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- sir
- シリ 【sir】 〜なことだ〔感嘆〕. ウヌヌケ パㇰノ ア・エラヤㇷ゚ ペ イサㇺ ペ ウトゥルン メノコポ ウヌヌケ シリ!=孝行ほど感心されることはないものだが,西隣の娘の親孝行なこと! (出典:萱野、方言:沙流)
- sir 1
- シㇼ 【名】地、 山、 島、 そのあたり、 様子、 見える有様。 kamuy ewak sir カムイ エワㇰ シㇼ 神の住む所。 nan ka sak sir ka sak pe ne yakka ナン カ サㇰ シㇼ カ サㇰ ペ ネ ヤッカ 顔も姿も美しくはないが(娘をとつがせたいと思う父親が、 相手の男に対して謙遜して言う言葉)。 kemaha sir ka osma katu a=nukár erampewtek ケマハ シㇼ カ オㇱマ カトゥ アヌカㇻ エランペウテㇰ 足が地面につくのを見たのもわからない(とても速く、 飛ぶように走ることの描写)。 sir epitta シレピッタ あたり一面。 …sir ne …シンネ (=sirine シリネ)まるで…のように(外見について言う)。 {E: the land; the mountains; an island; a state, appearance; an observable state.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir 2
- シㇼ 【形名】(名詞化辞として、 動詞句に終わる文の後に置かれ、 見えることに関し、 「…する様子/…している様子」というニュアンスを含んだ名詞句をつくる。)(…している)様子、 …の。 ①(=siri シリ) tanepo apkas pe e=ne sir ne yakun タネポ アㇷ゚カㇱ ペ エネ シン ネ ヤクン あなたが初めて来たのなら。(S民話) (同じような文脈で siri シリ が多く使われる。 siri シリ と sir シㇼ とに用法やニュアンスの違いがあるかどうか不明。 ②sir ko シㇼ コ [様子・(擬音/擬態の表現を導く接辞)][雅]…する様子が/は…。 i=nukar sir ko caynatara イヌカㇻ シㇼ コ チャイナタラ 私を見る様子がジローツとしている=私をジローツとにらみつけている。(W民話) {E: an appearance; a condition ; a manner; a state.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- a=eosirokpe
- アエオシロㇰペ 【a=eosirok-pe】 足手まとい:ひとりだけ歩くのが遅いので皆に迷惑をかける者.▷ア=それ エオシロㇰ=足手まといにする ペ=者 ポンヘカチ ア・トゥラ ワ ア・エオシロㇰペ ネ ルウェ ウン=小さな子供を連れて行っては足手まといになるものなのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- a=etusirkar
- アエトゥシㇼカㇻ 【a=e-tusir-kar】 葬式(をする).▷ア=それ エ=それ(=死人) トゥシリ=土饅頭 カㇻ=作る →土を盛り上げた墓を作る エカシ モシㇼホッパ ヤㇰ ア・イェ クス ニサッタ ア・エトゥシㇼカㇻ=おじいさんが亡くなったので,明日葬式をする. (出典:萱野、方言:沙流)
- a=kosiratkip
- アコシラッキㇷ゚ 【a=ko-siratki-p】 大切にされている神. ネイワ アイヌコタン タ アン ペ ネ ヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) コㇿカ チカㇷ゚ サパ アン ワ ア・コシラッキㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワー=どのような経路でアイヌの村にあるものなのか私は知らないけれども,アホウドリの頭があって,大切な神とされているものですよ. *アホウドリの頭骨はレプンシラッキ(沖の大切な神)といい,病魔を避ける神とされている.狐の頭骨はキムンシラッキ(山の大切な神)といって猟運を司る神とされていた.シラッキカムイ=守護神 (出典:萱野、方言:沙流)
- amipsirka
- アミㇷ゚シㇼカ 【amip-sirka】 着物の表. (出典:萱野、方言:沙流)
- amipsirpok
- アミㇷ゚シㇼポㇰ 【amip sirpok】 着物の裏. (出典:萱野、方言:沙流)
- anaysir
- アナイシリ 【anay-sir】 死人,死人の霊. ト ト インカㇻ! アナイシㇼ ソモ ネ ウン? ホクレ コタノルン(コタン オㇿ ウン) ホユプ ワ アスラニ ワ エㇰ=あれあれ見てくれ! 死人ではないのかい? 早く村へ走って知らせてこい.*アナイシㇼと体面する場合は,死人に背を向け右手の拳を前へ突き出し肘を屈伸させながら「フㇺ カッポヘアン,フㇺ カッポヘアン フㇺ カッポヘアン(なんだそのざま,その姿)」と何回も言う.この様子は昭和14年頃,貝澤良助という人が二風谷で交通事故で死んだ時に,貝澤ウカタシヌというおばさんがそうしたのを実際に見たものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
- anaysirkamuy
- アナイシㇼカムイ 【anay-sir kamuy】 死人. (出典:萱野、方言:沙流)
- asir
- アシㇼ 【自動】新しい。 asir pa アシㇼ パ 新年。 asir noya アシㇼ ノヤ(発音は アシンノヤ) 出始めの柔らかいヨモギ(=asinnoya アシンノヤ)。 {E: to be new.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- asir
- アシㇼ 【asir】 新しい. タㇷ゚ウフナㇰ アン チㇷ゚サンケ オッタ(オㇿ タ) アシㇼ ポン チㇷ゚ ク・カㇻ アイヌ オピッタ オ ワ シノッパ=ついこの間あった舟おろしの時に,新しい小さい舟を私が彫って,みんなで乗って遊んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- asir'upas
- アシㇼウパㇱ 【asir-upas】 初雪,新雪.▷アシㇼ=新しい ウパㇱ=雪 "ウクラン アㇱ アシㇼ ウパㇱ カ タ ポーロ カムイ ルウェヘ アン ク・イシトマ クス ク・キラ ワ ク・イワㇰ" セコㇿ ハㇻキソ ウン ウナㇻペ ハウェアン=「昨夜降った新しい雪の上に大きい熊の足跡があり,私は恐ろしくなって逃げ帰って来た」と左隣のおばさんが言っていた. (出典:萱野、方言:沙流)
- asirikinne
- アシリキンネ 【副】[asir-ikir-ne 新しい・一まとまり・として] 新たに(または asirkinne アシㇼキンネ)。 {E: newly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- asirikinne
- アシリキンネ 【asir-ikir-ne】 新しく.▷アシㇼ=新たな イキㇼ=列,順 ネ=に →またさらに アチャポ アシㇼキンネ ヤイコソホシピ ヤㇰ ク・イヌ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=おじさんが新しく後添いを貰ったと聞き,私は喜んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
- asirmat/asirmaci(hi)
- アシㇼマッ/アシㇼマチ(ヒ) 【asir-mat/-maci(hi)】 新妻.▷アシㇼ=新しい マッ=妻 (出典:萱野、方言:沙流)
- asirókotor
- アシロコトㇿ 【名】(a=sirókotor [不定人称形]か?)家の内面。 asirókotor míke kane a=eráyap ruwe ne アシロコトㇿ ミケ カネ アエラヤㇷ゚ ルウェ ネ 家の内面が光り輝いており、 私は感嘆した。(NK民話) {E: the interior of a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- asirorespap
- アシロレㇱパㇷ゚ §021.子(20)asirorespap〔a-ší-ro-reš-pap アしロレㇱパㇷ゚〕⦅ハルトリ⦆みなしご。[asir(新しく)+-o-(そこで)+respa(育てた)+-p(者)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- asirpa
- アシㇼパ 【名】[asir-pa 新しい・年] 新年(=asir pa アシㇼ パ)。 asirpa a=uk yakun アシㇼパ アウㇰ ヤクン 新年になったら(年が変われば)。 asirpa a=uk wa onkami=an na アシㇼパ アウㇰ ワ オンカミアンナ 新年を迎えて拝礼しましょう=新年おめでとう。 W. {E: New Year.} (出典:田村、方言:沙流)
- asirpa
- アシㇼパ 【asir-pa】 新年.正月.▷アシㇼ=新しい パ=年 アシㇼパ オッタ(オㇿ タ) ウウェランカラㇷ゚・アン ペ ネ ナー=新しい年(正月)にご挨拶をするものですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- asirpet
- アシㇼペッ 【asir-pet】 新しい川.▷アシㇼ=新しい ペッ=川 ポロワッカ オカ タ ワッカ シノイェ アシㇼペッ アン ルウェ ネ ノイネ=大洪水の後に水の流れが変わって新しい川が出来ているようだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- asisiro
- アシシロ 【asisiro】 足場. アクㇷ゚・アニ(アクㇷ゚・アン ヒ) タ アナㇰネ アシシロ ウェン コㇿ イヤイキㇷ゚テナ ピㇼカノ カㇻ アニ=屋根葺きの時は足場が悪いと危ないので,しっかり設置しろ. (出典:萱野、方言:沙流)
- atteynemosir
- アッテイネモシㇼ 【ar-teyne-mosir】 奈落.▷アㇻ=全く テイネ=濡れた モシㇼ=大地 イノンチㇼ ウェンカムイ アナㇰネ イレスカムイ オロワノ アッテイネモシㇼ ア・コキル ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワ=人を呪うような悪い神は,火の神様から奈落へ向けて行かされるものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- Awunmosir
- アウンモシㇼ 【名】[aw-un-mosir 隣り・の・国][地名] 青森。 {E: a place name: Aomori.} (出典:田村、方言:沙流)
- aynu mosir
- アイヌ モシㇼ 【名】[人間/アイヌ・国] ①(神の国に対して) 人間の国。 ②(sísam mosir シサㇺ モシㇼ に対して) アイヌの国(多くの場合北海道を指す)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- aynumosir 1
- アイヌモシㇼ 【aynu mo-sir】 ①人間の国.▷アイヌ=人間 モ=静かな シㇼ=土地 オキクㇽミ カムイ アナㇰネ カムイモシㇼ ワ アイヌモシルン(アイヌモシㇼ ウン) エㇰ カムイ ネ ワ=オキクㇽミカムイは神の国から人間の国へ来た神様だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- aynumosir 2
- アイヌモシㇼ 【aynu mo-sir】 ②アイヌ民族の国土. タネ ホッカイドウ セコㇿ ア・イェ ポロ モシㇼ アナㇰネ テエータ ワノ アイヌモシㇼ ネ ルウェ ネ=現在北海道と言われている大きな島は,ずっと昔からアイヌの国土なのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- aynusir
- アイヌシㇼ 【名】[aynu-sir 人間・様子] ゆうれい(幽霊)。 aynusir yayeoske アイヌシㇼ ヤイェオㇱケ 幽霊が出る。(S) ☆参考 守り神が悪いから早く死んだが、 守り神があの世へ一緒に行けなくて、 死者の魂みたいになって、 死んだだれそれだとうそを言って出てくる。(S) {E: a ghost.} (出典:田村、方言:沙流)
- aysir(-i)
- アイシㇼ §481.たましい;霊魂(19)幽霊;人魂 aysir(-i)〔áǐ-širあイシㇼ〕⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ci=nomisir
- チノミシㇼ 【ci=nomi-sir】 我ら祭る所. チ・コㇿ ニㇷ゚タニ タ アナㇰネ ペウレㇷ゚ オッカ(オㇿカ) ウン チノミシㇼ カンカン レㇾケヘ チノミシㇼ オケネウㇱ ウン チノミシㇼ エレㇷ゚アン オロウン カムイイピㇼマ ハウ ア・ヌ コㇿ コタン エウン ウタㇻ ヤイトゥパレ パ ㇷ゚ ネ=私どもの二風谷では熊の姿岩のチノミシリ(我ら祭る所),カンカン向かいのチノミシリ,オケネウシのチノミシリ,3か所あって,そこへ神のお告げが聞こえたら村人全部が気をつけるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- cieasirotke
- チェアㇱロッケ 【ci-e-a-sir-otke】 どっかと座る.▷シㇼ=大地 オッケ=突く →大地を突き刺す レプンクㇽ ア・ウレルトゥ オカケヘ タ チェアㇱロッケ・アン=沖の人を足でどけてその後へどっかと座った[ユ] (出典:萱野、方言:沙流)
- cikapsakmosir,-i
- チカップサㇰモシㇼ §419 (その他の鳥名) (6) cikap-sak-mosir, –i (ci-káp-sak-mo-sir)「チかップサㇰモシㇼ」人間の住む国土の果てにあるという荒涼たる土地[<鳥・なき・国] (出典:知里動物編、方言:)
- cip'osirkosak
- チㇷ゚オシㇼコサㇰ 【cip-o-sir-ko-sak】 舟が浅瀬につく. (出典:萱野、方言:沙流)
- ciporsakoisiru
- チポㇿサㇰオイシル §067 サケ あきあじ、あきやじ 川(37) cipor-sak-oisiru(či-por-sak-o-i-si-ru)「チポㇿサㇰオイシル」[cipor(卵を)sak(失った)oisiru(ホッチャレ)]⦅沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- cisireanu
- チシレアヌ 【他動】[中相][ci-sir-e-anu …された・地・に・置く][雅]地に/下に置かれている。 cituye amset/káne amset/cisireanu チトゥイェ アㇺセッ/カネ アㇺセッ/チシレアヌ [雅]別つくりの高床(たかどこ)、 金(かね)の高床が置かれていた。(Sユーカラ) iresu cási/tan poro cási/cisireanu イレス チャシ/タン ポロ チャシ/チシレアヌ [雅]私の育った城、 大きな城がたっていた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- cisireanu
- チシレアヌ 【ci-sir-e-anu】 建っている(きらびらやかに). アコッチャシ(ア・コㇿ チャシ) チシレアヌ リクン オㇷ゚プイ ランケ オㇷ゚プイ…=私の城きらびやかに建っていて,上の槍穴下の槍穴…[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- cisirkirapte
- チシㇼキラㇷ゚テ 【ci-sirkirap-te】 悲しませる.▷チ=それ,その人,その当事者 シㇼキラㇷ゚テ=悲しませる マウコウェン・アン コㇿ オロ チクㇱ イサㇺ カネ チ・シㇼキラㇷ゚テ オルㇱペ パテㇰ=運が悪いと通る所もないほどに悲しませる話ばかりだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- coasirokke
- チョアシロッケ 【co-a-sir-okke】 どすんと座る,どかっと座る. ▷チョ=それ ア=座る シリ=大地 オッケ=突く(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- cóasirotke
- チョアシロッケ 【他動】[中相][c(i)-o-a-sir-otke される・その尻・(?)・地面・を突く](?) ドシンと座る。 tan rikna wa cóasirotke タン リㇰナ ワ チョアシロッケ 立った姿勢から急にドシンと座った。(W民話) {E: to sit down with a thud.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- easir 1
- エアシㇼ 【副】[e-asir …で・新しい](条件節の後で)(そうして)初めて、 (そう)しなければ …しない。 yakun easir ヤクン エアシㇼ …であればこそ。 yak easir pirka ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …しなければならない/いけない/だめだ。 a=ipére kor easir soyne p ne na, iyohay parkohayta アイペレ コㇿ エアシㇼ ソイネㇷ゚ ネ ナ、 イヨハイ パㇻコハイタ 食べさせたらやっと出て行くんだ(食べさせなければ出て行かない)、 あきれたいやしんぼうだ。 ☆参考 easirki エアシㇼキ【助動】…しなければならない。 tanepo タネポ 今初めて。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- easir 1
- エアシㇼ 【easir】 ①初めて. タネポ エアシㇼ タン コタン タ ケㇰ(ク・エㇰ) コㇿカ プリ ピㇼカクㇽ パテㇰ オカ エアㇻキンネ カヌミ(ク・アン フミ) ピㇼカ=今初めてこの村へ来たけれど根性のいい人ばかりいるので本当に居心地がいい.キムン・アン ヒ タ アナㇰネ ウウェプンキネ・アン ワ エアシㇼ アプンノ イラマンテ・アン エアㇱカイ=狩りに山に入る時は互いを守り合って初めて無事に猟をすることができる. (出典:萱野、方言:沙流)
- easir 2
- エアシㇼ 【副】①(驚異的なことを言い始める合図)それこそ、 本当に。 easir ka エアシㇼ カ それこそ、 本当に、 それはそれはもう(easir エアシㇼ をさらに強めた言い方)。 ②(時をかせぐ言葉)さて、 まあ。 {E: ①really; truly ②well; now.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- easir 2
- エアシㇼ 【easir】 ②本当に,全く. (出典:萱野、方言:沙流)
- easirana
- エアシラナ 【間投】[easir-an-a (驚異的なことを言い始める)本当に・ある・(感嘆)] ①そうだともねえ(これから驚嘆すべきことを言うという合図の語。 ただの easir エアシㇼ よりもさらに強い)。 ②[雅]それこそ、 それはそれは。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- easiri
- エアシリ 【副】(=easir エアシㇼ)(リズムや強調によって、 また次の語の語頭母音によって、 r の後に母音 i が発音された形。) easiriː ka エアシリーカ それこそ、 本当に(easir ka エアシㇼ カ を強調した言い方)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- easirka
- エアシㇼカ 【easir ka】 本当に,それこそ. アㇷ゚ト アㇱ コㇿ ヘカッタㇻ ソイネ カ エアイカㇷ゚ ペ ネ クス チセ オッタ(オㇿ タ) シノッパ エアシㇼカ シッチリㇺヌレ パㇰノ シノッパ=雨が降ると子供らが外へ出ることができないので,家の中で遊んで本当にあたりに響き渡るほど遊んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
- easirkar
- エアシㇼカㇻ 【他動】[e-asir-kar …に関して・新しく・つくる/する]…を新しくつくる、 …をつくり直す、 (家)を建て直す。 {E: to redo, remake, rebuild, renew…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- easirki
- エアシㇼキ 【助動】[easir-ki (…して)初めて・する] …しなければならない。 uweepakiun wen itak ka a=ye easirki hawe ene an ウウェエパキウン ウェン イタㇰ カ アイェ エアシㇼキ ハウェ エネ アン だんだん悪い言葉も言わなければならないことだなあ。 ☆参考 yak easir pirka ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ とも言う。 easirki エアシㇼキ のほうが軽い言い方。 日本語で「…しなければならない」と言うような状況文脈で、 oasi オアシ も使われる。(S) {E: must do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- easirki
- エアシㇼキ 【e-asir ki】 〜するほかはない. タパン ハワㇱ アナㇰネ ハウケ オルㇱペ ソモ ネ クス カムイ ア・エコシ エアシㇼキ ペ ネ ハウェ ネ ワ=この話はちょっとやそっとのものではない.神様に任せるほかないことだろうね.エネ ウェンプリコㇿ ハウェ ネ ヤカナㇰネ(ヤㇰ アナㇰネ) カムイ オㇿ ワ ア・ライケ エアシㇼキ ナンコㇿ ワ=そのような悪事をしたのであれば神の方から殺されるでありましょうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ek sir konna ramamatki
- エㇰシㇼコンナ ラママッキ 【ek-sir-konna ramamatki】 身を低めて来ている様子,私を狙い身を低めてこちらへ来る. ▷エㇰシリコンナ=来る様子 ラママッキ=身を低めて(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- ekoesirussirus
- エコエシルッシルㇱ 【複他動】[e-ko-esirussirus (そこ)で・(その仕事)頭を上下に振り振りする](そこ)で(その仕事)をせかせかとやっている。 corpokike/apeari ne/ekoserusserus チョㇿポキケ/アペアリ ネ/エコセルッセルㇱ その(鍋の)下に火をたくなどせかせかとやっている。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
- emosirup
- エモシルㇷ゚ 【emo-siru-p】 ジャガイモおろしがね,いもおろし.*ブリキに釘で穴をあけてざらざらにして使う. エモ アナㇰネ トオㇷ゚ フㇱコトイワノ アイヌ ウタㇻ エトイタ パ ワ エモシルㇷ゚ アニ シル ワ エ ヘメㇺ キ ルプㇱカ ワ ペネエモ ネ カ カㇻ パ ワ エ パ ㇷ゚ ネ=ジャガイモはずうっと昔からアイヌたちは蒔いていたもので,ジャガイモおろしがねでおろして食べたり,凍らせてつぶれいもにして食べたりしたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- emustasiro
- エムㇱタシロ 【名】[emus-tasiro 刀・山刀] エムシ(刀)型のタシロ(山刀)、 太刀づくりの山刀。 {E: type of sword.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eneeasir
- エネエアシㇼ 【ene-easir】 これほどまでに. (出典:萱野、方言:沙流)
- enepoeasir
- エネポエアシㇼ 【ene-po-easir】 あれほどまでに,これほどまでも. ヘマンタ エオラㇺペシㇱテ ㇷ゚ エネポエアシㇼ ヌイサウォッ イセポ コラチ キラ シリ アン=何に驚愕したものか,あれほどまでに山火事から逃れようとするウサギのように逃げて行くのだ.エネポエアシㇼ プサンキヤカンキ アン ペ オㇿ タ マㇰ イキ アン コㇿ アナン(アン・アン) ペ アン ホクレ ホクレ ホシッパ・アン ナ=あれほどまでに仏頂面をしている者の所で何をしていられるものか.早く早く戻るよ.エネポエアシㇼ ペッ オホ クナㇰ ソモ ク・ラム クス ク・ミピヒ チンキ カニ(ク・アニ) カネ ワ ク・ペッカス アㇷ゚ オホオイ アン ワ コリキライェ(ク・オリキライェ) カネ ペッ イクㇱ タ ク・ヤン=これほどまでも川が深いとは思わないで,私の着物の裾を持って川を渡ろうとしたのに,深い所があって着物をまくし上げて,川の向かい側へ私は上がった. (出典:萱野、方言:沙流)
- enesirkihi
- エネシㇼキヒ 【ene-sirki-hi】 そうなっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- enusasire
- エヌサシレ 【複他動】…で(人)の気をまぎらす。 nen nen ka hawean wa enusasire! ネン ネン カ ハウェアン マ エヌサシレ! いろいろおもしろいことを言って気をまぎらさせてあげなさい。(S) ☆参考 ram(u) suye ラㇺ/ラム スイェ は子どもが泣いているときなどになだめすかして機嫌よくさせることを言う。 ☆参考 eyaynusasi エヤイヌサシ は自分で歌を歌うなどして自分の気をまぎらすことを言う。(S) {E: to be distracted by, with…} (出典:田村、方言:沙流)
- enusasire
- エヌサシレ 【enusasire】 気をまぎらす,自分を慰める. ク・ミッポホ ウタㇻ アン クスケライ ケヌサシレ(ク・エヌサシレ) ワ カン(ク・アン)=私の孫たちのお陰で気をまぎらせていることができる.*川上まつ子さんが教えてくれた言葉であった. (出典:萱野、方言:沙流)
- eosiraye
- エオシライェ 【他動】[e-o-si-raye …に・…に・自分・を行かせる][雅](次のような慣用表現の中で) …に行く。 soywasamma/eosiraye ソイワサンマ/エオシライェ [雅](彼は)外へ出て行った。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eosirok
- エオシロㇰ 【e-osir-ok】 足手まとい(になる). ポン ヘカチ ア・トゥラ ワ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ア・エオシロㇰ=小さい子供を連れて山へ行くと足手まといになる. (出典:萱野、方言:沙流)
- eramusirapipi
- エラムシラピピ 【他動】…のことで安心する、 気持ちが安まる。 sekor a=ye wa eramusirapipi noyne an セコㇿ アイェ ワ エラムシラピピ ノイネ アン (困ったことをしたときに怒らないで反対に意見して(=忠告して)なぐさめて)…と言ってくれたので彼は安心したらしい。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- ésir
- エシㇼ 【副】さっき、 今朝。 ésir ek エシㇼ エㇰ さっき来た。(W) ésir kunneywa エシㇼ クンネイワ 今朝。(W) ésir tek エシッ テㇰ ついさっき、 ちょっと前に。(W) {E: this morning.} (出典:田村、方言:沙流)
- esir
- エシㇼ 【esir】 先程,さっき,少し前,今朝. エシㇼ パㇰノ トイ アンクラ オッタ(オㇿ タ) シノッ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ヒナクン アㇻパ ワ イサㇺ ルウェ アン=先程まで畑の畔に遊んでいたのにどこへ行っていないのだ.エ・サハ エシㇼ エㇰ ア コㇿカ ナニ ホシピ ア ワ=お前の姉が先程来たけれどすぐに戻ったよ.エシㇼ イユタㇷ゚ オㇿ ワ ピヤパ ピㇼケㇷ゚ ク・ヤンケ ワ セモッタ(セㇺ オㇿ タ) アン ナ チョンパ アニ パカリ ワ ウパㇰセㇾケ コㇿ ワ アㇻパ=朝,私がパッタリからヒエの精白を上げて入り口の所にあるので,升で量って半分持って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
- esir'etomtomo
- エシㇼエトㇺトモ 【e-sir-e-tomtomo】 飾りつける.▷エ=それで シㇼ=あたり エ=それに トㇺトモ=〜を飾る ニサッタ イヨマンテ アン クス チセ オンナイ オキタルンペ アニ ア・エシㇼエトㇺトモ=明日熊送りがあるので家の中を大きな模様つきのござで私たちは飾りつけた. (出典:萱野、方言:沙流)
- esiramkir
- エシラㇺキㇼ 【他動】[e-sir-amkir …によって・あたり/土地・を見知る]…によって道がわかる、 …によってその土地/地域のことがわかる。 (出典:田村、方言:沙流)
- esiramkirpa
- エシラㇺキㇼパ 【他動】[複](esiramkir エシラㇺキㇼ は単複の区別なし)(二人以上が皆)…によって道がわかる。 ru a=eráman pe ne kusu i=esiramkirpa wa ル アエラマン ペ ネ クス イエシラㇺキㇼパ ワ 私が道を知っていたので皆私のおかげで道がわかって。(KH民話) (出典:田村、方言:沙流)
- esirasirahku
- エシラシラㇵク §277 くま (55) esirasirahku (e-sí-ra-si-rah-ku)「エしラシラㇵク」 ⦅相浜⦆昔話(tu-itah)の中で‘大きなクマ’を言う (出典:知里動物編、方言:)
- esirkik
- エシㇼキㇰ 【他動】[e-sir-kik …で・あたり・をたたく] …をぶつける。 cawan esirkik wa perpa チャワン エシㇼキㇰ ワ ペㇾパ 茶わんをぶつけてこわした(目的語は茶わん。 どこにぶつけるかは言っていない)。(S) {E: to knock…(down).} (出典:田村、方言:沙流)
- esirkik
- エシㇼキㇰ 【e-sir-kik】 (手に持った物を大地へ)投げつける. プ オッタ(オㇿ タ) アン エルㇺ ア・キㇱマ ヒネ ミンタㇻ オルン ア・エシㇼキㇰ ワ ア・ライケ ア・エラムヘメスス=倉にいたネズミをつかまえて外庭で大地の上へ投げつけて殺し気分がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
- esirkikkik
- エシㇼキッキㇰ 【他動】[e-sir-kikkik …で・地面・を何回もたたく] …をバンバンと下にたたきつける。 {E: to pound, beat…down.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esirkirap
- エシㇼキラㇷ゚ 【他動】[e-sirkirap …で・つらい] …のことで難儀する(食物や着物)がなくて不自由する。 {E: to be troubled, inconvenienced by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esirkirap
- エシㇼキラㇷ゚ 【e-sirkirap】 苦労する,(〜を)嘆き悲しむ. ア・ホクフ イク ルイ ペ ネ イヨㇱキ コㇿ オラーノ サカヨカㇻ エアㇻキンネ ア・エシㇼキラㇷ゚=私の夫は飲みすぎる人で酔うと文句を言うので本当に私は苦労する.ネㇷ゚ ワ アン ペ エシㇼキラㇷ゚ ワ ネ ルウェ ネ ヤ シㇰラㇷ゚ エㇺコ コオトゥッケ カネ オカ=どんなことを嘆き悲しんでいるのか,まつげの半分が埋まるほどにまぶたがはれている[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- esirkociwe
- エシㇼコチウェ 【他動】[e-sirko-ciwe その頭(先)・強く・…を…に刺す]前からギュッと後ろへ押しつける。 en=esirkociwe no a humi an エネシㇼコチウェ ノ ア フミ アン (彼は)私の前からギュッと後ろへ押しつけて座っている。(S) {E: to push back with force from the front.} (出典:田村、方言:沙流)
- esirkopaste
- エシㇼコパㇱテ 【他動】[e-sir-kopaste その頭・あたり・にもたせかける]…をもたせかける。 a=esírkopaste no kar wa etoyta アエシㇼコパㇱテ ノ カㇻ ワ エトイタ もたせかけて植えなさい。 {E: to rest, lean something against something.} (出典:田村、方言:沙流)
- esirkopaste
- エシㇼコパㇱテ 【e-sir-ko-paste】 立てかける. (出典:萱野、方言:沙流)
- esirkunneywa
- エシㇼクンネイワ 【esir-kunneywa】 今朝. (出典:萱野、方言:沙流)
- esirosi korar
- エシロシ コラㇻ 【他動】[慣用他動詞句][不定使役][e-sirosi kor-ar …について・しるし・を持つ・人に…させる]よそへ嫁にやる。 ku=poho k=érawe p ne akusu, esirosi a=korár wa isam クポホ ケラウェㇷ゚ ネ アクス、 エシロシ アコラㇻ ワ イサㇺ なんとかしてうちの息子の嫁にもらいたいと思っていたのによそへ嫁にやられてしまった。(S) ☆参考 esirosi kor エシロシ コㇿ、 esirosi kore エシロシ コレ は未出。 {E: to another place.} (出典:田村、方言:沙流)
- esirosikar
- エシロシカㇻ 【他動】[e-sirosi-kar …について・しるし・をする] …を示す。 {E: to show, indicate…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esirotatpa
- エシロタッパ 【他動】[e-sir-otatpa …に・地・…をぶっかける][雅](次の慣用表現で)…をぶっかける。 otu siwenpa/ore siwenpa/esirotatpa オトゥ シウェンパ/オレ シウェンパ/エシロタッパ [雅](姉は)何回も何回も叱りつけおこりつける言葉を言って。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esirpes
- エシㇼペㇱ 【副】[e-sir-pes その頭・あたり・に沿って]縦に、 長さの方向に。 esirpes anu エシㇼペㇱ アヌ 縦に置きなさい。(S) {E: lengthways.} (出典:田村、方言:沙流)
- esirpici
- エシㇼピチ 【自動】[e-sir-pici その頭が・あたり・を放す]はずれる。 k=éokokte wa k=ánu a p esirpici ケオコㇰテ ワ カヌ アㇷ゚ エシㇼピチ (私が)ひっかけておいたものがはずれた。(S) {E: to miss; be wrong.} (出典:田村、方言:沙流)
- esirpicire
- エシㇼピチレ 【他動】[自動使役][esirpici-re はずれる・させる]…をはずす(ひっかかっているものを)。 rar wa ya esirpicire wa turano hetuku ラㇻ ワ ヤ エシㇼピチレ ワ トゥラノ ヘトゥク (魚をとる網が水中の何かにひっかかったから)もぐって網をはずして持って出て来なさい。(S) {E: to take off…} (S) (出典:田村、方言:沙流)
- esiru
- エシル 【複他動】[e-siru …で・…をこする] …を…でこする、 …に…をこすりつける。 {E: to rub…with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esiruine
- エシルイネ 【e-siru-ine】 陰の方を見る,上半身だけを陰の方へ向ける. アサウタリ アカㇻワオカイペ アシカイアンヤッ イェパワオラーノ エシルイネ シキリパピトゥントゥンケパ=私の姉たちは,私の縫った物を上手だ上手だと言ってから,陰の方を向いて声を立てずにくすくすと笑っている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- esiruoka-onuitara
- エシルオカオヌイタラ 【他動】[e-si-ru-oka-o-nu-itara …で・自分・通って来た道・のあと・に・聞こえる・(状態が続いていることを表す接尾辞)]…が自分の(進んで来た)後ろの方に聞こえている。(W神謡K) ☆発音 ruoka ルオカ《通って来たあと》は日常話すときは ruwoka ルウォカ、 歌っているために ruoka ルオカ と言っている。 (出典:田村、方言:沙流)
- esirutum
- エシルトゥㇺ 【名】[接頭+位名][e-si-ru-tum …で・自分・すじ(髪)・の中](次の表現で)esirutum ta nuyna エシルトゥㇺ タ ヌイナ[雅]…を頭飾りをかぶって自分の中に隠す。 nupur pe sóne/nupur cannoye p/esirutum ta/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプッ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺ タ/ヌイナ カネ [雅]本当に霊力のあるものだがその現れを頭飾りをかぶって自分の中に隠して。(Sユーカラ語り) ☆参考 同じことを同じ歌い手が別のところで esirutumka-nuyna エシルトゥㇺカヌイナ、 esirutumka-seske エシルトゥㇺカセㇱケ とも言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esirutumka-nuyna
- エシルトゥㇺカヌイナ 【他動】[e-si-ru-tum-ka-nuyna …に・自分・すじ(髪)・の中・の上(?)・…を隠す][雅]頭飾りをかぶって…を自分の中に隠す。 nupur pe sóne/nupur cannoye p/esirutumka/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/ヌイナ カネ [雅]本当に霊力のあるものだが霊力の現れを自分の中に隠して。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 ka は副助詞《も》で、 この動詞自体は esirutum-nuyna エシルトゥㇺヌイナ かもしれない。 ☆参考 同じユーカラの語りの中で、 同じことを esirutum ta nuyna エシルトゥㇺ タ ヌイナ と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esirutumka-seske
- エシルトゥㇺカ セㇱケ 【他動】[e-si-ru-tum-ka-seske …に・自分・髪・の中・も(?)・おおう][雅]頭飾りをかぶって…を自分の中に隠す。 nupur pe sóne/nupur cannoye p/esirutumka/seske kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/セㇱケ カネ [雅]霊力のあるものにまちがいない、 霊力があるものであることを頭かざりをかぶっておおいかくしている。(Sユーカラ) ☆参考 ka カ は副助詞《も》で、 この動詞自体は esirutum seske エシルトゥㇺ セㇱケ かもしれない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esiruwoka-kohoppa
- エシルウオカ コホッパ 【他動】[e-si-ruwoka-ko-hoppa …に・自分・の死後・に・…を置いて去る]…を自分の死後に残す。 a=esíruwoka/kohoppa kuni p/e=ne ruwe ne アエシルウォカ/コホッパ クニㇷ゚/エネ ルウェ ネ (天に帰る私は)お前をこの世に残して行く。(W神謡語り) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 {E: after one's death.} (出典:田村、方言:沙流)
- esiruyne
- エシルイネ 【esiruyne】 奥の方. オ.タアン ノタコㇷ゚ エシルイネ ウカオ ワ アヌ=はい.この刃物を奥の方にしまっておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
- esirwano
- エシㇼワノ 【esir-wano】 朝から. ホッノ イヨーハイ エシㇼ ワノ アン ルヤンペ レラ コタㇺケノ シㇼ スッスㇽケ カネ ア・シトマ ノ アン レラ=本当に大変だ.朝からの大雨,風も加わって暴風雨だ.恐ろしいような風だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- esiryakaka
- エシㇼヤカカ 【e-sir-yakaka】 荒っぽいやり方をする. イヨーハイ シトマレ ネㇷ゚ ワ アン ペ ウウェサッチュー シリ ネヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ) コㇿカ ウㇰペ エシㇼヤカカ=本当に恐ろしい.何を理由にお互いにあたり散らす様子なのか知らないけれど,取る物をも荒っぽいやり方をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
- etasiriarun
- エタシリアルン 【動詞】(不明。 「eci=asunankarun エチアスナンカルン《あなたたちは同衾した》のことか?」との古老の説明がある。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etusirkar
- エトゥシㇼカㇻ 【他動】[e-tusir-kar に・墓・…をつくる/する] …を墓に埋める、 …を埋葬する。 a=etúsirkar wa isam アエトゥシㇼカㇻ ワ イサㇺ (死者を)お墓に埋めてしまった。(S) {E: to bury… in a grave.} (出典:田村、方言:沙流)
- etusirkar
- エトゥシㇼカㇻ 【e-tusir-kar】 埋葬する,葬る,埋(い)ける.▷エ=それ(死体)で トゥシㇼ=墓 カㇻ=作る フチ オンネ エトㇰタ エネ ハワニ ムニンニ ホラㇰ コラーチ パハウ サㇰノ コンネ(ク・オンネ) オカー シコㇿ パテㇰ ハウェアン ペ ネ アクス レンカ ピ(ㇷ゚ ヒ) コラチ オンネ.コタン エウン ウタㇻ ウウェカㇻパ ア・エトゥシㇼカㇻ ペ ネ ア ワ=祖母が死ぬ前に言っていた言葉は朽ち木が倒れるように噂もなく死にたいものだ,とばかり言っていたものであったが希望通りに死んだ.村人全部が集まって埋葬してくれたものだったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ewaksirorke
- エワㇰシロㇿケ 【ewak-sir-orke】 (神が)鎮座する所. (出典:萱野、方言:沙流)
- eyay'ocisicisire
- エヤイオチシチシレ 【e-yay-o-cisi-cisi-re】 大儀になる. オンネ・アン コㇿ ヘル ウコアㇷ゚カㇱ ポカ ケヤイオチシチシレ(ク・エヤイオチシチシレ) ク・ケマハ カ アㇻカ=年をとるとただの往来も私自身大儀になっだ,足も痛いし. (出典:萱野、方言:沙流)
- eyayenusasire
- エヤイエヌサシレ 【e-yay-enusasire】 気をまぎらす. ク・ミッポホ ウタㇻ アン クスケライ ケヤイエヌサシレ(ク・エヤイエヌサシレ) ワ カン(ク・アン)=私の孫たちのお陰で気をまぎらせていることができる. (出典:萱野、方言:沙流)
- eyaykosiramsuye
- エヤイコシラㇺスイェ 【他動】[単](複は eyaykosiramsuypa エヤイコシラㇺスイパ) …を考える。 ☆参考 形の上では単数形と複数形の一対のようだが、 違いははっきりしない。 沙流川下流のワテケさん・サダモさんは日常会話では複数形を使う。 ☞yaykosiramsuye ヤイコシラㇺスイェ[自動] {E: to think about, consider…} (出典:田村、方言:沙流)
- eyaykosiramsuypa
- エヤイコシラㇺスイパ 【他動】[複](単は eyaykosiramsuye エヤイコシラㇺスイェ)[複]…を考える、 …を考えに考える。 ☆参考 複数形の形だが、 沙流川下流のワテケさん・サダモさんは日常会話では単数形を使わずいつもこの複数語尾 -pa パ のついた形ばかりを使う。 しかし中流の人の中には日常会話で単数形を使う人もいる。 ☞yaykosiramsuypa ヤイコシラㇺスイパ[自動] {E: to think about, consider…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyaypokisir-karkar
- エヤイポキシㇼカㇻカㇻ 【他動】[e-yay-poki-sir-karkar …で・自分・下の方・様子・…を整える][雅](きゃはん)を足につける。 kinatuyehos/a=eyáypokisir/karkar kane キナトゥイェホㇱ/アエヤイポキシㇼ/カㇻカㇻ カネ [雅]きゃはんをきちっと足につけて。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hotkeosirepare
- ホッケオシレパレ 【自動】[hotke-o-sirepa-re 寝る・に・到る・させる] すっかり寝てしまう。 {E: to be sound asleep.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- i=sirkootke
- イシㇼコオッケ 【i=sir-ko-otke】 大地とともに刺された.▷イ=私を シㇼ=大地 コ=ともに オッケ=刺す (出典:萱野、方言:沙流)
- ikor sir esiniwka
- イコㇿ シㇼエシニューカ 【ikor sir esiniwka】 宝物がその土地にあきた. ピㇼカ イコㇿ ア・コㇿ ワ アナナㇷ゚(アン・アン アㇷ゚) シネアンタ コイカ ウン クㇽ エㇰ ヒネ イ・コホㇰ ルスイ イコㇿ シㇼエシニューカ ヒネ クニ ア・ラム クス ア・エイヨㇰ ルウェ ネ=いい宝物を私は持っていたが,ある日,東の方の人が来て私からそれを買いたい(と言う),宝物がここの土地にあきたのであろうと,私は考えたので私はその宝を売ったのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- isirkor
- イシㇼコㇿ §011.身内 血縁の者(15)isirkor〔i-šír-kor イしㇼコㇿ〕⦅ホロべツ、ムカワ⦆同民族である。〜-pe「同民族の者」。[i-(それの)+sir(様子、外貌)+kor(もつ)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- isirkurantere
- イシㇼクランテレー 【isirkurantere】 あきれてしまった,たまげてしまった. ホッノ イヨーハイ イシㇼクランテレー.スイ ウェンプリ コㇿ ハウェー? オトゥスイ レスイ ア・ヨㇺネレ ヤッカ ソモ ヨㇺネノ=まあまああきれてしまった.また悪いことをしたの?2回3回懲りさせられても懲りもせずに. (出典:萱野、方言:沙流)
- isiru
- イシル 【自動】[i-siru もの・をこする] 他の物にすれる。 {E: to rub (against).} (出典:田村、方言:沙流)
- isiruca
- イシルチャ §067 サケ あきあじ、あきやじ 川(31) isiru-ca(i-si-ru-ča)「イシルチャ」[<i(ものが)siru(こすった)ca(雄魚)]オスのホッチャリ。⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- isirucep
- イシルチェㇷ゚ §067 サケ あきあじ、あきやじ 川(30) isiru-cep(i-sí-ru-cep)「イしルチェㇷ゚」いわゆるホッチャリ。⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- isirukina
- イシルキナ §421 トクサ (2) isirukina (i-sí-ru-ki-na)「イしルキナ」[i(物を)siru(こする)kina(草)] 茎 ⦅落帆⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- isiruos
- イシルオㇱ §067 サケ あきあじ、あきやじ 川(32) isiru-os(i-sí-ru-os)「イしルオㇱ」[<i(ものが)siru(こすった)os(雌魚)]メスのホッチャレ。⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- itakturasire
- イタㇰトゥラシレ 【他動】[itak-turasi-re 言葉を・(長いもの)に沿って上へのぼって行く・させる](用例では)(炉ぶちの木)に沿ってまじないの言葉を下座から上座へ向けてはわせる。 oharkisoun wa inumpe turasi a=itákturasire, osisoun wa inunpe a=itákturasire オハㇻキソウンマ イヌンペ トゥラシ アイタㇰトゥラシレ、 オシソウンマ イヌンペ アイタㇰトゥラシレ 左座から炉ぶちの木に沿ってまじないの言葉を下座から上座へ向けてはわせ、 右座から炉ぶちの木に沿って下座から上座へ向けてまじないの言葉をはわせた。 《平取HK民話》 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kamuy mosir
- カムイ モシㇼ 【名】[神・国] 神の国、 天国。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kamuy sirika koro
- カムイ シリカ コロ §426.しろなまず;尋常性白斑kamuy sirika koro〔ka-múǐ-ši-rí-ka-ko-róカむイ・シ哩カ・コろ〕[神・面・持つ]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kamuy sirine an
- カムイ シリネ アン 【kamuy sirine an】 立派だ:神の如き. (出典:萱野、方言:沙流)
- kamuymosir
- カムイモシㇼ 【kamuy-mosir】 神の国. (出典:萱野、方言:沙流)
- kannamosir
- カンナモシㇼ 【名】[kanna-mosir 上の・国] 天国、 神が住むとされる上天の国。 {E: heaven.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kannamosir
- カンナモシㇼ 【kanna-mosir】 地上世界.▷カンナ=上 モシㇼ=国土 *これに対しポㇰナモシㇼ=裏の国土という人間が死んでから行く世界があると考えられている. (出典:萱野、方言:沙流)
- kantorimosir
- カントリモシㇼ 【名】[kanto-ri-mosir 天・高い・国] 空のさらに上の世界(天)。 {E: heaven.} (出典:田村、方言:沙流)
- karisirpatek
- カリシㇼパテㇰ 【kari sir patek】 ちらっと. (出典:萱野、方言:沙流)
- kasiramu
- カシラム 【kasi-ramu】 案ずる.▷カシ=上 ラム=思う (出典:萱野、方言:沙流)
- kasirari
- カシラリ 【kasi-rari】 その上,つづけて.▷カシ=上 ラリ=詰める オトゥ イキンネ オレ イキンネ ア・チㇱテ ハウェ オナハ カシラリ ウヌフ カ オンネ ハウェ ア・エランポㇰウェン=2回も3回も泣かされて,父が死んだその上へ母も亡くなったとか,気の毒な. (出典:萱野、方言:沙流)
- kasirariarpa
- カシラリアㇻパ 【kasi-rari-arpa】 すぐ後へ行く.▷カシ=上 ラリ=詰める アㇻパ=行く (出典:萱野、方言:沙流)
- kaysir(-i)
- カイシㇼ §224.からだ(体);躯幹(12)上体 kaysir(-i)〔káǐ-šir カイシㇼ〕[<kan(上方の)+sir(<ser 部分、半分)]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- kesirekari
- ケシレカリ 【kes-sir-e-kari】 放浪する,遊び歩く:多くの場合は村を捨てて放浪することをいうが,近所へ遊び歩くこともいう.▷ケㇱ=おしまい シㇼ=あたり エ=それ カリ=回る →あたりをぐるぐる回る (出典:萱野、方言:沙流)
- kesirekarip
- ケシレカリㇷ゚ 【kes-sir-e-kari-p】 放浪者.▷ケㇱ=おしまい シㇼ=あたり エ=それ カリ=回る ㇷ゚=者 イヨーハイ アウン アチャポ フナクン ケシレカリ ㇷ゚ コラチ アㇻパ ワ イサㇺ マチヒ ヘカッタㇻ エㇷ゚ カ イサㇺ=あきれてしまったよ,隣のおじさん.どこかへ放浪者のように行ってしまい妻や子供たちは食べるものもない. (出典:萱野、方言:沙流)
- kimunsiratki
- キムンシラッキ 【kim-un-siratki】 狐の頭の神:狐の頭骨,イナウキケ(スス). 図[キムンシラッキ] (出典:萱野、方言:沙流)
- kiosirotke
- キオシロッケ 【ki-o-sir-otke】 カヤ束を縦に持って,どすんどすんと大地に突き立てて根本を揃えること. ▷キ=カヤ オ=それ シㇼオッケ=地面を突く *シキ(オニガヤ),サㇻキ(ヌマガヤ),スㇷ゚キ(ノガヤ),キ(カヤ)の総称(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- kisirini
- キシリニ §224 ノリウツギ (5) kisiri-ni (ki-sí-ri-ni)「キしリニ」[きせる・木] 茎 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- koposiresikte
- コポシレシㇰテ 【他動】[ko-po-sir-e-sik-te …に・子・あたり/地上・(それ)で・満ちる・させる] …との間に子どもがたくさん生まれる。 ☆参考 ukoposiresikte ウコポシレシㇰテ 二人の間に子どもがたくさんできる。 ☞pósiresikte ポシレシㇰテ {E: to bear many children between…and…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kosimpukosirkakor
- コシンプコシㇼカコㇿ §174.顔色が白い;色白である(4)妖精のように白い顔をしている kosimpu-ko-sirka-kor〔ko-ším-pu-ko-šír-ka-kor コしンプ・コ・しㇼカ・コㇿ〕[kosimpu(妖魔、色が白いと考えられているもの)+ko(と同じ)+sirka(容貌を)+kor(もの)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kosimpusirka
- コシンプシㇼカ 【kosimpu-sirka】 妖精容貌:コシンプというのは海の妖精で,絶世の美女または美男を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
- kosiramsuye
- コシラㇺスイェ 【ko-si-ram-suye】 思う,考える,思いめぐらす. (出典:萱野、方言:沙流)
- kosiramuisamte
- コシラムイサㇺテ 【ko-siramu-isam-te】 とぼける,無頓着である. トランネㇷ゚ アナㇰネ ネㇷ゚カ ア・イェ コㇿ クニネ アンペ アナㇰネ ソモ ヌ アーペコㇿ コシラムイサㇺテ ㇷ゚ ネ ナ=骨惜しみをする者は何か言っても話によっては聞こえないふりをしてとぼけるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kosiramuysamte
- コシラムイサㇺテ 【他動】[ko-si-ramu-isam-te …に対して・自分・心[所]・ない・させる](ramuysam ラムイサㇺ は《わからない》、 si-…-re シ…レ は《…する/であるかのように見せる》。)知らんぷりをする、 わからない/聞こえないふりをする。 ene hawean korka ku=kosiramuysamte wa somo ku=nu ápekor k=an エネ ハウェアン コㇿカ クコシラムイサㇺテ ワ ソモ クヌ アペコㇿ カン 彼はそんなことを言っていたけれど私は知らんぷりをして聞こえないふりをしていた。(S) {E: to pretend not to hear, know…} (出典:田村、方言:沙流)
- kosiratki
- コシラッキ 【他動】[ko-siratki …に・(?)] …をお守りにする。 néa isokapiw a=kosíratki rusuy kusu ネア イソカピウ アコシラッキ ルスイ クス そのアホウドリをお守りにしたいから。(HK民話) {E: to make…a lucky charm.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kosiratkikor
- コシラッキコㇿ 【ko-siratki-kor】 (それを)守り神とする. クンネチロンヌㇷ゚ アナㇰネ パセ カムイ ネ クス ア・ウㇰ ヒ タ アナㇰネ サパハ ア・コシラッキ コㇿ ア・エマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ=黒狐は位の高い神なので,獲った場合にはその頭を神として祭れば運がよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- kosiraye
- コシライェ 【他動/後副】[ko-si-raye …の方に・自身を・行かせる] …の方へ寄る。 apekesutur kosiraye no móno a=an アペケストゥㇽ コシライェ ノ モノ アアン 私は木尻座(下座)の方へ寄って座った。(W民話) {E: to drop by…; come towards…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kosirepa
- コシレパ 【他動】[ko-sirepa …に・到着する] …に到着する、 …の所まで行き着く。 ney pak paye=an yakka siyetokun maciya a=nukár kor a=kosírepa ka koyaykus ネイ パㇰ パイェアン ヤッカ シイェトクン マチヤ アヌカㇻ コㇿ アコシレパ カ コヤイクㇱ どこまで行っても先に町が見えているけれどなかなか着かない。(S) {E: to arrive at, reach…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kosirepa
- コシレパ 【ko-sir-epa】 到着した.▷コ=それに シㇼ=あたり,所,場所 エパ=着く,至る (出典:萱野、方言:沙流)
- kosirerikor
- コシレリコㇿ 【ko-sireri-kor】 ほかのことを口実に,かこつける. オㇺケカㇻヒ コシレリコㇿ=風邪を口実に.アヤイアンヒ コシレリコㇿ=赤子がいることにかこつけて. (出典:萱野、方言:沙流)
- kosirerma
- コシレㇾマ 【後副】…のついでに、 …するついでに。 kesto kunneywa pisno ewonne kosirerma wakka omare ranke ケㇱト クンネイワ ピㇱノ エウォンネ コシレㇾマ ワッカ オマレ ランケ 毎日朝ごとに(毎朝)顔を洗うついでに(花瓶に)水を入れなさい。(S) {E: while one is at (about) doing…; while one has the occassion to do…} (出典:田村、方言:沙流)
- kosirkokunne
- コシㇼコクンネ 【ko-sir-ko-kunne】 (〜によって)暗くなった.▷コ=それ(仕事)で シㇼ=あたり コ=に クンネ=黒い,暗い トゥナㇱ コケレ(ク・オケレ) クナㇰ ク・ラム コㇿ ク・イチャ ア コㇿカ チュㇰ アナㇰネ ト タㇰネ ㇷ゚ ネ クス ク・コシㇼコクンネ=早く終わると思いながら私は穂ちぎりをしていたが,秋は日も短いものだから(その仕事によって)暗くなってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- kosirsiru
- コシㇼシル 【ko-sirsiru】 こする. (出典:萱野、方言:沙流)
- kotansitcire mosirsitcire oypepi poro
- コタンシッチレ モシㇼシッチレ オイペピ ポロ 【kotan-sir-cire mosir-sir-cire oypepi poro】 村を焼き国土を焼き使うお椀の大きい人:ポンヤウンペの別名.敵側からの悪口[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- Kunasir
- クナシㇼ 【名】[地名] 国後。 {E: place name.} (出典:田村、方言:沙流)
- makuysir
- マクイシㇼ 【mak un sir】 古い時代. マクイシㇼ ワノ アイヌ アナㇰ オカ=古い時代からアイヌはいた. (出典:萱野、方言:沙流)
- mamesirma
- マメシㇼマ 【名】[mame-sirma 豆・くず][植物] まめくず(くずのように小さな豆)。 {E: pieces of beans.} (出典:田村、方言:沙流)
- mawsiro
- マウシロ 【自動】[maw-sir-o 息・あたり・に入れる](?) 口笛を吹く。 {E: to whistle.} (出典:田村、方言:沙流)
- mawsiro
- マウシロ 【maw-siro】 口笛を吹く. (出典:萱野、方言:沙流)
- mawsiro(-an)
- マウシロ §264.くちぶえ(口笛)[吹く](3)mawsiro(-an)〔máŭ-ši-ro まウシロ〕[maw(呼気)+sir-o(外え出る)]⦅テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- mawsirocir
- マウシロチㇼ 【名】[mawsiro-cir 口笛を吹く・鳥][動物]「アメフリドリ」(「雨降りが近くなるとよく鳴く、 ピーと口笛のような声で鳴く」)。(S) 〔知分類になし〕 {E:a type of bird.} (出典:田村、方言:沙流)
- menoko sirpo a=uwosmare
- メノコ シㇼポ アウウォㇱマレ 【menoko-sirpo a=osmare】 娘として成人した. (出典:萱野、方言:沙流)
- menokopokisir
- メノコポキシㇼ 【menoko-pokisir】 陰門. (出典:萱野、方言:沙流)
- mimisiratek
- ミミシラテㇰ §080 サバ (2) mimisiratek(mi-mí-si-ra-tek)「ミみシラテㇰ」[mimi(その肉)sirattek(<sirar-tekしまっている)]成魚⦅礼文⦆サバ。 (出典:知里動物編、方言:)
- mosir
- モシㇼ 【名】[< mo-sir 小さい(?)/静かな・地]国土、 島、 地(広い範囲の大きなまとまった土地を言う。 一つの国を指すこともあり、 広く世界全体を指すこともある。 神の国、 人間の国等の「国」をも指し、 また、 せまく言うときは、 一つの島、 一つの地方を指すこともある。 kotan コタン が人の集まって住んでいる所、 つまり村や集落、 あるいは村々の集まり(地域)等を表すのに対し、 mosir モシㇼ は、 人が住んでいても住んでいなくても言う)。 a=kor mosir アコㇿ モシㇼ 私たちの国土(北海道を指すこともあり、 日本を指すこともある)。 aynu mosir アイヌ モシㇼ (神の国に対して)人間の国、 (sísam mosir シサㇺ モシㇼ に対して)アイヌの国(多くの場合北海道を指す)。 kamuy mosir カムイ モシㇼ 神の国、 天国。 kanna mosir カンナ モシㇼ 天の国(=神の国)。 repun mosir レプン モシㇼ 沖の島=海外(本州等も外国も含む)。 samor mosir サモㇿ モシㇼ 本州。 sísam mosir シサㇺ モシㇼ 和人の国(多くの場合、 本州以南を指す。 また北海道の中で交易相手の和人の住んでいた地方を指すこともある)。 mosir hoppa モシㇼ ホッパ (=mosiroppa モシロッパ)世を去る、 (身分のある人や敬われている人などが)亡くなる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosir
- モシㇼ 【mosir】 静かな大地,国,国土,島.▷モ=静か シㇼ=大地 アイヌモシㇼ=人間の静かな大地. *アイヌ民族は自分たちが暮らしていたこの地(今の呼び名は北海道)をアイヌモシㇼと呼んでいた. (出典:萱野、方言:沙流)
- mosir esatsatkei
- モシㇼ エサッサッケイ 【mosir e-sat-satke-i】 国土砂漠,砂漠の国. ▷モシㇼ=大地,島,国土 エ=それ サッサッケ=乾き イ=所 *悪い神が追放される砂漠の国[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- mosir-kar-kamuy
- モシㇼカㇻカムイ 【名】[mosir-kar-kamuy 国/地・をつくる・神] 国づくりの神。 {E: the god who makes the land.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Mosir-sitcire
- モシㇼシッチレ 【名】[< mosir sir-ci-re 国/土地/国土・地・焼ける・させる](原義は)国土を焼く(ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公の呼び名の一部)。 ☞Kotan-sitcire コタンシッチレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosircupka
- モシㇼチュㇷ゚カ 【mosir-cup-ka】 東の方. (出典:萱野、方言:沙流)
- mosircuppok
- モシㇼチュッポㇰ 【mosir-cup-pok】 西の方. (出典:萱野、方言:沙流)
- mosirhoppa
- モシㇼホッパ 【mosir-hoppa】 死ぬ.▷モシㇼ=国土 ホッパ=残す ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に,言うところの水にうるかした昆布と同じであったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
- mosirkar
- モシㇼカㇻ 【名】[mosir-kar 国/地・をつくる] 国土をつくる(=mosir kar モシㇼ カㇻ)。 {E: a country; a territory.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosirkes
- モシㇼケㇱ 【位名】[mosir-kes 国土・の末端]国の下(しも)の端=西の方。 mosirkes unma/mosirpa unma/モシㇼケスンマ/モシㇼパ ウンマ [雅]国の下(しも)の端へ国の上(かみ)の端へ(=西へ東へ)。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosirkor
- モシㇼコㇿ 【自動】[mosir-kor 地・を持つ] 土地/島を持つ。 {E: to have, own land, an island.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosirkorkamuy
- モシㇼコㇿカムイ §334 シマフクロウ (8) mosir-kor-kamuy (mo-sír-kor-ka-muy)「モしㇼコㇿカムイ」[<mosir(国土)kor(を所有する)kamuy(神)] ⦅幌別⦆【雅】 (出典:知里動物編、方言:)
- mosiro
- モシロ 【名】[< 日本語]むしろ(筵)。 {E: a straw mat.} (出典:田村、方言:沙流)
- mosiroppa
- モシロッパ 【他動】[mosir-hoppa 世・から去る](大事な惜しい人が)亡くなる、 世を去る。 mosiroppa yak a=ye モシロッパ ヤカイェ お亡くなりになったそうだ。(S) {E: to die; pass away.} (出典:田村、方言:沙流)
- mosiroppa
- モシロッパ 【<mosir-hoppa】 死ぬ,世を去る. (出典:萱野、方言:沙流)
- mosiroppa
- モシロッパ §389.しぬ(死ぬ)(6)死ぬ mosiroppa〔mo-ší-rop-pa モしロッパ〕[mosir(国土を)+hoppa(後え残す)]⦅チカブミ、ミツイシ、タカエ、ハルダチ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- mosirpa
- モシㇼパ 【位名】[mosir-pa 国土・の上(かみ)の方]国の上(かみ)=東の方。 mosirpa unma/mosirkes unma モシㇼパ ウンマ/モシㇼケスンマ [雅]東へ西へ。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Mosirpasari
- モシㇼパサリ 【名】[mosir-pa-sari 国・の上(かみ)(=東)・の葦原][地名]北見の斜里地方。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Mosirpasarihi
- モシㇼパサリヒ 【名】[mosir-pa-sarihi 国・の上(かみ)(=東)・の葦原][地名](=Mosirpasari モシㇼパサリ) 北見の斜里地方。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosirsinnaisam
- モシㇼシンナイサㇺ 【mosir-sinna-isam】 国土の他にいる化け物. テエータ モペッ タ モシㇼシンナイサㇺ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ オハインカㇻ クㇽ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ポロ ペコ ネノ アン レタㇻ ウㇱケ クンネ ウㇱケ アン ペ ネ シコㇿ ク・イヌ アㇺキㇼ=ずうっと昔,山門別村に,国土の他にいる化け物という恐ろしい物の幻を見た者がいたという,大きい牛のような姿をしていて白と黒のまだらのものだと聞いたことがある.*人によっては,頭も足もない馬のようとか,白黒まだらの牛のようなものという.これを見たら長生きしないか不運になるという. (出典:萱野、方言:沙流)
- mosirso
- モシㇼソ 【名】[mosir-so 国土・広がりを持つ所] kanto or wa/mosirso ka ta/rán=an ruwe カント オㇿ ワ/モシㇼソ カ タ/ラナン ルウェ [雅]天から地上に降りて来ましたが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosirumake
- モシルマケ 【自動(?)】[mosir-umake 国土・(?)](次の文脈で)mosirumake/semkoraci モシルマケ/セㇺコラチ [雅]国も割れてしまいそうなすごい音を響かせて。(Sユーカラ) toni unma/tani unma/apkas hum ko/mosirumake/semkoraci/apkas ranke トニ ウン マ/タニ ウン マ/アㇷ゚カㇱ フㇺ コ/モシルマケ/セㇺコラチ/アㇷ゚カㇱ ランケ [雅]あちらのほうへこちらのほうへ歩く音が国も割れてしまいそうにものすごい歩き方で歩きまわります。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosirun
- モシルン 【mosir-un】 国土へ.▷モシㇼ=国土 ウン=へ (出典:萱野、方言:沙流)
- mosiruncikah
- モシルンチカㇵ §368 ウミガラス:オロロンチョウ:ロッペンチョウ (1) mosir-un-cikah (mo-sí-run-ci-kah)「モしルンチカㇵ」[‘島・にいる・鳥’] ⦅多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- muhsireciw
- ムㇷシレチウ §517.つまずく;のめる(2)のめって腹ばいになる muhsireciw〔muh-ši-re-čiŭ むㇷシレチウ〕[muh(<muk 胸)+sir(地)+e(に)+ciw(つく)]⦅S.⦆【雅―遺篇, pp.106, 113, 122】 (出典:知里人間編I、方言:)
- munsirma
- ムンシㇼマ ☞muysirma ムイシㇼマ (出典:田村、方言:沙流)
- muysirma
- ムイシㇼマ 【名】[mun-sirma ごみ・くず] 細かいごみくず。 {E: fine dust etc.} (出典:田村、方言:沙流)
- naa siran kor
- ナア シラン コㇿ 【na sir an kor】 しばらくしてから. (出典:萱野、方言:沙流)
- nitaysakmosir cikapsakmosir
- ニタイサㇰモシㇼ チカㇷ゚サㇰモシㇼ 【nitay-sak-mosir cikap-sak-mosir】 森も林もなく鳥もいない国土.*アイヌが暮らしている国土とは違う所の国土だとアイヌは考えていて,悪い化け物を追放する所.砂漠のような所を想像した. (出典:萱野、方言:沙流)
- notakam(-i)(a-)sirkokik
- ノタカㇺ(アシㇼコキㇰ §692.頬を張る(1)notakam(-i)(a-)sirkokik〔no-tá-kam|šír-ko-kik ノたカㇺ・しㇼコキㇰ〕[ノタカㇺ(頬肉)、シㇼコ(ぴしゃっと)、キㇰ(打つ)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- oasire
- オアシレ 【oasi-re】 始めさせる. ネㇷ゚キ オアシレ=仕事を始めさせた. (出典:萱野、方言:沙流)
- ohasir
- オハシㇼ 【名】[oha-sir 空の・あたり] 留守の所、 だれもいない家。 ohasir an オハシㇼ アン 留守である(家の中にだれもいない)。 ohasir hoppa オハシㇼ ホッパ 家を留守にする、 家を出てよそへ出かける。 tane sine pa emko ka ohasir hoppa pe ne kusu タネ シネ パ エㇺコ カ オハシㇼ ホッパ ペ ネ クス もう半年も家を留守にしていたので。(W民話) {E: a house with no one at home.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ohasir
- オハシㇼ 【oha-sir】 空き家. (出典:萱野、方言:沙流)
- ohasir'an
- オハシㇼアン 【oha-sir-an】 留守だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ohasir'un
- オハシㇼウン 【oha-sir-un】 留守番(する).▷オハ=から シㇼ=あたり ウン=住む (出典:萱野、方言:沙流)
- ohasir'unte
- オハシㇼウンテ 【oha-sir-un-te】 留守番させる. タネポ ヘカッタㇻ パテㇰ ネ ワ コハシㇼウンテ(ク・オハシㇼウンテ) ㇷ゚ ネ クス エアㇻキンネ ク・シオカエポタラ コㇿ ケㇰ(ク・エㇰ) ヒ ウン=今初めて子供らだけで留守番をさせたので,とっても留守を案じながら私は来たのよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ohasir(i)ke
- オハシㇼケ/オハシリケ 【名】[oha-sir-ke 空の・あたり・所] 留守の所、 だれもいない家。 ohasir(i)ke an オハシㇼケ/オハシリケ アン 留守だ(家の中にだれもいない)。 {E: an empty house.} (出典:田村、方言:沙流)
- ohasir-hoppa
- オハシㇼホッパ 【自動】[ohasir-hoppa 留守の家・を残して去る] 家を留守にする。 tane sine pa emko ka ohasir-hoppa pe ne kusu タネ シネ パ エㇺコ カ オハシㇼホッパ ペ ネ クス もう一年以上も家を留守にしていたので。(W民話) (出典:田村、方言:沙流)
- ohasirepunkine
- オハシレプンキネ 【自動】[ohasir-epunkine 留守・を守る]留守番する。 ohasirepunkine wa en=kore オハシレプンキネ ワ エンコレ 留守番してください。(W) {E: to stay behind; look after a house while others are out.} (出典:田村、方言:沙流)
- ohasirne
- オハシㇼネ 【oha-sir-ne】 留守である. エオロハンケコ テパㇰノ ケㇰ(ク・エㇰ) ワ ウナㇻペ オハシㇼネ フナッケ クス ケㇰ(ク・エㇰ) ペ アン=こんなに遠い所,ここまで私が来て,おばさん留守なの,なんのために来たものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ohasirpunkine
- オハシㇼプンキネ 【oha-sir-punkine】 留守番する. (出典:萱野、方言:沙流)
- oimanit-turasire
- オイマニットゥラシレ 【他動】[o-imanit-turasi-re その尻・焼き串・…に縦に沿う・させる][雅](魚)に焼き串を(縦に)さす。 ☞oturaste オトゥラㇱテ (出典:田村、方言:沙流)
- oisiru
- オイシル §067 サケ あきあじ、あきやじ 川(28) oisiru(o-i-si-ru)「オイシル」[<o(尻)i(もの)siru(こする)、‘尻を・ものが・こする’]⦅礼文、虻田、幌別、穂別、沙流、東静内⦆産卵後の尾のすり切れたサケ。真っ白くなったサケ。 (出典:知里動物編、方言:)
- oisirucep
- オイシルチェㇷ゚ §067 サケ あきあじ、あきやじ 川(29) oisiru-cep(o-í-si-ru-čep)「オいシルチェㇷ゚」[<o(尻)i(もの)siru(こする)cep(魚)、‘尻を・ものが・こすった・魚’]産卵後の尾のすり切れたサケ。⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- okkayo sirpo a=uosmare
- オッカヨ シㇼポ アウオㇱマレ 【okkayo sirpo a=u-osma-re】 男として成人した:成人男子としての風貌が備わった.▷オッカヨ=男 シㇼポ=様子 ア=私 ウ=互い オㇱマレ=入れる (出典:萱野、方言:沙流)
- ore sasuysir
- オレ サスイシㇼ 【名】(次の慣用句の中で) otu sasuysir ore sasuysir céomare オトゥ サスイシㇼ オレ サスイシㇼ チェオマレ 二十代にも三十代にもわたって。(W) {E: through many generations.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osiraye
- オシライェ 【他動】[単](複は osiraypa オシライパ)[o-si-raye そこに・自身・を行かせる/来させる[単]] …に行く/来る/入る/出る。 hur tapka a=osíraye フッ タㇷ゚カ アオシライェ 山の頂上まで上がった。(KK民話) porke imakake a=osíraye ポㇿケ イマカケ アオシライェ 私は掘割の向こう側に渡った。(HK民話) cip sinenne rep osiraye kor an na ikiya mom na チㇷ゚ シネンネ レㇷ゚ オシライェ コラン ナ イキヤ モㇺ ナ 舟が一人で(だれもこがないのに)沖の方へ向かって行くよ、 流れてしまわなければいいがなあ。(S) {E: to go to…; come from…; enter, leave…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osiraypa
- オシライパ 【他動】[複](単は osiraye オシライェ)(二人以上が/神が)…に行く/来る/入る/出る。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osirepa
- オシレパ 【自動(?)】[o-sir-epa その尻が・地・に着く] すっかり終る、 終了する。 iku osirepa pakno イク オシレパ パㇰノ 酒宴が終わるまで。 HC神謡の最後の語りの部分 {E: to finish completely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osirkaociw
- オシㇼカオチウ 【自動】[o-sir-ka-o-ciw その尻が・地・の上・に・ささる]下につかえる。 {E: for the bottom of something to touch the ground.} (出典:田村、方言:沙流)
- osirkatki
- オシㇼカッキ 【自動】[o-sir-kat-ki その尻・地・あり方・する](?) 一カ所に落ち着いている。 oyak péka patek kú=iki wa k=ósirkatki ka somo ki オヤㇰ ペカ パテㇰ クイキ ワ コシㇼカッキ カ ソモ キ 私は旅行ばかりしていてちっとも一カ所に落ち着いていない。(S) {E: to settle down in one place.} (出典:田村、方言:沙流)
- osirkoanpa
- オシㇼコアンパ 【他動】[o-sirko-anpa その尻を・強く・手で持つ]無理やり引き止める。 c=ósirkoanpa yakka arpa tóho ek yakun nani arpa wa isam nankor チョシㇼコアンパ ヤッカ アㇻパ トホ エㇰ ヤクン ナニ アㇻパ ワ イサㇺ ナンコㇿ 私たちが強く引き止めても(この人は)行く日が来たらすぐ行ってしまうでしょう。(S) {E: to forcibly keep back…} (出典:田村、方言:沙流)
- osirkokunne
- オシㇼコクンネ 【o-sir-ko-kunne】 暗くなってしまった. トゥナㇱ ノ コケレ(ク・オケレ) クナㇰ ク・ラム ワ カリキキ(ク・アリキキ) ア コㇿカ コシㇼコクンネ(ク・オシㇼコクンネ)=早く終わらせようと思って頑張ったけれども暗くなってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- osirkosat
- オシㇼコサッ 【o-sir-ko-sat】 地面にくっつく,乗り上げる,座礁する. チㇷ゚ コ(ク・オ) ワ エクㇱネ カㇻパ(ク・アㇻパ) アㇷ゚ チㇷ゚ オシㇼコサッ ヒネ ヤアーニ チㇷ゚ オロワ ケンプイナ(ク・エンプイナ) ク・ラムトゥイ=舟に乗っていて川の向かいへ行ったら舟の底がつかえて,危なく舟からのめって落ちそうになって驚いた.タㇷ゚ ウフナㇰ トマコマイ タ シ ポロ チㇷ゚ オシㇼコサッ.ク・マッネポホ ク・トゥラ ワ ク・ヌカㇻ クス カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=ついこの頃.苫小牧で大きな船が座礁した.私は娘を連れて見に行って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
- osirmuke
- オシㇼムケ 【o-sir-mu-ke】 見えなくなる. シトゥ イマカケウン オシㇼムケ=峰の向こうに見えなくなった.チㇷ゚ オシㇼムケ=舟が(水平線の向こうへ)見えなくなった.ク・シケ パセ ㇷ゚ ネ クス エノㇱ(エン・オㇱ) エㇰ ア ㇷ゚ エン・アッカリ ワ コシㇼムケレ(ク・オシㇼムケレ)=私は荷物が重いものだから後ろから来た者が私を追い越し,私にはあの者の後ろ姿も見えない.ペッ イクㇱウン オシㇼムケ=川の向こうへ見えなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
- osirok
- オシロㇰ 【自動】[o-sir-ok その尻が・地・にひっかかる(?)] ①(川上から流れて来たものが)途中にひっかかる。 ②(比喩的に)目的地へ行く途中で先へ進むのをやめてそこに留まる。 {E: ①to get stuck along the way. ②to be on the way to one's destination.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osiroma
- オシロマ 【o-sir-oma】 落ち着く. ▷オ=それ シㇼ=大地 オマ=入る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- osirotke
- オシロッケ 【o-sir-otke】 カヤ束の根本を揃える,大束や小束のカヤの根本を大地に突く. アクㇷ゚アンエトッタ キシナアンペネ ネキムイ アオシロッケコロ アエイワンケエニタン=屋根を葺く前にカヤを小束にする時に,そのカヤ束を大地にどすんどすんと突き立て根本を揃えると,使いやすいものだ.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- osirpici
- オシㇼピチ 【自動】[o-sir-pici その尻が・地・を離れる]ぬけ出す。 {E: to break loose, free.} (出典:田村、方言:沙流)
- osirpici
- オシㇼピチ 【o-sir-pici】 滑り落ちる. (出典:萱野、方言:沙流)
- osirpittektek
- オシㇼピッテㇰテㇰ 【自動】[osirpit-tektek ぬけ出す(osirpici オシㇼピチ の語基)・瞬間に…する] ピョンとぬけ出す。 {E: to suddenly break loose, free.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osirus
- オシルㇱ 【o-sir-us】 床につく,病床に伏す. タㇷ゚ ネノ パ トゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ ユㇷ゚ケ ヒ タ アナㇰネ オシルㇱクㇽ パテㇰ ネ ペコㇿ ネ ㇷ゚ ネ クス ウウェイノンノイタㇰ ペ カ イサㇺ=このように病気がはやる時には床に伏す者ばかりのようになるとおはらいの祈りをする者もいない.ウナㇻペ ヤイヌミウェン ワ オシルㇱ ワ アン ヤㇰ ク・イヌ ワ ケラムイクㇽクㇽ(ク・エラムイクㇽクㇽ) コㇿカ ナ ク・ホタヌ カ ソモ=おばが身体の具合が悪くて病床に伏していると聞き,気にはしているがまだ見舞いにも行っていない. (出典:萱野、方言:沙流)
- osirus(-an)
- オシルㇱ §082.いざる(躄る)(2)osirus(-an)〔o-ší-ruš オしルㇱ〕[o(尻)+sir(地)+us(についている)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- otakosiru
- オタコシル 【他動】[ota-ko-siru 砂・と共に・こする] 砂をつけてこすって磨く。 aewákkatap otakosiru a otakosiru a ayne asir アエワッカタㇷ゚ オタコシル ア オタコシル ア アイネ アシㇼ バケツを砂でこすってよく磨いて新しくなった。 {E: to rub and polish with sand.} (出典:田村、方言:沙流)
- otu sasuysir
- オトゥ サスイシㇼ 【名】[otu-sasun(?)-sir 二つの・子孫(=san サン)(?)・様](次の言い回しの中で) otu sasuysir ore sasuysir céomare オトゥ サスイシㇼ オレ サスイシㇼ チェオマレ 二十代にも三十代にも続いて(=何代にも続いて)、 大昔から今に至るまで、 末永く。(S独話) ☆参考 ore sasuysir オレ サスイシㇼ が言われず、 otu sasuysir céomare オトゥ サスイシㇼ チェオマレ だけのこともあるが意味は同じである。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- otu sasuysir ore sasuysir
- オトゥ サスイシㇼ オレ サスイシㇼ 【o-tu sasuysir o-re sasuysir】 悠久に,永遠に. (出典:萱野、方言:沙流)
- otu siwenpa ore siwenpa sirotappa
- オトゥ シウェンパ オレ シウェンパ シロタッパ 【o-tu-si-wen-pa o-re-si-wenpa sir-otappa】 ひどい悪口を言う.▷オ=それ トゥ=ふたつ シ=本当 ウェン=悪い パ=言葉 オ=それ レ=二つ シ=本当 ウェン=悪い パ=言葉 シㇼ=あたり オタッパ=こぼす,溢れ出させる (出典:萱野、方言:沙流)
- otuymasirun
- オトゥイマシルン 【副】[o-tuyma-sir-un その尻が・遠い・所・にある] 遠くから。 otuymasirun wano ku=hotku kane wa k=ek オトゥイマシルン マノ クホック カネ ワ ケㇰ 私は遠くからかがんで(腰を曲げて)来た。(S) {E: from afar.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Ouhuy-sirka Ouhuy-níkapattus
- オウフイ シㇼカ オウフイ ニカパットゥㇱ 【名】[< ouhuy-sirka ouhuy-níkap-attus こげた・刀のさや・こげた・木の皮(の)・厚司(あつし)] [固有名]すそこげ刀すそこげ厚司(または、こげ刀こげ厚司、人間の始祖アイヌラックル(Aynurakkur アイヌラックㇽ)の呼び名の一つ、その父神が天も地も燃やしながらかけめぐっていたことからつけられた)。(Sユーカラ) ☞ouhuy オウフイ (出典:田村、方言:沙流)
- oyamosir
- オヤモシㇼ 【oya-mosir】 外国. (出典:萱野、方言:沙流)
- oyamosirunkur
- オヤモシルンクㇽ 【oya-mosir-un-kur】 外国人. (出典:萱野、方言:沙流)
- oysiru
- オイシル 【名】[o-i-siru その尾・ものを・こすった][動物] 産卵後の尾がバサバサになった鮭。(S) ☞oysirucep オイシルチェㇷ゚ 〔知分類 p.41 oisiru 産卵後の尾のすりきれた鮭〕 {E: an old salmon.} (出典:田村、方言:沙流)
- oysiru
- オイシル 【oysiru】 産卵後のサケ:尾が擦れて白くなったもの.北海道ではほっちゃりと言う.▷オ=そこで イ=それ シル=擦れる (出典:萱野、方言:沙流)
- oysirucep
- オイシルチェㇷ゚ 【名】[o-i-siru-cep 尻・ものを・こすった・魚][動物] 年取って尾がバサバサになった鮭。 ☆参考 「筋子を置くためのホリ(産卵穴)を掘るために尾びれでバラス(砂利)をかき分けて、 掘ったホリの中に筋子を置くと、 そのあとに雄が来て白子をかけ、 サッと砂をかけて行く。 筋子を出してしまった鮭は、 やせて尾びれが一本一本に分かれてほうきのようになる。 そのようになった鮭を言う。 それはもう年取って、 岸に寄り上がって死んだりする。」 (S) ☆参考 atkoci アッコチ[概]/atkocike アッコチケ[所] 尾びれ。 cep チェㇷ゚ 魚、 鮭。 kamuycep カムイチェㇷ゚ [神・魚]鮭。 sípe シペ 秋の鮭。 os オㇱ 雌の鮭。 ca チャ 雄の鮭。〔知分類 p.41 oisiru-cep ((幌)) 産卵後の尾のすりきれたサケ、 ホッチャリ〕 {E: an old salmon.} (出典:田村、方言:沙流)
- panakasirari
- パナカシラリ §134.うなされる(5)悪夢にうなされる panakasirari〔pa-ná-ka-si-ra-ri パなカシラリ〕[pana(腹)+kasi(の上)+rari(押しつける)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- parkosiratek
- パㇻコシラテㇰ 【自動】[par-ko-siratek 口・に・かたい/しぶい] しぶい(=parsiratekka パㇻシラテッカ)。 {E: to be bitter in taste.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- parosiratek
- パロシラテㇰ 【自動】[paro-siratek 口[所]・こわばる] 渋くて口がへんな感じになる。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- parsiratekka
- パㇻシラテッカ 【自動】[par-siratek-ka 口・こわばる・(他動詞化)] 渋い(=parkosiratek パㇻコシラテㇰ)。 {E: to be bitter in taste.} (出典:田村、方言:沙流)
- paysir(-i)
- パイシㇼ §034.あし(足、脚);下肢(15)paysir(-i)〔páǐ-širぱイシㇼ〕[<pan-ser, pan(下方の)+ser(半分、部分)]⦅H.⦆【雅――聖典, p. 77】 (出典:知里人間編I、方言:)
- paysir(-i)
- パイシㇼ §224.からだ(体);躯幹(25)下体[下肢を含む] paysir(-i)〔páǐ-šir ぱイシㇼ〕[<pan(下方の)+ser(部分、半分)]⦅サル⦆【雅―聖典, p.77】 (出典:知里人間編I、方言:)
- pokisir
- ポキシㇼ 【名】[概](所は pokisirke ポキシㇼケ)[poki-sir その下・様子](人の)股から下、 足の部分。 aynu pokisir patek a=nukár アイヌ ポキシㇼ パテㇰ アヌカㇻ 人の足の部分ばかり見える。(S) eyáypokisir karkar アエヤイポキシㇼ カㇻカㇻ [雅](きゃはん)を足につける。(Sユーカラ) ☆参考 kema ケマ は物体としての足一本一本を指す。 {E: the lower body; the legs.} (出典:田村、方言:沙流)
- pokisir
- ポキシㇼ 【pokisir】 陰門. メノコポキシㇼ=女性性器. (出典:萱野、方言:沙流)
- pokisir(-i)
- ポキシㇼ §034.あし(足、脚);下肢(13)pokisir(-i)〔po-kí-širポきシㇼ〕[poki(<pokiy<pokin下の)+ser(部分);‘体の下の部分’] (出典:知里人間編I、方言:)
- pokisir(-i)
- ポキシㇼ §224.からだ(体);躯幹(24)下体[臍の辺から下、腹・腰・足を含む] pokisir(-i)〔po-kí-šir ポきシㇼ〕[<pokiy(<pokin 下の)+sir(<ser 断片、部分)]⦅ホロべツ、サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, pp.423, 468】 (出典:知里人間編I、方言:)
- pokisirke
- ポキシㇼケ 【名】[所](概は pokisir ポキシㇼ)…の股から下、 足の部分。 (出典:田村、方言:沙流)
- pokisirke
- ポキシㇼケ §034.あし(足、脚);下肢(14)pokisirke〔po-kí-šir-keポきシㇼケ〕⦅ホロベツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- pokna-mosir
- ポㇰナモシㇼ 【名】[pokna-mosir 下の・国] 地下の国、 死者の国。 ☆参考 場合によって、 人を襲うような悪いことをした熊が罰として行かされるじめじめした恐ろしいところ、 地獄のようなイメージもある。 ☆対語 kanna-mosir カンナモシㇼ 天界、 天国(神の住む所)。 (出典:田村、方言:沙流)
- poknamosir
- ポㇰナモシㇼ 【pokna-mosir】 奈落:裏側の国土,地獄,冥土.アイヌが死んだら行く所と考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
- ponmosir
- ポンモシㇼ 【名】[pon-mosir 小さい・国土/地/島] 島、 小島。 {E: an island; a small island.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ponmosir
- ポンモシㇼ 【pon-mosir】 島. (出典:萱野、方言:沙流)
- ponsiraw
- ポンシラウ §137 ゴマフアブ (1) pon-siraw(pón-si-raw)「ぽンシラウ」⦅穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- poromosir
- ポロモシㇼ 【poro-mosir】 千島列島の呼び方. (出典:萱野、方言:沙流)
- Porosir
- ポロシㇼ 【名】[poro-sir 大きい・山][地名] 幌尻岳(同名の山は数多くあるが、 この地方のものは沙流川上流の山:児島記述)。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- porosirihi
- ポロシリヒ 【poro-sirihi】 大きい体. ポロシリヒ アン ワ オラウン トランネ=大きい体のくせに骨惜しみをして働かない(おとなに言うのではなく育ち盛りの少年や少女を母が叱る時に言う言葉.私も言われたものであった). (出典:萱野、方言:沙流)
- pósiresikte
- ポシレシㇰテ 【自動】[po-sir-e-sik-te 子・あたり・…で・満ちる・させる] 子どもがたくさんできる、 たくさんの子どもに恵まれる。 {E: to have many children.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pósiresiktepa
- ポシレシㇰテパ 【自動】[複](posiresikte ポシレシㇰテ は単複の区別なし) (二人以上皆が)たくさんの子どもに恵まれる。 ☆参考 不定人称形は posiresikte=an-pa ポシレシㇰテアン-パ {E: to have many children (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- poysirariwak
- ポイシラリワㇰ §299 ハシボソガラス (5) poysirariwak (póy-si-ra-ri-wak)「ぽイシラリワㇰ」[<pon-sirariwak] ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- poysirariwakkamuy
- ポイシラリワㇰカムイ §299 ハシボソガラス (7) poysirariwak-kamuy (póy-si-ra-ri-wak-ka-muy)「ぽイシラリワㇰカムイ」[<pon-sirariwak-kamuy] ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- rat siri okokpa
- ラッ シリ オコㇰパ §484.たん(痰)(6)痰がのどにからむ rat siri okokpa〔rát-ši-rí-o-kók-pa らッ・シり・オこㇰパ〕[rat(痰)+siri(そののど)+okokpa(ok ひっかかる、-pa 複数語尾)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- raypasirota
- ライパㇱロタ 【ray-pas(i)rota】 高い声で怒る. ペッパルㇽ トㇱカ カ タ ヘカッタㇻ ウオプトゥイパ コㇿ ク・ハㇰマハㇰマ ク・ライパㇱロタ ヤッカ ヌ シリ カ イサンパ=川の縁の一段高い所で子供たちが押し合いへしあいしている,それを見て私はひやひやして高い声で怒っても(子供たちは)聞いた様子もない. (出典:萱野、方言:沙流)
- rehnisirara
- レㇸニシララ §433 ヤドカリ (2) rehnisirara (reh-ni-si-ra-ra)「レㇸニシララ」⦅白浦⦆レッペシララ(富内)siriar “homard”クラ (出典:知里動物編、方言:)
- repunmosir
- レプンモシㇼ 【repun-mosir】 沖の方の島.外国.▷レㇷ゚=沖 ウン=ある モモシㇼ=島 (出典:萱野、方言:沙流)
- repunmosir/repun-mosir
- レプンモシㇼ 【名】[repun-mosir 沖の・島](=repun mosir, rep un mosir レプン モシㇼ、 レㇷ゚ ウン モシㇼ) ずうっと離れた島(たとえば千島のような)。 a=kor repunmosir アコㇿ レプンモシㇼ 私たちの沖の島=本州以南の日本の島(「内地」、 主に本州を指す。) (S) {E: a faraway island.} (出典:田村、方言:沙流)
- repunsir
- レプンシㇼ 【repun-sir】 沖の島. (出典:萱野、方言:沙流)
- repunsiratki
- レプンシラッキ 【rep-un-siratki】 アホウドリ,アホウドリの頭の神. (出典:萱野、方言:沙流)
- repunsiratki
- レプンシラッキ §356 アホウドリ;しかべ (5) repun-siratki (re-pún-si-rat-ki)「レぷンシラッキ」[<repun-suratki-kamuy;‘沖の卜占神’の意] ⦅浦河⦆【雅】 (出典:知里動物編、方言:)
- rewsire
- レウシレ 【他動】[自動使役][単][rewsi-re 泊まる・させる](一人を)泊まらせる、 泊める。 {E: to let, make…stay.} (出典:田村、方言:沙流)
- rewsire
- レウシレ 【rewsi-re】 泊める. ク・イワㇰ クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ ク・レウシ ン アシネ アンチカㇻ エン・レウシレ=帰ろうと思ったが泊まる(ことにした)ので,一晩私を泊めてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
- rewsirepa
- レウシレパ 【他動】[自動使役][複](rewsire レウシレ は単複の区別なし)(二人以上が/二人以上を)…を泊める。 a=i=réwsirepa アイレウシレパ (引用文中)私は泊まらされた/泊めてもらった。 {E: to let, make…stay (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ror'osiraye
- ロㇿオシライェ 【ror-o-si-raye】 床上げ:出産の後.産婦が普通の生活に戻ること.▷ロㇿ=上座 オ=それ産婦 シ=自ら ライェ=寄る タント エイワント ネ クス ロロシライェ エトホ ネ ワ=今日で六日だから床上げの日だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ruasir
- ルアシㇼ 【自動】[ru-asir やや・新しい] やや新しい。 toan cisekotor ruasir トアン チセコトㇿ ルアシㇼ あの天井はやや新しい。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- rusirma
- ルシㇼマ §418.しらくも(白癬)(3)ru-sirma〔rú-šir-ma るシㇼマ〕[ru(頭髪)+sirma(おり、滓)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- Samormosir
- サモㇿモシㇼ 【名】[sam-or-mosir そば・の所・国/島][地名]本州(「内地」)。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- samormosir
- サモㇿモシㇼ 【sam-or-mosir】 日本国(側の国):アイヌ側からの言い方. (出典:萱野、方言:沙流)
- sasuysir
- サスイシㇼ 【名】[< sasun-sir 子孫が続く(san に子音の重複が加わった)・(< 様子)](次の慣用句の中で) otu sasuysir ore sasuysir céomare オトゥ サスイシㇼ オレ サスイシㇼ チェオマレ 二十代にも三十代にもわたって。(W) {E: generation.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sasuysir
- サスイシㇼ 【sasuy-sir】 未来,永遠,悠久,いつまでも. (出典:萱野、方言:沙流)
- sasuysirpakno
- サスイシㇼパㇰノ 【sasuy-sir-pak-no】 悠久に:想像もつかないずっと昔から変わらずに続く様子. (出典:萱野、方言:沙流)
- sinrit'oriwakmosir
- シンリッオリワㇰモシㇼ 【sinrit-o-riwak-mosir】 先祖が暮らしている国土,死人の霊魂が行く所,冥土. (出典:萱野、方言:沙流)
- sir iki/síriki
- シㇼイキ/シリキ 【完動】[sir-iki 様子・ものごとをする](そのような)様子である、 (そのように)して/なっている。 tapne tapne síriki hi a=ye wa タㇷ゚ネ タㇷ゚ネ シリキ ヒ アイェ ワ (私は父母に)こうこういうことがあったと話して。(S民話) ☆参考 sirki シㇼキ、 siri iki シリ イキ との用法の違いは不明。 ☆参考 『音声資料』に siri iki シリ イキ と書いたものの中には、 sir iki シㇼ イキ の誤記・誤聴のものがある。 {E: to do, become (as, like…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir'an
- シㇼアン 【sir-an】 〜なのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sir'eepakke
- シㇼエエパッケ 【sir-eepak-ke】 あのあたりの近く,あの所の近く. ▷シㇼ=あたり,所,~のあたり エエパッケ=近く,~に近い(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sir'etu
- シㇼエトゥ 【sir-etu】 岬.▷シㇼ=陸地 エトゥ=鼻,先 (出典:萱野、方言:沙流)
- sir'iki
- シㇼイキ 【sir-iki】 〜している様子だ,そのようだ,そのように見える. (出典:萱野、方言:沙流)
- sir'itnetuye
- シㇼイッネトゥイェ 【sir-itne-tuye】 先回り. (出典:萱野、方言:沙流)
- sir'ohak
- シㇼオハㇰ 【sir-ohak】 浅い. ペッカスイアニ(ペッカスイ・アン ヒ) タ アナㇰネ シㇼオハㇰ ウㇱケヘ ア・ヌㇺケ ワ ペッカスイ・アン ペ ネ=川を歩いて渡る時はあたりが浅い所を選んで川を渡るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sir'onuman
- シㇼオヌマン 【sir-onuman】 日暮れ,夕暮れ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sir'uhuy
- シㇼウフイ 【sir-uhuy】 火事(になる).▷シㇼ=あたり ウフイ=燃える タネ ホッケ・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アナナクス(アン・アン アクス) ヘパシ ペウタンケ ハウ ア・ヌ アロラㇺポソアニネ(アロラㇺポソ・アン ヒネ) ソヨテㇾケアナクス(ソヨテㇾケ・アン アクス) シㇼウフイ ネ ノイネ ポロ アペ ニペㇰ ア・ヌカㇻ=さて寝ようかなと思っていると,下の方から危急を知らせる叫び声が聞こえ驚いて外へ飛び出ると,火事らしく大きい火の光が見えた.チセ ア・アシ ヒ タ アナㇰネ ナ ウウォヤㇰタ ア・アシ.ネンカネ シㇼウフイ ヒ タ ア・シトマ クス=家を建てる時はそれぞれ別々に建てる.もしも火事になった時恐ろしいので.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) アㇻスイネ シㇼウフイ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ.コタンケㇱ ワ ペウタンケ ハウ アㇱ アクス フチ チソイェカッタ コタンケスン(コタンケㇱウン) ワ アㇻスイネ ペウタンケ コタンパ ウン トゥ スイ レ スイ ペウタンケ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=私が子供の時に1回だけ火事を見たことがある,村の下端からウォーイという叫び声が聞こえたら祖母が飛び出て,(火元が見える)村の下端へ1回だけウォーイと叫び,村の上の方へ2回3回と叫んだのを見たものであった(貝澤ちこさんの家の火事,昭和8年頃). (出典:萱野、方言:沙流)
- sir'utur
- シㇼウトゥㇽ 【sir-utur】 あちらとこちらの間.▷シㇼ=あたり ウトゥㇽ=間 (出典:萱野、方言:沙流)
- sir'uwampare
- シㇼウワンパレ 【sir-uwampare】 あたりを見る,あたりの様子を注意深く見る. ▷シㇼ=あたり ウワンパレ=よく見る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sir- 3
- シㇼ 【名詞語根】①地、 あたり、 その辺の様子。 sir-ouri シㇼオウリ 地面を掘る。 sir-sep シㇼセㇷ゚ 場所が広い。 sir-pirka シㇼピㇼカ 天気がよい。 ②(季節や時を表す特定の数語に接頭して) …になる。 sir-mata シㇼマタ 冬になる。 ☆参考 自動詞や名詞に接頭して完全動詞をつくることも多い。 ☆参考 t, c の前では通常 sit- シッ、 n, r の前では通常 sin- シン と発音される。 本辞典では、 ハイフンの前では sir と書き、 ハイフンがなく続けて書くときは発音どおりに sit, sin と書く。 {E: ① a hilly, mountainous area, locality. ② to become…(in reference to the seasons or time) } (出典:田村、方言:沙流)
- sir-apa
- シㇼアパ/シラパ 【完動】[sir-apa あたり・雨もりする] 雨もりする、 屋根がもる。 {E: for the roof to leak.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-casnatara
- シッチャㇱナタラ 【完動】[sir-cas-natara あたり・(余計なものがなくさっぱりしていることを表す語根)・(状態が続いていることを表す接尾辞)] あたりに余計なものがない、 そこらになにも草もない、 さっぱりしている。(S) sir-casnatara wa atuy ka a=nukár, pet ka a=nukár シッチャㇱナタラ ワ アトゥイ カ アヌカㇻ、 ペッ カ アヌカㇻ 木もなにもなくて海も見える、 川も見える。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for the surroundings, area to be clear (of obsticles, debris, etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-casnure
- シッチャㇱヌレ 【他動】[sir-casnu-re あたりを・さっぱりする・させる]片付ける、 さっぱりさせる(ものが散らかっていたり、 ゴミが落ちていたりしないように片付けたり掃除したりする)。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: to put…in order; clear away…} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-cikewrototo
- シッチケウロトト 【完動】[名+他動中相][sir-ci-kew-rotot-o あたり・…される・(擬音の語根)・(音などの連続を表す接尾辞)・(他動詞形成)] ガラガラガラと/パラパラパラと/ドロドロドロと音がする。 otuseat wa a=nukár a ponki atu tuypa híne ponki ka o p cirawokuta sir-cikewrototo akusu オトゥセアッ ワ アヌカラ ポンキ アトゥ トゥイパ ヒネ ポンキ カ オㇷ゚ チラウォクタ シッチケウロトト アクス さっき私たちが見た、 綱でつるされているカヤ製の棚の綱を(彼が)切って、 棚の上にのっていたものが落ちてバラバラに散らばってドスンガタガタとものすごい音を立てると。(NK民話) ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-cikisokiso
- シッチキソキソ 【完動】[名+他動中相][sir-ci-kis-o-kiso あたり・される(中相)・(擬音の語根)・(他動詞形成)・(重複)] あたりがざわざわ騒がしい。 cise okari sir-cikisokiso, hekattar sinot humi wenruy チセ オカリ シッチキソキソ、 ヘカッタㇻ シノッ フミ ウェンルイ 家のまわりが騒がしい、 子どもたちの遊ぶ音がものすごい。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for one's surroundings to be noisy.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-cipukrototo
- シㇼチプㇰロトト/シッチプㇰロトト 【完動】[sir-ci-puk-rotot-o あたり・される・プツ(擬音の語根)・(音の連続を表す接尾辞)・(他動詞形成)] プツプツプツと音がする。 hotke=an wa ne urkio amip a=kupákupa kor sir-cipukrototo ホッケアン マ ネ ウㇽキオ アミㇷ゚ アクパクパ コㇿ シㇼチプㇰロトト 私が寝てそのシラミのついた着物をあちこちかんでいるとプップップップッと音がする。(W民話) ☆参考 『音声資料2』の例では sir シㇼ の部分で、 一瞬止まったために r ㇼ が響いた。 続けて発音すると sitcipukrototo シッチプㇰロトト。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-citurimeta
- シッチトゥリメタ 【完動】[名+他動中相][sir-ci-turim-eta あたり・…される・(爆音の擬音)・(他動詞形成)]バリバリバリバリドンドンダンダンと大砲のような大きな音がする。 réra wen híne apu perke hum apu yaske hum sir-citurimeta híne ekimatekpa kus kira wa yap レラ ウェン ヒネ アプ ペㇾケ フㇺ アプ ヤㇱケ フㇺ シッチトゥリメタ ヒネ エキマテㇰパ クㇱ キラ ワ ヤㇷ゚ 風が悪くて流氷が割れる音、 流氷が裂ける音がバリバリバリバリドンドンダンダンと大砲の音のように響いて、 みんなびっくりしたので逃げて帰って来た。(S) ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for something to make a booming cannon-like sound.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-copopatki
- シッチョポパッキ 【完動】[sir-copop-atki あたり・(擬音重複)・(自動詞形成)]チャポンチャポンと(水の)音がする。(W) ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 (出典:田村、方言:沙流)
- sir-cuk
- シッチュㇰ 【完動】[sir-cuk (完全動詞形成)・秋] 秋になる。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 ☞cuk チュㇰ {E: to become autumn.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-eane/sireane wen cup
- シレアネ ウェン チュㇷ゚ 【名】[sir-e-ane wen cup あたり・その頭・細い・悪い・月] しけるときの月(「立っている三日月」) (S) ☆参考 寝ている三日月のときはしけない。(S) {E: a crescent, new moon.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-ehanke
- シㇼエハンケ/シレハンケ 【自動】[sir-e-hanke 土地・その頭が・近い] (そこに)近い、 近くである。 tane Piratur un sir-ehanke petutur ta arki=an kor タネ ピラトゥルン シレハンケ ペトゥトゥッ タ アㇻキアン コㇿ もう平取に近い川と川の間まで来たとき。(NK民話) {E: to be close; near.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-ekurok
- シレクロㇰ 【完動】[sir-ekurok あたり・まっ暗だ] まっ暗だ、 暗闇だ。 {E: to be (completely) dark.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-epak
- シㇼエパㇰ 【名】[sir-epak 地・の端](町の)はずれの方。 maciya kes wano iyotta sir-epak wano an cise マチヤ ケㇱ ワノ イヨッタ シㇼエパㇰ ワノ アン チセ 町の西端のいちばんはずれの方にある家。(S) {E: towards the edge (of a town).} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-epitta
- シㇼエピッタ/シレピッタ 【副】[sir-epitta あたり・全体] 全域にわたり、 そこらじゅう、 どこも全部。 uutari uutari poronno sir-epitta oka ウウタリ ウウタリ ポロンノ シレピッタ オカ 親戚どうしがたくさんそこらじゅうにいる。(S) {E: everywhere; anywhere; all over the place.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-eramuykatcaus
- シㇼエラムイカッチャウㇱ/シレラムイカッチャウㇱ 【自動】[sir-eramuykatcaus あたり・が気に食わない] そのあたりがなんとなく気に食わない、 そこにいるのがいやだ。 {E: to be uninterested in, dislike something.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-etosittomne
- シㇼエトシットㇺネ 【完動】ムーッとする(火鉢に火がカンカン起こっているとき)。 (出典:田村、方言:沙流)
- sir-hanke
- シㇼハンケ 【完動/自動】[sir-hanke 地・近い] ①[完動]近い、 近くである、 時間が近づく。 tókap or un sir-hanke トカㇷ゚ オルン シㇼハンケ お昼に近づいた。(S) ②[自動]近い。 nitan kur anak na cup ri híne sirepa no a=kotánu kucacise or wa sir-hanke p ne ニタン クㇽ アナㇰ ナ チュㇷ゚ リ ヒネ シレパ ノ アコタヌ クチャチセ オㇿ ワ シㇼハンケㇷ゚ ネ 足の速い人ならまだ日が高いうちに行き着くくらいに私の村は狩小屋から近いのです。 NH民話 {E: ① for something to be near, close. ② to be near; close.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-homaromar
- シㇼホマロマㇻ/シロマロマㇻ 【完動】[sir-homar-homar あたりが・はっきり見えない・(重複)] 夕方になって暗くなる、 よく見えないほど暗い(日が暮れてしまって、 その辺に来ている人がだれだかわからないほど暗いことを言う)。 sir-homaromar kor hunak un e=arpa? シㇼホマロマㇻ コㇿ フナクン エアㇻパ? こんなに暗くなってからどこへ行くの。(S) ☆発音 早く言うと h が落ちて siromaromar シロマロマラ と発音される。 {E: to begin to grow dark.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-humumatki
- シㇼフムマッキ 【完動】[sir-humum-atki あたり・(擬音重複)・(自動詞形成)]グーグーグーと音がする。 ku=sapa un sir-humumatki クサパ ウン シㇼフムマッキ 頭の中でグーグーグーグー「頭鳴りしていた」(音が鳴っていた)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- sir-hutne
- シㇼフッネ 【完動】[sir-hutne あたり・せまい] 場所が(家や部屋など)せまい、 せま苦しい。 tan cise or ta sir-hutne タン チセ オッタ シㇼフッネ この家はせまい。(S) {E: for something somewhere to be small; confined; narrow.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-kawrototke
- シㇼカウロトッケ 【完動】[sir-kaw-rotot-ke あたり・(擬音の語根)・(音が続いて起こることを表す)・(自動詞形成)] カウカウカウと音がする。 amipkupakupa=an kor sir-kawrototke アミㇷ゚クパクパアン コㇿ シㇼカウロトッケ 私が(シラミのついた)着物をかんでいると、 カウカウカウと音がする。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-kerkeri
- シㇼケㇾケリ 【自動】[sir-kerkeri あたり・をひっかく(重複)] あたりをゴソゴソとひっかく。 ☆参考 チャイムやブザーのなかった昔は、 来訪を知らせるために、 男は通常咳払い simusiska シムシㇱカ をし、 女は、 咳払いもするが、 よくその辺のものをたたいたり(sir-kikkik シㇼキッキㇰ)、 家の出入口の戸やその近くの壁のカヤなどを手でさわってゴソゴソと音を立てたという。 ☞sirkikkik シㇼキッキㇰ {E: to cough, clear one's throat at the entrance of a house before entering.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-kikkik
- シㇼキッキㇰ 【自動】[sir-kikkik あたり・をたたく(重複)] あたりをトントン/バンバンたたく、 ノックする、 来訪を知らせるために出入口のそばのものをトントンたたいて物音をさせる。 soy ta arpa=án híne, sir-kikkik, sir-kerkeri=an kor án=an akusu ソイ タ アㇻパアン ヒネ、 シㇼキッキㇰ、 シㇼケㇾケリアン コㇿ アナン アクス 私は玄関の前まで行って、 そのへんをたたいたり、 そのへんのカヤなどをひっかいたりしていると。(KH民話) sir-kikkik=an, nep soyne ru ka isam シㇼキッキㇰアン、 ネㇷ゚ ソイネ ル カ イサㇺ ノックしてみたがだれも出てこない。(S) ☞kikkik キッキㇰ、 sirkerkeri シㇼケㇾケリ {E: to knock (on a door).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-kisnatara
- シㇼキㇱナタラ 【完動】[sir-kis-natara あたり・(擬音/擬態の語根・(状態の継続を表す))] あたりがシーンと静まりかえっている。 sir-kisnatara wa síran シㇼキㇱナタラ ワ シラン シーンと静まりかえっている。 {E: to be dead silent; very quiet.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-kunne/sirkunne
- シㇼクンネ 【完動】[sir-kunne あたりの様子(完全動詞形成)・黒い/暗い] 暗い、 暗くなる、 日が暮れる、 夜になる。 {E: to be, grow dark.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-makaraye
- シㇼマカライェ 【自動】[sir-maka-raye 地・奥(山側の方)へ・行かせる](大波が)ずうっと陸へ寄せる。 {E: for (large waves) to break onto the shore.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-mata
- シㇼマタ 【完動】[sir-mata あたりの様子(完全動詞形成)・冬] 冬になる。 {E: to become winter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-meman/sirmeman
- シㇼメマン 【完動】[sir-meman あたり(完全動詞形成)・涼しい]涼しい(天候について言う)。 sak réra ruy kor sirmeman サㇰ レラ ルイ コㇿ シㇼメマン 夏に風が強いと涼しい。(W) sir-meman wa ku=meman シㇼメマン ワ クメマン 涼しくなったので私は涼しい。(W) ☆参考 暑かったのが気温が下がってしのぎやすくなる/なったことを言う。 meman メマン[自動]は人が主語で、 その人が涼しく感じることを言う。 {E: (for the weather) to be cool.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-mo
- シㇼモ 【完動】[sir-mo あたりの様子(完全動詞形成)・静か(である)] 静かである(天候について言う)。 sir-mo wa pirka ruwe! korka méan humi! シㇼモ ワ ピㇼカ ルウェ! コㇿカ メアン フミ! 静かでいいあんばいだねえ、 でも寒いなあ。(S) {E: to be calm.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-naynaye
- シンナイナイェ 【自動】[sir-nay-nay-e あたり・(すじをつけることを表す語根)・(重複)・(他動詞形成)]あたり一面にたくさんのすじをつける(ノートに文字を書くことを冗談に言っている)。(S会話) (出典:田村、方言:沙流)
- sir-oha
- シロハ 【完動】[sir-oha あたり・空(から)だ] 留守である。 {E: to be absent.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-oika
- シㇼオイカ/シロイカ 【自動】[sir-o-ika 地/山・その尻が・…を越える] 山を越える。 {E: to cross a mountain.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-onuman
- シロヌマン 【完動】[sir-onuman あたり(完全動詞形成)・夕方/晩方] 夕方/晩方/日暮れどきになる。 tane sir-onuman wa sir-kunne p hunak un eci=payé? タネ シロヌマン ワ シㇼクンネㇷ゚ フナクン エチパイェ? もう夕方になって暗いのにあなたたちはどこへ行くの? (S) {E: to grow into dusk, early evening.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-ouri/sirowri
- シロウリ 【自動】[sir-ouri 地・を掘る] 地を掘る、 地面に穴を掘る。 {E: to dig (a hole in the ground).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-oyapa
- シㇼオヤパ/シロヤパ 【完動】[sir-oyapa 様子(完全動詞形成)・来年] 来年になる。 {E: to become next year (the following year).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-peker/sirpeker
- シㇼペケㇾ 【完動】[sir-peker あたりの様子(完全動詞形成)・明るい] 明るい、 明るくなる、 夜が明ける。 ☆対語 sirkunne シㇼクンネ {E: to be bright; become bright.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-pirka/sirpirka
- シㇼピㇼカ 【完動】[sir-pirka あたり・よい/美しい] 天気がいい、 好い天気だ。 {E: to be fine weather.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-popke
- シㇼポㇷ゚ケ 【完動】[sir-popke あたりが・暖かい]暖かい(天気が)。 paykar or un sir-popke wa a=eyáykopuntek パイカㇻ オルン シㇼポㇷ゚ケ ワ アエヤイコプンテㇰ 春になってくると暖かくなるのでみんな喜ぶ。(W) ☆参考 寒かったあと気温が上がって楽になる/なったことを言うほか、 かなり暑くて汗ばむようなときでも言う。 ☆参考 popke ポㇷ゚ケ [自動]は人が主語で、 その人が暖かく感じることを言う。 {E: (for the weather) to be warm.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-ruppuni
- シンルップニ 【完動】[sir-rup-puni 地(を)・氷(が)・…を持ち上げる]土が霜柱で持ち上がる。 {E: for frost columns to form on the ground.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-rupus
- シンルプㇱ 【完動】[sir-rup-us 地・氷・…が…につく] 地面が凍る。 {E: for the ground to freeze.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-sak
- シㇼサㇰ 【完動】[sir-sak あたりの様子(完全動詞形成)・夏] 夏になる。 {E: to become summer.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-sep
- シㇼセㇷ゚ 【完動】[sir-sep あたり・広い] 場所が広い、 広々している、 幅が広い。 sir-sep uske ta sinenne k=apkas ka kú=isitoma シㇼセㇷ゚ ウㇱケ タ シネンネ カㇷ゚カㇱ カ クイシトマ 広いところを一人で歩くのは恐ろしい。(S) {E: for somewhere, something to be wide, expansive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-sepepatki
- シㇼセペパッキ 【完動】[sir-sepep-atki あたり・(擬音重複)・(自動詞形成)]「サオサオサオサオと音聞こえる」(木の葉のゆれる音)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- sir-sések
- シㇼセセㇰ 【完動】[sir-sések あたりが・暑い] 暑い(気温が高い)。 sir-sak kor sir-sések wa pirka シㇼサㇰ コㇿ シㇼセセㇰ ワ ピㇼカ 夏になると暑くてよい。(W) sir-sések korka k=omkekar wa ku=merayke シㇼセセㇰ コㇿカ コㇺケカㇻ ワ クメライケ 暑い天候だけれど私はかぜをひいているので寒い。(W) ☆参考 気温や室温が高くて、 だれでもが暑いと感じるような状態であることを言う。 英語なら to be hot ではなく It's hot に当たる。 ものや水などが熱いことは sések セセㇰ と言い、 人が暑く感じることも sések セセㇰ と言う。 ☆参考 sir-sések シㇼセセㇰ や sések セセㇰ は、 焼けつくような暑さのときに使い、 日本語東京方言などで「暑い」と言うようなときでも、 つゆどきのようなむし暑さやちょっとした暑さのときは、 popke ポㇷ゚ケ、 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ が使われる。 ☞sések セセㇰ、 popke ポㇷ゚ケ、 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ {E: (for the temperature) to be hot.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-simoye
- シㇼシモイェ 【完動】[sir-si-moye 地・自分・を動かす] 地震が起こる、 地震でゆれる。 {E: for an earthquake to occur.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-sokisoki
- シㇼソキソキ 【他動】[sir-soki-soki あたりを・(擬音の語根)・(重複)](ネズミが)かじったり何か引っ張ったり走ったりしてガリガリ/ゴソゴソ音をたてる。 ermu sir-sokisoki humi as エㇾム シㇼソキソキ フミ アㇱ ネズミのかじっている音がする。(S) sir-sokisoki wa nep ne yakka hunara wa uk シㇼソキソキ ワ ネㇷ゚ ネ ヤッカ フナラ ワ ウㇰ (どろぼうが)ネズミみたいにゴソゴソと何でも探して取る。(S) {E: the sound of a mouse gnawing on something, dragging something, scurrying etc.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-sum
- シㇼスㇺ 【完動】[sir-sum 地・不作である]不作である。 ☞sum スㇺ {E: for the crop, harvest to be poor.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-taratarak
- シッタラタラㇰ 【完動】[sir-tara-tara-k 地・(擬態の語根)・(重複)・(自動詞形成)] 土地がデコボコだ。 sir-taratarak wa k=apkas ka eaykap シッタラタラㇰ ワ カㇷ゚カㇱ カ エアイカㇷ゚ 土地がデコボコで私は歩けない。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for the ground to be rough and uneven.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-tenatenak
- シッテナテナㇰ 【完動】[sir-tena-tena-k 地・(擬態の語根)・(重複)・(自動詞形成)] 地面がツルツルすべる(雨の後)。 earkinne sir-tenatenak wa k=apkas ka eaykap エアㇻキンネ シッテナテナㇰ ワ カㇷ゚カㇱ カ エアイカㇷ゚ とてもツルツルすべって私は歩けない。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for the ground to be slippery (after rain).} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-teske
- シッテㇱケ 【完動】[sir-tes-ke 地・(すべることを表す語根)・(自動詞形成)] 地面が凍ってすべる。 earkinne sit-teske wa k=apkas eaykap エアㇻキンネ シッテㇱケ ワ カㇷ゚カㇱ エアイカㇷ゚ とてもすべって歩けない。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for the ground to freeze and be slippery.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-tókap
- シットカㇷ゚ 【完動】[sir-tókap あたりの様子(完全動詞形成)・昼]昼(昼ごろ)になる。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 ☞tókap トカㇷ゚ {E: to become noon.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-tókes
- シットケㇱ 【完動】[sir-tokes あたりの様子(完全動詞形成)・日暮れ時] 日暮れ時(夕方)になる。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 ☞tókes トケㇱ {E: to become, grow into evening.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-toyarekurok
- シットヤレクロㇰ 【完動】[sir-toy-ar-ekurok あたり・ひどく・全く・まっ黒い] まっ暗である。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: to be completely dark; pitch black.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-tumu-peker
- シットゥムペケㇾ 【完動】[sir-tumu-peker あたり・の中・明るい] 夜明けになる、 夜が明ける。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: to become, grow into dawn.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-tumusuyre
- シットゥムスイレ 【完動】[sir-tumu-suyre あたりの様子(完全動詞形成)・の中・(?)] 寒さがいくらかゆるむ。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for the cold to lessen slightly.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-turpaotuy
- シットゥㇽパオトゥイ 【完動】[sir-turpa-otuy あたり(完全動詞形成)・伸ばす・その尻が切れる](?) 天気がはっきりしない。 sir-turpaotuy a turpaotuy a ápekor síran シットゥㇽパオトゥヤ トゥㇽパオトゥヤ アペコㇿ シラン はっきりしない天気だ。(S) {E: for the weather to be uncertain.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-uhuy/siruhuy
- シルフイ 【完動】[sir-uhuy 地・燃える]山火事(になる)、 野火(になる)。 {E: for a bushfire, forest fire to break out.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-ukopukrototke
- シルコプㇰロトッケ 【完動】[sir-uko-puk-rotot-ke あたり・いっせいに・プツ(擬音の語根)・(音の連続を表す接尾辞)・(自動詞形成)] あたりでいっせいにプツプツプツと音がする。 sicigaci cup wano an pe, tapan Hokkaito, aynu mosir or unno sir-ukopukrototke, sir-yasrototke, uhuy wa paye uskehe oka シチガチ チュㇷ゚ ワノ アン ペ、 タパン ホッカイト、 アイヌ モシㇼ オルンノ シルコプㇰロトッケ、 シㇼヤㇱロトッケ、 ウフイ ワ パイェ ウㇱケヘ オカ 7月からのこと、 この北海道つまりアイヌの土地にまで、 パラッパラッと銃弾の音が鳴り、 バリッバリッとものの裂ける音が鳴り、 燃えていく所があった。(W会話) (戦争中の銃や空襲の被害などの物音を表している。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-ukotaratarak
- シルコタラタラㇰ 【自動】[sir-ukotaratarak 地・みなでこぼこである] 地面がでこぼこだ。 (出典:田村、方言:沙流)
- sir-uskosanpa
- シㇼウㇱコサンパ 【完動】[sir-us-kosanpa あたりの様子・消える・突然…する](あたりの様子が)パッと消える。 ☆参考 -kosanpa -コサンパ は複数形の形だが、 沙流川下流のワテケさん、 サダモさんの言葉では、 単複の区別なくこの形が用いられる。 ☞sir-uskosanu シㇼウㇱコサヌ {E: for something to disappear, go out suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-uskosanu
- シㇼウㇱコサヌ 【完動】[単](複は sir-uskosanpa シㇼウㇱコサンパ)[sir-us-kosanu あたりの様子・消える・突然…する](あたりの様子が)パッと消える、 (火がパッと消えて)まっ暗になる。 {E: for something to disappear, go out suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-wen
- シㇼウェン 【完動】[sir-wen あたりの様子(完全動詞形成)・悪い] 天気が悪い。 ☆発音 シㇽウェン。 ☆対語 sir-pirka シㇼピㇼカ 天気がよい。 {E: for the weather to be bad.} (出典:田村、方言:沙流)
- sir-yaskosanpa
- シㇼヤㇱコサンパ 【完動】[sir-yas-kosanpa あたり・(裂ける擬音の語根)・(急に瞬間に…する)] バリツと/ビリツと(何か裂けるような)音がする。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir-yasrototke
- シㇼヤㇱロトッケ 【完動】[sir-yas-rotot-ke あたり・(裂ける擬音の語根)・(音の連続を表す接尾辞)・(自動詞形成)] バリバリバリと/ビリビリビリと(何か裂けるような)音がしている。 {E: the sound of something tearing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sir/siri 1
- シㇼ/シリ 【sir/siri】 ①様子,あたり,天気. ヘマンタ ネ アㇷ゚ト トゥㇺ タ エ・エㇰ シリ アーン=何しに雨の中をお前は来たの. (出典:萱野、方言:沙流)
- sir/siri 2
- シㇼ/シリ 【sir/siri】 ②地.大地,島.アイヌモシㇼ.▷アイヌ=人間,人 モ=静か シㇼ=大地 →人間の静かな大地(北海道の古い時代の呼び名). (出典:萱野、方言:沙流)
- sirakkari
- シラッカリ 【自動】[単][sir-akkar-i あたり・を通り越す]通り越す。 {E: to pass (through).} (出典:田村、方言:沙流)
- sirakkarpa
- シラッカㇻパ 【自動】[複](単は sirakkari シラッカリ)(二人以上が)通り越す、 島を通り越す(用例では人々が北海道を通り越して行ったことを言っている)。 {E: to pass (through) (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siramkir
- シラㇺキㇼ 【自動】[sir-amkir あたり/土地・を見知る] その土地/地域の様子がわかる、 道がわかる。(S) {E: to know the land, area, path.} (出典:田村、方言:沙流)
- siramkir
- シラㇺキㇼ 【sir-amkir】 付近の地形を知っている.▷シㇼ=あたり アㇺキㇼ=知っている (出典:萱野、方言:沙流)
- siramkire
- シラㇺキレ 【他動】[sir-amkir-e あたり/土地・を見知る・させる]案内する(その土地のことを教える)。 {E: to guide…} (出典:田村、方言:沙流)
- siramkore
- シラㇺコレ 【他動】[si-ram-kor-e 自分・体の中身・を持つ・させる]…と血がつながっている。 ☆参考 utari ウタリ、 apa アパ は姻戚を含むが、 これは含まない。 {E: to have the same blood as… (ie to be related).} (出典:田村、方言:沙流)
- siramkore
- シラㇺコレ §011.身内 血縁の者(5)siramkore〔ši-rám-ko-re シらㇺコレ〕⦅ホロベツ⦆。①親類;血縁の者。②親類ずきあいをする者(他人であっても)。[si-(自分の)+ram(心を)+kore(与える)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- siramkorepa
- シラㇺコレパ 【他動】[複](siramkore シラㇺコレ は単複の区別なし)(二人以上)と血がつながっている。 ku=siramukorepa p tun ka oka クシラムコレパㇷ゚ トゥン カ オカ 私の身内のものが二人いた。(S) {E: to have the same blood as… (i.e. to be related) (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siramniwkeste
- シラㇺニウケㇱテ 【si-ram-niwkes-te】 納得しない,承知しない.▷シ=自分 ラㇺ=思い ニューケㇱ=できない テ=させる (出典:萱野、方言:沙流)
- siramsuye
- シラㇺスイェ 【他動】[si-ram-suye 自分(の)・心・をゆらす][雅](次の慣用句の中で)考える。 yayko-tuyma siramsuye ヤイコトゥイマ シラㇺスイェ [雅]長いこと考えている。 tanto tóri/yayko-tuyma/a=sirámsuye タント トリ/ヤイコトゥイマ/アシラㇺスイェ [雅]私は二日間ずうっと長く考え続けていた。(Sユーカラ) ☆参考 日常語では、 yaykosiramsuye ヤイコシラㇺスイェ が一語の自動詞で、 不定人称形は yaykosiramsuye=an ヤイコシラㇺスイェアン。 ☞yaykosiramsuye ヤイコシラㇺスイェ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siramsuye
- シラㇺスイェ 【si-ram-suye】 思い出す,自分をふりかえる. ヤイコトゥイマ シラㇺスイェ=自分の過去をふりかえる. (出典:萱野、方言:沙流)
- siramuisamte
- シラムイサㇺテ 【si-ramuisam-te】 知らんふりをする,かまとと. テエタ ワノ ネユンネユン パハウェヘ ア・ヌ ア カッケマッ シラムイサㇺテ ワ タント イヨロッ ワ アン.ア・エシㇰサㇺネレ ヒ カ エランペウテㇰ ノ=ずっと前からいろいろと噂のあった奥様が知らん顔をして今日は皆に混じっている.蔑みの目で見られているのも知らずに. (出典:萱野、方言:沙流)
- siramuysamte
- シラムイサㇺテ 【自動】[si-ramuysam-te 自分・わからない・させる]しらばくれる、 聞かないふりをする。 {E: to pretend not to hear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- síran
- シラン 【完動】[sir-an あたり/様子・ある] ①(…で)ある、 状況が(そう)なっている。 maratto an kor síran マラット アン コㇿ シラン 酒宴が行われていた。(W言い伝え) i=etok un aynu sinotcaki haw as kor síran イイェトㇰ ウン アイヌ シノッチャキ ハウ アㇱ コㇿ シラン 私の行く手にアイヌが歌う声がしていた。(S民話) uunukor utar oka híne síran ウウヌコㇿ ウタㇻ オカ ヒネ シラン 母と子が住んでいた。(W民話) a=erámasu no síran pe ne kusu アエラマス ノ シラン ペ ネ クス おもしろいような状態になっているので。(S会話) ene an tennep an hike a=i=núkare póka somo ki no síran hi an エネ アン テンネㇷ゚ アン イケ アイヌカレ ポカ ソモ キノ シラニ アン このような赤ちゃんがいたのにいままで私に見せてもくれなかったんだなあ。(W民話) ②時がたつ。 sóyonpa wa ora setakko síran pe ソヨンパ ワ オラ セタッコ シラン ペ 外出してからずいぶん長くたったのに。(S) iruka síran kor イルカ シラン コㇿ 少したつと。(NK民話) tu to re to hancikiki/síran ki kor トゥ ト レ ト ハンチキキ/シラン キ コㇿ 二、 三日たつと。(HC神謡) ☆参考 民話の冒頭で三人称の登場人物を紹介をするときには、 主語を特定しないこの完全動詞形が用いられる。 ①の最後の例では、 そのあとすぐに主人公の自叙となり、 sine po kor unarpe a=ne híne án=an シネ ポ コㇿ ウナㇻペ アネ ヒネ アナン 私は一人の息子を持つ中年の女性でした、 と、 引用文中の自称(すなわち不定人称形)になっている。 {E: ① circumstances, refers to space and time (B.). ② to take time; for time to pass.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siran 1
- シラン 【siran】 ①(〜という)様子だ,(〜に)なる. アウン コシマッ アンラコㇿ ソモ ネ.エㇰ ワ オラーノ レパ カ シラン ペ ポサㇰ シリ=隣の嫁,クロユリではないのかい.来てからすでに3年にもなるのに子供を産めない様子は.アㇷ゚ト アㇱ ノイネ シラン ナ チクニ ポロンノ アフㇷ゚テ ワ アヌ=雨が降りそうだから薪をたくさん入れておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
- siran 2
- シラン 【siran】 ②たつ,過ぎる. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirankor
- シランコㇿ §011.身内 血縁の者(4)sirankor〔ši-ráŋ-kor シらンコㇿ〕⦅クッシャロ⦆。血縁を引いている;親類である。u- 〜「お互いに親類である」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- sirankore
- シランコレ §011.身内 血縁の者(6)sirankore〔ši-ráŋ-ko-re シらンコレ〕⦅ビホロ、アショロ、カラフト⦆①親類;血縁の者。"anoka neampe ine pa asisne pa paxno pon hekachi an-ne orowa, ay-sirankore utara i-reske"「私は4才5才位の幼童であった頃から、私の親類の人々が私を育てた」⦅あいぬ物語, p.2⦆。②血につながる;血統を引く。"tanokay piskan kotan oxta Karaxto orun nispa utara 〜 aynu tani kayki okay" 「これら方々の村にカラフトの首領たちの血を引いている人が今もいる」⦅あいぬ物語, p.5⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- sirankuri
- シランクリ §011.身内 血縁の者(7)sirankuri〔ši-ráŋ-ku-ri シらンクリ〕⦅カラフト⦆親類。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- siranpakamuy
- シランパカムイ 【sir-anpa-kamuy】 樹木の神.▷シㇼ=大地 アンパ=持つ カムイ=神 →大地を支え持っている神が樹木だと考えている. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirapa
- シラパ 【sir-apa】 雨漏り.▷シㇼ=あたり アパ=漏る (出典:萱野、方言:沙流)
- sirapoknu
- シラポㇰヌ 【sirapok-nu】 甘く見る,みくびる.馬鹿にする. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirappa
- シラッパ 【自動】[si-rap-pa 自分・(他動詞語根 < 羽(?)/擬音(?))・[複])はばたきする。 sirappa kor arpa シラッパ コㇿ アㇻパ (鳥が)はばたきしながら行った。 sirappa mawe/ene ne pekor/henoo uwao/a=nu hi tasi シラッパ マウェ/エネ ネ ペコㇿ/ヘノオ ウワァオ/アヌ ヒ タシ 羽ばたく音が次のように聞こえる。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
- sirappa
- シラッパ 【si-rappa】 羽ばたく. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirappa
- シラッパ §419 (その他の鳥名) (30) sirappa(si-rap-pa)「シラッパ」⦅幌別⦆羽ばたく[rap羽、rap-u羽ばたかせる、rap-paその複数形、si-rapu自分を羽ばたかせる、sirappaその複数形] (出典:知里動物編、方言:)
- sirapparappa
- シラッパラッパ 【si-rappa-rappa】 羽ばたき. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirar
- シラㇻ 【sirar】 濃い:(粥や糊が)固い. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirar 1
- シラㇻ 【名】岩、 大きな石(石垣にするような)、 海辺の岩、 コンクリート。 híne suy sirar ka un néa saro terke tek híne ヒネ スイ シラㇻ カ ウン ネア サロ テㇾケ テㇰ ヒネ そしてまた磯岩の上へその猿はピョンととびのって。(S民話) soy ta sirar kar kor oka ソイ タ シラㇻ カㇻ コロカ 外で「コンクリ」(=コンクリート)をつくっている(「岩みたいな形になるから」)。(W) {E: a (large) rock.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirar 2
- シラㇻ 【自動(?)】(おかゆが)かたい。 ☞sirarsayo シラㇻサヨ、 siratek シラテㇰ (出典:田村、方言:沙流)
- sirara
- シララ 【完動】潮が引く。 ☞sirarha シラㇻハ {E: for the tide to go out, drop.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirara
- シララ 【sirara】 磯,平磯,海面に見えていない平らな岩礁[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sirarha
- シラㇻハ 【完動】[sirar-ha 岩・空(から)になる(?)] 潮が引く。 ☆対語 sirarpes シラㇻペㇱ {E: for the tide to go out, drop.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirari
- シラリ 【名】[所](概 sirar シラㇻ は未出)酒かす、 酒をしぼったかす。 {E: sake lees , dregs.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirari
- シラリ 【sirari】 酒粕. (出典:萱野、方言:沙流)
- siraripe
- シラリペ §070.あぶらかす(油粕)(3)魚油を絞り採った後の油粕 siraripe〔ši-rá-ri-pe シらリペ〕[<sirari(圧しつけられた、si「自分を」 rari「押しつける」)+ipe(食物)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sirariwak
- シラリワㇰ §299 ハシボソガラス (3) sirariwak (si-rá-ri-wak)「シらリワㇰ」[<sirar-ewak(磯・に住む)] ⦅美幌、屈斜路、浦河⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sirariwakkamuy
- シラリワㇰカムイ §299 ハシボソガラス (6) sirariwak-kamuy (si-rá-ri-wak-ka-muy)「シらリワㇰカムイ」 ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sirarkokari
- シラㇻコカリ 【名】[sirar-kokari 岩・に群がる][動物] カラスの一種(karr həː, karr həː カルル ハー カルル ハーと鳴く)。 〔知分類 p.179 ((ホロベツ))ハシボソガラス〕 {E: a type of crow.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirarkokari
- シラㇻコカリ §299 ハシボソガラス (2) sirarkokari (si-rár-ko-ka-ri)「シらㇻコカリ」[<sirar(岩・磯)ko(に)kari(往来する)、‘磯のあたりを往来する者’の意] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sirarnisu
- シラㇻニス 【sirar-nisu】 (石の)挽き臼. 図[シラㇻニス] (出典:萱野、方言:沙流)
- sirarpes
- シラㇻペㇱ 【完動】[sirar-pes 岩・下がる(?)] 潮が満ちる。 ☆対語 sirarha シラㇻハ。 {E: for the tide to come in, rise.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirarsayo
- シラㇻサヨ 【名】[sirar-sayo かたい(?)・ゆるいおかゆ]かたいおかゆ。 sirarsayo horopsekar kor an シラㇻサヨ ホロㇷ゚セカㇻ コㇿ アン かたいおかゆをすすっている。(S) ☆参考 sayo サヨ は、 おかゆと言ってもスープのように水分の多いものだから、 かためにつくってもスルスルとすするくらい柔らかい。 ☆参考 sirar シラㇻ は酒かす(☞sirari シラリ《酒のしぼりかす[所]》と同源であろうか。 sirar シラㇻ《岩》との関係は考えにくい。 siratek シラテㇰ《(おかゆなどが)かためである》が[< sirar-tek かたい・やや…]であるとすれば sirar シラㇻ は自動詞である。 {E: (for rice gruel) to be thick; stiff.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirarsayo
- シラㇻサヨ 【sirar-sayo】 固粥:飯に近いくらいの粥. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirarwak
- シラㇻワㇰ §299 ハシボソガラス (4) sirarwak (si-rár-wak)「シらㇻワㇰ」[<sirar-ewak] ⦅屈斜路、美幌、浦河⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sirasirak
- シラシラㇰ 【自動】[sirasira-k (擬態重複)・(自動詞形成)] ザラザラだ(削ってない板のように)。 peko parunpe cápe parunpe sirasirak ペコ パルンペ チャペ パルンペ シラシラㇰ 牛の舌や猫の舌はザラザラだ。 ☆対語 rárak ララㇰ {E: to feel rough.} (出典:田村、方言:沙流)
- siratek
- シラテㇰ 【自動】[< sirar-tek かたい・やや…](?) ①かたい(おかゆ、 糊、 こねたもの等、 ドロドロのものの水分が少なくて)。 na ponno sayone tek no e=kar noyne an pe eytasa siratek ruwe an hi an! ナ ポンノ サヨネ テㇰ ノ エカン ノイネ アン ペ エイタサ シラテㇰ ルウェ アニ アン! もう少しゆるくすればよかったのにあまり固く練ってしまったんだなあ。(S) ②(熟語) paro siratek パロ シラテㇰ (渋くて/甘くて)口のあたりが厚くなったように変な感じになる。(S) hu kaki k=e akus ku=patoye unno ironne pekor ku=paro siratek フ カキ ケ アクㇱ クパトイェ ウンノ イロンネ ペコㇿ クパロ シラテㇰ 生の柿を食べたら唇のほうまで厚くなったみたいに口が変になった。(S) ☆参考 (味が)しぶいことは、 parkosiratek パㇻコシラテㇰ、 parsiratekka パㇻシラテッカ。 {E: ① (for rice gruel, paste, dough etc.) to be thick, stiff. ② …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siratkikamuy
- シラッキカムイ 【siratki-kamuy】 家の中に置いてある神.*狐の頭はキムンシラッキ,アホウドリの頭はレプンシラッキ. (出典:萱野、方言:沙流)
- siratkikamuy
- シラッキカムイ §356 アホウドリ;しかべ (4) siratki-kamuy (si-rát-ki-ka-muy)「シらッキカムイ」[<‘卜占する・神’] ⦅沙流⦆【雅】(北文IV, 36) (出典:知里動物編、方言:)
- siratsirat
- シラッシラッ §050.あせも(汗疹)(3)siratsirat〔ši-rát-ši-ratシらッシラッ〕⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siraw
- シラウ 【名】[動物] アブ。〔知分類 p.94〕 {E: a horsefly; a gadfly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siraw
- シラウ 【siraw】 アブ. (出典:萱野、方言:沙流)
- siraw
- シラウ §135 トナカイのハエ siraw(si-raw)「シラウ」⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- siraw
- シラウ §136 アブ(虻) (1) siraw(si-raw)「シラウ」[<si-rap]⦅屈斜路、千歳、幌別、富内、落帆、白浦、沙流、礼文、様似、本別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sirawekoyki
- シラウェコイキ 【自動】[< sir-hawekoyki あたり・をどなりつける] 大声でどなる、 大声で叱りつける。 {E: to shout, scream in a loud voice.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirawekoyki
- シラウェコイキ 【sir-hawe-koiki】 大声でどなりつける. ▷シㇼ=あたり ハウェ=声 コイキ=いじめる *シㇼハウェコイキがシラウェコイキになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- siraye
- シライェ 【siraye】 寄る. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirayre
- シライレ 【自動】[si-ray-re 自分・死ぬ・させる] 死んだふりをする。 ☆参考 yayrayke ヤイライケ は《自殺する》。 {E: to pretend to be dead.} (出典:田村、方言:沙流)
- sircuk
- シㇼチュㇰ 【sir-cuk】 秋になる. クポニタ(ク・ポン ヒ タ) シㇼチュㇰ コㇿ クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ モセ・アㇱ チセ オカーリ カキ チ・カㇻ ペ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=私が小さい時,秋になると母と一緒にカヤを刈って家の周囲に雪囲いを作ったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
- síre
- シレ 【自動】[sir-e 自然・がそれを食べる](?) (食物が)カサカサになって白いものがプチプチ出る(昆布のかこい方が悪くて白い粉状のものがつく、 野草に湯通しして陰干ししたのにかびが生える等)。 konpu síre コンプ シレ 昆布に白い粉状のものがついた。(S) kumius wa síre クミウㇱ ワ シレ かびが生えて「プチプチに」なった。(S) {E: for food to become dry and covered in a white powdery substance (e.g. kombu seaweed).} (出典:田村、方言:沙流)
- sirecakke
- シレチャッケ 【sir-e-cakke】 (あたりを)汚ながる.▷シㇼ=あたり エチャッケ=汚ながる (出典:萱野、方言:沙流)
- sirehawekoyki
- シレハウェコイキ 【他動】[sir-e-haw-e-koyki あたり・で・声・で・いじめる] …ということをひどく叱りつけながら言う。 {E: to scold… severely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirekariwaek
- シレカリワエㇰ 【sir-e-kari wa ek】 遠回りで来る.▷シㇼ=あたり エ=それ カリ=回る ワ=〜て エㇰ=来る (出典:萱野、方言:沙流)
- sirekatta
- シレカッタ 【sir-ekatta】 投げる,叩きつける. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirekurok
- シレクロㇰ 【sir-ekurok】 暗い,真っ暗だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirekutkar
- シレクッカㇻ 【自動】[si-rekut-kar 自分・のど・(他動詞形成)](のどにひっかかったとき)咳払いする。 ☆参考 咳をすることは omke オㇺケ、 訪問する家の前で合図の咳払いをすることは simusiska シムシㇱカ。 {E: to cough; clear one's throat.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirekutkar
- シレクッカㇻ 【si-rekut-kar】 咳払いをする. アヌン コタン タ アㇻパアニネ(アㇻパ・アン ヒネ) コタンコㇿクㇽ コㇿ チセ ネ ノイネ アン ウㇱケ タ アㇻパ・アン シレクッカㇻアナクス(シレクッカㇻ・アン アクス) ア・イ・アフンケ=よその村へ行って村おさの家らしい所へ行き,咳払いを私がしたら家の中へ入れられた. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirekutkar(-an)
- シレクッカㇻ §459.咳[する](7)sirekutkar(-an)〔ši-ré-kut-kar シれクッカㇻ〕[si(自分の)+rekut(のどを)+kar(払う)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siren
- シレン 【他動】…を一緒に行こうとさそう。 ene monasap ruwe an pe a=sirén yakka somo i=tura nankor kusu tun a=ne wa pay=an エネ モナサㇷ゚ ルウェ アン ペ アシレン ヤッカ ソモ イトゥラ ナンコㇿ クス トゥナネ ワ パヤン (あの人は)あんなにいそがしいんだからさそっても行かないでしょうから私たち二人だけで行きましょう(pay=an パヤン=paye=an パイェアン)。(S) X siren wa arpa wa nasi eikkapa wa ora a=kisma wa a=kikkik ruwe ne yak a=ye wa X k=éasiskar pe un うちの子はXにさそわれて行って二人でナシを盗んでつかまってたたかれたそうで私はXをうらんでいるのよ。(S) a=yuputari ikaanun nen ka haweoka híne menokopoutar inani ka siren na tura na sekor ramuan=an アユプタリ イカアヌン ネン カ ハウェオカ ヒネ メノコポウタㇻ イナニ カ シレン ナ トゥラ ナ セコㇿ ラムアナン 兄さんたちがもしかして何とか言って娘さんたちのだれか一人をさそわないかな連れて行かないかなと私は思った。(NK民話) {E: to invite, tempt…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siren
- シレン 【siren】 誘う. ウシレン=誘い合う.アチャポ チェㇷ゚コイキ クス エン・シレン コㇿカ ア・エラムホカスス クス ソモ アㇻパ・アン=おじさんが魚獲りに私を誘ったが、気が進まなかったので行かなかった.エ・アキヒ チセ オッタ(オㇿ タ) アン チキ シレン ワ エㇰ=お前の弟が家にいたら誘ってこい.トオトオ ウカ カ タ ユㇰ ラオㇱマ コㇿ アン ナ セコㇿ アレクㇱコンナ ア・エン・シレン ホユプ・アン=あれあれ堅雪の上で鹿がぬかっていると,まったく急に誘われたので私は走った.タン チュㇷ゚ タ トゥイマ モシルン(モシㇼ ウン) ア・エン・シレン ヤッカ ク・ヤイモンニㇱカ ㇷ゚ ネ クス ソモ カㇻパ(ク・アㇻパ) クナㇰ ク・イェ.ケヤイアシシカㇻ(ク・エヤイアシシカㇻ) コㇿ カン(ク・アン)=今月,遠い国へ私は誘われたが忙しいものだから行かないと言った.後悔している. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirepa
- シレパ 【自動】[sir-epa 土地・に着く] 着く、 到着する、 来着する、 届く。 nusa or ta sirepa ヌサ オッタ シレパ 祭壇のところに行き着いた。(W神謡語り) a=uní ta sirepa=an アウニ タ シレパアン 私は私の家に帰り着いた。(W神謡語り) a=nuráppa wa usa aep pirka hi, usa okaype maratto pirka p sirepa wa アヌラッパ ワ ウサ アエㇷ゚ ピㇼカ ヒ、 ウサ オカイペ マラット ピㇼカㇷ゚ シレパ ワ (他の人々は)供養されて、 いろいろ食べ物のよいのやいろいろなもの、 ごちそうのよいものが届いて。(W民話) {E: to arrive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirepa
- シレパ 【sir-epa】 着く,到着する,届く.▷シㇼ=あたり エパ=着く タント シㇼペケㇾ ヒ タ ケㇰ(ク・エㇰ) エパ ヤー シコㇿ ク・ヤイヌ コㇿ ク・ヤイニタンテ アクス イイソネ ク・シレパ=今日明るいうちに到着するかなあと思いながら急いで来たがどうやら着いた.エン・コシレパ=私に届く.エ・コシレパ=あなたに届く. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirepakasnu
- シレパカㇱヌ 【他動】[sir-epakasnu 土地・…に…を教える] …に道を教える。 {E: to tell, show…the way; give directions to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirepare
- シレパレ 【他動】[自動使役][sirepa-re 到着する・させる] …を到着させる、 …を(目的地まで)連れて/持って来る。 {E: to have…arrive; take, lead…to their destination.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirepare
- シレパレ 【sirepa-re】 届ける. (出典:萱野、方言:沙流)
- sireramiskari
- シレラミㇱカリ 【自動】[sir-eramiskari あたり/土地・…を見知っていない] どこもわからない、 土地が不案内である、 道がわからない、 その土地に知人がいない。 ☆対語 siramkir シラㇺキㇼ 道がわかる、 その土地/地域の様子がわかる。 (出典:田村、方言:沙流)
- sireramuskari
- シレラムㇱカリ 【sir-e-ramuskari】 あたりを知らない. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirerun
- シレルン 【副】川の対岸(「川向い」)へ。 sirerun a=nukár kor paye=an kotan Nupkipet ne シレルン アヌカㇻ コㇿ パイェアン コタン ヌㇷ゚キペッ ネ 川向いに見ながら行く部落は貫気別(ぬきべつ)だ。(S) {E: on the other side, opposite bank of a river.} (出典:田村、方言:沙流)
- siresik
- シレシㇰ 【自動】[sir-e-sik あたり・それで・満ちる] (直訳すると)あたりが…でいっぱいになる=…がとてもたくさんある。 yam nitay siresik pe ne aan ヤㇺ ニタイ シレシㇰ ペ ネ アアン あたり一面が栗林でいっぱいだったのでした。(W神謡語り) {E: to be full of…; have plenty of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siresikte
- シレシㇰテ 【sir-e-sikte】 大地いっぱいにする. (出典:萱野、方言:沙流)
- siresure
- シレスレ 【他動】[si-resu-re 自分・を育てる・させる]…に育てられる。 unu takup siresure ウヌ タクㇷ゚ シレスレ 母親だけに育てられる。(S) {E: to be raised, brought up by…} (出典:田村、方言:沙流)
- siretok
- シレトㇰ 【sir-etok】 器量. (出典:萱野、方言:沙流)
- siretok 1
- シレトㇰ 【名】[sir-etok 地・の先端]岬、 大地の先端。 ☆参考 通常の言葉で岬(「でっちゃき」)のことは nottu ノットゥ。 {E: a cape; a headland.} (出典:田村、方言:沙流)
- siretok 2
- シレトㇰ 【名】[sir-etok 様子・の先端] 美貌(びぼう)。 siretok kor シレトㇰ コㇿ [美貌・を持つ]美貌である、 (人が)美しい。 siretok ka kor pawetok ka kor シレトㇰ カ コㇿ パウェトㇰ カ コㇿ 彼は顔も美しいし口も達者だ。(S) ☆参考 男性に関して言うことが多いが、 女性にも使う。 {E: a beauty.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siretok(-o)
- シレトㇰ §177.顔が美しい;器量よし[である];美貌[である](1)美貌 siretok(-o)〔ši-ré-tok シれトㇰ〕[sir(見かけ)+etok(先)]⦅H.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siretokkor
- シレトッコㇿ 【自動】器量(きりょう)がよい、 美貌(びぼう)である。 katkemat ka siretokkor, pontono ka siretokkor, kamuy sirine oka utar カッケマッ カ シレトッコㇿ、 ポントノ カ シレトッコㇿ、 カムイ シリネ オカ ウタㇻ 奥様も美しい、 おぼっちゃまも美しい、 神様のような立派な方々。(S) {E: to be beautiful; good-looking.} (出典:田村、方言:沙流)
- siretokkor
- シレトッコㇿ 【sir-etok-kor】 美しい,美貌,器量がよい. (出典:萱野、方言:沙流)
- siretokkor(-an)
- シレトッコㇿ §177.顔が美しい;器量よし[である];美貌[である](4)美貌である siretok-kor(-an)〔si-ré-tok-kor シれトッコㇿ〕[美貌を・もつ]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siretokkorpa
- シレトッコㇿパ 【自動】[複](siretokkor シレトッコㇿ は単複の区別なし)(二人以上が皆)美しい。 {E: to be beautiful; good-looking(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirewe
- シレウェ 【自動】[si-rewe 自分・を曲げる](道が)曲がっている。 ponno sirewe no ru an ポンノ シレウェ ノ ル アン 少しくねくね曲がって道がある。 ☆参考 ものが弓なりに曲がることは通常 rewke レウケ という自動詞で言う。 {E: to be bent.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirhorutke
- シㇼホルッケ 【sir-horutke】 地滑り,土砂崩れ. タパヌㇱケ アナㇰネ タネ シㇼホルッケ アンキ アン イヤイキㇷ゚テ ナ イテキ エチ・カランケ クニ ラム ヤン=この場所は今にも地滑りが起きそうだ、危険なので絶対にお前たちは近寄ると思うな. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirhorutu
- シㇼホルトゥ 【sir-ho-rutu】 地滑り.▷シㇼ=大地 ホ=自ら ルトゥ=寄せる (出典:萱野、方言:沙流)
- sirhurarakka
- シㇼフララッカ 【sir-hura-rak-ka】 大地のにおいをかぐ:犬があたりのにおいをかぎながら歩く様子. ア・コㇿ セタ ア・トゥラ ヒネ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) シㇼフララッカ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ホユㇷ゚テㇰテㇰ アクス ヒナㇰ ワ シネ イセポ ケサンパ ワ エㇰ=私の犬を連れて山へ行ったら,大地のにおいをかいでいたと思うと,さっと走り出し,どこからか1匹のウサギを追い出して来た. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirhutne
- シㇼフッネ 【sir-hutne】 (土地・家が)狭い. ヘカッタㇻ アナㇰネ シㇼフッネ ウㇱケ ウン ウフトゥフトゥパ ワ シノッ ルスイ=子供たちは狭い所で押し合いへしあいをして遊びたいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- siri
- シリ 【名/形名】[所](概は sir シㇼ) ①(普通名詞として)(=sirihi シリヒ)…の様子、 地、 地面、 所、 あたり。 ②[形名](名詞化辞として)(動詞句に終わる文の後に置かれて、 見える様子に関する説明の名詞句をつくる。) …する/している様子。 a=onáha i=respa siri pirka rok pe ne kusu アオナハ イレㇱパ シリ ピㇼカ ロㇰ ペ ネ クス 父が私を育ててくれた育て方がよかったので。(S民話) …siri ne …シリ ネ …する/した/している様子だ、 (見たところ)…する/した/しているのだ。 tanepo póka a=porómacihi omanan siri ne na タネポ ポカ アポロマチヒ オマナン シリ ネ ナ 初めてあなたの本妻様がお見えになったのですから。(W民話) …siri an …シリ アン (1)(感嘆文で)…しているなあ。 (2)(主に疑問詞のある疑問文で)(この様子は)…しているのか。 a=kor katkemat mak é=iki siri an? アコㇿ カッケマッ マㇰ エイキ シリ アン? 奥様、 何をしていらっしゃるのですか。(W民話) …siri? …シリ? (主に当否を問う疑問文で)…しているのか。 tanepo ape e=ari siri? タネポ アペ エアリ シリ? 今やっと火を焚きつけたの? …siri iki …シリ イキ …している(そういう様子の行動をしている)。 tu moto orke hunar kor as wa an siri iki トゥ モト オㇿケ フナㇻ コㇿ アㇱ ワ アン シリ イキ 彼はいろいろと素性をさぐりながら立っていた(そういう様子をしていた)。(W民話) ☞sir シㇼ {E: ① earth; land; place; appearance. ② …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siri/siri(hi)
- シリ/シリ(ヒ) 【siri/siri(hi)】 図体. ポロシリヒ アン ワ オラーウン ヌンペネ=大きい図体していながら甘えている. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirihi
- シリヒ 【名】[所](概は sir シㇼ)…の様子、 そういう様子、 その様子。 opitta rap wa isam, nep ka a=se ruwe ka isam, sirihi ne korka オピッタ ラㇷ゚ ワ イサㇺ、 ネㇷ゚ カ アセ ルウェ カ イサㇺ、 シリヒ ネ コㇿカ みんな落ちてしまった、 私はもう何も背負っていなかった、 そうだったけれども。(W民話) {E: the look, appearance of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siriki
- シリキ 【siriki】 様子(だ). レラ アㇱ ノイネ シリキ ナ エ・サッケ キナ アプッキ コカㇻカリ ワ ウカオ ワ アヌ=風が吹いて来るようなので,お前が干した山菜をすだれに包んでしまっておけ.テエータ アナㇰネ ネノ アン シリキ ソモ ア・ヌカㇻ ペ ネ ア コㇿカ タネ オカ ペウレクㇽ アナㇰネ ホクフ カシエオマー カネ オカイパ=ずうっと昔はそのような様子を見ることはなかったが,今いる若い人は自分の夫にしなだれかかっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirine
- シリネ 【後副】[siri-ne その様子・である] …のように、 まるで…のごとくに。 (次のような慣用表現の中でのみ用いられる。) kamuy sirine カムイ シリネ 神のように(立派なことや尊いことを表現する一つの言い方)。 kamuy sirine oka utar カムイ シリネ オカ ウタㇻ 神様のような人々=非常に立派な人々。(W) kamuy sirine horarpa wa oka カムイ シリネ ホラㇻパ ワ オカ 神様のように(=非常に立派に/高級に/尊い様子で)住まいしている。(S) seta sirine セタ シリネ 犬のように(悪口)。(S) {E: as, like…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirine
- シリネ 【siri ne】 〜だった. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirinkay
- シリンカイ 【名】[< 日本語]しりがい(舟の櫂の一種)。 {E: a type of oar.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirinki
- シリンキ 【名】くだ(管)(「くだ」の訳語として出た)。 {E: a pipe; a tube.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siripe
- シリペ 【自動】[sir-ipe 様子(この場合は自動詞をつくる接頭辞)・食べる(この場合は食物)] 食物を調達する。 {E: to eat; provide food.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siripe
- シリペ 【siripe】 他の村へ食べ物を貰いに行く,調達する:村が飢饉になり,別の村へ食べ物を分けてもらいに行くこと. テ タ アナン(アン・アン) ヤッカ アエㇷ゚ カ イサㇺ.パイカㇻ パㇰノ ネユンポカ イキ・アン ワ シㇰヌ・アン ソモ キ ヤㇰネ コタン ア・アルㇱテッカ.エライエコッネ ネ クス シリペ・アン クス アㇷ゚カㇱ・アン クスネ=ここにいても食べ物もない.春までなんとかして生きていなければ村が消えてしまいそうだ,どうせなら食べ物を探しによその村へ歩いて来るよ.ア・コタヌ ケムㇱ ワ アエㇷ゚ カ イサㇺ ペ ネ クス ア・コㇿ タマサイ ネ ヤ ア・ホクフ コㇿ イコㇿ ネ ヤ ア・セ カネ オヤ コタン オルン シリペ クス アㇻパ・アン=私の村が飢饉になり,食べ物がないので,私の玉飾りや私の夫が持っていた宝刀などを背負って別の村へ食べ物を分けてもらいに私は行った. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirire
- シリレ 【siri-re】 地名:あたりの名前:自分たちが暮らしている所から別の方角を言う場合. タ アン ペ アナㇰネ シリレ ネ ヒネ 二風谷小学校 カランケ オカ アイヌ アナㇰネ 萱野茂アイヌ資料館 アン ウㇱケ ヌㇷ゚ シコㇿ レコレ ワ アン ペ ネ ア ワ=これは地名であって,二風谷小学校近くにいた人は萱野茂アイヌ資料館のある場所を,野原と名づけていたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
- siritkuma
- シリックマ §412.じょおみゃく(静脈)(2)静脈の太い筋 si-rit-kuma〔ší-rit-ku-maし・リッ・クマ〕[si(大きな)+rit(筋)+kuma(峯)]⦅ホロべツ⦆【雅―ユ研II, p. 719】 (出典:知里人間編I、方言:)
- siriwenkamuy
- シリウェンカムイ §328 ヤマゲラ;おおげら(方言) (6) siri-wen-kamuy (si-ri-wen-ka-muy)「シリウェンカムイ」[<sir(天気)wen(悪くなる)kamuy(鳥)] ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- siriyap
- シリヤㇷ゚ 【si-riya-p】 二冬越した熊. (出典:萱野、方言:沙流)
- siriyap
- シリヤㇷ゚ §277 くま (30) siriyap (sí-ri-yap)「しリヤㇷ゚」[si-(ほんとうの、大きな)riyap(↑)] ⦅天塩⦆三歳グマ (出典:知里動物編、方言:)
- sirka
- シㇼカ 【sirka】 (鞘の)飾り,鞘. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirka
- シㇼカ 【sirka】 地面. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirka
- シㇼカ §167.かお(顔)(10)顔面;顔貌;容貌;かおかたち sir-ka〔šír-ka しㇼカ〕[sir(物の外面)+ka(上、表面)]⦅H. 一般⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- sirka 1
- シㇼカ 【名】[< sir-ka 見えるもの・の上][雅]刀のさやの外側、 刀のさや。 Ouhuy-sirka Ouhuy-níkapattus オウフイシㇼカ オウフイ ニカパットゥㇱ すそこげ刀すそこげ厚司(人間の始祖アイヌラックルの呼び名の一つ。 父神が天地を走り回って地を燃やして歩いたことからつけられた)。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
- sirka 2
- シㇼカ 【位名】[概](所は sirkasi シㇼカシ、 sirkaske シㇼカㇱケ)[sir-ka 地/あたり・の上] ①地面や床(ゆか)の上。 ne suwop apunno a=ranke sirka ta a=anú ranke a=anú ranke ayne ネ スウォㇷ゚ アプンノ アランケ シㇼカ タ アアヌ ランケ アアヌ ランケ アイネ その箱を静かに下ろして床(ゆか)に置き、 次々に下ろしては床に置いてから。(HK民話) sirka ta inkar シㇼカ タ インカㇻ [地面・に・ものを見る](負けたために)何も言えない。 ②(布や着物の)表(おもて)。 ☆対語 sirpok シㇼポㇰ {E: ① on, above ground. ② the front, outer surface of clothing, material.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirka-nuye
- シㇼカヌイェ 【自動】[sirka-nuye 刀のさや・を彫る]刀のさやに彫刻をする。 sirka-nuye/tomika-nuye/tapan pe patek/nepki ne a=ki シㇼカヌイェ/トミカヌイェ/タパン ペ パテㇰ/ネㇷ゚キ ネ アキ [雅]刀のさやに彫刻をし、 このことばかりを私は仕事としてやっていた。 ☆参考 tomika-nuye トミカヌイェ、 ikorka-nuye イコㇿカヌイェ とも言い、 いつも二つの句を並べて対句にして使う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirkaante
- シㇼカアンテ 【自動】美しい。 {E: to be beautiful.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkamu
- シㇼカム 【sir-kamu】 大地にうつ伏す. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkap
- シㇼカㇷ゚ 【名】[動物]「ツノザメ」。 「背中に大きな角が立っている、 それで舟を突くと穴があく。 肉はおいしい、 真っ白でさしみにする。 皮は少しつけて一寸幅ぐらいに裂き、 干して親戚じゅうに分けてやる。」 (S) 〔知分類 p.21 メカジキ〕 {E: a spiny dogfish.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkap
- シㇼカㇷ゚ 【sirkap】 カジキマグロ(メカジキ),サメ(ツノザメ). (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkap
- シㇼカㇷ゚ §038 メカジキ (1) sirkap (sír-kap)「しㇼカㇷ゚」[<] ⦅幌別、沙流、長万部 II 36、礼文、白老⦆ 幌別漁村誌 (出典:知里動物編、方言:)
- sirkapceppo
- シㇼカㇷ゚チェッポ §088 サンマ (1) sirkap-ceppo(sír-kap-cep-po)「しㇼカㇷ゚チェッポ」[sirkap(メカジキ)cep(魚)-po(指小辞)]成魚⦅白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sirkapkamakatak
- シㇼカㇷ゚カマカタㇰ §154 種名不明 (1) sirkap-kamakatak(sír-kap-ka-ma-ka-tak)「しㇼカㇷ゚カマカタㇰ」⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sirkapkina
- シㇼカㇷ゚キナ §087 オカトラノオ (1) sirkap-kina (sír-kap-ki-na)「しㇼカㇷ゚キナ」[メカジキ・草] 茎葉 ⦅幌別・鵡川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sirkar
- シㇼカㇻ 【自動】[sir-kar あたり・をつくる/する] あたりを(…の様子に)する。 a=uníhi ne a p anak a=carpacarpa, a=sitóma no sirkar=an アウニヒ ネ アㇷ゚ アナㇰ アチャㇻパチャㇻパ、 アシトマ ノ シㇼカㇻアン …私のすまいだったものはバラバラに散らされて恐ろしい光景になって(されて)いる。 {E: for a situation to go towards, drift to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirkasak(-an)
- シㇼカサㇰ §178.顔がみにくい(3)sirka-sak(-an)〔šír-ka-sak しㇼカサㇰ〕[容貌・を欠く]⦅H. 一般⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- sirkasakpenankasakpe
- シㇼカサㇰペナンカサㇰペ 【sirka-sak-pe nanka-sak-pe】 取柄のない者:たいした器量でない者(へりくだった言い方). (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkasi/sirkas(i)ke
- シㇼカシ/シㇼカシケ/シㇼカㇱケ 【位名】[所](概は sirka シㇼカ)[sir-kasi/kas(i)ke 地・その上] ①…の上。 toytoy ka wa/hopuni réra/maw sirkasi/a=eyáykosnekur/punpa kane トイトイ カ ワ/ホプニ レラ/マウ シㇼカシ/アエヤイコㇱネクㇽ/プンパ カネ 土の上から立ちのぼる風に吹かれたように体が軽く浮き上がって (Sユーカラ) m ②…の表(おもて)(布や着物のおもて)、 その表。 {E: the outer surface of…(clothing, material).} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkaske
- シㇼカㇱケ 【sir-kaske】 表. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkata
- シㇼカタ 【sir-ka ta】 土の上. シㇼカタ アヌ=土の上へ置け. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkatanne
- シㇼカタンネ 【sirka-tanne】 造りの長い刀,ぐっと反った長い刀,反りのある長刀. ▷シㇼカ=造り タンネ=長い(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sirki
- シㇼキ 【sirki】 模様. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirki 1
- シㇼキ 【完動】[< sir-(i)ki あたり/様子・(ものを)する](…のような)ことが起こる、 …の様子が見える、 (…のように)なる。 ☆参考 síriki シリキ の二つ目の i が落ちて sirki シㇼキ と発音されたもの。 ほかに[sir-ki]があるかどうか不明。 {E: (for…kind of thing) to happen; to become (like…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirki 2
- シㇼキ 【名】模様。 sirki o シㇼキ オ (1)模様をつける。 (2)模様がついている。 {E: a design; a pattern.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkik
- シㇼキㇰ 【他動】[sir-kik あたり・を打つ][雅]ぶつける。 a=sirkik hum ko/korimnatara アシㇼキㇰ フㇺ コ/コリㇺナタラ [雅](鹿を太い木に)ぶつける音がドシンドシンと響く。(Sユーカラ) m ☆参考 日常語ではこの語構成だと自動詞だが、 kik キㇰ が他動詞なので雅語では他動詞型の人称形になっている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirkikkik
- シㇼキㇰキㇰ 【sir-kik-kik】 壁をたたく:家の外まで行って,客である私が来ていることを,家の人に知らせるために外壁をたたくこと. ▷シㇼ=あたり キㇰキㇰ=たたく(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkio
- シㇼキオ 【sirki-o】 斑点,斑,まだら,斑紋. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkirap
- シㇼキラㇷ゚ 【自動】身寄りがなく、 一人ぼっちで難儀する(困っている、 苦労する)。 {E: to have no relatives; live alone in difficulties.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkirap
- シㇼキラㇷ゚ 【sirkirap】 悩む,不自由する,心が痛む,悲しいことが多い. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkirap'eo
- シㇼキラㇷ゚エオ 【sirkirap-eo】 悲しいことが多い. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkirapkur
- シㇼキラㇷ゚クㇽ §038.やもめ(9)sirkirap-kur〔šír-ki-rap-kur しㇼキラㇷ゚クㇽ〕⦅サル⦆妻に死なれた男。=cisesakkur[sirkirap(不自由している)+-kur(人)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- sirkirappe
- シㇼキラッペ §277 くま (38) sirkirappe (sír-ki-rap-pe)「しㇼキラッペ」[sir(何となく)kirap(脂気がなくやせている)pe(もの)] ⦅幌別⦆年取った大きなクマ (出典:知里動物編、方言:)
- sirkisnatara
- シㇼキㇱナタラ 【sir-kis-natara】 静かな:シンと静まりかえっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirko-
- シㇼコ 【接頭】[sir-ko 地・に](動作を表す他動詞に接頭して、 動作が急激にないし極めて強く行なわれることを表す。)強く、 ギュッと、 ドンと、 ひどく。 ☆参考 toyko- トイコ と似ていているが、 つく動詞が違い、 ニュアンスにも違いがある ☞toyko トイコ (出典:田村、方言:沙流)
- sirko-cotca
- シㇼコチョッチャ 【他動】[sirko-cotca 強く・射る](矢を)ヒョウと射る。 suptom orke/a=aykonukar/a=sirko-cotca スㇷ゚トモㇿケ/アアイコヌカㇻ/アシㇼコチョッチャ [雅]私は幹の中程くらいのところに矢を置いてねらってヒョウと射た。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirko-hokayekaye
- シㇼコホカイェカイェ 【自動】[sir-ko-ho-kaye-kaye 地・に合わせて・尻・を折る・(重複)](川が)蛇行(だこう)する。 sirko-hokayekaye ayne suy íka シㇼコホカイェカイェ アイネ スイ イカ (川が)しばらく蛇行していてからまたあふれた。(S) {E: to meander.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirko-kik
- シㇼコキㇰ 【他動】[sirko-kik 激しく・…をたたく] …を強くたたく、 バンと/パシツと/ドンと打つ。 ☆参考 toyko-kikkik トイコキッキㇰ はひどく何回もなぐって痛めつけることを言う。 {E: to strike…forcefully.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirko-oterke
- シㇼコオテㇾケ 【他動】[sirko-oterke 激しく・…を踏む] …を強く踏みつける。 {E: to tread down…forcefully.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirko-otke
- シㇼコオッケ 【他動】[sirko-otke 激しく・…を突く] …を急にひどく突く、 ドンと/ギュツと突く。 {E: to strike, stab…forcefully.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirko-rarirari
- シㇼコラリラリ 【他動】[sirko-rari-rari 強く・押えつける・(重複)] …をギュウギュウ押えつける。 {E: to hold, press down…firmly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirko-yupu
- シㇼコユプ 【他動】[sirko-yupu 強く・…をきつくする] …を強くしめつける。 ☆参考 「しめつける」の訳語として出た。 {E: to bind…firmly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Sirkometu
- シㇼコメトゥ 【名】[人名] シリコメトウ(伝説上の豪雄である厚岸のカスンテの兄:児島記述)。 {E: personal name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirkootke
- シㇼコオッケ 【sir-ko-otke】 突き殺す:大地とともに突き刺す.▷シㇼ=大地 コ=それ オッケ=突き刺す ア・アキヒ トゥラノ エキンネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニ センピㇼ ワ ハイカンヌㇷ゚ シネㇷ゚ ピッコサヌ イ・カカムテㇰ.イ・ヨㇱ エㇰ コㇿ アン ア・アキヒ ホユプ ワ エㇰ ネア ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ シㇼコオッケ イ・カオピューキ クスケライ シㇰヌ・アン=弟とふたりで狩りに行くと立ち木の陰から若い熊が1匹さっと出て来て私の上へかぶさった.後から来ていた弟が走って来てその若い熊を槍で突き殺し私を助け,そのお陰で私は生きた.ア・ユピヒ トゥラノ エキンネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニ セㇺピㇼ ワ シネ ハイカンヌㇷ゚ ピッコサヌ ア・ユピヒ カシ カムテㇰ.アロラㇺポソ・アン コㇿ ネ ワ アン ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ ア・シㇼコオッケ ア・ユピヒ カシ ア・オピューキ=私は兄と山へ行ったら,木の陰から中ぐらいの熊が飛び出して私の兄におおいかぶさった.私は驚きながらその熊を槍で突き刺し兄を助けた. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkopeker
- シㇼコペケㇾ 【自動】[sir-ko-peker あたり・…に対して・明るい] 夜明しする、 夜が明けるまでする。 ancikar tanne yakka uwepeker=as ayne sirkopeker=as アンチカッ タンネ ヤッカ ウウェペケㇾアㇱ アイネ シㇼコペケㇾアㇱ 夜が長くなったとはいえ私たちが昔話をしているうちに夜が明けてしまった。(S) ☆参考 sirpeker シㇼペケㇾ は明るくなる、 夜が明ける。 {E: to stay up till dawn.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkopeker
- シㇼコペケㇾ 【sir-ko-peker】 夜明かしする,徹夜. トゥイマウㇱケ ワ ア・トクイェコㇿクㇽ エㇰ ペ ネ クス アネピッタ ウウェネウサㇻ・アン ヒネ シㇼコペケㇾ・アン=遠い所から友人が来たものだから,夜通し四方山話をして夜明かしをしてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkopop
- シㇼコポㇷ゚ §060 ウグイ (2) sirkopop (sir-ko-pop)「シㇼコポㇷ゚」[<sir-ko(いちめんに)pop(煮立つ)] ⦅美幌⦆赤く縞のついた細く長いウグイ(rakan[ホリ]につく)屈斜路の沼にいる。ウグイの一種。ホについて遊んでいるからsirkopopと言うと。 (出典:知里動物編、方言:)
- sirkopop
- シㇼコポㇷ゚ §101 エゾワカサギ;ちか (7) sirkopop(sir-ko-pop)「シㇼコポㇷ゚」⦅美幌⦆IX, 72. ワカサギ。 (出典:知里動物編、方言:)
- sirkorkamuy
- シㇼコㇿカムイ 【sir-kor-kamuy】 樹木の神. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkot
- シㇼコッ 【自動】[sir-kot あたり・につながれている] つないである、 つながれている(「どこに」ということを言わないで、 どこかにつながれていることを言う言い方)。 kesto an kor men-yo porono sirkot wa okay pe, tanto anak… ケㇱト アン コㇿ メンヨ ポロノ シㇼコッ ワ オカイ ペ、 タント アナㇰ… 毎日羊がたくさんつながれているのに今日は…。(S) (sirkotpa シㇼコッパ の用例へ続く。) ☆参考 [他動]は sirkote シㇼコテ。 {E: to be connected; tied.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkote
- シㇼコテ 【他動】(複は sirkotpa シㇼコッパ)[sir-kot-e あたり・につながれる・(他動詞形成)](馬、 犬、 船など)をつなぐ。 toan cikuni or un sirkote トアン チクニ オルン シㇼコテ あの木につなぎなさい。 (toan cikuni kote トアン チクニ コテ とも言う。) (S) ☞sirkot シㇼコッ {E: to connect, tie…} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkote
- シㇼコテ 【sir-kote】 繋ぐ,ゆわえつける.▷シㇼ=大地 コテ=つける セタ シㇼコテ=犬を繋げ.エ・コㇿ ポイセタ(ポン セタ) キラ ナ.ホクレ キㇱマ ワ シㇼコテ ワ アヌ=お前の小犬が逃げたぞ.早く押さえて繋いでおけ.チェㇷ゚コイキ オッタ(オㇿ タ) ヤ オルン アムㇱペ アフン コㇿ ア・シㇼコテ ワ チェㇷ゚ ア・ウㇰ パㇰノ ソモ ア・オピチ ㇷ゚ ネ=サケを獲りに行って網にカニがかかると紐でカニを繋ぎ,サケが獲れるまで放さないものであった.チㇷ゚シㇼコテ=舟を繁ぐ.ウンマ シㇼコテ=馬を繋ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkotor
- シㇼコトㇿ 【sir-kotor】 山の斜面. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkotpa
- シㇼコッパ 【他動】[複](単は sirkote シㇼコテ)(二頭/二匹/二隻以上)をつなぐ。 tanto anak hunak ta a=sirkotpa wa te ta isampa タント アナㇰ フナㇰ タ アシㇼコッパ ワ テ タ イサンパ (羊が)今日はどこかにつながれて、 ここにはいない。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- sirkotukceppo
- シㇼコトゥㇰチェッポ §009 ドジョウ (10) sirkotukceppo (sir-ko-tuk-cep-po)「シㇼコトゥㇰチェッポ」[sir(地、川底)kotuk(に付着している)] 成魚 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sirkotukka
- シㇼコトゥッカ 【他動】[sir-kotuk-ka あたり・にくっつく・(他動詞化)] …を(そこに)くっつける。 {E: to join, attach, stick…(to…).} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkunne
- シㇼクンネ 【sir-kunne】 暗い,暗くなる,日が暮れる,夜.▷シㇼ=あたり クンネ=暗い アㇻパ ワ エ・ウナㇻペヘ タㇰ ワ エㇰ.シㇼクンネ ナ アペケㇱ ヘネ コㇿ ワ アㇻパ=行ってお前の伯母を呼んで来い.暗いので薪の燃えさしなどを持って行け(昔はこれがしばしばあったこと). (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkunnetere
- シㇼクンネテレ 【自動】[sirkunne-tere 暗くなる・…を待つ] 暗くなるのを待つ、 日暮れを待つ。 kotan kim ta sirkunnetere=an コタン キㇺ タ シㇼクンネテレアン 私は村の山手で日暮れを待った。(NK民話) {E: to await darkness, nightfall.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirkur-wen
- シㇼクㇽウェン 【完動】[sir-kur-wen あたり・(< 影/姿)・悪い] 曇っている。 ponno sirkur-wen a korka tane hecaka ポンノ シㇼクㇽウェン ア コㇿカ タネ ヘチャカ 少し曇っていたけれどもう晴れた。(W) {E: to be cloudy; clouded.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkurainaw
- シㇼクライナウ 【sirkura-inaw】 熊の首を押さえて締めるイナウ:イヨマンテ(熊送り)の時に熊の首を締める棒. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirkuran
- シㇼクラン 【間投】[< sir-kur-an あたり・影・ある](?) ああ悲しい。 {E: Oh how sad!} (出典:田村、方言:沙流)
- sirkutut
- シㇽクトゥッ §334 エゾネギ (4) sirkutut (sír-ku-tut)「しㇽクトゥッ」 葉、及び球茎 ⦅荻伏⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sirma
- シㇼマ 【名】細かいくず、 ごみくず。 muysirma ムイシㇼマ [mun-sirma ごみ・細かいくず] 細かいごみくず。 ☆発音 シㇽマ。 {E: rubbish; waste.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirma
- シㇼマ 【sirma】 澱,不純物.*アイヌの悪口の中でウェンペシㇼマというのがある.悪い者の澱,悪い者のかす,悪口そのものであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirmata
- シㇼマタ 【sir-mata】 冬になる. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirmauspe
- シㇼマウㇱペ 【sirma-us-pe】 髪の毛[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirmeman
- シㇼメマン 【sir-meman】 涼しい. タント シㇼメマン=今日は涼しい. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirokane
- シロカネ 【名】[< 日本語 しろかね 白金(=銀)] 銀、 銀色。 {E: silver (colour).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirokane
- シロカネ 【sirokane】 銀,白銀. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirokanepisakku
- シロカネピサック 【sirokane-pisakku】 銀の柄杓. ▷シロカネ=白銀,銀 ピサック=柄杓(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sirokeppari(-an)
- シロケッパリ §566.ねる(寝る)(9)寝相が悪い sirokeppari(-an)〔ší-ro-kep-pa-ri しロケッパリ〕[sir(そこら一面を)+okeppare(蹴ちらかす)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- siromacise
- シロマチセ 【sir-oma-cise】 りっぱな家.▷シㇼ=大地 オマ=入る チセ=家 (出典:萱野、方言:沙流)
- siromainaw
- シロマイナウ 【sir-oma-inaw】 より房つきのイナウ:スス(ヤナギ)製. 図[シロマイナウ作り] (出典:萱野、方言:沙流)
- siromare
- シロマレ 【他動】[sir-oma-re 地・に入る・させる] …を鎮(しず)める、 落ち着かせる。 kewtumu siromare ケウトゥム シロマレ (彼の)心をなぐさめて鎮(しず)めてやる。(S) {E: to suppress, relieve…} (出典:田村、方言:沙流)
- síromáromar
- シロマロマㇻ ☞sir-homaromar シㇼホマロマㇻ (出典:田村、方言:沙流)
- siromatara
- シロマタラ 【自動】[sir-oma-tara 地・につく・…した状態が続いている] しっかりと心を決めている、 落ち着いている。 {E: to be calm; settled.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sironuman
- シロヌマン 【sir-onuman】 日が暮れる,夕暮れになる. (出典:萱野、方言:沙流)
- siroro
- シロロ 【位名】[sir-oro 地・のところ[所]]…の所、 …の場所、 …の地。 tumunci kamuy ewak siroro oka ruwe ne トゥムンチ カムイ エワㇰ シロロ オカ ルウェ ネ 鬼神の住む所があるのです。(W会話) {E: the place, land etc. of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirosi
- シロシ 【名】奉酒箸や矢に彫って入れる、 持ち主/使用主の印(しるし)、 家紋にたとえられる。 sirosi o シロシ オ 印(しるし)をつける(印を彫って入れる)。 aysirosi アイシロシ 矢に彫り入れた印(しるし)。 {E: a seal; a mark; a sign.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirosi
- シロシ 【sirosi】 しるし(印),符号. イナウ シロシ=イナウにつける印.アイ シロシ=竹で作った鏃につける印.萱野茂の先祖のアイシロシは横三本の棒の上へ魚の背びれである. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirosio
- シロシオ 【自動】(=sirosi o シロシ オ) 印(しるし)をつける、 印を彫って入れる。 {E: to mark; check.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirosio
- シロシオ 【sirosi-o】 しるしをつける,点をうつ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirosma
- シロㇱマ 【自動】[sir-osma 地・に突進する] 地に落ちる。 kamuy sirosma カムイ シロㇱマ (1)(神が)地に落ちる、 雷が落ちる。 (2)熊が死ぬ。 {E: (for a god) to descend to earth; for lightning to strike. (for a bear) to die.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirosma
- シロㇱマ 【sir-osma】 どたっと倒れる. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirota
- シロタ 【sir-ota】 空ける,樽に入れてあった水を空ける. ▷シㇼ=大地 オタ=空ける,くつがえす *シㇼオタがシロタになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sirotappa
- シロタッパ 【sir-otappa】 撤き散らす. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirotkaita
- シロッカイタ 【sir-ot-kaita】 海底に食い込んだ錨. ▷シㇼ=大地,海底 オッ=つく カイタ=錨 *シㇼオッカイタがシロッカイタになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sirouri
- シロウリ 【sir-ouri】 掘る.▷シㇼ=大地 オウリ=掘る →シロウリ (出典:萱野、方言:沙流)
- sirowri
- シロウリ 【自動】(=sir-ouri シロウリ)土を掘る。 {E: to dig.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirpeker
- シㇼペケレ 【sir-peker】 夜が明ける,明るくなる,夜明け. (出典:萱野、方言:沙流)
- sírpekettere
- シㇼペケッテレ 【自動】[sirpeker-tere 明るくなる・…を待つ] 明るくなるのを待つ、 夜が明けるのを待つ。 sirpekettere=an na シㇼペケッテレアン ナ (我々は皆)夜が明けて明るくなるのを待つから。(HC民話) ☆対語 sirkunnetere シㇼクンネテレ {E: to await the light of dawn.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirpirka
- シㇼピㇼカ 【sir-pirka】 晴れ(だ),気候がよい,天気がよい. タンパ アナㇰネ シㇼピㇼカ ア クス ハル アン ルウェ ネ ワ=今年は気候がよかったので豊作になるんだよ.ヌマン シㇼピㇼカ アㇷ゚ タント クンネイワノ ソランソラン ペコㇿ アㇷ゚ト アㇱ ク・ソイネー カ エアイカㇷ゚=昨日はいい天気だったのに今日は朝から滝のような雨が降って私は外へ出ることもできない.タント アナㇰ シㇼピㇼカ コㇿカ アマメチカッポ シシㇼクンネ パㇰノ ソイ タ アン ニサッタ アナㇰネ アㇷ゚ト アㇱ ノイネ=今日はいい天気であったが,薄暗くなるまでスズメが外にいたので明日は雨であろう. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirpo
- シㇼポ 【名】[sir-po 様子・(指小辞)](次の慣用表現の中で)様子。 okkayo sirpo uwosmare pakno an オッカヨ シㇼポ ウウオㇱマレ パㇰノ アン (直訳すると)男の様子を皆備えるまでになった=すっかり男らしい一人前の若者に成長した。 {E: appearance.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirpo
- シㇼポ 【sirpo】 様子. メノコシㇼポ ア・ウォㇱマレ=娘といえる様子になった. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirpok
- シㇼポㇰ 【位名】[概](所は sirpoki/sirpokke シㇼポキ/シㇼポッケ) [sir-pok あたり・の下](布や着物の)裏。 sirpok ne p isam シㇼポㇰ ネㇷ゚ イサㇺ 裏になるもの(=裏地にする布)がない。(W) ☆対語 sirka シㇼカ {E: the back, inside, lining (of material, clothing).} (出典:田村、方言:沙流)
- sirpok
- シㇼポㇰ §001 アブラコ (1) sirpok (sír-pok)「しㇼポㇰ」[<sir(岩)pok(下)] ⦅長万部、礼文華、虻田、幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sirpok/sirpoki(ke)(he)
- シㇼポㇰ/シㇼポキ(ケ)(ヘ) 【sir-pok/-poki(ke)(he)】 (布等の)裏. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirpoki/sirpokke
- シㇼポキ/シㇼポッケ 【位名】[所](概は sirpok シㇼポㇰ) …の裏(布や着物の)。 sirpokke ne kuni p シㇼポッケ ネ クニㇷ゚ 裏側になるもの=裏地 (W) sirpokke wa itak a=omáre シㇼポッケ ワ イタㇰ アオマレ 裏から言葉を入れる=テープを裏返してB面に言葉を録音する。(W) {E: the inner surface of… (material, clothing).} (出典:田村、方言:沙流)
- sirpokke
- シㇼポッケ 【sirpokke】 アイナメ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirpokun-amip
- シㇼポクンアミㇷ゚ 【名】[sirpok-un-amip 裏・がついている・着物] 袷(あわせ、 裏のついた着物)。 {E: lined clothing.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirpopke
- シㇼポㇷ゚ケ 【sir-popke】 暖かい. タント ワノ モキウタチュㇷ゚ エアㇻキンネ シㇼポㇷ゚ケ ワ ウパㇱ ル ワ アㇻパ シリ=今日から3月,とっても暖かいので雪が融けていく様子だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirpopo
- シㇼポポ 【自動】死んだ人に(ウジなどが)つく/わく。 {E: for maggots etc to appear (in a dead body).} (出典:田村、方言:沙流)
- sirpuri
- シㇼプリ 【sir-puri】 あたりの風習,アイヌの風習. シㇼプリ ネ クス ネノ イキ ヤン=あたりの風習なので,そのようにしましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirsak
- シㇼサㇰ 【sir-sak】 夏になる. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirsep
- シㇼセㇷ゚ 【sir-sep】 (土地・家が)広い. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirsesek
- シㇼセセㇰ 【sir-sesek】 暑い. タント ポーヘネ シㇼセセㇰ ク・ミッポホ モコㇿ ワ アン コㇿカ ア・パㇻパル コㇿ アナン(アン・アン) ヒ ウーン=今日はなおさら暑いので孫が眠っているけれども扇いでいるのだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirsesekekot
- シㇼセセケコッ §413.しょきあたり(暑気あたり)(3)熱射病で死ぬ sirsesek-ekot〔šír-se-se-ke-kot しㇼセセケコッ〕[暑さ・で死ね]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sirsesekewen
- シㇼセセケウェン §413.しょきあたり(暑気あたり)(1)夏まけ;熱射病 sirsesek-ewen〔šír-se-sek-ewen しㇼセセケウェン〕[sir-sesek(暑気)+ewen(それに当る、e それによって、wen 悪くなる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sirsesekhoski
- シㇼセセㇰホㇱキ §413.しょきあたり(暑気あたり)(10)夏まけ;熱射病 sirsesek-hoski〔šír-se-sek-hoš-ki しㇼセセㇰ・ホㇱキ〕[暑さ・に酔う]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sirsimoye
- シㇼシモイェ 【sir-si-moye】 地震. トオㇷ゚ トゥイマ シッタ(シㇼ タ) シㇼシモイェ ユㇷ゚ケㇷ゚ アン ワ シサㇺ マチヤ ウカエコネ シコㇿ アン パハウ ク・ヌ=ずうっと遠い所で強い地震があって和人の町が倒壊したという噂を私は聞いた.パㇱクㇽ ネ ヤ エヤミ ネ ヤ ハウコㇿ パ コㇿ スワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ シㇼシモイェ エㇰ ヒネ ア ワ=烏とかカケスとか声を出しながら飛び立ったかと思うと同時に,ぐらぐらと地震が来たものであった.ソイ タ カㇱ(ク・アㇱ) ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エヤミ ネ ヤ パㇱクㇽ ネ ヤ チカㇷ゚ ウタㇻ ハウコㇿ コㇿ ウコスワヌ アㇷ゚ セコㇿ シㇼ クㇺラクㇺラ ペコㇿ フマㇱ.オヤチキ シㇼシモイェ ネ アアン=外で私が立っていると,カケスや烏や鳥たちが声を出しながら一斉に飛び立ったと思うと,あたりがぐらぐらしたように感じた,知らなかったが地震であった. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirsiru
- シㇼシル 【他動】[sir-sir-u こする(siru シル の語根)・(重複)・(他動詞形成)] …を(何回も)こする(みがくことにも言う)。 {E: to rub…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirsiru
- シㇼシル 【sir-siru】 こする,擦る,擦り下ろす,磨く. エルㇺタンプ アン コㇿ キナスッ カプフ ア・コシㇼシル ワ トイ トゥㇺ ア・オマレ コㇿ チピル アーペコㇿ イランマカカ トゥサ ㇷ゚ ネ=いぼが出来たら蛇の皮をこすりつけ,その皮を土に埋めると拭き取ったようにきれいに治るものだ.ニンカリ シㇼシル=耳輪を磨く.クポニ(ク・ポン ヒ) タ フチ エネ イキ ヒ コㇿ ニンカリ サンケ ワ ウナ アニ シㇼシル ア シㇼシル ア アイネ キサラハ コテ ㇷ゚ ネ シリ ク・ヌカㇻ ペ ネ ア ワー=私が小さい時におばあさんのしたことは,自分の耳輪を出して来て,木灰で磨いて磨いて,それから耳につけたのを見たものだった.マキㇷ゚ ヌマン ワノ ク・コッカサパ キロウㇱケ アㇻカ ワ ク・モコㇿ カ エアイカㇷ゚ ラウラウ ヘネ アン ヤㇰ ク・シㇼシル ワ ク・コトゥッカ ルスイ=どうしたのか昨日から私の膝の関節が痛くて眠ることもできない、テンナンショウでもあれば擦り下ろして貼りたいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirsum
- シㇼスㇺ 【sir-sum】 かんばつ(である),日照り(になる),不作(である),冷害. タンパ アナㇰネ チュㇰ アン ワ アㇷ゚ト アㇱ カ ソモ ワ シペ カ ソモ エㇰ カシケウン シㇼスㇺ ペ ネ クス アエㇷ゚ カ イサㇺ=今年は秋になってから雨が降らなかったのでサケも遡上しない,さらに夏は日照りが続きかんばつであったので食べ物もない.タン サㇰ アナㇰネ アㇷ゚トー カ イサㇺ シㇼスㇺ コㇿ ヘマンタ ア・エ クス=今年の夏は雨も降らない.日照りになり不作だったら何を食べるんだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirsut
- シㇼスッ 【sir-sut】 山の麓. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirsutsurke
- シㇼスッスㇽケ 【sir-sur-surke】 悪天候,大嵐.暴風雨. (出典:萱野、方言:沙流)
- siru
- シル 【他動】…をこする。 {E: to rub…} (出典:田村、方言:沙流)
- siru
- シル 【siru】 こする,擦(す)る. タント ア・タ エモ ポロ ヒケ ヌㇺケ ワ エモシルㇷ゚ アニ シル ア・エ ナ=今日掘ったジャガイモ,大きいほうを選びいも擦りで擦り下ろして,食べるので. (出典:萱野、方言:沙流)
- siruamam
- シルアマㇺ §402 アワ 粟 (3) siru-amam (si-rú-a-mam)「シる・アマㇺ」[→注3] 子実 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- siruhuy
- シルフイ 【sir-uhuy】 山火事,野火,火事. (出典:萱野、方言:沙流)
- siruita
- シルイタ 【siruita】 奥の方:囲炉裏端から見て奥の方. シルイタ アヌ=奥の方へ置け. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirukaseske
- シルカセㇱケ 【自動】[si-ru-ka-seske 自分の・通った跡・の上・をおおう] 自分の足跡を消す。 sirukaseske wa arpa wa isam シルカセㇱケ ワ アㇻパ ワ イサㇺ 足跡を消して行ってしまった。(S) {E: to wipe out one's tracks.} (出典:田村、方言:沙流)
- sirukutci
- シルクッチ §138 ミヤママタタビ (3) siru-kutci (si-rú-kut-ci)「シるクッチ」[上記のciru-kutciから、さらにそれが漿果なので汁に連想してsiru-kutciとなったものか] 果実 ⦅D屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sirun-
- シルン 【接頭】[< 自動][sir-un-hike 地・にいる]とてもひどい/ひどく(ののしりの表現)。 (出典:田村、方言:沙流)
- sirun-wen/siruwwen
- シルンウェン/シルウウェン 【自動】[とてもひどく・悪い] ひどく悪い、 とても根性が悪い(ののしりの表現)。 sirun-wen sirkap シルウウェイ シㇼカㇷ゚ まったく根性の悪いツノザメ(=toywen sirkap トイウェ シㇼカㇷ゚) (W神謡K) ☆発音 n は強い音節の w の前で w になるので、歌っている中では sirruwwen シルウウェン と発音されている。 サダモさんが解説してゆっくり言ったときに sirun-wen シルンウェン と発音した。 (出典:田村、方言:沙流)
- sirunamam
- シルナマㇺ §402 アワ 粟 (2) sirun-amam (si-rú-na-mam)「シるナマㇺ」[sir(土地)un(の)amam(穀物)] 子実 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sirunhike
- シルンヒケ 【sirun-hike】 あいつめ,きゃつめ〔罵倒語〕. ヘマンタ シルンヒケ アン ワ オラウン イヨラㇺサッカ(イ・オラㇺサッカ).ア・コパㇱロタ ワ ア・ソヨマレ=きやつめ,いやがって私を軽蔑した.叱りつけて外へ出した. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirunike
- シルニケ 【名】[所](概の用例はない)[sir-un-hike 地・にいる・やつ]この/あの野郎、 畜生(ののしりの表現)。 néa a=wenhokuhu sirunike otuyke ene hawean hi ネア アウェンホクフ シルニケ オトゥイケ エネ ハウェアニ あの私の悪党の亭主、 あの野郎、 あん畜生がこう言った。(W民話) {E: Damn it!; Damn you!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirunno
- シルンノ 【副】[sir-un-no 地・にいる・(副詞形成)] まさか(…しない)、 とんでもない(感情を込めて強く否定する)。 (否定の表現の前で使われて) まさか(…しない)。 sirunno ikoytupa kaspa ka somo ki シルンノ イコイトゥパ カㇱパ カ ソモ キ まさかあまり難儀しても(=困っても)いない。(S) sirunno okuyma ruwe ka somo ne nankor シルンノ オクイマ ルウェ カ ソモ ネ ナンコㇿ まさかオシッコしたのじゃないだろう。(S) sirunno maskin シルンノ マㇱキン まさか(…しない)。 {E: Oh no!; You're kidding!; Of course not!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirunpe
- シルンペ 【sirun-pe】 悪い者. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirupaknoski
- シルパㇰノㇱキ 【位名】[sir-u-pak-noski 地・互い・まで・中央] 一つの地点からもう一つの地点へ行く途中のちょうどまん中あたりの所。 a=uníhi ne kotan sirupaknoski ta アウニヒ ネ コタン シルパㇰノㇱキ タ 私の家とその村とのちょうどまん中あたりで。(W民話) eci=kotánu un sáp=an sirupaknoski ta ek híne エチコタヌ ウン サパン シルパㇰノㇱキ タ エㇰ ヒネ 彼はあなたたちの村へ(下って)行く途中のまん中あたりまで来て。(W民話) {E: a place between two points; a place mid way between two spots, points, positions..} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirus sinne
- シルㇱシンネ 【sir-us-sinne】 暗い,灯火が点されていない. ▷シㇼ=あたり ウㇱ=消える シンネ=~ように *シㇼウシシンネがシルㇱシンネになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- siruscir
- シルシチㇼ §328 ヤマゲラ;おおげら(方言) (4) sirus-cir (si-rus-čir)「シルシチㇼ」 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- siruskina
- シルㇱキナ 【名】[sir-us-kina 地・に生えている・草](?) [植物]アカザ。 ☆参考 「食べられる、 おいしい、 アイヌはこれを食べることを知らなかった。」 (S)〔知分類 p.156〕 {E: wild spinach; pigweed.} (出典:田村、方言:沙流)
- siruskina
- シルㇱキナ §276 アカザ (5) siruskina (si-rús-ki-na)「シるㇱキナ」[sir(地)us(にたくさん生えている)kina(草)] 茎葉 ⦅幌別、穂別、様似⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sirusnoya
- シルシノヤ §008 シロヨモギ (5) sirus-noya (si-rús-no-ya)「シるシノヤ」[sir(岸)us(にある)noya(もみ草)] 葉 ⦅足寄、名寄、白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sirussiri
- シルッシリ 【名】[< sirus-cir (?)・鳥](?) [動物]図鑑によればアオゲラ(キツツキの一種)。(S) ☆参考 sirusir シルㇱチㇼ とは言わない。 sirussiri シルッシリ という形であることは後に再確認済み。 ☆参考 アカゲラは esoksoki エソㇰソキ、 クマゲラは ciptacir チㇷ゚タチㇼ。 〔知分類 p.193 sirus-c&ir ((ホロベツ))、 p.194 sisus-cir ((シズナイ;ウラカワ))ヤマゲラ; おおげら(方言)〕 {E: a type of woodpecker (bird).} (出典:田村、方言:沙流)
- sirutu
- シルトゥ 【自動】[si-rutu 自分・を押しずらす] ずっていく、 ずって動く。 na en=sam ta sirutu ナ エイサㇺ タ シルトゥ もっと私のそばにずって来なさい=もっとこっちへ寄りなさい。(S) {E: to shift, move with a sliding motion.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sirutu
- シルトゥ 【si-rutu】 進む,動く.ずって移動する. ヘマンタ フナラ ヘ コカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパアㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥ コヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして、さっぱり前へ進まないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sirutuamset
- シルトゥアㇺセッ 【si-rutu-amset】 自ら寄り眠る寝床,移動自在の寝台. ▷シ=自ら ルトゥ=寄る,寄せる アㇺ=眠る セッ=寝床 イヨイキリ コッチャタアン シルトゥアㇺセッ アㇺセッカタ トミカヌイェ シリカヌイェ=宝壇の前にある移動自在の寝台の寝床の上に,前立てを彫り刀の造りを彫る[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- siruwante
- シルワンテ 【自動】[sir-uwante あたり/地・を調べる](知らない土地で)その土地の様子に注意して知るようにする、 あたりの様子を調べる、 適当な場所をさがす。 {E: to survey one's (new) surroundings.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siruwante
- シルワンテ 【siru-wante】 眺める. (出典:萱野、方言:沙流)
- siruwen
- シルウェン 【自動】[< siruw-wen < sirun-wen ひど・悪い](?) (ののしりの表現)ひどく悪い、 とんでもなくひどい(=sirun)。 toy-siruwen トイシルウェン 全くひどい。(W即興詩) ☆参考 n が強い音節の w の前で w になり、 長音 uw がないため u となっている。 {E: to be very bad; terrible.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siruwwen
- シルウウェン ☞sirun-wen (出典:田村、方言:沙流)
- sirwen
- シㇼウェン 【sir-wen】 悪い天気. (出典:萱野、方言:沙流)
- sísam mosir/Sísam mosir
- シサㇺ モシㇼ 【名】[和人・国] 和人の国(多くの場合、 本州以南を指す。 北海道の中で交易相手の和人の住んでいた地方を指すこともある)。 ☞sísam シサㇺ {E: Honshu; the land, country of the “Wajin”(Japanese).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sisammosir
- シサンモシㇼ 【sisam-mosir】 日本国:津軽海峡から西の方. (出典:萱野、方言:沙流)
- sisiraw
- シシラウ §139 アカウシアブ si-siraw(si-si-raw)「シシラウ」⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- sisirkunne
- シシㇼクンネ 【si-sir-kunne】 薄暗くなる,日暮れ,宵. エネ トㇷ゚サㇻ イロンネ ウㇱケ ウン アフン ルウェヘ アン.タント アナㇰネ シシㇼクンネ カ キ イヤイキㇷ゚テ ナ.イワカン(イワㇰ・アン) ロ=これほどイタドリが茂っている所へ入った足跡がある,今日は薄暗くもなったし,危ないから帰ることにしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
- Sísirmuka
- シシㇼムカ 【名】[地名]沙流川筋。 {E: place name.} (出典:田村、方言:沙流)
- sisirmuka
- シシㇼムカ 【si-sir-mu-ka】 沙流川の古い名前.▷シ=本当に シㇼ=あたり ム=つまる,塞がる カ=させる *雨が降るたびに上流から土砂が流出し河口が門別の方へ寄ったり鵡川の方へ寄ったりした.それを河口がつまるとアイヌは考えてあたりがつまる川と名づけた.その説明を聞いた日本人は日本語で,砂の流れる川,砂流川と名づけたがいつの時代からか砂の文字が沙になった. (出典:萱野、方言:沙流)
- situmasire
- シトゥマシレ 【後副】[si-tumasi-re 自分・の中のいくつかをとる・させる]とびとびに(全部にでなく)。 aynu situmasire korar ora アイヌ シトゥマシレ コラㇻ オラ 皆にあげないでその中のあげる人にだけあげなさい。(S) ☆参考 他動詞の形だが、 動詞のままの用例は未出。 {E: sometimes; here and there.} (出典:田村、方言:沙流)
- sonnoasir
- ソンノアシㇼ 【sonno asir】 真新しい. (出典:萱野、方言:沙流)
- taanmosir a=eokerekor hemantaa=e
- タアンモシㇼ アエオケレコㇿ ヘマンタアエー 【taan-mosir a=e-okere-kor hemanta-a=e】 この国土を食べ終わったら何を食べたらいいだろうか. *トゥニンヤイェイソイタㇰ(ミミズの独り言)を表わし,少年時代にアイヌの笑い話として,父が聞かせてくれたもの.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- tamesisire
- タメシシレ 【他動】[tam-e-sisi-re 刀・で・避ける・させる] …に刀で切りかかる。 {E: to attack, cut…with a sword.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tanesasuysir
- タネサスイシㇼ 【名】[tane-sasuysir 今・時代(?)](次の慣用句の中で) tanesasuysir céomare タネサスイシㇼ チェオマレ/タネサスイシッチェオマレ 昔から今に到るまでずうっと続いている。(S) ☆参考 同様の文脈で otusasuysir céomare オトゥサスイシㇼ チェオマレ とも言われている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tap easir
- タペヤシㇼ 【tap-e-asir】 今初めて. (出典:萱野、方言:沙流)
- tasiro
- タシロ 【名】山刀(さんとう、 やまがたな)(短い刀で、 山を歩くとき腰にさげて歩き、 木や笹を切るのにも使い、 またクマなどを殺すのにも使う)。 tasiro ka sak nep ka sak pe ne kusu, níkaypa nínoye wa patek apekor apekur タシロ カ サㇰ ネㇷ゚ カ サㇰ ペ ネ クス、 ニカイパ ニノイェ ワ パテㇰ アペコㇿ アペクㇽ (彼は)山刀も持っておらず何も持っていないので木を折ったり木をねじり切ったりしてばかり火をたき火にあたっていた。(W民話) tasiro etaye wa etamtarara kane タシロ エタイェ ワ エタㇺタララ カネ 彼は山刀を抜いて振りかざし。(W民話) kimunkamuy i=koyki yakka ne tasiro ani yaykamesu=an ranke キムンカムイ イコイキ ヤッカ ネ タシロ アニ ヤイカメスアン ランケ 熊に襲われても私はいつもその山刀で身を守っていた。(HK民話) ☆参考 「…の山刀」を言うのには、 所属形を使う言い方と kor コㇿ《を持つ》を使う言い方と両方ある。 ku=kor tasiro クコッタシロ 私の山刀=ku=tasiroho クタシロホ。 ☆参考 emustasiro エムㇱタシロ 太刀づくりの山刀、 刀のようなつくりの山刀。 {E: a machete.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tasiro/tasiro(ho)
- タシロ/タシロ(ホ) 【tasiro/tasiro(ho)】 山刀:刃の厚さも重さもなたと同じように作られているが先の方が尖っているのがタシロという. (出典:萱野、方言:沙流)
- tasiroho
- タシロホ 【名】[所](概は tasiro タシロ)…の山刀。 ku=tasiroho クタシロホ 私の山刀(=ku=kor tasiro クコㇿ タシロ)。 {E: a, the machete of…} (出典:田村、方言:沙流)
- tasirokepuspe
- タシロケプㇱペ 【tasiro kep-us-pe】 タシロの鞘.▷タシロ=山刀 ケプㇱペ=鞘 図[タシロとケプㇱペ] (出典:萱野、方言:沙流)
- tasironip
- タシロニㇷ゚ 【tasiro-nip】 タシロの柄. (出典:萱野、方言:沙流)
- tasirosikayehe
- タシロシカイェヘ 【tasiro sikayehe】 タシロの目釘. (出典:萱野、方言:沙流)
- temesirkik
- テメシㇼキㇰ 【自動】[tem-e-sir-kik 手・で・あたり・を打つ] 手であたりをたたく、 (ユーカラに合わせて)手でひざなどをたたいて拍子を取る。 yúkar akusu néa kucan ahun híne temesirkik kor an ayne ユカㇻ アクス ネア クチャン アフン ヒネ テメシㇼキㇰ コㇿ アン アイネ (兄が)ユーカラを歌うとその雌熊が入って来て手で拍子を取っていてから。(NK民話) ☆参考 木の棒で拍子を取る(rep レㇷ゚)には炉ぶちをたたくが、 手で拍子をとるときはひざなどをたたく。(KSg) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- teynemosir
- テイネモシㇼ 【teyne-mosir】 濡れた国土. イノンチㇼ ウェンカムイ アナㇰネ アッテイネモシㇼ ア・コキル ㇷ゚ ネ=人を呪う悪い神は濡れた国土へ向けてやるものだ.*アイヌが想像しているもので,この国土の裏側にあって悪いことをした神でも人間でも行かされる所.ポㇰナモシㇼ=裏側の国土ともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
- tomikanuye sirkanuye
- トミカヌイェ シㇼカヌイェ 【tomi-ka-nuye sirka-nuye】 前立てを彫り刀の造りを彫り. ▷トミ=前立て カ=上,表面 ヌイェ=彫り シㇼカ=刀の鞘の表面 ヌイェ=彫り ポンヤウㇺペアネワ トミカヌイェ シㇼカヌイェ ネㇷ゚キネアキ=私,ポンヤウㇺペは,前立てを彫刻し刀の造りを彫刻し,それを仕事とした. *ユカㇻの常套語としてしばしば出る言葉.かつてトミを富裕と訳していたが,富裕を彫刻するとはおかしい.アイヌ民族の第一等の宝でトミカムイ(前立ての神)という物がある.それは紛れもなく兜の前立てであったので,トミを鍬形あるいは前立てとした[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- tósir
- トシㇼ 【名】[to-sir 沼/池・地](?) 川岸が川の流れで丸くえぐられて、 がけ下のようになっている所。 iwor or ta tósir corpok ta nuynak=an wa イウォロッタ トシㇼ チョㇿポㇰ タ ヌイナㇰアン ワ 私は山奥で川縁のがけの下に隠れていて。(W民話) {E: the under part of the bank of a river (B.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tosiri
- トシㇼ §077 イトウ;いと (2) tosiri(to-sír)「トしㇼ」⦅美幌⦆イトの一種。 (出典:知里動物編、方言:)
- tosirpok
- トシㇼポㇰ §323 ミソサザイ (4) tosirpok (tó-sir-pok)「とシㇼポㇰ」[<tosir-pok-un-kurの下略] ⦅美幌、近文、春採⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- tosirpokun
- トシㇼポクン §323 ミソサザイ (3) tosirpokun (to-sír-pok-un)「トしㇼポクン」[<tosir-pok-un-kurの下略] ⦅浦河⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- tosirpokun kamuy
- トシㇼポクンカムイ §323 ミソサザイ (1) tosirpokun kamuy (to-sír-po-kun-ka-muy)「トしㇼポクンカムイ」[<tosir-pok-un-kamuy(川岸の下の穴・の下・に入る・神)] ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- tosirpokunkur
- トシㇼポクンクㇽ §323 ミソサザイ (2) tosirpokunkur (to-sir-po-kun-kur)「トシㇼポクンクㇽ」[<tosir-pok-un-kur(川岸の穴・に入る・神)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- toysirunkur
- トイシルンクㇽ 【toy-sirun-kur】 悪い者. (出典:萱野、方言:沙流)
- toysirunpe
- トイシルンペ 【toy-sirun-pe】 悪い者. (出典:萱野、方言:沙流)
- tumi cip ne manu p esiraraonne
- トゥミチㇷ゚ ネマヌㇷ゚ エシララオンネ 【tumi-cip nemanup e-sirara-onne】 軍船なるもの,それがひしめいて. ▷トゥミ=軍,戦い チㇷ゚=舟 ネマヌㇷ゚=なるもの エ=それ シララオンネ=ひしめきあって[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- túsir
- トゥシㇼ 【名】墓。 ☆参考 昔は土葬で、 土まんじゅうの頭の上に墓標(kuwa クワ)を立てた。 墓参りをしたり花を供えたりはしなかった。 妊娠した女性が死んだ場合は赤ん坊を出してから埋葬した。 {E: a grave.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tusir
- トゥシㇼ 【tusir】 墓,墓場. ヘカッタㇻ トゥシㇼ ウトゥル クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤエテテ ホック カネ オカ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ ライトゥカㇷ゚カ オンネ ㇷ゚ ネ クナㇰ ラム ワ ソモ ホサㇻパ ㇷ゚ ネ=子供たちが墓の間を通る時は,ヨモギを杖に腰を曲げて歩くと,幽霊も老人と思って見向きもしないものだ.*このような歩き方は昭和10年前後まで私ども子供うちでは普通のことであった.**図の風景は昭和40年代の二風谷の墓所の様子.昭和60年に改造され現在はこの風景は見ることができない.図[トゥシㇼ] (出典:萱野、方言:沙流)
- tusirioruntori
- トゥシリオルントリ §340 オジロワシ (5) tusiri-orun-tori (tú-si-ri-o-run-to-ri)「とゥシリオルントリ」[<(墓・にいる・鳥)] ⦅新問⦆【沖詞】 (出典:知里動物編、方言:)
- ukomosirewnara
- ウコモシレウナラ 【自動】[u-ko-mosir-ewnara 互い・に対して・島/土地・を与え惜しむ] 互いに自分の土地を与えるのをいやがる。 {E: to be mutually upset at giving one's land to someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukoposiresikte
- ウコポシレシㇰテ 【自動】[u-ko-po-sir-e-sik-te 互い・に・子・あたり・…で・満ちる・させる] 二人の間に子どもがたくさんできる。 ☞pósiresikte ポシレシㇰテ {E: to have many children.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukosirkirap
- ウコシㇼキラㇷ゚ 【自動】[uko-sirkirap 一緒に・苦労する](身寄りがないなどで)共々に生活に不自由して苦労する。 {E: to suffer an inconvenient lifestyle together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukpeesiryakaka
- ウㇰペエシㇼヤカカ 【uk-pe-e-sir-yakaka】 荒っぽく扱う:ひとりで腹を立て,取る物を荒っぽい扱いをする,つんけんする.▷ウㇰ=取る ペ=物 エ=それで シㇼ=あたり ヤカカ=指す ネㇷ゚ ワ アン ペ エ・エサッチュー ワ ネ ヤ ウㇰペエシㇼヤカカ コㇿ アナㇷ゚ ネㇷ゚カ ソモ イェ ノ オパタプルㇽケ コㇿ チソイェカッタ ワ イサㇺ=何が気にさわったのか手に取った物を荒っぽく扱っていたのに何も言わずにかなり怒った様子をしながらさっと外へ出て行ってしまって. (出典:萱野、方言:沙流)
- unmasiraw
- ウンマシラウ 【名】[unma-siraw 馬・虻][動物] ウシアブ(虻の一種、 赤い大きいの)。 〔知分類になし〕 {E: a horsefly.} (出典:田村、方言:沙流)
- unterewasirkopeker
- ウンテレワシㇼコペケㇾ 【un-tere wa sir-ko-peker】 待ち明かす:人が来るのを一晩中待って夜を明かす. (出典:萱野、方言:沙流)
- uparussiraw
- ウパㇻウㇱシラウ §140 ウシアブ (2) upar-us-siraw(u-par-us-si-raw)「ウパㇻウㇱシラウ」⦅千歳⦆ウシアブ (出典:知里動物編、方言:)
- upsire
- ウㇷ゚シレ 【upsi-re】 伏せる. ウㇷ゚シレ ワ アヌ=伏せて置け. (出典:萱野、方言:沙流)
- usiru
- ウシル 【自動】[u-siru 互い・をこする] こすり合う。 {E: to rub together.} (出典:田村、方言:沙流)
- uttapsirosi
- ウッタㇷ゚シロシ §012 サメガスベ (6) uttap-sirosi (ut-tap-si-ro-si)「ウッタㇷ゚シロシ」 ⦅足寄⦆ (出典:知里動物編、方言:)
- uyayeasirkar
- ウヤイェアシㇼカㇻ 【u-yay-e-asir-kar】 後添いを貰う.▷ウ=互いに ヤイ=自身 エ=それで アシㇼ=新しい カㇻ=作る (出典:萱野、方言:沙流)
- wenpesirma
- ウェンペシㇼマ 【wenpe-sirma】 悪いものの澱(悪口.めったに口にしない). (出典:萱野、方言:沙流)
- wensirunkur
- ウェンシルンクㇽ 【wen-sirun-kur】 悪い人:これは悪口であるので人前で言う言葉ではなく陰口の場合に言う.これの対語としてトイシルンクㇽという言葉があるが意味は同じ. (出典:萱野、方言:沙流)
- weysir
- ウェイシㇼ 【名】[wen-sir 悪い/ひどい・山] 急でのぼれない山。 {E: a steep mountain that cannot be climbed.} (出典:田村、方言:沙流)
- Yaunmosir
- ヤウンモシㇼ 【名】[ya-un-mosir 陸・の・国]北海道。 {E: refers to Hokkaido.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayeasirkar
- ヤイェアシㇼカㇻ 【yay-e-asir-kar】 再婚(する).▷ヤイ=自身 エ=それ アシㇼ=新しい カㇻ=作る ナ ペウレクㇽ チセ サㇰ ヤㇰ ア・イェ ク・エサッチャンペネ ワ ク・アン ア コㇿカ ヤイェアシㇼカㇻ ヤㇰ ク・イヌ ク・コトゥヤシ=まだ若い人が妻に死なれたということで気がもめていたけれど,再婚したと聞きよかったと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
- yayko-tuyma siramsuye
- ヤイコトゥイマ シラㇺスイェ 【自動】[人称変化は他動詞型][yayko-tuyma si-ram-suye 一人で・遠く・自分・心・をゆらす] [雅]ずうっと長い間考えている。 tanto tóri/yayko-tuyma/a=sirámsuye タント トリ/ヤイコトゥイマ/アシラㇺスイェ [雅]私は二日間ずうっと長いこと考え続けていた(「ながあーいこと考えていた」)。(Sユーカラ) ☆参考 日常語で yaykosiramsuye ヤイコシラㇺスイェ は一語の自動詞で、 不定人称形は yaykosiramsuye=an ヤイコシラㇺスイェアン。 この雅語の用例では後半部の siramsuye シラㇺスイェ の suye スイェ が他動詞なので a= ア が接頭して、 他動詞型の人称形になっているが、 統語上は自動詞の働きをし、 前半部は副詞の働きをしている。 ☆参考 金田一『ユーカラの研究』その他に出てくる aeyaikotuimasiramsuye(つまり a=eyáykotuyma siramsuye アエヤイコトゥイマシラㇺスイェ)のような形は未出。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaykosiramsuye
- ヤイコシラㇺスイェ 【自動】考える。 ☆参考 本来は、 単数形は簡単なことをちょっと考えること、 複数形はいろいろと頭をめぐらしてよく考えることらしい。 しかし沙流川下流のワテケさん、 サダモさんは、 日常語ではいつも複数形(次項)を使い、 単数形は自分からは使わなかった。 ☆参考 雅語には yaykotuyma siramsuye ヤイコトゥイマ シラㇺスイェ がある。 ☆参考 他動詞は eyaykosiramsuye エヤイコシラㇺスイェ。 {E: to think, consider.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaykosiramsuye
- ヤイコシラㇺスイェ 【yay-ko-si-ram-suye】 考える,思いめぐらす.▷ヤイ=自身 コ=それ イㇱ=自ら ラㇺ=思いスイェ=ふる (出典:萱野、方言:沙流)
- yaykosiramsuypa
- ヤイコシラㇺスイパ 【自動】[yayko-si-ram-suypa 一人で・自分・心・をゆらす[複]] 考える。 ☆参考 複数形の形だが、 沙流川下流のワテケさん、 サダモさんは、 日常語では常にこの形を用いた。 中流の人の中には、 yaykosiramsuye ヤイコシラㇺスイェ の形を普通に使う人もいる。 ☆参考 他動詞は eyaykosiramsuypa エヤイコシラㇺスイパ ☆参考 一生懸命に考えたりじっくり考え込んだりすることを言う。 yaynu ヤイヌ、 ramuan ラムアン は《思う》sanniyo サンニヨ は先のことをこうすればこうなるそれからああすればどうなるというふうに計算するようなふうに考えることや、 心づもりしていることを言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaykosiramsuypa
- ヤイコシラㇺスイパ 【yay-ko-si-ram-suypa】 考える,思いめぐらす〔複〕.▷ヤイ=自身 コ=それ シ=自ら ラㇺ=思い スイパ=ふる ク・エヤイコシラㇺスイパ=私は考えをめぐらす.エネ ヤイコシラㇺスイパ=私のことを考える. (出典:萱野、方言:沙流)
- yayosirkonoye
- ヤヨシㇼコノイェ 【自動】[単](複は yayosirkonoypa ヤヨシㇼコノイパ) [yay-o-sir-ko-noye 自分・その尻・地・に・…をねじる](?) いつまでも出て行かない。 {E: to stay indefinitely; not go out.} (出典:田村、方言:沙流)
- yayosirkonoypa
- ヤヨシㇼコノイパ 【自動】[複](単は yayosirkonoye ヤヨシㇼコノイェ)(二人以上が)いつまでも出て行かない。 a=enúray no okay pe yayosirkonoypa wa oka アエヌライ ノ オカイ ペ ヤヨシㇼコノイパ ワ オカ きたなくて人にいやがられるのに、 いつまでも出て行かないでいる。 {E: to stay indefinitely; not go out (pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
- yaysirkootke
- ヤイシㇼコオッケ 【自動】[yay-sirko-otke 自分・急に強く・…を突く] 自分自身をドンと突く/ギュッと刺す。 ☞sirkootke シㇼコオッケ、 otke オッケ {E: to stab oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaysirsiru
- ヤイシㇼシル 【yay-sir-siru】 自分の体をこする. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaysirunkor
- ヤイシルンコㇿ 【自動】[yay-sirun-kor 自分・卑しい(< 地・にある)・(として)持つ](?) なりふりかまわず働く、 「ボロを着てても何してもめちゃくちゃに働く」。(S) {E: to work without regard for one's appearance.} (出典:田村、方言:沙流)
- yuksiraw
- ユㇰシラウ 【名】[yuk-siraw 熊/鹿・アブ][動物]メクラアブ。(S)〔知分類になし〕 {E: a horsefly.} (出典:田村、方言:沙流)
- -rototke
- ロトッケ 【接尾】[-rotot-ke (連続的くり返しを表す、 語根の重複)・(自動詞形成)](擬音・擬態の語根またはそれから派生した語基に接尾して自動詞をつくる。 連続的に起こることを表す。)yas ヤㇱ (裂けることを表す語根);sir-yasrototke シㇼヤㇱロトッケ (あたりで)爆弾が落ちたようにガアンと鳴る。 hay ハイ [語根];hayrototke ハイロトッケ くすぐったい。 (出典:田村、方言:沙流)
- -rototo
- ロトト 【接尾】[-rotot-o (連続的くり返しを表す、 語根の重複)・(他動詞形成)](擬音・擬態の語根またはそれから派生した語基に接尾して他動詞をつくる。 連続的なことを表す。 ☞-rototke) hay ハイ [語根];hayrototo ハイロトト くすぐる。 puk プㇰ (擬音の語根)sir-cipukrototo シㇼチプㇰロトト/シッチプㇰロトト あたりが(機関銃の音で)パラパラパラパラと鳴っている。 (出典:田村、方言:沙流)
- -wosmare
- ウォㇱマレ 【他動語幹】(次のような表現の中で) tane anakne/okkayo sirpo/e=wosmare wa kus タネ アナㇰネ/オッカヨ シㇼポ/エウォㇱマレ ワ クㇱ [雅]今はもうあなたは一人前の男の姿になられましたから。(Sユーカラ) ☆参考 uwosmare ウウォㇱマレ にアクセントを前に動かす接頭辞がついたときに語幹として出る形。 ☞uwosmare ウウォシマレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- a= 10
- ア 【人接】[不定人称主格他動詞型] ①[一般称]一般に人は/人が、 (特定の人ではなく)だれかが/だれでもが。 sekor a=ye セコㇿ アイェ …と(一般に人が)言う=言われる。 húresisam mosir sekor a=ye p ne wa フレシサㇺ モシㇼ セコㇿ アイェㇷ゚ ネ ワ (外国のことは)赤毛の異民族の国と(一般に人は)言うのだわ。(W) ②[受身]…される。 a=en=kopisi アエンコピシ (不定の)人が私にたずねる=私がたずねられる。 a=en=kopisi p anakne opitta ku=ye wa アエンコピシㇷ゚ アナㇰネ オピッタ クイェ ワ 私がたずねられることはすべて私は言って(=答えて)。(S会話) kamuy opitta oro wa a=i=koypak カムイ オピッタ オロ ワ アイコイパㇰ 私たちはすべての神々からとがめられる(罰を受ける)。(W民話) kotan a=arústekka コタン アアルㇱテッカ 村が全滅させられた。(NK民話) ③[包括的一人称複数]相手を含む私たちが/の。 tanto a=ewkoytak pe anak a=ewéraman hawe ne タント アエウコイタㇰ ペ アナㇰ アエウェラマン ハウェ ネ きょう私たち(あなたと私)が話し合ったことはお互いに(あなたと私が)わかり合った。(W会話) a=sikíhi un アシキヒ ウン 私たち(あなたも私もみんな)の目よ。(W会話) ④[引用文中の自称] 自分(たち)が/の、 私(たち)が/の。 “…a=e=ráyke kusu ne” sekor hawean 「…アエライケ クス ネ」セコㇿ ハウェアン 「…私はあなたを殺す」と彼は言った。(HK民話) ⑤[敬意の二人称] あなた様が/の。 mak yaynu=an kuni a=ramú kusu マㇰ ヤイヌアン クニ アラム クス 私がどんな気持ちになるとあなたはお思いになって…。(NK民話) ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ《である》・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =an アン が接尾する。 ☞=an アン ☆参考 ユーカラ(英雄叙事詩)を歌うときには、 母音で始まる動詞語幹の前で、 しばしば a= ア の代わりに an= アン の形が使われる。 北海道南部以外では、 日常語でも an= アン がたくさん使われる。 ☞an= アン {E: ①… ②passive. ③first person plural inclusive. ④… ⑤second person honorific.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- a=kosinninup
- アコシンニヌㇷ゚ 【a=ko-sir-ninu-p】 宝物.▷ア=人(が) コ=〜に対して,〜でもって シンニヌㇷ゚=(敷物などの)止め串 アイヌ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ア・コシンニヌㇷ゚ ポロンノ オカ ア・ヌㇷ゚ ネ ヤッカ ア・コシンニヌ ア・ヌカㇻ ペ ネ ヤッカ ア・コシンニヌㇷ゚ ネ=アイヌの所ではそれを宝にする物がたくさんあって,聞いただけでもそれが宝,見ただけでもそれを宝と考えたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- áca
- アチャ 【名】①[概/所](親族としての)おじ(伯父/叔父)。 áca siresure アチヤ シレスレ おじさんに育てられる。(S) ②おじさん(小父)。 ☆参考 主に二風谷で言う。 二風谷以外では acapo アチャポ のほうが普通に用いられる。 二風谷では acapo アチャポ と言うと亡くなった伯父/叔父のことになる。 {E: ①an uncle.(relative). ② an uncle (non-reltaive).} (出典:田村、方言:沙流)
- aciw
- アチウ 【自動】槍などを投げて目標物に刺す。 k=áciw siri iki カチウ シリ イキ (私)槍を投げて刺したようだ。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- aciwruy
- アチウルイ 【自動】[aciw-ruy 槍を投げる・激しい](槍投げで)ものすごく遠くへ投げる。 hot hemanta ene aciwruy siri an hi an! ホッ ヘマンタ エネ アチウルイ シリ アニ アン! まあなんと遠くへ投げるんだろう。(S) {E: to throw a spear (a long way).} (出典:田村、方言:沙流)
- an 1
- アン 【自動】[単](複は oka オカ) ①ある、 いる、 存在する、 滞在する、 住む、 起こる。 kotan noski ta poro cise an コタン ノㇱキ タ ポロ チセ アン 村のまん中に大きな家がある。 sine pa an wa arpa シネ パ アン ワ アㇻパ (彼は)一年滞在して(帰って)行った。 sáha an サハ アン (彼には)姉がいる。 an pe アン ペ 本当のこと。 an koraci アン コラチ ありのままに。 an kus/kusu(keray(po)) アン クㇱ/クス (ケライ(ポ)) …のおかげで。 an pakno アン パㇰノ あるだけ。 maratto an マラット アン 熊送り(の宴)が催される。 niskur an ニㇱクㇽ アン くもる、 くもっている。 nu(we) an ヌ(ウェ) アン (獲物が)たくさんとれる。 katu(hu) an カトゥ(フ) アン (へんな)かっこうだ。 ②生まれる。 hekaci an na ヘカチ アン ナ 男の子が生まれたよ。(W) an hi wano アニ ワノ 生まれたときから。(S) ③(時を表す語の後に置かれて)(朝、 翌日、 いつ) になる。 kunneywa an クンネイワ アン 朝になる。 ciwnici an チウニチ アン 12時になる。(W) isimne an イシㇺネ アン 翌日になる。 …an kor …アン コㇿ …になると、 …毎に。 kunneywa an kor, tokap an kor, onuman an kor クンネイワ アン コㇿ、 トカㇷ゚ アン コㇿ、 オヌマン アン コㇿ 毎朝、 毎昼、 毎晩。(S会話) kesto an kor ケㇱト アン コㇿ 毎日毎日。 hempara an kor ヘンパラ アン コㇿ いつになったら。(W即興詩) oka(ke) an オカ(ケ) アン 終わる。 ④(格助詞 ne ネ の後に置かれて)…になる。 síporo cikap ne an シポロ チカㇷ゚ ネ アン (彼は)巨大な鳥になった。(W神謡語り) ⑤(動詞句+接続助詞の後に置かれて) anki an アンキ アン もう少しで…しそうである。 pekor an ペコㇿ アン …したようである。 ápekor an アペコㇿ アン まるで…したかのようである。 híne an ヒネ アン …して(しまって) いる、 してある。 wa an ワ アン …してある/…している。(☞⑧) kane an …カネ アン …して(いる状態で)ある。 kor an コㇿ アン …しつつある。 kotom an コトㇺ アン …するようである。 noyne an ノイネ アン …する(した)らしい。 ⑥(副詞や副詞句の後に置かれてこれを動詞句とする。) mosmano an モㇱマノ アン だまって(かまわないで)いる。 sonno an a! ソンノ アナ! 本当だねえ。 easir an a! エアシラナ! 全くねえ。 néno (kane) an ネノ (カネ) アン …に(よく)似ている。 pak(no) an パㇰ(ノ) アン …くらい(の大きさ/量)である。 sekor an セコㇿ アン/セコラン … という(ような)。 sekor réhe an セコン レヘ アン …という名前である。 sekor ku=rehe an セコㇿ クレヘ アン 私は…という名前です。 ⑦(熟語) sine an ta シネ アン タ (=sineanta) ある時。 sine an pa ta シネ アン パ タ ある年に。 sine an to ta シネ アン ト タ ある日(に)。 ne wa an… ネ ワ アン… (今ここで話題にしている)この…。 ⑧[補助動詞] wa an/híne an ワ アン/ヒネ アン …して(し終わって)いる、 …してある。 ek wa an エㇰ ワ アン (彼はもう)来ている。(W会話、 民話) a=suwé wa an アスウェ ワ アン (ごはんが)炊いてある。(W) e=hokuhu an wa an ruwe? エホクフ アン マ アン ルウェ? あなたの夫はいてあるのかい=ご主人いるかい(いま在宅しているか)? (W)(方言で「いてあったかい?」と言う言い方がある。 同じことを e=hokuhu an ruwe/isam ruwe? エホクフ アン ルウェ/イサㇺ ルウェ? 《あなたの夫はいるのかい/いないのかい?》と言うことも可能だが、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ と言うほうが好まれる。 一方、 夫を持っているかいないか(独身か)をたずねるときは an ruwe/isam ruwe アン ルウェ/イサㇺ ルウェ のほうを使い、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ とは言わない。) ☆参考 [否定のつくり方]否定辞 somo ソモ による否定は通常つくられず否定動詞 isam イサㇺ が使われる。 ☞isam イサㇺ {E: ①to be; exist; stay; live; happen. ②to be born. ③to become (in reference to time). ④to become… ⑤… ⑥… ⑦…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- anak
- アナㇰ 【副助】[< an-yak ある・…すれば](=anakne アナㇰネ) …は、 …はね、 …というものは、 …のほうは、 …としては。 kusuri anak kusuri ne クスリ アナㇰ クスリ ネ 日本語の薬はアイヌ語でクスリだ。(W) mosir anak a=kar yakka epunkine kur isam yakun wen モシㇼ アナㇰ アカㇻ ヤッカ エプンキネ クㇽ イサㇺ ヤクン ウェン 国土はつくったけれど守る(治める)人がいなければだめだ。(S言い伝え) ☆参考 話題(トピック)を示す。 Aは…だがBは…だというような対比にも用いられる。 「…は」と訳せるが、 日本語で「…は」というような文脈でいつもこの助詞が使われるわけではない。 むしろアイヌ語では、 話題となる語に助詞がつかない場合が多い。 この助詞を伴うのは、 ここまでが話題(トピック)で、 いまからこの話題についての話が展開する、 ということを知らせる場合である。 なお、 これをよりゆっくりと、 かつはっきりと表示するのには anakne アナㇰネ が用いられる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- anrur
- アンルㇽ 【名】[ar-rur 反対側の・海水]北見の方(沙流地方から見て陸地の向こう側の海ぞいの地方。 方角で言うと北東になる)。 anrur ruyanpekur kus wa koyka ta sirepa kor nani menas as アンルㇽ ルヤンペクㇽ クㇱ ワ コイカ タ シレパ コㇿ ナニ メナㇱ アㇱ 北見の方を嵐の雲が通って釧路の方に着いたらまもなくやませ(南東風)が吹く。(S) {E: north-east.} (出典:田村、方言:沙流)
- apa 1
- アパ 【自動】雨もりする。 ☞sir apa シㇼアパ/シラパ (出典:田村、方言:沙流)
- ape
- アペ 【名】火。 ape ári アペ アリ 火をたく、 たきつける。 ape ruy アペ ルイ 火が燃える/燃えている ape us アペ ウㇱ 火が消える。 ape úna アペ ウナ 火を灰の中に埋(い)ける。 ape nipek アペ ニペㇰ 火の明り。 ape sam アペ サㇺ 火のそば、 炉ばた。 ☆参考 火事のことは ape アペ とは言わない。 家の火事は cise uhuy チセ ウフイ、 山野の火事は siruhuy シルフイ。 {E: a fire.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ápekor 2
- アペコㇿ 【接助】[a-pekor(?)・かのように] まるで … した (している)みたいに、 … した (している)かのように。 nísikaye turse okake sik o kane ápekor an ニシカイェ トゥㇽセ オカケ シコ カネ アペコラン まるで木の節が落ちたあとに目がついたみたいだ。(S) ☆参考 pekor ペコㇿ と似ているが、 pekor ペコㇿ は単に類似していることがらを示すのに対し、 ápekor アペコㇿ はまるで別のことがらとそっくりであることを言う。 事実に反することがらを示すことが多い。 後には an アン、 iki イキ、 síran シラン、 yaynu ヤイヌ などの動詞が来る。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- áponko
- アポンコ 【副】[a-pon-ko(?)・小さい・(反語的副詞形成)]こんなに/そんなに/あんなにたくさん。 nákatune áponko e=korar sir ne wa ナカトゥネ アポンコ エコラㇻ シン ネ ワ まあそんなにたくさんあげなくてもいいでしょう。(S) áponko an icen ku=kor pirka santoku or oma wa ku=hacire wa isam wa k=oskur アポンコ アン イチェン クコㇿ ピㇼカ サントク オㇿ オマ ワ クハチレ ワ イサㇺ マ コㇱクㇽ たいした額の(=たくさんの額の)お金を私の上等の財布に入ったまま落としてしまって残念だ。(S) {E: a lot of; much; plenty of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- arikikpa
- アリキㇰパ 【自動】[複](単は arikiki アリキキ)(二人以上皆が)よく働く。 anun orke apa orke nep uwehosi arikikpa siri isam, uweyayram-ikasure アヌノㇿケ アパ オㇿケ ネㇷ゚ ウウェホシ アリキㇰパ シリ イサム、 ウウェヤイラミカスレ 他人も身内も皆競い合って本当によく働く。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- arutor
- アルトㇿ 【位名】[ar-utor 反対側の・脇]…の向こう側。 nupuri arutor a=osíraye ヌプリ アルトㇿ アオシライェ [雅]山の陰に(向こう側に)よけた(nupuri imak ヌプリ イマㇰ と言っても同じ)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- asin
- アシン 【自動】[単](複は asip アシㇷ゚)[asi-n (?)asip アシㇷ゚・(自動詞単数形形成)…の方へ移動する] ①(償いの品が)出る、 出される。 ②[熟語]párir asin パリㇼ アシン 煙がモクモクと出る。 cise uhuy siri somo ne? mákip párir asin kor an siri an! チセ ウフイ シリ ソモ ネ? マキㇷ゚ パリㇼ アシン コㇿ アン シリ アン! 家が燃えているのではないか? どうしたのか煙がモクモク出ているなあ。(S) ☆参考 穂が出ることに複数形 asip アシㇷ゚ の例があるが、 単数形の例は未出。 ☆参考 家などの中から外へ出ることは soyne ソイネ、 山から里へ、 高台から浜へ、 家の奥(壁の方)から前(いろりのそば)へ出ることは san サン。 ☆参考 普通に煙が出ることは supuya at スプヤ アッ と言う。 asin アシン は特殊な時にしか使われない。 {E: ①to give something as compensation. ②for smoke to pour out.} (出典:田村、方言:沙流)
- asinno
- アシンノ 【副】[asir-no 新しい・(副詞形成)] 新しく、 新たに。 inan kur asinno ek kur an? イナン クㇽ アシンノ エㇰ クㇽ アン? どの人が新しく来た人ですか? (S) asinno a=ta cip アシンノ アタ チㇷ゚ 新しくつくった舟。(S) {E: newly; again.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- asinno
- アシンノ 【asir no】 新しく. (出典:萱野、方言:沙流)
- asinnokar
- アシンノカㇻ 【asir no kar】 新作(する). (出典:萱野、方言:沙流)
- asinnoya
- アシンノヤ 【名】[asir-noya 新しい・ヨモギ] [植物]春の出始めの柔らかいヨモギ(=asir noya アシン ノヤ)。 ☞noya ノヤ {E: the mugwort of early spring.} (出典:田村、方言:沙流)
- asitcep
- アシッチェㇷ゚ §067 サケ あきあじ、あきやじ 川(5) asit-cep(a-sít-čep)「アしッチェㇷ゚」[sir(新しい)cep(魚)]⦅虻田、穂別⦆川へ入りたてのサケ;シロッケ。 (出典:知里動物編、方言:)
- asitcepkamuy
- アシッチェㇷ゚カムイ §067 サケ あきあじ、あきやじ 川(6) asit-cep-kamuy(a-sít-čep-ka-muy)「アしッチェㇷ゚カムイ」[sir(新しい)cep(魚)kamuy(神さま)]⦅屈斜路⦆走りのサケ。これはまだシロッケ。 (出典:知里動物編、方言:)
- asitcup
- アシッチュㇷ゚ 【名】[asir-cup 新しい・月] ①新月、 いちばん細くなったときの月。(S) ②六日七日まで(の月)。(W) tanto iwan to ne asitcup an タント イワン ト ネ アシッチュㇷ゚ アン 今日は初六日です。(W) ☆参考 sikaricup シカリチュㇷ゚ 満月。 ☞cup チュプ {E: a new moon.} (出典:田村、方言:沙流)
- asitcup
- アシッチュㇷ゚ 【asir-cup】 三日月,新月.▷アシㇼ=新しい チュㇷ゚=月 タヌクラン ワノ アシッチュㇷ゚ ア・ヌカㇻ タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ ク・ホタㇱヌ=今夜から三日月が見えた.この月が円くなる頃に私はお産をする. (出典:萱野、方言:沙流)
- asuranipa
- アスラニパ 【自動】[複](単は asurani アスラニ) (二人以上が)緊急事態を知らせる。 tanukuran kurukpe ran noyne síran na sekor asuranipa kor タヌクラン クルㇰペ ラン ノイネ シラン ナ セコㇿ アスラニパ コㇿ 今夜霜がおりそうですからと知らせながら…。(S) (注 1960年代、 鵡川の春日で、 そのような晩には有線放送の警報を聞いてすぐ農民はとび出して行き、 稲を守るために田のまわりでむしろを燃やす。) (出典:田村、方言:沙流)
- asuranpa
- アスランパ 【自動】[複](単は asurani アスラニ)[asur-anpa うわさ・(二つ以上)を持って行く)] 緊急事態を知らせる、 警報する。 sír-uhúy kor eun ikaopas utar ne ya káne kikkikpa humi he ne ya ahawkorep hawkorepa hawe ne ya mokor=an ka eaykap no asuranpa kor payoka hawe as シルフイ コㇿ エウン イカオパㇱ ウタン ネ ヤ カネ キッキㇰパ フミ ヘ ネ ヤ アハウコレㇷ゚ ハウコレパ ハウェ ネ ヤ モコラン カ エアイカㇷ゚ ノ アスランパ コㇿ パヨカ ハウェ アㇱ 山野の火事になると、 そこにかけつける人々やら半鐘を打ち鳴らす音やら有線放送で放送する声やら眠れないほど危急を知らせてまわる音がする。(S) {E: to warn; alert (pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
- atpa 1
- アッパ 【位名】[概](所は atpake(he) アッパケ(ヘ)) [at-pa (?)・上(かみ)] 初め、 始まり。 nepki atpa wano nepki a=okére pakno nepki=an kor easir pirka p ne na ネㇷ゚キ アッパ ワノ ネㇷ゚キ アオケレ パㇰノ ネㇷ゚キアン コㇿ エアシㇼ ピㇼカㇷ゚ ネ ナ 仕事の始めから仕事が終わるまで働かなければいけないよ。(S) {E: the start; the beginning.} (出典:田村、方言:沙流)
- awa
- アワ 【接】[a-wa …した・…して] …して、 …したが(「…したけ」)(一つのことを述べ終わり、 それを前置きとしてこれから話が展開することを示す。 ややフォーマルな表現で、 きちんとした会話や伝説、 昔話、 叙事詩などで使われる) 。 hetopo horka siknu awa asirikinne montumu kasi mosma kur kem a=o wa ヘトポ ホㇿカ シㇰヌ アワ アシリキンネ モントゥム カシ モㇱマ クㇽ ケㇺ アオ ワ またふたたび息を吹き返したが、 新たに他の人の血を輸血されて…。(W会話) ☆参考 hike ヒケ …したが(軽い前置き)。 ☞hike ヒケ ③。 korka コㇿカ けれども(逆説)。 akus(u) アクㇱ/アクス …すると。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- aynu
- アイヌ 【名】①人間(神や動物などに対して)。 aynu kotan アイヌ コタン 人間の集落、 アイヌの村。 aynu mosir アイヌ モシㇼ 人間界(神の国に対する)。 ②男(menoko メノコ《女》に対して)。 ③アイヌ(民族名、 sísam シサㇺ《和人》など に対して)。 aynu itak アイヌ イタㇰ アイヌ語。 aynu mosir アイヌ モシㇼ アイヌの国/地 (多く、 北海道を指す)。 aynu cip アイヌ チㇷ゚( 直訳すると)アイヌの舟=丸木舟。 ④(kor コㇿ《…の》のあとに置かれて)おとうさん、 おとうちゃん。 e=kor aynu uymam wa/uymam-repunka エコㇿ アイヌ ウイマㇺ ワ/ウイマㇺレプンカ あなたのとうさんは交易に行って/交易をしに海を越えて行った。(S子守歌) a=kor totto/henoo uwan/pepa=kor aynu/wakka i=kure アコッ トット/ヘノオ ウワオ/ペパコㇿ アイヌ ワッカ イクレ おかあちゃん、 おとうちゃん、 水をください。(W神謡K) ☆参考 用例の子守歌の歌い手のサダモさんは、 父親のことを言うのに、 ふだんは iyapo イヤポ を使い、 「あなたのおとうさん」は e=kor iyapo エコㇿ イヤポ と言う。 神謡の歌い手ワテケさんは、 ふだんは míci ミチ を使い、 「私のおとうさん」は ku=mici クミチ と言う。 {E: ①a human-being. ②a man. ③an Ainu. ④a father.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- aynu-pákus
- アイヌパクㇱ 【間投】[aynu-pa-kus 人間・見つける・ために]いいねえ! aynu-pa-kus mokor wa an アイヌパークㇱ モコㇿ ワ アン いいねえ、 眠っていて。(W) hemanta okkaypo aynu-pákus póho ene pirka siri an hi an! ヘマンタ オッカイポ アイヌパークㇱ ポホ エネ ピㇼカ シリ アニ アン! なんてまあ、 あの若者、 いいねえ、 息子があんなに立派だこと! (S) ☆発音 pa パ の部分を伸ばし、 高く上げて言う。 ☆参考 感心して、 うらやましくて言う。 (出典:田村、方言:沙流)
- aynusitcir
- アイヌシッチㇼ 【名】[aynu-sir-cir 人間・様子・鳥][動物]「鳥の名、 何どりか不明。」aynusitcir kamuy アイヌシッチㇼ カムイ 「kamuyukar カムユカㇻ《神謡》に出てくる。」 (S)〔知分類になし〕 {E: the name of a bird (unknown).} (出典:田村、方言:沙流)
- cannoyep
- チャンノイェㇷ゚ 【名】[c(i)-annoye-p された・表す・もの]現れ。 nupur pe sóne/nupur cannoyep/esirutumka/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/ヌイナ カネ [雅]本当に霊力のあるものだが霊力の現れを頭飾りをかぶって自分の中に隠して。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- casnatara
- チャㇱナタラ 【自動】[cas-natara (さっぱりした状態を表す語根)・(状態が続いていることを表す接尾辞)]さっぱり(「あっさり」)している、 余計なものがない。 itak haw konna casnatara イタㇰ ハウ コンナ チャㇱナタラ 言うことが「あっさり」している、 余計な言葉がまじっていない。 ☞sir-casnatara シッチャㇱナタラ {E: to be simple; plain; neat.} (出典:田村、方言:沙流)
- casnure
- チャㇱヌレ 【他動】[casnu-re さっぱりする・させる] さっぱりさせる、 片づけてきれいに掃除する。 sir-casnure シッチャㇱヌレ あたりをさっぱりと片づけて掃除する。 {E: to clean (up)…; make…neat, tidy} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- caynatara
- チャイナタラ 【自動】[cay-natara (擬態の語根)・(状態が続いていることを表す接尾辞) …している]ジロジロにらみつけている。 i=nukar sirko caynatara イヌカㇻ シㇼコ チャイナタラ 私をジローッとにらみつけている。 inkar ru ko caynatara インカン ル コ チャイナタラ 恐ろしい目でギョロッとにらんでいる。 {E: to stare, glare at.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- céomare
- チェオマレ 【複他動】[他動使役][中相] [c(i)-e-oma-re される・その頭(先)が・そこに入る・させる](次の慣用句の中で)otusasuysir (oresasuysir) céomare オトゥサスイシㇼ (オレサスイシㇼ) チェオマレ 何代にも続いている。 tanesasuysir céomare タネサスイシㇼ チェオマレ 昔から今にいたるまでずっと続いている。 {E: to continue something down over the years, generations.} (出典:田村、方言:沙流)
- césinriserise
- チェシンリセリセ 【他動】[中相](?) [c(i)-e-sir-rise-rise される・…に関して・地・をむしる・(重複)](?) 一生懸命草をむしる。 ramuhokasusu wa cisoyekatta wa césinriserise ラムホカスス ワ チソイェカッタ ワ チェシンリセリセ (この忙がしいのにそんなにゆっくりお茶飲んで、 と気をもんで「きもやけて」)外へパッととび出して一生懸命草をむしっている。(S) {E: to pluck, weed… with all one's might.} (出典:田村、方言:沙流)
- cihecirore
- チヘチロレ 【他動】[自動使役][中相][ci-hecir-o-re される・踊り/遊び・をする・させる]おどけて踊ったり跳ねたりする。 suy etoy kur cihecirore siri スイ エトイ クㇽ チヘチロレ シリ またはげた人おどけている。 「踊ったり跳ねたりおもしろくとんで歩く、 人を笑わすように。」 (S) ☆参考 hecir ヘチㇼ は沙流では使わないが、 八雲に heciri ヘチリ《輪になって踊る》、 樺太に hecire ヘチレ《遊ぶ》がある。(方言辞典) (出典:田村、方言:沙流)
- cikewrototo
- チケウロトト 【他動】[中相][ci-kew-rotot-o される・(擬音の語根)・(音などの連続を表す接尾辞)・(他動詞形成)]ガラガラ/ドスンドスン/ガタガタと音がする。 ☞sir-cikewrototo シㇼチケウロトト (出典:田村、方言:沙流)
- cikosinninup 1
- チコシンニヌㇷ゚ 【ci-ko-sir-ninu-p】 ①秘宝:他人に知られないように隠し持っている宝,お守り,守護神.▷チ=それ コ=〜に シㇼ=大地 ニヌㇷ゚=縫う物 →大地へ縫いつけるようにして持っている宝 ネㇷ゚ネㇷ゚ チコシンニヌㇷ゚ アン ペ ネ コㇿカ インカㇻ イコシンニヌㇷ゚ カ アン イヌ イコシンニヌㇷ゚ カ アン ペ ネ クス ネㇷ゚ ア・ヌカㇻ ヤッカ クニ ネ ネ ワ ア・コシンニヌ カ エアイカㇷ゚ ペ ネ=いろいろと秘宝はあるけれども,見ただけの秘宝もあり聞いただけの秘宝もあり,見た時の状態によって秘宝にできない場合もあるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- cikosinninup 2
- チコシンニヌㇷ゚ 【ci-ko-sir-ninu-p】 ②役に立たない者:宝物はあってもいいしなくてもいい.役に立たない人間に言う悪口. ソンノ ア・イェ マヌ チコシンニヌㇷ゚ エ・ネ ルウェ ネ ワ=本当に言うところの秘宝とはお前のことだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- ciorankekar
- チオランケカㇻ 【他動】[中相][ci-o-ranke-kar される・(そこ)に・下ろす・させる][雅]…に降りる、 …に落ちる。 ranke mosir/mosirso kurka/ciorankekar ランケ モシㇼ/モシㇼソ クㇽカ/チオランケカㇻ [雅](彼は)下界の国の国土の上に下りてきます。(Sユーカラ) ranke núpe/numus apto ne/i=kurkasike/ciorankekar ランケ ヌペ/ヌムサㇷ゚ト ネ/イクㇽカシケ/チオランケカㇻ [雅](姉)の落とす涙が大粒の雨のように私の上に落ちてきた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- cípekira
- チペキラ 【自動】[cip-e-kira 舟・と共に・逃げる](沖のツノザメ漁で、 もりをさされた魚が)舟を引っぱって逃げる(もりには綱がついており舟に乗っている人がそれをつかんでいるので、 魚が逃げると舟は引っぱられてついて行く、 魚が弱ってから舟に上げる)。 tane oka sirkap néno aynurayke pakno cípekira somo ki yak pirka タネ オカ シㇼカㇷ゚ ネノ アイヌライケ パㇰノ チペキラ ソモ キ ヤㇰ ピㇼカ いまのツノザメはそんなふうに人殺しをするほどに舟を引っぱって逃げてはいけない。(W神謡)の結末の語り(門別資料) (出典:田村、方言:沙流)
- cipukrototo
- チプㇰロトト 【他動】[中相][ci-puk-rotot-o される・(擬音の語根)・(音の連続を表す接尾辞)・(他動詞形成)]プップップッと音がする。 ☞sir-cipukrototo シㇼチプㇰロトト (出典:田村、方言:沙流)
- citurimeta
- チトゥリメタ 【他動】[中相][ci-turim-eta される・(爆音の擬音)・(他動詞形成)]バリバリドンドンダンダンと大砲のような音をたてる。 ☞sir-citurimeta シㇼチトゥリメタ (出典:田村、方言:沙流)
- cituye
- チトゥイェ 【他動】[中相][ci-tuye された・切る] 切れている、 切れた…。 cituye mosir チトゥイェ モシㇼ 離れ島。 cituye nuyto チトゥイェ ヌイト 端を切った糸。 cituye amset チトゥイェ アㇺセッ[雅](直訳すると)切られた高床(たかどこ)=別づくりの高床(ユーカラ(英雄叙事詩)の主人公の少年は床(ゆか)の上に一段高くつくられた台、 つまり高床の上で育てられる。 それを表現する決まり文句の一つ)。(Sユーカラ) ☞amset アㇺセッ {E: to be cut.} (出典:田村、方言:沙流)
- cup 1
- チュㇷ゚ 【名】月、 太陽。 kunne cup クンネ チュㇷ゚ [夜(の)・月]月。 tókap cup トカㇷ゚ チュㇷ゚ [昼(の)・月]太陽。 cup kamuy チュㇷ゚ カムイ 月/日の神、 お月様、 お日様。 kunne cup (kamuy) クンネ チュㇷ゚ (カムイ) 月の神、 お月様。 tókap cup (kamuy) トカㇷ゚ チュㇷ゚ (カムイ) 日の神、 お日様。 cup ahun チュㇷ゚ アフン 月/日が沈む。 cup etuk チュㇷ゚ エトゥㇰ 月/日がほんの少し出かかる。 cup hetuku チュㇷ゚ ヘトゥク 月/日が出る(丸い全体が出る)。 cup nin sirara チュㇷ゚ ニン シララ[月が・減る・潮] 小潮。 cup a=rukí チュㇷ゚ アルキ 月/日が飲み込まれる=月蝕/日蝕でだんだん消えていく。 cup ran チュㇷ゚ ラン [日が・下りる]日が傾く。 cup ray チュㇷ゚ ライ [月/日が・死ぬ]月蝕/日蝕になる(皆既日食の場合)。 ruyno tane cup ran ルイノ タネ チュㇷ゚ ラン ずうっともう日が傾いた。(S) cup ri チュㇷ゚ リ [日・高い]日が昇る、 日が高い。 cup sikari sirara チュㇷ゚ シカリ シララ [月が・丸くなる・潮]大潮。 {E: the moon.} {E: the sun.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eane
- エアネ ☞sir-eane シレアネ (出典:田村、方言:沙流)
- ear-amne
- エアㇻアㇺネ/エアラㇺネ 【自動】[ear-am-ne 一つの・(?)・である]単衣(ひとえ)の。 ear-amne amip エアㇻアㇺネ/エアラㇺネ アミㇷ゚ 単衣の着物。(W) ☆参考 sirpokun amip シㇼポクン アミㇷ゚ 袷(あわせ) {E: single-layered clothing.} (出典:田村、方言:沙流)
- earokere
- エアロケレ 【副】[e-ar-okere …で全く・終える][雅]…を全部くまなく。 ney ta iwor/ney ta mosir/earokere/e=apkas yakka ネイ タ イウォㇿ/ネイ タ モシㇼ/エアロケレ/エアㇷ゚カㇱ ヤッカ [雅]どこの土地どこの島も全部くまなくあなたが歩いても。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- easiskar
- エアシㇱカㇻ 【他動】[e-asis-kar …に/で・(?)・する](?) …を恨(うら)む、 誘われた/勧められたからそうしたが、 その結果悪くなったので、 しなければよかったと誘った/勧めた人を恨む。 e=easiskar yakka pirka no, e=siren wa ora ene e=yayiyuninka エエアシㇱカㇻ ヤッカ ピㇼカ ノ、 エシレン マ オラ エネ エヤイユニンカ あなたが恨んでもいいくらいに、 彼があなたを連れ出したばかりに、 そのようにあなたはけがをした。(S) {E: to have a grudge against…} (出典:田村、方言:沙流)
- ehorka
- エホㇿカ 【副】[e-horka その頭・逆に] 逆に、 さかさまに。 hńta e=eyaykimatekka kus to e=mi p ka e=okus wa e=mi, e=us pe ka ehorka e=us siri an? フンタ エエヤイキマテッカ クㇱ ト エミㇷ゚ カ エオクㇱ ワ エミ、 エウㇱ ペ カ エホㇿカ エウㇱ シリ アン? あなた何をあわてて、 そら、 着るもの(服)も裏返しに着てるし、 はくもの(スカート)も後ろ前にはいてるの。(S) {E: opposite; reverse; upside down.} (出典:田村、方言:沙流)
- ehosi
- エホシ 【副/後副】①[副](正位置の基準などから)はずれて、 まちがって、 ずれて違って。 ehosi ye エホシ イェ 言い間違える。 ponno ehosi sirutu ポンノ エホシ シルトゥ 少し脇の方へ寄りなさい(「ずりなさい」)。 ②[後副]…と違って。 onaha ehosi an オナハ エホシ アン 父に似ていない。 {E: ①out of position; mistaken. ② unlike…} (出典:田村、方言:沙流)
- eirpak
- エイㇼパㇰ 【後副】…と一緒に、 …と同時に。 eirpak ku=sirepa エイㇼパㇰ クシレパ 私は彼と一緒に着いた。(S) {E: together with…; at the same time as…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekap
- エカㇷ゚ 【他動】…にあいさつする、 …に会いたいと思っている。 eci=ekáp kor k=an akusu e=ek siri エチエカㇷ゚ コㇿ カナクス エエㇰ シリ あんたに会いたいと思っていたけ(=いたところ)来たんだね。(KSg) uwekap ウウェカㇷ゚ [u-ekap] あいさつする。 (出典:田村、方言:沙流)
- ekesinne
- エケシンネ 【副】[e-ke-sir-ne その頭・(?)・土地/あたり・である/になる](e-…-ne は《…へ》) あちこちへ、 あちこちに。 ekesinne nepki kus paye utar エケシンネ ネㇷ゚キ クㇱ パイェ ウタㇻ あちこちへ働きに行く人々。(S) ekesinne e=inkar yakun pirka wa エケシンネ エインカㇻ ヤクン ピㇼカ ワ どこでも見えればいいね。(S) ☆対語 okesinne オケシンネ あちこちから。 {E: here and there.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekopuntek
- エコプンテㇰ 【複他動】[e-kopuntek …のことで・…に・喜ぶ](人)の(したこと)を喜ぶ、 …のことで…を歓迎する。 pirka híne e=ek sir an sekor hawean kor i=ekopuntek ピㇼカ ヒネ エエㇰ シㇼ アン セコㇿ ハウェアン コㇿ イエコプンテㇰ 彼は、 よく来たと言って私を歓迎してくれた。(HK民話) {E: to be pleased at…(someone's doings); to welcome…for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ekosne-punpa
- エコㇱネ プンパ 【複他動】[e-kosne-punpa (そこ)に・軽く・…を持ち上げる][雅]…を(そこ)に軽く持ち上げる。(次のような受け身(主語不定人称)の形で) maw sirkasi/an=i=ekosne/punpa kane マウ シㇼカシ/アニエコㇱネ/プンパ カネ 空気の上に私は軽くのせられて。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 同様の文脈で eyaykosnekur-punpa エヤイコㇱネクㇽプンパ も使われている。 (出典:田村、方言:沙流)
- emuemu
- エムエム 【他動】…をはい登る。 weysir emuemu ayne easir nupuri ka ta hemesu ウェイシㇼ エムエム アイネ エアシㇼ ヌプリ カ タ ヘメス 険しい山をはい登るようにしてやっと頂上に登った。(S) {E: to creep, crawl up…} (出典:田村、方言:沙流)
- ene 2
- エネ 【副】このように、 そのように。 ene…hi エネ…ヒ …する仕方、 どう…する(した)かというと、 このように(次のように)…した。 ene ku=sirosio hi ka k=érampewtek エネ クシロシオ ヒ カ ケランペウテㇰ どんな印をつけたらいいのかわからない。(S) ene…kuni エネ…クニ …するべき仕方、 このように(次のように)するべきだ/ことになっている。 …ruwe(hawe/siri/humi) ene an hi an? …ルウェ (ハウェ/シリ/フミ) エネ アニ アン? …した(する/している)のだろうか(しばしば驚きの表現)。 ene an エネ アン このような、 そのような。 ene he tap(ne) エネ ヘ タㇷ゚(ネ) こんなにも、 あんなにも。 ene an エネ アン こんな、 そんな、 あんな。 ene káni ka ku=yaynu エネ カニ カ クヤイヌ 私もそう思う。 ene ku=ye hi ka isam エネ クイェ ヒ カ イサㇺ どう言うこともできない。 ene ka (tap) エネ カ (タㇷ゚) そんなに/あんなに/こんなに。 ene ka tap kor rusuy wa an pe mosmano an wa ora os iruska kor an エネ カ タㇷ゚ コン ルスイ ワ アン ペ モㇱマノ アン マ オラ オㇱ イルㇱカ コラン そんなに欲しかったのにだまっていてあとで怒っている。(S) {E: like this, that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eniste
- エニㇱテ 【他動】[e-niste …で・強い]…を頼りに/あてにして安心している。 sirkunne yakka taan kur a=turá yakun a=eníste シㇼクンネ ヤッカ タアン クㇽ アトゥラ ヤクン アエニㇱテ 暗くてもこの人と一緒に行けば安心だ。(S) a=eníste hum ko yupnatara アエニシテ フㇺ コ ユㇷ゚ナタラ [雅](私たちは)それをあてにして安心している。 rep ta a=kor mosir anakne haru an yak a=ye kusu a=eníste hum ko yupnatara レㇷ゚ タ アコㇿ モシㇼ アナㇰネ ハル アン ヤカイェ クス アエニㇱテ フㇺコ ユㇷ゚ナタラ 内地(本州)は豊作だそうだから私たちはあてにして安心している。(S) ☆参考 「…に強い」という意味の用例はない。 〔久辞典 191 その為にかたい、 それに持ち耐へる、 (それ)に強い、 に耐へる、 堪へる Sake a-e-nishte〕 {E: to rely on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- enrum
- エンルㇺ 【位名】(決まった語の中で)…の先。 páenrum パエンルㇺ 口の先端、 op-enrum オㇷ゚エンルㇺ もり(魚獲槍)の先、 kite キテ《もり先》の先(=op etoko オㇷ゚ エトコ)。 ☆参考 襟裳岬の語源として知られてはいるが、 沙流地方では岬のことはこう言わず、 普通は nottu ノットゥ、 大きく言うときは siretok シレトㇰ などと言う。 一般にものの先(先端)のことは etu エトゥ、 etupsi エトゥㇷ゚シ、 etok エトㇰ などと言う。 {E: the end, point of…} (出典:田村、方言:沙流)
- enuray
- エヌライ 【他動】…が汚いので驚きいやがる。 k=énuray wa k=énucisiske ケヌライ ワ ケヌチシㇱケ 私は彼の汚いのに驚いてじっと見つめていた。 a=enúray no okay pe yayosirkonoypa wa oka アエヌライ ノ オカイ ペ ヤヨシㇼコノイパ ワ オカ 彼は汚くて人にいやがられるのにいつまでも出て行かない。 {E: to be disgusted at something dirty.} (出典:田村、方言:沙流)
- eomare
- エオマレ 【複他動】[他動使役](直訳すると)(…の方へ)向かって行かせる。(次の言い回しの中で)tanesasuysir céomare タネサスイシㇼ チェオマレ 昔から今に至るまで。 otusasuysir (oresasuysir) céomare オトゥサスイシㇼ (オレサスイシㇼ) チェオマレ 何代にも続いて、 二十代にも三十代にもわたって。 ☞tanesasuysir タネサスイシㇼ、 otusasuysir オトゥサスイシㇼ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- epa 1
- エパ 【他動】[e-pa (そこ)に・行く] …に行く/届く/着く。 ☆参考 sirepa シレパ[自動]到着する。 {E: to go to…; reach…; arrive at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- epaha
- エパハ 【名】[所](概 epa エパ はない。 pa パ は《年》) [e-paha その・年[所]]その年、 そのことに当たっている年。 ne epaha ネ エパハ (そのことがあった/ある)その年。(W会話) kanna mosir ka a=oríkin epaha ne kusu カンナ モシㇼ カ アオリキン エパハ ネ クス 天の神の国に昇る年だから。(HC民話) {E: that year; that time.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- epak
- エパㇰ 【位名】…の端。 ☆参考 独立には未出。 sir-epak シㇼエパㇰ の形で出てきた。 ☞sir-epak シㇼエパㇰ (出典:田村、方言:沙流)
- eparkohayta
- エパㇻコハイタ 【他動】[e-parkohayta …に関して・食いしんぼうである] …をとても食べたがる(つわりのとき等)。 hat k=éparkohayta ハッ ケパㇻコハイタ ブドウがとても食べたい。(S) ☞parkohayta パㇻコハイタ {E: to have a great desire to eat (during morning sickness etc).} (出典:田村、方言:沙流)
- eporose
- エポロセ 【複他動】[e-porose …で・…を言い表す] …によって…を言い表す。 a=motóutari tan mosir ta yappa kusu keraypo oka=an hi a=i=éporose kus, Aynu Mosir, Hokkaito Mosir sekor tane anak a=ye hawe ne アモトウタリ タン モシッタ ヤッパ クス ケライポ オカアニ アイエポロセ クㇱ、 アイヌ モシㇼ、 ホッカイト モシㇼ セコㇿ タネ アナㇰ アイェ ハウェ ネ 私たちの先祖がこの島に上陸したおかげで私たちアイヌがこの島に住んでいるということによって名づけられたから、 アイヌの島、 北海道の島と今は言われるのです。(S言い伝え) {E: to give verbal expression to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- epunkine
- エプンキネ 【他動】[e-punki-ne …で・守護者・である] …を守る、 (国)を治める、 …の番をする、 …を看護する。 mosir/kotan epunkine kamuy モシㇼ/コタン エプンキネ カムイ 国/村を守る神。 yaynuwen wa epunkine wa an ヤイヌウェン ワ エプンキネ ワ アン 具合いが悪いので看護している。(S) {E: to protect, guard, govern…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- epunkinere
- エプンキネレ 【複他動】[他動使役][epunkine-re …を守る・させる] …に…を守らせる、 …に…の番をさせる。 emus easkay utar kesukuran an kor pu a=epúnkinere kor síran エムㇱ エアㇱカイ ウタㇻ ケスクラン アン コㇿ プ アエプンキネレ コㇿ シラン 剣の達人たちが毎晩倉の番をさせられていた。(W民話) (出典:田村、方言:沙流)
- epuriwen
- エプリウェン 【他動】[e-puri-wen (人)と共に・行い・悪い] …に加勢する。 pakno i=epuriwen siri ne wa ne yakun, akkari e=an wa ne yak a=eyám kusu パㇰノ イエプリウェン シリ ネ ワ ネ ヤクン、 アッカリ エアン ワ ネ ヤㇰ アエヤㇺ クス あなたはこれほど私に加勢してくれたのだから、 これ以上ここにいては心配だから…。(HK民話) {E: to help, aid, assist….} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eramiskari
- エラミㇱカリ 【他動】[否定動詞] ①(人)を知らない(見知らない)、 おぼえがない。 siketoknawa a=erámiskari okkaypo sinep soy ta ek na シケトㇰナワ アエラミㇱカリ オッカイポ シネㇷ゚ ソイ タ エㇰ ナ 全然知らない(見覚えのない)若い男が一人、 門口に来ています。(W言い伝え) ku=mokorkasu wa sir-onuman ya ka k=éramiskari クモコㇿカス ワ シロヌマン ヤ カ ケラミㇱカリ 寝すぎて晩になったのもわからなかった。(S) ②(動詞句の後に置かれて)…したことがない。 k=arpa ka eramiskari カㇻパ カ エラミㇱカリ 私は行ったことがない。(W会話) ☆対語 肯定は amkir アㇺキㇼ。 ☆参考 erampewtek エランペウテㇰ …がわからない、 …を知らない(知識がない)。 ☞amkir アㇺキㇼ、 erampewtek エランペウテㇰ {E: to not know, remember, recall…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eramuikatcaus/eramuykatcaus
- エラムイカッチャウㇱ 【他動】…が気に入らない、 …が気にくわない。 taan pe anak k=éramuikatcaus, k=e ka etoranne タアン ペ アナㇰ ケラムイカッチャウㇱ、 ケ カ エトランネ これは私には気が向かない、 食べるのもいやだ。 en=or ta anak sir-eramuikatcaus エノッタ アナㇰ シレラムイカッチャウㇱ 彼には私の家は(陰気くさいように思って)なんとなくいやなんでしょう。(S) {E: to be dissatisfied with…; lose interest in…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eramuoka
- エラムオカ 【他動】[複](単は eraman エラマン/eramuan エラムアン)[e-ramu-oka …について・その心[所]・ある[複]](二人以上が)…を知っている、 …がわかる。 orowano easir oka=an katu kamuy ka aynu ka eramuoka オロワノ エアシㇼ オカアン カトゥ カムイ カ アイヌ カ エラムオカ その時から、 私たちの存在が神にも人にも知られるようになった。(W民話) {E: to know, understand…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eramusinne
- エラムシンネ 【他動】[e-ramu-sir-ne …で・その心・地面・だ] …のことで安心する、 …のことでほっとする(気になっていた仕事がかたづいて等)。 sekor a=ekási hawean húci ka i=kopuntek híne oraun a=erámusinne híne セコㇿ アエカシ ハウェアン フチ カ イコプンテㇰ ヒネ オラウン アエラムシンネ ヒネ …と私の祖父が言い、 おばあちゃんもよく来たよく来たと言ってくれて、 それで私はほっとして。(W神謡語り) {E: to be relieved about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eramusinne
- エラムシンネ 【e-ramu-sir-ne】 安心する,もう気にすることはない. ヤイモトホ ヌ ルスイ オッカイポ エㇰ ヒクス ピㇼカノ ア・ヌレ アクス エラムシンネ ワ ホシピ ワ アㇻパ=自分の先祖のことを聞きたい若者が来たのでよく聞かせると安心して戻って行った.ク・トイェヘ キナウㇱ ワ アン ペ ネ クス ケㇱト ク・キナカㇻ タント コケレ(ク・オケレ) ケラムシンネ(ク・エラムシンネ)=私の畑が草ぼうぼうになっていたものだから毎日草取りをして,今日終わって安心した. (出典:萱野、方言:沙流)
- eramuykatcaus
- エラムイカッチャウㇱ 【他動】…が気にくわない。 ☞eramuikatcaus エラムイカッチャウㇱ、 sir-eramuykatcaus シㇼエラムイカッチャウㇱ (出典:田村、方言:沙流)
- erawe
- エラウェ 【他動】…をこれこそと楽しみにしている。 k=érawe p ne akus en=ere wa kéraan humi! ケラウェㇷ゚ ネ アクㇱ エネレ ワ ケラアン フミ! 食べたかったのだが食べさせてくれておいしいなあ。(S) X ku=matnepo k=érawe X クマッネポ ケラウェ 「X(どこそこの息子)でなければうちの娘にくれられないなあ。」 (S) ku=poho k=érawe p ne akusu, esirosi a=korár wa isam クポホ ケラウェㇷ゚ ネ アクス、 エシロシ アコラㇻ ワ イサㇺ うちの息子の嫁にもらいたいと思って楽しみにしていたのによそへ嫁にやられてしまった。(S) {E: to be really looking forward to…} (出典:田村、方言:沙流)
- erayninne
- エライニンネ 【他動】[e-ray-nitne …で・ひどく・固くなる(とても疲れる)](?) e=erayninne wa e=kar pe en=kore siri, iyayiraykere エエライニンネ ワ エカㇻ ペ エンコレ シリ イヤイライケレ あなたが骨を折ってつくったものを私にくださるのね、 ほんとうにありがとう。(S) 骨が折れる。 {E: } (出典:田村、方言:沙流)
- esankokkaesitciwre
- エサンコッカエシッチウレ §448.すわる(座る)(51)おすわりする esankokkaesitciwre〔e-sáŋ-kok-ka-e-šít-čiŭ-re エさンコッカ・エしッチウレ〕[e(そこに)+san(前方の)+kokka(ひざ)+e(で)+sir(地面を)+ciwre(突かせる)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- esanpesituri
- エサンペシトゥリ 【他動】[e-sanpe-situri …で・心臓(=心)・伸びる] …で気が晴れる、 …で気分がよくなる、 …で気持ちがいい。 toan ponmenoko pirka mokor ki wa an, esanpesituri nankor トアン ポンメノコ ピㇼカ モコㇿ キ ワ アン、 エサンペシトゥリ ナンコㇿ あの娘さんよく眠っている。 よっぽど気持ちがいいんでしょうねえ。(W) soy péka kú=iki wa asir réra ku=seru, níya húra ku=seru, síno k=ésanpesituri ソイ ペカ クイキ ワ アシンレラ クセル、 ニヤ フラ クセル、 シノ ケサンペシトゥリ 私は外にいて(外で何かをして、 外の仕事をして)新鮮な空気を吸い、 木の芽の匂いを吸い、 たいそう気持ちがよくなった。(S) a=ye wa a=esánpesituri アイェ ワ アエサンペシトゥリ 私はしゃべって気が晴れた。(S民話) {E: to feel good, light about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esinninu
- エシンニヌ 【他動】[esir-ninu ちょっと先に・縫う](?) 刺しゅうする所を先に縫って印しておく。 cikarkarpe esinninu kor an チカㇻカㇻペ エシンニヌ コラン (彼女は)礼服の刺しゅうの仮縫いをしている。(S) {E: to sew an outline of a design before embroidering.} (出典:田村、方言:沙流)
- esitcari
- エシッチャリ 【e-sir-cari】 散らかす. ポン ヘカチ イミコパン クス ミピヒ エシッチャリ=子供が物を着るのがいやで着物を散らかした. (出典:萱野、方言:沙流)
- esitcatcari
- エシッチャッチャリ 【他動】[e-sir-catcari …で・あたり・…を散らす]…で散らかる、 …が散らかっている。 cise onnay epitta mun esitcatcari wa an, icakkere チセ オンナイ エピッタ ムン エシッチャッチャリ ワ アン、 イチャッケレ 家じゅうごみが散らかっていてきたない。(S) {E: to make…messy, untidy.} (出典:田村、方言:沙流)
- esitcatcari
- エシッチャッチャリ 【e-sir-car-cari】 散らかす. ク・ミッポ ウタㇻ アエシノッペ エシッチャッチャリ=私の孫たちがおもちゃを散らかした. (出典:萱野、方言:沙流)
- esitciw
- エシッチウ 【他動】[e-sir-ciw その頭が・地面・にささる] 動かない。 {E: to be unmoveable.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esitciw
- エシッチウ 【e-sir-ciw】 つんのめる.倒れる.▷エ=それで シㇼ=大地 チュー=刺す →自分の体で大地を刺す ハイー クンネイワ ソモ ク・イペ ノ ケㇰ(ク・エㇰ) アクス タネ ケシッチュー(ク・エシッチュー) パㇰノ ク・イペルスイ ネㇷ゚カ アエㇷ゚ イサㇺ ルウェー=あーあ,朝,何も食べずに来て,今にもぶっ倒れるぐらい腹ぺこだ.何か食べ物ないのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
- esitciw'anki
- エシッチウアンキ 【e-sirciw-anki】 前のめりになる.▷エ=それ(体)で シㇼ=大地 チュー=刺す アンキ=あやうく →体で大地を刺しそうになる (出典:萱野、方言:沙流)
- esitciwre
- エシッチウレ 【他動】[e-sir-ciw-re …その頭・地・にささる・させる] ☞koysankokka-esitciwre コイサンコッカエシッチウレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esittatososke
- エシッタトソㇱケ 【自動】[e-sir-ta-tosos(o)-ke その頭が・あたり・(?)・…を荒らす・(自動詞形成)]草原を分けて突き進む(人間でも熊でも)。 esittatososke kor hoyupu エシッタトソㇱケ コㇿ ホユプ 草原を分けて「めちゃくちゃ走る」 (S) {E: to push one's way through grasslands.} (出典:田村、方言:沙流)
- esittawki
- エシッタウキ 【e-sir-tawki】 (えいっと)切る,叩き切る.▷エ=それ シㇼ=大地 タウキ=切る (出典:萱野、方言:沙流)
- esittek
- エシッテㇰ 【esir-tek】 さっき,先程. (出典:萱野、方言:沙流)
- esitturaynu
- エシットゥライヌ 【e-sir-turaynu】 (〜で)道に迷う. イット エキㇺネアナㇷ゚(エキㇺネ・アン アㇷ゚) ウパㇱ ユㇷ゚ケ ウパㇱ エシットゥライヌ・アン ヤアニ ヤアニ ルプㇱ・アン イキヤナイネ イワカン(イワㇰ・アン) ア・オナハ イ・ケウェホㇺス ルウェ ネ=日帰りと思って山へ行ったのに大雪降りになって雪によって方角を見失い危なく危なく凍死しそうになり,どうにかこうにかして帰って来たら父は私をねぎらってくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
- etaye
- エタイェ 【他動】[単](複は etaypa エタイパ) …を引く、 …をひっぱる、 (杭、 釘、 とげ、 ひもなど)を引き抜く。 kínit sinep etaye cúna ape epoypoye キニッ シネㇷ゚ エタイェ チュナ アペ エポイポイェ (彼は)カヤを一本引き抜いていけてある火をかきまわした(明りをつくるための動作)。(NK民話) tasiro etaye wa etamtarara タシロ エタイェ ワ エタㇺタララ (彼は)山刀を抜いて振り上げて。(W民話) {E: to pull…; pull out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etaytektek
- エタイテㇰテㇰ 【他動】[etay(e)-tektek …を引く・瞬間にサツと(キュツと)] …をキュッと/サツと引き抜く。 tasiro etaytektek wa タシロ エタイテㇰテㇰ ワ (彼は)山刀をサッと抜いて。(W民話) {E: to pull out…quickly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eteseske
- エテセㇱケ 【自動(?)】[e-tes-es-ke その頭・(反(そ)ることを表す語根)・(重複)・(自動詞形成)](直訳すると)その先が反(そ)っている。(次の表現の中で)(唇が)厚くなる(?)。 pátoye eteseske パトイェ エテセㇱケ (渋いために)唇が厚くなったような感じがする。(S) iyohay, ku=patoye ka eteseske kane siratek イヨハイ、 クパトイェ カ エテセㇱケ カネ シラテㇰ まあ、 私の唇も厚くなったように渋い。(S) {E: for the lips to swell.} (出典:田村、方言:沙流)
- etok(o) esiyetaye
- エトㇰ/エトコ エシイェタイェ 【連他動】[(その)先・自分を引っぱる] …より前に先回りして行く。 ek noyne síriki hi kusu etoko a=esíyetaye híne ék=an híne エㇰ ノイネ シリキ ヒ クス エトコ アエシイェタイェ ヒネ エカン ヒネ (彼が)来るような様子なので私は先回りして家に帰って。 {E: to get ahead of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etok(o) tusmak
- エトㇰ/エトコ トゥㇱマㇰ 【連他動】[先・競争する]…の先回りをする。 a=yupíhi tane pon menoko kosirepa noyne síriki, etoko tusmak híne néa pon menoko a=kosírepa hoskino ki híne アユピヒ タネ ポン メノコ コシレパ ノイネ シリキ、 エトコ トゥㇱマㇰ ヒネ ネア ポン メノコ アコシレパ ホㇱキノ キ ヒネ 私の兄がもう娘さんの所まで行きそうになっていたが、 私はその先回りをしてその娘さんの所に先に着いた。(W民話) {E: to get ahead of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etoko yaykar
- エトコ ヤイカㇻ 【連他動】[etoko-yay-kar その先・自分を・つくる] すぐ先に起こる、 …の前兆である。 hemanta etoko yaykar kusu ene nísapno sir-toyarekurok a p ora ヘマンタ エトコ ヤイカㇻ クス エネ ニサㇷ゚ノ シットヤレクロㇰ アㇷ゚ オラ 何の前兆でこんなふうにまっ暗になって。(W会話) ☆参考 etok yaykar エトㇰ ヤイカㇻ は未出。 {E: to happen immediately before…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- etosittomne
- エトシットㇺネ 【自動】(独立の自動詞としては未出) ☞sir-etosittomne シㇼエトシットㇺネ (出典:田村、方言:沙流)
- eturas
- エトゥラㇱ 【他動】 …にとびかかる、 とんではねて…にとびつく。 néa ponmenoko a=kosírepa hoskino ki híne a=etúras a=etúras kane iki=an akusu ネア ポンメノコ アコシレパ ホㇱキノ キ ヒネ アエトゥラㇱ アエトゥラㇱ カネ イキアン アクス その娘さんの所に私のほうが兄より先に着いて、 ピョンピョン跳ねて娘さんにとびかかりとびかかりすると。(W民話)(エゾイタチの自叙) {E: to throw oneself upon…; jump at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eturusi(hi)
- エトゥルシ(ヒ) 【名】[所](概は eturus エトゥルㇱ)…の鼻づら。 corpokke ta néa kameasi eturusihi sanke híne an siri iki チョㇿポッケ タ ネア カメアシ エトゥルシヒ サンケ ヒネ アン シリ イキ (倒木の)その下にそのばけもの熊が鼻づらを出しているのが見えた。(KK民話) {E: the muzzle of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eus
- エウㇱ 【他動】[e-us その頭・につく] 頭が…に届く、 …の上の方についている。(S) sine pon weysisam an híne síran pe ne hike, tu sapa eus wa シネ ポン ウェイシサㇺ アン ヒネ シラン ペ ネ ヒケ、 トゥ サパ エウㇱ ワ 一人の小さい貧乏和人がいたのだが、 彼には二つの頭が(体の上の方に)ついていて。(S民話) nis or eus kane poro ape a=ari híne ニソㇿ エウㇱ カネ ポロ アペ アアリ ヒネ 私は空にとどくほど大きな火をたいて。(HC民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- euwopitte/ewwopitte
- エウウォピッテ 【他動】[e-u-opitte その頭・互い・を結ぶ(?)] …を結ぶ。 ureneepakke ewwopitte/ewopitte wa ári ウレネエパッケ エウウォピッテ/エウォピッテ ワ アリ (俵の)両端を結んで(つなぎ合わせて)おきなさい(1枚に編んだものの編み始めと編み終わりをつなぎ合わせて袋にすることを言っている)。(S) nuyto etupsike k=ewwopitte wa k=ári akusu kem ounu ka eaykap siri iki ヌイト エトゥㇷ゚シケ ケウウォピッテ ワ カリ アクス ケㇺ オウヌ カ エアイカㇷ゚ シリ イキ 糸の端を私が結んでおいたところ(彼は)針に通すことができない様子だ(何本もある糸の両端の先を結んで一つに束ねてしまったことを言っている)。(S) ☆参考 接頭辞がつくことによって語頭の e が高く発音されるときに多く使われる語幹の形。 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは ewopitte エウォピッテ という形をとることが多い。 ☞ewopitte エウォピッテ {E: to link, join…} (出典:田村、方言:沙流)
- ewen
- エウェン 【他動】[e-wen …で・悪い] ①…で悪くなる、 (食べ物に)あたる、 損する。 amam e kor ewen アマㇺ エ コㇿ エウェン ご飯を食べるとよくない。(S) e wa suy ewen エ ワ スイ エウェン 食べたからまた悪くなった。(S) e wa ewen wa etupi エ ワ エウェン ワ エトゥピ 食べてあたったからもう食べない。(S) kú=ipe ewen humi ne noyne ku=honi arka クイペ エウェン フミ ネ ノイネ クホニ アㇻカ 私は食べ物にあたったらしくおなかが痛い。(S) a=ewén kuni a=ramú p somo a=ki p ne na アエウェン クニ アラムㇷ゚ ソモ アキㇷ゚ ネ ナ 損するようなことはするもんでない。(S) ewen kunine patek iki エウェン クニネ パテㇰ イキ 損するようなことばかりしている。(S) ②(動詞の後に置かれて)…しにくい。 …することがよくできない。 tópe esirkotuk kor níkap soske ewen トペ エシㇼコトゥㇰ コㇿ ニカㇷ゚ ソㇱケ エウェン 木の汁が出なくなって木の皮がくっつくと木の皮がむけにくくなる。(S) ci=nu ewen pe he un ci=ye チヌ エウェン ペ ヘ ウン チイェ 耳が遠いわけじゃないんだぞ(川下男と川上男の昔話で川上男が言う決まり文句の一つ)。 {E: ①for…to go bad; for…to be damaged. ②for…to be difficult to do…; cannot do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ewkoramkor
- エウコラㇺコㇿ 【他動】[e-u-ko-ram-kor …について・互い・に・心を・持つ] …について相談する。 hetopo suy a=kor mosir ne a=kar kunihi kamuy tono tutanu sapane utar opitta ewkoramkor kor síran ヘトポ スイ アコㇿ モシㇼ ネ アカㇻ クニヒ カムイ トノ トゥタヌ サパネ ウタㇻ オピッタ エウコラㇺコㇿ コㇿ シラン (北方領土を)また再び私たちの国土に取りもどすことを、 天皇の次の高い位の方々が皆で相談している。(S) {E: to consult with someone about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ewnukare
- エウヌカレ 【他動】[e-unukare (そこ)で・(それ)を皆が見る] (そこ)でそれを皆が見る/皆にそれが見える。 mosirso kurka/a=ewnukare モシㇼソ クㇽカ/アエウヌカレ 世界中にいる人皆が(それを)見る/皆に(それが)見える。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
- ewpiraspa
- エウピラㇱパ 【自動】[複](単の例は未出)[e-u-piraspa …に・互い・を広げる[複]] 皆で…に広がる。 na uwoya uwoya mosir ewpiraspa wa ナ ウウォヤ ウウォヤ モシㇼ エウピラㇱパ ワ (アイヌの子孫は)まだほかにもあっちこっちの国に広がって行って。(S言い伝え) {E: to spread (out), widen to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ewrespa
- エウレㇱパ 【他動】[e-u-respa …で・互い・を育てる[複]] …で子どもを育てる。 ceppokoyki=an wa a=ma wa a=satsatke wa sirmata kor ne wa an pe ka a=ewrespa kor oka=an チェッポコイキアン マ アマ ワ アサッサッケ ワ シㇼマタ コㇿ ネ ワ アン ペ カ アエウレㇱパ コㇿ オカアン 私は魚とりして焼いて干しておき冬になるとそれも食べさせて子どもを育てていた。(W民話) {E: to raise children on, at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyaykewtum-ositciwre
- エヤイケウトゥㇺオシッチウレ 【他動】[e-yay-kewtum(u)-osirciw-re …について・自分・心・尻(が)地面に刺さる(=落ちつく)・させる] …のことを決心する、 …を決心する。 ☆参考 韻文で2行に分かれる。 {E: to decide on…; make up one's mind to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyaykimatekka
- エヤイキマテッカ 【他動】[e-yaykimatekka …で・急ぎあわてる] …で急ぐ、 …であわてる。 hńta e=eyaykimatekka kus to e=mi p ka e=okus e=mi, e=us pe ka ehorka e=us siri an? フンタ エエヤイキマテッカ クㇱ ト エミㇷ゚ カ エオクㇱ エミ、 エウㇱ ペ カ エホㇿカ エウㇱ シリ アン? あなた何をあわてて、 ほら、 服も裏返しに着てはくもの(スカート)も後ろ前にはいてるのよ。(S) ☞yaykimatekka ヤイキマテッカ、 kimatek キマテㇰ {E: to be in a hurry about…} (出典:田村、方言:沙流)
- eyaykosnekur-punpa
- エヤイコㇱネクㇽプンパ 【他動】[複][e-yay-kosne-kur-punpa …で・自分・軽く・(< 影/姿)・…を持ち上げる][雅](風)で体が浮き上がる。 toytoy ka wa/hopuni réra/maw sirkasi/a=eyáykosnekur/punpa kane トイトイ カ ワ/ホプニ レラ/マウ シㇼカシ/アエヤイコㇱネクㇽ/プンパ カネ [雅]土の上から立ちのぼる風に吹かれたように体が軽く浮き上がって。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 同様の文脈で ekosne-punpa エコㇱネプンパ、 eyayrikikur-punpa エヤイリキクㇽプンパ、 eyayrikikur-kosnepuni エヤイリキクㇽコㇱネプニ も使われている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyaynusasi
- エヤイヌサシ 【他動】[e-yay-nusasi …で・自分・をなぐさめる]…で自らをなぐさめる、 …で気持ちがなぐさめられる。 e=ok kane wa patek e=an ayke kus mak ne hawe? nep ka ye ka ki, sinotcaki kor an, yak e=eyaynusasi na エオㇰ カネ ワ パテㇰ エアン アイケ クㇱ マㇰ ネ ハウェ? ネㇷ゚ カ イェ カ キ、 シノッチャキ コラン、 ヤㇰ エエヤイヌサシ ナ そんな悲しい顔ばかりしてたってだめなんだから、 何か言いなさい、 歌でも歌いなさい、 気持ちがなぐさめられるから。(S) ☞enusasire エヌサシレ {E: to console oneself over…} (出典:田村、方言:沙流)
- eyaypastere
- エヤイパㇱテレ 【他動】[e-yay-pas-te-re …で・自分・走る・させる] (次の表現で)…を走る。 maw sirkasi eyaypastere マウ シㇼカシ エヤイパㇱテレ[風・の表面・で自分を走らせる]風について走った。(S) hopuni réra/maw sirkasi/a=eyáypastere/sán=an katu ホプニ レラ/マウ シㇼカシ/アエヤイパㇱテレ/サナン カトゥ [雅]私は立ちのぼる風について走りながら川下へ下ってきたことを(風に乗って飛んだのではなく、 風について下から走った)。(Sユーカラ) ( ☆参考 sirkasi は文字どおりの《地の上》を指すのかもしれない。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyayporospa
- エヤイポロㇱパ 【他動】[複](単は eyayporospa エヤイポロㇱパ が予想されるが未出)[e-yay-porospa …で・自分・[複]] …自分によって言い表す/名づける、 …に自分の名前をつける。 na uwoya uwoya mosir eyayporospa, oro ta paye hike eyayporospa wa ナ ウウォヤ ウウォヤ モシㇼ エヤイポロㇱパ、 オロ タ パイェ ヒケ エヤイポロㇱパ ワ まだまだあっちこっちの国に彼らは自分の名前をつけた、 行った人が行った先に自分の名前をつけて。(S言い伝え) ☆参考 yayeporospa ヤイェポロㇱパ とも言う {E: to express…in one's own words; to name…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyayramkes-mewpa
- エヤイラㇺケㇱメウパ 【他動】[複](単は未出)[e-yay-ram-kes-mewpa …について・自分・心・の末端・をはがす[複]] …のことを皆で一致して一心に思う。 néun póka ne ciki somo, a=kor mosir, a=kor Samor mosir ne ciki Aynu mosir ne ciki, kiki a=kar easkay ya, sekor an pe patek a=eyáyramkesmewpa ネウン ポカ ネ チキ ソモ、 アコㇿ モシㇼ、 アコㇿ サモㇿ モシン ネ チキ アイヌ モシン ネ チキ、 キキ アカㇻ エアㇱカイ ヤ、 セコラン ペ パテㇰ アエヤイラㇺケㇱメウパ なんとかして、 わが国、 和人の国(本州以南)もアイヌの国(北海道)も、 敵から守ることができないかということばかり皆で一心に思って。(S会話) ☆参考 同種の状況文脈で koyayramkes-mewe コヤイラㇺケㇱメウェ も出ている。 単数と複数の違いはあるが、 e-… と ko-… との違いは未詳。 また e- エ も ko- コ もつかない yayramkesmewe ヤイラㇺケㇱメウェ は未出。 {E: for everyone to be in mutual agreement over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyayramnuyna
- エヤイラㇺヌイナ 【他動】[e-yay-ram-nuyna で・自分・かくす] …を葬る、 …を墓に埋める。 túsir or un a=aní wa a=eyáyramnuyna, ape a=ari kane wa トゥシロルン アアニ ワ アエヤイラㇺヌイナ、 アペ アアリ カネ ワ 墓へ持っていって葬りました、 火をたいて。(W) {E: to bury a dead body (in a grave.).} (出典:田村、方言:沙流)
- eyki
- エイキ 【他動】[e-iki …で・ものごとをする] …でものごとをする。 ikotca eyki kur イコッチャ エイキ クㇽ 人の前でものごとをする人=先生。 nokoeyki ノコエイキ のこぎりを使って仕事をする。 makirieyki マキリエイキ マキリ(小刀)を使って仕事をする。 tasiroeyki タシロエイキ タシロ(山刀)を使って仕事をする。 {E: to do something by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eytasa
- エイタサ 【副】①あまり…する、 とても、 極度に。 eytasa poronno ne, na ponno kar エイタサ ポロンノ ネ、 ナ ポンノ カㇻ あまりたくさんだ、 もっと少なめにつくりなさい。(S) eytasa takne amip mi wa iiyomapka エイタサ タㇰネ アミㇷ゚ ミ ワ イイヨマㇷ゚カ とても短い服を着ていてほんとにかわいらしい。(W) ②(否定で)あまり…しない。 eytasa somo sir-sések エイタサ ソモ シㇼセセㇰ あまり暑くない。(W) iteki eytasa cis イテキ エイタサ チㇱ そんなに泣くのはやめなさい。(KM) {E: over…; too…; too much…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyukar
- エユカㇻ 【他動】…をまねる、 …をものまねする。 ci=rara wa apkas siri ci=koeyukar チララ ワ アㇷ゚カㇱ シリ チコエユカㇻ 私たちは彼をばかにして歩き方をまねをした。(S) ☆参考 ものまねのように言葉の言い方や仕草をそっくりにまねすることを言う。 koeyukar コエユカㇻ (人)の(すること)をものまねする。 eykoysanpa エイコイサンパ は、 人のしたことの内容を知って、 それにならって同じようなことをすることを言う。 {E: to imitate, copy…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hancaha
- ハンチャハ 【名】[所](概は hanca ハンチャ)…でつくった半てん。 tapanpe hancaha ku-kar rusuy korka sirpok ne p isam タパンペ ハンチャハ クカン ルスイ コㇿカ シㇼポㇰ ネㇷ゚ イサㇺ これ(この布地)で半てんをつくりたいけれど裏地がない。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- hanketuri
- ハンケトゥリ 【他動】[hanke-turi 近い・伸ばす](次のような慣用的言い回しの中で)(刀)を近くにかざす。 a=kor emustasiro a=tuymaturi a=hanketuri kor kewe a=homsu アコㇿ エムㇱタシロ アトゥイマトゥリ アハンケトゥリ コㇿ ケウェ アホㇺス 私は私の太刀つくりの山刀を遠くにかざし近くにかざして悪神を払う踏舞をしながら危なかったことの見舞いを言った。(HK民話) (男子の踊りの所作の一つで、 低い声をふるわせて歌いながら、 刀を右手に、 切っ先を上にまっすぐ立ててかざし、 腕を伸ばしたり縮めたりする。 悪神を払う所作だと言われている。) {E: to hold up… over one's head.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- haruan
- ハルアン 【完動】[haru-an 食物の収穫・がある] 豊作である。 rep ta a=kor mosir anakne haruan yak a=ye レㇷ゚ タ アコㇿ モシㇼ アナㇰネ ハルアン ヤカイェ 内地(本州およびそれ以南)は豊作だそうだ。 {E: to have a plentiful, good harvest.} (出典:田村、方言:沙流)
- hemanta 1
- ヘマンタ 【名】[疑名] ①何。 hemanta an? ヘマンタ アン? 何ですか。 hemanta kusu ヘマンタ クス なぜ、 何のため(故)に。 hemanta ne (kusu) ヘマンタ ネ (クス) 何のために、 何をするために、 なぜ。 hemanta ka ヘマンタ カ (=nep ka ネㇷ゚ カ) 何も。 hemanta ka k=érampewtek ヘマンタ カ ケランペウテㇰ 何もわからない。 hemanta karpe ヘマンタ カㇻペ 何をするために、 なんのために。 ②なんとまあ。 hemanta ene kirsak siri! ヘマンタ エネ キㇼサㇰ シリ! なんとまあ弱いんだろう! hemanta ene tumasnu p ne siri an hi an! ヘマンタ エネ トゥマㇱヌㇷ゚ ネ シリ アニ アン! なんとまあ強いもんだなあ! ☆参考 日常すらすら話しているときはたいてい縮約形の hńta フンタ (W) (S)/hinta ヒンタ (KM) が使われる。 ゆっくりとていねいに言うときや「いったい全体何だ」というようなときに hemanta ヘマンタ が用いられる。 ☆参考 名前をたずねるときは使わない。 mak マㇰ/makanak マカナㇰ《どう》が使われる。 {E: ①what. ②Oh!; My Gosh!. (interj.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hemtomani wano
- ヘㇺトマニ ワノ 【副】[< hem-to-oman-(h)i wano (疑問)・日・行った・とき・から](?) 最近、 このごろ(半年くらい前から今まで)。 hemtomani wano senriyopako isam ranke kor síran ヘㇺトマニ ワノ センリヨパコ イサㇺ ランケ コㇿ シラン 近ごろ千両箱がたびたびなくなる。(W) {E: recently; these days.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hepenpenu
- ヘペンペヌ 【自動】[he-penpenu 頭・を上へ上げる(重複)] (何度も首を動かして)コックリコックリとうなずく。 ani e=kanpinuye p sapaha hepenpenu siri somo ne? アニ エカンピヌイェㇷ゚ サパハ ヘペンペヌ シリ ソモ ネ? それであなたが字を書くもの(鉛筆)の頭はコックリコックリ動いているのではないの(鉛筆のお尻についているかざりが書くたびに動くのを見て)。(S) ☆参考 重複しない hepenu ヘペヌ の形は未出。 {E: to nod.} (出典:田村、方言:沙流)
- hetuku
- ヘトゥク 【自動】[he-tuku 頭・を突き出す][単](複は hetukpa ヘトゥㇰパ)(月や太陽が)出る、 (もぐっている人が)顔を出す/出て来る、 (植物が)芽を出す/生える、 (また人間でも)生まれる。 nan nipeki/hetuku cup ne/iyenucupki/ciwre kotom ナン ニペキ/ヘトゥク チュㇷ゚ ネ/イイェヌチュㇷ゚キ/チウレ コトㇺ [雅](その女神の)顔の輝きがさしのぼる朝日のように日の光がさすのにも似て。(Sユーカラ) tanepo níya hetuku タネポ ニヤ ヘトゥク 今やっと木の芽が出てきた。(S) rar wa ya esirpicire wa turano hetuku ラㇻ ワ ヤ エシㇼピチレ ワ トゥラノ ヘトゥク もぐって網をはずして持って浮いて来なさい。(S) usimne usimne hetuku ウシㇺネ ウシㇺネ ヘトゥク 一日一日と成長する。(S) ☆参考 月や太陽がほんの少しだけ出かかったのは etuk エトゥㇰ。 hetuku ヘトゥク は全体が出たこと。 高く昇ったのは ri リ。 {E: to rise; come out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- heuyeuye
- ヘウイェウイェ 【自動】[he-uye-uye 頭・をふるわせる(?)](すっぱいものを食べたとき)顔をしかめて「ブルブルする」(身振いする/顔を左右にふるわせる)。(S) iyohay e=heuyeuye siri? e=e ka eaykap ciki anu イヨハイ エヘウイェウイェ シリ? エエ カ エアイカㇷ゚ チキ アヌ まあ、 あなたすっぱくてブルブルしてるのかい? 食べられないなら残しなさい。(S) {E: to screw up one's face ( after eating something sour).} (出典:田村、方言:沙流)
- heyapte
- ヘヤㇷ゚テ 【自動/副】(?)[he-yap-te 頭を・上陸する・させる] 海の方から山の方へ向かって行く/向かっている。 heyapte heyapte pon nay uwato ápekor síran ヘヤㇷ゚テ ヘヤㇷ゚テ ポン ナイ ウワト アペコㇿ シラン 山の方へ山の方へと小さな沢がたくさん並んだようになっている。(S) {E: to face, leave for the mountains from the sea.} (出典:田村、方言:沙流)
- homanno
- ホマンノ 【副】[hamar-no ぼんやりとかすかである・(副詞形成)] うす(淡)く、 かすかに。 homanno ku=nukar ホマンノ クヌカㇻ 私にはうすく/ぼんやりと見える。 ku=sapa sirka ta k=ánu kor homanno hotuypa haw ku=nu クサパ シㇼカ タ カヌ コㇿ ホマンノ ホトゥイパ ハウ クヌ(私が)頭を地面につけるとかすかに人の呼び声が聞こえる。(S) {E: lightly; thinly; weakly; faintly.} (出典:田村、方言:沙流)
- homaromar
- ホマロマㇻ 【自動】[homar-homar かすかに見える・(重複)]暗くてよく見えない。 ☞sir-homaromar シㇼホマロマㇻ/シロマロマㇻ (出典:田村、方言:沙流)
- homekayaynu
- ホメカヤイヌ 【他動】気絶させる。(受け身の形、 つまり不定人称形で) a=homékayaynu アホメカヤイヌ 気絶する。 kamuy sirosma ruwe ne akusu ne wenkur umurek a=homékayaynu híne ruray ruwe ne カムイ シロㇱマ ルウェ ネ アクス ネ ウェンクㇽ ウムレㇰ アホメカヤイヌ ヒネ ルライ ルウェ ネ 雷が落ちると、 その貧しい夫婦は気絶して意識不明になった。(HK民話) ☆参考 語末の部分、 yanu ヤヌ とも yaynu ヤイヌ とも yayno ヤイノ とも聞こえる。 〔知分類になし〕 {E: to faint; to make…faint.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hoppa
- ホッパ 【他動】[< hop-pa (置いて去ることを表す語根)・(複)]…を置いて行く、 …を残して去る。 néa ekayni a=ehúsi wa a=hoppa a a=mipa p ネア エカイニ アエフシ ワ アホッパ ア アミパㇷ゚ その切り株にかぶせて置いて行った私の着物。(HC民話) a=unúhu a=onáha kira híne yap híne oraun sinenne a=i=hóppa tono or ta ki p ne kusu アウヌフ アオナハ キラ ヒネ ヤㇷ゚ ヒネ オラウン シネンネ アイホッパ トノ オッタ キㇷ゚ ネ クス 私の母と父は逃げて国へ帰ってしまってそれから私は一人和人の殿様の家に残されたので。(S民話) oar tennep hoppa wa isam オアッ テンネㇷ゚ ホッパ ワ イサㇺ ほんの赤ん坊を残して亡くなった。(W民話) mosir hoppa モシㇼ ホッパ 世を去る=(身分の高い人や重要な人が)死ぬ(=mosiroppa モシロッパ)。 a=kor nispa mosir hoppa hi oro wano アコㇿ ニㇱパ モシㇼ ホッパ ヒ オロ ワノ 私の主人が世を去ったときから。(W民話) ☆参考 複数形の形だが、 沙流方言では単複区別なく用いられる。 単数形の形をもつ hopi ホピ は、 派生語の中に現れる。 {E: to leave…behind, over.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- horarpa
- ホラㇻパ 【自動】[複](単は horari ホラリ)(二人以上の神やえらい人が)住む。 kamuy sirine horarpa wa oka カムイ シリネ ホラㇻパ ワ オカ (彼らは)神様のように住んでいる。 kamuy horarpa hi カムイ ホラㇻパ ヒ 神が住むところ。(S) {E: to live; reside.(pl.)} (出典:田村、方言:沙流)
- horipipa
- ホリピパ 【自動】[複](単は horipi ホリピ)(二人以上が皆で)踊る。 túsir okari niwen horipipa kor トゥシㇼ オカリ ニウェン ホリピパ コㇿ お墓のまわりを回りながら神を叱りつける踊りをして。(KH民話) ☆参考 通常 horipi ホリピ の複数形としては horippa ホリッパ が使われる。 {E: to dance.(pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hoski 2
- ホㇱキ 【副】①先に、 最初に。 hoski arpa kor an, e=os k=arpa kusu ne na ホㇱキ アㇻパ コラン、 エオㇱ カㇻパ クス ネ ナ 先に行っていなさい、 (私は)あなたの後から行くから。(S) uwerpak hoyuppa=an ro, inan kur hoski sirepa ya ウウェㇾパㇰ ホユッパアン ロ、 イナン クㇽ ホㇱキ シレパ ヤ 一緒に走ろう、 どの人が(=だれが)最初に着くか。(S) ②ちょっと待って(その前にすることがあるからちょっと待ってと、 急いで止めるときに言う)。 ponno hoski! ポンノ ホㇱキ! ちょつ、 ちょっと待って! ③(時を表す語の前に置かれて、 一つ前のその時を表す。) hoski an ホㇱキ アン 去年の、 もう一つ前の。 hoski an to ホㇱキ アン ト 一昨日(少し他方言の感じがある)(=hoskinuman ホㇱキヌマン)。 hoski cukne ホㇱキ チュㇰネ 一昨年の秋(二つ前の秋)。(cukne チュㇰネ は去年の秋、 この前の秋。) hoski matane ホㇱキ マタネ 一昨年の冬、 二つ前の冬。 hoski paykar(ne?) ホㇱキ パイカㇻ(ネ?) 一昨年の春、 二つ前の春。 hoski sakne ホㇱキ サㇰネ 一昨年の夏、 二つ前の夏。 hoski isam cup ホㇱキ イサㇺ チュㇷ゚ 先月(=hoskicup ホㇱキチュㇷ゚)。 {E: ①firstly; before. ②Wait a moment! ③used in expressions of time.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- hotasnu
- ホタㇱヌ 【自動】(…のことは)不安である、 非常な危険を感じる。 nociw tup uhewe uhewe pekor, a=nukár siri anakne, hotasnu=an hi kusu ノチウ トゥㇷ゚ ウヘウェ ウヘウェ ペコㇿ、 アヌカㇻ シリ アナㇰネ、 ホタㇱヌアニ クス 星が二つ交互に上がったり下がったりしているように見えるのは、 覚悟を決めなければならないほど危険なことなので(語り手訳)。(HC民話) hemanta etoko yaykar kusu ene nísapno síttoyárekurok a p ora ene kunne nociw ka a=nukár ruwe anakne, hotasnu kewtum koohana ne yakka ku=yaykorpare ヘマンタ エトコ ヤイカㇻ クス エネ ニサㇷ゚ノ シットヤレクロㇰ アㇷ゚ オラ エネ クンネ ノチウ カ アヌカン ルウェ アナㇰネ、 ホタㇱヌ ケウトゥㇺ コオハナ ネ ヤッカ クヤイコㇿパレ 何の前兆なのか、 急にまっ暗になり夜の星まで見えるのは、 心配で気がかりな気持ちを、 私のようなものでも抱(いだ)いた。(W会話) {E: to be uneasy; have something on one's mind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- humi 2
- フミ 【形名】[名詞化辞](動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。 音や、 視覚以外の感覚、 感じ、 思いなどに関して用いられる。)…する/した/している音/感じ/気配/のよう。 …humi ne フミ ネ …のする音/感じ/気配/ようである。 humi an フミ アン …のようだ/…のか(なあ)。 hńta ninpa wa arpa humi an? フンタ ニンパ ワ アㇻパ フミ アン? 何を引きずって行く音だろうか。 a=ewémkoani mokko ninpa wa arpa humi un アエウェㇺコアニ モッコ ニンパ ワ アㇻパ フミ ウン たんかを引きずって行く音だよ。 ku=sikpake inteo yan humi an クシㇰパケ インテオ ヤン フミ アン 私の目頭に目やにがあがったようだ。 …humi! フミ!…なあ(感嘆)。 méan humi! メアン フミ! 寒いなあ。 tanpane anak a=tura rusuy humi! タンパネ アナㇰ アトゥラ ルスイ フミ! 今年こそは一緒に行きたいなあ。(S民話) wátaha irammakaka puspuske wa a=mi humi pirka ワタハ イランマカカ プㇱプㇱケ ワ アミ フミ ピㇼカ ふとんの綿が具合よくふくらんで掛けるのに気持ちがいい。(S) humi ka isam フミ カ イサㇺ …したような感じが全然しない、 ちっとも…しない。 sirmeman humi ka isam シㇼメマン フミ カ イサㇺ ちっとも涼しくなったようでもない。(W) k=éramasu humi ka isam ケラマス フミ カ イサㇺ 私はちっともおもしろくない。(S) tópenpe poronno a=o yakka tópen humi ka isam no runnu hi patek ne トペンペ ポロンノ アオ ヤッカ トペン フミ カ イサㇺ ノ ルンヌ ヒ パテㇰ ネ 甘いもの(砂糖)をたくさん入れても甘みが感じられないで、 しょっぱいだけだ。 ☆参考 あとに hi ヒ はつかない、 つまり humihi フミヒ とはならない。 ☆参考 humi フミ [名][所]《音、 感じ》については ☞humi(hi) フミ(ヒ) ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 ☞ruwe ルウェ {E: the sound, sense, feeling of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- humkuspare
- フㇺクㇱパレ 【他動】[hum-kus-pa-re 音・…を通る・(複)・させる][雅] kasi humkuspare カシ フㇺクㇱパレ [雅] …に音を鳴り響かせる。 tu repun mosir/mosirso kasi/humkuspare トゥ レプン モシㇼ/モシㇼソ カシ/フㇺクㇱパレ [雅] いくつもの沖の島(外国)の地面の上に音を鳴り響かせます。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- humumatki
- フムマッキ 【自動】[hum-um-atki (擬音?)/音(?)・(重複)・(自動詞形成)]グーグーグーグー音が鳴っている。 ☞sir-humumatki シㇼフムマッキ (出典:田村、方言:沙流)
- hur
- フㇽ 【名】山の急坂(下からだんだん高くなって行く急な斜面)。 hur ka ta フㇽ カ タ 山の急坂/崖の上に。 hur tapka フッ タㇷ゚カ 山の急な斜面の上(の平らになった所)。 hur tapka a=osíraye フッ タㇷ゚カ アオシライェ 私は山を登って行って山のいちばん高い所に上がった。(KK民話) hur tom フッ トㇺ 山の急坂/崖面のまん中。 hur hontom フㇽ ホントㇺ 山の急坂/崖の中ほど。 hur monpok フㇽ モンポㇰ 山の急坂/崖の下の方。 te péka hemespa=an kor eytasa hur okuwas テ ペカ ヘメㇱパアン コㇿ エイタサ フㇽ オクワㇱ ここから登るとあまり坂が急だ。 {E: a steep mountain slope.} m (出典:田村、方言:沙流)
- íka 1
- イカ 【自動/他/後副】①[自動]近道する、 あふれる。 pet íka ペッ イカ 川があふれる。 ku=ika wa k=ek クイカ ワ ケㇰ 私は近道して来た。 sirkohokayekaye ayne suy íka シㇼコホカイェカイェ アイネ スイ イカ 蛇行していてついにまたあふれた。 ②[他/後副](山や尾根や川)を越えて近道して(行く)。 Akkes un iwor íka arpa=an ruwe ne アッケㇱ ウン イウォㇿ イカ アㇻパアン ルウェ ネ 厚岸へ山(の谷間)を越えていった。(HK民話) tane tane toska íka noyne sir iki タネ タネ トㇱカ イカ ノイネ シㇼ イキ まもなく水が堤防を越えてあふれそうだ。(S) toska íka na トㇱカ イカ ナ [隠](直訳すると)川が堤防を越えてあふれるぞ=これ以上言うと泣くからもうやめておきなさい。 ☆発音 ku=ika クイカ、 e=ika エイカ の発音は kuyka、 eyka とはならない。 ku/íka, e/íka のように i イ を高く、 しかもはっきり発音する。(S) {E: ①to take a short cut. ②to take a short cut through, across (mountains, rivers etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ikaanun
- イカアヌン 【副】(文末に na ナを置いて)ikaanun…na イカアヌン…ナ ひょっとして…ではないか。 a=yuputari ikaanun nen ka haweoka híne menokopo utar inani ka siren na tura na アユプタリ イカアヌン ネン カ ハウェオカ ヒネ メノコポ ウタㇻ イナニ カ シレン ナ トゥラ ナ 私の兄たちがひょっとして何とか言って娘たちのだれかをさそわないかな、 連れて行かないかな。(NK民話) ☆参考 話者は二風谷の人。 下流のワテケさん、 サダモさんは ikiyaun イキヤウン と言う。 {E: could it be that…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ikasuy
- イカスイ 【自動】[i-kásuy 人・を手助けする] 人の手伝いをする、 人に/皆に協力する。 ukuran wano arpa wa ikasuy kor an ウクラン ワノ アㇻパ ワ イカスイ コラン(おばさんは奥さんの亡くなった家に)ゆうべから行って手伝いをしている。(W) yaykata anak nep ka ku=kar somo ki yakka kú=ipe easkay korka sinrit ku=ramu wa nen póka kú=ikasuy siri un ヤイカタ アナㇰ ネㇷ゚ カ クカㇻ ソモ キ ヤッカ クイペ エアㇱカイ コㇿカ シンリッ クラム ワ ネン ポカ クイカスイ シリ ウン 自分は何もしないでも食べていけるけれど一族を思って何とか手助けしているのだよ。(S) ☆参考 ikaopiwki イカオピウキ 人を救う。 ☞kásuy カスイ (出典:田村、方言:沙流)
- iki
- イキ 【自動】[i-ki ものごとを・する] ①する、 ふるまう、 行なう。 iki ayne イキ アイネ (苦心して/がんばりつづけて)ようやく。 …siri iki … シリ イキ …している様子である。 ene iki hi エネ イキ ヒ どうするかということ、 しかた。 ene iki hi ka isam エネ イキ ヒ カ イサㇺ どうしようもない。 ②(名詞として使われて)行い。 ene an iki patek kipa エネアニキ パテㇰ キパ そのような行いばかりする。(S会話) … péka iki …ペカ イキ …を歩く、 …を旅する。 ihokusi péka ikuusi péka é=iki ayne e=ek ruwe somo ne ya? イホクシ ペカ イクウシ ペカ エイキ アイネ エエㇰ ルウェ ソモ ネ ヤ? マーケットや飲み屋をあなた歩いてきたのではないのか。(S) ③[熟語]… hawe iki wa/…humi iki wa …ハウェ イキ ワ/…フミ イキ ワ (あきれた言い方の一つで、 反語的に用いられる。)こともあろうに…なんていうことを言ってる、 こともあろうに…なんてことをして音をたてている、 よくも…言う/…音を出すもんだね。 kasusne hawe iki wa! カスㇱネ ハウェ イキ ワ! まあ、 たいしたことを言ってきた(=ひどい話だなあ)(kasusne カスㇱネ は《大したことはない》) (☞wa ワ 3)。 pe/p iki ペ/ㇷ゚ イキ …している(いぶかって言う言い方)。 hńta kohehewpa wa nukar pe iki? フンタ コヘヘウパ ワ ヌカㇻ ペ イキ? 何をのぞいて見てるんだろう。 hńta ewkopinupinu p ikipa? フンタ エウコピヌピヌㇷ゚ イキパ? 何をコソコソ話し合っているんだろう。(S) ④[雅](韻文の中で、 また会話でも美文調で話すとき、 ときおり ne ネ《である》の代わりに使われる。 用例では korka/korkayki コㇿカ/コㇿカイキ《けれども》、 yakka/yakkayki ヤッカ/ヤッカイキ《…しても》の前に置かれている。 ne ネ を使った表現とは多少ニュアンスが違う。) onne p iki korka オンネㇷ゚ イキ コㇿカ 年老いた者ではあるけれど。(onne p ne korka オンネㇷ゚ ネ コㇿカ 年老いた者だけれど。) (W神謡語り) pon cikisani/pon menoko/iki korkayki/kamuy moyremat ポン チキサニ/ポン メノコ/イキ コㇿカイキ/カムイ モイレマッ [雅]小さいハルニレの若い女性ではあるが、 まるで女神様のように…。(Sユーカラ) iki yakkayki イキ ヤッカイキ [雅]…も。 inan henpara/iki yakkayki イナン ヘンパラ/イキ ヤッカイキ [雅]いつどんなときでも。(Sユーカラ) {E: ①to do; conduct; behaviour (v.). ②conduct, behaviour, action (n.). ③… ④… } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ikorka
- イコㇿカ 【名】[ikor-ka 宝刀・の上][雅]刀のさや。 ikorka nuye イコㇿカ ヌイェ 刀のさやに彫刻をする。 ikorka nuye/tomika nuye イコㇿカ ヌイェ/トミカ ヌイェ [雅]刀のさやに彫刻をし。(Sユーカラ) ☆参考 sirka nuye シㇼカ ヌイェ、 tomika nuye トミカ ヌイェ とも言う。 通常二つの表現が続いて対句表現として使われる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ikosinninup
- イコシンニヌㇷ゚ 【i-ko-sir-ninu-p】 宝物,秘宝. (出典:萱野、方言:沙流)
- ikoytupa
- イコイトゥパ 【自動】何も持っていなくて暮らしに困る(「難儀する」)、 ものを欲しがる。 sirunno ikoytupa kaspa ka somo ki シルンノ イコイトゥパ カㇱパ カ ソモ キ まさかあまり「難儀」もしていないよ(=暮らしに困ってもいない)。(S) ☆参考 他動詞は eykoytupa エイコイトゥパ。 {E: to be in difficulties, in need; to want.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ikupa 2
- イクパ 【自動】[i-kupa もの/人を・噛む](犬が)人にかみつく。 seta sirkote wa anu yan, iteki kirare no, ikupa wa a=sitóma na セタ シㇼコテ ワ アヌ ヤン、 イテキ キラレ ノ、 イクパ ワ アシトマ ナ 犬をつないでおきなさい、 逃がさないで、 人にかみついて恐ろしいから。(S) {E: (for a dog) to bite, snap at someone} (出典:田村、方言:沙流)
- imakake(he)
- イマカケ(ヘ) 【位名】[所](概は imak イマㇰ) ①その向こう、 それより向こう、 その後ろ。 en=imakake ta an a wa エニマカケ タ アナ ワ 私よりもっと向こうにあったよ。(S) porke imakake a=osíraye kor ポㇿケ イマカケ アオシライェ コㇿ 堀割の向こう側に私たちが着いたとき。(HK民話) ②その後。 sukup kur anakne otu sukup ne ore sukup ne sukup yakka imakakehe eyayriko uske okay pe ne na スクㇷ゚ クㇽ アナㇰネ オトゥ スクㇷ゚ ネ オレ スクㇷ゚ ネ スクㇷ゚ ヤッカ イマカケヘ エヤイリコ ウㇱケ オカイ ペ ネ ナ 若い人というものはいろいろ浮き沈みがあって成長し、 後にまた良くなるときがあるものだよ。(S) imakake(he) ta イマカケ(ヘ) タ そのあとで、 後になって。 {E: ①over there; behind that. ②after; later on.} (出典:田村、方言:沙流)
- íne henpak
- イネ ヘンパㇰ 【連体】[どう・いくつの]いくつもの、 いくつも。 tane ora íne henpak pa síran pe ne kusu タネ オラ イネ ヘンパㇰ パ シラン ペ ネ クス いまはもうその時から何年もたっているから。(W民話の後の独話) sine itak ne korka íne henpak a=ye itak ne シネ イタㇰ ネ コㇿカ イネ ヘンパㇰ アイェ イタㇰ ネ 一つの言葉だがいくつにも言う言葉だ。(W) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ineap
- イネアㇷ゚ 【名】[単](複は inerokpe イネロㇰペ)[ine-a-p どうである・…した・もの](感嘆)なんとまあ…。 ①(多くの場合、 次のような慣用表現で用いられる。) ineap…ya ka eramiskari イネ アㇷ゚…ヤ カ エラミㇱカリ なんとまあ見たことも聞いたこともないほど/びっくりするほど…だ。 ineap arikiki ineap ison wa síriki ya ka a=erámiskari イネアㇷ゚ アリキキ イネアㇷ゚ イソン ワ シリキ ヤ カ アエラミㇱカリ (彼は)本当にまあよく働き、 獲物がたくさんとれるさまはびっくりするほどだ。(W民話) ②(後半部分…ya ka eramiskari ヤ カ エラミㇱカリ なしに) ineap kusun uneno kane oka ruwe! イネアㇷ゚ クスン ウネノ カネ オカ ルウェ よくもまあ似ているもんだね。(S) ☆発音 íne イネ《どうである》とはアクセントが違い、 í イ が低く ne ネ のほうが高く発音される。 ☆参考 単数形だが、 二人以上のことに使われることもある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- inerokpe
- イネロㇰペ 【名】[複](単は ineap イネアㇷ゚)[íne-rok-pe どうである・…した[複]・もの] ①(多くの場合次のような慣用表現で) なんとまあ…。 inerokpe (kus(u)) …ya ka eramiskari イネロㇰペ (クㇱ/クス) …ヤ カ エラミㇱカリ なんとまあ見たことも聞いたこともないほど/びっくりするほど…だ(感嘆の表現)。 inerokpe kusu, onne p iki korka siretokkorpa ruwe oka ya ka a=erámiskari イネロㇰペ クス、 オンネㇷ゚ イキ コㇿカ シレトッコㇿパ ルウェ オカ ヤ カ アエラミㇱカリ なんとまあ、 年老いてはいるけれど二人ともそれはそれはびっくりするくらい美しい方々でした。(W神謡語り) ②[雅](後に ya ka eramiskari ヤ カ エラミㇱカリ を使わずに) inerokpe kus/pet iwor kasi/komaknatara イネロㇰペ クㇱ/ペッ イウォㇿ カシ/コマㇰナタラ [雅]なんとまあ川ぞいの景色が美しく開けている。(Sユーカラ) iresu sápo/inerokpe kus/i=eoripak pe/i=tukarike/kosikerana/atte kane イレス サポ/イネロㇰペ クㇱ/イエオリパㇰ ペ/イトゥカリケ/コシケラナ/アッテ カネ [雅]育ての姉はなんとまあ私に畏れてかしこまり私をまともに見ず目を下の方へ伏せている。(Sユーカラ) ☆参考 íne イネ《どうである》とはアクセントが違い、 第一音節の i イ が低く、 第二音節つまり ne ネ の部分が高く発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- inkar ikosinninup
- インカㇻ イコシンニヌㇷ゚ 【inkar i-ko-sir-ninu-p】 宝物:見ただけで宝になるもの. アイヌ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ インカㇻイコシンニヌㇷ゚ カ イヌイコシンニヌㇷ゚ カ アン ペ ネ ワ ネㇷ゚ ア・ヌカㇻ ヤッカ ネㇷ゚ ア・ヌ ヤッカ ア・ヤイラㇺオシッチューレ ワ ア・ヌ カ ア・ヌカㇻ カ キ ㇷ゚ ネ=アイヌの社会では,見た宝,聞いた宝などがある.何か見ても何か聞いても心を落ち着けて聞いたり見たりするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- inkus
- インクㇱ 【自動】悪いことが起こることを察知/予知する、 悪い予感がする。 maratto an kor síran korka inkus utar oka ruwe ne, topattumi ek noyne iramuan ruwe ne マラット アン コㇿ シラン コㇿカ インクㇱ ウタㇻ オカ ルウェ ネ、 トパットゥミ エㇰ ノイネ イラムアン ルウェ ネ 酒宴が行われていたけれど、 予知する人たちがいて、 夜襲の群団が来るらしいとわかった。(W言い伝え) a=i=ráyke wa a=sapáha arerepasi arpa yakun, inkus=an pe ne ruwe ne na アイライケ ワ アサパハ アレレㇷ゚ アシ アㇻパ ヤクン、 インクサン ペ ネ ルウェ ネ ナ 私が殺されて私の首(=頭)がずうっと沖の方へ飛んで行ったら、 恐ろしいことの前兆ですからね。(W民話) {E: to have a premonition that something bad is going to happen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- innerupi
- インネルピ 【名】[所][inne-rup-i 大人数である・(魚の)群/(人の)列・(所属語尾)][雅]…の大勢の子孫。 etakasure/eci=sipíraspa wa/eci=ínnerupi/mosir epitta/sipiraspa nankor na エタカスレ/エチシピラㇱパ ワ/エチインネルピ/モシレピッタ/シピラㇱパ ナンコンナ [雅]それ以上にあなた方がふえてあなた方の大勢の子孫が国じゅうに広がるようになさいませ。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- inomi
- イノミ 【自動】[i-nomi ものを・祀る] 祭祀をする。 inomi=an siri nukar rusuypa kusu イノミアン シリ ヌカン ルスイパ クス (和人たちは)私たちが祭りをする(この場合、 菱の実まつりをする)ところを見たいから。 会話 {E: to hold, have a festival.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ipeono
- イペオノ 【自動】[ipeo-no 実が入る・よく] よく実る、 充分に実が入る。 amam ka ipeono, mame ka ipeo oasi noyne síran アマㇺ カ イペオノ、 マメ カ イペオ オアシ ノイネ シラン 米もよく稔り、 豆ももうすぐ実が入りそうになっている。(S会話) ☞ipeo イペオ {E: to bear well; bear a lot of (fruit.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- iram-ekasisnere
- イラㇺエカシㇱネレ 【自動】気持ちがよくない。 iram-ekasisnere sir an イラㇺエカシㇱネレ シㇼ アン 憂鬱な天気だ。 iram-ekasisnere ponko an sirihi ene an wa an イラㇺエカシㇱネレ ポンコ アン シリヒ エネ アン マ アン。 いやだね大きな図体して(起こそうとしても起きない)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
- iramno
- イラㇺノ 【副】同時に、 一緒に。 iramno sirepa=as イラㇺノ シレパアㇱ 同時に/一緒に私たちは着いた。(S) yakun aoká ka iramno pay=an hike? ヤクン アオカ カ イラㇺノ パヤニケ? それなら私たちも一緒に行きましょうか(pay=an パヤン は paye=an パイェアン が早く発音されて縮まった形)。(S) ☆参考 uweirpak/uwerpak ウウェイㇼパㇰ/ウウェㇾパㇰ 同時に。 utura ウトゥラ 一緒に連れだって。 {E: together (with.); at the same time as.} (出典:田村、方言:沙流)
- irampotarare
- イランポタラレ 【自動】[i-ram-potara-re 人(の)・心・不安になる・させる]やかましい、 うるさい。(間投詞的に)やかましいなあ、 うるさいなあ。 hekattar irampotarare, hawehe ne ya humihi ne ya, ku=yaykosiramsuypa ka eaykap ヘカッタㇻ イランポタラレ、 ハウェヘ ネ ヤ フミヒ ネ ヤ、 クヤイコシラㇺスイパ カ エアイカㇷ゚ 子どもたちやかましいなあ、 声だか音だか、 私は考えることもできない。(S) haː, irampotarare, an-epitta isomomokore ハー、 イランポタラレ、 アネピッタ イソモモコレ ああ、 こやかましい、 夜どおしだれも眠らせない。(S) ☆参考 二つ目の例のように間投詞的にも使う。 {E: to be noisy.} (出典:田村、方言:沙流)
- iratcire-an
- イラッチレアン 【完動】[< i-ratci-re-an 人を・静かになる・させる・ある] シーンと静まり返る。 akusu poro kucacise an, soyke ta iratcire-an híne síran アクス ポロ クチャチセ アン、 ソイケ タ イラッチレアン ヒネ シラン すると大きな狩小屋があった、 その外ではシーンと静まり返っていた。(NK民話) {E: to quieten down completely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ironne
- イロンネ 【自動】[< ir-onne ひとまとまり・大きい]厚い、 (木の葉や草などが)茂る、 深く茂っている。 ironne kanpisos イロンネ カンピソㇱ 厚い本。(W) ironne nítay イロンネ ニタイ 木がたくさん茂っている林/森。 mun ironne ムン イロンネ 草が生い茂っている。(W) niskur ironne wa sir-kunne ニㇱクㇽ イロンネ ワ シㇼクンネ 雲が厚くて暗い。(W) ☆対語 kapar カパㇻ 薄い。 ☆参考 ruwe ルウェ 太い。 {E: to be thick.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- isenramte
- イセンラㇺテ 【副】[i-senram-te 人に・いつものことである(と思う)・させる](?) またいつものように、 あいかわらず。 isenramte iperuy sir ne na イセンラㇺテ イペルイ シンネ ナ いつ見ても大食いだな。(S) isenramte sunke p ne hawe ne na イセンラㇺテ スンケㇷ゚ ネ ハウェ ネ ナ あいかわらずうそばかり言うんだな。(S) ☆参考 用例はこの二例のみ。 両方とも文末は …ne na ネ ナ で終わっている。 前項 isenramkorak イセンラㇺコラㇰ も同様。 これ以外の使い方があるかどうか不明。 ☞senram センラㇺ {E: as always; as usual; without change.} (出典:田村、方言:沙流)
- iteki
- イテキ 【副】①(禁止)…するな(「するんでない」)、 …しないように(その出来事が起こらないことを話し手が希望することを表す)。 iteki cis イテキ チㇱ 泣くな(「泣くんでない」)。 iteki arpa! イテキ アㇻパ! 行くな、 行ってはだめ(「行くんでない」)。 iteki supki yak haw néno haweoka yan イテキ スㇷ゚キ ヤㇰ ハウ ネノ ハウェオカ ヤン [隠] ヨシがつぶれるように言うな(ヨシは一度踏まれてつぶれると、 もうもとどおりにふくれることができない。 そのように取り返しのつかないようなことを言うな)。(S) iteki ca hepita haw néno hawean イテキ チャ ヘピタ ハウ ネノ ハウェアン [隠]柴がはじけてのびるように言うな(細い枝の先が頭を押えられて曲がっているのを放すとパッとはじけてのびる、 そのように短気を起こすな、 すぐに怒ってはいけない)。 iteki mik kor an イテキ ミㇰ コㇿ アン[隠] ほえるな=横から口を出すな。 ②iteki…no イテキ…ノ …せずに。 iteki cis no mokor イテキ チㇱ ノ モコㇿ 泣かないで眠りなさい。 iteki…kunine イテキ…クニネ …しないように。 iteki iruska kunine pirkano tasa é=itak yak easir pirka p ne na イテキ イルㇱカ クニネ ピㇼカノ タサ エイタㇰ ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカㇷ゚ ネ ナ 彼が腹を立てないように、 うまく受け答えをしなくてはいけませんよ。(S民話) (S) {E: Don't} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ittone
- イットネ 【副】[itto-ne 一日・として] 日帰りで。 nisatta ittone Sirawoy un k=arpa wa k=ek kusu ne ニサッタ イットネ シラウォユン カㇻパ ワ ケㇰ クス ネ 明日私は日帰りで白老へ行って来る。(S) {E: a day trip; to go and return in one day.} (出典:田村、方言:沙流)
- iworke
- イウォㇿケ 【位名】…のへこんでいる中、 両側または周囲を仕切られた中。 ure-iworke tesma osma pakno urehe poro ウレイウォㇿケ テㇱマ オㇱマ パㇰノ ウレヘ ポロ 雪のへこんだ足跡の中にかんじきが入ってしまうほど足が大きい。(S) ruyka corpok ta mosiro atte wa iworke ta oka ルイカ チョㇿポㇰ タ モシロ アッテ ワ イウォㇿケ タ オカ 彼らは橋の下にむしろをかけてその中に住んでいる。(S) {E: the hollow of…; the inside of …} (出典:田村、方言:沙流)
- iyokuyra
- イヨクイラ 【自動】[i-y-o-kuyra もの・(挿入音)・尻・のところへ忍んで行く](男が)夜に女のところへ忍んで行く(「よばい」に行く)。 iyokuyra p イヨクイラㇷ゚ 夜に女の所へ忍んで行く男(「よばいと」)。 iyokuyra p ek siri ne kunak ci=ramu イヨクイラㇷ゚ エㇰ シリ ネ クナㇰ チラム 私たちは「よばいと」が来たのだと思った。(S) {E: for a man to pay a secret visit on a woman.} (出典:田村、方言:沙流)
- iyuninka
- イユニンカ 【他動】[iyunin-ka 痛い・(他動詞化)] 痛くする。 “hunakor e=yuninka hawe an?” “ku=teke un” 「フナコㇿ エユニンカ ハウェ アン?」「クテケ ウン」 「(あなたは)どこを痛くしたの?」「(私の)手よ。」 (S) e=siren wa ora ene a=e=íyuninka エシレン マ オラ エネ アエイユニンカ (ay'íyuninka アイイユニンカ と発音している。) (彼が)あなたを誘ってそしてそのようにあなたがけがをさせられた。(S) ☆参考 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときは ku=yuninka クユニンカ、 e=yuninka エユニンカ という形をとる。 {E: to make… painful.} (出典:田村、方言:沙流)
- ka 2
- カ 【位名】[概](所は kasi カシ、 kas(i)ke(he) カㇱケ/カシケ(ヘ)) ①(…の)上(接触した上)、 …の見える側。 suwop ka ta an スウォㇷ゚ カ タ アン 箱の上にある。(S) ni ka péka sinot kor an ニ カ ペカ シノッ コㇿ アン (サルが)木の上で遊んでいる。(S) toy ka osma トイ カ オㇱマ 地面に落ちる。 en=ka ta a エンカ タ ア 私の上に座りなさい。 uka ta uka ta ári ウカ タ ウカ タ アリ 互いの上に互いの上に置く=次々に重ねる。(S) i-ka wa a=mi p イカ ワ アミㇷ゚ ものの上から着るもの(=上着)。(W) (ズボンに対して言うのではなく、 シャツなどを着ている上、 つまり外側を言っている。) ②(比喩的に)kanpi ka ta e=hacir yak wen na カンピ カ タ エハチㇼ ヤㇰ ウェン ナ 書物の上で(=勉強で)(あなたが)落ちるといけないから。 ③[熟語] íka ka ta イカ カ タ 本当に。 ④(熟語動詞の前部要素として) ☞ka(si) カ(シ)… ☆対語 pok ポㇰ、 corpok チョロポㇰ。 ☆参考 enka エンカ …の離れた上、 上方。 kurka クㇽカ …の上面一帯。 ☆参考 ほかに、 ka カ の前に何かがついた位置名詞も少くない。 cupka チュㇷ゚カ 日の出る方向、 東。 koyka コイカ 海ぞいに東、 静内・釧路の方。 mawka マウカ 風上。 rewka レウカ 曲がって斜めになっているものの上側。 sirka シㇼカ 見えている側、 おもて。 tuyka トゥイカ ものの上端。 {E: ①top of… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ka 3
- カ 【副助】(予想以上、 追加、 意外を表す。) ①…も、 …までも。 eani ka un=tura エアニ カ ウントゥラ あなたも私たちと一緒に行こう。(S) tup ka uk トゥㇷ゚ カ ウㇰ 二つも/二つとも取った。(S) ②(二回以上重ねて)…も…も、 …と…、 (動詞句のあとで)…したり…したり(日本語の「…も…も」よりもむしろ「…と…」に当たる場合もある)。 okkayo ka menoko ka porono oka オッカヨ カ メノコ カ ポロンノ オカ 男も女もたくさんいる。(S) cáca ka an rupnemat ka an チャチャ カ アン ルㇷ゚ネマッ カ アン じいさまとばあさまがいた。 ku=koytak ka en=koytak ka ki クコイタㇰ カ エンコイタㇰ カ キ 私が彼に話したり、 彼が私に話したりした。(W会話) ③(否定表現の中で)(1)…も…しない。 ponno ka ポンノ カ 少しも(…しない)。 sinep ka シネㇷ゚ カ 一つも(…しない)。 sinen ka isam シネン カ イサㇺ 一人もいない。 nen ka isam ネン カ イサㇺ だれもいない。 nep ka ku=sak ネㇷ゚ カ クサㇰ 私は何も持っていない。 (2)(名詞句、 副詞句、 動詞句の後、 否定辞 somo ソモ の前に置かれて) ka somo ne カ ソモ ネ …ではない。 seta ka somo ne セタ カ ソモ ネ 犬ではない。(W) ka somo ki カ ソモ キ (動詞句の後で)…しもしない、 …したりなんかしない、 全然 …しない(否定の返事で「いいえ、 …しない」に似たニュアンスでも使われる)。 ponno ka e ka somo ki ポンノ カ エ カ ソモ キ 少しも食べない。(S) néun ka hawean ka somo ki ネウン カ ハウェアン カ ソモ キ (彼は)何も言わない。 ape ruy ka somo ki, méan na, ape pirka kor ka hopuni アペ ルイ カ ソモ キ、 メアン ナ、 アペ ピㇼカ コㇿ カ ホプニ 火が燃えていなくて寒いから火が良く燃えてきてから起きなさい(後の ka カ は日本語には訳せないが予想外(相手が予想していないと思われることがら)を示す)。(S) ④[慣用句]pokas ka un …a p ポカㇱ カ ウン…アㇷ゚ あんなに…だったのに。 easir ka エアシㇼ カ (強調するとき easiriː ka エアシリー カ)それはそれはもう本当に。 hike ka ヒケ カ …のに、 …しても、 …にもかかわらず。 pakno ka パㇰノ カ これだけ(で十分です)、 もういい。 sonno ka ソンノ カ やっぱり本当に、 思ったとおり、 聞いていたとおり。 somo ka ソモ カ まさか…しない。 ☆発音 ①②③では、 強調するとき直前の音節(つまり前の語の最後の音節)を高く上げる。 日常会話ではこのアクセントが多く聞かれる。 ☆参考 「も」と訳せる場合は hem ヘㇺ と置き換えられることもあるが、 hem ヘㇺ は単に「AもBも」とか「…もまた」とかを表し、 ka カ は予想以上のことや予想されていなかった新しい情報であることを示す。 {E: too; also.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kamkas(i)ke
- カㇺカシケ/カㇺカㇱケ 【名】[所](概は kamka カㇺカ)( …の)肌、 その肌。 kamkaske rárak カㇺカㇱケ ララㇰ 肌がすべすべだ。(W) kamkaske sirasirak カㇺカㇱケ シラシラㇰ 肌がざらざらだ(鮫肌(さめはだ)の人)。(W) ☆発音 通常 i イ が落ちて kamkaske カㇺカㇱケ と発音される。 {E: skin (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kamuy 1
- カムイ 【名】①神。 …epunkine kamuy …エプンキネ カムイ (そこ)を守る神。 haru kamuy ハル カムイ 自然の恵みの食糧の神。 kanna kamuy カンナ カムイ 上天の神。 kimun kamuy キムン カムイ [山の・神] 熊(=kimunkamuy キムンカムイ)。 kemram kamuy ケㇺラㇺ カムイ 飢饉の神。 kotankor kamuy コタンコㇿ カムイ (1)村の守り神=フクロウ神。 (2)神の村での村おさの神。 mosirkar kamuy モシㇼカㇻ カムイ 国づくりの神。 páse kamuy パセ カムイ 尊い神(位の高い神)。 oripak kamuy オリパㇰ カムイ 天然痘の神。 payoka kamuy パヨカ カムイ 流行病の神。 repun kamuy レプン カムイ [沖の・神]シャチ ☞repunkamuy レプンカムイ。 nispa kamuy ニㇱパ カムイ 神のように尊い方(男性を尊んで言う表現)。 kamuy onisposo カムイ オニㇱポソ 神が空(雲)を突き抜けて落ちてくる=雷が落ちる。 kamuy cikap(-po) カムイ チカㇷ゚/チカッポ ☞kamuycikap カムイチカㇷ゚、 kamuycikappo カムイチカッポ。 kamuy cep カムイ チェㇷ゚ ☞kamuycep カムイチェㇷ゚。 kamuy hum カムイ フㇺ ☞kamuyhum カムイフㇺ。 kamuy nis カムイ ニㇱ ☞kamuynis カムイニㇱ ②神のように立派な、 非常に立派な…。 {E: ①a god. ②.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kanepetomne
- カネペトㇺネ 【自動】[kane-pe-tom-ne 金・の汁・光・のように] 金色である(ぬり物のうるしの上にぬってある金の色を指して言った)。(S) kanepetomne kinapetomne sirkio patci カネペトㇺネ キナペトㇺネ シㇼキオ パッチ 金色や緑色の模様のついた鉢。(S) {E: to be gold-coloured.} (出典:田村、方言:沙流)
- kanna 2
- カンナ 【連体】[kan-na 上の・方] (接頭辞のように名詞に接頭して)上方の。 kanna nis カンナ ニㇱ ☞kannanis カンナニㇱ。 kanna mosir カンナ モシㇼ ☞kannamosir カンナモシㇼ ☆対語 pokna ポㇰナ。 {E: upper; higher.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kanto
- カント 【名】[kan-to 上の・湖沼] 天、 空(多くの場合、 空の上にある神の住む世界を言う)。 ☆参考 見えている空は nisor ニソㇿ、 niskotor ニㇱコトㇿ、 kantokotor カントコトㇿ。 その中のいちばん下の層が úrarkanto ウラㇻカント で雲(niskur ニㇱクㇽ)のある空、 中間が nociwokanto ノチウォカント で星(nociw ノチウ)のある空、 いちばん上が síniskanto シニㇱカント で、 何もない天空。 さらにその上に kantorimosir カントリモシㇼ 天上界、 上天があり、 これが神の住む天、 天国である。(S) {E: heaven; the heavens.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- karkar 1
- カㇻカㇻ 【他動】[kar-kar つくる・(重複)] ①…をきれいにする/飾り付ける。 otopi karkar オトピ カㇻカㇻ 髪をきれいになでつける。(W) ②…に(糸で)刺しゅうをする。 amip karkar アミㇷ゚ カㇻカㇻ 着物に刺しゅうをする。 ③ ☞eyaykesupka karkar エヤイケスㇷ゚カ カㇻカㇻ、 eyaypokisir karkar エヤイポキシㇼ カㇻカㇻ、 eyayureka karkar エヤユレカ カㇻカㇻ {E: ①to make…beautiful ; decorate… ②embroider… ③…} (出典:田村、方言:沙流)
- kasu 2
- カス 【助動】…しすぎる。 kú=ipe kasu クイペ カス 私は食べすぎた。 ku=mokor kasu クモコㇿ カス 私は寝すぎた(眠りすぎた)。 ipe=an kasu siri somo ne? イペアン カス シリ ソモ ネ? あなた食べ過ぎるのではありませんか。(S表) {E: to over do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- katu
- カトゥ 【形名】[所][< kat-u] ①(動詞に終わる節のあとに置かれてこれを名詞化し、 次のような意味合いを持った名詞句をつくる。)(…する/した)しかた、 どのように…したかということ。 ku=ye katu wen クイェ カトゥ ウェン 私の言い方が悪い(言葉使いが)。(W) kar katu pirka カㇻ カトゥ ピㇼカ つくり方がいい。(S) ②(「…したわけだ」「こういうわけだ」と言うときの)わけ、 事情、 いきさつ、 ことの次第。 opitta kese a=anpa akusu kasi un toy horutke katu teeta oruspe ne wa síran オピッタ ケセ アアンパ アクス カシ ウン トイ ホルッケ カトゥ テエタ オルㇱペ ネ ワ シラン (夜襲に来た人々が見破られて)皆追いかけられて(崖の間で)上に土がくずれ落ちて下敷きになったいきさつが昔の話になっている。(W言い伝え)のしめくくりの独話。 ③(文頭に置かれて、 前の文で述べられたことの次第を説明する。) katu ene an hi カトゥ エネ アニ それは次のようなことだったのです、 いまから説明します、 つまり…。 ④(決まった言い方) katu ka isam カトゥ カ イサㇺ めったに…しない、 たまにしか…しない。 ek katu ka isam pe ne kus hempara ku=kore easkay ya ka k=éramiskari p エㇰ カトゥ カ イサㇺ ペ ネ クㇱ ヘンパラ クコレ エアㇱカイ ヤ カ ケラミㇱカリㇷ゚ (彼は)たまにしか来ないのだからいつ(私がこれを)渡せるかわからないもの。(S) ☞katu(hu) カトゥ(フ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kawrototke
- カウロトッケ 【自動】[kaw-rototke (擬音の語根)・たて続けに鳴ることを表す接尾辞]カウカウカウカウと鳴る。 ☞sir-kawrototke シㇼカウロトッケ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- keri
- ケリ §554.にく(肉)(26)乾魚から keri〔ké-ri けリ〕(沓)を作るために皮を取った後の肉 sirari-mim(-i)〔si-rá-ri-mim シらリミㇺ〕[sirari(かす、粕)+mim(魚肉)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- kerkeri
- ケㇾケリ 【他動】…を軽くこすって削る、 …をひっかく、 …を掃きさらう。 aoypep a=konere p an ciki ani kerkeri wa anu アオイペㇷ゚ アコネレㇷ゚ アン チキ アニ ケㇾケリ ワ アヌ 茶碗のかけらがあったらそれで削っておきなさい。 sir-kerkeri シㇼケㇾケリ (訪問者が来訪を家の中の人に知らせるために)戸口の外の壁のカヤか何かをゴソゴソとひっかいて音を立てる。(S) {E: to scrap, wipe…lightly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kes 1
- ケㇱ 【位名】①…の下手(しもて)の端、 西端、 末端、 終わり。 maciya kes wano an cise マチヤ ケㇱ ワノ アン チセ 町の西の端にある家。(S) so kes ta ソ ケㇱ タ 下座の方に。(S) tane nepki kes ta easir ek kor an タネ ネㇷ゚キ ケㇱ タ エアシㇼ エㇰ コㇿ アン もう仕事の終わるころにやっと来ている。(S) ☆対語 pa パ。 ② ☞kes(e) anpa ケㇱ/ケセ アンパ {E: ①the lower edge, side of…; the western side; the end. ②to run after, chase…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kewe homsu
- ケウェ ホㇺス 【連他動】[…の体・危なかったことの見舞いを言う]…に危なかったことの見舞いを言う(なんとか無事に切り抜けたときに)。 a=kor emustasiro a=tuymaturi a=hanketuri kor kewe a=homsu ruwe ne akusu アコㇿ エムㇱタシロ アトゥイマトゥリ アハンケトゥリ コㇿ ケウェ アホㇺス ルウェ ネ アクス 私は私の太刀づくりの山刀を遠くかざしたり近くかざしたりしながら彼に危なかったことの見舞いを言った、 すると。(HK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kewtum'ositciw
- ケウトゥㇺオシッチウ 【kewtum-o-sir-ciw】 精神が落ち着いている.▷ケウトゥㇺ=精神 オ=そこで シㇼ=大地 チュー=刺す (出典:萱野、方言:沙流)
- kewtum'ositciwre
- ケウトゥㇺオシッチウレ 【kewtum-o-sir-ciwre】 決める. (出典:萱野、方言:沙流)
- kik(i) kar
- キㇰ/キキ カㇻ 【連他動】[防御・をする]…を防ぎ守る。 kotan kik kar コタン キㇰ カㇻ 村/国を防ぎ守る。 a=kor mosir kiki a=kar easkay アコㇿ モシㇼ キキ アカㇻ エアㇱカイ 私たちの国を防ぎ守ることができる。 “a=kor mosir epitta oka aynu hene sísam hene tumi or un a=nisúk yak easir mosir kik kar kotan kik kar a=eáskay oasi na” sekor 「アコㇿ モシレピッタ オカ アイヌ ヘネ シサㇺ ヘネ トゥミ オルン アニスㇰ ヤㇰ エアシㇼ モシㇼ キㇰ カㇻ コタン キㇰ カㇻ アエアㇱカイ オアシ ナ」 セコㇿ 「わが国じゅうのアイヌも和人も皆戦争に頼まれて行かなければ私たちは国土を守り国を守ることはできないよ」と…。(W会話) {E: to defend, protect…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kikkosanpa
- キッコサンパ 【自動】[kik-kosanpa (擬音)・瞬間に …する] カチンと鳴る。 arkehe wa patek a=sirkotukka apausta a=así kor kikkosanpa アㇻケヘ ワ パテㇰ アシㇼコトゥッカ アパウㇱタ アアシ コㇿ キッコサンパ 片方からだけとりつけてある戸(開き戸、 ドア)を閉めるとカチンと鳴る。(S) {E: to clang.} (出典:田村、方言:沙流)
- kim
- キㇺ 【位名】[概](所は kimke(he) キㇺケヘ)(独立的にも相対的にも使われる。) ①(独立的に)山。 kim ta キㇺ タ 山に、 山で。 kim ta siruhuy ruwe he an? maciya uhuy ruwe he an? キㇺ タ シルフイ ルウェ ヘ アン? マチヤ ウフイ ルウェ ヘ アン? 山で山火事になっているのだろうか町が燃えているのだろうか。 ②(相対的に)…の山手。 kotan kim ta コタン キㇺ タ 村(集落)の山手に。 ☆参考 nupuri ヌプリ がうず高くもり上がった、 物体としての山を指すのに対し、 kim キㇺ は、 歩いたり採集等の仕事をしたり神が住んでいたりする、 場所としての山を言う。 ☆対語 pis ピㇱ 浜。 {E: ①a mountain. ②uptown.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kinatuyehos
- キナトゥイェホㇱ 【名】[kina-tuye-hos 草・を切る・きゃはん] [雅]きゃはん。 kinatuyehos/a=eyáypokisir/karkar kane キナトゥイェホㇱ/アエヤイポシキㇼ/カㇻカㇻ カネ [雅]きゃはんをきちっと足につけて。(Sユーカラ) ☆参考 はいておれば草もなんもひっかからなくていい。(S) ☆参考 日常語では単に hos ホㇱ と言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kirawsittap
- キラウシッタㇷ゚ 【kiraw-sir-ta-p】 角鍬:キラウ(鹿の角). 図[キラウシッタㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
- kirsak
- キㇼサㇰ 【自動】[kir-sak 骨髄・を持たない] 弱い。 hemanta ene kirsak siri! ヘマンタ エネ キㇼサㇰ シリ! なんて弱いんだろう。 {E: to be weak} (出典:田村、方言:沙流)
- kiru
- キル 【他動】①(向きを持っているもの)を(どちらかの方向へ)向ける、 …の向きを変える。 téun kiru テウン キル (それを)こちらへ向ける。(S) ②…をひっくり返す(「かやす」)。 mosir a=kirú モシㇼ アキル 国がひっくり返される(=滅ぼされる、 つぶれる)。 {E: ①to turn, change direction to… ②to upset, overturn…} (出典:田村、方言:沙流)
- kisaoskoni
- キサオㇱコニ 【自動】[kisa-oskoni 汽車・に追いつく] 汽車に間に合う。 ku=kisaoskoni noyne síran クキサオㇱコニ ノイネ シラン 私は汽車に間に合ったらしい。(S) ☞oskoni オㇱコニ (出典:田村、方言:沙流)
- kisntara
- キㇱナタラ 【自動】[kis-natara (擬音・擬態の語根)・(状態が続いていることを表す接尾辞)]シーン静まり返っている。 ☞sir-kisnatara シㇼキㇱナタラ (出典:田村、方言:沙流)
- kocorawki
- コチョラウキ 【他動】[ko-corawki …に・向かって行く] …に向かって行く、 …を攻撃しに行く。 toyehe ta unma ci=sirkote sekor hawean kur un=kocorawki wa ek トイェヘ タ ウンマ チシㇼコテ セコㇿ ハウェアン クㇽ ウンコチョラウキ ワ エㇰ (S) 私たちが(彼の)畑に馬を繋いだと言う人が私たちに談判しに来た。 {E: to go to…; go to attack…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koerayep
- コエラヤㇷ゚ 【他動】a=kor sápo/siretokkor ruwe/a=koérayep kor アコㇿ サポ/シレトッコン ルウェ/アコエラヤㇷ゚ コㇿ [雅]姉の美しさに私は感嘆していて。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koesankokkaesitciwre
- コエサンコッカエシッチウレ §448.すわる(座る)(31)膝を出して座る;おすわりする ko-esankokka-e-sitciwre〔コえサンコッカ・エしッチウレ〕[ko(そこに)+e(sir 地面、床面を)+ciw-re(突か・せる)]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, pp.277〜278】 (出典:知里人間編I、方言:)
- koeyukar
- コエユカㇻ 【複他動】[ko-e-yukar …に対して・…について・ものまねする](人)の(言葉の言い方やしぐさ)をまねする(ものまねのように)。 ci=rara wa apkas siri ci=koeyukar チララ ワ アㇷ゚カㇱ シリ チコエユカㇻ 私たちは彼をばかにして歩き方をまねした。(S) {E: to imitate someone} (出典:田村、方言:沙流)
- kohoppa
- コホッパ 【複他動】[ko-hoppa …に・…を残して行く] …を …のところに置いて行く。 eci=kohóppa エチコホッパ 私は(それを)あなたに置いて行く。(S) esiruwoka kohoppa エシルウォカ コホッパ [雅]…を自分の死後に残す。 {E: to leave…at…(a place).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kokiyanne
- コキヤンネ 【他動】[ko-kiyanne …に対して・年長である] …するのに最上位にある。 a=kor mosir epunkine kokiyanne páse maciya アコㇿ モシㇼ エプンキネ コキヤンネ パセ マチヤ わが国を守っているいちばん上の尊い都市(=首都)。(S) ☆参考 esapane エサパネ …の首長である。 {E: to be in the best position to…} (出典:田村、方言:沙流)
- kokkaesitciw
- コッカエシッチウ 【自動】[kokka-e-sir-ciw ひざ・で・地・にささる] ひざをついて転ぶ。 ku=kokkaesitciw wa ku=kokkasapa arka a p un クコッカエシッチウ ワ クコッカサパ アㇻカ アプン 私はひざをついて転んでひざが痛くなったのだよ。(S) {E: to fall over onto one's knees, } (出典:田村、方言:沙流)
- kokumrakumra
- コクㇺラクㇺラ 【自動】[ko-kumrakumra …が・ゴーゴーと鳴る](地震の地鳴りのような音が)ゴーゴーと鳴る。 pokna-mosir un/ahun hum konna/kokumrakumra ポㇰナモシルン/アフヌㇺ コンナ/コクㇺラクㇺラ 地獄へ入って行く音がゴーゴーと地鳴りのように響く。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
- komoynatara
- コモイナタラ 【自動】[ko-moy-natara (擬音擬態を導く)…が・ゆっくり/のんびり(擬態)・(状態が続いていることを表す接尾辞)][雅](次のような表現で)のんびりした様子である。 símomanpe/ipe sir konna/komoynatara シモマンペ/イペ シㇼ コンナ/コモイナタラ [雅]大きな雄鹿が草を食べている様子がのんびりとして見えた(=…のんびり草を食べていた)。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- konna
- コンナ 【副助】[雅](名詞の後や「動詞に終わる節+ru ル《…(している)の》/sir シㇼ《様子》/haw ハウ《声》/hum フㇺ《音》」などの名詞句の後に置かれて、 それがどんなであるかを叙述する表現(多くの場合擬音語・擬態語)を導く。)…は/が/を。 ku=kewtumu konna oknatara クケウトゥム コンナ オㇰナタラ 私の心は悲しみに打ちひしがれている。(W独話) pirakka us pe ek hum konna keuskeus ピラッカ ウㇱ ペ エㇰ フㇺ コンナ ケウㇱケウㇱ げたをはいている者の来る音がカラッカラッと聞こえる。(NK民話) ☆参考 ユーカラでは頻繁に使われる。 リズムによって ko コ または konna コンナ (二音節必要なとき)が用いられる。 ek hum konna エㇰ フㇺ コンナ《来る音が》は4音節。 konna コンナ の代りに ko コ を使うと3音節になってしまい、 足りない。 arpa=an hum ko アㇻパアン フㇺ コ《私が行く音が》は5音節。 ko コ の代りに konna コンナ を使うと6音節になってしまい、 多すぎる。 ☆参考 後に続く叙述表現がさらに接頭辞 ko- コ を伴う場合もある。 ☞ko コ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kor 1
- コㇿ 【他動】①…を持つ、 … を所有する。 inan pe ku=kor kor pirka hawe an? イナン ペ クコㇿ コㇿ ピㇼカ ハウェ アン? どっちを持てばいいのかなあ? (W会話) pawetok ka kor siretok ka kor パウェトㇰ カ コㇿ シレトㇰ カ コㇿ 彼は雄弁さも持っており美しさも持っている=口も達者だし器量もいい。 kor rusuy コン ルスイ …がほしい、 …をほしがる。 ②…を(手や頭に)つける/かぶる、 つけて/かぶっている。 tekunpe kor テクンペ コㇿ 手甲をはめる。 sapanpe kor サパンペ コㇿ 冠をかぶる(頭につける)。 (注 体に着ることは mi ミ、 足や腰から下にはくことは us ウㇱ、 鉢巻などを頭に巻くことは epanu エパヌ、 手ぬぐいなどでほおかぶりすることは hekokari ヘコカリ。) ③(子)を生む (「子どもを持つ」)。 “poyson kor yak a=ye” “hńta kor yak a=ye?” “matkaci kor yak a=ye” 「ポイソン コㇿ ヤㇰ アイェ」「フンタ コㇿ ヤㇰ アイェ?」「マッカチ コㇿ ヤㇰ アイェ」 「子どもを持った(赤ちゃんが生まれた)そうだ。」「何を持ったと言う(どっちが生まれたって)?」「女の子を持ったと言う(女の子が生まれたそうだ)。」 (S) cikap tamanko kor noyne hawkor hawe as チカㇷ゚ タマンコ コン ノイネ ハウコㇿ ハウェ アㇱ にわとりが卵を生んだらしく、 なく声がする。(W) (注 出産することは nuwap ヌワㇷ゚ [日常語]または yaykosanke ヤイコサンケ [雅]) ④(神が)領有する。 nupuri kor kamuy ヌプㇼ コㇿ カムイ 山を領有する神=山を守る/統治する神=山の神。 ⑤…の …。 ku=kor hekattar クコㇿ ヘカッタㇻ 私の子どもたち。 a=kor mosir アコㇿ モシㇼ 私たちの国=わが国(=日本)。(S) ku=kor hápo クコㇿ ハポ 私の母。 ku=ponpoho kor ku=kosmaci クポンポホ コㇿ クコㇱマチ 私の下の息子の嫁(別家の嫁)。(S) kor kur コㇿ クㇽ …の夫。 ⑥ ☞kes(e) kor ケㇱ/ケセ コㇿ {E: ①to have, possess… ②attach, wear…(on one's hands, head.) ③to have, give birth to (a child). ④one's…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koraci
- コラチ 【後副】…のように、 …そっくりに、 まるで…みたいに(「…といっしょ」)。 upas koraci retanno iro ウパㇱ コラチ レタンノ イロ 雪のようにまっ白い色。 réra koraci iki ikkasisam レラ コラチ イキ イッカシサㇺ 風のように行動するどろぼう(和人の昔話の一つ)。(W) hńta kusu somo e=ye no e=kor wa e=arpa? ikka koraci フンタ クス ソモ エイェ ノ エコㇿ ワ エアㇻパ? イッカ コラチ なぜ言わないで持って行くの、 どろぼうみたいに。(S) an koraci アン コラチ ありのままに。 eani ta an koraci e=ye hawe ne wa エアニ タ アン コラチ エイェ ハウェ ネ ワ あなたこそ本当のことを言っているんだなあ。 ☆参考 néno ネノ …に似て。 そのほかに似た意味・用法の後置副詞は ☞sirine シリネ、 kunne クンネ ☆参考 pekor ペコㇿ、 ápekor アペコㇿ、 kotom コトㇺ、 noyne ノイネ は接続助詞、 動詞のあとに置かれる。 sikopayar シコパヤㇻ は他動詞《…にそっくりである》。 {E: as, like…; just like…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koran
- コラン 【他動】[ko-ran …に・下りる]…に下りる。 aynu mosir/mosirso kasi/koran wa ora アイヌ モシㇼ/モシㇼソ カシ/コラン ワ オラ[雅] 人間の国の地面の上に下りて来て。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- korpare
- コㇿパレ 【複他動】[複](単は kore コレ)[kor-pa-re 持つ・[複]・させる] ①(二人以上が/二人以上に/二つ以上を) …に…を与える、 a=unúhu a=onáha póho tono korpare wa hoppapa アウヌフ アオナハ ポホ トノ コㇿパレ ワ ホッパパ (引用文中で)私の母親と父親がその息子を和人の殿様に与えて置いて来た。(S民話) usa okay pe ataye pirkano i=korpare ウサ オカイ ペ アタイェ ピㇼカノ イコㇿパレ いろいろなものをよい値で(交換して)(引用文中の私に)与えてくれた。(S民話) ②[補助動詞]wa korpare ワ コㇿパレ (…のために)…してあげる。 mosir a=kar wa a=korpare kamuy utar モシㇼ アカㇻ ワ アコㇿパレ カムイ ウタㇻ 陸地をつくって与えられた(もらった)神々。(S言い伝え) ☆参考 korepa コレパ とも言う。 語構成から見ると korpare コㇿパレ は《(二人以上に/二つ以上)を与える》、 korepa コレパ は《(二人以上が/二人以上に)与える》のような区別がありそうに見えるが、 実際には両方の語形が両方の場合に使われている。 この項の最初の用例では、 母と父(二人)が和人の殿(一人)に息子(一人)を与えたという話に korpare コㇿパレ が使われている。 ほかにもこのような例はある。 korepa コレパ より korpare コㇿパレ のほうがずっと多く使われている。 {E: ①to give…to…(pl.). ②to do …for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kosankokka esitciwre
- コサンコッカ エシッチウレ 【ko-san-kokka e-sir-ciw-re】 膝の方を前へ出してどすんと座る.▷コ=それ サン=出る コッカ=膝 エ=それ=膝 シㇼ=大地 チューレ=刺す (出典:萱野、方言:沙流)
- kosinninu
- コシンニヌ 【他動】[ko-sir-ninu …と共に・あたり・を縫う](?) (次の語の中で)絶対人に見せないで宝として隠し持っている。 cikosinninup チコシンニヌㇷ゚ 人に見せない秘密の宝。 {E: to conceal something valued from others.} (出典:田村、方言:沙流)
- kosinninup
- コシンニヌㇷ゚ 【ko-sir-ninu-p】 秘宝.▷コ=それ シㇼ=大地 ニヌ=縫う ㇷ゚=物 →大切な宝物なので大地に縫いつけるようにして持っている物 (出典:萱野、方言:沙流)
- kositoma
- コシトマ 【複他動】[ko-sitoma …に・…を恐れる] …の…を恐れる。 aynu opitta kosiratki wa ne wa ne yakne a=kosítoma wa kotan mawkar ka somo ki p ne ruwe ne na アイヌ オピッタ コシラッキ ワ ネ ワ ネ ヤㇰネ アコシトマ ワ コタン マウカㇻ カ ソモ キㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ 人は皆(アホウドリを)お守りにしているならば(疱瘡の神に)恐れられて村に伝染病がはやることもないのだよ。(HK民話) ☆参考 ☞sitoma シトマ {E: to be afraid of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Kotan-sitcire
- コタンシッチレ 【名】[< kotan-sir-ci-re 村/集落・地・焼ける・させる](ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公で人間の始祖となるために生まれた神の子の呼び名の最初の部分。 全部言うと次の通り。) Kotan-sitcire/Mosir-sitcire/Sanka-tososo/Hon-okkasi/Opoysuyanke/Oypepi-poro/Kamuy ne an kur コタンシッチレ/モシㇼシッチレ/サンカトソソ/ホノッカシ/オポイスヤンケ/オイペピポロ/カムイ ネ アン クㇽ [雅]村焼き、 国焼き、 棚荒らし、 腹の上、 小鍋上げ、 大茶碗、 神になる人。(Sユーカラ) ☆参考 最後の部分は Kamuy ne an kur カムイ ネ アン クㇽ《神になる人々》の代わりに Sípase kamuy シパセ カムイ《まことに尊い神》とも言われる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kote
- コテ 【複他動】…に…を結びつける、 …を…にゆわえつける。 itese ka a=koté suma réhe pit イテセ カ アコテ スマ レヘ ピッ ござを編む糸に結びつけてある糸の名前は「ピッ」。(S) ☆参考 sirkote シㇼコテ (馬や犬や舟など)を木などにつなぐ。 {E: to link, join, tie…to, with…} (出典:田村、方言:沙流)
- kotpokke
- コッポッケ 【位名】[所](概は kotpok コッポㇰ) …のちょっと前の所。 en=kotpokke péka arpa kor an エンコッポッケ ペカ アㇻパ コラン 私の前を行っている。(S) en=kotpokke kus no sirepa ruwe ne yak a=ye エンコッポッケ クㇱ ノ シレパ ルウェ ネ ヤカイェ 私のちょっと前に着いたのだそうだ。(S) {E: just before, in front of, ahead of…} (出典:田村、方言:沙流)
- koyaknatara
- コヤㇰナタラ 【自動】[ko-yak-natara …が(叙述を導く)・(くだけつぶれることを表す擬態の語根)・(状態が続いていることを表す接尾辞)][雅]…hum konna koyaknatara …フㇺ コンナ コヤㇰナタラ…すると、 くだけつぶれるようなものすごい音がする。 a=sirkik hum konna/koyaknatara/korimnatara アシㇼキㇰ フㇺ コンナ/コヤㇰナタラ/コリㇺナタラ [雅]私が(鹿を木に)ぶつける音が骨もくだけるくらいにドシンドシンと響く。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koyaykewtum ositciwre
- コヤイケウトゥㇺ オシッチウレ 【ko-yay-kewtum-o-sir-ciw-re】 心を落ち着ける,冷静にしている.▷コ=それに対して ヤイ=自身 ケウトゥㇺ=精神 オシッチューレ=落ち着かせる (出典:萱野、方言:沙流)
- koyka
- コイカ 【位名】[概](所は koykas(i)ke)[koy-ka 波・の上] 海沿いに東の方、 つまり静内、 釧路の方(方角で言うと東ないし東南の方)。 koyka un itak/koyka ta itak コイカ ウン イタㇰ/コイカ タ イタㇰ 静内や釧路の方(東の方)の言葉。 anrur ruyanpekur kus wa koyka ta sirepa kor nani menas as アンルㇽ ルヤンペクㇽ クㇱ ワ コイカ タ シレパ コン ナニ メナㇱ アㇱ 北見の方(北東)を嵐の雲が通って静内・釧路の方(東)に着くとまもなくやませ(南風)が吹く。(S) ☆参考 cupka チュㇷ゚カ 日の出る方角、 東。 土地の方向として東を言うときには koyka コイカ が最も一般的に使われる。 ☆対語 koypok コイポㇰ 海沿いに西の方、 つまり有珠、 虻田の方。 {E: along the coast in an easterly direction.} (出典:田村、方言:沙流)
- koykar
- コイカㇻ 【他動】[ko-i-kar …に合わせて・ものを・つくる/する] …を模する、 …をモデルとする。 kuytop kamuy hopunpa siri apkas siri a=koykar sinot hararki sekor a=ye クイトㇷ゚ カムイ ホプンパ シリ アㇷ゚カㇱ シリ アコイカㇻ シノッ ハラㇻキ セコライェ 雁(がん)の神が飛んで行く様子を模した遊び(踊り)はハララキと言う。(S独話) hawe ku=nu wa kusu ku=koykar wa tane sinotca ne ku=ye hawe ne ハウェ クヌ ワ クス クコイカㇻ ワ タネ シノッチャ ネ クイェ ハウェ ネ …と言っていた声を私は聞いたからそれを模していま歌にして歌います。(S独話) {E: to imitate…; use…as a model.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koykesuy
- コイケスイ 【他動】[ko-ikesuy …に向かって・怒って行ってしまう] [雅]怒ってとびだして…に行く。 sísam mosir/tono mosir/mosir noskike/koykesuy ruwe/ne wa síran awa シサㇺ モシㇼ/トノ モシㇼ/モシン ノㇱキケ/コイケスイ ルウェ/ネ ワ シラン アワ [雅](奥方は)怒って家をとびだして和人の島、 殿の島、 島の中央に逃げて行ったのだったが。(W神謡語り) {E: to rush out in anger to go to …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koysankokka-esitciwre
- コイサンコッカエシッチウレ 【他動】[ko-y-san-kokka-e-sir-ciwre (そこ)に・(挿入音)・前の・ひざ・で・地・を刺す](そこ)でひざをそろえて座る。 apeetok ne hi/a=koysankokka/esitciwre kor アペエトㇰ ネ ヒ/アコイサンコッカ/エシッチウレ コㇿ [雅]横座のところにひざをそろえて座ると。(Sユーカラ) ☆参考 男子の「遠慮のない座り方」。(S) ☆参考 男子の正式の座り方はあぐらである。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- koytakmuye
- コイタㇰムイェ 【他動】[ko-itak-muye …に・言葉・を束ねる] …に言葉を言い置く。 tanpa ne anak kanna mosir ka a=oríkin epaha ne kusu, a=e=kóytakmuye ka ki rusuy kus, a=e=síkoekte ruwe ne kus タンパ ネ アナㇰ カンナ モシㇼ カ アオリキン エパハ ネ クス、 アエコイタㇰムイェ カ キ ルスイ クㇱ、 アエシコエㇰテ ルウェ ネ クㇱ 今年は私は天の神の国に昇る年に当たっているので、 あなたに言葉を言い置くこともしたくて、 それであなたを私のところへ来させたのだから。(HC民話) {E: to leave a message for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kunne 1
- クンネ 【自動】[< kur-ne 影・である] 黒い、 暗い、 黒く/暗くなる。 kunne cipanup クンネ チパヌㇷ゚ 黒い頭飾り布。 ☆参考 ekurok エクロㇰ まっ黒い。 sir-kunne シㇼクンネ あたりが暗くなる/暗い、 日が暮れる、 夜になる。 ☆対語 retar レタㇻ 白い、 peker ペケㇾ 明るい。 {E: to be black; dark.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kur 1
- クㇽ 【名】[概](所は kuri(hi) クリ(ヒ)) ①影(うつる影)。 ②「人影」というときの「影」、 姿、 見える形。 nociw kur ka maknatara ノチウ クㇽ カ マㇰナタラ 星影(星の見える形=星)もあかあかと輝いている。(W会話) mosir kur a=nukár モシㇼ クㇽ アヌカㇻ 島影(=島の形)が見える。(W) yaykunnukarkane ヤイクンヌカㇻカネ[yay-kur-nukar-kane 自分の・姿・を見る・金属][古] 鏡。 ☆参考 日本語の「影」と同様、 うつる影のことも、 姿/形のことも言う。 {E: ①(a) shadow. ②form; external appearance.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kurka
- クㇽカ 【位名】[kur-ka 影/姿・の上] ①(名詞句の後に置かれて)…の(全体の)上、 …の上面一帯。 so kurka míke kane ソ クㇽカ ミケ カネ 床(ゆか)の上が光っている。(S) yukermu kurka néno an iro ユケㇾム クㇽカ ネノ アン イロ ネズミの背中のような色。(W) iresu sinta/sinta kurka/kamuy oran na/kamuy oinkar イレス シンタ/シンタ クㇽカ/カムイ オラン ナ/カムイ オインカㇻ ゆりかごの上に神様が下るよ、 そこを神様が見守ってくれるよ。(S子守歌) ②(主に雅語で、 動詞の後に置かれて)…しながら、 …ているとき。 mokor kurka ta e=ek aan hawe ne wa モコㇿ クㇽカ タ エエカアン ハウェ ネ ワ 皆が眠ってしまった後にあなたは来たんだなあ。(S) ouhuy sirka/ouhuy attus/henoo uwao/kari kurka/…/kamuy itak haw オウフイ シㇼカ/オウフイ アットゥㇱ/ヘノオ ウワオ/カリ クㇽカ/…/カムイ イタㇰ ハウ こげた刀、 こげた厚司(の着物)がクルッと回りながら(=…厚司をクルッとひるがえしながら)(中略)と神が言う声が…。(W神謡K) (注 日常語では mokor kurka ta モコㇿ クㇽカ タ [慣用句]の例が二例出たのみである。 ☞kurkasike クㇽカシケ) ☆対語 kurpok クㇽポㇰ …の下。 {E: above…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kurukpekar
- クルㇰペカㇻ 【自動】[kurukpe-kar 霜・にあたる] 霜にあたる。 kurukpekar kor easir sonno tópen クルㇰペカㇻ コㇿ エアシㇼ ソンノ トペン (りんごは)霜に「かかったら」(=あたると)うんと甘くなる(霜にあたらないとあまり甘くならない)。(S) {E: to be affected by frost.} (出典:田村、方言:沙流)
- kusnaotke
- クㇱナオッケ 【他動】[kus-na-otke その向こう側・のほうへ・突き刺す] …を突き抜けるまで刺す。 ahaː, e=kusnaotke somo ki yakka pirka p hńta kus e=kusnaotke siri an? アハー、 エクㇱナオッケ ソモ キ ヤッカ ピㇼカㇷ゚ フンタ クㇱ エクㇱナオッケ シリ アン? まあ、 突き通して刺さなくてもいいのに、 どうして突き通るまで刺すの。(S) {E: to pierce, stab through…} (出典:田村、方言:沙流)
- kuytop
- クイトㇷ゚ 【名】[動物]ガン(雁)。 kuytop say クイトㇷ゚ サイ 雁の列。 kuytop kamuy hopunpa siri apkas siri a=koykar sinot hararki sekor a=ye クイトㇷ゚ カムイ ホプンパ シリ アㇷ゚カㇱ シリ アコイカㇻ シノッ ハラㇻキ セコライェ 雁の神が飛んで歩く様子を模した遊び(踊り)をハララキと言う。(S独話)〔知分類 p.203 ガン;マガン〕 {E: a wild goose.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- makan
- マカン 【副】(次の表現で)どのように。 makan ne kor マカン ネ コㇿ 都合により、 「どうやらしたら」=どうかすると、 場合によっては。(W) makan ne kor/mosirso kurka/oran wa マカン ネ コㇿ/モシㇼソ クㇽカ/オラン マ [雅]時によると地上に降りて。(Sユーカラ語り) makan katkor pe/ek hum konna/koturimimse/kokewrototke マカン カッコㇿ ペ/エㇰ フㇺ コンナ/コトゥリミㇺセ/コケウロトッケ [雅]どんなものだかやって来る音がブルンブルンと鳴りゴーゴーと響く。(Sユーカラ) ☆参考 長く言うと makanan マカナン。 makanan マカナン も makan マカン も限られた文脈で使われている。 一般的に「どのように」という疑問の表現には nékon ネコン、 nékona ネコナ、 あるいは日常語と同じ makanak マカナㇰ などが使われている。 ☆参考 日常語では makanak マカナㇰ《どのように》、 mak マㇰ《どのように》(縮約形)があるが、 用法は makan マカン と同じではない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- makanan
- マカナン 【副】[雅]どのように。 makanan ne kor マカナン ネ コㇿ [雅]時によると。 makanan ne kor/ranke mosir/mosirso kurka/ciorawkekar マカナン ネ コㇿ/ランケ モシㇼ/モシㇼソ クㇽカ/チオランケカㇻ [雅]時によると下界の国の国土の上に下りて来ます。(Sユーカラ) ☆参考 同じユーカラの語られた中では同様の文脈で makan ne kor マカナン ネ コㇿ と言っている。 ☞makan マカン ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- maketa 1
- マケタ 【他動】[< 日本語](常に主格不定人称の a= ア のついた形、 つまり受け身の形で用いられる。) a=makéta アマケタ (彼は)負ける。 a=en=maketa アエンマケタ 私は負ける。 a=kor mosir a=makéta sekor háw as アコㇿ モシㇼ アマケタ セコㇿ ハワㇱ わが国(日本)が負けたという話が聞こえた。(W会話) {E: to lose to…; be beaten by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- makkosanpa
- マッコサンパ 【自動】[mak-kosanpa (明るさや開放を表す語根)・急に…する] パツと開く、 パツと明るくなる。 sir-makkosanpa シㇼマッコサンパ あたりがパッと明るくなる、 (電燈をつけたとき)部屋がパッと明るくなった。(S) {E: to open suddenly; brighten suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- maskin
- マㇱキン 【副】(思いがけないことを表す。 正確な意味は不明。) ①そんなことをしては。 puyne k=an pekor kú=itak maskin eci=kémnu ka ki プイネ カン ペコㇿ クイタㇰ マㇱキン エチケㇺヌ カ キ 私一人だけしかいないようなことを言ってはあなたがかわいそうだ。(NZ独話) a=omáp yakun maskin niwen utar or ta nepkire アオマㇷ゚ ヤクン マㇱキン ニウェン ウタㇻ オッタ ネㇷ゚キレ かわいいならなおさらきびしい人々のところで「かせがせれ」(働かせなさい)。(W)(「かわいい子には旅をさせ」に似た、 ことわざのような一つの慣用表現。) ② sirunno maskin シルンノ マㇱキン まさか。 maskin he tap/maskin heta マㇱキン ヘ タㇷ゚/マシキン ヘタ なおいっそう (Sユーカラ) {E: ①if one does that then… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mata
- マタ 【名/副】①[名]冬。 ②(副詞として使われて) 冬に。 ☆参考 sir-mata シㇼマタ 冬になる。 {E: winter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- matkore
- マッコレ 【他動】[mat-kore 女/妻・を与える] …に妻を与える、 (男)を結婚させる。 kim un mosir wa a=matkore hike a=matkore, kamuy or wa ki wa キムン モシㇼ ワ アマッコレ ヒケ アマッコレ、 カムイ オㇿ ワ キ ワ 山の国から妻を(神から)与えられる人は与えられて…。(S言い伝え) {E: to give a wife to …; make…marry.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- matkosanpa
- マッコサンパ 【自動】[mat-kosanpa(起きることを表す語根)・急に…する] ヒョッと起きる、 パッととび起きる。 sirayre wa orowa matkosanpa wa hoyupu pon seyunkikir シライレ ワ オロワ マッコサンパ ワ ホユプ ポン セユンキキㇼ 死んだふりをしてそれからヒョツと起きて飛ぶ小さい甲虫(てんとう虫のことを言っている)。(S) {E: to wake up, get up suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- méan
- メアン 【完動】[me-an 寒さ・ある] 寒い。 (天候に関して用いる。 人が寒く感じることではなく、 気温が低いことを言う。) cuk réra ruy kor méan チュㇰ レラ ルイ コㇿ メアン 秋に風がひどいと寒い。(W) méan korka ku=nepki kor k=an wa ku=popke メアン コㇿカ クネㇷ゚キ コㇿ カン ワ クポㇷ゚ケ 寒いけれど(=気温は低いけれど)私は仕事をしているので暖かい。(W) ☆対語 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ 暖い、 sir-sések シㇼセセㇰ 暑い。 ☆参考 体が寒いこと、 つまり自分が(人が)寒く感じることは mérayke メライケ。 {E: cold.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- meman
- メマン 【自動】(人)が涼しい。 sak réra ruy kor sir-meman wa ku=meman サㇰ レラ ルイ コㇿ シㇼメマン マ クメマン 夏に風が強いと天候が涼しくて私は涼しく感じる。(W) ☆参考 涼しく感じることを言う。 涼しい天候であることは sir-meman シㇼメマン と言う。 {E: to be cool.} (出典:田村、方言:沙流)
- memaw-an
- メマウアン 【完動】[me-maw-an 寒さ・空気・ある] 涼しい(=sirmeman シㇼメマン)。 {E: cool.} (出典:田村、方言:沙流)
- menoko
- メノコ §003.おんな(女)(2)menoko〔me-nó-ko メのコ〕[<日本語‘めのこ']。⦅H.⦆女。〜sirka uwos-mare「一人前の女の様相を帯びている」「一人前の女になった」⦅ホロベツ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- mo 1
- モ 【自動】[古(?)]静かである、 働かないでいる(?)。 (次の特殊な一例の中で)iwankeno mo wa oka イワンケノ モ ワ オカ 達者で働かないで暮らしている(mocup モチュㇷ゚ という月の名の説明の中で)。(W) sir-mo シㇼモ(あたりの様子・状況が)静かである。 ☞mocup モチュㇷ゚ (出典:田村、方言:沙流)
- monpok
- モンポㇰ 【位名】[概](所は monpoki モンポキ/monpokke モンポッケ)[< mon-pok 手・の下] …のすぐ下の方(上の方にいるものが見おろして見えるような位置)、 すぐそば。 taperehe monpok タペレヘ モンポㇰ 肩胛骨の下。(S) iyoykir monpok/cituye amset/kane amset/cisireanu イヨイキㇼ モンポㇰ/チトゥイェ アㇺセッ/カネ アㇺセッ/チシレアヌ 宝壇のすぐそばに別づくりの高床、 金(かね)の高床が置かれていた。(Sユーカラ) {E: lower; below.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mosinrutuye
- モシンルトゥイェ 【名】[mosir-ru-tuye 国・道・を切る](星座名) (北方の空で弓状をなし、 六つか七つの星がある。) (S) 北斗七星(?)。 (出典:田村、方言:沙流)
- mososo
- モソソ 【他動】[mos-os-o (擬態の語根)・(重複)・(他動詞形成)] 起こす、 ゆすぶって起こす。 ésir nisat or ta a=en=mososo エシㇼ ニサトッタ アエンモソソ (私は)今朝明け方に起こされた。(S) {E: to wake up…; to jolt awake…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- moto-orke
- モト オㇿケ 【名】[所](orke オㇿケ の概は or オㇿ だが、 moto or モト オㇿ は出てこない。)[起源・の所](…の)もと/起源となる所、 起源、 素性、 先祖。 etoko wano Aynu mosir ta okay pe ka a=moto-orke népa ka somo ki korka エトコ ワノ アイヌ モシッタ オカイ ペ カ アモトオㇿケ ネパ カ ソモ キ コㇿカ 私たちの先祖は昔からアイヌモシリ(北海道)に住んでいたわけではないけれども。(S言い伝え) tu moto-orke hunara kor as wa an トゥ モトオㇿケ フナラ コㇿ アㇱ ワ アン 彼は(そいつの)素性をいろいろと探りながら立っていた。(W民話) {E: place of origin (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- na 4
- ナ 【終助/間助】①[< 日本語(?)] …なあ!、 …ね。 “iyohay”“sitomare na!” 「イヨハイ」 「シトマレ ナー」 あきれたことだねえ。(W-S会話) k=éyaypira na! ケヤイピラ ナー! がっかりしたなあ(ひとり言)。(S) “hawe ne yakun na, ” “ey, ” “ekurok mosir wa, na, pone ka sak, cikir ka sak…” 「ハウェ ネ ヤクン ナ、 」「エイ」「エクロㇰ モシㇼ ワ、 ナ、 ポネ カ サㇰ、 チキㇼ カ サㇰ…」 「それではね」「ええ」「まっ黒い国からね、 骨もない、 足もない…」 (S-W-S会話) ②(即興歌のはやしことばの一部。)yaysama-ne-na ヤイサマネナ (直訳すると)自分の側だよ=自分のことだよ、 自分の心の思いだよ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nan
- ナン 【名】[概](所は nanu(hu) ナヌ(フ)) 顔。 nan ka sak sir ka sak ナン カ サㇰ シㇼ カ サㇰ [慣用句]器量もよくないし姿も美しくもない(娘を結婚させようとする相手に向かって父親が娘のことを謙遜して言う)。 nan kurkasi ciw kus kane ナン クㇽカシ チウ クㇱ カネ [雅](直訳すると)顔一面を流れが通って=涙をたくさん流して(さめざめと泣く様子の描写)。 nan kurkasi heynu/kor wenpuri heynu/cópirasa ナン クㇽカシ ヘイヌ/コㇿ ウェンプリ ヘイヌ/チョピラサ [雅] 顔一面に怒りの色が広がった。(HC神謡) {E: the face.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nani
- ナニ 【副】(…して)すぐに、 まもなく。 ésir ek korka nani arpa エシㇼ エㇰ コㇿカ ナニ アㇻパ (彼は)さっき来たけれどすぐ行った。(S) …hi nani… …ヒ ナニ… するとすぐ。 apto tuy hi nani réra yupke アㇷ゚ト トゥイ ヒ ナニ レラ ユㇷ゚ケ 雨がやむとすぐに風がひどくなった。 ☆参考 pe/p sekor ㇷ゚/ペ セコㇿ …した途端に。 {E: soon.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nankaante
- ナンカアンテ 【自動】[nan-ka-an-te 顔・の上・ある・させる] [雅]美しい(=sirkaante シㇼカアンテ)。 {E: to be beautiful.} (出典:田村、方言:沙流)
- naynaye
- ナイナイェ 【他動】[naye の重複形]…にたくさんすじをつける。 sir-naynaye/sinnaynaye シンナイナイェ そこらじゅうにたくさんのすじをつける。 (出典:田村、方言:沙流)
- ne 1
- ネ 【デアル動】(「AはBである」というときの「である」に相当する。 「…になる」と訳せる場合もある。 主語(A)と補語(B)をとる。 人称変化は他動詞型。)…だ、 …である。 (káni)wenkur ku=ne ウェンクㇽ クネ (私は)貧乏人だ(=私は貧しい)。(W) káni ne カニ ネ (それは)私だ。(W) toan uske k=únihi ne トアン ウㇱケ クニヒ ネ あそこは私の家だ。(S) …ne ya… ne ya …ネ ヤ…ネ ヤ …だとか…だとか。 …pe/p ne …ペ/ㇷ゚ ネ …する/したのだ、 …するものだ。 …pe/p ne kusu …ペ/ㇷ゚ ネ クス …する/したものだから、 …ので。 néun hene ka e=kor rusuy pe ne a kus ora ネウン ヘネ カ エコン ルスイ ペ ネ ア クㇱ オラ あなたが何としてでもほしいと言ったので。(S) kus(u) ne クス/クㇱ ネ …する(未来)。 nispa e=ne kus ne na ニㇱパ エネ クㇱ ネ ナ あなたは立派な人になるのだよ。(S子守歌) ruwe ne ルウェ ネ …した/する(のだ)(確かなことについて)。 hawe ne ハウェ ネ …した/する(のだ)(言ったことや聞いたことについて)。 siri ne シリ ネ …している(見えている様子について)。 ne wa ネ ワ (1)…であって。 (2)(数名詞と共に次のように用いられる。) tup ka ne wa uk トゥㇷ゚ カ ネ ワ ウㇰ 二つともとった。(S) tun ne wa トゥン ネ ワ 二人で。 tun a=ne wa トゥン アネ ワ あなたと私と二人で。 tun ci=ne wa トゥン チネ ワ (あなたは入らず)私たち二人で。 {E: is; to be …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nek
- ネㇰ 【終助】[結びの助詞] ①…さ、 …ぞ。 (通常、 強めの助詞 tas(i) タㇱ/タシ または tos(i) トㇱ/トシ との組み合わせで、 係り結びのように使われる。) tooká amip ka icen ka amam ta poronno e=kor wa e=soyne tas ki nankor nek! トオカ アミㇷ゚ カ イチェン カ アマㇺ タ ポロンノ エコㇿ ワ エソイネ タㇱ キ ナンコㇿ ネㇰ! あそこにある着物もお金も米もたくさん持って出てやるぞ。(S民話) a=ewkoysoytak kor síran pe tasi an nek! アエウコイソイタㇰ コㇿ シラン ペ タシ アン ネㇰ! そのことを私たちは一緒に話し合っているのよ。(S会話) ②(反語的に)…するものか。 épo tas e=tura án=an nek! エーポ タㇱ エトゥラ アナン ネㇰ! ええい、 お前なんかと一緒にいるもんか! (W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- néno
- ネノ 【後副】[ne-no …である・(副詞形成)](名詞句の後に置かれて、 またその名詞句が表現されなくても)…に似て、 (…と)同じように、 そのように、 それなりに。 néno an ネノ アン …に似ている、 (それに/そのことに)似たような…。 néno kane ネノ カネ …によく似て、 そっくりに。 sikpuye e=neno kane an wa ku=kir akusu sonno ka e=poho ne a ruwe シㇰプイェ エネノ カネ アン マ クキラクス ソンノ カ エポホ ネ ア ルウェ 目もとがあなたによく似ているのでそうだなと思ったがやっぱりあなたの息子だったのだね。(S) k=arpa kuni néno ramu kor an カㇻパ クニ ネノ ラム コㇿ アン 私が行くかと思っていろ(決して行かないからな)。(S) nankor pe néno, nansak pe néno ナンコㇿ ペ ネノ、 ナンサㇰ ペ ネノ [慣用句]信用のある者はそれなりに、 信用のない者はそれなりに。(S) te wano anak somo néno kú=iki kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ クイキ クス ネ ナ これからはあんなことをしませんから。(S) …hi néno …ヒ ネノ …するにつれて。 poro hi néno siretokkor kor an ポロ ヒ ネノ シレトッコㇿ コㇿ アン 大きくなるにつれて美しくなってくる。(S) …hi néno an …ヒ ネノ アン …したままでいる。 a hi néno an wa mákahokus ア ヒ ネノ アン マ マカホクㇱ (彼は)座ったままで仰向けに倒れた。(S) ekap-néno エカㇷ゚ ネノ[雅]…(の)ように。 {E: like; the same as.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- néun 1
- ネウン 【不定副】(疑問副詞 makanak/mak マカナㇰ/マㇰ《どのように、 どう》に対する不定副詞) ①どう(か)、 どのように(か)。 ②どんなに(…しても)。 néun ka ネウン カ どうか、 どうも。 néun néun ネウン ネウン いろいろ(して)、 いろいろと(変なことを)。 néun póka ネウン ポカ どうにか(して)、 なんとかして。 néun póka ka okay pe ネウン ポカ カ オカイ ペ いろいろなもの。 néun póka ka haweokay pe uwekarpare wa rewsire iteki ki yan ネウン ポカ カ ハウェオカイ ペ ウウェカㇻパレ ワ レウシレ イテキ キ ヤン いろんなことを言うやつを集めて泊まらせるんじゃないよ。(S) néun a=en=ye ayke kus ku=ye hawe? ネウン アエイイェ アイケ クㇱ クイェ ハウェ? どんなに私をおどしたからといって私は言うものか。(S) néun hene ka e=kor rusuy pe ne a kus ora ネウン ヘネ カ エコン ルスイ ペ ネ ア クㇱ オラ (S) あなたが何としてでもほしいと言ったので。 ☆発音 早く言うと nen ネン とも発音される。 {E: ①how; somehow. ②no matter what.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nísapka
- ニサㇷ゚カ 【他動】[nisap-ka 急である・(他動詞化)] …を急にする、 不意をつく。 a=nísapka wa a=sirkootke アニサㇷ゚カ ワ アシㇼコオッケ 不意にギュッと突かれた。 {E: to do…quickly; for…to happen suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nisat
- ニサッ 【名】[< nis-at 空・(光が)ある](?) 夜明け前の空の白み、 夜明けの薄明るいこと。(W) kunne nisat クンネ ニサッ 夜明け前に空が白む直前の東の空に黒い雲が出ること。(S) peker nisat ペケンニサッ 夜が明け始めて東が白んで来ること。(S) nisat ek ニサッ エㇰ 夜が明けてくる。 yoci ne kor nisat ek ヨチ ネ コㇿ ニサッ エㇰ 4時になれば少し薄明るくなる。(W) ☆参考 さらに夜が明けて明るくなるのは sirpeker シㇼペケㇾ。 {E: the glow of the dawn sky; daybreak.} (出典:田村、方言:沙流)
- nisositciw
- ニソシッチウ 【nis-o-sir-ciw】 遠い所.▷ニㇱ=雲 オ=それ シㇼ=大地 チュー=刺す ニソシッチュー イマカケ タ ニタイ サㇰ モシㇼ=雲が大地に突き刺さったそのまた向こうの森も林もない国土.*ニソシッチュー イマカケ タ ニタイ サㇰ モシㇼへ魔物を追放する話がよくある. (出典:萱野、方言:沙流)
- nitne
- ニッネ 【自動】①硬い、 コチコチである/になる。 méan kor nitne, sir-sések kor riten メアン コㇿ ニッネ、 シㇼセセㇰ コㇿ リテン 寒くなるとコチコチになる、 暑くなると柔らかくなる。 ②(けものや神が)悪い(凶暴である)。 nitne kamuy ニッネ カムイ 悪い(人を殺して食べたりする凶暴な)神、 「鬼」。 ☆対語 riten リテン 柔い。 ☆参考 niste ニㇱテ 頑丈である。 ritne リッネ 筋が多い。 niwen ニウェン 猛々しい。 {E: ①to be hard; stiff. ②to be fierce; ferocious.} (出典:田村、方言:沙流)
- níyahura
- ニヤフラ 【他動】[níya-húra 木・におい] 木の萌え出るときのよい匂い。 níyahura hene seru, asir tursak réra hene seru ニヤフラ ヘネ セル、 アシッ トゥㇽサㇰ レラ ヘネ セル 木の芽の香りでも吸いなさい、 新鮮なきれいな空気でも吸いなさい。(S) {E: for the buds of a tree to give off a scent.} (出典:田村、方言:沙流)
- niyuturke
- ニユトゥㇽケ 【名】[所](概は niyutur ニユトゥㇽ)[古] …の歯の間、 彼の歯の間。 niyuturke sep ニユトゥㇽケ セㇷ゚ 歯の間が広い。(S)no ノ 1【接助】(動詞/動詞句の後に置かれて副詞句をつくる。) ①(肯定で)…するままで、 …するように、 …するほど(その他、 文脈によっていろいろに訳せる)。 hu no e=e siri? フ ノ エエ シリ? (S) 生で食べてるの? nep ka a=emína no a=ewtastasa hawe ka ネㇷ゚ カ アエミナ ノ アエウタㇱタサ ハウェ カ 何か笑うように(こっけいなことを)言い合うのも。(S会話) síno nitan kur anak na cup ri híne sirepa no a=kotánu kucacise or wa sirhanke p ne シノ ニタン クㇽ アナㇰ ナ チュㇷ゚ リ ヒネ シレパ ノ アコタヌ クチャチセ オㇿ ワ シㇼハンケㇷ゚ ネ 非常に足の速い人ならまだ日が高いうちに着くぐらい私の村は狩小屋から近いのです。(NK民話) ②(否定で)somo…no ソモ…ノ …せずに。 sekor somo hése no hawean セコㇿ ソモ ヘセ ノ ハウェアン …と息もつかずに言った。(S民話) korka a=nu ka somo ki no a=sikéhe a=kor híne ahun=an コㇿカ アヌ カ ソモ キ ノ アシケヘ アコㇿ ヒネ アフナン しかし私は(その言葉を)聞きもせずに荷物を持って家の中に入った。(W民話) iteki…no イテキ…ノ …せずに(…せよ)。 iteki cis no mokor イテキ チㇱ ノ モコㇿ 泣かないで眠りなさい。(S)ほか 子守歌 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nonkar
- ノンカㇻ 【他動】(獲物などを期待して)様子を見に行く。 eci=nónkar ranke korka é=isam a p un エチノンカㇻ ランケ コㇿカ エイサㇺ アプン あなたがいるかと思って何度も来てみたがいなかったんだよ。(S) yá-nonkar ヤ ノンカㇻ 網に魚がかかったかどうか見に行く。(S) karus-nonkar カルㇱ ノンカㇻ キノコ(マイタケ)が生えたかどうか見に行く。(S) ohasir-nonkar オハシンノンカㇻ 留守の家の様子を見に行く。(S) {E: to go and see the condition of…} (出典:田村、方言:沙流)
- noski
- ノㇱキ 【位名】[概](所は noskike(he) ノㇱキケ(ヘ))…の真ん中、 …の中央(線的にも面的にも時間的にも)。 to noski ta pon nupuri an ト ノㇱキ タ ポン ヌプリ アン 湖のまん中に小山がある。 to noski sat wa an ト ノㇱキ サッ ワ アン 沼のまん中が干上がっている。 tókap noski トカㇷ゚ ノㇱキ 昼のまん中=正午。 sinnoski[sir-noski] シンノㇱキ 場所(部屋など)のまん中。 sirupaknoski シルパㇰノㇱキ 二つの地点のちょうどまん中。 {E: the middle, centre of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- noskike(he)
- ノㇱキケ(ヘ) 【位名】[所](概は noski ノㇱキ)[noski-ke 真ん中・の所] …の真ん中の所、 その真ん中、 その中央。 mosir noskike ta an pet réhe Matnesar ne モシン ノㇱキケ タ アン ペッ レヘ マッネサㇻ ネ 島の真ん中にある川の名前は沙流川だ。(S) ikaritunnap néno kane noskike cisne katuhu an イカリトゥンナㇷ゚ ネノ カネ ノㇱキケ チㇱネ カトゥフ アン 「ロスケアリ」(アリの一種)みたいに胴のまんなか(ウエスト)がくびれてへんなかっこうだ。(S) {E: the middle; the centre.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- notakop
- ノタコㇷ゚ 【名】[notak-o-p 刃-がついている-もの] 刃物(makiri マキリ《ナイフ》や包丁、 なた、 tasiro タシロ《山刀》など。 emus エムㇱ《刀》は通常含まない)。 {E: an edged tool; knife.} (出典:田村、方言:沙流)
- noya
- ノヤ 【名】[植物]ヨモギ。 asir noya アシン ノヤ [新しい・ヨモギ] 春の出始めの柔らかいヨモギ、 モチグサ。 noya-sito ノヤシト ヨモギのだんご、 よもぎ餅。 ☞noyasito ノヤシト〔知分類 p.1〕 {E: mugwort.} (出典:田村、方言:沙流)
- noyne
- ノイネ 【接助】①…らしく。 topattumi ek noyne iramuan ruwe ne トパットゥミ エㇰ ノイネ イラムアン ルウェ ネ 夜襲の群が来るらしく思われた。(W言い伝え) huskotoy wa ene iki kor an pe ne a noyne rúkocihi cininanina híne síran フㇱコトイ ワ エネ イキ コラン ペ ネ ア ノイネ ルコチヒ チニナニナ ヒネ シラン ずっと前からそのようにして(そこを通って行ったり来たりして)いたらしく、 足跡がびっしりついていた。(S民話) m ②[慣用句]noyne an ノイネ アン「…するにいい」、 …するような、 …することのできる、 …するといい。 a=eywanke noyne an pe アエイワンケ ノイネ アン ペ (S) 使えるもの(「使うにいいもの」)。 na ponno sayone tek no e=kar noyne an pe eytasa siratek ruwe an hi an! ナ ポンノ サヨネ テㇰ ノ エカㇻ ノイネ アン ペ エイタサ シラテㇰ ルウェ アニ アン! もうすこし柔らかくすればよかったのにあんまり固く練ってしまったねえ。(S) ☆参考 noyne ノイネ は様子や状況から判断して推測することを言うのに使われる。 しばしばあとに「思う」「思われる」「見える」「声/音がする」というような意味の動詞が来る。 kotom コトㇺ《…する/したように(見えて/思われて)》と置き換えられる場合もある。 叙事詩では kotom コトㇺ がよく使われ、 日常語(会話や昔話)では noyne ノイネ のほうがずっと多く使われる。 ☆参考 ほかに、 やや似たところのある接続助詞については ☞pekor ペコㇿ、 ápekor アペコㇿ {E: ①it seems that…. ②to do; as if to do, possibly do.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nu(we) kooka
- ヌ(ウェ) コオカ 【連他動】[複](単は nu(we) koan ヌ(ウェ) コアン) (二人以上が)(狩猟や漁や交易の)収穫が多い、 …の獲物に恵まれる、 …がたくさんとれる。 yas wa cep nu kooka yak a=ye ヤㇱ ワ チェㇷ゚ ヌ コオカ ヤカイェ 彼らは流し網して魚をたくさんとったそうだ。 a=kotánu un utar uymam kor usa cihoki cipekusa wa paye kor ora, iyoype or ta ikor or ta usa imikinkay nuwe kooka wa yap ranke siri アコタヌ ウン ウタㇻ ウイマㇺ コㇿ ウサ チホキ チペクサ ワ パイェ コㇿ オラ、 イヨイペ オッタ イコロッタ ウサ イミキンカイ ヌウェ コオカ ワ ヤㇷ゚ ランケ シリ 私の村の人々が交易に行くと、 いつもいろいろな売り物を舟に積んで行っては、 宝器やら宝刀やらいろいろな衣料品などをどっさり手に入れて帰って来る様子を…。(S民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nuhure
- ヌフレ 【自動】[nu-hure 顔・赤い] 赤ら顔である、 顔の色が赤い。 nuhure nuretar wa siretokkor ヌフレ ヌレタㇻ ワ シレトッコㇿ 顔色が赤く白くて(桜色で)美しい。(S) {E: to be red-faced.} (出典:田村、方言:沙流)
- nukuri
- ヌクリ 【他動】(疲れて/体調が悪くて/年取って体の自由がきかなくて/おっくうで)…できない、 …する気になれない。 ipe ka a=nukúri wa án=an イペ カ アヌクリ ワ アナン (引用文中の)私は(恋わずらいで)ものを食べる気にもならなかった。(HC民話) sirunno maskin a=nukár kor a=e=ráyke hi ka a=nukúri a=ruska シルンノ マㇱキン アヌカㇻ コㇿ アエライケ ヒ カ アヌクリ アルㇱカ まさか自分の目で見ながらあなたを殺す気にもなれないし心もおだやかでない。(W民話) aep isam yakun po hunak un apkas=an ka nukuri yak po isitoma=an kusu アエㇷ゚ イサㇺ ヤクン ポ フナㇰ ウン アㇷ゚カㇱアン カ ヌクリ ヤㇰ ポ イシトマアン クス 食べ物がなくなったら、 なおさら、 どこかへ歩いて行く元気もなくなってはなおいっそう恐ろしいから。(W民話) {E: cannot do…; to be unable to do.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- numtumasi
- ヌㇺトゥマシ 【名】[num-tumasi 粒・の中のとびとびにいくつか] 全体のうちのあるいくつかの粒。 tanpa anak sir-sum wa numtumasi patek rupne, numtumasi nokan タンパ アナㇰ シㇼスㇺ ワ ヌㇺトゥマシ パテㇰ ルㇷ゚ネ、 ヌㇺトゥマシ ノカン 今年は不作で、 たまには大きい粒もあるが粒によっては小さい。 ci=suwe amam numtumasi péne numtumasi kawnu チスウェ アマㇺ ヌㇺトゥマシ ペネ ヌㇺトゥマシ カウヌ 私たちの炊いたごはんは一部分はびちゃびちゃで一部分は芯がある。 {E: a portion; a part of.} (出典:田村、方言:沙流)
- núpesipakpare
- ヌペシパㇰパレ 【自動】[núpe-sipakpare 涙・(?)] 涙をポロポロこぼす。 núpesipakpare sir ne noyne ヌペシパㇰパレ シン ネ ノイネ 涙をポロポロこぼしているらしい。(S) {E: to shed tears (drop by drop).} (出典:田村、方言:沙流)
- nupurihi
- ヌプリヒ 【名】[所] …の山のところ。 Porosir nupurihi ta ポロシㇼ ヌプリヒ タ (アイヌモシリの中の)ポロシリ山のところに。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nurappa
- ヌラッパ 【他動】(死者)を供養する(供養の儀式をすることを言う)。 sinnurappa [sir-nurappa] シンヌラッパ 先祖供養をする。 {E: to hold a memorial service (for the dead).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nuwap
- ヌワㇷ゚ 【自動】①(苦しんで)うなる。 ②お産する。 nuwap kusu ne na esotkikar ヌワㇷ゚ クス ネ ナ エソッキカㇻ お産するところだから産褥をつくりなさい。(S) nuwap hi pakno ne p ekurok siri a=omáre wa a=anú wa k=énisomap k=éramu-ikurkuru kusu ratcako ku=kar ヌワㇷ゚ ヒ パㇰノ ネㇷ゚ エクロㇰ シリ アオマレ ワ アアヌ ワ ケニソマㇷ゚ ケラムイクㇽクル クス ラッチャコ クカㇻ お産したばかりの者をこんな暗いところへ入れておいて薄気味が悪く気がかりだから私は明りをつける。(S) {E: ①to groan, moan (in pain). ②to give birth.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nuwe an
- ヌウェ アン 【自動】[単] …がたくさんとれる、 収穫が多い。 yam ka nisew ka nuwe an ヤㇺ カ ニセウ カ ヌウェ アン 栗もどんぐりもたくさん取れた。(S) sey yap nuwe an yak a=ye セイ ヤㇷ゚ ヌウェ アン ヤカイェ ホッキがたくさん浜に上がったそうだ。(S) petput ta poronno konpu yap wa nuwe an kor síran ペップッ タ ポロンノ コンプ ヤㇷ゚ ワ ヌウェ アン コㇿ シラン 川尻に たくさんコンブが上がってみんなたくさん取って持っている。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nuyar
- ヌヤㇻ 【他動】[nu-yar 聞く・人にさせる](nu ヌ の不定使役形) …を人に聞かせる、 …を人に聞いてもらう。 nen póka, oripak=an yakka sirepa wa e=hawe póka nuyar! ネン ポカ オリパㇰアン ヤッカ シレパ ワ エハウェ ポカ ヌヤㇻ! どうか恐縮だけれどもやって来てあなたの声だけでも聞いてもらってください。(W会話) {E: to make, have someone listen to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nuye
- ヌイェ 【他動】①…に彫りもの/彫刻をする。 ②…にいれずみをする。 tekmekkasi patek a=nuyé kane an テㇰメッカシ パテㇰ アヌイェ カネ アン 手の甲(手の上側)だけいれずみしてある。(S) ③…に字を書く。 ponkanpi nuye ポンカンピ ヌイェ はがきを書く。(W) (S) ④…を書く。 a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enuypa wa oka yakun アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン 私たちの話した言葉が二ページか三ページにでも書かれてあれば。(W会話) ☆参考 kanpinuye カンピヌイェ は《紙にものを書く=書きものをする》。 inuye イヌイェ は《ものに彫りものをする=彫刻をする》。 sinuye シヌイェ は《自分に彫りものをする=入れずみする》。 sirkanuye シㇼカヌイェ、 tomikanuye トミカヌイェ、 ikorkanuye イコㇿカヌイェ はいずれも[雅]刃のさやに彫刻をする。 ☆参考 本来の用法では、 目的語は通常、 デザイン(形や模様)ではなく、 刃物の当たるもの(木や手)である。 たとえば熊を nuye ヌイェ すると言わない。 同様に、 紙に文字を書くことは kanpi カンピ《紙》を nuye ヌイェ すると言い、 カタカナを書くことは katakana ani kanpi nuye カタカナ アニ カンピ ヌイェ [カタカナ・で・紙・に書きものをする]のように言う。 しかし ④のように、 「このことを書く」「その話を書く」というような言い方もする。 {E: ②tatoo… ③write on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nuyna
- ヌイナ 【他動】①…を隠す。 ② ☞esirutumka nuyna エシルトゥㇺカ ヌイナ ☆参考 ものを隠すことを言う。 ことがらを隠す(秘密にする)ことは esina エシナ。 {E: to conceal, hide…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- o 4
- オ 【複他動】(目的語の一つは「もの」、 もう一つは「場所」。)(そこ)に(たくさんのもの/数えられないものや液体)を入れる、 (食物)を(茶わん)によそう、 (酒など)を(盃)につぐ、 (もの)を(そこ)にのせる/掛ける(☞omare オマレ)。 mesi itanki or a=o メシ イタンキ オㇿ アオ ごはんを茶わんによそう(入れる)。(W会話) oro siyamam a=uk yakun a=o kusu ne na オロ シヤマㇺ アウㇰ ヤクン アオ クス ネ ナ その中へお米をとったら入れるからね。(S) toy kasi o トイ カシ オ 土をその上にのせる(=土にうめる)。(W) sirosi o シロシ オ 印を(そこに)つける。(W) teke o テケ オ …を…に手渡す。(S) sinep sinep teke o シネㇷ゚ シネㇷ゚ テケ オ 一つ一つ手渡して(手の中に入れて)やりなさい。(S) {E: to hand…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oeroski
- オエロㇱキ 【他動】[o-e-roski (そこ)で・(そこ)で(?)・立つ[複]](?)/[その尻・に・立つ[複]](?) (鳥が)(そこ)に止まる。 síruwe ni/nítek kurka/a=oéroski シルウェ ニ/ニテㇰ クㇽカ/アオエロㇱキ 私(フクロウの神)はすごく太い木の枝の上に止まった。 (W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
- oha
- オハ 【自動】からっぽである/になる。 oha wa an オハ ワ アン からっぽだ。(W) sir-oha シㇼオハ 留守である。 {E: to be empty.} (出典:田村、方言:沙流)
- ohacise
- オハチセ 【名】[oha-cise 空(から)の・家]空き家。 ☆参考 ohasir オハシㇼ 留守の家。 {E: an empty house.} (出典:田村、方言:沙流)
- ohasinnonkar
- オハシンノンカㇻ 【自動】[ohasir-nonkar 留守の家・の様子を見に行く] 留守の家の様子を見に行く(だれも来ていないか、 どろぼうが入らないか、 いためられていないか)。 ku=sapoutari isam wa kusu k=óhasinnonkar wa k=ek ruwe un クサポウタリ イサンマ クス コハシンノンカㇻ ワ ケㇰ ルウェ ウン 姉たちがいないので留守の家の様子を見て来たんだよ。(S) ☆参考 別のときに同じ話者がこの語は「冗談」に言うとも言っている。 ☞nonkar ノンカㇻ {E: to go to look in on a house where no one is at home.} (出典:田村、方言:沙流)
- ohorka
- オホㇿカ 【副】[o-horka その尻・逆方向に] 後向きに、 後ろへ。 ohorka hosipire wa anu オホㇿカ ホシピレ ワ アヌ 後ろへ戻しておきなさい=(突き出ているものを)ひっこめておきなさい。(S) ohorka hosipi オホㇿカ ホシピ あとずさりする。 ohorka apkas オホㇿカ アㇷ゚カㇱ 後ろ向きに歩く。 cup ohorka tom チュㇷ゚ オホㇿカ トㇺ 日が逆向きにさす(東からさすべき日が西からさす)=西日がさす。 cup ohorka tom wa po sir-sések チュㇷ゚ オホㇿカ トㇺ ワ ポー シㇼセセㇰ 西日がさすからなお暑い。(W) ☆対語 ehorka エホㇿカ(語形の上では対だが意味は)逆向きに。 {E: backwards; behind.} (出典:田村、方言:沙流)
- oika
- オイカ 【他動/後副】[o-íka のところで・近道する] ①[他動](近道するために)…を越える。 sítu oika シトゥ オイカ (となりの川筋に行くのに川上・川下を回らずに)尾根を越す。(S) petutur oika ペトゥトゥㇽ オイカ (となりの川筋に行くのに)川の間の地を横切る。(S) sir-oika シㇼオイカ/シロイカ 山を越える。 ②[後副]…を越えて。 ru oika wakka san kor an ル オイカ ワッカ サン コラン 道を越えて水が流れている。 {E: to cross (over)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- okamkir
- オカㇺキㇼ 【副】わざと、 意図的に。 okamkir kor nuyto etupsike k=ewwopitte wa k=ári akusu kem ounu ka eaykap siri iki オカㇺキㇼ コン ヌイト エトゥㇷ゚シケ ケウウォピッテ ワ カリ アクス ケㇺ オウヌ カ エアイカㇷ゚ シリ イキ 私はわざと(いたずらして)(彼女の)糸の端を結び合わせておいたところ(彼女は)針に通せないでいる。(S) ☆参考 ユーカラには arokamkinno アロカㇺキンノ[ar-okamkir-no 全く・わざと・(副詞形成)]が出ている。 {E: on purpose; intentionally.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- okcir(-i)
- オㇰチㇼ §056.頭の後部;後頭部(8)okcir(-i)〔ók-čir おㇰチㇼ〕[<ok(うなじ)+sir(山)]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- okesinne
- オケシンネ 【副】[o-ke-sir-ne その尻(が)・(?)・土地/あたり・である/になる](o-…-ne は…から)あちこちから、 方々から。 ☆対語 ekesinne エケシンネ あちこちに/へ。 {E: from, to here and there.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- okirasnu
- オキラㇱヌ 【自動】[o-kir-asnu その尻・力・すぐれている] 力が強い。 hemanta ene okirasnu siri, nep aste siri ka isam ヘマンタ エネ オキラㇱヌ シリ、 ネㇷ゚ アㇱテ シリ カ イサㇺ なんとまあ強いことだろう、 だれも立たせない(みんな投げ飛ばす)。 {E: to be strong; powerful.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- okkay(-o)
- オッカイ Ⅱ_§002.おとこ(男)(1)okkay(-o)〔ók-kaǐ おッカイ〕⦅H. S. タライカ⦆男。〜-koyki-p「男が・獲った・もの」(=獣肉)⦅民譚集, p.38⦆。〜sirka uosmare「一人前の男子の風貌をもつ」⦅ホロべツ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- okkayo
- オッカヨ 【名】男、 男性。 menoko ka okkayo ka メノコ カ オッカヨ カ 女も男も。 okkayo sirpo uwosmare pakno an オッカヨ シㇼポ ウウォㇱマレ パㇰノ アン (少年が成長して)男らしい姿になるほどになった、 男らしい若者に成長した。 okkayo hekaci オッカヨ ヘカチ 男の子(hekaci ヘカチ だけで男の子であることを表すが特に女でないことを強調して言う)。 okkayo ikor オッカヨ イコㇿ 男の宝物(刀剣類など)。 “poyson kor yak a=ye” “hńta kor yak a=ye?” “okkayo poyson kor yak a=ye” 「ポイソン コㇿ ヤカイェ」「フンタ コㇿ ヤカイェ?」「オッカヨ ポイソン コㇿ ヤカイェ」 「子どもを持った(=子どもが生まれた)そうだ」「(直訳すると)何を持ったと言っているか=どっちが生まれたって(男の子か女の子か)?」「男の子が生まれたそうだ。」 (S) m okkayo-irwak オッカヨイㇼワㇰ 男兄弟(男のいとこを含む)。 okkayo-irwak patek ku=kor オッカヨイㇼワㇰ パテㇰ クコㇿ 私は男兄弟ばかり持っている(女の姉妹や女のいとこがいない)。(S) ☆対語 menoko メノコ ☆参考 女性に対して男性を表す語。 aynu アイヌ《人間》も場合によって男性を指すことがある。 ☆参考 動物の雄(おす)は pinne ピンネ [連体] 雄の…。 {E: a man; a male.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- okkayo
- オッカヨ Ⅱ_§002.おとこ(男)(2)okkayo〔ók-ka-jo おッカヨ〕⦅H.⦆【常】男。[もとokkayの第3人称形]。inne〜-utar inne menoko-utar「大勢の男たち大勢の女たち」⦅民譚集, p.78⦆。tane anakne〜sirka a-osmare「今はもう一人前の男子の風貌を私は持った」⦅ホロべツ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- okus
- オクㇱ 【他動】(着物)を裏返す、 …を裏返しにする。 hńta e=eyaykimatekka kus to e=mi p ka e=okus wa e=mi, e=us pe ka ehorka e=us siri an? フンタ エエヤイキマテッカ クㇱ ト エミㇷ゚ カ エオクㇱ ワ エミ、 エウㇱ ペ カ エホㇿカ エウㇱ シリ アン? あなた何をあわててほら、 服も裏返しに着てスカートも後ろ前にはいてるのよ。(S) cókus amip チョクㇱ アミㇷ゚/チョクサミㇷ゚ 裏返した着物(昔、 夫や妻に先立たれた人が着たと言う)。(UT) ☆参考 ehorka エホㇿカ 逆に。 {E: to turn (clothing) inside out.} (出典:田村、方言:沙流)
- oninnitne
- オニンニッネ 【自動】[o-nin(< nit)-nit-ne その尻・棒・(重複)・である](?) oninnitne pekor apkas siri an オニンニッネ ペコㇿ アㇷ゚カㇱ シリ アン 足を曲げるような曲げないような変な歩き方をしている。(S) ☆参考 nitne ニッネ は《硬くなる、 硬い》、 ninnitne ニンニッネ は nitne ニッネ の重複形であろう。 {E: for the legs to be hard, stiff.} (出典:田村、方言:沙流)
- onuitara
- オヌイタラ 【他動】☞esiruoka-onuitara エシルオカオヌイタラ (出典:田村、方言:沙流)
- onuman
- オヌマン 【名/副】夕方、 晩(もう薄暗くなった頃、 夕食を食べる頃)。 onuman an オヌマン アン 夕方になる。 tan onuman タン オヌマン/タノヌマン 今夕。 sir-onuman シロヌマン 夕方/晩方になる。 {E: evening.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- or(o) utaspa
- オㇿ/オロ ウタㇱパ 【連他動】行き交う。 ekesinne nepki kus paye utar oro utaspa siri nukar kor an エケシンネ ネㇷ゚キ クㇱ パイェ ウタㇻ オロ ウタㇱパ シリ ヌカㇻ コラン (彼は)あちこち働きに行く人びとが行き交うのを見ている。(S) {E: a place; there.} (出典:田村、方言:沙流)
- oran
- オラン 【他動】[o-ran (そこ)に・降りる] …に降りる。 ranke mosir/oran hum konna/koturimimse ランケ モシㇼ/オラン フㇺ コンナ/コトゥリミㇺセ (神が)下界(地上)に降りる音がブルンブルンと鳴り響き。(Sユーカラ) iresu sinta/sinta kurka/kamuy oran na イレス シンタ/シンタ クㇽカ/カムイ オラン ナ ゆりかごの上に神が降りるよ。(S子守歌) ☞ka(si) oran カ(シ) オラン {E: to go down, descend to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- orikin
- オリキン 【他動】[o-rikin …に・上昇する](そこ)に昇る。 poro nuynipek nísor orikin wa an ポロ ヌイニペㇰ ニソㇿ オリキン マ アン 大きな山火事の明るみが空に上がっている。(S) tanpa ne anak kanna mosir ka a=oríkin epaha ne kusu タンパ ネ アナㇰ カンナ モシㇼ カ アオリキン エパハ ネ クス 今年は私が天の神の国に昇る年ですから。(HC民話) {E: to go up, climb, ascend…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oruypene
- オルイペネ 【自動】[oru-ipe-ne ただ…だけ・中身・である](=oruipene オルイペネ)刀身だけの、 柄のない。 oruypene emus オルイペネ エムㇱ 刀身だけの刀。(S) oruypene tasiro オルイペネ タシロ 刀身だけの剣(「持つとこない、 刃のとこだけの」)。 (S) {E: the blade of a sword.} (出典:田村、方言:沙流)
- ositciwre
- オシッチウレ 【他動】[o-sir-ciw-re その尻・地・刺さる・させる] (直訳すると)地に刺さる、 (気持ち、 考えなど)を決める。 kewtumu ositciwre ケウトゥム オシッチウレ 心を決める、 決心する。 kewtumu ositciwre kunine ye ケウトゥム オシッチウレ クニネ イェ 心を決めるように言いなさい。 eyaykewtum ositciwre エヤイケウトゥㇺ オシッチウレ (そのこと)について自分の心を決める(=決心する)。 ene e=yaynu hi ositciwre エネ エヤイヌ ヒ オシッチウレ あなたの考えを決めなさい。 {E: to decide…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ositciwtara
- オシッチウタラ 【副】[o-sir-ciw-tara(< itara) その尻・地・刺さる・…した状態が続いて(いる)] 落ち着いて、 安定して。 {E: settled; calm.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- osittesu
- オシッテス 【自動】[o-sir-tesu その尻が・地・すべる]ツルッとすべる。 eytasa so rárak wa cise or ta ka osittesu=an エイタサ ソ ララㇰ ワ チセ オッタ カ オシッテスアン あまり床がツルツルしているので家の中でも私たちはすべってしまう。(S) ☆参考 スキーのように意図的にすべって行くことは cárase チャラセ、 carse チャㇻセ など。 {E: to slip (over).} (出典:田村、方言:沙流)
- osittesu
- オシッテス 【o-sir-tesu】 (つるっと)滑る. (出典:萱野、方言:沙流)
- osma
- オㇱマ 【他動】①(目的語は「場所」)(そこ)に入る、 …に突っ込む、 …に突進する、 当たる、 …に行って/入って/落ちてしまう。 toy ka osma トイ カ オㇱマ 地上に落ちる。 kemaha sir ka osma ケマハ シㇼ カ オㇱマ その足が地面につく。(HK民話) suy or osma スヨㇿ オㇱマ 穴に落ちる/とび込む。 nísapno cisesoy a=osma ka eyayramkar ニサㇷ゚ノ チセソイ アオㇱマ カ エヤイラㇺカㇻ いきなり家の前まで行ってしまうわけにもいかない。(S民話) ruyka utunnu wa an na ikiya oro eci=ósma na ルイカ ウトゥンヌ ワ アン ナ イキヤ オロ エチオㇱマ ナ 橋がすきまがあいてるよ、 そこに落ちないようにね。 corpokke osma チョㇿポッケ オㇱマ …の下敷きになる。 e=cis-núpe e=cis-etori a=oypepi osma wa ipe ka a=eáykap エチㇱ ヌペ エチㇱ エトリ アオイペピ オㇱマ ワ イペ カ アエアイカㇷ゚ あなたの泣いた涙や鼻汁が、 死んで神の国にいる私の食器に入って、 私はものを食べることもできない。(HC民話)(民話の中で、 愛する人に死なれて悲嘆にくれている人の夢の中に現れた死者が言う常套句。) ② tom(o) osma トㇺ/トモ オㇱマ …にぶつかる。 ③ramu-osma ラムオㇱマ 同意する。 ukoramu-osma ウコラムオㇱマ 互いに同意する。 ewkoramu-osma エウコラムオㇱマ …のことについて互いに同意する。 {E: to enter…; put…into; rush (at)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ot 1
- オッ 【名】[概](所は oci(hi) オチ(ヒ) 棺莚(死者をくるむござ)。 ☆参考 昔は、 死者はござにくるんで紐でしばり、 棒でかついで行って墓に埋めた。 土葬だった。 男には男の、 女には女の墓標を立てた。 ☆参考 墓は túsir トゥシㇼ。 {E: matting for wrapping a dead body.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- otuyke
- オトゥイケ 【名】[o-tuy-hike その尻・切れている・もの](悪いやつを指すののしりの表現)「あん畜生」、 あの野郎。(W) néa a=wenhokuhu, sirunike otuyke, ene hawean hi ネア アアウェンホクフ、 シルニケ オトゥイケ、 エネ ハウェアン ヒ あの私の悪党亭主、 あん畜生、 あの野郎がこう言った。(W民話) ☆参考 sirunike シルニケ も同義。 {E: That fellow!; That rascal! (a derogatory remark.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ouhuy
- オウフイ 【自動】[o-uhuy その尻が・燃える/こげる]こげる。 ouhuy húra at オウフイ フラ アッ こげくさい。 ouhuy sirka オウフイ シㇼカ こげた刀、 ouhuy attus オウフイ アットゥㇱ こげた厚司(あつし)。 ☆参考 Okikurmi kamuy オキクㇽミ カムイ《オキクルミ神》はこげた厚司を着、 こげた刀を下げていた。 よく「すそが焦げた」とか「すそこげ…」と訳されるが、 ワテケさんによれば、 ouhuy オウフイ は単に《こげた…》。 (出典:田村、方言:沙流)
- ouri
- オウリ 【他動】[単](複は ourpa オウㇽパ) …を掘る。 toy ouri トイ オウリ/トヨウリ 土を掘る。 nupuri ouri ヌプリ オウリ 山を掘る。 sir-ouri シロウリ 地面を掘る。 ☆参考 目的語は穴ではなく土や山など。 穴を掘ることは suy kar/suykar スイ カㇻ/スイカㇻ。 ものを外へ掘り出すことは soy omare ソイ オマレ/ソヨマレ。 {E: to dig…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oya 1
- オヤ 【連体】①ほかの、 よその。 oya mosir オヤ モシㇼ よその島。 oya kotan オヤ コタン よその(別の)村、 死者の国。 oya pa オヤ パ (=oyapa オヤパ)来年。 oya kotan un kur オヤ コタン ウン クㇽ よその村の人、 他村の者。 ② oya ciki オヤ チキ ☞oyaciki オヤチキ {E: ①other; another. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oyak
- オヤㇰ 【位名】[oya-k 他の・所]…の他の所、 よそ。 oyak un arpa オヤクン アㇻパ よそへ行きなさい、 どきなさい。(W) oyak péka iki オヤㇰ ペカ イキ よそに行っている、 旅行する。 oyak péka patek kú=iki wa k=ósirkatki ka somo ki オヤㇰ ペカ パテㇰ クイキ ワ コシㇼカッキ カ ソモ キ 私は旅行ばかりしていてちっとも落ち着いていない。 {E: another place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oyapa
- オヤパ 【名】[oya-pa 他の・年] 来年。 oyapa sak オヤパ サㇰ 来年の夏。 sir-oyapa シㇼオヤパ/シロヤパ【完動】来年になる。 {E: next year.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- oykesuy
- オイケスイ 【他動】[o-ikesuy …に・怒って立ち去る] 怒ってとび出して/立ち去って…へ行く。 sísam mosir/tono mosir/mosir noskike/a=oykesuy híne/arpa=an wa シサㇺ モシㇼ/トノ モシㇼ/モシン ノㇱキケ/アオイケスイ ヒネ/アㇻパアン マ 和人の島、 殿の島、 島の中央に私は逃げて行って。(W神謡語り) {E: to leave in anger for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pa 5
- パ 【位名】…の上(かみ)、 …の上手(かみて)、 …の東端。 maciya pa マチヤ パ 町の東の端。(S) mosir pa モシㇼ パ 国(島)の上(かみ)=東の端。(W) ☆対語 kes ケㇱ …の末端。 {E: the upper…; to the east of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pak 2
- パㇰ 【後副】①…まで。 cise noski pak チセ ノㇱキ パㇰ 家のまん中まで(ほこりが積もっていた)。 te pak テ パㇰ 今まで。 apa or pak k=arpa korka k=áhun ka somo ki no k=ek アパ オㇿ パㇰ カㇻパ コㇿカ カフン カ ソモ キ ノ ケㇰ 戸口のところまで行ったけれど入らないで帰って来た。(S) ray pak ライ パㇰ 死ぬまで。 ②(おおよそ)…ぐらい。 wániw pak ワニゥ パㇰ 十人ぐらい。 tuhotne to pak k=an wa k=ek ruwe ne wa トゥホッネ ト パㇰ カン マ ケㇰ ルウェ ネ ワ (私は)四十日ぐらい滞在して(帰って)来たのだよ。(S) ③…ほど (比較の対象) ne turesi pak pirka menoko isam ネ トゥレシ パㇰ ピㇼカ メノコ イサㇺ その妹ほど美しい女性はいない。 pak kewtumu pirka p oar isam パㇰ ケウトゥム ピㇼカㇷ゚ オアㇻ イサㇺ 彼ほど気立てのよい者は一人もいない。 ④(連体的に)mosir pak cise モシㇼ パㇰ チセ 島ほどの家(とても大きい家を表現する一つの言い方)。 ⑤uwokar-uwokarpa pak ウウオカㇻウウオカㇻパ パㇰ 代わるがわる。 ☆参考 よりはっきりと表現するのに -no ノ をつけて pakno パㇰノ と言うこともある。 しかし pak パㇰ と pakno パㇰノ との使い方は全く同じではない。 ☞pakno パㇰノ {E: ①until; as far as. ②about; roughly. ③the extent of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pakane
- パカネ 【自動】[paka-ne [< 日本語]ばか・である/になる] ばかだ、 呆ける。 ku=pakane siri ne wa クパカネ シリ ネ ワ 私ばかなのね。(W会話) pakane p パカネㇷ゚ ばか者。 {E: to be a fool; foolish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pakno
- パㇰノ 【後副】[pak-no …まで/ほど・(副詞形成)] ①…まで。 te pakno テ パㇰノ 今まで。 uni pakno ウニ パㇰノ 彼の家まで。 Tokiyo pakno henpak to ne wa sirepa? トキヨ パㇰノ ヘンパㇰ ト ネ ワ シレパ? 東京まで何日で着きますか。(S) onne utar onne pakno オンネ ウタㇻ オンネ パㇰノ 年老いた人々が亡くなるまで。 ②…ぐらい。 sine cup pakno シネ チュㇷ゚ パㇰノ 一ヵ月ぐらい。 ínep pakno イネㇷ゚ パㇰノ 四つほど。 asiknep pakno アシㇰネㇷ゚ パㇰノ 五つほど。 attem pakno an senkaki アッテㇺ パㇰノ アン センカキ 半ひろ(三尺)ほどある布。(S) mak pak ku=kar kor pirka? マㇰ パㇰ クカㇻ コㇿ ピㇼカ? (お金を)いくらぐらい払えばいいですか。(S) ③…ほど(比較の対象)。 k=éraman pakno ケラマン パㇰノ 私がわかるだけ(のことは全部)。(S会話) tuymano a=turá easkay pakno an hekaci トゥイマノ アトゥラ エアㇱカイ パㇰノ アン ヘカチ 遠くへ連れて行くことができるほどに(大きく)なった男の子。(NK民話) k=éaskay pakno túnas k=ek ケアㇱカイ パㇰノ トゥナㇱ ケㇰ (私は)できるだけ早く来ます。(S) ④[熟語・慣用表現]pakno/pakno ka パㇰノ/パㇰノ カ これまで、 これで終わり。 pakno ka ku=ye パㇰノ カ クイェ これで私が言うことは終わりです。 pakno ka パㇰノ カ 「もうたくさん」(もっと食べるようにとか、 お代わりをどうぞとか言われたときにこれ以上いらないと断る言い方)。 pakno ka c=e wa iyayiraykere パㇰノ カ チェ ワ イヤイライケレ (私たちは)もう充分(「たくさん」)いただきました、 ごちそうさま。(S) ney ta pakno ネイ タ パㇰノ いつまでも。 utaspa pakno ウタㇱパ パㇰノ 互いに。 (tap)…hi pakno ne (タㇷ゚)…ヒ パㇰノ ネ 今…したばかりだ。 tap unukar=an hi pakno ne wa ora suy uwekohoppa=an wa paye=an oasi na タㇷ゚ ウヌカラニ パㇰノ ネ ワ オラ スイ ウウェコホッパアン マ パイェアン オアシ ナ(私たちは)今会ったばかりなのにまた別れて行かなければならないのかなあ。(S) {E: ①until. ②about; roughly. ③the extent of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- párir
- パリㇼ 【名】[概](所は pariri パリリ)[pa-rir 空気/湯気・波] モクモクと出る煙。 párir asin パリㇼ アシン 煙がモクモクと出る。 cise uhuy siri somo ne? mákip párir asin kor an siri an チセ ウフイ シリ ソモ ネ? マキㇷ゚ パリㇼ アシン コラン シリ アン 家が燃えているのではないか? どうしたのか煙がモクモクと出ているなあ。(S) {E: belching smoke.} (出典:田村、方言:沙流)
- paro(ho)
- パロ(ホ) 【名】[所](概は par パㇻ) ①…の口(人の、 動物の、 ものの口(出口、 入り口))。 ku=paro(ho) クパロ(ホ) 私の口。 paroho パロホ 彼の口。 paro usi パロ ウシ …をほんの少し食べる(口につける程度食べるという意味)。 e=paro póka usi エパロ ポカ ウシ たくさんはないが口につけるだけでも食べなさい。(S) e=paro esirsiru! エパロ エシㇼシル! 口まめよりも手まめ(口と手と合わせてやりなさい、 口を手にしてやりなさい)。(S) paroho kemkus パロホ ケㇺクㇱ[口[所]・血がそこを通る](彼は) 喀血(かっけつ)する。(S) paroho koyke パロホ コイケ [他方言][口[所]・ゆがむ[他方言] 口がゆがんで(曲がって)いる。](沙流では paroho ohewke パロホ オヘウケ と言う。) (S) paroho ohewke パロホ オヘウケ[口[所]・傾く] 口が歪んでいる。(S) yospe paroho ヨㇱペ パロホ 胃袋の口。(W) paro-askay パロアㇱカイ ☞paroaskaya パロアㇱカイ。 paro-siratek パロシラテㇰ ☞parosiratek パロシラテㇰ ② ☞par(o) osuke パㇻ/パロ オスケ、 par(o) oyki パㇻ/パロ オイキ ☆参考 合成語の要素としてはもちろん、 連他動詞の前部要素としても、 所属形は短い形(ho ホ のつかない形)paro パロ が使われる。 {E: the mouth of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- paskur
- パㇱクㇽ 【名】[動物]カラス(総称)。 nítek ka ta paskur sinep rew híne “kaːk kaːk…” ニテㇰ カ タ パㇱクㇽ シネㇷ゚ レウ ヒネ 「カーㇰ カーㇰ…」木の枝にカラスが一羽止まって「カーカー…」。(W民話) paskur rek haw wen パㇱクㇽ レㇰ ハウ ウェン カラスのなきようが悪い(不吉ななき方だ)。(W) nisatta paskur cis koraci ニサッタ パㇱクㇽ チㇱ コラチ 明日はカラスの泣くように(泣いて帰るだろう)(料理屋に行ってお金をたくさん使って、 酔いがさめたら泣くだろう等、 酔っぱらって夜遅くまで遊んでいる人を笑って言う)。 ☆参考 口承文学にもよく登場する。 役回りはどちらかというと、 不吉なことの前兆、 悪ふざけをする者など、 きらわれる役が多いようである。 ☆参考 paskur パㇱクㇽ に次の四種がある。 síepaskur シエパㇱクㇽ[si-e-paskur 糞を食べる・カラス] くちばしが長い、 ただ kaːk kaːk カーㇰ カーㇰ と鳴く。 kararak カララㇰ[< (声の擬音)] karr, karr カㇽㇽ、 カㇽㇽ と鳴く。 sirarkokari シラㇻコカリ[sirar-ko-kari 海岸の岩・に・回る](?) karr həː, karr həː カㇽㇽ ハー、 カㇽㇽ ハー と鳴く。 okep オケㇷ゚[o-kep その尻が・毛がない] 「夜歩くカラス、 根性悪い。」 (S)〔知分類 p.1〕 {E: a crow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pawetok
- パウェトㇰ 【名】[pa-w-etok 口・(つなぎ音)・の先] 雄弁さ。 pawetok kor パウェトㇰ コㇿ 雄弁だ(=pawetokkor パウェトッコㇿ)。 pawetok ka kor siretok ka kor パウェトㇰ カ コㇿ シレトㇰ カ コㇿ 口も達者だし器量もいい。 ☆参考 「雄弁な人」を表現することもある。 {E: eloquence.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- payere
- パイェレ 【他動】[自動使役][複](単は arpare)[paye-re 行く[複]・させる]…を行かせる。 icen sanke yan, yak easir a=eci=payére na イチェン サンケ ヤン、 ヤㇰ エアシㇼ アエチパイェレ ナ 金を出せ、 そうしないと行かせないぞ(=通さないぞ)。(W民話) (出典:田村、方言:沙流)
- paykar
- パイカㇻ 【名】春。 síno paykar シノ パイカㇻ 盛春(四月から五月いっぱい)。 paykar opicino パイカㇻ オピチノ [春・を手放すように] 春の終わりに(六、 七月)。 paykar opicino kími k=étoyta akus na k=e eaykap パイカㇻ オピチノ キミ ケトイタ アクㇱ ナ ケ エアイカㇷ゚ 春の終わりにトウモロコシをまいたところまだ食べられない。(S) sir-paykar シㇼパイカㇻ 春になる。 {E: spring.} (出典:田村、方言:沙流)
- paykatsupun
-
パイカッスプン
§060 ウグイ (8) paykat-supun (páy-kat-su-pun)「ぱイカッスプン」[
sirkopopに似てそれより大きいウグイ (出典:知里動物編、方言:) - peker
- ペケㇾ 【自動】①明るい。 sittumu peker シットゥム ペケㇾ 夜が明けてきて少し明るくなる。 ②(水などが)澄んでいる、 澄む。 kuci peker menoko クチ ペケㇾ メノコ [そののど・澄んでいる・女性] 澄んだ声の女性。 ③peker irenka ciomare ペケㇾ イレンカ チオマレ [慣用句]死にかかっている者が生きそう(命をとりとめそう)だ。(W) ☆参考 sir-peker シㇼペケㇾ (すっかり)夜が明ける、 明るくなる、 明るい。 {E: ①to be bright; clear. ②(for water etc.) to become clear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- péna
- ペナ 【位名】[pe-na 川上・の方] …(土地)の上手(かみて)(=川上側)。 tan siri péna ta タン シリ ペナ タ この土地の川上の方(ここよりも川上の方)に。(S子守歌) ☆対語 pána パナ 川下側。 {E: upper; above.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- péne
- ペネ 【自動】[pe-ne 水気・(のよう)である] ①(水気が多くて)ビチャビチャである、 (果物などがつぶれて)ビチャビチャになる。 wakka poro no ku=kar wa ora péne amam ku=suwe ワッカ ポロ ノ クカㇻ ワ オラ ペネ アマㇺ クスウェ 私は水を多くしてビチャビチャのご飯を炊いてしまった。(S) péne emo ペネ エモ 「しばれいも」、 冬に外に置いて凍らせたジャガイモ。 yospe paroho péne ヨㇱペ パロホ ペネ 胃袋の口がとける(=胃がんになる)。(W) ②(比喩的に)(絹布等の着古して)薄くなっている(すき通っていてもなお切れない状態)。 tane ku=mipi péne wa an, péne yakka pirka amip ne ruwe! タネ クミピ ペネ ワ アン、 ペネ ヤッカ ピㇼカ アミㇷ゚ ネ ルウェ! もう私の着物、 古くなって、 すき通るほど薄くなっている、 薄くなってもいい着物だねえ。 ☆参考 ①[対]niste ニㇱテ 固い。 siratek シラテㇰ (ごはんやおかゆに関して)固めである。 {E: ①to be watery, mushy. ②to become thin.} (出典:田村、方言:沙流)
- petutur
- ペトゥトゥㇽ 【位名】[概](所は petuturu ペトゥトゥル)[pet-utur 川・の間] 川と川の間。 petutur oika ペトゥトゥㇽ オイカ 川の間の山を越える。(S) tane Piratur un sir-ehanke petutur ta arki=an kor タネ ピラトゥルン シㇼエハンケ ペトゥトゥッ タ アㇻキアン コㇿ もう平取(びらとり)に近い川の間(鵡川と沙流川の間)まで来たときに。(NK民話) {E: the area between rivers.} (出典:田村、方言:沙流)
- pirka
- ピㇼカ 【自動】よい、 美しい、 上質である、 結構/好都合である、 よくなる、 病気がなおる。 pirka aep ピㇼカ アエㇷ゚ よい食べもの。 pirka menoko ピㇼカ メノコ 美しい女性。 sakehe pirka サケヘ ピㇼカ その酒がおいしくなった/上等にできあがった。 yak pirka ヤㇰ ピㇼカ …するとよい、 …するほうがよい(「…しなさい」という命令・勧めの表現の一つ)。 yakka pirka ヤッカ ピㇼカ …してもよい。 pirka híne e=ek sir an ピㇼカ ヒネ エエㇰ シㇼ アン (あなたは)よくぞ来ましたねえ(「来てよかった」ことを言う)。 irayapka hekattar pirka ruwe! イラヤㇷ゚カ ヘカッタㇻ ピㇼカ ルウェ! まあいいこと、 子どもたちいいねえ(器量もいいし行儀もいい)。(S) tane anak irammakaka pirka wa an タネ アナㇰ イランマカカ ピㇼカ ワ アン 今はすっかりきれいになおっている。(S) mosir pirka モシㇼ ピㇼカ 国が栄える。 iroho pirka イロホ ピㇼカ 色が濃い。 sir-pirka シㇼピㇼカ 天気がよい。 ☆対語 wen ウェン 悪い。 ipokas イポカㇱ 不器量である、 みにくい。 {E: to be good, beautiful etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pito
- ピト 【名】[< 古い日本語 人(フィト)][雅]神と同等の人(多くの場合 kamuy カムイ《神、 神のような立派な/尊い人》の類義語として、 類義語並列の対句に用いられる)。 a=respa pito/a=respa kamuy アレㇱパ ピト/アレㇱパ カムイ [雅]私が育てたお方、 私が育てた神よ。(Sユーカラ) pak pito ne/pak siretok/ne wa ne yakun パㇰ ピト ネ/パㇰ シレトㇰ/ネ ワ ネ ヤクン [雅]これほど位の高いものでこれほど立派なものであったならば。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- po 2
- ポ 【副】なおいっそう。 sísam mosir ta po poronno a=etóyta シサㇺ モシッ タ ポ ポロンノ アエトイタ 和人の土地ではなおいっそうたくさん栽培していた。 na ponno rumatek tek hi ne yak po pirka p ナ ポンノ ルマテㇰ テㇰ ヒ ネ ヤㇰ ポ ピㇼカㇷ゚ もう少しぼうっとした色だとなおよかったのに。 po hene ポ ヘネ なおいっそう。 ésir ne hike ka pirka a korka ta po hene pirka エシン ネ ヒケ カ ピㇼカ ア コㇿカ タ ポ ヘネ ピㇼカ さっきのもよかったけれどこれはなおさらいい。(S) {E: still more.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- pok
- ポㇰ 【位名】…の下(そば、 ふもと)。 nupuri pok ヌプリ ポㇰ 山の下、 山のふもと。 rorunpuyar pok ロルンプヤㇻ ポㇰ 東窓の下、 東窓のそば(屋内でも屋外でも)。 apa pok ta an wa an アパ ポㇰ タ アン マ アン 戸口の下にいた。(S) toska pok un yap=an ro トㇱカ ポㇰ ウン ヤパン ロ 堤の下(岸)へ舟を寄せよう。(S) ☆参考 「下」でも、 机の下やふとんの下などのように、 何かのものの下は corpok チョㇿポㇰ。 ☆参考 この語根の前にいろいろな要素がついて、 corpok チョㇿポㇰ のほかにもいろいろなニュアンスの違った位置名詞がつくられている。 ☞monpok モンポㇰ、 kurpok クㇽポㇰ、 rewpok レウポㇰ、 tuypok トゥイポㇰ、 koypok コイポㇰ、 cuppok チュッポㇰ、 sirpok シㇼポㇰ ほか。 {E: below; the base of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- popke
- ポㇷ゚ケ 【自動】[pop-ke (擬態の語根)・(自動詞形成)]暖かい(「ほとる」)。 ku=popke wa, pirka wa クポㇷ゚ケ ワ、 ピㇼカ ワ 私は暖かいよ、 (ふとんをかけないで)いいよ。(W) ☆参考 天候が暖かいこと、 つまり気温が低くないことは sir-popke シㇼポㇷ゚ケ と言う。 popke ポㇷ゚ケ は人やものが主語で、 人の場合は暖かく感じることを言う。 {E: to be warm.} (出典:田村、方言:沙流)
- pórose
- ポロセ 【他動】(その地方では)…を(…と)言う/呼ぶ/名づける、 …を(…と)いう言葉で言い表す。 Porosir sekor a=porose uskehe ポロシㇼ セコㇿ アポロセ ウㇱケヘ ポロシリ(幌尻)と呼ばれている(私たちが呼んでいる)所。 {E: to express…in words.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- purio
- プリオ 【自動】[puri-o 行状・そこにある] 気性が激しい。 a=wenmatnepoho purio kaspa siri an hi an wa a=koyáysanpepokas a yakka アウェンマッネポホ プリオ カㇱパ シリ アニ アン マ アコヤイサンペポカサ ヤッカ 私のふつつかな娘はどうも気性が激しすぎたようで私は困ったことだなあと思っていたが。(W神謡語り) {E: to be bad natured.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ram'ositciw
- ラㇺオシッチウ 【ram-o-sir-ciw】 考えが落ち着いている,考えがまとまっている. (出典:萱野、方言:沙流)
- ramositciwre
- ラモシッチウレ 【ram-o-sir-ciwre】 落ち着いた,泰然としている. (出典:萱野、方言:沙流)
- ramsitciw
- ラㇺシッチウ 【ram-sir-ciw】 落ち着き:ゆったりした様子. (出典:萱野、方言:沙流)
- ranma
- ランマ 【副】いつも、 ふだん、 まだ(依然として)、 相変わらず。 ranma k=oyra ランマ コイラ 私はいつも忘れる。(W会話) ranma anak numi ruprupne a korka tan pa anak sir-sum wa numtumasi patek rupne, numtumasi nokan ランマ アナㇰ ヌミ ルㇷ゚ルㇷ゚ネ ア コㇿカ タン パ アナㇰ シㇼスㇺ ワ ヌㇺトゥマシ パテㇰ ルㇷ゚ネ、 ヌㇺトゥマシ ノカン いつもは粒がまるまると大きかったけれど今年は不作で一部の粒だけ大きく一部の粒は小さい。(S) ranma oka? ランマ オカ? (彼は)まだいるの? (S) {E: as always; as usual.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rápok
- ラポㇰ 【位名】[概](所は rápoki, rapokke ラポキ、 ラポッケ) ①(多くの場合、 動詞句の後に置かれる。) …している間、 …している途中、 …している時。 rápok ta ラポㇰ タ …している間に。 ipe rápok ta ek kor an イペ ラポㇰ タ エㇰ コラン 食べている最中に彼は来ている(来つつある)。 a=kor híne sóyonpa=an rápok ta ne pon menoko anakne アコㇿ ヒネ ソヨンパアン ラポㇰ タ ネ ポン メノコ アナㇰネ (私がそれを)持って外へ出て行っているときにその娘は…。(W民話) ②(rápok ラポㇰ がついてできた句は、 格助詞を伴わずそのままでも連用語(副詞句)となる。) tókap ne kunak a=ramu rápok sirkunne トカㇷ゚ ネ クナㇰ アラム ラポㇰ シㇼクンネ 昼間だと思っている間に暗くなった。(W会話) hńta kus e=nimara nepki kor oka rápok sinenne e=a wa e=an フンタ クㇱ エニマラ ネㇷ゚キ コロカ ラポㇰ シネンネ エア ワ エアン なぜあなたの連れが働いているのにあなたは一人で座っているんだ。(S) a=yupíhi nína inawcipa kar, rápok asinuma cise onnay wano a=kerkeri アユピヒ ニナ イナウチパ カㇻ、 ラポㇰ アシヌマ チセ オンナイ ワノ アケㇾケリ 兄はたきぎを取って来たり幣場をつくったりしていた、 その間私は家の中から外まで掃除をしていた。(KH民話) ☆参考 概念形 rápok ラポㇰ と所属形 rapoki/rapokke ラポキ/ラポッケ の用法の違いは不明。 {E: ①at the time of doing…; in the middle of doing…; while doing… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rapucupke
- ラプチュㇷ゚ケ §137 ゴマフアブ (2) rapucupke(ra-pú-cup-ke)「ラぷチュㇷ゚ケ」⦅穂別⦆小さいアブ、ゴマフアブ?大きいのがsi-raw[<sirap-cupke]美幌、様似でも (出典:知里動物編、方言:)
- rar 1
- ラㇻ 【自動】水中にもぐる。 rar wa ya esirpicire wa turano hetuku ラㇻ ワ ヤ エシㇼピチレ ワ トゥラノ ヘトゥク (舟から飛び込んで)もぐって網のひっかかったのをはずして持って浮いて来なさい。(S) {E: to dive into water.} (出典:田村、方言:沙流)
- rari
- ラリ 【他動】[単](複は rarpa ラㇻパ)(一つ)を押えつける。 sirkorarirari シㇼコラリラリ…をひどくギュウギュウ押えつける。(W民話) ☆参考 i-ka-rari イカラリ[もの・の上・を押える] はししゅうのやり方の一つで、 先に糸を置いてからその上をこまかくかがりつけて押えることを言う。 ☞ikarari イカラリ {E: to press down on…; hold back…forcefully.} (出典:田村、方言:沙流)
- rawe
- ラウェ 【他動】…を楽しみにしている。 paye=as kuni ci=rawe kor oka=as パイェアㇱ クニ チラウェ コㇿ オカアㇱ 行こうと楽しみにしている。(S) ku=rawe kusu ku=resu p ne akus ene k=épirka siri an hi un クラウェ クス クレスㇷ゚ ネ アクㇱ エネ ケピㇼカ シリアニ ウン 子どもを育てて大きくすれば大事にしてくれるだろうと楽しみにして育てたらとても孝行されてうれしいのよ。(S) {E: to look forward to…; to hope for…} (出典:田村、方言:沙流)
- ray 1
- ライ 【自動】死ぬ、 (名詞として使われて)死ぬこと、 死。 ray wa isam ライ ワ イサㇺ 死んでしまった。 raytamanum ライタマヌㇺ 死んだ(人の)魂(の粒)。 ray kotpok ta ライ コッポㇰ タ 死際に。 ray he ne ya mokor he ne ya ライ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ 死んだのか眠ったのか。(HC神謡)(動物の体が死にその神の霊が気がついて自分の死体を見つけるときの常套句。)túray wenray ki トゥライ ウェンライ キ (tu トゥ が高く長く発音される。) ひどい死に方とんでもない死に方で死んでしまった。 (Pánanpe パナンペ 川下男と Pénanpe ペナンペ 川上男の民話の結末の常套句。) ☆参考 自分の身内や話している相手の身内のことを言うときは isam イサㇺ《なくなる》を使うことが多い。 ほかに wen ウェン《いけなくなる》、 sini シニ《休む》などと言うこともある。 mosiroppa モシロッパ《世を去る》は地位のある人や有名な人が年取って死ぬこと、 onne オンネ は年取った人が死ぬこと。 mawe tuy マウェ トゥイ 息が絶える。 tasu tuy タス トゥイ 息が絶える。 {E: to die.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rékor
- レコㇿ 【自動】[re-kor 名前・を持つ] 名前を持つ。 na usayne usayne rékor mosir wa uwekarpa p ナ ウサイネ ウサイネ レコㇿ モシㇼ ワ ウウェカㇻパㇷ゚ まだほかにいろいろ違った名前の国から集まって来た者。 tanpe rékor タンペ レコㇿ これはいわゆる…、 これこそ言うなれば…。 {E: to be named; called.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rep 1
- レㇷ゚ 【自動】(ユーカラを歌う人が)木の棒で炉ぶちをたたいて拍子をとる。 ☆参考 その棒は repni レㇷ゚ニ。 ☆参考 手でひざでもたたいて拍子をとることは rep レㇷ゚ と言わず temesirkik テメシㇼキㇰ《手であたりをたたく》と言う。 〔金ユ4〕 p.224「音を立てる、 鳴らす」。 (出典:田村、方言:沙流)
- rep 2
- レㇷ゚ 【位名】[概](所は repke(he) レㇷ゚ケ(ヘ)) 沖、 海の向こう、 (いろりの)まん中のほう。 rep ta paye wa okay pe レㇷ゚ タ パイェ ワ オカイ ペ 海外に(外国に、 海の向こうの島に)行った人々。 rep un cikap レプン チカㇷ゚ 沖の鳥、 海鳥。 rep oraye レㇷ゚ オライェ/レポライェ(舟を)沖へ出す、 (いろりの中のまわりの方にあるおきを)真ん中へ出す([対]ya oraye ヤ オライェ)。 rep k=óraye レㇷ゚ コライェ 私は(舟を)沖へ出す、 私は(いろりの中のまわりの方にあるおきを)真ん中へ出す。 rep osiraye レㇷ゚ オシライェ 沖へ出る。 rep ta a=kor mosir レㇷ゚ タ アコㇿ モシㇼ 沖(海の向こう)にあるわが国=本州(内地)。(S) ☆対語 ya ヤ ☆参考 絶対的場所「沖」にも相対的位置「…の沖」にも使われる。 絶対的場所は概念形で表される。 概念形は相対的位置にも使われる。 所属形は相対的位置だけを表す。 {E: offshore; overseas.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- repa
- レパ 【自動】[rep-a 沖・(?)]沖へツノザメ(sirkap シㇼカㇷ゚)をとりに行く。(W) (S) (出典:田村、方言:沙流)
- repun 2
- レプン 【連体】[rep-un 沖・にある](=rep un レㇷ゚ ウン) 沖の、 沖にある/いる。 repun mosir レプン モシㇼ 沖の島、 海外(北海道以外の島、 本州等も、 また外国も含む)。 repun cikoykip レプン チコイキㇷ゚ [沖の・けもの]海獣(アザラシ、 トド、 鯨など皆)。(S) ☆対語 yaun ヤウン ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- repunkur
- レプンクㇽ 【名】[rep-un-kur 沖・にいる・人] 海外の人(主に外国人を指す)。 repunkur mosir レプンクㇽ モシㇼ 外国。 repunkur atuy レプンクㇽ アトゥイ 外国の海。 ☆対語 yaunkur ヤウンクㇽ 自国の人(北海道の人)。 {E: a foreigner; someone from overseas.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- rok 2
- ロㇰ 【助動】[複](単は a ア) (二人以上が/二つ以上を)以前に…した。 pewre or ta a=kar wa a=e rok pe ペウレ オッタ アカㇻ ワ アエ ロㇰ ペ 若いときにつくって食べていたもの。 a=onáha ene i=respa siri pirka rok pe ne kusu アオナハ エネ イレㇱパ シリ ピㇼカ ロㇰ ペ ネ クス 父が私を育ててくれた育て方が良かったので。(S民話) ine rok pe イネ ロㇰ ペ ☞inerokpe {E: to have done…in the past (pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
- ruppuni
- ルップニ 【自動】[rup-puni 氷が・持ち上げる](土が)霜柱で持ち上がる、 (網などが)「しばれてカチャカチャになる」=凍って固くなる。 toytoy ruppuni トイトイ ルップニ (=sir-ruppuni シンルップニ)土が霜柱で持ち上がった。(S) {E: for ice columns to form on the ground.} (出典:田村、方言:沙流)
- ruprupne
- ルㇷ゚ルㇷ゚ネ 【自動】[rup-rup-ne 氷(?)・(重複)・のようである](rupne ルㇷ゚ネ の重複形) まるまると大きい粒だ。 ranma anak numi ruprupne a korka tanpa anak sir-sum wa numtumasi patek rupne, numtumasi nokan ランマ アナㇰ ヌミ ルㇷ゚ルㇷ゚ネ ア コㇿカ タンパ アナㇰ シㇼスㇺ ワ ヌㇺトゥマシ パテㇰ ルㇷ゚ネ、 ヌㇺトゥマシ ノカン いつも(の年)は粒がまるまると大きかったが、 今年は不作で、 一部の粒だけが大きくて一部の粒は小さい。(S) {E: to be large and chubby ie. grains, drops.} (出典:田村、方言:沙流)
- rupus
- ルプㇱ 【自動】[rup-us 氷・(それ)につく] 凍る(「しばれる」)。 sir-rupus シンルプㇱ 地面が凍る。 {E: to freeze; be frozen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ruska
- ルㇱカ 【他動】…を怒る、 …のことで腹を立てる、 …に憤慨する、 …のことがおもしろくない、 …のことで不機嫌になる。 noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルㇱカ クス (彼は)ひたいに大きな穴をあけられたことに憤慨して。(S会話) ene iruska katun ki siri a=ruska エネ イルㇱカ カトゥン キ シリ アルㇱカ (彼が)そんなに不機嫌そうにしていることに私は腹が立った。(W民話) sirunno maskin a=nukár kor a=e=ráyke hi ka a=nukúri a=ruska ruwe ne kusu シルンノ マㇱキン アヌカㇻ コㇿ アエライケ ヒ カ アヌクリ アルㇱカ ルウェ ネ クス まさか目の前に見ながらあなたを殺すなんて、 そんな気にもなれないし不愉快だから。(W民話) {E: to get angry at…, over…; fly into a rage over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ruwe 3
- ルウェ 【形名】[< ru-e 跡・(所属語尾)](名詞化辞として、 確かなこと、 確認ずみのことだというニュアンスを含む名詞句をつくる。) ①(動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。)…する/した/している/であること、 …したあと、 …した結果、 …したの。 taa a=en=kore ruwe nukar, hápo タア アエンコレ ルウェ ヌカㇻ、 ハポ ほら私がもらったのごらん、 かあさん。(S) ruwe ne ルウェ ネ …する/したのだ/です。 ruwe? ルウェ? …する/したの(ですか)? …なの(ですか)? ruwe! ルウェ! …したなあ! …だなあ! ruwe an! ルウェ アン! …したなあ!…だなあ! ruwe an? ルウェ アン? …する/した(のです)か? …する/したの? (多くの場合、 疑問詞を持つ疑問文に用いられる)。 ruwe he an? ルウェ ヘ アン? …する/したのか? …する/したの? (疑問詞のない、 当否を問う疑問文で。 ruwe? ルウェ? だけでも疑問文になるが、 he an ヘ アン をつけるともっと強い疑問になる。) e=eraman ruwe he an? エエラマン ルウェ ヘ アン? いったい君はわかっているのかい(わかっていないんじゃないか)。 eci=mokór wa eci=oká ruwe he an? エチモコㇿ ワ エチオカ ルウェ ヘ アン? いったいあなたたちは眠っているのか(しっかりしなきゃだめじゃないか)。(S独話) ruwe somo he an? ルウェ ソモ ヘ アン? …する/したのではないか。 ruwe tapan ルウェ タパン …する/したのであります、 …する/…したのでございます。 ruwe un ルウェ ウン (返事として)ええ、 …する/したのだよ、 そうですよ。 kuni ku=ramu kor k=ek ruwe un クニ クラム コㇿ ケㇰ ルウェ ウン ええ、 (私は)そう思いながら来たのよ。(S会話) ②(文頭に置かれ、 その前に言われたことがらを受けてその全体を名詞化する。) ruwe ene an hi ルウェ エネ アニ そのことはつまりこういうことだ。 ③(動詞に終わっている文の後ばかりとは限らない。 前の文と統語関係が切れている場合もある。) ruwe un ルウェ ウン (肯定の返事として間投詞のように) そうする/したのだよ、 そうだよ。 “…a=ye hawe tapan na” “e, ruwe un“ 「アイェ ハウェ タパン ナ」「エー、 ルウェ ウン」 「…ということを私は言いましたよ。」「ええ、 そのとおりです。」 (W-S会話) ☆参考 後に -he ヘ はつかない(ruwehe とはならない)。 ☆参考 場合によって ru ル の形が使われる。 ☞ru ル ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 hawe ハウェ(話された言葉および声に関することに用いられる)、 humi フミ(音や感覚、 感じに関することに用いられる。 ただし視覚以外)、 siri シリ(目の前に見えている様子に関することに用いられる)。 {E: to do; did; in the process of doing; the out come, result of having done…; did… (to be placed in front of a sentence or phrase to make what was previously said into a noun form; it doesn't necessarily always come after a verb ending.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ruy 1
- ルイ 【自動/助動】①[自動]激しい。 réra ruy レラ ルイ 風が激しい。 hawe(he) ruy ハウェ(ヘ) ルイ 声が大きい、 大声で言う。 ruri ruy ルリ ルイ あくが強い、 だしがきつすぎる。 ataye ruy アタイェ ルイ(値段が)高い。 ②[助動]…するのが激しい、 ひどく…する。 ye ruy イェ ルイ 激しく言う、 しつこく言う。 eytasa ratki ruy wa osirkaociw wa ku=suye ka eaykap エイタサ ラッキ ルイ ワ オシㇼカオチウ ワ クスイェ カ エアイカㇷ゚ (ぶらんこが)あまりたれ下がりすぎて下につかえてゆらすことができない。(S) ☆対語 hawke ハウケ(声が)小さい、 (値段が)安い。 {E: ①to be violent; severe; strong; hard. ②to do…is severe, violent, etc.; to do…cruely, harshly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ruyanpe
- ルヤンペ 【名】[ruy-an-pe 激しい・ある・もの] ①嵐。 ruyanpe as ルヤンペ アㇱ 嵐になる/嵐である(「しける」)。 ruyanpe as yakka apto as yakka ルヤンペ アㇱ ヤッカ アㇷ゚ト アㇱ ヤッカ 嵐が吹いても雨が降っても(運動会はやるそうだ)。(W) ruyanpe ruy ルヤンペ ルイ 嵐が激しい(「しける」)。 upas ruyanpe ウパㇱ ルヤンペ 雪嵐=吹雪。 ②雨。 tanto ruyanpe an noyne síran タント ルヤンペ アン ノイネ シラン 今日は天気が悪い、 雨が降りそうだ。(W)(注 「もう降っているときは apto as kor an アㇷ゚ト アㇱ コラン、 降りそうだというときは ruyanpe an noyne ルヤンペ アン ノイネ と言う。(W))ranke núpe/ruyanpe kunne/i=kurkasike/ciorankekar ランケ ヌペ/ルヤンペ クンネ/イクㇽカシケ/チオランケカㇻ(鳥の姿になって飛んでいる夫が)落とす涙が雨のように私の上に降ってきた。(W神謡)(注 同じワテケさんが語った別の神謡では、 同様の場面で ruyaptosane ルヤㇷ゚トサネ と言っている。) ☆参考 地方によっては雨が降ることを ruyanpe as ルヤンペ アㇱ と言うが、 沙流地方の日常語ではただ雨が降るのは apto as アㇷ゚ト アㇱ と言い、 ruyanpe as ルヤンペ アㇱ は嵐やしけや吹雪のことを言う。 しかし ②の用例のように、 状況・文脈によって、 雨を ruyanpe ルヤンペ と言う場合もある。 {E: a storm.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sak 1
- サㇰ 【他動】①(名詞(目的語)の後に置かれて)…を持っていない、 …がない、 …を欠いている。 re ka sak mosir レ カ サㇰ モシㇼ 名前のない島。(S言い伝え) unu patek a=kor, ona a=sak no ウヌ パテㇰ アコㇿ、 オナ アサㇰ ノ 私には母だけがいて父がいなくて。(S民話) so ka sak ソ カ サㇰ 床に敷く敷物もない。(W民話) heyoki sak no ヘヨキ サㇰ ノ 遠慮しないで。(W神謡語り) nan ka sak sir ka sak ナン カ サㇰ シㇼ カ サㇰ (直訳すると)顔も持っていず様子(姿)も持っていない=顔も姿も美しくない(自分の娘のことをその結婚相手になってほしい人に向かって謙遜して言う言葉。 「しかし持参金を持たせるからもらって下さい」に似た表現がこれに続く)。(NK民話) ②(動詞のあとに置かれて、 慣用表現)いつも…しない。 ramupokiwen mosma hawean kor an sak hawe iki wa! ラムポキウェン モㇱマ ハウェアン コラン サㇰ ハウェ イキ ワ! いつもかわいそうだと言うことのほか何も言わないんだね。(S) ☆参考 目的語の名詞は概念形。 たとえば hon ka sak ホン カ サㇰ おなかがない。(W会話) 同じことを言うのに isam イサㇺ《ない》を使えば所属形を使って honihi ka isam ホニヒ カ イサㇺ (S会話) {E: to not have…; have lost…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sani
- サニ 【名】[所](概は san サン)[san-i 出る/出たもの・(所属語尾)]…の子、 …の子孫。 wenpe sani ウェンペ サニ 貧乏人の子(悪口、 ののしり)。 wenkur sani ウェンクㇽ サニ 貧乏人の子(悪口、 ののしり)。 nispa sani utarpa sani ne kusu pirka siri ニㇱパ サニ ウタㇻパ サニ ネ クス ピㇼカ シリ 偉人の子孫えらい人々の子孫だから栄えるのだ。 (「普通の話言葉ではない。」) (S) ☆参考 大勢の場合は san サン の複数形の sap サㇷ゚ が使われて、 sapi サピ となる。 sani サニ も sapi サピ も、 後に hi ヒ のついた形の例は出ていない。 ☆参考 悪口、 ののしりには sani サニ の代りに taype タイペ、 uype ウイペ も使われる。 ☆参考 sápikir サピキㇼ 子孫の系統、 子孫の総称。 sasini サシニ[雅](神の)子、 世継ぎ。 {E: a child, descendant of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Sar 3
- サㇻ 【名】[< sar 1葦原] [地名] ①沙流川(川の名)。 ②沙流川流域の地域。 Sar kotan サㇻ コタン 沙流川流域の地域(集落群のあるところ)。 Sar un kur サルン クㇽ 沙流の人、 沙流川流域の地域の人(住む人/出身の人)。 Sar un kur itak サルン クㇽ イタㇰ 沙流の人の言葉、 沙流方言。 ☆参考 北見の斜里川を Pinnesar ピンネサㇻ 男性のサラと言い、 これに対し日高の沙流川を Matnesar マッネサㇻ 女性のサラと言うことがある。 沙流川の昔の名称は Sísirmuka シシㇼムカ と言い、 これが正式の名称であるとも言われる。 {E: place name: ① the Saru River. ② the Saru River basin area.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Sari 1
- サリ 【名】[< sar-i 葦原・(所属語尾)][地名]北見の斜里。 ☆参考 アイヌ語古名 Mosirpasari モシㇼパサリ。 (出典:田村、方言:沙流)
- sat 1
- サッ 【自動】乾く、 乾いている。 sat cep サッ チェㇷ゚ 乾いた魚(=干し魚)、 sat kam サッ カㇺ 乾いた肉(=干し肉)。 to ka sat ト カ サッ 沼/湖も干上がる。 uwetusmak wa to ka sat kane cipta=an wa cip ani easir ka pekanpe-ewetusmak=an ウウェトゥㇱマㇰ ワ ト カ サッ カネ チㇷ゚タアン マ チパニ エアシㇼ カ ペカンペエウェトゥㇱマㇰアン 競い合って湖も乾くくらいに(=見えなくなるくらいに)舟をつくって舟でそれこそ菱の実を競い合って取った。 {E: to be dry.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sayo
- サヨ 【名】ゆるいおかゆ、 たくさんの水で煮たひえがゆ(口をつけて吸うほどの柔らかい液状)。 sayo kar サヨ カㇻ ゆるいおかゆを炊く。 ☆参考 固めのおかゆは sirarsayo シラㇻサヨ。 {E: thin, watery rice gruel, porridge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sayone
- サヨネ 【自動】[sayo-ne ゆるいおかゆ・である](おかゆやこねたものが)水分が多くてゆるい。 na ponno sayone tek no e=kar noyne an pe eytasa siratek ruwe an hi an! ナ ポンノ サヨネ テㇰ ノ エカン ノイネ アン ペ エイタサ シラテㇰ ルウェ アニ アン! もう少しゆるくすればよかったのにあんまりかたいねえ。(S) {E: (for rice gruel, kneaded dough etc.) to be thin, watery.} (出典:田村、方言:沙流)
- senneyaywa
- センネヤイワ 【副】本当に、 真実に。 tap opitta tumunci kamuy senneyaywa oriwak uske ne wa kusu sirki hi ne タㇷ゚ オピッタ トゥムンチ カムイ センネヤイワ オリワㇰ ウㇱケ ネ ワ クス シㇼキ ヒ ネ これはすべて鬼神が本当に住んでいたところだから起こったことだ。(W会話) {E: really; truly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- seru
- セル 【他動】…を吸い込む(息を吸う拍子に口の中へ入って来る)。 wen húra seru ウェン フラ セル 悪い匂いを吸い込む。(S) kikir ku=seru キキㇼ クセル 私は虫を吸い込んだ。(S) níyahurahene seru, asir tursak réra hene seru ニヤフラ ヘネ セル、 アシッ トゥㇽサㇰ レラ ヘネ セル 木の芽の匂いでも吸いなさい、 新鮮なきれいな空気でも吸いなさい。(S) {E: to breathe, suck in…} (出典:田村、方言:沙流)
- sések
- セセㇰ 【自動】①(ものが)熱い、 熱くなる、 温い、 温まる、 沸(わ)く。 sések sayo セセㇰ サヨ 熱いおかゆ。 sések kaspa wa ku=ku ka eaykap セセㇰ カㇱパ ワ クク カ エアイカㇷ゚ 熱すぎて(私は)飲めない。(S) tonpuri sések na ahupan トンプリ セセㇰ ナ アフパン おふろがわいたから入りなさい(ahupan アフパン は ahup yan アフㇷ゚ ヤン が続けて発音された形)。(W) úsey tane sések ウセイ タネ セセㇰ お湯がもうわいた。 ②(冷たいほうがよいものが)なまぬるい。 wakka keseke sések, kéra wen ワッカ ケセケ セセㇰ、 ケラ ウェン 水の飲み残しはなまぬるくて味が悪い。(S) ③(人が)暑い(暑く感じる)。 ku=sesek koyaywennukar クセセㇰ コヤイウェンヌカㇻ 私は暑くて苦しい。(W) ku=sesek humi! クセセㇰ フミ! 暑いなあ! ☆参考 天候に関して気温が高く暑いことを言うのには、 sir-sések シㇼセセㇰ [完動]が用いられる。 ☆参考 焼けつくようなひどい暑さを言う。 日本語東京方言等で「暑い」と言うような場合でもほどほどの暑さであれば popke ポㇷ゚ケ [自動]/sir-popke シㇼポㇷ゚ケ [完動] が使われる。 ☆参考 nam ナㇺ ぬるい、 冷たい。 meman メマン 涼しい。 mérayke メライケ 寒い。 {E: ① (for things) to be hot; warm; boiled. ② (for someone) to be, feel hot.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- seske
- セㇱケ 【他動】①…をふさぐ、 …をおおう(見えないようにふさぐ)、 (窓や出入口)を閉じる(すだれ等の場合)。 ② ☞esirutumka seske エシルトゥㇺカ セㇱケ ☆参考 引き戸式の窓や戸、 ふすま、 ガラス戸やドアをしめることは asi アシ。 {E: to close, cover…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- setakko
- セタッコ 【副】[setak-ko ほんの短い間・(反語的意味の副詞を形成する接尾辞)]ずいぶん長い間。 setakko soy ta e=an hi ka k=éramiskari セタッコ ソイ タ エアニ カ ケラミㇱカリ ずいぶん長い間あなたが外にいたとは私は知らなかった。(S) sóyonpa wa ora setakko síran pe na ape us ka somo ki ソヨンパ ワ オラ セタッコ シラン ペ ナ アペ ウㇱ カ ソモ キ 外出してからずいぶん長くたったのにまだ火が消えていない。(S) {E: for quite a long time.} (出典:田村、方言:沙流)
- si-…-re/-te/-e 1
- シ…レ/テ/エ 【接頭辞…接尾辞】(自動詞の使役形に si- シ が接頭して)…した/しているふりをする。 ray ライ 死ぬ;sirayre シライレ [si-ray-re 自分・死ぬ・させる]死んだふりをする(yayrayke ヤイライケ は[yay-ray-ke 自分・死ぬ・させる(他動詞化)]自殺する)。 ponpe ポンペ 赤ちゃん;ne ネ である;siponpenere シポンペネレ [si-ponpe-ne-re 自分を・赤ちゃん・になる・させる]甘える。 (出典:田村、方言:沙流)
- sikatkore
- シカッコレ 【他動】[si-kat-kor-e 自分・あり方・を持つ・させる](悪いものが)…を誘惑する(?)/連れ出す(?)。 hunak un sikatkore wa tura ruwe an un? フナクン シカッコレ ワ トゥラ ルウェ アヌン? (あの悪い子がうちの子を)どこへまた引っぱり出して行ったろう。(S) ☆参考 siren シレン …を誘う。 tura トゥラ …と一緒に行く/来る。 {E: (for a bad person) to lure away.} (出典:田村、方言:沙流)
- sikiru
- シキル 【自動】[単](複は sikirpa シキㇼパ)[si-kiru 自分・を回す](…の方へ)向く、 向きなおる、 向きを変える、 (…の方へ)向かう、 死後の国へ行く。 sisenpir unno án=an kor sikiru=an kor cís=an kor シセンピルンノ アナン コㇿ シキルアン コㇿ チサン コㇿ 私は陰の方を向いて後ろ向きになって泣きながら。(W民話) kamuy nis ka un sikiru=an oasi siri ne na カムイ ニㇱ カ ウン シキルアン オアシ シリ ネ ナ 私は天の神の国へ帰っていくところなのだよ。(W神謡語り) {E: to face; turn (towards); change directions.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siknumi(hi)
- シㇰヌミ(ヒ) 【名】[所](概は siknum シㇰヌㇺ)…の目玉。 siknumi soyta hetke anki an シㇰヌミ ソイタ ヘッケ アンキ アン (あの人は)目玉が外へ今にも飛び出しそうだ。 siknumi pirka, inkar siri pirka シㇰヌミ ピㇼカ、 インカㇻ シリ ピㇼカ 目がパッチリしていて目つきも利口そうだ。(S) {E: the eyeballs of….} (出典:田村、方言:沙流)
- sikopayar
- シコパヤㇻ 【他動】[si-kopa-yar 自分・…を…とまちがえる・人にさせる] …によく似ている、 まるで…のようだ、 …のふりをする。 cituye mosir sikopayar poro rokuntew チトゥイェ モシㇼ シコパヤㇻ ポロ ロクンテウ まるで離れ島のような大きな客船。(S) husko an pe sikopayar フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ [慣用句]その間に何もしなかったようなふりをしてそ知らぬ顔をしている。(W民話) ahunporu sikopayar pe hemanta an? アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン? あの世の入口の洞穴にそっくりのものはなあに(なぞなぞで、 答えは etupuyke エトゥプイケ 鼻のあな)。(W会話) {E: to resemble…; pretend to be…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sikurpokuyruke
- シクㇽポクイルケ 【他動】[si-kurpok-uyruke 自分・の下側・につける] …を服従させる。 a=kor mosir a=sikúrpokuyruke アコㇿ モシㇼ アシクㇽポクイルケ 私たちの国(日本)は負けたのだから何を言われても文句言えない(勝った国の命令に従わなければならない)。(S) {E: to make…obey.} (出典:田村、方言:沙流)
- simoye
- シモイェ 【自動】[si-moye 自分・を動かす] 働く。 hemanta ene simoye siri an! ヘマンタ エネ シモイェ シリ アン!なんとまあよく働くもんだねえ。 (S) ☆参考 働くことを表すいろいろな語については ☞nepke ネㇷ゚キ {E: to work.} (出典:田村、方言:沙流)
- sin-ruppuni
- シンルップニ ☞sir-ruppuni シンルップニ (出典:田村、方言:沙流)
- sin-rupus
- シンルプㇱ ☞sir-rupus シンルプㇱ (出典:田村、方言:沙流)
- sincicup
- シンチチュㇷ゚ 【名】[sin(< sir(?))-ci-cup あたり・焼ける・月](?) [古](月の名)5月。 te wano sir-popke na sekor a=ye cup kusu sincicup テ ワノ シㇼポㇷ゚ケ ナ セコライェ チュㇷ゚ クス シンチチュㇷ゚ これから暖かくなるからねと言う月のために シンチチュㇷ゚ (月の名を説明している)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
- sinnaramu
- シンナラム 【他動】[sinna-ramu 別に・…を思う] …を差別扱いする(よいほうにでなく悪いほうに、 他の人と違う扱いをする)。 a=en=sinnaramu アエンシンナラム 私は「別扱い」された。(S) a=i=sínnaramu siri ku=ruska p un アイシンナラム シリ クルㇱカプン(一緒に招待された中で私たちだけが「下膳(しもぜん)」の方に座らされたので)私たちが差別扱いされたことで私は怒っているのよ。(S) {E: to discriminate against…} (出典:田村、方言:沙流)
- sinnaynaye
- シンナイナイェ 【自動】[sir-nay-nay-e あたり・にすじをつける(語根)・(重複)・(他動詞形成)] あたり一面にたくさんのすじをつける(用例では、 紙の上に字を書くことを表現している)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sinnaynaye
- シンナイナイェ 【sir-nay-nay-e】 大地に絵を描くこと,堅くなった土に文字を書き,それを柔らかい土で隠す土遊びの類い. *昭和10年前後,アイヌの子供たちで,字隠しという言い方で遊んだものであった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sinne
- シンネ 【後副】[sir-ne あたり/様子・である/になる][雅](次の文脈で)…になって。 kamuy sinne/pito sinne カムイ シンネ/ピト シンネ (鳥が矢を受けて死んで)神になって。 (W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
- sinninup
- シンニヌㇷ゚ 【sir-ninu-p】 大地を縫うもの,ござピン:シンケㇷ゚(ハギ)製. 図[シンニヌㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
- sinnisatta
- シンニサッタ 【sir-nisatta】 明日になる,翌日になる. ▷シㇼ=あたり ニサッタ=明日に(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sinnoski
- シンノㇱキ 【位名】[sir-noski あたり・の真ん中](部屋などの)真ん中の方。 {E: towards the middle, centre (of a room etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
- sinnurappa
- シンヌラッパ 【自動】[sir-nurappa 祖先(この場合 sinrit シンリッ を指す)・をまつる] 先祖まつりをする、 先祖のために儀式をし供物をまいて(供えて)供養する。 {E: to carry out a ceremony for one's ancestors.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sinpuy
- シンプイ 【名】[sin-puy 地(< sir シリ)(?)・孔] 井戸、 湧き水の出る穴。 {E: a well.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sinpuy
- シンプイ 【sir-puy】 泉,湧き水,井戸.▷シㇼ=大地 プイ=穴 →水は大地の穴から湧いている (出典:萱野、方言:沙流)
- sinre
- シンレ 【名】[sir-re 地・名前] 地名。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sinrit 1
- シンリッ 【名】[概](所は sinrici(hi) シンリチ(ヒ))[sir-rit 地・すじ][植物]根(木の根や草の根)。 ☆参考 大根や人参のような食べられる根のことは言わない。 〔知分類 p.283〕 {E: roots.} (出典:田村、方言:沙流)
- sinrit 2
- シンリッ 【名】[概](所は sinrici(hi) シンリチ(ヒ))[sir-rit 地・すじ] ①先祖。 sinrit koycarpa シンリッ コイチャㇻパ 先祖を供養する。 ②一族(先祖も、 子孫も含めて家全体)。 yaykata anak nep ka ku=kar somo ki yakka kú=ipe easkay korka sinrit ku=ramu wa nen póka kú=ikasuy siri un ヤイカタ アナㇰ ネㇷ゚ カ クカㇻ ソモ キ ヤッカ クイペ エアㇱカイ コㇿカ シンリッ クラム ワ ネン ポカ クイカスイ シリ ウン 自分は(私自身は)何もしないでも食べられるけれど一族を思って何とか手助け(=協力)しているのだよ。(S) {E: one's family clan, ancestors.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sinrit(c-i)
- シンリッ §013.先祖;祖先(1)sinrit(c-i)〔šín-rit しンリッ〕⦅H.⦆①祖先。②祖父、祖母。③親。e-〜-utari「汝の親たち」(ユ研Ⅱ, p.735)。[もと植物の・‘根'・の義;<sir(大地)+rit(腱)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- sinrupuskap
- シンルプㇱカㇷ゚ 【sir-rupus-ka-p】 大地を凍らせる雨. (出典:萱野、方言:沙流)
- sinrus
- シンルㇱ 【名】[sir-rus 地・毛皮](地面の)こけ(苔)。 sinrus us シンルㇱ ウㇱ コケが生える。 pira kotor (suma kasi/cikuni kasi) sinrus us wa an ピラ コトㇿ (スマ カシ/チクニ カシ) シンルㇱ ウㇱ ワ アン 崖面(石の上/木の上)にコケが生えている。 〔知分類 p.244〕 {E: moss.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sinrus
- シンルㇱ 【sir-rus】 苔. (出典:萱野、方言:沙流)
- sinrus
- シンルㇱ §435 コケ(蘚苔並びに地衣)類の総名 (1) sinrus (sín-rus)「しンルㇱ」[sir(地)rus(衣)] ⦅北海道全地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
- sipusu
- シプス 【自動】[si-pusu 自分・を出す](ものが)現れ出る、 見えない所からとび出す、 (地中から)出てくる、 (水の中から)浮き上がる。 ésir toysas toytoy ka ta sipusu エシㇼ トイサㇱ トイトイ カ タ シプス 今朝土ヒルが地面の上に出た。(S) néa cúkopoyepoye uske osma, oraun sipusu kor orperere ネア チュコポイェポイェ ウㇱケ オㇱマ、 オラウン シプス コㇿ オㇿペレレ (悪い熊は)例の渦巻いている所に落ち、 それから浮いてくるとウォーと大声をあげた。(KK民話) ☆参考 yaypusu ヤイプス [自分・を出す] は、 水中にもぐっていた人が自分で手足を動かして浮いてくることを言う。 sipusu シプス はものがひとりでに浮き上がってくること。 {E: to appear; come into view; float up; come out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sisakpeka-opas
- シサㇰペカオパㇱ 【自動】[sisak-pe-kaopas めずらしい・もの・のところへかけつける] めずらしいものがとれたというので手伝いに行く。 sirkap a=rayke yak a=ye wa ku=sisakpekaopas, somo eani hem e=san wa e=inkar? シㇼカㇷ゚ アライケ ヤカイェ ワ クシサㇰペカオパㇱ、 ソモ エアニ ヘㇺ エサン マ エインカㇻ? ツノザメがとれたと言うので(私は)行って手伝ってあげるのよ、 あなたも行ってみない? (S) ☞ka(si) opas カ(シ) オパㇱ {E: to go help as one heard something rare was caught; to go help with something unusual that has been caught.} (出典:田村、方言:沙流)
- sísam 1
- シサㇺ 【名】[sí-sam 主な・そば/となり(の人)]日本人(和人)(「シャモ」)(アイヌ民族でも他の少数民族でもない日本人の多数民族を指す名称)。 sísam mosir シサㇺ モシㇼ 和人の住んでいる土地(しばしば本州を指す)。 sísam itak シサㇺ イタㇰ/シサミタㇰ 日本語。 sísam úsey シサㇺ ウセイ [和人・飲用の湯] 和人の飲む湯(「お茶」の訳語として出た)。 húre sísam フレ シサㇺ [赤い・隣国人] 西洋人(「赤毛の人」の意味)。(W) ☆参考 sisam シサㇺ《自分のそば》とはアクセントが違う。 {E: the Ainu term for the Japanese.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siscipi(-an)
- シㇱチピ §175.顔を洗う;洗面する;洗顔する(5)siscipi(-an)〔šíš-či-pi しㇱチピ〕[sis(<sir 面)+cup-i(ジャブッと言わせる、水で洗う)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- sitcasnatara
- シッチャㇱナタラ ☞sir-casnatara シッチャㇱナタラ (出典:田村、方言:沙流)
- sitcasnure
- シッチャㇱヌレ ☞sir-casnure シッチャㇱヌレ (出典:田村、方言:沙流)
- sitcasnure
- シッチャㇱヌレ 【sir-casnure】 掃除する,片づける,きれいにする. ソンノ イヨーハイ ヤイェシンニューケㇱ ペ ネ クス シッチャㇱヌレ カ ソモ キ オトイセル オムンセル ワ アン.イオッセレケレ=本当にあきれたよ,だらしないものだから掃除もしないで土けむりにむせ,ごみにむせている,たまげたものだ.ソンノ ク・コㇿ オペㇾ ケライ カッケマッ エ・ネ オアシ クス イランマカカ エ・シッチャㇱヌレ エアㇱカイ シリ=ああ孫娘よ,さすがに淑女になるであろうからすっかり掃除をするのが上手なこと(私の祖母は私の姉にそう言ってほめていたものであった). (出典:萱野、方言:沙流)
- sitcatcari
- シッチャッチャリ 【sir-car-cari】 散らかす. (出典:萱野、方言:沙流)
- sitcikewrototo
- シッチケウロトト ☞sir-cikewrototo シッチケウロトト (出典:田村、方言:沙流)
- sitcikisokiso
- シッチキソキソ ☞sir-cikisokiso シッチキソキソ (出典:田村、方言:沙流)
- sitcininanina
- シッチニナニナ 【sir-ci-nina-nina】 あたりをこちゃこちゃにする. カパㇻウパㇱ カ タ イセポ アピㇼ シッチニナニナ ワ アン カアリアナクス(カアリ・アン アクス) シネ イセポ ア・オシコニ=さっと降った雪の上にウサギの足跡がこちやこちやあったので罠をかけたらウサギ1匹獲ることができた.エイタサ イウォㇿ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォㇿ ホタヌカㇻ クス エキㇺネ・アン キムンペ アピㇼ シッチニナニナ ア・エヤイコプンテㇰ=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場を見舞うために山へ行くと獲物の足跡があたり一面にこちゃこちゃとあって私は喜んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- sitcire
- シッチレ 【自動】[sír-ci-re 地/あたり・焼ける・させる](ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公である神の子の呼び名の一部。) ☞Kotan-sitcire コタンシッチレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sitcirimnure
- シッチリㇺヌレ 【sir-ci-rim-nu-re】 あたりに響き渡る. (出典:萱野、方言:沙流)
- sitciturimeta
- シッチトゥリメタ ☞sir-citurimeta シッチトゥリメタ (出典:田村、方言:沙流)
- sitcopopatki
- シッチョポパッキ ☞sir-copopatki シッチョポパッキ (出典:田村、方言:沙流)
- sitcuk
- シッチュㇰ ☞sir-cuk シッチュㇰ (出典:田村、方言:沙流)
- sitcuk
- シッチュㇰ 【sir-cuk】 秋(になる). →シㇼチュㇰ (出典:萱野、方言:沙流)
- sitomusi
- シトムシ 【他動】[si-tom-usi 自分・の体のまん中・…に…をつける](山刀など)を腰につける。 tasiro sitomusi kane an タシロ シトムシ カネ アン 山刀を腰につけている。 ☆参考 刀剣は、 昔は腰に差すのでなくひもで肩から斜めにかけてつるした。 {E: to wear (a sword at one's side).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sittap
- シッタㇷ゚ 【sir-ta-p】 踏み鋤:カリンパニ(サクラ)で作る. 図[シッタㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
- sittap
- シッタㇷ゚ 【sir-ta-p】 大地を耕す物:右手に持ってトゥレㇷ゚タ(ウバユリ掘り)やアハ(土豆)などを掘る道具.材料は鹿の角またはイタヤ,アオダモなど堅い木を用いる.足で踏む鍬の役目の物もあるが,同じくシッタㇷ゚という.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- sittaratarak
- シッタラタラㇰ ☞sir-taratarak シㇼタラタラㇰ (出典:田村、方言:沙流)
- sitteksam
- シッテㇰサㇺ 【位名】[sir-teksam 地・の横] 海岸沿いの所、 沿岸地域。 {E: a place along the seashore; a coastal area.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sitteksamkor
- シッテㇰサㇺコㇿ 【自動】[sir-teksam-kor 地・の横・を持つ] 海岸づたいに進む/行く/来る。 {E: to go, come along the coastline.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sittemraypa
- シッテㇺライパ 【自動】[複](単は未出)[sir-tem-raypa あたり・腕・を移動させる[複]] 手さぐりする。 {E: to grope, feel one's way when the ground is slippery after rain.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sittemraypa
- シッテㇺライパ 【sir-tem-raypa】 手探り(する).▷シㇼ=あたり テㇺ=手 ライパ=撫でる シㇼテㇺライパがシッテㇺライパになる (出典:萱野、方言:沙流)
- sittenatenak
- シッテナテナㇰ ☞sir-tenatenak シㇼテナテナㇰ (出典:田村、方言:沙流)
- sitteske
- シッテㇱケ ☞sir-teske シッテㇱケ (出典:田村、方言:沙流)
- sitteske
- シッテㇱケ 【sir-teske】 あたりが滑る,凍っていて滑る. (出典:萱野、方言:沙流)
- sittok
- シットㇰ 【名】[概](所は sittoki(hi) シットキ(ヒ))[sir-tok あたり・突き出ている(もの)] ひじ。 {E: the elbows.} (出典:田村、方言:沙流)
- sittok(-i)
- シットㇰ §650.ひじ(肘)(1)sittok(-i)〔šít-tok しットク〕[<sir(何となく目の前の物を指す)+tok(突起物)>⦅H. 一般;S. タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- síttókap
- シットカㇷ゚ ☞sir-tókap シットカㇷ゚ (出典:田村、方言:沙流)
- sittokap
- シットカㇷ゚ 【sir-tokap】 昼(になる). (出典:萱野、方言:沙流)
- síttókes
- シットケㇱ ☞sir-tókes シットケㇱ (出典:田村、方言:沙流)
- sittomotuye
- シットモトゥイェ 【自動】[sir-tomotuye 地・を横切る] まっすぐ/一直線に行く/来る。(S) {E: to go, come in a straight line.} (出典:田村、方言:沙流)
- sittososo
- シットソソ 【sir-tososo】 騒々しい,やかましい:物音をたててうるさい. (出典:萱野、方言:沙流)
- síttoyárekurok
- シットヤレクロㇰ ☞sir-toyarekurok シットヤレクロㇰ (出典:田村、方言:沙流)
- sittumpeker
- シットゥンペケㇾ 【sir-tum-peker】 夜明け.▷シㇼ=あたり トゥㇺ=中 ペケㇾ=明るい →あたりの中が少し明るくなった (出典:萱野、方言:沙流)
- sittumupeker
- シットゥムペケㇾ ☞sir-tumu-peker シットゥムペケㇾ (出典:田村、方言:沙流)
- sitturaynu
- シットゥライヌ 【自動】[sir-turaynu 地/あたり・を見失う] 道に迷う。 {E: to lose one's way; get lost.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sitturaynu
- シットゥライヌ 【sir-turaynu】 迷う:道に迷う. シネ シトゥ チャッカリ(チ・アッカリ).オロワノ シットゥライヌ・アㇱ ヤアニ ヤアニ リトゥㇽオレウシ・アン クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ イワㇰ・アㇱ エアㇱカイ=ひとつの峰を私たちは過ぎた.それから道に迷い,危なく危なく途中で泊まるかなーと思ったけれども,帰ることができた. (出典:萱野、方言:沙流)
- sitturpaotuy
- シットゥㇽパオトゥイ ☞sir-turpaotuy シットゥㇽパオトゥィ (出典:田村、方言:沙流)
- sittuyma
- シットゥイマ 【sir-tuyma】 遠い. (出典:萱野、方言:沙流)
- siwenpa
- シウェンパ 【名】[si-wen-pa 本当に・悪い・口](?) (次の慣用表現で)叱責、 叱りつける言葉。 otu siwenpa/ore siwenpa/esirotatpa オトゥ シウェンパ/オレ シウェンパ/エシロタッパ [雅]姉は、 何回も何回も叱りつけおこりつけて。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siyapkere
- シヤㇷ゚ケレ §038.やもめ(11)siyapkere〔ši-jap-ke-re シヤㇷ゚ケレ〕⦅ホロべツ⦆死者の家族がyayciste sirosi(喪に服している印)に髪の毛を切ること。葬式がすんで山から帰って来ていったん泣いて、それから妻は丸坊主になり、近親から順に少しずつ髪を切る。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- siyeye
- シイェイェ 【自動】①病気になる、 病気である。 siyeye wa an yak a=ye シイェイェ ワ アン ヤカイェ 病気だったそうだ。(S) siyeye utar oka kor motoho ye シイェイェ ウタㇻ オカ コㇿ モトホ イェ 彼は病気の人々がいるとその原因を言い当てた。(NK民話) ②(名詞として)病気。 e=sanpe a=e yak easir a=kor siyeye pirka sekor hawean híne エサンペ アエ ヤㇰ エアシㇼ アコㇿ シイェイェ ピㇼカ セコㇿ ハウェアン ヒネ あなたの心臓を食べなければ私の病気はよくなりませんと言って。(S民話) hem tasum hem siyeye a=ki wa ヘㇺ タスㇺ ヘㇺ シイェイェ アキ ワ 病気になったり病にかかったりして(身の上話型の民話の終りの方で、 もう死が近いことを言う場面によく出てくる表現)。(W民話) ☆参考 tasum タスㇺ も同義。 siyeye シイェイェ も tasum タスㇺ もほぼ同じように使われ、 これといった意味の違いがあるかどうか不明。 ただ、 ワテケさんとサダモさんの会話の中では、 tasum タスㇺ ばかりが使われている。 {E: ① to get, be sick, ill. ② a sickness; an illness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- siyusacari
- シユサチャリ 【自動】[si-y-usa-cari 自分・(挿入音)・バラバラに・…を散らす] 散らばる。 toop repun mosir wa cípo he ne ya nep o wa siyusacari p aynu ne wa トオㇷ゚ レプン モシㇼ ワ チポ ヘ ネ ヤ ネㇷ゚ オ ワ シユサチャリㇷ゚ アイヌ ネ ワ アイヌははるか海の向こうの島から舟に乗ってか何かに乗って来てあちこちに散らばったので。(S言い伝え) {E: to be scattered, disordered.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sokisoki
- ソキソキ 【他動】(ネズミが)かじって音を立てる。 ☞sir-sokisoki シㇼソキソキ {E: the sound made by (a mouse) gnawing on something.} (出典:田村、方言:沙流)
- sonkaci
- ソンカチ 【名】[< 日本語] 正月。 ☆参考 asirpa アシㇼパ 新年。 towetanne トウェタンネ 1月。 inomito イノミト 元日。 {E: New Year.} (出典:田村、方言:沙流)
- sorekusu
- ソレクス 【副】[sore-kusu それ(日本語)・こそ] それこそ(程度のすごいことを言うとき、 それを導くためにその表現の前に置かれる語の一つ)。 ☆参考 同様の文脈でよく使われる easir エアシㇼ は、 アイヌ語本来の語で、 この語を古老はよく「それこそ」と訳している。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- soteskao
- ソテㇱカオ 【自動】[so-tes-ka-o 敷物(を敷いた床)・(ござを編むことを表す語根)・の上・に置く](?) 敷物(ござ)を編む。 móse=an wa orano easir soteskao=an a an a モセアン マ オラノ エアシㇼ ソテㇱカオアナ アナ 私はヨシを刈ってそれからござを次々にたくさん編んで。(W民話) ☆参考 ござを編むことを通常は itese イテセ と言い、 ござ編みの道具は iteseni イテセニ と言う。 {E: to make, weave matting.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- soywasamma
- ソイワサンマ 【副】[soy-wa-sam-wa 外・の・側・へ][雅](次の慣用表現の中で)(家などから)外へ。 soywasamma/osiraypa ソイワサンマ/オシライパ [雅](父神は)(家/城の中から)外に出た。(W神謡語り) soywasamma/an=osíraye ソイワサンマ/アノシライェ [雅](私は)(城から)外へ出た。(Sユーカラ) {E: out, outside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sum 1
- スㇺ 【自動】[< しぼむことを表す語根]不作である。 tanpa anakne nonno ka sum, a=etóyta p ka sum タンパ アナㇰネ ノンノ カ スㇺ、 アエトイタㇷ゚ カ スㇺ 今年は花のできも悪いし畑のものも不作だ。(S) sir-sum シㇼスㇺ 不作である(田も畑も全部一般的に)。 {E: to have a bad harvest, crop.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- suma
- スマ 【名】石。 ☆参考 大きな石(岩)は sirar シラㇻ、 小石は pi ピ、 ござを編むためのおもりの石は pit ピッ。 {E: stone; rock.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- Susuranpeci
- ススランペチ 【名】[susu-ran-peci 柳の葉・落ちる・川[所]][固有名]天界(kantorimosir カントリモシㇼ)にある川の名。(W) (S) (出典:田村、方言:沙流)
- suy 1
- スイ 【名】穴(土の中の穴、 壁や垣根にあいた穴、 概して丸い)。 ermu suy/ermusuy エㇽムスイ ネズミの穴。(S) cikappo suy チカッポ スイ 小鳥の巣穴。(S) suy kar スイ カㇻ [穴・をつくる] 穴を掘る。 ye p néno nispa opitta iki híne, poro suy kar, sirowri rok sirowri rok wa イェㇷ゚ ネノ ニㇱパ オピッタ イキ ヒネ、 ポロ スイ カㇻ、 シロウリ ロㇰ シロウリ ロㇰ ワ 男の方々は皆で言われたとおりにして、 大きな穴をつくった、 土を掘って掘って。(W民話) suy or un hácir スヨルン ハチㇼ 穴に落ちる。 suy omare スイ オマレ (そこ)に穴をあける。 a=nisapka wa a=sirkootke a=kaciw pe ne kusu noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu アニサㇷ゚カ ワ アシㇼコオッケ アカチウ ペ ネ クス ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルㇱカ クス 不意を突かれてグサッと槍を投げられて刺されたので額(ひたい)に大きな穴をあけられたことに腹が立ったから。(S会話) suy or omare スヨㇿ オマレ …を穴に入れる。 suy par ta スイ パッタ 穴の口に。 suy párur ta スイ パルッタ 穴の縁(ふち)に。 管のあな(孔)や水やものを通す細いあなや何かのすきまは puy プイ という別語で表される。 suy スイ は「ほらあな」の訳語としても出たが、 ほらあなを表すには別に póru ポル という語がある。 {E: a hole; an opening.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ta 3
- タ 【副】ここに、 ほらここに、 これ。 ta a=kotánu ta ka oka タ アコタヌ タ カ オカ ほらここに、 私たちの村にもある。(W会話) usa aep ka porono ta ene poronno a=kor ruwe oka ウサ アエㇷ゚ カ ポロノ タ エネ ポロンノ アコン ルウェ オカ いろいろ食べ物もたくさん、 ほらこのとおり私たちはたくさん持っている。(S民話) “kem ohownu wa en=kore” “ta, k=óhownu wa” 「ケㇺ オホウヌ ワ エンコレ」「タ、 コホウヌ ワ」 「針に糸を通してちょうだい」「ほら、 通したよ。」 (S) ésir ne hike ka pirka a korka ta po hene pirka エシン ネ ヒケ カ ピㇼカ ア コㇿカ タ ポ ヘネ ピㇼカ さっきのもよかったけれどこれはなおいい。(S) {E: here; this.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ta 4
- タ 【格助】①(空間的・時間的位置を示す副詞句をつくる。)…に、 …で。 Piratur ta ピラトゥッ タ 平取に/で。 a=kor mosir ta a=kar easkay アコㇿ モシッタ アカㇻ エアㇱカイ わが国でつくれる。(S) kotan eepak ta en=etunankar コタン エエパㇰ タ エネトゥナンカㇻ (彼は私に)部落のはずれで出会った。(S) ta a=kotanu ta ka oka タ アコタヌ タ カ オカ ほらここに、 私たちの村(地域)にもある。(W会話) te ta テ タ ここに/ここで。 taan ta タアン タ ☞taanta タアンタ uweepak ta ウウェエパㇰ タ ☞uweepakta ウウェエパㇰ sine an ta シネ アン タ ☞sineanta シネアンタ sine an pe ta シネ アン ペ タ あるとき。 sine an pa ta シネ アン パ タ ある年。 hi ta ヒ タ …したときに。 ②(連体的に使われて) te ta X húci テ タ X フチ ここのXおばあちゃま(特定のフチの場合に言う。 一般的に言う場合は te un húci テ ウン フチ と言う(☞un ウン)。(S) te ta poysisam テ タ ポイシサㇺ ここの(うちの)小さい和人。(S民話) aw ta pon weysisam アウ タ ポウ ウェイシサㇺ となりの小さい貧乏和人。(S民話) {E: locative in space and time: in, at etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- takse
- タㇰセ 【自動】[tak-se 塊・(自動詞形成)]大きい(石や岩)。 takse suma タㇰセ スマ 大きな石。 takse sirar タㇰセ シラㇻ 大きな岩。 ☆参考 原義は《大きな塊をなす》であろう。 ☆参考 takne タㇰネ は《短い》。 {E: large (for rocks, stones).} (出典:田村、方言:沙流)
- tan
- タン 【連体】[< ta-an ここに・ある]この、 自分が手に持っている(ものなど)、 自分が今いる(村など)。 tan mosir タン モシㇼ この国。 tan cup タン チュㇷ゚ 今月。 tan pa タン パ 今年。 tan pe タン ペ このもの=これ。 tan onuman タノヌマン この夕方=今夕。 tan uske タヌㇱケ この場所=ここ。 tan uske ta amam k=étoyta タン ウㇱケ タ アマㇺ ケトイタ 私はここに稲をつくる。(S) tan a=kor hekaci タン アコㇿ ヘカチ この私の少年=いいかい(聞きなさい)ぼうや…。 tan rikna wa タン リㇰナ ワ この上の方から(=こう、 高い所から…)。 tan te ta タン テ タ ここに、 ほかならぬここに。 tan te ta an wa an rápokke ta a=hunára kor síran タン テ タ アン マ アン ラポッケ タ アフナラ コㇿ シラン ここにあったのを知らないでさがしていた。(S) tan tepo ta タン テポ タ [tan-te-po-ta この・ここ・指小辞・に] ついここに、 すぐここに。 tan tépo ta a wa an pe yayhawesina wa an タン テポ タ ア ワ アン ペ ヤイハウェシナ ワ アン (彼は)ついここに座っていたのに声も出さないでいたんだね。(S) tan te pakno タン テ パㇰノ [雅] 今まで。 ☆参考 自分のすぐ近くにあるものを言い表すには taan タアン《ここにある、 この》を用いる。 離れた所のものを言うには toan トアン《その、 あの》、 toon トオン《あの、 遠くの》を用いる。 {E: here; this.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tap 1
- タㇷ゚ 【名】①これ、 このこと。 tap a=ye kuni tónon-sukus ne humi as タㇷ゚ アイェ クニ トノンスクㇱ ネ フミ アㇱ これを言うのが昼の凪(なぎ)だなあ。(S) a=macíhi ne/a=kar yakne/tap easir/upak siretok ne/ukor=an ruwe ne p sekor アマチヒ ネ/アカㇻ ヤㇰネ/タㇷ゚ エアシㇼ/ウパㇰ シレトㇰ ネ/ウコラン ルウェ ネㇷ゚ セコㇿ [雅]…私の妻にするのに。 そうすればそれこそそろって美しく立派な夫婦になるのにと。(Sユーカラ語り) ②この/そのとき。 tap oro wano タㇷ゚ オロ ワノ それからは。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- taratarak
- タラタラㇰ 【自動】[taratara-k (擬態重複)・(自動詞形成)](土地が)デコボコである。 ☞sir-taratarak (出典:田村、方言:沙流)
- tek 2
- テㇰ 【助動】①(動詞の後に置かれて)ちょっと…する(短時間、 瞬間に、 軽く)。 k=oyra tek コイラ テㇰ (私は)ちょっと忘れた、 ど忘れした。 terke tek テㇾケ テㇰ ピョンととんだ。 kasi k=éoma wa ku=yaysinire tek カシ ケオマ ワ クヤイシニレ テㇰ (私は)(これに)もたれてちょっと休む。(S) ponno síran tek kor ポンノ シラン テㇰ コㇿ 少したったら。 aptokar ayne retar tek アㇷ゚トカㇻ アイネ レタッテㇰ 雨に当たって当たってちょっと白ぽっくなった。(S) ②(副詞句の後に置かれて)ちょっと…。 eytasa poronno ne, na ponno tek ka omare エイタサ ポロンノ ネ、 ナ ポンノ テㇰ カ オマレ あまりたくさんだ、 もっと少なめに入れなさい。(S) a=kotánu pánake ta tek アコタヌ パナケ タ テㇰ 私の村のちょっと川下寄りに。(W民話) na mak ta tek anu ナ マㇰ タ テㇰ アヌ もう少し火から離しておきなさい。(S) {E: ①to do…for a moment, while; briefly. ②just a little; slightly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tekkes
- テッケㇱ 【名】[tek-kes 手・の末端] 補い。 asinpe tekkes ne アシンペ テッケㇱ ネ 償い物の補いとして。 néa menokopo asinpe tekkes ne apkaste kuni ne manu p a=yupíhi sirehawekoyki ruwe ne ネア メノコポ アシンペ テッケㇱ ネ アㇷ゚カㇱテ クニ ネ マヌㇷ゚ アユピヒ シレハウェコイキ ルウェ ネ その娘を償い物の補いとして(自分たちと一緒に)行かせるようにということを兄は激しく叱りつけながら言った。(NK民話) {E: compensation.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- teksama(ha)
- テㇰサマ(ハ) 【位名】[所](概は teksam テㇰサㇺ) ①…の横/脇、 その横/脇。 ②[雅]…のすぐそば。 i=teksama ta/cisiruture イテㇰサマ タ/チシルトゥレ [雅]私のそばに寄って来た。(Sユーカラ) kamuy menoko/teksama ta カムイ メノコ/テㇰサマ タ [雅]女神のすぐそばに。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tenatenak
- テナテナㇰ 【自動】[tenatena-k (擬態重複)・(自動詞形成)] (地面が)ツルツルすべる。 ☞sir-tenatenak シッテナテナㇰ (出典:田村、方言:沙流)
- tepo
- テポ 【位名】[te-po ここ・(指小辞)](次の語の中で)ちょうどここ、 自分のすぐ近く。 tan tepo ta タン テポ タ ついここに、 すぐここに。 tan tepo ta/i=teksama ta/cisiruture タン テポ タ/イテㇰサマ タ/チシルトゥレ [雅]すぐ近くに私のそばに寄って来た。(Sユーカラ) tap tepo ta タㇷ゚ テポ タ いまここに。(W神謡) {E: near oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- teske 2
- テㇱケ 【自動】[tes-ke (擬態の語根)・(自動詞形成)](地面が凍って)すべる。 ☞sir-teske シッテシケ (出典:田村、方言:沙流)
- tókap
- トカㇷ゚ 【名/副】[to-kap 日・(?)] ①昼間、 昼。 tane tókap an noyne タネ トカㇷ゚ アン ノイネ もうお昼ごろらしい。(W) kunneywa an kor tókap an kor onuman an kor クンネイワ アン コㇿ トカㇷ゚ アン コㇿ オヌマン アン コㇿ 朝ごとに昼ごとに晩ごとに=毎朝毎昼毎晩。(S会話) tókap cup トカㇷ゚ チュㇷ゚ ☞tókapcup トカㇷ゚チュㇷ゚。 tókap heporap トカㇷ゚ ヘポラㇷ゚ ☞tókapheporap トカㇷ゚ヘポラㇷ゚。 tókap ipe トカㇷ゚ イペ ☞tókap(ォ)ipe トカㇷ゚イペ/トカピペ。 tókap mokor トカㇷ゚ モコㇿ ☞tókapmokor トカㇷ゚モコㇿ ②(副詞的に使って)昼に。 tókap e トカㇷ゚ エ …を昼食に食べる。 “hempara iwak?” “tókap iwak“ 「ヘンパラ イワㇰ?」「トカㇷ゚ イワㇰ」 「いつ(仕事から家に)帰る?」「昼に帰る。」 (S) kunne tókap クンネ トカㇷ゚ 夜も昼も。 kunne ka tókap ka クンネ カ トカㇷ゚ カ 夜も昼も。 kunne hene tókap hene クンネ ヘネ トカㇷ゚ ヘネ 夜も昼も、 夜でも昼でも(口承文学では上の三つの中でこの形が最も多く使われる)。 sir-tókap シットカㇷ゚ 昼になる。 {E: ①day; daytime. ②in, during the day, the daytime.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tókapracici
- トカㇷ゚ラチチ 【自動】[tókap-racici 昼間・…をダランと下げている]いねむりする(コックリコックリと舟をこぐ)。 “mákip e=tokapracici siri somo he an?” 「マキㇷ゚ エトカㇷ゚ラチチ シリ ソモ ヘ アン?」 「どうしてあんたいねむりしてるんでないの?」(次のなぞなぞの言葉を使って冗談に言っている。) kusuri o poysu atte wa yáke ta tókapracici p/tókapracici an pe hńta ne? クスリ オ ポイス アッテ ワ ヤケ タ トカㇷ゚ラチチㇷ゚/トカㇷ゚ラチチ アン ペ フンタ ネ? 薬のはいった小鍋をかけてその炉端でいねむりしているものはなんだ? (なぞなぞで答えは Kusur Tokapci クスッ トカㇷ゚チ 釧路と十勝。) ☆参考 通常、 いねむりすることは aysuye アイスイェ と言う。 {E: to take a nap; doze.} (出典:田村、方言:沙流)
- tókapuysitta
- トカプイシッタ 【副】[tokap-un-sir-ta 昼・の・あたりの状態・に] 昼ひなかに、 まっぴるまに。 tókapuysitta ene iki トカプイシッタ エネ イキ 昼ひなかにそんなことをする(どろぼうの話)。(S) {E: in broad daylight; high noon.} (出典:田村、方言:沙流)
- tomikanuye
- トミカヌイェ 【自動】[tomika-nuye 刀のさや・に彫刻をする][雅] 刀のさやに彫刻をする。 sirkanuye/tomikanuye/tapan pe patek/nepki ne a=ki シㇼカヌイェ/トミカヌイェ/タパン ペ パテㇰ/ネㇷ゚キ ネ アキ 私は刀のさやに彫刻をし、 このことばかりを仕事にしていた。(Sユーカラ) ☆参考 sirkanuye シㇼカヌイェ、 ikorkanuye イコㇿカヌイェ とも言い、 この用例のように、 二つを並べて対句にして言う。 {E: the outside, surface of the sheath of a sword.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- toop
- トオㇷ゚ 【副】[to-o-p ほらあそこに・(強調)・(語末子音)] ずうっとはるか遠く。 toop tuyma hi wa k=ek wa ku=sireramiskari トオㇷ゚ トゥイマ ヒ ワ ケㇰ ワ クシレラミㇱカリ ずうっと遠い所から来て私は土地不案内です。(S) toop Karapto wano トオㇷ゚ カラㇷ゚ト ワノ はるか樺太から。(S言い伝え) toop Akan sekor a=ye uskehe ta トオㇷ゚ アカン セコㇿ アイェ ウㇱケヘ タ ずうっと遠く阿寒という所に。(S会話) toop iwor or un a=se wa トオㇷ゚ イウォロルン アセ ワ ずうっと遠く山奥へ背負って行って。(W民話) ☆参考 too トオ とニュアンスは異なるが同じ文脈でも使える場合も多い。 しかし家の中や見える所、 歩いて行ける程度の所については too トオ が使われ、 海外の見知らぬ国や、 普通に山菜とりなどには行くこともない山奥の地については toop トオㇷ゚ が使われている。 その中間の程度の所については両方が使われている。 また too トオ は「…にある」「…に行く」のような表現の前でばかり使われ、 toop トオㇷ゚ は「…から来る」や「…だ」のような表現の前でも使われている。 {E: faraway.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tópehe
- トペヘ 【名】[所](概は tope トペ) …の乳。 tópehe pirka トペヘ ピㇼカ (彼女の)お乳がよい。(S) tópe esirkotuk トペ エシㇼコトゥㇰ [乳・でくっつく](木の)汁が出なくなって木の皮がピタッとくっつく。 tópe tuk トペ トゥㇰ 乳汁が出る。(S) {E: the milk of…} (出典:田村、方言:沙流)
- tósitcakcak
- トシッチャㇰチャㇰ 【名】[tosir-cakcak 川岸のえぐられた所・(別の鳥の名)][動物](鳥の名)セキレイ(?)(図鑑では)キセキレイ、 セグロセキレイ。 「水の流れの所にいる。 cakcak チャㇰチャㇰ はしっぽを振らない。」 (S) ☞ociwcir オチウチㇼ 〔知分類 p.191 ミソサザイ((レブンケ))〕 {E: a wagtail (bird).} (出典:田村、方言:沙流)
- tositcakcak
-
トシッチャㇰチャㇰ
§323 ミソサザイ (6) tositcakcak (to-sít-čak-čak)「トしッチャㇰチャㇰ」[
sir(川岸の穴)cakcak(鳴き声)] ⦅礼文華⦆ (出典:知里動物編、方言:) - tositcorpokun
-
トシッチョㇿポクン
§323 ミソサザイ (5) tositcorpokun (to-sít-čor-po-kun)「トしッチョㇿポクン」[
sir-corpok-un-kur(川岸の穴・の下・に入る・神)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:) - toyarekurok
- トヤレクロㇰ 【自動】[toy-ar-ekurok ひどく・全く・まっ黒/まっ暗である]完全にまっ黒/まっ暗である。 ☞sir-toyarekurok シットヤレクロㇰ (出典:田村、方言:沙流)
- tuk
- トゥㇰ 【自動】(芽が)出る、 (植物が)伸びる、 生長する (「おがる」)。 keni tuk ケニ トゥㇰ (木や草の)芽が出る、 芽をふく。 kina tuk pekor iki キナ トゥㇰ ペコㇿ イキ (子どもが)まるで草がのびるようにすくすくと育つ。 itto tuk pekor イット トゥㇰ ペコㇿ「一日おがりにおがるように」まるで一日で大きくなるように(どんどん大きくなることを表す慣用表現)。(W) kotan/mosir tuk コタン/モシㇼ トゥㇰ 村/国が栄える方へ向かう。(W) {E: to grow; bud; sprout.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tumasnu
- トゥマㇱヌ 【自動】[tum-asnu 力・が充分ある](体が)丈夫である、 健康である、 (棒のようなものが)丈夫だ(折れにくい)。 tumasnu cikuni kumaha kar トゥマㇱヌ チクニ クマハ カㇻ 丈夫な木で物干し竿をつくりなさい。(S) hemanta ene tumasnu p ne siri an hi an! ヘマンタ エネ トゥマㇱヌㇷ゚ ネ シリ アニ アン! なんとまあ強いもんだなあ(ものをたくさん背負ったりよく働き乱暴なこともする)。 tumasnu nociw トゥマㇱヌ ノチウ よく光る星。 {E: to be healthy; strong.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tumsak
- トゥㇺサㇰ 【自動】[tum-sak 力・を持たない] 力が弱い。 hemanta ene tumsak siri! ヘマンタ エネ トゥㇺサㇰ シリ! なんて弱いんだろう。(S) ☆対語 tumkor トゥㇺコㇿ {E: to be weak.} (出典:田村、方言:沙流)
- tumu
- トゥム 【名/位名】[所](概は tum トゥㇺ) ①(いっぱいつまっているもの)の中、 (ものがいっぱいつまっている所)の中/ただ中、 その中/そのただ中。 tumu kunne hikehe トゥム クンネ ヒケヘ 黒味がかったの。 tumu ruhure siwnin トゥム ルフレ シウニン 赤味がかった緑(紫)。 ②[名]体の具合。 tumu pirka トゥム ピㇼカ 壮健である(体のどこも悪いところがなく、 力があり、 病気をしない)。 sonno tumu pirka kur ソンノ トゥム ピㇼカ クㇽ 本当に壮健な/健康で元気な人。(W) tumu wen トゥム ウェン 体の具合いが悪い。 mímus ápekor an korka tumu wen pe ne siri iki ミムㇱ アペコラン コㇿカ トゥム ウェン ペ ネ シリ イキ 太っているみたいだけれど体の具合いの悪いもののようだ。(S) ③[雅]tumu an kewtum トゥム アン ケウトゥㇺ [雅]思い違い、 まちがった気持ち、 憤慨。 tumu an kewtum/e=kora kuni p/somo ne nankor トゥム アン ケウトゥㇺ/エコラ クニㇷ゚/ソモ ネ ナンコㇿ あなたは決してまちがった気持ちを持って憤慨したりしてはいけませんよ。(Sユーカラ) {E: ①in… ②the condition of one's body, health. ③…} (出典:田村、方言:沙流)
- tumupeker
- トゥムペケㇾ 【自動】[tumu-peker その中・明るい]少し明るい。 ☞sir-tumupeker シットゥムペケㇾ (出典:田村、方言:沙流)
- tumusuyre
- トゥムスイレ 【自動】☞sir-tumusuyre シットゥムスイレ (出典:田村、方言:沙流)
- turaynu
- トゥライヌ 【他動】…を見失う、 …を見つけない、 …が見つからない。 wa kusu raykewehe póka a=turáynu hi ne nankor sekor ワ クス ライケウェヘ ポカ アトゥライヌ ヒ ネ ナンコㇿ セコㇿ だから遺体も見つからないのだろうと。(S会話) ☆対語 pa パ …を見つける。 ☆参考 sitturaynu[sir-turaynu] シットゥライヌ は《道に迷う》。 {E: to lose sight of, not find…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- turpaotuy
- トゥㇽパオトゥイ ☞sir-turpaotuy シットゥㇽパオトゥイ (出典:田村、方言:沙流)
- tusunapanu
- トゥスナパヌ 【間投】(sirkap シㇼカㇷ゚《ツノザメ》の神謡の折り返し。 意味不明。) (W神謡K) ☆参考 tus トゥㇱ の部分はこの神謡のすじ(ストーリー)の中に出てくるイラクサの綱を象徴的に表しているかもしれない。 (出典:田村、方言:沙流)
- tutanu
- トゥタヌ 【後副】①…の次に。 ②(連体的に使って)…の次の。 kamuy tono tutanu sapane utar opitta ewkoramkor kor síran カムイ トノ トゥタヌ サパネ ウタㇻ オピッタ エウコラㇺコㇿ コㇿ シラン 天皇の次に主立った人たち(大臣たち)がみんなそれについて相談している。(S) {E: ①next to, after… ②the next, following…} (出典:田村、方言:沙流)
- tuymaturi
- トゥイマトゥリ 【他動】[tuyma-turi 遠い・…を伸ばす](刀)を遠くに伸ばす。 (次の言い回しの中で) tuymaturi hanketuri トゥイマトゥリ ハンケトゥリ (刀)を遠くにかざし近くにかざす。 a=kor emustasiro a=tuymaturi a=hanketuri kor kewe a=homsu ruwe ne アコㇿ エムㇱタシロ アトゥイマトゥリ アハンケトゥリ コㇿ ケウェ アホㇺス ルウェ ネ 私は私の太刀つくりの山刀を遠くにかざし近くにかざして悪神を払う舞いをしながら(彼に)あぶない目に会ったことの見舞いを言った。(HK民話) ☆参考 男子の舞いの所作の一つ。 低い声をふるわせながら、 刀を右手に持ち、 切っ先を上にまっすぐ立ててかざし、 腕を伸ばしたり縮めたりする。 悪神を払う所作だと言われている。 {E: to stretch out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tuytektek
- トゥイテㇰテㇰ 【他動】[tuy-tektek 切る(tuye の語根)・瞬間に…する] …をパッとちょん切る、 …を一瞬に/バサリと切る。 nísapno tasiro etaytektek wa a=rekúci tuytektek nankor ニサㇷ゚ノ タシロ エタイテㇰテㇰ ワ アレクチ トゥイテㇰテㇰ ナンコㇿ 彼はサッと刀を抜いて私の首をバサリと切るでしょう。(W民話) {E: to cut… quickly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uhunak
- ウフナㇰ 【位名】このごろ(一、 二週間前から今まで)。 uhunak wano ウフナㇰ ワノ 「このごろから」(=このごろになって)、 最近。 uhunak wano mákip hawke a hawke a ruwe an un ウフナㇰ ワノ マキㇷ゚ ハウケ ア ハウケ ア ルウェ アヌン (彼は)このごろどうしたのか弱々しいねえ。(S) tap uhunak タㇷ゚ ウフナㇰ ついこのごろ。(W) (S) tap uhunak wano sirmeman タㇷ゚ ウフナㇰ ワノ シㇼメマン このごろはめっきり涼しくなった。(W) {E: recently (within the previous one to two weeks).} (出典:田村、方言:沙流)
- uhuy
- ウフイ 【自動】燃える、 焼ける、 こげる。 uhuy wa paspasi an ウフイ ワ パㇱパシ アン (パンが)こげて炭に(真っ黒に)なった。(W) cise uhuy チセ ウフイ 家が燃える(火事)。 kotan un rok hi maciya un rok hi uhuy wa paye コタン ウン ロキ マチヤ ウン ロキ ウフイ ワ パイェ 村のあった所や町のあった所が燃えて行った。(W会話) ratcako uhuy ラッチャコ ウフイ ランプが燃える(ともる)。 uhuy ikuspe ウフイ イクㇱペ 焼けた柱(女性が死んだあと焼いた家の)。 uhuy nicica ウフイ ニチチャ 「焼けぼっくい」焼け跡に立っている焼けこげた棒杭。(W会話) sir-uhuy シルフイ[完動]あたり/地/山が燃える(山火事や野火で)。 ☆参考 調理のことではなく、 家や野山や物などが燃えたり焼けたり、 食べ物でも焼けすぎてこげたりすることを言う。 {E: to be burnt; scorched.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukaosmare
- ウカオㇱマレ 【他動】[u-ka-osma-re 互い・の上・にのる・させる] …を上へ上へと入れてふやしていく、 …をためる、 (仕事)をたくさん次々に片づけていく=(仕事)がはかどる/できていく。 wakka ponno ponno ta wa ukaosmare ワッカ ポンノ ポンノ タ ワ ウカオㇱマレ 水を少しずつ汲んでためる。(S) hempara ukaosmare siri ne? ヘンパラ ウカオㇱマレ シリ ネ? (仕事が)いったいいつできるんだろう(主語は仕事をする人)。(S) {E: to progress with (one's work)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukirkopiweno
- ウキㇼコピウェノ 【副】[ukirkopiwe-no 互いのひざがぶつかるように詰めて座る・(副詞形成)] 互いにひざがぶつかるように詰め合って。 sirhutne na ukirkopiweno rok yan シㇼフッネ ナ ウキㇼコピウェノ ロㇰ ヤン 狭いから皆で詰め合って座って下さい。(S) {E: to sit very close to one another.} (出典:田村、方言:沙流)
- uko-cipattankenere
- ウコチパッタンケネレ 【自動】[uko-cipattankenere 皆一緒に・はじける](煎っているものが)皆はじけてしまう。 hńta kus puta e=omare ka somo ki no eseyreka híne uko-cipattankenere wa isam siri an? フンタ クㇱ プタ エオマレ カ ソモ キ ノ エセイレカ ヒネ ウコチパッタンケネレ ワ イサㇺ シリ アン? どうしてふたをしないで煎って、 皆はじけてしまったじゃないか。(S) {E: to be (split) open; for all to burst open.} (出典:田村、方言:沙流)
- ukopukrototke
- ウコプㇰロトッケ 【自動】[uko-puk-rotot-ke 一緒に・(擬音)・(小きざみな音などの連続を表す)・(自動詞形成)]プップップッと鳴る。 ☞sir-ukopukrototke シㇼウコプㇰロトッケ (出典:田村、方言:沙流)
- ukoramuriten
- ウコラムリテン 【自動】[u-ko-ramu-riten 互い・に・その心・柔軟である] 互いに/皆やさしくおだやかである(悪酔いして悪さをしたり乱暴したりしないで、 心おだやかにしてなごやかにすごす)。 iteki paskur sinot ki no ikuosirepa pakno ukoramuriten yak pirka! イテキ パㇱクㇽ シノッ キ ノ イクオシレパ パㇰノ ウコラムリテン ヤㇰ ピㇼカ! カラスみたいな悪ふざけをしないで酒宴が終わるまでなごやかに楽しみなさいよ。(HC神謡の最後の語りの部分) {E: to be kind and gentle with one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukotaratarak
- ウコタラタラㇰ 【自動】[uko-tara-tara-k 一緒に・(上に上げることを表す語根)・(重複)・(自動詞形成)] でこぼこだ。 ru ukotaratarak ル ウコタラタラㇰ 道がでこぼこだ。(S) sir-ukotaratarak シㇼウコタラタラㇰ 地面がでこぼこだ。(S) {E: to be rough; uneven.} (出典:田村、方言:沙流)
- ukotukka
- ウコトゥッカ 【他動】[ukotuk-ka 互いにくっつく・(他動詞化)] …を互いにくっつける、 (のりで)はりつける。 ku=kor toke atuhu soske kor an, k=úkotukka easirki, somo yakun nani tuy クコッ トケ アトゥフ ソㇱケ コラン、 クコトゥッカ エアシㇼキ、 ソモ ヤクン ナニ トゥイ 私の時計の(皮の)バンドがはがれてきた、 はりつけなければならない、 そうしないとすぐ切れてしまう。(W) {E: to stick…together (with glue).} (出典:田村、方言:沙流)
- un 2
- ウン 【格助】[< un ウン 1] ①(連体句をつくる、 つまり名詞にかかる。) …にある/いる…、 …につく/ついている…、 (そこ)の、 …出身の。 Sar un kur サルン クㇽ 沙流の人(一語のアクセントで発音される)。 atuy or un cikap アトゥヨルン チカㇷ゚ 海の鳥。 te un húci テ ウン フチ ここの(=この家の)おばあさん。(S) (注 特定のおばあさんを言うときは un ウン でなく ta タ を使って te ta X húci テ タ X フチ ここの(この家の)Xおばあさん。(S) ) ②(連用句をつくる、 つまり動詞にかかる。) …へ/に(移動の方向/目的地、 心理的に向かう方向)、 …に/から(見える方向、 音や声などが聞こえる方向、 ものを取る相手やその場所)、 …で(仕事や飲食をする入れものの中や台の上などの場所)。 Tokiyo un k=arpa kusu ne トキヨ ウン カㇻパ クス ネ 私は東京へ行きます。(S) osmake un esirkociwe no a オㇱマケ ウン エシㇼコチウェ ノ ア 後ろへ押し分けて坐りなさい。(S) atuy or un put kor to アトゥヨルン プッ コッ ト 海へ口を持った沼。 urepeci osmake un an, kesupi kotcake un an ウレペチ オㇱマケ ウン アン、 ケスピ コッチャケ ウン アン 足指が後のほうにある、 かかとが前のほうにある。 ③siyoka un inkar シヨカ ウン インカㇻ 後ろを見る。 pínay asam un sir-kunne kane síran, rawne wa ki ピナイ アサムン シㇼクンネ カネ シラン、 ラウネ ワ キ 谷底の方が暗くなっている、 深くて。 to noski un háwas ト ノㇱキ ウン ハワㇱ 沼のまん中で声がする。 kamuy hayokpe/iyoykir ka un/a=uyna katu カムイ ハヨㇰペ/イヨイキㇼ カ ウン/アウイナ カトゥ [雅]立派なよろいかぶとを宝器類の上から取って下ろしたことを。(Sユーカラ) nisu or un iyuta ニス オルン イユタ 臼でヒエつきする。(W) káneya ka un ma カネヤ カ ウン マ (魚を)かなあみの上で焼く。(S) kasi un e=kanpinuye hemanta カシ ウン エカンピヌイェ ヘマンタ その上であなたが書きものするやつ(=机)。(S) {E: ①to be; exist; be from… ②to… ③from, at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- unintek
- ウニンテㇰ 【名】[植物](草の名) ☆参考 「丈1メートルぐらい、 一本茎でそのまわりに花が咲く、 根は長さ20センチぐらいの芋が一つか二つ、 煮たり焼いたりして食べる、 この辺にはない、 石狩の原野にだけある。 しかし Siraw シラウ の沢の奥、 Cicakomanay チチャコマナイ 辺に行けばあったらしい。」 (S)〔知分類 p.192 オニノヤガラ〕 {E: a knd of orchid (B.).} (出典:田村、方言:沙流)
- unma 2
- ウンマ 【格助】[< un-wa …に行く・…して](un ウン と wa ワ が続けて発音された形。)…へ。 mosirpa unma/mosirkes unma モシㇼパ ウンマ/モシㇼケスンマ 東へ西へ。(Sユーカラ) ☆参考 un だけでも同じ意味と働きを持つが、 unma(=un wa)と言うともっとはっきりする。 ☞un ウン、 wa ワ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- unno
- ウンノ 【格助】[un-no …へ・(副詞語尾)] …へ/に、 …まで。 ku=patoye unno ironne pekor ku=paro siratek クパトイェ ウンノ イロンネ ペコㇿ クパロ シラテㇰ 唇のほうまで厚くなるように唇がしぶい。 pon cikappo utar kuttomo unno hása kane oka ポン チカッポ ウタㇻ クットモ ウンノ ハサ カネ オカ 小鳥のひなたちがのどの中の方まで(口を)あけている。(S) ☆参考 un ウン 2 ②と似ているが、 「まっすぐそこに向かって」あるいは「そこまで」ということをはっきり表現する、 un ウン の部分にアクセントを置いて、 前の語よりも高く強く発音する。 {E: to; until; till.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- unu 2
- ウヌ 【名】[概/所](所は unuhu ウヌフ とも) 母親(親愛の情などを含まない客観的な親族関係の表現)。 unu takup siresure ウヌ タクㇷ゚ シレスレ 母親だけに育てられる。(S) ☆対語 ona オナ 父親。 {E: mother.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- upaksinne
- ウパㇰシンネ 【自動】[u-pak-sir-ne 互い・ほど・様子・である] 平らである。 sir-upaksinne シㇼウパㇰシンネ 土地が平らだ。 upaksinne kunine kewre yan ウパㇰシンネ クニネ ケウレ ヤン 平らに削りなさい。(S) {E: to be flat; level.} (出典:田村、方言:沙流)
- upas esitturaynu
- ウパㇱ エシットゥライヌ 【upas-e-sir-turaynu】 雪のために道に迷う. ▷ウパㇱ=雪 エ=それ シッ(シリ)=あたり,その近く トゥライヌ=見つけられない,分からない(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- upen
- ウペン 【自動】若い。 upen kam 若い肉。 ruskare un/upen kam arki/henoo uwao/siri oka ya ルㇱカレ ウン/ウペンカㇺ アㇻキ/ヘノオ ウワオ/シㇼ オカ ヤ ああよかった、 若い肉が来たのだな。(W神謡K) ☆参考 この一例のみ。 この方言でほかにどのように使われるのか不明。 ☆参考 若いことを表すのによく使われる語は pewre ペウレ。 〔知分類 p.482〕 (出典:田村、方言:沙流)
- upsoro(ho) 1
- ウㇷ゚ソロ(ホ) 【名】[所](概は upsor ウㇷ゚ソㇿ)…のふところ、 …の着ている衣服の中。 k=upsoro péka nay san kane クㇷ゚ソロ ペカ ナイ サン カネ 私の衣服の中を沢が流れている=汗が沢のように流れている。(S) sir-kunne kor hotke utar oka ta e=kuy a e=kuy a e=upsoro un ki kor e=an ruwe ne シㇼクンネ コㇿ ホッケ ウタㇻ オカ タ エクヤ エクヤ エウㇷ゚ソロ ウン キ コㇿ エアン ルウェ ネ 夜になると人々が寝た後でお前はふところの中で(ついて精白したヒエを)モグモグかんでいるのだな。(W民話) {E: the bosom (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ureesittemraypa
- ウレエシッテㇺライパ 【ure-e-sir-tem-raypa】 足探り(する):真っ暗の所を足探りで歩くこと.▷ウレ=足 エ=それで シㇼ=あたり テㇺ=手 ライパ=撫でる (出典:萱野、方言:沙流)
- uskike
- ウㇱキケ 【形名】[被修飾名][雅](?) tapan uskike/tan uskike タパヌㇱキケ/タヌㇱキケ (たぶん叙事詩の中や、 古風な美文調の言い方の中で)このときは(?)。 i=ruwokake ta, a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enúypa wa oka yakun tan uskike, easir, a=rehe ohonno hene iruka hene…kanpi ka o wa oka yakun イルウォカケ タ、 アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン タヌㇱキケ、 エアシㇼ、 アレヘ オホンノ ヘネ イルカ ヘネ…カンピ カ オ ワ オカ ヤクン 私たちの死後に、 私たちの話した言葉が二ページにも三ページにも書いてあればこれによって(?)、 それこそ、 私たちの名前が長い間でも短い間でも…紙の上に載っていれば。(W会話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uskosanpa
- ウㇱコサンパ 【自動】[us-kosanpa 消える・急に…する] パッと消える。 sir-uskosanpa シㇼウㇱコサンパ あたりが急にパッとまっ暗になる。 poro cápe haw ki, akusu sir-uskosanpa ポロ チャペ ハウ キ、 アクス シㇼウㇱコサンパ 大声で猫のなきまねをした、 するとあたりがパッと消えて何も見えなくなった。(S民話) ☆参考 複数形の形だが、 沙流川下流のこの話し手は単複の区別なくこの形を用いる。 ☞uskosanu ウㇱコサヌ、 ☞us ウㇱ 1 {E: to go out suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uskosanu
- ウㇱコサヌ 【自動】[単](複は uskosanpa ウㇱコサンパ)[us-kosanu 消える・急に…する] パッと消える。 sir-uskosanu シㇼウㇱコサヌ あたりがパッとまっ暗になる、 何も見えなくなる。 enuntekape kasi un a=osúrpa tek akusu sir-uskosanu エヌンテカペ カシ ウン アオスㇽパ テㇰ アクス シㇼウㇱコサヌ 大きく燃えている火の上に(シナの木の皮のカスの部分の積んであったのを)パッと投げるとスッとまっ暗になった。(HC民話) {E: to go out, disappear suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- utannimara
- ウタンニマㇻ 【名】[所](概の用例はない)[utar-nimara 同族・の半数/一部] 仲間の一部、 仲間の半分ぐらい(ごく少しの一部とも限らず、 またちょうど半分とも限らない。 全部ではないことを言う。 だいたい半分ぐらいをさすことが多い。 数のあるものについて言う。 一個の半分/片割れのことには使われない)。 oro ta sirepa=an korka, a=utannimara nani nani, tan mosir akkari wa toop na herepasi wa hetopo herepasi wa paye rusuy オロ タ シレパアン コㇿカ、 アウタンニマラ ナニ ナニ、 タン モシㇼ アッカリ ワ トオㇷ゚ ナ ヘレパシ ワ ヘトポ ヘレパシ ワ パイェ ルスイ 私たちはそこに(その島に)着いたけれど、 私たちの仲間の一部はまもなく、 この島を通り越してもっと遠く海の向こうへもどって行きたいと言った。(S言い伝え) {E: a portion; half.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- utcike
- ウッチケ 【自動】内気である、 はにかむ(きまりがわるく異性と話もできない、 寝ようと言われても行って寝るのもはずかしい。(S))、 遠慮深い(人前に出ようともせず大きい声でハキハキものも言わず遠慮してひっこんでいる)。 pokas ka un utcike wa an a p orowano easiri ka rametok otta pawetok otta kor pe ka un ポカㇱ カ ウン ウッチケ ワ アナㇷ゚ オロワノ エアシリ カ ラメトㇰ オッタ パウェトㇰ オッタ コㇿ ペ カ ウン あんなに遠慮深かったのに、 それからは、 それはそれは勇気も雄弁さもそなわって。(W民話) ☆参考 itak-e-utcike イタㇰエウッチケ は何を言われても人の顔をまともに見ずにうつむいている人に対する悪口。 yaysitoma ヤイシトマ《はずかしい》、 yaynikorosma ヤイニコロㇱマ《恥をかく、 きまり/ていさいが悪い》、 yayiporosak ヤイポロサㇰ《きまり/ていさいが悪い、 面目がない》等は、 感情を表す。 utcike ウッチケ や yepne イェㇷ゚ネ は、 はずかしがりやはにかみの様子や性質を表す。 {E: to be shy, hesitant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- utomosma
- ウトモㇱマ 【自動】[u-tomosma 互い・にぶつかる] 互いにぶつかり合う。 oharkisounma inunpe turasi a=itákturasire, osisounma inunpe a=itákturasire, apeetok ta itak utomosma ruwe ne オハㇻキソウンマ イヌンペ トゥラシ アイタㇰトゥラシレ、 オシソウンマ イヌンペ アイタㇰトゥラシレ、 アペエトㇰ タ イタㇰ ウトモㇱマ ルウェ ネ 私は左座でも炉縁に沿ってまじないの言葉を言い、 右座でも炉縁に沿ってまじないの言葉を言って、 横座でまじないの言葉が互いにぶつかった。(HK民話) ☆参考 tom(o) osma トㇺ/トモ オㇱマ …にぶつかる。 {E: to bump into, meet each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uturu
- ウトゥル 【位名】[所](概は utur ウトゥㇽ)(…の)間(空間的にも時間的にも)。 kotan uturu tuyma コタン ウトゥル トゥイマ 村と村の間が遠い。(W) a=eyáykewkor oruspe ka itak uturu ne wa síran ruwe un アエヤイケウコㇿ オルㇱペ カ イタㇰ ウトゥル ネ ワ シラン ルウェ ウン そういう苦労の思い出話も、 話の間に入っているのですよ。(W会話) uturu an kor ウトゥル アン コㇿ その間あいだに、 その間にときどきはさんで。 uturu ta ウトゥル タ ときどき、 時により、 間をおいて。 uturu ta ek ranke, uturu ta somo ranke ウトゥル タ エㇰ ランケ、 ウトゥル タ ソモ ランケ ときどき来ることもある、 来ないこともある。(S) uturu uturu ウトゥル ウトゥル ところどころ。 uturu uturu opusopus ウトゥル ウトゥル オプソプㇱ ところどころ穴がポツポツあいている。(S) {E: between (time and space).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- utuste
- ウトゥㇱテ 【他動】[u-tus-te 互い・自分の夫のもう一人の妻(である)・させる]二人を妻とする。 iteki koyki no/utuste wa/e=an yak easir/aynu mosir sekor/a=eréko kus ne na イテキ コイキ ノ/ウトゥㇱテ ワ/エアン ヤㇰ エアシㇼ/アイヌ モシㇼ セコㇿ/アエレコ クㇱ ネ ナ [雅](二人の女神を)いじめないで二人とも妻としてお暮らしになればあなたに人間の国という名前がつけられるのですよ。(Sユーカラ語り) ☆参考 〔久辞典983 utush 相妻となる、 妾同士 < 相連結する ut 節 ush ついている〕 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uunukor
- ウウヌコㇿ 【自動】[u-unu-kor 互い・母親・を持つ] 母子である。 uunukor utar ウウヌコㇿ ウタㇻ 母子(母と息子、 母と娘)。 uunukor utar oka híne síran ウウヌコㇿ ウタㇻ オカ ヒネ シラン 母と子が住んでいた。(W民話の冒頭) ☆参考 同じ語構成の語の例:uwonakor ウウォナコㇿ[u-ona-kor] 父子である、 uyupikor ウユピコㇿ 兄と弟または妹である、 usakor ウサコㇿ 姉と弟または妹である、 umatapakor/utureskor ウマタパコㇿ/ウトゥレㇱコㇿ 妹と兄である、 umatakikor ウマタキコㇿ 妹と姉である、 upokor ウポコㇿ 息子と父または母である。 {E: to be mother and child.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uusa
- ウウサ 【副】[u-usa 互い・いろいろ/別々に] めいめいいろいろ。 (次のように二語重ねて使う。) uusa uusa ウウサ ウウサ (皆)めいめいいろいろ。 tan a=kor mosir ne yakka, uusa uusa, mosir epunkine kamuy kar híne タン アコㇿ モシㇼ ネ ヤッカ、 ウウサ ウウサ、 モシㇼ エプンキネ カムイ カㇻ ヒネ 国づくりの神はこの私たちの国(北海道)も、 それぞれ国を守る神をつくって。(S言い伝え) mosir kor kamuy utar uusa uusa ewkoramu-osmaosmapa híne モシㇼ コㇿ カムイ ウタㇻ ウウサ ウウサ エウコラムオㇱマオㇱマパ ヒネ 国を守る神々はめいめいそうだそうだと言って賛成した。(S言い伝え) {E: various; each.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uutari
- ウウタリ 【名】[u-utari 互い・の同族[所]] 同族/親戚どうし。 iteki uutari ka uwanun ka uwehosi uwehosi yaynu no, sine ikinne yaynu, sine irenka kor yakne イテキ ウウタリ カ ウワヌン カ ウウェホシ ウウェホシ ヤイヌ ノ、 シネ イキンネ ヤイヌ、 シネ イレンカ コㇿ ヤㇰネ 親戚同士も他人同士もバラバラな考えを持たず、 同じように考え同じ意図を持てば。(S独話) tane anak uutari ne hi ka koyayrampewtekpa wa oka タネ アナㇰ ウウタリ ネ ヒ カ コヤイランペウテㇰパ ワ オカ 今は互いに親戚同士だと言うこともわからなくなっている。(S) uutari uutari poronno sir-epitta oka ウウタリ ウウタリ ポロンノ シレピッタ オカ 親戚どうしがたくさんそこらじゅうにいる。(S) ☆対語 uwanun ウワヌン 他人同士。 {E: the same tribe, family; relations.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwakikor
- ウワキコㇿ 【自動】[u-w-aki-kor 互いに・(挿入音)・の弟・を持つ] 兄と弟または姉と弟の関係にある。 uwakikor utar ウワキコㇿ ウタㇻ 弟と兄姉(一方又は両方)。 uwakikor utar hunak un paye siri an? ウワキコㇿ ウタㇻ フナクン パイェ シリ アン? 兄弟(または姉弟)そろってどこへ行くのだろう。(S) {E: an older brother-younger brother relationship, also, older sister-younger brother relationship.} (出典:田村、方言:沙流)
- uwato
- ウワト 【自動】[u-w-ato 互い・(挿入音)・(?)] たくさん並んでいる。 nupuri uwato ápekor síran ヌプリ ウワト アペコㇿ シラン 山がたくさん並んでいるみたいになっている(「あまり遠くでなく、 近く近く見えたとき」に言う)。(S) ruwe ni uwato ルウェ ニ ウワト 太い木がたくさん並んでいる。(S) heyapte heyapte pon pínay uwato ápekor siran ヘヤㇷ゚テ ヘヤㇷ゚テ ポン ピナイ ウワト アペコㇿ シラン 山の方へ山の方へと小さい谷川がたくさん並んでいるみたいになっている。(S) {E: for a lot of something to be lined up.} (出典:田村、方言:沙流)
- uwaynukor
- ウワイヌコㇿ 【他動】[u-w-aynukor 互い・(挿入音)・を尊敬/尊重する] 子どもも母も皆で父を「まてえに」(=大切に)して従っている。 uwaynukor=an siri k=érayap ウワイヌコラン シリ ケラヤㇷ゚ 子どもや母が皆で父を大切に尊重しているのに私は感心した。(S) ☞aynukor アイヌコㇿ {E: for mother and children to respect the father.} (出典:田村、方言:沙流)
- uwehopuni
- ウウェホプニ 【自動】[u-w-e-hopuni 互い・(挿入音)・と一緒に・立ち上がる/飛ぶ] ①(雪煙が)飛ぶ。 réra ruy kor upunpatce, wenupuncise uwehopuni pekor siriki レラ ルイ コㇿ ウプンパッチェ、 ウェヌプンチセ ウウェホプニ ペコㇿ シリキ 風が強いと雪がフワーッと飛び、 雪煙が立ち上がって渦巻いて飛ぶみたいになる。(S) ②(人が)一人残らず(とんで)行ってしまう。 (=uwehopunpa ウウェホプンパ)。 {E: ①for snow spray to fly about in the wind. ②for everyone to fly, go out.} (出典:田村、方言:沙流)
- uweinkar
- ウウェインカㇻ 【自動】[u-w-e-inkar 互い・(挿入音)・と一緒に・見る](?) 透視/予見する、 見通す、 そこにないものや未来のことがらが見えてわかる。 aynuramat ne an pe tane a=ne kusu, kamuy siri ne uweinkar koraci inkar=an katu ene an hi アイヌラマッ ネ アン ペ タネ アネ クス、 カムイ シリ ネ ウウェインカㇻ コラチ インカラン カトゥ エネ アニ 私はもう人の魂になっているので、 神さながらに、 見えないことを見通すみたいに、 次のようなことが見えます。(W民話) poro a=yupi uweinkar nupur pe ne kusu siyeye utar oka kor motoho ye ポロ アユピ ウウェインカㇻ ヌプㇽ ペ ネ クス シイェイェ ウタㇻ オカ コㇿ モトホ イェ 私の長兄は見えないことを見通す霊力のある人なので病気の人々がいるとその原因を言い当てる。(NK民話) {E: to see through; foresee.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uweirpak
- ウウェイㇼパㇰ 【副】[u-w-eirpak 互い・(挿入音)・と一緒に](二人以上)互いに一緒に(同時に)。 uweirpak sirepa=as ウウェイㇼパㇰ シレパアㇱ 私たちは(別々に来たが)同時に着いた。(S) ☆参考 早く言うと uwerpak ウウェㇽパㇰ と発音される。 ☞uwerpak ウウェㇾパㇰ {E: together (pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
- uwekur
- ウウェクㇽ 【名】[u-w-e-kur 互い・(挿入音)・を食べる・人] 「食蛮人」。 uwekur mosir ウウェクㇽ モシㇼ 「食蛮人」の国。 ☆参考 「人間が人間(を)食う。 アイヌは熊の頭の数(が)あるほど財産家だが、 彼らは人間の頭の数(が)あるほど財産家だと言う。」 (S) (古老の挙げた民族名の引用は差し控える)。 {E: a savage; a barbarian.} (出典:田村、方言:沙流)
- uwerpak
- ウウェㇾパㇰ 【副】[u-w-eirpak 互い・(挿入音)・と同時に](二人以上が)一緒に、 同時に(=uweirpak… ウウェイㇼパㇰ…)。 uwerpak hoyuppa=an ro ウウェㇾパㇰ ホユッパアン ロ 一緒に走ろう。(S) uwerpak sirepa=as ウウェㇾパㇰ シレパアㇱ (=uweirpak sirepa=as ウウェイㇼパㇰ シレパアㇱ)(別々に来て)同時に着いた。(S) ☆参考 uweirpak ウウェイㇼパㇰ を早く発音して i イ が落ちた形。 ウウェㇽパㇰ と発音する。 ☆参考 「同時に」というニュアンスをもった「一緒に」。 utura ウトゥラ は「相伴って、 連れ立って」というニュアンスの「一緒に」。 ☞uweirpak ウウェイㇼパㇰ、 utura ウトゥラ {E: at the same time; together (pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
- uwetusmak
- ウウェトゥㇱマㇰ 【自動】[u-w-e-tusmak 互い・(挿入音)・と一緒に・競争する] 競争する、 競い合う。 uwetusmak wa hoyuppa ウウェトゥㇱマㇰ ワ ホユッパ 競走する。 hekattar kor kur, onne p kor kur, ére rusuypa p uwetusmak wa, to ka sat kane, cipta=an wa cip ani easir ka pekanpe-ewetusmak=an ヘカッタㇻ コㇿ クㇽ、 オンネㇷ゚ コㇿ クㇽ、 エレ ルスイパㇷ゚ ウウェトゥㇱマㇰ ワ、 ト カ サッ カネ、 チㇷ゚タアン マ チパニ エアシㇼ カ ペカンペエウェトゥㇱマㇰアン 子どものいる人、 老人のいる人、 彼らに食べさせたい人は競い合って、 湖も見えないくらいに、 舟をつくって舟でそれこそ菱の実を競い合って取った。(S会話) ☆参考 アクセント核を前に動かす接頭辞がつくと語幹は wetusmak ウェトゥㇱマㇰ となり ewetusmak エウェトゥシマク のような形をとる。 {E: to compete.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uweus
- ウウェウㇱ 【自動】[u-w-e-us 互い・(挿入音)・その頭・(そこ)についている](山刀などが)腰につけてある。 tasiro uweus wa an タシロ ウウェウㇱ ワ アン 山刀が腰につけてある。 nata/makiri uweus ナタ/マキリ ウウェウㇱ なた/小刀が腰につけてある。 {E: to wear at the waist.} (出典:田村、方言:沙流)
- uweusi
- ウウェウシ 【他動】[u-w-e-usi 互い・(挿入音)・その頭・を(そこ)につける](刀など)を腰につける。 tasiro uweusi タシロ ウウェウシ 山刀を腰につける。 ☆参考 sitomusi シトムシ とも言う。 昔は下げないで帯にさして歩いた。 {E: to wear (a sword) at the waist.} (出典:田村、方言:沙流)
- uweyayram-ikasure
- ウウェヤイラㇺイカスレ/ウウェヤイラミカスレ 【自動】[u-w-e-yay-ram-i-kasu-re 互い・(挿入音)・と共に・自分・心・人・にまさる・させる] 互いに負けずにする、 励み合ってする(「どっちも負けずにする、 働く、 お金もためる」)。(S) anun orke apa orke nep uwehosi arikikpa siri isam, uweyayramikasure アヌノㇿケ アパ オㇿケ ネㇷ゚ ウウェホシ アリキㇰパ シリ イサㇺ、 ウウェヤイラミカスレ 他人も親戚も皆本当に競い合ってよく働く、 「負け勝ちなしに、 ここの部落の人は働ききちがい、 働き道楽」。(S) {E: so as not to be mutually beaten; work hard together.} (出典:田村、方言:沙流)
- uwomap
- ウウォマㇷ゚ 【自動】[u-w-omap 互い・(挿入音)・をかわいがる](子どもたちが) 仲良くしている。 uwomap siri! a=eráyap pe un ウウォマㇷ゚ シリ! アエラヤㇷ゚ ペ ウン 仲良く大きい子が小さい子をつれて遊んでいる、 感心なもんだ。(S) ☆参考 大人同士が愛し合うことは uworamkote ウウォラㇺコテ、 uwosikkote ウウォシッコテ、 uweramasu ウウェラマス など。 {E: for children to play together as friends.} (出典:田村、方言:沙流)
- uworkopoyke
- ウウォㇿコポイケ 【自動】[u-w-or-kopoyke 互い・(挿入音)・の所・にまじる] 互いの中に入りまじる、 まぜこぜになる。 aynu ne ciki sísam ne ciki repunkur, sonno repunkur ne ciki uworkopoyke wa mosir epitta siyusacari アイヌ ネ チキ シサㇺ ネ チキ レプンクㇽ、 ソンノ レプンクンネ チキ ウウォㇿコポイケ ワ モシレピッタ シユサチャリ アイヌも和人(日本人)も外国人、 本当の外国人も入りまじって国じゅうに散らばった。(S言い伝え) ☆参考 ukopoyke ウコポイケ はただ《まざる、 (まぜたものが)まざって均質になる》。 {E: to become mixed.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwosmare
- ウウォㇱマレ 【他動】[u-w-osma-re 互い・(挿入音)・に入ってしまう・させる] okkayo sirpo uwosmare オッカヨ シㇼポ ウウォㇱマレ (男の子が成長して)男らしい様子/顔形/姿になる。 tane okkayo sirpo a=uwósmare pakno án=an korka タネ オッカヨ シㇼポ アウウォㇱマレ パㇰノ アナン コㇿカ 私はもうすっかり一人前の男らしい若者に成長したけれども。(NK民話) ☆参考 アクセント核を前に動かす接頭辞がつくと語幹は wosmare ウォㇱマレ の形をとり、 e=wosmare エウォシマレ のようになる。 ☞wosmare ウォㇱマレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwowsi/uwousi
- ウウォウシ 【他動】[u-w-o-usi 互い・(挿入音)・の尻・…に…をつける](二本の紐など)をつなぐ、 (短いもの)を二つつないで長くする。 nuyto tuy ciki uwowsi yan ヌイト トゥイ チキ ウウォウシ ヤン 糸が切れたらつなぎなさい。(W) ☆参考 馬などを木などにつなぐことは kote コテ[複他動]、 sirkote シㇼコテ[他動]。 {E: to link, join…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwoya
- ウウォヤ 【連体】[u-w-oya 互い・(挿入音)・別の] 別々の。 orano na uwoya uwoya mosir ewpiraspa wa オラノ ナ ウウォヤ ウウォヤ モシㇼ エウピラㇱパ ワ それからもっとあっちこっちの国に広がって行って。(S言い伝え) {E: separate.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uynapa
- ウイナパ 【他動】[複複](単は uk ウㇰ、 複は uyna ウイナ)(二人以上が)(二つ以上)を取る。 konkane cikappo sinep sirokane cikappo sinep ranke uynapa híne kor híne コンカネ チカッポ シネㇷ゚ シロカネ チカッポ シネㇷ゚ ランケ ウイナパ ヒネ コㇿ ヒネ (彼ら二人は)金の小鳥を一羽と銀の小鳥を一羽ずつ取って持って。(KC民話) {E: to take…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wa 1
- ワ 【格助】①(位置名詞の後に置かれて、 移動の起点を示す。)…から(場所を示す)。 Mosirpasari wa ek モシㇼパサリ ワ エㇰ 斜里(しゃり)から来た。(W民話) osmake wa kotcake wa terke=an オㇱマケ ワ コッチャケ ワ テㇾケアン 私は(寝ている彼の)後ろから前へ前から後ろへと跳びはねてまたいだ。(W民話) kanto or wa kemram kamuy ran カント オㇿ ワ ケㇺラㇺ カムイ ラン 天から飢饉の神が降りて来た。(W民話) oro wa karkarse オロ ワ カㇻカㇻセ そこからころがった。(S会話) ②(《…に》と訳される場合もある。 その場合、 ta タ や un ウン を使った言い方とはニュアンスが異なる。 wa ワ はこの場合も、 動作の起点を示す。) te wa mono a テ ワ モノ ア 「ここから座れ」=ここに来て座りなさい。 (注 te ta mono a テ タ モノ ア (近くにいる人に)ここに座りなさい。 te un mono a テ ウン モノ ア ここへ座りなさい。) ③(受け身の行為者を示す。)or wa/oro wa オㇿ ワ/オロ ワ (人)から。 kamuy or wa okamkir ene a=e=yáynure wa カムイ オㇿ ワ オカㇺキㇼ エネ アエヤイヌレ ワ あなたは神からわざとそのように思わされて。(W民話) ④(連体的に使われて) onnayke wa asamaha オンナイケ ワ アサマハ 内側の底。 soynake wa asamaha ソイナケ ワ アサマハ 外側の底。 {E: ①from…(place). ②… ③from…(people). ④…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wa 2
- ワ 【接助】…して(二つの動詞句をつないで一まとまりのことがらとしてまとめる働きをする。 具体的には、 次のようないろいろな場合に使われる)。 ①(一つのもの/ことについて二つ以上の説明や叙述をする場合にその二つの動詞句をつなぐ。) upakno oka wa sattek kusu oka wa ウパㇰノ オカ ワ サッテㇰ クス オカ ワ 同じぐらいの大きさでやせこけていて。(S会話) Kusur un oruspe ne wa teeta oruspe ne wa a=ewkoysoytak kor síran pe tasi an nek! クスルン オルㇱペ ネ ワ テエタ オルㇱペ ネ ワ アエウコイソイタㇰ コㇿ シラン ペ タシ アン ネㇰ! (これは)釧路の話で昔の話で、 私たちはそれについて話し合っているのですよ。(S会話) sunke ka eaykap wa anpe patek ye rusuy pe スンケ カ エアイカㇷ゚ ワ アンペ パテㇰ イェ ルスイ ペ うそをつくことができなくて本当のことばかり言うもの。(S会話) ②(前の動詞句が後の動詞句の表す出来事の方法や意図などを説明する。) ku=hoyupu wa k=ek クホユプ ワ ケㇰ (私は)走って来た。 hosippa wa paye ホシッパ ワ パイェ (彼らは)もどって行った。 ③(前の動詞句の出来事が終わってから後の動詞句の出来事が起こることを言う。)…して。 otcike huraye wa pirpa オッチケ フライェ ワ ピㇼパ お膳を洗ってふきなさい。(W) núman k=ek wa tanto suy ukoytak=an hawe ne ヌマン ケㇰ ワ タント スイ ウコイタㇰアン ハウェ ネ 私は昨日来て、 今日また(姉と私と)二人で会話をするのです。(S会話) ne to or ta cip hene a=kar wa oro ta a=anú wa ネ ト オッタ チㇷ゚ ヘネ アカㇻ ワ オロ タ アアヌ ワ その湖に舟でもつくってそこに置いて。(S会話) ④(前の出来事が後の出来事の原因か理由になっている。)…して。 k=úkao oyra wa rurikan クカオ オイラ ワ ルリカン (私は洗濯物を)しまい忘れて少し湿った。(W) mosma kur or ta wenpe an wa oro ta ka ku=yorot モㇱマ クロッタ ウェンペ アン マ オロ タ カ クヨロッ 他の人の家に不幸があって私はそこにも行って来た。(S会話) (原因や理由の説明だということをはっきり述べるには kusu クス、 pe ne kusu ぺ ネ クス、 wa kusu ワ クス、 hi kusu ヒ クス などが用いられる。) ⑤(補助動詞表現で) wa an …ワ アン。 (1)(すでに)…している。 mokor wa an モコㇿ ワ アン 眠っている(すでに寝ついていることを言う。 mokor kor an モコㇿ コラン は寝つきつつあること、 つまり眠りかかっていることを言う)。(W) (2)…してある。 a=suwé wa an アスウェ ワ アン 煮てある、 (ごはんが)たいてある。(W) wa anu ワ アヌ (あらかじめ)…しておく。 ku=ye wa k=ánu クイェ ワ カヌ 私は言っておく。 wa isam ワ イサㇺ …して(なくなって)しまう。 e wa isam エ ワ イサㇺ 食べてしまう。 wa oka ワ オカ (wa an ワ アン の複数)(二人/二つ以上が) (1)(すでに)…している。 móno rok wa oka モノ ロㇰ ワ オカ (彼らは)座っている。 (2)…してある。 a=kar wa oka アカㇻ ワ オカ たくさんつくってある。 wa okere ワ オケレ (1)予定の行動をすっかり…してしまう(完了する)、 …し終わる。 ray wa okerpa ライ ワ オケㇾパ 皆死んでしまう。(KK掛け合い歌) (2)とても/極めて…(である)。 wen wa okere pon cise ウェン マ オケレ ポン チセ とても悪い(粗末な)小さい家。(S) ⑥[熟語・慣用句など] ne wa an ネ ワ アン [連体][単]/ne wa oka ネ ワ オカ [複] 今言っているこの/その、 今/さっき言ったその/あの(☞ne wa an ネ ワ アン、 ネ ワ オカ)。 wa kusu ワ クス …したから、 …だから。 k=úni ta ku=mokor wa k=an yakun e=mismu kuni ku=ramu wa kusu k=ek ruwe un クニ タ クモコㇿ ワ カン ヤクン エミㇱム クニ クラム ワ クス ケㇰ ルウェ ウン 私がうちで眠っていたらあなたがさびしいだろうと思ったから来たんだよ。(S) ☆参考 wa ワ と似た文脈で híne ヒネ も使われる。 どちらも使える場合も多いが、 日常会話では wa ワ のほうが多く使われ、 昔話などの語りの中では híne ヒネ のほうが多く使われる。 日常会話の中でも、 ③のように、 相前後して起こる事柄を述べる場合には、 híne ヒネ もよく使われる。 その場合でも、 前の出来事を述べてからそれと同じ重さで次の出来事を述べるのに、 言い換えれば二つの事柄をただ順番に述べていくのには híne ヒネ が多く使われるのに対して、 二つの出来事を一まとまりの事柄としてまとめるのには wa ワ が多く使われる。 また、 wa ワ はほとんどの場合動詞句の後に置かれるが、 híne ヒネ は前に動詞句のない文頭にも置かれる。 ☞híne ヒネ ☆参考 二つの別々の事柄が同時に起こることを表すには、 wa ワ ではなく kor コㇿ が使われる。 ☞kor コㇿ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wakkane
- ワッカネ 【自動】[wakka-ne 水・(のよう)である](おかゆが)とてもゆるい。 wakkane sayo hopsekar ワッカネ サヨ ホㇷ゚セカㇻ ゆるいおかゆをすする。(S) ☆参考 かたいおかゆは sirarsayo シラㇻサヨ。 {E: to be watery.} (出典:田村、方言:沙流)
- wano
- ワノ 【格助】[wa-no から・(副詞語尾)](起点を示す。)(場所/時)…から。 toop Karapto wano トオㇷ゚ カラㇷ゚ト ワノ はるか遠い樺太から。(S言い伝え) otuymasirun wano ku=hotku kane wa k=ek オトゥイマシルン マノ クホック カネ ワ ケㇰ 私はずいぶん遠い所からかがんで来た。(S) núman wano tanto pakno ヌマン ワノ タント パㇰノ きのうから今日まで。 té wano テ ワノ これから(今から)。 té wano anak somo néno iki=an kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ イキアン クス ネ ナ もうこれからはあんなことはしませんから。(W民話) poni wano ポニ ワノ 小さい(幼い)ときから。 hemtomani wano ヘㇺトマニ ワノ このごろから、 最近。(W民話) ☆参考 場所については wa ワ が多く使われ、 時についてはほとんどの場合 wano ワノ が使われる。 場所の場合は wa ワ と wano ワノ はほぼ同義だが、 wano ワノ のほうがよりはっきりとした表現になる。 ☞wa ワ 1 {E: from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wátara
- ワタラ 【名】[雅][古] 岩石、 角の立った大きなゴロゴロした石。 nokan wátara ノカン ワタラ 小さい岩石。 rupne wátara ルㇷ゚ネ ワタラ 大きい岩石。 ☆参考 sirar シラㇻ 海岸などの大きい石。 suma スマ 石。 {E: rock.} (出典:田村、方言:沙流)
- wen 1
- ウェン 【自動】①悪い、 粗末である、 だめである、 だめになる。 wen cise ウェン チセ 粗末な家。 wen itak ウェン イタㇰ(発音は ウェヌ イタㇰ)悪い言葉。 wen kewtum ウェン ケウトゥㇺ 悪い心/根性。 wen kamuy ウェン カムイ ☞wenkamuy ウェンカムイ。 kewtumu wen ケウトゥム ウェン 心/気立て/根性が悪い。 …yak wen …ヤㇰ ウェン …するといけない。 …yakka wen …ヤッカ ウェン …してもだめである(効果がない)。 …tú ray wen ray ki トゥ ライ ウェン ライ キ ひどい死に方で死んでしまった(川上男と川下男の民話の結末によく出てくる表現)。(S民話) sir-wen シㇼウェン(発音は シㇽウェン)天気が悪い。 ②亡くなる(婉曲表現)。 wen oruspe ek ウェノルㇱペ エㇰ 死んだという便りが来た。(S) wen nisa ruwe ne sekor haw as ウェン ニサ ルウェ ネ セコㇿ ハワㇱ いけなかった(=もう死んだ)という話だ。 (注 「捨てことば(ぞんざいな言葉)ではない。」 (S) ☆参考 直接的に「死ぬ」という語は ray ライ、 ほかに婉曲表現として isam イサㇺ《亡くなる》、 mosiroppa モシロッパ《世を去る》など。) ③[自動詞語根](限られた語の構成要素として)貧しい。 wenkur ウェンクㇽ 貧乏人。 weysisam ウェイシサㇺ[< wen-sisam]貧しい和人。 (注 wenaynu ウェナイヌ は《悪人、 悪党》。) (注 「貧しいおばあさん」は wenkur húci ウェンクㇽ フチ。) ☆対語 pirka ピㇼカ よい。 {E: ①to be, become bad, no good; ②to pass away; ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wenpe
- ウェンペ 【名】[wen-pe 悪い・もの/こと] ①悪いもの、 悪いこと(=wen pe ウェン ペ)。 ②人の死。 wenpe an ウェンペ アン 不幸があった、 人が亡くなった。 ③貧乏人(悪く言う言葉)。(W) wenpe taype ウェンペ タイペ/wenpe sani ウェンペ サニ 貧乏人の子(悪口、 憎まれ口)。 ☆参考 ほかに toype トイペ、 sirunpe シルンペ とも言う。 {E: ①something bad. ②the death of someone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wor
- ウオㇿ 【名】水中、 水の中(空気中、 地上、 等に対して)。 wor ta arpa kor cip arpa sir néno kane iki ウォッタ アㇻパ コㇿ チㇷ゚ アㇻパ シン ネノ カネ イキ (アザラシは)水の中を進むときは舟が進むようにして進む。(S) {E: underwater; in water.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaanipo
- ヤアニポ 【副】[yaani-po ほとんど…しそう・(指小辞)][yáni ヤニ の強調形の yaani ヤアニ よりもさらにいっそう強調する形] もう本当にほとんど…しかかる/しかかった、 本当にもうちょっとで…するところだ/だった。 mosma kur kem a=o wa ora ene, yaani, ukuran ka yaanipo, isam anki sir iki モㇱマ クㇽ ケㇺ アオ ワ オラ エネ、 ヤアニ、 ウクラン カ ヤアニポ、 イサㇺ アンキ シㇼ イキ (彼は)他の人の血を入れられて(輸血されて)、 そうしてもう少しで、 ゆうべにもほんとにもうちょっとで亡くなりそうになった。(W会話) {E: almost; nearly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yak 3
- ヤㇰ 【接助】①…すれば、 …すると(帰結としては「よい」「悪い」「望ましいことが起こる」「ありがたい」「困ったこと/恐ろしいことが起こる」などを表す表現がくる)。 hoskino mukar ani tuye wa ora noko ani hóse, yak horak kusu ne na ホㇱキノ ムカㇻ アニ トゥイェ ワ オラ ノコ アニ ホセ、 ヤㇰ ホラㇰ クス ネ ナ 初めにまさかりで切ってそれからのこぎりでひきなさい、 そうすれば倒れるから。 sekor an menoko ta kamuy menoko ne yak a=kor oka! セコラン メノコ タ カムイ メノコ ネ ヤㇰ アコㇿ オカ! あのような女が女神であれば結婚するのになあ。(S言い伝え) eytasa e=cis yak/wenkamuy patek/e=eramasu エイタサ エチㇱ ヤㇰ/ウェンカムイ パテㇰ/エエラマス あなたがあまり泣くと悪い神ばかりがお前を好きになる。(S子守歌) yak pirka ヤㇰ ピㇼカ …するとよい、 …するほうがよい、 …するがよい(上の人から下の人への命令表現の一種)。 tono e=sak pe ne ciki i=or ta e=henoye yak pirka トノ エサㇰ ペ ネ チキ イオッタ エヘノイェ ヤㇰ ピㇼカ 和人のお得意様がないのならわれわれの所に立ち寄るがよい。(S民話) yak pirka p ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ …すればいいのに/…すればよかったのに。 yak wen ヤㇰ ウェン …するといけない/よくない。 yak easir pirka ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …しなければいけない。 sekor icarpa=an yak easir pirka セコㇿ イチャㇻパアン ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …と言って供物まき(供養)をしなければいけない。(W民話) ②(帰結に願望「…したい」や提案「…しよう」が来るとき)…して。 nen ka ta a=kar yak a=rayke oka! ネン カ タ アカㇻ ヤㇰ アライケ オカ! なんとかして殺したいものだなあ! (S民話) a=o yak a=seske ro アオ ヤㇰ アセㇱケ ロ (土を)入れてうめよう。(S) ☆参考 yakne ヤㇰネ と同義。 yakne ヤㇰネ と yak ヤㇰ の使い分けは、 リズムによる。 ゆっくり話し、 条件の部分を言って一呼吸おくようなときは yakne ヤㇰネ を使い、 早い調子でどんどんしゃべっているときは yak ヤㇰ を使う。 また、 歌などの韻文では音節数の都合でどちらかが選ばれることもある。 {E: ①if, when ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yánonkar
- ヤノンカㇻ 【自動】[ya-nonkar 網・の様子を見に行く] 網の中に魚が入ったかどうか見に行く。 ésir pet or un yánonkar kus arpa エシㇼ ペトルン ヤノンカㇻ クㇱ アㇻパ (彼は)さっき川へ網の様子を見に行った。(S) {E: to check whether or not fish have been caught in a net.} (出典:田村、方言:沙流)
- yas
- ヤㇱ 【自動】流し網をする。 heta, yas=an ro sekor a=en=siren hi kus kú=itura wa yas=as akus cep rep ka ci=rayke ヘタ、 ヤサン ロ セコㇿ アエンシレニ クㇱ クイトゥラ ワ ヤサㇱ アクㇱ チェㇷ゚ レㇷ゚ カ チライケ さあ、 流し網に行こうとさそわれたのでついて行って流し網をしたら鮭を三匹も殺した(=鮭が三匹もとれた)。(S) ☆参考 「舟二そうで四人組んでやる、 とも(舟の後部)を川下へ向けて二そうを平行に並べる、 二人がそれぞれの舟のへさき(舟の前部)に立って一つの網を二そうの間に広げて持ち、 二人がともにいて川下へ向けてこいでいく、 網に魚(鮭)が入ったら網を上げる、 何回か川下へ行っては川上へ上り、 一晩に五、 六十本もとることもある。」 (S) {E: to cast a net across a river between two boats.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaskosanpa
- ヤㇱコサンパ 【自動】[yay-kosanpa (裂く/裂けることを表す語根)・急に…する]バリッと裂けるような物音がする。 petkuretoko/puskosanpa/yaskosanpa ペックレトコ/プㇱコサンパ/ヤㇱコサンパ [雅]その川の水源地でピュッと音がし、 バリッと音がする。(Sユーカラ語り) ☞sir-yaskosanpa シㇼヤㇱコサンパ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yasrototke
- ヤㇱロトッケ 【自動】[yas-rotot-ke (裂けることを表す擬音の語根)・(たて続けに音が鳴ることを表す接尾辞)・(自動詞形成)]バリバリバリ/ビリビリビリとものの裂けるような音がする。 ☞sir-yasrototke シㇼヤㇱロトッケ (出典:田村、方言:沙流)
- yaun
- ヤウン 【連体】[ya-un 陸・の] 陸の、 北海道の。 yaun mosir ヤウン モシㇼ 陸の/この島の国(北海道を指す)。 yaun sísam ヤウン シサㇺ 北海道の和人。 {E: refers to Hokkaido.} (出典:田村、方言:沙流)
- yayeporospa
- ヤイェポロㇱパ 【他動】[複](単 yayeporose ヤイェポロセ は未出)[yay-e-porospa 自分・によって・名称をつける](二人以上皆が)…に自分の名前をつける、 …を自分の名前で呼ぶ。 inan mosir a=kor inan kotan a=kor sekor yaykata yaykata yayeporospa kor イナン モシㇼ アコㇿ イナン コタン アコㇿ セコㇿ ヤイカタ ヤイカタ ヤイェポロㇱパ コㇿ どの国は自分のだ、 どの村は自分のだと、 めいめい勝手に自分の名前をつけながら。(S言い伝え) ☆参考 eyayporospa エヤイポロㇱパ とも言う。 {E: to name…as one's own.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayepunkine
- ヤイェプンキネ 【自動】[yay-epunkine 自分・を守る]自制する。 pirkano/yaykosiramsuypa/pirkano/yayepunkine wa, /taoká menoko/arki ciki/iteki koyki no ピㇼカノ/ヤイコシラㇺスイパ/ピㇼカノ/ヤイェプンキネ ワ、 /タオカ メノコ/アㇻキ チキ/イテキ コイキ ノ [雅]よく考えてよく自制して、 女性たちが来たらいじめないで…。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayesinniwkes
- ヤイェシンニウケㇱ 【自動】[yay-e-sir-niwkes 自分・について・あたり・をしそこなう] 何もできない、 何をするすべもわからない、 だらしがない。 {E: to be unable to do anything; negligent.} (出典:田村、方言:沙流)
- yayesinniwkes
- ヤイェシンニウケㇱ 【yay-e-sir-niwkes】 だらしない,しまりがない,家のことをちゃんとできない.▷ヤイ=自分 エ=それ シンニウケㇱ=できない (出典:萱野、方言:沙流)
- yayesinniwkespe
- ヤイェシンニウケㇱペ 【yay-e-sir-niwkes-pe】 だらしのない者. ヤイェシンニウケㇱペ アナㇰネ ソモ エウォンネ ワ インテ コヤンラㇱネ ネヒ ネノ アㇺ ワ イペ コㇿ アン=だらしのない者は顔を洗いもせずに目やにをこびりつけたままで食べている.ソンノ イヨハイ ヤイェシンニウケㇱペ ネ クス シッチャㇱヌレ カ ソモ キ オトイセル オムンセル ワ アン イオッセㇾケレ=本当にあきれたよ,だらしないものだから掃除もしないで土けむりにむせ,ごみにむせている,たまげたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- yayesinnoyanoya
- ヤイェシンノヤノヤ 【yay-e-sir-noya-noya】 人込みの中を体をよじりながら前へ出ようとする,でしゃばる,しゃしゃりでる.▷ヤイ=自身 シㇼ=あたり ノヤノヤ=よじるよじる エネ ウェニポカㇱ ペ オラノ ヤイェシンノヤノヤ ワ シコラㇻルスイ=あれほど醜いくせに人前へ出たがって自分を誰かにくれたがる.スイスイ イキヤクㇽ ヤイェシンノヤノヤ ワ ヘサシ サン ウェンコシパㇱヌ ㇷ゚=またもやあの人が身体をよじって人の間を抜けて前へ出た,たいしたこともないくせに目立ちたがって. (出典:萱野、方言:沙流)
- yayesitturaynup
- ヤイェシットゥライヌㇷ゚ 【yay-e-sir-turaynu-p】 自分自身を見失う者:自分自身の行き先を見失い迷っている者〔悪口〕.▷ヤイ=自身 エ=それで シㇼ=あたり トゥライヌ=見つけない ㇷ゚=者 (出典:萱野、方言:沙流)
- yayiyuninka
- ヤイユニンカ 【自動】[yay-iyuninka 自分・を痛くする](自分で打ったりぶつかったりして)痛くする、 けがをする。 easiriː ka yayiyuninka, ponehe ka kay yak a=ye エアシリー カ ヤイユニンカ、 ポネヘ カ カイ ヤカイェ まあほんとにひどいけがをして、 骨も折れたそうだ。(S) ☆発音 yi イ の部分を高く発音する。 {E: to hurt, injure oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaykatante
- ヤイカタンテ 【自動】[yay-kat-an-te 自分・ありよう・ある・させる](?) (病人が)体のために少し運動する。 ku=yaykatante kus soy péka k=apkas クヤイカタンテ クㇱ ソイ ペカ カㇷ゚カㇱ 私は運動のために外を歩く。 nen póka yaykatante wa asir réra seru ネン ポカ ヤイカタンテ ワ アシン レラ セル 少し運動に出なさい、 そして新鮮な空気を吸いなさい。(S) {E: (for a sick person) to exercise lightly for one's health.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaykosnekur punpa
- ヤイコㇱネクㇽ プンパ 【他動】[yay-kosne-kur punpa 自分・軽く・(< 影/姿)・…を持ち上げる][雅]…を(軽々と)持ち上げる。 hopuni réra/maw sirkasi/a=i=yáykosnekur/punpa kane ホプニ レラ/マウ シㇼカシ/アイヤイコㇱネクㇽ/プンパ カネ [雅]吹き上げた風、 空気の上に私は軽々とのせられて。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaykotomka
- ヤイコトㇺカ 【他動】[yay-kotom-ka 自分・にふさわしい・(他動詞化)と思う][雅]…を自分の結婚相手としてふさわしいと思う、 …と結婚したい。 Kotan-sitcire/Mosir-sitcire/…/Kamuy ne an kur/ne yak easir/a=yaykotomka コタンシッチレ/モシㇼシッチレ/…/カムイ ネ アン クㇽ/ネ ヤㇰ エアシㇼ/アヤイコトㇺカ [雅]「村焼き国焼き(中略)神になる人」とでなければ私は結婚しません。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaypastere
- ヤイパㇱテレ 【他動】[yay-pas-te-re 自分・走る・させる・させる](直訳すると)自分を走らせる。 (次の表現で) homar réra/maw sirkasi/a=yaypastere ホマㇻ レラ/マウ シㇼカシ/アヤイパㇱテレ [雅]私はそよ風とともに走った。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayramuositciwre
- ヤイラムオシッチウレ 【yay-ramu-o-sir-ciw-re】 心を落ち着ける. アイヌ オㇿ タ アナㇰネ インカㇻ イコシンニヌㇷ゚ カ イヌ イコシンニヌㇷ゚ カ アン ペ ネ ワ ネㇷ゚ ア・ヌカㇻ ヤッカ ネㇷ゚ ア・ヌ ヤッカ ア・ヤイラムオシッチウレ ワ ア・ヌ カ ア・ヌカㇻ カ キㇷ゚ ネ=アイヌの社会では見た宝,聞いた宝などがある,何か見ても何か聞いても心を落ち着けて聞いたり見たりするものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaysiporore
- ヤイシポロレ 【自動】[yay-si-poro-re 自分・自分・大きくなる・させる] がまんする、 大人ぶる、 「様子ぶる」、 (今の若者の言い方では)かっこつける。 yaysiporore wa arka yak ye ka somo ki ヤイシポロレ ワ アㇻカ ヤㇰ イェ カ ソモ キ (彼は)がまんして痛いとも言わない。(S) éno p ne korka yaysiporore wa somo e siri エノㇷ゚ ネ コㇿカ ヤイシポロレ ワ ソモ エ シリ (彼はそれを)いつも好きでよく食べるのだが(今は)「様子ぶって」食べないのだ。(S) {E: to put up, have patience with; to act mature than one's age..} (出典:田村、方言:沙流)
- yaysittekka
- ヤイシッテッカ 【自動】[yay-sittek-ka 自分・落ち着く・(他動詞化)] 自分を落ち着かせる、 自制する、 がまんする。 yaysittekka wa té wano kamuy ewak sir un hosippa wa i=kore yan ヤイシッテッカ ワ テ ワノ カムイ エワㇰ シㇼ ウン ホシッパ ワ イコレ ヤン どうかご自分を押えて、 今から神様の住む山へおもどり下さい。(W神謡語り) {E: to calm oneself; be patient; control oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayteknawa
- ヤイテㇰナワ 【副】[yay-tek-na-wa 自分・手・の方・から][雅]自分一人のはからいで。(S) yayteknawa/kanto or wa/mosirso ka ta/rán=an ruwe ヤイテㇰナワ/カント オㇿ ワ/モシㇼソ カ タ/ラナン ルウェ [雅]私は自分一人のはからいで天から地上に降りて来ましたが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
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萱野 茂『萱野茂のアイヌ語辞典』1996年 ©萱野れい子
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』1996年 ©田村洋一