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- sama
- サマ 【sama】 比べる. (出典:萱野、方言:沙流)
- sama 1
- サマ 【位名語根】[所](概は sam サㇺ)…のそば、 そのそば。 sama ta a サマ タ ア その/彼のそばに座る。 sama un arpa サマ ウン アㇻパ その/彼のそばへ行く。 apeop sama ta an pe アペオㇷ゚ サマ タ アン ペ 火鉢のそばにあるもの。(S) cócireni sama ta ku=nina wa an na se wa ek チョチレニ サマ タ クニナ ワ アン ナ セ ワ エㇰ 根回しした木のそばにまきとりしてあるから背負って来なさい。(S)sama oma サマ オマ {E: near…; beside…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sama 2
- サマ 【位名語根】[雅](ユーカラ(yúkar ユカㇻ)の中や雅語的慣用句の中で、 多くの場合、 位置名詞のあとに置かれて、 音節数を整える。 概念形の後にも所属形の後にも置かれる。 これといった積極的な意味はなさそうであるが、 場所に関する表現に多く使われる。 詳細は不明。 形の上では sam サㇺ に a がついた所属形に見えるが、 sam サㇺ との違いも不明。 語構成または語源の表示の中では(< …のそば)と書いておく。 epa=kor cási/kopakke sama/a=yaytuyere/a=yayterkere エパコㇿ チャシ/コパッケ サマ/アヤイトゥイェレ/アヤイテㇾケレ [雅]私の城の方に向かって私はまっすぐに進んでいった。(Sユーカラ) tu-makke-sama kotuye トゥマッケサマ コトゥイェ …がいくら断っても(彼の断りを)きかない。 tu-makke-sama a=kotúye híne トゥマッケサマ アコトゥイエ ヒネ 彼がいくら断っても私はきかないで。(W民話) tumakke-sama i=kotuye トゥマッケサマ イコトゥイェ 私がいくら断って彼はきかなかった。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sama 3
- サマ 【接尾】[日本語] …様。 {E: Mr., Mrs., Miss, etc. (polite form of address).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- apa-teksama ci=tek'uyruke
- アパテㇰサマ チテㇰウイルケ 【apa-tek-sama ci=tek-uyruke】 戸の側を私は手で探り,暗い時に入口の戸の所を手探りする. ▷アパ=戸 テㇰサマ=側 チ=それ テㇰ=手 ウイルケ=探る *ユカㇻに出て来る言葉[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- asam/asama(ha)
- アサㇺ/アサマ(ハ) 【asam/asama(ha)】 底. エイタサ パセ ㇷ゚ オンタロ オㇿ エ・オマレ ワ オンタロ アサマハ エソヨㇱマ(エソイオㇱマ) ワ イサㇺ=あまりにも重いものをお前が樽に入れるので,樽の底が抜けてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- asama(ha)
- アサマ(ハ) 【名】[所](概は asam アサㇺ) …の底、 それの底。 onnayke wa asamaha オンナイケ ワ アサマハ (入れ物の) 内側の底。 soynake wa asamaha ソイナケ ワ アサマハ 外側の底。 {E: the bottom of…} (出典:田村、方言:沙流)
- asamariitanki
- アサマリイタンキ 【asama-ri-itanki】 底高漆塗り椀.▷アサマ=その底(が) リ=高い イタンキ=椀 ヒナコㇿ ウェン ヤㇰ イェ コㇿ アサマリイタンキ エイタンキコシㇷ゚ ペ アン=どこが悪いと言いながら,底高漆塗り椀でお代わりをするものだ(体のどこそこの具合が悪いと言いながら,よくもまあお代わりをするもんだな).図1[アサマリイタンキ] (出典:萱野、方言:沙流)
- attomsama
- アットㇺサマ 【ar-tom-sama】 〜まで,〜ヘ.▷アㇻ=全く トㇺ=方 サマ=〜の側 →まっただなかに,真っ直ぐに,ひたむきに〜をめざして キマテㇰ カ タ ラムトゥナㇱ カムイ ルコㇿ カムイ アットㇺサマ ア・イタㇰエチュー=危急の時は,気の早い神,便所の神まで言葉を押しいれる. (出典:萱野、方言:沙流)
- attomsama emawrari
- アットㇺサマ エマウラリ 【連他動】[ar-tom-sama e-maw-rari 全く・まっすぐ当たる正面のまん中・の側・で・息・を押える] …に忠実に従う。 tap nispa ne wa usa yaypuni ki wa oka rok pe tane anak eci=áttomsama emawrari nispa katkemat eci=né kuni p kusu タㇷ゚ ニㇱパ ネ ワ ウサ ヤイプニ キ ワ オカ ロㇰ ペ タネ アナㇰ エチアットㇺサマ エマウラリ ニㇱパ カッケマッ エチネ クニㇷ゚ クス 今まで金持ちでいろいろいばってあなた方を見下していた者たちが今はあなた方に忠実に従うようになるので。(W民話) {E: to faithfully follow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- attomsama tomo kokanu
- アットㇺサマ トモ コカヌ 【連他動】[ar-tom-sama tomo kokanu 全く・まっすぐ当たる正面のまん中・の側(所属形)・まっすぐ当たる正面のまん中(所属形)・を傾聴する] よく言うことを聞いて言われたとおりにする。 i=attomsama tomo kokanu kamuy patek ta uwekarpa ruwe ne イアットㇺサマ トモ コカヌ カムイ パテㇰ タ ウウェカㇻパ ルウェ ネ 私の言うことをよく聞いてそのとおりにする神ばかりがここに集まっているのだ。(W神謡語り) {E: to do without question; to do faithfully.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- atuyesaman
- アトゥイエサマン §274 ラッコ (1) atuy-esaman (a-túy-e-sa-man)「アとゥイエサマン」[<atuy(海)esaman(カワウソ)] ⦅白老、美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- aynusamampe
- アイヌサマンペ 【aynu-samampe】 サメガレイ〔魚〕.▷アイヌ=アイヌ民族の サマンペ=カレイ,ヒラメ (出典:萱野、方言:沙流)
- aynusamampe
- アイヌサマンペ §048 サメガレイ (2) aynu-samampe (áy-nu-sa-mam-pe)「あイヌサマンペ」[ay(とげ)nu(もつ)samampe(カレイ)] 成魚 ⦅長万部、虻田⦆ cf. 長II, 41 (出典:知里動物編、方言:)
- aynusamanpe
- アイヌサマンペ 【名】[aynu-samanpe アイヌ・カレイ][動物]カレイの一種。 「背中ガッシガシ、 サメガレイ」。(S)〔知分類 p.22 サメガレイ〕 {E: a type of flatfish} (出典:田村、方言:沙流)
- ayussamampe
- アユㇱサマンペ §048 サメガレイ (1) ayus-samampe (á-yus-sa-mam-pe)「あユㇱサマンペ」[ay(とげ)us(群生している)samampe(カレイ)] 成魚 ⦅幌別、白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- emkosama
- エㇺコサマ 【emko-sama】 そのために,それゆえ. (出典:萱野、方言:沙流)
- emkosama 1
- エㇺコサマ 【副】[emko-sama 半分・(< そのそば)] 「それにかって、 その(くされおやじの)おかげで」=そのために。 {E: to become involved in, with; get dragged into.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- emkosama 2
- エㇺコサマ 【副】[emko-sama 半分・(< そのそば)]「大方(おおかた)」、 大半。 emkosama mokor oruspe patek a=nuyé エㇺコサマ モコㇿ オルㇱペ パテㇰ アヌイェ 大半は眠る話ばかり書いている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- esaman
- エサマン 【名】[動物] カワウソ。 〔知分類 p.148〕 {E: an otter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esaman
- エサマン 【esaman】 カワウソ. (出典:萱野、方言:沙流)
- esaman
- エサマン §275 カワウソ (1) esaman (e-sá-man)「エさマン」 ⦅北海道、樺太⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- esaman
- エサマン §846.わすれる(忘れる)(4)よく物忘れする者 esaman〔e-sá-man エさマン〕[カワウソ]⦅ビホロ、クッシャロ、アショロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- esamancep
- エサマンチェㇷ゚ §065 ナマズ (1) esaman-cep (e-sá-man-cep)「エさマンチェㇷ゚」 ⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- esamantasumpe
- エサマンタスンペ §156.おでき;できもの;はれもの;しゅもつ(32)カワウソのひょう疽[夜中に痛むできもの] esaman-tasumpe〔e-sá-man|ta-sum-pe エさマン・タスンペ〕[カワウソ・ひょう疽]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- harkisam/harkisama
- ハㇻキサㇺ/ハㇻキサマ 【harkisam/sama】 左,左側. (出典:萱野、方言:沙流)
- harkisama
- ハㇻキサマ 【位名】[所](概は harkisam ハㇻキサㇺ)その(そのものの)左側。 {E: to the left of that.} (出典:田村、方言:沙流)
- hepewsamampe
- ヘペウサマンペ 【hepew-samampe】 オヒョウ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
- huesesamaki
- フエセサマキ §842.わき;わきのした(16)わきの下 huese-samaki〔hu-é-se-sa-ma-ki フえセサマキ〕[huese(?)+samaki(<sama-ke(そのそば・の所)]⦅S.⦆【雅―遺篇, pp.68, 74】 (出典:知里人間編I、方言:)
- iikosama
- イイコサマ 【自動】[i-i-ko-sama ものを・もの・に・そばに置く(?)]ものごとをたとえて言う。 iikosama easkay hawe! イイコサマ エアㇱカイ ハウェ! たとえるのが上手だねえ! (S) {E: to speak metaphorically, figuratively.} (出典:田村、方言:沙流)
- ironnesamampe
- イロンネサマンペ §042 アサバ (1) ironne-samampe (i-rón-ne-sa-mam-pe)「イろンネサマンペ」[ironne(身の厚い)samampe(カレイ)] ⦅白老⦆アサバガレイ (出典:知里動物編、方言:)
- ironnesamampe
- イロンネサマンペ §047 コオリガレイ;クロガシラ マコガレイ 渋p. 409 (1) ironne-samampe (i-rón-ne-sa-mam-pe)「イろンネ・サマンペ」[<身の厚い・カレイ] ⦅虻田、礼文、長万部、幌別、白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- ironnesamanpe
- イロンネサマンペ 【ironne-samanpe】 クロガシラガレイ〔魚〕 (出典:萱野、方言:沙流)
- iyaysama
- イヤイサマ 【自動/間投】iyaysama hawe ne a! イヤイサマ ハウェ ネ ア! 困った話だなあ。(S) iyaysama! イヤイサマ! 困ったねえ、 すまないねえ。 ke ke ke ke, hokure hokure, iyaysama, su ukao su ukao, sanke, citarpe sanke, iyaysama ケ ケ ケ ケ、 ホクレ ホクレ、 イヤイサマ、 ス ウカオ ス ウカオ、 サンケ、 チタㇻペ サンケ、 イヤイサマ …あらあらあらあら、 早く早く、 困ったな、 鍋をしまって鍋をしまって、 出して、 ござを出して、 困ったな… (S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- iyaysama
- イヤイサマー 【i-yay-sama】 どうしよう,どうしたらいいの,まあ大変〔間投詞〕. カニ カ コㇺケカㇻ(ク・オㇺケカㇻ) ワ ク・ホッケ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エアニ カ ヘー.マㇰ イキ・アン ヤㇰ ピㇼカ ハウェ タ アン? イヤイサマー=私も風邪をひいて寝ていたのに,お前もかい.どうしたらいいというのだい? どうしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
- kaparsamampe
- カパㇻサマンペ 【kapar-samampe】 ソウハチガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kaparsamampe
- カパㇻサマンペ §050 ソウハチ (1) kapar-samampe (ka-pár-sa-mam-pe)「カぱㇻサマンペ」[kapar(身のうすい)samampe(カレイ)] ⦅長万部、虻田、室蘭、幌別、白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- kasikewensamampe
- カシケウェンサマンペ 【kasike-wen-samampe】 イシガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kesupasama(ha)
- ケスパサマ(ハ) 【名】[所](概は kesupasam ケスパサㇺ)…のかかとの裏。(S) {E: the underside of the heel(s) of…} (出典:田村、方言:沙流)
- kompusamampe
- コンプサマンペ §055 マツカワ (2) kompu-samampe (kóm-pu-sa-mam-pe)「こンプサマンペ」[kompu(コンブ)samampe(カレイ)] 成魚 ⦅礼文、虻田⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- kopaksama
- コパㇰサマ 【kopak-sama】 ~の方へ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- kosama
- コサマ 【kosama】 真似る,そっくり,同じような,比べる,比較する. ソンノ タㇷ゚イキ ウェンメノコ ア・コサマ ㇷ゚ カ イサㇺ.ア・イェ ロㇰ クニ サㇰチロンヌㇷ゚ コラチ アン=本当に今来て行った悪い女,比較するものもない.言うところの夏の狐のような者だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kucimowmunesamampe
- クチモウムネサマンペ 【kucimowmune-samampe】 マガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kuysamausi
- クイサマウシ §646.膝の関節;しつかんせつ(2)kuysama-usi〔kúǐ-sa-ma-u-ši くイサマウシ〕[kuysama(<kuysapa 膝頭)+usi(関節、ついている所)]⦅マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- makkesama
- マッケサマ 【位名】[mak-ke-sama …の奥・の所・側] tu makkesama kotuye トゥ マッケサマ コトゥイェ (直訳すると)二つの(=いくつもの)その奥の所を…に対して切る=人が何度断っても聞かずに自分の意志を通す。 a=kopán yak a=ye yakka tu makkesama i=kotuye i=etun kuni koyayotuyma anuanu アコパン ヤㇰ アイェ ヤッカ トゥ マッケサマ イコトゥイェ イエトゥン クニ コヤヨトゥイマ アヌアヌ 私がいくら断っても彼は聞かず、 私を嫁にもらうとしつこく言い続けた。 民話 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- matsamani
- マッサマニ 【副】[mat-sam-ani 女・の側・をもって](?) 母方の系譜で、 母系に。 {E: one's maternal line.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mimiironnesamampe
- ミミイロンネサマンペ §056 ミガレイ(ドロガレイ) (1) mimi-ironne-samampe (mi-mí-i-ron-ne-sa-mam-pe)「ミみイロンネサマンペ」[<mimi(その肉)ironne(厚い)samampe(カレイ)、mimi-ironne(肥えている)] ⦅美幌⦆(方言:ツチガレイ[土鰈])Cynopsetta dubia SCHMIDT. (出典:知里動物編、方言:)
- moyuksamampe
- モユㇰサマンペ §046 カワガレイ;ヌマガレイ (3) moyuk-samampe (mo-yuk-sa-mam-pe)「モユㇰサマンペ」[moyuk(エゾタヌキ、ムジナ)samampe(カレイ)] 成魚 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- munsamampe
- ムンサマンペ §057 ムシガレイ;みずくさ (1) mun-samampe (mún-sa-mam-pe)「むンサマンペ」[mun(草)samampe(カレイ)] 成魚 ⦅長万部⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- mununsamampe
- ムヌンサマンペ 【mun-un-samampe】 ババガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
- muysamampe
- ムイサマンペ §052 ババガレイ (2) muysamampe (múy-sa-mam-pe)「むイサマンペ」[<mun(草)samampe(カレイ)] 成魚 ⦅幌別、白老、長II,40⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- muysamanpe
- ムイサマンペ 【名】[muy-samampe 箕・カレイ][動物]カレイの一種、 口の先が少し丸い。 〔知分類 p.27 ババガレイ成魚〕 {E: a type of flatfish.} (出典:田村、方言:沙流)
- nehisamata
- ネヒサマタ 【nehi sama ta】 そこで. ネヒサマタ ク・イタㇰ ハウェ=そこで私が言うことは. (出典:萱野、方言:沙流)
- ninasamampe
- ニナサマンペ 【nina-samampe】 ヒラメ. (出典:萱野、方言:沙流)
- numsama
- ヌㇺサマ 【名】[所(?)](概は未出。 sama サマ の概は sam サㇺ)(着物の)前身頃(まえみごろ)。 ☆参考 身頃全体は netopake ネトパケ [所]。 後ろ身頃は seturu セトゥル [所]。 {E: former, past times.} (出典:田村、方言:沙流)
- orap'osamampe
- オラㇷ゚オサマンペ 【o-rap-o-samampe】 タカノハガレイ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
- otasamampe
- オタサマンペ §055 マツカワ (3) ota-samampe (o-tá-sa-mam-pe)「オたサマンペ」[ota(砂、砂浜)samampe(カレイ)] 成魚 ⦅幌別⦆(ビIX, p. 71 川ガレイ 2) (出典:知里動物編、方言:)
- petorunsamampe
- ぺトルンサマンペ §046 カワガレイ;ヌマガレイ (1) petorun-samampe (pé-to-run-sa-mam-pe)「ぺトルンサマンペ」[pet(川)or(中)un(にいる)samampe(カレイ)] 成魚 ⦅美幌、長万部⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- pukusamarewrew
- プクサマレウレウ §145 キアゲハ(成);アゲハ(成) (3) pukusa-marewrew(pu-kú-sa-ma-rew-rew)「プくサマレウレウ」⦅美幌II,34⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- purisamaa=eanasappe
- プリサマアエアナサッペ 【puri-sama a=e-anasap-pe】 乱暴者,手余され者. (出典:萱野、方言:沙流)
- putanesamampe
- プタネサマンペ 【puta-ne-samampe】 アサバガレイ, (出典:萱野、方言:沙流)
- putane(samampe)
- プタネサマンペ §052 ババガレイ (3) putane(-samampe) (pu-tá-ne-sa-mam-pe)「プたネサマンペ」[puta(<日本語ブタ?)ne(のような)samampe(カレイ)] 成魚 ⦅虻田、長万部⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- saksamaw
- サㇰサマウ 【名】[概](所は saksamawe(he) サㇰサマウェ(ヘ))[saksa-maw (?)・空気]悪臭。 {E: a bad smell.} (出典:田村、方言:沙流)
- saksamawe(he)
- サㇰサマウェ(ヘ) 【名】[所](概は saksamaw サㇰサマウ)…の悪臭。 {E: a bad smell of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sam/sama(ke)(he)
- サㇺ/サマ(ケ)(ヘ) 【sam/sama(ke)(he)】 側(に),横(に). (出典:萱野、方言:沙流)
- samaekimatek
- サマエキマテㇰ 【sama-e-kimatek】 ~のことを案じている.外側から人のことを案じている. ▷サマ=側 エ=それ キマテッ=心配する,気にする ネアクㇽ エアㇻキンネ イクルイワ サマエキマテㇰ コㇿカン=あの人が本当に飲み過ぎて,他人ごとながら私は案じている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- samaetu[o]
- サマエトゥ[オ] §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (17) samaetu[-o] (ra-má-e-tu[-o],sa-má-e-tu[-o])「サまエトゥ[オ]」[<sama(<sapa頭)etu(鼻)o(ついている)] 成魚 ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- samakakke
- サマカッケ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (18) samakakke (sa-má-kak-ke)「サまカッケ」[<sapa(頭)kapke(ひらべったい)?] ⦅美幌⦆[=esókkapa] (出典:知里動物編、方言:)
- samakakke
- サマカッケ §036 同定未詳のもの (3) samakakke (sa-má-kak-ke)「サまカッケ」[<sama(<sapa頭)kakke(<kapke禿げている)] 海のカジカ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- samake(he)
- サマケ(ヘ) 【位名】[所](概は sam サㇺ)…のそばの所。 {E: a place near…} (出典:田村、方言:沙流)
- samakehe
- サマケヘ 【samakehe】 かたわら,側. (出典:萱野、方言:沙流)
- samakka
- サマッカ §339 オオワシ (6) samakka (sa-mák-ka)「サまッカ」 ⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- samakki hokke wa uki
- サマッキ ホッケ ワ ウキ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(30)横位において行う samakki hokke wa uki〔サまッキ・ほッケ・ワ・ウき〕[samakki(<samatki 横になっている>、hokke(寝る)、wa(そして)、uki(交合する)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- samama
- サママ 【sam-ama】 横たえる. (出典:萱野、方言:沙流)
- samamni
- サマㇺニ 【名】[samam-ni 横倒しになっている・木] 倒木、 横倒しになっている木。 {E: a fallen tree.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- samamni
- サマㇺニ 【samam-ni】 倒木. サマㇺニ オイカ=倒木を越える. (出典:萱野、方言:沙流)
- samampe
- サマンペ 【名】[samam-pe 横倒しになっている・もの] [動物]カレイ(カレイの仲間の総称)。〔知分類 p.23〕 {E: a flatfish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- samampe
- サマンペ §040 カツオ 渋p. 230 (1) samampe (sa-mám-pe)「サまンペ」[samam(横になっている)-pe(もの)] 成魚 ⦅長万部、虻田、幌別、白老、斜里、美幌、近文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- samampe 1
- サマンペ 【samampe】 ①カレイ,カレイ類. (出典:萱野、方言:沙流)
- samampe 2
- サマンペ 【samampe】 ②女性の陰毛の形〔陰語〕. (出典:萱野、方言:沙流)
- samampesiko
- サマンペシコ 【自動】[samanpe-sik-o カレイ・目・ついている](直訳すると)カレイのような目がついている=寄り目である。 ☆参考 「カレイの目はひとところへ寄っているのでこう言う。」 (S) {E: to be cross-eyed.} (出典:田村、方言:沙流)
- samanena
- サマネナ 【間投(一部)】(即興歌の折り返し(リフレイン) yaysamanena ヤイサマネナ の最初の部分が飲み込まれてしまって聞こえなかったもの。) ☆参考 歌うときにこのように発音されることはしばしばある。 ☞yaysamanena ヤイサマネナ {E: the refrain of an impromptu, improvised poem.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- samanpe
- サマンペ ☞samampe サマンペ (出典:田村、方言:沙流)
- samanpesiko
- サマンペシコ ☞samampesiko サマンペシコ (出典:田村、方言:沙流)
- samata
- サマタ 【sama-ta】 側に. ク・シケヘ パセ ㇷ゚ ネ クス サマタ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナクス(ク・アン アクス) ペウレクㇽ エㇰ ヒネ アンパテㇰ ワ アㇻパ ワ イサㇺ=私の荷物が重いものだから側で立っていると若者が来てさっと持って行ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- samatki
- サマッキ 【自動】横向きになる。 pet or ta samatki wa an ペトッタ サマッキ ワ アン 川で(流木が)横向きになっている。(S) samatki no anu サマッキ ノ アヌ 横向きに置きなさい。(S) {E: to turn sideways.} (出典:田村、方言:沙流)
- samatki
- サマッキ 【samatki】 横,横向きになる. (出典:萱野、方言:沙流)
- samatkinisu
- サマッキニス 【samatki-nisu】 横臼. 図[サマッキニス] (出典:萱野、方言:沙流)
- samatkire
- サマッキレ 【他動】[自動使役][samatki-re 横向きになる・させる] 横向きにする。 {E: to turn…sideways.} (出典:田村、方言:沙流)
- Samayunkur
- サマユンクㇽ 【名】[固有名] サマユンクル(伝説の主人公。 Okikurmi オキクㇽミ と対になって、たいてい悪い役回りで登場する)。 (出典:田村、方言:沙流)
- sarpokisiwninsamampe
- サㇻポキシウニンサマンペ 【sar-poki-siwnin-samampe】 スナガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sempirsama etursakka
- センピㇼサマ エトゥㇽサッカ §033.いいなずけ(許嫁)(14)sempirsama e-tursakka〔sém-pir-sa-ma|e-túr-sak-ka せンピㇼサマ・エとぅㇽサッカ〕⦅ホロベツ⦆【雅】許嫁の夫のために身を清く保たせる;許嫁の夫のために処女(貞操)を守らせる。[sempir(陰)+sama(sam「側」の第3人称形、その側)+-e-(において)+tur(垢)+sak-ka(無から・しめる);‘その陰の所で(その人の居ない所で)身を清く保たせる'の義]。"Iyoci-un-kur a-aktonoke sempirsama e-e-tursakka-an wa e-resu-an na"「イヨチびとである我が弟御のためにその居ない所で汝の身を清く保たせつつ汝を我は育てたのである」(汝はイヨチびとの許嫁の妻である)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- simoysam/simoysama(ke)(he)
- シモイサㇺ/シモイサマ(ケ)(ヘ) 【simon-sam/-sama(ke)(he)】 右,右側. ←シモン (出典:萱野、方言:沙流)
- símoysama
- シモイサマ 【位名】[所](概は simoysam シモイサㇺ) …の右側、 その(彼の)右側。 {E: the right-hand side of… } (出典:田村、方言:沙流)
- sisamampe
- シサマンペ §043 アブラガレイ (5) sisamampe (si-sa-mam-pe)「シサマンペ」 ⦅美幌、網走⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sisamampe
- シサマンペ §055 マツカワ (1) si-samampe (sí-sa-mam-pe)「しサマンペ」[si(本当の)samampe(カレイ)] 成魚 ⦅長万部、幌別、白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- soyunsama
- ソユンサマ 【位名】[所](概 soyunsam ソユンサㇺ の用例はない。)[soy-un-sama 外・の・側]…の外側、 その外側。 {E: outside…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sumakotaksamampe
- スマコタㇰサマンペ §044 イシガレイ (6) sumakotak-samampe (su-má-ko-tak-sa-mam-pe)「スまコタㇰサマンペ」[<suma(石)kotak(着いている)samampe(カレイ)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sunyasamampe
- スンヤサマンペ 【sunya-samampe】 クロスジガレイ,マツカワ. (出典:萱野、方言:沙流)
- surokonesamampe
- スロコネサマンペ 【su-oro-ko-ne-samampe】 アブラガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
- taypey sama
- タイペイ サマ 【名】[< 日本語 だいべんさま (大弁様)(?)](ウポポの一節に出てくる言葉。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- teksam/teksama(ha)
- テㇰサㇺ/テㇰサマ(ハ) 【tek-sam/-sama(ha)】 横,脇,目の前. ピㇼカ ヒネ イレスカムイ テㇰサマ タ ウウェチューサケ エチ・ク ワ ネ クス ネイタ パㇰノ ピㇼカ ウウェトゥラㇱトゥラㇱ エチ・キ ㇷ゚ ネ ナ アニー=縁あって火の神の目の前で夫婦の契りの酒をあなたたちは飲んだので,いつまでも仲睦まじくするのですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- teksama(ha)
- テㇰサマ(ハ) 【位名】[所](概は teksam テㇰサㇺ) ①…の横/脇、 その横/脇。 ②[雅]…のすぐそば。 i=teksama ta/cisiruture イテㇰサマ タ/チシルトゥレ [雅]私のそばに寄って来た。(Sユーカラ) kamuy menoko/teksama ta カムイ メノコ/テㇰサマ タ [雅]女神のすぐそばに。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tomarisamampe
- トマリサマンペ 【名】[tomari-samanpe 港・カレイ][動物]カレイの一種、 「カワガレイ」。 〔知分類になし(カワガレイはあるが、 この語はない)〕 {E: a type of flatfish.} (出典:田村、方言:沙流)
- tu-makke-sama
- トゥマッケサマ 【名】[tu-makke-sama 二つの・奥・(< のそば)] tu-makke-sama kotuye トゥマッケサマ コトゥイェ 何度だめだと言われても言うことをきかずに自分の意志を通す。 sekor hawean yakka tumakkesama a=kotúye híne sama ta hotke=an セコㇿ ハウェアン ヤッカ トゥマッケサマ アコトゥイェ ヒネ サマ タ ホッケアン …と(彼は)言ったけれども私は何度言われても言うことを聞かず彼のそばに寝た。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukosama
- ウコサマ 【u-ko-sama】 比べる. ホㇱキ エ・ウㇰ シペ タㇷ゚ エ・ウㇰ シペ イナンペ ポロ ヤ ウコサマ ワ インカㇻ=先程獲ったサケと今獲ったサケとどちらが大きいか比べて見ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ummasamampe
- ウンマサマンペ §096.陰部―女性の性器(24)馬の陰部 umma-samampe〔úm-ma-sa-màm-pe うンマサマンペ〕[馬の・女陰]⦅サル、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ureasam/ureasama(ha)
- ウレアサㇺ/ウレアサマ(ハ) 【ure-asam/-asama(ha)】 足の裏. (出典:萱野、方言:沙流)
- ureasama ronronke
- ウレアサマ ロンロンケ §288.けいれんする(痙攣する)(23)足の裏がひくひくと動く ureasama ronronke〔u-ré-a-sa-ma|rón-roŋ-ke ウれアサマ・ろンロンケ〕[その足裏・ひくひくする]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ureasama(ha)
- ウレアサマ(ハ) 【名】[所](概は ureasam ウレアサㇺ) …の足の裏。 {E: the soles of the feet of…} (出典:田村、方言:沙流)
- usama
- ウサマ 【他動】[u-sam-a 互い・のそば・(他動詞形成)]…を折りたたむ(布でも紙でも)。 citarpe usama wa ukao チタㇻペ ウサマ ワ ウカオ ござをたたんでしまう。(S) {E: to fold (up)(material, paper, etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
- usama
- ウサマ 【u-sama】 互いに並べる,互いに比べる,比較する.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- usamsama
- ウサㇺサマ 【他動】[u-sam-sam-a 互い・のそば・(重複)・(他動詞形成)](布、 反物)を(いく重にも)たたむ。 amip k=úsamsama wa k=úkao アミㇷ゚ クサㇺサマ ワ クカオ 着物をたたんでしまう。(W) ☆参考 ukonike ウコニケ 普通に着ている(着物)をたたむ。(W) {E: to fold (up)(material).} (出典:田村、方言:沙流)
- utorsam/utorsama
- ウトㇿサㇺ/ウトㇿサマ 【utorsam/sama】 横.横の方,側面. トゥサ ムㇰル エトゥットゥリ ワ ウトㇿサㇺエホッケ=自分の袖を引っ張って枕にして横になって寝た(ユカㇻに多く出る). (出典:萱野、方言:沙流)
- utorsama
- ウトㇿサマ 【位名】[所](概は utorsam ウトㇿサㇺ) …の横/脇。 utorsama un hokus ウトㇿサマ ウン ホクㇱ 横に倒れる。 (出典:田村、方言:沙流)
- yarapohsamake
- ヤラポㇹサマケ §842.わき;わきのした(3)yarapoh-samake〔ja-rá-poh-sa-ma-ke ヤらポㇹサマケ〕[yarapoh(わきのした)+sama(のそば)+ke(の所)]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.11】 (出典:知里人間編I、方言:)
- yaysama
- ヤイサマ 【名】[< yay-sama 自分・(< の側)]ヤイサマ、 即興歌、 叙情歌、 民謡。 (歌謡のジャンル名の一つ、 心に浮かんだことを韻文にして自分のふしで歌う。 即興歌の中で、 yaysamanena ヤイサマネナ というはやし言葉を持つもの)。 ☆参考 歌謡の中で、 一人で歌うものはほとんどが即興詩(即興歌)である。 その多くが yaysamanena ヤイサマネナ と言うはやし言葉のくり返しを持ち、 このジャンルに入る。 その中には叙情歌が多いが、 すべてそうとはかぎらない。 昔は会ったときの歌、 別れるときの歌、 喜びの歌、 悲しみや嘆きの歌、 恋の歌など、 そのときそのときに即興的に歌われたという。 即興歌の中でも恋の歌は yaykatekar ヤイカテカㇻ、 嘆き歌は、 iyohay-ocis イヨハイオチㇱ と呼ばれる。 また子どもを寝かしつける子守歌も、 即興的につくりながら歌うが、 これは iyonruyka/iyonnokka イヨンルイカ/イヨンノッカ と呼ばれる。 あるときある人が即興的に歌ったヤイサマが好まれて広く伝えられ愛唱されて民謡となることもあり、 そのためこの語は「民謡」と訳されることもある。 その場合でも、 それを歌う人はそのときそのときに即興的に変化をつけて自分の歌い方で歌うのが普通である。 ☆参考 沙流川中流の人が使う名称。 下流の人は yaysamanena ヤイサマネナ と呼ぶ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaysama
- ヤイサマ 【yay-sama】 歌,即興歌(歌謡の一種).▷ヤイ=自分 サマ=側,前 →自分自身のことを言う (出典:萱野、方言:沙流)
- yaysamanena
- ヤイサマネナ 【yaysama ne na】 歌(歌謡の一種). (出典:萱野、方言:沙流)
- yaysamanena 1
- ヤイサマネナ 【名】[yay-sama-ne-na 自分・(< の側)・だ・よ] ヤイサマ、 即興歌、 叙情歌、 民謡(歌謡のジャンル名の一つ。 心に浮かんだことを韻文にして自分のふしで歌う即興詩(即興歌)の中で、 yaysamanena ヤイサマネナ というはやし言葉を持つもの)。 ☆参考 沙流川下流地域で使われる名称。 中流の人は yaysama ヤイサマ と言う。 ☞yaysama ヤイサマ {E: an impromtu song; a folk song.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaysamanena 2
- ヤイサマネナ 【間投】[yaysama-ne-na ヤイサマ・だ・よ](yaysama ヤイサマ または yaysamanena ヤイサマネナ と呼ばれる種類の即興歌で使われる、 はやしの折り返し。) ☆参考 語源は恐らく《自分のことだよ》、 つまり自分の心の内の思いだよと言うことであろう。 しかしいまはそういった意味は意識されておらず、 出だしの yay ヤイ の部分が落ちて samanena サマネナ だけが言われることもあるほどである。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- -atki
- アッキ 【接尾】(自動詞をつくる。 限られた決まった語にのみ現われる。)tusus トゥスㇱ (擬態);tususatki トゥスサッキ ガタガタふるえる。 sam サㇺ 横;samatki サマッキ 横向きになる。 sine シネ 一つの;sineatki シネアッキ 決まる。 sikari シカリ 丸い;sikannatki シカンナッキ 回る。 (出典:田村、方言:沙流)
- arkuanno
- アㇻクアンノ 【副】[ar-kuanno 全く・まっすぐに]まっすぐに、 真正面に。 arkuanno/i=teksama ta/petso ka ta アㇻクアンノ/イテㇰサマ タ/ペッソ カ タ [雅]真正面に私の脇に川面の上に。(Sユーカラ) ☆発音 これは歌うときの発音。 時によって arkuwanno アㇻクワンノ とも発音する。 ☞kuwan クワン、 kuwanno クワンノ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- asam
- アサㇺ 【名】[概](所は asama アサマ) 底。 to asam ト アサㇺ 沼の底。 {E: the bottom (of).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- cisikurure
- チシクルレ 【他動】[中相][ci-si-kur-u-re …された・自分・影/姿・(他動詞形成)・させる](?) [雅]近寄って来る。 teksama ta/makan katkor pe/cisikurure テㇰサマ タ/マカン カッコㇿ ペ/チシクルレ [雅]そのすぐそばにどんなものだか近寄って来た。(Sユーカラ) ☆参考 sikuru シクル、 sikurure シクルレ の用例は未出。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ean 1
- エアン 【他動】[e-an …に・ある][雅] …にある。 tan inne kotan/kamuy kotan/to teksama/ean ruwe ne タニンネ コタン/カムイ コタン/ト テㇰサマ/エアン ルウェ ネ [雅]村人の多い村、 神の村が湖のほとりにあった。(W神謡語り) {E: to exist; is; are.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eapamaka
- エアパマカ 【他動】[e-apa-maka (そこ)で・戸口・を開く] ①(人)に戸をあけてあげる。 sama un a=i=túra híne, a=i=éapamaka híne arpa=an ruwe ne サマ ウン アイトゥラ ヒネ、 アイエアパマカ ヒネ アㇻパアン ルウェ ネ 私は彼のそばへ連れられて行き、 戸をあけられて(=戸をあけてくれて)進んで行った。(S民話) ②(次の慣用句の中で)(そこ)で戸をあける。 toy tukari eapamaka トイ トゥカリ エアパマカ 地面に近いごく下の方で戸をあける=戸口に下げてあるカヤのすだれを少しだけ上げて身を低くして家に入る(畏れかしこまって遠慮がちに入る様子の描写)。 {E: ①to open a door for (someone). ②to open the entrance at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- emawrari
- エマウラリ 【他動】[e-maw-rari …で・息・を押える] ☞attomsama emawrari アットㇺサマ エマウラリ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etomnukar(-an)
- エトㇺヌカㇻ §034.結婚(する)(6)etomnukar(-an)〔e-tóm-nu-kar エとㇺヌカㇻ〕⦅チカブミ⦆【雅】…と結婚する。"poy-Samayekur ci-〜"「サマイクㇽの子と私は結婚した」。"Petu-tom-un-kur ci-〜 wa sisak uwepirka ci-ki"「ペトゥトㇺの酋長と私は結婚してまたと無い幸福な暮しをしている」。"Otasut-un-nispa an-ne ineno, sino katke-mat an-〜, nep an-ewen ka somo ki, ekaci patek an-eramasuy"「オタスッの酋長で私はあって、立派な婦人を妻にし、何を不自由するということもせず、子だけが欲しかった」。[e(そこにおいて)+tom(体を)+nu(所有することを)+kar(する)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- harkisam
- ハㇻキサㇺ 【位名】[概](所は harkisama ハㇻキサマ) [harki-sam 左の・側] 左側。 ☆対語 símoysam シモイサㇺ 右側。 {E: that left- hand side.} (出典:田村、方言:沙流)
- iisoneka
- イイソネカ 【副】[< 自動 i-iso-ne-ka ものを・本当・である・(他動詞化)](?) よくまあ…したものだ。 wenisitoma=an kor orano sama ta hotke=an hike, iisoneka, siknu=an híne kunneywa an ウェニシトマアン コㇿ オラノ サマ タ ホッケアン ヒケ、 イイソネカ、 シㇰヌアニネ クンネイワ アン 私はひどく恐ろしく思いながら彼のそばに寝たが、 よくまあ殺されもせず、 生きていて朝になった。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- itakkutcama
- イタㇰクッチャマ 【itak-kut-sama】 話し方.▷イタㇰ=話す クッ=喉 サマ=前,様子(イタㇰクッサマ→イタㇰクッチャマ) クチャ チセ オッタ(オㇿ タ) レウシアナクス(レウシ・アン アクス) カムイ メノコ ウコイタㇰ ハウェ ア・ヌ イタㇰクッチャマ ペケㇾ ワ オケレ オヤチキ スㇽク トノ マッ ネ アアン=狩小屋に私が泊まっていたら,神の女が話をしていたのを聞いたが,話し方がとてもきれいであった.知らなかったがトリカブト姫であった[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- kempoppise
- ケンポッピセ 【名】[kem-pop-pise 血・水ぶくれ・風船状の袋] 「血ぶくれ」(血が外に出ないで皮膚の中にたまって水ぶくれのようになっているもの)。(S) Samayunkur tusunapanu/tektuypoki tusunapanu/tu kempoppise/re kempoppise/eeracitke サマユンクㇽ トゥスナパヌ/テㇰトゥイポキ トゥスナパヌ/トゥ ケンポッピセ/レ ケンポッピセ/エエラチッケ サマユンクルの手の下側にいくつもいくつもの血の袋が下がっている。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
- kesupasam
- ケスパサㇺ 【名】[概](所は kesupasama(ha) ケスパサマ(ハ))[kesup-asam かかと・底] かかとの裏、 足の裏のかかとの部分。(S) {E: the underside of the heel(s).} (出典:田村、方言:沙流)
- kopakke
- コパッケ 【位名】[所](概は kopak コパㇰ)[kopak-ke の方・の所] …の方(方面、 方向)、 …の近くのところ。 kopakke sama コパッケ サマ[雅]…の方。 epa=kor cási/kopakke sama/a=yaytuyere/a=yayterkere エパコㇿ チャシ/コパッケ サマ/アヤイトゥイェレ/アヤイテㇾケレ [雅]私の城の方に向かって私はまっすぐに進んでいった。(Sユーカラ) {E: towards…; near…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotuye
- コトゥイェ 【複他動】[ko-tuye …に対して・…を切る] tu makke sama kotuye トゥ マッケ サマ コトゥイェ [二つの(=いくつもの)・奥の所・の側・を…に対して切る] 相手の拒絶に耳をかさず自分の意志を通す。 {E: to have one's own way without listening to the refusals of others.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kur 3
- クㇽ 【名詞語根】[< kur クㇽ 1] ①影、 姿、 見える形。 ☞kur クㇽ 1 ②人。 ☞kur クㇽ 2 ③[雅](ユーカラの言葉や決まった言い回しの中で、 韻律を整える働きをする。)pet-kur-etoko ペックレトコ [川・(< 影/姿)・の先端(=水源地)] 川の水源地の所(日常語では petetoko ペテトコ)。 ☆参考 ③の場合、 kur クㇽ 自体は特別のモノを指さないが、 見える形のあるモノを表す名詞の後に置かれたり、 そうでなくても、 見える様子を描写する表現に使われることが多い。 したがって kur クㇽ 1 の用法の延長と言える。 語構成または語源の表示では、 (< 影/姿)のように書いておく。 ☆参考 見える形のないことがらや、 特に場所・位置の表現には sam/sama サㇺ/サマ がよく使われる。 ほかにこの種の決まったモノを指さず韻律を整える働きをするものに orke オㇿケ、 ta タ がある。 (出典:田村、方言:沙流)
- kutcam/kutcama(ha)
- クッチャㇺ/クッチャマ(ハ) 【kut-sam/-sama(ha)】 発音,声(声の音色). ペウレクㇽ ネ コㇿカ クッチャマハ ペケㇾ エアㇻキンネ イタㇰエアㇱカイ=若い人であるけれど発音もきれいだしとても話し上手だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- na 4
- ナ 【終助/間助】①[< 日本語(?)] …なあ!、 …ね。 “iyohay”“sitomare na!” 「イヨハイ」 「シトマレ ナー」 あきれたことだねえ。(W-S会話) k=éyaypira na! ケヤイピラ ナー! がっかりしたなあ(ひとり言)。(S) “hawe ne yakun na, ” “ey, ” “ekurok mosir wa, na, pone ka sak, cikir ka sak…” 「ハウェ ネ ヤクン ナ、 」「エイ」「エクロㇰ モシㇼ ワ、 ナ、 ポネ カ サㇰ、 チキㇼ カ サㇰ…」 「それではね」「ええ」「まっ黒い国からね、 骨もない、 足もない…」 (S-W-S会話) ②(即興歌のはやしことばの一部。)yaysama-ne-na ヤイサマネナ (直訳すると)自分の側だよ=自分のことだよ、 自分の心の思いだよ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ni 2
- ニ 【名】木、 たきぎ、 まき(=cikuni チクニ)。 ni hontom pakno ニ ホントㇺ パㇰノ 立ち木の中ほどまで。 ni ka péka sinot pe osoro néno ニ カ ペカ シノッ ペ オソロ ネノ 木の上で遊ぶもの(=サル)のお尻のように(酔って赤い顔をしている人をからかう言葉)。 ni ahupte ニ アフㇷ゚テ まきを家の中に取り込む。 ni ikir ニ イキㇼ 家の外に積んであるまきの一積み。 ni ani a=kar ニ アニ アカㇻ 木でつくる。 arpa arpa ni tom osma p? アㇻパ アㇻパ ニ トモㇱマㇷ゚? 行っては行っては先々で木にぶつかるものは? (なぞなぞで、 答えは mukar ムカㇻ《まさかり》)。 ☆参考 製材してある材木(「材」)は caymoku チャイモク と言って区別する。(S) ☆参考 samamni サマㇺニ 倒木。 ekayni エカイニ 切り株、 折れ木。 atni アッニ オヒョウニレの木。 cikisani チキサニ ハルニレの木。 nipesni シナの木。 その他、 木の名前には ni ニ のつくものが多い。 また ciseni チセニ 家の建材の名称にも ni ニ のつくものがいろいろある。 {E: trees; wood; firewood.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nisao
- ニサオ 【自動】[nisa-o 木の空洞・(そこ)にある](木に)空洞がある。 nisao cikuni ニサオ チクニ 空洞のある木。 nisao noyne nísuptom púyo wa an ニサオ ノイネ ニスㇷ゚トㇺ プヨ ワ アン 空洞があるらしく立ち木の中ほどの所に穴があいている。 poro samamni nisao samamni oro cironnup o wa oka ポロ サマㇺニ ニサオ サマㇺニ オロ チロンヌㇷ゚ オ ワ オカ 空洞のある大きな倒木にキツネが入って住んでいる。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- Okikurmi
- オキクㇽミ 【名】[固有名] オキクルミ(伝説の主人公。 Samayunkur サマユンクㇽ と対で語られることが多い。 他地方でオキキリムイなどとも呼ばれる。 神とも人とも見られ、 人間の始祖 Aynurakkur アイヌラックㇽ と同一視されることもある:児島記述)。 Okikurmi kamuy オキクㇽミ カムイ オキクルミ神 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pakeporo
-
パケポロ
§035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (19) pakeporo (pá-ke-po-ro)「ぱケポロ」[
samakakke] (出典:知里動物編、方言:) - rárak
- ララㇰ 【自動】[rara-k (擬態の語根の重複)・(自動詞形成)] なめらかである、 すべすべしている。 taan cápe seturu rárak humi! タアン チャペ セトゥル ララㇰ フミ! この猫は背中がすべすべしてるなあ。(W) esaman numaha rárak エサマン ヌマハ ララㇰ カワウソの毛皮はなめらかだ。(W) eytasa so rárak wa cise or ta ka osittesu=an エイタサ ソ ララㇰ ワ チセ オッタ カ オシッテスアン あまり床がツルツルしているので私たちは家の中でもすべってしまう。(S) {E: to be smooth.} (出典:田村、方言:沙流)
- sam 1
- サㇺ 【位名】[概](所は sama サマ、 samake(he) サマケ(ヘ)) …のそば。 i=sam kus hi ta イサㇺ クシタ 私のそばを通ったときに。(HK民話) to sam ta kor wa ran wa ト サㇺ タ コㇿ ワ ラン マ (それを)沼のほとりに持って行って (W民謡) ape sam アペ サㇺ (=apesam アペサㇺ)火のそば、 炉端。 ヤㇻペサモマㇷ゚ [yarpe-sam-oma-p ぼろ・のそば・にいる・もの] おしめにくるまった赤ん坊。 {E: near…; beside…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- setur
- セトゥㇽ 【名】[概](所は seturu(hu) セトゥル(フ)) ①背中(胴の後ろ側全部、 上から下まで)。 ②(着物の)後ろ身頃。 ☆参考 hon ホン 腹。 numsama ヌㇺサマ [所]前身頃。 {E: ① the back. ② the back part of clothing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikittare
- シキッタレ 【自動】[si-kittare 自分を・(?)] 自分の身を守る。 saksamawe tura a=ecákke p isokapiw ne awa, sikittare kusu apa or ta punkinere ruwe an wa サㇰサマウェ トゥラ アエチャッケㇷ゚ イソカピウ ネ アワ、 シキッタレ クス アパ オッタ プンキネレ ルウェ アン ワ 臭くてきたなくておれの大きらいなアホウドリを、 自分の身を守るために戸口のところに置いて番をさせやがって。(HK民話) ☆参考 sikikkare シキッカレ と同義か。 ☞kik(i) kar キㇰ/キキ カㇻ {E: to protect oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- símoysam
- シモイサㇺ 【位名】[概](所は simoysama シモイサマ)[símon-sam 右の・側] 右側、 …の右側。 {E: the right-hand side.} (出典:田村、方言:沙流)
- sokes(-e)
- ソケㇱ §037.妻(19)sokes(-e)〔só-keš そケㇱ〕⦅チカブミ、ビホロ⦆【雅】妻。"Samayekur so-kesehe ci-ne"「サマイェクルの妻に私はなった」[so(座席)+kes(尻、端)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- teksam
- テㇰサㇺ 【位名】[概](所は teksama テㇰサマ)[tek-sam 手・のそば/傍ら] …の横、 …の脇。 cise teksam kus wa arpa チセ テㇰサㇺ クㇱ ワ アㇻパ 家の横を通って行きなさい。(S) {E: the side of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tepo
- テポ 【位名】[te-po ここ・(指小辞)](次の語の中で)ちょうどここ、 自分のすぐ近く。 tan tepo ta タン テポ タ ついここに、 すぐここに。 tan tepo ta/i=teksama ta/cisiruture タン テポ タ/イテㇰサマ タ/チシルトゥレ [雅]すぐ近くに私のそばに寄って来た。(Sユーカラ) tap tepo ta タㇷ゚ テポ タ いまここに。(W神謡) {E: near oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tom(o) kokanu
- トㇺ/トモ コカヌ 【連他動】[まん中/正面・をよく傾聴する]…に忠実に従う。 e=ye p tomo kokanu utar エイェㇷ゚ トモ コカヌ ウタㇻ あなたの言うことをよく聞いてそのとおりにする人々。(W神謡語り) i=attomsama tomo kokanu kamuy patek イアットㇺサマ トモ コカヌ カムイ パテㇰ 私たちの言うことにすべて忠実に従う神ばかり。(W神謡語り) {E: to leave something to…} (出典:田村、方言:沙流)
- tu 2
- トゥ 【連体】[数連体] ①二つの、 二個の、 二人の。 tu sike トゥ シケ 二個の荷物。 tu poyson トゥ ポイソン 二人の子ども。 ②たくさんの。 tu… re… トゥ… レ… (1)二つか三つの。 (2)二つも三つもの…(=たくさんの…)。 tu suy ka re suy ka トゥ スイ カ レ スイ カ 二回も三回も(=何回も何回も)。 tu pa ka re pa ka トゥ パ カ レ パ カ 二年も 三年も(=何年間も)。 tu ka-sinkop re ka-sinkop ranke ranke トゥ カシンコㇷ゚ レ カシンコㇷ゚ ランケ ランケ [慣用句]二つも三つもの結び目を下げ下げしている(糸をつむいで/紐をよっている様子の描写)。 tu pekennupe re pekennupe yaykoranke トゥ ペケンヌペ レ ペケンヌペ ヤイコランケ [雅] 二しずくも三しずくもの涙を落とす(=ハラハラと涙を流して泣く)。 (後半の re… レ…《三つの…》は省略されることもある。) tu makke sama kotuye トゥ マッケ サマ コトゥイェ [慣用句]何度だめだと言われても言うことをきかないで自分の意志を通す。 tu moto orke hunara トゥ モト オㇿケ フナラ [慣用句]よくよく素性をさぐる。 {E: ①two as a counter. ②a lot, plenty of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukonike
- ウコニケ 【他動】[u-ko-nike 互い・に対して・(?)](着物を)たたむ。 amip ukonike yan アミㇷ゚ ウコニケ ヤン 着物をたたみなさい。(W) ☆参考 布や紙をたたむことは usama ウサマ、 usamsama ウサㇺサマ。 {E: to fold (up)(clothes).} (出典:田村、方言:沙流)
- ukoninu
- ウコニヌ 【他動】[uko-ninu 一緒に・…を縫う] …を縫い合わせる。 rep ne usama wa ukoninu wa pónayay yarpehe kar レㇷ゚ ネ ウサマ ワ ウコニヌ ワ ポナヤイ ヤㇻペヘ カㇻ 三枚に折りたたんで縫い合わせて赤ん坊のおむつをつくる。(S) {E: to sew…together.} (出典:田村、方言:沙流)
- ureasam
- ウレアサㇺ 【名】[概](所は ureasama(ha) ウレアサマ(ハ)) [ure-asam 足・の底] 足の裏。 ☆参考 urekotor ウレコトㇿ [概]とも言う。 {E: the soles of the feet.} (出典:田村、方言:沙流)
- utorsam
- ウトㇿサㇺ 【位名】[概](所はutorsama ウトㇿサマ)[ut-or-sam 肋骨・の所・(< の側)] 脇、 横。 toan hako utorsam ta an pe トアン ハコ ウトㇿサㇺ タ アン ペ あの(細長い)箱の横(長い方の側)にあるもの。(S) en=utorsam ta a エヌトㇿサㇺ タ ア 私の脇に座りなさい。(S) ☆対語 etupsi エトゥㇷ゚シ (もの)の先。 kotca コッチャ …の前。 osmak オㇱマㇰ …の後ろ。 ☆参考 sam サㇺ …のそば。 teksam テㇰサㇺ …の横。 {E: the side (of something).} (出典:田村、方言:沙流)
- wa 1
- ワ 【格助】①(位置名詞の後に置かれて、 移動の起点を示す。)…から(場所を示す)。 Mosirpasari wa ek モシㇼパサリ ワ エㇰ 斜里(しゃり)から来た。(W民話) osmake wa kotcake wa terke=an オㇱマケ ワ コッチャケ ワ テㇾケアン 私は(寝ている彼の)後ろから前へ前から後ろへと跳びはねてまたいだ。(W民話) kanto or wa kemram kamuy ran カント オㇿ ワ ケㇺラㇺ カムイ ラン 天から飢饉の神が降りて来た。(W民話) oro wa karkarse オロ ワ カㇻカㇻセ そこからころがった。(S会話) ②(《…に》と訳される場合もある。 その場合、 ta タ や un ウン を使った言い方とはニュアンスが異なる。 wa ワ はこの場合も、 動作の起点を示す。) te wa mono a テ ワ モノ ア 「ここから座れ」=ここに来て座りなさい。 (注 te ta mono a テ タ モノ ア (近くにいる人に)ここに座りなさい。 te un mono a テ ウン モノ ア ここへ座りなさい。) ③(受け身の行為者を示す。)or wa/oro wa オㇿ ワ/オロ ワ (人)から。 kamuy or wa okamkir ene a=e=yáynure wa カムイ オㇿ ワ オカㇺキㇼ エネ アエヤイヌレ ワ あなたは神からわざとそのように思わされて。(W民話) ④(連体的に使われて) onnayke wa asamaha オンナイケ ワ アサマハ 内側の底。 soynake wa asamaha ソイナケ ワ アサマハ 外側の底。 {E: ①from…(place). ②… ③from…(people). ④…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaykoruye
- ヤイコルイェ 【他動】[yay-ko-ruye 自分・に・…をなでる] …をだきしめて愛撫する/かわいがってなでる。 reyereye=an híne a=onáha sama ta arpa=an akusu orowano i=yaykoruye, otusuykonna oresuykonna i=yaykoruye レイェレイェアン ヒネ アオナハ サマ タ アㇻパアン アクス オロワノ イヤイコルイェ、 オトゥスイコンナ オレスイコンナ イヤイコルイェ 私がはって父のそばに行くと父は私をだきしめてなで、 何回も何回もなでてくれた。(W民話) {E: to caress, stroke, pet…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayterkere
- ヤイテㇾケレ 【他動(?)/自動(?)】[< yay-o-terke-re 自分・そこ・を跳ぶ・させる][雅](そこ)を(走って)進んで行く。 epa=kor cási/kopakke sama/a=yaytuyere/a=yayterkere エパコㇿ チャㇱ/コパッケ サマ/アヤイトゥイェレ/アヤイテㇾケレ [雅]私の城の方に向かって私はまっすぐに進んでいった。(Sユーカラ) ☆参考 字余りのために母音 o を落として1音節減らしたものか。 ☆参考 yayoterkere ヤヨテㇾケレ ならば他動詞。 yayterkere ヤイテㇾケレ は形の上では自動詞であるが、 雅語では、 terkere テㇾケレ《跳ばす、 走らせる》が他動詞であるため、 yay- ヤイ がついても不定人称接辞は他動詞につく a= ア が使われる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaytuypare
- ヤイトゥイパレ 【他動】[yay-tuypa-re 自分・を切る(複)・させる][雅](の方へ)へ進んで行く。 a=kor a cási/kopakke sama/a=yaytuypare アコㇿ ア チャㇱ/コパッケ サマ/アヤイトゥイパレ [雅]私は住んでいた城に向かってまっすぐに飛んで行った。(Sユーカラ) cási erupsik/yaytuypare チャシ エルㇷ゚シㇰ/ヤイトゥイパレ (姉は)城の東側へ静かに進んで行った(「静かに、 名残惜しいと思いながら」)。(Sユーカラ) oar apunno/kopakke sama/a=yaytuypare オアㇻ アプンノ/コパッケ サマ/アヤイトゥイパレ 私は静かにそうっと(その鹿の)そばの方へ近づいて行った。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
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萱野 茂『萱野茂のアイヌ語辞典』1996年 ©萱野れい子
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』1996年 ©田村洋一