国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ

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annoski
アンノㇱキ 【名】[an-noski 夜・真ん中] 真夜中(まよなか)。 (出典:田村、方言:沙流)
annoski
アンノㇱキ 【an-noski】 夜中,真夜中. アンノㇱキ タ ク・ホシピ ㇷ゚ ネ クス スネ カ ウㇱ ワ アン ペ ネ クス ク・シッテㇺライパ ワ スネ ク・カㇻ=夜中に帰って来たものだからともし火も消えていたので,私は手探りでともし火をつけた. (出典:萱野、方言:沙流)
annoski nociw
アンノㇱキ ノチウ 【名】[星の名](「よなかぼし」)。 {E: in the middle of the night.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ayeroski
アイェロㇱキ 【他動】[ay-e-roski 矢・で(?)/そこに(?)・…を立てる[複]] …に矢をさす。 {E: to pierce…with an arrow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ayeroskipa
アイェロㇱキパ 【他動】[ayeroski-pa …に矢をさす・[複]](二人以上が)…に矢をさす。 {E: to pierce… with an arrow (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cehnoski
チェㇸノㇱキ §067 サケ あきあじ、あきやじ  部(11) ceh-noski (ceh-nos-ki)「チェㇸノㇱキ」 (出典:知里動物編、方言:)
cep pe yoski
チェッペヨㇱキ §067 サケ あきあじ、あきやじ  他(15) cep pe yoski (čep-pe-yos-ki)「チェッペヨㇱキ」辞III, 435 (出典:知里動物編、方言:)
cep pe yoski
チェㇷ゚ ペ ヨㇱキ §827.よう(酔う)(6)魚が腹を上にして死にかけている cep pe yoski〔čép|pé|jóš-ki ちぇㇷ゚・舳・よㇱキ〕[魚が・水に・酔う]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cinkanroski
チンカンロㇱキ 【自動】[cin-kan-roski 足(上脚)・上に・…を立てる[複]] 寝ころがっていて両足を上に上げる。 {E: to lie down with both feet up.} (出典:田村、方言:沙流)
cioskiris(c-i)
チオㇱキリㇱ §250.きょおさにゅうとうきん(胸鎖乳頭筋)(2)cioskiris(c-i)〔či-óš-ki-riš チおㇱキリㇱ〕[ci(我ら)+oski(待つ?)+ris(筋)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
eeroski
エエロㇱキ 【複他動】[複](単 eeas エエアㇱ は未出)[e-e-roski …を伴って・…で・立っている[複]] …を(足)にはいている。 ☆参考 これだけの形では未出。 複数形語尾 -pa パ を伴って出てきた。 ☞eeroskipa エエロㇱキパ (出典:田村、方言:沙流)
eeroskipa
エエロㇱキパ 【複他動】[複複](単 eeas エエアㇱ、 複 eeroski エエロㇱキ は未出) …を(足)にはいている。 hemanta pukuru néno okay pe kemaha eeroskipa ヘマンタ プクル ネノ オカイ ペ ケマハ エエロㇱキパ (いまの人々は)へんな袋のようなもの(靴下)を足にはいている。(S) {E: to be wearing…on one's feet.} (出典:田村、方言:沙流)
ehoski
エホㇱキ 【e-hoski】 不満がある. ヌマン パㇰノ ネㇷ゚キ ワ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) サンニヨ アニタ(アン ヒ タ) プマハ エホㇱキ シコㇿ イェ コㇿ サカヨカㇻ ハウェ ネ ノイネ=昨日まで働いていたのに精算の時に報酬に不満があると文句を言っているらしいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
emakaroski
エマカロㇱキ 【自動】[複](単は emakaas エマカアㇱ) (二人以上が)ヒョッと立ち止まる。 (出典:田村、方言:沙流)
eramuhoski
エラムホㇱキ 【e-ramu-hoski】 不満である.▷エ=それに ラムホㇱキ=不満である (出典:萱野、方言:沙流)
eraperoski
エラペロㇱキ 【e-rap-e-roski】 羽削り.*ポンストゥイナウを作る時に上から下に向けて羽のように削る.▷エ=それ ラㇷ゚=羽 エロㇱキ=立つ(複) →イナウ (出典:萱野、方言:沙流)
hetemeroski
ヘテメロㇱキ 【hetemeroski】 手で体を支える. (出典:萱野、方言:沙流)
hoski
ホㇱキ 【hoski】 待て. ポンノ ホㇱキ.ク・ヤイェトコイキ ワ エチ・トゥラ ナ=ちょっと待って,準備をしてお前と一緒に行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
hoski
ホㇱキ 【hoski】 先に(の),真っ先に,最初に. ホㇱキ アㇻパ=先に行け.ホㇱキ イペ=先に食べろ.ホクレ ホㇱキ アㇻパ ワ アパウㇱ タ チカシヒ アㇺケ ワ アヌ.タネ カㇻパ(ク・アㇻパ) クㇱネ ナ=早く先に行って戸の心張り棒を外しておけ.今すぐ私も行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
hoski
ホㇱキ §827.よう(酔う)(1)hoski〔hóš-ki ほㇱキ〕[hos(酔う)+ki(する)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hoski 1
ホㇱキ 【他動】に酔う。 socu ku=ku wa ku=hoski ソチュ クク ワ クホㇱキ 私は焼酎を飲んで酔った。(S) ☆参考 ihoski/iyoski イホㇱキ/イヨㇱキ [自動]酒類に酔う、 酔っぱらう。 {E: to be (get) drunk on…} (出典:田村、方言:沙流)
hoski 2
ホㇱキ 【副】①先に、 最初に。 hoski arpa kor an, e=os k=arpa kusu ne na ホㇱキ アㇻパ コラン、 エオㇱ カㇻパ クス ネ ナ 先に行っていなさい、 (私は)あなたの後から行くから。(S) uwerpak hoyuppa=an ro, inan kur hoski sirepa ya ウウェㇾパㇰ ホユッパアン ロ、 イナン クㇽ ホㇱキ シレパ ヤ 一緒に走ろう、 どの人が(=だれが)最初に着くか。(S) ②ちょっと待って(その前にすることがあるからちょっと待ってと、 急いで止めるときに言う)。 ponno hoski! ポンノ ホㇱキ! ちょつ、 ちょっと待って! ③(時を表す語の前に置かれて、 一つ前のその時を表す。) hoski an ホㇱキ アン 去年の、 もう一つ前の。 hoski an to ホㇱキ アン ト 一昨日(少し他方言の感じがある)(=hoskinuman ホㇱキヌマン)。 hoski cukne ホㇱキ チュㇰネ 一昨年の秋(二つ前の秋)。(cukne チュㇰネ は去年の秋、 この前の秋。) hoski matane ホㇱキ マタネ 一昨年の冬、 二つ前の冬。 hoski paykar(ne?) ホㇱキ パイカㇻ(ネ?) 一昨年の春、 二つ前の春。 hoski sakne ホㇱキ サㇰネ 一昨年の夏、 二つ前の夏。 hoski isam cup ホㇱキ イサㇺ チュㇷ゚ 先月(=hoskicup ホㇱキチュㇷ゚)。 {E: ①firstly; before. ②Wait a moment! ③used in expressions of time.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoskiancuk
ホㇱキアンチュㇰ 【hoski-an-cuk】 一昨年の秋. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskianmata
ホㇱキアンマタ 【hoski-an-mata】 一昨年の冬. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskiannuman
ホㇱキアンヌマン 【名/副】[hoski-an-numan 先に・あった・昨日] 一昨昨日(一昨日の前の日)。(W) ☆参考 hoskinuman ホㇱキヌマン 一昨日、 おととい。 {E: three days ago.} (出典:田村、方言:沙流)
hoskiannuman
ホㇱキアンヌマン 【hoski-an-numan】 一昨々日,さきおととい. *ヌマン=昨日 ホㇱキヌマン=一昨日. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskianpa
ホㇱキアンパ 【hoski-an-pa】 一昨年. ホㇱキ アン パ タ アン ポロワッカ クスケライ ヘ ネ ヤ ピクタトイ ピㇼカ ポロンノ ムンチロ ケトイタ(ク・エトイタ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ) ルウェ ネ ワー=一昨年にあった洪水のお陰だろうか.中洲畑がよくて,たくさんアワを蒔いてきたのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskiansak
ホㇱキアンサㇰ 【hoski-an-sak】 一昨年の夏. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskicuk
ホㇱキチュㇰ 【hoski-cuk】 昨秋. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskicup
ホㇱキチュㇷ゚ 【名】[hoski-cup 先の・月] 先月。 {E: last month.} (出典:田村、方言:沙流)
hoskicup
ホㇱキチュㇷ゚ 【hoski-cup】 先月. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskihoski
ホㇱキホㇱキ 【hoski hoski】 待て待て. ホㇱキホㇱキ アナイネ イキ ヒ カ ソモ ネ ナンコㇿ ピㇼカノ コピシ ヤン=待て待て,理由なく(そう)したのではないかもしれないから,よく問いただしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskimata
ホㇱキマタ 【hoski-mata】 昨年の冬. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskino
ホㇱキノ 【副】[hoski-no 先に・(副詞形成)] 先に、 最初に。 {E: firstly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoskino
ホㇱキノ 【hoskino】 先に,まずもって,以前. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskinopo
ホㇱキノポ 【副】[hoskino-po 先に・(指小辞)] まっ先に。 {E: the very first.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoskinuman
ホㇱキヌマン 【名/副】[hoski-numan 先の・昨日] 一昨日、 おととい。 {E: the day before yesterday.} (出典:田村、方言:沙流)
hoskinuman
ホㇱキヌマン 【hoski-numan】 一昨日. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskipa
ホㇱキパ 【hoski-pa】 昨年. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskiramu
ホㇱキラム §023.兄(14)hoski-ramu〔hóš-ki-ra-mu ほㇱキラム〕⦅ニイトイ、シラウラ⦆【常】兄。(cf. nokan-ramuに対する)。[hoski(先の)+ramu(子?)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hoskiruyno
ホㇱキルイノ 【hoski ruy no】 先に. タネタネ イ・トゥイェ ノイネ イキ ヒクス ホㇱキ ルイノ ア・オアットゥイェ=今にも今にも私を斬りそうにしたので,私のほうが先にさっと斬った. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskisak
ホㇱキサㇰ 【hoski-sak】 昨夏. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskitek
ホㇱキテㇰ 【hoski-tek】 先程. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskitek
ホㇱキテㇰ 【hoski-tek】 待って. (出典:萱野、方言:沙流)
hoskiteyne
ホㇱキテイネ §359 バイケイソウ (5) hoskiteyne (hós-ki-tey-ne)「ほㇱキテイネ」[hoski(先に)teyne(べとべとになる)] 茎葉 ⦅美幌⦆⦅A石狩・千歳・十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ihoski
イホㇱキ 【自動】[i-hoski もの・に酔う]酒や乗り物に酔う。 ☆参考 iyoski イヨㇱキ とも言う。 ☞hoski ホㇱキ {E: to be drunk; suffer from motion sickness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ihoski
イホㇱキ 【ihoski】 酔う. アチャポ タヌクラン ラムリテン ワ ポロンノ イク ワ ネ ノイネ イホㇱキ=おじさんは今夜機嫌がよくて,量を多く飲んだらしく酔っ払った.→イヨㇱキ (出典:萱野、方言:沙流)
ihoski
イホㇱキ §827.よう(酔う)(3)酒に酔う ihoski〔i-hóš-ki イほㇱキ〕[i(それに)+hos(酔う)+ki(する)]⦅H.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ikkewnoski
イッケウノㇱキ §322.こし(腰)(5)ikkew-noski〔ík-keŭ-noš-ki いッケウノㇱキ〕[背柱・の中央]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
inawroski
イナウロㇱキ 【自動】[複](単は未出。 roski の単は asi)[inaw-roski イナウ・を立てる[複]] イナウ(木幣)を立てる。 {E: to place, stand up, set up inaw.) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyoski
イヨㇱキ 【自動】[i-y-oski (< i-hoski) もの・(挿入音)・に酔う] 酔う、 酔っぱらう(=ihoski イホㇱキ)。 iku wa iyoski イク ワ イヨㇱキ 酒を飲んで酔う。(W) a=ikúre a a=ikúre a akus ora earkinne iyoski, híne iyoski wa an rápokke ta アイクレ ア アイクレ ア アクㇱ オラ エアㇻキンネ イヨㇱキ、 ヒネ イヨㇱキ ワ アン ラポッケ タ 彼にどんどん飲ませたところひどく酔っぱらった。 そして酔っぱらっている間に…。(W言い伝え) {E: to be, get drunk.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyoski kamuy
イヨㇱキ カムイ 【i-hoski-kamuy】 酔っ払い熊,矢毒が体に回り意識もうろうとしている熊. スルクカㇻワ ライエトッタ イヨシキペコロ テッテレケコㇿアンカムイ アィェヒ イヨㇱキカムイ イヨッタアシトマㇷ゚ネ=矢毒が体に回り,死ぬ前に酔っ払ったようにふらふらしている熊を言うのが酔っ払い熊,これが一番恐ろしいものだ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyoski(ihoski)
イヨㇱキ(イホㇱキ) 【i-hoski】 酔う,酔っ払う. ア・ホクフ イク ルイ ペ ネ イヨㇱキ コㇿ オラーノ サカヨカㇻ エアㇻキンネ ア・エシㇼキラㇷ゚=私の夫は飲みすぎる人で酔うとけんかするので本当に私は苦労する.アチャポ イヨㇱキ ワ パロペテッネ=おじさんは酔っ払って口がまわらない. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoskicis
イヨㇱキチㇱ 【i-hoski-cis】 酔っ払って泣く. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoskip
イヨㇱキㇷ゚ 【i-hoski-p】 酔っ払い. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoskiruy
イヨㇱキルイ 【i-hoski ruy】 酔いすぎる. イテキ エイタサ イクレ ヤン イヨㇱキルイ コㇿ ヤイカオクイマ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) ナ=だめですよ,あまり飲ませたら.酔いすぎると寝小便するのだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kokirawriki roski
コキラウリキロㇱキ 【他動】[ko-kiraw-riki roski …に・角(つの)・高く・立てる][雅](次の慣用表現で)…のために角を高く立てる。 hanke uk pe/kokirawriki/roski kane ハンケ ウㇰ ペ/コキラウリキ/ロㇱキ カネ [雅]近くの草を食べるときは角(つの)を上に高く立てて。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosatnankasi-ukaeroski
コサッナンカシウカエロㇱキ 【自動】[ko-sat-nan-kasi-ukaeroski …と共に・乾いた(?)・顔・の上・重なり合う][雅](次のような韻文の慣用表現で)しわだらけの恐ろしい顔をしている。 sanca or ta/mína ne manu p/kosatnankasi/ukaeroski サンチャ オッタ/ミナ ネ マヌㇷ゚/コサッナンカシ/ウカエロㇱキ (大きなばけものが)ニタニタ笑ってしわだらけの恐ろしい顔をしている。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
kunumnoski
クヌㇺノㇱキ 【ku-num-noski】 弓の真ん中,弓を握る部分. ▷ク=弓 ヌㇺ=粒 ノㇱキ=真ん中(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
matanoski
マタノㇱキ 【mata-noski】 冬の最中.▷マタ=冬 ノㇱキ=中 (出典:萱野、方言:沙流)
mécirataroski
メチラタロㇱキ 【自動】[me-ci-ra-ta-roski 寒さ・される・下・に・立てる](?) 寒気がする。 k=omke rusuy noyne ku=mecirataroski wa k=úruuruk コㇺケ ルスイ ノイネ クメチラタロㇱキ ワ クルウルㇰ 私はかぜをひきそうで寒気がしてふるえる。(S) {E: to feel chilled, cold.} (出典:田村、方言:沙流)
mecirataroski(-an)
メチラタロㇱキ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](9)さむけがする;体じゅうざわざわする mecirataroski(-an)〔mé-či-ra-ta-roš-ki めチラタロㇱキ〕[me(寒さ)+ci(自分を)+ra(下)+ta(に)+roski(立てる〔pl.〕)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
noski
ノㇱキ 【位名】[概](所は noskike(he) ノㇱキケ(ヘ))…の真ん中、 …の中央(線的にも面的にも時間的にも)。 to noski ta pon nupuri an ト ノㇱキ タ ポン ヌプリ アン 湖のまん中に小山がある。 to noski sat wa an ト ノㇱキ サッ ワ アン 沼のまん中が干上がっている。 tókap noski トカㇷ゚ ノㇱキ 昼のまん中=正午。 sinnoski[sir-noski] シンノㇱキ 場所(部屋など)のまん中。 sirupaknoski シルパㇰノㇱキ 二つの地点のちょうどまん中。 {E: the middle, centre of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
noski-askepeci(hi)
ノㇱキアㇱケペチ(ヒ) 【名】[所](概は noskiaskepet ノㇱキアㇱケペッ) …の中指。 {E: the middle finger of…} (出典:田村、方言:沙流)
noski-askepet
ノㇱキアㇱケペッ 【名】[真ん中・指] 中指。 {E: the middle finger.} (出典:田村、方言:沙流)
noski/noskike(he)
ノㇱキ/ノㇱキケ(ヘ) 【noski/noskike(he)】 真ん中,中程,中間.海の真ん中=アトゥイノㇱキ. (出典:萱野、方言:沙流)
noskicisnei
ノㇱキチㇱネイ §191 ヤンマの類 (1) noskicisnei (nos-ki-cis-ne-i)「ノㇱキチㇱネイ」[<noski(中央)cisne(凹んでいる)-i(者)] ⦅足寄⦆(足寄I, 48) (出典:知里動物編、方言:)
noskike(he)
ノㇱキケ(ヘ) 【位名】[所](概は noski ノㇱキ)[noski-ke 真ん中・の所] …の真ん中の所、 その真ん中、 その中央。 mosir noskike ta an pet réhe Matnesar ne モシン ノㇱキケ タ アン ペッ レヘ マッネサㇻ ネ 島の真ん中にある川の名前は沙流川だ。(S) ikaritunnap néno kane noskike cisne katuhu an イカリトゥンナㇷ゚ ネノ カネ ノㇱキケ チㇱネ カトゥフ アン 「ロスケアリ」(アリの一種)みたいに胴のまんなか(ウエスト)がくびれてへんなかっこうだ。(S) {E: the middle; the centre.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
noskikesisinoye
ノㇱキケシシノイェ(成) §191 ヤンマの類 (2) noskikesisinoye (nos-ki-ke-si-si-no-ye)「ノㇱキケシシノイェ(成)」[<noski(まん中)sinoye(ねじれる)] ⦅足寄⦆ヤンマの一種 (出典:知里動物編、方言:)
noskiketaan askepet(c-i)
ノㇱキケタアン アㇱケペッ §821.なかゆび(中指)(9)noskike-ta-an askepet(c-i)〔nóš-ki-ke-ta|án|áš-ke-pet のㇱキケ・タ・あン・あㇱケペッ〕[noski(中央)+ -ke(の所)+ta(に)+an(ある)+askepet(指)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nupurinoskiunkamuy
ヌプリノㇱキウンカムイ §277 くま (14) nupuri-noski-un-kamuy (nu-pú-ri-nos-ki-un-ka-muy)「ヌぷリノㇱキウンカムイ」[<nupuri(山)noski(まん中)un(にいる)kamuy(神)] ⦅北海道⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nupurinoskiunkur
ヌプリノㇱキウンクㇽ §277 くま (15) nupuri-noski-un-kur (nu-pú-ri-nos-ki-un-kur)「ヌぷリノㇱキウンクㇽ」 (出典:知里動物編、方言:)
oeroski
オエロㇱキ 【他動】[o-e-roski (そこ)で・(そこ)で(?)・立つ[複]](?)/[その尻・に・立つ[複]](?) (鳥が)(そこ)に止まる。 síruwe ni/nítek kurka/a=oéroski シルウェ ニ/ニテㇰ クㇽカ/アオエロㇱキ 私(フクロウの神)はすごく太い木の枝の上に止まった。 (W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
ponnohoski
ポンノホㇱキ 【ponno hoski】 ちょっと待って. (出典:萱野、方言:沙流)
popmawkoroski
ポㇷ゚マウコロㇱキ 【自動】[pop-maw-ko-roski 煮立つ・気・が・立つ] 熱がひどく高く上がる。 {E: to have a high fever.} (出典:田村、方言:沙流)
popmawkoroski
ポㇷ゚マウコロㇱキ §560.ねつ(熱)(6)熱が出る popmaw-ko-roski〔póp-maŭ-ko-roš-ki ぽㇷ゚マウコロㇱキ〕[pop-maw(熱気が)+ko(そこに)+roski(群がり立つ)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ramuhoski
ラムホㇱキ 【ramu-hoski】 不満である. (出典:萱野、方言:沙流)
roski
ロㇱキ 【roski】 立ち上がる,立つ〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
roski 1
ロㇱキ 【自動】[複](単は as アㇱ)(二つ以上/二人以上が)立つ、 立ち止まる、 立っている。 roski wa oka ロㇱキ ワ オカ (彼らは)立っている。 cékantoor-soye kane an sunku tup roski híne an チェカントオㇿソイェ カネ アン スンク トゥㇷ゚ ロㇱキ ヒネ アン 天にも届くばかりのエゾマツが二本立っていた。(HC民話)(注 川下のワテケさん、 サダモさんの言い方では as híne an アㇱ ヒネ アン となるところである。)soy wa roski aw wa roski ソイ ワ ロㇱキ アウ ワ ロㇱキ(彼らは)外へ出ては立ち止まり、 家へ入っては立ち止まる(心配でオロオロして出たり入ったりしている様子の描写)。(KK民話) kurukpeciyay roski クルㇰペチヤイ ロㇱキ 霜柱が立つ。(W) (S) {E: to stand (up); stand still.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
roski 2
ロㇱキ 【他動】[複](単は asi アシ)(二つ以上)を立てる、 (引き戸やふすま、 雨戸などの二つ以上)をしめる。 {E: to stand (up)…; close…(pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
roskipa
ロㇱキパ 【自動】[複複](単は as アㇱ)(二人以上が皆)立つ、 立ち止まる、 立っている。 ☆参考 roski ロㇱキ 1 に -pa パ がついた形。 ☆参考 roski ロㇱキ 2 にも -pa パ がついて roskipa ロㇱキパ となるはずだがその用例は未出。 {E: to stand (up); stand still (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
roskire
ロㇱキレ 【roski-re】 立てる. イクㇱペ ロㇱキレ=柱を立てる. (出典:萱野、方言:沙流)
roskiwa ukopirkapkor
ロㇱキワ ウコピㇼカㇷ゚コㇿ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(31)立ちながら行う roskiwa uko-pirkap-kor〔ろㇱキ・ワ・ウこピㇽカㇷ゚コㇿ〕[roski(二人して立つ)、wa(そして)、uko-pirkap-kor(交合する)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ruiyoski
ルイヨㇱキ 【ru-iyoski】 生酔い,ほろ酔い. (出典:萱野、方言:沙流)
saknoski
サㇰノㇱキ 【名】[sak-noski 夏・の真ん中] 盛夏(七月半ばから八月)。 ☞sak サㇰ {E: midsummer (from mid-July through August).} (出典:田村、方言:沙流)
saknoski
サㇰノㇱキ 【sak-noski】 夏:盛夏(7月半ばから8月). (出典:萱野、方言:沙流)
sihoskiannuman
シホㇱキアンヌマン 【名/副】[si-hoski-an-numan (強意の接頭辞)・先に・あった・きのう] さきおとといの前の日。 ☆参考 hoskiannuman ホㇱキアンヌマン さきおととい。 hoskinuman ホㇱキヌマン おととい。 núman ヌマン きのう。 {E: four days ago.} (出典:田村、方言:沙流)
siknumnoski
シㇰヌㇺノㇱキ §771.ひとみ;瞳孔(3)siknum-noski〔šík-num-noš-ki しㇰヌㇺ・ノㇱキ〕[目玉・まんなか]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikumanoskiunkamuy
シクマノㇱキカムイ §277 くま (59) sikuma-noski-un-kamuy (si-kú-ma-nos-ki-ka-muy)「シくマノㇱキカムイ」[<sikuma(山)noski(のまん中)un(にいる)kamuy(神)] ⦅白浦⦆叙事詩háwkiの中でクマを言う (出典:知里動物編、方言:)
sinnoski
シンノㇱキ 【位名】[sir-noski あたり・の真ん中](部屋などの)真ん中の方。 {E: towards the middle, centre (of a room etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
sinnoskianakkepet(c-i)
シンノㇱキアナッケペッ §821.なかゆび(中指)(2)sinnoski-an-akkepet(c-i)〔šín-noš-ki-an-ak-ke-pet しンノㇱキ・アン・アッケペッ〕[<sinnoske(まんなか)+e(に)+an(ある)+akkepet(指)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sirsesekhoski
シㇼセセㇰホㇱキ §413.しょきあたり(暑気あたり)(10)夏まけ;熱射病 sirsesek-hoski〔šír-se-sek-hoš-ki しㇼセセㇰ・ホㇱキ〕[暑さ・に酔う]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sirupaknoski
シルパㇰノㇱキ 【位名】[sir-u-pak-noski 地・互い・まで・中央] 一つの地点からもう一つの地点へ行く途中のちょうどまん中あたりの所。 a=uníhi ne kotan sirupaknoski ta アウニヒ ネ コタン シルパㇰノㇱキ タ 私の家とその村とのちょうどまん中あたりで。(W民話) eci=kotánu un sáp=an sirupaknoski ta ek híne エチコタヌ ウン サパン シルパㇰノㇱキ タ エㇰ ヒネ 彼はあなたたちの村へ(下って)行く途中のまん中あたりまで来て。(W民話) {E: a place between two points; a place mid way between two spots, points, positions..} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sitonoski
シトノㇱキ 【sito-noski】 団子の真ん中.イヨマンテ(熊送り)の時に,あるいはチセノミ(新築祝い),ウトㇺヌカㇻ(結婚式)に作る.直径13cmほどの団子を4つに切った中の短冊形を言い,外側の半月形のものをシトラキルル(団子の縁)と言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tókapnoski
トカㇷ゚ノㇱキ 【名】[tokap-noski 日・まん中] 昼、 ちょうどお昼(正午、 十二時頃)。 na tókapnoski somo ne ナ トカㇷ゚ノㇱキ ソモ ネ まだお昼にならない。(S) ☆参考 tónoski トノㇱキ よりも新しい言葉。 {E: daytime; noon; lunchtime.} (出典:田村、方言:沙流)
tokapnoski
トカㇷ゚ノㇱキ 【tokap noski】 正午. (出典:萱野、方言:沙流)
tónonnoski
トノンノㇱキ 【名】[tónon-noski 昼間の・真ん中][古] お昼頃(11時頃でもよい)。 ☆参考 tónoski トノㇱキ、 tókapnoski トカㇷ゚ノㇱキ [新]。 {E: around midday.} (出典:田村、方言:沙流)
tonoski
トノㇱキ 【to-noski】 真昼,正午.▷ト=日 ノㇱキ=真ん中 (出典:萱野、方言:沙流)
tónoski 1
トノㇱキ 【名】[to-noski 日・の真ん中] 昼、 正午、 12時頃。 tónoski ipe トノㇱキ イペ 昼食(=tokapipe トカピペ)。 ☆参考 tókap noski トカㇷ゚ ノㇱキ ほどに正確ではないが気持ちとしては正午を目指している。 {E: noon; midday.} (出典:田村、方言:沙流)
tónoski 2
トノㇱキ 【名】(=to noski ト ノㇱキ)湖/沼の真ん中。 {E: in the middle of a lake, swamp.} (出典:田村、方言:沙流)
toophoskino
トオㇷ゚ホㇱキノ 【toop hoski no】 ずーっと昔. (出典:萱野、方言:沙流)
toophoskita
トオㇷ゚ホㇱキタ 【toop hoski ta】 ずっと以前に. (出典:萱野、方言:沙流)
toriiyoski
トリイヨㇱキ 【tori-iyoski】 二日酔(する).▷トリ=滞在する イヨㇱキ=酔う ホッノ イヨーハイ スイ トリイヨㇱキ ワ ネスン.ホプニ カ ソモ キ=まあまああきれてしまった,また二日酔いしたのだろう.起きもしないこと. (出典:萱野、方言:沙流)
tumamnoski
トゥマㇺノㇱキ §224.からだ(体);躯幹(10)胴中;腰 tumam-noski〔tu-mám-noš-ki トゥまㇺノㇱキ〕[胴体・中央]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ukaeroski
ウカエロㇱキ 【他動】[u-ka-e-roski 互い・の上・に・…を立てる] …を積む/二つも三つも重ねる/積み重ねる。 {E: to pile up (on)…} (出典:田村、方言:沙流)
ukoroski
ウコロㇱキ 【他動】[複](単の用例はない。 roski ロㇱキ の単は asi アシ)[uko-roski 一緒に・立てる] 一緒に/共々に…を立てる。 wenminahaw ukoroski ウェンミナハウ ウコロㇱキ 皆ですごい笑い声をたてる、 皆で一緒に大声で笑う。 (wenminahaw ukopunpa ウェンミナハウ ウコプンパ とも言う。) {E: to stand, make…together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukosikeroski
ウコシケロㇱキ 【他動】[uko-sik-e-roski 皆で一緒に・目・で(?)/そこに(?)・立つ(?)/立てる(?)] 皆で見ている。 a=ukósikeroski ayne tanepo a=nukár asitcup アウコシケロㇱキ アイネ タネポ アヌカㇻ アシッチュㇷ゚ 皆に見られていてやっと今私たちの目に入った新月。(S) {E: for everyone to see, look at…} (出典:田村、方言:沙流)
upaknoski
ウパㇰノㇱキ 【位名】[u-pak-noski 互い・ほど・中央](二つの場所の)ちょうどまん中。 {E: the exact middle; the dead centre.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utasaroski
ウタサロㇱキ 【自動】[複](単の用例はない。 roski ロㇱキ の単は as アㇱ)[u-tasa-roski 互い・に対して・立つ[複]] 互いに争う、 互いに戦う。 sine moto a=kor pe ney pakno utasaroski シネ モト アコㇿ ペ ネイ パㇰノ ウタサロㇱキ 私たちはもとは一つなのにいつまでも互いに争っていた。(S言い伝え) {E: to fight each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utasaroski
ウタサロㇱキ 【u-tasa-roski】 対立(する),仲たがい(する). ウアパヌㇷ゚ エチ・ネ ナ ウタサロㇱキ コイサㇺ ノ ウトクイェコㇿ ヤン=お互いに親戚になるのだから,対立することなく仲よくしなさい.ウウタリ アナㇰネ ネユンポカ ウサㇺオウペカレ ウタサロㇱキ サㇰノ ウコアㇷ゚カㇱ ペ ネ ナ=親戚同士はなんとかして助け合いをして対立することなく行き来するものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
uweeroski
ウウェエロㇱキ 【u-e-e-roski】 揃えて出す. カパㇻペイタンキ カパㇻペオッチケ ア・ウウェエロㇱキ=薄手のお椀と薄手のお膳を相揃えて出した[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
uwoeroski
ウウォエロㇱキ 【他動】[u-w-o-e-roski 互い・(挿入音)・の尻・の所に・立てる] ①次々に重ねる。 pon itanki a=uwóeroski ポン イタンキ アウウォエロㇱキ 小さい茶碗が重なっている(携帯用のコップの重なっているのを見て言った言葉)。(S) ②短いものを次々につなぎ合わせて長くする。 ③[雅](次の慣用表現で)たくさん並べる。 kaparpe itanki/kaparpe otcike/uwoeroski カパㇻペ イタンキ/カパㇻペ オッチケ/ウウォエロㇱキ [雅]ぬりもののおわん、 ぬりもののお膳をたくさん並べて。(Sユーカラ) (育ての姉が主人公の少年を大切に育ててくれたことを物語るくだりの常套句。) {E: ①to pile up one upon the other. ②to join a number of shorter things together to make something longer.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
weniyoski
ウェニヨㇱキ 【自動】[wen-iyoski ひどく・酔っぱらう] ひどく酔っぱらう。 ☞iyoski イヨㇱキ {E: to be very drunk.} m (出典:田村、方言:沙流)
weniyoski
ウェニヨㇱキ 【wen-iyoski】 泥酔(する),酔いすぎる.▷ウェン=悪い イヨㇱキ=酔っ払い(ウェンイヨㇱキ→ウェニヨㇱキ) イク ア イク ア コㇿ オラーノ ウェニヨㇱキ アㇷ゚カㇱ カ コヤイクㇱ.ウレンテㇰ ア・ニタタ=飲んで飲んでそのあげく泥酔して歩くこともできない.両方の手を支えられて.ウェニヨㇱキ ㇷ゚ エㇰ ヒネ イチェン エネコソウㇰ(エン・エコソウㇰ) ルスイ ク・シトマ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) アウン アチャポ エㇰ ヒネ エン・カケウェ.エアㇻキンネ ク・ヤイライケ=泥酔したといってもいいような者が来て銭を貸してくれと言い私が恐ろしく思っていると隣のおじさんが来て私に加勢してくれた,本当にありがたかった.タヌクラン エカシ エアㇻキンネ ラムリテン ワ イク アイーネ ウェニヨㇱキ ナ ウニ パㇰノ ルラ ワ アㇻパ=今夜はおじいさんが上機嫌で飲んで酔いすぎたから家まで送って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
yoski
ヨㇱキ §827.よう(酔う)(2)yoski〔jóš-ki よㇱキ〕[<yoski]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
-po 3
ポ 【接尾】[指小辞] ①(名詞に接尾して小さい、 年若い…という意味の名詞をつくる。 決まった語に現れる。) cep チェㇷ゚ 魚;ceppo チェッポ 小魚。 cikap チカㇷ゚ 鳥;cikappo チカッポ 小鳥。 menoko メノコ 女性;menokopo メノコポ 若い女性。 okkayo オッカヨ 男性;okkaypo オッカイポ 若い男性 (okkayopo オッカヨポ は息子)。 ②(愛着/親愛を表す。 決まった語に現れる。) a=kor petpo アコㇿ ペッポ [雅] わが川(家のそばを流れる川)。 kamuycikappo カムイチカッポ フクロウの神様。 ③(名詞や副詞について、 ほんとうに小さいこと、 わずかであることを表し、 またちょっと、 ちょっとでも、 といった気持ちを表す。 ある種の強調にもなる。) pon numapo us ポン ヌマポ ウㇱ 僅かな毛がちょこっと生えている。(S) neppo ipe us wa an? ネッポ イペ ウㇱ ワ アン? なんぼか実がなっているか。(S) tan tepo ta タン テポ タ ついここに。(S) mákpo é=iki híne マㇰポ エイキ ヒネ 一体どうやって。(S) hoskinopo op eaciw ホㇱキノポ オペアチウ 先に槍を投げた。(S会話) (出典:田村、方言:沙流)
an 1
アン 【自動】[単](複は oka オカ) ①ある、 いる、 存在する、 滞在する、 住む、 起こる。 kotan noski ta poro cise an コタン ノㇱキ タ ポロ チセ アン 村のまん中に大きな家がある。 sine pa an wa arpa シネ パ アン ワ アㇻパ (彼は)一年滞在して(帰って)行った。 sáha an サハ アン (彼には)姉がいる。 an pe アン ペ 本当のこと。 an koraci アン コラチ ありのままに。 an kus/kusu(keray(po)) アン クㇱ/クス (ケライ(ポ)) …のおかげで。 an pakno アン パㇰノ あるだけ。 maratto an マラット アン 熊送り(の宴)が催される。 niskur an ニㇱクㇽ アン くもる、 くもっている。 nu(we) an ヌ(ウェ) アン (獲物が)たくさんとれる。 katu(hu) an カトゥ(フ) アン (へんな)かっこうだ。 ②生まれる。 hekaci an na ヘカチ アン ナ 男の子が生まれたよ。(W) an hi wano アニ ワノ 生まれたときから。(S) ③(時を表す語の後に置かれて)(朝、 翌日、 いつ) になる。 kunneywa an クンネイワ アン 朝になる。 ciwnici an チウニチ アン 12時になる。(W) isimne an イシㇺネ アン 翌日になる。 …an kor …アン コㇿ …になると、 …毎に。 kunneywa an kor, tokap an kor, onuman an kor クンネイワ アン コㇿ、 トカㇷ゚ アン コㇿ、 オヌマン アン コㇿ 毎朝、 毎昼、 毎晩。(S会話) kesto an kor ケㇱト アン コㇿ 毎日毎日。 hempara an kor ヘンパラ アン コㇿ いつになったら。(W即興詩) oka(ke) an オカ(ケ) アン 終わる。 ④(格助詞 ne ネ の後に置かれて)…になる。 síporo cikap ne an シポロ チカㇷ゚ ネ アン (彼は)巨大な鳥になった。(W神謡語り) ⑤(動詞句+接続助詞の後に置かれて) anki an アンキ アン もう少しで…しそうである。 pekor an ペコㇿ アン …したようである。 ápekor an アペコㇿ アン まるで…したかのようである。 híne an ヒネ アン …して(しまって) いる、 してある。 wa an ワ アン …してある/…している。(☞⑧) kane an …カネ アン …して(いる状態で)ある。 kor an コㇿ アン …しつつある。 kotom an コトㇺ アン …するようである。 noyne an ノイネ アン …する(した)らしい。 ⑥(副詞や副詞句の後に置かれてこれを動詞句とする。) mosmano an モㇱマノ アン だまって(かまわないで)いる。 sonno an a! ソンノ アナ! 本当だねえ。 easir an a! エアシラナ! 全くねえ。 néno (kane) an ネノ (カネ) アン …に(よく)似ている。 pak(no) an パㇰ(ノ) アン …くらい(の大きさ/量)である。 sekor an セコㇿ アン/セコラン … という(ような)。 sekor réhe an セコン レヘ アン …という名前である。 sekor ku=rehe an セコㇿ クレヘ アン 私は…という名前です。 ⑦(熟語) sine an ta シネ アン タ (=sineanta) ある時。 sine an pa ta シネ アン パ タ ある年に。 sine an to ta シネ アン ト タ ある日(に)。 ne wa an… ネ ワ アン… (今ここで話題にしている)この…。 ⑧[補助動詞] wa an/híne an ワ アン/ヒネ アン …して(し終わって)いる、 …してある。 ek wa an エㇰ ワ アン (彼はもう)来ている。(W会話、 民話) a=suwé wa an アスウェ ワ アン (ごはんが)炊いてある。(W) e=hokuhu an wa an ruwe? エホクフ アン マ アン ルウェ? あなたの夫はいてあるのかい=ご主人いるかい(いま在宅しているか)? (W)(方言で「いてあったかい?」と言う言い方がある。 同じことを e=hokuhu an ruwe/isam ruwe? エホクフ アン ルウェ/イサㇺ ルウェ? 《あなたの夫はいるのかい/いないのかい?》と言うことも可能だが、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ と言うほうが好まれる。 一方、 夫を持っているかいないか(独身か)をたずねるときは an ruwe/isam ruwe アン ルウェ/イサㇺ ルウェ のほうを使い、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ とは言わない。) ☆参考 [否定のつくり方]否定辞 somo ソモ による否定は通常つくられず否定動詞 isam イサㇺ が使われる。 ☞isam イサㇺ {E: ①to be; exist; stay; live; happen. ②to be born. ③to become (in reference to time). ④to become… ⑤… ⑥… ⑦…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
as 1
アㇱ 【自動】[単](複は roskiro ロㇱキロ) ①立つ、 立ち止まる、 止まる。 ku=hoyupu wa nísap k=as ka eaykap クホユプ ワ ニサㇷ゚ カㇱ カ エアイカㇷ゚ 走ってきたので急に立ち止まることができなかった。(S) ②(日が)出ている。 na cup as híne ナ チュㇷ゚ アㇱ ヒネ まだ日が出ているうちに。 ③(戸が)しまる、 しまっている。 apa as wa an アパ アㇱ ワ アン 戸がしまっている。 ☆発音 as wa アㇱ ワ の発音は アㇲ ワ。 ☆参考 座っている人が立ち上がることには hopuni ホプニ を使う。 as アㇱ は、 すでに立っていることや、 歩いたり飛んだりしている者がある場所に止まって立つことを言う。 {E: ①to stand; stand still; stop. ②for the sun to rise. ③to be closed.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
asi
アシ 【他動】[単](複は roski ロㇱキ)[as-i 立つ・(他動詞形成)] ①…を立てる。 ②(引き戸やふすま、 ドアなど)をしめる。 apa asi アパ アシ 戸をしめなさい。 {E: ①to stand up something. ②to close (a door etc).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aste 1
アㇱテ 【他動】[単](複は roskire ロㇱキレ)[as-te 立つ・させる] 立たせる、 立ちどまらせる、 止める。 suy par ta i=aste wa スイ パッ タ イアㇱテ ワ (彼は)穴の口に(=穴のふちに)私を立たせて。(W民話) {E: to let, make stand, stand still.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atu 1
アトゥ 【自動】吐く(胃袋の中のものを吐く)(「へどかやす」)。 iyoski wa atu okake icakkere イヨㇱキ ワ アトゥ オカケ イチャッケレ (彼が)酔って吐いたあとが汚い。(W) ipe ewen wa atu kor an イペ エウェン マ アトゥ コㇿ アン (彼は)食べ物にあたって吐いている。(W) ☆参考 他動詞は eatu エアトゥ…を吐く。 ☆参考 動物が吐くことは akur アクㇽ。 ☆参考 口の中のものをペッと吐き出すことは ewar エワㇻ。 {E: to vomit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ci= 5
チ 【人接】[対立的一人称複数主格他動詞型] ①相手を含まない私たちが/の。 tane ci=ye kusu ne タネ チイェ クス ネ 今私たち(私と彼)は言います。 tun ren ci=ne híne トゥン レン チネ ヒネ 私たち二、 三人で。 ci=kotanu チコタヌ 私たちの村。 ②(神謡の中で、 神の自称)神である私が/の。 sakehe ci=kar サケヘ チカㇻ 私はそれで酒をつくった。(HC神謡) ③(民話の中の常套句で主人公の自称)私が/の。 hoski tas ci=nu rok pe! ホㇱキ タㇱ チヌ ロㇰ ペ! おれが先に聞いたんだ(川上男と川下男の民話で川上男が言う)。(W民話) ☆参考 母音で始まる語幹につくときは c= チ ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =as アㇱ が接尾する。 {E: ①first person plural exclusive (personal affix). ②reference to self for a god. ③reference to self for a hero in a folktale.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
círe
チレ 【他動】[ci-re 煮える/焼ける・させる] ①(食べ物を)ゆでる、 湯通しする。 iruka círe tek イルカ チレ テㇰ さっと湯通ししなさい。(S) ②…をやけどする、 やけどさせる、 (食べ物以外のもの)に焼け跡をつけてしまう。 ku=teke ku=cire クテケ クチレ 私は手をやけどした。(S) sések pe e=yanke yak ussi e=cire wa a=e=kóyki セセㇰ ペ エヤンケ ヤㇰ ウッシ エチレ ワ アエコイキ 熱いものをのせると漆を焼いて(お膳の塗りが白くなって)叱られるよ。(S) aoypep a=roski okake a=cire ruwe an アオイペㇷ゚ アロㇱキ オカケ アチレ ルウェ アン 食器を置いた跡が焼けた。 {E: ①to boil (food). ②to burn, scald…} (出典:田村、方言:沙流)
cisne
チㇱネ 【自動】[cis-ne (?) のようである]くびれている。 ikaritunnap néno kane noskike cisne, katuhu an イカリトゥンナㇷ゚ ネノ カネ ノㇱキケ チㇱネ、 カトゥフ アン ロスケアリのように(胴の)真ん中がくびれている、 「みったくない」(=みにくい)(ウエストの細い女性のことを言っている)。(S) {E: to be constricted; pinched.} (出典:田村、方言:沙流)
ciw 2
チウ 【名】流れ。 nan kurkasi ciw kus kane ナン クㇽカシ チウ クㇱ カネ (直訳すると)顔の上を流れが通っている=さめざめと涙を流して泣いている。 ciw ruy チウ ルイ 潮が流れる。 ciw kurkasi roski チウ クㇽカシ ロㇱキ 水柱が立つみたいにとうとうと流れる。 {E: a flow; a stream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cup 2
チュㇷ゚ 【名】①(年月日の)月 ②…カ月(月数の単位)。 tu cup re cup トゥ チュㇷ゚ レ チュㇷ゚ 二、 三カ月。 tan cup タン チュㇷ゚ [この・月]今月。 cup emko チュㇷ゚ エㇺコ [月・の半分]半月、 15日。 cup noski チュㇷ゚ ノㇱキ 月のまん中、 満月。(W) cup poro sere チュㇷ゚ ポロ セレ [月・大きい・部分]二十日ごろ。 ☆参考 [昔の月の呼び方] towetanne トウェタンネ 1月、 kuwekay クウェカイ 2月、 kiwtacup キウタチュㇷ゚ 3月、 mocup モチュㇷ゚ 4月、 sincicup シンチチュㇷ゚ 5月、 mawtacup マウタチュㇷ゚ 6月、 mawcicup マウチチュㇷ゚ 7月、 haprap ハㇷ゚ラㇷ゚ 8月、 níhorak ニホラㇰ 9月、 urepok ウレポㇰ 10月、 ruwekaricup ルウェカリチュㇷ゚ 11月、 curup チュルㇷ゚ 12月。 ☆参考 1955年、 ワテケさんは hacigaci cup ハチガチ チュㇷ゚ 8月、 kugaci cup クガチ チュㇷ゚ 9月のように言っていた。 {E: ①month. ②counter for months.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eci 1
エチ 【他動】[e-ci …で・焼ける](色が)うつる。 siwnin iroho retar hike eci yak wen na retar hike hoski huraye シウニン イロホ レタリケ エチ ヤㇰ ウェン ナ レタリケ ホㇱキ フライェ 青い色が白いのに(白い服に)うつるといけないから白いのを先に洗いなさい。(S) {E: (for colour) to run.} (出典:田村、方言:沙流)
ehopunpa
エホプンパ 【他動】[複](単 ehopuni は未出)[e-hopunpa …で・立つ][雅](かび)が生える。 hoski i=kopunpa p/[u]kunne kumi/ehopunpa na/iyos i=kopunpa p/retar kumi/ehopunpa wa ホㇱキ イコプンパㇷ゚/[ウ]クンネ クミ エホプンパ ナ/イヨㇱ イコプンパㇷ゚/レタㇻ クミ/エホプンパ ワ 先に出してくれた食べものには黒いかびが生え、 あとから出してくれた食べものには白いかびが生えた。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
emakaas
エマカアㇱ 【自動】[単](複は emakaroski エマカロㇱキ)[e-maka-as その頭が・後ろに・立つ](一人が)ヒョッと立ち止まる。 {E: to stop by chance.} (出典:田村、方言:沙流)
enucisiske
エヌチシㇱケ 【他動】[e-nu-cis-is-ke …で・目・(?)・(重複)・…している・]じっと見つめる。 siknumnoski enucisiske シㇰヌㇺノㇱキ エヌチシㇱケ 瞳の真ん中をじっと見つめる。(S) {E: to stare, glare at…} (出典:田村、方言:沙流)
eoripak
エオリパㇰ 【他動】[e-oripak (人)に・遠慮する(かしこまる)] …を畏れてかしこまる、 …を敬ってへりくだりつつしむ/遠慮がちに振舞う(図々しくしない)、 …に恐縮する。 nisatta k=éoripak yakka tónoski wano ku=san rusuy ニサッタ ケオリパㇰ ヤッカ トノㇱキ ワノ クサン ルスイ 明日は恐縮ですがお昼から(川上側から)来たい。(W) i=eoripak pe イエオリパㇰ ぺ [雅](育ての姉は)私に畏れてかしこまり。(Sユーカラ) m ☆参考 古老によっては「遠慮する」と訳す。 しかし、 出されたものを「遠慮して」受け取らないというようなときの「遠慮する」には使われない。 遠慮して辞退することは eyayye エヤイイェ と言う。 ☞oripak オリパㇰ {E: to be reserved about…; hold back from doing…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etok(o) tusmak
エトㇰ/エトコ トゥㇱマㇰ 【連他動】[先・競争する]…の先回りをする。 a=yupíhi tane pon menoko kosirepa noyne síriki, etoko tusmak híne néa pon menoko a=kosírepa hoskino ki híne アユピヒ タネ ポン メノコ コシレパ ノイネ シリキ、 エトコ トゥㇱマㇰ ヒネ ネア ポン メノコ アコシレパ ホㇱキノ キ ヒネ 私の兄がもう娘さんの所まで行きそうになっていたが、 私はその先回りをしてその娘さんの所に先に着いた。(W民話) {E: to get ahead of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etoy
エトイ 【自動】頭がはげている/はげる。 etoy sapa hoskino a=nukár エトイ サパ ホㇱキノ アヌカㇻ はげ頭が先に見えた。(S) etoy cima us エトイ チマ ウㇱ 頭のはげるできものができている。(S) ☆参考 etontone エトントネ より「悪い言葉」。(S) {E: to grow bald.} (出典:田村、方言:沙流)
eturas
エトゥラㇱ 【他動】 …にとびかかる、 とんではねて…にとびつく。 néa ponmenoko a=kosírepa hoskino ki híne a=etúras a=etúras kane iki=an akusu ネア ポンメノコ アコシレパ ホㇱキノ キ ヒネ アエトゥラㇱ アエトゥラㇱ カネ イキアン アクス その娘さんの所に私のほうが兄より先に着いて、 ピョンピョン跳ねて娘さんにとびかかりとびかかりすると。(W民話)(エゾイタチの自叙) {E: to throw oneself upon…; jump at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayecitakte
エヤイェチタㇰテ 【他動】[e-yay-e-ci-itak-te …について・自分の・ことについて・される・話す・させる](?) (自分のことについて)…を言う、 …を自白する。 ne wa an pe iyoski akusu eyayecitakte wa ネ ワ アン ペ イヨㇱキ アクス エヤイェチタㇰテ ワ そのことを彼は酔っぱらったところポロッと自分から言ってしまって。(W言い伝え) {E: to confess something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hani
ハニ 【終助】(…しなさい)よ、 ね、 (…するから)ね。(命令文や、 言外に要求を含んだ na ナ《…する/したから(…せよ)》に終わる文の後に置かれて、 親しみ深くやさしい言い聞かせを示す。 同輩や目下、 子どもや弱い人に対して親愛感やいつくしみやいたわりを込めて話す中で使われる。) iteki cis no mokor hani! イテキ チㇱ ノ モコㇿ ハニ! 泣かないで眠りなさいよ/ね。 uwenewsar yan hani! ウウェネウサㇻ ヤナニー! 二人で楽しく語り合いなさいね。(W会話) hoskino eci=rékreku kusu ne na hani! ホㇱキノ エチレㇰレク クス ネ ナ ハニ! まず私があなたになぞなぞの問題を出すからね。(S会話) iteki cápe haw ki hani! イテキ チャペ ハウ キ ハニ! ネコのなき声をしてはだめだよ。(S民話) ☆発音 h はしばしば弱まり、 アニ のように聞こえることがある。 速く話しているとき、 子音に続くときは落ちることが多く、 特に n のあとではたいてい落ちて、 …nani! …ナニ! のように発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikayop
イカヨㇷ゚ 【名】[ik-ay-o-p (?)・矢・入れる・もの]矢入れ、 矢筒(「矢さし」)。(S) soyne kusu ne akusu ikayop komaknasikirpa híne ayeroskipa ソイネ クス ネ アクス イカヨㇷ゚ コマㇰナシキㇼパ ヒネ アイェロㇱキパ (熊が)外に出ようとしたとき(兄たちは)矢入れを取りに奧へもどってから矢を射て(熊を)しとめた。(NK民話) {E: a quiver for arrows.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikema
イケマ 【名】[植物] イケマ。 ☆参考 根はサツマイモのような色で長いのはゴボウのようで50センチもあり太いのは直径5センチもある。 葉は直径1センチくらいのつるになる。 つるは1本だけで長いつるの節々に白い花が咲き、 そのあとに実がなる。 この植物の根をイケマと言う。 根は甘くちょっと苦みがある。 あまり食べると酔って(hoski ホㇱキ)しばらく死ぬ。 そうしたら体中をつねりながら「ikema イケマ、 motoho モトホ《素性》をお言い、 あなたは人間を守るためにここへおろされたので人間を殺すためではない、 生かせ生かせ」と言って ikema イケマ を叱る。 そうすれば生き返る。 また「魔物」(=悪神)を追い払うためにはこの根を口に含んでフツと吹き出す。 そうすればどんな「魔物」(=悪神)でも逃散する。(S)〔知分類 p.41 イケマ〕 {E: the name of a plant, something like a burdock root. (cynanchum caudatum, maxim (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
inoskohtutanupompeh(c-i)
イノㇱコㇹトゥタヌポンペㇸ §822.くすりゆび(薬指)(1)inoskoh-tutanu-pompeh(c-i)〔i-nóš-koh|tu-tá-nu|póm-peh イのㇱコㇹ・トゥたヌ・ぽンペㇸ〕[i(それの)+noski(中央)+o(にある)+-h(もの)+tutanu(の次にある)+pompeh(指)]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
iye-e-
イイェエ 【接頭】[i-y-e-e もの・(挿入音)・(と一緒)で・で]…番目。(「二」以上の数詞と共に用いられる。) iye-einen イイェエイネン 四人目。 iye-einep ne イイェエイネㇷ゚ ネ 四番目の。 iye-einep ne ku=poho イイェエイネㇷ゚ ネ クポホ 四番目の息子。 iye-eiwan to イイェエイワン ト 六日目。(W神謡) iye-ere pa イイェエレ パ 三年目。(W民話) iye-erep イイェエレㇷ゚ 三番目。 iye-erep ne イイェエレㇷ゚ネ 三番目の。 iye-ererko イイェエレㇾコ[名][i-e-e-rerko もの・で・それで・三日] 三日目。 iye-etup イイェエトゥㇷ゚ 二番目。 a=o uske oro wa iye-erep oro ta ráp=an アオ ウㇱケ オロ ワ イイェエレㇷ゚ オロ タ ラパン 乗った所から三つ目で降りましょう。(S) ☆参考 電車に乗ってから次の次の駅で降りることを言っている。 乗った駅を一つ目として数えている。 ☆発音 二語のアクセントで発音される。 iyé-etú、 iyé-eré。 ☆参考 このように iye-e- イイェ エ を使って言う「…番目」の言い方はサダモさんのみから聞いた。 ワテケさんによれば「…番目」という言い方はなく、 hoski a=ye p, iyos a=ye p, na iyos a=ye p ホㇱキ アイェㇷ゚、 イヨㇱ アイェㇷ゚、 ナ イヨㇱ アイェㇷ゚《最初に言ったこと、 その後に言ったこと、 さらに後に言ったこと》のように言う。 しかしワテケさんも、 神謡の中では iye-eiwan to イイェエイワン ト《六日目の日》のようにこの形を使って歌っている。 (出典:田村、方言:沙流)
iyos
イヨㇱ 【副】[i-y-os 人・(挿入音)・のあとから] あとから、 あとで。 iyos ek ora hoski arpa wa isam イヨㇱ エㇰ オラ ホㇱキ アㇻパ ワ イサㇺ 彼はあとから来て先に行ってしまった。(S) iyos an イヨㇱ アン あと(後)からの。 iyos an kor hápo イヨㇱ アン コㇿ ハポ (彼)のあとの母、 (彼)の継母。 iyos an ku=kor hápo イヨㇱ アン クコㇿ ハポ 私の後の母=私の継母。 iyos an kor iyapo イヨㇱ アン コㇿ イヤポ (彼)のあとの父、 (彼)の継父。 iyos an ku=kor iyapo イヨㇱ アン クコㇿ イヤポ 後の 私の父=私の継父。(S) {E: after.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyosno
イヨㇱノ 【副】[i-y-os-no 人・(挿入音)・のあとから・(副詞語尾)] そのあとから/あとで、 その次に、 それに続いて。 hoskino…, oro wa nítay suptom uhuy wa paye, iyosno toytoy uhuy wa arpa ホㇱキノ…、 オロ ワ ニタイ スㇷ゚トㇺ ウフイ ワ パイェ、 イヨㇱノ トイトイ ウフイ ワ アㇻパ 最初に(中略)、 それから林の中ほどが燃えていく、 あとから土が燃えていく。(S) iyotta iyosno ku=ye a itak イヨッタ イヨㇱノ クイェ ア イタㇰ 私がいちばんあとで言った言葉。(S) ☆参考 iyos イヨㇱ だけでも言うが、 iyos イヨㇱ をさらに念を入れて言う言い方。 {E: after.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kaparpe
カパㇻペ 【名】[kapar-pe 薄い・もの](次の慣用句で)kaparpe itanki カパㇻペ イタンキ ぬりもののおわん。(S) kaparpe otcike カパㇻペ オッチケ ぬりもののお膳。(S) kaparpe itanki/kaparpe otcike/uwoeroski カパㇻペ イタンキ/カパㇻペ オッチケ/ウウオエロㇱキ [雅](姉は)ぬりもののおわんぬりもののお膳をたくさん並べて(私にごちそうを食べさせてくれた)。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koetuypapa
コエトゥイパパ 【複他動】[複複](単は未出) (二人以上が皆で)(人)から(二つ以上を)取り返す。 sekor an pe ye kor orano caranke, coypep noski ikor noski koetuypapa セコラン ペ イェ コㇿ オラノ チャランケ、 チョイペㇷ゚ ノㇱキ イコン ノㇱキ コエトゥイパパ (彼は)そう言って談判し、 宝器の半分、 宝刀の半分を彼らから取り返した。(NK民話) {E: to take back…from… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotparo(ho)
コッパロホ 【名】[所](概は kotpar コッパㇻ) ①…ののどもと(左右の鎖骨の間のへこんだところ)。 kotparoho tokse kor an コッパロホ トㇰセ コラン のどが脈打っている。(W) ②熊や鹿の(または動物一般の?)両前足の間の部分。 kotparo kasi a=ayéroski コッパロ カシ アアイェロㇱキ 両前足の間の所に矢をさした=心臓を射当てた。(W-S) ③…のえりもと(着物の乳から上のふところをふさぐ部分)。 e=kotparo seske エコッパロ セㇱケ あなたのふところを(開いているから)とじなさい。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koykesuy
コイケスイ 【他動】[ko-ikesuy …に向かって・怒って行ってしまう] [雅]怒ってとびだして…に行く。 sísam mosir/tono mosir/mosir noskike/koykesuy ruwe/ne wa síran awa シサㇺ モシㇼ/トノ モシㇼ/モシン ノㇱキケ/コイケスイ ルウェ/ネ ワ シラン アワ [雅](奥方は)怒って家をとびだして和人の島、 殿の島、 島の中央に逃げて行ったのだったが。(W神謡語り) {E: to rush out in anger to go to …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kumi
クミ 【名】かび。 kumi us クミ ウㇱ かびがはえる。 kunne kumi クンネ クミ 黒かび。 retar kumi レタㇻ クミ 白かび。 hoski i=kopunpa p/[u]kunne kumi/ehopunpa na/iyos i=kopunpa p/retar kumi/ehopunpa wa ホㇱキ/イコプンパㇷ゚/[ウ]クンネ クミ/エホプンパ ナ/イヨㇱ イコプンパㇷ゚/レタㇻ クミ/エホプンパ ワ (育ての兄が)先に出してくれた食べ物には黒かびが生え、 あとから出してくれたものには白かびが生えて。 (W神謡K) {E: mould.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurukpeciyay
クルㇰペチヤイ 【名】[kurukpe-ciyay 霜・栓] 霜柱。 kurukpeciyay roski クルㇰペチヤイ ロㇱキ 霜柱がたつ。 {E: frost columns.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ne 2
ネ 【連体】その…、 今言ったこの…。 ne ceppo ネ チェッポ (いま小魚のことを言ったが)この小魚。 ne epaha ネ エパハ (今話している)その年。 taan ru kari e=arpa yakun kotan an, ne kotan noskike ta an poro cise e=pisi kur unihi ne wa タアン ル カリ エアㇻパ ヤクン コタン アン、 ネ コタン ノㇱキケ タ アン ポロ チセ エピシ クㇽ ウニヒ ネ ワ この道を行くと集落がある、 その集落のまん中にある大きい家があなたの尋(たず)ねている人の家です。(S) ☆発音 ne ネ にアクセントを置いて(つまり高く)発音される。 {E: this, that…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nen ka 3
ネン カ 【副】(=néun ka ネウン カ) ①どこかへ。 taan ponpe unuhu nen ka arpa kor orano oka nospa wa cis a cis a タアン ポンペ ウヌフ ネン カ アㇻパ コㇿ オラノ オカ ノㇱパ ワ チサ チサ この子は母親がどこかへ行けばあとを追って泣いて泣いて。(S) a=eywanke wa isam hi akkari hoskino nen ka karkarse wa isam nankor アエイワンケ ワ イサミ アッカリ ホㇱキノ ネン カ カㇻカㇻセ ワ イサㇺ ナンコㇿ (こんな小さな消しゴムは)使ってなくなるより先にどこかへ転がってなくなってしまうだろう。(S) ②(否定で)どこへも。 iteki nen ka arpa no en=kasuy イテキ ネン カ アㇻパ ノ エンカスイ どこへも行かないで手伝ってちょうだい。(S) ☞néun ネウン 2 {E: ①somewhere; anywhere. ②nowhere (used in negative statements).} (出典:田村、方言:沙流)
nosketeyne
ノㇱケテイネ §359 バイケイソウ (6) nosketeyne (nós-ke-tey-ne)「のㇱケテイネ」[oski-teyne] 茎葉 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
núman
ヌマン 【名/副】きのう。 núman k=ek ヌマン ケㇰ 私はきのう来た。 núman pakno téta an ヌマン パㇰノ テタ アン (彼は)きのうまでここにいた。(S) núman wano tanto pakno ヌマン ワノ タント パㇰノ きのうから今日まで。(W会話) ☆対語 tanto タント きょう。 nisatta ニサッタ 明日。 hoskinuman ホㇱキヌマン おととい。 ☆参考 onuman オヌマン は《夕方、 晩》 {E: yesterday.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
omke 2
オㇺケ 【自動】かぜをひく(=omkekar オㇺケカㇻ)。 k=omke rusuy noyne ku=mecirataroski コㇺケ ルスイ ノイネ クメチラタロㇱキ 私はかぜをひきそうで寒気がする。(W) ☆参考 =omkekar オㇺケカㇻ {E: to catch a cold.} (出典:田村、方言:沙流)
oykesuy
オイケスイ 【他動】[o-ikesuy …に・怒って立ち去る] 怒ってとび出して/立ち去って…へ行く。 sísam mosir/tono mosir/mosir noskike/a=oykesuy híne/arpa=an wa シサㇺ モシㇼ/トノ モシㇼ/モシン ノㇱキケ/アオイケスイ ヒネ/アㇻパアン マ 和人の島、 殿の島、 島の中央に私は逃げて行って。(W神謡語り) {E: to leave in anger for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pak 2
パㇰ 【後副】①…まで。 cise noski pak チセ ノㇱキ パㇰ 家のまん中まで(ほこりが積もっていた)。 te pak テ パㇰ 今まで。 apa or pak k=arpa korka k=áhun ka somo ki no k=ek アパ オㇿ パㇰ カㇻパ コㇿカ カフン カ ソモ キ ノ ケㇰ 戸口のところまで行ったけれど入らないで帰って来た。(S) ray pak ライ パㇰ 死ぬまで。 ②(おおよそ)…ぐらい。 wániw pak ワニゥ パㇰ 十人ぐらい。 tuhotne to pak k=an wa k=ek ruwe ne wa トゥホッネ ト パㇰ カン マ ケㇰ ルウェ ネ ワ (私は)四十日ぐらい滞在して(帰って)来たのだよ。(S) ③…ほど (比較の対象) ne turesi pak pirka menoko isam ネ トゥレシ パㇰ ピㇼカ メノコ イサㇺ その妹ほど美しい女性はいない。 pak kewtumu pirka p oar isam パㇰ ケウトゥム ピㇼカㇷ゚ オアㇻ イサㇺ 彼ほど気立てのよい者は一人もいない。 ④(連体的に)mosir pak cise モシㇼ パㇰ チセ 島ほどの家(とても大きい家を表現する一つの言い方)。 ⑤uwokar-uwokarpa pak ウウオカㇻウウオカㇻパ パㇰ 代わるがわる。 ☆参考 よりはっきりと表現するのに -no ノ をつけて pakno パㇰノ と言うこともある。 しかし pak パㇰ と pakno パㇰノ との使い方は全く同じではない。 ☞pakno パㇰノ {E: ①until; as far as. ②about; roughly. ③the extent of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pareuweokok/parewweokok
パレウウェオコㇰ 【自動】[par-e-u-eokok 口・その先・互いに・ひっかかる] 舌がもつれる。 parewweokok pakno ihoski パレウウェオコㇰ パㇰノ イホㇱキ 彼は舌がもつれるほど酔っぱらっている。(S) {E: to be tongue-tied.} (出典:田村、方言:沙流)
párur
パルㇽ 【位名】[概](所は parurke(he) パルㇽケ(ヘ)) (容器や盆の)端の方、 (穴の)縁。 suy párur スイ パルㇽ 穴のふち。 ☆対語 noski ノㇱキ《真ん中》。 {E: edge; rim.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pone
ポネ 【名】[概/所](所は ponehe ポネヘ とも)[< 昔の日本語 ふぉね] 骨。 pone ka sak ポネ カ サㇰ 骨がない。 pone uweeroski hi ポネ ウウェエロㇱキ ヒ [骨(が)・つながる・ところ]関節。 ☆参考 語の構成要素としては kew ケウ がよく使われる。 {E: bone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ponno
ポンノ 【副】[pon-no 小さい/少ない・(副詞形成)] ①少し、 ちょっと。 poronno etoyta utar néno, ponno etoyta utar néno, amam ka ipeono ポロンノ エトイタ ウタン ネノ、 ポンノ エトイタ ウタン ネノ、 アマㇺ カ イペオノ (米を)たくさんつくった人はそれなりに、 少しつくった人はそれなりに、 米もよくみのった。(S会話) ponno hoski! ポンノ ホㇱキ! ちょっと待って。(S) ponno póka ポンノ ポカ 少しでも、 いくらかでも。 ponno ponno ポンノ ポンノ ☞ponnoponno ポンノポンノ ponno ku=hehewpa wa ku=inkar ポンノ クヘヘウパ ワ クインカㇻ (私は)ちょっとのぞいて見る。(S) ②[慣用句]ponno an uske ta ポンノ アン ウㇱケ タ 惜しいところで(もう少しで)。 {E: ①few; little. ②come close to; nearly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
poon emko
ポオン エㇺコ 【名】[とても小さい・半分] 四半分、 四分の一。 noskike pak póka en=kore yak pirka p poon emko takupi en=kore ノㇱキケ パㇰ ポカ エンコレ ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ ポオン エㇺコ タクピ エンコレ (彼は私に)半分ぐらいでもくれればいいのに四分の一しかくれない。(S) {E: a quarter.} (出典:田村、方言:沙流)
rere
レレ 【他動】[rer-e(沈む/沈めることを表す語根)・(他動詞形成)]…を沈める。 ipetam anakne suma a=koté wa poro to noski un a=reré イペタㇺ アナㇰネ スマ アコテ ワ ポロ ト ノㇱキ ウン アレレ 人食い刀は石を結びつけて大きな沼の中に沈める。(W) ☆参考 raworere ラウォレレ 水に沈める。 raworer ラウォレㇾ 水に沈む。 (出典:田村、方言:沙流)
sipuni
シプニ 【自動】[単](複は sipunpa シプンパ)[si-puni 自分・を持ち上げる] 持ち上がる。 to noski sipuni sipuni kane ト ノㇱキ シプニ シプニ カネ 沼のまん中がポコポコ持ち上がった。 {E: to be lifted; raised.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sukup
スクㇷ゚ 【自動】①成長する、 子どもから大人へ、 若年から壮年になり壮年期をすごして老年へと向かって成長して/年を取っていく、 (若い大人として)暮らす/人生を過ごす。 tan te pakno sukup tuyka ta a=ki kor oka=an hi タン テ パㇰノ スクㇷ゚ トゥイカ タ アキ コㇿ オカアニ 私たちがこれまで生きてきた間にしていたことを。(W会話) iruka sukup kor tu po re po a=kor kor イルカ スクㇷ゚ コㇿ トゥ ポ レ ポ アコㇿ コㇿ 少しの間暮らすうちに二、 三人の子どもができたとき。(HC民話) ②若い(老いていない、 まだ元気でよく働ける)、 壮年である。 sukup kur スクㇷ゚ クㇽ 若い人(二十代から三十五、 六まで) (S)、 (十代二十代から三十代四十代の中年まで) (S) poro sukup kur ポロ スクㇷ゚ クㇽ 熟年の人、 初老の人。 en=or ta anak sukup utar poronno oka na nep ka a=emónasap ciki sikasuyre yan エノッタ アナㇰ スクプタㇻ ポロンノ オカ ナ ネㇷ゚ カ アエモナサㇷ゚ チキ シカスイレ ヤン 私の所には若い人たちが大勢いるから何か忙しいときには手伝わせなさい。(S) (注 [対] onne オンネ 年老いている。) ③[名]成長している間、 人生の間、 若いとき(老年になる前全部)。 sukup epitta スクㇷ゚ エピッタ 小さいときからずっと。 sukup hontom eysam スクㇷ゚ ホントㇺ エイサㇺ 人生の途中で亡くなる=老いるまで生きずにまだ若いうちに、 三十代、 四十代ぐらいで死ぬ。 sukup noski epa スクㇷ゚ ノㇱキ エパ 人生のなかば(壮年)に達する。 ☆参考 pewre ペウレ は十代から二十代ぐらいの若年を言い、 成長する意味はない。 ☆参考 小さい子どもが成長して大きくなることは poro ポロ。 {E: ① to mature, grow up. ② young. (from about 20~35, 36 years of age). ③ to be young: refers to the passing of the years (as a young adult). } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
to 1
ト 【名】湖、 池、 沼、 水たまり。 to pakehe ト パケヘ 湖/沼の上(かみ)の端。(W) to kesehe ト ケセヘ 湖/沼の下(しも)の端。(W) to teksam ト テㇰサㇺ 湖/沼の横。(W) to noski ト ノㇱキ 湖/沼のまん中。(W) to ka sat kane ト カ サッ カネ 湖/沼一面に。(S) {E: a lake; a pond; a swamp.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toponra
トポンラ 【名】[to-ponra 沼・(?)](?) 水澱(みずおり)。 toponra roski wa oka トポンラ ロㇱキ ワ オカ 水おりができている。(S) húre toponra フレ トポンラ 赤い水おり、 水底に沈んださび。(S) kunne toponra クンネ トポンラ 黒っぽい水おり。(S) siwnin toponra シウニン トポンラ 緑の水おり。(S) (出典:田村、方言:沙流)
túmun
トゥムン 【名】細かいごみ、 ほこり。 cise noski pak túmun rikin wa an uske チセ ノㇱキ パㇰ トゥムン リキン マ アン ウㇱケ 家のまん中ぐらいまでほこりがつもっていた所。(W民話) {E: dust.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tumutuy
トゥムトゥイ 【自動】[tumu-tuy 力[所]・切れる] 力が尽きる。 asinuma hoski tumutuy=an ya kimun kamuy hoski tumutuy ya urametok uwante=an kusu アシヌマ ホㇱキ トゥムトゥイアン ヤ キムン カムイ ホㇱキ トゥムトゥイ ヤ ウラメトㇰ ウワンテアン クス 私が先に力が尽きるか熊が先に力尽きるか度胸比べをするために。(HK民話) {E: to run out of energy.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uk
ウㇰ 【他動】[単](複は uyna ウイナ) ①…を取る、 …を得る、 …を受け取る、 …を奪う。 noskike ta an a suwop a=uk wa ノㇱキケ タ アナ スウォㇷ゚ アウㇰ ワ まん中にあった箱を私は取って。(HK民話) haru pirkapi uk rusuy kusu ハル ピㇼカピ ウㇰ ルスイ クス よいみのり(食物の収穫)を得たいから。(S会話) ataye uk (その)料金を受け取る。 e=sanpehe a=uk kusu a=e=túra wa e=ek hi エサンペヘ アウㇰ クス アエトゥラ ワ エエキ あなたの心臓を取る(奪う)ためにあなたは連れられて来たことを。(S民話) yaku uk kamuy ヤク ウㇰ カムイ 役目を持たされている神。 ② ☞aske uk アㇱケ ウㇰ、 teke uk テケ ウㇰ ☆参考 「…を取って(人に)渡す」の意味では使われず、 「受け取る」、 「手に取る」、 「奪う」などを表す。 「そこにあるものを取って(私に渡して)下さい」と言うようなときは uk ウㇰ ではなく ekte エㇰテ《よこす》が使われる。 {E: to get, receive…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukotutturse
ウコトゥットゥㇽセ 【自動】[uko-tur-tur-se 一緒に・(擬音擬態)・(重複)・と言う。]一緒にゴチャゴチャと走って行く。 hoski nisi/tuytuy nis ne/ukotutturse ホㇱキ ニシ/トゥイトゥイ ニㇱ ネ/ウコトゥットゥㇽセ [雅]初めの雲はきれぎれの雲になってゴチャゴチャと走って行く。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
un 2
ウン 【格助】[< un ウン 1] ①(連体句をつくる、 つまり名詞にかかる。) …にある/いる…、 …につく/ついている…、 (そこ)の、 …出身の。 Sar un kur サルン クㇽ 沙流の人(一語のアクセントで発音される)。 atuy or un cikap アトゥヨルン チカㇷ゚ 海の鳥。 te un húci テ ウン フチ ここの(=この家の)おばあさん。(S) (注 特定のおばあさんを言うときは un ウン でなく ta タ を使って te ta X húci テ タ X フチ ここの(この家の)Xおばあさん。(S) ) ②(連用句をつくる、 つまり動詞にかかる。) …へ/に(移動の方向/目的地、 心理的に向かう方向)、 …に/から(見える方向、 音や声などが聞こえる方向、 ものを取る相手やその場所)、 …で(仕事や飲食をする入れものの中や台の上などの場所)。 Tokiyo un k=arpa kusu ne トキヨ ウン カㇻパ クス ネ 私は東京へ行きます。(S) osmake un esirkociwe no a オㇱマケ ウン エシㇼコチウェ ノ ア 後ろへ押し分けて坐りなさい。(S) atuy or un put kor to アトゥヨルン プッ コッ ト 海へ口を持った沼。 urepeci osmake un an, kesupi kotcake un an ウレペチ オㇱマケ ウン アン、 ケスピ コッチャケ ウン アン 足指が後のほうにある、 かかとが前のほうにある。 ③siyoka un inkar シヨカ ウン インカㇻ 後ろを見る。 pínay asam un sir-kunne kane síran, rawne wa ki ピナイ アサムン シㇼクンネ カネ シラン、 ラウネ ワ キ 谷底の方が暗くなっている、 深くて。 to noski un háwas ト ノㇱキ ウン ハワㇱ 沼のまん中で声がする。 kamuy hayokpe/iyoykir ka un/a=uyna katu カムイ ハヨㇰペ/イヨイキㇼ カ ウン/アウイナ カトゥ [雅]立派なよろいかぶとを宝器類の上から取って下ろしたことを。(Sユーカラ) nisu or un iyuta ニス オルン イユタ 臼でヒエつきする。(W) káneya ka un ma カネヤ カ ウン マ (魚を)かなあみの上で焼く。(S) kasi un e=kanpinuye hemanta カシ ウン エカンピヌイェ ヘマンタ その上であなたが書きものするやつ(=机)。(S) {E: ①to be; exist; be from… ②to… ③from, at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
urametok
ウラメトㇰ 【接頭辞+名詞】[u-rametok 互い・大胆さ](次の表現の中で) urametok uwante ウラメトㇰ ウワンテ 互いに度胸の強さを比べ合う=度胸比べをする。 asinuma hoski tumutuy=an ya kimun kamuy hoski tumutuy ya urametok uwante=an kusu アシヌマ ホㇱキ トゥムトゥイアン ヤ キムン カムイ ホㇱキ トゥムトゥイ ヤ ウラメトㇰ ウワンテアン クス 私が先に力尽きるか熊が先に力尽きるか、 「度胸比べ」(=強さ比べ)するために。(HK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
urepok
ウレポㇰ 【名】[ure-pok 足・の下][古](月の名)10月。 kurukpeciyay roski, a=otérke kor ureasam ta pukukse wa kusu urepok クルㇰペチヤイ ロシキ、 アオテㇾケ コㇿ ウレアサㇺ タ プクㇰセ ワ クス ウレポㇰ 霜柱が立ち踏(ふ)むと足の裏の所でパラパラ鳴るから urepok ウレポㇰ《足の下》。(W) (出典:田村、方言:沙流)
ututanpa
ウトゥタンパ 【自動】[複](単の例はない。 tutanpa トゥタンパ の単は tutanu トゥタヌ)[u-tutanpa 互い・の次に続く[複]] 互いに続いている。 noskike ta ututanpa hike ノㇱキケ タ ウトゥタンパ ヒケ 真ん中に続いている者、 (兄弟中の)真ん中の二人。(S) {E: to be mutually continuous.} (出典:田村、方言:沙流)
uwante
ウワンテ 【自動】[u-w-an-te 互い・(挿入音)・ある・させる](?) 比べ合う(?)。 asinuma hoski tumutuy=an ya kimun kamuy hoski tumutuy ya, urametok uwante=an kusu kimun kamuy a=sikésanpare awa アシヌマ ホㇱキ トゥムトゥイアン ヤ キムン カムイ ホㇱキ トゥムトゥイ ヤ、 ウラメトㇰ ウワンテアン クス キムン カムイ アシケサンパレ アワ 私が先に力尽きるか熊が先に力尽きるか、 度胸比べをするために熊に後を追いかけさせたのに。(HK民話) {E: to mutually compare.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yak 3
ヤㇰ 【接助】①…すれば、 …すると(帰結としては「よい」「悪い」「望ましいことが起こる」「ありがたい」「困ったこと/恐ろしいことが起こる」などを表す表現がくる)。 hoskino mukar ani tuye wa ora noko ani hóse, yak horak kusu ne na ホㇱキノ ムカㇻ アニ トゥイェ ワ オラ ノコ アニ ホセ、 ヤㇰ ホラㇰ クス ネ ナ 初めにまさかりで切ってそれからのこぎりでひきなさい、 そうすれば倒れるから。 sekor an menoko ta kamuy menoko ne yak a=kor oka! セコラン メノコ タ カムイ メノコ ネ ヤㇰ アコㇿ オカ! あのような女が女神であれば結婚するのになあ。(S言い伝え) eytasa e=cis yak/wenkamuy patek/e=eramasu エイタサ エチㇱ ヤㇰ/ウェンカムイ パテㇰ/エエラマス あなたがあまり泣くと悪い神ばかりがお前を好きになる。(S子守歌) yak pirka ヤㇰ ピㇼカ …するとよい、 …するほうがよい、 …するがよい(上の人から下の人への命令表現の一種)。 tono e=sak pe ne ciki i=or ta e=henoye yak pirka トノ エサㇰ ペ ネ チキ イオッタ エヘノイェ ヤㇰ ピㇼカ 和人のお得意様がないのならわれわれの所に立ち寄るがよい。(S民話) yak pirka p ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ …すればいいのに/…すればよかったのに。 yak wen ヤㇰ ウェン …するといけない/よくない。 yak easir pirka ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …しなければいけない。 sekor icarpa=an yak easir pirka セコㇿ イチャㇻパアン ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …と言って供物まき(供養)をしなければいけない。(W民話) ②(帰結に願望「…したい」や提案「…しよう」が来るとき)…して。 nen ka ta a=kar yak a=rayke oka! ネン カ タ アカㇻ ヤㇰ アライケ オカ! なんとかして殺したいものだなあ! (S民話) a=o yak a=seske ro アオ ヤㇰ アセㇱケ ロ (土を)入れてうめよう。(S) ☆参考 yakne ヤㇰネ と同義。 yakne ヤㇰネ と yak ヤㇰ の使い分けは、 リズムによる。 ゆっくり話し、 条件の部分を言って一呼吸おくようなときは yakne ヤㇰネ を使い、 早い調子でどんどんしゃべっているときは yak ヤㇰ を使う。 また、 歌などの韻文では音節数の都合でどちらかが選ばれることもある。 {E: ①if, when ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)