国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ

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so
ソ 【so】 滝. (出典:萱野、方言:沙流)
so
ソ 【so】 〜しようかな. (出典:萱野、方言:沙流)
so
ソー 【so】 本当かい,真実かい. (出典:萱野、方言:沙流)
so 1
ソ 【名】滝。 so ran ソ ラン 滝が落ちる。 so ratki ソ ラッキ 滝が落ちる。 so ratki haw néno itak hawe an ソ ラッキ ハウ ネノ イタㇰ ハウェ アン 滝が落ちるみたいなしゃべり方でしゃべる(「立て板に水を流すようにしゃべる、 理屈のうまい人、 後の人にしゃべらせないように続けてしゃべる」)。(S) {E: a waterfall.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
so 1
ソ 【so】 ①座,床,敷物. (出典:萱野、方言:沙流)
so 2
ソ 【名】座、 座れるようにしてある床(ゆか)、 敷物を敷いてある床(ゆか)。 so kar ソ カㇻ 敷物を敷いて人が座る場所を整える。 so or ソ オㇿ (家の中の)敷物を敷いた上。 ita-so イタソ 板の床。 ☆参考 「床(ゆか)」の訳語としても出た。 ☆参考 昔の家では、 土の上に敷物を敷いて、 その上に座れるようにした。 {E: a form of sitting, a sitting place; a floor covered with matting for sitting on.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
so 2
ソ 【so】 ②面. (出典:萱野、方言:沙流)
so 3
ソ 【名詞語根】(語構成の要素として)借財、 借り。 ☆参考 souk ソウㇰ 借金/借財する。 soataykar ソアタイカㇻ 借金/借財を払う。 (出典:田村、方言:沙流)
so 3
ソ 【so】 ③平岩:海岸に見え隠れしている岩. (出典:萱野、方言:沙流)
so 4
ソ 【名詞語根】[< so ソ 2](語構成の要素として、 平らで広がりのある場所を表す。) atuy アトゥイ 海; atuyso アトゥイソ 海原、 海外の地方。 repuyso レプイソ[repun-so] 沖の方、 海外の地方。 kim un iworso キムン イウォㇿソ 山の奥の地。 (出典:田村、方言:沙流)
so 5
ソ 【終助】(一人言で)…しよう、 …しようかな。 tane k=arpa so タネ カㇻパ ソ (私)もう行こう/行こうかな。(S) suy ku=ye so スイ クイェ ソ また(私)言おう/言おうかな。(S会話) ☆参考 一人称単数形の動詞と共に使われる。 ro ロ《…しよう、 …しようか》と似ているが、 ro ロ は相手に提案して同意を求める言い方、 so ソ は自分一人の意志を言う。 {E: expression of volition.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
a=kosotuye
アコソトゥイェ 【a=ko-so-tuye】 あるだけの物を取られる.▷ア=人,人間 コ=それ ソ=座,座る所 トゥイェ=切る →座っている所まで全財産が取られてしまうこと ウェンプリ コㇿ パ ワ オラーノ エイパㇻ キㇰキㇰ パ ㇷ゚ シネン イヨㇱキ ワ イェ ワ ア・コパㇱテパ ア・コソトゥイェ パ パㇰノ アシンペ サンケ パ=悪いことをしてから口止めをしあっていたのに,ひとりが酔っ払ってしゃべってしまってばれて,ある物をありったけ取られるほどに罰金や宝物を取られた. (出典:萱野、方言:沙流)
amasotki
アマソッキ 【ama-sotki】 寝る寝床,眠る寝台[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
amso
アㇺソ 【am-so】 床(ゆか). カネ アㇺソ オロ ネ アン ペ ミケ カネ…=金の床,それそのものが光り輝き…[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
aoósorusip
アオオソルシㇷ゚ 【名】[a=o osor usi p 私たちが/人が・(そこ)に・尻・をつける・もの](次の名詞句の中で) kasi aoósorusip カシ アオオソルシㇷ゚ (=kasi a=oósorusi p カシ アオオソルシㇷ゚)腰掛け、 椅子。 ☞ka(si) oosorusi カ(シ) オオソルシ (出典:田村、方言:沙流)
apa-harkiso
アパハㇻキソ 【名】[apa-harkiso 戸口・左座(=南側)] 南北二枚戸があるうちの南側の戸口の所。(S) {E: the entrance on the south-side of a house.} (出典:田村、方言:沙流)
apa-síso
アパシソ 【名】[apa-siso 戸口・右座(=北側)] 南北二枚戸があるうちの北側の戸口。(S) {E: the entrance on the northern side of a house.} (出典:田村、方言:沙流)
apekeskeso
アペケㇱケソ 【ape-kes kes-o】 斑点がつく(囲炉裏にあぶり,すねや太ももの内側にできる赤い斑点). テエータ アナㇰネ ウナㇻペ ウタㇻ アペクㇽ パ コㇿ ニサピヒ ネ ヤ アペケㇱケソ ワ アン ヒ ク・ヌカㇻ ペ ネ=ずっと昔はおばさんたちが火にあたるとすねなどに斑点がついていたのを見たものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
apesamtasomoayekamuy
アペサㇺタソモアイェカムイ §426 マムシ  蛇神(11) ape-sam-ta-somo-aye-kamuy (a-pé-sam-ta-so-mo-a-ye-ka-muy)「アぺサㇺタソモアイェカムイ」[<火・のそば・で・言われ・ぬ・神] ⦅名寄⦆ (出典:知里動物編、方言:)
apesotki
アペソッキ 【ape-sotki】 火の寝床,囲炉裏の中. (出典:萱野、方言:沙流)
apesotkikar
アペソッキカㇻ 【ape-sotki-kar】 火の寝床作り(をする). チセ ア・アシ アペソッキカㇻ・アン ヒ タ アナㇰネ アイヌ ニサㇷ゚ ホントㇺ パㇰノ シロウリ・アン エウン ニハㇺ ポン スマ ア・オ カシウン ピヨタ ア・オマレ カシウン アペ ア・アリ ㇷ゚ ネ=家を建て火の寝床を作る時には人間のすねの中ほどの深さに穴を掘り,そこへ木の葉と砂利を入れ,その上へ火山灰を入れてから上へ火を焚くものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
aratuyso
アラトゥイソ 【名】[ar-atuyso 全くの・海原]ずうっと遠い沖の方。 “aratuyso ka/atuyso ka wa/makan katkor pe/ek hum konna アラトゥイソ カ/アトゥイソ カ ワ/マカン カッコㇿ ペ/エㇰ フㇺ コンナ [雅]ずうっと遠い沖の方からどんなものだかやって来る音が…。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aroramposo
アロランポソ 【ar-o-ram-poso】 驚く.▷アㇻ=全く オ=そこで ラㇺ=思い ポソ=潜る →思いが抜けてしまう タネ ホッケ・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アナナクス(アン・アン アクス) ヘパㇱ ペウタンケ ハウ ア・ヌ.アロランポソアニネ(アロランポソ・アン ヒネ) ソヨテㇾケアナクス(ソヨテㇾケ・アン アクス) シㇼウフイ ネ ノイネ ポロ アペ ニペㇰ ア・ヌカㇻ=さて寝ようかな思っていると,下の方へ危急を知らせる叫び声が聞こえた.驚いて外へ飛び出ると,火事らしく大きい火の光が見えた.ア・ユピヒ トゥラノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ニセンピㇼ ワ シネ ハイカンヌㇷ゚ ピッコサヌ ア・ユピヒ カシ カムテㇰ.アロランポソ・アン コㇿ ネ ワ アン ハイカンヌㇷ゚ オㇷ゚ アニ ア・シㇼコオッケ ア・ユピヒ カシ ア・オピューキ=私は兄と山へ行ったら木の陰から中ぐらいの熊が飛び出して私の兄におおいかぶさった.私は驚きながらその熊を槍で突き刺し,兄を助けた[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
arso(ke)
アㇻソ(ケ) 【arso(ke)】 囲炉裏を挟んで反対側.▷アㇻ=もう一方の,反対側の ソ=座 ケ=の所 ア・マチヒ アナㇰネ エアㇻキンネ イカㇻカㇻ エアㇱカイ ケㇱト アン コㇿ イカㇻカㇻ コㇿ アン アㇻソケ タ アシヌマ アナㇰネ イヌイェ・アン コㇿ アナン(アン・アン)=私の妻は本当に刺繍が上手で,毎日毎日刺繍をしており,囲炉裏を挟んで私は彫り物をしている[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
arsoke(he)
アㇻソケ(ヘ) 【名】[所](概の例はない。)[ar-so-ke-he 反対側の・席・の所・(所属語尾)] いろりをはさんで向かい側の席。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
asoya
カソヤ §121 アシナガバチ類  ka-soya(ká-so-ya)「かソヤ」⦅名寄、様似、沙流、千歳、旭川、穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
atuyso
アトゥイソ 【名】[atuy-so 海・広がりを持つ所] (直訳すると)海原=沖の方。 atuyso ka ta アトゥイソ カ タ 沖の方に、 海外に。 atuyso ka wa アトゥイソ カ ワ 沖の方から、 海外から。 ☆参考 rep レㇷ゚ 沖。 {E: the ocean.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aynupannacirapisone
アイヌパンナチラピソネ 【aynu-panna-cirapi-so-ne】 人間の上半身が空から降って広がったように . ▷アイヌ=人間 パンナ=上半身 チラピ=それが落ちる ソ=座 ネ=なる *ユカㇻに出て来る一場面で,ポンヤウンペが戦いの場で相手の者どもを斬りまくる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
casori
チャソリ 【ca-sori】 柴そり:イワニ(アオダモ)製. コタン カットゥイマノ スマウコㇿ・アン ワ カㇺ ア・セ ニューケㇱ ヒ タ チャソリ ア・カㇻ ワ カㇺ ア・ルラ ㇷ゚ ネ=村から遠い所で獲物を手にして肉を背負いきれない時に柴ぞりを作って肉を運ぶものだ.図[チャソリ] (出典:萱野、方言:沙流)
cékantoor-soye
チェカントオㇿソイェ 【他動】[中相][c(i)-e-kanto-or-soye された・その頭が・天・のところ・をえぐる]天に向かってそびえている。 cékantoor-soye kane an poro nupuri チェカントオㇿソイェ カネ アン ポロ ヌプリ 天に向かってそびえている大きな(高い)山。 {E: to rise, soar to the sky, the heavens (eg. a mountain).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ceppisoy(e)
チェㇷ゚ピソイ §067 サケ あきあじ、あきやじ  部(7) cep-pisoy(-e)(cep-pi-soy)「チェㇷ゚ピソイ」⦅近文⦆サケの腹 (出典:知里動物編、方言:)
sonere
チェソネレ 【他動】[中相][ci-e-sóne-re される・…について・本当である・させる]…がわかる。 cikoykip kamuy/ranma katu/césonere チコイキㇷ゚ カムイ/ランマ カトゥ/チェソネレ [雅]けものというものはいつもこういうものなのだなあとわかった。(Sユーカラ語り) ☆参考 語るときの形。 歌うときは ciesonere チエソネレ と言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ci=esorore
チエソロレ 【ci=esoro-re】 それを描く,絵を描く[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=sokarmat
チソカㇻマッ 【ci=so-kar-mat】 本妻.▷チ=私たち ソ=座 カㇻ=作る マッ=妻 チソカㇻマッ カ アン ポンマッ ア・イェ ヒ チパンケマッ セコㇿ ネ=本妻もいるが,妾のことを,本妻より薄められる妻という. (出典:萱野、方言:沙流)
ciesonere
チエソネレ 【他動】[中相][ci-e-sóne-re される・…について・本当である・させる]…がわかる。 cikoykip kamuy/ranma katuhu/ciesonere チコイキㇷ゚ カムイ/ランマ カトゥフ/チエソネレ [雅]けものというものはいつもこういうものだなあとわかった。(Sユーカラ) ☆参考 歌うときの形。 語るときは césonere チェソネレ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ciesoypakar
チエソイパカㇻ 【他動】[中相][ci-e-soypa-kar される・その頭・えぐる・させる][雅](天に)とどくばかりにそびえる。 kanto kotor ciesoypakar カント コトㇿ チエソイパカㇻ (山が)天にとどくばかりに高くそびえている。(W神謡) ☆参考 歌うときの形。 ☞cékantoorsoye チェカントオㇿソイェ (出典:田村、方言:沙流)
cikahsoroma
チカㇵソロマ §431 ワラビ (5) cikah-soroma (ci-káh-so-ro-ma)「チかㇵ・ソロマ」[cikah(<cikap 鳥)soroma(クサソテツ)] 新葉 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cikapposoya
チカッポソヤ 【cikap-po-soya】 クマバチ. (出典:萱野、方言:沙流)
cikapsotki
チカッㇷ゚ソッキ §419 (その他の鳥名)  (9) cikap-sotki(či-káp-sot-ki)「チかッㇷ゚ソッキ」[sotkiねぐら]⦅和愛⦆チカプショッキ[sotki寝床] (出典:知里動物編、方言:)
cikisokiso
チキソキソ 【他動】[中相][ci-kis-o-kiso される・(擬態の語根)・(他動詞形成)・(重複)] モソモソする(シラミがついて)、 ザワザワする(子どもたちが遊びでさわいで)。 ku=kio noyne ku=sapa cikisokiso クキオ ノイネ クサパ チキソキソ 私シラミがついたらしく頭がモソモソする。(Sユーカラ) {E: the sensation of having head lice; for children at play to be noisy.} (出典:田村、方言:沙流)
cikosomokur koyaykatanu
チコソモクㇽ コヤイカタヌ 【分離他動】[中相][ci-kosomokur koyaykatanu …すること・…に対して無礼なことをする/言う](ekarkar エカㇻカㇻ の前に置かれて) …に対して無礼なことをする/言うこと。 wen menoko/utar orkehe/cikosomokur/koyaykatanu/i=ekarkar kus/hawkor hawe/oka ya sekor ウェン メノコ/ウタロㇿケヘ/チコソモクㇽ/コヤイカタヌ/イエカㇻカㇻ クㇱ/ハウコㇿ ハウェ/オカ ヤ セコㇿ [雅]悪い女どもが私に対して無礼なことをしゃべっているのだろうかと。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cikosomokur yaykatanu
チコソモクㇽ ヤイカタヌ 【ci-ko-somokur yay-katanu】 私に遠慮もしないで,私に遠慮もせずに. ▷チコ=私に ソモクㇽ=それ ヤイカタヌ=遠慮 チコソモクㇽ ヤイカタヌノ シネンネアンペコㇿ ネㇷ゚ワアンペ エハウカントゥㇽセ=私に遠慮もせずに,ひとりでいるかのように何かをわめきちらしている.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cikupsokasi rapkosanu
チクㇷ゚ソカシ ラㇷ゚コサヌ 【ci-kup-so-kasi rap-kosanu】 宴の座が静まり返る. ▷チ=私たち クㇷ゚=飲む ソ=座 カシ=上  ラㇷ゚コサヌ=静まり返る[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cinunukeupsor(-o)
チヌヌケウㇷ゚ソㇿ §096.陰部―女性の性器(4)cinunuke-upsor(-o)〔či-nú-nu-ke-up-sor チぬヌケウㇷ゚ソㇿ〕[ci-(我らが)+nunuke(大切にする)+upsor(女陰)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cipisok
チピソㇰ §031 ツマグロカジカ;ぎすかじか(方言) (3) ci-pisok (čí-pi-sok)「ちピソㇰ」[ci(陰茎)pisok(カジカ)] ⦅荻伏⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ciporkeso
チポㇿケソ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (1) cipor-keso(či-pór-ke-so)「チぽㇿケソ」[<cupor(腹の所)kes(斑点)o(群在する)]⦅美幌、足寄、斜里⦆イワナ。 (出典:知里動物編、方言:)
ciporokeso
チポロケソ §032 オニカジカ(渋§760)オニカジカ;オイランカジカ;ツノカジカ (3) ciporokeso (chi-pó-ro-ke-so)「チぽロケソ」[<cuporo(その腹の所)kes(斑紋)o(ついている)] 成魚 ⦅斜里⦆ (出典:知里動物編、方言:)
cisesoosut
チセソオスッ 【cise-so-o-sut】 家の隅. (出典:萱野、方言:沙流)
cisesoy
チセソイ 【名】[cise-soy 家・の外] ①家のすぐそば。 ②家の戸口を出た所、 門口。 ☞soy ソイ {E: ①near a house. ②near, outside the entrance, gateway to a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisesoy
チセソイ 【cise-soy】 戸外. (出典:萱野、方言:沙流)
ciseupsor
チセウㇷ゚ソㇿ 【cise-upsor】 家懐.▷チセ=家 ウㇷ゚ソㇿ=懐 (出典:萱野、方言:沙流)
cisoekatta
チソエカッタ 【他動】[中相] ☞cisoyekatta チソイェカッタ (出典:田村、方言:沙流)
cisoroitak
チソロイタㇰ 【cis-or-o-itak】 泣きながらものを言う. *昭和30年代までは弔問に行った時,ウムライパ(=座ったままで抱き合う)しながら,チソロイタㇰしたものである.▷チㇱ=泣く オㇿ=所に イタㇰ=言う (出典:萱野、方言:沙流)
cisotta
チソッタ 【名詞+位名+格助】[cise or ta チセ オッタ が早く発音されて縮まった形。] hekattar cisotta sinot kor oka ヘカッタㇻ チソッタ シノッ コロカ 子どもたちが家で遊んでいる。(S) (出典:田村、方言:沙流)
cisoyekatta
チソイェカッタ 【他動】[中相][ci-soy-ekatta される・外・に向けて突進させる] 家から外にとび出す(「ポッと出はる」)。 ☆参考 早い発音で y が弱まって消え、 cisoekatta チソエカッタ と聞こえることもある。 {E: to rush out of a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisoyekatta
チソイェカッタ 【ci-soy-ekatta】 飛び出す.▷チ=それ ソイ=外 エカッタ=さっと ソンーノ ポンノ アン ペ カ ケスイ ワ チソイェカッタ=本当にまあ,少しのことにも怒ってさっと出てしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
cisoynaraye
チソイナライェ 【ci-soyna-raye】 (静かに,ゆったりした態度で)出る. (出典:萱野、方言:沙流)
cisoyokuta
チソヨクタ 【他動】[中相][ci-soy-okuta される・外・にパツと全部あけてしまう] 皆でいっせいに外に駆け出す。 {E: for everyone to rush out of s'where together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisoyokuta
チソヨクタ 【ci-soy-o-kuta】 外へ飛び出す. コタン ケスン(ケㇱ ウン) ウコイキ ハウ ウェンルイ アクス オッカイポ ウタㇻ ウウォフㇺセエチューパ コㇿ チソヨクタ=村の下端でけんかをしている声が激しく聞こえると,若者たちが気合を掛け合いながら外へ飛び出した. (出典:萱野、方言:沙流)
cispisok
チㇱピソㇰ §031 ツマグロカジカ;ぎすかじか(方言) (2) cispisok (čís-pi-sok)「ちㇱピソㇰ」 ⦅白老、幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
citsoya
チッソヤ §122 スズメバチ (8) cit-soya(cit-so-ya)「チッソヤ」⦅近文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ciwasoro
チワソロ 【名】[ciw-as-oro 流れ ・立つ・所] 河口(海と川のぶつかった大きい所)。 {E: the mouth of a river.} (出典:田村、方言:沙流)
eharkiso
エハㇻキソ 【e-harkiso】 左座. (出典:萱野、方言:沙流)
eisokor
エイソコㇿ 【e-isokor】 〜を信じる,真に受ける. ユタㇻクㇽ エㇰ ワ カムイ スマウ ネ ハウェ ク・ヌ ア コㇿカ ア・エイソコㇿ ハワㇱ ネ ワ=使いの者が来て熊を獲ったというのを私は聞いたが,信じていい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ekosomo-yaykatanu
エコソモヤイカタヌ 【他動】[e-ko-somo-yaykatanu …で・…に・(否定)・礼儀正しい][雅](人)に対して無礼なことをする/言う(ci-… ekarkar チ… エカㇻカㇻ の構文で)。 ciyekosomo[ci-ekosomo]/yaykatanu/i=ekarkar kusu チイェコソモ/ヤイカタヌ/イエカㇻカㇻ クス[雅]まるで無礼なことを私に言うために。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 (出典:田村、方言:沙流)
ekosouk
エコソウㇰ 【複他動】[e-ko-so-uk …で・…に・借財・受け取る](人)に(お金やお米のようなもの)を借りる。 eci=ekósouk エチエコソウㇰ 私はあなたに(お金を)借りた。 ☆参考 sóuk ソウㇰ お金などを借りる。 esouk エソウㇰ …を借りる(お金などを)。 kosouk コソウㇰ (人に) 借金/借財する。 {E: to borrow food, money from someone} (出典:田村、方言:沙流)
ekosouk
エコソウㇰ 【e-ko-so-uk】 金を借りる. ウェニヨㇱキㇷ゚ エㇰ ヒネ イチェン エネコソウㇰ(エン・エコソウㇰ) ルスイ ク・シトマ コㇿ カナクス(ク・アン アクス) アウン アチャポ エㇰ ヒネ エン・カシケウェ エアㇻキンネ ク・ヤイライケ=泥酔したといってもいいような者が来て銭を貸してくれと言い,私が恐ろしく思っていると隣のおじさんが来て私に加勢してくれた,本当にありがたかった. (出典:萱野、方言:沙流)
ekoysoytak
エコイソイタㇰ 【複他動】[e-ko-isoytak (人)に・(こと)について・話す](人)に…について話して聞かせる。 hńta en=ekoysoytak hawe? フンタ エネコイソイタㇰ ハウェ? (私に)何の話をしてくれるの? (S) {E: to make someone listen to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
enisomap
エニソマㇷ゚ 【他動】気がかりだ、 気味が悪い(何か起こるのではないかと気にかける)。 {E: to have a bad feeling about…} (出典:田村、方言:沙流)
enisomap
エニソマㇷ゚ 【enisomap】 心配する. (出典:萱野、方言:沙流)
eosoma
エオソマ 【他動】[e-osoma …で・大便する] …をうんちに出す。 ne sake íne? /a=ku wa isam/a=ku ruwe íne/a=eósoma wa isam ネ サケ イネ? /アク ワ イサㇺ/アク ルウェ イネ/アエオソマ ワ イサㇺ [雅]その酒はどうなった、 飲まれてしまった、 飲まれたのはどうなった、 うんちに出されてしまった。(KK掛け合い歌) {E: to defecate…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eposo
エポソ 【他動】[e-poso …で・貫く] …を貫く、 …を突き抜ける、 …を通りぬける、 (病気などから)やっと治る。 iwan aynu-ikir eposo húci イワン アイヌイキㇼ エポソ フチ 六代にわたって生きたおばあさん。(S独話) kú=iki ayne k=époso クイキ アイネ ケポソ どうにかやっと治った。(S) {E: to pass through…; recover from a sickness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eposo
エポソ 【eposo】 言うまでもなく,本当に,実に. (出典:萱野、方言:沙流)
eposokane
エポソカネ 【副】[eposo-kane 貫く・…して] なるほど、 やっぱり、 当然のことながら、 (あいづちとして)そうでしょうとも。 {E: indeed; as expected.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eposokane
エポソカネ 【eposo-kane】 言うまでもなく,勿論. シネアンタ ネㇷ゚カ ア・サㇰ ノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) トゥスニケ シネㇷ゚ ニ カ タ アニクス(アン ヒクス) ポン スマ シネㇷ゚ ア・ウㇰ ヒネ ア・コピイェカㇻ アクス エポソカネ トンケ カ ソモ=ある日のこと何も持たずに山へ行くと,エゾリスが1匹木の上にいたので小さい石をひとつ取って投げつけたが,言うまでもないがびくともしなかった.エカナイワノ トイタ ワ コㇿ トイ ネ ヒ アイヌ オピッタ エラマン ワ アン ペ イヨㇱ ワ エㇰ ペ ネㇷ゚カ エトイタ ノイネ ネ アㇷ゚ エポソカネ ア・コイレンカコㇿ ハウェ=ずっと前から畑を耕し持ち畑であることを人々皆が知っていたのに,後から来た者が何か蒔いていたらしかったが,勿論問題にされたわけだ. (出典:萱野、方言:沙流)
eposore
エポソレ 【他動】[eposo-re 治る・させる](病気を)やっと治す、 いやす。 ene katu an a p mak kar ayne eposore ruwe ene an? エネ カトゥ アナㇷ゚ マㇰ カㇻ アイネ エポソレ ルウェ エネ アン? あんなにひどいおできだったのをどうかこうかしてよくもまあ治したものだね。(S) {E: to finally recover from a sickness.} (出典:田村、方言:沙流)
eposoun
エポソウン 【eposo un】 そうだろう,言うまでもない. (出典:萱野、方言:沙流)
esisoun
エシソウン 【e-siso-un】 右座の方.▷エ=それ シソ=本当の座 ウン=の方 エシソウン アㇻパ=右隣りの家へ行け.*家の中の横座に座って入口の方を見て右側がシソ (出典:萱野、方言:沙流)
esittatososke
エシッタトソㇱケ 【自動】[e-sir-ta-tosos(o)-ke その頭が・あたり・(?)・…を荒らす・(自動詞形成)]草原を分けて突き進む(人間でも熊でも)。 esittatososke kor hoyupu エシッタトソㇱケ コㇿ ホユプ 草原を分けて「めちゃくちゃ走る」 (S) {E: to push one's way through grasslands.} (出典:田村、方言:沙流)
esoataykar
エソアタイカㇻ 【他動】[e-so-atay-kar …で・借財・値・を払う](お金、 米、 宝器等の借財)を返す。 {E: to return, pay back money, food etc.} (出典:田村、方言:沙流)
esoataykor
エソアタイコㇿ 【他動】[e-so-atay-kor …で・借財・値・を持つ]…を借財として借りている、 (お金、 米、 宝器等)を借りている、 …の借財がある。 ☆参考 soataykor ソアタイコㇿ[自動]借財がある。 sóuk ソウㇰ[自動]借財をする。 esouk エソウㇰ [他動]…を借財として借りる。) {E: to borrow money, food etc.} (出典:田村、方言:沙流)
esocupu
エソチュプ 【e-so-cupu】 (ござを)巻き上げる:酒盛りが終わり,掃除のためにござを巻き上げる.▷エ=それ ソ=座 チュプ=はぐる (出典:萱野、方言:沙流)
esokarkar
エソカㇻカㇻ 【他動】[e-so-karkar …で・敷き物を敷いて整えた床(ゆか)・を飾る] …でゆか(をはじめ家の中)を飾る。 {E: to decorate a floor with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esokesne(an-)
エソケㇱネ §034.結婚(する)(38)esokesne(an-)〔e-só-keš-ne エそケㇱネ〕⦅チカブミ⦆妻になる。[e(そこにおいて)+sokes(妻〔→本書 p.525〕)+ne(になる);‘…の許に妻となる'の意]。"katkemat pirka ike an-numke wa i-〜"「淑女のいいのが選ばれて私の妻になった」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
esokka
エソッカ 【名】[動物] カジカ(魚の名)。 pon esokka ポン エソッカ (直訳すると)小さいカジカ(頭の大きい子どもを冗談に呼ぶ呼び方)。〔知分類 p.18 カジカ; カワカジカ(方言)〕 {E: a bullhead fish.} (出典:田村、方言:沙流)
esokka
エソッカ 【esokka】 カジカ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
esokka
エソッカ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (10) esokka (e-sók-ka)「エそッカ」 成魚 ⦅幌別、白老、似湾、千歳、沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
esokkapa
エソッカパ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (12) esokkapa (e-sók-ka-pa)「エそッカパ」 成魚 ⦅美幌、足寄⦆ (出典:知里動物編、方言:)
esokkapu
エソッカプ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (11) esokkapu (e-sók-ka-pu)「エそッカプ」[<esokka(↑)pu(<po指小辞)] 成魚 ⦅近文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
esoksoki
エソㇰソキ 【名】[動物](図鑑によれば)アカゲラ、 「キツツキの一種」。(S)〔知分類 p.194 エゾアカゲラ、 エゾオオアカゲラ、 コアカゲラ〕 {E: a great spotted woodpecker.} (出典:田村、方言:沙流)
esoksoki
エソㇰソキ 【esoksoki】 鴫(シギ).(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
esoksoki
エソㇰソキ §330 エゾアカゲラ (1) esoksoki (e-sók-so-ki)「エそㇰソキ」[<e-sokisoki(頭を・トントン打ちつける)] ⦅幌別、白老、沙流、千歳、近文、春採、屈斜路、美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
esonkokor
エソンココㇿ 【他動】[e-sonkokor …に関して・言づてを持って行く]…を知らせるため使いをする。 {E: to run an errand to give someone news, a message.} (出典:田村、方言:沙流)
esopki
エソㇷ゚キ 【e-sopki】 着座させる. アㇻ コタン ワ エㇰ クㇽ ウタㇻ ア・エソㇷ゚キ=別の村から来た人たちを(私たちは)着座させた.ア・エソㇷ゚キ アイヌ=丁寧に座を示される人,大切にされる人. (出典:萱野、方言:沙流)
esorkanni
エソㇿカンニ 【esor-kar-ni】 ハナヒデ(ミツバウツギ):枝を折るとこの木ほどいやなにおいの木はないと思うほどにおいがある,アイヌはこの木で火箸を作った. アイヌ イタㇰ アニ チクニレ レホㇰ アッカリ ケラマン(ク・エラマン) ワ カン(ク・アン) コㇿカ エソㇿカンニ パㇰノ フラハ ウェン チクニ イサㇺ ペ ネ=アイヌ語で木の名前を60以上知っているけれどもハナヒデくらいにおいの悪い木はないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
esoro
エソロ 【後副】(川のような長いもの)に沿って。 petesoro ペテソロ[副](神謡の言葉)川に沿って。 ☆参考 turasi トゥラシ …に沿って上へ。 pes ペㇱ …に沿って下へ。 {E: along a river.} (出典:田村、方言:沙流)
esorokanni
エソロカンニ §152 ミツバウツギ (1) esorokanni (e-só-ro-kan-ni)「エそロカンニ」[e(それで)soro(かんな)kar(つくる)ni(木)] 茎 ⦅穂別⦆⦅A沙流・千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
esosipi
エソシピ 【e-so-sipi】 再婚する.▷エ=それで ソ=座 シピ=生き返る ナー ペウレクㇽ チセサㇰ ヤㇰ ア・イェ ク・イケㇺヌ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エソシピ ヤㇰ ア・イェ ク・コトゥヤシ=まだ若い人が妻を亡くしたと言って哀れに思っていたが,再婚したということでよかったなあと思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
esosnakari
エソㇱナカリ 【自動】道草を食う、 横道へそれる。 hunak ta e=esosnakari wa e=ek? フナㇰ タ エエソㇱナカリ ワ エエㇰ? どこで道草を食って遊んで来た? (S) {E: to loiter along the way.} (出典:田村、方言:沙流)
esouk
エソウㇰ 【他動】[e-so-uk …で・借財・を受け取る](お金、 米、 反物、 宝器等のような借財となるようなもの)を借りる。 úsep sinep a=esóuk ro ウセㇷ゚ シネㇷ゚ アエソウㇰ ロ 反物一反借りよう。(S) ☆参考 etun エトゥン(使うために借りてその後で返すような普通の品物)を借りる。 sóuk ソウㇰ[自動]借財/借金をする。 soataykor ソアタイコㇿ[自動]借財/借金がある。 esoataykor エソアタイコㇿ[他動]…を借財として借りる。 esoukte エソウㇰテ[複他動](次項) {E: to borrow money, rice etc.} (出典:田村、方言:沙流)
esouk
エソウㇰ 【esouk】 借りる. エシソウン エカシ エウン イチェン ア・エソウㇰ クス アㇻパアナ(アㇻパ・アン ア) コㇿカ ア・エラㇺヌクリ クス ネㇷ゚カ ソモ ア・イェ ノ エカン(エㇰ・アン)=私は右隣のおじいさんの所へお金を借りに行ったけれども,言い出しづらくて何も言わずに来た.ネア アチャポ オㇿワ ケソウㇰ(ク・エソウㇰ) ルスイ ペ アン コㇿカ ク・コラㇺヌクリ ワ ナ ソモ ク・イェ ノ カン(ク・アン) ヒ ウン=あのおじさんから借りたい物があるけれども,近づきにくいので私はまだ何も言っていないのだよ, (出典:萱野、方言:沙流)
esoukte
エソウㇰテ 【複他動】[e-souk-te …で・借財する・させる](人)に(お金、 米、 宝器等)を貸す、 (人)に借財として…を貸す。 amam sine conpa en=esoukte アマㇺ シネ チョンパ エネソウㇰテ お米を一升(1.8リットル)貸して下さい。(W) ☆参考 soukte ソウㇰテ[他動](人)に借財させる。 ちょっと使うものを一時的に貸すことは erusa エルサ[複他動]。 {E: to lend money, food etc.} (出典:田村、方言:沙流)
esoukte
エソウㇰテ 【esouk-te】 貸す. テエタ ネア クㇽ イチェン ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) ア コㇿカ ソモ エン・コホシピレ タネ ケラㇺキッカㇻ(ク・エラㇺキッカㇻ)=ずうっと前にあの人に金を貸したが私に戻してくれないのでもう諦めた.パナウンクㇽ エウン ポオン イチェン ネ コㇿカ ケソウㇰテ(ク・エソウㇰテ) アㇷ゚ ソモ エン・コホシピレ.カシウン イイェシシ(イ・エシシ) ㇷ゚ ネ クス ク・ヌカㇻ カ エラムㇱカリ=川下の人へ少しの銭であったが貸したものだが私に返済しない.その挙げ句私を避けるものだから私はあの人を見たこともない.テエタ エチ・エソウㇰテ イチェン タント エチ・エソウㇰテ ㇷ゚ ウコタㇺケ 1万円 ネ ナー=以前あなたに貸した金,今日貸したものとあわせて1万円だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
esoye
エソイェ 【e-soye】 選り分ける:箕を揺すって精白と籾を選り分ける. テエータ ナー ひえとおし カ イサㇺ ヒ タ アナㇰネ ピヤパ ネ ヤッカ ムイ アニ ア・エソイェ ワ エアシㇼ ピㇼケㇷ゚ ア・カㇻ ペ ネ=ずっと昔,まだヒエとおしもなかった時代にはヒエも箕でより分け,それで初めて精白を作っていたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
esoyne
エソイネ 【副】[e-soy-ne その頭が・外・だ] 外へ、 外で。 esoyne húmas-húmas エソイネ フマㇱフマㇱ 外でしきりに物がする。(W民話) esoyne a=i=nínpa エソイネ アイニンパ 私は外へ引きずり出された。(KH民話) {E: outside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esoyne
エソイネ 【esoyne】 外へ. マキㇷ゚ エソイネ ヘカチ アㇺカㇺコモㇺセ ハウ アㇱ ナ.ホクレ アㇻパ ワ ヌカㇻ ワ エㇰ=どうしたのか外で子供が泣きわめく声が聞こえる.行って見て来い. (出典:萱野、方言:沙流)
esoyne(-an)
エソイネ §470.だいべん(大便)(8)大小便に出る esoyne(-an)〔e-sóǐ-ne エそイネ〕[esoyne(戸外へ出る)]⦅イブリ、ヒダカ〔サル〕⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
esoyneninpaninpa
エソイネニンパニンパ 【esoyne-ninpa-ninpa】 外へ引きずり出す. (出典:萱野、方言:沙流)
esoynewano
エソイネワノ 【esoyne wano】 外から. ニㇱパ アヌシ(アン ウシ) アナㇰネ エソイネ ワノ ア・エラマン=物持ちの家は外から見てもわかる. (出典:萱野、方言:沙流)
esoypakar
エソイパカㇻ 【他動】[e-soypa-kar その頭・…をえぐる・(他動詞化)](中相形で、 次のような慣用表現で) kanto kotor/ciesoypakar カント コトㇿ/チエソイパカㇻ (山が)天にとどくばかりに高くそびえている。(W神謡K) ☞cékantoor-soye チェカントオㇿソイェ (出典:田村、方言:沙流)
esoyta
エソイタ 【esoyta】 屋外. (出典:萱野、方言:沙流)
etokosonkokuste
エトコソンコクㇱテ 【etoko-sonko-kuste】 予定を伝える:前もって伝言に行かせる. ヘマンタ エㇰ クス オトゥ イキンネ オレ イキンネ シエトコホ ソンコクㇱテ ハウェアン ケヌコㇱネ(ク・エヌコㇱネ)=何者が来るとて2回も3回も自分が来ることの予定を伝えるのか,私はしゃくにさわる. (出典:萱野、方言:沙流)
etoyposo
エトイポソ 【自動】[e-toy-poso 頭・土・を突き抜ける](地中から)芽を出す、 土を割って出て来る。 {E: to sprout} (出典:田村、方言:沙流)
eukoisoytak
エゥコイソイタㇰ 【e-u-ko-isoytak】 ~について話し合う. ▷エ=それ ウ=互いに コ=目的 イソイタㇰ=話をする(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ewkoysoytak
エウコイソイタㇰ 【他動】[e-uko-isoytak …について・互いに・話をする] …について互いにいろいろと話を(おしゃべりを)し合う。 nep ka kamuy oruspe hene teeta aynu oruspe hene a=ewkoysoytak wa ネㇷ゚ カ カムイ オルㇱペ ヘネ テエタ アイヌ オルㇱペ ヘネ アエウコイソイタㇰ ワ 何か神のことでも昔のアイヌのことでもお互いにいろいろ話をし合って。(S会話) {E: to mutually discuss…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayeysoytak
エヤイェイソイタㇰ 【他動】[e-yay-e-isoytak …で・自分・について・話をする] …を自分の身の上話として話す。 páoyan uske ta kemran kamuy i=resu hi ne aan hi a=eyáyeysoytak パオヤン ウㇱケ タ ケㇺラン カムイ イレス ヒ ネ アアニ アエヤイェイソイタㇰ 伝染病が上陸して来たときに、 飢饉の神が私を育ててくれたのだったと言うことを私は自分の身の上話として話した。(W民話) ☞yayeysoytak ヤイェイソイタㇰ、 isoytak イソイタㇰ {E: to talk about oneself to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykonisomap
エヤイコニソマㇷ゚ 【他動】何かまちがいがあると困ると気にかける。 (出典:田村、方言:沙流)
eysokor
エイソコㇿ 【他動】[e-i-so-kor …に関して・ものごと(を)・真実・を持つ(=と思う)]…を本当のことだと信じる。 ☆対語 eunpipka エウンピㇷ゚カ …を疑う。 {E: to believe…is true.} (出典:田村、方言:沙流)
eysoytak
エイソイタㇰ 【他動】[e-isoytak …について・話をする] …についていろいろ話をする。 ☞isoytak イソイタㇰ {E: to talk about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hankeesoyne
ハンケエソイネ §404.小便に出る(4)hanke-esoyne〔hán-ke-e-soǐ-ne はンケエソイネ〕[近く・出る]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
harkiso
ハㇻキソ 【位名】[harki-so 左側の・座] 左座(入って右側、 いろりの南側の席、 来訪者の席)、 (家の外でも)南側。 ☆参考 síso シソ 右座。 ☞oharkiso オハㇻキソ {E: the south side.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
harkiso
ハㇻキソ 【harki-so】 左座,左隣. エハㇻキソウン タアン ペ コㇿ ワ アㇻパ=左隣へこれを持って行け.*自分の家から見て左隣へという意味で,この一言で左隣という意味にはならないが,どこの家でも慣例的に用いていた言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
harkisoke
ハㇻキソケ 【位名】[所](概は harkiso ハㇻキソ)[harkiso-ke 左座・の所] 家の南側。 {E: the south side of a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
híne un somo
ヒネ ウン ソモ 【慣用句】[それなら・(否定)] もちろん。(S) ☞yakun somo ヤクン ソモ/ヤクイソモ (出典:田村、方言:沙流)
hureisomeciw(-e)
フレイソメチウ §033.あざ(痣)(7)赤あざhure-isomeciw(-e)〔Fú-re-i-sò-me-čiǔふレ・イそメチウ〕[赤い・あざ]⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hurekeso
フレケソ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (2) hurekeso(hú-re-ke-so)「ふレケソ」[<hure(赤い)kes(斑)o(ついている)]⦅旭川⦆イワナ。 (出典:知里動物編、方言:)
huresoy
フレソイ §024 オオサガ;メヌキダイ(方言) (1) hure-soy (hú-re-soy)「ふレソイ」[赤い・ソイ] ⦅白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
huresoy
フレソイ §025 キチジ;キンキン(方言) (1) hure-soy (hú-re-soy)「ふレソイ」[赤い・ソイ] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
iisone
イイソネ 【i-isone】 幸いなことに,どうやら. オホンノ ソモ エ・イワㇰ ペ ネ クス ア・イモキリカ ワ アナナㇷ゚(アン・アン アㇷ゚) イイソネ エ・イワㇰ=しばらく帰らないものだから心配なことであったが幸いなことに君は帰って来た.タント シㇼペケㇾ ヒ タ ケㇰ(ク・エㇰ) エパ ヤー シコㇿ ク・ヤイヌ コㇿ ク・ヤイニタンテ アクス イイソネ ク・シレパ=今日明るいうちに到着するかなあと思いながら急いで来たがどうやら着いた. (出典:萱野、方言:沙流)
iisoneka
イイソネカ 【副】[< 自動 i-iso-ne-ka ものを・本当・である・(他動詞化)](?) よくまあ…したものだ。 wenisitoma=an kor orano sama ta hotke=an hike, iisoneka, siknu=an híne kunneywa an ウェニシトマアン コㇿ オラノ サマ タ ホッケアン ヒケ、 イイソネカ、 シㇰヌアニネ クンネイワ アン 私はひどく恐ろしく思いながら彼のそばに寝たが、 よくまあ殺されもせず、 生きていて朝になった。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iisoneka
イイソネカ 【i-isone-ka】 幸いなことに,偶然,まぐれ. ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ペウタンケ ハウ アㇱ ヒクス イカオパㇱ・アン アクス ヘカッタㇻ ウコチㇷ゚クタ ヒネ ロㇰオカ イイソネカ オピッタ ア・オシコニ ワ ア・ヤンケ=川の方で危急を知らせる声がしたので私も騒ぎを聞いて助けに走ると子供たちが船をひっくり返したのであったが,幸いなことに皆が追いつき全部の子供を助け上げた. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuso
イクソ 【名】[iku-so 酒を飲む・席] 酒宴の席(酒宴を催すために敷くござ、 またそのござの敷かれた席)。 ikuso situri イクソ シトゥリ 酒席がのべられた(ござが敷かれた)。(W言い伝え) {E: seat, place at a banquet.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikuso
イクソ 【iku so】 酒宴の席.▷イク=酒を飲む ソ=座,席 ウクラン イクソ オッタ(オㇿ タ) ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ コタンケスン(コタンケㇱ ウン) クㇽ トゥラ ウコイキ ワ コタンケスンクㇽ ポロピロ.ウコチャランケ ユㇷ゚ケ ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ イヤシンケ ヤㇰ ア・イェ ワ=昨夜の酒宴の席で,道路の西側のおじさんと村の下端のおじさんがけんかをして,村の下端のおじさんが大怪我をした.強談判があって,道の西側のおじさんが償いをしたそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
imekso
イメㇰソ 【名】[imek-so 配る・敷物] ①客に出す食べ物をのせる敷物。 ②茶碗かご(食器を洗って入れておくかご)。 imekso sanke イメㇰソ サンケ 茶碗かごを出しなさい。(S) {E: ①a place mat on which food is served to guests. ②a container for holding bowls, dishes.} (出典:田村、方言:沙流)
inawso
イナウソ 【inaw-so】 模様つきのござ:シキナ(ガマ草).アッニ(オヒョウの木)の皮で作る. (出典:萱野、方言:沙流)
isatkeso
イサッケソ §205 クモの類 (24) isatkeso (i-sát-ke-so)「イさッケソ」 ⦅穂別⦆子負いグモの巣(穂別52) (出典:知里動物編、方言:)
iso
イソ 【iso】 豊猟. (出典:萱野、方言:沙流)
iso
イソ §277 くま (45) iso (i-só)「イそ」[‘えもの’] ⦅樺太⦆クマの一般名称 (出典:知里動物編、方言:)
iso
イソ §278 あざらし (5) iso (i-só)「イそ」[‘えもの’] ⦅千島⦆(Torii, pp.56,60)アザラシを指す (出典:知里動物編、方言:)
isoan
イソアン 【iso-an】 豊猟である. タント アナㇰネ イソアン ワ ユㇰ ポロンノ クク(ク・ウㇰ).エネ ポロンノ アン カㇺ マㇰ ク・カㇻ シコㇿ ク・ヤイヌ コㇿ カナ(ク・アン ア) ワ エチ・エㇰ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=今日は猟があって鹿をたくさん獲った.こんなにある肉をどうしようと思っていたのに,お前たちが来て私は嬉しい.ウクラン ク・ウェンタラㇷ゚ フミ ピㇼカ タント アナㇰネ イソアン ノイネ ク・ヤイヌ.ホクレ ホクレ エキㇺネ ヤン=昨夜私の夢見がよかった.今日は豊猟だと思う.早く早く山へ行さなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
isokamuy
イソカムイ 【名】[iso-kamuy 獲物・神][動物]「言葉はある。 何のことか知らない。」 (S)〔知分類 p.156 クマの一般称、 p.159 アザラシ(千島、 Torii)〕 (出典:田村、方言:沙流)
isokamuy sapaaraka
イソカムイ サパアラカ §443.ずつう(頭痛)(10)クマ神の頭痛 iso-kamuy sapa-araka〔i-só-ka-muǐ|sa-pá-a-ra-ka イそカムイ・サぱアラカ〕[iso-ka-muy(クマ・神)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
isokapa
イソカパ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (13) isokapa (i-só-ka-pa)「イそカパ」 成魚 ⦅白糠、春採⦆ (出典:知里動物編、方言:)
isokapiw
イソカピウ 【名】[iso-kapiw 獲物(?)・カモメ][動物]アホウドリ。(HK民話) ☆参考 疫病が入らないようにお守りとして窓に下げておく。(HK)〔知分類になし〕 {E: an albatross.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
isokarus
イソカルㇱ §448 マイタケ (1) iso-karus (i-só-ka-rus)「イそカルㇱ」[熊・きのこ] ⦅樺太各地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
isokikir
イソキキㇼ §194 エゾマイマイカブリ (2) iso-kikir (i-só-ki-kir)「イそキキㇼ」 ⦅沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
isokina
イソキナ §366 ミズバショウ (2) iso-kina (i-só-ki-na)「イそキナ」[iso(熊)kina(草)] ⦅荻伏、様似、屈斜路、美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
isokoan
イソコアン 【自動】[iso-koan 獲物・がある] 何をしても人よりたくさんとって来る(畑でも猟でも)。 {E: to do better than others (at hunting, farming etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
isokorampayaya
イソコㇿアンパヤヤ §468 タラバガニ (5) iso-kor-ampayaya (i-so-kor-am-pa-ya-ya)「イソコㇿアンパヤヤ」 ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
isomeciw(-e)
イソメチウ §033.あざ(痣)(5)isomeciw(-e)〔i-só-me-čiǔイそメチウ〕[isome(染め物、i物を、some染める)+eciw(つける)]⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
isomomokore
イソモモコレ 【自動】[i-somo-mokor-e 人を・…しない・眠る・させる] だれも眠らせない。 haː, irampotarare, an-epitta isomomokore ハー、 イランポタラレ、 アネピッタ イソモモコレ ああ、 やかましい、 夜じゅうだれも眠らせない。(S) {E: to allow no one to sleep.} (出典:田村、方言:沙流)
ison
イソン 【自動】[iso-n 獲物・(自動詞形成)]狩猟の獲物に恵まれる、 熊や鹿などの獲物がたくさんとれる。 ☆参考 狩猟をする人が主語。 {E: to have bountiful game in a hunt.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ison
イソン 【ison】 狩上手(な). (出典:萱野、方言:沙流)
isonkur
イソンクㇽ 【ison-kur】 狩の名人. ア・オナハ アナㇰネ シノ イソンクㇽ ネ ㇷ゚ ネ クス ケㇱト ユㇰ ネ チキ カムイ ネ チキ エアウナルラ=私の父は本当に狩の名人なので,毎日鹿とか熊とかを家へ運んで来る[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
isonkur'itatani
イソンクㇽイタタニ 【ison-kur-itatani】 背の低い人.*ヤイプニイタㇰ(からかい言葉)の一種.狩の上手な人の肉切り台は始終使っているので減って背が低くなっている.▷イソンクㇽ=狩の上手な人 イタタニ=肉切り台 (出典:萱野、方言:沙流)
isonoreay
イソノレアイ 【iso-nore-ay】 仕止め矢:竹,鹿の骨,オニガヤ他で作る. 図19[イソノレアイ①]図20[イソノレアイ②] (出典:萱野、方言:沙流)
isonpe
イソンペ 【ison-pe】 狩が上手な者. (出典:萱野、方言:沙流)
isonukoan
イソヌコアン 【自動】[iso-nu-koan 獲物・の豊猟・がある](山へ行って等)たくさんとって来る。 kú=isonukoan クイソヌコアン(私は) 獲物をたくさんとって来た。 ☞nu(we) koan ヌ(ウェ) コアン {E: to take, catch a lot of game (by going into the mountains etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
isopo
イソポ §284 うさぎ (2) isopo (i-só-po)「イそぽ」[<isepo] ⦅釧路、北見⦆ (出典:知里動物編、方言:)
isorit(c-i)
イソリッ §412.じょおみゃく(静脈)(4)クマの頸静脈 iso-rit(c-i)〔i-só-ritイそリッ〕[iso(クマ)+rit(筋、腱)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
isorit(c-i)
イソリッ §543.どうみゃく(動脈)(1)クマの頸動脈 iso-rit(c-i)〔i-só-rit イそリッ〕[iso(熊)+rit(筋)]⦅ビホロ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
isorokanni
イソロカンニ §044 ネムロブシダマ (2) isorokanni (i-só-ro-kan-ni)「イそロカンニ」[e(それで)soro(かんな台)kar(造る)ni(木)] 茎 ⦅穂別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
isosankekamuy
イソサンケカムイ §335 エゾフクロウ (4) iso-sanke-kamuy (i-só-san-ke-ka-muy)「イそサンケカムイ」[<iso(海幸山幸)sanke(出す)kamuy(神)、獲物を授ける神] ⦅沙流⦆【雅】 (出典:知里動物編、方言:)
isoyankekur
イソヤンケクㇽ §295 サカマタ;シャチ (13) isoyankekur (i-só-yan-ke-kur)「イそヤンケクㇽ」[<iso-yanke-kur(海さち〔クジラ〕を・浜へ上げる・神] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
isoykun kotan eunciarere
イソイクン コタン エウンチアレレ §034.結婚(する)(22)i-soykun kotan e-unci-arere〔i-sóǐ-kuŋ|ko-tán|e-ún-či-a-re-re イそイクン・コたン・エうンチアレレ〕⦅マオカ⦆【雅】隣村に家庭を持たせた。⦅→樺太の神謡, p.6⦆。[<i-(我ら)+soyke(の外、の隣)+un(の)+kotan(村)+-e-(に)+unci(火を)+are-re(焚か・せた)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
isoytak
イソイタㇰ 【自動/名】①[自動](あれこれ)話をする、 物語る。 ②[名] 話、 物語。 {E: ①to tell tales, stories ②tales; stories (n).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
isoytak
イソイタㇰ 【isoytak】 しゃべる,話す. (出典:萱野、方言:沙流)
itak'esosnare
イタㇰエソㇱナレ 【itak-esosna-re】 話題を変える. アイヌ アナㇰネ ホイェ エオㇷ゚ ネ コㇿカ ヘカッタㇻ アン コㇿ "アペケㇱ オカ ナ" シコㇿ ネ ワ イタㇰエソㇱナレパ=アイヌは猥談を言うけれど,子供がいると「燃えさしがいるぞ」と言って,言葉の向きを変えるものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
itaso
イタソ 【名】[ita-so 板・座れるように整えたゆか] 板敷きのゆか(床)。 itaso kurka heri at kane イタソ クㇽカ ヘリ アッ カネ 板敷きの床の上一面が光っている。(S) {E: wooden flooring.} (出典:田村、方言:沙流)
itaso
イタソ 【ita-so】 (板の)床(ゆか). (出典:萱野、方言:沙流)
iwan aynu ikiri eposo ekasi
イワン アイヌ イキリ エポソ エカシ 【iwan aynu ikiri e-poso ekasi】 物知りのおじいさん。▷イワン=6 アイヌ=人 イキリ=列、縫い目 エ=それ ポソ=潜る エカシ=老人、男の年寄り→人間6代を生きた老人、物知りとして大切にされる。 (出典:萱野、方言:沙流)
iwaposoinkar
イワポソインカㇻ 【iwa-poso-inkar】 化け物(岩を透かして見る化け物).▷イワ=岩 ポソ=透かす インカㇻ=見る イワポソインカㇻ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ イタㇰ コラチ イワ オポソ カ アイヌ ヌカㇻ コㇿ アン ア・シトマ ウェンカムイ ネヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ)=「岩を通してでも見える」という悪い神は,言葉の通りに岩を通しても人間を見ている,それは恐ろしい化け物だそうだ.*想像上の化け物なのでその姿はわからない.この話は貝澤トロシノさんとその娘であった貝澤みよさんが聞かせてくれたものだ.この化け物と対になりそうなペポソインカㇻ(水を通して見る)というものもある. (出典:萱野、方言:沙流)
iwasokoni
イワソコニ §225 サワアジサイ ヤマアジサイ (2) iwa-sokoni (i-wá-so-ko-ni)「イわ・ソコニ」[山の・ソコニ] 茎 ⦅A千歳・上川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
iworso
イウォㇿソ 【名】[iwor-so 山(の谷あい)・平らな広がりを持つ所] 山奥の地(神々が住む所)。 kim un iworso ka wa a=matkorepa キムン イウォㇿソ カ ワ アマッコレパ 山奥の地から妻を(神から)与えられた。(S言い伝え) rep un iworso atuyso ka wa uwaste hike レプン イウォㇿソ アトゥイソ カ ワ ウワㇱテ ヒケ ずっと沖の方(海の向こう)から妻をめとって子孫がふえたものは…。(S言い伝え) {E: deep in the mountains.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyapaoposore
イヤパオポソレ 【i-apa-o-posore】 窺う,覗く.▷イ=それを アパ=戸 オ=そこで ポソレ=潜らせる →目を戸の隙間から潜らせる パコカヌ イヤパオポソレ パㇰノ ア・シトマ ㇷ゚ イサㇺ ペ ネ.イヨㇱマケ(イ・オㇱマケ) ワ ネㇷ゚ エㇰ ヤッカ ア・エランペウテㇰ ウェンカムイ イユㇰ(イ・ウㇰ) エアㇱカイ ペ ネ ナ=立ち聞きと戸口から覗くことほど恐ろしいことはない,後から何か来ても知らずに,悪い神にとられやすいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyaskeuk sonko
イヤㇱケウㇰ ソンコ 【i-aske-uk-sonko】 招待の言葉.招待には気の利いた若者をふたり行かせる.まちがいなく言ったかどうかを,もうひとりがそばで聞いていることになっている.▷イヤㇱケウㇰ=招待する ソンコ=口上,口で言うこと (出典:萱野、方言:沙流)
iyesoye
イイェソイェ 【i-yesoye】 殻付きと精白のヒエとかアワを箕に入れて,右へ左へと揺すり選り分ける,脱穀したものを揺する. ▷イ=穀物 エソイェ=揺する(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iyohay sonno he
イヨーハイ ソンノ ヘー 【iyohay sonno he】 まさか.よもや(本当かい). (出典:萱野、方言:沙流)
iyosoyosmarewenkur
イヨソヨㇱマレウェンクㇽ §108.陰部―男性性器の種類(4)陰茎の長い者 iyosoyosmare-wenkur〔i-jó-so-još-ma-re-wèŋ-kur イよソヨㇱマレ・うぇンクㇽ〕[i(我の)+o(陰部を)+soyosmare(外に飛び出さす)+wen(悪い)+kur(魔物)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ka(si) oosorusi
カ(シ) オオソルシ 【連他動】[ka(si) o-osor-usi …の上・に・尻・をつける]…に腰かける。 (出典:田村、方言:沙流)
kahsomah(t-i>ci)
カㇵソマㇵ(ッイ>チ §037.妻(7)kahsomah(t-i>ci)〔káh-so-mah かㇵソマㇵ〕⦅マオカ⦆魔女の妻。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
kamaso
カマソ 【kamaso】 岩:海岸の平らな岩,潮の干満によって見え隠れする岩. (出典:萱野、方言:沙流)
kamisorori
カミショロリ 【kamisorori】 エゾマテガイ〔貝〕. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy kosonte
カムイ コソンテ 【名】[神・小袖] 小袖、 龍の形など金メールでも入った立派な着物。(S) kamuy kosonte/a=sikúrkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクㇽカサㇺ/エオピラサ [雅] 私は立派な小袖を自分の体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ) {E: fine clothing adorned with a dragon design etc in gold mail.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kamuykoupsorkorpe
カムイコウㇷ゚ソㇿコㇿペ §099.陰部-女性性器の種類(15)黒い長い陰毛がふさふさと生えているもの kamuy-ko-upsor-korpe〔ka-múǐ-ko-ùp-sor-kor-pe カむイコウㇷ゚ソㇿコㇿペ〕[神・と同じ・陰部を・もつ・もの]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kamuysopki
カムイソㇷ゚キ 【kamuy-sopki】 神の寝床:囲炉裏の中. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuysorma
カムイソㇿマ §425 ゼンマイ (2) kamuy-sorma (ka-múy-sor-ma)「カむイ・ソㇿマ」 葉 ⦅屈斜路、名寄⦆⦅A千歳・鵡川・上川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kamuysowa
カムイソワ §122 スズメバチ (11) kamuy-sowa(ka-muy-so-wa)「カムイソワ」⦅足寄⦆伝説中の大バチ、大きなクマもとるハチ (出典:知里動物編、方言:)
kannakamuy onisposo
カンナカムイ オニㇱポソ 【kanna-kamuy o-nis-poso】 落雷(する).▷カンナカムイ=雷 オ=それへ ニㇱ=雲 ポソ=潜る (出典:萱野、方言:沙流)
kanpiso
カンピソ 【名】[kanpi-so 紙/書いたもの・広がりのある場所] 紙の一面、 ページ。 tu kanpiso ka re kanpiso ka トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ 二ページか三ページ。(W会話) {E: a page of written material.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kanpisos
カンピソㇱ 【名】[kanpi-sos 紙/書いたもの・薄い物の重なった層/束] 本。 {E: a book.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kapuhu sossorke
カプフ ソッソㇿケ 【kapuhu sossorke】 皮膚がざらざらになっている,皮膚にかさぶたが出来ている. (出典:萱野、方言:沙流)
kasi a=oósorusip
カシ アオオソルシㇷ゚ 【名】[kasi a=o-osor-usi-p その上・人が・そこに・尻・をつける・もの] 腰かけ、 いす。(W) ☆参考 翻訳した言い方。 通常は isu イス と言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kasi osorusi
カシ オソルシ 【kasi osor-usi】 腰かける. サマㇺ ニ カシ ア・オソルシ=倒木の上へ私腰をかける. (出典:萱野、方言:沙流)
kasi-oosorusip
カシオオソルシㇷ゚ 【名】[古](昔の)腰かけ。 (出典:田村、方言:沙流)
soya
カソヤ 【名】[ka-soya 糸・ハチ][動物] 普通のハチ(蜂)(糸のように細いからこう言う。 草の葉、 ヨモギ、 ハギの中ほどからぼんぼりこ(=下げ飾り)のように巣をつける)。(S)〔知分類 p.86 アシナガバチルイ、 コバチ(サル255)〕 {E: a bee.} (出典:田村、方言:沙流)
kasoya
カソヤ 【ka-soya】 ハチ〔昆虫〕:ふつうのハチ. (出典:萱野、方言:沙流)
kasoyakamuy
カソヤカムイ §122 スズメバチ (16) ka-soya-kamuy(ka-só-ya-ka-muy)「カそヤカムイ」[<ka(糸)soya(蜂)kamuy(神)]⦅本別⦆モンスズメバチ(井上8)si-s.を♂、ka-s.を♀と思っている。 (出典:知里動物編、方言:)
kaysotono
カイソトノ 【名】[< 日本語 会所殿(?)] 松前時代の役人の一つ(総監督)。 {E: an offical of the Matsumae Period.} (出典:田村、方言:沙流)
kenasor
ケナソㇿ 【名】[kenas-or 木原・の所](=kenas or ケナㇱ オㇿ)「きわら(木原)」、 川端の低い木の林の所。 {E: a wooded area of low trees along a riverbank.} (出典:田村、方言:沙流)
Kenasoro
ケナソロ 【名】[地名](鵡川の近くの地名)。 {E: place name.} (出典:田村、方言:沙流)
kenasoromap
ケナソロマㇷ゚ §358 エンレイソウ (6) kenasoromap (ke-ná-so-ro-map)「ケなソロマㇷ゚」[kenasi(木原)or(の所)oma(にある)p(もの)] ⦅A十勝⦆ A十勝 (出典:知里植物編、方言:)
kenasso
ケナッソ 【名】[kenas-so 川端の低い木の林(「木原」)・広がりを持った所][雅]川端の木原。 tu iworso ka/tu kenasso ka/an=opásopas トゥ イウォㇿソ カ/トゥ ケナッソ カ/アノパソパㇱ [雅]いくつもの山奥の地いくつもの川端の木原を走って行った。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kesokeso
ケソケソ 【自動】模様(まだら)がついている(一色であるべきトマトやカボチャに)。 munin rusuy kus nanuhu kesokeso ムニン ルスイ クㇱ ナヌフ ケソケソ 腐りかかって(トマトの)顔にまだら模様がついている。(S) {E: to be designed, patterned.} (出典:田村、方言:沙流)
kesokeso
ケソケソ 【kes-o kes-o】 まだらな,斑点のある. (出典:萱野、方言:沙流)
kesorap
ケソラㇷ゚ 【名】[動物]キジ(?)、 ヤマドリ(?) kesorap kamuy ケソラㇷ゚ カムイ キジ(?)の神。 kesorap tono ケソラㇷ゚ トノ キジ(?)の殿(=神様)。 〔知分類 p.217 伝説中の鳥(たぶん孔雀)〕 {E: a fabulous kind of big bird, perhaps a hawk or eagle (B.).} (出典:田村、方言:沙流)
kesorap
ケソラㇷ゚ 【kes-o-rap】 クジャク.▷ケㇱ=斑点 オ=入る ラㇷ゚=羽 →斑点のある羽 (出典:萱野、方言:沙流)
kesoseta
ケソセタ §268 イヌ (25) keso-seta (ké-so-se-ta)「けソセタ」[<‘まだらのある・イヌ’、kes(斑紋)o(ついている)] ⦅北海道⦆ぶちイヌ (出典:知里動物編、方言:)
kimunkamuykoupsorkorpe
キムンカムイコウㇷ゚ソㇿコㇿペ §099.陰部-女性性器の種類(14)黒い長い陰毛がふさふさと生えているもの kimunkamuy-ko-upsor-kor-pe〔ki-múŋ-ka-muǐ-ko-ùp-sor-kor-pe キむンカムイコうㇷ゚ソㇿコㇿペ〕[kimunkamuy(山の神、=熊)+ko(と同じ)+upsor(陰部を)+kor(持つ)+pe(もの)]⦅ホべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kimuyso
キムイソ 【名】[kim-un-so 山・の・広がりのある所] 山の奧の地。 kimuyso ka ta/a=erának kuni p/isam he ki ya? キムイソ カ タ/アエラナㇰ クニㇷ゚/イサメ キ ヤ? [雅] 山奥のほうではいやなことはありませんか。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kinaposoinkar
キナポソインカㇻ 【kina-poso-inkar】 化け物.*想像上の化け物なのでその姿はわからない.▷キナ=草 ポソ=透かす インカㇻ=見る →草を透かして見る化け物 (出典:萱野、方言:沙流)
kínupso
キヌㇷ゚ソ 【名】[kinup-so カヤ原・広く平らな場所] 野原。 ☆参考 カヤ原のことか。 {E: a field of reeds.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kiruosore(-an)
キルオソレ §448.すわる(座る)(9)あぐらをかく kiruosore(-an)〔ki-rú-o-so-re キるオソレ〕[<kir-u-o-se-re(↑)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kiruosoro(-an)
キルオソロ §448.すわる(座る)(10)あぐらをかく kiruosoro(-an)〔ki-rú-o-so-ro キるオソロ〕[<kir-u-o-se-re(↑);kiruosoroになったのはosoro「尻」を連想したからであろう]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kiso
キソ 【kiso】 カヤ簾敷きの座. テエータ フチ ウタㇻ エネ ハウェオカ ヒ フㇱコ ノ アナㇰネ キソ アン ワ カシウン トマ ア・トゥリ ヤッカ サㇰ アン コㇿ タイキ アッ ペ ネ アー シコㇿ エン・ヌレ パ=ずうっと前,おばあさんたちが言った言葉は,古い時代はカヤで編んだ簾を敷き,その上へガマ草で織ったござを敷いたが,夏になるとノミがいたものだと私に聞かせてくれたものだった. (出典:萱野、方言:沙流)
kisokiso
キソキソ 【kisokiso】 くちばしでつっつく.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kisoyosma
キソヨㇱマ 【自動】(人称変化は他動詞型)[ki-soyosma する・外へとび出す]パッと外へとび出す。 makan katkor pe/i=anpa ki wa/[u]kisoyosma マカン カッコㇿ ペ/イヤンパ キ ワ/[ウ]キソヨㇱマ どんなものだか私をかかえて外へとび出した。 (W神謡) (出典:田村、方言:沙流)
koeysokor
コエイソコㇿ 【複他動】[ko-eysokor …に対して・…を本当だと信じる](人)の言うことを信用する。 {E: to trust what someone says.} (出典:田村、方言:沙流)
kosikoso
コシコソ 【他動】重さをはかるため手などにのせて上げ下げする。 eci=kosíkoso, e=pase humi! エチコシコソ、 エパセ フミ! (子どもに向かって)重いかどうかみてあげよう、 (だき上げて)重たいねえ。(S) kosikoso wa inu コシコソ ワ イヌ 手に持って重さをはかってみなさい。(S) {E: to weigh…in one's hand.} (出典:田村、方言:沙流)
koskoso
コㇱコソ 【koskoso】 手で重さを計る. コㇱコソ ワ インカㇻ=手で重さを計ってみなさい.エ・シケヘ スッパカㇻ ワ コㇱコソ ワ インカㇻ.イナニケ カ コㇱネ ヒケ セ ワ イワㇰ アニー=お前の荷物を背負えるように縛ってからどちらが重いか比べて(計って)みろ,どちらか軽いほうを背負って帰れ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosoataykar
コソアタイカㇻ 【他動】[ko-so-atay-kar …に・借財・値・を払う](人)に借金/借財を払う/返す。 ☞soataykar ソアタイカㇻ {E: to pay back borrowed money to…} (出典:田村、方言:沙流)
kosoataytak
コソアタイタㇰ 【他動】[ko-so-atay-tak …に・借財・値・を取りに行く](…のところ)に借金/借財を取りに行く/来る。 ☞soataytak ソアタイタㇰ {E: to go to recover borrowed money from…} (出典:田村、方言:沙流)
kosokoso
コソコソ 【名】(言葉あて遊びで、 kosonte コソンテ《小袖》を隠して言った言い方。) kosne kosokoso he e=kor rusuy, nakanaka he e=kor rusuy? コㇱネ コソコソ ヘ エコン ルスイ、 ナカナカ ヘ エコン ルスイ? 軽いコソコソがほしいですか、 それともナカナカがほしいですか(nakanaka ナカナカ は nakayri ナカイリ《綿入れのぼろ着》を隠して言っている)。(S会話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosomokur-koyaykatanu
コソモクㇽ コヤイカタヌ 【他動】[ko-somo-kur ko-yaykatanu …に対して・(否定)・有様・(叙述を導く)・行儀よくする][雅](人)に対して無礼なことを言う/する。 wen menoko/utar orkehe/ci-kosomokur/koyaykatanu/i=ekarkar kus ウェン メノコ/ウタㇻ オㇿケヘ/チコソモクㇽ/コヤイカタヌ/イエカㇻカㇻ クㇱ [雅]悪い女どもが私に対して無礼なことを言うために。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosomotasnu
コソモタㇱヌ 【他動】[ko-somo-tasnu に・(否定)・(?)] …に対して知らないふりをする。 {E: to pretend not to know about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosomotasnu
コソモタㇱヌ 【ko-somo-tasnu】 知らん顔をする. エキㇺネ ア・シレン ヤッカ タンペ オッタ(オㇿ タ) コソモタㇱヌ アㇷ゚ ネ オヌマン ワノ ヤイヌミウェン ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=山へ誘われても,今に限って知らん顔をしていたのにその夜からあの人は病気になったそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosonte
コソンテ 【名】[< 日本語] 小袖、 「金メールの入った美しい立派な絹の着物(男子のみ着る)」。(S) iwan kosonte/ukoekutkor/iwan kosonte/opanere híne イワン コソンテ/ウコエクッコㇿ/イワン コソンテ/オパネレ ヒネ 六枚の小袖(立派な着物)を着て帯をしめ六枚の小袖(立派な着物)を上に羽織って(神が天に帰ろうとするときの身じたくの常套句。 男神でも女神でも)。(W神謡語り) {E: wadded silk clothing for men.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosonte
コソンテ 【kosonte】 小袖,和人から手に入れた絹の綿入れ. (出典:萱野、方言:沙流)
kosontosisaraka
コソントシサラカ §791.目の病気(2)あかめ;急性結膜炎の類 kosonto-sis-araka〔ko-són-to|šíš-a-ra-ka コそント・しㇱアラカ〕[kosonto(小袖)+sis-araka(眼病)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kosospa
コソㇱパ 【複他動】[ko-sospa …に・…をはがす[複]](人)の(着物)をはぎ取る。 ☞sospa ソㇱパ {E: to strip the clothes off…} (出典:田村、方言:沙流)
kosouk
コソウㇰ 【他動】[ko-so-uk …に・借財・を受け取る](人)に借金/借財する(お金、 米等を)。 ☞souk ソウㇰ {E: to borrow money, rice etc. from someone.} (出典:田村、方言:沙流)
kosouk
コソウㇰ 【ko-souk】 (〜から)借りる. イヨーハイ オトゥ ケㇱパ タ オレ ケㇱパ タ エン・コソウㇰ ワ アヌ アイネ イロイケㇱネ タネ パキタ ホシピレ エアイカㇷ゚ シコㇿ ホワーㇻ=たまげたものだ.2年も3年も私から借りておきながら,今になって戻すことができないって,ひえーっ驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
kosoymi
コソイミ §064 ジャガタライモ (1) kosoymi (ko-sóy-mi)「コそイミ」[<日本語“ゴショイモ”] 塊茎 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kosoymiekikir
コソイミエキキㇼ §199 ケラ (1) kosoymi-e-kikir (ko-sóy-mi-e-ki-kir)「コそイミエキキㇼ」 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kosoymikikir
コソイミキキㇼ §199 ケラ (2) kosoymi-kikir (ko-soy-mi-ki-kir)「コソイミキキㇼ」 ⦅礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
koyaymososo
コヤイモソソ 【ko-yay-mososo】 (〜で)目が覚める.▷コ=それで ヤイ=自身 モソソ=目覚めさせる (出典:萱野、方言:沙流)
koyaysomomokore
コヤイソモモコレ 【他動】[ko-yay-somo-mokor-e …に対して・自分を・…しない・眠る・させる] …を夜も眠らずにする、 寝る間も惜しんで…をする。 ku=koyaysomomokore no ku=yayhonokka クコヤイソモモコレ ノ クヤイホノッカ 私は夜も眠らずに勉強する。(S) {E: to stay awake at night to…} (出典:田村、方言:沙流)
koysokor
コイソコㇿ 【他動】[ko-i-so-kor …に・ものごと(を)・真実・を持つ(=と思う)信じる](人)の言うことを信用する。 ☆参考 eysokor エイソコㇿ (ことがら)を信じる。 {E: to trust what someone says.} (出典:田村、方言:沙流)
koysoytak
コイソイタㇰ 【他動】[ko-isoytak …に・話をする] …に話をして聞かせる。 eci=kóysoytak ciki nu hani! エチコイソイタㇰ チキ ヌ ハニ! あなたにお話をしてあげるから聞きなさいね。(S) {E: to make, let listen to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunneisomeciw(-e)
クンネイソメチウ §033.あざ(痣)(6)黒あざkunne-isomeciw(-e)〔kún-ne-i-sò-me-čiǔくンネ・イそメチウ〕[黒い・あざ] ⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnesoyoiki
クンネソヨイキ §470.だいべん(大便)(10)夜中大小便に出る kunne-soyoiki〔kún-ne-so-yoǐ-ki くンネ・ソヨイキ〕〔夜・外へ出る〕⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnesoyokari(-an)
クンネソヨカリ §470.だいべん(大便)(15)夜中下痢などで何度も大小便に出る kunne-soyokari(-an)〔kún-ne-so-yo-ka-riくンネ・ソヨカリ〕[夜・戸外へ通う]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunnesoyoyki
クンネソヨイキ §404.小便に出る(3)夜中小便しに戸外へ出る kunne-soyoyki〔kún-ne-so-yoǐ-ki くンネソヨイキ〕[夜・外へ行動する]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
matupsoro sutupsoro cikokimaypa ekarkar
マトゥㇷ゚ソロ ストゥㇷ゚ソロ チコキマイパ エカㇻカㇻ §313.ごうかん(強姦)する(2)mat-upsoro sut-upsoro ci-ko-kimaypa ekarkar〔まトゥㇷ゚ソロ・すトゥㇷ゚ソロ・チこキマイパ・エかㇻカㇻ〕[女の陰部、祖母の陰部を、犯すことをする]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
mawsok
マウソㇰ 【自動】[maw-sok 息・(?)] あくびする。 mawsok kor an マウソㇰ コラン (彼は)あくびしている。(W) {E: to yawn.} (出典:田村、方言:沙流)
mawsok
マウソㇰ 【maw-sok】 あくび. (出典:萱野、方言:沙流)
mawsok(-an)
マウソㇰ §027.あくび[する](1)mawsok(-an)〔máŭ-sokまウソㇰ〕[maw(気、空気、いき)+sok(?)]⦅サル、ホロベツ、クッシャロ、ビホロ、フシコ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mawsoro(-an)
マウソロ §264.くちぶえ(口笛)[吹く](4)mawsoro(-an)〔máŭ-so-ro まウソロ〕[maw(呼気)+soro(すべり出る)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
menokoupsor
メノコウㇷ゚ソㇿ 【menoko-upsor】 女の守り紐. メノコウㇷ゚ソㇿクッ アナㇰネ アッテㇺエレテㇺ パㇰノ タンネノ ア・オㇱケ ㇷ゚ ネ ナ=女の懐紐は二尋半の長さに編むものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
metotsoka
メトッソカ 【名】[metot-so-ka 山中・平らな広がりのある場所・の上] 山のずっと奥の地。 {E: an area deep in the mountains.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
miso
ミソ 【名】味噌。 {E: miso (soybean paste).} (出典:田村、方言:沙流)
mosirso
モシㇼソ 【名】[mosir-so 国土・広がりを持つ所] kanto or wa/mosirso ka ta/rán=an ruwe カント オㇿ ワ/モシㇼソ カ タ/ラナン ルウェ [雅]天から地上に降りて来ましたが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mososo
モソソ 【他動】[mos-os-o (擬態の語根)・(重複)・(他動詞形成)] 起こす、 ゆすぶって起こす。 ésir nisat or ta a=en=mososo エシㇼ ニサトッタ アエンモソソ (私は)今朝明け方に起こされた。(S) {E: to wake up…; to jolt awake…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mososo
モソソ 【mososo】 覚ます,起こす:眠っているものを目覚めさせる.▷モ=静か ソソ=剥がす (出典:萱野、方言:沙流)
mosospa
モソㇱパ 【mosospa】 起こす〔複〕. モソㇱパ ヤン=起こしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
mosospe
モソㇱペ 【名】[mosos-pe ・もの](?) [動物]ウジ、 ウジ虫。 語根 mos は《ハエ》か? ☞mus ムㇱ〔知分類 p.92 ((H全地;S鵜城))〕 {E: a maggot.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mosospe
モソㇱペ 【mosos-pe】 蛆. モソㇱペ モイモイケ シリ ネノ=蛆虫が動くように(動きの遅い人に対して).ヘカッタㇻ シノッ シリ エネ アニ モソㇱペ ウコヘタンプタンプ シリ ネノー カネ イキ パ コㇿ シノッパ=子供たちが遊ぶ様子と言えば蛆虫がうごめいているかのようにしながら遊んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
mosospe
モソㇱペ §129 ハエ類  ニクバエ科 Sarcoph (6) mosospe(mo-sós-pe)「モそㇱペ」⦅北海道全地、S鵜城⦆ハエ類の幼虫(蛹) (出典:知里動物編、方言:)
mosospekut
モソㇱペクッ §058 エゾノクガイソウ (1) mosospe-kut (mo-sós-pe-kut)「モそㇱペクッ」[ウジ・円棒状茎] 茎 ⦅A十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)
mosospepopo
モソㇱペポポ 【自動(?)】[mosospe-popo ウジ・たかる(?)] ウジがたかる。 {E: to be infested with maggots.} (出典:田村、方言:沙流)
moyuksowa
モユㇰソワ §122 スズメバチ (13) moyuk-sowa(mo-yuk-so-wa)「モユㇰソワ」⦅足寄⦆マルハナバチ (出典:知里動物編、方言:)
moyuksoya
モユㇰソヤ 【名】[moyuk-soya タヌキ/ムジナ・ハチ(蜂)][動物](ハチの一種)丸く毛が生えているハチ(蜂)。 〔知分類 p.87 マルハナバチ 蜜バチ(美幌)〕 {E: a roundish, hairy bee.} (出典:田村、方言:沙流)
moyuksoya
モユㇰソヤ §122 スズメバチ (12) moyuk-soya(mó-yuk-so-ya)「もユㇰソヤ」⦅美幌、名寄、高島、穂別、千歳、近文、礼文、厚真⦆マルハナバチ、ミツバチ(美幌) (出典:知里動物編、方言:)
mun-soyokuta
ムンソヨクタ 【自動】[mun-soy-okuta 草/ごみ・外・に…を捨てる] ごみを外へ出す(=mun soyokuta ムン ソヨクタ)。 mun-soyokuta=an wa cise onnay a=kerkeri ayne ムンソヨクタアン マ チセ オンナイ アケㇾケリ アイネ 私はごみを外へ出し家の中をガリガリと掃き掃除をして。(W民話) {E: to put, take out rubbish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nep unin ka somo
ネㇷ゚ ウニン カ ソモ 【nep unin ka somo】 なんのさわりもない. ウクラン エネ イヨㇱキ ワ アネピッタ サカヨカㇻ コㇿ アナㇷ゚(アン アㇷ゚) ネㇷ゚ウニン カ ソモノ フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ=昨夜はあれほど酔っ払って夜いっぱい文句を言っていたのになんのさわりもなく何事もなかったようにしている. (出典:萱野、方言:沙流)
nikanika wa mososo
ニカニカ ワ モソソ 【nika-nika wa mo-soso】 揺り起こす:揺り動かして眠りを覚ます.▷ニカニカ=あまり強くなく動かすこと モ=静かに ソソ=剥がす エ・アキヒ モコㇿ ワ アン ナ アㇻパ ニカニカ ワ モソソ ワ エㇰ=お前の弟が眠っているから行って揺り起こして来い. (出典:萱野、方言:沙流)
nimakiusoyta
ニマキウソイタ §372.じ(痔);痔疾(7)ガッチャキの一種 nimaki-us-oyta〔ni-má-ki-uš-òǐ-ta ニまキウㇱ・おイタ〕[その歯・生えている・ガッチャキ]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ninki ne cisoke
ニンキ ネ チソケ §485.たんのお(胆嚢)(7)交易品にするために干し堅めたクマの胆嚢 ninki ne cisoke〔nín-ki-ne-ci-so-ke にンキ・ネ・チソケ〕[ninki(たんのう)+ne(である)+cisoke(=H.cihoki 交易に持って行く品)]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.12】 (出典:知里人間編I、方言:)
nisomap
ニソマㇷ゚ 【自動】心配する、 気にかける、 うす気味悪い。 ☆参考 enisomap エニソマㇷ゚[他動]…のことを心配する。 {E: to worry (v.i.); to worry about… (v.t.).} (出典:田村、方言:沙流)
nisomap
ニソマㇷ゚ 【nisomap】 案じる,気にする,気がかりだ. ソンノ ア・エニソマㇷ゚=本当にあの人(病人)のことが気がかりだ.ウヌフ ウタㇻ レウシノ ネンカ アㇻパ パ コㇿ ク・ミッポホ ウタㇻ ク・シッカシマパ ソンノ アッ ア・コテ ワ ア・スイェー ペコㇿ イキ パ コㇿ ケニソマㇷ゚(ク・エニソマㇷ゚)パ.ウトゥル タ ミッポ トゥラ ウコイキカ・アㇱ=母親たちが泊まりがけでどこかへ行ってしまうと私の孫たちを預かるが,本当に縄をつけて振り回すような動きをする.私はそれを案じる.時には孫とけんかもする. (出典:萱野、方言:沙流)
nisoparakur-ciwre
ニソパラクㇽチウレ 【他動】[nis-o-para-kur-ciw-re 雲・その尻・幅広い・(< 影/姿)・ささる・させる][雅]真っ黒な雲が一面に広がる。 iyos nisihi/ruyanpe-nis ne/nisoparakur/ciwre kane イヨㇱ ニシヒ/ルヤンペ ニㇱ ネ/ニソパラクㇽ/チウレ カネ [雅]その後に続いて来る雲は嵐の雲になって真っ黒な雲が一面に広がり。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sor
ニソㇿ 【名】[nis-or 空・の所](場所としての)空。 ☞nis ニㇱ {E: the sky.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nisor
ニソㇿ 【nisor】 空,天. ニソㇿ クㇱ ペ ア・トゥスエランケ トイ トゥㇺ クㇱ ペ ア・トゥスエプス パㇰノ ヌプㇽ ペ ア・ネ ルウェ ネ=空を通る者呪術で下ろし,土の中を通る者呪術で掘り出し,それほど呪術に長けた者,私なのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sos
ニソㇱ 【名】[ni-sos 木・薄い片] 木の薄い板。 {E: a thin plank of wood.} (出典:田村、方言:沙流)
nisositciw
ニソシッチウ 【nis-o-sir-ciw】 遠い所.▷ニㇱ=雲 オ=それ シㇼ=大地 チュー=刺す ニソシッチュー イマカケ タ ニタイ サㇰ モシㇼ=雲が大地に突き刺さったそのまた向こうの森も林もない国土.*ニソシッチュー イマカケ タ ニタイ サㇰ モシㇼへ魔物を追放する話がよくある. (出典:萱野、方言:沙流)
nisposoinkar
ニㇱポソインカㇻ 【nis-poso-inkar】 化け物:雲を透かして見る化け物.▷ニㇱ=雲 ポソ=透かす インカㇻ=見る *想像上の化け物なのでその姿はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
nuso
ヌソ 【nuso】 犬ぞり.樺太アイヌ山田藤作さんが犬ぞりの模型を作ってくれた時に教えてくれた言葉である. (出典:萱野、方言:沙流)
oasoas
オアソアㇱ §658.びっこ(跛)である;ちんばである(4)びっこをひく oas-oas〔o-áš-o-aš オあㇱ・オアㇱ〕[o(尻)+as(立つ)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ocupposore(a-)
オチュッポソレ §348.産―流産[する](3)ocupposore(a-)〔o-čúp-po-so-re オちゅㇷ゚ポソレ〕[<o-cup-posore(oは「そこから」の意で、次に来るcupを受ける、すなわちo-cupで「腹・から」、poso「通りぬける」、poso-re 「通りぬけ・させる」);o-cup-posoreで「腹・を・通りぬけさせる」の意;cup-o-posore「腹・そこを・通りぬけさす」と言っても同じことである]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oharkiso
オハㇻキソ 【名】[o-harki-so その尻・左の・座] 左座、 家の中の上座から見て左側の座、 つまり入口(西側)から入って右側(中心にある炉の南側)の座。 oharkiso un a オハㇻキソ ウン ア 左座(炉の南側の席)に座った。 ☆対語 osiso オシソ 右座。 {E: the left seat; the seat to the left, as seen from the place of honour in a house, that is, the seat on the right of the fireplace as seen from the entrance.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oharkisoun
オハㇻキソウン 【副】[o-harki-so-un その尻が・左の・座・の方を向く] 左座に/から、 南側の座に/から。 oharkisoun wa オハㇻキソウンマ ア ☞oharkisounma オハㇻキソウンマ {E: from, at the left, southern seat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oharkisoun
オハㇻキソウン 【o-harki-so-un】 左座の方:横座から入口を見て左側がハㇻキソ. (出典:萱野、方言:沙流)
oharkisounma
オハㇻキソウンマ 【副】[o-harkiso-un-wa その尻が・左座・の方を向く・…して] 左座の方に、 左座の方へ行って、 左座の方から。 oharkisounma a オハㇻキソウンマ ア 左座の方に(左側の方へ行って)座りなさい。 (出典:田村、方言:沙流)
oharuposo
オハルポソ 【o-haru-poso】 食い根性がよい:食い根性がよすぎて全部他人に与えてしまい,自分の食べ物がない,食べ物を人に与える〔好意的な悪口〕.▷オ=それ ハル=穀物,食べ物 ポソ=くぐる,抜ける (出典:萱野、方言:沙流)
oicari-oposore
オイチャリオポソレ 【他動】[o-icari-oposo-re その尻・ざる・つきぬける・させる]…をざるで漉(こ)す。 (出典:田村、方言:沙流)
oiporoposo(-an)
オイポロポソ §169.顔色が変る;青くなる;色を失う(1)青くなる o-iporo-poso(-an)〔o-í-po-ro-po-so オいポロポソ〕[o(そこにおいて、次に来るiporoを受けて「その顔色において」となる)+poso(通りぬける、つきぬける、くぐりぬける);iporo o-poso「その顔色・そこにおいて・ぬける」と言っても同じ]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oiporposo
オイポㇿポソ 【o-ipor-poso】 青ざめる,血の気がひく.▷オ=それ イポㇿ=顔色 ポソ=潜る コタン ケスン(ケㇱ ウン) ペウタンケ ハウ アㇱ アクス ア・コㇿ ウナㇻペ オイポㇿポソ アㇱ カ コヤイクㇱ=村の下端へ危急を知らせる声が聞こえると,私のおばは顔が青ざめて立ち上がることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
okkarikesomasita
オッカリケソマシタ §268 イヌ (36) ok-kari-kesoma-sita (ók-ka-ri-ke-so-ma-si-ta)「おッカリケソマシタ」[<ok(えりくび)kari(のまわりに)kesoma(斑紋のある)seta(犬)] ⦅美幌⦆首の周りに白い輪の模様のついているイヌ (出典:知里動物編、方言:)
omanso
オマンソ 【oman-so】 炉端. (出典:萱野、方言:沙流)
omawposo
オマウポソ §116.陰部が勃起する(13)勃起していた陰茎が萎える omawposo〔o-máŭ-po-so オまウポソ〕[o(そこから)+maw(空気)+poso(通す)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
omawposo(-an)
オマウポソ §184.顔つきがぼおとしている(1)ぼおとした顔つきをしている;ぼんやりしている omaw-poso(-an)〔o-máŭ-po-so オまウポソ〕[気がぬける;o(そこにおいて、次に来るmawを受けて「気において」)+poso(通りぬける);maw o-poso「気・そこにおいて・通りぬける」と言っても同じ]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
onisposo
オニㇱポソ 【自動】[o-nis-poso その尻が・空・をつきぬける](雷、 星が)落ちる。 kamuy onisposo カムイ オニㇱポソ 神が天から地上に下る=雷が落ちる。 kamuyhum ka isam hi ta kamuy onisposo noyne hum as na カムイフㇺ カ イサㇺ ヒ タ カムイ オニㇱポソ ノイネ フマㇱ ナ 雷の鳴る音もしなかったときに雷が落ちたらしい音がしたぞ。(HK民話) {E: for a god to descend from heaven to earth.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onumposo
オヌンポソ 【自動】[単](複は onumpospa オヌンポㇱパ)[o-num-poso その尻が・粒(=人々)・を貫き通る] 生き残る。 utari opitta isam rok ayne, sinep ne takup onumposo pon hekaci ウタリ オピッタ イサㇺ ロㇰ アイネ、 シネㇷ゚ ネ タクㇷ゚ オヌンポソ ポン ヘカチ 親戚がみんな亡くなってしまって、 たった一人ぼっちで生き残った男の子。(S) {E: to survive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onumposo
オヌンポソ 【o-num-poso】 九死に一生を得る,助かる.▷オ=それ ヌㇺ=粒 ポソ=くぐる →たくさんの粒の中から一粒(=私)だけがくぐり抜けた. (出典:萱野、方言:沙流)
oosorusi
オオソルシ 【他動】[o-osor-usi そこに・尻・を…につける] …に腰掛ける。 téor oosorusi! テオㇿ オオソルシ! ここに腰掛けなさい。(W) ka(si) oosorusi カ(シ) オオソルシ [連他動](その)上に腰掛ける。 kasi-oosorusip カシオオソルシㇷ゚ 腰掛け。 ☆参考 いろいろな座り方については ☞a ア {E: to sit on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oosorusi(a-)
オオソルシ §448.すわる(座る)(39)腰をかける o-osor-usi(a-)〔o-ó-so-ru-ši オおソルシ〕[o(そこに)+osor(尻を)+usi(つける)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
opasopas
オパソパㇱ 【他動】[o-pas-opas (そこ)で・走る・(重複)][雅]…をどんどん走って行く。 tu iworso ka/tu kenasso ka/an=opásopas トゥ イウォㇿソ カ/トゥ ケナッソ カ/アノパソパㇱ [雅]いくつもの山奥の地いくつもの川端の木原を走って行った。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oposo
オポソ 【o-poso】 通す,くぐる,通り抜ける. イワポソインカㇻ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ イタㇰ コラチ イワ オポソ カ アイヌ ヌカㇻ コㇿ アン アシトマ ウェンカムイ ネヤカイェ(ネ ヤㇰ ア・イェ)=岩を通してでも見えるという悪い神は言葉の通りに岩を通しても人間を見ている,それは恐ろしい化け物だそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
oposo 1
オポソ 【他動】[o-poso その尻が・…をつきぬける]…をしみ通る、 …をつきぬける。 ☆対語 eposo エポソ。 {E: to seep through, soak into…} (出典:田村、方言:沙流)
oposo 2
オポソ 【後副】…を通して、 …をつきぬけて。 puyar oposo inkar=an プヤㇻ オポソ インカラン 透(す)いて見える窓を通して見る。(S) {E: to go through, pierce…} (出典:田村、方言:沙流)
oposore
オポソレ 【複他動】[他動使役][oposo-re …をつきぬける・させる]…を漉(こ)す。 oycari-oposore オイチャリオポソレ …をざるで漉(こ)す。 icari ani antuki oposore イチャリ アニ アントゥキ オポソレ ざるであずきを漉(こ)す。 {E: to filter…} (出典:田村、方言:沙流)
oposore
オポソレ 【oposo-re】 覗く. イプヤㇻ オポソレ=窓から覗く.イヤパ オポソレ=戸から覗く. (出典:萱野、方言:沙流)
opusopus
オプソプㇱ 【自動】[opus-opus 穴があいている・(重複)]あちこち穴があいている、 穴だらけである。 uturu uturu opusopus ウトゥル ウトゥル オプソプㇱ ところどころに穴がポツポツあいている。(S) {E: to be full of holes.} (出典:田村、方言:沙流)
opusopus
オプソプㇱ §458 アナメ (1) opusopus (o-pú-so-pus)「オぷソプㇱ」[opus(穴あく)、opus-opus(穴あき・穴あく、“穴だらけ”)] ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
oramposo
オランポソ 【o-ram-poso】 驚く,びっくりする.▷オ=それ ラㇺ=思い ポソ=くぐる,抜ける →驚きの余り思いも考えも抜けてしまった オラㇺポソ セコㇿ ア・イェ コㇿカ シㇼウフイ ヒタ アナㇰネ イタㇰ コラチ ア・オラㇺポソ ワ ヤイカタ アナㇰネ ネㇷ゚カ ア・キ カ エアイカㇷ゚ ペ ネ=びっくりすると言っても火事の場合は言葉の通りに自分自身の考えが身体からくぐり抜けてしまって,自分では何もできないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
osiso
オシソ 【位名】[o-síso その尻・右座(si-so 主な・座)] 右座(家の、 炉を中心として北側、 上座から見て右の座)、 北側。 osiso un オシソ ウン (=osisoun オシソウン)右座の方から、 右座の方に。 osiso péka cise teksam kus オシソ ペカ チセ テㇰサㇺ クㇱ 裏の方(家の北側)から家の横を通る。 ☆対語 oharkiso オハㇻキソ {E: the seat on the right; the north side.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osisoun
オシソウン 【副】[o-siso-un その尻が・右座・に向く] 右座の方に/から。 osisoun wa オシソウン マ ☞osisounma オシソウンマ (出典:田村、方言:沙流)
osisoun
オシソウン 【o-si-so-un】 右座の方:横座から入口を見て右がシソ. (出典:萱野、方言:沙流)
osisounma
オシソウンマ 【副】[o-síso-un-wa その尻・右座・に向く・…して] 右座の方から、 右座の方へ行ってそこで、 右座の方に。 {E: to, from the seat on the right.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osokoni
オソコニ §045 エゾニワトコ (4) osoko-ni (o-só-ko-ni)「オそコニ」[<o-si-kon-ni] 茎 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
osokotuype
オソコトゥイペ 【名】[o-so-ko-tuy-pe その尻・床(ゆか)・に対して・切れている・もの] 床(ゆか)を拭くことも出来ず、 敷物を編むことも出来ず、 掃くこともできない者(悪口)。 (出典:田村、方言:沙流)
osoma
オソマ 【自動】[< o-si-oma その尻・糞・そこにある] 大便する。 ☆参考 名詞「大便、 糞」は si シ。 ☆参考 鵡川の話者の語った民話には osoma オソマ が名詞「大便、 糞」として使われた例がある。 ☆参考 okuyma オクイマ 小便する。 {E: to defecate.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osoma
オソマ 【osoma】 大便をする,排便(する).*オソマ クス アㇻパ(大便に行く)とは言わずにトゥイマ アㇻパ(遠くに行く)と言うのが普通の言い方.これをイタㇰマㇰクㇱテ(言葉を遠回しに言う)という. (出典:萱野、方言:沙流)
osoma(-an)
オソマ §470.だいべん(大便)(4)大便[する]osoma(-an)〔o-só-ma オそマ〕[<o(尻)+si(糞)+oma(出る)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osomakoyaykus(-an)
オソマコヤイクㇱ §690.便秘[する];ふんずまり[する](2)osoma-koyaykus(-an)〔o-só-ma-ko-jaǐ-kuš オそマ・コヤイクㇱ〕[osoma(大便する)+koyaykus(できない)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osomasonapi
オソマソナピ 【osoma-sonapi】 大便の山. (出典:萱野、方言:沙流)
osoprotki
オソㇷ゚ロッキ §006 ブリ (2) osoprotki (o-sóp-rot-ki)「オそㇷ゚ロッキ」[<?] ⦅白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
osopsop(a-)
オソㇷ゚ソㇷ゚ §124.うがいする(含嗽する)(1)o-sopsop(a-)〔o-sóp-sop オそㇷ゚ソㇷ゚〕[o(そこにおいて)+sopsop(ショプショプと水の音を立てる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osopsopo
オソㇷ゚ソポ 【他動】[o-sopsop-o その尻・(擬音の重複)・(他動詞形成)] (口)をブクブクとゆすぐ。 paro osopsopo パロ オソㇷ゚ソポ 口をゆすぐ。 ku=paro k=ósopsopo クパロ コソㇷ゚ソポ 私は口をゆすいでいる。(W) (出典:田村、方言:沙流)
osopsopo
オソㇷ゚ソポ 【osopsopo】 ゆすぐ. ホクレ ワッカ オンタロ オハレ ワ オラーノ オソㇷ゚ソポ ワ オンタロ シㇰノ ワッカ タ ワ アヌ アニー=早く水樽をあけてゆすぎ,そのあとで水樽にいっぱい水を汲んでおいてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
osor
オソㇿ 【名】[概](所は osoro(ho) オソロ(ホ))尻(「けっつ」)。 {E: the buttocks; the hips.} (出典:田村、方言:沙流)
osor(-o)
オソㇿ §421.しり(尻);臀部(5)osor(-o)〔o-sór オそㇿ〕[os(尻)+or(所)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osor/osoro(ho)
オソㇿ/オソロ(ホ) 【osor/osoro(ho)】 尻. (出典:萱野、方言:沙流)
osorkam
オソㇿカㇺ 【名】[概](所は osorkami(hi) オソㇿカミ(ヒ))[osor-kam 尻・肉] 尻べた。 (出典:田村、方言:沙流)
osorkam(-i)
オソㇿカㇺ §424.尻の肉;臀部の肉(1)osor-kam(-i)〔o-sór-kam オそㇿカㇺ〕[osor(尻)+kam(肉)]⦅H.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorkam/osorkami(hi)
オソㇿカㇺ/オソㇿカミ(ヒ) 【osor-kam/-kami(hi)】 尻の肉,脊部の肉. コソㇿカミ(ク・オソㇿカミ)ヒ タ アン フㇷ゚ イェ ヌ ノイネ フマㇱ ナ ヌカㇻ ワ ヌンパ ワ エン・コレ=私の尻にできた腫れ物が膿を持ったようだ,見てしぼってくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
osorkami ronronke
オソㇿカミ ロンロンケ §288.けいれんする(痙攣する)(20)尻の肉がひくひくとけいれんする osorkami ronronke〔o-sór-ka-mi|rón-roŋ-ke オそㇿカミ・ろンロンケ〕[osorkami(その尻肉が)、ronronke(ひくひくとする)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorkami(hi)
オソㇿカミ(ヒ) 【名】[所](概は osorkam オソㇿカㇺ) …の尻べた。 (出典:田村、方言:沙流)
osorkes
オソㇿケㇱ 【osor-kes】 とこ尻:寝ている布団の足の方. (出典:萱野、方言:沙流)
osorkese
オソㇿケセ 【位名】[所](概はない(?) kese ケセ の概は kes ケㇱ)[osor-kese 尻・の末端[所]] 足の方。 en=osorkese ta an エノソㇿケセ タ アン 私の足のところにある(掛け布団が足の方へ行ってしまったことを言っている)。(S) {E: around, in the area of one's legs, feet.} (出典:田村、方言:沙流)
osorkikunpe
オソㇿキクンペ 【osor-kik-un-pe】 月経帯. *ユカㇻの中で大切に育てられている少女が,針仕事の練習のために縫った袋物を,召使い女たちがオソㇿキクンペとして用いる.それを知った少女が両足をばたばたさせて泣きわめく場面がある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
osorkokumpe
オソㇿコクンペ §021.赤子のおむつ(1)osorkokumpe〔o-sór-ko-kum-pe オそㇿコクンペ〕[<osor(尻)+ka(の上)+o(につく)+kun(べき)+pe(もの)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorkoma
オソㇿコマ §076 オショロコマ (1) osorkoma(o-sór-ko-ma)「オそㇿコマ」[「オスルコマ」]⦅藻汐草⦆ (出典:知里動物編、方言:)
osorkomap
オソㇿコマㇷ゚ §327 オニノヤガラ (3) osorkomap (o-sór-ko-map)「オそㇿコマㇷ゚」[osor(尻)ka(の上)oma(にある)p(もの)] 塊茎 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
osorkupa
オソㇿクパ §189 ハサミムシ(挟虫) (4) osorkupa (o-sór-ku-pa)「オそㇿクパ」 ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
osoro cuy
オソロ チュイ §448.すわる(座る)(38)腰をかける osoro cuy〔o-só-ro-čuǐ オそロチュイ〕[その尻を・つく]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osoro(ho)
オソロホ 【名】[所](概は osor オソㇿ)…の尻、 彼の尻。 hemanta ene osoroho poro ruwe an hi an! ヘマンタ エネ オソロホ ポロ ルウェ アニ アン! なんとまあずいぶんお尻が大きいもんだなあ。(S) {E: the buttocks, hips of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osoroea
オソロエア §448.すわる(座る)(37)腰をかける osoro-e-a〔o-só-ro-e-a オそロエあ〕[osoro(その尻)+-e-(で)+a(座る)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osoroeimek
オソロエイメㇰ §317.こうしょく(好色)[である](7)うわきである osoro-e-imek〔o-só-ro-e-ì-mek オそロ・エいメㇰ〕[osoro(その尻)+e(で)+imek(食物を分配する)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorokan(m-i)
オソロカン §424.尻の肉;臀部の肉(2)osoro-kan(m-i)〔o-só-ro-kan オそロカン〕[<osor-kam↑]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorokar
オソロカㇻ 【自動】[osoro-kar その尻・を処置する]尻を拭(ふ)く。 hńta kus kanpi e=perpaperpa ruwe an? ikaraski, ani e=etuhukar yakka e=osorokar yakka pirka p フンタ クㇱ カンピ エペㇾパペㇾパ ルウェ アン? イカラㇱキ、 アニ エエトゥフカㇻ ヤッカ エオソロカㇻ ヤッカ ピㇼカㇷ゚ どうして紙をビリビリに破ったの、 もったいない、 それで鼻を拭いてもお尻を拭いてもいいのに。(S) {E: to wipe one's bottom, buttocks.} (出典:田村、方言:沙流)
osoroke
オソロケ §062 マグロ (5) osoroke (o-só-ro-ke)「オそロケ」 ⦅富内⦆ (出典:知里動物編、方言:)
osorokosne
オソロコㇱネ §317.こうしょく(好色)[である](6)osoro-kosne〔o-só-ro-koš-ne オそロコㇱネ〕[osoro(その尻)+kosne(軽い)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorpotur(-u)
オソㇿポトゥㇽ §796.もうこはん(蒙古斑)osor-potur(-u)〔o-sór-po-tur オそㇿ・ポトゥㇽ〕[尻・あざ]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorpuy
オソㇿプイ 【名】[概](所は osorpuye(he) オソㇿプイェ(ヘ))[osor-puy 尻・孔] 肛門。 ☆参考 yorpuy ヨㇿプイ とも言う。 {E: the anus.} (出典:田村、方言:沙流)
osorpuy(-e)
オソㇿプイ §319.こうもん(肛門);しりのあな(6)osor-puy(-e)〔o-sór-puǐ オそㇿプイ〕[尻・穴]⦅ハルトリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorpuy/osorpuye(he)
オソㇿプイ/オソㇿプイェ(ヘ) 【osor-puy/-puye(he)】 幽門:胃が十二指腸に続く部分,肛門〔卑〕. (出典:萱野、方言:沙流)
osorpuye(he)
オソㇿプイェ(ヘ) 【名】[所](概は osorpuy オソㇿプイ) …の肛門。 {E: the anus of…} (出典:田村、方言:沙流)
osorumpe
オソルンペ §292.月経帯(1)osorumpe〔o-só-rum-pe オそルンペ〕[osor(尻)+un(につく)+pe(もの))⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osorusi
オソルシ 【osor-usi】 腰を掛ける. ▷オソㇿ=尻 ウシ=つける,掛ける(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
osoruspe
オソルㇱペ §292.月経帯(2)osoruspe〔o-só-ruš-pe オそルㇱペ〕[osor(尻)+us(につく)+pe(もの))⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osoynantokompone
オソイナントコンポネ §281.くるぶし(踝)(5)外くるぶし osoynan-tokompone〔o-sóǐ-nan-to-kòm-po-ne オそイナントコンポネ〕[osoynan(外の、<o「尻が」 soy「外」 ne「で」 an「ある」…)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osoynaun
オソイナウン 【副】[o-soyna-un その尻・外側・にある] ①外側に。 ②(連体的に) 外側の。 osoynaun tokonpone オソイナウン トコンポネ 外側のくるぶし。 ☆対語 oawnaun オアウナウン {E: ①on the outside. ②outer; outside; exterior.} (出典:田村、方言:沙流)
osoyne
オソイネ 【副】[o-soy-ne その尻が・外・だ] 外から。 ☆参考 esoyne エソイネ 外へ。 {E: from outside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osoyosma
オソヨㇱマ 【o-soy-osma】 底が抜ける. オンタロ オソヨㇱマ=樽の底が抜けた. (出典:萱野、方言:沙流)
osoyumpeewen
オソユンペエウェン §091.陰萎[になる](5)ふだんは勃起するのに女の傍へ行ってかんじんの時に勃起しないもの osoyumpe-e-wen〔o-só-jum-pe-e-wen オそユンペエウェン〕[osoyumpe(憑き物)+e(によって)+wen (悪くなる)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osoyumpekar(-an)
オソユンペカㇻ §134.うなされる(6)夢魔にうなされる osoyumpe-kar(-an)〔o-só-jum-pe-kar オそユンペカㇻ〕[osoyumpe(魔、o-soy-un-pe 外から来る者)+kar(つく);魔がつく]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osoyumpekeske
オソユンペケㇱケ §091.陰萎[になる](4)ふだんは勃起するのに女の傍へ行ってかんじんの時に勃起しないもの osoyumpe-keske〔o-só-yum-pe-kès-ke オそユンペケㇱケ〕[憑き物が・しいたげる]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osoyumpewente
オソユンペウェンテ §091.陰萎[になる](3)ふだんは勃起するのに女の傍へ行ってかんじんの時に勃起しないもの oso-yumpe-wente〔o-só-jum-pe-wèn-te オそユンペウェンテ〕[osoyumpe(憑き物が)+wen-te(悪く・する)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
osoyun
オソヨン 【副/連体】[o-soy-un その尻(が)・外・にある](語構成要素として)外から、 外からの。 wenosoyunpe ウェノソユンペ 悪い憑きもの。 ☆参考 独立の語としての用例は未出。 (出典:田村、方言:沙流)
otoyposo
オトイポソ 【o-toy-poso】 畑物が芽を出した.▷オ=それ=種 トイ=畑 ポソ=くぐる (出典:萱野、方言:沙流)
oupsoromare
オウㇷ゚ソロマレ 【他動】[o-upsor-omare その尻・ふところ・に入れる]ふところにだく。 {E: to hold…to the breast.} (出典:田村、方言:沙流)
oycarioposore
オイチャリオポソレ 【他動】[o-icari-oposo-re その尻・ざる・を通りぬける・させる]…をざるでこす。 ☆参考 icari ani oposore イチャリ アニ オポソレ とも言う。 {E: to strain…through a sieve.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pan niki tuye ka somo
パン ニキ トゥイェ カ ソモ 【pan niki tuye ka somo】 まくしたてる.▷パン=口 ニキ=ひだ トゥイェ=切る カ=も ソモ=しない →間をおかないでしゃべりまくる ソモ エㇰ アイネ エㇰ ペ ネ クス パンニキ トゥイェ カ ソモ キ ノ スンケ アㇱ ペ ソネ アㇱ ペ エハウカントゥㇽセ=しばらく来ないでいて来たものだから息もつかずにうその話や本当の話を声高にしゃべっている. (出典:萱野、方言:沙流)
parkosomomokor
パㇻコソモモコㇿ 【par-ko-somo-mokor】 腹がすいて眠れない.▷パㇻ=口 コ=それ ソモ=(否定) モコㇿ=眠る →口のために眠らない (出典:萱野、方言:沙流)
paroosopsopo
パロオソㇷ゚ソポ 【paro-osop-sopo】 口ゆすぎ. (出典:萱野、方言:沙流)
parumpekunneturkesosita
パルンペクンネトゥㇽケソシタ §268 イヌ (40) parumpe-kunne-turkes-o-sita (pa-rúm-pe-kún-ne-tur-ke-so-si-ta)「パるンペくンネトゥㇽケソシタ」[<parumpe(舌に)kunne(黒い)turkes(ほくろ)o(ある)sita(犬)] ⦅美幌⦆舌に黒い点々のついているイヌ(こういう相のイヌは良犬とされている) (出典:知里動物編、方言:)
pepesotop
ペペソトㇷ゚ §217.髪の種類(1)縮れていない真すぐな頭髪 pepes-otop〔pe-pé-so-top ペ舳ソトㇷ゚〕[<?pe(水)pes(伝い流れる)+otop(髪)>⦅ホロべツ、サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.261】 (出典:知里人間編I、方言:)
peposoinkar
ペポソインカㇻ 【pe-poso-inkar】 化け物:水を透かして見る化け物. ペ=水 ポソ=透かす インカㇻ=見る *想像上の化け物なのでその姿はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
peraysok
ぺライソㇰ §005 アンコウ (1) peray-sok (pé-ray-sok)「ぺライソㇰ」[<(釣りをする・奴)] ⦅幌別、白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sos
ペソㇱ 【名】[pe-sos 水・薄い片/層] (次の表現の中で)水の層。 pésos tum péka ペソㇱ トゥㇺ ペカ 水の層の中を=水中を。 pésos tum péka cep utar paye kor oka ペソㇱ トゥㇺ ペカ チェプタㇻ パイェ コロカ 水中を魚たちが行っている=魚が泳いでいる。 {E: a layer of water.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pesos
ペソㇱ 【pesos】 みぞれ. ペソㇱアㇱ=みぞれが降る. (出典:萱野、方言:沙流)
petesoro
ペテソロ 【副】[pet-esoro 川・に沿って][神謡] 川に沿って。(W) (出典:田村、方言:沙流)
petso
ペッソ 【名】[pet-so 川・広がりを持った所]川の所(川の水の上ではなく、 川端、 川原の所)。 petso ka ta/horaociwpa ペッソ カ タ/ホラオチウパ [雅](空から)川原の上にさっと降りて来た。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pinneiso
ピンネイソ §277 くま (47) pinne-iso (pin-ne-i-so)「ぴンネイソ」[pinne(おすの)iso(クマ)] (出典:知里動物編、方言:)
pisoiramante
ピソイラマンテ 【pis-o-iramante】 海漁.▷ピㇱ=浜 イラマンテ=狙う,狩,猟,漁 →海での漁 (出典:萱野、方言:沙流)
pisoiramante/pisoyramante
ピソイラマンテ 【自動】[pis-o-iramante 浜・で・獲物をとる] 海の漁をする。 ☆対語 kimoyramante キモイラマンテ 山の猟をする。 {E: to catch seafish.} (出典:田村、方言:沙流)
pisotki
ピソッキ §296 くじら(クジラ (20) pisotki (pí-sot-ki)「ぴソッキ」クジラの沖詞⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
pisoy(-e)
ピソイ §535.手や足の小指のある方の側縁pisoy(-e)〔pi-sóǐ ピそイ〕[本来は魚の腹線部の肉を言う]⦅H. S. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pisoy/pisoye(he)
ピソイ/ピソイェ(ヘ) 【pisoy/pisoye(he)】 (魚の)浮き袋. テㇰピソイ=手刀(手のひらの側面).ケマピソイ=足首から先の外側(小指のつけ根から踵まで). (出典:萱野、方言:沙流)
pisuysok
ピスイソㇰ §009 ドジョウ (8) pisuysok (pi-súy-sok)「ピすイソㇰ」[<pis(浜)un(の)sok(奴)] ⦅厚真、似湾、名寄⦆エゾホトケ、ゴタッペ Lefua echigonia JORDAN & RICHARDSON. (出典:知里動物編、方言:)
pokuso
ポクソ 【名】[日本語 ぼくそう(牧草)][植物] 「ボクソー」(牧草)=クローバー。 〔知分類になし〕 {E: clover.} (出典:田村、方言:沙流)
poniso
ポンイソ §277 くま (46) pon-iso (pón-i-so)「ぽンイソ」[pon(小さい)iso(クマ)] (出典:知里動物編、方言:)
poso
ポソ 【poso】 くぐる. イヤパオポソレ=戸のすき間から目をくぐらせて見る. (出典:萱野、方言:沙流)
posomi
ポソミ 【posomi】 細身の刀. タンネ ポソミ タㇰネ ポソミ=長い細身の刀,短い細身の刀.シㇼカ テㇱケ タンネ ポソミ=反りのある細身の長刀[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
poysomomap
ポイソモマㇷ゚ §004.あかご;あかんぼ(14)poy-somomap〔póǐ-so-mo-map ぽイソモマㇷ゚〕⦅チトセ⦆赤んぼ。[<pon(小さい);somomap(おまる↑)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
poyson
ポイソン 【名】[< pon-sion 小さい・うんちの古くなったの] 子ども、 幼な子、 ぼうや。 ☆参考 男女ともに、 赤ん坊から小学生ぐらいまでの子どもをいとおしみ、 大切に思って表現する言葉。 ☞síon シオン {E: a child; an infant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
poyson
ポイション →ポンション (出典:萱野、方言:沙流)
poyson
ポイソン →ポンション (出典:萱野、方言:沙流)
poyson inoka
ポイソン イノカ 【名】[幼な子・人の形のもの] 人形。 ☆参考 昔は人形をつくらなかった。(W) {E: a doll.} (出典:田村、方言:沙流)
poysontak(-i)
ポイソンタㇰ §004.あかご;あかんぼ(5)poysontak(-i)〔póǐ-son-tak ぽイソンタㇰ〕[poy(<pon 小さい)+sontak(<siontak 古ぐそのかたまり↑)]⦅ビホロ⦆赤んぼ。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
poysoya-kamuy
ポイソヤカムイ 【名】[pon-soya-kamuy 小さい・ハチ・神][動物] ミツバチ。 poysoya-kamuy suy kapocá nonno ka pokusó nonno ka suy kotuk wa oka, tópen uske uyna rusuy kusu he ポイソヤカムイ スイ カポチャ ノンノ カ ポクソ ノンノ カ スイ コトゥㇰ ワ オカ、 トペン ウㇱケ ウイナ ルスイ クス ヘ ミツバチがまたカボチャの花やクローバーの花にまた止まっている、 甘いところ(蜜)がほしいからか。(S) ☆参考 利口なもんだ、 神のうちに入る、 葬式の日には頭に白い鉢巻をして悔やみに来る。(S)〔知分類 p.87 póy-soyay ((ホロベツ))小形のハチ〕 {E: a honeybee.} (出典:田村、方言:沙流)
poysoyay
ポイソヤイ §122 スズメバチ (14) poy-soyay(póy-so-yay)「ぽイソヤイ」⦅幌別⦆小形のハチ (出典:知里動物編、方言:)
ramtom(-o)-soske
ラㇺトㇺソㇱケ §760.胸がやける(1)ramtom(-o)-soske〔rám-tom-sóš-ke らㇺトㇺ・そㇱケ〕[ram(胸)+tomo(の中)+soske(剥がれる)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rapusoyaw
ラプㇱオヤウ §426 マムシ  蛇神(8) rap-us-oyaw (rá-pus-o-yaw)「らプㇱオヤウ」[<羽・生えている・蛇] ⦅美幌⦆【雅】竜蛇 (出典:知里動物編、方言:)
raysonapi
ライソナピ 【ray-sonapi】 大盛り. ア・コㇿ クㇱネ メノコ オㇿ タ アㇻパ・アン アクス ピㇼカ メシ スパ ヒネ ライソナピヒ イ・コイプニ. ソナピ アㇻケ ア・コルッルトゥ=結婚することになっている女の所へ私が行くとおいしいご飯を炊いて大盛りの飯を私にくれた,大盛り飯の半分を女の方へ押しやった.*結婚式の印にひとつのお椀に飯を盛って婿さんが半分食べて残り半分を女に渡した(食べてくれれば結婚してもいいという意志表示になる). (出典:萱野、方言:沙流)
repunkamuykoupsorkorpe
レプンカムイコウㇷ゚ソㇿコㇿペ §099.陰部-女性性器の種類(10)白い陰毛の生えている陰部 repunkamuy-ko-upsor-kor-pe〔re-púŋ-ka-muǐ-ko-ùp-sor-kor-pe レぷンカムイコウㇷ゚ソㇿコㇿペ〕〔repun-kamuy(沖の神、=鮫)+ko(と同じ)+upsor(陰部を)+kor(もつ)+pe(もの)〕⦅ホべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
repuyso
レプイソ 【名】[rep-un-so 沖・の・(広い)場所] 沖の海原、 海外の地。 {E: an overseas land; overseas.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rorunso
ロルンソ 【ror-un-so】 上座,横座. *狐,テンなどの頭骨は上座に置く. (出典:萱野、方言:沙流)
roruyso
ロルイソ 【名】[ror-un-so 上座・の・座](家の中の)上座(いろりと東窓の間の座で敷物の上)。 {E: the seat, place of honour in a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rúkari-esoyne
ルカリエソイネ 【自動】[rúkari-e-soyne トイレに行く・…のために・外へ出る] トイレに行くために外へ出る。 ☆参考 昔、 トイレは屋外にあった。 {E: to go outside to the toilet.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
saksomoa=yep
サㇰソモアイェㇷ゚ 【sak somo a=ye-p】 大蛇. ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ サㇰソモアイェㇷ゚ ニ カ タ アン ワ エトロ コㇿ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=昔話の中では大蛇が木の上にいて大いびきをかいているということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
saksomoayep
サㇰソモアイェㇷ゚ §426 マムシ  蛇神(12) sak-somo-aye-p (sák-so-mo-a-yep)「さㇰソモアイェㇷ゚」[<夏・言われ・ぬ・者] ⦅幌別、沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
Sanka-tososo
サンカトソソ 【名】[san-ka-tososo 棚・の上・を荒らす][固有名]棚荒らし(ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公の呼び名の一部)。(Sユーカラ) ☞Kotan-sitcire コタンシッチレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
santa soaso
サンタ ソアソ 【間投】(a=wakkatare hekaci アワッカタレ ヘカチ《水汲み少年》の神謡の折り返し、 意味不明。) (出典:田村、方言:沙流)
sarkormosospe
サㇻコㇿモソㇱペ §132 ハナアブの幼虫(尾長蛆) (1) sar-kor-mosospe(sár-kor-mo-sos-pe)「さㇻコㇿモソㇱペ」⦅幌別、美幌⦆simosになる(ビIX, 79) (出典:知里動物編、方言:)
sarusmosospe
サㇻウㇱモソㇱペ §132 ハナアブの幼虫(尾長蛆) (2) sar-us-mosospe(sár-us-mo-sos-pe)「さㇻウㇱモソㇱペ」⦅名寄、穂別、幌別⦆ハナアブの幼虫(尾長) (出典:知里動物編、方言:)
sayso
サイソ §174 サンショウ (2) sayso (sáy-so)「さイソ」[<日本語“サンショウ”] 茎 ⦅幌別・穂別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sietokoa=sonkokuste
シエトコアソンコクㇱテ 【si-etoko a=sonko-kuste】 前もって知らせる. (出典:萱野、方言:沙流)
siki osoyun tokikusis
シキ オソユン トキクシㇱ §784.目を剥く[びっくりして]siki osoyun tokikusis〔ši-kí|o-só-jun|to-kí-ku-šiš シき・オそユン・トきクシㇱ〕[siki(その目が)+o-soy-un(内から外へ)+toki(凸出して)+kus-is(kusの反復形、行っている)]⦅ユ研Ⅱ, p.648⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
siknaksowa
シㇰナㇰソワ §122 スズメバチ (6) siknak-sowa(sik-nak-so-wa)「シㇰナㇰソワ」⦅足寄⦆クロスズメバチ、コガタノモンスズメバチ(河野) (出典:知里動物編、方言:)
simawsokka(-an)
シマウソッカ §027.あくび[する](2)si-mawsok-ka(-an)〔ši-máǔ-sok-kaシまウソㇰカ〕[si(自分を)+mawsok(あくび)+ka(させる)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sinnaupsorkorpe
シンナウㇷ゚ソㇿコㇿペ §099.陰部-女性性器の種類(18)膣口が下方にあるもの;方言にいわゆる「さがりぼぼ」 sinna-upsor-korpe〔šín-na-ùp-sor-kor-pe しンナウㇷ゚ソㇿコㇿペ〕[sinna(異様の)+upsor(陰部を)+kor(もつ)+pe(もの)]⦅ホべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sir-cikisokiso
シッチキソキソ 【完動】[名+他動中相][sir-ci-kis-o-kiso あたり・される(中相)・(擬音の語根)・(他動詞形成)・(重複)] あたりがざわざわ騒がしい。 cise okari sir-cikisokiso, hekattar sinot humi wenruy チセ オカリ シッチキソキソ、 ヘカッタㇻ シノッ フミ ウェンルイ 家のまわりが騒がしい、 子どもたちの遊ぶ音がものすごい。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for one's surroundings to be noisy.} (出典:田村、方言:沙流)
sir-sokisoki
シㇼソキソキ 【他動】[sir-soki-soki あたりを・(擬音の語根)・(重複)](ネズミが)かじったり何か引っ張ったり走ったりしてガリガリ/ゴソゴソ音をたてる。 ermu sir-sokisoki humi as エㇾム シㇼソキソキ フミ アㇱ ネズミのかじっている音がする。(S) sir-sokisoki wa nep ne yakka hunara wa uk シㇼソキソキ ワ ネㇷ゚ ネ ヤッカ フナラ ワ ウㇰ (どろぼうが)ネズミみたいにゴソゴソと何でも探して取る。(S) {E: the sound of a mouse gnawing on something, dragging something, scurrying etc.} (出典:田村、方言:沙流)
so
シソ 【名】[sí-so 主要な・座] 右座、 (家の)北側、 (家の中では)いろりを中心として北側の座(上座から見て右側、 入り口から入って左側、 窓はなく、 その上座寄りの部分には宝壇が置かれる。 そのいろりばたは家の主人夫婦の席)。 ☆対語 harkiso ハㇻキソ 左座。 {E: the seat at the northern edge of the hearth of a home.} (出典:田村、方言:沙流)
siso
シソ 【siso】 右座:横座から入口の方を見て右側を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
sisoy
シソイ 【位名】[si-soy 自分・の家の近く/外] 自分の家の前/門口、 自分の家のすぐ近く。 {E: the gateway to one's house; near one's house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soya
シソヤ 【名】[si-soya 大きい・蜂][動物]スズメバチ(?)。 「大きな、 刺すと痛い蜂(ハチ)。 巣は木から軒から等下げる、 土中ではない。」 (S) ☆参考 toysoya トイソヤ もスズメバチらしい。 これは土の中に巣をつくる。 〔知分類 p.87 モンスズメバチ、 オオスズメバチ〕 {E: a large stinging bee.} (出典:田村、方言:沙流)
sisoya
シソヤ 【si-soya】 赤バチ,スズメバチ. (出典:萱野、方言:沙流)
sisoya
シソヤ §122 スズメバチ (3) sisoya(sí-so-ya)「しソヤ」⦅名寄、穂別、沙流、様似、千歳、旭川⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sisoyakamuy
シソヤカムイ §122 スズメバチ (2) si-soyakamuy(sí-so-ya-ka-muy)「しソヤカムイ」⦅本別⦆スズメバチ(井上7) (出典:知里動物編、方言:)
sitcikisokiso
シッチキソキソ ☞sir-cikisokiso シッチキソキソ (出典:田村、方言:沙流)
sittososo
シットソソ 【sir-tososo】 騒々しい,やかましい:物音をたててうるさい. (出典:萱野、方言:沙流)
siwninsoy
シウニンソイ §022 シマゾイ;ビッキゾイ;キゾイ (1) siwnin-soy (siw-nin-soy)「シウニンソイ」[黄色い・ソイ] ⦅B⦆渋 p.354 (出典:知里動物編、方言:)
soatay
ソアタイ 【名】[so-atay 借財・料金] 借財(の値)。 {E: a debt.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soatay
ソアタイ 【so-atay】 借金. ク・ポホ ソアタイ タㇰ クス カㇻパレ(ク・アㇻパレ) クス ク・イェ ヤッカ エウッチケ ワ アㇻパ コパン=私の息子に借金取りに行かせようと私が言っても尻込みして行くのをいやがった. (出典:萱野、方言:沙流)
soataykar
ソアタイカㇻ 【自動】[soatay-kar 借財・を払う] 借金/借財を払う/返す。 {E: to return borrowed money.} (出典:田村、方言:沙流)
soataykar
ソアタイカㇻ 【so-atay-kar】 借金を返す. (出典:萱野、方言:沙流)
soataykor
ソアタイコㇿ 【自動】[soatay-kor 借財・を持つ] 借金している、 (お金、 食物等の)借りがある。 {E: to be in debt.} (出典:田村、方言:沙流)
soataytak
ソアタイタㇰ 【自動】[soatay-tak 借財・を取りに行く] 借金取りに行く/来る、 借財の返済をさせに行く/来る。 {E: to go to recover a debt, lent money, food etc.} (出典:田村、方言:沙流)
soataytak
ソアタイタㇰ 【so-atay-tak】 借金を請求する.▷ソアタイ=貸し タㇰ=迎える,請求する (出典:萱野、方言:沙流)
soetokotuyeni
ソエトコトゥイェニ 【so-etoko-tuye-ni】 横桁. (出典:萱野、方言:沙流)
etomotuyep
ソエトモトゥイェㇷ゚ 【名】[so-etomotuye-p 座・その頭を横切る・もの]家の壁と天井の境の所、 四隅の柱の上に縦横に渡してある木のうち、 横に(南北に)渡してある木。(S) ☆対語 sópesni ソペㇱニ 縦に(東西に)渡してある木。 ☆参考 sótomotuyep ソトモトゥイェㇷ゚ とも言う。(S) ☆参考 二本の so(e)tomotuyep ソ(エ)トモトゥイェㇷ゚ の間の天井の横の梁は umanki ウマンキ。(S) {E: a crossbeam.} (出典:田村、方言:沙流)
soh
ソㇹ §279 セイウチ (1) soh (soh)「ソㇹ」 ⦅新問⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sohkana
ソㇹカナ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (15) sohkana (sóh-ka-na)「そㇹカナ」 成魚 ⦅多蘭泊、真岡、富内、白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ho
ソホ 【名】[所](概は so ソ)…の座、 …でつくった敷物を敷いて整えた所。 {E: a seat of…; a place prepared with a mat laid out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sohokar
ソホカㇻ 【soho-kar】 ござを敷く,敷物を敷く. (出典:萱野、方言:沙流)
sohtonko
ソㇹトンコ §230.かわ(皮)(12)毛皮 sohtonko〔sóh-toŋ-ko そㇹトンコ〕⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
soitakorsame
ソイタコㇿサメ §086 シュモクザメ (1) soita-kor-same(só-i-ta-kor-sa-me)「そイタコㇿサメ」[so-ita-(板子)kor(もつ)same(サメ)]成魚⦅長万部⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sokan
ソカン §508.腸チフスsokan〔só-kan しょカン〕[<日本語‘傷寒'>⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kar
ソカㇻ 【自動】[so-kar 座・をつくる](地面の上に)敷物を敷いて人々が入って座れるように整える。 sókar hem ki munnuwe hem ki ソカㇻ ヘㇺ キ ムンヌウェ ヘㇺ キ 敷物を敷いたり掃き掃除をしたりする(民話の中で、 客人を迎え入れる用意をする場面の常套句)。 {E: to lay out a mat (on the ground) for people to sit on.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sokar ka ta
ソッカㇻカタ 【so-kar ka ta】 床(敷物を敷いてない床). (出典:萱野、方言:沙流)
sokarhoku
ソカㇻホク §036.おっと(夫)(8)so-kar-hoku〔só-kar-ho-ku そカㇻ・ホク〕⦅H.⦆【雅】かしずく夫。e-〜「汝のかしずく夫」⦅聖典, p.175⦆。[so(座席を)+kar(つくる、しつらえる)+hoku(夫);そのために座席をしつらえてかしずく夫]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
karmaci(hi)
ソカㇻマチ(ヒ) 【名】[所](概 sokarmat ソカㇻマッ の用例はない。)[sokar-mat-i 敷物を敷いて座を整える・女/妻・(所属語尾)][雅] 正妻。 a=antemaci/a=sokarmaci/a=osúra kuni/a=ramú ka/somo ki awa アアンテマチ/アソカㇻマチ/アオスラ クニ/アラム カ/ソモ キ アワ わが正妻、 わが本妻と、 別れることなど思ってもみなかったが。(W神謡語り) antemacihi sókarmacihi ikesuy hi ruska kusu アンテマチヒ ソカㇻマチヒ イケスイ ヒ ルㇱカ クス (その男の神は)正妻が、 本妻が、 怒って出て行ったので不機嫌になって。(W独話) ☆参考 antemaci(hi) アンテマチ(ヒ) とも言う。 用例は二つとも類義並列の対句である。 両方とも主として韻文で使われる。 日常語で正妻を第二の妻と区別して言う簡単な言い方は poromat ポロマッ[概]/poromaci(hi) ポロマチ(ヒ)[所]。 {E: one's legal wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sokarmat
ソカㇻマッ 【so-kar-mat】 本妻. →チパンケマッ (出典:萱野、方言:沙流)
sokay
ソカイ §325 カワセミ (1) sokay (so-káy)「ソかイ」 ⦅穂別、千歳、近文、屈斜路、美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sokaykamuy
ソカイカムイ §325 カワセミ (2) sokay-kamuy (so-káy-ka-muy)「ソかイカムイ」 ⦅屈斜路⦆(コ184) (出典:知里動物編、方言:)
sokes
ソケㇱ 【so-kes】 入口の方:囲炉裏から見て. (出典:萱野、方言:沙流)
sokes(-e)
ソケㇱ §037.妻(19)sokes(-e)〔só-keš そケㇱ〕⦅チカブミ、ビホロ⦆【雅】妻。"Samayekur so-kesehe ci-ne"「サマイェクルの妻に私はなった」[so(座席)+kes(尻、端)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sokisoki
ソキソキ 【他動】(ネズミが)かじって音を立てる。 ☞sir-sokisoki シㇼソキソキ {E: the sound made by (a mouse) gnawing on something.} (出典:田村、方言:沙流)
sokkana
ソッカナ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (14) sokkana (sók-ka-na)「そッカナ」 ⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sokoni
ソコニ 【名】[植物](「ニワトコ」)(腎臓病と腹膜炎のときの下し薬)。(S)〔知分類 p.28〕 {E: the elder free (B.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sokoni
ソコニ 【sokoni】 ニワトコ.*内側の薄緑色の出たところを木のまま煎じて飲むと心臓病に効き目があるとか. (出典:萱野、方言:沙流)
sokoni
ソコニ §045 エゾニワトコ (2) soko-ni (so-kó-ni)「ソこニ」[<si-kon-ni] 茎 ⦅幌別、穂別、様似、鵜城⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sokonikikir
ソコニキキㇼ §112 カミキリムシ (9) sokoni-kikir(so-kó-ni-ki-kir)「ソこニキキㇼ」[<sokoni(ニワトコ)kikir(虫)]⦅幌別⦆カミキリ類の幼虫 (出典:知里動物編、方言:)
sokonni
ソコンニ §045 エゾニワトコ (1) sokon-ni (so-kón-ni)「ソこンニ」[si(糞)kor(持つ)ni(木)] 茎 ⦅美幌、屈斜路、足寄、塘路、名寄、長万部⦆⦅A有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
soksok-ki-yak
ソㇰソㇰキヤㇰ 【間投】[(キツツキの擬音)](スズメの神の神謡でキツツキ(esoksoki エソㇰソキ)の神が登場してしゃべる場面での折り返し。) ☆発音 ki キ の部分をのばして ソクソクキーヤク と4拍にして歌う。 ☆参考 ki-yak キヤㇰ の部分は《…すると》とも解釈できる。 ☆参考 esoksoki エソㇰソキ アカゲラ(?)(キツツキの一種)。 (出典:田村、方言:沙流)
somi
ソミ §256.くさる(腐る)(5)すえる somi〔só:-mi そーミ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
somo
ソモ 【副】(否定辞) ①(動詞句または否定する語の前に置かれて) …しない。 núman somo k=ek ヌマン ソモ ケㇰ 昨日私は来なかった (S会話) te wano anak somo néno iki=an kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ イキアン クス ネ ナ これからはあんなことはしませんから。(W民話) somo ipe ソモ イペ (彼は)ものを食べない。(S会話) ipe ka somo ki イペ カ ソモ キ (彼は)ものも食べない(全然食べない)。(S会話) somo ne ソモ ネ …ではない。 seta ka somo ne, cápe e ruwe ne aan wa セタ カ ソモ ネ、 チャペ エ ルウェ ネ アアン ワ 犬じゃない、 猫が食べたんだわ。(S) somo ki ソモ キ …しない/しなかった。 somo ki no ソモ キ ノ …せずに。 ②(動詞句が現れずこの語だけで否定の動詞句の役割をする場合もある。) somo yak a=ye ソモ ヤカイェ そうではないそうだ。 ③[熟語・慣用表現] somo ka(…ramu a p/hi) ソモ カ…(ラム アㇷ゚/ラム ア ヒ) まさか… (とは思わなかったが…)。 a=yupíhi somo ka ene iki kunak a=ramú a hi アユピヒ ソモ カ エネ イキ クナㇰ アラム ア ヒ 兄がまさかそんなことをするなんて私は思わなかったが。(W民話) somo ka tapne i=okpare kuni p ne kunak a=ramú a p ソモ カ タㇷ゚ネ イオㇰパレ クニㇷ゚ ネ クナㇰ アラム アㇷ゚ まさか(苦労して育てた息子に)虐待されるなんて思わなかったのに。(W民話) ciki somo…na/ya チキ ソモ…ナ/ヤ …すれば(…なるのではないかなあ)(願望)。 híne un somo ヒネ ウン ソモ もちろん。(S) somo ney ta ki ソモ ネイ タ キ いつもそうする。 hat punkar he emawri punkar he k=éokok híne ku=hacir, k=áni wakka opitta ku=kuta wa isam ranke, somo ney ta ki p un ハッ プンカㇻ ヘ エマウリ プンカㇻ ヘ ケオコㇰ ヒネ クハチㇼ、 カニ ワッカ オピッタ ククタ ワ イサㇺ ランケ、 ソモ ネイ タ キプン (S) ブドウ蔓かイチゴの蔓かにひっかかって転ぶ、 持っている水を全部こぼしてしまう、 いつもそうなのよ。 {E: not (to negate a sentence).} (出典:田村、方言:沙流)
somo
ソモ 【somo】 違う. (出典:萱野、方言:沙流)
somo hayta ya
ソモ ハイタ ヤー 【somo hayta ya】 足りなくないかい. (出典:萱野、方言:沙流)
somo un somo
ソモユンソモ 【somo un somo】 なんとかして,かろうじて. ソモユンソモ ピㇼカ クニ ア・ラム=かろうじて元気を回復するかもしれない. (出典:萱野、方言:沙流)
somohe
ソモヘ 【somo he】 違うか. (出典:萱野、方言:沙流)
somohose
ソモホセ 【somo hose】 返事しない. (出典:萱野、方言:沙流)
somoipere/somoypere
ソモイペレ 【他動】[自動使役]…に…を食べさせない。 ☆参考 この形では未出。 -pa パ を伴って出てきた。 ☞次項 (出典:田村、方言:沙流)
somoiperepa/somoyperepa
ソモイペレパ 【他動】[自動使役][複][somo-ipe-re-pa …しない・ものを食べる・させる・[複]](二人以上が皆)…にものを食べさせない、 …に何も食べさせない、 …に食事を与えない。 nísapno siknak=an akusu i=somoiperepa, rur takup i=érepa ニサㇷ゚ノ シㇰナㇰアン アクス イソモイペレパ、 ルッ タクㇷ゚ イエレパ 私が急に目が見えなくなると(息子夫婦は)私にものを食べさせてくれなくなった、 おつゆだけしか食べさせてくれなくなった。(W民話) {E: to not feed… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
somoitak
ソモイタㇰ 【somo itak】 唖である,口がきけない人. (出典:萱野、方言:沙流)
somoitak(-an)
ソモイタㇰ §155.おし(唖・唖者)(1)唖[者である]somo-itak(-an)〔so-mó-i-tak ソもイタㇰ〕[somo(否定の副詞)+itak(物言う);物言わぬ]⦅チカブミ、ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
somoitakpe
ソモイタㇰペ §155.おし(唖・唖者)(2)唖者 somoitakpe〔so-mó-i-tak-pe〔ソもイタㇰペ〕[somoitak(物言わぬ)+pe(者)]⦅ホロベツ、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
somoka
ソモカ 【somoka】 まさか. ソモカ エネ ハワㇱ クナㇰ ア・ラム=まさかそのような話になるとは思わなかった.ソモカ エネ イキ・アン クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ エネ イキ・アン.ソンノ ヤイアパプ ア・キ ナ イテキ エン・コイキ=まさかそうすると思わなかったのにそうしてしまった.本当に私は謝るので私をいじめないで.ソモカ エ・エㇰ クナㇰ ク・ラム ア ワ エ・エㇰ=まさか来るとは思っていなかったのにお前は来た. (出典:萱野、方言:沙流)
somoki
ソモキ 【somo ki】 しない.できない. (出典:萱野、方言:沙流)
somokino
ソモキノ 【somo ki no】 〜しないで. (出典:萱野、方言:沙流)
somone
ソモネ 【somo ne】 違う,〜ない. (出典:萱野、方言:沙流)
somoneun
ソモネウン 【somo ne un】 (〜で)ないだろうか. ポンノ アㇱ ワ イコカヌ.キㇺペ ハウ ソモ ネ ウン=少し止まって耳を澄まして聞け.熊の声ではないだろうか?シサㇺ アナㇰネ トゥミ エラマㇱパ ㇷ゚ ネ ハウ ソモ ネ ウン.スイ アトゥイ イクㇱ タ ウコトゥミコㇿ パ ヤㇰ ア・イェ ク・イシトマ=和人というのは戦争が好きな人たちではないのかな.またしても海の向こうで戦争を始めたそうだ,私は恐ろしい. (出典:萱野、方言:沙流)
somoneyakanak
ソモネヤカナㇰ 【somo ne yak anak】 〜でなければ. (出典:萱野、方言:沙流)
somoyakun
ソモヤクン 【somo yakun】 そうしないと. エモ ア・エトイタ ヒ タ アナㇰネ クロホ ラウネ ノ ア・カㇻ ペ ネ ソモ ヤクン エモ ウェン ペ ネ=ジャガイモを蒔く時は畝を深くするものだ.そうしないとジャガイモがよくないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
somoyaykatanuno
ソモヤイカタヌノ 【somo yaykata-nu no】 遠慮もせずに.▷ソモ=(否定) ヤイカタヌ=遠慮する ノ=〜で (出典:萱野、方言:沙流)
somoyaysitomap
ソモヤイシトマㇷ゚ 【somo yay-sitoma-p】 恥知らず. (出典:萱野、方言:沙流)
somoytak
ソモイタㇰ 【自動】[somo-itak …しない・話す] ものを言わない、 唖者(「おっち」)である。 toanta somoytak kur an na トアンタ ソモイタㇰ クㇽ アン ナ あそこに唖の人がいるよ。(S) {E: to be dumb; cannot speak.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sompa
ソンパ 【sompa】 そば. (出典:萱野、方言:沙流)
sompaokina
ソンパオキナ 【sompa-o-kina】 ウキヤガラ,エゾアブラガヤ〔植〕. (出典:萱野、方言:沙流)
sompaokina
ソンパオキナ §377 エゾアブラガヤ (2) sompaokina (sóm-pa-o-ki-na)「そンパオキナ」[sompa(稜)o(ある)kina(草)] 茎葉 ⦅沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sompaokina
ソンパオキナ §380 ウキヤガラ (1) sompaokina (sóm-pa-o-ki-na)「そンパオキナ」[sompa(稜)o(ある)kina(草)] 稈 ⦅沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
son
ソン 【名】[< si-on 糞・熟成する] いとし子、 (かわいい)幼な子。 ☆参考 síon シオン が縮まった形。 語源は直訳すると「ウンチの古くなって熟成したの」。 「坊や」というような感じで、 男の子でも女の子でも、 幼い子どものことを大切に愛情をこめて言う言い方。 呼びかけにも使う。 昔は名前を呼ぶことはせず、 このような語を使って呼んだ。 ほかに síon シオン, poyson ポイソン, síus シウㇱ などとも言った。 {E: one's beloved child.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
son
ション(ソン) 【son】 赤ん坊,子供,孫. ク・コㇿ ション イヤイ ナ イテキ ニテㇰ アネ ウㇱケ パㇰノ アㇻパ アニー=坊や,危ないから木の枝の細い所まで行くんでないよ.ク・コㇿ ション ソイネ ワ ニ ウイペ ウウォマレ ワ エㇰ.カペアリ(ク・アペアリ) クスネ ナ=孫よ,外へ出て薪の屑を集めて来い.私が火を燃やすから.*孫という言葉はミッポというが普通はク・コㇿ ション=小さい男の子,クコロペㇾ(ク・コㇿ オペㇾ)=小さい女の子というふうに呼ぶものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
son
ソン →シオン,ション →シオン,ション (出典:萱野、方言:沙流)
son
ソン §004.あかご;あかんぼ(9)son〔són そン〕⦅チトセ⦆赤んぼ。ku-kor 〜「私の赤んぼ」。[<sion↑]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sonapi
ソナピ 【sonapi】 てんこ盛り,山盛り:山盛りご飯. (出典:萱野、方言:沙流)
sonapiarke
ソナピアㇻケ 【sonapi-arke】 盛り飯の半分:結婚式で新郎が食べた残り半分の飯のこと.▷ソナピ=山盛り アㇻケ=半分. 図[ソナピアㇻケ] (出典:萱野、方言:沙流)
ne
ソネ 【副】[so-ne 本当・に] 本当に、 確実に、 確かに。 ta ne kuni ku=ramu korka sóne ne ruwe he an un? タ ネ クニ クラム コㇿカ ソネ ネ ルウェ ヘ アヌン? これだと思うけれど本当にこれなのだろうか。(S) sóne pirkano itakipehe oma nankora? ソネ ピㇼカノ イタキペヘ オマ ナンコラ? 本当によく言葉の大切なところが(録音テープに)入っただろうか。(W) sóne somo k=oyra no k=ésikarun kusu ne ソネ ソモ コイラ ノ ケシカルン クス ネ (私は)本当に忘れずに覚えていますよ。(S会話) ☆参考 sonno ソンノ うそでなく本当に。 síno シノ まことに、 たいそう、 非常に。 {E: really; truly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sone
ソネ 【sone】 なんとか,間違いなく. タント アナㇰネ ネア イペサㇰクㇽ ア・トゥラ ワ ソネ ネㇷ゚カ ア・オシコニ エアㇱカイ ヤ ウン=今日はあの狩の下手な者を私たちは連れてなんとか何か獲ることができるだろうか?アチャポ キㇺタ シットゥライヌ ワ タント エイネレㇾコ ネ ワ.ソネ シㇰヌ ワ アン ルウェヘ アン ウーン=おじさんが山で道に迷って今日で4日になる.問違いなく生きているだろうかね. (出典:萱野、方言:沙流)
soneaspe
ソネアㇱペ 【sone-as-pe】 本当の話. ネイタ ネ ヤッカ イユトゥㇽウェンテ ルスイ ペ オカイ ペ ネ クス スンケアㇱペ ソネアㇱペ イェ コㇿ オマナン=どこにでも仲たがいをさせたい者がいて,嘘の話や本当の話を言いふらして歩く.テエタ アナㇰネ オッカイポ ウタㇻ ウウェカㇻパ コㇿ スンケアㇱペ ソネアㇱペ エウパウレ シノッチャランケ コラチ ネ ア コㇿカ タネ アン ウタㇻ ネノ アン イキ ソモ キ パ=昔は若者たちが集まると嘘の事や本当の事を口論し,遊びの討論会のようなものであったが今の人たちはそのようなことはしなくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
nep
ソネㇷ゚ 【名】[so-ne-p 敷物を敷いて座れるように整えた床・になる・もの]床(ゆか)に敷くもの、 敷物になるもの、 敷物の総称。 ☆参考 ceykip チェイキㇷ゚ ものをつくる道具、 aesúkep アエスケㇷ゚ 台所道具、 amip アミㇷ゚ 着物・ふとん等に対して言う。 {E: floor-covering; matting etc.} (出典:田村、方言:沙流)
sonep
ソネㇷ゚ 【so-ne-p】 敷物(一般). (出典:萱野、方言:沙流)
soneun
ソネウン 【sone-un】 間違いなく. オホンノ クチャチセ オハシㇼ ネ ワ アン ソネウン ク ヘネ アイ ヘネ ウオマ ノ アン ルウェヘ アン=しばらくの間狩小屋を空き家にしていたが,間違いなく弓や矢が揃っているのだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
sonkaci
ソンカチ 【名】[< 日本語] 正月。 ☆参考 asirpa アシㇼパ 新年。 towetanne トウェタンネ 1月。 inomito イノミト 元日。 {E: New Year.} (出典:田村、方言:沙流)
sonko
ソンコ 【名】[概/所]たより、 知らせ、 言づて。 {E: news; a notice.} (出典:田村、方言:沙流)
sonko
ソンコ 【sonko】 言伝て(の). (出典:萱野、方言:沙流)
sonkoanpa
ソンコアンパ 【自動】[sonko-anpa 言づて・を携える] 言づてを持って行く/来る。 …sekor sonkoanpa ruwe ne …セコㇿ ソンコアンパ ルウェ ネ …という言づてを持って行った。(S言い伝え) ☆参考 複数形の形だが anpa アンパ の代りに単数形 ani の入った用例はない。 {E: to deliver a message.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sonkoho
ソンコホ 【名】[所](概は sonko ソンコ)…の便り、 …の知らせ、 …の消息。 …kuni kamuy sonko/sonkoho an …クニ カムイ ソンコ/ソンコホ アン …と神様のお告げがある。 {E: news; a notice.} (出典:田村、方言:沙流)
sonkokor
ソンココㇿ 【自動】[sonko-kor 言づて・を持つ ] 言づてを持って行く/来る。 sonkokor wa ek ソンココㇿ ワ エㇰ 言づて(知らせ)を持って来た。(NK民話) {E: to take, bring a message.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sonkokorkur
ソンココㇿクㇽ 【sonko-kor-kur】 使者. (出典:萱野、方言:沙流)
sonkopayere
ソンコパイェレ 【自動】[sonko-paye-re 言づて・行く[複]・させる] 言づてを送る。 ☆参考 複数形の形だが paye パイェ の代りに単数形の arpa アㇻパ を使った用例はない。 {E: to send a message.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sonkoye
ソンコイェ 【自動】[sonko-ye 言づて・を言う] 伝言を伝える。(S) (出典:田村、方言:沙流)
sonkoye
ソンコイェ 【sonko-ye】 伝える,伝言:目の前へ来て伝言を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
sonno
ソンノ 【副】①本当に。 sonno ku=nukar ap un ソンノ クヌカラプン 本当に見たんだよ。(S) sonno arki yan hani ソンノ アㇻキ ヤン ハニ ぜひ来なさいよ。(S) sonno ne wa un ソンノ ネ ワ ウン そうでしょうとも。(S) sonno an a ! ソンノ アナ ! 本当にねえ。(W会話) sonno an pe [本当に・ある・こと] 本当のこと(=anpe アンペ)。 ②(連体的に使って)本当の。 sonno írutar a=ne ソンノ イルタㇻ アネ 私たちは本当の兄弟だ。(NK民話) kamuy or ta sonno ukor síno ukor eci=kí kus ne na カムイ オッタ ソンノ ウコㇿ シノ ウコㇿ エチキ クㇱ ネ ナ あなた方は神の国で本当の結婚、 まことの結婚をするのだから。(HC民話) sonno ikor ソンノ イコㇿ [本当の・宝物]宝入れ箱(幅15センチ長さ50センチ深さ3センチ位のふたつきの箱、 きれいに彫刻してある、 紐がついている、 中に貝や何か入れる、 「昔は大切な書き物でも入れて紐を肩にかけて持って歩いたのではないかと思う」)。(S) ☆参考 sóne ソネ 本当に、 確かに、 ちゃんと。 síno シノ まことに、 たいそう、 非常に。 {E: ① really; truly. ② real; true.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sonno
ソンノ 【sonno】 必ず,本当に,まことに. (出典:萱野、方言:沙流)
sonno anpe
ソンノ アンペ 【sonno an-pe】 本当,真実. ソンノ ヘー? アンペ ヘー?=本当かい. (出典:萱野、方言:沙流)
sonno he iyohay
ソンノ ヘー イヨーハイ 【sonno he iyohay】 本当かいあきれたことだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sonno ka/sonnoka
ソンノ カ 【副】[sonno ka 本当に・も(副助詞)] やはり本当に、 思ったとおり、 予想したとおり、 聞いたとおり。 sikpuye e=neno kane an wa ku=kir akusu sonno ka e=poho ne a ruwe シㇰプイェ エネノ カネ アン マ クキラクス ソンノ カ エポホ ネ ア ルウェ 目元があなたに似ているのでわかったがやっぱりあなたの息子だったのだな。(S) “taan pe ikemara somo ne?” “aː, sonno ka ikemara ne na a=ta wa inkar=an” 「タアン ペ イケマラ ソモ ネ?」「アー、 ソンノ カ イケマラ ネ ナ アタ ワ インカラン」「これイケマの葉じゃない?」「ああ、 ほんとにイケマの葉だよ、 掘ってみよう。」 (S) (出典:田村、方言:沙流)
sonno páse oripak
ソンノ パセ オリパㇰ 【名】[本当に・重大な・伝染病] 天然痘。 {E: smallpox.} (出典:田村、方言:沙流)
sonno póka
ソンノ ポカ 【副】[本当に・も(副助詞)] やはり本当に、 思ったとおり、 予想したとおり、 聞いたとおり。 ☆参考 sonno ka ソンノ カ をさらに強調した言い方。 sonnopo ka ソンノポ カ か。 (出典:田村、方言:沙流)
sonnoasir
ソンノアシㇼ 【sonno asir】 真新しい. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnohetap
ソンノヘタㇷ゚ 【sonno he tap】 本当のことだよ. ソンノヘタㇷ゚ ウェンペサニ ネ ロㇰ ペ クㇱタ トランネ パ ワ イペー カ エアイカㇷ゚ パ=本当のことだよ,貧乏人の血統だからとて骨惜しみをして食うことばかりもできない者たちだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnooruspe
ソンノオルㇱペ 【sonno or-us-pe】 本当の話. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnopoho
ソンノポホ 【sonno poho】 本当の息子. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnorehe
ソンノレヘ 【sonno rehe】 本名. ⇔ポンレヘ(渾名) (出典:萱野、方言:沙流)
sonnosapo
ソンノサポ 【sonno sapo】 本当の姉. (出典:萱野、方言:沙流)
sonnoyupihi
ソンノユピヒ 【sonno yupihi】 本当の兄. (出典:萱野、方言:沙流)
sonoki
ソノキ 【sonoki】 損. ア・エン・ソノキレ=私は損をさせられた. (出典:萱野、方言:沙流)
sonpa
ソンパ 【名】[< 日本語] ソバ(実)。 {E: soba; buckwheat.} (出典:田村、方言:沙流)
sonpao
ソンパオ 【自動】角(かど)がつく、 角ばっている、 四角い(ソバの実に角(かど)があるからこう言う)。(S) atpake sonpao no kewre, sonpao uske opitta kewre wa anu アッパケ ソンパオ ノ ケウレ、 ソンパオ ウㇱケ オピッタ ケウレ ワ アヌ はじめは四角く削りなさい、 (それから)角(かど)ばったところはみな削っておきなさい。(S) (出典:田村、方言:沙流)
sonpao-kina
ソンパオキナ 【名】[sonpao-kina 角(かど)がある・編む草][植物]ござ(citarpe チタㇻペ)に編む草の一種、 切り口が三角になっている)。〔知分類 p.220 ウキヤガラ〕 {E: straw.} (出典:田村、方言:沙流)
sonpaono
ソンパオノ 【副】[sonpao-no 角(かど)がある・(副詞形成)] 角(かど)をつけて、 四角く。 ☞sonpao ソンパオ (出典:田村、方言:沙流)
sontak(-i)
ソンタㇰ §004.あかご;あかんぼ(4)sontak(-i)〔són-tak そンタㇰ〕⦅ホロべツ、ビホロ⦆赤ん坊。[<si-on-tak(古ぐそのかたまり↑)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
soomap
ソオマㇷ゚ §004.あかご;あかんぼ(13)so-omap〔só-mo-map そモマㇷ゚〕⦅チトセ、サマニ⦆赤んぼ。[<si(くそ)+omaoma(入り入りする)+-p(もの);糞樽、おまる]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
pa
ソパ 【位名】[so-pa (敷物を敷いた)ゆか・の上(かみ)の方] 上座の方。 sópa ta suwop ikir an ruwe ne ソパ タ スウォㇷ゚ イキㇼ アン ルウェ ネ 上座の方に(宝物を入れる)箱がたくさん積んである。(HK民話) ☆参考 入り口から遠い方、 奥の方、 東の方が上座である。 この用例では、 右座側(いろりの北側)の位置の中で上座側のほう、 つまり東寄りのほうのことを言っている。 いろりの東側、 いろりと東窓(神窓)との間の空間も「上座」と訳されることがあるが、 その場所は ror ロㇿ、 roruyso ロルイソ などと呼ばれる。 {E: towards the seat of honour.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sopa
ソパ 【sopa】 上座の方:囲炉裏から見て,家の東側の隅.▷ソ=座 パ=頭 (出典:萱野、方言:沙流)
sopaunkamuy
ソパウンカムイ 【sopa-un-kamuy】 家の守護神.*チセコㇿカムイともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
sopaus
ソパウㇱ §462 スジメ (1) sopaus (só-pa-us)「そパウㇱ」 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sopes
ソペㇱ 【so-pes】 上座から下座へ向かって踊り下ること. ▷ソ=座 ペㇱ=下ること ホリッパ=踊る *ちなみに囲炉裏のまわりを回って踊るこの踊りでは,男たちが刀を抜いて右手に持つが,上座へ進む場合にのみ刀を前へ突き出す.下座へ向く時は刀を胸に当てたままとする.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
pesni
ソペㇱニ 【名】[so-pes-ni 座・に縦に沿う・木]家の壁と天井の境の所、 四隅の柱の上に縦横に渡してある木(昔は丸太)のうち縦に(東西に)渡してある木。 ☆対語 só(e)tomotuyep ソ(エ)トモトゥイェㇷ゚ 横に(南北に)渡してある木。 ☆参考 二本の sópesni ソペㇱニ の間の、 天井の縦の梁(桁)は parpesnni パㇻペㇱニ。 {E: rafters used to support a roof.} (出典:田村、方言:沙流)
sopesni
ソペㇱニ 【so-pes-ni】 桁. (出典:萱野、方言:沙流)
sopokampakamuy
ソポカンパカムイ §124 ヒトノミ;蚤 (2) so-pok-ampa-kamuy(só-po-kam-pa-ka-muy)「そポカンパカムイ」⦅雅語―美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
soran soran pekor
ソラン ソラン ペコㇿ 【so-ran so-ran pekor】 滝のような:滝のように降る大雨.▷ソ=滝 ラン=降る ペコㇿ=ようなものだ. ヌマン シㇼピㇼカ アㇷ゚ タント クンネイワノ ソランソラン ペコㇿ アㇷ゚ト アㇱ ク・ソイネー カ エアイカㇷ゚=昨日はいい天気だったのに今日は朝から滝のような雨が降って私は外へ出ることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
sorekusu
ソレクス 【副】[sore-kusu それ(日本語)・こそ] それこそ(程度のすごいことを言うとき、 それを導くためにその表現の前に置かれる語の一つ)。 ☆参考 同様の文脈でよく使われる easir エアシㇼ は、 アイヌ語本来の語で、 この語を古老はよく「それこそ」と訳している。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sori
ソリ 【名】[日本語] そり(「そり」の訳語として出た)。 ☆発音 アクセントは日本語(共通語)と違って ri リ が高い。 {E: a sled; a sleigh.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sori
ソリ 【sori】 そり:物を積んで運ぶ道具. (出典:萱野、方言:沙流)
sorkone
ソㇿコネ §043 アブラガレイ (3) sorkone (sór-ko-ne)「そㇿコネ」[<su(なべ)or(内)o(で)ko(こなごな)ne(になる)] 成魚 ⦅長万部、礼文、虻田⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sorkoni
ソㇿコニ §043 アブラガレイ (4) sorkoni (sór-ko-ni)「そㇿコニ」[<sorkone(↑)] 成魚 ⦅幌別、白老、荻伏⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sorkoone
ソㇿコオネ §043 アブラガレイ (2) sorkoone (sor-ko-o-ne)「ソㇿコオネ」sorkone ⦅虻田⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sorma
ソㇿマ 【名】[植物]「おちぜんまい」(ヤチゼンマイのような草)。(W), (S)〔知分類 p.240, 241. ゼンマイ、 オシダ、 クサソテツ〕 {E: a flowering fern.} (出典:田村、方言:沙流)
sorma
ソㇿマ 【sorma】 ぜんまい. タント ア・ウㇰ ソㇿマ ホクレ チレ ワ アプッキ カ タ サッケ アニー=今日採ってきたぜんまいを早くゆがいてすだれの上で乾かしなさい. (出典:萱野、方言:沙流)
sorma
ソㇿマ §425 ゼンマイ (1) sorma (sór-ma)「そㇿマ」 葉 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sorma
ソㇿマ §426 ヤマドリゼンマイ (1) sorma (sór-ma)「そㇿマ」 葉 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sorma
ソㇿマ §429 クサソテツ コゴミ (1) sorma (sór-ma)「そㇿマ」 裸葉 ⦅名寄、美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
soroma
ソロマ §426 ヤマドリゼンマイ (2) soroma (so-ró-ma)「ソろマ」 葉 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
soroma
ソロマ §429 クサソテツ コゴミ (2) soroma (so-ró-ma)「ソろマ」 裸葉 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sos
ソㇱ 【名】[概](所は sosi(hi) ソシ(ヒ)) ①薄片、 重なっている紙や層など薄いものの一枚一枚。 sine kanpi sos シネ カンピ ソㇱ 紙一枚。 ironne kanpi sos イロンネ カンピ ソㇱ 厚い紙の重ねたもの。(S) pé-sos tum péka cep utar paye kor oka ペソㇱ トゥㇺ ペカ チェプタㇻ パイェ コロカ 水の(層の)中を魚たちが泳いでいる。(W) ②薄いものが重なっている全体。 kanpisos カンピソㇱ 本、 冊子。 {E: ① layers of thin items such as paper. ② the collective word for ① (i.e. a book).} (出典:田村、方言:沙流)
sosamotpe
ソサモッペ 【名】[so-sam-ot-pe 座・のそば・にある・もの] 壁に掛かっている刀。 {E: a sword hung on a wall.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sosi(hi)
ソシ(ヒ) 【名】[所](概は sos)(本やノート)の1枚/1ページ。 na íne sosi an ナ イネ ソシ アン まだ4枚(4ページ)ある。(W) ☆参考 同じ話者が別のときに「ページ」を kanpiso カンピソ とも言っている。 それは文字の書かれる紙の面のことで、 sosi ソシ は1枚1枚のことである。 (出典:田村、方言:沙流)
soske
ソㇱケ 【自動】[sos-ke 薄片・(自動詞形成)] めくれてはがれる、 むける。 pínay uwekari soske ピナイ ウウェカリ ソㇱケ 谷が両方からむけた(=谷の両側の崖がくずれた)。 soske ewen ソㇱケ エウェン (木の皮などが)きれいにむけない。(S) {E: to be peeled (off).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soske
ソㇱケ 【soske】 剥げる,むける. (出典:萱野、方言:沙流)
soskeno
ソㇱケノ 【自動】[soske-no むける・よく] よくむける、 きれいにめくれてはがれる。(S) (出典:田村、方言:沙流)
soskepira
ソㇱケピラ 【soske-pira】 割がれた崖,草も木も生えていない崖. (出典:萱野、方言:沙流)
sosnu
ソㇱヌ 【自動】[sos-nu 薄片・を持つ(自動詞形成)] 一枚一枚にはがれる。 {E: come off one by one.} (出典:田村、方言:沙流)
sosnu
ソㇱヌ 【sosnu】 1枚1枚剥がれる.*シナ皮などを沼に漬けたり.木灰を入れて煮たものを水洗いして乾かし1枚1枚剥がす. (出典:萱野、方言:沙流)
sosnure
ソㇱヌレ 【他動】[自動使役][sosnu-re 一枚一枚にはがれる・させる] 一枚一枚にはがす。 {E: to peel, tear off…one by one.} (出典:田村、方言:沙流)
sosnure
ソㇱヌレ 【sosnu-re】 1枚1枚剥がす. (出典:萱野、方言:沙流)
soso
ソソ 【他動】[単](複は sospa ソㇱパ)[sos-o 薄片・(他動詞形成)] …をはぐ、 はがす、 むきとる、 めくる。 kapuhu soso カプフ ソソ 皮をはぐ。 numaha soso ヌマハ ソソ 毛皮をはぐ。 ☆参考 動物の毛皮をはぐことは ri リ、 野菜や果物などの皮をむくことは kar カㇻ、 繊維をとるための木の皮をはぐことは kep ケㇷ゚。 {E: to tear off, take off, skin, peel…} (出典:田村、方言:沙流)
soso
ソソ 【soso】 剥がす.むく. (出典:萱野、方言:沙流)
sospa
ソㇱパ 【他動】[複](単は soso ソソ) (二つ/二枚以上)をはがす、 めくりとる。 {E: to peel, tear off…} (出典:田村、方言:沙流)
sospa
ソㇱパ 【sospa】 むく,剥がす. (出典:萱野、方言:沙流)
sospari
ソㇱパリ §559.ねしょうべん(寝小便)[する](7)sospari〔sóš-pa-ri そㇱパリ〕[<津軽方言>⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sospasospa
ソㇱパソㇱパ 【他動】[sos-pa-sospa (薄片/薄くはがすことを表す語根)・[複]・(重複)] どんどんはがす、 次々にはがしていく。 i=koykaske i=koypokke a=sospasospa イコイカㇱケ イコイポッケ アソㇱパソㇱパ 私たち(のいるところ)より東の方も西の方もどんどんはぎとられた(=家も田畑も何もかも大水で流されてしまった)。(W会話) {E: to peel off…one after another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sossorke
ソッソㇿケ 【自動】[sossor-ke (擬態、 sor ソㇿ の重複)・(自動詞形成)](次の表現の中で) kapu(hu) sossorke カプ(フ) ソッソㇿケ 皮膚にかさぶたのように、 ふけみたいなものが出ている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
sosuturu
ソストゥル 【位名】[所](概は未出、 uturu ウトゥル の概は utur ウトゥㇽ)[sos-uturu (本の)紙一枚・の間]本のページの間(紙と紙の間)。 hon sosuturu wa hemanta rapapse kor oka ホン ソストゥル ワ ヘマンタ ラパㇷ゚セ コロカ 本のページの間から何かパラパラ(たくさん)落ちている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
soteskao
ソテㇱカオ 【自動】[so-tes-ka-o 敷物(を敷いた床)・(ござを編むことを表す語根)・の上・に置く](?) 敷物(ござ)を編む。 móse=an wa orano easir soteskao=an a an a モセアン マ オラノ エアシㇼ ソテㇱカオアナ アナ 私はヨシを刈ってそれからござを次々にたくさん編んで。(W民話) ☆参考 ござを編むことを通常は itese イテセ と言い、 ござ編みの道具は iteseni イテセニ と言う。 {E: to make, weave matting.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sotki
ソッキ 【名】①寝床、 家の主人の寝床、 主人夫婦の寝床。 hotke sotki ホッケ ソッキ [寝る・寝床] 寝床。 ②お産のための寝床。(W) nuwap kus ne na esotkikar ヌワㇷ゚ クㇱ ネ ナ エソッキカㇻ お産が始まるからねどこをつくりなさい。(S) ☆参考 通常だれでもが寝る所は a=ehótkehi アエホッケヒ (人の)寝る所=寝床、 k=éhotkehi ケホッケヒ 私の寝る所=私の寝床。 ☆参考 寝台(床(ゆか)より高く台につくられている所)は set セッ。 {E: ① a sleeping place; a bed. ② a bed for giving birth.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sotki
ソッキ 【sotki】 寝床. ソッキ アサㇺ アンパカムイ イ・イェリキクㇽ オッケ カネ=寝床の底を支える神,私を上へ突くかのように[ユ].ウワリソッキ=産褥.アペソッキ=火の神の寝床. (出典:萱野、方言:沙流)
sotki kor
ソッキコㇿ §082 ネズミサメ (9) sotki kor (sot-ki-kor)「ソッキコㇿ」ワニザメ⦅長万部II, 35⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sotkiorunampayaya
ソッキオルンアンパヤヤ §468 タラバガニ (3) sotkiorun-ampayaya (sot-ki-o-run-am-pa-ya-ya)「ソッキオルンアンパヤヤ」 ⦅名寄、網走⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tomotuyep
ソトモトゥイェㇷ゚ ☞so-etomotuyep ソエトモトゥイェㇷ゚ (出典:田村、方言:沙流)
soturasihorippa
ソトゥラシホリッパ 【so-turasi horippa】 下座から上座へ向かって踊り進むこと. ▷ソ=座 トゥラシ=辿る ホリッパ=踊る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
uk
ソウㇰ 【自動】[so-uk 借財・を受け取る] ①借財をする(お金、 米等を借りる)。 ②[動名詞]借財していること。 poro sóuk an ポロ ソウㇰ アン たくさんの借財をしている。(NK民話) {E: to borrow (money, food etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukte
ソウㇰテ 【他動】[自動使役][so-uk-te 借財・を受け取る・させる] …に貸付けをする、 …に(お金や米などの)貸しを持つ。 {E: to lend…; make, let borrow…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sowa
ソワ §120 ハチ類 (3) sowa(so-wá)「ソわ」⦅足寄⦆ハチ類 (出典:知里動物編、方言:)
sowsut
ソウスッ 【位名】[概](所は sowsutuhu ソウストゥフ) 隅、 隅の方、 端の方。 eytasa sowsut ta iteki anu no na hesasi sanke エイタサ ソウスッ タ イテキ アヌ ノ ナ ヘサシ サンケ あまり隅の方に置かないでもっといろりの近くへ出しなさい。(S) ☆参考 四角(よすみ)のことではない。 まん中から遠い、 壁の近くなどのこと。 角(かど)は、 内側でも外側でも sikkew シッケウ。 {E: a corner; a side; an edge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sowsut/sowsutu(hu)
ソウスッ/ソウストゥ(フ) 【sowsut/sowsutu(hu)】 座の隅,壁際:炉から離れた壁際. (出典:萱野、方言:沙流)
sowsutu(hu)
ソウストゥ(フ) 【位名】[所](概は sowsut ソウスッ)…の隅、 …の隅の方、 端の方。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soy
ソイ 【位名】[概](所は soyke(he)) ①(独立的に)外、 戸外、 家の前/門口、 家の近く。 soy ta a=eywanke p ソイ タ アエイワンケㇷ゚ 外(戸外)で使うもの。 W ②(相対的に)…の外、 (家)の前/門口、 (家)の近く。 ☆対語 onnay オンナイ、 aw アウ。 {E: ① outside; the gateway to one's house; near one's house. ② outside…; near (one's house).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soy
ソイ §023 キツネメバル;ソイ(方言) (1) soy (soy)「ソイ」 ⦅虻田、礼文、長万部⦆(C 118)藻魚(B)ソイ、マゾイ(渋 p. 353) (出典:知里動物編、方言:)
soy
ソイ §026 クロゾイ (1) soy (soy)「ソイ」⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
soy/soy(ke)(he)
ソイ/ソイ(ケ)(ヘ) 【soy/soy(ke)(he)】 外(そと),外部. チセ ソイケ タ=家の外側に.イヨㇱキ ワ ソイ タ モコㇿ ワ アノントㇺ タ モㇱ ワ ウルウルㇰ コㇿ アフン ヒ ウン=酔っ払って外で眠って夜中に目を覚まし,ふるえながら入って来たんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
soya
ソヤ 【名】[動物] ハチ (蜂)。 ☆参考 poysoya-kamuy ポイソヤカムイ ミツバチ。 toysoya トイソヤ 土の中に巣をつくる大きくて刺すと痛いハチ(スズメバチらしい)。 sísoya シソヤ 大きくて刺すと痛いハチ、 巣は木の枝や軒から下げてつくる。 〔知分類 p.86〕 {E: a bee.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soya
ソヤ 【soya】 蜂. (出典:萱野、方言:沙流)
soya
ソヤ §120 ハチ類 (1) soya(só-ya)「そヤ」⦅美幌、名寄、近文、高島、雪裡、様似、千歳、沙流、穂別、白老、礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
soya cotca
ソヤ チョッチャ §601.ハチに刺される(3)soya cotca〔so-já-čot-ča ソや・チョッチャ〕[ハチ・さす]⦅サル⦆。 (出典:知里人間編I、方言:)
soyacise
ソヤチセ 【名】[soya-cise ハチ・家] ハチの巣。 {E: a bee hive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyacise
ソヤチセ 【soya-cise】 蜂の家,蜂の巣. ▷ソヤ=蜂 チセ=家(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
soyacise, ikankikircise, icohcakikiscise
ソヤチセ、イカンキキリチセ、イチョㇹチャキキㇱチセ §120 ハチ類 (8) soya-cise, ikankikir-cise, icóhcakikis-cise(so-ya-či-se)「ソヤチセ、イカンキキリチセ、イちョㇹチャキキㇱチセ」⦅名寄、穂別、雪裡、美幌、樺太の落帆⦆ハチの巣 (出典:知里動物編、方言:)
soyaset
ソヤセッ 【soya-set】 蜂の巣. (出典:萱野、方言:沙流)
soyay
ソヤイ §120 ハチ類 (2) soyay(so-yáy)「ソやイ」⦅幌別⦆ハチ類 (出典:知里動物編、方言:)
soyay cotca
ソヤイ チョッチャ §601.ハチに刺される(1)soyay cotca〔so-jáǐ-čot-ča ソやイ・チョッチャ〕[ハチ・さす]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
soye 1
ソイェ 【他動】[単](複は soypa ソイパ) …をえぐる。 (次の語の中の要素として) cékantoor-soye チェカントオㇿソイェ [c(i)-e-kanto-or-soye …される・その頭・天・の所・をえぐる](大木や大山などが)天に向かってそびえ立っている。 ☆参考 独立の動詞としては未出。 ☞soypa ソイパ {E: to rise up to the skies, heavens.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soye 2
ソイェ 【他動(?)】(ウポポと呼ばれる輪唱歌の中に出てくる語。) he kannispo/he soye ヘ カンニㇱポ/ヘ ソイェ [雅]へー天に、 へーそびえる(?)。(Kウポポ) ☆参考 soye ソイェ が suye スイェ の転化だとすれば、 もとの意味は「へー天をへーゆらしている」、 または「へー天が頭をゆらしている」つまり「天が上の方でゆれている」となって、 酒に酔った人の歌として解釈できる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yene
ソイェネ 【自動】[単](複は sóyenpa ソイェンパ)[soy-ene 外・へ(行く)](人や動物が家の中や穴の中などから)外に出る、 戸外へ出る ☆参考 沙流川下流のワテケさん・サダモさんは soyne ソイネ という。 中流の地域では soyne ソイネ/sóyene ソイェネ の両方が使われている。 {E: to go, come out of; leave one's house; go outdoors.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyene
ソイェネ 【soyene】 外に出る. フㇱコ トゥシㇼ トゥㇺ ア・クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤ ア・エテテ ワ ホック カネ アナン(アン・アン) ワ ア・クㇱ ペ ネ.ウェンカムイ カ オンネㇷ゚ ネ クナㇰ ラム パ ワ エチャッケ ソモ ソイェネ ㇷ゚ ネ シコㇿ=古い墓地の中を通る場合はヨモギを杖にして腰を曲げて通るものだ.悪い化け物も年寄りだと思って汚ながって出て来ないものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
soyenere
ソイェネレ 【soyene-re】 (外に)出す. エオㇿセタッコ ウッシュー ネ コㇿ ワ オラーウン ネㇷ゚カ ソモ コレ ノ ソイェネレ.イヨーハイ シトマレ=あれほど長い間召使いにしていたのに,何もやらずに出してしまった.あきれたものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yenpa
ソイェンパ 【自動】[複](単は soyene/soyne ソイェネ/ソイネ)(二人以上が)(家の中や穴の中などから)外に出る、 戸外へ出る。 ci=kor wa sóyenpa=as wa c=ósura チコㇿ ワ ソイェンパアㇱ ワ チョスラ 私たちは(それを)持って外に出て捨てた。(S) ☆参考 沙流川下流のワテケさんは sóyonpa ソヨンパ と言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyenpa
ソイェンパ 【soyenpa】 外へ出る,(大勢の者が,皆が)外へ出て行った. (出典:萱野、方言:沙流)
soykankari
ソイカンカリ 【自動】[soy-kan-kari 外・くり返し(?)・回る] 頻頻とトイレ(便所)に通う。 ☆参考 soyokari ソヨカリ とも言う。 {E: to go to the toilet frequently.} (出典:田村、方言:沙流)
soyke(he)
ソイケ(ヘ) 【位名】[所](概は soy ソイ)[soy-ke 外・の所]…の外、 戸外、 (家)の門口、 (家)の近くの所、 (人)の住んでいる家の外。 uni soyke ta ウニ ソイケ タ 彼の住んでいる家の外/前に。(S民話) kotankor nispa soyke ta コタンコㇿ ニㇱパ ソイケ タ 村長(むらおさ)の家の前/となりに。(W民話) pirka pon cise an híne soyke ta ピㇼカ ポン チセ アン ヒネ ソイケ タ 美しい小さな家があってその外/前で。(NK民話) {E: outside…; the gateway to…; near…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soymamatki
ソイママッキ 【soy-mam-atki】 何回も外へ出る. マキㇷ゚ トゥッコ カ レㇾコ カ コシオウン(ク・オシオウン) ワ ク・ソイママッキ ヤッカ ウェン ク・ヤイラムシッネ=どうしたのか二日も三日も私は大便が出ないので何回も何回も外へ出るのだがだめだ,わずらわしい. (出典:萱野、方言:沙流)
soymaske
ソイマㇱケ §007 ボラ (3) soymaske (sóy-mas-ke)「そイマㇱケ」[<原稿なし] ⦅長万部、虻田、幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
soyna
ソイナ 【位名】[概](所は soynake ソイナケ)[soy-na 外・の方] …の外側。 cise soyna チセ ソイナ 家の外側。(S) ☆対語 awna アウナ。 {E: the outside, exterior of…} (出典:田村、方言:沙流)
soyna/soyna(ke)(he)
ソイナ/ソイナ(ケ)(ヘ) 【soyna/soyna(ke)(he)】 外側. チセ ソイナケ=家の外側.ニㇱパ アニヌシ(アン ウシ) チセ ソイナケ ワノ ア・エラマン=物持ちの住居は、家の外側からでもわかる. (出典:萱野、方言:沙流)
soynake
ソイナケ 【位名】[所](概は soyna ソイナ) …の外側、 その外側。 cise soynake チセ ソイナケ 家の外側。(S) ☆対語 awnake アウナケ。 {E: the outside, exterior of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyne
ソイネ 【自動】[単](複は sóyenpa/sóyonpa ソイェンパ/ソヨンパ)[soy-ne(< ene) 外・へ(行く)](人や動物が家の中や穴の中などから)外に出る、 戸外へ出る。 ☆対語 ahun アフン。 ☆参考 沙流川中流では sóyene ソイェネ とも言う。 {E: to go outside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyne
ソイネ 【soyne】 外へ出る. ヌマン シㇼピㇼカ アㇷ゚ タント クンネイワノ ソランソラン ペコㇿ アㇷ゚ト アㇱ ク・ソイネー カ エアイカㇷ゚=昨日はいい天気だったのに今日は朝から滝のような雨が降って私は外へ出ることもできない.エ・アキヒ チㇱ ナ イイェオマㇷ゚ コㇿ ワ エㇰ カイ ワ ソイネ=お前の弟が泣くからおぶい紐を持って来ておぶって外へ出ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
soynere
ソイネレ 【他動】[自動使役][soyne-re 外へ出る・させる] (人)に外出させる。 {E: to make, let, have…go outside.} (出典:田村、方言:沙流)
soynere
ソイネレ 【soyne-re】 外へ出す. (出典:萱野、方言:沙流)
soyo
ソヨ 【soy-o】 外へ出す. ムン ソヨ=ごみを外へ出す. (出典:萱野、方言:沙流)
soyoiki
ソヨイキ §404.小便に出る(1)soyoiki〔so-yóǐ-ki ソよイキ〕[soy(戸外)+o(に)+iki(行動する)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
soyoiki(-an)
ソヨイキ §470.だいべん(大便)(9)大小便に出る soyoiki(-an)〔so-jóǐ-ki ソよイキ〕[<soy(戸外)+o(に)+iki(行動する)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
soyokari
ソヨカリ 【自動】[soy-okari 外・…を回る] たびたびトイレに行く[便所通いする](下痢でもして)。 ☆参考 soykankari ソイカンカリ とも言う。 {E: to go to the toilet frequently.} (出典:田村、方言:沙流)
soyokari(-an)
ソヨカリ §300.下痢[する](9)下痢などしてひんぱんに便所に通う soyokari(-an)〔so-jó-ka-ri ソよカリ〕[soy(戸外)+o(に)+kari(通う)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
soyokari(-an)
ソヨカリ §470.だいべん(大便)(14)ひんぱんに便所へ通う soyokari(-an)〔so-jó-ka-ri ソよカリ][soy(戸外)+o(に)+kari(通う)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
soyokuta
ソヨクタ 【他動】[soy-o-kuta 外・に・(中の物)を全部外に出してしまう](ごみなど)を家の中から外へ出す/戸外へ掃き出す。 {E: to put, take…out; sweep…out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyomare
ソヨマレ 【soy-omare】 外へ出る. セタ チセ オルン アフン ナ ホクレ オケウェ ワ ソヨマレ=犬が家へ入って来たよ,早く追い払って外へ出せ. (出典:萱野、方言:沙流)
yonpa
ソヨンパ 【自動】[複](単は soyne ソイネ)[soy-on(< en)-pa 外・へ(行く)・[複]](二人以上が)(家などの中から)外に出る、 戸外へ出る。 ☆参考 沙流川下流のワテケさんが言う。 同じ地域出身のサダモさんは sóyenpa ソイェンパ とも言う。 中流では sóyenpa ソイェンパ と言う。 {E: to go out, outside (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyosipitatpa
ソヨシピタッパ 【自動】[複](単の用例はない)[soy-o-si-pita-atpa 外・で・自分・をほどく・たくさん…する] 家の外で身支度を解く。 ☆参考 客が来ている場合、 狩猟などから帰宅した家人は、 外で外套や靴をぬいでから家に入る習慣があった。 {E: to take off one's outside clothes before entering the house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyosma
ソヨㇱマ 【自動】[soy-osma 外・に突進する] 家などから外にとび出す、 パッと外へ出る。 {E: to rush out of (a house etc).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyosma
ソヨㇱマ 【soy-osma】 抜ける. エイタサ パセ ㇷ゚ オンタロ オㇿ エ・オマレ ワ オンタロ アサマハ エソヨㇱマ ワ イサㇺ=あまりにも重いものをお前が樽に入れ,樽の底が抜けてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
soyoterke
ソヨテㇾケ 【自動】[soy-o-terke 外・に・跳ねる] 家などの中からピョンと跳んで出る。 heynu rikunsuy kari/heynu soyoterke=an na ヘイヌ リクンスイ カリ/ヘイヌ ソヨテㇾケアン ナ 私は天井の煙出しの穴からピョンと外へ出た。(HC神謡) {E: to jump, rush outside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyoterke
ソヨテㇾケ 【soy-o-terke】 さっと外へ飛び出る. タネ ホッケ・アン クナㇰ ア・ラム コㇿ アナナクス(アン・アン アクス) ヘパシ ペウタンケ ハウ ア・ヌ アロラㇺポソアニネ(アロラㇺポソ・アン ヒネ) ソヨテㇾケアナクス(ソヨテㇾケ・アン アクス) シㇼウフイ ネ ノイネ ポロ アペ ニペㇰ ア・ヌカㇻ=さて寝ようかなと思っていると,下の方から危急を知らせる叫び声が聞こえ驚いて外へ飛び出ると,火事らしく大きい火の光が見えた.オオオオ ヌカラン(ヌカㇻ ヤン) ヌカラン ウカ カ ペカ ユㇰ ホユプ ペ ラウォㇱマ ランケ ラウォㇱマ ランケ コㇿ アン ナ.ネワ アン ペ ヌカㇻ アチャポ ネㇷ゚キ エホㇺトㇺネ ㇷ゚ ソヨテㇾケ=あれあれあれあれ,見なさい見なさい,堅雪の上を鹿が走ったのにぬかりぬかりしているよ,それを見たおじさん,仕事の途中なのにさっと外へ飛び出して行った. (出典:萱野、方言:沙流)
soypa
ソイパ 【他動】…をえぐる。 hńta kus taan cikuni onnayke e=soypa ruwe an? フンタ クㇱ タアン チクニ オンナイケ エソイパ ルウェ アン? どうしてこの木の中をくりぬいたの ? (S) ☆参考 複数形の形だが単数形の形の soye ソイェ は独立の動詞としては未出。 独立には、 数に関係なく soypa ソイパ が使われるのかもしれない。 {E: to scoop, gouge out…} (出典:田村、方言:沙流)
soypasoypa
ソイパソイパ 【soypa-soypa】 ほじくる. ピイェユㇰ アナㇰネ ポネルㇽ ポーヘネ ケラアン.キリヒ ア・ソイパ ワ ア・ヌンヌン コㇿ ア・エ コㇿ ア・エトゥマㇱヌ ㇷ゚ ネ ナ=脂のある鹿は骨汁がなおさら味がある,骨髄をほじくって吸いながら食べると力が増すものだ.ク・キサラハ マヤイケ ク・ソイパソイパ=私の耳がかゆいので私はほじくった. (出典:萱野、方言:沙流)
soyta
ソイタ 【soy-ta】 外に. (出典:萱野、方言:沙流)
soyun'apa
ソユンアパ 【soyun-apa】 外の戸口. ▷ソユン=外の方 アパ=戸(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
soyunitara
ソユニタラ 【自動】[soy-un-itara 外・へ(行く)・その状態が続いている](家の中の火明りが)外にもれて明るく見えている。 ape nipek soyunitara アペ ニペㇰ ソユニタラ [雅] 火の光(明り)が外へもれて見えている。(NK民話) {E: for the inside brightness of a house at night to be visible from outside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyunitara
ソユニタラ 【soy-un-itara】 外にもれる. ソモカ チセ アン クナㇰ ア・ラム ウㇱケ タ チセ アン ヒネ アペニペキ ソユニタラ.ヤイレンカネ ヤイェヤントエトゥン・アン=まさかそこに家があると思わなかった所に家があり火の光が外へもれている,喜んで泊めてもらうことを頼んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
soyunmintar
ソユンミンタㇻ 【soyun-mintar】 外庭:踏み固められた土の部分で,家の前に夏でも草を生えさせない所. (出典:萱野、方言:沙流)
soyunsama
ソユンサマ 【位名】[所](概 soyunsam ソユンサㇺ の用例はない。)[soy-un-sama 外・の・側]…の外側、 その外側。 {E: outside…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
soyuntokompone
ソユントコンポネ §281.くるぶし(踝)(4)外くるぶし soyun-tokompone〔so-jún-to-kòm-po-ne ソゆン・トコンポネ〕[soyun(soy-un 外・の)、…]⦅ホロべツ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
soywasamma
ソイワサンマ 【副】[soy-wa-sam-wa 外・の・側・へ][雅](次の慣用表現の中で)(家などから)外へ。 soywasamma/osiraypa ソイワサンマ/オシライパ [雅](父神は)(家/城の中から)外に出た。(W神謡語り) soywasamma/an=osíraye ソイワサンマ/アノシライェ [雅](私は)(城から)外へ出た。(Sユーカラ) {E: out, outside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tarapso
タラㇷ゚ソ 【名】[tarap-so 夢・席/座/床](ウポポの中の次の句で)夢の床、 夢の園。 tarapso ka/tareciw タラㇷ゚ソ カ/タレチウ 夢の園の上で(=眠っているうちに)刺されるぞ。(Sほかウポポ) ☆参考 wentarap ウェンタラㇷ゚ 夢を見る。 {E: dreams.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekpisoye
テㇰピソイェ 【tek-pisoye】 手刀:右手の小指から手首までのふくらみの部分. テㇰピソイェヘ=手の浮き袋.シペ トゥイェヘ タ ピソイェヘ シコㇿ ア・イェ ウㇱケ アン ペ ネ ネ ピソイェヘ ノカハ コラチ アン ヒクス ア・レコ ㇷ゚ ネ=サケの腸に浮き袋というところがあるものだが,その浮き袋と形が同じなので名づけられた. (出典:萱野、方言:沙流)
tonkekasomo
トンケカソモ 【tonke ka somo】 びくともしない,反応がない. シネアンタ ネㇷ゚カ ア・サㇰ ノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) トゥスニケ シネㇷ゚ ニ カ タ アニクス(アン ヒクス) ポン スマ シネㇷ゚ ア・ウㇰ ヒネ ア・コピイェカㇻ アクス エポソカネ トンケ カ ソモ=ある日のこと何も持たずに山へ行くとエゾリスが1匹木の上にいたので小さい石をひとつ取って投げつけたが,言うまでもないがびくともしなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
tososo
トソソ 【他動】[toso-so …を荒らす・(重複)] ①…を荒らす。 ②(ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公の呼び名の一部の後半部。)Sanka-tososo サンカトソソ 棚荒らし。(Sユーカラ) ☞Kotan-sitcire コタン シッチレ {E: ①to lavage, ruin, damage… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toysossopo
トイソッソポ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  b(3) toysossopo(tóy-sos-so-po)「とイソッソポ」[<toy(土、どろ)sossoso(くずしくずしする)-p(者)-po(指小辞)、水底の泥の中にもぐりこむからそう名づけると]⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
toysotkarne a=kar
トイソッカㇻネ アカㇻ 【toy-sot-kar-ne a=kar】 人間を殺した熊を人間の下に入れてその上へ人間を埋葬する.▷トイ=土 ソッカㇻネ=敷物として ア=私たち カㇻ=作る (出典:萱野、方言:沙流)
toysoya
トイソヤ 【名】[toy-soya 土・蜂][動物] 蜂の一種(スズメバチらしい、 「nitne hike ニッネ ヒケ《凶暴なやつ》、 たち悪い、 すぐ刺す、 土の中に巣くっている、 黒いのも赤いのもある、 刺されたらひどく痛む」)。(S)〔知分類 p.87((ホベツ;チトセ))クロスズメバチ〕 {E: a type of wasp, hornet.} (出典:田村、方言:沙流)
toysoya
トイソヤ 【toy-soya】 ジバチ. (出典:萱野、方言:沙流)
toysoya
トイソヤ §122 スズメバチ (7) toy-soya(tóy-so-ya)「とイソヤ」⦅穂別、千歳⦆クロスズメバチ (出典:知里動物編、方言:)
toytasowso
トイタソーソ 【toy-ta sowso】 畑を耕せという意味の遊び歌:子供たちがシッタㇷ゚という片手で持つ道具に見立て,横に並んで右手に持った鎌の先で地面を突きながら,トイタソーソ トイタソーソ(畑を耕せ,畑を耕せ)と声を揃えて言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tusnecisoke
トゥㇱネチソケ §230.かわ(皮)(5)交易品としてのクマの皮 tus-ne-cisoke〔túš-ne-či-so-ke とぅシネチソケ〕[tus(=rus 獣皮)、ne(である)、cisoke(=cihoki 交易に持って行く品)]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.12】 (出典:知里人間編I、方言:)
tusokni
トゥソㇰニ 【tus-ok-ni】 (熊送りの時に)子熊を繋ぐ柱.*材科はキハダの木.太さ15cm.長さ約3m.1mは土へ埋める. (出典:萱野、方言:沙流)
tuymaesoyne(-an)
トゥイマエソイネ §470.だいべん(大便)(11)大便に出る tuyma-esoyne(-an)〔túǐ-ma-e-soǐ-ne とぅイマ・エソイネ〕[遠く・外へ出る]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
uarkiso
ウアㇻキソ 【u-ar-ki-so】 隣り合う. (出典:萱野、方言:沙流)
ukirosore
ウキロソレ 【自動】[u-kir-os-o-re 互い・足・の後ろ・に入る・させる]あぐらをかく(昔の男子の正式の座り方)。 {E: to sit cross-legged (men).} (出典:田村、方言:沙流)
ukoisoytak
ウコイソイタㇰ ☞ukoysoytak ウコイソイタㇰ (出典:田村、方言:沙流)
ukoisoytak
ウコイソイタㇰ 【u-ko-isoytak】 話し合う. メノコポ ウタㇻ ネㇷ゚ ワ アン ペ ウウォミナウシウシパ コㇿ ウコイソイタㇰ コーㇿ オカ ヒ ク・ヌ コㇿ チセ カッカリ(ク・アッカリ)=娘たちが何をしゃべっているのかお互いに笑い声をたてながら話し合っているのを私は聞きながら家の前を通り過ぎてきた. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoysoytak
ウコイソイタㇰ 【自動】[u-ko-isoytak 互い・に・いろいろな話をする](=ukoisoytak ウコイソイタㇰ) 互いに/一緒にいろいろな話をする。 ☞isoytak イソイタㇰ {E: to talk about various things with someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukoysoytakpa
ウコイソイタㇰパ 【自動】[複](ukoysoytak ウコイソイタㇰ は単複の区別なし)(二人以上が皆で)互いに/一緒にいろいろな話をする。 {E: to talk about various things with someone (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
umamaanpesomone
ウママアンペソモネ 【umamaanpe somo ne】 普通の者ではない:普通の者ではかなわんであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
upsor 1
ウㇷ゚ソㇿ 【名】[概](所は upsoro(ho) ウㇷ゚ソロ(ホ)) [< upsi-or 内部におおわれている(?)・ところ] ①ふところ、 着ている衣服の中。 ②[慣用表現](家や部屋の)中(保護され守られている内部が、 ふところや衣服の中にたとえられる)。 cise upsor míke kane kurkot kane チセ ウㇷ゚ソㇿ ミケ カネ クㇽコッ カネ [慣用表現]家のふところ(=家の中)が光り輝いている。(W民話) tunpu upsor a=orésu トゥンプ ウㇷ゚ソㇿ アオレス [雅]部屋のふところ(=部屋の中)で育てられた。(W) cási upsor/koyaykar ruwe/ene oka hi チャシ ウㇷ゚ソㇿ/コヤイカン ルウェ/エネ オカ ヒ [雅]城のふところ(=城の中)のつくりようは次のようであった。(Sユーカラ) ☆参考 知里真志保による語源解釈が『分類アイヌ語辞典人間篇』の p.53 にある。 {E: ①the bosom. ②the inside of (a house or room).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
upsor 2
ウㇷ゚ソㇿ 【名】[< upsor 1]女の下帯(昔、 女性は成人すると必ずつけた、 腰部の肌につけ、 夫以外には見せない、 つくり方やつけ方は母系で伝えられた)。 ☆参考 ponkut ポンクッ《小さい帯》とも言う。 日本語では貞操帯と呼ばれたこともある。 くわしい報告や研究が数多くあり、 北海道内の各博物館に実物が陳列されており結び方を示したものもある。〔知分類 人間篇索引 p.649(また口絵に樺太アイヌのものがある。)〕 {E: a female loincloth; a chastity belt.} (出典:田村、方言:沙流)
upsor(-o)
ウㇷ゚ソㇿ §096.陰部―女性の性器(11)upsor(-o)〔úp-sor うㇷ゚ソㇿ〕[<upsi-or(入りこんだ内部)]⦅ホロべツ、ホべツ、チトセ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
upsor/upsoro(ho) 1
ウㇷ゚ソㇿ/ウㇷ゚ソロ(ホ) 【upsor/upsoro(ho)】 ①〜の中,〜の内部. (出典:萱野、方言:沙流)
upsor/upsoro(ho) 2
ウㇷ゚ソㇿ/ウㇷ゚ソロ(ホ) 【upsor/upsoro(ho)】 ②懐. タネ アナㇰネ イェㇷ゚ネ ウㇷ゚ソㇿ ア・ヤイコヌイナ パㇰノ ポロ メノコポ ア・ネ=今はもう恥ずかしい懐を自分で隠すほどの大きな娘に私はなった[ユ](自分自身の胸のふくらみを気にする年頃を言う). (出典:萱野、方言:沙流)
upsoro(ho) 1
ウㇷ゚ソロ(ホ) 【名】[所](概は upsor ウㇷ゚ソㇿ)…のふところ、 …の着ている衣服の中。 k=upsoro péka nay san kane クㇷ゚ソロ ペカ ナイ サン カネ 私の衣服の中を沢が流れている=汗が沢のように流れている。(S) sir-kunne kor hotke utar oka ta e=kuy a e=kuy a e=upsoro un ki kor e=an ruwe ne シㇼクンネ コㇿ ホッケ ウタㇻ オカ タ エクヤ エクヤ エウㇷ゚ソロ ウン キ コㇿ エアン ルウェ ネ 夜になると人々が寝た後でお前はふところの中で(ついて精白したヒエを)モグモグかんでいるのだな。(W民話) {E: the bosom (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
upsoro(ho) 2
ウㇷ゚ソロ(ホ) 【名】[所](概は upsor ウㇷ゚ソㇿ) …の下帯、 彼女の下帯。 {E: the loincloth of…} (出典:田村、方言:沙流)
upsorotam
ウㇷ゚ソロタㇺ 【upsoro-tam】 懐刀:ユカㇻに出る言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
urepisoy(-e
ウレピソイ(エ §039.足の外縁部[小指のつけ根からかかとのところまで]ure-pisoy(-e〔H.〕, -he〔S.〕)〔u-ré-pi-soǐウれピソイ〕[ure(足部)+pisoy(外縁部)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
usorunkapariw
ウソルンカパリウ §049 ランガレイ(渋p.410)すながれい (3) usorun-kapariw (u-so-run-ka-pa-riw)「ウソルンカパリウ」[us(湾、入江)or(内)un(にいる)kapariw(カレイ)] 成魚 ⦅多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
uwesopki
ウウェソㇷ゚キ 【自動】[u-w-e-sopki 互い・(挿入音)・と一緒に・(?)] 向き合って座る。 kamuy utarpa hancikiki/uwesopki na hancikiki カムイ ウタㇻパ ハンチキキ/ウウェソㇷ゚キ ナ ハンチキキ 位の高い神が/向き合って座った。(HC神謡) 〔金ユーカラ 1〕 相対して座した、 対座する。 ☆参考 酒宴のときは招待者側の家の主人と祭司長として招かれた長老が横座に置かれた酒びつをはさんで向き合って座り、 他の男たちもこの二人に並んで壁際まで何列にもなって向き合って座る女や子どもたちは右座、 左座からずっと下座のほうまで座る。 {E: to sit facing one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwesopki
ウウェソㇷ゚キ 【u-e-sopki】 着座する:炉を挟むように上座の窓の方へ向かい合って座る. ネㇷ゚カ マラㇷ゚ト オッタ(オㇿ タ) ウウェソㇷ゚キ・アン ヒ タ アナㇰネ サケイユㇱクㇽ トモ ア・コカヌㇷ゚ ネ=何か酒宴の時に着座する時は祭司の人に全面的に任せるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
uwesosna
ウウェソㇱナ 【u-e-sosna】 行き違いになる. タㇷ゚ エ・ユピヒ エ・ヘコテ アㇻパ クナㇰ イェ コㇿ ソイネ アㇷ゚ ソモ エ・ヌカㇻ ノ エ・エㇰ シリ.ネイタカ エチ・ウウェソㇱナ=たった今お前の兄がお前の所へ向かって行くと言って外へ出たのに,見ないで来たのかい,どこかで行き違いになったんだな. (出典:萱野、方言:沙流)
wakaso
ワカソ §079 シロサケ;ウスリイシロサケ (1) wakaso(wa-ká-so)「ワかソ」⦅真岡⦆シロマス。 (出典:知里動物編、方言:)
wenosoyunpe
ウェノソユンペ 【名】[wen-osoyun-pe 悪い・外からの・もの] 悪いつ(憑)きもの。 ☞osoyun オソユン {E: a bad possessive spirit, demon.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenosoyunpe
ウェノソユンペ 【wen-osoyunpe】 悪霊. (出典:萱野、方言:沙流)
yakun somo
ヤクン ソモ/ヤクイソモ 【慣用句】[それなら・(否定)] もちろんそうだ(そうでないことがあるものか)(反語表現)。 yakun somo, káni ku=nuye ruwe un ヤクイ ソモ、 カニ クヌイェ ルウェ ウン もちろん私が書いたんですよ。(S) yakun somo, k=e wa isam ruwe un ヤクイ ソモ、 ケ ワ イサㇺ ルウェ ウン もちろん(私が)食べてしまったよ。(S) {E: the negative particle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayenisomap
ヤイェニソマㇷ゚ 【自動】気味が悪い(暗い所を一人で歩いて)。 {E: to have a bad, creepy feeling about something.} (出典:田村、方言:沙流)
yayeysoytak
ヤイェイソイタㇰ 【自動】[yay-e-isoytak 自分・について・話をする] 自分のことを語る、 自叙する(民話の多くは主人公の自叙の形で語られる、 そのように主人公が「自叙する」ことをこの語で表す)。 te wano anakne, suy ipone hekaci yayeysoytak hawe tap tapan テ ワノ アナㇰネ、 スイ イポネ ヘカチ ヤイェイソイタㇰ ハウェ タㇷ゚ タパン いまからは、 また子どものほうの少年が自叙するのです。(W神謡語りの中の卜書きの独話) {E: to talk about oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykaosoma
ヤイカオソマ 【yay-ka-osoma】 寝糞たれ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykaosoma
ヤイカオソマ §470.だいべん(大便)(18)寝ぐそたれる yayka-osoma〔jáǐ-ka-o-so-ma やイカオソマ〕[yay(自分)+ka(の上)+osoma(大便する)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yaykoisoytak
ヤイコイソイタㇰ ☞yaykoysoytak ヤイコイソイタㇰ (出典:田村、方言:沙流)
yaykonisomap
ヤイコニソマㇷ゚ 【自動】[yayko-nisomap 自分一人で・心配する](?) (人について行ってもらうより)自分一人のほうが安心だ。 {E: to feel secure on one's own (rather than relying on others).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykosohosipi
ヤイコソホシピ 【yay-ko-so-hosipi】 後添いを貰う. アチャポ アシリキンネ ヤイコソホシピ ヤㇰ ク・イヌ ク・エヤイコプンテㇰ=おじさんが新しく後添いを貰ったと聞き,私は喜んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykosos
ヤイコソㇱ 【yay-ko-sos】 妊娠で腹が大きくなる. エ・ヤイコソㇱ シリ ヘンパラ エ・ホタㇱヌッピヒ ネ ルウェ アン=あなた自身の体が重そうだが,いつ臨月になる様子なの. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykosotkikarkar
ヤイコソッキカㇻカㇻ 【自動】[yay-ko-sotki-karkar 自分・に・寝床・を整える] 寝るしたくをする(悪口)。 tane suy yaykosotkikarkar kor an タネ スイ ヤイコソッキカㇻカㇻ コラン また(彼は)もはや寝るしたくをしている。(S) {E: to prepare to go to sleep (slang).} (出典:田村、方言:沙流)
yaykotosoma(-an)
ヤイコトソマ §470.だいべん(大便)(17)寝ぐそたれる;寝床の中で失糞する yaykotosoma(-an)〔jáǐ-ko-o-so-ma やイコオソマ〕[yay(自分)+ko(に)+osoma(大便する)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yaykoysoytak
ヤイコイソイタㇰ 【自動】[yay-ko-isoytak 自分・に/と共に・話をする] (=yaykoisoytak ヤイコイソイタㇰ)一人で話をする。 {E: to speak to oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaysokesinukar(a-)
ヤイソケシヌカㇻ §034.結婚(する)(40)yay-sokesi-nukar(a-)〔jáǐ-so-ke-ši-nu-kar やイソケシヌカㇻ〕⦅ホロベツ⦆【雅】妻にする;結婚する。[yay(自分の)+sokesi(<so-kes-e 座・尻・において)+nukar(所有する)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
yaysopikanka
ヤイソピカンカ 【自動】[yay-so-pikan-ka 自分・席・速い・(他動詞化)]いつのまにか出て行ってしまう。 yaysopikanka wa isam, nen ka erampewtek hawe? ヤイソピカンカ ワ イサㇺ、 ネン カ エランペウテㇰ ハウェ? (彼は)いつのまにか出て行ってしまった、 だれも知らなかった(気がつかなかった)んだねえ。(S) (出典:田村、方言:沙流)
yepnuupsoro
イェㇷ゚ヌウㇷ゚ソロ 【yep-nu-upsoro】 いまだ若い懐,まだ若い,結婚にはいま少し早い少年か少女.青年と言いたいがあと少しの年月が必要だ. イェㇷ゚ヌウㇷ゚ソロ アヤイコ シッカシマ=若い懐を自分自身で守っている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
yuksoya
ユㇰソヤ §122 スズメバチ (10) yuk-soya(yuk-so-ya)「ユㇰソヤ」⦅平取⦆伝説中の大バチ (出典:知里動物編、方言:)
‘rosot’
ロソッ §293 ウマ (5) ‘rosot’ (ro-sot)「ロソッ」[<ロシア語Lošad] ⦅千島⦆(Torii, p. 115) (出典:知里動物編、方言:)
“osoroekke”
オソロエッケ §098 ウミタナゴ (2) “osoroekke”(o-so-ro-ek-ke)「オソロエッケ」⦅知床日誌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
“Ossomani”
『オッソマニ』 §154 オニツルウメモドキ (2) “Ossoma-ni” 『オッソマニ』 ⦅B樺太⦆ (出典:知里植物編、方言:)
フナㇰ タ エパㇰ/フナㇰ タ エパッカ/フナㇰ タ エパーカ 【慣用句】ちょうどいいあんばいに(…してよかった。) hunak ta epak e=ek wa ku=mismu ka somo ki フナㇰ タ エパㇰ エエㇰ ワ クミㇱム カ ソモ キ いいあんばいに来てくれたので私はさびしくない。(S) hunak ta epak ka e=pa p an un フナㇰ タ エパㇰ カ エパㇷ゚ アヌン いいあんばいにあなたが見つけたね(他の人だったら見つけても拾ってくれないだろうが)。(S) hunak ta epaː ka somo kú=itura wa ene kú=iki hi an sekor ku=raman, poro k=éyayomusu フナㇰ タ エパー カ ソモ クイトゥラ ワ エネ クイキ ヒ アン セコㇿ クラマン、 ポロ ケヤヨムス (ついていってこんなに何度もトイレに起きたら他の人も眠れないし自分も気の毒に思うところだった、 ) いいあんばいについて行かないでこうしているのだと思ったらほんとに行かないでよかったなあと思った。(S) {E: fortunately.} (出典:田村、方言:沙流)
-itara
イタラ 【接尾】[動詞接尾辞](擬音・擬態のCVCV(n)(子音+母音+子音+母音(+n))の形の二音節の語基に接尾して、 状態が続いていることを表す自動詞をつくる。 物音の場合は小きざみな音が続いていることを表す。) sasunitara サスニタラ (歩くときに衣(きぬ)ずれの音が)サラサラと鳴っている。 soyunitara ソユニタラ (火あかりが)外へもれている。 onuitara オヌイタラ 聞こえている。 ☆参考 CVC(子音+母音+子音)の語根には -natara ナタラ がつく。 ☞-natara ナタラ (出典:田村、方言:沙流)
-n 2
ン 【接尾】(数連体詞に接尾して人数を表す名詞をつくる。)sinen シネン[sine-n] 一人。 tun トゥン[tu-n] 二人。 ☆参考 -n は母音の後につく形である。 子音の後には -iw がつく。 {E: suffix indicating person.} (出典:田村、方言:沙流)
-o 7
オ 【接尾】[名詞の所属形形成](「所属語尾」とも呼ぶ。 主として母音 o オ + 子音に終わる語幹につく。 この母音がついて所属形の「短い形」ができる。 さらにその後に ho ホ がついて(つまり、 語幹に oho オホ がついて)所属形の「長い形」がつくられる。 本辞典では二つの形を合わせて…(o)ho のように表記してある。)osor オソㇿ [概]尻;osoro(ho) オソロ(ホ)[所]…の尻。 (唯一の例外として)par パㇻ [概]口;paroho パロホ [所]…の口。 (出典:田村、方言:沙流)
-po 4
ポ 【接尾】故…(亡くなった人を表す語の後につけて言う)。 k=ónahapo コナハポ 私の死んだ父親。 e-kor hápopo エコㇿ ハポポ あなたの亡くなったおかあさん。 {E: the late… (in reference to someone who has died).} (出典:田村、方言:沙流)
-popo
-ポポ 【接尾】…ちゃん(かわいい気持ちを表す呼びかけの接尾辞、 二、 三歳から十二、 三歳くらいの子どもを呼ぶとき、 または彼らが互いに呼び会うときに名前の後につける)。 Mikko-popo ミッコポポ ミッコちゃん。(S) {E: a suffix attached to personal names when calling children.} (出典:田村、方言:沙流)
=as 3
アㇱ 【人接】[対立的一人称複数主格自動詞型] ①相手を含まない私たち(話し手たち)が。 mína=as kor oka=as ミナアㇱ コロカアㇱ 私たち(私と彼)は笑っている。 ②(神謡の中で神の自称)神である私が。 pu tapka ta han cikiki/terke=as terke=as プ タㇷ゚カ タ ハン チキキ/テㇾケアㇱ テㇾケアㇱ 神である私は倉の上で(ピヨンピヨン)跳ねた。 (HC神謡) ☆参考 自動詞に接尾する。自動詞以外の語、 たとえば他動詞、 ne ネ《である》、 名詞などには ci=/c= チ/チ が接頭する。 ☆参考 神謡の中の神の自称でも、 昔話やユーカラ(英雄叙事詩)のように不定人称形(自動詞ならば=an アン が接尾した形)が使われていることもある。 {E: ①first person plural exclusive. ②reference to self for a god.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
a 1
ア 【自動】[単](複は rok ロㇰ) ①(一人が)座る。 móno a モノ ア ひざを折って下に座る。(S) toanta a トアンタ ア あそこに座りなさい。(S) a ka ecakke wa hopecinea ア カ エチャッケ ワ ホペチネア (彼は)座るのをきたながってしゃがんでいる。(S) ②(寝ないで)起きている。 a ohor kur ア オホㇿ クㇽ (直訳すると)座っているのが長い人=夜ふかしの人。 ☆参考 いろいろな座り方:kokkaea コッカエア ひざをついてかかとを立てて座る。 hopecinea ホペチネア しゃがむ。 ukirosore ウキロソレ あぐらをかく(男子の正式な座り方)。 yayokucikaewak ヤヨクチカエワㇰ ひざを折ってかかとの上に尻をのせて座る(女子の正式な座り方)。 honumsamomare wa a ホヌㇺサモマレ ワ ア 横座りする。 ☆対語 as アㇱ 立つ、 立っている。 hopuni ホプニ 立ち上がる、 起き上がる。 {E: ①to sit. ②to be awake (not asleep). ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
a 2
ア 【自動】(煮物の汁が)多い。 uwehe a ウウェヘ ア 煮物の汁が多い。 uwehe a eytasa ki ayne péne ウウェヘ ア エイタサ キ アイネ ペネ 汁があまり多くてビチャビチャになった。(S) ☆参考 川の水が多いことは poro ポロ。 ものが多いことは最も一般的には、 poronno an/oka ポロンノ アン/オカ。 人が多いことは inne インネ。 {E: for there to be a lot of (soup).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
a 3
ア 【間投】①あ(思いついたとき)。 ②(歌でリズムを整えるために入れられた音の一つ)。 {E: ①Ah! (on remembering something) (interject.). ②one of the sound put in a song to keep the rythm steady.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
a 7
ア 【終助】(慣用表現で)…する/したなあ/ねえ。 sonno an a! ソンノ アナー! 本当にそうだねえ。(W会話) icakkere háwas hi ne a! イチャッケレ ハワシ ネ ア! きたならしい(=いやな)話だなあ(=あんなこと聞きたくもない)。(S) ta…a! タ…ア! なんと…だなあ。 inunukeaski ta háwas a! イヌヌケアㇱキ タ ハワサ! かわいそうな話だなあ。 neppo ciramanki ta háwas a! ネッポ チラマンキ タ ハワサ! なんと思いがけない話だろうねえ。(W会話) ine a p イネ アㇷ゚/ine-a-p イネアㇷ゚ ☞ineap イネアㇷ゚ ☆発音 前の語に続けて、 語末子音と一緒に一つの音節にして発音される。 (出典:田村、方言:沙流)
a= 10
ア 【人接】[不定人称主格他動詞型] ①[一般称]一般に人は/人が、 (特定の人ではなく)だれかが/だれでもが。 sekor a=ye セコㇿ アイェ …と(一般に人が)言う=言われる。 húresisam mosir sekor a=ye p ne wa フレシサㇺ モシㇼ セコㇿ アイェㇷ゚ ネ ワ (外国のことは)赤毛の異民族の国と(一般に人は)言うのだわ。(W) ②[受身]…される。 a=en=kopisi アエンコピシ (不定の)人が私にたずねる=私がたずねられる。 a=en=kopisi p anakne opitta ku=ye wa アエンコピシㇷ゚ アナㇰネ オピッタ クイェ ワ 私がたずねられることはすべて私は言って(=答えて)。(S会話) kamuy opitta oro wa a=i=koypak カムイ オピッタ オロ ワ アイコイパㇰ 私たちはすべての神々からとがめられる(罰を受ける)。(W民話) kotan a=arústekka コタン アアルㇱテッカ 村が全滅させられた。(NK民話) ③[包括的一人称複数]相手を含む私たちが/の。 tanto a=ewkoytak pe anak a=ewéraman hawe ne タント アエウコイタㇰ ペ アナㇰ アエウェラマン ハウェ ネ きょう私たち(あなたと私)が話し合ったことはお互いに(あなたと私が)わかり合った。(W会話) a=sikíhi un アシキヒ ウン 私たち(あなたも私もみんな)の目よ。(W会話) ④[引用文中の自称] 自分(たち)が/の、 私(たち)が/の。 “…a=e=ráyke kusu ne” sekor hawean 「…アエライケ クス ネ」セコㇿ ハウェアン 「…私はあなたを殺す」と彼は言った。(HK民話) ⑤[敬意の二人称] あなた様が/の。 mak yaynu=an kuni a=ramú kusu マㇰ ヤイヌアン クニ アラム クス 私がどんな気持ちになるとあなたはお思いになって…。(NK民話) ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ《である》・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =an アン が接尾する。 ☞=an アン ☆参考 ユーカラ(英雄叙事詩)を歌うときには、 母音で始まる動詞語幹の前で、 しばしば a= ア の代わりに an= アン の形が使われる。 北海道南部以外では、 日常語でも an= アン がたくさん使われる。 ☞an= アン {E: ①… ②passive. ③first person plural inclusive. ④… ⑤second person honorific.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ácautari(hi)
アチャウタリ(ヒ) 【名】[所](概 ácautar アチャウタㇻ の例はない。)[aca-utar-i(hi) おじ・人々(=たち)・(所属語尾)] …のおじたち。 e=acautari cep nu kooka kor oka yak a=ye korka i=korepa ka somo ki エアチャウタリ チェㇷ゚ ヌ コオカ コロカ ヤ カイェ コㇿカ イコレパ カ ソモ キ あなたのおじさんたち浜でたいした(=たくさん)魚とったて言うけれどちっともくれない。(S) {E: the uncles of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aha 2
アハ 【間投】①まあ、 あらあら(驚いたときに言う)。 ahaː, kusnaotke somo ki yakka pirka p アハー、 クㇱナオッケ ソモ キ ヤッカ ピㇼカㇷ゚ まあ、 突き通して刺さなくてもいいのに。(S) ②(歌のはやしの一部。) ☆発音 ①ではたいてい ahaː アハー と伸ばされ、 ときには[ahセa ahセa ahセa]つまり アヘア に近いような発音もある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ahunke
アフンケ 【他動】[単](複は ahupte アフㇷ゚テ)[ahun-ke 入る・させる](家などに)(一人を) 入らせる、 入れる、 (家などの中に)通す。 ☆参考 ahunte アフンテ とも言う。 {E: to make someone enter (a house etc.); to enter} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ahunte
アフンテ 【他動】[単](複は ahupte アフㇷ゚テ)[ahun-te 入る・させる](家などに) 一人を入らせる、 入れる、 通す、 雇う。 {E: to let, make someone come into a house etc.; to employ someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
akkari 1
アッカリ 【他動】[ak-kari (?)・を回る]…を通り越す、 …に逆らう。 en=akkari wa arpa エナッカリ ワ アㇻパ (彼は)私を追い越して行った。(S) tono iwan suy ye p a=akkari ka eaykap トノ イワイスイ イェㇷ゚ アアッカリ カ エアイカㇷ゚ 殿様が六回も言ったことには逆らうことができない。(S民話) {E: to pass…; to disobey…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
am- 2
アㇺ 【接頭】(意味は不明。) so ソ 平らな広がりを持つ所、 敷き物を敷いてある所; amso アㇺソ 地べた。 set セッ 寝台、 (熊の)檻、 (鳥の)巣; amset アㇺセッ[雅]高床(たかどこ)。 inumpe イヌンペ 炉ぶち; aminumpe アミヌンペ[雅]炉ぶち。 (出典:田村、方言:沙流)
amkir
アㇺキㇼ 【他動】[am-kir (?)・…に見覚えがある] ①…に覚えがある、 (人)を見知(ってい)る、 (この人)だとわかる。 ②(動詞の後に置かれて)…したことがある。 oro ta k=arpa amkir uske ne オロタ カㇻパ アㇺキㇼ ウㇱケ ネ そこは私が行ったことがあるところだ。(S) ☆参考 [否定のつくり方]否定辞 somo ソモ による否定はつくられず否定動詞 eramiskari エラミㇱカリ が使われる。 ☞eramiskari エラミㇱカリ {E: ①to be acquainted with…; to comprehend…; to remember… ②to have done…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ampocicikar
アンポチチカㇻ 【他動(?)】[am-pocici-kar 爪・ほじる(?)・する(他動詞化)](…に)爪を立てる。 íne, k=ampocicikar wa ku=inkar ro, taa, sonno ka isa wa イネ、 カンポチチカㇻ ワ クインカンロ、 タア、 ソンノ カ イサ ワ どれ、 (かぼちゃに)爪を立ててみよう、 ああ、 本当に実が入っているわ。(S) (出典:田村、方言:沙流)
an 1
アン 【自動】[単](複は oka オカ) ①ある、 いる、 存在する、 滞在する、 住む、 起こる。 kotan noski ta poro cise an コタン ノㇱキ タ ポロ チセ アン 村のまん中に大きな家がある。 sine pa an wa arpa シネ パ アン ワ アㇻパ (彼は)一年滞在して(帰って)行った。 sáha an サハ アン (彼には)姉がいる。 an pe アン ペ 本当のこと。 an koraci アン コラチ ありのままに。 an kus/kusu(keray(po)) アン クㇱ/クス (ケライ(ポ)) …のおかげで。 an pakno アン パㇰノ あるだけ。 maratto an マラット アン 熊送り(の宴)が催される。 niskur an ニㇱクㇽ アン くもる、 くもっている。 nu(we) an ヌ(ウェ) アン (獲物が)たくさんとれる。 katu(hu) an カトゥ(フ) アン (へんな)かっこうだ。 ②生まれる。 hekaci an na ヘカチ アン ナ 男の子が生まれたよ。(W) an hi wano アニ ワノ 生まれたときから。(S) ③(時を表す語の後に置かれて)(朝、 翌日、 いつ) になる。 kunneywa an クンネイワ アン 朝になる。 ciwnici an チウニチ アン 12時になる。(W) isimne an イシㇺネ アン 翌日になる。 …an kor …アン コㇿ …になると、 …毎に。 kunneywa an kor, tokap an kor, onuman an kor クンネイワ アン コㇿ、 トカㇷ゚ アン コㇿ、 オヌマン アン コㇿ 毎朝、 毎昼、 毎晩。(S会話) kesto an kor ケㇱト アン コㇿ 毎日毎日。 hempara an kor ヘンパラ アン コㇿ いつになったら。(W即興詩) oka(ke) an オカ(ケ) アン 終わる。 ④(格助詞 ne ネ の後に置かれて)…になる。 síporo cikap ne an シポロ チカㇷ゚ ネ アン (彼は)巨大な鳥になった。(W神謡語り) ⑤(動詞句+接続助詞の後に置かれて) anki an アンキ アン もう少しで…しそうである。 pekor an ペコㇿ アン …したようである。 ápekor an アペコㇿ アン まるで…したかのようである。 híne an ヒネ アン …して(しまって) いる、 してある。 wa an ワ アン …してある/…している。(☞⑧) kane an …カネ アン …して(いる状態で)ある。 kor an コㇿ アン …しつつある。 kotom an コトㇺ アン …するようである。 noyne an ノイネ アン …する(した)らしい。 ⑥(副詞や副詞句の後に置かれてこれを動詞句とする。) mosmano an モㇱマノ アン だまって(かまわないで)いる。 sonno an a! ソンノ アナ! 本当だねえ。 easir an a! エアシラナ! 全くねえ。 néno (kane) an ネノ (カネ) アン …に(よく)似ている。 pak(no) an パㇰ(ノ) アン …くらい(の大きさ/量)である。 sekor an セコㇿ アン/セコラン … という(ような)。 sekor réhe an セコン レヘ アン …という名前である。 sekor ku=rehe an セコㇿ クレヘ アン 私は…という名前です。 ⑦(熟語) sine an ta シネ アン タ (=sineanta) ある時。 sine an pa ta シネ アン パ タ ある年に。 sine an to ta シネ アン ト タ ある日(に)。 ne wa an… ネ ワ アン… (今ここで話題にしている)この…。 ⑧[補助動詞] wa an/híne an ワ アン/ヒネ アン …して(し終わって)いる、 …してある。 ek wa an エㇰ ワ アン (彼はもう)来ている。(W会話、 民話) a=suwé wa an アスウェ ワ アン (ごはんが)炊いてある。(W) e=hokuhu an wa an ruwe? エホクフ アン マ アン ルウェ? あなたの夫はいてあるのかい=ご主人いるかい(いま在宅しているか)? (W)(方言で「いてあったかい?」と言う言い方がある。 同じことを e=hokuhu an ruwe/isam ruwe? エホクフ アン ルウェ/イサㇺ ルウェ? 《あなたの夫はいるのかい/いないのかい?》と言うことも可能だが、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ と言うほうが好まれる。 一方、 夫を持っているかいないか(独身か)をたずねるときは an ruwe/isam ruwe アン ルウェ/イサㇺ ルウェ のほうを使い、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ とは言わない。) ☆参考 [否定のつくり方]否定辞 somo ソモ による否定は通常つくられず否定動詞 isam イサㇺ が使われる。 ☞isam イサㇺ {E: ①to be; exist; stay; live; happen. ②to be born. ③to become (in reference to time). ④to become… ⑤… ⑥… ⑦…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
an-epitta
アネピッタ 【副】[an-epitta 夜・全部] 夜じゅう、 夜どおし。 haː, irampotarare, an-epitta isomomokore ハー、 イランポタラレ、 アネピッタ イソモモコレ ああ、 こやかましい、 夜どおしだれも眠らせない。(S) {E: throughout the night.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
anayomne
アナヨㇺネ 【動詞】[不定人称形(?)][< an=e-yomne であれば(引用中の) 私は・(そのこと)に・こりた] こりたことだ。 ene anayomne! エネ アナヨㇺネー! あんなにこりたこと! (ワテケさんの訳)。(W民話) {E: to have learnt a lesson from.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ani 1
アニ 【他動】[単](複は anpa アンパ) …を(手・腕に)持つ(方言:たなぐ)/だく、 …を持って/だいて運ぶ。 ani wa arpa アニ ワ アㇻパ 手に持って/だいて行く。 ☆参考 主に手や腕に持って立ったり歩いたりすることを言う。 子どもをだきしめたり、 ひざの上でだいたりすることはものをつかむのと同じく kisma キㇱマ が使われる。 ☆参考 esitapkaani エシタプカアニ …を肩にかつぐ。 se セ …を背負う。 kay カイ …をおぶう。 {E: to hold, cradle something, someone in one's hands, arms.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aniyar
アニヤㇻ 【他動】[ani-yar 持つ・人に…してもらう] …を人に (手/腕に) 持ってもらう/持たせる。 {E: to make someone hold…in one's hands, arms.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
anpa 1
アンパ 【他動】[複](単は ani アニ)(二つ以上)を手に持つ/だく、 持って/だいて運ぶ。 {E: to hold, cradle something, someone in one's hands, arms.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
anpeaspe
アンペアㇱペ 【名】[an-pe-as-pe ある・こと・立っている・こと](次の言い回しの中で)本当のこと。 anpeaspe sunkeaspe アンペアㇱペ スンケアㇱペ あることないこと、 本当だのうそだの。 anpeaspe sunkeaspe eci=ekóysoytak hawe un アンペアㇱペ スンケアㇱペ エチエコイソイタㇰ ハウェ ウン あることないことを(本当のことやうそのことをとりまぜて)あなたに話してあげるのだよ。(S) {E: the truth.} (出典:田村、方言:沙流)
antemaci(hi)
アンテマチ(ヒ) 【名】[所](概の例はない。 macihi マチヒ の概は mat マッ。)[ante-mat-i(hi) いさせる・妻・(所属語尾)]…の正妻。 a=antemaci(hi) アアンテマチ(ヒ) (引用文中、 伝承中で)私の正妻。 ☆参考 karmaci(hi) ソカㇻマチ(ヒ) とも。 ☆対語 antehoku アンテホク 夫。 {E: one's legal wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
anun(-i)
アヌン §012.他人anun(-i)〔a-nún アぬン〕⦅H. S.⦆他人。(apa「身内」に対する)。〜matapa 本当の娘でない、親類でない年下の女に「妹」と呼びかける時に言う⦅ホロべツ⦆。"〜ka somo a-ne na"「わしは他人ではないんだぜ」⦅ユ研Ⅱ, p.666⦆。"nep 〜-i a-ne wa kusu, i-ko-onkami?"「わしは他人ではないのに、わしに向って改まっておじぎするのかい?」⦅同, p.665⦆。〜nispa「他村の首領」。〜-tah[<〜-utar]「他人ども」⦅シラウラ⦆。〜-utar「他人ども」「他村の人々」「よそものども」⦅ホロべツ⦆。ci-〜-kopa「他人扱いする」「よそよそしく扱う」⦅古謡, p.132⦆。u-〜-kopa「他人扱いする」⦅ビホロ⦆。[<ar-un(あちらの、山の彼方の)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
aoká
アオカ 【代名】[不定人称複数] ①(包括的一人称複数)相手を含む私たち(話し手たち自身)。 ②(引用文中の一人称複数)自分たち、 自叙している私たち。 ③(敬意の二人称)あなた様(女性から成人男性に言う。 同性の場合は特別に敬意を示すべき相手に言う)。 ☆参考 対応する人称接辞は =an アン(自動詞に)/a= ア(それ以外に)。 この人称接辞は敬意の二人称複数「あなた様方」にも使われるが、 代名詞 aoká アオカ はそれには使われない。 「あなた様方」は utaroka ウタロカ で表され、 人称接辞はゼロ、 つまり三人称である。 {E: ①we, us including the listener. ②we, us. ③second person honorific.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
apanekor
アパネコㇿ 【他動】[apa-ne-kor 親戚・として・持つ]…を親戚にする。 {E: to make someone a relative.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
apunno
アプンノ 【副】[hapur-no 柔い・(副詞形成)](?) 静かに(雑に乱暴にでなく)、 ていねいに、 そっと(「まてえに」)、 無事に。 apunno eyamno resu アプンノ エヤㇺノ レス 静かに大切に育てなさい。 apunno korar, ikiya e=hacire na アプンノ コラㇻ、 イキヤ エハチレ ナ 静かに渡しなさい、 落とさないようにね。 apunno sini(yan)アプンノ シニ(ヤン)無事にお休みなさい(夜別れるとき、 また昼間でも訪問者が帰るときその家の人への別れの挨拶として)。 apunno arpa アプンノ アㇻパ[単]/apunno paye yan アプンノ パイェ ヤン [複]無事に行きなさい(立ち去る人に対して残る人が言う挨拶の一つ)。 {E: quietly; softly; gently.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
apuunno
アプウンノ 【副】[apunno アプンノ の強調形] 静かあーに、 そうっと。 {E: quietly; softly; gently (with emphasis).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ar-uska
アㇻウㇱカ/アルㇱカ 【他動】[ar-us-ka 全く・消える・させる] …を完全に消してしまう、 …をすっかり絶やす。 e=kotanu a=ar-uska a=arwente nankor エコタヌ アアルㇱカ アアㇻウェンテ ナンコㇿ あなたの村はすっかり絶やされすっかり滅ぼされるでしょう。(W民話) {E: to let something die, run out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
areramiskari
アレラミㇱカリ 【他動】[ar-eramiskari 全く・見知らない] 全然見知らない。 ☞eramiskari エラミㇱカリ {E: to have completely no idea of something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ári 1
アリ 【他動】[複](単は anu アヌ)[< a-re たくさんある・させる](?) (二つ以上のものを)置く。 {E: to place; put something somewhere. (pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arikaspaotte
アリカㇱパオッテ 【他動】[ar-ikaspaotte 完全に・命ずる] 厳命する。 {E: to give a strict order to someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arikikino
アリキキノ 【副】[arikiki-no 精を出す・(副詞形成)]一生懸命、 精を出して、 せっせと。 arikikino a=kar somo ki yak orounpe isam na アリキキノ アカㇻ ソモ キ ヤㇰ オロウンペ イサㇺ ナ 一生懸命しなければ何にもならないよ。(S) {E: to put all one's efforts into something.} (出典:田村、方言:沙流)
arka
アㇻカ 【自動】痛む、 痛い(「やむ」)、 (その部分に病気が)ある。 hay! arka humi! ハイ!アㇻカ フミ! ああ痛いなあ。 ku=néoro ka arka ka somo ki クネオロ カ アㇻカ カ ソモ キ 私の体はどこも悪くない。(S) {E: to be painful; to hurt, } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arkuanno
アㇻクアンノ 【副】[ar-kuanno 全く・まっすぐに]まっすぐに、 真正面に。 arkuanno/i=teksama ta/petso ka ta アㇻクアンノ/イテㇰサマ タ/ペッソ カ タ [雅]真正面に私の脇に川面の上に。(Sユーカラ) ☆発音 これは歌うときの発音。 時によって arkuwanno アㇻクワンノ とも発音する。 ☞kuwan クワン、 kuwanno クワンノ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arokamkinno
アロカㇺキンノ 【副】[ar-okamkir-no 全く・わざと・(副詞接頭辞)] 全く意図的に、 わざと。 arokamkinno/asinuma/a=renkayne/repuyso ka wa/kamuy menoko/a=ekte wa アロカㇺキンノ/アシヌマ/アレンカイネ/レプイソ カ ワ/カムイ メノコ/アエㇰテ ワ [雅]わざと私の考えで沖の海原から女神をよこして。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arorepasiyan
アロレパシヤン 【名】[ar-horepasi-yan 全く・沖の方から・上陸する]「ホンヒカタ」(風の名)、 正面沖から来る波風(南西風)。 ☞réra レラ {E: a south-west wind.} (出典:田村、方言:沙流)
arorkisne
アロㇿキㇱネ 【副】そっと内緒(ないしょ)で、 こっそり。 arorkisne ukopinupinu kor oka na アロㇿキㇱネ ウコピヌピヌ コㇿ オカ ナ (彼らは)こっそり内緒話(ないしょばなし)しているよ。(S) arorkisne epirma wa núre アロㇿキㇱネ エピㇼマ ワ ヌレ そっと警告して聞かせてあげなさい。(S) nen ka somo i=nukar kunine arorkisne paye=an kus ne na ネン カ ソモ イヌカㇻ クニネ アロㇿキㇱネ パイェアン クㇱ ネ ナ (あなたと私は)だれにも見られないようにこっそり出かけて行くんだよ。(S) arorkisne otam! アロㇿキㇱネ オタㇺ! [隠](直訳すると)こっそりサーベル=こっそり警官を呼んで来なさい。(S) {E: secretly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arwan
アㇻワン 【連体】[数連体][< re-e-wan 三つ・で・十の](?) 七つの、 七人の。 arwan sike アㇻワン シケ 七個の荷物。 arwan poyson アㇻワン ポイソン 七人の子ども。 arwan hot アㇻワン ホッ[七つの・二十] 百四十。 ☆発音 アㇽワン。 {E: seven…} (出典:田村、方言:沙流)
as 2
アㇱ 【自動】(音が、 声が)する、 (雨が)降る、 (風が)吹く、 (うわさが)たつ。 hawe as ハウェ アㇱ …の声がする、 (笛やバイオリンなどの)音がする、 …と言っている話が聞こえる。 top rekte hawe as トㇷ゚ レㇰテ ハウェ アㇱ 竹(尺八)を鳴らす音がする。 humi as …フミ アㇱ …の音がする、 …する/しているような感じがする。 apto as アㇷ゚ト アㇱ 雨が降る。 upas as ウパㇱ アㇱ 雪が降る。 réra as レラ アㇱ 風が吹く。 kamuyhum as カムイフㇺ アㇱ 雷が鳴る。 {E: to sound; to make a sound; to rain; for the wind to blow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
asama(ha)
アサマ(ハ) 【名】[所](概は asam アサㇺ) …の底、 それの底。 onnayke wa asamaha オンナイケ ワ アサマハ (入れ物の) 内側の底。 soynake wa asamaha ソイナケ ワ アサマハ 外側の底。 {E: the bottom of…} (出典:田村、方言:沙流)
asi
アシ 【他動】[単](複は roski ロㇱキ)[as-i 立つ・(他動詞形成)] ①…を立てる。 ②(引き戸やふすま、 ドアなど)をしめる。 apa asi アパ アシ 戸をしめなさい。 {E: ①to stand up something. ②to close (a door etc).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
asikne
アシㇰネ 【連体】[数連体][asik-ne 五・である] 五つの、 五人の。 asikne sike アシㇰネ シケ 五個の荷物。 asikne poyson アシㇰネ ポイソン 五人の子ども。 asikne hot アシㇰネ ホッ 百。 asikne hotnen アシㇰネ ホッネン 百人。 asikne wan hot アシㇰネ ワン ホッ 千。 asikne hot kasi wanpe アシㇰネホッ カシ ワンペ 百十。 asikne hot suy アシㇰネ ホッ スイ[副]百回。 {E: the number five as a counter.} (出典:田村、方言:沙流)
asin
アシン 【自動】[単](複は asip アシㇷ゚)[asi-n (?)asip アシㇷ゚・(自動詞単数形形成)…の方へ移動する] ①(償いの品が)出る、 出される。 ②[熟語]párir asin パリㇼ アシン 煙がモクモクと出る。 cise uhuy siri somo ne? mákip párir asin kor an siri an! チセ ウフイ シリ ソモ ネ? マキㇷ゚ パリㇼ アシン コㇿ アン シリ アン! 家が燃えているのではないか? どうしたのか煙がモクモク出ているなあ。(S) ☆参考 穂が出ることに複数形 asip アシㇷ゚ の例があるが、 単数形の例は未出。 ☆参考 家などの中から外へ出ることは soyne ソイネ、 山から里へ、 高台から浜へ、 家の奥(壁の方)から前(いろりのそば)へ出ることは san サン。 ☆参考 普通に煙が出ることは supuya at スプヤ アッ と言う。 asin アシン は特殊な時にしか使われない。 {E: ①to give something as compensation. ②for smoke to pour out.} (出典:田村、方言:沙流)
asinpe
アシンペ 【名】[asin-pe (償いとして)出される・もの] 償いの品。 {E: an item given as compensation for something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
askesey
アㇱケセイ §216 ホタテ、エゾギンチャク(エゾキンチャクガイ) (11) aske-sey(ás-ke-sey)「あㇱケセイ」[aske(手)sey(貝)]⦅富内⦆ホタテ貝 Pecten yessoensis JAY. (出典:知里動物編、方言:)
asnomenas
アㇱノメナㇱ 【名】[asno-menas (?)・南東の風] 真南風。 ☞réra レラ {E: a south wind.} (出典:田村、方言:沙流)
aspa
アㇱパ 【自動】耳が聞こえない、 聾者である。 {E: to be deaf, a deaf person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aste 2
アㇱテ 【他動】[as-te 立つ・させる](声を、 音を)立てる。 iteki e=hawe aste イテキ エハウェ アㇱテ 声を立てないようにしなさい。(W独話) {E: to make a sound. (voice, noise).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
asuru(hu)
アスル(フ) 【名】[所](概は asur アスㇽ)[asur-u うわさ・(所属語尾)] …のうわさ、 評判。 asuru as アスル アㇱ …のうわさが立つ、 うわさがある、 評判がある。…asuru as hi eysoytak アスル アㇱ ヒ エイソイタㇰ 情報があることについて話している。 asuru as pe a=ne ruwe ne アスル アㇱ ペ アネ ルウェ ネ 私は評判の高い者である。(HK民話) wakka mespa asuru ワッカ メㇱパ アスル 大水に流されたといううわさ。(W会話) asuru nu アスル ヌ …のうわさを聞く。 asuru easpa アスル エアㇱパ …のうわさが聞こえない=うわさを知らない。(NK民話) {E: to be rumoured; have a reputation.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atce
アッチェ 【位名】よそ(他人の家)。 atce ta アッチェ タ よその、 そとの(家族でない)。 atce ta ku=saha アッチェ タ クサハ いとこ姉。(W) atce ta ku=kosmaci アッチェ タ クコㇱマチ 外嫁。 atce ta ku=mippoho アッチェ タ クミッポホ 外孫。 atce un アッチェ ウン よその、 親戚でない。(W) atce wa アッチェ ワ よそから、 外から(他人の家から)。 {E: another person's, a stranger's house.} (出典:田村、方言:沙流)
attekani
アッテカニ 【他動】[ar-tek-ani 片方の・手・…を持つ] …を片手で持つ/持ち運ぶ。 {E: to hold something in one hand.} (出典:田村、方言:沙流)
atu(hu) 2
アトゥ(フ) 【名】[所](概は at アッ)(…の)ひも(つけてあるひも)。 ponno en=tere, atuhu ku=kar kusu ne na ポンノ エンテレ、 アトゥフ クカㇻ クス ネ ナ ちょっと待って、 鼻緒(はなお)をすげるから。(S) ku=kor toke atuhu soske kor an クコッ トケ アトゥフ ソㇱケ コラン 私の時計のバンド(この場合、 皮製の)がはがれてきている。(W) {E: a string, a cord of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atusi
アトゥシ 【他動】[at-usi ひも・を…につける](人)に縄をかける。 {E: to tie (up) someone with rope.} (出典:田村、方言:沙流)
aw 3
アウ 【名詞語根】(語構成の要素として)家の中。 ☆対語 soy ソイ 外。 {E: within a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
awun-mimtar
アウンミㇺタㇻ 【名】[aw-un-mimtar 家の中・の・庭]土間(sem セㇺ から入ってすぐの、 いろりより西の、 rútomunki ルトムンキ《土間敷き》のある所)。(S) ☆対語 soyun-mimtar ソユンミㇺタㇻ 外庭、 ごみすてば。(S) (出典:田村、方言:沙流)
aynu-ramat
アイヌラマッ 【名】[aynu-ramat 人間・魂] 人間の魂。 {E: the human spirit, soul.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aynuhu
アイヌフ 【名】[所](概は aynu アイヌ) [aynu-hu 人間・(所属語尾)] 人間(nep ネㇷ゚ の後に置かれる形)。 asinuma anak nep aynuhu hene a=ne ruwe ka somo ne アシヌマ アナㇰ ネㇷ゚ アイヌフ ヘネ アネ ルウェ カ ソモ ネ (民話の引用文で)私はなんという人間でもない=ただの人間ではない。 ☆参考 人間の姿になって地上に暮らしている神がほかでもない…と言って名のるときの表現で使われる形。 {E: a human-being.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aynukor
アイヌコㇿ 【他動】[aynu-kor (立派な)人間/男・を持つ] …を尊敬/尊重する、 …に敬い従う(「まてえにする」)。 {E: to show respect to someone} (出典:田村、方言:沙流)
aynukoyki
アイヌコイキ 【自動】[aynu-koyki 人間・を襲う] 人間を襲う、 人に悪事をする。 {E: to attack, assault someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cannoyep
チャンノイェㇷ゚ 【名】[c(i)-annoye-p された・表す・もの]現れ。 nupur pe ne/nupur cannoyep/esirutumka/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/ヌイナ カネ [雅]本当に霊力のあるものだが霊力の現れを頭飾りをかぶって自分の中に隠して。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cápe
チャペ 【名】[動物] ネコ。 cápe haw チャペ ハウ ネコのなき声。 iteki cápe haw ki hani! イテキ チャペ ハウ キ ハニ! ネコの声をするなよ。(S民話) cápe ra péka ekesinne sowsut péka sinot kor an kor apto ruy oasi チャペ ラ ペカ エケシンネ ソウスッ ペカ シノッ コラン コㇿ アㇷ゚ト ルイ オアシ ネコがゆかの上であちこち隅っこのほうへ行ってじゃれているときはまもなく雨がひどくなる。(S)〔知分類 p.136〕 {E: a cat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
carpa
チャㇻパ 【他動】[複](単は cari チャリ) (たくさんのもの)を散らす/ばらまく。 ☆参考 icarpa イチャㇻパ ものまきする=先祖等の供養に食物やたばこなどをまく(供える)。 {E: to scatter, disperse (a lot of something).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
céhorkakep
チェホㇿカケㇷ゚ 【名】[c(i)-e-horka-ke-p された・その頭・逆向きに・削る・もの]木幣(inaw イナウ)の一種で、 他の木幣とは逆に、 上から下へ向かって削ったもの。 したがって削り花もちょうど髪の毛が逆立ったような形になっている。(S) céhorkakep sekor a=ye kamuy anak sonkokor kamuy ne ruwe ne チェホㇿカケㇷ゚ セコライェ カムイ アナㇰ ソンココㇿ カムイ ネ ルウェ ネ 逆削り木幣という神は伝言を伝える神です。(W) ☞inaw イナウ (出典:田村、方言:沙流)
cékunip
チェクニㇷ゚ 【名】[動物][c(i)-e-kuni-p される・食べる・べき・もの] 食べる物、 魚。 {E: something that can be eaten; food; fish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
céomare
チェオマレ 【複他動】[他動使役][中相] [c(i)-e-oma-re される・その頭(先)が・そこに入る・させる](次の慣用句の中で)otusasuysir (oresasuysir) céomare オトゥサスイシㇼ (オレサスイシㇼ) チェオマレ 何代にも続いている。 tanesasuysir céomare タネサスイシㇼ チェオマレ 昔から今にいたるまでずっと続いている。 {E: to continue something down over the years, generations.} (出典:田村、方言:沙流)
cep-notpok
チェㇷ゚ノッポㇰ 【名】[cep-notpok 魚・あごの下][動物]魚のあごから腹に続く柔らかい部分。 ☞notpok ノッポㇰ {E: the soft area of a fish from the jaw through to the belly.} (出典:田村、方言:沙流)
césinriserise
チェシンリセリセ 【他動】[中相](?) [c(i)-e-sir-rise-rise される・…に関して・地・をむしる・(重複)](?) 一生懸命草をむしる。 ramuhokasusu wa cisoyekatta wa césinriserise ラムホカスス ワ チソイェカッタ ワ チェシンリセリセ (この忙がしいのにそんなにゆっくりお茶飲んで、 と気をもんで「きもやけて」)外へパッととび出して一生懸命草をむしっている。(S) {E: to pluck, weed… with all one's might.} (出典:田村、方言:沙流)
chimakanichep
チマカニチェㇷ゚ §027 カジカ (1) chimakani-chep (ci-ma-ka-ni-cep)「チマカニチェㇷ゚」カジカの総称 A kind of sculpin. Also called ten-chi-makani and pet-chimakani. (出典:知里動物編、方言:)
ci= 5
チ 【人接】[対立的一人称複数主格他動詞型] ①相手を含まない私たちが/の。 tane ci=ye kusu ne タネ チイェ クス ネ 今私たち(私と彼)は言います。 tun ren ci=ne híne トゥン レン チネ ヒネ 私たち二、 三人で。 ci=kotanu チコタヌ 私たちの村。 ②(神謡の中で、 神の自称)神である私が/の。 sakehe ci=kar サケヘ チカㇻ 私はそれで酒をつくった。(HC神謡) ③(民話の中の常套句で主人公の自称)私が/の。 hoski tas ci=nu rok pe! ホㇱキ タㇱ チヌ ロㇰ ペ! おれが先に聞いたんだ(川上男と川下男の民話で川上男が言う)。(W民話) ☆参考 母音で始まる語幹につくときは c= チ ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =as アㇱ が接尾する。 {E: ①first person plural exclusive (personal affix). ②reference to self for a god. ③reference to self for a hero in a folktale.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cieomare
チエオマレ 【他動】[中相][ci-e-omare される・そこに・入れる](直訳すると)…に入れられている。(次の慣用表現で) tónonsukus cieomare トノンスクㇱ チエオマレ [雅]真昼の光に照らされている。 cási upsor/tónonsukus/cieomare/semkoraci チャシ ウㇷ゚ソㇿ/トノンスクㇱ/チエオマレ/セㇺコラチ [雅]城の中はまるで昼の光に照らされているかのように。(Sユーカラ) ☆参考 歌うときの形。 話すときは céomare チェオマレ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cimesu
チメス 【他動】[中相][ci-mesu …された・はがす/そぐ] 毛がなくツルツルだ(ツルッとはがしたように)。 oksutu cimesu オㇰストゥ チメス えりくびに毛がない(獣に関して)。 hokure arpa, okusu cimesu! ホクレ アㇻパ、 オクス チメス! 早く行け、 えり首のそがれたやつ(シラミをとってあげるとだまされてえり首をかじられたトドに向かってかじった男が言う)。(W民話) ☞mesu メス {E: to make something smooth and hairless.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cinaynaye
チナイナイェ 【他動】[中相][ci-nay-nay-e された・沢・(重複)・(他動詞形成)]メチャクチャである(整然とせず無秩序でクシャクシャなことを言う)。 cinaynaye hemanta, ataye ruyno eyyok kunak ye チナイナイェ ヘマンタ、 アタイェ ルイノ エイヨㇰ クナㇰ イェ こんなメチャクチャにつくってあるものを高く売ると言う。(S) {E: to be in a mess, disordered.} (出典:田村、方言:沙流)
cinuwe
チヌウェ 【他動】[中相][ci-nuwe された・…を掃く] 掃いてある、 掃かれた…。 cinuwe upas チヌウェ ウパㇱ 掃いてある雪=雪を掃いて山にしてあるもの。 {E: for something, somewhere to be swept.} (出典:田村、方言:沙流)
ciorankekar
チオランケカㇻ 【他動】[中相][ci-o-ranke-kar される・(そこ)に・下ろす・させる][雅]…に降りる、 …に落ちる。 ranke mosir/mosirso kurka/ciorankekar ランケ モシㇼ/モシㇼソ クㇽカ/チオランケカㇻ [雅](彼は)下界の国の国土の上に下りてきます。(Sユーカラ) ranke núpe/numus apto ne/i=kurkasike/ciorankekar ランケ ヌペ/ヌムサㇷ゚ト ネ/イクㇽカシケ/チオランケカㇻ [雅](姉)の落とす涙が大粒の雨のように私の上に落ちてきた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cípekira
チペキラ 【自動】[cip-e-kira 舟・と共に・逃げる](沖のツノザメ漁で、 もりをさされた魚が)舟を引っぱって逃げる(もりには綱がついており舟に乗っている人がそれをつかんでいるので、 魚が逃げると舟は引っぱられてついて行く、 魚が弱ってから舟に上げる)。 tane oka sirkap néno aynurayke pakno cípekira somo ki yak pirka タネ オカ シㇼカㇷ゚ ネノ アイヌライケ パㇰノ チペキラ ソモ キ ヤㇰ ピㇼカ いまのツノザメはそんなふうに人殺しをするほどに舟を引っぱって逃げてはいけない。(W神謡)の結末の語り(門別資料) (出典:田村、方言:沙流)
cipiyepkor
チピイェㇷ゚コㇿ 【他動】[中相][ci-pi-ye-p-kor される・ヒソヒソ・言う・こと・を持つ](?) 悪口を言われる。 sekor cipiyepkor eci=kí na セコㇿ チピイェㇷ゚コㇿ エチキ ナ あなたたちは…というふうに悪口を言われるから。(HC民話) {E: to be spoken bad of by someone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cirawokuta
チラウォクタ 【他動】[中相][ci-ra-w-o-kuta される・下・(挿入音)・に・全部こぼして(あけて)しまう]バラバラツと落ちる。 ponki ka o p cirawokuta ポンキ カ オㇷ゚ チラウォクタ (上から綱で下げられていた)カヤの簀(す、 「すだれ」)の物置き棚にのっていたものがバラバラッと下に落ちてしまった。(NK民話) ☆参考 w は a と o の二つの母音が続くのをきらって挿入された音。 {E: for something to drop, fall in pieces, e'where.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisanasapte
チサナサㇷ゚テ 【他動】[中相][ci-sanasapte …される・…を出す][雅]出てくる。 kamuy maw sika/kamuy kosonte/cisanasapte カムイ マウ シカ/カムイ コソンテ/チサナサㇷ゚テ [雅]神風にのって立派な小袖が出てきた。(Sユーカラ) ☞sánasapte サナサㇷ゚テ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cise
チセ 【名】①家。 cise as チセ アㇱ 家がある(建っている)。 toanta re cise as トアンタ レ チセ アㇱ あそこに三軒の家がある。 cise kar チセ カㇻ 家を建てる。 cise un utar チセ ウン ウタㇻ 家族。 cise-kor… チセコㇿ… ☞cisekor チセコㇿ。 cise soy チセ ソイ 家の外、 家のすぐそば、 門口。 cise uhuy チセ ウフイ 家が燃える、 火事である/になる。 horak cise ホラㇰ チセ 崩壊した家。 kuca cise クチャ チセ 狩小屋。 soya-cise ソヤ チセ ハチの巣。 toysoya cise トイソヤ チセ スズメバチの巣(鳥の巣は set セッ)。 ②奥さん cise tókapipe kusu na arki isam チセ トカピペ クス ナ アㇻキ イサㇺ 奥さんはお昼ご飯を食べにまだ来ない。(W) {E: ①a house; a (bee)hive. ②a wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisekitaykoraye
チセキタイコライェ 【自動】[cise-kitay-ko-raye 家・の頂上・に・行かせる] 屋根がきれいに葺いてある。 {E: for a roof to be completely thatched (also beautifully thatched).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisetuptepa
チセトゥㇷ゚テパ 【自動】[複](cisetupte チセトゥㇷ゚テ は単複の区別なし) 人々が(二人以上が皆)家を移す、 引越しする。 a=uní soyke ta cisekarpa, cisetuptepa アウニ ソイケ タ チセカㇻパ、 チセトゥㇷ゚テパ 彼らは私の家のすぐ前に家を建て、 引越してきた。(S民話) {E: to move to another house (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cismasa
チㇱマサ 【自動】[cis-masa 泣く・(?)](子どもが泣いたあと泣き疲れて)泣きじゃくる(「泣きじゃっくりする」)。 cis a cis a ayne cismasa チサ チサ アイネ チㇱ マサ 泣いて泣いてそのあと泣きじゃくっている。(S) {E: to sob.} (出典:田村、方言:沙流)
cisun
チスン 【他動】[cis-un 泣く・を置く] ka(si) cisun カ(シ) チスン (人の)死を悲しんでなきがらに手を当てて泣く。 {E: to cry over the body of someone who has died.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
citatap
チタタㇷ゚ 【名】[ci-tata-p …された・トントンたたく・もの](料理名)(鮭の頭の肉をたたいて細かくつぶし、 白子もたたいてこまかくし、 それを混ぜた料理。) cep citatap チェㇷ゚ チタタㇷ゚ 同上。 {E: milts (also soft roe).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ciwkorari
チウコラリ 【他動】[ciw-ko-rari 流れ・と共に・下へ押えつける] (受け身の言い方で) a=ciwkorari アチウコラリ 渦のため下へキュッとひっぱられる。 moy or osma wa a=ciwkorari wa hetuku ka somo ki モヨㇿ オㇱマ ワ アチウコラリ ワ ヘトゥク カ ソモ キ 渦の中に巻き込まれて下へキュッと引っぱられて出てこない。(S) (出典:田村、方言:沙流)
ciwre
チウレ 【他動】[ciw-re 刺さる・させる] ①…を刺す。 ②(雅語で) ☞eese-ciwre エエセチウレ、 iyenucupki ciwre イイェヌチュㇷ゚キ チウレ、 otu santuka ciwre オトゥサントゥカ チウレ、 eyaykesupka ciwre エヤイケスㇷ゚カ チウレ、 nisoparakur ciwre ニソパラクㇽ チウレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cóka
チョカ 【代名】[対立的一人称複数](相手を含まない)私たち、 私と彼(ら)。 {E: first person exclusive (ie. excludes listener).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
copiyan
チョピヤン 【自動】[擬音]ポチヤンと飛び込む。 copiyan tek チョピヤン テㇰ (蛙が池に)ポチャンと飛び込んだ。 {E: the sound of a frog jumping into a pond.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cuppa
チュッパ 【他動】[複](単は cupu チュプ)(二つ以上)をつぼめる、 (敷いてあるござなど)をみんな丸めて片づける、 (敷いてあるふとん)をたたむ。 to epitta ehotkehi cuppa ka somo ki no ト エピッタ エホッケヒ チュッパ カ ソモ キ ノ 一日いっぱい寝床をたたまないで。(W) ku=kar pe ku=cuppa クカㇻ ペ クチュッパ (私は)つくったもの(敷きものなど)をみんな丸めて片づける。(S) {E: to narrow…; fold…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cupu
チュプ 【他動】[単](複は cuppa チュッパ)[cup-u (すぼめることを表す語根)・(他動詞形成)]…をまるめる、 つぼめる。 so ku=cupu ソ クチュプ 私は敷いたごさをはがして丸めて片づける。(S) (出典:田村、方言:沙流)
cuwan-e
チュワンエ 【自動】[cuwan-e 昼飯・食べる] 昼飯を食べる(新しい言葉)。(S) tanto ku=cuwan-e ka somo ki wa タント クチュワンエ カ ソモ キ ワ 今日私は昼飯を食べてないので… (S) {E: to eat lunch.} (出典:田村、方言:沙流)
e-…-ne
エ…ネ 【接頭+接尾】[その頭・(位置名詞)・である/になる] ①[自動]…へ/に行く。 kim キㇺ 山;ekimne エキㇺネ 山に行く。 ②[副]…へ。 soy ソイ 外;esoyne エソイネ 外へ。 (出典:田村、方言:沙流)
eannu
エアンヌ 【他動】[ear-nu ただ一度・…を聞く]…を一度だけ聞く(=ear nu エアㇻ ヌ/エアンヌ)。 sonno utarpa/síno utarpa/eannukar pe/eannu p/ruska katun/somo ki p ne na sekor ソンノ ウタㇻパ/シノ ウタㇻパ/エアンヌカㇻ ペ/エアンヌㇷ゚/ルㇱカ カトゥン/ソモ キㇷ゚ ネ ナ ㇱコㇿ [雅]「本当に立派な男まことにえらい男はただ一度見たことただ一度聞いたことに憤慨したような様子を見せるものではありませんよ」と (Sユーカラ語り) ☞ear エアㇻ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eannukar
エアンヌカㇻ 【他動】[ear-nukar ただ一度・…を見る] …を一度だけ見る(=ear nukar エアㇻ ヌカㇻ/エアンヌカㇻ)。 sonno utarpa/síno utarpa/eannukar pe/eannu p/ruska katun/somo ki p ne na sekor ソンノ ウタㇻパ/シノ ウタㇻパ/エアンヌカㇻ ペ/エアンヌㇷ゚/ルㇱカ カトゥン/ソモ キㇷ゚ ネ ナ セコㇿ [雅]「本当に立派な男まことにえらい男はただ一度見たことただ一度聞いたことに憤慨したような様子を見せるものではありませんよ」と。(Sユーカラ語り) ☞ear エアㇻ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eapamaka
エアパマカ 【他動】[e-apa-maka (そこ)で・戸口・を開く] ①(人)に戸をあけてあげる。 sama un a=i=túra híne, a=i=éapamaka híne arpa=an ruwe ne サマ ウン アイトゥラ ヒネ、 アイエアパマカ ヒネ アㇻパアン ルウェ ネ 私は彼のそばへ連れられて行き、 戸をあけられて(=戸をあけてくれて)進んで行った。(S民話) ②(次の慣用句の中で)(そこ)で戸をあける。 toy tukari eapamaka トイ トゥカリ エアパマカ 地面に近いごく下の方で戸をあける=戸口に下げてあるカヤのすだれを少しだけ上げて身を低くして家に入る(畏れかしこまって遠慮がちに入る様子の描写)。 {E: ①to open a door for (someone). ②to open the entrance at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eappisep
エアッピセㇷ゚ §021.子(34)eappisep〔e-áp-pi-sep エあッピセㇷ゚〕⦅チカブミ⦆【雅】私生児。(=hoku-sakno-po)。"anokay anakne nep ka kamiasike 〜 somo a-ne ruwe tapan"「私は別に怪しい者の子なぞではありません」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
earkem
エアㇻケㇺ 【名】[ear-kem 一つ/一方の・針] 一針。 earkem oposore ranke wa kar エアㇻケㇺ オポソレ ランケ ワ カㇻ 一針一針抜いてつくる。(S) {E: a stitch.} (出典:田村、方言:沙流)
easa
エアサ 【他動】[e-asa (それ)のことを・注文する](人)に(もの)を(つくってくれと)頼む、 注文する。 usa cikarkarpe a=i=éasa wa a=kar kor ウサ チカㇻカㇻペ アイエアサ ワ アカㇻ コㇿ 私はいろいろとししゅうの上等の着物などをつくってくれと頼まれてつくると…。(W民話) {E: to ask someone to do something; ask someone for something; order something from someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
easir 1
エアシㇼ 【副】[e-asir …で・新しい](条件節の後で)(そうして)初めて、 (そう)しなければ …しない。 yakun easir ヤクン エアシㇼ …であればこそ。 yak easir pirka ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …しなければならない/いけない/だめだ。 a=ipére kor easir soyne p ne na, iyohay parkohayta アイペレ コㇿ エアシㇼ ソイネㇷ゚ ネ ナ、 イヨハイ パㇻコハイタ 食べさせたらやっと出て行くんだ(食べさせなければ出て行かない)、 あきれたいやしんぼうだ。 ☆参考 easirki エアシㇼキ【助動】…しなければならない。 tanepo タネポ 今初めて。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
easkay
エアㇱカイ 【他動】[e-askay …に関して・できる/上手である] ①…ができる、 …が上手だ。 k=éaskay ケアㇱカイ 私は(それが)できる/上手だ。 op ka a=eáskay emus ka a=eáskay オㇷ゚ カ アエアㇱカイ エムㇱ カ アエアㇱカイ (引用文中で)私は槍も上手、 刀も上手だ。(S民話) ②(動詞句の後に置かれて)…することができる、 …するのが上手だ、 …することが可能である。 oro ta e=an easkay uske オロ タ エアン エアㇱカイ ウㇱケ あなたがいることのできる場所。(W民話) ☆参考 [否定のつくり方]否定辞 somo ソモ による否定はつくられず否定動詞 eaykap エアイカㇷ゚ が使われる。 ☆参考 askay アㇱカイ[自動]針仕事がよくできる。 eaykap エアイカㇷ゚[他動]…ができない。 下手だ。 {E: ①to be good at… ②to be good at doing ; to be able to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
easpa
エアㇱパ 【他動】[e-aspa それについて・聞こえない] …が聞こえない。 ney ta oka utar ka, asuru easpa ka somo ki nankor ネイ タ オカ ウタㇻ カ、 アスル エアㇱパ カ ソモ キ ナンコㇿ どこの方々でも、 うわさが聞こえないわけではないでしょう。(NK民話) {E: to be unable to hear…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
easurani
エアスラニ 【他動】[e-asur-ani …について・うわさ・を持って行く]…の(危急の)ことを急いで人に知らせる。 arpa wa easurani wa ek! アㇻパ ワ エアスラニ ワ エㇰ! 行って(どろぼうに入られたことを)知らせて来なさい。(S) ☞asurani アスラニ {E: to warn, alert someone about…} (出典:田村、方言:沙流)
eaynukoykipa
エアイヌコイキパ 【他動】[複](単複の区別のない eaynukoyki エアイヌコイキ の用例は未出) …で人を襲う。 eponcisearipa wa kasi oyoko, ne wa an pe po hene eaynukoykipa piske kus pe kimke kus pe koma utaspa エポンチセアリパ ワ カシ オヨコ、 ネ ワ アン ペ ポ ヘネ エアイヌコイキパ ピㇱケ クㇱ ペ キㇺケ クㇱ ペ コマ ウタㇱパ 小屋をつくって(妹を)住まわせて見張っており、 そうやってなおいっそう人を襲い、 浜手の方を通る人も山手の方を通る人も襲ってものを取る。(NK民話) {E: to tease, bully someone over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ecinkar
エチンカㇻ 【他動】(人)に残しておいてあげる。 eci=ecínkar wa k=ánu ruwe un エチエチンカㇻ ワ カヌ ルウェ ウン あなたに食べさせようと残しておいたんだよ。(S) en=ecinkar wa e=anu ya? エネチンカㇻ ワ エアヌ ヤ? (あなたは)私に残しておいてくれたんでしょうか。(S) {E: to put something aside, leave something over (for someone).} (出典:田村、方言:沙流)
ecopnure
エチョㇷ゚ヌレ 【他動】[e-cop-nu-re その頭(顔)・(擬音?)・持つ・させる](人)に(顔に)キスをする。 ☆参考 epannere エパンネレ …の口に口づけする。 cokcoksekar チョㇰチョㇰセカㇻ チュツチュツとキスする。 {E: to kiss someone on the face.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ecorawki
エチョラウキ 【他動】[e-corawki …のことで・攻撃しに行く](…のことで)怒って向かって行く。 {E: to get angry and go to confront someone about…} (出典:田村、方言:沙流)
eeyaypunpapa
エエヤイプンパパ 【他動】[複複](単 eeyaypuni エエヤイプニ は未出)(二人以上が皆で)…のことで人を見下してからかう。 sekor an pe i=eeyaypunpapa セコㇿ アン ペ イエエヤイプンパパ 皆で…ということを言って私をからかった。(W) (K民話) {E: to teasingly look down on someone over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eham
エハㇺ 【他動】(帰ろうとうする人)をひきとめる、 …に食事をして行きなさいと言う、 …に泊まるように勧める。 {E: to hold someone back; ask someone to stay over.} (出典:田村、方言:沙流)
ehawekoyki
エハウェコイキ 【他動】[e-hawekoyki …について・叱りつける](…のこと)で(人)を叱りつける/どなりつける。 {E: to scold someone over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ehawekoykipa
エハウェコイキパ 【他動】[複](ehawekoyki エハウェコイキ は単複の区別なし)(二人以上が皆で)(…のこと)で(人)を叱りつける/どなりつける。 {E: to scold someone over… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ehenipopo
エヘニポポ 【他動】[e-he-nipopo …で・頭(顔)・(?)]…がすっぱくて顔をしかめる。 a=ehénipopo hemanta wakka アエヘニポポ ヘマンタ ワッカ 飲むとすっぱくて顔をしかめる変な水(酢のことを言っている)。(S) {E: to twist one's face on tasting something sour.} (出典:田村、方言:沙流)
ehomaci
エホマチ 【他動】[e-homaci …で・「ほまち」] …をへそくり(「ほまち」)にする、 …を一部分こっそり自分のものにする。 {E: to keep…aside for a rainy day; to keep (a portion of something) as hidden, for oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
ehotkehi
エホッケヒ 【名】[e-hotke-hi (そこ)に・寝る・所]寝床(=ehotke hi エホッケ ヒ) 。 ☆参考 sotki ソッキ 夫婦の寝床。 set セッ 寝台。 ☞ehotke エホッケ {E: a bed; a sleeping place.} (出典:田村、方言:沙流)
eikar
エイカㇻ 【他動】[e-i-kar …で・ものを・つくる(する)] …で(ものごとを)する/つくる。 mak eikar he ki rusuy kusu ene iki humi an? マㇰ エイカㇻ ヘ キ ルスイ クス エネ イキ フミ アン? (兄はあの小刀で)いったい何をしたくてあんなことをしているのだろう。(NK民話) {E: to do, make something with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eiyemkoani/eyyemkoani
エイイェㇺコアニ 【他動】[e-i-emko-ani …で・人・半分・持つ] …を(人に手伝って)一緒に持ってあげる。 k=eyyemkoani ケイイェㇺコアニ 私も一緒に持ってあげる。(S) ☆参考 接頭辞がつくことによって語頭の e エ が高く発音されるときに多く使われる語幹の形。 接頭辞がつかないとき、 および語幹のアクセントを変えない接頭辞(a= ア または eci= エチ)のみがついたときは eyemkoani エイェㇺコアニ という形をとることが多い。 ☞eyemkoani エイェㇺコアニ {E: to help someone by lifting something together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekanay
エカナイ 【名】昔、 もと。 ekanay wano wenkur ka somo ne エカナイ ワノ ウェンクㇽ カ ソモ ネ もとから貧乏人だったのではない。(W民話) ☆参考 この一例しかない。 ekanaywano エカナイワノ で一語か。〔久辞典 ekanai(wa) 以前に、 元から、 元来〕 {E: long ago.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekankar
エカンカㇻ 【他動】悪いことがおこらないうちに予防策を行なう(たとえば草がひどくならないうちに抜く、 おできにならないうちに薬をつける)。(S) {E: to take precautionary measures before something happens } (出典:田村、方言:沙流)
ekanrayenoye
エカンライェノイェ 【他動】家へ入って来たばかりの人に余計なことを言う。(S) {E: to make small-talk with someone who has just entered a house.} (出典:田村、方言:沙流)
ekar
エカㇻ 【複他動】[e-kar …で・つくる(する)] …で…をする、 (人)に…をする。 hemanta e=ekar kusu emus e=seturpeste e=seturpeste? ヘマンタ エエカㇻ クス エムㇱ エセトゥㇽペㇱテ エセトゥㇽペㇱテ? お前は(その刀で)何をするために刀を背中に入れてるんだ、 入れてるんだ。(W言い伝え) tasum kur…tektaksa póka e=ekar wa タスㇺ クㇽ …テㇰタㇰサ ポカ エエカㇻ ワ あなたは病人に(中略)手のマッサージだけでもして。(S会話) {E: to do something to someone; to do…with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekarkar 2
エカㇻカㇻ 【他動】[雅] ①(名詞の後で)(人)に…をする。 teknimawpo k=ékarkar wa テㇰニマウポ ケカㇻカㇻ ワ 私は彼に手の湿布をしてあげて(癒やすために手でさわってあげて)。(W会話) ②(他動詞の中相動名詞形つまり ci-/c- の接頭した形の後にこの ekarkar エカㇻカㇻ の人称形が置かれて)…する。 ci-…k=ékarkar チ…ケカㇻカㇻ 私は …する。 ci-… a=eci=ekarkar チ… アエチエカㇻカㇻ あなたたちが…される。 iteki eytasa ci-horkarutu a=eci=ekárkar kunine イテキ エイタサ チホㇿカルトゥ アエチエカㇻカㇻ クニネ あなたたちは「あんまり差別されてあとへ押されるような理屈をとられるような」ことがないように。(S言い伝え) {E: ①to do…(to someone) ②to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekasnukar
エカㇱヌカㇻ 【他動】[e-kas-nukar …で・(人)の上・を見る] (人)に(もの)を授ける。 to kor kamuy pekanpe haru i=ekasnukar wa kusu a=kotánuhu siknu p ne a kusu ト コㇿ カムイ ペカンペ ハル イエカㇱヌカㇻ ワ クス アコタヌフ シㇰヌㇷ゚ ネ ア クス 湖の神が菱の実という食料を授けてくれたおかげで私たちの村が行きのびられたのだったから。(S会話) {E: to grant…to someone } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekasure
エカスレ 【他動】[e-kasu-re その頭・超過する・させる] …を一部分はみ出させる。 ponno ekasure no kasi omare ポンノ エカスレ ノ カシ オマレ 少しはみ出させてその上にのせなさい。(S) {E: for a part of something to stick out, protrude.} (出典:田村、方言:沙流)
ekasuy
エカスイ 【複他動】[e-kasuy (そのこと)で・(人)を手伝う](人)に(そのこと)を手伝う。 eci=ekásuy hawe ne wa エチエカスイ ハウェ ネ ワ 私はあなたの手伝いをするわ。(S会話) {E: to help, assist someone with something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekatta 2
エカッタ 【接尾】(自動詞をつくる接尾辞の一つ。 接頭辞 ci- とこの接尾辞とで位置名詞をはさむ形で、 少数の決まった語にのみ現われる。) ci-…-ekatta チ…エカッタ 急にまたは激しく…へ行く。 rik リㇰ 上の方;cirikekatta チリケカッタ 急に(上がれとも言わないのに図々しく)上がって来る。 soy ソイ 外;cisoyekatta チソイェカッタ パッと外へ飛び出す。 raw ラウ (水などの)底のほう;cirawekatta チラウェカッタ (目玉が)ギュッとひっこんでいる。 (出典:田村、方言:沙流)
ekawekawe
エカウェカウェ 【他動】[e-kaw-e-kawe …で・(擬音の語根)・(動詞形成)・(重複)](…を食べて)バリバリ音をたてて噛む。 hńta e=ekawekawe humi an? フンタ エエカウェカウェ フミ アン? あなたは何をバリバリ音をたてて噛んでいるの。(S) {E: to chew something with a crunching sound.} (出典:田村、方言:沙流)
ekenkenu
エケンケヌ 【他動】…と覚悟する。 tanto poronno penkiyo an kuni k=ékenkenu kor k=ek タント ポロンノ ペンキヨ アン クニ ケケンケヌ コㇿ ケㇰ 今日はたくさん勉強があると私は覚悟して来た。(S) {E: to resolve oneself to do…; brace oneself for…} (出典:田村、方言:沙流)
ekohawas
エコハワㇱ 【複他動】[e-ko-haw-as …で・に・声が・立つ] …に早く…と一緒になるように言う(?)。 a=i=ékohawas アイエコハワㇱ 私は早く彼と一緒になれと言われた。(NK民話) {E: to tell…to marry…quickly (soon).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekonukosne
エコヌコㇱネ 【複他動】[e-ko-nukosne …について・…に・憎しみをだく](そのこと)について(人)を憎む。 hemanta i=ekonukosne he ki p ene ヘマンタ イエコヌコㇱネ ヘ キㇷ゚ エネ (彼は)何のことで私を憎んであんなふうに…。(W民話) {E: to dislike, hate someone because of something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekoorsutke
エコオㇿスッケ 【複他動】…に…を勧める。 {E: to advise someone something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekopepka
エコペㇷ゚カ 【複他動】(人)の(しわざ)を忘れない。 i=ramkoyki katu a=ekópepka p ne a kusu イラㇺコイキ カトゥ アエコペㇷ゚カㇷ゚ ネ ア クス (兄に)からかわれたのが忘れられないことだったから。(NK民話) {E: to not forget someone's doings.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekopuntek
エコプンテㇰ 【複他動】[e-kopuntek …のことで・…に・喜ぶ](人)の(したこと)を喜ぶ、 …のことで…を歓迎する。 pirka híne e=ek sir an sekor hawean kor i=ekopuntek ピㇼカ ヒネ エエㇰ シㇼ アン セコㇿ ハウェアン コㇿ イエコプンテㇰ 彼は、 よく来たと言って私を歓迎してくれた。(HK民話) {E: to be pleased at…(someone's doings); to welcome…for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekoramkor
エコラㇺコㇿ 【複他動】[e-ko-ram-kor (そのこと)について・(人)に・心を持つ] …について(人)と相談する。 aynu ka kar wa i=kore kunihi a=ekóramkor hike? アイヌ カ カㇻ ワ イコレ クニヒ アエコラㇺコㇿ ヒケ? (大地をつくった神に)人間もつくってくれることを(くれるように)相談してみてはどうだろう。(S言い伝え) {E: to talk with, ask advice from someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekorarpa
エコラㇻパ 【複他動】[複](単 ekorari エコラリ は未出。 あるかどうか不明)[e-ko-rarpa …で・…に・押えつける] …に…を食べなさい食べなさいと押しつける。 e etoranne nankor pe hńta ne e=ekorarpa p an? エ エトランネ ナンコㇿ ペ フンタ ネ エエコラㇻパㇷ゚ アン? 食べたくないかもしれないものを「なにしに」(=何のために)そんなに押しつけるの。(S) {E: to press, force someone to eat.} (出典:田村、方言:沙流)
ekosikkasma
エコシッカㇱマ 【複他動】[e-ko-sikkasma …で・に・保つ](人)のために…を守る。 {E: to defend, protect…(for someone).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekosunke
エコスンケ 【複他動】[e-ko-sunke (こと)について・(人)に・うそをつく] …について(人)にうそをつく/をだます。 {E: to deceive, cheat someone over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekotannere
エコタンネレ 【複他動】(他動詞の使役形)[e-kotan-ne-re (そこ)で・村・である・させる](人)を…の村に住まわせる。 {E: to make someone live in the village of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekoyakkoyak
エコヤッコヤㇰ 【自動】[e-koyak-koyak その頭(一部分)・(擬音)・(重複)](樽の中の水がゆれて)ガボン、 ジャボンと音がする。 ekoyakkoyak humi as エコヤッコヤㇰ フミ アㇱ ガボン、 ジャボンと音がする。 {E: the sound of water swashing in a barrel.} (出典:田村、方言:沙流)
ekoyayirayke
エコヤイライケ 【複他動】[e-ko-yayirayke (人)に・(こと)について・感謝する] …に…を感謝する。 ☆発音 早く言うときは i イ が落ちて ekoyayrayke エコヤイライケ と発音される。 {E: to be grateful, thankful to someone for something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekoykar
エコイカㇻ 【他動(複他?)】[e-ko-i-kar …に関して・…に・ものごとを・する]…に従う、 反対しない。 kotankorkur purihi aynu opitta ekoykar コタンコㇿクㇽ プリヒ アイヌ オピッタ エコイカㇻ 村長(むらおさ)のやり方には人はだれも反対しない。(S) ☞koykar コイカㇻ {E: to follow…; not disobey…} (出典:田村、方言:沙流)
ekoymokokor
エコイモココㇿ 【複他動】[e-ko-imoko(< imoka)-kor …で・(人)に・みやげ・を持つ](人)に(もの)をみやげに持っていく。 ☆参考 imoka イモカ みやげ。 {E: to take a gift to someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekoymokokorpa
エコイモココㇿパ 【他動】[複](ekoymokokor エコイモココㇿ は単複の区別なし)(二人以上が皆)(人)に(もの)をみやげに持って行く。 {E: to take a gift to someone (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekoyok
エコヨㇰ 【複他動】[e-ko-iyok …で・…に・商売する](…を)(…に)売る。 iyapo eyyok kopan wa somo a=e=ékoyok na, sekor a=ye hike? イヤポ エイヨㇰ コパン マ ソモ アエエコヨㇰ ナ、 セコㇿ アイェ ヒケ? 父が売るのをいやだと言うからあなたに売らないよと言いましょうか? (S) {E: to sell something to someone} (出典:田村、方言:沙流)
ekte
エㇰテ 【他動】[単](複は arkire アㇻキレ)[ek-te 来る・させる] 来させる、 よこす。 aynu ottena i=sam un ekte yan アイヌ オッテナ イサムン エㇰテ ヤン アイヌのだんなを私のそばによこしなさい。(S民話) toan pe ekte トアン ペ エㇰテ それを取って(そこにあるものを取って私のところに持って来てくれ)。(W) ☆参考 このような場合の「取って」に uk ウㇰ は使わない。 uk ウㇰ は受け取ったり奪ったりして自分のものにすること。 {E: to make someone come.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekucasanke
エクチャサンケ 【他動】[e-kuca-sanke (人)と一緒に・狩小屋・を出す](人)と一緒に山猟から家に帰る。 {E: to return home with someone from hunting in the mountains.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekupa
エクパ 【他動】[e-kupa その一部・をかむ]口にくわえる。 ☞kupa クパ {E: to hold something in, by the mouth.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekuriante
エクリアンテ 【他動】[単][e-kuri-an-te (それ)について・その影を・ある・させる](人)を…のことで陰で笑う。 ☞kuri ante クリ アンテ {E: to laugh behind someone's back about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekusna
エクㇱナ 【自動】[e-kus-na その頭が・向こう側・の方へ(行く)](?) 行き着く、 届く。 ne ekusna hi he an un? ソネ エクㇱナ ヒ ヘ アヌン? 本当に向こうへ届くだろうか? (S) {E: to arrive; reach.} (出典:田村、方言:沙流)
emarattokor
エマラットコㇿ 【他動】[e-marattokor …で・酒宴を催す] …でごちそうする、 …で宴会をする。 néa a=kor sake a=emárattokor ネア アコㇿ サケ アエマラットコㇿ 私はその私の酒で酒宴を催した。(W民話) {E: to treat someone to a feast etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
emeske
エメㇱケ 【自動】[e-meske その頭/一部・もげる] 上部/一部がもげる/欠ける、(茶わんや鍋などが)欠ける。 mimaki emeske ミマキ エメㇱケ 歯が虫歯になって(欠けて)いる。(W) {E: for a part of something to be missing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
emkokusu
エㇺコクス 【後副(?)】[半分・のために]そのために、 それの影響で(?)。 emkokusu/cási upsor/tónon sukus/cieomare/semkoraci エㇺコクス/チャシ ウㇷ゚ソㇿ/トノン スクㇱ/チエオマレ/セㇺコラチ [雅]そのために城の中はまるで昼の光に照らされているかのように…。(Sユーカラ) ☆参考 emko エㇺコ 1《半分》や emko エㇺコ 2《川のずっと上流の方》などと関係があるのか不明。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
emotare
エモタレ 【他動】[自動使役][emota-re いも掘りする・させる](人)にいも(じゃがいも)掘りをさせる。 {E: to make someone dig potatoes.} (出典:田村、方言:沙流)
emoykokarke
エモイコカㇻケ 【自動(?)】[e-moy-ko-kar-ke その頭が・渦・と共に・(回ることを表す語根)・(自動詞形成)]渦に巻かれてグルグル回る。 moy or osma wa a=ciwkorari wa hetuku ka somo ki, emoykokarke kor an モヨㇿ オㇱマ ワ アチウコラリ ワ ヘトゥク カ ソモ キ、 エモイコカㇻケ コラン 渦に巻き込まれてまん中に入って下へひっぱられて出られず渦巻きと一緒にクルクル回っている。(S) henpara suy emoykokarke kor an wa suke okere kusu? ヘンパラ スイ エモイコカㇻケ コラン マ スケ オケレ クス? また渦巻きと一緒にグルグル回っていていつごはんのしたくが終わるのだろう(いつまでもはかがいかないことに対する悪口)。(S) {E: to be caught in a whirlpool.} (出典:田村、方言:沙流)
en= 2
エン 【人接】[主語二人称単数、 目的語一人称単数] あなたが私を/に。 ku=saha e=ne wa ene en=koysoytak クサハ エネ ワ エネ エンコイソイタㇰ 私の姉であるあなたがこう私に話してくれた。(S会話) en=rekreku eaykap エンレㇰレク エアイカㇷ゚ あなたは私になぞなぞの問題を出すことができない。(S会話) {E: you (second person singular subject).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
enipekoma
エニペコマ 【自動】[e-nipek-oma そこに・光・入る][雅]光り輝く。 cási upsor/enipekoma チャシ ウㇷ゚ソㇿ/エニペコマ [雅]城の中は光り輝いていた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
éno
エノ 【他動】[e-no …を食べる・よく…する] …を好きでいつもよく食べる。 k=éno p ne korka tap anak ku=honi sik wa somo k=e ケノㇷ゚ ネ コㇿカ タㇷ゚ アナㇰ クホニ シㇰ ワ ソモ ケ いつも好きで食べるんだけど今はおなかがいっぱいだから食べない。(S) {E: to indulge in one's favourite food.} (出典:田村、方言:沙流)
enupetne
エヌペッネ 【他動】(人)に久しぶりに会ってなつかしがって喜ぶ。 {E: to be joyed at meeting someone after a long time.} (出典:田村、方言:沙流)
enuray
エヌライ 【他動】…が汚いので驚きいやがる。 k=énuray wa k=énucisiske ケヌライ ワ ケヌチシㇱケ 私は彼の汚いのに驚いてじっと見つめていた。 a=enúray no okay pe yayosirkonoypa wa oka アエヌライ ノ オカイ ペ ヤヨシㇼコノイパ ワ オカ 彼は汚くて人にいやがられるのにいつまでも出て行かない。 {E: to be disgusted at something dirty.} (出典:田村、方言:沙流)
enuypa
エヌイパ 【複他動】[複](nuypa ヌイパ の単は nuye ヌイェ)[e-nuypa (そこ)に・…を書く[複]](そこ)に…を書く。 ta a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enúypa wa oka yakun タ アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン 今ここで私たちが言った言葉が二ページか三ページの紙の上に書かれていれば。(W会話) {E: to write…on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eoha
エオハ 【自動】[e-oha その一部・からっぽである]いっぱいでない、 (比喩的に)頭が(知力が)足りない。 toanpe sik somo ki, ponno eoha p ne wa トアンペ シㇰ ソモ キ、 ポンノ エオハㇷ゚ ネ ワ あいついっぱいでない、 少し足りないんだ(悪口)。(S) ☞oha オハ {E: to be lacking; insufficent; dull (not smart).} (出典:田村、方言:沙流)
eopirasa
エオピラサ 【複他動】[e-o-pirasa …で・(そこ)で・…を広げる](次のような文脈で)sikurkasam eopirasa シクㇽカサㇺ エオピラサ [雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/a=sikúrkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクㇽカサㇺ/エオピラサ [雅]立派な小袖を私は自分の体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ) ☆参考 ふしをつけずに語っている中では、 e- エ をつけず sikurkasam opirasa シクㇽカサㇺ オピラサ とも言っている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eosiraye
エオシライェ 【他動】[e-o-si-raye …に・…に・自分・を行かせる][雅](次のような慣用表現の中で) …に行く。 soywasamma/eosiraye ソイワサンマ/エオシライェ [雅](彼は)外へ出て行った。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epakasnu
エパカㇱヌ 【複他動】[e-pakasnu (それ)について・教える] …に…を教える。 {E: to teach someone something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epakasnupa
エパカㇱヌパ 【複他動】(epakasnu エパカㇱヌ は単複の区別なし)(二人以上が皆) …に…を教える。 a=epákasnupa アエパカㇱヌパ (二人以上が皆)教えられる。 {E: to teach someone something (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epakewsawot
エパケウサウオッ 【自動(?)】間違ったことを言う。 eani anak oar e=epakewsawot hawe ne wa エアニ アナㇰ オアㇻ エエパケウサウォッ ハウェ ネ ワ あなたは全く間違ったことを言っているんだよ。(S) {E: to say something that is mistaken, wrong.} (出典:田村、方言:沙流)
epakoat
エパコアッ 【他動】[e-pa-ko-at …について・口・…に・たくさん出てくる]問題にされる、 罪にとわれる、 罰を与えられる。 {E: to be blamed for something.} (出典:田村、方言:沙流)
epannere
エパンネレ 【他動】[e-par-ne-re その頭・口・である(?)・させる](直訳すると)…を口のところに行かせる=…に口づけする、 口に口を寄せる。 néa a=kor poyson a=ecópnure a=epánnere kor ネア アコㇿ ポイソン アエチョㇷ゚ヌレ アエパンネレ コㇿ 私はその赤ちゃんの顔にキスしたり口元にキスしたりしながら。(W民話) ☆参考 ecopnure エチョㇷ゚ヌレ 顔にキスする。 cokcoksekar チョㇰチョㇰセカㇻ 何回もキスする。 {E: to kiss…on the lips.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epapispisatte
エパピㇱピサッテ 【他動】[e-pa-pispis-at-te …について・口・ヒソヒソ(擬音重複)・たくさん出てくる・させる]…についてコソコソしゃべる。 {E: to talk secretly about something, someone} (出典:田村、方言:沙流)
epare
エパレ 【複他動】[他動使役][epa-re (そこ)に着く・させる] (人)を…に到着させる。 {E: to make, let something, someone arrive at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eparkayne
エパㇻカイネ 【自動】ふたがあけっぱなしである。 amam oma su eparkayne wa an アマㇺ オマ ス エパㇻカイネ ワ アン ごはんの入った鍋のふたがあけっぱなしになっている。(S) {E: to leave a lid, cover off something.} (出典:田村、方言:沙流)
epawsi 1
エパウシ 【他動】[e-pa-usi そこへ・口・を…につける(?)] …をねだる。 toan ta an a p epawsi wa ora ku=kore a p un トアン タ アン アㇷ゚ エパウシ ワ オラ クコレ アㇷ゚ ウン そこにあったものを(彼が)くれくれと言うのであげてしまったんだよ。(S) {E: to ask a person to…} (出典:田村、方言:沙流)
epentursere
エペントゥㇽセレ 【他動】[e-pen-turse-re その頭・上へ(?)・落ちる・させる](…の首)を切り落とす。 rekuci epentursere レクチ エペントゥㇽセレ その(熊の)首を切り落とす。 {E: to cut off someone's head.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epinupinu
エピヌピヌ 【他動】[e-pinupinu (そのこと)で・ヒソヒソささやく](そのこと)をささやく。 {E: to murmur about something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epirma
エピㇼマ 【複他動】[e-pirma …について・警告する](人)に(…のこと)をそっと警告する。 i=epirma hawe ne yakun a=kocánupkor イエピㇼマ ハウェ ネ ヤクン アコチャヌㇷ゚コㇿ 私たちにそう言って教えてくれるんだから警戒しよう。(S) ☆発音 エピㇽマ と発音する。 {E: to quietly warn someone of something.} (出典:田村、方言:沙流)
eponciseanu
エポンチセアヌ 【他動】[e-poncise-anu (人)のことで・小屋を・置く](人)のために小屋をつくって住まわせている。 a=wenmatnepo weysiyeye wa, kotan apapa ta a=epónciseanu アウェンマッネポ ウェイシイェイェ ワ、 コタン アパパ タ アエポンチセアヌ 私のふつつかな娘が悪い病気になって、 村の入り口に小屋をたてて住まわせています。(NK民話) ☆参考 eponcisekar エポンチセカㇻ とも言う。 {E: to build a hut for someone to live in.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eponcisearipa
エポンチセアリパ 【他動】[複複](単は eponciseanu エポンチセアヌ)(二人以上が皆で)…のために小屋をつくって住まわせる。 {E: to build a hut for someone to live in (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epotara 2
エポタラ 【他動】[e-potara …のことを・まじなう](人)におはらいする/たたりをはらう/まじないをする。 a=epótara ayne pirka アエポタラ アイネ ピㇼカ (気の狂った人が)まじなってもらって治った。(S) {E: to purify someone; use a charm on someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eppo
エッポ 【名】[e-p-po 食べる・もの・(指小辞)]([< aep-po 食べ物・(指小辞)]か。)[幼]まんま(食べ物の幼児語、 ごはんでもいもでも)。 túːnas eppoː cíːciː poyson eː トゥーナㇱ エッポー チーチー ポイソン エー はーやく、 おいもー、 焼けろー、 ぼうやが、 食べるー(このように節(ふし)をつけて歌いながらいもを焼く)。(S) ☆参考 ep エㇷ゚ …が食べるもの。 aep アエㇷ゚ 食べ物。 {E: baby tallk for food.} (出典:田村、方言:沙流)
eraman
エラマン 【他動】[e-ramu-an …について・心・ある](沙流川中流以下・鵡川下流の形、 沙流川中流および他の多くの地方では eramuan エラムアン と言う。) ①…がわかる、 …を知(ってい)る、 覚える。 “ukasuy wa ewetastasa ka somo ki no ranma upakno moymoyke wa iki p e=eraman?” “k=éraman” 「ウカスイ ワ エウェタㇱタサ カ ソモ キ ノ ランマ ウパㇰノ モイモイケ ワ イキㇷ゚ エエラマン?」 「ケラマン」 「…助け合って決して行き違いにならないでいつも同じくらい動いているもの、 (あなた)わかる?」 「(私)わかるよ。」 (S-W会話) ②(動詞句の後で)…するすべを知っている。 ③eraman no エラマン ノ 気をつけて。 a=eráman no imek=an kor pirka p ne na アエラマン ノ イメㇰアン コㇿ ピㇼカㇷ゚ ネ ナ 気をつけてお膳(ぜん)を運んだらいいんだから(=…運ぶようにしなさいね)。(S) ☆参考 [否定のつくり方] 否定辞 somo ソモ による否定はつくられず、 否定動詞 erampewtek エランペウテㇰ が使われる。 ☞erampewtek エランペウテㇰ {E ①to know, understand, remember… ②to know everything of, about… ③be careful.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eramaspa
エラマㇱパ 【他動】[複](単は eramasu エラマス)皆でおもしろく思う。 nep ka sinnayno oka a=erámaspa p hene oka wa ne kunak ku=ramu ネㇷ゚ カ シンナイノ オカ アエラマㇱパㇷ゚ ヘネ オカ ワ ネ クナㇰ クラム 何か変わったおもしろいものでもあるからかと思った。(S) {E: for everyone to think that something is funny.} (出典:田村、方言:沙流)
eramiskari
エラミㇱカリ 【他動】[否定動詞] ①(人)を知らない(見知らない)、 おぼえがない。 siketoknawa a=erámiskari okkaypo sinep soy ta ek na シケトㇰナワ アエラミㇱカリ オッカイポ シネㇷ゚ ソイ タ エㇰ ナ 全然知らない(見覚えのない)若い男が一人、 門口に来ています。(W言い伝え) ku=mokorkasu wa sir-onuman ya ka k=éramiskari クモコㇿカス ワ シロヌマン ヤ カ ケラミㇱカリ 寝すぎて晩になったのもわからなかった。(S) ②(動詞句の後に置かれて)…したことがない。 k=arpa ka eramiskari カㇻパ カ エラミㇱカリ 私は行ったことがない。(W会話) ☆対語 肯定は amkir アㇺキㇼ。 ☆参考 erampewtek エランペウテㇰ …がわからない、 …を知らない(知識がない)。 ☞amkir アㇺキㇼ、 erampewtek エランペウテㇰ {E: to not know, remember, recall…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erampewtek
エランペウテㇰ 【他動】[否定動詞](肯定は eraman エラマン、 eramuan エラムアン) ①…がわからない、 …を知らない(知識がない)。 ene iki wa okay pe a=ne hi ka a=erámpewtek no エネ イキ ワ オカイ ペ アネ ヒ カ アエランペウテㇰ ノ 私たちがどうしてこのようにして暮らしているのかも(私)はわからずに。(W民話) “…hńta ne? e=eraman?” “hemanta ene katuhu an hi an? oar tap k=érampewtek” 「…フンタ ネ? エエラマン?」 「ヘマンタ エネ カトゥフ アニ アン? オアッ タㇷ゚ ケランペウテㇰ」「…は何だ? (あなた)わかる?」「何がそんなへんてこなんでしょう、 全然わからない。 」 (S-W会話) ②(動詞句の後に置かれて)…するすべがわからない(ためにできない)。 oro wa sipiraspa wa nérok aynu a=ne humi sekor yaynu ka erampewtek kor oka ruwe tasi ne nankor nek sekor… オロ ワ シピラㇱパ ワ ネロㇰ アイヌ アネ フミ セコㇿ ヤイヌ カ エランペウテㇰ コㇿ オカ ルウェ タシ ネ ナンコン ネㇰ セコㇿ… そこから広がってそのアイヌが私たちなのだと思うこともわからなく(=できなく)なってきているのだろうさ、 と… (S独話) ☆対語 肯定は eraman エラマン、 eramuan エラムアン。 ☆参考 人を知らないこと、 見覚えがないことは eramiskari エラミㇱカリ ☞eraman エラマン、 eramuan エラムアン、 eramiskari エラミㇱカリ {E: ①to not understand, know… ②don't know anything about…(so one can't do it due to that).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erampokiwen
エランポキウェン 【他動】[e-ram-poki-wen …で・心・その下・悪い] …を憐れむ、 …をかわいそうに思う。 …sekor kesto ci=ye a ci=ye a kor, os k=érampokiwen …セコㇿ ケㇱト チイェ ア チイェ ア コㇿ、 オㇱ ケランポキウェン …と毎日私たちは言っていて、 その後になって私は(坊やが)かわいそうになった。(W独話) pirka kewtum kor pon weysisam anakne kamuy erampokiwen wa nispa ne ピㇼカ ケウトゥㇺ コㇿ ポン ウェイシサㇺ アナㇰネ カムイ エランポキウェン マ ニㇱパ ネ 気だてのよい小さな貧乏和人は神が憐れんでくれて裕福になった。(S民話) ☆参考 erampokwen エランポㇰウェン とも言う。 {E: to pity, feel sorry for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erampokiwenpa
エランポキウェンパ 【他動】[複](erampokiwen エランポキウェン は単複の区別なし)(二人以上が/を皆)憐れむ/かわいそうに思う。 {E: to pity, feel sorry for…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eramu-ikurkuru
エラムイクㇽクル 【他動】[e-ramu-i-kurkur-u …で・心[所]・ものを・(擬態重複)・(他動詞形成)]…が気にかかる、 …を心配する。 X eramu ka ikurkuru X エラム カ イクㇽクル Xさんがそのことを案じている。(W) k=éramu-ikurkuru ケラムイクㇽクル 私はそのことが気がかりだ。 ☆参考 eramu エラム のあとに助詞 ka カ《も》が入ることもある。 {E: to have someone, something on one's mind.} (出典:田村、方言:沙流)
eramuan
エラムアン 【他動】[単](複は eramuoka エラムオカ)(一人が)…がわかる、 …を知(ってい)る(知識がある)、 覚える。 e=eramuan? エエラムアン? あなたは(このことを)わかりますか/知っていますか/覚えていますか? k=éramuan ケラムアン 私は(そのことを)わかります/知っています/覚えています。 ☆参考 沙流川中流以下および鵡川(下流)では eraman エラマン と言う。 ☆参考 [否定のつくり方]否定辞 somo ソモ を使わず、 否定動詞 erampewtek エランペウテㇰ を使う。 ☆参考 人を知っている(知人である、 見覚えがある)ことは amkir アㇺキㇼ。 ☞eraman エラマン、 erampewtek エラㇺペウテㇰ、 amkir アㇺキㇼ {E: to understand, know, remember…} (出典:田村、方言:沙流)
eramucak
エラムチャㇰ 【他動】[e-ramu-cak …で・その心[所]・はじける]気持ちが悪い。 aː k=éramucak! ああ気持ち悪い(外を掃いていて木の皮をどけたらミミズがいっぱい出てきたとき)。(S) {E: to feel sick, disgusted due to seeing something dirty.} (出典:田村、方言:沙流)
eramucuptek
エラムチュㇷ゚テㇰ 【他動】[e-ramu-cup-tek …で・心[所]・(すぼむことを表す語根)・ちょっと…する]…で心細い。 e=utari opitta ikutasa wa isampa wa sinenne e=an wa somo e=eramucuptek? エウタリ オピッタ イクタサ ワ イサンパ ワ シネンネ エアン マ ソモ エエラムチュㇷ゚テㇰ? 家じゅうみんな招待されて行ってしまってあなた一人でいて心細くないかい? (S) k=éramucuptek korka onuman k=útari sap nankor ケラムチュㇷ゚テㇰ コㇿカ オヌマン クタリ サㇷ゚ ナンコㇿ 心細いけれど夕方には家の人たちが(川上の方から)帰って来るでしょう。(S) {E: to be lonely over…} (出典:田村、方言:沙流)
eramuhawke
エラムハウケ 【他動】[e-ramu-hawke …で・心[所]・おだやかである]…をかわいそうに思う。 {E: to feel sorry or have pity for…} (出典:田村、方言:沙流)
eramunupekus
エラムヌペクㇱ 【他動】[e-ramu-núpe-kus …で・心[所]・涙・…を通る]…を悲しむ。 {E: to feel sad over…; feel sorry for…} (出典:田村、方言:沙流)
erankarap
エランカラㇷ゚ 【他動】[e-rankarap (人)と・あいさつする](人)にあいさつする。 k=arpa híne k=a akusu en=erankarap uwerankarap=as カㇻパ ヒネ カ アクス エネランカラㇷ゚ ウウェランカラㇷ゚アㇱ 私が行って座ると家の主人が私にあいさつし、 家の主人と私とがお互いにあいさつをかわした。(S) ☆参考 家の主人(cisekorkur チセコㇿクㇽ)が先にあいさつする。(S) ☆参考 uwerankarap ウウェランカラㇷ゚ 互いにあいさつし合う。 ☞rankarap ランカラㇷ゚ {E: to greet someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eraske
エラㇱケ 【他動】[e-ras-ke その頭/先端・切れ端・を削る(?)]…のいらない所を切りとる。 citarpe eraske チタㇻペ エラㇱケ ござの端のいらない所を切りとってまっすぐにそろえる。(S) ☆参考 髪の毛のことには言わない。(S) ☆参考 etuye エトゥイェ (髪など)の先を切る。 {E: to cut off the unneeded portion of something (eg. matting.).} (出典:田村、方言:沙流)
eratkus
エラックㇱ 【自動】[e-rat-kus その頭/顔・粘液・…を通る] よだれをたらす。 toan poyson eratkus トアン ポイソン エラックㇱ あの子よだれをたらしている。(W) eratkus kor patek an エラックㇱ コㇿ パテㇰ アン しょっちゅうよだれをたらしている。(S) {E: to drool; dribble.} (出典:田村、方言:沙流)
ére 1
エレ 【複他動】[他動使役] [e-re …を食べる・させる] …に…を食べさせる、 …に(食べもの)を与える。 {E: to feed someone something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ereko
エレコ 【他動】[e-reko (そのこと)で・名づける](そのこと)で…を名づける。 níkaypa nínoye wa patek apekor apekur pe ne wakusu a=eréko katu Níkekke-wenkur Nínoye-wenkur sekor a=reko okkaypo an wa ニカイパ ニノイェ ワ パテㇰ アペコㇿ アペクㇽ ペ ネ ワクス アエレコ カトゥ ニケッケウェンクㇽ ニノイェウェンクㇽ セコㇿ アレコ オッカイポ アン マ (貧しくて刃物もないので)木を折り木をねじり切って火をたいていたのでそのことから名づけて「木折り貧乏人木ねじり貧乏人」と呼ばれている若い男がいて。(W民話) {E: to give someone, something a name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erekus
エレクㇱ 【名】[e-rek-us その頭(顔)・ひげ・(そこ)に生えている][動物]①タラ。 ②(あだなとして)ドジョウ。 aynu or ta/paye=as ki kor/erekus erekus sekor/a=i=yé ki wa/iruska=as kus/santa soasosomo ci=ye wa アイヌ オッタ/パイェアㇱ キ コㇿ/エレクㇱ エレクㇱ セコㇿ/アイイェ キ ワ/イルㇱカアㇱ クㇱ/サンタ ソアソ/ソモ チイェ ワ 人間のところに行くと「ひげ生え、 ひげ生え」と言われるので腹が立つから言わない(聞かれたことを教えてやらない)よ(ドジョウが言っている)。(W神謡K)〔知分類 p.66〕 {E: a cod fish.} (出典:田村、方言:沙流)
érepa
エレパ 【複他動】[他動使役][複](ére エレ は単複の区別なし)(二人以上の皆が/に)…に…を食べさせる。 rur takup i=erepa ルッ タクㇷ゚ イエレパ 彼らは私におつゆしか食べさせてくれなかった。(W民話) ☆発音 ere pa エレ パ《…で三年》とはアクセントが違う。 {E: to feed someone something (pl).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erum 1
エルㇺ 【名】矢の先の毒を入れるところ。 ay etupsi surku a=o uske a=ye katuhu erum, ermu anak cikoykip ne ruwe ne アイ エトゥㇷ゚シ スㇽク アオ ウㇱケ アイェ カトゥフ エルㇺ、 エㇾム アナㇰ チコイキㇷ゚ ネ ルウェ ネ 矢の先の毒を入れる所を言う言い方が エルㇺ で、 エㇾム (発音は エㇽム)《ネズミ》は獣(けもの)です。(W) {E: the place on the end of an arrow for poison.} (出典:田村、方言:沙流)
erusa
エルサ 【複他動】…に…を貸す(お金、 米、 宝器等ではなく普通の品物を)。 en=erusa エネルサ (それを)貸して下さい。 ☆参考 普通の品物を借りることは etun エトゥン。 esouk エソウㇰ はお金、 米、 宝器など借財となるようなものを借りることを言い、 esoukte エソウㇰテ はそのようなものを貸すことを言う。 ☞esoukte エソウㇰテ、 etun エトゥン {E: to lend s.o…} (出典:田村、方言:沙流)
esanpesituri
エサンペシトゥリ 【他動】[e-sanpe-situri …で・心臓(=心)・伸びる] …で気が晴れる、 …で気分がよくなる、 …で気持ちがいい。 toan ponmenoko pirka mokor ki wa an, esanpesituri nankor トアン ポンメノコ ピㇼカ モコㇿ キ ワ アン、 エサンペシトゥリ ナンコㇿ あの娘さんよく眠っている。 よっぽど気持ちがいいんでしょうねえ。(W) soy péka kú=iki wa asir réra ku=seru, níya húra ku=seru, síno k=ésanpesituri ソイ ペカ クイキ ワ アシンレラ クセル、 ニヤ フラ クセル、 シノ ケサンペシトゥリ 私は外にいて(外で何かをして、 外の仕事をして)新鮮な空気を吸い、 木の芽の匂いを吸い、 たいそう気持ちがよくなった。(S) a=ye wa a=esánpesituri アイェ ワ アエサンペシトゥリ 私はしゃべって気が晴れた。(S民話) {E: to feel good, light about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esikasike
エシカシケ 【他動】…のことをしらばくれる、 (したこと)を知らないと言う(「はっきり『しなかった』と言わず、 小さい声で『わたしそんなことしらないよー』と言う」)。(S) iteki esikaske no an koraci ye イテキ エシカㇱケ ノ アン コラチ イェ 知らないと言わないで正直に言いなさい。(S) kotca esikasike コッチャ エシカシケ (人)のしたことを(その人をかばって)しなかったように言う。 ☆発音 しばしば s のあとの i が落ちて eskáske エㇱカㇱケ と言う。 {E: to pretend not to know something.} (出典:田村、方言:沙流)
esikasuyar
エシカスヤㇻ 【他動】[e-si-kasuy-ar (そのこと)で・自分を・手伝う・人にしてもらう] …することを人に手伝わせる/手伝ってもらう。 {E: to make someone help with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esikopakoinkare
エシコパコインカレ 【他動】[e-si-kopak-o-inkar-e (そのこと)で・自分・の方・に・見る・させる] 見てもらう。 hanke tuyma nispa utar a=esíkopakoinkare yakka wen ハンケ トゥイマ ニㇱパ ウタㇻ アエシコパコインカレ ヤッカ ウェン 私は近くの長者や遠くの長者などほうぼうの長者がたに頼んで(娘)見てもらったがだめだった。(NK民話) {E: to have someone look at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esikte
エシㇰテ 【複他動】[e-sik-te …で・満ちる・させる] …を…でいっぱいにする。 saranip or usa okay pe esikte wa kore サラニㇷ゚ オㇿ ウサ オカイ ペ エシㇰテ ワ コレ 手さげの中にいろいろなものをいっぱい入れてあげなさい。(S) amam saranip oro a=esíkte wa a=anú ro アマㇺ サラニㇷ゚ オロ アエシㇰテ ワ アアヌ ロ 米をかますにいっぱい入れておこう。(S) senriyopako pu a=esíkte wa an a p センリヨパコ プ アエシㇰテ ワ アナㇷ゚ 千両箱が倉にいっぱい入れてあったのだが。(W民話) {E: to fill something up with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esipinpa
エシピンパ 【他動】[複](単は esipine エシピネ)[e-sipinpa …で・衣類を身につける[複]](二つ以上の衣類)を身につける、 …で身支度する。 usa okaype esipinpa wa soyne ウサ オカイペ エシピンパ ワ ソイネ いろいろなものを身につけて支度して外出する。(S) {E: to put on clothes; get ready for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esirkopaste
エシㇼコパㇱテ 【他動】[e-sir-kopaste その頭・あたり・にもたせかける]…をもたせかける。 a=esírkopaste no kar wa etoyta アエシㇼコパㇱテ ノ カㇻ ワ エトイタ もたせかけて植えなさい。 {E: to rest, lean something against something.} (出典:田村、方言:沙流)
esirutum
エシルトゥㇺ 【名】[接頭+位名][e-si-ru-tum …で・自分・すじ(髪)・の中](次の表現で)esirutum ta nuyna エシルトゥㇺ タ ヌイナ[雅]…を頭飾りをかぶって自分の中に隠す。 nupur pe ne/nupur cannoye p/esirutum ta/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプッ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺ タ/ヌイナ カネ [雅]本当に霊力のあるものだがその現れを頭飾りをかぶって自分の中に隠して。(Sユーカラ語り) ☆参考 同じことを同じ歌い手が別のところで esirutumka-nuyna エシルトゥㇺカヌイナ、 esirutumka-seske エシルトゥㇺカセㇱケ とも言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esirutumka-nuyna
エシルトゥㇺカヌイナ 【他動】[e-si-ru-tum-ka-nuyna …に・自分・すじ(髪)・の中・の上(?)・…を隠す][雅]頭飾りをかぶって…を自分の中に隠す。 nupur pe ne/nupur cannoye p/esirutumka/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/ヌイナ カネ [雅]本当に霊力のあるものだが霊力の現れを自分の中に隠して。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 ka は副助詞《も》で、 この動詞自体は esirutum-nuyna エシルトゥㇺヌイナ かもしれない。 ☆参考 同じユーカラの語りの中で、 同じことを esirutum ta nuyna エシルトゥㇺ タ ヌイナ と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esirutumka-seske
エシルトゥㇺカ セㇱケ 【他動】[e-si-ru-tum-ka-seske …に・自分・髪・の中・も(?)・おおう][雅]頭飾りをかぶって…を自分の中に隠す。 nupur pe ne/nupur cannoye p/esirutumka/seske kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/セㇱケ カネ [雅]霊力のあるものにまちがいない、 霊力があるものであることを頭かざりをかぶっておおいかくしている。(Sユーカラ) ☆参考 ka カ は副助詞《も》で、 この動詞自体は esirutum seske エシルトゥㇺ セㇱケ かもしれない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esiseturka-terkere
エシセトゥㇽカテㇾケレ 【他動】[e-si-setur-ka-terke-re …に・自分の・背中・の上・跳ぶ・させる](おんぶするために赤ん坊)を自分の着物の背中へスポーンと入れる。 asinuma anak néa poyson a=esíseturkaterkere a=kay pakkay=an híne アシヌマ アナㇰ ネア ポイソン アエシセトゥㇽカテㇾケレ アカイ パッカイアン ヒネ 私はその坊やを自分の着物の背中にスポーンと入れておぶい、 おんぶして。(W民話) {E: to put a baby underneath the clothing on one's back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esiyetaypa
エシイェタイパ 【他動】[複](単は esiyetaye エシイェタイェ)(二つ以上の)…で自分を引っぱる、 (二つ以上の)…を引き寄せる。 {E: to pull oneself up with…; get someone's attention (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etarka
エタㇻカ 【副】やたらに、 むやみに、 うっかり(考えなしによくないことを)。 etarka nep ne yakka ukoparorarpa kor ora honihi arka yak ye エタㇻカ ネㇷ゚ ネ ヤッカ ウコパロラㇻパ コㇿ オラ ホニヒ アㇻカ ヤㇰ イェ 彼はやたらになんでも口に入れてこんどおなかが痛いと言う。(S) etarka iki ka somo ki, hawean ka somo ki エタㇻカ イキ カ ソモ キ、 ハウェアン カ ソモ キ (彼は)やたらなことをしもしない、 言いもしない。(S) {E: thoughtlessly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etemkorasi
エテㇺコラシ 【他動】[e-temkor-(e-)asi …に・腕の中・に・立てる](酔って寝た人)を起こそうとしてたなぐ(=持ち上げる)。 {E: to pick up someonewho has fallen asleep drunk.} (出典:田村、方言:沙流)
etok 2
エトㇰ 【位名】[< etok1](pet ペッ《川》、 nay ナイ《沢》などの後に置かれ、 しばしば一語になって)(河川)のいちばん奥、 水源地。 petetok ペテトㇰ 川の水源地。 nayetok ナイェトㇰ 沢の水源地。 {E: the source of (a river).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etoko orke
エトコ オㇿケ 【位名】[雅]その前に。 makan katkor pe/sapte kuni/etoko orke/tapan kamuy maw/ketusi upsor wa マカン カッコㇿ ペ/サㇷ゚テ クニ/エトコ オㇿケ/タパン カムイ マウ/ケトゥシ ウㇷ゚ソㇿ ワ [雅]どのようなものを出すのか、 出す前に神風がながもちの中から…。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etoko(ho)
エトコ(ホ) 【位名】[所](概は etok エトㇰ) ①…の先、 前。 etoko ta anak siyeye nukar kur ne a korka tane anak somo no an エトコ タ アナㇰ シイェイェ ヌカㇻ クㇽ ネ ア コㇿカ タネ アナㇰ ソモ ノ アン (彼は)以前には病気を見る人(=医者)だったけれど今はそれはやめている。(S) etoko un cup エトコ ウン チュㇷ゚ 前の月。 etoko un to エトコ ウン ト 前の日。 ②(河川)のいちばん奥、 水源地。 petetoko(ho) ペテトコ(ホ) その川すじ/その集落の川の水源地。 a=kor Sar kotan petetokoho アコㇿ サㇻ コタン ペテトコホ 私たちの沙流川流域集落の川の水源地。(W民話) nayetoko(ho) ナイェトコ(ホ) その沢すじ/その地域の沢の水源地。 yu etoko ユ エトコ 温泉の水源。 ruetoko/ruwetoko ルエトコ/ルウェトコ 進んで行く先。 {E: ①ahead of… ②the source of (a river).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etoksak
エトㇰサㇰ 【自動】[etok-sak 先端・を持たない] 少し「うすばか」(抜けている)で冗談を言われてもすぐ怒る。 etoksak pe ne na iteki nep ka ye エトㇰサㇰ ペ ネ ナ イテキ ネㇷ゚ カ イェ すぐ怒る人だからなにも言うな。(S) {E: to get angry even if someone is joking.} (出典:田村、方言:沙流)
etomnukar(-an)
エトㇺヌカㇻ §034.結婚(する)(6)etomnukar(-an)〔e-tóm-nu-kar エとㇺヌカㇻ〕⦅チカブミ⦆【雅】…と結婚する。"poy-Samayekur ci-〜"「サマイクㇽの子と私は結婚した」。"Petu-tom-un-kur ci-〜 wa sisak uwepirka ci-ki"「ペトゥトㇺの酋長と私は結婚してまたと無い幸福な暮しをしている」。"Otasut-un-nispa an-ne ineno, sino katke-mat an-〜, nep an-ewen ka somo ki, ekaci patek an-eramasuy"「オタスッの酋長で私はあって、立派な婦人を妻にし、何を不自由するということもせず、子だけが欲しかった」。[e(そこにおいて)+tom(体を)+nu(所有することを)+kar(する)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
etonto
エトント 【名】[e-tonto その頭が・毛のない皮]頭のはげた人(冗談に言う)。 {E: a bald person.} (出典:田村、方言:沙流)
etopse
エトㇷ゚セ 【他動】[e-topse で・唾吐く] 口の中からペッと吐き出す。 kikir ku=seru, ku=rekuci osma a korka k=óhetu wa k=étopse wa isam キキㇼ クセル、 クレクチ オㇱマ ア コㇿカ コヘトゥ ワ ケトㇷ゚セ ワ イサㇺ 私は虫を吸い込んで、 のどに入ってしまったけれど咳払いして出してペッと吐き出してしまった。(S) {E: to spit out something (from the mouth).} (出典:田村、方言:沙流)
etoranne
エトランネ 【他動】[e-toranne …について・やる気がない] ①…がめんどう(だからいや)だ、 …がきらいだ、 …がいやだ。 toan pe k=étoranne トアン ペ ケトランネ あいついやだよ(人でもものでも)。 ②[助動詞的用法](動詞句の後に置かれて)…したくない。 a=i=ípere yakka ipe ka a=etóranne, hotke=an wa patek án=an アイイペレ ヤッカ イペ カ アエトランネ、 ホッケアン ワ パテㇰ アナン 食事を出されても私は食べるのもいやで、 寝てばかりいた。(NK民話) {E: ①for…to be troublesome, a nuisance. ②to not want to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etoro
エトロ 【自動/名】①いびき(をかく)。 etoro kor an エトロ コㇿ アン いびきをかいている。(W) ②猫がのどをならす。 hot, cápe suy etoro kor an, siponpenere wa ki hawe ホッ、 チャペ スイ エトロ コㇿ アン、 シポンペネレ ワ キ ハウェ まあ猫がまたのどをならしている、 甘えてるんだな。(S) {E: to snore; a snoring sound.} (出典:田村、方言:沙流)
etoyta
エトイタ 【他動】[e-toyta …で・耕作する]…を植える、 (種を、 一つ一つ落して)まく。 {E: to plant, sow…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etun 1
エトゥン 【他動】…を借りる。 a=kor tennep a=kay wa arpa=an wa tutko rerko póka a=etún kusu ne na アコッ テンネㇷ゚ アカイ ワ アㇻパアン マ トゥッコ レㇾコ ポカ アエトゥン クス ネ ナ このかわいい赤ちゃんをおぶって行ってせめて二、 三日でもお借りしますから。(W民話) ☆参考 使うためにちょっと借りて後で返すようなものを借りることを言う。 erusa エルサ は、 そのようなものを貸すこと、 hosipire ホシピレ は返すことを言う。 ☆参考 esouk エソウㇰ (お金、 米など、 借財となるようなもの)を借りる。 {E: to borrow…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etupecikka
エトゥペチッカ 【自動】[etupe-cikka 鼻水・をたらす] 鼻水をたらす。 ranma somo omke hike ka ene etupecikka kor patek an ランマ ソモ オㇺケ ヒケ カ エネ エトゥペチッカ コㇿ パテㇰ アン (あの子は)いつもかぜをひいていなくてもあのように鼻水をたらしてばかりいる。(S) (出典:田村、方言:沙流)
eunpirma
エウンピㇼマ 【他動】[e-un-pirma …について・人々に・警告する] …のことを皆にそっと警告する。 ☞unpirma ウンピㇼマ {E: to quietly warn someone of, about…} (出典:田村、方言:沙流)
eutcike
エウッチケ 【他動】[e-utcike …について・はにかむ] ①…をはずかしがる、 …ではにかむ(若い男女間で)。 ②(動詞の後に置かれて)…するのがはずかしい、 …するのをはずかしがる。 ye ka eutcike wa nep ka ye ka somo ki イェ カ エウッチケ ワ ネㇷ゚ カ イェ カ ソモ キ (彼は)言うのもはずかしがって何も言わない。 k=áhun ka eutcike カフン カ エウッチケ (私は)入るのもはずかしい。(S) ☞utcike ウッチケ {E: ①to be shy, embarrassed about… ②to be ashamed to do…} (出典:田村、方言:沙流)
ewehopuni
エウェホプニ [e-u-e-hopuni …に/で・互い・と一緒に・飛ぶ] ①(場所)を(ひと塊になって)飛んで行く。 nuy pas uwesinoye, huptay enka ewehopuni wa arpa ヌイ パㇱ ウウェシノイェ、 フㇷ゚タイ エンカ エウェホプニ ワ アㇻパ 山火事がたつまきみたいにグルグル回り、 トド松林の上を飛んでいく。(S) ②…を(巻き風)が巻き上げて行ってしまう/飛んで行く。 wentoyra wenmunira ewehopuni wa arpa wa isam ウェントイラ ウェンムニラ エウェホプニ ワ アㇻパ ワ イサㇺ (巻風が)ひどいごみやきたないごみを巻き上げて行ってしまう。(S) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci= )のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 we ウェ)に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には euwehopuni/ewwehopuni エウウェホプニ の形が使われることが多いと予想される。 ☞hopuni ホプニ {E: ①to rush, dash out. ②for something to be blown away by the wind.} (出典:田村、方言:沙流)
ewen
エウェン 【他動】[e-wen …で・悪い] ①…で悪くなる、 (食べ物に)あたる、 損する。 amam e kor ewen アマㇺ エ コㇿ エウェン ご飯を食べるとよくない。(S) e wa suy ewen エ ワ スイ エウェン 食べたからまた悪くなった。(S) e wa ewen wa etupi エ ワ エウェン ワ エトゥピ 食べてあたったからもう食べない。(S) kú=ipe ewen humi ne noyne ku=honi arka クイペ エウェン フミ ネ ノイネ クホニ アㇻカ 私は食べ物にあたったらしくおなかが痛い。(S) a=ewén kuni a=ramú p somo a=ki p ne na アエウェン クニ アラムㇷ゚ ソモ アキㇷ゚ ネ ナ 損するようなことはするもんでない。(S) ewen kunine patek iki エウェン クニネ パテㇰ イキ 損するようなことばかりしている。(S) ②(動詞の後に置かれて)…しにくい。 …することがよくできない。 tópe esirkotuk kor níkap soske ewen トペ エシㇼコトゥㇰ コㇿ ニカㇷ゚ ソㇱケ エウェン 木の汁が出なくなって木の皮がくっつくと木の皮がむけにくくなる。(S) ci=nu ewen pe he un ci=ye チヌ エウェン ペ ヘ ウン チイェ 耳が遠いわけじゃないんだぞ(川下男と川上男の昔話で川上男が言う決まり文句の一つ)。 {E: ①for…to go bad; for…to be damaged. ②for…to be difficult to do…; cannot do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewetastasa
エウェタㇱタサ 【自動】[e-u-e-tastasa その頭が・互い・と共に・行き交う(重複)](?) 互いに行き違いになる。 ukasuy wa ewetastasa ka somo ki no ranma upakno moymoyke wa iki p ウカスイ ワ エウェタㇱタサ カ ソモ キ ノ ランマ ウパㇰノ モイモイケ ワ イキㇷ゚ 助け合って行き違いにならないでいつも同じくらい動いているもの(即席のなぞなぞで答えは箸)。(S会話) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 we )に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には euwetastasa/ewwetastasa エウウェタㇱタサ の形が使われることが多いと予想される。 {E: to miss, not meet each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkoramkor
エウコラㇺコㇿ 【他動】[e-u-ko-ram-kor …について・互い・に・心を・持つ] …について相談する。 hetopo suy a=kor mosir ne a=kar kunihi kamuy tono tutanu sapane utar opitta ewkoramkor kor síran ヘトポ スイ アコㇿ モシㇼ ネ アカㇻ クニヒ カムイ トノ トゥタヌ サパネ ウタㇻ オピッタ エウコラㇺコㇿ コㇿ シラン (北方領土を)また再び私たちの国土に取りもどすことを、 天皇の次の高い位の方々が皆で相談している。(S) {E: to consult with someone about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkoramkorpa
エウコラㇺコㇿパ 【他動】[複](ewkoramkor エウコラㇺコㇿ は単複の区別なし) (二人以上が皆で)…について相談する。 {E: to consult with someone about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkoramkur-turpa
エウコラㇺクㇽトゥㇽパ/エウコラㇺクットゥㇽパ 【他動】(韻文では分離)[e-u-ko-ram-kur-turpa …について・互い・と共に・心・有様・を伸ばす[複]] …について皆で一緒にいろいろとよく考えて相談し合う。 sekor okay pe/kamuy opitta/ewkoramkur/turpa kane セコロカイ ペ/カムイ オピッタ/エウコラㇺクㇽ/トゥㇽパ カネ [雅]ということを神々はみな一緒に考えて先のことを案じていました。(Sユーカラ) ☆発音 日常語で話すときは全体を続けて ewkoramkutturpa エウコラㇺクットゥㇽパ と発音する。 しかしアクセントは二語のアクセント。 ☆参考 韻文で歌うときは2行に分かれる。 ☆参考 『音声資料3』に ewkoramkotturpa エウコラㇺコットゥㇽパ とあるのは誤り。 {E: to seriously talk over…with someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewnukare
エウヌカレ 【他動】[e-unukare (そこ)で・(それ)を皆が見る] (そこ)でそれを皆が見る/皆にそれが見える。 mosirso kurka/a=ewnukare モシㇼソ クㇽカ/アエウヌカレ 世界中にいる人皆が(それを)見る/皆に(それが)見える。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
ewpaskuma
エウパㇱクマ 【他動】[e-upaskuma …について・語り伝える] …を語り伝える、 …についてその起源やいわれやいきさつなどを教え伝える。 iresu sápo/i=ewpaskuma/somo ki p he an sekor/yaynu=an hike イレス サポ/イエウパㇱクマ/ソモ キㇷ゚ ヘ アン セコㇿ/ヤイヌアニケ [雅]育ての姉は私に教えてくれなかったのかと思うと。(Sユーカラ語り) {E: to tell, relate…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewtanne
エウタンネ 【他動】[e-utar-ne …と一緒に・同族・になる] …と一緒になる(結婚する)、 …の一族になる。 {E: to marry…; become part of someone's family.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewtekkar
エウテッカㇻ 【他動】[e-útek-kar …で・…に使い走りをさせる・する](人)を使いにやる。 eci=otúwasi wa kusu eci=éwtekkar hawe ne na arpa wa en=kore エチオトゥワシ ワ クス エチエウテッカㇻ ハウェ ネ ナ アㇻパ ワ エンコレ あなたでなければならないと思ったのであなたに行ってもらうんだから行ってください。(S) {E: to have someone go somewhere for one.} (出典:田村、方言:沙流)
eyar
エヤㇻ 【他動】[e-yar …を食べる・だれか不定の人にしてもらう] 人に食べさせる、 人に食べてもらう。 e=kor tópenpe sanke wa eyar エコㇿ トペンペ サンケ ワ エヤㇻ あなたの(つくった)お汁粉を出して食べていただきなさい。(S) a=kotánu epitta a=eyár ayne アコタヌ エピッタ アエヤㇻ アイネ (乾し肉や乾し魚を) 私の村中の人々に食べさせて(=与えて)いたがとうとう…。(W民話) {E: to feed someone something; have someone eat something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayecitakte
エヤイェチタㇰテ 【他動】[e-yay-e-ci-itak-te …について・自分の・ことについて・される・話す・させる](?) (自分のことについて)…を言う、 …を自白する。 ne wa an pe iyoski akusu eyayecitakte wa ネ ワ アン ペ イヨㇱキ アクス エヤイェチタㇰテ ワ そのことを彼は酔っぱらったところポロッと自分から言ってしまって。(W言い伝え) {E: to confess something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayhawkere
エヤイハウケレ 【他動】[e-yay-hawke-re …で・自分・弱くなる・させる] …をかわいそうに思う。 isram ruwe okay pe a=uk ka eyayhawkere kus, pirka ruwe ne yak a=ye kor a=kohósipire イㇱラㇺ ルウェ オカイ ペ アウㇰ カ エヤイハウケレ クㇱ、 ピㇼカ ルウェ ネ ヤㇰ アイェ コㇿ アコホシピレ 彼らは貧しい人たちなので私はその品物を受け取るのもかわいそうな気がしたので、 結構ですと言ってそれを彼に返した。(HK民話) {E: to feel sorry, pity for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayirayke
エヤイライケ 【他動】[e-yayirayke …について・感謝する] …を感謝する、 …についてお礼を言う。 c=ípere yakka eyayirayke ka somo ki チペレ ヤッカ エヤイライケ カ ソモ キ 食べさしてやったのに(=食事を/食べ物をあげたのに)ありがたいとも言わない。(S) ☆発音 早く話しているとき、 通常 y のあとの i は落ちて eyayrayke エヤイライケ と発音される。 {E: to be grateful for (to)…; thank someone for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykarap
エヤイカラㇷ゚ 【他動】[e-yay-karap …のことで・自分を・(?)]…のことで気の毒に思う、 申し訳なく思う。 núman somo k=ek a hi k=éyaykarap kusu tanto anak ku=tokapmokor ka somo ki no k=ek ヌマン ソモ ケㇰ ア ヒ ケヤイカラㇷ゚ クス タント アナㇰ クトカㇷ゚モコㇿ カ ソモ キ ノ ケㇰ 私は昨日来なかったことを気の毒に思うから今日は昼寝もしないで来た。(S) ☆参考 eyaypataraye エヤイパタライェ とも言う。 {E: to feel sorry for, about…} (出典:田村、方言:沙流)
eyaykesupka-ewakewak
エヤイケスㇷ゚カエワケワㇰ 【他動】[e-yay-kesup-ka-ewakewak …で・自分・かかと・の上・をふんで歩く・(重複)](次の慣用表現で)(よい料理)をするために一生懸命あちこち足を運ぶ、 かけずりまわって(よい料理)をする(=eyaykesupka ewakitara エヤイケスㇷ゚カ エワキタラ)。 pirka suke eyaykesupka-ewakewak ピㇼカ スケ エヤイケスㇷ゚カエワケワㇰ 足軽くかけずりまわってよい料理をつくる。(W民話) ☆参考 同じことを妹のサダモさんはユーカラの中で、 eyaykesupka ewakitara エヤイケスㇷ゚カ エワキタラ、 eyaykesupka ciwre kane エヤイケスㇷ゚カ チウレ カネ と言っている。 {E: to run about here and there in order to do something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykewtumuwente
エヤイケウトゥムウェンテ 【他動】[e-yay-kewtumu-wen-te …で・自分・の心・悪くなる・させる] …を悲しむ。 ☆参考 eyaykewtumwente エヤイケウトゥㇺウェンテ か。 {E: to feel sad about…; feel sorry for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykohapapu
エヤイコハパプ 【他動】[e-yayko-hapapu …に関して・一人で・(?)] …を惜しいのでもっととっておく。 k=éyaykohapapu, na k=e ka somo ki ケヤイコハパプ、 ナ ケ カ ソモ キ 私は(このおいしいものを)惜しいからとっておく、 まだ食べない。(S) (出典:田村、方言:沙流)
eyaykurkasam-pirasa
エヤイクㇽカサㇺピラサ 【他動】[e-yay-kuruka-sam-pirasa …で・自分・の上一面・(< のそば)・…を広げる][雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/a=eyáykurkasam/pirasa kane カムイ コソンテ/アエヤイクㇽカサㇺ/ピラサ カネ [雅]私は立派な小袖を自分の体の上に広げて身につけ…。(Sユーカラ語り) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 別の箇所で sikurkasam-opirasa シクㇺカサㇺオピラサ と言っている。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaynusasi
エヤイヌサシ 【他動】[e-yay-nusasi …で・自分・をなぐさめる]…で自らをなぐさめる、 …で気持ちがなぐさめられる。 e=ok kane wa patek e=an ayke kus mak ne hawe? nep ka ye ka ki, sinotcaki kor an, yak e=eyaynusasi na エオㇰ カネ ワ パテㇰ エアン アイケ クㇱ マㇰ ネ ハウェ? ネㇷ゚ カ イェ カ キ、 シノッチャキ コラン、 ヤㇰ エエヤイヌサシ ナ そんな悲しい顔ばかりしてたってだめなんだから、 何か言いなさい、 歌でも歌いなさい、 気持ちがなぐさめられるから。(S) ☞enusasire エヌサシレ {E: to console oneself over…} (出典:田村、方言:沙流)
eyayomusu
エヤヨムス 【他動】(eyayomsu エヤヨㇺス の誤りか?)しないでよかったなあと思う。 hunakta-epaːka somo kú=itura wa ene kú=iki hi an sekor ku=raman, poro k=éyayomusu フナㇰタエパーカ ソモ クイトゥラ ワ エネ クイキ ヒ アン セコㇿ クラマン、 ポロ ケヤヨムス (私は)いいあんばいに一緒に行かなくてこうしているのだと思ったらまあ行かなくてよかったなあと思った。(S) {E: to think that it would have been better not to have done…} (出典:田村、方言:沙流)
eyayoraye
エヤヨライェ 【他動】[e-yay-o-raye (そのこと)に関して・自分を・(そこ)に行かせる](次の慣用表現で) aynu okka eyayoraye アイヌ オッカ エヤヨライェ [慣用句]…のことで人の上にのぼる。 ison hene aynu okka eyayoraye p ne kusu イソン ヘネ アイヌ オッカ エヤヨライェㇷ゚ ネ クス 狩をしても他の人よりも獲物がたくさんとれるので。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaypataraye
エヤイパタライェ 【他動】…で気の毒に思う。 kú=itura wa ora ene ku=soykankari yakun mosma kur ka mokor ka eaykap, yaykata ka k=éyaypataraye aan クイトゥラ ワ オラ エネ クソイカンカリ ヤクン モㇱマ クㇽ カ モコㇿ カ エアイカㇷ゚、 ヤイカタ カ ケヤイパタライェ アアン もしあのとき私も一緒に行ってそしてこんなに何度もトイレに起きたとしたら、 ほかの人も眠れないし自分も気の毒な思いをするところだった。(S) {E: to feel sorry for…} (出典:田村、方言:沙流)
eyayramkar
エヤイラㇺカㇻ 【他動】[e-yay-ram-kar …で・自分・心・つくる] …したくてもできない/しないほうがいいと思うのでしない、 …するわけにもいかないので敢(あ)えてしない、 …をあきらめる。 nísapno cisesoy a=osma ka eyayramkar ニサㇷ゚ノ チセソイ アオㇱマ カ エヤイラㇺカㇻ (目指す家が見つかったけれど)すぐにサッと家の前まで行ってしまうのもためらわれて。(S民話) ponno ponno iruska yakka iruska ka eyayramkar ポンノ ポンノ イルㇱカ ヤッカ イルㇱカ カ エヤイラㇺカㇻ (彼は)ほんの少し不快だけれど怒るわけにもいかなくて。(W独話) a=onáha i=kokopan kor oraun arpa=an ka eyayramkar アオナハ イココパン コㇿ オラウン アㇻパアン カ エヤイラㇺカㇻ 私の父が私にだめだと言うので私は敢(あ)えて行くわけにいかずあきらめていた。(S民話) {E: to give up on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayramkes-mewpa
エヤイラㇺケㇱメウパ 【他動】[複](単は未出)[e-yay-ram-kes-mewpa …について・自分・心・の末端・をはがす[複]] …のことを皆で一致して一心に思う。 néun póka ne ciki somo, a=kor mosir, a=kor Samor mosir ne ciki Aynu mosir ne ciki, kiki a=kar easkay ya, sekor an pe patek a=eyáyramkesmewpa ネウン ポカ ネ チキ ソモ、 アコㇿ モシㇼ、 アコㇿ サモㇿ モシン ネ チキ アイヌ モシン ネ チキ、 キキ アカㇻ エアㇱカイ ヤ、 セコラン ペ パテㇰ アエヤイラㇺケㇱメウパ なんとかして、 わが国、 和人の国(本州以南)もアイヌの国(北海道)も、 敵から守ることができないかということばかり皆で一心に思って。(S会話) ☆参考 同種の状況文脈で koyayramkes-mewe コヤイラㇺケㇱメウェ も出ている。 単数と複数の違いはあるが、 e-… と ko-… との違いは未詳。 また e- エ も ko- コ もつかない yayramkesmewe ヤイラㇺケㇱメウェ は未出。 {E: for everyone to be in mutual agreement over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayrampokiwen
エヤイランポキウェン 【他動】[e-yay-rampokiwen …のことで・自分・を憐れむ] …を残念に思う。 …のことで残念/不満足である。 nep ka a=emína no a=ewtastasa hawe ka a=nuyár ka somo ki yak eyayrampokiwen nenkane ki kusu ネㇷ゚ カ アエミナ ノ アエウタㇱタサ ハウェ カ アヌヤㇻ カ ソモ キ ヤㇰ エヤイランポキウェン ネンカネ キ クス 何かおもしろおかしくやりとりする(話し合う)のも聞かせてあげないと、 (彼が)残念に思うといけないから。(S会話) {E: to feel regret, unsatisfied about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayrenka
エヤイレンカ 【他動】[e-yay-renka …と一緒に・自分の・意向(を述べる)](?) …との再会を喜ぶ、 (会った人)にあいさつする。 e=poro wa earkinne eci=erámiskari, akusu ku=pisi akus eani ne aan, hńta kusu en=eyayrenka ka somo ki? エポロ ワ エアㇻキンネ エチエラミㇱカリ、 アクス クピシ アクㇱ エアニ ネ アアン、 フンタ クス エネヤイレンカ カ ソモ キ? あなたは大きくなったのですっかり見違えた。 そこで人に聞いたらあなただった。 どうして私に知らん顔していたの? (S) ☆参考 uweyayrenka ウウェヤイレンカ 互いに会った(喜びの)あいさつをかわす。 {E: to be joyed at meeting someone again.} (出典:田村、方言:沙流)
eyaysikenuyna
エヤイシケヌイナ 【他動】[e-yay-sik-e-nuyna …のことを・自分の・目・で・隠す] …を見ないふりをする。 “en=eyaysikenuyna ruwe ne nankor”-“hempara ene ne hi an? somo eci=núkar wa ne” 「エネヤイシケヌイナ ルウェ ネ ナンコㇿ」 「ヘンパラ エネ ネ ヒ アン? ソモ エチヌカㇻ ワ ネ」 「あなた私を見て見ないふりをしていたんでしょう。」 「いつそんなことがあった? あなたを見なかったからよ。」 (S) {E: to pretend not to see…} (出典:田村、方言:沙流)
eyayukaomare
エヤユカオマレ 【他動】[e-yay-uka-omare …に関して・自分を・上へ上へと・置く](病気)がだんだんよくなる。 ne eyayukaomare kuni p he an? ソネ エヤユカオマレ クニㇷ゚ ヘ アン? 本当になおるのだろうかなあ。(S) ☆参考 なおらないかもしれないほど重い病気は síːno páse yaynu/tasum ne noyne シーノ パセ ヤイヌ/タスㇺ ネ ノイネ《本当に重い病気らしい》と言う。(S) {E: for…to gradually improve.} (出典:田村、方言:沙流)
eyayye
エヤイイェ 【他動】[e-yay-ye …について・自分・を言う] …を遠慮して断る(贈りものを遠慮して受け取らない等)。 potara=an yakun oraun nep ka a=i=kóre yakun somo a=eyáyye no a=uk yak pirka p ポタラアン ヤクン オラウン ネㇷ゚ カ アイコレ ヤクン ソモ アエヤイイェ ノ アウㇰ ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ 悪神払いをしたなら何か(お礼の品を)くれたら遠慮しないで受け取ればいいのに。(NK民話) {E: to reservedly decline, turn down…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyemkoani
エイェㇺコアニ 【他動】[e-i-emko-ani …で・人・半分・持つ] …を半分持ってあげる、 人に手伝って…を一緒に持ってあげる。 eyemkoani! エイェㇺコアニ! (あなた)半分持ってあげなさい(=一緒に持ってあげなさい)。 ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 yem イェㇺ)に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には eiyemkoani/eyyemkoani エイイェㇺコアニ の形が使われることが多い。 ☞eiyemkoani エイイェㇺコアニ ☆参考 euwemkoani/ewemkoani エウウェㇺコアニ/エウェㇺコアニ …を二人で一緒に持つ。 {E: to help someone by lifting something together.} (出典:田村、方言:沙流)
eykasuy
エイカスイ 【他動】[e-i-kasuy …のことで・人・の手伝いをする] …(を)する手伝いをする。(しばしば動詞句のあとで助動詞的に使われる。) néa sísam nispa a=koyántone híne hekattar utar a=omáp kor a=respa eykasuy kor án=an ネア シサッㇺ ニㇱパ アコヤントネ ヒネ ヘカッタㇻ ウタㇻ アオマㇷ゚ コㇿ アレㇱパ エイカスイ コㇿ アナン 私はその和人のだんなの所に置いてもらって、 子どもたちをかわいがって育てるのを手伝って暮らしていた。(W民話) {E: to help someone to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eykemnu
エイケㇺヌ 【他動】[e-i-kemnu …で・人・を気の毒に思う] …のことを気の毒に思う、 …のことがかわいそうでならない。 {E: to feel sorry, pity for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyki
エイキ 【他動】[e-iki …で・ものごとをする] …でものごとをする。 ikotca eyki kur イコッチャ エイキ クㇽ 人の前でものごとをする人=先生。 nokoeyki ノコエイキ のこぎりを使って仕事をする。 makirieyki マキリエイキ マキリ(小刀)を使って仕事をする。 tasiroeyki タシロエイキ タシロ(山刀)を使って仕事をする。 {E: to do something by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eykokisaro
エイコキサロ 【他動】[e-ikokisaro で・病気にかかる](病気)にかかる、 (流行病)がうつる。 k=eykokisaro noyne hum as na, iteki en=or ta ahup yan ケイコキサロ ノイネ フマㇱ ナ、 イテキ エノッタ アフㇷ゚ ヤン (病気が)私にうつったらしいから私の家に入らないようにしなさい。(S) sonno páse oripak eykokisaro yak a=ye ソンノ パセ オリパㇰ エイコキサロ ヤカイェ (彼は)本当に重い伝染病に(天然痘に)かかったそうだ。(S) {E: to suffer from…; be infected with…} (出典:田村、方言:沙流)
eykoysanpa
エイコイサンパ 【複他動】[e-ikoysanpa …について・人真似する] …に関して人のまねをする(「ならう」)、 人のまねをして…する。 ☆参考 人のしたことの内容を知って、 それにならって同じようなことをすることを言う。 eyukar エユカㇻ はものまねのように言葉の言い方や仕草をそっくりにまねすることを言う。 {E: to copy, imitate someone } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyomne
エヨㇺネ 【他動】こりる。 ukuran arki yan sekor ku=hawean a korka kú=isam, híne a=eyómne hawe? ウクラン アㇻキ ヤン セコㇿ クハウェアン ア コㇿカ クイサㇺ、 ヒネ アエヨㇺネ ハウェ? ゆうべおいでなさいと私は言ったけれど私はいませんでした、 それであなたはこりなさったのですか。(S) {E: to learn a lesson from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eypakasnu
エイパカㇱヌ 【他動】[e-i-pakasnu …について・人・を教える] …を人に教える。 nep ne yakka eypakasnu kur ネㇷ゚ ネ ヤッカ エイパカㇱヌ クㇽ 何でも人に教える人(=先生)。(W) {E: to teach, tell someone…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eypakasnupa
エイパカㇱヌパ 【他動】[複](eypakasnu イパカㇱヌ は単複の区別なし) (二人以上が/二つ以上のことを)皆…を教える。 {E: to teach, tell someone …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eypirma
エイピㇼマ 【他動】[e-i-pirma …について・人に・警告する]皆にそっと教える ☆発音 エイピㇽマ。 ☞epirma エピㇼマ {E: to secretly tell everyone something.} (出典:田村、方言:沙流)
eysis
エイシㇱ 【他動】会ったら悪く言ってやろうと思う。 {E: to intend to tell someone about their faults.} (出典:田村、方言:沙流)
eytasa
エイタサ 【副】①あまり…する、 とても、 極度に。 eytasa poronno ne, na ponno kar エイタサ ポロンノ ネ、 ナ ポンノ カㇻ あまりたくさんだ、 もっと少なめにつくりなさい。(S) eytasa takne amip mi wa iiyomapka エイタサ タㇰネ アミㇷ゚ ミ ワ イイヨマㇷ゚カ とても短い服を着ていてほんとにかわいらしい。(W) ②(否定で)あまり…しない。 eytasa somo sir-sések エイタサ ソモ シㇼセセㇰ あまり暑くない。(W) iteki eytasa cis イテキ エイタサ チㇱ そんなに泣くのはやめなさい。(KM) {E: over…; too…; too much…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyupkir
エユㇷ゚キㇼ 【他動】(種)をまく(指でふって)。 ☆参考 種まきでも、 種を土の中にうめたり土の上に置いたりするのは etoyta エトイタ。 ものをまき散らすことは cari チャリ[単]/carpa チャㇻパ[複]。 {E: to sow (seeds etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
Háca
ハチャ 【名】[人名](屈斜路の男の人の名)。 {E: personal name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hanasi
ハナシ 【名】[日本語] 話。(次のような対句の中で) pirka hanasi/pirka isoytak/ku=ki ciki ピㇼカ ハナシ/ピㇼカ イソイタㇰ/クキ チキ よい話、 すてきな話を私がしたなら。 K即興歌 ☆参考 アイヌ語と日本語との同義の語を使っての対句である。 {E: a talk; a tale; a story.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hantásine
ハンタシネ 【自動】[hantasi-ne [日本語]はだし・になる] はだしになる、 はだしである。 hantasine kane wa ka arpa! ハンタシネ カネ ワ カ アㇻパ! はだしでもいいから行きなさい! (S) ☆参考 はだしになる/であることを同じ話者が別のときには nep ka somo us/nep ka us ka somo ki ネㇷ゚ カ ソモ ウㇱ/ネㇷ゚ カ ウㇱ カ ソモ キ《何もはいていない》と言っている。 {E: to be bare-footed.} (出典:田村、方言:沙流)
hapur
ハプㇽ 【自動】柔らかい(「やわい」)、 (肉が)かみきりやすい、 弱い、 こわれやすい。 hapur ruwe! ハプン ルウェー! 「やわいなあ」=やわらかいなあ(ビニールのふろしきにさわって)。(S) {E: to be soft; weak; easily broken.} (出典:田村、方言:沙流)
hasami
ハサミ 【名】[日本語] はさみ。 {E: scissors.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
háwas
ハワㇱ 【完動】[haw-as 声・する](=haw as ハウ アㇱ) 声がする、 言っているのが聞こえる。 …sekor háwas …セコㇿ ハワㇱ …と言っているのが聞こえる。 neppo ciraman ki ta háwas a ネッポ チラマン キ タ ハワサ 何と思いがけないことを言うんだろうねえ。 inunukeas ki ta hawas a イヌヌケアㇱ キ タ ハワサ かわいそうな話だなあ。(W) {E: the sounding of a voice, rumor, cry, etc. is heard.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hawe 2
ハウェ 【形名】[名詞化辞][< haw-e 声・(所属語尾)] ①動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。 言われたこと、 話されたこと、 声に関することに用いられる。 …(と言った)の、 (…と言った)こと。 …hawe ne …ハウェ ネ (…と言った)のだ。 káni ne hawe somo ne ya? カニ ネ ハウェ ソモ ネ ヤ? 私のことを言ってるのではないだろうか。 …hawe (he) an? …ハウェ (ヘ) アン? (…と言った)のですか。 …hawe un …ハウェ ウン (…と言った)のだよ。 “hńta e=eyayominausi hawe an?” “kanpi ku=nukar wa k=émina hawe un”「フンタ エエヤヨミナウシ ハウェ アン?」「カンピ クヌカㇻ ワ ケミナ ハウェ ウン」「何を一人で笑ってるの。」「手紙を読んで笑っているのよ。」 …hawe ene an hi …ハウェ エネ アニ 次のように言った/話した/言うのが聞こえた。 …hawe! …ハウェ! …(だ)なあ! ku=hawe wen hawe! クハウェ ウェン ハウェ! 私の声はひどいねえ。(S独話) …hawe? …ハウェ? …なの?/…だって (言うの)?/(反語的に)なんてとんでもない。 tane hosippa=an hawe? タネ ホシッパアン ハウェ? もうお帰りになったの。 mak ne hawe? マㇰ ネ ハウェ? どうなるのか=どうにも(なんにも)ならない。 ②文頭に置かれ、 その前に言われたことがらを受けてその全体を名詞化する。 hawe un ハウェ ウン そう(言ったの)だよ。 hawe ne ciki ハウェ ネ チキ それなら、 そういうことなら、 それでは(…しなさい)。 hawe ne yakun ハウェ ネ ヤクン それなら、 そういうことなら、 それでは(…するよ)。 ☆参考 後に he ヘ はつかない、 つまり hawehe ハウェヘ とはならない。 ☆参考 hawe ハウェ [名][所]《声》については ☞hawe(he) ハウェ(ヘ) ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 ☞ruwe ルウェ {E: ①(is to be placed at the end of a sentence to make it a noun.) what was said, accepted. ②(is to be placed at the beginning of a sentence to make what was said a noun.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hawkokari
ハウコカリ 【他動】[haw-ko-kari 声・と共に・…を回す] 何度もくり返して言う。 yayapapu hawkokari ヤヤパプ ハウコカリ 何度もくり返しあやまる。 {E: to say something repeatedly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hawpis
ハウピㇱ 【自動】[haw-pis 声・ささやく(?)]何か言う。 hekattar utar nep uwenoyne haweoka hike ka hawpis hi ka isam no an ヘカッタㇻ ウタㇻ ネㇷ゚ ウウェノイネ ハウェオカ ヒケ カ ハウピシ カ イサㇺ ノ アン 子どもたちがどんなに騒いでも彼は何も言わないでいる(叱ったり文句を言ったりしない)。(S) {E: to say something.} (出典:田村、方言:沙流)
hayoksaknopo
ハヨㇰサㇰノポ 【副】[hayok-sak-no-po よろい(武装する)・を持たない・(副詞形成)・(指小辞)][雅]「よろいをつけずに」(武装せずに)。 kamuy rametok/a=paskuma kus ne kor/hayoksaknopo/somo an kuni p/upaskuma ne kus カムイ ラメトㇰ/アパㇱクマ クㇱ ネ コㇿ/ハヨㇰサㇰノポ/ソモ アン クニㇷ゚/ウパㇱクマ ネ クㇱ [雅]神のような勇者に先祖の話をして聞かせようとするときにはよろいをつけないで(武装しないで)話し伝えるものではありませんから。(Sユーカラ) ☆参考 サダモさんによれば、 そういうときにはいつ切りかかられてもいいようによろいをつけるのだとのこと。 しかしこの女神は、 六枚の小袖を着て帯をしめ、 六枚の小袖を羽織り、 玉飾りを首にかけ耳環を耳につけ(つまり天に昇る身支度の正装をし)、 ねじれ木の杖の上にあごをのせてから、 このように言い、 そして「だからよろいをつけた」と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hayta 2
ハイタ 【他動】(言われたこと)に背(そむ)く、 (言われたこと)のとおりにしない。 ye itak sine itak ka a=hayta ka eaykap イェ イタㇰ シネ イタㇰ カ アハイタ カ エアイカㇷ゚ 彼の言う言葉には一言にも背くことができない。(S民話) ☆参考 同じ文脈で対語の akkari アッカリ も使われている。 {E: to disobey…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
heciraspa
ヘチラㇱパ 【自動】[複](単は hecirasa ヘチラサ)(二つ以上の)花が咲く。 {E: for flowers to bloom, blossom.(pl.)} (出典:田村、方言:沙流)
hem
ヘㇺ 【副助】…もまた。 káni hem ku=ye カニ ヘㇺ クイェ 私も言う。(W会話) kar hem ki munnuwe hem ki ソカㇻ ヘㇺ キ ムンヌウェ ヘㇺ キ ござも敷き掃き掃除もした。 hem tasum hem siyeye ki ヘㇺ タスㇺ ヘㇺ シイェイェ キ [慣用句]病気やらわずらいやらをした(=くり返し病気になった)(身の上話型の民話の終りのほうで、 死んで神の国に行くときが近づいたことを言うときの常套句)。 taanpe hem toaníke hem en=kore タアンペ ヘㇺ トアニケ ヘㇺ エンコレ これもあれもください。(S) okkayo hem menoko hem porono oka オッカヨ ヘㇺ メノコ ヘㇺ ポロンノ オカ 男も女もたくさんいる。(S) ☆参考 ka カ[副助]も《も》と訳せるが、 ka カ は「さらにその上に…も」というニュアンスを含み、 hem ヘㇺ は「他のことがらと共に…もまた」というニュアンスを含む。 最後の用例などは、 ka カ も hem ヘㇺ もどちらも使える。 {E: also.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hempara
ヘンパラ 【副】[疑副] いつ。 hempara e=ek? ヘンパラ エエㇰ? あなたはいつ来た? hempara ka ヘンパラ カ いつか。 hempara ka ku=nukar a kotom an kur ne ヘンパラ カ クヌカㇻ ア コトㇺ アン クㇽ ネ いつか見たような人だ。(S) hempara an kor ヘンパラ アン コㇿ いつになったら。(W即興詩) hempara ne yakka ヘンパラ ネ ヤッカ いつでも。(W即興詩) hempara mametara k=司kka so k=司kka so so k=司kka ヘンパラ マメタラ ケイッカ ソ ケイッカ ソ ソ ケイッカ おれがいつ豆俵を盗んだ…(ヒバリの鳴き声、 ネズミにこういってチャランケ(談判)する)。(W) hempara suy honoye kus ene an? ヘンパラ スイ ホノイェ クㇱ エネ アン? [隠] (彼は)いつまた傾くのだろう? =長尻で一向に帰らない。(S) {E: when.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hene
ヘネ 【副助】①(一例として提示する。) …でも(あるいはそうでなくても)、 …なり。 hekattar hene ikipa ruwe ne kuni ku=ramu ヘカッタㇻ ヘネ イキパ ルウェ ネ クニ クラム 子どもたちでもやったんだろうと私は思う。(S) cip hene a=kar wa チㇷ゚ ヘネ アカㇻ ワ 舟か何かをつくって。 e=os ek hene ki ka somo ki エオㇱ エㇰ ヘネ キ カ ソモ キ あなたの後から来たりなどしもしない。 tup hene rep hene ku=kor rusuy トゥㇷ゚ ヘネ レㇷ゚ ヘネ クコン ルスイ 二つでも三つでもいいからほしい。 ohonno hene iruka hene オホンノ ヘネ イルカ ヘネ 長い間でも短い間でも。(W会話) ②po hene ポ ヘネ なおいっそう(po ポ《なお》を強調する言い方)。 {E: ①even…; either…or… ②more; even more.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
henoye
ヘノイェ 【自動】[単](複は henoypa ヘノイパ)[he-noye 頭を・ねじる] ①(道が)曲がる、 (歩いて行って曲がり角で)曲がる。 ②(どこかへ行く途中に)立ち寄る。(S) ☆参考 道が曲がることは rewke レウケ とも言う。 ☆参考 沙流の奥の上田としさんらは、 どこかへ行く途中に立ち寄ることには使わない。 ☆参考 honoye ホノイェ は建物などがゆがみ傾くこと。 {E: ①(for a road etc.) to bend; curve. ②drop in on someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hepenpenu
ヘペンペヌ 【自動】[he-penpenu 頭・を上へ上げる(重複)] (何度も首を動かして)コックリコックリとうなずく。 ani e=kanpinuye p sapaha hepenpenu siri somo ne? アニ エカンピヌイェㇷ゚ サパハ ヘペンペヌ シリ ソモ ネ? それであなたが字を書くもの(鉛筆)の頭はコックリコックリ動いているのではないの(鉛筆のお尻についているかざりが書くたびに動くのを見て)。(S) ☆参考 重複しない hepenu ヘペヌ の形は未出。 {E: to nod.} (出典:田村、方言:沙流)
heper
ヘペㇾ 【名】[動物]子熊。 heper soyne ヘペㇾ ソイネ (熊送りのとき)子熊がおり(檻)から外に出る。(W) ☆参考 呼び名として pewrep ペウレㇷ゚《若いもの》とも言う。 {E: a bear cub.} (出典:田村、方言:沙流)
hepita
ヘピタ 【自動】[he-pita 頭・をほどく] 曲がっていたのがはじけてのびる。 iteki ca hepita haw néno hawean イテキ チャ ヘピタ ハウ ネノ ハウェアン [隠] 曲げられて押えられていた柴(=細い木)が手を離した途端にパッとはじけて伸びるように言うな=すぐに怒ってはいけない、 短気を起こすな。(S) {E: for something bent to be released and spring back into its original shape.} (出典:田村、方言:沙流)
hesurara
ヘスララ 【自動】[he-sura-ra 頭・を捨てる・(重複)](?) ふところが開いている。 e=hesurara na e=kotparo seske エヘスララ ナ エコッパロ セㇱケ あなたのふところが開いているから衿元を閉じなさい。(S) {E: for the area around the bosom to be loosely open.} (出典:田村、方言:沙流)
hetapapa
ヘタパパ 【自動】[he-tapapa 頭・を低くする(?)] ①横になる。 ②人のそばに寝ようとしてのぞく。 {E: ①to lie down. ②to look in on someone with the intention of sleeping with that person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
heuyeuye
ヘウイェウイェ 【自動】[he-uye-uye 頭・をふるわせる(?)](すっぱいものを食べたとき)顔をしかめて「ブルブルする」(身振いする/顔を左右にふるわせる)。(S) iyohay e=heuyeuye siri? e=e ka eaykap ciki anu イヨハイ エヘウイェウイェ シリ? エエ カ エアイカㇷ゚ チキ アヌ まあ、 あなたすっぱくてブルブルしてるのかい? 食べられないなら残しなさい。(S) {E: to screw up one's face ( after eating something sour).} (出典:田村、方言:沙流)
hi 2
ヒ 【形名】[名詞化辞](動詞/動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。) ①…する/したこと honkor=an hi ka a=erámpewtek ホンコラニ カ アエランペウテㇰ 私は妊娠していたのも知らなかった。 noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルㇱカ クス ひたいに大きな穴を開けられたことに腹が立ったので。(S民話) kamuy yaynu hi toy ka osma eyaynunuke kusu カムイ ヤイヌ ヒ トイ カ オㇱマ エヤイヌヌケ クス 神が思った事が地面に落ちるのは畏れ多いので。(S言い伝え) ene…hi エネ…ヒ …する仕方、 どのように…する/したかということ。 ene iki hi ka isam エネ イキ ヒ カ イサㇺ どうしようもない。 ene hawean hi エネ ハウェアニ (直訳すると)このように言ったことは=次のように言った。 hi néno ヒ ネノ …したまま。 ene an a hi néno (kane) エネ アナ ヒ ネノ (カネ) もとあったとおりに。 sike=an hi néno シケアニ ネノ 私は荷物を背負ったまま。(W神謡語り) hi nani ヒ ナニ …するとすぐ。 soyne hi nani ソイネ ヒ ナニ 外へ出てすぐ。 hi kusu ヒ クス …する/したから、 だから。 ②(文頭に置かれ、 前の文の内容を受けてその全体を名詞化する。) hi ne ヒ ネ そうだよ。 ③とき。 kéman hi ta ケマニ タ 飢饉だったときに。(W会話) tekehe turiri hi ta テケヘ トゥリリ ヒ タ 手をのばしたときに。(HK民話) poro=an hi wano ポロアニ ワノ (引用文中)私が大きくなってから。 hi ora(no)/hi oraun ヒ オラ (ノ)/ヒ オラウン …してから。 ne hi pakno ネ ヒ パㇰノ そのときまで。 ④ところ(所)。 tun ehotke hi トゥン エホッケ ヒ 二人が寝る所。(NK民話) ☆発音 ☞hi ヒ 1 {E: ①to; in; that. ②(is to be placed at the beginning of a sentence to make what was previously said a noun form. ③time. ④place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hike ka
ヒケ カ 【接助】[…すること・も]…しても、 …した/しているのに。 poronno ku=sanke wa k=ére kus ku=ye hike ka ponno ka e ka somo ki ポロンノ クサンケ ワ ケレ クㇱ クイェ ヒケ カ ポンノ カ エ カ ソモ キ 私がたくさん出して食べなさいと言うのに彼は少しも食べない。(S) (出典:田村、方言:沙流)
hinakoro
ヒナコロ 【位名】[疑問位名][所](概 hinakor ヒナコㇿ の例はない。)[hinak-oro どこ・のところ] …のどこ(か)。 e=hinakoro arka wa e=an? エヒナコロ アㇻカ ワ エアン? あなたの(体の)どこか具合いが悪いのですか? (HC民話) ☆参考 沙流川下流では hunakor フナコㇿ[概]/hunakoro フナコロ[所]と言う。 ☆参考 néoro ネオロ[不定代名]どこ(か)、 どこ(も)。 {E: somewhere.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hn
フン 【間投】(あいづち)ふうん、 ああそう。 {E: well; is that so. (interj.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hńna
フンナ 【疑名】(=hunna フンナ) だれ、 だれか。 ☆参考 早く話すときに hunna フンナ が弱まった形。 下流のワテケさんとサダモさんはよく言うが、 中流の人はあまり言わない。 {E: who; someone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hńta 1
フンタ 【疑名】[hemanta ヘマンタ 1 の縮約形] ①(質問)何。 hńta an? フンタ アン? なんだい/なんですか? (hńta ne? フンタ ネ? 《何だ?》とも言う)。 hńta ekuskonna poro haw e=sanke wa k=éramutuy a na フンタ エクㇱコンナ ポロ ハウ エサンケ ワ ケラムトゥイ ア ナ なんだそれ突然大きな声を出してびっくりしたよ。(S) ②何か(できごとだけわかっていてその主または対象が何だかわからないときに使う)。 to, to, hńta moymoyke kor an ト、 ト、 フンタ モイモイケ コラン ほらあそこ、 あそこに何か動いている。(S) a, hńta kor wa ek kor an na ア、 フンタ コㇿ ワ エㇰ コラン ナ あ、 何か持って来ているよ。(S) (注 「何か食べたい」のようなときの「何でもいいから何か」は nep ka ネㇷ゚ カ。) ③hńta kusu フンタ クス [何・のため/故に] なぜ。 hńta kusu ene e=okasura hi an? フンタ クス エネ エオカスラ ヒ アン? なぜこんなときに行かせるの。(S) hńta ne フンタ ネ 何のために(「なにしに」)。 hńta un, kamuy ye a wa フンタ ウン、 カムイ イェ ア ワ なあに(ほかでもない)、 神が言ったのだわ(だから、 そのとおりになるんだ)。 ☆参考 日常の早い会話では hemanta ヘマンタ よりもこのほうが普通に使われる。 沙流川の下流でも中流でも言うがペナコリの川上まつ子さんは hinta ヒンタ と言う。 {E: ①what. ②something. ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoanunu
ホアヌヌ 【自動】[ho-anu-nu 尻・を置く・(重複)](?) 尻を後ろへ突き出し股を広げて歩く。 osoro wen wa hoanunu wa apkas オソロ ウェン マ ホアヌヌ ワ アㇷ゚カㇱ 彼はお尻が悪いので股を広げて歩く(「梅毒か何かで陰部の悪い人の歩き方」)。(S) {E: to walk with the thighs spread and the buttocks protruding.} (出典:田村、方言:沙流)
hocaku
ホチャク 【自動】[ho-ca-ku 尻・(はじけることを表す語根)・(他動詞形成)](鳥が)糞をする。 ni rewpok ta cise as wa nítek ka ta cikap hocaku kor cise kasi un hocaku ニ レウポㇰ タ チセ アㇱ ワ ニテㇰ カ タ チカㇷ゚ ホチャク コㇿ チセ カシ ウン ホチャク 木のかしいでいる下に家があるので木の枝の上で鳥が糞をすると家の上に糞を落とす。(S) ☆参考 犬や猫の場合は人間と同じく osoma オソマ、 okuyma オクイマ を使う。 (出典:田村、方言:沙流)
hocinuturkuste
ホチヌトゥㇽクㇱテ 【他動】[ho-cin-utur-kus-te 尻・上脚・の間・を通る・させる] 股(また)の間を通す/にはさむ。 {E: to fasten something through the crotch.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoiyo
ホイヨ 【自動】[ho-i-o 尻を・もの・に入れる](不道徳な話として)悪事をする。 ☆発音 ho'íyo と発音する、 つまりホッイヨを早口で言うような感じで、 イの部分を高く発音する。 {E: to do something wrong.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hokure
ホクレ 【副】①さあ早く、 どうぞ、 どんどん、 さっさと(主にうながすときに使う)。 eci=ápkas etok ta hokure poronno ipe yan エチアㇷ゚カㇱ エトㇰ タ ホクレ ポロンノ イペ ヤン あなたたち出歩く(出かける)前に、 さあ、 たくさん食べなさい。(S) hokure ka a=ku ka somo ki ホクレ カ アク カ ソモ キ (引用文中)私はどんどん飲みはしなかった。 ②[慣用句]hokure kunak ホクレ クナㇰ さあ早く。 hokure kunak hayok yan! ホクレ クナㇰ ハヨㇰ ヤン! さあ早く武装しなさい。(W言い伝え) ③(間投詞のように) hokure hokure! ホクレ ホクレ! 早く早く、 さあさあどうぞ。 ☆参考 heta ヘタ/hetak ヘタㇰ はこれから始めよう/始めなさいというときのただのうながし《さあ》。 hokure ホクレ は早く、 どんどん、 さっさと、 といったような、 ニュアンスを含む副詞。 両方続けて hetak hokure ヘタㇰ ホクレ とも言う。 ☆参考 命令・要求表現での用法が圧倒的に多い。 相手(2人称)に対する要求(命令の形や yak pirka na ヤㇰ ピㇼカ ナ などの形)のほか、 包括的1人称複数《私たち》に対する要求、 つまりさそいの言い方(主語不定人称形)もある。 叙述文で使われている例は否定表現になっている。 (出典:田村、方言:沙流)
hokusak menoko
ホクサㇰ メノコ §033.いいなずけ(許嫁)(15)hoku-sak menoko〔ho-kú-sak|me-nó-ko ホくサㇰ・メのコ〕⦅ホロべツ⦆【雅】許嫁の夫のない女。[hoku(夫)+sak(を持たぬ)+menoko(女)]。"a-turesi utar, somo ka hoku-sak menoko utar eci-ne ruwe ka somo tapan na. ikanepeka rit-us kane okay-pe utar eci-nukar ko, orun eci-itak na! eci-mina na!"「我が妹たちよ、決して許嫁の夫の無い女たちで汝らはあるのでないのだよ。ゆめゆめ筋ばっている者ども(=男たち)を汝ら見ても、それへ汝ら物言いかけるのではないよ!汝ら笑いかけるのではないよ!」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
honoye
ホノイェ 【自動】[ho-noye 尻を・ねじる] ①(柱が)傾く、 (建物が)柱が歪みねじれて傾いている。 taan cikue cikiri honoye タアン チクエ チキリ ホノイェ この机は足が傾いている。(S) unihi honoye ウニヒ ホノイェ 彼の家は傾いている。(S) honoye wa hokus anki an ホノイェ ワ ホクㇱ アンキ アン 傾いて倒れそうになっている。(S) okimne cikirihi honoye wa oka kusu tanpa anak okimunpe an nankor オキㇺネ チキリヒ ホノイェ ワ オカ クス タンパ アナㇰ オキムンペ アン ナンコㇿ (ermupu エㇾムプ という星座名の)山側(=北側)の足が傾いているから今年は山津波(洪水)があるだろう。(S) (☞ermupu エㇾムプ) ②(比喩的に)帰って行く。 hempara suy honoye kus ene an? ヘンパラ スイ ホノイェ クㇱ エネ アン? [隠]いつまた傾こうというのだろう=(長尻の客が)いつ帰るのだろう。(S) honoye ka somo ki ホノイェ カ ソモ キ [隠]全然傾かない=長尻でいっこうに帰らない。(S) ☆参考 建物などがゆがんで傾く/傾いていることを言う。 置いてあるものが傾く/傾いて(かしいで)いることは ohewke オヘウケ、 上から下がっている鍋などが傾いていることは ehewke エヘウケ。 {E: ①to lean; incline. ②…} (出典:田村、方言:沙流)
hopuni
ホプニ 【自動】[単](複は hopunpa ホプンパ)[ho-puni 尻・を持ち上げる] 起きる、 起き上がる、 立ち上がる、 飛ぶ。 nisattane túnasno hopuni=an wa ニサッタネ トゥナㇱノ ホプニアン ワ 明日は早く起きて。(NK民話) néa a=aréramiskari okkaypo ka hopuni híne horippa eyorot ネア アアレラミㇱカリ オッカイポ カ ホプニ ヒネ ホリッパ エヨロッ その全く見知らぬ若い男も立ち上がって踊りの輪に加わった。(W民話) too hopuni híne orano uni pakno ek híne uni soyke ta turse híne トオ ホプニ ヒネ オラノ ウニ パㇰノ エㇰ ヒネ ウニ ソイケ タ トゥㇽセ ヒネ ずうっと遠く飛んで彼の家まで来て家の前に落ちて。(S民話) ☆対語 a ア 座る。 hotke ホッケ 寝る(横たわる、 寝床に入る)。 ☆参考 mos モㇱ 目をさます。 ☆参考 まだ寝ないで起きていることを言うには a ア が使われる。 hopuni ホプニ は寝ていた(横になっていた)人が起き上がることや座っていた人が立ち上がることを言う。 鳥や飛行機などの場合は、 飛び立つことだけでなく飛行すること全体を言い、 自力で飛ぶものだけでなく飛ばされて飛ぶものについても言う。 {E: to get up; fly; jump (up).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
horaociwpa
ホラオチウパ 【自動】[複](単は horaociwe)[雅](飛んできた神などが)空からサッと降りて来る。 petso ka ta/horaociwpa ペッソ カ タ/ホラオチウパ [雅](飛んで来た女神が)川原の上にサッと降りて来た。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
horarayse
ホラライセ 【自動】[ho-rara-y-se 尻・(すべりを表す擬態)・(挿入音)・と言う](?) すべる、 すべりおりる、 すべり落ちる(人、 木、 着物、 ふとんなどが)。 ci=sikao p horarayse wa an na, un-ka omare チシカオㇷ゚ ホラライセ ワ アン ナ、 ウン カ オマレ 私たちが掛けている布団が落ちてしまっているから、 かけてください。(S) hekattar pon sori o wa horarayse wa sinot kor oka ヘカッタㇻ ポン ソリ オ ワ ホラライセ ワ シノッ コロカ 子どもたちが小さいそりに乗ってすべって遊んでいる。(S) ☆参考 氷すべりなどでスーッとすべるのは cárase チャラセ、 スキーでストックを持ってスピードを上げてすべるのは carse チャㇻセ、 ツルッとすべる(すべってころぶなど)は osittesu オシッテス。 ものの表面がなめらかでスベスベしていることは rárak ララㇰ。 {E: to slip, slide (down).} (出典:田村、方言:沙流)
hoski 1
ホㇱキ 【他動】に酔う。 socu ku=ku wa ku=hoski ソチュ クク ワ クホㇱキ 私は焼酎を飲んで酔った。(S) ☆参考 ihoski/iyoski イホㇱキ/イヨㇱキ [自動]酒類に酔う、 酔っぱらう。 {E: to be (get) drunk on…} (出典:田村、方言:沙流)
hotasnu
ホタㇱヌ 【自動】(…のことは)不安である、 非常な危険を感じる。 nociw tup uhewe uhewe pekor, a=nukár siri anakne, hotasnu=an hi kusu ノチウ トゥㇷ゚ ウヘウェ ウヘウェ ペコㇿ、 アヌカㇻ シリ アナㇰネ、 ホタㇱヌアニ クス 星が二つ交互に上がったり下がったりしているように見えるのは、 覚悟を決めなければならないほど危険なことなので(語り手訳)。(HC民話) hemanta etoko yaykar kusu ene nísapno síttoyárekurok a p ora ene kunne nociw ka a=nukár ruwe anakne, hotasnu kewtum koohana ne yakka ku=yaykorpare ヘマンタ エトコ ヤイカㇻ クス エネ ニサㇷ゚ノ シットヤレクロㇰ アㇷ゚ オラ エネ クンネ ノチウ カ アヌカン ルウェ アナㇰネ、 ホタㇱヌ ケウトゥㇺ コオハナ ネ ヤッカ クヤイコㇿパレ 何の前兆なのか、 急にまっ暗になり夜の星まで見えるのは、 心配で気がかりな気持ちを、 私のようなものでも抱(いだ)いた。(W会話) {E: to be uneasy; have something on one's mind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hotkeosirepare
ホッケオシレパレ 【自動】[hotke-o-sirepa-re 寝る・に・到る・させる] すっかり寝てしまう。 {E: to be sound asleep.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hotne
ホッネ 【連体】[数連体][hot-ne 二十・である] 二十の。 hotne sike ホッネ シケ 二十個の荷物。 hotne poyson ホッネ ポイソン 二十人の子ども。 {E: twenty…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hoyuppare
ホユッパレ 【他動】[複](単は hoyupu ホユプ)[hoyuppa-re 走る[複]・させる](二人以上を) 走らせる。 {E: to make someone run.(pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
húkinatomne
フキナトㇺネ 【自動】[hu-kina-tom-ne なまの・草・光/色あい・である] 新緑の草の色である、 青々としている。 ponno úna omare wa taan kina omare, yak sonno húkinatomne wa iranmakaka iroho pirka ポンノ ウナ オマレ ワ タアン キナ オマレ、 ヤㇰ ソンノ フキナトㇺネ ワ イランマカカ イロホ ピㇼカ 少し灰を入れてこの菜っぱを入れなさい、 そうすれば本当に青々としてきれいに色濃くゆで上がる。(S) ☆参考 基本的な色の名称としてよく使われる siwnin シウニン は、 新緑の木や草のような明るい緑色を中心とするが、 青から黄までの範囲の色に使われる。 その中で特に「新緑の草の色である」と限定して表現するのに、 この語が使われる。 ほかに、 níkap iro ニカㇷ゚ イロ/ニカピロ 木の皮の色=黄色、 nis iro ニㇱ イロ 空の色、 kinapetomne キナペトㇺネ 草色である、 など。 {E: to be very green (in colour.).} (出典:田村、方言:沙流)
hum
フㇺ 【名】[概](所は humi(hi) フミ(ヒ)) 音、 感じ。 hum as フㇺ アㇱ/フマㇱ 物音がする、 音が聞こえる。 {E: a sound; a feeling.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
húmas
フマㇱ 【完動】[hum-as 音・立つ(=する)]物音がする、 音が聞こえる、 感じがする(=hum as フㇺ アㇱ)。 {E: to hear a sound; sense, feel something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
húmashumas
フマㇱフマㇱ 【完動】[húmas-húmas 音がする・(重複)] しきりに音がする。 {E: to sound (out) frequently.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
humi 2
フミ 【形名】[名詞化辞](動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。 音や、 視覚以外の感覚、 感じ、 思いなどに関して用いられる。)…する/した/している音/感じ/気配/のよう。 …humi ne フミ ネ …のする音/感じ/気配/ようである。 humi an フミ アン …のようだ/…のか(なあ)。 hńta ninpa wa arpa humi an? フンタ ニンパ ワ アㇻパ フミ アン? 何を引きずって行く音だろうか。 a=ewémkoani mokko ninpa wa arpa humi un アエウェㇺコアニ モッコ ニンパ ワ アㇻパ フミ ウン たんかを引きずって行く音だよ。 ku=sikpake inteo yan humi an クシㇰパケ インテオ ヤン フミ アン 私の目頭に目やにがあがったようだ。 …humi! フミ!…なあ(感嘆)。 méan humi! メアン フミ! 寒いなあ。 tanpane anak a=tura rusuy humi! タンパネ アナㇰ アトゥラ ルスイ フミ! 今年こそは一緒に行きたいなあ。(S民話) wátaha irammakaka puspuske wa a=mi humi pirka ワタハ イランマカカ プㇱプㇱケ ワ アミ フミ ピㇼカ ふとんの綿が具合よくふくらんで掛けるのに気持ちがいい。(S) humi ka isam フミ カ イサㇺ …したような感じが全然しない、 ちっとも…しない。 sirmeman humi ka isam シㇼメマン フミ カ イサㇺ ちっとも涼しくなったようでもない。(W) k=éramasu humi ka isam ケラマス フミ カ イサㇺ 私はちっともおもしろくない。(S) tópenpe poronno a=o yakka tópen humi ka isam no runnu hi patek ne トペンペ ポロンノ アオ ヤッカ トペン フミ カ イサㇺ ノ ルンヌ ヒ パテㇰ ネ 甘いもの(砂糖)をたくさん入れても甘みが感じられないで、 しょっぱいだけだ。 ☆参考 あとに hi ヒ はつかない、 つまり humihi フミヒ とはならない。 ☆参考 humi フミ [名][所]《音、 感じ》については ☞humi(hi) フミ(ヒ) ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 ☞ruwe ルウェ {E: the sound, sense, feeling of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
humi(hi)
フミ(ヒ) 【名】[所](概は hum フㇺ)…の音、 …の感じ。 humi(hi) as フミ(ヒ) アㇱ …の音がする、 鳴る、 …の感じがする。 humi(hi) aste フミ(ヒ)アㇱテ …の音を立てる、 …を鳴らす(楽器でも鈴や太鼓など叩いて鳴らすものの場合)。 ani humi a=aste p アニ フミ アアㇱテㇷ゚ それで音を鳴らすもの(楽器)。 iteki e=humi aste イテキ エフミ アㇱテ あなたの音を立ててはいけません(=物音をたてないようにしなさい)。(W独話) (S) humi(hi) ka isam フミ(ヒ) カ イサㇺ …の音がしない。 cip yanke humi as akus ora, humihi ka isam チㇷ゚ ヤンケ フミ アサクㇱ オラ、 フミヒ カ イサㇺ 彼が舟を岸に着ける音がしたが、 そのあとその音が全然しなくなった。(NK民話) {E: the sound of…; the feeling of …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
humki
フㇺキ 【自動】[hum-ki 音・をする] 音がする、 音を出す。 heru pawci ta humki ya? ヘル パウチ タ フㇺキ ヤ? (直訳すると)何でもなくてこんな音がするだろうか(=何の音だろう、 あやしいぞ)。(HK民話) {E: to (make a) sound.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
humkosanpa
フㇺコサンパ 【自動】[hum-kosanpa 音・(突然起こることを表す接尾辞)] 突然の(ドン、 ガラガラツなどの)激しい音がする。 {E: to make a sharp sound.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
humkuspare
フㇺクㇱパレ 【他動】[hum-kus-pa-re 音・…を通る・(複)・させる][雅] kasi humkuspare カシ フㇺクㇱパレ [雅] …に音を鳴り響かせる。 tu repun mosir/mosirso kasi/humkuspare トゥ レプン モシㇼ/モシㇼソ カシ/フㇺクㇱパレ [雅] いくつもの沖の島(外国)の地面の上に音を鳴り響かせます。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hunakke kus(u)
フナッケ クス/フナッケ クㇱ 【副】[hunak-ke-kusu どこの所・のために] せっかく(…したのに)。 hunakke kusu arki=an a p ene a=nimára eci=né wa hunak un eci=payé rusuy hawe an フナッケ クス アㇻキアナㇷ゚ エネ アニマラ エチネ ワ フナクン エチパイェ ルスイ ハウェ アン せっかく私たちは一緒に来たのにあなたたちだけが分かれてどこかへ行きたいと言うのか。(S言い伝え) ☆参考 沙流川下流から鵡川にかけて使われる形。 沙流川中流の人は hinakke kus(u) ヒナッケ クス/ヒナッケ クㇱ と言う。 {E: some place; somewhere.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hunna
フンナ 【疑名】①だれ。 hunna an? フンナ アン? だれ(です)か。 hunna e=ye? フンナ エイェ? あなたはだれのことを言ったの? (S) ②だれか(できごとだけがわかっていて、 その主または対象がだれだかわからないときに言う)。 hunna ek humi an フンナ エㇰ フミ アン だれか来た音がしたよ。(S) ☆参考 「だれか寄越してください」などの「(だれでもいいから)だれか」は nen ka ネン カ。 {E: ①who(m). ②someone; somebody.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hureh
フレㇸ §277 くま (66) hureh (hu-réh)「フれㇸ」[so) (出典:知里動物編、方言:)
hureitunnap
フレイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (23) hure-itunnap(hú-re-i-tun-nap)「ふレイトゥンナㇷ゚」⦅幌別⦆アカヤマアリ Formica sanguinea fusicepes EMERY. エゾアカヤマアリ Formica trunicicola yessoensis FOREL. (出典:知里動物編、方言:)
huymampa
フイマㇺパ 【他動】[複?](単として予想される形は未出) よくよく調べる。 {E: to investigate something well.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iitasare
イイタサレ 【他動】[i-i-tasa-re 人を・人・と交換する・させる]…を人と交換する(「ばくる」)。 iitasare ru ka he an? イイタサレ ル カ ヘ アン? まあ(彼は)こんなもの「ばくった」(=交換した)の? (S) {E: to exchange… with someone.} (出典:田村、方言:沙流)
iiyomapka
イイヨマㇷ゚カ 【自動】[i-iyomap-ka 人を・子どもをかわいがる・(他動詞化)]かわいい(「めんこい」)、 実にかわいらしい。 iiyomapka poyson! イイヨマㇷ゚カ ポイソン! かわいい子だねえ! (S) {E: to be cute, lovely, pretty.} (出典:田村、方言:沙流)
ika 3
イカ 【副】…しないように。 ☆参考 沙流川中流の人が言う。 下流のワテケさん、 サダモさんは ikiya イキヤ。 {E: so as not to do…} (出典:田村、方言:沙流)
íkamenas
イカメナㇱ 【名】[íka-menas 近道する・やませ(南風)] 東南風。 ☞réra レラ {E: a south-east wind.} (出典:田村、方言:沙流)
ikamesu
イカメス 【自動】[i-ka-mesu 人・の上・をはがす][ka(si) mesu の目的語不定人称形] 人を助ける。 ☞ka(si) mesu カ(シ) メス {E: to help someone} m() (出典:田村、方言:沙流)
ikaopiwki
イカオピウキ 【自動】[ka(si) opiwki の目的語不定人称形]人を助ける(命を助ける、 救援する)。 ☞ka(si) opiwki カ(シ) オピウキ {E: to help someone} (出典:田村、方言:沙流)
ikaoyki
イカオイキ 【自動】[i-ka-o-iki 人・の上・に・ものごとをする][ka(si) oyki の目的語不定人称形]困っている人を援助する。 ☞ka(si) oyki カ(シ) オイキ {E: to help someone in need.} (出典:田村、方言:沙流)
ikasuy
イカスイ 【自動】[i-kásuy 人・を手助けする] 人の手伝いをする、 人に/皆に協力する。 ukuran wano arpa wa ikasuy kor an ウクラン ワノ アㇻパ ワ イカスイ コラン(おばさんは奥さんの亡くなった家に)ゆうべから行って手伝いをしている。(W) yaykata anak nep ka ku=kar somo ki yakka kú=ipe easkay korka sinrit ku=ramu wa nen póka kú=ikasuy siri un ヤイカタ アナㇰ ネㇷ゚ カ クカㇻ ソモ キ ヤッカ クイペ エアㇱカイ コㇿカ シンリッ クラム ワ ネン ポカ クイカスイ シリ ウン 自分は何もしないでも食べていけるけれど一族を思って何とか手助けしているのだよ。(S) ☆参考 ikaopiwki イカオピウキ 人を救う。 ☞kásuy カスイ (出典:田村、方言:沙流)
ikayop
イカヨㇷ゚ 【名】[ik-ay-o-p (?)・矢・入れる・もの]矢入れ、 矢筒(「矢さし」)。(S) soyne kusu ne akusu ikayop komaknasikirpa híne ayeroskipa ソイネ クス ネ アクス イカヨㇷ゚ コマㇰナシキㇼパ ヒネ アイェロㇱキパ (熊が)外に出ようとしたとき(兄たちは)矢入れを取りに奧へもどってから矢を射て(熊を)しとめた。(NK民話) {E: a quiver for arrows.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikema
イケマ 【名】[植物] イケマ。 ☆参考 根はサツマイモのような色で長いのはゴボウのようで50センチもあり太いのは直径5センチもある。 葉は直径1センチくらいのつるになる。 つるは1本だけで長いつるの節々に白い花が咲き、 そのあとに実がなる。 この植物の根をイケマと言う。 根は甘くちょっと苦みがある。 あまり食べると酔って(hoski ホㇱキ)しばらく死ぬ。 そうしたら体中をつねりながら「ikema イケマ、 motoho モトホ《素性》をお言い、 あなたは人間を守るためにここへおろされたので人間を殺すためではない、 生かせ生かせ」と言って ikema イケマ を叱る。 そうすれば生き返る。 また「魔物」(=悪神)を追い払うためにはこの根を口に含んでフツと吹き出す。 そうすればどんな「魔物」(=悪神)でも逃散する。(S)〔知分類 p.41 イケマ〕 {E: the name of a plant, something like a burdock root. (cynanchum caudatum, maxim (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
ikemnu
イケㇺヌ 【自動】[i-kemnu 人・を気の毒に思う] 気の毒に思う、 かわいそうに思う、 気の毒な。 cis tura ikemnu=an kor oka=an チㇱ トゥラ イケㇺヌアン コㇿ オカアン 私たちは泣きながら(=涙が出るほど)気の毒に思っている。(W会話) ikemnu isoytak イケㇺヌ イソイタㇰ 気の毒な話。(W民話) {E: to feel sorry for.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iki
イキ 【自動】[i-ki ものごとを・する] ①する、 ふるまう、 行なう。 iki ayne イキ アイネ (苦心して/がんばりつづけて)ようやく。 …siri iki … シリ イキ …している様子である。 ene iki hi エネ イキ ヒ どうするかということ、 しかた。 ene iki hi ka isam エネ イキ ヒ カ イサㇺ どうしようもない。 ②(名詞として使われて)行い。 ene an iki patek kipa エネアニキ パテㇰ キパ そのような行いばかりする。(S会話) … péka iki …ペカ イキ …を歩く、 …を旅する。 ihokusi péka ikuusi péka é=iki ayne e=ek ruwe somo ne ya? イホクシ ペカ イクウシ ペカ エイキ アイネ エエㇰ ルウェ ソモ ネ ヤ? マーケットや飲み屋をあなた歩いてきたのではないのか。(S) ③[熟語]… hawe iki wa/…humi iki wa …ハウェ イキ ワ/…フミ イキ ワ (あきれた言い方の一つで、 反語的に用いられる。)こともあろうに…なんていうことを言ってる、 こともあろうに…なんてことをして音をたてている、 よくも…言う/…音を出すもんだね。 kasusne hawe iki wa! カスㇱネ ハウェ イキ ワ! まあ、 たいしたことを言ってきた(=ひどい話だなあ)(kasusne カスㇱネ は《大したことはない》) (☞wa ワ 3)。 pe/p iki ペ/ㇷ゚ イキ …している(いぶかって言う言い方)。 hńta kohehewpa wa nukar pe iki? フンタ コヘヘウパ ワ ヌカㇻ ペ イキ? 何をのぞいて見てるんだろう。 hńta ewkopinupinu p ikipa? フンタ エウコピヌピヌㇷ゚ イキパ? 何をコソコソ話し合っているんだろう。(S) ④[雅](韻文の中で、 また会話でも美文調で話すとき、 ときおり ne ネ《である》の代わりに使われる。 用例では korka/korkayki コㇿカ/コㇿカイキ《けれども》、 yakka/yakkayki ヤッカ/ヤッカイキ《…しても》の前に置かれている。 ne ネ を使った表現とは多少ニュアンスが違う。) onne p iki korka オンネㇷ゚ イキ コㇿカ 年老いた者ではあるけれど。(onne p ne korka オンネㇷ゚ ネ コㇿカ 年老いた者だけれど。) (W神謡語り) pon cikisani/pon menoko/iki korkayki/kamuy moyremat ポン チキサニ/ポン メノコ/イキ コㇿカイキ/カムイ モイレマッ [雅]小さいハルニレの若い女性ではあるが、 まるで女神様のように…。(Sユーカラ) iki yakkayki イキ ヤッカイキ [雅]…も。 inan henpara/iki yakkayki イナン ヘンパラ/イキ ヤッカイキ [雅]いつどんなときでも。(Sユーカラ) {E: ①to do; conduct; behaviour (v.). ②conduct, behaviour, action (n.). ③… ④… } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikineypeka
イキネイペカ 【副】[iki-ney-péka どんな…でも・どこ・で](?) [雅](禁止の言い方の一つ。)けっして(…してはいけない)。 síno utarpa/ikineypeka/tumuan kewtum/i=kokor kuni p/somo tapan na シノ ウタㇻパ/イキネイペカ/トゥムアン ケウトゥㇺ/イココㇿ クニㇷ゚/ソモ タパン ナ [雅]まことの強者はけっして憤慨して私に敵意を持つのではありませんよ。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikir 1
イキㇼ 【名】[概](所は ikiri(hi) イキリ(ヒ)) ①ものの集合(ひとまとまり)、 たくさんの集まり。 amam ikir amip ikir icen ikir poronno an pe ne アマㇺ イキㇼ アミㇷ゚ イキㇼ イチェン イキㇼ ポロンノ アン ペ ネ お米(ヒエ)も着物もお金も山積みになってたくさんあるのだ。(S民話) ②系統。 húci ikir フチ イキㇼ [祖母・系統]=母系。 aynu sapikir アイヌ サピキㇼ アイヌの系統。 ekasi ikir エカシ イキㇼ [祖父・系統]=父系。 iwan aynu ikir eposo húci イワン アイヌ イキㇼ エポソ フチ 六代にわたって生きたおばあさん。(S独話) (出典:田村、方言:沙流)
ikiya
イキヤ 【副】[iki-ya ものごとをする・かどうか](動詞のあとに助詞 na ナ を伴って)…しないように。 ikiya…na イキヤ…ナ …するんでないよ、 …しないようにね。 ikiya e=hacir na イキヤ エハチンナ ころばないようにね。(S会話) nep ne yakka é=ukoparorarpa ayne ikiya e=honi arka na ネㇷ゚ ネ ヤッカ エウコパロラㇻパ アイネ イキヤ エホニ アㇻカ ナ 何でも口に入れておなかが痛くなるといけないよ。(S) ☆参考 iteki イテキ は禁止、 つまり、 しないことを要求するのに使われる。 ikiya イキヤ は懸念(けねん)、 つまり案じて注意する表現である。 {E: so as not to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikoahun
イコアフン 【自動】[単](複は ikoahup イコアフㇷ゚)[i-ko-ahun もの・に向かって・入る] あぶないところへ思い切って入る。 pon pewrep oka noyne haw as na ikoahun wa uk wa ek ポン ペウレㇷ゚ オカ ノイネ ハウ アㇱ ナ イコアフンマ ウㇰ ワ エㇰ 小さい子熊がいるらしい声がするから入って取って来なさい。(S) {E: to resolve oneself to enter a dangerous place or situation.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikoahup
イコアフㇷ゚ 【自動】[複](単は ikoahun イコアフン)[i-ko-ahup もの・に・入る[複]](二人以上が)あぶないところへ思い切って入る。 {E: to resolve oneself to enter a dangerous place or situation. (pl.)} (出典:田村、方言:沙流)
ikoiyomap/ikoyyomap
イコイヨマㇷ゚ 【自動】[i-ko-i-omap 人・に向かって・人・をかわいがる] 人の子をかわいがる。(用例の文脈では)夫と他の妻との間にできた子どもを本妻がかわいがる。 nen ka ponmat etun wa i=kore yak ikoiyomap=an na ネン カ ポンマッ エトゥン マ イコレ ヤㇰ イコイヨマㇷ゚アン ナ だれかもう一人の妻(「めかけ」)を迎えてくだされば私はその子どもをかわいがりますから(と妻は言った)。(W民話) {E: to love, show affection to another person's children.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikokamahupte
イコカマフㇷ゚テ 【自動】[i-ko-kam-ahup-te 人・に協力して・肉を・入ら・せる] 男子(夫や兄など)が背負って来た獲物の肉を家の人(妻や妹など)が東窓の所で窓ごしに受け取るというやり方で家の中へ入れる。 ☆参考 主語は家の中で受け取る女性。 ☞ukokamahupte ウコカマフㇷ゚テ {E: for a man to pass the meat of a hunt through the eastern window to someone (his wife) in the house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikokantama
イコカンタマ 【自動】人をごまかす。 ikokantama wa soatay kar ka somo ki イコカンタマ ワ ソアタイ カㇻ カ ソモ キ 人をごまかして借金を払わない。(S) {E: to deceive; cheat.} (出典:田村、方言:沙流)
ikokanu
イコカヌ 【自動】[i-kokanu 人/もの・を聞き入る] 人の言うことを注意深く聞き入る、 盗み聞きする。 taan puy o uske kari ikokanu タアン プヨ ウㇱケ カリ イコカヌ この穴のあいたところから立聞きしなさい。(S) ☞kokanu コカヌ {E: to listen carefully to what someone says.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikotca
イコッチャ 【位名】[不定人称形][i=kotca 人・の前] 人の前。 {E: in front of someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikoysanpa
イコイサンパ 【自動】[i-ko-isanpa 人・に対して・(?)]人まねする。 ☆参考 eykoysanpa エイコイサンパ [他動]…のまねをする。 ☆参考 事柄をまねすることを言う。 ものの言い方や体の動きなどをものまねのようにそっくりにまねることは yúkar ユカㇻ[自動]、 eyukar エユカㇻ[他動]。 {E: to imitate, copy someone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikoytupa
イコイトゥパ 【自動】何も持っていなくて暮らしに困る(「難儀する」)、 ものを欲しがる。 sirunno ikoytupa kaspa ka somo ki シルンノ イコイトゥパ カㇱパ カ ソモ キ まさかあまり「難儀」もしていないよ(=暮らしに困ってもいない)。(S) ☆参考 他動詞は eykoytupa エイコイトゥパ。 {E: to be in difficulties, in need; to want.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikupa 2
イクパ 【自動】[i-kupa もの/人を・噛む](犬が)人にかみつく。 seta sirkote wa anu yan, iteki kirare no, ikupa wa a=sitóma na セタ シㇼコテ ワ アヌ ヤン、 イテキ キラレ ノ、 イクパ ワ アシトマ ナ 犬をつないでおきなさい、 逃がさないで、 人にかみついて恐ろしいから。(S) {E: (for a dog) to bite, snap at someone} (出典:田村、方言:沙流)
ikure
イクレ 【他動】[自動使役][iku-re 酒を飲ま・せる] …に酒類(アルコール飲料)を飲ませる。 ☆参考 a=ikúre a a=ikúre a アイクレ ア アイクレ ア 彼はどんどん酒をつがれてたくさん飲まされた。(W言い伝え) {E: to make, let someone drink alcohol.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikusa
イクサ 【自動】[i-kusa 人を・舟で川を渡す] 人を(舟で川を)渡す。 {E: to ferry someone across a river by boat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikuspe
イクㇱペ 【名】柱、 杭(家を支えるものも、 外で柵や物や棒を支えるものも)。 osiso un ror wa sikkew or un ikuspe オシソ ウン ロㇿ ワ シッケウ オルン イクㇱペ 家の右座の上座の(東北の)隅の柱。 oharkiso un ror wa sikkew ikuspe オハㇻキソ ウン ロㇿ ワ シッケウ イクㇱペ 左座の上座の(東南の)隅の柱。 oharkiso un útur wa sikkew ikuspe オハㇻキソ ウン ウトゥㇽ ワ シッケウ イクㇱペ 左座の下座の(西南の)隅の柱。 osiso un útur wa sikkew ikuspe オシソ ウン ウトゥㇽ ワ シッケウ イクㇱペ 右座の下座の(西北の)隅の柱。 osiso un apasam un ikuspe オシソ ウン アパサムン イクㇱペ 右座側の出入口脇の柱。 uhuy ikuspe ウフイ イクㇱペ 「焼けぼっくい」=焼け跡に立っている木の棒(柱の焼けたもの等)。 ☆参考 「家のあちこちがくさっても四隅の柱だけは残ると言う。 punkaw プンカウ《「トスナラ」=ハシドイ》という木でつくる。 この木はくさらない。 外側がくさっても芯が残って針金のようになって立っている。」 (S) {E: a post; a pillar.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
imemke
イメㇺケ 【自動】[i-memke ものを・(髪)を刈る/そる] 散髪する。 ☞memke メㇺケ {E: to cut someone's hair.} (出典:田村、方言:沙流)
imeru
イメル 【名】[概/所][i-meru ものの・きらめき] 稲光、 ピカッ(キラッ)という明るいきらめき。 imeru at イメル アッ 稲光が光る。 imeru us イメル ウㇱ (人や神が)輝く(ほど美しい)、 …に後光がさす。 imeru us kane oka poyson utar ne rokoká イメル ウㇱ カネ オカ ポイソン ウタㇻ ネ ロコカ 輝くほど美しい子どもたちだったのでした。(W民話) {E: a flash of lightning.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
imire
イミレ 【他動】[自動使役][imi-re 衣服を着る・させる] …に衣服を着せる。 {E: to dress someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inani
イナニ 【疑名】[inan-hi どの・ほうのもの/人/所] (二つ以上のうちの)どの/どちら(のほう)のもの/人/所。 inani un イナニ ウン どっちへ(あっちかこっちか)。 inani un k=arpa kor pirka? イナニ ウン カㇻパ コㇿ ピㇼカ? (あっちの町かこっちの町か)どっちへ行けばいいだろう? (S) ☆参考 人については inan kur イナン クㇽ、 ものについては inan pe イナン ペ や inanike イナニケ が多く使われ、 inani イナニ は場所について「どっちへ」「どっちに」「どっちから」のような表現に多く使われるようである。 {E: which person, place etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inawtuyeyar
イナウトゥイェヤㇻ 【自動】[inaw-tuye-yar イナウ・を切る・人に…してもらう] イナウ(木幣)にする木を人に切ってもらう。 {E: to have someone cut a tree for making inaw.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
íne 2
イネ 【連体】[数連体][i-ne 四(?)・である]四つの、 四人の。 íne to イネ ト 四日。 íne sike イネ シケ 四個の荷物。 íne poyson イネ ポイソン 四人の子ども。 íne urepet us pe ne aan イネ ウレペッ ウㇱ ペ ネ アアン (熊の足跡があったので見ると)四本指のついたやつだった(=たちの悪い人食い熊の足跡だった)。(S) (注 普通の熊には指が五本ある。) {E: four, as a counter, e.g. four people.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ineap
イネアㇷ゚ 【名】[単](複は inerokpe イネロㇰペ)[ine-a-p どうである・…した・もの](感嘆)なんとまあ…。 ①(多くの場合、 次のような慣用表現で用いられる。) ineap…ya ka eramiskari イネ アㇷ゚…ヤ カ エラミㇱカリ なんとまあ見たことも聞いたこともないほど/びっくりするほど…だ。 ineap arikiki ineap ison wa síriki ya ka a=erámiskari イネアㇷ゚ アリキキ イネアㇷ゚ イソン ワ シリキ ヤ カ アエラミㇱカリ (彼は)本当にまあよく働き、 獲物がたくさんとれるさまはびっくりするほどだ。(W民話) ②(後半部分…ya ka eramiskari ヤ カ エラミㇱカリ なしに) ineap kusun uneno kane oka ruwe! イネアㇷ゚ クスン ウネノ カネ オカ ルウェ よくもまあ似ているもんだね。(S) ☆発音 íne イネ《どうである》とはアクセントが違い、 í イ が低く ne ネ のほうが高く発音される。 ☆参考 単数形だが、 二人以上のことに使われることもある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inewsarka
イネウサㇻカ 【自動】[i-newsar-ka 人を・楽しむ・(他動詞化)させる] 人を楽しませる。 {E: to make s.o laugh; amuse someone} (出典:田村、方言:沙流)
inisuk
イニスㇰ 【自動】[i-nisuk 人・を頼む](仕事をするのに)人を頼む。 {E: to ask, engage someone to do something. (especially concerning work).} (出典:田村、方言:沙流)
inkus
インクㇱ 【自動】悪いことが起こることを察知/予知する、 悪い予感がする。 maratto an kor síran korka inkus utar oka ruwe ne, topattumi ek noyne iramuan ruwe ne マラット アン コㇿ シラン コㇿカ インクㇱ ウタㇻ オカ ルウェ ネ、 トパットゥミ エㇰ ノイネ イラムアン ルウェ ネ 酒宴が行われていたけれど、 予知する人たちがいて、 夜襲の群団が来るらしいとわかった。(W言い伝え) a=i=ráyke wa a=sapáha arerepasi arpa yakun, inkus=an pe ne ruwe ne na アイライケ ワ アサパハ アレレㇷ゚ アシ アㇻパ ヤクン、 インクサン ペ ネ ルウェ ネ ナ 私が殺されて私の首(=頭)がずうっと沖の方へ飛んで行ったら、 恐ろしいことの前兆ですからね。(W民話) {E: to have a premonition that something bad is going to happen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inoka
イノカ 【名】[i-noka 人/もの・絵/像] 人の絵、 肖像(絵も像も)。 poyson inoka ポイソン イノカ 幼い子どもの像(人形)。 ☆参考 昔は人形をつくらなかった。 肖像画もかかなかった。 {E: a picture, painting of someone; a portrait.} (出典:田村、方言:沙流)
ipakasnu
イパカㇱヌ 【自動】[i-pakasnu 人を・戒める] 人のいい悪いを(うるさく)言う。 ipakasnu kur i=ekari ek kor an na イパカㇱヌ クㇽ イエカリ エㇰ コラン ナ 口うるさい人が私たちの方へ(=こっちへ)向かってやってきたよ。(S) {E: to criticise, praise, speak bad, good about someone.} (出典:田村、方言:沙流)
ipaore
イパオレ 【自動】人に負けまいとする。 ipaore kusu nepki イパオレ クス ネㇷ゚キ 人に負けまいとして働く。(S会話) {E: so as not to be defeated.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ipawcio
イパウチオ 【自動】[i-pawci-o ものに・毒・…に…がつく] 毒づけになる。(名詞として使われて)毒づけ。 {E: to be soaked in poison.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ipekorarpa
イペコラㇻパ 【他動】[ipe-ko-rarpa 食べる・に対して・押しつける[複]](人)に食べなさい食べなさいと押しつける。 ipekasma=as pakno ka a=un=ipekorarpa イペカㇱマアㇱ パㇰノ カ アウニペコラㇻパ 私たちが食べきれないほども食べなさい食べなさいと押しつけられた。(S) {E: to compel, press someone to eat.} (出典:田村、方言:沙流)
ipewnara
イペウナラ 【自動】[ipe-eunara 食べること・に関してけちである]食物を人にやるのを惜しがる(「食い根性が悪い」)。 ipewnara p ne kusu kéraan pe suwe kor an a hike ka un=eham ka somo ki イペウナラㇷ゚ ネ クス ケラアン ペ スウェ コラナイケ カ ウネハㇺ カ ソモ キ「食い根性の悪い」やつだからおいしいごちそうをつくっていたのに私たちに食べて行きなさいとも言わなかった。(S) {E: to be stingy with food.} (出典:田村、方言:沙流)
ipone
イポネ 【自動】[i-po-ne 人の・息子・である](その人の)息子である、 (親子のうち)息子のほうである。 {E: to be the son.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iporo(ho)
イポロ(ホ) 【名】[所](概は ipor イポㇿ)…の顔色、 …の顔つき。 iporo anu イポロ アヌ[顔つき・を置く] 隠す(言うのが気の毒だから見て見ないふりをする)。 m iporo kurkus イポロ クㇽクㇱ (怒って)しぶい顔をしている。 iporo rirot イポロ リロッ 心の中のことが顔色に出る。 iporo siw イポロ シウ 苦い顔をしている、 いつも笑わない。 hńta e=ruska wa é=iporo siw ruwe ene an hi an? フンタ エルㇱカ ワ エイポロ シウ ルウェ エネ アニ アン? 何を怒ってそんなに苦い顔をしているの? (S) iporo tuyreko an イポロ トゥイレコ アン ムスッと(=ブスッと)している。(S) iporo uuk イポロ ウウㇰ (怒って)顔色を変える。 iporo wen イポロ ウェン 憤慨の色を表す。 mosma mosma ku=hawean akus ora iporo wen kusu an wa soyne モㇱマ モㇱマ クハウェアン アクㇱ オラ イポロ ウェン クス アン マ ソイネ 私が関係のないほかのことばかり言ったら彼はひどく憤慨した顔をして外へ出て行った。(S) ratcako iporo ラッチャコ イポロ ランプの燃えかた、 燈火の様子。 {E: the facial complexion, looks of…} (出典:田村、方言:沙流)
ipuyaroposere
イプヤロポセレ 【自動】[i-puyar-oposo-re ものを・窓・を貫く・させる] 窓のカヤのすきまからのぞく。(NK民話) {E: to peek out of a window from behind a thatched screen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iramasure
イラマスレ 【自動】[i-ramasu-re 人を・面白く思う・させる] おもしろい、 すてきな、 なんてきれいな。 iramasure! tooká nonno pirka ruwe! イラマスレ! トオカ ノンノ ピㇼカ ルウェ! まあきれい、 あの花のきれいなこと! tooká nonno iramasure ruwe! トオカ ノンノ イラマスレ ルウェ! あの花はなんてきれいなんでしょう。 iramasure poyson pirka ruwe! imeru us kane an! イラマスレ ポイソン ピㇼカ ルウェ! イメル ウㇱ カネ アン! まあ赤ちゃんのきれいなこと輝くようだ。(S) ☆参考 最初の例のように間投詞的にも使う。 {E: to be interesting; fine; wonderful; beautiful.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iramkar
イラㇺカㇻ 【自動】[i-ramkar 人・を不愉快にさせる(?)][ram(u) kar の目的語不定人称形] 人のことを告げ口して怒らせてけんかさせる(=iyukoykire イユコイキレ)。(S) ☆参考 同じ話者が iramputputu イランプップトゥ にも同じ説明をしている。 ☞ram(u) kar ラㇺ/ラム カㇻ、 iramputputu イランプップトゥ、 iyukoykire イユコイキレ {E: to inform on someone; tell tales about someone} (出典:田村、方言:沙流)
irammakaka
イランマカカ 【副】[i-ram-makaka 人の・心を・広々と開く] とても美しく、 とてもよく、 すてきに、 立派に、 いい具合に。 wátaha irammakaka puspuske ワタハ イランマカカ プㇱプㇱケ ふとんがとてもよくふくらんだ。(S) taan hekaci anak sunke ka somo ki, mosma kur néno etarka iki ka somo ki, hawean ka somo ki, irammakaka pirka oasi kuni hekaci ne noyne katu ku=nukar タアン ヘカチ アナㇰ スンケ カ ソモ キ、 モㇱマ クㇽ ネノ エタㇻカ イキ カ ソモ キ、 ハウェアン カ ソモ キ、 イランマカカ ピㇼカ オアシ クニ ヘカチ ネ ノイネ カトゥ クヌカㇻ この子はうそもつかない、 ほかの人のようにやたらなこともしもしない、 言いもしない、 立派に出世する子だろうと私は見込んでいる。(S) irammakaka an イランマカカ アン とても美しい、 すてきな、 立派な。 {E: beautifully; wonderfully; finely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
irammokka
イランモッカ 【自動】人をからかう、 人にいたずらする。 {E: to cause mischief; make a fool of someone} (出典:田村、方言:沙流)
irammokkapa
イランモッカパ 【自動】[複](irammokka イランモッカ は単複の区別なし)(二人以上が皆で)人をばかにしてからかう。 {E: to make a fool of someone.(pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
irampotarare
イランポタラレ 【自動】[i-ram-potara-re 人(の)・心・不安になる・させる]やかましい、 うるさい。(間投詞的に)やかましいなあ、 うるさいなあ。 hekattar irampotarare, hawehe ne ya humihi ne ya, ku=yaykosiramsuypa ka eaykap ヘカッタㇻ イランポタラレ、 ハウェヘ ネ ヤ フミヒ ネ ヤ、 クヤイコシラㇺスイパ カ エアイカㇷ゚ 子どもたちやかましいなあ、 声だか音だか、 私は考えることもできない。(S) haː, irampotarare, an-epitta isomomokore ハー、 イランポタラレ、 アネピッタ イソモモコレ ああ、 こやかましい、 夜どおしだれも眠らせない。(S) ☆参考 二つ目の例のように間投詞的にも使う。 {E: to be noisy.} (出典:田村、方言:沙流)
iramtuypa
イラㇺトゥイパ 【自動】[ram(u) tuypa の目的語不定人称形]人をおどかす(びっくりさせる)。 ☞ram(u) tuypa ラㇺ/ラム トゥイパ {E: to frighten, surprise someone.} (出典:田村、方言:沙流)
iramukoyki
イラムコイキ 【自動】[i-ramu-koyki 人の・その心・をいじめる][ram(u) koyki の目的語不定人称] 人をばかにしてからかう。 ☆参考 iramkoyki イラㇺコイキ の誤記か。 ☞ram(u) koyki ラㇺ/ラム コイキ {E: to make fun of someone; make a fool of someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iramusatka
イラムサッカ 【自動】[i-ram-sat-ka 人(の)・心・乾く・(他動詞化)][ram(u) satka の目的語不定人称形] 聞いて気持ちがいい。 iramusatka ta haw as! イラムサッカ タ ハワーㇱ! いい話だなあ。(S) ☆参考 iramsatka イラㇺサッカ の誤記か。 ☞ram(u) satka ラㇺ/ラム サッカ {E: to have a good feeling on hearing something.} (出典:田村、方言:沙流)
iramusuye
イラムスイェ 【自動】[ram(u) suye の目的語不定人称形]人をなぐさめる、 人を喜ばす。 iramusuye wa pirka pekor iki イラムスイェ ワ ピㇼカ ペコㇿ イキ (死にそうだったのが)人を喜ばして良くなりそうな様子になってる。(S) ☆参考 iramsuye イラㇺスイェ の誤記か。 ☞ram(u) suye ラㇺ/ラム スイェ {E: to comfort someone} (出典:田村、方言:沙流)
iranakka
イラナッカ 【自動/副/間投】①[自動]いやなことである。 ②[副]人をいやがらせて。 iranakka ta haw as un イラナッカ タ ハウ アㇱ ウン いやなこと言ってくるなあ。 ③いやだねえ。 iranakka! イラナッカ いやだねえ。 {E: ①for something to be unpleasant; bad; disagreeable. ②to make trouble; harass. ③how unpleasant.} (出典:田村、方言:沙流)
iratcire-an
イラッチレアン 【完動】[< i-ratci-re-an 人を・静かになる・させる・ある] シーンと静まり返る。 akusu poro kucacise an, soyke ta iratcire-an híne síran アクス ポロ クチャチセ アン、 ソイケ タ イラッチレアン ヒネ シラン すると大きな狩小屋があった、 その外ではシーンと静まり返っていた。(NK民話) {E: to quieten down completely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
irayapka
イラヤㇷ゚カ 【自動】[i-rayap-ka 人を・感心する・させる]人を感心させる、 びっくりする/感心するような。 irayapka haw as hawe an! イラヤㇷ゚カ ハウ アㇱ ハウェ アン! 驚いた(「たまげた」)話だねえ。(W会話) irayapka, cise pirka ruwe! イラヤㇷ゚カ、 チセ ピㇼカ ルウェ! まあいいこと、 家がきれいだねえ! (S) ☆参考 二つ目の例のように間投詞的にも使う。 {E: to astonish, surprise someone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
irmenoko
イㇼメノコ 【名】[ir-menoko 兄弟姉妹・女] 姉妹、 従姉妹(女のいとこ)等、 女の irwak イㇼワㇰ。 írokkayo irmenoko somo a=ukóre p ne イロッカヨ イㇼメノコ ソモ アウコレㇷ゚ ネ いとこぐらいの近い関係の男女を結婚させるものではない。(S) ☆発音 イㇽメノコ。 ☞irwak イㇼワㇰ {E: sisters; female cousins.} (出典:田村、方言:沙流)
írokkayo
イロッカヨ 【名】[ir-okkayo 兄弟・男] 男兄弟、 従兄弟(男のいとこ)等、 男の irwak イㇼワㇰ。 írokkayo irmenoko somo a=ukóre p ne イロッカヨ イㇼメノコ ソモ アウコレㇷ゚ ネ いとこぐらいの近い関係の男女を結婚させるものではない。(S) ☞irwak イㇼワㇰ {E: brothers; male cousins.} (出典:田村、方言:沙流)
ironne
イロンネ 【自動】[< ir-onne ひとまとまり・大きい]厚い、 (木の葉や草などが)茂る、 深く茂っている。 ironne kanpisos イロンネ カンピソㇱ 厚い本。(W) ironne nítay イロンネ ニタイ 木がたくさん茂っている林/森。 mun ironne ムン イロンネ 草が生い茂っている。(W) niskur ironne wa sir-kunne ニㇱクㇽ イロンネ ワ シㇼクンネ 雲が厚くて暗い。(W) ☆対語 kapar カパㇻ 薄い。 ☆参考 ruwe ルウェ 太い。 {E: to be thick.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iruparekana
イルパレカナ 【自動】人の持っている食べ物を何でもくれくれと言う。(S) ☆参考 parkohayta パㇻコハイタ 何でも食べたがる(自分で買ってでも)。 {E: to pester someone for food.} (出典:田村、方言:沙流)
iruskare
イルㇱカレ 【他動】[自動使役][iruska-re 感情を害する・させる](人)を怒らせる、 (人)をいやな気持ちにさせる。 {E: to make someone upset, angry about something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
isapke
イサㇷ゚ケ 【自動】[i-sapke ものを・味見する](=surku sapke スㇽク サㇷ゚ケ)毒を口に入れて試す。 ☆参考 トリカブトの毒を矢につける場合、 昔の人(男)は少し口に入れて舌にのせ、 そのピリッとした感覚でその毒の強さをみた。 ☆参考 (KT) 毒は surku スㇽク。 {E: to taste test poison in order to measure its strength.} (出典:田村、方言:沙流)
iseciri
ピセチリ §411 (その他の鳥名)  pise-ciri (pi-sé-či-ri)「ピせチリ」 ⦅富内⦆北海道のkesorapのような伝説上の鳥。 (出典:知里動物編、方言:)
ita
イタ 【名】[< 日本語]①板、 床板、 板敷きのゆか。 ②お盆。 ③ちゃぶ台(「はんだい」)。 ☆参考 お膳は otcike オッチケ と言い、 ita イタ とは言わない。 床板のことも ita イタ と言うが、 敷き物(ござ)を敷いた場合は so ソ と言う。 {E: ①a board. ②a tray. ③a low dining table.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itakipehe
イタキペヘ 【名】[所](言葉)の表す内容、 (言葉)の主要部分。 taan itak itakipehe k=érampewtek タアン イタㇰ イタキペヘ ケラㇺペウテㇰ 私はこの言葉の意味がわからない。(S) ne pirkano itakipehe oma nankora? ソネ ピㇼカノ イタキペヘ オマ ナンコラ? 本当にちゃんと言葉の大事なところが(録音テープに)入ったでしょうか。(W独話) (出典:田村、方言:沙流)
itakmakkuste
イタㇰマックㇱテ 【自動/名】[itak-mak-kus-te 言葉・後ろ・を通る・させる] ①[自動]隠し言葉(第三者や子どもたちにはわからないような言い方)を使う。 ②[名]自分たちだけで通じ合い、 第三者や子どもたちにはわからないような言い方、 隠し言葉。 itakmakkuste ani ye イタㇰマックㇱテ アニ イェ 隠し言葉(人にわからないような言い方)で言いなさい。 ☆参考 第三者に隠すことばかりが目的でもないようである。 隠喩を用いて言う言い方で、 その中には、 即興的に瞬間に思いついて言う場合もあれば、 言いならわされて、 大人ならだれでも知っているような決まった言い回しもある。 たとえば、 apekes oyao na アペケㇱ オヤオ ナ 燃え尻の火が炉ぶち板に燃えうつるぞ=こいつはおしゃべりだからあまり深いことまで聞かせるな。(S) toska íka na トㇱカ イカ ナ 川堤があふれるぞ=あまり言うと泣くからもうやめておきなさい。(S) iteki supki yak haw néno hawean イテキ スㇷ゚キ ヤㇰ ハウ ネノ ハウェアン ヨシがつぶれるみたいなことを言うな=取り返しのつかないようなことを言うな。(S) 本辞典では[隠]と表示してあるが、 日本語で言う「隠語」とは違う概念であるから注意。 {E: ①secret words; a secret code. ②to use a secret code so that others will not understand.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itakturasire
イタㇰトゥラシレ 【他動】[itak-turasi-re 言葉を・(長いもの)に沿って上へのぼって行く・させる](用例では)(炉ぶちの木)に沿ってまじないの言葉を下座から上座へ向けてはわせる。 oharkisoun wa inumpe turasi a=itákturasire, osisoun wa inunpe a=itákturasire オハㇻキソウンマ イヌンペ トゥラシ アイタㇰトゥラシレ、 オシソウンマ イヌンペ アイタㇰトゥラシレ 左座から炉ぶちの木に沿ってまじないの言葉を下座から上座へ向けてはわせ、 右座から炉ぶちの木に沿って下座から上座へ向けてまじないの言葉をはわせた。 《平取HK民話》 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itekki
イテッキ 【副】(iteki イテキ の強調形)決して/絶対…するな/しないように。 tap anakne itekki a=ye p ne na タㇷ゚ アナㇰネ イテッキ アイェㇷ゚ ネ ナ これは絶対言ってはならないのだよ(「言うもんでないんだよ」)。(S) {E: so as not to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itomunpuyar
イトムンプヤㇻ 【名】[i-tom-un-puyar もの・の面のまん中・にある・窓] 家の南側の二つあるうちの上座側の窓。 ☞puyar プヤㇻ {E: the window on the southern side of a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itura
イトゥラ 【自動】[i-tura 人・と連れ立つ]連れになる、 人と一緒に行く、 皆と同行する。 {E: to go with someone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iwan
イワン 【連体】①[連体]六個の、 六人の(しばしば多数を表す)。 iwan sike イワン シケ/イワイ シケ 六個の荷物、 たくさんの荷物。 iwan poyson イワン ポイソン 六人の子ども、 たくさんの子ども。 iwan aynu ikir eposo húci イワン アイヌ イキㇼ エポソ フチ 六代を貫いた(=何代にもわたって長生きした)老媼。 tono iwan suy ye p a=akkari ka eaykap トノ イワン スイ イェㇷ゚ アアッカリ カ エアイカㇷ゚ 和人の殿様に六回(何回も何回も)言われたことにはそむくことができない。(S民話) ②[間投]六(数え唱えるとき)。 ☆参考 語源は i- イ《四》、 wan ワン《十》と関係がありそうだが、 そうだとすれば[< i-e-wan 四・で・十]《あと四で十》であろうか。 {E: ①six as a counter: six people etc. ②the number six.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iwankeno
イワンケノ 【副】[iwanke-no 達者である・(副詞形成)]達者で。 iwankeno e=an ya? イワンケノ エアン ヤ あなたは元気/達者でいますか。 iwankeno k=an イワンケノ カン 私は元気/達者でいます。 ne a=utári opitta iwankeno oka ruwe he an? ソネ アウタリ オピッタ イワンケノ オカ ルウェ ヘ アン? 本当に私たちの親戚は皆達者でいるのでしょうか。(S) ☆参考 最近 iwanke wa イワンケ ワ との混同が起こり、 1990年代のいまは、 iwankeno イワンケノ を人称形にして ku= ク、 e= エ をつけて kú=iwankeno クイワンケノ、 é=iwankeno エイワンケノ と言う人もいる。 {E: healthily.} (出典:田村、方言:沙流)
iyani
イヤニ 【自動】[i-y-ani もの・(挿入音)・を携える] 食べ物を食べさせたくて持って行く。 ☆参考 接頭辞 ko- コ がつくときは koyani コヤニ、 また人称接頭辞 ku= ク、 e=エ がつくときは ku=yani クヤニ、 e=yani エヤニ となることがある。 {E: to carry, take food to feed someone.} (出典:田村、方言:沙流)
iyapi
イヤピ 【自動】体が不自由である(手とか足とか、 体のどこかに故障があるために思うように動けない人の属性を言う、 「悪い言葉ではない」)。(S) yayewen wa iyapi ヤイェウェン マ イヤピ 体に具合いの悪いところがあって体が不自由だ。(S) ☆参考 inukuri イヌクリ は年とって、 あるいはひどく疲れていたり病気などのために体が重く、 動くのがおっくうでさっさと動くことができない状態を言う。 {E: as some part of one's body is physically handicapped, one cannot move as one would like.} (出典:田村、方言:沙流)
iyaskeuk
イヤㇱケウㇰ 【自動】[i-y-askeuk 人を・(挿入音)・招待する][aske uk アㇱケ ウㇰ の目的格不定人称形] 人々を招待する。 arpa wa iyaskeuk wa ek アㇻパ ワ イヤㇱケウㇰ ワ エㇰ 行ってみんなを招待して(連れて)おいで(aynu opitta aske uk wa ek アイヌ オピッタ アㇱケ ウㇰ ワ エㇰ とも言う)。(S) ☞aske uk アㇱケ ウㇰ {E: to invite someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyeirpak
イイェイㇼパㇰ 【副】[i-y-eirpak 人・(挿入音)・と同時に] 人と一緒に、 競い合って。 ☆参考 早く言うときはしばしば iyerpak イイェㇾパㇰ と言う。 {E: together with someone; to compete with.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyerpak
イイェㇾパㇰ 【副】[i-y-eirpak 人・(挿入音)・と同時に][iyeirpak イイェイㇼパㇰ が早く発音されて i が落ちた形] 人と一緒に。 iyerpak k=arpa イイェㇾパㇰ カㇻパ 私は人と一緒に行く。(S) ☆発音 イイェㇽパㇰと発音する。 ☆参考 itura イトゥラ は《人と連れだって》。 {E: together with someone} (出典:田村、方言:沙流)
iyetupeknu
イイェトゥペㇰヌ 【自動】悔やみを言う。 somo e=yetupeknu kusu e=arpa? ソモ エイェトゥペㇰヌ クス エアㇻパ? (あなた)お悔やみにいかないの? (S) ☆参考 人称接辞 ku= ク、 e= エ のように、 アクセント核(声の高さの上がる所)を前の音節へ動かす接頭辞がつくときは ku=yetupeknu クイェトゥペㇰヌ、 e=yetupeknu エイェトゥペㇰヌ となる。 {E: to speak out one's frustrations.} (出典:田村、方言:沙流)
iyo 1
イヨ 【他動】[i-y-o もの・(挿入音)・…に…を入れる]…にものを入れる。(名詞として使われて)入れること。 …or iyo オㇿ イヨ…へ物を入れる。 pon pukuru or iyo wa upsor omare ポン プクル オㇿ イヨ ワ ウㇷ゚ソㇿ オマレ 小さい袋にものを入れて懐に入れなさい。(W) itanki or iyo イタンキ オㇿ イヨ おわん/茶碗に食べ物をよそう。(W) {E: to put something in…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyohaykar
イヨハイカㇻ 【自動】[i-y-ohaykar 人・(挿入音)・の陰口を言う]人の陰口を言う。 iyohaykar kor an イヨハイカㇻ コㇿ アン (彼はまた)人の陰口を言っている。(S) {E: to talk behind someone's back.} (出典:田村、方言:沙流)
iyomommomo
イヨモンモモ 【自動】[i-y-omommomo ものごと(を)・(挿入音)・こまごま言う] ものごとをこまごま言う、 くわしく/事こまかに述べる。 iyomommomo wa ye イヨモンモモ ワ イェ 「まてえに言いなさい」=くわしく言いなさい。(W) somo iyomommomo no ka ahunke ソモ イヨモㇺモモ ノ カ アフンケ こまごまと言わなくてもいいから家へお通ししなさい。(W民話)(取り次ぎに出た人が中にもどって、 外にどのような人が来ているかを述べると、 家の主人、 つまり夫とか父とかが、 だれであっても中に入りたくて来ているのだから中へ通しなさいと言うときにこのように言う。 民話によく出てくる常套句。) {E: to explain in detail.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyonnuppa
イヨンヌッパ 【自動】[i-y-onnuppa 人・(挿入音)・のことを告げ口する] 人のことを告げ口する。 ☆参考 接頭辞 e- エ がつくとき eyonnuppa エヨンヌッパ という形になることもある。 {E: to inform on someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyoramsakka
イヨラㇺサッカ 【自動(?)】[i-y-o-ram-sak-ka 人・(挿入音)・その尻・心・を持たない・させる]人を侮辱する、 「馬鹿にする」。 {E: to insult, make a fool of someone} (出典:田村、方言:沙流)
iyorot
イヨロッ 【自動】[i-y-or-ot 人・(挿入音)・のところ・にいる] 仲間入りする、 集団の中の一員である/になる。 iyorot a? イヨロッ ア? 彼も入っていたのか。(S) horippa or ta iyorot ホリッパ オッタ イヨロッ (彼は)踊りの輪に加わった。(W言い伝え) kamuy or ta ikoytupa kor iyorot kor an カムイ オッタ イコイトゥパ コㇿ イヨロッ コラン 神の国で不自由しながら神々の中で暮らしている。(W民話) ☆参考 接頭辞 e- エ がつくときは eyorot エヨロッ となる。 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときも ku=yorot クヨロッ、 e=yorot エヨロッ という形をとることがある。 {E: to join, to associate with } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyorotte
イヨロッテ 【他動】[iyorot-te 仲間入りする・させる] (人)を仲間入りさせる。 ☆参考 接頭辞 e- エ がつくときは eyorotte エヨロッテ、 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときは ku=yorotte クヨロッテ、 e=yorotte エヨロッテ という形をとることがある。 {E: to make, let join, associate with.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyoyra
イヨイラ 【自動】[i-y-oyra もの・(挿入音)・…を忘れる] もの忘れする、 忘れっぽい。 ku=yoyra hi koturse wa iyoyra hawe somo ne? クヨイラ ヒ コトゥㇽセ ワ イヨイラ ハウェ ソモ ネ? (彼は)私の忘れっぽいのがうつって忘れっぽいのではないかなあ。(H) ☆参考 ku= ク、 e= エ がつくときの語幹はこの例のように yoyra ヨイラ という形をとることがある。 (出典:田村、方言:沙流)
ka 3
カ 【副助】(予想以上、 追加、 意外を表す。) ①…も、 …までも。 eani ka un=tura エアニ カ ウントゥラ あなたも私たちと一緒に行こう。(S) tup ka uk トゥㇷ゚ カ ウㇰ 二つも/二つとも取った。(S) ②(二回以上重ねて)…も…も、 …と…、 (動詞句のあとで)…したり…したり(日本語の「…も…も」よりもむしろ「…と…」に当たる場合もある)。 okkayo ka menoko ka porono oka オッカヨ カ メノコ カ ポロンノ オカ 男も女もたくさんいる。(S) cáca ka an rupnemat ka an チャチャ カ アン ルㇷ゚ネマッ カ アン じいさまとばあさまがいた。 ku=koytak ka en=koytak ka ki クコイタㇰ カ エンコイタㇰ カ キ 私が彼に話したり、 彼が私に話したりした。(W会話) ③(否定表現の中で)(1)…も…しない。 ponno ka ポンノ カ 少しも(…しない)。 sinep ka シネㇷ゚ カ 一つも(…しない)。 sinen ka isam シネン カ イサㇺ 一人もいない。 nen ka isam ネン カ イサㇺ だれもいない。 nep ka ku=sak ネㇷ゚ カ クサㇰ 私は何も持っていない。 (2)(名詞句、 副詞句、 動詞句の後、 否定辞 somo ソモ の前に置かれて) ka somo ne カ ソモ ネ …ではない。 seta ka somo ne セタ カ ソモ ネ 犬ではない。(W) ka somo ki カ ソモ キ (動詞句の後で)…しもしない、 …したりなんかしない、 全然 …しない(否定の返事で「いいえ、 …しない」に似たニュアンスでも使われる)。 ponno ka e ka somo ki ポンノ カ エ カ ソモ キ 少しも食べない。(S) néun ka hawean ka somo ki ネウン カ ハウェアン カ ソモ キ (彼は)何も言わない。 ape ruy ka somo ki, méan na, ape pirka kor ka hopuni アペ ルイ カ ソモ キ、 メアン ナ、 アペ ピㇼカ コㇿ カ ホプニ 火が燃えていなくて寒いから火が良く燃えてきてから起きなさい(後の ka カ は日本語には訳せないが予想外(相手が予想していないと思われることがら)を示す)。(S) ④[慣用句]pokas ka un …a p ポカㇱ カ ウン…アㇷ゚ あんなに…だったのに。 easir ka エアシㇼ カ (強調するとき easiriː ka エアシリー カ)それはそれはもう本当に。 hike ka ヒケ カ …のに、 …しても、 …にもかかわらず。 pakno ka パㇰノ カ これだけ(で十分です)、 もういい。 sonno ka ソンノ カ やっぱり本当に、 思ったとおり、 聞いていたとおり。 somo ka ソモ カ まさか…しない。 ☆発音 ①②③では、 強調するとき直前の音節(つまり前の語の最後の音節)を高く上げる。 日常会話ではこのアクセントが多く聞かれる。 ☆参考 「も」と訳せる場合は hem ヘㇺ と置き換えられることもあるが、 hem ヘㇺ は単に「AもBも」とか「…もまた」とかを表し、 ka カ は予想以上のことや予想されていなかった新しい情報であることを示す。 {E: too; also.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka 4
カ 【副助】(不定代名詞・疑問代名詞の後に置かれて)…か。 nep ka ネㇷ゚ カ 何か。 nen ka ネン カ だれか。 inanpe ka イナンペ カ どれか。 inanike ka イナニケ カ どれか。 neyta ka ネイタ カ どこかに、 どこかで、 いつか。 hempara ka ヘンパラ カ いつか。 henpakpe ka ヘンパㇰペ カ いくつか。 henpakto ka ヘンパㇰト カ 何日か、 数日。 {E: occurs after interrogative pronouns to form indefinite pronouns, e.g. somewhere, something, someone, etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka(si) cisun
カ(シ) チスン 【連他動】[ka(si) cis-un …の上・泣く・そこにある](死者)を悼んでなきがらに手を置いて泣く。 osisoun wa ray kur a=turí híne an, híne ora kasi cisun kor an オシソウン マ ライ クㇽ アトゥリ ヒネ アン、 ヒネ オラ カシ チスン コラン 右側に死者が横たえられていた、 そして女がなきがらに手を当てて泣いていた。(W民話) {E: to cry mournfully over a dead body.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka(si) mesu
カ(シ) メス 【連他動】[…の上・をはぎとる]…を危険から救う。 kimunkamuy a=sikésanpare awa, i=ka mesu sekor hawean ka somo ki hi ta キムンカムイ アシケサンパレ アワ、 イカ メス セコㇿ ハウェアン カ ソモ キ ヒ タ 私が熊に自分の後を追いかけさせていると、 私が助けてくれとも言わなかったときに。(HK民話) {E: to save…from danger.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka(si) omare 2
カ(シ) オマレ 【連複他動】[…の上・に…をのせる] …にぬれぎぬをきせる、 …に罪をなすりつける、 …のせいにする(「かずける」)。 {E: to blame someone else.} (出典:田村、方言:沙流)
kamuy 1
カムイ 【名】①神。 …epunkine kamuy …エプンキネ カムイ (そこ)を守る神。 haru kamuy ハル カムイ 自然の恵みの食糧の神。 kanna kamuy カンナ カムイ 上天の神。 kimun kamuy キムン カムイ [山の・神] 熊(=kimunkamuy キムンカムイ)。 kemram kamuy ケㇺラㇺ カムイ 飢饉の神。 kotankor kamuy コタンコㇿ カムイ (1)村の守り神=フクロウ神。 (2)神の村での村おさの神。 mosirkar kamuy モシㇼカㇻ カムイ 国づくりの神。 páse kamuy パセ カムイ 尊い神(位の高い神)。 oripak kamuy オリパㇰ カムイ 天然痘の神。 payoka kamuy パヨカ カムイ 流行病の神。 repun kamuy レプン カムイ [沖の・神]シャチ ☞repunkamuy レプンカムイ。 nispa kamuy ニㇱパ カムイ 神のように尊い方(男性を尊んで言う表現)。 kamuy onisposo カムイ オニㇱポソ 神が空(雲)を突き抜けて落ちてくる=雷が落ちる。 kamuy cikap(-po) カムイ チカㇷ゚/チカッポ ☞kamuycikap カムイチカㇷ゚、 kamuycikappo カムイチカッポ。 kamuy cep カムイ チェㇷ゚ ☞kamuycep カムイチェㇷ゚。 kamuy hum カムイ フㇺ ☞kamuyhum カムイフㇺ。 kamuy nis カムイ ニㇱ ☞kamuynis カムイニㇱ ②神のように立派な、 非常に立派な…。 {E: ①a god. ②.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kamuyhum
カムイフㇺ 【名】[kamuy-hum 神・音] 雷。 kamuyhum as カムイフㇺ アㇱ 雷が鳴る。 ☆参考 雷が落ちることは kamuy onisposo カムイ オニ (出典:田村、方言:沙流)
kamuymawpunpa
カムイマウプンパ 【自動】[kamuy-maw-punpa 神・風(が)・…を持ち上げる] 神風に吹き上げられて上がってくる。 kamuy kosonte/kamuymawpunpa/sánasanke カムイ コソンテ/カムイマウプンパ/サナサンケ [雅]立派な小袖が神風に吹き上げられ、 (姉)はそれを取り出した。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kanemay
カネマイ 【名】[< káne-may 金属・響き] 金(かね)の響き。 kanemay ne uwetunuyse カネマイ ネ ウウェトゥヌイセ 金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる(金物をたたいたときにウンウンウン…というような音が響く、 そのような響きのことを言う)。(S) itak ne manu p/ekutcam konna/kanemay ne/uwetunuyse イタㇰ ネ マヌㇷ゚/エクッチャㇺ コンナ/カネマイ ネ/ウウェトゥヌイセ [雅](姉が)ものを言うとその声が金(かね)の響きのように美しく響く。(Sユーカラ) m sinotcaki hawe kanemay ne uwetunuyse シノッチャキ ハウェ カネマイ ネ ウウェトゥヌイセ [雅] 歌う声が金(かね)の響きのように美しく響く。(S) ☆発音 káne カネ《金(かね)》とはアクセントが違い、 第二音節 ne ネ を高く発音する。 {E: a metallic sound.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
káni
カニ 【代名】[一人称単数][< ku-an-i 私が(1人称単数主格接辞)・ある・こと] 私。 ☆参考 多くの方言(多くの地方)で kuani クアニ と言う。 この方言では韻文(歌)の中でのみ kuani クアニ と言い、 話し言葉では káni カニ と言う。 {E: “I” (first person singular subject pronoun).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kanpe
カンペ 【名】[kan-pe 上の・水]波の上。 kanpe kurka eto&sosatki カンペ クㇽカ エトソサッキ [慣用句](舟が)波を切ってザーザーと音をさせて行く。(S) kanpe kurka ecarse カンペ クㇽカ エチャㇻセ (舟が)波の上をサーッとすべって行く。(S) (出典:田村、方言:沙流)
kanto
カント 【名】[kan-to 上の・湖沼] 天、 空(多くの場合、 空の上にある神の住む世界を言う)。 ☆参考 見えている空は nisor ニソㇿ、 niskotor ニㇱコトㇿ、 kantokotor カントコトㇿ。 その中のいちばん下の層が úrarkanto ウラㇻカント で雲(niskur ニㇱクㇽ)のある空、 中間が nociwokanto ノチウォカント で星(nociw ノチウ)のある空、 いちばん上が síniskanto シニㇱカント で、 何もない天空。 さらにその上に kantorimosir カントリモシㇼ 天上界、 上天があり、 これが神の住む天、 天国である。(S) {E: heaven; the heavens.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kantokotor
カントコトㇿ 【名】[kanto-kotor 天・のこちらの面] 空、 見えている空(=niskotor ニㇱコトㇿ、 nísor ニソㇿ)。 {E: the sky.} (出典:田村、方言:沙流)
kapacir
カパチㇼ 【名】[動物]「クマダカ(?)」(なぎになると10羽くらいで来て空を大きくまわる)。(S)〔知分類になし〕 {E: a Hodgson's hawk eagle.} (出典:田村、方言:沙流)
káre
カレ 【複他動】[他動使役][kar-e つくる/する・させる] …に…をつくらせる/させる。 nep ne yakka kar wa, nep ka i=kare somo ki kunine iki kor oka=an ネㇷ゚ ネ ヤッカ カㇻ ワ、 ネㇷ゚ カ イカレ ソモ キ クニネ イキ コㇿ オカアン (彼女は)何もかもしてくれて、 何も私にさせないようにして(大事にしてくれて)私たちはすごした。(W民話) {E: to make, let…do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kari 3
カリ 【後副】(経由する所を示す。)(そこ)から、 (そこ)を通って。 puyar kari ahunte プヤㇻ カリ アフンテ 窓から入れる。 sep pínay kari kira セㇷ゚ ピナイ カリ キラ 広い谷を通って逃げる。(W民話) atuy sinpuy an híne kari ahup akusu アトゥイ シンプイ アン ヒネ カリ アフㇷ゚ アクス 海の水の湧き出る所があって彼らがそこから入って行くと。(S民話) k=áhun a korka kari ku=soyne hi ka k=érampewtek カフン ア コㇿカ カリ クソイネ ヒ カ ケランペテㇰ 私は入ったけれど(そこを通って)出る所が(出口が)わからない。(S) {E: (pass) through, along, by.} (出典:田村、方言:沙流)
karop
カロㇷ゚ 【名】[kar-o-p (?)・を入れる・もの] 小物入れ。 karop takup se kane híne カロㇷ゚ タクㇷ゚ セ カネ ヒネ 弓矢などを持たず、 身の回りの物を入れた小物入れだけを背負って(気軽ないでたちであることを表す)。(HK民話)〔萱民具 p.131 火打ち用具入れ〕 ☆参考 『音声資料』(1-6)にはその用例は出てこない。 {E: an accessory case; a small pouch.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kaspa 2
カㇱパ 【助動】①あまり…をする、 …しすぎる。 poro kaspa ポロ カㇱパ 大きすぎる。 iruska kaspa イルㇱカ カㇱパ (彼は)あまりにも腹を立てた。 kú=ipe kaspa クイペ カㇱパ あまり食べた(=食べすぎた)。(W) ②(否定で)あまり…しない。 na sittumu peker kaspa ka somo ki ナ シットゥム ペケㇾ カㇱパ カ ソモ キ まだあまり明るくなっていない。 eytasa keweri kaspa ka somo ki, eytasa keweram ka somo ki エイタサ ケウェリ カㇱパ カ ソモ キ、 エイタサ ケウェラㇺ カ ソモ キ あまり背が高すぎもしない、 あまり背が低くもない。(S) k=e rusuy kaspa ka somo ki hemanta en=ere en=ere kus ye ケ ルスイ カㇱパ カ ソモ キ ヘマンタ エネレ エネレ クㇱ イェ (私が) あまり食べたくもない変なものを(彼は私に)食べなさい食べなさいと言う。(S) ☆参考 形の上で単数形に相当する kasu カス は、 特殊な場合にのみ使われる。 {E: ①too; too much; excessively. ②not very; not much.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kasu 2
カス 【助動】…しすぎる。 kú=ipe kasu クイペ カス 私は食べすぎた。 ku=mokor kasu クモコㇿ カス 私は寝すぎた(眠りすぎた)。 ipe=an kasu siri somo ne? イペアン カス シリ ソモ ネ? あなた食べ過ぎるのではありませんか。(S表) {E: to over do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
katka konna rennatara
カッカ コンナ レンナタラ 【自動詞句】[雅] 気が沈んでいる。 tanto anak niskur an wa ne humi he an, ku=katka konna rennatara, nep ku=kar rusuy ka somo ki タント アナㇰ ニㇱクㇽ アン ワ ネ フミ ヘ アン、 クカッカ コンナ レンナタラ、 ネㇷ゚ クカンルスイ カ ソモ キ 今日は曇っているからだろうか、 気が沈んで、 何をする気もしない。(S) {E: to feel down, despondent.} (出典:田村、方言:沙流)
katu(hu)
カトゥフ 【名】[所](概は kat カッ) ①…の有様、 …のかっこう(恰好)。 ②変なかっこう。 katuhu an カトゥフ アン …のようなかっこうだ、 へんなかっこうだ(「ざま悪い」)。 ③(動詞に終わる節のあとに置かれて) …する/したわけ、 事情、 いきさつ、 次第。 tapan Sar kotan un topattumi sekor a=ye tumi ek katuhu ene an hi タパン サㇻ コタン ウン トパットゥミ セコㇿ アイェ トゥミ エㇰ カトゥフ エネ アニ この沙流川筋の集落群の地域にトパットウミ(群襲) という襲撃(戦い)が来た事の次第は次のようなことだった。(W言い伝え) ☞katu カトゥ {E: ①the appearance, shape, form, state of… ②a strange appearance. ③circumstances; reason.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
katun
カトゥン 【名】(まるで …のような)ふり/様子/態度。 … katun ki カトゥン キ …のような/…しているようなふり/様子/態度をする、 …のように振舞う。 k=ómap korka k=ómap katun ka somo ku=ki コマㇷ゚ コㇿカ コマㇷ゚ カトゥン カ ソモ クキ 私は(その子を)かわいいと思うがかわいがる様子もしない。(W) {E: appearance; attitude.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kawekawe
カウェカウェ 【他動】[kawe-kawe (擬音)・(重複)] バリバリ音をたてて噛む。 “hemanta e=kawekawe humi an?” “sumrak mame” 「ヘマンタ エカウェカウェ フミ アン?」「スㇺラㇰ マメ」 「何をあなたボリボリ噛んでいるの?」「あぶらっこい豆(この場合ピーナッツ)。」 (S) {E: to chew with a crunching sound} (出典:田村、方言:沙流)
kemnu 2
ケㇺヌ 【他動】…を気の毒に思う、 …をかわいそうに思う。 {E: to feel sorry for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
keppirorke etusa
ケッピロㇿケ エトゥサ 【連他動】[keppirorke e-tusa …のおかげ・で・治る](人)のおかげで無事にすむ。 e=keppirorke k=étusa エケッピロㇿケ ケトゥサ あなたのおかげで私は無事に用が足せた。(S) {E: to do, finish something safely thanks to others.} (出典:田村、方言:沙流)
kes 1
ケㇱ 【位名】①…の下手(しもて)の端、 西端、 末端、 終わり。 maciya kes wano an cise マチヤ ケㇱ ワノ アン チセ 町の西の端にある家。(S) so kes ta ソ ケㇱ タ 下座の方に。(S) tane nepki kes ta easir ek kor an タネ ネㇷ゚キ ケㇱ タ エアシㇼ エㇰ コㇿ アン もう仕事の終わるころにやっと来ている。(S) ☆対語 pa パ。 ② ☞kes(e) anpa ケㇱ/ケセ アンパ {E: ①the lower edge, side of…; the western side; the end. ②to run after, chase…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
keuskeus
ケウㇱケウㇱ 【自動】[keus-keus (擬音)・(重複)] カラッカラッと鳴る(下駄の音)。 pirakka us pe ek hum konna keuskeus ピラッカ ウㇱ ペ エㇰ フㇺ コンナ ケウㇱケウㇱ [雅]下駄をはいたやつが来る音がカラッカラッと聞こえてきた。(NK民話) {E: the sound of wooden clogs.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
keweram
ケウェラㇺ 【自動】[kewe-ram 体[所]・低い] 丈が低い(山、 木、 家、 人の身長)。 eytasa keweri kaspa ka somo ki, eytasa keweram ka somo ki, sonno katu pirka エイタサ ケウェリ カㇱパ カ ソモ キ エイタサ ケウェラム カ ソモ キ、 ソンノ カトゥ ピㇼカ あまり背が高すぎもしないあまり低くもない本当に姿がいい。(S) ☆対語 keweri ケウェリ。 {E: to be low; short.} (出典:田村、方言:沙流)
kewkaske
ケウカㇱケ 【接】[< 位名][kew-kasike 体・その上](次の雅語的表現の中で)そのために。 ☆参考 kasike カシケ の s と k の間の i が落ちてこのように発音されている。 kamuy tumi ne ya tono tumi ne ya cihopunire, kewkaske cikimatekka a=i=ékarkar カムイ トゥミ ネ ヤ トノ トゥミ ネ ヤ チホプニレ、 ケウカㇱケ チキマテッカ アイエカㇻカㇻ [雅]神戦だか聖戦だかが起こった、 そのために私たちはびっくりした。(W会話) ☆参考 この用例のような文脈・状況で日常語で「そのために」「だから」と言うには hi kusu ヒ クス が多く使われる。 場合によって wa kusu ワ クス も使われる。 {E: for that reason; due to that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kéwus
ケウㇱ 【他動】[kew-us 死体・そこにつく](次の表現で)(そこ)で人が死んだ。 kéwus uske ケウㇱ ウㇱケ 人が死んだ所。 {E: place where someone died.} (出典:田村、方言:沙流)
ki 1
キ 【他動】①…をする。 iteki cápe haw ki hani! イテキ チャペ ハウ キ ハニ! 猫の声をするなよ。(S民話) ②(動詞を名詞として使い、 その後にこの ki キ をおいて)…をする。 ruyka poro opus ki wa an na iyaykipte na, yayitupareno arpa ルイカ ポロ オプㇱ キ ワ アン ナ イヤイキㇷ゚テ ナ、 ヤイトゥパレノ アㇻパ 橋が大きな穴あきをしている(=橋に大きな穴があいている)からあぶないから気をつけて行きなさい。 pon sikepo ki kane wa ek ポン シケポ キ カネ ワ エㇰ 彼は小さい荷物背負いをして(=小さい荷物を背負って)来た。 pirka usapki e=ki kusu ne na ピㇼカ ウサㇷ゚キ エキ クス ネ ナ (あなたは)よい働きをする(=よく働く)のですよ。 ③(動詞の後に hi ヒ《こと》を置き、 その後にこの ki キ を置いて) hi ki rusuy ヒ キ ルスイ…してもらいたい、 …してほしい。 ci túnas hi ku=ki rusuy チ トゥナㇱ ヒ クキ ルスイ 私は(イモなどが)早く煮えてほしい。 ④(代動詞として、 つまり本動詞のあとに副詞(連用語)や名詞(主語・目的語)が補われたり、 また副助詞がついたりした場合に、 そのあとに ki キ を置くことによって再び全体が動詞句として機能する、 つまり文を終止したり次に助動詞や接続助詞等々が続いたりすることができる。)…する。 Kusur ta patek nuwe an ranma ki p ne yak a=ye クスㇽ タ パテㇰ ヌウェ アン ランマ キㇷ゚ ネ ヤカイェ 釧路でばかりいつも(それが)たくさん取れるのだそうだ。(S会話) a=kopásrota a=ukókikkikpa a=onáha ka a=unúhu ka ki アコパㇱロタ アウコキッキㇰパ アオナハ カ アウヌフ カ キ 私は父も母もののしったりボカボカなぐったりした。(S民話) a=mipa p a=huráypa póka somo ki p ne kusu アミパㇷ゚ アフライパ ポカ ソモ キㇷ゚ ネ クス 私は着るものを洗いさえしなかったので。(W民話) ⑤(韻文で、 韻律を整えるために、 音節数の足りない行の動詞のあとに置かれる。 文法機能上は、 他のいろいろな他動詞(easkay エアㇱカイ、 eaykap エアイカㇷ゚ など)の助動詞的用法と同じになる。) ⑥ ki humi pirka キ フミ ピㇼカ 安心する、 気持ちがいい。 nep póka k=ére wa ku=ki humi pirka ネㇷ゚ ポカ ケレ ワ クキ フミ ピㇼカ (私は)彼に少しでも食べさせて安心した。(S) {E: ①to do… ②… ③… ④… ⑤… ⑥…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ki 4
キ 【間投】まあ! ☆参考 ke ケ とも言う。 {E: Well!; So! (interj.).} (出典:田村、方言:沙流)
kí-hopuni
キホプニ 【自動】(人称変化は他動詞型。)[ki-hopuni …をする・飛ぶ] 飛ぶ、 立ち上がる、 起き上がる(hopuni ホプニ の強調形)。 tapan te wano ku=ki-hopni タパン テ ワノ クキホプニ 私はここから飛んで行く(行きたいなあ)。(S即興詩) sotki ka ta/a=ki-hopuni/amset ka ta a=ki-hopuni ソッキ カ タ/アキホプニ/アㇺセッ カ タ/アキホプニ [雅]私は寝床の上に起き上がった、 高床の上に立ち上がった。(Sユーカラ語り) ☞ki キ 5、 hopuni ホプニ {E: to fly; stand up; get up.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kimoiramante/kimoyramante
キモイラマンテ 【自動】[kim-o-iramante 山・で・ものごとを・する]山で狩をする、 山の猟をする。 ☆対語 pisoiramante/pisoyramante ピソイラマンテ 浜の漁をする。 ☆参考 山の狩猟をすることは通常はただ iramante イラマンテ と言う。 {E: to hunt.} (出典:田村、方言:沙流)
kimokar
キモカㇻ 【他動】(熊が)(人)をとる。 a=kimókar アキモカㇻ 彼が熊にとられる。 a=en=kimokar アエンキモカㇻ 私が熊にとられる。 {E: (for a bear) to take, catch hold of (someone).} (出典:田村、方言:沙流)
kip niwkes
キㇷ゚ ニウケㇱ 【連他動】[ki-p niwkes する・こと・…をし残す]…を危難から救う、 (死にそうな人など)を助ける、 …の命を救う。 {E: to help someone who is about to die; to save someone's life.} (出典:田村、方言:沙流)
kisa 1
キサ 【他動】もみぎる(錐(きり)で穴をあけるときのように、 とがった先をさしてから回転させて)。 ☆参考 cikisani チキサニ《もみぎる木》はハルニレの木。 昔火をおこすのに使ったと言われる。(S) {E: to rub…between the hands so as to make a hole in something.} (出典:田村、方言:沙流)
kisakisa
キサキサ 【他動】[kisa-kisa もみぎる・(重複)] …をもみぎる。 makiri etupsi ani kisakisa wa opusi マキリ エトゥㇷ゚シ アニ キサキサ ワ オプシ 小刀の先でもみぎって穴を開ける。(S) {E: to rub…between the hands so as to make a hole in something.} (出典:田村、方言:沙流)
kisarunpe
キサルンペ 【名】[kisar-un-pe 耳・につく・もの] 耳飾り。 ☆参考 環になったもの(耳環)は ninkari ニンカリ。 そうでない耳飾りはこれ。 今のイヤリングはたいていこれ。 {E: earrings; ear accessories.} (出典:田村、方言:沙流)
kiyannepo(ho)
キヤンネポ(ホ) 【名】[所](概は未出。 po(ho) ポ(ホ) の概は po ポ)…の年上の息子。 a=kiyánnepoho アキヤンネポホ (引用文で)私たちの上の息子。(S) {E: the eldest son of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koapeeyam
コアペエヤㇺ 【他動】[ko-ape-eyam …に対して・火・あぶないと思う] 火遊びするかと気遣う。 hekattar cisotta sinot kor oka wa a=koápeeyam ヘカッタㇻ チソッタ シノッ コㇿ オカ ワ アコアペエヤㇺ 子どもたちが家で遊んでいるので火遊びするかと心配だ。(S) {E: to worry that someone is playing with fire.} (出典:田村、方言:沙流)
koar-uweun/koaruweun
コアㇻウウェウン/コアルウェウン 【自動】[ko-ar-uweun (雅語で叙述を導く)…が・全く・そろっている][雅] …がそろっている。 (次のような文脈で)…のひとそろいを、 …を全部そろいで。 kunne kosonte/kunne cipanup/koar-uweun/yaynenayne/esipine pe クンネ コソンテ/クンネ チパヌㇷ゚/コアㇻウウェウン/ヤイネナイネ/エシピネ ペ [雅]黒い小袖、 黒い頭かざりのひとそろいを上から下までそろいで身につけている者。(Sユーカラ) kamuy cipanup/kamuy ninkari/kamuy tamasay/koaruweun/sánasapte カムイ チパヌㇷ゚/カムイ ニンカリ/カムイ タマサイ/コアルウェウン/サナサㇷ゚テ [雅]立派な頭飾り、 立派な耳飾り立派な耳飾りを全部そろいで出してきた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koasurani
コアスラニ 【他動】[ko-asur-ani …(のところ)に・知らせ・を持って行く] (人)にあぶないことやせっぱつまっていることの知らせを届ける、 …に危急を知らせる。 yupihi koasurani kusu túnas arpa! ユピヒ コアスラニ クス トゥナㇱ アㇻパ! (彼が死にそうだから)彼の兄に知らせに早く行きなさい。(S) {E: to warn, tell someone about…} (出典:田村、方言:沙流)
kocan
コチャン 【間投】[ko-can (擬音の叙述へ導く小辞)・(擬音)] …がチヤン(と鳴る)。 kuciwa kocan, a/nariwa kocanca クチワ コチャン、 ア/ナリワ コチャンチャ [雅]くつわがチャン、 あ、 鳴り輪がチャンチャ。(S即興詩) {E: for something to make a clanging sound.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kocanca
コチャンチャ 【間投】[ko-canca (擬音の叙述へ導く小辞)・(擬音・重複)] …がチヤンチヤン(と鳴る)。 kuciwa kocan, a/nariwa kocanca クチワ コチャン、 ア/ナリワ コチャンチャ [雅]くつわがチャン、 あ、 鳴り輪がチャンチャ。(S即興歌) {E: for something to make a clanging sound.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koehese
コエヘセ 【複他動(?)】[ko-e-hese …に・…のことで・息をする]…のことで(?)(人)をいい気味だと思う。 en=koehese nankor エンコエヘセ ナンコㇿ そのことで(?)私にいい気味だと思ったでしょう。(S) {E: to feel that… serves someone right.} (出典:田村、方言:沙流)
koeraratki
コエララッキ 【他動】[ko-erar-atki …に対して・(?)・(動詞形成接尾辞)](?) 愛する(大人の男女間の恋愛)。 ☆参考 osikkote オシッコテ、 eramasu エラマス。(S) {E: to love someone} (出典:田村、方言:沙流)
koeyukar
コエユカㇻ 【複他動】[ko-e-yukar …に対して・…について・ものまねする](人)の(言葉の言い方やしぐさ)をまねする(ものまねのように)。 ci=rara wa apkas siri ci=koeyukar チララ ワ アㇷ゚カㇱ シリ チコエユカㇻ 私たちは彼をばかにして歩き方をまねした。(S) {E: to imitate someone} (出典:田村、方言:沙流)
kohekomo
コヘコモ 【他動】[ko-he-komo …に向かって・頭・を折り曲げる] …に寄る。 {E: to drop by (somewhere).} (出典:田村、方言:沙流)
kohopuni
コホプニ 【他動】[ko-hopuni …に・立ち上がる] ①…に (対して) 立ち上がる、 夢中で …する。(「攻める」の訳語として出た)。 ②[慣用句]wenkinrane/i=kohopuni ウェンキンラネ/イコホプニ [雅]私はものすごく怒りくるった。(Sユーカラ語り) {E: to be absorbed in doing…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kokantama
コカンタマ 【他動】(人)をごまかす。 {E: to deceive, cheat someone} (出典:田村、方言:沙流)
kokatpak
コカッパㇰ 【他動】[ko-kat-pak (人)に/の・あり方・を戒める](人の)したことを悪く思う。 eci=kokátpak wa eci=nukár kor eci=kóyki kuni ku=ramu kor k=an エチコカッパㇰ ワ エチヌカㇻ コㇿ エチコイキ クニ クラム コㇿ カン 私はあなたのことを悪いと思ってこんど会ったら怒ってやろうと思っていた。 (「悪い噂を聞いたので本当だったら意見してやろうと思っていた。」) (S) {E: to think bad of someone} (出典:田村、方言:沙流)
kokor
ココㇿ 【複他動】[ko-kor …に・持つ] ①(人)の(持っているもの)を取り上げる/もらう。 a=kiyánnepoho i=kokor rusuy アキヤンネポホ イココンルスイ 彼は私たちの上の息子をほしがった。(S民話) ②…に対して…を持つ。 tumu an kewtum/i=kokor kuni p/somo tapan na トゥム アン ケウトゥㇺ/イココㇿ クニㇷ゚/ソモ タパン ナ [概]憤慨して私に敵意を持つのではありませんよ。(Sユーカラ) ☆参考 kouk コウㇰ は…を奪う/強奪する。 {E: to take away, receive… from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kokow
ココウ 【名】[概](所は kokowe(he) ココウェ(ヘ)) ①…の婿(娘の夫)。 ②(姉妹/従姉妹/孫/姪の夫を含んで)姉婿、 妹婿など。 {E: ①the, a son-in-law of… ②in laws (excluding the parents).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
komastek
コマㇱテㇰ 【他動】[ko-mastek …に/と共に・いっぱいである](?) (意味不明。) esoyne a=komástek a=komástek kor エソイネ アコマㇱテㇰ アコマㇱテㇰ コㇿ 外で(以下、 意味不明)。(HK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
komham
コㇺハㇺ 【名】[kom-ham 小柏・葉] [植物]コガシワ(小柏)の葉。 komham turse yakun コㇺハㇺ トゥㇽセ ヤクン [慣用句]小柏の葉が落ちたら(常に落ちないので、 起こらないことを言う表現)。 komham turse yakun k=ésouk kane ataye ku=kar コㇺハㇺ トゥㇽセ ヤクン ケソウㇰ カネ アタイェ クカㇻ 小柏の葉が落ちたら借りている代金を払う(いつまでも払う気がないことの表現)。(S) ☆参考 ponkomni ポンコㇺニ 小柏の木。〔知分類 p.274 kom-ham((幌別))枯葉・病葉〕 (S) {E: the leaves of an oak tree.} (出典:田村、方言:沙流)
konitata
コニタタ 【複他動】[ko-nitata …に/(人)の…を・そっと押える](人)の …を(そっと)押える。 ☞kasi konítata カシ コニタタ {E: to hold in the hands as a sick person (B.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koomap
コオマㇷ゚ 【複他動】[ko-omap …に/の・…をかわいがる](他の人)の(子)をかわいがる、 …を特にかわいがる。 ku=poho kor hekattar ku=koomap クポホ コㇿ ヘカッタㇻ クコオマㇷ゚ 私には私の息子の子どもたちがかわいい。(S) {E: to love, have affection for (another person's child.).} (出典:田村、方言:沙流)
koomappa
コオマッパ 【複他動】[複](koomap コオマㇷ゚ は単複の区別なし)(他の人)の(子どもたち)を(二人以上皆を)かわいがる。 ku=poho kor hekattar ku=koomappa クポホ コㇿ ヘカッタㇻ クコオマッパ 私は私の息子の子どもたち(五人いるのが五人とも)皆かわいい。(S) {E: to love, have affection for (another person's children)(pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
koonrupus
コオンルプㇱ 【他動】[ko-on(< oar)-rupus…に対して・全く・凍る](?) …を非常にほしがる。 a=koónrupus pe ka somo ne korka アコオンルプㇱ ペ カ ソモ ネ コㇿカ 特にほしいというようなものではないけれども。(S) {E: to want… desperately.} (出典:田村、方言:沙流)
koopokno
コオポㇰノ 【副/後副(?)】そのために。 oykesne a=i=ípere katu ka isam no án=an, koopokno urkio=an wa オイケㇱネ アイイペレ カトゥ カ イサㇺ ノ アナン、 コオポㇰノ ウㇽキオアン マ しまいにはろくにものも食べされてくれなくなっていた、 そのために私はシラミにたかられて。(W民話) {E: for that reason.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopak 1
コパㇰ 【他動】[ko-pak …に・とがめる]…をとがめる。 somo a=poho a=hosípire yak po kamuy i=kopak kusu ソモ アポホ アホシピレ ヤㇰ ポ カムイ イコパㇰ クス 息子を返さないとなおいっそう神様が私をとがめる(=神のおとがめを受ける)から。(W神謡語り) ne wa an pe a=eci=kopák wa kusu ネ ワ アン ペ アエチコパㇰ ワ クス そのことで私はあなたたちをとがめて。(KC民話) {E: to blame, reprimand…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopunkine
コプンキネ 【他動】[ko-punkine …に・護衛する](次のような表現の中で) aynu kotca kopunkine アイヌ コッチャ コプンキネ [人間・の前・に護衛する] 人間を(疫病神からさえぎって)守る。 aynu kotca kopunkine p tan isokapiw ne kusu アイヌ コッチャ コプンキネㇷ゚ タン イソカピウ ネ クス 人間を疫病神から守ってくれるものがこのアホウドリだから。(HK民話) {E: to protect…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopurianu
コプリアヌ 【他動】(人)のことを言わない/言うわけにいかない/言ったらよくないから胸のうちにたたんでおく。 en=kopurianu wa iteki ye エンコプリアヌ ワ イテキ イェ 私のことを胸のうちにたたんでおいて言わないようにしなさい。(S) ku=kopurianu wa kusu kasi un mun k=ánu wa k=ek クコプリアヌ ワ クス カシ ウン ムン カヌ ワ ケㇰ (ヘビがいたことを)言ったらたたるので上に草をのせて来た。(S) {E: to hold back saying something to someone} (出典:田村、方言:沙流)
kor 1
コㇿ 【他動】①…を持つ、 … を所有する。 inan pe ku=kor kor pirka hawe an? イナン ペ クコㇿ コㇿ ピㇼカ ハウェ アン? どっちを持てばいいのかなあ? (W会話) pawetok ka kor siretok ka kor パウェトㇰ カ コㇿ シレトㇰ カ コㇿ 彼は雄弁さも持っており美しさも持っている=口も達者だし器量もいい。 kor rusuy コン ルスイ …がほしい、 …をほしがる。 ②…を(手や頭に)つける/かぶる、 つけて/かぶっている。 tekunpe kor テクンペ コㇿ 手甲をはめる。 sapanpe kor サパンペ コㇿ 冠をかぶる(頭につける)。 (注 体に着ることは mi ミ、 足や腰から下にはくことは us ウㇱ、 鉢巻などを頭に巻くことは epanu エパヌ、 手ぬぐいなどでほおかぶりすることは hekokari ヘコカリ。) ③(子)を生む (「子どもを持つ」)。 “poyson kor yak a=ye” “hńta kor yak a=ye?” “matkaci kor yak a=ye” 「ポイソン コㇿ ヤㇰ アイェ」「フンタ コㇿ ヤㇰ アイェ?」「マッカチ コㇿ ヤㇰ アイェ」 「子どもを持った(赤ちゃんが生まれた)そうだ。」「何を持ったと言う(どっちが生まれたって)?」「女の子を持ったと言う(女の子が生まれたそうだ)。」 (S) cikap tamanko kor noyne hawkor hawe as チカㇷ゚ タマンコ コン ノイネ ハウコㇿ ハウェ アㇱ にわとりが卵を生んだらしく、 なく声がする。(W) (注 出産することは nuwap ヌワㇷ゚ [日常語]または yaykosanke ヤイコサンケ [雅]) ④(神が)領有する。 nupuri kor kamuy ヌプㇼ コㇿ カムイ 山を領有する神=山を守る/統治する神=山の神。 ⑤…の …。 ku=kor hekattar クコㇿ ヘカッタㇻ 私の子どもたち。 a=kor mosir アコㇿ モシㇼ 私たちの国=わが国(=日本)。(S) ku=kor hápo クコㇿ ハポ 私の母。 ku=ponpoho kor ku=kosmaci クポンポホ コㇿ クコㇱマチ 私の下の息子の嫁(別家の嫁)。(S) kor kur コㇿ クㇽ …の夫。 ⑥ ☞kes(e) kor ケㇱ/ケセ コㇿ {E: ①to have, possess… ②attach, wear…(on one's hands, head.) ③to have, give birth to (a child). ④one's…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koraci
コラチ 【後副】…のように、 …そっくりに、 まるで…みたいに(「…といっしょ」)。 upas koraci retanno iro ウパㇱ コラチ レタンノ イロ 雪のようにまっ白い色。 réra koraci iki ikkasisam レラ コラチ イキ イッカシサㇺ 風のように行動するどろぼう(和人の昔話の一つ)。(W) hńta kusu somo e=ye no e=kor wa e=arpa? ikka koraci フンタ クス ソモ エイェ ノ エコㇿ ワ エアㇻパ? イッカ コラチ なぜ言わないで持って行くの、 どろぼうみたいに。(S) an koraci アン コラチ ありのままに。 eani ta an koraci e=ye hawe ne wa エアニ タ アン コラチ エイェ ハウェ ネ ワ あなたこそ本当のことを言っているんだなあ。 ☆参考 néno ネノ …に似て。 そのほかに似た意味・用法の後置副詞は ☞sirine シリネ、 kunne クンネ ☆参考 pekor ペコㇿ、 ápekor アペコㇿ、 kotom コトㇺ、 noyne ノイネ は接続助詞、 動詞のあとに置かれる。 sikopayar シコパヤㇻ は他動詞《…にそっくりである》。 {E: as, like…; just like…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koran
コラン 【他動】[ko-ran …に・下りる]…に下りる。 aynu mosir/mosirso kasi/koran wa ora アイヌ モシㇼ/モシㇼソ カシ/コラン ワ オラ[雅] 人間の国の地面の上に下りて来て。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
korka
コㇿカ 【接/接助】[kor-ka …するとき/しつつ・も] けれども、 しかし。 hay! ku=hopuni etoranne humi! korka ku=hopuni so ハイ! クホプニ エトランネ フミ! コㇿカ クホプニ ソ ああ起きるのいやだなあ、 だけど起きよう。 k=arpa a korka é=isam カㇻパ ア コㇿカ エイサㇺ (S) 私は行ったけれどあなたはいなかった。 ☆参考 korka コㇿカ と似たような文脈で逆説の表現に yakka ヤッカ も使われる。 yakka ヤッカ は「…しても、 …したのに」という譲歩の表現にもよく使われる。 hike ka ヒケ カ はもっぱら譲歩に使われ、 「…にもかかわらず」という強い譲歩を表す。 korka コㇿカ は単純な逆説に使われる。 hike ヒケ や awa アワ なども「…が、 …けれども」と訳されるが、 逆説ではない。 {E: but; however.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koruyruye
コルイルイェ 【他動】[単](複は koruyruypa コルイルイパ)[ko-ruyruye …に・握手して喜びの挨拶をする]…の両手を両手でにぎり(腕や背中をなでながら)会えた喜びのあいさつをする(女どうしのあいさつのしかた、 初対面でも親しい人でも)。(S) {E: to joyously greet someone (a form of greeting performed by women.).} (出典:田村、方言:沙流)
kosinninu
コシンニヌ 【他動】[ko-sir-ninu …と共に・あたり・を縫う](?) (次の語の中で)絶対人に見せないで宝として隠し持っている。 cikosinninup チコシンニヌㇷ゚ 人に見せない秘密の宝。 {E: to conceal something valued from others.} (出典:田村、方言:沙流)
kosiramuysamte
コシラムイサㇺテ 【他動】[ko-si-ramu-isam-te …に対して・自分・心[所]・ない・させる](ramuysam ラムイサㇺ は《わからない》、 si-…-re シ…レ は《…する/であるかのように見せる》。)知らんぷりをする、 わからない/聞こえないふりをする。 ene hawean korka ku=kosiramuysamte wa somo ku=nu ápekor k=an エネ ハウェアン コㇿカ クコシラムイサㇺテ ワ ソモ クヌ アペコㇿ カン 彼はそんなことを言っていたけれど私は知らんぷりをして聞こえないふりをしていた。(S) {E: to pretend not to hear, know…} (出典:田村、方言:沙流)
kosiratki
コシラッキ 【他動】[ko-siratki …に・(?)] …をお守りにする。 néa isokapiw a=kosíratki rusuy kusu ネア イソカピウ アコシラッキ ルスイ クス そのアホウドリをお守りにしたいから。(HK民話) {E: to make…a lucky charm.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kositoma
コシトマ 【複他動】[ko-sitoma …に・…を恐れる] …の…を恐れる。 aynu opitta kosiratki wa ne wa ne yakne a=kosítoma wa kotan mawkar ka somo ki p ne ruwe ne na アイヌ オピッタ コシラッキ ワ ネ ワ ネ ヤㇰネ アコシトマ ワ コタン マウカㇻ カ ソモ キㇷ゚ ネ ルウェ ネ ナ 人は皆(アホウドリを)お守りにしているならば(疱瘡の神に)恐れられて村に伝染病がはやることもないのだよ。(HK民話) ☆参考 ☞sitoma シトマ {E: to be afraid of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
Kotan-sitcire
コタンシッチレ 【名】[< kotan-sir-ci-re 村/集落・地・焼ける・させる](ユーカラ「村焼き国焼き」の主人公で人間の始祖となるために生まれた神の子の呼び名の最初の部分。 全部言うと次の通り。) Kotan-sitcire/Mosir-sitcire/Sanka-tososo/Hon-okkasi/Opoysuyanke/Oypepi-poro/Kamuy ne an kur コタンシッチレ/モシㇼシッチレ/サンカトソソ/ホノッカシ/オポイスヤンケ/オイペピポロ/カムイ ネ アン クㇽ [雅]村焼き、 国焼き、 棚荒らし、 腹の上、 小鍋上げ、 大茶碗、 神になる人。(Sユーカラ) ☆参考 最後の部分は Kamuy ne an kur カムイ ネ アン クㇽ《神になる人々》の代わりに Sípase kamuy シパセ カムイ《まことに尊い神》とも言われる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotki
コッキ 【他動】(他の人の罪に対し怒って/戒めのために)(罪のないもの)を罰する。 pirka kewtum kor nispa ka wenkur umurek a=kotki epeka somo unkeray somo kamuy nukar pe ne kusu ピㇼカ ケウトゥㇺ コㇿ ニㇱパ カ ウェンクㇽ ウムレㇰ アコッキ エペカ ソモ ウンケライ ソモ カムイ ヌカㇻ ペ ネ クス よい心を持っている長者も、 貧乏人夫婦が悪いことをしたためにとがめを受けて、 ものももらえず神様がかえりみてくれなかったのだから。(HK民話) ku=kotki kus ku=kikkik クコッキ クㇱ クキㇰキㇰ 私は別の人に腹が立って(この子を)ボカボカなぐった(子ども同士がけんかして、 自分の子は悪くないのにその相手の子が泣くのでその親が怒って来る。 すると「きもやけて」もう遊ぶんでないと言って、 その相手に「腹立つまぎれに」自分の子をたたく)。(S) {E: to punish someone not at fault as an example to others.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koturse
コトゥㇽセ 【他動】[ko-turse …に向かって・落ちる](病気が)…にうつる。 en=koturse kuni ku=sitoma エンコトゥㇽセ クニ クシトマ 私に病気がうつるのが恐ろしい。(S) wenpenramkor pe ne na e p keseke iteki e yan, nenkane eci=kotúrse yak a=sitóma na ウェンペンラㇺコㇿ ペ ネ ナ エㇷ゚ ケセケ イテキ エ ヤン、 ネンカネ エチコトゥㇽセ ヤㇰ アシトマ ナ 胸の悪い人だから食べ残しを食べてはだめよ、 もしあなたたちにうつったら恐ろしいから。(S) ku=yoyra hi koturse wa iyoyra hawe somo ne? クヨイラ ヒ コトゥㇽセ ワ イヨイラ ハウェ ソモ ネ? (彼は)私の忘れっぽいのがうつって忘れっぽいのではないかな。(W) {E: (for a disease, sickness) to spread to…} (出典:田村、方言:沙流)
kounpipka
コウンピㇷ゚カ 【他動】[ko-unpipka …に・疑いを持つ](人)の言うことを疑う。 ☞unpipka ウンピㇷ゚カ、 eunpipka エウンピㇷ゚カ {E: to doubt what someone says.} (出典:田村、方言:沙流)
kous
コウㇱ 【複他動】[ko-us …に合わせて/…と共に・…をはく](靴下)を(靴)の下(内側)にはく。 ureunker a=kar wa ker a=koús ウレウンケㇾ アカㇻ ワ ケㇾ アコウㇱ「ぼっこたび」(指のない足袋)をつくって(「こしらって」)靴の下にはく。(W) ☞us ウㇱ 2 {E: to wear socks with one's shoes.} (出典:田村、方言:沙流)
kouuste
コウウㇱテ 【他動】[ko-uuste …に・伝える](人)に全部残さず伝える。 hápo kouuste hani ハポ コウウㇱテ ハニ おかあさんに何でもみんな言って行きなさいよ。 ☆参考 「昔の言葉。 今なら opitta hápo eun ye hani オピッタ ハポ エウン イェ ハニ と言う。」 (S) {E: to tell someone everything.} (出典:田村、方言:沙流)
kouwepekennu
コウウェペケンヌ 【他動語幹】[ko-uwepekennu …に・事情をたずねる] …に事情/いきさつ/わけをたずねる。 ☆参考 接頭辞がつかない場合は kowepekennu コウェペケンヌ という形をとる。 e= エ、 i= イ のような接頭辞がついてアクセント核が ko コ に置かれた場合は通常 i=kouwepekennu イコウウェペケンヌ のように、 kouwepekennu コウウェペケンヌ の形が用いられる。 a= ア、 eci= エチ のように、 アクセントを変えない接頭辞がついた場合は、 両方の形が使われているが、 kowepekennu コウェペケンヌ のほうが多いようである。 ☞kowepekennu コウェペケンヌ、 uwepekennu ウウェペケンヌ {E: to ask…about the reason, condition of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kouwepekennupa
コウウェペケンヌパ 【他動】[複](kouwepekennu コウウェペケンヌ は単複区別なし) 二人以上が皆で…に事情をたずねる。 ☞kouwepekennu コウウェペケンヌ {E: to ask…about the reason, condition of…(pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
kowepekennu
コウェペケンヌ 【他動】[ko-uwepekennu …に・事情をたずねる](=kouwepekennu コウウェペケンヌ) …に事情をたずねる。 ☞kouwepekennu コウウェペケンヌ {E: to ask…about the reason, condition of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kowepekennupa
コウェペケンヌパ 【他動】[複](kowepekennu コウェペケンヌ は単複の区別なし)(=kouwepekennupa コウウェペケンヌパ) (二人以上が皆で) …に事情をたずねる。 ☞kouwepekennu コウウェペケンヌ {E: to ask…about the reason condition of…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyantone
コヤントネ 【他動】[ko-yantone …に・同宿させてもらう] …のところに厄介になる(同宿させてもらう)。 {E: to let someone stay at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyatatke
コヤタッケ 【自動】[ko-yat-at-ke (擬音を導く接頭辞)・(擬音の語根)・(重複)・(自動詞形成)](?) (おなかが)グーグー鳴る(「腹鳴りする」)。 honi koyatatke ホニ コヤタッケ (空腹のため)腹鳴りする。(S) tap úsey ku=ku akusu ku=honi koyatatke kor an, kikir iperusuy humi ne nankor タㇷ゚ ウセイ クク アクス クホニ コヤタッケ コラン、 キキㇼ イペルスイ フミ ネ ナンコㇿ 今お茶を飲んだところおなかがグーグー鳴っている、 虫がおなかがすいたのだろう。(W) {E: gurgling sound of the stomach} (出典:田村、方言:沙流)
koyaykar
コヤイカㇻ 【自動】[ko-yay-kar (叙述を導く)…が・自分・つくる][雅] ①変身する、 化ける、 なる。 urar tak ne/koyaykar kane ウタッ タㇰ ネ/コヤイカㇻ カネ [雅](直訳すると)霞(かすみ)の塊に変身した=霞をかぶっている。(Sユーカラ) ②(次の慣用表現で)つくられている。 iresu cási/cási upsor/koyaykar ruwe/ene oka hi イレス チャシ/チャシ ウㇷ゚ソㇿ/コヤイカン ルウェ/エネ オカ ヒ [雅]育てられた城の内部のつくりようは次のよう。(Sユーカラ) ☞yaykar ヤイカㇻ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyaykatanu
コヤイカタヌ 【自動】☞kosomokur koyaykatanu コソモクㇽ コヤイカタヌ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyayowpekare
コヤヨウペカレ 【他動】[ko-yay-owpeka-re …に対して・自分・まっすぐになる・させる](人)に気に入られるようにする。 e=siwtoutari koyayowpekare! エシウトウタリ コヤヨウペカレ! あなたのしゅうとさんたちに気に入られるようにしなさい。(S) {E: to act in a way so as to make oneself liked by… (others).} (出典:田村、方言:沙流)
koykas(i)ke
コイカシケ 【位名】[所](概は koyka コイカ)[koy-kasike 波・その上の所] …の海沿いに東の方、 つまり静内・釧路の方、 方角で言うと東か東南の方の所。 i=koykaske i=koypokke a=sospasospa イコイカㇱケ イコイポッケ アソㇱパソㇱパ 私たちより東の方(=ここより静内・釧路寄りの方)も私たちより西の方(=ここより有珠・虻田寄りの方)もどんどんはがされた(みたいに洪水で流されてしまった)。 ☆発音 普通に話すときはたいてい s の後の i イ は落ちて koykaske コイカㇱケ と発音される。 {E: the eastern side of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyomap
コヨマㇷ゚ 【他動】[ko-iyomap …に・(…の)・子どもをかわいがる]…の子どもを特に愛する。 ☆参考 接頭辞がつかないときや、 アクセントを動かさない接頭辞つまり人称接頭辞 a= ア または eci= エチ のみがついたときに多く使われる形。 アクセントは yo ヨ に置かれる、 つまり yo ヨ が高く発音される。 その他の接頭辞、 たとえば人称接頭辞 ku= ク などがついて ko コ にアクセントが置かれるときは ku=koiyomap/ku=koyyomap クコイヨマㇷ゚ のように、 語幹には koiyomap/koyyomap コイヨマㇷ゚ の形が使われることが多い。 ☞koiyomap コイヨマㇷ゚ {E: to show affection to, love other person's child, children.} (出典:田村、方言:沙流)
koypokke
コイポッケ 【位名】[所](概は koypok コイポㇰ)[koy-pok-ke 波・の下・の所] …の西の方の所(沙流地域から見て海沿いに西の方、 つまり有珠・虻田方面)。 i=koykaske i=koypokke a=sospasospa イコイカㇱケ イコイポッケ アソㇱパソㇱパ 私たち(の住んでいる所)よりも東の地域も西の地域も(洪水で)みんなはぎとられてしまった。(W会話) Iput koypokke oma poro tomam イプッ コイポッケ オマ ポロ トマㇺ 勇払の西にある大きな温地帯。(S) ☆対語 koykasike コイカシケ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koysamnopo
コイサㇺノポ 【後副】[ko-isam-no-po (雅語で叙述を導く)・ない・(副詞形成)・(指小辞)][雅]…が全然なく。 inan okay pe/rapokkari/ki kane hi/koysamnopo/upak rametok/ciesonere イナノカイペ/ラポッカリ/キ カネ ヒ/コイサㇺノポ/ウパㇰ ラメトㇰ/チエソネレ [雅]いずれがまさり劣りすることもまるでなく全く同じく立派なものらしい。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyyanke
コイヤンケ 【自動】[koy-yanke 波・陸に上げる] 波に打ち上げられる。 isokapiw sinep ray híne koyyanke wa an イソカピウ シネㇷ゚ ライ ヒネ コイヤンケ ワ アン カモメが一羽死んで波に打ち上げられていた。(HK民話) {E: to be washed up (on a beach etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ku= 4
ク 【人接】[一人称単数主格](自動詞・他動詞・デアル動詞 ne ネ・名詞・一部の副詞に接頭する。)ku=nu クヌ 私は(それを)聞く。 ku=kor ekasi クコㇿ エカシ/クコレカシ 私が持つおじいさん=私のおじいさん(祖父)。 ku=saha クサハ 私の姉。 ☆参考 沙流方言の日常会話では、 i= イ で始まる語幹に接頭する時、 通常 ku= ク と i イ とで一つの音節 kuy クイ となる。 たとえば kú=itak クイタㇰ《私は話す》は kuytak クイタㇰ と発音する。 その他の母音、 つまり a, e, o, u ア、 エ、 オ、 ウ の前では u ウ が落ちて k= ㇰ という形になる(☞k= ㇰ)。 ただし歌謡や叙事詩などを歌うときには母音 a, e, o, u ア、 エ、 オ、 ウ の前でも通常 u ウ が保たれる。 たとえば ku=an クアン 私はいる(日常会話では k=an カン)。 ku=utari クウタリ 私の身内(日常会話では k=útari クタリ)。 {E: “I” (first person singular subject prefix).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuani
クアニ 【代名】[一人称単数] 私 (韻文の中で用いる形。 この方言では話し言葉では káni カニ と言う)。 {E:“I” (first person singular pronoun.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucasanke
クチャサンケ 【自動】[単](複は kucasapte クチャサㇷ゚テ)[kuca-sanke 猟小屋・を(山側の方から海側の方向へ)出す[単]] 猟期を終えて狩小屋(猟小屋)から村へ帰る。 {E: to return from the mountain hunting hut to the village at the end of the hunting season.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucasapte
クチャサㇷ゚テ 【自動】[複](単は kucasanke クチャサンケ)[kuca-sapte 猟小屋・を(山の方から海の方向へ)出す[複]](二人以上が)猟期を終えて猟小屋から村へ帰る。 {E: to return from the mountain hunting hut to the village at the end of the hunting season (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kumakar
クマカㇻ 【自動】[kuma-kar 物干し棒・をつくる] 杭を立て棒を渡して物干し場をつくる(=kuma kar クマ カㇻ)。 soy ta kumakar=an ソイ タ クマカラン 外に物干し場をつくる。(S) {E: to make a clothesline by suspending a pole between the forks of a tree.} (出典:田村、方言:沙流)
kuni 1
クニ 【助動】…することになっている、 …する見込みである、 …することが望ましい、 …するべきである、 …しよう。 ekimne a=e=sé wa a=e=ráyke kuni sekor an pe エキㇺネ アエセ ワ アエライケ クニ セコㇿ アン ペ あなたを山へ運んで行って殺そうということを。(W民話) tun ku kuni sake トゥン ク クニ サケ 二人が飲む酒(飲むべき/ことができる酒)。(S民話) herepasi arpa kuni pekor iki, pet turasi arpa kuni pekor iki, ayne, arherepasi arpa ヘレパシ アㇻパ クニ ペコㇿ イキ、 ペッ トゥラシ アㇻパ クニ ペコㇿ イキ、 アイネ、 アㇻヘレパシ アㇻパ (その飛び上がった首は)沖の方へ行くみたいにし、 川の方へ向かって行くみたいにしていてから、 しまいにずうっと沖の方へ行ってしまった。(W民話) en=kupa kuni pekor ku=yaynu エンクパ クニ ペコㇿ クヤイヌ (その犬)が私にかみつこうとしているように私は思った。(W) kuni p クニㇷ゚ …する(べき)もの。 c=e kuni p anakne porono an チェ クニㇷ゚ アナㇰネ ポロノ アン 私たちが食べるものはたくさんある。(S) (注 cékunip チェクニㇷ゚ [名]は《魚》。)oro ta, e=ewonne usa ki, e=wakkaku usa ki ranke kuni p ne na オロ タ、 エエウォンネ ウサ キ、 エワッカク ウサ キ ランケ クニㇷ゚ ネ ナ あなたはそこで顔を洗ったり、 水を飲んだりすればいいのですよ。(W民話) mak é=iki hawe an? somo an kuni p e=ye hawe ne na ne na マㇰ エイキ ハウェアン? ソモ アン クニㇷ゚ エイェ ハウェ ネ ナ ネ ナ あなたは何をなさる(とおっしゃる)のですか。 してはならないことをおっしゃっておられるのですよ。(W民話) kuni hi クニ ヒ ☞kunihi クニヒ ☆参考 他の助動詞のように文末に置かれることは少なく、 連体的に使われることが多い。 それも p ㇷ゚《もの、 の》の前が圧倒的に多い。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunine
クニネ 【接助】…するように(することを目指して)。 cise soy ta ka poronno cikuni oka kunine iki=an チセ ソイ タ カ ポロンノ チクニ オカ クニネ イキアン 私は家の外にもたくさん薪があるようにした。(W民話) nep ka i=kare somo ki kunine iki kor oka=an ネㇷ゚ カ イカレ ソモ キ クニネ イキ コㇿ オカアン (彼女は)私に何もさせないようにして(何もかもしてくれて、 それほど私を大事にしてくれて)(私たちは)暮らしていた。(W民話) {E: so as to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunne 2
クンネ 【名/副】[< kunne クンネ 1] ①[名]夜。 kunne an クンネ アン 夜になる、 暗くなる。 ②(副詞として)夜に。 tókap he paye=an, somo yakun kunne he paye=an? トカㇷ゚ ヘ パイェアン、 ソモ ヤクン クンネ ヘ パイェアン? 昼間行こうかそれとも夜行こうか。(S) kunne hene tókap hene クンネ ヘネ トカㇷ゚ ヘネ 夜も昼も。 kunne ka tókap ka クンネ カ トカㇷ゚ カ 夜も昼も。(S) kunne tókap クンネ トカㇷ゚ 夜も昼も。 kunne tókap e=a wa patek e=an クンネ トカㇷ゚ エア ワ パテㇰ エアン 夜も昼もあなたは座ってばかりいる(=寝ないで起きている)。(S) kunne cup クンネチュㇷ゚ 月(=kunnecup クンネチュㇷ゚)。 {E: ①night. ②at night.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurka
クㇽカ 【位名】[kur-ka 影/姿・の上] ①(名詞句の後に置かれて)…の(全体の)上、 …の上面一帯。 so kurka míke kane ソ クㇽカ ミケ カネ 床(ゆか)の上が光っている。(S) yukermu kurka néno an iro ユケㇾム クㇽカ ネノ アン イロ ネズミの背中のような色。(W) iresu sinta/sinta kurka/kamuy oran na/kamuy oinkar イレス シンタ/シンタ クㇽカ/カムイ オラン ナ/カムイ オインカㇻ ゆりかごの上に神様が下るよ、 そこを神様が見守ってくれるよ。(S子守歌) ②(主に雅語で、 動詞の後に置かれて)…しながら、 …ているとき。 mokor kurka ta e=ek aan hawe ne wa モコㇿ クㇽカ タ エエカアン ハウェ ネ ワ 皆が眠ってしまった後にあなたは来たんだなあ。(S) ouhuy sirka/ouhuy attus/henoo uwao/kari kurka/…/kamuy itak haw オウフイ シㇼカ/オウフイ アットゥㇱ/ヘノオ ウワオ/カリ クㇽカ/…/カムイ イタㇰ ハウ こげた刀、 こげた厚司(の着物)がクルッと回りながら(=…厚司をクルッとひるがえしながら)(中略)と神が言う声が…。(W神謡K) (注 日常語では mokor kurka ta モコㇿ クㇽカ タ [慣用句]の例が二例出たのみである。 ☞kurkasike クㇽカシケ) ☆対語 kurpok クㇽポㇰ …の下。 {E: above…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurkot
クㇽコッ 【自動】[kur-kot 影・つく] 光り輝く。(次の対句の中で) míke kane kurkot kane ミケ カネ クㇽコッ カネ 光り輝きわたっている。 cise upsoro míke kane kurkot kane チセ ウㇷ゚ソロ ミケ カネ クㇽコッ カネ [慣用表現]家の中が光り輝くばかりに美しい。(W民話) {E: to shine; sparkle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurukpekar
クルㇰペカㇻ 【自動】[kurukpe-kar 霜・にあたる] 霜にあたる。 kurukpekar kor easir sonno tópen クルㇰペカㇻ コㇿ エアシㇼ ソンノ トペン (りんごは)霜に「かかったら」(=あたると)うんと甘くなる(霜にあたらないとあまり甘くならない)。(S) {E: to be affected by frost.} (出典:田村、方言:沙流)
kus(u)
クス/クㇱ 【接続/後副】①(動詞句の後で) …するために、 …したから。 mosma kur kor kusu é=iki hi ka somo ne モシマ クㇽ コㇿ クス エイキ ヒ カ ソモ ネ ほかの人が持つためにあなたはするのではない。 kemaha nam kusu suy soyne rusuy ケマハ ナㇺ クス スイ ソイネ ルスイ 足が冷たくなるのにまた外へ出たがる。 ②(名詞句の後で) …のために、 …のゆえに、 そのために。 mosma kur kusu ne kunak ku=ramu モㇱマ クㇽ クス ネ クナㇰ クラム ほかの人のためだと私は思った。 ekouwepekennu kus ek エコウウェペケンヌ クㇱ エㇰ 彼はあなたの話を聞きに来た。(S) ③(kus クㇱ にならず、 常に kusu クス の形で)(関係詞的用法)そのために…する/したところの…(…する/した目的)。 kusu e=arpa p epitta e=eraman ka somo ki no hńta kusu túnas e=hosipi hawe an? クス エアㇻパㇷ゚ エピッタ エエラマン カ ソモ キ ノ フンタ クス トゥナㇱ エホシピ ハウェ アン? そのためにおまえが行った事を(行った目的である勉強を)すっかりおぼえないで、 なぜ早く帰って来たのか。 ④熟語 hi kusu ヒ クス (だ)から、 そのために。 c=e ka etoranne hi kusu arorkisne kanpi níkor cómare hine… チェ カ エトランネ ヒ クス アロㇿキㇱネ カンピ ニコㇿ チョマレ ヒネ…. 食べたくなかったからそっと紙にくるんで…。(S) hemanta kus(u)/hńta kus(u) ヘマンタ/フンタ クス/クㇱ なぜ。 mak an kus(u) マカン クス/クㇱ どういうわけで。 mak an pe kus(u) マカン ペ クス/クㇱ どういうわけで。 makanak ne kus(u) マカナㇰ ネ クス/クㇱ どういうわけで。 wa kus(u) ワ クス/クㇱ …したから、 だからこそ。 pe ne kus(u) ペ ネ クス/クㇱ/p ne kus(u) プ ネ クス/クㇱ …する/したものだから、 …する/したので。 k=eywankep ka isam, a=konere p ne kusu ケイワンケㇷ゚ カ イサㇺ、 アコネレㇷ゚ ネ クス 私が使うのがない、 粉々にされたものだから。(S) hike kusu/ayke kusu ヒケ クス/アイケ クス …する/したからといって、 …したとしても。 keray(po) kus(u) ケライ(ポ) クス/クㇱ …したおかげで。 kus(u) keray(po) …クス/クㇱ ケライ(ポ) (動詞の後に置かれて)…したおかげで。 e=an kus(u) keray(po) エアン クス/クㇱ ケライ(ポ) あなたのおかげで。 ne kus(u) koraci ネ クス/クㇱ コラチ まるで…そっくりに。 kamuy ne kus koraci an onne kur カムイ ネ クㇱ コラチ アン オンネ クㇽ まるで神のような老人。(KC民話) 使役 + kusu ye クス イェ …するように言う(間接命令)。 i=ahupte kus(u) ye イアフㇷ゚テ クス/クㇱ イェ (引用文で)彼は私たちに入りなさいと言う。(NK民話) en=ere en=ere kus ye エネレ エネレ クㇱ イェ 私に食べなさい食べなさいと言う。(S) hunakke kusu フナッケ クス ☞hunakkekusu フナッケクス。 hinakke kusu ヒナッケ クス ☞hinakkekusu ヒナッケクス。 kusu an クス アン[単]/kusu oka クス オカ[複] とても…。 sattek kusu oka サッテㇰ クス オカ (二つ以上が)とてもやせこけている。(S会話) kus(u) ne クス/クㇱ ネ (未来の表現) …する(ことになっている)、 …しようとしている、 …します。 ☞kusu ne クス ネ ☆発音 早く話すとき強調しないときはしばしば語末の母音 u が落ちて kus クㇱ と発音される。 {E: ①in order to…; because one did… ②for…; because… ③that's why for that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kusnaotke
クㇱナオッケ 【他動】[kus-na-otke その向こう側・のほうへ・突き刺す] …を突き抜けるまで刺す。 ahaː, e=kusnaotke somo ki yakka pirka p hńta kus e=kusnaotke siri an? アハー、 エクㇱナオッケ ソモ キ ヤッカ ピㇼカㇷ゚ フンタ クㇱ エクㇱナオッケ シリ アン? まあ、 突き通して刺さなくてもいいのに、 どうして突き通るまで刺すの。(S) {E: to pierce, stab through…} (出典:田村、方言:沙流)
kusu 2
クス 【副助】こそ。 káni kusu somo k=e na, eani kusu e カニ クス ソモ ケ ナ、 エアニ クス エ 私こそ食べないからあなたこそ食べなさい。(S) sore kusu ソレ クス それこそ(sore ソレ は[< 日本語])。 {E: just; indeed.} (出典:田村、方言:沙流)
kusun 1
クスン 【後副】[kusu-un ために・(納得の助辞)] …(だ)から、 なるほど…(だ)からなのだなあ、 …のために…なのかなあ。 {E: because; for that reason.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kutkor
クッコㇿ 【自動】[kut-kor 帯・持つ] 帯をしめる。 a=yupíhi kutkor hene ki ka somo ki no 私の兄は帯もしめずに。(NK民話) ☆参考 ekutkor エクッコㇿ[他動]…を帯にしてしめる。 ☆参考 ukoekutkor ウコエクッコㇿ 何枚もの着物を着て一緒に帯をしめる(ユーカラなどの口承文学の中でよく出てくる表現の一部)。 {E: to fasten a belt, a sash.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuttek
クッテㇰ 【名】(次の慣用表現の中で) kuttek supuyaha soyne クッテㇰ スプヤハ ソイネ 煙がもくもくと出る。 {E: for smoke to pour, belch out of.} (出典:田村、方言:沙流)
makan
マカン 【副】(次の表現で)どのように。 makan ne kor マカン ネ コㇿ 都合により、 「どうやらしたら」=どうかすると、 場合によっては。(W) makan ne kor/mosirso kurka/oran wa マカン ネ コㇿ/モシㇼソ クㇽカ/オラン マ [雅]時によると地上に降りて。(Sユーカラ語り) makan katkor pe/ek hum konna/koturimimse/kokewrototke マカン カッコㇿ ペ/エㇰ フㇺ コンナ/コトゥリミㇺセ/コケウロトッケ [雅]どんなものだかやって来る音がブルンブルンと鳴りゴーゴーと響く。(Sユーカラ) ☆参考 長く言うと makanan マカナン。 makanan マカナン も makan マカン も限られた文脈で使われている。 一般的に「どのように」という疑問の表現には nékon ネコン、 nékona ネコナ、 あるいは日常語と同じ makanak マカナㇰ などが使われている。 ☆参考 日常語では makanak マカナㇰ《どのように》、 mak マㇰ《どのように》(縮約形)があるが、 用法は makan マカン と同じではない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
makanan
マカナン 【副】[雅]どのように。 makanan ne kor マカナン ネ コㇿ [雅]時によると。 makanan ne kor/ranke mosir/mosirso kurka/ciorawkekar マカナン ネ コㇿ/ランケ モシㇼ/モシㇼソ クㇽカ/チオランケカㇻ [雅]時によると下界の国の国土の上に下りて来ます。(Sユーカラ) ☆参考 同じユーカラの語られた中では同様の文脈で makan ne kor マカナン ネ コㇿ と言っている。 ☞makan マカン ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
makaraye
マカライェ 【他動】[maka-raye 後ろへ・やる] 来るな来るなと押してやる。 tekémakaraye テケマカライェ 来るな来るなと手で押してやる。(S) ☆参考 mákoraye マコライェ は《後ろへやる、 (袖)をまくる》。 {E: to press, coerce someone to come to…} (出典:田村、方言:沙流)
makpo
マㇰポ 【疑名】[mak-po どう・(指小辞)] いったいどのように、 なんとか。 makpo ikipa wa マㇰポ イキパ ワ (彼らは)なんとかして。 makpo é=iki híne e=oskoni p an? マㇰポ エイキ ヒネ エオㇱコニㇷ゚ アン? いったいどうやって手に入れたの。(S) {E: how in the world; somehow, in one way or another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
matkor
マッコㇿ 【自動】[mat-kor 女/妻・を持つ] 妻を持つ、 妻を持っている、 妻をめとる。 repuyso ka ta a=rokte kamuy oro wa matkor hike matkor レプイソ カ タ アロㇰテ カムイ オロ ワ マッコリケ マッコㇿ 沖のほう(=海外)に住む神の所から妻をめとる者はめとり…。(S言い伝え) ☆参考 mat kor マッ コㇿ、 mat etun マッ エトゥン とも言う。 ☞mat マッ {E: to have a wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
matkorepa
マッコレパ 【他動】[複](matkore マッコレ は単複の区別なし) (二人以上の男)に妻を与える、 …を結婚させる。 atuyso ka wa a=matkorepa hike iporo retar kusu oka アトゥイソ カ ワ アマッコレパ ヒケ イポロ レタㇻ クス オカ 海外から妻を与えられた人々はとても色が白い。(S言い伝え) {E: to give a wife to…; make…marry.(pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mawkururu
マウクルル 【自動】[maw-kurur-u 風・(擬音重複)・(他動詞形成)](直訳すると)風がピューピュー鳴らす=(次のような慣用句で)風でピユーピユー鳴っている。 a=ekisársutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅]私の耳元で風がピューピュー鳴っていた(ユーカラの主人公の少年などが猛スピードで進んで、 あるいは飛んで行くことの形容)。(Sユーカラ語り) ☆参考 同じ文脈で komawkururu コマウクルル とも言っている。 {E: the whistling sound of wind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
may
マイ 【名】[概](所は maye(he))(美しい)響き(金物などを叩いた後ウーンと鳴っている音)(=kanemay カネマイ)。 kane may ne uwetunuyse カネ マイ ネ ウウェトゥヌイセ (女神の声などが)金(かね=金属)の響きのように美しく響く。(S) {E: a (beautiful) sound. (metallic)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
maye(he)
マイェ(ヘ) 【名】[所](概は may マイ) …の響き。 toptukan wa inu wa mayehe pirka hike hok トㇷ゚トゥカン ワ イヌ ワ マイェヘ ピㇼカ ヒケ ホㇰ (茶碗を)爪ではじいてみて響きのいいのを買いなさい。(S) {E: the sound of…} (出典:田村、方言:沙流)
méhupka
メフㇷ゚カ 【自動】[me-hup-ka 寒さ・はれる・させる] 寒さでふくれる。 ku=teke méhupka クテケ メフㇷ゚カ 私の手が寒さでふくれた。(S) {E: for something to swell with the cold.} (出典:田村、方言:沙流)
menas 1
メナㇱ 【名】南風(「やませ」、 東南つまり静内・釧路の方向ないし南の方から吹いてくる風。) menas as メナㇱ アㇱ やませ(南風)が吹く。 ☆参考 山からの風ではないことに注意。 ☆参考 asno-menas アㇱノメナㇱ 真南からの風。 íka-menas イカメナㇱ 静内・釧路の方向からの風。 ☞réra レラ {E: a south wind.} (出典:田村、方言:沙流)
menaspa
メナㇱパ 【名】[menas-pa 静内、 釧路の方向・上手(かみて)] 東南の側、 南側。 menaspa wa メナㇱパ ワ 南側に。 {E: the south-east, south side.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
menokopo
メノコポ §007.むすめ(娘)(16)menokopo〔me-nó-ko-po メのコポ〕⦅H.⦆少女;年頃の娘;若い女。[menoko(女)+po(指小辞)]。"ar-so-ke ta sine〜chis kor an"「向こうの座の所で一人の若い女が泣いていた」⦅民譚集, p.88⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
mérayke
メライケ 【自動】[me-rayke 寒さ・…を殺す](人が)寒い。 e=merayke ciki amip mi エメライケ チキ アミㇷ゚ ミ あなた寒いなら着物を着なさい。(W) ☆参考 寒く感じることを言う。 寒い天候であることは méan メアン。 ☆参考 冷たいことは nam ナㇺ。 {E: for someone to be cold.} (出典:田村、方言:沙流)
mi
ミ 【他動】(衣服)を着る、 (掛布団)を掛ける(「着る」)。 a=mi wa okay pe a=huráypa póka somo ki no heru, a=mi wa hotke=an, hopuni=an wa á=an kor a=mi, hotke=an kor a=mi amip patek a=mi wa án=an アミ ワ オカイ ペ アフライパ ポカ ソモ キ ノ ヘル、 アミ ワ ホッケアン、 ホプニアン マ アアン コㇿ アミ、 ホッケアン コㇿ アミ アミㇷ゚ パテㇰ アミ ワ アナン 私(民話の主人公)は、 着ているものを洗いもしないでただ、 着て(かけて)寝て、 起きているときにも着て、 寝るときにも着る(かける)着物ばかりを着ていた。(W民話) kurmat mi amip kurmat mi pirka kut ne yakka a=i=ékutkore クㇽマッ ミ アミㇷ゚ クㇽマッ ミ ピㇼカ クッ ネ ヤッカ アイエクッコレ 和人女性の着る着物を着せてくれて和人女性のしめる美しい帯もしめさせてくれた。(HC民話) {E: to wear (clothes).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
míke
ミケ 【自動】光る、 輝く、 ピカピカ(ツヤツヤ)している(床や天井や家の中が)。 cise upsor mike kane kurkot kane チセ ウㇷ゚ソㇿ ミケ カネ クㇽコッ カネ 家の中が美しく光り輝いている。(W民話) {E: to shine; sparkle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mimici
ミミチ 【名】[mimi-ci 身[所]・焼けている](直訳すると)身が焼けている(icanuy イチャヌイ《マス》のあだな)。 aynu or ta/paye=an ki kor/mimici mimici sekor/a=i=ye kusu somo ci=ye na アイヌ オッタ/パイェアン キ コㇿ/ミミチ ミミチ セコㇿ/アイイェ クス/ソモ チイェ ナ 人間のところへ行くと「身焼け、 身焼け」と言われるから言わない(教えてやらない)ぞ。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
mimtar
ミㇺタㇻ 【名】①土間(「にわ」)。 ②(日常語で)戸外のごみすてば、 外の掃き寄せる所、 コタンの下手の空き地。(S) ③(英雄叙事詩や民話で)外庭全体、 また土間も。 ④熊祭りのとき熊が遊び回るところ。(S) iwan aynuikir eposo húci mimtar ka ta horipi イワン アイヌイキㇼ エポソ フチ ミㇺタㇻ カ タ ホリピ 六代にわたって生きた老婦人が(夜襲の群が襲って来ることを知らせる歌を歌いながら)土間で踊った。(S独話) ☆参考 祭事をする広場を言うと言われているが、 『音声資料』(1-6)にはその用例は出てこない。 {E: ①the yard of a house. ②an outdoor garbage pile. ③the whole yard around a house. ④the place the bear is paraded during the Bear Festival.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mokorkoama
モコㇿコアマ 【自動】[mokor-ko-ama 眠る・と共に・(?)] 寝相が悪い。 somo e=mokorkoama p he an? ソモ エモコㇿコアマㇷ゚ ヘ アン? あなたは寝相が悪いのではないかい? {E: to toss and turn in one's sleep; sleep in a disorderly manner.} (出典:田村、方言:沙流)
momani
モマニ 【名】[moma-ni スモモ・木][植物] スモモの木。 〔知分類 p.121 スモモ〕 {E: a plum (damson) tree.} (出典:田村、方言:沙流)
móno áre
モノ アレ 【他動】[副+自動使役]座らせる。 ikuso or ta móno a=are wa イクソ オッタ モノ アアレ ワ (彼は)酒席に座らされて。(W言い伝え) {E: to make, let sit (down).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
montapire
モンタピレ 【他動】急がせる。 ☆参考 k=ósoro en=montapire wa kus コソロ エンモンタピレ ワ クㇱ 私のお尻が私を急がせたから=私はウンチをがまんできなかったから。(S) {E: to make someone busy with, at…} (出典:田村、方言:沙流)
móse 1
モセ 【自動】ヨシ(葦)を刈る。 móse=an kus paye=an ro! モセアン クㇱ パイェアン ロ! ヨシ(葦)を刈りに行こう。(S) ponno ku=mose so ポンノ クモセ ソ (私)ちょっとヨシ刈りしよう。(S) {E: to cut reeds.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
moto
モト 【名】[概/所] [< 日本語] もと、 起源、 素性、 原因。 {E: source; origin.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
moto-orke
モト オㇿケ 【名】[所](orke オㇿケ の概は or オㇿ だが、 moto or モト オㇿ は出てこない。)[起源・の所](…の)もと/起源となる所、 起源、 素性、 先祖。 etoko wano Aynu mosir ta okay pe ka a=moto-orke népa ka somo ki korka エトコ ワノ アイヌ モシッタ オカイ ペ カ アモトオㇿケ ネパ カ ソモ キ コㇿカ 私たちの先祖は昔からアイヌモシリ(北海道)に住んでいたわけではないけれども。(S言い伝え) tu moto-orke hunara kor as wa an トゥ モトオㇿケ フナラ コㇿ アㇱ ワ アン 彼は(そいつの)素性をいろいろと探りながら立っていた。(W民話) {E: place of origin (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
motoho
モトホ 【名】[所](概は moto モト)…のもと、 …の起源、 …の素性、 …の原因。 siyeye utar oka kor motoho ye シイェイェ ウタㇻ オカ コㇿ モトホ イェ 病気の人々がいると(彼は)その原因を言い当てる。(NK民話) {E: the source, origin of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
motokor
モトコㇿ 【自動】[moto-kor もと・を持つ] 起源をもつ、 起源/素性は…である。 uneno motokor pe a=nepa ウネノ モトコㇿ ペ アネパ 私たちは同じ起源をもつ(先祖は一つである)。(S言い伝え) {E: to be the original; source.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
motpok
モッポㇰ 【名】[mot-pok (?)・の下][動物]魚のあごから腹に続く柔らかい部分。 ☆参考 mot モッ は mokrap モㇰラㇷ゚ の mok モㇰ と同源か? または < nota ノタ《ほお》か? ☆参考 cep-notpok チェㇷ゚ノッポㇰ とも言う。 {E: the soft area of a fish from the jaw through to the belly.} (出典:田村、方言:沙流)
moymoyke
モイモイケ 【自動】[moy-moy-ke (擬態の語根)・(重複)・(自動詞形成)] 動く。 moymoyke kor an a p somo moymoyke モイモイケコラナㇷ゚ ソモ モイモイケ 動いていたのが止まった。(W) {E: to move.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
moyre
モイレ 【自動】①遅い、 のろい、 遅れる。 mak an pe kusu e=moyre a ruwe an? マㇰ アン ペ クス エモイレ ア ルウェ アン? どういうわけで(あなたは)遅くなったの。(W会話) ②(助動詞的用法)…するのが遅い、 …し遅れている。 e=ye moyre エイェ モイレ あなたは言い遅れている(すぐに言うべきなのになかなか言わない)。(S会話) ③moyre as モイレ アㇱ [慣用句](次のような文脈で)(天に帰る神が)もっと遅く行く。 moyre as pe a=ikóramu awa, na sittumupeker kaspa ka somo ki no モイレ アㇱ ペ アイコラム アワ、 ナ シットゥムペケㇾ カㇱパ カ ソモ キ ノ (父が天に昇るとは聞いたが)もっと遅く行くのだと思っていたのに、 まだあまり明るくもならないうちに…。(W神謡) ☆参考 kamuy moyremat カムイ モイレ マッ [神・遅い・女] 位が高い立派な女性、 女神(伝統的な価値観では、 身分の高い女性はゆったりと落ち着いているとされる)。 {E: ①to be slow; late. ②to be slow to, at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
munin
ムニン 【自動】腐(くさ)る。 munin ni ムニン ニ 腐った木。 imo soy ta a=osúrpa wa oka wa munin イモ ソイ タ アオスㇽパ ワ オカ ワ ムニン いもが外に捨ててあって腐った。(S) ☆参考 木や草など植物性のものが腐敗することを言う。 肉や魚がくさることは horse ホㇿセ。 {E: to rot (plant matter).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
muninka
ムニンカ 【他動】[munin-ka 腐る・(他動詞化)] 腐らせる。 amip osura wa anu ayne muninka アミㇷ゚ オスラ ワ アヌ アイネ ムニンカ 着物を捨てておいてとうとう腐らせてしまった。(S) {E: to make, let something go rotten.} (出典:田村、方言:沙流)
mus
ムㇱ 【名】[動物] ハエ。 ☆参考 他の諸方言では mos モㇱ と言う。 『方言辞典』を参照。 ☆参考 幼虫「うじ」は mosospe モソㇱペ。 {E: a fly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nakanaka
ナカナカ 【名】(uinere ウイネレ という言葉あて遊びで nakairi ナカイリ《綿入れのボロ着》という語を隠して言った言葉。) kosne kosokoso he e=kor rusuy, nakanaka he e=kor rusuy? コㇱネ コソコソ ヘ エコン ルスイ、 ナカナカ ヘ エコン ルスイ? 軽いコソコソがほしいか、 それともナカナカがほしいか(kosokoso コソコソ は kosonte コソンテ《小袖》を、 nakanaka ナカナカ は nakayri ナカイリ《綿入れのぼろ着》を、 隠して言っている)。(S会話) {E: a play on words.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nani
ナニ 【副】(…して)すぐに、 まもなく。 ésir ek korka nani arpa エシㇼ エㇰ コㇿカ ナニ アㇻパ (彼は)さっき来たけれどすぐ行った。(S) …hi nani… …ヒ ナニ… するとすぐ。 apto tuy hi nani réra yupke アㇷ゚ト トゥイ ヒ ナニ レラ ユㇷ゚ケ 雨がやむとすぐに風がひどくなった。 ☆参考 pe/p sekor ㇷ゚/ペ セコㇿ …した途端に。 {E: soon.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nankora
ナンコラ 【助動+終助】[nankor ya ナンコㇿ ヤ を続けて発音した形。] …だろうか。 pirkano ne itak ipehe oma nankora? ピㇼカノ ソネ イタキペヘ オマ ナンコラ? 本当によく言葉の中味がテープに入ったでしょうか。(W独話) {E: probably (as an interrogative.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nanuwen
ナヌウェン 【名】[nanu-wen 顔[所]・悪い][動物](=nanuwen esokka ナヌウェン エソッカ)「トウベツカジカ」。 〔知分類 p.16 ケムシカジカ;トオベツカジカ(方言)〕 {E: a kind of sculpin (B.).} (出典:田村、方言:沙流)
nayetok
ナイェトㇰ 【名】[概](所は nayetoko(ho) ナイェトコ(ホ))[nay-etok 沢・の先端] 沢の水源、 沢のいちばん奥。 {E: the source of a stream, swamp.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nayetoko(ho)
ナイェトコ(ホ) 【名】[所](概は nayetok ナイェトㇰ)(その)沢の水源、 その沢のいちばん奥。 {E: the source of a stream, swamp.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nayoro
ナヨロ §067 サケ あきあじ、あきやじ  他(31) nayoro (na-yó-ro)「ナよロ」[somo ki(サケが川へ入らぬ)などと言う。⦅沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nek
ネㇰ 【終助】[結びの助詞] ①…さ、 …ぞ。 (通常、 強めの助詞 tas(i) タㇱ/タシ または tos(i) トㇱ/トシ との組み合わせで、 係り結びのように使われる。) tooká amip ka icen ka amam ta poronno e=kor wa e=soyne tas ki nankor nek! トオカ アミㇷ゚ カ イチェン カ アマㇺ タ ポロンノ エコㇿ ワ エソイネ タㇱ キ ナンコㇿ ネㇰ! あそこにある着物もお金も米もたくさん持って出てやるぞ。(S民話) a=ewkoysoytak kor síran pe tasi an nek! アエウコイソイタㇰ コㇿ シラン ペ タシ アン ネㇰ! そのことを私たちは一緒に話し合っているのよ。(S会話) ②(反語的に)…するものか。 épo tas e=tura án=an nek! エーポ タㇱ エトゥラ アナン ネㇰ! ええい、 お前なんかと一緒にいるもんか! (W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nen 1
ネン 【不定名】[ne-n 何の・人] (疑問代名詞 hunna フンナ に対する不定代名詞。)だれ(か)、 だれ(も)。 nen kor pe ne yakka opitta sinen a=sikkasmare ネン コㇿ ペ ネ ヤッカ オピッタ シネン アシッカㇱマレ だれのものでも全部一人にしまわせる。(S) nen opitta ネン オピッタ だれでも皆。 nen opitta omap pe ka somo ne ネン オピッタ オマッペ カ ソモ ネ (彼は)だれもかれも皆かわいがっているわけではない。 {E: who(m); someone; no one.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nen 3
ネン 【不定副】[néun ネウン《どこへか/も》が早く発音されてちぢまった形] ①どこかへ。 ②(否定で)どこへも。 ☞néun ネウン 2 {E: ①somewhere; anywhere. ②nowhere.} (出典:田村、方言:沙流)
nen ka 1
ネン カ 【名+副助】①だれか。 nen ka sinen ekte ネン カ シネン エㇰテ だれか一人よこしなさい。(S) ②だれも(…しない)。 nen ka isam ネン カ イサㇺ だれもいない。 ☆参考 「だれだかわからないがだれか」というときの「だれか」には疑問代名詞 hunna フンナ が使われる。 hunna ek フンナ エㇰ だれか来た。 「だれでもいいからだれか」というニュアンスのときに nen ネン、 nen ka ネン カ が用いられる。 {E: ①someone. ②no one.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nen ka 2
ネン カ 【副】(=néun ka ネウン カ)どうか、 なんとか。 ☞néun ネウン 1 {E: somehow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nen ka 3
ネン カ 【副】(=néun ka ネウン カ) ①どこかへ。 taan ponpe unuhu nen ka arpa kor orano oka nospa wa cis a cis a タアン ポンペ ウヌフ ネン カ アㇻパ コㇿ オラノ オカ ノㇱパ ワ チサ チサ この子は母親がどこかへ行けばあとを追って泣いて泣いて。(S) a=eywanke wa isam hi akkari hoskino nen ka karkarse wa isam nankor アエイワンケ ワ イサミ アッカリ ホㇱキノ ネン カ カㇻカㇻセ ワ イサㇺ ナンコㇿ (こんな小さな消しゴムは)使ってなくなるより先にどこかへ転がってなくなってしまうだろう。(S) ②(否定で)どこへも。 iteki nen ka arpa no en=kasuy イテキ ネン カ アㇻパ ノ エンカスイ どこへも行かないで手伝ってちょうだい。(S) ☞néun ネウン 2 {E: ①somewhere; anywhere. ②nowhere (used in negative statements).} (出典:田村、方言:沙流)
nen ka ne wa
ネン カ ネ ワ 【副】(=nenkane ネンカネ) どうかして、 ひょっとして、 もし。 nen ka ne wa iyununep ek kane kor mak kú=iki kusu? ネン カ ネ ワ イユヌネㇷ゚ エㇰ カネ コㇿ マㇰ クイキ クス? (S) どうかして(=もし)母熊が来たらどうしよう。(S) {E: in some way; somehow; by chance; if.} (出典:田村、方言:沙流)
nen ne yakka 2
ネン ネ ヤッカ 【副】(=néun ne yakka ネウン ネ ヤッカ) ①どうしても、 必ず、 どんなことがあっても。 “nisatta anak nen ne yakka k=arpa” sekor hawean kor k=ókaramotte 「ニサッタ アナㇰ ネン ネ ヤッカ カㇻパ」セコㇿ ハウェアン コㇿ コカラモッテ あしたはどうしても行きますと言うので名残(なごり)惜しい。(S) ②(否定で)決して(…しない)。 k=arpa kuni néno ramu kor an, nen ne yakka somo k=arpa kusu ne na カㇻパ クニ ネノ ラム コラン、 ネン ネ ヤッカ ソモ カㇻパ クス ネ ナ 私が行くかと思っていなさい、 絶対に行かないからな。(S) {E: surely; without fail.} (出典:田村、方言:沙流)
nen nen 2
ネン ネン 【副】(=néun néun ネウン ネウン)いろいろと、 あれこれうるさいこと/めんどうなこと/へんなことを。 nen nen oka ネン ネン オカ いろいろな(いやな/へんな)。 nen nen okay pe ネン ネン オカイ ペ いろいろなもの(へんなもの)。 ☆参考 しばしばよくないニュアンスを伴って使われる。 usa ウサ《いろいろ》はよくないニュアンスを伴わずにも使われる。 usa okay pe ウサ オカイ ペ いろいろなもの。 ☞usa ウサ {E: various; all sorts of.} (出典:田村、方言:沙流)
nen póka
ネン ポカ 【副】(=néun póka ネウン ポカ)なんとかして。 nen póka é=iki wa e=epirka kunine ネン ポカ エイキ ワ エエピㇼカ クニネ あなたがなんとかして出世するように。(S) nen póka ka ネン ポカ カ いろいろと(へんなことを)(=néun póka ka ネウン ポカ カ)。 {E: somehow or other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
néno
ネノ 【後副】[ne-no …である・(副詞形成)](名詞句の後に置かれて、 またその名詞句が表現されなくても)…に似て、 (…と)同じように、 そのように、 それなりに。 néno an ネノ アン …に似ている、 (それに/そのことに)似たような…。 néno kane ネノ カネ …によく似て、 そっくりに。 sikpuye e=neno kane an wa ku=kir akusu sonno ka e=poho ne a ruwe シㇰプイェ エネノ カネ アン マ クキラクス ソンノ カ エポホ ネ ア ルウェ 目もとがあなたによく似ているのでそうだなと思ったがやっぱりあなたの息子だったのだね。(S) k=arpa kuni néno ramu kor an カㇻパ クニ ネノ ラム コㇿ アン 私が行くかと思っていろ(決して行かないからな)。(S) nankor pe néno, nansak pe néno ナンコㇿ ペ ネノ、 ナンサㇰ ペ ネノ [慣用句]信用のある者はそれなりに、 信用のない者はそれなりに。(S) te wano anak somo néno kú=iki kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ クイキ クス ネ ナ これからはあんなことをしませんから。(S) …hi néno …ヒ ネノ …するにつれて。 poro hi néno siretokkor kor an ポロ ヒ ネノ シレトッコㇿ コㇿ アン 大きくなるにつれて美しくなってくる。(S) …hi néno an …ヒ ネノ アン …したままでいる。 a hi néno an wa mákahokus ア ヒ ネノ アン マ マカホクㇱ (彼は)座ったままで仰向けに倒れた。(S) ekap-néno エカㇷ゚ ネノ[雅]…(の)ように。 {E: like; the same as.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
néoro
ネオロ 【不定名】[所](概 néor ネオㇿ は未出)[ne-or-o 何の・所・(所属語尾)](=ne oro ネ オロ) ①…のどこの所(か)。 ②…のどこの所(も)。 mom wa san a p néoro eokok hi a=ye hi un モンマ サナㇷ゚ ネオロ エオコㇰ ヒ アイェ ヒ ウン 流れてきたものがどこかにひっかかったことを言うのよ。(S) ③néoro ka ネオロ カ (1)…のどこか。 (2)…のどこも。 e=neoro ka wen ruwe? エネオロ カ ウェン ルウェ? あなたどこか悪いの? (S) néoro ka arka ka somo ki ネオロ カ アㇻカ カ ソモ キ (彼の体の)どこも痛くない/病んでいない。 ☆参考 これに対する疑問代名詞は hinakoro ヒナコロ。 e=hinakoro arka ruwe? エヒナコロ アㇻカ ルウェ? あなたのどこが痛いの? {E: ①somewhere. ②anywhere. ③someplace; anyplace.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nep ka
ネㇷ゚ カ 【名+副助】①何か。 nep ka k=e rusuy humi! ネㇷ゚ カ ケ ルスイ フミ! 何か食べたいなあ。(S) ②何も。 nep ka wenpuri ku=sak pe ora ネㇷ゚ カ ウェンプリ クサㇰ ペ オラ 私は何も悪いことをしてないのに。(S) {E: ①something. ②nothing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
neppo
ネッポ 【名】[nep-po 何・(指小辞)] ①何か。 ②全然何も(…しない)。 ③いくらか(「なんぼか」)。 neppo ipe us? ネッポ イペ ウㇱ? いくらか実がなったかい。(S) ④neppo ciraman ki ta háwas a ネッポ チラマン キ タ ハワサ [慣用句] 何と思いがけないことを言うんだろうねえ。(W会話) {E: ①something. ②nothing at all (won't, doesn't do anything). ③some; a little.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
néun 1
ネウン 【不定副】(疑問副詞 makanak/mak マカナㇰ/マㇰ《どのように、 どう》に対する不定副詞) ①どう(か)、 どのように(か)。 ②どんなに(…しても)。 néun ka ネウン カ どうか、 どうも。 néun néun ネウン ネウン いろいろ(して)、 いろいろと(変なことを)。 néun póka ネウン ポカ どうにか(して)、 なんとかして。 néun póka ka okay pe ネウン ポカ カ オカイ ペ いろいろなもの。 néun póka ka haweokay pe uwekarpare wa rewsire iteki ki yan ネウン ポカ カ ハウェオカイ ペ ウウェカㇻパレ ワ レウシレ イテキ キ ヤン いろんなことを言うやつを集めて泊まらせるんじゃないよ。(S) néun a=en=ye ayke kus ku=ye hawe? ネウン アエイイェ アイケ クㇱ クイェ ハウェ? どんなに私をおどしたからといって私は言うものか。(S) néun hene ka e=kor rusuy pe ne a kus ora ネウン ヘネ カ エコン ルスイ ペ ネ ア クㇱ オラ (S) あなたが何としてでもほしいと言ったので。 ☆発音 早く言うと nen ネン とも発音される。 {E: ①how; somehow. ②no matter what.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
néun 2
ネウン 【不定副】(疑問副詞句 hunak un/hinak un フナクン/ヒナクン《どこへ?》に対する不定副詞。) ①どこかへ。 ②どこへも(…しない)。 ☆発音 早く言うと nen ネン とも発音される。 ☆参考 「どこかわからないがどこかへ(ある場所へ)」と言うときの「どこかへ」には hunak un/hinak un フナクン/ヒナクン が使われる。 「どんな所へでもいいからどこかへ」というニュアンスのときに néun/nen ネウン/ネン が用いられる。 {E: ①somewhere. ②nowhere.} (出典:田村、方言:沙流)
ney
ネイ 【不定位名】[< ne-hi 何の・所] どこ(か)、 どこ(に/で/から/まで)も、 どこ(に/で/から/まで) …しても。 ney wa ek okkaypo ネイ ワ エㇰ オッカイポ どこかから来た若者。 ney pakno ネイ パㇰノ どこまでも。 santekehe ney pakno ka pirka サンテケヘ ネイ パㇰノ カ ピㇼカ 子孫がどこまでも(何代も)栄える。(S) ney ta ネイ タ ☞ney ta ネイ タ {E: where; somewhere etc..} m (出典:田村、方言:沙流)
ney ta
ネイ タ 【不定位名+格助】①どこで(も/か)、 どこに(も/か)、 いつも/か。 ney ta ka ネイ タ カ どこかに/で、 いつか。 ney ta ka sakayokar hawe ka isam ネイ タ カ サカヨカㇻ ハウェ カ イサㇺ どこかで「だはんこいた」(=わがままや無理なことを言った)ということもきかない。 ney ta ka arsuyne paye=an ro ネイ タ カ アㇻスイネ パイェアン ロ (S) いつか一度行こう。 ney ta oka utar ka ネイ タ オカ ウタㇻ カ どこにいる人々も。 ney ta ne yakka ネイ タ ネ ヤッカ どこにでも。 ②ney ta pakno ネイ タ パㇰノ いつまでも。 ney ta un…sak ネイ タ ウン…サㇰ いつも…する。 taan hekaci ney ta un parkohayta sak タアン ヘカチ ネイ タ ウン パㇻコハイタ サㇰ この子(男の子)はいつも口がいやしい(いつでも何か食べたがる)。(S) ney ta un en=rammokka sak hawe iki wa ネイ タ ウン エンランモッカ サㇰ ハウェ イキ ワ いつも私をからかってばかりいるわ。(S) (注 よくないことに用いる、 非難の気持ちを含む。 ranma ランマ はよいことについても使われる。(S) ) somo ney ta ki ソモ ネイ タ キ いつもそうする。 hat punkar he emawri punkar he k=éokok híne ku=hacir, k=áni wakka opitta ku=kuta wa isam ranke, somo ney ta ki p un ハッ プンカㇻ ヘ エマウリ プンカㇻ ヘ ケオコㇰ ヒネ クハチㇼ、 カニ ワッカ オピッタ ククタ ワ イサㇺ ランケ、 ソモ ネイ タ キプン (私は)ブドウ蔓かイチゴの蔓かにひっかかってころんで持っている水を全部こぼしてしまう、 いつもそうするのよ。(S) {E: as usual.} {E: where; when.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ni 2
ニ 【名】木、 たきぎ、 まき(=cikuni チクニ)。 ni hontom pakno ニ ホントㇺ パㇰノ 立ち木の中ほどまで。 ni ka péka sinot pe osoro néno ニ カ ペカ シノッ ペ オソロ ネノ 木の上で遊ぶもの(=サル)のお尻のように(酔って赤い顔をしている人をからかう言葉)。 ni ahupte ニ アフㇷ゚テ まきを家の中に取り込む。 ni ikir ニ イキㇼ 家の外に積んであるまきの一積み。 ni ani a=kar ニ アニ アカㇻ 木でつくる。 arpa arpa ni tom osma p? アㇻパ アㇻパ ニ トモㇱマㇷ゚? 行っては行っては先々で木にぶつかるものは? (なぞなぞで、 答えは mukar ムカㇻ《まさかり》)。 ☆参考 製材してある材木(「材」)は caymoku チャイモク と言って区別する。(S) ☆参考 samamni サマㇺニ 倒木。 ekayni エカイニ 切り株、 折れ木。 atni アッニ オヒョウニレの木。 cikisani チキサニ ハルニレの木。 nipesni シナの木。 その他、 木の名前には ni ニ のつくものが多い。 また ciseni チセニ 家の建材の名称にも ni ニ のつくものがいろいろある。 {E: trees; wood; firewood.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nicitne
ニチッネ 【自動】[< cini-nit-ne 足・棒・になる](?)「足が棒になる」(たくさん歩いた後、 ももの裏側が硬くなったみたいに疲れる)。 earkinne ku=nicitne, somo e=nicitne? エアㇻキンネ クニチッネ、 ソモ エニチッネ? 私はとても足が疲れて「棒になった」、 あなたはそうじゃないか。(S) {E: to have cramped, stiff legs.} (出典:田村、方言:沙流)
ninkew-howesarahi
ニンケウホウェサラヒ 【名】[ninkew-howesara-hi 肋骨・二またに分かれる・ところ] みぞおち(「みずおとし」)。 {E: the pit of the stomach; the solar plexus.} (出典:田村、方言:沙流)
nipopkere
ニポㇷ゚ケレ 【他動】[自動使役][nipopke-re (食物)が変質する・させる](食物)をくさらす(「あめさす」、 いたんで食べられないようにする)。 eyar niska wa eyar ka somo ki ayne nipopkere エヤンニㇱカ ワ エヤㇻ カ ソモ キ アイネ ニポッケレ (S) (彼は)人に食べさせるのを(=あげるのを)惜しがって食べさせもしないで(人にあげないで)くさらせてしまった。 {E: to spoil..; let…rot.} (出典:田村、方言:沙流)
níre
ニレ 【複他動】[他動使役][ni-re (汁)を吸う・させる](人)に(だし汁、 煎じ湯など)を吸わせる。 ☞ni ニ 1 {E: to make drink, suck (in)…(soup etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
niska
ニㇱカ 【他動】①…を惜しむ(惜しいと思う)。 ku=niska wa ku=korar ka somo ki クニㇱカ ワ クコラㇻ カ ソモ キ 私は惜しくて人にあげない。(S) ②(動詞句のあとに置かれ助動詞的に使われて) …するのを惜しむ/惜しがる。 eyar niska wa eyar ka somo ki ayne nipopkere エヤン ニㇱカ ワ エヤㇻ カ ソモ キ アイネ ニポㇷ゚ケレ (彼は)(その食べ物を)人にあげるのを惜しがってあげないでおいてとうとう「あめさせて」(くさらせて)しまった。(S) ☆参考 食べ物を人にあげるのを惜しむけちな人は ipewnara イペウナラ と言われる。 ものをなくしたり、 人に死なれたりしたとき惜しかったということや人と別れるとき名残りを惜しむことは oskur オㇱクㇽ、 もの惜しみして(けちけちして)使わないことは yaykotcakar ヤイコッチャカㇻ などと言う。 {E: ①to feel sorry, regret for… ②to regret having done…} (出典:田村、方言:沙流)
niskotor
ニㇱコトㇿ 【名】[nis-kotor 空・面] 空、 下から見えている空。 ☆参考 文脈や状況によって nisor ニソㇿ、 kanto-kotor カントコトㇿ などとも言う。 ☆参考 kanto カント 天。 {E: the sky.} (出典:田村、方言:沙流)
niste
ニㇱテ 【自動】固い、 丈夫である(こわれにくい)。 niste kam ne wa ku=kuykuy ka eaykap ニㇱテ カㇺ ネ ワ ククイクイ カ エアイカㇷ゚ かたい肉なので私は噛むことができない。 (筋のせいではなく、 歯がたたないように固い。) ☆参考 senkaki センカキ《布》、 ka カ《ひも》、 suma スマ《石》、 kam カㇺ《肉》などについて言う。肉などが筋だらけでかたいことは ritne リッネ、 編む草のかたいことは cawre チャウレ。 氷のようにコチコチに硬いことは nitne ニッネ。 ☆対語 riten リテン 柔い、 hapur ハプㇽ こわれやすい。 ☆参考 eniste エニㇱテ は《…を頼りにする》。 {E: to be hard; solid.} (出典:田村、方言:沙流)
nisuk
ニスㇰ 【他動】(仕事や手伝いのために)(人)を頼む。 tumi or un a=nisúk トゥミ オルン アニスㇰ 戦争に頼まれて行った=徴兵された。(W会話) ☆参考 やとうことにも使う。 {E: to ask someone to do something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nísutu(hu)
ニストゥ(フ) 【名】[所](概は nísut ニスッ) …の内側の歯茎。 ku=nisutu kapu soske クニストゥ カプ ソㇱケ 私の内側の歯茎の皮がむけた。(S) (出典:田村、方言:沙流)
nisuwamne
ニスワㇺネ 【自動】(人、 布、 着物などが)丈夫である、 頑丈である。 nisuwamne no kar wa uste ニスワㇺネ ノ カㇻ ワ ウㇱテ (足袋を)丈夫につくってはかせなさい。(S) ku=nisuwamne, wa kusu, ku=neoro ka arka ka somo ki p ne kus kú=iperuy クニスワㇺネ、 ワ クス、 クネオロ カ アㇻカ カ ソモ キㇷ゚ ネ クㇱ クイペルイ 私は丈夫だ、 だからどこも悪くないので大食だ。(S) ☆参考 こわれ/破れては困るもののこわれ/破れにくいことや人の体が丈夫なことを言う。 ☆参考 niste ニㇱテ も、 ものが丈夫なことを言うことがあるが、 人の体が丈夫なことは言わない。 ☆参考 iwanke イワンケ 健康である(病気でない)。 {E: to be solid; substantial.} (出典:田村、方言:沙流)
niwrotke
ニウロッケ 【自動】すっぱい。 a=ehénipopo kane niwrotke アエヘニポポ カネ ニウロッケ 顔をしかめるほどすっぱい。(S) {E: to be sour.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
niyuturke
ニユトゥㇽケ 【名】[所](概は niyutur ニユトゥㇽ)[古] …の歯の間、 彼の歯の間。 niyuturke sep ニユトゥㇽケ セㇷ゚ 歯の間が広い。(S)no ノ 1【接助】(動詞/動詞句の後に置かれて副詞句をつくる。) ①(肯定で)…するままで、 …するように、 …するほど(その他、 文脈によっていろいろに訳せる)。 hu no e=e siri? フ ノ エエ シリ? (S) 生で食べてるの? nep ka a=emína no a=ewtastasa hawe ka ネㇷ゚ カ アエミナ ノ アエウタㇱタサ ハウェ カ 何か笑うように(こっけいなことを)言い合うのも。(S会話) síno nitan kur anak na cup ri híne sirepa no a=kotánu kucacise or wa sirhanke p ne シノ ニタン クㇽ アナㇰ ナ チュㇷ゚ リ ヒネ シレパ ノ アコタヌ クチャチセ オㇿ ワ シㇼハンケㇷ゚ ネ 非常に足の速い人ならまだ日が高いうちに着くぐらい私の村は狩小屋から近いのです。(NK民話) ②(否定で)somo…no ソモ…ノ …せずに。 sekor somo hése no hawean セコㇿ ソモ ヘセ ノ ハウェアン …と息もつかずに言った。(S民話) korka a=nu ka somo ki no a=sikéhe a=kor híne ahun=an コㇿカ アヌ カ ソモ キ ノ アシケヘ アコㇿ ヒネ アフナン しかし私は(その言葉を)聞きもせずに荷物を持って家の中に入った。(W民話) iteki…no イテキ…ノ …せずに(…せよ)。 iteki cis no mokor イテキ チㇱ ノ モコㇿ 泣かないで眠りなさい。(S)ほか 子守歌 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nociw
ノチウ 【名】星。 nociw kur ノチウ クㇽ 星影。 nociw kur ka maknatara ノチウ クㇽ カ マㇰナタラ 星影が(=星が)明るく輝いている。(W会話) nociw onisposo ノチウ オニシポソ 星が落ちる。 nociw tup ノチウ トゥㇷ゚ 星が流れる。 kunne nociw クンネ ノチウ 夜の星。 nisatsawot nociw ニサッサウォッ ノチウ 夜が明けると逃げる星=明けの明星(金星)。(S) ☆参考 ほかに星座名として ermupu エㇾムプ《ネズミの倉》、 iyutani イユタニ《杵(きね)》、 marattosapa マラットサパ《熊の頭》、 renuspe レヌㇱペ《三人星》などがある。 ☆参考 北極星の名前はないらしい。 星を見て方角を知ったというような話は出てこない。 {E: the stars.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nottarara
ノッタララ 【自動】[not-tarara あご・を上に高く差し上げている] あごを突き出し上を向いている。 ukirosore wa oraun tekutasare wa nottarara wa an ウキロソレ ワ オラウン テクタサレ ワ ノッタララ ワ アン (彼は)あぐらをかいてそして腕を組んであごを突き出して上を向いている。(S) ☆参考 nottesusu ノッテスス とも言う。 {E: to stick out one's jaw.} (出典:田村、方言:沙流)
noyasito
ノヤシト 【名】[noya-sito ヨモギ・だんご餅] ヨモギのだんご、 よもぎ餅。 paykar an kor asinnoya a=kar wa sitoho a=kar wa a=satke wa oka wa sonkaci inomi or ta amam sito a=kopóye wa páse inomito ta a=e kor pátum yupke yakka oripak an yakka a=i=rúkamare wa siyeye=an ka somo ki wa pirka p ne na パイカㇻ アン コㇿ アシンノヤ アカㇻ ワ シトホ アカㇻ ワ アサッケ ワ オカ ワ ソンカチ イノミ オッタ アマㇺ シト アコポイェ ワ パセ イノミト タ アエ コㇿ パトゥㇺ ユㇷ゚ケ ヤッカ オリパㇰ アン ヤッカ アイルカマレ ワ シイェイェアン カ ソモ キ ワ ピㇼカㇷ゚ ネ ナ 春になったら出たての柔らかいヨモギを摘んでそれでだんごをつくって干しておき、 正月に米/ヒエのだんごとまぜて元日に食べれば伝染病がはやっても私たちの村はのがれられて私たちは病気にならなくて、 よいのだから。(S) ☆参考 春、 出たての柔らかいヨモギを摘んで、 ふきんの中に灰を入れてそこに入れると「まっ青に」(=濃い緑に)なる。 それをついてゆでて餅(扁平につくっただんご)にして真ん中に穴をあけて干しておく。 正月にこれを食べると病気にかからないと言う。 {E: a rice cake made with mugwort.} (出典:田村、方言:沙流)
nu 1
ヌ 【他動】①(声や音)を聞く/が聞こえる、 (話や事柄)を聞く/を聞いて知る/を聞いて従う、 (自分の体調)を感知する、 (匂い/臭気)を感じる。 kuci-peker menoko sinotca haw a=nu クチペケㇾ メノコ シノッチャ ハウ アヌ (私には)澄んだ声の女性が歌う声が聞こえた。(NK民話) k=úwepeker ciki nu yan! クウェペケッ チキ ヌ ヤン! 昔話をしてあげるから聞きなさい。(S) a=onáha ye p a=unúhu ye p somo a=nu ka eaykap pe ne kusu アオナハ イェㇷ゚ アウヌフ イェㇷ゚ ソモ アヌ カ エアイカㇷ゚ ペ ネ クス 父母の言うことを聞かないわけにいかないので。(W民話) húra nu フラ ヌ 匂いを感じる、 匂いがする。 tanpaku supuya nu wa omke rusuy nankor タンパク スプヤ ヌ ワ オㇺケ ルスイ ナンコㇿ たばこの煙のにおいを吸ったので咳が出そうになったのでしょう。(W) ☆参考 意識的に匂いをかぐことは húrarapkar フララㇷ゚カㇻ と言う。 ②[補助動詞]wa nu ワ ヌ …してみる。 kopisi wa nu コピシ ワ ヌ きいて(たずねて)みなさい。(S) ☆参考 動詞が他動詞のときにのみ用いる、 自動詞のときには inu イヌ を用いる、 また他動詞のときでも inu イヌ も用いる。 ③(慣用表現) e=nu エヌ (直訳すると)あなたは聞こえるか/聞こえますか=もしもし、 ねえ、 あのう(eani エアニ で呼ぶ相手に呼びかける)。 a=nu アヌ (直訳すると)あなた様はお聞こえになりますか=もしもし(aoká アオカ で呼ぶ相手に、 つまり女性から男性に、 また目上の人に敬意を表して呼びかける)。 {E: ①to listen to…; …can be heard. ②to try to do… ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuikatara
ヌイカタラ 【自動】[nu-íka-tara 顔・近道する(?)・…している(状態を表す接尾辞)]年取っているのに太っているためにあまりしわがない。 onne korka irammakaka nuikatara, nucittek ka somo ki オンネ コㇿカ イランマカカ ヌイカタラ、 ヌチッテㇰ カ ソモ キ 年取っているがしわもあまりなくてきれいだ、 やせてしわがよってなどいない。(S) ☆発音 :ヌイ の部分は nuy ではなく、 nu彫イ を高くはっきりと発音する。 {E: to be unwrinkled in spite of one's age..} (出典:田村、方言:沙流)
nukannukar
ヌカンヌカㇻ 【他動】[nukar-nukar …を見る・(重複)] …のめんどうをみる。 i=koypak wa somo i=nukannukar イコイパㇰ ワ ソモ イヌカンヌカㇻ (彼は)私たちのことを怒ってもうめんどうを見てくれない。(S) {E: to look after…} (出典:田村、方言:沙流)
nukoan
ヌコアン 【自動】[< nu(we)koan]狩猟の収穫が豊富である。 pó hene ison=an wa nukoan=an wa ポ ヘネ イソナン ワ ヌコアナン ワ なおいっそう獲物に恵まれてたくさんの獲物がとれて。(HC民話) ☆参考 nu(we) koan ヌ/ヌウェ コアン は他動詞だが、 この例では自動詞として使われている。 一例のみ。 (出典:田村、方言:沙流)
nun
ヌン 【他動】(水分)を吸う。 ☞nunnun ヌンヌン {E: to sip, slurp (soup).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
núnuke
ヌヌケ 【他動】(人)を大切によく処遇する、 …の面倒をよく見る、 (親)に孝行する。 an hi epitta en=nunuke hawe ne wa, hi-oy-oy, iyayiraykere アニ エピッタ エンヌヌケ ハウェ ネ ワ、 ヒオイオイ、 イヤイライケレ 滞在している間じゅう私を大事にしてくれる(「何から何まで便利はからってかわいがってくれる」)、 ありがとう。(S) ☆対語 okpare オㇰパレ …を悪く処遇する、 虐待する。 {E: to take care of someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nupur 1
ヌプㇽ 【自動】(お茶や汁が)濃い。 uwe nupur ウウェ ヌプㇽ 煮出した汁が/お茶の出たのが濃い。 níham úsey ka eytasa uwe nupur kor nani ku=sanpe arka na pakno ka en=kure ニハㇺ ウセイ カ エイタサ ウウェ ヌプㇽ コㇿ ナニ クサンペ アㇻカ ナ パㇰノ カ エンクレ 木の葉のお湯(=お茶)もあまり濃く出ると私はすぐ気持ちが悪くなるからもう飲ませないでください(もう結構です)。(S) {E:(for tea, soup etc)to be strong.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nupur 3
ヌプㇽ 【他動】…を神力で守る。 aynu e=nupur kus pet kenas ka e=ohetuku p ne na, aynu e=rayke kus e=hetuku p ka somo ne na アイヌ エヌプㇽ クㇱ ペッ ケナㇱ カ エオヘトゥクㇷ゚ ネ ナ、 アイヌ エライケ クㇱ エヘトゥクㇷ゚ カ ソモ ネ ナ (S) あなたは人間を守るために川の山岸に生えたのだぞ、 人間を殺すために生えたのではないのだぞ(ikema イケマ を叱る言葉)。(S) ☞ikema イケマ {E: to protect…by divine power.} (出典:田村、方言:沙流)
nupurkasure
ヌプㇽカスレ 【他動】[nupur-kasu-re 霊力がある・…しすぎる・させる](nupurkasu ヌプㇽカス《霊力がありすぎる》の使役形)わけがわからなくさせる。 ku=kosoataytak kunak ku=ramu akus en=nupurkasure híne ku=ye ka oyra wa k=ek クコソアタイタㇰ クナㇰ クラム アクㇱ エンヌプㇽカスレ ヒネ クイェ カ オイラ ワ ケㇰ 借金を取って来ようと思ったのに忍術使いみたいにされて私は言うのも忘れて帰って来た。(S) (出典:田村、方言:沙流)
nuwap
ヌワㇷ゚ 【自動】①(苦しんで)うなる。 ②お産する。 nuwap kusu ne na esotkikar ヌワㇷ゚ クス ネ ナ エソッキカㇻ お産するところだから産褥をつくりなさい。(S) nuwap hi pakno ne p ekurok siri a=omáre wa a=anú wa k=énisomap k=éramu-ikurkuru kusu ratcako ku=kar ヌワㇷ゚ ヒ パㇰノ ネㇷ゚ エクロㇰ シリ アオマレ ワ アアヌ ワ ケニソマㇷ゚ ケラムイクㇽクル クス ラッチャコ クカㇻ お産したばかりの者をこんな暗いところへ入れておいて薄気味が悪く気がかりだから私は明りをつける。(S) {E: ①to groan, moan (in pain). ②to give birth.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuyar
ヌヤㇻ 【他動】[nu-yar 聞く・人にさせる](nu ヌ の不定使役形) …を人に聞かせる、 …を人に聞いてもらう。 nen póka, oripak=an yakka sirepa wa e=hawe póka nuyar! ネン ポカ オリパㇰアン ヤッカ シレパ ワ エハウェ ポカ ヌヤㇻ! どうか恐縮だけれどもやって来てあなたの声だけでも聞いてもらってください。(W会話) {E: to make, have someone listen to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuye
ヌイェ 【他動】①…に彫りもの/彫刻をする。 ②…にいれずみをする。 tekmekkasi patek a=nuyé kane an テㇰメッカシ パテㇰ アヌイェ カネ アン 手の甲(手の上側)だけいれずみしてある。(S) ③…に字を書く。 ponkanpi nuye ポンカンピ ヌイェ はがきを書く。(W) (S) ④…を書く。 a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enuypa wa oka yakun アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン 私たちの話した言葉が二ページか三ページにでも書かれてあれば。(W会話) ☆参考 kanpinuye カンピヌイェ は《紙にものを書く=書きものをする》。 inuye イヌイェ は《ものに彫りものをする=彫刻をする》。 sinuye シヌイェ は《自分に彫りものをする=入れずみする》。 sirkanuye シㇼカヌイェ、 tomikanuye トミカヌイェ、 ikorkanuye イコㇿカヌイェ はいずれも[雅]刃のさやに彫刻をする。 ☆参考 本来の用法では、 目的語は通常、 デザイン(形や模様)ではなく、 刃物の当たるもの(木や手)である。 たとえば熊を nuye ヌイェ すると言わない。 同様に、 紙に文字を書くことは kanpi カンピ《紙》を nuye ヌイェ すると言い、 カタカナを書くことは katakana ani kanpi nuye カタカナ アニ カンピ ヌイェ [カタカナ・で・紙・に書きものをする]のように言う。 しかし ④のように、 「このことを書く」「その話を書く」というような言い方もする。 {E: ②tatoo… ③write on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuynakte
ヌイナㇰテ 【他動】隠れさせる(隠れるように言う)。 {E: to say in such a way as to conceal something.} (出典:田村、方言:沙流)
o 5
オ 【他動】(命令の形のみで、 間投詞のように使われる。) ①o! オ! (物を渡すとき、 一人に)そら、 どうぞ(受け取りなさい)。 o yan! オ ヤン! (二人以上に/敬意の二人称「あなた様」に)そら、 どうぞ(受け取りなさい、 お受け取り下さい)。 ②(応答の声。)どうぞ、 いいよ。 {E: ①here (when giving something to someone). ② sure go ahead.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
o-…-unma
オ…ウンマ 【接頭+接尾】[o-…-un-wa その尻・…・の方へ向かう・…して] …の方から、 …の方へ行ってそこで。 síso シソ 右座;osisounma オシソウンマ 右座から、 右座の方へ行ってそこで。 (出典:田村、方言:沙流)
oasin
オアシン 【自動】[o-asin その尻・出る] 抜ける(ひっぱってなど)。 otopi oasin オトピ オアシン 髪の毛が抜けた。(W) nuyto tuy ciki uwowsi yan, somo yak nuyto oasin wa isam na ヌイト トゥイ チキ ウウォウシ ヤン、 ソモ ヤㇰ ヌイト オアシン マ イサㇺ ナ 糸が切れたら結んでおきなさい、 そうしないと糸が抜けてしまうから。(W) {E: to come out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oattapne
オアッタㇷ゚ネ 【副】[oar-tapne 全く・このとおり]気の毒なことに、 すまないなあ。 oattapne síno オアッタㇷ゚ネ シノ まことにお気の毒です(間投詞のように言う。 副詞 síno シノ は後につくことに注意)。 oattapne e=mesu kuni é=iki he an un? オアッタㇷ゚ネ エメス クニ エイキ ヘ アヌン? ああもぎとれる(手で割れる)んだろうか(リンゴを手で二つに割ろうとするのを見て言った言葉)。(S) oattapne nep ka eci=érep ka isam, eci=korép ka isam, ku=ramuot humi wen humi! オアッタㇷ゚ネ ネㇷ゚ カ エチエレㇷ゚ カ イサㇺ、 エチコレㇷ゚ カ イサㇺ、 クラムオッ フミ ウェン フミ! 申し訳ないなあ、 何も食べさせるものもない、 あげるものもない、 お気の毒だなあ。(S) {E: sorry; pity.} (出典:田村、方言:沙流)
oawnaun
オアウナウン 【副】[o-awna-un その尻・内側・にある] ①内側に。 ②(連体的に使って)内側にある…。 oawnaun tokompone オアウナウン トコンポネ 内側のくるぶし。 ☆対語 osoynaun オソイナウン 外側に/外側の。 {E: ①(on the) inside. ②inner.} (出典:田村、方言:沙流)
ocis-usi
オチㇱウシ/オチスシ 【他動】[o-cis-usi 尻・泣く・…に…をつける]…が名残惜しくて泣く。 oramkote kur arpa wa oraun okaramotte wa ocisusi, inunukeas オラㇺコテ クㇽ アㇻパ ワ オラウン オカラモッテ ワ オチスシ、 イヌヌケアㇱ 愛する人が行ってしまうので名残惜しくて泣いている、 かわいそうに。(S) ku=kor poyson isam wa k=ócis-usi クコㇿ ポイソン イサㇺ ワ コチㇱウシ 私の子どもが亡くなったので悲しくてならない。(S) {E: to cry with reluctance to leave…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ohapseeciw
オハㇷ゚セエチウ 【他動】[o-hap-se-e-ciw その尻・(称賛の間投詞)・と言う・で・刺す]…をおいしいとほめる。 sonno nispa katkemat anakne néun oka kéraan kaspa ka somo ki p a=ere yakka ohapseeciw kor e ソンノ ニㇱパ カッケマッ アナㇰネ ネウン オカ ケラアン カㇱパ カ ソモ キㇷ゚ アエレ ヤッカ オハㇷ゚セエチウ コㇿ エ 本当の長者は男でも女でもどんなあまりおいしくないものを食べさせてもおいしいとほめて喜んで食べる。(S) ☆参考 けなすことは payyekar パイイェカㇻ。 貧乏人に限っておいしいとも言わず、 けちをつけるものだと言う。 {E: to compliment that…is delicious.} (出典:田村、方言:沙流)
ohaw
オハウ 【名】(食物としての)汁(みそ汁、 野菜や肉や魚のスープなど、 実も汁も含めて)(「おつゆ」)。 ohaw kar オハウ カㇻ おつゆをつくる(「たく」)。 ohaw e オハウ エ おつゆ(汁、 スープ)を食べる。 ☆参考 ohaw オハウ は ku ク《飲む》とか ni ニ《吸う》とか言わず e エ《食べる》と言う。 ☆参考 沙流川中流ではこれを rur ルㇽ と言うのも聞くが、 下流のワテケさん・サダモさんは ohaw オハウ《おつゆ(実も汁も含めて)》と rur ルㇽ《だし、 だし汁(実を含まない)》とを区別している。 {E: soup.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ohawe(he)
オハウェ(ヘ) 【名】[所](概は ohaw オハウ) …の汁(みそ汁、 野菜や肉や魚のスープなど)(「おつゆ」)、 それの汁/スープ。 emo hem kina hem ceppo hem ohawe ku=kar ruwe un エモ ヘㇺ キナ ヘㇺ チェッポ ヘㇺ オハウェ クカン ルウェ ウン 私はいもや野菜や小魚の入ったおつゆをつくったのだよ。(S) {E: …soup.} (出典:田村、方言:沙流)
ohawsu
オハウス 【名】[ohaw-su おつゆ・鍋] おつゆ鍋(おつゆを煮る鍋)(=ohawsuwesu オハウスウェス)。 {E: a soup pot.} (出典:田村、方言:沙流)
ohawsuwesu
オハウスウェス 【名】[ohaw-suwe-su おつゆ・を煮る・鍋] おつゆ鍋(おつゆを煮る鍋)(=ohawsu オハウス)。 {E: a soup pot.} (出典:田村、方言:沙流)
ohay/ohayke kar
オハイ/オハイケ カㇻ 【連他動】(人)の陰口/悪口を言う。 en=ohay kar kor an hawe as エノハイカㇻ コラン ハウェ アㇱ (彼は)私の悪口を言っているらしい。(S) sinewe kunak ye a p ek ruwe ka isam wa ohayke ku=kar kor k=an シネウェ クナㇰ イェ アㇷ゚ エㇰ ルウェ カ イサンマ オハイケ クカㇻ コㇿ カン (あの人は)遊びに来ると言ったのに来ないので私はかげ口を言っていたのよ。(W) ☆参考 iyohaykar イヨハイカㇻ [自動] 人のかげ口/悪口を言う。 {E: to talk bad of someone behind their back.} (出典:田村、方言:沙流)
ohayne
オハイネ 【副/間投】なるほど、 ああそうだね(納得したこと、 合点がいったことの表現)。 ohayne ohayne オハイネ オハイネ なるほどなるほど。(W会話) ohayne kane un オハイネ カネ ウン なるほどそうだねえ。(W会話) {E: I see!; Is that so!; Indeed! (expressing agreement with speaker).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ohonno
オホンノ 【副】[ohor-no (時間が)長い・(副詞形成)] 長時間(にわたって)、 長い間に。 iruka hene ohonno hene イルカ ヘネ オホンノ ヘネ 短い間でも長い間でも。 nep ka ku=kar ka somo ki no k=an pe ne na ohonno sini wa arpa ネㇷ゚ カ クカㇻ カ ソモ キ ノ カンペ ネ ナ オホンノ シニ ワ アㇻパ 私は何もしないでいるのだからゆっくり休んで行きなさい(=ゆっくりして行きなさい)。(S) ☆対語 iruka イルカ {E: for; over a long time.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okasaske
オカサㇱケ 【自動】(容器が)浅い。 okasaske poysu オカサㇱケ ポイス 浅い小鍋。(S) okasaske wa kusu rur ka a=omáre ka somo ki オカサㇱケ ワ クス ルㇽ カ アオマレ カ ソモ キ (nima ニマ《皿》は)浅いから汁なんか入れない。(S) ☆対語 orawne オラウネ (容器が)深い。 ☆参考 穴やみぞが浅いことは kasre カㇱレ、 水や川が浅いことは ohak オハㇰ。 {E: (for a vessel, container)to be shallow.} (出典:田村、方言:沙流)
okkayo
オッカヨ 【名】男、 男性。 menoko ka okkayo ka メノコ カ オッカヨ カ 女も男も。 okkayo sirpo uwosmare pakno an オッカヨ シㇼポ ウウォㇱマレ パㇰノ アン (少年が成長して)男らしい姿になるほどになった、 男らしい若者に成長した。 okkayo hekaci オッカヨ ヘカチ 男の子(hekaci ヘカチ だけで男の子であることを表すが特に女でないことを強調して言う)。 okkayo ikor オッカヨ イコㇿ 男の宝物(刀剣類など)。 “poyson kor yak a=ye” “hńta kor yak a=ye?” “okkayo poyson kor yak a=ye” 「ポイソン コㇿ ヤカイェ」「フンタ コㇿ ヤカイェ?」「オッカヨ ポイソン コㇿ ヤカイェ」 「子どもを持った(=子どもが生まれた)そうだ」「(直訳すると)何を持ったと言っているか=どっちが生まれたって(男の子か女の子か)?」「男の子が生まれたそうだ。」 (S) m okkayo-irwak オッカヨイㇼワㇰ 男兄弟(男のいとこを含む)。 okkayo-irwak patek ku=kor オッカヨイㇼワㇰ パテㇰ クコㇿ 私は男兄弟ばかり持っている(女の姉妹や女のいとこがいない)。(S) ☆対語 menoko メノコ ☆参考 女性に対して男性を表す語。 aynu アイヌ《人間》も場合によって男性を指すことがある。 ☆参考 動物の雄(おす)は pinne ピンネ [連体] 雄の…。 {E: a man; a male.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okkayopo
オッカヨポ 【名】[okkayo-po 男・子] 息子。 okkayopo patek ku=kor オッカヨポ パテㇰ クコㇿ 男の子ばかり私は持っている。(S) ☆参考 po ポ だけで「息子」を表すが、 特に女でなく男の子ということを強調的に表す場合、 たとえば「娘だけいて男の子がいなかった」あるいはその逆のような文脈で使われる。 ☆参考 娘は matnepo マッネポ {E: a son.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okkaypo
オッカイポ §006.若者;青少年(1)okkaypo〔ók-kaǐ-po おッカイポ〕①若い男;若者;青年。[okkay(男)+-po(指小辞)]。②⦅ビホロ⦆casi(砦)の中に召使われている家来を言う。=ussiw(-e)〔úš-šiŭ〕。soun-〜〔so-ún-ok-kaǐ-po〕[<soy(外)+un(の)+ok-kaypo(家来)]「城外に走り使いする家来」。③⦅クッシャロ⦆英雄詞曲の主人公Otasut-un-kurの家来、頭が小さく鳥のようで、体が大きく、常に雄鹿の毛皮を着ているという強い男。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
okunne
オクンネ 【自動】[o-kunne その尻が・黒い]陰毛が生えている(男女とも)。 somo okunne menoko anak a=sitómap ne ソモ オクンネ メノコ アナㇰ アシトマㇷ゚ ネ 陰毛の生えてない女は恐ろしいもんだ。(S) {E: to have pubic hair.} (出典:田村、方言:沙流)
okuyma
オクイマ 【自動】[o-kuy-ma(< oma) その尻・尿・そこにある] 小便(オシッコ)する。 ☆参考 小便(尿)は kuywakka クイワッカ、 大便することは osoma オソマ。 {E: to urinate.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
omawsuye
オマウスイェ 【自動】[o-maw-suye その尻・風・ゆらす](その尻が)風でゆれる。 yaysamne apkas=an yakka néa ayop a=setúruhu ta omawsuye pakno nitan aynu a=ne ruwe ne ヤイサㇺネ アㇷ゚カサン ヤッカ ネア アヨㇷ゚ アセトゥルフ タ オマウスイェ パㇰノ ニタン アイヌ アネ ルウェ ネ ただ普通に歩いてもその弓矢の袋が私の背中で風にゆれるほど私は足の速い人間でした。(HK民話) {E: (for the end of something) to flutter in the wind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
omenaspa(un)
オメナㇱパ(ウン) 【副】[o-menas-pa-un その尻・東南の方向・上(かみ)・へ] 南から、 南に。 {E: from, at the south.} (出典:田村、方言:沙流)
omke 3
オㇺケ 【名】かぜ(感冒)。 sonno astoma páse omke eykokisaro yak a=ye ソンノ アㇱトマ パセ オㇺケ エイコキサロ ヤカイェ 本当に恐ろしい重いかぜにかかったそうだ。(S) {E: a cold.} (出典:田村、方言:沙流)
onnay
オンナイ 【位名】[概](所は onnayke(he) オンナイケ(ヘ)) …の中、 …の内部。 cise onnay チセ オンナイ 家の中(内部)。 suwop onnay ta an スウォㇷ゚ オンナイ タ アン (それは)箱の中にある。(S) ☆参考 家や部屋の「中」を表現するのに、 ユーカラ(英雄叙事詩)や民話などの文学的表現ではよく、 upsor ウプソㇿ《ふところ》の語が使われる。 一方、 草むらの中、 林の中、 土の中などは、 onnay オンナイ とは言わず tum トゥㇺ と言う。 ほかに、 「…の中」と訳せる語は、 or オㇿ、 nikor ニコㇿ、 iwor イウォㇿ 等々たくさんあり、 それぞれ意味が異なる。 {E: the inside of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onnerepa
オンネレパ 【他動】[onne-re-pa 老死する・させる・(複数)](二人以上が/二人以上を)(老人)をあの世へ送る、 (世話をしていた老人)が亡くなる(世話をしていた人が主語、 老人が目的語)。 {E: to send off (an old person) to the other world (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onruyka
オンルイカ 【他動】(子ども)に子守歌を歌ってやる(寝かしつけるために)。 poyson k=onruyka kor k=an ポイソン コンルイカ コㇿ カン 私は子どもに子守歌を歌ってやっているところだ。(S) iruka kay wa onruyka kor an, yak mokor kusu ne na イルカ カイ ワ オンルイカ コㇿ アン、 ヤㇰ モコㇿ クス ネ ナ ちょっとおぶって子守歌を歌ってあげていなさい、 そうすれば眠るから。(S) ☆参考 沙流川下流と鵡川で言う。 沙流川中流の二風谷以上では onnokka オンノッカ。 ☆参考 iyonruyka イヨンルイカ [自動] 子守歌を歌う、 子守歌。 {E: to sing a lullaby (to children).} (出典:田村、方言:沙流)
onumpospa
オヌンポㇱパ 【自動】[複](単は onumposo オヌンポソ)(二人以上が)生き残る。 {E: to survive (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
opanere
オパネレ 【他動】…をはおる(着るだけで帯をしめない)。 iwan kosonte/ukoekutkor/iwan kosonte/opanere híne イワン コソンテ/ウコエクッコㇿ/イワン コソンテ/オパネレ ヒネ 六枚の小袖を着て帯をしめ、 六枚の小袖をはおって。(W神謡語り) ☆参考 昔話、 神謡、 ユーカラなどで、 神が地上の生活を終えて天に帰るしたくをする場面でよく出てくる表現。 {E: to wear…(unfastened).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
openpak
オペンパㇰ 【他動】(見るべきでないもの)を見てしまう。 ikiya openpak na イキヤ オペンパㇰ ナ (彼が)見ないようにね=彼に見られないようにしなさい、 彼に見せてはだめよ。(S) k=ópenpak korka ku=ye ka eyayramkar コペンパㇰ コㇿカ クイェ カ エヤイラㇺカㇻ 私は見てしまったけれど(そのことを)言うわけにいかない。(S) {E: to look at something one should not see.} (出典:田村、方言:沙流)
opirasa
オピラサ 【他動】[o-pirasa (そこ)に・…を広げる]…を(そこ)に広げる。 (次の表現で)sikurkasam opirasa シクㇽカサㇺ オピラサ [雅](小袖)を自分の体に合わせて広げてみる。 kamuy kosonte sikurkasam opirasa カムイ コソンテ シクㇽカサㇺ オピラサ [雅](姉は)立派な小袖を体に合わせて広げた(=広げて身につけた)。(Sユーカラ語り) ☆参考 歌っている中では sikurkasam eopirasa シクㇽカサㇺ エオピラサ と言っている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
orapiru
オラピル 【他動】…を終わる、 完成する。 a=oási uskehe oraun a=orápiru uskehe ewwopitte wa ári アオアシ ウㇱケヘ オラウン アオラピル ウㇱケヘ エウウォピッテ ワ アリ 始めたところとそれから編み終わったところとをつなぎ合わせておきなさい。(S) ipe orapiru ka somo ki no イペ オラピル カ ソモ キ ノ 食べ終わりもしないで。(S) ☆参考 「itese イテセ《ござ編み》のことと食べることについて言う。 okere オケレ と言うのが普通。 orapiru オラピル は昔の言葉で、 いい言葉。 また、 okere オケレ は何にかぎらずすべて終わった(完成した)こと。」 (S) {E: to finish, complete, end…} (出典:田村、方言:沙流)
oresu
オレス 【複他動】[o-resu(そこ)で・…を育てる](その場所)で…を育てる。 tunpu upsor a=orésu トゥンプ ウㇷ゚ソㇿ アオレス [雅]彼は間じきりをしてつくられた特別の部屋の中で大切に育てられた。(S) kane amset/amset kurka/a=i=óresu カネ アㇺセッ/アㇺセッ クㇽカ/アイオレス 私は金(かね)の高床の上で育てられた。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
orikin
オリキン 【他動】[o-rikin …に・上昇する](そこ)に昇る。 poro nuynipek nísor orikin wa an ポロ ヌイニペㇰ ニソㇿ オリキン マ アン 大きな山火事の明るみが空に上がっている。(S) tanpa ne anak kanna mosir ka a=oríkin epaha ne kusu タンパ ネ アナㇰ カンナ モシㇼ カ アオリキン エパハ ネ クス 今年は私が天の神の国に昇る年ですから。(HC民話) {E: to go up, climb, ascend…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oripak 2
オリパㇰ 【名】[< oripak 1]伝染病、 「疱瘡(=天然痘)のことを言う。」 (W) oripak ani isam オリパㇰ アニ イサㇺ (彼は)天然痘で亡くなった。(W) oripak an オリパㇰ アン 伝染病がはやる/はやっている。(S) sonno a=sitóma páse oripak ソンノ アシトマ パセ オリパㇰ 本当に恐ろしい重い伝染病=天然痘。(S) {E: a contagious disease (e.g. smallpox).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oronpe
オロンペ 【名】[oro-un-pe そこ・に生じる・もの][orounpe オロウンペ が早く発音されて縮まった形] 収穫、 みのり。 oronpe an オロンペ アン 収穫がある、 (比喩的に)かいがある。 oronpe ka isam オロンペ カ イサㇺ (=orounpe ka isam オロウンペ カ イサㇺ) 収穫がない、 なんにもならない。 {E: the harvest (season).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oroyaciki
オロヤチキ 【副】[or-oya-ciki そこ・ほかの・…すれば]気がついてみると、 そうか、 なるほど(以前に知らなかったことがわかって、 なぞがとけたときに言う)。 ☆参考 より簡単に、 oyaciki オヤチキ とも言う。 {E: I see! (when one realizes something).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
orperere
オㇿペレレ 【自動(?)】[擬声](熊が苦しがって)ウオーとうなり声を上げる。 {E: the wailing sound of a bear in pain.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
orukessak
オルケッサㇰ 【自動】[o-ru-kes-sak その尻が・跡・末・を持たない] 跡継ぎがない(死後に供養してくれる人がいない)。 {E: to have no successors, hiers.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osikkewunpe
オシッケウンペ 【名】[o-sikkew-un-pe その尻・角(かど)・(そこ)にある・もの] ①四角い物。 ②一升ます(conpa チョンパ)の別の呼び名。 ☞conpa チョンパ {E: ①something square. ②…} (出典:田村、方言:沙流)
osirkaociw
オシㇼカオチウ 【自動】[o-sir-ka-o-ciw その尻が・地・の上・に・ささる]下につかえる。 {E: for the bottom of something to touch the ground.} (出典:田村、方言:沙流)
osirkatki
オシㇼカッキ 【自動】[o-sir-kat-ki その尻・地・あり方・する](?) 一カ所に落ち着いている。 oyak péka patek kú=iki wa k=ósirkatki ka somo ki オヤㇰ ペカ パテㇰ クイキ ワ コシㇼカッキ カ ソモ キ 私は旅行ばかりしていてちっとも一カ所に落ち着いていない。(S) {E: to settle down in one place.} (出典:田村、方言:沙流)
osittesu
オシッテス 【自動】[o-sir-tesu その尻が・地・すべる]ツルッとすべる。 eytasa so rárak wa cise or ta ka osittesu=an エイタサ ソ ララㇰ ワ チセ オッタ カ オシッテスアン あまり床がツルツルしているので家の中でも私たちはすべってしまう。(S) ☆参考 スキーのように意図的にすべって行くことは cárase チャラセ、 carse チャㇻセ など。 {E: to slip (over).} (出典:田村、方言:沙流)
osma
オㇱマ 【他動】①(目的語は「場所」)(そこ)に入る、 …に突っ込む、 …に突進する、 当たる、 …に行って/入って/落ちてしまう。 toy ka osma トイ カ オㇱマ 地上に落ちる。 kemaha sir ka osma ケマハ シㇼ カ オㇱマ その足が地面につく。(HK民話) suy or osma スヨㇿ オㇱマ 穴に落ちる/とび込む。 nísapno cisesoy a=osma ka eyayramkar ニサㇷ゚ノ チセソイ アオㇱマ カ エヤイラㇺカㇻ いきなり家の前まで行ってしまうわけにもいかない。(S民話) ruyka utunnu wa an na ikiya oro eci=ósma na ルイカ ウトゥンヌ ワ アン ナ イキヤ オロ エチオㇱマ ナ 橋がすきまがあいてるよ、 そこに落ちないようにね。 corpokke osma チョㇿポッケ オㇱマ …の下敷きになる。 e=cis-núpe e=cis-etori a=oypepi osma wa ipe ka a=eáykap エチㇱ ヌペ エチㇱ エトリ アオイペピ オㇱマ ワ イペ カ アエアイカㇷ゚ あなたの泣いた涙や鼻汁が、 死んで神の国にいる私の食器に入って、 私はものを食べることもできない。(HC民話)(民話の中で、 愛する人に死なれて悲嘆にくれている人の夢の中に現れた死者が言う常套句。) ② tom(o) osma トㇺ/トモ オㇱマ …にぶつかる。 ③ramu-osma ラムオㇱマ 同意する。 ukoramu-osma ウコラムオㇱマ 互いに同意する。 ewkoramu-osma エウコラムオㇱマ …のことについて互いに同意する。 {E: to enter…; put…into; rush (at)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otkior(n?)-ampayaya
ソッキオㇿアンパヤヤ §470 タラバガニ  sotkior(n?)-ampayaya (sot-ki-or-am-pa-ya-ya)「ソッキオㇿアンパヤヤ」 ⦅網走⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ottena
オッテナ 【名】[< 日本語 おとな(乙名)] ①集落の頭となる役人(「内地の人が決めた」)。(S) ②(和人からアイヌ男子を呼ぶ語)だんな、 (サダモさんの訳によれば)おっさん。 {E: ①the head of a village. ②an Ainu man (when called by a Japanese person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otuy
オトゥイ 【自動】[o-tuy その尻・切れる](?) (埃が)たまる。 tanukay e=pirpa ka e=nupa ka somo ki a noyne pana otuy wa an タヌカイ エピㇼパ カ エヌパ カ ソモ キ ア ノイネ パナ オトゥイ ワ アン この辺をあなたは拭きも掃きもしなかったらしく埃がたまっている。(S) {E: to be covered in dust.} (出典:田村、方言:沙流)
ouri
オウリ 【他動】[単](複は ourpa オウㇽパ) …を掘る。 toy ouri トイ オウリ/トヨウリ 土を掘る。 nupuri ouri ヌプリ オウリ 山を掘る。 sir-ouri シロウリ 地面を掘る。 ☆参考 目的語は穴ではなく土や山など。 穴を掘ることは suy kar/suykar スイ カㇻ/スイカㇻ。 ものを外へ掘り出すことは soy omare ソイ オマレ/ソヨマレ。 {E: to dig…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ousi 1
オウシ 【他動】[o-usi その尻・を…につける](土の中へ)根を入れておく。 {E: to plant the roots of… (in soil).} (出典:田村、方言:沙流)
owotciw
オウォッチウ 【自動】[o-wor-ciw その尻が・水の中・にささる]水につかる。 {E: to be soaked in water.} (出典:田村、方言:沙流)
oya 2
オヤ 【間投】歌のはやしの一部。 {E: part of a musical accompaniment to a song.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oyak
オヤㇰ 【位名】[oya-k 他の・所]…の他の所、 よそ。 oyak un arpa オヤクン アㇻパ よそへ行きなさい、 どきなさい。(W) oyak péka iki オヤㇰ ペカ イキ よそに行っている、 旅行する。 oyak péka patek kú=iki wa k=ósirkatki ka somo ki オヤㇰ ペカ パテㇰ クイキ ワ コシㇼカッキ カ ソモ キ 私は旅行ばかりしていてちっとも落ち着いていない。 {E: another place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oyamokor
オヤモコㇿ 【自動】[oya-mokor 他の(あの世の)・眠る]眠ったように死ぬ。 {E: to be sound asleep.} (出典:田村、方言:沙流)
oyaype
オヤイペ 【自動】[oya-ipe 他の・食べる]劇薬をのむ、 服毒する。 {E: to drink, take a powerful drug (a poison).} (出典:田村、方言:沙流)
p 1
ㇷ゚ 【形名】(=pe ペ)(母音の後では p ㇷ゚、 子音の後および言い始めでは pe ペ。) ①[被修飾名]…もの、 者、 やつ(多くの場合モノや動物。 人間の場合は主に子どもや女性を指し、 大人の男子の場合は低く見た言い方)。 retar seta ukoykire p レタㇻ セタ ウコイキレㇷ゚ 白い犬をけんかさせるもの(なぞなぞで、 答えは mimaki ミマキ 歯)。(S) soy ta arki p ソイ タ アㇻキㇷ゚ 門口に来た者(=人)。 ②[被修飾名]…こと(ことがら)。 ye p koraci イェㇷ゚ コラチ 彼が言ったことのとおりに(=彼の言ったとおり)。 ③[名詞化辞]…の。 …p ne …ㇷ゚ ネ …のだ。 Piratur ta nupur ekasi an hi a=nu p ne a hi kusu ピラトゥッ タ ヌプレカシ アニ アヌㇷ゚ ネ ア ヒ クス 平取に霊力のある(占いやまじないのできる)老人がいることを聞いたのだったから(=聞いていたから)。(NK民話) …p ne …ㇷ゚ ネ …するものだ(説明/教え/さとし)。 néno eci=ikí p ne na ネノ エチイキㇷ゚ ネ ナ (あなたがた)そうするのだよ(=そうしなさいね)。(KK民話) …p ne kusu …ㇷ゚ ネ クス …する/したものだから、 …ので。 sisam tátatata p ne kusu シサㇺ タタタタㇷ゚ ネ クス (彼が)自分のそばをトントンたたいたので。(S民話) …kuni p ne …クニㇷ゚ ネ …することになっている/する(べき)ものだ(予定/教え/予言/言いつけ)。 yam o saranip/e=se kane wa/e=yan kuni p/ne ruwe ne na ヤモ サラニㇷ゚/エセ カネ ワ/エヤン クニㇷ゚/ネ ルウェ ネ ナ (あなたは)栗の入った背負い袋を背負って国へ帰るのですよ。(W神謡語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
páhekotere
パヘコテレ 【他動】[pa-hekote-re 口・に連れ添う・させる] (人)を決してほめず文句ばかり言う。 {E: to complain about someone} (出典:田村、方言:沙流)
pak 2
パㇰ 【後副】①…まで。 cise noski pak チセ ノㇱキ パㇰ 家のまん中まで(ほこりが積もっていた)。 te pak テ パㇰ 今まで。 apa or pak k=arpa korka k=áhun ka somo ki no k=ek アパ オㇿ パㇰ カㇻパ コㇿカ カフン カ ソモ キ ノ ケㇰ 戸口のところまで行ったけれど入らないで帰って来た。(S) ray pak ライ パㇰ 死ぬまで。 ②(おおよそ)…ぐらい。 wániw pak ワニゥ パㇰ 十人ぐらい。 tuhotne to pak k=an wa k=ek ruwe ne wa トゥホッネ ト パㇰ カン マ ケㇰ ルウェ ネ ワ (私は)四十日ぐらい滞在して(帰って)来たのだよ。(S) ③…ほど (比較の対象) ne turesi pak pirka menoko isam ネ トゥレシ パㇰ ピㇼカ メノコ イサㇺ その妹ほど美しい女性はいない。 pak kewtumu pirka p oar isam パㇰ ケウトゥム ピㇼカㇷ゚ オアㇻ イサㇺ 彼ほど気立てのよい者は一人もいない。 ④(連体的に)mosir pak cise モシㇼ パㇰ チセ 島ほどの家(とても大きい家を表現する一つの言い方)。 ⑤uwokar-uwokarpa pak ウウオカㇻウウオカㇻパ パㇰ 代わるがわる。 ☆参考 よりはっきりと表現するのに -no ノ をつけて pakno パㇰノ と言うこともある。 しかし pak パㇰ と pakno パㇰノ との使い方は全く同じではない。 ☞pakno パㇰノ {E: ①until; as far as. ②about; roughly. ③the extent of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pakekosne
パケコㇱネ 【自動】[pake-kosne その頭(?)/口(?)・軽い] 人のつげぐちをする(「つげごとする」)。 ☆参考 この場合 pake パケ は《口》か? {E: to tell tales about someone} (出典:田村、方言:沙流)
párimomo
パリモモ 【自動】[pa-rimo-mo 口・をすぼめる・(重複)…している]口をすぼめている。 párimomo kane an パリモモ カネ アン (口を大きく見せたくないために)口をすぼめている。(S) aynu or ta/paye=an ki kor/párimomo parimomo sekor/santa soaso/a=i=ye wa tapne/iruska=an kusu/somo a=ye na アイヌ オッタ パイェアン キ コㇿ/パリモモ パリモモ セコㇿ/サンタ ソアソ/アイイェ ワ タㇷ゚ネ/イルㇱカアン クス/ソモ アイェ ナ 人間の国に行くと口すぼめ、 口すぼめと言われるので腹が立つから言わないよ(きかれたことを教えないよ)(supun スプン《ウグイ》が言う)。(W神謡) (出典:田村、方言:沙流)
párir
パリㇼ 【名】[概](所は pariri パリリ)[pa-rir 空気/湯気・波] モクモクと出る煙。 párir asin パリㇼ アシン 煙がモクモクと出る。 cise uhuy siri somo ne? mákip párir asin kor an siri an チセ ウフイ シリ ソモ ネ? マキㇷ゚ パリㇼ アシン コラン シリ アン 家が燃えているのではないか? どうしたのか煙がモクモクと出ているなあ。(S) {E: belching smoke.} (出典:田村、方言:沙流)
paroparo
パロパロ 【自動】[par-o-paro 口・をそこに入れる・(重複)] 口をはさむ。(S) {E: to interrupt someone speaking.} (出典:田村、方言:沙流)
paruparu
パルパル 【他動】[paru-paru あおぐ・(重複)] …をはたく、 …にはたきをかける。 so kurka paruparu ソ クㇽカ パルパル 床(ゆか)の上をはたく。 {E: to strike, hit…} (出典:田村、方言:沙流)
paskuma
パㇱクマ 【他動】(人)に先祖や起源や素性の話を教え伝える、 …に言い伝えを語り伝える。 upaskuma=an ciki nu yan sekor a=kor ekasi utar haweoka kor i=paskuma hawe ene an hi sekor ku=kor ekasi hawean kor en=paskuma hawe ene an hi ウパㇱクマアン チキ ヌ ヤン セコㇿ アコレカシ ウタㇻ ハウェオカ コㇿ イパㇱクマ ハウェ エネ アニ セコㇿ クコレカシ ハウェアン コㇿ エンパㇱクマ ハウェ エネ アニ 先祖の言い伝えを話してあげるから聞きなさいと自分のおじいさん方が言いながら自分たちにこのように語り伝えてくれたんだよと私の祖父が言いながら私に次のように語り伝えてくれた。(S独話) síno utarpa/síno rametok/a=paskuma kusu ne kor シノ ウタㇻパ/シノ ラメトㇰ/アパㇱクマ クス ネ コㇿ [雅]まことの強者まことの勇者に先祖(素性)の話をするときは。(Sユーカラ) ☆参考 upaskuma ウパㇱクマ 言い伝えを語る、 言い伝え。 {E: to tell, relate…to…; have someone listen to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pataparse
パタパㇻセ 【自動】[pa-ta-parse 湯気・(?)・フワフワ上がる] 煮えたてで湯気が立っている(ごちそうを表す表現の一つ)。 pataparse/kéraan aep パタパㇻセ/ケラアン アエㇷ゚ できたての湯気の立っているおいしいごちそう。(W神謡語り) tap a=yanke aep pataparse kor an wa a=e kor án=an タㇷ゚ アヤンケ アエㇷ゚ パタパㇻセ コㇿ アン ワ アエ コㇿ アナン 私は今火からおろしたばかりの食べ物が湯気が立っているのを食べていた。(HC民話) {E: for steam to rise from something just boiled.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pátumare
パトゥマレ 【他動】[patum-a-re 悪い空気・座る・させる](?) 伝染病が移らないで素通りする。 a=un=patumare アウンパトゥマレ 私たちだけは(その病気に)かからない。(S) {E: to bypass a place so as not to pick up an infectious disease.} (出典:田村、方言:沙流)
pawcio
パウチオ 【他動】[pawci-o 害毒・…に入る] …に毒がつく。 {E: to poison…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pe 1
ペ 【名】[概/所](所は通常 péhe ペヘ) 水、 固体の中に含まれていてどうかすると出て来る水気(ぬれたタオルの水、 果物の汁など、 何かについている水やしずく、 露)。 ☆参考 物質としての「水」は wakka ワッカ。 おつゆの汁は rur ルㇽ、 煮物の汁は uwehe ウウェヘ[所]。 {E: liquid; soup; water; juice; sap.} (出典:田村、方言:沙流)
péka 1
ペカ 【他動】(投げ渡されたものなど)を受けとめる。 ku=peka na クペカ ナ (投げてくれれば)(私)受け取るよ。 ay péka アイ ペカ 矢を受け取る(けものや鳥の神が矢に当たってくれることを言う)。 kanna nis ka un a=e=péka wa, kamuy or ta sonno ukor síno ukor eci=kí kus ne na カンナ ニㇱ カ ウン アエペカ ワ、 カムイ オッタ ソンノ ウコㇿ シノ ウコㇿ エチキ クㇱ ネ ナ 私があなたを天に引き取って、 あなた方は神の国で本当の結婚、 まことの結婚をするのです。(HC民話) {E: to catch…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
péka 2
ペカ 【格助】…に/で/を(一点ではなく動くあるいは伸びて/広がっている範囲を示す)。 rik péka a=eyápkir リㇰ ペカ アエヤㇷ゚キㇼ 高い所を(=高い所から)投げ飛ばされた。 soy péka nepki ソイ ペカ ネㇷ゚キ 戸外で働く。 ni ka péka sinot pe osoro néno ニ カ ペカ シノッ ペ オソロ ネノ 木の上で遊ぶもの(=サル)の尻のよう(酔って赤い顔をしている人を笑って言う)。 nupuri suptom a=tuypa wa oro péka inne maciya an ヌプリ スㇷ゚トㇺ アトゥイパ ワ オロ ペカ インネ マチヤ アン 山の中腹を切りくずしてそこに人口の多い町がある。 {E: case particles.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pepunitara
ペプニタラ 【自動】[pepun-itara (擬音)・(状態が続いていることを表す接尾辞)]にぎやかである。 hekattar haw pepunitara, aynu-pá:kus ヘカッタㇻ ハウ ペプニタラ、 アイヌパークㇱ 子どもたちの声がにぎやかだ、 いいなあ。(S) tanto racio hawehe pepunitara ka somo ki タント ラチオ ハウェヘ ペプニタラ カ ソモ キ 今日はラジオの声がにぎやかでない。(S) {E: to be lively; noisy.} (出典:田村、方言:沙流)
petemko/pet-emko
ペテㇺコ/ペッエㇺコ 【名】[pet-emko 川・(川や沢)の奥の方] 川の奥の方(petetok ペテトㇰ より下(しも)だが、 集落のあるところよりも奥)。(S) ☆参考 petetok ペテトㇰ 川の水源地。 pet-péna ペッ ペナ 川上、 集落のある所のうちの川上の方で petemko ペテㇺコ よりも下(しも)。 pet-hontom ペッ ホントㇺ 集落のある所のうちの中ほど。 ☆参考 他の地域では、 petemko ペテㇺコ を川の中ほどで pet-hontom ペッ ホントㇺ と同じだと言う人もいる。 ☞emko エㇺコ {E: towards the souce of a river.} (出典:田村、方言:沙流)
petetok
ペテトㇰ 【位名】[概](所は petetoko(ho) ペテトコ(ホ))[pet-etok 川・の先端] 川のいちばん奥、 水源地(「かっち」)。 {E: the source of a river.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
petetoko(ho)
ペテトコ(ホ) 【位名】[所](概は petetok ペテトㇰ)…の川の水源地、 その川の水源地の所。 {E: the source of a river of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
petkuretoko
ペックレトコ 【位名】[所](概の用例はない)[pet-kur-etoko 川・姿・の先端][雅]川の水源地。 epa=kor petpo/petkuretoko/iworso ka wa エパコㇿ ペッポ/ペックレトコ/イウォㇿソ カ ワ [雅]我が川の上(かみ)のはずれの奥地の方から。(Sユーカラ) ☆参考 日常語ではpetetok ペテトㇰ [概]/petetoko(ho) ペテトコ(ホ)[所]。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
petturasi
ペットゥラシ 【自動/副】[pet-turasi 川・に沿って上る] ①[自動]川をさかのぼる、 川沿いに上流の方へ行く(=petturasi arpa ペットゥラシ アㇻパ)。 ②[副]川沿いに上へ。 {E: ①to follow a river upstream (to its source). ②to go upstream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
picici
ピチチ 【他動】(人間の皮)をむく。 kap takupi a=picíci p ne kusu kemnu ka somo ki カㇷ゚ タクピ アピチチㇷ゚ ネ クス ケㇺヌ カ ソモ キ 皮だけしかむかれなかったので血が出ない。(S) {E: to peel off (human skin).} (出典:田村、方言:沙流)
picirpe
ピチㇼペ 【名】[動物] ハエ(蝿)の卵。 ☆参考 ウジ(蛆)は mosospe モソㇱペ、 ハエは mus ムㇱ。 〔知分類 p.92((穂、 幌))ハエ類の卵から孵化したばかりの小さい幼虫(蛆)〕 {E: fly eggs; maggots.} (出典:田村、方言:沙流)
picitcere
ピチッチェレ 【他動】[自動使役][picitce-re むける・させる](人の皮)をむく(「かきほがす」)。 kiki ayne kapuhu picitcere キキ アイネ カプフ ピチッチェレ 掻いて掻いて皮をむいてしまった。(S) {E: to peel off someone's skin.} (出典:田村、方言:沙流)
pikata
ピカタ 【名】真正面沖から(南西方向から)来るしけかぜ(「しかた」)。 ☞réra レラ {E: a south-west wind.} (出典:田村、方言:沙流)
piri(hi)
ピリ(ヒ) 【名】[所](概は pir ピㇼ)…の傷。 ku=kema piri arka wa k=apkas eaykap クケマ ピリ アㇻカ ワ カㇷ゚カㇱ エアイカㇷ゚ 私は足の傷が痛んで歩けない。(S) piri uciw ピリ ウチウ 傷口がふさがる。 tam pir oma kane pirihi uciw ka somo ki タㇺ ピㇼ オマ カネ ピリヒ ウチウ カ ソモ キ 刀傷がついていて傷がふさがらない。(S) {E: wounds of…} (出典:田村、方言:沙流)
pirkano
ピㇼカノ 【副】[pirka-no よい・(副詞形成)] よく、 きちんと、 きれいに。 pirkano nu ピㇼカノ ヌ よく聞く。 pirkano imi ピㇼカノ イミ きちんと着物を着る。 pirkano so kar ピㇼカノ ソ カㇻ 床(ゆか)をきれいにする(敷物を敷いてきれいに掃除する)。 ataye pirkano アタイェ ピㇼカノ よい値で(=高く)(買ってくれる/交換してくれる)。(S民話) {E: well; neatly; exactly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pirkep
ピㇼケㇷ゚ 【名】[pirke-p 精白した・もの](穀物の)精白したもの、 ついてぬかを落としたもの(「白(はく)」)。 amam pirkep アマㇺ ピㇼケㇷ゚ 穀物(ヒエや米)の精白した(ついてぬかを落とした)もの(今は通常白米。 昔はついて精白したヒエ)。 {E: something polished, refined.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pirma
ピㇼマ 【他動】(人)にそっと警告する。 en=pirma p ne kus ku=kocanupkor wa k=an kus ne wa エンピㇼマㇷ゚ ネ クㇱ ク コチャヌㇷ゚コㇿ ワ カン クㇱ ネ ワ 私にそうっと教えてくれたから私はよく警戒していますから。(S) ☆参考 ipirma/unpirma イピㇼマ/ウンピㇼマ 人々に/皆に警告する。 epirma エピㇼマ …に…を警告する。 {E: to quietly warn someone of something.} (出典:田村、方言:沙流)
pisenere
ピセネレ 【他動】[pise-ne-re 風船状のもの・になる・させる](風船のようなもの)をふくらませる。 {E: to blow up (something like a balloon).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
po 1
ポ 【名】[概](所は poho ポホ) ①息子。 sine po kor シネ ポ コㇿ 一人の息子を持っている。 po sak kur ポ サㇰ クㇽ 子ども(息子)のいない人。 ②(語構成要素として)子ども(男女を問わず)。 {E: ①a son. ②a child.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pocipoci
ポチポチ 【他動】[poci-poci …をつつきくずす・(重複)] ①(泥)をつつきくずす、 (どろんこ)で遊ぶ。 yaci pocipoci ヤチ ポチポチ どろんこの中に入ってビチャビチャになって遊ぶ。 a=pocípoci toytoy アポチポチ トイトイ (人が歩いたために)ドブドブになった土。 ②[隠](比喩)(酔っている人)にあいづちを打つ。 hemanta ne pocipoci kor an pe an? ヘマンタ ネ ポチポチ コラン ペ アン? なにしに「ちょうして」(相手になって)いるの? =「やばちく」(きたなく)なるから(=まずいことになるから)あいづちを打つな(酒でも飲んでくどいている人に対して相づちを打っている人に言う)。(S) {E: ①to make ground muddy; to play with mud. ②to give agreeable answers to (someone who is drunk).} (出典:田村、方言:沙流)
póho
ポホ 【名】[所](概は po ポ)…の息子、 彼の/彼女の息子。 hunna póho an? フンナ ポホ アン? だれの息子ですか。(S) {E: the son of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
póka
ポカ 【副助】[po-ka (指小辞)・も] ①(せめて)…でも、 やっと…は。 sine cise tu cise póka eci=kár yakun シネ チセ トゥ チセ ポカ エチカㇻ ヤクン あなたがたは一軒か二軒だけでも家を建てれば。 tanto póka e=ek wa タント ポカ エエㇰ ワ あなたは(きのうは来なかったが)まあ今日になってでもようやく来て…。(W会話) ikoyyomap póka a=ki rusuy イコイヨマㇷ゚ ポカ アキ ルスイ (子どもがないので)せめて人の子をかわいがることだけでもしたい。(W民話) sonno póka ソンノ ポカ 本当に、 やっぱり、 はたして、 思ったとおり、 聞いていたとおり。 ponno ponno póka k=étoyta kus keraypo ku=kor ruwe un ポンノ ポンノ ポカ ケトイタ クㇱ ケライポ クコン ルウェ ウン ほんの少しだけでもまいたおかげでとれたのだよ。(S) néun póka/nen póka ネウン ポカ/ネン ポカ どうにか、 なんとかして。 nen póka é=iki wa e=epirka kunine ネン ポカ エイキ ワ エエピㇼカ クニネ なんとかしてあなたがえらくなるように。(S) ②(否定で)…さえ…しない。 sapa póka sak cip サパ ポカ サㇰ チㇷ゚ 船首すらない舟。(W民話) a=i=núkare póka somo ki no アイヌカレ ポカ ソモ キ ノ 私に見せてもくれずに。(W民話) {E: ①somehow or other; finally. ②not even.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pónayay
ポナヤイ 【名】[pon-ayay 小さい・(泣き声の擬音重複)] 赤ん坊(生まれてから二、 三歳まで)。 ☆参考 沙流川下流のサダモさんが言う。 中流の人は tennep テンネㇷ゚ 等の語を使う。赤ん坊や幼児を表す語は、 ほかにもたくさんある。 ☞ponpe ポンペ、 síon シオン、 poyson ポイソン、 yarpe ヤㇻペ、 yarpeomap ヤㇻペオマㇷ゚、 yarpesamomap ヤㇻペサモマㇷ゚ {E: a baby (from birth up to about 2 or 3 years old).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ponker
ポンケㇾ 【名】[pon-ker 小さい・靴] 靴下、 指のないたび(「ぼっこたび」)。(S) 裏には毛布でもつけて「ぬくーく」(暖く)する、 めくら地でもよし、 何でも丈夫な「きれ」(布)でつくる、 くるぶしの上まで、 甲のところに少しあきがある。(S) ☆参考 ワテケさんはこれを ureunker ウレウンケㇾ と言う。 {E: socks} (出典:田村、方言:沙流)
ponki 2
ポンキ 【名】[pon-ki 小さい・カヤ] カヤを編んでつくった小さい簀(す)(すだれ状のもの)。 osiso un wa ne menokopo ehotke hi enkaske ta ponki a=otúseatte. …ne, otuseat wa a=nukár a ponki atu tuypa híne, ponki ka o p cirawokuta sitcikewrototo オシソ ウン ワ ネ メノコポ エホッケ ヒ エンカㇱケ タ ポンキ アオトゥセアッテ。 …ネ、 オトゥセアッ ワ アヌカㇻ ア ポンキ アトゥ トゥイパ ヒネ、 ポンキ カ オㇷ゚ チラウォクタ シッチケウロトト 右座のその娘の寝床の上に小さいカヤ(萱)の簀(す)が綱でつるされていた。 …その、 綱でつるされていたのをさっき見たあのカヤを編んでつくった小さい簀(す)の棚の綱を(兄が)切って、 棚の上にのっていたものが下に落ちて散らばって、 ガラガラとすごい音を立てた。(HK民話) ☆参考 普通は山へ行くときに持って行く。 この用例では物置棚として使われている。(HK) {E: a straw blind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ponpe
ポンペ 【名】[pon-pe 小さい・もの] ①小さいもの。 ②赤ちゃん、 幼い子ども(「ぼうや」というような感じで、 しかし男女とも、 かわいい小さいものとして言う)。 hunna kor ponpe an? フンナ コㇿ ポンペ アン? だれの坊やちゃん/お嬢ちゃんよ? (S) {E: ①something small. ②a baby.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ponram
ポンラㇺ 【名】[pon-ram 小さい・心](次の言い回しの中で)幼少、 幼いとき。 ponram oro wano ポンラㇺ オロ ワノ 幼少時から、 幼いときから。 a=yupíhi isoytak kus oyaciki ponram oro wano uweinkar kur ne aan アユピヒ イソイタㇰ クㇱ オヤチキ ポンラㇺ オロ ワノ ウウェインカㇻ クㇽ ネ アアン 兄が話してくれたからわかったのだが、 実は兄は小さいときから目に見えないことでも見ているようにわかる能力の持ち主だったのであった。(NK民話) {E: an infant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pótonoke
ポトノケ 【名】[所](概は未出。 tonoke トノケ の概は tono トノ。)[po-tono-ke 息子・殿・(所属語尾)](=po-tonoke ポトノケ)…の令息、 (神の)御子。(W神謡語り) {E: the son of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pótonoke(he)
ポトノケ(ヘ) 【名】[所](概 pótono ポトノ は未出)[po-tono-ke 息子・御方・(所属語尾)] …の御令息、 (神の)御子、 彼の御令息。 {E: the son of… (polite).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
póutari
ポウタリ 【名】[所](概は未出。 utari ウタリ の概は utar ウタㇻ。)[po-utar-i 息子・人々・(所属語尾)] …の息子たち、 子どもたち。 {E: the sons of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
puriyupke
プリユㇷ゚ケ 【自動】しまりやである(悪い人ではないがあまり人にものを与えずものを大切にして心がきつい)。(S) {E: a frugal person.} (出典:田村、方言:沙流)
púse
プセ 【自動】[pu-se (擬音擬態の語根)・と言う/となる] プーッとふくらむ/ふくらんでいる、 フワーッとふくれあがる。 sonno ka ikopet ruwe ne noyne honihi púse wa an ソンノ カ イコペッ ルウェ ネ ノイネ ホニヒ プセ ワ アン なるほど(馬が)水を飲んだときに毒虫を飲みこんだらしく腹がふくらんでいる。(S) {E: to swell up; be swollen.} (出典:田村、方言:沙流)
puy
プイ 【名】[概](所は puye(he)) ①穴、 孔(壁の穴、 管の孔など、 突き抜けていて何かが通るあなやすきま)。 puy o プイ オ/プヨ 穴があく(=púyo プヨ)。 taan puy o uske kari inkar タアン プヨ ウㇱケ カリ インカㇻ この穴のあいたところから見なさい。 ②[名詞語根] 体の孔、 たとえば鼻孔や耳の孔や肛門。 etupuy エトゥプイ 鼻のあな。 kisarpuy キサㇻプイ 耳の孔。 osorpuy/yorpuy オソㇿプイ/ヨㇿプイ 肛門。 ☆参考 地面を掘った穴など、 えぐられた穴は suy スイ、 崖のほら穴は póru ポル、 木のうろは nisa ニサ。 {E: ①a hole; an opening. ②the orifices of the body.} (出典:田村、方言:沙流)
púyo 1
プヨ 【自動】[puy-o 孔・がそこに入る]穴があいている(=puy o プヨ)。 ☞puy プイ {E: for something to have holes.} (出典:田村、方言:沙流)
ra 4
ラ 【位名】下の方、 低い所(rik リㇰ の対)。 ra ta ラ タ 下(低い所)に/で。 ra ta ran ラ タ ラン 下に下りる。(S) ra peka ラ ペカ 下(低い所)を/で。 cápe ra péka ekesinne sowsut péka sinot kor an kor apto ruy oasi チャペ ラ ペカ エケシンネ ソウスッ ペカ シノッ コラン コㇿ アㇷ゚ト ルイ オアシ ネコが下の方(=ゆかの上)であちこちすみの方でじゃれていれば雨がひどくなる。(S) ☆対語 rik リㇰ。 {E: lower; below.} (出典:田村、方言:沙流)
racici
ラチチ 【他動】[racit-i (たれ下がる意味の語基)・(他動詞形成)](目的語となる名詞概念形のあとについて自動詞をつくる。) …をダラリと下げている。 toan nonno okkew-racici ruwe an hi! トアン ノンノ オッケウラチチ ルウェ アニ! あの花、 首をダランと下げているねえ(しおれて)。(W) kimun kamuy ka sinki p ne kusu parunpe-racici キムン カムイ カ シンキㇷ゚ ネ クス パルンペラチチ 熊も疲れたものだから舌をだらりと出して(下げて)いる。(HK民話) kema-racici ケマラチチ(高いいすに腰かけて)足をブランと下げている。(S) mon-racici モンラチチ(神謡の中で死んだ動物(神)が梁の上から)手(=前足)をダラリと下げている。(HC神謡) ☆参考 独立の他動詞としては未出。 ☆参考 自動詞は racitke ラチッケ ぶら下がる。 ☆参考 ra ラ は《下の方》。 {E: to hang, lower something loosely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ráha 2
ラハ 【名】[所](概は ra ラ)[植物] …(草)の葉、 …の出始めの蔓。 tane ráha isa wa a=kar ka eaykap タネ ラハ イサ ワ アカㇻ カ エアイカㇷ゚ もう葉が年取ったのでとることができない。(S) ikema ráha ney ta ka somo e=nukar? イケマ ラハ ネイ タ カ ソモ エヌカㇻ? イケマの出始めの蔓をあなたどこかで見なかったかい。(S) ☞ra ラ 2 {E: a blade of grass of…; the first vine shoots of…} (出典:田村、方言:沙流)
rak
ラㇰ 【他動】①…の味がする、 …っぽい、 …のけ(気)がある、 …の味/においがある。 sippo rak シッポ ラㇰ 塩気がある。(S) tópenpe rak トペンペ ラㇰ 砂糖気がある。(S) tópen rak トペン ラㇰ 甘味がある。(S) sum rak スㇺ ラㇰ 油気がある。(S) cep rak チェㇷ゚ ラㇰ 魚くさい(魚の味がついている)。(S) toy rak トイ ラㇰ 土のような味がする(1956年当時の「安いマコロンの味」)。(S) sum rak mame スㇺ ラㇰ マメ 油っこい豆(ピーナッツを指してこう言った。) (S) sippo rak ka somo ki, tópenpe ka rak ka somo ki シッポ ラㇰ カ ソモ キ、 トペンペ カ ラㇰ カ ソモ キ 塩気が全然ない、 砂糖気も全然ない。(S) ku=teke kam húra rak クテケ カㇺ フラ ラㇰ 私の手に肉の匂いがついている。(S) ②…を味わう、 (少し)食べる。 pewre or ta a=kar wa a=e rok pe a=rak wa ペウレ オッタ アカㇻ ワ アエ ロㇰ ペ ア ラㇰ ワ (いただいたおかげで)若いときにつくって食べていたものを(今また)味わうことができて。(NK民話) ③(比喩的に)…の部類に属するもの。 (日本語の「…の端くれ」という言い方を思い起こさせる。) nispa rak pe aynu rak pe a=akíhi ne a p ニㇱパ ラㇰ ペ アイヌ ラㇰ ペ アアキヒ ネ アㇷ゚ 弟は長者であり男であるのに。(NK民話) ☆参考 Aynurakkur アイヌラックㇽ 人間っぽい神、 人間の部類に属する人(神)(人間の始祖となった神の子の呼び名)。(Sユーカラ) {E: ①to have a…flavour, taste, scent. ②to taste, appreciate… ③to belong to the class category of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ram(u) okaoka
ラㇺ/ラム オカオカ 【連他動】(怒っている人)をなだめる。 {E: to calm an angry person.} (出典:田村、方言:沙流)
ram(u) putputu
ラㇺ/ラム プップトゥ 【連他動】(人)に人のことをいろいろ悪く言って憎しみを起こさせる。 {E: to make someone hate another by saying bad things about that person.} (出典:田村、方言:沙流)
ram(u) satka
ラㇺ/ラム サッカ 【連他動】…を喜ばせてだます(ぬか喜びさせる)。 {E: to trick someone by taking them off guard.} (出典:田村、方言:沙流)
ramaci(hi)
ラマチ(ヒ) 【名】[所](概は ramat ラマッ) 魂。(W) ☆参考 1955年に「いのち」の訳語として出た。 ☞ramatu ラマトゥ {E: the soul; the spirit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramat
ラマッ 【名】[概](所は ramatu(hu)/ramaci(hi) ラマトゥ(フ)/ラマチ(ヒ)) 魂。 nen póka ne wa ramat kasi a=konítata yakun ネン ポカ ネ ワ ラマッ カシ アコニタタ ヤクン 何とかして魂を押えてもらえば(=命をとりとめさせてもらえば)。(W会話) aynu ramat, ray aynu ramat tama ani kane an tekehe アイヌ ラマッ、 ライ アイヌ ラマッ タマ アニ カネ アン テケヘ 人の魂、 死んだ人の魂の玉を持っている彼の手を。(W民話) pirka isoytak, pirka ramat kor uwepeker ピㇼカ イソイタㇰ、 ピㇼカ ラマッ コㇿ ウウェペケㇾ よい話、 よい魂を持つ民話。(W独話) {E: the soul; the spirit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramatu(hu)
ラマトゥ(フ) 【名】[所](概は ramat ラマッ)(=ramatuhu ラマトゥフ)…の魂。(W) tanpa ne ere pa aep ramatu a=uk kor án=an ruwe ne hi kusu タンパ ネ エレ パ アエㇷ゚ ラマトゥ アウㇰ コㇿ アナン ルウェ ネ ヒ クス 今年で3年(=これまで3年間)私は食べ物の魂を取って(=奪って)いるのだから(飢饉の神が言った言葉)。(W民話) pak kewtumu pirka pak ramatu pirka katkemat oar isam pe e=ne aan ruwe ne パㇰ ケウトゥム ピㇼカ パㇰ ラマトゥ ピㇼカ カッケマッ オアリサㇺ ペ エネ アアン ルウェ ネ あなたがこれほど気性のよい、 これほど魂のよい奥様はいないというほどのすばらしい人だということがわかった。(W民話) ☆参考 1959年、 61年に民話の中で「魂」の意味で使われた。 ☞ramaci ラマチ {E: the soul, spirit of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rametok
ラメトㇰ 【名】[ram-etok 心・の先端] ①勇猛さ、 大胆さ、 勇敢さ、 勇気。 ②勇猛な人、 大胆な/勇敢な人。 {E: ①bravery. ②a brave person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramkor
ラㇺコㇿ 【自動】[ram-kor 心・を持つ] 死者の親族である。 ramkor kur ラㇺコㇿ クㇽ 死者の親族(一人)。 ramkor utar ラㇺコㇿ ウタㇻ 死者の親族の人々。 sonno ramkor utar ソンノ ラㇺコㇿ ウタㇻ [本当の・死者の親族の・人々]死者の息子、 娘、 兄弟。(S) {E: to be the relatives of a deceased person.} (出典:田村、方言:沙流)
ramne
ラㇺネ 【自動】(こわれずいたまずに)ちゃんとそのままある。 sine cise patek ramne híne シネ チセ パテㇰ ラㇺネ ヒネ (他の家は全部崩壊し)一軒の家だけがちゃんともとのまま立っていて。(W民話) néa pon su ka ramne wa an pirkep ka ramne ネア ポン ス カ ラㇺネ ワ アン ピㇼケㇷ゚ カ ラㇺネ あの小鍋も壊れずにちゃんと残っていたし精白したヒエも無事だった。(HC民話) {E: (for something) to be in its right position.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramositciwre
ラモシッチウレ 【自動】泰然としている、 落ち着いている(「人が何をしていても知らん顔をしている、 地震で皆出ても一人残っている等」)。(S) ramositciwre kur ne kusu etarka eun nísapno itak ka somo ki ラモシッチウレ クㇽ ネ クス エタㇻカ エウン ニサㇷ゚ノ イタㇰ カ ソモ キ 落ち着いた人だからやたらにすぐに口を出さない。(S) {E: to be calm.} (出典:田村、方言:沙流)
rampokiwen
ランポキウェン 【自動】[ram-poki-wen 心・その下・悪い] 人をかわいそうだと思う、 かわいそうだ。 ku=rampokiwen kusu ku=korar クランポキウェン クス クコラㇻ 私はかわいそうだと思ったから(それを)あげた。(S) ☆参考 rampokwen ランポㇰウェン とも言う。 ☆参考 erampokiwen エランポキウェン [他動]…をかわいそうに思う。 {E: to be sad, feel sorry for someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rápok
ラポㇰ 【位名】[概](所は rápoki, rapokke ラポキ、 ラポッケ) ①(多くの場合、 動詞句の後に置かれる。) …している間、 …している途中、 …している時。 rápok ta ラポㇰ タ …している間に。 ipe rápok ta ek kor an イペ ラポㇰ タ エㇰ コラン 食べている最中に彼は来ている(来つつある)。 a=kor híne yonpa=an rápok ta ne pon menoko anakne アコㇿ ヒネ ソヨンパアン ラポㇰ タ ネ ポン メノコ アナㇰネ (私がそれを)持って外へ出て行っているときにその娘は…。(W民話) ②(rápok ラポㇰ がついてできた句は、 格助詞を伴わずそのままでも連用語(副詞句)となる。) tókap ne kunak a=ramu rápok sirkunne トカㇷ゚ ネ クナㇰ アラム ラポㇰ シㇼクンネ 昼間だと思っている間に暗くなった。(W会話) hńta kus e=nimara nepki kor oka rápok sinenne e=a wa e=an フンタ クㇱ エニマラ ネㇷ゚キ コロカ ラポㇰ シネンネ エア ワ エアン なぜあなたの連れが働いているのにあなたは一人で座っているんだ。(S) a=yupíhi nína inawcipa kar, rápok asinuma cise onnay wano a=kerkeri アユピヒ ニナ イナウチパ カㇻ、 ラポㇰ アシヌマ チセ オンナイ ワノ アケㇾケリ 兄はたきぎを取って来たり幣場をつくったりしていた、 その間私は家の中から外まで掃除をしていた。(KH民話) ☆参考 概念形 rápok ラポㇰ と所属形 rapoki/rapokke ラポキ/ラポッケ の用法の違いは不明。 {E: ①at the time of doing…; in the middle of doing…; while doing… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rárak
ララㇰ 【自動】[rara-k (擬態の語根の重複)・(自動詞形成)] なめらかである、 すべすべしている。 taan cápe seturu rárak humi! タアン チャペ セトゥル ララㇰ フミ! この猫は背中がすべすべしてるなあ。(W) esaman numaha rárak エサマン ヌマハ ララㇰ カワウソの毛皮はなめらかだ。(W) eytasa so rárak wa cise or ta ka osittesu=an エイタサ ソ ララㇰ ワ チセ オッタ カ オシッテスアン あまり床がツルツルしているので私たちは家の中でもすべってしまう。(S) {E: to be smooth.} (出典:田村、方言:沙流)
rareyaka
ラレヤカ 【他動(?)】[rar-e-yaka 眉・で・指す] 目配せする、 (あっちに行こうと)眉で指す。 ☞rar ラㇻ 2、 yaka ヤカ {E: to indicate something to someone by using one's eyebrows.} (出典:田村、方言:沙流)
rataritari
ラタリタリ 【自動】[ra-tari-tari 羽・を上に上げる・(重複)] 羽を上下に動かす、 羽ばたきする。 isokapiw rataritari tekkupi taritari kor, tekkupi kasi ta ay teske wa イソカピウ ラタリタリ テックピ タリタリ コㇿ、 テックピ カシ タ アイ テㇱケ ワ かもめが羽をバタバタさせ、 翼をバタバタさせると、 翼の上で(疫病神の)矢がそれて(当たらない)。 {E: to flap the wings.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rawke
ラウケ 【位名】[所](概念形 raw ラウ の用例はない。)[raw-ke 深み・の所] ①その深み。 (「心の中」を表すこともある。) ②[熟語] rawke uk ラウケ ウㇰ どうしてよいかわからず内心おもしろくない。 “nen ka hawean=an hi ki rusuy kusu he iki?” sekor ramuan=an rawke a=uk kusu néun ka hawean=an ka somo ki 「ネン カ ハウェアナニ キ ルスイ クス ヘ イキ?」セコㇿ ラムアナン ラウケ アウㇰ クス ネウン カ ハウェアナン カ ソモ キ 「私に何か言ってほしくてそうしているのだろうか」と私は思ったが、 何と言っていいのかわからず腹立たしいので何も言わなかった。(NK民話) {E: ①depth. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
raykamuy
ライカムイ 【名】[ray-kamuy 死ぬ/死んだ・神]死者の魂(「人の死んだ魂、 行くとこ行かれなくているもの、 ムネンボトケとかいうの」)。(S) raykamuy arkare ライカムイ アㇻカレ 行くところに行かれない死者の魂が「やまして」(=痛めつけて)いるんだ。(S) ☆参考 「ゆうれい(幽霊)」の訳語として出た。 {E: the spirit, soul of a dead person.} (出典:田村、方言:沙流)
raykeyar
ライケヤㇻ 【他動】[不定使役][rayke-yar 殺す・人に…させる] …を人に殺させる、 …を人に頼んで殺してもらう。 {E: to make, have someone kill…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rayramaci
ライラマチ 【名】[所](概 rayramat ライラマッ は未出。 ramaci ラマチ の概は ramat ラマッ)[ray-ramat-i 死ぬ・魂・(所属語尾)]…の死んだ魂、 (死んだ…)の魂。 {E: the soul, spirit of a dead person of….} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
re 3
レ 【連体】[数連体] 三つの(三個の、 三人の)。 re sike レ シケ 三個の荷物。 re poyson レ ポイソン 三人の子ども。 re pa レ パ 三年。 tan cup re to an tóho ta タン チュㇷ゚ レ ト アン トホ タ 今月の三日の日に。 tu…re … トゥ… レ… 二つも三つもの(=いくつもいくつもの、 たくさんの)…。 otu…re… オトゥ…レ… 二つも三つもの(=いくつもいくつもの、 たくさんの)…。 ☆発音 あとの名詞と共に一語のアクセントで発音される。 つまり re レ は低く、 そのあとの名詞の第一音節が高くなる。 たとえば、 sike シケ は ke ケ が高いが re sike レ シケ ではsi シ が高い。 {E: the number three as a counter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rek 1
レㇰ 【自動】(鳥などが)鳴く、 (ムックリ(口琴)や笛などが)鳴る。 hoyya pewrep rek haw ホイヤー ペウレㇷ゚ レㇰ ハウ 子熊のなく声。(Sほかウポポ) ku=rekte kusu ne yakka rek ka somo ki クレㇰテ クス ネ ヤッカ レㇰ カ ソモ キ (笛が)私が鳴らそうとしても鳴らない。(S) sayren rek kusu sini=an ro サイレン レㇰ クス シニアン ロ(お昼の)サイレンが鳴ったから休みましょう。(W) {E: (for birds) to sing; the sound of a flute etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
reka
レカ 【他動】(…を)美しいと思う、 …の器量(美貌)をほめる。 {E: to praise someone's looks; think that…is beautiful.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rennatara
レンナタラ 【自動】[雅] 気が沈む。 tanto anak niskur an wa ne humi he an, ku=katka konna rennatara, nep ku=kar rusuy ka somo ki タント アナㇰ ニㇱクㇽ アン ワ ネ フミ ヘ アン、 クカッカ コンナ レンナタラ、 ネㇷ゚ クカンルスイ カ ソモ キ 今日は曇っているからだろうか、 気が沈んで、 何をする気もしない。(S) {E: to be tired; weak.} (出典:田村、方言:沙流)
repke(he)
レㇷ゚ケ(ヘ) 【位名】[所](概は rep レㇷ゚ 2)[rep-ke-he 沖・の所・(所属語尾)] …の/その沖、 そこよりも沖の方。 {E: somewhere offshore.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
repunkur
レプンクㇽ 【名】[rep-un-kur 沖・にいる・人] 海外の人(主に外国人を指す)。 repunkur mosir レプンクㇽ モシㇼ 外国。 repunkur atuy レプンクㇽ アトゥイ 外国の海。 ☆対語 yaunkur ヤウンクㇽ 自国の人(北海道の人)。 {E: a foreigner; someone from overseas.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rewkurka
レウクㇽカ 【位名】[概](所は rewkurkasi レウクㇽカシ)[rew-kurka (曲がっていることを表す擬態の語根)・…の上面一帯] 曲がって斜めになっているものの上側(立ち木等の)。 ☆対語 rewpok レウポㇰ。 {E: the upper area of something on an incline.} (出典:田村、方言:沙流)
rewpok
レウポㇰ 【位名】(曲がって)斜めになっているものの下/下側。 ni rewpok ニ レウポㇰ かしいだ木の下/下側。 ☆対語 rewka レウカ。 {E: the lower area of something on an incline.} (出典:田村、方言:沙流)
rewsi
レウシ 【自動】泊まる、 自宅以外の所で夜を寝て過ごす。 {E: to stay; to spend a night somewhere other than one's home.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rewsipa
レウシパ 【自動】[複](rewsi レウシ は単複の区別なし)(二人以上が皆)泊まる。 (不定人称形では =an アン の後に -pa パ がつく。) rewsi=an-pa レウシアンパ (引用文中で)私たちは泊まる/泊まった。 {E: to stay in, at somewhere.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rikunsuy/rikuysuy
リクンスイ/リクイスイ 【名】[rikun-suy 高い所の・穴] 天井の煙出し穴。(W) heynu rikunsuy kari/heynu soyoterke=an ヘイヌ リクンスイ カリ/ヘイヌ ソヨテㇾケアン [雅]私は煙出し穴から外へとび出した。(HC神謡) ☆参考 「これはユーカラなどの言い方で、 日常語では saramanto サラマント と言う。」 (S) {E: a ceiling smoke-flue.} (出典:田村、方言:沙流)
riten
リテン 【自動】柔らかい(「やわい」)、 柔軟である。 {E: to be soft; gentle.} (出典:田村、方言:沙流)
ritkotpe
リッコッペ 【名】[rit-kot-pe 筋・ついている・もの] 男の子(いい言葉)。 ritkotpe ne yak a=ye リッコッペ ネ ヤカイェ (生まれたのは)男の子だそうだ。(S) ☆参考 ほかに hekaci ヘカチ、 pon hekaci ポン ヘカチ、 okkayo poysons オッカヨ ポイソン などの言い方がある。 ☆対語 oyaskep オヤㇱケㇷ゚《女の子》 {E: a boy.} (出典:田村、方言:沙流)
ro 1
ロ 【終助】…しよう、 …しようか(提案して同意を求める。 包括的一人称複数「あなたも私も」の主語と共に用いられることが最も多い。 一人称単数主語でも用いられる)。 uwarke a=e ro ウワㇻケ アエ ロ (りんごを)半分ずつ食べよう。(S) heta, paye=an ro ヘタ、 パイェアン ロ さあ行きましょう。(S) hararki=an ro an ro ハラㇻキアン ロ アン ロ さあさあハラルキ(水鳥の舞)をしましょう、 しましょう(踊りの前のうながし)。(S) ☆参考 「…しよう」という提案には、 この ro ロ をつけずに言うことも多い。 paye=an パイェアン 行きましょう。 賛成の返事を求めるのには ro ロ をつける。 ほかに …hike (mak)? …ヒケ (マㇰ)? 《…しては(どう)?》のような言い方もある。 ☆参考 ひとりごとで「…しよう」と言うときは ro ロ ではなく so ソ と言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ro 3
ロ 【名】[日本語 ろう(牢)] 牢屋。 ☆参考 昔はなかった。(W) {E: a prison.} (出典:田村、方言:沙流)
rokte
ロㇰテ 【他動】[自動使役][複](単は áre アレ)[rok-te (二人以上が)座る・させる](二人以上)を座らせる。 (神のことについて、 不定人称形 a=rokte アロㇰテ《座らされる》の形で)まします。 rep ta atuyso ka ta a=rokte kamuy レㇷ゚ タ アトゥイソ カ タ アロㇰテ カムイ 沖の海原にまします神。 {E: to make, let…sit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
roski 1
ロㇱキ 【自動】[複](単は as アㇱ)(二つ以上/二人以上が)立つ、 立ち止まる、 立っている。 roski wa oka ロㇱキ ワ オカ (彼らは)立っている。 cékantoor-soye kane an sunku tup roski híne an チェカントオㇿソイェ カネ アン スンク トゥㇷ゚ ロㇱキ ヒネ アン 天にも届くばかりのエゾマツが二本立っていた。(HC民話)(注 川下のワテケさん、 サダモさんの言い方では as híne an アㇱ ヒネ アン となるところである。)soy wa roski aw wa roski ソイ ワ ロㇱキ アウ ワ ロㇱキ(彼らは)外へ出ては立ち止まり、 家へ入っては立ち止まる(心配でオロオロして出たり入ったりしている様子の描写)。(KK民話) kurukpeciyay roski クルㇰペチヤイ ロㇱキ 霜柱が立つ。(W) (S) {E: to stand (up); stand still.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rúkamare
ルカマレ 【他動】[ru-kama-re 道・をまたぐ・させる] 伝染病が…に移らないで素通りする。 inomito ta noyasito a=e kor oripak an yakka pátumu wen yakka a=i=rúkamare wa pirka p ne na イノミト タ ノヤシト アエ コㇿ オリパㇰ アン ヤッカ パトゥム ウェン ヤッカ アイルカマレ ワ ピㇼカㇷ゚ ネ ナ 元日にヨモギ餅を食べるとどんなに伝染病がはやっても私たちのところを素通りするのでよいのだよ。(S) {E: to by-pass…so as not to catch an infectious disease.} (出典:田村、方言:沙流)
ruosey
ルオセイ §219 ハマグリ (1) ru-o-sey (rú-o-sey)「るオセイ」[ru(縞)o(ある)sey(貝)] ⦅幌別⦆ハマグリ Meretrix meretrix lusoria RODING. (出典:知里動物編、方言:)
rur 1
ルㇽ 【名】[概](所は ruri(hi) ルリ(ヒ))[< rur 2 海水 ] ①汁、 汁気、 だし汁、 ②だし(煮汁の味)、 あく、 塩気。 aoypenima okasaske wa kusu rur ka a=omáre ka somo ki, pe sak noyne oka aep patek a=omáre アオイペニマ オカサㇱケ ワ クス ルㇽ カ アオマレ カ ソモ キ、 ペ サㇰ ノイネ オカ アエㇷ゚ パテㇰ アオマレ 皿は浅いので汁などは入れない、 水気のないような食べ物ばかり入れる。(S) ☆参考 沙流川中流では、 食物としての汁(みそ汁など)もこの語で表すが、 沙流川下流や鵡川では、 それは ohaw オハウ と言い、 rur ルㇽ は、 汁(スープ)の水分の部分やだしを言う。 {E: ①soup; juice; stock. ②a salty, strong taste.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rúra 1
ルラ 【他動】①…を運ぶ、 …を持って行く/来る。 aep pirka hi sake pirka hi a=rura a a=rura a híne アエㇷ゚ ピㇼカ ヒ サケ ピㇼカ ヒ アルラ ア アルラ ア ヒネ 食べものの上等のや酒の上等のが次々に運ばれてきて。(S民話) ②(人)を送って行く。 somo i=rura yakka pirka pirka ソモ イルラ ヤッカ ピㇼカ ピㇼカ いいえいいえ、 (私を)送って下さらなくても結構です、 大丈夫です。(KK民話) tésapa pakno/ci=rura nankor テサパ パㇰノ/チルラ ナンコㇿ (この人を)駅まで送って行きましょう。(W即興詩) ③(もの)を(小包などで)送る。 ④…を返す。 {E: ①to take, send, carry… ②to send off s.o; to lead someone. ③to send (off)… ④to return…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruri(hi)
ルリ(ヒ) 【名】[所](概は rur ルㇽ) …の汁、 (つゆもの)の汁の部分、 …のだし汁、 …を煮た汁、 …のだし(煮出した味)、 …のあく、 …の塩気。 ruri pan ルリ パン だしが薄い、 (おつゆの)味が薄い。 ruri ruy ルリ ルイ だしがきつい、 あくが強い。 ruri wen ルリ ウェン だしが悪い。 ruri wen wa ponno patek k=e ルリ ウェン マ ポンノ パテㇰ ケ だしが悪いので私は少ししか食べなかった。(W) rurihi póka ni ルリヒ ポカ ニ (おつゆの実がなくなったから)汁だけでも吸いなさい。(S) rurihi pirka/kéraha ka pirka ルリヒ ピㇼカ/ケラハ カ ピㇼカ だしもよければ味もよい。(S自作の歌) {E: the soup, stock, liquid, juice sap of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rusam
ルサㇺ 【名】[ru-sam 道・のすぐそば/傍]道端の店などが並んでいる所。 rusam péka é=iki ayne e=ek ruwe somo ne ya? ルサㇺ ペカ エイキ アイネ エエㇰ ルウェ ソモ ネ ヤ? (あなたは)道端のマーケットで遊んできたのではないのか。(S) (出典:田村、方言:沙流)
rusuy
ルスイ 【助動】①…したい、 …したがる。 emina rusuy エミナ ルスイ …を笑いたい=…がおかしい。 k=émina rusuy ayne ku=ye ka koyaykus ケミナ ルスイ アイネ クイェ カ コヤイクㇱ 私は(これが)おかしくておかしくて(それを)言うことができない。(W会話) kor rusuy コンルスイ …を持ちたい=…がほしい。 nep a=e rusuy ka somo ki nep a=kor rusuy ka somo ki ネㇷ゚ アエ ルスイ カ ソモ キ ネㇷ゚ アコン ルスイ カ ソモ キ (私は)何を食べたいとも思わず何をほしいとも思わなかった=何不自由なく暮らしていた。(W民話) (民話で主人公が自叙する中によく出てくる表現。) hi ki rusuy ヒ キ ルスイ …するようにしたい、 …するようになることを望む、 …してほしい。 ci tunas hi ku=ki rusuy チ トゥナシ クキ ルスイ 早く煮えるようにしたい、 早く煮えてほしい。(S) pon katkemat ka ku=mataki amkir hi ku=ki rusuy kusu ポン カッケマッ カ クマタキ アㇺキリ クキ ルスイ クス お嬢さんにも私の妹を覚えて(見知って)もらいたいので。(W会話) ②…しそうである。 omke rusuy オㇺケ ルスイ せき(咳)が出そうだ。(W) tane k=étoranne rusuy humi as タネ ケトランネ ルスイ フミ アㇱ もういやになりそうになった、 なんだかいやになりそうな気がする。(W) ☆参考 é-rusuy エルスイ […を食べる・…したい](食べもの)が好きだ。 ipe-rusuy イペルスイ [ものを食べる・…したい] 空腹だ。 mokor-rusuy モコンルスイ [眠る・…したい] 眠い。 {E: to want to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruwe 3
ルウェ 【形名】[< ru-e 跡・(所属語尾)](名詞化辞として、 確かなこと、 確認ずみのことだというニュアンスを含む名詞句をつくる。) ①(動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。)…する/した/している/であること、 …したあと、 …した結果、 …したの。 taa a=en=kore ruwe nukar, hápo タア アエンコレ ルウェ ヌカㇻ、 ハポ ほら私がもらったのごらん、 かあさん。(S) ruwe ne ルウェ ネ …する/したのだ/です。 ruwe? ルウェ? …する/したの(ですか)? …なの(ですか)? ruwe! ルウェ! …したなあ! …だなあ! ruwe an! ルウェ アン! …したなあ!…だなあ! ruwe an? ルウェ アン? …する/した(のです)か? …する/したの? (多くの場合、 疑問詞を持つ疑問文に用いられる)。 ruwe he an? ルウェ ヘ アン? …する/したのか? …する/したの? (疑問詞のない、 当否を問う疑問文で。 ruwe? ルウェ? だけでも疑問文になるが、 he an ヘ アン をつけるともっと強い疑問になる。) e=eraman ruwe he an? エエラマン ルウェ ヘ アン? いったい君はわかっているのかい(わかっていないんじゃないか)。 eci=mokór wa eci=oká ruwe he an? エチモコㇿ ワ エチオカ ルウェ ヘ アン? いったいあなたたちは眠っているのか(しっかりしなきゃだめじゃないか)。(S独話) ruwe somo he an? ルウェ ソモ ヘ アン? …する/したのではないか。 ruwe tapan ルウェ タパン …する/したのであります、 …する/…したのでございます。 ruwe un ルウェ ウン (返事として)ええ、 …する/したのだよ、 そうですよ。 kuni ku=ramu kor k=ek ruwe un クニ クラム コㇿ ケㇰ ルウェ ウン ええ、 (私は)そう思いながら来たのよ。(S会話) ②(文頭に置かれ、 その前に言われたことがらを受けてその全体を名詞化する。) ruwe ene an hi ルウェ エネ アニ そのことはつまりこういうことだ。 ③(動詞に終わっている文の後ばかりとは限らない。 前の文と統語関係が切れている場合もある。) ruwe un ルウェ ウン (肯定の返事として間投詞のように) そうする/したのだよ、 そうだよ。 “…a=ye hawe tapan na” “e, ruwe un“ 「アイェ ハウェ タパン ナ」「エー、 ルウェ ウン」 「…ということを私は言いましたよ。」「ええ、 そのとおりです。」 (W-S会話) ☆参考 後に -he ヘ はつかない(ruwehe とはならない)。 ☆参考 場合によって ru ル の形が使われる。 ☞ru ル ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 hawe ハウェ(話された言葉および声に関することに用いられる)、 humi フミ(音や感覚、 感じに関することに用いられる。 ただし視覚以外)、 siri シリ(目の前に見えている様子に関することに用いられる)。 {E: to do; did; in the process of doing; the out come, result of having done…; did… (to be placed in front of a sentence or phrase to make what was previously said into a noun form; it doesn't necessarily always come after a verb ending.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sak 1
サㇰ 【他動】①(名詞(目的語)の後に置かれて)…を持っていない、 …がない、 …を欠いている。 re ka sak mosir レ カ サㇰ モシㇼ 名前のない島。(S言い伝え) unu patek a=kor, ona a=sak no ウヌ パテㇰ アコㇿ、 オナ アサㇰ ノ 私には母だけがいて父がいなくて。(S民話) so ka sak ソ カ サㇰ 床に敷く敷物もない。(W民話) heyoki sak no ヘヨキ サㇰ ノ 遠慮しないで。(W神謡語り) nan ka sak sir ka sak ナン カ サㇰ シㇼ カ サㇰ (直訳すると)顔も持っていず様子(姿)も持っていない=顔も姿も美しくない(自分の娘のことをその結婚相手になってほしい人に向かって謙遜して言う言葉。 「しかし持参金を持たせるからもらって下さい」に似た表現がこれに続く)。(NK民話) ②(動詞のあとに置かれて、 慣用表現)いつも…しない。 ramupokiwen mosma hawean kor an sak hawe iki wa! ラムポキウェン モㇱマ ハウェアン コラン サㇰ ハウェ イキ ワ! いつもかわいそうだと言うことのほか何も言わないんだね。(S) ☆参考 目的語の名詞は概念形。 たとえば hon ka sak ホン カ サㇰ おなかがない。(W会話) 同じことを言うのに isam イサㇺ《ない》を使えば所属形を使って honihi ka isam ホニヒ カ イサㇺ (S会話) {E: to not have…; have lost…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sam 2
サㇺ 【位名語根】(名詞/位置名詞の後に接尾辞のようについて) ①…の方、 …の側。 símoysam シモイサㇺ[s知on-sam 右の・側](…の)右側。 teksam テㇰサㇺ [tek-sam 手・のそば]…の横。 ②[雅](ユーカラ yúkar ユカㇻ《英雄叙事詩、 ユーカラ》)の中や雅語的慣用句などの中で、 多くの場合、 位置名詞の概念形の後に置かれて、 音節数を整える。 これといった積極的な意味はなさそうであるが、 場所に関する表現の中に多く出てくる。 詳細は不明。 語構成または語源の表示の中では(< …のそば)と書いておく。)kamuy kosonte/a=sikúrkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクㇽカサㇺ/エオピラサ 私は立派な小袖を自分の体の上に広げて合わせてみた。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
samakakke
サマカッケ §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (18) samakakke (sa-má-kak-ke)「サまカッケ」[sókkapa] (出典:知里動物編、方言:)
samma
サンマ 【位名+格助】☞soywasamma ソイワサンマ (出典:田村、方言:沙流)
samorunkur
サモルンクㇽ 【名】[samor-un-kur 本州・の・人] 本州の人、 本州人、 内地人。 ☆対語 yaunkur ヤウンクㇽ [ya-un-kur 陸・の・人] 北海道の人、 repunkur レプンクㇽ [rep-un-kur 沖・の・人] 海外の人、 外国人。 {E: a person from Honshu (Japanese).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sánasapte
サナサㇷ゚テ 【他動】[複](単は sánasanke サナサンケ)[sa-na-sapte 前・の方へ・…を出す(複)]…を(中から)出す。 kamuy kosonte/sánasanke/cinoye kuwa/káne kuwa/sánasapte カムイ コソンテ/サナサンケ/チノイェ クワ/カネ クワ/サナサㇷ゚テ [雅]立派な小袖を出してきた。 ねじれた杖、 金(かね)の杖を出してきた。(Sユーカラ) ☆参考 ユーカラだから一個のものでも複数形で言っている。 ユーカラでも、 同じ用例の中にもあるように、 単数形で言うこともある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sankemaci(hi)
サンケマチ(ヒ) 【名】[所](概は sankemat サンケマッ)[sanke-mat 出す/前側の・妻][雅] …の正妻。 ☆参考 antemaci(hi) アンテマチ(ヒ)、 karmaci(hi) ソカㇻマチ(ヒ) とも言う。 日常語で正妻を第二の妻と区別して言うには poromaci(hi) ポロマチ(ヒ)。 {E: the legal wife of…} (出典:田村、方言:沙流)
sankemat
サンケマッ 【名】[概](所は sankemaci(hi) サンケマチ(ヒ))[sanke-mat 出す・妻][雅] 正妻。 ☆参考 antemaci(hi) アンテマチ(ヒ)、 karmaci(hi) ソカㇻマチ(ヒ) とも言う。 日常語で正妻を第二の妻と区別して言うには poromaci(hi) ポロマチ(ヒ)。 {E: one's legal wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sante
サンテ 【他動】[自動使役][san-te (山手の方向から海手の方向へ)行く/来る・させる] 山手の方向から海手の方向へ(川上から川下へ)行かせる/来させる。 ☆参考 sanke サンケ は《…を出す》。 ☆参考 川下(海の手)から川上(山手の方)への移動には、 横の移動と同じく、 arpare アㇻパレ《行かせる》、 ekte エㇰテ《来させる》を使う。 {E: to make, let someone go, come from the mountains to the sea.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
saparusi(hi)
サパルシ(ヒ) 【名】[所](概は saparus サパルㇱ) …の頭の皮。 saparusihi meske kane an サパルシヒ メㇱケ カネ アン 頭の皮がとれてしまった。 saparusihi a=so サパルシヒ アソソ 頭の皮をはがす。 {E: the scalp of…} (出典:田村、方言:沙流)
sápo
サポ 【名】[sa-po 姉・(指小辞)] 姉、 ねえさん、 年上の女きょうだいまたは女のいとこ、 あまり年の違わない女性の年長者。 ku=sapo he! クサポ ヘ! ねえさん、 しばらくねえ、 会えてうれしいわ。(S会話) e=kor sápo ka/nepki somo ki yakne エコㇿ サポ カ/ネㇷ゚キ ソモ キ ヤㇰネ あなたのねえさんが働かなかったら。(S子守歌) iresu sápo イレス サポ 育ての姉、 養姉。(Sユーカラ) (注 ユーカラの主人公は孤児で、 養姉に育てられる。) ☆参考 所属形語尾 -ho ホ はつかない。 一人称単数のみ ku=sapo クサポ《私の姉》と人称形で言う。 他の人称では kor コㇿ《…を持つ》を用いて kor sápo コㇿ サポ《彼/彼女の姉》のように言うが、 それよりも多く sáha サハ が用いられる。 引用文の中の自称では a=kor sápo アコㇿ サポ《私の姉》等のように言う。 ☆参考 sa サ [概]/sáha サハ [所] が冷静客観的な親族関係の表現で、 呼びかけなどには使われないのに対し、 この sápo サポ は、 愛着や近しい感情を伴う表現である。 呼びかけには ku=sapo クサポ が使われる。他人の女性への呼びかけの場合は必ずしも相手が年上とは限らず、 初対面の場合や、 そうでなくても礼儀上尊敬を示すとき、 話し手のほうが年上であっても言うことがある。 高齢の女性には húci フチ《おばあさま》、 中高年には unarpe ウナㇻペ《おばさん》と言い、 やや若い人に ku=sapo クサポ と言うらしい。 ☆対語 yúpo ユポ。 ☞sa サ 1、 saha サハ、 yúpo ユポ。 {E: an older sister; an affectionate term for a young girl.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sasnatara
サㇱナタラ 【自動】[sas-natara (擬音の語根)・(状態が続いていることを表す接尾辞)]サアーッサアーッと音がする(帯を締めるときの、 着物と帯がすれる音)。 {E: the rustling sound of…(usually when one puts on an obi (sash for a kimono)).} (出典:田村、方言:沙流)
sasunitara
サスニタラ 【自動】[sasun-itara (擬音)・(状態が続いていることを表す接尾辞)]サラサラと音がする(歩くときのきぬずれの音)。 {E: the rustling sound of clothing worn when one is walking.} (出典:田村、方言:沙流)
Satamo
サタモ 【名】[人名] サダモ(話者の一人の名。 日本語名平賀サダ。 沙流川下流の福満出身の女性)。 {E: personal name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
saykur
サイクㇽ 【名】[say-kur 輪になったもの/群・影](ウポポと呼ばれる輪唱歌の中で)まわりをとり囲んでいる者。 hunpepa wa ku=tukan/tuyma saykur saykuste/tarapso ka tareciw フンペパ ワ クトゥカン/トゥイマ サイクㇽ サイクㇱテ/タラㇷ゚ソ カ タレチウ [雅]クジラの頭から殺していけ/遠くから来た大勢の者に囲まれている/眠っているうちにやられるぞ。(Sほかウポポ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sekoskosne
セコㇱコㇱネ 【自動】[se-kos-kos-ne (?)・(軽いものを表す語根)・(重複)・のようである][sekosne セコㇱネ《意外に軽い》の強調]「かるっこーい」=とても軽い。 poro ápekor an sikehe ne korka sekoskosne ポロ アペコラン シケヘ ネ コㇿカ セコㇱコㇱネ かさばかり大きいみたいな荷物だが「かるっこーい」(=とても軽い) (S) sekoskosne, ne poro pakno an kuni hekaci he? セコㇱコㇱネ、 ソネ ポロ パㇰノ アン クニ ヘカチ ヘ? 軽いなあ、 本当に大きくなるまで生きている子どもか(寿命のないものではなかろうか)。(S) {E: to be very light (not heavy).} (出典:田村、方言:沙流)
semkoraci
セㇺコラチ 【後副】[雅]…のように、 …するように。 tónon sukus/cieomare/semkoraci/cási upsor/enipekoma トノン スクㇱ/チエオマレ/セㇺコラチ/チャシウㇷ゚ソㇿ/エニペコマ [雅]まるで昼の光に照らされているかのように城の中は光り輝いていた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sempir(i) ye
センピㇼ/センピリ イェ 【連他動】[その陰・を言う]その人のいない所でその人のことを言う、 その人のうわさをする。 kim ta a=nukár wa nispa sempir ye rok nispa utar キㇺ タ アヌカㇻ ワ ニㇱパ センピㇼ イェ ロㇰ ニㇱパ ウタㇻ 山で見かけて長者のうわさをしていたその長者方が。(NK民話) ☆参考 かげ口(悪口)を言うことではない。 {E: to speak about someone behind his/her back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sermak
セㇾマㇰ 【位名】[概](所は sermaka セㇾマカ)[ser-mak (?)・の奥] ①(位置名詞として) …の背後(空間的位置関係だけでなく、 霊的概念としても用いられる)。 kotan sermak enupur kamuy コタン セㇾマㇰ エヌプㇽ カムイ 村の背後を守る神。 ②(普通名詞として) …の背後にあるもの、 …の守り神。 {E: ① behind… ② something behind…; a protective god of…} (出典:田村、方言:沙流)
sések
セセㇰ 【自動】①(ものが)熱い、 熱くなる、 温い、 温まる、 沸(わ)く。 sések sayo セセㇰ サヨ 熱いおかゆ。 sések kaspa wa ku=ku ka eaykap セセㇰ カㇱパ ワ クク カ エアイカㇷ゚ 熱すぎて(私は)飲めない。(S) tonpuri sések na ahupan トンプリ セセㇰ ナ アフパン おふろがわいたから入りなさい(ahupan アフパン は ahup yan アフㇷ゚ ヤン が続けて発音された形)。(W) úsey tane sések ウセイ タネ セセㇰ お湯がもうわいた。 ②(冷たいほうがよいものが)なまぬるい。 wakka keseke sések, kéra wen ワッカ ケセケ セセㇰ、 ケラ ウェン 水の飲み残しはなまぬるくて味が悪い。(S) ③(人が)暑い(暑く感じる)。 ku=sesek koyaywennukar クセセㇰ コヤイウェンヌカㇻ 私は暑くて苦しい。(W) ku=sesek humi! クセセㇰ フミ! 暑いなあ! ☆参考 天候に関して気温が高く暑いことを言うのには、 sir-sések シㇼセセㇰ [完動]が用いられる。 ☆参考 焼けつくようなひどい暑さを言う。 日本語東京方言等で「暑い」と言うような場合でもほどほどの暑さであれば popke ポㇷ゚ケ [自動]/sir-popke シㇼポㇷ゚ケ [完動] が使われる。 ☆参考 nam ナㇺ ぬるい、 冷たい。 meman メマン 涼しい。 mérayke メライケ 寒い。 {E: ① (for things) to be hot; warm; boiled. ② (for someone) to be, feel hot.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
seta
セタ 【名】[動物] 犬。 pinne seta ピンネ セタ 雄犬。 pon seta ポン セタ/ポイ セタ 小犬/子犬。 húre seta フレ セタ 赤犬=茶色い犬。 retar seta ukoykire p レタㇻ セタ ウコイキレㇷ゚ 白い犬をけんかさせるもの。(S会話)(なぞなぞで答えは mimaki ミマキ 歯。) seta ahun wa apausta a=perpa aan セタ アフン マ アパウㇱタ アペㇾパ アアン [比喩] 犬が入って戸がこわされたな=前歯が欠けている(「歯欠けの人を見てなぞかけてひやかしている」)。(W) seta sani セタ サニ 犬の子、 犬の子孫(ののしりの表現)。(W) a=eósoma ruwe íne/seta e wa isam/ne seta ine/a=rayke wa isam アエオソマ ルウェ イネ/セタ エ ワ イサㇺ/ネ セタ イネ/アライケ ワ イサㇺ うんちに出したのはどうなった、 犬が食べてしまった、 その犬はどうなった、 殺されてしまった。(KK掛け合い歌) ☆参考 犬は身近な動物で口承文学にもよく登場するが神としては出てこない。 用例にもあるようにいやしい役回りで出てきたり、 ののしりに使われたりする。 {E: a dog.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
setak
セタㇰ 【自動/副】ほんの短い間、 短時間、 すぐ。 somo setak ソモ セタㇰ だいぶ長い間。 tane anakne oro wa somo setak oka=an a p タネ アナㇰネ オロ ワ ソモ セタㇰ オカアナㇷ゚ もうあれからだいぶ長くたったが。(W民話) ☆参考 semsetakno セㇺセタㇰノ [雅] だいぶ長い間。 {E: a short time; soon; at once.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
setakko
セタッコ 【副】[setak-ko ほんの短い間・(反語的意味の副詞を形成する接尾辞)]ずいぶん長い間。 setakko soy ta e=an hi ka k=éramiskari セタッコ ソイ タ エアニ カ ケラミㇱカリ ずいぶん長い間あなたが外にいたとは私は知らなかった。(S) yonpa wa ora setakko síran pe na ape us ka somo ki ソヨンパ ワ オラ セタッコ シラン ペ ナ アペ ウㇱ カ ソモ キ 外出してからずいぶん長くたったのにまだ火が消えていない。(S) {E: for quite a long time.} (出典:田村、方言:沙流)
seututke
セウトゥッケ 【自動】(大人が)泣きじゃくる(「泣きじゃっくりする」)。(S) ☆参考 子どもが泣きじゃくることは cismasa チㇱマサ。 {E: to sob.} (出典:田村、方言:沙流)
seyar
セヤㇻ 【他動】[不定使役][se-yar …を背負う・人に…させる/してもらう] …を人に背負わせてやる=人に持たせてやる、 人に持って行ってもらう。 ☆参考 昔はものを運ぶのに背負って運んだので、 かなりの量や重さの場合は、 手に下げて運ばせる場合でもこのように表現する。 {E: to make someone carry…on their backs.} (出典:田村、方言:沙流)
seyka
セイカ 【他動】塩煮する(塩味だけで煮る)。 a=seyka cep アセイカ チェㇷ゚ 干し魚を塩でさっと煮たもの。 ☆参考 「食べるときはつゆからあげて食べる。」 (S) {E: to boil something in salty water.} (出典:田村、方言:沙流)
si 1
シ 【名】①糞、 大便、 ウンチ。 poro si taktak ポロ シ タㇰタㇰ 大きなウンチのかたまり。(HC神謡) seta si セタ シ 犬の糞。 ②(ののしりや憎まれ口に使われて) si e wa an シ エ ワ アン ウンチを食べていろ(「くそくらえ」)=だまれ(ののしりの表現)。 si emastek シ エマㇱテㇰ 糞を口いっぱいほおばっていろ(「くそくらえ」)=余計なことを言うな(自分の子など、 親しい人に言う)。(S) asikne sí-o-ontaro アシㇰネ シオオンタロ [五つの・糞・入った・桶/樽][隠] 五つの肥桶(こえおけ)(イチタロウという名の人について憎まれ口をきくときに使われた呼び名。 「五つ」は「イチチ」と発音されるので、 その「イチ」とオンタロの「タロ」と合わせて「イチタロ」なのだが、 憎まれ口のため、 ただの ontaro オンタロ でなく、 sí-o シオ《糞の入った…》をつけている。 ☆参考 大便をすることは osoma オソマ。 しかし場合によって大便(糞)そのもののことをも osoma オソマ と言うこともある。 {E: excrement; faeces.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sik 1
シㇰ 【自動】満ちる、 いっぱいになる、 満ちている、 いっぱいである。 ku=honi sik クホニ シㇰ 私はおなかがいっぱい(満腹)だ。 toanpe sik somo ki, ponno eohap ne wa トアンペ シㇰ ソモ キ、 ポンノ エオハㇷ゚ ネ ワ [比喩]あいついっぱいでない、 少し足りないんだ(「うすばかだ」)(悪口)。(S)(名詞の後に置かれて) …sik no …シㇰ ノ …いっぱいに。 itanki sik no wakka omare イタンキ シㇰ ノ ワッカ オマレ おわん/茶碗/ゆのみ/コップにいっぱいに水を入れなさい。(S) {E: to be full.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sika
シカ 【後副】[si-ka 自分・の上](?) [雅](次の文脈で)…にのって。 hopuni kamuy maw/kamuy maw sika/kamuy kosonte/cisanasapte ホプニ カムイ マウ/カムイ マウ シカ/カムイ コソンテ/チサナサㇷ゚テ [雅]立ちのぼる神風にのって立派な小袖が出てきた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikatkore
シカッコレ 【他動】[si-kat-kor-e 自分・あり方・を持つ・させる](悪いものが)…を誘惑する(?)/連れ出す(?)。 hunak un sikatkore wa tura ruwe an un? フナクン シカッコレ ワ トゥラ ルウェ アヌン? (あの悪い子がうちの子を)どこへまた引っぱり出して行ったろう。(S) ☆参考 siren シレン …を誘う。 tura トゥラ …と一緒に行く/来る。 {E: (for a bad person) to lure away.} (出典:田村、方言:沙流)
sikehe
シケヘ 【名】[所](概は sike シケ) …の荷物、 …の背負い荷、 彼/彼女の荷物/背負い荷。 tup rep a=etáypa híne a=sikéhe a=kar トゥㇷ゚ レㇷ゚ アエタイパ ヒネ アシケヘ アカㇻ 私は(その昆布を)二、 三本引き抜いて背負い荷をつくった。(W民話) oharkisoun a=sikéhe a=anú híne オハㇻキソウン アシケヘ アアヌ ヒネ 私は左座(=訪問者の席)に私の荷物を置いて。(W民話) {E: a load of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siketoknawa(no)
シケトㇰナワ/シケトㇰナワノ 【副】[sik-etok-na-wa(no) 目・の先・の方・から](次の慣用表現の中で) siketoknawa(no) eramiskari シケトㇰナワ/シケトゥナワノ エラミㇱカリ 一度も見たことがない、 全然見知らない。 siketoknawa a=erámiskari okkaypo sinep soy ta ek na シケトㇰナワ アエラミㇱカリ オッカイポ シネㇷ゚ ソイ タ エㇰ ナ 全然見たことのない若い男が一人門口に来ていますよ。(W言い伝え) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siki(hi) 2
シキ(ヒ) 【名】[所](概は sik シㇰ)…の目。 siki(hi) poro シキ(ヒ) ポロ 目が大きい。 siki hetke ápekor an シキ ヘッケ アペコㇿ アン 目が飛び出すみたいだ。 siki unukar シキ ウヌカㇻ 寄り目だ(目が真ん中へ寄っている)。(S) siki-yupupu シキユププ ☞sikiyupupu シキユププ sikihi iyo シキヒ イヨ 目にごみか何か入る。 ku=siki iyo クシキ イヨ 私の目に何か入った。(S) sikihi karikari シキヒ カリカリ キョロキョロする。 sikihi karikari somo ki シキヒ カリカリ ソモ キ キョロキョロしない(目元が落ち着いている)。(S) a=sikíhi makkosanpa アシキヒ マッコサンパ 急に私の目が見えるようになった。(W民話) sikihi nokan kusu oka ekasi ka an húci ka an シキヒ ノカン クス オカ エカシ カ アン フチ カ アン とても目の小さいおじいさんとおばあさんがいた。(S民話) {E: the eyes of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikittare
シキッタレ 【自動】[si-kittare 自分を・(?)] 自分の身を守る。 saksamawe tura a=ecákke p isokapiw ne awa, sikittare kusu apa or ta punkinere ruwe an wa サㇰサマウェ トゥラ アエチャッケㇷ゚ イソカピウ ネ アワ、 シキッタレ クス アパ オッタ プンキネレ ルウェ アン ワ 臭くてきたなくておれの大きらいなアホウドリを、 自分の身を守るために戸口のところに置いて番をさせやがって。(HK民話) ☆参考 sikikkare シキッカレ と同義か。 ☞kik(i) kar キㇰ/キキ カㇻ {E: to protect oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikkew
シッケウ 【名】(ものの)角(かど)、 隅(外側も内側も)。 sintoko sikkew tomo k=osma シントコ シッケウ トモ コㇱマ 私は櫃(大きい入れ物)の角にぶつかった。 cise sikkew チセ シッケウ 部屋の隅。 ☆参考 sikkew シッケウ は角(かど)。 部屋の端の方は sowsut ソウスッ。 {E: a, the corner.} (出典:田村、方言:沙流)
sikmokte
シㇰモㇰテ 【他動】[< sik-mok-te 目・えさで釣る(?)・させる] ちょっと目につく/目に入る。 imok sikmokte ka somo ki イモㇰ シㇰモㇰテ カ ソモ キ えさが目につかない/目に入らない。 ku=sikmokte wa k=e rusuy クシㇰモㇰテ ワ ケ ルスイ 私は(それが)ちょっと目について/目に入って食べたかった。(S) {E: for…to come into view, catch one's eye.} (出典:田村、方言:沙流)
siknu p
シㇰヌ ㇷ゚ 【名】[siknu-p 生きる・もの] 生きているもの。 ☆参考 「生きもの」の訳語として出た。 しかし動物(けもの)は cikoykip チコイキㇷ゚ と言い、 それぞれの動物に名前がある。 けもの・鳥・魚・虫等々を総称する一語はない。 ☞siknu シㇰヌ {E: something that is alive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siknumi(hi)
シㇰヌミ(ヒ) 【名】[所](概は siknum シㇰヌㇺ)…の目玉。 siknumi soyta hetke anki an シㇰヌミ ソイタ ヘッケ アンキ アン (あの人は)目玉が外へ今にも飛び出しそうだ。 siknumi pirka, inkar siri pirka シㇰヌミ ピㇼカ、 インカㇻ シリ ピㇼカ 目がパッチリしていて目つきも利口そうだ。(S) {E: the eyeballs of….} (出典:田村、方言:沙流)
síko
シコ 【自動】[sik-o 目・がつく] ①目が開く、 目が見えるようになる(=sik o シㇰ オ)。 ②(比喩的に)成長してものごとがわかるようになる。 ☆参考 síko シコ が生まれることを言うのに使われた例は未出。 生まれることは最も普通には an アン と言う。 〔知分類 人間 p.81 siko シコ うまれる((ホロベツ))[雅]〕 {E: to open the eyes so as to see; regain sight.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikore 1
シコレ 【自動(?)/他動(?)】[si-kore 自分・を…に与える] 来てくれとも言われないのに居候みたいに自分でそこにいる。(S) ☆参考 語形から見れば他動詞。 {E: for someone to stay uninvited and contribute nothing.} (出典:田村、方言:沙流)
sikurkasam eopirasa
シクㇽカサㇺ エオピラサ 【他動】[sí-kurka-sam e-o-pirasa 自分・の上一面・(< …のそば)・で・に・…を広げる][雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/a=sikúrkasam/eopirasa カムイ コソンテ/アシクㇽカサㇺ/エオピラサ [雅]立派な小袖を私は自分の体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ) ☆参考 同じユーカラを語っている別の箇所で a=eyáykurkasam/pirasa kane アエヤイクㇽカサㇺ/ピラサ カネ とも言っている。 ☞eyaykurkasam エヤイクㇽカサㇺ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikurkasam opirasa
シクㇽカサㇺ オピラサ 【他動】[si-kurka-sam o-pirasa 自分・の上一面・(< …のそば)・そこに・広げる][雅](小袖)を自分の体に合わせて広げる。 kamuy kosonte/sikurkasam/opirasa カムイ コソンテ/シクㇽカサㇺ/オピラサ [雅](姉は)立派な小袖を体に合わせて広げてみた。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sine
シネ 【連体】一つ(一個/一本/一枚/一頭/一匹)の、 一人の。 sine sike シネ シケ 一個の荷物。 sine poyson シネ ポイソン 一人の子ども。 sine cup シネ チュㇷ゚ 一カ月。 sine to シネ ト 一日。 sine pa シネ パ 一年。 sine matnepoho シネ マッネポホ …の一人娘。 sine-an-pa-ta シネアンパタ ある年。 sine-an-pe-ta シネアンペタ あるとき。 sine-an-to-ta シネアントタ ある日。 sine an ta シネ アン タ あるとき。 sine to ne シネ ト ネ 一日で。 sine to ne a=e wa isam ruwe? シネ ト ネ アエ ワ イサㇺ ルウェ? (私たち、 あれを)一日で食べてしまったの? (S) “sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an?” “a=sikíhi un” 「シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン?」「アシキヒ ウン」 「一つの尾根を両方から一緒に持っていて互いに会ったことのないものはなあに?」「(私たちみんなの)目よ」(なぞなぞ)。 (S-W会話) {E: one as a counter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinen
シネン 【名】[数名][sine-n 一つの・人] 一人。 sinen ne wa シネン ネ ワ 一人で。 sinen ku=ne wa k=ek シネン クネ ワ ケㇰ 私はたった一人で来た。 sinen e=ne wa e=ek ruwe? シネン エネ ワ エエㇰ ルウェ? (あなたは)たった一人で来たのかい。 {E: alone; one person only.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinepesan
シネペサン 【連体】[sine-p-e-san 一つの・もの・で・出る](?) [sine-pes-an 一つの・沿って下へ・ある](?) 九つの、 九個/九人/九匹…の。 sinepesan sike シネペサン シケ 九個の荷物。 sinepesan poyson シネペサン ポイソン 九人の子ども。 {E: the number nine as a counter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sini
シニ 【自動】休む、 休憩/休止する、 何もしないでいる、 訪問先の家に入ってしばらくの時をすごす、 (バスが)止まる、 寝床に入る、 (ごく年寄りが)亡くなる。 ponno sini=an ro ポンノ シニアン ロ 少し休もう。(S) e=sinki ciki ponno sini エシンキ チキ ポンノ シニ 疲れたのなら少し休みなさい。(S) ahun wa sini! アフン マ シニ! 入って休みなさい(=どうぞお入り下さい)(一人に)。 ahup wa sini yan! アフㇷ゚ ワ シニ ヤン! 入って休みなさい(=どうぞお入り下さい)(二人以上に)。 sinep anak somo sini no arpa wa isam シネㇷ゚ アナㇰ ソモ シニ ノ アㇻパ ワ イサㇺ(二台来たバスのうち)一台は止まらないで行ってしまった。(W) {E: to rest; take leave.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
síno 1
シノ 【副】[si-no 主要/本当である・(副詞形成)] まことに、 本当に、 たいそう、 非常に。 síno méan シノ メアン まことに/たいそう寒い。(S) tanike akkari tanike síno pirka タニケ アッカリ タニケ シノ ピㇼカ これよりこっちの方が本当にいい(=ずっといい)。(S) ☆参考 sonno ソンノ 本当に(うそでなく真実に)。 earkinne エアㇻキンネ とっても、 ものすごく、 非常に。 síno シノ は、 程度が最高であるという意味で、 「本当に」とも「たいそう」とも訳せるが、 「うそではなく」という意味ではない。 また、 earkinne エアㇻキンネ が非常に口語的なくだけた言い方なのに対して síno シノ はきちんとした上品な言い方で、 年配の人が礼儀正しく話すときなどによく用いられる。 {E: really; truly; very much.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
síno 2
シノ 【連体】真の、 まことの。 síno katkemat シノ カッケマッ まことの奥様(=本当に立派な/尊い奥様)。 sonno ukor síno ukor ソンノ ウコㇿ シノ ウコㇿ 本当の結婚まことの結婚(将来死んで天国に行ってはじめて本当に完全な夫婦になれると、 神が地上に残す夫または妻に言うときの言葉)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinokorhumpe
シノコㇿフンペ §296 くじら(クジラ (6) sinokor-humpe (si-no-kor-hum-pe)「シノコㇿフンペ」[
sinotca
シノッチャ 【名】[sinot-sa 遊ぶ・ふし] 歌(ふしをつけて歌うもの)、 歌のふし(メロディー)。 sinotca ye シノッチャ イェ 歌を歌う。 yúkar sinotca ku=koki té wano ki kusu ne ユカラ シノッチャ クコキ テ ワノ キ クス ネ (いまふしをつけないで語ったユーカラを)ユーカラのふしをつけて今からやります。(S独話) ☆参考 sáke(he) サケ(ヘ)《(歌の)ふし》はその歌または歌い手が持っている歌い方で、 折り返しだけを指すこともある。 sinotca シノッチャ は音楽(曲)としての歌、 歌声、 メロディー。 {E: a song; the melody of a song.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinotcaki
シノッチャキ 【自動】[sinotca-ki 歌・をする] 歌を歌う。 {E: to sing a song.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinrit 2
シンリッ 【名】[概](所は sinrici(hi) シンリチ(ヒ))[sir-rit 地・すじ] ①先祖。 sinrit koycarpa シンリッ コイチャㇻパ 先祖を供養する。 ②一族(先祖も、 子孫も含めて家全体)。 yaykata anak nep ka ku=kar somo ki yakka kú=ipe easkay korka sinrit ku=ramu wa nen póka kú=ikasuy siri un ヤイカタ アナㇰ ネㇷ゚ カ クカㇻ ソモ キ ヤッカ クイペ エアㇱカイ コㇿカ シンリッ クラム ワ ネン ポカ クイカスイ シリ ウン 自分は(私自身は)何もしないでも食べられるけれど一族を思って何とか手助け(=協力)しているのだよ。(S) {E: one's family clan, ancestors.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinta
シンタ 【名】空中の乗り物、 揺籃(赤ん坊を寝かすゆり板)。 poyson cis na sinta suye ポイソン チㇱ ナ シンタ スイェ 赤ん坊が泣いてるからゆり板をゆらしなさい。(S) iresu sinta イレス シンタ [子育てする・シンタ]揺籃、 ゆりかご、 赤ん坊を寝かすゆり板。 kamuy sinta カムイ シンタ [神・シンタ]神が乗って空を飛ぶ舟のような乗り物。 ☆参考 昔、 ゆりかご(ゆり板)は木でつくられ、 そりのような形をしており、 その上にぼろ布などがしかれ、 四すみに綱をつけて天井の梁(はり)から吊って下げられていた。 ぼろにくるまれた赤ん坊がその上に寝かされ、 落ちないようにしばってある。 針仕事などをしている母親が、 赤ん坊が泣くと、 このゆり板をゆらして子守歌を歌ったものだという。 子守歌の中で iresu sinta イレス シンタ と言っているのがそれである。 これを普段しゃべるときは通常ただ sinta シンタ と表現する。 子守歌ではこれを神のシンタになぞらえて kamuy sinta カムイ シンタ《神のシンタ》が下りて来たと表現することもある。 {E: a baby's cradle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinuma
シヌマ 【代名】[三人称単数] 彼/彼女、 彼自身。 sinuma yaykata ye p ora e=ka omare シヌマ ヤイカタ イェㇷ゚ オラ エカ オマレ 彼自身が自分で言ったことなのにそれを(彼は)あなたが言ったことにする。(S) ☆参考 日本語の「彼」「彼女」のように頻繁には使わない。 だれのことを言っているのかを知らせる必要がある場合はその人を表す語(たとえば「うちの息子」とか「村おさの奥さん」とかを表す名詞/名詞句)を使って言う。 一方、 言わなくても相手にわかる場合は言わないのが普通である。 三人称代名詞が使われるのは主に、 第三者に知られたくない等で、 その人を表す名詞/名詞句(名前とか「この人」など)の使用を避ける場合と、 「その人自身」を強調的に表す場合である。 {E: third person sg. pronoun.} (出典:田村、方言:沙流)
sir- 3
シㇼ 【名詞語根】①地、 あたり、 その辺の様子。 sir-ouri シㇼオウリ 地面を掘る。 sir-sep シㇼセㇷ゚ 場所が広い。 sir-pirka シㇼピㇼカ 天気がよい。 ②(季節や時を表す特定の数語に接頭して) …になる。 sir-mata シㇼマタ 冬になる。 ☆参考 自動詞や名詞に接頭して完全動詞をつくることも多い。 ☆参考 t, c の前では通常 sit- シッ、 n, r の前では通常 sin- シン と発音される。 本辞典では、 ハイフンの前では sir と書き、 ハイフンがなく続けて書くときは発音どおりに sit, sin と書く。 {E: ① a hilly, mountainous area, locality. ② to become…(in reference to the seasons or time) } (出典:田村、方言:沙流)
sir-citurimeta
シッチトゥリメタ 【完動】[名+他動中相][sir-ci-turim-eta あたり・…される・(爆音の擬音)・(他動詞形成)]バリバリバリバリドンドンダンダンと大砲のような大きな音がする。 réra wen híne apu perke hum apu yaske hum sir-citurimeta híne ekimatekpa kus kira wa yap レラ ウェン ヒネ アプ ペㇾケ フㇺ アプ ヤㇱケ フㇺ シッチトゥリメタ ヒネ エキマテㇰパ クㇱ キラ ワ ヤㇷ゚ 風が悪くて流氷が割れる音、 流氷が裂ける音がバリバリバリバリドンドンダンダンと大砲の音のように響いて、 みんなびっくりしたので逃げて帰って来た。(S) ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for something to make a booming cannon-like sound.} (出典:田村、方言:沙流)
sir-eramuykatcaus
シㇼエラムイカッチャウㇱ/シレラムイカッチャウㇱ 【自動】[sir-eramuykatcaus あたり・が気に食わない] そのあたりがなんとなく気に食わない、 そこにいるのがいやだ。 {E: to be uninterested in, dislike something.} (出典:田村、方言:沙流)
sir-hanke
シㇼハンケ 【完動/自動】[sir-hanke 地・近い] ①[完動]近い、 近くである、 時間が近づく。 tókap or un sir-hanke トカㇷ゚ オルン シㇼハンケ お昼に近づいた。(S) ②[自動]近い。 nitan kur anak na cup ri híne sirepa no a=kotánu kucacise or wa sir-hanke p ne ニタン クㇽ アナㇰ ナ チュㇷ゚ リ ヒネ シレパ ノ アコタヌ クチャチセ オㇿ ワ シㇼハンケㇷ゚ ネ 足の速い人ならまだ日が高いうちに行き着くくらいに私の村は狩小屋から近いのです。 NH民話 {E: ① for something to be near, close. ② to be near; close.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-hutne
シㇼフッネ 【完動】[sir-hutne あたり・せまい] 場所が(家や部屋など)せまい、 せま苦しい。 tan cise or ta sir-hutne タン チセ オッタ シㇼフッネ この家はせまい。(S) {E: for something somewhere to be small; confined; narrow.} (出典:田村、方言:沙流)
sir-kikkik
シㇼキッキㇰ 【自動】[sir-kikkik あたり・をたたく(重複)] あたりをトントン/バンバンたたく、 ノックする、 来訪を知らせるために出入口のそばのものをトントンたたいて物音をさせる。 soy ta arpa=án híne, sir-kikkik, sir-kerkeri=an kor án=an akusu ソイ タ アㇻパアン ヒネ、 シㇼキッキㇰ、 シㇼケㇾケリアン コㇿ アナン アクス 私は玄関の前まで行って、 そのへんをたたいたり、 そのへんのカヤなどをひっかいたりしていると。(KH民話) sir-kikkik=an, nep soyne ru ka isam シㇼキッキㇰアン、 ネㇷ゚ ソイネ ル カ イサㇺ ノックしてみたがだれも出てこない。(S) ☞kikkik キッキㇰ、 sirkerkeri シㇼケㇾケリ {E: to knock (on a door).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-sep
シㇼセㇷ゚ 【完動】[sir-sep あたり・広い] 場所が広い、 広々している、 幅が広い。 sir-sep uske ta sinenne k=apkas ka kú=isitoma シㇼセㇷ゚ ウㇱケ タ シネンネ カㇷ゚カㇱ カ クイシトマ 広いところを一人で歩くのは恐ろしい。(S) {E: for somewhere, something to be wide, expansive.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-uskosanpa
シㇼウㇱコサンパ 【完動】[sir-us-kosanpa あたりの様子・消える・突然…する](あたりの様子が)パッと消える。 ☆参考 -kosanpa -コサンパ は複数形の形だが、 沙流川下流のワテケさん、 サダモさんの言葉では、 単複の区別なくこの形が用いられる。 ☞sir-uskosanu シㇼウㇱコサヌ {E: for something to disappear, go out suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-uskosanu
シㇼウㇱコサヌ 【完動】[単](複は sir-uskosanpa シㇼウㇱコサンパ)[sir-us-kosanu あたりの様子・消える・突然…する](あたりの様子が)パッと消える、 (火がパッと消えて)まっ暗になる。 {E: for something to disappear, go out suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-yasrototke
シㇼヤㇱロトッケ 【完動】[sir-yas-rotot-ke あたり・(裂ける擬音の語根)・(音の連続を表す接尾辞)・(自動詞形成)] バリバリバリと/ビリビリビリと(何か裂けるような)音がしている。 {E: the sound of something tearing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
síran
シラン 【完動】[sir-an あたり/様子・ある] ①(…で)ある、 状況が(そう)なっている。 maratto an kor síran マラット アン コㇿ シラン 酒宴が行われていた。(W言い伝え) i=etok un aynu sinotcaki haw as kor síran イイェトㇰ ウン アイヌ シノッチャキ ハウ アㇱ コㇿ シラン 私の行く手にアイヌが歌う声がしていた。(S民話) uunukor utar oka híne síran ウウヌコㇿ ウタㇻ オカ ヒネ シラン 母と子が住んでいた。(W民話) a=erámasu no síran pe ne kusu アエラマス ノ シラン ペ ネ クス おもしろいような状態になっているので。(S会話) ene an tennep an hike a=i=núkare póka somo ki no síran hi an エネ アン テンネㇷ゚ アン イケ アイヌカレ ポカ ソモ キノ シラニ アン このような赤ちゃんがいたのにいままで私に見せてもくれなかったんだなあ。(W民話) ②時がたつ。 yonpa wa ora setakko síran pe ソヨンパ ワ オラ セタッコ シラン ペ 外出してからずいぶん長くたったのに。(S) iruka síran kor イルカ シラン コㇿ 少したつと。(NK民話) tu to re to hancikiki/síran ki kor トゥ ト レ ト ハンチキキ/シラン キ コㇿ 二、 三日たつと。(HC神謡) ☆参考 民話の冒頭で三人称の登場人物を紹介をするときには、 主語を特定しないこの完全動詞形が用いられる。 ①の最後の例では、 そのあとすぐに主人公の自叙となり、 sine po kor unarpe a=ne híne án=an シネ ポ コㇿ ウナㇻペ アネ ヒネ アナン 私は一人の息子を持つ中年の女性でした、 と、 引用文中の自称(すなわち不定人称形)になっている。 {E: ① circumstances, refers to space and time (B.). ② to take time; for time to pass.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirar 1
シラㇻ 【名】岩、 大きな石(石垣にするような)、 海辺の岩、 コンクリート。 híne suy sirar ka un néa saro terke tek híne ヒネ スイ シラㇻ カ ウン ネア サロ テㇾケ テㇰ ヒネ そしてまた磯岩の上へその猿はピョンととびのって。(S民話) soy ta sirar kar kor oka ソイ タ シラㇻ カㇻ コロカ 外で「コンクリ」(=コンクリート)をつくっている(「岩みたいな形になるから」)。(W) {E: a (large) rock.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siren
シレン 【他動】…を一緒に行こうとさそう。 ene monasap ruwe an pe a=sirén yakka somo i=tura nankor kusu tun a=ne wa pay=an エネ モナサㇷ゚ ルウェ アン ペ アシレン ヤッカ ソモ イトゥラ ナンコㇿ クス トゥナネ ワ パヤン (あの人は)あんなにいそがしいんだからさそっても行かないでしょうから私たち二人だけで行きましょう(pay=an パヤン=paye=an パイェアン)。(S) X siren wa arpa wa nasi eikkapa wa ora a=kisma wa a=kikkik ruwe ne yak a=ye wa X k=éasiskar pe un うちの子はXにさそわれて行って二人でナシを盗んでつかまってたたかれたそうで私はXをうらんでいるのよ。(S) a=yuputari ikaanun nen ka haweoka híne menokopoutar inani ka siren na tura na sekor ramuan=an アユプタリ イカアヌン ネン カ ハウェオカ ヒネ メノコポウタㇻ イナニ カ シレン ナ トゥラ ナ セコㇿ ラムアナン 兄さんたちがもしかして何とか言って娘さんたちのだれか一人をさそわないかな連れて行かないかなと私は思った。(NK民話) {E: to invite, tempt…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
Sirkometu
シㇼコメトゥ 【名】[人名] シリコメトウ(伝説上の豪雄である厚岸のカスンテの兄:児島記述)。 {E: personal name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirunno
シルンノ 【副】[sir-un-no 地・にいる・(副詞形成)] まさか(…しない)、 とんでもない(感情を込めて強く否定する)。 (否定の表現の前で使われて) まさか(…しない)。 sirunno ikoytupa kaspa ka somo ki シルンノ イコイトゥパ カㇱパ カ ソモ キ まさかあまり難儀しても(=困っても)いない。(S) sirunno okuyma ruwe ka somo ne nankor シルンノ オクイマ ルウェ カ ソモ ネ ナンコㇿ まさかオシッコしたのじゃないだろう。(S) sirunno maskin シルンノ マㇱキン まさか(…しない)。 {E: Oh no!; You're kidding!; Of course not!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirussiri
シルッシリ 【名】[< sirus-cir (?)・鳥](?) [動物]図鑑によればアオゲラ(キツツキの一種)。(S) ☆参考 sirusir シルㇱチㇼ とは言わない。 sirussiri シルッシリ という形であることは後に再確認済み。 ☆参考 アカゲラは esoksoki エソㇰソキ、 クマゲラは ciptacir チㇷ゚タチㇼ。 〔知分類 p.193 sirus-c&ir ((ホロベツ))、 p.194 sisus-cir ((シズナイ;ウラカワ))ヤマゲラ; おおげら(方言)〕 {E: a type of woodpecker (bird).} (出典:田村、方言:沙流)
sisakpeka-opas
シサㇰペカオパㇱ 【自動】[sisak-pe-kaopas めずらしい・もの・のところへかけつける] めずらしいものがとれたというので手伝いに行く。 sirkap a=rayke yak a=ye wa ku=sisakpekaopas, somo eani hem e=san wa e=inkar? シㇼカㇷ゚ アライケ ヤカイェ ワ クシサㇰペカオパㇱ、 ソモ エアニ ヘㇺ エサン マ エインカㇻ? ツノザメがとれたと言うので(私は)行って手伝ってあげるのよ、 あなたも行ってみない? (S) ☞ka(si) opas カ(シ) オパㇱ {E: to go help as one heard something rare was caught; to go help with something unusual that has been caught.} (出典:田村、方言:沙流)
sisanonkar
シサノンカㇻ 【自動】[si-sa-nonkar 自分・の前・の様子を見る]様子を見に行く。 {E: to go and look at something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sisanonkare
シサノンカレ 【他動】[自動使役][sisanonkar-e 様子を見に行く・させる](人)に様子を見に行かせる。 {E: to make, let someone go and look at something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sisuye
シスイェ 【自動】[si-suye 自分・をゆらす] ①ゆれる。 somo sisuye ya? ソモ シスイェ ヤ? (私が作業していてもあなたの机は)ゆれませんか。(W) ②ブランコする。 {E: to shake; swing; sway.} (出典:田村、方言:沙流)
sitapkaomare
シタㇷ゚カオマレ 【他動】[si-tap-ka-omare 自分・肩・の上・…に…を置く] …を肩にもたせかける。 ☆参考 酔っぱらいを肩で支えるのも。 {E: to lean on someone's shoulder(s).} (出典:田村、方言:沙流)
situmasire
シトゥマシレ 【後副】[si-tumasi-re 自分・の中のいくつかをとる・させる]とびとびに(全部にでなく)。 aynu situmasire korar ora アイヌ シトゥマシレ コラㇻ オラ 皆にあげないでその中のあげる人にだけあげなさい。(S) ☆参考 他動詞の形だが、 動詞のままの用例は未出。 {E: sometimes; here and there.} (出典:田村、方言:沙流)
situmkanere
シトゥㇺカネレ 【自動】[si-tum-ka-ne-re 自分を・たくさんのものの中・の上・になる・させる] でしゃばる。 {E: to intrude; be meddlesome.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyamkire
シヤㇺキレ 【他動】[si-y-amkir-e 自分・(挿入音)・を見知る・させる](人)に自分を見知ってもらう。 {E: to make, have someone know, understand one.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyarikiki
シヤリキキ 【自動】[si-y-arikiki まことに・(挿入音)・よく働く] 本当にまめまめしくよく働く。 siyarikiki p ne a ruwe ne noyne, cisesoy pirka ruwe a=eráyap kor シヤリキキㇷ゚ ネ ア ルウェ ネ ノイネ、 チセソイ ピㇼカ ルウェ アエラヤㇷ゚ コㇿ (その女は)よほど働き者だったらしく、 家の外はとてもきれいになっているので私は感心しながら。(NK民話) {E: to be hardworking; diligent.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyeapamakayar
シイェアパマカヤㇻ 【自動】[si-y-e-apa-maka-yar 自分・(挿入音)・に・出入口・を開く・人にさせる] 人に戸を開けてもらう、 戸を開けてくれと言う。 siyeapamakayar haw as シイェアパマカヤㇻ ハウ アㇱ 戸をあけてくれと言う声がした。(S民話) {E: to have someone open a door.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyepekare
シイェペカレ 【他動】[si-y-e-peka-re 自分・(挿入音)・それで・…を受け取る・させる](?) (自分の願うことを人に頼むのに)…を頼りにして頼む。 páse kamuy a=siyépekare wa a=ye パセ カムイ アシイェペカレ ワ アイェ 尊い神を頼りにしてお願いする(この場合、 熊を殺して持って行き、 その熊の神を頼りにして相手の娘との結婚話をすることを言っている)。 {E: to ask someone for something; ask someone to do something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyerampokiwente
シイェランポキウェンテ 【他動】[si-y-erampokiwen-te 自分・(挿入音)・を憐れむ・させる] …に憐れみを乞う。 {E: to feel sorry, pity for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyeyomneyar
シイェヨㇺネヤㇻ 【自動】[si-y-eyomne-yar 自分・(挿入音)・…にこりる・人に…される] 人にこりられる。(S会話) {E: to learn a lesson from someone, something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyoromare
シヨロマレ 【他動】[si-y-or-oma-re 自分・(挿入音)・のところ・に入る・させる](他の人)を自分の家に入れる。 {E: to let someone enter one's house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyusacari
シユサチャリ 【自動】[si-y-usa-cari 自分・(挿入音)・バラバラに・…を散らす] 散らばる。 toop repun mosir wa cípo he ne ya nep o wa siyusacari p aynu ne wa トオㇷ゚ レプン モシㇼ ワ チポ ヘ ネ ヤ ネㇷ゚ オ ワ シユサチャリㇷ゚ アイヌ ネ ワ アイヌははるか海の向こうの島から舟に乗ってか何かに乗って来てあちこちに散らばったので。(S言い伝え) {E: to be scattered, disordered.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sukusyasa
スクㇱヤサ 【自動】[sukus-yasa 日ざし(が)・…を裂く]日に当たってすきまがあく。 ontaro sukusyasa wa oykus オンタロ スクㇱヤサ ワ オイクㇱ 桶が日に当たってすきまがあいたのでもる。(S) {E: for something to dry and crack in the sunlight.} (出典:田村、方言:沙流)
sunke
スンケ 【自動/名】①[自動]うそをつく、 うそを言う。 sunke ka eaykap スンケ カ エアイカㇷ゚ うそをつくことができない。(S会話) ②[名]うそ。 sunke ka somo ne, anpe ne wa スンケ カ ソモ ネ、 アンペ ネ ワ うそではない、 本当だよ。(S)sunke ne ya e=nukar yak pirka スンケ ネ ヤ エヌカㇻ ヤㇰ ピㇼカ うそかどうか(あなたは)見るがよい。(NK民話) sunke itak スンケ イタㇰ うその言葉、 でたらめ。 (注 [対] anpe アンペ) {E: ①to lie; tell lies. ②a lie.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sunkeruype
スンケルイペ 【名】[sunke-ruy-pe うそをつく・激しい・もの] でたらめばかり言って人を笑わせる人。 {E: a person who tells humorous lies.} (出典:田村、方言:沙流)
surku 2
スㇽク 【名】毒(昔はトリカブトの根の毒が用いられた)。 surku e スㇽク エ [毒・を食べる] 毒をのむ。 {E: poison (from the roots of a wolfsbane).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
suste
スㇱテ 【他動】[自動使役][sus-te 水浴び/入浴する・させる]…を水浴び/入浴させる。 nérok poyson utar tonpuri or un a=sustepa ネロㇰ ポイソン ウタㇻ トンプリ オルン アスㇱテパ その幼い子どもたちはおふろに入れられた。(W民話) (出典:田村、方言:沙流)
suye
スイェ 【他動】[suy-e (ゆらすことを表す語根)・(他動詞形成)] ①…をゆらす、 振る。 poyson cis na sinta suye ポイソン チㇱ ナ シンタ スイェ 赤ちゃんが泣いてるからゆりかごをゆらしなさい。(S) ② ramu suye ラム スイェ [連他][その心・をゆらす] …をなだめる(泣く子をあやすなどして)。 ☆参考 ものを振り動かすことには重複形 suyesuye スイェスイェ が使われる。 {E: to shake, swing, sway…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ta 1
タ 【他動】(生活にいるものを地面や地下から)取って来る、 …を掘る(採取する)。 cikuni ta チクニ タ まきにする木を集める、 たきぎにする木を拾う。 sat cikuni ta サッ チクニ タ 乾いた木を集める。 kaykuma ta カイクマ タ たきぎ(細い柴木)を採る。 wakka ta ワッカ タ 水を汲む。 emo ta エモ タ いもを掘る。 turep ta トゥレㇷ゚ タ ウバイロを掘る。 “taan pe ikemara somo ne?” “aː, sonno ka ikemara ne na, a=ta wa inkar=an” 「タアン ペ イケマラ ソモ ネ?」「アー、 ソンノ カ イケマラ ネ ナ、 アタ ワ インカラン」 「これイケマの葉じゃない?」「ああ、 ほんとにイケマの葉だよ、 掘ってみよう。」 (S) ☆参考 木や草の実を摘み取ることは kar カㇻ、 まきなどを切ることは tuye トゥイェ、 たくさん集めることは uwomare ウウォマレ、 土などを掘ることは ouri オウリ、 埋まっているものを掘り出すことは pusu プス。 {E: to gather, collect…; dig (up)…; bring, take out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
taa
タア 【副】ここに、 すぐそこに、 ほら(ta タ 3 の強調形)、 これ。 (空間的に近い所を言うほか、 話していることがらに近い所をもさす。) taa a=kotánu pánake ta タア アコタヌ パナケ タ すぐそこに私たちの村の下手に。 taa oro ta án=an tono or ta タア オロ タ アナン トノ オッタ ここに、 いま私が住んでいる和人の家に。(S民話) “k=oypepihi mukkane emo oma na” “íne?” “taa“ 「コイペピヒ ムッカネ エモ オマ ナ」「イネ?」「タア」 「私のおわんの中に切ってないイモが入ってるよ。」「どう=どれ?」「ほらここに=これよ。」 (S) taa, ek wa inkar, taan pe ikemara somo ne? タア、 エㇰ ワ インカㇻ、 タアン ペ イケマラ ソモ ネ? ほら来てみなさい、 これはイケマの葉じゃない? (S) taa néno タア ネノ ☞taanéno タアネノ ☆発音 ターとのばすのではなく、 タとアを区切って言う。 ちょうどタッアーを早く言ったような発音 {E: here; right there; this (emphatic).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tak 1
タㇰ 【他動】…を取って/持って来る、 (人)を連れて来る/呼んで来る/呼びに行く/迎えに行く(来ることを求める)、 (人)を招待する。 e=sanpe a=uk kusu a=e=ták wa e=ek ruwe ne na エサンペ アウㇰ クス アエタㇰ ワ エエㇰ ルウェ ネ ナ あなたの心臓を取るためにあなたは呼ばれて連れられて来たのだよ。(S民話) sakekar=an nen póka ki wa a=kotánu un utar a=tak wa サケカラン ネン ポカ キ ワ アコタヌ ウン ウタㇻ アタㇰ ワ 私はなんとかして酒をつくって村の人々を招待して。(W民話) {E: to bring…; lead, take someone to, from…; go, come to call…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
taktaku
タㇰタク 【他動】[tak-tak-u 塊・(重複)・(他動詞形成)]…をにぎって丸める。 upas taktaku ウパㇱ タㇰタク 雪を丸める=雪玉をつくる(雪合戦で)。(S) sito taktaku シト タㇰタク 餅を丸める=丸餅をつくる。(S) amam taktaku wa poyson ére アマㇺ タㇰタク ワ ポイソン エレ おにぎりをつくってぼうやに食べさせなさい。(S) {E: to make…round, spherical.} (出典:田村、方言:沙流)
tane 2
タネ 【副】①今、 今すぐ、 今や、 今はもう。 tane k=arpa na タネ カㇻパ ナ いま/もう行く/出かけるよ、 すぐ行くから。 tane moyre na タネ モイレ ナ もう遅いよ/遅いから。 tane tane タネ タネ まもなく、 そのうちに、 近いうちに。 tane an タネ アン[単]/tane oka タネ オカ[複] 今いる、 今の…。 tane an a=kor puri タネ アン アコㇿ プリ 今の私たちの習慣(=現代のアイヌ民族の習慣)。(S会話) tane oka utar タネ オカ ウタㇻ 今の人々 (HC民話) ②(連体的に使って)今の。 tane utar タネ ウタㇻ 今の人々。(S会話) {E: now; soon.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tanukáni
タヌカヒ 【名】[tanuka-hi これらの・所] この辺(=tanuka hi タヌカ ヒ)。 tanukahi e=pirpa ka e=nupa ka somo ki a noyne pana otuy wa an タヌカヒ エピㇼパ カ エヌパ カ ソモ キ ア ノイネ パナ オトゥイ ワ アン (あなたが)この辺を拭きも掃きもしなかったらしく埃がたまっている。(S) {E: around here; in this area.} (出典:田村、方言:沙流)
tap 3
タㇷ゚ 【副】いましがた、 ほんの今、 たった今。 tap ku=ye isoytak タㇷ゚ クイェ イソイタㇰ 今語った話。(W独語) tap k=ek hi pakno ne wa na nep ka ku=nu ka somo ki no k=an タㇷ゚ ケキ パㇰノ ネ ワ ナ ネㇷ゚ カ クヌ カ ソモ キ ノ カン 私は今来たばかりでまだ何も聞いていない。(S) {E: just, right now.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tap 4
タㇷ゚ 【助詞】①(強めの助詞) oar tap オアッタㇷ゚ 本当に全く。 oar tap k=érampewtek オアッタㇷ゚ ケランペウテㇰ 私は本当に全然わからない。 ohayne tap オハイネ タㇷ゚ なるほど本当に…。 ②tap an (na) タㇷ゚ アン (ナ) (直訳すると)これぞまさしく…であります。 (注 きちんとした言い方で、 ruwe ルウェ や hawe ハウェ などの後に ne ネ《…だ》の代りに置かれる。 tap タㇷ゚ が使われたときはそれに続く ne ネ《である》の代りに an アン が使われるので tap an タㇷ゚ アン となる。そのあとに na ナ《よ、 から》がつくことも多いが wa ワ《よ》はつかない。 tap タㇷ゚ と an アン が一語になっている場合もある(☞tapan タパン 2)。 …tas(i) tap タㇱ/タシ タㇷ゚ …こそ(強め)。 …tap ta タㇷ゚ タ…これこそは、 実に間違いなく、 まさしく。 tan oruspe tap ta, sonno an oruspe ne タン オルㇱペ タㇷ゚ タ、 ソンノ アン オルㇱペ ネ この話こそは本当の話だ。(S) asinuma tap/ramuan=an hi アシヌマ タㇷ゚/ラムアナニ [雅] 私がちゃんと考えてしたこと。(Sユーカラ) {E: certainly; truly; emphatic particle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tapan 2
タパン 【自動】[somo tapan(na) ソモ タパン(ナ) …ではありません。 tumu an kewtum/i=kokor kuni p/somo tapan na トゥム アン ケウトゥㇺ/イココㇿ クニㇷ゚/ソモ タパン ナ 憤慨して私に敵意を持つのではありませんよ。(Sユーカラ) ☆参考 taptá an タㇷ゚タ アン は強調する言い方。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tapne
タㇷ゚ネ 【副】[tap-ne これ・のように] ①このように、 このとおり。 tapne kane タㇷ゚ネ カネ このように。 ene he tapne エネ ヘ タㇷ゚ネ こんなにも、 あんなにも。 ②(引用文の冒頭に置かれて、 これから話が始まるという合図になる。 tapne tapne タㇷ゚ネ タㇷ゚ネ、 tapne kane タㇷ゚ネ カネ ともいう。) かくかくしかじかで、 つまり、 実は…。 {E: ①like this; in this way. ②that is; if that is so; actually.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tareciw
タレチウ 【自動】(ウポポの中の次の句で)刺される。 tarapso ka/tareciw タラㇷ゚ソ カ/タレチウ [雅]眠っているうちに刺されるぞ。 ☆参考 語源不明。 [tar-e-ciw 荷縄・で・刺さる]では意味が通らない。 [ta-a(r)-e-ciw そこで・(受け身)・そこで・刺さる]等、 いろいろにこじつけられるが、 もともとの形はこうではなかったろう。 {E: to be bitten; stung.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tas 2
タㇱ 【副助】(直前の語を強調する強めの助詞) ①…ぞ、 …こそ。 …tas ta …タㇱ タ …こそ、 …は、 これは…。 ②(終助詞 nek ネㇰ 「さ、 ぞ」と組み合わさって係り結びで) …tas …nek! …タㇱ …ネㇰ! …する/したんだぞ、 …なのさ。 ek tas ki nankor nek エㇰ タㇱ キ ナンコㇿ ネㇰ きっと来るだろうさ。(S) sonno taan kur ne wa tas k=éraman a nek ソンノ タアン クㇽ ネ ワ タㇱ ケラマン ア ネㇰ 確かにこの人だということを私がわかっている。(S) ☆参考 tasi タシ の語末の i が落ちた形。 {E: ①an emphatic particle. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tasko
タㇱコ 【他動】(人)にたすきをかける。 íne, eci=tásko na イネ、 エチタㇱコ ナ どれ、 たすきをかけてあげるから。(S) {E: to tuck up someone's sleeves with a sash or cord.} (出典:田村、方言:沙流)
tatuspe
タトゥㇱペ 【名】[tat-us-pe 樺皮・がそれについている・もの] たいまつ(カンビの皮(tat タッ)を細く裂いて束ねたもので、 それに火をつけて明りとした)。 poro tatuspe a=kor híne yene=an wa inkar=an akus ポロ タトゥㇱペ アコㇿ ヒネ ソイェネアン マ インカラン アクㇱ 私が大きなたいまつを持つて外に出て見ると。(NK民話) ☞sune スネ {E: a torch (made from strips of bark of the birch tree bunched together).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
te 1
テ 【位名】ここ。 te or テ オㇿ ここ。 ここの所。 te ta テ タ ここに/で/の(=téta テタ)。 te un テ ウン ここへ/の、 こっちへ(=téun)。 te wano テ ワノ ①ここから。 ②今から。 te wano anak somo néno kú=iki kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ クイキ クス ネ ナ これからはそんなことをしませんから。(S) te pakno テ パㇰノ 今まで。 te pakno k=érampewtek akus tanepo k=éraman テ パㇰノ ケランペウテㇰ アクㇱ タネポ ケラマン 今までわからなかったが今やっとわかった。(S) te péka テ ペカ ここから、 ここを(通って)。 te péka kuwanno e=arpa yak sittuyma テ ペカ クワンノ エアㇻパ ヤㇰ シットゥイマ ここからまっすぐ行くと遠い。(S) te un テ ウン ここへ、 こっちへ。 {E: ①from here. ②from now.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekkuspare
テックㇱパレ 【他動】[tek-kus-pa-re 手・を・…を通る・(複)・させる][雅]…に手を入れる。 ketusi upsor/tekkuspare ケトゥシ ウㇷ゚ソㇿ/テックㇱパレ [雅](姉は)ながもちの中に手を差し入れた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tektakusa
テㇰタクサ 【名】[tek-takusa 手・手草] 手の手草(たくさ)、 マッサージ。 téwano e=arpa wa ne tasum kur tektakusa póka e=ekar wa テワノ エアㇻパ ワ ソネ タスㇺ クㇽ テㇰタクサ ポカ エエカㇻ ワ あなたは今から行って本当に病人に手のマッサージだけでもしてあげて。(S会話) ☆参考 病気の治療法の一つで、 巫力(ある種の超能力)のある人が手でたたいたりさすったりする。 ☆発音 k と s の間で u は無声化し、 ほとんど tektaksa テㇰタㇰサ のように聞こえる。 {E: a massage.} (出典:田村、方言:沙流)
tekutasare
テクタサレ 【自動】[tek-utasare 手・互いに交差させる] 腕組みする。 ukirosore wa oraun tekutasare wa nottarara wa an ウキロソレ ワ オラウン テクタサレ ワ ノッタララ ワ アン (彼は)あぐらをかいてそして腕組みしてあごをつき出し上を向いている。(S) {E: to fold one's arms.} (出典:田村、方言:沙流)
teme
テメ 【他動】[tem-e 腕・(他動詞形成)]両手をひろげて何ひろあるか長さを計る。 teme wa inkar, hempak tem an ya テメ ワ インカㇻ、 ヘンパㇰ テㇺ アン ヤ 両手を広げてその長さをはかってみなさい、 いくひろあるか。(S) ☞tem テㇺ {E: to measure something by the length of one's outstretched arms.} (出典:田村、方言:沙流)
tempatempa
テンパテンパ 【他動】[tem-pa-tempa (手を表す語根)・(他動詞複数形形成)・(重複)](人)をもみ療治する。 ku=tapsutu arka na en=tempatempa クタㇷ゚ストゥ アㇻカ ナ エンテンパテンパ (私は)肩が痛いからもんでください。(S) {E: to give a healing massage (to someone).} (出典:田村、方言:沙流)
tennep
テンネㇷ゚ 【名】[tenne(< teyne)-p ぬれている・もの] 赤ん坊、 赤ちゃん。 ☆参考 沙流川下流のサダモさんはこの語を使わず、 pónayay ポナヤイ を使う。 ほかにも赤ん坊や乳幼児を表す語は豊富にある。 ☞teynesi テイネシ、 síus シウㇱ、 síon シオン、 son ソン、 poyson ポイソン、 yarpe ヤㇻペ、 yarpeomap ヤㇻペオマㇷ゚、 yarpesamomap ヤㇻペサモマㇷ゚、 ponpe ポンペ {E: a baby.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
teritanne
テリタンネ 【名】[teri-tanne 粘液[所]・長い][動物](貝の名)アラレタマキビ(?)(「直径3センチ長さ12センチぐらいの身が貝から出ている、 それが人間の陰茎に形が似ているところからこの名がある、 そのつけ根のところに睾丸のような形のものがついている」)。(S) 〔知分類 p.126 オオノガイ((礼文))〕 {E: a soft-shelled clam.} (出典:田村、方言:沙流)
teskao
テㇱカオ 【他動】[teska-o 編む道具の上(?)・に・…置く]…を編む。 so-teskao ソテㇱカオ 敷き物を編む。 ukoteskao ウコテㇱカオ …を編み合わせる。 ☆参考 ござを編むことを日常普通には itese イテセ と言う。 iteseni イテセニ はござ編み器。 (出典:田村、方言:沙流)
teske 1
テㇱケ 【自動】[tes-ke (反る/反らすことを表す語根)・(自動詞形成)] そる(反る)、 それる。 tekkupi kasi ta ay teske wa, a=tumámaha ay epeka ka somo ki テックピ カシ タ アイ テㇱケ ワ、 アトゥママハ アイ エペカ カ ソモ キ (アホウドリの)翼の上で(疫病神の)矢がそれて、 私の体まで届かない。(HK民話) {E: to be warped; curved.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tóhumame
トフマメ 【名】[tóhu-mame [< 日本語]豆腐・豆] 大豆。 {E: soya beans.} (出典:田村、方言:沙流)
tókap(')ipe
トカㇷ゚イペ/トカピペ 【自動/名】①[自動]昼食を食べる。 ku=tokapipe ka somo ki wa ku=kemnoye noyne ku=yaynu クトカピペ カ ソモ キ ワ クケㇺノイェ ノイネ クヤイヌ 私はお昼も食べてないので飢え死にしそうな気がする。(S) ②[名]昼食。 tanto anak rataskep tókap'ipe ne an タント アナㇰ ラタㇱケㇷ゚ トカㇷ゚イペ ネ アン きょうは野菜のまぜ煮が昼食になる=きょうの昼ごはんは野菜のまぜ煮だ。(S) {E: (to eat) lunch.} (出典:田村、方言:沙流)
tókapmokor
トカㇷ゚モコㇿ 【自動】[tókap-mokor 昼・眠る] 昼寝をする(=tókap mokor トカㇷ゚ モコㇿ)。 ku=tokapmokor ka somo ki no クトカㇷ゚モコㇿ カ ソモ キ ノ (私は)昼寝もせずに(tókap ku=mokor ka somo ki no トカㇷ゚ クモコㇿ カ ソモ キ ノ とも言う)。(S) {E: to have, take a(n) (afternoon) nap.} (出典:田村、方言:沙流)
tókapnoski
トカㇷ゚ノㇱキ 【名】[tokap-noski 日・まん中] 昼、 ちょうどお昼(正午、 十二時頃)。 na tókapnoski somo ne ナ トカㇷ゚ノㇱキ ソモ ネ まだお昼にならない。(S) ☆参考 tónoski トノㇱキ よりも新しい言葉。 {E: daytime; noon; lunchtime.} (出典:田村、方言:沙流)
tókapracici
トカㇷ゚ラチチ 【自動】[tókap-racici 昼間・…をダランと下げている]いねむりする(コックリコックリと舟をこぐ)。 “mákip e=tokapracici siri somo he an?” 「マキㇷ゚ エトカㇷ゚ラチチ シリ ソモ ヘ アン?」 「どうしてあんたいねむりしてるんでないの?」(次のなぞなぞの言葉を使って冗談に言っている。) kusuri o poysu atte wa yáke ta tókapracici p/tókapracici an pe hńta ne? クスリ オ ポイス アッテ ワ ヤケ タ トカㇷ゚ラチチㇷ゚/トカㇷ゚ラチチ アン ペ フンタ ネ? 薬のはいった小鍋をかけてその炉端でいねむりしているものはなんだ? (なぞなぞで答えは Kusur Tokapci クスッ トカㇷ゚チ 釧路と十勝。) ☆参考 通常、 いねむりすることは aysuye アイスイェ と言う。 {E: to take a nap; doze.} (出典:田村、方言:沙流)
tokompone
トコンポネ 【名】[概/所] [tokom-pone こぶ・骨] くるぶし。 oawnaun tokompone オアウナウン トコンポネ 内側のくるぶし。 osoynaun tokompone オソイナウン トコンポネ 外側のくるぶし。 {E: the anklebones.} (出典:田村、方言:沙流)
tom(o) kokanu
トㇺ/トモ コカヌ 【連他動】[まん中/正面・をよく傾聴する]…に忠実に従う。 e=ye p tomo kokanu utar エイェㇷ゚ トモ コカヌ ウタㇻ あなたの言うことをよく聞いてそのとおりにする人々。(W神謡語り) i=attomsama tomo kokanu kamuy patek イアットㇺサマ トモ コカヌ カムイ パテㇰ 私たちの言うことにすべて忠実に従う神ばかり。(W神謡語り) {E: to leave something to…} (出典:田村、方言:沙流)
tomta
トㇺタ 【名詞?】[tom-ta 中ほど・に](直訳すると)中途に。 (次の表現で) 二、 三年前(昔から/初めからではなく)。 tomta wano トㇺタ ワノ この二、 三年前から。 teeta wano oka=as ruwe ka somo ne, tomta wano oka=as ruwe un テエタ ワノ オカアㇱ ルウェ カ ソモ ネ、 トㇺタ ワノ オカアㇱ ルウェ ウン 私たちは(ここに)ずっと前から住んでいたのではない、 二、 三年ほど前から住んでいるのだよ。(S) teeta wenkur/tomta nispa テエタ ウェンクㇽ/トㇺタ ニㇱパ 昔の貧乏人、 中途からの(最近の)金持ち(=昔は貧しくて最近裕福になった人)。(W神謡K) {E: two, three years ago.} (出典:田村、方言:沙流)
tomte
トㇺテ 【他動】[tom-te 光る・させる] …を光るようにする、 …をみがいてつやを出す。 tomte no トㇺテ ノ きれいに、 光るように(みがく等)。 {E: (to polish) so as to make…shine.} (出典:田村、方言:沙流)
tono 2
トノ 【?】(ウポポの中に出てくる意味不明の語。) he tono/he karkar/he kannispo/he soye ヘ トノ/ヘ カㇻカㇻ/ヘ カンニㇱポ/ヘ ソイェ (意味不明。) (Kウポポ) (注 このままの形で強いて訳せば、 《殿(役人)がコロコロ、 天にそびえる》で、 何のことかわからない。 もし he tono ヘー トノ が etunup エトゥヌㇷ゚ [etu-nu-p 鼻・を持つ・もの]《酒をつぐ片口》の転化だとすれば、 この例は《(酒を入れた)片口がころがった、 空がゆれている…》という、 酒酔いの歌として、 つじつまが合う。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tonoke(he)
トノケ(ヘ) 【名】[所](概は tono トノ)(次のような語の後部要素として) pó-tonoke/pó-tonokehe ポトノケ/ポトノケヘ …の若君、 …のご子息様。 {E: a, the young lord, son of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tónon-sukus
トノンスクㇱ 【名】[tónon-sukus 昼間の・日差し] 昼間の風のない雲のない静かないい天気(夏でも冬でも)。 tónon-sukus an トノンスクㇱ アン 昼間の風のない雲のない静かないい天気だ。(S) cási upsor/tónon-sukus/cieomare/semkoraci チャシ ウㇷ゚ソㇿ/トノンスクㇱ/チエオマレ/セㇺコラチ [雅]城の中はまるで昼の光に照らされているかのように。(Sユーカラ) {E: a windless, cloudless calm day.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toysas
トイサㇱ 【名】[toy-sas 土・ヒル][動物] 土の中にいるヒル。 ☆参考 沼の中のは小さく、 長さ10センチぐらいで縮むと1〜2センチ。 土の中のは大きく、 20センチもあり縮むと3センチぐらい。〔知分類 p.117((美))ヒル〕 {E: a soil leech.} (出典:田村、方言:沙流)
tu 2
トゥ 【連体】[数連体] ①二つの、 二個の、 二人の。 tu sike トゥ シケ 二個の荷物。 tu poyson トゥ ポイソン 二人の子ども。 ②たくさんの。 tu… re… トゥ… レ… (1)二つか三つの。 (2)二つも三つもの…(=たくさんの…)。 tu suy ka re suy ka トゥ スイ カ レ スイ カ 二回も三回も(=何回も何回も)。 tu pa ka re pa ka トゥ パ カ レ パ カ 二年も 三年も(=何年間も)。 tu ka-sinkop re ka-sinkop ranke ranke トゥ カシンコㇷ゚ レ カシンコㇷ゚ ランケ ランケ [慣用句]二つも三つもの結び目を下げ下げしている(糸をつむいで/紐をよっている様子の描写)。 tu pekennupe re pekennupe yaykoranke トゥ ペケンヌペ レ ペケンヌペ ヤイコランケ [雅] 二しずくも三しずくもの涙を落とす(=ハラハラと涙を流して泣く)。 (後半の re… レ…《三つの…》は省略されることもある。) tu makke sama kotuye トゥ マッケ サマ コトゥイェ [慣用句]何度だめだと言われても言うことをきかないで自分の意志を通す。 tu moto orke hunara トゥ モト オㇿケ フナラ [慣用句]よくよく素性をさぐる。 {E: ①two as a counter. ②a lot, plenty of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuciseoype
トゥチセオイペ 【名】[tu-cise-o-ipe 二つの・家・に/で・食べる] 二軒で食べる人(一軒で食べてから別の家へ行ってまた食べる人)。 {E: someone who eats at two houses.} (出典:田村、方言:沙流)
tumu
トゥム 【名/位名】[所](概は tum トゥㇺ) ①(いっぱいつまっているもの)の中、 (ものがいっぱいつまっている所)の中/ただ中、 その中/そのただ中。 tumu kunne hikehe トゥム クンネ ヒケヘ 黒味がかったの。 tumu ruhure siwnin トゥム ルフレ シウニン 赤味がかった緑(紫)。 ②[名]体の具合。 tumu pirka トゥム ピㇼカ 壮健である(体のどこも悪いところがなく、 力があり、 病気をしない)。 sonno tumu pirka kur ソンノ トゥム ピㇼカ クㇽ 本当に壮健な/健康で元気な人。(W) tumu wen トゥム ウェン 体の具合いが悪い。 mímus ápekor an korka tumu wen pe ne siri iki ミムㇱ アペコラン コㇿカ トゥム ウェン ペ ネ シリ イキ 太っているみたいだけれど体の具合いの悪いもののようだ。(S) ③[雅]tumu an kewtum トゥム アン ケウトゥㇺ [雅]思い違い、 まちがった気持ち、 憤慨。 tumu an kewtum/e=kora kuni p/somo ne nankor トゥム アン ケウトゥㇺ/エコラ クニㇷ゚/ソモ ネ ナンコㇿ あなたは決してまちがった気持ちを持って憤慨したりしてはいけませんよ。(Sユーカラ) {E: ①in… ②the condition of one's body, health. ③…} (出典:田村、方言:沙流)
tupesan
トゥペサン 【連体】[数連体][tup-e-san 二つ・で・出る](?) 八つの、 八個の、 八人の。 tupesan sike トゥペサン シケ 八個の荷物。 tupesan poyson トゥペサン ポイソン 八人の子ども。 {E: eight as a counter. Eg. eight people, things etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tureptausi
トゥレㇷ゚タウシ 【名】[turepta-us-i ウバユリの根を掘る・いつもみんなが習慣としてする・とき] ウバユリの根を掘る時期/季節。(S) {E: the season for digging up the roots of the turep plant (a kind of lily).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turesi 1
トゥレシ 【名】[< turesi(hi)]妹(兄から見た妹)(「…の妹」は kor turesi コッ トレシ)。 atuyso kurka/epunkine kamuy/kor turesi アトゥイソ クㇽカ/エプンキネ カムイ/コッ トゥレシ [雅]海外の地を守る神の妹。(Sユーカラ) a=kor turesi アコッ トゥレシ 私の妹、 わが妹。 ☆参考 血縁の妹とはかぎらない。 いとおしく思い、 いつくしんでいる女性を「妹」と呼ぶので、 養兄(育ての兄)が養っている女子を呼ぶとか、 また恋人や妻である場合もある。 日常語で「妹」を表す matapa マタパ、 mátak マタㇰ には、 そのような用法は未出。 ☞turesmacihi トゥレㇱマチヒ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusare
トゥサレ 【他動】[自動使役] [tusa-re 治る・させる] …の病気や傷を治す、 (病人)を癒す。 isa or wa a=tusáre イサ オㇿ ワ アトゥサレ (S) 医者に治してもらう。 en=tusare yan エントゥサレ ヤン (私の病気を)治してください。(S) {E: to heal, treat some illness, injury.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuwapneko
トゥワㇷ゚ネコ 【副】[tuwapne-ko (?)・(反対の意味の副詞を形成する接尾辞)]ものすごく大きな音が響いて。 humi toyre kane korka hemanta tuwapneko pus humi an? フミ トイレ カネ コㇿカ ヘマンタ トゥワㇷ゚ネコ プㇱ フミ アン? 地響きして何だろうなあ、 ものすごい音がしたのは。(S) ☆参考 tuwapne トゥワㇷ゚ネ は[tuwap-ne (?)・のようである]だろうが、 tuwap トゥワㇷ゚ は不明。 {E: a reverberating, echoing sound.} (出典:田村、方言:沙流)
tuyka
トゥイカ 【位名】[概](所は tuykasi/tuykaske トゥイカシ/トゥイカㇱケ) ①…の上、 …の上端、 (出入口や窓の)すぐ上の所。 tek tuyka ta amam pus uwecururse テㇰ トゥイカ タ アマㇺ プㇱ ウウェチュルㇽセ (稲の穂摘みをしていると)手の上側に稲の穂が集まってくるようだ。(S) ②(動詞の後に置かれて)…している最中。 onkami tuyka/itak omare オンカミ トゥイカ/イタコマレ [雅](その神は)拝礼 (伝統的な形のあいさつ)をしながら言葉を言った。(W神謡語り) tuyka ta トゥイカ タ …しながら/しているときに。 i=kusa tuyka ta a=kowépekennu イクサ トゥイカ タ アコウェペケンヌ 私は舟で川を渡してもらいながら(彼に)事情をたずねた。(NK民話) e=soyne tuyka ta Ayoro nupuri kasi un yam e=carpa nankor エソイネ トゥイカ タ アヨロ ヌプリ カシ ウン ヤㇺ エチャㇻパ ナンコㇿ あなたは外へ出ると同時にアヨロ山の上に栗をばらまきなさい。(W神謡語り) ☆参考 沙流川下流のサダモさんは、 ipe tuyka ta イペ トゥイカ タ《食べながら》はユカルの言葉で、 日常語では ipe=an kor イペアン コㇿ だと言った。 それに対し姉のワテケさんは「húci フチ《おばあさま》がよく言った」と反論した。 ☆参考 机やござや紙の「上」は tuyka トゥイカ ではなく ka カ。 ドアのすぐ「上」、 棒や杖の「上端」などが tuyka トゥイカ。 ☆参考 「…しながら」には kurka クㇽカ も使われる。 ☆対語 tuypok トゥイポㇰ {E: ①above… ②in the middle of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuymaa
トゥイマア 【自動】[tuyma-a 遠く・座る] 大便する(良い言葉)。 ku=tuymaa wa k=ek クトゥイマア ワ ケㇰ (私は)大便して来ます。(W)/大便して来た(どこへ行ったか聞かれたときの返事)。(S) ☆参考 「ぶつけて」(直接的に)言う言葉は osoma オソマ。 ☆対語 hankea ハンケア 小便する(良い言葉)。 {E: to defecate (polite).} (出典:田村、方言:沙流)
uhao
ウハオ 【間投】(踊り歌のはやしの一部。) {E: musical or song accompaniment for dance.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhayta
ウハイタ 【自動】[u-hayta 互い・に及ばない] ①(そろっているはずのものが)数が足りない。 urepeci uhayta ウレペチ ウハイタ 足の指が足りない(三本とか四本とかしかない)。(S) ②上下の差別がある(?) iteki umonpok ta uhayta no yaynu イテキ ウモンポㇰ タ ウハイタ ノ ヤイヌ 上下のわけへだてや差別をして考えるな。(S独話) {E: ①for the number of something to be lacking; insufficient. ②for there to be discrimination, distinction between upper and lower, superior and inferior.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhekote 2
ウヘコテ 【副】互いに、 互いの方に向かって。 tane anakne somo uhekote itak=an kus ne na タネ アナㇰネ ソモ ウヘコテ イタカン クㇱ ネ ナ もう互いに口をきかないことにしよう。(S言い伝え) {E: mutually; to face one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uinere
ウイネレ 【自動】[u-ine-re 互い・もの・である・させる](?) ①どっちがほしいかという言葉当て遊びをする。 ②[名]どっちがほしいかという言葉当て遊び。 ☆参考 出題者は二つのものを表す名詞を考える。 その語を全部言わず頭の部分だけをくり返して言い、 回答者はその隠された語を推測して、 どっちがほしいかを答える。 たとえば kosne kosokoso he e=kor rusuy, nakanaka he e=kor rusuy? コㇱネ コソコソ ヘ エコンルスイ、 ナカナカ ヘ エコンルスイ? 軽いコソコソがほしいか、 それともナカナカがほしいか。(S) この場合 kosokoso コソコソ は kosonte コソンテ《小袖、 上等の衣服》を、 nakanaka ナカナカ は nakayri ナカイリ《ボロボロの綿入れ》を暗に表している。 回答者が kosokoso コソコソ がほしいと言えば回答者の勝ち、 nakanaka ナカナカ がほしいと言えば出題者の勝ちとなる。(W-S) ☆発音 u/inere, i イ の部分をはっきりと、 そして高く発音する。 二重母音 uy ウイ にならない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukaoraypa
ウカオライパ 【自動】[u-ka-o-raypa 互い・の上・に・行く] ここの仕事が終わった人が手伝いに行く。 ☞ka(si) oraye カ(シ) オライェ {E: for someone who has finished their work to go to help someone else.} (出典:田村、方言:沙流)
uker
ウケㇾ 【自動】[u-ker 互い・(?)] ただれる。 hup uker ruwe an! フㇷ゚ ウケン ルウェ アン! できものがただれたねえ。(W) {E: to be sore.} (出典:田村、方言:沙流)
ukipniwkes
ウキㇷ゚ニウケㇱ 【自動】[u-kipniwkes 互い・を救う](いのちを)助け合う、 仲間同士で一方が他方を救助する。 poyson sinep worosma wa mom wa nokan hekattar ukipniwkes kus iyaepaspa a korka nani orawkipa wa mom wa isam ポイソン シネㇷ゚ ウォロㇱマ ワ モンマ ノカン ヘカッタㇻ ウキㇷ゚ニウケㇱ クㇱ イヤエパㇱパ ア コㇿカ ナニ オラウキパ ワ モンマ イサㇺ 子どもが一人水に落ちて流れて小さい子ども達が助けようと岸づたいに走ったがじきに追いつけなくなって流れてしまった。 ☞kip niwkes キㇷ゚ ニウケㇱ {E: to help save one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uko-cipattankenere
ウコチパッタンケネレ 【自動】[uko-cipattankenere 皆一緒に・はじける](煎っているものが)皆はじけてしまう。 hńta kus puta e=omare ka somo ki no eseyreka híne uko-cipattankenere wa isam siri an? フンタ クㇱ プタ エオマレ カ ソモ キ ノ エセイレカ ヒネ ウコチパッタンケネレ ワ イサㇺ シリ アン? どうしてふたをしないで煎って、 皆はじけてしまったじゃないか。(S) {E: to be (split) open; for all to burst open.} (出典:田村、方言:沙流)
uko-koeramewnin
ウココエラメウニン 【他動】[uko-koeramewnin 一緒に・…に気づかない](皆/二人とも)に気づかない、 …(皆/二人とも)がいることを知らない。 te pakno a=eci=ukó-koeramewnin wa oka=an pe ne a p テ パㇰノ アエチウココエラメウニン マ オカアン ペ ネ アㇷ゚ 今まで私たちはあなた方がいることを知らないでいたが。(W民話) a=i=úko-koeramewnin wa oka=an アイウココエラメウニン マ オカアン 私たちは知られないでいた。(W民話) {E: to not know (that someone is there)(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukoekutkor
ウコエクッコㇿ 【他動】[uko-e-kut-kor 一緒に・それで・帯・を持つ] …を着てその全部の上から帯をしめる。 iwan kosonte/ukoekutkor/iwan kosonte/opanere híne イワン コソンテ/ウコエクッコㇿ/イワン コソンテ/オパネレ ヒネ[雅] 六枚の小袖を着て全部の上から帯をしめ、 六枚の小袖を羽織って地上から天へ帰る神が正装するときの描写の慣用表現)。(Sユーカラ) ☞ekutkor エクッコㇿ {E: to put on something and then fasten with a belt, obi.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukohepenpenu
ウコヘペンペヌ 【自動】[uko-he-pen-pen-u 互いに・頭を・(擬態の語根)・(重複)・(他動詞形成)] コックリコックリとうなずき合う。 ☞hepenpenu ヘペンペヌ {E: to nod in unison.} (出典:田村、方言:沙流)
ukohoniskarpa
ウコホニㇱカㇻパ 【自動】[複](単の用例はない)[uko-honiskar-pa 互いに・(?)・[複]] 皆で一生懸命考える。 {E: for everyone to think seriously about something.} (出典:田村、方言:沙流)
ukokamahupte
ウコカマフㇷ゚テ 【自動】[u-ko-kam-ahup-te 互い・に・肉・入る[複]・させる] 獲物をとって来た人が東窓(神の出入口である窓)の外からそれ(肉)を家の中の人に渡し、 中の人がそれを受け取るという方法で獲物(の肉)を家の中に入れる。 {E: to pass game from the outside of a house through the eastern window to someone on the inside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukokamahuptepa
ウコカマフㇷ゚テパ 【自動】[複](ukokamahupte ウコカマフㇷ゚テ は単複の区別なし) 獲物をとって来た人が東窓(神の出入口である窓)の外からそれ(肉)を家の中の人に渡し、 中の人がそれを受け取るという方法で、 二人して獲物(の肉)を家の中に入れる。 {E: to pass game from the outside of a house through the eastern window to someone on the inside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukomosirewnara
ウコモシレウナラ 【自動】[u-ko-mosir-ewnara 互い・に対して・島/土地・を与え惜しむ] 互いに自分の土地を与えるのをいやがる。 {E: to be mutually upset at giving one's land to someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukonoyke
ウコノイケ 【自動】[uko-noyke 一緒に・ねじれる] ねじれている、 からまり合う。 ka ukonoyke カ ウコノイケ ござを編む糸がねじれている。(S) ratcako peker tek us tek peker tek us tek, mákip iki sekor ku=raman kusu ku=soyne wa ku=inkar akus harinkane ukonoye wa an wa ne aan ラッチャコ ペケッ テㇰ ウㇱ テㇰ ペケッ テㇰ ウㇱ テㇰ、 マキㇷ゚ イキ セコㇿ クラマン クス クソイネ ワ クインカラクㇱ ハリンカネ ウコノイェ ワ アン マ ネ アアン あかりがついたり消えたりついたり消えたりする、 どうしたんだろうと思って外に出て見たら電線がからまり合っていたのだった。(S) {E: to be twisted; intertwined} (出典:田村、方言:沙流)
ukopakakse
ウコパカㇰセ 【自動】[uko-pakak-se 一緒に・(擬音の重複)・と言う](いり豆が/火がはねて)いっせいにパチパチと鳴る。 hńta hoka e=o híne ukopakakse humi an? フンタ ホカ エオ ヒネ ウコパカㇰセ フミ アン? あなたが何を火にくべてパチパチ鳴っているのか。(S) {E: the crackling sound of the sparks of a fire.} (出典:田村、方言:沙流)
ukopakoat
ウコパコアッ 【自動】一人のために連れが皆巻き添えをくう、 皆で罪に問われる。 {E: for everyone to be involved due to one person.} (出典:田村、方言:沙流)
ukor
ウコㇿ 【自動】[u-kor 互い・を持つ] ①互いを持つ sisak tokuy ne ukor=an シサㇰ トクイ ネ ウコラン 私たちは互いをたぐいない親友として持った=私たちはたぐいない親友になった。 ②夫婦になる、 結婚する。 aynu ohaoka wa ukor eaykap kus アイヌ オハオカ ワ ウコㇿ エアイカㇷ゚ クㇱ 人間同士では結婚することができないから。(S言い伝え) (動名詞として)結婚。 kamuy or ta sonno ukor síno ukor eci=ki kus ne na カムイ オッタ ソンノ ウコㇿ シノ ウコㇿ エチキ クㇱ ネ ナ あなた方は天の神の国で本当の結婚まことの結婚をすることになるのだから。(HC民話) {E: ①to have each other. (couples, friends, etc.) ①to get married (v).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukoraypa
ウコライパ 【他動】[uko-raypa 一緒に・…を寄せる[複]] わしづかみにする、 寄せ集める。 cis kor kor poyson utar ukoraypa チㇱ コㇿ コㇿ ポイソン ウタㇻ ウコライパ (父親は)泣きながら自分の子どもたちを一緒にだき寄せた。(W民話) {E: to clutch, grab…} (出典:田村、方言:沙流)
ukosuppakar
ウコスッパカㇻ 【他動】[uko-suppa-kar 一緒に・…をきつく・する] …をまとめて荷縄で背負うように荷つくりする。 kor pe anak opitta ukosuppakar híne se híne コㇿ ペ アナㇰ オピッタ ウコスッパカㇻ ヒネ セ ヒネ 持ち物は全部まとめて荷つくりして背負って。(W民話) {E: to pack…together with a rope or cord so as to carry on one's back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukotukka
ウコトゥッカ 【他動】[ukotuk-ka 互いにくっつく・(他動詞化)] …を互いにくっつける、 (のりで)はりつける。 ku=kor toke atuhu soske kor an, k=úkotukka easirki, somo yakun nani tuy クコッ トケ アトゥフ ソㇱケ コラン、 クコトゥッカ エアシㇼキ、 ソモ ヤクン ナニ トゥイ 私の時計の(皮の)バンドがはがれてきた、 はりつけなければならない、 そうしないとすぐ切れてしまう。(W) {E: to stick…together (with glue).} (出典:田村、方言:沙流)
un 3
ウン 【終助】①(名詞・副詞の後で、 ne ネ《…だ》を言わずに文を終止する。 会話の言い方で、 肯定の返事の表現に使われる。) …だよ、 …ですよ。 sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an? a=sikíhi un シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン? アシキヒ ウン 一つの尾根を両方から一緒に持っていてお互いに会ったことがないものは何ですか? 私たちの目ですよ。 ruwe un ルウェ ウン そうですよ。 ②(動詞の後で。 これも返事の表現らしい。)poronno ku=sanke wa k=ére kus ku=ye hike ka ponno ka e ka somo ki wa kú=iruska un ポロンノ クサンケ ワ ケレ クㇱ クイェ ヒケ カ ポンノ カ エ カ ソモ キ ワ クイルㇱカ ウン 私がたくさん出して食べなさいと言ったのに彼は少しも食べないので私は腹が立ったのよ。 hetak hokure i=komuy un! ヘタㇰ ホクレ イコムイ ウン! さあ早く(私の)シラミをとっておくれよ。(W民話) ③(疑問文で)何…/どう…だろう? k=éninuype íne un? ケニヌイペ イネ ウン。 私の枕どうしたろう(見つからないとき)。(S) réhe ene a=ye p ne hi ka k=éranpewtek hemanta kameasi un? レヘ エネ アイェㇷ゚ ネ ヒ カ ケランペウテㇰ ヘマンタ カメアシ ウン? その名前はなんと言うものだかもわからない、 なんていうばけものだろ。 ④(返事をうながす)“tane emonasnu?” “na kémonasap. eani un?” 「タネ エモナㇱヌ?」「ナ ケモナサㇷ゚、 エアニ ウン?」「もう終わったかい。」「まだ終わらない。 あなたは?」 (S) ⑤ruskare un! ルㇱカレ ウン (直訳すると)彼をそのことで不機嫌にさせよ=ああよかった(反語で、 喜びの表現)。 {E: a sentence-final particle that emphasises the speaker's conviction, especially in conjunction with imperative.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
un 4
ウン 【副助】(強めの一種、 考慮・納得を表すことが多い。) …ね、 なあ。 siknu eaykap hawe un somo ne? シㇰヌ エアイカㇷ゚ ハウェ ウン ソモ ネ? (そんな小さな弱い赤ん坊だったら)生きられないのじゃないのか。 kamuy i=erampokwen nen póka ne ciki un somo ki ya? カムイ イエランポㇰウェン ネン ポカ ネ チキ ウン ソモ キ ヤ? なんとか神様が憐れみをかけてくれないかなあ。 oroyaciki un/ona ne manu p/akor kusu オロヤチキ ウン/オナ ネ マヌㇷ゚/アコㇿ クス なるほどそうか、 父というものが私にはあったために。(Sユーカラ語り) ene un suy erampewtek hi? エネ ウン スイ エランペウテㇰ ヒ? そんなに感じられないのか。(W) ikiya un …wa イキヤ ウン …ワ ひょっとすると。 ikiya un túnasno e=ek wa イキヤ ウン トゥナㇱノ エエㇰ ワ ひょっとするとあなたが早く来るかもしれないなあ(注 ikiya …na イキヤ …ナ は《…しないようにね》)。 hńta un …wa フンタ ウン …ワ なあに、 ほかでもない。 hńta un, kamuy ye a wa フンタ ウン、 カムイ イェ ア ワ なに、 ほかでもない、 神様が言ったのだ=大丈夫、 神様が言ったとおりになるんだ。 {E: a particle emphasizing consideration or agreement.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
un= 7
ウン 【人接】[主語二人称単数、 目的語除外的一人称複数] あなたが私たちを/に。 un=kore ウンコレ あなたが私たちに(それを)与える。 e=ek wa un=kore エエㇰ ワ ウンコレ あなたが私たちのために来てくれた。 {E: second person singular subject, first person plural object prefix.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
unin-unin
ウニンウニン/ウニヌニン 【他動(?)】[unin-unin (擬態の語根?)・(重複)] …にゴーゴー響く。 {E: a sound word.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
unokauk
ウノカウㇰ 【自動】[u-noka-uk 互い・写した形/像・を取る]仲間同士で写真をとる。 unokauk hene ki kor oka ruwe somo ne? ウノカウㇰ ヘネ キ コㇿ オカ ルウェ ソモ ネ? 写真をとってでもいるのではないか。 (出典:田村、方言:沙流)
unukare
ウヌカレ 【他動】[自動使役][u-nukar-e 互い・見る・させる]①(皆が)…を見る、 (皆に)…が見える。 ②(人)をのぞき見する。 {E: to peep (at someone).} (出典:田村、方言:沙流)
upar
ウパㇻ 【名】すす(煤)(「ゆえん」)。 {E: soot; dust.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
upokor
ウポコㇿ 【自動】[u-po-kor 互い・息子・を持つ] 息子と親の関係にある。 upokor utar ウポコルタㇻ 息子と親(息子と父または息子と母または息子と両親)。 ☆参考 umatnepokor ウマッネポコㇿ 娘と親の関係にある。 uunukor ウウヌコㇿ 母と子の関係にある。 uwonakor ウウォナコㇿ 父と子の関係にある。 {E: to have a parent-son relationship.} (出典:田村、方言:沙流)
uranup 1
ウラヌㇷ゚ 【自動】再会を喜ぶ(久しぶりで会って喜んで話している)。 uranup=as ウラヌパㇱ 「なつかしくてさあ。」 (S) {E: to be joyed at meeting someone again.} (出典:田村、方言:沙流)
ureasam
ウレアサㇺ 【名】[概](所は ureasama(ha) ウレアサマ(ハ)) [ure-asam 足・の底] 足の裏。 ☆参考 urekotor ウレコトㇿ [概]とも言う。 {E: the soles of the feet.} (出典:田村、方言:沙流)
ureasama(ha)
ウレアサマ(ハ) 【名】[所](概は ureasam ウレアサㇺ) …の足の裏。 {E: the soles of the feet of…} (出典:田村、方言:沙流)
urekirpu
ウレキㇼプ 【名】[ure-kirpu 足・脂肉] 熊の足の裏の脂肪(脂肪ばかりでコリコリしておいしい、 uretoy ウレトイ《熊の足の裏の皮》をむくと出てくる)。 ☞uretoy ウレトイ 〔知分類 人間 p.17 ure-haru 足裏の肉((ホロベツ))〕 {E: the thick fleshy pads of the soles of the paws of a bear.} (出典:田村、方言:沙流)
urekotor
ウレコトㇿ 【名】[概](所は urekotoro ウレコトロ)[ure-kotor 足・内側の面] 足の裏(=ureasam ウレアサㇺ)。 {E: the soles of the feet.} (出典:田村、方言:沙流)
urekotoro
ウレコトロ 【名】[所](概は urekotor ウレコトㇿ) …の足の裏。 {E: the soles of the feet of…} (出典:田村、方言:沙流)
urekuste
ウレクㇱテ 【他動】[ure-kus-te 足・…を通る・させる][雅]…を通る。 harkiso sam/a=urékuste/ahun=an híne ハㇻキソ サㇺ/アウレクㇱテ/アフナン ヒネ [雅]城の南側をふみつけながら通って城に入って。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
urenkano
ウレンカノ 【副】[urenka-no 皆そろう・(副詞形成)] 皆そろって、 一つも欠けないで。 ne urenkano oka ya? ソネ ウレンカレ オカ ヤ? 本当に家じゅうみんないるでしょうか(ゆうべ出た熊にもとられないで)。(S) {E: to be complete; all present.} (出典:田村、方言:沙流)
uretoy
ウレトイ 【名】[ure-toy 足・土](?) 熊の足の裏の皮。 ☆参考 この皮の中の脂肪が urekirpu ウレキㇽプ 〔知分類 人間 p.16 ((ビホロ))〕 {E: the skin on the soles of the paws of a bear.} (出典:田村、方言:沙流)
uretoye(he)
ウレトイェ(ヘ) 【名】[所](概は uretoy ウレトイ) …(熊)の足の裏の皮。 {E: the skin on the soles of the paws of a bear of…} (出典:田村、方言:沙流)
ureunker
ウレウンケㇾ 【名】[ure-un-ker 足・につく・靴] 靴下、 指のないたび(「ぼっこたび」)。(W) ureunker a=kar wa ker a=koús ウレウンケㇾ アカㇻ ワ ケㇾ アコウㇱ ぼっこたびをこしらって(=つくって)靴の下にはく。(W) ☆参考 サダモさんは ponker ポンケㇾ と言う。 {E: socks.} (出典:田村、方言:沙流)
urkio
ウㇽキオ 【自動/他動】[urki-o シラミ・がつく] ①[自動]シラミにたかられる。 a=mipa p a=huráypa póka somo ki p ne kusu urkio=an アミパㇷ゚ アフライパ ポカ ソモ キㇷ゚ ネ クス ウㇽキオアン 私は着ているものを洗いもしないのでシラミにたかられた。(W民話) ②[他動]…にシラミがつく。 urkio amip ウㇽキオ アミㇷ゚ シラミのついた着物。(W民話) {E: ①to be infested with lice. ②for lice to infest…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
urokte
ウロㇰテ 【自動】[u-rok-te 互い・座る・させる][雅](神が)いる、 おわす、 まします。 kim un iworso/iworso ka ta/urokte kamuy キムン イウォㇿソ/イウォㇿソ カ タ/ウロㇰテ カムイ [雅]山の奥の地におわす神。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uronnu
ウロンヌ 【自動】[u-ronnu 互い・を殺す[複]](直訳すると)殺し合いをする、 (用例の文脈では)皆殺しにされる、 皆死んでしまう。 kusu keraypo kotan epitta somo uronnu=an no クス ケライポ コタン エピッタ ソモ ウロンヌアン ノ そのおかげで(夜襲の群が来ることを予知した人が知らせてくれたおかげで)村じゅうが皆殺しにされずに。(W言い伝え) ☆参考 直訳すると《殺し合いをする》だが、 この用例の文脈では、 村の人々がよそからにやられて死んでしまうことを言っている。 ☆参考 単数形 urayke ウライケ は「殺し合う」。 {E: for all to be killed; kill each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
us 2
ウㇱ 【他動】(ももひき、 スカート、 靴など)をはく。 omonpe us オモンペ ウㇱ ももひきをはく。 pirakka us ピラッカ ウㇱ げたをはく。 ker a=us ケㇾ アウㇱ (人が/私たちが)靴をはく。 nep ka somo us ネㇷ゚ カ ソモ ウㇱ 何もはかない=はだしである。 ☆参考 日本語の「はく」にあたる、 腰から下のものを身につけることを言う。靴をぬぐことは ker pita ケㇾ ピタ《靴を解く》と言う。 靴のひもをほどくことを表している。 衣服を着ることは mi ミ、 脱ぐことは úse anu ウセ アヌ と言う。 {E: to put on, wear (footwear, pants, etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
usak
ウサㇰ 【自動】[u-sak 互い・を欠く] 一緒にそろっていない、 (仲間/グループの)だれかが欠ける。 néun usak=an ka somo ki ネウン ウサカン カ ソモ キ 私たちはいつも一緒で、 決してだれ一人欠けることはなかった。(K民話) 。 ☆対語 urenka ウレンカ 皆そろっている。 {E: for…to be missing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usayne
ウサイネ 【副】[usa-ne めいめい別々の・である](?) ①いろいろ、 いろいろ違って。 usayne usayne ウサイネ ウサイネ いろいろ(とんでもないこともまじって)。 usayne usayne oka isoytak ウサイネ ウサイネ オカ イソイタㇰ いろいろな話(おもしろいことも言えばおかしいことも言えばとんでもないことも言う)。(S) usayne usayne usayne okay pe somo katu ne an ウサイネ ウサイネ ウサイネ オカイ ペ ソモ カトゥ ネ アン 本当にいろいろのものが「たいした」(たくさん)ある(鍋かまもあればふとんもある、 本もある、 鍬もある、 猫の子、 犬の子もいる、 魚もある)。(S) ②(悪いニュアンスで)いろいろ(おかしいことやまちがったことを)。 usayne ka ikiya e=ye na ウサイネ カ イキヤ エイェ ナ いろいろに(おかしいことやまちがったことを)言ってはいけないぞ。(W) {E: variously; differently.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
úse 1
ウセ 【連体】普通の、 平民の。 úse kur ウセ クㇽ (村長ではない)普通の人、 平民。 {E: ordinary; a common person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
úsep
ウセㇷ゚ 【名】[< úse-p それだけの・もの](?) 反物(着物にする前の布)。 úsep sinep a=euk ro ウセㇷ゚ シネㇷ゚ アエソウㇰ ロ 反物一反借りよう。(S) attus úsep アットゥㇱ ウセㇷ゚ 厚司の反物。 {E: woven materials.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
úsere
ウセレ 【他動】[úse-re それだけ離れてある・させる](?) (見えないもの)を見えるように出す。 {E: to stretch so as one can see…} (出典:田村、方言:沙流)
uskike
ウㇱキケ 【形名】[被修飾名][雅](?) tapan uskike/tan uskike タパヌㇱキケ/タヌㇱキケ (たぶん叙事詩の中や、 古風な美文調の言い方の中で)このときは(?)。 i=ruwokake ta, a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enúypa wa oka yakun tan uskike, easir, a=rehe ohonno hene iruka hene…kanpi ka o wa oka yakun イルウォカケ タ、 アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン タヌㇱキケ、 エアシㇼ、 アレヘ オホンノ ヘネ イルカ ヘネ…カンピ カ オ ワ オカ ヤクン 私たちの死後に、 私たちの話した言葉が二ページにも三ページにも書いてあればこれによって(?)、 それこそ、 私たちの名前が長い間でも短い間でも…紙の上に載っていれば。(W会話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ussikar
ウッシカㇻ 【自動】[ussi-kar うるし・する] うるしにかぶれる。 ussikar wa nanu epittano a=nukár ka sitoma no an ウッシカㇻ ワ ナヌ エピッタノ アヌカㇻ カ シトマ ノ アン うるしにかぶれて顔じゅう見るのも恐ろしくなっている。(S) {E: to be poisoned with lacquer.} (出典:田村、方言:沙流)
utar 1
ウタㇻ 【名】[概](所は utari(hi) ウタリ(ヒ)) ①人々。 soy ta arki utar ソイ タ アㇻキ ウタㇻ 家の門口に来た人たち。 inne utar インネ ウタㇻ 大勢の人々。 uunukor utar ウウヌコㇿ ウタㇻ 母子。 ②(人や動物や神を表す名詞の後に置かれて)…たち。 okkaypo utar オッカイポ ウタㇻ 若い男たち。 kamuy utar カムイ ウタㇻ 神々。 ③(まれに、 物に関しても) citarpe utar チタㇻペ ウタㇻ ござたち(=複数のござ)。 ☆参考 [所]は《同族、 仲間》の意味で使われる。 ☞utari(hi) ウタリ(ヒ) {E: ①people. ②plural marker for people.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utari(hi)
ウタリ(ヒ) 【名】[所](概は utar ウタㇻ 人々)…の同族の人々、 …の村人たち、 …の仲間たち/連れになっているグループ/組。 k=útarihi menoko utar turano tun ren ci=ne híne タント クタリヒ メノコ ウタㇻ トゥラノ トゥン レン チネ ヒネ 今日は私の同族(アイヌ民族)の人たち、 女性たちと一緒に二、 三人で。(W独話) a=utári ka sísam ka ikopoyke wa アウタリ カ シサㇺ カ イコポイケ ワ 私たちの同族(アイヌ民族)も和人もまじって (S会話) e=se wa e=arpa wa é=utari e=ere yakun é=utari opitta ray kusu ne aan pe エセ ワ エアㇻパ ワ エウタリ エエレ ヤクン エウタリ オピッタ ライ クス ネ アアン ペ あなたが(この魚を)背負って行って(=持って帰って)あなたの村の人たちに食べさせたらあなたの村の人たちはみんな死んでしまうところだったが。(NK民話) eci=utári hosippa ruwe somo ne? エチウタリ ホシッパ ルウェ ソモ ネ? あなたたちの組/仲間は皆帰ったのではないのか。(S) ☆参考 アイヌ民族を指す呼称として「ウタリ」というのは、 アイヌ語で言うときは k=útari(hi) クタリ(ヒ)《私の同族》、 a=útari(hi) アウタリ(ヒ)《私たちの同族》のように人称形で言う言葉である。 {E: of the same tribe, family, village group etc. of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utarorke(he)
ウタロㇿケ(ヘ) 【名】[雅]人々、 …たち。 kamuy moyremat/utarorkehe カムイ モイレマッ/ウタロㇿケヘ [雅]女神様たち。(Sユーカラ) atuyso ka ta/urokte pito/urokte kamuy/utar orke anak アトゥイソ カ タ/ウロㇰテ ピト/ウロㇰテ カムイ/ウタロㇿケ アナㇰ [雅]沖の方におわす神々は。(Sユーカラ語り) (出典:田村、方言:沙流)
utarpa
ウタㇻパ 【名】[utar-pa 人々・頭] 人の上に立つえらい立派な人(男)、 威風堂々とした男性。 {E: a great person, man, leader.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
útek
ウテㇰ 【他動】(人)を使いにやる、 (人)を(使い走りの仕事に)使う。 póho útek hawe ne ポホ ウテㇰ ハウェ ネ (その母親は)息子を使いにやったんだね。(S会話) cútek ussiw チュテㇰ ウッシウ 使い走り(口上を持って他の人のところへ使いに行くなど)のための使用人。 {E: to use (someone) as a work helper} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utokuyekor
ウトクイェコㇿ 【自動】[u-tokuye-kor 互い・(その)親友[所]・を持つ] 互いに親しくつき合う、 親しい/深い友だちどうしになる。 utokuyekor moto ne poro uk=an pe ne a p ウトクイェコㇿ モト ネ ポロ ソウカン ペ ネ アㇷ゚ 親友になるもととして(=親友としてまた会うために)私はたくさんの借財をしていたのだったが。(KK民話) {E: to become mutually close friends.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utomciwre
ウトㇺチウレ 【他動】[u-tom-ciwre 互い・の正面のまん中・に…刺す。][雅]…を身につける。 kunne kosonte/yaynenayne/utomciwre クンネ コソンテ/ヤイネナイネ/ウトㇺチウレ [雅]黒い小袖を上から下までそろいで身につけている。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utomosma
ウトモㇱマ 【自動】[u-tomosma 互い・にぶつかる] 互いにぶつかり合う。 oharkisounma inunpe turasi a=itákturasire, osisounma inunpe a=itákturasire, apeetok ta itak utomosma ruwe ne オハㇻキソウンマ イヌンペ トゥラシ アイタㇰトゥラシレ、 オシソウンマ イヌンペ アイタㇰトゥラシレ、 アペエトㇰ タ イタㇰ ウトモㇱマ ルウェ ネ 私は左座でも炉縁に沿ってまじないの言葉を言い、 右座でも炉縁に沿ってまじないの言葉を言って、 横座でまじないの言葉が互いにぶつかった。(HK民話) ☆参考 tom(o) osma トㇺ/トモ オㇱマ …にぶつかる。 {E: to bump into, meet each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utorsam
ウトㇿサㇺ 【位名】[概](所はutorsama ウトㇿサマ)[ut-or-sam 肋骨・の所・(< の側)] 脇、 横。 toan hako utorsam ta an pe トアン ハコ ウトㇿサㇺ タ アン ペ あの(細長い)箱の横(長い方の側)にあるもの。(S) en=utorsam ta a エヌトㇿサㇺ タ ア 私の脇に座りなさい。(S) ☆対語 etupsi エトゥㇷ゚シ (もの)の先。 kotca コッチャ …の前。 osmak オㇱマㇰ …の後ろ。 ☆参考 sam サㇺ …のそば。 teksam テㇰサㇺ …の横。 {E: the side (of something).} (出典:田村、方言:沙流)
útur(u)ke(he) 2
ウトゥㇽケ(ヘ)/ウトゥルケ(ヘ) 【位名】[所](概は útur ウトゥㇽ)[utur-u-ke …の下座・(所属語尾)・(よりはっきりさせる所属語尾)…の所] その下座(その西側/入口側)の所。 osisoun kamuy ekasi a wa an, úturuke ta kamuy ne noyne an húci a wa an オシソウン カムイ エカシ ア ワ アン、 ウトゥルケ タ カムイ ネ ノイネ アン フチ ア ワ アン 右座(いろりの北側、 主人の席)に、 神なる老人が座っていた、 その下座側(西側、 入口側)に、 神のような老女が座っていた。(W神謡語り) ☆参考 úturu ウトゥル の形は未出。 {E: the lower seat of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uturu
ウトゥル 【位名】[所](概は utur ウトゥㇽ)(…の)間(空間的にも時間的にも)。 kotan uturu tuyma コタン ウトゥル トゥイマ 村と村の間が遠い。(W) a=eyáykewkor oruspe ka itak uturu ne wa síran ruwe un アエヤイケウコㇿ オルㇱペ カ イタㇰ ウトゥル ネ ワ シラン ルウェ ウン そういう苦労の思い出話も、 話の間に入っているのですよ。(W会話) uturu an kor ウトゥル アン コㇿ その間あいだに、 その間にときどきはさんで。 uturu ta ウトゥル タ ときどき、 時により、 間をおいて。 uturu ta ek ranke, uturu ta somo ranke ウトゥル タ エㇰ ランケ、 ウトゥル タ ソモ ランケ ときどき来ることもある、 来ないこともある。(S) uturu uturu ウトゥル ウトゥル ところどころ。 uturu uturu opusopus ウトゥル ウトゥル オプソプㇱ ところどころ穴がポツポツあいている。(S) {E: between (time and space).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwakikor
ウワキコㇿ 【自動】[u-w-aki-kor 互いに・(挿入音)・の弟・を持つ] 兄と弟または姉と弟の関係にある。 uwakikor utar ウワキコㇿ ウタㇻ 弟と兄姉(一方又は両方)。 uwakikor utar hunak un paye siri an? ウワキコㇿ ウタㇻ フナクン パイェ シリ アン? 兄弟(または姉弟)そろってどこへ行くのだろう。(S) {E: an older brother-younger brother relationship, also, older sister-younger brother relationship.} (出典:田村、方言:沙流)
uwarke
ウワㇻケ 【位名】[u-w-arke 互い・(挿入音)・の片割れ[所]](一つの丸いもの/塊状のものの) 半分ずつ。 uwarke a=e ro ウワㇻケ アエ ロ (リンゴを)半分ずつ食べよう。(S) ☆参考 トウモロコシのような長いものの半分ずつは uwemko ウウェㇺコ。 {E: half (of something round).} (出典:田村、方言:沙流)
uwaste
ウワㇱテ 【自動】[u-w-as-te 互い・(挿入音)・立つ・させる](?) (植物が)繁殖する、 (人間でも)子孫が生まれてふえる。 nonno o wa ipeo wa pókor hi koraci aynu ka uwaste ノンノ オ ワ イペオ ワ ポコリ コラチ アイヌ カ ウワㇱテ (木が)花が咲いて実がなるのと同じように人間もふえていく。(S言い伝え) motoho anak sinep ne korka uwaste katu repun iworso atuyso ka wa uwaste hike néno aynu ne yakka usinnayno katkor モトホ アナㇰ シネㇷ゚ ネ コㇿカ ウワㇱテ カトゥ レプン イウォㇿソ アトゥイソ カ ワ ウワㇱテ ヒケ ネノ アイヌ ネ ヤッカ ウシンナイノ カッコㇿ 起源は一つであってもふえ方が沖の方、 海外から妻をめとってふえた者はそれなりに同じ人間であっても姿形が違っている。(S言い伝え) tapan yam e=carpa yakun oro wano yam sekor a=ye p uwaste yakne タパン ヤㇺ エチャㇻパ ヤクン オロ ワノ ヤㇺ セコㇿ アイェㇷ゚ ウワㇱテ ヤㇰネ あなたがこの栗をまけばそこから栗というものがふえていって。(W神謡語り) ☆参考 動物が繁殖することは uwatte ウワッテ。 {E: to breed; reproduce.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwato
ウワト 【自動】[u-w-ato 互い・(挿入音)・(?)] たくさん並んでいる。 nupuri uwato ápekor síran ヌプリ ウワト アペコㇿ シラン 山がたくさん並んでいるみたいになっている(「あまり遠くでなく、 近く近く見えたとき」に言う)。(S) ruwe ni uwato ルウェ ニ ウワト 太い木がたくさん並んでいる。(S) heyapte heyapte pon pínay uwato ápekor siran ヘヤㇷ゚テ ヘヤㇷ゚テ ポン ピナイ ウワト アペコㇿ シラン 山の方へ山の方へと小さい谷川がたくさん並んでいるみたいになっている。(S) {E: for a lot of something to be lined up.} (出典:田村、方言:沙流)
uwe(he)
ウウェ(ヘ) 【名】[所](概は不明) 煮出し汁(野菜を煮た汁、 お茶)、 煮物の汁の部分。 numihi patek k=e ayne uwe patek an ヌミヒ パテㇰ ケ アイネ ウウェ パテㇰ アン (煮物の)実のところだけ食べていて汁ばかり残った。(S) úsey uwe pirka ウセイ ウウェ ピㇼカ お茶がおいしく出た。(S) uwehe a eytasa ki ayne péne ウウェヘ ア エイタサ キ アイネ ペネ (ごはんの)水があまり多すぎてベチャベチャになった。(S) {E: soup stock.} (出典:田村、方言:沙流)
uwehaye
ウウェハイェ 【自動】[u-w-e-haye 互い・(挿入音)・と共に・(?)] くいちがう(「材料について言う。 人のことではない。」 (S))。 ikuspe pesni uwehaye イクㇱペ ソペㇱニ ウウェハイェ 柱と桁がくいちがった。(S) {E: to crisscross; be contradictory.} (出典:田村、方言:沙流)
uwekari
ウウェカリ 【自動/副】[u-w-ekari 互い・(挿入音)・の方に向かって] ①[自動][単](複は uwekarpa ウウェカㇻパ)(他の語の構成部分として)互いの方に向かって寄って来る(独立の自動詞としての用例はない)。 ②[副]両方から。 uwekari arki ウウェカリ アㇻキ (たとえば二人の人が)両方から来る(バッタリ行き合う)。 néa pínay uwekari soske híne ネア ピナイ ウウェカリ ソㇱケ ヒネ その谷の崖が両方からくずれて。(W言い伝え) uwekari uwekari ウウェカリ ウウェカリ あっちからもこっちからも、 代わるがわる、 入れかわり立ちかわり。 uwekari uwekari am us hemanta kikiri ウウェカリ ウウェカリ アムㇱ ヘマンタ キキリ 左右両側にたくさんのつめが生えているへんな虫(「ムカデ」の訳語として出た)。 uwekari uwekari kamuy opitta i=tomoytak hi ora ウウェカリ ウウェカリ カムイ オピッタ イトモイタキ オラ 代わるがわる神々が皆私のところに来てなだめてくれてから。(W神謡語り) {E: ① ②from both.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwemko
ウウェㇺコ 【位名】[u-w-emko 互い・(挿入音)・の半分](一個の細長いものの)半分ずつ。 uwemko a=e ro ウウェㇺコ アエ ロ (トウモロコシを)半分ずつ食べよう。(S) uwemko ta uwemko ta oka ウウェㇺコ タ ウウェㇺコ タ オカ 長屋/社宅に半分ずつ(=一棟の長屋/社宅に二世帯ずつ)住んでいる。(S) ☆参考 りんごのような丸いものや塊状のものの半分ずつは uwarke ウワㇻケ。 {E: half each (of something long and thin).} (出典:田村、方言:沙流)
uwenupetne
ウウェヌペッネ 【自動】[u-w-e-nupetne 互い・(挿入音)・によって(?)/と共に・喜ぶ(?)] 互いになつかしがって喜ぶ。 {E: to be mutually joyed at meeting someone after a long time.} (出典:田村、方言:沙流)
uweokok
ウウェオコㇰ 【自動】[u-w-e-okok 互い・(挿入音)・に・ひっかかる](互いに)ひっかかる、 (糸が)もつれる、 (男女が)「ひっかかる」。 uweokok, pita pita! ウウェオコㇰ、 ピタ ピタ! (縄が)もつれてひっかかった、 ほどいてほどいて。(S) osoro uweokok オソロ ウウェオコㇰ (彼らの)尻がひっかかった=彼女はあの男とひっかかった。(S) uweokok wa epakoat ウウェオコㇰ ワ エパコアッ 「男と女とひっかかって/もつれて問題になった」。(S) ☞eokok エオコㇰ {E: to be caught on something; get tangled.} (出典:田村、方言:沙流)
uwepekennu
ウウェペケンヌ 【自動】[uwepeker-nu 話・を聞く] 事情をたずねる、 わけをたずねる、 くわしいことをたずねる。 “i=tura wenkur e=ne a p mak é=iki e=nispane?” sekor uwepekennu hi kusu 「イトゥラ ウェンクㇽ エネ アㇷ゚ マㇰ エイキ エニㇱパネ?」 セコㇿ ウウェペケンヌ ヒ クス 「あなたはおれと同じ貧乏人だったのにどうやって裕福になった?」と彼がたずねたから。(S民話) “somo nep ka a=erának pe isam ruwe ne ya?” sekor uwepekennu=an yak pirka 「ソモ ネㇷ゚ カ アエラナㇰ ペ イサㇺ ルウェ ネ ヤ?」 セコㇿ ウウェペケンヌアン ヤㇰ ピㇼカ 「何か心配なことはありませんか」とおたずねなさいませ。(NK民話) kanna suy uwepekennu=an yakne カンナ スイ ウウェペケンヌアン ヤㇰネ あなたがもう一度重ねておたずねになると。(NK民話) ☆参考 kowepekennu コウェペケンヌ [ko-uwepekennu](彼)に事情をたずねる。 ☆参考 一言で答えるような簡単なことを質問することは pisi ピシ。 {E: to ask, inquire about conditions, reaons, details.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwepekennupa
ウウェペケンヌパ 【自動】[複](uwepekennu ウウェペケンヌ は単複の区別なし) (二人以上が皆)わけ/事情/くわしいことをたずねる。 “suma he ani a=kar kor pirka, cikuni he ani a=kar kor pirka hawe an?” sekor suy uwepekennupa 「スマ ヘ アニ アカㇻ コㇿ ピㇼカ、 チクニ ヘ アニ アカㇻ コㇿ ピㇼカ ハウェ アン?」 セコㇿ スイ ウウェペケンヌパ (人間をつくってもよいとのことですが)石でつくればいいでしょうか、 木でつくればいいのでしょうか?」と(地上の神々は)またおうかがいをたてた。(S言い伝え) {E: to ask inquire about conditions, reasons, details (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwetunuyse
ウウェトゥヌイセ 【自動】[u-w-e-tunun-se 互い・(挿入音)・と一緒に・(擬音の重複)・と言う](次の慣用表現の中で)美しく響く。 kanemayne uwetunuyse カネマイネ ウウェトゥヌイセ [雅] 金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる(女神の話す声が、 金属をたたいたときのウンウンウンウンという響きのように美しく響いて聞こえる、 下げ飾りのついたシントコ(tumsikot sintoko トゥㇺシコッ シントコ)を動かしたときは飾りがゆれてぶつかる音がカチャカチャカチャと美しく聞こえる)。 ekutcam konna/kanemay ne/uwetunuyse エクッチャㇺ コンナ/カネマイ ネ/ウウェトゥヌイセ [雅]その声が金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる。(Sユーカラ) ☆参考 語の形から見ると《トゥンウンウン…と響く》というのだから、 女神の声のようにウンウンウンと反響する響きのほうが原義であろう。 {E: to sound beautifully.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uweyayram-ikasure
ウウェヤイラㇺイカスレ/ウウェヤイラミカスレ 【自動】[u-w-e-yay-ram-i-kasu-re 互い・(挿入音)・と共に・自分・心・人・にまさる・させる] 互いに負けずにする、 励み合ってする(「どっちも負けずにする、 働く、 お金もためる」)。(S) anun orke apa orke nep uwehosi arikikpa siri isam, uweyayramikasure アヌノㇿケ アパ オㇿケ ネㇷ゚ ウウェホシ アリキㇰパ シリ イサㇺ、 ウウェヤイラミカスレ 他人も親戚も皆本当に競い合ってよく働く、 「負け勝ちなしに、 ここの部落の人は働ききちがい、 働き道楽」。(S) {E: so as not to be mutually beaten; work hard together.} (出典:田村、方言:沙流)
uwoeroski
ウウォエロㇱキ 【他動】[u-w-o-e-roski 互い・(挿入音)・の尻・の所に・立てる] ①次々に重ねる。 pon itanki a=uwóeroski ポン イタンキ アウウォエロㇱキ 小さい茶碗が重なっている(携帯用のコップの重なっているのを見て言った言葉)。(S) ②短いものを次々につなぎ合わせて長くする。 ③[雅](次の慣用表現で)たくさん並べる。 kaparpe itanki/kaparpe otcike/uwoeroski カパㇻペ イタンキ/カパㇻペ オッチケ/ウウォエロㇱキ [雅]ぬりもののおわん、 ぬりもののお膳をたくさん並べて。(Sユーカラ) (育ての姉が主人公の少年を大切に育ててくれたことを物語るくだりの常套句。) {E: ①to pile up one upon the other. ②to join a number of shorter things together to make something longer.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwokpare
ウウォㇰパレ 【自動】[u-w-okpare 互い・(挿入音)・を虐待する] 虐待し合う、 互いに大切にしない、 一方が他方を虐待する。 (用例の文脈では息子とその嫁が母親を虐待した話で、 語り手のワテケさんは「親不孝」と訳した。) uwokpare p uwepeker tap ku=ye wa k=ókere hawe tapan na ウウォㇰパレㇷ゚ ウウェペケㇾ タㇷ゚ クイェ ワ コケレ ハウェ タパン ナ 「親不孝」(=親いじめ)の民話を、 私はいま語り終えました。(W独話) {E: to be disobedient to one's parents; ill-treat one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwomano
ウウォマノ 【副】皆そろって、 一つ残らず。 uwomano ári ウウォマノ アリ (茶碗を一式)そろえておきなさい。(S) ne nep ne yakka uwomano oka ya? ソネ ネㇷ゚ ネ ヤッカ ウウォマノ オカ ヤ? 本当になんでも残らずあるだろうか(「盗られたんでないだろか」)。(S) {E: all together.} (出典:田村、方言:沙流)
uworkopoyke
ウウォㇿコポイケ 【自動】[u-w-or-kopoyke 互い・(挿入音)・の所・にまじる] 互いの中に入りまじる、 まぜこぜになる。 aynu ne ciki sísam ne ciki repunkur, sonno repunkur ne ciki uworkopoyke wa mosir epitta siyusacari アイヌ ネ チキ シサㇺ ネ チキ レプンクㇽ、 ソンノ レプンクンネ チキ ウウォㇿコポイケ ワ モシレピッタ シユサチャリ アイヌも和人(日本人)も外国人、 本当の外国人も入りまじって国じゅうに散らばった。(S言い伝え) ☆参考 ukopoyke ウコポイケ はただ《まざる、 (まぜたものが)まざって均質になる》。 {E: to become mixed.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uyepnu
ウイェㇷ゚ヌ 【自動】[u-ye-p-nu 互い・言う・こと・を聞く] 親や祖父母の言うことに皆聞き従う、 皆同意し合う、 子が親の言うことを聞く(子が親の言うことに従う)。 ☆参考 yepnu イェㇷ゚ヌ…の言うことを聞く、 …の言うことに従う。 ☆参考 「言うことを聞かない」ことは onaha ye p ka nu ka somo ki オナハ イェㇷ゚ カ ヌ カ ソモ キ《父親の言うことを聞かない》のように言う。 {E: to agree.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wa 1
ワ 【格助】①(位置名詞の後に置かれて、 移動の起点を示す。)…から(場所を示す)。 Mosirpasari wa ek モシㇼパサリ ワ エㇰ 斜里(しゃり)から来た。(W民話) osmake wa kotcake wa terke=an オㇱマケ ワ コッチャケ ワ テㇾケアン 私は(寝ている彼の)後ろから前へ前から後ろへと跳びはねてまたいだ。(W民話) kanto or wa kemram kamuy ran カント オㇿ ワ ケㇺラㇺ カムイ ラン 天から飢饉の神が降りて来た。(W民話) oro wa karkarse オロ ワ カㇻカㇻセ そこからころがった。(S会話) ②(《…に》と訳される場合もある。 その場合、 ta タ や un ウン を使った言い方とはニュアンスが異なる。 wa ワ はこの場合も、 動作の起点を示す。) te wa mono a テ ワ モノ ア 「ここから座れ」=ここに来て座りなさい。 (注 te ta mono a テ タ モノ ア (近くにいる人に)ここに座りなさい。 te un mono a テ ウン モノ ア ここへ座りなさい。) ③(受け身の行為者を示す。)or wa/oro wa オㇿ ワ/オロ ワ (人)から。 kamuy or wa okamkir ene a=e=yáynure wa カムイ オㇿ ワ オカㇺキㇼ エネ アエヤイヌレ ワ あなたは神からわざとそのように思わされて。(W民話) ④(連体的に使われて) onnayke wa asamaha オンナイケ ワ アサマハ 内側の底。 soynake wa asamaha ソイナケ ワ アサマハ 外側の底。 {E: ①from…(place). ②… ③from…(people). ④…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wa 2
ワ 【接助】…して(二つの動詞句をつないで一まとまりのことがらとしてまとめる働きをする。 具体的には、 次のようないろいろな場合に使われる)。 ①(一つのもの/ことについて二つ以上の説明や叙述をする場合にその二つの動詞句をつなぐ。) upakno oka wa sattek kusu oka wa ウパㇰノ オカ ワ サッテㇰ クス オカ ワ 同じぐらいの大きさでやせこけていて。(S会話) Kusur un oruspe ne wa teeta oruspe ne wa a=ewkoysoytak kor síran pe tasi an nek! クスルン オルㇱペ ネ ワ テエタ オルㇱペ ネ ワ アエウコイソイタㇰ コㇿ シラン ペ タシ アン ネㇰ! (これは)釧路の話で昔の話で、 私たちはそれについて話し合っているのですよ。(S会話) sunke ka eaykap wa anpe patek ye rusuy pe スンケ カ エアイカㇷ゚ ワ アンペ パテㇰ イェ ルスイ ペ うそをつくことができなくて本当のことばかり言うもの。(S会話) ②(前の動詞句が後の動詞句の表す出来事の方法や意図などを説明する。) ku=hoyupu wa k=ek クホユプ ワ ケㇰ (私は)走って来た。 hosippa wa paye ホシッパ ワ パイェ (彼らは)もどって行った。 ③(前の動詞句の出来事が終わってから後の動詞句の出来事が起こることを言う。)…して。 otcike huraye wa pirpa オッチケ フライェ ワ ピㇼパ お膳を洗ってふきなさい。(W) núman k=ek wa tanto suy ukoytak=an hawe ne ヌマン ケㇰ ワ タント スイ ウコイタㇰアン ハウェ ネ 私は昨日来て、 今日また(姉と私と)二人で会話をするのです。(S会話) ne to or ta cip hene a=kar wa oro ta a=anú wa ネ ト オッタ チㇷ゚ ヘネ アカㇻ ワ オロ タ アアヌ ワ その湖に舟でもつくってそこに置いて。(S会話) ④(前の出来事が後の出来事の原因か理由になっている。)…して。 k=úkao oyra wa rurikan クカオ オイラ ワ ルリカン (私は洗濯物を)しまい忘れて少し湿った。(W) mosma kur or ta wenpe an wa oro ta ka ku=yorot モㇱマ クロッタ ウェンペ アン マ オロ タ カ クヨロッ 他の人の家に不幸があって私はそこにも行って来た。(S会話) (原因や理由の説明だということをはっきり述べるには kusu クス、 pe ne kusu ぺ ネ クス、 wa kusu ワ クス、 hi kusu ヒ クス などが用いられる。) ⑤(補助動詞表現で) wa an …ワ アン。 (1)(すでに)…している。 mokor wa an モコㇿ ワ アン 眠っている(すでに寝ついていることを言う。 mokor kor an モコㇿ コラン は寝つきつつあること、 つまり眠りかかっていることを言う)。(W) (2)…してある。 a=suwé wa an アスウェ ワ アン 煮てある、 (ごはんが)たいてある。(W) wa anu ワ アヌ (あらかじめ)…しておく。 ku=ye wa k=ánu クイェ ワ カヌ 私は言っておく。 wa isam ワ イサㇺ …して(なくなって)しまう。 e wa isam エ ワ イサㇺ 食べてしまう。 wa oka ワ オカ (wa an ワ アン の複数)(二人/二つ以上が) (1)(すでに)…している。 móno rok wa oka モノ ロㇰ ワ オカ (彼らは)座っている。 (2)…してある。 a=kar wa oka アカㇻ ワ オカ たくさんつくってある。 wa okere ワ オケレ (1)予定の行動をすっかり…してしまう(完了する)、 …し終わる。 ray wa okerpa ライ ワ オケㇾパ 皆死んでしまう。(KK掛け合い歌) (2)とても/極めて…(である)。 wen wa okere pon cise ウェン マ オケレ ポン チセ とても悪い(粗末な)小さい家。(S) ⑥[熟語・慣用句など] ne wa an ネ ワ アン [連体][単]/ne wa oka ネ ワ オカ [複] 今言っているこの/その、 今/さっき言ったその/あの(☞ne wa an ネ ワ アン、 ネ ワ オカ)。 wa kusu ワ クス …したから、 …だから。 k=úni ta ku=mokor wa k=an yakun e=mismu kuni ku=ramu wa kusu k=ek ruwe un クニ タ クモコㇿ ワ カン ヤクン エミㇱム クニ クラム ワ クス ケㇰ ルウェ ウン 私がうちで眠っていたらあなたがさびしいだろうと思ったから来たんだよ。(S) ☆参考 wa ワ と似た文脈で híne ヒネ も使われる。 どちらも使える場合も多いが、 日常会話では wa ワ のほうが多く使われ、 昔話などの語りの中では híne ヒネ のほうが多く使われる。 日常会話の中でも、 ③のように、 相前後して起こる事柄を述べる場合には、 híne ヒネ もよく使われる。 その場合でも、 前の出来事を述べてからそれと同じ重さで次の出来事を述べるのに、 言い換えれば二つの事柄をただ順番に述べていくのには híne ヒネ が多く使われるのに対して、 二つの出来事を一まとまりの事柄としてまとめるのには wa ワ が多く使われる。 また、 wa ワ はほとんどの場合動詞句の後に置かれるが、 híne ヒネ は前に動詞句のない文頭にも置かれる。 ☞híne ヒネ ☆参考 二つの別々の事柄が同時に起こることを表すには、 wa ワ ではなく kor コㇿ が使われる。 ☞kor コㇿ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wakusu
ワクス 【接】[wa-kusu …して・故に] だから(wa kusu ワ クス の前の部分が言われなくて、 文頭に来た形、 前の文で言ったことまたは言われたことを受けて言う)。 wakusu somo k=ek ruwe un ワクス ソモ ケㇰ ルウェ ウン だから来なかったんだよ。(S) {E: because one did…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wan 1
ワン 【連体】[数連体]十の。 wan sike ワン シケ 十個の荷物。 wan poyson ワン ポイソン 十人の子ども。 wan to ワン ト 十日。 {E: ten (as a counter).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wano
ワノ 【格助】[wa-no から・(副詞語尾)](起点を示す。)(場所/時)…から。 toop Karapto wano トオㇷ゚ カラㇷ゚ト ワノ はるか遠い樺太から。(S言い伝え) otuymasirun wano ku=hotku kane wa k=ek オトゥイマシルン マノ クホック カネ ワ ケㇰ 私はずいぶん遠い所からかがんで来た。(S) núman wano tanto pakno ヌマン ワノ タント パㇰノ きのうから今日まで。 té wano テ ワノ これから(今から)。 té wano anak somo néno iki=an kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ イキアン クス ネ ナ もうこれからはあんなことはしませんから。(W民話) poni wano ポニ ワノ 小さい(幼い)ときから。 hemtomani wano ヘㇺトマニ ワノ このごろから、 最近。(W民話) ☆参考 場所については wa ワ が多く使われ、 時についてはほとんどの場合 wano ワノ が使われる。 場所の場合は wa ワ と wano ワノ はほぼ同義だが、 wano ワノ のほうがよりはっきりとした表現になる。 ☞wa ワ 1 {E: from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenaynu
ウェナイヌ 【名】[wen-aynu 悪い・人間/男] 悪い男、 悪党(=wenokkayo ウェノッカヨ)。 ☆参考 wenkur ウェンクㇽ は《貧しい人》、 e=kor wen aynu エコㇿ ウェン アイヌ は《あなた/お前の悪いおとうさん》。 {E: a bad person, man, a villain.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenkur
ウェンクㇽ 【名】[wen-kur 悪い/貧しい・人] 貧乏人。 wenkur umurek ウェンクㇽ ウムレㇰ 貧乏人夫婦、 貧しい夫婦。 wenkur húci ウェンクㇽ フチ 貧しい老婦人。 (注 wen húci ウェン フチ は《だめなおばあさん》)。 ☆参考 isram イㇱラㇺ/isramne イㇱラㇺネ 貧しい。 ikoytupa イコイトゥパ (貧しくて)ものに不自由している。 {E: a poor person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenpe
ウェンペ 【名】[wen-pe 悪い・もの/こと] ①悪いもの、 悪いこと(=wen pe ウェン ペ)。 ②人の死。 wenpe an ウェンペ アン 不幸があった、 人が亡くなった。 ③貧乏人(悪く言う言葉)。(W) wenpe taype ウェンペ タイペ/wenpe sani ウェンペ サニ 貧乏人の子(悪口、 憎まれ口)。 ☆参考 ほかに toype トイペ、 sirunpe シルンペ とも言う。 {E: ①something bad. ②the death of someone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenpurikor
ウェンプリコㇿ 【自動】[wen-puri-kor 悪い・性癖・を持つ] 悪い性癖を持つ、 素行が悪い、 悪事を働く。 {E: to have bad (mental) habits; do wrong to a person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenpurikorpa
ウェンプリコㇿパ 【自動】[複](wenpurikor ウェンプリコㇿ は単複の区別なし)(二人以上が皆)悪い性癖を持つ、 素行が悪い、 悪事を働く。 a=matnepo wen a hawe ka somo ne aan pe ene, wenpurikor=an-pa hawe ne aan アマッネポ ウェン ア ハウェ カ ソモ ネ アアン ペ エネ、 ウェンプリコランパ ハウェ ネ アアン (今話を聞いてわかったことだが)娘が悪かったのではないのに、 私たちはあのように娘をせっかんして殺すというような悪いことをしてしまったのだなあ。(W民話) ☆参考 不定人称形は wenpurikor=an-pa ウェンプリコㇿアンパ/ウェンプリコㇿアンパ。 {E: to have bad habits; do wrong to a person (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenruy
ウェンルイ 【自動】[wen-ruy ひどく・激しい](声や音が)ひどく激しい/とても大きい。 …haw wenruy ハウ ウェンルイ …する声がとても大きい、 ものすごい大声で…する/した。 hekattar sinot humi wenruy ヘカッタㇻ シノッ フミ ウェンルイ 子どもたちの遊ぶ音がものすごい。 hawehe wenruy ハウェヘ ウェンルイ 声が「ばかでかい」(やかましい)。 {E: a loud, terrible voice, sound.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wentarapte
ウェンタラㇷ゚テ 【他動】[自動使役][wentarap-te 夢を見る・させる] …に夢を見させる。 ☆参考 神が人間に自分の意図や事の次第を明かすのに、 当人あるいは村おさか村おさの妻のような人に夢を見させて知らせる。 {E: to make (someone) dream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
weyyaysukupka
ウェイヤイスクㇷ゚カ 【自動】[wen-yaysukupka ひどく・つらかったことを思い出す]思い出しても本当に恐ろしくつらい、 ひどく恐ろしかったことが忘れられない。 ☞yaysukupka ヤイスクㇷ゚カ {E: to recall, be unable to forget some terrible incident} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wo 1
ウオ 【他動】親指と人差指を広げて(長さ)を計る。 {E: to measure the length of something by the distance of the outstretched thumb and forefinger.} (出典:田村、方言:沙流)
woro
ウオロ 【他動】[wor-o 水の中・に入れる] …を水にひたす(「うるかす」)。 {E: to soak…in water.} (出典:田村、方言:沙流)
worokuta
ウオロクタ 【他動】[wor-o-kuta 水中・に・…を(入れ物から)出して捨てる] …を水中に捨てて流す、 …を水中にぶちまけてしまう。 a=worókuta アウオロクタ 水中にぶちまけられる、 洪水で水に流されてしまう。 {E: for something thrown into the water to be swept away..} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
worosma
ウオロㇱマ 【自動】[wor-osma 水の中・に落ちてしまう] 水に落ちる。 poyson sinep worosma wa mom ポイソン シネㇷ゚ ウォロㇱマ ワ モㇺ 子どもが一人水に落ちて流れた(=溺れた)。(S) {E: to fall, drop into the water.} (出典:田村、方言:沙流)
ya 3
ヤ 【終助/接助】(動詞句の後に置かれて) …か、 …でしょうか、 …かどうか。 (文を終止することもあるし、 後に「たずねる」「考える」「計ってみる」「知らない」「わからない」などの意味の語が来ることもあり、 また連用句として次の節(文)に続いていくこともある。) ne urenka no oka ya? ソネ ウレンカ ノ オカ ヤ? 本当に皆そろっていたでしょうか。(S) e=arpa ya? エアㇻパ ヤ? あなた行ったんでないのか(行ってはいけない所へ)。(S) mak pak páse ya pákari wa nukar マㇰ パㇰ パセ ヤ パカリ ワ ヌカㇻ どのくらい重いか計ってみなさい。(S) …ne ya…ne ya …ネ ヤ …ネ ヤ …だとか…だとか、 …したり…したり。 reye ne ya niyayetaye ne ya レイェ ネ ヤ ニヤイェタイェ ネ ヤ はったり木につかまって上がったり。(W民話) ray he ne ya mokor he ne ya a=ekonramu sitne kane tának kane ライ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ アエコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ [慣用表現]死んだのだか眠ったのだか、 私は意識がもうろうとしていた。(HC民話) {E: interrogative particle; whether or not.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yáesap
ヤエサㇷ゚ 【自動】[ya-e-sap 網・を持って・浜に出る] 網で魚をとる(小さい魚、 近海魚を)。 yáesap kus pis ta san wa an ヤエサㇷ゚ クㇱ ピㇱ タ サン マ アン (彼は)網で魚をとるために浜に出ている。(S) ☆参考 ya kor ヤ コㇿ《網を持つ》とも言う。 ☆参考 舟で沖に出て大きい魚をとることは pisoyramante ピソイラマンテ 。 {E: to catch fish with a net.} (出典:田村、方言:沙流)
yakka
ヤッカ 【接/接助】[yak-ka …すると・も] ①(たとえ)…しても、 …する/したけれども。 apto as yakka upas as yakka wakka poro yakka, sonno k=ek kus ne wa アㇷ゚ト アㇱ ヤッカ ウパㇱ アㇱ ヤッカ ワッカ ポロ ヤッカ、 ソンノ ケㇰ クㇱ ネ ワ 雨が降っても雪が降っても大水になっても、 本当に来ますよ。(S) yakka pirka ヤッカ ピㇼカ …してもよい。 e=e yakka pirka. エエ ヤッカ ピㇼカ (あなた)食べてもいい。 yakka wen ヤッカ ウェン …しても/したけれどもだめだ/だめだった。 a=e=tére yakka wen アエテレ ヤッカ ウェン 私たちはあなたを待っていたけれどもだめだった(あなたは来なかった)。(W会話) ne yakka ネ ヤッカ …であっても、 …でも。 nep ne yakka ネㇷ゚ ネ ヤッカ 何でも。 nen ne yakka ネン ネ ヤッカ だれでも。 ②(文頭に置かれて前の文との関係で)そうしても、 それでも、 でも。 “ene cis kor arpa rusuy pe a=arpare hike makanak ne wa?” yakka iyapo nu ka somo ki no un=hawekoyki 「エネ チㇱ コㇿ アㇻパ ルスイ ペ アアㇻパレ ヒケ マカナㇰ ネ ワ?」 ヤッカ イヤポ ヌ カ ソモ キ ノ ウンハウェコイキ 「あんなに泣いて行きたがっているもの、 行かせたらどうですか。」でも(=そう言っても)父は全然聞きもしないで私たちを叱りつける。(S) ☆発音 n ン に終わる語の後に置かれて続けて発音されるとき、 しばしば y イ は落ちる。 たとえば an yakka アン ヤッカ は ayyakka アイヤッカ と発音されることもあり、 またもっと早く続けて言うと anakka アナッカ と発音されることもある。 {E: ①even if; although. ②but; even; though.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yakun
ヤクン 【接】[yak-un …すれば・(強め/肯定)] ①…する/したならば、 …する/したのだとすれば。 (後続の文を言う前に状況を設定する働きをする。 必ずしも仮定条件とは限らず、 事実を認め、 納得した上で、 「そうであるなら」「それなら」「その場合は」のような表現にも用いられる。) e=arpa yakun e=eraman エアㇻパ ヤクン エエラマン 行けばわかる。(S) somo e yakun nepki ka eaykap kuni ramu ソモ エ ヤクン ネㇷ゚キ カ エアイカㇷ゚ クニ ラム 彼はそれを食べなければ働くことができないと思った。(S民話) potara=an yakun oraun nep ka a=i=kóre yakun somo a=eyáyye no a=uk yak pirka p ポタラアン ヤクン オラウン ネㇷ゚ カ アイコレ ヤクン ソモ アエヤイイェ ノ アウㇰ ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ 悪神ばらいをしたのなら何かくれると言われたら、 辞退せずに受け取ればよかったのに。(NK民話) hawe ne yakun ハウェ ネ ヤクン そういうことなら、 それなら、 それでは。 ②(文頭に置かれ、 前の文との関係で)それなら、 それでは、 じゃあ。 yakun suy ku=ye na ヤクン スイ クイェ ナ じゃあまた(私が)言うから。(S会話) {E: ①if; when. ②then.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yarpehe
ヤㇻペヘ 【名】[所](概は yarpe ヤㇻペ) …のおしめ/おむつ。 “poyson yarpehe hunak ta e=anu?” “toanta ku=satke wa an” 「ポイソン ヤㇻペヘ フナㇰ タ エアヌ?」「トアンタ クサッケ ワ アン」 「子どものおむつをあなたどこに置いた?」「あそこに干してある。」 (S) {E: a rag, nappy, diaper of…} (出典:田村、方言:沙流)
yarpesamomap(-i)
ヤㇻペサモマㇷ゚ §004.あかご;あかんぼ(40)yarpe-samomap(-i)〔jár-pe-sa-mò-map やㇻペサモマㇷ゚〕⦅ムカワ⦆赤んぼ。[<yarpe(ぼろ↑)+somomap(糞樽↑)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
yaskosanu
ヤㇱコサヌ 【自動】[yas-kosanu (裂く/裂けることを表す擬音の語根)・瞬間に…する] バリッと裂けたような音がする。 i=enkaske puskosanu yaskosanu イエンカㇱケ プㇱコサヌ ヤㇱコサヌ 私の上の方でパンと破裂したようなバリッ裂けたような音(=雷が落ちたような音)がした。(HC民話) ☆参考 -kosanu コサヌ は二風谷から上(かみ)で使う。 川下の人は -kosanpa コサンパ の形を使う。 {E: the sound given off by something tearing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayasurani
ヤヤスラニ 【自動】[yay-asur-ani 自分・の知らせ・を持って行く] 自分の身に起こったことを知らせる、 自分の危急/窮状を訴える。 ☞asurani アスラニ {E: to tell someone of one's incident, happenings.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaycihoki
ヤイチホキ 【名】[yay-cihoki 自分・売りもの] 一人暮らしの人、 着のみ着のままで自分で働いて食べる人(「自分の身を売って食べるから」)。(S) {E: someone living, making a living alone.} (出典:田村、方言:沙流)
yayekatuwen
ヤイェカトゥウェン 【自動】[yay-e-katu-wen 自分・のことについて・恰好・悪い] きまりがわるい、 はずかしい、 まがわるい。 yayekatuwen wa ek ka somo ki ヤイェカトゥウェン マ エㇰ カ ソモ キ (彼は)(一晩泊まったときオシッコしたので)「まがわるくて」(=きまりが悪くて)もう来ない。(S) ☆参考 「はずかしい」は yaysitoma ヤイシトマ、 「はにかむ」ことは utcike ウッチケ と言う。 {E: to be shameful.} (出典:田村、方言:沙流)
yayenukuri
ヤイェヌクリ 【自動】[yay-e-nukuri 自分・について・…が自由にできない]「遠慮する」(ためらうことか)。 yayenukuri somo ki no ka ヤイェヌクリ ソモ キ ノ カ 遠慮しないで。(W) (出典:田村、方言:沙流)
yayepataraye
ヤイェパタライェ 【自動】[yay-e-pata-raye 自分・で・(?)・行かせる]遠慮する。 yayepataraye wa e ka somo ki ヤイェパタライェ ワ エ カ ソモ キ 遠慮して(出されたものを)食べない。(S) ☆参考 oripak オリパㇰ が「遠慮する」と訳されることがあるが、 これは出されたものを食べない/受け取らないことではなく、 神や目上の人に畏敬の念を示してへりくだり、 慎んで行儀よく遠慮深く振舞うことを言う。 eyayye エヤイイェ は《…を辞退する(受け取らない)》。 {E: to be reserved; hesitant.} (出典:田村、方言:沙流)
yayewen
ヤイェウェン 【自動】[yay-ewen 自分・…が不自由だ] 体のどこかに不自由なところがある。 yayewen wa iyapi ヤイェウェン ワ イヤピ 体が不自由で思うように動けない。(S) {E: for some part of the body to be disabled.} (出典:田村、方言:沙流)
yayeymontasa
ヤイェイモンタサ 【自動】抵抗する。 (名詞として使われて)抵抗。 néun an yayeymontasa ka somo ki hawe? ネウン アン ヤイェイモンタサ カ ソモ キ ハウェ? (彼は)なんの抵抗もしなかったのか。(S) {E: to resist.} (出典:田村、方言:沙流)
yayeynonnoitak
ヤイェイノンノイタㇰ 【自動】[yay-e-inonnoitak 自分・について・祈る] 自分のことを神に祈る。 {E: to pray to the gods for something (concerning oneself).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayhumesina
ヤイフメシナ 【自動】[yay-hum-esina 自分・音・をかくす]音を出さないようにする(悪い人が来たかもしれないとき等)。 ☆参考 yayhawesina ヤイハウェシナ 声を出さないようにする。 {E: so as not to make a sound.} (出典:田村、方言:沙流)
yayirwakikor
ヤイㇼワキコㇿ 【自動】[yay-irwaki-kor 自分・兄弟[所]・持つ] 男の子が一人だけである、 男の兄弟がいない。 yayirwakikor sineturesnu ヤイㇼワキコㇿ シネトゥレㇱヌ [雅](「普通の言葉でも言う、 いい言葉。」) (本人は男で)男兄弟がなく妹が一人ある。(S) sonno yayirwakikor utari ka isam wa k=érampokiwen ソンノ ヤイㇼワキコㇿ ウタリ カ イサㇺ ワ ケランポキウェン 本当に男の子たった一人で親戚もなくて私はかわいそうに思っている。(S) ☆発音 ヤイㇽワキコㇿ。 yi イ の部分を高く発音する。 {E: to be an only boy, without brothers.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykata
ヤイカタ 【副】[yay-ka-ta 自分・の上・に] 自分で、 自分が、 ひとりでに。 yaykata apkas ヤイカタ アㇷ゚カㇱ (運んでもらわずに)自分で歩く。 yaykata ka ku ヤイカタ カ ク (人にも飲ませ)自分も飲んだ。 yaykata yaykata ヤイカタ ヤイカタ 自分自分で、 めいめい勝手に。 yaykata wen pe ora eani patek e=wen yak ye ヤイカタ ウェン ペ オラ エアニ パテㇰ エウェン ヤㇰ イェ (彼は)自分が悪いのにあなただけが悪いと言う。(S) yaykata anak nep ka ku=kar somo ki yakka kú=ipe easkay korka ヤイカタ アナㇰ ネㇷ゚ カ クカㇻ ソモ キ ヤッカ クイペ エアㇱカイ コㇿカ 私自身は何もしなくても食べていけるけれど。(S) eytasa ci wa yaykata rapapse wa péne. エイタサ チ ワ ヤイカタ ラパㇷ゚セ ワ ペネ (果物が)あまり熟しすぎて(落とさないのに)ひとりでに落ちてつぶれた。(S) {E: alone; by oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykatante
ヤイカタンテ 【自動】[yay-kat-an-te 自分・ありよう・ある・させる](?) (病人が)体のために少し運動する。 ku=yaykatante kus soy péka k=apkas クヤイカタンテ クㇱ ソイ ペカ カㇷ゚カㇱ 私は運動のために外を歩く。 nen póka yaykatante wa asir réra seru ネン ポカ ヤイカタンテ ワ アシン レラ セル 少し運動に出なさい、 そして新鮮な空気を吸いなさい。(S) {E: (for a sick person) to exercise lightly for one's health.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykatanu
ヤイカタヌ 【自動】[yay-kat-anu 自分・ありよう・を置く](?) ①行儀よくする。 pirkano yaykatanu wa oka yan ピㇼカノ ヤイカタヌ ワ オカ ヤン お行儀よくしていなさい。(S) ②(次の表現で) ciyekosomo/yaykatanu/i=ekarkar チイェコソモ/ヤイカタヌ/イイェカㇻカㇻ [雅]まるで無礼なことを私に言う。(Sユーカラ) ☆参考 oripak オリパㇰ は相手に畏敬の念を示しへりくだって慎んでいること、 yaykatanu ヤイカタヌ は礼儀正しくすることを言うらしいがくわしい用法は未詳。 ☆参考 雅語では koyaykatanu コヤイカタヌ とも言う。 {E: to be well-mannered.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykewkor
ヤイケウコㇿ 【自動】[yay-kew-kor 自分・体/骨格・を持つ] 苦しい/つらい/恐ろしい目に会った(ことを思い出す/ことが忘れられない)。 {E: (to recall, be unable to forget) some hardship or fearful experience.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykoeramewnin
ヤイコエラメウニン 【自動】[yay-ko-eramewnin 自分・に・気がつかない] うっかりする、 ゆだんする。 yaykoeramewnin=an rápokke ta a=yupíhi soyne híne ヤイコエラメウニナン ラポッケ タ アユピヒ ソイネ ヒネ 私がうっかりしていた間に兄は外へ出て行って。(W民話) {E: to be careless; be off guard.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykohosipi
ヤイコホシピ 【自動】[yayko-hosipi ちょっと・もどる]ちょっともどる(忘れものを取りになど)。 {E: to return, to retrieve (something left behind).} (出典:田村、方言:沙流)
yaykoresu
ヤイコレス 【他動】[yayko-resu 一人で・…を育てる] …を一人で育てる。 e=kor poyson e=yaykoresu kor e=an yakun エコㇿ ポイソン エヤイコレス コㇿ エアン ヤクン あなたの赤ちゃんをあなたが一人で育てていれば。(W民話) {E: to raise…alone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaymuysakka
ヤイムイサッカ 【自動】[yay-mun-sak-ka 自分・ごみ・を持っていない・(他動詞化)] きれいずきである(ゴミ一つ置かない、 ほめて言う)。(S) {E: a person who likes things clean and neat.} (出典:田村、方言:沙流)
yaynenayne
ヤイネナイネ 【副】[雅]そろいで。 retar kosonte/retar cipanup/yaynenayne/esipine pe レタㇻ コソンテ/レタッ チパヌㇷ゚/ヤイネナイネ/エシピネ ペ [雅]白い小袖白い頭飾りの鉢巻をそろいで身につけているやつが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaynukur
ヤイヌクㇽ 【名】[yaynu-kur 体具合い・人] 体具合いの悪い人(yaynuwen kur ヤイヌウェン クㇽ)。 {E: someone in a bad state of health.} (出典:田村、方言:沙流)
yayokoykaunu
ヤヨコイカウヌ 【自動】[yay-o-koyka-unu 自分・その尻・波の上手・につける](次の句で)波の上手(かみて)寄りである(南寄りである)。 yayokoykaunu pikata ヤヨコイカウヌ ピカタ 「南しかた」=南南西風。 ☆対語 yayokoypokunu ヤヨコイポクヌ ☆参考 海の方からまっすぐに吹いてくる「しけ風」が pikata ピカタ と呼ばれる。 海岸線が北西から南東へのびているので、 pikata ピカタ は南西風である。 そのやや南寄りのものを yayokoykaunu pikata ヤヨコイカウヌ ピカタ と言い、 やや西寄りのものを yayokoypokunu pikata ヤヨコイポクヌ ピカタ と言う。 ☞réra レラ {E: for a south-south-west wind to blow.} (出典:田村、方言:沙流)
yayokoypokunu
ヤヨコイポクヌ 【自動】[yay-o-koypok-unu 自分・その尻・波の下手・につける] 波の下手(しもて)寄りである(西寄りである)。 (次の句で) yayokoypokunu pikata ヤヨコイポクヌ ピカタ 「西しかた」=西南西風。 ☆対語 yayokoykaunu ヤヨコイカウヌ ☞réra レラ {E: for a west-south-west wind to blow.} (出典:田村、方言:沙流)
yayokucikaewak
ヤヨクチカエワㇰ 【自動】[yay-o-kuci-ka-ewak 自分・その尻・その帯・の上・に位置する](?) ひざを折ってかかとの上に尻をのせて座る(女子の正式の座り方)。 ku=yayokucikaewak ka somo ki no ku=honumsamomare wa patek k=a, ku=kema arka wa kus クヤヨクチカエワㇰ カ ソモ キ ノ クホヌㇺサモマレ ワ パテㇰ カ、 クケマ アㇻカ ワ クㇱ 私は正座しないで横座りしてばかり座る、 足が痛いから。(S) ☆参考 いろいろな座り方については ☞a ア 1 {E: to sit with ones legs folded under oneself with one's buttocks on one's heels.} (出典:田村、方言:沙流)
yayoranrari
ヤヨランラリ 【他動】[yay-o-ran-rar-i 自分・(そこ)に・(< rar 押しつけることを表す語根)・(重複)・(他動詞形成)](そこ)に自分の体を押しつける。 sowsut yayoranrari ソウスッ ヤヨランラリ 壁際に体を押しつける。(W) (出典:田村、方言:沙流)
yayoruspeye
ヤヨルㇱペイェ 【自動】[yay-oruspe-ye 自分・のこと・を言う] 自分のことを話す。 ☆参考 yayeysoytak ヤイェイソイタㇰ 自分のことについていろいろ話をする。 {E: to talk of oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaypuni
ヤイプニ 【自動】[yay-puni 自分・を持ち上げる] 人を見下す。 {E: to look down on someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayrekutpoye
ヤイレクッポイェ 【自動】[yay-rekut-poye 自分の・のど・をかきまわす] のどに指をつっこんで吐くようにする。 eatu, yayrekutpoye wa eatu エアトゥ、 ヤイレクッポイェ ワ エアトゥ 吐きなさい、 のどに指をつっこんで押えて吐きなさい。(S) {E: to poke one's fingers down one's throat so as to vomit.} (出典:田村、方言:沙流)
yayrerap
ヤイレラㇷ゚ 【自動】[yay-rerap 自分・(?)] なげき話をする。 {E: to talk of sorrowful things.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaysamanena 1
ヤイサマネナ 【名】[yay-sama-ne-na 自分・(< の側)・だ・よ] ヤイサマ、 即興歌、 叙情歌、 民謡(歌謡のジャンル名の一つ。 心に浮かんだことを韻文にして自分のふしで歌う即興詩(即興歌)の中で、 yaysamanena ヤイサマネナ というはやし言葉を持つもの)。 ☆参考 沙流川下流地域で使われる名称。 中流の人は yaysama ヤイサマ と言う。 ☞yaysama ヤイサマ {E: an impromtu song; a folk song.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaysiporore
ヤイシポロレ 【自動】[yay-si-poro-re 自分・自分・大きくなる・させる] がまんする、 大人ぶる、 「様子ぶる」、 (今の若者の言い方では)かっこつける。 yaysiporore wa arka yak ye ka somo ki ヤイシポロレ ワ アㇻカ ヤㇰ イェ カ ソモ キ (彼は)がまんして痛いとも言わない。(S) éno p ne korka yaysiporore wa somo e siri エノㇷ゚ ネ コㇿカ ヤイシポロレ ワ ソモ エ シリ (彼はそれを)いつも好きでよく食べるのだが(今は)「様子ぶって」食べないのだ。(S) {E: to put up, have patience with; to act mature than one's age..} (出典:田村、方言:沙流)
yaysurkuere
ヤイスㇽクエレ 【自動】[yay-surku-ere 自分・毒・…に…を食べさせる] 服毒する。 {E: to take poison.} (出典:田村、方言:沙流)
yayteknawa
ヤイテㇰナワ 【副】[yay-tek-na-wa 自分・手・の方・から][雅]自分一人のはからいで。(S) yayteknawa/kanto or wa/mosirso ka ta/rán=an ruwe ヤイテㇰナワ/カント オㇿ ワ/モシㇼソ カ タ/ラナン ルウェ [雅]私は自分一人のはからいで天から地上に降りて来ましたが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayukoraye
ヤユコライェ 【自動】[yay-uko-raye 自分・一緒に・…を行かせる](次の表現の中で) yayukoraye híne soyne ヤユコライェ ヒネ ソイネ おとなしく出て行った。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayus
ヤユㇱ 【自動】川におぼれた人や山で死んだ人の死体等を探す。 yayus=an rok an rok yakka kew a=pa ka somo ki ヤユㇱアン ロㇰ アン ロㇰ ヤッカ ケウ アパ カ ソモ キ 探しても探しても死体が見つからない。(S) {E: to search, look for corpses in the mountains or rivers.} (出典:田村、方言:沙流)
yomne
ヨㇺネ 【自動】こりる。 {E: to learn a lesson from.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yomnere
ヨㇺネレ 【他動】[自動使役][yomne-re こりる・させる] こりさせる。 {E: give someone a lesson.} (出典:田村、方言:沙流)
yorpuy
ヨㇿプイ 【名】[概](所は yorpuye(he) ヨㇿプイェ(ヘ))[i-or-puy もの・の所・孔]肛門。 ☆参考 osorpuy オソㇿプイ とも言う。 {E: the anus.} (出典:田村、方言:沙流)
yúetoko
ユエトコ 【名】[所](概は未出。 etoko エトコ の概は etok エトㇰ)[yu-etok-o 温泉・の水源・(所属語尾)] 温泉の水源地(「かっち」)。 {E: the source water of a hot spring.} (出典:田村、方言:沙流)
yupkir
ユㇷ゚キㇼ 【自動】種まきする(指でふってまく)。 yupkir kus arpa ユㇷ゚キㇼ クㇱ アㇻパ (彼女は)種まきに行った。(S) ☆参考 土を掘って中へ種を入れるのは etoyta エトイタ 。 {E: to sow seeds.} (出典:田村、方言:沙流)