国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ

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rur 1
ルㇽ 【名】[概](所は ruri(hi) ルリ(ヒ))[< rur 2 海水 ] ①汁、 汁気、 だし汁、 ②だし(煮汁の味)、 あく、 塩気。 aoypenima okasaske wa kusu rur ka a=omáre ka somo ki, pe sak noyne oka aep patek a=omáre アオイペニマ オカサㇱケ ワ クス ルㇽ カ アオマレ カ ソモ キ、 ペ サㇰ ノイネ オカ アエㇷ゚ パテㇰ アオマレ 皿は浅いので汁などは入れない、 水気のないような食べ物ばかり入れる。(S) ☆参考 沙流川中流では、 食物としての汁(みそ汁など)もこの語で表すが、 沙流川下流や鵡川では、 それは ohaw オハウ と言い、 rur ルㇽ は、 汁(スープ)の水分の部分やだしを言う。 {E: ①soup; juice; stock. ②a salty, strong taste.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rur 2
ルㇽ 【名詞語根】海水。 (出典:田村、方言:沙流)
anrur
アンルㇽ 【名】[ar-rur 反対側の・海水]北見の方(沙流地方から見て陸地の向こう側の海ぞいの地方。 方角で言うと北東になる)。 anrur ruyanpekur kus wa koyka ta sirepa kor nani menas as アンルㇽ ルヤンペクㇽ クㇱ ワ コイカ タ シレパ コㇿ ナニ メナㇱ アㇱ 北見の方を嵐の雲が通って釧路の方に着いたらまもなくやませ(南東風)が吹く。(S) {E: north-east.} (出典:田村、方言:沙流)
atuyukururpe
アトゥイウクルㇽペ §004 マアナゴ(はも) (3) atuy-ukururpe (a-túy-u-ku-rur-pe)「アとゥイウクルㇽペ」[<海・うなぎ] ⦅白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
c=ekuniprur
チェクニㇷ゚ルㇽ 【c=e-kuni-p-rur】 魚汁. フウーン ケラアン チェクニㇷ゚ルㇽ ポロンノ ケ(ク・エ) ア ケ(ク・エ) ア=まあまあおいしい魚汁,たくさん食べた. (出典:萱野、方言:沙流)
ci=pusikompurur
チプシコンプルㇽ 【ci=pusi kompu rur】 焦がし昆布汁.▷チ=私たち プシ=焦がす コンプ=昆布 ルㇽ=汁 (出典:萱野、方言:沙流)
ciponruram
チポンルラㇺ §430 エゾサンショウウオ (3) ciponruram (či-pón-ru-ram)「チぽンルラㇺ」[<cipor-rura-p(卵塊を・運ぶ・者)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
cisikurure
チシクルレ 【他動】[中相][ci-si-kur-u-re …された・自分・影/姿・(他動詞形成)・させる](?) [雅]近寄って来る。 teksama ta/makan katkor pe/cisikurure テㇰサマ タ/マカン カッコㇿ ペ/チシクルレ [雅]そのすぐそばにどんなものだか近寄って来た。(Sユーカラ) ☆参考 sikuru シクル、 sikurure シクルレ の用例は未出。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eawnarura
エアウナルラ 【他動】[e-aw-na-rura …で・家の中・の方へ・運ぶ](狩猟で熊や鹿)をとって来る。 yuk ne ciki kamuy ne ciki a=eáwnarura ユㇰ ネ チキ カムイ ネ チキ アエアウナルラ (引用文中で)私は鹿でも熊でもとって来た。(NKほか民話) {E: to bring back (bear, deer as game).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eawnarurapa
エアウナルラパ 【他動】[複](eawnarura エアウナルラ は単複の区別なし)(二人以上が皆で)(熊や鹿を)とって来る。 yuk ne ciki kamuy ne ciki a=eáwnarurapa ユㇰ ネ チキ カムイ ネ チキ アエアウナルラパ 私たちは鹿でも熊でもとって来た。(NK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eciwkururu
エチウクルル 【自動】[e-ciw-kururu その頭・流れ・(擬態)ふるわせゆらす(?)](川の中に立っている棒が)流れのためにふるえゆれる。 urayni eciwkururu kor an ウライニ エチウクルル コラン 魚をとるやなの杭が流れのためにゆれている。(S) {E: to sway, rock in the current (of a river).} (出典:田村、方言:沙流)
ekisarsutu komawkururu
エキサㇻストゥ コマウクルル 【慣用句】[e-kisar-sutu ko-mawkururu …で・耳・の根元・が(擬音擬態などの叙述を導く)・風がピューピュー鳴る][雅]a=ekísarsutu komawkururu アエキサㇻストゥ コマウクルル(私が飛んで行くと)私の耳もとで風がピューピューと鳴る(それほど速く飛んでいる)。(Sユーカラ) ☞ekisarsutu mawkururu エキサㇻストゥ マウクルル、 komawkururu コマウクルル (出典:田村、方言:沙流)
ekisarsutu mawkururu
エキサㇻストゥ マウクルル 【慣用句】[e-kisar-sutu mawkururu …で・耳・の根元・風がピューピュー鳴る][雅](次の慣用表現で) a=ekísarsutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅](直訳すると)それで私の耳元を風がピューピュー吹く=(私が飛んで行くと)私の耳もとで風がピューピューと鳴る(それほど速く飛んでいる)。(Sユーカラ) ☆参考 同様の文脈で a=ekísarsutu/komawkururu アエキサㇻストゥ/コマウクルル とも言っている。 ☞mawkururu マウクルル ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eparura
エパルラ 【e-pa-rura】 告げ口(をする),口から口ヘと伝わる. ポンペ オラーノ オッシケポロ ㇷ゚ ネ クス ネㇷ゚カ ア・イェ コㇿ キサッタララ オラウン エパルラ=小さいくせに利口なものだから,何か私どもが言うと聞き耳を立てて告げ口をする.オトゥ スイ レ スイ メノコ エパコアッ ワ シクリアンテヤㇻ ア・エパルラ ハウェ ク・ヌ コㇿ ク・ライシチュププ=本当に2回3回と女のことで噂にのぼり陰口を言われるようなこと,口から口ヘと伝わる様子,それを聞くと私は身の縮む思いだ. (出典:萱野、方言:沙流)
epururse
エプルㇽセ 【e-purur-se】 湿らせる. テーエタ アナㇰネ フチ ウタㇻ イテセ ネ ヤ イシタイキ ネ ヤ キ ヒ タ ワッカ エプルㇽセ パ ワ ネㇷ゚キ パ コㇿ オカ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=古い時代はおばあちゃんたちが袋物を編んだり厚司を織る時は口に水をふくんで霧吹きをして仕事をしていたのを私は見た覚えがある. (出典:萱野、方言:沙流)
erurikikur-punpa
エルリキクㇽプンパ 【他動】[e-ru-riki-kur-punpa …で・すじ(髪)・上へ・(< 影/姿)・…を上へ持ち上げる(?)][雅](頭飾り)を髪を上げた上に立ててかぶっている。 retar cipanup/erurikikur/punpa kane レタッ チパヌㇷ゚/エルリキクㇽ/プンパ カネ [雅]白い頭かざりを髪を上げた上に立ててかぶっている。(Sユーカラ) ☆対語 erurikikur-raypa エルリキクㇽライパ。 ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erurikikur-raypa
エルリキクㇽライパ 【他動】[e-ru-riki-kur-raypa …で・すじ(髪)・上へ・(< 影/姿)・…を行かせる][雅](頭飾り)を髪を上げた上にねかせてかぶっている。 kunne cipanup/erurikikur/raypa kane クンネ チパヌㇷ゚/エルリキクㇽ/ライパ カネ [雅]黒い頭飾りを髪を上げた上にねかせてかぶっている。(Sユーカラ) ☆対語 erurikikur-punpa エルリキクㇽプンパ。 ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etoruratkip
エトルラッキㇷ゚ §350 オオアマドコロ (2) etoruratkip (e-tó-ru-rat-kip)「エとルラッキㇷ゚」[前項の転訛] 茎葉 ⦅塘路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
etururuka
エトゥルルカ §054.頭の全部;前頭部;ひたい(18)etu-ruruka〔e-tú-ru-ru-ka エトゥルルカ〕[<etu(鼻)+ururu(堤、どて)+ka(上)]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
haruramat
ハルラマッ 【名】[概](所は haruramatu(hu) ハルラマトゥ(フ)) [haru-ramat 食糧・魂] 食糧の魂。 {E: the spirit of food.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
haruramatu(hu)
ハルラマトゥ(フ) 【名】[所](概は haruramat ハルラマッ)…の食糧の魂。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hecururu
ヘチュルル 【自動】[he-cururu 頭・(擬態重複)] 首を引っ込める(寒くてちぢこまって)。 hecururu=an wa oka=an ヘチュルルアン マ オカアン 私たち首をすっこめている。(S) mérayke wa hecururu kane an メライケ ワ ヘチュルル カネ アン (彼は)寒いのでちぢこまっている。(S) {E: to pull in one's neck.} (出典:田村、方言:沙流)
heruram
ヘルラㇺ §067 サケ あきあじ、あきやじ  海(8) heru-ram (he-rú-ram)「へるラㇺ」[heru(光る)ram(ウロコ)]⦅幌別、東静内⦆シロッケ (出典:知里動物編、方言:)
homarura
ホマルラ §430 エゾサンショウウオ (1) homarura (ho-má-ru-ra)「ホまルラ」[<homa(卵塊)rura(運ぶ)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
humarurap,-i
フマルラㇷ゚ §430 エゾサンショウウオ (2) humarurap,-i (hu-má-ru-rap)「フまルラㇷ゚」[<homa-rura-p(卵塊を・運ぶ・者)] ⦅穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ikururu
イクルル 【ikururu】 産気づく,陣痛. エ・ウヌフ イクルル ヤㇰ イェ ナ ホユプ ワ アㇻパ うこウナㇻペ タㇰ ワ エㇰ=お前の母が産気づいたと言っているから走って行って,ウコおばさんを呼んで来い. (出典:萱野、方言:沙流)
ikururu
イクルル §343.産―じんつう(陣痛)[を病む](9)陣痛を催す;産気ずく ikururu〔i-kú-ru-ru イくルル〕[i(それが、胎児が)+kuru-ru(当たり・当たりする)]⦅ハルトリ、クッシャロ、ビホロ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
iruraerum
イルラエルㇺ §285 ねずみ (9) irura-erum (i-rú-ra-e-rum)「イるラエルㇺ」[i(ものを)rura(はこぶ)erum(ネズミ)]エゾアカネズミ⦅天塩⦆ (出典:知里動物編、方言:)
irurakuwa
イルラクワ 【i-rura-kuwa】 墓標.▷イ=それ(死人)を ルラ=送る クワ=墓標 (出典:萱野、方言:沙流)
irurawakka
イルラワッカ 【i-rura-wakka】 送りの水:葬式の時,墓地まで持って行く水. (出典:萱野、方言:沙流)
irureh
イルレㇸ §284 ウラジロタデ ウラジロイタドリ (3) irureh (i-rú-reh)「イるレㇸ」 若い茎 ⦅白浦、真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
irureh
イルレㇸ §287 オオイタドリ (6) irureh (r-rú-reh)「イるレㇸ」 若い茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
irurekap
イルレカㇷ゚ §249 トリカブト (19) irurekap (i-rú-re-kap)「イるレカㇷ゚」[i(それを)rureka(溶かさせる、ruとける、ru-reとかす、rure-kaとかさせる)-p(もの)] 根 ⦅名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kimorura
キモルラ 【kim-o-rura】 山へ運ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
kirure
キルレ 【kiru-re】 向ける. (出典:萱野、方言:沙流)
komawkururu
コマウクルル 【自動】[ko-maw-kururu (擬音擬態を導く)…が・風・(擬音の重複)][雅](直訳すると)…が風でピューピュー鳴る。 a=ekísarsutu/komawkururu アエキサㇻストゥ/コマウクルル [雅]耳元に風がピューピューと鳴り響く。(Sユーカラ) ☆参考 非常に速いスピードで進んで(飛んで/走って)行くことの表現。 ☆参考 同じユーカラを歌わずに語っている中では mawkururu マウクルル と言っている。 ☞mawkururu マウクルル ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kururup
クルルㇷ゚ §429 アマガエル (7) kururup (ku-rú-rup)「クるルㇷ゚」[<クルルと鳴く者] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
mawkurur
マウクルㇽ 【maw-kurur】 空気が鳴る. レラエトㇰ アニエコㇱネ アキサㇻストゥ マウクルㇽ=風の先へ軽やかに身を委ね,私の耳元に空気が鳴る(空気が触れる)[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mawkururu
マウクルル 【自動】[maw-kurur-u 風・(擬音重複)・(他動詞形成)](直訳すると)風がピューピュー鳴らす=(次のような慣用句で)風でピユーピユー鳴っている。 a=ekisársutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅]私の耳元で風がピューピュー鳴っていた(ユーカラの主人公の少年などが猛スピードで進んで、 あるいは飛んで行くことの形容)。(Sユーカラ語り) ☆参考 同じ文脈で komawkururu コマウクルル とも言っている。 {E: the whistling sound of wind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mururuncikap
ムルルンチカㇷ゚ §304 アオジ (1) mururun-cikap (mu-rú-run-či-kap)「ムるルンチカㇷ゚」[<murur-un-cikap(ハマニンニクのやぶ・にいる・鳥)] ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nayparur
ナイパルㇽ 【nay-parur】 沢縁. ア・ウタリヒ シトゥ カリ ヘメㇱパ ナイパルㇽ タ イイェトコウㇱ クニ ア・イェ オヌマン パㇰノ アナン(アン・アン) ア コㇿカ オムケン・アン=私の仲間たちは尾根に登って行き,私は沢縁で待ち伏せするように言われ夕方までいたが何も獲れない. (出典:萱野、方言:沙流)
nuwapkosikiruru
ヌワㇷ゚コシキルル 【自動】[nuwap-ko-sikiruru 出産・に・ころげまわる] 陣痛でころげまわる。 {E: to writhe about in agony.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ohruru(-he)
オㇹルル §135.うなじ;えりくび(12)ぼんのくぼ oh-ruru(-he)〔óh-ru-ru おㇹルル〕[oh(うなじ)+ruru(路)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
omawkururu
オマウクルル 【自動】[o-maw-kururu その尻・風・ピューピュー吹く](次のような文脈で) setur kasi ta/ikayop ne a p/omawkururu (男たちの)背中の上で矢入れ袋が風に吹かれるみたいに浮いている(速く走っている様子の描写)。(W神謡K) ☆参考 別の話者の語った民話で、 同様の文脈で、 omawsuye オマウスイェ が使われている。 (出典:田村、方言:沙流)
opatapururke
オパタプルㇽケ 【opata-pururke】 上半身を波うたせる,身体をわなわなとふるわせる,ぷんぷん怒る,ぷりぷりする,かっかと怒る. ネㇷ゚ ワ アン ペ エ・エサッチュー ワ ネ ヤ ウㇰペエシリヤカカ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ネㇷ゚ カ ソモ イェ ノ オパタプルㇽケ コㇿ チソイェカッタ ワ イサㇺ=何が気にさわったのか手に取った物を荒っぽく扱っていたのに何も言わずにかなり怒った様子をしながらさっと外へ出て行ってしまって.ヘマンタクス アㇻパ ワ オラ スイ ネㇷ゚カ ア・ヌレ ワ ネ ノイネ オパタプルㇽケ コㇿ エㇰ フ ヤヨスラ ワ アン=何をしに行って,また何か聞かされたらしくぷんぷんしながら来て,自分の身体を投げ出すようにして寝そべっている.ウナㇻペ エㇰ ヒネ ク・サハ トゥラ ルスイ ワ ネユン シレン ヤッカ アㇻパ コパン ウナㇻペ アナㇰネ オパタプルㇽケ コㇿ アㇻパ ワ イサㇺ=叔母が来て,私の姉を連れて行きたくて,どんなに誘っても行くのをいやがり,叔母はぷりぷりしながら行ってしまった.オハイケヘ ア・カㇻ ヒ ヌ ワ オパタプルㇽケ コㇿ チョラウキ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=悪口を言われたのを聞いてかっかと怒って,向かって行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
opatapururse
オパタプルㇽセ 【opata-pururse】 湯気がぼうぼうと立っている,湯気が立っている食べ物,湯気立ち. ネンスパㇷ゚ ネルウェネヤ オパタプルㇽセ アエㇷ゚アンワ アエコロアナン=誰が煮た食べ物か知らないが,湯気ぼうぼうの食べ物があって,私は食べていた[ユ]. *オパタプルㇽケだと,ぶんぶんと怒る,になる.プルㇽケとプルㇽセの違いに注意すること.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
rur
パルㇽ 【位名】[概](所は parurke(he) パルㇽケ(ヘ)) (容器や盆の)端の方、 (穴の)縁。 suy párur スイ パルㇽ 穴のふち。 ☆対語 noski ノㇱキ《真ん中》。 {E: edge; rim.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
parur/parurke(he)
パルㇽ/パルㇽケ(ヘ) 【parur/parurke(he)】 端,縁. ア・ウタリヒ シトゥ カリ ヘメㇱパ ナイ パルㇽ タ イイェトコウㇱ クニ ア・イェ オヌマン パㇰノ アナン(アン・アン) ア コㇿカ オムケン・アン=私の仲間たちは尾根に登って行き,私は沢縁で待ち伏せするように言われ夕方までいたが何も獲れない.イテキ アイヌヌㇺケ ノ アペエトㇰ ワノ ニワ パルㇽ タ アン ウタㇻ パㇰノ イサㇷ゚テ アン ペ ネ=絶対に人選びせずに横座の方から内庭の縁に座っている人たちまで給仕するものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
rurke
パルㇽケ 【位名】端の方。 hńta kus ene otcike párurke ta e=anu, iyaykipte フンタ クㇱ エネ オッチケ パルㇽケ タ エアヌ、 イヤイキㇷ゚テ どうしてこのようにお膳の端の方に置くの、 あぶないねえ。(S) {E: towards the edge of.} (出典:田村、方言:沙流)
parurkea=ekaye
パルㇽケアエカイェ 【parurke-a=e-kaye】 縁を折り込む:ござを織る時に縁を折ること. ▷パルㇽケ=縁 ア=それ エカイェ=折る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
petparur
ペッパルㇽ 【pet-parur】 川岸.▷ペッ=川 パルㇽ=岸 (出典:萱野、方言:沙流)
ponerur
ポネルㇽ 【pone-rur】 骨汁. ピイェユㇰ アナㇰネ ポネルㇽ ポーヘネ ケラアン.キリヒ ア・ソイパ ワ ア・ヌンヌン コㇿ ア・エ コㇿ ア・エトゥマㇱヌ ㇷ゚ ネ ナ=脂のある鹿は骨汁がなおさら味がある.骨髄をほじくって吸いながら食べると力が増すものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ponmururunkamuy
ポンムルルンカムイ §304 アオジ (2) pon-mururun-kamuy (pón-mu-ru-run-ka-muy)「ぽンムルルンカムイ」[<pon-murur-un-kamuy(小さい・ハマニンニクのやぶ・にいる・神)] ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
rákirur
ラキルㇽ 【位名】[概](薄いもの)の縁(ふち/へり)。 sito rákirur シト ラキルㇽ 餅/だんごの縁(へり)。(S) {E: an edge, a rim, a lip of…} (出典:田村、方言:沙流)
rakirur/rakirurke
ラキルㇽ/ラキルㇽケ 【rakirur/rakirurke】 (のしもち・ござ等の)縁(ふち),へり. (出典:萱野、方言:沙流)
rákirurke
ラキルㇽケ 【位名】[所] …の縁(へり)の所、 その縁(へり)の所。 rákirurke a=ekáye wa a=kar wa an ラキルㇽケ アエカイェ ワ アカㇻ ワ アン 縁を折ってつくってある(縁(ふち)どりしてある)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
rur'itanki
ルㇽイタンキ 【rur-itanki】 汁椀. (出典:萱野、方言:沙流)
rur/ruri(hi)
ルㇽ/ルリ(ヒ) 【rur/ruri(hi)】 汁,味. ①カムルㇽ ク・スパ ワ アン ナ ルリヒ サㇷ゚ケ ワ ピㇼカ チキ ス ヤンケ ワ アヌ. エ・ミチヒ イワㇰ ヤㇰ ア・エ ナ=肉汁を煮てあるので汁の味見をしてよかったら鍋を上げておけ.お前の父が帰って来たら食べるから.ルリヒ オパンペラㇰ=汁の味が薄い. (出典:萱野、方言:沙流)
rur/ruri(hi)
ルㇽ/ルリ(ヒ) 【rur/ruri(hi)】 海の潮. ①カムルㇽ ク・スパ ワ アン ナ ルリヒ サㇷ゚ケ ワ ピㇼカ チキ ス ヤンケ ワ アヌ. エ・ミチヒ イワㇰ ヤㇰ ア・エ ナ=肉汁を煮てあるので汁の味見をしてよかったら鍋を上げておけ.お前の父が帰って来たら食べるから.ルリヒ オパンペラㇰ=汁の味が薄い. (出典:萱野、方言:沙流)
rura
ルラ 【rura】 運ぶ. ①サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ パップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し,沢の中を流すとたくさん運べるものだよ.②ルラ ワ アㇻパ=送って行け.トアン ポン マッカチ アナㇰネ シㇼクンネ コㇿ エアㇻキンネ イシトマエオ ㇷ゚ ネ ナ ルラ ワ エㇰ=あの女の子は暗くなるととっても怖がる者だから送って来い.パセ シケ カ コㇱネ シケ カ アン ナ イナニケ カ セ ワ コタン カランケ パㇰノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるのでどれかを背負って村の近くまで私を送ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
rura
ルラ 【rura】 送る,見送る. ①サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ パップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し,沢の中を流すとたくさん運べるものだよ.②ルラ ワ アㇻパ=送って行け.トアン ポン マッカチ アナㇰネ シㇼクンネ コㇿ エアㇻキンネ イシトマエオ ㇷ゚ ネ ナ ルラ ワ エㇰ=あの女の子は暗くなるととっても怖がる者だから送って来い.パセ シケ カ コㇱネ シケ カ アン ナ イナニケ カ セ ワ コタン カランケ パㇰノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるのでどれかを背負って村の近くまで私を送ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
rura
ルラ 【rura】 戻す,返す,返済する. ①サキペ ポロンノ ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ パップンカㇻ ア・トゥイェ モㇰラプフ ア・エタラレ ワ ナイ ペㇱ ア・モㇺカ コㇿ ポロンノ ア・ルラ エアㇱカイ ペ ネ=マスをたくさん獲った時はブドウのつるを伐ってマスのえらぶたに通し,沢の中を流すとたくさん運べるものだよ.②ルラ ワ アㇻパ=送って行け.トアン ポン マッカチ アナㇰネ シㇼクンネ コㇿ エアㇻキンネ イシトマエオ ㇷ゚ ネ ナ ルラ ワ エㇰ=あの女の子は暗くなるととっても怖がる者だから送って来い.パセ シケ カ コㇱネ シケ カ アン ナ イナニケ カ セ ワ コタン カランケ パㇰノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるのでどれかを背負って村の近くまで私を送ってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
rúra 1
ルラ 【他動】①…を運ぶ、 …を持って行く/来る。 aep pirka hi sake pirka hi a=rura a a=rura a híne アエㇷ゚ ピㇼカ ヒ サケ ピㇼカ ヒ アルラ ア アルラ ア ヒネ 食べものの上等のや酒の上等のが次々に運ばれてきて。(S民話) ②(人)を送って行く。 somo i=rura yakka pirka pirka ソモ イルラ ヤッカ ピㇼカ ピㇼカ いいえいいえ、 (私を)送って下さらなくても結構です、 大丈夫です。(KK民話) tésapa pakno/ci=rura nankor テサパ パㇰノ/チルラ ナンコㇿ (この人を)駅まで送って行きましょう。(W即興詩) ③(もの)を(小包などで)送る。 ④…を返す。 {E: ①to take, send, carry… ②to send off s.o; to lead someone. ③to send (off)… ④to return…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rúrapa
ルラパ 【他動】[複](rúra ルラ は単複の区別なし)(二人以上が)(二つ/二人以上を)…を運ぶ、 持って行く、 連れて行く。 kor wa okay pe opitta rúrapa p ne kusu コㇿ ワ オカイ ペ オピッタ ルラパㇷ゚ ネ クス 持っていたものを全部持って行かれてしまったので。(W民話) {E: to carry, take, lead…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rúrare
ルラレ 【複他動】[他動使役][rura-re …を運ぶ・させる] …に…を運ばせる。 {E: to make…carry, transport…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rurasne
ルラㇱネ 【自動】[ru-ras-ne やや・割った木片・のようである](?) まだ半煮えで固い(豆など)。 mame ne hike rurasne, amam ne hike péne マメ ネ ヒケ ルラㇱネ、 アマㇺ ネ ヒケ ペネ (豆ごはんの)豆のほうは生煮えだし、 ごはんのほうはベチャベチャだ。(S) {E: to be half-cooked (beans etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
ruray
ルライ 【自動】[ru-ray やや・死ぬ] 気絶する、 人事不省になる。 níkomimu wa oraun nítek ka wa turse wa ruray, a=kar ayne siknu ニコミム ワ オラウン ニテㇰ カ ワ トゥㇽセ ワ ルライ、 アカㇻ アイネ シㇰヌ (彼は)木登りして枝の上から落ちて気絶した、 手を尽くしてやっと息を吹き返した。(S) {E: to faint; lose consciousness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruray
ルライ 【ru-ray】 半死.▷ル=さっと ライ=死ぬ (出典:萱野、方言:沙流)
rúre
ルレ 【他動】[自動使役][ru-re とける・させる] …をとかす。 konru nupur manu cup rúre コンル ヌプㇽ マヌ チュㇷ゚ ルーレ 氷が霊力があると言うけれど太陽がとかすよ。(KK掛け合い歌) {E: to melt…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rure
ルレ 【ru-re】 溶かす.▷ル=溶ける レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
ruretar
ルレタㇻ 【自動】[ru-retar やや・白い] やや白い、 白っぽい。 ☆参考 うすい灰色やアイボリーなど、 まっ白ではないが白に近い色を言う。 ☞retar レタㇻ {E: to be whitish.} (出典:田村、方言:沙流)
ruretar
ルレタㇻ 【ru-retar】 灰色,ねずみ色:やや白い. (出典:萱野、方言:沙流)
ruri(hi)
ルリ(ヒ) 【名】[所](概は rur ルㇽ) …の汁、 (つゆもの)の汁の部分、 …のだし汁、 …を煮た汁、 …のだし(煮出した味)、 …のあく、 …の塩気。 ruri pan ルリ パン だしが薄い、 (おつゆの)味が薄い。 ruri ruy ルリ ルイ だしがきつい、 あくが強い。 ruri wen ルリ ウェン だしが悪い。 ruri wen wa ponno patek k=e ルリ ウェン マ ポンノ パテㇰ ケ だしが悪いので私は少ししか食べなかった。(W) rurihi póka ni ルリヒ ポカ ニ (おつゆの実がなくなったから)汁だけでも吸いなさい。(S) rurihi pirka/kéraha ka pirka ルリヒ ピㇼカ/ケラハ カ ピㇼカ だしもよければ味もよい。(S自作の歌) {E: the soup, stock, liquid, juice sap of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rurkasup
ルㇽカスㇷ゚ 【rur-kasup】 汁しゃもじ. ルㇽス プタ ネ ヤ ルㇽカスㇷ゚ ネ ヤ サヨス エウン ア・エイワンケ コㇿ オㇷ゚ラㇰ ペ ネ ナ イテキ ネノ イキ・アン ペ ネ ナ=汁鍋のふたや汁用のしゃもじを粥鍋に使うといやな味がするものなのでそのようにするものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
rurkes
ルㇽケㇱ 【rur-kes】 残り汁. (出典:萱野、方言:沙流)
rurkorkur
ルㇽコㇿクㇽ 【rur-kor-kur】 網の棒を持つ人. *貝澤まめさんが教えてくれた言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
rurkosimpu
ルㇽコシンプ 【rur-kosimpu】 海の妖精. コシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ アナㇰネ ルㇽコシンプ イワコシンプ セコㇿ ア・イェ ㇷ゚ オカ クニ ネ ネ ワ メノコ ネ カ オカ オッカヨ ネ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ=妖精というものは海の妖精,山の妖精というものがいて,時によっては女にもなり男にもなっているものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
rurkosuye
ルㇽコスイェ 【rur-ko-suye】 漂う. (出典:萱野、方言:沙流)
ruro
ルロ 【名】(畑の)うね(畝)。 ruro kar ルロ カㇻ 畝をつくる。 {E: a ridge.} (出典:田村、方言:沙流)
ruro(ho)
ルロ(ホ) 【ruro(ho)】 畝. エモ ア・エトイタ ヒ タ アナㇰネ ルロホ ラウネ ノ ア・カㇻ ペ ネ. ソモ ヤクン エモ ウェン ペ ネ=ジャガイモを蒔く時は畝を深くするものだ.そうしないとジャガイモがよくないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruro(ho) kar
ルロ(ホ) カㇻ 【ruro(ho)-kar】 畝きり(をする). (出典:萱野、方言:沙流)
ruro(ho) kar
ルロ(ホ) カㇻ 【ruro(ho)-kar】 男としての用を足せなくなる. (出典:萱野、方言:沙流)
rurokoy
ルロコイ §051 ヤナギムシガレイ;ナメタガレイ;おいらんがれ (1) rurokoy (ru-ró-koy)「ルろコイ」[<rur(汁)okay(ある)] ⦅白糠⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ruror
ルロㇿ 【ru-ror】 道の上側,道の東側. *二風谷での場合は沙流川の方をルウトゥㇽ・(道の下側)といい,山側のことをルロㇿ・(道の上側,東側)という. (出典:萱野、方言:沙流)
rurototke
ルロトッケ 【ru-rototke】 溶ける. (出典:萱野、方言:沙流)
rursu
ルㇽス 【rur-su】 汁鍋. ルㇽス プタ ネ ヤ ルㇽカスㇷ゚ ネ ヤ サヨス エウン ア・エイワンケ コㇿ オㇷ゚ラㇰ ペ ネ ナ イテキ ネノ イキ・アン ペ ネ ナ=汁鍋のふたや汁用のしゃもじを粥鍋に使うといやな味がするものなのでそのようにするものではない.*汁鍋で粥を煮るとオㇷ゚ラㇰ(いやな味がする)ので,汁鍋と粥鍋を別に使い分けていた. (出典:萱野、方言:沙流)
rurucine
ルルチネ §437.じんましん(蕁麻疹)(7)かゆい所をかいてやる内にほろしになる rurucine〔ru-rú-či-ne ルるチネ〕⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rurucine
ルルチネ §553.にきびrurucine〔ru-rú-či-ne ルるチネ〕⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rurukina
ルルキナ §467 リシリコンブ (1) ruru-kina (ru-rú-ki-na)「ルるキナ」[ruru(<rur 汁、だし)kina(草)] ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
rurusas
ルルサㇱ §467 リシリコンブ (2) ruru-sas (ru-rú-sas)「ルるサㇱ」[<ruru(<rur 汁、だし)sas(コンブ)] ⦅鵜城⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ruruseppa
ルルセッパ §109 ハスノハカシパンの類 (2) ruru-seppa(ru-ru-sep-pa)「ルルセッパ」ハスノハカシパン Scaphechinus mirabilis (AGASSIZ). (出典:知里動物編、方言:)
rurutcine
ルルッチネ §051.あせもがいちめんに出ているrurutcine〔ru-rút-či-neルるッチネ〕⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sarurun
サルルン §367 ツル(鶴);タンチョウ (4) sarurun (sa-rú-run)「サるルン」[<sar-or-un] ⦅富内⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sikiruru
シキルル 【自動】[sikiru-ru (…の方へ)向きを変える・(重複)](直訳すると)向きを変え続ける、 ころげまわる。 a=honíhi arka wa hesasi wa hemakasi wa sikiruru=an アホニヒ アㇻカ ワ ヘサシ ワ ヘマカシ ワ シキルルアン 私は(陣痛で)おなかが痛くていろりの方へ奥の方へところげまわった。(W神謡語り) {E: to change direction (towards); to roll around.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikkeruru
シッケルル 【自動】[sik-keruru 目・…をギョロギョロする(擬態の重複)]kootuyma sikkeruru コオトゥイマ シッケルル [他動]…を遠くから目をむいてにらむ。 ikootuyma/sikkeruru/siktokoko イコオトゥイマ/シッケルル/シㇰトココ [雅]私を遠くから目をむいてにらみ大きな目を開けている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikkeruru
シッケルル 【sik-keruru】 かっと目を開く,目を勢いよく開く. (出典:萱野、方言:沙流)
sikparur
シㇰパルㇽ 【sik-parur】 目縁. シㇰパルㇽ フレ センカキ ア・エカイェ アー ペコㇿ アン ペ=目の縁に赤い布を織り込んだようなもの=大蛇[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
sikparurke
シㇰパルㇽケ 【名】[所](概 sikparur シㇰパルㇽ は未出。 párurke パルㇽケ の概は párur パルㇽ)目の縁(ふち、 まつげの生えているところ)。 sikparurke arka シㇰパルㇽケ アㇻカ 目の縁が痛い(ものもらいができて)。 {E: the area of the eyes around the eyelashes.} (出典:田村、方言:沙流)
sipporur
シッポルㇽ 【sippo-rur】 塩汁. (出典:萱野、方言:沙流)
sipporur(i)
シッポルㇽ §373.塩水;食塩水sippo-rur(i)〔šíp-po-rur しッポルㇽ〕[sippo(<日本語‘塩')+rur(海、海の水、おみおつけの汁、汁)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sumarura
スマルラ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  b(2) sumarura (su-má-ru-ra)「スまルラ」[<suma(石)rura(運ぶ)] ⦅白糠⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sumarurap
スマルラㇷ゚ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  b(1) sumarurap(su-má-ru-rap)「スまルラㇷ゚」[<suma(石)rura(運ぶ)p(者)]⦅美幌、屈斜路、塘路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sururke
スルㇽケ 【sururke】 流行する. オヤコヤㇰ タ タスㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ オルㇱペ ア・ヌ イシトマ・アン クス ハル アフㇷ゚カㇻ・アㇱ ワ ハルエカムイノミ・アン ルスイ=あちらこちらで病気が流行したと聞き恐ろしいので供物を貰い病気の神へあげたい.ネイタカ パトゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ ヒ ア・ヌ コㇿ ウクリペ ア・ウㇰ ワ アパ オッタ(オㇿ タ) プヤㇻ オッタ ア・エウシ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ ソモ ヘノイェ ㇷ゚ ネ=どこかで流行病が蔓延したと聞いたらヤツメウナギを獲って来て戸とか窓に差しておくと病気の神がよらないものだ.タンパ マㇱキン パトゥム ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ ハウェ コタン ア・エニソマㇷ゚=今年はいつも以上に病気なるもの流行するというので村の事を案じている. (出典:萱野、方言:沙流)
sururke
スルㇽケ §541.でんせんびょう(伝染病)(6)[伝染病が]蔓延する、流行する sururke〔sú-rur-ke すルㇽケ〕[波のようにひろがる]⦅ホロベツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
torurkararip
トルㇽカラリㇷ゚ 【torur-ka-rari-p】 シシャモを獲って山積みしてある上へ降った雪の名前.▷トルㇽ=山積みの魚 カ=上 ラリ=詰める ㇷ゚=物=雪 (出典:萱野、方言:沙流)
tunkirurkur
トゥンキルㇽクㇽ §276 アカザ (6) tunkirurkur (tún-ki-rur-kur)「とゥンキルㇽクㇽ」 茎葉 ⦅有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
turur
トゥルㇽ 【turur】 魚を山積みにしてあるもの.*スサㇺ(シシャモ)などを山積みしてある上へ降った雪のことを,トゥルㇽカラリㇷ゚(魚の山を押さえる雪)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
ukururpe
ウクルㇽペ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  a(5) ukururpe(u-kú-rur-pe)「ウくルㇽペ」[< ?]⦅白老⦆ヤツメ、カワヤツメ。 (出典:知里動物編、方言:)
usurure
ウスルレ 【u-surure】 互いに擦り合わせる,しまいに混ぜ合わせて搗くこと. タパンピリケㇷ゚ アウスルレワ アオケレ=この精白をひとまとめにして搗いて終わりだ. *ヒエとかアワを臼に入れて搗き,精白にしたものをひとまとめにして搗くことで,この言葉はこの場合にのみ用いる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uwecururse
ウウェチュルㇽセ 【自動】[u-w-e-curur-se 互い・(挿入音)・と一緒に(擬態の重複)ポロポロ・と言う](ポロポロと)集まってくる。 tek tuyka ta amam pus uwecururse テㇰ トゥイカ タ アマㇺ プㇱ ウウェチュルㇽセ (稲の穂摘みをしていると)手の上側に稲の穂が集まってくるようだ。(S) {E: to come together; gather.} (出典:田村、方言:沙流)
wakka epururse
ワッカ エプルㇽセ 【wakka epururse】 吹く,口にふくんだ水を霧吹きする. (出典:萱野、方言:沙流)
yarur
ヤルㇽ 【ya-rur】 網の棒,流し網の柄. (出典:萱野、方言:沙流)
-nu 3
ヌ 【接尾】(名詞に接尾して自動詞をつくる。)…がある、 …を持つ。 rur ルㇽ 塩気、 だし;runnu ルンヌ 塩辛い。 tures トゥレㇱ 妹;turesnu トゥレㇱヌ 妹がいる(妹を持っている)。 kem ケㇺ 血;kemnu ケㇺヌ 血が出る。 (出典:田村、方言:沙流)
e- 11
エ 【接頭】[< e- エ 9](雅語や雅語的表現の中で、 名詞や位置名詞に接頭して)…で。 a=ekísarsutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル[a=e-kisar-sutu maw-kururu 私・…で・耳・の根元[所]・風・ピューピュー吹く][雅]私の耳元で風がピューピュー鳴る。 a=e-táp-ka konna/racinitara アエタㇷ゚カ コンナ ラチニタラ[a=e-tap-ka konna racin-itara 私・…で・肩・の上・(擬態の叙述を導く)・ぶらさがる・…した状態が続いている][雅](直訳すると)…で私の肩の上がぶらさがっている=…が私の肩の上でぶらさがっている。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
eikra
エイㇰラ 【他動】…を送る(背負ってでも小包ででも)。 antuki k=éikra kusu ne アントゥキ ケイㇰラ クス ネ あずきを送ります。(W) ☆参考 人を送って行くのは rúra ルラ。 {E: to send…} (出典:田村、方言:沙流)
ekaye
エカイェ 【他動】[e-kaye その頭・を折る](衣服やカーテンなどの端)を折って縫う。 rákirurke a=ekáye wa a=kar wa an ラキルㇽケ アエカイェ ワ アカㇻ ワ アン (カーテンの)縁(ふち)を折って縫ってつくってある。(S) (出典:田村、方言:沙流)
ekisarsutu
エキサㇻストゥ 【名】[接頭+名+位名][e-kisar-sutu …で・耳・の根元[所]][雅](直訳すると)…で耳の根元(が)。(次の慣用句で) ☞ekisarsutu komawkururu エキサㇻストゥ コマウクルル、 ekisarsutu mawkururu エキサㇻストゥ マウクルル (出典:田村、方言:沙流)
ekonramu
エコンラム 【名】[接頭+名][e-kor-ramu …で・持つ・心][雅](次の慣用表現の中で)…の心/意識が…。 ekonramu sitne kane tának kane エコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ [雅]無我夢中で、 意識がもうろうとして、 夢うつつで(ある)。 a=ekónramu/sitne kane/tának kane/ék=an humi/a=ekísarsutu/mawkururu アエコンラム/シッネ カネ/タナㇰ カネ/エカン フミ/アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅]私が無我夢中で飛んで来ると耳元で風がピューピュー鳴っていた。(W神謡語り) ray he ne ya mokor he ne ya a=ekonramu sitne kane tának kane ライ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ アエコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ 死んだのか眠ったのか、 (私は)夢うつつになっていた。(HC民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
érepa
エレパ 【複他動】[他動使役][複](ére エレ は単複の区別なし)(二人以上の皆が/に)…に…を食べさせる。 rur takup i=erepa ルッ タクㇷ゚ イエレパ 彼らは私におつゆしか食べさせてくれなかった。(W民話) ☆発音 ere pa エレ パ《…で三年》とはアクセントが違う。 {E: to feed someone something (pl).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eun 2
エウン 【後副】①(人や物、 場所)に向かって 、 …へ、 そこへ。 tanto apto as, e=mokor wa e=an noyne an pe eun k=ek タント アㇷ゚ト アㇱ、 エモコㇿ ワ エアン ノイネ アン ペ エウン ケㇰ 今日は雨降りだ、 あなたが寝ているようなところへ私は来た。(S) hápo eun he ku=ye, iyapo eun he ku=ye ciki pirka? ハポ エウン ヘ クイェ、 イヤポ エウン ヘ クイェ チキ ピㇼカ? かあさんに言おうか、 とうさんに言うほうがいいだろうか。(S) arorkisne eun c=uk híne アロㇿキシネ エウン チュㇰ ヒネ 私たちはこっそりそこから取って。 hunpe yan yak a=ye wa eun kotan eun utar uwehopunpa wa sap wa isam フンペ ヤン ヤカイェ ワ エウン コタン エウン ウタㇻ ウウェホプンパ ワ サㇷ゚ ワ イサㇺ くじらが浜に上がったと言うのでそこへ集落じゅうの人々が一人残らず行ってしまった。 ②(連体形に) kotan eun utar コタン エウン ウタㇻ 集落(村)の人々。 ③eun po (hene) エウン ポ (ヘネ) そのためなおいっそう、 かえって。 rurwakka kasi a=otátpa yakka eun po uhuy ルㇽワッカ カシ アオタッパ ヤッカ エウン ポ ウフイ 海水を上にかけてもかえってなお燃える。 kusuri ku=ku akus eun po hene wen クスリ クク アクㇱ エウン ポ ヘネ ウェン 薬を飲んだらかえってなお悪くなった。(S) {E: to face towards…; to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
homekayaynu
ホメカヤイヌ 【他動】気絶させる。(受け身の形、 つまり不定人称形で) a=homékayaynu アホメカヤイヌ 気絶する。 kamuy sirosma ruwe ne akusu ne wenkur umurek a=homékayaynu híne ruray ruwe ne カムイ シロㇱマ ルウェ ネ アクス ネ ウェンクㇽ ウムレㇰ アホメカヤイヌ ヒネ ルライ ルウェ ネ 雷が落ちると、 その貧しい夫婦は気絶して意識不明になった。(HK民話) ☆参考 語末の部分、 yanu ヤヌ とも yaynu ヤイヌ とも yayno ヤイノ とも聞こえる。 〔知分類になし〕 {E: to faint; to make…faint.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kamuy 2
カムイ 【名】[< kamuy 1][動物] 熊(=kimunkamuy キムンカムイ)。 kamuy-cáca カムイチャチャ [熊・じいさん] 熊(の呼び名の一つ)。 yuk ne ciki kamuy ne ciki eawnarura ユㇰ ネ チキ カムイ ネ チキ エアウナルラ 鹿でも熊でもとって(家へ運んで)来た(たくさんの民話の中で、 何不自由なく暮らしている主人公の登場の初めにしばしば出て来る表現の一つ)。 {E: a bear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kane 2
カネ 【助動/接助/副助】(意外、 予想以上、 誇張の表現に多く使われる)。 ①[助動](なんと)…している。 ponpon kane ayne tane us wa isam ポンポン カネ アイネ タネ ウㇱ ワ イサㇺ だんだん小さくなってとうとう消えてしまった。(S) íne urepet kor kane p ne noyne イネ ウレペッ コㇿ カネㇷ゚ ネ ノイネ 四本指を持っているもの(ばけもの熊)であるらしく。 ②[接助](なんと)…して、 …したままで、 …するほど。 sinu kane reye kane ahup シヌ カネ レイェ カネ アフㇷ゚ 彼らはひざをついて身をずらしはって家の中へ入った(遠慮して身を低くして入る様子)。 mérayke wa hecururu kane an メライケ ワ ヘチュルル カネ アン 寒いので首をちぢめている。(S) suwop or k=ómare kikir mak iki ayne etuk kane iki kor an スウオㇷ゚ オㇿ コマレ キキㇼ マㇰ イキ アイネ エトゥㇰ カネ イキ コラン 箱に入れておいた虫どうやって出てきたのだろう。 ku=sanpe ka wen kane a=utári k=ésikarun クサンペ カ ウェン カネ アウタリ ケシカルン 気持ちも暗くなるほどに身内の者に会いたい。(S) ③[副助](慣用表現の中で、 副詞句の後に置かれて)néno kane an ネノ カネ アン …とそっくりだ。 sísam nisu a=kutkore ruwe néno kane an シサㇺ ニス アクッコレ ルウェ ネノ カネ アン 日本の臼に帯をしめさせたのみたいだ。 (néno an ネノ アン は《…に似ている》。) sekor kane セコㇿ カネ …というふうに(言った)(sekor セコㇿ《と(言った)》だけよりもちょっとした強めのニュアンスが加わる)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kasi
カシ 【位名】[所](概は ka カ) ①…の(その)上 (接触して上)、 …の見える側。(「高い方」「上の方」ではなく、 外側、 見えるほうの側を言う。)kasi ta a カシ タ ア その上に座った。(S民話) kasi ta rók=an pon huton kasi un ape pus wa uhuy カシ タ ロカン ポン フトン カシ ウン アペ プㇱ ワ ウフイ その上に座る小さいふとん(=座ぶとん)の上へ火がはねてこげた。(W) rurwakka kasi a=otátpa yakka eun po uhuy ルㇽワッカ カシ アオタッパ ヤッカ エウン ポ ウフイ 海水をその上にかけてもなおさら燃える。(S) okkew kasi pirkare オッケウ カシ ピㇼカレ [慣用句](直訳すると)えり首の上を豊かにする=(娘に)嫁入りのよい品々を持たせる(背中に、 つまりえり首のところに荷物を背負うからこういう、 えり首よりも上の頭のあたりという意味ではない。「持参金をつけてやる」に相当する)。(NK民話) cup nupur manu kasi nis kus チュㇷ゚ ヌプㇽ マヌ カシ ニㇱ クㇱ 太陽が霊力があると言うけれどその上を雲が通る(太陽より上ではなく、 太陽のこちら側を雲が通ることを言う)。(KK掛け合い歌) ②(動詞句の後に置かれて)kasi ta カシ タ …しながら。 ku=kemeyki kasi ta k=aysuye クケメイキ カシ タ カイスイェ 私は針仕事をしながらいねむりしている。 ☆発音 早く話しているとき kasi ta カシ タ はしばしば i が落ちて kas ta カㇱ タ と発音される。 ☞ka(si) カ(シ)… {E: ①top of… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kéra
ケラ 【名】[概/所] 味。 kéra pan ケラ パン 味がうすい(甘味も塩気も)(「あまい」=塩気がうすい)。(S) kéra pirka ケラ ピㇼカ 味がいい、 おいしい、 たいへんおいしい。 kéra ruy ケラ ルイ [味・激しい] 変な味だ(腐りかかった芋煮や悪い油などの味)。(S) kéra wen ケラ ウェン 味が悪い、 まずい(おいしくない)。 ☆参考 ruri(hi) ルリ(ヒ) だし。 {E: taste; flavour.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kisarsutu
キサㇻストゥ 【名】[概](所は未出。 sutu ストゥ の概は sut スッ)耳もと。 a=ekísarsutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅](それによって)私の耳もとで風がピューピューと鳴り響く(ものすごいスピードで飛んで/走って行く様子の描写の常套句)。(Sユーカラ語り) ☆参考 『音声資料9』に a=kisarsutu/mawkururu アキサㇻストゥ/マウクルル とあるのは誤り。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
konpu
コンプ 【名】[植物] 昆布(=kompu コンプ)。 konpu satke コンプ サッケ 昆布を干す。 konpu rurihi コンプ ルリヒ 昆布のだし。 konpu takma コンプ タㇰマ 昆布の山、 たくさんの昆布の集まり。 〔知分類 p.253 kompu((幌別、 沙流))〕 {E: a type of seaweed.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kootuyma
コオトゥイマ 【後副】[ko-otuyma …に対して・遠くから][雅](次のような慣用表現で)…に対して遠くから。 i=kootuyma/sikkeruru/siktokoko イコオトゥイマ/シッケルル/シㇰトココ [雅]私を遠くから目をむいてにらみ大きな目を開けている。(Sユーカラ) i=kootuyma/siktokoko/sikkeruru kor イコオトゥイマ/シㇰトココ/シッケルル コㇿ [雅]私を遠くから大きな目を開けて目をむいてにらんでいる。(Sユーカラ語り)(前の用例と同じユーカラを同じ話者が語ったときと同じような文脈で。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyka
コイカ 【位名】[概](所は koykas(i)ke)[koy-ka 波・の上] 海沿いに東の方、 つまり静内、 釧路の方(方角で言うと東ないし東南の方)。 koyka un itak/koyka ta itak コイカ ウン イタㇰ/コイカ タ イタㇰ 静内や釧路の方(東の方)の言葉。 anrur ruyanpekur kus wa koyka ta sirepa kor nani menas as アンルㇽ ルヤンペクㇽ クㇱ ワ コイカ タ シレパ コン ナニ メナㇱ アㇱ 北見の方(北東)を嵐の雲が通って静内・釧路の方(東)に着くとまもなくやませ(南風)が吹く。(S) ☆参考 cupka チュㇷ゚カ 日の出る方角、 東。 土地の方向として東を言うときには koyka コイカ が最も一般的に使われる。 ☆対語 koypok コイポㇰ 海沿いに西の方、 つまり有珠、 虻田の方。 {E: along the coast in an easterly direction.} (出典:田村、方言:沙流)
ni 1
ニ 【他動】(味のいいもののだし汁や煎じた湯)を吸う。 ruri póka ni ルリ ポカ ニ (おつゆの実を食べなくてもせめて)汁だけでも吸いなさい。(S) ☆参考 ohaw オハウ《おつゆ、 みそ汁、 スープ》、 wakka ワッカ《水》、 úsey ウセイ《湯》等については言わない。 ohaw オハウ《おつゆ》は e エ《食べる》、 wakka ワッカ《水》や úsey ウセイ《お湯》は ku ク《飲む》と言う。 おかゆなどをすすることは hopsekar ホㇷ゚セカㇻ、 horopsekar ホロㇷ゚セカㇻ、 赤ん坊が乳を吸うような吸い方は nunnun ヌンヌン と言うが、 また totto e トット エ《おっぱいを食べる=お乳を飲む》という言い方もある。 空気などを吸うことは seru セル。 {E: to suck (in), sip…} (出典:田村、方言:沙流)
nottuhu
ノットゥフ 【名】[所](概は nottu ノットゥ)…の岬。 Moruran nottuhu モルラン ノットゥフ 室蘭の岬。 Níkap nottuhu ニカㇷ゚ ノットゥフ 新冠(にいかっぷ)の岬。 (出典:田村、方言:沙流)
numi(hi)
ヌミ(ヒ) 【名】[所](概は num ヌㇺ)[植物] …の粒、 …の粒状の実、 (おつゆ)の汁でない実の部分。 numi kar ヌミ カㇻ (殻や皮の中の)実を出す。 numi rupne mame ヌミ ルㇷ゚ネ マメ 粒の大きい豆。 na ponno túnas e=ek yak numihi ka eci=ére p ne kus (ne a korka) e=ek moyre wa ora rur takupi an ナ ポンノ トゥナㇱ エエㇰ ヤㇰ ヌミヒ カ エチエレㇷ゚ ネ クㇱ (ネ ア コㇿカ) エエㇰ モイレ ワ オラ ルッ タクピ アン もう少し早くあなたが来たら実も食べさせてあげるのだったけれどあなたの来るのが遅かったので汁しかない。 (注:ノートに脱字あり、 ()内の文字は筆者が加筆した。) (S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ohaw
オハウ 【名】(食物としての)汁(みそ汁、 野菜や肉や魚のスープなど、 実も汁も含めて)(「おつゆ」)。 ohaw kar オハウ カㇻ おつゆをつくる(「たく」)。 ohaw e オハウ エ おつゆ(汁、 スープ)を食べる。 ☆参考 ohaw オハウ は ku ク《飲む》とか ni ニ《吸う》とか言わず e エ《食べる》と言う。 ☆参考 沙流川中流ではこれを rur ルㇽ と言うのも聞くが、 下流のワテケさん・サダモさんは ohaw オハウ《おつゆ(実も汁も含めて)》と rur ルㇽ《だし、 だし汁(実を含まない)》とを区別している。 {E: soup.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ohturi
オㇹトゥリ §135.うなじ;えりくび(7)ohturi〔óh-tu-ri おㇹトゥリ〕[<oh-ruru、ただしturi「伸ばす」に連想したのであろう]⦅チライ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okasaske
オカサㇱケ 【自動】(容器が)浅い。 okasaske poysu オカサㇱケ ポイス 浅い小鍋。(S) okasaske wa kusu rur ka a=omáre ka somo ki オカサㇱケ ワ クス ルㇽ カ アオマレ カ ソモ キ (nima ニマ《皿》は)浅いから汁なんか入れない。(S) ☆対語 orawne オラウネ (容器が)深い。 ☆参考 穴やみぞが浅いことは kasre カㇱレ、 水や川が浅いことは ohak オハㇰ。 {E: (for a vessel, container)to be shallow.} (出典:田村、方言:沙流)
otatpa
オタッパ 【他動】[複](ota オタ は単複の区別なし)[ota-atpa …をかける・激しく/何回もする](水など)をザーザーかける。 ☆参考 「大勢でかける。 一人でかけるなら ota オタ と言う。」 (S) rur wakka kasi a=otátpa yakka eun po uhuy ルㇽ ワッカ カシ アオタッパ ヤッカ エウン ポ ウフイ 海水をかけてもなおいっそう燃える。 (出典:田村、方言:沙流)
pan 1
パン 【自動】(お茶やおつゆ等の濃さが)うすい。 úsey uwe pan ウセイ ウウェ パン お茶が出なくなった。(W) ohaw pan humí! オハウ パン フミ! おつゆうすいなあ。(W) ruri pan ルリ パン だしが薄い。(S) kéra pan ケラ パン 味が薄い。(S) {E: (for tea etc) to be weak.} (出典:田村、方言:沙流)
pankiretoh koraye
パンキレトㇹ コライェ §034.結婚(する)(36)pankiretoh ko-raye〔páŋ-ki-re-toh|ko-rá-je ぱンキレトㇹ・コらイェ〕⦅ニイトイ⦆【雅】妻にならせる。"kamuy pon-menoko i-ehose ka inkara pokayayniwkesite. tampe renkayne Hankaruru nispa kon turesi i-pankiretoh i-ko-raye manu."「神のように美しい少女は私に見とれて私から目を離すこともできなかった。それゆえにハンカルルの酋長はその妹を私の妻にくれてよこした」。[<pan(しもての)+kiretok(膝の先、膝もと)+ko(に)+raye(押しやる)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
pe 1
ペ 【名】[概/所](所は通常 péhe ペヘ) 水、 固体の中に含まれていてどうかすると出て来る水気(ぬれたタオルの水、 果物の汁など、 何かについている水やしずく、 露)。 ☆参考 物質としての「水」は wakka ワッカ。 おつゆの汁は rur ルㇽ、 煮物の汁は uwehe ウウェヘ[所]。 {E: liquid; soup; water; juice; sap.} (出典:田村、方言:沙流)
punpa
プンパ 【他動】[複](単は puni プニ) ①(二つ以上)を持ち上げる。 ② ☞eyaykosnekur punpa エヤイリキクㇽ プンパ erurikikur punpa エルリキクㇽ プンパ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
raypa
ライパ 【他動】[複](単は raye ライェ) ①(合成語・派生語の中で)(二つ以上を)(ある方向へ)やる、 行かせる、 移動させる。 ② ☞erurikikur raypa エルリキクㇽ ライパ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
retar
レタㇻ 【自動】白い。 retar cihokimame レタㇻ チホキマメ[白い・商品の豆](「オオフクマメ」)。 retar nínumame レタㇻ ニヌマメ[白い・手を立ててつくる豆](「オオフクマメ」)。 retar seta ukoykire p レタㇻ セタ ウコイキレㇷ゚ 白い犬をけんかさせるもの(なぞなぞで、 答えは mimaki ミマキ「歯」)。(S会話) ruretar ルレタㇻ 白っぽい。 anretar アンレタㇻ まっ白い。 {E: to be white.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
runni
ルンニ 【名】[rur-ni 海水・木] 浜辺の寄り木(海から流れて来た木)。 ☆参考 寄り木(流木)一般は net ネッ。 (出典:田村、方言:沙流)
runnu
ルンヌ 【自動】[rur-nu 塩気・を持つ] 塩からい(「しょっぱい」)。 ohaw runnu humi! オハウ ルンヌ フミ! おつゆしょっぱいなあ。(S) {E: to be salty.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
runnu
ルンヌ 【rur-nu】 塩辛い. (出典:萱野、方言:沙流)
runrera
ルンレラ 【名】[rur-réra 海水・風] 潮風。 (出典:田村、方言:沙流)
rusat
ルサッ 【自動】[ru-sat やや・乾く] やや乾いた、 生乾きである。 ☆参考 ruteyne ルテイネ 少しぬれている。 ☆参考 rurikan ルリカン 少し湿っている。 ☞sat サッ {E: to be slightly dry.} (出典:田村、方言:沙流)
rutteksam
ルッテㇰサㇺ 【位名】[rur-teksam 海水・の横] 海端、 波打ち際のすぐ上。 陸地の端の海岸線沿いの所。 rutteksam kus ルッテㇰサㇺ クㇱ 海岸線沿いの所を通る=海岸に沿って進む(=rutteksamkor ルッテㇰサㇺコㇿ)。 {E: the edge of the shore.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rutturep
ルットゥレㇷ゚ 【名】[rur-turep 海水・ウバユリ][動物] ホッキの貝殻。(S) 〔知分類 p.234 §481. 828 ほっき貝 ツレプ〕 {E: a type of clam.} (出典:田村、方言:沙流)
ruy 1
ルイ 【自動/助動】①[自動]激しい。 réra ruy レラ ルイ 風が激しい。 hawe(he) ruy ハウェ(ヘ) ルイ 声が大きい、 大声で言う。 ruri ruy ルリ ルイ あくが強い、 だしがきつすぎる。 ataye ruy アタイェ ルイ(値段が)高い。 ②[助動]…するのが激しい、 ひどく…する。 ye ruy イェ ルイ 激しく言う、 しつこく言う。 eytasa ratki ruy wa osirkaociw wa ku=suye ka eaykap エイタサ ラッキ ルイ ワ オシㇼカオチウ ワ クスイェ カ エアイカㇷ゚ (ぶらんこが)あまりたれ下がりすぎて下につかえてゆらすことができない。(S) ☆対語 hawke ハウケ(声が)小さい、 (値段が)安い。 {E: ①to be violent; severe; strong; hard. ②to do…is severe, violent, etc.; to do…cruely, harshly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikirpare
シキㇼパレ 【他動】[自動使役][複](単 sikirure シキルレ は未出)[sikirpa-re (二人以上が)向きを変える・させる](二人以上)を…の方へ向ける/向かわせる。 a=utáripo sikirpa kuni a=ekáspaotte wa a=sikírpare ruwe ne アウタリポ シキㇼパ クニ アエカㇱパオッテ ワ アシキㇼパレ ルウェ ネ 私は死んだ村人たちにあの世へ行くように命じてあの世へ行かせた。(HK民話) ☆参考 用例では、 死んだ村人たちを先祖の所へ行かせたことを言っている。 {E: to make…face, turn towards… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sippo
シッポ 【名】[< 昔の日本語 しふお (塩)] 塩。 ☆参考 塩からいことは runnu ルンヌ。 rur ルㇽ は海水。 {E: salt.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
somoiperepa/somoyperepa
ソモイペレパ 【他動】[自動使役][複][somo-ipe-re-pa …しない・ものを食べる・させる・[複]](二人以上が皆)…にものを食べさせない、 …に何も食べさせない、 …に食事を与えない。 nísapno siknak=an akusu i=somoiperepa, rur takup i=érepa ニサㇷ゚ノ シㇰナㇰアン アクス イソモイペレパ、 ルッ タクㇷ゚ イエレパ 私が急に目が見えなくなると(息子夫婦は)私にものを食べさせてくれなくなった、 おつゆだけしか食べさせてくれなくなった。(W民話) {E: to not feed… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
suy 1
スイ 【名】穴(土の中の穴、 壁や垣根にあいた穴、 概して丸い)。 ermu suy/ermusuy エㇽムスイ ネズミの穴。(S) cikappo suy チカッポ スイ 小鳥の巣穴。(S) suy kar スイ カㇻ [穴・をつくる] 穴を掘る。 ye p néno nispa opitta iki híne, poro suy kar, sirowri rok sirowri rok wa イェㇷ゚ ネノ ニㇱパ オピッタ イキ ヒネ、 ポロ スイ カㇻ、 シロウリ ロㇰ シロウリ ロㇰ ワ 男の方々は皆で言われたとおりにして、 大きな穴をつくった、 土を掘って掘って。(W民話) suy or un hácir スヨルン ハチㇼ 穴に落ちる。 suy omare スイ オマレ (そこ)に穴をあける。 a=nisapka wa a=sirkootke a=kaciw pe ne kusu noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu アニサㇷ゚カ ワ アシㇼコオッケ アカチウ ペ ネ クス ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルㇱカ クス 不意を突かれてグサッと槍を投げられて刺されたので額(ひたい)に大きな穴をあけられたことに腹が立ったから。(S会話) suy or omare スヨㇿ オマレ …を穴に入れる。 suy par ta スイ パッタ 穴の口に。 suy párur ta スイ パルッタ 穴の縁(ふち)に。 管のあな(孔)や水やものを通す細いあなや何かのすきまは puy プイ という別語で表される。 suy スイ は「ほらあな」の訳語としても出たが、 ほらあなを表すには別に póru ポル という語がある。 {E: a hole; an opening.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ta 5
タ 【副助】①(強め) …こそ。 kani anak k=épakewsawot, eani ta an koraci e=ye hawe ne wa カニ アナㇰ ケパケウサウォッ、 エアニ タ アン コラチ エイェ ハウェ ネ 私はとんでもないまちがいを言った、 あなたこそ本当のことを言ったのだ。 ②(oka オカ を結びとする係結びの構文で)…ta …oka! …タ …オカ! (結びの oka オカ は言わないこともあるが、 ta タ は必ず言う)。 …だったらいいのになあ、 …したいものだなあ! nen ka ta a=kar yak a=rayke oka! ネン カ タ アカㇻ ヤㇰ アライケ オカ! なんとかして殺してやりたいものだなあ! cep rur a=e ta ki! チェㇷ゚ ルㇽ アエ タ キ! 魚のおつゆを食べたいなあ。(S) cikap ta ku=ne/réra ta ku=ne チカㇷ゚ タ クネ/レラ タ クネ 鳥になりたいなあ、 風になりたいなあ。(S即興詩) ③(a ア を結びとする係結びの構文で)…ta …a …タ …ア …するものか、 …なものか、 …するものだなあ、 …しているなあ(反語表現の感嘆文)。 neppo ciraman ki ta háwas a ネッポ チラマン キ タ ハワサ 思いがけないことを言うねえ! ④(tas タㇱ と一緒に)…tas ta …nek! …タㇱ タ …ネㇰ! …するのだぞ(tas ta タㇱ タ の代りに tos to トㇱ ト も使われる)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
takup
タクㇷ゚ 【副助】…だけ、 …しか…しない。 rur takup i=erepa ルッ タクㇷ゚ イエレパ 彼らは汁だけしか食べさせてくれなかった(肉も魚もくれなかった)。(W民話) apekur takup a=ki アペクッ タクㇷ゚ アキ 私は火にあたっているだけだった(炊事も何の仕事もせずに)。(W民話) teknum takup etuk kane kú=isitoma テㇰヌㇺ タクㇷ゚ エトゥㇰ カネ クイシトマ 手首だけ出てきて(私は)恐ろしかった。(S) ku=cis a ku=cis a kor patek k=an pe un, ku=yaypira takup ki wa クチサ クチサ コㇿ パテㇰ カン ペ ウン、 クヤイピラ タクㇷ゚ キ ワ 私は泣いて泣いてばかりいたんだよ、 ただもうがっかりして。(S) ☆参考 patek パテㇰ《だけ、 ばかり》が肯定的に「…だけ/ばかり…する/した」というニュアンスで使われているのに対して、 takup タクㇷ゚ は「…しか…しない」という否定的なニュアンスで使われる。 {E: just; only.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tektuyka
テㇰトゥイカ 【名】[tek-tuyka 手・の上側] 手の上側。 tektuyka ta amam pus uwecururse テㇰトゥイカ タ アマㇺ プㇱ ウウェチュルㇽセ まるで手の上に稲の穂が集まってくるようだ(稲の穂を摘むときの表現)。(S) {E: the upper arms.} (出典:田村、方言:沙流)
tuyka
トゥイカ 【位名】[概](所は tuykasi/tuykaske トゥイカシ/トゥイカㇱケ) ①…の上、 …の上端、 (出入口や窓の)すぐ上の所。 tek tuyka ta amam pus uwecururse テㇰ トゥイカ タ アマㇺ プㇱ ウウェチュルㇽセ (稲の穂摘みをしていると)手の上側に稲の穂が集まってくるようだ。(S) ②(動詞の後に置かれて)…している最中。 onkami tuyka/itak omare オンカミ トゥイカ/イタコマレ [雅](その神は)拝礼 (伝統的な形のあいさつ)をしながら言葉を言った。(W神謡語り) tuyka ta トゥイカ タ …しながら/しているときに。 i=kusa tuyka ta a=kowépekennu イクサ トゥイカ タ アコウェペケンヌ 私は舟で川を渡してもらいながら(彼に)事情をたずねた。(NK民話) e=soyne tuyka ta Ayoro nupuri kasi un yam e=carpa nankor エソイネ トゥイカ タ アヨロ ヌプリ カシ ウン ヤㇺ エチャㇻパ ナンコㇿ あなたは外へ出ると同時にアヨロ山の上に栗をばらまきなさい。(W神謡語り) ☆参考 沙流川下流のサダモさんは、 ipe tuyka ta イペ トゥイカ タ《食べながら》はユカルの言葉で、 日常語では ipe=an kor イペアン コㇿ だと言った。 それに対し姉のワテケさんは「húci フチ《おばあさま》がよく言った」と反論した。 ☆参考 机やござや紙の「上」は tuyka トゥイカ ではなく ka カ。 ドアのすぐ「上」、 棒や杖の「上端」などが tuyka トゥイカ。 ☆参考 「…しながら」には kurka クㇽカ も使われる。 ☆対語 tuypok トゥイポㇰ {E: ①above… ②in the middle of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wa 2
ワ 【接助】…して(二つの動詞句をつないで一まとまりのことがらとしてまとめる働きをする。 具体的には、 次のようないろいろな場合に使われる)。 ①(一つのもの/ことについて二つ以上の説明や叙述をする場合にその二つの動詞句をつなぐ。) upakno oka wa sattek kusu oka wa ウパㇰノ オカ ワ サッテㇰ クス オカ ワ 同じぐらいの大きさでやせこけていて。(S会話) Kusur un oruspe ne wa teeta oruspe ne wa a=ewkoysoytak kor síran pe tasi an nek! クスルン オルㇱペ ネ ワ テエタ オルㇱペ ネ ワ アエウコイソイタㇰ コㇿ シラン ペ タシ アン ネㇰ! (これは)釧路の話で昔の話で、 私たちはそれについて話し合っているのですよ。(S会話) sunke ka eaykap wa anpe patek ye rusuy pe スンケ カ エアイカㇷ゚ ワ アンペ パテㇰ イェ ルスイ ペ うそをつくことができなくて本当のことばかり言うもの。(S会話) ②(前の動詞句が後の動詞句の表す出来事の方法や意図などを説明する。) ku=hoyupu wa k=ek クホユプ ワ ケㇰ (私は)走って来た。 hosippa wa paye ホシッパ ワ パイェ (彼らは)もどって行った。 ③(前の動詞句の出来事が終わってから後の動詞句の出来事が起こることを言う。)…して。 otcike huraye wa pirpa オッチケ フライェ ワ ピㇼパ お膳を洗ってふきなさい。(W) núman k=ek wa tanto suy ukoytak=an hawe ne ヌマン ケㇰ ワ タント スイ ウコイタㇰアン ハウェ ネ 私は昨日来て、 今日また(姉と私と)二人で会話をするのです。(S会話) ne to or ta cip hene a=kar wa oro ta a=anú wa ネ ト オッタ チㇷ゚ ヘネ アカㇻ ワ オロ タ アアヌ ワ その湖に舟でもつくってそこに置いて。(S会話) ④(前の出来事が後の出来事の原因か理由になっている。)…して。 k=úkao oyra wa rurikan クカオ オイラ ワ ルリカン (私は洗濯物を)しまい忘れて少し湿った。(W) mosma kur or ta wenpe an wa oro ta ka ku=yorot モㇱマ クロッタ ウェンペ アン マ オロ タ カ クヨロッ 他の人の家に不幸があって私はそこにも行って来た。(S会話) (原因や理由の説明だということをはっきり述べるには kusu クス、 pe ne kusu ぺ ネ クス、 wa kusu ワ クス、 hi kusu ヒ クス などが用いられる。) ⑤(補助動詞表現で) wa an …ワ アン。 (1)(すでに)…している。 mokor wa an モコㇿ ワ アン 眠っている(すでに寝ついていることを言う。 mokor kor an モコㇿ コラン は寝つきつつあること、 つまり眠りかかっていることを言う)。(W) (2)…してある。 a=suwé wa an アスウェ ワ アン 煮てある、 (ごはんが)たいてある。(W) wa anu ワ アヌ (あらかじめ)…しておく。 ku=ye wa k=ánu クイェ ワ カヌ 私は言っておく。 wa isam ワ イサㇺ …して(なくなって)しまう。 e wa isam エ ワ イサㇺ 食べてしまう。 wa oka ワ オカ (wa an ワ アン の複数)(二人/二つ以上が) (1)(すでに)…している。 móno rok wa oka モノ ロㇰ ワ オカ (彼らは)座っている。 (2)…してある。 a=kar wa oka アカㇻ ワ オカ たくさんつくってある。 wa okere ワ オケレ (1)予定の行動をすっかり…してしまう(完了する)、 …し終わる。 ray wa okerpa ライ ワ オケㇾパ 皆死んでしまう。(KK掛け合い歌) (2)とても/極めて…(である)。 wen wa okere pon cise ウェン マ オケレ ポン チセ とても悪い(粗末な)小さい家。(S) ⑥[熟語・慣用句など] ne wa an ネ ワ アン [連体][単]/ne wa oka ネ ワ オカ [複] 今言っているこの/その、 今/さっき言ったその/あの(☞ne wa an ネ ワ アン、 ネ ワ オカ)。 wa kusu ワ クス …したから、 …だから。 k=úni ta ku=mokor wa k=an yakun e=mismu kuni ku=ramu wa kusu k=ek ruwe un クニ タ クモコㇿ ワ カン ヤクン エミㇱム クニ クラム ワ クス ケㇰ ルウェ ウン 私がうちで眠っていたらあなたがさびしいだろうと思ったから来たんだよ。(S) ☆参考 wa ワ と似た文脈で híne ヒネ も使われる。 どちらも使える場合も多いが、 日常会話では wa ワ のほうが多く使われ、 昔話などの語りの中では híne ヒネ のほうが多く使われる。 日常会話の中でも、 ③のように、 相前後して起こる事柄を述べる場合には、 híne ヒネ もよく使われる。 その場合でも、 前の出来事を述べてからそれと同じ重さで次の出来事を述べるのに、 言い換えれば二つの事柄をただ順番に述べていくのには híne ヒネ が多く使われるのに対して、 二つの出来事を一まとまりの事柄としてまとめるのには wa ワ が多く使われる。 また、 wa ワ はほとんどの場合動詞句の後に置かれるが、 híne ヒネ は前に動詞句のない文頭にも置かれる。 ☞híne ヒネ ☆参考 二つの別々の事柄が同時に起こることを表すには、 wa ワ ではなく kor コㇿ が使われる。 ☞kor コㇿ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)