自分の(進んでいる)前方に。 ②自分の(進んでいる)前方の。 siyetok un maciya a=nukár シイェトクン マチヤ アヌカㇻ (自分の)前方に町が見える。 kuwanno siyetok un inkar wa arpa クワンノ シイェトクン インカㇻ ワ アㇻパ まっすぐ前を見て 行く。 ☆対語 siyoka シヨカ。 ☆参考 un ウン の前でのみ使われている。 {E: ① in front of, ahead of oneself. ② in front of, foward of oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
so 5
ソ 【終助】(一人言で)…しよう、 …しようかな。 tane k=arpa so タネ カㇻパ ソ (私)もう行こう/行こうかな。(S) suy ku=ye so スイ クイェ ソ また(私)言おう/言おうかな。(S会話) ☆参考 一人称単数形の動詞と共に使われる。 ro ロ《…しよう、 …しようか》と似ているが、 ro ロ は相手に提案して同意を求める言い方、 so ソ は自分一人の意志を言う。 {E: expression of volition.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sókarmaci(hi)
ソカㇻマチ(ヒ) 【名】[所](概 sokarmat ソカㇻマッ の用例はない。)[sokar-mat-i 敷物を敷いて座を整える・女/妻・(所属語尾)][雅] 正妻。 a=antemaci/a=sokarmaci/a=osúra kuni/a=ramú ka/somo ki awa アアンテマチ/アソカㇻマチ/アオスラ クニ/アラム カ/ソモ キ アワ わが正妻、 わが本妻と、 別れることなど思ってもみなかったが。(W神謡語り) antemacihi sókarmacihi ikesuy hi ruska kusu アンテマチヒ ソカㇻマチヒ イケスイ ヒ ルㇱカ クス (その男の神は)正妻が、 本妻が、 怒って出て行ったので不機嫌になって。(W独話) ☆参考 antemaci(hi) アンテマチ(ヒ) とも言う。 用例は二つとも類義並列の対句である。 両方とも主として韻文で使われる。 日常語で正妻を第二の妻と区別して言う簡単な言い方は poromat ポロマッ[概]/poromaci(hi) ポロマチ(ヒ)[所]。 {E: one's legal wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sokes(-e)
ソケㇱ §037.妻(19)sokes(-e)〔só-keš そケㇱ〕⦅チカブミ、ビホロ⦆【雅】妻。"Samayekur so-kesehe ci-ne"「サマイェクルの妻に私はなった」[so(座席)+kes(尻、端)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
somo
ソモ 【副】(否定辞) ①(動詞句または否定する語の前に置かれて) …しない。 núman somo k=ek ヌマン ソモ ケㇰ 昨日私は来なかった (S会話) te wano anak somo néno iki=an kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ イキアン クス ネ ナ これからはあんなことはしませんから。(W民話) somo ipe ソモ イペ (彼は)ものを食べない。(S会話) ipe ka somo ki イペ カ ソモ キ (彼は)ものも食べない(全然食べない)。(S会話) somo ne ソモ ネ …ではない。 seta ka somo ne, cápe e ruwe ne aan wa セタ カ ソモ ネ、 チャペ エ ルウェ ネ アアン ワ 犬じゃない、 猫が食べたんだわ。(S) somo ki ソモ キ …しない/しなかった。 somo ki no ソモ キ ノ …せずに。 ②(動詞句が現れずこの語だけで否定の動詞句の役割をする場合もある。) somo yak a=ye ソモ ヤカイェ そうではないそうだ。 ③[熟語・慣用表現] somo ka(…ramu a p/hi) ソモ カ…(ラム アㇷ゚/ラム ア ヒ) まさか… (とは思わなかったが…)。 a=yupíhi somo ka ene iki kunak a=ramú a hi アユピヒ ソモ カ エネ イキ クナㇰ アラム ア ヒ 兄がまさかそんなことをするなんて私は思わなかったが。(W民話) somo ka tapne i=okpare kuni p ne kunak a=ramú a p ソモ カ タㇷ゚ネ イオㇰパレ クニㇷ゚ ネ クナㇰ アラム アㇷ゚ まさか(苦労して育てた息子に)虐待されるなんて思わなかったのに。(W民話) ciki somo…na/ya チキ ソモ…ナ/ヤ …すれば(…なるのではないかなあ)(願望)。 híne un somo ヒネ ウン ソモ もちろん。(S) somo ney ta ki ソモ ネイ タ キ いつもそうする。 hat punkar he emawri punkar he k=éokok híne ku=hacir, k=áni wakka opitta ku=kuta wa isam ranke, somo ney ta ki p un ハッ プンカㇻ ヘ エマウリ プンカㇻ ヘ ケオコㇰ ヒネ クハチㇼ、 カニ ワッカ オピッタ ククタ ワ イサㇺ ランケ、 ソモ ネイ タ キプン (S) ブドウ蔓かイチゴの蔓かにひっかかって転ぶ、 持っている水を全部こぼしてしまう、 いつもそうなのよ。 {E: not (to negate a sentence).} (出典:田村、方言:沙流)
somoiperepa/somoyperepa
ソモイペレパ 【他動】[自動使役][複][somo-ipe-re-pa …しない・ものを食べる・させる・[複]](二人以上が皆)…にものを食べさせない、 …に何も食べさせない、 …に食事を与えない。 nísapno siknak=an akusu i=somoiperepa, rur takup i=érepa ニサㇷ゚ノ シㇰナㇰアン アクス イソモイペレパ、 ルッ タクㇷ゚ イエレパ 私が急に目が見えなくなると(息子夫婦は)私にものを食べさせてくれなくなった、 おつゆだけしか食べさせてくれなくなった。(W民話) {E: to not feed… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
somoytak
ソモイタㇰ 【自動】[somo-itak …しない・話す] ものを言わない、 唖者(「おっち」)である。 toanta somoytak kur an na トアンタ ソモイタㇰ クㇽ アン ナ あそこに唖の人がいるよ。(S) {E: to be dumb; cannot speak.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
son
ソン §004.あかご;あかんぼ(9)son〔són そン〕⦅チトセ⦆赤んぼ。ku-kor 〜「私の赤んぼ」。[<sion↑]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sóne
ソネ 【副】[so-ne 本当・に] 本当に、 確実に、 確かに。 ta ne kuni ku=ramu korka sóne ne ruwe he an un? タ ネ クニ クラム コㇿカ ソネ ネ ルウェ ヘ アヌン? これだと思うけれど本当にこれなのだろうか。(S) sóne pirkano itakipehe oma nankora? ソネ ピㇼカノ イタキペヘ オマ ナンコラ? 本当によく言葉の大切なところが(録音テープに)入っただろうか。(W) sóne somo k=oyra no k=ésikarun kusu ne ソネ ソモ コイラ ノ ケシカルン クス ネ (私は)本当に忘れずに覚えていますよ。(S会話) ☆参考 sonno ソンノ うそでなく本当に。 síno シノ まことに、 たいそう、 非常に。 {E: really; truly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sonkoho
ソンコホ 【名】[所](概は sonko ソンコ)…の便り、 …の知らせ、 …の消息。 …kuni kamuy sonko/sonkoho an …クニ カムイ ソンコ/ソンコホ アン …と神様のお告げがある。 {E: news; a notice.} (出典:田村、方言:沙流)
sonno
ソンノ 【副】①本当に。 sonno ku=nukar ap un ソンノ クヌカラプン 本当に見たんだよ。(S) sonno arki yan hani ソンノ アㇻキ ヤン ハニ ぜひ来なさいよ。(S) sonno ne wa un ソンノ ネ ワ ウン そうでしょうとも。(S) sonno an a ! ソンノ アナ ! 本当にねえ。(W会話) sonno an pe [本当に・ある・こと] 本当のこと(=anpe アンペ)。 ②(連体的に使って)本当の。 sonno írutar a=ne ソンノ イルタㇻ アネ 私たちは本当の兄弟だ。(NK民話) kamuy or ta sonno ukor síno ukor eci=kí kus ne na カムイ オッタ ソンノ ウコㇿ シノ ウコㇿ エチキ クㇱ ネ ナ あなた方は神の国で本当の結婚、 まことの結婚をするのだから。(HC民話) sonno ikor ソンノ イコㇿ [本当の・宝物]宝入れ箱(幅15センチ長さ50センチ深さ3センチ位のふたつきの箱、 きれいに彫刻してある、 紐がついている、 中に貝や何か入れる、 「昔は大切な書き物でも入れて紐を肩にかけて持って歩いたのではないかと思う」)。(S) ☆参考 sóne ソネ 本当に、 確かに、 ちゃんと。 síno シノ まことに、 たいそう、 非常に。 {E: ① really; truly. ② real; true.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sonno ka/sonnoka
ソンノ カ 【副】[sonno ka 本当に・も(副助詞)] やはり本当に、 思ったとおり、 予想したとおり、 聞いたとおり。 sikpuye e=neno kane an wa ku=kir akusu sonno ka e=poho ne a ruwe シㇰプイェ エネノ カネ アン マ クキラクス ソンノ カ エポホ ネ ア ルウェ 目元があなたに似ているのでわかったがやっぱりあなたの息子だったのだな。(S) “taan pe ikemara somo ne?” “aː, sonno ka ikemara ne na a=ta wa inkar=an” 「タアン ペ イケマラ ソモ ネ?」「アー、 ソンノ カ イケマラ ネ ナ アタ ワ インカラン」「これイケマの葉じゃない?」「ああ、 ほんとにイケマの葉だよ、 掘ってみよう。」 (S) (出典:田村、方言:沙流)
sotki
ソッキ 【名】①寝床、 家の主人の寝床、 主人夫婦の寝床。 hotke sotki ホッケ ソッキ [寝る・寝床] 寝床。 ②お産のための寝床。(W) nuwap kus ne na esotkikar ヌワㇷ゚ クㇱ ネ ナ エソッキカㇻ お産が始まるからねどこをつくりなさい。(S) ☆参考 通常だれでもが寝る所は a=ehótkehi アエホッケヒ (人の)寝る所=寝床、 k=éhotkehi ケホッケヒ 私の寝る所=私の寝床。 ☆参考 寝台(床(ゆか)より高く台につくられている所)は set セッ。 {E: ① a sleeping place; a bed. ② a bed for giving birth.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyoterke
ソヨテㇾケ 【自動】[soy-o-terke 外・に・跳ねる] 家などの中からピョンと跳んで出る。 heynu rikunsuy kari/heynu soyoterke=an na ヘイヌ リクンスイ カリ/ヘイヌ ソヨテㇾケアン ナ 私は天井の煙出しの穴からピョンと外へ出た。(HC神謡) {E: to jump, rush outside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soypa
ソイパ 【他動】…をえぐる。 hńta kus taan cikuni onnayke e=soypa ruwe an? フンタ クㇱ タアン チクニ オンナイケ エソイパ ルウェ アン? どうしてこの木の中をくりぬいたの ? (S) ☆参考 複数形の形だが単数形の形の soye ソイェ は独立の動詞としては未出。 独立には、 数に関係なく soypa ソイパ が使われるのかもしれない。 {E: to scoop, gouge out…} (出典:田村、方言:沙流)
suke
スケ 【自動】[su-ke 鍋・(自動詞形成)] 炊事をする、 煮炊きする、 食事をつくる。 ku=suke okere na hokure ipe=an クスケ オケレ ナ ホクレ イペアン 食事のしたくができたからさあ食べよう。(W) suke eaykap! スケ エアイカㇷ゚! 料理のへたくそ!(ののしりの表現)。(S) ☆参考 suwe スウェ [単]/súpa スパ [複]は[他動]…を煮る/炊く。 suke スケ は[自動]、 ごはんを炊いたりおつゆをつくったりすることを含めていろいろして食事の用意をすることを言う。 {E: to cook, make a meal.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sumi 1
スミ 【名】[< 日本語スミ] ①炭、 木炭。 ②墨(すみ)(=kunnesumi クンネスミ)(「墨」の訳語として出た)。 {E: ① ink. ② charcoal.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
súpa
スパ 【他動】[複](単は suwe スウェ) (二人以上が/二つ以上)を煮る。 ne pon yuk rípa wa súpa wa ネ ポン ユㇰ リパ ワ スパ ワ その小鹿を皆で皮をはいで煮て。(W民話) cékunip ne ciki kam ne ciki a=sapte híne a=supa híne チェクニㇷ゚ ネ チキ カㇺ ネ チキ アサㇷ゚テ ヒネ アスパ ヒネ 魚だの肉だのを私は出して煮て。(W民話) {E: to cook, boil (up)…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
suppa
スッパ 【副】しっかり、 きつく、 力を入れて。 suppa e=kuci sina スッパ エクチ シナ あなたのおびをしっかりとしめなさい。(S) suppa yupu スッパ ユプ きつくしめなさい。(S) ku=nu ewen na suppa ye クヌ エウェン ナ スッパ イェ 私耳が遠いからうんと大声で言ってください。(W) {E: firmly; severely; forcefully.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
suptomorke
スㇷ゚トモㇿケ 【名】[sup-tom-orke 幹・の中ほど・の所[所]](=suptom orke スㇷ゚トㇺ オㇿケ)その幹の中ほどの所。 ri cikuni suptomorke ku=rakonoye リ チクニ スㇷ゚トモㇿケ クラコノイェ 高い木は幹の中ほどの所を(私は)羽で巻きつけながら飛ぶ。(KC即興詩) (嘆き歌)。 {E: a place within the trunk of a tree.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sus
スㇱ 【自動】水浴(「川浴び」)する(入浴することも、 海水浴等のように水に入って泳ぐなどして遊ぶことも)。 pet or un sus kus rap ペトルン スㇱ クㇱ ラㇷ゚ [川・のところ・へ・水浴し・に・下りる] 川へ泳ぎに行く。(S) tonpuri or un sus トンプリ オルン スㇱ (直訳すると)風呂桶で水浴する=ふろに入る/入浴する。(W) ☆参考 tonpuri or osus トンプリ オㇿ オスㇱ (直訳すると)風呂桶で水浴する=ふろに入る。(S) ☆参考 手足を動かして泳ぐ動作を表現するには ma マ《泳ぐ》という自動詞を使う。 {E: to bathe (in a river etc.); swim.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sutuker
ストゥケㇾ 【名】[sutu-ker ぶどうづる・靴] ぶどうづるの皮を編んでつくった夏用の靴。 hat punkar kapuhu ani a=kar kucu réhe sutuker ハッ プンカㇻ カプフ アニ アカㇻ クチュ レヘ ストゥケㇾ ぶどうづるの皮でつくった靴の名がストゥケレ。(W) ☆参考 ker ケㇾ《靴》は[概]、 [所]は keri(hi) ケリ(ヒ)。 しかし sutukeri(hi) ストゥケリ(ヒ)は未出。 {E: summer footwear made from grapevine bark.} (出典:田村、方言:沙流)
suwat
スワッ 【名】[su-at 鍋・かかる] 炉かぎ(いろりの上に鍋をかけるために上から下げてある棒、 鍋のつるをひっかけられるように刻み目をつけてかぎにしてある)。 cikuni suwat チクニ スワッ 木の炉かぎ。 káne suwat カネ スワッ 金(かね)の炉かぎ(先がかぎになっている)。 su suwat or wa atte ス スワッ オㇿ ワ アッテ 鍋を炉かぎにかけなさい=鍋をしまいなさい。(W) ☆参考 昔は煮炊きするためにも鍋を片づけるためにも炉かぎにかけた。 {E: a hook, a fire hook, a metal hook suspended above a fire or brazier for holding pots etc.} (出典:田村、方言:沙流)
suy 1
スイ 【名】穴(土の中の穴、 壁や垣根にあいた穴、 概して丸い)。 ermu suy/ermusuy エㇽムスイ ネズミの穴。(S) cikappo suy チカッポ スイ 小鳥の巣穴。(S) suy kar スイ カㇻ [穴・をつくる] 穴を掘る。 ye p néno nispa opitta iki híne, poro suy kar, sirowri rok sirowri rok wa イェㇷ゚ ネノ ニㇱパ オピッタ イキ ヒネ、 ポロ スイ カㇻ、 シロウリ ロㇰ シロウリ ロㇰ ワ 男の方々は皆で言われたとおりにして、 大きな穴をつくった、 土を掘って掘って。(W民話) suy or un hácir スヨルン ハチㇼ 穴に落ちる。 suy omare スイ オマレ (そこ)に穴をあける。 a=nisapka wa a=sirkootke a=kaciw pe ne kusu noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu アニサㇷ゚カ ワ アシㇼコオッケ アカチウ ペ ネ クス ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルㇱカ クス 不意を突かれてグサッと槍を投げられて刺されたので額(ひたい)に大きな穴をあけられたことに腹が立ったから。(S会話) suy or omare スヨㇿ オマレ …を穴に入れる。 suy par ta スイ パッタ 穴の口に。 suy párur ta スイ パルッタ 穴の縁(ふち)に。 管のあな(孔)や水やものを通す細いあなや何かのすきまは puy プイ という別語で表される。 suy スイ は「ほらあな」の訳語としても出たが、 ほらあなを表すには別に póru ポル という語がある。 {E: a hole; an opening.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
súyo
スヨ 【自動】[suy-o 穴・そこに入る/つく/置かれる] …に穴があく/あいている。 súyo cikuni スヨ チクニ 髄(ずい)が抜けて穴のあいた木。(S) ní suptom súyo uske or oriwak ニ スㇷ゚トㇺ スヨ ウㇱケ オㇿ オリワㇰ (鳥が)木の幹の中ほどの穴のあいた所に巣を持っている。 (súyo スヨ の代わりに púyo プヨ とも言う。) (S) {E: for…to have a hole in it.} (出典:田村、方言:沙流)
suypa
スイパ 【他動】[複](単は suye スイェ) ①(二つ以上を)ゆらす。 ②[雅] ukopusakur suypa ウコプサクㇽ スイパ 刀の下げ紐の房が一緒にゆれる。 (出典:田村、方言:沙流)
ta 1
タ 【他動】(生活にいるものを地面や地下から)取って来る、 …を掘る(採取する)。 cikuni ta チクニ タ まきにする木を集める、 たきぎにする木を拾う。 sat cikuni ta サッ チクニ タ 乾いた木を集める。 kaykuma ta カイクマ タ たきぎ(細い柴木)を採る。 wakka ta ワッカ タ 水を汲む。 emo ta エモ タ いもを掘る。 turep ta トゥレㇷ゚ タ ウバイロを掘る。 “taan pe ikemara somo ne?” “aː, sonno ka ikemara ne na, a=ta wa inkar=an” 「タアン ペ イケマラ ソモ ネ?」「アー、 ソンノ カ イケマラ ネ ナ、 アタ ワ インカラン」 「これイケマの葉じゃない?」「ああ、 ほんとにイケマの葉だよ、 掘ってみよう。」 (S) ☆参考 木や草の実を摘み取ることは kar カㇻ、 まきなどを切ることは tuye トゥイェ、 たくさん集めることは uwomare ウウォマレ、 土などを掘ることは ouri オウリ、 埋まっているものを掘り出すことは pusu プス。 {E: to gather, collect…; dig (up)…; bring, take out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ta 5
タ 【副助】①(強め) …こそ。 kani anak k=épakewsawot, eani ta an koraci e=ye hawe ne wa カニ アナㇰ ケパケウサウォッ、 エアニ タ アン コラチ エイェ ハウェ ネ 私はとんでもないまちがいを言った、 あなたこそ本当のことを言ったのだ。 ②(oka オカ を結びとする係結びの構文で)…ta …oka! …タ …オカ! (結びの oka オカ は言わないこともあるが、 ta タ は必ず言う)。 …だったらいいのになあ、 …したいものだなあ! nen ka ta a=kar yak a=rayke oka! ネン カ タ アカㇻ ヤㇰ アライケ オカ! なんとかして殺してやりたいものだなあ! cep rur a=e ta ki! チェㇷ゚ ルㇽ アエ タ キ! 魚のおつゆを食べたいなあ。(S) cikap ta ku=ne/réra ta ku=ne チカㇷ゚ タ クネ/レラ タ クネ 鳥になりたいなあ、 風になりたいなあ。(S即興詩) ③(a ア を結びとする係結びの構文で)…ta …a …タ …ア …するものか、 …なものか、 …するものだなあ、 …しているなあ(反語表現の感嘆文)。 neppo ciraman ki ta háwas a ネッポ チラマン キ タ ハワサ 思いがけないことを言うねえ! ④(tas タㇱ と一緒に)…tas ta …nek! …タㇱ タ …ネㇰ! …するのだぞ(tas ta タㇱ タ の代りに tos to トㇱ ト も使われる)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
taan
タアン 【連体】[単](複は taoká タオカ)[ta-an ここに・ある] ここにある/いるこの…、 自分のいるすぐ近くの所にある/いる…。 taan pe タアン ペ これ(自分のすぐ近くにあるもの)。 taan kur タアン クㇽ この人(自分のすぐ近くにいる人)。 taan ta タアン タ ☞taanta タアンタ ☆参考 自分が手に持つているものなどを表すには、 tan/tapan タン/タパン《この》を使う。 離れた所にあるものを表すには、 toan トアン《その、 あの》、 toon トオン《あの、 ずつと遠くにある》を用いる。 「いま話したこの…」を言うには ne ネ、 ne wa an ネ ワ アン などが使われる {E: …which is right here; …which is near yourself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tak 1
タㇰ 【他動】…を取って/持って来る、 (人)を連れて来る/呼んで来る/呼びに行く/迎えに行く(来ることを求める)、 (人)を招待する。 e=sanpe a=uk kusu a=e=ták wa e=ek ruwe ne na エサンペ アウㇰ クス アエタㇰ ワ エエㇰ ルウェ ネ ナ あなたの心臓を取るためにあなたは呼ばれて連れられて来たのだよ。(S民話) sakekar=an nen póka ki wa a=kotánu un utar a=tak wa サケカラン ネン ポカ キ ワ アコタヌ ウン ウタㇻ アタㇰ ワ 私はなんとかして酒をつくって村の人々を招待して。(W民話) {E: to bring…; lead, take someone to, from…; go, come to call…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
takar
タカㇻ 【他動】①…を夢に見る。 ②[助動詞的用法]…(という)夢を見る。 m ku=nukar yak ku=takar クヌカㇻ ヤㇰ クタカㇻ 私は(彼に)会ったということを夢に見た。(S) ku=nukar takar クヌカッ タカㇻ (S) 私は(彼に)会ったということを夢に見た=彼に会った夢を見た。(S) {E: to dream of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
taktak
タㇰタㇰ 【名】[tak-tak 塊・(重複)] かたまり(塊)。 mur taktak ムッタㇰタㇰ ぬかのおにぎり。(S民話) poro si taktak ポロ シ タㇰタㇰ 大きなウンチのかたまり。(HC神謡) koysum taktak ekupa コイスㇺ タㇰタㇰ エクパ 泡のかたまりをくわえる(熊が疲れて弱って口から泡を吹いている様子の描写)。(HK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tanancikar
タナンチカㇻ 【名/副】[tan-ancikar この・夜][雅] 今晩。 ☆参考 日常語では tanukuran タヌクラン。 {E: this evening.} (出典:田村、方言:沙流)
tanas
タナㇱ 【自動】出っぱっている、 盛り上がる、 突き出る。 ku=kor ita kotne uske ka an tanas uske ka an クコリタ コッネ ウㇱケ カ アン タナㇱ ウㇱケ カ アン うちの床(ゆか)はへこんだ所もある、 出っぱった所もある。(S) oyakoyaki kotne tanas オヤコヤキ コッネ タナㇱ あちこちへこんだり出っぱったりしている。 etakasure ponehe tanas エタカスレ ポネヘ タナㇱ 人よりよけいに骨がでっぱっている(=ほお骨が高い)。(W) ☆対語 kotne コッネ {E: to project; rise; swell; stick out.} (出典:田村、方言:沙流)
tannekamuy
タンネカムイ 【名】[tanne-kamuy 長い・神]ヘビ。 ☆参考 kinasut キナスッ ヘビ。 tokkoni トッコニ マムシ。 これらの語をさけて言うのにこの語を使う。 ほかに munpokunpe ムンポクンペ とも言う。 {E: a snake.} (出典:田村、方言:沙流)
tap 1
タㇷ゚ 【名】①これ、 このこと。 tap a=ye kuni tónon-sukus ne humi as タㇷ゚ アイェ クニ トノンスクㇱ ネ フミ アㇱ これを言うのが昼の凪(なぎ)だなあ。(S) a=macíhi ne/a=kar yakne/tap easir/upak siretok ne/ukor=an ruwe ne p sekor アマチヒ ネ/アカㇻ ヤㇰネ/タㇷ゚ エアシㇼ/ウパㇰ シレトㇰ ネ/ウコラン ルウェ ネㇷ゚ セコㇿ [雅]…私の妻にするのに。 そうすればそれこそそろって美しく立派な夫婦になるのにと。(Sユーカラ語り) ②この/そのとき。 tap oro wano タㇷ゚ オロ ワノ それからは。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tap 3
タㇷ゚ 【副】いましがた、 ほんの今、 たった今。 tap ku=ye isoytak タㇷ゚ クイェ イソイタㇰ 今語った話。(W独語) tap k=ek hi pakno ne wa na nep ka ku=nu ka somo ki no k=an タㇷ゚ ケキ パㇰノ ネ ワ ナ ネㇷ゚ カ クヌ カ ソモ キ ノ カン 私は今来たばかりでまだ何も聞いていない。(S) {E: just, right now.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tapan 2
タパン 【自動】[kuni p/somo tapan na トゥム アン ケウトゥㇺ/イココㇿ クニㇷ゚/ソモ タパン ナ 憤慨して私に敵意を持つのではありませんよ。(Sユーカラ) ☆参考 taptá an タㇷ゚タ アン は強調する言い方。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tapkanru
タㇷ゚カンル 【名】[tapkar-ru タㇷ゚カㇻ 踏舞・道/進み][雅](次の慣用表現で) otu tapkanru/ore tapkanru/ukakuspare オトゥ タㇷ゚カンル/オレ タㇷ゚カンル/ウカクㇱパレ [雅]踏舞(両手を広げ一歩一歩進んでいく踊り)を何回も何回もくり返した。(Sユーカラ) ☞tapkar タㇷ゚カㇻ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tapkar
タㇷ゚カㇻ 【自動】[tap-kar (擬音?)・する] 踏舞(手のひらを上へ向けて両腕を広げて斜め前上にかざし一歩一歩足を踏みしめて進んで行く男性の舞い)を舞う。 (動名詞として)tapkar ku=ki nankor タㇷ゚カㇻ クキ ナンコㇿ 私はタㇷ゚カㇻ(踏舞)を舞います。(NZ独話) ☆参考 伝承の中で、 人間の姿になって地上で暮らした神が天に帰るときは、 この tapkar タㇷ゚カㇻ を舞っているうちに鳥の姿になって空高く昇って行く。 {E: to dance.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tapuk(-i)
タプㇰ §202.かた(肩)(4)tapuk(-i)〔ta-púk タぷㇰ〕[takup の音位互換]⦅ホロべツ⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.626】 (出典:知里人間編I、方言:)
tar 1
タㇻ 【他動】…を(ござとして、 ふとんとして)敷く。 ku=tar wa ku=hotke a p クタㇻ ワ クホッケ アㇷ゚ 私が敷いて寝ていたもの。(S) a=tar pe opitta a=ukomuymanpa híne アタㇻ ペ オピッタ アウコムイマンパ ヒネ 私は敷き物をみんなかき集めて。(W民話) ☆参考 「…の上に座る」は kasi ta a カシ タ ア {E: to spread, lay…; to lie, sit on…} (出典:田村、方言:沙流)
tara
タラ 【名】[< 日本語 たわら] ①俵。 ②(俵数の単位)…俵。 amam tara アマㇺ タラ 米俵。(S) sine tara シネ タラ 一俵。 tu tara トゥ タラ 二俵。(W) onne paskur íne? /tara tak wa ísam/né tara íne? /sake a=kar wa ísam オンネ パㇱクㇽ イーネ? /タラ タㇰ ワ イーサㇺ/ネ タラ イーネ? /サケ アカㇻ ワ イーサㇺ [雅]年寄りカラスはどうした/俵を持って来てしまった/その俵どうした/酒をつくってしまった。(KK掛け合い歌) {E: ①a straw bag. ②used as a counter for straw bags.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
taritari
タリタリ 【他動】[tari-tari …を上げる・(重複)](直訳すると)…を上げ上げする=上げたり下ろしたりを繰り返す)。 rataritari tekkupi taritari kor ラタリタリ テックピ タリタリ コㇿ 羽を上げ下げし、 翼を上げ下げしながら(=バタバタさせながら)。(HK民話) {E: to raise and lower…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tas 2
タㇱ 【副助】(直前の語を強調する強めの助詞) ①…ぞ、 …こそ。 …tas ta …タㇱ タ …こそ、 …は、 これは…。 ②(終助詞 nek ネㇰ 「さ、 ぞ」と組み合わさって係り結びで) …tas …nek! …タㇱ …ネㇰ! …する/したんだぞ、 …なのさ。 ek tas ki nankor nek エㇰ タㇱ キ ナンコㇿ ネㇰ きっと来るだろうさ。(S) sonno taan kur ne wa tas k=éraman a nek ソンノ タアン クㇽ ネ ワ タㇱ ケラマン ア ネㇰ 確かにこの人だということを私がわかっている。(S) ☆参考 tasi タシ の語末の i が落ちた形。 {E: ①an emphatic particle. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tasa 2
タサ 【後副】…と交代して、 …に向かって(逆らって)。 tasa itak タサ イタㇰ …に交代して(…が話す)、 …に答えて。 e=tasa =itak エタサ クイタㇰ あなたに交代してこんどは私が話す、 私があなたに答える。 réra tasa ku=sikmasasa wa k=ek レラ タサ クシㇰマササ ワ ケㇰ 私は風上に向かって大きな目を開けて来た(冗談)。(S) {E: to alternate with…; to go towards, against…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tasaaspe
タサアㇱペ 【名】[tasa-as-pe それに交代して・立つ・もの](次の言い回しの中で)(ちょっとしたことの)仕返し。 tasaaspe eramu-mukkosanpa タサアㇱペ エラムムッコサンパ 仕返しに気が遠くなるほどひどくやつつける。 tasaaspe e=eramu-mukkosampa kusu ne na タサアㇱペ エエラムムッコサンパ クス ネ ナ (おまえに)仕返しに気が遠くなるほどやっつけてやるからな。(S) {E: retaliation; revenge.} (出典:田村、方言:沙流)
tasaske
タサㇱケ 【自動】[tasas-ke (擬態の重複)・(自動詞形成)] ヒリヒリする。 ku=nanu kapu picitce uske rérakar akus tasaske クナヌ カプ ピチッチェ ウㇱケ レラカラクㇱ タサㇱケ 私の顔の皮がむけたところが風に当たったらヒリヒリする。(S) ku=paro tasaske クパロ タサㇱケ 私の口がヒリヒリする(荒れているとき塩気のものを食べて)。(S) {E: to sting; smart.} (出典:田村、方言:沙流)
tasiro
タシロ 【名】山刀(さんとう、 やまがたな)(短い刀で、 山を歩くとき腰にさげて歩き、 木や笹を切るのにも使い、 またクマなどを殺すのにも使う)。 tasiro ka sak nep ka sak pe ne kusu, níkaypa nínoye wa patek apekor apekur タシロ カ サㇰ ネㇷ゚ カ サㇰ ペ ネ クス、 ニカイパ ニノイェ ワ パテㇰ アペコㇿ アペクㇽ (彼は)山刀も持っておらず何も持っていないので木を折ったり木をねじり切ったりしてばかり火をたき火にあたっていた。(W民話) tasiro etaye wa etamtarara kane タシロ エタイェ ワ エタㇺタララ カネ 彼は山刀を抜いて振りかざし。(W民話) kimunkamuy i=koyki yakka ne tasiro ani yaykamesu=an ranke キムンカムイ イコイキ ヤッカ ネ タシロ アニ ヤイカメスアン ランケ 熊に襲われても私はいつもその山刀で身を守っていた。(HK民話) ☆参考 「…の山刀」を言うのには、 所属形を使う言い方と kor コㇿ《を持つ》を使う言い方と両方ある。 ku=kor tasiro クコッタシロ 私の山刀=ku=tasiroho クタシロホ。 ☆参考 emustasiro エムㇱタシロ 太刀づくりの山刀、 刀のようなつくりの山刀。 {E: a machete.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tasiroho
タシロホ 【名】[所](概は tasiro タシロ)…の山刀。 ku=tasiroho クタシロホ 私の山刀(=ku=kor tasiro クコㇿ タシロ)。 {E: a, the machete of…} (出典:田村、方言:沙流)
tasum
タスㇺ 【自動/名】①[自動]病気になる、 病気である。 tasum oasi タスㇺ オアシ 病気になりそうになっている。 tasum kur タスㇺ クㇽ 病人。 tasum kor an タスㇺ コㇿ アン 病気している。 ②[名]病気。 síno páse tasum ne noyne シノ パセ タスㇺ ネ ノイネ 本当に重い病気らしい。(S) {E: ①to be, become sick: ill (v.). ②a sickness; an illness (n.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tatuspe
タトゥㇱペ 【名】[tat-us-pe 樺皮・がそれについている・もの] たいまつ(カンビの皮(tat タッ)を細く裂いて束ねたもので、 それに火をつけて明りとした)。 poro tatuspe a=kor híne sóyene=an wa inkar=an akus ポロ タトゥㇱペ アコㇿ ヒネ ソイェネアン マ インカラン アクㇱ 私が大きなたいまつを持つて外に出て見ると。(NK民話) ☞sune スネ {E: a torch (made from strips of bark of the birch tree bunched together).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tawki
タウキ 【他動】(まさかりや山刀などの刃物で)…をたたいて切りつける。 cikuni ku=tawki akusu emko hetari wa ani ku=yaykik ruwe un チクニ クタウキ アクス エㇺコ ヘタリ ワ アニ クヤイキㇰ ルウェ ウン (私が)まきをなたでたたいたら半分飛んで来てそれで(私は)自分を打ったんだよ。(S) nisukotawki ニスコタウキ 臼に入れて鎌(かま)で突け。(HC神謡) {E: to beat, cut, chop…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tawsa
タウサ 【副】[ta-usa (強め)・いろいろ](?) (一種の強め。)keray tawsa ケライ タウサ [雅]さすがに…だけあって。 keray tawsa/kamuy kar cási/an pe ne kus ケライ タウサ/カムイ カッ チャシ/アン ペ ネ クㇱ さすがに神につくられた城だから。(Sユーカラ語り) nen tawsa ネン タウサ [雅]いったいだれが nen tawsa respa ciki pirka kuni ネン タウサ レㇱパ チキ ピㇼカ クニ いったいだれが育てればよいのか。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
taype(he)
タイペ(ヘ) 【名】[所](概の例はない) …の子(人間のみ、 悪口、 憎らしくて言う言葉)。(W) (S) wenkur taype! ウェンクㇽ タイペ!/wenpe taype! ウェンペ タイペ! 貧乏人の子(憎まれ口、 罵倒)。 (wenkur sani ウェンクㇽ サニ/wenpe sani ウェンペ サニ とも言う。) {E: the child of… (slang).} (出典:田村、方言:沙流)
te 1
テ 【位名】ここ。 te or テ オㇿ ここ。 ここの所。 te ta テ タ ここに/で/の(=téta テタ)。 te un テ ウン ここへ/の、 こっちへ(=téun)。 te wano テ ワノ ①ここから。 ②今から。 te wano anak somo néno =iki kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ クイキ クス ネ ナ これからはそんなことをしませんから。(S) te pakno テ パㇰノ 今まで。 te pakno k=érampewtek akus tanepo k=éraman テ パㇰノ ケランペウテㇰ アクㇱ タネポ ケラマン 今までわからなかったが今やっとわかった。(S) te péka テ ペカ ここから、 ここを(通って)。 te péka kuwanno e=arpa yak sittuyma テ ペカ クワンノ エアㇻパ ヤㇰ シットゥイマ ここからまっすぐ行くと遠い。(S) te un テ ウン ここへ、 こっちへ。 {E: ①from here. ②from now.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tek 2
テㇰ 【助動】①(動詞の後に置かれて)ちょっと…する(短時間、 瞬間に、 軽く)。 k=oyra tek コイラ テㇰ (私は)ちょっと忘れた、 ど忘れした。 terke tek テㇾケ テㇰ ピョンととんだ。 kasi k=éoma wa ku=yaysinire tek カシ ケオマ ワ クヤイシニレ テㇰ (私は)(これに)もたれてちょっと休む。(S) ponno síran tek kor ポンノ シラン テㇰ コㇿ 少したったら。 aptokar ayne retar tek アㇷ゚トカㇻ アイネ レタッテㇰ 雨に当たって当たってちょっと白ぽっくなった。(S) ②(副詞句の後に置かれて)ちょっと…。 eytasa poronno ne, na ponno tek ka omare エイタサ ポロンノ ネ、 ナ ポンノ テㇰ カ オマレ あまりたくさんだ、 もっと少なめに入れなさい。(S) a=kotánu pánake ta tek アコタヌ パナケ タ テㇰ 私の村のちょっと川下寄りに。(W民話) na mak ta tek anu ナ マㇰ タ テㇰ アヌ もう少し火から離しておきなさい。(S) {E: ①to do…for a moment, while; briefly. ②just a little; slightly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
teke hopunire
テケ ホプニレ 【連他動】[…の手[所]・を立ち上がらせる/飛ばす] …を取り返す、 …を取りあげる。 ku=kor pe teke ku=hopunire wa k=ek クコㇿ ペ テケ クホプニレ ワ ケㇰ 私のものを取り返して来た(罰金もつけて取ってきた)。(S) ☆参考 対象が三人称以外のときの用例がなく、 前部要素が tek テㇰ、 en=tek エンテㇰ 等になるかどうか不明。 ☆参考 teke paste テケ パㇱテ とも言う。 {E: to take back…} (出典:田村、方言:沙流)
teke paste
テケ パㇱテ 【連他動】[…の手[所]・を走らせる] …を取り返す。 teke ku=paste wa ku=kor wa k=ek テケ クパㇱテ ワ クコㇿ ワ ケㇰ (自分のものが人の所にあったから)取り返して持って来た。(S) ☆参考 対象が三人称以外のときの用例がなく、 前部要素が tek テㇰ、 en=tek エンテㇰ 等になるかどうか不明。 {E: to take back…} (出典:田村、方言:沙流)
teke uk
テケ ウㇰ 【連他動】(?)[…の手[所]・を取る] …を取り返す(持って行ったものを後で行って取り返す)。 ku=kor pe ne wa kus teke k=uk wa k=ek クコㇿ ペ ネ ワ クㇱ テケ クㇰ ワ ケㇰ 私のものだから取り返して来た。(S) ☆参考 対象が三人称以外のときの用例がなく、 前部要素が tek テㇰ、 en=tek エンテㇰ 等になるかどうか不明。 {E: to take back…} (出典:田村、方言:沙流)
tekekar
テケカㇻ 【他動】[tek-e-kar 手・で・…をつくる][雅]…をつくる。 sípase kamuy/tekekar kuni p シパセ カムイ/テケカㇻ クニㇷ゚ [雅]尊い神が自分の手でつくったもの。(Sユーカラ) {E: to make…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekkes
テッケㇱ 【名】[tek-kes 手・の末端] 補い。 asinpe tekkes ne アシンペ テッケㇱ ネ 償い物の補いとして。 néa menokopo asinpe tekkes ne apkaste kuni ne manu p a=yupíhi sirehawekoyki ruwe ne ネア メノコポ アシンペ テッケㇱ ネ アㇷ゚カㇱテ クニ ネ マヌㇷ゚ アユピヒ シレハウェコイキ ルウェ ネ その娘を償い物の補いとして(自分たちと一緒に)行かせるようにということを兄は激しく叱りつけながら言った。(NK民話) {E: compensation.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekmoymoye
テㇰモイモイェ 【自動】[tek-moymoye 手・を動かす] 手を動かす、 手仕事をする。 ku=tekmoymoye kor k=an akus クテㇰモイモイェ コㇿ カン アクㇱ(私は)手仕事をしていたところ(眠くならなかった)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
teknum
テㇰヌㇺ 【名】[概][tek-num 手・粒] 拳(こぶし)を握っている手首から先、 にぎりこぶし。 teknum takup etuk kane =isitoma テㇰヌㇺ タクㇷ゚ エトゥㇰ カネ クイシトマ にぎりこぶしだけが出てきて恐ろしかった。(S) {E: the fists.} (出典:田村、方言:沙流)
tekpiraha
テㇰピラハ 【名】…(魚)の開き。 heroki tekpiraha ku=kar wa ku=satke wa k=ánu ヘロキ テㇰピラハ クカㇻ ワ クサッケ ワ カヌ 私はニシンの開きをつくって干しておいた。(S) {E: an opened, gutted, and dried…fish.} (出典:田村、方言:沙流)
tekrarire
テㇰラリレ 【他動】[tek-rari-re 手・…を押えつける・させる]…を手でギューッとつかむ。 kuwa kurkasi/tekrarire クワ クㇽカシ/テㇰラリレ [雅]杖の上を手でギューッっとつかんでいる。(Sユーカラ) {E: to take, grab…firmly by hand.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekrukot
テㇰルコッ 【名】[概](所は tekrukoci(hi) テㇰルコチ(ヒ)) 手の跡、 手形。 poro kur tekrukot ポロ クㇽ テㇰルコッ 大人の手の跡。(W) {E: hand prints.} (出典:田村、方言:沙流)
teksam
テㇰサㇺ 【位名】[概](所は teksama テㇰサマ)[tek-sam 手・のそば/傍ら] …の横、 …の脇。 cise teksam kus wa arpa チセ テㇰサㇺ クㇱ ワ アㇻパ 家の横を通って行きなさい。(S) {E: the side of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
temcaricari
テㇺチャリチャリ 【自動】[tem-cari-cari 手(腕)・を散らばらす・(重複)] 手をバタバタさせる。 eun ewonne=an uske un enpuyna=an híne, temcaricari=an a p sekor, ekuskonna a=sikíhi makkosanpa エウン エウォンネアン ウㇱケ ウン エンプイナアン ヒネ、 テㇺチャリチャリアナㇷ゚ セコㇿ、 エクㇱコンナ アシキヒ マッコサンパ 私は顔を洗う水たまりの中へのめり落ちて、 手をバタバタさせてもがいたとたんに、 突然パッと目が見えるようになった。(W民話) {E: to spread, flap the arms.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
temesirkik
テメシㇼキㇰ 【自動】[tem-e-sir-kik 手・で・あたり・を打つ] 手であたりをたたく、 (ユーカラに合わせて)手でひざなどをたたいて拍子を取る。 yúkar akusu néa kucan ahun híne temesirkik kor an ayne ユカㇻ アクス ネア クチャン アフン ヒネ テメシㇼキㇰ コㇿ アン アイネ (兄が)ユーカラを歌うとその雌熊が入って来て手で拍子を取っていてから。(NK民話) ☆参考 木の棒で拍子を取る(rep レㇷ゚)には炉ぶちをたたくが、 手で拍子をとるときはひざなどをたたく。(KSg) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tempatempa
テンパテンパ 【他動】[tem-pa-tempa (手を表す語根)・(他動詞複数形形成)・(重複)](人)をもみ療治する。 ku=tapsutu arka na en=tempatempa クタㇷ゚ストゥ アㇻカ ナ エンテンパテンパ (私は)肩が痛いからもんでください。(S) {E: to give a healing massage (to someone).} (出典:田村、方言:沙流)
tempoki
テンポキ 【名】[所](概は未出。 poki ポキ の概は pok ポㇰ)[tem-pok-i 腕・の下・(所属形語尾)]腕を横に上げた下。 tempoki péka ku=kus tek wa ku=kira テンポキ ペカ ククㇱ テㇰ ワ クキラ 私は(彼の)腕の下をさっと通って逃げた。(S) (出典:田村、方言:沙流)
temsutna
テㇺスッナ 【自動】[tem-sut-na 腕・のつけ根・の方へ] 袖を肩までまくり上げる。 ku=temsutna wa ku=yaske a ku=yaske a k=éwonne a k=éwonne a wa ku=kar pe ne na クテㇺスッナ ワ クヤㇱケ ア クヤㇱケ ア ケウォンネ ア ケウォンネ ア ワ クカㇻ ペ ネ ナ 腕を肩までまくって手をよくよく洗って顔もよくよく洗ってつくったものだよ。(S) {E: to roll up one's sleeves to the shoulder.} (出典:田村、方言:沙流)
tenki
テンキ 【名】あざ。 tenki o kus oka utar ne kus na uimak ta ene oka hi ne テンキ オ クㇱ オカ ウタㇻ ネ クㇱ ナ ウイマㇰ タ エネ オカ ヒ ネ あざのある血統だからまだこれから何代もそうなるのだよ。(S) húre tenki フレ テンキ 赤あざ。(S) kunne tenki クンネ テンキ 黒あざ。(S) {E: a birthmark; a bruise.} (出典:田村、方言:沙流)
teske 1
テㇱケ 【自動】[tes-ke (反る/反らすことを表す語根)・(自動詞形成)] そる(反る)、 それる。 tekkupi kasi ta ay teske wa, a=tumámaha ay epeka ka somo ki テックピ カシ タ アイ テㇱケ ワ、 アトゥママハ アイ エペカ カ ソモ キ (アホウドリの)翼の上で(疫病神の)矢がそれて、 私の体まで届かない。(HK民話) {E: to be warped; curved.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
to 2
ト 【名】[概](所は tóho トホ) ①日(太陽ではなく日にちの日)、 昼間、 日にち。 sinean to ta シネアン ト タ ある日のこと。 iye-ererko to イイェ エレㇾコ ト 三日目の日。 to tanne ト タンネ 日が長い(=tókap tanne トカㇷ゚ タンネ)。(S) to takne ト タㇰネ 日が短い(=tókap takne トカㇷ゚ タㇰネ)。(S) to epitta ト エピッタ 昼間中(=一日中)。 to epitta tónomokor wa an ト エピッタ トノモコㇿ ワ アン (彼は)一日中昼寝している。(S) to a=uk ト アウㇰ [日を・わたしたち/人一般が・受け取る] 日がたつ。 to a=uk ru túnas ト アウㇰ ル トゥナㇱ 日のたつのが早い。(S) to okere ト オケレ 一日中、 日が暮れるまで。 to okere sinot kor an ト オケレ シノッ コラン (彼は)一日中遊んでいる。(S) (注 tókap トカㇷ゚ 昼間、 kunne クンネ 夜。) ②(数連体詞の後に置かれて、 日数の単位。) sine to シネ ト 一日。 tu to トゥ ト 二日間(=tutko トゥッコ)。 re to レ ト 三日間(=rerko レㇾコ)。 íne to イネ ト 四日間(=íne rerko イネ レㇾコ)。 henpak to ヘンパㇰ ト 何日(=henpak rerko ヘンパㇰ レㇾコ)。 (注 月の中の日の名称と同形。 ただし沙流川下流のワテケさんは、 二日間以上と「何日間」とを表すのに、 日の名称と区別して、 かっこの中のような言い方をより多く使っていた。) ③(数連体詞の後に置かれて、 月の中の日の名称。) sine to シネ ト ついたち(月の第一日)。 tu to トゥ ト 二日(月の第二日)。 re to レ ト 三日(月の第三日)。 tan cup re to an tóho ta タン チュㇷ゚ レ ト アン トホ タ 今月の三日の日に。 (注 「…番目の…」を表す iye-e- イイェエ という言い方があるが月の中の日を言い表すのにはそれは使われない。 月の最初の日、 二日目、 …と一日間、 二日間、 …とは同形である。) {E: ①day; daytime. ②a unit for counting days. ③the days of the month.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toan
トアン 【連体】[単](複は tooká トオカ)[to-an あそこ/そこに・ある/いる] あそこ/そこにある/いるあの、 その。 toan kur トアン クㇽ あの人/その人。 toan ta トアン タ(=toanta トアンタ) あそこに、 あそこで、 そこに、 そこで。 toan uske トアン ウㇱケ あそこ。 toan uske wano eykusne anak mosma kur kor uske ne トアン ウㇱケ ワノ エイクㇱネ アナㇰ モㇱマ クㇽ コㇿ ウㇱケ ネ あそこから向こうはほかの人の場所だ。(S) {E: that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toaníwano
トアニワノ 【副】[toaní-wano あそこ・から] あそこから、 そこから。 toani wano eykusne anak mosma kur kor uske ne トアニ ワノ エイクㇱネ アナㇰ モㇱマ クㇽ コㇿ ウㇱケ ネ あそこから向こうはほかの人の場所だ。(S) {E: from that place; from over there.} (出典:田村、方言:沙流)
tókap
トカㇷ゚ 【名/副】[to-kap 日・(?)] ①昼間、 昼。 tane tókap an noyne タネ トカㇷ゚ アン ノイネ もうお昼ごろらしい。(W) kunneywa an kor tókap an kor onuman an kor クンネイワ アン コㇿ トカㇷ゚ アン コㇿ オヌマン アン コㇿ 朝ごとに昼ごとに晩ごとに=毎朝毎昼毎晩。(S会話) tókap cup トカㇷ゚ チュㇷ゚ ☞tókapcup トカㇷ゚チュㇷ゚。 tókap heporap トカㇷ゚ ヘポラㇷ゚ ☞tókapheporap トカㇷ゚ヘポラㇷ゚。 tókap ipe トカㇷ゚ イペ ☞tókap(ォ)ipe トカㇷ゚イペ/トカピペ。 tókap mokor トカㇷ゚ モコㇿ ☞tókapmokor トカㇷ゚モコㇿ ②(副詞的に使って)昼に。 tókap e トカㇷ゚ エ …を昼食に食べる。 “hempara iwak?” “tókap iwak“ 「ヘンパラ イワㇰ?」「トカㇷ゚ イワㇰ」 「いつ(仕事から家に)帰る?」「昼に帰る。」 (S) kunne tókap クンネ トカㇷ゚ 夜も昼も。 kunne ka tókap ka クンネ カ トカㇷ゚ カ 夜も昼も。 kunne hene tókap hene クンネ ヘネ トカㇷ゚ ヘネ 夜も昼も、 夜でも昼でも(口承文学では上の三つの中でこの形が最も多く使われる)。 sir-tókap シットカㇷ゚ 昼になる。 {E: ①day; daytime. ②in, during the day, the daytime.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tókap(')ipe
トカㇷ゚イペ/トカピペ 【自動/名】①[自動]昼食を食べる。 ku=tokapipe ka somo ki wa ku=kemnoye noyne ku=yaynu クトカピペ カ ソモ キ ワ クケㇺノイェ ノイネ クヤイヌ 私はお昼も食べてないので飢え死にしそうな気がする。(S) ②[名]昼食。 tanto anak rataskep tókap'ipe ne an タント アナㇰ ラタㇱケㇷ゚ トカㇷ゚イペ ネ アン きょうは野菜のまぜ煮が昼食になる=きょうの昼ごはんは野菜のまぜ煮だ。(S) {E: (to eat) lunch.} (出典:田村、方言:沙流)
tókapcup
トカㇷ゚チュㇷ゚ 【名】太陽。 (tokap)cup a=rukí (トカㇷ゚)チュㇷ゚ アルキ 日蝕になる(だんだん消えていく)。 (tokap)cup ray (トカㇷ゚)チュㇷ゚ ライ 日蝕になる(皆既蝕)。 (tokap)cup kamuy (トカㇷ゚)チュㇷ゚ カムイ 日の神、 お日様。 ☆参考 kunnecup クンネチュㇷ゚《月》と区別して言うときに使う。 通常簡単に言うときは太陽も月も共に cup チュㇷ゚ と言う。 {E: the sun.} (出典:田村、方言:沙流)
tókapheporap
トカㇷ゚ヘポラㇷ゚ 【名】[tokap-heporap 昼間・蝶][動物] 蝶(チョウ)。 ☆参考 kunneheporap クンネヘポラㇷ゚《蛾》と区別して言うときに使う。 普通は単に heporap ヘポラㇷ゚ と言う。 〔知分類になし〕 {E: a butterfly.} (出典:田村、方言:沙流)
tókapmokor
トカㇷ゚モコㇿ 【自動】[tókap-mokor 昼・眠る] 昼寝をする(=tókap mokor トカㇷ゚ モコㇿ)。 ku=tokapmokor ka somo ki no クトカㇷ゚モコㇿ カ ソモ キ ノ (私は)昼寝もせずに(tókap ku=mokor ka somo ki no トカㇷ゚ クモコㇿ カ ソモ キ ノ とも言う)。(S) {E: to have, take a(n) (afternoon) nap.} (出典:田村、方言:沙流)
tókapracici
トカㇷ゚ラチチ 【自動】[tókap-racici 昼間・…をダランと下げている]いねむりする(コックリコックリと舟をこぐ)。 “mákip e=tokapracici siri somo he an?” 「マキㇷ゚ エトカㇷ゚ラチチ シリ ソモ ヘ アン?」 「どうしてあんたいねむりしてるんでないの?」(次のなぞなぞの言葉を使って冗談に言っている。) kusuri o poysu atte wa yáke ta tókapracici p/tókapracici an pe hńta ne? クスリ オ ポイス アッテ ワ ヤケ タ トカㇷ゚ラチチㇷ゚/トカㇷ゚ラチチ アン ペ フンタ ネ? 薬のはいった小鍋をかけてその炉端でいねむりしているものはなんだ? (なぞなぞで答えは Kusur Tokapci クスッ トカㇷ゚チ 釧路と十勝。) ☆参考 通常、 いねむりすることは aysuye アイスイェ と言う。 {E: to take a nap; doze.} (出典:田村、方言:沙流)
tokkoni
トッコニ 【名】[動物] ヘビ(総称)。(W) ☆参考 ヘビを呼ぶのに通常は tannekamuy タンネカムイ《長い神》、 kinasut キナスッ《草の下》、 kinasutkur キナスックㇽ《草の下の人(神)》などの呼び名を使う。 tuskorokokko トゥㇱコロコッコ《綱を持つばけもの》は悪口。〔知分類 p.225「マムシ」〕 {E: a snake.} (出典:田村、方言:沙流)
toktokse
トㇰトㇰセ 【自動】[tok-tok-se (擬音の語根)・(重複)・という] 動悸がする、 脈が早い。 ku=sanpe toktokse クサンペ トㇰトㇰセ 心臓がドキドキする。(S) {E: to beat; palpitate.} (出典:田村、方言:沙流)
tom 1
トㇺ 【自動】ピカーッと光る、 (日が)さす。 sukus tom スクㇱ トㇺ 日がさす。 cup ohorka tom チュㇷ゚ オホㇿカ トㇺ [日が・逆向きに・さす]=西日がさす。(W) {E: to sparkle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tom 2
トㇺ 【位名】[概](所は tomo トモ) ①面の中ほど、 ぶつかったりたたいたりめがけて向かって行ったりする対象の位置。 pira tom wa carase nay ピラ トㇺ ワ チャラセ ナイ 崖の中ほどから流れ下る沢。(S) hur tom wa フットンマ 山の斜面の中ほどから。(S) en=tom unno sukus tom wa ku=sesek エントㇺ ウンノ スクㇱ トㇺ ワ クセセㇰ 私に日がさして暑い(後の tom トㇺ は《照る》)。(S) ② ☞tom(o) osma トㇺ/トモ オㇱマ。 ☞tom(o) oytak トㇺ/トモ オイタㇰ。 ③(動名詞の後に置かれて)…している最中に。 inkar tom ta インカッ トㇺ タ [慣用句]見てる間に。(S) urameturente wa nepkipa p ne kusu, inkar tom ta nispa nepa ウラメトゥレンテ ワ ネㇷ゚キパㇷ゚ ネ クス、 インカッ トㇺ タ ニㇱパ ネパ (彼らは)心を合わせて皆で働くものだから、 見る見るうちに金持ちになる。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tomotuye
トモトゥイェ 【他動/後副】[tomo-tuye 中ほどの所[所]・を切る] ①[他動]…を横切る、 川や海を渡る。 pet ku=tomotuye wa ペッ クトモトゥイェ ワ (私は)川を渡って…。 ruyka tomotuye ルイカ トモトゥイェ 橋を渡りなさい(ruyka kari arpa ルイカ カリ アㇻパ とも言う)。(S) ②[後副]…を横切って。 atuy tomotuye ikesuy=an アトゥイ トモトゥイェ イケスイアン 私は怒って家を出て海を横切って(=越えて)行った。(W神謡語り) pet tomotuye uhasekoyki p ペッ トモトゥイェ ウハセコイキㇷ゚ 川越しに柴木でたたき合うもの(なぞなぞで、 答えは sikrapu シㇰラプ まつげ)。 {E: ①to cross…; to cut cross, across… ②across…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tomta
トㇺタ 【名詞?】[tom-ta 中ほど・に](直訳すると)中途に。 (次の表現で) 二、 三年前(昔から/初めからではなく)。 tomta wano トㇺタ ワノ この二、 三年前から。 teeta wano oka=as ruwe ka somo ne, tomta wano oka=as ruwe un テエタ ワノ オカアㇱ ルウェ カ ソモ ネ、 トㇺタ ワノ オカアㇱ ルウェ ウン 私たちは(ここに)ずっと前から住んでいたのではない、 二、 三年ほど前から住んでいるのだよ。(S) teeta wenkur/tomta nispa テエタ ウェンクㇽ/トㇺタ ニㇱパ 昔の貧乏人、 中途からの(最近の)金持ち(=昔は貧しくて最近裕福になった人)。(W神謡K) {E: two, three years ago.} (出典:田村、方言:沙流)
tonka
トンカ 【名】[< 日本語] 土を掘ったり耕したりするのに使う刃の厚い鍬(くわ)、 唐鍬(とうぐわ)。(W) ☆参考 kupka クㇷ゚カ 畝をつくったり普通に使う鍬。(W) {E: a hoe; a plough.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toop
トオㇷ゚ 【副】[to-o-p ほらあそこに・(強調)・(語末子音)] ずうっとはるか遠く。 toop tuyma hi wa k=ek wa ku=sireramiskari トオㇷ゚ トゥイマ ヒ ワ ケㇰ ワ クシレラミㇱカリ ずうっと遠い所から来て私は土地不案内です。(S) toop Karapto wano トオㇷ゚ カラㇷ゚ト ワノ はるか樺太から。(S言い伝え) toop Akan sekor a=ye uskehe ta トオㇷ゚ アカン セコㇿ アイェ ウㇱケヘ タ ずうっと遠く阿寒という所に。(S会話) toop iwor or un a=se wa トオㇷ゚ イウォロルン アセ ワ ずうっと遠く山奥へ背負って行って。(W民話) ☆参考 too トオ とニュアンスは異なるが同じ文脈でも使える場合も多い。 しかし家の中や見える所、 歩いて行ける程度の所については too トオ が使われ、 海外の見知らぬ国や、 普通に山菜とりなどには行くこともない山奥の地については toop トオㇷ゚ が使われている。 その中間の程度の所については両方が使われている。 また too トオ は「…にある」「…に行く」のような表現の前でばかり使われ、 toop トオㇷ゚ は「…から来る」や「…だ」のような表現の前でも使われている。 {E: faraway.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toponra
トポンラ 【名】[to-ponra 沼・(?)](?) 水澱(みずおり)。 toponra roski wa oka トポンラ ロㇱキ ワ オカ 水おりができている。(S) húre toponra フレ トポンラ 赤い水おり、 水底に沈んださび。(S) kunne toponra クンネ トポンラ 黒っぽい水おり。(S) siwnin toponra シウニン トポンラ 緑の水おり。(S) (出典:田村、方言:沙流)
tos
トㇱ 【助詞】(強めの助詞) …こそ、 …は、 …が。 (多くの場合、 終助詞 nek ネㇰ を結びとする係り結びで) tos…nek! トㇱ…ネㇰ! …さ、 …ぞ。 (しばしば後に強めの助詞 to ト《ほらそこに》を伴って) tos to…nek! トㇱ ト …ネㇰ! …さ、 …ぞ。 ruhure unin huku e=mi ruwe tos to an nek ルフレ ウニン フク エミ ルウェ トㇱ ト アン ネㇰ うす赤っぽい服をあなたがそれそこに着ているんだよ(ruhure unin ルフレ ウニン とはどのような色かという質問に答えて)。 ☆参考 同様の文脈で tas タㇱ とも言い、 tas タㇱ のほうがずっと多く使われる。 {E: an emphatic particle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tosirpok
トシㇼポㇰ §323 ミソサザイ (4) tosirpok (tó-sir-pok)「とシㇼポㇰ」[kurの下略] ⦅美幌、近文、春採⦆ (出典:知里動物編、方言:)
totta
トッタ 【名】大袋、 米俵二つくらいの大きい saranip サラニㇷ゚。 totta or eci=omáre na トッタ オㇿ エチオマレ ナ 大袋に入れるよ(子どもがあまり泣くとこう言う)。(S) hon ne kor pe/totta kunne/sisam omare ホン ネ コㇿ ペ/トッタ クンネ/シサモマレ [雅]おなかが大袋みたいに体から離れたみたいにふくれます。(Sユーカラ) ☆参考 主にユーカラで使う言葉。 通常は poro-saranip ポロサラニㇷ゚《大袋》、 ica-saranip イチャサラニㇷ゚《穂摘み袋》と言う。 ☆参考 かますは kamasu カマス。 totta トッタ はかますより大きい。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
towetanne
トウェタンネ 【名】[to-u-e-tanne 日・互い・と共に・長くなる][古](月の名)1月。 tan cup wano ponno to tanne wa kusu towetanne タン チュㇷ゚ ワノ ポンノ ト タンネ ワ クス トウェタンネ この月から少し日が長くなるから トウェタンネ。(W) (出典:田村、方言:沙流)
toy 1
トイ 【名】土地、 地面、 田畑。 siyamam toy シヤマㇺ トイ 田んぼ、 稲田。 toy ka ciw kus トイ カ チウ クㇱ 川があふれて田畑が水をかぶる。 toy ka osma トイ カ オㇱマ 地に落ちる。 toy tukari kokiramne トイ トゥカリ コキラㇺネ 地上に高くそびえる。 toy or ta nepki kor an トヨッタ ネㇷ゚キ コㇿ アン (彼は)畑で働いている。(W) {E: earth; land; ground; fields.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toy- 2
トイ 【接頭】(主に動詞に接頭し、 程度が大きいこと、 しばしば同時に好ましくないことを表す接頭辞。 しばしば wen- ウェン …との対句で用いられる。)ひどく、 すさまじく。 toyekurok トイェクロㇰ 真っ黒い。 toyakkari トヤッカリ …をはるかに越えて、 …よりもずっと。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tóya
トヤ 【位名】[to-ya 湖/沼・の岸](=to ya ト ヤ)湖/沼の岸、 湖畔。 Tóya トヤ 洞爺の語源。 Kutcaro tóho poro to tóya ta クッチャロ トホ ポロ ト トヤ タ 屈斜路湖という大きな湖の湖畔に。(S会話) {E: the shore of a lake, swamp.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toyko-kisma
トイコキㇱマ 【他動】[toyko-kisma ひどく・…をつかむ/押える] …をしっかり/ギュッとつかむ、 …をしっかりつかまえる。 toan pe toyko-kisma yan! netopake a=nukár kusu ne na トアン ペ トイコキㇱマ ヤン! ネトパケ アヌカㇻ クス ネ ナ あいつをしっかりつかまえろ、 体を調べるから。(W言い伝え) {E: to catch, grasp…firmly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toypo
トイポ 【名】[toy-po 土・(指小辞)](次の慣用句で)kapar toypo カパットイポ [薄い・土][雅]土けむり。 kapar toypo/a=yaykakuste/án=an awa カパッ トイポ/アヤイカクㇱテ/アナン アワ [雅]私は土けむりをかぶって身を隠していたところ。(Sユーカラ) {E: a cloud of dust.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toypunki
トイプンキ 【名】[toy-punki 土地・番人] 土地の「番兵」(=番人)=土地の目印の木。 toypunki ne kus a=kar wa a=así wa an トイプンキ ネ クㇱ アカㇻ ワ アアシ ワ アン 土地の番兵にこしらって(=つくって)立ててある。(S) ☆参考 木の棒を縦横十文字に(ちょうど十字架のような形に)組み合わせてしばったもの(kuytakpe クイタㇰペ)を、 自分の見つけた所だという目印として立てておく。 その十文字の木を言う。(S) ☞kuytakpe クイタㇰペ {E: a wooden cross used as a land marker.} (出典:田村、方言:沙流)
tuhot
トゥホッ 【名】[数名][tu-hot 二つの・二十]四十、 四十個。 tuhot pak ku=kor rusuy トゥホッ パㇰ クコンルスイ 四十個ほどほしい。 {E: forty.} (出典:田村、方言:沙流)
tumam 1
トゥマㇺ 【他動】…をだいて寝る。 ku=merayke na en=tumam wa en=kore クメライケ ナ エントゥマㇺ ワ エンコレ 寒いからだいて寝てちょうだい。 cápe ku=tumam akus etoro wa ku=mokor ka eaykap チャペ クトゥマㇺ アクㇱ エトロ ワ クモコㇿ カ エアイカㇷ゚ 猫をだいて寝たらゴロゴロのどを鳴らして私は眠れなかった。 utumam ウトゥマㇺ だき合って寝る、 同衾する。 {E: to sleep embracing…} (出典:田村、方言:沙流)
tumasnu
トゥマㇱヌ 【自動】[tum-asnu 力・が充分ある](体が)丈夫である、 健康である、 (棒のようなものが)丈夫だ(折れにくい)。 tumasnu cikuni kumaha kar トゥマㇱヌ チクニ クマハ カㇻ 丈夫な木で物干し竿をつくりなさい。(S) hemanta ene tumasnu p ne siri an hi an! ヘマンタ エネ トゥマㇱヌㇷ゚ ネ シリ アニ アン! なんとまあ強いもんだなあ(ものをたくさん背負ったりよく働き乱暴なこともする)。 tumasnu nociw トゥマㇱヌ ノチウ よく光る星。 {E: to be healthy; strong.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tumu
トゥム 【名/位名】[所](概は tum トゥㇺ) ①(いっぱいつまっているもの)の中、 (ものがいっぱいつまっている所)の中/ただ中、 その中/そのただ中。 tumu kunne hikehe トゥム クンネ ヒケヘ 黒味がかったの。 tumu ruhure siwnin トゥム ルフレ シウニン 赤味がかった緑(紫)。 ②[名]体の具合。 tumu pirka トゥム ピㇼカ 壮健である(体のどこも悪いところがなく、 力があり、 病気をしない)。 sonno tumu pirka kur ソンノ トゥム ピㇼカ クㇽ 本当に壮健な/健康で元気な人。(W) tumu wen トゥム ウェン 体の具合いが悪い。 mímus ápekor an korka tumu wen pe ne siri iki ミムㇱ アペコラン コㇿカ トゥム ウェン ペ ネ シリ イキ 太っているみたいだけれど体の具合いの悪いもののようだ。(S) ③[雅]tumu an kewtum トゥム アン ケウトゥㇺ [雅]思い違い、 まちがった気持ち、 憤慨。 tumu an kewtum/e=kora kuni p/somo ne nankor トゥム アン ケウトゥㇺ/エコラ クニㇷ゚/ソモ ネ ナンコㇿ あなたは決してまちがった気持ちを持って憤慨したりしてはいけませんよ。(Sユーカラ) {E: ①in… ②the condition of one's body, health. ③…} (出典:田村、方言:沙流)
tumutuy
トゥムトゥイ 【自動】[tumu-tuy 力[所]・切れる] 力が尽きる。 asinuma hoski tumutuy=an ya kimun kamuy hoski tumutuy ya urametok uwante=an kusu アシヌマ ホㇱキ トゥムトゥイアン ヤ キムン カムイ ホㇱキ トゥムトゥイ ヤ ウラメトㇰ ウワンテアン クス 私が先に力が尽きるか熊が先に力尽きるか度胸比べをするために。(HK民話) {E: to run out of energy.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tura 2
トゥラ 【後副】①…と一緒に、 …と連れだって(=turano)。 ku=yupo tura paye=as クユポ トゥラ パイェアㇱ (私たちは)(私たちの)兄と行く、 私の兄と連れだって行く。(S) ②(交換の対象)…と。 usa iyoype tura cihoki turano a=utáspare ウサ イヨイペ トゥラ チホキ トゥラノ アウタㇱパレ いろんな宝物と肉や魚の乾物と交換する。(S) ③cis tura チㇱ トゥラ (直訳すると)泣くとともに=泣きながら、 涙ながらに。 núpe tura ヌペ トゥラ 涙とともに(=涙を流して、 泣きながら)。 {E: together with, accompany…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turamkor
トゥラㇺコㇿ 【自動】[tu-ram-kor 二つの・心・を持つ](?) 臆病である。 ikaoyoko=an sekor hawean=an yakun turamkor=an wa hawean=an hi ne sekor yaynu kuni a=ramú kusu イカオヨコアン セコㇿ ハウェアナン ヤクン トゥラㇺコラン ワ ハウェアナニ ネ セコㇿ ヤイヌ クニ アラム クス 私は見張りをすると言えば、 憶病でそう言っているのだと思われると私は思ったから。(HK民話) {E: to be cowardice; timid.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turano
トゥラノ 【後副】[tura-no …を同伴する・(副詞形成)] …と一緒に、 彼/それと一緒に、 …と。 turano k=an kur トゥラノ カン クㇽ 主人、 うちの人(自分の夫)。 ☞tura トゥラ {E: together with, accompany…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turaynu
トゥライヌ 【他動】…を見失う、 …を見つけない、 …が見つからない。 wa kusu raykewehe póka a=turáynu hi ne nankor sekor ワ クス ライケウェヘ ポカ アトゥライヌ ヒ ネ ナンコㇿ セコㇿ だから遺体も見つからないのだろうと。(S会話) ☆対語 pa パ …を見つける。 ☆参考 sitturaynu[sir-turaynu] シットゥライヌ は《道に迷う》。 {E: to lose sight of, not find…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tureptacir
トゥレㇷ゚タチㇼ 【名】[turepta-cir ウバユリの根を掘って採る・鳥][動物](鳥の名)「カケスぐらいの鳥らしい。 見たことはない。 朝、 暗いうちに南へ向いて行く。 晩方に帰る。 薄暗くなったら帰ってくる。 鵡川にでもいるだろう。 “ku=maci ku=rara cik クマチ クララ チㇰ 私の妻は何もできないから(自分でしよう)”と鳴く。」 (S)〔知分類 p.209 ヤマシギ〕 {E: the name of a bird (a woodcock (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
turesi 1
トゥレシ 【名】[< turesi(hi)]妹(兄から見た妹)(「…の妹」は kor turesi コッ トレシ)。 atuyso kurka/epunkine kamuy/kor turesi アトゥイソ クㇽカ/エプンキネ カムイ/コッ トゥレシ [雅]海外の地を守る神の妹。(Sユーカラ) a=kor turesi アコッ トゥレシ 私の妹、 わが妹。 ☆参考 血縁の妹とはかぎらない。 いとおしく思い、 いつくしんでいる女性を「妹」と呼ぶので、 養兄(育ての兄)が養っている女子を呼ぶとか、 また恋人や妻である場合もある。 日常語で「妹」を表す matapa マタパ、 mátak マタㇰ には、 そのような用法は未出。 ☞turesmacihi トゥレㇱマチヒ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turesmacihi
トゥレㇱマチヒ 【名】[所](概は未出。 macihi マチヒ の概は mat)[tures-macihi 妹・妻[所]](直訳すると)妹妻、 (次の神謡中の文脈で)妹である妻。 Okikurmi kamuy turesmacihi オキクㇽミ カムイ トゥレㇱマチヒ オキクルミ神の妹妻。(W神謡K) ☆参考 この伝承でオキクルミ神は iresu yupi イレス ユピ《育ての兄》と呼ばれ、 自叙している女性は a=kor turesi アコッ トゥレシ《私の妹》と呼ばれているが、 伝承者による結末の語りの中でその女性が turesmacihi トゥレㇱマチヒ と呼ばれている。 ☞tures トゥレㇱ、 turesi トゥレシ 1 (出典:田村、方言:沙流)
turiri
トゥリリ 【他動】[turi-ri …を伸ばす・(重複)] …をスーッと伸ばす、 (手)をスーッとさしのべている。 tekehe turiri テケヘ トゥリリ 手をスーツと伸ばす。 Okikurmi kamuy kor katkemat hunpe rika kisma wa puyar kari turiri hi ta オキクㇽミ カムイ コㇿ カッケマッ フンペ リカ キㇱマ ワ プヤㇻ カリ トゥリリ ヒ タ オキクルミ神の奥方が鯨の脂身をつかんで窓からさしのべたときに。(HK民話) {E: to stretch…taut.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turpa
トゥㇽパ 【他動】[複](単は turi トゥリ) ①(二つ以上)を伸ばす。 nep ka kettó hene a=turpa ruwe néno kane ネㇷ゚ カ ケット ヘネ アトゥㇽパ ルウェ ネノ カネ 何か毛布でも敷いたように。(W民話) ② ☞ukoramkur turpa ウコラㇺクㇽ トゥㇽパ、 ewkoramkur turpa エウコラㇺクㇽ トゥㇽパ {E: ①to stretch, straighten… (pl.).②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turse
トゥㇽセ 【自動】[tur-se (擬態の語根)・…と言う] ストンと/サッと落ちる、 墜落する、 パタッところぶ(大げさに言う)、 (ついていたのが)ポロッととれて落ちる。 ku=turse wa ku=teke k=arkare クトゥㇽセ ワ クテケ カㇻカレ 私はころんで手を痛めた。(S) ☆参考 ただ普通に落ちる/ころぶことを誇張なく言うのには hácir ハチㇼ が使われる。 ついていたものがとれて落ちることは tuy トゥイ。 {E: to fall, drop with a plump.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusa(ha) 3
トゥサ(ハ) 【名】[所](概は tusa トゥサ)…の袖(の部分)、 それの袖。 pukuru ne kunak ku=ramu a p tusaha ne aan プクル ネ クナㇰ クラム アㇷ゚ トゥサハ ネ アアン (あなたが縫っていたものは)袋かと思っていたがその着物の袖だったんだなあ。(W) {E: a, the sleeve of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusano
トゥサノ 【自動】[tusa-no なおる・充分に] 病気がすっかりなおる、 全快する。 tane e=tusano ya? タネ エトゥサノ ヤ? (あなたは)もうすっかりなおりましたか。(S) tane anak piriːkano ku=tusano humi as タネ アナㇰ ピリーカノ クトゥサノ フミ アㇱ (私は)もう今ではすっかりなおりました。(S) {E: to heal completely.} (出典:田村、方言:沙流)
tusatuypoki
トゥサトゥイポキ 【名】[所](概は tusatuypok トゥサトゥイポㇰ) …の袖下。 tusatuypoki ku=naye kor k=an トゥサトゥイポキ クナイェ コㇿ カン 私は袖下になるところへへらですじをつけている。(W) {E: the bottom of the sleeve of… } (出典:田村、方言:沙流)
tusi(hi) 2
トゥシ(ヒ) 【名】[所](概は tus トゥㇱ)(男に二人以上の妻がいる場合、 本妻から見て、 または一人の妻から見て) …の夫のもう一人の妻(「めかけ」)。 ku=tusihi クトゥシヒ 私(本妻)の夫のもう一人の妻(「めかけ」)。(S) {E: the mistress of…(from the perspective of the real wife.).} (出典:田村、方言:沙流)
túsir
トゥシㇼ 【名】墓。 ☆参考 昔は土葬で、 土まんじゅうの頭の上に墓標(kuwa クワ)を立てた。 墓参りをしたり花を供えたりはしなかった。 妊娠した女性が死んだ場合は赤ん坊を出してから埋葬した。 {E: a grave.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuskorokokko
トゥㇱコロコッコ 【名】[tus-kor-okokko 綱・を持つ・ばけもの] ヘビ(呼び方の一つ、 「縄みたいだから。」 (W))。 ☆参考 tokkoni トッコニ、 kinasut キナスッ などヘビを表す語の使用を避けて言う言い方の一つ。 ☞tokkoni トッコニ、 kinasut キナスッ、 kinasutunkur キナストゥンクㇽ、 tannekamuy タンネカムイ {E: a snake.} (出典:田村、方言:沙流)
tustekka
トゥㇱテッカ 【他動】[tustek-ka ものに憑かれる・(他動詞化)](人)をボーっとさせわからなくさせる、 …をばかす。 (受け身の形、 つまり主語不定人称形)a=tustekka アトゥㇱテッカ ばかされる、 ボーッとなる。 kim ta sitturaynu ayne a=tustekka, cironnup orowa hene a=tustekka hi ne kuni ku=ramu キㇺ タ シットゥライヌ アイネ アトゥㇱテッカ、 チロンヌㇷ゚ オロワ ヘネ アトゥㇱテッカ ヒ ネ クニ クラム(彼は)山で迷って歩いているうちに何かにばかされた、 キツネにでもばかされたんだろうと(私は)思う。(S) ku=cinita wa yaani a=en=tustekka クチニタ ワ ヤアニ アエントゥㇱテッカ 私はうなされてもう少しで気が遠くなるところだった。(S) {E: to be bewildered; bewitched by…} (出典:田村、方言:沙流)
túsutari(hi)
トゥスタリ(ヒ) 【名】[所](概の用例はない)[tus-utar-i(hi) 夫のもう一人の妻・人々=たち・(所属語尾)] ku=tusutari クトゥスタリ 私(本妻)の夫のほかの妻たち(「めかけたち」)。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tutanuno
トゥタヌノ 【後副】[tutanu-no 次の/次に・(副詞形成)] …の次に。 toan kur tutanuno a トアン クㇽ トゥタヌノ ア あの人の次に座りなさい。 {E: next, after…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuyka
トゥイカ 【位名】[概](所は tuykasi/tuykaske トゥイカシ/トゥイカㇱケ) ①…の上、 …の上端、 (出入口や窓の)すぐ上の所。 tek tuyka ta amam pus uwecururse テㇰ トゥイカ タ アマㇺ プㇱ ウウェチュルㇽセ (稲の穂摘みをしていると)手の上側に稲の穂が集まってくるようだ。(S) ②(動詞の後に置かれて)…している最中。 onkami tuyka/itak omare オンカミ トゥイカ/イタコマレ [雅](その神は)拝礼 (伝統的な形のあいさつ)をしながら言葉を言った。(W神謡語り) tuyka ta トゥイカ タ …しながら/しているときに。 i=kusa tuyka ta a=kowépekennu イクサ トゥイカ タ アコウェペケンヌ 私は舟で川を渡してもらいながら(彼に)事情をたずねた。(NK民話) e=soyne tuyka ta Ayoro nupuri kasi un yam e=carpa nankor エソイネ トゥイカ タ アヨロ ヌプリ カシ ウン ヤㇺ エチャㇻパ ナンコㇿ あなたは外へ出ると同時にアヨロ山の上に栗をばらまきなさい。(W神謡語り) ☆参考 沙流川下流のサダモさんは、 ipe tuyka ta イペ トゥイカ タ《食べながら》はユカルの言葉で、 日常語では ipe=an kor イペアン コㇿ だと言った。 それに対し姉のワテケさんは「húci フチ《おばあさま》がよく言った」と反論した。 ☆参考 机やござや紙の「上」は tuyka トゥイカ ではなく ka カ。 ドアのすぐ「上」、 棒や杖の「上端」などが tuyka トゥイカ。 ☆参考 「…しながら」には kurka クㇽカ も使われる。 ☆対語 tuypok トゥイポㇰ {E: ①above… ②in the middle of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuykasi
トゥイカシ 【位名】[所](概は tuyka トゥイカ)…の上。 epa=kor sápo/nan tuykasi/hetuku cup ne/iyenucupki/ciwre kane エパコㇿ サポ/ナン トゥイカシ/ヘトゥク チュㇷ゚ ネ/イイェヌチュㇷ゚キ/チウレ カネ [雅]私の姉は顔の上にさしのぼる朝日のように日の光がさしている。(Sユーカラ) káne kuwa/cinoye kuwa/kuwa tuykasi/notomare カネ クワ/チノイェ クワ/クワ トゥイカシ/ノトマレ [雅](姉は)金(かね)のねじれた杖の上にあごをのせている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuyma
トゥイマ 【自動】遠い。 tuyma uske トゥイマ ウㇱケ 遠い所。 tuyma hi wano k=ek トゥイマ ヒ ワノ ケㇰ 私は遠い所から来た。 tuyma repunkur トゥイマ レプンクㇽ (直訳すると)遠くの海外の人=外国人。 ☆対語 hanke ハンケ 近い。 {E: to be far; distant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuymaa
トゥイマア 【自動】[tuyma-a 遠く・座る] 大便する(良い言葉)。 ku=tuymaa wa k=ek クトゥイマア ワ ケㇰ (私は)大便して来ます。(W)/大便して来た(どこへ行ったか聞かれたときの返事)。(S) ☆参考 「ぶつけて」(直接的に)言う言葉は osoma オソマ。 ☆対語 hankea ハンケア 小便する(良い言葉)。 {E: to defecate (polite).} (出典:田村、方言:沙流)
tuytektek
トゥイテㇰテㇰ 【他動】[tuy-tektek 切る(tuye の語根)・瞬間に…する] …をパッとちょん切る、 …を一瞬に/バサリと切る。 nísapno tasiro etaytektek wa a=reci tuytektek nankor ニサㇷ゚ノ タシロ エタイテㇰテㇰ ワ アレクチ トゥイテㇰテㇰ ナンコㇿ 彼はサッと刀を抜いて私の首をバサリと切るでしょう。(W民話) {E: to cut… quickly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uciw-itara
ウチウイタラ 【自動】[u-ciw-itara 互い・にささる・(状態が続いていることを表す接尾辞)][雅](いくすじもの光が)互いに反射し合いきらめき合う。 otu imeru/ore imeru/sukustoy kunne/uciw'itara オトゥ イメル/オレ イメル/スクㇱトイ クンネ/ウチウイタラ [雅]何本もの光が真昼の明るい光のように互いに反射しきらめき合っている。(Sユーカラ) ☆参考 wi ウィ という発音がないため、 w ウ と i イ の間で音節を分けて発音している。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhekote 1
ウヘコテ 【自動】[単](複は uhekotpa ウヘコッパ)[u-he-kote 互いに・頭・をつなぐ] 互いに連れ添う、 一緒に暮らす。 hetopo kotankonnispa ne an wa eci=uhékote yakun ヘトポ コタンコンニㇱパ ネ アン マ エチウヘコテ ヤクン 彼はもとどおり村おさになって、 あなた方が夫婦になって一緒に暮らせば。(W民話) ☆参考 uheturaste ウヘトゥラㇱテ とも言う。 {E: to be married; live together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhekote 2
ウヘコテ 【副】互いに、 互いの方に向かって。 tane anakne somo uhekote itak=an kus ne na タネ アナㇰネ ソモ ウヘコテ イタカン クㇱ ネ ナ もう互いに口をきかないことにしよう。(S言い伝え) {E: mutually; to face one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhetukpare
ウヘトゥㇰパレ 【自動】[u-hetukpa-re 互い・生まれる(複)・させる]皆が生まれる。 oro wa/uhetukpare p/aynu ne kusu オロ ワ/ウヘトゥㇰパレㇷ゚/アイヌ ネ クス そこから人間が生まれるのですから。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhuy
ウフイ 【自動】燃える、 焼ける、 こげる。 uhuy wa paspasi an ウフイ ワ パㇱパシ アン (パンが)こげて炭に(真っ黒に)なった。(W) cise uhuy チセ ウフイ 家が燃える(火事)。 kotan un rok hi maciya un rok hi uhuy wa paye コタン ウン ロキ マチヤ ウン ロキ ウフイ ワ パイェ 村のあった所や町のあった所が燃えて行った。(W会話) ratcako uhuy ラッチャコ ウフイ ランプが燃える(ともる)。 uhuy ikuspe ウフイ イクㇱペ 焼けた柱(女性が死んだあと焼いた家の)。 uhuy nicica ウフイ ニチチャ 「焼けぼっくい」焼け跡に立っている焼けこげた棒杭。(W会話) sir-uhuy シルフイ[完動]あたり/地/山が燃える(山火事や野火で)。 ☆参考 調理のことではなく、 家や野山や物などが燃えたり焼けたり、 食べ物でも焼けすぎてこげたりすることを言う。 {E: to be burnt; scorched.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhuyka
ウフイカ 【他動】[uhuy-ka 燃える・(他動詞化)] …を燃す、 …を燃やす、 …を焼く、 …をこがす。 kanpi uhuyka カンピ ウフイカ 紙を燃す。 wenakun k=úhuyka hene ki? ウェナクン クフイカ ヘネ キ? (雑草が次々に生えてきてどうにもならない、 )しかたがないから燃やしてでもしまおうかな。(S) ☆参考 調理ではなく、 ものを燃やしたりこがしたりすることを言う。 調理して焼くことは ma マ。 {E: to burn, roast…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uk
ウㇰ 【他動】[単](複は uyna ウイナ) ①…を取る、 …を得る、 …を受け取る、 …を奪う。 noskike ta an a suwop a=uk wa ノㇱキケ タ アナ スウォㇷ゚ アウㇰ ワ まん中にあった箱を私は取って。(HK民話) haru pirkapi uk rusuy kusu ハル ピㇼカピ ウㇰ ルスイ クス よいみのり(食物の収穫)を得たいから。(S会話) ataye uk (その)料金を受け取る。 e=sanpehe a=uk kusu a=e=túra wa e=ek hi エサンペヘ アウㇰ クス アエトゥラ ワ エエキ あなたの心臓を取る(奪う)ためにあなたは連れられて来たことを。(S民話) yaku uk kamuy ヤク ウㇰ カムイ 役目を持たされている神。 ② ☞aske uk アㇱケ ウㇰ、 teke uk テケ ウㇰ ☆参考 「…を取って(人に)渡す」の意味では使われず、 「受け取る」、 「手に取る」、 「奪う」などを表す。 「そこにあるものを取って(私に渡して)下さい」と言うようなときは uk ウㇰ ではなく ekte エㇰテ《よこす》が使われる。 {E: to get, receive…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukaosma
ウカオㇱマ 【自動】[u-ka-osma 互い・の上・にのる] 重なる、 たまる、 はかどる。 okkayo anak itak ukaosma ka koyaykus オッカヨ アナㇰ イタㇰ ウカオㇱマ カ コヤイクㇱ「男は言葉がはかどらん」(語彙調査の質問がどんどん進まない)。(W) {E: to progress.} (出典:田村、方言:沙流)
ukikkik
ウキッキㇰ 【自動】[u-kikkik 互い・を何回も打つ(kik の重複)]何回も続けてぶつかりあう。 ku=minaki ukikkik pakno k=úruuruk クミマキ ウキッキㇰ パㇰノ クルウルㇰ 私は歯がガチガチぶつかり合うほどふるえている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
ukipniwkes
ウキㇷ゚ニウケㇱ 【自動】[u-kipniwkes 互い・を救う](いのちを)助け合う、 仲間同士で一方が他方を救助する。 poyson sinep worosma wa mom wa nokan hekattar ukipniwkes kus iyaepaspa a korka nani orawkipa wa mom wa isam ポイソン シネㇷ゚ ウォロㇱマ ワ モンマ ノカン ヘカッタㇻ ウキㇷ゚ニウケㇱ クㇱ イヤエパㇱパ ア コㇿカ ナニ オラウキパ ワ モンマ イサㇺ 子どもが一人水に落ちて流れて小さい子ども達が助けようと岸づたいに走ったがじきに追いつけなくなって流れてしまった。 ☞kip niwkes キㇷ゚ ニウケㇱ {E: to help save one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uko-cipattankenere
ウコチパッタンケネレ 【自動】[uko-cipattankenere 皆一緒に・はじける](煎っているものが)皆はじけてしまう。 hńta kus puta e=omare ka somo ki no eseyreka híne uko-cipattankenere wa isam siri an? フンタ クㇱ プタ エオマレ カ ソモ キ ノ エセイレカ ヒネ ウコチパッタンケネレ ワ イサㇺ シリ アン? どうしてふたをしないで煎って、 皆はじけてしまったじゃないか。(S) {E: to be (split) open; for all to burst open.} (出典:田村、方言:沙流)
ukoirsimne
ウコイㇼシㇺネ 【自動】[u-ko-ir-sim-ne 互い・に対して・一まとまり・(?)・である] どっちが頭か尻かわからないようにぶかっこうだ。 ukoirsimne sísam nisu a=kutkore ruwe néno kane an ウコイㇼシㇺネ シサㇺ ニス アクッコレ ルウェ ネノ カネ アン ぶかっこうで和人の臼に帯をしめさせたのみたいだ。(S) (出典:田村、方言:沙流)
ukokor
ウココㇿ 【他動】[uko-kor 一緒に・…を持つ] ①…を一緒に持つ、 (夫婦の間に)(子ども)がいる/できる。 tane pon hekaci ukokor wa タネ ポン ヘカチ ウココㇿ ワ いまはもう二人の間に赤ちゃんが生まれて。(W民話) sine situ ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an? シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン? 一つの尾根を両方から一緒に持って互いに会ったことがないものはなあに(なぞなぞで、 答えは sikihi シキヒ 目)。 ②[u-ko-kor 互いに・対して・持つ] 取り合う、 奪い合う。 teeta anak usa ikor usa emus usa sintoko pirka hikehe ukokor rusuy kusu テエタ アナㇰ ウサ イコㇿ ウサ エムㇱ ウサ シントコ ピㇼカ ヒケヘ ウココンルスイ クス 昔は宝物や刀やシントコ(大きい容器)のよいものを取り合いたくて。(W言い伝え) {E: ①to have a child together (between a couple); to have…together. ②to struggle for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukonoyke
ウコノイケ 【自動】[uko-noyke 一緒に・ねじれる] ねじれている、 からまり合う。 ka ukonoyke カ ウコノイケ ござを編む糸がねじれている。(S) ratcako peker tek us tek peker tek us tek, mákip iki sekor ku=raman kusu ku=soyne wa ku=inkar akus harinkane ukonoye wa an wa ne aan ラッチャコ ペケッ テㇰ ウㇱ テㇰ ペケッ テㇰ ウㇱ テㇰ、 マキㇷ゚ イキ セコㇿ クラマン クス クソイネ ワ クインカラクㇱ ハリンカネ ウコノイェ ワ アン マ ネ アアン あかりがついたり消えたりついたり消えたりする、 どうしたんだろうと思って外に出て見たら電線がからまり合っていたのだった。(S) {E: to be twisted; intertwined} (出典:田村、方言:沙流)
ukopayoka
ウコパヨカ 【自動】[複](単はない)[u-ko-payoka 互い・に・行き来する] 互いに行き来する、 訪問し合う、 訪問したりされたりして親しくつき合う。 nep ka aop ka isam wa ukopayoka rusuy=an yakka wen ネㇷ゚ カ アオㇷ゚ カ イサㇺ マ ウコパヨカ ルスヤン ヤッカ ウェン 何も乗り物もないので行ったり来たりしたくてもできない。 sisak tokuy ne ukopayoka=an シサㇰ トクイ ネ ウコパヨカアン 私たちはまたとない親友として親しく行き来した。(NK民話) {E: to be mutually friendly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukopoypoye
ウコポイポイェ 【他動】[uko-poy-poy-e 一緒に・(混合を表す語根)・(重複)・(他動詞形成)](ukopoye ウコポイェ の重複形) ゴチャゴチャに混ぜてしまう、 よくかき混ぜる。 hunakoro kus k=úsaraye wa an a p é=ukopoypoye ruwe? フナコロ クㇱ クサライェ ワ アナㇷ゚ エウコポイポイェ ルウェ? せっかく私が分けておいたのにあなたはまぜてしまったの。(S) {E: to mix…} (出典:田村、方言:沙流)
ukor
ウコㇿ 【自動】[u-kor 互い・を持つ] ①互いを持つ sisak tokuy ne ukor=an シサㇰ トクイ ネ ウコラン 私たちは互いをたぐいない親友として持った=私たちはたぐいない親友になった。 ②夫婦になる、 結婚する。 aynu ohaoka wa ukor eaykap kus アイヌ オハオカ ワ ウコㇿ エアイカㇷ゚ クㇱ 人間同士では結婚することができないから。(S言い伝え) (動名詞として)結婚。 kamuy or ta sonno ukor síno ukor eci=ki kus ne na カムイ オッタ ソンノ ウコㇿ シノ ウコㇿ エチキ クㇱ ネ ナ あなた方は天の神の国で本当の結婚まことの結婚をすることになるのだから。(HC民話) {E: ①to have each other. (couples, friends, etc.) ①to get married (v).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukoramnukar
ウコラㇺヌカㇻ 【自動】[u-ko-ram-nukar 互い・に・心・を見る] 度胸くらべをする。 inan kur síno op easkay ya, ukoramnukar=an wa, ne síno op easkay kur a=nukár kusu ne イナン クㇽ シノ オㇷ゚ エアㇱカイ ヤ、 ウコラㇺヌカㇻアン マ、 ネ シノ オㇷ゚ エアㇱカイ クㇽ アヌカㇻ クス ネ だれが本当に槍が上手か、 「度胸比べ」(この場合槍投げ比べ)をして、 その本当に槍の上手な人を見よう。(S会話の中の昔話の引用) ☞urametok ウラメトㇰ {E: to compare one's abilities.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukoramuriten
ウコラムリテン 【自動】[u-ko-ramu-riten 互い・に・その心・柔軟である] 互いに/皆やさしくおだやかである(悪酔いして悪さをしたり乱暴したりしないで、 心おだやかにしてなごやかにすごす)。 iteki paskur sinot ki no ikuosirepa pakno ukoramuriten yak pirka! イテキ パㇱクㇽ シノッ キ ノ イクオシレパ パㇰノ ウコラムリテン ヤㇰ ピㇼカ! カラスみたいな悪ふざけをしないで酒宴が終わるまでなごやかに楽しみなさいよ。(HC神謡の最後の語りの部分) {E: to be kind and gentle with one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukosetane
ウコセタネ 【自動】[u-ko-seta-ne 互い・に・犬・になる](直訳すると)互いに/一緒に犬のような振舞いをする(用例の文脈では兄妹相姦を言っている)。 hinak wa poro hon e=kor ruwe an yakun, ohaoka=an wa ukosetane=an sekor a=kotánu un utar i=ye kor i=kuriante ヒナㇰ ワ ポロ ホン エコン ルウェ アン ヤクン、 オハオカアン ワ ウコセタネアン セコㇿ アコタヌ ウン ウタㇻ イイェ コㇿ イクリアンテ どうしてお前はおなかが大きくなったのだ、 それでわれわれ兄と妹だけで犬みたいなことをしたと村の人たちが言って陰で笑う。(KH民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukosinritkor
ウコシンリッコㇿ §013.先祖;祖先(11)uko-sinrit-kor〔u-kó-šin-rit-kor ウこシンリッコㇿ〕⦅ビホロ⦆共通の先祖をもつ"Kusuri newa Piporo〜;naa sine inonno(inomi, ekasi) kor"「クシロ(釧路)とビホロ(美幌)は先祖が一つだ;まだ同一の祈(祭、祖先)を持っている」。[uko(同一の)+sinrit(祖先を)+kor(もつ)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ukotama
ウコタマ 【他動】[uko-tama 一緒に・(?)] 倍にする。 tup patek ku=kor pe a=ukótama ruwe pakno e=kor トゥㇷ゚ パテㇰ クコㇿ ペ アウコタマ ルウェ パㇰノ エコㇿ 私は二つだけしか持っていないのにあなたはそれを倍にしたほど持っている。(S) {E: to double…} (出典:田村、方言:沙流)
ukotasaske
ウコタサㇱケ 【自動】[uko-tasas-ke 皆一緒に・ヒリヒリ(擬態)・する(自動詞形成)] 全体ヒリヒリする。 haː ukotasaske humi! ku=tekehe! ハー ウコタサㇱケ フミー! クテケヘ! ああヒリヒリするなあ、 私の手。(S) {E: to sting or smart all over.} (出典:田村、方言:沙流)
ukotukka
ウコトゥッカ 【他動】[ukotuk-ka 互いにくっつく・(他動詞化)] …を互いにくっつける、 (のりで)はりつける。 ku=kor toke atuhu soske kor an, k=úkotukka easirki, somo yakun nani tuy クコッ トケ アトゥフ ソㇱケ コラン、 クコトゥッカ エアシㇼキ、 ソモ ヤクン ナニ トゥイ 私の時計の(皮の)バンドがはがれてきた、 はりつけなければならない、 そうしないとすぐ切れてしまう。(W) {E: to stick…together (with glue).} (出典:田村、方言:沙流)
ukoutur/ukowtur
ウコウトゥㇽ 【位名】[概](所は ukouturu/ukowturu/ukouturke/ukowturke ウコウトゥル/ウコウトゥㇽケ)[u-ko-utur 互い・に対して・…の間](二つのもの/場所)の間。 kotan ukowtur ru kus コタン ウコウトゥンル クㇱ 村の家並みの間の道を通る。(S) {E: between; among.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukouturu/ukowturu
ウコウトゥル 【位名】[所](概は ukoutur/ukowtur ウコウトゥㇽ)[u-ko-utur-u 互い・に対して・…の間・(所属語尾)](二つのもの/場所)の間、 その間。 cise ukowturu kus チセ ウコウトゥル クㇱ 家と家の間を通る。(S) {E: between or amongst two places or things.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukoyomomke/uko-yomomke
ウコヨモㇺケ 【自動】[uko-yomomke 一緒に・ちぢれる](火にあぶったために)チリチリにちぢれる、 ひきつる(セロファン、 ビニール、 皮膚のやけど等)。 ku=teke ukoyomomke クテケ ウコヨモㇺケ 私の手がやけどでチリチリになった。(S) {E: to be scarred (eg. for the skin to be scarred from a burn).} (出典:田村、方言:沙流)
umay
ウマイ 【名】[< 日本語(?)]菓子。 ☆参考 kuwas クワㇱ とも言う。 甘い菓子は tópenpe トペンペ《甘いもの》という総称で呼ぶことが多い。 {E: sweets; confectionary.} (出典:田村、方言:沙流)
umurek
ウムレㇰ §035.夫婦(1)umurek〔u-mú-rek ウむレㇰ〕⦅ホロべツ⦆夫婦;夫妻。"onne〜tek-kakipo rikunruke raunruke arki"「老いた夫婦が手を目の上にかざしかざしやって来た」⦅神謡集, p.8⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
un 2
ウン 【格助】[< un ウン 1] ①(連体句をつくる、 つまり名詞にかかる。) …にある/いる…、 …につく/ついている…、 (そこ)の、 …出身の。 Sar un kur サルン クㇽ 沙流の人(一語のアクセントで発音される)。 atuy or un cikap アトゥヨルン チカㇷ゚ 海の鳥。 te un húci テ ウン フチ ここの(=この家の)おばあさん。(S) (注 特定のおばあさんを言うときは un ウン でなく ta タ を使って te ta X húci テ タ X フチ ここの(この家の)Xおばあさん。(S) ) ②(連用句をつくる、 つまり動詞にかかる。) …へ/に(移動の方向/目的地、 心理的に向かう方向)、 …に/から(見える方向、 音や声などが聞こえる方向、 ものを取る相手やその場所)、 …で(仕事や飲食をする入れものの中や台の上などの場所)。 Tokiyo un k=arpa kusu ne トキヨ ウン カㇻパ クス ネ 私は東京へ行きます。(S) osmake un esirkociwe no a オㇱマケ ウン エシㇼコチウェ ノ ア 後ろへ押し分けて坐りなさい。(S) atuy or un put kor to アトゥヨルン プッ コッ ト 海へ口を持った沼。 urepeci osmake un an, kesupi kotcake un an ウレペチ オㇱマケ ウン アン、 ケスピ コッチャケ ウン アン 足指が後のほうにある、 かかとが前のほうにある。 ③siyoka un inkar シヨカ ウン インカㇻ 後ろを見る。 pínay asam un sir-kunne kane síran, rawne wa ki ピナイ アサムン シㇼクンネ カネ シラン、 ラウネ ワ キ 谷底の方が暗くなっている、 深くて。 to noski un háwas ト ノㇱキ ウン ハワㇱ 沼のまん中で声がする。 kamuy hayokpe/iyoykir ka un/a=uyna katu カムイ ハヨㇰペ/イヨイキㇼ カ ウン/アウイナ カトゥ [雅]立派なよろいかぶとを宝器類の上から取って下ろしたことを。(Sユーカラ) nisu or un iyuta ニス オルン イユタ 臼でヒエつきする。(W) káneya ka un ma カネヤ カ ウン マ (魚を)かなあみの上で焼く。(S) kasi un e=kanpinuye hemanta カシ ウン エカンピヌイェ ヘマンタ その上であなたが書きものするやつ(=机)。(S) {E: ①to be; exist; be from… ②to… ③from, at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
un 3
ウン 【終助】①(名詞・副詞の後で、 ne ネ《…だ》を言わずに文を終止する。 会話の言い方で、 肯定の返事の表現に使われる。) …だよ、 …ですよ。 sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an? a=sikíhi un シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン? アシキヒ ウン 一つの尾根を両方から一緒に持っていてお互いに会ったことがないものは何ですか? 私たちの目ですよ。 ruwe un ルウェ ウン そうですよ。 ②(動詞の後で。 これも返事の表現らしい。)poronno ku=sanke wa k=ére kus ku=ye hike ka ponno ka e ka somo ki wa =iruska un ポロンノ クサンケ ワ ケレ クㇱ クイェ ヒケ カ ポンノ カ エ カ ソモ キ ワ クイルㇱカ ウン 私がたくさん出して食べなさいと言ったのに彼は少しも食べないので私は腹が立ったのよ。 hetak hokure i=komuy un! ヘタㇰ ホクレ イコムイ ウン! さあ早く(私の)シラミをとっておくれよ。(W民話) ③(疑問文で)何…/どう…だろう? k=éninuype íne un? ケニヌイペ イネ ウン。 私の枕どうしたろう(見つからないとき)。(S) réhe ene a=ye p ne hi ka k=éranpewtek hemanta kameasi un? レヘ エネ アイェㇷ゚ ネ ヒ カ ケランペウテㇰ ヘマンタ カメアシ ウン? その名前はなんと言うものだかもわからない、 なんていうばけものだろ。 ④(返事をうながす)“tane emonasnu?” “na kémonasap. eani un?” 「タネ エモナㇱヌ?」「ナ ケモナサㇷ゚、 エアニ ウン?」「もう終わったかい。」「まだ終わらない。 あなたは?」 (S) ⑤ruskare un! ルㇱカレ ウン (直訳すると)彼をそのことで不機嫌にさせよ=ああよかった(反語で、 喜びの表現)。 {E: a sentence-final particle that emphasises the speaker's conviction, especially in conjunction with imperative.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
un 4
ウン 【副助】(強めの一種、 考慮・納得を表すことが多い。) …ね、 なあ。 siknu eaykap hawe un somo ne? シㇰヌ エアイカㇷ゚ ハウェ ウン ソモ ネ? (そんな小さな弱い赤ん坊だったら)生きられないのじゃないのか。 kamuy i=erampokwen nen póka ne ciki un somo ki ya? カムイ イエランポㇰウェン ネン ポカ ネ チキ ウン ソモ キ ヤ? なんとか神様が憐れみをかけてくれないかなあ。 oroyaciki un/ona ne manu p/akor kusu オロヤチキ ウン/オナ ネ マヌㇷ゚/アコㇿ クス なるほどそうか、 父というものが私にはあったために。(Sユーカラ語り) ene un suy erampewtek hi? エネ ウン スイ エランペウテㇰ ヒ? そんなに感じられないのか。(W) ikiya un …wa イキヤ ウン …ワ ひょっとすると。 ikiya un túnasno e=ek wa イキヤ ウン トゥナㇱノ エエㇰ ワ ひょっとするとあなたが早く来るかもしれないなあ(注 ikiya …na イキヤ …ナ は《…しないようにね》)。 hńta un …wa フンタ ウン …ワ なあに、 ほかでもない。 hńta un, kamuy ye a wa フンタ ウン、 カムイ イェ ア ワ なに、 ほかでもない、 神様が言ったのだ=大丈夫、 神様が言ったとおりになるんだ。 {E: a particle emphasizing consideration or agreement.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
unarpe 1
ウナㇻペ 【名】①おば、 おばさん(父または母の姉妹や女のいとこ、 伯母/叔母)。 ☆参考 「…のおばさん」は kor コㇿ《…を持つ》を使って言う。 …kor unarpe …コルナㇻペ …のおばさん、 彼のおばさん。 ku=kor unarpe クコルナㇻペ 私のおばさん。 e=kor unarpe エコルナㇻペ あなたのおばさん。 (注 呼びかけは unarpe ウナㇻペ または ku=kor unarpe クコルナㇻペ。) ②[概/所](所は unarpehe ウナㇻペヘ とも)(親族名称)おば(伯母/叔母)。 (注 「…のおば」は所属形を使って言う。 ☞unarpehe ウナㇻペヘ) (出典:田村、方言:沙流)
uneno
ウネノ 【副】[u-neno 互い・に似て] ①(二つ以上が)互いに似て、 同じく。 kutcama uneno an クッチャマ ウネノ アン 声がそっくりだ。(S) uneno aynu ne wa hńta kusu ene e=hawean hi an? ウネノ アイヌ ネ ワ、 フンタ クス エネ エハウェアニ アン? 私たちは同じにアイヌであって、 どうしてあなたはそのように言うのか。(S) uneno motokor ウネノ モトコㇿ 同じく起源を持つ=起源は同じである。 imatne kur ka iyokkayone kur ka, opitta uneno kewtumu pirka utar ne イマッネ クㇽ カ イヨッカヨネ クㇽ カ、 オピッタ ウネノ ケウトゥム ピㇼカ ウタンネ 奥さんのほうもだんなさんのほうも、 両方とも同じに心のいい人たちだ。(S) ②(連体的に)同じ…。 uneno itak ウネノ イタㇰ 同じ言葉。 ☆参考 性質や有様や状況などが似ていることや同様であることを言う。 これに対し、 数量や程度が同じくらいであることは upakno ウパㇰノ と言う。 ☞néno ネノ {E: ①like; the same as. ②the same …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
unin 2
ウニン 【助動】(色について)…色がかっている。 ruhure unin húku e=mi ruwe tas ta an nek ルフレ ウニン フク エミ ルウェ タㇱ タ アン ネㇰ うす赤っぽい服を、 ほら、 あなたがそこに着ているんだよ。(S) {E: to be coloured.} (出典:田村、方言:沙流)
unno
ウンノ 【格助】[un-no …へ・(副詞語尾)] …へ/に、 …まで。 ku=patoye unno ironne pekor ku=paro siratek クパトイェ ウンノ イロンネ ペコㇿ クパロ シラテㇰ 唇のほうまで厚くなるように唇がしぶい。 pon cikappo utar kuttomo unno hása kane oka ポン チカッポ ウタㇻ クットモ ウンノ ハサ カネ オカ 小鳥のひなたちがのどの中の方まで(口を)あけている。(S) ☆参考 un ウン 2 ②と似ているが、 「まっすぐそこに向かって」あるいは「そこまで」ということをはっきり表現する、 un ウン の部分にアクセントを置いて、 前の語よりも高く強く発音する。 {E: to; until; till.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
unu 2
ウヌ 【名】[概/所](所は unuhu ウヌフ とも) 母親(親愛の情などを含まない客観的な親族関係の表現)。 unu takup siresure ウヌ タクㇷ゚ シレスレ 母親だけに育てられる。(S) ☆対語 ona オナ 父親。 {E: mother.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
unuunu
ウヌウヌ 【他動】[unu-unu (そこ)につける・(重複)](直訳すると)(そこ)にくり返し何回もつける。 ☞teksikewka-unuunu テㇰシケウカ ウヌウヌ、 cewsamkur unuunu チェウサㇺクㇽ ウヌウヌ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
upakserke
ウパㇰセㇾケ 【名】[u-pak-serke 互い・ほど(の)・部分[所]]ちょうど半分の部分。 upakserke ku=maka wa ku=nukar ウパㇰセㇾケ クマカ ワ クヌカㇻ ふすまのちょうど半分だけ空けてみました。(W) (出典:田村、方言:沙流)
upaksinne
ウパㇰシンネ 【自動】[u-pak-sir-ne 互い・ほど・様子・である] 平らである。 sir-upaksinne シㇼウパㇰシンネ 土地が平らだ。 upaksinne kunine kewre yan ウパㇰシンネ クニネ ケウレ ヤン 平らに削りなさい。(S) {E: to be flat; level.} (出典:田村、方言:沙流)
upiyekar
ウピイェカㇻ 【自動】[u-piyekar 互い・に石をぶつける] 石のようなものをぶつけ合う。 upas taktaku wa ani upiyekar ウパㇱ タㇰタク ワ アニ ウピイェカㇻ 雪を丸めてぶつけ合う(雪合戦する)。(S) ☞piyekar ピイェカㇻ {E: to throw rock-like objects at each other (snowballs).} (出典:田村、方言:沙流)
upsor 1
ウㇷ゚ソㇿ 【名】[概](所は upsoro(ho) ウㇷ゚ソロ(ホ)) [< upsi-or 内部におおわれている(?)・ところ] ①ふところ、 着ている衣服の中。 ②[慣用表現](家や部屋の)中(保護され守られている内部が、 ふところや衣服の中にたとえられる)。 cise upsor míke kane kurkot kane チセ ウㇷ゚ソㇿ ミケ カネ クㇽコッ カネ [慣用表現]家のふところ(=家の中)が光り輝いている。(W民話) tunpu upsor a=orésu トゥンプ ウㇷ゚ソㇿ アオレス [雅]部屋のふところ(=部屋の中)で育てられた。(W) cási upsor/koyaykar ruwe/ene oka hi チャシ ウㇷ゚ソㇿ/コヤイカン ルウェ/エネ オカ ヒ [雅]城のふところ(=城の中)のつくりようは次のようであった。(Sユーカラ) ☆参考 知里真志保による語源解釈が『分類アイヌ語辞典人間篇』の p.53 にある。 {E: ①the bosom. ②the inside of (a house or room).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
upsor 2
ウㇷ゚ソㇿ 【名】[< upsor 1]女の下帯(昔、 女性は成人すると必ずつけた、 腰部の肌につけ、 夫以外には見せない、 つくり方やつけ方は母系で伝えられた)。 ☆参考 ponkut ポンクッ《小さい帯》とも言う。 日本語では貞操帯と呼ばれたこともある。 くわしい報告や研究が数多くあり、 北海道内の各博物館に実物が陳列されており結び方を示したものもある。〔知分類 人間篇索引 p.649(また口絵に樺太アイヌのものがある。)〕 {E: a female loincloth; a chastity belt.} (出典:田村、方言:沙流)
upsoro(ho) 1
ウㇷ゚ソロ(ホ) 【名】[所](概は upsor ウㇷ゚ソㇿ)…のふところ、 …の着ている衣服の中。 k=upsoro péka nay san kane クㇷ゚ソロ ペカ ナイ サン カネ 私の衣服の中を沢が流れている=汗が沢のように流れている。(S) sir-kunne kor hotke utar oka ta e=kuy a e=kuy a e=upsoro un ki kor e=an ruwe ne シㇼクンネ コㇿ ホッケ ウタㇻ オカ タ エクヤ エクヤ エウㇷ゚ソロ ウン キ コㇿ エアン ルウェ ネ 夜になると人々が寝た後でお前はふところの中で(ついて精白したヒエを)モグモグかんでいるのだな。(W民話) {E: the bosom (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
upusi(hi)
ウプシ(ヒ) 【名】[所]…の(ブドウやコクワの)房。 kutci upusihi pirka ruwe! クッチ ウプシヒ ピㇼカ ルウェ! 「コクワ」(=サルナシ)の房いいねえ! (S) kími upusihi kar kor an キミ ウプシヒ カㇻ コラン 彼はトウモロコシを束にしている。(S) {E: a bunch of…(grapes, corns, etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
urametok
ウラメトㇰ 【接頭辞+名詞】[u-rametok 互い・大胆さ](次の表現の中で) urametok uwante ウラメトㇰ ウワンテ 互いに度胸の強さを比べ合う=度胸比べをする。 asinuma hoski tumutuy=an ya kimun kamuy hoski tumutuy ya urametok uwante=an kusu アシヌマ ホㇱキ トゥムトゥイアン ヤ キムン カムイ ホㇱキ トゥムトゥイ ヤ ウラメトㇰ ウワンテアン クス 私が先に力尽きるか熊が先に力尽きるか、 「度胸比べ」(=強さ比べ)するために。(HK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uramkoyki
ウラㇺコイキ 【自動】[u-ramkoyki 互い・をからかう]からかい合う、 冗談を言い合う。 [動名詞]からかい合い、 冗談の言い合い。 uramkoyki ne kusu pirka wa ウラㇺコイキ ネ クス ピㇼカ ワ「いたずらにいい合いしてるんですからいいですわ」(=冗談に言い合いしてるんだから大丈夫だ)。(W) ☞ram(u) koyki ラㇺ/ラム コイキ (出典:田村、方言:沙流)
úrannis
ウランニㇱ 【名】[urar-nis 霧/霞・空](次の表現で) úrannis an ウランニㇱ アン うすぐもりだ(=úranniskur an ウランニㇱクㇽ アン) ☞uranniskur ウランニㇱクㇽ {E: light clouds.} (出典:田村、方言:沙流)
ureekiru
ウレエキル 【他動】[ure-e-kiru 足・で・向きを変える][雅](土)を足でひっくり返す。 niste toy or/hapur toy kunne/a=ur仔kiru ニㇱテ トヨㇿ/ハプッ トイ クンネ/アウレエキル [雅]固い土のところが柔らかい土のように私の足で掘り返された。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
urepok
ウレポㇰ 【名】[ure-pok 足・の下][古](月の名)10月。 kurukpeciyay roski, a=otérke kor ureasam ta pukukse wa kusu urepok クルㇰペチヤイ ロシキ、 アオテㇾケ コㇿ ウレアサㇺ タ プクㇰセ ワ クス ウレポㇰ 霜柱が立ち踏(ふ)むと足の裏の所でパラパラ鳴るから urepok ウレポㇰ《足の下》。(W) (出典:田村、方言:沙流)
urespa
ウレㇱパ 【自動】[u-respa 互い・を育てる(複)]皆が育つ。 e=poutari/aynu motoho/népa ki wa/urespa yakun エポウタリ/アイヌ モトホ/ネパ キ ワ/ウレㇱパ ヤクン [雅]あなたの子どもさんたちが人間の始祖になってふえて次々に育って行くならば。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
urkio
ウㇽキオ 【自動/他動】[urki-o シラミ・がつく] ①[自動]シラミにたかられる。 a=mipa p a=huráypa póka somo ki p ne kusu urkio=an アミパㇷ゚ アフライパ ポカ ソモ キㇷ゚ ネ クス ウㇽキオアン 私は着ているものを洗いもしないのでシラミにたかられた。(W民話) ②[他動]…にシラミがつく。 urkio amip ウㇽキオ アミㇷ゚ シラミのついた着物。(W民話) {E: ①to be infested with lice. ②for lice to infest…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uronnu
ウロンヌ 【自動】[u-ronnu 互い・を殺す[複]](直訳すると)殺し合いをする、 (用例の文脈では)皆殺しにされる、 皆死んでしまう。 kusu keraypo kotan epitta somo uronnu=an no クス ケライポ コタン エピッタ ソモ ウロンヌアン ノ そのおかげで(夜襲の群が来ることを予知した人が知らせてくれたおかげで)村じゅうが皆殺しにされずに。(W言い伝え) ☆参考 直訳すると《殺し合いをする》だが、 この用例の文脈では、 村の人々がよそからにやられて死んでしまうことを言っている。 ☆参考 単数形 urayke ウライケ は「殺し合う」。 {E: for all to be killed; kill each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
urorerok
ウロレロㇰ 【自動】[複](単の用例はない)[u-ror-e-rok 互い・の上座・に・座る[複]](二人が)上座下座に並んで座る。 kamuy ne kus koraci an onne kur an, úturkehe ta kamuy ne noyne an rupnemat an, urorerok híne oka カムイ ネ クㇱ コラチ アン オンネ クㇽ アン、 ウトゥㇽケヘ タ カムイ ネ ノイネ アン ルㇷ゚ネマッ アン、 ウロレロㇰ ヒネ オカ 神と見まがうばかりの立派な老人がいた、 その下座に神のような立派な老女がいた、 二人は上座下座に並んで座っていた。(KC民話) {E: to sit in order from the highest to the lowest place of honour.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uruuruk
ウルウルㇰ 【自動】[uruuru-k (擬態の語根の重複)・(自動詞形成)] ブルブルふるえる(寒くて)。 ku=mimaki ukikkik pakno k=úruuruk クミマキ ウキッキㇰ パㇰノ クルウルㇰ 私は寒くて歯がガチガチぶつかるほどふるえる。(S) ☆参考 恐ろしくてふるえることは tususke トゥスㇱケ《ふるえる》、 tususatki トゥスサッキ《ひどくガタガタガタガタふるえる》と言う。 寒くてかじかむことは petetne ペテッネ。 {E: to shiver (due to the cold).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usapki
ウサㇷ゚キ 【自動】[usa-p-ki いろいろな・こと・をする](?) 何をするにも一生懸命よく働く。 (動名詞として)pirka usapki e=ki kus ne na ピㇼカ ウサㇷ゚キ エキ クㇱ ネ ナ「なんでも体を達者にしてよく働いて模範と言われるようにしなさい。」 (S) {E: to work hard at; put all one's efforts into.} (出典:田村、方言:沙流)
usat
ウサッ 【名】おき(火のついている炭、 木が燃えてもう煙が出なくなったもの)。 tanepo ape ruy wa usat ka isam タネポ アペ ルイ ワ ウサッ カ イサㇺ いま火がついたばかりでまだおきはできていない。(S) mokor usat モコㇿ ウサッ [眠っている・おき] 灰(retarpas レタㇻパㇱ)をかぶって中にあるおき。(福満S) ☆参考 usat ウサッ も pas/paspas パㇱ/パㇱパㇱ も「燃えかす」と訳されることがあるが別のものである。 usat ウサッ《おき》はまっ赤に火がついている。 これの火の消えたものが pas/paspas パㇱ/パㇱパㇱ、 その黒いもの(消し炭)が kunne pas クンネ パㇱ、 さらに燃えて白い灰になり、 しかもまだ形を保っているものが retar pas レタㇻ パㇱ、 それの形がくずれて粉々になった灰が úna ウナ。 {E: live coals.} (出典:田村、方言:沙流)
usata
ウサタ 【副】[u-sa-ta 互い・の前・に] ①(=usa ta ウサ タ)後世に次々に、 次々の世代に続いて。 ②(次の表現で) usata irwak ウサタ イㇼワㇰ [次の世代の・兄弟姉妹](?) イㇽワㇰ と発音) いとこどうし (「いとこきょうだい」「ひといとこ」)。 usata irwak ci=ne ruwe un ウサタ イㇼワㇰ チネ ルウェ ウン 私たちはいとこどうしなのだよ。(S) usata usata irwak ウサタ ウサタ イㇼワㇰ またいとこ(「ふたいとこ」)。 usata usata ku=irwakutari ne ruwe un ウサタ ウサタ クイㇼワクタリ ネ ルウェ ウン 私のまたいとこたちなのだよ。(S) ☞irwak イㇼワㇰ {E: ①over the generations. ②cousins.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usatoyne
ウサトイネ 【副】[usa-toy-ne めいめい(の)・(< 土地?)・に](?) バラバラに(分かれる)。 usatoyne siyusaraye wa kusu ukoyki ka kípa ウサトイネ シユサライェ ワ クス ウコイキ カ キパ (彼らは)バラバラに分かれたためにけんかもする。(S言い伝え) {E: separately.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usatoyneno
ウサトイネノ 【副】[usa-toy-neno めいめい(の)・(< 土地?)・によって](?) それぞれ異なって、 めいめい違って。 uneno aynu motoho sinep ne yakka, usatoyneno yakukor katu oka wa ウネノ アイヌ モトホ シネㇷ゚ ネ ヤッカ、 ウサトイネノ ヤクコㇿ カトゥ オカ ワ アイヌのもと人間の起源は一つであっても、 めいめい持たされた役目が違うから。(S言い伝え) {E: differently.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
úse 1
ウセ 【連体】普通の、 平民の。 úse kur ウセ クㇽ (村長ではない)普通の人、 平民。 {E: ordinary; a common person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
úse anu
ウセ アヌ 【他動】[副+他動][単](複は úse ári ウセ アリ)[それだけで(別に)・置く] ①(何かの中に入っているもの)を取り出す、 抜き出す。 e=sike oma p úse anu エシケ オマㇷ゚ ウセ アヌ あなたの荷物の中に入っているものを出しなさい。(S) ku=sikehe wa úse k=ánu クシケヘ ワ ウセ カヌ 私の荷物の中から(それを)出す。(S) a=ocíhi oro wa úse i=ánu アオチヒ オロ ワ ウセ イアヌ 私の棺莚(かんえん、 死者をくるむむしろ)から私を出した。 ②(着物、 帽子、 靴、 装身具など身につけているもの)を脱ぐ/はずす。 amip use k=ánu アミㇷ゚ ウセ カヌ 私は着物を脱ぐ。(S) {E: ①take, pull out… ②to take off (clothing).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
úsey
ウセイ 【名】[< úse-i それだけの・もの](?) (飲用にわかした)お湯、 白湯(さゆ)。 úsey kar ウセイ カㇻ お湯をわかす(煎じ湯をつくることも)。 úsey páha ウセイ パハ 湯気。 úsey sések ウセイ セセㇰ お湯が熱い、 お湯がわく。 sísam úsey シサㇺ ウセイ 和人のお湯(お茶を白湯と区別して呼ぶ表現の一つ、 「お茶」の訳語として出た)。 kina úsey キナ ウセイ 野草の湯(お茶を白湯と区別して呼ぶ表現の一つ)。 úsey-ku-itanki ウセイクイタンキ 湯のみぢゃわん。(S) úsey ani k=éwonne ウセイ アニ ケウォンネ お湯で顔を洗う。 ☆参考 お茶を呼ぶにもこの語を使う。 最後の用例のように洗面用にわかしたお湯にも言うことがあるが、 おふろのお湯のことにも言わない、 水が自然と温まったものにも言わない。 そのようなお湯は sések wakka セセㇰ ワッカ 熱い水。 {E: hot water (for drinking purposes, not bath water).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usimne
ウシㇺネ 【副】[u-sim-ne 互い・の翌日・に(なる)] 次々の日に。 usimne usimne ウシㇺネ ウシㇺネ 日一日と、 日の経つにつれて。 usimne usimne hetuku ウシㇺネ ウシㇺネ ヘトゥク 日一日と生長する。 {E: the day after next.} (出典:田村、方言:沙流)
usipa
ウシパ 【複他動】[複](usi ウシ は単複の区別なし)(二人以上皆が/二人(二つ)以上皆に/二つ以上皆を)…に…をつける/ぬる。 numi a=kar wa, ne wa an pe, nen nen, sum usipa, rataskepi karpa, sitoho karpa, nen nen ikipa wa ヌミ アカㇻ ワ、 ネ ワ アン ペ、 ネン ネン、 スㇺ ウシパ、 ラタㇱケピ カㇻパ、 シトホ カㇻパ、 ネン ネン イキパ ワ その(菱)の実を取り出して、 それを、 いろいろと、 油をつけたり、 まぜ煮をつくったり、 だんごにしたり、 いろいろして。(S会話) arki koyaykus pe kam a=uhúyka, uhuy paspasi kirouske a=usípa, úsey a=kar wa a=kurepa アㇻキ コヤイクㇱ ペ カㇺ アウフイカ、 ウフイ パㇱパシ キロウㇱケ アウシパ、 ウセイ アカㇻ ワ アクレパ 来ることのできない者たちには肉を焼いてこがして、 そのこげて炭になったのを関節にぬりつけ、 煎じ湯をつくって飲ませた。(NK民話) {E: to attach, stick, paint…on, to… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uska
ウㇱカ 【他動】[us-ka 消える・(他動詞化)](火や明りや電気)を消す、 (書いたもの)を消す(消しゴムなどで)、 (村/集落)を消滅させる。 sune uska スネ ウㇱカ 明りを消す。(W) sunke no kanpinuye=an kor uska wa isam スンケ ノ カンピヌイェアン コㇿ ウㇱカ ワ イサㇺ まちがって書くと消してしまう。(S会話) oripakpa yan wa, néa e=kotanu a=ar-uska, a=arwente nankor ruwe ne kusu オリパㇰパ ヤン マ、 ネア エコタヌ アアㇻウㇱカ、 アアㇻウェンテ ナンコン ルウェ ネ クス 天然痘が上陸して来て、 あのあなたの村はすっかり絶やされ、 すっかり滅ぼされてしまうだろうから。(W民話) {E: to put out, turn off, extinguish…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uskike
ウㇱキケ 【形名】[被修飾名][雅](?) tapan uskike/tan uskike タパヌㇱキケ/タヌㇱキケ (たぶん叙事詩の中や、 古風な美文調の言い方の中で)このときは(?)。 i=ruwokake ta, a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enúypa wa oka yakun tan uskike, easir, a=rehe ohonno hene iruka hene…kanpi ka o wa oka yakun イルウォカケ タ、 アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン タヌㇱキケ、 エアシㇼ、 アレヘ オホンノ ヘネ イルカ ヘネ…カンピ カ オ ワ オカ ヤクン 私たちの死後に、 私たちの話した言葉が二ページにも三ページにも書いてあればこれによって(?)、 それこそ、 私たちの名前が長い間でも短い間でも…紙の上に載っていれば。(W会話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uskosanpa
ウㇱコサンパ 【自動】[us-kosanpa 消える・急に…する] パッと消える。 sir-uskosanpa シㇼウㇱコサンパ あたりが急にパッとまっ暗になる。 poro cápe haw ki, akusu sir-uskosanpa ポロ チャペ ハウ キ、 アクス シㇼウㇱコサンパ 大声で猫のなきまねをした、 するとあたりがパッと消えて何も見えなくなった。(S民話) ☆参考 複数形の形だが、 沙流川下流のこの話し手は単複の区別なくこの形を用いる。 ☞uskosanu ウㇱコサヌ、 ☞us ウㇱ 1 {E: to go out suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uskosanu
ウㇱコサヌ 【自動】[単](複は uskosanpa ウㇱコサンパ)[us-kosanu 消える・急に…する] パッと消える。 sir-uskosanu シㇼウㇱコサヌ あたりがパッとまっ暗になる、 何も見えなくなる。 enuntekape kasi un a=osúrpa tek akusu sir-uskosanu エヌンテカペ カシ ウン アオスㇽパ テㇰ アクス シㇼウㇱコサヌ 大きく燃えている火の上に(シナの木の皮のカスの部分の積んであったのを)パッと投げるとスッとまっ暗になった。(HC民話) {E: to go out, disappear suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ussiw
ウッシウ 【名】召使い、 小間使い(家の用事をさせるためにやとっている人)。 ussiw menoko ウッシウ メノコ 小間使いの女性。(W) ussiw okkaypo ウッシウ オッカイポ 小間使いの若い男。(W) cútek ussiw チュテㇰ ウッシウ 使い走りをさせるためにやとっている人。(W) ☆参考 yantonekur ヤントネクㇽ 同居していて手伝いなどをする人。 {E: a maid; a servant; a helper.} (出典:田村、方言:沙流)
utannekor
ウタンネコㇿ 【他動】[utar-ne-kor 同族・として・…を持つ] …を同族として持つ、 …の一族に加わる。 Muka penike kor utar apanekor wa, utannekor wa oka wa kusu ムカ ペニケ コㇿ ウタㇻ アパネコㇿ ワ、 ウタンネコㇿ ワ オカ ワ クス (十勝の人が)鵡川の川上の人々と親戚になって、 その一族になって暮らしているから。(W言い伝え) {E: to have…as the same tribe, family.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utari(hi)
ウタリ(ヒ) 【名】[所](概は utar ウタㇻ 人々)…の同族の人々、 …の村人たち、 …の仲間たち/連れになっているグループ/組。 k=útarihi menoko utar turano tun ren ci=ne híne タント クタリヒ メノコ ウタㇻ トゥラノ トゥン レン チネ ヒネ 今日は私の同族(アイヌ民族)の人たち、 女性たちと一緒に二、 三人で。(W独話) a=utári ka sísam ka ikopoyke wa アウタリ カ シサㇺ カ イコポイケ ワ 私たちの同族(アイヌ民族)も和人もまじって (S会話) e=se wa e=arpa wa é=utari e=ere yakun é=utari opitta ray kusu ne aan pe エセ ワ エアㇻパ ワ エウタリ エエレ ヤクン エウタリ オピッタ ライ クス ネ アアン ペ あなたが(この魚を)背負って行って(=持って帰って)あなたの村の人たちに食べさせたらあなたの村の人たちはみんな死んでしまうところだったが。(NK民話) eci=utári hosippa ruwe somo ne? エチウタリ ホシッパ ルウェ ソモ ネ? あなたたちの組/仲間は皆帰ったのではないのか。(S) ☆参考 アイヌ民族を指す呼称として「ウタリ」というのは、 アイヌ語で言うときは k=útari(hi) クタリ(ヒ)《私の同族》、 a=útari(hi) アウタリ(ヒ)《私たちの同族》のように人称形で言う言葉である。 {E: of the same tribe, family, village group etc. of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utariinne
ウタリインネ 【自動】[utari-inne (その)同族[所]・多人数である] 同族が多い、 一族/村人の人数が多くなる。 a=utári ka sisipi wa utariinne=an ruwe ne kusu アウタリ カ シシピ ワ ウタリインネアン ルウェ ネ クス (私の)村人たちも増えて村人が大勢になったので。(HK民話) {E: for the people of the same family, group etc to be numerous.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utarokihi
ウタロキヒ 【名】[所](概は用例がない)[utar-ok-ihi 人々・(接尾辞)・(所属語尾)] 彼ら皆、 皆さん方。 tu tépu or un/ku=omare wa/pon katkemat hem/poro sensey utar/utarokihi/ku=nure rusuy トゥ テプ オルン/クオマレ ワ/ポン カッケマッ ヘㇺ/ポロ センセイ ウタㇻ/ウタロキヒ/クヌレ ルスイ (私は)二本のテープに入れてお嬢さんにも大先生方皆様にも聞かせたかった。(W即興詩) ☆参考 話し言葉の中には用例がない。 {E: everyone; all.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utnici(hi)
ウッニチ(ヒ) 【名】[所](概は utnit ウッニッ) …の肋骨。 k=útnicihi utomus uske クッニチヒ ウトムㇱ ウㇱケ 私の肋骨がつながっているところ(胸の左右の中央の部分、 みぞおちまで)(「このごろのわかりやすい言葉。 昔からの言葉では ku=ninkew-utomusi クニンケウウトムシ と言う」)。(S) {E: the ribs of…} (出典:田村、方言:沙流)
utomciwre
ウトㇺチウレ 【他動】[u-tom-ciwre 互い・の正面のまん中・に…刺す。][雅]…を身につける。 kunne kosonte/yaynenayne/utomciwre クンネ コソンテ/ヤイネナイネ/ウトㇺチウレ [雅]黒い小袖を上から下までそろいで身につけている。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utomo
ウトモ 【位名】[所](tomo トモ の概は tom トㇺ) [u-tomo 互い・の正面のまん中[所]](次の表現で) 互いの方。 utomo hosarpa ウトモ ホサㇻパ [互いの方・をふり向く[複]](hosarpa ホサㇻパ の単は hosari ホサリ) 互いに向き合う、 顔を見合わせる。 sekor kane hawean akusu, nérok okkaypo utar utomo hosarpa セコㇿ カネ ハウェアン アクス、 ネロㇰ オッカイポ ウタㇻ ウトモ ホサㇻパ 彼がそう言うと、 さっきの若者たちは互いに顔を見合わせた。(NK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utorsama
ウトㇿサマ 【位名】[所](概は utorsam ウトㇿサㇺ) …の横/脇。 utorsama un hokus ウトㇿサマ ウン ホクㇱ 横に倒れる。 (出典:田村、方言:沙流)
utukari
ウトゥカリ 【位名】[u-tukari 互い・の手前] utukari ta ウトゥカリ タ (直訳すると)互いの手前に=しょっちゅう、 何回も。 a=weyyupi weysanpekor kusu ene e=matnepoho utukari ta yáni rayke ranke hike ka アウェイユピ ウェイサンペコㇿ クス エネ エマッネポホ ウトゥカリ タ ヤニ ライケ ランケ ヒケ カ 私のろくでなしの兄が悪心をだいてあなたの娘さんを何回もくり返しもう少しで殺しそうになったけれども。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
útur 2
ウトゥㇽ 【位名】[概](所は útur(u)ke(he) ウトゥル/ウトゥㇽ/ウトゥルケ(ヘ)/ウトゥㇽケ(ヘ))…の下座、 木尻座、 (家の中の)出入口に近い方、 東窓から遠い方、 (家の外でも)西側。 ☆参考 utur ウトゥㇽ 「間」とは別の語である。 アクセントが違う。 cise útur kus チセ ウトゥㇽ クㇱ 家の西側を通る(cise útur péka kus チセ ウトゥㇽ ペカ クㇱ とも言う)。(S) ☆参考 所属形 úturu ウトゥル の形は未出。 {E: the lower seat of (a house etc.); the western side of (a house etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utura
ウトゥラ 【自動/副】[u-tura 互い・を同伴する] ①[自動]一緒にいる、 同伴/同行する。 ②[副]一緒に、 連れ立って。 e=uni un utura yan エウニ ウン ウトゥラ ヤン あなたの家へあなたたち一緒に行きなさい。(NK民話) katu renkayne yozi pakno hene kozi pakno hene ne yakka utura eci=oká kunine ne yak pirka na カトゥ レンカイネ ヨジ パㇰノ ヘネ コジ パㇰノ ヘネ ネ ヤッカ ウトゥラ エチオカ クニネ ネ ヤㇰ ピㇼカ ナ 都合によって4時まででも5時まででもあなたたちが一緒にいるようにしてくれるといいよ(=…してちょうだいね)。(W会話) {E: ①to be, go together with, accompany. ②together (with).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utuste
ウトゥㇱテ 【他動】[u-tus-te 互い・自分の夫のもう一人の妻(である)・させる]二人を妻とする。 iteki koyki no/utuste wa/e=an yak easir/aynu mosir sekor/a=eréko kus ne na イテキ コイキ ノ/ウトゥㇱテ ワ/エアン ヤㇰ エアシㇼ/アイヌ モシㇼ セコㇿ/アエレコ クㇱ ネ ナ [雅](二人の女神を)いじめないで二人とも妻としてお暮らしになればあなたに人間の国という名前がつけられるのですよ。(Sユーカラ語り) ☆参考 〔久辞典983 utush 相妻となる、 妾同士 < 相連結する ut 節 ush ついている〕 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwante
ウワンテ 【自動】[u-w-an-te 互い・(挿入音)・ある・させる](?) 比べ合う(?)。 asinuma hoski tumutuy=an ya kimun kamuy hoski tumutuy ya, urametok uwante=an kusu kimun kamuy a=sikésanpare awa アシヌマ ホㇱキ トゥムトゥイアン ヤ キムン カムイ ホㇱキ トゥムトゥイ ヤ、 ウラメトㇰ ウワンテアン クス キムン カムイ アシケサンパレ アワ 私が先に力尽きるか熊が先に力尽きるか、 度胸比べをするために熊に後を追いかけさせたのに。(HK民話) {E: to mutually compare.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwanunkopa
ウワヌンコパ 【自動】[u-w-anun-kopa 互い・(挿入音)・他人・…を…のように見る] 他人扱いする。 tapne motokor wa armoysam wa a=turá menoko ne kusu ika a=poutari uwanunkopa ukoyki na タㇷ゚ネ モトコㇿ ワ アㇻモイサㇺ ワ アトゥラ メノコ ネ クス イカ アポウタリ ウワヌンコパ ウコイキ ナ このようなことがもとで山向こうから連れて来た女なのだから、 どうか子どもたちよ、 他人扱いしていじめたりしないようにしなさいよ。(NK民話) {E: to deal with strangers.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwaste
ウワㇱテ 【自動】[u-w-as-te 互い・(挿入音)・立つ・させる](?) (植物が)繁殖する、 (人間でも)子孫が生まれてふえる。 nonno o wa ipeo wa pókor hi koraci aynu ka uwaste ノンノ オ ワ イペオ ワ ポコリ コラチ アイヌ カ ウワㇱテ (木が)花が咲いて実がなるのと同じように人間もふえていく。(S言い伝え) motoho anak sinep ne korka uwaste katu repun iworso atuyso ka wa uwaste hike néno aynu ne yakka usinnayno katkor モトホ アナㇰ シネㇷ゚ ネ コㇿカ ウワㇱテ カトゥ レプン イウォㇿソ アトゥイソ カ ワ ウワㇱテ ヒケ ネノ アイヌ ネ ヤッカ ウシンナイノ カッコㇿ 起源は一つであってもふえ方が沖の方、 海外から妻をめとってふえた者はそれなりに同じ人間であっても姿形が違っている。(S言い伝え) tapan yam e=carpa yakun oro wano yam sekor a=ye p uwaste yakne タパン ヤㇺ エチャㇻパ ヤクン オロ ワノ ヤㇺ セコㇿ アイェㇷ゚ ウワㇱテ ヤㇰネ あなたがこの栗をまけばそこから栗というものがふえていって。(W神謡語り) ☆参考 動物が繁殖することは uwatte ウワッテ。 {E: to breed; reproduce.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwastere
ウワㇱテレ 【他動】[自動使役][uwaste-re 殖える・させる] 子や孫が生まれてふえるようにさせる、 子孫をつくらせる。 na ewsayne ewsayne oka kamuy oro wa a=uwástere p aynu ne wa kusu ナ エウサイネ エウサイネ オカ カムイ オロ ワ アウワㇱテレㇷ゚ アイヌ ネ ワ クス 人間は、 まだほかにもいろいろ違った神によってふやされたものだから。(S言い伝え) {E: to make produce children and grandchildren (descendants).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwatte
ウワッテ 【自動】[u-w-at-te 互い・(挿入音)・たくさんいる・させる](生きものが)ふえる、 繁殖する。 to kor ceppo to or k=ómare akusu uwatte wa poronno an ト コッ チェッポ ト オㇿ コマレ アクス ウワッテ ワ ポロンノ アン 沼の魚を沼に入れたらふえてたくさんになった。 ☆参考 人間や植物がふえることは uwaste ウワㇱテ。 {E: to increase; breed.} (出典:田村、方言:沙流)
uwehaye
ウウェハイェ 【自動】[u-w-e-haye 互い・(挿入音)・と共に・(?)] くいちがう(「材料について言う。 人のことではない。」 (S))。 ikuspe sópesni uwehaye イクㇱペ ソペㇱニ ウウェハイェ 柱と桁がくいちがった。(S) {E: to crisscross; be contradictory.} (出典:田村、方言:沙流)
uweinkar
ウウェインカㇻ 【自動】[u-w-e-inkar 互い・(挿入音)・と一緒に・見る](?) 透視/予見する、 見通す、 そこにないものや未来のことがらが見えてわかる。 aynuramat ne an pe tane a=ne kusu, kamuy siri ne uweinkar koraci inkar=an katu ene an hi アイヌラマッ ネ アン ペ タネ アネ クス、 カムイ シリ ネ ウウェインカㇻ コラチ インカラン カトゥ エネ アニ 私はもう人の魂になっているので、 神さながらに、 見えないことを見通すみたいに、 次のようなことが見えます。(W民話) poro a=yupi uweinkar nupur pe ne kusu siyeye utar oka kor motoho ye ポロ アユピ ウウェインカㇻ ヌプㇽ ペ ネ クス シイェイェ ウタㇻ オカ コㇿ モトホ イェ 私の長兄は見えないことを見通す霊力のある人なので病気の人々がいるとその原因を言い当てる。(NK民話) {E: to see through; foresee.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwekarpa
ウウェカㇻパ 【自動/名】[複](単の形は uwekari ウウェカリ。 しかしこの語は副詞としての用例のみがあり、 自動詞として用いられた例は未出)[u-w-ekar-pa 互い・(挿入音)・(ekari エカリ の語幹)に向かって・[複]] ①[自動]集まる。 kotan epitta oka nispa uwekarpa wa コタン エピッタ オカ ニㇱパ ウウェカㇻパ ワ 村じゅうの長者がたが集まって。(W民話) inne paskur uwekarpa híne インネ パㇱクㇽ ウウェカㇻパ ヒネ たくさんのカラスが集まって。(HC民話) cise sikno uwekarpa utar チセ シㇰノ ウウェカㇻパ ウタㇻ 家いっぱいに集まっている人々(この場合神々) (W神謡語り) ②[名]集まり、 集会。 {E: ①to gather; bring together. ②a gathering; a collection.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwepekennu
ウウェペケンヌ 【自動】[uwepeker-nu 話・を聞く] 事情をたずねる、 わけをたずねる、 くわしいことをたずねる。 “i=tura wenkur e=ne a p mak é=iki e=nispane?” sekor uwepekennu hi kusu 「イトゥラ ウェンクㇽ エネ アㇷ゚ マㇰ エイキ エニㇱパネ?」 セコㇿ ウウェペケンヌ ヒ クス 「あなたはおれと同じ貧乏人だったのにどうやって裕福になった?」と彼がたずねたから。(S民話) “somo nep ka a=erának pe isam ruwe ne ya?” sekor uwepekennu=an yak pirka 「ソモ ネㇷ゚ カ アエラナㇰ ペ イサㇺ ルウェ ネ ヤ?」 セコㇿ ウウェペケンヌアン ヤㇰ ピㇼカ 「何か心配なことはありませんか」とおたずねなさいませ。(NK民話) kanna suy uwepekennu=an yakne カンナ スイ ウウェペケンヌアン ヤㇰネ あなたがもう一度重ねておたずねになると。(NK民話) ☆参考 kowepekennu コウェペケンヌ [ko-uwepekennu](彼)に事情をたずねる。 ☆参考 一言で答えるような簡単なことを質問することは pisi ピシ。 {E: to ask, inquire about conditions, reaons, details.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwepekennupa
ウウェペケンヌパ 【自動】[複](uwepekennu ウウェペケンヌ は単複の区別なし) (二人以上が皆)わけ/事情/くわしいことをたずねる。 “suma he ani a=kar kor pirka, cikuni he ani a=kar kor pirka hawe an?” sekor suy uwepekennupa 「スマ ヘ アニ アカㇻ コㇿ ピㇼカ、 チクニ ヘ アニ アカㇻ コㇿ ピㇼカ ハウェ アン?」 セコㇿ スイ ウウェペケンヌパ (人間をつくってもよいとのことですが)石でつくればいいでしょうか、 木でつくればいいのでしょうか?」と(地上の神々は)またおうかがいをたてた。(S言い伝え) {E: to ask inquire about conditions, reasons, details (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwepeker
ウウェペケㇾ 【自動/名】[u-w-e-peker 互い・(挿入音)・で/と一緒に・明るくなる] ①[自動]民話(昔話)を語る。 k=úwepeker ciki nu yan クウェペケッ チキ ヌ ヤン 民話を語るから(昔話をしてあげるから)聞きなさい。(S独話) ②[名]民話(昔話)。 uwepeker ye ウウェペケㇾ イェ 民話を語る。 pirka uwepeker ku=ye kusu ne na ピㇼカ ウウェペケㇾ クイェ クス ネ ナ よい(すてきな/美しい)お話をしてあげるからね。(S独話) ☆参考 昔話の中に、 素性や先祖の話、 歴史的な出来事など、 子孫に教え伝える話と、 ただ楽しみのために話したり聞いたりする話とある。 前者を upaskuma ウパㇱクマ と言い、 これを《言い伝え》と訳す。 後者を uwepeker ウウェペケㇾ と言い、 これを《民話》と訳す。 アイヌ民話 uwepeker ウウェペケㇾ には二種類あり、 一つは日本民話にもよくあるようないわゆる「隣の爺型」の昔話、 もう一つは一人の人が自分の身に起こったことを語るという「身の上話型」の物語である。 「隣の爺型」の昔話では、 川下男と川上男、 うちの貧乏和人と隣の貧乏和人などの対(つい)が登場し、 一人が成功して裕福になったのをもう一人が見てまねをして失敗し、 死んでしまう。 だから人まねをしてはいけないという教訓が最後につく。 通常3人称で語られ、 長さは数分から十数分程度である。 「身の上話型」の物語では、 主人公の自己紹介に始まり、 自分の身に起こった出来事を次々に語っていく。 多くの場合、 最後に「…と、 どこそこの村おさが(村おさの妻が/立派な奥様が、 等々)言いながら亡くなりました、 とさ」というような結語がつく。 主人公の話したことを語り手が引用するという形で語られるので、 「私」と訳される人称は引用文の自称の形、 すなわち不定人称形である。 長さも数十分から長いのになると1時間以上かかる場合もある。 どちらの型のものもアイヌ語では同じく uwepeker ウウェペケㇾ と呼ばれるので、 日本語訳でも同じ「民話」という語に訳しておく。 これら二種類の型の民話のほかに、 内容から見ると upaskuma ウパㇱクマ《言い伝え》だと思われる話が uwepeker ウウェペケㇾ として語られることもある。 昔の先祖のことを子孫に伝えるために語るのではなく、 単に昔話として語るからであろう。 また、 人間の話である「民話」に対して神の話「神話」はどうかというと、 アイヌ神話は原則として節をつけて歌われるものであった。 これの多くは「神謡」(kamuyyukar カムイユカㇻ または menokoyukar メノコユカㇻ)と呼ばれる。 ところが昔神謡として歌われたものが散文で語られ、 それが uwepekere ウウェペケㇾ として伝えられる、 というようなことも最近は起こっている。 このように伝承のジャンル名もいまは昔とはだいぶ変わってきている。 ☞upaskuma ウパㇱクマ、 kamuyyukar カムイユカㇻ、 menokoyukar メノコユカㇻ yukar ユカㇻ、 oyna オイナ {E: ①to tell a folktale. ②a folktale.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwerankarap
ウウェランカラㇷ゚ 【自動】[u-w-e-rankarap 互い・(挿入音)・と共に・あいさつする] あいさつし合う(この場合、 昔の作法による正式のあいさつをすることを言う)。 a=ahúnte híne, orano a=onáutari tura uwerankarap, uweyayrenka kor oka=an アアフンテ ヒネ、 オラノ アオナウタリ トゥラ ウウェランカラㇷ゚、 ウウェヤイレンカ コㇿ オカアン 私は(奥様を)家の中へ通して、 それから(奥様は)私の両親とあいさつを交わし、 会えた喜びを言い合って(私たちは)いた。(W民話) ne onne kur, uwerankarap=an wa okake an kor, i=kouwepekennu ネ オンネ クㇽ、 ウウェランカラㇷ゚アン ワ オカケ アン コㇿ、 イコウウェペケンヌ その老人は、 あいさつの交換が終わると、 私に(次のように)たずねた。(NK民話) {E: to greet one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwesamuysamun
ウウェサムイサムン 【自動】[u-w-e-sam-un-samun 互い・(挿入音)・と共に・そば・にいる(重複)]皆で並ぶ。 ociseunpa nokan hike rupne hike opitta uwesamuysamun wa nepki kor patek oka, aynu-pákus オチセウンパ ノカン ヒケ ルㇷ゚ネ ヒケ オピッタ ウウェサムイサムン マ ネㇷ゚キ コㇿ パテㇰ オカ、 アイヌパークㇱ 一家総出で小さい人も大きい人もみんな並んで働いてばかりいる、 いいねえ。(S) (出典:田村、方言:沙流)
uwesukepne
ウウェスケㇷ゚ネ 【自動(?)】[u-w-e-sukep-ne 互い・(挿入音)・と共に・(?)・になる](?) 根に根が重なって出る、 根から根が出てくる。 wen kina patek uwesukepne wa hetukpa wa ene ku=kar hi ka isam ウェン キナ パテㇰ ウウェスケㇷ゚ネ ワ ヘトゥㇰパ ワ エネ クカリ カ イサㇺ 悪い草ばかり根から根が出て生えてきてどうしようもない。(S) {E: for roots to become tangled.} (出典:田村、方言:沙流)
uwetunankar
ウウェトゥナンカㇻ 【自動/副】[u-w-etunankar 互い・(挿入音)・にバッタリ出会う] ①[自動](バッタリ)出会う(「いきあう」)。 ②[副]両方から、 両側から。 wenkur umurek uwetunankar eyoko wa ウェンクㇽ ウムレㇰ ウウェトゥナンカㇻ エヨコ ワ 貧乏人夫婦は両側から待ち伏せして。(HK民話) ne rika kisma tekehe amuninihi tun ne híne uwetunankar kisma híne sikoetaye ネ リカ キㇱマ テケヘ アムニニヒ トゥン ネ ヒネ ウウェトゥナンカㇻ キㇱマ ヒネ シコエタイェ その鯨の脂身をにぎっている手を、 二人で両側からつかんで引っぱった。(HK民話) ☞etunankar エトゥナンカㇻ {E: ①to meet one another. ②from both (sides).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwetunuyse
ウウェトゥヌイセ 【自動】[u-w-e-tunun-se 互い・(挿入音)・と一緒に・(擬音の重複)・と言う](次の慣用表現の中で)美しく響く。 kanemayne uwetunuyse カネマイネ ウウェトゥヌイセ [雅] 金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる(女神の話す声が、 金属をたたいたときのウンウンウンウンという響きのように美しく響いて聞こえる、 下げ飾りのついたシントコ(tumsikot sintoko トゥㇺシコッ シントコ)を動かしたときは飾りがゆれてぶつかる音がカチャカチャカチャと美しく聞こえる)。 ekutcam konna/kanemay ne/uwetunuyse エクッチャㇺ コンナ/カネマイ ネ/ウウェトゥヌイセ [雅]その声が金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる。(Sユーカラ) ☆参考 語の形から見ると《トゥンウンウン…と響く》というのだから、 女神の声のようにウンウンウンと反響する響きのほうが原義であろう。 {E: to sound beautifully.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwetusmak
ウウェトゥㇱマㇰ 【自動】[u-w-e-tusmak 互い・(挿入音)・と一緒に・競争する] 競争する、 競い合う。 uwetusmak wa hoyuppa ウウェトゥㇱマㇰ ワ ホユッパ 競走する。 hekattar kor kur, onne p kor kur, ére rusuypa p uwetusmak wa, to ka sat kane, cipta=an wa cip ani easir ka pekanpe-ewetusmak=an ヘカッタㇻ コㇿ クㇽ、 オンネㇷ゚ コㇿ クㇽ、 エレ ルスイパㇷ゚ ウウェトゥㇱマㇰ ワ、 ト カ サッ カネ、 チㇷ゚タアン マ チパニ エアシㇼ カ ペカンペエウェトゥㇱマㇰアン 子どものいる人、 老人のいる人、 彼らに食べさせたい人は競い合って、 湖も見えないくらいに、 舟をつくって舟でそれこそ菱の実を競い合って取った。(S会話) ☆参考 アクセント核を前に動かす接頭辞がつくと語幹は wetusmak ウェトゥㇱマㇰ となり ewetusmak エウェトゥシマク のような形をとる。 {E: to compete.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwokarpare
ウウォカㇻパレ 【他動(?)/自動(?)】[u-w-okarpa-re 互い・(挿入音)・に取って代わる・させる] 互いに交代する、 交代で…する(?)。 poro a=yupí kucakor kor a=saha a=turá kor pon a=yupí turano a=onáutari a=epúnkine ora, pon a=yupí a=turá wa kucakor=an kor poro a=yupí a=saha a=onáutari epunkine, uwokarpare hem ki, kucakor=an ruwe ne a p ポロ アユピ クチャコㇿ コㇿ アサハ アトゥラ コㇿ ポン アユピ トゥラノ アオナウタリ アエプンキネ オラ、 ポン アユピ アトゥラ ワ クチャコラン コㇿ ポロ アユピ アサハ アオナウタリ エプンキネ、 ウウォカㇻパレ ヘㇺキ、 クチャコラン ルウェネ アㇷ゚ 大きい兄が狩小屋に行くときは私は姉と一緒にいて小さい兄と一緒に父たちを守る、 そして小さい兄と私が一緒に狩小屋に行くときは大きい兄と姉が父たちを守る、 交代もして狩小屋に行っていたが。(NK民話) ☆参考 形の上では uwokarpa ウウォカㇻパ の使役形なので他動詞と予想されるが文脈から見ると使役の意味はなさそうである。 {E: to change places with; take turns with.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwokpare
ウウォㇰパレ 【自動】[u-w-okpare 互い・(挿入音)・を虐待する] 虐待し合う、 互いに大切にしない、 一方が他方を虐待する。 (用例の文脈では息子とその嫁が母親を虐待した話で、 語り手のワテケさんは「親不孝」と訳した。) uwokpare p uwepeker tap ku=ye wa k=ókere hawe tapan na ウウォㇰパレㇷ゚ ウウェペケㇾ タㇷ゚ クイェ ワ コケレ ハウェ タパン ナ 「親不孝」(=親いじめ)の民話を、 私はいま語り終えました。(W独話) {E: to be disobedient to one's parents; ill-treat one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwomare
ウウォマレ 【他動】[単](複は uwomarpare ウウォマㇻパレ)[u-w-oma-re 互い・(挿入音)・(の所)にある/いる・させる] …を集める、 …を拾い集める、 (ちらかっているもの)をかたづける。 pon kaykuma uwomare wa ek ポン カイクマ ウウォマレ ワ エㇰ 下に落ちている小さい枝の細い切れ端を拾っておいで。(S) ☆参考 木についている細枝をとって来ることは ta タ と言う。 ta タ は木についているのでも落ちているのでも言うが、 uwomare ウウォマレ は落ちているものを拾い集めること。 {E: to bring…together; gather…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uworeciw
ウウォレチウ 【他動】[u-w-or-e-ciw 互い・(挿入音)・の所・で・ささる](?) [雅](着物)を重ねて着る。 pirka amip uworeciw pirka tamasay rekutuyruke pirka ninkari kisareokte iyepanu kane híne ピㇼカ アミㇷ゚ ウウォレチウ ピㇼカ タマサイ レクトゥイルケ ピㇼカ ニンカリ キサレオㇰテ イエパヌ カネ ヒネ [雅] 上等のきれいな着物を重ねて着、 美しい玉飾りを首に掛け、 美しい耳環を耳に通し、 頭飾り布を頭に巻いて(=死に装束をして)。(W民話) {E: to wear layers of clothing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uworeokkane
ウウォレオッカネ 【名】[u-w-or-e-ok-kane 互い・(挿入音)・の所・その頭が・…にひっかかる・金属] 金属のくさり。 ☆参考 英雄叙事詩ユーカラの主人公が hayokpe ハヨㇰペ《よろい》を着た上にしめる金鎖(かなぐさり)のベルトは uwokkanekut ウウォッカネクッ。 uworeokkane ウウォレオッカネ は普通の金鎖(かなぐさり)。(S) {E: a metal chain.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uworkopoyke
ウウォㇿコポイケ 【自動】[u-w-or-kopoyke 互い・(挿入音)・の所・にまじる] 互いの中に入りまじる、 まぜこぜになる。 aynu ne ciki sísam ne ciki repunkur, sonno repunkur ne ciki uworkopoyke wa mosir epitta siyusacari アイヌ ネ チキ シサㇺ ネ チキ レプンクㇽ、 ソンノ レプンクンネ チキ ウウォㇿコポイケ ワ モシレピッタ シユサチャリ アイヌも和人(日本人)も外国人、 本当の外国人も入りまじって国じゅうに散らばった。(S言い伝え) ☆参考 ukopoyke ウコポイケ はただ《まざる、 (まぜたものが)まざって均質になる》。 {E: to become mixed.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uworuspenu
ウウォルㇱペヌ 【自動/名】[u-w-oruspe-nu 互い・(挿入音)・の話・を聞く] ①[自動]話し合いする、 事情を述べ合い聞き合って相談する。 uworuspenu=as wa ora ka ne ene hi ku=ye kusu ne wa ウウォルㇱペヌアㇱ ワ オラ カ ネ エネ ヒ クイェ クス ネ ワ お互いに事情を言い合い聞き合って相談してから(私は)どういう返事でもしてあげるから。(S) ②[名]話し合い、 相談。 ☆参考 ただしゃべり合うことは ukoytak ウコイタㇰ、 どうしようかと相談することは ukoramkor ウコラㇺコㇿ。 {E: ①to talk; discuss (v.). ②a talk; a discussion (n.).} (出典:田村、方言:沙流)
uwowpekare
ウウォウペカレ 【自動】[u-w-owpeka-re 互い・(挿入音)・まっすぐになる・させる] 暮らしが立つように(親族や仲間どうしで)助け合う、 「お互いに立場を守って助け合う。」 (S) nen póka uwowpekare yakka hepuni ka koyaykus ネン ポカ ウウォウペカレ ヤッカ ヘプニ カ コヤイクㇱ なんとかして(姉が弟を)援助してやっているのにそれでもうまく立っていかない。(S) {E: to help each other.} (出典:田村、方言:沙流)
uye
ウイェ 【自動】[u-ye 互い・に/を言う] 互いに言い合う。 repunkur sekor uye yakka yaunkur sekor uye yakka aynu motoho anak sinep ne korka レプンクㇽ セコㇿ ウイェ ヤッカ ヤウンクㇽ セコㇿ ウイェ ヤッカ アイヌ モトホ アナㇰ シネㇷ゚ ネ コㇿカ お互いに外国人(海外の人)だ日本人(国内の人)だと言い合っても人間の起源は一つなのだけれど(yaunkur ヤウンクㇽ は多くの場合北海道の人、 通常アイヌを指すが、 この例では外国人に対して日本人を指している)。(S言い伝え) {E: to quarrel.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uymamrepunka/uymam-repunka
ウイマㇺレプンカ 【自動/名】[uymam-repun-ka 交易・沖へ行く・(他動詞化)] ①[自動]交易をしに海外へ行く、 舟で海を越えて交易に行く。 uymamrepunka kor usa amip usa tanpaku, usa macikor, ikor otta emus otta, sintoko ne ciki, cip sikno cipekusa wa yan pe ne kusu ウイマㇺレプンカ コㇿ ウサ アミㇷ゚ ウサ タンパク、 ウサ マチコㇿ、 イコロッタ エムソッタ、 シントコ ネ チキ、 チㇷ゚ シㇰノ チペクサ ワ ヤン ペ ネ クス (夫が)舟で交易に行くと、 衣類やらたばこやら、 女の宝物やら、 宝刀でも刀剣でもシントコ(昔の日本語で行器(ほかい)という名の大きい入れ物)でも、 舟にいっぱい積んで帰って来るので。(W民話) ②[名]海外交易。 {E: ①to go overseas to trade. ②overseas trade.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uypeuype
ウイペウイペ 【名】[uype-uype 屑・(重複)] ひどく細かい屑。 hńta kus uypeuype ne e=kar ruwe an hi an? フンタ クㇱ ウイペウイペ ネ エカン ルウェ アニ アン? どうしてそんなに細かい屑みたいに細かくするの(カボチャやイモを煮るのに、 あまり細かく切ったとき)。(S) {E: fine waste.} (出典:田村、方言:沙流)
uyruke
ウイルケ 【複他動】[uyru-ke …に位置する・(他動詞化)](語構成要素として)…を…(場所)につける/位置せしめる。 rekutuyruke レクトゥイルケ[rekut-uyruke のど・…を…に位置せしめる](玉の首飾り tamasay タマサイ)を首にかける。 ☆参考 独立の動詞としては未出。 (出典:田村、方言:沙流)
wa 2
ワ 【接助】…して(二つの動詞句をつないで一まとまりのことがらとしてまとめる働きをする。 具体的には、 次のようないろいろな場合に使われる)。 ①(一つのもの/ことについて二つ以上の説明や叙述をする場合にその二つの動詞句をつなぐ。) upakno oka wa sattek kusu oka wa ウパㇰノ オカ ワ サッテㇰ クス オカ ワ 同じぐらいの大きさでやせこけていて。(S会話) Kusur un oruspe ne wa teeta oruspe ne wa a=ewkoysoytak kor síran pe tasi an nek! クスルン オルㇱペ ネ ワ テエタ オルㇱペ ネ ワ アエウコイソイタㇰ コㇿ シラン ペ タシ アン ネㇰ! (これは)釧路の話で昔の話で、 私たちはそれについて話し合っているのですよ。(S会話) sunke ka eaykap wa anpe patek ye rusuy pe スンケ カ エアイカㇷ゚ ワ アンペ パテㇰ イェ ルスイ ペ うそをつくことができなくて本当のことばかり言うもの。(S会話) ②(前の動詞句が後の動詞句の表す出来事の方法や意図などを説明する。) ku=hoyupu wa k=ek クホユプ ワ ケㇰ (私は)走って来た。 hosippa wa paye ホシッパ ワ パイェ (彼らは)もどって行った。 ③(前の動詞句の出来事が終わってから後の動詞句の出来事が起こることを言う。)…して。 otcike huraye wa pirpa オッチケ フライェ ワ ピㇼパ お膳を洗ってふきなさい。(W) núman k=ek wa tanto suy ukoytak=an hawe ne ヌマン ケㇰ ワ タント スイ ウコイタㇰアン ハウェ ネ 私は昨日来て、 今日また(姉と私と)二人で会話をするのです。(S会話) ne to or ta cip hene a=kar wa oro ta a=anú wa ネ ト オッタ チㇷ゚ ヘネ アカㇻ ワ オロ タ アアヌ ワ その湖に舟でもつくってそこに置いて。(S会話) ④(前の出来事が後の出来事の原因か理由になっている。)…して。 k=úkao oyra wa rurikan クカオ オイラ ワ ルリカン (私は洗濯物を)しまい忘れて少し湿った。(W) mosma kur or ta wenpe an wa oro ta ka ku=yorot モㇱマ クロッタ ウェンペ アン マ オロ タ カ クヨロッ 他の人の家に不幸があって私はそこにも行って来た。(S会話) (原因や理由の説明だということをはっきり述べるには kusu クス、 pe ne kusu ぺ ネ クス、 wa kusu ワ クス、 hi kusu ヒ クス などが用いられる。) ⑤(補助動詞表現で) wa an …ワ アン。 (1)(すでに)…している。 mokor wa an モコㇿ ワ アン 眠っている(すでに寝ついていることを言う。 mokor kor an モコㇿ コラン は寝つきつつあること、 つまり眠りかかっていることを言う)。(W) (2)…してある。 a=suwé wa an アスウェ ワ アン 煮てある、 (ごはんが)たいてある。(W) wa anu ワ アヌ (あらかじめ)…しておく。 ku=ye wa k=ánu クイェ ワ カヌ 私は言っておく。 wa isam ワ イサㇺ …して(なくなって)しまう。 e wa isam エ ワ イサㇺ 食べてしまう。 wa oka ワ オカ (wa an ワ アン の複数)(二人/二つ以上が) (1)(すでに)…している。 móno rok wa oka モノ ロㇰ ワ オカ (彼らは)座っている。 (2)…してある。 a=kar wa oka アカㇻ ワ オカ たくさんつくってある。 wa okere ワ オケレ (1)予定の行動をすっかり…してしまう(完了する)、 …し終わる。 ray wa okerpa ライ ワ オケㇾパ 皆死んでしまう。(KK掛け合い歌) (2)とても/極めて…(である)。 wen wa okere pon cise ウェン マ オケレ ポン チセ とても悪い(粗末な)小さい家。(S) ⑥[熟語・慣用句など] ne wa an ネ ワ アン [連体][単]/ne wa oka ネ ワ オカ [複] 今言っているこの/その、 今/さっき言ったその/あの(☞ne wa an ネ ワ アン、 ネ ワ オカ)。 wa kusu ワ クス …したから、 …だから。 k=úni ta ku=mokor wa k=an yakun e=mismu kuni ku=ramu wa kusu k=ek ruwe un クニ タ クモコㇿ ワ カン ヤクン エミㇱム クニ クラム ワ クス ケㇰ ルウェ ウン 私がうちで眠っていたらあなたがさびしいだろうと思ったから来たんだよ。(S) ☆参考 wa ワ と似た文脈で híne ヒネ も使われる。 どちらも使える場合も多いが、 日常会話では wa ワ のほうが多く使われ、 昔話などの語りの中では híne ヒネ のほうが多く使われる。 日常会話の中でも、 ③のように、 相前後して起こる事柄を述べる場合には、 híne ヒネ もよく使われる。 その場合でも、 前の出来事を述べてからそれと同じ重さで次の出来事を述べるのに、 言い換えれば二つの事柄をただ順番に述べていくのには híne ヒネ が多く使われるのに対して、 二つの出来事を一まとまりの事柄としてまとめるのには wa ワ が多く使われる。 また、 wa ワ はほとんどの場合動詞句の後に置かれるが、 híne ヒネ は前に動詞句のない文頭にも置かれる。 ☞híne ヒネ ☆参考 二つの別々の事柄が同時に起こることを表すには、 wa ワ ではなく kor コㇿ が使われる。 ☞kor コㇿ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wa 3
ワ 【終助】①…わ、 …よ(会話で話しかけのニュアンスを与える)。 pirka wa ピㇼカ ワ いいよ、 いいわよ。 kuni ku=ramu kor k=ek ruwe ne wa クニ クラム コㇿ ケㇰ ルウェ ネ ワ 私はそう思いながら来たのよ。(S会話) ②(慣用的な言い方で、 あきれやとがめの表現、 しばしば反語になる。)humi iki wa フミ イキ ワ (音に関して。) nákatune humi iki wa apa ruttektek ナカトゥネ フミ イキ ワ アパ ルッテㇰテㇰ なんてことしてるんだ、 戸をガジーンとしめて(急に強く押して大きな物音を立てたことをとがめている)。(S) hawe iki wa/haw ne wa ハウェ イキ ワ/ハウ ネ ワ (言葉に関して。) kasusne hawe iki wa! カスㇱネ ハウェ イキ ワ! (直訳すると)どうってこともないことを言っている=大変なことを言って来た(反語的な言い方)。(S) nákatune en=montapire haw ne wa! ナカトゥネ エンモンタピレ ハウ ネ ワ! まあ、 どうしてそんなに急がせるの。(S) {E: ①a particle that indicates speaker's conviction or assertion. ②…} m (出典:田村、方言:沙流)
wakay
ワカイ 【自動】[日本語] 若い。 ku=wakay ta ki クワカイ タ キ 私が若かったらいいのになあ(日本語の「若い」がアイヌ語の動詞として使われている)。(MM即興歌) {E: to be young.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wakkapise
ワッカピセ 【名】[wakka-pise 水・魚の浮き袋のような袋]膀胱(「小便袋」)(比喩的表現、 冗談)。 wakkapise k=óhare akus ku=honi kaptek ワッカピセ コハレ アクㇱ クホニ カㇷ゚テㇰ 水袋をあけたらおなかがぺちゃんこになった(冗談)。(S) {E: the bladder.} (出典:田村、方言:沙流)
wakkata
ワッカタ 【自動】[wakka-ta 水・を採って来る] 水を汲む、 水を汲んで来る、 水汲みする(=wakka ta ワッカ タ)。 ku=wakkata クワッカタ 私は水汲みする(wakka ku=ta ワッカ クタ とも言う)。 {E: to scoop up, draw water.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wano
ワノ 【格助】[wa-no から・(副詞語尾)](起点を示す。)(場所/時)…から。 toop Karapto wano トオㇷ゚ カラㇷ゚ト ワノ はるか遠い樺太から。(S言い伝え) otuymasirun wano ku=hotku kane wa k=ek オトゥイマシルン マノ クホック カネ ワ ケㇰ 私はずいぶん遠い所からかがんで来た。(S) núman wano tanto pakno ヌマン ワノ タント パㇰノ きのうから今日まで。 té wano テ ワノ これから(今から)。 té wano anak somo néno iki=an kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ イキアン クス ネ ナ もうこれからはあんなことはしませんから。(W民話) poni wano ポニ ワノ 小さい(幼い)ときから。 hemtomani wano ヘㇺトマニ ワノ このごろから、 最近。(W民話) ☆参考 場所については wa ワ が多く使われ、 時についてはほとんどの場合 wano ワノ が使われる。 場所の場合は wa ワ と wano ワノ はほぼ同義だが、 wano ワノ のほうがよりはっきりとした表現になる。 ☞wa ワ 1 {E: from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wen 1
ウェン 【自動】①悪い、 粗末である、 だめである、 だめになる。 wen cise ウェン チセ 粗末な家。 wen itak ウェン イタㇰ(発音は ウェヌ イタㇰ)悪い言葉。 wen kewtum ウェン ケウトゥㇺ 悪い心/根性。 wen kamuy ウェン カムイ ☞wenkamuy ウェンカムイ。 kewtumu wen ケウトゥム ウェン 心/気立て/根性が悪い。 …yak wen …ヤㇰ ウェン …するといけない。 …yakka wen …ヤッカ ウェン …してもだめである(効果がない)。 …tú ray wen ray ki トゥ ライ ウェン ライ キ ひどい死に方で死んでしまった(川上男と川下男の民話の結末によく出てくる表現)。(S民話) sir-wen シㇼウェン(発音は シㇽウェン)天気が悪い。 ②亡くなる(婉曲表現)。 wen oruspe ek ウェノルㇱペ エㇰ 死んだという便りが来た。(S) wen nisa ruwe ne sekor haw as ウェン ニサ ルウェ ネ セコㇿ ハワㇱ いけなかった(=もう死んだ)という話だ。 (注 「捨てことば(ぞんざいな言葉)ではない。」 (S) ☆参考 直接的に「死ぬ」という語は ray ライ、 ほかに婉曲表現として isam イサㇺ《亡くなる》、 mosiroppa モシロッパ《世を去る》など。) ③[自動詞語根](限られた語の構成要素として)貧しい。 wenkur ウェンクㇽ 貧乏人。 weysisam ウェイシサㇺ[< wen-sisam]貧しい和人。 (注 wenaynu ウェナイヌ は《悪人、 悪党》。) (注 「貧しいおばあさん」は wenkur húci ウェンクㇽ フチ。) ☆対語 pirka ピㇼカ よい。 {E: ①to be, become bad, no good; ②to pass away; ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenaynu
ウェナイヌ 【名】[wen-aynu 悪い・人間/男] 悪い男、 悪党(=wenokkayo ウェノッカヨ)。 ☆参考 wenkur ウェンクㇽ は《貧しい人》、 e=kor wen aynu エコㇿ ウェン アイヌ は《あなた/お前の悪いおとうさん》。 {E: a bad person, man, a villain.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenkamuy-emawri
ウェンカムイエマウリ 【名】[wenkamuy-emawri 悪神・いちご] [植物]ヘビイチゴ。 ☆参考 surkuemawri スㇽクエマウリ《毒イチゴ》とも言う。〔知分類になし〕 {E: an Indian strawberry.} (出典:田村、方言:沙流)
wenno
ウェンノ 【副】[wen-no 悪い・(副詞形成)] ①悪く、 へたに。 káni anak wenno ku=ye カニ アナㇰ ウェンノ クイェ 私は言いかたがへただ。 ②(二度繰り返して)ぞんざいに、 おおざっぱに。 (☞wenno-wenno ウェンノ ウェンノ) {E: ①badly; poorly. ②roughly.} (出典:田村、方言:沙流)
wenpuri
ウェンプリ 【名】[wen-puri 悪い・習慣] ①悪い性癖、 悪い素行。 ②(次のような文脈で)怒り。 a=kor wenpuri/a=enánkurkasi/cihopunire アコㇿ ウェンプリ/アエナンクㇽカシ/チホプニレ [雅]私の怒りで私の顔の上に青すじが立っている。(Sユーカラ) {E: ①bad (mental) habits; bad inclination. ②anger.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenrespa
ウェンレㇱパ 【他動】[複](単は wenresu ウェンレス) (親の亡くなった子ども二人以上)を引き取って育てる。 unu ka ona ka sak pe ne wa kusu X utar wenrespa ruwe un, omap kor respa ruwe un ウヌ カ オナ カ サㇰ ペ ネ ワ クス X ウタㇻ ウェンレㇱパ ルウェ ウン、 オマㇷ゚ コㇿ レㇱパ ルウェ ウン 母も父もないものだからXさんたちがひきとって育てているのだよ、 かわいがって育てているのだよ。(S) {E: to take in and raise children whose parents have passed away.} (出典:田村、方言:沙流)
wentarap
ウェンタラㇷ゚ 【自動】[wen-tarap 悪い・夢見る](?) 夢を見る。 ukuran ku=wentarap ウクラン クウェンタラㇷ゚ ゆうべ 私は夢を見た。(S) wentarap humi wen ウェンタラㇷ゚ フミ ウェン 夢見が悪い。(W) (動名詞として)wentarap he hemanta ku=ki humi ウェンタラㇷ゚ ヘ ヘマンタ クキ フミ 私は夢だか何だか見たようだ。(S) ☆参考 wen- ウェン がついているが「悪夢」という意味ではない。 ☆参考 他動詞は takar タカㇻ …を夢みる、 …という夢を見る。 {E: to dream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
weysisam
ウェイシサㇺ 【名】[wen-sísam 貧しい・和人] 貧乏和人、 貧しい和人。 te ta weysisam an aw ta weysisam an テ タ ウェイシサㇺ アン アウ タ ウェイシサㇺ アン うちの貧乏和人がいた、 となりの貧乏和人がいた。(K民話) ☆参考 短い民話の主人公としてよく登場する。 ☆参考 wenaynu ウェナイヌ は悪人、 悪党。 wenkur ウェンクル は貧しい人。 {E: a poor Japanese.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
weysiyeye
ウェイシイェイェ 【自動/名】[wen-siyeye ひどく・病む] ①ひどい病気になる、 ひどく重い病気にかかっている、 病気が重い。 ②(動名詞として)大病。 weysiyeye ki ウェイシイェイェ キ 大病する。 sakne weysiyeye ku=ki サㇰネ ウェイシイェイェ クキ 去年の夏、 私は大病をした。(S) {E: ①to become seriously ill (v.). ②a serious illness (n.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaani
ヤアニ 【副】[yáni ヤニ《もう少しで…するところ》の強調形]ほとんど…しそう、 もう少しで…するところだ/だった。 ku=cinita wa yaani a=en=tustekka クチニタ ワ ヤアニ アエントゥㇱテッカ 私はうなされてもう少しで気が遠くなりそうだった。(S) {E: almost; nearly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaanipo
ヤアニポ 【副】[yaani-po ほとんど…しそう・(指小辞)][yáni ヤニ の強調形の yaani ヤアニ よりもさらにいっそう強調する形] もう本当にほとんど…しかかる/しかかった、 本当にもうちょっとで…するところだ/だった。 mosma kur kem a=o wa ora ene, yaani, ukuran ka yaanipo, isam anki sir iki モㇱマ クㇽ ケㇺ アオ ワ オラ エネ、 ヤアニ、 ウクラン カ ヤアニポ、 イサㇺ アンキ シㇼ イキ (彼は)他の人の血を入れられて(輸血されて)、 そうしてもう少しで、 ゆうべにもほんとにもうちょっとで亡くなりそうになった。(W会話) {E: almost; nearly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yáesap
ヤエサㇷ゚ 【自動】[ya-e-sap 網・を持って・浜に出る] 網で魚をとる(小さい魚、 近海魚を)。 yáesap kus pis ta san wa an ヤエサㇷ゚ クㇱ ピㇱ タ サン マ アン (彼は)網で魚をとるために浜に出ている。(S) ☆参考 ya kor ヤ コㇿ《網を持つ》とも言う。 ☆参考 舟で沖に出て大きい魚をとることは pisoyramante ピソイラマンテ 。 {E: to catch fish with a net.} (出典:田村、方言:沙流)
yak 3
ヤㇰ 【接助】①…すれば、 …すると(帰結としては「よい」「悪い」「望ましいことが起こる」「ありがたい」「困ったこと/恐ろしいことが起こる」などを表す表現がくる)。 hoskino mukar ani tuye wa ora noko ani hóse, yak horak kusu ne na ホㇱキノ ムカㇻ アニ トゥイェ ワ オラ ノコ アニ ホセ、 ヤㇰ ホラㇰ クス ネ ナ 初めにまさかりで切ってそれからのこぎりでひきなさい、 そうすれば倒れるから。 sekor an menoko ta kamuy menoko ne yak a=kor oka! セコラン メノコ タ カムイ メノコ ネ ヤㇰ アコㇿ オカ! あのような女が女神であれば結婚するのになあ。(S言い伝え) eytasa e=cis yak/wenkamuy patek/e=eramasu エイタサ エチㇱ ヤㇰ/ウェンカムイ パテㇰ/エエラマス あなたがあまり泣くと悪い神ばかりがお前を好きになる。(S子守歌) yak pirka ヤㇰ ピㇼカ …するとよい、 …するほうがよい、 …するがよい(上の人から下の人への命令表現の一種)。 tono e=sak pe ne ciki i=or ta e=henoye yak pirka トノ エサㇰ ペ ネ チキ イオッタ エヘノイェ ヤㇰ ピㇼカ 和人のお得意様がないのならわれわれの所に立ち寄るがよい。(S民話) yak pirka p ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ …すればいいのに/…すればよかったのに。 yak wen ヤㇰ ウェン …するといけない/よくない。 yak easir pirka ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …しなければいけない。 sekor icarpa=an yak easir pirka セコㇿ イチャㇻパアン ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …と言って供物まき(供養)をしなければいけない。(W民話) ②(帰結に願望「…したい」や提案「…しよう」が来るとき)…して。 nen ka ta a=kar yak a=rayke oka! ネン カ タ アカㇻ ヤㇰ アライケ オカ! なんとかして殺したいものだなあ! (S民話) a=o yak a=seske ro アオ ヤㇰ アセㇱケ ロ (土を)入れてうめよう。(S) ☆参考 yakne ヤㇰネ と同義。 yakne ヤㇰネ と yak ヤㇰ の使い分けは、 リズムによる。 ゆっくり話し、 条件の部分を言って一呼吸おくようなときは yakne ヤㇰネ を使い、 早い調子でどんどんしゃべっているときは yak ヤㇰ を使う。 また、 歌などの韻文では音節数の都合でどちらかが選ばれることもある。 {E: ①if, when ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yáka
ヤカ 【他動】…を指す。 ku=yaka uske un inkar クヤカ ウㇱケ ウン インカㇻ 私が指さすところを見なさい。(S) {E: to point to, at…} (出典:田村、方言:沙流)
yáke
ヤケ 【位名】[所](概は ya ヤ) …の岸(「おか」)、 (いろり)の炉端、 その岸辺のところ、 その炉端のところ。 kusuri o poysu atte wa yáke ta tókapracici p? クスリ オ ポイス アッテ ワ ヤケ タ トカㇷ゚ラチチㇷ゚ 薬の入った小鍋をかけてそのおか(=炉端)で昼間いねむりしてるものは(なぞなぞで答えは Kusur Tokapci クスッ トカㇷ゚チ 釧路と十勝)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
yakka
ヤッカ 【接/接助】[yak-ka …すると・も] ①(たとえ)…しても、 …する/したけれども。 apto as yakka upas as yakka wakka poro yakka, sonno k=ek kus ne wa アㇷ゚ト アㇱ ヤッカ ウパㇱ アㇱ ヤッカ ワッカ ポロ ヤッカ、 ソンノ ケㇰ クㇱ ネ ワ 雨が降っても雪が降っても大水になっても、 本当に来ますよ。(S) yakka pirka ヤッカ ピㇼカ …してもよい。 e=e yakka pirka. エエ ヤッカ ピㇼカ (あなた)食べてもいい。 yakka wen ヤッカ ウェン …しても/したけれどもだめだ/だめだった。 a=e=tére yakka wen アエテレ ヤッカ ウェン 私たちはあなたを待っていたけれどもだめだった(あなたは来なかった)。(W会話) ne yakka ネ ヤッカ …であっても、 …でも。 nep ne yakka ネㇷ゚ ネ ヤッカ 何でも。 nen ne yakka ネン ネ ヤッカ だれでも。 ②(文頭に置かれて前の文との関係で)そうしても、 それでも、 でも。 “ene cis kor arpa rusuy pe a=arpare hike makanak ne wa?” yakka iyapo nu ka somo ki no un=hawekoyki 「エネ チㇱ コㇿ アㇻパ ルスイ ペ アアㇻパレ ヒケ マカナㇰ ネ ワ?」 ヤッカ イヤポ ヌ カ ソモ キ ノ ウンハウェコイキ 「あんなに泣いて行きたがっているもの、 行かせたらどうですか。」でも(=そう言っても)父は全然聞きもしないで私たちを叱りつける。(S) ☆発音 n ン に終わる語の後に置かれて続けて発音されるとき、 しばしば y イ は落ちる。 たとえば an yakka アン ヤッカ は ayyakka アイヤッカ と発音されることもあり、 またもっと早く続けて言うと anakka アナッカ と発音されることもある。 {E: ①even if; although. ②but; even; though.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yakne
ヤㇰネ 【接/接助】[yak-ne …すると・である] (あとの帰結としては、 「よい」「悪い」「望ましいことが起こる」「ありがたい」「困ったことになる」などを表す表現がくる。) ①もし…すれば、 したならば、 …すると(=yak ヤㇰ)。 toanta pon cikappo an, te wa k=an wa k=ak yakne ku=cotca トアンタ ポン チカッポ アン、 テ ワ カン マ カㇰ ヤㇰネ クチョッチャ あそこに小さい小鳥がいる、 私がここにいて撃てば当たる。(S) e=cis yakne/okokko cikap/e=kotokpatokpa エチㇱ ヤㇰネ/オコッコ チカㇷ゚/エコトㇰパトㇰパ あなたが泣くとばけもの鳥があなたをツンツンつつく。(KC子守歌) ②(文頭に置かれ、 前の文との関係で)そうすれば。 {E: ①if; when. ②then.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yakpa
ヤㇰパ 【他動】[複](単は yaku ヤク) (二つ以上)をつぶす。 {E: to crush…(pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
yakyakpa
ヤㇰヤㇰパ 【他動】[複](単は yakyaku ヤㇰヤク)(二つ以上のもの)をグチャグチャにつぶす、 粉々にくだく。 {E: to crush…finely (pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
yáni 1
ヤニ 【副】ほとんど…する、 もう少しで…するところ。 危うく…するところだ。 yáni ray ヤニ ライ ほとんど死にそうになる。 ku=cinita wa yáni a=en=tustekka クチニタ ワ ヤニ アエントゥㇱテッカ うなされてもう少しで気が遠くなる所だった。(S) ☆参考 強調形 yaani ヤアニ の形でよく使われる。 {E: nearly; almost.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yanke
ヤンケ 【他動】[yan-ke (一人が)陸/岸に上がる・(他動詞化)] ①(一人/一つ)を陸/岸に上げる/着ける/上がらせる、 北海道へ行かせる/来させる/帰らせる、 …を水の中から舟の中へ上げる。 cip yanke humi as チㇷ゚ ヤンケ フミ アㇱ 舟を岸に上げた音がした。(NK民話) onaha iruska wa pa yanke hawe ne kuni a=ramú オナハ イルㇱカ ワ パ ヤンケ ハウェ ネ クニ アラム (あの人の)父親(天然痘の神)が起こって疫病を(海外から)この地にもたらしたのだなと私は思った。 ②(鍋など)を火からおろす(「あげる」)、 (火にかかった鍋の中のもの)を取り出して外に置く。 pop su a=yanke wa ポㇷ゚ ス アヤンケ ワ 私は煮立った鍋をおろして(「あげて」)。(W民話) tap pop wa a=yanke sayo a=kor híne タㇷ゚ ポㇷ゚ ワ アヤンケ サヨ アコㇿ ヒネ 私はいま煮たっておろした(「あげた」)おかゆを持って。(W民話) ③(もの)を台の上などへ上げる。 ☆参考 yan ヤン[自動]は、 台の上などに上がることには使われない。 ☞yan ヤン {E: ①to land (a boat); to pull ashore (people). ②to take a pot off a fire. ③to put…on a stand.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yánonkar
ヤノンカㇻ 【自動】[ya-nonkar 網・の様子を見に行く] 網の中に魚が入ったかどうか見に行く。 ésir pet or un yánonkar kus arpa エシㇼ ペトルン ヤノンカㇻ クㇱ アㇻパ (彼は)さっき川へ網の様子を見に行った。(S) {E: to check whether or not fish have been caught in a net.} (出典:田村、方言:沙流)
yantone
ヤントネ 【自動】[yanto-ne [< 日本語]滞在者・である]滞在する(下宿、 居候など)。 yantone kur ヤントネ クㇽ 泊まり客、 滞在者(客でも居候でも)、 同居していて手伝いをする人。 {E: to stay; be a guest.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yarpe
ヤㇻペ 【名】[概/所][yar-pe すりきれた・もの] ①ぼろ、 おしめ、 おむつ。 ②(おしめにくるまった)赤ちゃん(yarpe-oma-p/yarpe-sam-oma-p ヤㇻペオマㇷ゚/ヤㇻペサモマㇷ゚《おしめにくるまったもの》とも言う)。 ③ku=kor yarpe クコㇿ ヤㇻペ 私のぼうや、 私のいとしい子(男女ともに、 いとしい気持ちで言う言葉)。(W) (S) a=kor yarpe a=kor hekaci アコㇿ ヤㇻペ アコㇿ ヘカチ 私のいとし子私のぼうや。(W神謡語り) {E: ①a rag, a baby's nappy, diaper. ②a baby in nappies, diapers. ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yarpehe
ヤㇻペヘ 【名】[所](概は yarpe ヤㇻペ) …のおしめ/おむつ。 “poyson yarpehe hunak ta e=anu?” “toanta ku=satke wa an” 「ポイソン ヤㇻペヘ フナㇰ タ エアヌ?」「トアンタ クサッケ ワ アン」 「子どものおむつをあなたどこに置いた?」「あそこに干してある。」 (S) {E: a rag, nappy, diaper of…} (出典:田村、方言:沙流)
yarpokke
ヤㇻポッケ 【名】[所](概は yarpok ヤㇻポㇰ) …の脇、 胸の横の部分。 ku=yarpokke pakno ka ooho クヤㇻポッケ パㇰノ カ オオホ 私の胸の横まで(=胸ぐらいまで)も深かった。(S) yarpokke uk tek wa kirare ヤㇻポッケ ウㇰ テㇰ ワ キラレ (子どもの)脇腹をつかんで逃がした。(S) {E: the flanks, the sides of the chest of…} (出典:田村、方言:沙流)
yas
ヤㇱ 【自動】流し網をする。 heta, yas=an ro sekor a=en=siren hi kus =itura wa yas=as akus cep rep ka ci=rayke ヘタ、 ヤサン ロ セコㇿ アエンシレニ クㇱ クイトゥラ ワ ヤサㇱ アクㇱ チェㇷ゚ レㇷ゚ カ チライケ さあ、 流し網に行こうとさそわれたのでついて行って流し網をしたら鮭を三匹も殺した(=鮭が三匹もとれた)。(S) ☆参考 「舟二そうで四人組んでやる、 とも(舟の後部)を川下へ向けて二そうを平行に並べる、 二人がそれぞれの舟のへさき(舟の前部)に立って一つの網を二そうの間に広げて持ち、 二人がともにいて川下へ向けてこいでいく、 網に魚(鮭)が入ったら網を上げる、 何回か川下へ行っては川上へ上り、 一晩に五、 六十本もとることもある。」 (S) {E: to cast a net across a river between two boats.} (出典:田村、方言:沙流)
yaske 1
ヤㇱケ 【自動】[yas-ke (裂く/裂けることを表す擬音の語根)・と言う/となる(自動詞形成)] 裂ける。 suma ani a=kar yakun meske yakka yaske yakka ukotuk ka eaykap スマ アニ アカㇻ ヤクン メㇱケ ヤッカ ヤㇱケ ヤッカ ウコトゥㇰ カ エアイカㇷ゚ (人間を)石でつくったら欠けても裂けてもくっつくことができない。(S言い伝え) ☆参考 {E: to tear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaske 2
ヤㇱケ 【自動】(炊事するために)手を洗う。 ku=temsutna wa ku=yaske a ku=yaske a k=éwonne a k=éwonne a wa ku=kar pe ne wa クテㇺスッナ ワ クヤㇱケ ア クヤㇱケ ア ケウォンネ ア ケウォンネ ア ワ クカㇻ ペ ネ ワ 私が袖を肩までまくって手をよくよく洗って顔をよくよく洗ってつくったものだよ。(S) ☆参考 語源・語構成不明。 aske アㇱケ[語根]《手》と関係があるだろう。 ☆参考 子どもが遊んで泥だらけになった手を洗うなど、 普通に「手を洗う」ことは teke(he) huraye テケ(ヘ) フライェ。 yaske ヤㇱケ は炊事する前のほかにはどういうときに使うのか未詳。 {E: to wash one's hands.} (出典:田村、方言:沙流)
yaskosanpa
ヤㇱコサンパ 【自動】[yay-kosanpa (裂く/裂けることを表す語根)・急に…する]バリッと裂けるような物音がする。 petkuretoko/puskosanpa/yaskosanpa ペックレトコ/プㇱコサンパ/ヤㇱコサンパ [雅]その川の水源地でピュッと音がし、 バリッと音がする。(Sユーカラ語り) ☞sir-yaskosanpa シㇼヤㇱコサンパ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaycire
ヤイチレ 【自動】[yay-ci-re 自分を・やける・させる](自分で)やけどする。 sitohu ku=kotuk wa ku=yaycire シトフ クコトゥㇰ ワ クヤイチレ (私は)ストーブにさわってやけどした。(W) {E: to burn, scald oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
yayekote
ヤイェコテ 【副】[yay-ekote(< hekote) 自分・に向かって] 自分で、 自力で(他の力を借りないで)。 yayekote sinenne ku=kar ruwe un ヤイェコテ シネンネ クカン ルウェ ウン 私が自分で一人でつくったのだよ。(S) yayekote ku=ye ヤイェコテ クイェ 私が自分で言う。(S) yayekote sikannatki kor an ヤイェコテ シカンナッキ コラン (テープが)だれも「ちょうさんのに」(=いじらないのに)回っている。(S) ☆参考 「自分で」は yaykata ヤイカタ、 「一人で」は sinenne シネンネ と言う。 {E: by oneself; on one's own.} (出典:田村、方言:沙流)
yayeossiwen
ヤイェオッシウェン 【自動】[yay-e-ossi-wen 自分・で・心の中・悪い]「意地が悪い」(=素直でない)。 (S) yayeossiwen kus kopan, pirka uske wa a=etún pe oraun ヤイェオッシウェン クㇱ コパン、 ピㇼカ ウㇱケ ワ アエトゥン ペ オラウン 「意地が悪い」(=素直でない)のでいやがる、 いいところから(嫁を)もらいに来るのに。(S) ☆参考 素直でないこと、 ひねくれていることか。 {E: to be unkind.} (出典:田村、方言:沙流)
yayepasuypa
ヤイェパスイパ 【自動】[yay-e-pa-suypa 自分・について・口・をゆらす[複]](自分のことを言われて)機嫌が悪くなる。 X sekor a=nuyé yakun yayepasuypa kusu mosma kur nukar nankor sekor ku=nuye X セコㇿ アヌイェ ヤクン ヤイェパスイパ クス モㇱマ クン ヌカン ナンコㇿ セコㇿ クヌイェ Xと(手紙の相手本人の名前を)書くと(「なにいつもひとの名前ばりほりだしてと」)機嫌をそこねるだろうから私は(Xあての手紙に)ほかの人が見るでしょうと書きます。(W) (出典:田村、方言:沙流)
yayeramanno
ヤイェラマンノ 【副】[yay-eraman-no 自分・がわかる・(副詞形成)]きまって、 きまりきって、 いつでも。 tókap-ipe or pakno yayeramanno ku=nepki トカピペ パㇰノ ヤイェラマンノ クネㇷ゚キ 私は昼食時間までいつでもきまって仕事をします。(W) (出典:田村、方言:沙流)
yayerampewtekkare
ヤイェランペウテッカレ 【他動】[yayerampewtek-ka-re 何もわからない・(他動詞化)・させる](人)を悪くする、 (人)に悪い知恵を教える、 思慮分別のないものにする(?)。 sikatkore wa sineno yayerampewtekkare kus ene iki hi an シカッコレ ワ シネノ ヤイェランペウテッカレ クㇱ エネ イキ ヒ アン (悪い子がうちの子を)引っぱり出して自分と同じように悪くしようとして悪い知恵ばかり教える。(S) ☆参考 形の上では複他動詞(他動使役)に見えるがこの用例では単他動詞。 意味から予想される yayerampewtekka ヤイェランペウテッカ は未出。 (出典:田村、方言:沙流)
yayeykataitak
ヤイェイカタイタㇰ 【自動】[yay-e-i-ka-ta-itak 自分・で・もの・の上・で・しゃべる]断る。 ku=yayeykataitak クヤイェイカタイタㇰ (私は)(その話を)断った。(S) ☆参考 他動詞は eyayeykataitak エヤイェイカタイタㇰ {E: to refuse; decline.} (出典:田村、方言:沙流)
yayeykaunu
ヤイェイカウヌ 【他動】[yay-eykaunu 自分・を…より上位に立たせる] …よりも優勢になる、 …よりもうわてになる、 …に勝つ。 ☆対語 yayeypokunu ヤイェイポクヌ {E: to be superior to…; win at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayeyyok
ヤイェイヨㇰ 【自動】[yay-eyyok 自分・を売る] 日やとい仕事をする。 kuani herokikar/yayeyyok okkayo クアニ ヘロキカㇻ/ヤイェイヨㇰ オッカヨ「おれはにしんばのやというり男。」 (S自作の歌) {E: to work as a day labourer.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayhetukpare
ヤイヘトゥㇰパレ 【自動】[複](単は yayhetukure ヤイヘトゥクレ)(二つ以上が)自然に生える。 {E: to grow naturally (pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
yayiporosak
ヤイポロサㇰ 【自動】[yay-iporo-sak 自分・…の顔色・を欠く]きまりが悪い。 ukuran téta rewsi wa yaykaokuyma híne yayiporosak ウクラン テタ レウシ ワ ヤイカオクイマ ヒネ ヤイポロサㇰ (彼は)ゆうべここに泊まって寝小便をしたのできまり悪がっている。(S) ☆参考 yayiporsak ヤイポㇿサㇰ の聞き違いか? ☆発音 yi イ の部分を高く発音する。 (出典:田村、方言:沙流)
yayiramure
ヤイラムレ 【自動】[yay-i-ramu-re 自分(に)・ものごとを・考える・させる] ①正直である。 yayiramure kur ヤイラムレ クㇽ 正直者。(W) ②身寄りなく一人ぼっちでおとなしくしている、 遠慮深い。(S) yayiramure okkayo/menoko ヤイラムレ オッカヨ/メノコ 身寄りがなく一人ぼっちで何もなまいきなことも言わずおとなしくしている人。(S) ☆発音 yi イ の部分を高く発音する。 ☆参考 ①ワテケさんの場合は「正直」の訳語として出た。(W) ②サダモさんは yayannuyere ヤヤンヌイェレ と同じだと言う。(S) 金田一・久保寺・バチラーには yayramure ヤイラムレ と書かれ、 それぞれ違った記述がある。 {E: ①to be honest. ②to live quietly alone without relatives.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayirayke
ヤイライケ 【自動】感謝する、 お礼を言う。 ☆発音 yayrayke ヤイライケ《自殺する》とは発音が違う。 yayi ヤイ は二音節で、 yi イ の部分を高く発音する。 しかし人称接頭辞やその他の接頭辞がついてアクセント核が前の音節の移ると(つまり、 ya ヤ の部分が高くなると)、 早く言うときにはしばしば i が落ちて、 ku=yayrayke クヤイライケ のように、 《自殺する》と同じ発音になる。 {E: to express one's thanks, gratitude.} (出典:田村、方言:沙流)
yayiraykeipe
ヤイライケイペ 【名】[yayirayke-ipe 感謝する・品物] お礼の品。 hokure, nep ka ikor ne ciki emus ne ciki, yayiraykeipe a=sanke kusu ne na ne na ホクレ、 ネㇷ゚ カ イコン ネ チキ エムㇱ ネ チキ、 ヤイライケイペ アサンケ クス ネ ナ ネ ナ さあ早く、 何か宝刀でも刀剣でもお礼の品物をお出ししますから、 さあさあどうぞ。(W民話) ☆参考 ipe イペ は独立の名詞としては食事、 食べもの、 魚、 実、 中味など。 ☞ipe イペ {E: a gift, item of thanks.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykaspaotte
ヤイカㇱパオッテ 【自動】[yay-kaspaotte 自分・に言いつける]自分に言い聞かせる。 pirkano/yaykaspaotte no/iteki i=oskur no/an sekor ピㇼカノ/ヤイカㇱパオッテ ノ/イテキ イオㇱクㇽ ノ/アン セコㇿ [雅]よくよく自分に言い聞かせて私を恋しがって泣いたりせずに暮らしなさいと。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykata
ヤイカタ 【副】[yay-ka-ta 自分・の上・に] 自分で、 自分が、 ひとりでに。 yaykata apkas ヤイカタ アㇷ゚カㇱ (運んでもらわずに)自分で歩く。 yaykata ka ku ヤイカタ カ ク (人にも飲ませ)自分も飲んだ。 yaykata yaykata ヤイカタ ヤイカタ 自分自分で、 めいめい勝手に。 yaykata wen pe ora eani patek e=wen yak ye ヤイカタ ウェン ペ オラ エアニ パテㇰ エウェン ヤㇰ イェ (彼は)自分が悪いのにあなただけが悪いと言う。(S) yaykata anak nep ka ku=kar somo ki yakka =ipe easkay korka ヤイカタ アナㇰ ネㇷ゚ カ クカㇻ ソモ キ ヤッカ クイペ エアㇱカイ コㇿカ 私自身は何もしなくても食べていけるけれど。(S) eytasa ci wa yaykata rapapse wa péne. エイタサ チ ワ ヤイカタ ラパㇷ゚セ ワ ペネ (果物が)あまり熟しすぎて(落とさないのに)ひとりでに落ちてつぶれた。(S) {E: alone; by oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykatante
ヤイカタンテ 【自動】[yay-kat-an-te 自分・ありよう・ある・させる](?) (病人が)体のために少し運動する。 ku=yaykatante kus soy péka k=apkas クヤイカタンテ クㇱ ソイ ペカ カㇷ゚カㇱ 私は運動のために外を歩く。 nen póka yaykatante wa asir réra seru ネン ポカ ヤイカタンテ ワ アシン レラ セル 少し運動に出なさい、 そして新鮮な空気を吸いなさい。(S) {E: (for a sick person) to exercise lightly for one's health.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykik
ヤイキㇰ 【自動】[yay-kik 自分・を打つ] 自分を打つ。 cikuni ku=tawki akus emko hetari wa ani ku=yaykik チクニ クタウキ アクㇱ エㇺコ ヘタリ ワ アニ クヤイキㇰ (私が)まきを割ったところ半分飛んで来てそれで私は自分を打った。(S) {E: to strike oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykoresu
ヤイコレス 【他動】[yayko-resu 一人で・…を育てる] …を一人で育てる。 e=kor poyson e=yaykoresu kor e=an yakun エコㇿ ポイソン エヤイコレス コㇿ エアン ヤクン あなたの赤ちゃんをあなたが一人で育てていれば。(W民話) {E: to raise…alone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykorpare
ヤイコㇿパレ 【他動】[yay-korpare 自分・に与える[複]](直訳すると)(二つ以上のもの)を自分に与える。 (次の決まった言い回しの中で) kewtum yaykorpare ケウトゥㇺ ヤイコㇿパレ …な気持ちを持つ。 hotasnu kewtum koohana ne yakka ku=yaykorpare ホタㇱヌ ケウトゥㇺ コオハナ ヤッカ クヤイコㇿパレ 気がかりな気持ちに自分のようなものでもなった。(W会話) iruska kewtum a=yaykorpare イルㇱカ ケウトゥム アヤイコㇿパレ 私はいやな/腹立たしい/なさけない気持ちになった。(W民話)ほか {E: to give…to oneself; have the feeling of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykoruska
ヤイコルㇱカ 【他動】[yayko-ruska 一人で・…を腹立たしく思う][雅]自分の心に…を腹立たしく思う。 ci-yaykokemnu/ci-yaykoruska/apiskatu apiska/a=ekárkar kusu チヤイコケムヌ/チヤイコルㇱカ/アピシカトゥ アピシカ/アエカㇻカㇻクス (私はその子の素性を見ると)かわいそうにも思い腹立たしくも思ったので。 (W神謡K) {E: to do one's own thing.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykoruye
ヤイコルイェ 【他動】[yay-ko-ruye 自分・に・…をなでる] …をだきしめて愛撫する/かわいがってなでる。 reyereye=an híne a=onáha sama ta arpa=an akusu orowano i=yaykoruye, otusuykonna oresuykonna i=yaykoruye レイェレイェアン ヒネ アオナハ サマ タ アㇻパアン アクス オロワノ イヤイコルイェ、 オトゥスイコンナ オレスイコンナ イヤイコルイェ 私がはって父のそばに行くと父は私をだきしめてなで、 何回も何回もなでてくれた。(W民話) {E: to caress, stroke, pet…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykosaye
ヤイコサイェ 【自動】[yay-ko-saye 自分・に・…を巻く][雅]帯/ベルトを自分の体に巻く。 uwokkane kut/earsayneno/a=yaykosaye ウウォッカネ クッ/エアㇻサイネノ/アヤイコサイェ [雅]私は金鎖(かなぐさり)のベルトを一回巻きにきちんと巻いた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykotomka
ヤイコトㇺカ 【他動】[yay-kotom-ka 自分・にふさわしい・(他動詞化)と思う][雅]…を自分の結婚相手としてふさわしいと思う、 …と結婚したい。 Kotan-sitcire/Mosir-sitcire/…/Kamuy ne an kur/ne yak easir/a=yaykotomka コタンシッチレ/モシㇼシッチレ/…/カムイ ネ アン クㇽ/ネ ヤㇰ エアシㇼ/アヤイコトㇺカ [雅]「村焼き国焼き(中略)神になる人」とでなければ私は結婚しません。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaymonkasure
ヤイモンカスレ 【自動】[yay-mon-kasu-re 自分・手(働き)・過剰になる・させる] 私は働きすぎる。 ku=yaymonkasure ayne ku=yaynuwen クヤイモンカスレ アイネ クヤイヌウェン 私は働きすぎて体具合いが悪くなった。(S) {E: to overwork.} (出典:田村、方言:沙流)
yaynurap
ヤイヌラㇷ゚ 【自動】眠りかけてうとうとする。 yaynurap tek akus ku=wentarap tek ヤイヌラㇷ゚ テㇰ アクㇱ クウェンタラㇷ゚ テㇰ 私はちょっとうとうとしたらちょっと夢を見た。(S)〔知分類 p.290 yaynurat ((ホロベツ、 ニイカップ))うとうとする[yaynu(思)+rat(ぶらさがる)]〕 {E: to doze off.} (出典:田村、方言:沙流)
yayokoykaunu
ヤヨコイカウヌ 【自動】[yay-o-koyka-unu 自分・その尻・波の上手・につける](次の句で)波の上手(かみて)寄りである(南寄りである)。 yayokoykaunu pikata ヤヨコイカウヌ ピカタ 「南しかた」=南南西風。 ☆対語 yayokoypokunu ヤヨコイポクヌ ☆参考 海の方からまっすぐに吹いてくる「しけ風」が pikata ピカタ と呼ばれる。 海岸線が北西から南東へのびているので、 pikata ピカタ は南西風である。 そのやや南寄りのものを yayokoykaunu pikata ヤヨコイカウヌ ピカタ と言い、 やや西寄りのものを yayokoypokunu pikata ヤヨコイポクヌ ピカタ と言う。 ☞réra レラ {E: for a south-south-west wind to blow.} (出典:田村、方言:沙流)
yayomusu
ヤヨムス 【自動】[yay-homusu 自分・危うく助かった見舞いを言う] しないでよかったと思う。 poro yayomusu ku=ki ポロ ヤヨムス クキ ああ、 しないでよかったなあと思う。(S) ☆参考 yayomsu ヤヨㇺス の聞き違いか? {E: to feel glad that one did not do…} (出典:田村、方言:沙流)
yayosawsawa
ヤヨサウサワ 【自動】[yay-o-sawsaw-a 自分・その尻・(擬音/擬態の語根重複)・(他動詞形成)](直訳すると)自分の尻をユサユサする=ユサユサと立ち上がる。 ruska kusu oro wa suy yayosawsawa ayne ルㇱカ クス オロ ワ スイ ヤヨサウサワ アイネ そのことに腹が立ったので(その山は)そこからまたユサユサと立ち上がって(遠くへ行ってしまった)。(S会話の中で伝説の紹介) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayotapkar-eciwitara
ヤヨタㇷ゚カレチウイタラ 【自動】[yay-o-tapkar-e-ciw-itara 自分・その尻(?)・踏舞・で・にささる・…した状態が続いている][雅]踏舞(両手を広げて斜め前にかざし一歩一歩進んでいく舞い)を続けている。 ☆参考 同じことを表すのに、 otu tapkanru ore tapkanru ukakuspare オトゥ タㇷ゚ カンル オレ タㇷ゚カンル ウカクㇱパレ など、 他の言い方もある。 ☞tapkar タㇷ゚カㇻ {E: to repeat a dance over and over.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayotasiska
ヤヨタシㇱカ 【自動】[yay-o-tasis-ka 自分・その尻(?)・(?)・(他動詞化)] とても急ぐ、 大急ぎでする。 a=i=ráyke kuni a=sitóma p ne kusu ora yayotasiska=an wa oraun yán=an wa アイライケ クニ アシトマㇷ゚ ネ クス オラ ヤヨタシㇱカアン ワ オラウン ヤナン ワ (そのことが知れたら)私は殺されると思って恐ろしいから大急ぎで国へ帰った。(S民話) {E: to be very busy.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayowpekare
ヤヨウペカレ 【自動】[yay-owpeka-re 自分・まっすぐになる/うまくいく・させる] 人の気持ちを汲んで気に入られるようにする。 pirkano yayowpekare yan ピㇼカノ ヤヨウペカレ ヤン うまく人の機嫌をとりなさい。(S) yayowpekare=an kusu ne na ヤヨウペカレアン クス ネ ナ 私たちは人に好かれるようにうまくやっていこう。(S) {E: to impress oneself upon another.} (出典:田村、方言:沙流)
yayramakot
ヤイラマコッ 【自動】[yay-ram-akot 自分の・心・(< e-kot)に・つながる](?) 気ままにする。 ku=yayramkot wa ku=hotke クヤイラマコッ ワ クホッケ 私は気ままして寝ている。(W) toan pon hekaci yayramakot patek ki kor an トアン ポン ヘカチ ヤイラマコッ パテㇰ キ コラン あの小さい男の子は勝手気ままばかりしている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
yayramu
ヤイラム 【副】[yay-ramu 自分・を思う(?)]そっと(人に言わずに)。 yayramu kor wa ek pe ne kuni ku=ramu ヤイラム コㇿ ワ エㇰ ペ ネ クニ クラム (彼はそれを)そっと持って来た(人がいたので入るに入れなくて戸口の外に置いて行った)のだと私は思う。(S) ☆参考 yayiramu ヤイラム の聞き違いか。 {E: quietly; gently.} (出典:田村、方言:沙流)
yayramuatte
ヤイラムアッテ 【自動(?)】[yay-ramu-atte 自分・の心・を掛ける] しっかりする、 気をたしかに持つ。 ku=yayramuatte wa k=an ayne hetopo pirka クヤイラムアッテ ワ カン アイネ ヘトポ ピㇼカ 気が遠くなってきたが何とか死ぬまいと思ってがんばっていてとうとうまたよくなった。(S) {E: to be firm; level-headed.} (出典:田村、方言:沙流)
yayrenkayne
ヤイレンカイネ 【副】[yay-renkayne 自分・の意図によって]勝手に(断わりなしに、 自分の意のままに)。 yayrenkayne e yan ヤイレンカイネ エ ヤン 勝手に(ご自由に)食べて下さい。(S) hńta kus yayrenkayne e=kor wa e=arpa? ikka koraci フンタ クㇱ ヤイレンカイネ エコㇿ ワ エアㇻパ? イッカ コラチ なぜ勝手に持って行くの、 どろぼうするみたいに。(S) {E: as one likes, pleases.} (出典:田村、方言:沙流)
yaysamne 1
ヤイサㇺネ 【副】[yay-sam-ne 自分・(< の側)・として]ほかに何もなく、 特にこれということなく。 yaysamne ku=sinot kus k=ek ヤイサㇺネ クシノッ クㇱ ケㇰ (私は)何も用はないがただ遊びに来た。 yaysamne apkas=an yakka ヤイサㇺネ アㇷ゚カㇱアン ヤッカ 普通に(特に急がずに)歩いても。(HK民話)(連体的に使って)yaysamne iporose ヤイサㇺネ イポロセ 普通の(むずかしくない)言い方。(W) {E: normally; ordinarily.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaysamne 2
ヤイサㇺネ 【後副】…のほかに何もなく、 全体がただ…だけ/ばかりになって、 …だらけで。 cep yaysamne suwe チェㇷ゚ ヤイサㇺネ スウェ ほかのものを入れず魚ばかり煮る。 haː, tanto réra ruy akus cise epitta toypana yaysamne ハー、 タント レラ ルイ アクㇱ チセ エピッタ トイパナ ヤイサㇺネ ああ、 今日は風がひどく吹いたと思ったら家じゅう土ぼこりだらけだ。(S) cikanpe en=ka un párase wa upas yaysamne チカンペ エンカ ウン パラセ ワ ウパㇱ ヤイサㇺネ 木の上の雪が私の上に落ちて雪だらけだ。 ☆参考 patek パテㇰ ばかり。 takup タクㇷ゚ …しか(…しない)。 たとえば cep patek チェㇷ゚ パテㇰ は他のものがあっても特に魚を煮るとか食べるとかすること、 たとえば毎日毎日魚を食べるなど。 cep takup チェㇷ゚ タクㇷ゚ は他のものも煮ればよいのに煮ないとか食べたいのに食べさせてもらえないとかで魚しか煮ない、 魚しか食べられないなど。 cep yaysamne チェㇷ゚ ヤイサㇺネ は鍋の中が魚だけでいっぱいでまぜものがないこと。 {E: only; just.} (出典:田村、方言:沙流)
yaywennukar
ヤイウェンヌカㇻ 【自動】[yay-wen-nukar 自分・悪い・…を見る] 苦労する、 困る、 なんぎする、 気分が悪い(「せつない」)。 ku=sesek wa ku=yaywennukar クセセㇰ ワ クヤイウェンヌカㇻ 私は暑くてせつない(=気分が悪い)。(S) {E: to suffer; go through hardship.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaywennukarpa
ヤイウェンヌカㇻパ 【自動】[複](yaywennukar ヤイウェンヌカㇻ は単複の区別なし) (二人以上が皆)苦労する、 困る、 せつない。 a=kotánu kémus, a=utári ka kokusis yaywennukar=an-pa アコタヌ ケムㇱ、 アウタリ カ コクシㇱ ヤイウェンヌカㇻアンパ 私の村が飢饉になって村人共々苦しんだ。(NK民話) ☆参考 不定人称形は yaywennukar=an-pa ヤイウェンヌカㇻアンパ {E: to suffer; go through hardships (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ye 1
イェ 【他動】①…を言う、 …を話す、 …に言う。 Aynu itak ye アイヌ イタㇰ イェ アイヌ語を話す。 uwepeker ye ウウェペケㇾ イェ 昔話(民話)を話す。 yúkar ye ユカㇻ イェ ユーカラ(英雄叙事詩)を歌う。 upopo ye ウポポ イェ ウポポを歌う。 sekor ye セコㇿ イェ …と言う。 sekor a=ye セコㇿ アイェ/セコライェ …と(一般に)言う、 …と言われる。 sekor i=ye セコㇿ イェ …と私に言う。 kuni/kunak ye クニ/クナㇰ イェ …すると(いうことを)言う。 yak ye ヤㇰ イェ …した/していると(いうことを)言う。 yak a=ye ヤㇰ アイェ/ヤカイェ …した/しているそうだ。 (使役)+kus(u) ye クス イェ/クㇱ イェ …するように/しなさいと言う。 eun ye エウン イェ …に言う。 hápo eun ye ハポ エウン イェ 母に言う。 kunine ye クニネ イェ …するように言う/話す。 ②☞ram(u) ye ラㇺ/ラム イェ、 sempir(i) ye センピㇼ/センピリ イェ {E: to say, tell…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yépa
イェパ 【他動】[複](ye イェ は単複の区別なし)(二人以上が皆)…を言う。 …sekor yépa …セコㇿ イェパ (二人以上が皆)…と言う。 i=ahunte i=ahunte kusu yépa イアフンテ イアフンテ クス イェパ 彼らは私に入れ入れと言った。 ☆発音 用例で i=ahunte イアフンテ は iyahunte イヤフンテ と発音されている。 {E: to say…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yey 2
イェイ 【連体】[< 日本語 えい(=よい)](次の表現の中で)よい。 yey anpay ta [よい・安配(=具合)・に]イェヤンパイ タ ああよかった。 yey anpay ta ku=pa na イェヤンパイ タ クパ ナ ああよかった見つかったよ。(W) (出典:田村、方言:沙流)
yoko
ヨコ 【自動】獲物を待ちかまえる、 待ちぶせする。 yuk sap kuni ramupa wa yoko wa oka ユㇰ サㇷ゚ クニ ラムパ ワ ヨコ ワ オカ 彼らは鹿が来ると思って待ちかまえている。(S) ☆参考 yoko ヨコ のあとは kor oka コロカ ではなく wa oka ワ オカ であることに注意。 一人ならば yoko wa an ヨコ ワ アン。 {E: to wait for prey (to come).} (出典:田村、方言:沙流)
yupi
ユピ §023.兄(2)yupi〔ju-pí ユぴ〕⦅ホロべツ、エベオツ、アカン、テシオの日常会話、及びカラフトの雅語に用いる⦆①yupの人称形語幹。…の兄。②彼(彼女;彼ら)の兄。③兄。iresu-〜「我を育てた・兄」⦅ユ研Ⅱ, pp,239,613⦆。〜-nekur osi paye-as「兄じゃひとの後を追って私は行った」⦅神謡集, p.50⦆。④従兄。⑤愛人。⑥夫君 a-kor-〜⦅ユ研Ⅰ, p.169⦆。[もとyupの第3人称形、「その兄」の義]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
yupi(hi)
ユピ(ヒ) 【名】[所](概は yup ユㇷ゚)…の兄、 彼/彼女の兄。 toanta an kur ku=yupihi ne ruwe un トアンタ アン クㇽ クユピヒ ネ ルウェ ウン あそこにいる人は私の兄です。 poro ku=yupi ポロ クユピ 兄が二人いるうちの年上の兄。 pon ku=yupi ポン クユピ 兄が二人いるうちの年下のほうの兄。 e=yupihi an エユピヒ アン あなたには兄さんがいた。(S民話) a=yupíhi an híne oka=an アユピヒ アン ヒネ オカアン 私(民話の主人公)には兄がいて私たちは一緒に暮らしていた。(NK民話) ☆参考 親族関係を表すクールな表現。 呼びかけには使わない。 呼びかけには ku=yupo クユポ と言う。 ☞yúpo ユポ {E: the older brother of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yupkeepotara
ユㇷ゚ケエポタラ 【他動】[yupke-epotara 強く(< 強い)・…におはらいをする](人)に悪神祓いの強いおはらいをする。 a=yupkeepotara akus yayeramuan アユㇷ゚ケエポタラ アクㇱ ヤイェラムアン 私は(その人に)強いおはらいをしたところ彼は気がついた。(NK民話) {E: to exocise; purify.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yupkehawe
ユㇷ゚ケハウェ 【名】[所](hawe ハウェ の概は haw ハウ)[yupke-hawe きつい・…の声[所]] …の厳しい批判。 (神謡中の次の表現の中で) a=yupkehawe/e=koan yakun アユㇷ゚ケハウェ/エコアン ヤクン 私のせいであなたが人々から厳しい批判を受けたなら。(HC神謡) {E: the severe criticism of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yupkir
ユㇷ゚キㇼ 【自動】種まきする(指でふってまく)。 yupkir kus arpa ユㇷ゚キㇼ クㇱ アㇻパ (彼女は)種まきに行った。(S) ☆参考 土を掘って中へ種を入れるのは etoyta エトイタ 。 {E: to sow seeds.} (出典:田村、方言:沙流)
yúpo
ユポ 【名】[< yup-po 兄・(指小辞)] 兄さん、 おにいさん、 おにいちゃん、 兄貴。 ku=yupo ne ruwe un クユポ ネ ルウェ ウン「おれの兄貴だよ。」 (S) ☆参考 yup ユㇷ゚ が客観的なクールな親族名称であるのに対し、 これは近しい心情を含む語。 呼びかけには ku=yupo クユポ《私の兄さん》と言う。 所属形をつくらないが、 一人称単数では、kor コㇿ を用いずに ku=yupo クユポ となる。 しかし、 他の人称では kor yúpo コㇿ ユポ […が持つ・兄さん]《…の兄さん》となる。 三人称ではこれよりも、 yupi(hi) ユピ(ヒ) のほうがよく用いられる。 ☆対語 sápo サポ 姉さん。 ☞yupihi ユピヒ {E: an older brother.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yupo
ユポ §023.兄(5)yupo〔jú-po ゆポ〕①兄⦅バギノ、シラオイ、チトセ、ホべツ、シズナイ、サマニ、シラヌカ、チロット、アショロ、クッシャロ、ビホロ、シャリ、チカブミ、テシオ、シラヌシ、シラウラ、ニイトイ⦆。②女がその恋人を呼ぶ。ku-yupo!「兄さん」⦅ホベツ⦆。ku-yupo-tono「私のいとしき人よ」⦅ユ研Ⅰ, p.135⦆。③従兄⦅シラヌカ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
yupu
ユプ 【他動】[単](複は yuppa ユッパ) …を締(し)める、 …をきつく締める。 ku=kuci sawnu na yupu wa en=kore ククチ サウヌ ナ ユプ ワ エンコレ 私の帯ゆるいからきつく締めてちょうだい。(S) {E: to fasten…} (出典:田村、方言:沙流)