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- sik
- シク 【sik】 いっぱいになる,いっぱいである. (出典:萱野、方言:沙流)
- sik 1
- シク 【自動】満ちる、 いっぱいになる、 満ちている、 いっぱいである。 ku=honi sik クホニ シク 私はおなかがいっぱい(満腹)だ。 toanpe sik somo ki, ponno eohap ne wa トアンペ シク ソモ キ、 ポンノ エオハプ ネ ワ [比喩]あいついっぱいでない、 少し足りないんだ(「うすばかだ」)(悪口)。(S)(名詞の後に置かれて) …sik no …シク ノ …いっぱいに。 itanki sik no wakka omare イタンキ シク ノ ワッカ オマレ おわん/茶碗/ゆのみ/コップにいっぱいに水を入れなさい。(S) {E: to be full.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sik 2
- シク 【名】[概](所は siki(hi) シキ(ヒ)) 目。 sik ani ka rayke noyne シク アニ カ ライケ ノイネ 目ででも殺すように(にらみつける恐ろしい様子の描写)。(W民話) sik o シク オ 目が開く、 見えるようになる。 sik a=o hi a=eyáykopuntek kusu シク アオ ヒ アエヤイコプンテク クス 私は目が見えるようになったのがうれしくて。(W民話) sik oriyak kane シク オリヤク カネ 目のとどくかぎり(ずうっと向こうまで)。(W民話) ☆参考 網の目は siktu シクトゥ。 布地の目は káuturu カウトゥル[所]ざるやござ・むしろの目は kiyuturu キユトゥル[所]。 {E: the eyes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- -sik 3
- シク 【接尾】[< sik 2 目][古](時刻の単位)…時。(W) ☆参考 1955年当時は -ci チ、 -cikan チカン と言っていた。 {E: a unit of time: o'clock.} (出典:田村、方言:沙流)
- a=sikakustep
- アシカクシテプ 【a=si-ka-kuste-p】 上から着る物.▷ア=人(が) シ=自分 カ=〜の上 クシテ=通らす,ふさぐ プ=物 ク・イワク クナク ク・ラム ク・ソイネ アクス アプト アシ コロ シラン(シリ アン) ナ ネプカ ア・シカクシテプ エネルサ(エン・エルサ)=私が帰ろうと思って外へ出たら.雨が降っているので,何か上から着る物を私に貸して. (出典:萱野、方言:沙流)
- a=sikatkare
- アシカッカレ 【a=si-kat-kare】 惑わされ,惑わされる,甘言で女を惑わす. ▷ア=それ シ=自ら カトゥ=姿、容姿 カラレ=作る アエシカッカレワ メノコエペカ アエパコアッ=惑わされて,女性のことで罰を受けた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- ar-sikannatki
- アラシカンナッキ 【自動】[ar-sikannatki 全く・丸い] まん丸(円)である。 {E: to be round.} (出典:田村、方言:沙流)
- arsiknak
- アラシクナク 【自動】[ar-siknak 完全に・盲目だ] 全く目が見えない。 nísapno arsiknak=an ニサプノ アラシクナクアン 急に私は全く目が見えなくなった。(W民話) {E: to be compltely blind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- asik
- アシク 【間投】[< asike 手](?) 五(数えるとき)。 {E: the number five.} (出典:田村、方言:沙流)
- asik
- アシク 【asik】 五つ(数える時). (出典:萱野、方言:沙流)
- asiketoro
- アシケトロ §526.てのひら;手掌(3)asiketoro〔a-ší-ke-to-ro アしケトロ〕[<asike(=aske 手)+kotoro(=kotor 面)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- asiketorunru
- アシケトルンル §533.てすじ(手筋)(4)asiketorunru〔a-ší-ke-to-run-ru アしケトルンル〕[asiketoro(てのひら)+un(の)+ru(路)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- asikne
- アシクネ 【連体】[数連体][asik-ne 五・である] 五つの、 五人の。 asikne sike アシクネ シケ 五個の荷物。 asikne poyson アシクネ ポイソン 五人の子ども。 asikne hot アシクネ ホッ 百。 asikne hotnen アシクネ ホッネン 百人。 asikne wan hot アシクネ ワン ホッ 千。 asikne hot kasi wanpe アシクネホッ カシ ワンペ 百十。 asikne hot suy アシクネ ホッ スイ[副]百回。 {E: the number five as a counter.} (出典:田村、方言:沙流)
- asiknehot
- アシクネホッ 【asikne-hot】 100▷アシクネ=5 ホッ=20→5×20=100 (出典:萱野、方言:沙流)
- asiknehotnen
- アシクネホッネン 【asikne-hotne-n】 100人.▷アシクネ=5 ホッネン=20人 (出典:萱野、方言:沙流)
- asiknen
- アシクネン 【名】[asikne-n 五の・(人数)]五人。 {E: five people.} (出典:田村、方言:沙流)
- asiknen
- アシクネン 【asikne-n】 5人. キム タ ポロ ユク スマウェヘ ク・コロ ナ カム セ クニ ウタラ アシクネン パクノ エン・トゥラ ヤン=山で大きい鹿を獲ったので,肉を背負う人たち5人ほど私と一緒に来てくれよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- asiknep
- アシクネプ 【名】[asikne-p 五の・もの]五個、 五個のもの。 {E: five items (five as a counter).} (出典:田村、方言:沙流)
- asiknep
- アシクネプ 【asikne-p】 五つ.▷アシクネ=5 プ=物 タント キム タ サマムニ チョロポク タ フミルイ セッ アン オロタ フミルイ ノク アシクネプ アン ワ ク・ヌカラ=今日山で倒木の下にエゾライチョウの巣があって,その中にエゾライチョウの卵が五つあったのを私は見た. (出典:萱野、方言:沙流)
- asiknesuy
- アシクネスイ 【asikne-suy】 5回.*シネスイ=1回 トゥスイ=2回 レスイ=3回 イネスイ=4回 アシクネスイ=5回 イワンスイ=6回 アラワンスイ=7回 トゥペサンスイ=8回 シネペサンスイ=9回 ワンスイ=10回 (出典:萱野、方言:沙流)
- askeetupsike
- アシケエトゥプシケ 【名】[所](概は未出)[aske-etupsike 手・先端]…の 指先(=askepet etupsike アシケペッ エトゥプシケ)。 ☞etupsi エトゥプシ、 etupsike エトゥプシケ {E: the fingertips of…} (出典:田村、方言:沙流)
- assik
- アッシク §209.片目、片方の目(2)assik〔áš-šik あッシク〕[<ar(片)+sik(目)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- cásikor
- チャシコロ 【自動】[casi-kor 家を・持つ](神などが) 家を持つ/住まいをかまえる。 {E: to have, own a house; set-up house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- cásikot/casikot
- チャシコッ 【名】[cási-kot とりで・くぼみ]とりでの跡。 ☆参考 川端の山/崖の上にあり、 地面がくぼんでいる。 (出典:田村、方言:沙流)
- cep sikiru ekannayukar
- チェプ シキル エカンナユカラ §067 サケ あきあじ、あきやじ 他(17) cep sikiru ekannayukar (čep-si-ki-ru e-kan-na-yu-kar)「チェプ シキル エカンナユカラ」魚が身をひるがえすようにくるりと向きを変えて引き返す(『アイヌ神謡集』p. 60)。――sikiru[si-kiru(自分を・旋回させる);まわる;さける]。E-kanna-yukar[e(それについて)kannna(再び)yukar(演技する);そのさまを再現する;まねる;さながらの様子を示す] (出典:知里動物編、方言:)
- cesikam(-i)
- チェシカム §455.背の筋肉(2)cesikam(-i)〔čé-ši-kam ちぇシカム〕[cesi(?)+kam(肉)]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- cesikan(m-i)
- チェシカン §455.背の筋肉(3)cesikan(m-i)〔čé-ši-kan ちぇシカン〕[<cesi-kam]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ci=esikirayne
- チェシキライネ 【ci=e-sikirayne】 憐れだ,かわいそうだ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- ci=pusikompu
- チプシコンプ 【ci=pusi kompu】 焦がした昆布:焼き昆布,こんがりと焼いた昆布. フチー コンプ プシ ワ エン・コレ ヤン.ルル オロ ア・オマレ ナ=おばあちゃん昆布をこんがりと焼いて下さい.汁に入れるから. (出典:萱野、方言:沙流)
- ci=pusikompurur
- チプシコンプルル 【ci=pusi kompu rur】 焦がし昆布汁.▷チ=私たち プシ=焦がす コンプ=昆布 ルル=汁 (出典:萱野、方言:沙流)
- ci=sikerayne
- チシケライネ 【ci=sik-e-ray-ne】 憐れむ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- cikunisikaye
- チクニシカイェ 【cikuni-sikaye】 (木で作った)目釘. (出典:萱野、方言:沙流)
- cinunukeusike
- チヌヌケウシケ §095.いんぶ(陰部)(7)cinunuke-usike〔či-nú-nu-ke-u-ši-ke チぬヌケウシケ〕[ci(我ら)+nunuke(たいせつにする)+usike(所)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- cipsike
- チプシケ 【名】[cip-sike 舟・荷物] 舟の積み荷。 {E: cargo on a ship.} (出典:田村、方言:沙流)
- cisesikkew
- チセシッケウ 【cise-sikkew】 家の角. ソンノ ヘカッタラ アナクネ ネユン ラム パ カ ソモ キ ノ ウホユッパレパ プ ネ クス エソイネ ワ チセシッケウ オッタ(オロ タ) ウトモシマ パ=本当に子供たちは何も思うことなく走り回るものだから外側の家の角でぶつかった. (出典:萱野、方言:沙流)
- cisikurure
- チシクルレ 【他動】[中相][ci-si-kur-u-re …された・自分・影/姿・(他動詞形成)・させる](?) [雅]近寄って来る。 teksama ta/makan katkor pe/cisikurure テクサマ タ/マカン カッコロ ペ/チシクルレ [雅]そのすぐそばにどんなものだか近寄って来た。(Sユーカラ) ☆参考 sikuru シクル、 sikurure シクルレ の用例は未出。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- cup sikari
- チュプ シカリ 【cup sikari】 満月:月が丸い. (出典:萱野、方言:沙流)
- eapesikkasma
- エアペシッカシマ 【他動】[e-ape-sikkasma で・火・を保たせる](それ)で火を長持ちさせる。 ni a=tuypa uske ta noko mur uk wa hoka o wa anu, a=eápesikkasma ニ アトゥイパ ウシケ タ ノコ ムル ウク ワ ホカ オ ワ アヌ、 アエアペシッカシマ 薪を切った所のおがくずを取ってくべておきなさい。 それで火が長持ちするから。(S) {E: to make a fire last a long time.} (出典:田村、方言:沙流)
- ekasikutci
- エカシクッチ §137 マタタビ (4) ekasi-kutci (e-ká-si-kut-ci)「エかシクッチ」[ekasi(祖父)kutci(サルナシ)] 果実 ⦅有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- ekasikutcipunkar
- エカシクッチプンカラ §137 マタタビ (10) ekasikutci-punkar (e-ká-si-kut-ci-pun-kar)「エかシクッチプンカラ」[マタタビの生える蔓] 茎 ⦅有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- ekosikkasma
- エコシッカシマ 【複他動】[e-ko-sikkasma …で・に・保つ](人)のために…を守る。 {E: to defend, protect…(for someone).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- emusikorpattaki
- エムシコロパッタキ §177 コオロギ類 (1) emusi-kor-pattaki(e-mu-si-kor-pat-ta-ki)「エムシコロパッタキ」♀⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- en=kaosike
- エンカオシケ 【en=ka o-sike】 (私に)荷物を背負って来る.▷エン=私(に) カ=上 オ=それ シケ=背負う フーン ク・マッカラク エ・エク ヒ ピシノ イモカ トシカ エン・カオシケ クスケライポ フンペリカ ケ(ク・エ) エアシカイ=まあまあ私の姪.お前は来るごとにみやげ物の山を私のために背負って来る,そのお陰で鯨の脂身を私は食べられる. (出典:萱野、方言:沙流)
- enkasike
- エンカシケ 【enkasike】 ~の上の方,頭より高い所. エ エンカシケ タ アンイヨクペ ウクワエンコレ=お前の上の方にある鎌を取って私によこせ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- enkiskasike
- エンキシカシケ §106.陰部―いんふ(陰阜);ちきゅう(恥丘)(4)恥丘の辺り enkis-kasike〔éŋ-kiš-ka-ši-ke えンキシカシケ〕[enkis(恥丘)+ka-sike(の表面の所)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- enkiskasike
- エンキシカシケ §629.腹の下部;したはら;下腹部;腹の底(8)下腹部の恥骨のあたり enkis-kasike〔éŋ-kiš-ka-ši-ke えンキシカシケ〕[enkis(陰阜)+kasike(その上面)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- eosikpekare
- エオシクペカレ 【e-o-sik-peka-re】 ねらいを定める.▷エ=〜を オ=〜へ シク=目 ペカ=合わせる レ=させる ユク ア・ヌカラ ヒクス アイ ア・オウヌ ヒネ ア・エオシクペカレ ワ ア・トゥカン=鹿が見えたので私は矢をつがえてねらいを定めて射った.アイ ア・カラ ヒタ ア・エオシクペカレ ワ ア・カラ=矢を私たちが作る時はねらいを定めながら作る. (出典:萱野、方言:沙流)
- eramkoesikari
- エラムコエシカリ 【e-ram-ko-e-sikari】 びっくりする,驚く,驚愕する.▷エ=それ ラム=思い コ=に対して エ=自ら シカリ=回る ソモカタプネ エネ アン オルシペ ク・ヌ クナク ア・ラム ア ワ タプ ク・ヌ ワ ケラムコエシカリ(ク・エラムコエシカリ)=まさかそのような話を聞くとは思っていなかったのに,今,私は聞いてびっくりした. (出典:萱野、方言:沙流)
- eramkoesikarpa
- エラムコエシカラパ ☞eramukoesikarpa エラムコエシカラパ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eramukoesikari
- エラムコエシカリ 【他動】[単] [e-ramu-ko-esikari …で・心[所]・に・つかまえる] …にびっくり仰天する。 {E: to be astonished, amazed by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eraysikasike
- エライシカシケ 【他動(?)】[e-ray-sikasike …について・ひどく・…をしらばくれる]自分のしたことをしなかったと言う。 ☞esikasike エシカシケ {E: to say that one did not do the thing one did.} (出典:田村、方言:沙流)
- erupsi/erupsike
- エルプシ/エルプシケ 【e-rupsi/e-rupsi(ke)】 後ろ側. チセ エルプシケ=家の後ろの方.コタン エルプシケ=村の後ろ側.ニシパアヌシ(ニシパ アン ウシ) アナクネ チセ コッチャ ワノ チセ エルプシ パクノ イランマカカ ア・シッチャシヌレ ワ アン=物持ちの家というものは家の前から家の後ろまで丁寧に掃除されている. (出典:萱野、方言:沙流)
- erupsik
- エルプシク 【位名】…の先(端) cise erupsik チセ エルプシク 家の東側。 cise erupsik kus チセ エルプシク クシ 家の東側を通る。(S) {E: the east side of a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esik
- エシク 【他動】[e-sik …で・いっぱいだ] …でいっぱいである。 aep kes itanki esik wa an アエプ ケシ イタンキ エシク ワ アン 食べ物の残りで茶椀がいっぱいになっている。(S) to ka esik ト カ エシク 湖も(菱の実で)いっぱいになった。(S会話) ☞sik シク {E: to be full of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esikannatki 1
- エシカンナッキ 【他動】[e-sikannatki …と一緒に・回転する]…をつかまえていっしょにグルグル回る(目を回させるために)。 toan pe uk wa esikannatki トアン ペ ウク ワ エシカンナッキ あいつ、 つかまえてグルグル回してやれ(目を回させる、 おもしろいから)。(S) ☆発音 すらすら話すときは通常 s と k の間の i の音が消えて eskánnatki エシカンナッキ と発音される。 (出典:田村、方言:沙流)
- esikannatki 2
- エシカンナッキ 【他動】[e-sikannatki (そこ)で・回転する][雅](そこ)でグルグル回る。 i=enkasike/otu suy konna/ore suy konna/esikannatki イエンカシケ/オトゥ スイ コンナ/オレ スイ コンナ/エシカンナッキ [雅](天に帰るために大鳥になった私の夫は)私の上方で何回も何回もグルグル回った(旋回した)。(W神謡) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esikari
- エシカリ 【他動】…をつかまえる。 hemanta i=esikari híne ヘマンタ イエシカリ ヒネ 私は何かにつかまえられて。(KK民話) {E: to catch hold of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esikari
- エシカリ 【e-sikari】 わしづかみ(にする):手荒くつかみ取る,(さっと)取る. アウン ポンペ ウマイ ク・コレ クナク ク・イェ アクス エシカリ ワ ホユプ ワ アラパ=隣の子供に菓子をやるよと言ったらわしづかみにして走って行った. (出典:萱野、方言:沙流)
- esikarun
- エシカルン 【他動】…が恋しい、 …を思い出す、 …を覚えている。 ku=kor hekattar/[u]kesto an kor/ku=esikarun クコロ ヘカッタラ/[ウ]ケシト アン コロ/クエシカルン 私の子どもたちを私は毎日毎日思い出す。(S即興詩) ☆発音 すらすら話すときは通常 s と k の間の i の音が消えて eskarun エシカルン と発音される。 主語一人称単数形は k=eskarun ケシカルン。 この用例は歌であるために ku=esikarun クエシカルン と発音されている。 {E: to long for, recall, remember…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esikarun
- エシカルン 【esikarun】 懐かしむ,思い出す,会いたくなる. エイタサ イウォロ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォロ ホタヌカラ クス エキムネ・アン キムンペ アピリ シッチニナニナ ア・エヤイコプンテク=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場を見舞うために山へ行くと獲物の足跡があたり一面にこちゃこちゃとあって私は喜んだ.ク・イェ カ ルシカ オルシペ ネ コロカ テエータ 知里真志保 ニシパ モシリホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニシパポ ナヌフ ク・ヌカラ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に,言うところの水にうるかした昆布と同じであったことを思い出す.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) シリチュク コロ クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ モセ・アシ チセ オカーリ カキ チ・カラ ペ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=私が小さい時.秋になると母と一緒に茅を刈って家の周囲に雪囲いを作ったことを思い出す.ハイー ク・ミッポ ケシカルン(ク・エシカルン)=ああ,孫に会いたいなあ.ク・ミッポホ ウタラ エチ・エシカルン コロ カナクス(カン アクス) イラムノ エチ・エク ポーヘネ ケヤイコプンテク(ク・エヤイコプンテク)=孫たちよ,お前たちに会いたいなあと私は思っていたら一緒に来てくれてなおさら嬉しい. (出典:萱野、方言:沙流)
- esikasike
- エシカシケ 【他動】…のことをしらばくれる、 (したこと)を知らないと言う(「はっきり『しなかった』と言わず、 小さい声で『わたしそんなことしらないよー』と言う」)。(S) iteki esikaske no an koraci ye イテキ エシカシケ ノ アン コラチ イェ 知らないと言わないで正直に言いなさい。(S) kotca esikasike コッチャ エシカシケ (人)のしたことを(その人をかばって)しなかったように言う。 ☆発音 しばしば s のあとの i が落ちて eskáske エシカシケ と言う。 {E: to pretend not to know something.} (出典:田村、方言:沙流)
- esikaske
- エシカシケ 【e-sikaske】 否定する,しらをきる. (出典:萱野、方言:沙流)
- esikasuyar
- エシカスヤラ 【他動】[e-si-kasuy-ar (そのこと)で・自分を・手伝う・人にしてもらう] …することを人に手伝わせる/手伝ってもらう。 {E: to make someone help with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esikep(-i)
- エシケプ §018.親(2)esikep(-i)〔e-ší-kep エしケプ〕⦅ハルトリ⦆親。[<esikop>。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- esikipip
- エシキピプ 【e-sikipip】 (〜を)見ないふりをする. ネイタカ タンネプ ウコヌプル コロ アン ヒ ア・ヌカラ ヤッカ ア・エシキピプ カシウン キナハム ヘネ ア・アヌ コロ "エチ・コケウトゥムコロ ナ ネイタ パクノ エネプンキネ(エン・エプンキネ) アニー" セコロ ア・イェ コロ ア・アッカリ コロ ア・エマウコピリカ プ ネ=どこかで蛇が交尾しているのを見たら,見ないふりをしながら,その上へ草の葉などで被いをしながら,「お前たちの味方をするので私を守ってね」と言いながら通り過ぎると,それによって運がよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- esikipipka
- エシキピプカ 【e-sikipipka】 目がうるさい. ア・コロ チャシ エウン イワカン(イワク・アン) ヤクネ ア・サハ カ ア・ユピヒ カ オカ ア・エシキピプカ.タヌクラン テタ レウシ・アン=私の城へ帰って行くと私の姉も兄もいてそれらの目がうるさい.今晩はここで泊まりましょう[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- esikirayne
- エシキライネ 【esikirayne】 憐れむ[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- esiknak
- エシクナク 【他動】[e-siknak …に関して・目が見えない] …が見えない、 …のことについて/…をするのに目が見えない。 kem ohownu wa en=kore, k=ésiknak na ケム オホウヌ ワ エンコレ、 ケシクナク ナ 針に糸を通してください、 私は見えないから。(S) {E: …cannot be seen.} (出典:田村、方言:沙流)
- esikop
- エシコプ 【名】[e-sik-o-p それで・目が・ついた・もの] そこから生まれたもの=父親(子どもにわからないように言う言い方)。 “hńna an?” “tan hekaci esikop un” 「フンナ アン?」 「タン ヘカチ エシコプ ウン」「だれだい?」「この子の父親だよ。」 (S) ☞síko シコ {E: a father.} (出典:田村、方言:沙流)
- esikop(-i)
- エシコプ §018.親(1)esikop(-i)〔e-ší-kop エしコプ〕⦅ホロべツ⦆親。a-〜-utar「我が親たち」。e-〜-utar「汝の親たち」[e-(そこから)+siko(生れた)+-p(者)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- esikopakoinkare
- エシコパコインカレ 【他動】[e-si-kopak-o-inkar-e (そのこと)で・自分・の方・に・見る・させる] 見てもらう。 hanke tuyma nispa utar a=esíkopakoinkare yakka wen ハンケ トゥイマ ニシパ ウタラ アエシコパコインカレ ヤッカ ウェン 私は近くの長者や遠くの長者などほうぼうの長者がたに頼んで(娘)見てもらったがだめだった。(NK民話) {E: to have someone look at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esikopuntekyar
- エシコプンテクヤラ 【e-si-kopuntek-yar】 喜んでもらう.▷エ=それ シ=自ら コプンテク=ほめる ヤラ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
- esikpare
- エシクパレ 【複他動】[複](単は esikte)[e-sik-pa-re …で・満ちる・[複]・させる](二つ以上)を…でいっぱいにする。 etaspe kirpu/esikpare エタシペ キリプ/エシクパレ (そのばけものはその鍋に)トドの脂身をいっぱいに入れた。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
- esiksamnere
- エシクサムネレ 【e-sik-samne-re】 さげすみの目で見る. テエタ ワノ ネユンネユン パハウェヘ ア・ヌ ア カッケマッ シラムイサムテ ワ タント イヨロッ ワ アン.ア・エシクサムネレ ヒ カ エランペウテク ノ=ずっと前からいろいろと噂のあった奥様が知らん顔をして今日は皆に混じっている,蔑みの目で見られているのも知らずに. (出典:萱野、方言:沙流)
- esikte
- エシクテ 【複他動】[e-sik-te …で・満ちる・させる] …を…でいっぱいにする。 saranip or usa okay pe esikte wa kore サラニプ オロ ウサ オカイ ペ エシクテ ワ コレ 手さげの中にいろいろなものをいっぱい入れてあげなさい。(S) amam saranip oro a=esíkte wa a=anú ro アマム サラニプ オロ アエシクテ ワ アアヌ ロ 米をかますにいっぱい入れておこう。(S) senriyopako pu a=esíkte wa an a p センリヨパコ プ アエシクテ ワ アナプ 千両箱が倉にいっぱい入れてあったのだが。(W民話) {E: to fill something up with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esirosikar
- エシロシカラ 【他動】[e-sirosi-kar …について・しるし・をする] …を示す。 {E: to show, indicate…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etuesikari
- エトゥエシカリ §622.鼻がつまる(1)etu-esikari〔e-tú-e-ši-ka-ri エとぅ・エシカリ〕[etu(鼻)+esikari(つまる)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- etuisikari
- エトゥイシカリ §622.鼻がつまる(2)etu-isikari〔e-tú-i-ši-ka-ri エとぅ・イシカリ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- etupsi/etupsike(he)
- エトゥプシ/エトゥプシケ(ヘ) 【etupsi/etupsike(ke)】 端,先. クマエトゥプシケ=干し竿の端.トマ カシ ア・カラ ヒ タ トマ タンネ チキ エトゥプシケヘ ア・コエコモプ ネ ナ アニー=ござで仮小屋を作る時にござが長いのならば先のほうを曲げるものだよ.参考:シンコピヒ=糸の端 (出典:萱野、方言:沙流)
- etupsik
- エトゥプシク 【位名】[概](所は etupsike エトゥプシケ) …の先、 …の先端。 {E: the edge, the tip, the end of…} (出典:田村、方言:沙流)
- etupsike
- エトゥプシケ 【位名】[所](概は etupsik エトゥプシク) その先、 その先端(のところ)。 {E: edge; tip; end.} (出典:田村、方言:沙流)
- ewesikaye
- エウェシカイェ 【他動】[e-u-e-si-kaye …で・互い・と共に・自分・を折る][雅](次のような慣用表現で) tu imeru kur/re imeru kur/cisekankotor/ewesikaye/semkoraci トゥ イメル クル/レ イメル クル/チセカンコトロ/エウェシカイェ/セムコラチ [雅]たくさんの光が天井に反射してキラキラときらめくようであった。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyay'asisikar
- エヤイアシシカラ 【e-yay-asisi-kar】 後悔する,残念がる. タン チュプ タ トゥイマ モシルン(モシリ ウン) ア・エン・シレン ヤッカ ク・ヤイモンニシカ プ ネ クス ソモ カラパ(ク・アラパ) クナク ク・イェ ケヤイアシシカラ(ク・エヤイアシシカラ) コロ カン(ク・アン)=今月,遠い国へ私は誘われたが,忙しいものだから行かないと言った,後悔している. (出典:萱野、方言:沙流)
- eyaysikarun
- エヤイシカルン 【他動】[e-yay-sikarun …について/…で・自分・思い出す] ☞tomo eyaysikarun トモ エヤイシカルン (出典:田村、方言:沙流)
- eyaysikenuyna
- エヤイシケヌイナ 【他動】[e-yay-sik-e-nuyna …のことを・自分の・目・で・隠す] …を見ないふりをする。 “en=eyaysikenuyna ruwe ne nankor”-“hempara ene ne hi an? somo eci=núkar wa ne” 「エネヤイシケヌイナ ルウェ ネ ナンコロ」 「ヘンパラ エネ ネ ヒ アン? ソモ エチヌカラ ワ ネ」 「あなた私を見て見ないふりをしていたんでしょう。」 「いつそんなことがあった? あなたを見なかったからよ。」 (S) {E: to pretend not to see…} (出典:田村、方言:沙流)
- hankapuyenkasike
- ハンカプイェンカシケ §628.腹の上部;臍を境として上腹部hankapuy-enkasike〔háŋ-ka-puǐ|eŋ-ka-ši-ke はンカプイ・エンカシケ〕[「へそ穴・の上部」の義]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- hasika
- ハシカ §598.はしか(麻疹)(3)hasika〔ha-ší-ka ハしカ〕⦅ホロべツ、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- hawsikurkaotte
- ハウシクルカオッテ 【自動】[haw-si-kurka-otte 声・自分・の上一面・に…をつける] オーイと叫びながら走る。 {E: to run while screaming out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hetopo siknu(-an)
- ヘトポ シクヌ §466.そせいする(蘇生する)(4)hetopo siknu(-an)〔he-tó-po-šík-nu へとポ・しクヌ〕[折返し・生きる]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- hokukosikuppe
- ホクコシクッペ §033.いいなずけ(許嫁)(6)hoku-ko-sikup-pe〔ho-kú-ko-ši-kup-pe ホくコシクプペ〕⦅ホロべツ⦆いいなずけの夫がある者。[hoku(夫)+-ko-(のために)+sikup(育った)+-pe(者)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- honisikka
- ホニシッカ §633.腹が張る(5)満腹(する) honi-sikka〔ho-ní-šik-ka ホに・シッカ〕[その腹を・みたす]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- horokatusika
- ホロカトゥシカ §056.頭の後部;後頭部(6)horoka-tusi-ka〔ho-ró-ka-tu-ši-ka ホろカ・トゥシカ〕[horoka(後方の)+tusi(<ru「頭髪」 us「生えている」 i「所」)+ka(表面)]⦅チライ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- hukasikar
- フカシカラ 【他動(?)】[hukasi-kar [日本語]ふかし・する] 赤飯等をこしらえる。 ☆参考 「アイヌ語か日本語かわからないね。」 (S) {E: to make steamed rice with red beans.} (出典:田村、方言:沙流)
- husko an pe sikopayar
- フシコ アン ペ シコパヤラ 【husko an pe sikopayar】 何事もなかったように,前のまま. ウクラン エネ イヨシキ ワ アネピッタ サカヨカラ コロ アナプ(アン アプ) ネプ ウニン カ ソモ ノ フシコ アン ペ シコパヤラ=昨夜はあれほど酔っ払って夜いっぱい,文句を言っていたのになんのさわりもなく何事もなかうたようにしている. (出典:萱野、方言:沙流)
- hussikokka
- フッシコッカ §144.うるしかぶれ(漆瘡)(1)hussi-kokka〔Fús-ši-kok-ka ふッシコッカ〕[hussi(うるし)+kokka(化ける)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- i=kurkasikeuwanpare
- イクルカシケウワンパレ 【i=kur-kasike-uwanpare】 私の様子をじっと見る,私を不審そうに観察する,注意して私を見る. ▷イ=私 クル=姿 カシケ=上 ウワンパレ=観察する(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- i=sikeopusi
- イシケオプシ 【i=sik-e-opusi】 にらむ. ピリカ メノコ ネ コロカ ナヌフ ソモ サンケノ オトプ ウトゥル ワ イ・シケオプシ アーペコロ イキ エアラキンネ ケオハイシトマ(ク・エオハイシトマ)=いい女なのだが顔を出さずに髪の間から私をにらみつけているみたいで,私はとっても気味が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
- i=sikeopusi wenmenoko
- イシケオプシ ウェンメノコ 【i=sike-opusi wen-menoko】 髪の隙間からにらむ悪い女. ウェンメノコ セコロ ア・ポロセ プ カ ネユンネユン アン イスエチレ ウェンメノコ ホカパル ウェンメノコ イロンナピウェ ウェンメノコ イシケオプシ ウェンメノコ=悪女と表現される中でもいろいろあり,陰部の熱い悪い女,灰を飛ばす悪い女,座る時に男にくっつく悪い女,髪の間から私をにらむ悪い女. (出典:萱野、方言:沙流)
- ikorsike
- イコロシケ 【名】[ikor-sike 宝物・荷物](=ikor sike イコロ シケ)宝物の荷物。 {E: a load of treasures, precious items.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ikosikupmat(c-i)
- イコシクプマッ §033.いいなずけ(許嫁)(7)ikosikupmat(c-i)〔i-kó-ši-kup-mat イこシクプマッ〕⦅ホロべツ⦆いいなずけの妻[i-(その人)+-ko-(のために)+sikup(成長した)+mat(女)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- inawrosiki
- イナウロシキ 【inaw-rosiki】 イナウを立てる. ▷イナウ=御幣 ロシキ=立てる *これは昭和30年代までアイヌの風習にしたがって葬式をしていた時代に,葬式の次の日に神々にイナウを贈るために立てた儀式の名前である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- ipesikaye
- イペシカイェ §635.はらいた(腹痛)(16)食べすぎたり駈けすぎたりすれば痛むさしこみ ipe-sikaye〔i-pé-ši-ka-je イ舳・シカイェ〕[ipe(食物)+sikaye(その釘、sikay釘)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ipesikayeus
- イペシカイェウシ §635.はらいた(腹痛)(17)食べすぎたり駈けすぎたりすれば痛むさしこみのような痛みがさしこむ ipe-sikaye-us〔i-pé-ši-kà-je-uš イ舳シカイェ〕[ipe-sikaye(食物の釘が)+us(幾つも刺さる)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- irsikpuy
- イリシクプイ 【ir-sik-puy】 親戚の目つき:同じ目つきをしたもの.▷イリ=親戚 シク=目 プイ=穴 (出典:萱野、方言:沙流)
- irsikpuypo ukoari
- イリシクプイポ ウコアリ 【ir-sik-puypo u-ko-ari】 親戚らしく目つきがそっくりだ.▷イリ=親戚 シク=目 プイ=穴 ポ=を ウ=互い コ=それ アリ=置く タプ イキ ウタラ ウウタリ ネ パ ノイネ イリシクプイポ ウコアリパ=今の人たちは親類らしく目つきがそっくりだった. (出典:萱野、方言:沙流)
- isikeraykeiwentemat
- イシケライケイウェンテマッ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(37)isikerayke-iwentemat〔イしケライケ・イうぇンテマッ〕[i(我らを)+sik(目)+e(で)+rayke(殺す)+i(我らを)+wente(悪くする、不幸にする)+mat(女)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- isikereypare
- イシケレイパレ 【自動】[i-sik-e-reypa-re もの・目・それに・はう[複]・させる] 下目使いに目を這わすようにする(よその家に入ってジロジロ見回すのは無礼なので、 遠慮しながらそうっと見る様子を表す)。 {E: to peep into; sneak a look at.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- isikipipka
- イシキピプカ 【自動】[i-siki-pipka 人・その目・のぞかせる] のぞき見する。 {E: to peep into.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- isikipipka
- イシキピプカ 【i-siki-pipka】 目がうるさい:久しぶりに会う恋人同士が姉や兄の目をうるさく思う場合など[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- isiksamnere 1
- イシクサムネレ 【i-sik-sam-ne-re】 ①蔑みの目で見る:流し目のイシクサムネレとは違う.前後の言葉に注意. (出典:萱野、方言:沙流)
- isiksamnere 2
- イシクサムネレ 【i-sik-sam-ne-re】 ②横目で見る:意識して目を斜めにして見る. ウウォシッコテパ プ アナクネ ウヘコテ ソモ ア ノ イシクサムネレパ ネプカ エウコピヌピヌパ コロ オカ=恋人同士は,向かい合って座りもしないで,横目で顔を見ながら何やらひそひそ話をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
- iyosikkote
- イヨシッコテ 【自動】[i-y-osikkote 人・(挿入音)・に恋をする] 恋をする。 ☆参考 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときは ku=yosikkote クヨシッコテ、 e=yosikkote エヨシッコテ という形になることがある。 {E: to fall in love.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- iyosikkote
- イヨシッコテ 【i-o-sik-kote】 恋をする.▷イ=それ(=女,男) オ=に シク=目 コテ=繋ぐ →好きな人に目を繋ぐ (出典:萱野、方言:沙流)
- ka(si) osike
- カシ オシケ 【連他動】[ka(si) o-sike …の上・に・荷を背負う] …のところに与えるためのものをいっぱい背負って行く。 {E: to go to, come from…with a load on one's back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kakikkasikikkasikekik
- カキッカシキッカシケキク §636.はらいきよめる(祓い清める);悪魔払いの手草で身を叩き清める(1)ka-kik、kasi-kik、kasike-kik〔ká-kik、ka-ší-kik、ka-ší-ke-kik か・キク、カし・キク、カしケ・キク〕〔ka(上)、kasi(その上)、kasike(その上の所)+kik(打つ)〕⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kamkasike
- カムカシケ 【kam-kasike】 皮膚の表面,皮膚,肌. (出典:萱野、方言:沙流)
- kamsikeni
- カムシケニ 【kam-sike-ni】 肉掛け木:イヨマンテ(熊送り)の時に肉を掛けるもの. (出典:萱野、方言:沙流)
- kankasike
- カンカシケ §662.ひふ(皮膚)(5)肌 kankasike〔káŋ-ka-ši-ke かンカシケ〕[<kam(肉)+kasike(その表面)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kasikamu
- カシカム 【kasi-kamu】 かぶさる. (出典:萱野、方言:沙流)
- kasikamuy/kasikamuye(he)
- カシカムイ/カシカムイェ(ヘ) 【kasi-kamuy/-kamuye(he)】 憑き神. カシカムイ ピリカ=憑き神がよい.カシカムイユプケ=憑き神が強い. (出典:萱野、方言:沙流)
- kasikamuyeyupke
- カシカムイエユプケ 【kasi-kamuy e-yupke】 運が強い. (出典:萱野、方言:沙流)
- kasiketa
- カシケタ 【kasike ta】 上に. (出典:萱野、方言:沙流)
- kasikeun
- カシケウン 【kasike-un】 さらに,その上. タンパ アナクネ チュクアン ワ アプト アシ カ ソモ ワ シペ カ ソモ エク.カシケウン シリスム ペ ネ クス アエプ カ イサム=今年は秋になってから雨が降らなかったのでサケが遡上しない.さらに夏はひでりが続きかんばつであったので食べ物もない. (出典:萱野、方言:沙流)
- kasikeun
- カシケウン §044 イシガレイ (2) kasikeun (ka-sí-ke-un)「カしケウン」[<kasikewen(↑)] 成魚 ⦅長万部⦆イシモチ (出典:知里動物編、方言:)
- kasikewe
- カシケウェ 【kasi kewe】 加勢する,かばう. ウェニヨシキ プ エク ヒネ イチェン エネコソウク(エン・エコソウク) ルスイ ク・シトマ コロ カナクス(ク・アン アクス) アウン アチャポ エク ヒネ エン・カシケウェ.エアラキンネ ク・ヤイライケ=泥酔したといってもいいような者が来て,銭を貸してくれと言い,私が恐ろしく思っていると隣のおじさんが来て私に加勢してくれた.本当に有難かった. (出典:萱野、方言:沙流)
- kasikewen
- カシケウェン §044 イシガレイ (1) kasikewen (ka-si-ke-wen)「カシケウェン」[kasike(その表面)wen(悪い)] 成魚 ⦅虻田⦆イシモチ (出典:知里動物編、方言:)
- kasikewensamampe
- カシケウェンサマンペ 【kasike-wen-samampe】 イシガレイ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kasikik
- カシキク 【kasi-kik】 はらい清める:病人を治すためにタクサという清め草で体の上をはらい清める.▷カシ=上 キク=叩く (出典:萱野、方言:沙流)
- kasikurukuru
- カシクルクル §287 シマリス:シマネズミ (3) kasikurukuru (ka-sí-ku-ru-ku-ru)「カしクルクル」 ⦅白糠⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- kenasikunni
- ケナシクンニ §227 エゾスグリ (1) kenasikunni (ke-ná-si-kun-ni)「ケなシクンニ」[kenasi(木原)ka(の上)un(にある)ni(木)] 茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- kirorusike
- キロルシケ §034.あし(足、脚);下肢(12)kirorusike〔ki-ró-ru-ši-keキろルシケ〕[<kir(骨髄)+oro(その中)+o(に入っている)+usike(所)]股のつけ根から膝まで⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kisiki
- キシキ 【kisiki】 斑点.*ユカラの中で,ポンヤウンペという少年英雄の守り刀の造りの表面に描かれている狼神の毛皮にキシキがあると描写されている.昭和20年代から30年代は我が家にも馬を飼っていたが,その馬はあし毛といって白い馬だった.手入れが行き届くとぜにがたといって斑点が出たが,そのたぐいの斑点に近いものをキシキといったのかもしれない. (出典:萱野、方言:沙流)
- kiskasike(-he)
- キシカシケ §106.陰部―いんふ(陰阜);ちきゅう(恥丘)(3)kiskasike(-he)〔kíš-ka-ši-ke きシカシケ〕[kis(<kip額)+kasi(の上)+ke(の所)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kokirawsika-omare
- コキラウシカオマレ 【他動】[ko-kiraw-si-ka omare …に・角(つの)・自分・の上・にのせる][雅](次の慣用表現で)…のために角を背中の上にのせる。 tuyma uk pe/kokirawsika/omare kane トゥイマ ウク ペ/コキラウシカ/オマレ カネ [雅]遠くの草を食べるときは角(つの)を背中の上に背負い。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- komaknasikirpa
- コマクナシキリパ 【他動】[複](単は komaknasikiru コマクナシキル と予想されるが未出)[ko-mak-na-sikirpa …に向かって・奥・の方へ・向きを変える[複]](二人以上が)…を取りに家の奥の方へもどる。 ikayop komaknasikirpa イカヨプ コマクナシキリパ 彼らは矢筒を取りに家の中へもどった。(NK民話) {E: to go back far into the house to go get…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- komaknasikiru
- コマクナシキル 【他動】[単][ko-mak-na-sikiru …に向かって・奧・の方へ・向きを変える[単]](予想される形。 未出) ☞komanasikirpa コマナシキリパ (出典:田村、方言:沙流)
- komkeusike
- コムケウシケ §234.かんせつ(関節)(7)komke-usike〔kóm-ke-u-ši-ke こムケウシケ〕[komke(まがる)+usike(所)]⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- komusikaewak(-an)
- コムシカエワク §448.すわる(座る)(28)膝を出して座る;おすわりする komusi-ka-e-wak(-an)〔ko-mú-ši-ka-e-wak こむシカエワク〕[komusi(膝)+ka(上)+-e-(で)+wak(座る)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- konkanesiko
- コンカネシコ 【konkane-sik-o】 サメの別名. (出典:萱野、方言:沙流)
- koposiresikte
- コポシレシクテ 【他動】[ko-po-sir-e-sik-te …に・子・あたり/地上・(それ)で・満ちる・させる] …との間に子どもがたくさん生まれる。 ☆参考 ukoposiresikte ウコポシレシクテ 二人の間に子どもがたくさんできる。 ☞pósiresikte ポシレシクテ {E: to bear many children between…and…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kosika
- コシカ §266 ネコ (4) kosika (kó-si-ka)「こシカ」[Russ.‘koska’] ⦅S.多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- kosikcupcupu(a-)
- コシクチュプチュプ §787.目くばせする(1)ko-sik-cupcupu(a-)〔ko-šík-čup-ču-pu コ・しク・チュプチュプ〕[ko(それに向かって)+sik(目を)+cup-cup-u(閉じ・閉じ・する)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kosikerana-atte
- コシケラナアッテ 【他動】[ko-sik-e-ra-na-atte (そこ)に・目・…で・下・の方・につける](次の慣用句で) …tukarike kosikerana atte …トゥカリケ コシケラナ アッテ …をまともに見ず目を下の方へ伏せる。 iresu sápo/inerokpe kus/i=eoripak pe/i=tukarike/kosikerana/atte kane イレス サポ/イネロクペ クシ/イエオリパク ペ/イトゥカリケ/コシケラナ/アッテ カネ [雅]私の姉は、 なんとまあ、 私に畏れてかしこまり私をまともに見ず目を下の方へ伏せている。(Sユーカラ) ☆参考 tukari トゥカリ は《…の手前》 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kosikeranaatte kane
- コシケラナアッテ カネ 【ko-sik-e-rana atte kane】 伏し目がちに[ユ].▷コ=それに対して シク=目 エ=〜で ラナ=下 アッテ=立てる カネ=する オリパク ルイ ペ ネ プ ネ クス イ・トゥカリケ コシケラナアッテカネ イキロク アイネ イ・コヘタリ…=遠慮しがちな者であるために私の近くで伏し目がちにしていたが私の方へ顔を上げて…. (出典:萱野、方言:沙流)
- kosikipip
- コシキピプ 【ko-siki-pip】 目をそらす. メノコ シネンネ キム タ キムンカムイ ヌカラ ヒ タ コホパラパル "パシクル パク ペ ヌカラ ヌカラ" シコロ ア・イェ コロ キムンカムイ カ コシキピプ ワ キラ プ ネ ヤカイェ(ヤク ア・イェ)=女がひとりだけで山で熊に出会ったら着物の前をはだけ陰部を見せて,「烏ほどのものを見ろ見ろ」と言うと,熊も目をそらし逃げるものだという. (出典:萱野、方言:沙流)
- kosikipip(a-)
- コシキピプ §778.目を恐れるko-siki-pip(a-)〔ko-ší-ki-pip コ・しキ・ピプ〕[ko(それに対して)+siki(その目)+pip(びくびくする)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kosikirayne
- コシキライネ 【ko-siki-ray-ne】 同情する,哀れに思う[ユ].▷コ=それに対して シキ=目 ライ=死ぬ ネ=なる (出典:萱野、方言:沙流)
- kosikiru
- コシキル 【他動】[ko-sikiru …に向かって・向きを変える] …の方に向く。 {E: to face…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kosikkan'ayneayne
- コシッカンアイネアイネ 【ko-sik-ka-un-ay-ne-ay-ne】 刺々しい目で見る.その目は刺々しく[ユ].▷コ=それ シク=目 カ=上 ウン=〜に アイネアイネ=刺々しい(アイ=矢 ネ=なる) (出典:萱野、方言:沙流)
- kosikoso
- コシコソ 【他動】重さをはかるため手などにのせて上げ下げする。 eci=kosíkoso, e=pase humi! エチコシコソ、 エパセ フミ! (子どもに向かって)重いかどうかみてあげよう、 (だき上げて)重たいねえ。(S) kosikoso wa inu コシコソ ワ イヌ 手に持って重さをはかってみなさい。(S) {E: to weigh…in one's hand.} (出典:田村、方言:沙流)
- kotca esikas(i)ke
- コッチャ エシカシケ/エシカシケ 【連他動】[…の面前・…でしたことをしらばくれてしてないと言う](人)のしたことを(かばって)しなかったように言う。(S) ☆参考 ukotca-esikasike ウコッチャ エシカシケ 自分の家族のしたことをしなかったように言う。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- kuhkurusike
- クフクルシケ §322.こし(腰)(6)kuhkurusike〔kúh-ku-ru-ši-ke くフクルシケ〕[<kut(帯)+kor(もつ)+uske(所);‘帯をしめる所']⦅マオカ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- kunnesiknak
- クンネシクナク §812.やもうしょお(夜盲症);とりめ(鳥目)kunne-siknak〔kún-ne-šik-nak くンネ・シクナク〕[kunne(暗い)+siknak(盲目である)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kunnesiknum
- クンネシクヌム 【名】[概](所は kunnesiknumi(hi) クンネシクヌミ(ヒ))[kunne-siknum 黒い・目玉] 黒目、 目玉の黒い部分。 ☆参考 retarsiknum レタラシクヌム 白目。 sikramat シクラマッ ひとみ。 {E: the irises of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- kunnesiknum(-i)
- クンネシクヌム §770.黒目(1)kunne-siknum(-i)〔kún-ne-šik-num くンネ・シクヌム〕[黒い・目玉]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kunnesiknum/kunnesiknumi(hi)
- クンネシクヌム/クンネシクヌミ(ヒ) 【kunne-sik-num/-numi(hi)】 黒目. (出典:萱野、方言:沙流)
- kunnesiknumi(hi)
- クンネシクヌミ(ヒ) 【名】[所](概は kunnesiknum クンネシクヌム) …の黒目。 {E: the irises of…} (出典:田村、方言:沙流)
- kurkasike
- クルカシケ 【位名】[所](概は kurka クルカ)(=kurkasi クルカシ) ①その(全体の)上(の所)、 その上面一帯。 i=kurkasike/onuperanke イクルカシケ/オヌペランケ [雅](鳥になって空を飛んでいる父神は)私の体の上に涙を降らせた。(W神謡語り) ②[雅](動詞句の前に置かれて)…している間に、 …しながら。 kurkasike itako クルカシケ イタコ[その上・に言葉を置く] そうしている間に/そうしながら話をする/しゃべり始める。 ranke núpe/uturatura/kurkasike/itako hawe/ene oka hi ランケ ヌペ/ウトゥラトゥラ/クルカシケ/イタコ ハウェ/エネ オカ ヒ [雅]涙をあとからあとからとめどなく流し、 そうしている間に話し始めて次のように言った。(W神謡語り) ☆発音 歌うときは kurkasike クルカシケ と発音され、 話すときは通常 i が落ちて kurkaske クルカシケ と発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mahta resike mahpo
- マハタ レシケ マハポ §007.むすめ(娘)(29)mah-ta resike mahpo〔máh-ta|ré-ši-ke|máh-po まハタ・れシケ・まハポ〕⦅ウソロ⦆箱入娘。[mah(<mak 奥)+ta(で)+resike(養育した)+mahpo(娘)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- masahsikem
- マサハシケム §392 テンキグサ ハマニンニク (6) masahsikem (ma-sáh-si-kem)「マさハシケム」[<masahci-kem、masahci<masar(浜の草原)-ci(陰茎)kem(針)] 葉 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- matkosikuppe
- マッコシクッペ §033.いいなずけ(許嫁)(5)mat-ko-sikup-pe〔mát-ko-ši-kup-pe まッコシクプペ〕⦅ホロベツ⦆いいなずけの妻がある者。[mat(妻)+-ko-(のために)+sikup(成長した)+-pe(者)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- mekkasike
- メッカシケ §449.背(7)魚の背面 mekkasike〔mék-ka-ši-ke めッカシケ〕[mek(背)+kasi(の上)+ke(の所)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- mekkasikepone
- メッカシケポネ §674.ひれ(鰭);ひれの骨(鰭條)(27)サケのせびれ[の鰭條] mekkasike-pone〔mék-ka-ši-ke-po-ne めッカシケ・ポネ〕[mekkasike(その背)+pone(ひれ、ひれの骨)]⦅ビホロ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- menokocinunukeusike
- メノコチヌヌケウシケ §096.陰部―女性の性器(3)menoko-cinunukeusike〔me-nó-ko-či-nù-nu-ke-u-ši-ke メのコ・チぬヌケウシケ〕[menoko(女)+cinunukeusike(陰部)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- mosikina
- モシキナ §293 アオミズ (3) mosi-kina (mó-si-ki-na)「もシ・キナ」[mosi(イラクサ)kina(草)] 茎葉 ⦅A天塩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- nankosikannatki
- ナンコシカンナッキ §180.顔が丸い;丸顔である(1)nan-ko-sikannatki〔náŋ-ko-ši-kan-nat-ki なンコシカンナッキ〕[nan(顔)+ko(において)+sikannatki(まんまるい)]⦅クッシャロ、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- nihum yapkir sikopayar
- ニフム ヤプキリ シコパヤラ 【ni-hum yapkir sikopayar】 木っ端を投げたように転んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- nísikay
- ニシカイ 【名】[概](所は nísikaye(he) ニシカイェ(ヘ))[ni-sikay 木・めくぎ][植物] 木の節。 〔知分類になし〕 {E: knots in a tree.} (出典:田村、方言:沙流)
- nísikaye(he)
- ニシカイェ(ヘ) 【名】[所](概は nísikay ニシカイ)[植物] …(木)の節、 その木の節。 nísikaye turse ニシカイェ トゥルセ 節が抜ける、 節穴があく。(S) {E: the knots of…} (出典:田村、方言:沙流)
- nisikayehe
- ニシカイェヘ 【ni-sikayehe】 木で作った目釘.▷ニ=木 シカイェヘ=目釘 (出典:萱野、方言:沙流)
- nisike
- ニシケ 【ni-sike】 薪の荷,薪を背負う.▷ニ=薪 シケ=荷物 ニシケ ワ イワク=薪を背負って帰って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
- nísike 1
- ニシケ 【自動】[ni-sike 木/薪・荷を背負う] たきぎを背負う、 たきぎを背負って運ぶ。 ☆発音 しばしば s の後の i が落ちて、 niske ニシケ と発音される。 {E: to carry a load of firewood on one's back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nísike 2
- ニシケ 【名】[ni-sike 木/薪・荷物]背負う/背負っている薪の荷。 ☆発音 しばしば s の後の i が落ちて、 niske ニシケ と発音される。 {E: a load of firewood.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nisikuci
- ニシクチ §414.しょくどう(食道)(4)nisikuci〔ni-ší-ku-či ニしクチ〕⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- nitatsikerpe
- ニタッシケレペ §120 ケヤマウコギ (5) nitat-sikerpe (ni-tát-si-ker-pe)「ニたッシケレペ」[nitat(湿地)sikerpe(キハダの実)] 果実 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- nitatsikerpeni
- ニタッシケレペニ §120 ケヤマウコギ (6) nitatsikerpe-ni (ni-tát-si-ker-pe-ni)「ニたッシケレペニ」[上記の果実のなる木の義] 茎 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- niyesike
- ニイェシケ 【ni-e-sike】 背負子. 図[ニイェシケ] (出典:萱野、方言:沙流)
- niyesike/niyeske 1
- ニイェシケ/ニイェシケ 【名】[ni-e-sike 木・で・荷を背負う] 背負い荷。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- niyesike/niyeske 2
- ニイェシケ/ニイェシケ 【名】[ni-e-sike 木・で・荷を背負う]しょいこ。 ni ani a=kar niyesike ニ アニ アカラ ニイェシケ 木でつくったしょいこ。(S) niyeske ani cep a=se híne ニイェシケ アニ チェプ アセ ヒネ しょいこで魚を背負って。(NK民話) {E: a load on one's back.} (出典:田村、方言:沙流)
- nonsikay(-e)
- ノンシカイ §514.つば(唾);よだれ(涎)(4)口中にたまったつば;なまつば non-sikay(-e)〔nón-ši-kaǐ のンシカイ〕[<non-sikaye-i(唾の・砕けた・もの)>⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- noykosanu i=kurkasike onoyoyse
- ノイコサヌ イクルカシケ オノヨイセ 【noykosanu i=kurkasike onoyoyse】 私の体の上へ身を投げ出した,恋人に会った女が相手の上へ身を投げ出した. ▷ノイコサヌ=力を抜いて イクルカシケ=私の体の上 オノヨイセ=くずれ落ちる *ユカラの中でポンヤウンペの婚約者が,ポンヤウンペに会った時の様子.スムキナネノイコサヌ(しおれた草のようにくずれ落ちた)という言い方もある[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- nuesikari
- ヌエシカリ §795.めまい(眩暈)[する](7)nu-esikari〔nú-e-ši-ka-ri ぬエシカリ〕[nu(目)+e(そこにおいて)+sikari(まわる)]⦅チンナイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- numasikankan(-i)
- ヌマシカンカン §518.つむじ(旋毛);まきめ(5)背中の旋毛 numa-sikankan(-i)〔nu-má-ši-kaŋ-kan ヌまシカンカン〕[numa(毛)+sikankan(<si-kar-kar 自分を・からみ・からみする)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- numausikompap
- ヌマウシイコンパプ §157 毛虫 (2) numa-us-ikompap(nu-má-us-í-kom-pap)「ヌまウシいコンパプ」[<numa(毛)us(生えている)ikompap(体を曲げて歩く者)]⦅穂別、沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- nuwapkosikiruru
- ヌワプコシキルル 【自動】[nuwap-ko-sikiruru 出産・に・ころげまわる] 陣痛でころげまわる。 {E: to writhe about in agony.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oarsik
- オアラシク 【名】[概](所は oarsiki(hi) オアラシキ(ヒ))[oar-sik 片方の・目] 片目。 ☞sik シク (出典:田村、方言:沙流)
- oarsik(-i)
- オアラシク §209.片目、片方の目(1)oar-sik(-i)〔o-ár-šik オあラシク〕[oar(一つの)+sik(目)]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- oarsik/oarsiki(hi)
- オアラシク/オアラシキ(ヒ) 【oar-sik/-siki(hi)】 片方の目. (出典:萱野、方言:沙流)
- oarsiki(hi)
- オアラシキ(ヒ) 【名】[所](概は oarsik オアラシク) …の片目。 oarsiki sikari cup néno, oarsiki entonum pakno an オアラシキ シカリ チュプ ネノ、 オアラシキ エントヌム パクノ アン 片目は満月のようで、 片目は「アブラグサ」くらいしかない(あるばけものの容貌の描写)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- oarsiknak
- オアラシクナク 【oar-siknak】 全盲. (出典:萱野、方言:沙流)
- oarsiko
- オアラシコ 【oar-sik-o】 片目の人. (出典:萱野、方言:沙流)
- okkasike
- オッカシケ 【okkasike】 以上. (出典:萱野、方言:沙流)
- okuyesikari
- オクイェシカリ §409.しょおべんずまり;閉尿(3)okuyesikari〔o-kú-je-ši-ka-ri オくイェシカリ〕[o(陰部)+kuy(小便)+eskari(つまる)]⦅シラウラ、マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ommekkasike
- オンメッカシケ §804.ももの上面(3)om-mekkasike〔óm-mek-ka-ši-ke おム・メッカシケ〕[om(もも)+mekkasike(その背面の所)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- osiesikari(-an)
- オシエシカリ §690.便秘[する];ふんずまり[する](6)o-si-esikari(-an)〔o-ší-e-ši-ka-ri オしエシカリ〕[o(尻)+si(くそ)+esikari(つまる)]⦅サル、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- osike
- オシケ 【他動】[o-sike (そこ)に・荷を背負う] ☞ka(si) osike カ(シ) オシケ (出典:田村、方言:沙流)
- osike amihicin
- オシケ アミヒチン §519.つめ(爪)(4)ウサギの足の爪 osike amihicin〔o-ší-ke|a-mí-hi-čin オしケ・アみヒチン〕[osike(ウサギ)、amihi(その爪)+cin(複数語尾)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- osike saparusihe
- オシケ サパルシヘ §060.頭の皮(3)ウサギの頭の皮 osike saparusihe〔o-ší-ke-sa-pá-ru-ši-he オしケ・サぱルシへ〕[ウサギ・の頭の皮]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- osikiru
- オシキル 【他動】[o-si-kiru (そこ)に/で・自身・を回す] …の方へ向かって行く、 …に行く、 …に着く。 nupuri tapka a=osíkiru ヌプリ タプカ アオシキル 私は山の頂上に到着した。(W民話) {E: to go to, towards…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osikkewnu
- オシッケウヌ 【自動】[o-sikkew-nu その尻・角(かど)・を持つ] 四角い。 {E: to be square (in shape).} (出典:田村、方言:沙流)
- osikkewunpe
- オシッケウンペ 【名】[o-sikkew-un-pe その尻・角(かど)・(そこ)にある・もの] ①四角い物。 ②一升ます(conpa チョンパ)の別の呼び名。 ☞conpa チョンパ {E: ①something square. ②…} (出典:田村、方言:沙流)
- osikkote
- オシッコテ 【他動】[o-sik-kote (そこ)に・目・を結びつける] …にほれる、 (異性)を愛する。 ☆参考 「今は eramasu エラマス と言う。 古い言葉では oramkote オラムコテ と言った。」 (S) {E: to fall in love with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osikkote
- オシッコテ 【o-sik-kote】 惚れる,愛する,見とれる. コシッコテ(ク・オシッコテ) メノコ タント ニナ クス エキムネ シリ ク・ヌカラ=私の惚れた娘が,今日は薪採りに山へ行ったのを私は見た. (出典:萱野、方言:沙流)
- osikkurkote
- オシックルコテ 【他動】[o-sik-kur-kote (そこ)に・目・影/姿・を結びつける] …をじっと見つめる。 {E: to glare, stare at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osikkurkote
- オシックルコテ 【o-sik-kur-kote】 目を離さない. ア・ホクフ イヨシックルコテ(イ・オシックルコテ).オヤチキ ホンコロ・アン ヒ ネ アアン=私の夫は私から目を離さなかった.知らなかったが私は妊娠していた. (出典:萱野、方言:沙流)
- osiknuka
- オシクヌカ 【他動】[o-sik-nu-ka そこに・目・を持つ・(他動詞化)]…を慕う、 …になつく。 {E: to long for…; be attached to…} (出典:田村、方言:沙流)
- osiknuka
- オシクヌカ 【o-siknu-ka】 慣れる:慣れ親しむ,なつく. (出典:萱野、方言:沙流)
- osikoni
- オシコニ 【他動】…に追いつく(「かっつく」)、 …をつかまえる、 …に間に合う、 (手に入りにくいもの)を手に入れる。 kisa oskoni キサ オシコニ 汽車に間に合う(=kisaoskoni キサオシコニ)。 ☆参考 しばしば s の後の i が落ちて oskoni オシコニ と発音される。 ☆対語 orawki オラウキ。 {E: to catch up with…; catch…; be in, on time for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osikoni
- オシコニ §045 エゾニワトコ (3) osiko-ni (o-sí-ko-ni)「オしコニ」[<o-si-kon-ni、o(尻)-si(糞)-kor(持つ)-ni(木)] 茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- osikoni/oskoni 1
- オシコニ/オシコニ 【os(i)koni】 ①追いつく. ペトルン ペウタンケ ハウ アシ ヒ クス イカオパシ・アン アクス ヘカッタラ ウコチプクタ ヒ ネ ロク オカ イイソネカ オピッタ ア・オシコニ ワ ア・ヤンケ=川の方へ危急を知らせる声がしたので私も騒ぎを聞いて助けに走ると子供たちが舟をひっくり返したのであったが,幸いなことに皆が追いつき助け上げた. (出典:萱野、方言:沙流)
- osikoni/oskoni 2
- オシコニ/オシコニ 【os(i)koni】 ②(〜を)獲る,つかまえる. タント アナクネ ネア イペサククル ア・トゥラ ワ ソネ ネプカ ア・オシコニ エアシカイ ヤ ウン=今日はあの狩の下手な者を私たちは連れてなんとか何か獲ることができるだろうか?キムンカムイ ユク ケサンパ ヒ タ ユク アナクネ ユク ル カリ キラ コロ キムンカムイ アナクネ シリイッネトゥイェ ワ ヨコ ワ アン ユク オシコニ プ ネ ヤカイェ(ヤク ア・イェ)=熊が鹿を追いかける時,鹿が鹿道の通りに逃げると,熊は先回りをして待ち伏せをして鹿をつかまえるものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- osikpekare
- オシクペカレ 【o-sik-peka-re】 目で確かめる.▷オ=それ シク=目 ペカ=受ける レ=させる アイ アナクネ ソモ オウペカ コロ ウェン ペ ネ ナ ピリカノ オシクペカレ ワ ヌカラ ヤン=矢は真っ直ぐでないと悪いものだから,よく目で確かめて見るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- osikusis
- オシクシシ 【o-si-kusis】 大便をする.*多くの場合野糞の時にこの言い方で,便所でのは,ヤイウテク=自分で自分を使うという. (出典:萱野、方言:沙流)
- ossike(he)
- オッシケ(ヘ) 【名】[所](概は ossi オッシ) ①…の中、 その中(餅の中やリンゴの中)。 ossike tópenpe a=o sito オッシケ トペンペ アオ シト 中にあんこの入った餅。(W) ossike kikir o ruwe an オッシケ キキロ ルウェ アン(リンゴの)中に虫が入っている。 ossike kunne ruwe オッシケ クンネ ルウェ 中が黒くなっている。(W) ②…の腹の中(胃より下、 人間のみ、 主に特別の言い回しの中で用いる)。 ③心の中。 k=ossike péka ku=cis kor k=an コッシケ ペカ クチシ コロ カン 私はおなかの中で(=心の中で)泣いている。(W独話) ossike arka オッシケ アラカ [腹の中が・痛い] (1) 腹をこわす(下痢する等)。 (2) 憤慨する、 しゃくにさわる(「はらんばいわるい」)。 kú=ipeyar wa suy e=ossike arka kor an クイペヤラ ワ スイ エオッシケ アラカ コラン 私が人に食べさせたら(食べ物を与えたら)またあなたは機嫌を悪くしているんだね。(S) (3) 色事をする。 ossike pirka オッシケ ピリカ 腹の中は良い(=心は良い)。 ossike pirka korka kanparo wen オッシケ ピリカ コロカ カンパロ ウェン 腹の中は良いが(気はいいが)口が悪い。 ossike poro オッシケ ポロ [(頭の)中が・大きい] りこうだ(子どもが)。 ossike wen オッシケ ウェン [腹の中が・悪い] 腹黒い。 (出典:田村、方言:沙流)
- ossikeomap
- オッシケオマプ 【名】[ossike-oma-p おなかの中・に入っている・もの]おなかの中の赤ん坊。 ossikeomap poro オッシケオマプ ポロ おなかの中の赤ちゃんが大きい。(S) {E: the baby in one's belly; a foetus.} (出典:田村、方言:沙流)
- ossikeop
- オッシケオプ 【名】[ossike-o-p おなかの中・にたくさん入っている・もの]はらわた、 臓物。 a=tuyé akus ossikeop pututke アトゥイェ アクシ オッシケオプ プトゥッケ (おなかを)切ったら臓物が飛び出した。(S) ossikeop yaskenisitonkes オッシケオプ ヤシケニシトンケシ [雅](槍で突かれ刀で切られて)はらわたが飛び出してブランブランしている。(S) {E: the entrails; the internal organs.} (出典:田村、方言:沙流)
- ossikeop
- オッシケオプ 【ossike-o-p】 はらわた. (出典:萱野、方言:沙流)
- ossikeop(-i)
- オッシケオプ §548.ないぞう(内臓);臓腑(3)ossikeop(-i)〔óš-ši-ke-op おッシケオプ〕[os(中、内)、osi(その中)、ossi(その中、osiの強調形)、ossi-ke(その中の所、その内部)、o(ごやごや入っている)、-p(もの)]⦅サル,―ユ研Ⅱ, p.487⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ossikeporo
- オッシケポロ 【ossike-poro】 利口だ:子供に関して. ホッノ イヨーハイ ネプ イェ ヤッカ オッシケポロ ハウェ.チェホタシヌプ ネ オアシ=まあたまげた,何を言っても利口な子供だ.行く末に期待と末恐ろしさのある者になりそうだ.ポンペ オラーノ オッシケポロ プ ネ クス ネプカ ア・イェ コロ キサッタララ オラウン エパルラ=小さい癖に利口なものだから,何か私どもが言うと聞き耳を立てて聞いた話を運んで行く. (出典:萱野、方言:沙流)
- ossikikir(-i)
- オッシキキリ §230 マイマイ(カタツムリ) (10) ossi-kikir(-i) (ós-si-ki-kir)「おッシキキリ」 ⦅千歳⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- ossikor
- オッシコロ 【自動】[ossi-kor 中(この場合、 頭の中、 脳)・を持つ]りこうだ(子どもが)。 {E: (for a child) to be clever.} (出典:田村、方言:沙流)
- otu nonsikay ore nonsikay ukaeruki
- オトゥ ノンシカイ オレ ノンシカイ ウカエルキ §514.つば(唾);よだれ(涎)(7)なまつばを呑み呑みする o-tu non-sikay o-re non-sikay u-ka-e-ruki〔o-tú-non-ši-kaǐ|o-ré-non-ši-kaǐ|u-ká-e-ru-ki オとぅ・ノンシカイ・オれ・ノンシカイ・ウかエルキ〕[o-tu(幾度も幾度も)、non-sikay(なまつば<non-si-kaye-i 唾の砕けたもの、non「つば」 si「[自分を] kaye「砕く」 si-kay「自分を砕く」=「砕ける」 si-kaye-i「砕けたもの」、ただし、sikayには「木釘」の意があり、今の古老の中には釘でも呑むように生唾を呑みこむという意に解している者もあるようである)、o-re(幾度も幾度も)、non-sikay(なまつばを)、u-ka-e(お互い・の上・に、次から次へと引続いて)、ruki(呑みこむ)]「幾度も幾度も生唾を次から次へと呑みこんだ」⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- ousike
- オウシケ 【ousike】 根元,際. (出典:萱野、方言:沙流)
- ousike
- オウシケ §018.親(10)ousike〔o-ú-ši-ke オうシケ〕⦅チカブミ⦆親。[もと"根の所"の義;pon cikuni ousikehe"小さい木の根もと"などと言う;o(尻)+us(ついている)+-i(所)+-ke(部分)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- ousike(he)
- オウシケ(ヘ) 【/ousike(he)】 (〜の)続き. エ・イェ ウウェペケレ オウシケヘ イェ=あなたが言った昔話の続きを言いなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
- oussikew(-e)
- オウッシケウ §018.親(11)oussikew(-e)〔o-ús-ši-keŭ オうッシケウ〕⦅チカブミ⦆【雅:神謡】親。an-〜-utar「私の親たち」。[もと"根の部分"の義;o(尻)+us(ついている)+-i(所)+kew(体)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- oyseekasike
- オイセエカシケ §803.ももの外側;そともも;大腿外側部(2)oy-see-kasike〔óǐ-sé-e-ka-ši-ke おイ・せエ・カシケ〕[oy(<om もも)+see(=se-he=seturuhu その背)+kasike(その表面);「もも・の背・の面」]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- pesik 1
- ペシク 【pe-sik】 ①波紋.▷ペ=滴 シク=目 →滴の目 アプト オカ タ ト サム タ アラパ・アン ヒネ アナン(アン・アン) アクス ニカ ワ ニセウ ヌム トゥルセ アクス ポロ ペシク ピラサ ルウェ ネ=雨上がりに沼の側へ行っていると木の上からドングリの粒が落ちると大きい波紋が広がったのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- pesik 2
- ペシク 【pe-sik】 ②しぶき. ポロ ワッカ オッタ(オロ タ) チプ ア・オ ヒネ ペッペシアナクス(ペッペシ・アン アクス) ペシク イ・カカムカム テイネ・アン=洪水の時に舟に乗って川を下ると,しぶきが私におおいかぶさって私は濡れてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- pésiksik
- ペシクシク 【名】[pe-sik-sik しずく・目・(重複)] 水玉模様。 pésiksik o amip mi ペシクシク オ アミプ ミ 水玉模様の服を着なさい。(S) ☆参考 kawkawnoka カウカウノカ あられ模様(水玉模様のようで、 まん丸でなく花が咲いたような形になっている模様)。 {E: a polka-dot design.} (出典:田村、方言:沙流)
- Pipaikorosikiaraka
- ピパイコロシキアラカ §218 カワシンジュガイ (9) Pipa-ikoro-sikiaraka (pi-pa-i-ko-ro-si-ki-a-ra-ka)「ピパイコロシキアラカ」 ⦅鵜城⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- pipaikorosikiaraka
- ピパイコロシキアラカ §218 カワシンジュガイ (23) pipa-ikoro-sikiaraka (pi-pa-i-ko-ro-si-ki-a-ra-ka)「ピパイコロシキアラカ」 ⦅鵜城⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- pirakkakosikiru
- ピラッカコシキル §442.すじちがいする;捻挫する(1)pirakka-ko-sikiru〔pi-rák-ka-ko-ši-ki-ru ピらッカコシキル〕[pirakka(下駄)+ko(と共に)+sikiru(まわる)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- pirakkasikiru
- ピラッカシキル §442.すじちがいする;捻挫する(3)pirakka-sikiru〔pi-rák-ka-ši-ki-ru ピらッカ・シキル〕[pirakka(下駄)、sikiru(回転する)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- pisesik
- ピセシク §633.腹が張る(4)腹がくちくなる;満腹する pise-sik〔pi-sé-šik ピせ・シク〕[腹が・いっぱいになる]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- poho sika kusu kara tokoho
- ポホ シカ クス カラ トコホ §374.しきゅう(子宮)(9)poho sika kusu kara tokoho〔ぽホ・シか・クす・カら・トこホ〕[子が出ようとしている所]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ponumosikarape
- ポヌモシカラペ §358.産―お産の敷物ponu-mosikarape〔pó:-nu|mó-ši-ka-ra-pe ぽーヌ・もシカラペ〕[ponu(子を産む)+mosikarape(敷物、→本辞書,巻Ⅰ,p.22以下)]⦅ウソロ、シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- porosikupkur
- ポロシクプクル §008.老翁(12)poro-sikup-kur〔po-ró-ši-kup-kur ポろシクプクル〕⦅ホロべツ⦆【雅】老翁。[(大いに・成長した・人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- porosikupmat
- ポロシクプマッ §009.老婆(4)poro-sikup-mat〔po-ró-ši-kup-mat ポろシクプマッ〕⦅ホロべツ⦆【雅―神謡集, p.10】老婦人。[(大いに・成長した・女)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- pósiresikte
- ポシレシクテ 【自動】[po-sir-e-sik-te 子・あたり・…で・満ちる・させる] 子どもがたくさんできる、 たくさんの子どもに恵まれる。 {E: to have many children.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pósiresiktepa
- ポシレシクテパ 【自動】[複](posiresikte ポシレシクテ は単複の区別なし) (二人以上皆が)たくさんの子どもに恵まれる。 ☆参考 不定人称形は posiresikte=an-pa ポシレシクテアン-パ {E: to have many children (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- poysiknupo
- ポイシクヌポ 【poysiknupo】 生きると思うな. ポイシクヌポ エ・キ クナク ラム=(殺してしまうのだから)生きる望みを持つではない[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- poysikupkina
- ポイシクプキナ §359 バイケイソウ (3) poysikupkina (póy-si-kup-ki-na)「ぽイシクプキナ」[poysi(赤児)siku(成長する)kina(草)] 茎葉 ⦅名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- poysikuppe
- ポイシクッペ §005.男児;幼少年(13)poysikuppe〔póǐ-ši-kup-pe ぽイシクッペ〕[pon(小さい)+sikuppe(若者)]⦅ビホロ⦆少年。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- puyarsikrap
- プヤラシクラプ 【puyar-sik-rap】 東側の窓の上へ屋根を少し出して葺いたもの.▷プヤラ=窓 シクラプ=まつげ →窓のまつげ (出典:萱野、方言:沙流)
- rampoki sikayus
- ランポキ シカユシ §428.しんけいつう(神経痛)(1)肋間神経痛 rampoki sikayus〔rám-po-ki-ši-ka-juš らンポキ・シカユシ〕[rampoki(その脇腹)+sikaye-us(木釘が・幾つもささる)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ramua=siknere
- ラムアシクネレ 【ramu a=sikne-re】 心配させる,思い煩わせる,気をもませる.▷ラム=思い ア=それ シクネ=もつれる (出典:萱野、方言:沙流)
- ramuesikari
- ラムエシカリ §758.胸がつまるramu-esikari〔rá-mu-e-ši-ka-ri らムエシカリ〕[その胸・つまる]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ramuesikarionke
- ラムエシカリオンケ §464.ぜんそく(喘息)(4)喘息の様に咳をして胸のつまる風邪 ramu-esikari-onke〔rá-mu-e-ší-ka-ri-ón-ke らム・エしカリ・おンケ〕[その胸・つまる・咳]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ramusikarun
- ラムシカルン 【ramu-sikarun】 記憶力がよい,物忘れをしない. (出典:萱野、方言:沙流)
- raysike(he)
- ライシケ(ヘ) 【名】[所](概 raysike ライシケ は未出。 sike(he) シケ(ヘ) の概は sike シケ)[ray-sike-he ものすごい・背負い荷・(所属語尾)]…のすごいたくさんの背負い荷、 大荷物。 raysike(he) ki ライシケ(ヘ) キ …のすごい大荷物を背負う。 {E: a large load of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rekut esikari
- レクッ エシカリ §575.のどがつまる(2)rekut esikari〔re-kút|e-ší-ka-ri レくッ・エしカリ〕[のど・ふさがる]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- retarsiknum
- レタラシクヌム 【名】[retar-siknum 白い・目玉] 白目。 ☆対語 kunnesiknum クンネシクヌム 黒目。 {E: the white of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- retarsiknum(-i)
- レタラシクヌム §768.しろめ(白目)(1)retar-siknum(-i)〔re-tár-šik-num レたラ・シクヌム〕[retar(白い)+sik(目)+num(玉)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- retarsiknum(-i) kanna kane an
- レタラシクヌム カンナ カネ アン §769.白目を出す(2)retarsiknum(-i) kanna kane an〔re-tár-šik-num|kán-na-ka-nè-an レたラシクヌム・かンナ・カネ・アン〕[白い・目玉を・表にし・て・いる]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- riciuwousike
- リチウウォウシケ §234.かんせつ(関節)(8)rici-uwousike〔ri-čí-u-wò-u-ši-ke リちウウォウシケ〕[rici(その筋、その腱)+uwousi(連結する、u 互いの、o 尻を、usi くっつけている)+ke(所)]⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- rusiknak
- ルシクナク 【自動】[ru-siknak やや・盲目だ]目がよく見えない(「目が薄い」)。 {E: to have bad eyesight.} (出典:田村、方言:沙流)
- rusiknak
- ルシクナク 【ru-sik-nak】 半盲. (出典:萱野、方言:沙流)
- rusiknak
- ルシクナク §396.じゃくし(弱視)ru-siknak〔ru-šík-nak ルしクナク〕[ru(なかば)+siknak(盲目である)]⦅サル、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ruwesankasiko pasekamuy
- ルウェサンカシコ パセカムイ 【ruwe-san-ka-sik-o pase-kamuy】 水の神の名前. (出典:萱野、方言:沙流)
- samampesiko
- サマンペシコ 【自動】[samanpe-sik-o カレイ・目・ついている](直訳すると)カレイのような目がついている=寄り目である。 ☆参考 「カレイの目はひとところへ寄っているのでこう言う。」 (S) {E: to be cross-eyed.} (出典:田村、方言:沙流)
- samanpesiko
- サマンペシコ ☞samampesiko サマンペシコ (出典:田村、方言:沙流)
- sampesikurpa(-an)
- サンペシクルパ §123.うえる(餓える)(12)空腹でたまらぬ sampe-sikurpa(-an)〔sám-pe-ši-kur-pa さンペシクルパ〕[sampe(心臓が)+sikurpa(=sikirpa きりきり舞いをする)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sapaosikarikariusi
- サパオシカリカリウシ §518.つむじ(旋毛);まきめ(1)頭の旋毛 sapa-osikarikariusi〔sa-pá-to-ši-ka-ri-ka-ri-u-ši サぱオシカリカリウシ〕[sapa(頭)+o(そこにおいて)+sikarikari(ぐるぐる回っている)+usi(所)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- setasikerpe
- セタシケレペ §172 キワダ(キハダ) カラフトキハダ (3) seta-sikerpe (se-tá-si-ker-pe)「セたシケレペ」[犬・シケルペ] 果実 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- setasikerpeni
- セタシケレペニ §172 キワダ(キハダ) カラフトキハダ (4) setasikerpe-ni (se-tá-si-ker-pe-ni)「セたシケレペニ」[犬シケルペのなる・木] 茎 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sik'etokousikosanu
- シクエトコウシコサヌ 【sik-etoko-usi-kosanu】 目の前からさっと消える,目の先が見えなくなった. ▷シッ=目 エトコ=先 ウシコサヌ=さっと消えた(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sik(-i)
- シク §765.め(目・眼)(1)sik(-i)〔šík しク〕⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sik(-i)-(y)okuste
- シク(ヨクシテ §769.白目を出す(1)sik(-i)-(y)okuste〔šík-o-kuš-te しクオクシテ、シきヨクシテ〕[sik(目)+okus(ひっくりかえる)+te(させる)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sik/siki(hi)
- シク/シキ(ヒ) 【sik/siki(hi)】 目. (出典:萱野、方言:沙流)
- sika
- シカ 【後副】[si-ka 自分・の上](?) [雅](次の文脈で)…にのって。 hopuni kamuy maw/kamuy maw sika/kamuy kosonte/cisanasapte ホプニ カムイ マウ/カムイ マウ シカ/カムイ コソンテ/チサナサプテ [雅]立ちのぼる神風にのって立派な小袖が出てきた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sika opiwkiyar
- シカ オピウキヤラ 【sika opiwki-yar】 助けを求める. (出典:萱野、方言:沙流)
- sika(-an)
- シカ §139.うまれる(2)sika(-an)〔ši-ká シか〕[<siko]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikaesinayar
- シカエシナヤラ 【si-ka-esina-yar】 自分の秘密を他に漏らさないように頼む.▷シ=自ら エシナ=隠す ヤラ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
- sikakamure
- シカカムレ 【他動】[si-ka-kamure 自分・の上・…に…をかぶせる] …を頭の上にかぶる。 apto as na korham kar wa sikakamure アプト アシ ナ コロハム カラ ワ シカカムレ 雨が降っているから蕗(フキ)の葉を取ってかぶりなさい。(S) ☆参考 帽子や冠(sapanpe サパンペ)を「かぶる」ことは kor コロ。 {E: to wear…on one's head.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikamare
- シカマレ 【自動】[si-kama-re 自分を・またぐ・させる](日にちなどの)間をとばす、 間があく。 sine cup sikamare no nepki kus ek シネ チュプ シカマレ ノ ネプキ クシ エク 一カ月おいて(次の次の月に)働きに来る。(S) tu cup sikamare no ek ranke トゥ チュプ シカマレ ノ エク ランケ (彼はいつも)二カ月おきに来る。(S) to sikamare no/sine to sikamare no ト シカマレ ノ/シネ ト シカマレ ノ 一日おいて、 一日おきに。(S) íne to sikamare he ne ya asikne to sikamare he ne ya ku=ye kusu ne イネ ト シカマレ ヘ ネ ヤ アシクネ ト シカマレ ヘ ネ ヤ クイェ クス ネ 四日後か五日後に言います。(S) {E: refers to intervals of time eg. every other day; every second month etc.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikamay(-e)
- シカマイ §070.あぶらかす(油粕)(2)sikamay(-e)〔ši-ká-maǐ シかマイ〕⦅H.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- síkanna
- シカンナ 【連体】[sí-kanna 本当の・上の]上天の、 一番高い所の。 síkanna kamuy シカンナ カムイ [雅]上天の神。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikannatki
- シカンナッキ 【自動】[< sikarnatki < sikari-no-atki 丸い/回る・よく・(音や状態の反復継続を表す接尾辞)](?) ①丸い(円)。 sikannatki otcike シカンナッキ オッチケ 丸いお盆。 ②クルクル/グルグル回る(回転する、 旋回する)。 sikannatki kor an シカンナッキ コロ アン (テープレコーダーのテープが)クルクル回っている。(W会話) ☆参考 sikarinpa シカリンパ とも言う。 ☆参考 arsikannatki アラシカンナッキ まんまるである。 ☞esikannatki エシカンナッキ {E: ① to be round. ② to go round and round.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikannatki 1
- シカンナッキ 【<si-ka-nanu-atki】 ①回る:猫の尾に紐をつけるとぐるぐる回る,それの様子をいう. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikannatki 2
- シカンナッキ 【<si-ka-nanu-atki】 ②まるい:円,球. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikannatkire
- シカンナッキレ 【他動】[sikannatki-re まわる・させる] …を回す。 {E: to turn…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikannatkire
- シカンナッキレ 【<si-ka-nanu-atki-re】 回す. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikante
- シカンテ §504.ちゅうどく(中毒)する(3)sikante〔ši-kán-te シかンテ〕[<si-kan-te(自分に・当ら・せる;当る)]⦅ライチシ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikanto
- シカント 【si-kanto】 天空. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikantokotor
- シカントコトロ 【si-kanto-kotor】 宇宙. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikaoykiyar
- シカオイキヤラ 【自動】[si-ka-o-i-ki-yar 自分・の上・に・ものごとを・する・人にしてもらう] 人に養ってもらう。 ☞…ka(si) oyki …カ/カシ オイキ {E: to be supported by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikapekuste
- シカペクシテ 【si-ka-pe-kuste】 自分の悪事を隠す.▷シ=自ら カ=上 ペ=水 クシテ=通らせる →自分の体の上に水を流しているかのように隠れている. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikapkap
- シカプカプ 【自動】病身だ、 病弱だ。 sikapkap kor patek an wa a=erámu-ikurkuru hawe tap tapan シカプカプ コロ パテク アン マ アエラムイクルクル ハウェ タプ タパン(この人は)弱くて病気してばかりいてみんな心配しているのですよ。(S) {E: to have a weak constitution.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikapkapa(-an)
- シカプカパ §229.体が弱い;病身であるsikapkapa(-an)〔ši-káp-ka-pa シかプカパ〕[si(自分を)、kap-kap-a(皮のようにうすっぺらにする)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikari
- シカリ 【自動】[si-kari 自分・を回る]丸い。 ☆参考 語構成要素として現れる。 独立の動詞としての例はない。 (出典:田村、方言:沙流)
- sikari
- シカリ 【si-kari】 まるい(円,球),まるくなる. タヌクラン ワノ アシッチュプ ア・ヌカラ.タン チュプ シカリ ラポク ク・ホタシヌ=今夜から三日月が見えた,この月がまるくなる頃私はお産をする. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikaricup
- シカリチュプ 【名】[sikari-cup 丸い・月] 満月。 cási kotor/sikaricup noka/nincup noka/earuwato チャシ コトロ/シカリチュプ ノカ/ニンチュプ ノカ/エアルワト [雅]城の天井は満月の形三日月の形ばかりの模様に満ちていた。(Sユーカラ) ☆参考 pewre cup ペウレ チュプ 三日月。 nincup ニンチュプ 25日ごろの細くなった月。 ☞cup チュプ {E: the full moon.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikaricup
- シカリチュプ 【sikari-cup】 満月.▷シカリ=丸い チュプ=月 (出典:萱野、方言:沙流)
- sikarikari
- シカリカリ 【si-kari-kari】 ぐるぐる回る. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikarimpa
- シカリンパ 【si-karimpa】 まるい:円形,回る. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikarinpa
- シカリンパ 【自動】[< sikari-no-pa 丸い/回る・よく・(複)](?) ①丸い(円)。 ②回る(回転する、 旋回する)。 sikarinpa kor an シカリンパ コラン (テープレコーダーのテープが)クルクル回っている。 ☆参考 sikannatki シカンナッキ とも言う。 両語とも、 丸いことにも回ることにも使う。 ☆参考 球状に丸いことは taktakse タクタクセ。 {E: to be round.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikarinpano
- シカリンパノ 【副】[sikarinpa-no 丸い・(副詞形成)] 丸く。 sikarinpano tuye シカリンパノ トゥイェ (一つを)丸く切る。(S) sikarinpano tuypa シカリンパノ トゥイパ …を輪切りにする。(S) {E: round.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikasesikere
- シカセシケレ 【si-ka-sesike-re】 蒲団を掛けてもらう. ▷シ=自ら カ=上 セシケ=掛ける,覆う,被せる レ=させる クコロション クホッケナ エンカセシケアニー=孫よ,私は寝るので蒲団を掛けてくれよ. *祖母テカッテは孫である私にそう言いながら,セッ(寝床)へ這うようにして行くので必ず蒲団掛けをしたものであった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sikasioikire
- シカシオイキレ 【si-kasio-ikire】 世話をしてもらう,めんどうを見てもらう. ▷シ=自ら カシオイキレ=めんどうを見てもらう タネコンネ(クオンネ) ワ クポホウタラ クシカシオイキレ=私も歳を取ったので,息子たちにめんどうを見てもらっている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sikasuyre
- シカスイレ 【他動】[si-kasuy-re 自分・を手助けする・させる] …に自分のことを手伝わせる、 …に手伝ってもらう。 a=kotánu un utar sikasuyre wa pirka cise poro cise a=así ruwe ne híne アコタヌ ウン ウタラ シカスイレ ワ ピリカ チセ ポロ チセ アアシ ルウェ ネ ヒネ 村の人々に手伝ってもらって、 きれいな大きな家が建てられて。(W民話) {E: to have…help with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikasuyre
- シカスイレ 【si-kasuy-re】 手伝わせる. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikatkare
- シカッカレ §595.ばかである;おろかである(20)ばかす sikatkare〔ši-kát-ka-re シかッカレ〕[si(自分をして)+katkare(ばかされ・させる)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikatkore
- シカッコレ 【他動】[si-kat-kor-e 自分・あり方・を持つ・させる](悪いものが)…を誘惑する(?)/連れ出す(?)。 hunak un sikatkore wa tura ruwe an un? フナクン シカッコレ ワ トゥラ ルウェ アヌン? (あの悪い子がうちの子を)どこへまた引っぱり出して行ったろう。(S) ☆参考 siren シレン …を誘う。 tura トゥラ …と一緒に行く/来る。 {E: (for a bad person) to lure away.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikatorkamuy
- シカトロカムイ §697.ほうそう(疱瘡);てんねんとう(天然痘)(18)疱瘡神 sikator-kamuy〔ši-ká-tor-ka-muǐ シかトロカムイ〕[糞形のついた魔神;si(糞)+kat(形)+or(所)+kamuy(魔神)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikatorkekamuy
- シカトロケカムイ §697.ほうそう(疱瘡);てんねんとう(天然痘)(19)疱瘡神 sikatorke-kamuy〔ši-ká-tor-ke-ka-muǐ シかトロケカムイ〕[sikatorke(糞形のついた)+kamuy(魔神)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikatorokesiyeye
- シカトロケシイェイェ §541.でんせんびょう(伝染病)(9)シカトロケ病 sikatoroke-siyeye〔ši-ká-to-ro-ke-ši-je-je シかトロケシイェイェ〕["シカトロケ・病"の義]⦅サル―聖典, p.295⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikay 1
- シカイ 【名】[sik-ay 目・矢/とげ][植物](木の)節。 ní-sikay ニシカイ 木の節。(S)〔知分類 p.279 ni-sikarax ((白浦))木のこぶ〕 {E: a knot in a tree, wood.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikay 2
- シカイ 【名】[概](所は sikaye(he) シカイェ(ヘ))[sik-ay 目・矢/とげ(ささるもの)]めくぎ、 くさび。 sikay kar シカイ カラ めくぎを打つ。(S) sikay us pekor humi an シカイ ウシ ペコロ フミ アン めくぎが刺さっているみたいな感じだ=一箇所が刺すように痛い。(S) {E: a rivet; a wedge.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikay/sikaye(he)
- シカイ/シカイェ(ヘ) 【sikay/sikaye(he)】 目釘,釘:竹などを用いる. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikaye(he)
- シカイェ(ヘ) 【名】[所](概は sikay シカイ) …のめくぎ。 ku=kor emus sikaye ku=kar クコロ エムシ シカイェ クカラ 私は私の刀にめくぎを打つ。(S) {E: a rivet, wedge of…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikayekar
- シカイェカラ 【他動】[sikaye-kar …のめくぎ[所]・を処置する]…にめくぎを打つ(=sikaye kar シカイェ カラ)。 (出典:田村、方言:沙流)
- sikayekaye
- シカイェカイェ 【si-kaye-kaye】 稲妻の形,稲光のように屈曲した模様.▷シ=自ら カイェカイェ=折れ折れする (出典:萱野、方言:沙流)
- sikayeus
- シカイェウシ §085.いたむ(痛む)(5)針を刺すようにチクチク痛む sikay-e-us〔ši-ká-je-uš シかイェウシ〕[sikay(木釘)+e(そこに)+us〔沢山ささる〕]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikayomare
- シカヨマレ 【他動】[sikay-omare くさび/めくぎ・を入れる]…にくさびをさしこむ。(S) {E: to drive in a wedge.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikayus
- シカユシ §085.いたむ(痛む)(6)針を刺すようにチクチク痛む sikay-us〔ši-ká-juš シかユシ〕[とげ・多くささる]⦅テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikcorpok(-e)
- シクチョロポク §777.目の下の部分;下眼瞼sik-corpok(-e)〔šík-čor-pok しク・チョロポク〕[目・下]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikcorpoke ronronke
- シクチョロポケ ロンロンケ §288.けいれんする(痙攣する)(11)目の下の肉がひくひく動く sik-corpoke ronronke〔šík-čor-po-ke|rón-roŋ-ke しクチョロポケ・ろンロンケ〕[目・の下・ひくひくする]⦅ホロベツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikcupucupu
- シクチュプチュプ 【sik-cupu-cupu】 何回も目を閉じる,まぶしくて目をばちばちする,目で合図する.▷シク=目 チュプチュプ=何回も閉じる (出典:萱野、方言:沙流)
- sike
- シケ 【sike】 背負う. (出典:萱野、方言:沙流)
- sike 1
- シケ 【自動】①荷物を背負う、 (トラックなどが)荷物を積んでいる。 sike ruy シケ ルイ 「たいした荷物積んでる」=とてもたくさんの荷物を積んでいる。(S) ②[動名詞]荷物を背負うこと。 poro sike ki wa ポロ シケ キ ワ 大きな荷物を背負って。 {E: ① to carry a load on one's back. (v.) ② the situation of carring a load on one's back. (n.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sike 2
- シケ 【名】[概/所] ①[概] 荷物、 背負い荷。 ②[所](=sikehe シケヘ)…の荷物、 …の背負い荷。 {E: ① a load. ② a load of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sike/sike(he)
- シケ/シケ(ヘ) 【sike/sike(he)】 荷物. ク・シケヘ パセ プ ネ クス サマ タ カシ(ク・アシ) ワ カナクス(ク・アン アクス) ペウレクル エク ヒネ アンパテク ワ アラパ ワ イサム=私の荷物が重いものだから側で立っていると若者が来てさっと持って行ってしまった.パセ シケ カ コシネ シケ カ アン ナ イナニケカ セ ワ コタン カランケ パクノ エン・ルラ=重い荷物も軽い荷物もあるのでどれかを背負って村の近くまで私を送ってくれ.イワク・アン ナ ホクレ シケカラ コシネ ヒケ セ ワ トゥナシノ イワク ワ スケ エトコイキ コロ アン=帰るので急いで荷物を作り軽いほうを背負って,早く帰って煮物の用意をしていてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikehe
- シケヘ 【名】[所](概は sike シケ) …の荷物、 …の背負い荷、 彼/彼女の荷物/背負い荷。 tup rep a=etáypa híne a=sikéhe a=kar トゥプ レプ アエタイパ ヒネ アシケヘ アカラ 私は(その昆布を)二、 三本引き抜いて背負い荷をつくった。(W民話) oharkisoun a=sikéhe a=anú híne オハラキソウン アシケヘ アアヌ ヒネ 私は左座(=訪問者の席)に私の荷物を置いて。(W民話) {E: a load of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikekamuy
- シケカムイ §277 くま (19) sike-kamuy (si-ké-ka-muy)「シけカムイ」[<sike(荷物を背負う)kamuy(神)] ⦅屈斜路⦆太ったクマ (出典:知里動物編、方言:)
- sikekoyki
- シケコイキ §749.みる(見る)(6)眸をこらしてよく見る sik-e-koyki〔ši-ké-koǐ-ki シけコイキ〕[目で・殺す]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.103】 (出典:知里人間編I、方言:)
- sikenampo
- シケナンポ §067 サケ あきあじ、あきやじ 成(4) sikenampo(sí-ke-nam-po)「しケナンポ」⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sikenka ronronke
- シケンカ ロンロンケ §288.けいれんする(痙攣する)(8)目の上がひくひくと動く sik-enka ronronke〔ší-keŋ-ka|rón-roŋ-ke しケンカ・ろンロンケ〕[目・の上、ひくひくする]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikenkasi ronronke
- シケンカシ ロンロンケ §288.けいれんする(痙攣する)(9)まぶたがひくひく動く sikenkasi ronronke〔シけンカシ・ろンロンケ〕[sik(目)+enkasi(の上方)、ronronke(ひくひく動く)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikenkomah(p-i)
- シケンコマハ §717.まゆ(眉)(6)sikenkomah(p-i)〔ši-kéŋ-ko-mah シけンコマハ〕[<sik(目)+enka(の上方)+oma(にある)+p(もの)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikenkuma
- シケンクマ §717.まゆ(眉)(7)sikenkuma〔ši-kéŋ-ku-ma シけンクマ〕[<sikenkomah]⦅チライ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikenukar
- シケヌカラ 【他動】[sik-e-nukar 目・で・…を見る][雅]…を見る。 (この用例では)占いして見る。 pon cikisani ne/hetuku katu/sikenukar pe/ne korkayki ポン チキサニ ネ/ヘトゥク カトゥ/シケヌカラペ/ネ コロカイキ [雅]小さいハルニレの木が生えたのだということを占いして見たのですけれども。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikeopusi
- シケオプシ 【sik-e-opusi】 にらむ. ピリカ メノコ ネ コロカ ナヌフ ソモ サンケ ノ オトプ ウトゥル ワ イ・シケオプシ アーペコロ イキ エアラキンネ ケオハイシトマ(ク・エオハイシトマ)=いい女なのだが顔を出さずに髪の間から私をにらみつけているみたいで,私はとっても気味が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikepuni
- シケプニ 【sik-e-puni】 そっと見上げる:目上の人に対してそっと見上げる様子. イ・コシケプニ=そっと私を見上げた. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikerayke
- シケライケ 【他動】[sik-e-rayke 目・で・…を殺す]…をじっと見つめる、 まばたきもしないで…をにらむ、 …を恐ろしい目をしてにらみつける。 e=sikerayke wa an エシケライケ ワ アン (彼は)あんたを見てばかりいるよ。(S) {E: to glare at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikerayke
- シケライケ 【sik-e-rayke】 にらむ,にらみつける.▷シク=目 エ=それ ライケ=殺す (出典:萱野、方言:沙流)
- sikere
- シケレ 【他動】[自動使役][sike-re 荷を背負う・させる](人)に荷物を背負わせる、 (人)に背負って行く/持って行くものを与える。 {E: to make…carry a load on their back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikere
- シケレ 【sike-re】 背負わせる.▷シケ=背負う レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
- sikerepani
- シケレパニ §172 キワダ(キハダ) カラフトキハダ (7) sikerepani (si-ké-re-pa-ni)「シけレパニ」 茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikerepaniaraka
- シケレパニアラカ §153.おうだん(黄疸)(2)sikerepani-araka〔ši-ké-re-pa-ni-a-ra-ka シけレパニ・アラカ〕[キハダの木・病]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikerepanitureh
- シケレパニトトゥレヘ §172 キワダ(キハダ) カラフトキハダ (8) sikerepani-tureh (si-ké-re-pa-ni-tu-reh)「シけレパニト・トゥレヘ」[シコロノキの・果実] 果実 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikerepe
- シケレペ §172 キワダ(キハダ) カラフトキハダ (5) sikerepe (si-ké-re-pe)「シけレペ」 果実 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikerepeni
- シケレペニ §172 キワダ(キハダ) カラフトキハダ (6) sikerepe-ni (si-ké-re-pe-ni)「シけレペニ」[シケレペの木] 茎 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- síkeri
- シケリ 【名】[sik-heri 目・輝き](次の表現の中で)目の光。 síkeri ukotukot シケリ ウコトゥコッ 目玉をギョロギョロ光らす。 {E: the sparkle in the eyes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- síkeri ukotukot
- シケリウコトゥコッ ☞síkeri シケリ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikerpe
- シケレペ 【名】[植物]キワダ(「シコロ」)の実。 ☆参考 これの木は sikerpeni シケレペニ。 〔知分類 p.102〕 {E: the fruit of an Amur (Chinese) cork tree.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikerpe
- シケレペ 【sikerpe】 シコロ(キハダ)の実.ブドウのような実がなりその実を香辛料として用いる.木の内側の黄色い部分を剥いで乾燥させ粉にしたものを打ち身や挫きをした時水で練って患部に貼ると効き目がある. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikerpe
- シケレペ §172 キワダ(キハダ) カラフトキハダ (1) sikerpe (si-kér-pe)「シけレペ」 果実 ⦅北海道全地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikerpecir
- シケレペチリ §302 ムクドリ;サクラドリ (2) sikerpecir (si-kér-pe-cir)「シけレペチリ」[<sikerpe-e-cir] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sikerpeciri
- シケレペチリ §305 ウソ (1) sikerpe-ciri (si-kér-pe-či-ri)「シけレペチリ」[<sikerpe(キハダの果実)cir(鳥)] ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sikerpeecir
- シケレペエチリ §302 ムクドリ;サクラドリ (1) sikerpe-e-cir (si-kér-pe-e-cir)「シけレペエチリ」[<キハダの果実・食う・鳥] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sikerpekina
- シケレペキナ 【名】[sikerpe-kina キワダ(「シコロ」)の実・草][植物](食用草の名、 「ゆでて干して油をつけて食べる」。) (W)〔知分類 p.216 ザゼンソオ〕 {E: name of a food made from the Amur cork tree.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikerpekina
- シケレペキナ §367 ザゼンソウ (1) sikerpe-kina (si-kér-pe-ki-na)「シけレペ・キナ」[→注1] 葉 ⦅北海道各地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikerpeni
- シケレペニ 【名】[sikerpe-ni キワダの実・木][植物]キワダ(「シコロ」)の木。 ☆参考 これの皮を粉にして打ち身の薬にする、 また煎じて飲めば胃腸薬。(S)〔知分類 p.102〕 {E: the Amur cork tree (the bark of it which is used as medicine).} (出典:田村、方言:沙流)
- sikerpeni
- シケレペニ 【sikerpe-ni】 シコロ(キハダ)の木. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikerpeni
- シケレペニ §172 キワダ(キハダ) カラフトキハダ (2) sikerpe-ni (si-kér-pe-ni)「シけレペニ」[シケレペのなる木] 茎 ⦅北海道全地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikesanpare
- シケサンパレ 【他動】[si-kesanpa-re 自分・を追いかける・させる] …に自分のあとを追いかけさせる。 urametok uwante=an kusu kimunkamuy a=sikésanpare awa ウラメトク ウワンテアン クス キムンカムイ アシケサンパレ アワ (熊と)度胸くらべをするためにおれは熊にあとを追いかけさせていたのに。(HK民話) ☞kes(e) anpa ケシ/ケセ アンパ {E: to make…follow after oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikesar
- シケサラ 【自動】悪事をする(?)。 piske kus pe kimke kus pe koma utaspa sikesar kor okay pe ne ruwe ne ピシケ クシ ペ キムケ クシ ペ コマ ウタシパ シケサラ コロ オカイ ペ ネ ルウェ ネ (家の)浜側を通る人も山側を通る人も襲って物を取り、 悪事をしている(?)。(NK民話) ☆発音 sikesara シケサラ かもしれない。 {E: to } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikesar
- シケサラ 【sik-esar】 わがまま,横暴. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikesarkur
- シケサラクル 【sik-esar-kur】 乱暴者. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikesarpe
- シケサラペ 【sik-esar-pe】 乱暴者. シケサラペ アナクネ ア・ウコシウトゥルウイルケ コロ ポーヘネ ウェン ナ.タク ワ エク ヤン.ア・オプンプニ ワ ネプカ ア・カレ クシネ ナ=ならず者は皆ではじき出すとなおさら悪いものだ.呼んで来なさい,おだてて何かやらせようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikesitayki(-an)
- シケシタイキ §749.みる(見る)(3)sik-e-sitayki(-an)〔ší-ke-ši-taǐ-ki しケシタイキ〕[目・で・撃つ]⦅ユ研Ⅱ, p.643⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siketokererus
- シケトケレルシ §795.めまい(眩暈)[する](6)sik-etok-ererus〔ši-ké-tok-e-ré-ruš シけトク・エれルシ〕[sik(目)+etok(先)+er-er(きらきら、ちかちか)+us(そこにつく)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siketoknawa(no)
- シケトクナワ/シケトクナワノ 【副】[sik-etok-na-wa(no) 目・の先・の方・から](次の慣用表現の中で) siketoknawa(no) eramiskari シケトクナワ/シケトゥナワノ エラミシカリ 一度も見たことがない、 全然見知らない。 siketoknawa a=erámiskari okkaypo sinep soy ta ek na シケトクナワ アエラミシカリ オッカイポ シネプ ソイ タ エク ナ 全然見たことのない若い男が一人門口に来ていますよ。(W言い伝え) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikewetara
- シケウェタラ §226.体が大きい;図体が大きい(3)恐しく図体の大きい si-kewetara〔ší-ke-we-ta-ra しケウェタラ〕[si(真に)、 …]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikewetara
- シケウェタラ Ⅱ_§002.おとこ(男)(12)sikewetara〔ši-ké-we-ta-ra シけウェタラ〕⦅ホロベツ⦆図体の大きい人;巨大漢。[si-(大)+kewe(その体)+tara(長い)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- siki
- シキ 【siki】 オニガヤ. (出典:萱野、方言:沙流)
- siki
- シキ §395 オギ (3) siki (sí-ki)「しキ」[si(真の)ki(稈)] 稈 ⦅穂別、美幌、名寄⦆⦅A沙流・鵡川・上川・千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- síki 1
- シキ 【名】[sí-ki 大きい/主な・萱][植物]「オニガヤ」。 〔知分類 p.225〕 (出典:田村、方言:沙流)
- siki cimimi
- シキ チミミ §783.目をぱちぱちする;まばたく(8)まばゆくてまばたきする siki cimimi〔ší-ki-či-mí-mi シき・チみミ〕[siki(その目)+cimi-mi(開け・開けする)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siki cimimi siki cupupu
- シキ チミミ シキ チュププ §783.目をぱちぱちする;まばたく(9)まばゆくてまばたきする siki cimimi siki cupupu〔ši-kí-či-mí-mi|ši-kí-ču-pú-pu シき・チみミ・シき・チュぷプ〕[その目を・開け開けする・その目を・つぼめつぼめする]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siki eratkamu
- シキ エラッカム §785.目がかすむ(2)siki e-rat-kamu〔ši-kí-e-rát-ka-mu シき・エらッカム〕[siki(その目)+e(に)+rat(やに)+kamu(かぶさる)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siki homar
- シキ ホマラ §785.目がかすむ(1)siki homar〔ši-kí-ho-már シき・ホまラ〕[その目、かすかになる]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siki isan
- シキ イサン §794.めくら[である](3)siki isan〔ší-ki|i-sán しキ・イさン〕[siki(その目)+isan(<isam 無い)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siki iyo
- シキ イヨ §790.目に物が入る(2)siki iyo〔ši-kí|i-jó シき・イよ〕[siki(その目)+i(物が)+o(そこに入る)]⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siki iyun
- シキ イユン §790.目に物が入る(1)siki iyun〔ši-kí|i-jún シき・イゆン〕[siki(その目)+i(物が)+-un(そこに入る)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siki osoyun tokikusis
- シキ オソユン トキクシシ §784.目を剥く[びっくりして]siki osoyun tokikusis〔ši-kí|o-só-jun|to-kí-ku-šiš シき・オそユン・トきクシシ〕[siki(その目が)+o-soy-un(内から外へ)+toki(凸出して)+kus-is(kusの反復形、行っている)]⦅ユ研Ⅱ, p.648⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siki uturuke(an-)nunke
- シキ ウトゥルケヌンケ §780.目をかすめる;人目を盗むsiki uturuke(an-)nunke〔ší-ki|u-tú-ru-ke|núŋ-ke しキ・ウとぅルケ・ぬンケ〕[その目・の間の所を・選ぶ]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siki(hi) 2
- シキ(ヒ) 【名】[所](概は sik シク)…の目。 siki(hi) poro シキ(ヒ) ポロ 目が大きい。 siki hetke ápekor an シキ ヘッケ アペコロ アン 目が飛び出すみたいだ。 siki unukar シキ ウヌカラ 寄り目だ(目が真ん中へ寄っている)。(S) siki-yupupu シキユププ ☞sikiyupupu シキユププ sikihi iyo シキヒ イヨ 目にごみか何か入る。 ku=siki iyo クシキ イヨ 私の目に何か入った。(S) sikihi karikari シキヒ カリカリ キョロキョロする。 sikihi karikari somo ki シキヒ カリカリ ソモ キ キョロキョロしない(目元が落ち着いている)。(S) a=sikíhi makkosanpa アシキヒ マッコサンパ 急に私の目が見えるようになった。(W民話) sikihi nokan kusu oka ekasi ka an húci ka an シキヒ ノカン クス オカ エカシ カ アン フチ カ アン とても目の小さいおじいさんとおばあさんがいた。(S民話) {E: the eyes of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikihi ka uciw kane
- シキヒ カ ウチウ カネ 【sikihi ka uciw kane】 目も開かないほどだ. ト エピッタ ク・ホック カネ ク・ネプキ アクス ケヌフプ(ク・エヌフプ) ク・シキヒ カ ウチュー カネ=1日いっぱい腰を曲げて働いたら顔が腫れて目も開かないほどだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikihi taruhu
- シキヒ タルフ §717.まゆ(眉)(4)sikihi taruhu〔ší-ki-hi|tá-ru-hu しキヒ・たルフ〕[「彼の目・の眉」]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikikir
- シキキリ §133 ベッコウバエ (2) si-kikir(sí-ki-kir)「しキキリ」⦅高島、穂別⦆穂別54 (出典:知里動物編、方言:)
- sikimane
- シキマネ 【自動(?)】[siki-ma-ne 目・(?)・のようである]そこひのための白眼(?)、 そこひで目が白い(?)。 {E: for the lenses of the eyes to be opaque.} (出典:田村、方言:沙流)
- síkina
- シキナ 【名】[sí-kina 大きい・編む草]ござに編む草の一つ。(S) ☆参考 ござは citarpe チタラペ。 〔知分類 p.232 ガマ、 莖葉((北海道全地))〕 {E: a type of straw used for weaving.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikina
- シキナ 【si-kina】 ガマ〔植〕.▷シ=本当 キナ=草 カニ アナクネ オルケシサクペ ク・ネ クス シキナ ピイェヘ ケトイタ(ク・エトイタ) シリ ネ ナ シコロ ハワナン(ハワン・アン) コロ タプストゥ オイカ ア・チャラパ プ ネ=私は子孫の絶えた者なのでガマ草の種を蒔くのだよ,と言いながら肩越しに後ろへ種を蒔き散らすものだ(雑草は繁殖力が旺盛なので,この沼の食べ物がなくなると,種を蒔いた人の子孫を食うという,それでこのようなまじない言葉を言うものである).*ござを編むのに使う草,沼に生えている.刈り取る時期があって,沙流川流域であれば9月18日前後,それより早く刈るとキナメ(草の寒さ)といって急に寒くなるものであると,刈る時期を牽制しあった. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikina
- シキナ §408 ガマ (1) si-kina (sí-kina)「し・キナ」[真の・草] 茎葉 ⦅北海道全地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikinaci
- シキナチ §408 ガマ (2) sikina-ci (sí-ki-na-ci)「しキナ・チ」[ガマの・陰茎] 花穂 ⦅春採⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikinasutunkur
- シキナストゥンクル §422 アオダイショウ (5) sikinasutunkur (sí-ki-na-su-tun-kur)「しキナストゥンクル」[<si-(本当の・真の)] ⦅穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sikipip
- シキピプ 【sikipip】 見ないふりをする,目を避ける[ユ].*狩人は熊の交尾を見たらよいことがあるから,見てみぬふりをして通り過ぎるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikiporo
- シキポロ §015 ギンボ (15) sikiporo (si-kí-po-ro)「シきポロ」[siki(その目)poro(大きい)](民8) (出典:知里動物編、方言:)
- sikirkew(-e)
- シキリケウ §807.ももの骨(2)大腿骨 si-kirkew(-e)〔ší-kir-keŭ しキリケウ〕[si(大きい)+kir(脚)+kew(骨)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikirpa
- シキリパ 【自動】[複](単は sikiru シキル)(二人以上が)(…の方へ)向く、 向きを変える、 (…の方へ)向かう。 a=utáripo sikirpa kuni a=ekáspaotte wa アウタリポ シキリパ クニ アエカシパオッテ ワ 私は死んだ村人たちにあの世へ行くように命じて。(HK民話) ☆発音 シキルパ。 ☆参考 例文では、 先祖の所へ行くことを言っている。 {E: to face, turn towards…(pl.)..} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikirpare
- シキリパレ 【他動】[自動使役][複](単 sikirure シキルレ は未出)[sikirpa-re (二人以上が)向きを変える・させる](二人以上)を…の方へ向ける/向かわせる。 a=utáripo sikirpa kuni a=ekáspaotte wa a=sikírpare ruwe ne アウタリポ シキリパ クニ アエカシパオッテ ワ アシキリパレ ルウェ ネ 私は死んだ村人たちにあの世へ行くように命じてあの世へ行かせた。(HK民話) ☆参考 用例では、 死んだ村人たちを先祖の所へ行かせたことを言っている。 {E: to make…face, turn towards… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikiru
- シキル 【自動】[単](複は sikirpa シキリパ)[si-kiru 自分・を回す](…の方へ)向く、 向きなおる、 向きを変える、 (…の方へ)向かう、 死後の国へ行く。 sisenpir unno án=an kor sikiru=an kor cís=an kor シセンピルンノ アナン コロ シキルアン コロ チサン コロ 私は陰の方を向いて後ろ向きになって泣きながら。(W民話) kamuy nis ka un sikiru=an oasi siri ne na カムイ ニシ カ ウン シキルアン オアシ シリ ネ ナ 私は天の神の国へ帰っていくところなのだよ。(W神謡語り) {E: to face; turn (towards); change directions.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikiru
- シキル 【si-kiru】 向く. チェプ シキル ア・シコパヤラ=魚のようにさっと身を翻す. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikiruru
- シキルル 【自動】[sikiru-ru (…の方へ)向きを変える・(重複)](直訳すると)向きを変え続ける、 ころげまわる。 a=honíhi arka wa hesasi wa hemakasi wa sikiruru=an アホニヒ アラカ ワ ヘサシ ワ ヘマカシ ワ シキルルアン 私は(陣痛で)おなかが痛くていろりの方へ奥の方へところげまわった。(W神謡語り) {E: to change direction (towards); to roll around.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikisakisa
- シキサキサ 【si-kisa-kisa】 身ぶるいする:犬などが川を泳いで渡った後,体をふって水を切ること. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikismayar eramus
- シキシマヤラ エラムシ §015.赤子に抱きぐせがつくsikismayar eramus〔ši-kíš-ma-yar-e-rà-muš シきシマヤラ・エらムシ〕[si(自分を)+kisma(抱か)+yar(せしめる)、eramus(くせになる)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- síkite
- シキテ 【名】[概/所][si-kite 大きい・銛先][動物] きば(牙)。 ☆参考 人間の糸切歯は kátuyemimak カトゥイェミマク。(W)〔知分類 p.303 sikite (しキテ) 糸切歯((サル))〕 {E: tusks; fangs (animals).} (出典:田村、方言:沙流)
- sikite
- シキテ 【si-kite】 牙. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikite
- シキテ §582.は(歯)(33)糸切歯 sikite〔ší-ki-te しキテ〕[si(本当の)+kite(銛先)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- síkitehe
- シキテヘ 【名】[所](概は síkite シキテ) …(動物)のきば(牙)。 {E: the tusks, fangs of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikitonekah
- シキトネカハ §340 スズラン キミカゲソウ (3) sikitonekah (si-kí-to-ne-kah)「シきトネカハ」[si(自分を)kito(ギョウジャニンニクの葉)ne(になら)ka(せる)p(もの)、ギョウジャニンニクもどき] 葉 ⦅大泊ootomari⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikittare
- シキッタレ 【自動】[si-kittare 自分を・(?)] 自分の身を守る。 saksamawe tura a=ecákke p isokapiw ne awa, sikittare kusu apa or ta punkinere ruwe an wa サクサマウェ トゥラ アエチャッケプ イソカピウ ネ アワ、 シキッタレ クス アパ オッタ プンキネレ ルウェ アン ワ 臭くてきたなくておれの大きらいなアホウドリを、 自分の身を守るために戸口のところに置いて番をさせやがって。(HK民話) ☆参考 sikikkare シキッカレ と同義か。 ☞kik(i) kar キク/キキ カラ {E: to protect oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikittektek
- シキッテクテク 【自動】[si-kir-tektek 自分・…の向きを変える(kiru の語根)・(接尾辞)瞬間に…する] クルツと向きを変える。 {E: to turn right around.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikittektek
- シキッテクテク 【<si-kiru-tek-tek】 身を翻す.▷シ=自ら キル=向ける,動かす テクテク=さっと,急に ←シキルテク (出典:萱野、方言:沙流)
- sikiutacup
- シキウタチュプ 【si-ki-uta-cup】 4月. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikiwen
- シキウェン §791.目の病気(1)眼病 siki-wen〔ši-kí-wen シき・ウェン〕[siki(その目)+wen(悪い)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikiyupupu
- シキユププ 【自動】[siki-yupu-pu 目[所]・きつく締める・(重複)…している]目をギュッとつぶっている。 tane suy Apeetok sikiyupupu wa an na タネ スイ アペ エトク シキユププ ワ アン ナ また「横座」(サダモさんは幼いときいつも横座に座っていたのでこう呼ばれていた)が目をギュッとつぶっているぞ(出されたものを食べたくないので)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- sikkamuk
- シッカムク 【自動】[sik-kamu-k 目・かぶさる・(他動詞化?)] 目をつぶる。 sikkamuk wa mokor ápekor sunke wa an シッカムク ワ モコロ アペコロ スンケ ワ アン 目をつぶって眠ったふりをしている。(S) {E: to shut the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkamuk
- シッカムク 【sik-kamuk】 目を閉じる,目をつむる. ポンペ クンネチシ ヒ タ シクトココ ワ チシ ヒ タ アナクネ カッキクシ ヒ ネ.シッカムク ワ チシ ヒ アナクネ モコン ルスイ ワ ネ=赤子が夜泣きする時に目を開けて泣くのは化け物が憑いている,目を閉じている場合は眠たい時だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikkankari
- シッカンカリ 【自動】[sik-kan-kari 目・(kari の語根 kar の転化)・を回す] キョロキョロあちこち見回す(=sikihi karikari シキヒ カリカリ)。(S) {E: to look around here and there.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkankari(-an)
- シッカンカリ §781.目をきょろきょろさせるsik-kankari(-an)〔šík-kaŋ-ka-ri しク・カンカリ〕[sik(目を)+kan-kar-i(まわし・まわし・する);目をぐるぐるまわす]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikkanporoporo
- シッカンポロポロ 【自動】[sik-kan-poro-poro 目・(?)・大きくなる・(重複)] 目をギョロつかせる(どなりつけるとき、 びっくりしたとき等)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- sikkap
- シッカプ 【名】[概](所は sikkapu(hu) シッカプ(フ))[sik-kap 目・皮]まぶた。 {E: the eyelids.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkap
- シッカプ 【sik-kap】 瞼.▷シク=目 カプ=皮 シッカプ ウタサレ=瞼を閉じている. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikkap(-u)
- シッカプ §714.まぶた(瞼)(1)sik-kap(-u)〔šík-kap しクカプ〕[目・皮]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikkapturiri
- シッカプトゥリリ 【自動】[sikkap-turi-ri まぶた・を伸ばす・(重複)ずうっと…する] 目がたるむ、 まぶたがのびている。 aysuye kor sikkapturiri kane an アイスイェ コロ シッカプトゥリリ カネ アン 居眠りしながら目がたるんでいる。(S) {E: to have droopy eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkapu(hu)
- シッカプ(フ) 【名】[所](概は sikkap シッカプ)…のまぶた。 {E: the eyelids of…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkapukay
- シッカプカイ §714.まぶた(瞼)(4)二重まぶた sikkap-ukay〔šík-kap-u-kaǐ しッカプウカイ〕[まぶたが・お互いに背負いあう]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikkaryu
- シッカラユ §162.おんせん(温泉)(4)sik-kar-yu〔šík-kar-ju しっカラユ〕[sik(目を)+kar(手当する)+yu(温泉)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikkasma
- シッカシマ 【他動】…をしまってちゃんととっておく、 …を保存/保管する。 …oka/okake(he) sikkasma …オカ/オカケ(ヘ) シッカシマ …の跡を継ぐ。 tono oka a=sikkasma トノ オカ アシッカシマ 私は殿の跡を継ぐ。(S民話) okake a=sikkasma wa páse tono ne án=an kusu ne na オカケ アシッカシマ ワ パセ トノ ネ アナン クス ネ ナ 私は(父上の)跡を継いで立派なさむらいになるから。(S民話) {E: to preserve, keep, store…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikkasma
- シッカシマ 【sikkasma】 預かる. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikkasmare
- シッカシマレ 【複他動】[他動使役][sikkasma-re …を保存/保管する・させる] …に…をしまっておかせる、 保たさせる。 {E: to make…preserve, keep…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkasmare
- シッカシマレ 【sikkasma-re】 預ける. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikkemritosma
- シッケムリトシマ §791.目の病気(3)血目 sik-kemrit-osma〔šík-kem-ri-toš-ma しク・ケムリトシマ〕[sik(目〔に〕)+kem-rit(血のすじ〔が〕)+osma(入っている)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikkeruru
- シッケルル 【自動】[sik-keruru 目・…をギョロギョロする(擬態の重複)]kootuyma sikkeruru コオトゥイマ シッケルル [他動]…を遠くから目をむいてにらむ。 ikootuyma/sikkeruru/siktokoko イコオトゥイマ/シッケルル/シクトココ [雅]私を遠くから目をむいてにらみ大きな目を開けている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikkeruru
- シッケルル 【sik-keruru】 かっと目を開く,目を勢いよく開く. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikkes
- シッケシ 【名】[概](所は sikkese(he) シッケセ(ヘ))[sik-kes 目・末] 目尻(目のいちばん外側の端)。 ☞sik シク {E: the outer corners of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkes(-e)
- シッケシ §767.目じり;まなじり(1)sik-kes(-e)〔šík-keš しク・ケシ〕[sik(目)+kes(端)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikkes/sikkese(he)
- シッケシ/シッケセ(ヘ) 【sik-kes/-kese(he)】 目尻. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikkese(he)
- シッケセ(ヘ) 【名】[所](概は sikkes シッケシ) …の目尻。 {E: the outer corner of the eyes of…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkew
- シッケウ 【名】(ものの)角(かど)、 隅(外側も内側も)。 sintoko sikkew tomo k=osma シントコ シッケウ トモ コシマ 私は櫃(大きい入れ物)の角にぶつかった。 cise sikkew チセ シッケウ 部屋の隅。 ☆参考 sikkew シッケウ は角(かど)。 部屋の端の方は sowsut ソウスッ。 {E: a, the corner.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkew/sikkewe(he)
- シッケウ/シッケウェ(ヘ) 【sikkew/sikkewe(he)】 隅,角. チセ シッケウ=家の隅.アペオイ シッケウ タ ア・アシ プ イヌンペサウシペ ネ ワ カシ タ ネプネプ ア・ケウレ.シンナ レヘ ヘカチペカクル ヘカチペカマッ セコロ ア・イェ プ ネ=炉の角々に立てる物が削り台であり,その上にいろいろな物を削る.別の名を子供を受ける男,子供を受ける女というものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikkewe(he)
- シッケウェ(ヘ) 【名】[所](概は sikkew シッケウ) …の角(かど)、 …の隅。 kasi un e=kanpinuye hemanta sikkewe カシ ウン エカンピヌイェ ヘマンタ シッケウェ その上であなたが字を書くやつ(=机)の角(かど)。 {E: a, the corner of….} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkewikuspe
- シッケウイクシペ 【sikkew-ikuspe】 角柱. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikkotesu
- シッコテス 【他動】[sik-ko-tesu 目・と共に・すべる](次の慣用表現で)…を目をスーッとすべらせる(簡単に一瞥する)。 tu ruetoko/makiri etok/a=sikrarire/makiri oka/a=sikkotesu トゥ ルエトコ/マキリ エトク/アシクラレリレ/マキリ オカ/アシッコテス [雅]彫っていく先々小刀の先をじっと見る、 小刀の通ったあとはスーッと目をすべらせる。(Sユーカラ) ☆参考 同じユーカラを節をつけずに語っている中で、 同様の文脈で siktesure と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikkotukkane
- シッコトゥッカネ 【名】[sik-kotuk-kane 目・にくっつく・かね]めがね(眼鏡)。(S) ☆参考 ワテケさんは menkane メンカネ と言っていた。 {E: glasses; spectacles.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikkoyunin
- シッコユニン 【sik-ko-yunin】 目が痛い. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikmakaka
- シクマカカ 【自動】[sik-maka-ka 目・を開く・(重複)…している] 目を大きく見開いている、 大きい目をあけている。 {E: to open the eyes wide.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikmasasa
- シクマササ 【自動】[sik-masa-sa 目・をあけ広げる・(重複)…している] 目を開くだけ大きくあけている。 {E: to open the eyes wide.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikmasasa
- シクマササ 【sik-masasa】 目を大きく開く. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikmasmasa
- シクマシマサ 【自動】[sik-mas-mas-a 目・(あけ広げることを表す語根)・(重複)くり返し…する・(他動詞形成)] 目を大きく開いたり閉じたりする。 {E: to repeat the process of opening the eyes wide then closing the eyes..} (出典:田村、方言:沙流)
- sikmokte
- シクモクテ 【他動】[< sik-mok-te 目・えさで釣る(?)・させる] ちょっと目につく/目に入る。 imok sikmokte ka somo ki イモク シクモクテ カ ソモ キ えさが目につかない/目に入らない。 ku=sikmokte wa k=e rusuy クシクモクテ ワ ケ ルスイ 私は(それが)ちょっと目について/目に入って食べたかった。(S) {E: for…to come into view, catch one's eye.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikmompok(-i)
- シクモンポク §233.かんこつ(かん骨)(3)sik-mompok(-i)〔šík-mom-pok しクモンポク〕[sik(目)+mompok(下、<mon 手、pok 下)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siknak
- シクナク 【自動】[sik-nak 目・がない(< sak ?)] 目が見えない、 盲目である。 siknak wa sittemraypa シクナク ワ シッテムライパ (彼は)目が見えないので手探りする。(S) {E: to be blind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siknak
- シクナク 【sik-nak】 目が見えない,盲である. (出典:萱野、方言:沙流)
- siknak(-an)
- シクナク §794.めくら[である](1)sik-nak(-an)〔šík-nak しクナク〕[sik(目)+nak(無い)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siknakkur
- シクナックル 【sik-nak-kur】 盲人. (出典:萱野、方言:沙流)
- siknaksowa
- シクナクソワ §122 スズメバチ (6) siknak-sowa(sik-nak-so-wa)「シクナクソワ」⦅足寄⦆クロスズメバチ、コガタノモンスズメバチ(河野) (出典:知里動物編、方言:)
- sikno
- シクノ 【副/後副】[sik-no 満ちる・(副詞形成)] ①[副]いっぱいに(満ちて)。 ②[後副](名詞の後に置かれて)…いっぱいに。 cise sikno チセ シクノ 家いっぱいに。 su sikno an úsey ス シクノ アン ウセイ 鍋にいっぱい(なみなみと)あるお湯。(S) sikno kore シクノ コレ いっぱい(満たして)やりなさい。 {E: fully; filled with.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikno
- シクノ 【sik no】 いっぱいに. シクノ オマレ=いっぱいに入れろ.シネアン パイカラ イサロイキプ ア・コロ ヒネ オケネウシ トゥラシ アラパ・アン タシテクテク イサロイキプ シクノ プクサキナ ア・ウク ワ イワカン(イワク・アン)=ある春のこと,やや大型の背負い袋を持ってオケネウシ(という沢)をのぼって行き,あっという間にやや大型の背負い袋いっぱいにニリンソウを採取して帰って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
- siknu
- シクヌ 【自動】[sik-nu 目・を持つ] 生きる、 死なずにすむ、 命をとりとめる。 yuptek kur nepki wa ukasuy e hike opitta ohonno siknu p ne na ユプテク クン ネプキ ワ ウカスイ エ ヒケ オピッタ オホンノ シクヌプ ネ ナ よく働ける人が働いて助け合って食べていく者が皆長生きするのですよ。(S民話) hetopo horka siknu ヘトポ ホロカ シクヌ (死にかかっていたその人は)また逆もどりして生きた=いのちを取りとめた。(W会話) tókor kamuy pekanpe haru i=ekasnukar wa kusu a=kotanuhu siknu p ne a kusu トコロ カムイ ペカンペ ハル イエカシヌカラ ワ クス アコタヌフ シクヌプ ネ ア クス 湖の神が菱(ヒシ)の実を授けてくれたからこそ私たちの村が(=村人みんなが)生きながらえた(飢え死にせずにすんだ)のだったから。(S会話) siknu wa an [単]/siknu wa oka [複] シクヌ ワ アン/シクヌ ワ オカ 生きている。 {E: to be alive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siknu
- シクヌ 【siknu】 生きる. シクヌ ワ ホシピ=生還する.テ タ アナン(アン・アン) ヤッカ アエプ カ イサム.パイカラ パクノ ネユンポカ イキ・アン ワ シクヌ・アン ソモ キ ヤクネ コタン ア・アルシテッカ エライエコッネ ネ クス シリペ・アン クス アプカシ・アン クスネ=ここにいても食べ物もない.春までなんとかして生きていなければ村が消えてしまいそうだ,どうせなら食べ物を探しによその村へ歩いて来るよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- siknu cikosinninup
- シクヌ チコシンニヌプ 【名】[生きている・秘蔵の宝](時計を呼ぶ一つの言い方。) suwoppo or siknu cikosinninup a=omáre kor humi as kor patek an スウォッポ オロ シクヌ チコシンニヌプ アオマレ コロ フミ アシ コロ パテク アン 小箱に時計を入れるといつも音がしている。(W)(当時の時計はそのくらい大きい音を立てて秒を刻んでいた。) (出典:田村、方言:沙流)
- siknu p
- シクヌ プ 【名】[siknu-p 生きる・もの] 生きているもの。 ☆参考 「生きもの」の訳語として出た。 しかし動物(けもの)は cikoykip チコイキプ と言い、 それぞれの動物に名前がある。 けもの・鳥・魚・虫等々を総称する一語はない。 ☞siknu シクヌ {E: something that is alive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siknu(-an)
- シクヌ §081.生きている(1)siknu(-an)〔šík-nu しクヌ〕[sik(目)、nu(もつ)]⦅H. S. タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siknu(-an)
- シクヌ §466.そせいする(蘇生する)(3)siknu(-an)〔šík-nu しクヌ〕[sik(目を)+nu(もつ);生きる]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siknum
- シクヌム 【名】[概](所は siknumi(hi) シクヌミ(ヒ))[sik-num 目・粒]目玉(眼球)。 {E: the eyeballs.} (出典:田村、方言:沙流)
- siknum kasi hure kemrit earutasa
- シクヌム カシ フレ ケムリッ エアルタサ §788.目が血ばしっているsiknum kasi hure kem-rit e-ar-utasa〔šík-num-ka-ši|Fú-re-kem-rit|e-á-ru-tá-sa〕[しクヌム(めだま)+カし(の上)+ふレ(赤い)+けム・リッ(血のすじ)+エ(そこに、=目玉の上に)+あラ(全く)+ウ・たサ(相・交差している)](目玉の上に赤い血のすじが縦横に走っている)⦅ユ研Ⅱ, p.386⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siknum(-i)
- シクヌム §772.めだま(目玉・眼球)(1)siknum(-i)〔šík-num しク・ヌム〕[sik(目)+num(玉)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siknum/siknumi(hi)
- シクヌム/シクヌミ(ヒ) 【sik-num/-numi(hi)】 目玉,眼球. (出典:萱野、方言:沙流)
- siknumi(hi)
- シクヌミ(ヒ) 【名】[所](概は siknum シクヌム)…の目玉。 siknumi soyta hetke anki an シクヌミ ソイタ ヘッケ アンキ アン (あの人は)目玉が外へ今にも飛び出しそうだ。 siknumi pirka, inkar siri pirka シクヌミ ピリカ、 インカラ シリ ピリカ 目がパッチリしていて目つきも利口そうだ。(S) {E: the eyeballs of….} (出典:田村、方言:沙流)
- siknumkes(-e)
- シクヌムケシ §767.目じり;まなじり(3)siknum-kes(-e)〔šik-num-keš しクヌム・ケシ〕[目玉・の末端]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siknumnoski
- シクヌムノシキ §771.ひとみ;瞳孔(3)siknum-noski〔šík-num-noš-ki しクヌム・ノシキ〕[目玉・まんなか]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siknupa
- シクヌパ 【自動】[複](siknu シクヌ は単複の区別なし)(二人以上が皆)生きる、 死なずにすむ。 {E: to be alive (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siknuraypito
- シクヌライピト §481.たましい;霊魂(14)よみがえるべき霊魂 siknu-ray-pito〔šík-nu-raǐ-pi-to しクヌ・ライピト〕[siknu(生きる)+ray(死んだ)+pito(霊)]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.296】 (出典:知里人間編I、方言:)
- siknure
- シクヌレ 【他動】[自動使役][siknu-re 生きる・させる] …を生かす、 …のいのちを救う。 {E: to keep…alive; save the life of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siknure
- シクヌレ 【siknu-re】 生かす. (出典:萱野、方言:沙流)
- síko
- シコ 【自動】[sik-o 目・がつく] ①目が開く、 目が見えるようになる(=sik o シク オ)。 ②(比喩的に)成長してものごとがわかるようになる。 ☆参考 síko シコ が生まれることを言うのに使われた例は未出。 生まれることは最も普通には an アン と言う。 〔知分類 人間 p.81 siko シコ うまれる((ホロベツ))[雅]〕 {E: to open the eyes so as to see; regain sight.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siko(-an)
- シコ §139.うまれる(1)siko(-an)〔ši-kó シこ〕[sik(目)+o(つく)]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- siko(-an)
- シコ §749.みる(見る)(5)sik-o(-an)〔ší-ko しコ〕[目を・つける]⦅ユ研Ⅱ, p.578⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikociwte(an-)
- シコチウテ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(27)肌身を許す sikociwte(an-)〔ši-kó-čiŭ-te シこチウテ〕[si(自分)+ko(に対して)+ociw-te(交合せ・しめる)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikoekte
- シコエクテ 【他動】[si-ko-ek-te 自分・の方に・来る・させる] 自分の所に来させる。 a=kor nispa a=katéomare wa kusu sinotca ani a=sikóekte ka ki ruwe ne wa アコン ニシパ アカテオマレ ワ クス シノッチャ アニ アシコエクテ カ キ ルウェ ネ ワ 私はあなた様を好きになったので歌を歌って私のところへ来させて。(NK民話) {E: to have…come towards oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikoekte
- シコエクテ 【si-ko-ek-te】 呼びつける. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikoepakte
- シコエパクテ 【他動】[si-ko-e-pak-te 自分・に対して・そのことで・とがめる・させる](神)のとがめを受ける。 kamuy sikoepakte カムイ シコエパクテ 神のとがめを受ける。(HK民話) {E: to receive divine punishment.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikoetaye
- シコエタイェ 【他動】[si-ko-etaye 自分・の方へ・引っぱる] …を自分の方へひっぱる/引き寄せる。 amunini sikoetaye アムニニ シコエタイェ (彼の)腕を引っ張った。(W) {E: to drag…towards one.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikoetaye
- シコエタイェ 【si-ko-etaye】 (ぐっと)引っぱる.▷シ=自ら コ=に エタイェ=引っぱる (出典:萱野、方言:沙流)
- sikohonkes(-i)
- シコホンケシ §767.目じり;まなじり(2)sik-ohonkes(-i)〔ší-ko-hóŋ-keš しコほンケシ〕[目・尻]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikoiruskare
- シコイルシカレ 【si-ko-iruska-re】 相手を怒らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikokes
- シコケシ 【名】[概](所は sikokese(he) シコケセ(ヘ))[sik-o-kes 目・の尻・の末端] 目尻(=sikkes シッケシ)。 {E: the corners of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikokese(he)
- シコケセ(ヘ) 【名】[所](概は sikokes シコケシ) …の目尻(=sikkese(he) シッケセ(ヘ))。 {E: the corners of the eyes of…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikomewe
- シコメウェ 【si-ko-mewe】 けんかを売る.挑発する:相手をからかってわざと向かって来るように仕向ける.▷シ=自ら コ=に対して メウェ=ひっくり返す →自分の方へわざと返す. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikomni
- シコムニ §302 カシワ カシワギ (2) sikomni (sí-kom-ni)「しコムニ」[si(本当の、親の)komni(カシワ)] 年老いた大木をいう ⦅足寄、屈斜路、美幌、名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikoniwkesar
- シコニウケサラ 【他動】[si-ko-niwkes-(y)ar 自分・に対して・できない・人にさせる] …を一人じめにする。 {E: to monopolise…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikonun
- シコヌン 【他動】[si-ko-nun 自分・の方へ・吸う]…を(細い口から)吸う/吸い込む/(スポイトのような細いもので)吸い取る。 a=ewár kor pisene, a=sikónun kor kaptek pe hńta an? アエワラ コロ ピセネ、 アシコヌン コロ カプテク ペ フンタ アン? 吹くとふくらみ吸うとペチャンコになるものはなあに(なぞなぞで、 答えは kuyoypise クヨイピセ 熊の膀胱の袋)。(S) ☆対語 ewar エワラ 細い口からフッと吹く。 ☆参考 nunnun ヌンヌン (乳など)を吸う。 {E: to suck up, in…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikonun
- シコヌン 【si-ko-nun】 吸い込む.*昔アイヌ女性が口のまわりにいれずみをした時,沼ガヤを管にして粥をすすったという. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikopak
- シコパク 【位名】[si-kopak 自分・の方]自分の方。 sikopak un kiru シコパクン キル 自分の方へ向けなさい。 (出典:田村、方言:沙流)
- sikopakoinkare
- シコパコインカレ 【他動】[si-kopak-o-inkar-e 自分・の方・に・見る・させる] …に(災いを受けている原因を)占ってもらう。 {E: to have…tell one's fortune.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikopare
- シコパレ 【他動(?)】[si-kopa-re 自分を・…とまちがえる・させる]まるで…のようである。 ponpon poyseta sikopare ポンポン ポイセタ シコパレ まるでちっちゃな子犬みたいだ。(S) ☆参考 語形から見ると複他動詞だが、 詳細は不明。 {E: to be just like…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikopayar
- シコパヤラ 【他動】[si-kopa-yar 自分・…を…とまちがえる・人にさせる] …によく似ている、 まるで…のようだ、 …のふりをする。 cituye mosir sikopayar poro rokuntew チトゥイェ モシリ シコパヤラ ポロ ロクンテウ まるで離れ島のような大きな客船。(S) husko an pe sikopayar フシコ アン ペ シコパヤラ [慣用句]その間に何もしなかったようなふりをしてそ知らぬ顔をしている。(W民話) ahunporu sikopayar pe hemanta an? アフンポル シコパヤラ ペ ヘマンタ アン? あの世の入口の洞穴にそっくりのものはなあに(なぞなぞで、 答えは etupuyke エトゥプイケ 鼻のあな)。(W会話) {E: to resemble…; pretend to be…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikopayar
- シコパヤラ 【sikopayar】 〜(の)ように,(〜に)似せる. (出典:萱野、方言:沙流)
- síkopop
- シコポプ 【自動】さびる。 {E: to rust.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikopop
- シコポプ 【sikopop】 錆:刃物が錆びる,錆びついている. フンペ ア・チャ ヒ タ アナクネ シコポプ ノタコプ アニ ア・チャ コロ ピリカ プ ネ=鯨を切る時は錆びついた刃物で切るといいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikor
- シコロ 【sikor】 〜と,そう,こうこう. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikorar
- シコララ 【si-korar】 押し売り嫁.▷シ=自ら コララ=くれてやる,くれてしまう (出典:萱野、方言:沙流)
- sikore 1
- シコレ 【自動(?)/他動(?)】[si-kore 自分・を…に与える] 来てくれとも言われないのに居候みたいに自分でそこにいる。(S) ☆参考 語形から見れば他動詞。 {E: for someone to stay uninvited and contribute nothing.} (出典:田村、方言:沙流)
- síkore 2
- シコレ 【他動】[sik-o-re 目・つく・させる]…を育てる、 (何もわからない赤ん坊)を物がわかるまでにする、 一人前にする。 nen póka ku=kor hekattar ku=sikore yakun ora k=onne yakka pirka ネン ポカ クコロ ヘカッタラ クシコレ ヤクン オラ コンネ ヤッカ ピリカ なんとかして私の子どもたちを一人前にしてからなら私は死んでもいい。(S) {E: to raise, bring up…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikorkane
- シコロカネ 【sikor-kane】 〜と. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikorke
- シコロケ §789.目つき(3)sikorke〔ši-kór-ke シコロケ〕[sik(目)+or(内)+ke(部)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- síkot 1
- シコッ 【名】[si-kot 大きい・くぼみ] すりばち型にくぼんだところ(支笏湖の名の意味)。 (出典:田村、方言:沙流)
- Sikot 2
- シコッ 【名】[< si-kot 大きい・くぼみ][地名](今の「支笏」という地名のもとのアイヌ語。) ①千歳、 千歳川流域。 ②支笏。 ☆発音 síkot シコッ 1 と違って、 第一音節 si シ の低い普通のアクセント。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Sikot-to
- シコット 【名】[Sikot-to 支笏・湖][地名]支笏湖。 {E: place name.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikotak
- シコタク 【si-ko-tak】 自分の所へ招待する.▷シ=自分 コ=〜へ タク=招待する (出典:萱野、方言:沙流)
- Sikotan
- シコタン 【名】[< si-kotan 大きい・集落][地名]シコタン(色丹)。 {E: place name.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikotankonni
- シコタンコンニ 【si-kotan-kor-ni】 太い樹木.▷シ=本当に コタン=村 コロ=持つ ニ=木 (出典:萱野、方言:沙流)
- sikotcake ta tek utasare
- シコッチャケ タ テク ウタサレ §128.腕組みするsi-kotcake ta tek utasare〔シこッチャケ・タ・テク・ウたサレ〕[si(自分の)+kotca(前)+ke(の所)、ta(で)、tek(手を)、u(互いに)+tasara(交叉させる)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikotcakehe
- シコッチャケヘ 【si-kotca-ke-he】 自分の前. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikotcanere
- シコッチャネレ 【他動】[si-kotca-ne-re 自分・の前・になる・させる](他の人)に自分に代ってしてもらう。 yaykurkata ye hike makanak ne wa, mosma kur sikotcanere ヤイクルカタ イェ ヒケ マカナク ネ ワ、 モシマ クル シコッチャネレ (彼は)自分で言えばいいのに他の人に言ってもらう。(S) ☞kotca コッチャ {E: to have…do…in one's place.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikotcanere
- シコッチャネレ 【si-kotca-ne-re】 仲介・仲裁を頼み込む,両方の間にたって交渉を進めてもらう.▷シ=自分 コッチャ=前 ネ=なる レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
- sikotcanereyar
- シコッチャネレヤラ 【si-kotca-ne-re-yar】 仲介・仲裁を頼む. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikotcata tekukopite
- シコッチャタ テクコピテ §448.すわる(座る)(24)両膝を前に立てて尻で座り両手を前に回してつなぐ座り方[をする] si-kotca-ta tek-ukopite〔si-kót-ča-ta-te-ku-ko-pi-teシこッチャタ・テくコピテ〕[si(自分)+kotca(の前)+ta(で)+tek(手を)+u(お互い)+ko(に)+opi(別れ〔る〕)+te(さす)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikotcatekopite(-an)
- シコッチャテコピテ §448.すわる(座る)(23)両膝を前に立てて尻で座り両手を前に回してつなぐ座り方[をする] si-kot-ca-tek-opite(-an)〔si-kót-ča-te-ko-pi-te シこッチャテコピテ〕[si(自分)+kotca(の前)+tek(手を)+opite(つなぐ)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikoteyne
- シコテイネ §004.あかご;あかんぼ(15)sikoteyne〔ší-ko-teǐ-ne しコテイネ〕[si(くそ)+-ko-(で)+teyne(ぬれている)]⦅オギフシ⦆生れたばかりの赤んぼ。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- sikoyantonere
- シコヤントネレ 【si-ko-yanto-nere】 泊める,泊まらせる.▷シ=自ら コ=それを ヤント=客 ネ=に レ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
- sikoypakar
- シコイパカラ 【自動】[si-ko-i-pak-(y)ar 自分・に対して・人を・とがめる・人にさせる](神の)とがめを受ける、 罰を受ける。 {E: to receive divine punishment.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikoyupupu
- シコユププ 【si-ko-yupupu】 抱きしめる. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikpa
- シクパ §766.目がしら(1)sik-pa〔šík-pa しク・パ〕[sik(目)+pa(かみのはずれ)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikpake
- シクパケ 【名】[概(?)/所][sik-pake 目・頭] 目頭(目の一番鼻に近い端)。 ☆対語 sikkes シッケシ 目尻。 ☆参考 pake パケ はもともとは pa パ の所属形だが、 この方言では sikpa シクパ という概念形はないらしい。 ☞sik {E: the inner corners of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikpakehe
- シクパケヘ 【名】[所](概は sikpake シクパケ)…の目頭。 {E: the inner corners of the eyes of…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikparur
- シクパルル 【sik-parur】 目縁. シクパルル フレ センカキ ア・エカイェ アー ペコロ アン ペ=目の縁に赤い布を織り込んだようなもの=大蛇[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikparurke
- シクパルルケ 【名】[所](概 sikparur シクパルル は未出。 párurke パルルケ の概は párur パルル)目の縁(ふち、 まつげの生えているところ)。 sikparurke arka シクパルルケ アラカ 目の縁が痛い(ものもらいができて)。 {E: the area of the eyes around the eyelashes.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikpe
- アシクペ §241 (所属不明) asikpe (a-sik-pe)「アシクペ」 ⦅B⦆タカラガイ Pedicularia sp. (Sakhalien) (出典:知里動物編、方言:)
- sikpe
- シクペ §773.眼球の硝子体(1)sik-pe〔šík-pe しク・ペ〕[sik(目)+pe(汁)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikpe
- シクペ §793.めやに;眼脂(1)sik-pe〔šík-pe しク・ペ〕[目・汁]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikpo ne kusu inkar
- シクポ ネ クス インカラ §749.みる(見る)(13)見るともなしに見る sikpo ne kusu inkar〔šík-po-ne-ku-su-íŋ-kar しクポ・ネ・クス・いンカラ〕[目・である・から・見る]⦅ユ研Ⅱ, p.599⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikpuy
- シクプイ 【名】[概](所は sikpuy(he) シクプイ(ヘ))[< sik-puy 目・穴] 目もと(目のあたりの形)。 ☆参考 目の穴のことではない。 {E: the eyes; the expression of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikpuy(-e)
- シクプイ §771.ひとみ;瞳孔(1)sik-puy(-e)〔šík-puǐ しク・プイ〕[目・穴]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikpuy/sikpuye(he)
- シクプイ/シクプイェ(ヘ) 【sik-puy/-puye(he)】 目つき,まなざし.▷シク=目 プイ=穴 *昭和10年頃の私の少年時代,道を歩いていると見知らぬおとなが私に言った.「ポン はつめ ソモ ネ ウン?シクプイェ ク・キリ=小さいはつめではないか?目つきに見覚えがある」と,母の名を言うものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikpuye(he)
- シクプイェ(ヘ) 【名】[所](概は sikpuy シクプイ) …の目もと。 sikpuye ku=kir シクプイェ クキリ 私は彼の目もとに見覚えがある。(S) sine sikpuye kor シネ シクプイェ コロ 彼らは目もとが同じだ(そっくりだ)。(S) {E: the eyes, the expression of the eyes of…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikramaci(hi)
- シクラマチ(ヒ) 【名】[所](概は sikramat シクラマッ) …のひとみ(瞳)(「めぼとけ」)。 {E: the pupils of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikramat
- シクラマッ 【名】[概](所は sikramaci(hi) シクラマチ(ヒ))[sik-ramat 目・魂] ひとみ(瞳)(「めぼとけ」)。 ☆参考 sikramatu(hu) シクラマトゥ(フ)[所]は未出。 {E: the pupils of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikramat/sikramaci(hi)
- シクラマッ/シクラマチ(ヒ) 【sik-ramat/-ramaci(hi)】 ひとみ(方言:めぼとけ). (出典:萱野、方言:沙流)
- sikrap
- シクラプ 【名】[概](所は sikrapu(hu) シクラプ(フ))[sik-rap 目・羽] まつげ(一本一本を言う)。 puyar sikrap プヤラ シクラプ [窓・まつげ]壁のカヤを切って窓をあけてあるところで、 切ったカヤの端が上下から出てまつげのように見える部分。 {E: the eyelashes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikrap(-u)
- シクラプ §712.まつげ(睫)(1)sikrap(-u)〔šík-rap しクラプ〕[sik(目)+rap(羽、翼)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikrap/sikrapu(hu)
- シクラプ/シクラプ(フ) 【sik-rap/-rapu(hu)】 まつげ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikrapka(-si)
- シクラプカ §714.まぶた(瞼)(5)まつげとまゆの間の部分 sikrap-ka(-si)〔šík-rap-ka しクラプカ〕[まぶた・の上]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikrappa
- シクラッパ 【sik-rappa】 瞬く. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikrappa(-an)
- シクラッパ §783.目をぱちぱちする;まばたく(5)sik-rappa(-an)〔šík-rap-pa しク・ラッパ〕[目を・はばたく]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikrapparappa
- シクラッパラッパ 【sik-rappa-rappa】 まばたき. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikraprapu(-an)
- シクラプラプ §783.目をぱちぱちする;まばたく(6)sik-raprapu(-an)〔šík-rap-ra-pu しク・ラプラプ〕[目を・羽ばたく]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikrapu(hu)
- シクラプ(フ) 【名】[所](概は sikrap シクラプ)…のまつげ。 {E: the eyelashes of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikrarire
- シクラリレ 【他動】[sik-rari-re 目・を押える・させる](次の慣用表現で)…を目をこらしてじっと見る。 tu ru etoko/makiri etok/a=sikrarire/makiri oka/a=sikkotesu トゥ ル エトコ/マキリ エトク/アシクラリレ/マキリ オカ/アシッコテス [雅]彫っていく先々、 小刀の先をじっと見る、 小刀の通ったあとはスーッと目をすべらせる。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikrat(c-i)
- シクラッ §793.めやに;眼脂(4)sik-rat(c-i)〔šik-rat しク・ラッ〕[sik(目)+rat(ねばねばした液)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikreypare
- シクレイパレ 【自動】[sik-rey-pa-re 目・はう(reye の語根)・[複]・させる] 目を這わせる。 rápokke ta sikreypare=an wa inkar=an hike ラポッケ タ シクレイパレアン マ インカラニケ そうしている間に(人々が挨拶したり席についたりしている間に)私は目だけを動かして見ると。(W民話) (他人の家に入ったとき、 慎しみ深くかしこまってうつ向いており、 目だけを動かして家の中や人の様子を見ることの描写。) {E: to sneak, steal a look.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siksam'inkar
- シクサムインカラ 【sik-sam-inkar】 流し目. (出典:萱野、方言:沙流)
- siksamnere
- シクサムネレ 【sik-sam-ne-re】 流し目,横目で見る. (出典:萱野、方言:沙流)
- siksey(-e)
- シクセイ §776.めだまの穴;眼窩(1)siksey(-e)〔šik-seǐ しク・セイ〕[sik(目)+sey(殻)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siksut
- シクスッ 【sik-sut】 まなじり.目尻. シクスッ コンナ プユヤッキ(ユカラの中で涙が溢れるという意味). (出典:萱野、方言:沙流)
- siksut konna ekopuyuise
- シクスッコンナ エコプユイセ 【sik-sut-konna e-ko-puyuise】 涙があふれる,涙が目からあふれ出る. ▷シクスッ=目尻 コンナ=が エコプユイセ=それがあふれる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- siktama
- シクタマ 【名】[sik-tama 目・玉]そこひのために白くなった目。 ☆参考 目玉(眼球)は siknum シクヌム。 {E: the eyeballs.} (出典:田村、方言:沙流)
- siktap(-u)
- シクタプ §712.まつげ(睫)(2)siktap(-u)〔šík-tap しクタプ〕[<sik-rap]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siktapnumaha
- シクタプヌマハ §712.まつげ(睫)(3)siktap-numaha〔šík-tap-nu-má-ha しクタプ・ヌまハ〕[「睫・の毛」]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siktasum(-i)
- シクタスム §791.目の病気(5)目くさり sik-tasum(-i)〔šik-ta-sum しク・タスム〕[sik(目)+tasum(病)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikte
- シクテ 【他動】[sik-te いっぱいになる・させる]…をいっぱいにする、 満たす。 itanki sikte wa kore イタンキ シクテ ワ コレ おわんをいっぱいにしてあげなさい。(S) {E: to fill…} (出典:田村、方言:沙流)
- sikte
- シクテ 【sikte】 いっぱいにする. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikteno
- シクテノ 【後副】[sikte-no …を満たす・ように(副詞形成)]…いっぱいに、 …にあふれるほどたくさん盛って。 amam sikteno kore アマム シクテノ コレ ご飯を盛りよくしてあげなさい。(S) {E: to be full; overflowing.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikteno
- シクテノ 【sik-te no】 いっぱいに. (出典:萱野、方言:沙流)
- siktesure
- シクテスレ 【他動】[sik-tesu-re 目・すべる・させる][雅](次の慣用表現で)目をすべらせる(簡単にサッと見る)。 a=kar wa an pe/tu ru etoko/a=sikrarire/a=kar okake/a=siktesure アカラ ワ アン ペ/トゥ ル エトコ/アシクラリレ/アカロカケ/アシクテスレ [雅]彫っているものの小刀の進む先々をじっと見つめ彫り終わったあとは目をスーッとすべらせ。(Sユーカラ語り) ☆参考 同じユーカラを歌っている中で、 同様の文脈で sikkotesu シッコテス と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siktokoko
- シクトココ 【自動】[sik-tokoko 目・出っぱらせる(重複)]大きな目を開けてじっと見る。 ku=nukar humi ka isam, ku=siktokoko yakka k=érampewtek クヌカラ フミ カ イサム、 クシクトココ ヤッカ ケランペウテク 私には全然見えない、 大きな目を開いて見てもわからない。(S) {E: to look wide-eyed.} (出典:田村、方言:沙流)
- siktokoko
- シクトココ 【sik-tokoko】 目を見開く. イワタラプ アナクネ チシ ヒ タ シクトココ ワ チシ ヒ アナクネ ネプカ ヌカラ ワクス イキ ヒ ネ ワ ア・エヤム ペ ネ=赤子が泣く時に目をぱっちり開けて泣くのは何か化け物が見えているのだから大切にするものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- siktoktektek(-an)
- シクトクテクテク §782.目をぱちっと開けるsik-toktektek(-an)〔šík-tók-tek-tek しク・とクテクテク〕[sik(目が)+tok-tek-tek(パチパチする)]⦅サル⦆【雅―聖典, p.160】 (出典:知里人間編I、方言:)
- siktu
- シクトゥ 【名】[概/所][sik-tu 目・糸の一本一本](網の)目。 siktu sep(pon/poro/nokan/rupne)ya シクトゥ セプ(ポン/ポロ/ノカン/ルプネ)ヤ 目の広い(小さい/大きい/細かい/粗い)網。 {E: the holes, mesh of a net.} (出典:田村、方言:沙流)
- siktumke
- シクトゥムケ §789.目つき(1)sik-tumke〔šík-tum-ke しク・トゥムケ〕[sik(目)+tum(中、色)+ke(ところ)]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- siktumorke
- シクトゥモロケ §789.目つき(2)sik-tum-orke〔šík-tu-mor-ke しクトゥモロケ〕[sik(目)+tum(中)+orke(の所)]⦅ホロべツ⦆【雅】〔人の素性を知るにはその目を見ると最もよくわかると言って、少しキョロキョロしたりすると叱られる―神謡集, p.4 脚註〕 (出典:知里人間編I、方言:)
- siktumu
- シクトゥム 【名】[所](概 は未出。 tumu トゥム の概は tum トゥム)[sik-tum-u 目・…の中・(所属語尾)] 目つき。 {E: a look.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikuma
- シクマ 【sikuma】 峰. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikuma situ
- シクマ シトゥ 【sikuma situ】 分水嶺. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikumakesunkamuy
- シクマケスンカムイ §270 キタキツネ、きつね (12) sikuma-kes-unkamuy (si-kú-ma-kes-un-ka-muy)「シくマケスンカムイ」[<sikuma(山)kes(はし)un(の)kamuy(神)] ⦅樺太⦆【雅】Kindaichi, KKI, p. 146 (出典:知里動物編、方言:)
- sikumanoskiunkamuy
- シクマノシキカムイ §277 くま (59) sikuma-noski-un-kamuy (si-kú-ma-nos-ki-ka-muy)「シくマノシキカムイ」[<sikuma(山)noski(のまん中)un(にいる)kamuy(神)] ⦅白浦⦆叙事詩háwkiの中でクマを言う (出典:知里動物編、方言:)
- sikumapauskamuy
- シクマパウシカムイ §277 くま (60) sikuma-pa-us-kamuy (si-kú-ma-pa-us-ka-muy)「シくマパウシカムイ」[<sikuma(山)pa(のかみて)un(にいらっしゃる)kamuy(神)] ⦅白浦⦆叙事詩の中でクマを言う (出典:知里動物編、方言:)
- sikunnukarar
- シクンヌカララ 【自動】[si-kur-nukar-ar 自分・姿・を見る・人にされる][雅]人に姿を見られる。 a=ruska katun/a=ki wa/sikunnukarar/=an yakka アルシカ カトゥン/アキ ワ/シクンヌカララ/アン ヤッカ [雅]憤慨している様子を見られても。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikunnukare
- シクンヌカレ 【他動】[si-kur-nukar-e 自分・姿・見る・…にさせる] …に自分の姿を見られる。(S) {E: to be looked at by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikunukar
- シクヌカラ §441.すがめ;しゃし(斜視);やぶにらみ(7)sik-unukar〔šík-u-nu-kar しクウヌカラ〕[sik(目)+u(互いを+nukar(見る)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikup
- シクプ §010.老若長幼―成長段階―を表す形容詞その他(10)sikup〔ši-kúp シくプ〕⦅ホロべツ⦆【常】若い。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- sikup(-an)
- シクプ §082.生きる(3)sikup(-an)〔ši-kúp シくプ〕⦅ホロべツ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikupetakne
- シクペタクネ §082.生きる(5)短命である sikup-e-takne〔ši-kú-pe-tak-ne シくペタクネ〕[生きること・において・短い]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikupetanne
- シクペタンネ §082.生きる(4)長生する sikup-e-tanne〔ši-kú-pe-tan-ne シくペタンネ〕[sikup(=sukup 生きること)+e(において)+tanne(長い)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikupkina
- シクプキナ §359 バイケイソウ (2) sikup-kina (si-kúp-ki-na)「シくプ・キナ」[成長する・草] 茎葉 ⦅厚真、穂別⦆⦅A沙流・鵡川・石狩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikupsikup
- シクプシクプ §359 バイケイソウ (1) sikup-sikup (si-kúp-si-kup)「シくプ・シクプ」[成長せよ!成長せよ!] 茎葉 ⦅幌別⦆⦅A有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikurianteyar
- シクリアンテヤラ 【si-kuri-ante-yar】 噂をまき散らす,陰口を言われるようなことをする.▷シ=自ら クリ=陰 アンテ=それを置く ヤラ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
- sikurkasam eopirasa
- シクルカサム エオピラサ 【他動】[sí-kurka-sam e-o-pirasa 自分・の上一面・(< …のそば)・で・に・…を広げる][雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/a=sikúrkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクルカサム/エオピラサ [雅]立派な小袖を私は自分の体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ) ☆参考 同じユーカラを語っている別の箇所で a=eyáykurkasam/pirasa kane アエヤイクルカサム/ピラサ カネ とも言っている。 ☞eyaykurkasam エヤイクルカサム ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikurkasam opirasa
- シクルカサム オピラサ 【他動】[si-kurka-sam o-pirasa 自分・の上一面・(< …のそば)・そこに・広げる][雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/sikurkasam/opirasa カムイ コソンテ/シクルカサム/オピラサ [雅](姉は)立派な小袖を体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikuro
- シクロ §595.ばかである;おろかである(22)何かにばかされてぼうとしている者、うかつ者、阿呆。ばか sikuro〔ši-kú-ro シくロ〕[si(本当の)+kur(魔が)+o(ついている)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikuron
- シクロン §595.ばかである;おろかである(23)何かにばかされてぼうとしている者、うかつ者、阿呆。ばか sikuron〔ši-kú-ron シくロン〕⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikuron ne akar
- シクロン ネ アカラ §595.ばかである;おろかである(17)ばかになる sikuron ne a-kar〔ši-kú-ron-ne|a-kár シくロン・ネ・アかラ〕[sikuron(物に憑かれた状態)+ne(に)+a-kar(させられる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikurpokuyruke
- シクルポクイルケ 【他動】[si-kurpok-uyruke 自分・の下側・につける] …を服従させる。 a=kor mosir a=sikúrpokuyruke アコロ モシリ アシクルポクイルケ 私たちの国(日本)は負けたのだから何を言われても文句言えない(勝った国の命令に従わなければならない)。(S) {E: to make…obey.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikusare
- シクサレ 【他動】[si-kusa-re 自分・を川を渡す・…にさせる] …に川を渡してもらう(=…のこぐ渡し舟に乗って川を渡る)。 {E: for…to ferry one across a river.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikusayar
- シクサヤラ 【自動】[si-kusa-yar 自分・を川を渡す・人にさせる] 人に川を渡してもらう(=渡し舟に乗って川を渡る)。 {E: to be ferried across a river.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikusayarpa
- シクサヤラパ 【自動】[複](sikusayar シクサヤラ は単複の区別なし)(二人以上が皆で)人に川を渡してもらう(渡し舟に乗って川を渡る)。 {E: to be ferried across a river(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikusewen
- シクセウェン §413.しょきあたり(暑気あたり)(5)日射病 sikus-ewen〔ši-kú-se-wen シくセウェン〕[sikus(日光)+e(で)+wen(悪くなる)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikutsapke
- シクッサプケ §460.咳払いをする(3)えへんと咳払する sikut-sapke〔ši-kút-sap-ke シくッ・サプケ〕[si(自分の)+kut(のどを)+sapke(味を見る、あんばいを見る、ためす)]⦅テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikutur
- シクトゥル 【sik-utur】 エゾネギ,アサツキ.*この言葉は穂別町の小山太郎さんが教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikutur
- シクトゥル 【sik-utur】 目の間. カムイ シクトゥル(シク ウトゥル) アイヌ シクトゥル トゥシマク ワ アラウェン トゥカプ カリ ハウェ=神の目や人間の目,そのすき間をかいくぐって化け物が徘徊しているのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikutur
- シクトゥル §334 エゾネギ (1) sikutur (si-kú-tur)「シくトゥル」 葉、及び球茎 ⦅穂別⦆⦅A沙流・鵡川・千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikutur poro
- シクトゥル ポロ 【sik-utur poro】 粗い. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikutur rupne
- シクトゥル ルプネ 【sik-utur rupne】 粗い. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikutur sep
- シクトゥル セプ 【sik-utur sep】 粗い(網やざるの目). (出典:萱野、方言:沙流)
- sikutur(-u)
- シクトゥル §723.みけん(眉間)(2)sik-utur(-u)〔ši-kú-tur シくトゥル〕[sik(目)+rutur(間、隙)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikuturukearaka
- シクトゥルケアラカ §724.みけんの痛みsikuturuke-araka〔ši-kú-tu-ru-ke-a-rà-ka シくトゥルケ・アラカ〕[みけんの所が・痛む]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikutut
- シクトゥッ §334 エゾネギ (2) sikutut (si-kú-tut)「シくトゥッ」 葉、及び球茎 ⦅長万部、幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sikuwosi
- シクウォシ §441.すがめ;しゃし(斜視);やぶにらみ(6)sik-uwosi〔ší-ku-wo-ši しクウォシ〕[sik(目)+u(お互いを)+osi(追う)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikuyruke
- シクイルケ 【sik-uyruke】 目を配る.▷シク=目 ウイルケ=入れる コタン カシ シクイルケ=村の様子に注意深く目を配る. (出典:萱野、方言:沙流)
- sikuyruke(-an)
- シクイルケ §749.みる(見る)(4)sik-uyruke(-an)〔ší-kuǐ-ru-ke しクイルケ〕[目を・置く(uyruある uyru-keあら・しめる)]⦅ユ研Ⅱ, p.355⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sikyani
- シクヤニ §793.めやに;眼脂(5)sik-yani〔šík-ja-ni しク・ヤニ〕[目・やに]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sinep ikasma asiknehot
- シネプ イカシマ アシクネホッ 【sinep ikasma asikne-hot】 101 (出典:萱野、方言:沙流)
- siresik
- シレシク 【自動】[sir-e-sik あたり・それで・満ちる] (直訳すると)あたりが…でいっぱいになる=…がとてもたくさんある。 yam nitay siresik pe ne aan ヤム ニタイ シレシク ペ ネ アアン あたり一面が栗林でいっぱいだったのでした。(W神謡語り) {E: to be full of…; have plenty of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siresikte
- シレシクテ 【sir-e-sikte】 大地いっぱいにする. (出典:萱野、方言:沙流)
- sitasikerpe
- シタシケレペ §120 ケヤマウコギ (7) sita-sikerpe (si-tá-si-ker-pe)「シたシケレペ」[sita(犬)sikerpe(キハダの実)] 果実 ⦅足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sitasikerpeni
- シタシケレペニ §120 ケヤマウコギ (8) sitasikerpe-ni (si-tá-si-ker-pe-ni)「シたシケレペニ」[上記果実のなる木] 茎 ⦅足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- taneusikta
- タネウシクタ 【tane usik ta】 今頃になって. ヘマンタ タネ ウシク タ エク ルウェ アン.ピリカ メノコ ネ ヘムキ イシネレプ ソモ ネ ヤー.サッチポロ ヘネ エレ ワ インカラ=何者が今頃来たもんだ.おまけに美人すぎる.化け物ではないか,干した筋子でも食べさせてみろ.エカン(エク・アン) ナ エカン ナ シコロ ハウェアナナクス(ハウェアン・アン アクス) タネ ウシク タ ヒ タ アイヌ シクヌ ワ アン ペ ネ ヤ シコロ ア・ウヌフ ハウェアン=来たよ来たよと私が言うと,今頃になってどんな人間が生きているものだと私の母は言った(長く音信不通だった時など). (出典:萱野、方言:沙流)
- tasasikearaka
- タサシケアラカ §085.いたむ(痛む)(11)びりびり裂けるような痛み tasasike-araka〔ta-sá-ši-ke-a-ra-ka タさシケ・アラカ〕[びりびり裂く・痛み]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- tasirosikayehe
- タシロシカイェヘ 【tasiro sikayehe】 タシロの目釘. (出典:萱野、方言:沙流)
- teksikewka-unuunu
- テクシケウカウヌウヌ 【他動】[tek-si-kew-ka-unu-unu 手・自分・体・の上・につける・(重複)](?) …を手で払いのけてやめさせようとする。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- teksikewkaunuunu
- テクシケゥカウヌウヌ 【tek-si-kew-ka-unuunu】 手で自分の身体をかばう.▷テク=手 シ=自ら ケウ=身体 カ=上 ウヌウヌ=入れる入れる リク ペカ ア・エヤプキリ ア・ポクナレ アクス エアシリ テクシケウカウヌウヌ ヤユナシケ=腰投げをかけるようにして組み伏せると,そこで初めて自分の手で自分をかばいながら謝った. (出典:萱野、方言:沙流)
- tempokisikayus
- テンポキシカユシ §830.横腹の痛み;側胸痛(4)tempoki-sikay-us〔tém-po-ki-ši-kà-juš てンポキ・シカユシ〕[tempoki(そのわきのした)+sikay(くぎ)+us(ちくちくささる)]⦅テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- tokap usik ta
- トカプ ウシク タ 【tokap usik ta】 昼間:夜に対する,明るい間. (出典:萱野、方言:沙流)
- tomo eyaysikarun
- トモ エヤイシカルン 【連他動】…でものごころがつく、 (子どものとき)途中から…に気がついた。 {E: to realise, remember…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tumsikot
- トゥムシコッ 【名】[tumsi-kot 下げ飾り・ついている] 「ぼんぼりこ」(下げ飾り)が(紐や鎖でつけられて)ついている。 tumsikot sintoko トゥムシコッ シントコ シントコ(大きい容器、 この場合、 長方形だったという)と同じ形につくった小さい飾りが鎖で下がっているシントコ。(S) tumsikot pasuy トゥムシコッ パスイ【名】「ぼんぼりこ」みたいな下げ飾りのついている箸(菓子等を取るのに使う、 下げ飾りはひもでつけるのではなく、 一本の箸の上端をくりぬいて、 箸の本体から下げ飾りが鎖状につながっている形につくられている)。 {E: small wooden ornaments attached to various instruments (B.).} (出典:田村、方言:沙流)
- tup ikasma asiknehot
- トゥプ イカシマ アシクネホッ 【tup ikasma asikne hot】 102 (出典:萱野、方言:沙流)
- tusikoseta
- トゥシコセタ §268 イヌ (29) tusiko-seta (tu-sí-ko-se-ta)「トゥしコセタ」[‘ふたつ目のある犬’<tu(ふたつ)、sik(目)o(ついている)seta(イヌ)] ⦅北海道⦆ 左右の目の上に一個ずつ星の模様のついているイヌ。いわゆる‘四つ目のイヌ’ (出典:知里動物編、方言:)
- ukoposiresikte
- ウコポシレシクテ 【自動】[u-ko-po-sir-e-sik-te 互い・に・子・あたり・…で・満ちる・させる] 二人の間に子どもがたくさんできる。 ☞pósiresikte ポシレシクテ {E: to have many children.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukosikeroski
- ウコシケロシキ 【他動】[uko-sik-e-roski 皆で一緒に・目・で(?)/そこに(?)・立つ(?)/立てる(?)] 皆で見ている。 a=ukósikeroski ayne tanepo a=nukár asitcup アウコシケロシキ アイネ タネポ アヌカラ アシッチュプ 皆に見られていてやっと今私たちの目に入った新月。(S) {E: for everyone to see, look at…} (出典:田村、方言:沙流)
- ukosikup(-an)
- ウコシクプ §033.いいなずけ(許嫁)(1)ukosikup(-an)〔u-kó-ši-kup ウこシクプ〕⦅クッシャロ⦆いいなずけである。[u-(互い)+-ko-(のために)+sikup(成長する)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- ukosikupka(an-)
- ウコシクプカ §033.いいなずけ(許嫁)(3)ukosikupka(an-)〔u-kó-ši-kup-ka ウこシクプカ〕⦅クッシャロ⦆いいなずけとして育てる。[u-ko-sikup-ka(お互い・のために・成長・させる)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- ukotcaesikaske
- ウコッチャエシカシケ 【自動】[u-kotca-e-sikaske (< sikasike)互い・の前・で・しらばくれてしたことをしなかったと言う] 自分の家族のしたことをしなかったと言う。 ☞kotca esikas(i)ke コッチャ エシカシケ/エシカシケ {E: to deny what one's family did.} (出典:田村、方言:沙流)
- ukoyaysikupka(-an)
- ウコヤイシクプカ §033.いいなずけ(許嫁)(2)ukoyaysikupka(-an)〔u-kó-jaǐ-ši-kup-ka ウこヤイシクプカ〕⦅ビホロ⦆いいなずけである。[u-ko-yay-sikup-ka(お互い・のために・自分を・成長・させる)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- uosikkote
- ウオシッコテ 【u-o-sik-kote】 恋(する).▷ウ=互い オ=そこで シク=目 コテ=つなぐ =ウウォシッコテ ペウレクル ウタラ ウオシッコテ パ ワ ネ ノイネ ネユン ポーカ ウサムエアプカシ パ=若者たちは恋心があってるらしくてなんとかかんとか一緒に歩こうとしている. (出典:萱野、方言:沙流)
- uparusikankikir
- ウパルシイカンキキリ §122 スズメバチ (17) upar-us-ikankikir(u-pá-rus-i-kan-ki-kir)「ウぱルシイカンキキリ」⦅本別⦆ドロバチ (出典:知里動物編、方言:)
- urenetupsike
- ウレネトゥプシケ 【位名】[所](概は未出。 etupsike の概は etupsik エトゥプシク)[uren-etupsike 両方の・先端] …の両端(両方の先端)。 {E: both ends, edges of…} (出典:田村、方言:沙流)
- urensik/urensiki(hi)
- ウレンシク/ウレンシキ(ヒ) 【uren-sik/siki(hi)】 両眼. (出典:萱野、方言:沙流)
- urkiesik
- ウルキエシク 【自動】[urki-e-sik シラミ・で・いっぱいである/になる] シラミだらけである、 シラミだらけになる、 シラミにいっぱいたかられる。 earkinne urkiesik=an wa a=koyáywennukar エアラキンネ ウルキエシクアン マ アコヤイウェンヌカラ 私はものすごくシラミだらけになって気持ちが悪かった。(W民話) {E: to be infested with lice.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- usikkasma
- ウシッカシマ 【u-sikkasma】 互いに大切にする,互いに守り合う. ▷ウ=互いに シッカシマ=守る,目を離さない,見守っている(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- usikta
- ウシクタ 【usik ta】 今ごろに. タネ ウシクタ ヘマンタ アイヌ シクヌ ワ アン ペ アン=今ごろになってからなにの人間が生きているものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ussikar
- ウッシカラ 【自動】[ussi-kar うるし・する] うるしにかぶれる。 ussikar wa nanu epittano a=nukár ka sitoma no an ウッシカラ ワ ナヌ エピッタノ アヌカラ カ シトマ ノ アン うるしにかぶれて顔じゅう見るのも恐ろしくなっている。(S) {E: to be poisoned with lacquer.} (出典:田村、方言:沙流)
- ussikar
- ウッシカラ 【ussi-kar】 ウルシをかく(ウルシにかぶれる). ホワーラ ヌマン ケキムネ(ク・エキムネ) アプ スイ クッシカラ(ク・ウッシカラ) ノイネ オヤコヤキ マヤイケ フミ アシ=あーあ,いやになっちゃう,昨日山へ行ったらまたウルシかいた(ウルシにかぶれた)らしくあちこちが痒くなったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ussikar(-an)
- ウッシカラ §144.うるしかぶれ(漆瘡)(2)ussi-kar(-an)〔ús-ši-kar うッシカラ〕[ウルシ・に当る]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- utonnasiko
- ウトンナシコ 【utonna-si-ko】 斜視,やぶにらみ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- uwosikkote
- ウウォシッコテ 【自動】[u-w-o-sik-kote 互い・(挿入音)・の尻(?)・目・を結びつける] 愛し合う(恋愛)。 ☆参考 uweramasu ウウェラマス とほぼ同義。 uweramasu ウウェラマス は互いに好き合うこと、 uwosikkote ウオシッコテ は本来、 好きだからジーッと見つめること。 「uworamkote ウウォラムコテ とも言う。 しかし若い人はこの語を使わず、 uwosikkote ウウォシッコテ と言う。」 (S) {E: to love one another.} (出典:田村、方言:沙流)
- uwosikkotepa
- ウウォシッコテパ 【u-o-sik-kote pa】 愛しあう,恋をする.▷ウ=互いに オ=そこに シク=目 コテ=繋ぐ パ=〔複〕 テエータ アナクネ ペウレクル ウタラ ウウォシッコテパ コロ ネユンネユン カ シノッチャオロイタク パ プ ネ ア ワ=ずうっと古い時代は若者たちが恋をするといろいろと歌の中へ言葉を入れたものであった.ウウォシッコテパ プ アナクネ ウヘコテ ソモ ア ノ イシクサムネレ パ ネプカ エウコピヌピヌ パ コロ オカ=恋人同土は向かい合って座りもしないで横目で顔を見ながらなにやらひそひそ話をしている.ウウォシッコテパ シリ ネ ノイネ ネユンポーカ イキ パ コロ ウカランケ オカ シリ イキ パ=お互いに恋心があるらしく.なんとかしては近くにいるようにしている.フウーン ウウォシッコテパ ワ ネ ノイネ ネユンポーカ ウカランケパ ルスイ シリ=ああそうか,惚れ合っているらしくなんとかかんとかして近づき合いたい様子だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- uwosikkoteyaynu
- ウウォシッコテヤイヌ 【u-o-sik-kote-yaynu】 恋心(を持つ). (出典:萱野、方言:沙流)
- weensikreypare
- ウェエンシクレイパレ 【自動】[ween-sik-rey-pa-re ごくぞんざいに(wen ウェン の強調形)・目・はう(reye レイェ の語根)・[複]・させる] チラッと目を這わす、 チラッと横目で見る。 {E: to look sideways at; to look from the corner of the eyes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wenkikir sikoykire
- ウェンキキリ シコイキレ §338.さなだむし;條虫(5)さなだ虫がいる wenkikir sikoykire〔wéŋ-ki-kir|ši-kóǐ-ki-re うぇンキキリ・シこイキレ〕[悪い虫に・いじめられる]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- wennusikari
- ウェンヌシカリ 【自動】[単](この形での用例は未出。 複数語尾 -pa パ のついた形で出てきた。) ☞wennusikaripa ウェンヌシカリパ (出典:田村、方言:沙流)
- wennusikaripa
- ウェンヌシカリパ 【自動】[複](単の用例はない)[wen-nu-sikari-pa ひどく・目・丸くなる・[複]](?) (二人以上が皆で)ひどくびっくりする。 {E: to be startled (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wensikesarpe
- ウェンシケサラペ 【wen-sikesar-pe】 ならず者. ウウェペケレ オッタ(オロ タ) ウェンシケサラペ エネ ヤイヌ ヒ イルイケ イタンキ アニ ヘネ ア・イ・イペレ ヤクネ チャランケ モトホ ネ ア・カラ シコロ ヤイヌ=昔話の中でならず者が思うことは研ぎ水を入れる椀などで私に食べさせてくれればいいがかりの原因にしたいものだと思った. (出典:萱野、方言:沙流)
- worokompusikopayar
- ウォロコンプシコパヤラ 【wor-o-kompu sikopayar】 水にうるけた昆布のようだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaycipsike
- ヤイチプシケ (次の項の yaycipisikeka-nukar ヤイチプシケカヌカラ の一部。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaycipsikeka-nukar
- ヤイチプシケカヌカラ 【自動】[yay-cip-sike-ka-nukar 自分・舟・荷物・の上・を見る] 舟の積み荷を見る=荷を積んだ舟のとも(後部)に座る(交易品を舟に積んで航海する様子の描写)。 ☆参考 eyaycipsikeka-nukar エヤイチプシケカヌカラ [他動] {E: to sit at the back of the load on a boat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayesiknakpe
- ヤイェシクナクペ 【yay-e-siknak-pe】 自分自身のことは見えない者:他人のことはとやかく言うが自分のことは何もできない者のことを言う〔悪口〕.▷ヤイ=自身 シクナク=見えない ペ=者 ニシパネ プ アナクネ ウェンクル ウタラ イペ カ エアイカプ ヤッカ ソモ ヌカラ ペコロ センピリケ タ ア・オロモメカラ ヤッカ ヤイェシクナク ペ ネ=金持ちは貧乏人が食うこともできずにいても見ないふりをしていて,陰で非難されていても自分自身のことは見えないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- yayesikoronu
- ヤイェシコロヌ 【yay-e-sikoronu】 まつわりつく,自分を売り込む. エネ イポカシ ペ オラウン ネユンポカ ヤイェシコロヌ マクネ プ ネ ヤ カ ア・エラムシカリ=たいした器量でもないのにそれでもなんとか自分を売り込む,どうなるものか私は知らない. (出典:萱野、方言:沙流)
- yayeysikorunu
- ヤイェイシコルヌ 【自動(?)】自分を押し売りする(嫌われているのに無理に来て好かれようとする、 頼まれないのに使ってもらおうとして無理に来る等)。 yayeysikorunu kor an ヤイェイシコルヌ コラン (彼は)無理に来ている。(S) {E: to force, press oneself onto others.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaykosikannatki
- ヤイコシカンナッキ 【yay-ko-sikannatki】 まごまごする:どうしてよいかわからず,まごつく様子. チロンヌプ ケセアンパ コロ ネプ ネ クス ネ ヤ セタ ヤイコシカンナッキ ワ ホユプ エアイカプ. チロンヌプ オプケ コロ セタ ネノ イキ プ ネ ヤク ア・イェ=犬が狐を追いかけると,どうしてなのか犬がどうすればいいのかわからず走ることができなくなる.狐が屁をたれると犬がそうするものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaykotanesikarun
- ヤイコタネシカルン 【自動】[yay-kotan-esikarun 自分・村・を懐かしく思い出す] 故郷を思い出す、 故郷を懐かしむ。 ☆対語 yaykotanoyra ヤイコタノイラ {E: to long for one's home town.} (出典:田村、方言:沙流)
- yayramsikarun
- ヤイラムシカルン 【自動】[yay-ram-sikarun 自分・心・記憶する] 気がつく、 ものごころつく、 思い出す。 onne cise or ta yayramsikarun オンネ チセ オッタ ヤイラムシカルン (直訳すると)古い家の中で気がついた=気がついたときは/ものごころついたときは/おぼえているかぎりでは、 古い家の中にいた(それ以前のことは記憶にない)。 {E: to notice; recall.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaysikarun(-an)
- ヤイシカルン §466.そせいする(蘇生する)(6)yaysikarun(-an)〔yáǐ-ši-ka-run やイシカルン〕[<yay(自分)+e(について)+sikari(回る)+un(強めの辞)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- yaysikenuyna
- ヤイシケヌイナ 【自動】[yay-sik-e-nuyna 自分・目・で・…を隠す] 見ないふりをする。 {E: to pretend not to see.} (出典:田村、方言:沙流)
- yesikay(-e)
- イェシカイ §141.うみのしん;膿栓(2)ye-sikay(-e)〔jé-ši-kaǐ いぇシカイ〕[膿・とげ]⦅サル、ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- -atki
- アッキ 【接尾】(自動詞をつくる。 限られた決まった語にのみ現われる。)tusus トゥスシ (擬態);tususatki トゥスサッキ ガタガタふるえる。 sam サム 横;samatki サマッキ 横向きになる。 sine シネ 一つの;sineatki シネアッキ 決まる。 sikari シカリ 丸い;sikannatki シカンナッキ 回る。 (出典:田村、方言:沙流)
- -ci 3
- チ 【接尾】[日本語ジ(時)] …時(時刻の単位)。 ☆昔は時刻は言わなかった。 現代(1950年代)は、 時刻を言うのに icizi イチジ《一時》、 kozi コジ《五時》のように言っていた。 ☆参考 -sik シク 昔の時刻の単位。 (W){E: a unit of time - o'clock.} (出典:田村、方言:沙流)
- -hi 3
- ヒ 【接尾】[所属形形成](本辞典では「所属語尾」とも呼ぶ。 名詞の所属形の長い形をつくる。 母音 i イ のあとにつく。 その場合、 短い形は概念形と同形。 また子音に終わる語幹に i がついてできた所属形の短い形につく。) cinki チンキ [概]すそ;cinki チンキ/cinkihi チンキヒ [所]…(着物)のすそ/その着物のすそ。 また、 子音に終わる語幹に i がついてできた所属形の短い形について長い形をつくる。 sik シク[概] 目;siki シキ[所] (短い形);sikihi シキヒ[所](長い形)。 (出典:田村、方言:沙流)
- a= 10
- ア 【人接】[不定人称主格他動詞型] ①[一般称]一般に人は/人が、 (特定の人ではなく)だれかが/だれでもが。 sekor a=ye セコロ アイェ …と(一般に人が)言う=言われる。 húresisam mosir sekor a=ye p ne wa フレシサム モシリ セコロ アイェプ ネ ワ (外国のことは)赤毛の異民族の国と(一般に人は)言うのだわ。(W) ②[受身]…される。 a=en=kopisi アエンコピシ (不定の)人が私にたずねる=私がたずねられる。 a=en=kopisi p anakne opitta ku=ye wa アエンコピシプ アナクネ オピッタ クイェ ワ 私がたずねられることはすべて私は言って(=答えて)。(S会話) kamuy opitta oro wa a=i=koypak カムイ オピッタ オロ ワ アイコイパク 私たちはすべての神々からとがめられる(罰を受ける)。(W民話) kotan a=arústekka コタン アアルシテッカ 村が全滅させられた。(NK民話) ③[包括的一人称複数]相手を含む私たちが/の。 tanto a=ewkoytak pe anak a=ewéraman hawe ne タント アエウコイタク ペ アナク アエウェラマン ハウェ ネ きょう私たち(あなたと私)が話し合ったことはお互いに(あなたと私が)わかり合った。(W会話) a=sikíhi un アシキヒ ウン 私たち(あなたも私もみんな)の目よ。(W会話) ④[引用文中の自称] 自分(たち)が/の、 私(たち)が/の。 “…a=e=ráyke kusu ne” sekor hawean 「…アエライケ クス ネ」セコロ ハウェアン 「…私はあなたを殺す」と彼は言った。(HK民話) ⑤[敬意の二人称] あなた様が/の。 mak yaynu=an kuni a=ramú kusu マク ヤイヌアン クニ アラム クス 私がどんな気持ちになるとあなたはお思いになって…。(NK民話) ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ《である》・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =an アン が接尾する。 ☞=an アン ☆参考 ユーカラ(英雄叙事詩)を歌うときには、 母音で始まる動詞語幹の前で、 しばしば a= ア の代わりに an= アン の形が使われる。 北海道南部以外では、 日常語でも an= アン がたくさん使われる。 ☞an= アン {E: ①… ②passive. ③first person plural inclusive. ④… ⑤second person honorific.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ahunporu
- アフンポル 【名】[ahun-poru 入る・洞穴] 死者の住む国の入口の洞穴。 “ahunporu sikopayar pe hemanta an?” “etupuyke”「アフンポル シコパヤラ ペ ヘマンタ アン?」「エトゥプイケ」「あの世の入口の洞穴にそっくりのものはなあに?」「鼻のあな」(なぞなぞ)。(W-S会話) {E: a cave that is the entrance to the land of the dead.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- an= 8
- アン 【人接】[不定人称主格他動詞型][雅](ユーカラ(英雄叙事詩)の主人公の自称)私が、 私は。 an=esíkari アネシカリ [雅]私(ユーカラの主人公)はそれを振り回す。(Sユーカラ) an=omómmomo アノモンモモ [雅]私はそれをくわしく言う。(Sユーカラ) ☆参考 他動詞に接頭する。 名詞その他に接頭した例は未出。 母音で始まる語幹につく。 日常語では a= ア。 ユーカラでも、 節をつけずに語るときは a= ア の形が使われる。 歌うときは an= アン が多く使われる。 歌うときでも、 子音で始まる語幹には a= ア がつく。 その例外は anramasu アンラマス(☞ramasu ラマス)。 母音で始まる語幹でも、 a= ア が使われることもある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ápekor 2
- アペコロ 【接助】[a-pekor(?)・かのように] まるで … した (している)みたいに、 … した (している)かのように。 nísikaye turse okake sik o kane ápekor an ニシカイェ トゥルセ オカケ シコ カネ アペコラン まるで木の節が落ちたあとに目がついたみたいだ。(S) ☆参考 pekor ペコロ と似ているが、 pekor ペコロ は単に類似していることがらを示すのに対し、 ápekor アペコロ はまるで別のことがらとそっくりであることを言う。 事実に反することがらを示すことが多い。 後には an アン、 iki イキ、 síran シラン、 yaynu ヤイヌ などの動詞が来る。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- aputki
- アプッキ 【名】[aput-ki (?)・簀(す)] 魚や野草を干すのに使う簀(す)(「すだれ」)。 ☆参考 supki スプキ《ヨシ》でつくる人もあり síki シキ《オニガヤ》でつくる人もある。 戸外で干すのに使う。 いま(1963年)「だしこ」(煮干し)を干すのに使っている。 また家の中の parpesni パラペシニ《縦の梁》の上にものせる。 isatkeki イサッケキ《物干し簀》はもっと目を細かくつくり、 túna トゥナ《火棚》の上に置く。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- arwan
- アラワン 【連体】[数連体][< re-e-wan 三つ・で・十の](?) 七つの、 七人の。 arwan sike アラワン シケ 七個の荷物。 arwan poyson アラワン ポイソン 七人の子ども。 arwan hot アラワン ホッ[七つの・二十] 百四十。 ☆発音 アルワン。 {E: seven…} (出典:田村、方言:沙流)
- asitcup
- アシッチュプ 【名】[asir-cup 新しい・月] ①新月、 いちばん細くなったときの月。(S) ②六日七日まで(の月)。(W) tanto iwan to ne asitcup an タント イワン ト ネ アシッチュプ アン 今日は初六日です。(W) ☆参考 sikaricup シカリチュプ 満月。 ☞cup チュプ {E: a new moon.} (出典:田村、方言:沙流)
- aske
- アシケ 【名】①(語構成の要素として)手(指の部分)。 ② ☞aske … アシケ … ☆参考 「五」を意味する語根 asik アシク が同源だとすると、 もとの形はasike アシケ だったのではなかろうか。 ☆参考 「手」を表す独立の名詞は tek テク。 (出典:田村、方言:沙流)
- atesékina
- アテセキナ 【名】[a=tesé-kina 我々が(人が)・敷物に編む・草][植物] ガマ(敷物にする草)。〔知分類 p.232 síkina〕 {E: a cattail; a reed mace, a grass for making matting etc.} (出典:田村、方言:沙流)
- awa
- アワ 【接】[a-wa …した・…して] …して、 …したが(「…したけ」)(一つのことを述べ終わり、 それを前置きとしてこれから話が展開することを示す。 ややフォーマルな表現で、 きちんとした会話や伝説、 昔話、 叙事詩などで使われる) 。 hetopo horka siknu awa asirikinne montumu kasi mosma kur kem a=o wa ヘトポ ホロカ シクヌ アワ アシリキンネ モントゥム カシ モシマ クル ケム アオ ワ またふたたび息を吹き返したが、 新たに他の人の血を輸血されて…。(W会話) ☆参考 hike ヒケ …したが(軽い前置き)。 ☞hike ヒケ ③。 korka コロカ けれども(逆説)。 akus(u) アクシ/アクス …すると。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- cási
- チャシ 【名】[< ci-asi-i された・たてる・ところ] ①柵、 境の垣(外からの侵入を防ぐためのもの、 鉄条網も)。 ras cási ラシ チャシ 木の割端でつくった柵。 unma o cási ウンマ オ チャシ 馬牧場(の囲い)。 ②家 (通常、 家のことは cise チセ と言うが、 ウポポ(斉唱・輪唱する歌謡)や叙事詩の中で cási チャシ と言う。 神の住む家は cási チャシ と言うのが普通であり、 また特別の人の館(やかた)か大邸宅を指すこともあり、 「城」とも訳される)。 ne nupuri nupuri kitay ta cásikor wa an kunine ネ ヌプリ ヌプリ キタイ タ チャシコロ ワ アン クニネ (その神が) その山の山頂に城をかまえて住むように。(S言い伝え) Aspet un cási アシペトゥン チャシ 芦別(「本当は鷲別」 (S))の家。(Sほかウポポ) ③とりで。 {E: ①a fence. ②a house. ③a fort.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ciorankekar
- チオランケカラ 【他動】[中相][ci-o-ranke-kar される・(そこ)に・下ろす・させる][雅]…に降りる、 …に落ちる。 ranke mosir/mosirso kurka/ciorankekar ランケ モシリ/モシリソ クルカ/チオランケカラ [雅](彼は)下界の国の国土の上に下りてきます。(Sユーカラ) ranke núpe/numus apto ne/i=kurkasike/ciorankekar ランケ ヌペ/ヌムサプト ネ/イクルカシケ/チオランケカラ [雅](姉)の落とす涙が大粒の雨のように私の上に落ちてきた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- cisanasapte
- チサナサプテ 【他動】[中相][ci-sanasapte …される・…を出す][雅]出てくる。 kamuy maw sika/kamuy kosonte/cisanasapte カムイ マウ シカ/カムイ コソンテ/チサナサプテ [雅]神風にのって立派な小袖が出てきた。(Sユーカラ) ☞sánasapte サナサプテ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ciw 1
- チウ 【他動】… にささる、 …を刺す、 しみる(薬がしみて痛い)。 ku=teke kusuri ciw クテケ クスリ チウ 私の手に薬がしみる。 hay:, kusuri a=usí akus ciw humi! ハイー、 クスリ アウシ アクシ チウ フミー! ああ、 薬をつけたらしみるなあ。(S) wasanpi parkar, k=étupuyke ka kus, ku=siki ka ciw ワサンピ パラカラ、 ケトゥプイケ カ クシ、 クシキ カ チウ わさびがからい、 私の鼻のあなも通る、 私の目にもしみる。(S) {E: to smart; sting.} (出典:田村、方言:沙流)
- cup 1
- チュプ 【名】月、 太陽。 kunne cup クンネ チュプ [夜(の)・月]月。 tókap cup トカプ チュプ [昼(の)・月]太陽。 cup kamuy チュプ カムイ 月/日の神、 お月様、 お日様。 kunne cup (kamuy) クンネ チュプ (カムイ) 月の神、 お月様。 tókap cup (kamuy) トカプ チュプ (カムイ) 日の神、 お日様。 cup ahun チュプ アフン 月/日が沈む。 cup etuk チュプ エトゥク 月/日がほんの少し出かかる。 cup hetuku チュプ ヘトゥク 月/日が出る(丸い全体が出る)。 cup nin sirara チュプ ニン シララ[月が・減る・潮] 小潮。 cup a=rukí チュプ アルキ 月/日が飲み込まれる=月蝕/日蝕でだんだん消えていく。 cup ran チュプ ラン [日が・下りる]日が傾く。 cup ray チュプ ライ [月/日が・死ぬ]月蝕/日蝕になる(皆既日食の場合)。 ruyno tane cup ran ルイノ タネ チュプ ラン ずうっともう日が傾いた。(S) cup ri チュプ リ [日・高い]日が昇る、 日が高い。 cup sikari sirara チュプ シカリ シララ [月が・丸くなる・潮]大潮。 {E: the moon.} {E: the sun.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- cuporop
- チュポロプ 【名】[概](所は cuporopi(hi) チュポロピ(ヒ))[cup-or-o-p 女性のおなか・の中・に入っている・もの][古] おなかの中の赤ん坊。 ☆参考 ossikeomap オッシケオマプ は同じことを表すやさしい言葉。 {E: the child in one's belly.} (出典:田村、方言:沙流)
- eappisep
- エアッピセプ §021.子(34)eappisep〔e-áp-pi-sep エあッピセプ〕⦅チカブミ⦆【雅】私生児。(=hoku-sakno-po)。"anokay anakne nep ka kamiasike 〜 somo a-ne ruwe tapan"「私は別に怪しい者の子なぞではありません」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- earuwato
- エアルワト 【他動】[ear-uwato 一つだけ・たくさん集まっている]そればかりがたくさんある。 sikaricup noka/nincup noka/earuwato シカリチュプ ノカ/ニンチュプ ノカ/エアルワト [雅]満月の形や三日月の形ばかりの模様に満ちていた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eharkisamun
- エハラキサムン 【副】[e-harki-sam-un その頭・左・側・へ]左へ。 eharkisamun sikiru エハラキサムン シキル 左を向く。(S) {E: to the left.} (出典:田村、方言:沙流)
- ehoyupu
- エホユプ 【他動】[単](複は ehoyuppa エホユッパ)[e-hoyupu …と共に・走る] …を持って走る。 hemanta i=esikari híne orowano ekimne i=ehoyupu humi as ヘマンタ イエシカリ ヒネ オロワノ エキムネ イエホユプ フミ アシ 私は何かにつかまえられてそれから山へ(走って)持って行かれる気配がしていた。(KK民話) {E: to run with…in hand.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekarinpa
- エカリンパ 【他動】[e-karinpa …で・グルグル回る](そこ)を回る。 tu noiwan suy i=enkasi ekarinpa ayne トゥノイワイスイ イエンカシ エカリンパ アイネ [雅](天に帰るために鳥の姿になった父は)何回も何回も私の上をグルグル飛び回ってから。(W神謡語り) ☆参考 同じ話者が別の神謡を歌っている中で、 同様の文脈で esikannatki エシカンナッキ を使っている。 {E: to go around…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekasnukar
- エカシヌカラ 【他動】[e-kas-nukar …で・(人)の上・を見る] (人)に(もの)を授ける。 to kor kamuy pekanpe haru i=ekasnukar wa kusu a=kotánuhu siknu p ne a kusu ト コロ カムイ ペカンペ ハル イエカシヌカラ ワ クス アコタヌフ シクヌプ ネ ア クス 湖の神が菱の実という食料を授けてくれたおかげで私たちの村が行きのびられたのだったから。(S会話) {E: to grant…to someone } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekaspaotte
- エカシパオッテ 【複他動】[e-kaspaotte (そのこと)で・(人)に命令する] …に…を命じる。 a=utáripo sikirpa kuni a=ekáspaotte wa a=sikírpare ruwe ne アウタリポ シキリパ クニ アエカシパオッテ ワ アシキリパレ ルウェ ネ 私は私の村人たちには引き返すように命じて引き返させた。(W民話) {E: to order…to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- emastek
- エマシテク 【他動】[e-mastek で・いっぱいである] …でいっぱいである、 …がいっぱいつまっている。 toytoy emastek wa an トイトイ エマシテク ワ アン 土がいっぱい入っている。(S) si emastek! シ エマシテク! 糞でいっぱいになっていろ(「くそくらえ」)=余計なことを言うな。(S) ku=siki toytoy emastek humi as na nukar wa en=kore クシキ トイトイ エマシテク フミ アシ ナ ヌカラ ワ エンコレ 私の目に土がいっぱい入ったような感じだから見てください。(S) {E: to be full of…; filled with…} (出典:田村、方言:沙流)
- emastekka
- エマシテッカ 【複他動】[e-mastek-ka で・いっぱいである・(他動詞化)] …を…でいっぱいにする、 …に…をいっぱい詰め込む(「上から押しつめてつめる、 =rarpa wa omare ララパ ワ オマレ」)。(W) paro emastekka パロ エマシテッカ 彼は口にそれをいっぱい入れた。(S) hunna ene toy emastekka wa anu hi an un? フンナ エネ トイ エマシテッカ ワ アヌ ヒ アヌン? だれがそんなに土をいっぱい入れておいたんだろう。(S) ☆参考 「酒や水や米は rarpa ララパ《押えつける》できないから emastekka エマシテッカ と言わず sikno omare シクノ オマレ。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- enka
- エンカ 【位名】[概](所は enkasi エンカシ、 enkasike エンカシケ、 enkaske エンカシケ)[en-ka (?)・の上]…の上の方(離れた上)。 atuy enka péka hopuni kor an アトゥイ エンカ ペカ ホプニ コラン 海の上を飛んでいる。(S) [対]corpok チョロポク ☆参考 ka カ …の上(接触した上)。 ☆参考 corpok チョロポク《下》は接触した下も離れた下も含むが、 「上」を表すには接触した上 ka カ と離れた上の方 enka エンカ と区別する。 「上」を表す他のいろいろな語については ☞ka カ {E (high) above.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- éno
- エノ 【他動】[e-no …を食べる・よく…する] …を好きでいつもよく食べる。 k=éno p ne korka tap anak ku=honi sik wa somo k=e ケノプ ネ コロカ タプ アナク クホニ シク ワ ソモ ケ いつも好きで食べるんだけど今はおなかがいっぱいだから食べない。(S) {E: to indulge in one's favourite food.} (出典:田村、方言:沙流)
- entonum
- エントヌム 【名】[ento-num 「アブラグサ」・粒][植物]「アブラグサ」(エゾミソハギ)の実(「小さあい実がなる」)。(S) oarsiki sikaricup néno, oarsiki entonum pakno an オアラシキ シカリチュプ ネノ、 オアラシキ エントヌム パクノ アン 片目は満月のようで、 片目は「アブラグサ」の実くらいだ(ばけものの描写)。(S) 〔知分類 p.73 エゾミソハギの子実の粒〕 (出典:田村、方言:沙流)
- enucisiske
- エヌチシシケ 【他動】[e-nu-cis-is-ke …で・目・(?)・(重複)・…している・]じっと見つめる。 siknumnoski enucisiske シクヌムノシキ エヌチシシケ 瞳の真ん中をじっと見つめる。(S) {E: to stare, glare at…} (出典:田村、方言:沙流)
- eoha
- エオハ 【自動】[e-oha その一部・からっぽである]いっぱいでない、 (比喩的に)頭が(知力が)足りない。 toanpe sik somo ki, ponno eoha p ne wa トアンペ シク ソモ キ、 ポンノ エオハプ ネ ワ あいついっぱいでない、 少し足りないんだ(悪口)。(S) ☞oha オハ {E: to be lacking; insufficent; dull (not smart).} (出典:田村、方言:沙流)
- eopirasa
- エオピラサ 【複他動】[e-o-pirasa …で・(そこ)で・…を広げる](次のような文脈で)sikurkasam eopirasa シクルカサム エオピラサ [雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/a=sikúrkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクルカサム/エオピラサ [雅]立派な小袖を私は自分の体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ) ☆参考 ふしをつけずに語っている中では、 e- エ をつけず sikurkasam opirasa シクルカサム オピラサ とも言っている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- epetciw
- エペッチウ 【他動】[e-pet-ciw (それ)で・指・をさす](石など)につまずく。 suma k=épetciw wa k=úrepeci arka スマ ケペッチウ ワ クレペチ アラカ 私は石につまづいて足の指が痛くなった。(S) amip o suwop sikkewe k=épetciw アミプ オ スウォプ シッケウェ ケペッチウ 私は衣装箱の角(かど)につまづいた。(S) ☆参考 つる草などにつまづくことにはこの語を使わず eokok エオコク《…にひっかかる》を使う。(S) ☆参考 足指は urepet ウレペッ。 {E: to stumble over…} (出典:田村、方言:沙流)
- epuykeutari(hi)
- エプイケウタリ(ヒ) 【名】[所](概は未出。 utari(hi) ウタリ(ヒ) の概は utar ウタラ)[epuyke-utar-i 種・人々/…たち・(所属語尾)] …の両親(「いい言葉でも悪い言葉でもない」)。(S) ☆参考 esikop-utari エシコプウタリ とも言う。 面と向かって「あなたの両親」と言うときは、 e=kor hápo ka e=kor iyapo ka エコロ ハポ カ エコロ イヤポ カ《あなたのおかあさんもあなたのおとうさんも=あなたのおかあさんとおとうさん》のように言う。(S) {E: one's parents.} (出典:田村、方言:沙流)
- eramiskari
- エラミシカリ 【他動】[否定動詞] ①(人)を知らない(見知らない)、 おぼえがない。 siketoknawa a=erámiskari okkaypo sinep soy ta ek na シケトクナワ アエラミシカリ オッカイポ シネプ ソイ タ エク ナ 全然知らない(見覚えのない)若い男が一人、 門口に来ています。(W言い伝え) ku=mokorkasu wa sir-onuman ya ka k=éramiskari クモコロカス ワ シロヌマン ヤ カ ケラミシカリ 寝すぎて晩になったのもわからなかった。(S) ②(動詞句の後に置かれて)…したことがない。 k=arpa ka eramiskari カラパ カ エラミシカリ 私は行ったことがない。(W会話) ☆対語 肯定は amkir アムキリ。 ☆参考 erampewtek エランペウテク …がわからない、 …を知らない(知識がない)。 ☞amkir アムキリ、 erampewtek エランペウテク {E: to not know, remember, recall…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eramukoeskarpa
- エラムコエシカラパ 【他動】[複](単は eramukoesikari エラムコエシカリ)…にびっくり仰天する。 {E: to be astonished, amazed by…} (出典:田村、方言:沙流)
- esankere
- エサンケレ 【他動】[e-sanke-re …に・出す・させる][雅](次の表現で) …に向かって出す。 retar siknumi/i=esankere レタラ シクヌミ/イイェサンケレ [雅]白目を出して私をにらんだ。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esimoysamun
- エシモイサムン 【副】[ e-simoysam-un その頭・右側・へ] 右へ。 esimoysamun sikiru エシモイサムン シキル 右側へ向きを変える=右を向く。(S) {E: to the right.} (出典:田村、方言:沙流)
- eskannatki
- エシカンナッキ 【他動】☞esikannatki エシカンナッキ (出典:田村、方言:沙流)
- eskarun
- エシカルン ☞esikarun エシカルン (出典:田村、方言:沙流)
- eskaske
- エシカシケ ☞esikasike エシカシケ (出典:田村、方言:沙流)
- etupuyke
- エトゥプイケ 【名】[所](概は etupuy エトゥプイ) …の鼻のあな。 “ahunporu sikopayar pe hemanta an?” “etupuyke”「アフンポル シコパヤラ ペ ヘマンタ アン?」「エトゥプイケ」「死者の国の入口の洞穴にそっくりのものはなあに?」「鼻のあな」(なぞなぞ)。(W-S会話) {E: nostrils (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etursere
- エトゥルセレ 【複他動】[e-turse-re …で・落ちる・させる] …で…をとばす、 …で…を切り落とす。 ure etursere ウレ エトゥルセレ 足で(それを)けとばす。(W) a=sitómusi a p a=sikóetaye híne néa kimunkamuy a=tawki hi ta kamuy renkayne penrekuci a=etúrsere ruwe ne アシトムシ アプ アシコエタイェ ヒネ ネア キムンカムイ アタウキ ヒ タ カムイ レンカイネ ペンレクチ アエトゥルセレ ルウェ ネ 私が腰に差していた山刀を引き抜いて熊に切りつけとき、 神のおかげでその首を切り落とした。(HK民話) {E: to cut off…; cut away…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- euwopitte/ewwopitte
- エウウォピッテ 【他動】[e-u-opitte その頭・互い・を結ぶ(?)] …を結ぶ。 ureneepakke ewwopitte/ewopitte wa ári ウレネエパッケ エウウォピッテ/エウォピッテ ワ アリ (俵の)両端を結んで(つなぎ合わせて)おきなさい(1枚に編んだものの編み始めと編み終わりをつなぎ合わせて袋にすることを言っている)。(S) nuyto etupsike k=ewwopitte wa k=ári akusu kem ounu ka eaykap siri iki ヌイト エトゥプシケ ケウウォピッテ ワ カリ アクス ケム オウヌ カ エアイカプ シリ イキ 糸の端を私が結んでおいたところ(彼は)針に通すことができない様子だ(何本もある糸の両端の先を結んで一つに束ねてしまったことを言っている)。(S) ☆参考 接頭辞がつくことによって語頭の e が高く発音されるときに多く使われる語幹の形。 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは ewopitte エウォピッテ という形をとることが多い。 ☞ewopitte エウォピッテ {E: to link, join…} (出典:田村、方言:沙流)
- ewkote
- エウコテ 【他動】[e-u-kote その頭・互い・をつなぐ] …を結んでつなぐ。 ruy:no etupsike ewkote ルイーノ エトゥプシケ エウコテ ずうっと端の方を結びなさい。(S) ☆参考 kote コテ …を…につなぐ(たとえば馬を木に)。 {E: to join, link…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyaykurkasam-pirasa
- エヤイクルカサムピラサ 【他動】[e-yay-kuruka-sam-pirasa …で・自分・の上一面・(< のそば)・…を広げる][雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/a=eyáykurkasam/pirasa kane カムイ コソンテ/アエヤイクルカサム/ピラサ カネ [雅]私は立派な小袖を自分の体の上に広げて身につけ…。(Sユーカラ語り) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 別の箇所で sikurkasam-opirasa シクムカサムオピラサ と言っている。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- haciko
- ハチコ §010.老若長幼―成長段階―を表す形容詞その他(3)haciko〔ha-čí-ko ハちコ〕⦅S.⦆小さい;幼い。〜utah cis-ahci te okay-ahci;sikihi ka okore〜pahno cis okay-ahci⦅ウソロ⦆「幼い子どもたちが泣いていた;その日も皆小さくなるほど泣いていた」。〜-an orano may-nehpo sinne i-ko-yaykara a an-acaha itaki ahkari an-ki ka an-kowakusu⦅ウソロ⦆「私の幼い頃から女の子のように私を可愛がってくれた私の叔父の言うことにそむくわけには参らぬ」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- hawetoko koeskari
- ハウェトコ コエシカリ 【他動】[haw-etoko ko-e-sikari 声・その先・(叙述を導く)・その頭が・回る](?) 声がピタツと止む。 {E: completely silent.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hererke
- ヘレレケ 【自動】[her-er-ke つや・(重複)・(自動詞形成)](熊の毛並みが)つやつや光る。 kasikehe hererke kane an kucan カシケヘ ヘレレケ カネ アン クチャン 背中がつやつや光っているめす熊。(NK民話) {E: to shine brightly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hi 2
- ヒ 【形名】[名詞化辞](動詞/動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。) ①…する/したこと honkor=an hi ka a=erámpewtek ホンコラニ カ アエランペウテク 私は妊娠していたのも知らなかった。 noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルシカ クス ひたいに大きな穴を開けられたことに腹が立ったので。(S民話) kamuy yaynu hi toy ka osma eyaynunuke kusu カムイ ヤイヌ ヒ トイ カ オシマ エヤイヌヌケ クス 神が思った事が地面に落ちるのは畏れ多いので。(S言い伝え) ene…hi エネ…ヒ …する仕方、 どのように…する/したかということ。 ene iki hi ka isam エネ イキ ヒ カ イサム どうしようもない。 ene hawean hi エネ ハウェアニ (直訳すると)このように言ったことは=次のように言った。 hi néno ヒ ネノ …したまま。 ene an a hi néno (kane) エネ アナ ヒ ネノ (カネ) もとあったとおりに。 sike=an hi néno シケアニ ネノ 私は荷物を背負ったまま。(W神謡語り) hi nani ヒ ナニ …するとすぐ。 soyne hi nani ソイネ ヒ ナニ 外へ出てすぐ。 hi kusu ヒ クス …する/したから、 だから。 ②(文頭に置かれ、 前の文の内容を受けてその全体を名詞化する。) hi ne ヒ ネ そうだよ。 ③とき。 kéman hi ta ケマニ タ 飢饉だったときに。(W会話) tekehe turiri hi ta テケヘ トゥリリ ヒ タ 手をのばしたときに。(HK民話) poro=an hi wano ポロアニ ワノ (引用文中)私が大きくなってから。 hi ora(no)/hi oraun ヒ オラ (ノ)/ヒ オラウン …してから。 ne hi pakno ネ ヒ パクノ そのときまで。 ④ところ(所)。 tun ehotke hi トゥン エホッケ ヒ 二人が寝る所。(NK民話) ☆発音 ☞hi ヒ 1 {E: ①to; in; that. ②(is to be placed at the beginning of a sentence to make what was previously said a noun form. ③time. ④place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- honi(hi)
- ホニ(ヒ) 【名】[所](概は hon ホン)…の腹、 おなか。 honihi sanke wa hotke yak hankucinoye hene ki kusu ホニヒ サンケ ワ ホッケ ヤク ハンクチノイェ ヘネ キ クス おなかを出して寝ておなかが痛くでもなると困るから。(S) honi(hi) arka ホニ(ヒ) アラカ おなかが痛い(「はらやみする」)。 kú=ipe ewen humi ne noyne ku=honi arka クイペ エウェン フミ ネ ノイネ クホニ アラカ 食べ物にあたったらしくおなかが痛い。(S) honi sik ホニ シク 満腹する。 ku=honi sik クホニ シク 私はおなかがいっぱいだ。 {E: the belly, stomach, abdomen of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- horarayse
- ホラライセ 【自動】[ho-rara-y-se 尻・(すべりを表す擬態)・(挿入音)・と言う](?) すべる、 すべりおりる、 すべり落ちる(人、 木、 着物、 ふとんなどが)。 ci=sikao p horarayse wa an na, un-ka omare チシカオプ ホラライセ ワ アン ナ、 ウン カ オマレ 私たちが掛けている布団が落ちてしまっているから、 かけてください。(S) hekattar pon sori o wa horarayse wa sinot kor oka ヘカッタラ ポン ソリ オ ワ ホラライセ ワ シノッ コロカ 子どもたちが小さいそりに乗ってすべって遊んでいる。(S) ☆参考 氷すべりなどでスーッとすべるのは cárase チャラセ、 スキーでストックを持ってスピードを上げてすべるのは carse チャラセ、 ツルッとすべる(すべってころぶなど)は osittesu オシッテス。 ものの表面がなめらかでスベスベしていることは rárak ララク。 {E: to slip, slide (down).} (出典:田村、方言:沙流)
- horka
- ホロカ 【副】[< 自動詞(?)]逆方向に。 hetopo horka ヘトポ ホロカ 逆戻りして。 hetopo horka siknu awa ヘトポ ホロカ シクヌ アワ (死にかかっていた人が)また生き返ったのだが。(W会話) {E: in reverse; in the opposite direction.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hosi
- ホシ 【後副】…に背を向けて。 réra hosi ku=sikcupupu レラ ホシ クシクチュププ 私は風下に向かって目をギュッとつぶる。(S) {E: to face one's back to…} (出典:田村、方言:沙流)
- hotne
- ホッネ 【連体】[数連体][hot-ne 二十・である] 二十の。 hotne sike ホッネ シケ 二十個の荷物。 hotne poyson ホッネ ポイソン 二十人の子ども。 {E: twenty…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- humi 2
- フミ 【形名】[名詞化辞](動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。 音や、 視覚以外の感覚、 感じ、 思いなどに関して用いられる。)…する/した/している音/感じ/気配/のよう。 …humi ne フミ ネ …のする音/感じ/気配/ようである。 humi an フミ アン …のようだ/…のか(なあ)。 hńta ninpa wa arpa humi an? フンタ ニンパ ワ アラパ フミ アン? 何を引きずって行く音だろうか。 a=ewémkoani mokko ninpa wa arpa humi un アエウェムコアニ モッコ ニンパ ワ アラパ フミ ウン たんかを引きずって行く音だよ。 ku=sikpake inteo yan humi an クシクパケ インテオ ヤン フミ アン 私の目頭に目やにがあがったようだ。 …humi! フミ!…なあ(感嘆)。 méan humi! メアン フミ! 寒いなあ。 tanpane anak a=tura rusuy humi! タンパネ アナク アトゥラ ルスイ フミ! 今年こそは一緒に行きたいなあ。(S民話) wátaha irammakaka puspuske wa a=mi humi pirka ワタハ イランマカカ プシプシケ ワ アミ フミ ピリカ ふとんの綿が具合よくふくらんで掛けるのに気持ちがいい。(S) humi ka isam フミ カ イサム …したような感じが全然しない、 ちっとも…しない。 sirmeman humi ka isam シリメマン フミ カ イサム ちっとも涼しくなったようでもない。(W) k=éramasu humi ka isam ケラマス フミ カ イサム 私はちっともおもしろくない。(S) tópenpe poronno a=o yakka tópen humi ka isam no runnu hi patek ne トペンペ ポロンノ アオ ヤッカ トペン フミ カ イサム ノ ルンヌ ヒ パテク ネ 甘いもの(砂糖)をたくさん入れても甘みが感じられないで、 しょっぱいだけだ。 ☆参考 あとに hi ヒ はつかない、 つまり humihi フミヒ とはならない。 ☆参考 humi フミ [名][所]《音、 感じ》については ☞humi(hi) フミ(ヒ) ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 ☞ruwe ルウェ {E: the sound, sense, feeling of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- husko
- フシコ 【自動】古い。 husko sinrit フシコ シンリッ 古い先祖=昔の先祖。 teeta husko sinrit oka híne テエタ フシコ シンリッ オカ ヒネ 昔、 ずっと昔の先祖が(生きて)いたときに。(W会話) husko maratto フシコ マラット 古い熊の頭骨。 husko an pe sikopayar フシコ アン ペ シコパヤラ [慣用句]もとあったとおりにする=もとどおりに何くわぬ顔をしている。 os a=okápikuyra a korka kira=an híne a=uní ta ék=an híne husko an pe a=sikópayar híne án=an オシ アオカピクイラ ア コロカ キラアン ヒネ アウニ タ エカン ヒネ フシコ アン ペ アシコパヤラ ヒネ アナン 私は(姉の)あとをこっそりつけて行っていたのだったが、 逃げて家に帰って来て、 もとどおりにして何くわぬ顔をしていた。(W民話) {E: to be old.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hussa
- フッサ 【副/名】[擬音](病人の治療のためにフツフツと息を吹きかける時の擬音、 またその行為。) hussa tura フッサ トゥラ フッフッと息を吹きかけながら。(W会話) hussa hussa iki フッサ フッサ イキ フッフッと息を吹きかける。 aynu nupur wa kus tasta hussa hussa ikipa kor oraun siknupa nek! アイヌ ヌプル ワ クシ タシタ フッサ フッサ イキパ コロ オラウン シクヌパ ネク! 人間は霊力がすぐれているから(死んでも)フツフツと息を吹きかければ生き返るのさ。(KK掛け合い歌)の最後の語りの部分 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- iciriyo
- イチリヨ 【名】[< 日本語 いちりょう(一両)](お金の単位) …両、 …円。 sine iciriyo シネ イチリヨ 一円。 wan íciriyo ワニチリヨ 十円。 asikne iciriyo en=kore sekor ne pekor ka hawean アシクネ イチリヨ エンコレ セコン ネ ペコロ カ ハウェアン (広告塔の「…をご利用下さい」という宣伝放送を聞いて)五両(=五円)下さいみたいなふうにも言っている。(W) ☆参考 接尾辞と見ることもできるが、 読みやすさのために離して書く。 {E: a unit of money: yen.} (出典:田村、方言:沙流)
- iisoneka
- イイソネカ 【副】[< 自動 i-iso-ne-ka ものを・本当・である・(他動詞化)](?) よくまあ…したものだ。 wenisitoma=an kor orano sama ta hotke=an hike, iisoneka, siknu=an híne kunneywa an ウェニシトマアン コロ オラノ サマ タ ホッケアン ヒケ、 イイソネカ、 シクヌアニネ クンネイワ アン 私はひどく恐ろしく思いながら彼のそばに寝たが、 よくまあ殺されもせず、 生きていて朝になった。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ik 2
- イク 【名】[< ik 1](長さの単位)親指を曲げて先から節までの間の長さ、 約1寸(3センチ)(=ikwo イクウォ)。 asikne ik アシクネ イク 五節(15センチ、 これが sine wo シネ ウォ 1ウオに当たる。) ☞wo ウォ {E: a unit if length (about 3 cm).} (出典:田村、方言:沙流)
- ikatorkamuy
- シカトロカムイ §414 (その他の鳥名) sikator-kamuy (si-ká-tor-ka-muy)「シかトロカムイ」 ⦅幌別、美幌、名寄⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- ikatorkekamuy
- シカトロケカムイ §415 (その他の鳥名) sikatorke-kamuy (si-ká-tor-ke-ka-muy)「シかトロケカムイ」 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- ikatorocikah
- シカトロチカハ §416 (その他の鳥名) sikatoro-cikah (si-ka-to-ro-či-kah)「シカトロチカハ」[<sikator-cikap] ⦅真岡⦆渡り鳥の一種。疱瘡神。 (出典:知里動物編、方言:)
- ikayop
- イカヨプ 【名】[ik-ay-o-p (?)・矢・入れる・もの]矢入れ、 矢筒(「矢さし」)。(S) soyne kusu ne akusu ikayop komaknasikirpa híne ayeroskipa ソイネ クス ネ アクス イカヨプ コマクナシキリパ ヒネ アイェロシキパ (熊が)外に出ようとしたとき(兄たちは)矢入れを取りに奧へもどってから矢を射て(熊を)しとめた。(NK民話) {E: a quiver for arrows.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ikekenci
- シケケンチ §255 (所属不明) sikekenci (si-ké-ken-ci)「シけケンチ」 ⦅幌別⦆巻貝。 (出典:知里動物編、方言:)
- ikuspe
- イクシペ 【名】柱、 杭(家を支えるものも、 外で柵や物や棒を支えるものも)。 osiso un ror wa sikkew or un ikuspe オシソ ウン ロロ ワ シッケウ オルン イクシペ 家の右座の上座の(東北の)隅の柱。 oharkiso un ror wa sikkew ikuspe オハラキソ ウン ロロ ワ シッケウ イクシペ 左座の上座の(東南の)隅の柱。 oharkiso un útur wa sikkew ikuspe オハラキソ ウン ウトゥル ワ シッケウ イクシペ 左座の下座の(西南の)隅の柱。 osiso un útur wa sikkew ikuspe オシソ ウン ウトゥル ワ シッケウ イクシペ 右座の下座の(西北の)隅の柱。 osiso un apasam un ikuspe オシソ ウン アパサムン イクシペ 右座側の出入口脇の柱。 uhuy ikuspe ウフイ イクシペ 「焼けぼっくい」=焼け跡に立っている木の棒(柱の焼けたもの等)。 ☆参考 「家のあちこちがくさっても四隅の柱だけは残ると言う。 punkaw プンカウ《「トスナラ」=ハシドイ》という木でつくる。 この木はくさらない。 外側がくさっても芯が残って針金のようになって立っている。」 (S) {E: a post; a pillar.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ikwo
- イクウォ 【名】(長さの単位)人差指を曲げたときの二つの節の間の長さ、 約1寸(3センチ)。 asikne ikwo アシクネ イクウォ 5節=sine wo シネ ウォ 1ウォ。 ☆参考 接尾辞と見ることもできるが、 読みやすさのために離して書く。 ☆参考 ただ ik イク とも言う。 ☞ik イク、 wo ウォ {E: unit of length. (about 3cm).} (出典:田村、方言:沙流)
- íne 2
- イネ 【連体】[数連体][i-ne 四(?)・である]四つの、 四人の。 íne to イネ ト 四日。 íne sike イネ シケ 四個の荷物。 íne poyson イネ ポイソン 四人の子ども。 íne urepet us pe ne aan イネ ウレペッ ウシ ペ ネ アアン (熊の足跡があったので見ると)四本指のついたやつだった(=たちの悪い人食い熊の足跡だった)。(S) (注 普通の熊には指が五本ある。) {E: four, as a counter, e.g. four people.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- inerokpe
- イネロクペ 【名】[複](単は ineap イネアプ)[íne-rok-pe どうである・…した[複]・もの] ①(多くの場合次のような慣用表現で) なんとまあ…。 inerokpe (kus(u)) …ya ka eramiskari イネロクペ (クシ/クス) …ヤ カ エラミシカリ なんとまあ見たことも聞いたこともないほど/びっくりするほど…だ(感嘆の表現)。 inerokpe kusu, onne p iki korka siretokkorpa ruwe oka ya ka a=erámiskari イネロクペ クス、 オンネプ イキ コロカ シレトッコロパ ルウェ オカ ヤ カ アエラミシカリ なんとまあ、 年老いてはいるけれど二人ともそれはそれはびっくりするくらい美しい方々でした。(W神謡語り) ②[雅](後に ya ka eramiskari ヤ カ エラミシカリ を使わずに) inerokpe kus/pet iwor kasi/komaknatara イネロクペ クシ/ペッ イウォロ カシ/コマクナタラ [雅]なんとまあ川ぞいの景色が美しく開けている。(Sユーカラ) iresu sápo/inerokpe kus/i=eoripak pe/i=tukarike/kosikerana/atte kane イレス サポ/イネロクペ クシ/イエオリパク ペ/イトゥカリケ/コシケラナ/アッテ カネ [雅]育ての姉はなんとまあ私に畏れてかしこまり私をまともに見ず目を下の方へ伏せている。(Sユーカラ) ☆参考 íne イネ《どうである》とはアクセントが違い、 第一音節の i イ が低く、 第二音節つまり ne ネ の部分が高く発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- inkanruy
- インカンルイ 【自動】[inkar-ruy 見る・激しい] 見つめる、 (不思議そうに)じいっと一生懸命見ている。 ☆参考 ジローッとにらむのは sikerayke シケライケ[他動]。 {E: to stare at.} (出典:田村、方言:沙流)
- inteo
- インテオ 【自動】[inte-o 目やに・がたまる] 目やにがたまる。 sikihi inteo シキヒ インテオ 彼の目に目やにがたまっている。(W) ☆発音 通常 t は有声になり indeo インデオ のように発音される。 {E: for mucous to build up around the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- inteoyan
- インテオヤン 【自動】[inte-oyan 目やに・(そこ)に上陸する] 目やにが(目頭に)出てくる。 ku=sikpake inteoyan humi an クシクパケ インテオヤン フミ アン 私の目頭に目やにが出て(上がって)くるようだ。(S) ☆発音 ☞inteo インテオ {E: for mucous to be excreted from the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
- ipunipasuy
- イプニパスイ 【名】[ipuni-pasuy お客に食べ物をあげる・箸] 取り箸、 菓子箸(客に食べ物を取ってあげる箸)。 ☞pasuy パスイ、 tumsikotpasuy トゥムシコッパスイ {E: serving chopsticks.} (出典:田村、方言:沙流)
- isatkeki
- イサッケキ 【名】[i-satke-ki もの・を乾かす・簀(す)]物干し簀。 ☆参考 síki シキ《ヨシ》の皮をむいて中の芯で編む。 目を細かくつくって túna トゥナ《火棚》の上にのせておく。 そこにヒエ(piyapa ピヤパ)やアワ(munciro ムンチロ)をのせて乾かす。 ☆参考 aputki アプッキ はもっと目が粗く、 parpesni パラペシニ《縦の梁(はり)》の上に置いたり戸外に置いたりして魚や野草などを干すのに使う。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- itako
- イタコ 【他動】[itak-o 言葉を・そこに置く](そこ)に言葉を置く/入れる。(次の慣用表現で) kurka(sike) itako クルカ/クルカシケ イタコ [雅](その)上に言葉を置く=(そう)しながら話す、 言葉を言う。 ranke núpe/uturatura/kurkasike/itako hawe/ene oka hi ランケ ヌペ/ウトゥラトゥラ/クルカシケ/イタコ ハウェ/エネ オカ ヒ [雅]落ちる涙がとめどなく流れ、 そうしながら言った言葉は次のよう。(W神謡語り) {E: to speak of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- iwan
- イワン 【連体】①[連体]六個の、 六人の(しばしば多数を表す)。 iwan sike イワン シケ/イワイ シケ 六個の荷物、 たくさんの荷物。 iwan poyson イワン ポイソン 六人の子ども、 たくさんの子ども。 iwan aynu ikir eposo húci イワン アイヌ イキリ エポソ フチ 六代を貫いた(=何代にもわたって長生きした)老媼。 tono iwan suy ye p a=akkari ka eaykap トノ イワン スイ イェプ アアッカリ カ エアイカプ 和人の殿様に六回(何回も何回も)言われたことにはそむくことができない。(S民話) ②[間投]六(数え唱えるとき)。 ☆参考 語源は i- イ《四》、 wan ワン《十》と関係がありそうだが、 そうだとすれば[< i-e-wan 四・で・十]《あと四で十》であろうか。 {E: ①six as a counter: six people etc. ②the number six.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ka(si) mesu
- カ(シ) メス 【連他動】[…の上・をはぎとる]…を危険から救う。 kimunkamuy a=sikésanpare awa, i=ka mesu sekor hawean ka somo ki hi ta キムンカムイ アシケサンパレ アワ、 イカ メス セコロ ハウェアン カ ソモ キ ヒ タ 私が熊に自分の後を追いかけさせていると、 私が助けてくれとも言わなかったときに。(HK民話) {E: to save…from danger.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ka(si) opiwki
- カ(シ) オピウキ 【連他動】[ka(si) o-piwki …の上・に・(?)] …を助ける(救助する、 援助する、 救援する)。 kotankor nispa matnepoho kasi a=opíwki wa a=siknure コタンコン ニシパ マッネポホ カシ アオピウキ ワ アシクヌレ (引用文中で)私が村おさの娘を救っていのちを助けた。 en=ka e=opiwki エンカ エオピウキ あなたが私を救ってくれる/くれた。 ☆参考 ikaopiwki イカオピウキ 人(のいのち)を救う、 人助けをする。 {E: to help, assist, aid…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kampes
- カンペシ 【副】[kam-pes 肉・に沿って] 体の線に沿って縦に。 kampes páro カンペシ パロ 体の縦の線に沿って縦に口がついている=口が曲がっている。 kampes síko カンペシ シコ 体の縦の線に沿って縦に目がついている=目が曲がっている。 {E: along the lines of the body (vertically).} (出典:田村、方言:沙流)
- kamuy kosonte
- カムイ コソンテ 【名】[神・小袖] 小袖、 龍の形など金メールでも入った立派な着物。(S) kamuy kosonte/a=sikúrkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクルカサム/エオピラサ [雅] 私は立派な小袖を自分の体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ) {E: fine clothing adorned with a dragon design etc in gold mail.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kane 2
- カネ 【助動/接助/副助】(意外、 予想以上、 誇張の表現に多く使われる)。 ①[助動](なんと)…している。 ponpon kane ayne tane us wa isam ポンポン カネ アイネ タネ ウシ ワ イサム だんだん小さくなってとうとう消えてしまった。(S) íne urepet kor kane p ne noyne イネ ウレペッ コロ カネプ ネ ノイネ 四本指を持っているもの(ばけもの熊)であるらしく。 ②[接助](なんと)…して、 …したままで、 …するほど。 sinu kane reye kane ahup シヌ カネ レイェ カネ アフプ 彼らはひざをついて身をずらしはって家の中へ入った(遠慮して身を低くして入る様子)。 mérayke wa hecururu kane an メライケ ワ ヘチュルル カネ アン 寒いので首をちぢめている。(S) suwop or k=ómare kikir mak iki ayne etuk kane iki kor an スウオプ オロ コマレ キキリ マク イキ アイネ エトゥク カネ イキ コラン 箱に入れておいた虫どうやって出てきたのだろう。 ku=sanpe ka wen kane a=utári k=ésikarun クサンペ カ ウェン カネ アウタリ ケシカルン 気持ちも暗くなるほどに身内の者に会いたい。(S) ③[副助](慣用表現の中で、 副詞句の後に置かれて)néno kane an ネノ カネ アン …とそっくりだ。 sísam nisu a=kutkore ruwe néno kane an シサム ニス アクッコレ ルウェ ネノ カネ アン 日本の臼に帯をしめさせたのみたいだ。 (néno an ネノ アン は《…に似ている》。) sekor kane セコロ カネ …というふうに(言った)(sekor セコロ《と(言った)》だけよりもちょっとした強めのニュアンスが加わる)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kanpar
- カンパラ 【名】[概](所は kanparo(ho) カンパロ(ホ))[kan-par 上の・口] ①口先(心の中に対する)。 ②[熟語]kanpar otuytuypa カンパラ オトゥイトゥイパ ベラベラと口を動かす(談判の様子)。(NK民話) kanpar kasi komomnatara カンパラ カシ コモムナタラ (酒が)上までなみなみと入れられていっぱいになっている(古風な言い方。 今は sikno シクノ と言う)。(S) poro sintoko kanpar kasi komomnatara sake oma wa an ポロ シントコ カンパラ カシ コモムナタラ サケ オマ ワ アン 大きなシントコ(入れ物)のふちまでいっぱい酒が入っている。(S) {E: ①lip-service. ②honey-tongued, smooth-tongued.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kanparo(ho)
- カンパロ(ホ) 【名】[所](概は kanpar カンパラ) …の口先(心の中に対する)。 ossike pirka korka kanparo wen オッシケ ピリカ コロカ カンパロ ウェン (彼は)悪気はないが口が悪い。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- karikari
- カリカリ 【自動】[kari-kari 動き回る・(重複)](次の表現の中で)(背負い荷に)にひっかかる。 néa matanpusi/néa konci/a=siké wa karikari ネア マタンプシ/ネア コンチ/アシケ ワ カリカリ [雅]あの鉢巻とあの頭巾が私の背負い荷にひっかかった。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kas(i)ke(he) 1
- カシケ(ヘ)/カシケ(ヘ) 【名】[所]…のうわべ。 k=ossike péka ku=cis kor k=an korka ku=kaske anak mína ápekor an kane コッシケ ペカ クチシ コロ カン コロカ クカシケ アナク ミナ アペコロ アン カネ 私は心の中では泣いていますけれどうわべはまるで笑っているみたいにしていて。(W独話) ☆対語 ossike オッシケ ☞kas(i)ke(he) カシケ(ヘ)/カシケ(ヘ) 2 {E: the surface of…} (出典:田村、方言:沙流)
- kas(i)ke(he) 2
- カシケ(ヘ)/カシケ(ヘ) 【位名】[所](概は ka カ)[kasike-he その上の所・(所属語尾)] その上の所。 ☆発音 話すときは通常 i が落ちて kaske(he) カシケ(ヘ)と発音される。 {E: top of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kaskamuy
- カシカムイ 【名】[概](所は kaskamuye カシカムイェ) [kasi-kamuy その上・神] 憑き神。 ☆参考 kasikamuy カシカムイ の i イ が落ちた形。 {E: a possessive spirit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kásuyre
- カスイレ 【複他動】[他動使役][kasuy-re …の手伝いをする・させる](人)に(人)を手伝わせる、 (人)に(人)の手伝いをさせる。 ☆参考 sikasuyre シカスイレ は(人)に自分の手伝いをさせる/してもらう。 {E: to make…help, assist…} (出典:田村、方言:沙流)
- kateomare
- カテオマレ 【他動】…を好きになる、 …にほれる。 ☆参考 男女間で好きになる/愛することを表す語の例 : osikkote オシッコテ、 oramkote オラムコテ。 {E: to grow to like…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kawkawnoka
- カウカウノカ 【名】[kawkaw-noka あられ・模した形] 水玉模様に似ていて、 まん丸でなく花が咲いたような形になっている模様。 kawkawnoka o amip mi カウカウノカ オ アミプ ミ あられ模様の入った着物を着なさい。(S) ☆参考 pésiksik ペシクシク 水玉模様。 {E: a floral-like design.} (出典:田村、方言:沙流)
- kewkaske
- ケウカシケ 【接】[< 位名][kew-kasike 体・その上](次の雅語的表現の中で)そのために。 ☆参考 kasike カシケ の s と k の間の i が落ちてこのように発音されている。 kamuy tumi ne ya tono tumi ne ya cihopunire, kewkaske cikimatekka a=i=ékarkar カムイ トゥミ ネ ヤ トノ トゥミ ネ ヤ チホプニレ、 ケウカシケ チキマテッカ アイエカラカラ [雅]神戦だか聖戦だかが起こった、 そのために私たちはびっくりした。(W会話) ☆参考 この用例のような文脈・状況で日常語で「そのために」「だから」と言うには hi kusu ヒ クス が多く使われる。 場合によって wa kusu ワ クス も使われる。 {E: for that reason; due to that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kewtumu(hu)
- ケウトゥム(フ) 【名】[所](概は kewtum ケウトゥム)…の心、 …の気持ち、 …の気性。 kewtumu pirka ケウトゥム ピリカ 気だて(心が/気性が)がいい(「根性がいい」)(悪いことをせず、 人をだましたりいやがらせたりせず、 素直で親切な、 いわゆる「性格のよい」人を言う)。 kewtumu wen ケウトゥム ウェン 気だてが悪い、 根性が悪い。 kewtumu oknatara ケウトゥム オクナタラ [心が・悲しくてうなだれている]悲しみにうちひしがれている。 kewtumu rirot ケウトゥム リロッ 心の中のことが顔色に出る。 kewtumu sikiru ケウトゥム シキル (人の言いなりになって)心がぐらつく。 {E: the heart, feelings of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ki 1
- キ 【他動】①…をする。 iteki cápe haw ki hani! イテキ チャペ ハウ キ ハニ! 猫の声をするなよ。(S民話) ②(動詞を名詞として使い、 その後にこの ki キ をおいて)…をする。 ruyka poro opus ki wa an na iyaykipte na, yayitupareno arpa ルイカ ポロ オプシ キ ワ アン ナ イヤイキプテ ナ、 ヤイトゥパレノ アラパ 橋が大きな穴あきをしている(=橋に大きな穴があいている)からあぶないから気をつけて行きなさい。 pon sikepo ki kane wa ek ポン シケポ キ カネ ワ エク 彼は小さい荷物背負いをして(=小さい荷物を背負って)来た。 pirka usapki e=ki kusu ne na ピリカ ウサプキ エキ クス ネ ナ (あなたは)よい働きをする(=よく働く)のですよ。 ③(動詞の後に hi ヒ《こと》を置き、 その後にこの ki キ を置いて) hi ki rusuy ヒ キ ルスイ…してもらいたい、 …してほしい。 ci túnas hi ku=ki rusuy チ トゥナシ ヒ クキ ルスイ 私は(イモなどが)早く煮えてほしい。 ④(代動詞として、 つまり本動詞のあとに副詞(連用語)や名詞(主語・目的語)が補われたり、 また副助詞がついたりした場合に、 そのあとに ki キ を置くことによって再び全体が動詞句として機能する、 つまり文を終止したり次に助動詞や接続助詞等々が続いたりすることができる。)…する。 Kusur ta patek nuwe an ranma ki p ne yak a=ye クスル タ パテク ヌウェ アン ランマ キプ ネ ヤカイェ 釧路でばかりいつも(それが)たくさん取れるのだそうだ。(S会話) a=kopásrota a=ukókikkikpa a=onáha ka a=unúhu ka ki アコパシロタ アウコキッキクパ アオナハ カ アウヌフ カ キ 私は父も母もののしったりボカボカなぐったりした。(S民話) a=mipa p a=huráypa póka somo ki p ne kusu アミパプ アフライパ ポカ ソモ キプ ネ クス 私は着るものを洗いさえしなかったので。(W民話) ⑤(韻文で、 韻律を整えるために、 音節数の足りない行の動詞のあとに置かれる。 文法機能上は、 他のいろいろな他動詞(easkay エアシカイ、 eaykap エアイカプ など)の助動詞的用法と同じになる。) ⑥ ki humi pirka キ フミ ピリカ 安心する、 気持ちがいい。 nep póka k=ére wa ku=ki humi pirka ネプ ポカ ケレ ワ クキ フミ ピリカ (私は)彼に少しでも食べさせて安心した。(S) {E: ①to do… ②… ③… ④… ⑤… ⑥…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kir 1
- キリ 【他動】…におぼえ(見覚え、 聞き覚え)がある、 …であの人だとわかる。 sikpuye ku=kir シクプイェ クキリ 目もとに見覚えがある、 目もとで彼だとわかる。(S) {E: to recognise, know, recall…} (出典:田村、方言:沙流)
- kiritek
- キリテク 【後副(?)】cise kiritek チセ キリテク 家いっぱいに。 ☆参考 もっと普通の言い方は cise sikno チセ シクノ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kíske
- キシケ 【自動】[ki-ske(< sike) カヤ・荷を背負う](kísike シケ の s と k の間の i が落ちた形。)ヨシ/カヤを背負う。 {E: to carry a load of reeds on one's back.} (出典:田村、方言:沙流)
- koeraratki
- コエララッキ 【他動】[ko-erar-atki …に対して・(?)・(動詞形成接尾辞)](?) 愛する(大人の男女間の恋愛)。 ☆参考 osikkote オシッコテ、 eramasu エラマス。(S) {E: to love someone} (出典:田村、方言:沙流)
- koeskari
- コエシカリ 【他動】[ko-e-sikari …に対して・その頭が・回る(koesikari コエシカリ の s シ のあとの i イ が落ちた形)(?)] hawetoko koeskari ハウェトコ コエシカリ 声がぴたっと止む。 {E: to fall silent suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kokiroryupu
- コキロロユプ 【他動】[ko-kiror-yupu…に・力・…をきつく締(し)める]…力を出して締(し)める。 pukuru atu/esikari wa/cupu turmake turmake/raprap pispis/kokiroryupu プクル アトゥ/エシカリ ワ/チュプ トゥルマケ トゥルマケ/ラプラプ ピシピシ/コキロロユプ (兄は)袋のひもをつかんで力を出してギュッとしめた。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
- kokusis
- コクシシ 【後副】[ko-kusis …に・(?)] …と一緒に、 …とともに。 tane heru néa kotankonnispa utari kokusis moyo utarpo wániw pak ne ya pakno takupi siknu wa oka タネ ヘル ネア コタンコンニシパ ウタリ コクシシ モヨ ウタラポ ワニウ パク ネ ヤ パクノ タクピ シクヌ ワ オカ 今はただその村長の一族合わせてわずかの人、 十人ばかりだろうか、 それくらいしか生き残っていない。(W民話) {E: together with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koma utaspa
- コマ ウタシパ 【連他動(?)】[(?)・…を互いに交換する] …を襲う。 piske kus pe kimke kus pe koma utaspa sikesar kor okay pe ne ruwe ne ピシケ クシ ペ キムケ クシ ペ コマ ウタシパ シケサラ コロ オカイ ペ ネ ルウェ ネ 家の浜手を通る人も山手を通る人も襲っておどして物を取っている。(NK民話) {E: to attack, assault…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kootuyma
- コオトゥイマ 【後副】[ko-otuyma …に対して・遠くから][雅](次のような慣用表現で)…に対して遠くから。 i=kootuyma/sikkeruru/siktokoko イコオトゥイマ/シッケルル/シクトココ [雅]私を遠くから目をむいてにらみ大きな目を開けている。(Sユーカラ) i=kootuyma/siktokoko/sikkeruru kor イコオトゥイマ/シクトココ/シッケルル コロ [雅]私を遠くから大きな目を開けて目をむいてにらんでいる。(Sユーカラ語り)(前の用例と同じユーカラを同じ話者が語ったときと同じような文脈で。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koraci
- コラチ 【後副】…のように、 …そっくりに、 まるで…みたいに(「…といっしょ」)。 upas koraci retanno iro ウパシ コラチ レタンノ イロ 雪のようにまっ白い色。 réra koraci iki ikkasisam レラ コラチ イキ イッカシサム 風のように行動するどろぼう(和人の昔話の一つ)。(W) hńta kusu somo e=ye no e=kor wa e=arpa? ikka koraci フンタ クス ソモ エイェ ノ エコロ ワ エアラパ? イッカ コラチ なぜ言わないで持って行くの、 どろぼうみたいに。(S) an koraci アン コラチ ありのままに。 eani ta an koraci e=ye hawe ne wa エアニ タ アン コラチ エイェ ハウェ ネ ワ あなたこそ本当のことを言っているんだなあ。 ☆参考 néno ネノ …に似て。 そのほかに似た意味・用法の後置副詞は ☞sirine シリネ、 kunne クンネ ☆参考 pekor ペコロ、 ápekor アペコロ、 kotom コトム、 noyne ノイネ は接続助詞、 動詞のあとに置かれる。 sikopayar シコパヤラ は他動詞《…にそっくりである》。 {E: as, like…; just like…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- korham
- コロハム 【名】[kor-ham フキ・葉][植物]フキ(蕗)の葉。 apto as na korham kar wa sikakamure アプト アシ ナ コロハム カラ ワ シカカムレ 雨が降ってきたからフキの葉をとってかぶりなさい。(S) ☆参考 大きなフキなので葉は傘になるほか仮小屋の屋根もふけるしまた鍋にもなる。〔知分類 p.17〕 {E: a butterbur leaf.} (出典:田村、方言:沙流)
- kot 2
- コッ 【名】[概](所は koci(hi) コチ(ヒ)) 何かの跡、 (地の)くぼみ。 ☆参考 とりで/城の跡は cásikot チャシコッ、 手や足の跡は rúkot[概]/rúkoci(hi) ルコッ/ルコチ(ヒ)[所]、 通った跡は ru ル[概]/ruwe(he) ルウェ(ヘ)[所]。 {E: the remains of…; a hollow (in the ground.).} (出典:田村、方言:沙流)
- koyaywennukar
- コヤイウェンヌカラ 【他動】[ko-yay-wen-nukar …に・自分を・悪く・見る] …に苦しむ/苦労する/切ない思いをする。 urkiesik=an wa a=koyáywennukar ウルキエシクアン マ アコヤイウェンヌカラ 私はシラミだらけになって気持ちが悪かった。(W民話) {E: to have trouble with…; be distressed by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koykas(i)ke
- コイカシケ 【位名】[所](概は koyka コイカ)[koy-kasike 波・その上の所] …の海沿いに東の方、 つまり静内・釧路の方、 方角で言うと東か東南の方の所。 i=koykaske i=koypokke a=sospasospa イコイカシケ イコイポッケ アソシパソシパ 私たちより東の方(=ここより静内・釧路寄りの方)も私たちより西の方(=ここより有珠・虻田寄りの方)もどんどんはがされた(みたいに洪水で流されてしまった)。 ☆発音 普通に話すときはたいてい s の後の i イ は落ちて koykaske コイカシケ と発音される。 {E: the eastern side of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koypokke
- コイポッケ 【位名】[所](概は koypok コイポク)[koy-pok-ke 波・の下・の所] …の西の方の所(沙流地域から見て海沿いに西の方、 つまり有珠・虻田方面)。 i=koykaske i=koypokke a=sospasospa イコイカシケ イコイポッケ アソシパソシパ 私たち(の住んでいる所)よりも東の地域も西の地域も(洪水で)みんなはぎとられてしまった。(W会話) Iput koypokke oma poro tomam イプッ コイポッケ オマ ポロ トマム 勇払の西にある大きな温地帯。(S) ☆対語 koykasike コイカシケ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koytakmuye
- コイタクムイェ 【他動】[ko-itak-muye …に・言葉・を束ねる] …に言葉を言い置く。 tanpa ne anak kanna mosir ka a=oríkin epaha ne kusu, a=e=kóytakmuye ka ki rusuy kus, a=e=síkoekte ruwe ne kus タンパ ネ アナク カンナ モシリ カ アオリキン エパハ ネ クス、 アエコイタクムイェ カ キ ルスイ クシ、 アエシコエクテ ルウェ ネ クシ 今年は私は天の神の国に昇る年に当たっているので、 あなたに言葉を言い置くこともしたくて、 それであなたを私のところへ来させたのだから。(HC民話) {E: to leave a message for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kuhkina
- クフキナ §359 バイケイソウ (4) kuh-kina (kúh-ki-na)「くフ・キナ」[sikuh-kina(<sikup-kina)の上略形] 茎葉 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- kurka
- クルカ 【位名】[kur-ka 影/姿・の上] ①(名詞句の後に置かれて)…の(全体の)上、 …の上面一帯。 so kurka míke kane ソ クルカ ミケ カネ 床(ゆか)の上が光っている。(S) yukermu kurka néno an iro ユケレム クルカ ネノ アン イロ ネズミの背中のような色。(W) iresu sinta/sinta kurka/kamuy oran na/kamuy oinkar イレス シンタ/シンタ クルカ/カムイ オラン ナ/カムイ オインカラ ゆりかごの上に神様が下るよ、 そこを神様が見守ってくれるよ。(S子守歌) ②(主に雅語で、 動詞の後に置かれて)…しながら、 …ているとき。 mokor kurka ta e=ek aan hawe ne wa モコロ クルカ タ エエカアン ハウェ ネ ワ 皆が眠ってしまった後にあなたは来たんだなあ。(S) ouhuy sirka/ouhuy attus/henoo uwao/kari kurka/…/kamuy itak haw オウフイ シリカ/オウフイ アットゥシ/ヘノオ ウワオ/カリ クルカ/…/カムイ イタク ハウ こげた刀、 こげた厚司(の着物)がクルッと回りながら(=…厚司をクルッとひるがえしながら)(中略)と神が言う声が…。(W神謡K) (注 日常語では mokor kurka ta モコロ クルカ タ [慣用句]の例が二例出たのみである。 ☞kurkasike クルカシケ) ☆対語 kurpok クルポク …の下。 {E: above…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kurkaske
- クルカシケ ☞kurkasike クルカシケ (出典:田村、方言:沙流)
- kuyoy pise
- クヨイ ピセ 【名】[膀胱・ふうせんのようにふくらむ/ふくらんだ袋](熊の)膀胱の袋(熊の膀胱をきれいに洗ったもの、 袋として利用する。) “a=ewár kor pisene, a=sikónum kor kaptek pe hńta an?” “kuyoy pise” 「アエワラ コロ ピセネ、 アシコヌム コロ カプテク ペ フンタ アン?」「クヨイ ピセ」 「吹けばふくらみ吸えばペチャンコになるものはなあに?」「(熊の)膀胱の袋。」(なぞなぞ) (S) {E: the bladder (of a bear).} (出典:田村、方言:沙流)
- manu
- マヌ 【助動】…という。 (次の限られた用法でのみ用いられる。 それ以外の用例は歌の中の決まった言葉である。) ne manu ネ マヌ 先に言われた…、 いわゆる…。 ne manu p ネ マヌプ …というもの。 mak iki=an wa siknu ne manu p a=ki oasi hi an? マク イキアン マ シクヌ ネ マヌプ アキ オアシ ヒ アン? これからどうやって生きるということを私はすればいいのでしょう。(W民話) {E: is…; is called…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mastek
- マシテク 【自動】物がいっぱいつまっている、 ふくれてピンと張る。 k=ossike mastek pekor ku=yaynu コッシケ マシテク ペコロ クヤイヌ 私のおなかに物がいっぱいつまっているような気がする(腹が立って)。(S) ☆参考 emastek エマシテク [他動]…がいっぱいつまっている。 ☆参考 sik シク はただいっぱいになる/なっていること、 つまり少しだけとか半分だけ入っているのでなく満ちる/満ちていること。 しばしばよい意味に使われる。 mastek マシテク は余計なものやよくないものがいっぱいギュウギュウつまっていてよくないことを言うらしい。 {E: to be stopped; stuffed; blocked (up).} (出典:田村、方言:沙流)
- mawtum
- マウトゥム 【名】[maw-tum 気・の中](?) しようとしている/しているつもりでいるがそうできていない様子/格好。 ku=nitan mawtum ku=ki wa k=ek クニタン マウトゥム クキ ワ ケク 格好だけは急いで(あまり早くないが)来た。(S) sike mawtum ki ruwe シケ マウトゥム キ ルウェ 変なしょい方をしている。(S) aynu mawtum アイヌ マウトゥム 当り前でない汚い人。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- merkot
- メレコッ 【自動】[mer-kot つや・…についている](目が)ギョロギョロしている。 sik takupi merkot シク タクピ メレコッ 目ばかり「ケロケロ」(=ギョロギョロ)していた。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- nen 1
- ネン 【不定名】[ne-n 何の・人] (疑問代名詞 hunna フンナ に対する不定代名詞。)だれ(か)、 だれ(も)。 nen kor pe ne yakka opitta sinen a=sikkasmare ネン コロ ペ ネ ヤッカ オピッタ シネン アシッカシマレ だれのものでも全部一人にしまわせる。(S) nen opitta ネン オピッタ だれでも皆。 nen opitta omap pe ka somo ne ネン オピッタ オマッペ カ ソモ ネ (彼は)だれもかれも皆かわいがっているわけではない。 {E: who(m); someone; no one.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- néno
- ネノ 【後副】[ne-no …である・(副詞形成)](名詞句の後に置かれて、 またその名詞句が表現されなくても)…に似て、 (…と)同じように、 そのように、 それなりに。 néno an ネノ アン …に似ている、 (それに/そのことに)似たような…。 néno kane ネノ カネ …によく似て、 そっくりに。 sikpuye e=neno kane an wa ku=kir akusu sonno ka e=poho ne a ruwe シクプイェ エネノ カネ アン マ クキラクス ソンノ カ エポホ ネ ア ルウェ 目もとがあなたによく似ているのでそうだなと思ったがやっぱりあなたの息子だったのだね。(S) k=arpa kuni néno ramu kor an カラパ クニ ネノ ラム コロ アン 私が行くかと思っていろ(決して行かないからな)。(S) nankor pe néno, nansak pe néno ナンコロ ペ ネノ、 ナンサク ペ ネノ [慣用句]信用のある者はそれなりに、 信用のない者はそれなりに。(S) te wano anak somo néno kú=iki kusu ne na テ ワノ アナク ソモ ネノ クイキ クス ネ ナ これからはあんなことをしませんから。(S) …hi néno …ヒ ネノ …するにつれて。 poro hi néno siretokkor kor an ポロ ヒ ネノ シレトッコロ コロ アン 大きくなるにつれて美しくなってくる。(S) …hi néno an …ヒ ネノ アン …したままでいる。 a hi néno an wa mákahokus ア ヒ ネノ アン マ マカホクシ (彼は)座ったままで仰向けに倒れた。(S) ekap-néno エカプ ネノ[雅]…(の)ように。 {E: like; the same as.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nincup
- ニンチュプ 【名】[nin-cup 減って小さくなった・月] 細い月(25日ごろの月)。 sikaricup noka/nincup noka/earuwato シカリチュプ ノカ/ニンチュプ ノカ/エアルワト (天井には)満月の形、 三日月の形ばかりの模様がいっぱいついていた。(Sユーカラ) ☆参考 満月は sikaricup シカリチュプ。 3日4日ごろの月は pewrecup ペウレチュプ。 {E: a crescent moon.} (出典:田村、方言:沙流)
- niske 1
- ニシケ 【自動】[ni-ske(=sike) 薪・荷を背負う] たきぎを背負う。 ☆参考 sike シケ の s と k の間の i が落ちた形。 ☞nísike ニシケ 1 {E: to carry firewood on one's back.} (出典:田村、方言:沙流)
- niske 2
- ニシケ 【名】[ni-ske(=sike) 木/薪・荷物](背負う/背負っている) たきぎの背負い荷。 ☆参考 sike シケ の s と k の間の i が落ちた形。 ☞nísike ニシケ 2 {E: a load of firewood.} (出典:田村、方言:沙流)
- niyuturke
- ニユトゥルケ 【名】[所](概は niyutur ニユトゥル)[古] …の歯の間、 彼の歯の間。 niyuturke sep ニユトゥルケ セプ 歯の間が広い。(S)no ノ 1【接助】(動詞/動詞句の後に置かれて副詞句をつくる。) ①(肯定で)…するままで、 …するように、 …するほど(その他、 文脈によっていろいろに訳せる)。 hu no e=e siri? フ ノ エエ シリ? (S) 生で食べてるの? nep ka a=emína no a=ewtastasa hawe ka ネプ カ アエミナ ノ アエウタシタサ ハウェ カ 何か笑うように(こっけいなことを)言い合うのも。(S会話) síno nitan kur anak na cup ri híne sirepa no a=kotánu kucacise or wa sirhanke p ne シノ ニタン クル アナク ナ チュプ リ ヒネ シレパ ノ アコタヌ クチャチセ オロ ワ シリハンケプ ネ 非常に足の速い人ならまだ日が高いうちに着くぐらい私の村は狩小屋から近いのです。(NK民話) ②(否定で)somo…no ソモ…ノ …せずに。 sekor somo hése no hawean セコロ ソモ ヘセ ノ ハウェアン …と息もつかずに言った。(S民話) korka a=nu ka somo ki no a=sikéhe a=kor híne ahun=an コロカ アヌ カ ソモ キ ノ アシケヘ アコロ ヒネ アフナン しかし私は(その言葉を)聞きもせずに荷物を持って家の中に入った。(W民話) iteki…no イテキ…ノ …せずに(…せよ)。 iteki cis no mokor イテキ チシ ノ モコロ 泣かないで眠りなさい。(S)ほか 子守歌 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- noskomompeh(c-i)
- ノシコモンペヘ §821.なかゆび(中指)(7)nosko-mompeh(c-i)〔nóš-ko-mom-peh のシコ・モンペヘ〕[nosike(中央)+o(にある)+mompeh(指)]⦅トンナイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- noskunmompeh(c-i)
- ノシクンモンペヘ §821.なかゆび(中指)(5)noskun-mompeh(c-i)〔nóš-kum-mom-peh のシクン・モンペヘ〕[nosike(中央)+un(の)+mompeh(指)]⦅チライ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- nukar
- ヌカラ 【他動】①…を見る、 …が見える、 …に会う、 (本など)を読む(黙読する)、 …をよく見て調べる、 (神が)顧(かえりみ)てくれる、 (占いで/超能力で)未来のことや相手の素性などがわかる。 maciya ka ku=nukar, atuy ka ku=nukar マチヤ カ クヌカラ、 アトゥイ カ クヌカラ 町も見える、 海も見える。(S) kanpi nukar カンピ ヌカラ 本/書類/手紙を見る/読む。 toan pe toykokisma yan, netopake a=nukár kusu ne na トアン ペ トイコキシマ ヤン、 ネトパケ アヌカラ クス ネ ナ あいつをしっかりつかまえろ、 体を見て調べるからな。(W言い伝え) yaycipsikeka-nukar ヤイチプシケカヌカラ [自分の舟荷・を見る]自分の舟荷を見る(舟のとも(うしろ)の方に座ることの表現)。 ekasnukar エカシヌカラ [e-kasi-nukar …で・の上・を見る](人)に(もの)を授ける。 ②☞katu nukar カトゥ ヌカラ ☆参考 ものや人やことがらを見る/が見えることに使う。 「こっちを見る」「上を見る」のようにある方向を見ることには自動詞の inkar インカラ を使う。 ☞inkar インカラ {E: to see, look at, meet…; …can be seen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nupur 2
- ヌプル 【自動】透視力をはじめとする霊力(超能力)がある(神のように、 見ないでもわかるし、 先のこともわかる、 病気や災いの原因を言い当てたり、 重病人を癒やしたり生き返らせたりできる)。 nupur itak ヌプル イタク 特殊の難しい言葉。 nupur wa nen nen siyeye utar oka kor motoho ye ヌプル ワ ネン ネン シイェイェ ウタラ オカ コロ モトホ イェ (彼女は)霊力があって、 病気の人々がいるとその原因を言い当てた。(NK民話) nupur ekasi a=sikópakoinkare ヌプル エカシ アシコパコインカレ 何でも見通してわかる霊力のある老人に私は災いの原因を占ってもらった。(NK民話) {E: to be clairvoyant; have the ability to see through things.} (出典:田村、方言:沙流)
- nutokkari
- ヌトッカリ 【自動】[nu-tok-kari 目・突き出る(?)・を回る/回す]目が回る、 めまいがする。 sikannatki ayne nutokkari シカンナッキ アイネ ヌトッカリ グルグル回って目が回った。(S) ku=nutokkari yaani ku=hacir クヌトッカリ ヤアニ クハチリ (S) めまいがして私はもう少しで倒れるところだった。 {E: to feel dizzy.} (出典:田村、方言:沙流)
- oar-
- オアラ 【接頭】片方の、 一つの。 oarsik オアラシク 片一方の目。 oattek オアッテク 片一方の手、 片手。 ☆発音 n や r の前では oan- オアン、 t や c の前では oat- オアッ の形をとる。 ☆参考 両方は uren- ウレン。 (出典:田村、方言:沙流)
- oka 4
- オカ 【位名】[概](所は okake(he) オカケ(ヘ))(名詞句、 動詞句の後に置かれて)…の後、 …の(進んで行く)後ろの方、 時間的に後(空間・時間の線的な後)、 後の状況、 残された状況/状態。 tono oka sikkasma トノ オカ シッカシマ 殿の跡をつぐ。 sinrit oka wente シンリッ オカ ウェンテ [先祖・の後・を悪くする] 親たちが死んだあとかまどを返した(財産を使い果たした)。 oka an オカ アン …が終わる。 ipe oka an イペ オカ アン 食事が終った。 ☆参考 siyoka シヨカ [< si-oka] 自分の後ろの方。(S) {E: behind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- okamkir
- オカムキリ 【副】わざと、 意図的に。 okamkir kor nuyto etupsike k=ewwopitte wa k=ári akusu kem ounu ka eaykap siri iki オカムキリ コン ヌイト エトゥプシケ ケウウォピッテ ワ カリ アクス ケム オウヌ カ エアイカプ シリ イキ 私はわざと(いたずらして)(彼女の)糸の端を結び合わせておいたところ(彼女は)針に通せないでいる。(S) ☆参考 ユーカラには arokamkinno アロカムキンノ[ar-okamkir-no 全く・わざと・(副詞形成)]が出ている。 {E: on purpose; intentionally.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- omap
- オマプ 【他動】…をかわいがる(主に子どもを。 心の中でかわいいと思うことだけでなく、 だいたりなでたりなど、 具体的にかわいがる行為をすることをも含む)。 ☆参考 男女間で愛することは osikkote オシッコテ、 oramkote オラムコテ、 eramasu エラマス《…を好む》など。 {E: to show affection to…; treat…dearly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- omotone
- オモトネ 【他動】[o-moto-ne …のところで・もと・である] …がもとになる、 (そのこと)が起源である。 i=panake un kotankonnispa matnepoho kasi a=opíwki wa a=siknure hi omotone wa a=i=nómi p a=nepa a kusu イパナケ ウン コタンコニシパ マッネポホ カシ アオピウキ ワ アシクヌレ ヒ オモトネ ワ アイノミプ アネパ ア クス 川下の村の村長の娘さんを私が救って生き返らせたことがもとになって私たちがまつられるようになったのだから。(W民話) {E: to be the origins of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- onne 2
- オンネ 【自動】(老人が)死ぬ、 老死する。 nen póka ku=kor hekattar ku=sikore yakun ora k=onne yakka pirka ネン ポカ クコロ ヘカッタラ クシコレ ヤクン オラ コンネ ヤッカ ピリカ なんとか私の子どもたちを一人前にしてからなら私は死んでもいい。(S) núman onne yak a=ye ヌマン オンネ ヤカイェ (老人が)きのう亡くなったそうだ。(S) {E: to die of old age.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- onuperanke
- オヌペランケ 【他動】[o-nupe-ran-ke (そこ)に・涙を・降る・させる](そこ)に涙を降らせる。 i=kurkasike/onuperanke イクルカシケ/オヌペランケ [雅](鳥の姿になって空を旋回していた父は)私の体じゅうの上に涙を落とした。(W神謡語り) {E: to cry on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- opetkusunma
- オペックスンマ 【副】[o-pet-kus-un-wa その尻・川・の向こう側・に向く・…して] 川向いから、 川向いに。 opetkusunma ku=sikehe k=ánu a na uk wa se wa ek wa en=kore オペックスンマ クシケヘ カヌ ア ナ ウク ワ セ ワ エク ワ エンコレ 川向いに私の荷物を置いて来たから取って背負って来て(=運んで来て)ください。(S) {E: from the opposite side, bank of a river.} (出典:田村、方言:沙流)
- opirasa
- オピラサ 【他動】[o-pirasa (そこ)に・…を広げる]…を(そこ)に広げる。 (次の表現で)sikurkasam opirasa シクルカサム オピラサ [雅](小袖)を自分の体に合わせて広げてみる。 kamuy kosonte sikurkasam opirasa カムイ コソンテ シクルカサム オピラサ [雅](姉は)立派な小袖を体に合わせて広げた(=広げて身につけた)。(Sユーカラ語り) ☆参考 歌っている中では sikurkasam eopirasa シクルカサム エオピラサ と言っている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- or
- オロ 【位名】[概](所は oro/orke オロ/オロケ) ①(モノを表す名詞の後に置かれて、 そのモノを場所としてとらえる名詞句とする。 場所や時を表す名詞の後に置かれると、 よりはっきりとその場所、 その時を示す。 目的語として位置を表す名詞句を要求する語、 たとえば位置格助詞 ta タ《…に/で》、 un ウン《…へ》など、 動詞の接頭辞 o- オ《…に/で》など、 他動詞 kus クシ《…を通る》、 oma オマ《…に入る/位置する》などの前で多く使われる。) …の所、 …のとき。 (その他、 文脈によって…の中、 …の家、 …の上などいろいろに訳せる。)sapa or o ki サパ オロ オ キ 頭につくシラミ。 mesi itanki or a=o kor メシ イタンキ オロ アオ コロ ごはんを茶わんによそうと。(W会話) poro su or oma sayo ポロ ス オロ オマ サヨ 大鍋に入っているおかゆ。(W民話) apa or pak k=arpa korka アパ オロ パク カラパ コロカ 私は戸口の所まで行ったけれど。(W) nis or péka hopuni ニソロ ペカ ホプニ 空を飛んだ。(S民話) toy or ta nepki kor an トヨッタ ネプキ コラン (彼は)畑で働いている。 suy or osma スヨロ オシマ 穴に飛び込んだ(落ちた)。(S) iteki en=or ta ahup yan イテキ エノッ タ アフプ ヤン 私の家に入らないで下さい。(S) kesikomu sekor sísam or ta a=ye ケシコム セコロ シサム オッタ アイェ 消しゴムと日本語で言う。 kanto or un rikin カント オルン リキン 天に昇る。(S言い伝え) atuy or un cikap アトゥヨルン チカプ 海の鳥。(W民話) nis or wa ran ニソロ ワ ラン 空から降りて来た。(W民話) ②…or ta …or ta …オッタ …オッタ ☞otta オッタ 2。 or wa オロ ワ (受け身表現の行為者、 oro wa オロ ワ とも言う。)…によって。 kamuy or wa ene a=e=yáynure カムイ オロ ワ エネ アエヤイヌレ あなたは神からそう思わされた。(W民話) ☆参考 所属形は oro オロ の例が圧倒的で、 orke オロケ は1例のみ。 orke オロケ には別の用法がある。 {E: ①from… ②by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oramkote
- オラムコテ 【他動】[o-ram-kote (そこ)に・心・をつなぐ]…にほれる、 …を愛する(恋愛)、 …に目をつけている。 wenkamuy e=oramkote hi ne yak a=ye na ウェンカムイ エオラムコテ ヒ ネ ヤカイェ ナ 魔物があなたを好いているんだそうだよ。(S) ☆参考 「古い言い方。 今は osikkote オシッコテ と言う。 更に新しくは eramasu エラマス と言う。」 (S) ☆参考 eramasu エラマス …を好む、 …が好きである、 …がおもしろい。 omap オマプ (子どもなど)をかわいがる。 {E: to love…} (出典:田村、方言:沙流)
- órapunno
- オラプンノ 【副】[or(< oar)・apunno 全く・静かに][雅]全く静かに/そうっと。 órapunno/sikittektek=an オラプンノ/シキッテクテクアン [雅]私は音もなくサッと身をひるがえした。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oriyak
- オリヤク 【自動(?)】とどく(?)。 (次の言い回しの中で) sik oriyak kane シク オリヤク カネ 見渡すかぎり。 sik oriyak kane sinot=an uske sep ruwe an! シク オリヤク カネ シノアン ウシケ セプ ルウェ アン! 見渡すかぎり遊ぶところが広いねえ。(S) {E: as far as one can see.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oskoni
- オシコニ 【他動】[単][osikoni オシコニ の s の次の i が落ちた形] ☞osikoni {E: to catch up with…; catch…; be in, on time for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oskonpa
- オシコンパ 【他動】[複][=osikonpa オシコンパ の s の次の i が落ちた形] ☞osikonpa オシコンパ (出典:田村、方言:沙流)
- ossi
- オッシ 【名】[概](所は ossike(he) オッシケ(ヘ)) ①…の中(概の用例は未出。 ☞ossike オッシケ)。 ②…の腹の中(概の用例は未出。 ☞ossike オッシケ)。 ③物を考える腹の中、 心の中。 ossi or ta オッシ オッタ 腹の中で、 心の中で。 ossi or péka オッシ オロ ペカ 心の中で。 sekor ramuan=an wa ossi or ta iyosserkere=an kor án=an セコロ ラムアナン ワ オッシ オッタ イヨッセレケレアン コロ アナン 私は…と思って、 腹の中で(心の中で)困ったなと思っていたが。(NK民話) ☆参考 onnay オンナイ 入れ物や建物など、 中が空洞になっているものの内部。 tum トゥム 土や草など、 細かいものがたくさんあるそのただ中。 {E: in one's guts stomach; in one's heart.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ossiwen
- オッシウェン 【自動】[ossi-wen 腹の中・悪い]憤慨する、 機嫌を損ねる(「はらんばい悪い」)。 kú=ipeyar wa suy e=ossiwen クイペヤラ ワ スイ エオッシウェン 私が人に食べさせたら(食べ物をあげたら)またあなたは機嫌を損ねている。(S) ☆参考 ossike arka オッシケ アラカ とも言う。 {E: to get very angry.} (出典:田村、方言:沙流)
- osura
- オスラ 【他動】[単](複は osurpa オスルパ)(一つ) を投げる(どこへ投げるか決まっているとき)、 …をなくす、 …を捨てる(近くへ)、 …を離縁する。 rorunpuyar pok un tun sike osura hum as ロルンプヤラ ポクン トゥン シケ オスラ フム アシ 東窓の下へ二人が背負い荷をドスンと投げおろす音がした。 ekimne a=e=sé wa a=e=ósura kusu ne na エキムネ アエセ ワ アエオスラ クス ネ ナ おまえを山に運んで行って捨てるからな。(W民話) kem a=osúra kor suwat a=siná ケム アオスラ コロ スワッ アシナ 針をなくしたときは炉かぎをしばる(「見つかるまで解いてやらないぞと言っておけば早く見つかる。 見つかったらどうもありがとうと言ってほどいてやる」)。(S) ☆参考 どこに投げるか決まっておらず遠くへ投げることは eyapkir エヤプキリ と言う。 {E: to throw…; to throw away…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ownu
- オウヌ 【他動】(=ounu オウヌ)(針に)糸を通す。 k=ownu コウヌ 私は糸を通す。 e=ownu エオウヌ あなたは糸を通す。 a=ownu アオウヌ (引用文で)私は糸を通す。 kem ohopuy pon wa k=ownu ka eaykap na, k=ésiknak wa ki, o, ohownu wa en=kore ケム オホプイ ポン マ コウヌ カ エアイカプ ナ、 ケシクナク ワ キ、 オ、 オホウヌ ワ エンコレ 針のめど(孔)が小さくて糸が通せないのよ、 私には見えないからね、 はい、 通してちょうだい。(S) ☞ohownu オホウヌ {E: to thread a needle.} (出典:田村、方言:沙流)
- p 2
- プ 【接助】[< p プ 1](=pe ペ 3)(母音の後での形。 子音の後では pe ペ)…のに、 …だったが。 uheturaste=an wa oka=an a p, hemtomani wano nísapno ar-siknak=an ウヘトゥラシテアン マ オカアナプ、 ヘムトマニ ワノ ニサプノ アラシクナクアン 私たちは一緒に暮らしていたが、 このごろになって私は急に全く目が見えなくなった。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pakno
- パクノ 【後副】[pak-no …まで/ほど・(副詞形成)] ①…まで。 te pakno テ パクノ 今まで。 uni pakno ウニ パクノ 彼の家まで。 Tokiyo pakno henpak to ne wa sirepa? トキヨ パクノ ヘンパク ト ネ ワ シレパ? 東京まで何日で着きますか。(S) onne utar onne pakno オンネ ウタラ オンネ パクノ 年老いた人々が亡くなるまで。 ②…ぐらい。 sine cup pakno シネ チュプ パクノ 一ヵ月ぐらい。 ínep pakno イネプ パクノ 四つほど。 asiknep pakno アシクネプ パクノ 五つほど。 attem pakno an senkaki アッテム パクノ アン センカキ 半ひろ(三尺)ほどある布。(S) mak pak ku=kar kor pirka? マク パク クカラ コロ ピリカ? (お金を)いくらぐらい払えばいいですか。(S) ③…ほど(比較の対象)。 k=éraman pakno ケラマン パクノ 私がわかるだけ(のことは全部)。(S会話) tuymano a=turá easkay pakno an hekaci トゥイマノ アトゥラ エアシカイ パクノ アン ヘカチ 遠くへ連れて行くことができるほどに(大きく)なった男の子。(NK民話) k=éaskay pakno túnas k=ek ケアシカイ パクノ トゥナシ ケク (私は)できるだけ早く来ます。(S) ④[熟語・慣用表現]pakno/pakno ka パクノ/パクノ カ これまで、 これで終わり。 pakno ka ku=ye パクノ カ クイェ これで私が言うことは終わりです。 pakno ka パクノ カ 「もうたくさん」(もっと食べるようにとか、 お代わりをどうぞとか言われたときにこれ以上いらないと断る言い方)。 pakno ka c=e wa iyayiraykere パクノ カ チェ ワ イヤイライケレ (私たちは)もう充分(「たくさん」)いただきました、 ごちそうさま。(S) ney ta pakno ネイ タ パクノ いつまでも。 utaspa pakno ウタシパ パクノ 互いに。 (tap)…hi pakno ne (タプ)…ヒ パクノ ネ 今…したばかりだ。 tap unukar=an hi pakno ne wa ora suy uwekohoppa=an wa paye=an oasi na タプ ウヌカラニ パクノ ネ ワ オラ スイ ウウェコホッパアン マ パイェアン オアシ ナ(私たちは)今会ったばかりなのにまた別れて行かなければならないのかなあ。(S) {E: ①until. ②about; roughly. ③the extent of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pancikiri
- パンチキリ 【名】[所](概 pancikir パンチキリ は未出)[pan-cikir-i 下側の・足・(所属語尾)] (動物)の後足。 a=ruska kusu/símomanpe/pancikiri/an=esíkari アルシカ クス/シモマンペ/パンチキリ/アネシカリ [雅] 私は腹が立ったから大きな雄鹿の後足をつかんでふりまわした。(Sユーカラ) ☆対語 pencikiri ペンチキリ …の前足。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pasuy
- パスイ 【名】箸(はし)。 tumsikot pasuy トゥムシコッ パスイ 下げ飾りのついた箸(菓子などの取り箸に使う)。 ikupasuy イクパスイ 奉酒箸/献酒箸。 túkipasuy トゥキパスイ 同。 ipepasuy イペパスイ 食事の箸。 apepasuy アペパスイ 火箸。 ☆参考 最も普通には、 食べ物をはさむ二本一組の箸(ipepasuy イペパスイ)を指す。 神に酒をささげる儀式のときなどには、 奉酒箸(ikupasuy イクパスイ/túkipasuy トゥキパスイ)のことを指すこともある。 {E: chopsticks.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pettomotuye
- ペットモトゥイェ 【自動/副】[pet-tomotuye 川・を横切る] ①[自動]川を越える、 川を渡る(=pet tomotuye ペッ トモトゥイェ)。 ②[副]川越しに、 川を越えて。 pettomotuye uhasekoyki p ペットモトゥイェ ウハセコイキプ 川越しに柴木(しばき=細枝)でたたき合うもの(なぞなぞで、 答えは sikrapu シクラプ まつげ)。(S) {E: ①to cross a river. ②cross-river.} (出典:田村、方言:沙流)
- pewrecup
- ペウレチュプ 【名】[pewre-cup 若い・月] 三日月。 ☆参考 sikaricup シカリチュプ 満月。 nincup ニンチュプ 細くなった月。 {E: a crescent moon.} (出典:田村、方言:沙流)
- pitatke
- ピタッケ 【自動】ほどける。 urenetupsike ewwopitte, iteki pitatke kunine ウレネトゥプシケ エウウォピッテ、 イテキ ピタッケ クニネ 両端を結んでおきなさい、 ほどけないように。(S) {E: to come loose.} (出典:田村、方言:沙流)
- poro
- ポロ 【自動】大きい、 大きくなる、 年上のほうの、 かさが多い、 (川の水が)ふえる。 poro cise ポロ チセ 大きい家。 cikap kasuno poro cikap チカプ カスノ ポロ チカプ 普通の鳥よりもっと大きい鳥(=とても大きな鳥)。 poro sayo ポロ サヨ たくさんのおかゆ。 poro wakka ポロ ワッカ 大水(洪水)。 poro paraparak an ポロ パラパラク アン (引用文中)私は大泣きをした、 大声で泣き叫んだ。(HC民話) poro a=yupí ポロ アユピ 私の(二人以上いる兄のうちの)年上の兄。 poro acapo ポロ アチャポ 二人いるおじのうち年上のほうのおじ。 poro serke ポロ セレケ 大部分、 大半。 poro sike ki ポロ シケ キ 大きな/たくさんの荷物を背負う。 e=poro yakun エポロ ヤクン あなたが大きくなったら。 wakka poro ワッカ ポロ (川の)水がふえる。(S) ☆対語 pon ポン 小さい、 少ない。 ☆参考 kiyanne キヤンネ 年上である。 {E: to be, become big, large, many.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pututke
- プトゥッケ 【自動】[put-ut-ke (擬音擬態の語根)・(重複)・(自動詞形成)] 立て続けにプップッととびだす/吹き出す。 a=tuyé akus ossikeop pututke アトゥイェ アクシ オッシケオプ プトゥッケ (「盲腸」の手術かなにかで)(腹を)切ったら臓物がとびだした。(S) {E: to spill out.} (出典:田村、方言:沙流)
- ram 2
- ラム 【名】[概](所は ramu(hu) ラム(フ)) ①心。 ② ☞ram(u)…ラム/ラム… ☆参考 sanpe サンペ 心臓、 胃のあたりの具合からくる気分、 (語構成要素として)人に対していだく心。 ossike オッシケ おなかの中、 口先やうわベや見かけに対して心の中。 kewtum ケウトゥム 気性、 気立て、 気持ち。 {E: heart (in feelings or emotions one has for another).} (出典:田村、方言:沙流)
- ramossi
- ラモッシ 【名】[ram-ossi 心・の中] 心の中。 ramossi wano ラモッシ ワノ 心から。 ramossi wano eci=osíknuka ラモッシ ワノ エチオシクヌカ 私はあなたが心から好きだ。(S) ramossi wano ku=koyruska ラモッシ ワノ クコイルシカ 私は心から彼に憤慨している。(S) {E: within one's heart.} (出典:田村、方言:沙流)
- ranke 2
- ランケ 【助動】(くりかえし)…する、 (ときどき、 しょっちゅう、 毎日…)…する(反復を表す)。 a=hekóte kamuy néa Iskar etoko un arpa ranke ek ranke アヘコテ カムイ ネア イシカラ エトコ ウン アラパ ランケ エク ランケ 私の夫である神はその石狩川の水源地の村へ行ったり来たりしている。(W神謡語り) saysintoko or ota ranke wa sikte サイシントコ オロ オタ ランケ ワ シクテ 酒席に置く酒容器に何回も汲み入れていっぱいにしなさい。(S) {E: to do… (always, usually, daily etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rápokke
- ラポッケ 【位名】[所](概は rápok ラポク) …している間、 …している時、 その間。 a=kor nispa a=hekótpa híne oka=an rápokke ta ene háwas hi アコン ニシパ アヘコッパ ヒネ オカアン ラポッケ タ エネ ハワシ 私の主人と夫婦になって暮らしていた間にこんなうわさが聞こえた。(W民話) e=an rápokke wano irammakaka a=koytakpa エアン ラポッケ ワノ イランマカカ アコイタクパ あなたが滞在しているうちから私は彼らにちゃんと立派に話しかけるようにする。(S民話) a=utári ka kokusis yaywennukar=an-pa, rápokke, Sikot un cep asur as アウタリ カ コクシシ ヤイウェンヌカラアンパ、 ラポッケ、 シコトゥン チェパスラシ 村人もみんな共々に苦しんだ、 そうしているうちに、 千歳の方に魚がとれるといううわさが立った。(NK民話) {E: at the time of…; while doing…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rataskep
- ラタシケプ 【名】[概] ①野草や野菜のまぜ煮(豆、 粉、 キトピロ等何でもいろいろ入れて煮た食物、 ごはん(mesi メシ )の代わりに食べる、 米や稗は入れない、 現代は豆・カボチャ・ジャガイモ等を使い、 シコロの実(sikerpe シケレペ)を入れることもある)。 kina rataskep キナ ラタシケプ 野菜(野草・菜っぱ)のまぜ煮。 tanto anak rataskep tókap-ipe ne an タント アナク ラタシケプ トカプイペ ネ アン 今日はまぜ煮が昼食になる(=今日の昼食はまぜ煮だ)。(S) sikerpe rataskep シケレペ ラタシケプ シコロの実を入れたまぜ煮。 ②(比喩的に)混血児(たいていアイヌとシサムとの間に生まれた子ども、 大人になってもいう)。 {E: a boiled mixture of vegetables, beans etc. used as food.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- re 3
- レ 【連体】[数連体] 三つの(三個の、 三人の)。 re sike レ シケ 三個の荷物。 re poyson レ ポイソン 三人の子ども。 re pa レ パ 三年。 tan cup re to an tóho ta タン チュプ レ ト アン トホ タ 今月の三日の日に。 tu…re … トゥ… レ… 二つも三つもの(=いくつもいくつもの、 たくさんの)…。 otu…re… オトゥ…レ… 二つも三つもの(=いくつもいくつもの、 たくさんの)…。 ☆発音 あとの名詞と共に一語のアクセントで発音される。 つまり re レ は低く、 そのあとの名詞の第一音節が高くなる。 たとえば、 sike シケ は ke ケ が高いが re sike レ シケ ではsi シ が高い。 {E: the number three as a counter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rik
- リク 【位名】[ri-k 高い・所] 上の方、 高い所。 toop rik ta kotan enkasike ta cup noka oma senkaki a=así wa an トオプ リク タ コタン エンカシケ タ チュプ ノカ オマ センカキ アアシ ワ アン ずっと向こうの高い所に村の上の方に太陽の絵の入った布(日の丸の旗)が立ててある。(S) oripak ka erampewtek, rik péka rik péka inkar オリパク カ エランペウテク、 リク ペカ リク ペカ インカラ (彼は)へりくだって行儀よくすることを知らない、 上の方をあちこち見る。(S) (注 昔の作法では、 あちこち見回したりキョロキョロ、 ジロジロ見たりするのは礼儀知らずとされていた。) cápe rik péka sinot kor oka kor suy réra ruy oasi チャペ リク ペカ シノッ コロカ コロ スイ レラ ルイ オアシ 猫が上の方でじゃれているからまた風が強くなるだろう。(S) ☆対語 ra ラ。 {E: above; over; a higher, upper place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ruetoko
- ルエトコ 【位名】[所](概 ruetok ルエトク は未出)[ru-etoko 道・の先]進んでいく先。 a=kar wa an pe/tu ruetoko/a=sikrarire アカラ ワ アン ペ/トゥ ルエトコ/アシクラリレ [雅] 彫っているものの小刀の進む先々をじっと見つめ。(Sユーカラ語り) ☆発音 話すときにはたいてい ruwetoko ルウェトコ と発音される。 ☞ruwetoko ルウェトコ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ruray
- ルライ 【自動】[ru-ray やや・死ぬ] 気絶する、 人事不省になる。 níkomimu wa oraun nítek ka wa turse wa ruray, a=kar ayne siknu ニコミム ワ オラウン ニテク カ ワ トゥルセ ワ ルライ、 アカラ アイネ シクヌ (彼は)木登りして枝の上から落ちて気絶した、 手を尽くしてやっと息を吹き返した。(S) {E: to faint; lose consciousness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ruyanpe
- ルヤンペ 【名】[ruy-an-pe 激しい・ある・もの] ①嵐。 ruyanpe as ルヤンペ アシ 嵐になる/嵐である(「しける」)。 ruyanpe as yakka apto as yakka ルヤンペ アシ ヤッカ アプト アシ ヤッカ 嵐が吹いても雨が降っても(運動会はやるそうだ)。(W) ruyanpe ruy ルヤンペ ルイ 嵐が激しい(「しける」)。 upas ruyanpe ウパシ ルヤンペ 雪嵐=吹雪。 ②雨。 tanto ruyanpe an noyne síran タント ルヤンペ アン ノイネ シラン 今日は天気が悪い、 雨が降りそうだ。(W)(注 「もう降っているときは apto as kor an アプト アシ コラン、 降りそうだというときは ruyanpe an noyne ルヤンペ アン ノイネ と言う。(W))ranke núpe/ruyanpe kunne/i=kurkasike/ciorankekar ランケ ヌペ/ルヤンペ クンネ/イクルカシケ/チオランケカラ(鳥の姿になって飛んでいる夫が)落とす涙が雨のように私の上に降ってきた。(W神謡)(注 同じワテケさんが語った別の神謡では、 同様の場面で ruyaptosane ルヤプトサネ と言っている。) ☆参考 地方によっては雨が降ることを ruyanpe as ルヤンペ アシ と言うが、 沙流地方の日常語ではただ雨が降るのは apto as アプト アシ と言い、 ruyanpe as ルヤンペ アシ は嵐やしけや吹雪のことを言う。 しかし ②の用例のように、 状況・文脈によって、 雨を ruyanpe ルヤンペ と言う場合もある。 {E: a storm.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sam 2
- サム 【位名語根】(名詞/位置名詞の後に接尾辞のようについて) ①…の方、 …の側。 símoysam シモイサム[s知on-sam 右の・側](…の)右側。 teksam テクサム [tek-sam 手・のそば]…の横。 ②[雅](ユーカラ yúkar ユカラ《英雄叙事詩、 ユーカラ》)の中や雅語的慣用句などの中で、 多くの場合、 位置名詞の概念形の後に置かれて、 音節数を整える。 これといった積極的な意味はなさそうであるが、 場所に関する表現の中に多く出てくる。 詳細は不明。 語構成または語源の表示の中では(< …のそば)と書いておく。)kamuy kosonte/a=sikúrkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクルカサム/エオピラサ 私は立派な小袖を自分の体の上に広げて合わせてみた。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
- sanpe
- サンペ 【名】[概/所](所は sanpehe サンペヘ とも) [san-pe 出る・もの] 心臓(自分の胸のあたりの内部を外から感じていうとき胃やその付近をさすことがしばしばある。 「気分が良い、 悪い」などの「気分」に当たる用法もある)。 sanpe arka サンペ アラカ 胃が痛い、 気持ちが悪い。 níham úsey ka eytasa uwenupur kor nani ku=sanpe arka na paknoka en=kure ニハム ウセイ カ エイタサ ウウェヌプル コロ ナニ クサンペ アラカ ナ パクノカ エンクレ 木の葉の湯(=お茶)があまり濃いと私はすぐに気持ちが悪く(胃の具合が悪く)なるからもう飲ませないで下さい。(S) sanpe pirka サンペ ピリカ 気だてがいい(「根性がいい」)。 sanpe wen サンペ ウェン 気持ちがふさぐ、 うれしくない。 ku=sanpe ka wen kane a=utári k=ésikarun クサンペ カ ウェン カネ アウタリ ケシカルン 私は気持ちもふさぐほどに身内の人に会いたい。(S) weysanpekor ウェイサンペコロ [wen-sanpe-kor 悪い・気だて・を持つ] 根性が悪い。 {E: the heart.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sekoskosne
- セコシコシネ 【自動】[se-kos-kos-ne (?)・(軽いものを表す語根)・(重複)・のようである][sekosne セコシネ《意外に軽い》の強調]「かるっこーい」=とても軽い。 poro ápekor an sikehe ne korka sekoskosne ポロ アペコラン シケヘ ネ コロカ セコシコシネ かさばかり大きいみたいな荷物だが「かるっこーい」(=とても軽い) (S) sekoskosne, sóne poro pakno an kuni hekaci he? セコシコシネ、 ソネ ポロ パクノ アン クニ ヘカチ ヘ? 軽いなあ、 本当に大きくなるまで生きている子どもか(寿命のないものではなかろうか)。(S) {E: to be very light (not heavy).} (出典:田村、方言:沙流)
- sewa
- セワ 【自動】がらんどうである(木の中が洞穴になっている(nisa o ニサ オ)、 大根が年取りすぎてすになっている等)。 kapoca ossike pi ka sak, sewa wa an カポチャ オッシケ ピ カ サク、 セワ ワ アン カボチャの中に種がない、 がらんどうになっている。(S) {E: to be hollow; empty.} (出典:田村、方言:沙流)
- si 1
- シ 【名】①糞、 大便、 ウンチ。 poro si taktak ポロ シ タクタク 大きなウンチのかたまり。(HC神謡) seta si セタ シ 犬の糞。 ②(ののしりや憎まれ口に使われて) si e wa an シ エ ワ アン ウンチを食べていろ(「くそくらえ」)=だまれ(ののしりの表現)。 si emastek シ エマシテク 糞を口いっぱいほおばっていろ(「くそくらえ」)=余計なことを言うな(自分の子など、 親しい人に言う)。(S) asikne sí-o-ontaro アシクネ シオオンタロ [五つの・糞・入った・桶/樽][隠] 五つの肥桶(こえおけ)(イチタロウという名の人について憎まれ口をきくときに使われた呼び名。 「五つ」は「イチチ」と発音されるので、 その「イチ」とオンタロの「タロ」と合わせて「イチタロ」なのだが、 憎まれ口のため、 ただの ontaro オンタロ でなく、 sí-o シオ《糞の入った…》をつけている。 ☆参考 大便をすることは osoma オソマ。 しかし場合によって大便(糞)そのもののことをも osoma オソマ と言うこともある。 {E: excrement; faeces.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sí- 2
- シ 【接頭】①(名詞に接頭して連体的に)本当の、 主な、 大きい…。 askepet アシケペッ 指; síaskepet シアシケペッ 大きい指=親指。 síyuk シユク 雄熊。 katkemat カッケマッ 奥様; síkatkemat シカッケマッ 本当の(立派な)奥様。 ②(性質を表す自動詞(形容詞)や連体詞などに接頭して、 程度が完全であるかまたは非常に高いことを表す。) 本当に、 とても。 poro ポロ 大きい;síporo シポロ とても大きい、 巨大である。 kanna カンナ 上の方の;síkanna シカンナ 一番高い所の。 ☆発音 たいていの場合 sí- シ の部分が高く発音される。 (出典:田村、方言:沙流)
- si-…-re/-te/-e 2
- シ…レ/テ/エ 【接頭辞…接尾辞】(他動詞に si- シ が接頭し後ろに使役語尾 -re/-te/-e レ/テ/エ を伴って)…してもらう。 kásuy カスイ …の手伝いをする;sikasuyre シカスイレ [si-kasuy-re 自分を・を手伝う・させる]…に自分の手伝いをしてもらう。 nukar ヌカラ …を見る;sinukare シヌカレ [si-nukar-e 自分を・見る・させる]…に自分を見てもらう。 (出典:田村、方言:沙流)
- si-…-yar/-ar
- シ…ヤラ/アラ 【接頭辞…接尾辞】(他動詞に si- シ が接頭し後ろに不定使役語尾 -yar/-ar ヤラ/アラ を伴って)不定の人に…させる、 人に…してもらう。 ka(si) oyki カ(シ) オイキ …を養う;sikaoykiyar シカオイキヤラ [si-ka-oyki-yar 自分・養う(熟語他動)・不定の人にさせる]人に養ってもらう。 eoripak エオリパク …を敬う;siyeoripakar シイェオリパカラ [si-eoripak-ar 自分・を敬う・不定の人に…させる]人に敬われる。 (出典:田村、方言:沙流)
- sine
- シネ 【連体】一つ(一個/一本/一枚/一頭/一匹)の、 一人の。 sine sike シネ シケ 一個の荷物。 sine poyson シネ ポイソン 一人の子ども。 sine cup シネ チュプ 一カ月。 sine to シネ ト 一日。 sine pa シネ パ 一年。 sine matnepoho シネ マッネポホ …の一人娘。 sine-an-pa-ta シネアンパタ ある年。 sine-an-pe-ta シネアンペタ あるとき。 sine-an-to-ta シネアントタ ある日。 sine an ta シネ アン タ あるとき。 sine to ne シネ ト ネ 一日で。 sine to ne a=e wa isam ruwe? シネ ト ネ アエ ワ イサム ルウェ? (私たち、 あれを)一日で食べてしまったの? (S) “sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an?” “a=sikíhi un” 「シネ シトゥ ウココロ ワ ウヌカラ エラミシカリプ ヘマンタ アン?」「アシキヒ ウン」 「一つの尾根を両方から一緒に持っていて互いに会ったことのないものはなあに?」「(私たちみんなの)目よ」(なぞなぞ)。 (S-W会話) {E: one as a counter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sinepesan
- シネペサン 【連体】[sine-p-e-san 一つの・もの・で・出る](?) [sine-pes-an 一つの・沿って下へ・ある](?) 九つの、 九個/九人/九匹…の。 sinepesan sike シネペサン シケ 九個の荷物。 sinepesan poyson シネペサン ポイソン 九人の子ども。 {E: the number nine as a counter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sínis kor kamuy
- シニシ コロ カムイ 【名】[天・を持つ・神]天の神。 teeta kane/sínis kor kamuy/síkanna kamuy/uirwakikor テエタ カネ/シニシ コロ カムイ/シカンナ カムイ/ウイリワキコロ [雅]昔むかし天空の神上天の神の兄弟がいました。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sinrit-cise
- シンリッチセ 【名】[sinrit-cise 先祖・家]先祖の家。 sinrit-cise pirka cise tomo a=eyáysikarun シンリッチセ ピリカ チセ トモ アエヤイシカルン 先祖の家、 立派な家の中で私はものごころついた。(HC民話) {E: one's ancestral home.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sis(k-i)
- シシ §765.め(目・眼)(2)sis(k-i)〔šíš しシ〕[<sik(目)]⦅S.〔タライカを除く〕⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siskah(p-u)
- シシカハ §714.まぶた(瞼)(2)sis-kah(p-u)〔šíš-kah しシカハ〕[<sik-kap]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sisnah(k-an)
- シシナハ §794.めくら[である](2)sisnah(k-an)〔šíš-nah しシナハ〕[<sik-nak]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sisnu(-an)
- シシヌ §081.生きている(2)sisnu(-an)〔šíš-nu しシヌ〕[<sik-nu]⦅S. タライカを除く⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sisnu(-an)
- シシヌ §466.そせいする(蘇生する)(5)sisnu(-an)〔šíš-nu しシヌ〕[<siknu]⦅シラウラ、マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sisnun(m-i)
- シシヌン §772.めだま(目玉・眼球)(2)sis-nun(m-i)〔šíš-nun しシ・ヌン〕[<sik-num]⦅シラウラ、マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sisrah(p-u)
- シシラハ §712.まつげ(睫)(6)sis-rah(p-u)〔šíš-rah しシラハ〕[<sik-rap]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sisrampa
- シシランパ §783.目をぱちぱちする;まばたく(7)sis-rampa〔šíš-ram-pa しシランパ〕[<sik-rappa]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sistah(p-u)
- シシタハ §712.まつげ(睫)(7)sis-tah(p-u)〔šíš-tah しシタハ〕[<sik-rap]⦅ニイトイ、シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sitekorsam-unte
- シテコロサムウンテ 【他動】[sik-tek-or-sam-un-te 自分・手・の中・(< …のそば)・(そこ)にある・させる][雅]…を手に持つ。 káne kuwa/sitekorsam/unte kane カネ クワ/シテコロサム/ウンテ カネ [雅] 金(かね)の杖を手に持って。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sitemnikorkor
- シテムニコロ 【位名】[接頭+位名][si-temnikor 自分・の腕の中]自分の腕の中。 siktemnikor ta/aworun/a=terketerkere シテムニコッタ/アウォルン/アテレケテレケレ 私は(赤ちゃんを)ひざの上で(手で押さえて)ピョンピョン跳ねさせていた。 (W神謡) ☆参考 同様の文脈で a=temkoro ta アテムコロ タ とも言っている。 ☞temkoro テムコロ (出典:田村、方言:沙流)
- sittap(-u)
- シッタプ §712.まつげ(睫)(4)sittap(-u)〔šít-tap しッタプ〕[<sik-rap]⦅ビホロ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sítu
- シトゥ 【名】尾根(「つね、 ちね」)。 sítu mekka ta シトゥ メッカ タ 尾根の上に。(KK民話) sítu pes rán=an akusu シトゥ ペシ ラナン アクス (私が)尾根づたいに下って行くと。(KK民話) sítu turasi hemesu=an シトゥ トゥラシ ヘメスアン (私は)尾根づたいにのぼって行った。(KK民話) Yúpet kopakke un ratki sítu tanne sítu an wa ユペッ コパッケ ウン ラッキ シトゥ タンネ シトゥ アン ワ 勇別の方に向かって下がっている長い尾根があって。(KK民話) “sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an?” “a=sikíhi un” 「シネ シトゥ ウココロ ワ ウヌカラ エラミシカリプ ヘマンタ アン?」 「アシキヒ ウン」 「一つの尾根を両方から一緒に持っていてお互いに会ったことがないものはなあに?」「(私たちみんなの)目よ。」(なぞなぞ) (W-S会話) {E: a ridge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siyetaypa
- シイェタイパ 【自動】[複](単は siyetaye シイェタイェ)(二つ以上が)ひっこむ、 抜け出る。 a=sikéhe wa sipicipici siyetaypa wa rap ayne アシケヘ ワ シピチピチ シイェタイパ ワ ラプ アイネ 私の背負い荷からモソモソもがき抜け出て、 みんな下に落ちてしまって。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- somoiperepa/somoyperepa
- ソモイペレパ 【他動】[自動使役][複][somo-ipe-re-pa …しない・ものを食べる・させる・[複]](二人以上が皆)…にものを食べさせない、 …に何も食べさせない、 …に食事を与えない。 nísapno siknak=an akusu i=somoiperepa, rur takup i=érepa ニサプノ シクナクアン アクス イソモイペレパ、 ルッ タクプ イエレパ 私が急に目が見えなくなると(息子夫婦は)私にものを食べさせてくれなくなった、 おつゆだけしか食べさせてくれなくなった。(W民話) {E: to not feed… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sóne
- ソネ 【副】[so-ne 本当・に] 本当に、 確実に、 確かに。 ta ne kuni ku=ramu korka sóne ne ruwe he an un? タ ネ クニ クラム コロカ ソネ ネ ルウェ ヘ アヌン? これだと思うけれど本当にこれなのだろうか。(S) sóne pirkano itakipehe oma nankora? ソネ ピリカノ イタキペヘ オマ ナンコラ? 本当によく言葉の大切なところが(録音テープに)入っただろうか。(W) sóne somo k=oyra no k=ésikarun kusu ne ソネ ソモ コイラ ノ ケシカルン クス ネ (私は)本当に忘れずに覚えていますよ。(S会話) ☆参考 sonno ソンノ うそでなく本当に。 síno シノ まことに、 たいそう、 非常に。 {E: really; truly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sonno ka/sonnoka
- ソンノ カ 【副】[sonno ka 本当に・も(副助詞)] やはり本当に、 思ったとおり、 予想したとおり、 聞いたとおり。 sikpuye e=neno kane an wa ku=kir akusu sonno ka e=poho ne a ruwe シクプイェ エネノ カネ アン マ クキラクス ソンノ カ エポホ ネ ア ルウェ 目元があなたに似ているのでわかったがやっぱりあなたの息子だったのだな。(S) “taan pe ikemara somo ne?” “aː, sonno ka ikemara ne na a=ta wa inkar=an” 「タアン ペ イケマラ ソモ ネ?」「アー、 ソンノ カ イケマラ ネ ナ アタ ワ インカラン」「これイケマの葉じゃない?」「ああ、 ほんとにイケマの葉だよ、 掘ってみよう。」 (S) (出典:田村、方言:沙流)
- sowsut
- ソウスッ 【位名】[概](所は sowsutuhu ソウストゥフ) 隅、 隅の方、 端の方。 eytasa sowsut ta iteki anu no na hesasi sanke エイタサ ソウスッ タ イテキ アヌ ノ ナ ヘサシ サンケ あまり隅の方に置かないでもっといろりの近くへ出しなさい。(S) ☆参考 四角(よすみ)のことではない。 まん中から遠い、 壁の近くなどのこと。 角(かど)は、 内側でも外側でも sikkew シッケウ。 {E: a corner; a side; an edge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sukup
- スクプ 【自動】①成長する、 子どもから大人へ、 若年から壮年になり壮年期をすごして老年へと向かって成長して/年を取っていく、 (若い大人として)暮らす/人生を過ごす。 tan te pakno sukup tuyka ta a=ki kor oka=an hi タン テ パクノ スクプ トゥイカ タ アキ コロ オカアニ 私たちがこれまで生きてきた間にしていたことを。(W会話) iruka sukup kor tu po re po a=kor kor イルカ スクプ コロ トゥ ポ レ ポ アコロ コロ 少しの間暮らすうちに二、 三人の子どもができたとき。(HC民話) ②若い(老いていない、 まだ元気でよく働ける)、 壮年である。 sukup kur スクプ クル 若い人(二十代から三十五、 六まで) (S)、 (十代二十代から三十代四十代の中年まで) (S) poro sukup kur ポロ スクプ クル 熟年の人、 初老の人。 en=or ta anak sukup utar poronno oka na nep ka a=emónasap ciki sikasuyre yan エノッタ アナク スクプタラ ポロンノ オカ ナ ネプ カ アエモナサプ チキ シカスイレ ヤン 私の所には若い人たちが大勢いるから何か忙しいときには手伝わせなさい。(S) (注 [対] onne オンネ 年老いている。) ③[名]成長している間、 人生の間、 若いとき(老年になる前全部)。 sukup epitta スクプ エピッタ 小さいときからずっと。 sukup hontom eysam スクプ ホントム エイサム 人生の途中で亡くなる=老いるまで生きずにまだ若いうちに、 三十代、 四十代ぐらいで死ぬ。 sukup noski epa スクプ ノシキ エパ 人生のなかば(壮年)に達する。 ☆参考 pewre ペウレ は十代から二十代ぐらいの若年を言い、 成長する意味はない。 ☆参考 小さい子どもが成長して大きくなることは poro ポロ。 {E: ① to mature, grow up. ② young. (from about 20~35, 36 years of age). ③ to be young: refers to the passing of the years (as a young adult). } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sukupkina
- スクプキナ 【名】[sukup-kina 成長する・草][植物](草の名、 「五、 六尺にもなる、 茎が太く筒になっている」。) (W)〔知分類 p.212 sikupkina バイケェソォ ((厚真、 穂別))((A沙流・鵡川・石狩))〕 {E: a type of grass.} (出典:田村、方言:沙流)
- tapka
- タプカ 【位名】[概](所は tapkasi タプカシ)[tap-ka 肩・の上] …の上、 …の頂上。 pira tapka ピラ タプカ 崖の上。(S) nupuri tapka ta cipta=an ヌプリ タプカ タ チプタアン 山の上で舟をつくった。(S会話) pu tapka ta han cikiki/terke=as terke=as han cikiki プ タプカ タ ハン チキキ/テレケアシ テレケアシ ハン チキキ [雅]倉の上で私はピヨンピヨン跳んだ。(HC神謡) nupuri tapka a=osíkiru ヌプリ タプカ アオシキル 山の頂上に着いた。(W神謡語り) ☆参考 何かの上/頂上で、 そこに上がって四方を見渡したりそこで何かをしたりする所を言う。 少なくともある程度の平らな面積がある。 kitay キタイ は、 外から見ての頂上で、 上がることのできない山の頂や木の梢のてっぺんなどでも言い得る。 ☞kitay キタイ {E: above; on top of; on.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tasa 2
- タサ 【後副】…と交代して、 …に向かって(逆らって)。 tasa itak タサ イタク …に交代して(…が話す)、 …に答えて。 e=tasa kú=itak エタサ クイタク あなたに交代してこんどは私が話す、 私があなたに答える。 réra tasa ku=sikmasasa wa k=ek レラ タサ クシクマササ ワ ケク 私は風上に向かって大きな目を開けて来た(冗談)。(S) {E: to alternate with…; to go towards, against…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- teknimawpo
- テクニマウポ 【名】[tek-nimaw-po 手・湿布・(指小辞)] 手の湿布(手を当てること、 治療法の一つ)。 teknimawpo k=ékarkar wa hetopo horka siknu awa テクニマウポ ケカラカラ ワ ヘトポ ホロカ シクヌ アワ 私は(その死にかけていた人に)手を当ててあげたので(その人は)また命をとりとめたのだが。(W民話) (この話者ワテケさんは、 まじなったり占ったり病人を癒やしたりできる人だった。) {E: a hand poultice.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- temcaricari
- テムチャリチャリ 【自動】[tem-cari-cari 手(腕)・を散らばらす・(重複)] 手をバタバタさせる。 eun ewonne=an uske un enpuyna=an híne, temcaricari=an a p sekor, ekuskonna a=sikíhi makkosanpa エウン エウォンネアン ウシケ ウン エンプイナアン ヒネ、 テムチャリチャリアナプ セコロ、 エクシコンナ アシキヒ マッコサンパ 私は顔を洗う水たまりの中へのめり落ちて、 手をバタバタさせてもがいたとたんに、 突然パッと目が見えるようになった。(W民話) {E: to spread, flap the arms.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- téor
- テオロ 【位名】[te-or ここ・のところ] ここ、 ここの所(=te or テ オロ)。 mákip téor sikay us pekor humi an マキプ テオロ シカユシ ペコロ フミ アン どうしたのかここが刺すように痛い。(S) {E: here; this place.} (出典:田村、方言:沙流)
- tomotuye
- トモトゥイェ 【他動/後副】[tomo-tuye 中ほどの所[所]・を切る] ①[他動]…を横切る、 川や海を渡る。 pet ku=tomotuye wa ペッ クトモトゥイェ ワ (私は)川を渡って…。 ruyka tomotuye ルイカ トモトゥイェ 橋を渡りなさい(ruyka kari arpa ルイカ カリ アラパ とも言う)。(S) ②[後副]…を横切って。 atuy tomotuye ikesuy=an アトゥイ トモトゥイェ イケスイアン 私は怒って家を出て海を横切って(=越えて)行った。(W神謡語り) pet tomotuye uhasekoyki p ペッ トモトゥイェ ウハセコイキプ 川越しに柴木でたたき合うもの(なぞなぞで、 答えは sikrapu シクラプ まつげ)。 {E: ①to cross…; to cut cross, across… ②across…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tu 2
- トゥ 【連体】[数連体] ①二つの、 二個の、 二人の。 tu sike トゥ シケ 二個の荷物。 tu poyson トゥ ポイソン 二人の子ども。 ②たくさんの。 tu… re… トゥ… レ… (1)二つか三つの。 (2)二つも三つもの…(=たくさんの…)。 tu suy ka re suy ka トゥ スイ カ レ スイ カ 二回も三回も(=何回も何回も)。 tu pa ka re pa ka トゥ パ カ レ パ カ 二年も 三年も(=何年間も)。 tu ka-sinkop re ka-sinkop ranke ranke トゥ カシンコプ レ カシンコプ ランケ ランケ [慣用句]二つも三つもの結び目を下げ下げしている(糸をつむいで/紐をよっている様子の描写)。 tu pekennupe re pekennupe yaykoranke トゥ ペケンヌペ レ ペケンヌペ ヤイコランケ [雅] 二しずくも三しずくもの涙を落とす(=ハラハラと涙を流して泣く)。 (後半の re… レ…《三つの…》は省略されることもある。) tu makke sama kotuye トゥ マッケ サマ コトゥイェ [慣用句]何度だめだと言われても言うことをきかないで自分の意志を通す。 tu moto orke hunara トゥ モト オロケ フナラ [慣用句]よくよく素性をさぐる。 {E: ①two as a counter. ②a lot, plenty of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tupesan
- トゥペサン 【連体】[数連体][tup-e-san 二つ・で・出る](?) 八つの、 八個の、 八人の。 tupesan sike トゥペサン シケ 八個の荷物。 tupesan poyson トゥペサン ポイソン 八人の子ども。 {E: eight as a counter. Eg. eight people, things etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tútut
- トゥトゥッ 【名】[動物](鳥の名)「やっぱりヤマバトのうちか。 カッコウと一緒に来て一緒にいなくなる。 tuːtut Sikot pet ceːp oː cep sak トゥートゥッ シコッ ペッ チェープ オー チェプ サク《千歳川に魚がいる、 魚がいない》と鳴く。」 (S)〔知分類 p.195 ツツドリ〕 {E: the name of a bird (Himalayan cuckoo (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
- uhasekoyki
- ウハセコイキ 【自動】[u-has-e-koyki 互い・柴木・で・…をたたく] 互いに柴木でたたき合う。 pet tomotuye uhasekoyki p ペッ トモトゥイェ ウハセコイキプ 川越しに柴木でたたき合うもの(なぞなぞで、 答えは sikrapu シクラプ まつげ)。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukay
- ウカイ 【自動】[u-kay 互い・をおぶう] しわがよっている。 kapuhu ukay カプフ ウカイ 皮膚(ヒフ)にしわがよっている。 sikkapu ukay wa inkar ruwe pirka シッカプ ウカイ ワ インカラ ルウェ ピリカ まぶたが二重になっていて目元がパッチリしている。(S) {E: to be wrinkled.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukokor
- ウココロ 【他動】[uko-kor 一緒に・…を持つ] ①…を一緒に持つ、 (夫婦の間に)(子ども)がいる/できる。 tane pon hekaci ukokor wa タネ ポン ヘカチ ウココロ ワ いまはもう二人の間に赤ちゃんが生まれて。(W民話) sine situ ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an? シネ シトゥ ウココロ ワ ウヌカラ エラミシカリプ ヘマンタ アン? 一つの尾根を両方から一緒に持って互いに会ったことがないものはなあに(なぞなぞで、 答えは sikihi シキヒ 目)。 ②[u-ko-kor 互いに・対して・持つ] 取り合う、 奪い合う。 teeta anak usa ikor usa emus usa sintoko pirka hikehe ukokor rusuy kusu テエタ アナク ウサ イコロ ウサ エムシ ウサ シントコ ピリカ ヒケヘ ウココンルスイ クス 昔は宝物や刀やシントコ(大きい容器)のよいものを取り合いたくて。(W言い伝え) {E: ①to have a child together (between a couple); to have…together. ②to struggle for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukotukot
- ウコトゥコッ 【自動】[u-kot-ukot 互い・につく・(重複)] 互いに交わる。 (次の表現の中で) síkeri ukotukot シケリ ウコトゥコッ 目の輝きが互いに交差する=目がギョロギョロ光っている。 {E: to cross (over) each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- un 3
- ウン 【終助】①(名詞・副詞の後で、 ne ネ《…だ》を言わずに文を終止する。 会話の言い方で、 肯定の返事の表現に使われる。) …だよ、 …ですよ。 sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an? a=sikíhi un シネ シトゥ ウココロ ワ ウヌカラ エラミシカリプ ヘマンタ アン? アシキヒ ウン 一つの尾根を両方から一緒に持っていてお互いに会ったことがないものは何ですか? 私たちの目ですよ。 ruwe un ルウェ ウン そうですよ。 ②(動詞の後で。 これも返事の表現らしい。)poronno ku=sanke wa k=ére kus ku=ye hike ka ponno ka e ka somo ki wa kú=iruska un ポロンノ クサンケ ワ ケレ クシ クイェ ヒケ カ ポンノ カ エ カ ソモ キ ワ クイルシカ ウン 私がたくさん出して食べなさいと言ったのに彼は少しも食べないので私は腹が立ったのよ。 hetak hokure i=komuy un! ヘタク ホクレ イコムイ ウン! さあ早く(私の)シラミをとっておくれよ。(W民話) ③(疑問文で)何…/どう…だろう? k=éninuype íne un? ケニヌイペ イネ ウン。 私の枕どうしたろう(見つからないとき)。(S) réhe ene a=ye p ne hi ka k=éranpewtek hemanta kameasi un? レヘ エネ アイェプ ネ ヒ カ ケランペウテク ヘマンタ カメアシ ウン? その名前はなんと言うものだかもわからない、 なんていうばけものだろ。 ④(返事をうながす)“tane emonasnu?” “na kémonasap. eani un?” 「タネ エモナシヌ?」「ナ ケモナサプ、 エアニ ウン?」「もう終わったかい。」「まだ終わらない。 あなたは?」 (S) ⑤ruskare un! ルシカレ ウン (直訳すると)彼をそのことで不機嫌にさせよ=ああよかった(反語で、 喜びの表現)。 {E: a sentence-final particle that emphasises the speaker's conviction, especially in conjunction with imperative.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- un 4
- ウン 【副助】(強めの一種、 考慮・納得を表すことが多い。) …ね、 なあ。 siknu eaykap hawe un somo ne? シクヌ エアイカプ ハウェ ウン ソモ ネ? (そんな小さな弱い赤ん坊だったら)生きられないのじゃないのか。 kamuy i=erampokwen nen póka ne ciki un somo ki ya? カムイ イエランポクウェン ネン ポカ ネ チキ ウン ソモ キ ヤ? なんとか神様が憐れみをかけてくれないかなあ。 oroyaciki un/ona ne manu p/akor kusu オロヤチキ ウン/オナ ネ マヌプ/アコロ クス なるほどそうか、 父というものが私にはあったために。(Sユーカラ語り) ene un suy erampewtek hi? エネ ウン スイ エランペウテク ヒ? そんなに感じられないのか。(W) ikiya un …wa イキヤ ウン …ワ ひょっとすると。 ikiya un túnasno e=ek wa イキヤ ウン トゥナシノ エエク ワ ひょっとするとあなたが早く来るかもしれないなあ(注 ikiya …na イキヤ …ナ は《…しないようにね》)。 hńta un …wa フンタ ウン …ワ なあに、 ほかでもない。 hńta un, kamuy ye a wa フンタ ウン、 カムイ イェ ア ワ なに、 ほかでもない、 神様が言ったのだ=大丈夫、 神様が言ったとおりになるんだ。 {E: a particle emphasizing consideration or agreement.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- unukar
- ウヌカラ 【自動】[u-nukar 互い・を見る] ①互いを見合う、 相会う。 sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p シネ シトゥ ウココロ ワ ウヌカラ エラミシカリプ 一つの尾根を両側から一緒に持っていて互いに会ったことがないもの(なぞなぞで答えは sikihi シキヒ 目)。 ②(動名詞として)会うこと、 会見 hempara ne yakka/unukar pirka p/ci=ki nankor na ヘンパラ ネ ヤッカ/ウヌカラ ピリカプ/チキ ナンコン ナ いつでも会見のよいのをしましょうね=いつでもまた会って楽しく語り合いましょうね。(W即興詩) {E: ①to look at each other; meet. ②a meeting.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- unuunu
- ウヌウヌ 【他動】[unu-unu (そこ)につける・(重複)](直訳すると)(そこ)にくり返し何回もつける。 ☞teksikewka-unuunu テクシケウカ ウヌウヌ、 cewsamkur unuunu チェウサムクル ウヌウヌ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- úse anu
- ウセ アヌ 【他動】[副+他動][単](複は úse ári ウセ アリ)[それだけで(別に)・置く] ①(何かの中に入っているもの)を取り出す、 抜き出す。 e=sike oma p úse anu エシケ オマプ ウセ アヌ あなたの荷物の中に入っているものを出しなさい。(S) ku=sikehe wa úse k=ánu クシケヘ ワ ウセ カヌ 私の荷物の中から(それを)出す。(S) a=ocíhi oro wa úse i=ánu アオチヒ オロ ワ ウセ イアヌ 私の棺莚(かんえん、 死者をくるむむしろ)から私を出した。 ②(着物、 帽子、 靴、 装身具など身につけているもの)を脱ぐ/はずす。 amip use k=ánu アミプ ウセ カヌ 私は着物を脱ぐ。(S) {E: ①take, pull out… ②to take off (clothing).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwante
- ウワンテ 【自動】[u-w-an-te 互い・(挿入音)・ある・させる](?) 比べ合う(?)。 asinuma hoski tumutuy=an ya kimun kamuy hoski tumutuy ya, urametok uwante=an kusu kimun kamuy a=sikésanpare awa アシヌマ ホシキ トゥムトゥイアン ヤ キムン カムイ ホシキ トゥムトゥイ ヤ、 ウラメトク ウワンテアン クス キムン カムイ アシケサンパレ アワ 私が先に力尽きるか熊が先に力尽きるか、 度胸比べをするために熊に後を追いかけさせたのに。(HK民話) {E: to mutually compare.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwekarpa
- ウウェカラパ 【自動/名】[複](単の形は uwekari ウウェカリ。 しかしこの語は副詞としての用例のみがあり、 自動詞として用いられた例は未出)[u-w-ekar-pa 互い・(挿入音)・(ekari エカリ の語幹)に向かって・[複]] ①[自動]集まる。 kotan epitta oka nispa uwekarpa wa コタン エピッタ オカ ニシパ ウウェカラパ ワ 村じゅうの長者がたが集まって。(W民話) inne paskur uwekarpa híne インネ パシクル ウウェカラパ ヒネ たくさんのカラスが集まって。(HC民話) cise sikno uwekarpa utar チセ シクノ ウウェカラパ ウタラ 家いっぱいに集まっている人々(この場合神々) (W神謡語り) ②[名]集まり、 集会。 {E: ①to gather; bring together. ②a gathering; a collection.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uweramasu
- ウウェラマス 【自動】[u-w-eramasu 互い・(挿入音)・…を気に入る/好きだ] 愛し合う(恋愛)、 一緒に寝る。 ☆参考 uworamkote ウウォラムコテ、 uwosikkote ウウォシッコテ とも言う。 ☞eramasu エラマス {E: to love one another; sleep together.} (出典:田村、方言:沙流)
- uwetunankar
- ウウェトゥナンカラ 【自動/副】[u-w-etunankar 互い・(挿入音)・にバッタリ出会う] ①[自動](バッタリ)出会う(「いきあう」)。 ②[副]両方から、 両側から。 wenkur umurek uwetunankar eyoko wa ウェンクル ウムレク ウウェトゥナンカラ エヨコ ワ 貧乏人夫婦は両側から待ち伏せして。(HK民話) ne rika kisma tekehe amuninihi tun ne híne uwetunankar kisma híne sikoetaye ネ リカ キシマ テケヘ アムニニヒ トゥン ネ ヒネ ウウェトゥナンカラ キシマ ヒネ シコエタイェ その鯨の脂身をにぎっている手を、 二人で両側からつかんで引っぱった。(HK民話) ☞etunankar エトゥナンカラ {E: ①to meet one another. ②from both (sides).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwetunuyse
- ウウェトゥヌイセ 【自動】[u-w-e-tunun-se 互い・(挿入音)・と一緒に・(擬音の重複)・と言う](次の慣用表現の中で)美しく響く。 kanemayne uwetunuyse カネマイネ ウウェトゥヌイセ [雅] 金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる(女神の話す声が、 金属をたたいたときのウンウンウンウンという響きのように美しく響いて聞こえる、 下げ飾りのついたシントコ(tumsikot sintoko トゥムシコッ シントコ)を動かしたときは飾りがゆれてぶつかる音がカチャカチャカチャと美しく聞こえる)。 ekutcam konna/kanemay ne/uwetunuyse エクッチャム コンナ/カネマイ ネ/ウウェトゥヌイセ [雅]その声が金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる。(Sユーカラ) ☆参考 語の形から見ると《トゥンウンウン…と響く》というのだから、 女神の声のようにウンウンウンと反響する響きのほうが原義であろう。 {E: to sound beautifully.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uweyayrenka
- ウウェヤイレンカ 【自動】[u-w-e-yay-irenka 互い・(挿入音)・と一緒に・自分・意向(を述べる)](?) ①互いに会えた喜びを言い合う、 会えた喜びのあいさつの言葉を言う、 互いに握手して再会を喜び合う。 uwesikarun ayne tanepo unukar=an, uweyayrenka=an ウウェシカルン アイネ タネポ ウヌカラン、 ウウェヤイレンカアン 会いたくて会いたくてやっと会えた、 ああなつかしいねえ。(S) a=onáutari tura uwerankarap, uweyayrenka アオナウタリ トゥラ ウウェランカラプ、 ウウェヤイレンカ (その奥様は)私の両親とあいさつし、 会えた喜びを言い合って。(W民話) ②(名詞として)会えた喜びのあいさつ(の言葉)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwomap
- ウウォマプ 【自動】[u-w-omap 互い・(挿入音)・をかわいがる](子どもたちが) 仲良くしている。 uwomap siri! a=eráyap pe un ウウォマプ シリ! アエラヤプ ペ ウン 仲良く大きい子が小さい子をつれて遊んでいる、 感心なもんだ。(S) ☆参考 大人同士が愛し合うことは uworamkote ウウォラムコテ、 uwosikkote ウウォシッコテ、 uweramasu ウウェラマス など。 {E: for children to play together as friends.} (出典:田村、方言:沙流)
- uwomarpare
- ウウォマラパレ 【他動】[複](単は uwomare ウウォマレ)[uwomar-pa-re 集める(u-oma ウオマ の使役形 uwomare ウウォマレ《集める》の語幹)・[複]・させる](たくさんのもの/散らばっているもの)を集める。 a=kar wa an pe a=uwómarpare, a=tar pe opitta a=ukómuymampa híne, poro sike a=kar híne アカラ ワ アン ペ アウウォマラパレ、 アタラ ペ オピッタ アウコムイマンパ ヒネ、 ポロ シケ アカラ ヒネ 私はつくってあったものを拾い集め、 敷き物を全部かき集めて、 大きな荷物をつくって。(W民話) ☆参考 理論的に予想される uwomapare ウウォマパレ または uwomarepa ウウォマレパ の形の用例はなく、 この uwomarpare ウウォマラパレ の形が用いられている。 {E: to bring…together; gather…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uworamkote
- ウウォラムコテ 【自動】(男女が)愛し合う(恋愛)。 ☆参考 「年寄りの言葉、 私ら(サダモさんたち)は使う。 もっと若い人は uwosikkote ウウォシッコテ と言う。」 (S) {E: to love one another.} (出典:田村、方言:沙流)
- uymamrepunka/uymam-repunka
- ウイマムレプンカ 【自動/名】[uymam-repun-ka 交易・沖へ行く・(他動詞化)] ①[自動]交易をしに海外へ行く、 舟で海を越えて交易に行く。 uymamrepunka kor usa amip usa tanpaku, usa macikor, ikor otta emus otta, sintoko ne ciki, cip sikno cipekusa wa yan pe ne kusu ウイマムレプンカ コロ ウサ アミプ ウサ タンパク、 ウサ マチコロ、 イコロッタ エムソッタ、 シントコ ネ チキ、 チプ シクノ チペクサ ワ ヤン ペ ネ クス (夫が)舟で交易に行くと、 衣類やらたばこやら、 女の宝物やら、 宝刀でも刀剣でもシントコ(昔の日本語で行器(ほかい)という名の大きい入れ物)でも、 舟にいっぱい積んで帰って来るので。(W民話) ②[名]海外交易。 {E: ①to go overseas to trade. ②overseas trade.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wan 1
- ワン 【連体】[数連体]十の。 wan sike ワン シケ 十個の荷物。 wan poyson ワン ポイソン 十人の子ども。 wan to ワン ト 十日。 {E: ten (as a counter).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yay tuy ka kor
- ヤイトゥイカコロ §067 サケ あきあじ、あきやじ 大(1) yay tuy ka kor(yáy-tuy-ka-kor)「やイトゥイカコロ」[yay(自分で)tuyka(=mekka, cikir-mekkasike 足の甲)kor(持つ)]⦅美幌⦆一尾の皮でkeriの片足ができるサケ。それ一尾の皮だけでcikir-mekkaが覆われるほど大きなサケ。 (出典:知里動物編、方言:)
- yayekote
- ヤイェコテ 【副】[yay-ekote(< hekote) 自分・に向かって] 自分で、 自力で(他の力を借りないで)。 yayekote sinenne ku=kar ruwe un ヤイェコテ シネンネ クカン ルウェ ウン 私が自分で一人でつくったのだよ。(S) yayekote ku=ye ヤイェコテ クイェ 私が自分で言う。(S) yayekote sikannatki kor an ヤイェコテ シカンナッキ コラン (テープが)だれも「ちょうさんのに」(=いじらないのに)回っている。(S) ☆参考 「自分で」は yaykata ヤイカタ、 「一人で」は sinenne シネンネ と言う。 {E: by oneself; on one's own.} (出典:田村、方言:沙流)
- yayerampewtekkare
- ヤイェランペウテッカレ 【他動】[yayerampewtek-ka-re 何もわからない・(他動詞化)・させる](人)を悪くする、 (人)に悪い知恵を教える、 思慮分別のないものにする(?)。 sikatkore wa sineno yayerampewtekkare kus ene iki hi an シカッコレ ワ シネノ ヤイェランペウテッカレ クシ エネ イキ ヒ アン (悪い子がうちの子を)引っぱり出して自分と同じように悪くしようとして悪い知恵ばかり教える。(S) ☆参考 形の上では複他動詞(他動使役)に見えるがこの用例では単他動詞。 意味から予想される yayerampewtekka ヤイェランペウテッカ は未出。 (出典:田村、方言:沙流)
- yayeykoramkor
- ヤイェイコラムコロ 【自動】[yay-e-i-koramkor 自分・について・人・に相談する] 自分から求婚する。 néun osikkote okkaypo, pirka okkaypo osikkote yakka, menoko yayeykoramkor anak a=sitóma p ne na ネウン オシッコテ オッカイポ、 ピリカ オッカイポ オシッコテ ヤッカ、 メノコ ヤイェイコラムコロ アナク アシトマプ ネ ナ どんなに愛する男、 すてきな若い男に恋をしても、 女のほうから求婚するのは恐ろしいものだから。(HC神謡の結びの語り) {E: to propose marraige.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaykotanoyra
- ヤイコタノイラ 【自動】[yay-kotan-oyra 自分・村・を忘れる] 故郷を離れていて忘れている、 自分の村を忘れて帰って来ない。 ☆対語 yaykotanesikarun ヤイコタネシカルン {E: to be away from and forget one's home town.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaykurkata
- ヤイクルカタ 【副】[yay-kur-ka-ta 自分・(< 影/姿)・の上・で] 自分で、 (自分のことをするのに)人にさせないで、 自分で自分のことを。 yaykurkata ye hike makanak ne wa mosma kur sikotcanere ヤイクルカタ イェ ヒケ マカナク ネ ワ モシマ クル シコッチャネレ 自分で言えばいいのに他の人に言ってもらう。(S) yaykurkata ci=nuye rusuy ヤイクルカタ チヌイェ ルスイ 私たちは人に頼まず私たち自身で書きたい。(W) ☆参考 yaykata ヤイカタ とも言う。 yaykata ヤイカタ のほうが意味が広く、 いろいろな状況で使われる。 {E: by oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaytuypare
- ヤイトゥイパレ 【他動】[yay-tuypa-re 自分・を切る(複)・させる][雅](の方へ)へ進んで行く。 a=kor a cási/kopakke sama/a=yaytuypare アコロ ア チャシ/コパッケ サマ/アヤイトゥイパレ [雅]私は住んでいた城に向かってまっすぐに飛んで行った。(Sユーカラ) cási erupsik/yaytuypare チャシ エルプシク/ヤイトゥイパレ (姉は)城の東側へ静かに進んで行った(「静かに、 名残惜しいと思いながら」)。(Sユーカラ) oar apunno/kopakke sama/a=yaytuypare オアラ アプンノ/コパッケ サマ/アヤイトゥイパレ 私は静かにそうっと(その鹿の)そばの方へ近づいて行った。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
- yorpuye(he)
- ヨロプイェ(ヘ) 【名】[所](概は yorpuy ヨロプイ)…の肛門。 {E: the anus of…}-yosikkote ヨシッコテ【自動語幹】☞iyosikkote イヨシッコテ (出典:田村、方言:沙流)
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萱野 茂『萱野茂のアイヌ語辞典』1996年 ©萱野れい子
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』1996年 ©田村洋一