国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ

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tu
トゥ 【tu】 屑. ソンノ ハルコㇿ カムイ ネ ワ.カㇺ トゥー カ サㇰノ キㇼプウㇱ ヨヨヨ ヨヨヨ=本当に肥えた熊だ.肉の端もなく脂身ばかりだ,よかったよかった.ニペㇱ トゥ ネ ヤッカ エヤㇺ ワ アヌ アニ.ク・カエカ クスネ ナ=シナ皮の屑であっても大事にして置けよ.私が糸に撚るので. (出典:萱野、方言:沙流)
tu
トゥ 【tu】 ふたつの. (出典:萱野、方言:沙流)
tu 1
トゥ 【名詞語根】[< ru(?)](糸の)一本。 nuytotu ヌイトトゥ 糸の一本。 (出典:田村、方言:沙流)
tu 2
トゥ 【連体】[数連体] ①二つの、 二個の、 二人の。 tu sike トゥ シケ 二個の荷物。 tu poyson トゥ ポイソン 二人の子ども。 ②たくさんの。 tu… re… トゥ… レ… (1)二つか三つの。 (2)二つも三つもの…(=たくさんの…)。 tu suy ka re suy ka トゥ スイ カ レ スイ カ 二回も三回も(=何回も何回も)。 tu pa ka re pa ka トゥ パ カ レ パ カ 二年も 三年も(=何年間も)。 tu ka-sinkop re ka-sinkop ranke ranke トゥ カシンコㇷ゚ レ カシンコㇷ゚ ランケ ランケ [慣用句]二つも三つもの結び目を下げ下げしている(糸をつむいで/紐をよっている様子の描写)。 tu pekennupe re pekennupe yaykoranke トゥ ペケンヌペ レ ペケンヌペ ヤイコランケ [雅] 二しずくも三しずくもの涙を落とす(=ハラハラと涙を流して泣く)。 (後半の re… レ…《三つの…》は省略されることもある。) tu makke sama kotuye トゥ マッケ サマ コトゥイェ [慣用句]何度だめだと言われても言うことをきかないで自分の意志を通す。 tu moto orke hunara トゥ モト オㇿケ フナラ [慣用句]よくよく素性をさぐる。 {E: ①two as a counter. ②a lot, plenty of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
-yemetu
イェメトゥ 【自動語幹】☞iyemetu イイェメトゥ (出典:田村、方言:沙流)
-yetupeknu
イェトゥペㇰヌ 【自動語幹】☞iyetupeknu イイェトゥペㇰヌ (出典:田村、方言:沙流)
a wa cikitturiri
ア ワ チキットゥリリ §448.すわる(座る)(40)座って足を伸ばす a wa cikitturiri〔á|wa|či-kít-tu-ri-ri あ・ワ・チきットゥリリ〕[座る・そして・足を伸ばしている]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
a=eatup
アエアトゥㇷ゚ 【a=e-atu-p】 吐き出した物.▷ア=それ エ=〜を アトゥ=吐く ㇷ゚=物 ア・エ アトゥㇷ゚ ク・ヌカㇻ アクス スㇽク オマ ワ アン=吐き出した物を私が見てみたら毒が入っていた.→メカレ (出典:萱野、方言:沙流)
a=eatuynomi
アエアトゥイノミ 【a=e-atuy-nomi】 いけにえ(にする).*海がしけた時に生きたままの人間を海の神へいけにえとして捧げる.二風谷でも,交易の際に貰われて来た女の子が大しけの時にいけにえにされそうになったが,養父のお陰で助かったという実話が残っている.貝澤プスンという人がそうされかかった.▷ア=それ エ=それ(=人間) アトゥイ=海 ノミ=まつる (出典:萱野、方言:沙流)
a=etusirkar
アエトゥシㇼカㇻ 【a=e-tusir-kar】 葬式(をする).▷ア=それ エ=それ(=死人) トゥシリ=土饅頭 カㇻ=作る →土を盛り上げた墓を作る エカシ モシㇼホッパ ヤㇰ ア・イェ クス ニサッタ ア・エトゥシㇼカㇻ=おじいさんが亡くなったので,明日葬式をする. (出典:萱野、方言:沙流)
a=eutunas
アエウトゥナㇱ 【a=e-utun-as】 (臼の)ふたり搗きの. →エウトゥナㇱ=ふたり搗き,3人になればウレンアㇱ(ウ=互い レン=3人 アㇱ=立つ)という. (出典:萱野、方言:沙流)
a=kosipencorturikane
アコシペンチョㇿトゥリカネ 【a=ko-si-pencor-turi-kane】 私の足元へ人間の死体が広がっていく. ▷ア=私 コ=そこに シ=自ら ペンチョㇿ=足元 トゥリ=伸ばし カネ=して *ポンヤウンペが戦争に行って人間を斬りまくり,人の上半身が足元に広がっていく[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=kosotuye
アコソトゥイェ 【a=ko-so-tuye】 あるだけの物を取られる.▷ア=人,人間 コ=それ ソ=座,座る所 トゥイェ=切る →座っている所まで全財産が取られてしまうこと ウェンプリ コㇿ パ ワ オラーノ エイパㇻ キㇰキㇰ パ ㇷ゚ シネン イヨㇱキ ワ イェ ワ ア・コパㇱテパ ア・コソトゥイェ パ パㇰノ アシンペ サンケ パ=悪いことをしてから口止めをしあっていたのに,ひとりが酔っ払ってしゃべってしまってばれて,ある物をありったけ取られるほどに罰金や宝物を取られた. (出典:萱野、方言:沙流)
a=netusa
アネトゥサ 【a=ne-tusa】 私のそれは無傷,お陰で命拾いした. アアキヒ アンクスケライポ ケㇷ゚ピロロケ アネトゥサ=弟がいたお陰で(その加勢によって)無傷だった[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=nukar katu
アヌカㇻ カトゥ 【a=nukar katu】 見た目. アイヌ アナㇰネ ア・ヌカㇻ カトゥ パテㇰ ソモ ネ ネユンネユン イコカンタマ ㇷ゚ オカイペ ネ ナ ヤイトゥパレ ヤン アニー=人間は見た目ばかりでなく,いろいろと人をだます者がいるものだから,気をつけなさいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=otuihike
アオトゥイヒケ 【a=otui-hike】 私の切れ端.ユカㇻの中でしばしば出て来る言葉で,自分の血族に対して悪意を込めて,私の切れ端,やつが私のためにならないことをした,などと言う.[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
a=otupekare
アオトゥペカレ 【a=otupekare】 大事にする. →オドペカレ (出典:萱野、方言:沙流)
a=otuwasi
アオトゥワシ 【a=otuwasi】 頼りにする. ペウレクㇽ ネ コㇿカ ラメトコㇿケ(ラメトㇰ オㇿケ) パウェトㇰ トゥラ ア・オトゥワシ ナ エコシ ワ アヌ ヤン=若い人ではあるけれど,度胸も雄弁もともに頼れるから,任せておきなさい.→オトゥワシ (出典:萱野、方言:沙流)
a=tunastuye
アトゥナㇱトゥイェ 【a=tunas-tuye】 急死する,早死にする.▷ア=それ(人)が トゥナㇱ=急ぐ,急いで トゥイェ=切る→速く切られる,急に切られる ナー ペウレクㇽ ネ ア ナンコㇿ ペ ア・トゥナㇱトゥイェ ソンノ ア・ケㇺヌ ハワㇱ ネ ワー=まだまだ若い人であったはずなのに急死されたとは,本当に哀れな話だよ.オナハ カ トゥナㇱ イサㇺ ペ ネ ア ㇷ゚ ウヌフ カ ナー ペウレ アㇷ゚ ア・トゥナㇱトゥイェ ソンノ ア・トゥヤㇱカラㇷ゚ ハワㇱ ネ ワー=父親も早く亡くなったものであったのに,母もまだ若いのに早死にし,本当にいとおしい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
a=turaynu
アトゥライヌ 【a=turaynu】 見つからない.▷アㇻ=全く トゥライヌ=失う ニペㇱ ケㇷ゚ クス エキㇺネ アチャポ イワㇰ イサㇺ ペ ネ クス ケㇱト ア・フナラ ヤッカ ア・トゥライヌ.ライ ルウェ ソモ ネ ウン=シナ皮を剥ぎに山へ行ったおじさんが帰って来ないものだから,毎日探しても見つからない.死んだのではないだろうね. (出典:萱野、方言:沙流)
a=tuyaskarap
アトゥヤㇱカラㇷ゚ 【a=tuyaskarap】 いとおしい,かわいそうだ.▷ア=人(が) トゥヤㇱカラㇷ゚=同情する,憐れむ オナハ カ トゥナㇱ イサㇺ ペ ネ ア ㇷ゚ ウヌフ カ ナー ペウレ ア ㇷ゚ ア・トゥナㇱトゥイェ ソンノ ア・トゥヤㇱカラㇷ゚ ハワㇱ ネ ワー=父親も早く亡くなったものであったのに,母もまだ若いのに早死にし,本当にいとおしい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ahturi
アㇵトゥリ §258 エゾノリュウキンカ (3) ahturi (áh-tu-ri)「あㇵトゥリ」 根 ⦅白浦、真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
amamotuypa
アマモトゥイパ 【自動】[amam-o-tuy-pa 穀物・その尻を・切る・[複]] 稲刈りする、 稲等を根元から刈る。 {E: to reap rice.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
amituye
アミトゥイェ 【ami-tuye】 爪を切る. (出典:萱野、方言:沙流)
amputu
カンプトゥ §245 カンプトゥ  kamputu (kam-pu-tu)「カンプトゥ」[perh.kamputu] ⦅エゾゴセン⦆食せざる貝。 (出典:知里動物編、方言:)
amtur
アㇺトゥㇽ 【名】[am-tur 爪(つめ)・垢(あか)]つめのあか。 amtur pakno pakno oka pon kanpi kotukka wa ári アㇺトゥㇽ パㇰノ パㇰノ オカ ポン カンピ コトゥッカ ワ アリ ほんのつめのあかほどの小さな紙をはりつけておく。(W) (出典:田村、方言:沙流)
anetuy(-e)
アネトゥイ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(8)小腸 ane-tuy(-e)〔á:-ne-tuǐ あーネトゥイ〕[細い・腸]⦅テシオ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
anetuy(-e)
アネトゥイ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(19)小腸 ane-tuy(-e)〔á-ne-tuǐ あネトゥイ〕[ane(細い)+tuy(内臓)]"クマの小腸"⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
antuki
アントゥキ 【名】[< 日本語][植物]アズキ(「ショウズ」)。 antuki ku=kikkik アントゥキ クキッキㇰ あずき落としをする(アズキをたたいて実を落とす)。(S) 〔知分類 p.108アズキの子實((幌別))〕 {E: azuki (red) beans.} (出典:田村、方言:沙流)
antuki
アントゥキ 【antuki】 小豆. (出典:萱野、方言:沙流)
apa-útur
アパウトゥㇽ 【名】[apa-útur 戸口・木尻座(=西側)] 東西二枚戸があるうちの西側の戸口。(S) {E: the entrance on the western side of a house.} (出典:田村、方言:沙流)
apatupatu
アパトゥパトゥ 【apatupatu】 それをごちゃごちゃにする,めちゃくちゃにする[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ape seturu kar
アペ セトゥル カㇻ §453.せなかあぶり(3)ape seturu kar〔a-pé-se-tú-ru-kár アペ・セとぅル・かㇻ〕[火に・その背を・当てる]⦅ビホロ、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
apeetumpe
アペエトゥンペ §155 ガ(蛾)類 (1) apeetumpe(a-pe-e-tum-pe)「アペエトゥンペ」[<ape(火)etun(借りる)-pe(者)]⦅名寄、美幌、旭川、様似、幌別、礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
apeetun-heporap
アペエトゥンヘポラㇷ゚ 【名】[ape-etun-heporap 火・を借りる・チョウ][動物] ガ(蛾)。(注 チョウ(蝶)とともに「チョウチョウ」と言う)。〔知分類 p.98 apeetumpe ガ類〕 {E: a butterfly.} (出典:田村、方言:沙流)
apeetunpe
アペエトゥンペ 【ape-etun-pe】 蛾:チョウに似た昆虫でおもに夜活動する. ▷アペ=火 エトゥン=借りる ペ=者 *火を借りに来る虫.東京で4年間暮らしたが,夏の間街灯に蛾の1匹も来ないのでびっくりした.東京という大都会は,空気がきれいなのか汚ないのか分からない.飛んで火に入る夏の虫,というよりは,火を借りに来る虫,の方がなんとなく身近に感じられる名前である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
apekes'utur
アペケㇱウトゥㇽ 【ape-kes-utur】 炉尻. オッカイポ アペケㇱ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) エ・ア コㇿ ポン ユㇰ ポカ エ・オラウキ ナ テウン エㇰ ワ ア=若者よ,炉尻に座ると小鹿も獲れないものだから,ここへ来て座れ. (出典:萱野、方言:沙流)
apekes-útur
アペケストゥㇽ 【位名】[ape-kes-utur 火・の末端・下座] 木尻座(家の中の炉の西側の入ってすぐの座)。 ☞útur ウトゥㇽ {E: the seat on the western-side of the hearth of a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
apekotuk
アペコトゥㇰ 【ape kotuk】 (何かに)火がつく.▷アペ=火 コトゥㇰ=(に)くっつく,粘着する →火がつく (出典:萱野、方言:沙流)
apetumpe
アぺトゥンペ §123 アリ 蟻 (6) apetumpe(a-pé-tum-pe)「アぺトゥンペ」⦅穂別⦆アリ類の有羽成虫 (出典:知里動物編、方言:)
apetumpe
アぺトゥンペ §155 ガ(蛾)類 (2) apetumpe(a-pé-tum-pe)「アぺトゥンペ」⦅美幌、広尾、旭川、様似⦆ (出典:知里動物編、方言:)
apeutur_ ta
アペウトゥッ タ 【ape-utur ta】 火尻.炉の入り口に近いほう.▷アペ=火 ウトゥㇽ=木尻座 タ=に (出典:萱野、方言:沙流)
apiskatu apiska
アピシカトゥ アピシカ 【間投】(kamuy-cikap カムイチカㇷ゚《フクロウ》の神謡の折り返し。 意味不明。) (W神謡K) ☆参考 知里幸恵『アイヌ神謡集』の「銀のしずく降る降るまわりに」で知られる神謡の類歌である。 したがって piska ピㇱカ の部分は piskan ピㇱカン《そのまわり》の転化かもしれない。 (出典:田村、方言:沙流)
aptocikap、wakkatuytuy
アㇷ゚トチカㇷ゚(西)、ワッカトゥイトゥイ(東) §316 ツバメ (2) apto-cikap、wakkatuytuy (apto-čikap、wakka-tuytuy)「アㇷ゚トチカㇷ゚(西)、ワッカトゥイトゥイ(東)」(キ753) (出典:知里動物編、方言:)
aptotumas
アㇷ゚トトゥマㇱ 【apto tum-as】 雨の中.▷アㇷ゚ト=雨 トゥㇺアㇱ=中 ソンノ エアシㇼ エネアン アㇷ゚トトゥマㇱ タ エ・ペコチリㇼ カネ エ・テイネ ワ フナㇰ ワ エ・エㇰ シリ エネ エ・アン?=本当に全くこのような雨の中で身体から氷滴が落ちるほど濡れて,どこから来てその姿をしているの?ホッノ イヨーハイ! アㇷ゚トトゥマㇱ エ・アㇷ゚カㇱ エ・ペッチネ シリ ネンカネ エ・オㇺケカㇻ ヘネ キ=まあまああきれた! 雨の中をお前は歩いてびしょ濡れになって,もしものこと風邪でもひくのではないか. (出典:萱野、方言:沙流)
aptotumta
アㇷ゚トトゥㇺタ 【apto tum ta】 雨の中.▷アㇷ゚ト=雨 トゥㇺ タ=中に ヘマンタネ アㇷ゚トトゥㇺタ エ・エㇰ シリ アーン?=何しに雨の中をお前は来たの? (出典:萱野、方言:沙流)
aptotuy
アㇷ゚トトゥイ 【apto tuy】 雨が止む.▷アㇷ゚ト=雨 トゥイ=切れる (出典:萱野、方言:沙流)
arantukakikir
ワラントゥカキキㇼ §203 所属不明 warantuka-kikir (wa-rán-tu-ka-ki-kir)「ワらントゥカキキㇼ」 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
aratusa
アラトゥサ 【自動】[ar-atusa すっかり・はだかになる] 丸はだかになる、 丸はだかである、 (比喩的に)一文なしになる。 toy ka opitta eyyok wa epakutciki, eyku, ayne tane anak aratusa トイ カ オピッタ エイヨㇰ ワ エパクッチキ、 エイク、 アイネ タネ アナㇰ アラトゥサ 畑も皆売ってそれでばくちをし、 それで飲酒し、 そのあげく今は丸はだか(=一文なし)だ。 ☆参考 yaywente ヤイウェンテ 「かまどかえす」家の財産をすっかり失う、 家をつぶす。 ☞atusa アトゥサ {E: to lose all one's possessions.} (出典:田村、方言:沙流)
aratuyso
アラトゥイソ 【名】[ar-atuyso 全くの・海原]ずうっと遠い沖の方。 “aratuyso ka/atuyso ka wa/makan katkor pe/ek hum konna アラトゥイソ カ/アトゥイソ カ ワ/マカン カッコㇿ ペ/エㇰ フㇺ コンナ [雅]ずうっと遠い沖の方からどんなものだかやって来る音が…。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aritak cinki a=koturaynu
アリタㇰチンキ アコトゥライヌ 【ar-itak-cinki a=ko-turaynu】 遺言をしないで死んだ,遺言なし.ひと言の言葉の裾も見つけない. ▷アㇻ=ひとつ,それ イタㇰ=言葉 チンキ=裾 ア=それ コ=~に トゥライヌ=見つけない *アイヌ社会では老人は遺言しておかなければ,軽蔑されるものである.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
arkewtumu(hu)
アㇻケウトゥム(フ) 【名】[所](概の例はない。 kewtumu(hu) ケウトゥム(フ) の概は kewtum ケウトゥㇺ) [ar-kewtum-u(hu) 一方の・心・(所属語尾)] 心の片半分。 arkewtumu wen arkewtumu pirka アㇻケウトゥム ウェン アㇻケウトゥム ピㇼカ 心の半分は悪い、 心の半分は良い=悪い心も持っている。(W会話) {E: half-hearted.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aroatusa
アロアトゥサ 【ar-o-atusa】 素裸(だ). ポンペ アロアトゥサ ワ ホユプ コㇿ アン ナ.キㇱマ ワ イミレ=子供が素裸で走っているぞ.つかまえて着物を着せろ. (出典:萱野、方言:沙流)
arpaeyaytupa
アㇻパエヤイトゥパ 【arpa eyaytupa】 行きたがる.行きたい行きたいと言う. ネユン ア・イェ ヤッカ アㇻパエヤイトゥパ ハウェ ネ ヤクン マㇰ ア・イェ ハウェ.アㇻパレ アㇻパレ=どのように言っても行きたがるのなら言いようもない.行かせろ行かせろ. (出典:萱野、方言:沙流)
arwentukap
アㇻウェントゥカㇷ゚ 【ar-wen-tukap】 悪魔,化け物.▷アㇻ=全く ウェン=悪い トゥカㇷ゚=化け物 カムイ シクトゥㇽ(シㇰ ウトゥㇽ) アイヌ シクトゥㇽ トゥㇱマㇰ ワ アㇻウェントゥカㇷ゚ カリ ハウェ=神の目や人間の目,その隙間をかいくぐって化け物が徘徊しているのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
aske-etunankar
アㇱケエトゥナンカㇻ 【名】[概](所は未出)指先。 aske-etunankar ani oputuye アシケエトゥナンカラニ オプトゥイェ 指先で押しなさい。(W) (出典:田村、方言:沙流)
askeetupsi
アㇱケエトゥㇷ゚シ 【aske-etupsi】 指先.▷アㇱケ=手 エトゥㇷ゚シ=先 サッ オタ カ タ アㇱケエトゥㇷ゚シ アニ トゥ モレウノカ レ モレウノカ ア・ヌイェ ワ ア・ミッポホ ア・ヌカレ ルウェ ネ=乾いた砂の上へ指先でふたつの渦巻き模様,三つの渦巻き模様を私は描き私の孫へ見せたのだ[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
askeetupsike
アㇱケエトゥㇷ゚シケ 【名】[所](概は未出)[aske-etupsike 手・先端]…の 指先(=askepet etupsike アㇱケペッ エトゥㇷ゚シケ)。 ☞etupsi エトゥㇷ゚シ、 etupsike エトゥㇷ゚シケ {E: the fingertips of…} (出典:田村、方言:沙流)
askekursutu(hu)
アㇱケクㇽストゥ(フ) 【名】[所](概は askekursut アㇱケクㇽスッ)(彼)の指のつけ根。 (出典:田村、方言:沙流)
askepetunkane
アㇱケペトゥンカネ 【名】[askepet-un-kane 指・につく・金](現代の) 指輪。 ☆参考 昔はなかった。 {E: a ring.} (出典:田村、方言:沙流)
askepetutur(-u)
アㇱケペトゥトゥㇽ §816.手指の股(1)askepet-utur(-u)〔áš-ke-pet-u-tur あㇱケペトゥトゥㇽ〕[askepet(手指)+utur(間)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
aspaitunnap
アㇱパイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (17) aspa-itunnap(as-pa-i-tun-nap)「アㇱパイトゥンナㇷ゚」⦅旭川、千歳⦆クロイエアリ (出典:知里動物編、方言:)
aspaitunnap
アㇱパイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (18) aspa-itunnap(as-pa-i-tun-nap)「アㇱパイトゥンナㇷ゚」⦅穂別⦆ヤマアリ (出典:知里動物編、方言:)
at/atu(hu)
アッ/アトゥ(フ) 【at/atu(hu)】 綱,(何かについている)紐,弦. ス アッ=鍋弦.サラニㇷ゚ アトゥフ トゥイ ワ イサㇺ ナ ネㇷ゚ カ オウシ ワ アヌ=袋のつるが切れてしまったから,何か継ぎ足しておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
atturere
アットゥレレ 【ar-turere】 半身:1匹の魚の半分. ポン チェㇷ゚ ネ コㇿカ アットゥレレ ポカ エ・コㇿ ウナㇻペ コヤニ ワ エㇰ=小さいサケだけれど,半身ばかりでもお前の伯母に持って行って来い.*父は私にそう言いながらサケの半身の半分を自分の姉,そして私の伯母であるウモシマテㇰヘ持たせた. (出典:萱野、方言:沙流)
atturi
アットゥリ 【at-turi】 厚司の糸を伸ばす.▷アッ=オヒョウの皮 トゥリ=(を)伸ばす カットゥリ(ク・アットゥリ) コㇿ カナ(ク・アン ア) コㇿカ アㇱカ ポンノ ハイタ ナ エ・コㇿ チキ エネルサ(エン・エルサ)=私は厚司の糸を伸ばしていたが,縦糸が少し足りなくなったので,お前が持っていたら貸してくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
attus
アットゥㇱ 【名】[at-tus オヒョウニレの皮・綱](?) 厚司(あつし)。 ☆参考 オヒョウニレの木(atni アッニ)の皮(at アッ)の繊維で織った布。 昔はこれで着物をつくった。 いま残っている昔の樹皮性の衣服の大部分はこれでつくられたものらしい。 いまでもこれを織っている人もいるが、 材料が手に入りにくく、 販売用・展示用には代わりに nipes ニペㇱ (シナの木の皮)が多く使われる。 {E: material woven from bark-fibre.} (出典:田村、方言:沙流)
attus
アットゥㇱ 【<at-rus】 オヒョウの木の皮の織物,着物,厚司. ←アッルㇱ(ニレ皮・衣) (出典:萱野、方言:沙流)
attus'amip
アットゥㇱアミㇷ゚ 【attus amip】 厚司の着物:アッニ(オヒョウの木)の皮で作る. 図5[アットゥㇱアミㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
attuskarpe
アットゥㇱカㇻペ 【attuskar-pe】 機織り機(イシタイキ参照).▷アットゥㇱ=厚司 カㇻ=(を)作る ペ=物 (出典:萱野、方言:沙流)
attuskut
アットゥㇱクッ 【at-tus-kut】 厚司帯.▷アットゥㇱ=厚司 クッ=帯 図6[アットゥㇱクッ] (出典:萱野、方言:沙流)
attuspera
アットゥㇱペラ 【at-tus-pera】 機織り箆(べら):機織り用の箆.▷アットゥㇱ=厚司 ペラ=箆 (出典:萱野、方言:沙流)
attuypaatat
アットゥイパアタッ §067 サケ あきあじ、あきやじ  処(9) at-tuypa-atat (at-tuy-pa-a-tat)「アットゥイパアタッ」素干魚の半分。 (出典:知里動物編、方言:)
atu
アトゥ 【atu】 吐く,嘔吐する. イペ ア イペ ア アイーネ ラコㇿ ワ ヘ アトゥ コㇿ アン ナ ワッカ コㇿ ワ アㇻパ クレ ワ エㇰ=食べて食べて,そうして食べすぎたのか,ヘどを吐いているから,水を持って行って飲ませてこい.ア・ミッポホ レクチイユン ワ ライキマテㇰ・アン.アウン フチ イコトゥナㇱ ネユンネユン ア・カㇻ アイネ アトゥ クスケライ ア・シㇰヌレ=私の孫が喉に物をつまらせて私は死ぬほど驚いた.隣の婆さんが素早く助けに来て,いろいろと手当てをして吐かせたお陰で助けられた[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
atu 1
アトゥ 【自動】吐く(胃袋の中のものを吐く)(「へどかやす」)。 iyoski wa atu okake icakkere イヨㇱキ ワ アトゥ オカケ イチャッケレ (彼が)酔って吐いたあとが汚い。(W) ipe ewen wa atu kor an イペ エウェン マ アトゥ コㇿ アン (彼は)食べ物にあたって吐いている。(W) ☆参考 他動詞は eatu エアトゥ…を吐く。 ☆参考 動物が吐くことは akur アクㇽ。 ☆参考 口の中のものをペッと吐き出すことは ewar エワㇻ。 {E: to vomit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atu(-an)
アトゥ §688.へど(反吐・嘔吐)[をはく](1)へどをはく atu(-an)〔a-tú アとぅ〕[at(口をあけて吐く音)+-u(動詞化語尾)]⦅H. S. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
atu(hu) 2
アトゥ(フ) 【名】[所](概は at アッ)(…の)ひも(つけてあるひも)。 ponno en=tere, atuhu ku=kar kusu ne na ポンノ エンテレ、 アトゥフ クカㇻ クス ネ ナ ちょっと待って、 鼻緒(はなお)をすげるから。(S) ku=kor toke atuhu soske kor an クコッ トケ アトゥフ ソㇱケ コラン 私の時計のバンド(この場合、 皮製の)がはがれてきている。(W) {E: a string, a cord of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atuhu
アトゥフ 【atuhu】 鉉.なべ,土瓶,などの上に弓形に渡してある線,スアトゥフ(鍋鉉).(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
atuinne
アトゥインネ 【名】[atu-inne そのひも・多い][動物] タコ。 {E: an octopus.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atuiseppa
アトゥイセッパ §109 ハスノハカシパンの類 (1) atui-seppa(a-tui-sep-pa)「アトゥイセッパ」ハスノハガイ Cake-urchin. Echinarachnius mirabilis BARN. Keyhole-urchin. Laganum decagonale (de BLAINVILLE). (出典:知里動物編、方言:)
atuita
アトゥイタ 【atuita】 100. *シネホッ=20,トゥホッ=40,レホッ=60,イネホッ=80,アシㇰネホッ=20が5つ,100.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
atunaw
アトゥナウ §258 タコ (1) atunaw (a-tu-naw)「アトゥナウ」 ⦅様似⦆ (出典:知里動物編、方言:)
atupok hura yukke
アトゥポㇰ フラ ユッケ §843.わきが[がくさい](5)わきががくさい atupok hura yukke〔á-tu-pok|Fú-ra-yuk-ke あトゥポㇰ・ふラ・ユッケ〕⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
aturusuyran(an-)koro
アトゥルスイランコロ §688.へど(反吐・嘔吐)[をはく](3)胸がむかむかする;吐き気を催す atu-rusuy-ran-(an-)koro〔a-tú-ru-suǐ-raŋ-ko-ro アとぅ・ルスイ・ラン・コロ〕[atu(吐き)+rusuy(たい)+ran(<ram 心を)+koro(<kor 持つ)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
atusa
アトゥサ 【自動】はだか(裸)である、 (けものの場合)毛がない。 {E: to be naked.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atusa
アトゥサ 【atusa】 裸(になっている). ポンペ アトゥサ ノ ホユプ コㇿ アン ワ.ネンカネ オㇺケカㇻ ナ ホクレ イミレ=子供が裸で走っているよ.もしものこと風邪でもひくといけないから,早く着物を着せろ. (出典:萱野、方言:沙流)
atusa
アトゥサ §599.はだか(裸)[である](1)atusa〔a-tú-sa アとぅサ〕[<attusak<ar(全く)+rus(衣)+sak(もっていない)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
atusa-íkonpap
アトゥサイコンパㇷ゚ 【名】[atusa-íkonpap はだかである・毛虫][動物] イモムシ、 アオムシの類。 ☆参考 毛虫のような形の虫で毛のないものを言う。 ☞íkonpap イコンパㇷ゚ {E: a green caterpillar.} (出典:田村、方言:沙流)
atusare
アトゥサレ 【他動】[自動使役][atusa-re はだかになる・させる] はだかにする。 ☞atusa アトゥサ {E: to make naked.} (出典:田村、方言:沙流)
atusi
アトゥシ 【他動】[at-usi ひも・を…につける](人)に縄をかける。 {E: to tie (up) someone with rope.} (出典:田村、方言:沙流)
atuspa
アトゥㇱパ 【atuspa】 裸(になっている)〔複〕. ヤイカタ アナㇰネ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ ペ ソモ ネ コㇿカ テエータ パウチコㇿペ アトゥㇱパ ワ ホユッパ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=私自身の目で見たものではないけれど,ずうっと昔に淫乱集団が裸で走っていたものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
atuspa
アトゥㇱパ §599.はだか(裸)[である](2)atuspa〔a-túš-pa アとぅㇱパ〕[atusa の複数形]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
atuy
アトゥイ 【名】海。 atuy ka ta アトゥイ カ タ 海の上に、 沖の方に。 atuy or un cep アトゥヨルン チェㇷ゚ 海の魚。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atuy
アトゥイ 【atuy】 海. (出典:萱野、方言:沙流)
atuy ka(si)
アトゥイ カ(シ) 【atuy ka(si)】 海上. (出典:萱野、方言:沙流)
atuy kurka(si)
アトゥイ クㇽカ(シ) 【atuy kurka(si)】 海の表.▷アトゥイ=海 クㇽカ=(表面一帯に)上 (出典:萱野、方言:沙流)
atuy or un yáoskep
アトゥヨルン ヤオㇱケㇷ゚ 【名】[atuy-orun- yaoskep 海・の・クモ][動物] カニ。 ☆参考 amuspe アムㇱペ が本名でこれは別名。 {E: the sea; the ocean.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atuyci
アトゥイチ §211 ゴカイ (5) atuy-ci (a-túy-ci)「アとゥイチ」[atuy(海)ci(陰茎)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
atuyci
アトゥイチ §224 マテガイ、カミソリガイ(方言) (1) atuy-ci (atúy-ci)「アとゥイチ」[<atuy(海)ci(陰茎)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
atuycicar
アトゥイチチャㇻ 【名】「言葉はあるがどこだか知らない。」 (S) (出典:田村、方言:沙流)
atuyekot(-an)
アトゥイェコッ §389.しぬ(死ぬ)(58)海で変死する atuy-e-kot(-an)〔a-túǐ-e-kot アとぅイェコッ〕[海・で・死ぬ]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
atuyesaman
アトゥイエサマン §274 ラッコ (1) atuy-esaman (a-túy-e-sa-man)「アとゥイエサマン」[<atuy(海)esaman(カワウソ)] ⦅白老、美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
atuyesinka
アトゥイェシンカ §681.ふなよい(舟酔)(2)atuy-e-sinka〔a-tú-je-šiŋ-ka アとぅイェシンカ〕[atuy(海)+-e-(で)+sinka(疲れる)]⦅ニイトイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
atuyetor
アトゥイエトㇿ §263 クラゲ (1) atuy-etor (a-túy-e-tor)「アとゥイエトㇿ」[<atuy(海)etor(鼻汁)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
atuykom
アトゥイコㇺ §471 シャコ (1) atuy-kom (a-tuy-kom)「アトゥイコㇺ」 ⦅B⦆mantis-shrimp, A kind of Stomatopoda, Squilla affinis BERTHOLD. (出典:知里動物編、方言:)
atuykorekasi
アトゥイコㇿエカシ §420 カメ (4) atuy-kor-ekasi (a-túy-kor-e-ka-si)「アとゥイコㇿエカシ」[<海を・所有する・翁] ⦅幌別、沙流⦆【雅】 (出典:知里動物編、方言:)
atuykorkamuy
アトゥイコㇿカムイ §420 カメ (3) atuy-kor-kamuy (a-túy-kor-ka-muy)「アとゥイコㇿカムイ」[<海を・所有する・神] ⦅穂別⦆【雅】 (出典:知里動物編、方言:)
atuykorokamuy
アトゥイコロカムイ §295 サカマタ;シャチ (5) atuykorokamuy (a-túy-ko-ro-ka-muy)「アとゥイコロカムイ」[<atuy-kor-kamuy(海を・支配する・神)] ⦅白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
atuykunkamuy
アトゥイクンカムイ §278 あざらし (2) atuykunkamuy (a-túy-kun-ka-muy)「アとゥイクンカムイ」[<atuy(海を)kor(所有する・支配する)kamuy(神)] ⦅白浦⦆アザラシの神名 (出典:知里動物編、方言:)
atuyoruncep
アトゥイオルンチェㇷ゚、アトゥヨルンチェㇷ゚、 §067 サケ あきあじ、あきやじ  海(1) atuyorun-cep (a-túy-o-run-čep)「アとぅイオルンチェㇷ゚、アとぅヨルンチェㇷ゚、」[<atuy(海)or(中)un(にいる)cep(魚)]海にいるサケ。いわゆる白毛。⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
atuysam
アトゥイサㇺ 【atuy-sam】 海辺,海岸.▷アトゥイ=海 サㇺ=側,そば (出典:萱野、方言:沙流)
atuysimpuy
アトゥイシンプイ 【atuy simpuy】 渦潮.▷アトゥイ=海(の) シンプイ=泉 (出典:萱野、方言:沙流)
atuyso
アトゥイソ 【名】[atuy-so 海・広がりを持つ所] (直訳すると)海原=沖の方。 atuyso ka ta アトゥイソ カ タ 沖の方に、 海外に。 atuyso ka wa アトゥイソ カ ワ 沖の方から、 海外から。 ☆参考 rep レㇷ゚ 沖。 {E: the ocean.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atuyta
アトゥイタ 【名】[数名詞] 「大きい数を表す語だが、 正確にいくつを言うのかわからない。 十(?)、 四十(?)、 二百(?)。」 (W)〔久辞典95 atuita 獣10匹〕 {E: term for a large number (exact number unclear).} (出典:田村、方言:沙流)
atuytomotuye
アトゥイトモトゥイェ 【atuy-tomotuye】 海を渡る.▷アトゥイ=海 トモトゥイェ=(を)横断する,横切る,渡って行く (出典:萱野、方言:沙流)
atuyukururpe
アトゥイウクルㇽペ §004 マアナゴ(はも) (3) atuy-ukururpe (a-túy-u-ku-rur-pe)「アとゥイウクルㇽペ」[<海・うなぎ] ⦅白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
atuyutka
アトゥユッカ 【名】[atuy-utka 海・(?)]海峡。 {E: a channel; a strait.} (出典:田村、方言:沙流)
ayatuyasi
アヤトゥヤシ §085 アオザメ (4) ayatuyasi(a-ya-tu-ya-si)「アヤトゥヤシ」サメ(青ザメカツオデモ)⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
aymannitureh
アイマンニトゥレㇸ §409 ハイネズ (4) aymanni-tureh (áy-man-ni-tu-reh)「あイマンニ・トゥレㇸ」 果実 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
aynuraytukap
アイヌライトゥカㇷ゚ 【aynu ray-tukap】 亡霊.▷アイヌ=人(の) ライ=死んでいる トゥカㇷ゚=幽霊 セタ ミㇰ ヒ アナㇰネ アイヌライトゥカㇷ゚ カリ シㇼ ソモ ネ ウン?=犬が吠えるのは亡霊が徘徊しているからではないか? (出典:萱野、方言:沙流)
aynutukap
アイヌトゥカㇷ゚ 【名】[aynu-tukap 人間・(?)] ゆうれい(幽霊)。 (出典:田村、方言:沙流)
aynutukap
アイヌトゥカㇷ゚ 【aynu-tukap】 幽霊,化けた人間,人が化けた幽霊.*悪口としても使われる.▷アイヌ=人 トゥカㇷ゚=幽霊 (出典:萱野、方言:沙流)
aynutukap(-i)
アイヌトゥカㇷ゚ §481.たましい;霊魂(20)死後迷って歩く霊魂;幽霊 aynu-tukap(-i)〔áǐ-nu-tu-kap あイヌ・トゥカㇷ゚〕[aynu(人)+tukap(幽霊)]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
aynutura
アイヌトゥラ 【自動】[aynu-tura 人間・と連れ立つ] 人と連れだつ。 {E: to go together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
c=ehomatu
チェホマトゥ 【c=e-homatu】 (それに)驚く,たまげる. (出典:萱野、方言:沙流)
c=emetup
チェメトゥㇷ゚ 【c=e-metu-p】 酒を持ち帰る:酒宴の場で女性が貰った酒を別の入れ物に入れて我が家へ持ち帰った酒. (出典:萱野、方言:沙流)
capusepehtuy
チャプセペㇸトゥイ §729.みつくち;としん(兎唇)(3)capus-e-pehtuy〔čá-pu-se-peh-tuǐ ちゃプセペㇸトゥイ〕[capusi(その唇)+e(において)+per(裂け)+tuy(切れている)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
caruepehtuy
チャルエペㇸトゥイ §729.みつくち;としん(兎唇)(4)caru-epehtuy〔čá-ru-e-peh-tuǐ ちゃルエペㇸトゥイ〕[その口・において・裂け・切れている]⦅マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
castustekka
チャㇱトゥㇱテッカ 【他動】[cas-tustek-ka (?)・じっとしている・(他動詞化)](?) 身動きもしないでいる。 pet teksam ta/a=castustekka ペッ テㇰサㇺ タ/アチャㇱトゥㇱテッカ [雅]私は川端に身動きもしないでいた(萱野茂氏によれば「金しばりにあったみたいに」)。(Sユーカラ) ☆参考 サダモさんによれば、 この方言の日常語で tustek トゥㇱテㇰ はキツネか何かに化かされてぼんやりしてわけが分からなくなることを言い、 tustekka トゥㇱテッカ は、 人をそのようにすることを言う。 東部・中部・北部の方言では tustek トゥㇱテㇰ がだまっていること、 静かにしていること、 じっとしていることなどを表す。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cénoye tusa
チェノイェ トゥサ 【名】[cenoye tusa 先がねじれている・袖] たもとがなく袖下を上へ折り曲げて縫いつけてある袖。 {E: a sleeve that has been rolled up and stitched.} (出典:田村、方言:沙流)
cep-etu
チェペトゥ 【名】[魚・鼻][動物]魚の口の上のとがった/出っぱった部分、 魚の鼻づら。 (出典:田村、方言:沙流)
cepsetur(u)
チェㇷ゚セトゥㇽ §067 サケ あきあじ、あきやじ  部(8) cep-setur(-u)(cep-se-tur)「チェㇷ゚セトゥㇽ」⦅A沙流 73⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ceptuy
チェㇷ゚トゥイ §067 サケ あきあじ、あきやじ  他(19) cep-tuy (čeo-tuy)「チェㇷ゚トゥイ」辞III, 258 (出典:知里動物編、方言:)
ceptuy(-e)
チェㇷ゚トゥイ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(4)魚の百尋 cep-tuy(-e)〔čép-tuǐ ちぇㇷ゚トゥイ〕[魚・臓腑]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuypirup
チェトゥイピルㇷ゚ 【名】[c(i)-e-tuy-piru-p される・その頭が・切れている・拭く・もの](tuy トゥイ は < toy トイ か?)ぞうきん。 ☆参考 類義語 urepirup ウレピルㇷ゚ 足ふき。 itapirup イタピルㇷ゚ 床(ゆか)ふき。 {E: a cloth, a duster.} (出典:田村、方言:沙流)
ci=astustekka
チアㇱトゥシテッカ 【ci=as-tus-tek-ka】 立ったままで金縛りになったように. ▷チ=私 アㇱ=立つ トゥㇱテッカ=金縛り[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=patupatu
チパトゥパトゥ 【ci=patu-patu】 あおる,強風にあおられる,強風によって物をばたばたいわせる. ソンノイヨーハイ レラルイペネクス アペカ チパトゥパトゥ カナヤーカ ケラㇺペウテㇰ=本当にたまげた,風が強いものだから,火があおられて生きた心地もしなかった. *カナヤーカ(クアンアヤーカ)=私がいたのも,生きた心地も.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci=tuyaskarap
チトゥヤㇱカラㇷ゚ 【ci=tuyaskarap】 それを哀れに思う,かわいそうだ,哀れ. ソンノ ナーエポンペ オラウン アイホッパ エチトゥヤㇱカラㇷ゚ フミー=本当にまだお前が小さいのに遺児になった,哀れなことだなあー.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
cietuypiruh(p-i)
チエトゥイピルㇷ §021.子(12)cietuypiruh(p-i)〔či-é-tuǐ-pi-ruh チえトゥイピルㇷ〕⦅シラウラ⦆末子。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
cihetukpare
チヘトゥㇰパレ 【他動】[中相][ci-hetukpa-re された・出てくる[複]・させる](次の文脈で)たくさん出てくる。 kamuyniskur/kamuykur cihetukpare カムイニㇱクㇽ/カムイクㇽ チヘトゥㇰパレ 雷雲がモクモクと出てきた。(W) (出典:田村、方言:沙流)
cikap-etu
チカㇷ゚エトゥ 【名】[鳥・鼻][動物]鳥のくちばし。 ☞etu エトゥ (出典:田村、方言:沙流)
cikapetu
チカペトゥ §419 (その他の鳥名) (2) cikap-etu(či-káp-e-tu)「チかペトゥ」くちばし⦅和愛⦆チカベツ (出典:知里動物編、方言:)
cikatunka
チカトゥンカ 【ci-katu-un-ka】 ふざける,おどける,滑稽なしぐさをする,しゃれ.▷チ=それ カトゥ=様子 ウン=入る カ=させる チカトゥンカㇷ゚=ふざける者. (出典:萱野、方言:沙流)
cikatunkatun
チカトゥンカトゥン 【ci-kat-un-kat-un】 おだつ(おどける者). ソンノ エネ パウェトッコㇿペ ポンノ イク コㇿ チカトゥンカトゥン ア・オラㇺサッカ ノ イキ シリ アイヌイカラㇱ=本当にあのように雄弁な人が少し酒を飲むとおだって馬鹿にされるようなことをするものだ,人間がもったいない. (出典:萱野、方言:沙流)
cikiriutuye
チキリウトゥイェ §726.みずむし(水虫)(1)水虫 cikiri-utuye〔či-kí-ri-u-tu-je チきリ・ウトゥイェ〕[cikiri(その足)+utuye(切れる)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cikirkutunin(-i)
チキㇼクトゥニン §038.あしくび(足首);足関節部(8)cikir-kutunin(-i)〔či-kír-ku-tu-ninチきㇼクトゥニン〕[cikir(足)+kutu-nin(関節部)]⦅クッシャロ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cikosatsatu
チコサッサトウ 【他動】[中相][ci-ko-satsatu された・…に・ピッタリくっつける(?)]体にピッタリくっついている。 herikasi wa cikosatsatu hemanta mi kane oka ヘリカシ ワ チコサッサトゥ ヘマンタ ミ カネ オカ 今の人たちは、 上半身は体にピッタリくっついている変なものを着ている。(S) (出典:田村、方言:沙流)
cikuhkewtumkoro
チクㇷケウトゥㇺコロ §827.よう(酔う)(5)酒に酔う cikuh-kewtumkoro〔či-kúh-keŭ-tum|ko-ró チくㇷ・ケウトゥㇺ・コろ〕[cikup(酒)+kewtum(心)+koro(もつ)]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.79】 (出典:知里人間編I、方言:)
cikunituci
チクニトゥチ 【名】[cikuni-tuci 木・槌(つち)]木槌(=cikuni tuci チクニ トゥチ)。 {E: a mallet.} (出典:田村、方言:沙流)
cikunitumama
チクニトゥママ 【cikuni-tumama】 木の幹. (出典:萱野、方言:沙流)
cimontum
チモントゥㇺ 【cimontum】 力. チモントゥㇺ コレ=私に力を与えられた. (出典:萱野、方言:沙流)
cinrahuturu
チンラフトゥル §710.また(股)(4)またぐら cinrah-uturu〔čín-rah-u-tu-ru ちンラㇵ・ウトゥル〕[cin(足)+rah(<rap 翼)+uturu(<utur 間)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cinutur(-u)
チヌトゥㇽ §710.また(股)(1)また、またぐら cin-utur(-u)〔či-nú-tur チぬトゥㇽ〕[cin(足)+utur(間)]⦅ホロべツ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cinuturke
チヌトゥㇽケ 【名】[所](概は未出)(uturke ウトゥㇽケ の概は utur ウトゥㇽ)[cin-utur-ke 内もも・の間・の所] 股(また)。 {E: the thighs.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cinuturke
チヌトゥルケ 【cin-uturke】 股,股ぐら,股間. (出典:萱野、方言:沙流)
cinuturu
チヌトゥル §710.また(股)(2)またぐら cinuturu〔či-nú-tu-ru チぬトゥル〕[<cin-utur↑]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cisetatures(-i)
チセタトゥレㇱ §026.妹(2)cise-ta-tures(-i)〔či-sé-ta-tu-reš チせタトゥレㇱ〕⦅サル、ホロべツ⦆【雅】肉身の妹。[cise(家)+ta(にいる)+tures(妹)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
cisetumam
チセトゥマㇺ 【名】[cise-tumam 家・胴] 壁。 cisetumam anak ki ani a=kar チセトゥマㇺ アナㇰ キ アニ アカㇻ(昔は)壁はカヤでつくった。(W) {E: a wall (of a house.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisetumam
チセトゥマㇺ 【cise-tumam】 家の壁. エ・コㇿ サラニㇷ゚ チセトゥマㇺ タ アッテ ワ アヌ=お前の持っている袋を家の壁に掛けておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
cisetupte
チセトゥㇷ゚テ 【自動】[cise-tup-te 家・移る・させる] 家を移す、 引越しする。 ☞tupte トゥㇷ゚テ、 tup トゥㇷ゚ {E: to move to another house.} (出典:田村、方言:沙流)
cisetuptepa
チセトゥㇷ゚テパ 【自動】[複](cisetupte チセトゥㇷ゚テ は単複の区別なし) 人々が(二人以上が皆)家を移す、 引越しする。 a=uní soyke ta cisekarpa, cisetuptepa アウニ ソイケ タ チセカㇻパ、 チセトゥㇷ゚テパ 彼らは私の家のすぐ前に家を建て、 引越してきた。(S民話) {E: to move to another house (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisiturire
チシトゥリレ 【他動】[自動使役][中相][ci-situri-re された・のびる・させる][雅]伸びている。 rampes kunne cisiturire ランペㇱ クンネ チシトゥリレ [雅](陳列された宝物が)海岸の下の段丘の斜面のように長く伸びている(宝物がたくさん陳列されている状態の表現)。 ☞situri シトゥリ {E: to be stretched; lengthened.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
císutu
チストゥ 【名】[所](概は未出)[cin-sutu 内もも・の根元] もものつけ根の内側(股側)の部分。 císutu ninoninok チストゥ ニノニノㇰ もものつけ根がグリグリしている(リンパ腺が腫れている)。(S) ☆参考 omkursutu オㇺクㇽストゥ もものつけ根の前側の部分。 ☆参考 n は s の前で y イ になるので cin-sutu チンストゥ が ciy-sutu チイストゥ すなわち cisutu チストゥ と発音されるのであろう。 ci チ《陰茎》の根元とはとらえにくい。 〔知分類になし〕 {E: the groin; the inguinal region.} (出典:田村、方言:沙流)
citunasteray
チトゥナㇱテライ §389.しぬ(死ぬ)(26)急死する citunaste-ray〔či-tú-naš-te-raǐ チとぅナㇱテ・ライ〕[citunaste(急ぐ、早い;ci=si 自分を、tunas-te 早く・させる)+ray(死ぬ)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
citurepkopa
チトゥレㇷ゚コパ §367 ザゼンソウ (3) citurepkopa (ci-tú-rep-ko-pa)「チとゥレㇷ゚コパ」[ci(我ら)turep(ウバユリ)kopa(になぞらえる)p(もの)、“ウバユリもどき”] 葉 ⦅名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
citurimeta
チトゥリメタ 【他動】[中相][ci-turim-eta される・(爆音の擬音)・(他動詞形成)]バリバリドンドンダンダンと大砲のような音をたてる。 ☞sir-citurimeta シㇼチトゥリメタ (出典:田村、方言:沙流)
citurukina
チトゥルキナ §113 ハナウド (5) cituru-kina (ci-tú-ru-ki-na)「チとゥルキナ」[<situru-kina] 根生葉の葉柄 ⦅樺太各地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cituye
チトゥイェ 【他動】[中相][ci-tuye された・切る] 切れている、 切れた…。 cituye mosir チトゥイェ モシㇼ 離れ島。 cituye nuyto チトゥイェ ヌイト 端を切った糸。 cituye amset チトゥイェ アㇺセッ[雅](直訳すると)切られた高床(たかどこ)=別づくりの高床(ユーカラ(英雄叙事詩)の主人公の少年は床(ゆか)の上に一段高くつくられた台、 つまり高床の上で育てられる。 それを表現する決まり文句の一つ)。(Sユーカラ) ☞amset アㇺセッ {E: to be cut.} (出典:田村、方言:沙流)
cituykocap(-i)
チトゥイコチャㇷ゚ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(6)腹の中から切り出したクマの腸 cituykocap(-i)〔či-túǐ-ko-čap チとぅイコチャㇷ゚〕[ci(我ら)+tuy(腹の中)+ko(において)+ca(切った)+-p(もの)]⦅フシコ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cituykocep(-i)
チトゥイコチェㇷ゚ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(5)クマ、シカ、エゾタヌキなどの百尋 cituykocep(-i)〔či-túǐ-ko-čep チとぅイコチェㇷ゚〕[<ci-tuy-ko-ca-p(↓)、語尾がcepになったのは、cep(食物、魚)への連想が働いたからであろうか]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cituyrep
チトゥイレㇷ゚ 【名】[ci-tuyre-p される・切り落とす・もの][植物](蔓草の名。)(「根は1センチぐらいの太さで長いのは40センチぐらい、 何本にも枝になっているのもある、 毛がはえている。 食べるものではないが少しは食べる。 たくさん食べるとイケマと同様酔う」)。(S)〔知分類 p.45 カガイモ〕 (出典:田村、方言:沙流)
cituyrep
チトゥイレㇷ゚ §075 ガガイモ (1) cituyrep (ci-túy-rep)「チとゥイレㇷ゚」[cituyre(ちぎれる)p(もの)] 根 ⦅長万部、幌別⦆⦅A沙流・鵡川・石狩・千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cituyrepcippo
チトゥイレㇷ゚チッポ §075 ガガイモ (2) cituyrep-cippo (ci-túy-rep-cip-po)「チとゥイレㇷ゚チッポ」[ガガイモの小舟] こっとつの開裂した果皮 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cituytektek
チトゥイテㇰテㇰ 【ci-tuy-tek-tek】 (さっと)切られる. (出典:萱野、方言:沙流)
cotanneturi
チョタンネトゥリ 【co-tanne-turi】 寝そべる:長々と寝そべっている,横たわる. チュワン オカ アン コㇿ チョタンネトゥㇽパ モコㇿ ワ オカ=昼飯が終わると寝そべって眠っている. (出典:萱野、方言:沙流)
cuhtureh
チュㇷトゥレㇸ §098 クロマメノキ (1) cuhtureh (cúh-tu-reh)「ちュㇷトゥレㇸ」[<cuk(秋)turep(果実)] 果実 ⦅樺太⦆ (出典:知里植物編、方言:)
cuphetuku
チュㇷ゚ヘトゥク 【cup-hetuku】 日が出る.cup rikin とは言わない. (出典:萱野、方言:沙流)
cupu turmake
チュプ トゥㇽマケ 【間投】(神謡の折り返しの一部。) cupu turmake turmake raprap pispis チュプ トゥルマケ トゥルマケ ラプラプ ピシピシ [すぼめる・(?)・(?)・下りる下りる・それぞれに](sarorun-cikappo サロルン チカッポ《ヨシキリ》の神謡の折り返し。 鳴き声の擬音であろうが、 同時にこの神謡のすじ(ストーリー)を象徴していると思われる。) (W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
e=kaa=tunaska
エカアトゥナㇱカ 【e=ka-a=tunas-ka】 あなたを助ける,応援する,加勢する. ▷エ=お前,あなた カ=上,上体 ア=私 トゥナㇱカ=急がせる,応援する[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
eattures(-i)
エアットゥレㇱ §022.きょうだい(兄弟姉妹)(22)eat-tures(-i)〔e-át-tu-reš エあットゥレㇱ〕⦅ホロべツ⦆兄ひとり妹ひとりの兄妹。[<ear(ひとりの)+tures(妹)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
eatu
エアトゥ 【他動】[e-atu …で・吐く] …を吐く(人が胃袋の中のものを)。 eatu, yayrekutpoye wa eatu エアトゥ、 ヤイレクッポイェ ワ エアトゥ 吐きなさい、 口の中に指をつっこんで押えて吐きなさい。(S) ☆参考 自動詞は atu アトゥ。 動物が吐くことは eakur エアクㇽ[他動]/akur アクㇽ[自動]。 {E: to vomit… (human); regurgitate… (animal).} (出典:田村、方言:沙流)
eatu
エアトゥ 【e-atu】 (〜を)吐く,もどす. ポンノ ニポㇷ゚ケㇷ゚ ケ(ク・エ) アクス ケアトゥ(ク・エアトゥ)=少し悪くなった物を食べたので私は吐いた. (出典:萱野、方言:沙流)
eatup(-i)
エアトゥㇷ゚ §688.へど(反吐・嘔吐)[をはく](4)へど;嘔吐物 eatup(-i)〔e-á-tup エあトゥㇷ゚〕[e(それで)+atu(吐いた)+-p(もの)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
eetunkar
エエトゥンカㇻ 【他動】[e-etun-kar …で・借りる/嫁にもらう・する] …を嫁にもらう。 sine pon menoko a=eétunkar híne matkor híne シネ ポン メノコ アエエトゥンカㇻ ヒネ マッコㇿ ヒネ 一人の若い女性を嫁にもらって結婚して。(W民話) {E: to receive…as a bride.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ehaturasinot
エハトゥラシノッ §025.赤ん坊のえな笑い;虫笑い(1)赤ん坊が眠りながら笑ったり手を動かしたりするeha-tura-sinot〔e-há-tu-ra-ši-notエはトゥラシノッ〕[eha(へその緒)+tura(と共に)+sinot(遊ぶ)⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ehatuy
エハトゥイ §686.へそのおが落ちる(1)eha-tuy〔e-há-tuǐ エはトゥイ〕[臍帯・きれる]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ehomatu
エホマトゥ 【e-homatu】 (〜に)驚く. パイカㇻ アン ナ ウパㇱ アン ラポッケ ルウェ キナスッ ク・ヌカㇻ ワ ケホマトゥ(ク・エホマトゥ)=春,まだ雪がある時に太い蛇を見て私は驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
ehumkotuy
エフㇺコトゥイ §126 ブユ (9) ehumkotuy(e-húm-ko-tuy)「エふㇺコトゥイ」⦅千歳、幌別、礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ehutturasi
エフットゥラシ 【自動/副】[e-hur-turasi その頭・山の斜面・に沿って上へ(行く)]坂道(山道)を上へ向かって(登る等)。 ehuttrasi ku=hemesu エフットゥラシ クヘメス 坂を登る。 {E: to go up a slope.} (出典:田村、方言:沙流)
eikoytupa
エイコイトゥパ 【e-ikoytupa】 羨む,羨ましい, (出典:萱野、方言:沙流)
ekasakorkutu
エカサコㇽクトゥ §117 オオカサモチ、オニカサモチ (2) ekasakorkutu (e-ká-sa-kor-ku-tu)「エかサコㇽクトゥ」[e(頭)kasa(笠)kor(もつ)kutu(筒茎)] 茎 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ekatuehanke
エカトゥエハンケ 【他動】[e-katu-e-hanke (そのこと)で・あり方・(それ)に・近づく] …で早死にする。 {E: to die young.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekatuehanke
エカトゥエハンケ 【e-katu-e-hanke】 死が早まる:何か変な化け物などを見たことによって死ぬ.▷エ=それで カトゥ=様子 ハンケ=近い テエータ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) アナ(アン ア) こきんウナㇻペ エネ ハワニ "ペウレアニタ(ペウレ・アン ヒ タ) ア・アキヒ トゥラノ カンカンプトゥ ウン ト オッタ(オㇿ タ) ヘマンタ キラウㇱ(キラウ ウㇱ) カミヤシ ヌカㇻ ヤㇰ イェ クス エカトゥイェハンケ ヒ ネ ナンコㇿ" シコㇿ エン・ヌレ=ずうっと前に下隣のこきんおばさんが「若い時に弟と一緒にカンカン沢に行き弟は沢尻の沼に何やら角のある化け物を見たという,それで死が早まったものであろう」と私に聞かせてくれた.*この話は実話で,こきんさんの弟,勘太郎さんとふたりでカンカンの沼へ行ったら勘太郎さんが何やら化け物,沼の中から子牛の頭のようなもの角のあるものが見えたというが,こきんさんの目には見えなかったと聞かせてくれたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
ekewtum(u)-rirot
エケウトゥㇺリロッ/エケウトゥムリロッ 【他動】[e-kewtum(u)-rir-ot …のことで・気持ち・波・ついている](…のことを)怒っているのが顔色に出る。(S) {E: for anger to show on one's face.} (出典:田村、方言:沙流)
ekewtum-oknatara
エケウトゥㇺオㇰナタラ 【他動】[e-kewtum oknatara (それ)で・気持ち・うなだれている] …でとても悲しい。 ☆参考 ekewtumu-oknatara エケウトゥム オㇰナタラ か。 {E: to be very sad due to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekewtumwen
エケウトゥㇺウェン 【他動】[e-kewtum-wen それで・気持ち・悪い] …のことがつらい。 ☆参考 ekewtumuwen エケウトゥムウェン か。 {E: for…to be difficult, hard.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekisarsutu
エキサㇻストゥ 【名】[接頭+名+位名][e-kisar-sutu …で・耳・の根元[所]][雅](直訳すると)…で耳の根元(が)。(次の慣用句で) ☞ekisarsutu komawkururu エキサㇻストゥ コマウクルル、 ekisarsutu mawkururu エキサㇻストゥ マウクルル (出典:田村、方言:沙流)
ekisarsutu komawkururu
エキサㇻストゥ コマウクルル 【慣用句】[e-kisar-sutu ko-mawkururu …で・耳・の根元・が(擬音擬態などの叙述を導く)・風がピューピュー鳴る][雅]a=ekísarsutu komawkururu アエキサㇻストゥ コマウクルル(私が飛んで行くと)私の耳もとで風がピューピューと鳴る(それほど速く飛んでいる)。(Sユーカラ) ☞ekisarsutu mawkururu エキサㇻストゥ マウクルル、 komawkururu コマウクルル (出典:田村、方言:沙流)
ekisarsutu mawkururu
エキサㇻストゥ マウクルル 【慣用句】[e-kisar-sutu mawkururu …で・耳・の根元・風がピューピュー鳴る][雅](次の慣用表現で) a=ekísarsutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅](直訳すると)それで私の耳元を風がピューピュー吹く=(私が飛んで行くと)私の耳もとで風がピューピューと鳴る(それほど速く飛んでいる)。(Sユーカラ) ☆参考 同様の文脈で a=ekísarsutu/komawkururu アエキサㇻストゥ/コマウクルル とも言っている。 ☞mawkururu マウクルル ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekuskonna ray wa turse
エクㇱコンナ ライ ワ トゥㇽセ §389.しぬ(死ぬ)(67)卒倒して死ぬ ekuskonna ray wa turse〔e-kúš-kon-na|ráǐ-wa|túr-se エくㇱコンナ・らイ・ワ・とぅㇽセ〕[突然・死ん・で・倒れる]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
emontum
エモントゥㇺ 【名】[接頭+名][e-montum …で・体の調子](次のような雅語の慣用表現で)…の体の調子が…。 a=emóntum konna/sumnatara/noynatara アエモントゥㇺ コンナ/スㇺナタラ/ノイナタラ [雅](その苦労で)私は体もしおれるばかりへたるばかりにつかれきりました。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eniyutunnu
エニユトゥンヌ 【自動】[e-ni-utur-nu その頭(?)・歯・の間・を持つ][古]歯の間が広くあいている。 ☆参考 niyuturke sep ニユトゥㇽケ セㇷ゚ とも言う。 {E: to have gaps between one's teeth.} (出典:田村、方言:沙流)
eotukutke
エオトゥクッケ 【e-otukutke】 埋まる. チㇱ ワ パテㇰ アン メノコ ネ ノイネ シㇰラㇷ゚ タクㇷ゚ エオトゥクッケ カネ アン=泣いてばかりいる女らしく,まつげだけが見えるほどまぶたがはれている. (出典:萱野、方言:沙流)
eotuwasi
エオトゥワシ 【他動】[e-otuwasi …について・…を頼りにする][雅]…のことを(人)に頼って安心する。 hunna síno/resu hi/a=eótuwasi ya sekor フンナ シノ/レス ヒ/アエオトゥワシ ヤ セコㇿ [雅]いったいだれに育ててもらったらいいだろうかと。(Sユーカラ語り) ☆参考 [日常語] kotuyasi コトゥヤシ (人)に頼って安心する。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epaturente
エパトゥレンテ 【e-pa-turente】 いいがかりをつける. (出典:萱野、方言:沙流)
epentursere
エペントゥㇽセレ 【他動】[e-pen-turse-re その頭・上へ(?)・落ちる・させる](…の首)を切り落とす。 rekuci epentursere レクチ エペントゥㇽセレ その(熊の)首を切り落とす。 {E: to cut off someone's head.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eperitunnap
エぺㇾイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (15) eper-itunnap(e-pér-i-tun-nap)「エぺㇾイトゥンナㇷ゚」⦅旭川⦆クロオオアリ Camponotus herculeanus japonicus MAYR. Aspa^itunnapをクロヤマアリ(Formica fusca japonica MOTSCHULSKY)(河野) (出典:知里動物編、方言:)
epetturasi
エペットゥラシ 【他動】[e-petturasi …に・川をさかのぼる](次の表現の中で)…にさからって勝つ。 kor rametok/epetturasi p/sinen ka isam コン ラメトㇰ/エペットゥラシㇷ゚/シネン カ イサㇺ [雅]その勇猛さには勝つものは一人もいませんでした。(Sユーカラ) ☆参考 「川の流れにさからうように…」。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epituntunke
エピトゥントゥンケ 【他動】[e-pituntunke …について・クスクス笑う] …をクスクス笑う。 {E: to giggle over about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eramutuy
エラムトゥイ 【e-ramu-tuy】 (〜に)驚く. アヌンクㇽ チセ ソイ クㇱ アクス セタ ピッコサヌ ア・クパパ エアㇻキンネ ケラムトゥイ(ク・エラムトゥイ)=よその人が家の前を通ったら,犬がさっと飛び出てきて噛まれて,私は本当に驚いてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
erumkina kutuhe
エルㇺキナクトゥヘ §053 オオバコ (7) erumkina kutuhe 「エるㇺキナクトゥヘ」[erúmkina(オオバコ)kutúhe(の円棒状の茎)] 花・茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
erumnottu
エルㇺノットゥ 【erum-nottu】 襟裳岬. エルㇺ ネㇷ゚カ タタ コㇿ コナハ(ク・オナハ) エネ ハワニ エルㇺカムイ ノ トノケヘ エルㇺノットゥ タ アン ペ ネ ナ エチ・コヨンヌッパ ナ シコㇿ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=ネズミが何か物をかじったら私の父が言ったのは,ネズミの神の最も偉い神は襟裳の岬にいるものだ,お前をそこへ訴えるぞ,と言っていたのを聞いたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
esampesituri
エサンペシトゥリ 【e-sampe-situri】 (〜で)気持ちがすうっとする. イッカㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌ パ クニネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした.ア・ホニヒ アㇻカ コㇿ ソコニ ニテケヘ ア・ケッケ ワ ア・ポㇷ゚テ ペヘ ア・ク コㇿ ア・エサンペシトゥリ ㇷ゚ ネ=腹が痛い時にはニワトコの枝を折って煎じて飲むと,それによって気持ちがよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
esamtusa
エサㇺトゥサ 【名】[概/所][e-sam-tusa その一部分・(<…のそば)・袖] たもと(袂)。 esamtusa us エサㇺトゥサ ウㇱ たもとがある。 {E: a sleeve.} (出典:田村、方言:沙流)
esanpesituri
エサンペシトゥリ 【他動】[e-sanpe-situri …で・心臓(=心)・伸びる] …で気が晴れる、 …で気分がよくなる、 …で気持ちがいい。 toan ponmenoko pirka mokor ki wa an, esanpesituri nankor トアン ポンメノコ ピㇼカ モコㇿ キ ワ アン、 エサンペシトゥリ ナンコㇿ あの娘さんよく眠っている。 よっぽど気持ちがいいんでしょうねえ。(W) soy péka kú=iki wa asir réra ku=seru, níya húra ku=seru, síno k=ésanpesituri ソイ ペカ クイキ ワ アシンレラ クセル、 ニヤ フラ クセル、 シノ ケサンペシトゥリ 私は外にいて(外で何かをして、 外の仕事をして)新鮮な空気を吸い、 木の芽の匂いを吸い、 たいそう気持ちがよくなった。(S) a=ye wa a=esánpesituri アイェ ワ アエサンペシトゥリ 私はしゃべって気が晴れた。(S民話) {E: to feel good, light about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esanpesituripa
エサンペシトゥリパ 【他動】[複](esanpesituri は単複の区別なし)(二人以上が)…で気分がよくなる、 …で気持ちがいい。 néa pon ninkiri ukousaraye wa e, síno esanpesituripa ネア ポン ニンキリ ウコウサライェ ワ エ、 シノ エサンペシトゥリパ そのおにぎりを二人で分けて食べ、 それで二人とも気分がよくなった(元気になった)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
esatsatu
エサッサトゥ 【e-sat-satu】 軽蔑する. (出典:萱野、方言:沙流)
esautunnu
エサウトゥンヌ 【e-sa-utur-nu】 前歯の間が広い.*このような人は雄弁であると言われる.=パウェトㇰ プヤㇻ (出典:萱野、方言:沙流)
esirutum
エシルトゥㇺ 【名】[接頭+位名][e-si-ru-tum …で・自分・すじ(髪)・の中](次の表現で)esirutum ta nuyna エシルトゥㇺ タ ヌイナ[雅]…を頭飾りをかぶって自分の中に隠す。 nupur pe sóne/nupur cannoye p/esirutum ta/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプッ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺ タ/ヌイナ カネ [雅]本当に霊力のあるものだがその現れを頭飾りをかぶって自分の中に隠して。(Sユーカラ語り) ☆参考 同じことを同じ歌い手が別のところで esirutumka-nuyna エシルトゥㇺカヌイナ、 esirutumka-seske エシルトゥㇺカセㇱケ とも言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esirutumka-nuyna
エシルトゥㇺカヌイナ 【他動】[e-si-ru-tum-ka-nuyna …に・自分・すじ(髪)・の中・の上(?)・…を隠す][雅]頭飾りをかぶって…を自分の中に隠す。 nupur pe sóne/nupur cannoye p/esirutumka/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/ヌイナ カネ [雅]本当に霊力のあるものだが霊力の現れを自分の中に隠して。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 ka は副助詞《も》で、 この動詞自体は esirutum-nuyna エシルトゥㇺヌイナ かもしれない。 ☆参考 同じユーカラの語りの中で、 同じことを esirutum ta nuyna エシルトゥㇺ タ ヌイナ と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esirutumka-seske
エシルトゥㇺカ セㇱケ 【他動】[e-si-ru-tum-ka-seske …に・自分・髪・の中・も(?)・おおう][雅]頭飾りをかぶって…を自分の中に隠す。 nupur pe sóne/nupur cannoye p/esirutumka/seske kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/セㇱケ カネ [雅]霊力のあるものにまちがいない、 霊力があるものであることを頭かざりをかぶっておおいかくしている。(Sユーカラ) ☆参考 ka カ は副助詞《も》で、 この動詞自体は esirutum seske エシルトゥㇺ セㇱケ かもしれない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esiseturka-terkere
エシセトゥㇽカテㇾケレ 【他動】[e-si-setur-ka-terke-re …に・自分の・背中・の上・跳ぶ・させる](おんぶするために赤ん坊)を自分の着物の背中へスポーンと入れる。 asinuma anak néa poyson a=esíseturkaterkere a=kay pakkay=an híne アシヌマ アナㇰ ネア ポイソン アエシセトゥㇽカテㇾケレ アカイ パッカイアン ヒネ 私はその坊やを自分の着物の背中にスポーンと入れておぶい、 おんぶして。(W民話) {E: to put a baby underneath the clothing on one's back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esitturaynu
エシットゥライヌ 【e-sir-turaynu】 (〜で)道に迷う. イット エキㇺネアナㇷ゚(エキㇺネ・アン アㇷ゚) ウパㇱ ユㇷ゚ケ ウパㇱ エシットゥライヌ・アン ヤアニ ヤアニ ルプㇱ・アン イキヤナイネ イワカン(イワㇰ・アン) ア・オナハ イ・ケウェホㇺス ルウェ ネ=日帰りと思って山へ行ったのに大雪降りになって雪によって方角を見失い危なく危なく凍死しそうになり,どうにかこうにかして帰って来たら父は私をねぎらってくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
etok(o) tusmak
エトㇰ/エトコ トゥㇱマㇰ 【連他動】[先・競争する]…の先回りをする。 a=yupíhi tane pon menoko kosirepa noyne síriki, etoko tusmak híne néa pon menoko a=kosírepa hoskino ki híne アユピヒ タネ ポン メノコ コシレパ ノイネ シリキ、 エトコ トゥㇱマㇰ ヒネ ネア ポン メノコ アコシレパ ホㇱキノ キ ヒネ 私の兄がもう娘さんの所まで行きそうになっていたが、 私はその先回りをしてその娘さんの所に先に着いた。(W民話) {E: to get ahead of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etok(o) tuye
エトㇰ/エトコ トゥイェ 【連他動】[その前・を切る]…に(仕事や何かしようとしているのを)邪魔する。 {E: to disturb…} (出典:田村、方言:沙流)
etoko tuye
エトコ トゥイェ 【etoko tuye】 先回りする. (出典:萱野、方言:沙流)
etomotuye
エトモトゥイェ 【副】[e-tomotuye その頭が・…を横切って]横に、 幅の方向に。 epes tanne, etomotuye takne エペㇱ タンネ、 エトモトゥイェ タㇰネ 縦は長い、 横幅は短い。(S) {E: widthways.} (出典:田村、方言:沙流)
etu
エトゥ 【名】[概/所] ①鼻。 ②くちばし。 ③先端。 kem etu ケㇺ エトゥ 針の先。 {E: ①a nose. ②a beak. ③a tip.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etu
エトゥ §419 (その他の鳥名) (14) etu(e-tú)「エとゥ」(鳥の)くちばし[もと鼻の義](キ670) (出典:知里動物編、方言:)
etu
エトゥ §604.はな(鼻)(1)etu〔e-tú エとぅ〕[<e(顔)+tu(峯)?]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etu sumumu
エトゥ スムム §616.鼻[の穴]をすぼめる[悪臭をさけるため]etu sumumu〔e-tú|su-mú-mu エとぅ・スむム〕[etu(鼻を)+sumu-mu(しぼめている sum すぼむ sumu すぼめる sumu-mu すぼめている)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etu/etu(hu)
エトゥ/エトゥ(フ) 【etu/etu(hu)】 棒や針の先,鼻,くちばし. (出典:萱野、方言:沙流)
etuane
エトゥアネ §299 ハシボソガラス (8) etuane (e-tú-a-ne)「エとゥアネ」[<etu-ane(くちばし・細い)] ⦅白浦、真岡⦆カラフトハシボソガラス (出典:知里動物編、方言:)
etuarka
エトゥアㇻカ §624.鼻の病(1)etu-arka〔e-tú-ar-ka エとぅ・アㇻカ〕[鼻・痛む]⦅ハルトリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuci=kere
エトゥチケレ 【etu-ci=kere】 怒りっぽい者:少しのことにもぷんとしている者,少しのことに腹を立てる.▷エトゥ=鼻 チ=それ ケレ=触れる (出典:萱野、方言:沙流)
etucikere
エトゥチケレ §282 トガリネズミ類、もぐら (3) etucikere (e-tú-či-ke-re)「エとゥチケレ」[<etucikerep] ⦅十勝、釧路、北見、天塩、石狩⦆ (出典:知里動物編、方言:)
etucikerep
エトゥチケレㇷ゚ §282 トガリネズミ類、もぐら (1) etucikerep (e-tú-či-ke-rep)「エとゥチケレㇷ゚」[<etu(鼻)ci-ke-re(けずれた)-p(もの)、‘鼻がけずれているもの’] ⦅礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
etucikerephumpe
エトゥチケレㇷ゚フンペ §296 くじら(クジラ (23) etucikerep-humpe (e-tú-či-ke-rep-hum-pe)「エとゥチケレㇷ゚フンペ」[etucikerep→§282,(1)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
etucikereppo
エトゥチケレッポ §282 トガリネズミ類、もぐら (2) etucikereppo (e-tú-či-ke-rep-po)「エとゥチケレッポ」[<etu(鼻)ci-ke-re(けずれた)-p(もの)-po(指小辞)] ⦅室蘭、幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
etucorpok(-e)
エトゥチョㇿポㇰ §435.じんちゅう(人中)(2)etu-corpok(-e)〔e-tú-čor-pok エとぅチョㇿポㇰ〕⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuenkakorpe
エトゥエンカコㇿペ §099.陰部-女性性器の種類(4)恥丘の上の方にだけ毛のあるもの etuenkakorpe〔e-tu-én-ka-kor-pエトゥえンカコㇿペ〕[e-tu-enka(戸口の上の庇)+kor(もつ)+pe(もの)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuesahte
エトゥエサㇵテ §622.鼻がつまる(4)[こどもなど]鼻の入口から結痂して鼻がつまる etu-esahte〔e-tú-e-sah-te エとぅ・エサㇵテ〕[etu(鼻)+e(そこにおいて)+sahte(乾かす)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuesikari
エトゥエシカリ §622.鼻がつまる(1)etu-esikari〔e-tú-e-ši-ka-ri エとぅ・エシカリ〕[etu(鼻)+esikari(つまる)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuesina
エトゥエシナ §610.はなしる(鼻汁)(7)鼻水 etu-esina〔e-tú-e-ši-na エとぅ・エシナ〕[etu(鼻)+esina(くしゃみ)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuesinaasinke
エトゥエシナアシンケ §614.はなをかむ(2)etu-esina-asinke〔e-tú-e-ši-na|a-šíŋ-ke エとぅエシナ・アしンケ〕[etu-esina(鼻水)+asinke(出す)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuetoh(k-o)
エトゥエトㇹ §612.鼻っぱし(1)etu-etoh(k-o)〔e-tú-e-toh エとぅ・エトㇹ〕[鼻・先]⦅シラウラ、マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuhka
エトゥㇷカ §298 ハシブトガラス (2) etuhka (é-tuh-ka)「えトゥㇷカ」 ⦅白浦、真岡、鵜城⦆じがらす、ハシブトガラス (出典:知里動物編、方言:)
etuhkainkara
エトゥㇷカインカラ §441.すがめ;しゃし(斜視);やぶにらみ(1)etuhka-inkara〔e-túh-ka-in-ka-ra エとぅㇷカインカラ〕[etuhka(カラス、鴉)+inkara(物を見る)]⦅マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuhkani
エトゥㇷカニ §173 ツルシキミ ハイシキミ (2) etuhka-ni (e-túh-ka-ni)「エとゥㇷカ・ニ」[etuhka(カラス)ni(木)] 茎 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
etuhkatureh
エトゥㇷカトゥレㇸ §173 ツルシキミ ハイシキミ (1) etuhka-tureh (e-túh-ka-tur-eh)「エとゥㇷカ・トゥレㇸ」[etuhka(カラス)tureh(果実)] 果実 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
etuhu
エトゥフ 【名】[所](概は etu エトゥ) …の鼻、 …のくちばし。 etuhu kar エトゥフ カㇻ (1)鼻をふく。 e=etuhu kar! エエトゥフ カㇻ! 鼻をふきなさい。(S) (2)(女性が感謝のあいさつとして)鼻の下に右手の人差指を当ててそっと右へ引く仕草をする。(KSgビデオ会話) etuhu ri エトゥフ リ[その鼻・高い]高慢だ。 ☆参考 鼻をかむことは etori(hi) kar エトリ(ヒ) カㇻ。 ☆参考 女性が感謝のあいさつとして鼻の下に右手の人差指を当ててそっと右へ引く仕草は、 ワテケさん・サダモさんの言葉では etuhu kar エトゥフ カㇻ とは言わず raymik ライミㇰ。 {E: a nose, a beak of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etuhukar
エトゥフカㇻ 【etuhu-kar】 女の礼拝. メノコ アナㇰネ オッカヨ ネノ テクイェヌンパ ㇷ゚ ソモ ネ.シモン テケヘ イタンキケㇺアㇱケペッ ハㇻキ テケヘ イタンキケㇺアㇱケペッ トゥラシレ エトゥフカㇻ ペ ネ=女は男のように指先をすり合わせるものではない.右手の人差し指を左手の人差し指にそっとこすりながら(鼻の下,上唇にそっと当て)女の礼拝をするものだ.*女性が上品に挨拶するにはこのやり方が一番である.図[エトゥフカㇻ] (出典:萱野、方言:沙流)
etuhure
エトゥフレ §009.あかはな(赤鼻)etu-hure〔e-tú-Fu-reエとぅフレ〕[etu(鼻)+hure(赤い)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuikiri
エトゥイキリ §611.はなすじ(鼻筋)(4)etu-ikiri〔e-tú-i-ki-ri エとぅ・イキリ〕[etu(鼻)+ikiri(<ikir 線)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuikkew
エトゥイッケウ 【名】[概](所は etuikkewe エトゥイッケウェ)[etu-ikkew 鼻・背骨] 鼻すじ(鼻の縦の中心線の部分)。 ☆参考 ikkew イッケウ は現代語で単独には腰を指すが、 合成語の中で背骨を指すことがある。 {E: the line of the nose.} (出典:田村、方言:沙流)
etuikkew(-e)
エトゥイッケウ §611.はなすじ(鼻筋)(5)etu-ikkew(-e)〔e-tú-ik-keŭ エとぅ・イッケウ〕[etu(鼻)+ikkew(背骨)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuikkewe(he)
エトゥイッケウェ(ヘ) 【名】[所](概は etuikkew エトゥイッケウ)…の鼻すじ(鼻の縦の中心線の部分)。 {E: the line of the nose.} (出典:田村、方言:沙流)
etuisikari
エトゥイシカリ §622.鼻がつまる(2)etu-isikari〔e-tú-i-ši-ka-ri エとぅ・イシカリ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuk
エトゥㇰ 【自動】[e-tuk その頭・突き出る] 頭/先が突き出る。 etuk ruwe ka isam, k=éenke wa eci=koré エトゥㇰ ルウェ カ イサㇺ、 ケエンケ ワ エチコレ (鉛筆の)先が出ていない、 私が削ってあげる。(W) cup etuk kor an チュㇷ゚ エトゥㇰ コラン 太陽が(森から)少し出てきた。(W)55夏-152 ☆参考 最後の例で、 出てしまって森から離れかけたときは hetuku kor an ヘトゥク コラン。(W) {E: to stick out; project.} (出典:田村、方言:沙流)
etuk
エトゥㇰ 【etuk】 出る:突き出る, (出典:萱野、方言:沙流)
etuk'etuk
エトゥㇰエトゥㇰ 【etuk-etuk】 ちらちらっと顔を出す. ポンノ ハイタ ㇷ゚ ネ クス ソモ ヤイカタヌノ アヌンチセ オルン カ ヘヨキサㇰノ エトゥㇰエトゥㇰ シリ ケヤイシトマ(ク・エヤイシトマ)=少し頭が足りないものだから,遠慮もせずに他人の家へも挨拶なしでちらちらっと顔を出す様子,私は恥ずかしい. (出典:萱野、方言:沙流)
etuka
エトゥカ §298 ハシブトガラス (3) etuka (é-tu-ka)「えトゥカ」 ⦅多来加⦆ハシブトガラス (出典:知里動物編、方言:)
etukapke
エトゥカㇷ゚ケ 【自動/名】[etu-kapke 鼻・ペチャンコである] ①[自動]鼻がペチャンコである。 ②[名]鼻つぶれ(鼻の低い人の悪口)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
etukaptek
エトゥカㇷ゚テㇰ §621.鼻がつぶれている;鼻が低い;鼻がうすっぺらである;平べたい鼻をしている(1)etu-kaptek〔e-tú-kap-tek エとぅカㇷ゚テㇰ〕[etu(鼻)+kaptek(ひらべったい、kap「皮」-tek「状をなす」)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etukaptek(-an)
エトゥカㇷ゚テㇰ §028.あぐらばな(鞍鼻)(1)etu-kaptek(-an)〔e-tú-kap-tekエとぅカㇷ゚テㇰ〕[etu(鼻)+kaptek(扁平である、kap「皮」、-tek「状を呈する」)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etukar(-an)
エトゥカㇻ §614.はなをかむ(1)etu-kar(-an)〔e-tú-kar エとぅ・カㇻ〕[etu(鼻を)+kar(つくる、する、はらう)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etukem(-i)
エトゥケㇺ §609.はなじ(鼻血)(1)etu-kem(-i)〔e-tú-kem エとぅケㇺ〕[etu(鼻)+kem(血)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etukemnu
エトゥケㇺヌ 【etu-kemnu】 鼻血が出る. (出典:萱野、方言:沙流)
etukemnu
エトゥケㇺヌ §609.はなじ(鼻血)(2)鼻血が出る etukemnu〔e-tú-kem-nu エとぅケㇺヌ〕[etu(鼻)+kem(血)+nu(もつ)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etukemnumun
エトゥケㇺヌムン §427 クジャクシダ (1) etukemnu-mun (e-tú-kem-nu-mun)「エとゥケㇺヌムン」[“鼻出血の草”の義。etu(鼻)kemnu(出血する、kem血、nuもつ)mun(草)] 葉 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
etukepuspe
エトゥケプㇱペ 【etu-kepuspe】 くちばし. (出典:萱野、方言:沙流)
etukka
エトゥッカ 【etuk-ka】 出す. プヤㇻ オㇿワ ナヌフ エトゥッカ=窓から顔を出す. (出典:萱野、方言:沙流)
etukohure
エトゥコフレ §604.はな(鼻)(5)あかはな;ざくろばな;しゅさび(酒さ鼻) etu-ko-hure〔e-tú-ko-Fu-re エとぅ・コ・フレ〕[etu(鼻)+ko(において)+hure(赤い)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etukopociske
エトゥコポチㇱケ §621.鼻がつぶれている;鼻が低い;鼻がうすっぺらである;平べたい鼻をしている(3)あんび(鞍鼻) etu-kopociske〔e-tú-ko-po-čiš-ke エとぅ・コポチㇱケ〕[鼻・落ち込んでいる]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etukotcakecipponehi
エトゥコッチャケチッポネヒ §435.じんちゅう(人中)(3)etu-kotcake-cippo-ne-hi〔e-tú-kot-ča-ke-čip-po-ne-hi エとぅコッチャケチッポネヒ〕[etu(鼻)+kotcake(の前)+cippo(小舟)+ne(のようになっている)+hi(所)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etukunneseta
エトゥクンネセタ §268 イヌ (44) etu-kunne-seta (e-tú-kun-ne-se-ta)「エとゥクンネセタ」[<etu(鼻)kunne(黒い)seta(犬)] ⦅名寄⦆ (出典:知里動物編、方言:)
etumasmasa
エトゥマㇱマサ 【自動】[etu-masmasa 鼻・を開いたり閉じたりする] 鼻をピクピク動かす。 k=étumasmasa wa húraha ku=nu ケトゥマㇱマサ ワ フラハ クヌ 私は鼻をピクピクさせて匂いをかいだ。(S) {E: to twitch, wriggle the nose.} (出典:田村、方言:沙流)
etumasmasa
エトゥマㇱマサ 【etu-masmasa】 鼻をひくひくさせてにおいをかぐ.*何か気になるにおいがすると,犬や熊などが首を上げ鼻口をひくひくさせてにおいをかいでいる様子.人間でも「臭い臭い」と言いながら鼻を動かす様子.▷エトゥ=鼻 マㇱマサ=開く,ひくひく (出典:萱野、方言:沙流)
etumasmasa
エトゥマㇱマサ §615.鼻をくんくん鳴らす[臭いをかぐために]etu-masmasa〔e-tú|máš-ma-sa エとぅ・まㇱマサ〕[etu(鼻を)+mas-mas-a(開け・開け・する)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etumasnu
エトゥマㇱヌ 【e-tum-asnu】 (〜で)力が増す. ピイェユㇰ アナㇰネ ポネルㇽ ポーヘネ ケラアン.キリヒ ア・ソイパ ワ ア・ヌンヌン コㇿ ア・エ コㇿ ア・エトゥマㇱヌ ㇷ゚ ネ ナ=脂のある鹿は骨汁がなおさら味がある.骨髄をほじくって吸いながら食べると力が増すものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
etumehka
エトゥメㇸカ §611.はなすじ(鼻筋)(2)etu-mehka〔e-tú-meh-ka エとぅ・メㇸカ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etumekka
エトゥメッカ 【名】[概](所は etumekkasi エトゥメッカシ)[etu-mekka 鼻・の上] 鼻の頭。 {E: the tip of the nose.} (出典:田村、方言:沙流)
etumekka
エトゥメッカ 【etu-mekka】 鼻筋,鼻梁. (出典:萱野、方言:沙流)
etumekka
エトゥメッカ §611.はなすじ(鼻筋)(1)etu-mekka〔e-tú-mek-ka エとぅ・メッカ〕[etu(鼻)+mekka(みねの上)]⦅ホロべツ、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etumekkasi
エトゥメッカシ 【名】[所](概は etumekka エトゥメッカ)…の鼻の頭。 {E: the tip of the nose of…} (出典:田村、方言:沙流)
etumekkasi
エトゥメッカシ §611.はなすじ(鼻筋)(3)etu-mekkasi〔e-tú-mek-ka-ši エとぅ・メッカシ〕[鼻・のみねの上]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etumesu
エトゥメス 【etu-mesu】 鼻削り(する):主として姦通罪などに対する罰として鼻を削り取られた.▷エトゥ=鼻 メス=削り取る ク・コㇿ フチ レヘ てかって ネ.てかって サハ レコㇿ カトゥ ぽしうし ネ ぽしうし シサㇺ トゥラノ アン ワ エトゥフ ア・メス ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=私の祖母の名はテカッテという.テカッテの姉の名をポシウシというがポシウシは和人と結婚して鼻を削られたという話だ.*私の祖母の姉ポシウシという人は鼻を削がれていたというが私は見たことはない.他の種族と同棲することがアイヌ社会で禁じられていた時代のこと.昭和10年代になると多くのアイヌ女性が和人と結婚した.それを見聞きした祖母は,昔であればアイヌの女性たちは皆鼻なしになるところだと述懐していたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
etumuk
エトゥムㇰ §622.鼻がつまる(3)etu-muk〔e-tú-muk エとぅ・ムク〕[鼻が・つまる]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etun 1
エトゥン 【他動】…を借りる。 a=kor tennep a=kay wa arpa=an wa tutko rerko póka a=etún kusu ne na アコッ テンネㇷ゚ アカイ ワ アㇻパアン マ トゥッコ レㇾコ ポカ アエトゥン クス ネ ナ このかわいい赤ちゃんをおぶって行ってせめて二、 三日でもお借りしますから。(W民話) ☆参考 使うためにちょっと借りて後で返すようなものを借りることを言う。 erusa エルサ は、 そのようなものを貸すこと、 hosipire ホシピレ は返すことを言う。 ☆参考 esouk エソウㇰ (お金、 米など、 借財となるようなもの)を借りる。 {E: to borrow…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etun 1
エトゥン 【etun】 ①借りる,拝借する. ウクラン エアウネ カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ トンカ ケトゥン(ク・エトゥン) ヒ ク・イェ アクス ウナㇻペ アン ノイネ ハウェアン ナ.アㇻパ ワ エトゥン ワ エㇰ=昨夜,私は隣へ行って鍬を借りたいと言ったらおばさんはあるようだと言っていた.行って借りて来い. (出典:萱野、方言:沙流)
etun 2
エトゥン 【他動】[< etun 1] …を嫁にもらう、 …を妻にする。 pirka uske wa a=etún pe oraun ピㇼカ ウㇱケ ワ アエトゥン ペ オラウン いいところから嫁にもらいに来るのに。(S) pirka menoko etun híne síno katkemat hekote ピㇼカ メノコ エトゥン ヒネ シノ カッケマッ ヘコテ (彼は)美しい女性を妻に迎えて立派な奥さんと連れそった。(NK民話) hunna mat etun hike nep ka sak no mat etun pe ne wa ene iki hi an フンナ マッ エトゥン ヒケ ネㇷ゚ カ サㇰ ノ マッ エトゥン ペ ネ ワ エネ イキ ヒ アン だれが嫁をもらうのに結納の品も持って行かずに嫁をもらうやつがあるか。(NK民話) a=yupíhi etun wa i=kore rusuy pe ne yakun アユピヒ エトゥン ワ イコレ ルスイ ペ ネ ヤクン 兄が私に(彼女を)嫁にもらってくれたいのなら。(NK民話) nen ka ponmat etun wa ネン カ ポンマッ エトゥンマ だれか二人目の妻にして。(W民話) {E: to receive a bride from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etun 2
エトゥン 【etun】 ②嫁に貰う.*アイヌ社会では嫁を貰うと言うのではなくマッエトゥン(妻を借りる)と言うものである. イサネヒケ ポンノ イポカㇱ コㇿカ エアㇻキンネ ケウトゥㇺ ピㇼカ ナ イサネヒケ エトゥン クナㇰ ラム アニー=姉のほうは少し器量がよくないが,とっても精神がいいから姉のほうを嫁に貰おうと思いなさいね.シネアンタ イワン チョクㇱアミㇷ゚ ミ クㇽ エㇰ ヒネ イイェトゥン(イ・エトゥン) ルスイ アクス ア・ユピヒ エエセ ルウェ ネ=ある日のこと,6枚の裏返しの着物を着た男が来て私を嫁に欲しいと言った.私の兄はそれを承諾した[ウ](裏返しにした6枚の着物を着ているというのは,1年に6人の妻が死んだというのではなく,今までに6人ということであろう). (出典:萱野、方言:沙流)
etun 3
エトゥン 【名】[数名][接頭+数名][e-tu-n …で・二・人] …で二人。 pon katkemat/etun ne ki wa ポン カッケ マッ エトゥン ネ キ ワ お嬢さんと二人で。(W即興詩) ☆発音 etun エトゥン 1《…を借りる》、 2《…を嫁にもらう》と同じ発音。 {E: two people.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etunakapuru
エトゥナカプル §606.はなくそ(鼻糞・鼻屎)(1)etu-nakapuru〔e-tú-na-ka-pu-ru エとぅナカプル〕[etu(鼻)+nakapuru(油粕)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etunankar
エトゥナンカㇻ 【他動】(人)に出会う(「行き会う」)。 ruyka tukari ta en=etunankar ルイカ トゥカリ タ エネトゥナンカㇻ 橋の手前で(彼は私に)行き会った(=ばったり出会った)。(S) {E: to meet…} (出典:田村、方言:沙流)
etunankar
エトゥナンカㇻ 【etunankar】 行き合う,出会う. (出典:萱野、方言:沙流)
etunne
エトゥンネ 【etunne】 (〜に)気が進まない,(〜が)億劫だ. イペエトゥンネ=食べたがらない.アㇻパエトゥンネ=行きたがらない.ホッケエトゥンネ=寝たがらない. (出典:萱野、方言:沙流)
etunoyke
エトゥノイケ §623.鼻がまがっているe-tu-noyke〔e-tú-noǐ-ke えとぅ・ノイケ〕[鼻が・ねじれている]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etunuma
エトゥヌマ §607.はなげ(鼻毛)(1)etu-numa〔e-tú-nu-ma エとぅ・ヌマ〕[鼻・毛]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etunun
エトゥヌン 【etu-nun】 鼻をかむ.▷エトゥ=鼻 ヌン=吸う イチャッケレ ナ エ・エトゥフ ヌン=汚ないからお前の鼻をかめ(吸え).*エ・エトゥフ ピㇼパ(お前の鼻を拭け)とは言わずにヌン(吸う)という言い方の裏には赤ちゃんの鼻汁は拭くものではなく親か祖母かが吸い取るものという考えがあり,それが言葉として残ったもの. (出典:萱野、方言:沙流)
etunup
エトゥヌㇷ゚ 【名】[etu-nu-p 鼻・を持つ・もの] 片口(酒をつぐのに使う容器)。 {E: a type of pitcher.} (出典:田村、方言:沙流)
etunup
エトゥヌㇷ゚ 【etu-nu-p】 片口:鼻の長い片口.▷エトゥ=鼻 ヌㇷ゚=利く物 図[エトゥヌㇷ゚] (出典:萱野、方言:沙流)
etunup
エトゥヌㇷ゚ 【etu-nu-p】 酒を酌する片口.ユカㇻにはアニプンタリという言い方で出て来る.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
etupe
エトゥペ 【名】[etu-pe 鼻・汁] 鼻水。 ☆参考 鼻汁は etor エトㇿ。 {E: snivel; snot.} (出典:田村、方言:沙流)
etupe
エトゥペ 【etu-pe】 水鼻,鼻汁. エトゥペチッカ=水鼻をたらす. (出典:萱野、方言:沙流)
etupe
エトゥペ §610.はなしる(鼻汁)(4)はなみず;みずっぱな etu-pe〔e-tú-pe エとぅ・ペ〕[etu(鼻)+pe(水)]⦅H. S. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etupecikka
エトゥペチッカ 【自動】[etupe-cikka 鼻水・をたらす] 鼻水をたらす。 ranma somo omke hike ka ene etupecikka kor patek an ランマ ソモ オㇺケ ヒケ カ エネ エトゥペチッカ コㇿ パテㇰ アン (あの子は)いつもかぜをひいていなくてもあのように鼻水をたらしてばかりいる。(S) (出典:田村、方言:沙流)
etupecikka
エトゥペチッカ 【etu-pe-cik-ka】 鼻汁をたらす.▷エトゥ=鼻 ペ=滴 チㇰ=落ちる カ=させる タント ポーヘネ メアン ペ ネ クス メライケ ワ エトゥペチッカ コㇿ アフン ワ エㇰ=今日はなおさら寒いものだから寒がって鼻水をたらしながら入って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
etupetnu
エトゥペッヌ 【etu-petnu】 もらい涙(する). (出典:萱野、方言:沙流)
etupi
エトゥピ 【他動】①(食物)にあたったからもう食べない。 ②(転じて)(仕事)に飽きた。 (出典:田村、方言:沙流)
etupi
エトゥピ 【e-tupi】 食べ飽きる.▷エ=食べる トゥピ=飽きる チェㇷ゚ ケ(ク・エ) アーイネ ケトゥピ(ク・エトゥピ)=魚を食べすぎて私は飽きた. (出典:萱野、方言:沙流)
etupirka
エトゥピㇼカ §365 エトピリカ (1) etupirka (e-tú-pir-ka)「エとゥピㇼカ」[<etu(くちばし)pirka(美しい)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
etupok
エトゥポㇰ 【etu-pok】 鼻の下:段葺き屋根の煙出し口を覆っている三角の部分.横から見ると人間の鼻のように見える. ▷エトゥ=鼻 ポㇰ=下(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
etupokunni/etupok'unni
エトゥポクンニ/エトゥポㇰウンニ 【etu-pok-unni】 鼻の下に入る木,屋根の骨組みの材料.煙出し口の所に用いられている. ▷エトゥ=鼻 ポㇰ=下 ウン=入る ニ=木(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
etuporo
エトゥポロ §619.鼻が大きいetu-poro〔e-tú-po-ro エとぅ・ポロ〕[鼻・大きい]⦅H.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etupsi
エトゥㇷ゚シ 【名】[概/所] ①先端。 hako etupsi wa an pe ハコ エトゥㇷ゚シ ワ アン ペ 箱の先端にあるもの(細長い箱の)。 makiri etupsi ani kisakisa wa opusi マキリ エトゥㇷ゚シ アニ キサキサ ワ オプシ 小刀の先でもみぎって穴をあけなさい。 ②[動物]くちばし(etu エトゥ[概]/etuhu エトゥフ[所]とも言う)。 {E: a beak.} (出典:田村、方言:沙流)
etupsi/etupsike(he)
エトゥㇷ゚シ/エトゥㇷ゚シケ(ヘ) 【etupsi/etupsike(ke)】 端,先. クマエトゥㇷ゚シケ=干し竿の端.トマ カㇱ ア・カㇻ ヒ タ トマ タンネ チキ エトゥㇷ゚シケヘ ア・コエコモㇷ゚ ネ ナ アニー=ござで仮小屋を作る時にござが長いのならば先のほうを曲げるものだよ.参考:シンコピヒ=糸の端 (出典:萱野、方言:沙流)
etupsihi
エトゥㇷ゚シヒ 【名】[所](概は etupsi エトゥㇷ゚シ)[動物]…のくちばし。 paskur etupsihi tanne hike síepaskur ne パㇱクㇽ エトゥㇷ゚シヒ タンネ ヒケ シエパㇱクンネ カラスのくちばしの長いのはシエパシクル《糞を食べるカラス》だ。(S) {E: the beak of…} (出典:田村、方言:沙流)
etupsik
エトゥㇷ゚シㇰ 【位名】[概](所は etupsike エトゥㇷ゚シケ) …の先、 …の先端。 {E: the edge, the tip, the end of…} (出典:田村、方言:沙流)
etupsike
エトゥㇷ゚シケ 【位名】[所](概は etupsik エトゥㇷ゚シㇰ) その先、 その先端(のところ)。 {E: edge; tip; end.} (出典:田村、方言:沙流)
etupuy
エトゥプイ 【名】[概](所は etupuyke エトゥプイケ)[etu-puy 鼻・孔] 鼻のあな。 {E: the nostrils.} (出典:田村、方言:沙流)
etupuy
エトゥプイ 【etu-puy】 鼻の穴,鼻孔. (出典:萱野、方言:沙流)
etupuy
エトゥプイ §067 サケ あきあじ、あきやじ  部(2) etu-puy (e-tu-puy)「エトゥプイ」 (出典:知里動物編、方言:)
etupuy(-e)
エトゥプイ §604.はな(鼻)(2)etupuy(-e)〔e-tú-puǐ エとぅプイ〕[etu(鼻)+puy(穴)]⦅シラウラ⦆【常】 (出典:知里人間編I、方言:)
etupuy(-e)
エトゥプイ §605.はなあな;はなのあな;びこう(鼻孔)(1)etu-puy(-e)〔e-tú-puǐ エとぅプイ〕[etu(鼻)+puy(穴)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etupuyaraka
エトゥプヤラカ §624.鼻の病(2)外鼻の病気 etupuy-araka〔e-tú-puǐ-a-ra-ka エとぅプイアラカ〕[etupuy(鼻)+araka(病)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etupuycapus(-i)
エトゥプイチャプㇱ §672.びよく(鼻翼);こばな(小鼻)(2)etu-puy-capus(-i)〔e-tú-puǐ-ča-puš エとぅプイ・チャプㇱ〕[鼻・唇]⦅ニイトイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etupuycatoy(-he)
エトゥプイチャトイ §672.びよく(鼻翼);こばな(小鼻)(3)etupuy-catoy(-he)〔e-tú-puǐ-ča-toǐ エとぅプイ・チャトイ〕[鼻・唇]⦅ニイトイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etupuyke
エトゥプイケ 【名】[所](概は etupuy エトゥプイ) …の鼻のあな。 “ahunporu sikopayar pe hemanta an?” “etupuyke”「アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン?」「エトゥプイケ」「死者の国の入口の洞穴にそっくりのものはなあに?」「鼻のあな」(なぞなぞ)。(W-S会話) {E: nostrils (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etupuynuma
エトゥプイヌマ §607.はなげ(鼻毛)(2)etupuy-numa〔e-tú-puǐ-nu-ma エとぅプイヌマ〕[etupuy(鼻穴、鼻)+numa(毛)]⦅シラウラ、タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etupuypuy(-he)
エトゥプイプイ §605.はなあな;はなのあな;びこう(鼻孔)(2)etupuy-puy(-he)〔e-tú-puǐ-puǐ エとぅプイプイ〕[etupuy(鼻)+puy(穴)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etupuyuturu
エトゥプユトゥル §613.はなばしら;鼻柱;鼻中隔(1)etupuy-uturu〔e-tú-pu-ju-tu-ru エとぅプユトゥル〕[etupuy(鼻孔)+uturu(<utur 間)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
Eturacici
エトゥラチチ 【名】[< etu-racici 鼻・をダラリと下げる《鼻がダラリとたれ下がっている》][固有名]鼻下がり大男(ユーカラに出てくる、 鼻があまり長くて racitke ラチッケ してる=たれ下がっている)。 Eturacici/wenniskuri/cihetukure/ek kotomno/an=esánniyo エトゥラチチ/ウェンニㇱクリ/チヘトゥクレ/エㇰ コトㇺノ/アネサンニヨ [雅]鼻下がり大男のまっ黒い雲がモクモク出て来た、 (彼が)来るらしく思われる。(W) (出典:田村、方言:沙流)
eturap(-u)
エトゥラㇷ゚ §672.びよく(鼻翼);こばな(小鼻)(1)etu-rap(-u)〔e-tú-rap エとぅ・ラㇷ゚〕[鼻・翼]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
eturas
エトゥラㇱ 【他動】 …にとびかかる、 とんではねて…にとびつく。 néa ponmenoko a=kosírepa hoskino ki híne a=etúras a=etúras kane iki=an akusu ネア ポンメノコ アコシレパ ホㇱキノ キ ヒネ アエトゥラㇱ アエトゥラㇱ カネ イキアン アクス その娘さんの所に私のほうが兄より先に着いて、 ピョンピョン跳ねて娘さんにとびかかりとびかかりすると。(W民話)(エゾイタチの自叙) {E: to throw oneself upon…; jump at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eturen
エトゥレン 【e-turen】 〜で,あわせて. イヨーハイ.タント エトゥレン トゥペサント カ ネ ㇷ゚ ネイタカ シㇰヌ ワ アン ペ ネ ヤー シコㇿ ク・ヤイヌ アㇷ゚ イワンケ ノ ア・パ ヤㇰ ア・イェ.ア・オクンヌレ ハワㇱ ネ=あーあたまげた.今日で8日になるのにどこかで生きているだろうかと私は考えていたが,元気で発見されたと言う.たまげた話だ.ク・ヘコテ ニㇱパ ポ エノッパ(エン・ホッパ) ワ タンパ エトゥレン トゥホッパ カ ネ こきん ウナㇻペ エネ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ=私の仕えた方(夫)が私を残して逝って今年で40年になったとこきんおばさんが述懐していたのを聞いたことがあった. (出典:萱野、方言:沙流)
eturetar
エトゥレタㇻ §060 ウグイ (9) etu-retar (e-tú-re-tar)「エとぅレタㇻ」[etu(鼻)retar(白い)] ⦅屈斜路⦆ウグイの類。フットイの大きなもので、鼻の先の白くなったもの (出典:知里動物編、方言:)
eturetarseta
エトゥレタㇻセタ §268 イヌ (43) etu-retar-seta (e-tú-re-tar-se-ta)「エとゥレタㇻセタ」[<etu(鼻)retar(白い)seta(犬)] ⦅名寄⦆ (出典:知里動物編、方言:)
eturi
エトゥリ §620.鼻が高いeturi〔e-tú-ri エとぅ・リ〕[鼻・高い]⦅H.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
eturimeciw
エトゥリメチウ 【e-turime-ciw】 突き出す. ロルンペ カ タ アㇱケウコㇺ ア・エトゥリメチュー ウタㇱパ パㇰノ ウケウェホㇺス・アン ルウェ ネ=悲しい時に握り拳を前へ突き出し,お互いともに私たちはねぎらいあった. (出典:萱野、方言:沙流)
eturpakkunip
エトゥㇽパックニㇷ゚ 【eturpak-kuni-p】 比べるもの. (出典:萱野、方言:沙流)
etursere
エトゥㇽセレ 【複他動】[e-turse-re …で・落ちる・させる] …で…をとばす、 …で…を切り落とす。 ure etursere ウレ エトゥㇽセレ 足で(それを)けとばす。(W) a=sitómusi a p a=sikóetaye híne néa kimunkamuy a=tawki hi ta kamuy renkayne penrekuci a=etúrsere ruwe ne アシトムシ アㇷ゚ アシコエタイェ ヒネ ネア キムンカムイ アタウキ ヒ タ カムイ レンカイネ ペンレクチ アエトゥㇽセレ ルウェ ネ 私が腰に差していた山刀を引き抜いて熊に切りつけとき、 神のおかげでその首を切り落とした。(HK民話) {E: to cut off…; cut away…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etursere
エトゥㇽセレ 【e-turse-re】 落とす. ポロ カラウト カンプタハ ア・エトゥㇽセレ オンナイ タ アン ポンヤウンペ ア・エキラ ルウェ ネ=大きいつづら,その蓋をさっと落とし,中にいたポンヤウンペを連れて逃げた. (出典:萱野、方言:沙流)
etururuka
エトゥルルカ §054.頭の全部;前頭部;ひたい(18)etu-ruruka〔e-tú-ru-ru-ka エトゥルルカ〕[<etu(鼻)+ururu(堤、どて)+ka(上)]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
eturus
エトゥルㇱ 【名】[概](所は eturusi(hi) エトゥルシ(ヒ))[etu-rus 鼻・毛皮](動物の)鼻づら。 {E: a muzzle.} (出典:田村、方言:沙流)
eturus
エトゥルㇱ §334 シマフクロウ (9) eturus (e-tú-rus)「エとゥルㇱ」[<?] ⦅富内、白浦、多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
eturus
エトゥルㇱ §336 シロフクロウ (1) eturus (e-tu-rús)「エトゥるㇱ」[<?] ⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
eturusi(hi)
エトゥルシ(ヒ) 【名】[所](概は eturus エトゥルㇱ)…の鼻づら。 corpokke ta néa kameasi eturusihi sanke híne an siri iki チョㇿポッケ タ ネア カメアシ エトゥルシヒ サンケ ヒネ アン シリ イキ (倒木の)その下にそのばけもの熊が鼻づらを出しているのが見えた。(KK民話) {E: the muzzle of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etusi
エトゥシ §606.はなくそ(鼻糞・鼻屎)(4)etu-si〔e-tú-ši エとぅ・シ〕[etu(鼻)+si(糞)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etusinkar(-an)
エトゥシンカㇻ §618.鼻を鳴らす[泣く際に、あるいは鼻水の垂れるのをすすりこむ際に](1)etu-sinkar(-an)〔e-tú-šiŋ-kar エとぅ・シンカㇻ〕[<etu-sum(鼻水を)+kar(はらう)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etusirkar
エトゥシㇼカㇻ 【他動】[e-tusir-kar に・墓・…をつくる/する] …を墓に埋める、 …を埋葬する。 a=etúsirkar wa isam アエトゥシㇼカㇻ ワ イサㇺ (死者を)お墓に埋めてしまった。(S) {E: to bury… in a grave.} (出典:田村、方言:沙流)
etusirkar
エトゥシㇼカㇻ 【e-tusir-kar】 埋葬する,葬る,埋(い)ける.▷エ=それ(死体)で トゥシㇼ=墓 カㇻ=作る フチ オンネ エトㇰタ エネ ハワニ ムニンニ ホラㇰ コラーチ パハウ サㇰノ コンネ(ク・オンネ) オカー シコㇿ パテㇰ ハウェアン ペ ネ アクス レンカ ピ(ㇷ゚ ヒ) コラチ オンネ.コタン エウン ウタㇻ ウウェカㇻパ ア・エトゥシㇼカㇻ ペ ネ ア ワ=祖母が死ぬ前に言っていた言葉は朽ち木が倒れるように噂もなく死にたいものだ,とばかり言っていたものであったが希望通りに死んだ.村人全部が集まって埋葬してくれたものだったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
etusmak
エトゥㇱマㇰ 【他動】[e-tusmak …と・競争する] …より先回りする。 {E: to get ahead of…; arrive before…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etusmak
エトゥㇱマㇰ 【e-tusmak】 (〜の)先回りをする. イイェトゥㇱマㇰ(イ・エトゥㇱマㇰ)=私の先回りをする.タント アナㇰネ シㇼピㇼカ クス イナウネニ ク・トゥイェ ルスイ ワ ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) エトコイキ アクス ク・コㇿ セタ サㇻ スイェスイェ コㇿ エネトゥㇱマㇰ(エン・エトゥㇱマㇰ)=今日はいい天気なのでイナウを削る材料を切りに山へ行くしたくをすると,私の犬がしっぽを振りながら私の先回りをしている.ウクランネ レラ ルイ ヒクス ヤㇺ ア・ウウォマレ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ノクンネイワ ヘカッタㇻ イイェトゥㇱマㇰ(イ・エトゥㇱマㇰ) シネ ヤㇺ カ ア・パ エアイカㇷ゚=昨夜風が吹いたので私はクリを拾い集めると思っていたのに,全く朝早くから子供たちが私の先回りをして一粒のクリも見つけられなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
etusnatki
エトゥㇱナッキ 【e-tus-natki】 香りたなびく,酒の香りが家懐にたなびいている. カムイイクルスイペ ソネクス トゥッコレレコ ネコㇿチセオンナイ サケフラ エトゥㇱナッキ=神が飲みたい物であるが故に,二日か三日すると家懐を酒の香りがたなびいている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
etusuy(-e)
エトゥスイ §605.はなあな;はなのあな;びこう(鼻孔)(3)etu-suy(-e)〔etú-suǐエとぅ・スイ〕[鼻・穴]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etusuysampe
エトゥスイサンペ §725.みけんの急所etusuy-sampe〔e-tú-suǐ-sam-pe エとぅスイ・サンペ〕[etusuy(鼻穴)+sampe(脈どころ)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etutanne
エトゥタンネ 【名】[etu-tanne その鼻・長い] [動物]カ(蚊)。 etutanne en=kupapa エトゥタンネ エンクパパ 私はカに「かじられた」(=くわれた、 さされた)。(W) {E: a mosquito.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etutanne
エトゥタンネ 【etu-tanne】 蚊. (出典:萱野、方言:沙流)
etutanne
エトゥタンネ §125 カ 蚊 (1) etu-tanne(e-tú-tan-ne)「エとゥタンネ」⦅沙流、幌別、千歳、美幌、様似、伏古、旭川、天塩⦆カ類 (出典:知里動物編、方言:)
etutannekikir
エトゥタンネキキㇼ 【etu-tanne-kikir】 蚊. (出典:萱野、方言:沙流)
etutannekikir
エトゥタンネキキㇼ §125 カ 蚊 (3) etu-tanne-kikir(e-tú-tan-ne-ki-kir)「エとゥタンネキキㇼ」⦅足寄、春採⦆ (出典:知里動物編、方言:)
etutar
エトゥタㇻ §125 カ 蚊 (2) etutar(e-tú-tar)「エとゥタㇻ」⦅礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
etutope
エトゥトペ 【名】[etu-tope 鼻・乳] 鼻の頭の下端(二つの孔の間)。 {E: below the nose.} (出典:田村、方言:沙流)
etutur(-u)
エトゥトゥㇽ §613.はなばしら;鼻柱;鼻中隔(2)etutur(-u)〔e-tú-tur エとぅトゥㇽ〕[<etu(鼻)+utur(間、仕切り)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etututturi
エトゥトゥットゥリ 【etu-tutturi】 鼻を伸ばしてにおいをかぐ, (出典:萱野、方言:沙流)
etuusnimak(-i)
エトゥウㇱニマㇰ §582.は(歯)(8)前歯 etu-us-nimak(-i)〔e-tú-uš-ni-mak エとぅ・ウシ・ニマㇰ〕[etu(鼻、先端)+us(についている)+nimak(歯)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuutorsam(-a)
エトゥウトㇿサㇺ §327.こばな(小鼻);びよく(鼻翼)e-tu-utorsam(-a)〔e-tú-u-tor-sam エとゥウトㇿサㇺ〕[etu(鼻)+utorsam(側面)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuwahka
エトゥワㇵカ §610.はなしる(鼻汁)(5)はなみず;みずっぱな etu-wahka〔e-tú-wah-ka エとぅ・ワㇵカ〕[etu(鼻)+wahka(水)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etuwane
エトゥワネ §299 ハシボソガラス (9) etuwane (e-tú-wa-ne)「エとゥワネ」[<etu-ane(くちばし・細い)] ⦅多来加⦆カラフトハシボソガラス (出典:知里動物編、方言:)
etuyamam
エトゥイアマㇺ、エトゥヤマㇺ §402 アワ 粟 (12) etuy-amam (e-túy-a-mam、e-tú-ya-mam)「エとゥイアマㇺ、エとぅヤマㇺ」[e(頭、穂先)tuy(ぷつりと切れている)amam(穀果)] 子実 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
etuye
エトゥイェ 【他動】[単](複は etuypa エトゥイパ)[e-tuye その先・を切る](髪など)の先を切り落とす、 …を切りそろえる。 ☞tuye トゥイェ {E: to cut (off), trim (hair etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
etuypa
エトゥイパ 【他動】[複](単は etuye エトゥイェ)(髪など)の先を切り落とす、 …を切りそろえる。 otopi etuypa オトピ エトゥイパ 髪を切る。 ☆参考 髪を切ることは otopi tuypa オトピ トゥイパ とも言う。 etuypa エトゥイパ は先のほうを切ること。 ☆参考 ござの端を切りそろえるのは eraske エラㇱケ。 {E: to cut (off) (hair etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
eukohetutturi
エウコヘトゥットゥリ 【e-u-ko-he-tur-turi】 体を寄せ合う. ネㇷ゚ ワ アン ペ エウコピヌピヌ シリ ネ ヤ キサラハ エウㇱ カネ エウコヘトゥットゥリ パ=どんなことをふたりでひそひそ話しているのか耳へ刺さるようにお互いの体を寄せ合っている. (出典:萱野、方言:沙流)
eutukanke
エウトゥカンケ 【e-u-tukan-ke】 (アワの穂など)束ねる. (出典:萱野、方言:沙流)
eutunankar
エウトゥナンカㇻ 【e-u-tunankar】 誰かと行き合う. (出典:萱野、方言:沙流)
eutunas 1
エウトゥナㇱ 【e-utun-as】 ①ふたりで搗く.▷エ=〜を ウトゥン=ふたり アㇱ=立つ (出典:萱野、方言:沙流)
eutunas 2
エウトゥナㇱ 【e-utun-as】 ②ひとりの女性に対し複数の男性が交わる〔隠語〕.←ふたりで搗く. ア・エウトゥナㇱ チェアッピセ=母親が複数の男性と交わっていたため父親のわからない私生児. (出典:萱野、方言:沙流)
eutunne
エウトゥンネ 【自動】[e-utun-ne その頭・木尻座・である] 木尻座(下座)の方を向く。 ☞útur ウトゥㇽ (出典:田村、方言:沙流)
eutunne
エウトゥンネ 【e-utur-ne】 西側,下座.*私が生まれ育った二風谷神社の入り口の所から見て,東の方をエロンネ(東側)といい,国道の西の方をエウトゥンネあるいはウトゥㇽ(西側)と言った.しかし方角を示す言葉は家の中でも用いられるもので,囲炉裏よりも東の方をエロンネ,囲炉裏よりも入り口に近い西側をウトゥㇽあるいはエウトゥンネと言った.したがって大きい方角,東西南北の言い方には使えない. (出典:萱野、方言:沙流)
eutunneno
エウトゥンネノ 【副】[eutunne-no 木尻座の方を向く・(副詞形成)] 木尻座の方を向いて。 ☞útur ウトゥㇽ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
euwetusmak/ewwetusmak
エウウェトゥㇱマㇰ/エウウェトゥㇱマㇰ ☞ewetusmak エウェトゥㇱマㇰ (出典:田村、方言:沙流)
ewetusmak
エウェトゥㇱマㇰ 【他動】[e-u-e-tusmak …で・互い・に・競争する] …を競い合う。 pekanpe-ewetusmak ペカンペ エウェトゥㇱマㇰ 競争でペカンペをとる。 ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 we )に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には euwetusmak/ewwetusmak エウウェトゥㇱマㇰ の形が使われることが多いと予想される。 {E: to compete with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkoramkur-turpa
エウコラㇺクㇽトゥㇽパ/エウコラㇺクットゥㇽパ 【他動】(韻文では分離)[e-u-ko-ram-kur-turpa …について・互い・と共に・心・有様・を伸ばす[複]] …について皆で一緒にいろいろとよく考えて相談し合う。 sekor okay pe/kamuy opitta/ewkoramkur/turpa kane セコロカイ ペ/カムイ オピッタ/エウコラㇺクㇽ/トゥㇽパ カネ [雅]ということを神々はみな一緒に考えて先のことを案じていました。(Sユーカラ) ☆発音 日常語で話すときは全体を続けて ewkoramkutturpa エウコラㇺクットゥㇽパ と発音する。 しかしアクセントは二語のアクセント。 ☆参考 韻文で歌うときは2行に分かれる。 ☆参考 『音声資料3』に ewkoramkotturpa エウコラㇺコットゥㇽパ とあるのは誤り。 {E: to seriously talk over…with someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkotumam
エウコトゥマㇺ 【他動】[e-uko-tumam …で・一緒に・…をだいて寝る] …を二人でだいて寝る。 puyne án=an wa po hene i=omappa i=ewkotumam kor oka=an プイネ アナン ワ ポ ヘネ イオマッパ イエウコトゥマㇺ コㇿ オカアン 子どもは私一人だけだったのでなおいっそう両親にかわいがられ二人にだかれて寝て私たちは暮らしていた。(KK民話) {E: to sleep with…wrapped in one another's arms.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewrawketupa
エウラウケトゥパ 【他動】[e-u-rawketupa …で・互い・の仕事をする] …をして一生けんめい働く。 {E: to work hard at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewtunne
エウトゥンネ 【自動】(k= ㇰ、 e= エ などの接頭辞がついたときに予想される形だが未出) ☞eutunne エウトゥンネ (出典:田村、方言:沙流)
ewwetusmak
エウウェトゥㇱマㇰ ☞ewetusmak エウェトゥㇱマㇰ (出典:田村、方言:沙流)
eyayekatuwen
エヤイェカトゥウェン 【他動】[e-yay-e-katu-wen …のことで・自分・に・かっこう・悪い]…のことできまりが悪い。 ☆参考 yayekatuwen ヤイェカトゥウェン [自動]きまりがわるい。 ☆参考 ただ《はずかしい》は yaysitoma ヤイシトマ [自動]、 eyaysitoma エヤイシトマ[他動]。 ほかに、 yayíporosak ヤイポロサㇰ[自動]、 eyaynikorosma エヤイニコロㇱマ[他動]、 utcike ウッチケ[自動]など。 {E: to be ashamed of…; embarrassed by…} (出典:田村、方言:沙流)
eyayetunkar
エヤイェトゥンカㇻ 【他動】[e-yay-etun-kar …で・自分に・借りる(嫁にとる)・する] …を嫁にもらう。 {E: to receive…as a bride.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayitupare
エヤイトゥパレ 【他動】[e-yayitupare …について・気をつける] …に気をつける。 ruyka tane a=kar okere wa a=eyáyitupare uske ka isam ルイカ タネ アカㇻ オケレ ワ アエヤイトゥパレ ウㇱケ カ イサㇺ 橋はもう直し終わったので注意するべき所(あぶない所)はない。(S) ☆発音 会話などで早く言うとき、 通常 y のあとの i は落ちて eyaytupare エヤイトゥパレ と発音される。 {E: to be careful of…} (出典:田村、方言:沙流)
eyaykewtum-ekosanniyo
エヤイケウトゥㇺエコサンニヨ 【他動】[e-yay-kewtum-e-ko-sanniyo …について・自分・心・で・…に・考える][雅] tu pirka kuni p/e=eyaykewtum/ekosanniyo トゥ ピㇼカ クニㇷ゚/エエヤイケウトゥㇺ/エコサンニヨ [雅]いろいろなことをご自分の心で考えるのですよ。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 ekosanniyo エコサンニヨ は e=kosanniyo か。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykewtum-eohunara
エヤイケウトゥㇺエオフナラ 【他動】[e-yay-kewtum-e-o-hunara …で・自分・心・で・そこで・…を探す]…を自分の心で考えて心のすみずみまでさがす(探る)。 pirkanopo/e=yaykewtum ka/eohunara/tu pirka kuni p/e=eyaykewtum/ekosanniyo ピㇼカノポ/エヤイケウトゥㇺ カ/エオフナラ/トゥ ピㇼカ クニㇷ゚/エエヤイケウトゥㇺ/エコサンニヨ [雅]よくよくご自分の心で考え、 いろいろなことを心のすみずみまでさがし、 いろいろなことをご自分の心で考えるのですよ。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 eohunara エオフナラ は e=ohunara か。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykewtum-kokisma
エヤイケウトゥㇺコキㇱマ 【他動】[e-yay-kewtum-ko-kisma …に関して・自分・心・それを(叙述を導く)・…を押える][雅]自分の気持ちを押える。 apunitara/a=eyáykewtum ka/kokisma kane アプニタラ/アエヤイケウトゥㇺ カ/コキㇱマ カネ [雅]静かに気持ちを押えた。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykewtum-ositciwre
エヤイケウトゥㇺオシッチウレ 【他動】[e-yay-kewtum(u)-osirciw-re …について・自分・心・尻(が)地面に刺さる(=落ちつく)・させる] …のことを決心する、 …を決心する。 ☆参考 韻文で2行に分かれる。 {E: to decide on…; make up one's mind to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaykewtum-sineatkire
ヤイケウトゥㇺシネアッキレ 【他動】[e-yay-kewtum-sineatki-re そのことについて・自分の・心・決まる・させる] …のことを決める、 …を決心/決断する。 {E: to decide (on)…} (出典:田村、方言:沙流)
eyaykewtumuwente
エヤイケウトゥムウェンテ 【他動】[e-yay-kewtumu-wen-te …で・自分・の心・悪くなる・させる] …を悲しむ。 ☆参考 eyaykewtumwente エヤイケウトゥㇺウェンテ か。 {E: to feel sad about…; feel sorry for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaymonpoktusmak
エヤイモンポㇰトゥㇱマㇰ 【e-yay-mon-pok-tusmak】 忙しい.▷エ=それ ヤイ=自身 モン=力 ポㇰ=下 トゥㇱマㇰ=先回り (出典:萱野、方言:沙流)
eyaysanpe-siturire
エヤイサンペシトゥリレ 【他動】[e-yay-sanpe-situri-re …で・自分・気持ちが・のびる・させる] …で自分の気を晴らす。 aynu sinotca a=ye a a=ye a a=ye a wa a=eyáysanpesiturire アイヌ シノッチャ アイェ ア アイェ ア アイェ ア ワ アエヤイサンペシトゥリレ 私はアイヌの歌を歌って歌って歌って気を晴らした。(S民話) ☞sanpesituri サンペシトゥリ {E: to refresh oneself by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaytunap
エヤイトゥナㇷ゚ 【e-yay-tunap】 羨ましく思う:いいもんだなあと思い,悔しまぎれに少し愚痴を言う. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaytupa
エヤイトゥパ 【他動】しきりに…(を)したがる、 …(を)したいしたいと言ってきかない。(しばしば動詞句のあとに置かれて)しきりに…したがる。 a=kokópan yakka kar eyaytupa アココパン ヤッカ カㇻ エヤイトゥパ いけないと言われるのにつくりたがる。(S) ☆参考 rusuy ルスイ [助動] …したい、 …したがる。 {E: to eagerly want (to do)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaytupa
エヤイトゥパ 【e-yay-tupa】 欲する,望む,願う.〜したがる. ヌエヤイトゥパ=聞きたがる.アㇻパエヤイトゥパ=行きだがる.イペエヤイトゥパ=食べたがる. (出典:萱野、方言:沙流)
eyaytupare
エヤイトゥパレ 【他動】…に気をつける。 ☆参考 eyayitupare エヤイトゥパレ を早く発音して y のあとの i が落ちた形。 ☞eyayitupare エヤイトゥパレ {E: to be careful of…} (出典:田村、方言:沙流)
eykoytupa
エイコイトゥパ 【他動】[e-ikoytupa …について・人をうらやむ] …をうらやむ。 {E: to be envious of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eypottumma
エイポットゥンマ 【接頭+名+位名+格助】[e-ipor-tum-wa …で・顔つき・の中・から][雅](次項以下のような慣用句で) …の顔つきから、 その顔つきからして…。 (出典:田村、方言:沙流)
eypottumma kosinna
エイポットゥンマ コシンナ 【慣用句】[e-ipor-tum-wa ko-sinna …で・顔つき・の中・から・(雅語で叙述を導く)…が・違う][雅]…で顔つきからして違っている。 kamuy ne kusu/kamuy ipor/eypottumma/kosinna kane カムイ ネ クス/カムイ イポㇿ/エイポットゥンマ/コシンナ カネ [雅]神だから神の顔つきが人間の顔とは違っている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eypottumma kurkus
エイポットゥンマ クㇽクㇱ 【慣用句】[e-ipor-tum-wa kur-kus …が・顔色・の中・から・影/姿(が)・…を通る][雅](次のような慣用表現で)…が顔色に現れる。 iruska ipor/a=eypottumma/kurkus kane イルㇱカ イポロ/アエイポットゥンマ/クㇽクㇱ カネ [雅]怒りの色が私の顔に現れていた。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eypottumma sinna
エイポットゥンマ シンナ 【慣用句】[e-ipor-tum-wa sinna …で・顔つき・の中・から・違う][雅] …で顔つきからして違っている。 tono ka utarpake eypottumma sinna kane トノ カ ウタㇻパケ エイポットゥンマ シンナ カネ おさむらいの中でもいちばん上の方、 それで顔つきからして普通とは違って勇者の顔つきをしている。(S民話) ☆参考 同じことを言うのにユーカラを歌っている中では eypottumma/kosinna kane エイポットゥンマ/コシンナ カネ と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hametunni
ハメトゥンニ §046 ムシカリ (3) hametun-ni (ha-mé-tun-ni)「ハめトゥンニ」 茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
hanketuri
ハンケトゥリ 【他動】[hanke-turi 近い・伸ばす](次のような慣用的言い回しの中で)(刀)を近くにかざす。 a=kor emustasiro a=tuymaturi a=hanketuri kor kewe a=homsu アコㇿ エムㇱタシロ アトゥイマトゥリ アハンケトゥリ コㇿ ケウェ アホㇺス 私は私の太刀つくりの山刀を遠くにかざし近くにかざして悪神を払う踏舞をしながら危なかったことの見舞いを言った。(HK民話) (男子の踊りの所作の一つで、 低い声をふるわせて歌いながら、 刀を右手に、 切っ先を上にまっすぐ立ててかざし、 腕を伸ばしたり縮めたりする。 悪神を払う所作だと言われている。) {E: to hold up… over one's head.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hanokahtuyeh
ハノカㇵトゥイェㇸ §686.へそのおが落ちる(2)hanokah-tuyeh〔ha-nó-kah-tuǐ-teh ハのカハトゥイテㇸ〕[肺帯・きれる]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
haruramatu(hu)
ハルラマトゥ(フ) 【名】[所](概は haruramat ハルラマッ)…の食糧の魂。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
harututu
ハルトゥトゥ §259.くすぐる(擽る)(1)harututu〔ha-rú-tu-tu ハるトゥトゥ〕[ha(?)+rutu-tu(押し押しする)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
haspahkutu
ハㇱパㇵクトゥ §287 オオイタドリ (5) haspahkutu (hás-pah-ku-tu)「はㇱパㇵクトゥ」 枯茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
hatupok(-i)
ハトゥポㇰ §842.わき;わきのした(13)hatu-pok(-i)〔há-tu-pok はトゥポㇰ〕⦅テシオ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hawetursere
ハウェトゥㇽセレ 【hawe-turse-re】 怒鳴りつける.▷ハウェ=声 トゥㇽセ=落とす レ=させる →声で落とすほどに (出典:萱野、方言:沙流)
hay ku=ramutuy humi
ハイ クラムトゥイ フミ 【hai ku=ramutuy humi】 ああ,驚いた.▷ク=私 ラム=思い トゥイ=切れる →思いが切れる→驚く (出典:萱野、方言:沙流)
hekaciketuh(p-i)
ヘカチケトゥㇷ §161.おまる;おかわ;便器(3)小児用便器 hekaci-ketuh(p-i)〔he-ká-či-ke-tuh ヘかチケトゥㇷ〕[小児・便器]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hepertus
ヘペㇾトゥシ 【heper-tus】 子熊を繋ぐ綱:カパイ(イラクサ)製. (出典:萱野、方言:沙流)
hepututu
ヘプトゥトゥ 【自動】[he-putu-tu 頭/顔・を突き出す・(重複)…している] ふくれつらをしている。 {E: to pout.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hepututu
ヘプトゥトゥ 【hepututu】 唇を突き出してぷんと怒っていること,ぷんとする. (出典:萱野、方言:沙流)
hepututu
ヘプトゥトゥ §176.顔をしかめる;しかめ画する;渋面つくる(3)hepututu〔he-pú-tu-tu へぷトゥトゥ〕[he(顔)+pututu(突き出している)]⦅アツべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hesekan tuytuy
ヘセカン トゥイトゥイ §001.あえぐ(喘ぐ)(6)息を切らすhese-kan tuy-tuy〔hé-se-kan-tùǐ-tuǐへセカン・とゥィトゥィ〕[hese(息)+kan(末)、tuy-tuy(切れる・切れる)]⦅ホロベツ⦆【雅(tas-kan tuy-tuyとも言う)———神謡集, p.90】 (出典:知里人間編I、方言:)
héseturi
ヘセトゥリ 【自動】[hese-turi 息(をする)・を伸ばす] フーッと息を吐く、 息を伸ばす、 長い息をつく(ため息をつく等)。 {E: to exhale; breathe out.} (出典:田村、方言:沙流)
héseturiri
ヘセトゥリリ 【自動】[hese-turi-ri 息・を伸ばす・(重複)] フーツと長く息を吐く、 息を伸ばす、 ほっとして息をつく。 ku=toye ku=kar okere wa ku=heseturiri クトイェ クカロケレ ワ クヘセトゥリリ 私の畑の仕事をすませて私はほっとして息をついた。(S) {E: to sigh in relief.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
heseturiri
ヘセトゥリリ 【hese-turiri】 (ほっと)ひと息つく,ため息をつく:はあっと息を吐く.▷ヘセ=息 トゥリリ=伸ばす (出典:萱野、方言:沙流)
heseturiri
ヘセトゥリリ §479.ためいき[する](2)安心してためいきする hese-turiri〔hé-se-tu-ri-ri へセ・トゥリリ〕[hese(呼気)+turi-ri(伸ばしつずける、ずうっと伸ばす)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
heseturiri(-an)
ヘセトゥリリ §080.ためいき(1)安心して溜息をつく hese-turiri(-an)〔hé-se-tu-ri-ri へセトゥリリ〕[息を・伸ばし伸ばしする]⦅ホロべツ、サル、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hetukpa
ヘトゥㇰパ 【自動】[複](単は hetuku ヘトゥク)(植物などが)生える、 (人間が)生まれる。 sine hon or wa hetukpa utar シネ ホン オㇿ ワ ヘトゥㇰパ ウタㇻ 一つの腹から生まれた人々。(S民話) {E: to grow, spring up (plants); give birth to (humans).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hetukpa 1
ヘトゥㇰパ 【hetukpa】 ①育つ,成長する〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
hetukpa 2
ヘトゥㇰパ 【hetukpa】 ②生える. トイトイ ヌプㇽ マヌ カシ ワ チクニ ヘトゥㇰパ=地面が偉いのにその上から木が生えるの?(早口言葉の一節) (出典:萱野、方言:沙流)
hetuku
ヘトゥク 【自動】[he-tuku 頭・を突き出す][単](複は hetukpa ヘトゥㇰパ)(月や太陽が)出る、 (もぐっている人が)顔を出す/出て来る、 (植物が)芽を出す/生える、 (また人間でも)生まれる。 nan nipeki/hetuku cup ne/iyenucupki/ciwre kotom ナン ニペキ/ヘトゥク チュㇷ゚ ネ/イイェヌチュㇷ゚キ/チウレ コトㇺ [雅](その女神の)顔の輝きがさしのぼる朝日のように日の光がさすのにも似て。(Sユーカラ) tanepo níya hetuku タネポ ニヤ ヘトゥク 今やっと木の芽が出てきた。(S) rar wa ya esirpicire wa turano hetuku ラㇻ ワ ヤ エシㇼピチレ ワ トゥラノ ヘトゥク もぐって網をはずして持って浮いて来なさい。(S) usimne usimne hetuku ウシㇺネ ウシㇺネ ヘトゥク 一日一日と成長する。(S) ☆参考 月や太陽がほんの少しだけ出かかったのは etuk エトゥㇰ。 hetuku ヘトゥク は全体が出たこと。 高く昇ったのは ri リ。 {E: to rise; come out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hetuku 1
ヘトゥク 【hetuku】 ①育つ,伸びる,成長する. ク・ミッポホ イット コラチ ヘトゥク シリ ク・ヌカㇻ エアㇻキンネ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=私の孫が日に日に育つのを見て本当に私は嬉しく思っている(方言:おがる). (出典:萱野、方言:沙流)
hetuku 2
ヘトゥク 【hetuku】 ②芽を出す,出る,生える. (出典:萱野、方言:沙流)
heturaste
ヘトゥラㇱテ 【他動】[he-turas-te 頭を・沿って上っていく・させる] …と一緒に暮らす、 …と夫婦になる。 {E: for…and…to live together , to become husband and wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hetutturi
ヘトゥットゥリ 【自動】[he-tur-turi 頭(=顔)を・(伸ばすことを表す語根)・(重複)・(他動詞形成)] 顔を突き出す。 {E: to push, stick out one's head.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hocinuturkuste
ホチヌトゥㇽクㇱテ 【他動】[ho-cin-utur-kus-te 尻・上脚・の間・を通る・させる] 股(また)の間を通す/にはさむ。 {E: to fasten something through the crotch.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hocinuturu
ホチヌトゥル §710.また(股)(3)またぐら hocinuturu〔ho-čí-nu-tu-ru ホちヌトゥル〕[ho(陰部)+cinuturu(またぐら、股間)]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hoketu
ホケトゥ 【自動】[ho-ketu 尻を・(?)] ①(寝ていて)曲げていた足をさっとのばす。 ②逃走する。 kamiasi hoketu wa isam カミアシ ホケトゥ ワ イサㇺ 畜生逃げてしまった。(S) {E: ①to suddenly stretch one's bent legs. ②to flee; run away.} (出典:田村、方言:沙流)
hoketu
ホケトゥ 【hoketu】 走り去る. ア・シトマノ アン フチ エㇰ ヒクス ライ ホケトゥ・アン トゥサ チョㇿポㇰ ア・クㇱテㇰ キラ・アン=恐ろしいようなばあさんが来たので,さっと走って袖の下を通って私は逃げた[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
hoku konutustekno ikupapa
ホク コヌトゥㇱテㇰノ イクパパ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(40)女が交合の際に興奮のあまりかみつく hoku ko-nutustekno ikupapa〔ホく・コぬトゥㇱテㇰノ・イくパパ〕[hoku(男、夫)+ko(に対して)+nu(歓喜を)+tustek-no(きおって、きそって)+i(人を)+kupapa(かみかみする)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hoku konutusteknocis
ホク コヌトゥㇱテㇰノチㇱ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(41)女が交合の際に興奮のあまり泣く hoku ko-nutustekno-cis〔ホく・コぬトゥㇱテㇰノ・ちㇱ〕[男・のために歓喜がこみあげて来て・泣く]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
homaturuype
ホマトゥルイペ 【homatu-ruy-pe】 驚き過ぎた者,驚いた. ▷ホマトゥ=驚き ルイ=強い ペ=者(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
hon-tuypoki
ホントゥイポキ 【名】[hon-tuypok-i 腹・の下端の部分・(所属語尾)] 鹿の(あるいは動物一般の?)腹の下側(前足と後足との間の下側の部分)。(W) (S)☞tuypok トゥイポㇰ (出典:田村、方言:沙流)
hontomo tuye
ホントモ トゥイェ 【連他動】[途中・を切る] 途中でプツツと切ってやめる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hontomotuye
ホントモトゥイェ 【hontomo-tuye】 やめる,中断する. エ・イェ ウウェペケㇾ ソモ ホントモトゥイェ ノ イェ ワ オケレ.ソモ エ・イェ ヤㇰネ オウシケヘ エルㇺ イェ ㇷ゚ ネ ナ=お前が言った昔話,途中でやめないで言い終わらせろ,言わなければ続きはネズミが言うものだぞ. (出典:萱野、方言:沙流)
hontuy
ホントゥイ 【名】[hon-tuy 腹・腹](次の特殊な用例の中で) 腹。 hontuy peste/setur peste ホントゥイ ペㇱテ/セトゥㇽ ペㇱテ 「腹なりに、 背中なりに」(刀を衣服の中に)腹に沿わせて背中に沿わせて(入れてある)。(W言い伝え)の中の即興的韻文 ☆参考 腹のことは通常 hon ホン と言う。 {E: the stomach.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
horkarutu
ホㇿカルトゥ 【他動】[horka-rutu 逆方向に・押しずらす] 後ろへ押し戻す。 ci=horkarutu a=ekárkar チホㇿカルトゥ アエカㇻカㇻ 「差別される、 あとへ押され、 理屈をとられる。」 (S言い伝え) {E: to push back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
horokahetukuhekaci
ホロカヘトゥクヘカチ §353.産―さかご(逆子);足位分娩児(2)horoka-hetuku-hekaci〔ho-ró-ka|he-tú-ku|he-ká-či ホろカ・へとぅク・へかチ)[さかさに・生れた・子]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
horokatusika
ホロカトゥシカ §056.頭の後部;後頭部(6)horoka-tusi-ka〔ho-ró-ka-tu-ši-ka ホろカ・トゥシカ〕[horoka(後方の)+tusi(<ru「頭髪」 us「生えている」 i「所」)+ka(表面)]⦅チライ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
horokatuwah
ホロカトゥワㇵ §207 エビ (6) horoka-tuwah (ho-ró-ka-tu-wah)「ホろカトゥワㇵ」[<horoka(後ろに)tuwa(はねる)-p(者)] ⦅多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hos'atu
ホㇱアトゥ 【hos-atu】 脚絆紐. (出典:萱野、方言:沙流)
hottur(-u)
ホットゥㇽ §054.頭の全部;前頭部;ひたい(10)hottur(-u)〔hót-tur ほットゥㇽ〕⦅ホロベツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
hotu
ホトゥ §658.びっこ(跛)である;ちんばである(6)びっこをひく hotu〔hó-tu ほトゥ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hoturiri
ホトゥリリ 【自動】[ho-turi-ri 尻・を伸ばす・(重複)…している] つぶれている、 ひしゃげている。 ponno hoturiri ポンノ ホトゥリリ 少しつぶれている(まんまるでなく、 楕円形である)。 {E: to be flattened; crushed.} (出典:田村、方言:沙流)
hotuyatki
ホトゥヤッキ §060 ウグイ (14) hotuyatki (ho-tú-yat-ki)「ホとぅヤッキ」[< ] ⦅千歳⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hotuye
ホトゥイェ 【自動】[単](複は hotuypa ホトゥイパ)[ho-tuye 尻・を切る](?) 呼ぶ、 呼び声をあげる、 大声で呼ばわる(短い声で)。 ☞hotuypa ホトゥイパ {E: to scream; yell.} (出典:田村、方言:沙流)
hotuye-paraparak
ホトゥイェパラパラㇰ 【自動】[hotuye-paraparak 呼び声をあげる・泣き叫ぶ] 大声で呼びながら泣き叫ぶ。 {E: to call out in a loud crying voice.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hotuyekar
ホトゥイェカㇻ 【他動】[hotuye-kar 呼び声をあげる・(他動詞化)] …を呼ぶ。 {E: to call…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hotuyekar
ホトゥイェカㇻ 【hotuyekar】 呼ぶ. エン・ホトゥイェカㇻ=私を呼んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
hotuyekarhaw
ホトゥイェカㇻハウ 【hotuyekar-haw】 呼声. (出典:萱野、方言:沙流)
hotuypa
ホトゥイパ 【自動】[複](単は hotuye ホトゥイェ) 大きい長い呼び声をあげる、 大声で呼ぶ。 ☆参考 複数形の形だが一人にも用いられる。 単数形 hotuye ホトゥイェ は短く呼ぶことを表し、 複数形は大声で声を長く引いて呼ばわることを表す。 {E: to call out in a loud voice.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hotuypa
ホトゥイパ 【hotuypa】 呼ぶ,大声で叫ぶ. ライホトゥイパ=大声で叫ぶ.テエータ ナ ク・ポン ラポㇰ タ アナㇰネ セタ ウォセ コㇿ パヨカカムイ ホトゥイェカㇻ パ シㇼ ネ セコㇿ ネ ワ イシㇺケト タ ア・イワㇰテ パ シリ ク・ヌカㇻ アㇺキㇼ=ずーっと昔,私が少年時代は犬が遠吠えをすると病気の神を呼んでいるといって翌日神の国へ送るために殺していたのを見たものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
hotuypakar
ホトゥイパカㇻ 【hotuypa-kar】 (高い声で)叫ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
hotuytuy
ホトゥイトゥイ §111.陰部を露出する―除魔のための呪術的陰部露出[する](5)hotuytuy〔ho-túǐ-tuǐ ホとゥイトゥイ〕[<ho(尻)+tuytuye(煽る)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
hureitunnap
フレイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (23) hure-itunnap(hú-re-i-tun-nap)「ふレイトゥンナㇷ゚」⦅幌別⦆アカヤマアリ Formica sanguinea fusicepes EMERY. エゾアカヤマアリ Formica trunicicola yessoensis FOREL. (出典:知里動物編、方言:)
huretu
フレトゥ §211 ゴカイ (3) huretu (hu-re-tu)「フレトゥ」 ⦅多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
huretu
フレトゥ §211 ゴカイ (8) huretu (hu-ré-tu)「フれトゥ」[hure(赤い)tu(ひも)] ⦅多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hursut/hursutu(hu)
フㇽスッ/フㇽストゥ(フ) 【hur-sut/-sutu(hu)】 坂の麓. (出典:萱野、方言:沙流)
hutureh
フトゥレㇸ §091 ツルコケモモ (3) hutureh (hú-tu-reh)「ふトゥレㇸ」[<hú-turep生の・果実] 果実 ⦅樺太⦆ (出典:知里植物編、方言:)
huypututu
フイプトゥトゥ 【自動】[huy-putu-tu ほお・を突き出す・(重複)…している] ほおがふくれている。 ☆参考 hepututu ヘプトゥトゥ ふくれっつらをしている。 {E: to have swollen cheeks.} (出典:田村、方言:沙流)
i=kosatsatu
イコサッサトゥ 【i=ko-satsatu】 (私を)うさんくさい顔で見る. (出典:萱野、方言:沙流)
i=turpakno
イトゥㇽパㇰノ 【i=turpakno】 それに近いぐらい,私の歳に近いほどの. ▷イ=私 トゥル=近い パㇰノ=ほどの ナポロクㇽ アイェヒネクナㇰ アラムアワ イトゥㇽパㇰノ アンオッカイポ ネロㇰオカ=もっと歳の多い人を言っているのかと思っていたが,私に近いほどの若者であった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
icaniwitunnap
イチャニウイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (25) icaniw-itunnap(i-ca-niw-i-tun-nap)「イちャニウイトゥンナㇷ゚」⦅本別⦆小形のアカアリ (出典:知里動物編、方言:)
iemakaatusa
イエマカアトゥサ 【i-emaka-atusa】 片肌脱ぎ. (出典:萱野、方言:沙流)
ietu
イエトゥ §156.おでき;できもの;はれもの;しゅもつ(15)ねぷと i-etu〔i-é-tu イえトゥ〕[i(それの)、etu(鼻、先)]⦅クッシャロ、ハルトリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ietunaskasurku
イエトゥナㇱカスㇽク §249 トリカブト (14) ietunaska-surku (i-é-tu-nas-ka-sur-ku)「イえトゥナㇱカスㇽク」[i(それ)-e(について)-tunaska(急がせる、tunas早い、-kaさせる)-surku(ブシ根)] 根 ⦅穂別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ihetutasum(-i)
イヘトゥタスㇺ §840.りんしつ(淋疾);りんびょお(淋病)(3)ihetu-tasum(-i)〔i-hé-tu-ta-sum イへトゥタスㇺ〕[i(それを、物を)+hetu(どっと出す)+tasum(病気)]⦅B⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ihomakewtum
イホマケウトゥㇺ 【ihoma-kewtum】 納得する精神,納得した心,理解した心. ▷イホマ=納得 ケウトゥㇺ=心[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ikaritunnap
イカリトゥンナㇷ゚ 【名】[動物] アリの一種、 「ロスケアリ」〔知分類 p.89 アカヤマアリ《穂》〕 {E: a kind of ant.} (出典:田村、方言:沙流)
ikaritunnap
イカㇻイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (22) i-kar-itunnap(i-kár-i-tun-nap)「イかㇻイトゥンナㇷ゚」⦅穂別⦆アカヤマアリ (出典:知里動物編、方言:)
ikir_ tumu ta
イキットゥムタ 【ikir-tumu-ta】 その中で,列の中で,多くの中で. ▷イキリ=列 トゥム=中 タ=に キムンイゥォロソ イゥォロソカタ シランパカムイ ウインネヤッカ イキットゥムタ パワシヌオロケ サクサトゥラ アノトゥワシ……=山の狩場の上に樹木の神が大勢いるが,その中で雄弁からその香りまで頼りになる……. *イキリトゥムタが,声に出す時はイキットゥムタになる.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ikokutu
イコクトゥ §287 オオイタドリ (1) ikokutu (i-kó-ku-tu)「イこクトゥ」[ik(節)o(多くある)kutu(中空円棒状茎)] 茎 ⦅長万部、美幌、屈斜路、足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ikonitupir(-i)
イコニトゥピㇼ §063.あばた(痘痕)(6)ikoni-tupir(-i)〔i-kó-ni-tu-pir イこニトゥピㇼ〕[ikoni(病気)+tupir(傷あと)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ikotuk
ニコトゥㇰ §397 (その他の鳥名)  nikotuk (ni-ko-tuk)「ニコトゥㇰ」 ⦅B⦆フクロウ Owl. (出典:知里動物編、方言:)
ikotukka
イコトゥッカ 【他動】[i-kotukka もの・…に…をくっつける](赤ん坊)に乳を飲ませる。 ponno ikotukka tek ポンノ イコトゥッカ テㇰ ちょっと乳を飲ましてやんなさい。(S) ☞kotukka コトゥッカ、 kotuk コトゥㇰ {E: to breast-feed a baby.} (出典:田村、方言:沙流)
ikotunas
イコトゥナㇱ 【i-ko-tunas】 助けに来る,早く来る.▷イ=それ コ=に対して トゥナㇱ=早くする ア・ミッポホ レクチイユン ワ ライキマテㇰ・アン アウン フチ イコトゥナㇱ ネユンネユン ア・カㇻ アイネ アトゥ クスケライ ア・シㇰヌレ=私の孫が喉に物をつまらせて私は死ぬほど驚いた,隣の婆さんが素早く助けに来てくれていろいろと手当てをして吐かせたお陰で生かすことができた. (出典:萱野、方言:沙流)
ikotunas
イコトゥナㇱ §509.ちりょう(治療)[する](4)加持祈祷する ikotunas〔i-kó-tu-naš イこトゥナㇱ〕[i(それ)+ko(に対して)+tunas(急ぐ)]⦅ホロべツ、シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ikotunas(-an)
イコトゥナㇱ §197.加持祈祷するikotunas(-an)〔i-kó-tu-naš イこトゥナㇱ〕[i(それ)+ko(に対して)+tunas(早くする)]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ikotunte
イコトゥンテ 【i-ko-tunte】 こだま.山彦. (出典:萱野、方言:沙流)
ikotuntek
イコトゥンテㇰ 【i-ko-tuntek】 地響き.地面が響く,響き渡る.▷イ=それ コ=に対して トゥンテㇰ=響く (出典:萱野、方言:沙流)
ikoturse
イコトゥㇽセ 【i-ko-turse】 伝染する.▷イ=それ コ=に対して トゥㇽセ=落ちる,滴る (出典:萱野、方言:沙流)
ikoytupa
イコイトゥパ 【自動】何も持っていなくて暮らしに困る(「難儀する」)、 ものを欲しがる。 sirunno ikoytupa kaspa ka somo ki シルンノ イコイトゥパ カㇱパ カ ソモ キ まさかあまり「難儀」もしていないよ(=暮らしに困ってもいない)。(S) ☆参考 他動詞は eykoytupa エイコイトゥパ。 {E: to be in difficulties, in need; to want.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikoytupa
イコイトゥパ 【ikoytupa】 羨む. クポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ クニヒ(ク・ウニヒ) ウェンクㇽ ネ クス イコイトゥパ スクㇷ゚ ク・キ ヘタㇰタヘタ エ・ポロ ワ ネ ヤㇰ ニㇱパ エ・ネ オカー シコㇿ パテㇰ ク・ヤイヌ ペ ネ ア ワー=私が子供の頃は家が貧乏であったので他人を羨ましく思い,なんとか早く大きくなったら金持ちになりたいとばかり考えていたものであったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ikuspetuyep
イクㇱペトゥイェㇷ゚ §067 サケ あきあじ、あきやじ  川(24) ikuspetuyep(i-kus-pe-tu-yep)「イクㇱペトゥイェㇷ゚」[ikuspe(柱)tuye(切る)-p(者)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
imahkokutu
イマㇵコクトゥ §325 サイハイラン (4) imahkokutu (i-máh-ko-ku-tu)「イまㇵコクトゥ」[<imahkotuk] 塊茎 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
imahkotuh
イマㇵコトゥㇷ §325 サイハイラン (3) imahkotuh (i-máh-ko-tuh)「イまㇵコトゥㇷ」[<imakkotuk] 塊茎 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
imaki tuhse
イマキ トゥㇷセ §586.歯が抜ける(2)imaki tuhse〔i-má-ki|túh-se イまキ・とぅッセ〕[imaki(その歯が)+tuhse(落ちる)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
imakkotuk
イマㇰコトゥㇰ §325 サイハイラン (2) imakkotuk (i-mák-ko-tuk)「イまㇰコトゥㇰ」[imak(歯)ko(に)tuk(つく)] 塊茎 ⦅東静内、荻伏、様似、足寄、屈斜路、美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
inawtuyeyar
イナウトゥイェヤㇻ 【自動】[inaw-tuye-yar イナウ・を切る・人に…してもらう] イナウ(木幣)にする木を人に切ってもらう。 {E: to have someone cut a tree for making inaw.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inoskohtutanupompeh(c-i)
イノㇱコㇹトゥタヌポンペㇸ §822.くすりゆび(薬指)(1)inoskoh-tutanu-pompeh(c-i)〔i-nóš-koh|tu-tá-nu|póm-peh イのㇱコㇹ・トゥたヌ・ぽンペㇸ〕[i(それの)+noski(中央)+o(にある)+-h(もの)+tutanu(の次にある)+pompeh(指)]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
inotu
イノトゥ 【i-notu】 (死んだ者の)魂[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
inotu
イノトゥ §481.たましい;霊魂(9)死者の霊魂 inotu〔i-nó-tu イのトゥ〕[<日本語‘命']⦅H.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
inotuorke
イノトゥオㇿケ §481.たましい;霊魂(10)inotu-orke〔i-nó-tu-or-ke イのトゥオㇿケ〕[霊魂・の部分]⦅ホロべツ、サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
inpetatuy(-an)
インペタトゥイ §786.目がしょぼしょぼしているin-pe-ta-tuy(-an)〔ím-pe-ta-tuǐ いンペタトゥイ〕[in(目)+pe(汁)+ta(において)+tuy(垂れ落ちる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ipetuykata
イペトゥイカタ 【ipe-tuykata】 食べながら,食べている時. ▷イペ=食べる トゥイカタ=ながら,しながら *トゥイカタをつけた言葉に,モコットゥイカタ(眠っている間も,眠りながらも)などがある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ipottumkonna rennatara
イポットゥㇺコンナ レンナタラ 【iporo-tum-konna rennatara】 顔の芯が沈んで,沈痛な面持ち,憂いのある顔色. ▷イポッ/イポロ=顔色 トゥㇺ=芯 コンナ=~が レンナタラ=沈んでいる[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
iputuspone
イプトゥㇱポネ §674.ひれ(鰭);ひれの骨(鰭條)(14)しりびれ(臀鰭)[の鰭條] iputus-pone〔i-pú-tuš-po-ne イぷトゥㇱポネ〕[i(それの)+put(しりあな)+us(についている)+pone(ひれ、鰭條)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
iramputputu
イランプップトゥ 【自動】人のあることないことを言ってけんかさせる。 ☆参考 =iyukoykire イユコイキレ 人をけんかさせる。(S) {E: to make…quarrel, fight due to spreading rumors about them.} (出典:田村、方言:沙流)
iramtuypa
イラㇺトゥイパ 【自動】[ram(u) tuypa の目的語不定人称形]人をおどかす(びっくりさせる)。 ☞ram(u) tuypa ラㇺ/ラム トゥイパ {E: to frighten, surprise someone.} (出典:田村、方言:沙流)
iramtuypa
イラㇺトゥイパ 【i-ram-tuypa】 驚かす.▷イ=それの ラㇺ=思い トゥイパ=切る →考えがプツンと切れる ソンノ ピカンピカン ペ ネ クス ホㇱキ ホユㇷ゚テㇰ ニセンピㇼ ワ ピッコサヌ イラㇺトゥイパ エオ=全く身軽な者だから,先にさっと走って行っては立ち木の陰から飛び出て私を驚かすことをやる. (出典:萱野、方言:沙流)
irawketupa
イラウケトゥパ 【自動/名】①[自動]仕事をする、 何をするにも一生懸命よく働く。 ②[名]仕事。 {E: ①to work; do one's best (v.). ②work (n.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
irawketupa
イラウケトゥパ 【irawketupa】 集団で働きに来る(行く):近くで働く=ネプキ,モンライケ.和人によって強制的に連れて行かれて働かされた時などはイラウケトゥパ.また,病気をまき散らす神がアイヌの村へ来る時も,神の言葉として.アイヌコタン イラウケトゥパ クス ヤパン(ヤㇷ゚・アン)=人間の村に仕事に行く. (出典:萱野、方言:沙流)
irenka utur eapkas kur
イレンカ ウトゥㇽ エアㇷ゚カㇱ クㇽ 【irenka-utur-e-apkas-kur】 仲裁人.▷イレンカ=もめごと ウトゥル=間 エ=それ アㇷ゚カㇱ=歩く クㇽ=人 →もめている人の間を行ったり来たりする人 (出典:萱野、方言:沙流)
irenkatuye
イレンカトゥイェ 【自動】[irenka-tuye 主張・を切る] 罰金を出してあやまる。 {E: to pay a penalty and apologise.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
irenkatuye
イレンカトゥイェ 【irenka-tuye】 もめごとを解決する.▷イレンカ=もめごと トゥイェ=切る タパン ハワㇱ ホカンパ コㇿカ エン・コシ ヤン.ク・イレンカトゥイェ ナ=この話は難しいけれど私に任せてくれ.私がもめごとを解決するから. (出典:萱野、方言:沙流)
iripatunahkay
イりパトゥナㇵカイ §290 トナカイ (3) iripa-tunahkay (i-rí-pa-tu-nah-kay)「イりパトゥナㇵカイ」[‘一年・トナカイ’]当歳のトナカイ⦅白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ironne tumama
イロンネ トゥママ 【ironne tumama】 厚い壁. (出典:萱野、方言:沙流)
irukatumta
イルカトゥㇺタ 【iruka tum ta】 ちょっとの間. (出典:萱野、方言:沙流)
isepotuki
イセポトゥキ 【isepo-tuki】 厚手の杯:漆器. イセポトゥキ アナㇰネ パセ オンカミ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ソモ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ ナ=厚手の杯は,位の高い神へのお祈りには使わないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
isimekutu
イシメクトゥ §196 オニシモツケ (2) isime-kutu (i-sí-me-ku-tu)「イしメクトゥ」 茎葉 ⦅十勝、千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
isinaatu
イシナアトゥ 【名】[i-sina-atu もの・をしばる・ひも[所]][雅]しばってあるひも。 isinaatu/ukaepita イシナアトゥ/ウカエピタ [雅](姉は)しばってあるひもを何カ所もみなほどいた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itak cinki a=koturaynu
イタㇰ チンキ アコトゥライヌ 【itak cinki a=ko-turaynu】 遺言をしないで死ぬ.▷イタㇰ=言葉 チンキ=裾 ア=私たちは コ=それに トゥライヌ=見つけない,発見できない →言葉の裾も見つからない フチ オンネ ヤㇰ ア・イェ コㇿカ アリタㇰ(アㇻ イタㇰ) チンキ ポカ ア・コトゥライヌ=おばあさんが亡くなったそうだが,ひと言の遺言もなかった.ソンノ ピㇼカ ニㇱパ ネ ア コㇿカ ア・ニサㇷ゚トゥイェ イタㇰチンキ ア・コトゥライヌ ヤㇰ ア・イェ=本当に立派な物持ちの方でしたが,急に亡くなられ,遺言をしないで死んだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
itakturasire
イタㇰトゥラシレ 【他動】[itak-turasi-re 言葉を・(長いもの)に沿って上へのぼって行く・させる](用例では)(炉ぶちの木)に沿ってまじないの言葉を下座から上座へ向けてはわせる。 oharkisoun wa inumpe turasi a=itákturasire, osisoun wa inunpe a=itákturasire オハㇻキソウンマ イヌンペ トゥラシ アイタㇰトゥラシレ、 オシソウンマ イヌンペ アイタㇰトゥラシレ 左座から炉ぶちの木に沿ってまじないの言葉を下座から上座へ向けてはわせ、 右座から炉ぶちの木に沿って下座から上座へ向けてまじないの言葉をはわせた。 《平取HK民話》 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itastuyep rikin
イタㇱトゥイェㇷ゚ リキン §484.たん(痰)(7)臨終の際に痰がのどにからまってごろごろする itastuyep rikin〔i-táš-tu-jep|ri-kín イたㇱトゥイェㇷ゚・りきン〕[i(その人の)+tas(いきを)+tuye(絶やす)+p(ものが)+rikin(上る)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
itnetuye 1
イッネトゥイェ 【it-ne-tuye】 ①真っぷたつにする,ふたつに切る. ユㇰ オアッタㇷ゚キㇼ(オアㇻ タㇷ゚キㇼ) ク・イッネトゥイェ=鹿の片足を真っぷたつに私は切った. (出典:萱野、方言:沙流)
itnetuye 2
イッネトゥイェ 【it-ne-tuye】 ②横切る. ポンシトゥ ア・イッネトゥイェ ワ イカ・アン=小さい峰を私は横切って越えて行った. (出典:萱野、方言:沙流)
itoytuninka
イトイトゥニンカ §212 ミミズ (11) itoytuninka (i-tóy-tu-nin-ka)「イとイトゥニンカ」 ⦅K白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ittotuk
イットトゥㇰ 【自動】[itto-tuk 一日・育つ] 一日で大きくなる(「一日おがりにおがる」)。(W) ittotuk pekor イットトゥㇰ ペコㇿ まるで一日一日大きくなるみたいにどんどん。 {E: to grow in a day, daily.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ittuye
イットゥイェ 【it-tuye】 近回りする. エクㇱネ ワ ユㇰ ア・ヌカㇻ ヒクス シㇼ イットゥイェ・アン ルスイ クス ウパㇱ トゥラノ アネチャララセ(ア・エチャララセ) ワ フㇽペㇱ・アン=向かい側に鹿が見えたので近回りしようと思い,雪と一緒に滑って坂を下った. (出典:萱野、方言:沙流)
itun(n)ap-po
イトゥナッポ(イトゥンナッポ) §123 アリ 蟻 (7) itun(n)ap-po(i-tún-(n)ap-po)「イとゥナッポ(イトゥンナッポ)」⦅美幌、屈斜路⦆アリの卵 (出典:知里動物編、方言:)
itunap
イトゥナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (2) itunap(i-tú-nap)「イとぅナㇷ゚」⦅様似、屈斜路、美幌⦆ビIX, 81 (出典:知里動物編、方言:)
itunapkamuy
イトゥナㇷ゚カムイ §123 アリ 蟻 (3) itunap-kamuy(i-tú-nap-ka-muy)「イとゥナㇷ゚カムイ」⦅足寄、千歳⦆ (出典:知里動物編、方言:)
itunaskap
イトゥナㇱカㇷ゚ §249 トリカブト (16) itunaskap (i-tú-nas-kap)「イとゥナㇱカㇷ゚」[i(それを)tunaska(急がせる、tunas早い、-kaさせる)-p(もの)] 根 ⦅名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
itunnap
イトゥンナㇷ゚ 【名】[動物] アリ。(S)〔知分類 88〕 {E: an ant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itunnap
イトゥンナㇷ゚ 【i-tunna-p】 アリ〔昆虫〕. (出典:萱野、方言:沙流)
itunnap
イトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (1) itunnap(i-tún-nap)「イとゥンナㇷ゚」⦅旭川、美幌、穂別、様似、千歳、足寄、屈斜路、幌別、沙流⦆アリ類(無羽成虫) (出典:知里動物編、方言:)
itunnapamam
イトゥンナㇷ゚アマㇺ §123 アリ 蟻 (9) itunnap-amam(i-tún-nap-a-mam)「イとゥンナㇷ゚アマㇺ」 アリの繭(幼虫・蛹) (出典:知里動物編、方言:)
itunnapcise
イトゥンナㇷ゚チセ §123 アリ 蟻 (11) itunnap-cise(i-tun-nap-ci-se)「イトゥンナㇷ゚チセ」⦅礼文、旭川⦆アリの巣 (出典:知里動物編、方言:)
itunnapcotca
イトゥンナㇷ゚チョッチャ §076.アリに刺される;アリに噛まれる(1)アリに刺される itunnap-cotca〔i-tún-nap-čot-ča イとゥンナㇷ゚・チョッチャ〕[アリが・刺す]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
itunnape
イトゥンナペ §076.アリに刺される;アリに噛まれる(2)蟻に噛まれる itunna-pe〔i-tún-na-pe イとゥンナペ〕[蟻が・食う]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
itunnapkotan
イトゥンナㇷ゚コタン §123 アリ 蟻 (13) itunnap-kotan(i-tún-nap-ko-tan)「イとゥンナㇷ゚コタン」⦅旭川⦆アリの巣 (出典:知里動物編、方言:)
itunnapnok
イトゥンナㇷ゚ノㇰ §123 アリ 蟻 (8) itunnap-nok(i-tún-nap-nok)「イとゥンナㇷ゚ノㇰ」⦅礼文⦆アリの卵(白いもの) (出典:知里動物編、方言:)
itunnappocise
イトゥンナッポチセ §123 アリ 蟻 (12) itunnappo-cise(i-tún-nap-po-ci-se)「イとゥンナッポチセ」⦅屈斜路⦆〔コ96〕アリの巣 (出典:知里動物編、方言:)
itura
イトゥラ 【自動】[i-tura 人・と連れ立つ]連れになる、 人と一緒に行く、 皆と同行する。 {E: to go with someone.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ituren
イトゥレン 【i-turen】 憑き物が憑く.動物や物の霊が人間に乗り移ることをいう.その憑き物によって幸運になったり不運になったりすると言われる. (出典:萱野、方言:沙流)
iturenkamuy
イトゥレンカムイ 【i-turen-kamuy】 憑き神.▷イ=それ トゥレン=憑く カムイ=神 ア・シキヒ アニ ア・ヌカㇻ エアイカㇷ゚ コㇿカ アイヌ アナㇰネ シネン シネン イトゥレンカムイ アン ペ ネ ワ ネ カムイ ピㇼカ コㇿ エ・コマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ ルウェ ネ ワ=自分の目で見ることができないけれど.人間はひとりひとりに憑き神がいて,その神がいい神であればそれによって運がよくなるものだ.*人それぞれに必ず憑き神がいるものと信じられている. (出典:萱野、方言:沙流)
ituresne
イトゥレㇱネ 【自動】[i-tures-ne 人の・妹・である] ①(兄妹の間の)妹のほうである。 ②[雅](姉妹の間でも)妹のほうである。 二風谷 (HC神謡) ☆参考 日常語では姉妹の間の妹のほうは imatakne イマタㇰネ。 {E: ①to be the younger sister (of a brother and sister). ②to be the younger sister (of two sisters).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iturpuk'inkar
イトゥㇽプㇰインカㇻ 【iturpuk-inkar】 かすかに見える. イトゥㇽプㇰインカㇻ ポカ ク・キ ㇷ゚ ネ アㇷ゚ タネ ネㇷ゚カ ソモ ク・ヌカㇻ=かすかにだけは見えていたのに,今は全く何も見えない.*100歳近くなった時に私の祖母が言っていた言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
itusne
イトゥㇱネ 【自動】[i-tus-ne 人の・(第一の妻からみた)夫の第二の妻・である](二人の妻の間の)第二夫人のほうである。 {E: a mistress.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ituyeserehum
イトゥイェセレフㇺ 【i-tuye-serehum】 太刀風.▷イ=それを トゥイェ=斬る セレフㇺ=しゅっと音がする (出典:萱野、方言:沙流)
ituypa
イトゥイパ §475.ただれる;びらんする(3)i-tuypa〔i-túǐ-pa イとぅイパ〕[i(それ)+tuypa(切れ切れになっている、ぼろぼろに切れている、tuy 切れる、-pa 複数語尾)]⦅ホロベツ,―ユ研Ⅱ, p.739, 註1⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ituypap uype
イトゥイパㇷ゚ ウイペ 【i-tuypa-p uype】 人殺しの血統.*人を殺すような者は人間の屑.その血統は,人間の屑の血統といって,暗に蔑みの目で見られる.ユカㇻで敵を蔑む悪口としてよく出て来る言葉.▷イ=それを トゥイパ=斬る ㇷ゚=者 ウイペ=(〜の)屑 (出典:萱野、方言:沙流)
ituypapuype
イトゥイパプイペ §016.子孫(24)ituypap-uype〔i-túǐ-pa-puǐ-pe イとぅイパプイペ〕⦅サル⦆【雅】人ごろしの子。(→ユ研Ⅱ, p.590)。[i-(人を)+tuypa(どっさり切る、tuyeの複数形)+-p(者)+uype(屑)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ituytuye
イトゥイトゥイェ 【i-tuytuye】 糠飛ばし(する):箕で糠をとばすこと. ク・イユタ アイネ ク・シンキ ナ アㇻパ ワ エノカリ(エン・オカリ) イトゥイトゥイェ ワ エン・コレ=私は搗き物をして疲れたので,代わりに行って糠飛ばしをしてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
iwottusukur
イウォットゥスクㇽ §286 リス きねずみ (7) iwottusukur (i-wót-tu-su-kur)「イうォットゥスクㇽ」[<iwor(山の)tusu(巫術を行う)kur(神)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
iyeetup
イイェエトゥㇷ゚ 【i-e-e-tup】 それとともにふたつ. (出典:萱野、方言:沙流)
iyeeturen
イイェエトゥレン 【他動】[i-y-e-e-turen 人・(挿入音)・に・(そのこと)で・一緒にいて助ける] …のことで協力する。 {E: to help, cooperate with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyemaka-atusare
イイェマカアトゥサレ 【自動】[i-y-emaka-atusa-re もの・(挿入音)・後ろへ・はだかになる・させる](?) 肌脱ぎになる、 肩を脱ぐ。(W) (S) ☆参考 沙流川中流二風谷の二谷国松さんは iyemakatusare イイェマカトゥサレ と言う。 {E: to strip to the waist.} (出典:田村、方言:沙流)
iyemakatusare
イイェマカトゥサレ 【自動】[i-y-emak(a)-atusa-re もの・(挿入音)・後ろへ・裸になる・させる] 肌脱ぎになる、 肩を脱ぐ。(NK民話) ☆参考 下流のワテケさん、 サダモさんは iyemakaatusare イイェマカアトゥサレ と言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyemetu
イイェメトゥ 【自動】[i-y-e-metu 人に・(挿入音)・…のことで(?)・(?)]酒を飲み残して持って行って/持って来てあげる。 ☆参考 接頭辞 ko- コ がつくときは koyemetu コイェメトゥ、 また人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときも ku=yemetu クイェメトゥ、 e=yemetu エイェメトゥ となることがある。 {E: to take home left over alcohol.} (出典:田村、方言:沙流)
iyetunankar
イイェトゥナンカㇻ 【i-e-tunankar】 出会う. (出典:萱野、方言:沙流)
iyetupeknu
イイェトゥペㇰヌ 【自動】悔やみを言う。 somo e=yetupeknu kusu e=arpa? ソモ エイェトゥペㇰヌ クス エアㇻパ? (あなた)お悔やみにいかないの? (S) ☆参考 人称接辞 ku= ク、 e= エ のように、 アクセント核(声の高さの上がる所)を前の音節へ動かす接頭辞がつくときは ku=yetupeknu クイェトゥペㇰヌ、 e=yetupeknu エイェトゥペㇰヌ となる。 {E: to speak out one's frustrations.} (出典:田村、方言:沙流)
iyetusmak
イイェトゥㇱマㇰ 【自動】[i-y-etusmak 人・(挿入音)・と競争する]人と競争する。 toan pe hawe as kor seta iyetusmak wa mikmik kor hawkor トアン ペ ハウェ アㇱ コㇿ セタ イイェトゥㇱマㇰ ワ ミㇰミㇰ コㇿ ハウコㇿ あれ(サイレン)が鳴ると犬が競争するようにほえながら「呼び声する」(=声を上げる)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
iyetusmak
イイェトゥㇱマㇰ 【i-e-tusmak】 (その)先回りをする. ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ エアㇻキンネ イケサンパ エオ ㇷ゚ ア・ネ ア・ウヌフ ネンカ アㇻパ ノイネ シㇼキ コㇿ イイェトゥㇱマㇰ・アン ア・トゥラ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の時はとっても追いかける癖めいたものがあって,母がどこかへ行きそうな様子があると先回りをしてでも母と一緒に行ったものだ.ウパㇱ トゥㇺ タ ヨコ・アン ワ アナㇷ゚(アン・ア ㇷ゚) シネ ユㇰ シトゥ カリ ラン ヒクス クワ アニ ホラホチュウェ・アン イイェトゥㇱマㇰ・アン=雪の中で待ち構えていたら1頭の鹿が峰から下りたので杖で滑り下りて先回りをした. (出典:萱野、方言:沙流)
iyoattuye
イヨアットゥイェ 【自動】[i-y-oar-tuye 人/ものを・(挿入音)・全く・…を切る](?) (次の慣用表現の中で) par takupi iyoattuye p パッ タクピ イヨアットゥイェㇷ゚ 「口ばかり屁理屈ぬかす」=口ばかり達者なやつ。(S) {E: to quibble.} (出典:田村、方言:沙流)
iyoturimkote
イヨトゥリㇺコテ 【i-o-turim-kote】 フォオオオオフㇺ フォオオオオフㇺと言う. (出典:萱野、方言:沙流)
iyuturwente
イユトゥㇽウェンテ 【i-utur-wen-te】 仲たがいをさせる.▷イ=それ(人間)を ウトゥㇽ=間 ウェンテ=悪くする ネイタ ネ ヤッカ イユトゥㇽウェンテ ルスイ ペ オカイ ペ ネ クス スンケ アㇱ ペ ソネ アㇱ ペ イェ コㇿ オマナン=どこにでも仲たがいをさせたい者がいて,嘘の話や本当の話を言いふらして歩く. (出典:萱野、方言:沙流)
kaetupsi
カエトゥㇷ゚シ 【ka-etupsi】 糸端. (出典:萱野、方言:沙流)
kamtuk
カㇺトゥㇰ 【名(?)】(次の表現の中で) kamtuk ka niyetu カㇺトゥㇰ カ ニイェトゥ 肉づきのいい人の肌ににきびが出ている。(W) ☆参考 kam カㇺ は《肉》。 kamtukka カㇺトゥッカ が一語か? niyetu ニイェトゥ も不明。 (出典:田村、方言:沙流)
kamuy ratusne
カムイ ラトゥㇱネ §241.傷つく(7)山でクマなどに襲われて負傷する kamuy ratusne〔ka-múǐ-ra-tuš-ne カむイ・ラトゥㇱネ〕⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kamuyinotu
カムイノトゥ §481.たましい;霊魂(11)死者の霊魂 kamuy-inotu〔ka-múǐ-i-no-tu カむイ・イノトゥ〕[kamuy(神、霊)+inotu(死霊)]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.330】 (出典:知里人間編I、方言:)
kamuyitun(n)ap
カムイイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (20) kamuy-itun(n)ap(ka-múy-i-tun-nap)「カむイイトゥンナㇷ゚」⦅足寄⦆ムネアカオオアリ Campontus herculeanus obscuripes MAYR. 足寄I, 48 (出典:知里動物編、方言:)
kamuyitunnap
カムイイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (16) kamuy-itunnap(ka-muy-i-tun-nap)「カムイイトゥンナㇷ゚」⦅本別⦆大形ののクロアリ (出典:知里動物編、方言:)
kamuyketunci
カムイケトゥンチ 【kamuy-ketunci】 熊の皮. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuytupir(-i)
カムイトゥピㇼ §063.あばた(痘痕)(1)kamuy-tupir(-i)〔ka-múǐ-tu-pír カむイ・トゥピㇼ〕[kamuy(神)+tupir(きずあと)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kanepeustuki
カネペウㇱトゥキ 【kane-pe-us-tuki】 梨子地塗りの杯:漆器.カネペ(金しずく=梨子地) 図[カネペウㇱトゥキ] (出典:萱野、方言:沙流)
kánetuci
カネトゥチ 【名】[kane-tuci 金属・槌] 金槌(かなづち)。 ☆参考 日本語のかなづちをそのまま取り入れて kanantuci カナントゥチ とも言う。 {E: a hammer.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kankan(-i) etuh
カンカン エトゥㇷ §477.だっこお(脱肛)(2)kankan(-i) etuh〔kán-kan-e-túh かンカン・エとぅㇷ〕[腸が・現われる]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kankan(-i) etuk
カンカン エトゥㇰ §477.だっこお(脱肛)(1)kankan(-i) etuk〔kán-kan-e-túk かンカン・エとぅㇰ〕[腸が・現われる]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kannapatuye ronronke
カンナパトゥイェ ロンロンケ §288.けいれんする(痙攣する)(12)上唇がひくひく動く kanna-patuye ronronke〔kán-na-pa-tu-je|rón-roŋ-ke かンナパトゥイェ・ろンロンケ〕[kanna(上の)+patuye(その唇が)、ron-ronke(ひくひく動く)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kaparpetuki
カパㇻペトゥキ 【kapar-pe-tuki】 薄手の杯:漆器. (出典:萱野、方言:沙流)
kapetu
カペトゥ §496.乳首(ちくび、ちちくび)(6)kap-etu〔ká-pe-tu かペトゥ〕[tokap-etuの上略形+to-kap(乳房)+etu(さき)] (出典:知里人間編I、方言:)
kapsakkemecitumpe
カㇷ゚サㇰケメチトゥンペ §231 ナメクジ (1) kapsak-kemecitumpe (káp-sak-ke-mé-ci-tum-pe)「かㇷ゚サㇰケめチトゥンペ」[<kap(皮)sak(を欠く)keme-citumpe(カタツムリ)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kapturiri
カㇷ゚トゥリリ 【自動】[kap-turiri 皮・を引っ張って伸ばす] ペシャンコで皮ばかりの出ない乳を引っぱる(四、 五歳の子どもがおばあさんの乳を引っぱる等)。 {E: (for instance, for a four or five year old child) to pull on the withered breasts of an elderly woman.} (出典:田村、方言:沙流)
karatun
カラートゥン 【karatun】 6人:人数を数える時に言う言葉.*昭和58年5月7日西島てるさんが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
kasa rantupep
カサ ラントゥペㇷ゚ [kasa ran-tupep 笠・下がる・あごひも] [雅]笠のたれひも、 笠のあごひも。 káne pon kasa/kasa rantupep/a=yaykoyupu カネ ポン カサ/カサ ラントゥペㇷ゚/アヤイコユプ [雅]金(かね)の小さな笠、 笠のたれひもを私はギュッとしめた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kasumpe tuntun
カスンペトゥントゥン §010 ガンギエイ;かすべ (2) kasumpe tuntun (ka-súm-pe-tuntun)「カすンペトゥントゥン」[kasumpe(↑)tuntun(腹子)] カスベの腹子 ⦅虻田⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kat/katu(hu)
カッ/カトゥ(フ) 【kat/katu(hu)】 姿,様子. イワラサンペ セコㇿ ア・イェ ウェンカムイ アナㇰネ マカン カッコㇿ ペ ネ ヤカ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=岩の下の心臓という悪い神はどのような姿をしているものか私はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
kattuyma
カットゥイマ 【他動/後副】[kar-tuyma (?)・遠い] …から離れて(いる)。 ☆対語 karanke カランケ …から近い。 {E: to be (far) away from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kattuymano
カットゥイマノ 【後副】[kattuyma-no …から離れている・(副詞形成)](そこ) から離れて遠く。 kattuymanoː tek an pon maciya カットゥイマノー テㇰ アン ポン マチヤ ちょっと離れてある小さい町。(S) {E: to be (far) away from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
katu
カトゥ 【形名】[所][< kat-u] ①(動詞に終わる節のあとに置かれてこれを名詞化し、 次のような意味合いを持った名詞句をつくる。)(…する/した)しかた、 どのように…したかということ。 ku=ye katu wen クイェ カトゥ ウェン 私の言い方が悪い(言葉使いが)。(W) kar katu pirka カㇻ カトゥ ピㇼカ つくり方がいい。(S) ②(「…したわけだ」「こういうわけだ」と言うときの)わけ、 事情、 いきさつ、 ことの次第。 opitta kese a=anpa akusu kasi un toy horutke katu teeta oruspe ne wa síran オピッタ ケセ アアンパ アクス カシ ウン トイ ホルッケ カトゥ テエタ オルㇱペ ネ ワ シラン (夜襲に来た人々が見破られて)皆追いかけられて(崖の間で)上に土がくずれ落ちて下敷きになったいきさつが昔の話になっている。(W言い伝え)のしめくくりの独話。 ③(文頭に置かれて、 前の文で述べられたことの次第を説明する。) katu ene an hi カトゥ エネ アニ それは次のようなことだったのです、 いまから説明します、 つまり…。 ④(決まった言い方) katu ka isam カトゥ カ イサㇺ めったに…しない、 たまにしか…しない。 ek katu ka isam pe ne kus hempara ku=kore easkay ya ka k=éramiskari p エㇰ カトゥ カ イサㇺ ペ ネ クㇱ ヘンパラ クコレ エアㇱカイ ヤ カ ケラミㇱカリㇷ゚ (彼は)たまにしか来ないのだからいつ(私がこれを)渡せるかわからないもの。(S) ☞katu(hu) カトゥ(フ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
katu
カトゥ 【/katu】 見込み. (出典:萱野、方言:沙流)
katu iyus
カトゥ イユㇱ §280.くるう(狂う)(7)katu iyus〔ka-tú-i-juš カとぅイユㇱ〕[katu(その様子)+i(魔が)+us(それにつく)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
katu nukar
カトゥ ヌカラ 【連他動】[…のあり方・を見る] …を将来有望と見込む。 irammakaka pirka oasi kuni hekaci ne noyne katu ku=nukar イランマカカ ピㇼカ オアシ クニ ヘカチ ネ ノイネ カトゥ クヌカㇻ 立派に出世する子どもだろうと私は見込んでいる。 ☆参考 恐らく kat(u) nukar カッ/カトゥ ヌカㇻ ではないかと思うが、 kat nukar カッ ヌカㇻ は未出。 {E: to expect…to have a promising future.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
katu rusno
カトゥ トゥルㇱノ 【副】[katu-tur-us-no 恰好/有様・垢(あか)・そこについている・(副詞形成)] いやいやそうに。 {E: unwillingly.} (出典:田村、方言:沙流)
katu(hu)
カトゥフ 【名】[所](概は kat カッ) ①…の有様、 …のかっこう(恰好)。 ②変なかっこう。 katuhu an カトゥフ アン …のようなかっこうだ、 へんなかっこうだ(「ざま悪い」)。 ③(動詞に終わる節のあとに置かれて) …する/したわけ、 事情、 いきさつ、 次第。 tapan Sar kotan un topattumi sekor a=ye tumi ek katuhu ene an hi タパン サㇻ コタン ウン トパットゥミ セコㇿ アイェ トゥミ エㇰ カトゥフ エネ アニ この沙流川筋の集落群の地域にトパットウミ(群襲) という襲撃(戦い)が来た事の次第は次のようなことだった。(W言い伝え) ☞katu カトゥ {E: ①the appearance, shape, form, state of… ②a strange appearance. ③circumstances; reason.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
katu(hu)
カトゥ(フ) 【/katu(hu)】 〜の顔,容姿,様子,器量. アイヌ アナㇰネ ア・ヌカㇻ カトゥ パテㇰ ソモ ネ ネユンネユン イコカンタマ ㇷ゚ オカイペ ネ ナ ヤイトゥパレ ヤン アニー=人間は見た目ばかりでなくいろいろと人をだます者がいるものだから気をつけなさいよ.カトゥフ アン ワ ヤイェシコロヌ=あれくらいの器量でよく自分から押し売りしてくるもんだ. (出典:萱野、方言:沙流)
katu(hu)-rupne
カトゥルㇷ゚ネ §226.体が大きい;図体が大きい(1)katu(hu)-rupne〔ka-tú-rup-ne カとぅ・ルㇷ゚ネ〕⦅ホロベツ⦆→「からだ」(6)注 (出典:知里人間編I、方言:)
katu-caktek
カトゥ チャㇰテㇰ 【自動】[あり方・さっぱりしている] さっぱりして気持ちがいい。 pirka sukus an wa káni ka ku=katu-caktek ピㇼカ スクㇱ アン ワ カニ カクカトゥチャㇰテㇰ いい日差しで私も気持ちがいい。 {E: to feel good, happy, refreshed.} (出典:田村、方言:沙流)
katuhu
カトゥフー 【/katuhu】 あの面を見ろ,あの顔を見ろ. (出典:萱野、方言:沙流)
katuhua=nukar
カトゥフアヌカㇻ 【katuhu a=nukar】 見どころがある. ナー ポン ヘカチ ネ コㇿカ ピカンピカン シリ カトゥフ アヌカㇻノ アン シリ=まだ少年ではあるけれど気の利いたその動きの様子,見どころのある様子. (出典:萱野、方言:沙流)
katuhuan
カトゥフアン 【katuhu an】 変なかっこうをしている. (出典:萱野、方言:沙流)
katuhukar
カトゥフカㇻ 【katuhu kar】 惑わす:普通の人に化け物が取り憑き,変な行動をさせる. ウェンカムイ オㇿ ワ カトゥフ ア・カㇻ=悪い神から惑わされた. (出典:萱野、方言:沙流)
katukar
カトゥカㇻ 【katu-kar】 惑わす. (出典:萱野、方言:沙流)
katun
カトゥン 【名】(まるで …のような)ふり/様子/態度。 … katun ki カトゥン キ …のような/…しているようなふり/様子/態度をする、 …のように振舞う。 k=ómap korka k=ómap katun ka somo ku=ki コマㇷ゚ コㇿカ コマㇷ゚ カトゥン カ ソモ クキ 私は(その子を)かわいいと思うがかわいがる様子もしない。(W) {E: appearance; attitude.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
katun
カトゥン 【katun】 ふり. アㇷ゚カㇱカトゥン=歩くふり. (出典:萱野、方言:沙流)
katuneka
カトゥネカ 【katu-neka】 〜らしくもない. カトゥネカ トゥレンペ サㇰ=あの人らしくもなく,憑き物がない. (出典:萱野、方言:沙流)
katuneko
カトゥネコ 【katu-ne-ko】 こんなにひどく,少なからず.たくさん. ウェン チャペ カトゥネコ ク・ミッポホ アムチチ ルウェ アン=悪い猫がこんなにひどく私の孫をかっちゃいたものだ.カトゥネコ ケミアン ペ=少なからず珍しい物. (出典:萱野、方言:沙流)
katunkatun
カトゥンカトゥン 【katun-katun】 ふざける. ネㇷ゚カ アン コㇿ オラーノ ネア クㇽ チカトゥンカトゥン シネンネ アン ペコㇿ ア・エオウミナウシ=何かあるとあの人はふざけまわってひとりでいるかのように笑いの渦の芯になる. (出典:萱野、方言:沙流)
katunki
カトゥンキ §379 フトイ (1) katunki (ka-tún-ki)「カとゥンキ」[<東北方言“かつぎ”] 茎 ⦅長万部、幌別、穂別、千歳、名寄、真岡⦆⦅A沙流・空知・有珠・鵡川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
katunukar
カトゥヌカㇻ 【katu-nukar】 見込みがあると思う. ク・コㇿ キヤンネポ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ク・ミッポホ トゥン アン ポニケヘ(ポン ヒケヘ) エアㇻキンネ ピカンピカン ワ カトゥ ク・ヌカㇻ=私の長男の所には孫がふたりいて,小さいほうが本当に動きが活発で見込みのある者と思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
katupase
カトゥパセ §483.だるい;かったるい;ものうい;倦怠感を覚える(8)体がだるい;動きたくない;気が進まぬ;おっくうである;たいぎである katu-pase〔ka-tú-pa-se カとゥパセ〕[katu(その体のぐあい)+pase(重い)]⦅ホロべツ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
katupirka
カトゥピㇼカ §177.顔が美しい;器量よし[である];美貌[である](9)katu-pirka〔ka-tú-pir-ka カとぅ・ピㇼカ〕[katu(その様子)+pirka(美しい)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
katurenkayne
カトゥレンカイネ 【katu-renkayne】 なりゆきにしたがい.▷カトゥ=様子 レンカイネ=勝手に (出典:萱野、方言:沙流)
katutoranne
カトゥトランネ 【katu-toranne】 気が重い.▷カトゥ=様子,姿 トランネ=骨惜しみする (出典:萱野、方言:沙流)
katutoranne
カトゥトランネ §483.だるい;かったるい;ものうい;倦怠感を覚える(9)体がだるい;動きたくない;気が進まぬ;おっくうである;たいぎである katu-toranne〔ka-tú-to-ran-ne カとぅトランネ〕[katu(↑)+toranne(なまける)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
katuturusno
カトゥトゥルㇱノ 【katu-tur-us-no】 不承不承,しぶしぶながら,いやいやながら.▷カトゥ=姿,顔 トゥㇽ=垢 ウㇱ=つく ノ=〜て ソンーノ トランネ ㇷ゚ アナㇰネ ネㇷ゚カ ア・カレ コㇿ ホㇱキノ イヨロモメカㇻ ワ エアシㇼ カトゥトゥルㇱノー アㇱ ペ ネ=本当のからっぽやみ(怠け者)は何かさせると先にぶつぶつ言ってから初めていやいやながら立つものだ.ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) クス ク・コㇿ マッネセタ ク・ホトゥイェカㇻ マキㇷ゚ カトゥトルㇱノ ホプニ ワ エノㇱ(エン・オㇱ) エㇰ=私は山へ行くために自分の犬(雌犬)を呼ぶと,どうしたのかしぶしぶと起きて私の後へ来た. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyemimak
カトゥイェミマㇰ 【名】[概](所は kátuyemimaki(hi) カトゥイェミマキ(ヒ))[ka-tuye-mimak 糸・を切る・歯] 犬歯、 糸切り歯。(S) ☆参考 姉のワテケさんは、 糸切り歯を表す語はないと言った。 だからサダモさんの言ったこの語は、 日本語からの翻訳によってつくられた新しい語であろう。 ☞mimak ミマㇰ {E: the canine teeth} (出典:田村、方言:沙流)
katuyemimak/katuyemimaki(hi)
カトゥイェミマㇰ/カトゥイェミマキ(ヒ) 【ka-tuye-mimak/-mimaki(hi)】 犬歯,糸切り歯. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyemimaki(hi)
カトゥイェミマキ(ヒ) 【名】[所]…の犬歯/糸切り歯。 {E: the canine teeth of…} (出典:田村、方言:沙流)
katuyenimak(-i)
カトゥイェニマㇰ §582.は(歯)(12)いときりば ka-tuye-nimak(-i)〔ká-tu-je-ni-mak か・トゥイェ・ニマク〕[<ka(糸)+tuye(切る)+nimak(歯)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
káuturu
カウトゥル 【名】[所](概は未出。 uturu ウトゥル の概は utur ウトゥㇽ)[ka-utur-u 糸・の間・(所属語尾)] (布地の)糸の間。 kauturu sep senkaki カウトゥル セㇷ゚ センカキ [糸の間・広い・布] 目の粗い布。 (出典:田村、方言:沙流)
kayatus
カヤトゥㇱ 【kaya-tus】 帆綱. (出典:萱野、方言:沙流)
kem'eatu
ケㇺエアトゥ 【kem-e-atu】 喀血(する),吐血(する). (出典:萱野、方言:沙流)
kema turi wa siyosmaktekeciw
ケマ トゥリ ワ シヨㇱマㇰテケチウ §448.すわる(座る)(46)両足を前へ伸ばし両手を後へついてそれによりかかるような姿勢になる kema turi wa siyosmak-tekeciw〔ケま・トゥリ・ワ・シよㇱマㇰ・テけチウ〕[kema(足を)+turi(伸ばし)+wa(て)+siyosmak-tekeciw(↑)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kematunaskur
ケマトゥナㇱクㇽ §270 キタキツネ、きつね (10) kematunaskur (ke-má-tu-nas-kur)「ケまトゥナㇱクㇽ」[‘足の早い神さま’<kema(足)tunas(早い)kur(神)=kemákosnekur] ⦅北海道⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kemecietumpe
ケメチエトゥンペ §230 マイマイ(カタツムリ) (3) kemecietumpe (ke-mé-ci-e-tum-pe)「ケめチエトゥンペ」[<kem(針)e(について)ci-(われら)etun(借りる)-pe(者)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kemecitumpe
ケメチトゥンペ §230 マイマイ(カタツムリ) (4) kemecitumpe (ke-mé-ci-tum-pe)「ケめチトゥンペ」[<kem(針)e(について)ci-(われら)etun(借りる)-pe(者)] ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kemetunke
ケメトゥンケ §230 マイマイ(カタツムリ) (5) kemetunke (ke-mé-tun-ke)「ケめトゥンケ」[<kem(針を)e(について)etun-ke(借り・らせる)] ⦅天塩⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kemkotustuske
ケㇺコトゥㇱトゥㇱケ 【自動】[kem-ko-tus-tus-ke 血・(叙述を導く)・(擬態の語根)・(重複)・となる] 血がサラサラ流れる(「生血(なまち)になる」)。(HC神謡) {E: for blood to run, flow smoothly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kemotuy(-an)
ケモトゥイ §294.月経閉止[婦人更年期]kem-otuy(-an)〔ke-mó-tuǐ ケもトゥイ〕[kem(血)+otuy(断絶する、o 尻、tuy きれる)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kenastunin
ケナㇱトゥニン §212 ミミズ (8) kenas-tunin (ke-nás-tu-nin)「ケなㇱトゥニン」 ⦅鵡川⦆タマクラミミズ(真ん中に帯のあるもの) (出典:知里動物編、方言:)
kenasturasi
ケナㇱトゥラシ 【自動】[kenas-turasi 木原・に沿って上る] 木原(林)にそってのぼる。 {E: to ascend through a wooded area, forest.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kenituk
ケニトゥㇰ 【keni-tuk】 芽を出す,芽が出る,芽生える. パイカㇻ アン コㇿ ソコニ イヨッタ ホㇱキノ ケニトゥㇰ ペ ネ=春になるとニワトコが一番先に芽が出るものだ.エント ア・エトイタ コㇿ クスイェㇷ゚ ソモ エタイェ クニネ エチャクラㇱ シンケㇷ゚ カシ ウン ア・ピラサ ピㇼカ ノ ケニトゥㇰ コㇿ エント ニテㇰ ネ ア・アシ=青エンドウ豆を蒔いた時に山バトが抜かないように枝のままのハギを上へ並へよく芽が出そろったら青エンドウ豆の手柴として立てる. (出典:萱野、方言:沙流)
keppirorke etusa
ケッピロㇿケ エトゥサ 【連他動】[keppirorke e-tusa …のおかげ・で・治る](人)のおかげで無事にすむ。 e=keppirorke k=étusa エケッピロㇿケ ケトゥサ あなたのおかげで私は無事に用が足せた。(S) {E: to do, finish something safely thanks to others.} (出典:田村、方言:沙流)
keputur(-u)
ケプトゥㇽ §054.頭の全部;前頭部;ひたい(5)keputur(-u)〔ke-pú-tur ケぷトゥㇽ〕[<kep(↑)+utur(↑)]⦅ホロべツ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
keputurutokse
ケプトゥルトㇰセ §159.おでこ(1)keputuru-tokse〔ke-pú-tu-ru-tòk-se ケぷトゥル・トㇰセ〕[keputuru(その額が)、 tokse(凸出している)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kerepturse
ケレㇷ゚トゥㇽセ 【kere-p-turse】 毒草:オオトリカブトの別名. (出典:萱野、方言:沙流)
kerepturse
ケレㇷ゚トゥㇽセ §249 トリカブト (10) kerepturse (ke-rép-tur-se)「ケれㇷ゚トゥㇽセ」[kere(触れる)-p(者)-turse(倒れる)] 根 ⦅A空知⦆⦅幌別、沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ketuh(p-i)
ケトゥㇷ §161.おまる;おかわ;便器(2)ketuh(p-i)〔ke-túh ケとゥㇷ〕[ketu(掘る、えぐる)+-h(<-p もの>;えぐったもの]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ketunci
ケトゥンチ 【ketunci】 鹿や熊の皮を広げて干した物. (出典:萱野、方言:沙流)
tunke
ケトゥンケ 【自動】(ウポポの中で)はがれる。(S) kanras kasi/kétunke カンラㇱ カシ/ケトゥンケ 屋根の上の「まさ」(屋根を葺いてある薄い板)がはがれてきた。(Sほかウポポ) {E: to come, peel off.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ketunni
ケトゥンニ 【ketun-ni】 三脚:アイヌ民家を建てる時に用いる三脚. (出典:萱野、方言:沙流)
ketupe
ケトゥペ 【ketupe】 針金虫. テエータ カムイ トゥミ アニタ(アン ヒ タ) オサッル オロケ ホアフンケイ ワ カムイ プㇱ フㇺ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ) オロ タ アン カムイ ケトゥペ ネ ナンコㇿ=ずうっと昔,神の戦争があった時にオサッ沢の湾になった所から神が飛び立つ音がしたものだそうだ,あそこにいる神,針金虫であろう.*現在の場所でいうとオサッ橋の下流200m右岸の方の湾になっている所.祖母が教えてくれた話. (出典:萱野、方言:沙流)
ketupe
ケトゥペ §197 マツモムシ (8) ketupe (ke-tu-pe)「ケトゥペ」 ⦅沙流I27、名寄、千歳⦆ハリガネムシ(コメツキムシ幼虫) (出典:知里動物編、方言:)
ketupetono
ケトゥペトノ 【ketupe-tono】 針金虫の神様. (出典:萱野、方言:沙流)
ketusi
ケトゥシ 【ketusi】 嫁入り道具を入れて縛った荷物.*ウウェペケㇾ(昔話)に出て来るが,ケトゥシという言葉は嫁入り道具を入れた荷物にのみ用いられている. ポロ ケトゥシ トモ タルシ(タㇻ ウシ) ア・セ ワ パイェ・アン=大きい荷物に背負い縄をかけて私は背負って行った.図[ケトゥシ] (出典:萱野、方言:沙流)
ketusi 1
ケトゥシ 【名】背負い袋 (女性が旅のときなどにものを入れて背負って歩くための入れ物。 ござを巻き、 両端に布をつけてつくった)。 {E: a bag to put on one's back when travelling.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ketusi 2
ケトゥシ 【名】[雅]ながもち。 kamuy ketusi/sapte ruwe カムイ ケトゥシ/サㇷ゚テ ルウェ [雅](姉は)立派なながもちを出して来た。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kewsut/kewsutu(hu)
ケウスッ/ケウストゥ(フ) 【kew-sut/-sutu(hu)】 成人男子:主として男の老人をさす. エ・ケウストゥ アンヤー=お前の父はいるか?(道ですれちがったおとなに,こう聞かれることがある).*私萱野茂の母方の実家近くにケゥスッエカシと近所の人が言っていたおじいさんがいた.ユカㇻには老人でなくとも男をケゥスッという言い方をされて出て来る.したがって,前後の言葉によって若者であったり老人である場合もある. (出典:萱野、方言:沙流)
kewsutu(hu)
ケウストゥ(フ) 【名】[所](概は kewsut ケウスッ) …のおじ。 {E: an, the uncle of…} (出典:田村、方言:沙流)
kewtum
ケウトゥㇺ 【名】[概](所は kewtumu(hu) ケウトゥム(フ))[kew-tum 体・の中] 心、 気持ち、 気性。 {E: the heart; one's feeling.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kewtum pirka
ケウトゥㇺ ピㇼカ 【kewtum pirka】 気だてがいい,やさしい,正直だ. (出典:萱野、方言:沙流)
kewtum wen
ケウトゥㇺ ウェン 【kewtum wen】 ずるい. (出典:萱野、方言:沙流)
kewtum'ositciw
ケウトゥㇺオシッチウ 【kewtum-o-sir-ciw】 精神が落ち着いている.▷ケウトゥㇺ=精神 オ=そこで シㇼ=大地 チュー=刺す (出典:萱野、方言:沙流)
kewtum'ositciwre
ケウトゥㇺオシッチウレ 【kewtum-o-sir-ciwre】 決める. (出典:萱野、方言:沙流)
kewtum(-u)
ケウトゥㇺ §320.こころ(心)(2)kew-tum(-u)〔kéŭ-tum けウトゥㇺ〕[kew(からだ)+tum(中)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kewtum/kewtumu(hu)
ケウトゥㇺ/ケウトゥム(フ) 【kewtum/kewtumu(hu)】 精神,感情,性質. ケウトゥㇺ ウェン=精神が悪い.ケウトゥㇺ ウェンペ=精神の悪い者. (出典:萱野、方言:沙流)
kewtumkor(-an)
ケウトゥㇺコㇿ §757.胸がすうっとする[うまいものなど食って]kewtum-kor(-an)〔kéŭ-tum-kor けウトゥㇺコㇿ〕[心を・持つ]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kewtumu(hu)
ケウトゥム(フ) 【名】[所](概は kewtum ケウトゥㇺ)…の心、 …の気持ち、 …の気性。 kewtumu pirka ケウトゥム ピㇼカ 気だて(心が/気性が)がいい(「根性がいい」)(悪いことをせず、 人をだましたりいやがらせたりせず、 素直で親切な、 いわゆる「性格のよい」人を言う)。 kewtumu wen ケウトゥム ウェン 気だてが悪い、 根性が悪い。 kewtumu oknatara ケウトゥム オㇰナタラ [心が・悲しくてうなだれている]悲しみにうちひしがれている。 kewtumu rirot ケウトゥム リロッ 心の中のことが顔色に出る。 kewtumu sikiru ケウトゥム シキル (人の言いなりになって)心がぐらつく。 {E: the heart, feelings of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kewtumu-ositciwre
ケウトゥム オシッチウレ 【自動】[kewtumu-ositciwre 心[所]・を落ち着かせる] 心を決める、 決心する。 (出典:田村、方言:沙流)
kewtumwen
ケウトゥㇺウェン §680.ふつかよい;宿酔(3)kewtum-wen〔kéŭ-tum-wen けウトゥㇺ・ウェン〕[心持ち・悪い]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
keytumrewke
ケイトゥㇺレウケ §321.心のねじけている;根性の曲っている(1)keytum-rewke〔kéǐ-tum-reŭ-ke けイトゥムレウケ〕[心・曲っている]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kinasitunkur
キナシトゥンクㇽ 【名】[< kina-sut-un-kur 草・の根元・にいる・人][動物] ヘビ。(KS-NI) ☆参考 kinasutunkur キナストゥンクㇽ の聞きまちがいか。 〔知分類 p.224 kinasutunkur アオダイショオ〕 {E: a snake.} (出典:田村、方言:沙流)
kinasutumpe
キナストゥンペ §422 アオダイショウ (6) kinasutumpe (ki-ná-su-tum-pe)「キなストゥンペ」[<kina-sut-un-pe(草・の根もと・にいる・者)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kinasutunkur
キナストゥンクㇽ 【名】[kina-sut-un-kur 草・の根元・にいる・人][動物] ヘビ。 ☞kinasut キナスッ〔知分類 p.224 アオダイショオ〕 {E: a snake.} (出典:田村、方言:沙流)
kinasutunkur
キナストゥンクㇽ 【kina-sut-un-kur】 蛇.▷キナ=草 スッ=根元 ウン=住む クㇽ=者 (出典:萱野、方言:沙流)
kinasutunkur
キナストゥンクㇽ §422 アオダイショウ (4) kinasutunkur (ki-ná-su-tun-kur)「キなストゥンクㇽ」[<kina-sut-un-kur(草・の根もと・にいる・神)] ⦅幌別、白老、穂別、千歳、沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kinatuyehos
キナトゥイェホㇱ 【名】[kina-tuye-hos 草・を切る・きゃはん] [雅]きゃはん。 kinatuyehos/a=eyáypokisir/karkar kane キナトゥイェホㇱ/アエヤイポシキㇼ/カㇻカㇻ カネ [雅]きゃはんをきちっと足につけて。(Sユーカラ) ☆参考 はいておれば草もなんもひっかからなくていい。(S) ☆参考 日常語では単に hos ホㇱ と言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kinatuyehos
キナトゥイェホㇱ 【kina-tuye-hos】 きゃはん:シナの木の皮で編んだきゃはん.▷キナ=草 トゥイェ=切る ホㇱ=きゃはん (出典:萱野、方言:沙流)
kiotuye
キオトゥイェ 【ki-o-tuye】 カヤ刈り(する).▷キ=カヤ オ=それ トゥイェ=切る ポンチセ カシ(ク・アシ) ルスイ コㇿカ ハンケノ キオトゥイェ ウシ イサㇺ ペ ネ クス キオトゥイェ イヨッタ ア・エラムシッネ=小さい家を建てたいが,近くでカヤ刈り場がないのでカヤ刈りに一番苦労する. (出典:萱野、方言:沙流)
kiputur(-u)
キプトゥㇽ §054.頭の全部;前頭部;ひたい(3)kip-utur(-u)〔ki-pú-tur キぷトゥㇽ〕[kip(↑)+utur(間)]⦅サル、サマニ、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kiputur/kiputuru(hu)
キプトゥㇽ/キプトゥル(フ) 【kip-utur/kip-uturu(hu)】 額,眉間. ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ キムンアイヌ キプトゥルフ タ シネシㇰ オマ ㇷ゚ アン ペ ネ シコㇿ アン オルㇱペ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=昔話の中では仙人のような山男,眉間にひとつだけ目がある者がいるものだという話を,私は聞いたことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
kiputurenka
キプトゥレンカ §054.頭の全部;前頭部;ひたい(4)kiputur-enka〔ki-pú-tu-rèn-ka キぷトゥレンカ〕[額・の上方]⦅ヒダカ東半、トカチ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kiputuru
キプトゥル 【名】[kip-uturu 額のはえぎわ・の間] ①額(ひたい)(「なずき」)。 kiputuru hutne キプトゥル フッネ 額が狭い。(S) kiputuru tanne キプトゥル タンネ 額が長い(はえぎわから鼻のつけ根までが長い)。(S) ②顔のはえぎわのちょうど真ん中。 {E: ①the forehead. ②the center of the hairline of the face.} (出典:田村、方言:沙流)
kisaraetuyma
キサラエトゥイマ §743.耳が遠い;難聴(2)kisara-e-tuyma〔ki-sá-ra-e-tuǐ-ma キさラエトゥイマ〕[kisara(耳)+e(について)+tuyma(遠い)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kisaretupsi(-ke)
キサレトゥㇷ゚シ §737.[獣の]耳の先(1)kisar-etupsi(-ke)〔ki-sá-re-tup-ši キさレトゥㇷ゚シ〕[kisar(耳)+etupsi(はし、先端、突端)]⦅ホロベツ、サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.368】 (出典:知里人間編I、方言:)
kisarsutu
キサㇻストゥ 【名】[概](所は未出。 sutu ストゥ の概は sut スッ)耳もと。 a=ekísarsutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅](それによって)私の耳もとで風がピューピューと鳴り響く(ものすごいスピードで飛んで/走って行く様子の描写の常套句)。(Sユーカラ語り) ☆参考 『音声資料9』に a=kisarsutu/mawkururu アキサㇻストゥ/マウクルル とあるのは誤り。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kisarunkotuk(-i)
キサルンコトゥㇰ §732.みみあか(耳垢);みみくそ(耳糞)(4)kisar-unkotuk(-i)〔ki-sá-ruŋ-ko-tuk キさルンコトゥㇰ〕[kisar(耳)+unkotuk(松やに、胎便などべとべとしたもの、<un-kotuk 我ら・にひっつく)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kisattur
キサットゥㇽ 【名】[概](所は kisatturi(hi) キサットゥリ(ヒ))[kisar-tur 耳・垢] 耳あか。 {E: earwax.} (出典:田村、方言:沙流)
kisattur(-i)
キサットゥㇽ §732.みみあか(耳垢);みみくそ(耳糞)(3)kisat-tur(-i)〔ki-sát-tur キさットゥㇽ〕[<kisar(耳)+tur(垢)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kisatturi(hi)
キサットゥリ(ヒ) 【名】[所](概は kisattur キサットゥㇽ) …の耳あか。 {E: earwax of…} (出典:田村、方言:沙流)
kisattuyma
キサットゥイマ §743.耳が遠い;難聴(1)kisat-tuyma〔ki-sát-tuǐ-ma キさットゥイマ〕[kisar(耳)+tuyma(遠い)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kiserituki
キセリトゥキ 【kiseri-tuki】 煙管の雁首,きざみ草煙を詰める部分. ▷キセリ=煙管 トゥキ=杯(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kiseritumam
キセリトゥマㇺ 【kiseri-tumam】 煙管のらお. (出典:萱野、方言:沙流)
kiyutur
キユトゥㇽ 【名】[概](所は kiyuturu キユトゥル)カヤ/ヨシで編んだものの目。 相定される概念形、 この形では未出、 kiyuturu キユトゥル[所]の形で出てきた。 (出典:田村、方言:沙流)
kiyuturu(hu)
キユトゥル(フ) 【名】[所](概は未出。 uturu(hu) ウトゥル(フ) の概は utur ウトゥㇽ)[ki-utur-u(hu) カヤ・の間・(所属語尾)](icari イチャリ《ざる》や toma トマ《ござ》のように ki キ カヤ/ヨシで編んだものの)目。 kiyuturu sep icari キユトゥル セㇷ゚ イチャリ 目の粗いざる。(S) {E: the holes of a sieve.} (出典:田村、方言:沙流)
koetun
コエトゥン 【ko-etun】 (人から)借りる.▷コ=それ(=人)に対して エトゥン=借りる (出典:萱野、方言:沙流)
koetuo
コエトゥオ §257.くしゃみ[する](3)何か食べよう、あるいは飲もうとするやさきにくしゃみする koetuo〔ko-é-tu-o コえトゥオ〕[ko(それに対して)+etu(鼻)+o(に入る)]⦅ホロベツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
koeturenno
コエトゥレンノ 【ko-e-turen no】 (それと)合わせて.▷コ=それ エ=に トゥレン=ともに ノ=〜て (出典:萱野、方言:沙流)
koetuypa
コエトゥイパ 【複他動】[複](単 koetuye コエトゥイェ は未出)[ko-e-tuypa …に対して・その頭・を切る[複]]…を取り返す。 ☆参考 このままの形では未出。 複数語尾-pa パ がもう一つ接尾した koetuypapa コエトゥイパパ の形で出てきた。 ☞次項 {E: to take back…from…} (出典:田村、方言:沙流)
koetuypapa
コエトゥイパパ 【複他動】[複複](単は未出) (二人以上が皆で)(人)から(二つ以上を)取り返す。 sekor an pe ye kor orano caranke, coypep noski ikor noski koetuypapa セコラン ペ イェ コㇿ オラノ チャランケ、 チョイペㇷ゚ ノㇱキ イコン ノㇱキ コエトゥイパパ (彼は)そう言って談判し、 宝器の半分、 宝刀の半分を彼らから取り返した。(NK民話) {E: to take back…from… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kohepututu
コヘプトゥトゥ 【ko-hepututu】 ~に対してふくれっ面をする,ぷんとする.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
kokatun
コカトゥン 【名】[ko-katun …に対して・態度/様子] …する態度/様子。 ene i=nukar kokatun エネ イヌカㇻ コカトゥン 私を見る態度(様子)は…。 {E: attitude; appearance.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kokewtumkor
コケウトゥㇺコㇿ 【ko-kewtum-kor】 (〜の)味方をする,くみする,同調する.仲間に加わる.▷コ=それに対し ケウトゥㇺ=精神 コㇿ=持つ ネイタカ タンネㇷ゚ ウコヌプㇽ コㇿ アン ヒ ア・ヌカㇻ ヤッカ ア・エシキピㇷ゚ カシウン キナハㇺ ヘネ ア・アヌ コㇿ エチ・コケウトゥㇺコㇿ ナ ネイタ パㇰノ エネプンキネ(エン・エプンキネ) アニー セコㇿ ア・イェ コㇿ ア・アッカリ コㇿ ア・エマウコピㇼカ ㇷ゚ ネ=どこかで蛇が交尾しているのを見たら,見ないふりをしながらその上へ草の葉などでおおいをしながら,お前たちの味方をするので私を守ってねと言いながら通り過ぎると,それによって運がよくなるものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kokkatuypok(-i)
コッカトゥイポㇰ §639.ひかがみ(膕)(4)kokka-tuypok(-i)〔kók-ka-tuǐ-pok こッカトゥイポㇰ〕[kokka(ひざ)+tuypok(うら)]⦅ニイカップ、テシオ、ナヨロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
komontuci
コモントゥチ 【名】宝槌(打ち出の小槌のようなもの、 ぶつけて何か願うと出て来ると言う、 次の二種がある)。 pinne komontuci ピンネ コモントゥチ 男性の宝槌=家、 倉、 お金等の願いを聞いてくれる宝槌。 matne komontuci マッネ コモントゥチ 女性の宝槌=米、 着物、 人の数等の願いを聞いてくれる宝槌。(S) {E: a small mallet} (出典:田村、方言:沙流)
komontuci
コモントゥチ 【komontuci】 うちでのこづち.*シサㇺウウェペケㇾといって和人の昔話にうちでのこづちがしばしばでてくる. (出典:萱野、方言:沙流)
kootukutke
コオトゥクッケ 【ko-otukutke】 埋まる. ネㇷ゚ ワ アン ペ エシㇼキラㇷ゚ ワ ネ ルウェ ネ ヤ シㇰラㇷ゚ エㇺコ コオトゥクッケ カネ オカ=どんなことを嘆き悲しんでいるのかまつげの半分が埋まるほどにまぶたがはれている[ユ][ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
kootuyma
コオトゥイマ 【後副】[ko-otuyma …に対して・遠くから][雅](次のような慣用表現で)…に対して遠くから。 i=kootuyma/sikkeruru/siktokoko イコオトゥイマ/シッケルル/シㇰトココ [雅]私を遠くから目をむいてにらみ大きな目を開けている。(Sユーカラ) i=kootuyma/siktokoko/sikkeruru kor イコオトゥイマ/シㇰトココ/シッケルル コㇿ [雅]私を遠くから大きな目を開けて目をむいてにらんでいる。(Sユーカラ語り)(前の用例と同じユーカラを同じ話者が語ったときと同じような文脈で。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopak tuye
コパㇰ トゥイェ 【kopak tuye】 (〜へ)近づく. ネア メノコ ニナ クス エキㇺネ シリ ア・ヌカㇻ ヒクス コパㇰ ア・トゥイェ ワ アシヌマ カ エキㇺネ・アン=あの女が薪を取りに山へ行ったのを見たので,その方へ私も行くようにして私も山へ行った. (出典:萱野、方言:沙流)
koparumpeetukka
コパルンペエトゥッカ §381.舌を人に向って突き出す [嫌いな人憎い人に対する嫌悪・憎悪の身振]ko-parumpe-etukka〔ko-pá-rum-pe|e-túk-ka コぱルンペ・エとぅッカ〕[ko(それに向って)+parumpe(舌を)+etukka(出す)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kopetturasi kamuy isam
コペットゥラシカムイイサㇺ 【ko-pet-turasi kamuy-isam】 かなう神はいない,勝つことのできる神はいない. ▷コペットゥラシ=かなわない,勝てない カムイ=神 イサㇺ=いない *コペットゥラシを,勝つ,負けるに使う場合は前後の言葉が必要である.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
koramputuye
コランプトゥイェ 【ko-ram-putuye】 構わない,突きはなす,面倒を見てやらない. ソンノ エアシㇼ ヤイコラㇺプトゥイェ ㇷ゚ ネ クス イペエウェン イミエウェン ヘカッタㇻ カ チェピポロ オマ カネ パ=本当に全く自分のことを構わないものだから,食べ物もよくない着るものもよくない,子供らも栄養のよくない顔をしている. (出典:萱野、方言:沙流)
kosatsatu
コサッサトゥ 【ko-satsatu】 うさんくさい顔で見る. イ・コサッサトゥ=私をうさんくさい顔で見る.トオㇷ゚ エコイカ タ シネ フチ オンネ ヤㇰ ア・イェ アスッタサアナクス(アスッタサ・アン アクス) ア・アㇺキㇼクㇽ カ イサㇺ ペ ネ クス ア・イ・コサッサトゥ ペコㇿ ヤイヌ・アン=ずうっと東の方でひとりの老婆が亡くなったと聞き弔問に行ったが,知った人もいないのでうさんくさい顔で見られたような気がした. (出典:萱野、方言:沙流)
kositusa
コシトゥサ 【他動】[ko-si-tusa …に・自身・治る] …で命が助かる。(S会話) {E: to be saved by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosneetuk
コㇱネエトゥㇰ §346.産―安産[する];赤ん坊をやすやすと産む(2)赤ん坊がやすやすと生れる kosne-etuk〔kóš-ne-e-tuk こㇱネ・エトゥク〕[kosne(軽く)+e(頭が)+tuk(出る)]⦅クッシャロ、ハルトリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kotan'utur
コタンウトゥㇽ 【kotan-utur】 村の下座,村の西側へ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotuk
コトゥㇰ 【他動】…にくっつく/くっついている、 (ハエやハチなどが)とまる。 ☆参考 あるものに別のものが、 別のもののままで接触したりはりついたりすることを言う。 これに対し us ウㇱ は、 あるものに何かがついたり生えたりして、 その付属物または一部をなす/なしていること、 kot コッ は紐や鎖などで結びつけられてつく/ついていることを言う。 ☞us ウㇱ {E: to stick to…} (出典:田村、方言:沙流)
kotuk
コトゥㇰ 【ko-tuk】 つく,くっつく. (出典:萱野、方言:沙流)
kotukka
コトゥッカ 【複他動】[kotuk-ka くっつく・させる] ①…を…につける/くっつける/はりつける)。 ②[慣用句]ape kotukka アペ コトゥッカ 火を…につける。 ☆参考 nína=an ayne oraun konto ape a=kotúkka akusu sat cikuni ne p ne kusu páraparase ニナアン アイネ オラウン コント アペ アコトゥッカ アクス サッ チクニ ネㇷ゚ ネ クス パラパラセ 私はしばらくたきぎとりをしていて、 それからこんどそのたきぎに火をつけると乾いた木なのでメラメラと燃え上がった。(HC民話) ☆参考 別のものにピタッと接触させたりはりつけたりすることを言う。 他のいろいろなくっつけ方の表現については ☞usi ウシ {E: to stick…to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotukka
コトゥッカ 【ko-tuk-ka】 貼る,くっつける. マキㇷ゚ ヌマン ワノ ク・コッカサパ キロウㇱケ アㇻカ ワ ク・モコㇿ カ エアイカㇷ゚.ラウラウ ヘネ アン ヤㇰ ク・シㇼシル ワ ク・コトゥッカ ルスイ=どうしたのか昨日から私の膝の関節が痛くて眠ることもできない,テンナンショウでもあれば擦り下ろして貼りたいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotunas
コトゥナㇱ 【他動】[ko-túnas… に対して・早い]…に早く対処する、 …を早く手当てする。 a=kotánu ta ka hekattar or péka honarkamon an, a=kotúnas wa pirka アコタヌ タ カ ヘカッタㇻ オㇿ ペカ ホナㇻカモン アン、 アコトゥナㇱ ワ ピㇼカ 私たちの集落にも子どもたちにおなかの病気がはやったが手当てが早かったので治った。(S) {E: to treat…quickly.} (出典:田村、方言:沙流)
koturimimse
コトゥリミㇺセ 【自動】[ko-turimim-se (擬音擬態を導く)…が・(擬音の重複)・…と言う][雅]…hum ko koturimimse …フㇺ コ コトゥリミㇺセ …の音がブルンブルンと/ブーンと鳴る。 apkas hum ko/koturimimse/kosepepatki/korimnatara アㇷ゚カㇱ フㇺ コ/コトゥリミㇺセ/コセペパッキ/コリㇺナタラ [雅](神が)歩く(かけめぐる)音がブルンブルンと鳴りザアーッと響きドシンドシンと鳴り響きます (Sユーカラ) ☆参考 神が空中を飛び歩くときや、 地上に向かって下降してくるときなどに響く音響がこのように表現される。 歌い手のサダモさんは koturimimse コトゥリミㇺセ は飛行機の飛ぶような音だと説明している。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koturiri
コトゥリリ 【複他動】[ko-turi-ri …に・…を伸ばす・(重複)] …に…を(手をのばして)さしのべる。(S) ☆参考 kotarara コタララ は立っている人に下から上へさしのべる。 {E: to stretch out, extend (the hand(s)) to help…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koturiri
コトゥリリ 【ko-turiri】 伸ばす,相手に物を渡すために伸ばす.▷コ=それ(人)に対して トゥリリ=伸ばす (出典:萱野、方言:沙流)
koturse
コトゥㇽセ 【他動】[ko-turse …に向かって・落ちる](病気が)…にうつる。 en=koturse kuni ku=sitoma エンコトゥㇽセ クニ クシトマ 私に病気がうつるのが恐ろしい。(S) wenpenramkor pe ne na e p keseke iteki e yan, nenkane eci=kotúrse yak a=sitóma na ウェンペンラㇺコㇿ ペ ネ ナ エㇷ゚ ケセケ イテキ エ ヤン、 ネンカネ エチコトゥㇽセ ヤㇰ アシトマ ナ 胸の悪い人だから食べ残しを食べてはだめよ、 もしあなたたちにうつったら恐ろしいから。(S) ku=yoyra hi koturse wa iyoyra hawe somo ne? クヨイラ ヒ コトゥㇽセ ワ イヨイラ ハウェ ソモ ネ? (彼は)私の忘れっぽいのがうつって忘れっぽいのではないかな。(W) {E: (for a disease, sickness) to spread to…} (出典:田村、方言:沙流)
koturse
コトゥㇽセ 【ko-turse】 伝染する,(病気が)うつる.▷コ=それに トゥㇽセ=落ちる ホㇱキ ウクラン ク・レウシ チセ コㇿ ウタㇻ マヤイケ パ ㇷ゚ ネ ノイネ ク・イラム アㇷ゚ マキㇷ゚ ク・テケヘ ネ ヤ マヤイケ.ソモ エン・コトゥㇽセ ヒ ネ ヤ ウン=一昨日の夜,泊まった家の人たちがひぜんをかいていたように思ったが,どうしたのか手がかゆい.もしやのこと,私に伝染したのではないだろうな.イヤイサマー エ・オㇺケカㇻ ワ エ・アン ハウェー.エン・コトゥㇽセ ヤクン マㇰ ク・イキ ㇷ゚ アン.ホクレ ホシピ ホシピ=まあ,どうしようあなたは風邪ひいているの.私にうつったらどうするんだ.早く戻れ戻れ. (出典:萱野、方言:沙流)
koturse
コトゥㇽセ §541.でんせんびょう(伝染病)(3)伝染する ko-turse〔ko-túr-se コとぅㇽセ〕[ko(に、それに)+turse(飛び移る)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
koturse
コトゥㇽセ §541.でんせんびょう(伝染病)(7)でんせんする(伝染する) ko-turse〔ko-túr-se コとぅㇽセ〕[ko(に、それに)+turse(飛び移る)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kotursere
コトゥㇽセレ 【複他動】[他動使役][koturse-re …にうつる・させる](病気)を…にうつす。 {E: to pass on (a disease, sickness) to…} (出典:田村、方言:沙流)
kotursere
コトゥㇽセレ 【ko-turse-re】 (病気を)うつす. (出典:萱野、方言:沙流)
koturusinni
コトゥルシンニ §121 コシアブラ (2) koturusinni (ko-tú-ru-sin-ni)「コとゥルシンニ」 茎をいう ⦅沙流、鵡川、穂別、千歳、様似、近文⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kotustek
コトゥㇱテㇰ 【ko-tustek】 夢中になる.▷コ=それ(=仕事)に対して トゥㇱテㇰ=金縛りになる (出典:萱野、方言:沙流)
kotususatki
コトゥスサッキ 【ko-tususatki】 (〜で)震える.▷コ=〜で トゥスサッキ=震える (出典:萱野、方言:沙流)
kotusuyupu
コトゥスユプ 【ko-tusu-yupu】 (〜で)まじないを強める:何か化け物が憑いたということでその正体をあばくために力いっぱいの呪術をすること.▷コ=〜で トゥス=呪術,託宣のための呪術 ユプ=強める (出典:萱野、方言:沙流)
kotusworo
コトゥㇱウォロ 【他動】[ko-tus-wor-o に対し/と一緒に・綱・水中・…を…に入れる] 話を面倒にせず片付けるためそれで承知する。 (出典:田村、方言:沙流)
kotuyasi
コトゥヤシ 【他動】[ko-tuyasi …に・頼りにする]…に頼って/…を頼りにして安心する/もう大丈夫と思う。 icen poronno pa yak a=ye, a=kotúyasi hawe ne wa イチェン ポロンノ パ ヤカイェ、 アコトゥヤシ ハウェ ネ ワ お金をたくさん拾ったそうだ、 よかったねえ。(S) toan kur tura yakun a=kotúyasi トアン クㇽ トゥラ ヤクン アコトゥヤシ (彼が)あの人と一緒に行けば大丈夫だ(と私たちは安心できる)。(W-S) {E: to feel at ease, secure about…due to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kotuyasi
コトゥヤシ 【kotuyasi】 (〜を)いいと思う,他人のために喜ぶ,たのもしく思う. ソンノ オンネ フチ ヤイヌミウェン ワ ア・オイヌウェウシ コㇿ アン ヤㇰ ア・イェ.ホクレ オンネ ヤㇰネ ア・コトゥヤシ ペ=本当の年寄のおばあさんが病気で下の始末を人にしてもらっているということだ.早く亡くなったほうがいいのになあ.ナー ペウレクㇽ チセサㇰ ヤㇰ ア・イェ ク・イケㇺヌ ワ カナㇷ゚(ク・アン アㇷ゚) エソシピ ヤㇰ ア・イェ ク・コトゥヤシ=まだ若い人が妻を亡くしたと言って哀れに思っていたが,再婚したということでよかったなあと思っている.シㇼキラㇷ゚ パテㇰ キ ワ ア・エランポㇰウェン アㇷ゚ ピㇼカ メノコ マチヒ ネ アン クナㇰ ア・イェ.ア・コトゥヤシ ハワㇱ ネ=不幸ばかりあったのでかわいそうだと思っていたが,美しい女が妻になるということ.あの人にとってはいい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
kotuye
コトゥイェ 【複他動】[ko-tuye …に対して・…を切る] tu makke sama kotuye トゥ マッケ サマ コトゥイェ [二つの(=いくつもの)・奥の所・の側・を…に対して切る] 相手の拒絶に耳をかさず自分の意志を通す。 {E: to have one's own way without listening to the refusals of others.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyaykewtum ositciwre
コヤイケウトゥㇺ オシッチウレ 【ko-yay-kewtum-o-sir-ciw-re】 心を落ち着ける,冷静にしている.▷コ=それに対して ヤイ=自身 ケウトゥㇺ=精神 オシッチューレ=落ち着かせる (出典:萱野、方言:沙流)
koyaynutunnu
コヤイヌトゥンヌ 【他動】[ko-yaynu-tunnu …に・気持ち・(?)] ボーッとなる、 気を失いかける。 ku=kimatek ayne ku=koyaynutunnu クキマテㇰ アイネ クコヤイヌトゥンヌ 私はびっくりして気を失いかけた。(S) {E: to lose consciousness; be in a daze.} (出典:田村、方言:沙流)
koyaynutunnu
コヤイヌトゥンヌ 【ko-yay-utur-nu】 意識が朦朧とする,人事不省になる,昏睡状態になる.▷コ=それ ヤイ=自身 ウトゥㇽ=間 ヌ=聞く イラマンテ クス エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ソモカ エネ シㇼキ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ウェンユㇰ ピッコサヌ ア・イ・ウェンコイキカㇻ ライ ヘネ ヤ モコㇿ ヘネ ヤ ア・コヤイヌトゥンヌ=狩のために山へ入ったら,まさかそうなるとは思わなかったのに,どうもうな熊がさっと飛び出て来てめちゃくちゃに虐められ,死んだのか眠ったのか意識朦朧となった. (出典:萱野、方言:沙流)
koyayotuyma-anuanu
コヤヨトゥイマアヌアヌ 【他動】[ko-yay-o-tuyma-anu-anu …に対して・自分・の尻を(?)・遠く・置く・(重複)][雅](同じ事)をあきらめずにくり返し言い続ける、 …をずうっと言い重ねて止まない。(W神謡語り) {E: to keep saying the same thing without relent.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyaytunap
コヤイトゥナㇷ゚ 【ko-yay-tunap】 不満がある. テエータ アナㇰネ ウコイラㇺ・アㇱ ワ ネㇷ゚キ・アㇱ ペ ネ ア コㇿカ ネㇷ゚カ エン・コヤイトゥナㇷ゚ ワ ネ ノイネ クリヒ カ ソモ ク・ヌカㇻ=ずっと前は一緒に仕事をしたものであったが何か私に不満があるらしく,影も見たことがない. (出典:萱野、方言:沙流)
koyaytunaska
コヤイトゥナㇱカ 【自動】[ko-yay-túnas-ka …に向かって・自分・早い・(他動詞化)](直訳すると)…に向かって急ぐ。 (ユーカラの中で次のような文脈で)行ってしまう。 arkuwanno/kamuy niskotor/koyaytunaska アㇻクワンノ/カムイ ニㇱコトㇿ/コヤイトゥナㇱカ [雅]まっすぐに神の国の空へ行ってしまう。(Sユーカラ) ☞yaytunaska ヤイトゥナㇱカ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyemetu
コイェメトゥ 【他動】[ko-iyemetu …に・酒の残りを持って来てあげる] …に酒の残ったのを持って行って/持って来てあげる。 ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= ア または eci エチ)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がる所)は、 第二音節(この場合 ye イェ)に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の ko コ が高く発音されるときの語幹には koiyemetu/koyyemetu コイイェメトゥ の形が使われることが多いと予想される。 {E: to bring, take home leftover sake, liquor for…} (出典:田村、方言:沙流)
ku=tusihi
クトゥシヒ 【ku=tusihi】 妾(めかけ):本妻から妾に言う言い方.本妻と妾は1本の綱で結ばれているという考え.▷ク=私の トゥシヒ=綱 (出典:萱野、方言:沙流)
kucanturep
クチャントゥレㇷ゚ §277 くま (72) kucan-turep (ku-čán-tu-rep)「クちャントゥレㇷ゚」[<kucan(雌グマを)tura(連れている)-p(もの)] ⦅美幌⦆雌グマを連れている雄グマ (出典:知里動物編、方言:)
kumontumu konna sumnatara
クモントゥム コンナ スㇺナタラ §483.だるい;かったるい;ものうい;倦怠感を覚える(10)体がだるい ku-montumu konna sum-natara〔ク・もントゥム・コンナ・すㇺナタラ〕[ク・もントゥム(私・の体力)+コンナ(は)+すㇺナタラ(萎えている)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kunneitunnap
クンネイトンゥナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (19) kunne-itunnap(kún-ne-i-tun-nap)「くンネイトンゥナㇷ゚」⦅幌別⦆クロヤマアリ (出典:知里動物編、方言:)
kunnetureh
クンネトゥレㇸ §098 クロマメノキ (2) kunne-tureh (kún-ne-tu-reh)「くンネトゥレㇸ」[<kunne(黒い)turep(果実)] 果実 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kuntukapap
クントゥカパㇷ゚ §012 サメガスベ (10) kuntukapap (kún-tu-ka-pap)「くントゥカパㇷ゚」[<kuntu(巨大な)kapa(扁平な)-p(者)] ⦅白老、幌別、虻田、長万部⦆アカエイの特に大きいもの⦅長IV 43, 虻 9⦆ (出典:知里動物編、方言:)
kurasnoetuhka
クラㇱノエトゥㇷカ §298 ハシブトガラス (4) kurasno-etuhka (ku-rás-no-e-tuh-ka)「クらㇱノエトゥㇷカ」[黒い・カラス] ⦅鵜城⦆ハシブトガラス (出典:知里動物編、方言:)
kurkietuk
クㇽキエトゥㇰ §186.がっかせんえん(顎下腺炎)kurki-etuk〔kúr-ki-e-tuk くㇽキ・エトゥㇰ〕[kurki(えら)+etuk(出る;e 頭、tuk 出す)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kurkotunas
クㇽコトゥナㇱ 【自動】[kur-ko-túnas 影・に・早い]「中風にかかる」=中風になる。(S) ku=kurkotunas wa ku=kema ka réne ku=teke ka réne ククㇽコトゥナㇱ ワ クケマ カ レネ クテケ カ レネ 私は中風にかかって足もきかない手もきかない。(S) 「魔がとりついて急に気分が悪くなる」 [kur(魔)+ko(それに対して)+tunas(早くなる)]((サル))〔知分類 p.388〕 {E: to be paralysed.} (出典:田村、方言:沙流)
kurkotunas
クㇽコトゥナㇱ 【kur-ko-tunas】 小児麻痺,顔面神経麻痺. ク・サハ ポ カ クㇽコトゥナㇱ アニ ヤイェウェンペ ネ アクス ネノ アン クㇽ ク・ヌカㇻ コㇿ ク・サハ ポ ケシカルン(ク・エシカルン)=亡くなった私の姉も小児麻痺で(足が)不自由であったので,そのような人を私は見ると亡くなった姉のことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
kurkotunas
クㇽコトゥナㇱ §704.魔が身にとりついて急に気分が悪くなるkurkotunas〔kúr-ko-tu-naš くㇽコトゥナㇱ〕[kur(魔)+ko(それに対して)+tunas(早くなる)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kurkotunaspe
クㇽコトゥナㇱペ 【kurko-tunas-pe】 半身不随の者. (出典:萱野、方言:沙流)
kursut/kursutu(hu)
クㇽスッ/クㇽストゥ(フ) 【kursut/kursutu(hu)】 根元:木の最下部. (出典:萱野、方言:沙流)
kursutu
クㇽストゥ 【位名】[所](概は kursut クㇽスッ) …の根元。 paratek kursutu pakno パラテㇰ クㇽストゥ パㇰノ 手(手首から先)のつけ根まで=手首まで。(W) {E: the root, base of…} (出典:田村、方言:沙流)
kutu
クトゥ 【kutu】 梁. (出典:萱野、方言:沙流)
kutunesas
クトゥネサㇱ §468 ワカメ ナンブワカメ (1) kutunesas (ku-tú-ne-sas)「クとゥネサㇱ」[kutu(円棒)ne(状の)sas(コンブ)] ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kutuntonin
クトゥントニン §212 ミミズ (18) kut-un-tonin (kút-un-to-nin)「くトゥントニン」 ⦅幌別⦆タマクラミミズ (出典:知里動物編、方言:)
kutusas
クトゥサㇱ §468 ワカメ ナンブワカメ (2) kutu-sas (ku-tú-sas)「クとゥサㇱ」[“円棒・昆布”] ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
kututur
クトゥトゥㇽ 【名】[概](所は未出。 utur ウトゥㇽ の所は uturu(hu))[kut-utur きりたった岩崖・の間] きりたった岩崖の間の狭く深い所。 {E: between steep rocky mountains.} (出典:田村、方言:沙流)
maraptotuki
マラㇷ゚トトゥキ 【marapto-tuki】 熊神杯:漆器. 図[マラㇷ゚トトゥキ] (出典:萱野、方言:沙流)
matetun
マテトゥン 【mat-etun】 嫁を貰う.*アイヌ社会では嫁を貰うという言い方はしないで妻を借りるという.借りてきたので大切にしなければならないし借りられて来ているお嫁さんはおしとやかにしなければいつ戻されるかわからない.言葉の上ではそのようなことなのでお互いをいたわりあって仲よく暮らした人が多い.またアイヌの風習として1軒の家で2夫婦は暮らさせないようにするがこれも夫婦円満のために必要なことで,現在もこれだけは守られている場合が多い.▷マッ=妻 エトゥン=借りる タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ タ ク・ポホ マテトゥン(マッ エトゥン).イワイェ ク・キ ルスイ ナ エㇰ アニー=この月が円くなる頃に私の息子が嫁を貰う.祝いをしたいので来てね. (出典:萱野、方言:沙流)
matkarku turesi
マッカㇻク トゥレシ §031.いとこ(従兄弟姉妹)(8)matkarku turesi〔mát-kar-ku|tu-ré-ši まッカㇻク・トゥれシ〕⦅アカン⦆従妹(男から言う)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
matne-komontuci
マッネコモントゥチ 【名】[女性である・宝槌]女性の宝槌。 ☆対語 pinne-komontuci ピンネコモントゥチ 男性の宝槌。 ☆参考 komontuci コモントゥチ《宝槌》に男性と女性の二種あり、 女性の宝槌は米・着物・人数などの願いをきいてくれる。 ☞komontuci コモントゥチ {E: a woman's treasures, precious things.} (出典:田村、方言:沙流)
matupsoro sutupsoro cikokimaypa ekarkar
マトゥㇷ゚ソロ ストゥㇷ゚ソロ チコキマイパ エカㇻカㇻ §313.ごうかん(強姦)する(2)mat-upsoro sut-upsoro ci-ko-kimaypa ekarkar〔まトゥㇷ゚ソロ・すトゥㇷ゚ソロ・チこキマイパ・エかㇻカㇻ〕[女の陰部、祖母の陰部を、犯すことをする]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
maturmip
マトゥㇽミㇷ゚ §289 シカ (13) maturmip (má-tur-mip)「まトゥㇽミㇷ゚」[<mat-ur-mi-p(女・衣・着ている・もの)]雄でありながら皮に雄ジカのそれのような模様のついているシカ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tutari
マトゥタリ 【名】[所](概の例はない)[mat-utar-i 女/妻・人々(=たち)・(所有語尾)]…の妻たち。 tananto or ta/a=e=ékimnere wa/e=matutari/a=arkire wa タナント オッタ/アエエキㇺネレ ワ/エマトゥタリ/アアㇻキレ ワ [雅]今日私はあなたを山へ行かせてあなたの妻たちを来させて。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mawe tuy
マウェ トゥイ §389.しぬ(死ぬ)(8)死ぬ;息が絶える mawe tuy〔ma-wé-tuǐ マうぇ・とぅイ〕[mawe(その呼気)+tuy(きれる)]⦅ビホロ、クッシャロ、ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mawetuy
マウェトゥイ 【mawe-tuy】 こときれる. (出典:萱野、方言:沙流)
mawhe tuy
マウヘ トゥイ §389.しぬ(死ぬ)(9)死ぬ;息が絶える mawhe tuy〔máŭ-he|túǐ まウへ・とぅイ〕[その呼気が・きれる]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mawtum
マウトゥㇺ 【名】[maw-tum 気・の中](?) しようとしている/しているつもりでいるがそうできていない様子/格好。 ku=nitan mawtum ku=ki wa k=ek クニタン マウトゥㇺ クキ ワ ケㇰ 格好だけは急いで(あまり早くないが)来た。(S) sike mawtum ki ruwe シケ マウトゥㇺ キ ルウェ 変なしょい方をしている。(S) aynu mawtum アイヌ マウトゥㇺ 当り前でない汚い人。(S) (出典:田村、方言:沙流)
menokotura
メノコトゥラ 【自動】[menoko-tura 女・を伴う] 女の人を同伴する。 (=menoko tura メノコ トゥラ) {E: to accompany a woman.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
metotuskamuy
メトトゥㇱカムイ 【metot-us-kamuy】 熊神,奥山の神.▷メトッ=奥山 ウㇱ=いる カムイ=神 (出典:萱野、方言:沙流)
metotuskamuy
メトトゥㇱカムイ §277 くま (9) metotus-kamuy (me-tó-tus-ka-muy)「メとトゥㇱカムイ」[‘山の奥にいる神’<metot(奥山)us(におられる)kamuy(神)] ⦅北海道⦆ (出典:知里動物編、方言:)
metum peka
メトゥㇺ ペカ 【me-tum-peka】 寒さの中を,この寒いのに. メトゥㇺペカ エ・エㇰ=寒さの中をお前は来た. (出典:萱野、方言:沙流)
mimakkotuk
ミマッコトゥㇰ 【mimak-kotuk】 小さい白い粒の草の根(コケイランの根).▷ミマㇰ=歯 コトゥㇰ=つく *食べると歯に粘りつくものであった.昭和10年頃に祖母が焼いて食べさせてくれたことがあるだけでその後は食べたことがない. (出典:萱野、方言:沙流)
mimakutur
ミマクトゥㇽ 【名】[概](所は mimakuturu(hu) ミマクトゥル(フ))[mimak-utur 歯・間] 歯の間。 ☆参考 niyutur ニユトゥㇽ [古]。 {E: between the teeth.} (出典:田村、方言:沙流)
mimakuturu(hu)
ミマクトゥル(フ) 【名】[所](概は mimakutur ミマクトゥㇽ)… の歯の間。 mimakuturu sep ミマクトゥル セㇷ゚ 歯の間が広くあいている。(S) (eniyutunnu エニユトゥンヌ は昔の言い方。) (S) {E: between the teeth of…} (出典:田村、方言:沙流)
mimtumu
ミㇺトゥム 【mim-tumu】 体の肉の中,体内. アオナハ ホッパワアン コソンテ アミアクス アミㇺトゥム オレレワイサㇺ オロワノ ソモイタㇰアン=私の父が遺してあった小袖を着たら,小袖が体内に沈んでしまい,それからものを言えなくなった.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
mintuci
ミントゥチ 【名】[< 日本語 みづち]かっぱ(河童)。 pet or ta oka mintuci anak wakka oterke kor anak earkinne tumkor pe ne ペトッタ オカ ミントゥチ アナㇰ ワッカ オテㇾケ コㇿ アナㇰ エアㇻキンネ トゥㇺコㇿ ペ ネ 川に住むかっぱは水を踏むととーても力が強いものだ。(W) (出典:田村、方言:沙流)
mintuci
ミントゥチ 【mintuci】 河童. (出典:萱野、方言:沙流)
mintucikikir
ミントゥチキキㇼ §193 ミズスマシ;ヒメミズスマシ (5) mintuci-kikir (mín-tu-ci-ki-kir)「みントゥチキキㇼ」 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
mintum
ミントゥㇺ 【名】[< mim(?)-tum 肉体(?)・の中] 体の具合(?)、 肉体(?)。 nisasnu mintum kor wa e=an nankor na ニサㇱヌ ミントゥㇺ コㇿ ワ エアン ナンコン ナ (あなた)健康な体を持って暮らして下さい。(NZ挨拶) ☆参考 montum モントゥㇺ 体の調子。 kewtum ケウトゥㇺ 心、 気性。 {E: the body.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
moawetuh
モアウェトゥㇷ §303.けんよおすいの腫れるのどの病気moaw-etuh〔mo-á-we-tuh モあウェトゥㇷ〕[moaw(↑)+etuh(<etuk 凸出する)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mokoretunne
モコレトゥンネ §565.眠れない(1)mokor-etunne〔mo-kó-re-tun-ne モこレトゥンネ〕[眠り・がたい]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
montum
モントゥㇺ 【名】[概](所は montumu(hu) モントゥム(フ))[mon-tum 手(?)・の中]体の具合い/調子。 {E: the condition of the body.} (出典:田村、方言:沙流)
montum kiror
モントゥㇺキロㇿ 【mun-tum-kiror】 体の芯の力,ありったけの力. ▷モントゥㇺ=体の芯 キロㇿ=力(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
montumu(hu)
モントゥム(フ) 【名】[所](概は montum モントゥㇺ) (…の)体の具合/調子。 yaykata ku=montumuhu ku=nu wa ku=sini kusu ne ヤイカタ クモントゥムフ クヌ ワ クシニ クス ネ 私は自分で自分の体具合いを聞いて休みます=自分の体具合を感じてわかって、 それに応じて休みます。(W) montumu páse モントゥム パセ 気分が悪い、 体がだるい。 tanto ku=montumu páse kusu hum as タント クモントゥム パセ クス フマㇱ 今日は私はなんだか体がだるいようだ。(S) {E: the condition of the body of…} {E: to feel tired, dull.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
monuturu an
モヌトゥル アン 【mon-uturu=an】 暇だ,手があいている. タン チュㇷ゚ ア・オケレ ヤクン モヌトゥル・アン ナンコㇿ=今月が終わると暇になるであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
monuturu(hu)
モヌトゥル(フ) 【名】[所](概 monutur モヌトゥㇽ は未出)[mon-uturu 手・の間] 仕事のあいま、 ひま。 monuturu an モヌトゥル アン 手があいている。 {E: free, spare time.} (出典:田村、方言:沙流)
mosinrutuye
モシンルトゥイェ 【名】[mosir-ru-tuye 国・道・を切る](星座名) (北方の空で弓状をなし、 六つか七つの星がある。) (S) 北斗七星(?)。 (出典:田村、方言:沙流)
motuy(-he)
モトゥイ §439.すいぞう(膵臓)(3)魚の膵臓 motuy(-he)〔mo-túǐ モとぅイ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
motuy(-he)
モトゥイ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(10)魚の臓器の一 motuy(-he)〔mó-tuǐ モとぅイ〕[mo(小)+tuy(臓腑)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mukketurenpe
ムッケトゥレンペ 【mukke turenpe】 隠れた憑き神. ムッケトゥレンペ ノチュー キヤイネ エシルトㇺタ ヌイナ カネ=隠れた憑き神,星の光と同じように自らの体の後ろへ隠すかのよう[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
muntum
ムントゥㇺ 【名】[mun-tum 草・の中] 草むらの中。 {E: in the grass.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
muntum
ムントゥㇺ 【mun-tum】 草原.▷ムン=雑草 トゥㇺ=中 (出典:萱野、方言:沙流)
muntumoinkarkamuy
ムントゥモインカㇻカムイ §422 アオダイショウ (11) muntum-oinkarkamuy (mún-tum o-in-kar-ka-muy)「むントゥモインカㇻカムイ」[<mun(草)tum(中)o(で)inkar(見る)kamuy(神)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nákatune
ナカトゥネ 【副】[na-katu-ne もっと・そのやり方・として](?)(次の言い回しで) nákatune…wa ナカトゥネ…ワ まあどうしてそんなにいらないことを、 しなければいいのに、 気にくわないことに、 あきれたことに。 nákatune hawe iki wa ナカトゥネ ハウェ イキ ワ あきれたことを言っているねえ。 nákatune hawe iki wa ekanrayenoye ナカトゥネ ハウェ イキ ワ エカンライェノイェ まああきれた、 帰って来るなりそんなことを言わないでもいいのに。(S) nákatune humi iki wa ナカトゥネ フミ イキ ワ あきれた物音をたてているねえ。 nákatune humi iki wa apa ruttektek! ナカトゥネ フミ イキ ワ アパ ルッテㇰテㇰ! なんてことしてるんだ、 戸をガジーンと閉めて。(S) nákatune en=montapire haw ne wa ナカトゥネ エンモンタピレ ハウ ネ ワ (S) まあどうしてそんなに急がせるのさ。 (出典:田村、方言:沙流)
nakatune
ナカトゥネ 【na katune】 まあ大変. ナカトゥネ マㇰ エ・イキ シリ アン=まあ大変,あんたはどうしたの. (出典:萱野、方言:沙流)
nantuyere
ナントゥイェレ 【nan-tuye-re】 見つめる,一心に目を注ぐ.じっと見つづける. シネアニポ ナントゥイェレ=1か所をじっと見つめる. (出典:萱野、方言:沙流)
nantuyka
ナントゥイカ §167.かお(顔)(8)顔面 nan-tuyka〔nán-tuǐ-ka なントゥイカ〕[顔・表面]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
tuk
ネトゥㇰ 【自動】[net-uk 流木・を取る] 流木/寄り木を拾う。 netuk=an a an a ネトゥㇰアナ アナ (引用文中で)私はどんどん寄り木をたくさん拾った。(W民話) {E: to collect driftwood.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuwomare
ネトゥウォマレ 【自動】[net-uwomare 流木・を集める] 流木/寄り木を集める、 流木拾いする(=net uwomare ネッ ウウォマレ)。 {E: to collect driftwood.} (出典:田村、方言:沙流)
nietu
ニエトゥ §050.あせも(汗疹)(2)nietu〔ni-é-tuニえトゥ〕⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nietu
ニエトゥ §570.のうかしん(膿痂疹);のうほうしん(膿疱疹);とびひ(1)nie-tu〔ni-é-tu ニえトゥ〕⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nikap attus
ニカㇷ゚ アットゥㇱ →ニカパットゥㇱ (出典:萱野、方言:沙流)
nikapattus
ニカパットゥㇱ 【ni-kap-attus】 木の皮の着物:オヒョウの木の皮の着物. ウウェペケㇾ ネ ヤ ウパㇱクマ オッタ(オㇿ タ) オキクㇽミカムイ アイヌ カシオピューキ ヒ タ オウフイ シㇼカ オウフイ ニカパットゥㇱ カリシㇼパテㇰ ア・ヌカㇻ シコㇿ ア・イェ ㇷ゚ ネ=昔話や言い伝えの中にオキクルミ神が人間を助ける時に,刀の鐺(こじり)裾の方から炎が燃え立つ木の皮の着物がちらっと見えたと,言うものであった.*アイヌに生活文化を教えたと伝えられるオキクㇽミという神の描写は必ずこのように描写される. (出典:萱野、方言:沙流)
nikonitupir(-i)
ニコニトゥピㇼ §063.あばた(痘痕)(2)nikoni-tupir(-i)〔ni-kó-ni-tu-pír ニこニトゥピㇼ〕[病気・古きず]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nikotuk
ニコトゥㇰ §338 アオバズク (15) nikotuk (ni-ko-tuk)「ニコトゥㇰ」 ⦅B⦆フクロウ Owl. (出典:知里動物編、方言:)
nikursut/nikursutu(hu)
ニクㇽスッ/ニクㇽストゥ(フ) 【ni-kur-sut/-sutu(hu)】 木の根元.▷ニ=木 クㇽ=蔭 スッ=根元 (出典:萱野、方言:沙流)
nimakkotuk
ニマㇰコトゥㇰ §325 サイハイラン (1) nimakkotuk (ni-mák-ko-tuk)「ニまㇰコトゥㇰ」[nimak(歯)ko(に)tuk(つく)] 塊茎 ⦅長万部、虻田、幌別、白老、鵡川、穂別、平取、名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
nimaktur(-i)
ニマㇰトゥㇽ §583.はぐき;しぎん(歯齦)(5)nimak-tur(-i)〔ni-mák-tur ニまㇰトゥㇽ〕[歯・垢]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nimakutur(-u)
ニマクトゥㇽ §589.歯間nimak-utur(-u)〔ni-má-ku-turニまクトゥㇽ〕[nimak(歯)+utur(間)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nipestu
ニペㇱトゥ 【nipes-tu】 シナ皮の屑. (出典:萱野、方言:沙流)
nisaptuypok(-i)
ニサㇷ゚トゥイポㇰ §330.こぶら;こむら;腓;腓腸筋(6)nisap-tuypok(-i)〔ni-sáp-tuǐ-pok ニさㇷ゚トゥイポㇰ〕[nisap(むこおずね)+tuypok(うら)]⦅テシオ、ナヨロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nisewtuki
ニセウトゥキ 【nisew-tuki】 小型杯,形の小さい杯:漆器.▷ニセウ=どんぐり トゥキ=杯 →どんぐりのへたのような形をしている杯 図[ニセウトゥキ] (出典:萱野、方言:沙流)
nísutu(hu)
ニストゥ(フ) 【名】[所](概は nísut ニスッ) …の内側の歯茎。 ku=nisutu kapu soske クニストゥ カプ ソㇱケ 私の内側の歯茎の皮がむけた。(S) (出典:田村、方言:沙流)
tumam
ニトゥマㇺ 【名】[概](所は nítumama(ha) ニトゥママ(ハ))[ni-tumam 木・胴][植物] 木の幹。 {E: the trunk of a tree.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nitumam/nitumama(ha)
ニトゥマㇺ/ニトゥママ(ハ) 【ni-tumam/-tumama(ha)】 幹.▷ニ=木 トゥマㇺ=幹 (出典:萱野、方言:沙流)
tumama(ha)
ニトゥママ(ハ) 【名】[所](概は nítumam ニトゥマㇺ) …(木)の幹、 その木の幹。 {E: the trunk of…} (出典:田村、方言:沙流)
tus 1
ニトゥㇱ 【自動】[nit-us 柄・ついている] 柄(え)がついている。 ☆発音 nitus ニトゥㇱ《茎が太い》とはアクセントが違う。 {E: to be patterned; designed.} (出典:田村、方言:沙流)
nitus 2
ニトゥㇱ 【自動】[nit-us 茎・ついている](?) 茎が太い。 kími nitus ruwe! キミ ニトゥㇱ ルウェ! トウモロコシの茎が太くできてるなあ。(S) nitus kina ニトゥㇱ キナ 茎の太い草。 ☆発音 nítus ニトゥㇱ《柄がついている》とはアクセントが違う。 ☆参考 木に関しては言わない。 太い木は ruwe cikuni ルウェ チクニ 。 トウモロコシの実がよくできているのは pusi pirka プシ ピㇼカ。(S) ☞us ウㇱ 4 {E: for stems to be thick.} (出典:田村、方言:沙流)
tuye
ニトゥイェ 【自動】[ni-tuye 木・を切る] まき/たきぎを切る(長い木を、 火にくべるのに適した長さに切る)。 ☆参考 nína ニナ まき/たきぎを採って来る。 {E: to cut firewood.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nituye
ニトゥイェ 【ni-tuye】 伐採:樹木を切ること. (出典:萱野、方言:沙流)
niwenitunnap
ニウェンイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (21) niwen-itunnap(ni-wén-i-tun-nap)「ニうェンイトゥンナㇷ゚」⦅名寄、旭川⦆アカヤマアリ (出典:知里動物編、方言:)
niyatus
ニヤトゥㇱ 【名】[ni-at-us 木・紐/つる(持つところ)・ついている] 手桶。 ☆参考 水を汲むのに使う。 {E: a pail.} (出典:田村、方言:沙流)
niyatus
ニヤトゥㇱ 【niyatus】 木の皮の器,木の皮のバケツ,手桶. (出典:萱野、方言:沙流)
niyetu
ニイェトゥ 【名】にきび。 niyetu us ニイェトゥ ウㇱ にきびができる/できている。(W) {E: pimples.} (出典:田村、方言:沙流)
niyetu
ニイェトゥ 【niyetu】 にきび. (出典:萱野、方言:沙流)
niyutur
ニユトゥㇽ 【名】[概](所は niyuturke ニユトゥㇽケ)[ni-utur 歯・の間][古] 歯の間。 ☆参考 今の言葉では mimakutur[概]/mimakuturu[所] ミマクトゥㇽ/ミマクトゥル。 {E: the gap, space between teeth.} (出典:田村、方言:沙流)
niyuturke
ニユトゥㇽケ 【名】[所](概は niyutur ニユトゥㇽ)[古] …の歯の間、 彼の歯の間。 niyuturke sep ニユトゥㇽケ セㇷ゚ 歯の間が広い。(S)no ノ 1【接助】(動詞/動詞句の後に置かれて副詞句をつくる。) ①(肯定で)…するままで、 …するように、 …するほど(その他、 文脈によっていろいろに訳せる)。 hu no e=e siri? フ ノ エエ シリ? (S) 生で食べてるの? nep ka a=emína no a=ewtastasa hawe ka ネㇷ゚ カ アエミナ ノ アエウタㇱタサ ハウェ カ 何か笑うように(こっけいなことを)言い合うのも。(S会話) síno nitan kur anak na cup ri híne sirepa no a=kotánu kucacise or wa sirhanke p ne シノ ニタン クㇽ アナㇰ ナ チュㇷ゚ リ ヒネ シレパ ノ アコタヌ クチャチセ オㇿ ワ シㇼハンケㇷ゚ ネ 非常に足の速い人ならまだ日が高いうちに着くぐらい私の村は狩小屋から近いのです。(NK民話) ②(否定で)somo…no ソモ…ノ …せずに。 sekor somo hése no hawean セコㇿ ソモ ヘセ ノ ハウェアン …と息もつかずに言った。(S民話) korka a=nu ka somo ki no a=sikéhe a=kor híne ahun=an コㇿカ アヌ カ ソモ キ ノ アシケヘ アコㇿ ヒネ アフナン しかし私は(その言葉を)聞きもせずに荷物を持って家の中に入った。(W民話) iteki…no イテキ…ノ …せずに(…せよ)。 iteki cis no mokor イテキ チㇱ ノ モコㇿ 泣かないで眠りなさい。(S)ほか 子守歌 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nokietupsi
ノキエトゥㇷ゚シ 【noki-etupsi】 軒先. (出典:萱野、方言:沙流)
nonkitura-amam
ノンキトゥラアマㇺ 【名】[nonki-tura-amam のぎ・を伴う・穀物/米] もみ。 {E: unhulled rice.} (出典:田村、方言:沙流)
notahuy(-e) pututu
ノタフイ プトゥトゥ §176.顔をしかめる;しかめ画する;渋面つくる(4)ふくれずらをしている notahuy(-e) pututu〔no-tá-Fuǐ|pu-tú-tu ノたフイ・プとぅトゥ〕[notahuy(ほっぺた)+pututu(突き出している)]⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nottu
ノットゥ 【名】[概/所] 岬、 陸地の細くとがって海へ突き出ている所(「でさき/でっちゃき」)。 {E: a cape; headland.} (出典:田村、方言:沙流)
nottu
ノットゥ 【nottu】 人中(じんちゅう)の下端:上唇の真ん中の舟のような形のくぼみを人中といい,その下端の部分をノットゥ(岬)という. (出典:萱野、方言:沙流)
nottu
ノットゥ 【nottu】 岬. エルㇺ ネㇷ゚カ タタ コㇿ コナハ(ク・オナハ) エネ ハワニ エルㇺカムイ ノ トノケヘ エルㇺ ノットゥ タ アン ペ ネ ナ.エチ・コヨンヌッパ ナ シコㇿ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ ペ ネ=ネズミが何か物をかじったら私の父が言ったのは.ネズミの神の最も偉い神は襟裳の岬にいるものだ.お前をそこへ訴えるぞ,と言っていたのを聞いたものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
nottuhu
ノットゥフ 【名】[所](概は nottu ノットゥ)…の岬。 Moruran nottuhu モルラン ノットゥフ 室蘭の岬。 Níkap nottuhu ニカㇷ゚ ノットゥフ 新冠(にいかっぷ)の岬。 (出典:田村、方言:沙流)
notutontare
ノトゥトンタレ §340.さむけ[がする];悪寒[がする](8)悪寒で歯ががたがたする not-utontare〔no-tú-ton-ta-re ノとゥトンタレ〕[not(あごが)+u(互いの)+tom(胴を)+ta(打た)+re(せる);あごがお互いに打ちあう]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nueyaytupa
ヌエヤイトゥパ 【nu-eyaytupa】 開きたがる.▷ヌ=聞く エヤイトゥパ=〜したがる (出典:萱野、方言:沙流)
numasut/numasutu(hu) 1
ヌマスッ/ヌマストゥ(フ) 【numa-sut/-sutu(hu)】 ①毛根. (出典:萱野、方言:沙流)
numasut/numasutu(hu) 2
ヌマスッ/ヌマストゥ(フ) 【numa-sut/-sutu(hu)】 ②できもの:毛の根に出来る小さいできもの.このできものにはネㇷ゚キヌマスッ(働くできもの:働くと痛くない),トランネヌマスッ(骨惜しみできもの:働かなければ痛まない)の2種類あるものである. (出典:萱野、方言:沙流)
numatus
ヌマトゥㇱ 【numa-tus】 着物の襟. (出典:萱野、方言:沙流)
numtumasi
ヌㇺトゥマシ 【名】[num-tumasi 粒・の中のとびとびにいくつか] 全体のうちのあるいくつかの粒。 tanpa anak sir-sum wa numtumasi patek rupne, numtumasi nokan タンパ アナㇰ シㇼスㇺ ワ ヌㇺトゥマシ パテㇰ ルㇷ゚ネ、 ヌㇺトゥマシ ノカン 今年は不作で、 たまには大きい粒もあるが粒によっては小さい。 ci=suwe amam numtumasi péne numtumasi kawnu チスウェ アマㇺ ヌㇺトゥマシ ペネ ヌㇺトゥマシ カウヌ 私たちの炊いたごはんは一部分はびちゃびちゃで一部分は芯がある。 {E: a portion; a part of.} (出典:田村、方言:沙流)
nupe tum wa imasasa=an kane
ヌペトゥㇺワ イマササアンカネ 【nupe-tum-wa i=masasa-an-kane】 涙の中からにらみつける. ▷ヌペ=涙 トゥㇺ=中 ワ=から イマササ=にらむ アン=私がする カネ=して *ユカㇻの中で,刺繍の下手な妹に,本人には姉や兄が,上手だ上手だと誉めておきながら,陰を向いてはくすくす笑うので,それを見た妹が泣きながら兄たちをにらんでいる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
nupe turano
ヌペ トゥラノ 【nupe tura no】 涙ながらに,涙とともに. (出典:萱野、方言:沙流)
nupekoisamtuypa
ヌペコイサㇺトゥイパ §475.ただれる;びらんする(2)涙で目のふちがただれている nupe-ko-i-sam-tuypa〔nú-pe-ko-i-sam-tuǐ-pa ぬペコイサㇺトゥイパ〕[nupe(涙)+ko(で)+i(それの、=目の)+sam(側)+tuypa(ただれている)] (出典:知里人間編I、方言:)
nuptomotuye
ヌㇷ゚トモトゥイェ 【自動】[nup-tomotuye 平地・を横切る] 野原を横切る。 {E: to cross a field.} (出典:田村、方言:沙流)
nupurisut/nupurisutu(hu)
ヌプリスッ/ヌプリストゥ(フ) 【nupuri-sut/-sutu(hu)】 山麓,山のふもと. (出典:萱野、方言:沙流)
nuytotu
ヌイトトゥ 【名】[nuyto-tu 糸・糸の一本一本] 糸の一本一本。 sine nuytotu シネ ヌイトトゥ 一本の糸。 nuytotu pakno an ヌイトトゥ パㇰノ アン 糸ほどの太さだ。(S) {E: strands of thread.} (出典:田村、方言:沙流)
oattapsutu(hu)
オアッタㇷ゚ストゥ(フ) 【名】[所](概は oattapsut オアッタㇷ゚スッ) …の片肩。 {E: a shoulder of…} (出典:田村、方言:沙流)
oattusa
オアットゥサ 【oar-tusa】 片袖. (出典:萱野、方言:沙流)
oattuye
オアットゥイェ 【oar-tuye】 さっと斬る. タネ タネ イ・トゥイェ ノイネ イキ ヒクス ホㇱキルイノ ア・オアットゥイェ=今にも今にも私を斬りそうにしたので,私のほうが先にさっと斬った.パッ(パㇿ) タクㇷ゚ イヨアットゥイェ(イ・オアットゥイェ) ワ ネㇷ゚ ア・カレ ヤッカ エアッペネ ㇷ゚ ネ=口ばかりは私を斬るほど達者なくせに,何を作らせても下手くそな者だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
oattuykes(-i)
オアットゥイケㇱ §026.妹(8)oattuykes(-i)〔o-át-tuǐ-keš オあットゥイケㇱ〕⦅シラウラ、アイハマ⦆【雅―tuitak(昔話)において】妹(兄が妹に対して用いる)。[<oar(片方の)+tuy(腹)+kes(末)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
oatu(-an)
オアトゥ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(52)淫水[を出す];射精[する] o-atu(-an)〔o-á-tu オあトゥ〕[o(陰部)+atu(へどを吐く)]⦅ホべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oatuwakka
オアトゥワッカ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(53)淫水 o-atu-wakka〔o-á-tu-wak-ka オあトゥワッカ〕[陰部が・吐いた・水]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ohetu
オヘトゥ 【他動】[単](複は ohetpa オヘッパ) …を口やのどから吐き出す、 びんの口から出す(細いところに入っているものを)。 iteki ruki no ohetu! イテキ ルキ ノ オヘトゥ! 飲み込まないで吐き出しなさい。(S) tokkuri or wa ohetu トックリ オㇿ ワ オヘトゥ びんから流し出しなさい。(S) kikir ku=seru ku=rekuci osma a korka k=óhetu wa k=étopse wa isam キキㇼ クセル クレクチ オㇱマ ア コㇿカ コヘトゥ ワ ケトㇷ゚セ ワ イサㇺ 私は虫を吸い込んでのどに入ったけれど咳ばらいしてペッと吐き出してしまった。(S) ☆参考 胃から吐くことは atu アトゥ [自動]/eatu エアトゥ [他動]。 口の中の小さな異物を口先からフッと吐き出すことは ewar エワㇻ。 舌先でペッと吐き出すことは etopse エトㇷ゚セ。 {E: to throw up, spit out…; for…to gush, spill out.} (出典:田村、方言:沙流)
ohetu
オヘトゥ 【ohetu】 食べ物を口から出す. イテキ オヘトゥノ エ=口から出さずに食べろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ohetuku
オヘトゥク 【他動】[o-hetuku…に・生える]…に生える。 pet kenas ka e=ohetuku ペッ ケナㇱ カ エオヘトゥク おまえは川の山岸の上に生えた(イケマ(ikema イケマ)という草の根を食べて仮死した人を蘇生させるためにそのイケマを叱ってまじないをする時の言葉の一部)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
ohturi
オㇹトゥリ §135.うなじ;えりくび(7)ohturi〔óh-tu-ri おㇹトゥリ〕[<oh-ruru、ただしturi「伸ばす」に連想したのであろう]⦅チライ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ohurkotuype
オフㇽコトゥイペ §295 カラハナソウ (2) ohurkotuype (o-húr-ko-tuy-pe)「オふㇽコトゥイペ」[o(尻)hur(土手)ko(に)tuy(ぶら下がっている)pe(もの)] 根 ⦅名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ohurkotuypemun
オフㇽコトゥイペムン §295 カラハナソウ (3) ohurkotuype-mun (o-húr-ko-tuy-pe-mun)「オふㇽコトゥイペムン」[オフルコトゥイペのついている草の義] 茎葉 ⦅A十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)
oimahtuh(k-an)
オイマㇵトゥㇷ §372.じ(痔);痔疾(4)いぼ痔[をわずらう];痔核をわずらう oimahtuh(k-an)〔o-í-mah-tuh オいマㇵトゥㇷ〕[<o(尻)+imak(歯)+tuk(出る)]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oimanit-turasire
オイマニットゥラシレ 【他動】[o-imanit-turasi-re その尻・焼き串・…に縦に沿う・させる][雅](魚)に焼き串を(縦に)さす。 ☞oturaste オトゥラㇱテ (出典:田村、方言:沙流)
okaturaynu
オカトゥライヌ 【oka-turaynu】 見失う. マチヤ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エイタサ アイヌ インネ ㇷ゚ ネ クス ク・トゥラ クㇽ ヤアニ ヤアニ コカトゥライヌ(ク・オカトゥライヌ)=町ではあまりにも人が多いので一緒に行った人を危なく危なく見失うところだった. (出典:萱野、方言:沙流)
okikurmi turesmat
オキクㇽミ トゥレㇱマッ 【okikurmi tures-mat】 オキクルミの妻の名前. (出典:萱野、方言:沙流)
oksut/oksutu(hu)
オㇰスッ/オㇰストゥ(フ) 【oksut/oksutu(hu)】 襟首:襟首から後頭下部にかけての部分,襟足,ぼんのくぼ. (出典:萱野、方言:沙流)
oksutu tapsutu ukoyupyupke
オㇰストゥ タㇷ゚ストゥ ウコユㇷ゚ユㇷ゚ケ §288.けいれんする(痙攣する)(14)衿首と肩先がひくひく動く oksutu tapsutu uko-yupyupke〔ók-su-tu|táp-su-tu|u-kó-jup-jup-ke おㇰストゥ・たㇷ゚ストゥ・ウこユㇷ゚ユㇷ゚ケ〕[okusutu(その衿首)、tapsutu(その肩先)、u-ko(相・共に)+yupyupke(ひくひくする)]⦅チカブミ、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oksutu(hu)
オㇰストゥ(フ) 【名】[所](概は oksut オㇰスッ)…のえり首から後頭下部にかけての部分、 首すじ。 oksutu cimesu オㇰストゥ チメス えり足に毛がない。(S) {E: the nape of the neck of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oktus(-u)
オㇰトゥㇱ §135.うなじ;えりくび(6)oktus(-u)〔ók-tus おㇰトゥス〕[oksutの音位転換]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
okuyetunnay
オクイェトゥンナイ 【okuy-e-tunnay】 小便で弧を描く.▷オクイ=小便 エ=それで トゥンナイ=弧を描く (出典:萱野、方言:沙流)
omihi sutuhkehe
オミヒ ストゥㇷケヘ §465.そけいぶ(鼠蹊部);もものつけね(6)omihi sutuhkehe〔o-mí-hi-su-túh-ke-he オみヒ・スとぅㇷケへ〕[omihi(彼のふともも)+sutuhkehe(そのつけねの所)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
omkursutu(hu)
オㇺクㇽストゥ(フ) 【名】[所](概は omkursut オㇺクㇽスッ)[om-kursutu 腿(もも)・根元] …のもものつけ根(前側)。 ☆参考 内またのもものつけ根は císutu チストゥ。 {E:the groin of…} (出典:田村、方言:沙流)
omtuypok(-i)
オㇺトゥイポㇰ §805.ももの裏側om-tuypok(-i)〔óm-tuǐ-pok おㇺ・トゥイポㇰ〕[om(もも)+tuypok(裏)]⦅チカブミ、テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
omuntumus
オムントゥムㇱ 【自動】[o-mun-tum-us その尻・ごみ・の中・についている] 掃除をしないでほこりだらけの中にいる。(S) {E: to be in a neglected, filthy room.} (出典:田村、方言:沙流)
onimahtuh(k-an)
オニマㇵトゥㇷ §372.じ(痔);痔疾(5)いぼ痔[をわずらう];痔核をわずらう onimahtuh(k-an)〔o-ní-mah-tuh オにマㇵトゥㇷ〕[<o-nimak-tuk 尻・歯・出る]⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
onintuh(k-an)
オニントゥㇷ §839.淋巴腺が腫れる;ぐりぐりが出る(2)o-nin-tuh(k-an)〔o-nín-tuh オにントゥㇷ〕[o(↑)+nin(↑)+tuh(<tuk 出る)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
onitusi
オニトゥシ 【o-nit-usi】 サケの産卵口へ木の枝を差す. ▷オ=産卵口 ニッ=木 ウシ=差す(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
onkerah(-tu)
オンケラㇵ §484.たん(痰)(5)onkerah(-tu)〔óŋ-ke-rah おンケラㇵ〕[onke(咳)+rah(<rat 粘液)]⦅シラウラ、ニイトイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
onne nisa ku=kotuk
オンネ ニサ クコトゥㇰ 【onne-nisa ku=kotuk】 年寄りの身体に私はくっついた.▷オンネ=年寄り,老人 ニサ=空洞,身体 ク=私 コトゥㇰ=くっつく *昔は大勢の子供が生まれ,末っ子になると父親は年寄りに見えたし,そうであったであろう.ご近所のおとなたちは年をとった父親の懐に寝ている子供を冷やかし「オンネニサ ク・コトゥㇰ オンネニサ ク・コトゥㇰ」と言うとその意味をよく知らない子供もおとなの口真似をして「オンネニサ ク・コトゥㇰ オンネニサ ク・コトゥㇰ」と言ってあたりのおとなの笑いを誘った. (出典:萱野、方言:沙流)
onneitunnap
オンネイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (26) onne-itunnap(on-ne-i-tun-nap)「オンネイトゥンナㇷ゚」⦅本別⦆小形のアカアリ (出典:知里動物編、方言:)
onnetukusis
オンネトゥクシㇱ §074 アメマス (2) onne-tukusis(ón-ne-tu-ku-sis)「おンネトゥクシㇱ」[onne(親の)tukusis(♂)]⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
onturep'akam
オントゥレㇷ゚アカㇺ 【on-turep-akam】 ウバユリの干し団子:ウバユリの根の澱粉を発酵させたもの. トゥレㇷ゚ ア・タ ワ イルピヒ ア・ウㇰ ケセケヘ コㇿコニ ハㇺ ア・コカㇻカリ ワ ア・オンカ オントゥレㇷ゚アカㇺ ネ ア・カㇻ ワ ア・サッケ=ウバユリを掘って澱粉を取った残りをフキの葉にくるみ発酵させ,ウバユリ団子にして乾かす. (出典:萱野、方言:沙流)
oparatuy(-e)
オパラトゥイ §291.月経[が下りる、である](6)oparatuy(-e)〔o-pá-ra-tuǐ オぱラトゥイ〕[<o(陰部)+par(口)+atu(嘔吐する)+i(もの)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oputuye
オプトゥイェ 【他動】[単](複は oputuypa オプトゥイパ)(一つ)を押す。 {E: to push…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oputuye
オプトゥイェ 【oputuye】 押す,押しつける,突き飛ばす. コプトゥイェ(ク・オプトゥイェ)=私が押しつける.オプトゥイェ ワ カㇻカㇻセレ=突っ転ばす. (出典:萱野、方言:沙流)
oputuytektek
オプトゥイテㇰテㇰ 【他動】[oputuy-tektek 押す(oputuye オプトゥイェ の語基)・瞬間に…する] …をドンと押す、 (トラック等が人)にぶつかる。 ☆参考 木にぶつかる等、 普通「ぶつかる」ことは tom(o) osma トㇺ/トモ オㇱマ。 {E: to push…hard; bump into…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oripakruypatu itak kaynon yayko rukpa
オリパㇰルイパトゥ イタㇰ カイノン ヤイコ ルㇰパ §514.つば(唾);よだれ(涎)(6)なまつばを呑み呑みする oripak-ruy-pa、tu itak kaynon yay-ko rukpa〔o-rí-pak-ruǐ-pa|tu-í-tak-kaǐ-non|jáǐ-ko-ruk-pa オりパㇰルイパ・トゥいタㇰ・かイノン・やイコルㇰパ〕[oripak(おそれる、はばかる)、ruy(ひどく…する)、-pa(第三人称複数の語尾)、tu(何度も何度も)、itak(物を言う)、kaynon(生つばを)、yay(自分)、ko(で)、rukpa(のみこんだ)]「彼等はひどく恐れて、幾度も幾度も物を言おうとしては、なまつばをのみこんだ」⦅ユ研Ⅱ, p.279⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oromakutu
『オロマクツ』 §117 オオカサモチ、オニカサモチ (3) oromakutu『オロマクツ』 ⦅B⦆ (出典:知里植物編、方言:)
osetusi
オセトゥシ 【他動(?)】[o-set-usi その尻・台・…を…につける](野菜)をふかす/むす。 ☆参考 「昔の野草のふかし方は、 鍋の底に棒を何本も並べて入れ、 下に水を入れ、 その上に野草を入れる。」 (S) {E: to steam (vegetables).} (出典:田村、方言:沙流)
osnitus
オㇱニトゥㇱ 【名】[os-nit-us その後ろから・柄・が…についている] 鋤(すき)、 シャベル。 {E: a spade; a shovel.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osokotuype
オソコトゥイペ 【名】[o-so-ko-tuy-pe その尻・床(ゆか)・に対して・切れている・もの] 床(ゆか)を拭くことも出来ず、 敷物を編むことも出来ず、 掃くこともできない者(悪口)。 (出典:田村、方言:沙流)
osorpotur(-u)
オソㇿポトゥㇽ §796.もうこはん(蒙古斑)osor-potur(-u)〔o-sór-po-tur オそㇿ・ポトゥㇽ〕[尻・あざ]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
otop'etupsi
オトㇷ゚エトゥㇷ゚シ 【otop-etupsi】 髪の先. (出典:萱野、方言:沙流)
otopkautur
オトㇷ゚カウトゥㇽ 【otop-ka-utur】 前髪の間.▷オトㇷ゚=髪 カ=糸 ウトゥㇽ=間 *髪を顔の前へたらしてその内側から他人を見る. (出典:萱野、方言:沙流)
otoptu
オトㇷ゚トゥ §216.かみ(髪);かみのけ;頭髪(10)otop-tu〔o-tóp-tu オとㇷ゚トゥ〕[otop(↑)+tu(糸、絃)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
otoptukka
オトㇷ゚トゥッカ §220.髪を伸ばす(1)otop-tukka〔o-tóp-tuk-ka オとㇷ゚トゥッカ〕[otop(かみ)、tuk-ka(生え・さす)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
otoptuye-kikir
オトㇷ゚トゥイェキキㇼ 【名】[otop-tuye-kikir 髪の毛・を切る・虫][動物]カミキリ虫。 〔知分類 p.83 otoptuyep〕 {E: a long-horned beetle.} (出典:田村、方言:沙流)
otoptuyep
オトㇷ゚トゥイェㇷ゚ §112 カミキリムシ (8) otoptuyep(o-top-tu-yep)「オトㇷ゚トゥイェㇷ゚」⦅近文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
ottukar
オットゥカㇻ 【ottukar】 うめく:寝うなり.踏ん張り声(を出す). (出典:萱野、方言:沙流)
ottukar(-an)
オットゥカㇻ §134.うなされる(3)眠っていてウーンと長うなりする ottukar(-an)〔ót-tu-kar おットゥカㇻ〕[ottu(?)+kar(する)]⦅ホロべツ、ムカワ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ottunini
オットゥニニ 【自動】うなる(人間)(主に寝ていて。 また目を覚ましたときも)。 (出典:田村、方言:沙流)
otu
オトゥ 【連体/接頭辞】[< o-tu その尻(?)・二つの](通常は次の構文で) otu…ore/re… オトゥ… オレ/レ… 二つの… 三つの…=いくつもいくつもの…。 (後半の ore/re… オレ/レ… は省略されることもある。) otu siwenpa ore siwenpa オトゥ シウェンパ オレ シウェンパ 何回も何回もの叱りつけ。(S)ユカㇻ otu pa re pa オトゥ パ レ パ 二年も三年も(=何年も何年も)。(W民話) ☆参考 接頭辞と見られる場合が多いが、 視覚的に読みやすいようになるべく離して書く。 ☞ore オレ {E: two…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otu henkuror
オトゥ ヘンクロㇿ 【名】[otu henkuror 二つの・(?)](次の慣用表現の中で) otu henkuror koanu オトゥ ヘンクロㇿ コアヌ (ore henkuror オレ ヘンクロㇿ が省略された形。)…を(=…が来たことを)何度もうなずいて喜ぶ。 i=nukar a p sekor, ney wano i=amkir pe koraci, otu henkuror i=koanu i=omap a i=omap a イヌカラㇷ゚ セコㇿ、 ネイ ワノ イアㇺキㇼ ペ コラチ、 オトゥ ヘンクロㇿ イコアヌ イオマパ イオマパ (その神様は)私を見たとたんに、 どこかで私を見て私を前から知っているみたいに、 ニコニコと私を見てうなずきながら大喜びして私をだいたりなでたりしてかわいがってくれた。(W神謡語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otu henkuror ore henkuror
オトゥ ヘンクロㇿ オレ ヘンクロㇿ 【o-tu henkuror o-re henkuror】 そうかそうかとうなずきながら.▷オ=それ トゥ=ふたつ ヘンクロㇿ=うなずき オ=それ レ=三つ ヘンクロㇿ=うなずき (出典:萱野、方言:沙流)
otu ikinne ore ikinne
オトゥ イキンネ オレ イキンネ 【o-tu ikir-ne o-re ikir-ne】 2回も3回も. ヘマンタ エㇰ クス オトゥイキンネ オレイキンネ シエトコホ ソンコクㇱテ ハウェアン ケヌコㇱネ(ク・エヌコㇱネ)=何者が来るとて2回も3回も自分が来ることの予定を伝えるのか,私はしゃくにさわる. (出典:萱野、方言:沙流)
otu iwan suy ore iwan suy
オトゥ イワン スイ オレ イワン スイ 【o-tu iwan-suy o-re iwan-suy】 ふたつの6回三つの6度:何度も何度も. カニ アナㇰネ テ パㇰノ オトゥ イワンスイ オレ イワンスイ ア・エン・コカンタマ コㇿカ アイヌ コカンタマ カ ケアイカㇷ゚(ク・エアイカㇷ゚)=私は今までふたつの6回三つの6度(何度も何度も)だまされたけれど人をだますことは私はできない. (出典:萱野、方言:沙流)
otu kasinkop
オトゥ カシンコㇷ゚ 【名】[otu ka-sinkop 二つの・糸・結び目](次の慣用表現の中で) otu kasinkop/ore kasinkop/ranke ranke オトゥ カシンコㇷ゚/オレ カシンコㇷ゚/ランケ ランケ 二つも三つもの(=いくつもいくつもの)糸の結び目を下げ下げする(糸を紡ぐ/紐をよる様子の描写の表現、 叙事詩や民話など口承文学の中でよく使われる。) ☆参考 日常語で糸を紡ぐ/紐をよることは káeka カエカ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otu kespa ta ore kespa ta
オトゥ ケㇱパ タ オレ ケㇱパ タ 【o-tu kes-pa ta o-re kes-pa ta】 2年も3年も. イヨーハイ オトゥ ケㇱパ タ オレ ケㇱパ タ エン・コソウㇰ ワ アヌ アイネ イロイケㇱネ タネ パキタ ホシピレ エアイカㇷ゚ シコㇿ ホワーㇻ=たまげたものだ,2年も3年も私から借りておきながら,今になって戻すことができないって,ひえーっ驚いた. (出典:萱野、方言:沙流)
otu konniki ore konniki
オトゥ コンニキ オレ コンニキ 【o-tu-kor-niki o-re-kor-niki】 (刀で斬られて)着物がぼろぼろになる. (出典:萱野、方言:沙流)
otu nonsikay ore nonsikay ukaeruki
オトゥ ノンシカイ オレ ノンシカイ ウカエルキ §514.つば(唾);よだれ(涎)(7)なまつばを呑み呑みする o-tu non-sikay o-re non-sikay u-ka-e-ruki〔o-tú-non-ši-kaǐ|o-ré-non-ši-kaǐ|u-ká-e-ru-ki オとぅ・ノンシカイ・オれ・ノンシカイ・ウかエルキ〕[o-tu(幾度も幾度も)、non-sikay(なまつば<non-si-kaye-i 唾の砕けたもの、non「つば」 si「[自分を] kaye「砕く」 si-kay「自分を砕く」=「砕ける」 si-kaye-i「砕けたもの」、ただし、sikayには「木釘」の意があり、今の古老の中には釘でも呑むように生唾を呑みこむという意に解している者もあるようである)、o-re(幾度も幾度も)、non-sikay(なまつばを)、u-ka-e(お互い・の上・に、次から次へと引続いて)、ruki(呑みこむ)]「幾度も幾度も生唾を次から次へと呑みこんだ」⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
otu rusittok ore rusittok
オトゥ ルシットㇰ オレ ルシットㇰ 【o-tu-ru-sittoku o-re-ru-sittok】 九十九折[ユ]:うねうねと折れまがる山道.▷オ=それ トゥ=ふたつ ル=道 シットㇰ=肘 オ=それ レ=三つ ル=道 シットㇰ=肘 (出典:萱野、方言:沙流)
otu sanaske ore sanaske uwenoye
オトゥ サナㇱケ オレ サナㇱケ ウウェノイェ 【o-tu-san-aske o-re-san-aske u-e-noye】 礼拝する:両手を前へ出して2度3度礼拝する.アイヌ風の礼拝.▷オ=それ トゥ=ふたつ サン=出る アㇱケ=指 オ=それ レ=三つ サン=出る アㇱケ=指 ウ=互い ウェ=それ ノイェ=ねじり (出典:萱野、方言:沙流)
otu sannipe
オトゥ サンニペ 【名】[otu san-ipe 二つの・出る・刀身](?) (otu…ore … オトゥ… オレ… の構文で、 次の慣用表現の中で)いくつもの刀。 otu sannipe oresannipe owkauyru オトゥ サンニペ オレサンニペ オウカウイル 二振りも三振りもの(=何本もの)刀が重なるようにかけてあった。(NK民話) ☆参考 同様の文脈で otu santuka オトゥ サントゥカ もよく使われる。 しかしこの例で、 話者は otu santuka オトゥ サントゥカ と言いかけてからこのように言い直した。 ☆参考 nipe ニペ の用例はほかにはない。 sannipe サンニペ の用例もここにしか出てこない〔久辞典 557 nip n 柄、つか(注:原本では旧漢字)=sannip=tuka;759 sannip n つか、つかガシラ=sannipka=santuka〕。 {E: a number of swords.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otu santuka
オトゥ サントゥカ 【名】[otu san-tuka 二つの・出る・柄(つか)[< 日本語]](慣用表現の中で)いくつもの刀。 nispa mut pe/otu santuka/owkauyru ニㇱパ ムッペ/オトゥ サントゥカ/オウカウィル [雅]長者の佩くような立派な刀が何本もの柄(つか)が重なるようにたくさんかけてあった。 ☆参考 otu… ore… オトゥ…オレ…《二つも三つもの=いくつもいくつもの》の構文で使われるが、 この用例では ore… オレ… の部分が省略されている。 ☆参考 owkauyru オウカウィル の代りに ciwre kane チウレ カネ と言っているところもある。 (出典:田村、方言:沙流)
otu sasuysir
オトゥ サスイシㇼ 【名】[otu-sasun(?)-sir 二つの・子孫(=san サン)(?)・様](次の言い回しの中で) otu sasuysir ore sasuysir céomare オトゥ サスイシㇼ オレ サスイシㇼ チェオマレ 二十代にも三十代にも続いて(=何代にも続いて)、 大昔から今に至るまで、 末永く。(S独話) ☆参考 ore sasuysir オレ サスイシㇼ が言われず、 otu sasuysir céomare オトゥ サスイシㇼ チェオマレ だけのこともあるが意味は同じである。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otu sasuysir ore sasuysir
オトゥ サスイシㇼ オレ サスイシㇼ 【o-tu sasuysir o-re sasuysir】 悠久に,永遠に. (出典:萱野、方言:沙流)
otu siwenpa ore siwenpa sirotappa
オトゥ シウェンパ オレ シウェンパ シロタッパ 【o-tu-si-wen-pa o-re-si-wenpa sir-otappa】 ひどい悪口を言う.▷オ=それ トゥ=ふたつ シ=本当 ウェン=悪い パ=言葉 オ=それ レ=二つ シ=本当 ウェン=悪い パ=言葉 シㇼ=あたり オタッパ=こぼす,溢れ出させる (出典:萱野、方言:沙流)
otu suy re suy
オトゥ スイ レ スイ 【o-tu suy re-suy】 2回も3回も. ソモ ヨㇺネ ノ オトゥ スイ レ スイ ウェン プリ コㇿ ヒ ネ クス タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ カムイ オㇿ ワ ア・パㇻコアッテ ㇷ゚ ネ ナンコㇿ ワ=懲りもせず2回も3回も悪いことをするのだから今回の場合は神様から罰を与えられるでありましょう.ネウン ア・キㇰキㇰ ヤッカ ヨㇺネ カ ソモ キ ノ オトゥ スイ レ スイ イッカ ハウェ コクンヌレ(ク・オクンヌレ)=どのように殴られても懲りもしないで2回も3同も盗っ人をしているとは,私はあきれてしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
otu suy/otusuy
オトゥ スイ/オトゥスイ 【副】[otu-suy 二つの・回](otu… ore/re… オトゥ… オレ/レ… の構文で)otusuy resuy オトゥスイ レスイ 二回も三回も(=何回も)。 otusuy resuy hepoki kor an オトゥスイ レスイ ヘポキ コラン (あの人は)何回も頭を下げている。(W) otu suy konna ore suy konna オトゥ スイ コンナ オレ スイ コンナ [雅]二回も三回も(=何回も何回も)。 ☆参考 tusuy トゥスイ 二回。 tusuy resuy トゥスイ レスイ 二、 三回。 {E: twice; three times (any number of times).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otu tapkanru
オトゥ タㇷ゚カンル 【名】[雅][otu-tapkar-ru 二つの・(踏舞の一種)・通った跡](otu…ore… オトゥ…オレ… の構文で)何回もの踏舞(両手を広げ一歩一歩進んでいく踊り)。 otu tapkanru ore tapkanru uciwpare オトゥ タㇷ゚カンル オレ タㇷ゚カンル ウチウパレ 両手を広げ一歩一歩進む踊りを何回も何回もくり返した(叙事詩や昔話で、 神が人間の国でしばらく暮らした後、 天の国へ帰るために鳥の姿になるときのシーン)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otu tapkanru ore tapkanru
オトゥ タㇷ゚カンル オレ タㇷ゚カンル 【o-tu tapkar-ru o-re tapkar-ru】 ふたつの舞三つの舞.▷オ=それ トゥ=ふたつ タㇷ゚カㇻ=舞 ル=道 オ=それ レ=三つ タㇷ゚カㇻ=舞 ル=道 (出典:萱野、方言:沙流)
otuhtuhponi
オトゥㇷトゥㇷポニ §151.尾の骨(3)びろこつ otuhtuh-poni〔o-túh-tuh-po-ni オとゥㇷトゥㇷポニ〕[o(尻)+tuhtuh(?)+poni(骨)]⦅シラウラ⦆〔動物殊にウサギのごとく短い尾について言う〕 (出典:知里人間編I、方言:)
otukukke
オトゥクッケ 【otukukke】 埋まる. チㇱ ワ パテㇰ アン メノコ ネ ノイネ シㇰラㇷ゚ タクㇷ゚ エオトゥクッケ カネ アン=泣いてばかりいる女らしく,まつげだけが見えるほどまぶたがはれている.*このような表現の時にだけ聞く.他の物が埋まる場合は オムッテㇰ. (出典:萱野、方言:沙流)
otum(m)us(u)
オト(ン)ムス、オトムㇱ §129 ハエ類  ニクバエ科 Sarcoph (4) otum(m)us(u)「オト(ン)ムス、オトムㇱ」[<ota-un-mos ?]⦅真岡⦆ (出典:知里動物編、方言:)
otupekare
オトゥペカレ 【他動】…を節約してわずかずつ使う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otupekare
オトゥペカレ 【otupekare】 粗末にしない,大切にする:あるものを1度に食べてしまわずに大切にする. タンパ アナㇰネ ポロワッカ カ アン アエㇷ゚ ハイタナ.ネㇷ゚ アエㇷ゚ ネ ヤッカ オトゥペカレ ノ スパ アニー=今年は洪水もあったりしたので食べ物が足りない.どんな食べ物でも粗末にしないように煮てね.タンパ ケマン ワ アエㇷ゚ ハイタ ノイネ.エアㇻキンネ ク・ラムチュㇷ゚テㇰ アエㇷ゚ ア・オトゥペカレ ロー=今年は食べ物が足りないらしい.とっても心細いので食べ物を大事にしよう. (出典:萱野、方言:沙流)
otupkorpe
オトゥㇷ゚コㇿペ §095.いんぶ(陰部)(11)o-tup-kor-pe〔o-túp-kor-pe オとゥㇷ゚コㇿペ〕[o(陰部)+tup(二つ)+kor(もつ)]⦅ホべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oturaste
オトゥラㇱテ 【他動】[o turas(i) te その尻・…に縦に沿う・させる][雅](魚)を串に(縦に)さす。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
oturaysampe aniekote
オトゥライサンペ アニエコテ 【o-tu-ray-sampe a-ni-ekote】 息を凝らす,じっと息を止める[ユ].▷オ=それ トゥ=ふたつ ライ=死 サンペ=心 ア=私 ニエコテ=つける →死んだような心に私はなった (出典:萱野、方言:沙流)
oturaysanpe ekote
オトゥライサンペ エコテ 【他動】[慣用他動詞句](…しては)大変だと思う。 a=oráwki kuni oturaysanpe a=ekóte hi kusu アオラウキ クニ オトゥライサンペ アエコテ ヒ クス 私は彼を見失っては大変だと思ったから。(HC民話) {E: to think for… to happen, occur would be disastrous, awful.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otusaspeci
オトゥサㇱペチ 【o-tu-sas-peci】 縦に裂かれたふたつの昆布. ▷オ=それ トゥ=ふたつ,2枚 サㇱ=昆布 ペチ=縦裂き オトゥサㇱペチ オレサㇱペチ アオプㇱナ ラチッケペコロ=2枚の昆布の縦裂きを,3枚の昆布の縦裂きを,体からぶら下がったそれと同じに. *ユカㇻの中でポンヤウンペが戦いの相手に斬られて,着ている物が縦に切り裂かれた昆布のようにと,描写されている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
otuseat
オトゥセアッ 【自動】[o-tus-e-at その尻が・綱・で・掛かる] 綱で掛かって(下げられて)いる。 {E: to hang with, in a net.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otuseatte
オトゥセアッテ 【他動】[o-tus-e-at-te その尻・綱・で・掛かる・させる] 綱で掛ける(下げる)。 {E: to hang with, in a net.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otusihka
オトゥシㇶカ §056.頭の後部;後頭部(9)otusihka〔ó-tu-šiç-ka おトゥシㇶカ〕[<oh-tusi-ka;ok(うなじ)、ru(頭髪)、us(群生している)、-i(所)、ka(〔の〕表面)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
otusihkaaraka
オトゥシㇶカアラカ §056.頭の後部;後頭部(11)後頭痛 otusihka-araka〔ó-tu-šiç-ka-a-ra-ka おトゥシㇶカ・アらカ〕[後頭部が・痛む]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
otusmak
オトゥㇱマㇰ 【自動】[o-tusmak その尻・競争する] 好色である(男についての悪口、 「あまり女に会ったこともないもんだからだれでもめくされ(目腐れ)でも何でもなぐさめる」)。(S) {E: to lust (male slang).} (出典:田村、方言:沙流)
otutanu
オトゥタヌ 【後副/副】①その次に。 otutanu ek kur オトゥタヌ エㇰ クㇽ 次に来た人。(S) ②(連体的に使われて)次の。 otutanu kur オトゥタヌ クㇽ 次の人。(S) otutanu-askepet オトゥタヌアㇱケペッ【名】[概](所は otutanu-askepeci オトゥタヌアㇱケペチ)[次の・指]薬指。 {E: ①in the next place; after; next. ②next; following.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otutanu
オトゥタヌ 【otutanu】 次に. テエータ アン アミㇷ゚ アナㇰネ ユㇰウㇽ オトゥタヌ アン ペ アットゥㇱ オトゥタヌ アン ペ ヤヤン センカキ ネ=ずっと昔の着物は鹿皮,次はオヒョウの皮で織った着物,次は普通の木綿ものてあった.クカ アナㇰネ カパイ イヨッタ ピㇼカ.オトゥタヌㇷ゚ パㇱクㇽエㇷ゚ プンカㇻ カプフ ア・ソソ ワ ア・エイワンケ ㇷ゚ ネ.ク アナㇰネ クネニ アニ ア・カㇻ ペ ネ=弓弦はムカゴイラクサが一番いい.次にいいのはツルウメモドキのつるの皮を剥いで使うものだ.弓はイチイの木で作るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
otuunu
オトゥウヌ 【複他動】[o-tu-unu その尻・糸(弦)・に…をつける][雅](弓)に(矢)をつがえる(=otuuyruke オトゥウイルケ)。 túrus pon ku/túrus pon ay/apiskatu apiska/otuunu wa トゥルㇱ ポン ク/トゥルㇱ ポナイ/アピシカトゥ アピシカ/オトゥウヌ ワ きたない小さな弓にきたない小さな矢をつがえて。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
otuuyruke
オトゥウイルケ 【複他動】[o-tu-uyruke その尻・糸(弦)に…をつける][雅](弓)に(矢)をつがえる(=otuunu オトゥウヌ)。 pirka pon ku/pirka pon ay/otuuyruke ピㇼカ ポン ク/ピㇼカ ポナイ/オトゥウイルケ[雅] 立派な小さい弓に立派な小さい矢をつがえて。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
otuwasi
オトゥワシ 【他動】…に白羽の矢を立てる(?)、 …を見込んで頼りにする(?)。 eci=otúwasi エチオトゥワシ 「あんたでなけりゃならんと思う。」 (S) {E: to expect, rely on…} (出典:田村、方言:沙流)
otuwasi
オトゥワシ 【otuwasi】 信頼する,見こみがある. アレㇰアイヌ ク・カㇻク タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ エチ・オトゥワシ ナ.コイカウン ニㇱパ ウタㇻ エ・トモッ ワ エン・コレ アニー=甥である清太郎よ,この度はお前を信頼する.静内の人たちへの応対はよろしく頼む.*昭和10年頃平取村小平という所に父のいとこ姉トマアッノという人の夫である静内出身の月元という人が水死した.その時のウニウェンテ(神々の油断をたしなめる行事)の時,鹿戸ヨンケという人が私の父アレㇰアイヌ(清太郎)に頼んだ言葉.父はその時44歳くらい.ヨンケさんは沙流川でも有名な雄弁家であったが静内から来た人たちへの応対を父に託した. (出典:萱野、方言:沙流)
otuy
オトゥイ 【自動】[o-tuy その尻・切れる](?) (埃が)たまる。 tanukay e=pirpa ka e=nupa ka somo ki a noyne pana otuy wa an タヌカイ エピㇼパ カ エヌパ カ ソモ キ ア ノイネ パナ オトゥイ ワ アン この辺をあなたは拭きも掃きもしなかったらしく埃がたまっている。(S) {E: to be covered in dust.} (出典:田村、方言:沙流)
otuye
オトゥイェ 【他動】[単](複は otuypa オトゥイパ)[o-tuye その尻・を切る](稲や草)を根元から刈る。 (小さい木)を根元から(一切りに)切る。 amam otuye アマㇺ オトゥイェ 稲を刈る。 munciro nit otuye ムンチロ ニッ オトゥイェ 粟の穂を摘み取ったあとの殻を刈る。 ☆参考 昔はヒエなどを根元から刈らずに穂摘みした。 ☞eca エチャ ☆参考 馬の餌などの草を刈ることは mósekar モセカㇻ [他動]、 ヨシ(葦)を刈ることは móse モセ [自動]と言う。 {E: to cut (grass; cereal crops etc).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otuye
オトゥイェ 【o-tuye】 刈る. シプㇱケㇷ゚ ムンチロ ピヤパ ア・チャ オカケ タ イナンカヨ カ ソモ ア・オトイェ ヤㇰネ オヤパ パイカㇻ ア・オトゥイェ エアイカㇷ゚ ナ タント ア・オトイェ ロ=イナキビ,アワ,ヒエを穂摘みしおわった後に,摘み終わった茎を刈らずに残すと来年の春刈ることができないので,今日刈ってしまいましょう. (出典:萱野、方言:沙流)
otuyke
オトゥイケ 【名】[o-tuy-hike その尻・切れている・もの](悪いやつを指すののしりの表現)「あん畜生」、 あの野郎。(W) néa a=wenhokuhu, sirunike otuyke, ene hawean hi ネア アアウェンホクフ、 シルニケ オトゥイケ、 エネ ハウェアン ヒ あの私の悪党亭主、 あん畜生、 あの野郎がこう言った。(W民話) ☆参考 sirunike シルニケ も同義。 {E: That fellow!; That rascal! (a derogatory remark.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otuymasirun
オトゥイマシルン 【副】[o-tuyma-sir-un その尻が・遠い・所・にある] 遠くから。 otuymasirun wano ku=hotku kane wa k=ek オトゥイマシルン マノ クホック カネ ワ ケㇰ 私は遠くからかがんで(腰を曲げて)来た。(S) {E: from afar.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otuypa
オトゥイパ 【o-tuypa】 刈り取る. (出典:萱野、方言:沙流)
otuyseta
オトゥイセタ §268 イヌ (31) otuy-seta (o-túy-se-ta)「オとゥイセタ」[‘尾のきれた犬’<o(尾)tuy(きれる)seta(イヌ)] ⦅北海道⦆尾がちぎれたように短いイヌ、または、尾の全くないイヌ。 (出典:知里動物編、方言:)
otuytuypa
オトゥイトゥイパ 【他動】[o-tuy-tuy-pa その尻が・を切る(tuye トゥイェ の語根)・(重複)・[複]](直訳すると)(二つ以上のものを)その尻を何回も切る。 kanpar otuytuypa カンパㇻ オトゥイトゥイパ 口を動かして雄弁に談判する。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
otuyu
オトゥユ §268 イヌ (21) otuyu (o-tú-yu)「オとゥユ」 ⦅相浜、白浦⦆雌イヌ (出典:知里動物編、方言:)
Ouhuy-sirka Ouhuy-níkapattus
オウフイ シㇼカ オウフイ ニカパットゥㇱ 【名】[< ouhuy-sirka ouhuy-níkap-attus こげた・刀のさや・こげた・木の皮(の)・厚司(あつし)] [固有名]すそこげ刀すそこげ厚司(または、こげ刀こげ厚司、人間の始祖アイヌラックル(Aynurakkur アイヌラックㇽ)の呼び名の一つ、その父神が天も地も燃やしながらかけめぐっていたことからつけられた)。(Sユーカラ) ☞ouhuy オウフイ (出典:田村、方言:沙流)
oyatuyo
オヤトゥヨ §053 ヒラメ (2) oyatuyo (o-yá-tu-yo)「オやトゥヨ」[oya(他の)tuy(腹)o(についている)] 成魚 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
oykahtura
オイカㇵトゥラ §108.陰部―男性性器の種類(7)かわかむり;包茎 oykahtura〔óǐ-kah-tu-ra おイカㇵトゥラ〕[o(陰茎)+i(それの)+kap(皮を)+tura(伴う)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
paketunas
パケトゥナㇱ 【pake-tunas】 告げ口をする,早口(である). エアㇻキンネ パケトゥナㇱ ペ アペフチカムイ ネ ヤㇰ ア・イェ クス イラマンテ エキㇺネ ウシ アペサㇺ タ ソモ ア・イェ ㇷ゚ ネ ナ=とっても告げ口が好きな者が火の神だというので狩のために山へ行く場所を火の前で言わないものだよ.アウン ウナㇻペ パケトゥナㇱ ペ ネ クス イタキペ ア・エランペウテㇰ=隣のおばさんは早口でしゃべるものだから言っている言葉の意味が私はわからない. (出典:萱野、方言:沙流)
paketunaskamuy
パケトゥナㇱカムイ 【pake-tunas-kamuy】 火の神:口の早い神. アペフチカムイ アナㇰネ シンナ レヘ パケトゥナㇱカムイ シコㇿ カ ア・イェ ㇷ゚ ネ=火の神を別の呼び名を口の早い神ともいう. (出典:萱野、方言:沙流)
pan niki tuye ka somo
パン ニキ トゥイェ カ ソモ 【pan niki tuye ka somo】 まくしたてる.▷パン=口 ニキ=ひだ トゥイェ=切る カ=も ソモ=しない →間をおかないでしゃべりまくる ソモ エㇰ アイネ エㇰ ペ ネ クス パンニキ トゥイェ カ ソモ キ ノ スンケ アㇱ ペ ソネ アㇱ ペ エハウカントゥㇽセ=しばらく来ないでいて来たものだから息もつかずにうその話や本当の話を声高にしゃべっている. (出典:萱野、方言:沙流)
pantukum(-i)
パントゥクㇺ §224.からだ(体);躯幹(22)下体[臍の辺から下、下肢を含む] pan-tukum(-i)〔pán-tukum ぱントゥクㇺ〕[pan(下方の)+tukum(=rukum 断片)]⦅S.⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
papussituriri
パプッシトゥリリ §266.口を尖らして不平顔をする(3)papus-situriri〔pá-puš|ši-tú-ri-ri ぱプㇱ・シとゥリリ〕[唇が・伸びている]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pápusturiri
パプㇱトゥリリ 【自動】[pápus-turiri 唇・を伸ばしている] 口をとがらせて唇を突き出ている。 hńta ruska he ki p pápusturiri ruwe an? フンタ ルㇱカ ヘ キㇷ゚ パプㇱトゥリリ ルウェ アン? 何を怒ってるんだか口をとがらしている。 ☞pápus パプㇱ {E: to pout the lips.} (出典:田村、方言:沙流)
papusturiri
パプㇱトゥリリ 【pa-pus-turiri】 ふくれっ面,むくれる. ア・コレ ㇷ゚ エラムホㇱキ ワ ヘ パプㇱトゥリリ ワ ソイネ シリ=やった物が気に入らないのかい,ふくれっ面して出て行ったのは. (出典:萱野、方言:沙流)
papusturiri(-an)
パプㇱトゥリリ §266.口を尖らして不平顔をする(1)papus-turiri(-an)〔pá-puš-tu-ri-ri ぱプㇱトゥリリ〕[唇を・伸ばしている]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
parateksetur(-u)
パラテㇰセトゥㇽ §525.手の甲;手背(4)paratek-setur(-u)〔pa-rá-tek-se-tur パらテㇰセトゥㇽ〕[paratek(手)+setur(背)]⦅ヒダカ東半⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
parotunas
パロトゥナㇱ 【自動】[paro-túnas 口[所]・早い] (直訳すると)口が早い=人のことを何でも聞くとあっちこっちに行って言う。(S) {E: to gossip.} (出典:田村、方言:沙流)
parumpeetukkasita
パルンペエトゥッカシタ §268 イヌ (41) parumpe-etukka-sita (pa-rúm-pe-e-tuk-ka-si-ta)「パるンペエトゥッカシタ」[<parumpe(舌を)etukka(突き出している)sita(犬)] ⦅美幌⦆こういうのは不良犬とされている (出典:知里動物編、方言:)
parumpeetupusi
パルンペエトゥプシ §386.ぜっせん(舌尖)(1)parumpe-etupusi〔pa-rúm-pe-e-tù-pu-ši パるンペ・エトゥプシ〕[舌・頭]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
parumpekunneturkesosita
パルンペクンネトゥㇽケソシタ §268 イヌ (40) parumpe-kunne-turkes-o-sita (pa-rúm-pe-kún-ne-tur-ke-so-si-ta)「パるンペくンネトゥㇽケソシタ」[<parumpe(舌に)kunne(黒い)turkes(ほくろ)o(ある)sita(犬)] ⦅美幌⦆舌に黒い点々のついているイヌ(こういう相のイヌは良犬とされている) (出典:知里動物編、方言:)
parusipetuntu
パルシペトゥントゥ 【par-usi-pe-tuntu】 梁の上にある柱. ▷パㇻ=梁の上の空間 ウㇱ=付く,ある トゥントゥ=柱 *家の材料の名前でチセマカニ(家を開く木)という長方形の骨組みで,雪の重さで屋根が潰れるのを防ぐために横になっている柱.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
patukuku
パトゥクク §266.口を尖らして不平顔をする(4)patukuku〔pá-tu-ku-ku ぱトゥクク〕[pa(口を)+tukuku(つきだしている)]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tum
パトゥㇺ 【名】[pa-tum 空気・の中] 大気の状態。 (次の表現の中で) pátum wen パトゥㇺ ウェン [大気の状態・悪い] ①空気がよくなくて衛生に悪い(=réra tum wen レラ トゥㇺ ウェン)。(S) ②伝染病がはやっている。(S) {E: ①unsanitary air. ②conditions for the spread of an infectious disease.} (出典:田村、方言:沙流)
patum
パトゥㇺ 【patum】 流行病. ネイタカ パトゥㇺ ネ マヌ ㇷ゚ スルㇽケ ヒ ア・ヌ コㇿ ウクリペ ア・ウㇰ ワ アパ オッタ(オㇿ タ) プヤㇻ オッタ ア・エウシ ワ ア・アヌ コㇿ パヨカカムイ ソモ ヘノイェ ㇷ゚ ネ=どこかで流行病が蔓延したと聞いたらヤツメウナギを取って来て戸とか窓に差しておくと病気の神がよらないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
patum(-i)
パトゥㇺ §697.ほうそう(疱瘡);てんねんとう(天然痘)(10)patum(-i)〔pá-tum ぱトゥㇺ〕[pa(年)+tum(中)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumare
パトゥマレ 【他動】[patum-a-re 悪い空気・座る・させる](?) 伝染病が移らないで素通りする。 a=un=patumare アウンパトゥマレ 私たちだけは(その病気に)かからない。(S) {E: to bypass a place so as not to pick up an infectious disease.} (出典:田村、方言:沙流)
patumkamuy
パトゥㇺカムイ §697.ほうそう(疱瘡);てんねんとう(天然痘)(12)疱瘡神 patum-kamuy〔pá-tum-ka-muǐ ぱトゥㇺカムイ〕[patum(疱瘡)+kamuy(魔神)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tupare
パトゥパレ 【他動】(キツネかなにか)を大声で追い払う。 {E: to drive…away in a big voice.} (出典:田村、方言:沙流)
tuware
パトゥワレ 【自動】ひからびている。 {E: to dry up.} (出典:田村、方言:沙流)
paykarmatumpe
パイカㇻマトゥンペ §270 キタキツネ、きつね (7) paykarmatumpe (páy-kar-ma-tum-pe)「ぱイカㇻマトゥンペ」[<paykar(春)matun(交配する?)-pe(もの)] ⦅幌別⦆春のキツネ (出典:知里動物編、方言:)
pehetuye
ペヘトゥイェ 【pehe-tuye】 水切り(する):洗った米をざるに上げて水を切る.▷ペ(ヘ)=滴 トゥイェ=切る シプㇱケㇷ゚ ピㇼケㇷ゚ フライェ ワ イチャリ オルン ヤンケ ワ ペヘトゥイェ ワ アヌ.ア・オッケ ワ シト ア・カㇻ ナ=イナキビの精白を洗ってざるに上げて水を切っておけ.搗いて団子を作るから. (出典:萱野、方言:沙流)
pehkutu
ペㇸクトゥ §014 ヨブスマソウ (7) pehkutu (péh-ku-tu)「ぺㇸクトゥ」[<pet-kutu] 茎 ⦅白浦、真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pekampekutu
ペカンペクトゥ §029 ハンゴンソウ ななつば (7) pekampe-kutu (pe-kám-pe-ku-tu)「ペかンペクトゥ」[pekampe(ヒシの実)kutu(円棒茎)] 茎 ⦅美幌、屈斜路、足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pekanpe-ewetusmak
ペカンペエウェトゥㇱマㇰ 【自動】[pekanpe-e-u-etusmak ヒシの実・のことで・互い・と競争する] 競い合ってヒシの実をとる。 {E: to fight over, contest for water chestnuts.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pekerkewtum
ペケㇾケウトゥㇺ 【peker-kewtum】 清い心,きれいな精神. (出典:萱野、方言:沙流)
pekkutu
ペックトゥ §014 ヨブスマソウ (6) pekkutu (pék-ku-tu)「ぺックトゥ」[<pet(川)kutu(筒)] 茎 ⦅白糠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pekutu
ペクトゥ §014 ヨブスマソウ (5) pe-kutu (pé-ku-tu)「ぺクトゥ」[pe(水)kutu(筒)] 茎 ⦅長万部、礼文華⦆ (出典:知里植物編、方言:)
pentukum(-i)
ペントゥクㇺ §224.からだ(体);躯幹(20)上体[臍の辺から上、首を除く] pen-tukum(-i)〔pén-tu-kum 舳ントゥクㇺ〕[pen(上方の)+tukum(=rukum 断片)]⦅S.⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
peraytukap
ペライトゥカㇷ゚ 【peray-tukap】 釣針. (出典:萱野、方言:沙流)
petosanputu
ペトサンプトゥ 【位名】[pet-o-san-putu 川・その尻・下る・河口][雅]川尻、 川の海への出口。 petosanputu/puskosanpa ペトサンプトゥ/プㇱコサンパ [雅]川尻でピュッと何か物音がする。(Sユーカラ) ☆参考 日常語では petput ペップッ[概]/petputu ペップトゥ[所]。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pettomotuye
ペットモトゥイェ 【自動/副】[pet-tomotuye 川・を横切る] ①[自動]川を越える、 川を渡る(=pet tomotuye ペッ トモトゥイェ)。 ②[副]川越しに、 川を越えて。 pettomotuye uhasekoyki p ペットモトゥイェ ウハセコイキㇷ゚ 川越しに柴木(しばき=細枝)でたたき合うもの(なぞなぞで、 答えは sikrapu シㇰラプ まつげ)。(S) {E: ①to cross a river. ②cross-river.} (出典:田村、方言:沙流)
pettomotuye
ペットモトゥイェ 【pet-tomo-tuye】 川を渡る:歩いて渡る. ペッ オハㇰ クナㇰ ク・ラム ワ ク・ペットモトゥイェ アクス オホイ アン ヒネ ク・オ テイネ=川が浅いと思って歩いて川を渡ったら,深い所があって,ちんちんも濡れた. (出典:萱野、方言:沙流)
petturasi
ペットゥラシ 【自動/副】[pet-turasi 川・に沿って上る] ①[自動]川をさかのぼる、 川沿いに上流の方へ行く(=petturasi arpa ペットゥラシ アㇻパ)。 ②[副]川沿いに上へ。 {E: ①to follow a river upstream (to its source). ②to go upstream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
petturasi
ペットゥラシ 【pet-turasi】 川を通る. シト オイカ・アン ルスイ クス ペットゥラシ・アン ポンナイ ア・トゥラシ シトゥ イマㇰ タ ラナン(ラン・アン) ルウェ ネ=私は峰を越えたいので,川を起り,小さい沢を遡り,峰の向こう側へ下った. (出典:萱野、方言:沙流)
petturaspa
ペットゥラㇱパ 【自動】[複](単は petturasi ペットゥラシ) (二人以上が)川をさかのぼる、 川沿いに上流の方へ行く(=petturasi paye ペットゥラシ パイェ)。 {E: to go upstream (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
petu
ペトゥ 【他動】[単](複は petpa ペッパ) (一箇所)細く切る(たとえば、 手袋をつくるために指になる部分をはさみで)、 細く裂く。 taan kam petu wa satke タアン カㇺ ペトゥ ワ サッケ この肉を細く裂いて乾かしなさい。(S) ☆参考 yasa ヤサ (紙、 布、 木など)をビリッと/バリッと裂く。 {E: to cut, tear…finely.} (出典:田村、方言:沙流)
petu
ペトゥ 【petu】 (細長く)切る. ア・ラウネペトゥ ア・カㇱレペトゥ イヨㇰペ アニ ア・ペトゥペトゥ カシ ア・キㇰ=その者を深く切り,その者を浅く切り,鎌でそれを切り切り,はらい清めた. (出典:萱野、方言:沙流)
petuscep
ぺトゥㇱチェㇷ゚ §067 サケ あきあじ、あきやじ  川(15) pet-us-cep(pé-tus-cep)「ぺトゥㇱチェㇷ゚」⦅美幌⦆川へ入ってcep-isaして黒くなったもの。方言でいわゆるブナッケ。川に長く居ついた(「長く居る」ともあり)魚。 (出典:知里動物編、方言:)
petutur
ペトゥトゥㇽ 【位名】[概](所は petuturu ペトゥトゥル)[pet-utur 川・の間] 川と川の間。 petutur oika ペトゥトゥㇽ オイカ 川の間の山を越える。(S) tane Piratur un sir-ehanke petutur ta arki=an kor タネ ピラトゥルン シㇼエハンケ ペトゥトゥッ タ アㇻキアン コㇿ もう平取(びらとり)に近い川の間(鵡川と沙流川の間)まで来たときに。(NK民話) {E: the area between rivers.} (出典:田村、方言:沙流)
petuturu
ペトゥトゥル 【位名】[所](概は petutur ペトゥトゥㇽ) …の川の間。 tan Iskar etoko wano petuturu e=kus wa タン イㇱカㇻ エトコ ワノ ペトゥトゥル エクㇱ ワ あなたはこの石狩川の水源地から川の間(石狩川と勇別川の間)を通って(何とかして勇別の村まで行く)。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
petuware
ペトゥワレ 【自動】ふやける。 {E: to swell up.} (出典:田村、方言:沙流)
pewretukkap(-i)
ペウレトゥッカㇷ゚ §494.ちち(乳);乳房(9)pewretukkap(-i)〔péŭ-re-tuk-kap 舳ウレトゥッカㇷ゚〕[pewre(若い)+tukka-p(凸出したもの、tuk凸出させる、tuk-ka-p 凸出・させた・もの)]⦅ホロべツ、サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.606】 (出典:知里人間編I、方言:)
pinkisituarka
ピンキシトゥアㇻカ §465.そけいぶ(鼠蹊部);もものつけね(9)鼠蹊部淋巴腺腫;もものつけねのぐりぐり pinkisitu-arka〔pín-ki-ši-tu-ar-ka ぴンキシトゥ・アㇻカ〕[その鼠蹊部・病む]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pinkisutu ronronke
ピンキストゥ ロンロンケ §288.けいれんする(痙攣する)(21)股の肉がひくひく動く pinkisutu ronronke〔píŋ-ki-su-tu|rón-roŋ-ke ぴンキストゥ・ろンロンケ〕[pinkisutu(股のつけ根が)、ronronke(ひくひくとけいれんする)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pinne-komontuci
ピンネコモントゥチ 【名】[男性の・宝槌] 男宝槌(komontuci コモントゥチ《打ち出の小槌のような宝槌》の一つ、 家・食物・お金などの願いをきいてくれる)。 ☆対語 matne-komontuci マッネコモントゥチ。 (出典:田村、方言:沙流)
Piratur
ピラトゥㇽ 【名】[< pira-tur(< utur) 崖・の間][地名] 現在の沙流郡平取(びらとり)本町。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
Pirautur
ピラウトゥㇽ 【名】[< pira-utur 崖・の間][地名](現在の平取(びらとり)本町の古地名。) {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
piruturu(hu)
ピルトゥル(フ) 【名】[所](概は未出。 uturu(hu) ウトゥル(フ) の概は utur ウトゥㇽ)[pir-utur-uhu 傷・の間・(所属語尾)] (直訳すると)傷と傷の間(=pir uturuhu ピㇼ ウトゥルフ)。 piruturuhu turse ピルトゥルフ トゥㇽセ (彫刻、 入墨等の)彫り残したところがある。 {E: between cuts.} (出典:田村、方言:沙流)
tuntunke
ピトゥントゥンケ 【自動】[pi-tuntun-ke 小声で・クスクス(擬音重複)・という] クスクス(声を立てて)笑う。 e=pituntunke エピトゥントゥンケ あなたはクスクス笑っている。(S会話) {E: to giggle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pituntunke
ピトゥントゥンケ 【pi-tun-tun-ke】 くすくす笑い. (出典:萱野、方言:沙流)
pokkoy(e)-tuk
ポッコイトゥㇰ §047.汗をかく(3)pokkoy(e)-tuk〔pók-koǐ-tukぽッコイ・トゥク〕[汗・出る]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
poknapatuye ronronke
ポㇰナパトゥイェ ロンロンケ §288.けいれんする(痙攣する)(13)下唇がひくひく動く pokna-patuye ronronke〔pók-na-pa-tu-je|rón-roŋ-ke ぽㇰナパトゥイェ・ろンロンケ〕[pokna(下の)+patuye(その唇が)、ronronke(ひくひく動く)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pókor-eykoytupa
ポコㇿエイコイトゥパ 【自動】[po-kor-e-ikoytupa 子・を持つ・ことについて・不自由して欲している] 子どもがいなくて子どもがほしい、 子どもをほしがる。 pókor-eykoytupa=an ポコㇿエイコイトゥパアン 私は子どもがほしくてたまらなかった。(W民話) {E: to want a child.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pometu(-an)
ポメトゥ §371.産―もう子が出来なくなるpo-metu(-an)〔pó-me-tu ぽメトゥ〕[po(子を)+metu(あます)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ponakkepetotutanumpe
ポナッケペトトゥタヌンペ §822.くすりゆび(薬指)(3)ponakkepet-otutanumpe〔pó-nak-ke-pet|otú-ta-num-pe ぽナッケペッ・オとぅタヌンペ〕[pon-akkepet(こゆび)+otutanu(の次に)+un(ある)+-pe(もの)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ponaskepettutanuaskepet(c-i)
ポナㇱケペットゥタヌアㇱケペッ §822.くすりゆび(薬指)(2)pon-askepet-tutanu-askepet(c-i)〔pó-naš-ke-pet|tu-tá-nu|áš-ke-pet ぽナㇱ・ケペッ・トゥたヌ・あㇱケペッ〕[pon-askepet(小指)+tutanu(の次にある)+askepet(指)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ponetuka
ポネトゥカ §444.すね(脛)(11)向うずね pone-tuka〔po-né-tu-ka ポねトゥカ〕[pone(骨)+tuka(背線上、tu みね+ka 上)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ponituysah(k-an)
ポニトゥイサㇵ §483.だるい;かったるい;ものうい;倦怠感を覚える(2)poni-tuysah(k-an)〔po-ní-tuǐ-sah ポにトゥイサㇵ〕[<poni(骨)+tum(力)+sak(を缺く)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ponsutuinaw
ポンストゥイナウ 【pon-sutu-inaw】 小さいヤナギで作ったイナウ. 図[ポンストゥイナウ] (出典:萱野、方言:沙流)
pontukusis
ポントゥクシㇱ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (4) pon-tukusis(pón-tu-ku-sis)「ぽントゥクシㇱ」[pon(小さい)tukusis(アメマス)]⦅似湾(p.46)、藻汐草、厚真、屈斜路14⦆イワナ。 (出典:知里動物編、方言:)
pontukusis
ポントゥクシㇱ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (10) pon-tukusis(pón-tu-ku-sis)「ぽントゥクシㇱ」[<pon(子の)tukusis(アメマス)]成魚⦅厚真、似湾、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
pontus
ポントゥㇱ 【pon-tus】 妾. (出典:萱野、方言:沙流)
popukurukorohetukuhekaci
ポプクルコロヘトゥクヘカチ §361.産―胞衣を被って生れた子;袋子;幸帽児(1)po-pukuru-koro-hetuku-hekaci〔pó-pu-ku-ru|ko-ró|he-tú-ku|he-ká-či ぽプクル・コろ・へとぅク・へかチ〕[po-pukuru(胞衣)+koro(持ち)+heuku(生れた)+hekaci(子)]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
porketuye
ポㇿケトゥイェ 【自動】[porke-tuye 掘割・…を切る] 掘割を切る。 {E: to dig a ditch.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
poroketusi
ポロケトゥシ 【poro-ketusi】 大きい荷物. ポロケトゥシ トモタルシ=大きい荷物に縄をかけて[ウ](主として嫁入りの時の荷物をいう). (出典:萱野、方言:沙流)
porokutu
ポロクトゥ §105 エゾニュウ (2) poro-kutu (po-ró-ku-tu)「ポろクトゥ」[poro(大きい)kutu(筒状茎)] 茎 ⦅白浦⦆⦅A十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)
porotukusis
ポロトゥクシㇱ §074 アメマス (3) poro-tukusis(po-ro-tu-ku-sis)「ポロトゥクシㇱ」⦅パコロ⦆(180) (出典:知里動物編、方言:)
potur
ポトゥㇽ §033.あざ(痣)(1)po-tur〔pó-turぽトゥㇽ〕[po(子)+tur(垢)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
turkes
ポトゥㇽケシ 【名】ほくろ(ポツンと高くなっているところ。 皮膚と同じ高さのは言わない)。(S) numa us póturkes ヌマ ウㇱ ポトゥㇽケㇱ 毛の生えているほくろ。(S) {E: a mole.} (出典:田村、方言:沙流)
poturkes
ポトゥㇽケㇱ 【poturkes】 あざ. *蒙古斑のことはカムイテッコッという, (出典:萱野、方言:沙流)
poturkes(-i)
ポトゥㇽケㇱ §700.ほくろ(黒子)(4)poturkes(-i)〔pó-tur-keš ぽトゥㇽケㇱ〕[po(子)+tur(垢)+kes(班)]⦅サル、ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
pustura
プㇱトゥラ 【自動】[pus-tura 穂・を伴う] 穂がついている(米、 稗、 麦、 粟等)。 pustura siyamam プㇱトゥラ シヤマㇺ 穂のままの米。(S) ☆参考 nonkitura ノンキトゥラ もみのままである、 murkur ムㇽクㇽ 精白してない。 pirkep ピㇼケㇷ゚ 精白したもの。 {E: to be in ear, come into ear (cereals).} (出典:田村、方言:沙流)
putputu
プップトゥ 【他動】☞ram(u) putputu ラㇺ/ラム プップトゥ (出典:田村、方言:沙流)
putu
プトゥ 【putu】 河口. (出典:萱野、方言:沙流)
putu(hu)
プトゥ(フ) 【名】[所](概は put プッ) …の河口、 …の川尻(の地域)。 {E: the mouth of a river of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pututke
プトゥッケ 【自動】[put-ut-ke (擬音擬態の語根)・(重複)・(自動詞形成)] 立て続けにプップッととびだす/吹き出す。 a=tuyé akus ossikeop pututke アトゥイェ アクㇱ オッシケオㇷ゚ プトゥッケ (「盲腸」の手術かなにかで)(腹を)切ったら臓物がとびだした。(S) {E: to spill out.} (出典:田村、方言:沙流)
puytumare
プイトゥマレ 【puytumare】 聞くのがいや,耳ざわり. タネアナㇰネ カムイカㇻナンカ カムイカㇻシリカ アコㇿワクス アイヌイェイタㇰ アプイトゥマレ コヨイラクニㇷ゚ ソモネコㇿカ=今は神が作った顔,神が作った体を持っているので,人間が言う言葉を聞くのがいやであることを忘れてはいないけれど……. *アイヌ風の葬式引導渡しの言葉の一部分.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ram(u) putputu
ラㇺ/ラム プップトゥ 【連他動】(人)に人のことをいろいろ悪く言って憎しみを起こさせる。 {E: to make someone hate another by saying bad things about that person.} (出典:田村、方言:沙流)
ram(u) tuypa
ラㇺ/ラム トゥイパ 【連他動】…をおどかす、 …をびっくりさせる。 arpa ramu tuypa アㇻパ ラム トゥイパ 行って(彼を)おどかしてやりなさい。(S) en=ramu tuypa エンラム トゥイパ 彼が私をおどかした=私はおどかされた。(S) ramu ku=tuypa ラム クトゥイパ 私は(彼を)おどかしてやった。(S) paye=an ramu a=tuypa ro パイェアン ラム アトゥイパ ロ 行って(彼を)おどかしてやろう。(S) ☆参考 複数形の形だが目的語(つまり対象となる人)が一人でもこの形が使われる。 ramu tuye ラム トゥイェ とは言わない。(S) ☆参考 自動詞は単数形がある。 ramutuy ラムトゥイ びっくりする。 {E: to surprise…} (出典:田村、方言:沙流)
ramatu(hu)
ラマトゥ(フ) 【名】[所](概は ramat ラマッ)(=ramatuhu ラマトゥフ)…の魂。(W) tanpa ne ere pa aep ramatu a=uk kor án=an ruwe ne hi kusu タンパ ネ エレ パ アエㇷ゚ ラマトゥ アウㇰ コㇿ アナン ルウェ ネ ヒ クス 今年で3年(=これまで3年間)私は食べ物の魂を取って(=奪って)いるのだから(飢饉の神が言った言葉)。(W民話) pak kewtumu pirka pak ramatu pirka katkemat oar isam pe e=ne aan ruwe ne パㇰ ケウトゥム ピㇼカ パㇰ ラマトゥ ピㇼカ カッケマッ オアリサㇺ ペ エネ アアン ルウェ ネ あなたがこれほど気性のよい、 これほど魂のよい奥様はいないというほどのすばらしい人だということがわかった。(W民話) ☆参考 1959年、 61年に民話の中で「魂」の意味で使われた。 ☞ramaci ラマチ {E: the soul, spirit of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramuputputu
ラムプップトゥ 【他動】[ramu-putputu …の心・…を突き出させる(重複)] …をそそのかす。 {E: to tempt…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramutunas
ラムトゥナㇱ 【ramu-tunas】 すばやい,聞いてすぐに行動する,思いが早い. ネㇷ゚カ ア・キマテㇰ ペ アン ヒ タ アナㇰネ アシンル コㇿ カムイ ア・コアスラニ ㇷ゚ ネ. ルコㇿ カムイ イヨッタ ラムトゥナㇱ ペ ネ ルウェ ネ ナ=何か急病人など出た場合は便所の神へ救いを求めるものだ.便所の神が一番動きが速いんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ramutunaskamuy
ラムトゥナㇱカムイ 【ramu-tunas-kamuy】 便所の神.▷ラム=思い トゥナㇱ=早い カムイ=神 (出典:萱野、方言:沙流)
ramuturuarka
ラムトゥルアㇻカ §760.胸がやける(2)ram-uturu-arka〔ra-mú-tu-ru-ar-ka ラむトゥルアㇻカ〕[胸・の間・痛む]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ramutuy
ラムトゥイ 【自動】[ramu-tuy その心・切れる] びっくりする。 hay:, ku=ramutuy humi! ハイー、 クラムトゥイ フミー! ああびっくりした。(S) ☆参考 他動詞は eramutuy エラムトゥイ …にびっくりする、 ram(u) tuypa ラㇺ/ラム トゥイパ …をびっくりさせる。 {E: to be surprised.} (出典:田村、方言:沙流)
ramutuy
ラムトゥイ 【ramu-tuy】 驚く,びっくり.▷ラム=思い トゥイ=切れる (出典:萱野、方言:沙流)
ramutuyka
ラムトゥイカ 【ramu-tuy-ka】 驚かす. (出典:萱野、方言:沙流)
ramutuypa
ラムトゥイパ 【ramu-tuypa】 驚く.▷ラム=思い トゥイパ=切る →思いも考えもそこで切れてしまう (出典:萱野、方言:沙流)
rantupep
ラントゥペㇷ゚ 【名】[概](所は rantupepi ラントゥペピ)[ran-tupep 下がる・あごひも][雅](笠の)あごひも。 káne pon kasa/kasa rantupep/a=yaykoyupu カネ ポン カサ/カサ ラントゥペㇷ゚/アヤイコユプ [雅]私は金(かね)の小さな笠のたれひもを私はギュッとしめた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rantupepi
ラントゥペピ 【名】[所](概は rantupep ラントゥペㇷ゚)[雅](笠)のあごひも(ユーカラの主人公の少年がかぶる金(かね)の小さい笠(「鉄かぶと」)のあごひも。 耳のうしろからあごの下へかけてしばる)。 káneponkasa rantupepi a=yaykoyupu カネポンカサ ラントゥペピ アヤイコユプ [雅]私は鉄かぶとのあごひもをしめた。(S) ☆参考 「この語は鉄かぶとにしか使わない。」 (S) {E: a chin strap.} (出典:田村、方言:沙流)
rantupepi
ラントゥペピ 【ran-tupepi】 紐の端.▷ラン=下がっている トゥペピ=紐の端 (出典:萱野、方言:沙流)
rapraputuruspe
ラㇷ゚ラプトゥルㇱペ §756.胸の骨(6)肋骨 raprap-utur-uspe〔ráp-rap-u-tú-ruš-pe らㇷ゚ラㇷ゚・ウトゥルㇱペ〕[raprap(両翼)+utur(間)+us(にある)+pe(もの)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rapus'itunnap
ラプㇱイトゥンナㇷ゚ 【rap-us-itunnap】 羽アリ. (出典:萱野、方言:沙流)
rapusitunnap
ラプㇱイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (5) rap-us-itunnap(ráp-us-i-tun-nap)「らプㇱイトゥンナㇷ゚」⦅沙流、幌別、室蘭⦆ハネアリ(生殖時期の有羽のアリ) (出典:知里動物編、方言:)
raramanitureh
ララマニトゥレㇸ §418 イチイ (8) raramani-tureh (ra-rá-ma-ni-tu-reh)「ラらマニ・トゥレㇸ」 果実 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
rarutur
ラルトゥㇽ 【名】[概](所は raruturu(hu) ラルトゥル(フ))[rar-utur 眉・の間] 両眉の間。 {E: between the eyebrows.} (出典:田村、方言:沙流)
rarutur(-u)
ラルトゥㇽ §723.みけん(眉間)(1)rar-utur(-u)〔ra-rú-tur ラるトゥㇽ〕[rar(まゆ)+utur(あいだ)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raruturiyupupu
ラルトゥリユププ 【自動】[rarutur-i-yupupu 眉の間・(挿入母音)・…をきつく締める] 眉をしかめる。 ☆参考 rarutur ラルトゥㇽ と yupupu ユププ を続けて発音するとき、 拗音 ryu リュ がないので y ユ の前に i イ が入ったものであろう。 {E: to frown.} (出典:田村、方言:沙流)
raruturu(hu)
ラルトゥル(フ) 【名】[所](概は rarutur ラルトゥㇽ) …の両眉の間。 {E: between the eyebrows of…} (出典:田村、方言:沙流)
raruturuhu
ラルトゥルフ 【/rar-uturuhu】 眉間. (出典:萱野、方言:沙流)
rat etuk
ラッ エトゥㇰ §484.たん(痰)(3)痰が出る rat etuk〔rá-te-tuk らテトゥㇰ〕⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rat/ratu(hu)
ラッ/ラトゥ(フ) 【rat/ratu(hu)】 ぬめり,粘液. (出典:萱野、方言:沙流)
rattu
ラットゥ §718.まゆげ(眉毛);まいげ(4)眉毛の一本一本 rat-tu〔rát-tu らットゥ〕[<rar(眉)+tu(筋)]⦅テシオ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rattutturi(-an)
ラットゥットゥリ §787.目くばせする(3)rat-tutturi(-an)〔rát-tut-tu-ri らッ・トゥットゥリ〕[rat(<rar まゆ)+tutturi(<tur-tur-i 伸ばし・伸ばし・する)]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.274】 (出典:知里人間編I、方言:)
ratun
ラートゥン 【ratun】 7人:人数を数える時. *昭和年月日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
ray cep turse ekannayukar
ライ チェㇷ゚ トゥㇽセ エカンナユカㇻ §067 サケ あきあじ、あきやじ  他(34) ray čep turse ekannayukar 「ライ チェㇷ゚ トゥㇽセ エカンナユカㇻ」ユ396 (出典:知里動物編、方言:)
ray tura uneno araka
ライ トゥラ ウネノ アラカ §085.いたむ(痛む)(14)死ぬように痛む ray tura u-neno araka〔ráǐ-tu-ra-u-né-no-a-rá-ka らイ・トゥラ・ウねノ・アらカ〕[ray(死ぬ)、tura(と)、u-neno(同様の)、araka(痛み)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ray-hotuypa
ライホトゥイパ 【自動】[ひどく(語源は「死ぬ」)・長い呼び声をあげる] 大声で長い呼び声をあげる、 大声で呼ばわる。 ☞hotuypa ホトゥイパ {E: to scream, call out in a loud voice.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rayhepututu
ライヘプトゥトゥ 【ray-hepututu】 ぷんとする. (出典:萱野、方言:沙流)
rayhoketu
ライホケトゥ 【ray-hoketu】 えいっと飛ぶ,(さっと)走り去る. (出典:萱野、方言:沙流)
rayhotuypa
ライホトゥイパ 【ray-hotuypa】 叫ぶ,大声で人を呼ぶ. (出典:萱野、方言:沙流)
raytukap
ライトゥカㇷ゚ 【ray-tukap】 死霊. アイヌ ライトゥカㇷ゚ カリ ヤㇰ ア・イェ ナ. クンネ イテキ ソイネ ヤン=人間の死霊が徘徊しているという.夜は絶対に外へ出るな. (出典:萱野、方言:沙流)
raytukunne
ライトゥクンネ 【ray-tukunne】 死ぬほどしびれた,ひどくしびれた. (出典:萱野、方言:沙流)
rekmamatu
レㇰママトゥ §642.ひげ(髭)(4)あごひげの黒い一筋一筋 rekmamatu〔rék-ma-ma-tu れㇰママトゥ〕[rek(ひげ)+mama(mam 影、mama その影)+tu(毛すじ)]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
rekmamatu cearhaytare
レㇰママトゥ チェアㇻハイタレ 【rek-mamatu ci-e-ar-hayta-re】 髭の生え方が今一歩,髭の生え揃っていないこと. ▷レㇰ=髭 ママトゥ=生え方 チェ=それ アㇻ=全く ハイタレ=足りない *髭の生え揃っていない若者(ユ).(補遺編)▷レㇰ=髭 ママトゥ=生え方 チェ=それ アㇻ=全く ハイタレ=足りない *髭の生え揃っていない若者〔ユ〕. (出典:萱野、方言:沙流)
rekomatu
レコマトゥ 【自動】[rek-oma-tu ひげ・そこにある・(?)] ちゃんとひげが生えそろっている(男子が一人前の大人になっていることの表現)。 {E: to grow a full beard.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rekutumpekorkamuy
レクトゥンペコㇿカムイ §277 くま (80) rekutumpe-kor-kamuy (re-kú-tum-pe-kor-ka-muy)「レくトゥンペコㇿカムイ」[<rekutumpe(首輪)kor(もつ)kamuy(神)] ⦅美幌⦆月の輪を持っているクマ (出典:知里動物編、方言:)
rekutunpe
レクトゥンペ 【名】[rekut-un-pe のど・につく・もの] 首飾り布、 チョーカー(女性の装身具の一つ)。 ☆参考 首飾り玉は tamasay タマサイ。 {E: a cloth for necklace; a choker.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rekutunpe
レクトゥンペ 【rekut-un-pe】 首飾り:コンカネ(鋼).クンネセンカキ(黒い木綿布)などで作る. (出典:萱野、方言:沙流)
rekutuyruke
レクトゥイルケ 【他動】[rekut-uyruke のど・…につける][雅](首飾り玉、 玉連)を首にかける。 pirka tamasay rekutuyruke ピㇼカ タマサイ レクトゥイルケ [雅] 美しい玉の首飾りを首にかけた(女性や女神が正装するときの描写の一部。 これから死ぬ/神の国へ行くというときに支度をしている)。(W民話) {E: to wear…around the neck.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
reraatkatu
レラアッカトゥ 【rera-at-katu】 風向き,病気流行の前兆. オヤコヤㇰ タ レラアッカトゥ ア・オヤモㇰテ ヤㇰ ア・イェ クス ハルエカムイノミ・アㇱ ルスイ クス ハル アフㇷ゚カㇻ クス ク・エㇰ ヒ ネ ワ=あちらこちらで風向きが(流行病に対しての別の言い方)不審というので穀物を持って神を祭りたいと思い穀物を貰いに私は来た.*貝澤なつさんが昭和年頃までそのように言いながら来てくれたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
retattur
レタットゥㇽ 【名】[retar-tur 白い・あか(垢)](頭の)ふけ。 ☞tur トゥㇽ {E: dandruff.} (出典:田村、方言:沙流)
rikpekaturse
リㇰペカトゥㇽセ 【rik-peka-turse】 転倒(する). オンネ・アン コㇿ ネ ア・エオコㇰペ カ ア・エランペウテㇰ ノ ニフㇺ トゥㇽセ ア・シコパヤㇻ リㇰペカトゥㇽセ・アン ペ ネ=年をとるとひっかかった物もわからずに木片が落ちるのと同じように転倒するものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
rittursere
リットゥㇽセレ 【自動】[rir-tursere 波(が)・転落させる](海沿いの道路の上から)寄せて来た波に落とされる(海と反対側へ)。(S) ☆対語 rirkosiyetaye リㇼコシイェタイェ 引き波にさらわれる(海へ)。 (出典:田村、方言:沙流)
ritur
リトゥㇽ 【ritur】 途中. イナニウン エ・アㇻパ リトゥㇽ パㇰノ ウコイラム・アン ロ=どこへ行くの,途中まで一緒に行きましょう.シネ シトゥ チ・アッカリ オロワノ シットゥライヌ・アㇱ ヤアニ ヤアニ リトゥロレウシ・アン クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ イワㇰ・アㇱ エアㇱカイ=ひとつの峰を私たちは過ぎた,それから道に迷い危なく危なく途中で泊まるかなあと思ったけれども,帰ることができた. (出典:萱野、方言:沙流)
rituspe
リトゥㇱペ §004.あかご;あかんぼ(32)rituspe〔rí-tuš-pe りトゥㇱペ〕[rit(筋、腱)+us(ついている)+-pe(もの)]⦅ホロべツ、ホべツ⦆男の赤んぼ。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ritutta
リトゥッタ 【riturta】 途中に. リトゥッタ レウシ=途中に泊まる. (出典:萱野、方言:沙流)
riyatukara
リヤトゥカラ §278 あざらし (28) riya-tukara (ri-yá-tu-ka-ra)「リやトゥカラ」[‘越年した・アザラシ’] ⦅白浦⦆ゴマフアザラシの三歳子 (出典:知里動物編、方言:)
riyatukusis
リヤトゥクシㇱ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (5) riya-tukusis(ri-yá-tu-ku-sis)「リやトゥクシㇱ」[riya(越年した)tukusis(アメマス)、riya(越冬する)]イワナ。 (出典:知里動物編、方言:)
rumuysutu
ルムイストゥ §329.こぶし(拳)(3)rumuysutu〔rú-muǐ-su-tu るムイストゥ〕[<num(球)+mon(手)+sutu(棍棒)]⦅ホロベツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
rutturep
ルットゥレㇷ゚ 【名】[rur-turep 海水・ウバユリ][動物] ホッキの貝殻。(S) 〔知分類 p.234 §481. 828 ほっき貝 ツレプ〕 {E: a type of clam.} (出典:田村、方言:沙流)
rutu
ルトゥ 【他動】…を押してずらす、 持ち上げないで下を引きずりながら押して動かす。 {E: to push along, drag…} (出典:田村、方言:沙流)
rutu
ルトゥ 【rutu】 寄せる,手で動かしてずらす. エロンネ ルトゥ=上座へ寄せろ. (出典:萱野、方言:沙流)
rutusa kew(-e)
ルトゥサ ケウ §387.したい(死体);死骸(10)ru-tusa kew(-e)〔rú-tu-sa-keŭ るトゥサ・ケウ〕「半死半生の死体」[ru(なかば)+tusa(蘇生する)+kewe(その体)]⦅ユ研IⅡ, p.264⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ruutur
ルウトゥㇽ 【ru-utur】 道の下側. *二風谷ではルウトゥㇽというのは道の西側をいう.ルロㇿは道の東側.オコッコ アナㇰネ ルウトゥㇽ ペカ アㇷ゚カㇱ ペ ネ ナ イテキ ルウトゥㇽ エチ・クㇱ ペ ネ ナ アニー・化け物は道の下側を歩くものだから,道の下側を通らないようにお前たちはするんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ruwetuy(-e)
ルウェトゥイ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(13)大腸 ruwe-tuy(-e)〔ru-wé-tuǐ ルうぇトゥイ〕[太い・腸]⦅テシオ、ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ruwetuy(-e)
ルウェトゥイ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(22)大腸 ruwe-tuy(-e)〔ru-wé-tuǐ ルうぇトゥイ〕[ruwe(太い)+tuy(内臓)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ruyanpe tum ta
ルヤンペ トゥㇺ タ 【ruyanpe tum ta】 雨降りの中. ルヤンペ トゥㇺ タ エエㇰ?=雨降りの中を来たの? (出典:萱野、方言:沙流)
sahtureh
サㇵトゥレㇸ §095 エゾクロウスゴ、オククロウスゴ (3) sahtureh (sáh-tu-reh)「さㇵトゥレㇸ」[<sak(夏)turep(木の実)] 果実 ⦅樺太⦆ (出典:知里植物編、方言:)
saktuype
サㇰトゥイペ 【名】[sak-tuy-pe 夏・とれて落ちた・もの][植物] 落果(ひとりでに落ちた果物)。 {E: fallen fruit.} (出典:田村、方言:沙流)
samaetu[o]
サマエトゥ[オ] §035 川に住むカジカ カジカ;カワカジカ(方言)§764 (17) samaetu[-o] (ra-má-e-tu[-o],sa-má-e-tu[-o])「サまエトゥ[オ]」[<sama(<sapa頭)etu(鼻)o(ついている)] 成魚 ⦅屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sampeah(-tu)
サンペアㇵ §543.どうみゃく(動脈)(2)大動脈始部 sampe-ah(-tu)〔sám-pe-ah さンペアㇵ〕[sampe(心臓)+ah(<at ひも)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampesituri
サンペシトゥリ 【sampe-si-turi】 胸がすっとする.▷サンペ=心臓 シ=自ら トゥリ=伸びる イッカ ㇷ゚ アナㇰネ サンテケヘ パㇰノ パㇻコアッ パ ㇷ゚ ネ ヒ エネ エネ アン シコㇿ オカㇺキㇼ ヌ パ クニ ネ ク・イェ ア ク・イェ ア ワ ケサンペシトゥリ(ク・エサンペシトゥリ)=盗っ人する者はその血統まで罰があたってこうこうだと,わざとあの者たちに聞こえるように何度も私は言って胸がすうっとした. (出典:萱野、方言:沙流)
sampesituri(-an)
サンペシトゥリ §669.病気が治る(6)病人の調子がよい sampe-situri(-an)〔sám-pe-ši-tu-ri さンペシトゥリ〕[心臓・伸びる]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sampetumsak
サンペトゥㇺサㇰ §078.胃病(5)胃のぐあいが悪い sampe-tumsak〔sám-pe-tum-sak さンペトゥㇺサㇰ〕[sam-pe(↑)+tumsak(元気が無い、tum 力、sak を欠く)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sanoputuhu
サノプトゥフ 【名】[所](概 sanoput サノプッ は未出)[san-o-put-uhu 出る・その尻・(川の)口・(所属語尾)] …の川口/河口。 {E: a rivermouth.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sanpe-situri
サンペシトゥリ 【自動】[sanpe-situri 心臓/気持ち・伸びる] 気持ちがいい、 気が晴れる。 ☆参考 esanpe-situri エサンペシトゥリ [他動]…で気持がいい/よくなる。 nucaktek ヌチャㇰテㇰ 気持ちが明るい。 気持ちよく眠っているときは sanpesituri サンペシトゥリ。 {E: to feel well; be comfortable.} (出典:田村、方言:沙流)
santu
サントゥ 【santu】 下がる峰,山の出崎. (出典:萱野、方言:沙流)
santuka
サントゥカ 【名】[san-tuka 前の/出る・柄(つか)][雅]刀の柄(つか)。 nispa mut pe/otu santuka/owkauyru ニㇱパ ムッ ペ/オトゥ サントゥカ/オウカウイル [雅]長者のはくような立派な刀が何本も柄(つか)が重なるようにかけてあった。(Sユーカラ) ☞otu オトゥ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sapatu
サパトゥ §216.かみ(髪);かみのけ;頭髪(8)sapa-tu〔sa-pá-tu サぱトゥ〕[sapa(頭)+tu(<ru 髪)]⦅チライ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sapatuhci
サパトゥㇷチ §216.かみ(髪);かみのけ;頭髪(9)sapa-tuhci〔sa-pá-tuh-či サぱトゥㇷチ〕[sapa(頭)+tu(髪)+h-ci(群在を表す語尾)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sarampe tum o urepuni
サランペ トゥㇺ オ ウレプニ 【sarampe tum o-ure-puni】 りっぱな着物を重ね着した神が歩く. アイヌ エクㇺ チトゥナㇱカ プヤㇻオリコ インカㇻアナクス(インカㇻ・アン アクス) サランペトゥㇺ オウレプニ カムイ ネ クス コラーチ アン クㇽ アニネ(アン ヒネ) エネ ハワニ=人が来る足音が聞こえたかと思うと,窓のすだれが上げられ,私が見ると,りっぱな着物を重ね着した神が,神なので,神に相応しい人がいて言うことには….*昔話の1節で,神がアイヌに語りかける時は東側の窓をめくり上げて話を始めるが,多くの場合は夢の中でである. (出典:萱野、方言:沙流)
Sarputu
サㇻプトゥ 【名】[Sar-putu 沙流川・の河口[所]][地名] 沙流川の河口のあたりの地域、 その集落、 今の富川。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
satsatu
サッサトゥ 【他動】[sat-sat-u 乾く・(重複)・(他動詞化)] …をよく乾かす、 (魚や肉)を干物にする。 {E: to dry…well; dry (fish, meat)..} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
satsatu
サッサトゥ 【sat-satu】 軽蔑される,ほじくる:人のあらをほじくる. (出典:萱野、方言:沙流)
satupas
サトゥパㇱ 【名】[sat-upas 乾いた・雪] 雪を掃いて山にしてあるもの。 {E: a swept up pile of snow.} (出典:田村、方言:沙流)
semastusupo
セマㇱトゥスポ 【semas-tusupo】 少しの呪術,少しだけの霊力. ▷セマㇱ=少しの トゥスポ=呪術を セマㇱトゥスポ アヤイコ シッカシマ=さっとした呪いを私自身で大切に守っている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
semkatune
セㇺカトゥネ 【semkatu-ne】 例を見ない,普通でない,残酷を極める. ライネヤッカ セㇺカトゥネ アライケルウェ ネアコㇿカ=死ぬといっても,残酷を極めた殺し方で殺したのではあったが……[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sempirkasi eyaytursakka
センピㇼカシ エヤイトゥㇽサッカ §033.いいなずけ(許嫁)(13)sempirkasi e-yaytursakka〔sém-pir-ka-ši|e-jáǐ-tur-sak-ka せンピㇼカシ・エやイトゥㇽサッカ〕⦅ホロべツ⦆【雅】許嫁の夫のために身を清く保つ;許嫁の夫のために処女(貞操)を守る。[sempir(陰)+kasi(ka「上」の第3人称形、その上)+-e-(において)+yay(自分に)+tur(垢を)+sak-ka(無から・しめる);‘その人の居ない所で自分の身に垢がつかないようにする'の意]。"ki-yanne-kur, a-poro-turesi, sempirkasi e-yaytarsakka"「兄の方は、私の上の方の妹が、その居ない所で自分の身を清く保っている」(兄の方とは私の上の妹が許嫁の妻になっている)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sempirsama etursakka
センピㇼサマ エトゥㇽサッカ §033.いいなずけ(許嫁)(14)sempirsama e-tursakka〔sém-pir-sa-ma|e-túr-sak-ka せンピㇼサマ・エとぅㇽサッカ〕⦅ホロベツ⦆【雅】許嫁の夫のために身を清く保たせる;許嫁の夫のために処女(貞操)を守らせる。[sempir(陰)+sama(sam「側」の第3人称形、その側)+-e-(において)+tur(垢)+sak-ka(無から・しめる);‘その陰の所で(その人の居ない所で)身を清く保たせる'の義]。"Iyoci-un-kur a-aktonoke sempirsama e-e-tursakka-an wa e-resu-an na"「イヨチびとである我が弟御のためにその居ない所で汝の身を清く保たせつつ汝を我は育てたのである」(汝はイヨチびとの許嫁の妻である)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sepkautur
セㇷ゚カウトゥㇽ 【sep-ka-utur】 広い糸の間. セㇷ゚カウトゥㇽ ア・シックㇱパレ=広い糸の間を目を通して(ポンヤウンペが窓から家の中を覗く時に窓の簾に顔をあてて見る)[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
setaeturus
セタエトゥルㇱ 【seta-etu-rus】 犬の鼻の皮(のようなやつだ)〔悪口〕.▷セタ=犬 エトゥ=鼻 ルㇱ=皮 (出典:萱野、方言:沙流)
setunroh
セトゥンロㇹ §287 シマリス:シマネズミ (8) setunroh (se-tún-roh)「セとゥンロㇹ」[<setur-ru-o-p(背に・縞・ついている・者)] ⦅白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
setur
セトゥㇽ 【名】[概](所は seturu(hu) セトゥル(フ)) ①背中(胴の後ろ側全部、 上から下まで)。 ②(着物の)後ろ身頃。 ☆参考 hon ホン 腹。 numsama ヌㇺサマ [所]前身頃。 {E: ① the back. ② the back part of clothing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
setur(-i)
セトゥㇽ §449.背(1)setur(-i)〔se-túr セとぅㇽ〕[<se(背負う)+utor(面)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
setur(u)tokse
セトゥㇽトㇰセ §462.せむし;くる病(2)setur(u)tokse〔se-túr-tok-seセとぅㇽ・トㇰセ〕[背が凸出している]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
setur/seturu(hu)
セトゥㇽ/セトゥル(フ) 【setur/seturu(hu)】 背中. (出典:萱野、方言:沙流)
seturaru
セトゥラル §554.にく(肉)(22)クマの背肉 seturaru〔se-tú-ra-ru セとぅラル〕[<setur(背)+aru(肉)]⦅フシコ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
seturkiki
セトゥㇽキキ 【setur-kiki】 背中をかく. (出典:萱野、方言:沙流)
seturkirpu
セトゥㇽキㇼプ §449.背(8)クマの背筋の肉 setur-kirpu〔se-túr-kir-pu セとぅルキㇼプ〕[setur(背)+kirpu(脂肪層)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
seturkirpu
セトゥㇽキㇼプ §454.背の脂肪組織[クマの]setur-kirpu〔se-túr-kir-pu セとぅㇽキㇼプ〕[setur(背)+kirpu(脂肪層)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
seturpeste
セトゥㇽペㇱテ 【他動】[setur-pes-te 背中・に沿って上から下へ行く・させる] …を背中に沿って縦につけて持っている(用例では、 刀を着物の中に入れて背負っている)。 hemanta e=ekar kusu emus e=seturpeste e=seturpeste?! ヘマンタ エエカㇻ クス エムㇱ エセトゥㇽペㇱテ エセトゥㇽペㇱテ?! お前は何をするために刀を背中に入れているのだ。(W言い伝え) {E: to carry…upright on one's back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
setursesekka
セトゥㇽセセッカ 【自動】[setur-sesekka 背中・を温める] 火に背中を向けて暖まる(「せなかあぶりする」)。 {E: to warm oneself with one's back faced to a fire.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
setursesekka
セトゥㇽセセッカ 【setur-sesekka】 背中あぶり. (出典:萱野、方言:沙流)
seturu mayayke
セトゥル マヤイケ §223.かゆい(5)背中がかゆい seturu mayayke〔se-tú-ru|ma-jáǐ-ke セとゥル・マやイケ〕[その背中が・かゆい]⦅ホロべツ、ハママス⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
seturu sesekka
セトゥル セセッカ §453.せなかあぶり(2)seturu sesekka〔se-tú-ru-sé-sek-ka セとぅル・せセッカ〕[その背を・暖める]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
seturu su kamu apekor an
セトゥル ス カム アペコㇿ アン §462.せむし;くる病(6)seturu su kamu apekor an〔セとぅㇽ・す・カむ・アペコㇿ・アン〕[その背を・鍋が・覆うている・かのようで・ある]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
seturu yupyupke
セトゥル ユㇷ゚ユㇷ゚ケ §288.けいれんする(痙攣する)(18)背の肉がひくひく動く seturu yupyupke〔se-tú-ru|júp-jup-ke セとぅル・ゆㇷ゚ユㇷ゚ケ〕[その背が・ひくひくする]⦅ホロべツ⦆。 (出典:知里人間編I、方言:)
seturu(hu)
セトゥル(フ) 【名】[所](概は setur セトゥㇽ) …の背中。 {E: the back of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
seturukan(m-i)
セトゥルカン §455.背の筋肉(1)seturu-kan(m-i)〔se-tú-ru-kan セとぅルカン〕[seturu(<setur 背)+kan(<kam 肉)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
seturukan(m-i)
セトゥルカン §554.にく(肉)(21)背の肉 seturu-kan(m-i)〔se-túr-kan セとぅル・カン〕[背・肉]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
seturunumaus
セトゥルヌマウㇱ §210 ウミケムシ (1) seturu-numa-us (se-tú-ru-nu-ma-us)「セとゥルヌマウㇱ」[seturu(その背に)numa(毛が)us(生えている)] ⦅白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
seturunumaus
セトゥルヌマウㇱ §210 ウミケムシ (2) seturu-numa-us (se-tu-ru-nu-ma-us)「セトゥルヌマウㇱ」 ⦅白浦、落帆、富内⦆ (出典:知里動物編、方言:)
seturunumaus
セトゥルヌマウㇱ §210 ウミケムシ (3) seturu-numa-us (se-tu-ru-nu-ma-us)「セトゥルヌマウㇱ」 ⦅白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
seututke
セウトゥッケ 【自動】(大人が)泣きじゃくる(「泣きじゃっくりする」)。(S) ☆参考 子どもが泣きじゃくることは cismasa チㇱマサ。 {E: to sob.} (出典:田村、方言:沙流)
seututke
セウトゥッケ 【seut-otke】 胸騒ぎ. (出典:萱野、方言:沙流)
seututke
セウトゥッケ §479.ためいき[する](4)ためいきする seututke〔se-ú-tut-ke セうトゥッケ〕⦅ソーヤ⦆→しゃくりあげる (出典:知里人間編I、方言:)
seututke(-an)
セウトゥッケ §397.しゃくりあげる(1)seututke(-an)〔se-ú-tut-ke セうトゥッケ〕[<si(自分)+e(について)+ut-ut-ke(utは「ウッ!」としゃくりあげる挙動、-keは動詞法語尾でもとki「する」、ut-ut-ke「ウッ!ウッ!としゃくり上げる挙動をする」)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sewrikutunin(-i)
セウリクトゥニン §573.のどぼとけ(喉仏);喉頭結節(2)sewri-kutunin(-i)〔séŭ-ri-ku-tu-nin せウリクトゥニン〕[のど・ふし]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
Shutukerekina
『シュツケレキナ』 §432 コタニワタリ (2) Shutukere-kina 『シュツケレキナ』 ⦅B⦆⦅A十勝⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sieturetar
シエトゥレタㇻ §060 ウグイ (10) si-eturetar (sí-e-tu-re-tar)「しエトゥレタㇻ」[<si(大きい)etu(鼻)retar(白い)] ⦅屈斜路⦆eturetarの特に大きいもの (出典:知里動物編、方言:)
sietuuyna
シエトゥウイナ ☞siyetuuyna シイェトゥウイナ (出典:田村、方言:沙流)
sietuuyna
シエトゥウイナ 【si-etu-uyna】 自分の鼻を押さえる:驚きのあまり鼻の穴から魂が飛び出さないように両方の手で鼻を押さえるしぐさ. 図[シエトゥウイナ] (出典:萱野、方言:沙流)
sietuuyna
シエトゥウイナ §617.鼻をつかむ[驚いた時の身ぶり]si-etu-uyna〔ši-é-tu|uǐ-na シ・えトゥ・ウイナ〕[自分の・鼻を・つかむ]⦅サル、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sihekotehotuyekar
シヘコテホトゥイェカㇻ 【si-hekote-hotuyekar】 自分の方へ呼び集める.▷シ=自分 ヘコテ=方に ホトゥイェカㇻ=呼ぶ (出典:萱野、方言:沙流)
sikerepanitureh
シケレパニトトゥレㇸ §172 キワダ(キハダ) カラフトキハダ (8) sikerepani-tureh (si-ké-re-pa-ni-tu-reh)「シけレパニト・トゥレㇸ」[シコロノキの・果実] 果実 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
síkeri ukotukot
シケリウコトゥコッ ☞síkeri シケリ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siki uturuke(an-)nunke
シキ ウトゥルケヌンケ §780.目をかすめる;人目を盗むsiki uturuke(an-)nunke〔ší-ki|u-tú-ru-ke|núŋ-ke しキ・ウとぅルケ・ぬンケ〕[その目・の間の所を・選ぶ]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikinasutunkur
シキナストゥンクㇽ §422 アオダイショウ (5) sikinasutunkur (sí-ki-na-su-tun-kur)「しキナストゥンクㇽ」[<si-(本当の・真の)] ⦅穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sikkapturiri
シッカㇷ゚トゥリリ 【自動】[sikkap-turi-ri まぶた・を伸ばす・(重複)ずうっと…する] 目がたるむ、 まぶたがのびている。 aysuye kor sikkapturiri kane an アイスイェ コㇿ シッカㇷ゚トゥリリ カネ アン 居眠りしながら目がたるんでいる。(S) {E: to have droopy eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
sikkotukkane
シッコトゥッカネ 【名】[sik-kotuk-kane 目・にくっつく・かね]めがね(眼鏡)。(S) ☆参考 ワテケさんは menkane メンカネ と言っていた。 {E: glasses; spectacles.} (出典:田村、方言:沙流)
siktu
シㇰトゥ 【名】[概/所][sik-tu 目・糸の一本一本](網の)目。 siktu sep(pon/poro/nokan/rupne)ya シㇰトゥ セㇷ゚(ポン/ポロ/ノカン/ルㇷ゚ネ)ヤ 目の広い(小さい/大きい/細かい/粗い)網。 {E: the holes, mesh of a net.} (出典:田村、方言:沙流)
siktumke
シㇰトゥㇺケ §789.目つき(1)sik-tumke〔šík-tum-ke しㇰ・トゥㇺケ〕[sik(目)+tum(中、色)+ke(ところ)]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
siktumorke
シㇰトゥモㇿケ §789.目つき(2)sik-tum-orke〔šík-tu-mor-ke しㇰトゥモㇿケ〕[sik(目)+tum(中)+orke(の所)]⦅ホロべツ⦆【雅】〔人の素性を知るにはその目を見ると最もよくわかると言って、少しキョロキョロしたりすると叱られる―神謡集, p.4 脚註〕 (出典:知里人間編I、方言:)
siktumu
シㇰトゥム 【名】[所](概 は未出。 tumu トゥム の概は tum トゥㇺ)[sik-tum-u 目・…の中・(所属語尾)] 目つき。 {E: a look.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikuma situ
シクマ シトゥ 【sikuma situ】 分水嶺. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur
シクトゥㇽ 【sik-utur】 エゾネギ,アサツキ.*この言葉は穂別町の小山太郎さんが教えてくれた. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur
シクトゥㇽ 【sik-utur】 目の間. カムイ シクトゥㇽ(シㇰ ウトゥㇽ) アイヌ シクトゥㇽ トゥㇱマㇰ ワ アㇻウェン トゥカㇷ゚ カリ ハウェ=神の目や人間の目,そのすき間をかいくぐって化け物が徘徊しているのかい. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur
シクトゥㇽ §334 エゾネギ (1) sikutur (si-kú-tur)「シくトゥㇽ」 葉、及び球茎 ⦅穂別⦆⦅A沙流・鵡川・千歳⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sikutur poro
シクトゥㇽ ポロ 【sik-utur poro】 粗い. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur rupne
シクトゥㇽ ルㇷ゚ネ 【sik-utur rupne】 粗い. (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur sep
シクトゥㇽ セㇷ゚ 【sik-utur sep】 粗い(網やざるの目). (出典:萱野、方言:沙流)
sikutur(-u)
シクトゥㇽ §723.みけん(眉間)(2)sik-utur(-u)〔ši-kú-tur シくトゥㇽ〕[sik(目)+rutur(間、隙)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikuturukearaka
シクトゥルケアラカ §724.みけんの痛みsikuturuke-araka〔ši-kú-tu-ru-ke-a-rà-ka シくトゥルケ・アラカ〕[みけんの所が・痛む]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sikutut
シクトゥッ §334 エゾネギ (2) sikutut (si-kú-tut)「シくトゥッ」 葉、及び球茎 ⦅長万部、幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
simatumatu
シマトゥマトゥ 【si-matu-matu】 身もだえする,精神的な苦しさに体をねじるように動かすこと,身もだえして泣く. シマトゥマトゥコㇿ チシコㇿアン=身もだえしながら泣いていた[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sine-turesnu
シネトゥレㇱヌ 【名】[sine-tures-nu 一人の・(兄からみた)妹・を持つ][雅] 妹が一人ある(主語は男性)。 yayirwakikor sineturesnu ヤイㇼワキコㇿ シネトゥレㇱヌ (彼には)男兄弟がなくて妹が一人ある。(S) {E: (from the perspective of an older brother.) a younger sister.} (出典:田村、方言:沙流)
sinekunkutu
シネクンクトゥ 【sine-kunkutu】 100 (出典:萱野、方言:沙流)
sinepaciyatukar
シネパチヤトゥカㇻ §278 あざらし (29) sinepa-ciya-tukar (si-né-pa-či-ya-tu-kar)「シねパチヤトゥカㇻ」[‘一年・越年した・アザラシ’] ⦅多来加⦆ゴマフアザラシの二歳子 (出典:知里動物編、方言:)
sinerettukor
シネレットゥコㇿ 【sine-ret-tu-kor】 タラ:屑のような1本の髭を持った魚の意味. ▷シネ=ひとつ レッ=髭 トゥ=屑 コㇿ=持つ(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sinetukaha
シネトゥカハ 【sine-tukaha】 ひと握り, コㇿチセ ア・カㇻ ヒ タ コㇿハㇺ クㇽストゥ シネ トゥカハ ア・キㇱマ ワ ア・ケッケ ヒネ ア・エタイェ コㇿ コㇿカㇷ゚ コㇿハㇺ オコッ ワ ア・エイワンケ エニタン ペ ネ=フキ小屋を作る時はフキの葉の近くをひと握りだけ握って,それを折って引っ張るとフキの皮がフキの葉にくっついていてそれが使いやすいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sineturesne
シネトゥレㇱネ §022.きょうだい(兄弟姉妹)(20)sine-tures-ne〔ši-né-tu-reš-ne シねトゥレㇱネ〕⦅ホロベツ⦆妹一人ある。[sine(ひとりの)+tures(妹)+ne(である)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sineturesnu
シネトゥレㇱヌ §022.きょうだい(兄弟姉妹)(21)sine-tures-nu〔ši-né-tu-reš-nu シねトゥレㇱヌ〕⦅サル⦆妹一人ある。[sine(ひとりの)+tures(妹)+nu(もつ)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sinetuy'omap
シネトゥイオマㇷ゚ 【sine-tuy-oma-p】 双生児.双子.▷シネ=ひとつの トゥイ=腸 オマ=入る ㇷ゚=者 (出典:萱野、方言:沙流)
sinetuy'op
シネトゥイオㇷ゚ 【sine-tuy-o-p】 双子.▷シネ=ひとつ トゥイ=腸 オ=入る ㇷ゚=者 →ひとつの腸に入っていた者 (出典:萱野、方言:沙流)
sinetuy'or'op
シネトゥイオㇿオㇷ゚ 【sine-tuy-or-o-p】 ひとつの腹の中のもの,きょうだい[ウ]. (出典:萱野、方言:沙流)
sintaatuhu
シンタアトゥフ 【sinta-atuhu】 ゆりかごの紐.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sintatumama
シンタトゥママ 【sinta-tumama】 ゆりかごの本体.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
siotuy(-he)
シオトゥイ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(16)大・直腸 siotuy(-he)〔ši-ó-tuǐシおトゥイ〕[si(糞)+o(入っている)+tuy(臓腑)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
siotuyaraka
シオトゥヤラカ §372.じ(痔);痔疾(1)siotuy-araka〔ši-ó-tu-ja-ra-ka シおトゥヤラカ〕[直腸・病]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
siotuynaske(-an)
シオトゥイナㇱケ §372.じ(痔);痔疾(3)きれ痔[をわずらう] siotuy-naske(-an)〔ši-ó-tuǐ-naš-ke シおトゥイナㇱケ〕 [直腸が・裂ける]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
siotuyramoro
シオトゥイラモロ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(23)腸、大腸 siotuy-ramoro〔si-ó-tuǐ-ra-mo-ro シおトゥイラモロ〕[siotuy(大腸)+ramoro(臓腑)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sipeitunnap
シペイトゥンナㇷ゚ §123 アリ 蟻 (24) sipe-itunnap(si-pe-i-tun-nap)「シペイトゥンナㇷ゚」⦅本別⦆アリ、小形のアカアリ(井上8)(本別) (出典:知里動物編、方言:)
sir'etu
シㇼエトゥ 【sir-etu】 岬.▷シㇼ=陸地 エトゥ=鼻,先 (出典:萱野、方言:沙流)
sir'itnetuye
シㇼイッネトゥイェ 【sir-itne-tuye】 先回り. (出典:萱野、方言:沙流)
sir'utur
シㇼウトゥㇽ 【sir-utur】 あちらとこちらの間.▷シㇼ=あたり ウトゥㇽ=間 (出典:萱野、方言:沙流)
sir-citurimeta
シッチトゥリメタ 【完動】[名+他動中相][sir-ci-turim-eta あたり・…される・(爆音の擬音)・(他動詞形成)]バリバリバリバリドンドンダンダンと大砲のような大きな音がする。 réra wen híne apu perke hum apu yaske hum sir-citurimeta híne ekimatekpa kus kira wa yap レラ ウェン ヒネ アプ ペㇾケ フㇺ アプ ヤㇱケ フㇺ シッチトゥリメタ ヒネ エキマテㇰパ クㇱ キラ ワ ヤㇷ゚ 風が悪くて流氷が割れる音、 流氷が裂ける音がバリバリバリバリドンドンダンダンと大砲の音のように響いて、 みんなびっくりしたので逃げて帰って来た。(S) ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for something to make a booming cannon-like sound.} (出典:田村、方言:沙流)
sir-tumu-peker
シットゥムペケㇾ 【完動】[sir-tumu-peker あたり・の中・明るい] 夜明けになる、 夜が明ける。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: to become, grow into dawn.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-tumusuyre
シットゥムスイレ 【完動】[sir-tumu-suyre あたりの様子(完全動詞形成)・の中・(?)] 寒さがいくらかゆるむ。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for the cold to lessen slightly.} (出典:田村、方言:沙流)
sir-turpaotuy
シットゥㇽパオトゥイ 【完動】[sir-turpa-otuy あたり(完全動詞形成)・伸ばす・その尻が切れる](?) 天気がはっきりしない。 sir-turpaotuy a turpaotuy a ápekor síran シットゥㇽパオトゥヤ トゥㇽパオトゥヤ アペコㇿ シラン はっきりしない天気だ。(S) {E: for the weather to be uncertain.} (出典:田村、方言:沙流)
sirhorutu
シㇼホルトゥ 【sir-ho-rutu】 地滑り.▷シㇼ=大地 ホ=自ら ルトゥ=寄せる (出典:萱野、方言:沙流)
Sirkometu
シㇼコメトゥ 【名】[人名] シリコメトウ(伝説上の豪雄である厚岸のカスンテの兄:児島記述)。 {E: personal name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirkotukceppo
シㇼコトゥㇰチェッポ §009 ドジョウ (10) sirkotukceppo (sir-ko-tuk-cep-po)「シㇼコトゥㇰチェッポ」[sir(地、川底)kotuk(に付着している)] 成魚 ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
sirkotukka
シㇼコトゥッカ 【他動】[sir-kotuk-ka あたり・にくっつく・(他動詞化)] …を(そこに)くっつける。 {E: to join, attach, stick…(to…).} (出典:田村、方言:沙流)
sirkutut
シㇽクトゥッ §334 エゾネギ (4) sirkutut (sír-ku-tut)「しㇽクトゥッ」 葉、及び球茎 ⦅荻伏⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sirutu
シルトゥ 【自動】[si-rutu 自分・を押しずらす] ずっていく、 ずって動く。 na en=sam ta sirutu ナ エイサㇺ タ シルトゥ もっと私のそばにずって来なさい=もっとこっちへ寄りなさい。(S) {E: to shift, move with a sliding motion.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirutu
シルトゥ 【si-rutu】 進む,動く.ずって移動する. ヘマンタ フナラ ヘ コカヌㇷ゚ ヘ エネ アㇻパアㇻパ アㇱアㇱ コㇿ シルトゥ コヤイクㇱ=何か探すのか耳を澄ますのか,少し行っては立ち止まり立ち止まりして、さっぱり前へ進まないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
sirutuamset
シルトゥアㇺセッ 【si-rutu-amset】 自ら寄り眠る寝床,移動自在の寝台. ▷シ=自ら ルトゥ=寄る,寄せる アㇺ=眠る セッ=寝床 イヨイキリ コッチャタアン シルトゥアㇺセッ アㇺセッカタ トミカヌイェ シリカヌイェ=宝壇の前にある移動自在の寝台の寝床の上に,前立てを彫り刀の造りを彫る[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sitciturimeta
シッチトゥリメタ ☞sir-citurimeta シッチトゥリメタ (出典:田村、方言:沙流)
sittomotuye
シットモトゥイェ 【自動】[sir-tomotuye 地・を横切る] まっすぐ/一直線に行く/来る。(S) {E: to go, come in a straight line.} (出典:田村、方言:沙流)
sittumpeker
シットゥンペケㇾ 【sir-tum-peker】 夜明け.▷シㇼ=あたり トゥㇺ=中 ペケㇾ=明るい →あたりの中が少し明るくなった (出典:萱野、方言:沙流)
sittumupeker
シットゥムペケㇾ ☞sir-tumu-peker シットゥムペケㇾ (出典:田村、方言:沙流)
sitturaynu
シットゥライヌ 【自動】[sir-turaynu 地/あたり・を見失う] 道に迷う。 {E: to lose one's way; get lost.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sitturaynu
シットゥライヌ 【sir-turaynu】 迷う:道に迷う. シネ シトゥ チャッカリ(チ・アッカリ).オロワノ シットゥライヌ・アㇱ ヤアニ ヤアニ リトゥㇽオレウシ・アン クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ イワㇰ・アㇱ エアㇱカイ=ひとつの峰を私たちは過ぎた.それから道に迷い,危なく危なく途中で泊まるかなーと思ったけれども,帰ることができた. (出典:萱野、方言:沙流)
sitturpaotuy
シットゥㇽパオトゥイ ☞sir-turpaotuy シットゥㇽパオトゥィ (出典:田村、方言:沙流)
sittuyma
シットゥイマ 【sir-tuyma】 遠い. (出典:萱野、方言:沙流)
tu
シトゥ 【名】尾根(「つね、 ちね」)。 sítu mekka ta シトゥ メッカ タ 尾根の上に。(KK民話) sítu pes rán=an akusu シトゥ ペㇱ ラナン アクス (私が)尾根づたいに下って行くと。(KK民話) sítu turasi hemesu=an シトゥ トゥラシ ヘメスアン (私は)尾根づたいにのぼって行った。(KK民話) Yúpet kopakke un ratki sítu tanne sítu an wa ユペッ コパッケ ウン ラッキ シトゥ タンネ シトゥ アン ワ 勇別の方に向かって下がっている長い尾根があって。(KK民話) “sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an?” “a=sikíhi un” 「シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン?」 「アシキヒ ウン」 「一つの尾根を両方から一緒に持っていてお互いに会ったことがないものはなあに?」「(私たちみんなの)目よ。」(なぞなぞ) (W-S会話) {E: a ridge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
situ
シトゥ 【situ】 尾根,峰,つね(峰). ア・ウタリヒ シトゥカリ ヘメㇱパ ナイパルㇽ タ イイェトコウㇱ(イ・エトコウㇱ) クニ ア・イェ オヌマン パㇰノ アナン(アン・アン) ア コㇿカ オムケン・アン=私の仲間たちは尾根に登って行き,私は沢縁で待ち伏せするように言われ夕方までいたが何も獲れない. (出典:萱野、方言:沙流)
tu-ukaeraye
シトゥウカエライェ 【自動】[sítu-u-ka-e-raye 尾根・互い・の上・に/で・…を行かせる] 尾根の集まっている上の方を横切って近道をして行く(下の方を通ると尾根をいくつも越えなければならず、 ずっと遠回りであるから)。(S) {E: to take a short cut across mountainous ridges.} (出典:田村、方言:沙流)
situkap
シトゥカㇷ゚ §141 ヤマブドウ (9) situkap (si-tú-kap)「シとぅカㇷ゚」[situ(闘争用のこん棒)kap(皮)] 茎の皮 ⦅北海道全地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
situkaptukusis
シトゥカㇷ゚トゥクシㇱ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (3) situkap-tukusis(si-tú-kap-tu-ku-sis)「シとぅカㇷ゚トゥクシㇱ」⦅美幌⦆イワナ (出典:知里動物編、方言:)
situmasire
シトゥマシレ 【後副】[si-tumasi-re 自分・の中のいくつかをとる・させる]とびとびに(全部にでなく)。 aynu situmasire korar ora アイヌ シトゥマシレ コラㇻ オラ 皆にあげないでその中のあげる人にだけあげなさい。(S) ☆参考 他動詞の形だが、 動詞のままの用例は未出。 {E: sometimes; here and there.} (出典:田村、方言:沙流)
situmkanere
シトゥㇺカネレ 【自動】[si-tum-ka-ne-re 自分を・たくさんのものの中・の上・になる・させる] でしゃばる。 {E: to intrude; be meddlesome.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
situmpe
シトゥンペ §270 キタキツネ、きつね (6) situmpe (si-túm-pe)「シとゥンペ」[<situ(山)un(にいる)-pe(もの)、‘山にいるもの’] ⦅北海道全地域、S多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
situokes
シトゥオケㇱ 【situ-o-kes】 峰尻. シトゥオケㇱ タ アン ポン ナイ エウン アㇻパ ワ ワッカタ ワ エㇰ=峰尻にある小さい沢へ行って水を汲んで来い. (出典:萱野、方言:沙流)
siturare
シトゥラレ 【他動】[si-tura-re 自分・に同伴する・させる] …を自分と一緒に来させる。 makan katkor pe/páse humi/siturare/kosne humi/sihopire マカン カッコㇿ ペ/パセ フミ/シトゥラレ/コㇱネ フミ/シホピレ [雅]何者かが重い音を伴ってやって来る、 軽い音は伴わずに置いて来る。(Sユーカラ) {E: to make, let…accompany one.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siturare
シトゥラレ 【si-tura-re】 自分と一緒に連れて行く. ▷シ=自ら トゥラ=一緒に レ=させる(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
situri
シトゥリ 【自動】[si-turi 自分・を伸ばす] 伸びる、 体を伸ばす(「ながまる」)。 arpa arpa situri wa an pe アㇻパ アㇻパ シトゥリ ワ アン ペ 行く先行く先に伸びているもの(なぞなぞで、 答えは tar タㇻ 荷縄)。 santeke situri サンテケ シトゥリ…の子孫が伸びる(=子孫の系統が何代にも続いていく)。 {E: to be lengthened; stretched.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
situriri
シトゥリリ 【自動】[situri-ri 伸びる・(重複)] グーッと伸びをする、 体を伸ばす。 {E: to stretch the body.} (出典:田村、方言:沙流)
situriri
シトゥリリ 【si-turiri】 背伸び(する). (出典:萱野、方言:沙流)
situririsimacici
シトゥリリシマチチ 【si-turiri si-macici】 伸び縮み. (出典:萱野、方言:沙流)
siturukina
シトゥルキナ §113 ハナウド (4) situru-kina (si-tú-ru-ki-na)「シとゥルキナ」[situru(<si-turu“自分を・伸ばす”“伸びる”)kina(草)] 根生葉の葉柄 ⦅樺太各地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
situskor
シトゥㇱコㇿ §321 イヌコリヤナギ (4) situskor (si-tús-kor)「シとゥㇱコㇿ」[si(本当の)tus(縄)kor(もつ)] 茎 ⦅A十勝・上川⦆ (出典:知里植物編、方言:)
siwrinitureh
シウリニトゥレㇸ §207 シウリ (2) siwri-ni-tureh (síw-ri-ni-tu-reh)「しウリ・ニ・トゥレㇸ」[siwri(シウリ)ni(木)tureh(果実)] 果実 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
siyarpasitu
シヤㇻパシトゥ 【名】[siyarpa-situ いちばんもとになる・尾根] 中心になるいちばんもとの尾根。 siyarpasitu oro wa rap sítu シヤㇻパシトゥ オロ ワ ラㇷ゚ シトゥ もとの尾根から分かれて下っている尾根。(S) {E: a main, central ridge.} (出典:田村、方言:沙流)
siyetuuyna
シイェトゥウイナ 【自動】[si-y-etu-uyna 自分・(挿入音)・鼻・を取る] 鼻の前にこぶしを当てる(驚きを示す仕草)。 a=kor nispa utar ka siyetuuyna, erayap rok erayap rok kor アコン ニㇱパ ウタㇻ カ シイェトゥウイナ、 エラヤㇷ゚ ロㇰ エラヤㇷ゚ ロㇰ コㇿ 私の村の長者方も鼻にこぶしを当てて驚きを示し、 皆ひどく感心していて。(W民話) siyetuuyna siparuyna kor シイェトゥウイナ シパルイナ コㇿ 鼻と口にこぶしを当てて非常に驚いたという仕草をしながら。(W神謡語り) ☆参考 昔は、 ひどく驚いたときやひどく感心したときにこぶしをにぎって鼻と口の前に当てる習慣があった。 これは魂が抜け出さないようにするためだと説明されている。 ☞siparuyna シパルイナ {E: to put one's closed hand in front of one's nose in surprise.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyorkewtum
シヨㇿケウトゥㇺ 【si-or-kewtum】 嬉しい気持ち,楽しい気持ち[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
siyorkewtumu
シヨロケゥトゥㇺ 【si-or-kewtumu】 驚きの気持ち,驚きの精神[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
soetokotuyeni
ソエトコトゥイェニ 【so-etoko-tuye-ni】 横桁. (出典:萱野、方言:沙流)
sóetomotuyep
ソエトモトゥイェㇷ゚ 【名】[so-etomotuye-p 座・その頭を横切る・もの]家の壁と天井の境の所、 四隅の柱の上に縦横に渡してある木のうち、 横に(南北に)渡してある木。(S) ☆対語 sópesni ソペㇱニ 縦に(東西に)渡してある木。 ☆参考 sótomotuyep ソトモトゥイェㇷ゚ とも言う。(S) ☆参考 二本の so(e)tomotuyep ソ(エ)トモトゥイェㇷ゚ の間の天井の横の梁は umanki ウマンキ。(S) {E: a crossbeam.} (出典:田村、方言:沙流)
sosuturu
ソストゥル 【位名】[所](概は未出、 uturu ウトゥル の概は utur ウトゥㇽ)[sos-uturu (本の)紙一枚・の間]本のページの間(紙と紙の間)。 hon sosuturu wa hemanta rapapse kor oka ホン ソストゥル ワ ヘマンタ ラパㇷ゚セ コロカ 本のページの間から何かパラパラ(たくさん)落ちている。(W) (出典:田村、方言:沙流)
sótomotuyep
ソトモトゥイェㇷ゚ ☞so-etomotuyep ソエトモトゥイェㇷ゚ (出典:田村、方言:沙流)
soturasihorippa
ソトゥラシホリッパ 【so-turasi horippa】 下座から上座へ向かって踊り進むこと. ▷ソ=座 トゥラシ=辿る ホリッパ=踊る(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
sowsut/sowsutu(hu)
ソウスッ/ソウストゥ(フ) 【sowsut/sowsutu(hu)】 座の隅,壁際:炉から離れた壁際. (出典:萱野、方言:沙流)
sowsutu(hu)
ソウストゥ(フ) 【位名】[所](概は sowsut ソウスッ)…の隅、 …の隅の方、 端の方。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sukuptuykata
スクㇷ゚トゥイカタ 【sukup-tuy ka ta】 成長過程. (出典:萱野、方言:沙流)
sukutut
スクトゥッ §334 エゾネギ (3) sukutut (su-kú-tut)「スくトゥッ」 葉、及び球茎 ⦅美幌、屈斜路⦆⦅A有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
sut ketusi
スッ ケトゥシ 【名】[祖母・ながもち][雅]昔の古いながもち。 sut ketusi/onininini/sánasanke スッ ケトゥシ/オニニニニ/サナサンケ [雅](姉は)昔の古いながもちを引きずって出してきた。(Sユーカラ) ☞ketusi ケトゥシ 2 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sutu
ストゥ 【sutu】 制裁棒:イワニ(アオダモ)製. 図[ストゥ] (出典:萱野、方言:沙流)
sutu 1
ストゥ 【位名】[所](概は sut スッ)…の根元のほう。 (出典:田村、方言:沙流)
sutu 2
ストゥ 【名詞語根】ぶどうづる(の皮)。 (出典:田村、方言:沙流)
sutukap
ストゥカㇷ゚ 【名】[sutu-kap ぶどうづる・皮][植物]ぶどうづるの皮。 sutukap súhurayep ストゥカㇷ゚ スフライェㇷ゚ ブドウづるの皮でつくったたわし。 ☞súhurayep スフライェㇷ゚ ☆参考 hat punkar ハッ プンカㇻ ぶどうづる。〔知分類 p.80 situkap ヤマブドォ((北海道全地))茎の皮〕 {E: the bark of a grapevine.} (出典:田村、方言:沙流)
sutukap
ストゥカㇷ゚ 【sutu-kap】 プドウづるの皮. (出典:萱野、方言:沙流)
sutuker
ストゥケㇾ 【名】[sutu-ker ぶどうづる・靴] ぶどうづるの皮を編んでつくった夏用の靴。 hat punkar kapuhu ani a=kar kucu réhe sutuker ハッ プンカㇻ カプフ アニ アカㇻ クチュ レヘ ストゥケㇾ ぶどうづるの皮でつくった靴の名がストゥケレ。(W) ☆参考 ker ケㇾ《靴》は[概]、 [所]は keri(hi) ケリ(ヒ)。 しかし sutukeri(hi) ストゥケリ(ヒ)は未出。 {E: summer footwear made from grapevine bark.} (出典:田村、方言:沙流)
sutuker
ストゥケㇾ 【sutu-ker】 ブドウづるの皮で作った靴,わらじ(夏用). 図[ストゥケㇾ] (出典:萱野、方言:沙流)
suwat a=tusure
スワッ アトゥスレ 【suwat-a=tusu-re】 失せもの捜しのおまじない.▷スワッ=自在鈎 ア=それ トゥス=呪術 レ=させる *家の中で何か見つかられない場合に自在鈎を紐で縛り,失せものが出て来るまで解かないものであった。そのことをスワッ ア・トゥスレという. (出典:萱野、方言:沙流)
tanepo onuma etuk
タネポ オヌマ エトゥㇰ §101.陰部―いんもう(陰毛)(3)陰毛が生えだす tanepo onuma etuk〔ta-né-po-o-nú-ma-e-túkタねポ・オぬマ・エとゥㇰ〕[tanepo(今やっと)、onuma(陰毛)、e(頭)+tuk(出る)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tanne hese yaykoturpa
タンネ ヘセ ヤイコトゥㇽパ §080.ためいき(2)安心して溜息をつく tanne hese yaykoturpa〔たンネ・へセ・やイコトゥㇽパ〕[tanne(長い)、hese(息)、yay(自分)+ko(と共に)+turpa(伸ばす)]⦅ユ研Ⅱ, p.668⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tannetusa
タンネトゥサ 【tanne tusa】 長袖. (出典:萱野、方言:沙流)
tantotorici=astustekka
タントトリチアㇱトゥㇱテッカ 【tan-to tori ci=as tus-tek-ka】 立ち尽くす,じっとして立ち続ける.▷タント=今日 トリ=滞在 チ=それ アㇱ=立つ トゥㇱテッカ=金縛り (出典:萱野、方言:沙流)
tantuka
タントゥカ 【tantuka】 穂束:主として種として残す束. ピヤパ タントゥカ=ヒエの穂束.ムンチロ タントゥカ=アワの穂束.シプㇱケㇷ゚ タントゥカ=イナキビの穂束. (出典:萱野、方言:沙流)
tapsut/tapsutu(hu)
タㇷ゚スッ/タㇷ゚ストゥ(フ) 【tapsut/-sutu(hu)】 肩. (出典:萱野、方言:沙流)
tapsutu(hu)
タㇷ゚ストゥ(フ) 【名】[所](概は tapsut タㇷ゚スッ)…の肩、 彼の肩、 着物の肩の部分。 tapsutuhu kamure p タプストゥフ カムレㇷ゚[(着物の)肩・にかぶせる・もの]肩当て。(W) {E: the shoulders of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tapsutuhu yupyupke
タㇷ゚ストゥフ ユㇷ゚ユㇷ゚ケ §288.けいれんする(痙攣する)(16)肩がひくひくと動くtapsutuhu yupyupke〔táp-su-tu-hu|júp-jup-ke たㇷ゚ストゥフ・ゆㇷ゚ユㇷ゚ケ〕[その肩が・ひくひくする]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
taputur(-u)
タプトゥㇽ §202.かた(肩)(8)肩胛骨間 taputur(-u)〔ta-pú-tur タぷトゥㇽ〕[tap(肩)+utur(間)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
taputurukes(-e)
タプトゥルケㇱ §203.肩先;肩口(2)taputuru-kes(-e)〔ta-pú-tu-ru-keš タぷトゥルケㇱ〕[肩・端]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.51】 (出典:知里人間編I、方言:)
tasutuy
タストゥイ 【tasu-tuy】 死ぬ:息が切れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tasutuynoyne
タストゥイノイネ 【tasu-tuy noyne】 息が切れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tatuspe
タトゥㇱペ 【名】[tat-us-pe 樺皮・がそれについている・もの] たいまつ(カンビの皮(tat タッ)を細く裂いて束ねたもので、 それに火をつけて明りとした)。 poro tatuspe a=kor híne sóyene=an wa inkar=an akus ポロ タトゥㇱペ アコㇿ ヒネ ソイェネアン マ インカラン アクㇱ 私が大きなたいまつを持つて外に出て見ると。(NK民話) ☞sune スネ {E: a torch (made from strips of bark of the birch tree bunched together).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tatuspe
タトゥㇱペ 【tat-us-pe】 灯火,灯:樺皮を燃やして灯にする. (出典:萱野、方言:沙流)
teketuype
テケトゥイペ 【teke-tuy-pe】 手の切れた者:役に立たない者に言う悪口. (出典:萱野、方言:沙流)
tekkutunin(-i)
テックトゥニン §530.てくび;腕関節部(9)tek-kutunin(-i)〔ték-ku-tu-nin てㇰクトゥニン〕[tek(手)+kut(首)+unin(関節)]⦅ビホロ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tektuyka
テㇰトゥイカ 【名】[tek-tuyka 手・の上側] 手の上側。 tektuyka ta amam pus uwecururse テㇰトゥイカ タ アマㇺ プㇱ ウウェチュルㇽセ まるで手の上に稲の穂が集まってくるようだ(稲の穂を摘むときの表現)。(S) {E: the upper arms.} (出典:田村、方言:沙流)
tektuyka
テㇰトゥイカ §525.手の甲;手背(6)tek-tuyka〔ték-tuǐ-ka てㇰトゥイカ〕[tek(手)+tuyka(上面)]⦅ホロべツ⦆【雅―神謡集, p.40】 (出典:知里人間編I、方言:)
tektuypok
テㇰトゥイポㇰ 【位名】[概](所は tektuypoki テㇰトゥイポキ) [tek-tuypok 手・下] 手の下側、 ひじから下の小指側 (S)/手全体の掌側 (W) {E: the lower arms; the forearms.} (出典:田村、方言:沙流)
tektuypok(-i)
テㇰトゥイポㇰ §526.てのひら;手掌(4)tek-tuypok(-i)〔ték-tuǐ-pok てㇰトゥイポㇰ〕[tek(手)+tuypok(下面)]⦅ホロべツ⦆【雅―神謡集, p.40】 (出典:知里人間編I、方言:)
tektuypoki
テㇰトゥイポキ 【位名】[所](概は tektuypok テㇰトゥイポㇰ) …の手の下側。 {E: the lower arms, forearms of…} (出典:田村、方言:沙流)
tekukotukka
テクコトゥッカ 【自動】[tek-u-kotukka 手・互い・…を…にくっつける] 手を合わせる(自分の両手を)。 ☆参考 tekukamure テクカムレ 別々の人が互いに手を重ね合わせる。 {E: to join the hands.} (出典:田村、方言:沙流)
temritusi
テㇺリトゥシ §129.腕と肋の間の肉temritusi〔tém-ri-tu-ši てㇺリトゥシ〕[temrit(腕の動脈)+us(ついている)+-i(所)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
temsutu(hu)
テㇺストゥ(フ) 【名】[所](概は temsut テㇺスッ)(独立の名詞としては未出) …の腕のつけ根のほう(「腕」の訳語として出てからすぐに訂正された)。 ☆参考 腕を表すには、 この地方では通常 amunin アムニン [概]/amunini(hi) アムニニ(ヒ)[所] と言い、 また、 腕と手首から先とを区別せず全体を言うには独立の名詞としては tek テㇰ [概]/teke(he) テケ(ヘ)[所] が用いられる。 {E: the arms at the shoulders.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tetaranuma kunnenuma inuma inuturupahte
テタラヌマ クンネヌマ イヌマ イヌトゥルパㇵテ §217.髪の種類(11)胡麻塩頭である tetara-numa kunne-numa inuma inuturupahte〔テたラヌマ・くンネヌマ・イぬマ・イぬトゥルパㇵテ〕[tetara-numa(白い・毛)、kunne-numa(黒い・毛)、i(その)+nu(<ru 頭髪>+u-turupah-te(相匹敵せ・しめる);白い毛黒い毛とがその頭髪を相半ばせしめている]⦅エイトイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tohotuh
トホトゥㇷ §501.乳ばれ;乳腺炎(5)toho-tuh〔to-hó-tuh トほトゥッ〕[toho(to 乳房、tohoその乳房)+tuh(<tuk 凸出する)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tokapetu
トカペトゥ §496.乳首(ちくび、ちちくび)(5)tokap-etu〔tó-ka-pe-tu とカペトゥ〕[乳房・鼻]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
toktukan
トㇰトゥカン 【toktukan】 しっぺをはる,指で弾く. (出典:萱野、方言:沙流)
tomatuna
トマトゥナ 【toma-tuna】 巻いたござをのせてある棚.▷トマ=ござ トゥナ=棚 (出典:萱野、方言:沙流)
tometu(-an)
トメトゥ §502.乳ばなれするto-metu(-an)〔tó-me-tu とメトゥ〕[to(乳)+metu(あます・やめる)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tomotuy
トモトゥイ 【自動】[tomo-tuy 中ほどの所[所]・切れる] 途切れる。 réra tomotuy レラ トモトゥイ 風がやんだ。(W) ☆参考 風がやむことは réra isam レラ イサㇺ とも言う。 {E: to stop; come to an end.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tomotuye
トモトゥイェ 【他動/後副】[tomo-tuye 中ほどの所[所]・を切る] ①[他動]…を横切る、 川や海を渡る。 pet ku=tomotuye wa ペッ クトモトゥイェ ワ (私は)川を渡って…。 ruyka tomotuye ルイカ トモトゥイェ 橋を渡りなさい(ruyka kari arpa ルイカ カリ アㇻパ とも言う)。(S) ②[後副]…を横切って。 atuy tomotuye ikesuy=an アトゥイ トモトゥイェ イケスイアン 私は怒って家を出て海を横切って(=越えて)行った。(W神謡語り) pet tomotuye uhasekoyki p ペッ トモトゥイェ ウハセコイキㇷ゚ 川越しに柴木でたたき合うもの(なぞなぞで、 答えは sikrapu シㇰラプ まつげ)。 {E: ①to cross…; to cut cross, across… ②across…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tomotuye
トモトゥイェ 【tomo-tuye】 渡る,横切る. アトゥイ トモトゥイェ=海を渡る.ポロワッカ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ アッサㇷ゚ ア・コㇿ ワ アッサエユプ・アン ワ ペッ トモトゥイェ・アン ペ ネ=大洪水の時には櫂を手に持ち強く漕ぎ,大川を渡るものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
topattumi
トパットゥミ 【名】[topa-t-tumi 群れ・(次の子音が重なったもの)・戦い](?) 群盗、 夜襲。 ☆参考 集団で他地方の集落へ行き、 山にかくれていて夜になってから村を襲い、 村人を全滅させて宝器、 宝刀などを奪って行く。 昔、 石狩・十勝・湧別などから来たと沙流の人々は言う。 {E: a gang of robbers, thieves.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
topattumi
トパットゥミ 【topat-tumi】 夜盗が群れになって襲う,夜討ち. クンネ ソイ タ ソイネアナクス(ソイネ・アン アクス) リ コㇺニタイ ラマラマ(ラㇺ ア ラㇺ ア) ペコㇿ ラㇺ コㇺニタイ リ ア リ ア ペコㇿ ア・ヌカㇻ.シノ ア・オヤモㇰテ クス ア・サハ エウン ア・イェ アクス オヤチキ トパットゥミ ネ アアン=夜,外へ出てみると高い灌木が低く低く見え,低い灌木が高く高く見えた.本当に不審に思ったので姉に言うと,知らなかったがそれは夜盗の群れであったのだ.*高い灌木が低く低く見え低い灌木が高く高く見えたというのは,夜盗の群れが村の近くに来て,様子を見るために背伸びしたり体を屈めたりしていることを表わす. (出典:萱野、方言:沙流)
topeeatu
トペエアトゥ 【tope-e-atu】 吐乳:乳児が飲んだ乳を吐くこと. (出典:萱野、方言:沙流)
toptukan
トㇷ゚トゥカン 【他動】[top-tukan 竹(?)/(擬態(?))・撃つ](?) …をはじく。 {E: to snap…} (出典:田村、方言:沙流)
torattus
トラットゥㇱ 【torar-tus】 (なめした)皮紐. (出典:萱野、方言:沙流)
toyetuk
トイェトゥㇰ 【自動(?)】[toy-e-tuk 土・その頭・出る](?) 土が上がって来る、 土が上がって来て穴がうまる。 (出典:田村、方言:沙流)
toyko-hepututu
トイコヘプトゥトゥ 【自動】[toyko-he-putu-tu ひどく・頭/顔・をつき出す・(重複)] ひどい仏頂面をしている、 ひどく不機嫌な顔/ふくれっつらをしている。 {E: to have, wear a sulky look; for one's bad temper to show on one's face.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toykoramutuy
トイコラムトゥイ 【toy-ko-ramu-tuy】 びっくり仰天する. (出典:萱野、方言:沙流)
toytumuncikah
トイトゥムンチカㇵ §315 ショウドウツバメ (1) toytumun-cikah (tóy-tum-un-ci-kah)「とイトゥムンチカㇵ」[<toy-tumun-cikah(土・中・の・鳥)] ⦅多蘭泊⦆ (出典:知里動物編、方言:)
toytunin
トイトゥニン §212 ミミズ (13) toytunin (tóy-tu-nin)「とイトゥニン」 ⦅真岡⦆ (出典:知里動物編、方言:)
toytuninka
トイトゥニンカ §212 ミミズ (14) toytuninka (tóy-tu-nin-ka)「とイトゥニンカ」 ⦅K富内、落帆⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tu supne rera re supne rera
トゥスㇷ゚ネレラ レスㇷ゚ネレラ 【tu-supne-rera re-supne-rera】 ふたつの強風,三つの強風. ▷トゥ=ふたつ スㇷ゚ネ=強い レラ=風 レ=三つ スㇷ゚ネ=強い レラ=風[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- 3
トゥ 【接頭】[< toy-](次の表現の中で)ひどく。 túray wenray ki トゥーライ ウェンライ キ/túray wenray wa isam トゥーライ ウェンライ ワ イサㇺ ひどい死にざまで死んでしまった(川上男と川下男の民話の結末の部分の常套句)。 ☞túray トゥライ (出典:田村、方言:沙流)
tu-makke-sama
トゥマッケサマ 【名】[tu-makke-sama 二つの・奥・(< のそば)] tu-makke-sama kotuye トゥマッケサマ コトゥイェ 何度だめだと言われても言うことをきかずに自分の意志を通す。 sekor hawean yakka tumakkesama a=kotúye híne sama ta hotke=an セコㇿ ハウェアン ヤッカ トゥマッケサマ アコトゥイェ ヒネ サマ タ ホッケアン …と(彼は)言ったけれども私は何度言われても言うことを聞かず彼のそばに寝た。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuarukam(-i)
トゥアルカㇺ §755.むね(胸)(17)クマの胸から腹えかけて中央部から縦に細長く切り取った肉 tuaru-kam(-i)〔tu-á-ru-kam トゥあル・カㇺ〕[tuaru(=tuyaru↑)+kam(肉)]⦅ビホロ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuaspa
トゥアㇱパ §551.なんちょう(難聴)(1)半つんぼである tu-aspa〔tu-áš-pa トゥあㇱパ〕[<ru-aspa(↓)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuayyoay
トゥアイヨアイ 【tuay-yoay】 魔物を射る矢.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ci
トゥチ 【名】[< 日本語]槌。 {E: a hammer; a mallet.} (出典:田村、方言:沙流)
tuci
トゥチ 【tuci】 槌,横槌. (出典:萱野、方言:沙流)
tucinesimpi
トゥチネシンピ §062 マグロ (3) tucine-simpi (tu-ci-ne-sim-pi)「トゥチネシンピ」 ⦅長万部⦆小さいマグロ (出典:知里動物編、方言:)
tuciseoype
トゥチセオイペ 【名】[tu-cise-o-ipe 二つの・家・に/で・食べる] 二軒で食べる人(一軒で食べてから別の家へ行ってまた食べる人)。 {E: someone who eats at two houses.} (出典:田村、方言:沙流)
tuhci
トゥㇷチ §267 オオヤマネコ;やまねこ (2) tuhci (túh-či)「とゥㇷチ」[<tukci] ⦅白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tuhey
トゥヘイ §515.つばをはく(5)つば吐く音;カーッ! tuhey〔tú-heǐ とぅヘイ〕[tu(つば)+hey(吐く音)]⦅S.⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
tuhkuh
トゥㇷクㇷ §284 ウラジロタデ ウラジロイタドリ (5) tuhkuh (túh-kuh)「とゥㇷクㇷ」 枯茎 ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tuhkuh
トゥㇷクㇷ §287 オオイタドリ (8) tuhkuh (túh-kuh)「とゥㇷクㇷ」 茎 ⦅鵜城⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tuhot
トゥホッ 【名】[数名][tu-hot 二つの・二十]四十、 四十個。 tuhot pak ku=kor rusuy トゥホッ パㇰ クコンルスイ 四十個ほどほしい。 {E: forty.} (出典:田村、方言:沙流)
tuhot
トゥホッ 【tu-hot】 40 (出典:萱野、方言:沙流)
tuhotne
トゥホッネ 【連体】[tu-hot-ne 二つの・二十・である]四十の。 {E: forty…} (出典:田村、方言:沙流)
tuhotnen
トゥホッネン 【名】[数名][tuhotne-n 四十の・(人数)]四十人。(S) ☆参考 姉のワテケさんは tuhotnin トゥホッニン と言う。 {E: forty people.} (出典:田村、方言:沙流)
tuhotnen
トゥホッネン 【tu-hotnen】 40人. (出典:萱野、方言:沙流)
tuhotnep
トゥホッネㇷ゚ 【名】[数名][tuhotne-p 四十の・もの]四十個のもの。 {E: forty things.} (出典:田村、方言:沙流)
tuhotnin
トゥホッニン 【名】[数名][< tuhotnen]/[tuhot-nin 四十の・[日本語]人(にん)]四十人。(W) ☆参考 妹のサダモさんは tuhotnen トゥホッネン と言う。 {E: forty people.} (出典:田村、方言:沙流)
tuikirkor
トゥイキㇼコㇿ §309 シジュウカラ (1) tuikirkor (tú-i-kir-kor)「とゥイキㇼコㇿ」[<tu-ikir-kor(二つの・列を・もつ)] ⦅美幌⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tuk
トゥㇰ 【自動】(芽が)出る、 (植物が)伸びる、 生長する (「おがる」)。 keni tuk ケニ トゥㇰ (木や草の)芽が出る、 芽をふく。 kina tuk pekor iki キナ トゥㇰ ペコㇿ イキ (子どもが)まるで草がのびるようにすくすくと育つ。 itto tuk pekor イット トゥㇰ ペコㇿ「一日おがりにおがるように」まるで一日で大きくなるように(どんどん大きくなることを表す慣用表現)。(W) kotan/mosir tuk コタン/モシㇼ トゥㇰ 村/国が栄える方へ向かう。(W) {E: to grow; bud; sprout.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuk
トゥㇰ 【tuk】 (草が)伸びる,育つ. ナー ウシンネ キナ トゥㇰ ペコㇿ ムン トゥㇰ ペコㇿ ク・コㇿ ション ヘトゥク シリ=日1日と草が伸びるように草が育つように私の子供が成長する. (出典:萱野、方言:沙流)
tuk
トゥㇰ 【tuk】 見える. (出典:萱野、方言:沙流)
tuk
トゥㇰ §242.[きすが]治る(1)tuk〔túkとぅㇰ〕["出る" "下から盛りあがってくる"]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
tuka
トゥカ 【tuka】 束:アイヌ民族が片手で持つ杵の握りの部分=イユタニトゥカ. (出典:萱野、方言:沙流)
tukamuynisne
トゥカムイニㇱネ 【tu-kamuy-nis-ne】 ふたつの神雲. アカㇻワアンペ トゥカムイニㇱネ レカミニㇱネ ウカエプンパ=私の刺繍物,ふたつの神雲,三つの神雲,重なり湧き起こる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tukan
トゥカン 【他動】…を撃つ(鉄砲や弓で)。 {E: to attack… (with guns, bows and arrows).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tukan
トゥカン 【tukan】 打つ. トットゥカン=しっぺ,中指を親指の先へつけてぴしっと相手を打つこと. (出典:萱野、方言:沙流)
tukap
トゥカㇷ゚ 【tukap】 釣針. (出典:萱野、方言:沙流)
tukap
トゥカㇷ゚ 【tukap】 幽霊. (出典:萱野、方言:沙流)
tukap 1
トゥカㇷ゚ 【名】つりばり。 tukap eus pe トゥカㇷ゚ エウㇱ ペ つりばりの先につけるえさ。 ☆参考 餌(えさ)は imok イモㇰ、 飼っている動物に与えるえさは ep エㇷ゚。 {E: a fishhook.} (出典:田村、方言:沙流)
tukap 2
トゥカㇷ゚ 【名】幽霊(ゆうれい)。 aynu tukap アイヌ トゥカㇷ゚ 人間の幽霊。 {E: a ghost.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tukap'imok
トゥカㇷ゚イモㇰ 【tukap-imok】 釣り餌.▷トゥカㇷ゚=釣針 イモㇰ=餌 ソンノ トゥカㇷ゚イモㇰ パㇰノ ポオンペポ アン キㇼプ ネ コㇿカ コㇿ ワ アㇻパ ワ エ アニー=本当に釣り餌ほどに少ない脂身だが持って行って食べてね.*本当に少ない食べ物をわずかずつ分けて食べることを.トゥカㇷ゚ イモㇰ パㇰノ(釣り餌ほどの物を分けて食べよう)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
tukapkotni
トゥカㇷ゚コッニ 【名】[tukap-kot-ni つりばり・についている・木] つりばりをさげたつり糸につけてある浮き。 {E: a float used on a fishing line.} (出典:田村、方言:沙流)
tukar
トゥカㇻ §278 あざらし (1) tukar (tu-kár)「トゥかㇻ」 ⦅北海道⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tukari
トゥカリ 【位名】[概/所] …の手前。 ruyka tukari ta en=etunankar ルイカ トゥカリ タ エネトゥナンカㇻ 橋の手前で出会った(「いきあった」)。(S) toy tukari eapamaka トイ トゥカリ エアパマカ (直訳すると)地面の手前で戸をあける=地面に近いごく下の方で戸をあける(遠慮ぶかく身を低くして入る様子の描写)。 toy tukari kokiramne トイ トゥカリ コキラㇺネ (直訳すると)地面のすぐ近くの所で低くなる=地上に高くそびえ立つ。 ☆参考 すぐそばのことには言わない。 「本箱の手前に本がある」というようなことには言わない。(S) ☆参考 空間的な手前を言う。 時間的な「以前」は etok エトㇰ[概]/etoko エトコ[所]。 {E: just before…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tukari/tukarike(he)
トゥカリ/トゥカリケ(ヘ) 【tukari/tukarike(he)】 こちら側,手前,近く. (出典:萱野、方言:沙流)
tukarike
トゥカリケ 【位名】[所](概は tukari トゥカリ) …の手前の所、 その手前の所。 too kamuy oka uske tukarike ta an poro tunpu トオ カムイ オカ ウㇱケ トゥカリケ タ アン ポロ トゥンプ あっちの神々がいる所(=神棚)の手前にある大きな部屋。(S) {E: a place this side of, just before…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tukci
トゥㇰチ §267 オオヤマネコ;やまねこ (1) tukci (túk-či)「とゥㇰチ」 ⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tukecaromap
トゥケチャロマㇷ゚ 【名】[tu-kecar-oma-p 二つの・(?)・(そこ)にある・もの] 両方に刃のついた刀。 ☆参考 厚いカンビの皮(樺皮)か何かでさやをつくり、 その上に karinpa カリンパ《桜の木の皮》を巻いたりしてある。(S) ☆参考 kecar ケチャㇻ という語はない。(S) 刃は notak ノタㇰ。 {E: a double-bladed sword.} (出典:田村、方言:沙流)
tukepcaromap
トゥケㇷ゚チャロマㇷ゚ 【tu-kep-caro-map】 槍.ユカㇻに出て来る槍のこと.普通はオㇷ゚,場面によってはユカㇻにパㇻスッオマㇷ゚という言い方で槍が出る.槍は,トゥケㇷ゚チャロマㇷ゚,オㇷ゚,パㇻスッオマㇷ゚の三通りの呼び名がある.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ki
トゥキ 【名】[< 日本語] 酒杯。 ☆参考 通常うるしぬりで、 現代のおわんのような形をしている。 大きさも大きいおわんくらいのものが多い。 kamuynomi カムイノミ《神まつり》(神に酒を献げて祈とうする儀式)をするときだけ使う、 ふだん飲むのには茶碗やゆのみを使う。 {E: a sake cup.} (出典:田村、方言:沙流)
tuki
トゥキ 【tuki】 杯(さかずき)の総称:お椀のような形の塗り物. (出典:萱野、方言:沙流)
tukikikir
トゥキキキㇼ §118 テントウムシ(瓢虫) (1) tuki-kikir(tu-ki-ki-kir)「トゥキキキㇼ」⦅幌別⦆テントウムシダマシ? (出典:知里動物編、方言:)
tukikorarpa
トゥキコラㇻパ 【他動】[tuki-ko-rarpa 杯・と共に・…を押える(複)] …に次々と酒を運んで来てどんどん飲ませる。 {E: to make…drink lots of alcohol.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tukinum
トゥキヌㇺ 【tuki-num】 杯.*トゥキというのは受け台のついたものを言うが,台をつけない上のほうの杯,椀だけをいう場合はトゥキヌㇺと言う.下の受け台のほうをオユㇱペあるいはタカイサラと言う.▷トゥキ=杯 ヌㇺ=粒 (出典:萱野、方言:沙流)
tukipasuy
トゥキパスイ 【tuki-pasuy】 捧酒箸:アイヌの願いを神に伝えてくれるへら状の道具. 図[トゥキパスイ] (出典:萱野、方言:沙流)
tukisarus
トゥキサルㇱ §284 うさぎ (4) tukisarus (tu-kí-sa-rus)「トゥきサルㇱ」[<tu-kisar-us(二つの・耳が・ついている)]沖狩の際の忌詞⦅白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tukisnunupe
トゥキㇱヌヌペ 【tu-kisnu-nupe】 ふたつの湿った涙. ▷トゥ=ふたつ キㇱヌ=湿める ヌペ=涙(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tukno
トゥㇰノ 【自動】[tuk-no 成長する・よく] よく伸びる、 生長がはやい(「おがりやすい」)。 {E: to grow, mature quickly.} (出典:田村、方言:沙流)
tukunne
トゥクンネ 【tukunne】 痺れる. ケマトゥクンネ=足が痺れる.ハイー ク・ケマハ カシ タ カ(ク・ア) ワ ネ ア ノイネ トゥクンネ ワ カㇱ(ク・アㇱ) カ エアイカㇷ゚=あーあ自分の足の上へ座ったらしく,痺れて立つことができない.ア・ケマハ トゥクンネ コㇿ ネㇷ゚カ ア・ムテㇰワ ア・ノイポロホ ア・コトゥッカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=足が痺れたら何かにつばをつけて自分の額にくっつけると治るものだ(紙につばをつけてびったりとつけたものであった). (出典:萱野、方言:沙流)
tukunne
トゥクンネ §392.しびれる(痺れる)(2)tukunne〔tu-kún-ne トゥくンネ〕[<tukur(死体)+ne(になっている)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tukunne 1
トゥクンネ 【自動】しびれる。 {E: to become numb.} (出典:田村、方言:沙流)
tukunne 2
トゥクンネ 【名(?)】中風。(W) {E: palsy; paralysis.} (出典:田村、方言:沙流)
tukunnecatcarke
トゥクンネチャッチャㇻケ §392.しびれる(痺れる)(4)しびれて知覚を失っていたのがやがてぜんまいがほぐれるようにちりちりとほどけて行く tukunne-catcarke〔tu-kún-ne|čát-čar-ke トゥくンネ・ちゃッチャㇻケ〕[tukunne(しびれる)+catcarke(<car-car-ke 散り・散り・する)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tukunnekocatcarke
トゥクンネコチャッチャㇻケ §392.しびれる(痺れる)(3)しびれて知覚を失っていたのがやがてぜんまいがほぐれるようにちりちりとほどけて行く tukunne-ko-catcarke〔tu-kún-ne|ko-čát-čar-ke トゥくンネ・コ・ちゃッチャㇻケ〕[tuknnne(しびれ)+ko(において)+catcarke(<car-car-ke 散り・散り・する)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tukusas
トゥクサㇱ §468 ワカメ ナンブワカメ (3) tukusas (tu-kú-sas)「トゥくサㇱ」[上記の音位転倒(metathesis)] ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tukusis
トゥクシㇱ 【名】[動物] アメマス(長さ20センチ位、 白黒の斑がある、 秋の初めにとれる)。(S)〔知分類 p.58〕 {E: a kind of trout.} (出典:田村、方言:沙流)
tukusis
トゥクシㇱ 【tukusis】 アメマス〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
tukusis
トゥクシㇱ §074 アメマス (1) tukusis(tu-kú-sis)「トゥくシㇱ」[<ru(跡)kusis]⦅多蘭泊、近文、穂別、萩野、千歳、多来加、美幌、沙流、富内、春採⦆アメマス。 (出典:知里動物編、方言:)
tum
トゥㇺ 【tum】 〜の中. フㇱコ トゥシㇼ トゥㇺ ア・クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤ ア・エテテ ワ ホック カネ アナン(アン・アン) ワ ア・クㇱペ ネ ウェンカムイ カ オンネ ㇷ゚ ネ クナㇰ ラム パ ワ エチャッケ ソモ ソイェネ ㇷ゚ ネ シコㇿ=古い墓地の中を通る場合はヨモギを杖にして腰を曲げて通るものだ,悪い化け物も年寄りだと思って汚ながって出て来ないものだそうだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
tum 1
トゥㇺ 【名】[概](所は tumi(hi) トゥミ(ヒ)) 力。 tum ka sak トゥㇺ カ サㇰ 力がない。 tum kor トゥㇺ コㇿ 力がある(=tumkor トゥㇺコㇿ)。 {E: strength; power.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tum 2
トゥㇺ 【位名】[概](所は tumu)①(土・水・草むら・林など)の中、 (たくさん集まっているもの)のただ中。 ironne nítay tum ta イロンネ ニタイ トゥㇺ タ 密集した森の中で。(W民話) mákip toytum un nep ka kirirse haw as pekor háwas hawas マキㇷ゚ トイトゥㇺ ウン ネㇷ゚ カ キリㇼセ ハウ アㇱ ペコㇿ ハワㇱ ハワㇱ どうしたんだか土の中で何かキーキー言う声がするようだ。(S民話) ②[雅][慣用句] núpe tum wa ヌペ トゥンマ [涙・の中・から]涙を浮かべながら。(W神謡K) ☆参考 onnay オンナイ は家や入れものや穴などのように中で空洞になっているものの内部。 tom トㇺ は崖面のように、 正面に見えてぶつかったり当たったりし得るような面のまん中あたり。 ほかにも「中」と訳せる語はたくさんある。 ☞onnay オンナイ {E: in; in the middle of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tum/tumu(hu)
トゥㇺ/トゥム(フ) 【tum/tumu(hu)】 力. (出典:萱野、方言:沙流)
tuma
トゥマ 【tuma】 ひび. (出典:萱野、方言:沙流)
tumahura
トゥマフラ 【tuma-hura】 木綿が燃えたにおい. (出典:萱野、方言:沙流)
tumakkar
トゥマッカㇻ 【他動】[tu-mak-kar 二つの・後ろ・する(他動詞形成)](人)のことを悪くなるようにと祈る、 (人)を呪う。 a=tumákkar pe ne yak a=ye アトゥマッカㇻ ペ ネ ヤカイェ たいしたこと(=ひどいこと)を祈られて(呪われて)いるんだそうだ。(S) {E: to curse…} (出典:田村、方言:沙流)
tumam
トゥマㇺ 【tumam】 抱く,添い寝(する),性交する. トゥマㇺ ワ ホッケ=抱いて寝る.ウトゥマㇺアン ロー=ふたりで寝ようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
tumam 1
トゥマㇺ 【他動】…をだいて寝る。 ku=merayke na en=tumam wa en=kore クメライケ ナ エントゥマㇺ ワ エンコレ 寒いからだいて寝てちょうだい。 cápe ku=tumam akus etoro wa ku=mokor ka eaykap チャペ クトゥマㇺ アクㇱ エトロ ワ クモコㇿ カ エアイカㇷ゚ 猫をだいて寝たらゴロゴロのどを鳴らして私は眠れなかった。 utumam ウトゥマㇺ だき合って寝る、 同衾する。 {E: to sleep embracing…} (出典:田村、方言:沙流)
tumam 2
トゥマㇺ 【名】[概](所は tumama(ha) トゥママ(ハ)) 胴(腰から肩まで、 背骨の長さの部分)。 ☆参考 nítumam ニトゥマㇺ 木の幹。 {E: trunk; body.} (出典:田村、方言:沙流)
tumam(-a)
トゥマㇺ §224.からだ(体);躯幹(7)胴体 tumam(-a)〔tu-mám トゥまム〕⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumam(-a)
トゥマㇺ §322.こし(腰)(1)tumam(-a)〔tu-mám トゥまㇺ〕⦅H.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumam/tumama(ha)
トゥマㇺ/トゥママ(ハ) 【tumam/tumama(ha)】 胴,体,幹,壁. (出典:萱野、方言:沙流)
tumama(ha)
トゥママ(ハ) 【名】[所](概は tumam トゥマㇺ) …の胴。 tumama tanne トゥママ タンネ 胴が長い。(S) {E: the trunk, body of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tumamahatokohse
トゥママハトコㇹセ §462.せむし;くる病(5)腰椎部亀背 tumamaha-tokohse〔tu-má-ma-ha|to-kóh-se トゥまマハ・トこㇹセ〕[その腰が・凸出している]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumamaraka
トゥママラカ §323.こしのいたみ;ようつう(腰痛);せんき(疝気)(2)tumam-araka〔tu-má-ma-ra-ka トゥまマラカ〕[腰・痛]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumamihri
トゥマミㇶリ §458.せぼね(背骨);脊椎骨;背柱(13)tumam-ihri〔tú-ma-miç-ri トゥまミㇶリ〕[tumam(躯幹)+ihri(ふしになっている骨;背骨)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumamisri
トゥマミㇱリ §322.こし(腰)(10)腰椎骨 tumam-isri〔tu-má-miš-ri トゥまミㇱリ〕[腰・雅骨]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumamkotanne
トゥマㇺコタンネ 【自動】[tumam-ko-tanne 胴・が・長い] 胴が長い(熊や豚について言う)。 {E: to have a long trunk, body (especially of a bear or a pig).}. (出典:田村、方言:沙流)
tumamnoske
トゥマㇺノㇱケ 【tumam-noske】 腰:体の真ん中. (出典:萱野、方言:沙流)
tumamnoske
トゥマㇺノㇱケ §322.こし(腰)(3)tumam-noske〔tu-mám-noš-ke トゥまㇺノㇱケ〕[胴・中]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumamnoski
トゥマㇺノㇱキ §224.からだ(体);躯幹(10)胴中;腰 tumam-noski〔tu-mám-noš-ki トゥまㇺノㇱキ〕[胴体・中央]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumamunni
トゥマムンニ/トゥママウンニ 【tumam-unni】 厚司(アットゥシ)を織る道具の一部品,体の後ろへ当てる板を曲げた物. ▷トゥママ=体 ウンニ=入る木,板(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuman(m-a)
トゥマン §224.からだ(体);躯幹(8)胴体 tuman(m-a)〔tu-mán トゥまン〕[<tumam]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuman(m-a)
トゥマン §322.こし(腰)(2)tuman(m-a)〔tu-mán トゥまン〕[<tumam>⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumanrupone
トゥマンルポネ §458.せぼね(背骨);脊椎骨;背柱(12)tuman-ru-pone〔tú-man-ru-po-ne トゥまンルポネ〕[<tuman(躯幹)+ru(みね)+pone(骨)]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumaoma
トゥマオマ 【tuma-oma】 ひびが入る:陶器などに出来る細い割れ目. トゥマオマ ワ ペㇾケ=ひび割れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tumasake
トゥマサケ 【tumasake】 木綿を燃やした煙.*夜泣きする子供にこのにおいをかがせると眠る. (出典:萱野、方言:沙流)
tumasi
トゥマシ 【後副】[tum-asi たくさんあるものの中・…を立てる](?) num tumasi ヌㇺ トゥマシ たくさんの粒の中の一部は。 (次の反復表現で) tumasi tumasi トゥマシ トゥマシ ところどころに(みんなにでなく)。 {E: here and there.} (出典:田村、方言:沙流)
tumasnu
トゥマㇱヌ 【自動】[tum-asnu 力・が充分ある](体が)丈夫である、 健康である、 (棒のようなものが)丈夫だ(折れにくい)。 tumasnu cikuni kumaha kar トゥマㇱヌ チクニ クマハ カㇻ 丈夫な木で物干し竿をつくりなさい。(S) hemanta ene tumasnu p ne siri an hi an! ヘマンタ エネ トゥマㇱヌㇷ゚ ネ シリ アニ アン! なんとまあ強いもんだなあ(ものをたくさん背負ったりよく働き乱暴なこともする)。 tumasnu nociw トゥマㇱヌ ノチウ よく光る星。 {E: to be healthy; strong.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tumasnu
トゥマㇱヌ 【tum-asnu】 強い. (出典:萱野、方言:沙流)
tumi
トゥミ 【tumi】 戦争,戦. トパットゥミ=夜盗. (出典:萱野、方言:沙流)
tumi 1
トゥミ 【名】戦争、 いくさ。 tumi an トゥミ アン 戦争がある、 戦争になる。(W) tumi epaye トゥミ エパイェ 戦争に行く。(W) tumi kor トゥミ コㇿ 戦争する(=tumikor トゥミコㇿ)。(W) tumi yupke トゥミ ユㇷ゚ケ 戦争がひどい=ひどい戦争がある。(W) tumi or un a=nisúk トゥミ オルン アニスㇰ 戦争に頼まれて行く=徴兵される。(W会話) tapan Sar kotan un topattumi sekor a=ye tumi ek katuhu タパン サㇻ コタヌン トパットゥミ セコライェ トゥミ エㇰ カトゥフ この沙流地域にトパットゥミという戦い(の軍団)が来たいきさつは。(W言い伝え) {E: war; a battle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tumi cip ne manu p esiraraonne
トゥミチㇷ゚ ネマヌㇷ゚ エシララオンネ 【tumi-cip nemanup e-sirara-onne】 軍船なるもの,それがひしめいて. ▷トゥミ=軍,戦い チㇷ゚=舟 ネマヌㇷ゚=なるもの エ=それ シララオンネ=ひしめきあって[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tumi(hi) 2
トゥミ(ヒ) 【名】[所](概は tum トゥㇺ) …の力。 {E: the power, strength of…} (出典:田村、方言:沙流)
tumieray
トゥミエライ 【tumi-e-ray】 戦死. (出典:萱野、方言:沙流)
tumikor
トゥミコㇿ 【自動】[tumi-kor 戦・を持つ] いくさをする、 戦う。 {E: to fight; do battle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tumikor
トゥミコㇿ 【tumi-kor】 戦争する. (出典:萱野、方言:沙流)
tumius
トゥミウㇱ 【他動】[tumi-us 戦・が(そこ)につく]…で戦争がある。 {E: for there to be war at, over…} (出典:田村、方言:沙流)
tumkor
トゥㇺコㇿ 【自動】[tum-kor 力・を持つ] 力がある、 強い、 力がつく、 元気になる。 ☆対語 tumsak トゥㇺサㇰ。 {E: to be strong; powerful; healthy.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tumkor
トゥㇺコㇿ 【tum-kor】 力が強い,力持ち. (出典:萱野、方言:沙流)
tumototus
トゥモトトゥㇱ §040 カツオ 渋p. 230 (1) tumototus(tu-mó-to-tus)「トゥもトトゥㇱ」[<tu(2つ)motot(背骨)us(ついている)] ⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tumpu
トゥンプ 【tumpu】 部屋.個室. (出典:萱野、方言:沙流)
tumsak
トゥㇺサㇰ 【自動】[tum-sak 力・を持たない] 力が弱い。 hemanta ene tumsak siri! ヘマンタ エネ トゥㇺサㇰ シリ! なんて弱いんだろう。(S) ☆対語 tumkor トゥㇺコㇿ {E: to be weak.} (出典:田村、方言:沙流)
tumsak
トゥㇺサㇰ 【tum-sak】 力が弱い,力がない. (出典:萱野、方言:沙流)
tumsak(-an)
トゥㇺサㇰ §483.だるい;かったるい;ものうい;倦怠感を覚える(1)tum-sak(-an)〔túm-sak とぅㇺサㇰ〕[tum(力、体力、気力)+sak(を缺く)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumsi
トゥㇺシ 【名】何かについている「ぼんぼりこ」、 下げ飾り(箸の上端の木の飾り、 sintoko シントコ《大きい容器》に下げられた小さな飾り、 鎖鎌の分銅など、 短い鎖や紐でつけられブラブラゆれるようになっている小さいもの)。 ☆参考 木や金属のものを言う。 ししゆうした布の飾りは pusa プサ。 {E: a tassel (B.).} (出典:田村、方言:沙流)
tumsikot
トゥㇺシコッ 【名】[tumsi-kot 下げ飾り・ついている] 「ぼんぼりこ」(下げ飾り)が(紐や鎖でつけられて)ついている。 tumsikot sintoko トゥㇺシコッ シントコ シントコ(大きい容器、 この場合、 長方形だったという)と同じ形につくった小さい飾りが鎖で下がっているシントコ。(S) tumsikot pasuy トゥㇺシコッ パスイ【名】「ぼんぼりこ」みたいな下げ飾りのついている箸(菓子等を取るのに使う、 下げ飾りはひもでつけるのではなく、 一本の箸の上端をくりぬいて、 箸の本体から下げ飾りが鎖状につながっている形につくられている)。 {E: small wooden ornaments attached to various instruments (B.).} (出典:田村、方言:沙流)
tumta
トゥㇺタ 【tum ta】 〜の中に,間に. ムントゥㇺタ=草の中に.アイヌトゥㇺタ=人の間に. (出典:萱野、方言:沙流)
tumu
トゥム 【名/位名】[所](概は tum トゥㇺ) ①(いっぱいつまっているもの)の中、 (ものがいっぱいつまっている所)の中/ただ中、 その中/そのただ中。 tumu kunne hikehe トゥム クンネ ヒケヘ 黒味がかったの。 tumu ruhure siwnin トゥム ルフレ シウニン 赤味がかった緑(紫)。 ②[名]体の具合。 tumu pirka トゥム ピㇼカ 壮健である(体のどこも悪いところがなく、 力があり、 病気をしない)。 sonno tumu pirka kur ソンノ トゥム ピㇼカ クㇽ 本当に壮健な/健康で元気な人。(W) tumu wen トゥム ウェン 体の具合いが悪い。 mímus ápekor an korka tumu wen pe ne siri iki ミムㇱ アペコラン コㇿカ トゥム ウェン ペ ネ シリ イキ 太っているみたいだけれど体の具合いの悪いもののようだ。(S) ③[雅]tumu an kewtum トゥム アン ケウトゥㇺ [雅]思い違い、 まちがった気持ち、 憤慨。 tumu an kewtum/e=kora kuni p/somo ne nankor トゥム アン ケウトゥㇺ/エコラ クニㇷ゚/ソモ ネ ナンコㇿ あなたは決してまちがった気持ちを持って憤慨したりしてはいけませんよ。(Sユーカラ) {E: ①in… ②the condition of one's body, health. ③…} (出典:田村、方言:沙流)
tumu(a-)nu
トゥムヌ §669.病気が治る(8)[病気が]よい;[傷の痛みが]うすらぐ tumu-(a-)nu〔tu-mú-nu トゥむ・ヌ〕[tumu(その体力、その調子)+nu(もつ)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
mun
トゥムン 【名】細かいごみ、 ほこり。 cise noski pak túmun rikin wa an uske チセ ノㇱキ パㇰ トゥムン リキン マ アン ウㇱケ 家のまん中ぐらいまでほこりがつもっていた所。(W民話) {E: dust.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tumun
トゥムン 【tumun】 ごみ,ちり. (出典:萱野、方言:沙流)
tumunci
トゥムンチ 【名】戦争、 殺戮(さつりく)(?)。 tumunci kamuy トゥムンチ カムイ(悪い神の一つ。 いくさの神あるいは、 殺戮の神らしい。) {E: war; slaughter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tumunci
トゥムンチ 【tumunci】 悪魔.悪鬼. (出典:萱野、方言:沙流)
tumunci iyokpe
トゥムンチ イヨㇰペ 【名】くさりがま。 {E: a sickle and chain.} (出典:田村、方言:沙流)
tumunpana
トゥムンパナ 【tumun-pana】 ちり. トゥムンパナハ アッ=ごみぼこりが立つ. (出典:萱野、方言:沙流)
tumupeker
トゥムペケㇾ 【自動】[tumu-peker その中・明るい]少し明るい。 ☞sir-tumupeker シットゥムペケㇾ (出典:田村、方言:沙流)
tumupirka(-an)
トゥムピㇼカ §669.病気が治る(7)病人の調子がよい tumu-pirka(-an)〔tu-mú-pir-ka トゥむピㇼカ〕[tumu(その力、その調子)+pirka(よい)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tumus
トゥムㇱ 【tum-us】 房:束ねた糸の端を散らしたもの,木の鈴. (出典:萱野、方言:沙流)
tumusesek
トゥムセセㇰ 【tumu-sesek】 ぬるい. (出典:萱野、方言:沙流)
tumuskotkasup
トゥムㇱコッカスㇷ゚ 【tum-us-kot-kasup】 木鈴のついたしゃもじ. (出典:萱野、方言:沙流)
tumuskotpasuy
トゥムㇱコッパスイ 【tum-us-kot-pasuy】 木鈴つきの箸:クネニ(オンコ)で作る.*普段使われる箸ではなく.子供や孫がご飯を食べられるようになった時に,父親または祖父が作ってお祝いとして子供に贈る箸.1本の材料の頭の方を鈴のようにくり抜いて残す. (出典:萱野、方言:沙流)
tumusuyre
トゥムスイレ 【自動】☞sir-tumusuyre シットゥムスイレ (出典:田村、方言:沙流)
tumutuy
トゥムトゥイ 【自動】[tumu-tuy 力[所]・切れる] 力が尽きる。 asinuma hoski tumutuy=an ya kimun kamuy hoski tumutuy ya urametok uwante=an kusu アシヌマ ホㇱキ トゥムトゥイアン ヤ キムン カムイ ホㇱキ トゥムトゥイ ヤ ウラメトㇰ ウワンテアン クス 私が先に力が尽きるか熊が先に力尽きるか度胸比べをするために。(HK民話) {E: to run out of energy.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tun
トゥン 【名】[数名][tu-n 二つの・人(接尾辞)] 二人。 tun ne wa トゥン ネ ワ 二人で。 tun ren トゥン レン 二、 三人。 {E: two people.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tun
トゥン 【tun】 ふたり. トゥンネ=ふたりで. (出典:萱野、方言:沙流)
tun ikasma hotnen
トゥン イカㇱマ ホッネン 【tun ikasma hotnen】 22人. (出典:萱野、方言:沙流)
tun ikasma waniw
トゥン イカㇱマ ワニウ 【tun ikasma waniw】 12人. (出典:萱野、方言:沙流)
na
トゥナ 【名】火棚。 ☆参考 いろりの上方に、 二本の parpesni パㇻペㇱニ (天井の縦の梁)のそれぞれの下に丸太を一本ずつ、 túnakotni トゥナコッニ《火棚がついている木》で吊り下げ、 その二本の東端と西端に横向きに棒を渡し、 その上に簀(す)をのせる。 これを isatkeki イサッケキ《物干し簀》という。 横向き(南北方向)の棒の中央の下に、 縦(東西方向)にもう一本の丸太を結びつける。 または túnaikkewkotni トゥナイッケウコッニ で吊り下げる。 この中央の丸太を túnaikkew トゥナイッケウ《火棚の背骨》という。 その先端(東端つまり上座側)を削って細く上向きにしてある。 この部分を túnaetu トゥナエトゥ《火棚の鼻》という。(S) (出典:田村、方言:沙流)
tuna
トゥナ 【tuna】 火棚:囲炉裏の上に下がっている棚. 図[トゥナ] (出典:萱野、方言:沙流)
naetu
トゥナエトゥ 【名】[túna-etu 火棚・鼻]炉かぎを掛ける丸太(túnaikkew トゥナイッケウ)の先の削って細く上向きにしてある部分。 ☞túna トゥナ (出典:田村、方言:沙流)
tunaetu
トゥナエトゥ 【tuna-etu】 火棚の鼻. ▷トゥナ=火棚 エトゥ=鼻 *火棚の上座の側にあるバナナのような形をした部分のこと.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tunahkay
トゥナㇵカイ §290 トナカイ (2) tunahkay (tu-náh-kay)「トゥなㇵカイ」成獣⦅白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tunahkaykina
トゥナㇵカイキナ §419 ヒカゲノカズラ エゾヒカゲノカズラ  (2) tunahkay-kina (tu-náh-kay-ki-na)「トゥなㇵカイ・キナ」[トナカイ・草] 茎葉 ⦅落帆⦆ (出典:知里植物編、方言:)
naikkew
トゥナイッケウ 【名】[túna-ikkew 火棚・背骨]いろりの上に東西方向に下げられている丸太(これから炉かぎ(suwat スワッ)が下げられ、 それに鍋が掛けられる)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
naikkewkotni
トゥナイッケウコッニ 【名】[tunaikkew-kot-ni 炉かぎを下げる丸太・がついている・木] túna トゥナ《火棚》の丸太から炉かぎを下げる中央の丸太を吊り下げる木。(S) (出典:田村、方言:沙流)
tunakay
トゥナカイ §290 トナカイ (1) tunakay (tu-ná-kay)「トゥなカイ」成獣⦅樺太⦆ (出典:知里動物編、方言:)
nakotni
トゥナコッニ 【名】[túna-kot-ni 火棚・がついている・木]天井の縦の梁(parpesni パㇻペㇱニ)から túna トゥナ《火棚》の丸太を下げる木(ちょうどよいかぎの形に枝が出ている木を使う、 そのようなものを horkasuwat ホㇿカスワッ《逆さ炉かぎ》という)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
tunankar
トゥナンカㇻ 【tunankar】 行き合う. (出典:萱野、方言:沙流)
nas
トゥナㇱ 【自動/副】①早い。 na túnas ナ トゥナㇱ まだ早い(起きなくてよい)。 eytasa e=tunas エイタサ エトゥナㇱ あなたはあまり早すぎる(二人で米をついているとき、 一方が早すぎるので間に合わない)。(S) túnas kanpi トゥナㇱ カンピ 速達。 túnas kanpi ani トゥナㇱ カンピ アニ 速達で。(W) ②[助動詞的用法]…するのが早い、 早く…する。 mokor túnas utar モコㇿ トゥナㇱ ウタㇻ 早寝の人々。 poro túnas ポロ トゥナㇱ 大きくなるのが早い、 早く大きくなる。 ③[副]早く(=túnasno トゥナㇱノ)。 túnas hopuni トゥナㇱ ホプニ 早く起きなさい。 a=unúhu ka túnas ray wa isam アウヌフ カ トゥナㇱ ライ ワ イサㇺ 母も早く死んでしまった。 {E: ①to be quick; fast; early. ②to do…quickly, fast; to be quick, fast at doing… ③quickly; fast; hurry; early.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tunas
トゥナㇱ 【tunas】 早い,速い. トゥナㇱ ク・ホッケ アㇷ゚ アノントㇺタ ク・モㇱ ワ オラーノ ク・モコㇿ コヤイクㇱ=早くに寝たのに,夜中に目を覚ましそれから眠ることができない. (出典:萱野、方言:沙流)
tunashopuni
トゥナㇱホプニ 【tunas-hopuni】 早起き. (出典:萱野、方言:沙流)
tunashotke
トゥナㇱホッケ 【tunas-hotke】 早寝. (出典:萱野、方言:沙流)
tunaska
トゥナㇱカ 【tunas-ka】 急がせる,せかす, (出典:萱野、方言:沙流)
tunaskam(-i)
トゥナㇱカㇺ §330.こぶら;こむら;腓;腓腸筋(5)tunas-kam(-i)〔tú-naš-kam とゥナㇱカㇺ〕[tunas(早い)+kam(肉)]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
nasno
トゥナㇱノ 【副】[tunas-no 早い・(副詞形成)] 早く。 ☆参考 -no ノ のつかない túnas トゥナㇱ だけの形でも使う。 速く話しているとき、 軽く言うには túnas トゥナㇱ を使うことが多い。 {E: quickly; fast.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tunasno
トゥナㇱノ 【tunas-no】 早く,急いで. ニサッタ アナㇰネ イット エキㇺネ ク・キ クスネ ナ トゥナㇱノ ホプニ クナㇰ ラム=明日は日帰りで山へ行くから早く起きると思え.タパン ポン トイ トゥン ネ ワ エチ・ウカスイ ワ ネ ヤㇰネ トゥナㇱノ エチ・キナカㇻ オケレ ナ ホクレ イキ ヤン=この小さい畑,ふたりで手伝い合うならば早く草取りが終わるから早くしなさい.フーン エチ・ウコトㇺ ルウェー.トゥナㇱノ ピㇼカ ポンペ エチ・ヤイコサンケ ヒ ク・ヌカㇻ ワ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ) ルスイ ナ アニー=まあお前たちの似合うことよ.早くかわいい赤ちゃんをふたりの間で産んだのを私は見て喜びたいからね. (出典:萱野、方言:沙流)
tunasray
トゥナㇱライ §389.しぬ(死ぬ)(27)急死する tunas-ray〔túŭ-naš-raǐ とぅーナㇱライ〕[tunas(早く)+ray(死ぬ)]⦅シラウラ、ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tunaste
トゥナㇱテ 【tunas-te】 急がせる. (出典:萱野、方言:沙流)
tunatumam
トゥナトゥマㇺ 【tuna-tumam】 火棚の本体. ▷トゥナ=火棚 トゥマㇺ(トゥママハ)=本体(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tunatunat
トゥナトゥナッ 【tuna-tunat】 揺れる,きしむ:たとえば.子供たちがあばれて床が揺れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tunci
トゥンチ 【tunci】 通訳. (出典:萱野、方言:沙流)
ne
トゥネ 【自動】[tu-ne 一本の糸・のようである](?) ピンと張っている。 eytasa túne na, ikiya tuy na, ponno honnere エイタサ トゥネ ナ、 イキヤトゥイ ナ、 ポンノ ホンネレ あんまりピンと張っているよ、 切れるといけないから、 少したるませておきなさい。(S) {E: to be stretched taut.} (出典:田村、方言:沙流)
neno
トゥネノ 【副】ピンと張って。 honne na, túneno turi wa anu ホンネ ナ、 トゥネノ トゥリ ワ アヌ たるんでいるよ、 ピンと張っておきなさい。(S) {E: stretched taut.} (出典:田村、方言:沙流)
tuni
トゥニ §302 カシワ カシワギ (5) tuni (tú-ni)「とゥニ」[<tunni] 茎 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tunikaomap
トゥニカオマㇷ゚ §117 オオカサモチ、オニカサモチ (1) tunikaomap (tú-ni-ka-o-map)「とゥニカオマㇷ゚」 茎 ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tunikarus
トゥニカルㇱ §441 シイタケ (1) tuni-karus (tú-ni-ka-rus)「とゥニ・カルㇱ」[カシワギ・キノコ] ⦅幌別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tunin
トゥニン 【名】[動物] ミミズ。 〔知分類 p.117((礼))〕 {E: an earthworm.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tunin
トゥニン 【tunin】 ミミズ. (出典:萱野、方言:沙流)
tunin
トゥニン §212 ミミズ (7) tunin (tú-nin)「とゥニン」 ⦅礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tuninka
トゥニンカ §212 ミミズ (9) tuninka (tú-nin-ka)「とゥニンカ」 ⦅K落帆⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tuninke
トゥニンケ §212 ミミズ (10) tuninke (tú-nin-ke)「とゥニンケ」 ⦅K富内⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tunkasapa
トゥンカサパ §400.しゃれこおべ;どくろ(→§341参照)(3)tunka-sapa〔túŋ-ka-sa-pa とぅンカサパ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tunkirurkur
トゥンキルㇽクㇽ §276 アカザ (6) tunkirurkur (tún-ki-rur-kur)「とゥンキルㇽクㇽ」 茎葉 ⦅有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tunna
トゥンナ 【tunna】 ふたり:人数を数える時に言う言葉.*昭和58年5月7日西島てるフチが教えてくれたもの. (出典:萱野、方言:沙流)
tunnay
トゥンナイ 【自動】ビューとふき出る。 {E: to gush, rush out.} (出典:田村、方言:沙流)
tunne
トゥンネ 【tunne】 気が進まない.億劫だ. (出典:萱野、方言:沙流)
tunni
トゥンニ 【名】[植物]柏の木。 〔知分類 p.178, 179〕 {E: an oak tree.} (出典:田村、方言:沙流)
tunni
トゥンニ 【tunni】 カシワ:カシワには粒の大きいニセウ(どんぐり)がなる. (出典:萱野、方言:沙流)
tunni
トゥンニ §302 カシワ カシワギ (4) tunni (tún-ni)「とゥンニ」 茎 ⦅幌別、穂別⦆⦅A沙流・鵡川・千歳・有珠⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tunni
トゥンニ §303 カラフトガシワ (2) tunni (tún-ni)「とゥンニ」 茎 ⦅白浦、真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
Tunnika
トゥンニカ 【名】[地名] トニカ。 {E: place name.} (出典:田村、方言:沙流)
tunninisew
トゥンニニセウ 【tunni-nisew】 カシワの実. (出典:萱野、方言:沙流)
tunnitay
トゥンニタイ 【名】[tunni-tay 柏の木・林][植物] 柏の林。 〔知分類 p.179 tunni((白浦、 眞岡))〕 {E: a wooded area, a forest of oak trees.} (出典:田村、方言:沙流)
tunnu
トゥンヌ 【名】[動物](=tonnu トンヌ)クラゲ。(S民話) (同じ民話の中で四回この語を言っているうち最初の一回だけ tunnu トゥンヌ と言い、 あとの三回は tonnu トンヌ と発音した。 したがって tonnu トンヌ のほうが正しい形だと思われる。)〔知分類 p.135 tonru((虻;礼;長))クラゲ〕 {E: a jellyfish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tunoiwaysuy
トゥノイワイスイ 【副】[tu-no-iwan-suy 二つの(=たくさんの)・(強調)・六つの・回][雅] 何回も何回も。 tunoiwaysuy/i=enkasi/ekarinpa ayne トゥノイワイスイ/イエンカシ/エカリンパ アイネ [雅]何回も何回も私の上をグルグル飛び回ってから。(W神謡語り) ☆参考 iwaysuy イワイスイ [iwan-suy]《六回》だけでも《何回も、 多数回》を表す。 tuno- トゥノ がついてさらに強調されている。 noiwan ノイワン は《六つもの》、 tunoiwan トゥノイワン の例はこれしかない。 {E: a number of times; many times.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tunpu
トゥンプ 【名】部屋。 kamuy oka uske tukarike ta an poro tunpu カムイ オカ ウㇱケ トゥカリケ タ アン ポロ トゥンプ 神棚の手前にある大きい部屋。(S) ☆参考 昔、 普通の家は部屋が分かれていなかった。 大きい家ではござをカーテンのように下げて間仕切りした。 その仕切られた所が tunpu トゥンプ。 口承文学には部屋のいくつもある大きな宮殿のような家が出てくる。 今の家の部屋を言うにも tunpu トゥンプ と言う。(S) {E: a room.} (出典:田村、方言:沙流)
tunroseta
トゥンロセタ §268 イヌ (27) tunro-seta (tún-ro-se-ta)「とゥンロセタ」[<tunro(虎ふのある)seta(イヌ)] ⦅北海道⦆とらイヌ (出典:知里動物編、方言:)
tuntek
トゥンテㇰ 【tuntek】 響く. (出典:萱野、方言:沙流)
tuntek(-an)
トゥンテㇰ §661.ひびく[歯が痛む時は耳までひびくなどの]tuntek(-an)〔tún-tek とぅンテㇰ〕[tun(ズキンという音)+tek(動詞語尾、そのような状態になるの意)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuntu
トゥントゥ 【名】(家の)大黒柱。 {E: the central pillar, the main support of a house.} (出典:田村、方言:沙流)
tuntu
トゥントゥ 【tuntu】 柱. (出典:萱野、方言:沙流)
tuntunko
トゥントゥンコ 【tuntunko】 サメの卵.*サメの卵は飯粒のような形をしていて.それをトゥントゥンコといっていたのを聞いた.普通サケの卵やウグイの卵はチポㇿという. (出典:萱野、方言:沙流)
tunuise
トゥヌイセ 【tunuise】 連なり出る. アユピイェイタㇰ ウゥェトゥヌイセ=兄が言う言葉が連なり出る. *ウ(互いに)・トゥヌイセがウゥェトゥヌイセになる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tununatki
トゥヌナッキ 【tununatki】 響き渡る[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tununitara
トゥヌニタラ 【tununitara】 響いている. (出典:萱野、方言:沙流)
tuokneiporo
トゥオㇰネイポロ 【tu-ok-ne iporo】 ふたつの憂い顔. ▷トゥ=ふたつ オㇰネ=憂い イポロ=顔色 トゥオㇰネイポロ レオㇰネイポロ エヌラッキ=ふたつの憂い顔,三つの憂い顔,沈痛な様子[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tup
トゥㇷ゚ 【tup】 移る,場所を移す. チセ トゥㇷ゚=家を移った. (出典:萱野、方言:沙流)
tup
トゥㇷ゚ 【tup】 ふたつ. (出典:萱野、方言:沙流)
tup 1
トゥㇷ゚ 【自動】移る、 引っ越す。 {E: to move; change positon, residence.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tup 2
トゥプ 【名】[数名]二、 二つ(二個/二匹/二羽…)。 ☆参考 「二人」には通常 tun トゥン が用いられるが、 敬意のない表現として tup トゥㇷ゚ も使われる。 {E: two as a counter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tup ikasma asiknehot
トゥㇷ゚ イカㇱマ アシㇰネホッ 【tup ikasma asikne hot】 102 (出典:萱野、方言:沙流)
tup ikasma hot
トゥㇷ゚ イカㇱマ ホッ 【tup ikasma hot】 22 (出典:萱野、方言:沙流)
tup ikasma wanpe
トゥㇷ゚ イカㇱマ ワンペ 【tup ikasma wanpe】 12 (出典:萱野、方言:沙流)
tup ranke
トゥㇷ゚ ランケ 【tup ranke】 ふたつずつ. (出典:萱野、方言:沙流)
tup sumawekor
トゥㇷ゚ スマウェコㇿ 【他動】[tup sumawe-kor 二つ(二頭)・の殺した獲物・を持つ] …を二頭殺す。 tup sumawekor rep sumawekor トゥㇷ゚ スマウェコㇿ レㇷ゚ スマウェコㇿ (熊などを)二頭も三頭も殺した。 {E: to kill two…(game).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tupa
トゥパ §067 サケ あきあじ、あきやじ  処(1) tupa (tu-pa)「トゥパ」 (出典:知里動物編、方言:)
tupacap
トゥパチャㇷ゚ §268 イヌ (12) tupacap (tú-pa-čap)「とゥパチャㇷ゚」[<tu-pa-ciya-p(ふた・きせつ・冬を越した・ (出典:知里動物編、方言:)
tupaciyanka
トゥパチヤンカ §278 あざらし (18) tupa-ciyanka (tu-pá-či-yan-ka)「トゥぱチヤンカ」[<二年・仔] ⦅多来加⦆アゴヒゲアザラシの三歳獣 (出典:知里動物編、方言:)
tupaciyatukar
トゥパチヤトゥカㇻ §278 あざらし (30) tupaciya-tukar (tu-pá-či-ya-tu-kar)「トゥぱチヤトゥカㇻ」[‘二年・越年した・アザラシ’] ⦅多来加⦆ゴマフアザラシの三歳子 (出典:知里動物編、方言:)
tupare
トゥパレ §523.つわり(悪阻)になる(5)tupare〔tu-pá-re トゥぱレ〕[<日本語「豆波利」]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tupaurikka
トゥパウリッカ §278 あざらし (41) tupa-urikka (tu-pá-u-rik-ka)「トゥぱウリッカ」 ⦅多来加⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tupe
トゥペ 【tupe】 縛る. (出典:萱野、方言:沙流)
tupep
トゥペㇷ゚ 【名】[概](所は tupepi(hi) トゥペピ(ヒ)) かた結び。 rantupep ラントゥペㇷ゚ [雅](笠の)たれ紐=(笠の)あごひも。 {E: a knot; a half hitch.} (出典:田村、方言:沙流)
tupepi
トゥペピ 【tupepi】 (糸とか紐の)端. (出典:萱野、方言:沙流)
tupepi(hi)
トゥペピ(ヒ) 【名】[所](概は tupep トゥペㇷ゚) …のかた結び(の結び目)。 rantupepi ラントゥペピ (笠)のたれひも。 {E: a knot, a half hitch of…} (出典:田村、方言:沙流)
tupepkar
トゥペㇷ゚カㇻ 【自動(?)】[tupep-kar かた結びの結び目・をつくる]かた結びに結ぶ。 (出典:田村、方言:沙流)
tupes
トゥペㇱ 【間投】八(数えるとき)。 「八個」は tupesanpe トゥペサンペ。 {E: eight as a counter.} (出典:田村、方言:沙流)
tupes
トゥペㇱ 【tupes】 八つ. (出典:萱野、方言:沙流)
tupesan
トゥペサン 【連体】[数連体][tup-e-san 二つ・で・出る](?) 八つの、 八個の、 八人の。 tupesan sike トゥペサン シケ 八個の荷物。 tupesan poyson トゥペサン ポイソン 八人の子ども。 {E: eight as a counter. Eg. eight people, things etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tupesanhot
トゥペサンホッ 【名/間投】[tupesan-hot 八つの・二十] 百六十。 {E: one hundred and sixty.} (出典:田村、方言:沙流)
tupesaniw
トゥペサンニウ 【名】[tupesan-iw 八の・(人数)] 八人。 {E: eight people.} (出典:田村、方言:沙流)
tupesaniw
トゥペサニウ 【tupesan-iw】 8人. (出典:萱野、方言:沙流)
tupesanpe
トゥペサンペ 【名】[tupesan-pe 八つの・もの] 八つ(八個/八匹/八羽…)、 八個のもの。 {E: eight things, items etc.} (出典:田村、方言:沙流)
tupesanpe
トゥペサンペ 【tupesan-pe】 8,八つ. (出典:萱野、方言:沙流)
tupesanto
トゥペサント 【tupesan-to】 八日. (出典:萱野、方言:沙流)
tupetupe
トゥペトゥペ 【tupe-tupe】 何回も縛る. (出典:萱野、方言:沙流)
tupir(-i)
トゥピㇼ §240.きずあと(傷痕);古傷tupir(-i)〔tú-pir トゥぴㇼ〕[tu(すたれた、古い)、pir(きず)]⦅チカブミ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
piro
トゥピロ 【自動】[tú-pir-o ひどい(?)・傷・がそこにある] あばたがある(できもの/疱瘡のあとがでこぼこになっている)。 {E: to be pockmarked.} (出典:田村、方言:沙流)
tupitupit
トゥピトゥピッ 【tupitupit】 あばた(の). (出典:萱野、方言:沙流)
tupka
トゥㇷ゚カ 【tup-ka】 移植する. (出典:萱野、方言:沙流)
tupnerepne
トゥㇷ゚ネレㇷ゚ネ 【tup-ne rep-ne】 ふたつ三つに. (出典:萱野、方言:沙流)
tupokoro
トゥポコロ §355.産―ふたご;双生児;双胎児(5)双生児を産む tu-po-koro〔tu-pó-ko-ro トゥぽコロ〕[tu(二つの)+po(子)+koro(もつ)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tupte
トゥㇷ゚テ 【他動】[自動使役][tup-te 移る・させる] …を移す、 (木)を植えかえる(移し植える)。 {E: to move, transplant…} (出典:田村、方言:沙流)
tupte
トゥㇷ゚テ 【tup-te】 移す. (出典:萱野、方言:沙流)
tur
トゥㇽ 【名】[概](所は turi(hi) トゥリ(ヒ)) あか(垢)。 {E: dirt; grime.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tur(-i)
トゥㇽ §005.あか(垢)(1)tur(-i)〔túrとぅル〕⦅H.,S.タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tur/turi(hi)
トゥㇽ/トゥリ(ヒ) 【tur/turi(hi)】 垢. トゥㇽ ウㇱ ペ シㇰヌ=垢のついている病人は生きる.トゥㇽ サㇰ ペ ライ=垢のついていない病人は死ぬ. (出典:萱野、方言:沙流)
tura
トゥラ 【tura】 連れる,一緒に行く,連れて行く. エ・コㇿ フチ ソイタ エパㇱカンタラ ワ アㇱ ワ アン ナ トゥラ ワ エㇰ ワ アペ サㇺ タ アレ=お前のおばあちゃんが外で気抜けしたように立っているから連れて来て火の側に座らせろ.ク・ポニ(ク・ポン ヒ) タ アナㇰネ エアㇻキンネ イケサンパ エオ ㇷ゚ ア・ネ ア・ウヌフ ネンカ アㇻパ ノイネ シㇼキ コㇿ イイェトゥㇱマㇰ・アン ア・トゥラ ㇷ゚ ネ ア ワ=私が子供の時はとっても追いかける癖めいたものがあって,母がどこかへ行きそうな様子があると先回りをしてでも母と一緒に行ったものだ.ホクレ ホプニ ワ エウォンネ.シㇼピㇼカ クス ユㇰカルㇱ コルウヌ(ク・オルウヌ) ウㇱケ ウン エチ・トゥラ ナ=さあ早く起きて顔を洗え.天気がいいしマイタケが生えているのを知っている所にお前を連れて行くから. (出典:萱野、方言:沙流)
tura
トゥラ 【tura】 〜と. ソンノ エ・サハ トゥラ ウネノ エチ・オカイ ペ ネ クス シネン ランケ エチ・ヌカㇻ コㇿ ケランペウテㇰ(ク・エランペウテㇰ)=本当にお前の姉と似ているものだからひとりずつ見ると私はわからなくなる. (出典:萱野、方言:沙流)
tura 1
トゥラ 【他動】…を/に同伴する、 …と一緒に行く/来る、 …と連れだつ(「かたる」)。 umma tura ウンマ トゥラ 馬をひく。 tura wa arpa トゥラ ワ アㇻパ (…と)一緒に/連れだって行く。 kani ka en=tura カニ カ エントゥラ 私も連れて行ってください。 {E: to go, come together with, accompany…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tura 2
トゥラ 【後副】①…と一緒に、 …と連れだって(=turano)。 ku=yupo tura paye=as クユポ トゥラ パイェアㇱ (私たちは)(私たちの)兄と行く、 私の兄と連れだって行く。(S) ②(交換の対象)…と。 usa iyoype tura cihoki turano a=utáspare ウサ イヨイペ トゥラ チホキ トゥラノ アウタㇱパレ いろんな宝物と肉や魚の乾物と交換する。(S) ③cis tura チㇱ トゥラ (直訳すると)泣くとともに=泣きながら、 涙ながらに。 núpe tura ヌペ トゥラ 涙とともに(=涙を流して、 泣きながら)。 {E: together with, accompany…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turamkor
トゥラㇺコㇿ 【自動】[tu-ram-kor 二つの・心・を持つ](?) 臆病である。 ikaoyoko=an sekor hawean=an yakun turamkor=an wa hawean=an hi ne sekor yaynu kuni a=ramú kusu イカオヨコアン セコㇿ ハウェアナン ヤクン トゥラㇺコラン ワ ハウェアナニ ネ セコㇿ ヤイヌ クニ アラム クス 私は見張りをすると言えば、 憶病でそう言っているのだと思われると私は思ったから。(HK民話) {E: to be cowardice; timid.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turamukor
トゥラムコㇿ 【自動】臆病である (よく何でも恐ろしがる)。(S) ☆参考 turamkor トゥラㇺコㇿ の聞き違いか。 ☆参考 istómaeo イㇱトマエオ とも言う。(S) {E: to be cowardice; timid.} (出典:田村、方言:沙流)
turamukor
トゥラムコㇿ 【turamukor】 臆病な,意気地なし,度胸がない. (出典:萱野、方言:沙流)
turano
トゥラノ 【後副】[tura-no …を同伴する・(副詞形成)] …と一緒に、 彼/それと一緒に、 …と。 turano k=an kur トゥラノ カン クㇽ 主人、 うちの人(自分の夫)。 ☞tura トゥラ {E: together with, accompany…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turano
トゥラノ 【tura no】 一緒に. トゥラノ アㇻパ=一緒に行け. (出典:萱野、方言:沙流)
turapa
トゥラパ 【他動】[複](tura トゥラ 1 は単複の区別なし)(二人以上が/二人以上を皆)…を同伴する、 …と一緒に行く/来る。 {E: to go, come together with, accompany… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turapo
トゥラポ §021.子(22)turapo〔tu-rá-po トゥらポ〕⦅タライカ、ニイトイ⦆つれこ(連子)。[tura(連れた、連れて来た)+po(子)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
turare
トゥラレ 【複他動】[他動使役] [tura-re …を同伴する・させる] …に…を同伴させる、 …に…と一緒に行かせる/来させる。 {E: to make, let…accompany…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turasi 1
トゥラシ 【他動】…に沿って上(かみ)の方へ行く、 (川や沢)をさかのぼって行く。 pet a=turási híne ペッ アトゥラシ ヒネ 私は川をさかのぼって。(HK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turasi 1
トゥラシ 【turasi】 ①のぼる,遡る,たどる. オサッ ア・トゥラシ ワ オサッ エトコタ アㇻパ・アン シモンサムン ラナン(ラン・アン) コㇿ アペッ ネ.ハㇻキサムン ラナン(ラン・アン) コㇿ マカウシ エトコホ ネ=オサツ沢をたどりオサツ沢の源へ行き右へ下りるとアペツ沢.左へ下りるとマカウシ沢の源だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
turasi 2
トゥラシ 【後副】…に沿って上(かみ)の方へ、 (川や沢)をさかのぼって。 nupuri turasi hemesu=an ヌプリ トゥラシ ヘメスアン 私は山をのぼって行った。(W民話) pet turasi kotan sipirasa ペッ トゥラシ コタン シピラサ 川沿いに集落が(下から上へと)広がっていった。(S言い伝え) {E: upstream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turasi 2
トゥラシ 【turasi】 ②〜づたいに,〜沿いに. ペットゥラシ=川沿いに.ナイトゥラシ=沢沿いに.シネ アン パイカㇻ イサロイキㇷ゚ ア・コㇿ ヒネ オケネウㇱ トゥラシ アㇻパ・アン タㇱテㇰテㇰ イサロイキㇷ゚ シㇰノ プクサキナ ア・ウㇰ ワ イワカン(イワㇰ・アン)=ある春のこと,やや大型の背負い袋を持ってオケネウシ(という沢)をのぼって行き,あっという間にやや大型の背負い袋いっぱいにニリンソウを採取して帰って来た.ナイクスン(ナイクㇱ ウン) アチャポ オサッ エトコホ タ スマウコㇿ ヤㇰ ア・イェ アクス コタヌン(コタン ウン) ウタㇻ ウハウェポポ パ コㇿ ナイ トゥラシ アㇻパ ア ワ=沢の向かいのおじさんがオサツ沢の奥の方で熊を獲ったということで村人たちは大勢でがやがや騒ぎながら沢をのぼって行ったよ. (出典:萱野、方言:沙流)
turasino
トゥラシノ 【後副】[turasi-no …に沿って上(かみ)の方へ・(副詞形成)] …に沿って上(かみ)の方へ、 …沿いに上(かみ)に向かってずうっと。 nay ka pirka hike, turasino kotan oka ナイ カ ピㇼカ ヒケ、 トゥラシノ コタン オカ 沢でもよい沢は、 それにそって集落ができている。(S言い伝え) {E: upstream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ray
トゥライ 【自動】[tu(< toy)-ray ひどく・死ぬ](次の決まった言い回しの中で)ひどい死に方で死ぬ。 túray wenray ki トゥーライ ウェンライ キー ひどい死に方で死んでしまった。(S民話) túray wenray wa isam トゥーライ ウェンライ ワ イサㇺ ひどい死に方で死んでしまった。(W民話) ☆参考 二例とも Pánanpe パナンペ 川下男と Pénanpe ペナンペ 川上男の民話の結末の常套句。 初めの用例では動名詞となって《ひどい死に方で死ぬこと》。 (出典:田村、方言:沙流)
turay wenray ki
トゥライ ウェンライ キ §389.しぬ(死ぬ)(65)犬死する;野たれ死する tu-ray wen-ray ki〔tú-raǐ|wén-raǐ|kí とぅライ・うぇンライ・き〕[tu-ray(<toy-ray>…)]⦅サル―民譚集, p.160⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
turaynu
トゥライヌ 【他動】…を見失う、 …を見つけない、 …が見つからない。 wa kusu raykewehe póka a=turáynu hi ne nankor sekor ワ クス ライケウェヘ ポカ アトゥライヌ ヒ ネ ナンコㇿ セコㇿ だから遺体も見つからないのだろうと。(S会話) ☆対語 pa パ …を見つける。 ☆参考 sitturaynu[sir-turaynu] シットゥライヌ は《道に迷う》。 {E: to lose sight of, not find…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turaynu
トゥライヌ 【turaynu】 見つからない,見当らない,なくす. ク・コㇿ ペ ク・トゥライヌ=私のものが見つからない.クンネ ㇷ゚ ク・カㇻ クナㇰ ク・ラム コㇿ クンネ コポンチ トゥムン アッ コマレ(ク・オマレ) アㇷ゚ ネヒネ オㇿ ネア ウㇱケ コイラ(ク・オイラ) ク・トゥライヌ=黒い色のものにしようと思って黒い粘土の中へオヒョウの皮を浸けたのに浸けた場所を私はすっかり忘れて捜し出せない. (出典:萱野、方言:沙流)
turayram
トゥライラㇺ 【後副】[tura-iram …と一緒に・…と同時に](動詞の後に置かれて)…すると同時に。 {E: together with…; at the same time as…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turaywenray
トゥライウェンライ 【tu-ray-wen-ray】 悶死(する),悶え苦しんで死ぬ. (出典:萱野、方言:沙流)
turehni
トゥレㇸニ §296 クワ (2) tureh-ni (tu-réh-ni)「トゥれㇸニ」[<turep-ni] 茎 ⦅多蘭泊⦆ (出典:知里植物編、方言:)
turen
トゥレン 【turen】 憑く. コシンプ アイヌ トゥレン コㇿ イピㇼカレ ㇷ゚ カ オカ イウェンテ ㇷ゚ カ オカ ㇷ゚ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ネヒ ア・エラマン ワ ラム ア・クットコレ コㇿ シノ ピㇼカ ㇷ゚ ネー シコㇿ=妖精が人間の憑き神になると憑いた人間をよくする者もいるが悪くする者もいる.それを覚えて思いを反対にする(=逆に利用する)と本当にいいものだということだ. (出典:萱野、方言:沙流)
turenkamuy
トゥレンカムイ 【turen-kamuy】 憑き神.*憑いている神によってその人の運.不運が決まるという. (出典:萱野、方言:沙流)
turenpe
トゥレンペ 【turen-pe】 憑いている者. (出典:萱野、方言:沙流)
turep
トゥレㇷ゚ 【名】[植物] ウバユリ(「ウバイロ」)の根(食用)。 turep ta トゥレㇷ゚ タ ウバユリの根を掘る。 〔知分類 p.196 オオウバユリの鱗茎〕 {E: the roots of a kind of lily.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turep
トゥレㇷ゚ 【turep】 ウバユリ,オオウバユリ. (出典:萱野、方言:沙流)
turep
トゥレㇷ゚ §338 オオウバユリ エゾウバユリ (1) turep (tu-rép)「トゥれㇷ゚」[<ru(とける)-re(させる)-p(もの)、→注1] 鱗茎 ⦅北海道全地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
turep onka
トゥレㇷ゚ オンカ 【turep-onka】 ウバユリを発酵させる:ウバユリの澱粉を取った残りを発酵させる. (出典:萱野、方言:沙流)
turep'irup
トゥレㇷ゚イルㇷ゚ 【turep-irup】 ウバユリの澱粉. (出典:萱野、方言:沙流)
turepakammarewrew
トゥレㇷ゚アカㇺマレウレウ §152 ジャノメチョウの類 (1) turep-akam-marewrew(tu-rep-a-kam-ma-rew-rew)「トゥレㇷ゚アカㇺマレウレウ」⦅高島⦆ (出典:知里動物編、方言:)
turepni
トゥレㇷ゚ニ 【turep-ni】 クワ. (出典:萱野、方言:沙流)
turepni
トゥレㇷ゚ニ §296 クワ (1) turepni (tu-rép-ni)「トゥれㇷ゚ニ」[turep(→注1)ni(木)、“トゥレㇷ゚のなる木”] 茎 ⦅長万部、礼文華、虻田、有珠、幌別、白老、鵡川、穂別、千歳、沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
turepra
トゥレㇷ゚ラ 【名】[turep-ra ウバイロ・葉][植物] ウバユリ(「ウバイロ」)の葉。 {E: the leaves of the turep plant (a kind of lily).} (出典:田村、方言:沙流)
turepsito
トゥレㇷ゚シト 【turep-sito】 ウバユリ団子. (出典:萱野、方言:沙流)
turepta
トゥレㇷ゚タ 【自動】[turep-ta ウバユリの根・を掘って採る] ウバユリ([ウバイロ、 オンバイロ])の根を掘る(=掘って採る)。 {E: to dig up the roots of the turep plant (a kind of lily).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tureptacir
トゥレㇷ゚タチㇼ 【名】[turepta-cir ウバユリの根を掘って採る・鳥][動物](鳥の名)「カケスぐらいの鳥らしい。 見たことはない。 朝、 暗いうちに南へ向いて行く。 晩方に帰る。 薄暗くなったら帰ってくる。 鵡川にでもいるだろう。 “ku=maci ku=rara cik クマチ クララ チㇰ 私の妻は何もできないから(自分でしよう)”と鳴く。」 (S)〔知分類 p.209 ヤマシギ〕 {E: the name of a bird (a woodcock (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
tureptacir
トゥレㇷ゚タチㇼ §360 ヤマシギ (1) turep-ta-cir (tú-rep-ta-čir)「とゥレㇷ゚タチㇼ」[<turep(ウバユリの塊茎)ta(掘る)cir(鳥)] ⦅浦河、近文、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tureptausi
トゥレㇷ゚タウシ 【名】[turepta-us-i ウバユリの根を掘る・いつもみんなが習慣としてする・とき] ウバユリの根を掘る時期/季節。(S) {E: the season for digging up the roots of the turep plant (a kind of lily).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tures
トゥレㇱ 【名】[概](所は turesi(hi) トゥレシ(ヒ))[雅][古] ①妹(兄から見た妹)。 ②(姉から見た妹の意味で使われた例もある。) ☆参考 普通の話し言葉では、 兄から見た妹は matapa マタパ、 姉から見た妹は mátak マタㇰ。 ☞turesi トゥレシ 1 {E: ①a younger sister (from the perspective of an older brother).} (出典:田村、方言:沙流)
tures(-i)
トゥレㇱ §026.妹(1)tures(-i)〔tu-réš トゥれㇱ〕⦅H. S.⦆①妹(ただし、兄から妹を言う時にのみ用いる)。②情婦;愛人。③【雅】妻。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
tures(-i)
トゥレㇱ §037.妻(22)tures(-i)〔tu-réš トゥれㇱ〕⦅H. S.⦆【雅】妻。→本書, pp.506〜7。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
tures/turesi(hi)
トゥレㇱ/トゥレシ(ヒ) 【tures/turesi(hi)】 (男,兄から見た)妹〔雅〕. (出典:萱野、方言:沙流)
turesi 1
トゥレシ 【名】[< turesi(hi)]妹(兄から見た妹)(「…の妹」は kor turesi コッ トレシ)。 atuyso kurka/epunkine kamuy/kor turesi アトゥイソ クㇽカ/エプンキネ カムイ/コッ トゥレシ [雅]海外の地を守る神の妹。(Sユーカラ) a=kor turesi アコッ トゥレシ 私の妹、 わが妹。 ☆参考 血縁の妹とはかぎらない。 いとおしく思い、 いつくしんでいる女性を「妹」と呼ぶので、 養兄(育ての兄)が養っている女子を呼ぶとか、 また恋人や妻である場合もある。 日常語で「妹」を表す matapa マタパ、 mátak マタㇰ には、 そのような用法は未出。 ☞turesmacihi トゥレㇱマチヒ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turesi(hi) 2
トゥレシ(ヒ) 【名】[所](概は tures トゥレㇱ)…の(兄に対する)妹。 ☆参考 同じ話し手が同じ伝承の中で matapaha マタパハ とも言っている。 {E: a, the younger sister of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turesmacihi
トゥレㇱマチヒ 【名】[所](概は未出。 macihi マチヒ の概は mat)[tures-macihi 妹・妻[所]](直訳すると)妹妻、 (次の神謡中の文脈で)妹である妻。 Okikurmi kamuy turesmacihi オキクㇽミ カムイ トゥレㇱマチヒ オキクルミ神の妹妻。(W神謡K) ☆参考 この伝承でオキクルミ神は iresu yupi イレス ユピ《育ての兄》と呼ばれ、 自叙している女性は a=kor turesi アコッ トゥレシ《私の妹》と呼ばれているが、 伝承者による結末の語りの中でその女性が turesmacihi トゥレㇱマチヒ と呼ばれている。 ☞tures トゥレㇱ、 turesi トゥレシ 1 (出典:田村、方言:沙流)
turesnu
トゥレㇱヌ 【自動】[tures-nu 妹・を持つ][雅・古](兄が)妹を持っている、 妹がいる。 sine turesnu シネ トゥレㇱヌ (男性が)一人の妹を持っている。 {E: to have a younger sister (for an older brother).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turesnu
トゥレㇱヌ §026.妹(9)tures-nu〔tu-réš-nu トゥれㇱヌ〕⦅サル⦆【雅】(兄が)妹をもつ;妹がある。[tures(妹を)+nu(もつ)]。"sine〜-p a-ne ruwe ne"「ひとり妹のある者で我はあるのである」「わしには妹が一人あるのじゃ」⦅ユ研Ⅱ, p.446⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
tureturek
トゥレトゥレㇰ §664.皮膚のまだら(1)おでき、やけどなど治ったあとの皮膚がまだらになっている tureturek〔tu-ré-tu-rek トゥれトゥレㇰ〕⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
turi
トゥリ 【turi】 (舟の)棹:シウニ(ニガキ).アユㇱニ(タラノキ)製. 図[トゥリ] (出典:萱野、方言:沙流)
turi 1
トゥリ 【他動】[単](複は turpa トゥㇽパ)[tur-i (伸長を表す語根)・(他動詞形成)]…を伸ばす、 (短いもの)を長く伸ばす、 (まるまっているものやたたまれているものや体)をまっすぐに伸ばす、 (網)を張る、 ふとんを敷く(「ひく」)、 (手)をさしのべる、 …を引いて行く/来る。 ehotke hi turi wa anu エホッケ ヒ トゥリ ワ アヌ とこをひいて(ふとんを敷いて)おく。(W) {E: to stretch, straighten…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turi 2
トゥリ 【名】竿(舟の)。 {E: a rod, pole used to push a boat.} (出典:田村、方言:沙流)
turi(hi) 3
トゥリ(ヒ) 【名】[所](概は tur トゥㇽ)…の垢(あか)。 {E: the dirt, grime of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turi(turiri)
トゥリ(トゥリリ) 【turi】 伸ばす:相手に渡すために手に持って伸ばす. (出典:萱野、方言:沙流)
turimeciw
トゥリメチュー 【turi-mecuw】 相手の労をねぎらい,あるいは無事を喜んで,右腕を強く屈伸させること.右腕を強く相手に向けて屈伸させる[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
turiri
トゥリリ 【他動】[turi-ri …を伸ばす・(重複)] …をスーッと伸ばす、 (手)をスーッとさしのべている。 tekehe turiri テケヘ トゥリリ 手をスーツと伸ばす。 Okikurmi kamuy kor katkemat hunpe rika kisma wa puyar kari turiri hi ta オキクㇽミ カムイ コㇿ カッケマッ フンペ リカ キㇱマ ワ プヤㇻ カリ トゥリリ ヒ タ オキクルミ神の奥方が鯨の脂身をつかんで窓からさしのべたときに。(HK民話) {E: to stretch…taut.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turirke
トゥリㇼケ 【自動】[turir-ke (turiri トゥリリ《…を伸ばす》の語基)・(自動詞形成)](ゴム、 ビニール、 ふろしきなどが)伸びる。 {E: to stretch; grow.} (出典:田村、方言:沙流)
turituri
トゥリトゥリ 【turi-turi】 せかすように伸ばす. (出典:萱野、方言:沙流)
turkanmewewke
トゥㇽカンメウェウケ 【自動】[tur-kan-mewewke 垢・上へ・めくれる] 垢だらけである、 垢がめくれて落ちそうになっている。 {E: to be dirty; filthy.} (出典:田村、方言:沙流)
turmake
トゥㇽマケ 【間投】(神謡の折り返しの一部。 意味不明。) (W神謡K) ☞cupu turmake チュプ トゥㇽマケ (出典:田村、方言:沙流)
turmokorir
トゥㇽモコリㇼ 【turmokorir】 マルタニシ. (出典:萱野、方言:沙流)
turpa
トゥㇽパ 【他動】[複](単は turi トゥリ) ①(二つ以上)を伸ばす。 nep ka kettó hene a=turpa ruwe néno kane ネㇷ゚ カ ケット ヘネ アトゥㇽパ ルウェ ネノ カネ 何か毛布でも敷いたように。(W民話) ② ☞ukoramkur turpa ウコラㇺクㇽ トゥㇽパ、 ewkoramkur turpa エウコラㇺクㇽ トゥㇽパ {E: ①to stretch, straighten… (pl.).②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turpa
トゥㇽパ 【turpa】 伸ばす,(網を)張る. (出典:萱野、方言:沙流)
turpaotuy
トゥㇽパオトゥイ ☞sir-turpaotuy シットゥㇽパオトゥイ (出典:田村、方言:沙流)
tursak
トゥㇽサㇰ 【自動】[tur-sak 垢・を持っていない] 垢(あか)がついていない、 よごれていない、 きれいな。 tursak réra トゥㇽサㇰ レラ [よごれていない・風] きれいな空気。 {E: to be clean; pure not dirty.} (出典:田村、方言:沙流)
tursak
トゥㇽサㇰ 【tur-sak】 きれいだ,清潔だ:垢のついていない. (出典:萱野、方言:沙流)
turse
トゥㇽセ 【自動】[tur-se (擬態の語根)・…と言う] ストンと/サッと落ちる、 墜落する、 パタッところぶ(大げさに言う)、 (ついていたのが)ポロッととれて落ちる。 ku=turse wa ku=teke k=arkare クトゥㇽセ ワ クテケ カㇻカレ 私はころんで手を痛めた。(S) ☆参考 ただ普通に落ちる/ころぶことを誇張なく言うのには hácir ハチㇼ が使われる。 ついていたものがとれて落ちることは tuy トゥイ。 {E: to fall, drop with a plump.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
turse
トゥㇽセ 【turse】 落ちる,落下する,ころぶ. ソンノ エヤシㇼ エネ アン ウㇱケ タ ソモカタㇷ゚ネ イユニン クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ニカㇻ ホントㇺ ワ トゥㇽセ イユニン ヤㇰ ア・イェ=本当に全くあんな所で怪我するとは思わなかったのに,はしごの途中から落ちて怪我をしたという. (出典:萱野、方言:沙流)
tursere
トゥㇽセレ 【他動】[自動使役][turse-re パッと落ちる・させる] ストンと/パッと/ボタンと落とす、 墜落させる、 とばす。 kem ne hi pakno ne p tursere ケㇺ ネ ヒ パㇰノ ネㇷ゚ トゥㇽセレ ほんの血の塊ぐらいのを落とした(流産した)。(S) ☆参考 ure-etursere ウレエトゥㇽセレ [足・でとばす] は《けとばす》。 {E: to drop…with a plump.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tursere
トゥㇽセレ 【turse-re】 落とす. (出典:萱野、方言:沙流)
tursetasum(-i)
トゥㇽセタスㇺ §541.でんせんびょう(伝染病)(1)turse-tasum(-i)〔túr-se-ta-sum とぅㇽセ・タスㇺ〕[turse(飛び移る、伝染する)+tasum(病気)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
turu
トゥル §005.あか(垢)(2)turu(第3人称形)〔tu-rúトゥる(tú-riとぅリ)〕[<tur(↑)]⦅マオカ、タラントマリ、シラウラ、トンナイ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
turukikiri
トゥルキキㇼ §212 ミミズ (12) turu-kikiri (tu-rú-ki-kir)「トゥるキキㇼ」 ⦅K落帆⦆ (出典:知里動物編、方言:)
turur
トゥルㇽ 【turur】 魚を山積みにしてあるもの.*スサㇺ(シシャモ)などを山積みしてある上へ降った雪のことを,トゥルㇽカラリㇷ゚(魚の山を押さえる雪)と言う. (出典:萱野、方言:沙流)
rus
トゥルㇱ 【自動】[tur-us 垢・がそこについている] 垢がついている(=tur us トゥㇽ ウㇱ)。 túrus ruwe an! トゥルㇱ ルウェ アン! 垢がついているねえ。(W) {E: to be dirty; covered with dirt.} (出典:田村、方言:沙流)
turus
トゥルㇱ 【tur-us】 汚れる,汚ない:垢・ごみ・泥のついた. (出典:萱野、方言:沙流)
turus mour(-i)
トゥルㇱ モウㇽ §007.垢のついた女の下着tur-us mour(-i)〔tú-ruš-mo-ùrとぅルㇱ・モうㇽ〕⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
turus(-an)
トゥルㇱ §006.垢がつくtur-us(-an)〔tú-rušとぅルㇱ〕[tur(↑)+us(つく、ごちゃごちゃつく)]⦅H.一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
turusi
トゥルシ 【turusi】 朦朧とする. アコン(ア・コㇿ) ラㇺ コンナ トゥルシタラ=私の思い朦朧として. (出典:萱野、方言:沙流)
turusino
トゥルシノ 【turusi no】 大儀そうに. カトゥトゥㇽシノ=大儀そうに. (出典:萱野、方言:沙流)
rusno
トゥルㇱノ 【副】[tur-us-no 垢・がついている・(副詞形成)] ①(直訳すると)垢(あか)がつくように、 きたなく。 ② katu túrusno カトゥ トゥルㇱノ[慣用句] いやいやそうに、 しぶしぶ。 {E: ①to be dirty; covered with dirt(adv.)②….} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tus 1
トゥㇱ 【名】綱、 ロープ(「ロップ」)。 tus tuy トゥㇱ トゥイ 綱が切れた。(S会話) tuskorokokko トゥㇱコロコッコ [綱を持つばけもの]ヘビ(呼び石の一つ)。 {E: a rope; a cord.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tus 2
トゥㇱ 【名】[概](所は tusi(hi) トゥシ(ヒ))(本妻から見た)夫のもう一人の妻(夫の「めかけ」)。 ☆参考 「本妻」から見ての「夫のめかけ」という説明と、 そのほかに「めかけ」から見ての「夫の本妻」をも言うという説明とがある。 これまでに出た用例は「本妻」から見ての「めかけ」のみである。 ☆参考 utusmat ウトゥㇱマッ 一人の夫の複数の妻たち(「めかけ本妻」)。 {E: a mistress; a second wife.} (出典:田村、方言:沙流)
tus sawrere
トゥㇱ サウレレ 【tus-sawre-re】 縄を綬める. (出典:萱野、方言:沙流)
tus'etupsi
トゥㇱエトゥㇷ゚シ 【tus-etupsi】 縄端 (出典:萱野、方言:沙流)
tus'ukno
トゥㇱウㇰノ 【tus-uk-no】 縄を受けやすい. イヨマンテ(熊送り)の時に檻の中にいる熊に縄を掛けるが,すぐに縄を受ける熊を言う. ▷トゥㇱ=縄 ウㇰ=取る ノ=よく,全く *なかなか縄に掛からない熊をトゥㇱエマカ(縄をいやがる)と言う.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tus(-i)
トゥㇱ §037.妻(12)tus(-i)〔tús とぅㇱ〕①⦅ホロベツ、ビホロ⦆妻から夫の妾を言う。例えばAなる男がBなる夫人とCなる第二夫人を持っている場合にはCはBのtus(相妻)になるわけである。"Iskar un a-ponmaci a-poho a-tura wa ek-an;oro-wano a-kor-katkemat tusihi yay-ko-omap."[Iskar(石狩)、un(にいる)、a-(私の)、pon-mat(めかけ)、ponmaci(そのめかけ)、a-(私の)、poho(その子)、a-poho(私の子を)、a-(私が)、tura(連れる)、wa(そして)、ek(来る)、-an(私が)、a-tura wa ek-an(私が連れて私が来る)、oro(そこ、その時)、oro-wa(その時から)、oro-wa-no(その時からずうっと)、a-(私の)、kor(所有する)、katkemat(主婦、本妻)、a-kor-katkemat(私の本妻が)、tusihi(その相妻を、=私の第二夫人を)、yay(自分)、-ko-(と共に、の所で)omap(可愛がる)、yay-ko-omap(自分のそばへ置いて愛撫した)](石狩にいた私の第二夫人と私の子を私は連れて来た;その後ずうっと私の本妻はその相妻である私の第二夫人を自分のそばに置いて愛撫した)。②めかけから夫の本妻を言う⦅ホロべツ⦆。③【動詞】(-an)本妻と同じ家にいて同じ男に第二夫人として仕える;相妻となる。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
tus/tusi(hi)
トゥㇱ/トゥシ(ヒ) 【tus/tusi(hi)】 綱,紐. トゥㇱ トゥイ チカッポ=紐の切れた小鳥(のように逃げてしまった). (出典:萱野、方言:沙流)
tusa
トゥサ 【tusa】 治る. ク・ポンポホ ポロピロ ワ ヤイカフイェ コㇿ アン ワ ケラムシッネ(ク・エラムシッネ) ア コㇿカ タネ トゥサ ヒ エパ ワ ク・ラムホラライセ=私の小さいほうの息子が大怪我をして療養していて私の思いが乱れていたが,治癒する所へたどり着き.私の心配は解消した.エルㇺタンプ アン コㇿ キナスッ カプフ ア・コシㇼシル ワ トイ トゥㇺ ア・オマレ コㇿ チピル アーペコㇿ イランマカカ トゥサ ㇷ゚ ネ=いぼが出来たら蛇の皮をこすりつけ,その皮を土に埋めると拭き取ったようにきれいに治るものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tusa
トゥサ §242.[きすが]治る(2)tusa〔tú-sa とぅサ〕["再生する"の義]⦅サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
tusa 1
トゥサ 【自動】(病気や傷が)治る、 治癒する、 癒える。 húpo uske yétuye, tane tusa oasi kor an フポ ウㇱケ イェトゥイェ、 タネ トゥサ オアシ コㇿ アン できものできたとこ膿が出なくなった、 もうなおるところだ。(W) tane e=tusa ya? タネ エトゥサ ヤ? (あなたは)もう(病気が)なおったかい。(S) ☆参考 pirka ピㇼカ《よくなる》とも言う。 {E: for an illness, injury to heal; to recover from an illness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusa 2
トゥサ 【名】袖。 {E: a sleeve.} (出典:田村、方言:沙流)
tusa(-an)
トゥサ §466.そせいする(蘇生する)(1)tusa(-an)〔tu-sá トゥさ〕⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tusa(ha) 3
トゥサ(ハ) 【名】[所](概は tusa トゥサ)…の袖(の部分)、 それの袖。 pukuru ne kunak ku=ramu a p tusaha ne aan プクル ネ クナㇰ クラム アㇷ゚ トゥサハ ネ アアン (あなたが縫っていたものは)袋かと思っていたがその着物の袖だったんだなあ。(W) {E: a, the sleeve of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusa/tusa(ha)
トゥサ/トゥサ(ハ) 【tusa/tusa(ha)】 袖. ウヌフ エカヌナラ ㇷ゚ ネ クス トゥサハ エヘナリㇱパ コㇿ アㇱ ワ アン=母の帰りを待っていて袖を歯でむしりながら立っている. (出典:萱野、方言:沙流)
tusakamuy
トゥサカムイ §481.たましい;霊魂(12)よみがえるべき霊魂 tusa-kamuy〔tu-sá-ka-muǐ トゥさ・カムイ〕[tusa(よみがえる)+kamuy(霊)]⦅サル⦆【聖典, p.148】 (出典:知里人間編I、方言:)
tusamukru
トゥサムㇰル 【tusa-mukru】 肘枕. (出典:萱野、方言:沙流)
tusamukru yaykotutturi
トゥサムㇰル ヤイコトゥットゥリ 【tusa-mukru yaykotutturi】 肘枕.▷トゥサ=袖 ムㇰル=枕 →肘を枕にすると言わずに袖を枕にすると言う (出典:萱野、方言:沙流)
tusano
トゥサノ 【自動】[tusa-no なおる・充分に] 病気がすっかりなおる、 全快する。 tane e=tusano ya? タネ エトゥサノ ヤ? (あなたは)もうすっかりなおりましたか。(S) tane anak piriːkano ku=tusano humi as タネ アナㇰ ピリーカノ クトゥサノ フミ アㇱ (私は)もう今ではすっかりなおりました。(S) {E: to heal completely.} (出典:田村、方言:沙流)
tusapar/tusaparo(ho)
トゥサパㇻ/トゥサパロ(ホ) 【tusa-par/-paro(ho)】 袖口. (出典:萱野、方言:沙流)
tusaparo
トゥサパロ 【名】[所](概 tusapar トゥサパㇻ の用例はない。 paro パロ の概は par パㇻ) [tusa-paro 袖・口[所]](着物)の袖口。 {E: the cuff of…} (出典:田村、方言:沙流)
tusapuykari
トゥサプイカリ 【tusa-puy kari】 身八つ口から. トゥサプイカリ イ・ヌカㇻ アアン=着物をかぶって,身八つ口から見た. (出典:萱野、方言:沙流)
tusaraykamuy
トゥサライカムイ §481.たましい;霊魂(13)よみがえるべき霊魂 tusa-ray-kamuy〔tu-sá-raǐ-ka-muǐ トゥさ・ライカムイ〕[tusa(よみがえる)+ray-kamuy(死霊)]⦅サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
tusare
トゥサレ 【他動】[自動使役] [tusa-re 治る・させる] …の病気や傷を治す、 (病人)を癒す。 isa or wa a=tusáre イサ オㇿ ワ アトゥサレ (S) 医者に治してもらう。 en=tusare yan エントゥサレ ヤン (私の病気を)治してください。(S) {E: to heal, treat some illness, injury.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusare
トゥサレ 【tusa-re】 治す. (出典:萱野、方言:沙流)
tusatuypok
トゥサトゥイポㇰ 【名】[概](所は tusatuypoki トゥサトゥイポキ)[tusa-tuypok 袖・下端] 袖下袖の下端の縫い目の部分。 {E: the bottom of the sleeve.} (出典:田村、方言:沙流)
tusatuypoki
トゥサトゥイポキ 【名】[所](概は tusatuypok トゥサトゥイポㇰ) …の袖下。 tusatuypoki ku=naye kor k=an トゥサトゥイポキ クナイェ コㇿ カン 私は袖下になるところへへらですじをつけている。(W) {E: the bottom of the sleeve of… } (出典:田村、方言:沙流)
tuseranke
トゥセランケ 【他動】[tus-e-ranke 綱・で・…を下ろす] …を綱で下げて下ろす。 {E: to hang…by a rope, cord.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuserikinkur
トゥㇱエリキンクㇽ §205 クモの類 (18) tus-e-rikin-kur (tús-e-ri-kin-kur)「とゥㇱエリキンクㇽ」[<tus(綱)e(で)rikin(登る)kur(神)] ⦅幌別⦆【雅】クモ類(♂) (出典:知里動物編、方言:)
tuserikinmat
トゥㇱエリキンマッ §205 クモの類 (19) tus-e-rikin-mat (tús-e-ri-kin-mat)「とゥㇱエリキンマッ」[<tus(綱)e(で)rikin(登る)mat(女)] ⦅幌別⦆【雅】クモ類(♀) (出典:知里動物編、方言:)
tusi(hi) 1
トゥシ(ヒ) 【名】[所](概は tus トゥㇱ)…の綱、 ロープ(「ロップ」)。 unma tusi ウンマ トゥシ 馬の綱。(S) cip tusi チㇷ゚ トゥシ 舟の綱。(S) {E: a rope, cord of…} (出典:田村、方言:沙流)
tusi(hi) 2
トゥシ(ヒ) 【名】[所](概は tus トゥㇱ)(男に二人以上の妻がいる場合、 本妻から見て、 または一人の妻から見て) …の夫のもう一人の妻(「めかけ」)。 ku=tusihi クトゥシヒ 私(本妻)の夫のもう一人の妻(「めかけ」)。(S) {E: the mistress of…(from the perspective of the real wife.).} (出典:田村、方言:沙流)
tusihi
トゥシヒ 【/tusihi】 妾:本妻からみての妾.*本妻と妾は1本の縄で結ばれていると考えていた. (出典:萱野、方言:沙流)
tusikoseta
トゥシコセタ §268 イヌ (29) tusiko-seta (tu-sí-ko-se-ta)「トゥしコセタ」[‘ふたつ目のある犬’<tu(ふたつ)、sik(目)o(ついている)seta(イヌ)] ⦅北海道⦆ 左右の目の上に一個ずつ星の模様のついているイヌ。いわゆる‘四つ目のイヌ’ (出典:知里動物編、方言:)
sir
トゥシㇼ 【名】墓。 ☆参考 昔は土葬で、 土まんじゅうの頭の上に墓標(kuwa クワ)を立てた。 墓参りをしたり花を供えたりはしなかった。 妊娠した女性が死んだ場合は赤ん坊を出してから埋葬した。 {E: a grave.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusir
トゥシㇼ 【tusir】 墓,墓場. ヘカッタㇻ トゥシㇼ ウトゥル クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤエテテ ホック カネ オカ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ ライトゥカㇷ゚カ オンネ ㇷ゚ ネ クナㇰ ラム ワ ソモ ホサㇻパ ㇷ゚ ネ=子供たちが墓の間を通る時は,ヨモギを杖に腰を曲げて歩くと,幽霊も老人と思って見向きもしないものだ.*このような歩き方は昭和10年前後まで私ども子供うちでは普通のことであった.**図の風景は昭和40年代の二風谷の墓所の様子.昭和60年に改造され現在はこの風景は見ることができない.図[トゥシㇼ] (出典:萱野、方言:沙流)
tusirioruntori
トゥシリオルントリ §340 オジロワシ (5) tusiri-orun-tori (tú-si-ri-o-run-to-ri)「とゥシリオルントリ」[<(墓・にいる・鳥)] ⦅新問⦆【沖詞】 (出典:知里動物編、方言:)
tuskorokokko
トゥㇱコロコッコ 【名】[tus-kor-okokko 綱・を持つ・ばけもの] ヘビ(呼び方の一つ、 「縄みたいだから。」 (W))。 ☆参考 tokkoni トッコニ、 kinasut キナスッ などヘビを表す語の使用を避けて言う言い方の一つ。 ☞tokkoni トッコニ、 kinasut キナスッ、 kinasutunkur キナストゥンクㇽ、 tannekamuy タンネカムイ {E: a snake.} (出典:田村、方言:沙流)
tuskote
トゥㇱコテ 【他動】[tus-kote 綱・を結びつける] …に綱をつける。 {E: to attach a rope to…} (出典:田村、方言:沙流)
tuskote
トゥㇱコテ 【tus-kote】 縄をつける,縛る.▷トゥㇱ=縄 コテ=つける セタ トゥㇱコテ=犬に縄をつけろ. (出典:萱野、方言:沙流)
tuskowen(-an)
トゥㇱコウェン §037.妻(13)tus-ko-wen(-an)〔túš-ko-wen とぅㇱコウェン〕①本妻がめかけに意地悪くする;本妻がめかけをいじめる⦅ホロべツ、ビホロ⦆。②めかけが本妻に意地悪くする⦅ホロべツ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
tusmak
トゥㇱマㇰ 【他動】…の先を越す、 …と競争する。 etoko tusmak エトコ トゥㇱマㇰ[連他動] …の先を越す、 …より先回りする、 …よりも先に行く。 {E: to go ahead of, overtake…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusmak
トゥㇱマㇰ 【tusmak】 かいくぐる.急ぐ. カムイ シクトゥル(シㇰ ウトゥル) アイヌ シクトゥル トゥㇱマㇰ ワ アㇻウェントゥカㇷ゚ カリ ハウェ=神の目や人間の目,そのすき間をかいくぐって化け物が徘徊しているのかい.ウウェトゥㇱマㇰ=互いに先を争い.イイェトゥㇱマㇰ(イ・エトゥㇱマㇰ)=私よりも先にと急ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
tusnatki
トゥㇱナッキ 【tusnatki】 においがたなびく. トノトフラ チセオンナイ エトゥㇱナッキ=酒のにおいが家懐にたなびいている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tusnecisoke
トゥㇱネチソケ §230.かわ(皮)(5)交易品としてのクマの皮 tus-ne-cisoke〔túš-ne-či-so-ke とぅシネチソケ〕[tus(=rus 獣皮)、ne(である)、cisoke(=cihoki 交易に持って行く品)]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.12】 (出典:知里人間編I、方言:)
tusnisusu
トゥㇱニスス §320 マルバノバッコヤナギ (14) tusnisusu (tús-ni-su-su)「とゥㇱニスス」[tus(縄)ne(になる)susu(ヤナギ)] 茎 ⦅A沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tusnoye
トゥㇱノイェ 【自動】[tus-noye 綱・をねじる] 綱をよる。 ☆参考 紐をよる(糸をつむぐ)ことは kaeka カエカ、 縄をなうことは harkika kar ハㇻキカ カㇻ または harkika eka ハㇻキカ エカ。 {E: to twist a rope.} (出典:田村、方言:沙流)
tusokni
トゥソㇰニ 【tus-ok-ni】 (熊送りの時に)子熊を繋ぐ柱.*材科はキハダの木.太さ15cm.長さ約3m.1mは土へ埋める. (出典:萱野、方言:沙流)
tuste(a-)
トゥㇱテ §037.妻(14)tuste(a-)〔túš-te とぅㇱテ〕⦅ホロベツ⦆相妻にする;①めかけある本妻たらしめる。i-〜-an「めかけある本妻たらしめられる」(=「夫がめかけをもつ」)。②めかけにする。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
tusteh(k-an)
トゥㇱテㇸ §392.しびれる(痺れる)(1)tusteh(k-an)〔túš-teh とゥㇱテㇸ〕[<tus-tek(tus 縄、-tek その状を呈する;縄の様に感覚が無くなる)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tustek
トゥㇱテㇰ 【自動】ボーツとなってわからなくなる。 「魔物にいたずらでもされたように気がボーツとなってしまってどっちがどうだかわからないような状態になること。 寝ていてうなされるのも。」 (S)「山歩いて行ってキツネか何かにばかされて同じとこ何回も歩いたりしているうちに体がどうやらおかしくなってボーツとしてくること。」 (S) ☆参考 北海道中部・東部の諸方言では、 だまっていることやじっとしていることを言う。 {E: to be in a vague, bewildered state.} (出典:田村、方言:沙流)
tustek
トゥㇱテㇰ 【tus-tek】 金縛り. タネ アナㇰネ チセ カ ピㇼカ クス エルㇺ カ イサㇺ コㇿカ テエータ アナㇰネ エルㇺ ア ワ ソ オロペカ ホユッパ ホッケアニ(ホッケ・アン ヒ) タ イ・カ タ エルㇺ アン コㇿ トゥㇱテㇰ・アン ペ ネ シコㇿ ク・イヌ・ㇷ゚ ネ ア ワ=今は家もいいのでネズミもいないが昔はネズミが多くて家の中を走り回っていた.寝た時に身体の上にネズミがいると金練りになるものだと聞いたことがある. (出典:萱野、方言:沙流)
tustekka
トゥㇱテッカ 【他動】[tustek-ka ものに憑かれる・(他動詞化)](人)をボーっとさせわからなくさせる、 …をばかす。 (受け身の形、 つまり主語不定人称形)a=tustekka アトゥㇱテッカ ばかされる、 ボーッとなる。 kim ta sitturaynu ayne a=tustekka, cironnup orowa hene a=tustekka hi ne kuni ku=ramu キㇺ タ シットゥライヌ アイネ アトゥㇱテッカ、 チロンヌㇷ゚ オロワ ヘネ アトゥㇱテッカ ヒ ネ クニ クラム(彼は)山で迷って歩いているうちに何かにばかされた、 キツネにでもばかされたんだろうと(私は)思う。(S) ku=cinita wa yaani a=en=tustekka クチニタ ワ ヤアニ アエントゥㇱテッカ 私はうなされてもう少しで気が遠くなるところだった。(S) {E: to be bewildered; bewitched by…} (出典:田村、方言:沙流)
tusu
トゥス 【自動】①神おろし(巫術)をする(神がのりうつって、 神の言葉を言い、 神の力で普通の人にはわからないことを当て、 普通の人にはできないような癒し(いやし)などを行う)。 ②(名詞として)神おろしすること。 ☆参考 1980年代には、 仏式(法華さん)で tusu トゥス をするという人もいて、 「aynu puri アイヌ プリ《アイヌ式のやり方》では仏さんおりない、 法華さんでやるとおりる」とのことだった。 {E: ①to hold a seance (v.). ②a seance (n.).} (出典:田村、方言:沙流)
tusu
トゥス 【tusu】 呪術:占う,占いによって託宣を出す. (出典:萱野、方言:沙流)
tusukur
トゥスクㇽ 【名】[tusu-kur 神おろしをする・人]神おろしする人(男女)、 巫女、 シャーマン。 ☞tusu トゥス {E: a shaman.} (出典:田村、方言:沙流)
tusukur
トゥスクㇽ 【tusu-kur】 呪術者. (出典:萱野、方言:沙流)
tusunapanu
トゥスナパヌ 【間投】(sirkap シㇼカㇷ゚《ツノザメ》の神謡の折り返し。 意味不明。) (W神謡K) ☆参考 tus トゥㇱ の部分はこの神謡のすじ(ストーリー)の中に出てくるイラクサの綱を象徴的に表しているかもしれない。 (出典:田村、方言:沙流)
tusunika
トゥスニカ §286 リス きねずみ (2) tusunika (tu-sú-ni-ka)「トゥすニカ」 ⦅礼文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tusunike
トゥスニケ 【名】[動物] リス(「キネズミ」)。 〔知分類 p.170((サル;ホンベツ))〕 {E: a squirrel.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusunike
トゥスニケ 【tusunike】 リス,エゾリス(方言:キネズミ). シネアンタ ネㇷ゚カ ア・サㇰ ノ エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) トゥスニケ シネㇷ゚ ニ カ タ アニクス(アン ヒクス) ポン スマ シネㇷ゚ ア・ウㇰ ヒネ ア・コピイェカㇻ アクス エポソカネ トンケ カ ソモ=ある日のこと何も持たずに山へ行くとエゾリスが1匹木の上にいたので小さい石をひとつ取って投げつけたが,言うまでもないがびくともしなかった. (出典:萱野、方言:沙流)
tusunike
トゥスニケ §286 リス きねずみ (3) tusunike (tu-sú-ni-ke)「トゥすニケ」 ⦅沙流、穂別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tusuninke
トゥスニンケ §286 リス きねずみ (1) tusuninke (tu-sú-nin-ke)「トゥすニンケ」[<tusu(巫術)ninke(消す);‘巫術を使って姿を消すもの’の義か] ⦅幌別、白老、千歳、近文、天塩⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tusup
トゥスㇷ゚ 【tusup】 巫女. (出典:萱野、方言:沙流)
tusurepni
トゥスレㇷ゚ニ 【tusu-repni】 呪術の時に手に持つ棒. (出典:萱野、方言:沙流)
tususatki
トゥスサッキ 【自動】[tusus-atki (擬態の語根の重複)・(自動詞形成)] ガタガタふるえる(恐ろしくて)。 isitoma ayne tususatki イシトマ アイネ トゥスサッキ 恐ろしくて恐ろしくてガタガタふるえる。(S) {E: to shake, quiver (with fear).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tususatki
トゥスサッキ 【tusus-atki】 わななく:体や手足がぶるぶるふるえる. (出典:萱野、方言:沙流)
tususke
トゥスㇱケ 【自動】[tusus-ke (擬態の語根の重複)・(自動詞形成)] ふるえる(恐ろしくて)。 {E: to shake, quiver (with fear).} (出典:田村、方言:沙流)
tususke
トゥスㇱケ 【tusus-ke】 ふるえる. (出典:萱野、方言:沙流)
sutari(hi)
トゥスタリ(ヒ) 【名】[所](概の用例はない)[tus-utar-i(hi) 夫のもう一人の妻・人々=たち・(所属語尾)] ku=tusutari クトゥスタリ 私(本妻)の夫のほかの妻たち(「めかけたち」)。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusuy
トゥスイ 【副】[tu-suy 二つの・回] 二回(=tu suy トゥ スイ)。 tusuy resuy トゥスイ レスイ 二、 三回。 tusuy ka resuy ka トゥスイ カ レスイ カ 二回も三回も=何回も。 ☆参考 一回は arsuy アㇻスイ、 arsuyne アㇻスイネ。 {E: twice.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusuy
トゥスイ 【tu-suy】 2回,2度. (出典:萱野、方言:沙流)
tutanu
トゥタヌ 【後副】①…の次に。 ②(連体的に使って)…の次の。 kamuy tono tutanu sapane utar opitta ewkoramkor kor síran カムイ トノ トゥタヌ サパネ ウタㇻ オピッタ エウコラㇺコㇿ コㇿ シラン 天皇の次に主立った人たち(大臣たち)がみんなそれについて相談している。(S) {E: ①next to, after… ②the next, following…} (出典:田村、方言:沙流)
tutanu
トゥタヌ 【tutanu】 次に,2番目の. トゥタヌクㇽ=次の人. (出典:萱野、方言:沙流)
tutanuno
トゥタヌノ 【後副】[tutanu-no 次の/次に・(副詞形成)] …の次に。 toan kur tutanuno a トアン クㇽ トゥタヌノ ア あの人の次に座りなさい。 {E: next, after…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tutko
トゥッコ 【名/副】[< tu-t-ko 二つの・(前の音節の子音の重複)・日(< to)](?) 二日間。 tutko rerko トゥッコ レㇾコ 二、 三日の間。 {E: two days.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tutko
トゥッコ 【tutko】 二日. トゥッコ レㇾコ アン コㇿ イラマンテ クス ケキㇺネ(ク・エキㇺネ) ナ イユタ ワ ピㇼケㇷ゚ カㇻ ワ エン・コレ アニー=二日か三日したら狩のために私は山へ入るから搗き物をして精白をこしらえてくれ. (出典:萱野、方言:沙流)
tutkorerko
トゥッコレㇾコ 【tutko rerko】 二日か三日.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuto
トゥト 【名】[tu-to 二つの・日](=tu to トゥ ト)二日。 tuto reto トゥト レト 二、 三日。 ☆参考 沙流川下流のワテケさんは、 月の第二日を tu to トゥ ト と言い、 二日間を tutko トゥッコ と言って区別していた。 {E: the second day of the month.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuto
トゥト 【tuto】 二日. (出典:萱野、方言:沙流)
tutpitciri
トゥッピッチリ §314 エゾセンニュウ (2) tutpitciri (tut-pit-či-ri)「トゥッピッチリ」[<tutpitと鳴く鳥] ⦅春採⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tutturep
トゥットゥレㇷ゚ §222 ウバガイ;ホッキガイ;ホッキ(方言) (6) tutturep (tút-tu-rep)「とゥットゥレㇷ゚」 ⦅幌別、白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tutturep
トゥットゥレㇷ゚ §222 ウバガイ;ホッキガイ;ホッキ(方言) (8) tutturep (tut-tu-rep)「トゥットゥレㇷ゚」 ⦅礼文華、長万部、幌別⦆ウバガイ、ホッキ (出典:知里動物編、方言:)
tutturi
トゥットゥリ 【tur-turi】 伸ばす,着物のしわを伸ばす. (出典:萱野、方言:沙流)
tutuehka
トゥトゥエㇸカ §358 キジバト (6) tutuehka (tú-tu-eh-ka)「とゥトゥエㇸカ」 ⦅多蘭泊、富内⦆ヤマバト (出典:知里動物編、方言:)
tutukko
トゥトゥッコ 【tutukko】 包み. ネア メノコ スイ ホクコイワㇰ クス ネ ノイネ ポン トゥトゥッコ エヤㇻポㇰアニ カネ ニタン ワ.アㇻパ シリ ク・ヌカㇻ=あの女はまた男の所へ行くためらしく,小さい包みを小脇に抱えて急いで行ったのを,私は見た.*昭和5年から10年代は赤ん坊をざぶとんより少し広いふとんに包んだ,それをトゥトゥッコと呼んでいた.小脇に抱えるぐらいの包みを言う. (出典:萱野、方言:沙流)
tutur
トゥトゥㇽ §333 ツツドリ (3) tutur (tú-tur)「とゥトゥㇽ」[<tutut(鳴き声)] ⦅白浦⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tuturep
トゥトゥレㇷ゚ 【tuturep】 ウバガイ. (出典:萱野、方言:沙流)
tutusa kew(-e)
トゥトゥサ ケウ §387.したい(死体);死骸(11)tu-tusa kew(-e)〔tú-tu-sa-keŭ とぅトゥサ・ケウ〕[<ru-tusa-kew]⦅ユ研Ⅱ, p.264⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tut
トゥトゥッ 【名】[動物](鳥の名)「やっぱりヤマバトのうちか。 カッコウと一緒に来て一緒にいなくなる。 tuːtut Sikot pet ceːp oː cep sak トゥートゥッ シコッ ペッ チェーㇷ゚ オー チェㇷ゚ サㇰ《千歳川に魚がいる、 魚がいない》と鳴く。」 (S)〔知分類 p.195 ツツドリ〕 {E: the name of a bird (Himalayan cuckoo (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
tutut
トゥトゥッ 【tutut】 ハト,ツツドリ. (出典:萱野、方言:沙流)
tutut
トゥトゥッ §333 ツツドリ (1) tutut (tú-tut)「とゥトゥッ」[<鳴き声] ⦅幌別、浦河、近文⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tutut
トゥトゥッ §358 キジバト (8) tutut (tu-tut)「トゥトゥッ」 ⦅キ796⦆はと、ツツドリ(コ生175) (出典:知里動物編、方言:)
tututeh
トゥトゥテㇸ §253 フクジュソウ (6) tututeh (tú-tu-teh)「とゥトゥテㇸ」[tutut(ツツドリ)e(食う)p(もの)] 果実 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tututehka
トゥトゥテㇸカ §253 フクジュソウ (7) tututehka (tú-tu-teh-ka)「とゥトゥテㇸカ」[tutut(ツツドリ)e(食う)kah(=kahkah果実)] (出典:知里植物編、方言:)
tututehkakina
トゥトゥテㇸカキナ §253 フクジュソウ (9) tututehka-kina (tú-tu-teh-ka-ki-na)「とゥトゥテㇸカ・キナ」[ツツドリの食う果実の生ずる草] 茎葉 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tututehkina
トゥトゥテㇸキナ §253 フクジュソウ (8) tututeh-kina (tú-tu-teh-ki-na)「とゥトゥテㇸ・キナ」[ツツドリの食い物の生ずる草] 茎葉 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tuwa
トゥワ 【tuwa】 ひと冬越した木の実:クリとかどんぐりの渋味の抜けたもの. トゥワニセウ=ひと冬越したどんぐり. (出典:萱野、方言:沙流)
tuwa
トゥワ §431 ワラビ (3) tuwa (tu-wá)「トゥわ」 新葉 ⦅長万部、様似、本別、名寄、近文⦆⦅A十勝・石狩上川・天塩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
tuwan cupkoni rewan cupkoni
トゥワンチュㇷ゚コニ レワンチュㇷ゚コニ 【tuwan-cup-koni rewan-cup-koni】 ふたつの10か月が縮み,三つの10か月が縮み.ユカㇻ特有の言い回しで,20か月も30か月も,ということである. ▷トゥ=ふたつ ワン=10 チュㇷ゚=月 コ=それ 二=縮み レ=三つ ワン=10 チュㇷ゚=月 コ=それ 二=縮み トゥワンチュㇷ゚コニ レワンチュㇷ゚コニ ソモエエㇰペネクス エアㇻキンキネ エチエポタラコㇿ カンアㇷ゚ イイソネ アプンノエチエㇰ ケラムシンネ=20か月も30か月もお前が来ないので,私は本当にお前たちのことを案じていたが,幸いなことに無事に戻って来て安心した.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuwanhot
トゥワンホッ 【数詞】[tu-wan-hot 二つの・十の・二十] 四百。 {E: four hundred.} (出典:田村、方言:沙流)
tuwapneko
トゥワㇷ゚ネコ 【副】[tuwapne-ko (?)・(反対の意味の副詞を形成する接尾辞)]ものすごく大きな音が響いて。 humi toyre kane korka hemanta tuwapneko pus humi an? フミ トイレ カネ コㇿカ ヘマンタ トゥワㇷ゚ネコ プㇱ フミ アン? 地響きして何だろうなあ、 ものすごい音がしたのは。(S) ☆参考 tuwapne トゥワㇷ゚ネ は[tuwap-ne (?)・のようである]だろうが、 tuwap トゥワㇷ゚ は不明。 {E: a reverberating, echoing sound.} (出典:田村、方言:沙流)
tuwapneko
トゥワㇷ゚ネコ 【tuwapne-ko】 少なからず. (出典:萱野、方言:沙流)
tuway(y)uk
トゥワ(イ)ユㇰ §294 いるか、イルカ (6) tuway(y)uk (tu-wá(y)-yuk)「トゥワ(イ)ユㇰ」[<tuwa(とぶ)yuk(えもの)] (出典:知里動物編、方言:)
tuwtututu
トゥートゥトゥトゥ 【tuwtututu】 子犬を呼ぶ時に出す声. ホーホホホとも言う.この声を出すと床下にいた子犬たちが出て来た.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuy
トゥイ 【tuy】 切れる. (出典:萱野、方言:沙流)
tuy
トゥイ 【tuy】 (木の葉などがとれて)落ちる. ウクラン レラ ルイ ワ ヤㇺ トゥイ ナンコㇿ ナ ホクレ アㇻパ ワ ウウォマレ ワ エㇰ=昨夜は風強かったのでクリが落ちたであろうから早く行って集めて来い.アマㇺ ア・チャ ワ ア・セ フ イワカン(イワㇰ・アン) ヒ タ ナ ニ ソモ ア・ピラサ コㇿ ウコセセㇰ ワ ウェン ペ ネ.コㇿカ シプㇱケㇷ゚ ネノ トゥッコ レㇾコ ア・サッケ ワ ア・キㇰ ペ アナㇰネ シネ アンチカㇻ ア・アヌ ワ ウコセセㇰ コㇿ トゥイ エニタン ペ ネ=ヒエなどを穂だけ摘み取って背負って帰って来た時にすぐに広げなければ蒸れてしまって悪いものだ,けれどもイナキビのように二日か三日乾かしてから穂から粒を落とすために(からさおで)叩くものは一晩そのまま置いて蒸れると粒が落ちやすいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tuy
トゥイ 【tuy】 〜の中. (出典:萱野、方言:沙流)
tuy 1
トゥイ 【自動】切れる。 tus tuy トゥㇱ トゥイ 綱が切れた。(S会話) ☆参考 他動詞は tuye トゥイェ 切る。 {E: to cut; break.} (出典:田村、方言:沙流)
tuy 2
トゥイ 【自動】(花や葉が、 たばこの灰が)とれて落ちる。 seta numa tuy セタ ヌマ トゥイ 犬の毛が抜ける。(W) nonno tuy ノンノ トゥイ 花が散る。(S) níham tuy ニハㇺ トゥイ 木の葉が落ちる(一枚ポロッと取れて落ちる)。 ☆参考 他動詞は tuyre トゥイレ (たばこの灰などを)落とす。 ☆参考 木の葉などがたくさん落ちる(散る)ことは rapapse ラパㇷ゚セ。 {E: to break off.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuy 3
トゥイ 【名】[概](所は tuye(he) トゥイェ(ヘ))[動物]魚の腹、 魚のはらわた。 〔知分類 人間 p.37 魚の胃袋 p.258 腸、 内臓 p.281 内臓、 臓腑〕 {E: fish guts.} (出典:田村、方言:沙流)
tuy(-e
トゥイ(エ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(3)tuy(-e〔H.〕;-he〔S.〕)〔túǐ とぅイ〕⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuy(-he)
トゥイ §077.い(胃);いぶくろ(胃袋)(6)tuy(-he)〔túǐ トゥイ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuy(-he)
トゥイ §548.ないぞう(内臓);臓腑(7)tuy(-he)〔túǐ とぅイ〕⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuy/tuye(he)
トゥイ/トゥイェ(ヘ) 【tuy/tuye(he)】 内臓,はらわた:魚のはらわた,鹿・熊などの内臓. チェㇷ゚ トゥイェヘ カㇻ=魚のはらわたを取れ.ユㇰ スマウェヘ ア・コㇿ ナ トゥイェヘ フライェ ヤン.ユㇰラㇺ ネ ヒケ アナㇰネ パㇱクㇽ エイメッコレ=鹿を獲ったので腸を洗いなさい,肺臓は烏に配ってやれ.*昔に親不孝した息子がいて自分たちはおいしい肉を食べて目の見えない親にはユㇰラㇺ(肺臓)の部分を食べさせた.それを食べた親は年をとるといいことはないものだ,何を食べても汁っ気もないと言って嘆いたというが親不孝の息子たちは神様から罰せられたという. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyaru
トゥヤル §755.むね(胸)(16)クマの胸から腹へかけて中央部から縦に細長く切り取った肉 tuyaru〔tu-já-ru トゥやル〕[tu(細長いもの)+haru(肉)]⦅チトセ、ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuyaskarap
トゥヤㇱカラㇷ゚ 【他動】…を憐れむ、 …に同情する。 {E: to pity…} (出典:田村、方言:沙流)
tuyaskarap
トゥヤㇱカラㇷ゚ 【tuyaskarap】 憐れむ,同情する. (出典:萱野、方言:沙流)
tuye
トゥイェ 【tuye】 斬る,切る,伐採する. タネ タネ イ・トゥイェ ノイネ イキ ヒクス ホㇱキ ルイノ ア・オアットゥイェ=今にも今にも私を斬りそうにしたので,私のほうが先にさっと斬った.エ・アミヒ タンネ ナ トゥイェ ワ アヌー=お前の爪が伸びているから切っておけ.オトゥ スイ レ スイ ウェンプリコㇿ アヌン ヌカㇻ ヤクン ア・エラムニㇱテ セコㇿ ア・イェ ナンコㇿ ヤッカ タンペ オッタ(オㇿ タ) アナㇰネ ケイキリチ ア・トゥイェ ロー=2回3回と悪事をする,他人が見たら残酷と言うかもしれないが,今回は足のふくらはぎの健を切ってしまいましょう.マタ ア・トゥイェ チクニ アナㇰネ オウポポリンネ ㇷ゚ ネ コㇿカ サㇰ ア・トゥイェ チクニ アナㇰネ ソモ オウポポリンネ ㇷ゚ ネ ワ=冬に伐採した木には若生えが生えるが,夏に伐採した木には若生えは生えないものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
tuye 1
トゥイェ 【他動】[単](複は tuypa トゥイパ)[tuy-e 切れる・(他動詞形成)] ①…を切る(刀、 のこぎり、 マキリ、 ナイフ、 はさみなどで)。 ② ☞etok(o) tuye エトコ トゥイェ ☆参考 tomotuye トモトゥイェ [tomo-tuye …のまん中・を切る] …を横切る/…を横切って。 {E: ①to cut, saw…②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuye(he) 2
トゥイェ(ヘ) 【名】[所](概は tuy トゥイ)(その魚)の腹、 (その魚)のはらわた。 tuye kanna wa an トゥイェ カンナ ワ アン (魚の)腹が上向きになっている。(S) tuyehe a=kar トゥイェヘ アカㇻ (魚の)はらわたをとる。(S) {E: fish guts.} (出典:田村、方言:沙流)
tuyearaka
トゥイェアラカ §635.はらいた(腹痛)(2)tuye-araka〔トゥいぇ・アラカ〕[その腹が・痛む]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuyearka
トゥイェアㇻカ §635.はらいた(腹痛)(1)tuye-arka〔tu-jé-ar-ka トゥいぇアㇻカ〕[tuye(その腹、tuy腹)+arka(痛む)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuyecinoypa
トゥイェチノイパ §635.はらいた(腹痛)(5)腹がねじれるように痛む;さしこむ tuye-cinoypa〔tú-je|či-nóǐ-pa とぅイェ・チノイパ〕[tuye(その腹が)+cinoypa(ねじれる)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuyehure
トゥイェフレ §075 イワナ;一般にはオショロコマという (8) tuye-hure(tu-yé-hu-re)「トゥいぇフレ」[tuye(その腹)hure(赤い)]⦅礼文華⦆イワナ (出典:知里動物編、方言:)
tuyehuresupun
トゥイェフレスプン §060 ウグイ (13) tuye-hure-supun (tu-yé-hu-re-su-pun)「トゥいぇフレスプン」[<tuye(その腹)hure(赤い)supun(ウグイ)] ⦅礼文華⦆アカハラ(礼78) (出典:知里動物編、方言:)
tuyeiyun/tuyeyyun
トゥイェイユン 【自動】[tuye-i-un 腹[所]・もの・詰まっている] しゃくもちである(「虫が腹の中にいっぱいつまっていて、 それがかたまって上がって来て胃の所に刺さっている」)。(S) (出典:田村、方言:沙流)
tuyere
トゥイェレ 【tuye-re】 落とす. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyewen
トゥイェウェン §635.はらいた(腹痛)(3)腹の病気;腹痛 tuye-wen〔tu-jé-wen トゥいぇ・ウェン〕[その腹・痛い]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuyhecinoypa
トゥイヘチノイパ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(17)腸がねじれるように痛む病気 tuyhe-cinoypa〔túǐ-he|či-nóǐ-pa とぅイへ・チのイパ〕[tuyhe(その腸)+cinoypa(ねじれる)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuyhonkes(-e-i)
トゥイホンケㇱ §629.腹の下部;したはら;下腹部;腹の底(5)tuy-honkes(-e、-i)〔túǐ-hoŋ-keš とぅイ・ホンケㇱ〕[tuy(腹)+honkes(腹部)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuyka
トゥイカ 【位名】[概](所は tuykasi/tuykaske トゥイカシ/トゥイカㇱケ) ①…の上、 …の上端、 (出入口や窓の)すぐ上の所。 tek tuyka ta amam pus uwecururse テㇰ トゥイカ タ アマㇺ プㇱ ウウェチュルㇽセ (稲の穂摘みをしていると)手の上側に稲の穂が集まってくるようだ。(S) ②(動詞の後に置かれて)…している最中。 onkami tuyka/itak omare オンカミ トゥイカ/イタコマレ [雅](その神は)拝礼 (伝統的な形のあいさつ)をしながら言葉を言った。(W神謡語り) tuyka ta トゥイカ タ …しながら/しているときに。 i=kusa tuyka ta a=kowépekennu イクサ トゥイカ タ アコウェペケンヌ 私は舟で川を渡してもらいながら(彼に)事情をたずねた。(NK民話) e=soyne tuyka ta Ayoro nupuri kasi un yam e=carpa nankor エソイネ トゥイカ タ アヨロ ヌプリ カシ ウン ヤㇺ エチャㇻパ ナンコㇿ あなたは外へ出ると同時にアヨロ山の上に栗をばらまきなさい。(W神謡語り) ☆参考 沙流川下流のサダモさんは、 ipe tuyka ta イペ トゥイカ タ《食べながら》はユカルの言葉で、 日常語では ipe=an kor イペアン コㇿ だと言った。 それに対し姉のワテケさんは「húci フチ《おばあさま》がよく言った」と反論した。 ☆参考 机やござや紙の「上」は tuyka トゥイカ ではなく ka カ。 ドアのすぐ「上」、 棒や杖の「上端」などが tuyka トゥイカ。 ☆参考 「…しながら」には kurka クㇽカ も使われる。 ☆対語 tuypok トゥイポㇰ {E: ①above… ②in the middle of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuykasi
トゥイカシ 【位名】[所](概は tuyka トゥイカ)…の上。 epa=kor sápo/nan tuykasi/hetuku cup ne/iyenucupki/ciwre kane エパコㇿ サポ/ナン トゥイカシ/ヘトゥク チュㇷ゚ ネ/イイェヌチュㇷ゚キ/チウレ カネ [雅]私の姉は顔の上にさしのぼる朝日のように日の光がさしている。(Sユーカラ) káne kuwa/cinoye kuwa/kuwa tuykasi/notomare カネ クワ/チノイェ クワ/クワ トゥイカシ/ノトマレ [雅](姉は)金(かね)のねじれた杖の上にあごをのせている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuykaske
トゥイカㇱケ 【位名】[所](概は tuyka トゥイカ) ①…のその上の所。 ②(…している)その最中。 {E: ①above… ②in the middle of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuykikir
トゥイキキㇼ §261 回虫 (2) tuy-kikir (túy-ki-kir)「とゥイキキㇼ」[<tuy(腹)kikir(虫)] ⦅幌別、旭川、美幌⦆回虫→分辞III, 93 (出典:知里動物編、方言:)
tuykikir(-i)
トゥイキキㇼ §261 回虫 (1) tuy-kikir(-i) (tuy-ki-ki-r)「トゥイキキㇼ」[<tuy(腹)kikir(虫)] ⦅旭川、幌別、沙流⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tuykikir(-i)
トゥイキキㇼ §165.かいちゅう(蛔虫)(1)tuy-kikir(-i)〔túǐ-ki-kir トゥイキキㇼ〕[腹・虫]⦅ホロベツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuykikiri
トゥイキキリ §261 回虫 (3) tuy-kikiri (túy-ki-ki-ri)「とゥイキキリ」[<tuy(腹)kikiri(虫)] ⦅真岡⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tuykisar(-a)
トゥイキサㇻ §829.よこっぱら(横腹);わきばら(脇腹);ひばら(脾腹);そくふくぶ(側腹部);そくきょうぶ(側胸部)(4)tuy-kisar(-a)〔túǐ-ki-sar とぅイ・キサㇻ〕[tuy(腹)+kisar(耳)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuykohuype
トゥイコフイペ §656.ひぞお(脾臓)(4)tuy-ko-huype〔túǐ-ko-Fuǐ-pe とぅイコフイペ〕[tuy(腹の中)+ko(における)+huype(生食部)]⦅フシコ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuykotcikap
アトゥイコッチカㇷ゚ §379 (その他の鳥名)  atuy-kot-cikap (a-túy-kot-či-kap)「アとゥイコッチカㇷ゚」[<atuy-kor-cikap(海を・所有する・鳥)] ⦅美幌⦆海鳥 (出典:知里動物編、方言:)
tuykottori
アトゥイコットリ §380 (その他の鳥名)  atuy-kot-tori (a-túy-kot-to-ri)「アとゥイコットリ」[<atuy-kor-tori(海・を所有する・鳥)] ⦅幌別、沙流⦆【雅】海の鳥(虎杖丸の曲p. 258) (出典:知里動物編、方言:)
tuyma
トゥイマ 【自動】遠い。 tuyma uske トゥイマ ウㇱケ 遠い所。 tuyma hi wano k=ek トゥイマ ヒ ワノ ケㇰ 私は遠い所から来た。 tuyma repunkur トゥイマ レプンクㇽ (直訳すると)遠くの海外の人=外国人。 ☆対語 hanke ハンケ 近い。 {E: to be far; distant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuyma
トゥイマ 【tuyma】 遠い. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyma arpa
トゥイマ アㇻパ 【tuyma-arpa】 大便をする〔隠語〕.▷トゥイマ=遠く アㇻパ=行く (出典:萱野、方言:沙流)
tuymaa
トゥイマア 【自動】[tuyma-a 遠く・座る] 大便する(良い言葉)。 ku=tuymaa wa k=ek クトゥイマア ワ ケㇰ (私は)大便して来ます。(W)/大便して来た(どこへ行ったか聞かれたときの返事)。(S) ☆参考 「ぶつけて」(直接的に)言う言葉は osoma オソマ。 ☆対語 hankea ハンケア 小便する(良い言葉)。 {E: to defecate (polite).} (出典:田村、方言:沙流)
tuymaa
トゥイマア 【tuyma-a】 大便する. (出典:萱野、方言:沙流)
tuymaesoyne(-an)
トゥイマエソイネ §470.だいべん(大便)(11)大便に出る tuyma-esoyne(-an)〔túǐ-ma-e-soǐ-ne とぅイマ・エソイネ〕[遠く・外へ出る]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuymahesarpare
トゥイマヘサㇻパレ 【tuyma-hese-arpa-re】 ため息をつく.▷トゥイマ=遠く ヘセ=息 アㇻパレ=行かせる (出典:萱野、方言:沙流)
tuymakucacise
トゥイマクチャチセ 【tuyma-kuca-cise】 遠い所にある仮に作った狩り小屋. ▷トゥイマ=遠い クチャチセ=仮に作った狩り小屋 (補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
tuymakuh(c-i)
トゥイマクㇷ §571.のど(咽喉)(15)のどの奥 tuyma-kuh(c-i)〔túǐ-ma-kuh トゥイマクㇷ〕[<tuyma(遠い)+kut(のど)]⦅S.⦆【雅―遺篇, p.129】 (出典:知里人間編I、方言:)
tuymano
トゥイマノ 【副】[tuyma-no 遠い・(副詞形成)] 遠く、 遠くへ。 {E: faraway.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuymanokkus
トゥイマノックㇱ 【tuyma-nok-kus】 ぶんとしてあちらを向く,ぶんとしてあごをしゃくる.▷トゥイマ=遠く ノッ=あご クㇱ=通る アイヌエイヌピタラ ノイネ ウナㇻペ トゥイマノックㇱ=人をじゃまに思っているらしく,おばさんはプンとあちらを向いた. (出典:萱野、方言:沙流)
tuymaturi
トゥイマトゥリ 【他動】[tuyma-turi 遠い・…を伸ばす](刀)を遠くに伸ばす。 (次の言い回しの中で) tuymaturi hanketuri トゥイマトゥリ ハンケトゥリ (刀)を遠くにかざし近くにかざす。 a=kor emustasiro a=tuymaturi a=hanketuri kor kewe a=homsu ruwe ne アコㇿ エムㇱタシロ アトゥイマトゥリ アハンケトゥリ コㇿ ケウェ アホㇺス ルウェ ネ 私は私の太刀つくりの山刀を遠くにかざし近くにかざして悪神を払う舞いをしながら(彼に)あぶない目に会ったことの見舞いを言った。(HK民話) ☆参考 男子の舞いの所作の一つ。 低い声をふるわせながら、 刀を右手に持ち、 切っ先を上にまっすぐ立ててかざし、 腕を伸ばしたり縮めたりする。 悪神を払う所作だと言われている。 {E: to stretch out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuymauske
トゥイマウㇱケ 【tuyma-uske】 遠い所. (出典:萱野、方言:沙流)
tuypa
トゥイパ 【他動】[複](単は tuye トゥイェ) ①(二人以上が/二つ以上を)…を切る。 ② ☞ram(u) tuypa ラム/ラㇺ トゥイパ {E: ①to cut… (pl.).②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuypa
トゥイパ 【tuypa】 切る〔複〕. (出典:萱野、方言:沙流)
tuypa
トゥイパ §475.ただれる;びらんする(1)tuypa〔túǐ-pa とぅイパ〕[tuy-pa(きれぎれになっている、ぼろぼろに切れている、 tuy きれる、-pa 複数語尾)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuypaatat
トゥイパアタッ §067 サケ あきあじ、あきやじ  処(10) tuypa-atat (tuy-pa-a-tat)「トゥイパアタッ」⦅屈斜路⦆切り身干し。 (出典:知里動物編、方言:)
tuypapa
トゥイパパ 【他動】[複複](単は tuye トゥイェ、 複は tuypa トゥイパ)(二人以上が皆/二つ以上を皆)切る。 {E: to cut… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuypatuypa
トゥイパトゥイパ 【他動】[tuypa-tuypa …を切る[複]・(重複)](二人以上が/二つ以上を)何回もくり返し切る、 切りきざむ、 めった切りにする。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuypatuypa
トゥイパトゥイパ 【tuypa-tuypa】 切り刻む. (出典:萱野、方言:沙流)
tuypise
トゥイピセ §506.ちょお(腸);ひゃくひろ(百尋)(15)大腸 tuy-pise〔tuǐ-pi-se とぅイ・ピセ〕[tuy(臓腑)+pise(袋)]⦅チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuypok
トゥイポㇰ 【位名】[tuy-pok 切れる・下]…の下側、 …の下端。 tek tuypok テㇰ トゥイポㇰ 手(腕全体)の下側。 ni tuypok ニ トゥイポㇰ かしいでいる木の下になっているほうの側。 ☆参考 そのもの(例では手や木)の一部である。 corpok チョㇿポㇰ は、 そのものの一部ではなく、 手や木の下にある別のものの位置を言う。 monpok モンポㇰ はほんの少し離れた下、 そば。 (出典:田村、方言:沙流)
tuyrap(-u)
トゥイラㇷ゚ §674.ひれ(鰭);ひれの骨(鰭條)(37)腹びれ tuy-rap(-u)〔túǐ-rap とぅイラㇷ゚〕[tuy(腹)+rap(翼)]⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuyre
トゥイレ 【他動】[自動使役][tuy-re 取れて落ちる・させる](ついているもの)を落とす(ついている滴を、 たばこの先から灰を、 木の上から栗の実を等)。 ☆参考 [自動]は tuy トゥイ。 ☞tuy トゥイ 2。 ☆参考 上のものを下へ落下させることは hácire ハチレ、 tursere トゥㇽセレ など。 ranke ランケ は「下ろす」に近い。 手から放して取り落とすことは opici オピチ {E: to drop…} (出典:田村、方言:沙流)
tuyre
トゥイレ 【tuy-re】 (クリの実などを)落とす. (出典:萱野、方言:沙流)
tuyreko
トゥイレコ 【副】[tuy-re-ko 取れて落ちる・させる・(反語的意味の副詞をつくる)](次の熟語で) iporo tuyreko an イポロ トゥイレコ アン ムスッと(=ブスッと)している。(S) (出典:田村、方言:沙流)
tuysam
トゥイサㇺ 【位名】[tuy-sam (切る/切れることを表す語根)・…のそば] …のそば、 (斜めになっている所の)…のそば。 iwa tuysam/etanne maw/káne may ne/ciwnu イワ トゥイサㇺ/エタンネ マウ/カネ マイ ネ/チウヌ [雅]岩山のそばを長い神の息吹が金(かね)の響きのように流れてくる。(S自作のウポポ) {E: near; beside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuytektek
トゥイテㇰテㇰ 【他動】[tuy-tektek 切る(tuye の語根)・瞬間に…する] …をパッとちょん切る、 …を一瞬に/バサリと切る。 nísapno tasiro etaytektek wa a=rekúci tuytektek nankor ニサㇷ゚ノ タシロ エタイテㇰテㇰ ワ アレクチ トゥイテㇰテㇰ ナンコㇿ 彼はサッと刀を抜いて私の首をバサリと切るでしょう。(W民話) {E: to cut… quickly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tuytomunpone
トゥイトムンポネ §674.ひれ(鰭);ひれの骨(鰭條)(11)はらびれ[の鰭條] tuy-tom-un-pone〔túǐ-to-mun-po-ne とぅイトムンポネ〕[tuy(腹)+tom(中央)+un(の)+pone(ひれ、鰭條)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuytomuspone
トゥイトムㇱポネ §674.ひれ(鰭);ひれの骨(鰭條)(12)はらびれ[の鰭條]tuy-tom-us-pone〔túǐ-to-muš-po-ne とぅイトムㇱポネ〕[tuy(腹)+tom(中)+us(ついている)+pone(ひれ、鰭條)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuytuk
トゥイトゥㇰ §333 ツツドリ (2) tuytuk (túy-tuk)「とゥイトゥㇰ」[<鳴き声] ⦅屈斜路⦆(コ175) (出典:知里動物編、方言:)
tuytuye
トゥイトゥイェ 【他動】[tuy-tuy-e (とってとばすことを表す語根)・(重複)・(他動詞形成)]箕(み)で(米やヒエ、 アワなど)のごみをとばす。 e=tuytuye p opokin téor omare エトゥイトゥイェㇷ゚ オポキン テオㇿ オマレ あなたが箕でごみをとばしているものを次々にここに入れなさい。(S) ☆参考 tuye トゥイェ《…を切る》の重複形のように見えるが、 意味は切りきざむことではない。 くり返し何回も切って切りきざむことは tuypatuypa トゥイパトゥイパ。 ☆参考 箕(み)は muy ムイ。 {E: to winnow…} (出典:田村、方言:沙流)
tuytuye
トゥイトゥイェ 【tuy-tuye】 (箕で)糠飛ばし(する). アㇻスイネ トゥイトゥイェ.オカケ タ ア・オッケ コㇿ ア・オッケ エニタン ナ=1回糠を飛ばせ.その後で搗くと搗きやすいから. (出典:萱野、方言:沙流)
uatokatu
ウアトカトゥ 【u-at-o-katu】 系列,系統の様子. ▷ウアト=ちりばめる カトゥ=様子(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ueturentek(-e)
ウエトゥレンテㇰ §834.りょう手(両手)ueturen-tek(-e)〔u-é-tu-ren-tek ウえトゥレンテㇰ〕[ueturen(一対になっている)+tek(手)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
uhayokkoturpa
ウハヨッコトゥㇽパ 【自動】[複](単は用例がない)[u-hayok-ko-turpa 互い・武装・に・…をのばす[複]] 皆で武装する。 {E: for everyone to be armed (with weapons).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhetukpare
ウヘトゥㇰパレ 【自動】[u-hetukpa-re 互い・生まれる(複)・させる]皆が生まれる。 oro wa/uhetukpare p/aynu ne kusu オロ ワ/ウヘトゥㇰパレㇷ゚/アイヌ ネ クス そこから人間が生まれるのですから。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uheturaste
ウヘトゥラㇱテ 【自動】[u-he-turas-te 互い・頭・…に沿って上る・させる] 一緒に暮らす。 a=yupíhi an wa tun a=ne wa uheturaste=an wa oka=an アユピヒ アン マ トゥナネ ワ ウヘトゥラㇱテアン マ オカアン 私には兄がいて私たちは一緒に暮らしていた。(W民話) ☆参考 uhekote ウヘコテ とも言う。 {E: to be married; live together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhsiponehetukuhekaci
ウㇷシポネヘトゥクヘカチ §354.うつぶせに生れた赤ん坊;腹位で娩出した子uhsipone-hetuku-hekaci〔úh-ši-po-ne|he-tú-ku|he-ká-či うㇷシポネ・へとぅク・へかチ〕[うつ伏せに・生れた・子]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
uhturu
ウㇷトゥル §453 クロバギンナンソウ (3) uhturu (úh-tu-ru)「うㇷトゥル」 ⦅白浦⦆ (出典:知里植物編、方言:)
uhutuhutu
ウフトゥフトゥ 【uhutu-hutu】 押し合いへしあい(する):人と人とが押し合ってごたごたと混雑すること. イヤイ ナ アペ サㇺ タ イテキ ウフトゥフトゥ ヤン=危ないから火の側で押し合いへしあいするんでないよ.ヘカッタㇻ アナㇰネ シㇼフッネ ウㇱケ ウン ウフトゥフトゥ パ ワ シノッ ルスイ=子供たちは狭い所で押し合いへしあいをして遊びたいものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukattuyma
ウカットゥイマ 【u-kat-tuyma】 間をあける. ウカットゥイマノ エトイタ=間をあけて蒔け.ウカットゥイマノ ポコㇿ=間をあけて子供を産む.ウカットゥイマノ ネ ヤッカ ピㇼカ ナ エノタヌカㇻ(エン・ホタヌカㇻ) アニー=間が遠くてもいいので私の様子を見に来てね. (出典:萱野、方言:沙流)
ukattuymano
ウカットゥイマノ 【副】[u-kat-tuyma-no 互い・姿・遠い・(副詞形成)] 互いに遠く離れて、 たまに、 長い間をおいて。 ukattuymano pisi kor an ウカットゥイマノ ピシ コラン 「間遠く(あいだとおく)きいている」(=途切れ途切れに質問している)。(W) ukattuymano sine pa arsuyne ne ya tusuy ne ya patek ek ウカットゥイマノ シネ パ アㇻスイネ ネ ヤ トゥスイ ネ ヤ パテㇰ エㇰ (彼は)長い間をおいて一年に一度か二度だけ来る。(S) {E: occasionally leave a long break; separate from each other for awhile at times} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukokaptuyemun
ウコカㇷ゚トゥイェムン §053 オオバコ (11) ukokaptuye-mun (u-kó-kap-tu-ye-mun)「ウこカㇷ゚トゥイェムン」[u(互い)ko(に)kap(皮を)tuyé(断つ)mun(草)] 花・茎・地上部 ⦅屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ukokaptuyep
ウコカㇷ゚トゥイェㇷ゚ §053 オオバコ (10) ukokaptuyep (u-kó-kap-tu-yep)「ウこカㇷ゚トゥイェㇷ゚」[u(互い)ko(に)kap(皮を)tuyé(断つ)p(もの)] 花茎・地上部 ⦅様似、足寄、春採⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ukokatuyep
ウコカㇷ゚トゥイェㇷ゚ §053 オオバコ (12) ukokatuyep (u-kó-ka-tu-yep)「ウこカㇷ゚トゥイェㇷ゚」[u(互い)ko(に)ka(糸を)tuye(断つ)p(もの)] 花茎・地上部 ⦅名寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ukokewtumkor
ウコケウトゥㇺコㇿ 【u-ko-kewtum-kor】 示し合わせる(互いに心を同じにする). (出典:萱野、方言:沙流)
ukokewtumuwen
ウコケウトゥムウェン 【他動】[u-ko-kewtumu-wen 互い・に対して・心[所]・悪い] 仲が悪い。 ☞kewtum ケウトゥㇺ[概]/kewtumu(hu) ケウトゥム(フ) [所] {E: to be on bad terms with…} (出典:田村、方言:沙流)
ukokewtumuwen
ウコケウトゥㇺウェン 【u-ko-kewtumu-wen】 仲が悪い. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoramkur-turpa
ウコラㇺクㇽトゥㇽパ/ウコラㇺクットゥㇽパ 【自動】[uko-ram-kur-turpa 一緒に・心・(影/姿)・を伸ばす(複)][雅]皆で一緒に先のことまで考える。 kamuy opitta/ukoramkur/turpa kane カムイ オピッタ/ウコラㇺクㇽ/トゥㇽパ カネ]神々はみな一緒に考えて先のことを案じていました。(Sユーカラ語り) ☆参考 他動詞は ewkoramkur-turpa エウコラㇺクㇽトゥㇽパ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukosetatuyep
ウコセタトゥイェㇷ゚ §053 オオバコ (14) ukosetatuyep (u-kó-se-ta-tu-yep)「ウこセタトゥイェㇷ゚」[u(互い)ko(に)seta(犬)tuye(断つ)p(もの)] 花茎・地上部 ⦅江部乙ebeotsu、近文⦆ (出典:知里植物編、方言:)
ukositukor
ウコシトゥコㇿ 【自動】[uko-situ-kor 一緒に・尾根・を持つ] 二つの尾根が一緒になっている。 ukositukor uske ウコシトゥコㇿ ウㇱケ (沢の水源の所で)二つの尾根が合わさっている所。 {E: the place where two mountain ridges come together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukosiutur'uiruke
ウコシウトゥㇽウイルケ 【u-ko-si-utur-uiruke】 はじき出す:退け者にする,じゃま者をはじき出す. シケサㇻペ アナㇰネ ア・ウコシウトゥルウイルケ コㇿ ポーヘネ ウェン ナ.タㇰ ワ エㇰ ヤン.ア・オプンプニ ワ ネㇷ゚カ ア・カレ クㇱネ ナ=ならず者は皆ではじき出すとなおさら悪いものだ,呼んで来なさい.おだてて何かやらせようよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotuk
ウコトゥㇰ 【自動】[u-kotuk 互い・にくっつく] 互いにくっつき合う。 {E: to stick together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukotukka
ウコトゥッカ 【他動】[ukotuk-ka 互いにくっつく・(他動詞化)] …を互いにくっつける、 (のりで)はりつける。 ku=kor toke atuhu soske kor an, k=úkotukka easirki, somo yakun nani tuy クコッ トケ アトゥフ ソㇱケ コラン、 クコトゥッカ エアシㇼキ、 ソモ ヤクン ナニ トゥイ 私の時計の(皮の)バンドがはがれてきた、 はりつけなければならない、 そうしないとすぐ切れてしまう。(W) {E: to stick…together (with glue).} (出典:田村、方言:沙流)
ukotukka
ウコトゥッカ 【u-kotuk-ka】 くっつける,接(つ)ぐ. ホワーア マㇰ ク・イキ ヤㇰ ピㇼカ オカー.ピㇼカ トゥキヌㇺ ク・ハチレ ワ ク・ペㇾパ.マㇰ ア・イェ ハウェ ウンコトゥㇰ アニ ウコトゥッカ ワ インカㇻ=あーあ困った,どうしたらいいだろう.よい杯の上の部分を私は落として割ってしまった,どうにも言いようもない(しかたがない),松やにでくっつけておけ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotukot
ウコトゥコッ 【自動】[u-kot-ukot 互い・につく・(重複)] 互いに交わる。 (次の表現の中で) síkeri ukotukot シケリ ウコトゥコッ 目の輝きが互いに交差する=目がギョロギョロ光っている。 {E: to cross (over) each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukotumikor
ウコトゥミコㇿ 【自動】[u-ko-tumi-kor 互い・に対して・戦い・を持つ] 互いに戦う、 戦い合う。 {E: to fight each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukotumikor
ウコトゥミコㇿ 【u-ko-tumi-kor】 戦争する. シサㇺ アナㇰネ トゥミ エラマㇱパ ㇷ゚ ネ ハウ ソモ ネ ウン.スイ アトゥイ イクㇱタ ウコトゥミコㇿ パ ヤㇰ ア・イェ.ク・イシトマ=和人というのは戦争が好きな人たちではないのかな.またしても海の向こうで戦争を始めたそうだ.私は恐ろしい.*昭和12年,日本の中国に対する侵略戦争の噂を聞き隣の貝澤オロアッノというおばさんがそう言っていた記憶がある. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotumuncikor
ウコトゥムンチコㇿ 【自動】[u-ko-tumunci-kor 互い・に対して・殺戮(さつりく)・を持つ] 互いに殺戮(さつりく)し合う、 互いに殺し合いのいくさをする。 {E: to slaughter each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukotumuwen
ウコトゥムウェン 【自動】[u-ko-tumu-wen 互い・に対して・その中・悪い] 互いに仲が悪い/悪くなる、 仲たがいする、 いがみ合う。 {E: to be on bad terms; quarrel.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukoturse
ウコトゥㇽセ §541.でんせんびょう(伝染病)(8)ukoturse〔u-kó-tur-se ウこトゥㇽセ〕[u(互い)+ko(に)+turse(とびつく)] (出典:知里人間編I、方言:)
ukotus'etaye
ウコトゥシエタイェ 【u-ko-tus-etaye】 綱引き(する).▷ウ=互い コ=〜に対して トゥㇱ=綱 エタイェ=引っぱる イヨマンテ オッタ(オㇿ タ) メノコ オッカヨ ウコトゥㇱエタイェ メノコ アマケタロ コㇿ イマカケ タ オッカヨ カムイ ア・ウㇰ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=熊送りの時に男と女が綱引きをして女が負けると,次に牡熊が獲れるそうだよ.イヨマンテ オッタ ヘペㇾトゥㇱ ア・ピタ オカケヘ タ ネ トゥㇱ アニ ウコトゥㇱエタイェ・アン ペ ネ=熊送りの時に熊を繋いだ綱をほどいた後にその綱で綱引きをするものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
ukotutturse
ウコトゥットゥㇽセ 【自動】[uko-tur-tur-se 一緒に・(擬音擬態)・(重複)・と言う。]一緒にゴチャゴチャと走って行く。 hoski nisi/tuytuy nis ne/ukotutturse ホㇱキ ニシ/トゥイトゥイ ニㇱ ネ/ウコトゥットゥㇽセ [雅]初めの雲はきれぎれの雲になってゴチャゴチャと走って行く。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukoutur(u)ke/ukowtur(u)ke
ウコウトゥㇽケ/ウコウトゥルケ 【位名】(二つのもの/場所)の間の所、 その(それらの)間の所。 e=askepet ukowturke エアㇱケペッ ウコウトゥㇽケ あなたの指の間。 ukowturke omare ウコウトゥㇽケ オマレ …をその間にはさむ。(W) huton ukowturke omare wa nuyna フトン ウコウトゥㇽケ オマレ ワ ヌイナ ふとんとふとんの間に入れてかくしなさい。 tooká utar ukowturuke ta móno a トオカ ウタㇻ ウコウトゥルケ タ モノ ア あの人たちの間に座りなさい。(S) m {E: between or amongst two places or things.} (出典:田村、方言:沙流)
ukoutur/ukouturu(ke)
ウコウトゥㇽ/ウコウトゥル(ケ) 【uko-utur/-uturu(ke)】 間,境. ポロチセ ポンチセ ウコウトゥルケ タ シプㇱケㇷ゚ ケトイタ(ク・エトイタ) ルスイ コㇿカ ピㇼカ ヤー=大きい家と小さい家の間へイナキビを私は蒔きたいが,いいかい.トイウコウトゥル=畑と畑の間.チセウコウトゥル=家と家との間. (出典:萱野、方言:沙流)
ukoutur/ukowtur
ウコウトゥㇽ 【位名】[概](所は ukouturu/ukowturu/ukouturke/ukowturke ウコウトゥル/ウコウトゥㇽケ)[u-ko-utur 互い・に対して・…の間](二つのもの/場所)の間。 kotan ukowtur ru kus コタン ウコウトゥンル クㇱ 村の家並みの間の道を通る。(S) {E: between; among.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukouturu/ukowturu
ウコウトゥル 【位名】[所](概は ukoutur/ukowtur ウコウトゥㇽ)[u-ko-utur-u 互い・に対して・…の間・(所属語尾)](二つのもの/場所)の間、 その間。 cise ukowturu kus チセ ウコウトゥル クㇱ 家と家の間を通る。(S) {E: between or amongst two places or things.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukowtur
ウコウトゥㇽ ☞ukoutur ウコウトゥㇽ (出典:田村、方言:沙流)
ukowtur(u)ke
ウコウトゥㇽケ/ウコウトゥルケ ☞ukoutur(u)ke ウコウトゥㇽケ/ウコウトゥルケ (出典:田村、方言:沙流)
ukowturu
ウコウトゥル ☞ukouturu ウコウトゥル (出典:田村、方言:沙流)
un=kotuk
ウンコトゥク 【un=kotuk】 松ヤニ,糊:松ヤニとホッチャリの皮を噛んで用いた.▷ウン=私たちに コトゥク=くっつく ホワーア マㇰ ク・イキ ヤㇰ ピㇼカ オカー.ピㇼカ トゥキヌㇺ ク・ハチレ ワ ク・ペㇾパ.マㇰ ア・イェ ハウェ.ウンコトゥク アニ ウコトゥッカ ワ インカㇻ=あーあ困った,どうしたらいいだろう.よい杯の上の部分を私は落として割ってしまった.どうにも言いようもない(=しかたがない).松ヤニでくっつけておけ.*松ヤニはルㇺ(矢尻)に毒を塗る時に接着剤として使う. (出典:萱野、方言:沙流)
un=kotukranke
ウンコトゥㇰランケ 【un=kotuk-ranke】 松ヤニ下ろし:赤ちゃんが生まれて最初のうんちは黒い松ヤニのような色をしていて,これをウンコトゥㇰランケと言う.このうんちが出ると,イコインカㇻクㇽ(産婆さん)も家族も安心する.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
unankotuhte(-an)
ウナンコトゥㇷテ §694.頬ずり[する];キスするunankotuhte(-an)〔u-náŋ-ko-tuh-te ウなンコトゥㇷテ〕[u(互いの)+nan(顔を)+kotuh-te(くっつけさ・せる)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
unarpeturesi
ウナㇻペトゥレシ §028.おば(伯母、叔母)(14)unarpe-turesi〔u-nár-pe-tu-re-ši ウなㇻペトゥレシ〕⦅ホロべツ⦆【雅】伯叔母を妻とすること。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
unkotuk
ウンコトゥㇰ 【名】[un-kotuk 何にでも・…にくっつく][植物](松などの)やに。 〔知分類 p.287 ((胆振・日高沙流))〕 {E: resin; gum; discharge (of a tree).} (出典:田村、方言:沙流)
unkotuk
ウンコトゥㇰ §363.産―たいべん(胎便);かにばば;かにくそ(1)unkotuk〔úŋ-ko-tuk うンコトゥㇰ〕[un(我ら)+ko(に)+tuk(着く)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
uoputuypa
ウオプトゥイパ 【u-oputuypa】 押し合う. ペッパルㇽ トㇱカ カ タ ヘカッタㇻ ウオプトゥイパ コㇿ ク・ハㇰマハㇰマ ク・ライパㇱロタ ヤッカ ヌ シリー カ イサㇺパ=川の縁の一段高い所で子供たちが押し合いへしあいしている,それを見て私は冷や冷やして高い声で怒っても(子供たちは)聞いた様子もない. (出典:萱野、方言:沙流)
upas esitturaynu
ウパㇱ エシットゥライヌ 【upas-e-sir-turaynu】 雪のために道に迷う. ▷ウパㇱ=雪 エ=それ シッ(シリ)=あたり,その近く トゥライヌ=見つけられない,分からない(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
upastum
ウパㇱトゥㇺ 【upas-tum】 雪中. (出典:萱野、方言:沙流)
upsinetumus
ウㇷ゚シネトゥムㇱ 【upsi-ne-tum-us】 大粒の鈴,粒の大きい鈴[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
upsinosituri(-an)
ウㇷ゚シノシトゥリ §566.ねる(寝る)(3)腹這いになる upsino-situri(-an)〔úp-ši-no-ši-tu-ri うㇷ゚シノ・シトゥリ〕[upsi(うつぶす)、upsi-no(うつぶし・に)+si-turi(自分を・伸ばす、のびる)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
urameturente
ウラメトゥレンテ 【名】[u-ram-e-turen-te 互い・心・で・…に伴う・させる] 気をそろえる。 {E: to be in the same mental thought.} (出典:田村、方言:沙流)
ureahkutuke
ウレアㇵクトゥケ §038.あしくび(足首);足関節部(4)ure-ahkutuke〔u-ré-ah-ku-tu-keウれアㇵクトゥケ〕[ure(足)+ahkutu(その首)+ke(の所)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ureerutu
ウレエルトゥ 【ure-e-rutu】 足で寄せる.▷ウレ=足 エ=それで ルトゥ=寄せる レプンクㇽ ア・ウレルトゥ オカケヘ タ チョアㇱロッケ・アン=沖の人を足で寄せてその後へどっかと座った.アㇷ゚カㇱ・アン ウㇱケ タ オンタロ アン クス クレエルトゥ(ク・ウレエルトゥ)=歩いて行く所に樽があったので足で寄せた. (出典:萱野、方言:沙流)
ureetursere
ウレエトゥㇽセレ 【他動】[ure-e-tursere 足・で・倒す/落とす] …をけとばす。 {E: to kick (away)…} (出典:田村、方言:沙流)
ureetursere
ウレエトゥㇽセレ 【ure-eturse-re】 蹴る(ひとつを). (出典:萱野、方言:沙流)
urenetupsike
ウレネトゥㇷ゚シケ 【位名】[所](概は未出。 etupsike の概は etupsik エトゥㇷ゚シㇰ)[uren-etupsike 両方の・先端] …の両端(両方の先端)。 {E: both ends, edges of…} (出典:田村、方言:沙流)
urerutrutu
ウレルッルトゥ 【ure-rut-rutu】 足探りする. スネ ク・コㇿ ペッ サㇺ タ イチャン アヌㇱケ(アン ウㇱケ) タ カㇻパ(ク・アㇻパ) アㇷ゚ ルイ レラ アン ヒネ スネ ウㇱテㇰ.ク・レルッルトゥ(ク・ウレルッルトゥ) ワ アプンノ アペ サムン(サㇺ ウン) ク・ホシピ=たいまつを持って川の縁の産卵床のある所まで行ったのに強い風が吹いてたいまつがぱっと消えた.足探りで静かに火の側へ戻って来た. (出典:萱野、方言:沙流)
ureuturuwoe
ウレウトゥルウォエ §726.みずむし(水虫)(6)ureutur-uwoe〔u-ré-u-tur-u-wò-e ウれウトゥㇽ・ウうぉエ〕[ure-utur(足間)+u-o-e(お互いに・陰部を・食う、交合する)]⦅ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
usatumam(-a)
ウサトゥマㇺ §224.からだ(体);躯幹(11)胴体の両側;両脇 usa-tumam(-a)〔u-sá-tu-mam ウさトゥマㇺ〕[u(両)+sa(=sam 側)+tumam(胴、躯)]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.326】 (出典:知里人間編I、方言:)
usaturse
ウサトゥㇽセ 【自動】[usa-turse 別々に・落ちる](折れたのが)離れる。 {E: to be separated.} (出典:田村、方言:沙流)
usatuye
ウサトゥイェ 【usa-tuye】 別々に切る:人間を斬る場合の語[ユ].▷ウサ=別々 トゥイェ=切る ウェンレプンクㇽ トゥㇷ゚ネ レㇷ゚ネ ア・ウサトゥイェ=悪い沖の人をふたつに三つに斬ってしまった. (出典:萱野、方言:沙流)
utukani
ウトゥカニ §102 ミズキ (2) utukani (u-tú-ka-ni)「ウとゥカニ」 茎 ⦅長万部、幌別、穂別⦆ (出典:知里植物編、方言:)
utukanni
ウトゥカンニ 【utukan-ni】 ミズキ.神に捧げるためのイナウを作る材料.イナウの材料はミズキとヤナギの2種類に限定していた. (出典:萱野、方言:沙流)
utukanni
ウトゥカンニ §102 ミズキ (1) utukanni (u-tú-kan-ni)「ウとゥカンニ」 茎 ⦅北海道各地⦆ (出典:知里植物編、方言:)
utukari
ウトゥカリ 【位名】[u-tukari 互い・の手前] utukari ta ウトゥカリ タ (直訳すると)互いの手前に=しょっちゅう、 何回も。 a=weyyupi weysanpekor kusu ene e=matnepoho utukari ta yáni rayke ranke hike ka アウェイユピ ウェイサンペコㇿ クス エネ エマッネポホ ウトゥカリ タ ヤニ ライケ ランケ ヒケ カ 私のろくでなしの兄が悪心をだいてあなたの娘さんを何回もくり返しもう少しで殺しそうになったけれども。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utukari ta utukari ta
ウトゥカリ タ ウトゥカリ タ 【u-tukari ta u-tukari ta】 近くに近くに. ポロ ペッ アナㇰネ ウトゥカリタ ウトゥカリタ ケペレペ ネ ウㇱケ アン ペ ネ ワ チㇷ゚モㇺ カ エアイカㇷ゚=大きい川には近くに近くに淀になった所があって舟が流れることもできない. (出典:萱野、方言:沙流)
utumam
ウトゥマㇺ 【自動】[u-tumam 互い・をだいて寝る]だき合って寝る。 c=ópitta utumam=as wa hotke=as チョピッタ ウトゥマㇺアㇱ ワ ホッケアㇱ 私たちはみんなだき合って寝た。(S) {E: to sleep, lie hugging one another.} (出典:田村、方言:沙流)
utumam
ウトゥマㇺ 【u-tumam】 ふたりで寝る,抱き寝する. ホクレ ホクレ タヌクラン ポーヘネ メアン ナ ウトゥマㇺ ワ ホッケ ヤン=さあ早く早く,今晩はなおさら寒いのでふたりで寝なさい. (出典:萱野、方言:沙流)
utumasi
ウトゥマシ 【自動】[u-tumasi 互い・…の全体でなくとびとびに一部だけある] 「ちょっと狂っている、 頭(が)半分ばか。」 (S) tane anak utumasi kor an hawe un タネ アナㇰ ウトゥマシ コㇿ アン ハウェ ウン (彼は)もう、 ちょっとばかになってきた(=年とってぼけてきた)のよ。(S) {E: to be slightly crazy; foolish.} (出典:田村、方言:沙流)
utunas
ウトゥナㇱ 【u-tun-as】 ふたり搗き.▷ウ=互い トゥン=ふたり アㇱ=立つ →ひとつの臼をふたりで搗く ホクレ ウトゥナㇱ ワ ポロンノ ムンチロ ピㇼケㇷ゚ カㇻ パ.オヌマン シト ア・カㇻ ワ ア・エ クㇱネ ナ=さあ早くふたり搗きをしてたくさんアワの精白を作れ.今晩餅をこしらえて食べるから. (出典:萱野、方言:沙流)
utunin(-i)
ウトゥニン §444.すね(脛)(7)utunin(-i)〔u-tú-nin ウとぅニン〕⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
utuninpone
ウトゥニンポネ §446.脛の骨(2)脛骨 utunin-pone〔u-tú-nin-po-neウとぅニンポネ〕[「脛・骨」の義]⦅タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
utunnu
ウトゥンヌ 【自動】[utur-nu 間・がある] すきまがあいている。 ruyka utunnu wa an ルイカ ウトゥンヌ ワ アン 橋がすきまがあいている(木の板の橋で、 板と板の間にすきまがある)。 {E: to have gaps.} (出典:田村、方言:沙流)
utupa
ウトゥパ 【自動】この世とあの世とに別れている(「仏になった人に言う、 そのほかには言わない」)。(S) utupa=an na ウトゥパアン ナ 「あんたはもうこの世の人ではない、 私はしゃばの人だ、 てんで(=まるっきり)違うんだろう、 あんたはほとけの国へおさまってちょうだいよ」。(S) tane utupa=an na, kamuy e=ne na, apunno iteki hosari no kamuy or un arpa タネ ウトゥパアン ナ、 カムイ エネ ナ、 アプンノ イテキ ホサリ ノ カムイ オルン アㇻパ 「妻でもなければ子でもないんだ、 あんたはもうこの世の人ではないんだぞ、 妻いることもいると思わないで極楽へ歩め。 」 (S) {E: for this world and heaven to be separated.} (出典:田村、方言:沙流)
utur
ウトゥㇽ 【utur】 下座:囲炉裏から入口の方,主として家の西側を言う,西側. アペケㇱウトゥㇽ=下座,下側.ル ウトゥㇽ=道の下側.チセ ウトゥㇽ=家の下側.エウトゥンネ=自分の家から見て西側.ウトゥルン(ウトゥㇽ ウン) アチャポ エㇰ コㇿ オラーノ アンオホロ ペネクス ア・エイヌピタラ=道路のあちら(西側)のおじさんは来ると長居するのでいやがられる.*自分の家から見て東側をエロンネあるいはロッタと言い,西側をエウトゥンネあるいはウトゥㇽと言う.私が生まれ育った二風谷神社入り口国道近くから見て,昔の貝澤松一さんの家の方をエロンネまたはロッタ,そして国道から西側の貝澤宇吉さんの家の方をエウトゥンネまたはウトゥㇽと言った. (出典:萱野、方言:沙流)
utur 1
ウトゥㇽ 【位名】[概](所は uturu/utur(u)ke(he) ウトゥル/ウトゥㇽケ(ヘ)/ウトゥルケ(ヘ))…の間(空間的にも時間的にも)。 ☆参考 útur ウトゥㇽ《…の下座、 西側》とはアクセントが違う。 {E: between…} (出典:田村、方言:沙流)
útur 2
ウトゥㇽ 【位名】[概](所は útur(u)ke(he) ウトゥル/ウトゥㇽ/ウトゥルケ(ヘ)/ウトゥㇽケ(ヘ))…の下座、 木尻座、 (家の中の)出入口に近い方、 東窓から遠い方、 (家の外でも)西側。 ☆参考 utur ウトゥㇽ 「間」とは別の語である。 アクセントが違う。 cise útur kus チセ ウトゥㇽ クㇱ 家の西側を通る(cise útur péka kus チセ ウトゥㇽ ペカ クㇱ とも言う)。(S) ☆参考 所属形 úturu ウトゥル の形は未出。 {E: the lower seat of (a house etc.); the western side of (a house etc.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utur(u) tuye
ウトゥㇽ/ウトゥル トゥイェ 【連他動】…の仲をさく、 (人)の仲をじゃまする(「結婚問題でもあるとき、 それぞれに悪いことを言ってやめるようにじゃまをする」)。(S) ☆参考 etok(o) tuye エトㇰ トゥイェ/エトコ トゥイェ は仕事など、 何かをするのをじゃますることを言う。 {E: to disturb, interfere with…} (出典:田村、方言:沙流)
utur(u)ke(he) 1
ウトゥㇽケ(ヘ)/ウトゥルケ(ヘ) 【位名】[所](概は utur ウトゥㇽ)[utur-u-ke …の間・(所属語尾)・ …の所] その間、 …しているときと次にするときとの間。 a=oyámokte wa nétuk=an uturke ta eun inkar=an ranke kor án=an ayne アオヤモㇰテ ワ ネトゥㇰアン ウトゥㇽケ タ エウン インカラン ランケ コㇿ アナン アイネ おかしいなあと思って、 寄り木拾いをしている間にときどきそっちを見い見いしていると。(W民話) ☆参考 uturu ウトゥル の形も使われる。 {E: the place between…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
útur(u)ke(he) 2
ウトゥㇽケ(ヘ)/ウトゥルケ(ヘ) 【位名】[所](概は útur ウトゥㇽ)[utur-u-ke …の下座・(所属語尾)・(よりはっきりさせる所属語尾)…の所] その下座(その西側/入口側)の所。 osisoun kamuy ekasi a wa an, úturuke ta kamuy ne noyne an húci a wa an オシソウン カムイ エカシ ア ワ アン、 ウトゥルケ タ カムイ ネ ノイネ アン フチ ア ワ アン 右座(いろりの北側、 主人の席)に、 神なる老人が座っていた、 その下座側(西側、 入口側)に、 神のような老女が座っていた。(W神謡語り) ☆参考 úturu ウトゥル の形は未出。 {E: the lower seat of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utur/uturu(hu)
ウトゥㇽ/ウトゥル(フ) 【utur/uturu(hu)】 (〜の)間. チセ ウトゥㇽ=家の間.ナユトゥㇽ(ナイ ウトゥㇽ)=沢と沢の間.シトゥ ウトゥㇽ=峰と峰の間.オナウタㇻ ウコウトゥルケタ=親達の間に. (出典:萱野、方言:沙流)
utura
ウトゥラ 【自動/副】[u-tura 互い・を同伴する] ①[自動]一緒にいる、 同伴/同行する。 ②[副]一緒に、 連れ立って。 e=uni un utura yan エウニ ウン ウトゥラ ヤン あなたの家へあなたたち一緒に行きなさい。(NK民話) katu renkayne yozi pakno hene kozi pakno hene ne yakka utura eci=oká kunine ne yak pirka na カトゥ レンカイネ ヨジ パㇰノ ヘネ コジ パㇰノ ヘネ ネ ヤッカ ウトゥラ エチオカ クニネ ネ ヤㇰ ピㇼカ ナ 都合によって4時まででも5時まででもあなたたちが一緒にいるようにしてくれるといいよ(=…してちょうだいね)。(W会話) {E: ①to be, go together with, accompany. ②together (with).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utura
ウトゥラ 【u-tura】 一緒(である),連れ,同伴者.▷ウ=互いに トゥラ=連れる ポナニタ(ポン・アン ヒ タ) ウトゥラ シノッ・アン ウㇱケ ネ アクス ア・キㇼウㇱケ ネ ワー=子供の時に一緒に遊んだ所なので私どもの知っている所だよ.オッコー エ・ヌ アー.タン チュㇷ゚ シカリ ラポㇰ タ ニㇷ゚タニ タ イヨマンテ アン ヤㇰ ア・イェ.ウトゥラ・アン ワ アㇻパ・アン ロー=お姉さん聞いたかい.この月が丸くなった頃に二風谷で熊送りがあるそうだ.一緒に行こうよ. (出典:萱野、方言:沙流)
uturahokke(-an)
ウトゥラホッケ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(11)u-tura-hokke(-an)〔u-tú-ra-hot-ke ウとぅラホッケ〕[u(相)+tura(連れて、共に)+hokke(<hotke 寝る)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
uturakamuy
ウトゥラカムイ §277 くま (82) u-tura-kamuy (u-tú-ra-ka-muy)「ウとゥラカムイ」[<u-(おたがい)tura(連れる)kamuy(神)] ⦅美幌⦆二匹連れのクマ(いつも雄と雌とが連れ立っている) (出典:知里動物編、方言:)
uturano
ウトゥラノ 【副】[utura-no 連れ立って・(副詞形成)] 二人/皆一緒に/連れ立って。 {E: together (with).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uturapa
ウトゥラパ 【自動】[複](utura ウトゥラ は単複の区別なし)(二人以上が皆)連れ立つ/同伴する/同行する。 {E: to accompany; go with (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uturatura
ウトゥラトゥラ 【自動】[u-tura-tura 互い・を同伴する・(重複)](次の雅語的表現の中で) 次々に連れ立って続く。 ranke núpe/uturatura ランケ ヌペ/ウトゥラトゥラ [雅](直訳すると)落とす涙が次々に相連れ立ってくる=ハラハラと涙を流す。 {E: to continue one after another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utureskor
ウトゥレㇱコㇿ 【自動】[u-tures-kor 互い・の妹(turesi トゥレシ の i イ が落ちた形)・を持つ][雅](通常は)兄妹、 (この用例では)姉妹。 Menas un mat utureskor pe an ruwe ne awa メナスン マッ ウトゥレㇱコㇿ ペ アン ルウェ ネ アワ メナシ(東南方向、 静内方面)の姉妹がいたのだが。(HC神謡結末の語りの部分) ☆参考 この方言では「姉妹である」ことを言うには通常は umatakikor ウマタキコㇿ と言う。 {E: older brother-older sister; sisters.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uturke
ウトゥㇽケ 【位名】☞utur(u)ke(he) ウトゥㇽケ(ヘ)/ウトゥルケ(ヘ) (出典:田村、方言:沙流)
úturke
ウトゥㇽケ 【位名】☞útur(u)ke(he) ウトゥㇽケ(ヘ)/ウトゥルケ(ヘ) (出典:田村、方言:沙流)
uturu
ウトゥル 【位名】[所](概は utur ウトゥㇽ)(…の)間(空間的にも時間的にも)。 kotan uturu tuyma コタン ウトゥル トゥイマ 村と村の間が遠い。(W) a=eyáykewkor oruspe ka itak uturu ne wa síran ruwe un アエヤイケウコㇿ オルㇱペ カ イタㇰ ウトゥル ネ ワ シラン ルウェ ウン そういう苦労の思い出話も、 話の間に入っているのですよ。(W会話) uturu an kor ウトゥル アン コㇿ その間あいだに、 その間にときどきはさんで。 uturu ta ウトゥル タ ときどき、 時により、 間をおいて。 uturu ta ek ranke, uturu ta somo ranke ウトゥル タ エㇰ ランケ、 ウトゥル タ ソモ ランケ ときどき来ることもある、 来ないこともある。(S) uturu uturu ウトゥル ウトゥル ところどころ。 uturu uturu opusopus ウトゥル ウトゥル オプソプㇱ ところどころ穴がポツポツあいている。(S) {E: between (time and space).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uturu ta
ウトゥル タ 【uturu ta】 ときどき. (出典:萱野、方言:沙流)
uturu uturu
ウトゥル ウトゥル 【uturu uturu】 ところどころ. ウクラン クヨㇱキ(ク・イヨㇱキ) ワ ウトゥルウトゥル コイラ(ク・オイラ) アアン=昨晩は私は酔ってところどころ忘れたらしい. (出典:萱野、方言:沙流)
uturuki(-an)
ウトゥルキ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(14)uturuki(-an)〔u-tú-ru-ki ウとゥルキ〕[<u(相)+tura(共に)+u(相)+ki(なす)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
uturun
ウトゥルン 【utur-un】 西側. ウヌヌケ パㇰノ ア・エラヤㇷ゚ ペ イサㇺ ペ ウトゥルン メノコポ ウヌヌケ シリ!=孝行ほど感心されることはないものだが,西隣の娘の親孝行なこと! (出典:萱野、方言:沙流)
utur_ ta
ウトゥッタ 【utur ta】 下座に. オッカヨ アナㇰネ アペケㇱ ウトゥッタ(ウトゥㇽ タ) ア コㇿ ポン ユㇰ パテㇰ ウㇰ ペ ネ クス イテキ ア・アレ ㇷ゚ ネ=男は火尻の下座へ座ると小鹿しか獲れなくなるから,そこへ座らせるものではない. (出典:萱野、方言:沙流)
utus(-i)
ウトゥㇱ §037.妻(15)utus(-i)〔u-túš ウとぅㇱ〕⦅ホロべツ⦆①【名詞】(-i)相妻;二人妻;本妻とめかけ。②【動詞】(-an)相妻になる:本妻とめかけが同一家家内に居住して同一の夫に仕える。"aynu menoko kamuy menoko 〜 wa e-kor sapo e-yuputari okay ruwe ne"「人間の女と神の女が相妻となって汝の姉汝の兄たちが生れたのである」⦅ユ研Ⅱ, pp.734〜5⦆[u-(お互いが)+tus(相妻となる)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
utusi
ウトゥシ §829.よこっぱら(横腹);わきばら(脇腹);ひばら(脾腹);そくふくぶ(側腹部);そくきょうぶ(側胸部)(6)utusi〔u-tú-ši ウとぅシ〕[ut(あばら)+us(ついている)+-i(所)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
utusiaraka
ウトゥシアラカ §830.横腹の痛み;側胸痛(3)utusi-araka〔u-tú-ši-a-ra-ka ウとぅシ・アラカ〕[季肋部・痛]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
utusmat
ウトゥㇱマッ 【名】[u-tus-mat 互い・夫のもう一人の妻・女/妻] 一人の男の妻たち(「めかけ本妻」)。 sarki cikir kor/sarki tapsut kor/iwan utusmat/tura wa yan wa サㇻキ チキㇼ コㇿ/サㇻキ タㇷ゚スッ コㇿ/イワン ウトゥㇱマッ/トゥラ ワ ヤン マ (あなたのとうさんは)葦のようなガリガリの足と葦のようなガリガリの肩を持った(やせっぽちの)六人のめかけたちを連れて交易から帰って来て。(S子守歌) {E: one man's wives.} (出典:田村、方言:沙流)
utusmat(-i>ci)
ウトゥㇱマッ(イ>チ §037.妻(17)utusmat(-i>ci)〔u-túš-mat ウとぅㇱマッ〕⦅ホロべツ⦆相妻;同居する二人以上の妻;第一夫人と第二夫人;本妻とめかけ[utus(↑)+mat(女)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
utusmatkor(-an)
ウトゥㇱマッコㇿ §037.妻(18)utusmatkor(-an)〔u-túš-mat-kor ウとぅㇱマッコㇿ〕⦅ホロべツ⦆妻の他にめかけを持つ。[u(相)+tus(妻、めかけ)+kor(持つ)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
utusponi
ウトゥㇱポニ §064.あばら;あばらぼね(15)肋骨 utus-poni〔ú-tuš-po-ni うトゥㇱポニ〕[ut(わきばら)+us(についている)+poni(骨)]⦅マオカ、タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
utuste
ウトゥㇱテ 【他動】[u-tus-te 互い・自分の夫のもう一人の妻(である)・させる]二人を妻とする。 iteki koyki no/utuste wa/e=an yak easir/aynu mosir sekor/a=eréko kus ne na イテキ コイキ ノ/ウトゥㇱテ ワ/エアン ヤㇰ エアシㇼ/アイヌ モシㇼ セコㇿ/アエレコ クㇱ ネ ナ [雅](二人の女神を)いじめないで二人とも妻としてお暮らしになればあなたに人間の国という名前がつけられるのですよ。(Sユーカラ語り) ☆参考 〔久辞典983 utush 相妻となる、 妾同士 < 相連結する ut 節 ush ついている〕 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utuste(a-)
ウトゥㇱテ §037.妻(16)utuste(a-)〔u-túš-te ウとぅㇱテ〕⦅ホロべツ、ビホロ⦆めかけをもつ。Aなる人にBなる本妻があるのにさらにCなるめかけを持った場合"A nispa B kat-kemat utuste"「AさんわB夫人をその夫にめかけある妻にした」「A氏はB夫人に相妻をもたせた」(=A氏はB夫人の他に第二夫人をもった)。[utus(↑)+-te(させる)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ututanpa
ウトゥタンパ 【自動】[複](単の例はない。 tutanpa トゥタンパ の単は tutanu トゥタヌ)[u-tutanpa 互い・の次に続く[複]] 互いに続いている。 noskike ta ututanpa hike ノㇱキケ タ ウトゥタンパ ヒケ 真ん中に続いている者、 (兄弟中の)真ん中の二人。(S) {E: to be mutually continuous.} (出典:田村、方言:沙流)
utuyaskarap
ウトゥヤㇱカラㇷ゚ 【u-tuyaskarap】 憐れみ合う. ウネノ シオンピヤㇻ ネ ㇷ゚ ネ クス ウトゥヤㇱカラㇷ゚ パ ワ ネ ノイネ ウトクイェコㇿ パ=同じように後家(未亡人)なので同情しあうらしく仲がいい. (出典:萱野、方言:沙流)
utuykotukka(-an)
ウトゥイコトゥッカ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(19)utuykotukka(-an)〔u-túǐ-ko-tuk-ka ウとぅイコトゥッカ〕[u(互いの)+tuy(腹を)+kotukka(くっつけ・させる)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
utuypa
ウトゥイパ 【utuypa】 赤ちゃんの脇の下のただれ. (出典:萱野、方言:沙流)
utuypa
ウトゥイパ §475.ただれる;びらんする(4)u-tuypa〔u-túǐ-pa ウとぅイパ〕[u(お互いが)+tuypa(↑)]⦅ホロべツ,―ユ研Ⅱ, p.739, 註1⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
uwetunankar
ウウェトゥナンカㇻ 【自動/副】[u-w-etunankar 互い・(挿入音)・にバッタリ出会う] ①[自動](バッタリ)出会う(「いきあう」)。 ②[副]両方から、 両側から。 wenkur umurek uwetunankar eyoko wa ウェンクㇽ ウムレㇰ ウウェトゥナンカㇻ エヨコ ワ 貧乏人夫婦は両側から待ち伏せして。(HK民話) ne rika kisma tekehe amuninihi tun ne híne uwetunankar kisma híne sikoetaye ネ リカ キㇱマ テケヘ アムニニヒ トゥン ネ ヒネ ウウェトゥナンカㇻ キㇱマ ヒネ シコエタイェ その鯨の脂身をにぎっている手を、 二人で両側からつかんで引っぱった。(HK民話) ☞etunankar エトゥナンカㇻ {E: ①to meet one another. ②from both (sides).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwetunankar
ウウェトゥナンカㇻ 【u-e-tunankar】 行き合う,出会う,会う.▷ウ=互いに エ=それで トゥナンカㇻ=行き合う ソモカ エ・エㇰ クナㇰ ク・ラム ア ワ エ・エㇰ.ク・ポホ カ アㇻパ アㇷ゚ ルチㇱ オッタ(オㇿ タ) ヘネ ソモ エチ・ウウェトゥナンカㇻ ルウェヘ アン=まさかお前が来るとは思っていなかったのにお前が来た,私の息子も行ったのに峠ででも行き合わなかったかい? (出典:萱野、方言:沙流)
uwetunuyse
ウウェトゥヌイセ 【自動】[u-w-e-tunun-se 互い・(挿入音)・と一緒に・(擬音の重複)・と言う](次の慣用表現の中で)美しく響く。 kanemayne uwetunuyse カネマイネ ウウェトゥヌイセ [雅] 金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる(女神の話す声が、 金属をたたいたときのウンウンウンウンという響きのように美しく響いて聞こえる、 下げ飾りのついたシントコ(tumsikot sintoko トゥㇺシコッ シントコ)を動かしたときは飾りがゆれてぶつかる音がカチャカチャカチャと美しく聞こえる)。 ekutcam konna/kanemay ne/uwetunuyse エクッチャㇺ コンナ/カネマイ ネ/ウウェトゥヌイセ [雅]その声が金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる。(Sユーカラ) ☆参考 語の形から見ると《トゥンウンウン…と響く》というのだから、 女神の声のようにウンウンウンと反響する響きのほうが原義であろう。 {E: to sound beautifully.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwetunuyse
ウウェトゥヌイセ 【u-e-tunuyse】 滔々(とうとう)と. (出典:萱野、方言:沙流)
uweturasiturasi
ウウェトゥラシトゥラシ 【u-e-turasi-turasi】 仲睦まじい,仲がよい:子犬がじゃれて立ち上がり立ち上がりしているように仲がよい. ピㇼカ ヒネ イレスカムイ テㇰサマ タ ウウェチューサケ エチ・ク ワ ネ クス ネイタ パㇰノ ピㇼカ ウウェトゥラシトゥラシ エチ・キ ㇷ゚ ネ ナ アニー=縁あって火の神の目の前で夫婦の契りの酒をあなたたちは飲んだので,いつまでも仲睦まじくするのですよ. (出典:萱野、方言:沙流)
uweturen
ウウェトゥレン 【u-e-turen】 対(つい). ク・ケリヒ テ タ ウウェトゥレン ノ カヌ(ク・アヌ) アㇷ゚ アㇻケヘ イサㇺ ネンカネ セタ ヘネ エクパ ルウェ ソモ ネ ヤー=私の履物をここへ対にして置いたのに片方がない.もしや大がくわえたのではないだろうか.*昔の履物は鹿の皮などで作られたからしばしば犬に持って行かれた. (出典:萱野、方言:沙流)
uwetusmak
ウウェトゥㇱマㇰ 【自動】[u-w-e-tusmak 互い・(挿入音)・と一緒に・競争する] 競争する、 競い合う。 uwetusmak wa hoyuppa ウウェトゥㇱマㇰ ワ ホユッパ 競走する。 hekattar kor kur, onne p kor kur, ére rusuypa p uwetusmak wa, to ka sat kane, cipta=an wa cip ani easir ka pekanpe-ewetusmak=an ヘカッタㇻ コㇿ クㇽ、 オンネㇷ゚ コㇿ クㇽ、 エレ ルスイパㇷ゚ ウウェトゥㇱマㇰ ワ、 ト カ サッ カネ、 チㇷ゚タアン マ チパニ エアシㇼ カ ペカンペエウェトゥㇱマㇰアン 子どものいる人、 老人のいる人、 彼らに食べさせたい人は競い合って、 湖も見えないくらいに、 舟をつくって舟でそれこそ菱の実を競い合って取った。(S会話) ☆参考 アクセント核を前に動かす接頭辞がつくと語幹は wetusmak ウェトゥㇱマㇰ となり ewetusmak エウェトゥシマク のような形をとる。 {E: to compete.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwetusmak
ウウェトゥㇱマㇰ 【u-e-tusmak】 先を争う.競争する.▷ウ=互い エ=それを トゥㇱマㇰ=先を争う ソンノ ペトッタ(ペッ オㇿ タ) フㇱペ ア・パ ヤㇰ ア・イェ アクス アチャポ ウタㇻ ウウェトゥㇱマㇰ ワ ペトルン(ペッ オㇿ ウン) ホユッパ=本当にまあ川で氷の下で死んだ鹿が見つかったと聞いたら,おじさんたちは先を争って川へ走った. (出典:萱野、方言:沙流)
uwotutanpa
ウウォトゥタンパ 【自動】[複](単の uwotutanu ウウォトゥタヌ は副詞としての用例のみで自動詞としての用例は未出)[u-w-otutanpa 互い・(挿入音)・の次に続く[複]] 一方の後に他方が続いている。 uwotutanpa no oka hike ウウォトゥタンパ ノ オカ ヒケ 続いている者。 uyupikor uwotutanpa p ウユピコㇿ ウウォトゥタンパㇷ゚ 続いている兄弟。 iyotta rupne uwotutanpa p イヨッタ ルㇷ゚ネ ウウォトゥタンパㇷ゚ 一番大きい続いている者=兄弟中のいちばん上の二人。 ☆参考 まん中の二人の場合は「uwotutanpa p ウウォトゥタンパㇷ゚ とも言うが ututanpa ウトゥタンパ だな」。(S) ☞ututanpa ウトゥタンパ {E: to continue one after another.} (出典:田村、方言:沙流)
uwotutanu
ウウォトゥタヌ 【副】[u-w-otutanu 互い・(挿入音)・の後に続く] 順々に。 uwotutanu uwotutanu uk wa paye yan ウウォトゥタヌ ウウォトゥタヌ ウㇰ ワ パイェ ヤン 順々に取って行きなさい。(S) ☆参考 本来自動詞だが文の述語としての用例は未出。 {E: in order; one by one.} (出典:田村、方言:沙流)
uwotutanu
ウウォトゥタヌ 【u-o-tutanu】 順番. ウウォトゥタヌ ウウォトゥタヌ ウㇰ ワ アㇻパ=順番に取って行け. (出典:萱野、方言:沙流)
wahtuykes(-i)
ワㇵトゥイケㇱ §007.むすめ(娘)(26)wahtuykes(-i)〔wáh-tuǐ-keš わㇵトゥイケㇱ〕⦅シラウラ⦆【雅】娘。=mahpo (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
wakkakukutu
ワッカククトゥ §014 ヨブスマソウ (2) wakka-ku-kutu (wák-ka-ku-ku-tu)「わッカククトゥ」[wakka(水)ku(飲む)kutu(円棒、筒)] 茎 ⦅美幌、屈斜路⦆ (出典:知里植物編、方言:)
wakkakutu
ワッカクトゥ §014 ヨブスマソウ (1) wakka-kutu (wák-ka-ku-tu)「わッカクトゥ」[wakka(水)kutu(筒、円棒)] 茎 ⦅様似、足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
wakkatuytuy
ワッカトゥイトゥイ §318 アマツバメ (3) wakka-tuytuy (wák-ka-tuy-tuy)「わッカトゥイトゥイ」 ⦅藻汐草⦆ (出典:知里動物編、方言:)
warantuka
ワラントゥカ 【warantuka】 ハモ〔魚〕. (出典:萱野、方言:沙流)
warantuka
ワラントゥカ §015 ギンボ (1) warantuka (wa-rán-tu-ka)「ワらントゥカ」 成魚 ⦅長万部、幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
warantukka
ワラントゥッカ §015 ギンボ (2) warantukka (wa-ran-tuk-ka)「ワラントゥッカ」 (出典:知里動物編、方言:)
wenitumun
ウェニトゥムン §035.夫婦(7)wenitumun〔wé-ni-tu-mun うぇニトゥムン〕⦅ビホロ⦆夫婦のどちらかが病気しているために他方が働けぬ状態にある;妻(あるいは夫)の病気で難儀する。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
wenkewtumkor
ウェンケウトゥㇺコㇿ 【自動】[wen-kewtum-kor 悪い・気性・を持つ] 悪い心を持つ、 心/気性/気立てが悪い、 根性が悪い。 wenkewtumkor utar ウェンケウトゥㇺコㇿ ウタㇻ 根性の悪いやつら。(W言い伝え) {E: to have evil thoughts.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenkewtumkor
ウェンケウトゥㇺコㇿ 【wen-kewtum-kor】 ずるい(根性が悪い). (出典:萱野、方言:沙流)
wenpeiyokatuye
ウェンペイヨカトゥイェ 【wen-pe-i-oka-tuye】 たいしたことのない者が生き残る(他人が言うよりも自分自身のことを述懐していることが多い). エネ ピㇼカ ク・ユピヒ ネヤ ク・サハ ネヤ ライ ワ イサㇺ.タㇷ゚ ア・イェ クニ ウェンペイヨカトゥイェㇷ゚ ネ カン(ク・アン) ルウェ ネ ルウェ ウン=あのように立派な兄とか姉が死んでしまった.これのことをたいしたことのない私が生きている者として私はいるんだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
wentuyewen
ウェントゥイェウェン §635.はらいた(腹痛)(4)血の下りる腹痛;[大腸カタル、赤痢など] wen-tuye-wen〔wén-tu-jè-wen うぇン・トゥイェウェン〕[wen(悪性の)+tuyewen(↑)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
wetu
ウェトゥ §156.おでき;できもの;はれもの;しゅもつ(17)ねぷと wetu〔wé-tu うぇトゥ〕[<ye-etu]⦅マオカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
worunkutu
ウォルンクトゥ §014 ヨブスマソウ (9) worunkutu (wó-run-ku-tu)「うォルンクトゥ」[wor(水)un(に入る)kutu(筒)] 茎 ⦅藻汐草⦆ (出典:知里植物編、方言:)
yacitunni
ヤチトゥンニ §079 ヤチダモ (3) yaci-tunni (ya-cí-tun-ni)「ヤちトゥンニ」[湿地の・カシワ] 茎(湿地に生えている小さいやせたヤチダモ) ⦅真岡⦆ (出典:知里植物編、方言:)
yaitupare
ヤイトゥパレ 【yaitupare】 気をつける,注意する,用心. ヤイトゥパレノ アㇻパ=用心して行け.エ・イヨㇱキ ナ イテキ ルイカ イカ ノ ヤイトゥパレノ アㇻパ アニ=あなたは酔っ払っているから橋から落ちないように気をつけて行ってね. (出典:萱野、方言:沙流)
yamtuy
ヤㇺトゥイ 【yam-tuy】 クリが落ちる. (出典:萱野、方言:沙流)
yantoetun
ヤントエトゥン 【yanto-etun】 エゾキリガイダマシ〔貝〕アンパヤヤイモコリリ (出典:萱野、方言:沙流)
yar'niyatusi
ヤㇻニヤトゥシ 【yar-ni-at-us-i】 樹皮の手桶:サクラの皮を使う. (出典:萱野、方言:沙流)
yátektus
ヤテㇰトゥㇱ 【名】[yátek-tus 引き網・綱]引き網の綱。 {E: the net of a dragnet.} (出典:田村、方言:沙流)
yattuy
ヤットゥイ 【名】[動物]トンビ。(W) {E: a kite (bird).} (出典:田村、方言:沙流)
yattuy
ヤットゥイ 【yattuy】 ござ:ガマ草で編む *静内地方の呼び方.二風谷ではトマという. (出典:萱野、方言:沙流)
yattuy
ヤットゥイ 【yattuy】 トンビ. (出典:萱野、方言:沙流)
yattuy
ヤットゥイ §344 トビ とんび (5) yattuy (yát-tuy)「やットゥイ」 ⦅千歳、静内⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tu
ヤトゥ 【名】脇の下(最も凹んだ部分)。 e=yatuhu húraha ruy エヤトゥフ フラハ ルイ あなたの脇の下がくさい。(W) {E: the armpits.} (出典:田村、方言:沙流)
yatu
ヤトゥ §842.わき;わきのした(7)わき[腋] yatu〔já-tu やトゥ〕⦅シラウラ、タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yatunuma
ヤトゥヌマ §844.わきのしたの毛;わきげ(腋毛)(1)yatu-numa〔já-tu-nu-ma やトゥヌマ〕〔yatu(腋)+numa(毛)]⦅シラウラ、タライカ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yatupoh(k-i)
ヤトゥポㇹ §842.わき;わきのした(9)わきのしたのあな(腋窩) yatu-poh(k-i)〔já-tu-poh やトゥポㇹ〕[yatu(腋)+poh(下)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yatupohhuranu
ヤトゥポㇹフラヌ §843.わきが[がくさい](7)わきががにおう yatupoh-hura-nu〔já-tu-poh|Fú-ra-nu やトゥポㇹ・フらヌ〕[ya-tupoh(腋窩)+hura(臭)+nu(持つ)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tupok
ヤトゥポㇰ 【名】[概](所は yátupoki/yátupokke ヤトゥポキ/ヤトゥポッケ) [yatu-pok 脇の下・の下] 脇の下(yatu ヤトゥ の少し下一帯)。 {E: the armpits.} (出典:田村、方言:沙流)
yatupok(-i)
ヤトゥポㇰ §842.わき;わきのした(8)yatupok(-i)〔já-tu-pok やトゥポㇰ〕⦅チカブミ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
tupoki
ヤトゥポキ 【名】[所](概は yatupok ヤトゥポㇰ)…の脇の下。 {E: the armpits of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tupokke
ヤトゥポッケ 【名】[所](概は yatupok ヤトゥポㇰ)…の脇の下。 (出典:田村、方言:沙流)
yatupokke ronronke
ヤトゥポッケ ロンロンケ §288.けいれんする(痙攣する)(15)わきの下がひくひくけいれんする yatupokke ronronke〔やトゥポッケ・ろンロンケ〕[わきの下の所が・ひくひく動く]⦅サル⦆。 (出典:知里人間編I、方言:)
yaturetare
ヤトゥレタレ §350 キンクロハジロ (2) yaturetare (ya-tu-re-ta-re)「ヤトゥレタレ」 ⦅キ791⦆はじろがも (出典:知里動物編、方言:)
yaunkontukai
ヤウンコントゥカイ §334 シマフクロウ (11) ya-un-kontukai (ya-un-kon-tu-kay)「ヤウンコントゥカイ」⦅B⦆(B説390) (出典:知里動物編、方言:)
yay tuy ka kor
ヤイトゥイカコㇿ §067 サケ あきあじ、あきやじ  大(1) yay tuy ka kor(yáy-tuy-ka-kor)「やイトゥイカコㇿ」[yay(自分で)tuyka(=mekka, cikir-mekkasike 足の甲)kor(持つ)]⦅美幌⦆一尾の皮でkeriの片足ができるサケ。それ一尾の皮だけでcikir-mekkaが覆われるほど大きなサケ。 (出典:知里動物編、方言:)
yayekatuwen
ヤイェカトゥウェン 【自動】[yay-e-katu-wen 自分・のことについて・恰好・悪い] きまりがわるい、 はずかしい、 まがわるい。 yayekatuwen wa ek ka somo ki ヤイェカトゥウェン マ エㇰ カ ソモ キ (彼は)(一晩泊まったときオシッコしたので)「まがわるくて」(=きまりが悪くて)もう来ない。(S) ☆参考 「はずかしい」は yaysitoma ヤイシトマ、 「はにかむ」ことは utcike ウッチケ と言う。 {E: to be shameful.} (出典:田村、方言:沙流)
yayekatuwen
ヤイェカトゥウェン 【yay-e-katu-wen】 ばつが悪い,恥をかく,体裁が悪い.▷ヤイ=自身 カトゥ=姿,様子 ウェン=悪い. ナ チュㇷ゚ リ ラポㇰ チェㇷ゚コイキ クス ペッ オㇿ タ ラン・アン よまいアチャポ ハンチャ パテㇰ ミ カネ ワ ヤ エシタㇷ゚カアニ オ ラチン ラチン コㇿ ヘパシ ワ アㇻパ. エㇺコ タ ヤイェカトゥウェン カトゥン カ ソモ. アシヌマ ヤイェカトゥウェン・ヤン=まだまだ陽の高いうちにサケ獲りに川へ下りたら,よまいおじさんが腰までの長さの作業衣を着ただけで網を担ぎ,持ち物をぶらぶらさせて下の方へ行った.それでいながらばつが悪い様子もない.私のほうがきまりが悪かった.*貝澤はぎおばさんが聞かせてくれた話. (出典:萱野、方言:沙流)
yayesitturaynu
ヤイェシットゥライヌ 【自動】[yay-e-sitturaynu 自分・について・道に迷う] 自分のことをわからず人のことばかりあらを言う。 ☞sitturaynu シットゥライヌ {E: to speak ill of others without regard to one's own faults.} (出典:田村、方言:沙流)
yayesitturaynup
ヤイェシットゥライヌㇷ゚ 【yay-e-sir-turaynu-p】 自分自身を見失う者:自分自身の行き先を見失い迷っている者〔悪口〕.▷ヤイ=自身 エ=それで シㇼ=あたり トゥライヌ=見つけない ㇷ゚=者 (出典:萱野、方言:沙流)
yayetunap
ヤイェトゥナㇷ゚ 【yay-etunap】 妬む,羨む. ヤイカタ アナㇰネ ソモ ネㇷ゚キ ノ トランネ ワ アン ワ オラ ソモ モコㇿ ノ ネㇷ゚キ ワ ニㇱパ ネ コㇿ ヤイェトゥナㇷ゚ コㇿ アン=自分では働きもしないで骨惜しみをしていてから,夜も寝ないで働いて金持ちになった者を妬んでいる. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeyantoetun
ヤイェヤントエトゥン 【yay-e-yanto-etun】 宿を借りる:自分の泊まる宿を借りる.▷ヤイ=自分 ヤント=宿 エトゥン=借りる →この場合のヤントは泊まる場所をいうが,客人,客という意味で用いられる場合もある ク・ポン ヒ タ ル サㇺ タ オカ・アㇱ ペ ネ クス イヤフㇷ゚シサㇺ ネ ヤ ヤイェヤントエトゥン クス ヘノイパ コㇿ ク・コㇿ ハポ アナㇰネ ナニ レウシレㇷ゚ ネ ア ヒ ク・エシカルン=私が子供の時は道路の側にいたものだから,物もらいの和人などが宿を借りたいといって寄ると,私の母はすぐに泊めたものであったことを思い出す.ソモカ チセ アン クナㇰ ア・ラム ウㇱケ タ チセ アン ヒネ アペニペキ ソユニタラ. ヤイレンカネ ヤイェヤントエトゥン・アン=まさかそこに家があると思わなかった所に家があり火の光が外へもれている,喜んで泊めてもらうことを頼んだ.ヒナㇰ ワ エㇰ イヤフッペ オペッペッケ アミㇷ゚ ミ カネ ㇷ゚ エㇰ ヒネ ヤイェヤントエトゥン=どこから来た乞食なのかぼろぼろの着物を来て泊めてくれと言った. (出典:萱野、方言:沙流)
yayhetukpare
ヤイヘトゥㇰパレ 【自動】[複](単は yayhetukure ヤイヘトゥクレ)(二つ以上が)自然に生える。 {E: to grow naturally (pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
yayhetukure
ヤイヘトゥクレ 【自動】[単](複は yayhetukpare ヤイヘトゥㇰパレ)[yay-hetuku-re 自分・成長する・させる] ①(育てる人がいなくて)一人で育つ。 ②(一つが)自然に生える。 {E: ①to grow up alone. ②to grow naturally.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayitupare
ヤイトゥパレ 【自動】気をつける。 ☆発音 yi イ の部分を高く発音する。 {E: to be careful.} (出典:田村、方言:沙流)
yayitupareno
ヤイトゥパレノ 【副】[yayitupare-no 気をつける・(副詞形成)]気をつけて、 注意して。 wakka san kor an na yayitupareno ek ワッカ サン コラン ナ ヤイトゥパレノ エㇰ 水が流れているから気をつけて来なさい。(S) yayitupareno arpa ヤイトゥパレノ アㇻパ 気をつけて行きなさい。 ☆参考 「あぶない所を通るから等、 特別なときに言う。 出かけようとする人や帰って行こうとする人によく言う yayeyamno arpa ヤイェヤㇺノ アㇻパ は、 ただ『気をつけて行きなさい』『お大事に』と言うだけ」(つまり、 挨拶のような軽い言葉)。(S) ☆参考 同じ日高・胆振地方でも、 地域によりまた人によって、 出かけようとする人や帰って行こうとする人に「気をつけて行きなさい」「お大事に」というような、 いわば挨拶のように、 yayitupareno arpa ヤイトゥパレノ アㇻパ[単]/yayitupareno paye yan ヤイトゥパレノ パイェ ヤン[複]と言う人もいる。 ☞yayitupare ヤイトゥパレ {E: carefully; cautiously.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykatuwen
ヤイカトゥウェン 【yay-katu-wen】 体裁が悪い,きまりが悪い,照れくさい. (出典:萱野、方言:沙流)
yaykewtum eohunara
ヤイケウトゥㇺ エオフナラ 【自動】[yay-kewtum e-o-hunara 自分・心・で・そこに・…をさがす][雅]自分の心で考えいろいろなことを心のすみずみまでさがす。 pirkanopo/e=yaykewtum ka/eohunara ピㇼカノポ/エヤイケウトゥㇺ カ/エオフナラ [雅]よくよくご自分の心で考えいろいろなことを心のすみずみまでさがし(…考えるのですよ)。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykewtumu-ositciwre
ヤイケウトゥムオシッチウレ 【自動】[yay-kewtumu ositciwre 自分・の心[所]・を落ち着かせる]心を決める、 決心する。 ☆参考 他動詞は eyaykewtumu-ositciwre エヤイケウトゥムオシッチウレ {E: to decide; make up one's mind.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykewtumu-sineatkire
ヤイケウトゥムシネアッキレ 【自動】[yay-kewtumu-sineatki-re 自分の・心・決まる・させる]決める、 決断する。 ☆参考 他動詞は eyaykewtumu-sineatkire エヤイケウトゥムシネアッキレ {E: to decide.} (出典:田村、方言:沙流)
yayko-tuyma siramsuye
ヤイコトゥイマ シラㇺスイェ 【自動】[人称変化は他動詞型][yayko-tuyma si-ram-suye 一人で・遠く・自分・心・をゆらす] [雅]ずうっと長い間考えている。 tanto tóri/yayko-tuyma/a=sirámsuye タント トリ/ヤイコトゥイマ/アシラㇺスイェ [雅]私は二日間ずうっと長いこと考え続けていた(「ながあーいこと考えていた」)。(Sユーカラ) ☆参考 日常語で yaykosiramsuye ヤイコシラㇺスイェ は一語の自動詞で、 不定人称形は yaykosiramsuye=an ヤイコシラㇺスイェアン。 この雅語の用例では後半部の siramsuye シラㇺスイェ の suye スイェ が他動詞なので a= ア が接頭して、 他動詞型の人称形になっているが、 統語上は自動詞の働きをし、 前半部は副詞の働きをしている。 ☆参考 金田一『ユーカラの研究』その他に出てくる aeyaikotuimasiramsuye(つまり a=eyáykotuyma siramsuye アエヤイコトゥイマシラㇺスイェ)のような形は未出。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykotuyasi
ヤイコトゥヤシ 【他動】[yay-kotuyasi 自分・…で安心する](そのこと)で自分は安心だ。 {E: to have peace of mind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykotuyma
ヤイコトゥイマ 【yay-ko-tuyma】 自分の過去. ヤイコトゥイマ シラㇺスイェ=自分の過去をふりかえる. (出典:萱野、方言:沙流)
yaymonpoktusmak
ヤイモンポㇰトゥㇱマㇰ 【yay-mon-pok-tusmak】 忙しい最中に何かをする.▷ヤイ=自身 モン=働く ポㇰ=下 トゥㇱマㇰ=急ぐ (出典:萱野、方言:沙流)
yaynutunnu
ヤイヌトゥンヌ 【自動】[yaynu-tunnu 思い・(?)]フラフラッとする、 気が遠くなる。 unma saraha ani kik kor yaynutunnu wa turse ウンマ サラハ アニ キㇰ コㇿ ヤイヌトゥンヌ ワ トゥㇽセ (アブを)馬が尾で打つと(アブは)フラフラッとなって落ちる。(S) ☆参考 yayerampewtek ヤイェランペウテㇰ 意識不明/人事不省になる。 ☆参考 noytek ノイテㇰ 急にフラッと倒れる(気絶して、 死んで)。 noykosanpa ノイコサンパ 同。 ekonramu sitne kane tanak kane エコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ 夢うつつ(意識もうろう)の状態である。〔知分類 p.131 では、 tunnu は「< tur(不明、 不省) + nu(もつ)」〕 {E: to feel dizzy.} (出典:田村、方言:沙流)
yaynutunnu(-an)
ヤイヌトゥンヌ §245.きぜつする(気絶する);気が遠くなる;気を失う;人事不省になる(3)yaynutunnu(-an)〔jáǐ-nu-tun-nu やイヌトゥンヌ〕[yaynu(思う、思い、意識)+tunnu(分らなくなる、不省になる);<tur(不明、不省)+nu(もつ)]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.373】 (出典:知里人間編I、方言:)
yaynuturaynu(-an)
ヤイヌトゥライヌ §245.きぜつする(気絶する);気が遠くなる;気を失う;人事不省になる(2)yaynu-turaynu(-an)〔jáǐ-nu-tu-ràǐ-nu やイヌトゥライヌ〕[yaynu(思う、思い、意識)+turaynu(失う)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yayotuasi
ヤヨトゥアシ 【自動】[yay-o-tuasi 自分・の尻が(?)・安心である(=tuyasi)(?)] 自信がある。 kimunkamuy ne yakka yayotuasi hike i=kesanpa hi ne nankor キムンカムイ ネ ヤッカ ヤヨトゥアシ ヒケ イケサンパ ヒ ネ ナンコㇿ 熊でも自信のあるやつが私を追いかけたのでしょう。(HK民話) {E: to be confident.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayoturimkote
ヤヨトゥリㇺコテ 【yay-o-turimkote】 悪い出来事を知らす前触れの声. ユㇷ゚ケ ソンコ コタン オㇿ ウン ア・コアスㇽプス ヒ タ アナㇰネ ソンココㇿクㇽ アナㇰネ コタン カランケ コㇿヤヨトゥリㇺコテ ㇷ゚ ネ=ただならぬ伝言を村へ持って行く時には,使者は村へ近づきながらフォオオオオフム フォオオオオフムと言うものだ.*ふたりで狩りに行きひとりが熊に襲われ瀬死の重傷を負い残ったひとりが村に来て皆に知らせる,本当の様子を言う前にホホホホーホイ,ホホホホーホイ,ホホホホーホイと言う声を出す. (出典:萱野、方言:沙流)
yayotusatte
ヤヨトゥサッテ §389.しぬ(死ぬ)(68)縊死する yayotusatte〔ja-jó-tu-sat-te ヤよトゥサッテ〕[yay(自分)+o(に)+tus(縄)+atte(かける)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yayotuwas
ヤヨトゥワㇱ 【yay-o-tuwas】 自信. (出典:萱野、方言:沙流)
yayotuymaanuanu
ヤヨトゥイマアヌアヌ 【yay-o-tuyma-anu-anu】 へっぴり腰である:体をかがめて不安定な腰つき. カニ アナㇰネ トッコニ ク・シトマ シネアンタ トイ アンクラ タ トッコニ アン ワ ク・ヤヨトゥイマアヌアヌ シリ ク・シユトホ ヌカㇻ ヒネ ココウ エネ イキ ヒ ヤヨトゥイマアヌアヌ ミナ ア ミナ ア=私はマムシを怖がる者で,ある日のこと畑の峰にマムシがいてへっぴり腰で見ていた様子を私の舅が見て,婿殿がこうしていたと尻を後へ突き出し笑って笑って. (出典:萱野、方言:沙流)
yayrekuttuskote(-an)
ヤイレクットゥㇱコテ §389.しぬ(死ぬ)(51)縊死する yay-rekut-tus-kote(-an)〔yáǐ-re-kut-tuš-ko-te やイレクットゥㇱコテ〕[yay(自分の)+rekut(のどに)+tus(縄を)+kote(結びつける)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yaytukte
ヤイトゥㇰテ 【自動】[yay-tuk-te 自分・生える・させる]自然に生える。 {E: to grow naturally.} (出典:田村、方言:沙流)
yaytunaska
ヤイトゥナㇱカ 【自動】[yay-tunas-ka 自分・早い・(他動詞化)] 急ぐ、 急いでいる。 yaytunaska=an wa hosipi=an rusuy ruwe ne korka ヤイトゥナㇱカアン マ ホシピアン ルスイ ルウェ ネ コㇿカ 私は急いで帰りたかったけれど。(HK民話) {E: to be in a hurry.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaytunaska
ヤイトゥナㇱカ 【yay-tunas-ka】 急ぐ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytupareno arpa
ヤイトゥパレノ アㇻパ 【yaitupare no arpa】 気をつけて行け(行く人に対して):強いて言えばさよならということになるが,さよならに相当する言葉はないと言ったほうがいいであろう. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytupareno paye yan
ヤイトゥパレノ パイェ ヤン 【yaitupare no paye yan】 気をつけて行きなさい(行く人に対して). (出典:萱野、方言:沙流)
yaytupoh(k-i)
ヤイトゥポㇹ §842.わき;わきのした(10)yaytu-poh(k-i)〔jáǐ-tu-poh やイトゥポㇹ〕⦅タラントマリ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yayturasinot
ヤイトゥラシノッ 【yay-tura-sinot】 ひとり遊び(する). ア・ミッポホ ユピヒ イサㇺ コㇿ ネㇷ゚ ワ アン ペ イェ コㇿ ヤイトゥラシノッ コㇿ アン ペ ネ=私の孫は兄がいないと何やら独り言をいいながらひとり遊びをしているのだ. (出典:萱野、方言:沙流)
yayturiri(-an)
ヤイトゥリリ §027.あくび[する](5)あくびの際に伸びをするyayturiri(-an)〔jáǐ-tu-ri-riやイトゥリリ〕[yay(自分を)+turi-ri(伸ばし続ける、ずっと伸ばす)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yaytus'atte
ヤイトゥㇱアッテ 【yay-tus-atte】 首吊り自殺(する),縊死.▷ヤイ=自身 トゥㇱ=綱 アッテ=かける イヨハイ イカッウェンテ クス ヤイトゥサッテ ヤㇰ ア・イェ. ア・シトマ オルㇱペ ネ ワ=いやー大変なことだ,人の顔を汚すために首吊り自殺したそうだ,恐ろしい話だよ. (出典:萱野、方言:沙流)
yaytuyere
ヤイトゥイェレ 【他動】[yay-tuye-re 自分・…を切る・させる][雅](そこ)へ進んで行く。 sianpetpeni/a=yaytuyere シアンペッペニ/アヤイトゥイェレ [雅]私はずっと川上の方へまっすぐに飛んで行った(「一直線に飛んで行った。」) (Sユーカラ) ☆参考 同様の文脈で yaytuypare ヤイトゥイパレ も使われている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaytuypare
ヤイトゥイパレ 【他動】[yay-tuypa-re 自分・を切る(複)・させる][雅](の方へ)へ進んで行く。 a=kor a cási/kopakke sama/a=yaytuypare アコㇿ ア チャㇱ/コパッケ サマ/アヤイトゥイパレ [雅]私は住んでいた城に向かってまっすぐに飛んで行った。(Sユーカラ) cási erupsik/yaytuypare チャシ エルㇷ゚シㇰ/ヤイトゥイパレ (姉は)城の東側へ静かに進んで行った(「静かに、 名残惜しいと思いながら」)。(Sユーカラ) oar apunno/kopakke sama/a=yaytuypare オアㇻ アプンノ/コパッケ サマ/アヤイトゥイパレ 私は静かにそうっと(その鹿の)そばの方へ近づいて行った。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
yaytuytuye
ヤイトゥイトゥイェ 【yay-tuy-tuye】 自分の体のほこりを払い落とす. (出典:萱野、方言:沙流)
yayutar_ tuye
ヤユタッ トゥイェ 【yay-utar-tuye】 身内を斬る[ユ]:ポンヤウンペに味方をする女が自分の兄や父を斬る話.▷ヤイ=自身の ウタㇻ=仲間 トゥイェ=斬る (出典:萱野、方言:沙流)
yeetu
イェエトゥ §157.おできの口;腫物の頭の化膿部(1)ye-etu〔jé-e-tu いェエトゥ〕[ye(膿)+etu(鼻先)]⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
yetu
イェトゥ §156.おでき;できもの;はれもの;しゅもつ(16)ねぷと yetu〔jé-tu いえトゥ〕[<i-etu]⦅クッシヤロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tuye
イェトゥイェ 【自動】[ye-tuye うみ(膿)・を切る] うみ(膿)が出なくなる。 húpo uske yétuye, tane tusa oasi kor an フポ ウㇱケ イェトゥイェ、 タネ トゥサ オアシ コラン できもののできたところがうみが出なくなった、 もうなおりそうになっているところだ。(S) {E: to stop oozing pus.} (出典:田村、方言:沙流)
yukketunci
ユッケトゥンチ 【yuk-ketunci】 鹿の皮. (出典:萱野、方言:沙流)
yukkutu
ユㇰクトゥ §029 ハンゴンソウ ななつば (6) yuk-kutu (yúk-ku-tu)「ゆㇰクトゥ」[yuk(シカ)kutu(筒茎)、ただし、語源はi(それを)uk(取り出す)kutu(円棒茎)] 茎 ⦅様似⦆ (出典:知里植物編、方言:)
yuturuhumompeh(c-i)
ユトゥルフモンペㇸ §822.くすりゆび(薬指)(4)yuturuhu-mompeh(c-i)〔jú-tu-ru-Fu-mom-peh ゆトゥルフ・モンペㇸ〕[i(それ)+uturuhu(の間)+mompeh(指)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
“chikapetupuy”
『チカペツプイ』 §259 エンコウソウ (3) “chikap-etupuy” 『チカペツプイ』[鳥の・鼻孔] ⦅F 樺太⦆ (出典:知里植物編、方言:)
フナㇰ タ エパㇰ/フナㇰ タ エパッカ/フナㇰ タ エパーカ 【慣用句】ちょうどいいあんばいに(…してよかった。) hunak ta epak e=ek wa ku=mismu ka somo ki フナㇰ タ エパㇰ エエㇰ ワ クミㇱム カ ソモ キ いいあんばいに来てくれたので私はさびしくない。(S) hunak ta epak ka e=pa p an un フナㇰ タ エパㇰ カ エパㇷ゚ アヌン いいあんばいにあなたが見つけたね(他の人だったら見つけても拾ってくれないだろうが)。(S) hunak ta epaː ka somo kú=itura wa ene kú=iki hi an sekor ku=raman, poro k=éyayomusu フナㇰ タ エパー カ ソモ クイトゥラ ワ エネ クイキ ヒ アン セコㇿ クラマン、 ポロ ケヤヨムス (ついていってこんなに何度もトイレに起きたら他の人も眠れないし自分も気の毒に思うところだった、 ) いいあんばいについて行かないでこうしているのだと思ったらほんとに行かないでよかったなあと思った。(S) {E: fortunately.} (出典:田村、方言:沙流)
-atki
アッキ 【接尾】(自動詞をつくる。 限られた決まった語にのみ現われる。)tusus トゥスㇱ (擬態);tususatki トゥスサッキ ガタガタふるえる。 sam サㇺ 横;samatki サマッキ 横向きになる。 sine シネ 一つの;sineatki シネアッキ 決まる。 sikari シカリ 丸い;sikannatki シカンナッキ 回る。 (出典:田村、方言:沙流)
-e 5
エ 【接尾】[他動詞形成](語根に接尾して他動詞を形成する母音の一つ。 y イ、 w ウ の後につき、 またいくつかの決まった語根につく。) tuy トゥイ 切れる;tuye トゥイェ …を切る。 rew レウ(曲がることを表す語根);rewe レウェ …を曲げる。 (出典:田村、方言:沙流)
-i 2
イ 【接尾】[< hi ヒ](動詞に接尾して名詞をつくる。) ①[他動名詞化]…を…すること。 cis チㇱ 泣く; cisi チシ …を泣くこと(-i イ 1 とは平行しない。 むしろ -i(hi) イ(ヒ) と通じるものがある)。 ②…する所。 cikus チクㇱ 人が通る/通った、 通られる; cikus-i チクシ 通る所、 通り道。 ③…する/したとき。 turepta トゥレㇷ゚タ ウバユリ(オオウバユリ)を掘る、 -us ウㇱ …する習慣になっている; tureptausi トゥレㇷ゚タウシ ウバユリを掘る習慣になっているとき=ウバユリを掘る時期。 ④…したもの。 san サン (山手の方から海手の方へ)出る; san-i サニ …の出たもの=…の子/子孫。 (出典:田村、方言:沙流)
-i 3
イ 【接尾】[名詞の所属形形成](「所属語尾」とも呼ぶ。 y, w 以外の子音に終るいろいろな名詞語幹につく。 この母音がついて所属形の「短い形」ができる。 さらにそのあとに hi ヒ がついて(つまり語幹に ihi イヒ がついて)所属形の「長い形」がつくられる。 本辞典では二つの形を合わせて …i(hi) のように表記してある。) cikir チキㇼ [概]足;cikiri(hi) チキリ(ヒ) [所]…の足。 rek レㇰ [概]ひげ;reki(hi) レキ(ヒ) [所]…のひげ。 am アㇺ [概]つめ;ami(hi) アミ(ヒ) [所]…のつめ。 hon ホン [概]おなか;honi(hi) ホニ(ヒ) [所]…のおなか。 tur トゥㇽ [概]垢(あか);turi(hi) トゥリ(ヒ) [所]…の垢。 ☆参考 末尾の hi ヒ の有無は主にリズムによるらしい。 短い語につくときは hi ヒ を伴うことが多く、 長い語につくときは hi ヒ を伴わないことが多い。 アクセントにも関係がある。 また、 三人称で、 所属の対象の語が表現されないときには hi ヒ がつくことが多い。 合成語の要素になるときは、 ほとんどの場合 hi ヒ のつかない短い形が使われている。 (出典:田村、方言:沙流)
-kar 4
カㇻ 【語根/接尾】①[語根]…をつくる/する/払う。 ☞kar カㇻ 1 ②(植物の実や花など)を摘む。 ☞kar カㇻ 2 ③(雨など)に当たる。 apto アㇷ゚ト 雨 ; aptokar アㇷ゚トカㇻ 雨に当たる。 réra レラ 風 ; rérakar レラカㇻ (1)風に当たる。 (2)伝染病に感染する。 ☞kar カㇻ 3 ④(主に名詞、 自動詞の後について動詞をつくる。 語根 kar カㇻ《…をつくる、 する》とは、 意味の並行しない場合も多い。) munkar ムンカㇻ 畑のごみを焼く。 ⑤(自動詞に接尾して他動詞をつくる。) hotuye ホトゥイェ 呼び声をあげる;hotuyekar ホトゥイェカㇻ …を呼ぶ ahup アフㇷ゚ (二人以上が)入る;ahupkar アフㇷ゚カㇻ (子ども)をもらう(養子にする)。 {E: ①to make, do… ②to pick… ③to be exposed (to rain etc.). ④… ⑤…} (出典:田村、方言:沙流)
-n 2
ン 【接尾】(数連体詞に接尾して人数を表す名詞をつくる。)sinen シネン[sine-n] 一人。 tun トゥン[tu-n] 二人。 ☆参考 -n は母音の後につく形である。 子音の後には -iw がつく。 {E: suffix indicating person.} (出典:田村、方言:沙流)
-no 2
ノ 【接尾】(多くの場合、 性質/状態を表す自動詞、 つまりいわゆる形容詞について、 その性質/状態が充分に満たされていることを表す。)よく…する、 十分に…する、 十分に…である。 húre フレ 赤い;húreno フレノ とても赤い、 まっ赤である。 retar レタㇻ 白い;retanno レタンノ 真っ白い。 imi イミ 衣服を着る;imino イミノ 良い着物を着ている。 ci チ 熟する;cíno チノ 十分によく熟する。 eytasa cíno hike péne エイタサ チノ ヒケ ペネ あまりよく熟れすぎたものはつぶれた。 tusa トゥサ (病気が)治る;tusano トゥサノ 全快する。 e エ …を食べる。 éno… エノ… を好きでよく食べる。(S) (出典:田村、方言:沙流)
-nu 3
ヌ 【接尾】(名詞に接尾して自動詞をつくる。)…がある、 …を持つ。 rur ルㇽ 塩気、 だし;runnu ルンヌ 塩辛い。 tures トゥレㇱ 妹;turesnu トゥレㇱヌ 妹がいる(妹を持っている)。 kem ケㇺ 血;kemnu ケㇺヌ 血が出る。 (出典:田村、方言:沙流)
-u 2
ウ 【接尾】[名詞の所属形形成](「所属語尾」とも呼ぶ。 主として母音 u+子音に終わる語幹および母音 a+子音に終わる語幹の一部につく。 この母音がついて所属形の「短い形」ができる。 さらにそのあとに hu フ がついて(つまり語幹に uhu ウフ がついて)所属形の「長い形」がつくられる。 本辞典では二つの形を合わせて …u(hu) のように表記してある。) put プッ 川尻[概];putu(hu) プトゥ(フ) [所]…の川尻。 nan ナン [概]顔;nanu(hu) ナヌ(フ) [所]…の顔。 (例外として) mor モㇿ [概]耳の前の毛;moru(hu) モルフ [所]…の耳の前の毛。 (出典:田村、方言:沙流)
aca
アチャ §027.伯父、叔父(3)aca〔á-ča あチャ〕①日常語で伯父叔父を指す⦅レブン、ホロべツ、サル、テシオ、マオカ、タラントマリ⦆。樺太では雅語でも用いる。"e-koro〜tu ayno ka an"「お前の叔父は二人もいる」⦅マオカ⦆。伯父叔父を区別する時はporo-aca「大きい・おじ」、pon-aca「小さい・おじ」とする⦅ホロベツ、テシオ⦆。keyanne an-aca「年上の・我が・おじ」、poniwne an-aca「若い方の・我が・おじ」などの言い方もある⦅マオカ、タラントマリ⦆。an-kiane-aca「我が・年上の・おじ」an-poniwne-aca「我が年下の・おじ」とも言う⦅ニイトイ⦆。父方の伯叔父はona orowano aca「父・からの・おじ」、母方のはunu orowano aca「母・からの・おじ」と言う⦅ホロベツ⦆。②日常語で父を指す⦅シズナイ、ウラカワ、ビロオ、シラヌカ、アカン、ビホロ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
acikacika ponekaci
アチカチカ ポネカチ §004.あかご;あかんぼ(26)acikacika ponekaci〔a-čí-ka-či-ka|pó-ne-ka-či アちカチカ・ぽネカチ〕⦅カラフト⦆【雅―tuitah(昔話)において】幼児。[<acika-cika(きたない・きたない)+pon(小さい)+hekaci(こども)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
acikap
マチカㇷ゚ §395 (その他の鳥名)  ma-cikap (má-či-kap)「まチカㇷ゚」[泳ぐ・鳥] ⦅美幌⦆水禽。海鳥=atuy-kot-cikap. (出典:知里動物編、方言:)
ahunporu
アフンポル 【名】[ahun-poru 入る・洞穴] 死者の住む国の入口の洞穴。 “ahunporu sikopayar pe hemanta an?” “etupuyke”「アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン?」「エトゥプイケ」「あの世の入口の洞穴にそっくりのものはなあに?」「鼻のあな」(なぞなぞ)。(W-S会話) {E: a cave that is the entrance to the land of the dead.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
akur
アクㇽ 【自動】(動物が)吐く。 ☆参考 人が吐くことは atu アトゥ と言う。(W) {E: to regurgitate (animal).} (出典:田村、方言:沙流)
amset
アㇺセッ 【名】[am-set (?)・寝台/高床][雅]高床(たかどこ)。 cituye amset チトゥイェ アㇺセッ[切られた・高床][雅]高床(たかどこ)。 cituye amset/káne amset/amset kurka/a=i=óresu wa/án=an katu チトゥイェ アㇺセッ/カネ アㇺセッ/アㇺセッ クㇽカ/アイオレス ワ/アナン カトゥ [雅]別づくりの高床(たかどこ)、 金(かね)の高床、 高床の上で私が育てられていたことを。(Sユーカラ語り) ☞set セッ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
amunini(hi)
アムニニ(ヒ) 【名】[所](概は amunin アムニン)…の腕。e=tusa mákoraye, e=amunini a=huráye kusu ne na エトゥサ マコライェ、 エアムニニ アフライェ クス ネ ナ あなたの袖をまくりなさい、 腕を洗ってあげるから。(S) {E: the/an arm of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
an 1
アン 【自動】[単](複は oka オカ) ①ある、 いる、 存在する、 滞在する、 住む、 起こる。 kotan noski ta poro cise an コタン ノㇱキ タ ポロ チセ アン 村のまん中に大きな家がある。 sine pa an wa arpa シネ パ アン ワ アㇻパ (彼は)一年滞在して(帰って)行った。 sáha an サハ アン (彼には)姉がいる。 an pe アン ペ 本当のこと。 an koraci アン コラチ ありのままに。 an kus/kusu(keray(po)) アン クㇱ/クス (ケライ(ポ)) …のおかげで。 an pakno アン パㇰノ あるだけ。 maratto an マラット アン 熊送り(の宴)が催される。 niskur an ニㇱクㇽ アン くもる、 くもっている。 nu(we) an ヌ(ウェ) アン (獲物が)たくさんとれる。 katu(hu) an カトゥ(フ) アン (へんな)かっこうだ。 ②生まれる。 hekaci an na ヘカチ アン ナ 男の子が生まれたよ。(W) an hi wano アニ ワノ 生まれたときから。(S) ③(時を表す語の後に置かれて)(朝、 翌日、 いつ) になる。 kunneywa an クンネイワ アン 朝になる。 ciwnici an チウニチ アン 12時になる。(W) isimne an イシㇺネ アン 翌日になる。 …an kor …アン コㇿ …になると、 …毎に。 kunneywa an kor, tokap an kor, onuman an kor クンネイワ アン コㇿ、 トカㇷ゚ アン コㇿ、 オヌマン アン コㇿ 毎朝、 毎昼、 毎晩。(S会話) kesto an kor ケㇱト アン コㇿ 毎日毎日。 hempara an kor ヘンパラ アン コㇿ いつになったら。(W即興詩) oka(ke) an オカ(ケ) アン 終わる。 ④(格助詞 ne ネ の後に置かれて)…になる。 síporo cikap ne an シポロ チカㇷ゚ ネ アン (彼は)巨大な鳥になった。(W神謡語り) ⑤(動詞句+接続助詞の後に置かれて) anki an アンキ アン もう少しで…しそうである。 pekor an ペコㇿ アン …したようである。 ápekor an アペコㇿ アン まるで…したかのようである。 híne an ヒネ アン …して(しまって) いる、 してある。 wa an ワ アン …してある/…している。(☞⑧) kane an …カネ アン …して(いる状態で)ある。 kor an コㇿ アン …しつつある。 kotom an コトㇺ アン …するようである。 noyne an ノイネ アン …する(した)らしい。 ⑥(副詞や副詞句の後に置かれてこれを動詞句とする。) mosmano an モㇱマノ アン だまって(かまわないで)いる。 sonno an a! ソンノ アナ! 本当だねえ。 easir an a! エアシラナ! 全くねえ。 néno (kane) an ネノ (カネ) アン …に(よく)似ている。 pak(no) an パㇰ(ノ) アン …くらい(の大きさ/量)である。 sekor an セコㇿ アン/セコラン … という(ような)。 sekor réhe an セコン レヘ アン …という名前である。 sekor ku=rehe an セコㇿ クレヘ アン 私は…という名前です。 ⑦(熟語) sine an ta シネ アン タ (=sineanta) ある時。 sine an pa ta シネ アン パ タ ある年に。 sine an to ta シネ アン ト タ ある日(に)。 ne wa an… ネ ワ アン… (今ここで話題にしている)この…。 ⑧[補助動詞] wa an/híne an ワ アン/ヒネ アン …して(し終わって)いる、 …してある。 ek wa an エㇰ ワ アン (彼はもう)来ている。(W会話、 民話) a=suwé wa an アスウェ ワ アン (ごはんが)炊いてある。(W) e=hokuhu an wa an ruwe? エホクフ アン マ アン ルウェ? あなたの夫はいてあるのかい=ご主人いるかい(いま在宅しているか)? (W)(方言で「いてあったかい?」と言う言い方がある。 同じことを e=hokuhu an ruwe/isam ruwe? エホクフ アン ルウェ/イサㇺ ルウェ? 《あなたの夫はいるのかい/いないのかい?》と言うことも可能だが、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ と言うほうが好まれる。 一方、 夫を持っているかいないか(独身か)をたずねるときは an ruwe/isam ruwe アン ルウェ/イサㇺ ルウェ のほうを使い、 an wa an ruwe アン マ アン ルウェ とは言わない。) ☆参考 [否定のつくり方]否定辞 somo ソモ による否定は通常つくられず否定動詞 isam イサㇺ が使われる。 ☞isam イサㇺ {E: ①to be; exist; stay; live; happen. ②to be born. ③to become (in reference to time). ④to become… ⑤… ⑥… ⑦…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ancikar
アンチカㇻ 【名】[概](所は ancikari アンチカリ)[an-cikar 夜・(?)](今夜/今晩、 一夜/一晩というときの)夜/晩、 寝ている間。 ancikar tanne アンチカッ タンネ(=アンチカㇻ タンネ) 夜が長い。 ancikar takne アンチカッ タㇰネ(=アンチカㇻ タㇰネ) 夜が短い。(S) sine ancikar シネ アンチカㇻ 一晩。 tu ancikar トゥ アンチカㇻ 二晩。 ☆対語 to ト (to tanne/takne ト タンネ/タㇰネ 日が長い/短い)。 {E: night; evening; time of sleeping.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aniokere
アニオケレ 【副】[an-i-okere ある・こと・を終える]/[an=i-okere 私は・ものごとを・終える](?) 全部残らず。 oka=an katu/aniokere/an=omómmomo オカアンカトゥ/アニオケレ/アノモンモモ [雅]こうして暮らしていたことを私は全部つぶさに述べる。(Sユーカラ) ☆参考 別のところで似た意味で earokere エアロケレ と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
anuanu
アヌアヌ 【他動】☞koyayotuyma anuanu コヤヨトゥイマ アヌアヌ (出典:田村、方言:沙流)
apa
アパ §011.身内 血縁の者(1)apa〔a-pá アぱ〕⦅H. S.⦆親類;身内。anunに対する。〜-sak-kur「身内の無い者」「けいるいの無い者」⦅ホロベツ⦆。"ar〜-sak-kur tun moymoyke ren moymoyke ki-p tapan na" 「まったく係累の無い者は(後顧のうれいが無いので)二人前のはたらきをするもんですよ」⦅ユ研Ⅱ, pp.714〜5⦆。un-apa-kore(→別項)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
ápekor 2
アペコㇿ 【接助】[a-pekor(?)・かのように] まるで … した (している)みたいに、 … した (している)かのように。 nísikaye turse okake sik o kane ápekor an ニシカイェ トゥㇽセ オカケ シコ カネ アペコラン まるで木の節が落ちたあとに目がついたみたいだ。(S) ☆参考 pekor ペコㇿ と似ているが、 pekor ペコㇿ は単に類似していることがらを示すのに対し、 ápekor アペコㇿ はまるで別のことがらとそっくりであることを言う。 事実に反することがらを示すことが多い。 後には an アン、 iki イキ、 síran シラン、 yaynu ヤイヌ などの動詞が来る。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
áponko
アポンコ 【副】[a-pon-ko(?)・小さい・(反語的副詞形成)]こんなに/そんなに/あんなにたくさん。 nákatune áponko e=korar sir ne wa ナカトゥネ アポンコ エコラㇻ シン ネ ワ まあそんなにたくさんあげなくてもいいでしょう。(S) áponko an icen ku=kor pirka santoku or oma wa ku=hacire wa isam wa k=oskur アポンコ アン イチェン クコㇿ ピㇼカ サントク オㇿ オマ ワ クハチレ ワ イサㇺ マ コㇱクㇽ たいした額の(=たくさんの額の)お金を私の上等の財布に入ったまま落としてしまって残念だ。(S) {E: a lot of; much; plenty of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
apunitara
アプニタラ 【副】[apun-itara 静か/おだやか・である・…な状態が続いて(いる)] 静かに、 おだやかに、 そっと。 apunitara/a=eyáykewtum ka/kokisma kane アプニタㇻ/アエヤイケウトゥㇺ カ/コキㇱマ カネ [雅]私は静かに気持ちを押えた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aputki
アプッキ 【名】[aput-ki (?)・簀(す)] 魚や野草を干すのに使う簀(す)(「すだれ」)。 ☆参考 supki スㇷ゚キ《ヨシ》でつくる人もあり síki シキ《オニガヤ》でつくる人もある。 戸外で干すのに使う。 いま(1963年)「だしこ」(煮干し)を干すのに使っている。 また家の中の parpesni パㇻペㇱニ《縦の梁》の上にものせる。 isatkeki イサッケキ《物干し簀》はもっと目を細かくつくり、 na トゥナ《火棚》の上に置く。(S) (出典:田村、方言:沙流)
ar- 2
アㇻ 【接頭】(限られた決まった語に接頭して)一つの…、 (一つのものを二つに分けた)一方の/片割れの…。 -suy スイ 振り(=回数の単位);arsuy アㇻスイ 一回。 kewtumu ケウトゥム (彼の)心;arkewtumu アㇻケウトゥム (彼の)心の半分/片方。 arkewtumu wen arkewtumu pirka アㇻケウトゥム ウェン アㇻケウトゥム ピㇼカ 片一方の心は悪い片一方の心は良い。 ☞oar オアㇻ、 ear エアㇻ (出典:田村、方言:沙流)
arhucuk
アㇻフチュㇰ 【名】[ar-hu-cuk 全く・なまの・秋] 秋の初め。 {E: early autumn} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ári 2
アリ 【他動】[< a-re たくさんある・させる](?) (火を)たく。 tonpuri corpok ári hani トンプリ チョㇿポㇰ アリ ハニ ふろの下たきなさい(おふろをたきなさい)。(S) ape ári アペ アリ 火をたきつける(「火種をいけておいて毎朝 ape ári アペ アリ する」)。(S) ☆参考 ape kotukka アペ コトゥッカ 火を(ほかのもの)につける。 {E: to light, make a fire.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arkuwanno
アㇻクワンノ 【副】[ar-kuwanno 全く・まっすぐに]まっすぐに、 真正面に。 arkuwanno/kamuy nis kotor/koyaytunaska アㇻクワンノ/カムイ ニㇱ コトㇿ/コヤイトゥナㇱカ [雅]まっすぐに天の神の国へ行ってしまう。(Sユーカラ) ☆発音 歌うときは、 時によって arkuanno アㇻクアンノ とも発音する。 ☞kuwan クワン、 kuwanno クワンノ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arpa
アㇻパ 【自動】[単](複は paye パイェ)[< ar-pa 一つ/一人・行く](一人が)行く。 k=arpa tek wa k=ek カㇻパ テㇰ ワ ケㇰ (私)ちょっと行って来ます(トイレに、 ということを言わずに上品に言う言い方の一つ)。(W) “arpa arpa ni tom osma p?” “mukar” 「アㇻパ アㇻパ ニ トモㇱマㇷ゚?」 「ムカㇻ」 「行った先行った先で木にぶつかるものは?」「まさかり」(なぞなぞ)。(S-W会話) “arpa arpa situri wa an pe?” “tar” 「アㇻパ アㇻパ シトゥリ ワ アン ペ?」 「タㇻ」 「行った先行った先で伸びているものは?」「荷縄」(なぞなぞ)。(S-W会話) ☆参考 日高西部から胆振東部にかけてのみ使われる。 他の地域では oman オマン と言う。 {E: to go. (sg.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
arsuy
アㇻスイ 【副】[ar-suy 一つの・回]一度、 一回。 arsuy póka en=okari wa suke アㇻスイ ポカ エノカリ ワ スケ 一度でもいいから私に代わってごはんを炊いてちょうだい。(S) ☆参考 「二回」以上は、 数連体詞に suy スイ をつけて言う。 tu suy トゥ スイ 二回、 re suy レ スイ 三回。 ☞suy スイ {E: once.} (出典:田村、方言:沙流)
askekursut
アㇱケクㇽスッ 【名】[概](所は askekursutu(hu) アㇱケクㇽストゥ(フ))[aske-kursut 手・根元] 指の付け根(=askepet ousi アㇱケペッ オウシ)。 {E: the base of a finger.} (出典:田村、方言:沙流)
asunankarun
アスナンカルン 【他動】…をだいて寝る(男女間)。 katkemat kamuy ukuran ne, a=akíhi asunankarun カッケマッ カムイ ウクラン ネ、 アアキヒ アスナンカルン お嬢様をゆうべに私の弟がだいて寝ました。(NK民話) ☆参考 親が子をだいて寝るなど一般的にだいて寝ることは tumam トゥマㇺ 。 {E: to rock, cradle…to sleep.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
at 2
アッ 【自動】①(虫や魚などが)たくさんいる/出る。 ukuran etutanne at wa ku=mokor ka koyaykus ウクラン エトゥタンネ アッ ワ クモコㇿ カ コヤイクㇱ ゆうべ蚊が多くて私は眠れなかった。(W) ②(煙や湯気が)立つ、 (光が)光る、 (においが)する。 supuya at スプヤ アッ 煙が出る。 nipeki at ニペキ アッ 光る。 húra at フラ アッ においがする。 {E: ①for there to be a lot of …(such as insects, fish, etc.). ②(for smoke, steam) to rise; (for a light) to shine; to smell.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
at 3
アッ 【名】[概](所は atu(hu) アトゥ(フ))①ひも(紐)(何かについているひも)。 ②ツノザメ漁(repa レパ)をするときに使うもりの柄のうしろにつけてある haytus ハイトゥシ《イラクサの綱》。 ☆参考 ただ置いてあるだけの細いひもは ka カ、 ものをしばってつなぐ頑丈なのは tus トゥㇱ。 {E: a string; a cord.} (出典:田村、方言:沙流)
at 4
アッ 【名】[植物]オヒョウニレの皮。 ☆参考 厚司(attus アットゥㇱ)と呼ばれる布地を織るのに使う。 オヒョウニレは atni アッニ「オヒョウ」。〔知分類 p.165〕 {E: the bark of a type of elm tree.} (出典:田村、方言:沙流)
atane
アタネ 【名】[植物] カブ。〔知分類 p.132 センダイカブラ〕 {E: a turnip (vegetable).} (出典:田村、方言:沙流)
atarimae
アタリマエ 【名】(割り当ての) 分(ぶん)、 もらうべきとり分、 割り当てられた仕事、 やるべき分。 tun e atarimae トゥン エ アタリマエ 二人が食べる分(=二人分の食べ物)。(S民話) tun atarimae トゥン アタリマエ 二人分。(S民話) {E: a portion; a share.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
atkorkamuy
アッコㇿカムイ 【名】[at-kor-kamuy ひも・を持っている・神][動物] タコの王(舟をひっくりかえすほど大きい)。(S) ☆参考 通常のタコは atuinne アトゥインネ。〔知分類 P132〕 (出典:田村、方言:沙流)
atni
アッニ 【名】[at-ni オヒョウニレの樹皮(厚司の材料)・木][植物] オヒョウニレの木。 ☆参考 皮を厚司(あつし)の材料にする。(S) 厚司は attus アットゥㇱ。 〔知分類 p.165 茎〕 {E: a type of elm tree.}-atpa アッパ 2【接尾】[< at-pa (?)・(複数語尾)](他動詞語幹などに接尾して、 激しく、 大きい動作で、 一度にたくさん、 などの意味を添えて他動詞をつくる。 ☆参考 複数語尾の役割を含んでおり、 これが接尾してできた他動詞は、 たいてい複数形の意味を持つが、 単数形と対になっているわけではない。 この接尾辞を除いた部分が他動詞語幹として存在するとも限らない。 つまり、 この接尾辞のついた形しか存在しない場合もある。 たとえば askoretatpa アㇱコレタッパ わしづかみにつかみとる。)esissuye エシスイェ…を腕全体で振る;esisuyatpa エシスヤッパ…を腕全体で急激に振る。 (出典:田村、方言:沙流)
awa
アワ 【接】[a-wa …した・…して] …して、 …したが(「…したけ」)(一つのことを述べ終わり、 それを前置きとしてこれから話が展開することを示す。 ややフォーマルな表現で、 きちんとした会話や伝説、 昔話、 叙事詩などで使われる) 。 hetopo horka siknu awa asirikinne montumu kasi mosma kur kem a=o wa ヘトポ ホㇿカ シㇰヌ アワ アシリキンネ モントゥム カシ モㇱマ クㇽ ケㇺ アオ ワ またふたたび息を吹き返したが、 新たに他の人の血を輸血されて…。(W会話) ☆参考 hike ヒケ …したが(軽い前置き)。 ☞hike ヒケ ③。 korka コㇿカ けれども(逆説)。 akus(u) アクㇱ/アクス …すると。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ayne
アイネ 【接】[a-hine …した(完了)・…して]…したあげく、 長い間 … してから、 さんざん…してとうとう。 toy ka opitta eyyok wa epakutciki, eyku, ayne tane anak aratusa トイ カ オピッタ エイヨㇰ ワ エパクッチキ、 エイク、 アイネ タネ アナㇰ アラトゥサ 土地も皆売ってそれでばくちをし、 酒を飲み、 とうとう今は丸はだかだ。(S) iki ayne イキ アイネ いろいろ苦労(努力)してやっと。 kú=iki ayne ku=kira wa k=ek クイキ アイネ クキラ ワ ケㇰ やっとのことで逃げて来た。(S) kar ayne カㇻ アイネ いろいろ(苦労)努力してようやく。 tokkuri toytoy emastek wa an, wa kusu ku=kar ayne ku=huraye ruwe un トックリ トイトイ エマㇱテㇰ ワ アン、 ワ クス クカㇻ アイネ クフライェ ルウェ ウン 瓶に土がいっぱい入っていた、 だから苦労してようやく洗ったのよ。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
aynu
アイヌ Ⅱ_§002.おとこ(男)(5)aynu〔áǐ-nu あイヌ〕⦅H. S. K.⦆男。〜pahno ko-yaymatuh⦅ニイトイ⦆「一人前の男に成人した」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
Aynurakkur
アイヌラックㇽ 【名】[< aynu-rak-kur 人間・っぽい・人(=神)][固有名]アイヌラックル(人間の始祖である神の子の呼び名)。 e=rekor katu/Aynurakkur/e=ne ruwe ne エレコㇿ カトゥ/アイヌラックㇽ/エネ ルウェ ネ [雅]あなたの呼び名はアイヌラックルというのです。(Sユーカラ) ☞rak ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
caca
チャチャ §019.父(5)caca〔čá-ča ちゃチャ〕①⦅シラヌシ⦆父。②⦅H. S.⦆じじい;老爺。カラフトではhawki(英雄詞曲)とoyna(神謡)にだけ用いる;日常会話の語ではhenki、tu-itak(昔話)ではheysu、yesuと言う。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
cannoyep
チャンノイェㇷ゚ 【名】[c(i)-annoye-p された・表す・もの]現れ。 nupur pe sóne/nupur cannoyep/esirutumka/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/ヌイナ カネ [雅]本当に霊力のあるものだが霊力の現れを頭飾りをかぶって自分の中に隠して。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
céomare
チェオマレ 【複他動】[他動使役][中相] [c(i)-e-oma-re される・その頭(先)が・そこに入る・させる](次の慣用句の中で)otusasuysir (oresasuysir) céomare オトゥサスイシㇼ (オレサスイシㇼ) チェオマレ 何代にも続いている。 tanesasuysir céomare タネサスイシㇼ チェオマレ 昔から今にいたるまでずっと続いている。 {E: to continue something down over the years, generations.} (出典:田村、方言:沙流)
césonere
チェソネレ 【他動】[中相][ci-e-sóne-re される・…について・本当である・させる]…がわかる。 cikoykip kamuy/ranma katu/césonere チコイキㇷ゚ カムイ/ランマ カトゥ/チェソネレ [雅]けものというものはいつもこういうものなのだなあとわかった。(Sユーカラ語り) ☆参考 語るときの形。 歌うときは ciesonere チエソネレ と言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ci- 4
チ 【接頭】[中相形形成] ①[中相](他動詞に接頭して中相の表現となる。 日本語に訳すと三人称を主語とする自動詞にまたは受け身に訳せる。)…される、 された。 cari チャリ 散らす;cicari チチャリ 散らされた、 散らばった。 kemihi cicari uskehe ケミヒ チチャリ ウㇱケヘ その血が散らばった所。(S会話) ②[使役中相](自動詞または他動詞に使役語尾または他動詞化語尾がつくと同時にこの ci- チ が接頭して、 美文的なニュアンスを伴った別の表現になる。) hopuni ホプニ 起き上がる、 飛ぶ;cihopunire チホプニレ [ci-hopuni-re された(中相)・起こる・させる(使役)] 起こった、 勃発した。 kamuy tumi ne ya tono tumi ne ya cihopunire カムイ トゥミ ネ ヤ トノ トゥミ ネヤ チホプニレ 神戦だか聖戦だかが起こった。(W会話) ③[中相動名詞](人に対する行為を表す他動詞に接頭し、 後に ekarkar エカㇻカㇻ《する》の人称形が置かれて、 韻文調・美文調の表現になる。)horkarutu ホㇿカルトゥ 後ろへ押しもどす;cihorkarutu チホㇿカルトゥ 後ろへ押しもどされること。 iteki eytasa cihorkarutu a=eci=ekárkar kunine イテキ エイタサ チホㇿカルトゥ アエチエカㇻカㇻ クニネ あなたたちはあまり後ろへ押しもどされる(差別されて後へ押されて理屈をとられる)ことのないように。(S言い伝え)☆参考 ②③は叙事詩の中、 ことにユーカラ(英雄叙事詩)の中で多く使われる。 そういった叙事詩の表現を日常語の中で使うと、 美文調・古風・荘重・重大といったようなニュアンスを伴う。 ①②③とも、 人称形ではないのに、 人称形と同じように、 接頭辞はほとんどつかず、 人称接辞がついて人称形になったりすることもない。 「分詞」と呼ぶのはそのためである。 ☆参考 日常語では、 人称接辞とは違って、 ほとんど決まった語、 決まった言い回しに現れる。 化石化した語も多い。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ci= 5
チ 【人接】[対立的一人称複数主格他動詞型] ①相手を含まない私たちが/の。 tane ci=ye kusu ne タネ チイェ クス ネ 今私たち(私と彼)は言います。 tun ren ci=ne híne トゥン レン チネ ヒネ 私たち二、 三人で。 ci=kotanu チコタヌ 私たちの村。 ②(神謡の中で、 神の自称)神である私が/の。 sakehe ci=kar サケヘ チカㇻ 私はそれで酒をつくった。(HC神謡) ③(民話の中の常套句で主人公の自称)私が/の。 hoski tas ci=nu rok pe! ホㇱキ タㇱ チヌ ロㇰ ペ! おれが先に聞いたんだ(川上男と川下男の民話で川上男が言う)。(W民話) ☆参考 母音で始まる語幹につくときは c= チ ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =as アㇱ が接尾する。 {E: ①first person plural exclusive (personal affix). ②reference to self for a god. ③reference to self for a hero in a folktale.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ciesonere
チエソネレ 【他動】[中相][ci-e-sóne-re される・…について・本当である・させる]…がわかる。 cikoykip kamuy/ranma katuhu/ciesonere チコイキㇷ゚ カムイ/ランマ カトゥフ/チエソネレ [雅]けものというものはいつもこういうものだなあとわかった。(Sユーカラ) ☆参考 歌うときの形。 語るときは césonere チェソネレ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cietoypiruh(p-i)
チエトイピルㇷ §021.子(11)cietoypiruh(p-i)〔či-é-toǐ-pi-ruh チえトイピルㇷ〕⦅シラウラ⦆末子。[<ci(われら)+-e-(それによって)+tuy(腹中を)+piru(拭った)+-p(者);腹の中をきれいに掃除して来た者]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
cihopunire
チホプニレ 【他動】[自動使役][中相][ci-hopuni-re される・起きる・させる] ①起こる、 勃発する。 kamuy tumi ne ya tono tumi ne ya cihopunire カムイ トゥミ ネ ヤ トノ トゥミ ネ ヤ チホプニレ 神戦だか聖戦だかが勃発した。 ②☞enankurkasi cinopunire エナンクㇽカシ チホプニレ {E: to occur; happen; break out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cimesu
チメス 【他動】[中相][ci-mesu …された・はがす/そぐ] 毛がなくツルツルだ(ツルッとはがしたように)。 oksutu cimesu オㇰストゥ チメス えりくびに毛がない(獣に関して)。 hokure arpa, okusu cimesu! ホクレ アㇻパ、 オクス チメス! 早く行け、 えり首のそがれたやつ(シラミをとってあげるとだまされてえり首をかじられたトドに向かってかじった男が言う)。(W民話) ☞mesu メス {E: to make something smooth and hairless.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cin
チン 【名詞語根】(語構成要素として)内もも、 もも、 上脚(足の、 股(また)からひざまでの部分)。 ☆参考 足を上げているとか股(また)を広げているとかを表す語の中で使われている。 第一義的には、 ももの内側を指すらしい。 ☆股(また)は cinuturke チヌトゥㇽケ。 ☆参考 独立の名詞としては om オㇺ もも、 kema ケマ 足全体。 {E: the thighs.} (出典:田村、方言:沙流)
cininanina
チニナニナ 【他動】[中相] [ci-nina-nina された・…をすりつぶす・(重複)](跡が)ビッシリついている。 {E: to be tightly stuck together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cinita
チニタ 【自動】うなされる。 ku=cinita wa yaani a=en=tustekka クチニタ ワ ヤアニ アエントゥㇱ テッカ うなされてもう少しで気が遠くなるところだった。(S) {E: to have a nightmare.} (出典:田村、方言:沙流)
cinki
チンキ 【名】[概/所](着物の)すそ。 ikawa cinki イカワ チンキ 上前のすそ。 pokna cinki ポㇰナ チンキ 下前のすそ。 cinki etupsi チンキ エトゥㇷ゚シ 褄先(つまさき、 すその先端)。(W) {E: the hem (of clothing etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
cinoye
チノイェ 【他動】[中相][ci-noye …された・ねじる]ねじれている。 cinoye kuwa チノイェ クワ ねじれ木の杖。 káne kuwa/cinoye kuwa/kuwa tuykasi/notomare カネ クワ/チノイェ クワ/クワ トゥイカシ/ノトマレ [雅](姉は)金(かね)のねじれ木の杖の上にあごをのせている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cirpo
チㇼポ §419 (その他の鳥名)  (13) cirpo(čir-po)「チㇼポ」小鳥“oppuy-kar-pe cirpo haw ne uwe-tununse”(ユ概255) (出典:知里動物編、方言:)
cisekotor
チセコトㇿ 【名】[cise-kotor 家・の内面] 天井。 ☆参考 文脈によって家の内面全体を表しているようにとれることもある。 ☆雅語や雅語的表現で cisekankotor チセカンコトㇿ。 ☆屋根は cisekitay チセキタイ。 壁は cisetumam チセトゥマㇺ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisireanu
チシレアヌ 【他動】[中相][ci-sir-e-anu …された・地・に・置く][雅]地に/下に置かれている。 cituye amset/káne amset/cisireanu チトゥイェ アㇺセッ/カネ アㇺセッ/チシレアヌ [雅]別つくりの高床(たかどこ)、 金(かね)の高床が置かれていた。(Sユーカラ) iresu cási/tan poro cási/cisireanu イレス チャシ/タン ポロ チャシ/チシレアヌ [雅]私の育った城、 大きな城がたっていた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cisne
チㇱネ 【自動】[cis-ne (?) のようである]くびれている。 ikaritunnap néno kane noskike cisne, katuhu an イカリトゥンナㇷ゚ ネノ カネ ノㇱキケ チㇱネ、 カトゥフ アン ロスケアリのように(胴の)真ん中がくびれている、 「みったくない」(=みにくい)(ウエストの細い女性のことを言っている)。(S) {E: to be constricted; pinched.} (出典:田村、方言:沙流)
citarpe
チタㇻペ 【名】[ci-tar-pe される・敷く・もの] 敷きもののござ(3尺に6尺(=90センチ×180センチ)ぐらい、 色布で編み込み模様のあるものもある)。 citarpe turi チタㇻペ トゥリ ござを敷く。 apesam ta citarpe turi アペサㇺ タ チタㇻペ トゥリ 炉端にござを敷きなさい。(S) ☞toma トマ {E: a straw mat.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
citarpe-kamasu
チタㇻペカマス 【名】[citarpe-kamasu ござ・(日本語)かます]ござ製のかます。 {E: the name of a food made from a mixture of ground salmon heads and milts.} (出典:田村、方言:沙流)
ciw 1
チウ 【他動】… にささる、 …を刺す、 しみる(薬がしみて痛い)。 ku=teke kusuri ciw クテケ クスリ チウ 私の手に薬がしみる。 hay:, kusuri a=usí akus ciw humi! ハイー、 クスリ アウシ アクㇱ チウ フミー! ああ、 薬をつけたらしみるなあ。(S) wasanpi parkar, k=étupuyke ka kus, ku=siki ka ciw ワサンピ パㇻカㇻ、 ケトゥプイケ カ クㇱ、 クシキ カ チウ わさびがからい、 私の鼻のあなも通る、 私の目にもしみる。(S) {E: to smart; sting.} (出典:田村、方言:沙流)
ciwe(he)
チウェ(ヘ) 【名】[所](概は ciw チウ)…の流れ。 ciwe ruy チウェ ルイ 流れのきつい…。(S) ciwe nas チウェ トゥナㇱ 流れの速い…。(S) {E: the flow, stream of…} (出典:田村、方言:沙流)
ciwkorari
チウコラリ 【他動】[ciw-ko-rari 流れ・と共に・下へ押えつける] (受け身の言い方で) a=ciwkorari アチウコラリ 渦のため下へキュッとひっぱられる。 moy or osma wa a=ciwkorari wa hetuku ka somo ki モヨㇿ オㇱマ ワ アチウコラリ ワ ヘトゥク カ ソモ キ 渦の中に巻き込まれて下へキュッと引っぱられて出てこない。(S) (出典:田村、方言:沙流)
ciwre
チウレ 【他動】[ciw-re 刺さる・させる] ①…を刺す。 ②(雅語で) ☞eese-ciwre エエセチウレ、 iyenucupki ciwre イイェヌチュㇷ゚キ チウレ、 otu santuka ciwre オトゥサントゥカ チウレ、 eyaykesupka ciwre エヤイケスㇷ゚カ チウレ、 nisoparakur ciwre ニソパラクㇽ チウレ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
coyranke
チョイランケ 【他動】[中相][c(i)-o-i-ranke される・そこに・ものを・下ろす](次の慣用表現で) tu ruwetoko re ruwetoko coyranke トゥ ルウェトコ レ ルウェトコ チョイランケ 行く先々で天から下ろされるかのように獲物が授けられる。(W民話) etoko okake coyranke エトコ オカケ チョイランケ 前にも後にも天から下ろされるかのように獲物が授けられる。(KK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cuk
チュㇰ 【名】秋。 ☆参考 sit-cuk シッチュㇰ 秋になる。 paykar パイカㇻ 春。 sak サㇰ 夏。 mata マタ 冬。 {E: autumn.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cukkes
チュッケㇱ 【名】[cuk-kes 秋・末] 晩秋(12月頃)。 {E: late autumn (around December).} (出典:田村、方言:沙流)
cukne
チュㇰネ 【副】[cuk-ne 秋・過ぎた…]去年の秋、 過ぎた秋。 tan cukne タン チュㇰネ 今年の秋(冬になってから言う)。 ☆参考 tan cuk タン チュㇰ この秋(秋に言う)。 sakne サㇰネ 過ぎた夏。 matane マタネ 過ぎた冬。 {E: the previous autumn.} (出典:田村、方言:沙流)
cup 1
チュㇷ゚ 【名】月、 太陽。 kunne cup クンネ チュㇷ゚ [夜(の)・月]月。 tókap cup トカㇷ゚ チュㇷ゚ [昼(の)・月]太陽。 cup kamuy チュㇷ゚ カムイ 月/日の神、 お月様、 お日様。 kunne cup (kamuy) クンネ チュㇷ゚ (カムイ) 月の神、 お月様。 tókap cup (kamuy) トカㇷ゚ チュㇷ゚ (カムイ) 日の神、 お日様。 cup ahun チュㇷ゚ アフン 月/日が沈む。 cup etuk チュㇷ゚ エトゥㇰ 月/日がほんの少し出かかる。 cup hetuku チュㇷ゚ ヘトゥク 月/日が出る(丸い全体が出る)。 cup nin sirara チュㇷ゚ ニン シララ[月が・減る・潮] 小潮。 cup a=rukí チュㇷ゚ アルキ 月/日が飲み込まれる=月蝕/日蝕でだんだん消えていく。 cup ran チュㇷ゚ ラン [日が・下りる]日が傾く。 cup ray チュㇷ゚ ライ [月/日が・死ぬ]月蝕/日蝕になる(皆既日食の場合)。 ruyno tane cup ran ルイノ タネ チュㇷ゚ ラン ずうっともう日が傾いた。(S) cup ri チュㇷ゚ リ [日・高い]日が昇る、 日が高い。 cup sikari sirara チュㇷ゚ シカリ シララ [月が・丸くなる・潮]大潮。 {E: the moon.} {E: the sun.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cup 2
チュㇷ゚ 【名】①(年月日の)月 ②…カ月(月数の単位)。 tu cup re cup トゥ チュㇷ゚ レ チュㇷ゚ 二、 三カ月。 tan cup タン チュㇷ゚ [この・月]今月。 cup emko チュㇷ゚ エㇺコ [月・の半分]半月、 15日。 cup noski チュㇷ゚ ノㇱキ 月のまん中、 満月。(W) cup poro sere チュㇷ゚ ポロ セレ [月・大きい・部分]二十日ごろ。 ☆参考 [昔の月の呼び方] towetanne トウェタンネ 1月、 kuwekay クウェカイ 2月、 kiwtacup キウタチュㇷ゚ 3月、 mocup モチュㇷ゚ 4月、 sincicup シンチチュㇷ゚ 5月、 mawtacup マウタチュㇷ゚ 6月、 mawcicup マウチチュㇷ゚ 7月、 haprap ハㇷ゚ラㇷ゚ 8月、 níhorak ニホラㇰ 9月、 urepok ウレポㇰ 10月、 ruwekaricup ルウェカリチュㇷ゚ 11月、 curup チュルㇷ゚ 12月。 ☆参考 1955年、 ワテケさんは hacigaci cup ハチガチ チュㇷ゚ 8月、 kugaci cup クガチ チュㇷ゚ 9月のように言っていた。 {E: ①month. ②counter for months.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cuwantak
チュワンタㇰ 【名】[cuwan-tak 昼食・かたまり] 弁当のおにぎり。 cikitaheta a=kor cuwantak turse oka ! チキタヘタ アコッ チュワンタㇰ トゥㇽセ オカ ! なんとか早くおれの弁当のおにぎりがおっこちるといいなあ。(S民話) {E: a rice ball (onigiri).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
e- 10
エ 【接頭】[e- エ 9 と同じ接頭辞](数詞に接頭して)…で、 …を含めて/加えて。 tuhotne pa トゥホッネ パ 四十年;wan pa e-tuhotne pa ワンパ エトゥホッネ パ [十・年・で・四十年]三十年。 rerko レㇾコ 三日;k=ek etoho e-rerko ケㇰ エトホ エレㇾコ 私が来た日を含めて三日(=来た日から三日目)。 (出典:田村、方言:沙流)
e- 11
エ 【接頭】[< e- エ 9](雅語や雅語的表現の中で、 名詞や位置名詞に接頭して)…で。 a=ekísarsutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル[a=e-kisar-sutu maw-kururu 私・…で・耳・の根元[所]・風・ピューピュー吹く][雅]私の耳元で風がピューピュー鳴る。 a=e-táp-ka konna/racinitara アエタㇷ゚カ コンナ ラチニタラ[a=e-tap-ka konna racin-itara 私・…で・肩・の上・(擬態の叙述を導く)・ぶらさがる・…した状態が続いている][雅](直訳すると)…で私の肩の上がぶらさがっている=…が私の肩の上でぶらさがっている。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
eakur
エアクㇽ 【他動】[e-akur …で・(動物が)吐く](動物が)…を吐く。 ☆参考 自動詞は akur アクㇽ。 人間が吐くのは eatu エアトゥ[他動]、 atu アトゥ[自動]。 {E: (for animals) to regurgitate.} (出典:田村、方言:沙流)
eannu
エアンヌ 【他動】[ear-nu ただ一度・…を聞く]…を一度だけ聞く(=ear nu エアㇻ ヌ/エアンヌ)。 sonno utarpa/síno utarpa/eannukar pe/eannu p/ruska katun/somo ki p ne na sekor ソンノ ウタㇻパ/シノ ウタㇻパ/エアンヌカㇻ ペ/エアンヌㇷ゚/ルㇱカ カトゥン/ソモ キㇷ゚ ネ ナ ㇱコㇿ [雅]「本当に立派な男まことにえらい男はただ一度見たことただ一度聞いたことに憤慨したような様子を見せるものではありませんよ」と (Sユーカラ語り) ☞ear エアㇻ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eannukar
エアンヌカㇻ 【他動】[ear-nukar ただ一度・…を見る] …を一度だけ見る(=ear nukar エアㇻ ヌカㇻ/エアンヌカㇻ)。 sonno utarpa/síno utarpa/eannukar pe/eannu p/ruska katun/somo ki p ne na sekor ソンノ ウタㇻパ/シノ ウタㇻパ/エアンヌカㇻ ペ/エアンヌㇷ゚/ルㇱカ カトゥン/ソモ キㇷ゚ ネ ナ セコㇿ [雅]「本当に立派な男まことにえらい男はただ一度見たことただ一度聞いたことに憤慨したような様子を見せるものではありませんよ」と。(Sユーカラ語り) ☞ear エアㇻ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eapamaka
エアパマカ 【他動】[e-apa-maka (そこ)で・戸口・を開く] ①(人)に戸をあけてあげる。 sama un a=i=ra híne, a=i=éapamaka híne arpa=an ruwe ne サマ ウン アイトゥラ ヒネ、 アイエアパマカ ヒネ アㇻパアン ルウェ ネ 私は彼のそばへ連れられて行き、 戸をあけられて(=戸をあけてくれて)進んで行った。(S民話) ②(次の慣用句の中で)(そこ)で戸をあける。 toy tukari eapamaka トイ トゥカリ エアパマカ 地面に近いごく下の方で戸をあける=戸口に下げてあるカヤのすだれを少しだけ上げて身を低くして家に入る(畏れかしこまって遠慮がちに入る様子の描写)。 {E: ①to open a door for (someone). ②to open the entrance at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eapamakapa
エアパマカパ 【他動】[複](eapamaka エアパマカ は単複の区別なし)(二人以上が皆で)(そこ)で戸をあける、 (人)に戸をあけてあげる。 oripakpa kor toy tukari eapamakapa híne ahup ruwe ne akus… オリパㇰパ コㇿ トイ トゥカリ エアパマカパ ヒネ アフㇷ゚ ルウェ ネ アクㇱ… 彼らは畏れかしこまりながら地面に近いごく下の方で戸をあけて家に入ると…。(KC民話) ☞eapamaka エアパマカ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eapesikkasma
エアペシッカㇱマ 【他動】[e-ape-sikkasma で・火・を保たせる](それ)で火を長持ちさせる。 ni a=tuypa uske ta noko mur uk wa hoka o wa anu, a=eápesikkasma ニ アトゥイパ ウㇱケ タ ノコ ムㇽ ウㇰ ワ ホカ オ ワ アヌ、 アエアペシッカㇱマ 薪を切った所のおがくずを取ってくべておきなさい。 それで火が長持ちするから。(S) {E: to make a fire last a long time.} (出典:田村、方言:沙流)
eappene
エアッペネ 【他動】[e-appe-ne …に関して・[日本語]あっぺ(=不適切)・である]…しにくい。 etuhu nin wa ku=nuye eappene エトゥフ ニン マ クヌイェ エアッペネ (鉛筆の)先が減って書きにくい。(S) ru ukotanastanas wa k=apkas ka eappene ル ウコタナㇱタナㇱ ワ カㇷ゚カㇱ カ エアッペネ 道がでこぼこで歩きにくい。 {E: to be difficult to (do)…} (出典:田村、方言:沙流)
eattamneno
エアッタㇺネノ 【副】[ear-tam-ne-no ただ一つの・刀・として・(副詞形成)] wen menoko/utar orkehe/eattamneno/a=tuypa anki/yaynu=an korka ウェン メノコ/ウタロㇿケヘ/エアッタㇺネノ/アトゥイパ アンキ/ヤイヌアン コㇿカ [雅]悪い女どもを一太刀で切ってやりたい気がしたが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eca
エチャ 【他動】[e-ca その頭・を切りとる] …の先を(穂を、 頭を)切り取る。 turep a=ecá okake an トゥレㇷ゚ アエチャ オカケ アン (ウバユリの根を掘って)ウバユリの葉を切って置いたあとがあった。(NK民話) {E: to cut the end off…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ecinke
エチンケ 【名】カメ(亀)。 〔知分類 p.223〕 {E: a tortoise; a turtle.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eepaki(hi)
エエパキ(ヒ) 【位名】[所](概は eepak エエパㇰ) その次(の所/こと)。 tan oruspe, na eepakihi ye wa, uweepak ta tun a=ne wa a=ewkoytak タノルㇱペ ナ エエパキヒ イェ ワ ウウェエパㇰ タ トゥナネ ワ アエウコイタㇰ この話を、 もっと続きを言って、 次々に二人で話し合い…。 uweepaki un ウウェエパキウン だんだん uweepak ta ウウェエパㇰ タ だんだん。 {E: the next.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ehayok
エハヨㇰ 【他動】[e-hayok …で・武装する]…で武装する。 e=ehayok kuni p エエハヨㇰ クニㇷ゚ [雅]あなたが武装するためのもの。(Sユーカラ語り) e=ehayok pe/turano rán=an エエハヨㇰ ペ/トゥラノ ラナン [雅]私はあなたのよろいかぶとも持って天から下りて来ました。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ehosi
エホシ 【副/後副】①[副](正位置の基準などから)はずれて、 まちがって、 ずれて違って。 ehosi ye エホシ イェ 言い間違える。 ponno ehosi sirutu ポンノ エホシ シルトゥ 少し脇の方へ寄りなさい(「ずりなさい」)。 ②[後副]…と違って。 onaha ehosi an オナハ エホシ アン 父に似ていない。 {E: ①out of position; mistaken. ② unlike…} (出典:田村、方言:沙流)
eikra
エイㇰラ 【他動】…を送る(背負ってでも小包ででも)。 antuki k=éikra kusu ne アントゥキ ケイㇰラ クス ネ あずきを送ります。(W) ☆参考 人を送って行くのは rúra ルラ。 {E: to send…} (出典:田村、方言:沙流)
eirwakkor
エイㇼワッコㇿ 【他動】[e-irwak-kor …で・兄弟・を持つ] …と兄弟である/になる。 hunna ene cip turano a=arémko yakun ne tumunci kamuy eirwakkor pe ne hawe ne nankor wa フンナ エネ チㇷ゚ トゥラノ アアレㇺコ ヤクン ネ トゥムンチ カムイ エイㇼワッコㇿ ペ ネ ハウェ ネ ナンコㇿ ワ だれかそのように舟もろともに死んだのならその鬼神の兄弟分になっているんでしょうねえ。(W会話) ☆発音 エイㇽワッコㇿ。 {E: to have brothers; to be brothers with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekar
エカㇻ 【複他動】[e-kar …で・つくる(する)] …で…をする、 (人)に…をする。 hemanta e=ekar kusu emus e=seturpeste e=seturpeste? ヘマンタ エエカㇻ クス エムㇱ エセトゥㇽペㇱテ エセトゥㇽペㇱテ? お前は(その刀で)何をするために刀を背中に入れてるんだ、 入れてるんだ。(W言い伝え) tasum kur…tektaksa póka e=ekar wa タスㇺ クㇽ …テㇰタㇰサ ポカ エエカㇻ ワ あなたは病人に(中略)手のマッサージだけでもして。(S会話) {E: to do something to someone; to do…with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekarinpa
エカリンパ 【他動】[e-karinpa …で・グルグル回る](そこ)を回る。 tu noiwan suy i=enkasi ekarinpa ayne トゥノイワイスイ イエンカシ エカリンパ アイネ [雅](天に帰るために鳥の姿になった父は)何回も何回も私の上をグルグル飛び回ってから。(W神謡語り) ☆参考 同じ話者が別の神謡を歌っている中で、 同様の文脈で esikannatki エシカンナッキ を使っている。 {E: to go around…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekarkar 2
エカㇻカㇻ 【他動】[雅] ①(名詞の後で)(人)に…をする。 teknimawpo k=ékarkar wa テㇰニマウポ ケカㇻカㇻ ワ 私は彼に手の湿布をしてあげて(癒やすために手でさわってあげて)。(W会話) ②(他動詞の中相動名詞形つまり ci-/c- の接頭した形の後にこの ekarkar エカㇻカㇻ の人称形が置かれて)…する。 ci-…k=ékarkar チ…ケカㇻカㇻ 私は …する。 ci-… a=eci=ekarkar チ… アエチエカㇻカㇻ あなたたちが…される。 iteki eytasa ci-horkarutu a=eci=ekárkar kunine イテキ エイタサ チホㇿカルトゥ アエチエカㇻカㇻ クニネ あなたたちは「あんまり差別されてあとへ押されるような理屈をとられるような」ことがないように。(S言い伝え) {E: ①to do…(to someone) ②to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekayni
エカイニ 【名】[e-kay-ni その頭が・折れた・木] 折れ木、 木の切り株。 {E: the stump of a tree.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekohopi 1
エコホピ 【他動】[e-ko-hopi …で・…に・…を残して去る](?) …と別れる。 a=ekóhopi ka koyaykus pe an? ene katuhu an pe アエコホピ カ コヤイクㇱ ペ アン? エネ カトゥフ アン ペ 別れられないようなものか、 あんな変なやつ。(S) {E: to part, separate from…} (出典:田村、方言:沙流)
ekohosipi
エコホシピ 【他動】[e-ko-hosipi …に・に・もどる] …にもどって行く。 Tokiyo kotan/páse kotan/kotan tapkasi/ekohosipi [雅]トキヨ コタン/パセ コタン/コタン タㇷ゚カシ/エコホシピ (彼は)東京の都に帰って行く。(W即興詩) {E: to go back to…; return to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekohunara
エコフナラ 【複他動】[e-ko-hunara …に・…の・…をさがす](次の慣用表現で)…の…を探る。 tu moto orke/ekohunara トゥ モト オㇿケ/エコフナラ [雅](彼は)その素性をよくよくさぐってみました。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekonramu
エコンラム 【名】[接頭+名][e-kor-ramu …で・持つ・心][雅](次の慣用表現の中で)…の心/意識が…。 ekonramu sitne kane tának kane エコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ [雅]無我夢中で、 意識がもうろうとして、 夢うつつで(ある)。 a=ekónramu/sitne kane/tának kane/ék=an humi/a=ekísarsutu/mawkururu アエコンラム/シッネ カネ/タナㇰ カネ/エカン フミ/アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅]私が無我夢中で飛んで来ると耳元で風がピューピュー鳴っていた。(W神謡語り) ray he ne ya mokor he ne ya a=ekonramu sitne kane tának kane ライ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ アエコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ 死んだのか眠ったのか、 (私は)夢うつつになっていた。(HC民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekopas
エコパㇱ 【他動】[e-kopas で・もたれる?]…にもたれる。 cisetumam k=ékopas wa síno pirka チセトゥマム ケコパㇱ ワ シノ ピㇼカ 私は壁にもたれてまことに具合がいい。(W) {E: to lean on…} (出典:田村、方言:沙流)
ekopepka
エコペㇷ゚カ 【複他動】(人)の(しわざ)を忘れない。 i=ramkoyki katu a=ekópepka p ne a kusu イラㇺコイキ カトゥ アエコペㇷ゚カㇷ゚ ネ ア クス (兄に)からかわれたのが忘れられないことだったから。(NK民話) {E: to not forget someone's doings.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekosanniyo
エコサンニヨ 【複他動】[e-ko-sanniyo …で・…に・よく考える] ☞eyaykewtum-ekosanniyo エヤイケウトゥㇺエコサンニヨ (出典:田村、方言:沙流)
ekote 1
エコテ 【他動】(慣用句の後半部) ☞oturaysanpe ekote オトゥライサンペ エコテ (出典:田村、方言:沙流)
ekucasanke
エクチャサンケ 【他動】[e-kuca-sanke (人)と一緒に・狩小屋・を出す](人)と一緒に山猟から家に帰る。 {E: to return home with someone from hunting in the mountains.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ekutcam
エクッチャㇺ 【名】[e-kutcam …で/その・のど(声)](次の慣用表現で)その声。 itak ne manu p/ekutcam konna/kanemay ne/uwetunuyse イタㇰ ネ マヌㇷ゚/エクッチャㇺ コンナ/カネマイ ネ/ウウェトゥヌイセ [雅]ものを言う声が金(かね)の響きのように美しく響く。(Sユーカラ) ☞kutcam クッチャㇺ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
emko 1
エㇺコ 【名】[概/所] (一つのものの) 半分(線的な半分、 長い物体の、 時間の)。 cup emko チュㇷ゚ エㇺコ (直訳すると月の半分)=半月。 to emko etutko ト エㇺコ エトゥッコ (直訳すると)あと半日で二日=一日半。(S) upas as korka to emko etutko pakno ne kor nep ka isam ウパㇱ アㇱ コㇿカ ト エㇺコ エトゥッコ パㇰノ ネ コㇿ ネㇷ゚ カ イサㇺ 雪が降るけれど1日半位たつと何もなくなる(消えてしまう)。(S) {E: half.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
emkoho 1
エㇺコホ 【名】[所](概は emko エㇺコ) その半分。 sine itanki emkoho etup シネ イタンキ エㇺコホ エトゥㇷ゚ 一ぜん半(おわん/茶わんに一杯半)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
emotoorke
エモトオㇿケ 【名】[e-moto orke その・もと・のところ]その起源、 その初めからのいきさつ。 …/ki katu/emotoorke/ciepakasnu/a=e=ékarkar na キ カトゥ/エモトオㇿケ/チエパカㇱヌ/アエエカㇻカㇻ ナ [雅]…してきたことを初めから話して教えてあげますからね。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
emoykokarke
エモイコカㇻケ 【自動(?)】[e-moy-ko-kar-ke その頭が・渦・と共に・(回ることを表す語根)・(自動詞形成)]渦に巻かれてグルグル回る。 moy or osma wa a=ciwkorari wa hetuku ka somo ki, emoykokarke kor an モヨㇿ オㇱマ ワ アチウコラリ ワ ヘトゥク カ ソモ キ、 エモイコカㇻケ コラン 渦に巻き込まれてまん中に入って下へひっぱられて出られず渦巻きと一緒にクルクル回っている。(S) henpara suy emoykokarke kor an wa suke okere kusu? ヘンパラ スイ エモイコカㇻケ コラン マ スケ オケレ クス? また渦巻きと一緒にグルグル回っていていつごはんのしたくが終わるのだろう(いつまでもはかがいかないことに対する悪口)。(S) {E: to be caught in a whirlpool.} (出典:田村、方言:沙流)
eniste
エニㇱテ 【他動】[e-niste …で・強い]…を頼りに/あてにして安心している。 sirkunne yakka taan kur a=turá yakun a=eníste シㇼクンネ ヤッカ タアン クㇽ アトゥラ ヤクン アエニㇱテ 暗くてもこの人と一緒に行けば安心だ。(S) a=eníste hum ko yupnatara アエニシテ フㇺ コ ユㇷ゚ナタラ [雅](私たちは)それをあてにして安心している。 rep ta a=kor mosir anakne haru an yak a=ye kusu a=eníste hum ko yupnatara レㇷ゚ タ アコㇿ モシㇼ アナㇰネ ハル アン ヤカイェ クス アエニㇱテ フㇺコ ユㇷ゚ナタラ 内地(本州)は豊作だそうだから私たちはあてにして安心している。(S) ☆参考 「…に強い」という意味の用例はない。 〔久辞典 191 その為にかたい、 それに持ち耐へる、 (それ)に強い、 に耐へる、 堪へる Sake a-e-nishte〕 {E: to rely on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
enka
エンカ 【位名】[概](所は enkasi エンカシ、 enkasike エンカシケ、 enkaske エンカㇱケ)[en-ka (?)・の上]…の上の方(離れた上)。 atuy enka péka hopuni kor an アトゥイ エンカ ペカ ホプニ コラン 海の上を飛んでいる。(S) [対]corpok チョロポㇰ ☆参考 ka カ …の上(接触した上)。 ☆参考 corpok チョㇿポㇰ《下》は接触した下も離れた下も含むが、 「上」を表すには接触した上 ka カ と離れた上の方 enka エンカ と区別する。 「上」を表す他のいろいろな語については ☞ka カ {E (high) above.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
enkas(i)ke
エンカㇱケ/エンカシケ 【位名】[所](概は enka エンカ) その(離れた)上。 ne menokopo ehotke hi enkaske ta ponki a=oseatte ネ メノコポ エホッケ ヒ エンカㇱケ タ ポンキ アオトゥセアッテ その若い女性の寝床の上にカヤを編んだ簀(す、 「すだれ」)の棚が綱で下げられてあった。(NK民話) sekor yaynu kor/pon cikisani/enkaske kus hi セコㇿ ヤイヌ コㇿ/ポン チキサニ/エンカㇱケ クㇱ ヒ [雅]そう思いながら小さいハルニレの木の上を通ったときに。(Sユーカラ) ☆発音 話しているときは通常 i が落ちて enkaske エンカㇱケ と発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
enrum
エンルㇺ 【位名】(決まった語の中で)…の先。 páenrum パエンルㇺ 口の先端、 op-enrum オㇷ゚エンルㇺ もり(魚獲槍)の先、 kite キテ《もり先》の先(=op etoko オㇷ゚ エトコ)。 ☆参考 襟裳岬の語源として知られてはいるが、 沙流地方では岬のことはこう言わず、 普通は nottu ノットゥ、 大きく言うときは siretok シレトㇰ などと言う。 一般にものの先(先端)のことは etu エトゥ、 etupsi エトゥㇷ゚シ、 etok エトㇰ などと言う。 {E: the end, point of…} (出典:田村、方言:沙流)
enupur
エヌプㇽ 【他動】[e-nupur (そこ)で・霊力を持つ](直訳すると)(そこ)に霊力をもつ=(神が)…を守る。 Kotan-sermak-enupur-kamuy コタンセㇾマㇰエヌプㇽカムイ 村の背後を守る神(屈斜路湖畔の山の昔の呼び名、 別名 Kamuy nupuri カムイ ヌプリ 神山)。 ☆参考 神が(そこ)を守ることを表す語の一つ。 ほかに enukor エヌコㇿ、 epunkine エプンキネ とも言う。 ☞nupur ヌプㇽ {E: to have spiritual power over…; (for god)to rule over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
enuypa
エヌイパ 【複他動】[複](nuypa ヌイパ の単は nuye ヌイェ)[e-nuypa (そこ)に・…を書く[複]](そこ)に…を書く。 ta a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enúypa wa oka yakun タ アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン 今ここで私たちが言った言葉が二ページか三ページの紙の上に書かれていれば。(W会話) {E: to write…on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eohunara
エオフナラ 【他動】☞eyaykewtum eohunara エヤイケウトゥㇺ エオフナラ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eomare
エオマレ 【複他動】[他動使役](直訳すると)(…の方へ)向かって行かせる。(次の言い回しの中で)tanesasuysir céomare タネサスイシㇼ チェオマレ 昔から今に至るまで。 otusasuysir (oresasuysir) céomare オトゥサスイシㇼ (オレサスイシㇼ) チェオマレ 何代にも続いて、 二十代にも三十代にもわたって。 ☞tanesasuysir タネサスイシㇼ、 otusasuysir オトゥサスイシㇼ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epacikoan
エパチコアン 【他動】[e-paci-ko-an …について・ばち・に・ある] 罰(ばち)があたる。 {E: to be punished for…(in a spiritual sense.).} (出典:田村、方言:沙流)
epahekotere
エパヘコテレ 【他動】[e-pa-hekote-re …について・口・…の方向に向く・させる](人に)(…のことで)けちをつける/文句を言う、 …をけなす。 en=epahekotere kor antuki ku=kikkik エネパヘコテレ コㇿ アントゥキ クキッキㇰ へただのやり方が悪いのと文句を言われながらあずき落としをした。(S) {E: to complain about…} (出典:田村、方言:沙流)
epakutciki
エパクッチキ 【他動】…でばくちをやる。 toy ka opitta eyyok wa epakutciki, eyku, ayne tane anak aratusa トイ カ オピッタ エイヨㇰ ワ エパクッチキ、 エイク、 アイネ タネ アナㇰ アラトゥサ (彼は)田畑もみんな売ってそれでばくちをやり、 酒を飲み、 とうとう今はまるはだかになった。(S) {E: to gamble at…} (出典:田村、方言:沙流)
epeka(no)
エペカ(ノ) 【後副】[e-peka-no …をめがける・(副詞形成)]…をめがけて、 …の正面に、 …にちょうど当たるように。 pukuru paro epeka(no) omare プクル パロ エペカ(ノ) オマレ 袋の口に入るように入れなさい。 uresanpe epeka(no) nitotke ウレサンペ エペカ(ノ) ニトッケ ちょうど土ふまずのところにとげがささった。 i=epekano/pet tuyka ta/makan katkor pe/as híne イエペカノ/ペッ トゥイカ タ/マカン カッコㇿ ペ/アㇱ ヒネ [雅]私のまん前に、 川の岸辺にどんなものだかが立って。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
epes
エペㇱ 【副】[e-pes その頭が・それに沿って縦に]縦に、 長さの方向に。 epes tanne, etomotuye takne エペㇱ タンネ、 エトモトゥイェ タㇰネ 縦は長く横幅は短い。(S) {E: lengthways.} (出典:田村、方言:沙流)
epetciw
エペッチウ 【他動】[e-pet-ciw (それ)で・指・をさす](石など)につまずく。 suma k=épetciw wa k=úrepeci arka スマ ケペッチウ ワ クレペチ アㇻカ 私は石につまづいて足の指が痛くなった。(S) amip o suwop sikkewe k=épetciw アミㇷ゚ オ スウォㇷ゚ シッケウェ ケペッチウ 私は衣装箱の角(かど)につまづいた。(S) ☆参考 つる草などにつまづくことにはこの語を使わず eokok エオコㇰ《…にひっかかる》を使う。(S) ☆参考 足指は urepet ウレペッ。 {E: to stumble over…} (出典:田村、方言:沙流)
épo
エポ 【間投】えーい! épo tasi e=tura án=an nek! エーポ タシ エトゥラ アナン ネㇰ! お前と一緒になんかいるものか。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eposore
エポソレ 【他動】[eposo-re 治る・させる](病気を)やっと治す、 いやす。 ene katu an a p mak kar ayne eposore ruwe ene an? エネ カトゥ アナㇷ゚ マㇰ カㇻ アイネ エポソレ ルウェ エネ アン? あんなにひどいおできだったのをどうかこうかしてよくもまあ治したものだね。(S) {E: to finally recover from a sickness.} (出典:田村、方言:沙流)
eppo
エッポ 【名】[e-p-po 食べる・もの・(指小辞)]([< aep-po 食べ物・(指小辞)]か。)[幼]まんま(食べ物の幼児語、 ごはんでもいもでも)。 ːnas eppoː cíːciː poyson eː トゥーナㇱ エッポー チーチー ポイソン エー はーやく、 おいもー、 焼けろー、 ぼうやが、 食べるー(このように節(ふし)をつけて歌いながらいもを焼く)。(S) ☆参考 ep エㇷ゚ …が食べるもの。 aep アエㇷ゚ 食べ物。 {E: baby tallk for food.} (出典:田村、方言:沙流)
epunkaw
エプンカウ 【名】[植物]イケマの実。 ☆参考 大根のような形で長さ10センチくらい。 実が入らないうちは割って中身を吸って食べると乳くさく甘い。 実が入ったら縦に割って中の綿を出し、 真ん中に棒を渡して舟(epunkawcip エプンカウチㇷ゚)にして川に浮かべて遊ぶ。(S)〔知分類 p.46〕 {E: a kind of root vegetable (cynanchum caudatum, maxim (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
erampewtek
エランペウテㇰ 【他動】[否定動詞](肯定は eraman エラマン、 eramuan エラムアン) ①…がわからない、 …を知らない(知識がない)。 ene iki wa okay pe a=ne hi ka a=erámpewtek no エネ イキ ワ オカイ ペ アネ ヒ カ アエランペウテㇰ ノ 私たちがどうしてこのようにして暮らしているのかも(私)はわからずに。(W民話) “…hńta ne? e=eraman?” “hemanta ene katuhu an hi an? oar tap k=érampewtek” 「…フンタ ネ? エエラマン?」 「ヘマンタ エネ カトゥフ アニ アン? オアッ タㇷ゚ ケランペウテㇰ」「…は何だ? (あなた)わかる?」「何がそんなへんてこなんでしょう、 全然わからない。 」 (S-W会話) ②(動詞句の後に置かれて)…するすべがわからない(ためにできない)。 oro wa sipiraspa wa nérok aynu a=ne humi sekor yaynu ka erampewtek kor oka ruwe tasi ne nankor nek sekor… オロ ワ シピラㇱパ ワ ネロㇰ アイヌ アネ フミ セコㇿ ヤイヌ カ エランペウテㇰ コㇿ オカ ルウェ タシ ネ ナンコン ネㇰ セコㇿ… そこから広がってそのアイヌが私たちなのだと思うこともわからなく(=できなく)なってきているのだろうさ、 と… (S独話) ☆対語 肯定は eraman エラマン、 eramuan エラムアン。 ☆参考 人を知らないこと、 見覚えがないことは eramiskari エラミㇱカリ ☞eraman エラマン、 eramuan エラムアン、 eramiskari エラミㇱカリ {E: ①to not understand, know… ②don't know anything about…(so one can't do it due to that).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erampokiwen
エランポキウェン 【他動】[e-ram-poki-wen …で・心・その下・悪い] …を憐れむ、 …をかわいそうに思う。 …sekor kesto ci=ye a ci=ye a kor, os k=érampokiwen …セコㇿ ケㇱト チイェ ア チイェ ア コㇿ、 オㇱ ケランポキウェン …と毎日私たちは言っていて、 その後になって私は(坊やが)かわいそうになった。(W独話) pirka kewtum kor pon weysisam anakne kamuy erampokiwen wa nispa ne ピㇼカ ケウトゥㇺ コㇿ ポン ウェイシサㇺ アナㇰネ カムイ エランポキウェン マ ニㇱパ ネ 気だてのよい小さな貧乏和人は神が憐れんでくれて裕福になった。(S民話) ☆参考 erampokwen エランポㇰウェン とも言う。 {E: to pity, feel sorry for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eramuoka
エラムオカ 【他動】[複](単は eraman エラマン/eramuan エラムアン)[e-ramu-oka …について・その心[所]・ある[複]](二人以上が)…を知っている、 …がわかる。 orowano easir oka=an katu kamuy ka aynu ka eramuoka オロワノ エアシㇼ オカアン カトゥ カムイ カ アイヌ カ エラムオカ その時から、 私たちの存在が神にも人にも知られるようになった。(W民話) {E: to know, understand…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eraske
エラㇱケ 【他動】[e-ras-ke その頭/先端・切れ端・を削る(?)]…のいらない所を切りとる。 citarpe eraske チタㇻペ エラㇱケ ござの端のいらない所を切りとってまっすぐにそろえる。(S) ☆参考 髪の毛のことには言わない。(S) ☆参考 etuye エトゥイェ (髪など)の先を切る。 {E: to cut off the unneeded portion of something (eg. matting.).} (出典:田村、方言:沙流)
ereko
エレコ 【他動】[e-reko (そのこと)で・名づける](そのこと)で…を名づける。 níkaypa nínoye wa patek apekor apekur pe ne wakusu a=eréko katu Níkekke-wenkur Nínoye-wenkur sekor a=reko okkaypo an wa ニカイパ ニノイェ ワ パテㇰ アペコㇿ アペクㇽ ペ ネ ワクス アエレコ カトゥ ニケッケウェンクㇽ ニノイェウェンクㇽ セコㇿ アレコ オッカイポ アン マ (貧しくて刃物もないので)木を折り木をねじり切って火をたいていたのでそのことから名づけて「木折り貧乏人木ねじり貧乏人」と呼ばれている若い男がいて。(W民話) {E: to give someone, something a name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erum 1
エルㇺ 【名】矢の先の毒を入れるところ。 ay etupsi surku a=o uske a=ye katuhu erum, ermu anak cikoykip ne ruwe ne アイ エトゥㇷ゚シ スㇽク アオ ウㇱケ アイェ カトゥフ エルㇺ、 エㇾム アナㇰ チコイキㇷ゚ ネ ルウェ ネ 矢の先の毒を入れる所を言う言い方が エルㇺ で、 エㇾム (発音は エㇽム)《ネズミ》は獣(けもの)です。(W) {E: the place on the end of an arrow for poison.} (出典:田村、方言:沙流)
Erum 2
エルㇺ 【名】[地名]襟裳岬(=Enrum エンルㇺ)。 Erum nottuhu ta エルㇺ ノットゥフ タ 襟裳の岬に。(W神謡K) ☆発音 erum エルㇺ 1 と同じ、 E エ が低く ru ル が高い。 ermu エㇾム《ネズミ》(発音は エㇽム)とは違う。 (出典:田村、方言:沙流)
erusa
エルサ 【複他動】…に…を貸す(お金、 米、 宝器等ではなく普通の品物を)。 en=erusa エネルサ (それを)貸して下さい。 ☆参考 普通の品物を借りることは etun エトゥン。 esouk エソウㇰ はお金、 米、 宝器など借財となるようなものを借りることを言い、 esoukte エソウㇰテ はそのようなものを貸すことを言う。 ☞esoukte エソウㇰテ、 etun エトゥン {E: to lend s.o…} (出典:田村、方言:沙流)
esikannatki 2
エシカンナッキ 【他動】[e-sikannatki (そこ)で・回転する][雅](そこ)でグルグル回る。 i=enkasike/otu suy konna/ore suy konna/esikannatki イエンカシケ/オトゥ スイ コンナ/オレ スイ コンナ/エシカンナッキ [雅](天に帰るために大鳥になった私の夫は)私の上方で何回も何回もグルグル回った(旋回した)。(W神謡) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esikopakoinkare
エシコパコインカレ 【他動】[e-si-kopak-o-inkar-e (そのこと)で・自分・の方・に・見る・させる] 見てもらう。 hanke tuyma nispa utar a=esíkopakoinkare yakka wen ハンケ トゥイマ ニㇱパ ウタㇻ アエシコパコインカレ ヤッカ ウェン 私は近くの長者や遠くの長者などほうぼうの長者がたに頼んで(娘)見てもらったがだめだった。(NK民話) {E: to have someone look at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esinot
エシノッ 【他動】[e-sinot …で・遊ぶ] …で遊ぶ、 …をおもちゃにする(「ちょうす」)。 kikay esinot wa tun ne wa sinot kor oka キカイ エシノッ ワ トゥン ネ ワ シノッ コㇿ オカ 彼らは機械をいじって二人で遊んでいる。(W) esinot pe エシノッ ペ …のおもちゃ。 hekattar esinot pe ヘカッタㇻ エシノッ ペ 子どもたちのおもちゃ。 a=erámasu no oka a=esínot pe ka i=nukare yakka アエラマス ノ オカ アエシノッ ペ カ イヌカレ ヤッカ おもしろそうなおもちゃもいろいろ見せてくれたけれども。(S民話) {E: to play with…; make…into a toy.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esirasirahku
エシラシラㇵク §277 くま (55) esirasirahku (e-sí-ra-si-rah-ku)「エしラシラㇵク」 ⦅相浜⦆昔話(tu-itah)の中で‘大きなクマ’を言う (出典:知里動物編、方言:)
esirotatpa
エシロタッパ 【他動】[e-sir-otatpa …に・地・…をぶっかける][雅](次の慣用表現で)…をぶっかける。 otu siwenpa/ore siwenpa/esirotatpa オトゥ シウェンパ/オレ シウェンパ/エシロタッパ [雅](姉は)何回も何回も叱りつけおこりつける言葉を言って。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esirpicire
エシㇼピチレ 【他動】[自動使役][esirpici-re はずれる・させる]…をはずす(ひっかかっているものを)。 rar wa ya esirpicire wa turano hetuku ラㇻ ワ ヤ エシㇼピチレ ワ トゥラノ ヘトゥク (魚をとる網が水中の何かにひっかかったから)もぐって網をはずして持って出て来なさい。(S) {E: to take off…} (S) (出典:田村、方言:沙流)
esisuye
エシスイェ 【他動】[e-si-suye …と共に・自分・を振る] …を腕全体で振る、 …を振り回す。 tekehe esisuye テケヘ エシスイェ 腕を振り回す。(S) tus esisuye トゥㇱ エシスイェ 綱を振り回す。(S) cikuni esisuye チクニ エシスイェ 木(棒)を振り回す。(S) ☆参考 野球のバットを振るなどにはこの語を使う。 ゆりかごをゆらすのは suye スイェ。 {E: to shake, swing with…one's arm; swing…round.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esoataykar
エソアタイカㇻ 【他動】[e-so-atay-kar …で・借財・値・を払う](お金、 米、 宝器等の借財)を返す。 {E: to return, pay back money, food etc.} (出典:田村、方言:沙流)
esoro
エソロ 【後副】(川のような長いもの)に沿って。 petesoro ペテソロ[副](神謡の言葉)川に沿って。 ☆参考 turasi トゥラシ …に沿って上へ。 pes ペㇱ …に沿って下へ。 {E: along a river.} (出典:田村、方言:沙流)
esouk
エソウㇰ 【他動】[e-so-uk …で・借財・を受け取る](お金、 米、 反物、 宝器等のような借財となるようなもの)を借りる。 úsep sinep a=esóuk ro ウセㇷ゚ シネㇷ゚ アエソウㇰ ロ 反物一反借りよう。(S) ☆参考 etun エトゥン(使うために借りてその後で返すような普通の品物)を借りる。 sóuk ソウㇰ[自動]借財/借金をする。 soataykor ソアタイコㇿ[自動]借財/借金がある。 esoataykor エソアタイコㇿ[他動]…を借財として借りる。 esoukte エソウㇰテ[複他動](次項) {E: to borrow money, rice etc.} (出典:田村、方言:沙流)
esum(-i)
エスㇺ §610.はなしる(鼻汁)(6)esum(-i)〔e-súm エすㇺ〕[e(=etu 鼻)+sum(油)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etakasure
エタカスレ 【副】[e-ta-kasu-re …で・(?)・過剰である・させる] 抜きん出て、 他(の人)よりよけいに。 tu kankitay oma kusu etakasure ramuan nankor トゥ カンキタイ オマ クス エタカスレ ラムアン ナンコㇿ 二つの頭頂がある(=つむじが二つある)から人より利口だろう。(W) etakasure kor rusuy エタカスレ コンルスイ 余分に欲しがる。(W) etakasure ponehe tanas エタカスレ ポネヘ タナㇱ 人より骨が高い(ほお骨がはっている)。(W) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etanne
エタンネ 【他動】[e-tanne …で・長い](そこ)で長い…。 iwa tuysam/etanne maw/kane may ne/ciwnu イワ トゥイサㇺ/エタンネ マウ/カネ マイ ネ/チウヌ 岩山にそって長い息吹が金(かね)の響きのように美しく流れて聞こえて来る。(S)自作のウポポ {E: to be long.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etoko orke
エトコ オㇿケ 【位名】[雅]その前に。 makan katkor pe/sapte kuni/etoko orke/tapan kamuy maw/ketusi upsor wa マカン カッコㇿ ペ/サㇷ゚テ クニ/エトコ オㇿケ/タパン カムイ マウ/ケトゥシ ウㇷ゚ソㇿ ワ [雅]どのようなものを出すのか、 出す前に神風がながもちの中から…。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
etomnukar(-an)
エトㇺヌカㇻ §034.結婚(する)(6)etomnukar(-an)〔e-tóm-nu-kar エとㇺヌカㇻ〕⦅チカブミ⦆【雅】…と結婚する。"poy-Samayekur ci-〜"「サマイクㇽの子と私は結婚した」。"Petu-tom-un-kur ci-〜 wa sisak uwepirka ci-ki"「ペトゥトㇺの酋長と私は結婚してまたと無い幸福な暮しをしている」。"Otasut-un-nispa an-ne ineno, sino katke-mat an-〜, nep an-ewen ka somo ki, ekaci patek an-eramasuy"「オタスッの酋長で私はあって、立派な婦人を妻にし、何を不自由するということもせず、子だけが欲しかった」。[e(そこにおいて)+tom(体を)+nu(所有することを)+kar(する)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
etopse
エトㇷ゚セ 【他動】[e-topse で・唾吐く] 口の中からペッと吐き出す。 kikir ku=seru, ku=rekuci osma a korka k=óhetu wa k=étopse wa isam キキㇼ クセル、 クレクチ オㇱマ ア コㇿカ コヘトゥ ワ ケトㇷ゚セ ワ イサㇺ 私は虫を吸い込んで、 のどに入ってしまったけれど咳払いして出してペッと吐き出してしまった。(S) {E: to spit out something (from the mouth).} (出典:田村、方言:沙流)
etor
エトㇿ 【名】[概](所は etori(hi) エトリ(ヒ))鼻汁(「はなくそ」)。 ☆参考 鼻水は etupe エトゥペ。 {E: snivel; snot.} (出典:田村、方言:沙流)
etori(hi)
エトリ(ヒ) 【名】[所](概は etor エトㇿ)鼻汁。 etori(hi) kar エトリ(ヒ) カㇻ 鼻をかむ。 e=etori kar! エエトリ カㇻ! 鼻をかみなさい。(S) (注 etuhu kar エエトゥフ カㇻ 鼻をふく。)e=cis núpe e=cis etori a=oypepi osma wa エチㇱ ヌペ エチセトリ アオイペピ オㇱマ ワ あなたの泣いた涙や鼻汁が私の食器に入るので…(愛する人の死後泣いてばかりいる人の夢に死者が現れていさめる言葉、 民話によく出てくる)。(HC民話) {E: snivel; snot.} (出典:田村、方言:沙流)
etoro
エトロ §086.いびき[かく]etoro〔e-tó-ro エとロ〕[<etu(鼻)+or(内)+o(にある)]⦅H. 一般;シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etoy
エトイ §597.はげあたま(はげ頭)(16)頭がはげている etoy〔e-tóǐ エとイ〕[e(頭)+toy(tuy切れている)]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
etoycotca
エトイチョッチャ 【他動】[e-toy-cotca …で・地・射る] …で地面を射る。 rapuhu ay ne a=kar wa a=etóycotca a=emúncotca wa tos to ayrapkina hetuku ruwe an nek! ラプフ アイ ネ アカㇻ ワ アエトイチョッチャ アエムンチョッチャ ワ トㇱ ト アイラㇷ゚キナ ヘトゥク ルウェ アン ネㇰ! その(カラスの)羽で矢をつくってそれで地面を射たりごみを射たりしたから矢羽根草(クサソテツ)が生えたのさ。(KK掛け合い歌)の結びの語り。 {E: to shoot at the ground with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eus
エウㇱ 【他動】[e-us その頭・につく] 頭が…に届く、 …の上の方についている。(S) sine pon weysisam an híne síran pe ne hike, tu sapa eus wa シネ ポン ウェイシサㇺ アン ヒネ シラン ペ ネ ヒケ、 トゥ サパ エウㇱ ワ 一人の小さい貧乏和人がいたのだが、 彼には二つの頭が(体の上の方に)ついていて。(S民話) nis or eus kane poro ape a=ari híne ニソㇿ エウㇱ カネ ポロ アペ アアリ ヒネ 私は空にとどくほど大きな火をたいて。(HC民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
euwenewsar/ewwenewsar
エウウェネウサㇻ 【他動】[e-u-e-newsar …で・互い・に・歓談する] c=éwwenewsar チェウウェネウサㇻ 私たちは(それ)をして楽しく歓談する。 ☆参考 接頭辞がつくことによって語頭の e が高く発音されるときに多く使われる語幹の形。 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは ewenewsar エウェネウサㇻ という形をとることが多い。 ☞ewenewsar エウェネウサㇻ、 uwenewsar ウウェネウサㇻ {E: to mutually talk about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
euwopitte/ewwopitte
エウウォピッテ 【他動】[e-u-opitte その頭・互い・を結ぶ(?)] …を結ぶ。 ureneepakke ewwopitte/ewopitte wa ári ウレネエパッケ エウウォピッテ/エウォピッテ ワ アリ (俵の)両端を結んで(つなぎ合わせて)おきなさい(1枚に編んだものの編み始めと編み終わりをつなぎ合わせて袋にすることを言っている)。(S) nuyto etupsike k=ewwopitte wa k=ári akusu kem ounu ka eaykap siri iki ヌイト エトゥㇷ゚シケ ケウウォピッテ ワ カリ アクス ケㇺ オウヌ カ エアイカㇷ゚ シリ イキ 糸の端を私が結んでおいたところ(彼は)針に通すことができない様子だ(何本もある糸の両端の先を結んで一つに束ねてしまったことを言っている)。(S) ☆参考 接頭辞がつくことによって語頭の e が高く発音されるときに多く使われる語幹の形。 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは ewopitte エウォピッテ という形をとることが多い。 ☞ewopitte エウォピッテ {E: to link, join…} (出典:田村、方言:沙流)
ewen
エウェン 【他動】[e-wen …で・悪い] ①…で悪くなる、 (食べ物に)あたる、 損する。 amam e kor ewen アマㇺ エ コㇿ エウェン ご飯を食べるとよくない。(S) e wa suy ewen エ ワ スイ エウェン 食べたからまた悪くなった。(S) e wa ewen wa etupi エ ワ エウェン ワ エトゥピ 食べてあたったからもう食べない。(S) kú=ipe ewen humi ne noyne ku=honi arka クイペ エウェン フミ ネ ノイネ クホニ アㇻカ 私は食べ物にあたったらしくおなかが痛い。(S) a=ewén kuni a=ramú p somo a=ki p ne na アエウェン クニ アラムㇷ゚ ソモ アキㇷ゚ ネ ナ 損するようなことはするもんでない。(S) ewen kunine patek iki エウェン クニネ パテㇰ イキ 損するようなことばかりしている。(S) ②(動詞の後に置かれて)…しにくい。 …することがよくできない。 tópe esirkotuk kor níkap soske ewen トペ エシㇼコトゥㇰ コㇿ ニカㇷ゚ ソㇱケ エウェン 木の汁が出なくなって木の皮がくっつくと木の皮がむけにくくなる。(S) ci=nu ewen pe he un ci=ye チヌ エウェン ペ ヘ ウン チイェ 耳が遠いわけじゃないんだぞ(川下男と川上男の昔話で川上男が言う決まり文句の一つ)。 {E: ①for…to go bad; for…to be damaged. ②for…to be difficult to do…; cannot do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eweraman
エウェラマン 【他動】[e-u-e-raman …について・互い・と共に・わかる] …が皆/二人とも一致してわかる。 sinrit oruspe, kamuy oruspe, ney ta pakno sineatkino a=ewéraman kuni sekor ku=yaynu kor k=an シンリッ オルㇱペ、 カムイ オルㇱペ、 ネイ タ パㇰノ シネアッキノ アエウェラマン クニ セコㇿ クヤイヌ コㇿ カン 先祖のこと、 神のことが、 いつまでも混乱しないできちんと皆にわかるのだと私は思っている。(W会話) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 we )に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には euweraman/ewweraman エウウェラマン の形が使われることが多いと予想される。 ☞eraman エラマン {E: to mutually know…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewesermakkor
エウェセㇾマッコㇿ 【他動】[e-u-e-sermak-kor その頭(?)・互い・と共に・うしろだて・を持つ(?)] 互いに力になり合う。 iteki uutari ka uwanun ka uwehosi uwehosi yaynu no, sine ikinne yaynu, sine irenka kor yakne ewesermakkor pe ne na イテキ ウウタリ カ ウワヌン カ ウウェホシ ウウェホシ ヤイヌ ノ、 シネ イキンネ ヤイヌ、 シネ イレンカ コㇿ ヤㇰネ エウェセㇾマッコㇿ ペ ネ ナ 親戚同士でも他人同士でも、 テンデンバラバラなことを考えず、 一様に考え、 一つの意志を持てば、 それによって力になり合うものだよ。(S独話) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 we )に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には euwesermakkor/ewwesermakkor エウウェセㇾマッコㇿ の形が使われることが多いと予想される。 ☞sermak セㇾマㇰ {E: to combine one's efforts for mutual benefit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewesikaye
エウェシカイェ 【他動】[e-u-e-si-kaye …で・互い・と共に・自分・を折る][雅](次のような慣用表現で) tu imeru kur/re imeru kur/cisekankotor/ewesikaye/semkoraci トゥ イメル クㇽ/レ イメル クㇽ/チセカンコトㇿ/エウェシカイェ/セㇺコラチ [雅]たくさんの光が天井に反射してキラキラときらめくようであった。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkohepenpenu
エウコヘペンペヌ 【他動】[e-u-ko-he-penpenu …について・互い・に・頭・を上げたり下げたりする](…について)互いにうなずき合う。 hńta ewkohepenpenu? フンタ エウコヘペンペヌ? (彼らは)何をうなずき合っているんだろう。 {E: to be in mutual agreement, assent over…} (出典:田村、方言:沙流)
ewkonumne
エウコヌㇺネ 【他動】[e-u-ko-num-ne …のことで・互い・に・粒・である](?) …に目をつけて互いに相談する(?)。 kamuy oro wanopo a=ewkonumne p a=ne wa カムイ オロ ワノポ アエウコヌㇺネㇷ゚ アネ ワ 私は熊の神々からも目をつけられて互いに相談されているので。(HK民話) {E: to mutually consult over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkoramkor
エウコラㇺコㇿ 【他動】[e-u-ko-ram-kor …について・互い・に・心を・持つ] …について相談する。 hetopo suy a=kor mosir ne a=kar kunihi kamuy tono tutanu sapane utar opitta ewkoramkor kor síran ヘトポ スイ アコㇿ モシㇼ ネ アカㇻ クニヒ カムイ トノ トゥタヌ サパネ ウタㇻ オピッタ エウコラㇺコㇿ コㇿ シラン (北方領土を)また再び私たちの国土に取りもどすことを、 天皇の次の高い位の方々が皆で相談している。(S) {E: to consult with someone about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkoramu-osmaosmapa
エウコラムオㇱマオㇱマパ 【他動】[複][e-uko-ramuosma-osma-pa …について・互いに・同意する・(重複)・[複]] …のことをそうだそうだと言って皆賛成する。(S言い伝え) ☆参考 ramuosma ラムオㇱマ 同意する。 ukoramuosma ウコラムオㇱマ 互いに同意する。 ewkoramuosma エウコラムオㇱマ …について互いに同意する。 {E: to acknowledge one's mutual agreement over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkote
エウコテ 【他動】[e-u-kote その頭・互い・をつなぐ] …を結んでつなぐ。 ruy:no etupsike ewkote ルイーノ エトゥㇷ゚シケ エウコテ ずうっと端の方を結びなさい。(S) ☆参考 kote コテ …を…につなぐ(たとえば馬を木に)。 {E: to join, link…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkoysoytak
エウコイソイタㇰ 【他動】[e-uko-isoytak …について・互いに・話をする] …について互いにいろいろと話を(おしゃべりを)し合う。 nep ka kamuy oruspe hene teeta aynu oruspe hene a=ewkoysoytak wa ネㇷ゚ カ カムイ オルㇱペ ヘネ テエタ アイヌ オルㇱペ ヘネ アエウコイソイタㇰ ワ 何か神のことでも昔のアイヌのことでもお互いにいろいろ話をし合って。(S会話) {E: to mutually discuss…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewkuskusu
エウクㇱクス 【他動】[e-u-kuskusu …について・互い・(擬音または擬態の重複)(?)] …のことを自分はできない、 自分はいやだと言い合う。 …をいやだいやだと言う、 断り合う。 nen tausa/e=resu kuni p/ewkuskusu ネン タウサ/エレス クニㇷ゚/エウクㇱクス [雅]いったいだれがあなたを育てるかと皆尻込みし押しつけ合っていました。(Sユーカラ) {E: to mutually disagree over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewokari
エウオカリ 【他動】[e-u-okari …に関して・互い・に代わる] …を交代でする。 ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 wo )に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には euwokari/ewwokari エウウォカリ の形が使われることが多い。 ☞euwokari エウウォカリ {E: to take turns…} (出典:田村、方言:沙流)
ewtastasa
エウタㇱタサ 【他動】[e-u-tastasa …で・互い・やりとりする(重複)] 互いに…をやりとり(話し合い)する、 …を話し合う。 nep ka a=emína kunine a=ewtastasa te wano ki hike? ネㇷ゚ カ アエミナ クニネ アエウタㇱタサ テ ワノ キ ヒケ? 何かおもしろおかしく話し合う会話をこれからしてはどうかしら。(S会話) {E: to mutually talk over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ewtekkar
エウテッカㇻ 【他動】[e-útek-kar …で・…に使い走りをさせる・する](人)を使いにやる。 eci=owasi wa kusu eci=éwtekkar hawe ne na arpa wa en=kore エチオトゥワシ ワ クス エチエウテッカㇻ ハウェ ネ ナ アㇻパ ワ エンコレ あなたでなければならないと思ったのであなたに行ってもらうんだから行ってください。(S) {E: to have someone go somewhere for one.} (出典:田村、方言:沙流)
eyayeykataitak
エヤイェイカタイタㇰ 【他動】[e-yay-e-i-ka-ta-itak …で・自分・について・もの・の上・で・話す](…の話)を断る。 a=kiyánnepoho i=kokor rusuy, orowano a=anú wa yáp=an ka korayniwkes wa a=eyáyeykataitak yakka i=kokor rusuy ayne… アキヤンネポホ イココン ルスイ、 オロワノ アアヌ ワ ヤパン カ コライニウケㇱ ワ アエヤイェイカタイタㇰ ヤッカ イココン ルスイ アイネ… 和人の殿様が私たちの上の息子をほしがった。 私たちは息子を置いて帰る気には到底なれなくて断ったのだが殿様はどうしてもほしいと言ってきかなくて…。(S民話) {E: to refuse, turn down…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayhonokka
エヤイホノッカ 【他動】(…を)勉強する。(S) ☆参考 この語は他の人々からは聞かなかった。 {E: to study…} (出典:田村、方言:沙流)
eyaykesupka-karkar
エヤイケスㇷ゚カカㇻカㇻ 【他動】[e-yay-kesup-ka-karkar …で・自分・かかと・の上・を整える][雅](靴)をはく。 káne sutuker/a=eyáykesupka/karkar kane カネ ストゥケㇾ/アエヤイケスㇷ゚カ/カㇻカㇻ カネ 私は金(かね)の靴を足にはいた。(Sユーカラ語り) (出典:田村、方言:沙流)
eyayomusu
エヤヨムス 【他動】(eyayomsu エヤヨㇺス の誤りか?)しないでよかったなあと思う。 hunakta-epaːka somo kú=itura wa ene kú=iki hi an sekor ku=raman, poro k=éyayomusu フナㇰタエパーカ ソモ クイトゥラ ワ エネ クイキ ヒ アン セコㇿ クラマン、 ポロ ケヤヨムス (私は)いいあんばいに一緒に行かなくてこうしているのだと思ったらまあ行かなくてよかったなあと思った。(S) {E: to think that it would have been better not to have done…} (出典:田村、方言:沙流)
eyaypakasnu
エヤイパカㇱヌ 【他動】[e-yay-pakasnu …について・自分・を教える]…を勉強する。 ☆参考 昔は言わなかった。 このごろの言葉。(S) ☞epakasnu エパカㇱヌ {E: to study…} (出典:田村、方言:沙流)
eyaypastere
エヤイパㇱテレ 【他動】[e-yay-pas-te-re …で・自分・走る・させる] (次の表現で)…を走る。 maw sirkasi eyaypastere マウ シㇼカシ エヤイパㇱテレ[風・の表面・で自分を走らせる]風について走った。(S) hopuni réra/maw sirkasi/a=eyáypastere/sán=an katu ホプニ レラ/マウ シㇼカシ/アエヤイパㇱテレ/サナン カトゥ [雅]私は立ちのぼる風について走りながら川下へ下ってきたことを(風に乗って飛んだのではなく、 風について下から走った)。(Sユーカラ) ( ☆参考 sirkasi は文字どおりの《地の上》を指すのかもしれない。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyaypataraye
エヤイパタライェ 【他動】…で気の毒に思う。 kú=itura wa ora ene ku=soykankari yakun mosma kur ka mokor ka eaykap, yaykata ka k=éyaypataraye aan クイトゥラ ワ オラ エネ クソイカンカリ ヤクン モㇱマ クㇽ カ モコㇿ カ エアイカㇷ゚、 ヤイカタ カ ケヤイパタライェ アアン もしあのとき私も一緒に行ってそしてこんなに何度もトイレに起きたとしたら、 ほかの人も眠れないし自分も気の毒な思いをするところだった。(S) {E: to feel sorry for…} (出典:田村、方言:沙流)
eyaypokisir-karkar
エヤイポキシㇼカㇻカㇻ 【他動】[e-yay-poki-sir-karkar …で・自分・下の方・様子・…を整える][雅](きゃはん)を足につける。 kinatuyehos/a=eyáypokisir/karkar kane キナトゥイェホㇱ/アエヤイポキシㇼ/カㇻカㇻ カネ [雅]きゃはんをきちっと足につけて。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayramkes-mewpa
エヤイラㇺケㇱメウパ 【他動】[複](単は未出)[e-yay-ram-kes-mewpa …について・自分・心・の末端・をはがす[複]] …のことを皆で一致して一心に思う。 néun póka ne ciki somo, a=kor mosir, a=kor Samor mosir ne ciki Aynu mosir ne ciki, kiki a=kar easkay ya, sekor an pe patek a=eyáyramkesmewpa ネウン ポカ ネ チキ ソモ、 アコㇿ モシㇼ、 アコㇿ サモㇿ モシン ネ チキ アイヌ モシン ネ チキ、 キキ アカㇻ エアㇱカイ ヤ、 セコラン ペ パテㇰ アエヤイラㇺケㇱメウパ なんとかして、 わが国、 和人の国(本州以南)もアイヌの国(北海道)も、 敵から守ることができないかということばかり皆で一心に思って。(S会話) ☆参考 同種の状況文脈で koyayramkes-mewe コヤイラㇺケㇱメウェ も出ている。 単数と複数の違いはあるが、 e-… と ko-… との違いは未詳。 また e- エ も ko- コ もつかない yayramkesmewe ヤイラㇺケㇱメウェ は未出。 {E: for everyone to be in mutual agreement over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayramnuyna
エヤイラㇺヌイナ 【他動】[e-yay-ram-nuyna で・自分・かくす] …を葬る、 …を墓に埋める。 sir or un a=aní wa a=eyáyramnuyna, ape a=ari kane wa トゥシロルン アアニ ワ アエヤイラㇺヌイナ、 アペ アアリ カネ ワ 墓へ持っていって葬りました、 火をたいて。(W) {E: to bury a dead body (in a grave.).} (出典:田村、方言:沙流)
eyayrikikur-hopunpa
エヤイリキクㇽホプンパ 【他動】[e-yay-riki-kur-hopunpa …で・自分・高く・(< 影/姿)・飛ぶ][雅](道の上)で体が空中に浮かび上がる。 kiroru tuyka/a=eyáyrikikur/hopunpa kane キロル トゥイカ/アエヤイリキクㇽ/ホプンパ カネ [雅]道の上で私の体がスーッと上へ上がって。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 似た文脈で eyayrikikur-punpa エヤイリキクㇽプンパ とも言っている。 (出典:田村、方言:沙流)
eyayureka-karkar
エヤユレカカㇻカㇻ 【他動】[e-yay-ure-ka-karkar …で・自分・足・の上・を整える][雅](靴)を足に合わせる。(S) kamuy kar sutu/káne sutuker/a=eyáyureka/karkar kane カムイ カㇻ ストゥ/カネ ストゥケㇾ/アエヤユレカ/カㇻカㇻ カネ [雅]神がつくったような立派な金(かね)の靴を私は自分の足に合わせて。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 実際には靴をはいたことを言っているが、 歌い手自身は「自分の足に合わせた」と説明した。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyayye
エヤイイェ 【他動】[e-yay-ye …について・自分・を言う] …を遠慮して断る(贈りものを遠慮して受け取らない等)。 potara=an yakun oraun nep ka a=i=kóre yakun somo a=eyáyye no a=uk yak pirka p ポタラアン ヤクン オラウン ネㇷ゚ カ アイコレ ヤクン ソモ アエヤイイェ ノ アウㇰ ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ 悪神払いをしたなら何か(お礼の品を)くれたら遠慮しないで受け取ればいいのに。(NK民話) {E: to reservedly decline, turn down…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
eyku
エイク 【他動】[e-iku …で・飲酒する]…で酒を飲む。 toy ka opitta eyyok wa epakutciki, eyku, ayne tane anak aratusa トイ カ オピッタ エイヨㇰ ワ エパクッチキ、 エイク、 アイネ タネ アナㇰ アラトゥサ 彼は田畑もみんな売ってしまってそれでバクチをやり、 酒を飲み、 とうとう今はまるはだか(一文なし)だ。(S) {E: to drink liquor at, from…} (出典:田村、方言:沙流)
eymuymu
エイムイム 【他動】[e-imu-imu …で・イムをする・(重複)] …でイムをする。 toysas apa pok ta an wa an wa earkinne k=éramutuy wa k=eymuymu トイサㇱ アパ ポㇰ タ アン ワ アン ワ エアㇻキンネ ケラムトゥイ ワ ケイムイム 土ヒルが戸口の下にいたので私はとてもびっくりしてアパポポポと言った。(S) ☞imu イム {E: to hate, abhor…} (出典:田村、方言:沙流)
eynonnoitak
エイノンノイタㇰ 【他動】[e-inonnoitak …について・祈る] …のことを祈る。 nísapno ray wa turse ruwe ne híne orowano néun a=epótara néun a=eynonnoitak kotan epitta oka nispa uwekarpa wa a=eynonnoitak kasi a=kik yakka a=niwkes híne ニサㇷ゚ノ ライ ワ トゥㇽセ ルウェ ネ ヒネ オロワノ ネウン アエポタラ ネウン アエイノンノイタㇰ コタネピッタ オカ ニㇱパ ウウェカㇻパ ワ アエイノンノイタㇰ カシ アキㇰ ヤッカ アニウケㇱ ヒネ (私の一人娘が)突然死んで倒れて、 それからどんなにまじないをし、 どんなに祈り、 村じゅうの長者方が集まって娘のために祈っても(生き返らせるために)たたいても、 生き返らせることができなくて。(W民話) {E: to pray for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hácir
ハチㇼ 【自動】落ちる、 ころぶ。 ikiya e=hacir na! イキヤ エハチンナ! ころばないようにね。(S) ☆参考 hokus ホクㇱ 木や家などが倒れる。 horak ホラㇰ 家などが崩壊する。 turse トゥㇽセ 急激に墜落/転倒する。 ran ラン 下降する(おりる、 落ちる、 降る)。 {E: to drop; fall down.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hakei
ハケイ 【位名】[hake-(h)i (?)・ところ]…の手前。 hakei wa tek ハケイ ワ テㇰ …に行き着くちょっと手前で。 maciya hakei wa tek en=akkari a p un マチヤ ハケイ ワ テㇰ エナッカリ アㇷ゚ ウン (彼は)町のちょっと手前で私を追い越して行ったよ。(S) ☆参考 用例はこの一例しかない。 他の用法は不明。 tukari トゥカリ …の手前、 …より少しこちら側。 {E: this side of…} (出典:田村、方言:沙流)
hamu(hu)
ハム(フ) 【名】[所](概は ham ハㇺ)[植物] …の葉。 hamu ran ハム ラン [単]/rap ラㇷ゚ [複]葉が落ちる(どの木のどの葉も落葉することを言う)。 hamu tuy ハム トゥイ 葉が落ちる(1枚とれて落ちることを言う)。 {E: the, a leaf of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hanke
ハンケ 【自動】近い、 近くなる。 hanke uske ハンケ ウㇱケ 近いところ。 hanke nispa tuyma nispa ハンケ ニㇱパ トゥイマ ニㇱパ 近くの長者も遠くの長者も(=あちこちの長者(えらい方々)を)。(W民話) ☆対語 tuyma トゥイマ 遠い。 {E: to be, come near, close.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
harkika
ハㇻキカ 【名】[harki-ka 左側の・紐] 縄(「tus トゥㇱ《綱》のうち。 米俵をくくるやつから少し細いくらいまで。 木の皮や米わらでつくる」) (S) ☆縄のない方は、 糸/紐(ka カ)のより方と反対である。 ☆参考 ka カ (ござなどを編む)糸、 紐。 tus トゥㇱ 綱。 {E: a rope.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
haruramat
ハルラマッ 【名】[概](所は haruramatu(hu) ハルラマトゥ(フ)) [haru-ramat 食糧・魂] 食糧の魂。 {E: the spirit of food.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hatpunkar
ハップンカㇻ 【名】[hat-punkar ブドウ・つる] ぶどうづる。 ☆参考 丈夫なので家の建築などにも使われた。 ☆参考 ぶどうづるの皮は sutukap ストゥカㇷ゚ と言い、 ぶどうづるの皮を編んでつくった夏用の靴を sutu-ker ストゥケㇾ と言う。 {E: a grapevine.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
haw 2
ハウ 【名】落としばなし。 「uwepeker ウウェペケㇾ と違う。 yúkar ユカㇻ に近いほう。 しかし tumi トゥミ (戦い)もなく、 おとなしく終わる。 ふしをつけて歌わず、 ふしなしで語る。」 (S)(どの地方の口承文学を言っているのか不明。) {E: a story with a comic ending.} (出典:田村、方言:沙流)
hekaci
ヘカチ §005.男児;幼少年(5)hekaci〔he-ká-či ヘかチ〕⦅レブン、ウス、ムロラン、ホロべツ、サル、カラフト⦆①男児(4〜5才から15〜16才ぐらいまでの)。"anoka neampe ine pa asisne pa paxno pon hekachi an-ne"「私は4才5才ぐらいの小さい男の子であった」⦅あいぬ物語, p.2⦆。"naa sinepisan pa ne hekachi an-ne kusu" 「まだ9才の男児で私はあったから」⦅同書, p.13⦆。②こども(男女を問わず、赤ん坊をも含めて)。[<he-katu-i(生れた・者)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hekiru
ヘキル 【自動】[he-kiru 頭・を向ける] 振り向く、 (…のほうを)向く、 (…へ)顔を向ける。 {E: to turn around; face.} (出典:田村、方言:沙流)
hekomo
ヘコモ 【自動】[he-komo 頭・を折り曲げる] もどる。 hekomo wa ek kor an ヘコモ ワ エㇰ コラン もどって来た。(S) {E: to return; come back.} (出典:田村、方言:沙流)
hekote 1
ヘコテ 【他動】[単](複は hekotpa ヘコッパ)[he-kote 頭・…を…につなぐ] ①…の方を向く。 ②…に連れ添う。 a=hekóte katkemat/nispa アヘコテ カッケマッ/ニㇱパ (引用文中で) 私が連れ添っている奥様/旦那様(=私の妻/夫)。 {E: ①to turn, face towards… ②to marry, live together with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hemanta 1
ヘマンタ 【名】[疑名] ①何。 hemanta an? ヘマンタ アン? 何ですか。 hemanta kusu ヘマンタ クス なぜ、 何のため(故)に。 hemanta ne (kusu) ヘマンタ ネ (クス) 何のために、 何をするために、 なぜ。 hemanta ka ヘマンタ カ (=nep ka ネㇷ゚ カ) 何も。 hemanta ka k=érampewtek ヘマンタ カ ケランペウテㇰ 何もわからない。 hemanta karpe ヘマンタ カㇻペ 何をするために、 なんのために。 ②なんとまあ。 hemanta ene kirsak siri! ヘマンタ エネ キㇼサㇰ シリ! なんとまあ弱いんだろう! hemanta ene tumasnu p ne siri an hi an! ヘマンタ エネ トゥマㇱヌㇷ゚ ネ シリ アニ アン! なんとまあ強いもんだなあ! ☆参考 日常すらすら話しているときはたいてい縮約形の hńta フンタ (W) (S)/hinta ヒンタ (KM) が使われる。 ゆっくりとていねいに言うときや「いったい全体何だ」というようなときに hemanta ヘマンタ が用いられる。 ☆参考 名前をたずねるときは使わない。 mak マㇰ/makanak マカナㇰ《どう》が使われる。 {E: ①what. ②Oh!; My Gosh!. (interj.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hemespa
ヘメㇱパ 【自動】[複](単は hemesu ヘメス)(魚が川上へ)上る、 (人が台か何かの上へ)上がる、 (人が山を)登る。 cep hemespa チェㇷ゚ ヘメㇱパ 魚(鮭)が川を上る。 konkane cikappo ni hontom pakno rap hemespa kor oka コンカネ チカッポ ニ ホントㇺ パㇰノ ラㇷ゚ ヘメㇱパ コㇿ オカ 黄金の小鳥が木の中ほどまで下りたり上がったりしていた。(KC民話) nupuri turasi hemespa ヌプリ トゥラシ ヘメㇱパ 山を登る。 ☆参考 人が川をさかのぼるのは pet turasi paye ペッ トゥラシ パイェ [複]。 ☞hemesu ヘメス {E: to go upstream; climb (a mountain.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hemesu
ヘメス 【自動】[単](複は hemespa ヘメㇱパ)[he-mesu 頭・そぐ](魚が川上へ)上る、 (人が高い所へ)上がる、 (人が山に)登る。 suy or a=omáre yakun hemesu póka a=eáykap uske スヨㇿ アオマレ ヤクン ヘメス ポカ アエアイカㇷ゚ ウㇱケ …穴に入れられたら上がることもできないようなところ。(W民話) nupuri turasi hemesu=an ヌプリ トゥラシ ヘメスアン 私は山を登って行った。(W民話) ☆参考 自動詞であることに注意。 山や川は目的語にはならない。 ☆参考 人が川をさかのぼることは pet turasi arpa ペッ トゥラシ アㇻパ [単]と言い、 hemesu ヘメス とは言わない。 ☆参考 空中を上昇するのは rikin リキン、 川から岸に上がるのは yan ヤン ☆対語 san サン 山側(川上の方)から海側(川下の方)へ出る/下る/移動する。 ran ラン 山など(高い所)から低い所へ下りる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hemoyhomacikaripe
ヘモイホマチカリペ §070 ホンマス;セッパリ;カラフトマス (5) hemoy-homa-čikaripe「ヘモイホマチカリペ」これには主としてエゾリュウキンカの根(ahturi)を入れる。⦅鵜城⦆ (出典:知里動物編、方言:)
hene
ヘネ 【副助】①(一例として提示する。) …でも(あるいはそうでなくても)、 …なり。 hekattar hene ikipa ruwe ne kuni ku=ramu ヘカッタㇻ ヘネ イキパ ルウェ ネ クニ クラム 子どもたちでもやったんだろうと私は思う。(S) cip hene a=kar wa チㇷ゚ ヘネ アカㇻ ワ 舟か何かをつくって。 e=os ek hene ki ka somo ki エオㇱ エㇰ ヘネ キ カ ソモ キ あなたの後から来たりなどしもしない。 tup hene rep hene ku=kor rusuy トゥㇷ゚ ヘネ レㇷ゚ ヘネ クコン ルスイ 二つでも三つでもいいからほしい。 ohonno hene iruka hene オホンノ ヘネ イルカ ヘネ 長い間でも短い間でも。(W会話) ②po hene ポ ヘネ なおいっそう(po ポ《なお》を強調する言い方)。 {E: ①even…; either…or… ②more; even more.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
henkotpa
ヘンコッパ 【他動】[複(?)] …にうなずく。 sekor hawean=an akusu orano tu suy re suy i=henkotpa ne ya ki kor セコㇿ ハウェアナン アクス オラノ トゥ スイ レ スイ イヘンコッパ ネ ヤ キ コㇿ 私がそう言うと、 彼は二度も三度もうなずいたりしながら。(KK民話) ☆参考 複数形の形だが、 対応する単数形は未出。 {E: to nod to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
heporap
ヘポラㇷ゚ 【名】[動物] チョウ(蝶)(「チョウチョ」)。 ☆参考 チョウ(蝶)のような形のガ(蛾)を apeetun-heporap アペエトゥン ヘポラㇷ゚ [火を借りる・チョウ]または kunne-heporap クンネヘポラㇷ゚[夜・チョウ]と呼び、 それに対してチョウを tókap-heporap トカㇷ゚ヘポラㇷ゚[昼・チョウ]と言う。(S) {E: a butterfly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
herukamneno
ヘルカㇺネノ 【副】[heru-kam-ne-no ただ・肉・になる・(副詞形成)] はだかにして。 herukamneno kikkik ヘルカㇺネノ キッキㇰ はだかにしてなぐる(子どもでも妻でも)。 ☆参考 いじめることについて言う。 いじめるのでなくただ「はだかにして」と言うことは atusare wa アトゥサレ ワ と言う。 たとえば atusare wa kisma アトゥサレ ワ キㇱマ はだかにしてだく。(S) (出典:田村、方言:沙流)
heta
ヘタ 【間投】(=hetak ヘタㇰ) さあ(うながす言葉)。 heta yás=an ro ヘタ、 ヤサンロ さあ流し網に行こう。(S) heta heta, nas a=kor wa kira=an ro kira=an ro ヘタ ヘタ、 トゥナㇱ アコㇿ ワ キラアン ロ キラアン ロ さあさあ早く持って逃げよう逃げよう。(S) heta yan ヘタ ヤン (二人以上に向かって)さあ(うながす言葉)。 heta yan, yás=an ro ヘタ ヤン、 ヤサン ロ さあ(みんな)、 流し網に行こう。(S) ☆参考 最後の例から見て、 もとは動詞だったと思われるが、 他に動詞らしい用例は未出。 {E: well; now. (interj.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
heysu
ヘイス §008.老翁(6)heysu〔héǐ-su ヘイス〕⦅マオカ⦆【tu-itak(昔話)の中で】じじい。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hi 2
ヒ 【形名】[名詞化辞](動詞/動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。) ①…する/したこと honkor=an hi ka a=erámpewtek ホンコラニ カ アエランペウテㇰ 私は妊娠していたのも知らなかった。 noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルㇱカ クス ひたいに大きな穴を開けられたことに腹が立ったので。(S民話) kamuy yaynu hi toy ka osma eyaynunuke kusu カムイ ヤイヌ ヒ トイ カ オㇱマ エヤイヌヌケ クス 神が思った事が地面に落ちるのは畏れ多いので。(S言い伝え) ene…hi エネ…ヒ …する仕方、 どのように…する/したかということ。 ene iki hi ka isam エネ イキ ヒ カ イサㇺ どうしようもない。 ene hawean hi エネ ハウェアニ (直訳すると)このように言ったことは=次のように言った。 hi néno ヒ ネノ …したまま。 ene an a hi néno (kane) エネ アナ ヒ ネノ (カネ) もとあったとおりに。 sike=an hi néno シケアニ ネノ 私は荷物を背負ったまま。(W神謡語り) hi nani ヒ ナニ …するとすぐ。 soyne hi nani ソイネ ヒ ナニ 外へ出てすぐ。 hi kusu ヒ クス …する/したから、 だから。 ②(文頭に置かれ、 前の文の内容を受けてその全体を名詞化する。) hi ne ヒ ネ そうだよ。 ③とき。 kéman hi ta ケマニ タ 飢饉だったときに。(W会話) tekehe turiri hi ta テケヘ トゥリリ ヒ タ 手をのばしたときに。(HK民話) poro=an hi wano ポロアニ ワノ (引用文中)私が大きくなってから。 hi ora(no)/hi oraun ヒ オラ (ノ)/ヒ オラウン …してから。 ne hi pakno ネ ヒ パㇰノ そのときまで。 ④ところ(所)。 tun ehotke hi トゥン エホッケ ヒ 二人が寝る所。(NK民話) ☆発音 ☞hi ヒ 1 {E: ①to; in; that. ②(is to be placed at the beginning of a sentence to make what was previously said a noun form. ③time. ④place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hńta 1
フンタ 【疑名】[hemanta ヘマンタ 1 の縮約形] ①(質問)何。 hńta an? フンタ アン? なんだい/なんですか? (hńta ne? フンタ ネ? 《何だ?》とも言う)。 hńta ekuskonna poro haw e=sanke wa k=éramutuy a na フンタ エクㇱコンナ ポロ ハウ エサンケ ワ ケラムトゥイ ア ナ なんだそれ突然大きな声を出してびっくりしたよ。(S) ②何か(できごとだけわかっていてその主または対象が何だかわからないときに使う)。 to, to, hńta moymoyke kor an ト、 ト、 フンタ モイモイケ コラン ほらあそこ、 あそこに何か動いている。(S) a, hńta kor wa ek kor an na ア、 フンタ コㇿ ワ エㇰ コラン ナ あ、 何か持って来ているよ。(S) (注 「何か食べたい」のようなときの「何でもいいから何か」は nep ka ネㇷ゚ カ。) ③hńta kusu フンタ クス [何・のため/故に] なぜ。 hńta kusu ene e=okasura hi an? フンタ クス エネ エオカスラ ヒ アン? なぜこんなときに行かせるの。(S) hńta ne フンタ ネ 何のために(「なにしに」)。 hńta un, kamuy ye a wa フンタ ウン、 カムイ イェ ア ワ なあに(ほかでもない)、 神が言ったのだわ(だから、 そのとおりになるんだ)。 ☆参考 日常の早い会話では hemanta ヘマンタ よりもこのほうが普通に使われる。 沙流川の下流でも中流でも言うがペナコリの川上まつ子さんは hinta ヒンタ と言う。 {E: ①what. ②something. ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hokettektek
ホケッテㇰテㇰ 【自動】[hoket(u)-tektek ひょっと逃げる・急に…する] ひょっと逃げて見えなくなってしまう。 ☞hoketu ホケトゥ {E: to suddenly run away, disappear.} (出典:田村、方言:沙流)
hokusak menoko
ホクサㇰ メノコ §033.いいなずけ(許嫁)(15)hoku-sak menoko〔ho-kú-sak|me-nó-ko ホくサㇰ・メのコ〕⦅ホロべツ⦆【雅】許嫁の夫のない女。[hoku(夫)+sak(を持たぬ)+menoko(女)]。"a-turesi utar, somo ka hoku-sak menoko utar eci-ne ruwe ka somo tapan na. ikanepeka rit-us kane okay-pe utar eci-nukar ko, orun eci-itak na! eci-mina na!"「我が妹たちよ、決して許嫁の夫の無い女たちで汝らはあるのでないのだよ。ゆめゆめ筋ばっている者ども(=男たち)を汝ら見ても、それへ汝ら物言いかけるのではないよ!汝ら笑いかけるのではないよ!」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
homanno
ホマンノ 【副】[hamar-no ぼんやりとかすかである・(副詞形成)] うす(淡)く、 かすかに。 homanno ku=nukar ホマンノ クヌカㇻ 私にはうすく/ぼんやりと見える。 ku=sapa sirka ta k=ánu kor homanno hotuypa haw ku=nu クサパ シㇼカ タ カヌ コㇿ ホマンノ ホトゥイパ ハウ クヌ(私が)頭を地面につけるとかすかに人の呼び声が聞こえる。(S) {E: lightly; thinly; weakly; faintly.} (出典:田村、方言:沙流)
honene
ホネネ 【自動】[ho-nene 尻を・(?)] 回る、 向きがかわる。 {E: to turn; change directions.} (出典:田村、方言:沙流)
honne
ホンネ 【自動】たるんでいる。 honne na, neno turi wa anu ホンネ ナ、 トゥネノ トゥリ ワ アヌ たるんでいるよ、 きちっと張っておきなさい (S) ☆対語 ne トゥネ ピンと張っている。 {E: to be loose; slack.} (出典:田村、方言:沙流)
honnere
ホンネレ 【他動】[honne-re たるむ・させる] …をたるませる。 eytasa ne na, ikiya tuy na, ponno honnere エイタサ トゥネ ナ、 イキヤ トゥイ ナ、 ポンノ ホンネレ あまりピンと張っているから、 切れるといけないから少したるませなさい。(S) ☞honne ホンネ {E: to loosen, slacken…} (出典:田村、方言:沙流)
honoyse
ホノイセ 【自動】[honoy-se (擬音?)・と言う](犬、 猫が)うなる、 「虎やライオンやヒョウはいないが、 いれば彼らのうなるのもこう言う」。(S) saraha asi kane seturu púse kane honoyse kor an サラハ アシ カネ セトゥル プセ カネ ホノイセ コラン (ネコが)尾を立てて背中をふくらませてうなっている。(S) {E: (for a dog, cat) to growl, snarl.} (出典:田村、方言:沙流)
hopuni
ホプニ 【自動】[単](複は hopunpa ホプンパ)[ho-puni 尻・を持ち上げる] 起きる、 起き上がる、 立ち上がる、 飛ぶ。 nisattane nasno hopuni=an wa ニサッタネ トゥナㇱノ ホプニアン ワ 明日は早く起きて。(NK民話) néa a=aréramiskari okkaypo ka hopuni híne horippa eyorot ネア アアレラミㇱカリ オッカイポ カ ホプニ ヒネ ホリッパ エヨロッ その全く見知らぬ若い男も立ち上がって踊りの輪に加わった。(W民話) too hopuni híne orano uni pakno ek híne uni soyke ta turse híne トオ ホプニ ヒネ オラノ ウニ パㇰノ エㇰ ヒネ ウニ ソイケ タ トゥㇽセ ヒネ ずうっと遠く飛んで彼の家まで来て家の前に落ちて。(S民話) ☆対語 a ア 座る。 hotke ホッケ 寝る(横たわる、 寝床に入る)。 ☆参考 mos モㇱ 目をさます。 ☆参考 まだ寝ないで起きていることを言うには a ア が使われる。 hopuni ホプニ は寝ていた(横になっていた)人が起き上がることや座っていた人が立ち上がることを言う。 鳥や飛行機などの場合は、 飛び立つことだけでなく飛行すること全体を言い、 自力で飛ぶものだけでなく飛ばされて飛ぶものについても言う。 {E: to get up; fly; jump (up).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hopuntektek
ホプンテㇰテㇰ 【自動】[hopun-tektek (hopuni の語基)飛ぶ・(接尾辞)瞬間に…する] パッと飛び立つ。 enureouskehe wa cikappo hopuntektek, kéramutuy エヌレオウㇱケヘ ワ チカッポ ホプンテㇰテㇰ、 ケラムトゥイ 私の足元から小鳥がパッと飛び立って私は驚いた。(S) (出典:田村、方言:沙流)
horawociwe
ホラウォチウェ 【自動】[ho-ra-w-o-ciw-e 尻・下・(母音の連続ををさけて挿入された音)・に・刺さる・(他動詞化)](=horaociwe ホラオチウェ) ①(雨や雪が)ザアーと落ちて(=降って)くる。 aptoruyanpe horawociwe アㇷ゚トルヤンペ ホラウォチウェ ものすごい雨が落ちて(=降って)きた。(S) upasruyanpe horawociwe ウパㇱルヤンペ ホラウォチウェ ものすごい雪が落ちて(=降って)きた。(S) ②(飛んで来た神などが)空から地上にサッと下りる。 kamuy menoko/cikarkar konci/anpa kane/pet tuyka ta/horawociwe カムイ メノコ/チカㇻカㇻ コンチ/アンパ カネ/ペッ トゥイカ タ/ホラウォチウェ 女神がししゅうした頭巾を手に持って川の岸辺にサッと下りて来た。(Sユーカラ語り) ☆発音 時により horaociwe ホラオチウェ とも horawociwe ホラウォチウェ とも発音される。 {E: ①to rain, snow heavily. ②(for a god etc.) to suddenly descend to earth from the skies.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
horipipa
ホリピパ 【自動】[複](単は horipi ホリピ)(二人以上が皆で)踊る。 sir okari niwen horipipa kor トゥシㇼ オカリ ニウェン ホリピパ コㇿ お墓のまわりを回りながら神を叱りつける踊りをして。(KH民話) ☆参考 通常 horipi ホリピ の複数形としては horippa ホリッパ が使われる。 {E: to dance.(pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
horokewpo
ホロケウポ §006.若者;青少年(15)horokewpo〔ho-ró-keŭ-po ホろナウポ〕⦅シラウラ【tu-itak(昔話)の中にだけ用いる】若者。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
horokeypo
ホロケイポ §006.若者;青少年(16)horokeypo〔ho-ró-keǐ-po ホろケイポ〕⦅マオカ⦆【tu-itak(昔話)の中にだけ用いる】若者。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
hos
ホㇱ 【名】きゃはん ☆参考 雅語では kinatuyehos キナトゥイェホㇱ。 ☆参考 tekunpe テクンペ 手甲。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hosari
ホサリ 【自動】[単](複は hosarpa ホサㇻパ)[ho-sari 尻・を(?)]振り返る、 振り向く、 向き直る。 {E: to look back; turn around.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hóse 2
ホセ 【他動】(木)を伐(き)る。 ☆参考 立ち木を伐採(ばっさい)することを言う。 すでに倒して運んで来た木をまき(薪)にするために短く切ることは tuye トゥイェ。 nítuye ニトゥイェ 木(まき)を切る。 {E: to fell, cut down (a tree.).} (出典:田村、方言:沙流)
hosipi
ホシピ 【自動】[単](複は hosippa ホシッパ)[ho-sipi 尻を・(?)] 帰る、 引き返す、 もどる。 ☆参考 訪問先を辞して自宅へ向かうとき ku=hosipi na クホシピ ナ《私は帰りますから》と言う話者と k=arpa na カㇻパ ナ《私は行きますから》と言う話者とある。 ☆参考 yaykohosipi ヤイコホシピ 忘れ物でもしてちょっともどる。 {E: to return; go back.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hosipimoyre
ホシピモイレ 【自動】[hosipi-moyre もどる・遅くなる] 帰るのが遅くなる。 {E: to return late.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hosipire
ホシピレ 【他動】[単](複は hosippare ホシッパレ)[hosipi-re もどる[単]・させる](一人/一つ)をもどす、 (借りたもの)を返す、 (人)を帰らせる。 {E: to return…; make…go home.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hosippa
ホシッパ 【自動】[複](単は hosipi ホシピ) (二人以上が)帰る、 もどる。 hosippa hike hosippa, a=ronnu hike a=ronnu ホシッパ ヒケ ホシッパ、 アロンヌ ヒケ アロンヌ (逃げて)村へ帰る者は帰り、 殺される者は殺された(=帰った人も殺された人もいた)。(W言い伝え) {E: to return…; make…go home. (pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hot 1
ホッ 【名/間投】[数詞]二十。(数えるときの言い方。)tu hot トゥ ホッ 二つの二十=四十。 re hot レ ホッ 三つの二十=六十。 ☆参考 hotne ホッネ 二十の。 {E: twenty.} (出典:田村、方言:沙流)
hotasnu
ホタㇱヌ 【自動】(…のことは)不安である、 非常な危険を感じる。 nociw tup uhewe uhewe pekor, a=nukár siri anakne, hotasnu=an hi kusu ノチウ トゥㇷ゚ ウヘウェ ウヘウェ ペコㇿ、 アヌカㇻ シリ アナㇰネ、 ホタㇱヌアニ クス 星が二つ交互に上がったり下がったりしているように見えるのは、 覚悟を決めなければならないほど危険なことなので(語り手訳)。(HC民話) hemanta etoko yaykar kusu ene nísapno síttoyárekurok a p ora ene kunne nociw ka a=nukár ruwe anakne, hotasnu kewtum koohana ne yakka ku=yaykorpare ヘマンタ エトコ ヤイカㇻ クス エネ ニサㇷ゚ノ シットヤレクロㇰ アㇷ゚ オラ エネ クンネ ノチウ カ アヌカン ルウェ アナㇰネ、 ホタㇱヌ ケウトゥㇺ コオハナ ネ ヤッカ クヤイコㇿパレ 何の前兆なのか、 急にまっ暗になり夜の星まで見えるのは、 心配で気がかりな気持ちを、 私のようなものでも抱(いだ)いた。(W会話) {E: to be uneasy; have something on one's mind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
humi 2
フミ 【形名】[名詞化辞](動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。 音や、 視覚以外の感覚、 感じ、 思いなどに関して用いられる。)…する/した/している音/感じ/気配/のよう。 …humi ne フミ ネ …のする音/感じ/気配/ようである。 humi an フミ アン …のようだ/…のか(なあ)。 hńta ninpa wa arpa humi an? フンタ ニンパ ワ アㇻパ フミ アン? 何を引きずって行く音だろうか。 a=ewémkoani mokko ninpa wa arpa humi un アエウェㇺコアニ モッコ ニンパ ワ アㇻパ フミ ウン たんかを引きずって行く音だよ。 ku=sikpake inteo yan humi an クシㇰパケ インテオ ヤン フミ アン 私の目頭に目やにがあがったようだ。 …humi! フミ!…なあ(感嘆)。 méan humi! メアン フミ! 寒いなあ。 tanpane anak a=tura rusuy humi! タンパネ アナㇰ アトゥラ ルスイ フミ! 今年こそは一緒に行きたいなあ。(S民話) wátaha irammakaka puspuske wa a=mi humi pirka ワタハ イランマカカ プㇱプㇱケ ワ アミ フミ ピㇼカ ふとんの綿が具合よくふくらんで掛けるのに気持ちがいい。(S) humi ka isam フミ カ イサㇺ …したような感じが全然しない、 ちっとも…しない。 sirmeman humi ka isam シㇼメマン フミ カ イサㇺ ちっとも涼しくなったようでもない。(W) k=éramasu humi ka isam ケラマス フミ カ イサㇺ 私はちっともおもしろくない。(S) tópenpe poronno a=o yakka tópen humi ka isam no runnu hi patek ne トペンペ ポロンノ アオ ヤッカ トペン フミ カ イサㇺ ノ ルンヌ ヒ パテㇰ ネ 甘いもの(砂糖)をたくさん入れても甘みが感じられないで、 しょっぱいだけだ。 ☆参考 あとに hi ヒ はつかない、 つまり humihi フミヒ とはならない。 ☆参考 humi フミ [名][所]《音、 感じ》については ☞humi(hi) フミ(ヒ) ☆参考 同様の機能を持つ形式名詞が数個あり、 それぞれ用法が違う。 ☞ruwe ルウェ {E: the sound, sense, feeling of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
humkuspare
フㇺクㇱパレ 【他動】[hum-kus-pa-re 音・…を通る・(複)・させる][雅] kasi humkuspare カシ フㇺクㇱパレ [雅] …に音を鳴り響かせる。 tu repun mosir/mosirso kasi/humkuspare トゥ レプン モシㇼ/モシㇼソ カシ/フㇺクㇱパレ [雅] いくつもの沖の島(外国)の地面の上に音を鳴り響かせます。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
humne
フㇺネ 【副】ときには。 e=sitapkaani wa e=ek, humne e=sapa mekka ta e=yanke wa e=ek エシタㇷ゚カアニ ワ エエㇰ、 フㇺネ エサパ メッカ タ エヤンケ ワ エエㇰ あなたは(荷物を)肩にかついで来た、 ときには頭の上にのせて来た。(S) humne… humne… フㇺネ…フㇺネ… ときには…ときには…、 …したり…したりする。 apa rérasuye wa humne apa makke humne apa as kor an アパ レラスイェ ワ フㇺネ アパ マッケ フㇺネ アパ アㇱ コㇿ アン ドアが風にゆすぶられてあいたりしまったりしている。(S) humne tu cup re cup an, humne sine pa an wa arpa フㇺネ トゥ チュㇷ゚ レ チュㇷ゚ アン、 フㇺネ シネ パ アン ワ アㇻパ (彼は)ときには二、 三ヵ月滞在し、 ときには一年滞在して(帰って)行った。(W民話) humne an kor フㇺネ アン コㇿ ときどきは。 humne an kor peray=an wa ceppokoyki=an wa フㇺネ アン コㇿ ペラヤン ワ チェッポコイキアン ワ ときには釣りをして小魚をとって。(W民話) humne humne フㇺネ フㇺネ ときどき、 ときにより。 humne humne ek ranke フㇺネ フㇺネ エㇰ ランケ ときどき来る。(S) humne humne an pe ka ye sunke ka ye フㇺネ フㇺネ アン ペ カ イェ スンケ カ イェ ときにより本当のことも言うしうそも言う。(S) {E: occasionally.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hunara
フナラ 【他動】…をさがす(ものを、 人を)、 (素性)を探る。 tu moto orke hunara kor as wa an トゥ モト オㇿケ フナラ コㇿ アㇱ ワ アン 彼は一生けんめい(相手の)素性を探りながら立っていた。(W民話) ☆参考 pa パ …を見つける。 turaynu トゥライヌ …を見つけない、 …が見つからない。 {E: to search, look for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hunpepa
フンペパ 【名】[hunpe-pa クジラ・頭][動物]クジラの頭(ウポポ(斉唱・輪唱する歌謡)の中で使われている)。 hunpepa wa/ku=tukan フンペパ ワ/クトゥカン クジラの頭から殺していけ。(Sウポポ) {E: the head of a whale.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hureecinke
フレエチンケ §420 カメ (6) hure-ecinke (hú-re-e-čin-ke)「ふレエチンケ」[<赤い・亀] ⦅室蘭、幌別、白老⦆アカウミガメ E. ‘red turtle’, Caretta olivancea. (出典:知里動物編、方言:)
hussa
フッサ 【副/名】[擬音](病人の治療のためにフツフツと息を吹きかける時の擬音、 またその行為。) hussa tura フッサ トゥラ フッフッと息を吹きかけながら。(W会話) hussa hussa iki フッサ フッサ イキ フッフッと息を吹きかける。 aynu nupur wa kus tasta hussa hussa ikipa kor oraun siknupa nek! アイヌ ヌプㇽ ワ クㇱ タㇱタ フッサ フッサ イキパ コㇿ オラウン シㇰヌパ ネㇰ! 人間は霊力がすぐれているから(死んでも)フツフツと息を吹きかければ生き返るのさ。(KK掛け合い歌)の最後の語りの部分 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
i- 4
イ 【接頭】[< 人接 i=] ①[人接 i= イ 5 の ④の用法](他動詞・後置副詞・位置名詞など、 目的語を取る語に接頭して、 その目的語の代りになる。 したがって、 目的語を一つ取る他動詞にこれが接頭すると自動詞になり、 目的語を二つ取る他動詞すなわち複他動詞にこれが接頭すると、 目的語を一つだけ取る他動詞すなわち単他動詞になる。 この種の接頭辞には他に u- ウ《互い》、 yay- ヤイ《自分》、 si- シ《自分》がある。)一般に人を/に/の、 ものを/に/の。 tura トゥラ …と同行する;itura イトゥラ 人と同行する。 huraye フライェ …を洗う;ihuraye イフライェ ものを洗う、 洗いもの(洗濯)をする。 ②(語によって、 特殊な意味にきまっている場合もある。) ku ク …を飲む;iku イク 酒類を飲む。 omap オマㇷ゚ …をかわいがる; iyomap イヨマㇷ゚ [< i-omap]子どもをかわいがる。 ③(普通名詞に接頭して)一般的に人の…(普通名詞は通常目的語を取らないが、 限られた決まった語で普通名詞にこの i- イ が接頭してつくられているものがある。 だいたい身体部分の名称と親族名称で、 所属形の場合が多いが、 一つの名詞として固まった語や、 さらに他の要素がついた派生語の中では、 概念形も現れる)。 maci(hi) マチ(ヒ) …の妻; imaci(hi) イマチ(ヒ) 人の妻、 妻のほう。 nay ナイ 沢;inay イナイ [概]/inaye イナイェ [所]尻の割れ目(尻たぶの間)。 ④(i-の接頭した名詞が何かあるものを所属の対象とする名詞として固まっている場合もある。) ruwe(he) ルウェ(ヘ) …の通った跡;iruwe(he) イルウェ(ヘ) 熊の足跡。 sapa サパ 頭;isapakikni イサパキㇰニ 鮭の頭をたたく木の棒 ⑤(その他の決まった語構成)i-…-ne ネ (「…」のところに親族名称の概念形が入る。 これまでの用例ではいつも連体的に使われている。) mátak マタㇰ 妹;imatakne イマタㇰネ 人の妹である、 姉妹のうちの妹のほうの。 ☆参考 本辞典では原則として、 この i= イ を切り離さず、 これの接頭した語全体を見出しに出してあるので、 i イ で始まる諸項目の中で分析表示の中に i- イ とあり「人」「もの」の訳のついているものを参照。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
i=kohopuni
トゥルㇱキンラネ イコホプニ 【turas-kinrane i=ko-hopuni】 意識もうろうとして私に起きた. ▷トゥルㇱ=垢がつく キンラ=猛り立つ ネ=なる イ=私 コ=それ ホプニ=起きる[ユ](補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
ica
イチャ 【自動】[i-ca もの・を切り取る]ヒエの穂摘みをする。(S) ☆参考 昔は根元から刈らず貝がらを使って穂摘みをした。 ☆参考 otuye オトゥイェ …を根元から刈る。 (出典:田村、方言:沙流)
icak a
イチャㇰ ア 【間投】[< i-cak a 人を・不快にする(?)・(感嘆の助詞)]きたならしいなあ(不快な感情を込めて言う)。 icak aː! e=etuhu wen ruwe! イチャㇰ アー! エエトゥフ ウェン ルウェ! ああきたないなあ、 あなたの鼻ひどいねえ(子どもに)。(S) icak a, ene okay pe ka ene haweoka hi イチャㇰ ア、 エネ オカイ ペ カ エネ ハウェオカ ヒ 「あったらこっきたないやつらでも」(=あんな汚らしいやつらでも)そんなことを言ったのか(「心が汚いので顔が汚いように言う」)。(S) ☆参考 続けて icaka イチャカ とも言う。 (出典:田村、方言:沙流)
icen 2
イチェン 【名】(お金の単位、 円の百分の一)…銭。 tu ícen トゥ イチェン 二銭。 ☆参考 接尾辞と見ることもできるが、 読みやすさのために離して書く。 ☆参考 一銭だけは、 この接尾辞を使わず、 sine pónicen シネ ポニチェン と言う。 ☆参考 …円は iciriyo イチリヨ。 {E: a unit of money with the value of 0.01 yen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
icicikan
イチチカン 【名】[< 日本語 いちじかん(一時間)](時間の単位)…時間。 sine icicikan シネ イチチカン 一時間。 tu ícicikan トゥ イチチカン 二時間。 ☆参考 ただし henpak cikan ヘンパㇰ チカン 何時間。 ☆参考 接尾辞と見ることもできるが、 読みやすさのために離して書く。 {E: a unit of time: one hour.} (出典:田村、方言:沙流)
ihoma
イホマ 【自動】(次の慣用表現の中で)かわいそうに思う。 ihoma kewtum/a=yaykorpare イホマ ケウトゥㇺ/アヤイコㇿパレ [雅]私はああかわいそうだなあと思いました。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikaanun
イカアヌン 【副】(文末に na ナを置いて)ikaanun…na イカアヌン…ナ ひょっとして…ではないか。 a=yuputari ikaanun nen ka haweoka híne menokopo utar inani ka siren na tura na アユプタリ イカアヌン ネン カ ハウェオカ ヒネ メノコポ ウタㇻ イナニ カ シレン ナ トゥラ ナ 私の兄たちがひょっとして何とか言って娘たちのだれかをさそわないかな、 連れて行かないかな。(NK民話) ☆参考 話者は二風谷の人。 下流のワテケさん、 サダモさんは ikiyaun イキヤウン と言う。 {E: could it be that…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
íkapet
イカペッ 【名】[íka-pet 近道する・川] 近道する川(蛇行している川の堤防が切れてまっすぐに行くようになったときにそれを言う)。 asinno toska tuy wa íkapet ne an アシンノ トㇱカ トゥイ ワ イカペッ ネ アン 新らしく堤防が切れて近道する川(=直流する川)になった。 {E: a river short-cut.} (出典:田村、方言:沙流)
ikema
イケマ 【名】[植物] イケマ。 ☆参考 根はサツマイモのような色で長いのはゴボウのようで50センチもあり太いのは直径5センチもある。 葉は直径1センチくらいのつるになる。 つるは1本だけで長いつるの節々に白い花が咲き、 そのあとに実がなる。 この植物の根をイケマと言う。 根は甘くちょっと苦みがある。 あまり食べると酔って(hoski ホㇱキ)しばらく死ぬ。 そうしたら体中をつねりながら「ikema イケマ、 motoho モトホ《素性》をお言い、 あなたは人間を守るためにここへおろされたので人間を殺すためではない、 生かせ生かせ」と言って ikema イケマ を叱る。 そうすれば生き返る。 また「魔物」(=悪神)を追い払うためにはこの根を口に含んでフツと吹き出す。 そうすればどんな「魔物」(=悪神)でも逃散する。(S)〔知分類 p.41 イケマ〕 {E: the name of a plant, something like a burdock root. (cynanchum caudatum, maxim (B.)).} (出典:田村、方言:沙流)
ikemnu
イケㇺヌ 【自動】[i-kemnu 人・を気の毒に思う] 気の毒に思う、 かわいそうに思う、 気の毒な。 cis tura ikemnu=an kor oka=an チㇱ トゥラ イケㇺヌアン コㇿ オカアン 私たちは泣きながら(=涙が出るほど)気の毒に思っている。(W会話) ikemnu isoytak イケㇺヌ イソイタㇰ 気の毒な話。(W民話) {E: to feel sorry for.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikineypeka
イキネイペカ 【副】[iki-ney-péka どんな…でも・どこ・で](?) [雅](禁止の言い方の一つ。)けっして(…してはいけない)。 síno utarpa/ikineypeka/tumuan kewtum/i=kokor kuni p/somo tapan na シノ ウタㇻパ/イキネイペカ/トゥムアン ケウトゥㇺ/イココㇿ クニㇷ゚/ソモ タパン ナ [雅]まことの強者はけっして憤慨して私に敵意を持つのではありませんよ。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikiyaun
イキヤウン 【副】[< iki-ya-un ものごとをする・かどうか・(判断の助詞)](動詞のあとに助詞 wa ワ を伴って) ikiyaun…wa イキヤウン…ワ もしかすると…するのではないだろうか。 ikiyaun nasno e=ek wa sekor ku=raman イキヤウン トゥナㇱノ エエㇰ ワ セコㇿ クラマン もしかするとあなたが早く来るかもしれないなと私は思った。(W会話) ☆参考 沙流川下流の人が言う。 中流の人は ikaanun イカアヌン と言う。 {E: if…happens, maybe…will occur.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikoahun
イコアフン 【自動】[単](複は ikoahup イコアフㇷ゚)[i-ko-ahun もの・に向かって・入る] あぶないところへ思い切って入る。 pon pewrep oka noyne haw as na ikoahun wa uk wa ek ポン ペウレㇷ゚ オカ ノイネ ハウ アㇱ ナ イコアフンマ ウㇰ ワ エㇰ 小さい子熊がいるらしい声がするから入って取って来なさい。(S) {E: to resolve oneself to enter a dangerous place or situation.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikoahup
イコアフㇷ゚ 【自動】[複](単は ikoahun イコアフン)[i-ko-ahup もの・に・入る[複]](二人以上が)あぶないところへ思い切って入る。 {E: to resolve oneself to enter a dangerous place or situation. (pl.)} (出典:田村、方言:沙流)
ikoiyomap/ikoyyomap
イコイヨマㇷ゚ 【自動】[i-ko-i-omap 人・に向かって・人・をかわいがる] 人の子をかわいがる。(用例の文脈では)夫と他の妻との間にできた子どもを本妻がかわいがる。 nen ka ponmat etun wa i=kore yak ikoiyomap=an na ネン カ ポンマッ エトゥン マ イコレ ヤㇰ イコイヨマㇷ゚アン ナ だれかもう一人の妻(「めかけ」)を迎えてくだされば私はその子どもをかわいがりますから(と妻は言った)。(W民話) {E: to love, show affection to another person's children.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikokka
イコッカ 【自動(?)/名】①おどかす。 ②あの格好(かっこう)(=katuhu an カトゥフ アン)。 ikokka néno an イコッカ ネノ アン 「あのざま」(汚いもののこと)。 {E: ①to threaten; frighten (v.). ②that form, appearance (n.).} (出典:田村、方言:沙流)
ikupasuy
イクパスイ 【名】[iku-pasuy 酒を飲む・箸] 奉酒箸、 献酒箸(神に酒を献ずるために使う木製品。 箸とは言っても二本の棒ではなく一本のへら。 幅3センチ前後、 長さ30センチ前後。 背部には彫刻がしてある。 先端はややとがり気味で薄く舌状に削られ、 後部は丸味を帯びる。 右手にこれを持ち、 左手の酒杯(ki トゥキ)の中の酒に先端を入れ、 ついた酒のしずくを神にふりかけながら祈りの言葉を言う。 その後飲むときにこのへらで口ひげを持ち上げているように見られたことから、 日本語では「ひげべら」と呼ばれたこともある)。 ☆参考 kipasuy トゥキパスイ とも言う。 ☆参考 ipepasuy イペパスイ ものを食べるのに使う箸。 ☞pasuy パスイ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikuso
イクソ 【名】[iku-so 酒を飲む・席] 酒宴の席(酒宴を催すために敷くござ、 またそのござの敷かれた席)。 ikuso situri イクソ シトゥリ 酒席がのべられた(ござが敷かれた)。(W言い伝え) {E: seat, place at a banquet.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ikuspe
イクㇱペ 【名】柱、 杭(家を支えるものも、 外で柵や物や棒を支えるものも)。 osiso un ror wa sikkew or un ikuspe オシソ ウン ロㇿ ワ シッケウ オルン イクㇱペ 家の右座の上座の(東北の)隅の柱。 oharkiso un ror wa sikkew ikuspe オハㇻキソ ウン ロㇿ ワ シッケウ イクㇱペ 左座の上座の(東南の)隅の柱。 oharkiso un útur wa sikkew ikuspe オハㇻキソ ウン ウトゥㇽ ワ シッケウ イクㇱペ 左座の下座の(西南の)隅の柱。 osiso un útur wa sikkew ikuspe オシソ ウン ウトゥㇽ ワ シッケウ イクㇱペ 右座の下座の(西北の)隅の柱。 osiso un apasam un ikuspe オシソ ウン アパサムン イクㇱペ 右座側の出入口脇の柱。 uhuy ikuspe ウフイ イクㇱペ 「焼けぼっくい」=焼け跡に立っている木の棒(柱の焼けたもの等)。 ☆参考 「家のあちこちがくさっても四隅の柱だけは残ると言う。 punkaw プンカウ《「トスナラ」=ハシドイ》という木でつくる。 この木はくさらない。 外側がくさっても芯が残って針金のようになって立っている。」 (S) {E: a post; a pillar.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
imakake(he)
イマカケ(ヘ) 【位名】[所](概は imak イマㇰ) ①その向こう、 それより向こう、 その後ろ。 en=imakake ta an a wa エニマカケ タ アナ ワ 私よりもっと向こうにあったよ。(S) porke imakake a=osíraye kor ポㇿケ イマカケ アオシライェ コㇿ 堀割の向こう側に私たちが着いたとき。(HK民話) ②その後。 sukup kur anakne otu sukup ne ore sukup ne sukup yakka imakakehe eyayriko uske okay pe ne na スクㇷ゚ クㇽ アナㇰネ オトゥ スクㇷ゚ ネ オレ スクㇷ゚ ネ スクㇷ゚ ヤッカ イマカケヘ エヤイリコ ウㇱケ オカイ ペ ネ ナ 若い人というものはいろいろ浮き沈みがあって成長し、 後にまた良くなるときがあるものだよ。(S) imakake(he) ta イマカケ(ヘ) タ そのあとで、 後になって。 {E: ①over there; behind that. ②after; later on.} (出典:田村、方言:沙流)
inaw
イナウ 【名】イナウ、 木幣(木を削ってつくった御幣)。 ☆参考 大別して次の三種類がある。 kike-parse inaw キケ パㇻセ イナウ 削り花がフワッと広がっている木幣。 kike-cinoye inaw キケ チノイェ イナウ 削り花がよってある木幣。 céhorkakep チェホㇿカケㇷ゚ 逆方向から(つまり上の方から下へ向けて)削るので削り花が上向きにちぢれる木幣。 {E: wittled pieces of willow etc. which are stuck in the ground as offerings to the gods (B.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
íne 1
イネ 【自動】①どうだ、 どうした、 どうなった。 ne seta íne? ネ セタ イネ? その犬はどうした/どうなった。(KK掛け合い歌) k=éninuype íne un? ケニヌイペ イネ ウン? 私の枕どうしたんだろう(見当たらない)。(S) cisekorkur íne? チセコㇿクㇽ イネ? ご主人は? (S) ②(間投詞的に)どら。 íne, e=tapsutu ku=tenpatenpa na イネ、 エタㇷ゚ストゥ クテンパテンパ ナ どら、 肩をもんであげるから。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inerokpe
イネロㇰペ 【名】[複](単は ineap イネアㇷ゚)[íne-rok-pe どうである・…した[複]・もの] ①(多くの場合次のような慣用表現で) なんとまあ…。 inerokpe (kus(u)) …ya ka eramiskari イネロㇰペ (クㇱ/クス) …ヤ カ エラミㇱカリ なんとまあ見たことも聞いたこともないほど/びっくりするほど…だ(感嘆の表現)。 inerokpe kusu, onne p iki korka siretokkorpa ruwe oka ya ka a=erámiskari イネロㇰペ クス、 オンネㇷ゚ イキ コㇿカ シレトッコㇿパ ルウェ オカ ヤ カ アエラミㇱカリ なんとまあ、 年老いてはいるけれど二人ともそれはそれはびっくりするくらい美しい方々でした。(W神謡語り) ②[雅](後に ya ka eramiskari ヤ カ エラミㇱカリ を使わずに) inerokpe kus/pet iwor kasi/komaknatara イネロㇰペ クㇱ/ペッ イウォㇿ カシ/コマㇰナタラ [雅]なんとまあ川ぞいの景色が美しく開けている。(Sユーカラ) iresu sápo/inerokpe kus/i=eoripak pe/i=tukarike/kosikerana/atte kane イレス サポ/イネロㇰペ クㇱ/イエオリパㇰ ペ/イトゥカリケ/コシケラナ/アッテ カネ [雅]育ての姉はなんとまあ私に畏れてかしこまり私をまともに見ず目を下の方へ伏せている。(Sユーカラ) ☆参考 íne イネ《どうである》とはアクセントが違い、 第一音節の i イ が低く、 第二音節つまり ne ネ の部分が高く発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inkattomta
インカットㇺタ 【副】[inkar-tom-ta 見る・のまん中・で] 見てる間に。 urameturente wa nepkipa p ne kus inkattomta nispanepa ウラメトゥレンテ ワ ネㇷ゚キパㇷ゚ ネ クㇱ インカットㇺタ ニㇱパネパ (彼らは)心を一つにして働いたので見る見るうちに金持ちになった。(S) (出典:田村、方言:沙流)
inkus
インクㇱ 【自動】悪いことが起こることを察知/予知する、 悪い予感がする。 maratto an kor síran korka inkus utar oka ruwe ne, topattumi ek noyne iramuan ruwe ne マラット アン コㇿ シラン コㇿカ インクㇱ ウタㇻ オカ ルウェ ネ、 トパットゥミ エㇰ ノイネ イラムアン ルウェ ネ 酒宴が行われていたけれど、 予知する人たちがいて、 夜襲の群団が来るらしいとわかった。(W言い伝え) a=i=ráyke wa a=sapáha arerepasi arpa yakun, inkus=an pe ne ruwe ne na アイライケ ワ アサパハ アレレㇷ゚ アシ アㇻパ ヤクン、 インクサン ペ ネ ルウェ ネ ナ 私が殺されて私の首(=頭)がずうっと沖の方へ飛んで行ったら、 恐ろしいことの前兆ですからね。(W民話) {E: to have a premonition that something bad is going to happen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inoka
イノカ 【名】[i-noka 人/もの・絵/像] 人の絵、 肖像(絵も像も)。 poyson inoka ポイソン イノカ 幼い子どもの像(人形)。 ☆参考 昔は人形をつくらなかった。 肖像画もかかなかった。 {E: a picture, painting of someone; a portrait.} (出典:田村、方言:沙流)
inoma
イノマ 【名】宝物の中で、 主に宝刀・槍・弓矢。(S) epa=kor cási/kamuy inoma/a=sirare エパコッ チャシ/カムイ イノマ/アシトゥラレ [雅]私は私の城や神の所で持っていたものをすべて持って来ました。(Sユーカラ) ☆参考 inoma イノマ と発音しているが、 後に歌い手のサダモさん自身が inuma イヌマ が正しいと言って訂正した。 ☞inuma イヌマ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inu
イヌ 【自動】[i-nu ものを・聞く] ①聞く。 heru inu takup ne hawe ne ヘル イヌ タクㇷ゚ ネ ハウェ ネ ただ話に聞くだけだ。(W会話) itak=an ciki pirkano é=inu katu ene an hi イタカン チキ ピㇼカノ エイヌ カトゥ エネ アニ 私がいまから話をするからよくお聞きなさい。(W民話) inu=an akusu イヌアナクス(うわさに)聞いたところでは。(W民話) ②[補助動詞]…wa inu …ワ イヌ …してみる。 e wa inu エ ワ イヌ 食べてみなさい。 kopisi wa inu コピシ ワ イヌ 彼にきいて(たずねて)みなさい。 ☆発音 kú=inu クイヌ、 é=inu エイヌ は、 ku= ク と i イ、 e= エ と i イ が kuy クイ、 ey エイ という一音節の二重母音に発音する。 ☆参考 視覚は含まず、 聴覚、 触覚、 味覚、 嗅覚によること、 また心の中の考えや思い、 感じなどについて言う。 視覚に関することについては、 inu イヌ ではなく inkar インカㇻ を使う。 ☆参考 他動詞は nu ヌ …を聞く、 …が聞こえる。 {E: ①to hear; listen. ②to try (to)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iporo(ho)
イポロ(ホ) 【名】[所](概は ipor イポㇿ)…の顔色、 …の顔つき。 iporo anu イポロ アヌ[顔つき・を置く] 隠す(言うのが気の毒だから見て見ないふりをする)。 m iporo kurkus イポロ クㇽクㇱ (怒って)しぶい顔をしている。 iporo rirot イポロ リロッ 心の中のことが顔色に出る。 iporo siw イポロ シウ 苦い顔をしている、 いつも笑わない。 hńta e=ruska wa é=iporo siw ruwe ene an hi an? フンタ エルㇱカ ワ エイポロ シウ ルウェ エネ アニ アン? 何を怒ってそんなに苦い顔をしているの? (S) iporo tuyreko an イポロ トゥイレコ アン ムスッと(=ブスッと)している。(S) iporo uuk イポロ ウウㇰ (怒って)顔色を変える。 iporo wen イポロ ウェン 憤慨の色を表す。 mosma mosma ku=hawean akus ora iporo wen kusu an wa soyne モㇱマ モㇱマ クハウェアン アクㇱ オラ イポロ ウェン クス アン マ ソイネ 私が関係のないほかのことばかり言ったら彼はひどく憤慨した顔をして外へ出て行った。(S) ratcako iporo ラッチャコ イポロ ランプの燃えかた、 燈火の様子。 {E: the facial complexion, looks of…} (出典:田村、方言:沙流)
ipunipasuy
イプニパスイ 【名】[ipuni-pasuy お客に食べ物をあげる・箸] 取り箸、 菓子箸(客に食べ物を取ってあげる箸)。 ☞pasuy パスイ、 tumsikotpasuy トゥㇺシコッパスイ {E: serving chopsticks.} (出典:田村、方言:沙流)
iramkar
イラㇺカㇻ 【自動】[i-ramkar 人・を不愉快にさせる(?)][ram(u) kar の目的語不定人称形] 人のことを告げ口して怒らせてけんかさせる(=iyukoykire イユコイキレ)。(S) ☆参考 同じ話者が iramputputu イランプップトゥ にも同じ説明をしている。 ☞ram(u) kar ラㇺ/ラム カㇻ、 iramputputu イランプップトゥ、 iyukoykire イユコイキレ {E: to inform on someone; tell tales about someone} (出典:田村、方言:沙流)
iramkoyki
イラㇺコイキ 【自動】[i-ram-koyki 人の・心・をいじめる][ram(u) koyki の目的語不定人称形] 人をなぶる。 okamkir iramkoyki=an kusu paye=an katu ne オカㇺキㇼ イラㇺコイキアン クス パイェアン カトゥ ネ わざと人をなぶる(ばかにしてからかう)ために行ったわけだ。(NK民話) {E: to tease; harass.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
irammakaka
イランマカカ 【副】[i-ram-makaka 人の・心を・広々と開く] とても美しく、 とてもよく、 すてきに、 立派に、 いい具合に。 wátaha irammakaka puspuske ワタハ イランマカカ プㇱプㇱケ ふとんがとてもよくふくらんだ。(S) taan hekaci anak sunke ka somo ki, mosma kur néno etarka iki ka somo ki, hawean ka somo ki, irammakaka pirka oasi kuni hekaci ne noyne katu ku=nukar タアン ヘカチ アナㇰ スンケ カ ソモ キ、 モㇱマ クㇽ ネノ エタㇻカ イキ カ ソモ キ、 ハウェアン カ ソモ キ、 イランマカカ ピㇼカ オアシ クニ ヘカチ ネ ノイネ カトゥ クヌカㇻ この子はうそもつかない、 ほかの人のようにやたらなこともしもしない、 言いもしない、 立派に出世する子だろうと私は見込んでいる。(S) irammakaka an イランマカカ アン とても美しい、 すてきな、 立派な。 {E: beautifully; wonderfully; finely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iramno
イラㇺノ 【副】同時に、 一緒に。 iramno sirepa=as イラㇺノ シレパアㇱ 同時に/一緒に私たちは着いた。(S) yakun aoká ka iramno pay=an hike? ヤクン アオカ カ イラㇺノ パヤニケ? それなら私たちも一緒に行きましょうか(pay=an パヤン は paye=an パイェアン が早く発音されて縮まった形)。(S) ☆参考 uweirpak/uwerpak ウウェイㇼパㇰ/ウウェㇾパㇰ 同時に。 utura ウトゥラ 一緒に連れだって。 {E: together (with.); at the same time as.} (出典:田村、方言:沙流)
iri 2
イリ 【名】[概/所][< 日本語](着物の)衿(えり)。 iri etupsi イリ エトゥㇷ゚シ 衿先(衿の先端)。(W) ☆参考 えり首は oksut オㇰスッ。 {E: a collar.} (出典:田村、方言:沙流)
iriwah(k-i)
イリワㇵ §022.きょうだい(兄弟姉妹)(4)iriwah(k-i)〔i-rí-wah イ哩ワㇵ〕⦅カラフト⦆兄弟。tu-〜-ne-h「二人兄弟である者」「二人兄弟」⦅古謡, p.161⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
iroho
イロホ 【名】[所](概は iro イロ) …の色。 atuy iroho アトゥイ イロホ 海の色。 iroho pirka イロホ ピㇼカ 色がよい、 色が濃い。(W) iroho picitce イロホ ピチッチェ (着物などの)色があせた。(S) iroho eci イロホ エチ(他のものの)色がうつる。 {E: the colour of…} (出典:田村、方言:沙流)
irup
イルㇷ゚ 【名】[< i-ru-p もの(に)・とける・もの]でんぷん(澱粉)。 emo irup エモ イルㇷ゚ イモ(ジャガイモ)のでんぷん。 turep irup トゥレㇷ゚ イルㇷ゚ 「ウバイロ」(ウバユリ)のでんぷん。 eskerimrim irup エㇱケリㇺリㇺ イルㇷ゚ カタクリのでんぷん。 ☆参考 〔知分類 p.198 「i(< e そこに)-ru 溶ける-p もの」〕 {E: starch.} (出典:田村、方言:沙流)
irwakkor
イㇼワッコㇿ §022.きょうだい(兄弟姉妹)(10)irwak-kor〔ír-wak-kor いㇼワッコㇿ〕⦅ホロべツ⦆兄弟をもっている。tu〜「二人兄弟である」。re〜「三人兄弟である」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
irwakne
イㇼワㇰネ §022.きょうだい(兄弟姉妹)(2)irwakne〔ír-wak-ne いㇼワㇰネ〕⦅ホロベツ、サル⦆兄弟の関係にある。[ir(血続きの)u-ak-ne(たがいに・弟・である、互いに兄弟の関係にある)]。"tu〜"「二人兄弟である」⦅ホロべツ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
irwaknekur
イㇼワㇰネクㇽ §022.きょうだい(兄弟姉妹)(3)irwak-ne-kur〔ír-wak-ne-kur いㇼワㇰネクㇽ〕⦅サル、ホロベツ⦆兄弟。tu〜「二人兄弟」⦅ユ研Ⅱ, p.446⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
isam
イサㇺ 【自動】[否定動詞]ない、 いない、 存在しない、 なくなる(無くなる)、 亡くなる(死亡する)。 uweepakiun isam kor an ウウェエパキウン イサㇺ コㇿ アン だんだんなくなって(減って)いく。(S) ek isam エキサㇺ 来ていない。 na ek isam ナ エキサㇺ (彼は)まだ来ていない。 arsuyne ka kanpi ek isam アㇻスイネ カ カンピ エキサㇺ 1回も手紙が来ていない。 wa isam/híne isam ワ イサㇺ/ヒネ イサㇺ …して(無くなって)しまう。 ene…hi ka isam エネ…ヒ カ イサㇺ どう…しようもない。 ka isam カ イサㇺ …もない、 …は全然ない。 katu ka isam カトゥ カ イサㇺ …したようでもない、 ほとんど(めったに)…しない。 póka isam ポカ イサㇺ たった…さえもない。 oar isam オアㇻ イサㇺ 全然ない。 pak(no)…isam パㇰ(ノ)…イサㇺ それほど…の人(もの)はない(最も…な人/ものだ)。 ruwe ka isam ルウェ カ イサㇺ …したあと(形跡)もない。 ☆参考 対応する肯定動詞は an アン[単]/oka オカ[複]ある、 いる。 ☞an アン 1、 oka オカ 1 {E: to not exist; run out; die.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
isatkeki
イサッケキ 【名】[i-satke-ki もの・を乾かす・簀(す)]物干し簀。 ☆参考 síki シキ《ヨシ》の皮をむいて中の芯で編む。 目を細かくつくって na トゥナ《火棚》の上にのせておく。 そこにヒエ(piyapa ピヤパ)やアワ(munciro ムンチロ)をのせて乾かす。 ☆参考 aputki アプッキ はもっと目が粗く、 parpesni パㇻペㇱニ《縦の梁(はり)》の上に置いたり戸外に置いたりして魚や野草などを干すのに使う。(S) (出典:田村、方言:沙流)
isaykano
イサイカノ 【副】[isayka-no 簡単である・(副詞形成)]簡単に。 isaykano nasno a=kar nepki patek ku=ki rusuy イサイカノ トゥナㇱノ アカン ネㇷ゚キ パテㇰ クキ ルスイ 私は簡単に早くやる仕事ばかりしたい。(S) isaykano itak イサイカノ イタㇰ 簡単に言う(たくさんのことでも少ない言葉でわかりやすく言う)。(S) {E: simply; easily.} (出典:田村、方言:沙流)
isinere
イシネレ 【自動】[i-si-ne-re もの・自分・なる・させる] ばける(キツネや熊などが)。 {E: to turn into, disguise oneself as a fox, bear etc.} (出典:田村、方言:沙流)
isitayki
イシタイキ 【自動】[i-sitayki もの・をたたく] 布を織る、 機織りする、 厚司などを織る。(W) ☆参考 attuskar アットゥㇱカㇻ 厚司をつくる。 itese イテセ ござの類を編む。 {E: to weave cloth, “attush.”} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itak 2
イタㇰ 【名】①言葉。 itak ipehe イタㇰ イペヘ/イタキペヘ ☞itakipehe イタキペヘ。 anun itak アヌン イタㇰ/アヌニタㇰ よその(他地方の)言葉。 aynu itak アイヌ イタㇰ アイヌ語。 sísam itak シサㇺ イタㇰ/シサミタㇰ 日本語。 a=kor itak アコリタㇰ 私たち(あなたも私も)の言葉(アイヌ民族同士で言うときアイヌ語を指す)。 ci=kor itak チコリタㇰ(あなたのではなく)私たちの言葉(他民族、 たとえば和人に言う場合にアイヌ語を指す)。 ②(動詞句のあとで) tuyka itak omare トゥイカ イタㇰ オマレ [雅](直訳すると)…の上に言葉をのせる=…しながら言葉を言う。(☞itako イタコ) {E: words.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itako
イタコ 【他動】[itak-o 言葉を・そこに置く](そこ)に言葉を置く/入れる。(次の慣用表現で) kurka(sike) itako クㇽカ/クㇽカシケ イタコ [雅](その)上に言葉を置く=(そう)しながら話す、 言葉を言う。 ranke núpe/uturatura/kurkasike/itako hawe/ene oka hi ランケ ヌペ/ウトゥラトゥラ/クㇽカシケ/イタコ ハウェ/エネ オカ ヒ [雅]落ちる涙がとめどなく流れ、 そうしながら言った言葉は次のよう。(W神謡語り) {E: to speak of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
itasa
イタサ 【自動/副】[単](複は itaspa イタㇱパ)[i-tasa 人・と交代する] ①[自動]交代する。 ②[副]交代して。 itasa itak イタサ イタㇰ 答える、 応答する(相手が言った言葉を聞いて交代してしゃべることを言う。 ☆参考 呼ばれて答えることは hóse ホセ《ホーと言う》と言う)。 {E: ①to take turns; alternate with. ②in turns; alternately} (出典:田村、方言:沙流)
itaspa
イタㇱパ 【自動/副】①[自動][複](単は itasa イタサ) 交代する。 ②[副]お返しに、 交代して。 {E: ①to take turns; alternate ②in return.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ittone
イットネ 【副】[itto-ne 一日・として] 日帰りで。 nisatta ittone Sirawoy un k=arpa wa k=ek kusu ne ニサッタ イットネ シラウォユン カㇻパ ワ ケㇰ クス ネ 明日私は日帰りで白老へ行って来る。(S) {E: a day trip; to go and return in one day.} (出典:田村、方言:沙流)
iwak
イワㇰ 【自動】①(山仕事や畑の仕事から)帰る、 帰宅する。 ②(神が)住む。 ☆参考 旅行や訪問などから帰ることは hosipi ホシピ [単]/hosippa ホシッパ [複]。 {E: to go home; return (from work).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iwakpa
イワㇰパ 【自動】[複](iwak イワㇰ は単複の区別なし)(二人以上が皆)(山や畑の仕事から)帰る。 {E: to go home; return (from work in the mountains or fields) (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iwakte
イワㇰテ 【他動】[iwak-te 帰宅する・させる]…を神の国に送る、 …をとむらう。 cis turano a=utáripo a=iwákte チㇱ トゥラノ アウタリポ アイワㇰテ 私は泣きながら私の死んだ村人たちをとむらった。(HK民話) {E: to mourn…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iwaysuy
イワイスイ 【副】[iwan-suy] 六回、 何回も何回も。 ☆参考 tunoiwaysuy トゥノイワイスイ (韻文で)何回も何回も。 ☆参考 -suy スイ《…回》は接尾辞だが、 視覚的に読みやすいように、 しばしば離して iwan suy イワン スイ と書いてある。 ☞iwan イワン {E: six items.} (出典:田村、方言:沙流)
iwo-íkonpap
イウォイコンパㇷ゚ 【名】[i-wo-ikonpap もの・の長さを(手の指を広げ伸ばして)計る・虫] 尺取り虫(sine wo, tu wo シネ ウォ、 トゥ ウォ と数えるように進むから)。(W) ☞wo ウォ {E: a looper inchworm.} (出典:田村、方言:沙流)
iwor 1
イウォㇿ 【名】尾根と尾根の間の比較的平らな部分、 山の谷間(たにあい)(熊狩りなどをする所、 狩場)、 山奥。 iwor íka イウォㇿ イカ 山(谷あい、 狩場)を越えて(行く)。 ayop tapika a=mut wa iwor or ta apkas=an アヨㇷ゚ タピカ アムッ ワ イウォロッタ アㇷ゚カㇱアン 私は矢入れ袋を肩から下げて山歩きをした(山の狩場を歩いた)。(HK民話) iramante kusu tuyma iwor or ta kucacise ku=kar wa oro ta k=an イラマンテ クス トゥイマ イウォロッタ クチャチセ クカㇻ ワ オロ タ カン 熊狩りをするために遠い山奥の狩場に狩小屋をつくってそこに暮らした。(W) hunak ta iwor or ta rik péka a=eyápkir híne フナㇰ タ イウォロッタ リㇰ ペカ アエヤㇷ゚キㇼ ヒネ どこか山奥で高い所から投げとばされて。(S民話) ☆参考 「だれそれの猟場」のように縄ばりのような概念で使われた例は出てこない。 {E: the valley between two ridges.} (出典:田村、方言:沙流)
iwor-ukaeraye
イウォㇿウカエライェ 【自動】[iwor-u-ka-e-raye 山奥の谷あい・互い・の上・に・行かせる] 尾根の集まっている山の上のほうを横切って近道して行く(山の下の方を通ると尾根も沢も幾つも横切らなければならず、 また遠回りであるから)。 sítu hontom a=kus wa iwor-ukaeraye=an シトゥ ホントㇺ アクㇱ ワ イウォㇿウカエライェアン 尾根の途中を通って近道して行こう。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iworso
イウォㇿソ 【名】[iwor-so 山(の谷あい)・平らな広がりを持つ所] 山奥の地(神々が住む所)。 kim un iworso ka wa a=matkorepa キムン イウォㇿソ カ ワ アマッコレパ 山奥の地から妻を(神から)与えられた。(S言い伝え) rep un iworso atuyso ka wa uwaste hike レプン イウォㇿソ アトゥイソ カ ワ ウワㇱテ ヒケ ずっと沖の方(海の向こう)から妻をめとって子孫がふえたものは…。(S言い伝え) {E: deep in the mountains.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iye-e-
イイェエ 【接頭】[i-y-e-e もの・(挿入音)・(と一緒)で・で]…番目。(「二」以上の数詞と共に用いられる。) iye-einen イイェエイネン 四人目。 iye-einep ne イイェエイネㇷ゚ ネ 四番目の。 iye-einep ne ku=poho イイェエイネㇷ゚ ネ クポホ 四番目の息子。 iye-eiwan to イイェエイワン ト 六日目。(W神謡) iye-ere pa イイェエレ パ 三年目。(W民話) iye-erep イイェエレㇷ゚ 三番目。 iye-erep ne イイェエレㇷ゚ネ 三番目の。 iye-ererko イイェエレㇾコ[名][i-e-e-rerko もの・で・それで・三日] 三日目。 iye-etup イイェエトゥㇷ゚ 二番目。 a=o uske oro wa iye-erep oro ta ráp=an アオ ウㇱケ オロ ワ イイェエレㇷ゚ オロ タ ラパン 乗った所から三つ目で降りましょう。(S) ☆参考 電車に乗ってから次の次の駅で降りることを言っている。 乗った駅を一つ目として数えている。 ☆発音 二語のアクセントで発音される。 iyé-e、 iyé-eré。 ☆参考 このように iye-e- イイェ エ を使って言う「…番目」の言い方はサダモさんのみから聞いた。 ワテケさんによれば「…番目」という言い方はなく、 hoski a=ye p, iyos a=ye p, na iyos a=ye p ホㇱキ アイェㇷ゚、 イヨㇱ アイェㇷ゚、 ナ イヨㇱ アイェㇷ゚《最初に言ったこと、 その後に言ったこと、 さらに後に言ったこと》のように言う。 しかしワテケさんも、 神謡の中では iye-eiwan to イイェエイワン ト《六日目の日》のようにこの形を使って歌っている。 (出典:田村、方言:沙流)
iyenucupki-ciwre
イイェヌチュㇷ゚キチウレ 【自動】[i-y-e-nu-cup-ki-ciwre 人・(挿入音)・そこに・顔・日/月・(する)・さす][雅]そこに日の光がさす。 nan nipeki/hetuku cup ne/iyenucupki/ciwre kotom/pirka ruwe ナン ニペキ/ヘトゥク チュㇷ゚ ネ/イイェヌチュㇷ゚キ/チウレ コトㇺ/ピㇼカ ルウェ [雅]顔の輝きがさしのぼる朝日のように日の光がさすのにも似てまぶしいほど美しい。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyerpak
イイェㇾパㇰ 【副】[i-y-eirpak 人・(挿入音)・と同時に][iyeirpak イイェイㇼパㇰ が早く発音されて i が落ちた形] 人と一緒に。 iyerpak k=arpa イイェㇾパㇰ カㇻパ 私は人と一緒に行く。(S) ☆発音 イイェㇽパㇰと発音する。 ☆参考 itura イトゥラ は《人と連れだって》。 {E: together with someone} (出典:田村、方言:沙流)
iyokkayo(ho)
イヨッカヨ(ホ) 【名】[i-y-okkayo (ho) もの・(挿入音)・男[所]]男のほう、 夫婦のうちの夫のほう。 imacihi ka iyokkayo ka arikikipa イマチヒ カ イヨッカヨ カ アリキキパ 奥さんのほうも夫の方もよく働く。 iyokkayoho kewtumu pirka イヨッカヨホ ケウトゥム ピㇼカ 「だんなさん」(=夫)のほうは気だてが良い。(S) {E: the husband (in contrast to the wife in a married couple).} (出典:田村、方言:沙流)
iyokus
イヨクㇱ 【他動】[i-y-okus もの・(挿入音)・を裏返す] 着物を裏返す。 ☞okus オクㇱ {E: to turn clothing inside out.} (出典:田村、方言:沙流)
iyomap
イヨマㇷ゚ 【自動】[i-y-omap ものを・(挿入音)・可愛がる] 子どもをかわいがる。 iyomap=an rusuy kusu a=en kusu ne na イヨマパン ルスイ クス アエトゥン クス ネ ナ 子どもをかわいがりたいので(赤ちゃんを)お借りしますから。(W民話) iyomap-eykoytupa=an イヨマㇷ゚エイコイトゥパアン 子どもがいないために子どもをかわいがることができなくて、 子どもをかわいがりたくてたまらない。(W民話) ☆参考 接頭辞 ko- コ がつくとき、 その前にさらに接頭辞がつかなければ koyomap コヨマㇷ゚ となる。 ☆参考 ikoiyomap/ikoyyomap イコイヨマㇷ゚ 他の人の子どもをかわいがる。 {E: to show affection to children.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyonuytasa
イヨヌイタサ 【副】[i-y-onuytasa 人・(挿入音)・に交代して] 今度は交代して。 henpaksuy ka aynurayke yak a=ye wa iyonuytasa a=rayke hawe un ヘンパㇰスイ カ アイヌライケ ヤカイェ ワ イヨヌイタサ アライケ ハウェ ウン 何回も人殺しをしたそうで今度は反対に殺されるのだそうだ。(S) iyonuytasa káni ka ku=kikkik イヨヌイタサ カニ カ クキッキㇰ 仕返しに私もなぐる。(S) en=kip e=niwkes a kusu iyonuytasa e=kip ku=niwkes エンキㇷ゚ エニウケㇱ ア クス イヨヌイタサ エキㇷ゚ クニウケㇱ あなたが私を助けてくれたから今度は私があなたを助けてあげる。(S) {E: let's switch, take turns.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyorot
イヨロッ 【自動】[i-y-or-ot 人・(挿入音)・のところ・にいる] 仲間入りする、 集団の中の一員である/になる。 iyorot a? イヨロッ ア? 彼も入っていたのか。(S) horippa or ta iyorot ホリッパ オッタ イヨロッ (彼は)踊りの輪に加わった。(W言い伝え) kamuy or ta ikoytupa kor iyorot kor an カムイ オッタ イコイトゥパ コㇿ イヨロッ コラン 神の国で不自由しながら神々の中で暮らしている。(W民話) ☆参考 接頭辞 e- エ がつくときは eyorot エヨロッ となる。 人称接頭辞 ku= ク、 e= エ がつくときも ku=yorot クヨロッ、 e=yorot エヨロッ という形をとることがある。 {E: to join, to associate with } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyoterkere
イヨテㇾケレ 【他動】[i-y-oterke-re 人・(挿入音)・を踏む・させる](?) (次の表現で)…に/で理屈を言って抗議する。 paraparak tuyka/a=iyóterkere パラパラㇰ トゥイカ/アイヨテㇾケレ 私はワアワア泣き叫びながら理屈を言って抗議した。(W神謡語り) {E: to protest.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
iyoyra
イヨイラ 【自動】[i-y-oyra もの・(挿入音)・…を忘れる] もの忘れする、 忘れっぽい。 ku=yoyra hi koturse wa iyoyra hawe somo ne? クヨイラ ヒ コトゥㇽセ ワ イヨイラ ハウェ ソモ ネ? (彼は)私の忘れっぽいのがうつって忘れっぽいのではないかなあ。(H) ☆参考 ku= ク、 e= エ がつくときの語幹はこの例のように yoyra ヨイラ という形をとることがある。 (出典:田村、方言:沙流)
ka 1
カ 【名】[概](所は káha カハ)敷物などを編む糸、 布を織る糸。 tu ka sinkop re ka sinkop ranke ranke トゥ カ シンコㇷ゚ レ カ シンコㇷ゚ ランケ ランケ [雅] 二つの糸の結び目、 三つの糸の結び目を下げ下げしている=糸をつむいでいる(糸をつむぐ様子の描写)。 ka uturu カ ウトゥル (布の)糸の間=(布の)目。 ka uturu sep senkaki カ ウトゥル セㇷ゚ センカキ (直訳すると)糸の間が広い布=目の粗い布。 ☆参考 縫い糸は nuyto ヌイト、 何かについている紐は at アッ[概]/atu アトゥ[所]と言い、 ka カ とは言わない。 {E: yarn, thread for weaving material, rugging etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka 2
カ 【位名】[概](所は kasi カシ、 kas(i)ke(he) カㇱケ/カシケ(ヘ)) ①(…の)上(接触した上)、 …の見える側。 suwop ka ta an スウォㇷ゚ カ タ アン 箱の上にある。(S) ni ka péka sinot kor an ニ カ ペカ シノッ コㇿ アン (サルが)木の上で遊んでいる。(S) toy ka osma トイ カ オㇱマ 地面に落ちる。 en=ka ta a エンカ タ ア 私の上に座りなさい。 uka ta uka ta ári ウカ タ ウカ タ アリ 互いの上に互いの上に置く=次々に重ねる。(S) i-ka wa a=mi p イカ ワ アミㇷ゚ ものの上から着るもの(=上着)。(W) (ズボンに対して言うのではなく、 シャツなどを着ている上、 つまり外側を言っている。) ②(比喩的に)kanpi ka ta e=hacir yak wen na カンピ カ タ エハチㇼ ヤㇰ ウェン ナ 書物の上で(=勉強で)(あなたが)落ちるといけないから。 ③[熟語] íka ka ta イカ カ タ 本当に。 ④(熟語動詞の前部要素として) ☞ka(si) カ(シ)… ☆対語 pok ポㇰ、 corpok チョロポㇰ。 ☆参考 enka エンカ …の離れた上、 上方。 kurka クㇽカ …の上面一帯。 ☆参考 ほかに、 ka カ の前に何かがついた位置名詞も少くない。 cupka チュㇷ゚カ 日の出る方向、 東。 koyka コイカ 海ぞいに東、 静内・釧路の方。 mawka マウカ 風上。 rewka レウカ 曲がって斜めになっているものの上側。 sirka シㇼカ 見えている側、 おもて。 tuyka トゥイカ ものの上端。 {E: ①top of… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka 3
カ 【副助】(予想以上、 追加、 意外を表す。) ①…も、 …までも。 eani ka un=tura エアニ カ ウントゥラ あなたも私たちと一緒に行こう。(S) tup ka uk トゥㇷ゚ カ ウㇰ 二つも/二つとも取った。(S) ②(二回以上重ねて)…も…も、 …と…、 (動詞句のあとで)…したり…したり(日本語の「…も…も」よりもむしろ「…と…」に当たる場合もある)。 okkayo ka menoko ka porono oka オッカヨ カ メノコ カ ポロンノ オカ 男も女もたくさんいる。(S) cáca ka an rupnemat ka an チャチャ カ アン ルㇷ゚ネマッ カ アン じいさまとばあさまがいた。 ku=koytak ka en=koytak ka ki クコイタㇰ カ エンコイタㇰ カ キ 私が彼に話したり、 彼が私に話したりした。(W会話) ③(否定表現の中で)(1)…も…しない。 ponno ka ポンノ カ 少しも(…しない)。 sinep ka シネㇷ゚ カ 一つも(…しない)。 sinen ka isam シネン カ イサㇺ 一人もいない。 nen ka isam ネン カ イサㇺ だれもいない。 nep ka ku=sak ネㇷ゚ カ クサㇰ 私は何も持っていない。 (2)(名詞句、 副詞句、 動詞句の後、 否定辞 somo ソモ の前に置かれて) ka somo ne カ ソモ ネ …ではない。 seta ka somo ne セタ カ ソモ ネ 犬ではない。(W) ka somo ki カ ソモ キ (動詞句の後で)…しもしない、 …したりなんかしない、 全然 …しない(否定の返事で「いいえ、 …しない」に似たニュアンスでも使われる)。 ponno ka e ka somo ki ポンノ カ エ カ ソモ キ 少しも食べない。(S) néun ka hawean ka somo ki ネウン カ ハウェアン カ ソモ キ (彼は)何も言わない。 ape ruy ka somo ki, méan na, ape pirka kor ka hopuni アペ ルイ カ ソモ キ、 メアン ナ、 アペ ピㇼカ コㇿ カ ホプニ 火が燃えていなくて寒いから火が良く燃えてきてから起きなさい(後の ka カ は日本語には訳せないが予想外(相手が予想していないと思われることがら)を示す)。(S) ④[慣用句]pokas ka un …a p ポカㇱ カ ウン…アㇷ゚ あんなに…だったのに。 easir ka エアシㇼ カ (強調するとき easiriː ka エアシリー カ)それはそれはもう本当に。 hike ka ヒケ カ …のに、 …しても、 …にもかかわらず。 pakno ka パㇰノ カ これだけ(で十分です)、 もういい。 sonno ka ソンノ カ やっぱり本当に、 思ったとおり、 聞いていたとおり。 somo ka ソモ カ まさか…しない。 ☆発音 ①②③では、 強調するとき直前の音節(つまり前の語の最後の音節)を高く上げる。 日常会話ではこのアクセントが多く聞かれる。 ☆参考 「も」と訳せる場合は hem ヘㇺ と置き換えられることもあるが、 hem ヘㇺ は単に「AもBも」とか「…もまた」とかを表し、 ka カ は予想以上のことや予想されていなかった新しい情報であることを示す。 {E: too; also.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka(si) cisun
カ(シ) チスン 【連他動】[ka(si) cis-un …の上・泣く・そこにある](死者)を悼んでなきがらに手を置いて泣く。 osisoun wa ray kur a=turí híne an, híne ora kasi cisun kor an オシソウン マ ライ クㇽ アトゥリ ヒネ アン、 ヒネ オラ カシ チスン コラン 右側に死者が横たえられていた、 そして女がなきがらに手を当てて泣いていた。(W民話) {E: to cry mournfully over a dead body.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ka(si) oyoko
カ(シ) オヨコ 【連他動】[ka(si) o-yoko …の上・に待ちかまえる] …の様子をうかがう。 toy tum omarepa wa ora kasi oyoko wa an wenkamuy トイ トゥㇺ オマレパ ワ オラ カシ オヨコ ワ アン ウェンカムイ (その少女を)土の中に埋めてそれから見張っているばけもの(悪い熊)を…。(KK民話) {E: to look over, check out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kamka
カㇺカ 【名】[概](所は kamkasi/kamkaske カㇺカシ/カㇺカㇱケ)[kam-ka 肉・の上] 皮膚の表面、 肌。 kamka tutanu kay カㇺカ トゥタヌ カイ 肌にじかにつけておんぶしなさい。(S) {E: skin.} (出典:田村、方言:沙流)
kane 2
カネ 【助動/接助/副助】(意外、 予想以上、 誇張の表現に多く使われる)。 ①[助動](なんと)…している。 ponpon kane ayne tane us wa isam ポンポン カネ アイネ タネ ウㇱ ワ イサㇺ だんだん小さくなってとうとう消えてしまった。(S) íne urepet kor kane p ne noyne イネ ウレペッ コㇿ カネㇷ゚ ネ ノイネ 四本指を持っているもの(ばけもの熊)であるらしく。 ②[接助](なんと)…して、 …したままで、 …するほど。 sinu kane reye kane ahup シヌ カネ レイェ カネ アフㇷ゚ 彼らはひざをついて身をずらしはって家の中へ入った(遠慮して身を低くして入る様子)。 mérayke wa hecururu kane an メライケ ワ ヘチュルル カネ アン 寒いので首をちぢめている。(S) suwop or k=ómare kikir mak iki ayne etuk kane iki kor an スウオㇷ゚ オㇿ コマレ キキㇼ マㇰ イキ アイネ エトゥㇰ カネ イキ コラン 箱に入れておいた虫どうやって出てきたのだろう。 ku=sanpe ka wen kane a=utári k=ésikarun クサンペ カ ウェン カネ アウタリ ケシカルン 気持ちも暗くなるほどに身内の者に会いたい。(S) ③[副助](慣用表現の中で、 副詞句の後に置かれて)néno kane an ネノ カネ アン …とそっくりだ。 sísam nisu a=kutkore ruwe néno kane an シサㇺ ニス アクッコレ ルウェ ネノ カネ アン 日本の臼に帯をしめさせたのみたいだ。 (néno an ネノ アン は《…に似ている》。) sekor kane セコㇿ カネ …というふうに(言った)(sekor セコㇿ《と(言った)》だけよりもちょっとした強めのニュアンスが加わる)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kanemay
カネマイ 【名】[< káne-may 金属・響き] 金(かね)の響き。 kanemay ne uwetunuyse カネマイ ネ ウウェトゥヌイセ 金(かね)の響きのように美しく響いて聞こえる(金物をたたいたときにウンウンウン…というような音が響く、 そのような響きのことを言う)。(S) itak ne manu p/ekutcam konna/kanemay ne/uwetunuyse イタㇰ ネ マヌㇷ゚/エクッチャㇺ コンナ/カネマイ ネ/ウウェトゥヌイセ [雅](姉が)ものを言うとその声が金(かね)の響きのように美しく響く。(Sユーカラ) m sinotcaki hawe kanemay ne uwetunuyse シノッチャキ ハウェ カネマイ ネ ウウェトゥヌイセ [雅] 歌う声が金(かね)の響きのように美しく響く。(S) ☆発音 káne カネ《金(かね)》とはアクセントが違い、 第二音節 ne ネ を高く発音する。 {E: a metallic sound.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kankitay
カンキタイ 【名】[kan-kitay 上・頂上] 頭のてっぺん、 つむじ。 tu kankitay oma kusu etakasure ramuan nankor トゥ カンキタイ オマ クス エタカスレ ラムアン ナンコㇿ つむじが二つあるから格別に利口な人になるだろう。(W) {E: the crown of the head.} (出典:田村、方言:沙流)
kannawa
カンナワ 【副】[kanna-wa 上の方・から] 上向きになって。 ray wa kannawa oka hike ka oka ライ ワ カンナワ オカ ヒケ カ オカ 死んで上向きになっているのもある(魚がひっくり返っていることを言っている)。(S) tuye kannawa an トゥイェ カンナワ アン (魚の)腹が上を向いている。(S) {E: facing up.} (出典:田村、方言:沙流)
kanpar
カンパㇻ 【名】[概](所は kanparo(ho) カンパロ(ホ))[kan-par 上の・口] ①口先(心の中に対する)。 ②[熟語]kanpar otuytuypa カンパㇻ オトゥイトゥイパ ベラベラと口を動かす(談判の様子)。(NK民話) kanpar kasi komomnatara カンパㇻ カシ コモㇺナタラ (酒が)上までなみなみと入れられていっぱいになっている(古風な言い方。 今は sikno シㇰノ と言う)。(S) poro sintoko kanpar kasi komomnatara sake oma wa an ポロ シントコ カンパㇻ カシ コモㇺナタラ サケ オマ ワ アン 大きなシントコ(入れ物)のふちまでいっぱい酒が入っている。(S) {E: ①lip-service. ②honey-tongued, smooth-tongued.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kanpinuye
カンピヌイェ 【自動】[kanpi-nuye 紙/書類・にもの書く] 紙に字を書く、 書きものをする、 (読み書きの)勉強をする。 {E: to write; study (reading and writing).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kanpiso
カンピソ 【名】[kanpi-so 紙/書いたもの・広がりのある場所] 紙の一面、 ページ。 tu kanpiso ka re kanpiso ka トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ 二ページか三ページ。(W会話) {E: a page of written material.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kar 2
カㇻ 【他動】(木や草の実)を採る/摘む、 収穫する、 (皮) をむく。 nonno kar ノンノ カㇻ 花を摘む。 hat kar ハッ カㇻ ぶどうを摘む(=hatkar ハッカㇻ)。 kapuhu kar カプフ カㇻ その皮をむく。 tane hetukpa pewre top a=kar kusu ekimne=an タネ ヘトゥㇰパ ペウレ トㇷ゚ アカㇻ クス エキㇺネアン 出たばかりの若い竹(=タケノコ)を掘りに山へ行こう。 toy or un pe opitta tane a=kar nisa トヨルン ペ オピッタ タネ アカン ニサ 畑のものをみんなもう取り入れてしまった。(S) {E: to pick, gather…; peel…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
karanke
カランケ 【他動/後副】[kar-hanke (?)・近い] ①[他動]…から近い。 ②[後置]…の近くに、 その近くに。 karanke iteki kus yan カランケ イテキ クㇱ ヤン (あなたたち)その近くを通ってはだめですよ。(S) ☆対語 kattuyma カットゥイマ …から遠い。 {E: ①to go near, approach… ②near…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kari 2
カリ 【他動】を回す。 (単独の動詞としては未出。 語構成の要素として出てくる。) {E: to turn, spin…} (出典:田村、方言:沙流)
kari 3
カリ 【後副】(経由する所を示す。)(そこ)から、 (そこ)を通って。 puyar kari ahunte プヤㇻ カリ アフンテ 窓から入れる。 sep pínay kari kira セㇷ゚ ピナイ カリ キラ 広い谷を通って逃げる。(W民話) atuy sinpuy an híne kari ahup akusu アトゥイ シンプイ アン ヒネ カリ アフㇷ゚ アクス 海の水の湧き出る所があって彼らがそこから入って行くと。(S民話) k=áhun a korka kari ku=soyne hi ka k=érampewtek カフン ア コㇿカ カリ クソイネ ヒ カ ケランペテㇰ 私は入ったけれど(そこを通って)出る所が(出口が)わからない。(S) {E: (pass) through, along, by.} (出典:田村、方言:沙流)
kasinkop
カシンコㇷ゚ 【名】[ka-sinkop 糸・結び目](otu… ore… オトゥ… オレ… の構文で、 次の慣用表現の中で)糸の結び目。 otu kasinkop/ore kasinkop/ranke ranke オトゥ カシンコㇷ゚/オレ カシンコㇷ゚/ランケ ランケ 二つの糸の結び目、 三つの糸の結び目を(=いくつもいくつもの糸の結び目を)下ろし下ろしする(糸を紡ぐ/紐をよる様子の描写の表現。 叙事詩や昔話などの口承文学によく出てくる)。(NK民話) ☞ore オレ、 otu kasinkop オトゥ カシンコㇷ゚ {E: the knot of two strings tied together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kaspa 2
カㇱパ 【助動】①あまり…をする、 …しすぎる。 poro kaspa ポロ カㇱパ 大きすぎる。 iruska kaspa イルㇱカ カㇱパ (彼は)あまりにも腹を立てた。 kú=ipe kaspa クイペ カㇱパ あまり食べた(=食べすぎた)。(W) ②(否定で)あまり…しない。 na sittumu peker kaspa ka somo ki ナ シットゥム ペケㇾ カㇱパ カ ソモ キ まだあまり明るくなっていない。 eytasa keweri kaspa ka somo ki, eytasa keweram ka somo ki エイタサ ケウェリ カㇱパ カ ソモ キ、 エイタサ ケウェラㇺ カ ソモ キ あまり背が高すぎもしない、 あまり背が低くもない。(S) k=e rusuy kaspa ka somo ki hemanta en=ere en=ere kus ye ケ ルスイ カㇱパ カ ソモ キ ヘマンタ エネレ エネレ クㇱ イェ (私が) あまり食べたくもない変なものを(彼は私に)食べなさい食べなさいと言う。(S) ☆参考 形の上で単数形に相当する kasu カス は、 特殊な場合にのみ使われる。 {E: ①too; too much; excessively. ②not very; not much.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kat
カッ 【名】[概](所は katu(hu) カトゥ(フ)) かっこう(恰好)、 有様。 {E: appearance; form; shape.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kawnu
カウヌ 【自動】[kaw-nu (?)・を持つ](ご飯に)芯がある。 numtumasi kawnu, numtumasi péne ヌㇺトゥマシ カウヌ、 ヌㇺトゥマシ ペネ 一部は芯があり、 一部分はベチャベチャだ(芯のあるところもあるしベチヤベチヤのところもある)。(S) {E: for cooked rice to be hard in the middle.} (出典:田村、方言:沙流)
kayki
カイキ 【副助】[雅]…も。 pet pes kayki/san hum konna/koturimimse ペッ ペㇱ カイキ/サン フㇺ コンナ/コトゥリミㇺセ [雅]川上からも(何者かが)やって来る音がブルンブルンと鳴り響く。(Sユーカラ) ☆参考 日常語では単に ka カ と言う。 ユーカラでもリズムの関係で ka カ も使われる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kempoppise
ケンポッピセ 【名】[kem-pop-pise 血・水ぶくれ・風船状の袋] 「血ぶくれ」(血が外に出ないで皮膚の中にたまって水ぶくれのようになっているもの)。(S) Samayunkur tusunapanu/tektuypoki tusunapanu/tu kempoppise/re kempoppise/eeracitke サマユンクㇽ トゥスナパヌ/テㇰトゥイポキ トゥスナパヌ/トゥ ケンポッピセ/レ ケンポッピセ/エエラチッケ サマユンクルの手の下側にいくつもいくつもの血の袋が下がっている。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
kenasso
ケナッソ 【名】[kenas-so 川端の低い木の林(「木原」)・広がりを持った所][雅]川端の木原。 tu iworso ka/tu kenasso ka/an=opásopas トゥ イウォㇿソ カ/トゥ ケナッソ カ/アノパソパㇱ [雅]いくつもの山奥の地いくつもの川端の木原を走って行った。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
keni
ケニ 【名】(木や草の地面から出てくる)芽。 tanepo keni tuk タネポ ケニ トゥㇰ 今やっと芽が出ている。 ☆参考 〔知分類〕によれば ken [概]/keni [所]だが、 ken は未出。 ☆参考 níkom ニコㇺ は木の枝から出てくる芽。 {E: a bud; a sprout.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ker
ケㇾ 【名】[概](所は keri(hi) ケリ(ヒ)) 靴(鮭の皮か鹿の皮でつくったもの、 冬用)。 ker us ケㇾ ウㇱ 靴をはく。 ker úse anu ケㇾ ウセ アヌ 靴をぬぐ。 cep ker チェㇷ゚ ケㇾ 鮭の皮製の靴(足首のところでしばる、 柔らかい、 靴下ははかない)。 yuk ker ユㇰ ケㇾ 鹿の皮製の靴。 sutuker ストゥケㇾ ブドウヅルの皮を編んでつくった靴(夏用)。 {E: shoes; footwear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
keray
ケライ 【副】(いろいろな熟語や決まった言い回しの中で、 「さすがに」に似たニュアンスを与える。) kus(u) keray クス/クㇱ ケライ …したおかげで、 さすが…するからこそ。 ku=poho ne kus keray hok wa ek クポホ ネ クㇱ ケライ ホㇰ ワ エㇰ さすがうちの息子だからこそ買ってきた。(S) keray kusu ケライ クス=kus(u) keray クス/クㇱ ケライ。 keray…ne ケライ…ネ さも/さすがに…らしく。 keray kamuy ne/kamuy ipor/annoyekar ケライ カムイ ネ/カムイ イポㇿ/アンノイェカㇻ [雅]さも神らしく顔つきもいかにも神の顔つきらしい。(Sユーカラ) keray ne kusu ケライ ネ クス さすがに…だから/だけあって。 kamuy kar cási/keray ne kusu/cási kamuy/pirka katu カムイ カㇻ チャシ/ケライ ネ クス/チャシ カムイ/ピㇼカ ルウェ [雅]神のつくられた城だけあって、 さすがに立派な城の美しいことを。(Sユーカラ) keray tausa ケライ タウサ さすがに。 keray tausa/kamuy kar cási/an pe ne kus ケライ タウス/カムイ カッ チャシ/アン ペ ネ クㇱ [雅]さすがに神のつくられた城だから。(Sユーカラ語り) {E: thanks to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kettó
ケット 【名】[< 日本語 ケツト] 毛布。 nep ka kettó hene a=turpa ruwe néno kane ネㇷ゚ カ ケット ヘネ アトゥㇽパ ルウェ ネノ カネ 何か毛布でも敷いたみたいに。(W民話) {E: a blanket.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kew
ケウ 【名】[概](所は kewe(he)ケウェ(ヘ)) ①体、 骨格。 ②死体。 kew apa yak a=ye ケウ アパ ヤカイェ 死体が見つかったそうだ。(S) {E: ①the body; physique; stature; a skeleton. ②a corpse.} (出典:田村、方言:沙流)
kewe homsu
ケウェ ホㇺス 【連他動】[…の体・危なかったことの見舞いを言う]…に危なかったことの見舞いを言う(なんとか無事に切り抜けたときに)。 a=kor emustasiro a=tuymaturi a=hanketuri kor kewe a=homsu ruwe ne akusu アコㇿ エムㇱタシロ アトゥイマトゥリ アハンケトゥリ コㇿ ケウェ アホㇺス ルウェ ネ アクス 私は私の太刀づくりの山刀を遠くかざしたり近くかざしたりしながら彼に危なかったことの見舞いを言った、 すると。(HK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kewe(he)
ケウェ(ヘ) 【名】[所](概は kew ケウ)…の骨格、 体。 kewe pon ケウェ ポン 背が小さい。 {E: the body, physique, stature, skeleton of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
keweporo
ケウェ ポロ 【自動】[kewe-poro その体・大きい] 体が大きい、 背が高い(=kewe poro ケウェ ポロ)。 {E: to be large in stature; tall.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
keweram
ケウェラㇺ 【自動】[kewe-ram 体[所]・低い] 丈が低い(山、 木、 家、 人の身長)。 eytasa keweri kaspa ka somo ki, eytasa keweram ka somo ki, sonno katu pirka エイタサ ケウェリ カㇱパ カ ソモ キ エイタサ ケウェラム カ ソモ キ、 ソンノ カトゥ ピㇼカ あまり背が高すぎもしないあまり低くもない本当に姿がいい。(S) ☆対語 keweri ケウェリ。 {E: to be low; short.} (出典:田村、方言:沙流)
kewerupne
ケウェルㇷ゚ネ 【自動】[kewe-rupne その体・大きい] 体が大きい、 背が高い。 {E: to be large in stature; tall.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kewkaske
ケウカㇱケ 【接】[< 位名][kew-kasike 体・その上](次の雅語的表現の中で)そのために。 ☆参考 kasike カシケ の s と k の間の i が落ちてこのように発音されている。 kamuy tumi ne ya tono tumi ne ya cihopunire, kewkaske cikimatekka a=i=ékarkar カムイ トゥミ ネ ヤ トノ トゥミ ネ ヤ チホプニレ、 ケウカㇱケ チキマテッカ アイエカㇻカㇻ [雅]神戦だか聖戦だかが起こった、 そのために私たちはびっくりした。(W会話) ☆参考 この用例のような文脈・状況で日常語で「そのために」「だから」と言うには hi kusu ヒ クス が多く使われる。 場合によって wa kusu ワ クス も使われる。 {E: for that reason; due to that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kewsut
ケウスッ 【名】[概](所は kewsutu(hu) ケウストゥ(フ)) (親族名称としての)おじ、 伯父/叔父。 「この場にいない人、 亡くなったかまたは遠くにいる伯叔父を言う。」 (S) ku=kewsututari too Tokapci ta oka クケウストゥタリ トオ トカㇷ゚チ タ オカ 私のおじさんたちは遠く離れて十勝にいる。(S) ☆参考 通常「おじさん」と言うのには acapo アチャポ (二風谷では áca アチャ)が使われる。 ☞áca アチャ、 acapo アチャポ {E: an, the uncle.} (出典:田村、方言:沙流)
ki 1
キ 【他動】①…をする。 iteki cápe haw ki hani! イテキ チャペ ハウ キ ハニ! 猫の声をするなよ。(S民話) ②(動詞を名詞として使い、 その後にこの ki キ をおいて)…をする。 ruyka poro opus ki wa an na iyaykipte na, yayitupareno arpa ルイカ ポロ オプㇱ キ ワ アン ナ イヤイキㇷ゚テ ナ、 ヤイトゥパレノ アㇻパ 橋が大きな穴あきをしている(=橋に大きな穴があいている)からあぶないから気をつけて行きなさい。 pon sikepo ki kane wa ek ポン シケポ キ カネ ワ エㇰ 彼は小さい荷物背負いをして(=小さい荷物を背負って)来た。 pirka usapki e=ki kusu ne na ピㇼカ ウサㇷ゚キ エキ クス ネ ナ (あなたは)よい働きをする(=よく働く)のですよ。 ③(動詞の後に hi ヒ《こと》を置き、 その後にこの ki キ を置いて) hi ki rusuy ヒ キ ルスイ…してもらいたい、 …してほしい。 ci nas hi ku=ki rusuy チ トゥナㇱ ヒ クキ ルスイ 私は(イモなどが)早く煮えてほしい。 ④(代動詞として、 つまり本動詞のあとに副詞(連用語)や名詞(主語・目的語)が補われたり、 また副助詞がついたりした場合に、 そのあとに ki キ を置くことによって再び全体が動詞句として機能する、 つまり文を終止したり次に助動詞や接続助詞等々が続いたりすることができる。)…する。 Kusur ta patek nuwe an ranma ki p ne yak a=ye クスㇽ タ パテㇰ ヌウェ アン ランマ キㇷ゚ ネ ヤカイェ 釧路でばかりいつも(それが)たくさん取れるのだそうだ。(S会話) a=kopásrota a=ukókikkikpa a=onáha ka a=unúhu ka ki アコパㇱロタ アウコキッキㇰパ アオナハ カ アウヌフ カ キ 私は父も母もののしったりボカボカなぐったりした。(S民話) a=mipa p a=huráypa póka somo ki p ne kusu アミパㇷ゚ アフライパ ポカ ソモ キㇷ゚ ネ クス 私は着るものを洗いさえしなかったので。(W民話) ⑤(韻文で、 韻律を整えるために、 音節数の足りない行の動詞のあとに置かれる。 文法機能上は、 他のいろいろな他動詞(easkay エアㇱカイ、 eaykap エアイカㇷ゚ など)の助動詞的用法と同じになる。) ⑥ ki humi pirka キ フミ ピㇼカ 安心する、 気持ちがいい。 nep póka k=ére wa ku=ki humi pirka ネㇷ゚ ポカ ケレ ワ クキ フミ ピㇼカ (私は)彼に少しでも食べさせて安心した。(S) {E: ①to do… ②… ③… ④… ⑤… ⑥…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ki 3
キ 【名】[植物] 「オニガヤ」。 ki kotukka キ コトゥッカ (屋根)にカヤをつける=屋根をふく。 〔知分類 p.225 オギ〕 {E: reeds; rushes.} (出典:田村、方言:沙流)
kik(i) kar
キㇰ/キキ カㇻ 【連他動】[防御・をする]…を防ぎ守る。 kotan kik kar コタン キㇰ カㇻ 村/国を防ぎ守る。 a=kor mosir kiki a=kar easkay アコㇿ モシㇼ キキ アカㇻ エアㇱカイ 私たちの国を防ぎ守ることができる。 “a=kor mosir epitta oka aynu hene sísam hene tumi or un a=nisúk yak easir mosir kik kar kotan kik kar a=eáskay oasi na” sekor 「アコㇿ モシレピッタ オカ アイヌ ヘネ シサㇺ ヘネ トゥミ オルン アニスㇰ ヤㇰ エアシㇼ モシㇼ キㇰ カㇻ コタン キㇰ カㇻ アエアㇱカイ オアシ ナ」 セコㇿ 「わが国じゅうのアイヌも和人も皆戦争に頼まれて行かなければ私たちは国土を守り国を守ることはできないよ」と…。(W会話) {E: to defend, protect…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kikkosanpa
キッコサンパ 【自動】[kik-kosanpa (擬音)・瞬間に …する] カチンと鳴る。 arkehe wa patek a=sirkotukka apausta a=así kor kikkosanpa アㇻケヘ ワ パテㇰ アシㇼコトゥッカ アパウㇱタ アアシ コㇿ キッコサンパ 片方からだけとりつけてある戸(開き戸、 ドア)を閉めるとカチンと鳴る。(S) {E: to clang.} (出典:田村、方言:沙流)
kimatek
キマテㇰ 【自動】びっくりする(恐ろしくて)、 あせった気持ちになる、 あわてる。 ☆参考 ekimatek エキマテㇰ[他動]…にあわてる。 ramutuy ラムトゥイ[自動]/eramutuy エラムトゥイ[他動] 突然のことでハッとびっくりする。 iyokunure イヨクヌレ[自動]/okunure オクヌレ[他動] あきれる。 erayap エラヤㇷ゚[他動] …に感嘆する。 {E: to be surprised; be rushed; panic.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kinaaram
キナアラㇺ §427 カナヘビ;トカゲ (4) kina-aram (ki-ná-a-ram)「キなアラㇺ」[<草・トカゲ] ⦅屈斜路⦆トカゲ、Eumeces latiscutatus latiscutatus HALLWELL. (出典:知里動物編、方言:)
kinapetomne
キナペトㇺネ 【自動】[kina-pe-tom-ne 草・汁・色あい・である] 草色だ(amip アミㇷ゚《衣服》、 patci パッチ《鉢》、 tuki トゥキ《杯》などが)。 kinapetomne hi néno kane an amip mi kane キナペトㇺネ ヒ ネノ カネ アン アミㇷ゚ ミ カネ 草色のような衣服を着ている。(S) {E: to be grass-coloured.} (出典:田村、方言:沙流)
kiror
キロㇿ 【名】[概](所は kiroro(ho) キロロ(ホ))[kir-or 骨・の中](?) 力、 大力(tum トゥㇺ よりも大きな力)。 kiror ka sak キロㇿ カ サㇰ 力がない。 kiror kor キロㇿ コㇿ 大力だ、 ものすごく力が強い。 {E: strength; power.} (出典:田村、方言:沙流)
kirorkor
キロㇿコㇿ 【自動】[kiror-kor 力・を持つ] 力が強い。 ☆参考 tumkor トゥㇺコㇿ とも言う。 {E: to be strong; powerful.} (出典:田村、方言:沙流)
kiru
キル 【他動】①(向きを持っているもの)を(どちらかの方向へ)向ける、 …の向きを変える。 téun kiru テウン キル (それを)こちらへ向ける。(S) ②…をひっくり返す(「かやす」)。 mosir a=kirú モシㇼ アキル 国がひっくり返される(=滅ぼされる、 つぶれる)。 {E: ①to turn, change direction to… ②to upset, overturn…} (出典:田村、方言:沙流)
kisakisa
キサキサ 【他動】[kisa-kisa もみぎる・(重複)] …をもみぎる。 makiri etupsi ani kisakisa wa opusi マキリ エトゥㇷ゚シ アニ キサキサ ワ オプシ 小刀の先でもみぎって穴を開ける。(S) {E: to rub…between the hands so as to make a hole in something.} (出典:田村、方言:沙流)
kisaretopsi(-e)
キサレトㇷ゚シ §737.[獣の]耳の先(2)kisar-etopsi(-e)〔ki-sá-re-top-ši キさレトㇷ゚シ〕[<kisar-etupsi(↑)]⦅ホロべツ⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.628】 (出典:知里人間編I、方言:)
kisaruyruke
キサルイルケ 【他動】[kisar-uyruke 耳・につける][雅] …を耳につける。 kamuy ninkari/kisaruyruke カムイ ニンカリ/キサルイルケ [雅]立派な耳環を耳につけた。(Sユーカラ) ☆参考 kisareokte キサレオㇰテ とも言う。 kisaruyruke キサルイルケ は rekutuyruke レクトゥイルケ《…を首につける》への連想ではなかろうか。 ☆参考 頭飾りを頭に巻くことは epanu エパヌ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ko- 8
コ 【接頭】(韻文および雅語的表現で、 前にある名詞で示されたものに関してどのようであるかを叙述する自動詞(多くの場合擬音語・擬態語)に接頭してこれを導く。 前にある名詞と叙述する自動詞との間に konna コンナ または ko コ が入る場合もある。 ci=kewtumu konna/kosumnatara チケウトゥム コンナ/コスㇺナタラ 私たちの心はシュンとしてしおれている。(W即興詩)(sumnatara スㇺナタラ しおれている。)arpa=an hum ko/koturimimse アㇻパアン フㇺ コ/コトゥリミㇺセ 私が行く音がブルンブルンと鳴り響く。(S) (出典:田村、方言:沙流)
koanu
コアヌ 【複他動】[ko-anu に対して・置く](次の言い回しで) otuhenkuror koanu オトゥヘンクロㇿ コアヌ (訪ねて来た子ども)に対して何度も首を縦にふって喜びを表す(喜び迎える様子)。 i=nukar a p sekor, ney wano i=amkir pe koraci otuhenkuror i=koanu i=omap a i=omap a イヌカラㇷ゚ セコㇿ、 ネイ ワノ イアㇺキㇼ ペ コラチ オトゥヘンクロㇿ イコアヌ イオマパ イオマパ 私を見た途端に、 まるでどこからか私を見知ってでもいたみたいにウンウンと首を縦にふってうなずきながらよく来たよく来たと私をだいたりなでたりしてかわいがってくれた。(W神謡語り) {E: to nod one's head in pleasure about; be pleased about.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koasurani
コアスラニ 【他動】[ko-asur-ani …(のところ)に・知らせ・を持って行く] (人)にあぶないことやせっぱつまっていることの知らせを届ける、 …に危急を知らせる。 yupihi koasurani kusu nas arpa! ユピヒ コアスラニ クス トゥナㇱ アㇻパ! (彼が死にそうだから)彼の兄に知らせに早く行きなさい。(S) {E: to warn, tell someone about…} (出典:田村、方言:沙流)
koeneramu
コエネラム 【自動】何がなんだかわけがわからない。 “koeneramu!” sekor hotuyekar, wa ora hóse ciki mosma mosma hawean, yakun po hene koeneramu nankor na 「コエネラム!」セコㇿ ホトゥイェカㇻ、 ワ オラ ホセ チキ モㇱマ モㇱマ ハウェアン、 ヤクン ポ ヘネ コエネラム ナンコンナ 何もわからない(ばか)と言って彼を呼びなさい、 そうして返事をしたら、 いろんな関係のないほかのことを言いなさい、 そうすればなおさらわけがわからなくなるだろうから。(S) ☆参考 理解力や判断力が低いという属性について言う。 何かを理解しない/できないということは、 別の動詞 erampewtek エランペウテㇰ を使って言う。 {E: be confused, be at a loss.} (出典:田村、方言:沙流)
koetoranne
コエトランネ 【他動】[ko-etoranne (雅語で叙述を導く)…は/が・いやである][雅] …するのはいやだ。 iruska katun/a=ki wa ne ka/koetoranne イルㇱカ カトゥン/アキ ワ ネ カ/コエトランネ [雅]私は腹を立てた振舞いをするのはいやだと思った。(Sユーカラ) ☞etoranne エトランネ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kohosipi
コホシピ 【他動】[ko-hosipi …に・もどる] …(のところ) に帰る、 …にもどる。 {E: to return to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kohosipire
コホシピレ 【複他動】[他動使役][ko-hosipi-re …に・もどる・させる] …に…を返す。 {E: to give back, return…to….} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kokewrototke
コケウロトッケ 【自動】[ko-kew-rotot-ke (擬音を導く)…が・(擬音)・(たて続けにくり返されることを表す接尾辞)・(自動詞形成)]…がゴーゴーとものすごい音響で響く。 san hum konna/koturimimse/kokewrototke サン フㇺ コンナ/コトゥリミㇺセ/コケウロトッケ [雅]川上からやって来る音がブルンブルンと鳴りゴーゴーと響く。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kokiramne
コキラㇺネ 【他動】[ko-ki-ramne …に・する・低い](?) toy tukari kokiramne トイ トゥカリ コキラㇺネ 地面の上にそびえ立つ。 {E: to rise, tower above the ground.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kokirawsika-omare
コキラウシカオマレ 【他動】[ko-kiraw-si-ka omare …に・角(つの)・自分・の上・にのせる][雅](次の慣用表現で)…のために角を背中の上にのせる。 tuyma uk pe/kokirawsika/omare kane トゥイマ ウㇰ ペ/コキラウシカ/オマレ カネ [雅]遠くの草を食べるときは角(つの)を背中の上に背負い。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kokiroryupu
コキロㇿユプ 【他動】[ko-kiror-yupu…に・力・…をきつく締(し)める]…力を出して締(し)める。 pukuru atu/esikari wa/cupu turmake turmake/raprap pispis/kokiroryupu プクル アトゥ/エシカリ ワ/チュプ トゥルマケ トゥルマケ/ラプラプ ピシピシ/コキロㇿユプ (兄は)袋のひもをつかんで力を出してギュッとしめた。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
kokisma
コキㇱマ 【他動】[ko-kisma…に/…の・…を押える][雅] ☞eyaykewtum kokisma エヤイケウトゥㇺ コキㇱマ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kokkokseitak
コッコㇰセイタㇰ 【自動】[kokkok-se-itak (擬音)コツコツ・と言う・しゃべる] どもる(「ごっこつかい」 (S))。 {E: to stutter; stammer.} (出典:田村、方言:沙流)
kokor
ココㇿ 【複他動】[ko-kor …に・持つ] ①(人)の(持っているもの)を取り上げる/もらう。 a=kiyánnepoho i=kokor rusuy アキヤンネポホ イココンルスイ 彼は私たちの上の息子をほしがった。(S民話) ②…に対して…を持つ。 tumu an kewtum/i=kokor kuni p/somo tapan na トゥム アン ケウトゥㇺ/イココㇿ クニㇷ゚/ソモ タパン ナ [概]憤慨して私に敵意を持つのではありませんよ。(Sユーカラ) ☆参考 kouk コウㇰ は…を奪う/強奪する。 {E: to take away, receive… from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
komawkururu
コマウクルル 【自動】[ko-maw-kururu (擬音擬態を導く)…が・風・(擬音の重複)][雅](直訳すると)…が風でピューピュー鳴る。 a=ekísarsutu/komawkururu アエキサㇻストゥ/コマウクルル [雅]耳元に風がピューピューと鳴り響く。(Sユーカラ) ☆参考 非常に速いスピードで進んで(飛んで/走って)行くことの表現。 ☆参考 同じユーカラを歌わずに語っている中では mawkururu マウクルル と言っている。 ☞mawkururu マウクルル ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
komham
コㇺハㇺ 【名】[kom-ham 小柏・葉] [植物]コガシワ(小柏)の葉。 komham turse yakun コㇺハㇺ トゥㇽセ ヤクン [慣用句]小柏の葉が落ちたら(常に落ちないので、 起こらないことを言う表現)。 komham turse yakun k=ésouk kane ataye ku=kar コㇺハㇺ トゥㇽセ ヤクン ケソウㇰ カネ アタイェ クカㇻ 小柏の葉が落ちたら借りている代金を払う(いつまでも払う気がないことの表現)。(S) ☆参考 ponkomni ポンコㇺニ 小柏の木。〔知分類 p.274 kom-ham((幌別))枯葉・病葉〕 (S) {E: the leaves of an oak tree.} (出典:田村、方言:沙流)
komni
コㇺニ 【名】[kom-ni 柏・木][植物]柏の若木(まだ実がならない五〜六尺のものを言う。) (S) ☆参考 大きくなった柏の木は tunni トゥンニ。〔知分類 p.177 カシワ〕 {E: a young oak tree} (出典:田村、方言:沙流)
konna
コンナ 【副助】[雅](名詞の後や「動詞に終わる節+ru ル《…(している)の》/sir シㇼ《様子》/haw ハウ《声》/hum フㇺ《音》」などの名詞句の後に置かれて、 それがどんなであるかを叙述する表現(多くの場合擬音語・擬態語)を導く。)…は/が/を。 ku=kewtumu konna oknatara クケウトゥム コンナ オㇰナタラ 私の心は悲しみに打ちひしがれている。(W独話) pirakka us pe ek hum konna keuskeus ピラッカ ウㇱ ペ エㇰ フㇺ コンナ ケウㇱケウㇱ げたをはいている者の来る音がカラッカラッと聞こえる。(NK民話) ☆参考 ユーカラでは頻繁に使われる。 リズムによって ko コ または konna コンナ (二音節必要なとき)が用いられる。 ek hum konna エㇰ フㇺ コンナ《来る音が》は4音節。 konna コンナ の代りに ko コ を使うと3音節になってしまい、 足りない。 arpa=an hum ko アㇻパアン フㇺ コ《私が行く音が》は5音節。 ko コ の代りに konna コンナ を使うと6音節になってしまい、 多すぎる。 ☆参考 後に続く叙述表現がさらに接頭辞 ko- コ を伴う場合もある。 ☞ko コ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koohana
コオハナ 【名】あんなやつ、 こんな者(さげすみや謙遜の表現)。 wenkur utar koohana hemanta kor wa i=aske uk kor oka hawe oka? ウェンクㇽ ウタㇻ コオハナ ヘマンタ コㇿ ワ イアㇱケ ウㇰ コロカ ハウェ オカ? 貧乏人ども、 あんなやつらが何を持っておれたちを招待すると言うのだろう。(W民話) hotasnu kewtum, koohana ne yakka ku=yaykorpare ホタㇱヌ ケウトゥム、 コオハナ ネ ヤッカ クヤイコㇿパレ [雅]気がかりな気持ちにこんな私のような者でもなりました。(W会話) {E: That rascal, fellow!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koopokno
コオポㇰノ 【副/後副(?)】そのために。 oykesne a=i=ípere katu ka isam no án=an, koopokno urkio=an wa オイケㇱネ アイイペレ カトゥ カ イサㇺ ノ アナン、 コオポㇰノ ウㇽキオアン マ しまいにはろくにものも食べされてくれなくなっていた、 そのために私はシラミにたかられて。(W民話) {E: for that reason.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kopakke
コパッケ 【位名】[所](概は kopak コパㇰ)[kopak-ke の方・の所] …の方(方面、 方向)、 …の近くのところ。 kopakke sama コパッケ サマ[雅]…の方。 epa=kor cási/kopakke sama/a=yaytuyere/a=yayterkere エパコㇿ チャシ/コパッケ サマ/アヤイトゥイェレ/アヤイテㇾケレ [雅]私の城の方に向かって私はまっすぐに進んでいった。(Sユーカラ) {E: towards…; near…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kor 3
コㇿ 【接助】①…しながら、 …しつつ。 suke kor an スケ コラン 煮炊きしている。 cís=an kor a=eyáykopuntek チサン コㇿ アエヤイコプンテㇰ 私は泣きながら喜んだ。 iku kor sinotcaki kor an イク コㇿ シノッチャキ コラン 彼は酒を飲みながら歌を歌っている。 ②…すれば、 …すると、 …する/したときは。 pon a=yupíhi ekimne kor a=turá ポン アユピヒ エキㇺネ コㇿ アトゥラ 小さい兄が山へ行くときは私も一緒に行った。 kesto an kor ケㇱト アン コㇿ 毎日毎日。 mata réra ruy kor méan マタ レラ ルイ コㇿ メアン 冬に風が強ければ寒い。 {E: ①while. ②if; when.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosara
コサラ 【名】[kosa-ra フジ・葉/出始めのつる][植物] 「フジ」(クズの一種)の出始めのつる。 kosara hetuku wa an コサラ ヘトゥク ワ アン 「フジ」の葉が出ている。(S) ☆参考 「フジ」は藤ではない。 ☞kosa コサ {E: the first vine shoots of the kosa plant.} (出典:田村、方言:沙流)
kosikerana-atte
コシケラナアッテ 【他動】[ko-sik-e-ra-na-atte (そこ)に・目・…で・下・の方・につける](次の慣用句で) …tukarike kosikerana atte …トゥカリケ コシケラナ アッテ …をまともに見ず目を下の方へ伏せる。 iresu sápo/inerokpe kus/i=eoripak pe/i=tukarike/kosikerana/atte kane イレス サポ/イネロㇰペ クㇱ/イエオリパㇰ ペ/イトゥカリケ/コシケラナ/アッテ カネ [雅]私の姉は、 なんとまあ、 私に畏れてかしこまり私をまともに見ず目を下の方へ伏せている。(Sユーカラ) ☆参考 tukari トゥカリ は《…の手前》 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosinna
コシンナ 【自動】[ko-sinnna (雅語で叙述を導く接頭辞)…が・違う][雅]…が違っている。 ☞eypottumma-kosinna エイポットゥンマコシンナ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosiraye
コシライェ 【他動/後副】[ko-si-raye …の方に・自身を・行かせる] …の方へ寄る。 apekesutur kosiraye no móno a=an アペケストゥㇽ コシライェ ノ モノ アアン 私は木尻座(下座)の方へ寄って座った。(W民話) {E: to drop by…; come towards…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kosumnatara
コスㇺナタラ 【他動】[ko-sum-natara (擬態などの叙述を導く小辞)…は・しおれる・…した状態が続いている][雅](次のような慣用表現で) (心)はシュンとしてしおれている。 ci=kewtumu konna/kosumnatara チケウトゥム コンナ/コスㇺナタラ [雅](いつまた会えるのかと思って)私たちの気持ちは悲しくてシュンとしている。(W即興詩) {E: to be downhearted about…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kot 1
コッ 【他動】…についている。 poro tumsi kot wa an ポロ トゥㇺシ コッ ワ アン 大きな下げ飾りがついている。 tek kot tekko テㇰ コッ テッコ 手のついたかご。 tumsi kot pasuy トゥㇺシ コッ パスイ 下げ飾りのついた箸(お菓子などの取り箸に使う)。 ☆参考 紐(ひも)や綱やくさりなどが、 またはそういうもので、 結びつけられてつく/ついていることを言う。 接触して/はりつく/ついているだけのことは kotuk コトゥㇰ、 足や耳やひげやカビのように本体の一部または付属物として生えるなどしてつく/ついていることは us ウㇱ という。 ☞kotuk コトゥㇰ、 us ウㇱ ☆参考 複他動詞は kote コテ。 {E: to be attached to…} (出典:田村、方言:沙流)
kotankorocikah
コタンコロチカㇵ §334 シマフクロウ (6) kotan-koro-cikah (ko-tán-ko-ro-či-kah)「コたンコロチカㇵ」[turus.] (出典:知里動物編、方言:)
kotesnatara
コテㇱナタラ 【自動】[ko-tes-natara …に・(擬態の語根)・(接尾辞)…した状態が続いている] …にピターッとくっついている。 {E: to be stuck tightly to…} (出典:田村、方言:沙流)
kotki
コッキ 【他動】(他の人の罪に対し怒って/戒めのために)(罪のないもの)を罰する。 pirka kewtum kor nispa ka wenkur umurek a=kotki epeka somo unkeray somo kamuy nukar pe ne kusu ピㇼカ ケウトゥㇺ コㇿ ニㇱパ カ ウェンクㇽ ウムレㇰ アコッキ エペカ ソモ ウンケライ ソモ カムイ ヌカㇻ ペ ネ クス よい心を持っている長者も、 貧乏人夫婦が悪いことをしたためにとがめを受けて、 ものももらえず神様がかえりみてくれなかったのだから。(HK民話) ku=kotki kus ku=kikkik クコッキ クㇱ クキㇰキㇰ 私は別の人に腹が立って(この子を)ボカボカなぐった(子ども同士がけんかして、 自分の子は悪くないのにその相手の子が泣くのでその親が怒って来る。 すると「きもやけて」もう遊ぶんでないと言って、 その相手に「腹立つまぎれに」自分の子をたたく)。(S) {E: to punish someone not at fault as an example to others.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyayosura
コヤヨスラ 【他動】[ko-yay-osura (そこ)に・自分・を投げ落とす][雅]…に身を投げ出す。 cituye amset/amset kurka/a=koyáyosura チトゥイェ アㇺセッ/アㇺセッ クㇽカ/アコヤヨスラ [雅]私は高床の上に体を投げ出した。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koyayramkes-mewe
コヤイラㇺケㇱメウェ 【他動】[ko-yay-ram-kes-mewe …に対して・自分・心・の末端・をはがす] …に対して一生けんめいになる。 tasum kur tektaksa póka e=ekar wa……pirkano a=e=ékoyayirayke kunine koyayramkes-mewe wa tasum kur apunno e=tusare kuni sekor タスㇺ クㇽ テㇰタㇰサ ポカ エエカㇻ ワ……ピㇼカノ アエエコヤイライケ クニネ コヤイラㇺケㇱメウェ ワ タスㇺ クㇽ アプンノ エトゥサレ クニ セコㇿ 病人になんとかマッサージだけでもしてあげて(中略)あなたが充分に感謝されるように一生けんめいになって病人を無事に治してあげるようにと。(S会話) ☆参考 同種の状況で eyayramkesmewpa エヤイラㇺケㇱメウパ も出ている。 単数と複数の違いはあるが、 e-… と ko-… との違いは未詳。 {E: to put all one's effort into…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
koynu
コイヌ 【他動】[ko-i-nu …に/から・ものを・聞く](人)に/からものを聞く、 (人)から話が耳に入る。 tu asur orke re asur orke a=koynu yakun cis tura ikemnu=an kor oka=an トゥ アスㇽ オㇿケ レ アスㇽ オㇿケ アコイヌ ヤクン チㇱ トゥラ イケㇺヌアン コㇿ オカアン たくさんのうわさが伝わって来るのを聞くと私たちは涙が出るほど気の毒だなあと思っている。(W会話) {E: to listen to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucasanke
クチャサンケ 【自動】[単](複は kucasapte クチャサㇷ゚テ)[kuca-sanke 猟小屋・を(山側の方から海側の方向へ)出す[単]] 猟期を終えて狩小屋(猟小屋)から村へ帰る。 {E: to return from the mountain hunting hut to the village at the end of the hunting season.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kucasapte
クチャサㇷ゚テ 【自動】[複](単は kucasanke クチャサンケ)[kuca-sapte 猟小屋・を(山の方から海の方向へ)出す[複]](二人以上が)猟期を終えて猟小屋から村へ帰る。 {E: to return from the mountain hunting hut to the village at the end of the hunting season (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuni 1
クニ 【助動】…することになっている、 …する見込みである、 …することが望ましい、 …するべきである、 …しよう。 ekimne a=e=sé wa a=e=ráyke kuni sekor an pe エキㇺネ アエセ ワ アエライケ クニ セコㇿ アン ペ あなたを山へ運んで行って殺そうということを。(W民話) tun ku kuni sake トゥン ク クニ サケ 二人が飲む酒(飲むべき/ことができる酒)。(S民話) herepasi arpa kuni pekor iki, pet turasi arpa kuni pekor iki, ayne, arherepasi arpa ヘレパシ アㇻパ クニ ペコㇿ イキ、 ペッ トゥラシ アㇻパ クニ ペコㇿ イキ、 アイネ、 アㇻヘレパシ アㇻパ (その飛び上がった首は)沖の方へ行くみたいにし、 川の方へ向かって行くみたいにしていてから、 しまいにずうっと沖の方へ行ってしまった。(W民話) en=kupa kuni pekor ku=yaynu エンクパ クニ ペコㇿ クヤイヌ (その犬)が私にかみつこうとしているように私は思った。(W) kuni p クニㇷ゚ …する(べき)もの。 c=e kuni p anakne porono an チェ クニㇷ゚ アナㇰネ ポロノ アン 私たちが食べるものはたくさんある。(S) (注 cékunip チェクニㇷ゚ [名]は《魚》。)oro ta, e=ewonne usa ki, e=wakkaku usa ki ranke kuni p ne na オロ タ、 エエウォンネ ウサ キ、 エワッカク ウサ キ ランケ クニㇷ゚ ネ ナ あなたはそこで顔を洗ったり、 水を飲んだりすればいいのですよ。(W民話) mak é=iki hawe an? somo an kuni p e=ye hawe ne na ne na マㇰ エイキ ハウェアン? ソモ アン クニㇷ゚ エイェ ハウェ ネ ナ ネ ナ あなたは何をなさる(とおっしゃる)のですか。 してはならないことをおっしゃっておられるのですよ。(W民話) kuni hi クニ ヒ ☞kunihi クニヒ ☆参考 他の助動詞のように文末に置かれることは少なく、 連体的に使われることが多い。 それも p ㇷ゚《もの、 の》の前が圧倒的に多い。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunne 3
クンネ 【後副】[kur-ne 影/形様・として][雅]…のように。 ranpes kunne cisiturire ランペㇱ クンネ チシトゥリレ 海岸の斜面のように長く伸びている(たくさんの宝器が陳列されている様子の描写)。 {E: like, as…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kunneecinke
クンネエチンケ §420 カメ (5) kunne-ecinke (kún-ne-e-čin-ke)「くンネエチンケ」[<黒い・亀] ⦅室蘭、幌別、白老⦆アオウミガメ E. ‘green turtle’, Chelonia japonica. (出典:知里動物編、方言:)
kunneywa
クンネイワ 【名】[kunne-i-wa 暗い・時・から] ①朝。 ②(副詞的に使われて) 朝に。 kunneywa an クンネイワ アン 朝になる。 kunneywa an kor クンネイワ アン コㇿ 毎朝。 kunneywa nasno ek クンネイワ トゥナㇱノ エㇰ 朝早く来る。(S) kunneywa kopak クンネイワ コパㇰ 朝方(9時ごろでも)。 kunneywa-ipe クンネイワ イペ 朝食を食べる、 朝食。 {E: ①morning. ②in the morning.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kupapa
クパパ 【他動】[kupa-pa …を噛む・(重複)](犬などが)…にかみつく、 (蚊が)さす(「かじる」)。 etutanne en=kupapa エトゥタンネ エンクパパ 私はカ(蚊)に「かじられた」(くわれた、 さされた)。(W) ☞kupa クパ {E: (for a dog, mosquito) to bite…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurka
クㇽカ 【位名】[kur-ka 影/姿・の上] ①(名詞句の後に置かれて)…の(全体の)上、 …の上面一帯。 so kurka míke kane ソ クㇽカ ミケ カネ 床(ゆか)の上が光っている。(S) yukermu kurka néno an iro ユケㇾム クㇽカ ネノ アン イロ ネズミの背中のような色。(W) iresu sinta/sinta kurka/kamuy oran na/kamuy oinkar イレス シンタ/シンタ クㇽカ/カムイ オラン ナ/カムイ オインカㇻ ゆりかごの上に神様が下るよ、 そこを神様が見守ってくれるよ。(S子守歌) ②(主に雅語で、 動詞の後に置かれて)…しながら、 …ているとき。 mokor kurka ta e=ek aan hawe ne wa モコㇿ クㇽカ タ エエカアン ハウェ ネ ワ 皆が眠ってしまった後にあなたは来たんだなあ。(S) ouhuy sirka/ouhuy attus/henoo uwao/kari kurka/…/kamuy itak haw オウフイ シㇼカ/オウフイ アットゥㇱ/ヘノオ ウワオ/カリ クㇽカ/…/カムイ イタㇰ ハウ こげた刀、 こげた厚司(の着物)がクルッと回りながら(=…厚司をクルッとひるがえしながら)(中略)と神が言う声が…。(W神謡K) (注 日常語では mokor kurka ta モコㇿ クㇽカ タ [慣用句]の例が二例出たのみである。 ☞kurkasike クㇽカシケ) ☆対語 kurpok クㇽポㇰ …の下。 {E: above…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurkasike
クㇽカシケ 【位名】[所](概は kurka クㇽカ)(=kurkasi クㇽカシ) ①その(全体の)上(の所)、 その上面一帯。 i=kurkasike/onuperanke イクㇽカシケ/オヌペランケ [雅](鳥になって空を飛んでいる父神は)私の体の上に涙を降らせた。(W神謡語り) ②[雅](動詞句の前に置かれて)…している間に、 …しながら。 kurkasike itako クㇽカシケ イタコ[その上・に言葉を置く] そうしている間に/そうしながら話をする/しゃべり始める。 ranke núpe/uturatura/kurkasike/itako hawe/ene oka hi ランケ ヌペ/ウトゥラトゥラ/クㇽカシケ/イタコ ハウェ/エネ オカ ヒ [雅]涙をあとからあとからとめどなく流し、 そうしている間に話し始めて次のように言った。(W神謡語り) ☆発音 歌うときは kurkasike クㇽカシケ と発音され、 話すときは通常 i が落ちて kurkaske クㇽカㇱケ と発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kurkus
クㇽクㇱ 【自動】[kur-kus 影(が)・…を通る] ①[慣用句]iporo kurkus イポロ クㇽクㇱ (怒って)渋い顔をしている。(S) ②☞eypottumma kurkus エイポットゥンマ クㇽクㇱ (出典:田村、方言:沙流)
kursut
クㇽスッ 【位名】[概](所は kursutu クㇽストゥ)[kur-sut 影/姿・の根元]…の根元(木なら、 幹の一番下の方)。 ☆参考 ous オウㇱ …の根元(木なら、 生えている所のすぐそば)。 {E: the root, base of…} (出典:田村、方言:沙流)
kus(u)
クス/クㇱ 【接続/後副】①(動詞句の後で) …するために、 …したから。 mosma kur kor kusu é=iki hi ka somo ne モシマ クㇽ コㇿ クス エイキ ヒ カ ソモ ネ ほかの人が持つためにあなたはするのではない。 kemaha nam kusu suy soyne rusuy ケマハ ナㇺ クス スイ ソイネ ルスイ 足が冷たくなるのにまた外へ出たがる。 ②(名詞句の後で) …のために、 …のゆえに、 そのために。 mosma kur kusu ne kunak ku=ramu モㇱマ クㇽ クス ネ クナㇰ クラム ほかの人のためだと私は思った。 ekouwepekennu kus ek エコウウェペケンヌ クㇱ エㇰ 彼はあなたの話を聞きに来た。(S) ③(kus クㇱ にならず、 常に kusu クス の形で)(関係詞的用法)そのために…する/したところの…(…する/した目的)。 kusu e=arpa p epitta e=eraman ka somo ki no hńta kusu nas e=hosipi hawe an? クス エアㇻパㇷ゚ エピッタ エエラマン カ ソモ キ ノ フンタ クス トゥナㇱ エホシピ ハウェ アン? そのためにおまえが行った事を(行った目的である勉強を)すっかりおぼえないで、 なぜ早く帰って来たのか。 ④熟語 hi kusu ヒ クス (だ)から、 そのために。 c=e ka etoranne hi kusu arorkisne kanpi níkor cómare hine… チェ カ エトランネ ヒ クス アロㇿキㇱネ カンピ ニコㇿ チョマレ ヒネ…. 食べたくなかったからそっと紙にくるんで…。(S) hemanta kus(u)/hńta kus(u) ヘマンタ/フンタ クス/クㇱ なぜ。 mak an kus(u) マカン クス/クㇱ どういうわけで。 mak an pe kus(u) マカン ペ クス/クㇱ どういうわけで。 makanak ne kus(u) マカナㇰ ネ クス/クㇱ どういうわけで。 wa kus(u) ワ クス/クㇱ …したから、 だからこそ。 pe ne kus(u) ペ ネ クス/クㇱ/p ne kus(u) プ ネ クス/クㇱ …する/したものだから、 …する/したので。 k=eywankep ka isam, a=konere p ne kusu ケイワンケㇷ゚ カ イサㇺ、 アコネレㇷ゚ ネ クス 私が使うのがない、 粉々にされたものだから。(S) hike kusu/ayke kusu ヒケ クス/アイケ クス …する/したからといって、 …したとしても。 keray(po) kus(u) ケライ(ポ) クス/クㇱ …したおかげで。 kus(u) keray(po) …クス/クㇱ ケライ(ポ) (動詞の後に置かれて)…したおかげで。 e=an kus(u) keray(po) エアン クス/クㇱ ケライ(ポ) あなたのおかげで。 ne kus(u) koraci ネ クス/クㇱ コラチ まるで…そっくりに。 kamuy ne kus koraci an onne kur カムイ ネ クㇱ コラチ アン オンネ クㇽ まるで神のような老人。(KC民話) 使役 + kusu ye クス イェ …するように言う(間接命令)。 i=ahupte kus(u) ye イアフㇷ゚テ クス/クㇱ イェ (引用文で)彼は私たちに入りなさいと言う。(NK民話) en=ere en=ere kus ye エネレ エネレ クㇱ イェ 私に食べなさい食べなさいと言う。(S) hunakke kusu フナッケ クス ☞hunakkekusu フナッケクス。 hinakke kusu ヒナッケ クス ☞hinakkekusu ヒナッケクス。 kusu an クス アン[単]/kusu oka クス オカ[複] とても…。 sattek kusu oka サッテㇰ クス オカ (二つ以上が)とてもやせこけている。(S会話) kus(u) ne クス/クㇱ ネ (未来の表現) …する(ことになっている)、 …しようとしている、 …します。 ☞kusu ne クス ネ ☆発音 早く話すとき強調しないときはしばしば語末の母音 u が落ちて kus クㇱ と発音される。 {E: ①in order to…; because one did… ②for…; because… ③that's why for that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kuyra
クイラ 【他動】(…のところへ)忍んで行く。 waranpe kuyra wa arpa wa nísapno ureetursere, yak irupi irammakaka an na ワランペ クイラ ワ アㇻパ ワ ニサㇷ゚ノ ウレエトゥㇽセレ、 ヤㇰ イルピ イランマカカ アン ナ ワラビに忍び足で近づいて行って急にけとばしなさい、 そうすれば澱粉がきれいに出ているから。(S) kuyra wa arpa, ramu tuypa クイラ ワ アㇻパ、 ラム トゥイパ そっと行っておどかしてやりなさい。(S) {E: to sneak to…} (出典:田村、方言:沙流)
mahnekuh(ru-ru)
マㇵネクㇷ §003.おんな(女)(9)mahnekuh(ru、-ru)〔máh-ne-kuh まㇵネクㇷ〕[mah(mat 女)+-ne(である)+kuh(kur ひと)]⦅S.⦆女。〜pahno ko-yaymatuh⦅ニイトイ⦆「一人前の女に成人した」。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
makan
マカン 【副】(次の表現で)どのように。 makan ne kor マカン ネ コㇿ 都合により、 「どうやらしたら」=どうかすると、 場合によっては。(W) makan ne kor/mosirso kurka/oran wa マカン ネ コㇿ/モシㇼソ クㇽカ/オラン マ [雅]時によると地上に降りて。(Sユーカラ語り) makan katkor pe/ek hum konna/koturimimse/kokewrototke マカン カッコㇿ ペ/エㇰ フㇺ コンナ/コトゥリミㇺセ/コケウロトッケ [雅]どんなものだかやって来る音がブルンブルンと鳴りゴーゴーと響く。(Sユーカラ) ☆参考 長く言うと makanan マカナン。 makanan マカナン も makan マカン も限られた文脈で使われている。 一般的に「どのように」という疑問の表現には nékon ネコン、 nékona ネコナ、 あるいは日常語と同じ makanak マカナㇰ などが使われている。 ☆参考 日常語では makanak マカナㇰ《どのように》、 mak マㇰ《どのように》(縮約形)があるが、 用法は makan マカン と同じではない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
makanak
マカナㇰ 【副】どう、 どのように。 makanak katuhu an kur マカナㇰ カトゥフ アン クㇽ いったいどんな格好をした人。(W) makanak an マカナㇰ アン どのようである、 どんな。 makanak an itak e=nu rusuy hawe an? マカナㇰ アン イタㇰ エヌ ルスイ ハウェ アン? どんな言葉をあなたは聞きたいの? (S) ☆参考 mak マㇰ と同義だが「いったいどのように」という、 疑問の意をよりはっきりさせる。 ☆参考 千歳の白沢ナベさんによれば、 千歳の方では mak マㇰ は使わず、 軽く言うときでも makanak マカナㇰ を使う。 {E: how; what; which.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
makkesama
マッケサマ 【位名】[mak-ke-sama …の奥・の所・側] tu makkesama kotuye トゥ マッケサマ コトゥイェ (直訳すると)二つの(=いくつもの)その奥の所を…に対して切る=人が何度断っても聞かずに自分の意志を通す。 a=kopán yak a=ye yakka tu makkesama i=kotuye i=etun kuni koyayotuyma anuanu アコパン ヤㇰ アイェ ヤッカ トゥ マッケサマ イコトゥイェ イエトゥン クニ コヤヨトゥイマ アヌアヌ 私がいくら断っても彼は聞かず、 私を嫁にもらうとしつこく言い続けた。 民話 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mákoraye
マコライェ 【他動】[mak-o-raye 後ろ・に・やる] 後ろへやる、 (袖を)まくる。 e=tusa mákoraye, e=amunini a=huráye kus ne na エトゥサ マコライェ、 エアムニニ アフライェ クㇱ ネ ナ (あなたの)袖をまくりなさい、 腕を洗ってあげるから。(S) ☆参考 simakoraye シマコライェ[自分を・後ろへやる]は《ひまをとる》。 {E: to roll up (the sleeves).} (出典:田村、方言:沙流)
mame
マメ 【名】[< 日本語][植物]豆。 ☆参考 今は花豆がたくさんつくられ、 ほかに虎豆や大豆などもつくられている。 あずきは antuki アントゥキ という別語で呼ばれる。 豆は昔からつくっていたという。 {E: a bean.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mastek
マㇱテㇰ 【自動】物がいっぱいつまっている、 ふくれてピンと張る。 k=ossike mastek pekor ku=yaynu コッシケ マㇱテㇰ ペコㇿ クヤイヌ 私のおなかに物がいっぱいつまっているような気がする(腹が立って)。(S) ☆参考 emastek エマㇱテㇰ [他動]…がいっぱいつまっている。 ☆参考 sik シㇰ はただいっぱいになる/なっていること、 つまり少しだけとか半分だけ入っているのでなく満ちる/満ちていること。 しばしばよい意味に使われる。 mastek マㇱテㇰ は余計なものやよくないものがいっぱいギュウギュウつまっていてよくないことを言うらしい。 {E: to be stopped; stuffed; blocked (up).} (出典:田村、方言:沙流)
mat
マッ 【名】[概](所は maci(hi)) 女、 妻。 mat kor マッ コㇿ [女/妻・を持つ] 妻を持つ、 妻をめとる。 te wano anak mat ka a=kor kusu ne テ ワノ アナㇰ マッ カ アコㇿ クス ネ これからは妻もめとります。(S民話) mat etun マッ エトゥン [女/妻・を借りる]妻をめとる。 mat ne kor マッ ネ コㇿ …を妻にする。 kamuy moyremat カムイ モイレマッ 神のような(落ち着いた上品な立派な)女/女神。 mat-koyomare マッコヨマレ 女たちにもおしゃくしてやる。(S) {E: a woman; a wife.} (出典:田村、方言:沙流)
mátak
マタㇰ 【名】[概](所は mátaki(hi) マタキ(ヒ))[mat-ak 女・弟]妹(姉に対する妹)。 ☆参考 兄に対する妹は matapa マタパ または tures(i) トゥレㇱ/トゥレシ。 {E: a younger sister.} (出典:田村、方言:沙流)
matapa 2
マタパ 【名】[概/所][mat-apa 女・親族](兄に対する)妹。 matapa kor kur matapaha tura wa ek, korar rusuy kusu マタパ コㇿ クㇽ マタパハ トゥラ ワ エㇰ、 コラン ルスイ クス 妹のある男が妹を連れて来た、 嫁にやりたいので。(S) ☆参考 tures(i) トゥレㇱ/トゥレシ と言う場合もある。 matapa マタパ のほうが日常語的。 叙事詩では tures(i) トゥレㇱ/トゥレシ のほうが使われる。 ☆対語 mátak マタㇰ 姉に対する妹。 {E: a younger sister.} (出典:田村、方言:沙流)
matkor
マッコㇿ 【自動】[mat-kor 女/妻・を持つ] 妻を持つ、 妻を持っている、 妻をめとる。 repuyso ka ta a=rokte kamuy oro wa matkor hike matkor レプイソ カ タ アロㇰテ カムイ オロ ワ マッコリケ マッコㇿ 沖のほう(=海外)に住む神の所から妻をめとる者はめとり…。(S言い伝え) ☆参考 mat kor マッ コㇿ、 mat etun マッ エトゥン とも言う。 ☞mat マッ {E: to have a wife.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
matkorepa
マッコレパ 【他動】[複](matkore マッコレ は単複の区別なし) (二人以上の男)に妻を与える、 …を結婚させる。 atuyso ka wa a=matkorepa hike iporo retar kusu oka アトゥイソ カ ワ アマッコレパ ヒケ イポロ レタㇻ クス オカ 海外から妻を与えられた人々はとても色が白い。(S言い伝え) {E: to give a wife to…; make…marry.(pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mawe(he)
マウェ(ヘ) 【名】[所](概は maw マウ) …の呼気、 …の風、 …の空気。 mawe tuy マウェ トゥイ 息が絶える(tasu tuy タス トゥイ とも言う)。 mawe(he) an マウェ(ヘ) アン …に似ているようだ。 nupuri tapka wa/kamuymaw ne a p/yupke mawe/ciranaranke ヌプリ タㇷ゚カ ワ/カムイマウ ネ アㇷ゚/ユㇷ゚ケ マウェ/チラナランケ [雅]山の頂上から神風の強い風が吹き下ろしてきた。(W民話) {E: the breath, wind, air of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mawkururu
マウクルル 【自動】[maw-kurur-u 風・(擬音重複)・(他動詞形成)](直訳すると)風がピューピュー鳴らす=(次のような慣用句で)風でピユーピユー鳴っている。 a=ekisársutu/mawkururu アエキサㇻストゥ/マウクルル [雅]私の耳元で風がピューピュー鳴っていた(ユーカラの主人公の少年などが猛スピードで進んで、 あるいは飛んで行くことの形容)。(Sユーカラ語り) ☆参考 同じ文脈で komawkururu コマウクルル とも言っている。 {E: the whistling sound of wind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
may
マイ 【名】[概](所は maye(he))(美しい)響き(金物などを叩いた後ウーンと鳴っている音)(=kanemay カネマイ)。 kane may ne uwetunuyse カネ マイ ネ ウウェトゥヌイセ (女神の声などが)金(かね=金属)の響きのように美しく響く。(S) {E: a (beautiful) sound. (metallic)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mayayke 2
マヤイケ 【名】ひぜん(皮ふのかゆい病気)。 mayayke koturse マヤイケ コトゥㇽセ ひぜんがうつった。(W) {E: scabies.} (出典:田村、方言:沙流)
maye(he)
マイェ(ヘ) 【名】[所](概は may マイ) …の響き。 toptukan wa inu wa mayehe pirka hike hok トㇷ゚トゥカン ワ イヌ ワ マイェヘ ピㇼカ ヒケ ホㇰ (茶碗を)爪ではじいてみて響きのいいのを買いなさい。(S) {E: the sound of…} (出典:田村、方言:沙流)
mayne
マイネ 【自動】「ばかだ」。(S) ☆参考 rumayne ルマイネ まだ充分煮えてなくて半生(はんなま)で芯がある、 (比喩的に)「半ばかだ」。 {E: to be a fool, stupid.} (出典:田村、方言:沙流)
mecip
メチㇷ゚ 【名】[概](所は mecipi(hi) メチピ(ヒ))[me-cip (?)・舟](?) ぼんのくぼ(「首筋の2本の筋間のくぼんだ所」=okrici ukowturke オㇰリチ ウコウトゥㇽケ)。(S)〔知分類 p.222 mechip ((タライカ))すね。 参考・—北海道のホロベツに……その意味わ殆ど忘れられ、 わずかに土地の古老が「背すじ」のことでわないかと云うのみである((民研資料II, p.56))〕 {E: the hollow of the nape of the neck.} (出典:田村、方言:沙流)
mekka
メッカ 【位名】[mek-ka (?)・の上]… の上側(山の尾根のように左右よりも高い所がある長さを持っているような場合にその上を言うらしい)。 sítu mekka ta シトゥ メッカ タ 尾根の上に。 humne e=sapa mekka ta e=yanke wa e=ek フㇺネ エサパ メッカ タ エヤンケ ワ エエㇰ あなたは時にはそれをあなたの頭の上にのせて来た。(S) {E: above, on top of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
menoko
メノコ 【名】[< 日本語] ①(広義に)一般に女性。 ②(狭義に)アイヌ民族の成人女子。(W) (S) ☆対語 okkayo オッカヨ《男》。 ☆参考 kurmat クㇽマッ 和人の女性。(W) (S) {E: ①a woman ②an adult, mature woman.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
meske
メㇱケ 【自動】[mes-ke (もぐ/はぐ等を表す語根)・(自動詞形成)] もげる、 はがれる。 suma ani a=kar yakun meske yakka yaske yakka ukotuk ka eaykap スマ アニ アカㇻ ヤクン メㇱケ ヤッカ ヤㇱケ ヤッカ ウコトゥㇰ カ エアイカㇷ゚ (人間を)石でつくったらもげても(欠けても)裂けてもくっつくことができない。(S言い伝え) ☆参考 他動詞は mesu メス。 ☆参考 emeske エメㇱケ 上のほうが/一部がもげる、欠ける。 {E: to come off.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mim 1
ミㇺ 【他動】…を一本一本に裂く。 ku=mim wa eci=ére クミㇺ ワ エチエレ(干し魚を)(私が)さいて(あなたに)食べさせてあげる。 ☆参考 布や紙をビリッと裂くことは yasa ヤサ、 細く切ることは petu ペトゥ。(S) {E: to tear, break off…one by one.} (出典:田村、方言:沙流)
mína
ミナ 【自動】笑う(声を出して笑うことも、 声を出さずにほほえむことも言う)。 mína haw ミナ ハウ 笑い声。 mína kane an ミナ カネ アン ニコニコ笑っている。 mína tura ミナ トゥラ 笑いながら、 笑顔で、 喜んで。 mína kasuno mína kane ミナ カスノ ミナ カネ とてもうれしそうにニコニコして。 {E: to laugh; smile.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
mokorkoama
モコㇿコアマ 【自動】[mokor-ko-ama 眠る・と共に・(?)] 寝相が悪い。 somo e=mokorkoama p he an? ソモ エモコㇿコアマㇷ゚ ヘ アン? あなたは寝相が悪いのではないかい? {E: to toss and turn in one's sleep; sleep in a disorderly manner.} (出典:田村、方言:沙流)
mom
モㇺ 【自動】(ものが水中などを)流れる。 mom hike mom, a=turáynu hike a=turáynu モㇺ ヒケ モㇺ、 アトゥライヌ ヒケ アトゥライヌ (洪水で)流れるものは流れ、 見つからない者は見つからなくなった=流された人や行方不明になった人々がいた。(S会話) ☆参考 水などが流れることにはこの語は使わず、 次のように言う。 ciw kus チウ クㇱ 流れが(そこを)通る、 nay san ナイ サン 沢が流れる。 {E: to flow.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
monkurkasi
モンクㇽカシ 【名】[mon-kurkasi 手(体)・の上全面][雅](次の慣用句で)monkurkasi kosumnatara モンクㇽカシ コスㇺナタラ [雅]体がすっかり疲れてしまっている。 tane ne kusu/a=monkurkasi/kosumnatara タネ ネ クス/アモンクㇽカシ/コスㇺナタラ [雅]今はもう私は疲れてきました。(Sユーカラ語り) ☞emontum エモントゥㇺ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
monowahpo
モノワㇵポ §007.むすめ(娘)(20)monowahpo〔mo-nó-wah-po モのワㇵポ〕⦅マオカ⦆【雅―tuitak(昔話)、ucaskuma(酋長談)などにおいて】少女。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
monpok
モンポㇰ 【位名】[概](所は monpoki モンポキ/monpokke モンポッケ)[< mon-pok 手・の下] …のすぐ下の方(上の方にいるものが見おろして見えるような位置)、 すぐそば。 taperehe monpok タペレヘ モンポㇰ 肩胛骨の下。(S) iyoykir monpok/cituye amset/kane amset/cisireanu イヨイキㇼ モンポㇰ/チトゥイェ アㇺセッ/カネ アㇺセッ/チシレアヌ 宝壇のすぐそばに別づくりの高床、 金(かね)の高床が置かれていた。(Sユーカラ) {E: lower; below.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
moroahpo
モロアㇵポ §007.むすめ(娘)(21)moroahpo〔mo-ró-ah-po モろアㇵポ〕⦅シラヌシ⦆【雅―tuitah(昔話)、ucaskoma(酋長談)において】少女。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
moromahpo
モロマㇵポ §007.むすめ(娘)(19)moromahpo〔mo-ró-mah-po モろマㇵポ〕[moro(?tu-itah(昔話)、ucaskuma(酋長談)などに用いられる】少女;未婚の若い女。pon moromahpo「若い娘」⦅千徳, pp.2, 3⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
mósekar
モセカㇻ 【他動】(草)を刈る。 unma e p mósekar kus arpa ウンマ エㇷ゚ モセカㇻ クㇱ アㇻパ (彼は)馬の餌を刈りに行った(=móse モセ)。(S) sarki mósekar kus arpa サㇻキ モセカㇻ クㇱ アㇻパ (彼は)ヨシ(葦)を刈りに行った。(S) ☆参考 穀物を刈る(下の方を鎌で切る)ことは otuye オトゥイェ。 {E: to cut, mow (grass).} (出典:田村、方言:沙流)
mosma 1
モㇱマ 【後副】…のほかに、 そのほかに、 (連体的に使われて) …のほかの…。 mosma mosma hawean モㇱマ モㇱマ ハウェアン 関係のない話をする、 話をそらす。 apto as hi mosma mak ku=ye kusu? アㇷ゚ト アㇱ ヒ モㇱマ マㇰ クイェ クス? 雨が降ることのほかには何を言えばいい? (S) en=mosma p oro wa etun エンモㇱマㇷ゚ オロ ワ エトゥン 私以外の人から借りなさい。(W) mosma kotan un kur モㇱマ コタヌン クㇽ 他の村の人。(W) {E: other; another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
moteki
モテキ 【副】さいわいに、 うまい具合に。 moteki néno hawean pe ku=kotusworo モテキ ネノ ハウェアン ペ クコトゥㇱウォロ 幸いに(彼が)そう言うから(私は)それで話をつけた。(S) “ku=merayke na en=tumam wa en=kore”“moteki eci=tumám kus ne wa” 「クメライケ ナ エントゥマㇺ ワ エンコレ」「モテキ エチトゥマㇺ クㇱ ネ ワ」 「寒いからだいて寝てちょうだい」「いやよかったな、 それならだいて寝てあげよう」。(S) {E: happily; luckily.} (出典:田村、方言:沙流)
moto-orke
モト オㇿケ 【名】[所](orke オㇿケ の概は or オㇿ だが、 moto or モト オㇿ は出てこない。)[起源・の所](…の)もと/起源となる所、 起源、 素性、 先祖。 etoko wano Aynu mosir ta okay pe ka a=moto-orke népa ka somo ki korka エトコ ワノ アイヌ モシッタ オカイ ペ カ アモトオㇿケ ネパ カ ソモ キ コㇿカ 私たちの先祖は昔からアイヌモシリ(北海道)に住んでいたわけではないけれども。(S言い伝え) tu moto-orke hunara kor as wa an トゥ モトオㇿケ フナラ コㇿ アㇱ ワ アン 彼は(そいつの)素性をいろいろと探りながら立っていた。(W民話) {E: place of origin (of…).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
motonkor
モトンコㇿ §341 クマタカ (3) motonkor (mo-tón-kor)「モとンコㇿ」[tus nipalensis orientalis TEMMINCK & SCHLEGEL.) (出典:知里動物編、方言:)
moyre
モイレ 【自動】①遅い、 のろい、 遅れる。 mak an pe kusu e=moyre a ruwe an? マㇰ アン ペ クス エモイレ ア ルウェ アン? どういうわけで(あなたは)遅くなったの。(W会話) ②(助動詞的用法)…するのが遅い、 …し遅れている。 e=ye moyre エイェ モイレ あなたは言い遅れている(すぐに言うべきなのになかなか言わない)。(S会話) ③moyre as モイレ アㇱ [慣用句](次のような文脈で)(天に帰る神が)もっと遅く行く。 moyre as pe a=ikóramu awa, na sittumupeker kaspa ka somo ki no モイレ アㇱ ペ アイコラム アワ、 ナ シットゥムペケㇾ カㇱパ カ ソモ キ ノ (父が天に昇るとは聞いたが)もっと遅く行くのだと思っていたのに、 まだあまり明るくもならないうちに…。(W神謡) ☆参考 kamuy moyremat カムイ モイレ マッ [神・遅い・女] 位が高い立派な女性、 女神(伝統的な価値観では、 身分の高い女性はゆったりと落ち着いているとされる)。 {E: ①to be slow; late. ②to be slow to, at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
munpe
ムンペ 【名】[mun-pe 草・汁][植物] 草の汁(無色の)。 munpe etuku ムンペ エトゥク 草の汁が出る。(S) ☆参考 乳色の汁は muntope ムントペ。 kinape キナペ は《露》。 {E: grass sap.} (出典:田村、方言:沙流)
na 1
ナ 【副】①まだ。 na cup ri híne ナ チュㇷ゚ リ ヒネ まだ日が高いうちに。(NK民話) na oar tennep ne híne ナ オアッ テンネㇷ゚ ネ ヒネ (彼が)まだほんの赤ん坊だったときに。(W民話) na hoku sak no an ナ ホク サㇰ ノ アン まだ夫がいない(未婚である)。(W民話) na ek isam ナ エキサㇺ (彼は)まだ来てない。(W) na nas na, na hotke wa an ナ トゥナㇱ ナ、 ナ ホッケ ワ アン まだ早いから、 もっと寝ていなさい。(S) na an wa ナ アン ワ まだあるよ。(S) ②もっと。 na na poronno ナ ナ ポロンノ もっともっとたくさん。 na usayne usayne ナ ウサイネ ウサイネ まだそのほかいろいろ。 na inne=as wa ナ インネアㇱ ワ 私たちはもっと大勢で。 na ku=kor rusuy humi! ナ クコンルスイ フミ! もっとほしいなあ。(S) na akkari pirka hike ku=kor rusuy ナ アッカリ ピㇼカ ヒケ クコンルスイ これよりもっといいのがほしい。(S) na uimakta ナ ウイマㇰタ まだその後その後に、 だんだん。 na uimakta keweri kor oka ナ ウイマㇰタ ケウェリ コロカ だんだん背が高くなりつつある。(S) {E: ①yet; still. ②more.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nam
ナㇺ 【自動】冷たい(「しゃっこい」)、 (熱くあるべきものが)ぬるい。 nam wa k=ésanpesituri humi! ナンマ ケサンペシトゥリ フミー! 冷たくて気持ちがいいなあ。(W) tonpuri wakka ponno nam na apeari yan トンプリ ワッカ ポンノ ナㇺ ナ アペアリ ヤン おふろのお湯が少しぬるいから火をたきなさい。(W) {E: to be cold; tepid.} (出典:田村、方言:沙流)
namne
ナㇺネ 【副】[nam-ne (?)・で](?)(次の熟語で)maknak namne マカナㇰ ナㇺネ [雅]いったいどのように。 makanak namne/motokor katu/oka a kuni p/a=ne wa tapne マカナㇰ ナㇺネ/モトコㇿ カトゥ/オカ ア クニㇷ゚/アネ ワ タㇷ゚ネ [雅]自分はいったいどのような素性をもつものであったがためにこのように。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nani
ナニ 【副】(…して)すぐに、 まもなく。 ésir ek korka nani arpa エシㇼ エㇰ コㇿカ ナニ アㇻパ (彼は)さっき来たけれどすぐ行った。(S) …hi nani… …ヒ ナニ… するとすぐ。 apto tuy hi nani réra yupke アㇷ゚ト トゥイ ヒ ナニ レラ ユㇷ゚ケ 雨がやむとすぐに風がひどくなった。 ☆参考 pe/p sekor ㇷ゚/ペ セコㇿ …した途端に。 {E: soon.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nankor 2
ナンコㇿ 【助動】(語源的には [nan-kor 顔・を持つ]であろう。) …だろう(推量、 予言)。 nankor na ナンコンナ (1)…するだろうから/…するだろうよ。 nen ne yakka kokanu uske ka oka nankor na ネン ネ ヤッカ コカヌ ウㇱケ カ オカ ナンコンナ どのようであっても傾聴する所もあるだろうよ/だろうから。(W会話) (2)…しなさいよ(予言の形をとった命令表現の一つ)。 ney ta pakno nisasnu mintum e=kor wa e=an nankor na ネイ タ パㇰノ ニサㇱヌ ミントゥㇺ エコㇿ ワ エアン ナンコンナ どうかいつまでも健康な体を持っているんですよ(=いなさいよ)。(NZ挨拶) {E: probably.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
naye
ナイェ 【他動】[nay-e すじ・(他動詞形成)] …にすじをつける。 tusa tuypoki ku=naye kor k=an トゥサ トゥイポキ クナイェ コㇿ カン 私は袖下にへらですじをつけている(和裁をしていて、 袖下の縫い目の位置に印をつけているとき)。(W) ☆参考 単数形の形だが複数形 naypa ナイパ は未出。 たくさんすじをつけることは naynaye ナイナイェ {E: to draw a line on, mark… (with a spatula.} (出典:田村、方言:沙流)
nayorun
ナヨルン §067 サケ あきあじ、あきやじ  他(33) nayorun 「ナヨルン」cep a-tukan kusu an pon-ku (出典:知里動物編、方言:)
ne 1
ネ 【デアル動】(「AはBである」というときの「である」に相当する。 「…になる」と訳せる場合もある。 主語(A)と補語(B)をとる。 人称変化は他動詞型。)…だ、 …である。 (káni)wenkur ku=ne ウェンクㇽ クネ (私は)貧乏人だ(=私は貧しい)。(W) káni ne カニ ネ (それは)私だ。(W) toan uske k=únihi ne トアン ウㇱケ クニヒ ネ あそこは私の家だ。(S) …ne ya… ne ya …ネ ヤ…ネ ヤ …だとか…だとか。 …pe/p ne …ペ/ㇷ゚ ネ …する/したのだ、 …するものだ。 …pe/p ne kusu …ペ/ㇷ゚ ネ クス …する/したものだから、 …ので。 néun hene ka e=kor rusuy pe ne a kus ora ネウン ヘネ カ エコン ルスイ ペ ネ ア クㇱ オラ あなたが何としてでもほしいと言ったので。(S) kus(u) ne クス/クㇱ ネ …する(未来)。 nispa e=ne kus ne na ニㇱパ エネ クㇱ ネ ナ あなたは立派な人になるのだよ。(S子守歌) ruwe ne ルウェ ネ …した/する(のだ)(確かなことについて)。 hawe ne ハウェ ネ …した/する(のだ)(言ったことや聞いたことについて)。 siri ne シリ ネ …している(見えている様子について)。 ne wa ネ ワ (1)…であって。 (2)(数名詞と共に次のように用いられる。) tup ka ne wa uk トゥㇷ゚ カ ネ ワ ウㇰ 二つともとった。(S) tun ne wa トゥン ネ ワ 二人で。 tun a=ne wa トゥン アネ ワ あなたと私と二人で。 tun ci=ne wa トゥン チネ ワ (あなたは入らず)私たち二人で。 {E: is; to be …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ne 4
ネ 【格助】…に(なる、 する。)、 …として。 unu ne kor ruwe un ウヌ ネ コン ルウェ ウン (その子を)母親代わりになってひきとったのだよ。(W) porono ku=cire akus poonpepo ne nin ポロノ クチレ アクㇱ ポオンペポ ネ ニン たくさんゆでたらちょびっとにへった。 tup ne usaraye wa usa korpare トゥㇷ゚ ネ ウサライェ ワ ウサ コㇿパレ (それを)二つに分けて(二人の人に)それぞれ与えなさい。(S) …ne an ネ アン …になる。 íkonpap siseypere wa kinapoheporap ne an kor an イコンパㇷ゚ シセイペレ ワ キナポヘポラㇷ゚ ネ アン コラン 毛虫が生まれ変わってアゲハチョウになっているところだ。 tanto anak rataskep tókap-ipe ne an タント アナㇰ ラタㇱケㇷ゚ トカㇷ゚イペ ネ アン 今日はまぜごはんが昼食になる。(S) …ne kar …ネ カㇻ …を…にする。 néa poro a=yupí utarkorkur ne a=kar wa ネア ポロ アユピ ウタㇻコㇿクㇽ ネ アカㇻ ワ その大きい兄を村おさにして。(NK民話) pirka hi ne ピㇼカ ヒ ネ …よいことに…、 よくぞ…した、 …してよかった。(NK民話) hemanta ne ヘマンタ ネ/hńta ne フンタ ネ 何しに、 何のために。 na siw noyne an pe hemanta ne e=kar? ナ シウ ノイネ アン ペ ヘマンタ ネ エカㇻ? まだ苦いようなもの何しにとってきたの。(S) {E: to become; do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nek
ネㇰ 【終助】[結びの助詞] ①…さ、 …ぞ。 (通常、 強めの助詞 tas(i) タㇱ/タシ または tos(i) トㇱ/トシ との組み合わせで、 係り結びのように使われる。) tooká amip ka icen ka amam ta poronno e=kor wa e=soyne tas ki nankor nek! トオカ アミㇷ゚ カ イチェン カ アマㇺ タ ポロンノ エコㇿ ワ エソイネ タㇱ キ ナンコㇿ ネㇰ! あそこにある着物もお金も米もたくさん持って出てやるぞ。(S民話) a=ewkoysoytak kor síran pe tasi an nek! アエウコイソイタㇰ コㇿ シラン ペ タシ アン ネㇰ! そのことを私たちは一緒に話し合っているのよ。(S会話) ②(反語的に)…するものか。 épo tas e=tura án=an nek! エーポ タㇱ エトゥラ アナン ネㇰ! ええい、 お前なんかと一緒にいるもんか! (W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nenkane
ネンカネ 【副】[nen-ka-ne どう・か・である] ひょっとして(…する恐れがある)。 nenkane a=e=ráyke yakun a=sitóma wa kus ネンカネ アエライケ ヤクン アシトマ ワ クㇱ ひょっとしてあなたが殺されでもしたら恐ろしいから。(S民話) e p keseke iteki e yan, nenkane eci=korse yak a=sitóma na エㇷ゚ ケセケ イテキ エ ヤン、 ネンカネ エチコトゥㇽセ ヤㇰ アシトマ ナ (彼の)食べ残しを食べるのはやめなさい、 もしあなたたちに(病気が)うつったら恐ろしいから。(S) nenkane kira kusu ネンカネ キラ クス 逃げるつもりだな。(S) ☆参考 好ましくない予想に用いられる。 {E: possibly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
népa
ネパ 【デアル動】[複](ne ネ は単複区別なし)[ne-pa である・[複]](二人以上/二つ以上が皆)…だ、 …である。 tumunci kamuy népa wa okay pe ne a kusu siwnin to ne wa an トゥムンチ カムイ ネパ ワ オカイ ペ ネ ア クス シウニン ト ネ ワ アン (そこにいたのは)鬼神たちであったものだったから(そこは)緑の沼になっている。(S会話) {E: to be.(pl.)} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nepki
ネㇷ゚キ 【自動/名】①[自動] 働く、 仕事をする(「かせぐ」)。 ②[名] 仕事。 ☆参考 家の中の仕事や外回りの仕事など、 一般の仕事をすることを言う。 特に山の仕事をすることは monrayke モンライケ と言うことがある。 何か一生けんめいにする特定の仕事には irawketupa イラウケトゥパ も使われる。 {E: ①to work. (v.) ②work (n.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nesun
ネスン 【副助】[< nesi-un (強めの助詞)・(納得の助詞)]きっと…なんだ。 nep ka emawri e wa nesun kameasi atu kor an ネㇷ゚ カ エマウリ エ ワ ネスンカメアシ アトゥ コラン きっと何か(悪い)イチゴでも食べたんだろう、 あいつ吐いている。(W) {E: sure; without fail.} (出典:田村、方言:沙流)
net
ネッ 【名】流木、 寄り木(川や海を流れて来た木。 拾ってたきぎにする)。 atuy or ta mom net アトゥヨッタ モㇺ ネッ 海の流木/寄り木。 pet or un mom net ペトルン モㇺ ネッ 川の流木/寄り木。 rawun net ラウン ネッ 水中に沈んだ流木/寄り木。 net uwomare ネッ ウウォマレ 流木/寄り木拾いする。 ☞nétuk ネトゥㇰ {E: driftwood.} (出典:田村、方言:沙流)
netopa
ネトパ 【名】[概](所は netopake(he) ネトパケ(ヘ) ①体、 体全体。 ②頭と手足以外の胸・腹・背・腰の部分(=tumam トゥマㇺ)。 amip netopa アミㇷ゚ ネトパ 着物の身頃(みごろ)。(W) {E: ①the body. ②the trunk.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
níhorak
ニホラㇰ 【名】[ni-horak 木・倒れる][古](月の名)9月。 munham ka níham ka tuy wa kusu a=ye hi níhorak ne ムンハㇺ カ ニハㇺ カ トゥイ ワ クス アイェ ヒ ニホラㇰ ネ 草の葉も木の葉も落ちるから言うのがニホラクだ。(W) ☆参考 1955年にワテケさんは kugaci cup クガチ チュㇷ゚ と言っていた。 (出典:田村、方言:沙流)
níik
ニイㇰ 【名】[概](所は niiki(hi)ニイキ(ヒ))[ni-ik・木・節と節の間の一切れ] 切ったまき(薪)(一尺なら一尺の薪)。 niik kar ニイㇰ カㇻ まきを切る。(S) niik tuypa ニイㇰ トゥイパ まきを切る。(S) {E: cut firewood.} (出典:田村、方言:沙流)
níkom 2
ニコㇺ 【名】[ni-kom 木・(?)][植物] 木の芽(木の枝から出て葉になる前のもの)。 tane níkom tuk wa okerpa タネ ニコㇺ トゥㇰ ワ オケㇾパ もう木の芽が出そろった。(W) ☆参考 níkom ニコㇺ が広がって一枚の葉になったものは kónam コナㇺ、 木全体の葉は níham ニハㇺ。(W) níya ニヤ 枝から出る、 葉になるもの。(S) keni ケニ 木や草の地面から生えてくる芽。(W)〔知分類になし〕 {E: the buds of a tree.} (出典:田村、方言:沙流)
ninoninok
ニノニノㇰ 【自動】(リンパ腺がはれて)グリグリができる。 císutu ninoninok チストゥ ニノニノㇰ もものつけ根のリンパ腺がはれた。(S) {E: the lymph glands to become inflamed and hard.} (出典:田村、方言:沙流)
nínum
ニヌㇺ 【名】[植物]クルミの実。 poro nínum kotuk wa an ポロ ニヌㇺ コトゥㇰ ワ アン 大きなクルミがついている(おじいさんの首についている固いコブのことを言う)。(S) ☞pise ピセ 〔知分類 p.185〕 {E: a walnut.} (出典:田村、方言:沙流)
níperpa
ニペㇾパ 【自動】[ni-perpa 木・を割る] まき割りする。 ☆参考 nítuye ニトゥイェ まき切りする。 nína ニナ たきぎとりする。 {E: to chop wood.} (出典:田村、方言:沙流)
nipes
ニペㇱ 【名】[植物]シナの木の皮。 ☆参考 木から皮をはぎとり、 それを外皮と内皮にはぎ分ける。 内皮をさいて、 それをよって紐にしたり、 小出し(saranip サラニㇷ゚)やいろいろな細工物をつくったりする。 昔オヒョウニレの皮の繊維 attus アットゥㇱ で織っていた厚司と呼ばれる布も、 昨今はオヒョウニレ不足のためにしばしば nipes ニペㇱ でつくられる。 ☆参考 シナの木は nipesni ニペㇱニ。 シナの皮はぎをすることは nipeskep ニペㇱケㇷ゚。 〔知分類 p.77 内皮又はそれから取った繊維〕 {E: the bark of a Japanese linden (lime)tree.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nísikaye(he)
ニシカイェ(ヘ) 【名】[所](概は nísikay ニシカイ)[植物] …(木)の節、 その木の節。 nísikaye turse ニシカイェ トゥㇽセ 節が抜ける、 節穴があく。(S) {E: the knots of…} (出典:田村、方言:沙流)
nisuk
ニスㇰ 【他動】(仕事や手伝いのために)(人)を頼む。 tumi or un a=nisúk トゥミ オルン アニスㇰ 戦争に頼まれて行った=徴兵された。(W会話) ☆参考 やとうことにも使う。 {E: to ask someone to do something.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nísut
ニスッ 【名】[概](所は nísutu(hu) ニストゥ(フ))[ni-sut 歯・の根元] 内側の歯茎。 nísut iyo ニスッ イヨ 歯茎にものがはさまった=歯にはさまった。(W) {E: the inner gums.} (出典:田村、方言:沙流)
nitat
ニタッ 【名】湿地(「やち」)。 nitat or ta hetuku cikuni punkaw sekor a=ye ニタトッタ ヘトゥク チクニ プンカウ セコライェ 湿地に生える木はハシドイという。(W) ☆参考 yaci ヤチ とも言う。 {E: damp ground.} (出典:田村、方言:沙流)
níuweo/niwweo
ニウウェオ 【自動】[ni-u-e-o 木・互い・と共に・…を置く] 木を組み合わせる。 níuweo=an wa kaskar=an ニウウェオアン ワ カㇱカㇻアン 木を組み合わせて漁小屋をつくる。(S) ☆参考 東部・中部の方言でリス(「キネズミ」)のことを níuweo ニウウェオ と言うが、 沙流方言ではリスは tusunike トゥスニケ と言う。 {E: to combine, join wood together.} (出典:田村、方言:沙流)
níya
ニヤ 【名】[植物] ①木の芽(枝から出る葉になるもの)。 ②地面から出る芽。 níya tuk kor oka ニヤ トゥㇰ コロカ 木の芽が萌え出た。(S) tanepo níya hetuku タネポ ニヤ ヘトゥク いまやっと芽が出た。(S)〔知分類になし〕 ☆参考 níkom ニコㇺ 枝から出る木の芽。(W) {E: ①buds (on the branches of trees). ②sprouts that project through the surface of the earth.} (出典:田村、方言:沙流)
níyahura
ニヤフラ 【他動】[níya-húra 木・におい] 木の萌え出るときのよい匂い。 níyahura hene seru, asir tursak réra hene seru ニヤフラ ヘネ セル、 アシッ トゥㇽサㇰ レラ ヘネ セル 木の芽の香りでも吸いなさい、 新鮮なきれいな空気でも吸いなさい。(S) {E: for the buds of a tree to give off a scent.} (出典:田村、方言:沙流)
nociw
ノチウ 【名】星。 nociw kur ノチウ クㇽ 星影。 nociw kur ka maknatara ノチウ クㇽ カ マㇰナタラ 星影が(=星が)明るく輝いている。(W会話) nociw onisposo ノチウ オニシポソ 星が落ちる。 nociw tup ノチウ トゥㇷ゚ 星が流れる。 kunne nociw クンネ ノチウ 夜の星。 nisatsawot nociw ニサッサウォッ ノチウ 夜が明けると逃げる星=明けの明星(金星)。(S) ☆参考 ほかに星座名として ermupu エㇾムプ《ネズミの倉》、 iyutani イユタニ《杵(きね)》、 marattosapa マラットサパ《熊の頭》、 renuspe レヌㇱペ《三人星》などがある。 ☆参考 北極星の名前はないらしい。 星を見て方角を知ったというような話は出てこない。 {E: the stars.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nociwpiski
ノチウピㇱキ §018 マイワシ (4) nociw-piski (no-ciw-pis-ki)「ノチウピㇱキ」⦅白老⦆ナナツボシ オイナ神が酒を造っている間にturesi(原義「妹」、実は「妻」)と寝た。するとその酒はしくじってtonru(ドロドロのもの)になった。その樽を海へ持って行ってあけたらイワシになった。それゆえiyahunkeする(酒をかきまわす)人は妻と寝るものではないと⦅幌別⦆ (出典:知里動物編、方言:)
noiwan
ノイワン 【連体】[no-iwan (多いことを表す?)・六つの][雅](慣用表現の中で)六つの(=たくさんの)。 kunne rerko/noiwan rerko/tókap rerko/noiwan rerko クンネ レㇾコ/ノイワン レㇾコ/トカㇷ゚ レㇾコ/ノイワン レㇾコ 夜の日数は六日、 昼の日数は六日=六日六晩。 tunoiwan suy トゥノイワイスイ [二つの・六・回]何回も何回も。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
noki(hi)
ノキ(ヒ) 【名】[所](概は nok ノㇰ) …の陰嚢/睾丸(「きんたま」)。 {E: the scrotum, the testicles of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nonno 1
ノンノ 【名】[植物]花。 emukkane nonno エムッカネ ノンノ つぼみ。 nonno o ノンノ オ 花がつく(=咲く、 またはつぼみがつく)。 nonno ukocupke/ukocupupke ノンノ ウコチュㇷ゚ケ/ウコチュプㇷ゚ケ 花がつぼむ/しぼむ。(S) nonno sumumke ノンノ スムㇺケ 花がしおれる。(S) nonno tuy ノンノ トゥイ 花が落ちる(=散る)。 {E: a flower.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
noskike(he)
ノㇱキケ(ヘ) 【位名】[所](概は noski ノㇱキ)[noski-ke 真ん中・の所] …の真ん中の所、 その真ん中、 その中央。 mosir noskike ta an pet réhe Matnesar ne モシン ノㇱキケ タ アン ペッ レヘ マッネサㇻ ネ 島の真ん中にある川の名前は沙流川だ。(S) ikaritunnap néno kane noskike cisne katuhu an イカリトゥンナㇷ゚ ネノ カネ ノㇱキケ チㇱネ カトゥフ アン 「ロスケアリ」(アリの一種)みたいに胴のまんなか(ウエスト)がくびれてへんなかっこうだ。(S) {E: the middle; the centre.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
notkittesusu
ノッキッテスス 【自動】[notkir-tesusu あご・を反らしている] あごがしゃくれている。 {E: to have a turned-up chin.} (出典:田村、方言:沙流)
notomare
ノトマレ 【他動】[not-oware あご・を…に置く。](次のような文脈で)…にあごをのせている。 cinoye kuwa/kuwa tuykasi/notomare チノイェ クワ/クワ トゥイカシ/ノトマレ [雅]ねじれた杖の上にあごをのせている。(Sユーカラ) kuwa kurka/notomare wa クワ クㇽカ/ノトマレ [雅]杖の上にあごをのせて。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
noyasito
ノヤシト 【名】[noya-sito ヨモギ・だんご餅] ヨモギのだんご、 よもぎ餅。 paykar an kor asinnoya a=kar wa sitoho a=kar wa a=satke wa oka wa sonkaci inomi or ta amam sito a=kopóye wa páse inomito ta a=e kor pátum yupke yakka oripak an yakka a=i=rúkamare wa siyeye=an ka somo ki wa pirka p ne na パイカㇻ アン コㇿ アシンノヤ アカㇻ ワ シトホ アカㇻ ワ アサッケ ワ オカ ワ ソンカチ イノミ オッタ アマㇺ シト アコポイェ ワ パセ イノミト タ アエ コㇿ パトゥㇺ ユㇷ゚ケ ヤッカ オリパㇰ アン ヤッカ アイルカマレ ワ シイェイェアン カ ソモ キ ワ ピㇼカㇷ゚ ネ ナ 春になったら出たての柔らかいヨモギを摘んでそれでだんごをつくって干しておき、 正月に米/ヒエのだんごとまぜて元日に食べれば伝染病がはやっても私たちの村はのがれられて私たちは病気にならなくて、 よいのだから。(S) ☆参考 春、 出たての柔らかいヨモギを摘んで、 ふきんの中に灰を入れてそこに入れると「まっ青に」(=濃い緑に)なる。 それをついてゆでて餅(扁平につくっただんご)にして真ん中に穴をあけて干しておく。 正月にこれを食べると病気にかからないと言う。 {E: a rice cake made with mugwort.} (出典:田村、方言:沙流)
noye
ノイェ 【他動】[単](複は noypa ノイパ)[noy-e (ねじれを表す擬態の語根)・(他動詞形成)] …をねじる、 …をひねる、 (糸)をよる。 kapu noye カプ ノイェ 皮をひねる(つねるように、 けんかで)。 pirkano noye wa péhe nunpa, yak nas sat kus ne na ピㇼカノ ノイェ ワ ペヘ ヌンパ、 ヤㇰ トゥナㇱ サッ クㇱ ネ ナ (手ぬぐいを)よくねじって水気をしぼりなさい、 そうすれば早く乾くから。(S) {E: to wind, twist…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
noynatara
ノイナタラ 【自動】[noy-natara フラフラになる(擬態)・(状態が続いていることを表す接尾辞)] フラフラになっている。 ☞emontum noynatara エモントゥㇺ ノイナタラ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
noyne
ノイネ 【接助】①…らしく。 topattumi ek noyne iramuan ruwe ne トパットゥミ エㇰ ノイネ イラムアン ルウェ ネ 夜襲の群が来るらしく思われた。(W言い伝え) huskotoy wa ene iki kor an pe ne a noyne rúkocihi cininanina híne síran フㇱコトイ ワ エネ イキ コラン ペ ネ ア ノイネ ルコチヒ チニナニナ ヒネ シラン ずっと前からそのようにして(そこを通って行ったり来たりして)いたらしく、 足跡がびっしりついていた。(S民話) m ②[慣用句]noyne an ノイネ アン「…するにいい」、 …するような、 …することのできる、 …するといい。 a=eywanke noyne an pe アエイワンケ ノイネ アン ペ (S) 使えるもの(「使うにいいもの」)。 na ponno sayone tek no e=kar noyne an pe eytasa siratek ruwe an hi an! ナ ポンノ サヨネ テㇰ ノ エカㇻ ノイネ アン ペ エイタサ シラテㇰ ルウェ アニ アン! もうすこし柔らかくすればよかったのにあんまり固く練ってしまったねえ。(S) ☆参考 noyne ノイネ は様子や状況から判断して推測することを言うのに使われる。 しばしばあとに「思う」「思われる」「見える」「声/音がする」というような意味の動詞が来る。 kotom コトㇺ《…する/したように(見えて/思われて)》と置き換えられる場合もある。 叙事詩では kotom コトㇺ がよく使われ、 日常語(会話や昔話)では noyne ノイネ のほうがずっと多く使われる。 ☆参考 ほかに、 やや似たところのある接続助詞については ☞pekor ペコㇿ、 ápekor アペコㇿ {E: ①it seems that…. ②to do; as if to do, possibly do.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nukar
ヌカㇻ 【他動】①…を見る、 …が見える、 …に会う、 (本など)を読む(黙読する)、 …をよく見て調べる、 (神が)顧(かえりみ)てくれる、 (占いで/超能力で)未来のことや相手の素性などがわかる。 maciya ka ku=nukar, atuy ka ku=nukar マチヤ カ クヌカㇻ、 アトゥイ カ クヌカㇻ 町も見える、 海も見える。(S) kanpi nukar カンピ ヌカㇻ 本/書類/手紙を見る/読む。 toan pe toykokisma yan, netopake a=nukár kusu ne na トアン ペ トイコキㇱマ ヤン、 ネトパケ アヌカㇻ クス ネ ナ あいつをしっかりつかまえろ、 体を見て調べるからな。(W言い伝え) yaycipsikeka-nukar ヤイチㇷ゚シケカヌカㇻ [自分の舟荷・を見る]自分の舟荷を見る(舟のとも(うしろ)の方に座ることの表現)。 ekasnukar エカㇱヌカㇻ [e-kasi-nukar …で・の上・を見る](人)に(もの)を授ける。 ②☞katu nukar カトゥ ヌカㇻ ☆参考 ものや人やことがらを見る/が見えることに使う。 「こっちを見る」「上を見る」のようにある方向を見ることには自動詞の inkar インカㇻ を使う。 ☞inkar インカㇻ {E: to see, look at, meet…; …can be seen.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
numasut
ヌマスッ 【名】[numa-sut 毛・の根元] 関節部にできる悪質のできもの(手首、 膝のすぐ下、 足首のくるぶしの脇、 などにできる。 ふつうの húpo フポ とちがってプクッとふくれてなかなか膿をもたない)。 numasut hetuku ヌマスッ ヘトゥク 関節部の悪いできものができる。 tekukocihi ta numasut hetuku テクコチヒ タ ヌマスッ ヘトゥク (S)〔知分類 p.393 底豆((ホロベツ))〕 {E: a corn; a wart; a blister.} (出典:田村、方言:沙流)
numi(hi)
ヌミ(ヒ) 【名】[所](概は num ヌㇺ)[植物] …の粒、 …の粒状の実、 (おつゆ)の汁でない実の部分。 numi kar ヌミ カㇻ (殻や皮の中の)実を出す。 numi rupne mame ヌミ ルㇷ゚ネ マメ 粒の大きい豆。 na ponno nas e=ek yak numihi ka eci=ére p ne kus (ne a korka) e=ek moyre wa ora rur takupi an ナ ポンノ トゥナㇱ エエㇰ ヤㇰ ヌミヒ カ エチエレㇷ゚ ネ クㇱ (ネ ア コㇿカ) エエㇰ モイレ ワ オラ ルッ タクピ アン もう少し早くあなたが来たら実も食べさせてあげるのだったけれどあなたの来るのが遅かったので汁しかない。 (注:ノートに脱字あり、 ()内の文字は筆者が加筆した。) (S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
numsama
ヌㇺサマ 【名】[所(?)](概は未出。 sama サマ の概は sam サㇺ)(着物の)前身頃(まえみごろ)。 ☆参考 身頃全体は netopake ネトパケ [所]。 後ろ身頃は seturu セトゥル [所]。 {E: former, past times.} (出典:田村、方言:沙流)
núpe
ヌペ 【名】[概/所](所は núpe(he) ヌペ(ヘ))[nu-pe 目・汁] 涙、 …の涙。 ranke núpe/uturatura ランケ ヌペ/ウトゥラトゥラ [雅] 涙があとからあとから流れる。(W神謡語り) ranke núpe/ruyaptosane/i=kurkasi/córankekar ランケ ヌペ/ルヤㇷ゚トサネ/イクㇽカシ/チョランケカㇻ [雅] 涙が大雨のように私の上に降りそそぐ。(W神謡語り) núpe tura ヌペ トゥラ 涙を流しながら、 涙が出るほど、 涙ながらに(=cis tura チㇱ トゥラ)。 núpe tura k=éyaykopuntek ヌペ トゥラ ケヤイコプンテㇰ 私は涙が出るほどうれしい、 涙を流して喜んでいる。 e=cis-núpe e=cis-etori a=oypepi osma wa ipe ka a=eáykap エチㇱヌペ エチセトリ アオイペピ オㇱマ ワ イペ カ アエアイカㇷ゚ あなたの泣いた涙と鼻汁が私の食器に入るので私はものを食べることもできない。(HC民話)(民話の中で、 大切な人に死なれて泣き暮らしている人に夢の中で死者が現れて泣かないようにさとす常套句。) {E: tears; tears of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nupur 3
ヌプㇽ 【他動】…を神力で守る。 aynu e=nupur kus pet kenas ka e=ohetuku p ne na, aynu e=rayke kus e=hetuku p ka somo ne na アイヌ エヌプㇽ クㇱ ペッ ケナㇱ カ エオヘトゥクㇷ゚ ネ ナ、 アイヌ エライケ クㇱ エヘトゥクㇷ゚ カ ソモ ネ ナ (S) あなたは人間を守るために川の山岸に生えたのだぞ、 人間を殺すために生えたのではないのだぞ(ikema イケマ を叱る言葉)。(S) ☞ikema イケマ {E: to protect…by divine power.} (出典:田村、方言:沙流)
nusa
ヌサ 【名】祭壇(家の外の東側にある)。 nusa cise ukowturu wano yayotapkar-eciwitara ヌサ チセ ウコウトゥル ワノ ヤヨタㇷ゚カレチウイタラ (父は)祭壇と家との間のあたりから鳥の羽ばたきのような踏舞をしていた。(W神謡語り) nusa kohorakte/kohokuste ヌサ コホラㇰテ/コホクㇱテ (死に際に赤ん坊の守護養育を神に願って)(赤ん坊)の上に祭壇を倒す。 inan a=nomi kamuy ne yakka resu wa i=kore sekor hawean kor nusa e=kohokuste イナン アノミ カムイ ネ ヤッカ レス ワ イコレ セコㇿ ハウェアン コㇿ ヌサ エコホクㇱテ 私がおまつりしているどの神でもいいですから(この子を)育ててくださいと(お前の父親は死に際に)言いながらお前の上に祭壇を倒した。(W民話) nusa e=kohorakte kor ヌサ エコホラㇰテ コㇿ (お前の父親は)お前の上に祭壇を倒しながら。(W民話) {E: an altar.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuye
ヌイェ 【他動】①…に彫りもの/彫刻をする。 ②…にいれずみをする。 tekmekkasi patek a=nuyé kane an テㇰメッカシ パテㇰ アヌイェ カネ アン 手の甲(手の上側)だけいれずみしてある。(S) ③…に字を書く。 ponkanpi nuye ポンカンピ ヌイェ はがきを書く。(W) (S) ④…を書く。 a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enuypa wa oka yakun アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン 私たちの話した言葉が二ページか三ページにでも書かれてあれば。(W会話) ☆参考 kanpinuye カンピヌイェ は《紙にものを書く=書きものをする》。 inuye イヌイェ は《ものに彫りものをする=彫刻をする》。 sinuye シヌイェ は《自分に彫りものをする=入れずみする》。 sirkanuye シㇼカヌイェ、 tomikanuye トミカヌイェ、 ikorkanuye イコㇿカヌイェ はいずれも[雅]刃のさやに彫刻をする。 ☆参考 本来の用法では、 目的語は通常、 デザイン(形や模様)ではなく、 刃物の当たるもの(木や手)である。 たとえば熊を nuye ヌイェ すると言わない。 同様に、 紙に文字を書くことは kanpi カンピ《紙》を nuye ヌイェ すると言い、 カタカナを書くことは katakana ani kanpi nuye カタカナ アニ カンピ ヌイェ [カタカナ・で・紙・に書きものをする]のように言う。 しかし ④のように、 「このことを書く」「その話を書く」というような言い方もする。 {E: ②tatoo… ③write on…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuyna
ヌイナ 【他動】①…を隠す。 ② ☞esirutumka nuyna エシルトゥㇺカ ヌイナ ☆参考 ものを隠すことを言う。 ことがらを隠す(秘密にする)ことは esina エシナ。 {E: to conceal, hide…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nuyto
ヌイト 【名】[< 日本語](着物を縫うのに用いる)縫い糸。 nuyto say ヌイト サイ 糸の輪=切らないままのかせ(輪)になっている糸。 say ne nuyto サイ ネ ヌイト かせ(輪)になっている糸(=nuyto say ヌイト サイ)。 cituye nuyto チトゥイェ ヌイト 端を切った糸。 yayan nuyto ヤヤン ヌイト もめん糸。 saranpe nuyto サランペ ヌイト 絹糸。 ☆参考 ござ等を編む糸は ka カ。 針は kem ケㇺ。 {E: sewing thread.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
o- 9
オ 【接頭】[名詞語根的接頭辞] ①その尻、 その下の端の方(物理的にまたは心理的に上下のあるものについて、 そのいちばん下の方を指す)。 otuye オトゥイェ [o-tuye その尻・を切る](稲など)を根元から刈る。 ②(悪口やののしりの表現をつくる。) ③(ある種の接尾辞とともに位置名詞をはさんで、 自動詞/副詞をつくる。) ☞o-…-un オ…ウン、 o-…-ne オ…ネ。 ☆対語 e- エ。 ☆参考 ho- ホ 尻、 下の端の方。 ho- ホ と o- オ の関係は、 意味上も文法機能上も、 名詞の概念形と所属形の関係とほぼ平行している。 (出典:田村、方言:沙流)
oapkas
オアㇷ゚カㇱ 【他動】[o-apkas (そこ)に・歩く] …に通う。 a=kor nispa/Iskar etokoho/oapkas katu/a=ruska kusu アコン ニㇱパ/イㇱカㇻ エトコホ/オアㇷ゚カㇱ カトゥ/アルㇱカ クス 私の主人が石狩川の水源地のほうに通うのに私は腹が立ったから。(W神謡語り) {E: to go to….} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oar
オアㇻ 【副】①全く、 全然。 oar k=érampewtek オアㇻ ケランペウテㇰ (私は)全然わからない。(W会話) oar tun a=ne wa オアㇻ トゥン アネ ワ/オアットゥナネワ たった二人だけで。 oar isam オアㇻ イサㇺ/オアリサㇺ 全然ない。 ②(連体的に使われて)全くの。 oar tennep オアㇻ テンネㇷ゚/オアッテンネㇷ゚ ほんの赤ん坊。 {E: ①really; completely. ②true; real; genuine.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oasin
オアシン 【自動】[o-asin その尻・出る] 抜ける(ひっぱってなど)。 otopi oasin オトピ オアシン 髪の毛が抜けた。(W) nuyto tuy ciki uwowsi yan, somo yak nuyto oasin wa isam na ヌイト トゥイ チキ ウウォウシ ヤン、 ソモ ヤㇰ ヌイト オアシン マ イサㇺ ナ 糸が切れたら結んでおきなさい、 そうしないと糸が抜けてしまうから。(W) {E: to come out.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oattapi(hi)
オアッタピ(ヒ) 【名】[所](概は oattap オアッタㇷ゚)…の片肩。 oattapi wa iyemakaatusare オアッタピ ワ イイェマカアトゥサレ 片肩(から)肌脱ぎになる。(W) {E: a shoulder of…} (出典:田村、方言:沙流)
oattapsut
オアッタプスッ 【名】[概](所は oattapsutu(hu) オアッタㇷ゚ストゥ(フ))[oar-tapsut 片方の・肩]片肩。 {E: a shoulder.} (出典:田村、方言:沙流)
ohetpa
オヘッパ 【他動】[複](単は ohetu オヘトゥ) (二つ以上)を口やのどから吐き出す、 びんの口から出す。 rat ohetpa ラッ オヘッパ 痰(たん)をのどから出す。(S) {E: to throw up, spit out…; for…to gush, spill out.} (出典:田村、方言:沙流)
oika
オイカ 【他動/後副】[o-íka のところで・近道する] ①[他動](近道するために)…を越える。 sítu oika シトゥ オイカ (となりの川筋に行くのに川上・川下を回らずに)尾根を越す。(S) petutur oika ペトゥトゥㇽ オイカ (となりの川筋に行くのに)川の間の地を横切る。(S) sir-oika シㇼオイカ/シロイカ 山を越える。 ②[後副]…を越えて。 ru oika wakka san kor an ル オイカ ワッカ サン コラン 道を越えて水が流れている。 {E: to cross (over)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
okamkir
オカㇺキㇼ 【副】わざと、 意図的に。 okamkir kor nuyto etupsike k=ewwopitte wa k=ári akusu kem ounu ka eaykap siri iki オカㇺキㇼ コン ヌイト エトゥㇷ゚シケ ケウウォピッテ ワ カリ アクス ケㇺ オウヌ カ エアイカㇷ゚ シリ イキ 私はわざと(いたずらして)(彼女の)糸の端を結び合わせておいたところ(彼女は)針に通せないでいる。(S) ☆参考 ユーカラには arokamkinno アロカㇺキンノ[ar-okamkir-no 全く・わざと・(副詞形成)]が出ている。 {E: on purpose; intentionally.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oknatara
オㇰナタラ 【自動】[ok-natara 悲しくてうなだれる・その状態が続いている] (慣用句で、 kewtumu ケウトゥム《…の気持ち》のあとに置かれて)悲しみにうちひしがれている。 ku=kewtumu konna oknatara クケウトゥム コンナ オㇰナタラ 私の心は悲しくて悲しくてたまらない。(W) ☞ekewtum oknatara エケウトゥㇺ オㇰナタラ {E: be torn apart by sadness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oksut
オㇰスッ 【名】[概](所は oksutu(hu) オㇰストゥ(フ))[ok-sut えり首・根元] えり首から後頭下部にかけての部分、 首すじ、 えり足。 {E: the nape of the neck.} (出典:田村、方言:沙流)
okus
オクㇱ 【他動】(着物)を裏返す、 …を裏返しにする。 hńta e=eyaykimatekka kus to e=mi p ka e=okus wa e=mi, e=us pe ka ehorka e=us siri an? フンタ エエヤイキマテッカ クㇱ ト エミㇷ゚ カ エオクㇱ ワ エミ、 エウㇱ ペ カ エホㇿカ エウㇱ シリ アン? あなた何をあわててほら、 服も裏返しに着てスカートも後ろ前にはいてるのよ。(S) cókus amip チョクㇱ アミㇷ゚/チョクサミㇷ゚ 裏返した着物(昔、 夫や妻に先立たれた人が着たと言う)。(UT) ☆参考 ehorka エホㇿカ 逆に。 {E: to turn (clothing) inside out.} (出典:田村、方言:沙流)
omanan
オマナン 【自動】[単](複は payoka パヨカ)[oman-an 行く・ある/いる](あちこち)歩く、 歩き回る(徒歩でも、 走っても、 乗り物でも)、 旅する、 行き来する。 nítay tum péka ku=karusuk kus k=ómanan ニタイ トゥㇺ ペカ クカルスㇰ クㇱ コマナン 私は林の中をキノコとりに歩き回った。(S) {E: to travel; come and go.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
omawkururu
オマウクルル 【自動】[o-maw-kururu その尻・風・ピューピュー吹く](次のような文脈で) setur kasi ta/ikayop ne a p/omawkururu (男たちの)背中の上で矢入れ袋が風に吹かれるみたいに浮いている(速く走っている様子の描写)。(W神謡K) ☆参考 別の話者の語った民話で、 同様の文脈で、 omawsuye オマウスイェ が使われている。 (出典:田村、方言:沙流)
omawsuye
オマウスイェ 【自動】[o-maw-suye その尻・風・ゆらす](その尻が)風でゆれる。 yaysamne apkas=an yakka néa ayop a=seruhu ta omawsuye pakno nitan aynu a=ne ruwe ne ヤイサㇺネ アㇷ゚カサン ヤッカ ネア アヨㇷ゚ アセトゥルフ タ オマウスイェ パㇰノ ニタン アイヌ アネ ルウェ ネ ただ普通に歩いてもその弓矢の袋が私の背中で風にゆれるほど私は足の速い人間でした。(HK民話) {E: (for the end of something) to flutter in the wind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
omkursut
オㇺクㇽスッ 【名】[概](所は omkursutu(hu) オㇺクㇽストゥ(フ))もものつけ根。 ☆参考 この形では未出。 omkursutu オㇺクㇽストゥ[所] の形で出てきた。 {E: the groin.} (出典:田村、方言:沙流)
omommomo
オモンモモ 【他動】…をこまごまと/くわしく/つぶさに述べる/言う。 iresu sápo/i=respa ki wa/oka=an katu/an=omómmomo イレス サポ/イレㇱパ キ ワ/オカアン カトゥ/アノモンモモ [雅]育ての姉に育てられて一緒に暮らしていたことを私はつぶさに述べる/述べた。(Sユーカラ) ☆参考 ユーカラ(英雄叙事詩)でたびたび出てくる表現。 一つのことがらを簡単に、 ときには一言(ひとこと)だけ述べたあと、 それ以上こまごまと描写せずに次の話にうつろうとするとき、 または終わってしまうときに使われる。 ☆参考 iyomommomo イヨモンモモ[自動] ものごとをこまごまと述べる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onininini
オニニニニ 【他動】[o-nini-nini その尻・を引きずって引っぱる・(重複)][雅]…をズルズル引きずって引っぱる。 sut ketusi/onininini/sánasanke スッ ケトゥシ/オニニニニ/サナサンケ [雅](姉は)昔の古いながもちを引きずって出してきた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onkami
オンカミ 【自動】[< 日本語 おがみ] 拝礼する。 ①(狭義に、 アイヌ民族の男子の正式な拝礼を指す。)両手を胸の前でてのひらを上に向けて上下に動かす形式で拝礼する。 ②(広義に、 拝礼一般を指す。) hepoki hetari kane onkami ヘポキ ヘタリ カネ オンカミ 頭を下げたり上げたりしておじぎする。 ③拝む。 onkami-kur オンカミクㇽ 拝む人=「お寺さん」(=坊さん)。 ④[比喩]onkami kor an オンカミ コラン(直訳すると)拝んでいる=いねむりしている。(W) {E: ①customary, ritual praying form. ②worshipping (gen.). ③to worship.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onnay
オンナイ 【位名】[概](所は onnayke(he) オンナイケ(ヘ)) …の中、 …の内部。 cise onnay チセ オンナイ 家の中(内部)。 suwop onnay ta an スウォㇷ゚ オンナイ タ アン (それは)箱の中にある。(S) ☆参考 家や部屋の「中」を表現するのに、 ユーカラ(英雄叙事詩)や民話などの文学的表現ではよく、 upsor ウプソㇿ《ふところ》の語が使われる。 一方、 草むらの中、 林の中、 土の中などは、 onnay オンナイ とは言わず tum トゥㇺ と言う。 ほかに、 「…の中」と訳せる語は、 or オㇿ、 nikor ニコㇿ、 iwor イウォㇿ 等々たくさんあり、 それぞれ意味が異なる。 {E: the inside of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ontaro
オンタロ 【名】[< 日本語 おおだる(大樽)] 樽。 pon ontaro ポン オンタロ 小さい樽、 桶。 wakkaku-ontaro ワッカクオンタロ 水樽、水桶。(W) ☆参考 níoki ニオキ 水を汲んでくる桶。 ☆参考 酒樽のことは ontaro オンタロ と言わず sintoko シントコ と言う。 {E: a barrel; a tub.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
onuytasa
オヌイタサ 【他動/後副】[o-nuy-tasa その尻・(?)・…と交代する] ①[他動]…に代わる、 …と交代する、 …と行き違いになる。 eci=onúytasa wa eci=kopásrota エチオヌイタサ ワ エチコパㇱロタ (いつも言われているが今度は)(あなたに交代して)私があなたを悪く言う。(S) hunak ta en=onuytasa aan hawe an un? フナㇰ タ エノヌイタサ アアン ハウェ アヌン? どこで行き違いになったのだろう。 ②[後副]…に交代して今度は。 e=onuytasa k=arpa エオヌイタサ カㇻパ あなたに代わって今度は私が行く。(S) en=kopisi, yak onuytasa ku=ye kusu ne na エンコピシ、 ヤㇰ オヌイタサ クイェ クス ネ ナ 私に質問しなさい、 そしたら私が答えるから。(S) {E: ①to alternate, change places with…; miss each other. ②alternately; in turns.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
opasopas
オパソパㇱ 【他動】[o-pas-opas (そこ)で・走る・(重複)][雅]…をどんどん走って行く。 tu iworso ka/tu kenasso ka/an=opásopas トゥ イウォㇿソ カ/トゥ ケナッソ カ/アノパソパㇱ [雅]いくつもの山奥の地いくつもの川端の木原を走って行った。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oper
オペㇾ §007.むすめ(娘)(24)oper〔o-pér オ舳ㇾ〕[o(陰部)+per(割れている)]⦅ホロベツ、シラオイ、ホべツ、サル、サマニ、チカブミ、トオロ⦆女の子。kot tures〜「私の愛人である娘よ」⦅ユ研Ⅰ, p.98⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
opokin
オポキン 【副】(…しているとそれにつれて)次々に。 ku=nu kor opokin k=éraman クヌ コㇿ オポキン ケラマン(私は)聞けば次々にすぐわかる。(W) e=tuytuye p opokin téor omare エトゥイトゥイェㇷ゚ オポキン テオㇿ オマレ あなたが箕(み)でごみをとばしているものを次々にここに入れなさい。(S) {E: one after another.} (出典:田村、方言:沙流)
oposore
オポソレ 【複他動】[他動使役][oposo-re …をつきぬける・させる]…を漉(こ)す。 oycari-oposore オイチャリオポソレ …をざるで漉(こ)す。 icari ani antuki oposore イチャリ アニ アントゥキ オポソレ ざるであずきを漉(こ)す。 {E: to filter…} (出典:田村、方言:沙流)
opusopus
オプソプㇱ 【自動】[opus-opus 穴があいている・(重複)]あちこち穴があいている、 穴だらけである。 uturu uturu opusopus ウトゥル ウトゥル オプソプㇱ ところどころに穴がポツポツあいている。(S) {E: to be full of holes.} (出典:田村、方言:沙流)
or
オㇿ 【位名】[概](所は oro/orke オロ/オㇿケ) ①(モノを表す名詞の後に置かれて、 そのモノを場所としてとらえる名詞句とする。 場所や時を表す名詞の後に置かれると、 よりはっきりとその場所、 その時を示す。 目的語として位置を表す名詞句を要求する語、 たとえば位置格助詞 ta タ《…に/で》、 un ウン《…へ》など、 動詞の接頭辞 o- オ《…に/で》など、 他動詞 kus クㇱ《…を通る》、 oma オマ《…に入る/位置する》などの前で多く使われる。) …の所、 …のとき。 (その他、 文脈によって…の中、 …の家、 …の上などいろいろに訳せる。)sapa or o ki サパ オㇿ オ キ 頭につくシラミ。 mesi itanki or a=o kor メシ イタンキ オㇿ アオ コㇿ ごはんを茶わんによそうと。(W会話) poro su or oma sayo ポロ ス オㇿ オマ サヨ 大鍋に入っているおかゆ。(W民話) apa or pak k=arpa korka アパ オㇿ パㇰ カㇻパ コㇿカ 私は戸口の所まで行ったけれど。(W) nis or péka hopuni ニソㇿ ペカ ホプニ 空を飛んだ。(S民話) toy or ta nepki kor an トヨッタ ネㇷ゚キ コラン (彼は)畑で働いている。 suy or osma スヨㇿ オㇱマ 穴に飛び込んだ(落ちた)。(S) iteki en=or ta ahup yan イテキ エノッ タ アフㇷ゚ ヤン 私の家に入らないで下さい。(S) kesikomu sekor sísam or ta a=ye ケシコム セコㇿ シサㇺ オッタ アイェ 消しゴムと日本語で言う。 kanto or un rikin カント オルン リキン 天に昇る。(S言い伝え) atuy or un cikap アトゥヨルン チカㇷ゚ 海の鳥。(W民話) nis or wa ran ニソㇿ ワ ラン 空から降りて来た。(W民話) ②…or ta …or ta …オッタ …オッタ ☞otta オッタ 2。 or wa オㇿ ワ (受け身表現の行為者、 oro wa オロ ワ とも言う。)…によって。 kamuy or wa ene a=e=yáynure カムイ オㇿ ワ エネ アエヤイヌレ あなたは神からそう思わされた。(W民話) ☆参考 所属形は oro オロ の例が圧倒的で、 orke オㇿケ は1例のみ。 orke オㇿケ には別の用法がある。 {E: ①from… ②by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oran
オラン 【他動】[o-ran (そこ)に・降りる] …に降りる。 ranke mosir/oran hum konna/koturimimse ランケ モシㇼ/オラン フㇺ コンナ/コトゥリミㇺセ (神が)下界(地上)に降りる音がブルンブルンと鳴り響き。(Sユーカラ) iresu sinta/sinta kurka/kamuy oran na イレス シンタ/シンタ クㇽカ/カムイ オラン ナ ゆりかごの上に神が降りるよ。(S子守歌) ☞ka(si) oran カ(シ) オラン {E: to go down, descend to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
orawosma
オラウォㇱマ 【他動】[o-raw-osma その尻が・沈んだ中・に入ってしまう](雪の中に)沈む。 upas tum k=órawosma ウパㇱ トゥㇺ コラウォㇱマ 私は雪の中に沈む。(S) {E: to sink (in snow).} (出典:田村、方言:沙流)
ore
オレ 【連体/接頭辞】(otu… オトゥ と対にして使われて)三つの。 otu…ore… オトゥ… オレ… 二つも三つもの=いくつもいくつもの。 otu kesto ta/ore kesto ta オトゥ ケㇱト タ/オレ ケㇱト タ [雅]毎日毎日来る日も来る日も。(Sユーカラ) otu tapkanru/ore tapkanru/ukakuspare オトゥ タㇷ゚カンル/オレ タㇷ゚カンル/ウカクㇱパレ [雅]何回も何回も両手を広げ一歩一歩進んでいく踊りをくり返した。(Sユーカラ) (叙事詩でも昔話でも、 人の姿になっていた神が天に帰るために鳥の姿になるシーンでよく出てくる表現。) otu suy konna ore suy konna オトゥ スイ コンナ オレ スイ コンナ [雅]二回も三回も(=何回も何回も)。 ☆参考 前半の otu… オトゥ… の部分だけが言われて、 後半の ore… オレ の部分が省略されることもある。 話すときや昔話を語るときなどには、 後半をいうときでも ore オレ の代りに re レ と言って、 otu… re… オトゥ… レ… となることもある。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ore kasinkop
オレ カシンコㇷ゚ 【名】[ore-ka-sinkop 二つの・糸・結び目](otu… ore… オトゥ… オレ… の構文で、 次の慣用表現で) otu kasinkop/ore kasinkop/ranke ranke オトゥ カシンコㇷ゚/オレ カシンコㇷ゚/ランケ ランケ 二つの結び目、 三つの結び目を(=いくつもいくつもの結び目を)下ろし下ろしする(糸を紡ぐ/紐をよる様子の描写の表現。 昔話などの口承文学によく出てくる)。(NK民話) ☞ore オレ、 kasinkop カシンコㇷ゚、 otu kasinkop オトゥ カシンコㇷ゚ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ore sannipe
オレ サンニペ 【名】[ore-san-ipe 三つの・出る・刀身の柄(つか)](otu-… ore-… オトゥ… オレ… の構文で、 次の慣用表現で)otu sannipe ore sannipe owkauyru オトゥ サンニペ オレ サンニペ オウカウイル 二つの刀の柄(つか)、 三つの刀の柄が(=何本もの刀の柄が)重なり合うように飾られていた。 ☆参考 sannipe サンニペ の例はほかには出てこない。☞otu sannipe オトゥ サンニペ{E: swords.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ore sasuysir
オレ サスイシㇼ 【名】(次の慣用句の中で) otu sasuysir ore sasuysir céomare オトゥ サスイシㇼ オレ サスイシㇼ チェオマレ 二十代にも三十代にもわたって。(W) {E: through many generations.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oresu
オレス 【複他動】[o-resu(そこ)で・…を育てる](その場所)で…を育てる。 tunpu upsor a=orésu トゥンプ ウㇷ゚ソㇿ アオレス [雅]彼は間じきりをしてつくられた特別の部屋の中で大切に育てられた。(S) kane amset/amset kurka/a=i=óresu カネ アㇺセッ/アㇺセッ クㇽカ/アイオレス 私は金(かね)の高床の上で育てられた。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oriwak
オリワㇰ 【他動】(神などが)住む、 (動物が)巣くう。 tumunci kamuy, senneyaywa oriwak uske ne wa kusu トゥムンチ カムイ、 センネヤイワ オリワㇰ ウㇱケ ネ ワ クス 鬼神が本当に住んでいる所だから。(W会話) ☆参考 神が住むことを表すにはいろいろな表現がある。 ☞erok エロㇰ、 erokrok エロㇰロㇰ、 ewak エワㇰ、 iwak イワㇰ、 horari ホラリ、 horarpa ホラㇻパ。 また、 epunkine エプンキネ《…を守る》、 enupur エヌプㇽ、 enukor エヌコㇿ 等。 {E: (for a god) to live…; (for an animal, bird) to nest…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
orke(he)
オㇿケ(ヘ) 【位名】[所](概は or オㇿ) ①…の所。 Tokapci pet orke a=orán トカㇷ゚チ ペッ オㇿケ アオラン 私は十勝川の川筋に下りた。(HK民話) ② tu moto orke hunara トゥ モト オㇿケ フナラ いろいろと素性を探る。(W民話) utar orke(he) ウタロㇿケ(ヘ) [雅]人々、 …たち(=utar ウタㇻ)。 wen menoko/utar orkehe ウェン メノコ/ウタロㇿケヘ [雅]悪い女ども。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oro
オロ 【位名】[所](概は or オㇿ)…の所、 …の中、 そこ。 nupuri suptom a=tuypa wa oro péka inne maciya an ヌプリ スㇷ゚トㇺ アトゥイパ ワ オロ ペカ インネ マチヤ アン 山の中腹を切りひらいてそこに人口の多い町がある。 ku=patoye arka akus oro tasaske クパトイェ アㇻカ アクㇱ オロ タサㇱケ 私の唇が痛くなったがそこがヒリヒリする。(W) oro ta iyorot=an a kotan オロ タ イヨロッアン ア コタン そこで皆と一緒に住んでいた村=皆と一緒に住んでいた村。(S) oro oytak オロ オイタㇰ ☞or(o) oytak オㇿ/オロ オイタㇰ。 oro utaspa オロ ウタㇱパ ☞or(o) utaspa オㇿウタㇱパ/オロウタㇱパ (出典:田村、方言:沙流)
oruitakur- rutke
オルイタクㇽルッケ 【自動】[o-ru-ita-kur-rutke その尻・跡・板・(< 影/姿)・ずって動く][雅](島が死んで神になって)木の枝からすべり落ちる。 kamuy sinne/pito sinne/apiskatu apiska/oruitakur/rutke=an na カムイ シンネ/ピト シンネ/アピシカトゥ アピシカ/オルイタクㇽ/ルッケアン ナ 私は(死んで)神になって止まっていた木の枝からすべり落ちた。(W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
osan
オサン 【自動】[o-san その尻。 川下へ行く。](次の語の中の要素) petosanputu ペトサンプトゥ [雅]川尻。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osinritkomewe
オシンリッコメウェ 【他動】[単](複は osinritkomewpa オシンリッコメウパ)[o-sinrit-ko-mewe その尻・根・と共に・もぐ](木、 草)を根こそぎ倒す。 osinritkomewe wa mosma uske un tupte wa anu オシンリッコメウェ ワ モㇱマ ウㇱケ ウン トゥㇷ゚テ ワ アヌ 根こそぎ「かえして」(=倒して)他のところへ移しておきなさい。(S) {E: to uproot (a tree etc).} (出典:田村、方言:沙流)
osipi
オシピ 【他動(?)】向きを逆に向けなおす(?)。 osipi wa オシピ ワ 反対側から。 osipi wa nicihi kar オシピ ワ ニチヒ カㇻ 反対側から柄を入れなさい。(S) osipi wa nukar オシピ ワ ヌカㇻ 反対側から見なさい。(S) {E: from the opposite direction.} {E: to turn to face the opposite (direction).} (出典:田村、方言:沙流)
osirok
オシロㇰ 【自動】[o-sir-ok その尻が・地・にひっかかる(?)] ①(川上から流れて来たものが)途中にひっかかる。 ②(比喩的に)目的地へ行く途中で先へ進むのをやめてそこに留まる。 {E: ①to get stuck along the way. ②to be on the way to one's destination.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ositciwre
オシッチウレ 【他動】[o-sir-ciw-re その尻・地・刺さる・させる] (直訳すると)地に刺さる、 (気持ち、 考えなど)を決める。 kewtumu ositciwre ケウトゥム オシッチウレ 心を決める、 決心する。 kewtumu ositciwre kunine ye ケウトゥム オシッチウレ クニネ イェ 心を決めるように言いなさい。 eyaykewtum ositciwre エヤイケウトゥㇺ オシッチウレ (そのこと)について自分の心を決める(=決心する)。 ene e=yaynu hi ositciwre エネ エヤイヌ ヒ オシッチウレ あなたの考えを決めなさい。 {E: to decide…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osma
オㇱマ 【他動】①(目的語は「場所」)(そこ)に入る、 …に突っ込む、 …に突進する、 当たる、 …に行って/入って/落ちてしまう。 toy ka osma トイ カ オㇱマ 地上に落ちる。 kemaha sir ka osma ケマハ シㇼ カ オㇱマ その足が地面につく。(HK民話) suy or osma スヨㇿ オㇱマ 穴に落ちる/とび込む。 nísapno cisesoy a=osma ka eyayramkar ニサㇷ゚ノ チセソイ アオㇱマ カ エヤイラㇺカㇻ いきなり家の前まで行ってしまうわけにもいかない。(S民話) ruyka utunnu wa an na ikiya oro eci=ósma na ルイカ ウトゥンヌ ワ アン ナ イキヤ オロ エチオㇱマ ナ 橋がすきまがあいてるよ、 そこに落ちないようにね。 corpokke osma チョㇿポッケ オㇱマ …の下敷きになる。 e=cis-núpe e=cis-etori a=oypepi osma wa ipe ka a=eáykap エチㇱ ヌペ エチㇱ エトリ アオイペピ オㇱマ ワ イペ カ アエアイカㇷ゚ あなたの泣いた涙や鼻汁が、 死んで神の国にいる私の食器に入って、 私はものを食べることもできない。(HC民話)(民話の中で、 愛する人に死なれて悲嘆にくれている人の夢の中に現れた死者が言う常套句。) ② tom(o) osma トㇺ/トモ オㇱマ …にぶつかる。 ③ramu-osma ラムオㇱマ 同意する。 ukoramu-osma ウコラムオㇱマ 互いに同意する。 ewkoramu-osma エウコラムオㇱマ …のことについて互いに同意する。 {E: to enter…; put…into; rush (at)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
osorokar
オソロカㇻ 【自動】[osoro-kar その尻・を処置する]尻を拭(ふ)く。 hńta kus kanpi e=perpaperpa ruwe an? ikaraski, ani e=etuhukar yakka e=osorokar yakka pirka p フンタ クㇱ カンピ エペㇾパペㇾパ ルウェ アン? イカラㇱキ、 アニ エエトゥフカㇻ ヤッカ エオソロカㇻ ヤッカ ピㇼカㇷ゚ どうして紙をビリビリに破ったの、 もったいない、 それで鼻を拭いてもお尻を拭いてもいいのに。(S) {E: to wipe one's bottom, buttocks.} (出典:田村、方言:沙流)
ossi
オッシ 【名】[概](所は ossike(he) オッシケ(ヘ)) ①…の中(概の用例は未出。 ☞ossike オッシケ)。 ②…の腹の中(概の用例は未出。 ☞ossike オッシケ)。 ③物を考える腹の中、 心の中。 ossi or ta オッシ オッタ 腹の中で、 心の中で。 ossi or péka オッシ オㇿ ペカ 心の中で。 sekor ramuan=an wa ossi or ta iyosserkere=an kor án=an セコㇿ ラムアナン ワ オッシ オッタ イヨッセㇾケレアン コㇿ アナン 私は…と思って、 腹の中で(心の中で)困ったなと思っていたが。(NK民話) ☆参考 onnay オンナイ 入れ物や建物など、 中が空洞になっているものの内部。 tum トゥㇺ 土や草など、 細かいものがたくさんあるそのただ中。 {E: in one's guts stomach; in one's heart.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ossikeomap
オッシケオマㇷ゚ 【名】[ossike-oma-p おなかの中・に入っている・もの]おなかの中の赤ん坊。 ossikeomap poro オッシケオマㇷ゚ ポロ おなかの中の赤ちゃんが大きい。(S) {E: the baby in one's belly; a foetus.} (出典:田村、方言:沙流)
ossikeop
オッシケオㇷ゚ 【名】[ossike-o-p おなかの中・にたくさん入っている・もの]はらわた、 臓物。 a=tuyé akus ossikeop pututke アトゥイェ アクㇱ オッシケオㇷ゚ プトゥッケ (おなかを)切ったら臓物が飛び出した。(S) ossikeop yaskenisitonkes オッシケオㇷ゚ ヤㇱケニシトンケㇱ [雅](槍で突かれ刀で切られて)はらわたが飛び出してブランブランしている。(S) {E: the entrails; the internal organs.} (出典:田村、方言:沙流)
osura
オスラ 【他動】[単](複は osurpa オスㇽパ)(一つ) を投げる(どこへ投げるか決まっているとき)、 …をなくす、 …を捨てる(近くへ)、 …を離縁する。 rorunpuyar pok un tun sike osura hum as ロルンプヤㇻ ポクン トゥン シケ オスラ フㇺ アㇱ 東窓の下へ二人が背負い荷をドスンと投げおろす音がした。 ekimne a=e=sé wa a=e=ósura kusu ne na エキㇺネ アエセ ワ アエオスラ クス ネ ナ おまえを山に運んで行って捨てるからな。(W民話) kem a=osúra kor suwat a=siná ケㇺ アオスラ コㇿ スワッ アシナ 針をなくしたときは炉かぎをしばる(「見つかるまで解いてやらないぞと言っておけば早く見つかる。 見つかったらどうもありがとうと言ってほどいてやる」)。(S) ☆参考 どこに投げるか決まっておらず遠くへ投げることは eyapkir エヤㇷ゚キㇼ と言う。 {E: to throw…; to throw away…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ot 1
オッ 【名】[概](所は oci(hi) オチ(ヒ) 棺莚(死者をくるむござ)。 ☆参考 昔は、 死者はござにくるんで紐でしばり、 棒でかついで行って墓に埋めた。 土葬だった。 男には男の、 女には女の墓標を立てた。 ☆参考 墓は sir トゥシㇼ。 {E: matting for wrapping a dead body.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ouhuy
オウフイ 【自動】[o-uhuy その尻が・燃える/こげる]こげる。 ouhuy húra at オウフイ フラ アッ こげくさい。 ouhuy sirka オウフイ シㇼカ こげた刀、 ouhuy attus オウフイ アットゥㇱ こげた厚司(あつし)。 ☆参考 Okikurmi kamuy オキクㇽミ カムイ《オキクルミ神》はこげた厚司を着、 こげた刀を下げていた。 よく「すそが焦げた」とか「すそこげ…」と訳されるが、 ワテケさんによれば、 ouhuy オウフイ は単に《こげた…》。 (出典:田村、方言:沙流)
ounoun
オウノウン 【他動】[o-un-oun …につまって抜けられない・(重複)](狭いところで) …につかえる、 (そこ)につかえて抜けられない。 i=os etaspe ek a p , néa pínay hutne p ne kusu, ounoun híne i=os ek ka eaykap イオㇱ エタㇱペ エカㇷ゚、 ネア ピナイ フッネㇷ゚ ネ クス、 オウノウン ヒネ イオㇱ エㇰ カ エアイカㇷ゚ 私のあとをトドが追いかけて来たが、 その谷はせまいので、 トドはつかえてしまって私のあとを追って来ることができない。(W民話) ☆参考 euneun エウネウン は家や部屋の入口でためらってさっさと中に入らずに留まっていることを言う。 ounoun オウノウン は反対に、 狭いところに入ったものが抜けられなくて留まっていることを言う。 {E: to get stuck on, caught in( a narrow area, place).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
owkauyru
オウカウイル 【自動】[o-u-ka-uyru その尻・互い・の上・…にある][雅](次の慣用表現の中で)重なり合う。 nispa mut pe/otu santuka/owkauyru ニㇱパ ムッ ペ/オトゥ サントゥカ/オウカウイル 長者の佩く(ような立派な)宝刀が何本もの柄(つか)が重なり合うようにたくさん掛かっていた。(S)ユカㇻ ☆参考 otu santuka オトゥ サントゥカ のあとに ore santuka オレ サントゥカ が入ることもある。 この例はそれが省略された形。 叙事詩ばかりではなく民話などの散文の伝承の中でもこの表現は出て来る。 {E: to match together; overlap.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oyakoyak
オヤコヤㇰ 【位名】[oyak-oyak 他の所・(重複)] あちこち、 いろいろ違った所。 oyakoyak mun us wa okere オヤコヤㇰ ムン ウㇱ ワ オケレ 方々(ほうぼう)に草がたくさん生えた。(S) cise onnay oyakoyak pirka tunpu o チセ オンナイ オヤコヤㇰ ピㇼカ トゥンプ オ 家の中あちこちにいい部屋がある。(S) {E: here and there; different places.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
oyseekasike
オイセエカシケ §803.ももの外側;そともも;大腿外側部(2)oy-see-kasike〔óǐ-sé-e-ka-ši-ke おイ・せエ・カシケ〕[oy(turuhu その背)+kasike(その表面);「もも・の背・の面」]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
oyuspe
オユㇱペ 【名】[概/所][o-i-us-pe その尻・もの・につく・もの]酒杯(tuki トゥキ)の台。 ☆参考 takaysara タカイサラ とも言う。 {E: a cup, glass stand.} (出典:田村、方言:沙流)
p 1
ㇷ゚ 【形名】(=pe ペ)(母音の後では p ㇷ゚、 子音の後および言い始めでは pe ペ。) ①[被修飾名]…もの、 者、 やつ(多くの場合モノや動物。 人間の場合は主に子どもや女性を指し、 大人の男子の場合は低く見た言い方)。 retar seta ukoykire p レタㇻ セタ ウコイキレㇷ゚ 白い犬をけんかさせるもの(なぞなぞで、 答えは mimaki ミマキ 歯)。(S) soy ta arki p ソイ タ アㇻキㇷ゚ 門口に来た者(=人)。 ②[被修飾名]…こと(ことがら)。 ye p koraci イェㇷ゚ コラチ 彼が言ったことのとおりに(=彼の言ったとおり)。 ③[名詞化辞]…の。 …p ne …ㇷ゚ ネ …のだ。 Piratur ta nupur ekasi an hi a=nu p ne a hi kusu ピラトゥッ タ ヌプレカシ アニ アヌㇷ゚ ネ ア ヒ クス 平取に霊力のある(占いやまじないのできる)老人がいることを聞いたのだったから(=聞いていたから)。(NK民話) …p ne …ㇷ゚ ネ …するものだ(説明/教え/さとし)。 néno eci=ikí p ne na ネノ エチイキㇷ゚ ネ ナ (あなたがた)そうするのだよ(=そうしなさいね)。(KK民話) …p ne kusu …ㇷ゚ ネ クス …する/したものだから、 …ので。 sisam tátatata p ne kusu シサㇺ タタタタㇷ゚ ネ クス (彼が)自分のそばをトントンたたいたので。(S民話) …kuni p ne …クニㇷ゚ ネ …することになっている/する(べき)ものだ(予定/教え/予言/言いつけ)。 yam o saranip/e=se kane wa/e=yan kuni p/ne ruwe ne na ヤモ サラニㇷ゚/エセ カネ ワ/エヤン クニㇷ゚/ネ ルウェ ネ ナ (あなたは)栗の入った背負い袋を背負って国へ帰るのですよ。(W神謡語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
p 2
ㇷ゚ 【接助】[< p ㇷ゚ 1](=pe ペ 3)(母音の後での形。 子音の後では pe ペ)…のに、 …だったが。 uheturaste=an wa oka=an a p, hemtomani wano nísapno ar-siknak=an ウヘトゥラㇱテアン マ オカアナㇷ゚、 ヘㇺトマニ ワノ ニサㇷ゚ノ アㇻシㇰナㇰアン 私たちは一緒に暮らしていたが、 このごろになって私は急に全く目が見えなくなった。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pa 3
パ 【名】①年、 …年(年数の単位)。 sine pa シネ パ 一年。 sine pa ikasma hotne pa シネ パ イカㇱマ ホッネ パ 二十一年。(W会話) sine pa riya シネ パ リヤ 一年まるまるたって年を越して。(W民話) tu pa re pa トゥ パ レ パ 二、 三年(の間)。 henpak pa ヘンパㇰ パ 何年。 pa an katcam wen パ アン カッチャㇺ ウェン [年・ある・ありよう・悪い] 気候が悪くて作物がとれるかとれないかわからない。(S) sine an pa ta/sineanpata シネ アン パ タ/シネアンパタ ある年に。 tanpa タンパ [tan-pa この年] 今年。 oyapa オヤパ [oya-pa ほかの・年]来年。 ②年齢、 …歳(年齢の単位)。 e=paha henpak pe an? エパハ ヘンパㇰ ペ アン? あなたの年はいくつですか。(W) e=paha mak pak an? エパハ マㇰ パㇰ アン? あなたの年はどれだけですか。(W)(e=páha henpak pa an? エパハ ヘンパㇰパ アン? あなたの年は何歳ですか、 という人もある。) {E: ①a year. ②age.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pa 4
パ 【名】[概/所] 空中にある何かの気(き)。 ①湯気。 pa at パ アッ 湯気がたつ。 sések wa pa at kor an セセㇰ ワ パ アッ コラン 熱くなって湯気がたっている。(S) ②伝染病(天然痘)の気。 pá-kor-kamuy パコㇿカムイ 天然痘の気を持つ神、 疱瘡(ほうそう)神。 pa tum yupke パ トゥㇺ ユㇷ゚ケ 伝染病がはやっていて恐ろしい。(S) ☆参考 「空気」にちょうど当たる語はない。 風は réra レラ、 風が吹くときに動く空気は maw マウ。 {E: ①steam. ②air containing an infectious disease.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pak 2
パㇰ 【後副】①…まで。 cise noski pak チセ ノㇱキ パㇰ 家のまん中まで(ほこりが積もっていた)。 te pak テ パㇰ 今まで。 apa or pak k=arpa korka k=áhun ka somo ki no k=ek アパ オㇿ パㇰ カㇻパ コㇿカ カフン カ ソモ キ ノ ケㇰ 戸口のところまで行ったけれど入らないで帰って来た。(S) ray pak ライ パㇰ 死ぬまで。 ②(おおよそ)…ぐらい。 wániw pak ワニゥ パㇰ 十人ぐらい。 tuhotne to pak k=an wa k=ek ruwe ne wa トゥホッネ ト パㇰ カン マ ケㇰ ルウェ ネ ワ (私は)四十日ぐらい滞在して(帰って)来たのだよ。(S) ③…ほど (比較の対象) ne turesi pak pirka menoko isam ネ トゥレシ パㇰ ピㇼカ メノコ イサㇺ その妹ほど美しい女性はいない。 pak kewtumu pirka p oar isam パㇰ ケウトゥム ピㇼカㇷ゚ オアㇻ イサㇺ 彼ほど気立てのよい者は一人もいない。 ④(連体的に)mosir pak cise モシㇼ パㇰ チセ 島ほどの家(とても大きい家を表現する一つの言い方)。 ⑤uwokar-uwokarpa pak ウウオカㇻウウオカㇻパ パㇰ 代わるがわる。 ☆参考 よりはっきりと表現するのに -no ノ をつけて pakno パㇰノ と言うこともある。 しかし pak パㇰ と pakno パㇰノ との使い方は全く同じではない。 ☞pakno パㇰノ {E: ①until; as far as. ②about; roughly. ③the extent of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pakno
パㇰノ 【後副】[pak-no …まで/ほど・(副詞形成)] ①…まで。 te pakno テ パㇰノ 今まで。 uni pakno ウニ パㇰノ 彼の家まで。 Tokiyo pakno henpak to ne wa sirepa? トキヨ パㇰノ ヘンパㇰ ト ネ ワ シレパ? 東京まで何日で着きますか。(S) onne utar onne pakno オンネ ウタㇻ オンネ パㇰノ 年老いた人々が亡くなるまで。 ②…ぐらい。 sine cup pakno シネ チュㇷ゚ パㇰノ 一ヵ月ぐらい。 ínep pakno イネㇷ゚ パㇰノ 四つほど。 asiknep pakno アシㇰネㇷ゚ パㇰノ 五つほど。 attem pakno an senkaki アッテㇺ パㇰノ アン センカキ 半ひろ(三尺)ほどある布。(S) mak pak ku=kar kor pirka? マㇰ パㇰ クカㇻ コㇿ ピㇼカ? (お金を)いくらぐらい払えばいいですか。(S) ③…ほど(比較の対象)。 k=éraman pakno ケラマン パㇰノ 私がわかるだけ(のことは全部)。(S会話) tuymano a=turá easkay pakno an hekaci トゥイマノ アトゥラ エアㇱカイ パㇰノ アン ヘカチ 遠くへ連れて行くことができるほどに(大きく)なった男の子。(NK民話) k=éaskay pakno nas k=ek ケアㇱカイ パㇰノ トゥナㇱ ケㇰ (私は)できるだけ早く来ます。(S) ④[熟語・慣用表現]pakno/pakno ka パㇰノ/パㇰノ カ これまで、 これで終わり。 pakno ka ku=ye パㇰノ カ クイェ これで私が言うことは終わりです。 pakno ka パㇰノ カ 「もうたくさん」(もっと食べるようにとか、 お代わりをどうぞとか言われたときにこれ以上いらないと断る言い方)。 pakno ka c=e wa iyayiraykere パㇰノ カ チェ ワ イヤイライケレ (私たちは)もう充分(「たくさん」)いただきました、 ごちそうさま。(S) ney ta pakno ネイ タ パㇰノ いつまでも。 utaspa pakno ウタㇱパ パㇰノ 互いに。 (tap)…hi pakno ne (タㇷ゚)…ヒ パㇰノ ネ 今…したばかりだ。 tap unukar=an hi pakno ne wa ora suy uwekohoppa=an wa paye=an oasi na タㇷ゚ ウヌカラニ パㇰノ ネ ワ オラ スイ ウウェコホッパアン マ パイェアン オアシ ナ(私たちは)今会ったばかりなのにまた別れて行かなければならないのかなあ。(S) {E: ①until. ②about; roughly. ③the extent of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pana 1
パナ 【名】ほこり(埃)、 何かの細かい粉(「たきぼこり」、 土埃)。 pana otuy wa an パナ オトゥイ ワ アン 埃がたまっている。(S) {E: dust.} (出典:田村、方言:沙流)
panke keretoh earekara
パンケ ケレトㇹ エアレカラ §034.結婚(する)(35)panke keretoh e-are-kara〔páŋ-ke-ke-re-toh|e-á-re-ka-ra ぱンケケレトㇹ・エあレカラ〕⦅ニイトイ⦆【雅】妻にならせる。"an-koy-suhci apa onneno kamuy pon-menoko ekantusmah, santehpeci urankotapu, tura san manu ike, i-panke-kiretokoho e-are-kara."「私の祖母が戸口の所まで神の少女を出迎え、その指先を取り、いっしょに炉ばたへ来て、私の下座(=妻の座)に座らせた」。[<panke(しもて、しもての)+kir-etok(膝の先)+-e-(に)+are-kara(座らせる)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
pankiretoh koraye
パンキレトㇹ コライェ §034.結婚(する)(36)pankiretoh ko-raye〔páŋ-ki-re-toh|ko-rá-je ぱンキレトㇹ・コらイェ〕⦅ニイトイ⦆【雅】妻にならせる。"kamuy pon-menoko i-ehose ka inkara pokayayniwkesite. tampe renkayne Hankaruru nispa kon turesi i-pankiretoh i-ko-raye manu."「神のように美しい少女は私に見とれて私から目を離すこともできなかった。それゆえにハンカルルの酋長はその妹を私の妻にくれてよこした」。[<pan(しもての)+kiretok(膝の先、膝もと)+ko(に)+raye(押しやる)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
paratek
パラテㇰ 【名】[概](所は parateke(he) パラテケ(ヘ))[para-tek 幅広い・手] 手の手首から先の部分。 paratek kursutu pakno パラテㇰ クㇽストゥ パㇰノ 手(手首から先)のつけ根まで=手首まで。(W) ☆参考 特に手首から先の部分だけだということを明確に言う言い方。 普通に「手」のことを言う場合は、 手全体を表す語 tek テㇰ [概]/teke(he) テケ(ヘ)[所] を使う。 手首から上の腕の部分だけを言うには amunin アムニン を使う。 {E: a (the) hand(s).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
parparse
パㇻパㇻセ 【自動】[parpar-se(擬態重複)・となる] ボーッと/メラメラと燃え上がる。 amip parparse アミㇷ゚ パㇻパㇻセ 着物が燃え上がった。(S) nína=an ayne oraun ape a=kokka akusu sat cikuni ne p ne kusu parparse ニナアン アイネ オラウン アペ アコトゥッカ アクス サッ チクニ ネㇷ゚ ネ クス パㇻパㇻセ しばらく私はたきぎとりをしていてそれからそのたきぎに火をつけたところ、 乾いた木なのでボーッと燃え上がった。(KK民話) {E: to burst into flames.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
parpesni
パㇻペㇱニ 【名】[par-pes-ni 天井・に沿っている・木] 天井の縦の梁、 つまり東西に走る二本の丸太。 ☆参考 これから horkasuwat ホㇿカスワッ というかぎつき棒で na トゥナ《火棚》をつるす。 ☆参考 これの上に aputki アプッキ と呼ばれる簀(す)をのせる。 くんせいをつくるときは魚を焼いてからこの簀の上にのせ、 少し乾いたら大きい魚は尾のところを紐でしばってこの parpesni パㇻペㇱニ からつるす。 ☆参考 ユーカラ等(雅語)では paruspe パルㇱペ。 ☆参考 南北に走る梁は itemeni イテメニ。 (出典:田村、方言:沙流)
pasi(hi)
パシ(ヒ) 【名】[所](概は pas パㇱ) …の燃えかす。 pasi tuyre, yak nipeki pirka パシ トゥイレ、 ヤㇰ ニペキ ピㇼカ 燃えかすを落としなさい、 そうすれば明りがよくなる。(S) {E: the ashes, cinders of…} (出典:田村、方言:沙流)
pasuy
パスイ 【名】箸(はし)。 tumsikot pasuy トゥㇺシコッ パスイ 下げ飾りのついた箸(菓子などの取り箸に使う)。 ikupasuy イクパスイ 奉酒箸/献酒箸。 kipasuy トゥキパスイ 同。 ipepasuy イペパスイ 食事の箸。 apepasuy アペパスイ 火箸。 ☆参考 最も普通には、 食べ物をはさむ二本一組の箸(ipepasuy イペパスイ)を指す。 神に酒をささげる儀式のときなどには、 奉酒箸(ikupasuy イクパスイ/kipasuy トゥキパスイ)のことを指すこともある。 {E: chopsticks.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
patke
パッケ 【自動】[pat-ke (擬態の語根)・(自動詞形成)] (栗が)パッとはねる、 はぜる。 ponkanpi patke wa ek, en=tom osma ポンカンピ パッケ ワ エㇰ、 エントㇺ オㇱマ はがきが(風で)とんで来て私に当たった。(W) yam kap turano a=ma kor patke wa a=sitóma p ne ヤㇺ カㇷ゚ トゥラノ アマ コㇿ パッケ ワ アシトマㇷ゚ ネ 栗を皮ごと焼くとはぜて恐ろしいもんだ。(S) ☆参考 pus プㇱ 破裂する、 爆発する。 pakake パカケ (火が)はねる、 terke テㇾケ (人や動物が)ピョンと跳ねる。 {E: to explode.} (出典:田村、方言:沙流)
péhe 1
ペヘ 【名】[所](概は pe ペ) …の水分、 …の汁、 …のしずく。 péhe cik ペヘ チㇰ しずくが落ちる。 péhe nunpa ペヘ ヌンパ 水気をしぼる。 péhe nunnun ペヘ ヌンヌン (蜜柑の)汁(「つゆ」)を吸いなさい。(S) {E: the water, moisture, juice, etc. of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
péka 2
ペカ 【格助】…に/で/を(一点ではなく動くあるいは伸びて/広がっている範囲を示す)。 rik péka a=eyápkir リㇰ ペカ アエヤㇷ゚キㇼ 高い所を(=高い所から)投げ飛ばされた。 soy péka nepki ソイ ペカ ネㇷ゚キ 戸外で働く。 ni ka péka sinot pe osoro néno ニ カ ペカ シノッ ペ オソロ ネノ 木の上で遊ぶもの(=サル)の尻のよう(酔って赤い顔をしている人を笑って言う)。 nupuri suptom a=tuypa wa oro péka inne maciya an ヌプリ スㇷ゚トㇺ アトゥイパ ワ オロ ペカ インネ マチヤ アン 山の中腹を切りくずしてそこに人口の多い町がある。 {E: case particles.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pekennupe
ペケンヌペ 【名】[peker-nupe 澄んだ・涙][雅] 涙。 tu pekennupe/re-pekennupe/ku=yaykoranke トゥ ペケンヌペ/レ ペケンヌペ/クヤイコランケ [雅]私は二しずくも三しずくもの涙(=たくさんの涙)を流す。(KK即興詩) {E: tears.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
peker
ペケㇾ 【自動】①明るい。 sittumu peker シットゥム ペケㇾ 夜が明けてきて少し明るくなる。 ②(水などが)澄んでいる、 澄む。 kuci peker menoko クチ ペケㇾ メノコ [そののど・澄んでいる・女性] 澄んだ声の女性。 ③peker irenka ciomare ペケㇾ イレンカ チオマレ [慣用句]死にかかっている者が生きそう(命をとりとめそう)だ。(W) ☆参考 sir-peker シㇼペケㇾ (すっかり)夜が明ける、 明るくなる、 明るい。 {E: ①to be bright; clear. ②(for water etc.) to become clear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pekor
ペコㇿ 【接助】…するみたいに、 …するかのように。 a=eyáykopuntek pekor hawean=an アエヤイコプンテㇰ ペコㇿ ハウェアナン 私はそれをさも喜んでいるかのように言った。(KK民話) ittotuk pekor e=poro イットトゥㇰ ペコㇿ エポロ あなたはまるで一日で育つみたいにどんどん大きくなる。(W神謡語り) hetopo ukoyki ne pekor, ukotumuwen ne pekor ki wa kusu ヘトポ ウコイキ ネ ペコㇿ、 ウコトゥムウェン ネ ペコㇿ キ ワ クス また逆もどりして戦争みたいに仲たがいみたいにしたから。(S言い伝え) ☆参考 別の事がら(行為/できごと)に類似していることを表す比較の表現の一つ。 事実に反することや事実かどうかわからないことに比較する場合が多いが、 いつもそうと決まってはいない。 ☆参考 類似を表す語はいろいろあるが、 最もよく使われる néno ネノ《…のように、 …に似て》は名詞/名詞句を受ける。 koraci コラチ《…とそっくりに、 …のとおりに》も多くの場合名詞/名詞句を受ける。 ápekor アペコㇿ《…したかのように》は pekor ペコㇿ と同じく動詞句を受ける接続助詞だが、 ニュアンスは異なる。 noyne ノイネ、 kotom コトㇺ は動詞句を受ける接続助詞だが、 これらとは違って類似を表すのではなく推測を表す。 ☞ápekor アペコㇿ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
penrekuci
ペンレクチ 【名】[所](概は penrekut ペンレクッ )[pen-rekut-i 上の・のど・(所属語尾)][動物](熊の)首(頭)。 penrekuci a=ersere ペンレクチ アエトゥㇽセレ そうして熊の首を切り落とした(この場合「頭」をさしている)。 〔知分類になし〕 {E: (the head) the neck (of a bear).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pes
ペㇱ 【後副】…に沿って下の方へ。 pet pes san ペッ ペㇱ サン 川に沿って下流へ行く、 川を下る。 sítu pes ran シトゥ ペㇱ ラン 尾根伝いに山を下りる。 {E: to follow a river downstream.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pésos
ペソㇱ 【名】[pe-sos 水・薄い片/層] (次の表現の中で)水の層。 pésos tum péka ペソㇱ トゥㇺ ペカ 水の層の中を=水中を。 pésos tum péka cep utar paye kor oka ペソㇱ トゥㇺ ペカ チェプタㇻ パイェ コロカ 水中を魚たちが行っている=魚が泳いでいる。 {E: a layer of water.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
peste
ペㇱテ 【複他動】[pes-te …に沿って下る・させる] …を…に(下向きに)沿わせる。 seturu emus peste kane wa セトゥル エムㇱ ペㇱテ カネ ワ 背中に刀を(縦に)着物の中に入れて。(W言い伝え) {E: to make…follow…(down).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pet 1
ペッ 【名】川。 pon pet ポン ペッ 小さい川、 小川。(S) pet íka ペッ イカ 川があふれる。 pet turasi arpa ペッ トゥラシ アㇻパ 川沿いに川上へ行く。 pet pes san ペッ ペㇱ サン 川沿いに川下へ行く/来る。 pet or un ran ペトルン ラン 川のところへ下りる。 pet or ta ペトッタ 川に、 川で。 ☆参考 この地方では、 沙流川や鵡川や門別川のような、 地域を代表する川を言う。 上流の枝川や沢のことは nay ナイ と言う。 概して pet ペッ のほうが大きく、 nay ナイ は細いところから出てくるものが多いが、 この地域の川はこれ、 というのであれば小さくても pet ペッ と言い、 枝川や沢はたとえ大きくても nay ナイ と言う。 {E: a river.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pet 2
ペッ 【語根】細長い(もの)。 pon kanpi-pet ポン カンピ ペッ 小さい細い紙切れ(pon kanpi uype ポン カンピ ウイペ は、 小さい短いいろいろな形の紙切れ)。 petu ペトゥ [単]/petpa ペッパ [複]…を細長く切る。 askepet アㇱケペッ 手の指。 (出典:田村、方言:沙流)
petekari/pet-ekari
ペテカリ/ペッエカリ 【自動/副】[pet-ekari 川・を回る] ①[自動]川上を回る(となりの川筋へ行くのに、 川を渡れず、 ずっと川をさかのぼって行ってから別の川筋を下って行く)。 petekari wa san ruwe un ペテカリ ワ サン ルウェ ウン (彼は)川上を回って来たのよ。(S) ②[副]川上を回って。 petekari k=ek ペテカリ ケㇰ 私は川下を回って来た。(S) ☆参考 「来る」を表す動詞は san サン も ek エㇰ も使える。 ☆対語 petokomo ペトコモ。 {E: ①to turn around at upstream (and go downstream from a different route.) (v.i.) ② turn around at upstream. (adv.)} (出典:田村、方言:沙流)
petokomo
ペトコモ 【自動/副】[pet-o-komo 川・その尻・…を折り曲げる] ①[自動]川下を回る(となりの川筋に行くのに、 川を渡れず、 川下へ下って海辺から別の川筋へ出てさかのぼる)。 ku=petokomo wa k=ek クペトコモ ワ ケㇰ 私は川下を回って来た。(S) ②[副]川下を回って。 petokomo k=ek ペトコモ ケㇰ 川下を回って私は来た。(S) ☆対語 petekari ペテカリ。 {E: ①to turn around at downstream (and go upstream from a different route. (v.i.) ②turn around at downstream. (adv.) (NOTE: Since one can not cross over to the other river, one has to first go downstream and get out to the ocean and then go upstream (of the other river).)} (出典:田村、方言:沙流)
petpa
ペッパ 【他動】[複](単は petu ペトゥ) (いくつにも)細く切る/裂く。 hasami ani áneno áneno e=petpa wa ora nokanno nokanno e=tuypa ruwe ハサミ アニ アネノ アネノ エペッパ ワ オラ ノカンノ ノカンノ エトゥイパ ルウェ あなたは(紙を)細く細く切ってから細かく細かく切ったね。(S) {E: to cut, chop…finely.} (出典:田村、方言:沙流)
petpapetpa
ペッパペッパ 【他動】[pet-pa-petpa (細長く切り裂く意の語根)・[複]・(重複)] ビリビリに/ゴチャゴチャに裂く。 ☞petpa ペッパ、 petu ペトゥ {E: to tear, rip…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pise
ピセ 【名】[動物] 熊の膀胱(ぼうこう)、 魚の浮き袋、 また風船状にふくらんだ袋。 poro pise kotuk wa an ポロ ピセ コトゥㇰ ワ アン 大きな袋がついている(おじいさんの首の大きくふくれたこぶのことを言っている)。(S) ☆参考 本来熊の膀胱(ぼうこう)や魚の浮き袋を言うが、 またいろいろ、 そのような、 風船状にふくらんだものをさす。(S) ☞kuyoy クヨイ 〔萱民具 主に鹿の膀胱を使い、 熊の膀胱は小さいのであまり使わない〕〔知分類 p.37((H;S))い(胃);いぶくろ(胃袋)〕 {E: bladder (of a bear). the air bladder of a fish.} (出典:田村、方言:沙流)
pitatke
ピタッケ 【自動】ほどける。 urenetupsike ewwopitte, iteki pitatke kunine ウレネトゥㇷ゚シケ エウウォピッテ、 イテキ ピタッケ クニネ 両端を結んでおきなさい、 ほどけないように。(S) {E: to come loose.} (出典:田村、方言:沙流)
píyororo-cikap
ピヨロロチカㇷ゚ 【名】[piyororo-cikap (鳴き声の擬音)・鳥][動物] (トンビの呼び名(?)) ☆参考 これと別に、 トンビの名称らしい yattuy ヤットゥイ という語がある。 〔知分類になし〕 {E: a kite( bird).} (出典:田村、方言:沙流)
pok
ポㇰ 【位名】…の下(そば、 ふもと)。 nupuri pok ヌプリ ポㇰ 山の下、 山のふもと。 rorunpuyar pok ロルンプヤㇻ ポㇰ 東窓の下、 東窓のそば(屋内でも屋外でも)。 apa pok ta an wa an アパ ポㇰ タ アン マ アン 戸口の下にいた。(S) toska pok un yap=an ro トㇱカ ポㇰ ウン ヤパン ロ 堤の下(岸)へ舟を寄せよう。(S) ☆参考 「下」でも、 机の下やふとんの下などのように、 何かのものの下は corpok チョㇿポㇰ。 ☆参考 この語根の前にいろいろな要素がついて、 corpok チョㇿポㇰ のほかにもいろいろなニュアンスの違った位置名詞がつくられている。 ☞monpok モンポㇰ、 kurpok クㇽポㇰ、 rewpok レウポㇰ、 tuypok トゥイポㇰ、 koypok コイポㇰ、 cuppok チュッポㇰ、 sirpok シㇼポㇰ ほか。 {E: below; the base of.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
póka
ポカ 【副助】[po-ka (指小辞)・も] ①(せめて)…でも、 やっと…は。 sine cise tu cise póka eci=kár yakun シネ チセ トゥ チセ ポカ エチカㇻ ヤクン あなたがたは一軒か二軒だけでも家を建てれば。 tanto póka e=ek wa タント ポカ エエㇰ ワ あなたは(きのうは来なかったが)まあ今日になってでもようやく来て…。(W会話) ikoyyomap póka a=ki rusuy イコイヨマㇷ゚ ポカ アキ ルスイ (子どもがないので)せめて人の子をかわいがることだけでもしたい。(W民話) sonno póka ソンノ ポカ 本当に、 やっぱり、 はたして、 思ったとおり、 聞いていたとおり。 ponno ponno póka k=étoyta kus keraypo ku=kor ruwe un ポンノ ポンノ ポカ ケトイタ クㇱ ケライポ クコン ルウェ ウン ほんの少しだけでもまいたおかげでとれたのだよ。(S) néun póka/nen póka ネウン ポカ/ネン ポカ どうにか、 なんとかして。 nen póka é=iki wa e=epirka kunine ネン ポカ エイキ ワ エエピㇼカ クニネ なんとかしてあなたがえらくなるように。(S) ②(否定で)…さえ…しない。 sapa póka sak cip サパ ポカ サㇰ チㇷ゚ 船首すらない舟。(W民話) a=i=núkare póka somo ki no アイヌカレ ポカ ソモ キ ノ 私に見せてもくれずに。(W民話) {E: ①somehow or other; finally. ②not even.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pon
ポン 【自動】小さい、 少ない、 年若い、 幼い。 pon cikuni ポン チクニ 小さい木。 kewe pon kusu oka ケウェ ポン クス オカ 体がとても小さい。(S民話) a=oskoni katu pon ruwe ne アオㇱコニ カトゥ ポン ルウェ ネ (魚が)手に入るのが少なかった。(NK民話) pon hekaci ポン ヘカチ 幼い男の子。 pon menoko ポン メノコ 若い女性。 pon katkemat ポン カッケマッ 若い婦人(若い奥さん、 お嬢さん)。 pon yupi ポン ユピ 兄が二人いるうちの年下のほうの兄。 ku=pon híne クポン ヒネ 私が幼かったときに。 ☆対語 poro ポロ。 ☆参考 nokan ノカン たくさんのものがそろって小さい、 幼い。 poniwne ポニウネ 年下である。 pewre ペウレ 若い。 {E: to be small; few; young.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ponki 2
ポンキ 【名】[pon-ki 小さい・カヤ] カヤを編んでつくった小さい簀(す)(すだれ状のもの)。 osiso un wa ne menokopo ehotke hi enkaske ta ponki a=oseatte. …ne, otuseat wa a=nukár a ponki atu tuypa híne, ponki ka o p cirawokuta sitcikewrototo オシソ ウン ワ ネ メノコポ エホッケ ヒ エンカㇱケ タ ポンキ アオトゥセアッテ。 …ネ、 オトゥセアッ ワ アヌカㇻ ア ポンキ アトゥ トゥイパ ヒネ、 ポンキ カ オㇷ゚ チラウォクタ シッチケウロトト 右座のその娘の寝床の上に小さいカヤ(萱)の簀(す)が綱でつるされていた。 …その、 綱でつるされていたのをさっき見たあのカヤを編んでつくった小さい簀(す)の棚の綱を(兄が)切って、 棚の上にのっていたものが下に落ちて散らばって、 ガラガラとすごい音を立てた。(HK民話) ☆参考 普通は山へ行くときに持って行く。 この用例では物置棚として使われている。(HK) {E: a straw blind.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
poromat
ポロマッ 【名】[poro-mat 大きい・妻] 本妻。 ☆参考 一人の夫に妻が二人(以上)いる場合、 第一の妻(「本妻」)は poromat ポロマッ、 第二(以下)の妻(「めかけ」)は ponmat ポンマッ。 両方合わせて utusmat ウトゥㇱマッ。 {E: one's first, real wife.} (出典:田村、方言:沙流)
porop
ポロㇷ゚ §278 あざらし (10) porop (po-róp)「ポろㇷ゚」[tus nauticus PALLAS.)の成獣 (出典:知里動物編、方言:)
poysoya-kamuy
ポイソヤカムイ 【名】[pon-soya-kamuy 小さい・ハチ・神][動物] ミツバチ。 poysoya-kamuy suy kapocá nonno ka pokusó nonno ka suy kotuk wa oka, tópen uske uyna rusuy kusu he ポイソヤカムイ スイ カポチャ ノンノ カ ポクソ ノンノ カ スイ コトゥㇰ ワ オカ、 トペン ウㇱケ ウイナ ルスイ クス ヘ ミツバチがまたカボチャの花やクローバーの花にまた止まっている、 甘いところ(蜜)がほしいからか。(S) ☆参考 利口なもんだ、 神のうちに入る、 葬式の日には頭に白い鉢巻をして悔やみに来る。(S)〔知分類 p.87 póy-soyay ((ホロベツ))小形のハチ〕 {E: a honeybee.} (出典:田村、方言:沙流)
purikasiyupke
プリカシユㇷ゚ケ 【自動】[puri-kasi-yupke 行状・その上・きつい] 気が強い。 {E: to be strong willed; stubborn.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
purio
プリオ 【自動】[puri-o 行状・そこにある] 気性が激しい。 a=wenmatnepoho purio kaspa siri an hi an wa a=koyáysanpepokas a yakka アウェンマッネポホ プリオ カㇱパ シリ アニ アン マ アコヤイサンペポカサ ヤッカ 私のふつつかな娘はどうも気性が激しすぎたようで私は困ったことだなあと思っていたが。(W神謡語り) {E: to be bad natured.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pus 1
プㇱ 【自動】はじける、 破裂する、 爆発する、 (火が)とぶ。 ape pus humi as アペ プㇱ フミ アㇱ 火がはねた音がした。(W) hemanta tuwapneko pus humi an? ヘマンタ トゥワㇷ゚ネコ プㇱ フミ アン? 何がものすごい音を立てて爆発したんだろう。(S) pus anki yak anki an プㇱ アンキ ヤㇰ アンキ アン いまにも破裂しそうにつぶれそうにひどいふくれつらをしている。(W民話) {E: to burst.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pusa
プサ 【名】[概/所][< 日本語 ふさ(房)] 房かざり(刀のさやの)。 ☆参考 日本語の「房」の形状はしていない。 三角や四角の布のかざりが下げて(つけて)あるもので、 刀の房かざりは、 四角い布にししゅうし、 つり紐の両すそにつけてある。 ukopusakur/suypa kane ウコプサクㇽ/スイパ カネ [雅] 宝刀のつり紐のすそから下がっている房かざりがいっせいにゆれている。(Sユーカラ) ☆参考 糸、 紐やくさりで下げられた小さな玉やサイコロの形などの飾りは tumsi トゥㇺシ。 {E: a tassel on a sword etc.} (出典:田村、方言:沙流)
puskosanpa
プㇱコサンパ 【自動】[pus-kosanpa (破裂の擬音)・急に…する(接尾辞)]ピュッ/プスッ/パンと(破裂したような)音がする。 petosanputu/puskosanpa ペトサンプトゥ/プㇱコサンパ [雅]川尻でピュッと何か物音がする。(Sユーカラ) ☆参考 同じユーカラの別の所で kopuskosanpa コプㇱコサンパ とも言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
puskosanu
プㇱコサヌ 【自動】[単](複は puskosanpa プㇱコサンパ)[pus-kosanu はじける・急に瞬間に…する] パンと破裂したような音がする。 ☆参考 川下のワテケさん・サダモさんは単複の区別なく…-kosanpa …コサンパ と言う。 {E: to burst, rupture suddenly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
put
プッ 【名】[概](所は putu(hu) プトゥ(フ))川口、 河口(川の海への出口)(「川尻」)。 pet-put ペップッ 川の出口。 to-put トプッ 湖/沼の出口。 {E: the mouth of a river.} (出典:田村、方言:沙流)
puy
プイ 【名】[概](所は puye(he)) ①穴、 孔(壁の穴、 管の孔など、 突き抜けていて何かが通るあなやすきま)。 puy o プイ オ/プヨ 穴があく(=púyo プヨ)。 taan puy o uske kari inkar タアン プヨ ウㇱケ カリ インカㇻ この穴のあいたところから見なさい。 ②[名詞語根] 体の孔、 たとえば鼻孔や耳の孔や肛門。 etupuy エトゥプイ 鼻のあな。 kisarpuy キサㇻプイ 耳の孔。 osorpuy/yorpuy オソㇿプイ/ヨㇿプイ 肛門。 ☆参考 地面を掘った穴など、 えぐられた穴は suy スイ、 崖のほら穴は póru ポル、 木のうろは nisa ニサ。 {E: ①a hole; an opening. ②the orifices of the body.} (出典:田村、方言:沙流)
ra 2
ラ 【名】[概/所][植物](草の)葉、 (蔓草の場合は)出始めの短い蔓。 turep ra トゥレㇷ゚ ラ ウバユリ(「ウバイロ」)の葉。 (=turep ham トゥレㇷ゚ ハㇺ) mukekas ra ムケカㇱ ラ ツリガネニンジン(?)の出始めの蔓/葉。 ikema ra イケマ ラ イケマの出始めの蔓/葉。 kosa ra コサ ラ 「フジ」の出始めの蔓/葉。 cituyrep ra チトゥイレㇷ゚ ラ カガイモ(?)の出始めの蔓/葉。 pukusa ra プクサ ラ ギョウジャニンニク(「キトピロ」)の葉。 muk ra ムㇰ ラ バアソブ(?)の出始めの蔓/葉。 ☆参考 蔓がのびてからまるようになればもう ra ラ と言わず、 kosa コサ 「フジ」の場合は kosa at コサ アッ [「フジ」・紐]と言い、 他の植物のつるは punkar プンカㇻ と言う。 〔知分類 p.281 地下部を食用とする草本植物の葉〕 {E: a blade of grass.} (出典:田村、方言:沙流)
ram 2
ラㇺ 【名】[概](所は ramu(hu) ラム(フ)) ①心。 ② ☞ram(u)…ラㇺ/ラム… ☆参考 sanpe サンペ 心臓、 胃のあたりの具合からくる気分、 (語構成要素として)人に対していだく心。 ossike オッシケ おなかの中、 口先やうわベや見かけに対して心の中。 kewtum ケウトゥㇺ 気性、 気立て、 気持ち。 {E: heart (in feelings or emotions one has for another).} (出典:田村、方言:沙流)
ramaci(hi)
ラマチ(ヒ) 【名】[所](概は ramat ラマッ) 魂。(W) ☆参考 1955年に「いのち」の訳語として出た。 ☞ramatu ラマトゥ {E: the soul; the spirit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
raman
ラマン 【自動】[ram-an 心・ある](…だろう/だろうかと)思う。 “ikiya un nasno e=ek wa” sekor ku=raman 「イキヤ ウン トゥナㇱノ エエㇰ ワ」 セコㇿ クラマン ひょっとするとあなたが早く来るのではないかなと私は思った。(W会話) ☆参考 沙流川下流のワテケさんの言葉。 中流二風谷の二谷国松さんは ramuan ラムアン と言っていた。 ☆参考 …しようと思う、 気の毒だと思うなど、 一般的に「思う」ことを言うには yaynu ヤイヌ が使われる。 {E: to think, believe…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramat
ラマッ 【名】[概](所は ramatu(hu)/ramaci(hi) ラマトゥ(フ)/ラマチ(ヒ)) 魂。 nen póka ne wa ramat kasi a=konítata yakun ネン ポカ ネ ワ ラマッ カシ アコニタタ ヤクン 何とかして魂を押えてもらえば(=命をとりとめさせてもらえば)。(W会話) aynu ramat, ray aynu ramat tama ani kane an tekehe アイヌ ラマッ、 ライ アイヌ ラマッ タマ アニ カネ アン テケヘ 人の魂、 死んだ人の魂の玉を持っている彼の手を。(W民話) pirka isoytak, pirka ramat kor uwepeker ピㇼカ イソイタㇰ、 ピㇼカ ラマッ コㇿ ウウェペケㇾ よい話、 よい魂を持つ民話。(W独話) {E: the soul; the spirit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ramu 1
ラム 【他動】[ram-u 心・(他動詞形成)] ①…と思う、 …を思う、 …を考える。 nispa ne kusu kewtumu ka pirka p ne kunak a=ramú a p ニㇱパ ネ クス ケウトゥム カ ピㇼカㇷ゚ ネ クナㇰ アラム アㇷ゚ 長者(富者)だから心もよいものとばかり思っていたが。(W民話) nisatta anakne i=os arpa kuni ramu ニサッタ アナㇰネ イオㇱ アㇻパ クニ ラム 明日は私の行った後から行くつもりでいなさい。(S民話) ②(熟語) eci=ramu a! エチラム ア! (直訳すると)私はあなたを思った=やれやれ困ったやつだ。 ku=ramu humi! クラム フミ! (直訳すると)私は思うなあ=やれやれ困ったやつだ。 ③ ☞ram(u)…ラㇺ/ラム… {E: ①to believe, think (that)… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ran
ラン 【自動】[単](複は rap ラㇷ゚)[ra-n 下の方・(動詞形成)] 上から下へ下がる、 下りる、 川の方へ行く、 (空から)降る、 (涙やしずくが)落ちる。 pet or ta ku=sus kus ku=ran ペトッタ クスㇱ クㇱ クラン 私は川へ泳ぎに行く。(S) ☆対語 rikin リキン 下から上へ上る/昇る ☆参考 川上から川下の方へ移動することは san サン、 落ちるべきでないものがまちがって落ちることは hácir ハチㇼ、 急激に落下(墜落)することは turse トゥルセ。 {E: to lower; drop; go down.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ranke 1
ランケ 【他動】[単](複は rapte ラㇷ゚テ)[ran-ke 下がる・(他動詞化)]①(一つ)を上から下へ下げる、 高い所にあるものを下に下ろす、 (空から)降らす、 (涙やしずくを)落とす。 pira hontom pakno a=ranke kor tus tuy ピラ ホントㇺ パㇰノ アランケ コッ トゥㇱ トゥイ (舟を)崖の中ほどまで下ろしたときに網が切れた。(S会話) ranke núpe/uturatura ランケ ヌペ/ウトゥラトゥラ [韻文の慣用表現]流す涙があとからあとから流れる。(W神謡語り) ②☞eyayerana-ranke エヤイェラナランケ {E: to lower, drop…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ranke 3
ランケ 【副助】…ずつ。 sinep ranke シネㇷ゚ ランケ 一つずつ。 tup ranke トゥㇷ゚ ランケ 二つずつ。 mak pak ranke マㇰ パㇰ ランケ どのくらい/いくつぐらいずつ。 sine kímuy mak pak ranke ku=kar kor pirka? シネ キムイ マㇰ パㇰ ランケ クカㇻ コㇿ ピㇼカ? カヤ一束につきいくらぐらいずつ払えばいいですか。(S) menoko sinep okkayo sinep ranke ne wa oka メノコ シネㇷ゚ オッカヨ シネㇷ゚ ランケ ネ ワ オカ 女一人男一人ずつでいる。(S) a=ewpis no sine ceppo ranke a=e ro アエウピㇱ ノ シネ チェッポ ランケ アエ ロ みんなで魚を一匹ずつ食べよう。(S) {E: each; every.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ranma
ランマ 【副】いつも、 ふだん、 まだ(依然として)、 相変わらず。 ranma k=oyra ランマ コイラ 私はいつも忘れる。(W会話) ranma anak numi ruprupne a korka tan pa anak sir-sum wa numtumasi patek rupne, numtumasi nokan ランマ アナㇰ ヌミ ルㇷ゚ルㇷ゚ネ ア コㇿカ タン パ アナㇰ シㇼスㇺ ワ ヌㇺトゥマシ パテㇰ ルㇷ゚ネ、 ヌㇺトゥマシ ノカン いつもは粒がまるまると大きかったけれど今年は不作で一部の粒だけ大きく一部の粒は小さい。(S) ranma oka? ランマ オカ? (彼は)まだいるの? (S) {E: as always; as usual.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ranpes
ランペㇱ 【名】[ra-un- pes 下・の・段丘](?) [雅] 海岸の砂浜(otanikor オタニコㇿ)より上の、 坂になっている所が二段になっているときその下の方の斜面。 ranpes kunne/cisiturire ランペㇱ クンネ/チシトゥリレ [雅]海岸の斜面のように長く伸びている(宝器がたくさんあって左右前後上下に並べられ積み重ねられていることを描写する慣用表現)。(Sユーカラ) (NK民話) ☆対語 rikun-pes リクンペㇱ ☆参考 日常語では sawun masar サウン マサㇻ。(S) {E: a sandy beach.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rar 1
ラㇻ 【自動】水中にもぐる。 rar wa ya esirpicire wa turano hetuku ラㇻ ワ ヤ エシㇼピチレ ワ トゥラノ ヘトゥク (舟から飛び込んで)もぐって網のひっかかったのをはずして持って浮いて来なさい。(S) {E: to dive into water.} (出典:田村、方言:沙流)
rára
ララ 【他動】(人)を何もできると思わない、 …を何もできない人だと思って見下げる。 ku=maci ku=rara cik クマチ クララ チㇰ 私の妻はなにもできないから(tureptacir トゥレㇷ゚タチㇼ という名の鳥の鳴き声)。 ☆参考 irara イララ 人を軽視して悪いいたずらをする。 {E: to make fun of; mock (B.).} (出典:田村、方言:沙流)
rárak
ララㇰ 【自動】[rara-k (擬態の語根の重複)・(自動詞形成)] なめらかである、 すべすべしている。 taan cápe seturu rárak humi! タアン チャペ セトゥル ララㇰ フミ! この猫は背中がすべすべしてるなあ。(W) esaman numaha rárak エサマン ヌマハ ララㇰ カワウソの毛皮はなめらかだ。(W) eytasa so rárak wa cise or ta ka osittesu=an エイタサ ソ ララㇰ ワ チセ オッタ カ オシッテスアン あまり床がツルツルしているので私たちは家の中でもすべってしまう。(S) {E: to be smooth.} (出典:田村、方言:沙流)
rataskep
ラタㇱケㇷ゚ 【名】[概] ①野草や野菜のまぜ煮(豆、 粉、 キトピロ等何でもいろいろ入れて煮た食物、 ごはん(mesi メシ )の代わりに食べる、 米や稗は入れない、 現代は豆・カボチャ・ジャガイモ等を使い、 シコロの実(sikerpe シケㇾペ)を入れることもある)。 kina rataskep キナ ラタㇱケㇷ゚ 野菜(野草・菜っぱ)のまぜ煮。 tanto anak rataskep tókap-ipe ne an タント アナㇰ ラタㇱケㇷ゚ トカㇷ゚イペ ネ アン 今日はまぜ煮が昼食になる(=今日の昼食はまぜ煮だ)。(S) sikerpe rataskep シケㇾペ ラタㇱケㇷ゚ シコロの実を入れたまぜ煮。 ②(比喩的に)混血児(たいていアイヌとシサムとの間に生まれた子ども、 大人になってもいう)。 {E: a boiled mixture of vegetables, beans etc. used as food.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rataskepi
ラタㇱケピ 【名】[所](概は rataskep ラタㇱケㇷ゚)…のまぜ煮。 pekanpe numihi a=kar wa rataskepi karpa ペカンペ ヌミヒ アカㇻ ワ ラタㇱケピ カㇻパ 菱の実(を採って)その粒を出してそれの入ったまぜ煮をつくった。(S会話) {E: a boiled mixture of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ratcako
ラッチャコ 【名】あかり、 ランプ。 ratcako kar ラッチャコ カㇻ あかりをつける(ともす)。 ratcako uhuy ラッチャコ ウフイ あかりがつく(燃える)。 ☆参考 昔はいろりの下座、 南西側の隅に棒を立ててその上に貝殻を皿にしてのせ、 その中に油を入れて燃やしてあかりとした。 これを ratcako ラッチャコ と言う。 カンビ(樺)の皮を燃やして明りとするときはこれを sune スネ と言う。 それを棒にはさんで外へ持って出てたいまつにするとき、 これを tatuspe タトゥㇱペ と言う。 {E: a light; a lamp.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ray 1
ライ 【自動】死ぬ、 (名詞として使われて)死ぬこと、 死。 ray wa isam ライ ワ イサㇺ 死んでしまった。 raytamanum ライタマヌㇺ 死んだ(人の)魂(の粒)。 ray kotpok ta ライ コッポㇰ タ 死際に。 ray he ne ya mokor he ne ya ライ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ 死んだのか眠ったのか。(HC神謡)(動物の体が死にその神の霊が気がついて自分の死体を見つけるときの常套句。)ray wenray ki トゥライ ウェンライ キ (tu トゥ が高く長く発音される。) ひどい死に方とんでもない死に方で死んでしまった。 (Pánanpe パナンペ 川下男と Pénanpe ペナンペ 川上男の民話の結末の常套句。) ☆参考 自分の身内や話している相手の身内のことを言うときは isam イサㇺ《なくなる》を使うことが多い。 ほかに wen ウェン《いけなくなる》、 sini シニ《休む》などと言うこともある。 mosiroppa モシロッパ《世を去る》は地位のある人や有名な人が年取って死ぬこと、 onne オンネ は年取った人が死ぬこと。 mawe tuy マウェ トゥイ 息が絶える。 tasu tuy タス トゥイ 息が絶える。 {E: to die.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ray hekaci pitoho
ライ ヘカチ ピトホ §023.赤子の棺ray hekaci pitoho〔ráǐ-hé-ka-či-pi-tó-hoらイ・へカチ・ピとホ〕[ray(死んだ)、hekaci(子)、pitoho(の棺、tuひつ)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ray- 2
ライ 【接頭】①(動作を表す自動詞に接頭して、 ひどくないし激しく行なわれることを大げさに表現する。)hotypa ホトゥイパ 呼び声をあげる;rayhotuypa ライホトゥイパ 大声で呼ぶ。 hocikacika ホチカチカ もだえる;rayhocikacika ライホチカチカ ひどく身もだえする。 ②(名詞に接頭して)ものすごい…、 ひどい…。 toskaha トㇱカハ(それの)土手(=山積み);raytoskaha ライトㇱカハ (それの)大きな山積み。(S民話) (出典:田村、方言:沙流)
raykotenke
ライコテンケ 【他動?】[ray-ko-tenke ひどく・…に・(?)][雅]泣きわめきながら走る。 iresu sápo/itak turano/a=raykotenke イレス サポ/イタㇰ トゥラノ/アライコテンケ [雅]育ての姉が話すのと一緒に私は泣き騒いで走った。(Sユーカラ) ☆参考 人称接頭辞 a= ア がついているが、 目的語が何だかわからない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
raymik
ライミㇰ 【自動】(女性の感謝の仕草の一つ。 右手の人差指を鼻と唇の間に当て、 軽く左から右へ動かす)。 ☆参考 沙流川中流二風谷の萱野茂氏によればこの仕草は etuhu kar エトゥフ カㇻ (ビデオ『アイヌ語会話初級編』)。 川下のワテケさん、 サダモさんによれば etuhu kar エトゥフ カㇻ は《鼻をふ(拭)く》。 {E: the body language of a woman showing appreciation.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
re 3
レ 【連体】[数連体] 三つの(三個の、 三人の)。 re sike レ シケ 三個の荷物。 re poyson レ ポイソン 三人の子ども。 re pa レ パ 三年。 tan cup re to an tóho ta タン チュㇷ゚ レ ト アン トホ タ 今月の三日の日に。 tu…re … トゥ… レ… 二つも三つもの(=いくつもいくつもの、 たくさんの)…。 otu…re… オトゥ…レ… 二つも三つもの(=いくつもいくつもの、 たくさんの)…。 ☆発音 あとの名詞と共に一語のアクセントで発音される。 つまり re レ は低く、 そのあとの名詞の第一音節が高くなる。 たとえば、 sike シケ は ke ケ が高いが re sike レ シケ ではsi シ が高い。 {E: the number three as a counter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
réko
レコ 【他動】[re-ko 名前・(?)] …に名をつける、 …を…と(いう名で)呼ぶ、 …の名を言う。 aynu réko sinre patek oka ruwe ne アイヌ レコ シンレ パテㇰ オカ ルウェ ネ アイヌが名づけた地名ばかりがあるのです。(S言い伝え) semekatki kotan a=reko セメカッキ コタン アレコ 私はとんでもない村の名前を言った。(S民話) páseni sísam or ta a=reko katu aotamo パセニ シサㇺ オッタ アレコ カトゥ アオタモ パセニは日本人のところで名付けるしかたはアオダモ=日本語ではアオダモと言う。(W) kunneywa an kor hecirasa, tókap an kor ukocupke wa hemuymuye wa an nonno sísam or ta a=reko hi asagao sekor a=reko クンネイワ アン コㇿ ヘチラサ、 トカㇷ゚ アン コㇿ ウコチュㇷ゚ケ ワ ヘムイムイェ ワ アン ノンノ シサㇺ オッタ アレコ ヒ アサガオ セコㇿ アレコ 毎日朝になると開き、 昼になるとしぼんでしまう花を日本語ではアサガオと言う。(S) {E: to name, call…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rekuci(hi)
レクチ(ヒ) 【名】[所](概は rekut レクッ)…ののど、 その(彼の)のど(中も外も)。 rekuci tanne レクチ タンネ 首が長い。(S) oya rekuci aep osma オヤ レクチ アエㇷ゚ オㇱマ 違うのどに(=気管に)食べ物が入ってしまった。(S) ku=rekuci arka クレクチ アㇻカ 私はのどが痛い。 rekuci sat(sat) レクチ サッ/レクチ サッサッ [自動]のどが渇く。 ku=rekuci satsat クレクチ サッサッ 私はのどが渇いた。(W) kamuy rekuci a=tuyé wa a=rayke カムイ レクチ アトゥイェ ワ アライケ 私は熊ののど首を切って殺した。(HK民話) rayke wa rekucihi tuytektek ライケ ワ レクチヒ トゥイテㇰテㇰ 彼は(妻を)殺してそののど(首)をバサリと切った。(W民話) {E: the throat of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ren
レン 【名】[数名][re-n 三つの・人(接尾辞)] 三人。 ren ne wa レン ネ ワ 三人で。 tun ren トゥン レン 二、 三人。 {E: three people.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
réne
レネ 【自動】麻痺する、 不随になる。 ku=kurkotunas wa ku=kema ka réne ku=teke ka réne ククㇽコトゥナㇱ ワ クケマ カ レネ クテケ カ レネ 私は中風にかかって(=なって)足もきかない手もきかない。(S) {E: to be paralyzed; numb.} (出典:田村、方言:沙流)
renkayne
レンカイネ 【後副】[renka-y-ne 意図・(挿入音)・として](主格人称接辞をとる。)…の意志によって、 勝手に、 …によって、 …次第で。 kamuy renkayne カムイ レンカイネ 神の思召によって、 神様のおかげで。 ku=renkayne k=ek クレンカイネ ケㇰ 私は勝手に(自分の意志で)来た。(S) e=renkayne iteki iki エレンカイネ イテキ イキ あなたの勝手なことをするな。(S) katu renkayne カトゥ レンカイネ ありようによって、 都合によって。 ciw sinoye katu renkayne チウ シノイェ カトゥ レンカイネ 流れの曲り方に従って=水の流れに従って。 ☆参考 yayrenkayne ヤイレンカイネ 自分のいいように、 自由に。 {E: as one wishes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rep 3
レㇷ゚ 【名】[数名][re-p 三つの・もの] ①三、 三つ(三個/三匹/三羽)。 ②三個のもの。 tup rep トゥㇷ゚ レㇷ゚ 二つ三つ。 {E: ①three. ②three as a couter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
repunkur
レプンクㇽ 【名】[rep-un-kur 沖・にいる・人] 海外の人(主に外国人を指す)。 repunkur mosir レプンクㇽ モシㇼ 外国。 repunkur atuy レプンクㇽ アトゥイ 外国の海。 ☆対語 yaunkur ヤウンクㇽ 自国の人(北海道の人)。 {E: a foreigner; someone from overseas.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
réra 2
レラ 【名】①風。 réra as レラ アㇱ 風が吹く。 réra isam レラ イサㇺ 風がやむ。 réra tum wen レラ トゥㇺ ウェン 空気が悪い(病気になりやすい)。 ②流行病(天然痘を指すと言われる)。 réra oyan レラ オヤン …に流行病が海外から入ってきた(=pa oyan パ オヤン)。 ☆参考 ②は「流行病(天然痘)を運んで来る空気」を指したものであろう。 pa パ《気》とも言い、 また場合によって maw マウ《空気》とも言う。 {E: ①wind ②an infectious disease.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rerko 1
レㇾコ 【名】[re-r-ko 三つの・(重複)・日(< to? ト?)] 三日間。 tutko rerko トゥッコ レㇾコ 二、 三日。 rerko ewan to レㇾコ エワン ト [三日・で十の・日]七日間(用例では「十三日」のつもりで言っている)。(S) ☆参考 月の中の日の名前としては re to レ ト が使われるが、 日数の表現には、 沙流川下流のワテケさんは rerko レㇾコ を用いていた。 中流及び新しいアイヌ語の話者は、 両方とも re to/reto レ ト/レト と言った。 {E: three days.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rerko 2
レㇾコ 【名】(日数の単位、 四日間以上のときに用いる。古い言い方)…日間。 kunne rerko/noiwan rerko/han kakkok kakkok/tókap rerko/noiwan rerko/kakkok cikap/rek kane kor クンネ レㇾコ/ノイワン レㇾコ/ハン カッコク カッコク/トカㇷ゚ レㇾコ/ノイワン レㇾコ/カッコㇰ チカㇷ゚/レㇰ カネ コㇿ 夜も昼も六日六晩カッコウが鳴き続けて。 [雅] (W神謡) henpak rerko ヘンパㇰ レㇾコ 何日間(「はらんばいわるいとき」(憤慨したとき)言う。 henpak to ヘンパㇰ ト は普通に言う)。(S) ☆参考 「一日間」は sine to シネ ト、 「二日間は」 tutko トゥッコ。 ☆参考 月の中の日にちの名称としては to ト《日》を用いて íne to イネ ト《四日》、 henpak to ヘンパㇰ ト《何日》と言う。 日数を表すには、 沙流川下流のワテケさん、サダモさんは rerko レㇾコ と to ト の両方を使い、 ニュアンスの違いがある。 沙流川中流および新しいアイヌ語では、 日にちの名称と日数を区別せず両方とも to ト《日》を使って ine to イネ ト《四日》、 henpak to ヘンパㇰ ト《何日》と言う。 íne rerko イネ レㇾコ 四日間。 {E: a unit for counting days.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ri 1
リ 【自動】高い。 ri cikuni リ チクニ 高い木。 ri nupuri リ ヌプリ 高い山。 na cup ri ナ チュㇷ゚ リ まだ日が高い(まだまだ夕暮れにならない)。 nasno ri kane uske un kira=an トゥナㇱノ リ カネ ウㇱケ ウン キラアン 早く高いところへ逃げよう(津波のとき)。(S) ☆対語 ram ラㇺ 低い。 ☆参考 山、 木、 家などについて言う。 人の身長のことは keweri ケウェリ《背丈が高い》と言い、 ri リ とは言わない。 {E: to be high.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
riratte
リラッテ 【自動】[rir-atte 波・…を掛ける] スーッと波をひく。 pet turasi cep riratte wa hemesu ペッ トゥラシ チェㇷ゚ リラッテ ワ ヘメス 川を魚が波をひいてのぼる。 {E: to make waves.} (出典:田村、方言:沙流)
rirkosiyetaye
リㇼコシイェタイェ 【自動】[rir-ko-siyetaye 波・と一緒に・引っぱられる] 引き波にさらわれる。(S) ☆対語 rittursere リットゥㇽセレ 波によって海と反対側に落とされる。 (出典:田村、方言:沙流)
rirot
リロッ 【自動】[rir-ot 波・ついている] ☞ekewtum(u) rirot エケウトゥㇺ リロッ/エケウトゥム リロッ (出典:田村、方言:沙流)
ritentoy
リテントイ 【名】[riten-toy 柔軟な・土] 粘土(赤いの、 灰色の、 ねばい土)。 ritentoy ani cisetumam a=kar リテントイ アニ チセトゥマㇺ アカㇻ 粘土で壁をつくる。(S) (注 昔の家の壁はカヤ(ki キ)でつくられた。) {E: clay.} (出典:田村、方言:沙流)
rokte
ロㇰテ 【他動】[自動使役][複](単は áre アレ)[rok-te (二人以上が)座る・させる](二人以上)を座らせる。 (神のことについて、 不定人称形 a=rokte アロㇰテ《座らされる》の形で)まします。 rep ta atuyso ka ta a=rokte kamuy レㇷ゚ タ アトゥイソ カ タ アロㇰテ カムイ 沖の海原にまします神。 {E: to make, let…sit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ror
ロㇿ 【位名】[概](所は rorke(he) ロㇿケ(ヘ))(家の中の)火を中心とした東側、 上座。 ror ta ロッタ 上座に。 ☆対語 útur ウトゥㇽ。 {E: the seat, place of honour in a house.} (出典:田村、方言:沙流)
roski 1
ロㇱキ 【自動】[複](単は as アㇱ)(二つ以上/二人以上が)立つ、 立ち止まる、 立っている。 roski wa oka ロㇱキ ワ オカ (彼らは)立っている。 cékantoor-soye kane an sunku tup roski híne an チェカントオㇿソイェ カネ アン スンク トゥㇷ゚ ロㇱキ ヒネ アン 天にも届くばかりのエゾマツが二本立っていた。(HC民話)(注 川下のワテケさん、 サダモさんの言い方では as híne an アㇱ ヒネ アン となるところである。)soy wa roski aw wa roski ソイ ワ ロㇱキ アウ ワ ロㇱキ(彼らは)外へ出ては立ち止まり、 家へ入っては立ち止まる(心配でオロオロして出たり入ったりしている様子の描写)。(KK民話) kurukpeciyay roski クルㇰペチヤイ ロㇱキ 霜柱が立つ。(W) (S) {E: to stand (up); stand still.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rostoy(-he)
ロㇱトイ §253.きんまく(筋膜)rostoy(-he)〔róš-toǐ ろㇱトイ〕[<rus(毛皮)+tu(すじ)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ruetoko
ルエトコ 【位名】[所](概 ruetok ルエトㇰ は未出)[ru-etoko 道・の先]進んでいく先。 a=kar wa an pe/tu ruetoko/a=sikrarire アカㇻ ワ アン ペ/トゥ ルエトコ/アシㇰラリレ [雅] 彫っているものの小刀の進む先々をじっと見つめ。(Sユーカラ語り) ☆発音 話すときにはたいてい ruwetoko ルウェトコ と発音される。 ☞ruwetoko ルウェトコ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rúkamare
ルカマレ 【他動】[ru-kama-re 道・をまたぐ・させる] 伝染病が…に移らないで素通りする。 inomito ta noyasito a=e kor oripak an yakka pátumu wen yakka a=i=rúkamare wa pirka p ne na イノミト タ ノヤシト アエ コㇿ オリパㇰ アン ヤッカ パトゥム ウェン ヤッカ アイルカマレ ワ ピㇼカㇷ゚ ネ ナ 元日にヨモギ餅を食べるとどんなに伝染病がはやっても私たちのところを素通りするのでよいのだよ。(S) {E: to by-pass…so as not to catch an infectious disease.} (出典:田村、方言:沙流)
ruki
ルキ 【他動】[単](複は rukpa ルㇰパ)[ruk-i (飲み込むことを表す語根)・(他動詞形成)] …を飲み込む。 iteki ruki no ohetu イテキ ルキ ノ オヘトゥ 飲み込まないで吐き出しなさい。(S) ☆参考 口の中のものをゴクンと飲み込んで食道/胃へ入れることを言う。 液体を飲むことは ku ク。 {E: to swallow…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rum
ルㇺ 【名】もり先(repa レパ《ツノザメ漁》をする op オㇷ゚《槍、 もり》の先につけるもの、 先は金(かね)でその下には骨がついており、 それが op オㇷ゚ にささっている。 金(かね)は骨にきちんとかぶさっている)。 rum etu/kane ne ruwe ne/kane kursutu/pone ne ruwe ne ルㇺ エトゥ/カネ ネ ルウェ ネ/カネ クㇽストゥ/ポネ ネ ルウェ ネ もり先の先端は金(かね)だ、 金(かね)の根元の部分は骨だ。(S神謡の解説) ☆参考 ワテケさんが歌っている神謡では runum ルヌㇺ といっている。 (出典:田村、方言:沙流)
rupa
ルパ 【他動】[ru-pa やや・見つける](見つけようと思うものが)ちょっと見えない。(S) ☆参考 pa パ …を見つける、 …が見つかる。 turaynu トゥライヌ …を見つけない、 …が見つからない。 {E: to be difficult to see.} (出典:田村、方言:沙流)
ruprupne
ルㇷ゚ルㇷ゚ネ 【自動】[rup-rup-ne 氷(?)・(重複)・のようである](rupne ルㇷ゚ネ の重複形) まるまると大きい粒だ。 ranma anak numi ruprupne a korka tanpa anak sir-sum wa numtumasi patek rupne, numtumasi nokan ランマ アナㇰ ヌミ ルㇷ゚ルㇷ゚ネ ア コㇿカ タンパ アナㇰ シㇼスㇺ ワ ヌㇺトゥマシ パテㇰ ルㇷ゚ネ、 ヌㇺトゥマシ ノカン いつも(の年)は粒がまるまると大きかったが、 今年は不作で、 一部の粒だけが大きくて一部の粒は小さい。(S) {E: to be large and chubby ie. grains, drops.} (出典:田村、方言:沙流)
rúra 1
ルラ 【他動】①…を運ぶ、 …を持って行く/来る。 aep pirka hi sake pirka hi a=rura a a=rura a híne アエㇷ゚ ピㇼカ ヒ サケ ピㇼカ ヒ アルラ ア アルラ ア ヒネ 食べものの上等のや酒の上等のが次々に運ばれてきて。(S民話) ②(人)を送って行く。 somo i=rura yakka pirka pirka ソモ イルラ ヤッカ ピㇼカ ピㇼカ いいえいいえ、 (私を)送って下さらなくても結構です、 大丈夫です。(KK民話) tésapa pakno/ci=rura nankor テサパ パㇰノ/チルラ ナンコㇿ (この人を)駅まで送って行きましょう。(W即興詩) ③(もの)を(小包などで)送る。 ④…を返す。 {E: ①to take, send, carry… ②to send off s.o; to lead someone. ③to send (off)… ④to return…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruray
ルライ 【自動】[ru-ray やや・死ぬ] 気絶する、 人事不省になる。 níkomimu wa oraun nítek ka wa turse wa ruray, a=kar ayne siknu ニコミム ワ オラウン ニテㇰ カ ワ トゥㇽセ ワ ルライ、 アカㇻ アイネ シㇰヌ (彼は)木登りして枝の上から落ちて気絶した、 手を尽くしてやっと息を吹き返した。(S) {E: to faint; lose consciousness.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruska
ルㇱカ 【他動】…を怒る、 …のことで腹を立てる、 …に憤慨する、 …のことがおもしろくない、 …のことで不機嫌になる。 noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルㇱカ クス (彼は)ひたいに大きな穴をあけられたことに憤慨して。(S会話) ene iruska katun ki siri a=ruska エネ イルㇱカ カトゥン キ シリ アルㇱカ (彼が)そんなに不機嫌そうにしていることに私は腹が立った。(W民話) sirunno maskin a=nukár kor a=e=ráyke hi ka a=nukúri a=ruska ruwe ne kusu シルンノ マㇱキン アヌカㇻ コㇿ アエライケ ヒ カ アヌクリ アルㇱカ ルウェ ネ クス まさか目の前に見ながらあなたを殺すなんて、 そんな気にもなれないし不愉快だから。(W民話) {E: to get angry at…, over…; fly into a rage over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rusuy
ルスイ 【助動】①…したい、 …したがる。 emina rusuy エミナ ルスイ …を笑いたい=…がおかしい。 k=émina rusuy ayne ku=ye ka koyaykus ケミナ ルスイ アイネ クイェ カ コヤイクㇱ 私は(これが)おかしくておかしくて(それを)言うことができない。(W会話) kor rusuy コンルスイ …を持ちたい=…がほしい。 nep a=e rusuy ka somo ki nep a=kor rusuy ka somo ki ネㇷ゚ アエ ルスイ カ ソモ キ ネㇷ゚ アコン ルスイ カ ソモ キ (私は)何を食べたいとも思わず何をほしいとも思わなかった=何不自由なく暮らしていた。(W民話) (民話で主人公が自叙する中によく出てくる表現。) hi ki rusuy ヒ キ ルスイ …するようにしたい、 …するようになることを望む、 …してほしい。 ci tunas hi ku=ki rusuy チ トゥナシ クキ ルスイ 早く煮えるようにしたい、 早く煮えてほしい。(S) pon katkemat ka ku=mataki amkir hi ku=ki rusuy kusu ポン カッケマッ カ クマタキ アㇺキリ クキ ルスイ クス お嬢さんにも私の妹を覚えて(見知って)もらいたいので。(W会話) ②…しそうである。 omke rusuy オㇺケ ルスイ せき(咳)が出そうだ。(W) tane k=étoranne rusuy humi as タネ ケトランネ ルスイ フミ アㇱ もういやになりそうになった、 なんだかいやになりそうな気がする。(W) ☆参考 é-rusuy エルスイ […を食べる・…したい](食べもの)が好きだ。 ipe-rusuy イペルスイ [ものを食べる・…したい] 空腹だ。 mokor-rusuy モコンルスイ [眠る・…したい] 眠い。 {E: to want to do…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
rutke
ルッケ 【自動】[rut-ke (擬態の語根)・(自動詞形成)] ①ずれて動く、 すべる。 ②脆(もろ)い、 ボロボロくずれてくる。 rutke suma ルッケ スマ もろい石。 rutke pira ルッケ ピラ もろい崖。 a=keré kor rutke uske ne wa a=sitóma アケレ コㇿ ルッケ ウㇱケ ネ ワ アシトマ さわるとボロボロくずれる所だから恐ろしい。(S) ③☞oruitakur-rutke オルイタクㇽルッケ ☆参考 形の上で対応する他動詞は rutu ルトゥ《…を押してずらす》。 したがって rutke ルッケ のもとの意味は、 ずれて動くことだろうから崖などがボロボロくずれることをこの語で言うのは、 表層がずれて動くところをとらえているのであろう。 {E: to be easily broken.} (出典:田村、方言:沙流)
ruttektek
ルッテㇰテㇰ 【他動】[rut-tektek (押しずらすことを表す rutu)の語根・(瞬間に行う)](引き戸)を瞬間に閉める。 nákatune humi iki wa apa ruttektek! ナカトゥネ フミ イキ ワ アパ ルッテㇰテㇰ! なんてことしてるんだ、 戸をガジーンと閉めて。(S) {E: to close…in an instant.} (出典:田村、方言:沙流)
ruwetoko
ルウェトコ 【名】[ru-w-etoko 道・(挿入音)・…の先](=ruetoko ルエトコ)行く先。 tu ruwetoko re ruwetoko coyranke トゥ ルウェトコ レ ルウェトコ チョイランケ [慣用句]行く先行く先におろされる=(熊や鹿等が)まるで行く先々に天から下ろされるかのように、 いつどこに行っても豊かに獲れる。(W民話) (注 同じことを言い表すのに etoko okake cóyranke エトコ オカケ チョイランケ とも言う。) {E: destination.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruwokake
ルウォカケ 【位名】[所](概は ruwoka ルウォカ)[ruwoka-ke …の去った後・の所](=ruokake ルオカケ) …の去った後、 …の死後、 彼の死後。 ruwokake pirka wa ney pakno situri ルウォカケ ピㇼカ ワ ネイ パㇰノ シトゥリ 親の亡くなったあとよくやっているので子孫がいつまでも続く。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ruyno
ルイノ 【副】[ruy-no 激しい・(副詞形成)] 激しく、 ひどく、 うんと。 ruyno kursutu péka tuye wa horakte ルイノ クㇽストゥ ペカ トゥイェ ワ ホラㇰテ ずうっと一番根元から切って倒しなさい。 ruyno yaypopkere wa ora hotke ルイノ ヤイポㇷ゚ケレ ワ オラ ホッケ 充分暖まってから寝なさい。(S) ruyno suppa ukoyuppa wa sina ルイノ スッパ ウコユッパ ワ シナ うんときつく締めてしばりなさい。(S) ☆発音 強調すると ruyiːno ルイーノ と発音される。 ☞ruy ルイ {E: violently; extremely.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sama 2
サマ 【位名語根】[雅](ユーカラ(yúkar ユカㇻ)の中や雅語的慣用句の中で、 多くの場合、 位置名詞のあとに置かれて、 音節数を整える。 概念形の後にも所属形の後にも置かれる。 これといった積極的な意味はなさそうであるが、 場所に関する表現に多く使われる。 詳細は不明。 形の上では sam サㇺ に a がついた所属形に見えるが、 sam サㇺ との違いも不明。 語構成または語源の表示の中では(< …のそば)と書いておく。 epa=kor cási/kopakke sama/a=yaytuyere/a=yayterkere エパコㇿ チャシ/コパッケ サマ/アヤイトゥイェレ/アヤイテㇾケレ [雅]私の城の方に向かって私はまっすぐに進んでいった。(Sユーカラ) tu-makke-sama kotuye トゥマッケサマ コトゥイェ …がいくら断っても(彼の断りを)きかない。 tu-makke-sama a=koye híne トゥマッケサマ アコトゥイエ ヒネ 彼がいくら断っても私はきかないで。(W民話) tumakke-sama i=kotuye トゥマッケサマ イコトゥイェ 私がいくら断って彼はきかなかった。(W民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
samanena
サマネナ 【間投(一部)】(即興歌の折り返し(リフレイン) yaysamanena ヤイサマネナ の最初の部分が飲み込まれてしまって聞こえなかったもの。) ☆参考 歌うときにこのように発音されることはしばしばある。 ☞yaysamanena ヤイサマネナ {E: the refrain of an impromptu, improvised poem.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
samatki
サマッキ 【自動】横向きになる。 pet or ta samatki wa an ペトッタ サマッキ ワ アン 川で(流木が)横向きになっている。(S) samatki no anu サマッキ ノ アヌ 横向きに置きなさい。(S) {E: to turn sideways.} (出典:田村、方言:沙流)
samatkire
サマッキレ 【他動】[自動使役][samatki-re 横向きになる・させる] 横向きにする。 {E: to turn…sideways.} (出典:田村、方言:沙流)
san 3
サン 【名】棚。 ☆参考 火棚は tuna トゥナ、 昔の家(cise チセ)の中で高い所に置かれた簀(す)の棚は aputki アプッキ、 ponki ポンキ など。 屋外の家の東側につくられた幣棚(木幣が並べられた所)は nusasan ヌササン。 物をのせるためにつられている普通の棚は san サン。 (出典:田村、方言:沙流)
san 4
サン 【接頭】[< san 1 出る][雅]槍や刀剣の関係の語に接頭する。 特に、 「前に出る」というほどの積極的な意味を表すわけではなく、 主として韻律上の手法として音節の数を数える役割を果たしている。 otu santuka オトゥ サントゥカ たくさんの刀の柄(つか)。 op sannit オプ サンニッ 槍の柄。 (出典:田村、方言:沙流)
sanke
サンケ 【他動】[単](複は sapte サㇷ゚テ)[san-ke 出る・(他動詞化)](しまってあるものや中にあるものを)(一つ)を出す、 客に(食べ物・飲み物・贈り物)を出す、 (手紙)を出す(投函する、 送る)。 sake sanke サケ サンケ 酒を出す。 eturusihi sanke エトゥルシヒ サンケ (熊が)鼻づらを出す。 sanke-mat サンケマッ[雅] 正妻。 {E: to serve, take out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sannanu
サンナヌ 【名】[所](概の例はない。 nanu ナヌ の概は nan ナン)[san-nanu 前の・顔[所]](?) [雅]顔。 kamuy sannanu カムイ サンナヌ …の神々しい顔。 kamuy sannanu/hetuku cup ne/iyenucupki/ciwre kane カムイ サンナヌ/ヘトゥク チュㇷ゚ ネ/イイェヌチュㇷ゚キ/チウレ カネ [雅](その女神の)神々しい顔にはさしのぼる朝日のように日の光がさしている。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sannipe
サンニペ 【名】[< san-ipe 出る・刀身](otu-…ore-… オトゥ…オレ… の構文で、 次の慣用表現で)刀。 otu sannipe ore sannipe owkauyru オトゥ サンニペ オレ サンニペ オウカウイル 二つの刀、 三つの刀が(=何本もの刀が)重なり合うように飾られていた。(NK民話) ☆参考 sannipe サンニペ と聞こえるが san-ipe サンイペ かもしれない。 {E: swords.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
santek
サンテㇰ 【名】[概](所は santeke(he) サンテケ(ヘ))[san-tek 出る・手] 世継ぎ、 子孫。 kamuy santek situri カムイ サンテㇰ シトゥリ 神の子孫の系統がのびて(続いて)いく。 {E: an heir; a descendant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
santek(-e)
サンテㇰ §016.子孫(20)santek(-e)〔sán-tek さンテㇰ〕⦅ホロべツ⦆子孫。tu 〜 ka ta「二代目の時代に」re 〜ta ka「三代目の時代に」。[san(出た)+tek(手、枝)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
santeke(he)
サンテケ(ヘ) 【名】[所](概は santek サンテㇰ)…の世継ぎ、 …の子孫。 a=santeke ne situri アサンテケ ネ シトゥリ 私のあとつぎとして子孫の系統が続いていく。 santekehe ney pakno ka pirka サンテケヘ ネイ パㇰノ カ ピㇼカ 子孫がどこまでも繁栄する。(S) {E: an heir, descendant of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sapaha
サパハ 【名】[所](概は sapa サパ)…の頭、 彼/彼女の頭。 sapaha pirka サパハ ピㇼカ[その頭・よい] りこうだ。 sapaha rus サパハ トゥルㇱ[その頭・に垢がついている] ふけがある、 ふけがたまる。 ☆参考 ふけは retattur レタットゥㇽ。 {E: the head of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sararpa
サラㇻパ 【自動】[sara-r(a)-pa あらわになる・(重複)・[複]](二つ以上が)見えてくる、 あらわになっている。 kanras kasi ketunke/hawwap punkar sararpa カンラㇱ カシ ケトゥンケ/ハウワㇷ゚ プンカㇻ サラㇻパ 柾屋根の板がはがれている、 ブドウヅルでしめてある所も傷んでブドウヅルが見えてきている。(S)ほかウポポ {E: gradually become clear, seen (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sasuysir
サスイシㇼ 【名】[< sasun-sir 子孫が続く(san に子音の重複が加わった)・(< 様子)](次の慣用句の中で) otu sasuysir ore sasuysir céomare オトゥ サスイシㇼ オレ サスイシㇼ チェオマレ 二十代にも三十代にもわたって。(W) {E: generation.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sat 1
サッ 【自動】乾く、 乾いている。 sat cep サッ チェㇷ゚ 乾いた魚(=干し魚)、 sat kam サッ カㇺ 乾いた肉(=干し肉)。 to ka sat ト カ サッ 沼/湖も干上がる。 uwetusmak wa to ka sat kane cipta=an wa cip ani easir ka pekanpe-ewetusmak=an ウウェトゥㇱマㇰ ワ ト カ サッ カネ チㇷ゚タアン マ チパニ エアシㇼ カ ペカンペエウェトゥㇱマㇰアン 競い合って湖も乾くくらいに(=見えなくなるくらいに)舟をつくって舟でそれこそ菱の実を競い合って取った。 {E: to be dry.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sawrere
サウレレ 【他動】[自動使役][sawre-re ゆるくなる・させる]ゆるめる(あまりきつく締めてあるので締めたところだけピンと張って破れる恐れがあるとき、 また力を入れているのを)。 tusihi iteki sawrere トゥシヒ イテキ サウレレ 綱をゆるめるなよ。(S) {E: to loosen…} (出典:田村、方言:沙流)
sayekar
サイェカㇻ 【他動】[saye-kar 巻いたもの[所]・をつくる]…を巻いて輪にする、 (のばしてあった綱)を巻く。 ☆参考 「銛(もり)を投げて魚に刺さると魚が舟を引っぱって走る。 そのうち倒れると綱がゆるむ。 それから sayekar サイェカㇻ して(=綱をたぐって巻いて)小さいものは舟へ上げ、 料理して持ち帰る。 大きいものは引っぱって持って帰る。」 (S) ☆参考 銛は op オㇷ゚、 銛先は kite キテ、 銛の柄は opnit オㇷ゚ニッ。 ☆参考 「その柄の末端に直径2センチぐらいの haytus ハイトゥㇱ《イラクサの繊維の綱》がついている。 100間(180メートル)ぐらいの長さ。」 (S) {E: to roll up, wind in (a rope, net).} (出典:田村、方言:沙流)
saykur
サイクㇽ 【名】[say-kur 輪になったもの/群・影](ウポポと呼ばれる輪唱歌の中で)まわりをとり囲んでいる者。 hunpepa wa ku=tukan/tuyma saykur saykuste/tarapso ka tareciw フンペパ ワ クトゥカン/トゥイマ サイクㇽ サイクㇱテ/タラㇷ゚ソ カ タレチウ [雅]クジラの頭から殺していけ/遠くから来た大勢の者に囲まれている/眠っているうちにやられるぞ。(Sほかウポポ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
semokkayoram
セモッカヨラㇺ 【名】[sem-okkayo-ram (否定)・男・(< 心)](次の慣用表現で)男らしくなさ。 semokkayoram a=koré セモッカヨラㇺ アコレ [雅]男らしくないと思われる。 iruska katun/e=ki wa ne kor/semokkayoram/a=e=kóre pe ne na イルㇱカ カトゥン/エキ ワ ネ コㇿ/セモッカヨラㇺ/アエコレ ペ ネ ナ [雅]腹を立てた振舞いをしたならば、 男らしくないと思われますからね。(Sユーカラ) ney ta pakno/cís=an yakun/semokkayoram/a=i=kóre sekor ネイ タ パㇰノ/チサン ヤクン/セモッカヨラㇺ/アイコレ セコㇿ [雅]いつまでも泣いていたならば男らしくないと思われると。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
senneyaywa
センネヤイワ 【副】本当に、 真実に。 tap opitta tumunci kamuy senneyaywa oriwak uske ne wa kusu sirki hi ne タㇷ゚ オピッタ トゥムンチ カムイ センネヤイワ オリワㇰ ウㇱケ ネ ワ クス シㇼキ ヒ ネ これはすべて鬼神が本当に住んでいたところだから起こったことだ。(W会話) {E: really; truly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
senram sekor
センラㇺ セコㇿ 【副】いつものことだが。(KSg) koturimimse/kokewrototke/senram sekor/makan kat kor pe/páse humi/siturare コトゥリミㇺセ/コケウロトッケ/センラㇺ セコㇿ/マカン カッ コㇿ ぺ/パセ フミ/シトゥラレ [雅]ブルンブルンと鳴り響きバリッバリッと音がする。 いつものことだが、 どんなものだか(=何者か)が重い音を伴ってやって来る。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
seru
セル 【他動】…を吸い込む(息を吸う拍子に口の中へ入って来る)。 wen húra seru ウェン フラ セル 悪い匂いを吸い込む。(S) kikir ku=seru キキㇼ クセル 私は虫を吸い込んだ。(S) níyahurahene seru, asir tursak réra hene seru ニヤフラ ヘネ セル、 アシッ トゥㇽサㇰ レラ ヘネ セル 木の芽の匂いでも吸いなさい、 新鮮なきれいな空気でも吸いなさい。(S) {E: to breathe, suck in…} (出典:田村、方言:沙流)
seske
セㇱケ 【他動】①…をふさぐ、 …をおおう(見えないようにふさぐ)、 (窓や出入口)を閉じる(すだれ等の場合)。 ② ☞esirutumka seske エシルトゥㇺカ セㇱケ ☆参考 引き戸式の窓や戸、 ふすま、 ガラス戸やドアをしめることは asi アシ。 {E: to close, cover…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
si- 3
シ- 【接頭】(他動詞および目的語を取る位置名詞などに接頭して、 一つの目的語の代りになる接頭辞の一つ。 目的語を一つ取る他動詞にこれが接頭すると自動詞になり、 目的語を二つ取る複他動詞にこれが接頭すると、 目的語を一つだけ取る他動詞すなわち単他動詞になる。 この種の接頭辞には他に i- イ《人/もの》、 u- ウ《互い》、 yay- ヤイ《自分》がある。) ①自分(を、 に)。 (「…を…する」という意味の他動詞に接頭し、 「…が…なる」という意味の自動詞を形成する。) turi トゥリ …を伸ばす;situri シトゥリ 伸びる。 ②(位置名詞について)自分(その文の主語の人自身)の。 etok エトㇰ …の前方; siyetok シイェトㇰ[si-etok シエトㇰ] 自分の前方。 (たとえば次のような文脈で):siyetok un inkar シイェトㇰ ウン インカㇻ (彼は)彼自身の前方を見る。 siyetok un ku=inkar シエトクン クインカㇻ 私は私自身の前方を見る。 ③(使役/不定使役の接尾辞と組み合わさって) si-…(自動詞)-re/e/te(使役) シ-…-レ/エ/テ ☞別項1、 2、 si-…(他動詞)-yar/ar (不定使役) シ-…-ヤㇻ/アㇻ ☞別項 ☆参考 yay- ヤイ- も《自分自身》を示す再帰の接頭辞だが、 意味・用法に違いがある。 yay- ヤイ は、 それが目的語として接頭している他動詞の主語と同一人物を指すが、 si- シ はそうとは限らず、 多くの場合、 それが接頭している語が含まれている動詞句の(したがってその節/文の)主語と同一の人物を指す。 同じ語に yay- ヤイ、 si- シ の両方がそれぞれ接頭してできた対の語もある。 次の一対の例では、 yay- ヤイ- が意志のある自分を示し、 si- シ- のほうは単に他動詞を自動詞化している。 yaypusu ヤイプス (もぐっていた人が)自分で泳ぐなり何なりして浮いて出る。 sipusu シプス (沈んでいたものが)ひとりでに浮き上がる。(W) しかし、 いつもこれと同じ違いがあるとは限らない。 また yay- ヤイ は、 意味上の制約がないかぎりどんな他動詞にもつくが、 si- シ はそうではない。 その代わり si- シ- はいろいろな位置名詞につくが yay- ヤイ は限られた位置名詞にしかつかない。) (出典:田村、方言:沙流)
sí-ruwe
シルウェ 【自動】[si-ruwe 本当に・太い]本当に/非常に太い。 sí-ruwe tus シルウェ トゥㇱ 極太の綱(「5センチもある」)。(W) (出典:田村、方言:沙流)
sianpetpeni
シアンペッペニ 【位名】[si-an-pet-peni 本当に・ある・川・川上][雅]ずっと川上の方。 sianpetpeni/a=yaytuyere シアンペッペニ/アヤイトゥイェレ[雅]ずっと川上の方へ私はまっすぐに飛んで行った。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sicorpok
シチョㇿポㇰ 【位名】[再帰][si-corpok 自分・下]自分の下。 sicorpok un シチョㇿポクン 自分の下の方へ。 sicorpok un inkar シチョㇿポクン インカㇻ 下を見下ろす。 sicorpok un ku=inkar akusu maciya ka ku=nukar, atuy ka ku=nukar シチョㇿポㇰ ウン クインカㇻ アクス マチヤ カ クヌカㇻ、 アトゥイ カ クヌカㇻ 私は下を見ると町も見える、 海も見える。(S) {E: below oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
síe-paskur
シエパㇱクㇽ 【名】[si-e-paskur 糞・を食べる・カラス][動物](カラスの一種、 くちばしが長い、 ただカーカと鳴く。)ハシブトガラス(?) paskur etupsihi tanne hike síepaskur ne パㇱクㇽ エトゥㇷ゚シヒ タンネ ヒケ シエパㇱクン ネ カラスのくちばしの長いやつはシエパシクル(ハシブトガラス?)だ。(S) 〔知分類になし。 p.179 síe-paskur ((ホロベツ))ハシブトガラス〕 {E: a type of crow.} (出典:田村、方言:沙流)
sihopire
シホピレ 【他動】[si-hopi-re 自分・…を置いて去る・…させる][雅]…を自分から離れさせる=…から別れて来る。 makan katkor pe/páse humi/siturare/kosne humi/sihopire マカン カッコㇿ ペ/パセ フミ/シトゥラレ/コㇱネ フミ/シホピレ [雅]何者かが重い音を伴ってやって来る、 軽い音は伴わずに置いて来る。(Sユーカラ) ☆参考 hopi ホピ は日常語で独立の動詞としては使われない。 複数形の形をした hoppa ホッパ が単複の区別なく使われる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sik 2
シㇰ 【名】[概](所は siki(hi) シキ(ヒ)) 目。 sik ani ka rayke noyne シㇰ アニ カ ライケ ノイネ 目ででも殺すように(にらみつける恐ろしい様子の描写)。(W民話) sik o シㇰ オ 目が開く、 見えるようになる。 sik a=o hi a=eyáykopuntek kusu シㇰ アオ ヒ アエヤイコプンテㇰ クス 私は目が見えるようになったのがうれしくて。(W民話) sik oriyak kane シㇰ オリヤㇰ カネ 目のとどくかぎり(ずうっと向こうまで)。(W民話) ☆参考 網の目は siktu シㇰトゥ。 布地の目は káuturu カウトゥル[所]ざるやござ・むしろの目は kiyuturu キユトゥル[所]。 {E: the eyes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikamare
シカマレ 【自動】[si-kama-re 自分を・またぐ・させる](日にちなどの)間をとばす、 間があく。 sine cup sikamare no nepki kus ek シネ チュㇷ゚ シカマレ ノ ネㇷ゚キ クㇱ エㇰ 一カ月おいて(次の次の月に)働きに来る。(S) tu cup sikamare no ek ranke トゥ チュㇷ゚ シカマレ ノ エㇰ ランケ (彼はいつも)二カ月おきに来る。(S) to sikamare no/sine to sikamare no ト シカマレ ノ/シネ ト シカマレ ノ 一日おいて、 一日おきに。(S) íne to sikamare he ne ya asikne to sikamare he ne ya ku=ye kusu ne イネ ト シカマレ ヘ ネ ヤ アシㇰネ ト シカマレ ヘ ネ ヤ クイェ クス ネ 四日後か五日後に言います。(S) {E: refers to intervals of time eg. every other day; every second month etc.} (出典:田村、方言:沙流)
sikannatkire
シカンナッキレ 【他動】[sikannatki-re まわる・させる] …を回す。 {E: to turn…} (出典:田村、方言:沙流)
sikapkap
シカㇷ゚カㇷ゚ 【自動】病身だ、 病弱だ。 sikapkap kor patek an wa a=erámu-ikurkuru hawe tap tapan シカㇷ゚カㇷ゚ コㇿ パテㇰ アン マ アエラムイクㇽクル ハウェ タㇷ゚ タパン(この人は)弱くて病気してばかりいてみんな心配しているのですよ。(S) {E: to have a weak constitution.} (出典:田村、方言:沙流)
sikarinpano
シカリンパノ 【副】[sikarinpa-no 丸い・(副詞形成)] 丸く。 sikarinpano tuye シカリンパノ トゥイェ (一つを)丸く切る。(S) sikarinpano tuypa シカリンパノ トゥイパ …を輪切りにする。(S) {E: round.} (出典:田村、方言:沙流)
sikatkore
シカッコレ 【他動】[si-kat-kor-e 自分・あり方・を持つ・させる](悪いものが)…を誘惑する(?)/連れ出す(?)。 hunak un sikatkore wa tura ruwe an un? フナクン シカッコレ ワ トゥラ ルウェ アヌン? (あの悪い子がうちの子を)どこへまた引っぱり出して行ったろう。(S) ☆参考 siren シレン …を誘う。 tura トゥラ …と一緒に行く/来る。 {E: (for a bad person) to lure away.} (出典:田村、方言:沙流)
sike 1
シケ 【自動】①荷物を背負う、 (トラックなどが)荷物を積んでいる。 sike ruy シケ ルイ 「たいした荷物積んでる」=とてもたくさんの荷物を積んでいる。(S) ②[動名詞]荷物を背負うこと。 poro sike ki wa ポロ シケ キ ワ 大きな荷物を背負って。 {E: ① to carry a load on one's back. (v.) ② the situation of carring a load on one's back. (n.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikehe
シケヘ 【名】[所](概は sike シケ) …の荷物、 …の背負い荷、 彼/彼女の荷物/背負い荷。 tup rep a=etáypa híne a=sikéhe a=kar トゥㇷ゚ レㇷ゚ アエタイパ ヒネ アシケヘ アカㇻ 私は(その昆布を)二、 三本引き抜いて背負い荷をつくった。(W民話) oharkisoun a=sikéhe a=anú híne オハㇻキソウン アシケヘ アアヌ ヒネ 私は左座(=訪問者の席)に私の荷物を置いて。(W民話) {E: a load of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikenukar
シケヌカㇻ 【他動】[sik-e-nukar 目・で・…を見る][雅]…を見る。 (この用例では)占いして見る。 pon cikisani ne/hetuku katu/sikenukar pe/ne korkayki ポン チキサニ ネ/ヘトゥク カトゥ/シケヌカㇻペ/ネ コㇿカイキ [雅]小さいハルニレの木が生えたのだということを占いして見たのですけれども。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
síkeri
シケリ 【名】[sik-heri 目・輝き](次の表現の中で)目の光。 síkeri ukotukot シケリ ウコトゥコッ 目玉をギョロギョロ光らす。 {E: the sparkle in the eyes.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikirpa
シキㇼパ 【自動】[複](単は sikiru シキル)(二人以上が)(…の方へ)向く、 向きを変える、 (…の方へ)向かう。 a=utáripo sikirpa kuni a=ekáspaotte wa アウタリポ シキㇼパ クニ アエカㇱパオッテ ワ 私は死んだ村人たちにあの世へ行くように命じて。(HK民話) ☆発音 シキㇽパ。 ☆参考 例文では、 先祖の所へ行くことを言っている。 {E: to face, turn towards…(pl.)..} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikirpare
シキㇼパレ 【他動】[自動使役][複](単 sikirure シキルレ は未出)[sikirpa-re (二人以上が)向きを変える・させる](二人以上)を…の方へ向ける/向かわせる。 a=utáripo sikirpa kuni a=ekáspaotte wa a=sikírpare ruwe ne アウタリポ シキㇼパ クニ アエカㇱパオッテ ワ アシキㇼパレ ルウェ ネ 私は死んだ村人たちにあの世へ行くように命じてあの世へ行かせた。(HK民話) ☆参考 用例では、 死んだ村人たちを先祖の所へ行かせたことを言っている。 {E: to make…face, turn towards… (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikiru
シキル 【自動】[単](複は sikirpa シキㇼパ)[si-kiru 自分・を回す](…の方へ)向く、 向きなおる、 向きを変える、 (…の方へ)向かう、 死後の国へ行く。 sisenpir unno án=an kor sikiru=an kor cís=an kor シセンピルンノ アナン コㇿ シキルアン コㇿ チサン コㇿ 私は陰の方を向いて後ろ向きになって泣きながら。(W民話) kamuy nis ka un sikiru=an oasi siri ne na カムイ ニㇱ カ ウン シキルアン オアシ シリ ネ ナ 私は天の神の国へ帰っていくところなのだよ。(W神謡語り) {E: to face; turn (towards); change directions.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
síkite
シキテ 【名】[概/所][si-kite 大きい・銛先][動物] きば(牙)。 ☆参考 人間の糸切歯は kátuyemimak カトゥイェミマㇰ。(W)〔知分類 p.303 sikite (しキテ) 糸切歯((サル))〕 {E: tusks; fangs (animals).} (出典:田村、方言:沙流)
síkitehe
シキテヘ 【名】[所](概は síkite シキテ) …(動物)のきば(牙)。 {E: the tusks, fangs of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikittare
シキッタレ 【自動】[si-kittare 自分を・(?)] 自分の身を守る。 saksamawe tura a=ecákke p isokapiw ne awa, sikittare kusu apa or ta punkinere ruwe an wa サㇰサマウェ トゥラ アエチャッケㇷ゚ イソカピウ ネ アワ、 シキッタレ クス アパ オッタ プンキネレ ルウェ アン ワ 臭くてきたなくておれの大きらいなアホウドリを、 自分の身を守るために戸口のところに置いて番をさせやがって。(HK民話) ☆参考 sikikkare シキッカレ と同義か。 ☞kik(i) kar キㇰ/キキ カㇻ {E: to protect oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikittektek
シキッテㇰテㇰ 【自動】[si-kir-tektek 自分・…の向きを変える(kiru の語根)・(接尾辞)瞬間に…する] クルツと向きを変える。 {E: to turn right around.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikkeruru
シッケルル 【自動】[sik-keruru 目・…をギョロギョロする(擬態の重複)]kootuyma sikkeruru コオトゥイマ シッケルル [他動]…を遠くから目をむいてにらむ。 ikootuyma/sikkeruru/siktokoko イコオトゥイマ/シッケルル/シㇰトココ [雅]私を遠くから目をむいてにらみ大きな目を開けている。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikkotesu
シッコテス 【他動】[sik-ko-tesu 目・と共に・すべる](次の慣用表現で)…を目をスーッとすべらせる(簡単に一瞥する)。 tu ruetoko/makiri etok/a=sikrarire/makiri oka/a=sikkotesu トゥ ルエトコ/マキリ エトㇰ/アシㇰラレリレ/マキリ オカ/アシッコテス [雅]彫っていく先々小刀の先をじっと見る、 小刀の通ったあとはスーッと目をすべらせる。(Sユーカラ) ☆参考 同じユーカラを節をつけずに語っている中で、 同様の文脈で siktesure と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikopakoinkare
シコパコインカレ 【他動】[si-kopak-o-inkar-e 自分・の方・に・見る・させる] …に(災いを受けている原因を)占ってもらう。 {E: to have…tell one's fortune.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikopayar
シコパヤㇻ 【他動】[si-kopa-yar 自分・…を…とまちがえる・人にさせる] …によく似ている、 まるで…のようだ、 …のふりをする。 cituye mosir sikopayar poro rokuntew チトゥイェ モシㇼ シコパヤㇻ ポロ ロクンテウ まるで離れ島のような大きな客船。(S) husko an pe sikopayar フㇱコ アン ペ シコパヤㇻ [慣用句]その間に何もしなかったようなふりをしてそ知らぬ顔をしている。(W民話) ahunporu sikopayar pe hemanta an? アフンポル シコパヤㇻ ペ ヘマンタ アン? あの世の入口の洞穴にそっくりのものはなあに(なぞなぞで、 答えは etupuyke エトゥプイケ 鼻のあな)。(W会話) {E: to resemble…; pretend to be…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikramat
シㇰラマッ 【名】[概](所は sikramaci(hi) シㇰラマチ(ヒ))[sik-ramat 目・魂] ひとみ(瞳)(「めぼとけ」)。 ☆参考 sikramatu(hu) シㇰラマトゥ(フ)[所]は未出。 {E: the pupils of the eyes.} (出典:田村、方言:沙流)
sikrarire
シㇰラリレ 【他動】[sik-rari-re 目・を押える・させる](次の慣用表現で)…を目をこらしてじっと見る。 tu ru etoko/makiri etok/a=sikrarire/makiri oka/a=sikkotesu トゥ ル エトコ/マキリ エトㇰ/アシㇰラリレ/マキリ オカ/アシッコテス [雅]彫っていく先々、 小刀の先をじっと見る、 小刀の通ったあとはスーッと目をすべらせる。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siktesure
シㇰテスレ 【他動】[sik-tesu-re 目・すべる・させる][雅](次の慣用表現で)目をすべらせる(簡単にサッと見る)。 a=kar wa an pe/tu ru etoko/a=sikrarire/a=kar okake/a=siktesure アカㇻ ワ アン ペ/トゥ ル エトコ/アシㇰラリレ/アカロカケ/アシㇰテスレ [雅]彫っているものの小刀の進む先々をじっと見つめ彫り終わったあとは目をスーッとすべらせ。(Sユーカラ語り) ☆参考 同じユーカラを歌っている中で、 同様の文脈で sikkotesu シッコテス と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sikunnukarar
シクンヌカラㇻ 【自動】[si-kur-nukar-ar 自分・姿・を見る・人にされる][雅]人に姿を見られる。 a=ruska katun/a=ki wa/sikunnukarar/=an yakka アルㇱカ カトゥン/アキ ワ/シクンヌカラㇻ/アン ヤッカ [雅]憤慨している様子を見られても。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sine
シネ 【連体】一つ(一個/一本/一枚/一頭/一匹)の、 一人の。 sine sike シネ シケ 一個の荷物。 sine poyson シネ ポイソン 一人の子ども。 sine cup シネ チュㇷ゚ 一カ月。 sine to シネ ト 一日。 sine pa シネ パ 一年。 sine matnepoho シネ マッネポホ …の一人娘。 sine-an-pa-ta シネアンパタ ある年。 sine-an-pe-ta シネアンペタ あるとき。 sine-an-to-ta シネアントタ ある日。 sine an ta シネ アン タ あるとき。 sine to ne シネ ト ネ 一日で。 sine to ne a=e wa isam ruwe? シネ ト ネ アエ ワ イサㇺ ルウェ? (私たち、 あれを)一日で食べてしまったの? (S) “sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an?” “a=sikíhi un” 「シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン?」「アシキヒ ウン」 「一つの尾根を両方から一緒に持っていて互いに会ったことのないものはなあに?」「(私たちみんなの)目よ」(なぞなぞ)。 (S-W会話) {E: one as a counter.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sineatkire
シネアッキレ 【他動】[自動使役][sineatki-re 決まる・させる] …を決める。 yaykewtum sineatkire ヤイケウトゥㇺ シネアッキレ[自分の心・を決める]決心する。 {E: to decide…} (出典:田村、方言:沙流)
sinere
シネレ 【デアル動】[使役再帰][si-ne-re 自分・…である・…させる] …になる、 …に化ける。 ☆参考 化けることは …ne yaykar …ネ ヤイカㇻ とも言う。 {E: to become, turn into…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinkop
シンコㇷ゚ 【名】[< sin-kop 結ぶ(sina の語根)・結び目](次の慣用句で)結び目。 tu ka-sinkop re ka-sinkop ranke ranke トゥ カシンコㇷ゚ レ カシンコㇷ゚ ランケ ランケ [雅] 二つの糸の結び目、 三つの糸の結び目を下ろし下ろしする=糸をよっている(木の皮の繊維をよって糸/紐をつくっている様子の描写)。 {E: a knot.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinna
シンナ 【自動】①別である、 別になっている、 違う。 …sinna…sinna… …シンナ…シンナ …と…は別になっている。 irenka itak sinna, yayirayke itak sinna, kamuynomi itak sinna イレンカ イタㇰ シンナ、 ヤイライケ イタㇰ シンナ、 カムイノミ イタㇰ シンナ 裁判の言葉やお礼の言葉や神祈とうの言葉をそれぞれ別々に…。 ② ☞eypottumma sinna エイポットゥンマ シンナ ☆参考 [副]は sinnayno シンナイノ 違って。 {E: to be separate; different.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinnayno
シンナイノ 【副】[sinna-y-no 違っている・(挿入音)・(副詞形成)] 違って、 別に、 異なるように。 katuhu sinnayno an カトゥフ シンナイノ アン 姿かたちが違っている。 {E: differently; as if different.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sinoye
シノイェ 【自動】[si-noye 自分・をねじる] ねじれる。 upas upun sinoye ウパスプン シノイェ 雪ぼこりが渦巻く。(HK民話) ciw sinoye katu renkayne チウ シノイェ カトゥ レンカイネ 流れが曲りくねっていくのに従って=水の流れに従って。(S) ☆参考 道などがただ曲がっているのは rewke レウケ。 水が渦巻くのは moyonne モヨンネ。 つむじ風は wenrera ウェンレラ。 {E: to get twisted, warped; swirl.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sínupur
シヌプㇽ 【自動】[si-nupur まことに・霊力のある] 本当に霊力(神の力)がすぐれている。 sínupur kamuy シヌプㇽ カムイ 本当にえらい神。(W民話) {E: to be really spiritual; to be endowed with spiritual power.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
Sínutay
シヌタイ 【名】[地名](「富川(とみかわ、 沙流川の河口の町)の磯原(いそはら)、 とてもいいところ。」) (S) Sínutay nottuhu シヌタイ ノットゥフ [地名]シヌタイの岬。 (出典:田村、方言:沙流)
siparuyna
シパルイナ 【自動】[si-par-uyna 自分の・口・を取る] 口の前にこぶしを当てる(驚いたときの仕草)。 siyetuuyna siparuyna kor シイェトゥウイナ シパルイナ コㇿ 鼻の前にこぶしを当て口の前にこぶしを当てながら。 ☆参考 昔の人は、 びっくりしたときに鼻と口の前にこぶしをにぎって当てる習慣があった。 これは「魂が飛び出さないように」と説明されている。 ☞siyetuuyna シイェトゥウイナ {E: to put one's closed fist in front of one's mouth, in surprise.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sipirasa
シピラサ 【自動】[単](複は sipiraspa シピラㇱパ)[si-pirasa 自分・を広げる] 広がる。 rupne pet anak pet turasi kotan sipirasa ルㇷ゚ネ ペッ アナㇰ ペッ トゥラシ コタン シピラサ 大きい川は、 川に沿って集落が広がっていった。(S言い伝え) {E: to widen; enlarge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
síporo
シポロ 【自動】[si-poro まことに・大きい] とても大きい、 巨大である。 síporo cikap シポロ チカㇷ゚ 巨大な鳥。(W神謡語り) síporo ki シポロ トゥキ とても大きい酒杯。(W神謡語り) {E: to be very large; giant.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir 1
シㇼ 【名】地、 山、 島、 そのあたり、 様子、 見える有様。 kamuy ewak sir カムイ エワㇰ シㇼ 神の住む所。 nan ka sak sir ka sak pe ne yakka ナン カ サㇰ シㇼ カ サㇰ ペ ネ ヤッカ 顔も姿も美しくはないが(娘をとつがせたいと思う父親が、 相手の男に対して謙遜して言う言葉)。 kemaha sir ka osma katu a=nukár erampewtek ケマハ シㇼ カ オㇱマ カトゥ アヌカㇻ エランペウテㇰ 足が地面につくのを見たのもわからない(とても速く、 飛ぶように走ることの描写)。 sir epitta シレピッタ あたり一面。 …sir ne …シンネ (=sirine シリネ)まるで…のように(外見について言う)。 {E: the land; the mountains; an island; a state, appearance; an observable state.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-casnatara
シッチャㇱナタラ 【完動】[sir-cas-natara あたり・(余計なものがなくさっぱりしていることを表す語根)・(状態が続いていることを表す接尾辞)] あたりに余計なものがない、 そこらになにも草もない、 さっぱりしている。(S) sir-casnatara wa atuy ka a=nukár, pet ka a=nukár シッチャㇱナタラ ワ アトゥイ カ アヌカㇻ、 ペッ カ アヌカㇻ 木もなにもなくて海も見える、 川も見える。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 {E: for the surroundings, area to be clear (of obsticles, debris, etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
sir-cikewrototo
シッチケウロトト 【完動】[名+他動中相][sir-ci-kew-rotot-o あたり・…される・(擬音の語根)・(音などの連続を表す接尾辞)・(他動詞形成)] ガラガラガラと/パラパラパラと/ドロドロドロと音がする。 otuseat wa a=nukár a ponki atu tuypa híne ponki ka o p cirawokuta sir-cikewrototo akusu オトゥセアッ ワ アヌカラ ポンキ アトゥ トゥイパ ヒネ ポンキ カ オㇷ゚ チラウォクタ シッチケウロトト アクス さっき私たちが見た、 綱でつるされているカヤ製の棚の綱を(彼が)切って、 棚の上にのっていたものが落ちてバラバラに散らばってドスンガタガタとものすごい音を立てると。(NK民話) ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-cuk
シッチュㇰ 【完動】[sir-cuk (完全動詞形成)・秋] 秋になる。 ☆発音 sir- で切って発音すれば シㇼ。 ☞cuk チュㇰ {E: to become autumn.} (出典:田村、方言:沙流)
sir-ehanke
シㇼエハンケ/シレハンケ 【自動】[sir-e-hanke 土地・その頭が・近い] (そこに)近い、 近くである。 tane Piratur un sir-ehanke petutur ta arki=an kor タネ ピラトゥルン シレハンケ ペトゥトゥッ タ アㇻキアン コㇿ もう平取に近い川と川の間まで来たとき。(NK民話) {E: to be close; near.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sir-sések
シㇼセセㇰ 【完動】[sir-sések あたりが・暑い] 暑い(気温が高い)。 sir-sak kor sir-sések wa pirka シㇼサㇰ コㇿ シㇼセセㇰ ワ ピㇼカ 夏になると暑くてよい。(W) sir-sések korka k=omkekar wa ku=merayke シㇼセセㇰ コㇿカ コㇺケカㇻ ワ クメライケ 暑い天候だけれど私はかぜをひいているので寒い。(W) ☆参考 気温や室温が高くて、 だれでもが暑いと感じるような状態であることを言う。 英語なら to be hot ではなく It's hot に当たる。 ものや水などが熱いことは sések セセㇰ と言い、 人が暑く感じることも sések セセㇰ と言う。 ☆参考 sir-sések シㇼセセㇰ や sések セセㇰ は、 焼けつくような暑さのときに使い、 日本語東京方言などで「暑い」と言うようなときでも、 つゆどきのようなむし暑さやちょっとした暑さのときは、 popke ポㇷ゚ケ、 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ が使われる。 ☞sések セセㇰ、 popke ポㇷ゚ケ、 sir-popke シㇼポㇷ゚ケ {E: (for the temperature) to be hot.} (出典:田村、方言:沙流)
siramkorepa
シラㇺコレパ 【他動】[複](siramkore シラㇺコレ は単複の区別なし)(二人以上)と血がつながっている。 ku=siramukorepa p tun ka oka クシラムコレパㇷ゚ トゥン カ オカ 私の身内のものが二人いた。(S) {E: to have the same blood as… (i.e. to be related) (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siramsuye
シラㇺスイェ 【他動】[si-ram-suye 自分(の)・心・をゆらす][雅](次の慣用句の中で)考える。 yayko-tuyma siramsuye ヤイコトゥイマ シラㇺスイェ [雅]長いこと考えている。 tanto tóri/yayko-tuyma/a=sirámsuye タント トリ/ヤイコトゥイマ/アシラㇺスイェ [雅]私は二日間ずうっと長く考え続けていた。(Sユーカラ) ☆参考 日常語では、 yaykosiramsuye ヤイコシラㇺスイェ が一語の自動詞で、 不定人称形は yaykosiramsuye=an ヤイコシラㇺスイェアン。 ☞yaykosiramsuye ヤイコシラㇺスイェ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
síran
シラン 【完動】[sir-an あたり/様子・ある] ①(…で)ある、 状況が(そう)なっている。 maratto an kor síran マラット アン コㇿ シラン 酒宴が行われていた。(W言い伝え) i=etok un aynu sinotcaki haw as kor síran イイェトㇰ ウン アイヌ シノッチャキ ハウ アㇱ コㇿ シラン 私の行く手にアイヌが歌う声がしていた。(S民話) uunukor utar oka híne síran ウウヌコㇿ ウタㇻ オカ ヒネ シラン 母と子が住んでいた。(W民話) a=erámasu no síran pe ne kusu アエラマス ノ シラン ペ ネ クス おもしろいような状態になっているので。(S会話) ene an tennep an hike a=i=núkare póka somo ki no síran hi an エネ アン テンネㇷ゚ アン イケ アイヌカレ ポカ ソモ キノ シラニ アン このような赤ちゃんがいたのにいままで私に見せてもくれなかったんだなあ。(W民話) ②時がたつ。 sóyonpa wa ora setakko síran pe ソヨンパ ワ オラ セタッコ シラン ペ 外出してからずいぶん長くたったのに。(S) iruka síran kor イルカ シラン コㇿ 少したつと。(NK民話) tu to re to hancikiki/síran ki kor トゥ ト レ ト ハンチキキ/シラン キ コㇿ 二、 三日たつと。(HC神謡) ☆参考 民話の冒頭で三人称の登場人物を紹介をするときには、 主語を特定しないこの完全動詞形が用いられる。 ①の最後の例では、 そのあとすぐに主人公の自叙となり、 sine po kor unarpe a=ne híne án=an シネ ポ コㇿ ウナㇻペ アネ ヒネ アナン 私は一人の息子を持つ中年の女性でした、 と、 引用文中の自称(すなわち不定人称形)になっている。 {E: ① circumstances, refers to space and time (B.). ② to take time; for time to pass.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siren
シレン 【他動】…を一緒に行こうとさそう。 ene monasap ruwe an pe a=sirén yakka somo i=tura nankor kusu tun a=ne wa pay=an エネ モナサㇷ゚ ルウェ アン ペ アシレン ヤッカ ソモ イトゥラ ナンコㇿ クス トゥナネ ワ パヤン (あの人は)あんなにいそがしいんだからさそっても行かないでしょうから私たち二人だけで行きましょう(pay=an パヤン=paye=an パイェアン)。(S) X siren wa arpa wa nasi eikkapa wa ora a=kisma wa a=kikkik ruwe ne yak a=ye wa X k=éasiskar pe un うちの子はXにさそわれて行って二人でナシを盗んでつかまってたたかれたそうで私はXをうらんでいるのよ。(S) a=yuputari ikaanun nen ka haweoka híne menokopoutar inani ka siren na tura na sekor ramuan=an アユプタリ イカアヌン ネン カ ハウェオカ ヒネ メノコポウタㇻ イナニ カ シレン ナ トゥラ ナ セコㇿ ラムアナン 兄さんたちがもしかして何とか言って娘さんたちのだれか一人をさそわないかな連れて行かないかなと私は思った。(NK民話) {E: to invite, tempt…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siretok 1
シレトㇰ 【名】[sir-etok 地・の先端]岬、 大地の先端。 ☆参考 通常の言葉で岬(「でっちゃき」)のことは nottu ノットゥ。 {E: a cape; a headland.} (出典:田村、方言:沙流)
siri
シリ 【名/形名】[所](概は sir シㇼ) ①(普通名詞として)(=sirihi シリヒ)…の様子、 地、 地面、 所、 あたり。 ②[形名](名詞化辞として)(動詞句に終わる文の後に置かれて、 見える様子に関する説明の名詞句をつくる。) …する/している様子。 a=onáha i=respa siri pirka rok pe ne kusu アオナハ イレㇱパ シリ ピㇼカ ロㇰ ペ ネ クス 父が私を育ててくれた育て方がよかったので。(S民話) …siri ne …シリ ネ …する/した/している様子だ、 (見たところ)…する/した/しているのだ。 tanepo póka a=porómacihi omanan siri ne na タネポ ポカ アポロマチヒ オマナン シリ ネ ナ 初めてあなたの本妻様がお見えになったのですから。(W民話) …siri an …シリ アン (1)(感嘆文で)…しているなあ。 (2)(主に疑問詞のある疑問文で)(この様子は)…しているのか。 a=kor katkemat mak é=iki siri an? アコㇿ カッケマッ マㇰ エイキ シリ アン? 奥様、 何をしていらっしゃるのですか。(W民話) …siri? …シリ? (主に当否を問う疑問文で)…しているのか。 tanepo ape e=ari siri? タネポ アペ エアリ シリ? 今やっと火を焚きつけたの? …siri iki …シリ イキ …している(そういう様子の行動をしている)。 tu moto orke hunar kor as wa an siri iki トゥ モト オㇿケ フナㇻ コㇿ アㇱ ワ アン シリ イキ 彼はいろいろと素性をさぐりながら立っていた(そういう様子をしていた)。(W民話) ☞sir シㇼ {E: ① earth; land; place; appearance. ② …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirinki
シリンキ 【名】くだ(管)(「くだ」の訳語として出た)。 {E: a pipe; a tube.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirka 1
シㇼカ 【名】[< sir-ka 見えるもの・の上][雅]刀のさやの外側、 刀のさや。 Ouhuy-sirka Ouhuy-níkapattus オウフイシㇼカ オウフイ ニカパットゥㇱ すそこげ刀すそこげ厚司(人間の始祖アイヌラックルの呼び名の一つ。 父神が天地を走り回って地を燃やして歩いたことからつけられた)。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
sirkar
シㇼカㇻ 【自動】[sir-kar あたり・をつくる/する] あたりを(…の様子に)する。 a=uníhi ne a p anak a=carpacarpa, a=sitóma no sirkar=an アウニヒ ネ アㇷ゚ アナㇰ アチャㇻパチャㇻパ、 アシトマ ノ シㇼカㇻアン …私のすまいだったものはバラバラに散らされて恐ろしい光景になって(されて)いる。 {E: for a situation to go towards, drift to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siromare
シロマレ 【他動】[sir-oma-re 地・に入る・させる] …を鎮(しず)める、 落ち着かせる。 kewtumu siromare ケウトゥム シロマレ (彼の)心をなぐさめて鎮(しず)めてやる。(S) {E: to suppress, relieve…} (出典:田村、方言:沙流)
siroro
シロロ 【位名】[sir-oro 地・のところ[所]]…の所、 …の場所、 …の地。 tumunci kamuy ewak siroro oka ruwe ne トゥムンチ カムイ エワㇰ シロロ オカ ルウェ ネ 鬼神の住む所があるのです。(W会話) {E: the place, land etc. of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirunike
シルニケ 【名】[所](概の用例はない)[sir-un-hike 地・にいる・やつ]この/あの野郎、 畜生(ののしりの表現)。 néa a=wenhokuhu sirunike otuyke ene hawean hi ネア アウェンホクフ シルニケ オトゥイケ エネ ハウェアニ あの私の悪党の亭主、 あの野郎、 あん畜生がこう言った。(W民話) {E: Damn it!; Damn you!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sirunno
シルンノ 【副】[sir-un-no 地・にいる・(副詞形成)] まさか(…しない)、 とんでもない(感情を込めて強く否定する)。 (否定の表現の前で使われて) まさか(…しない)。 sirunno ikoytupa kaspa ka somo ki シルンノ イコイトゥパ カㇱパ カ ソモ キ まさかあまり難儀しても(=困っても)いない。(S) sirunno okuyma ruwe ka somo ne nankor シルンノ オクイマ ルウェ カ ソモ ネ ナンコㇿ まさかオシッコしたのじゃないだろう。(S) sirunno maskin シルンノ マㇱキン まさか(…しない)。 {E: Oh no!; You're kidding!; Of course not!} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sisermakuste
シセㇾマクㇱテ 【他動】[si-sermak-us-te 自分・の背後・につく・させる](神)に守ってもらう、 (神)に守護を願う、 (願い事をかなえてくれるように)祈る。 tasum kur apunno e=tusare kuni sekor kamuy ne yakka sisermakuste wa… タスㇺ クㇽ アプンノ エトゥサレ クニ セコㇿ カムイ ネ ヤッカ シセㇾマクㇱテ ワ… あなたが病人をちゃんと治すようにと、 神様にも守護を祈って…。(S会話) ☞sermak セㇾマㇰ。 {E: to pray to (the gods) for protection.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siseypere
シセイペレ 【自動】[si-sey-pere 自分・殻・を破る](セミなどが)殻(から)を破って抜け出る、 (チョウなどが)サナギを破って出てくる、 (また人間でも)生まれ変わる。 íkonpap siseypere wa kinapoheporap ne an kor an イコンパㇷ゚ シセイペレ ワ キナポヘポラㇷ゚ ネ アン コラン 毛虫が生まれ変わってアゲハチョウになるところだ。(S) seturu yaske, kari siseypere セトゥル ヤㇱケ、 カリ シセイペレ 背中が裂けてそこから生まれ変わって出て来る。(S) {E: to be reborn.} (出典:田村、方言:沙流)
sito
シト 【名】(植物のでんぷんをかためてつくった食べ物の名)シト、 餅、 団子(だんご)(伝統的なものは turep トゥレㇷ゚《オオバユリの根》や emo エモ《ジャガイモ》のでんぷんでつくる。 しばしば「団子」と訳されるが団子のような球形ではなく円盤形につくられる。 中央に穴をあけ、 ひもを通して何枚もつないでかけて干しておき、 保存食とする)。 emo-sito エモ シト じゃがいもでつくったシト。 sum ani a=ma sito スマニ アマ シト 油で焼いた餅 (「パン」の訳語として出た)。(S) ☆参考 サダモさんは「もち」と訳していた。 {E: a dumpling.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siwenpa
シウェンパ 【名】[si-wen-pa 本当に・悪い・口](?) (次の慣用表現で)叱責、 叱りつける言葉。 otu siwenpa/ore siwenpa/esirotatpa オトゥ シウェンパ/オレ シウェンパ/エシロタッパ [雅]姉は、 何回も何回も叱りつけおこりつけて。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
so 4
ソ 【名詞語根】[< so ソ 2](語構成の要素として、 平らで広がりのある場所を表す。) atuy アトゥイ 海; atuyso アトゥイソ 海原、 海外の地方。 repuyso レプイソ[repun-so] 沖の方、 海外の地方。 kim un iworso キムン イウォㇿソ 山の奥の地。 (出典:田村、方言:沙流)
soataykar
ソアタイカㇻ 【自動】[soatay-kar 借財・を払う] 借金/借財を払う/返す。 {E: to return borrowed money.} (出典:田村、方言:沙流)
sópesni
ソペㇱニ 【名】[so-pes-ni 座・に縦に沿う・木]家の壁と天井の境の所、 四隅の柱の上に縦横に渡してある木(昔は丸太)のうち縦に(東西に)渡してある木。 ☆対語 só(e)tomotuyep ソ(エ)トモトゥイェㇷ゚ 横に(南北に)渡してある木。 ☆参考 二本の sópesni ソペㇱニ の間の、 天井の縦の梁(桁)は parpesnni パㇻペㇱニ。 {E: rafters used to support a roof.} (出典:田村、方言:沙流)
sos
ソㇱ 【名】[概](所は sosi(hi) ソシ(ヒ)) ①薄片、 重なっている紙や層など薄いものの一枚一枚。 sine kanpi sos シネ カンピ ソㇱ 紙一枚。 ironne kanpi sos イロンネ カンピ ソㇱ 厚い紙の重ねたもの。(S) pé-sos tum péka cep utar paye kor oka ペソㇱ トゥㇺ ペカ チェプタㇻ パイェ コロカ 水の(層の)中を魚たちが泳いでいる。(W) ②薄いものが重なっている全体。 kanpisos カンピソㇱ 本、 冊子。 {E: ① layers of thin items such as paper. ② the collective word for ① (i.e. a book).} (出典:田村、方言:沙流)
sowsut
ソウスッ 【位名】[概](所は sowsutuhu ソウストゥフ) 隅、 隅の方、 端の方。 eytasa sowsut ta iteki anu no na hesasi sanke エイタサ ソウスッ タ イテキ アヌ ノ ナ ヘサシ サンケ あまり隅の方に置かないでもっといろりの近くへ出しなさい。(S) ☆参考 四角(よすみ)のことではない。 まん中から遠い、 壁の近くなどのこと。 角(かど)は、 内側でも外側でも sikkew シッケウ。 {E: a corner; a side; an edge.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
suci(hi)
スチ(ヒ) 【名】[所](概は sut スッ)…の祖母。 sucihi tura utura wa arki スチヒ トゥラ ウトゥラ ワ アㇻキ 彼は彼の祖母と連れだって(二人が)一緒に来た。(S) sucihi sápikiri スチヒ サピキリ 母系の代々の系統。 ☆参考 親愛感のない親族関係のみの表現。 ときには悪口に使われる。 頻度は低く、 他の親族名称ほどには使われない。 通常は kor húci コㇿ フチ と言う。 {E: one's maternal ancestors, lineage.} (出典:田村、方言:沙流)
súhurayep
スフライェㇷ゚ 【名】[su-huraye-p 鍋・を洗う・もの] 鍋みがき、 たわし。 sutukap súhurayep ストゥカㇷ゚ スフライェㇷ゚ ブドウ蔓の皮のたわし。 ☆参考 「ブドウ蔓の皮(sutukap ストゥカㇷ゚)をグルグル巻いて真ん中をブドウ蔓の皮でしばったもの、 これに砂をつけて鍋でもなんでも磨く。 また、 縄にでも砂をつけて磨く。」 (S) {E: a pot cleaner; a scourer.} (出典:田村、方言:沙流)
sukup
スクㇷ゚ 【自動】①成長する、 子どもから大人へ、 若年から壮年になり壮年期をすごして老年へと向かって成長して/年を取っていく、 (若い大人として)暮らす/人生を過ごす。 tan te pakno sukup tuyka ta a=ki kor oka=an hi タン テ パㇰノ スクㇷ゚ トゥイカ タ アキ コㇿ オカアニ 私たちがこれまで生きてきた間にしていたことを。(W会話) iruka sukup kor tu po re po a=kor kor イルカ スクㇷ゚ コㇿ トゥ ポ レ ポ アコㇿ コㇿ 少しの間暮らすうちに二、 三人の子どもができたとき。(HC民話) ②若い(老いていない、 まだ元気でよく働ける)、 壮年である。 sukup kur スクㇷ゚ クㇽ 若い人(二十代から三十五、 六まで) (S)、 (十代二十代から三十代四十代の中年まで) (S) poro sukup kur ポロ スクㇷ゚ クㇽ 熟年の人、 初老の人。 en=or ta anak sukup utar poronno oka na nep ka a=emónasap ciki sikasuyre yan エノッタ アナㇰ スクプタㇻ ポロンノ オカ ナ ネㇷ゚ カ アエモナサㇷ゚ チキ シカスイレ ヤン 私の所には若い人たちが大勢いるから何か忙しいときには手伝わせなさい。(S) (注 [対] onne オンネ 年老いている。) ③[名]成長している間、 人生の間、 若いとき(老年になる前全部)。 sukup epitta スクㇷ゚ エピッタ 小さいときからずっと。 sukup hontom eysam スクㇷ゚ ホントㇺ エイサㇺ 人生の途中で亡くなる=老いるまで生きずにまだ若いうちに、 三十代、 四十代ぐらいで死ぬ。 sukup noski epa スクㇷ゚ ノㇱキ エパ 人生のなかば(壮年)に達する。 ☆参考 pewre ペウレ は十代から二十代ぐらいの若年を言い、 成長する意味はない。 ☆参考 小さい子どもが成長して大きくなることは poro ポロ。 {E: ① to mature, grow up. ② young. (from about 20~35, 36 years of age). ③ to be young: refers to the passing of the years (as a young adult). } ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sukupkur
スクㇷ゚クㇽ §006.若者;青少年(3)sukupkur〔su-kúp-kur スくㇷ゚クㇽ〕⦅ホロべツ、サル⦆若い人;若人。"〜-yaynu"「若人の思い」「恋わずらい」(ユ研Ⅰ, pp.96, 101)。"〜-kewtum「若人の心」「青春の情」「恋病」(ユ研Ⅰ, p.97)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
sukustoy
スクㇱトイ 【名】[sukus・toy 日ざし・(< 土地?)][雅]真昼の明るい光。 otu imeru/ore imeru/sukustoy kunne/uciw-itara オトゥ イメル/オレ イメル/スクㇱトイ クンネ/ウチウイタラ 何本もの光が真昼の明るい光のように互いに反射してきらめき合っている。(Sユーカラ) (出典:田村、方言:沙流)
sumawekor
スマウェコㇿ 【他動】[ (熊の)死んだ獲物[所]・を持つ](=sumawe kor スマウェ コㇿ)(熊)を殺す。 tup sumawekor rep sumawekor トゥㇷ゚ スマウェコㇿ レㇷ゚ スマウェコㇿ (熊を)二頭も三頭も(=たくさん)殺した(=とった)。 {E: to kill two, three (which equal a lot of) bears.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sumnatara
スㇺナタラ 【自動】[sum-natara しおれる・(状態が続いていることを表す接尾辞)](直訳すると)しおれている。 ☞emontum sumnatara エモントゥム スㇺナタラ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
sune
スネ 【名】(カンビ(樺)の皮を燃やす)明り。 sune kar スネ カㇻ 明りをつける。 ☆参考 今の電灯の代わりに昔はカンビ(樺)の皮(tat タッ)をクルクル巻いたもの(cinoyetat チノイェタッ)に火をともした。 このカンビの皮をはさむ木は suneni スネニ。(W) この明かりを外に持って出るたいまつは tatuspe タトゥㇱペ。(NK) ☆参考 いろりの隅に置かれた貝殻に入れた油を燃やす明りは ratcako ラッチャコ。(W) {E: a light; a lamp.} (出典:田村、方言:沙流)
sunekokarip
スネコカリㇷ゚ 【名】[sune-ko-kari-p 明り・の所に・回る・もの][動物] 蛾(フクラスズメ等、 夜電燈の所に飛んで来る虫)。 ☆参考 蛾のことは ape-etun heporap アペエトゥン ヘポラㇷ゚ [火・を借りに来る・蝶]とも言う。〔知分類 p.98 ((ホベツ))蛾類(成)〕 {E: a moth.} (出典:田村、方言:沙流)
suptom
スㇷ゚トㇺ 【位名】中程、 下から上へ上っていくものの中間 、 (木の)幹の中ほどの所、 (山の)中腹。 nupuri suptom a=tuypa wa oro péka inne maciya an ヌプリ スㇷ゚トㇺ アトゥイパ ワ オロ ペカ インネ マチヤ アン 山の中腹を切りくずしてそこに人口の多い町がある。(S) ni suptom púyo uske or oriwak ニ スㇷ゚トㇺ プヨ ウㇱケ オㇿ オリワㇰ (鳥が)木の中程の穴のあいたところに住んでいる。(S) {E: a place within the trunk of a tree, or within a mountainside.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
susam
スサㇺ §103 シシャモ (1) susam(su-sám)「スさㇺ」[→注1.]⦅長万部、礼文華、幌別、沙流、様似、白糠、春採、屈斜路、美幌、天塩⦆シシャモSpirinchus lanceolatus(HIKITA)C333, 405ビIX, 49、沙I66-7、長II42 (出典:知里動物編、方言:)
sut 2
スッ 【位名】[概](所は sutu ストゥ)…の根元のほう(下のほう)。 (出典:田村、方言:沙流)
suy 3
スイ 【接尾】…回(数詞の連体形に接尾して回数を表す。 接尾辞だが、 視覚的に読みやすいように、 離して書く場合もある)。 tu suy トゥ スイ (=tusuy トゥスイ) 二回。 re suy レ スイ (=resuy レスイ) 三回。 henpak suy ヘンパㇰ スイ 何回。 ☆参考 これらは副詞的にも使う。 ☆参考 「一回」だけは数連体詞 sine シネ《一つの》を使わずに arsuy アㇻスイ と言い、 副詞的に使うときは arsuyne アㇻスイネ と言う。 {E: …times (eg three times).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ta 1
タ 【他動】(生活にいるものを地面や地下から)取って来る、 …を掘る(採取する)。 cikuni ta チクニ タ まきにする木を集める、 たきぎにする木を拾う。 sat cikuni ta サッ チクニ タ 乾いた木を集める。 kaykuma ta カイクマ タ たきぎ(細い柴木)を採る。 wakka ta ワッカ タ 水を汲む。 emo ta エモ タ いもを掘る。 turep ta トゥレㇷ゚ タ ウバイロを掘る。 “taan pe ikemara somo ne?” “aː, sonno ka ikemara ne na, a=ta wa inkar=an” 「タアン ペ イケマラ ソモ ネ?」「アー、 ソンノ カ イケマラ ネ ナ、 アタ ワ インカラン」 「これイケマの葉じゃない?」「ああ、 ほんとにイケマの葉だよ、 掘ってみよう。」 (S) ☆参考 木や草の実を摘み取ることは kar カㇻ、 まきなどを切ることは tuye トゥイェ、 たくさん集めることは uwomare ウウォマレ、 土などを掘ることは ouri オウリ、 埋まっているものを掘り出すことは pusu プス。 {E: to gather, collect…; dig (up)…; bring, take out…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ta 4
タ 【格助】①(空間的・時間的位置を示す副詞句をつくる。)…に、 …で。 Piratur ta ピラトゥッ タ 平取に/で。 a=kor mosir ta a=kar easkay アコㇿ モシッタ アカㇻ エアㇱカイ わが国でつくれる。(S) kotan eepak ta en=etunankar コタン エエパㇰ タ エネトゥナンカㇻ (彼は私に)部落のはずれで出会った。(S) ta a=kotanu ta ka oka タ アコタヌ タ カ オカ ほらここに、 私たちの村(地域)にもある。(W会話) te ta テ タ ここに/ここで。 taan ta タアン タ ☞taanta タアンタ uweepak ta ウウェエパㇰ タ ☞uweepakta ウウェエパㇰ sine an ta シネ アン タ ☞sineanta シネアンタ sine an pe ta シネ アン ペ タ あるとき。 sine an pa ta シネ アン パ タ ある年。 hi ta ヒ タ …したときに。 ②(連体的に使われて) te ta X húci テ タ X フチ ここのXおばあちゃま(特定のフチの場合に言う。 一般的に言う場合は te un húci テ ウン フチ と言う(☞un ウン)。(S) te ta poysisam テ タ ポイシサㇺ ここの(うちの)小さい和人。(S民話) aw ta pon weysisam アウ タ ポウ ウェイシサㇺ となりの小さい貧乏和人。(S民話) {E: locative in space and time: in, at etc.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
takaysara
タカイサラ 【名】[< 日本語 高い皿(?)] ki トゥキ《酒杯》をのせる台。 〔萱民具 p.243 オユシペ〕 {E: a cup, glass stand.} (出典:田村、方言:沙流)
takup
タクㇷ゚ 【副助】…だけ、 …しか…しない。 rur takup i=erepa ルッ タクㇷ゚ イエレパ 彼らは汁だけしか食べさせてくれなかった(肉も魚もくれなかった)。(W民話) apekur takup a=ki アペクッ タクㇷ゚ アキ 私は火にあたっているだけだった(炊事も何の仕事もせずに)。(W民話) teknum takup etuk kane kú=isitoma テㇰヌㇺ タクㇷ゚ エトゥㇰ カネ クイシトマ 手首だけ出てきて(私は)恐ろしかった。(S) ku=cis a ku=cis a kor patek k=an pe un, ku=yaypira takup ki wa クチサ クチサ コㇿ パテㇰ カン ペ ウン、 クヤイピラ タクㇷ゚ キ ワ 私は泣いて泣いてばかりいたんだよ、 ただもうがっかりして。(S) ☆参考 patek パテㇰ《だけ、 ばかり》が肯定的に「…だけ/ばかり…する/した」というニュアンスで使われているのに対して、 takup タクㇷ゚ は「…しか…しない」という否定的なニュアンスで使われる。 {E: just; only.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tanesasuysir
タネサスイシㇼ 【名】[tane-sasuysir 今・時代(?)](次の慣用句の中で) tanesasuysir céomare タネサスイシㇼ チェオマレ/タネサスイシッチェオマレ 昔から今に到るまでずうっと続いている。(S) ☆参考 同様の文脈で otusasuysir céomare オトゥサスイシㇼ チェオマレ とも言われている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tanne
タンネ 【自動】[(知里真志保によれば)tar-ne 荷縄・のようである] 長い。 tanne sítu タンネ シトゥ 長い尾根。(KK民話) to tanne ト タンネ 日が長い。(W) ☆対語 takne タㇰネ。 {E: to be long.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tanukáni
タヌカヒ 【名】[tanuka-hi これらの・所] この辺(=tanuka hi タヌカ ヒ)。 tanukahi e=pirpa ka e=nupa ka somo ki a noyne pana otuy wa an タヌカヒ エピㇼパ カ エヌパ カ ソモ キ ア ノイネ パナ オトゥイ ワ アン (あなたが)この辺を拭きも掃きもしなかったらしく埃がたまっている。(S) {E: around here; in this area.} (出典:田村、方言:沙流)
tapan 2
タパン 【自動】[tumu an kewtum/i=kokor kuni p/somo tapan na トゥム アン ケウトゥㇺ/イココㇿ クニㇷ゚/ソモ タパン ナ 憤慨して私に敵意を持つのではありませんよ。(Sユーカラ) ☆参考 taptá an タㇷ゚タ アン は強調する言い方。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tapkanru
タㇷ゚カンル 【名】[tapkar-ru タㇷ゚カㇻ 踏舞・道/進み][雅](次の慣用表現で) otu tapkanru/ore tapkanru/ukakuspare オトゥ タㇷ゚カンル/オレ タㇷ゚カンル/ウカクㇱパレ [雅]踏舞(両手を広げ一歩一歩進んでいく踊り)を何回も何回もくり返した。(Sユーカラ) ☞tapkar タㇷ゚カㇻ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tapne
タㇷ゚ネ 【副】[tap-ne これ・のように] ①このように、 このとおり。 tapne kane タㇷ゚ネ カネ このように。 ene he tapne エネ ヘ タㇷ゚ネ こんなにも、 あんなにも。 ②(引用文の冒頭に置かれて、 これから話が始まるという合図になる。 tapne tapne タㇷ゚ネ タㇷ゚ネ、 tapne kane タㇷ゚ネ カネ ともいう。) かくかくしかじかで、 つまり、 実は…。 {E: ①like this; in this way. ②that is; if that is so; actually.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tapsut
タㇷ゚スッ 【名】[概](所は tapsutu(hu) タㇷ゚ストゥ(フ))[tap-sut 肩・の根元] 肩、 肩先。 sarki cikir kor/sarki tapsut kor サㇻキ チキㇼコㇿ/サㇻキ タㇷ゚スッ コㇿ [雅]葦の足を持ち葦の肩を持つ=ガリガリにやせこけている。(S子守歌)(歌謡や叙事詩の中で、 やせ細っていて醜い女を表す慣用表現。 悪口、 憎まれ口。) ☆参考 狭義には肩の端の部分を言う。 tapmekkasi タㇷ゚メッカシ [所] {E: the shoulders.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tara
タラ 【名】[< 日本語 たわら] ①俵。 ②(俵数の単位)…俵。 amam tara アマㇺ タラ 米俵。(S) sine tara シネ タラ 一俵。 tu tara トゥ タラ 二俵。(W) onne paskur íne? /tara tak wa ísam/né tara íne? /sake a=kar wa ísam オンネ パㇱクㇽ イーネ? /タラ タㇰ ワ イーサㇺ/ネ タラ イーネ? /サケ アカㇻ ワ イーサㇺ [雅]年寄りカラスはどうした/俵を持って来てしまった/その俵どうした/酒をつくってしまった。(KK掛け合い歌) {E: ①a straw bag. ②used as a counter for straw bags.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tareciw
タレチウ 【自動】(ウポポの中の次の句で)刺される。 tarapso ka/tareciw タラㇷ゚ソ カ/タレチウ [雅]眠っているうちに刺されるぞ。 ☆参考 語源不明。 [tar-e-ciw 荷縄・で・刺さる]では意味が通らない。 [ta-a(r)-e-ciw そこで・(受け身)・そこで・刺さる]等、 いろいろにこじつけられるが、 もともとの形はこうではなかったろう。 {E: to be bitten; stung.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tasko
タㇱコ 【他動】(人)にたすきをかける。 íne, eci=tásko na イネ、 エチタㇱコ ナ どれ、 たすきをかけてあげるから。(S) {E: to tuck up someone's sleeves with a sash or cord.} (出典:田村、方言:沙流)
tasu
タス 【名】[所](概は tas タㇱ) …の呼気、 その呼気。 tasu tuy タス トゥイ 息が絶える(=mawe tuy マウェ トゥイ)。 ☆参考 tasuhu タスフ の用例はない。 tas タㇱ [概]の独立語としての用例もない。 {E: the breathing of…} (出典:田村、方言:沙流)
tat
タッ 【名】[植物]樺(「カンビ」)の皮(燃えやすいのでたきつけにする)。 a=eápeari tat アエアペアリ タッ たきつけのカンビの皮。 cinoye tat チノイェ タッ [ねじれた・カンビの皮] 明り(sune スネ)にするためにくるくる巻いたカンビの皮。 これを2尺5寸(75センチ)ほどの木の棒(suneni スネニ)にはさんで使う。(W) ☆参考 外へ持って出るたいまつ(tatuspe タトゥㇱペ)にもカンビの皮を使う。(NK)〔知分類 p.1〕 {E: the bark of the birch tree.} (出典:田村、方言:沙流)
tay
タイ 【名語根】(木などの)林。 nítay ニタイ 林。 yamnitay ヤㇺニタイ 栗の木の林、 栗林。 punkattay プンカッタイ[punkar-tay] つる草の繁み。 ☆参考 竹やぶは tupsar トゥㇷ゚サㇻ、 sar サㇻ は単独では葦原(ヨシ原)。 {E: a wooded area, forest of chestnut trees.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
te 1
テ 【位名】ここ。 te or テ オㇿ ここ。 ここの所。 te ta テ タ ここに/で/の(=téta テタ)。 te un テ ウン ここへ/の、 こっちへ(=téun)。 te wano テ ワノ ①ここから。 ②今から。 te wano anak somo néno kú=iki kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ クイキ クス ネ ナ これからはそんなことをしませんから。(S) te pakno テ パㇰノ 今まで。 te pakno k=érampewtek akus tanepo k=éraman テ パㇰノ ケランペウテㇰ アクㇱ タネポ ケラマン 今までわからなかったが今やっとわかった。(S) te péka テ ペカ ここから、 ここを(通って)。 te péka kuwanno e=arpa yak sittuyma テ ペカ クワンノ エアㇻパ ヤㇰ シットゥイマ ここからまっすぐ行くと遠い。(S) te un テ ウン ここへ、 こっちへ。 {E: ①from here. ②from now.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tek 1
テㇰ 【名】[概](所は teke(he) テケ(ヘ)) 手(手首から先 hand のことも、 腕から先まで全体のことも言う)。 cikir ka tek ka sak チキㇼ カ テㇰ カ サㇰ 足も手もない。(S会話) tek ani oputuye テカアニ オプトゥイェ (彼は)手で押す。(W) tek cikiru pekor テㇰ チキル ペコㇿ てのひらをかえすように。 nítek ニテㇰ 木の枝。 {E: a hand; the hands.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
teke(he)
テケ(ヘ) 【名】[所](概は tek テㇰ) …の手。 e=teke/e=tekehe エテケ/エテケヘ あなたの手。 tekehe omare テケヘ オマレ […の手・に…を入れる/置く] …に…を手渡す(手の中へ入れてやる)。 tekehe turiri テケヘ トゥリリ 手を伸ばす。(W) {E: the hand(s) of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekkuspare
テックㇱパレ 【他動】[tek-kus-pa-re 手・を・…を通る・(複)・させる][雅]…に手を入れる。 ketusi upsor/tekkuspare ケトゥシ ウㇷ゚ソㇿ/テックㇱパレ [雅](姉は)ながもちの中に手を差し入れた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tekmekka
テㇰメッカ 【名】[概](所は tekmekkasi テㇰメッカシ) [tek-mekka 手・の上側] 手の上側(手の甲から腕の上側まで含む)。 ☆参考 手の甲の訳語として出た。 手のひら(掌)は tekkotor テッコトㇿ。手の下側は tektuypok テㇰトゥイポㇰ。 {E: the back of the hands.} (出典:田村、方言:沙流)
teknum
テㇰヌㇺ 【名】[概][tek-num 手・粒] 拳(こぶし)を握っている手首から先、 にぎりこぶし。 teknum takup etuk kane kú=isitoma テㇰヌㇺ タクㇷ゚ エトゥㇰ カネ クイシトマ にぎりこぶしだけが出てきて恐ろしかった。(S) {E: the fists.} (出典:田村、方言:沙流)
teksama(ha)
テㇰサマ(ハ) 【位名】[所](概は teksam テㇰサㇺ) ①…の横/脇、 その横/脇。 ②[雅]…のすぐそば。 i=teksama ta/cisiruture イテㇰサマ タ/チシルトゥレ [雅]私のそばに寄って来た。(Sユーカラ) kamuy menoko/teksama ta カムイ メノコ/テㇰサマ タ [雅]女神のすぐそばに。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
teksaykare
テㇰサイカレ 【他動】[tek-say-kar-e 手・一巻き・つくる・させる] …をサッと手に取る。 néa suwop Kasunte nispa a=koriri, yayrenkane teksaykare ネア スウォㇷ゚ カスンテ ニㇱパ アコトゥリリ、 ヤイレンカネ テㇰサイカレ 私はその箱をカスンテ氏に差し出した。 彼は喜んでサッと取った。(HK民話) {E: to take…quickly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tempatempa
テンパテンパ 【他動】[tem-pa-tempa (手を表す語根)・(他動詞複数形形成)・(重複)](人)をもみ療治する。 ku=tapsutu arka na en=tempatempa クタㇷ゚ストゥ アㇻカ ナ エンテンパテンパ (私は)肩が痛いからもんでください。(S) {E: to give a healing massage (to someone).} (出典:田村、方言:沙流)
temsut
テㇺスッ 【名】[概](所は temsutu(hu) テㇺストゥ(フ))[tem-sut 腕・のつけ根](temsutna テㇺスッナ という語の中で)腕のつけ根のほう。 {E: the area of the armpits.} (出典:田村、方言:沙流)
temutorot
テムトロッ §085 アオザメ (2) temutorot(te-mú-to-rot)「テむトロッ」[tur(間)ot(にある)?]成魚⦅白老⦆ (出典:知里動物編、方言:)
tepo
テポ 【位名】[te-po ここ・(指小辞)](次の語の中で)ちょうどここ、 自分のすぐ近く。 tan tepo ta タン テポ タ ついここに、 すぐここに。 tan tepo ta/i=teksama ta/cisiruture タン テポ タ/イテㇰサマ タ/チシルトゥレ [雅]すぐ近くに私のそばに寄って来た。(Sユーカラ) tap tepo ta タㇷ゚ テポ タ いまここに。(W神謡) {E: near oneself.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
teske 1
テㇱケ 【自動】[tes-ke (反る/反らすことを表す語根)・(自動詞形成)] そる(反る)、 それる。 tekkupi kasi ta ay teske wa, a=tumámaha ay epeka ka somo ki テックピ カシ タ アイ テㇱケ ワ、 アトゥママハ アイ エペカ カ ソモ キ (アホウドリの)翼の上で(疫病神の)矢がそれて、 私の体まで届かない。(HK民話) {E: to be warped; curved.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
to 2
ト 【名】[概](所は tóho トホ) ①日(太陽ではなく日にちの日)、 昼間、 日にち。 sinean to ta シネアン ト タ ある日のこと。 iye-ererko to イイェ エレㇾコ ト 三日目の日。 to tanne ト タンネ 日が長い(=tókap tanne トカㇷ゚ タンネ)。(S) to takne ト タㇰネ 日が短い(=tókap takne トカㇷ゚ タㇰネ)。(S) to epitta ト エピッタ 昼間中(=一日中)。 to epitta tónomokor wa an ト エピッタ トノモコㇿ ワ アン (彼は)一日中昼寝している。(S) to a=uk ト アウㇰ [日を・わたしたち/人一般が・受け取る] 日がたつ。 to a=uk ru nas ト アウㇰ ル トゥナㇱ 日のたつのが早い。(S) to okere ト オケレ 一日中、 日が暮れるまで。 to okere sinot kor an ト オケレ シノッ コラン (彼は)一日中遊んでいる。(S) (注 tókap トカㇷ゚ 昼間、 kunne クンネ 夜。) ②(数連体詞の後に置かれて、 日数の単位。) sine to シネ ト 一日。 tu to トゥ ト 二日間(=tutko トゥッコ)。 re to レ ト 三日間(=rerko レㇾコ)。 íne to イネ ト 四日間(=íne rerko イネ レㇾコ)。 henpak to ヘンパㇰ ト 何日(=henpak rerko ヘンパㇰ レㇾコ)。 (注 月の中の日の名称と同形。 ただし沙流川下流のワテケさんは、 二日間以上と「何日間」とを表すのに、 日の名称と区別して、 かっこの中のような言い方をより多く使っていた。) ③(数連体詞の後に置かれて、 月の中の日の名称。) sine to シネ ト ついたち(月の第一日)。 tu to トゥ ト 二日(月の第二日)。 re to レ ト 三日(月の第三日)。 tan cup re to an tóho ta タン チュㇷ゚ レ ト アン トホ タ 今月の三日の日に。 (注 「…番目の…」を表す iye-e- イイェエ という言い方があるが月の中の日を言い表すのにはそれは使われない。 月の最初の日、 二日目、 …と一日間、 二日間、 …とは同形である。) {E: ①day; daytime. ②a unit for counting days. ③the days of the month.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tokkari
トッカリ 【名】[動物] アザラシ。〔知分類 p.159 tukar アザラシの総称((H))〕 {E: a seal.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tokkoni
トッコニ 【名】[動物] ヘビ(総称)。(W) ☆参考 ヘビを呼ぶのに通常は tannekamuy タンネカムイ《長い神》、 kinasut キナスッ《草の下》、 kinasutkur キナスックㇽ《草の下の人(神)》などの呼び名を使う。 tuskorokokko トゥㇱコロコッコ《綱を持つばけもの》は悪口。〔知分類 p.225「マムシ」〕 {E: a snake.} (出典:田村、方言:沙流)
tom 2
トㇺ 【位名】[概](所は tomo トモ) ①面の中ほど、 ぶつかったりたたいたりめがけて向かって行ったりする対象の位置。 pira tom wa carase nay ピラ トㇺ ワ チャラセ ナイ 崖の中ほどから流れ下る沢。(S) hur tom wa フットンマ 山の斜面の中ほどから。(S) en=tom unno sukus tom wa ku=sesek エントㇺ ウンノ スクㇱ トㇺ ワ クセセㇰ 私に日がさして暑い(後の tom トㇺ は《照る》)。(S) ② ☞tom(o) osma トㇺ/トモ オㇱマ。 ☞tom(o) oytak トㇺ/トモ オイタㇰ。 ③(動名詞の後に置かれて)…している最中に。 inkar tom ta インカッ トㇺ タ [慣用句]見てる間に。(S) urameturente wa nepkipa p ne kusu, inkar tom ta nispa nepa ウラメトゥレンテ ワ ネㇷ゚キパㇷ゚ ネ クス、 インカッ トㇺ タ ニㇱパ ネパ (彼らは)心を合わせて皆で働くものだから、 見る見るうちに金持ちになる。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tomotarusi
トモタルシ 【他動】[単](複は tomotaruspa トモタルㇱパ)[tomo-tar-usi …の中ほど・荷縄・を…につける]…を背負うために荷縄をかける、 …を荷縄で背負う。 néa menokopo poro ketusi tomotarusi híne ネア メノコポ ポロ ケトゥシ トモタルシ ヒネ その娘は大きな背負い袋に荷縄をかけて背負い。(NK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tomotaruspa
トモタルㇱパ 【他動】[複](単は tomotarusi トモタルシ)(二人以上が/二つ以上を)…を荷縄で背負う。 eyaykopuntekpa kor ora poro ketusi tomotaruspa híne a=turá híne hosippa=an エヤイコプンテㇰパ コㇿ オラ ポロ ケトゥシ トモタルㇱパ ヒネ アトゥラ ヒネ ホシッパアン (娘たちは)喜んで大きな背負い袋に荷縄をかけて背負って私は彼女たちを連れて一緒に帰った。(NK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tonakkay
トナッカイ 【名】[動物] トナカイ。(S)〔知分類 p.147 tunákay 成獣 S tunáxkay 成獣((シラウラ))〕 {E: a reindeer.} (出典:田村、方言:沙流)
tonnu
トンヌ 【名】[動物] クラゲ。 ☞tunnu トゥンヌ 〔知分類 p.135 tonru ((虻;礼;長))クラゲ〕 {E: a jellyfish.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tono 2
トノ 【?】(ウポポの中に出てくる意味不明の語。) he tono/he karkar/he kannispo/he soye ヘ トノ/ヘ カㇻカㇻ/ヘ カンニㇱポ/ヘ ソイェ (意味不明。) (Kウポポ) (注 このままの形で強いて訳せば、 《殿(役人)がコロコロ、 天にそびえる》で、 何のことかわからない。 もし he tono ヘー トノ が etunup エトゥヌㇷ゚ [etu-nu-p 鼻・を持つ・もの]《酒をつぐ片口》の転化だとすれば、 この例は《(酒を入れた)片口がころがった、 空がゆれている…》という、 酒酔いの歌として、 つじつまが合う。) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toop
トオㇷ゚ 【副】[to-o-p ほらあそこに・(強調)・(語末子音)] ずうっとはるか遠く。 toop tuyma hi wa k=ek wa ku=sireramiskari トオㇷ゚ トゥイマ ヒ ワ ケㇰ ワ クシレラミㇱカリ ずうっと遠い所から来て私は土地不案内です。(S) toop Karapto wano トオㇷ゚ カラㇷ゚ト ワノ はるか樺太から。(S言い伝え) toop Akan sekor a=ye uskehe ta トオㇷ゚ アカン セコㇿ アイェ ウㇱケヘ タ ずうっと遠く阿寒という所に。(S会話) toop iwor or un a=se wa トオㇷ゚ イウォロルン アセ ワ ずうっと遠く山奥へ背負って行って。(W民話) ☆参考 too トオ とニュアンスは異なるが同じ文脈でも使える場合も多い。 しかし家の中や見える所、 歩いて行ける程度の所については too トオ が使われ、 海外の見知らぬ国や、 普通に山菜とりなどには行くこともない山奥の地については toop トオㇷ゚ が使われている。 その中間の程度の所については両方が使われている。 また too トオ は「…にある」「…に行く」のような表現の前でばかり使われ、 toop トオㇷ゚ は「…から来る」や「…だ」のような表現の前でも使われている。 {E: faraway.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
topasse
トパッセ §515.つばをはく(3)topasse〔to-pás-se トぱッセ〕[tu(つば)+passe(パッと吐きちらす)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
tópehe
トペヘ 【名】[所](概は tope トペ) …の乳。 tópehe pirka トペヘ ピㇼカ (彼女の)お乳がよい。(S) tópe esirkotuk トペ エシㇼコトゥㇰ [乳・でくっつく](木の)汁が出なくなって木の皮がピタッとくっつく。 tópe tuk トペ トゥㇰ 乳汁が出る。(S) {E: the milk of…} (出典:田村、方言:沙流)
toranne
トランネ 【自動】怠惰である、 やる気がない、 ぐうたらである。 ☆発音 語頭の to ト に注意。 turanne トゥランネ でも tranne ッランネ でもない。 to ト をはっきりと発音する。 ☆対語 yuptek ユㇷ゚テㇰ。 {E: to not want to do anything; be a good-for-nothing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toy 1
トイ 【名】土地、 地面、 田畑。 siyamam toy シヤマㇺ トイ 田んぼ、 稲田。 toy ka ciw kus トイ カ チウ クㇱ 川があふれて田畑が水をかぶる。 toy ka osma トイ カ オㇱマ 地に落ちる。 toy tukari kokiramne トイ トゥカリ コキラㇺネ 地上に高くそびえる。 toy or ta nepki kor an トヨッタ ネㇷ゚キ コㇿ アン (彼は)畑で働いている。(W) {E: earth; land; ground; fields.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
toyankura
トヤンクラ 【名】[toy-ankura 畑・(?)]畑の縁(へり)の草。 toyankura otuye トヤンクラ オトゥイェ 畑のへりの草を刈る。(W) (出典:田村、方言:沙流)
toyerum
トイェルㇺ §285 ねずみ (6) toyerum (toy-é-rum)「トいェルㇺ」[tus norvegicus norvegicus ERXLEBEN)⦅幌別、白老、屈斜路⦆ (出典:知里動物編、方言:)
toykokiru
トイコキル 【自動(?)】[toy-ko-kiru 土・と共に・…をひっくり返す] 畑をひっくりかえす(草がひどくなったとき)。(S) {E: to turn over the earth of a field; to weed.} (出典:田村、方言:沙流)
toyre
トイレ 【自動】地響きする。 humi toyre kane korka hemanta tuwapneko pus humi an? フミ トイレ カネ コㇿカ ヘマンタ トゥワㇷ゚ネコ プㇱ フミ アン? 音が地響きしているけれど何がものすごい音をたてて爆発したのだろう。(S) {E: for the earth to rumble.} (出典:田村、方言:沙流)
u- 3
ウ 【接頭】(他動詞、 後置副詞、 位置名詞など、 目的語をとる語に接頭してその目的語の代りになる、 すなわち取り得る目的語の数を一つへらす接頭辞の一つ。 つまり、 目的語を一つ取る他動詞にこれが接頭すると自動詞になり、 目的語を二つ取る複他動詞にこれが接頭すると、 目的語を一つだけ取る他動詞すなわち単他動詞になる。 この種の接頭辞には他に i- イ《人/もの》, yay- ヤイ《自分》, si- シ《自分》がある。)互いを/互いに、 (一組または一群の人々の間で)一方が他方を/に、 ある人/人々が他の人/人々を/に。 kor コㇿ …を持つ; ukor ウコㇿ 互いを持つ=結婚する。 nukar ヌカㇻ …を見る; unukar ウヌカㇻ 互いを見る=相会う。 kasuy カスイ …を助ける; ukasuy ウカスイ 助け合う、 助け得る人が助けを必要としている人を助ける(主語はその人々)。 omap オマㇷ゚ …をかわいがる; uwomap ウウォマㇷ゚ [u-omap](子どもたちの中で)大きい子が小さい子をかわいがる(主語はその子どもたち)。 ekari エカリ …に向かって; uwekari[u-ekari] ウウェカリ 互いに向かって=両方から。 ka ta カ タ …の上に; uka ta ári ウカ タ アリ 一つの上に他の…を置く、 …を重ねる。 {E: with each other; mutually.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uciw-itara
ウチウイタラ 【自動】[u-ciw-itara 互い・にささる・(状態が続いていることを表す接尾辞)][雅](いくすじもの光が)互いに反射し合いきらめき合う。 otu imeru/ore imeru/sukustoy kunne/uciw'itara オトゥ イメル/オレ イメル/スクㇱトイ クンネ/ウチウイタラ [雅]何本もの光が真昼の明るい光のように互いに反射しきらめき合っている。(Sユーカラ) ☆参考 wi ウィ という発音がないため、 w ウ と i イ の間で音節を分けて発音している。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uciwpare
ウチウパレ 【他動】[u-ciw-pa-re 互い・に刺さる・[複]・させる](次の表現で) otu tapkanru ore tapkanru uciwpare オトゥ タㇷ゚カンル オレ タㇷ゚カンル ウチウパレ 踏舞(両腕を広げて斜め上へかざし少し動かしながら一歩一歩進んで行く舞い)を何回も何回もくり返した。(W神謡語り) {E: to repeat over and over again.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhasekoyki
ウハセコイキ 【自動】[u-has-e-koyki 互い・柴木・で・…をたたく] 互いに柴木でたたき合う。 pet tomotuye uhasekoyki p ペッ トモトゥイェ ウハセコイキㇷ゚ 川越しに柴木でたたき合うもの(なぞなぞで、 答えは sikrapu シㇰラプ まつげ)。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhekote 1
ウヘコテ 【自動】[単](複は uhekotpa ウヘコッパ)[u-he-kote 互いに・頭・をつなぐ] 互いに連れ添う、 一緒に暮らす。 hetopo kotankonnispa ne an wa eci=uhékote yakun ヘトポ コタンコンニㇱパ ネ アン マ エチウヘコテ ヤクン 彼はもとどおり村おさになって、 あなた方が夫婦になって一緒に暮らせば。(W民話) ☆参考 uheturaste ウヘトゥラㇱテ とも言う。 {E: to be married; live together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhekote 2
ウヘコテ 【副】互いに、 互いの方に向かって。 tane anakne somo uhekote itak=an kus ne na タネ アナㇰネ ソモ ウヘコテ イタカン クㇱ ネ ナ もう互いに口をきかないことにしよう。(S言い伝え) {E: mutually; to face one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhekotpa
ウヘコッパ 【自動】[複](単は uhekote ウヘコテ) 互いに連れ添う、 一緒に暮らす。 heru a=unúhu patek turano tun a=ne wa uhekotpa=an wa oka=an ヘル アウヌフ パテㇰ トゥラノ トゥナネ マ ウヘコッパアン マ オカアン 私は(父はいなくて)ただ母だけと二人で一緒に暮らしていた。(W神謡語り) {E: to be married; live together.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uhewe
ウヘウェ 【自動】[u-hew-e 互い・(擬態の語根)・他動詞形成] フワフワ上がったり下がったりする。 nociw tup uhewe uhewe pekor ノチウ トゥㇷ゚ ウヘウェ ウヘウェ ペコㇿ 星が二つ交互ににフワフワと上がったり下がったりしているみたいに(夜、 暗闇で熊の目が光っている様子の描写)。(HC民話) {E: to go up and down lightly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uitakniwkeste
ウイタㇰニウケㇱテ 【自動】[u-itak-niwkes-te 互い・話す・し損じる・させる] 互いに言うことを聞かない、 折り合いがつかない、 けんか別れになる。 {E: not-to-mutually; break off relations with each other after an argument.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uk
ウㇰ 【他動】[単](複は uyna ウイナ) ①…を取る、 …を得る、 …を受け取る、 …を奪う。 noskike ta an a suwop a=uk wa ノㇱキケ タ アナ スウォㇷ゚ アウㇰ ワ まん中にあった箱を私は取って。(HK民話) haru pirkapi uk rusuy kusu ハル ピㇼカピ ウㇰ ルスイ クス よいみのり(食物の収穫)を得たいから。(S会話) ataye uk (その)料金を受け取る。 e=sanpehe a=uk kusu a=e=ra wa e=ek hi エサンペヘ アウㇰ クス アエトゥラ ワ エエキ あなたの心臓を取る(奪う)ためにあなたは連れられて来たことを。(S民話) yaku uk kamuy ヤク ウㇰ カムイ 役目を持たされている神。 ② ☞aske uk アㇱケ ウㇰ、 teke uk テケ ウㇰ ☆参考 「…を取って(人に)渡す」の意味では使われず、 「受け取る」、 「手に取る」、 「奪う」などを表す。 「そこにあるものを取って(私に渡して)下さい」と言うようなときは uk ウㇰ ではなく ekte エㇰテ《よこす》が使われる。 {E: to get, receive…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukaepita
ウカエピタ 【他動】[u-ka-e-pita 互い・の上・その頭(先)・をほどく][雅]…を次々に皆ほどく。 isina atu/ukaepita イシナ アトゥ/ウカエピタ [雅]しばってあるひもを何カ所もみなほどいた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukaeraye
ウカエライェ 【他動】[u-ka-e-raye 互い・の上・に・…を行かせる] 近道して尾根や沢の上の方を横切って行く。 ☞sítu-ukaeraye シトゥウカエライェ、 iwor-ukaeraye イウォㇿ ウカエライェ {E: to take a shortcut across a mountain ridge or mountain stream.} (出典:田村、方言:沙流)
ukakuspare
ウカクㇱパレ 【他動】[u-ka-kus-pa-re 互い・の上・を通る・(複)・させる](次の慣用表現の中で)…を何回もくり返す。 otu tapkanru/ore tapkanru/ukakuspare オトゥ タㇷ゚カンル/オレ タㇷ゚カンル/ウカクㇱパレ [雅]何回も何回も両手を広げてかざし一歩一歩進んでいく舞いをくり返した。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukarino
ウカリノ 【副】[u-kari-no 互い・に代わる・(副詞形成)] 皆で代わるがわる(?)。 ranma ene aapte hi ukarino a=nu hawe ne ランマ エネ アアㇷ゚テ ヒ ウカリノ アヌ ハウェ ネ いつもそんなふうに、 もうだめだということを来る人来る人皆言って(私たちは)聞くのだなあ。(S) {E: for everyone to alternate, take turns.} (出典:田村、方言:沙流)
ukasuy
ウカスイ 【自動】[u-kasuy 互い・を助ける/手伝う] ①助け合う、 手伝い合う、 ここの仕事を終わった人が他の人のを手伝う。 ②(副詞的に)助け合って。 ukasuy e ウカスイ エ 助け合って食べる。(S) {E: ①to help each other. ②mutual help.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukik
ウキㇰ 【自動】[u-kik 互い・を打つ] ぶつかり合う。 ukik humi kanemayne uwetunuyse ウキㇰ フミ カネマイネ ウウェトゥヌイセ (直方体のシントコ(大きい入れ物)の上の角から鎖で下げられている小さな飾りのシントコのミニチュア(tumsi トゥㇺシ)が、 動かすとゆれてぶつかってカチャカチャと鳴る、 その)ぶつかり合う音が何とも言えずいい。(S) {E: to run into; meet.} (出典:田村、方言:沙流)
ukokisma
ウコキㇱマ 【他動】…を一緒に押える。 kokka sapa ukokisma wa a コッカ サパ ウコキㇱマ ワ ア 両ひざをかかえて座る。(S) putaha tura pirkano ukokisma, onnayke o p rapapse wa isam na プタハ トゥラ ピㇼカノ ウコキㇱマ、 オンナイケ オㇷ゚ ラパㇷ゚セ ワ イサㇺ ナ ふたと一緒にしっかり押えて(=つかんで)いなさい、 中のものがこぼれ落ちてしまうから。(S) {E: to hold, control…together.} (出典:田村、方言:沙流)
ukokor
ウココㇿ 【他動】[uko-kor 一緒に・…を持つ] ①…を一緒に持つ、 (夫婦の間に)(子ども)がいる/できる。 tane pon hekaci ukokor wa タネ ポン ヘカチ ウココㇿ ワ いまはもう二人の間に赤ちゃんが生まれて。(W民話) sine situ ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an? シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン? 一つの尾根を両方から一緒に持って互いに会ったことがないものはなあに(なぞなぞで、 答えは sikihi シキヒ 目)。 ②[u-ko-kor 互いに・対して・持つ] 取り合う、 奪い合う。 teeta anak usa ikor usa emus usa sintoko pirka hikehe ukokor rusuy kusu テエタ アナㇰ ウサ イコㇿ ウサ エムㇱ ウサ シントコ ピㇼカ ヒケヘ ウココンルスイ クス 昔は宝物や刀やシントコ(大きい容器)のよいものを取り合いたくて。(W言い伝え) {E: ①to have a child together (between a couple); to have…together. ②to struggle for…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukomosirewnara
ウコモシレウナラ 【自動】[u-ko-mosir-ewnara 互い・に対して・島/土地・を与え惜しむ] 互いに自分の土地を与えるのをいやがる。 {E: to be mutually upset at giving one's land to someone} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukonoye
ウコノイェ 【他動】[uko-noye 一緒に・ねじる] より合わせる。 unma tus horikasi racitkere wa ukonoye kor an ウンマ トゥㇱ ホリカシ ラチッケレ ワ ウコノイェ コラン 馬をつなぐ綱を上からつるしてより合わせている。(S) {E: to twist…together.} (出典:田村、方言:沙流)
ukopayoka
ウコパヨカ 【自動】[複](単はない)[u-ko-payoka 互い・に・行き来する] 互いに行き来する、 訪問し合う、 訪問したりされたりして親しくつき合う。 nep ka aop ka isam wa ukopayoka rusuy=an yakka wen ネㇷ゚ カ アオㇷ゚ カ イサㇺ マ ウコパヨカ ルスヤン ヤッカ ウェン 何も乗り物もないので行ったり来たりしたくてもできない。 sisak tokuy ne ukopayoka=an シサㇰ トクイ ネ ウコパヨカアン 私たちはまたとない親友として親しく行き来した。(NK民話) {E: to be mutually friendly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
ukotama
ウコタマ 【他動】[uko-tama 一緒に・(?)] 倍にする。 tup patek ku=kor pe a=ukótama ruwe pakno e=kor トゥㇷ゚ パテㇰ クコㇿ ペ アウコタマ ルウェ パㇰノ エコㇿ 私は二つだけしか持っていないのにあなたはそれを倍にしたほど持っている。(S) {E: to double…} (出典:田村、方言:沙流)
ukoweysanpekor
ウコウェイサンペコㇿ 【自動】[u-ko-wen-sanpe-kor 互い・に対して・悪い・心・を持つ]互いに悪心をいだく、 (家族や仲間の間で)一方が他方に対して悪心をいだく、 いがみ合う。 sine hon or wa hetukpa utar iteki ukoweysanpekor no シネ ホン オㇿ ワ ヘトゥㇰパ ウタㇻ イテキ ウコウェイサンペコン ノ 一つのおなかから生まれた人々(兄弟/同胞)は互いに悪い心を持たないで…。(S民話) {E: to have bad intentions about each other; quarrel.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
umama
ウママ 【自動?】[雅]非常に勇猛な(?)。 kamuy ne yakka/umama kamuy/epetturasi p/sinen ka isam カムイ ネ ヤッカ/ウママ カムイ/エペットゥラシㇷ゚/シネン カ イサㇺ [雅]神であってもこれほど勇猛な神に逆らうものは一人もいない。(Sユーカラ語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
umatapakor
ウマタパコㇿ 【自動】[u-matapa-kor 互い・(兄から見た)妹・を持つ] 妹と兄の関係にある。 umatapakor utar ウマタパコルタㇻ 兄妹。 umatapakor wa arki ウマタパ コㇿ ワ アㇻキ 兄と妹が一緒に来た。(S) ☆参考 雅語では utureskor ウトゥレㇱコㇿ。 ☆参考 妹と姉の関係にあることは umatakikor ウマタキコㇿ。 ☞matapa マタパ {E: to have a(n)(older) brother, a(n) older sister relationship.} (出典:田村、方言:沙流)
umonpok
ウモンポㇰ 【位名】[u-monpok 互い・の下/そば(mon-pok モンポㇰ 手・の下)](直訳すると)互いの下。 iteki umonpok ta uhayta no yaynu イテキ ウモンポㇰ タ ウハイタ ノ ヤイヌ 上下の差別や分けへだてをして考えるな。(S)独言 {E: mutually below.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
un 2
ウン 【格助】[< un ウン 1] ①(連体句をつくる、 つまり名詞にかかる。) …にある/いる…、 …につく/ついている…、 (そこ)の、 …出身の。 Sar un kur サルン クㇽ 沙流の人(一語のアクセントで発音される)。 atuy or un cikap アトゥヨルン チカㇷ゚ 海の鳥。 te un húci テ ウン フチ ここの(=この家の)おばあさん。(S) (注 特定のおばあさんを言うときは un ウン でなく ta タ を使って te ta X húci テ タ X フチ ここの(この家の)Xおばあさん。(S) ) ②(連用句をつくる、 つまり動詞にかかる。) …へ/に(移動の方向/目的地、 心理的に向かう方向)、 …に/から(見える方向、 音や声などが聞こえる方向、 ものを取る相手やその場所)、 …で(仕事や飲食をする入れものの中や台の上などの場所)。 Tokiyo un k=arpa kusu ne トキヨ ウン カㇻパ クス ネ 私は東京へ行きます。(S) osmake un esirkociwe no a オㇱマケ ウン エシㇼコチウェ ノ ア 後ろへ押し分けて坐りなさい。(S) atuy or un put kor to アトゥヨルン プッ コッ ト 海へ口を持った沼。 urepeci osmake un an, kesupi kotcake un an ウレペチ オㇱマケ ウン アン、 ケスピ コッチャケ ウン アン 足指が後のほうにある、 かかとが前のほうにある。 ③siyoka un inkar シヨカ ウン インカㇻ 後ろを見る。 pínay asam un sir-kunne kane síran, rawne wa ki ピナイ アサムン シㇼクンネ カネ シラン、 ラウネ ワ キ 谷底の方が暗くなっている、 深くて。 to noski un háwas ト ノㇱキ ウン ハワㇱ 沼のまん中で声がする。 kamuy hayokpe/iyoykir ka un/a=uyna katu カムイ ハヨㇰペ/イヨイキㇼ カ ウン/アウイナ カトゥ [雅]立派なよろいかぶとを宝器類の上から取って下ろしたことを。(Sユーカラ) nisu or un iyuta ニス オルン イユタ 臼でヒエつきする。(W) káneya ka un ma カネヤ カ ウン マ (魚を)かなあみの上で焼く。(S) kasi un e=kanpinuye hemanta カシ ウン エカンピヌイェ ヘマンタ その上であなたが書きものするやつ(=机)。(S) {E: ①to be; exist; be from… ②to… ③from, at…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
un 3
ウン 【終助】①(名詞・副詞の後で、 ne ネ《…だ》を言わずに文を終止する。 会話の言い方で、 肯定の返事の表現に使われる。) …だよ、 …ですよ。 sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p hemanta an? a=sikíhi un シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ ヘマンタ アン? アシキヒ ウン 一つの尾根を両方から一緒に持っていてお互いに会ったことがないものは何ですか? 私たちの目ですよ。 ruwe un ルウェ ウン そうですよ。 ②(動詞の後で。 これも返事の表現らしい。)poronno ku=sanke wa k=ére kus ku=ye hike ka ponno ka e ka somo ki wa kú=iruska un ポロンノ クサンケ ワ ケレ クㇱ クイェ ヒケ カ ポンノ カ エ カ ソモ キ ワ クイルㇱカ ウン 私がたくさん出して食べなさいと言ったのに彼は少しも食べないので私は腹が立ったのよ。 hetak hokure i=komuy un! ヘタㇰ ホクレ イコムイ ウン! さあ早く(私の)シラミをとっておくれよ。(W民話) ③(疑問文で)何…/どう…だろう? k=éninuype íne un? ケニヌイペ イネ ウン。 私の枕どうしたろう(見つからないとき)。(S) réhe ene a=ye p ne hi ka k=éranpewtek hemanta kameasi un? レヘ エネ アイェㇷ゚ ネ ヒ カ ケランペウテㇰ ヘマンタ カメアシ ウン? その名前はなんと言うものだかもわからない、 なんていうばけものだろ。 ④(返事をうながす)“tane emonasnu?” “na kémonasap. eani un?” 「タネ エモナㇱヌ?」「ナ ケモナサㇷ゚、 エアニ ウン?」「もう終わったかい。」「まだ終わらない。 あなたは?」 (S) ⑤ruskare un! ルㇱカレ ウン (直訳すると)彼をそのことで不機嫌にさせよ=ああよかった(反語で、 喜びの表現)。 {E: a sentence-final particle that emphasises the speaker's conviction, especially in conjunction with imperative.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
un 4
ウン 【副助】(強めの一種、 考慮・納得を表すことが多い。) …ね、 なあ。 siknu eaykap hawe un somo ne? シㇰヌ エアイカㇷ゚ ハウェ ウン ソモ ネ? (そんな小さな弱い赤ん坊だったら)生きられないのじゃないのか。 kamuy i=erampokwen nen póka ne ciki un somo ki ya? カムイ イエランポㇰウェン ネン ポカ ネ チキ ウン ソモ キ ヤ? なんとか神様が憐れみをかけてくれないかなあ。 oroyaciki un/ona ne manu p/akor kusu オロヤチキ ウン/オナ ネ マヌㇷ゚/アコㇿ クス なるほどそうか、 父というものが私にはあったために。(Sユーカラ語り) ene un suy erampewtek hi? エネ ウン スイ エランペウテㇰ ヒ? そんなに感じられないのか。(W) ikiya un …wa イキヤ ウン …ワ ひょっとすると。 ikiya un nasno e=ek wa イキヤ ウン トゥナㇱノ エエㇰ ワ ひょっとするとあなたが早く来るかもしれないなあ(注 ikiya …na イキヤ …ナ は《…しないようにね》)。 hńta un …wa フンタ ウン …ワ なあに、 ほかでもない。 hńta un, kamuy ye a wa フンタ ウン、 カムイ イェ ア ワ なに、 ほかでもない、 神様が言ったのだ=大丈夫、 神様が言ったとおりになるんだ。 {E: a particle emphasizing consideration or agreement.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uneno
ウネノ 【副】[u-neno 互い・に似て] ①(二つ以上が)互いに似て、 同じく。 kutcama uneno an クッチャマ ウネノ アン 声がそっくりだ。(S) uneno aynu ne wa hńta kusu ene e=hawean hi an? ウネノ アイヌ ネ ワ、 フンタ クス エネ エハウェアニ アン? 私たちは同じにアイヌであって、 どうしてあなたはそのように言うのか。(S) uneno motokor ウネノ モトコㇿ 同じく起源を持つ=起源は同じである。 imatne kur ka iyokkayone kur ka, opitta uneno kewtumu pirka utar ne イマッネ クㇽ カ イヨッカヨネ クㇽ カ、 オピッタ ウネノ ケウトゥム ピㇼカ ウタンネ 奥さんのほうもだんなさんのほうも、 両方とも同じに心のいい人たちだ。(S) ②(連体的に)同じ…。 uneno itak ウネノ イタㇰ 同じ言葉。 ☆参考 性質や有様や状況などが似ていることや同様であることを言う。 これに対し、 数量や程度が同じくらいであることは upakno ウパㇰノ と言う。 ☞néno ネノ {E: ①like; the same as. ②the same …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
unukar
ウヌカㇻ 【自動】[u-nukar 互い・を見る] ①互いを見合う、 相会う。 sine sítu ukokor wa unukar eramiskari p シネ シトゥ ウココㇿ ワ ウヌカㇻ エラミㇱカリㇷ゚ 一つの尾根を両側から一緒に持っていて互いに会ったことがないもの(なぞなぞで答えは sikihi シキヒ 目)。 ②(動名詞として)会うこと、 会見 hempara ne yakka/unukar pirka p/ci=ki nankor na ヘンパラ ネ ヤッカ/ウヌカㇻ ピㇼカㇷ゚/チキ ナンコン ナ いつでも会見のよいのをしましょうね=いつでもまた会って楽しく語り合いましょうね。(W即興詩) {E: ①to look at each other; meet. ②a meeting.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
upahekotere
ウパヘコテレ 【自動】[u-pa-hekote-re 互い・口・の方を向く・させる] 互いに文句を言い合う/けなし合う。 {E: to mutually complain.} (出典:田村、方言:沙流)
upsor 1
ウㇷ゚ソㇿ 【名】[概](所は upsoro(ho) ウㇷ゚ソロ(ホ)) [< upsi-or 内部におおわれている(?)・ところ] ①ふところ、 着ている衣服の中。 ②[慣用表現](家や部屋の)中(保護され守られている内部が、 ふところや衣服の中にたとえられる)。 cise upsor míke kane kurkot kane チセ ウㇷ゚ソㇿ ミケ カネ クㇽコッ カネ [慣用表現]家のふところ(=家の中)が光り輝いている。(W民話) tunpu upsor a=orésu トゥンプ ウㇷ゚ソㇿ アオレス [雅]部屋のふところ(=部屋の中)で育てられた。(W) cási upsor/koyaykar ruwe/ene oka hi チャシ ウㇷ゚ソㇿ/コヤイカン ルウェ/エネ オカ ヒ [雅]城のふところ(=城の中)のつくりようは次のようであった。(Sユーカラ) ☆参考 知里真志保による語源解釈が『分類アイヌ語辞典人間篇』の p.53 にある。 {E: ①the bosom. ②the inside of (a house or room).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
urametok
ウラメトㇰ 【接頭辞+名詞】[u-rametok 互い・大胆さ](次の表現の中で) urametok uwante ウラメトㇰ ウワンテ 互いに度胸の強さを比べ合う=度胸比べをする。 asinuma hoski tumutuy=an ya kimun kamuy hoski tumutuy ya urametok uwante=an kusu アシヌマ ホㇱキ トゥムトゥイアン ヤ キムン カムイ ホㇱキ トゥムトゥイ ヤ ウラメトㇰ ウワンテアン クス 私が先に力尽きるか熊が先に力尽きるか、 「度胸比べ」(=強さ比べ)するために。(HK民話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
úrarkanto
ウラㇻカント 【名】空の最下層(雲のある所)。 ☞kanto カント {E: the lowest stratum of the sky.} (出典:田村、方言:沙流)
urorerok
ウロレロㇰ 【自動】[複](単の用例はない)[u-ror-e-rok 互い・の上座・に・座る[複]](二人が)上座下座に並んで座る。 kamuy ne kus koraci an onne kur an, úturkehe ta kamuy ne noyne an rupnemat an, urorerok híne oka カムイ ネ クㇱ コラチ アン オンネ クㇽ アン、 ウトゥㇽケヘ タ カムイ ネ ノイネ アン ルㇷ゚ネマッ アン、 ウロレロㇰ ヒネ オカ 神と見まがうばかりの立派な老人がいた、 その下座に神のような立派な老女がいた、 二人は上座下座に並んで座っていた。(KC民話) {E: to sit in order from the highest to the lowest place of honour.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uruki
ウルキ 【自動】[u-ruki 互い・を飲み込む](止め金などが)かみ合う、 はまる。 káne sutuker/a=uré kasi ta/uruki humi/kokiknatara カネ ストゥケㇾ/アウレ カシ タ/ウルキ フミ/コキㇰナタラ [雅]金(かね)の靴が私の足の甲の所でかみ合う音がカチンカチンと鳴る。(Sユーカラ) ☆発音 urki ウㇽキ《シラミ》とは違う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uruuruk
ウルウルㇰ 【自動】[uruuru-k (擬態の語根の重複)・(自動詞形成)] ブルブルふるえる(寒くて)。 ku=mimaki ukikkik pakno k=úruuruk クミマキ ウキッキㇰ パㇰノ クルウルㇰ 私は寒くて歯がガチガチぶつかるほどふるえる。(S) ☆参考 恐ろしくてふるえることは tususke トゥスㇱケ《ふるえる》、 tususatki トゥスサッキ《ひどくガタガタガタガタふるえる》と言う。 寒くてかじかむことは petetne ペテッネ。 {E: to shiver (due to the cold).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
us 3
ウㇱ 【他動】(…に)…がつく/生える、 (…に)…がついて/生えている。 ham us ハㇺ ウㇱ (木に)葉がつく。 rek us レㇰ ウㇱ (人)にひげが生える。 imeru us イメル ウㇱ (人に)輝きがつく=光り輝く、 後光がさす。 ☆参考 一つのものに全く別のものが接触したりはりついたりするという意味でくっつくことは kotuk コトゥㇰ、 紐や綱や鎖でつながれてつくことは kot コッ。 {E: to adhere, attach…to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usa 1
ウサ 【副】①いろいろ、 (連体的に)いろいろな。 usa kéraanpe kar kor an ウサ ケラアンペ カㇻ コㇿ アン (彼女は)いろいろなごちそうをつくっていた。 ②それぞれめいめい、 一人一人。 tup ne usaraye wa usa korpare トゥㇷ゚ ネ ウサライェ ワ ウサ コㇿパレ 二つに分けてそれぞれに(二人ともに)あげなさい。(S) pon menoko tup mat ne usa a=kor wa ポン メノコ トゥㇷ゚ マッ ネ ウサ アコㇿ ワ 私たちは若い女性二人を妻としてそれぞれ持って=私たち二人はその二人の女性の一人ずつと結婚して。(KC民話) ③usa usa ウサ ウサ いろいろ、 それぞれに。 ④usa oka ウサ オカ いろいろの(種々の、 様々の)。 usa okay pe ウサ オカイ ペ いろいろなもの/こと。 usa okay pe uwekarpare ウサ オカイ ペ ウウェカㇻパレ いろいろなものを集める。 ⑤(名詞の前に置かれ、 通常くり返されて) usa…usa… ウサ… ウサ …やら…やら。 usa cápe usa seta usa puta usa peko, nep ne yakka a=respa wa oka ウサ チャペ ウサ セタ ウサ プタ ウサ ペコ、 ネㇷ゚ ネ ヤッカ アレㇱパ ワ オカ 猫や犬や豚や牛や何でも飼われている。(S) usa iyuta usa suke ki wa ウサ イユタ ウサ スケ キ ワ (その女性は)ヒエつきやら料理やらいろいろして。(W民話) (iyuta イユタ、 suke スケ は自動詞で、 この場合、 動名詞。) {E: ①various; many kinds of. ②each.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usaraye
ウサライェ 【他動】[usa-raye 別々に・動かす](?) …を分ける、 分割する。 tup ne usaraye トゥㇷ゚ ネ ウサライェ 二つに分ける。(S) {E: to divide…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usatoyneno
ウサトイネノ 【副】[usa-toy-neno めいめい(の)・(< 土地?)・によって](?) それぞれ異なって、 めいめい違って。 uneno aynu motoho sinep ne yakka, usatoyneno yakukor katu oka wa ウネノ アイヌ モトホ シネㇷ゚ ネ ヤッカ、 ウサトイネノ ヤクコㇿ カトゥ オカ ワ アイヌのもと人間の起源は一つであっても、 めいめい持たされた役目が違うから。(S言い伝え) {E: differently.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usatrayoci
ウサッラヨチ 【名】[usat-rayoci おき・にじ(虹)] 炉のおきがパーッと飛び上がったもの。 yam kap turano a=ma kor patke wa usatrayoci únarayoci hopuni wa a=sitóma p ne ヤㇺ カㇷ゚ トゥラノ アマ コㇿ パッケ ワ ウサッラヨチ ウナラヨチ ホプニ ワ アシトマㇷ゚ ネ 栗を皮ごと焼くとはぜて火がとんだり灰がパーッと舞い上がったりして恐ろしいもんだ。(S) {E: the sparks that fly out of a fireplace.} (出典:田村、方言:沙流)
usayne
ウサイネ 【副】[usa-ne めいめい別々の・である](?) ①いろいろ、 いろいろ違って。 usayne usayne ウサイネ ウサイネ いろいろ(とんでもないこともまじって)。 usayne usayne oka isoytak ウサイネ ウサイネ オカ イソイタㇰ いろいろな話(おもしろいことも言えばおかしいことも言えばとんでもないことも言う)。(S) usayne usayne usayne okay pe somo katu ne an ウサイネ ウサイネ ウサイネ オカイ ペ ソモ カトゥ ネ アン 本当にいろいろのものが「たいした」(たくさん)ある(鍋かまもあればふとんもある、 本もある、 鍬もある、 猫の子、 犬の子もいる、 魚もある)。(S) ②(悪いニュアンスで)いろいろ(おかしいことやまちがったことを)。 usayne ka ikiya e=ye na ウサイネ カ イキヤ エイェ ナ いろいろに(おかしいことやまちがったことを)言ってはいけないぞ。(W) {E: variously; differently.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
úsep
ウセㇷ゚ 【名】[< úse-p それだけの・もの](?) 反物(着物にする前の布)。 úsep sinep a=esóuk ro ウセㇷ゚ シネㇷ゚ アエソウㇰ ロ 反物一反借りよう。(S) attus úsep アットゥㇱ ウセㇷ゚ 厚司の反物。 {E: woven materials.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usi 1
ウシ 【複他動】[us-i …に…がつく・(他動詞化)] …に…をつける/ぬる/ぬりつける/まぶす。 iroho usi イロホ ウシ 色をぬる。(S) ussi usi ウッシ ウシ うるしをぬる。(S) tomotarusi トモタルシ [tomo-tar-usi …に・背負い縄・をつける]…を荷縄でしばって背負えるようにする(そうして背負って運ぶことを言外に含むこともある)。 yayusi ヤユシ [yay-usi 自分・に…をつける](おしろいなど)を自分につける。 ☆参考 kotaci コタチ ベタベタぬりつける/こすりつける。 kotukka コトゥッカ (別のもの)をくっつける(接触させる/はりつける)。 kote コテ …をゆわえ(結び)つける。 「手甲をつける」「冠をつける」などには kor コㇿ《…を持つ》が使われる。 「首飾りの玉連をつける」「耳環をつける」などの雅語の慣用表現については ☞tamasay タマサイ、 ninkari ニンカリ {E: to attach, stick…to…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usimne
ウシㇺネ 【副】[u-sim-ne 互い・の翌日・に(なる)] 次々の日に。 usimne usimne ウシㇺネ ウシㇺネ 日一日と、 日の経つにつれて。 usimne usimne hetuku ウシㇺネ ウシㇺネ ヘトゥク 日一日と生長する。 {E: the day after next.} (出典:田村、方言:沙流)
usinna
ウシンナ 【副】[u-sinna 互い・(と)異なる] 互いに別々に異なって。 usinna oka=an ウシンナ オカアン 私たちは別々に暮らしていた。(S) usinna a=ye ウシンナ アイェ 区別して言われる。 usinna usinna ウシンナ ウシンナ めいめい別々に。 usinna usinna ye kor oka ウシンナ ウシンナ イェ コㇿ オカ めいめい言っている。(S) usinna usinna yaykata yaykata kor pe kor utar se yan ウシンナ ウシンナ ヤイカタ ヤイカタ コㇿ ペ コㇿ ウタㇻ セ ヤン めいめい自分自分の持ち物を持ち主が背負いなさい。(S) {E: mutually different.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
usinnayno
ウシンナイノ 【副】[u-sinna-y-no 互い・(と)異なる・挿入音・(副詞形成)] 互いに異なって。 {E: mutually different.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uska
ウㇱカ 【他動】[us-ka 消える・(他動詞化)](火や明りや電気)を消す、 (書いたもの)を消す(消しゴムなどで)、 (村/集落)を消滅させる。 sune uska スネ ウㇱカ 明りを消す。(W) sunke no kanpinuye=an kor uska wa isam スンケ ノ カンピヌイェアン コㇿ ウㇱカ ワ イサㇺ まちがって書くと消してしまう。(S会話) oripakpa yan wa, néa e=kotanu a=ar-uska, a=arwente nankor ruwe ne kusu オリパㇰパ ヤン マ、 ネア エコタヌ アアㇻウㇱカ、 アアㇻウェンテ ナンコン ルウェ ネ クス 天然痘が上陸して来て、 あのあなたの村はすっかり絶やされ、 すっかり滅ぼされてしまうだろうから。(W民話) {E: to put out, turn off, extinguish…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uskike
ウㇱキケ 【形名】[被修飾名][雅](?) tapan uskike/tan uskike タパヌㇱキケ/タヌㇱキケ (たぶん叙事詩の中や、 古風な美文調の言い方の中で)このときは(?)。 i=ruwokake ta, a=ye rok itak tu kanpiso ka re kanpiso ka a=enúypa wa oka yakun tan uskike, easir, a=rehe ohonno hene iruka hene…kanpi ka o wa oka yakun イルウォカケ タ、 アイェ ロㇰ イタㇰ トゥ カンピソ カ レ カンピソ カ アエヌイパ ワ オカ ヤクン タヌㇱキケ、 エアシㇼ、 アレヘ オホンノ ヘネ イルカ ヘネ…カンピ カ オ ワ オカ ヤクン 私たちの死後に、 私たちの話した言葉が二ページにも三ページにも書いてあればこれによって(?)、 それこそ、 私たちの名前が長い間でも短い間でも…紙の上に載っていれば。(W会話) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utar(-i)
ウタㇻ §011.身内 血縁の者(9)utar(-i)〔u-tár ウたㇻ〕⦅H.⦆親類。a-hanke-utari「我らの近い親類」⦅ホロベツ⦆。a-tuyma-utari「我らの遠い親類」⦅ホロベツ⦆。k'utari-po「なつかしい親類たち」⦅ユ研Ⅰ, p.90⦆。utar ka sak-pe「親類もない者」(=apa ka sak-pe)⦅ユ研Ⅰ, p.103⦆。ar-utar-sak-pe「全く身寄の無い者」⦅ホロベツ⦆。②部下;家来。a-utari utar「家来ども」⦅ホロベツ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
utari(hi)
ウタリ(ヒ) 【名】[所](概は utar ウタㇻ 人々)…の同族の人々、 …の村人たち、 …の仲間たち/連れになっているグループ/組。 k=útarihi menoko utar turano tun ren ci=ne híne タント クタリヒ メノコ ウタㇻ トゥラノ トゥン レン チネ ヒネ 今日は私の同族(アイヌ民族)の人たち、 女性たちと一緒に二、 三人で。(W独話) a=utári ka sísam ka ikopoyke wa アウタリ カ シサㇺ カ イコポイケ ワ 私たちの同族(アイヌ民族)も和人もまじって (S会話) e=se wa e=arpa wa é=utari e=ere yakun é=utari opitta ray kusu ne aan pe エセ ワ エアㇻパ ワ エウタリ エエレ ヤクン エウタリ オピッタ ライ クス ネ アアン ペ あなたが(この魚を)背負って行って(=持って帰って)あなたの村の人たちに食べさせたらあなたの村の人たちはみんな死んでしまうところだったが。(NK民話) eci=utári hosippa ruwe somo ne? エチウタリ ホシッパ ルウェ ソモ ネ? あなたたちの組/仲間は皆帰ったのではないのか。(S) ☆参考 アイヌ民族を指す呼称として「ウタリ」というのは、 アイヌ語で言うときは k=útari(hi) クタリ(ヒ)《私の同族》、 a=útari(hi) アウタリ(ヒ)《私たちの同族》のように人称形で言う言葉である。 {E: of the same tribe, family, village group etc. of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utarokihi
ウタロキヒ 【名】[所](概は用例がない)[utar-ok-ihi 人々・(接尾辞)・(所属語尾)] 彼ら皆、 皆さん方。 tu tépu or un/ku=omare wa/pon katkemat hem/poro sensey utar/utarokihi/ku=nure rusuy トゥ テプ オルン/クオマレ ワ/ポン カッケマッ ヘㇺ/ポロ センセイ ウタㇻ/ウタロキヒ/クヌレ ルスイ (私は)二本のテープに入れてお嬢さんにも大先生方皆様にも聞かせたかった。(W即興詩) ☆参考 話し言葉の中には用例がない。 {E: everyone; all.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utarorke(he)
ウタロㇿケ(ヘ) 【名】[雅]人々、 …たち。 kamuy moyremat/utarorkehe カムイ モイレマッ/ウタロㇿケヘ [雅]女神様たち。(Sユーカラ) atuyso ka ta/urokte pito/urokte kamuy/utar orke anak アトゥイソ カ タ/ウロㇰテ ピト/ウロㇰテ カムイ/ウタロㇿケ アナㇰ [雅]沖の方におわす神々は。(Sユーカラ語り) (出典:田村、方言:沙流)
utasacipo
ウタサチポ 【自動】[u-tasa-cip-o 互い・と反対方向に・舟・をこぐ] ①互いに反対方向に舟をこぐ/進める。 ②(比喩的に)方針・計画について主張が合わず言い争う。 ③(名詞として)反対方向への舟のこぎ合い、 進路についての争い。 poro serke utasacipo koraci haweoka rok ayne ポロ セㇾケ ウタサチポ コラチ ハウェオカ ロㇰ アイネ 大半の人がちょうど舟を反対方向にこぎ合うみたいに言い争っていたあげく。(S言い伝え) utasacipo utasaitak an wa uitakniwkestepa wa ウタサチポ ウタサイタㇰ アン ワ ウイタㇰニウケㇱテパ ワ 舟を反対方向にこぎ合うように言い争い言い合いして折り合いがつかずに。(S言い伝え) {E: ①to row boats in mutually opposite directions. ②to dispute a claim. ③} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utaspa
ウタㇱパ 【自動/副】[u-tas-pa 互い・と交換する(tasa タサ の語幹)・[複]] ①[自動]互いに交代し合う、 代わるがわるする。 utaspa an kor ウタㇱパ アン コㇿ 互いに。 utaspa pakno ウタㇱパ パㇰノ(=utaspa ウタㇱパ) 互いに。 ②[副]互いに。 utaspa ukoramkor ウタㇱパ ウコラㇺコㇿ 互いに相談し合う。 uramkarpare itak utaspa ye ウラㇺカㇻパレ イタㇰ ウタㇱパ イェ 悔やみを言い合う言葉を互いに言う。(S) {E: ①to take turns. ②mutually.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utokuyekor
ウトクイェコㇿ 【自動】[u-tokuye-kor 互い・(その)親友[所]・を持つ] 互いに親しくつき合う、 親しい/深い友だちどうしになる。 utokuyekor moto ne poro sóuk=an pe ne a p ウトクイェコㇿ モト ネ ポロ ソウカン ペ ネ アㇷ゚ 親友になるもととして(=親友としてまた会うために)私はたくさんの借財をしていたのだったが。(KK民話) {E: to become mutually close friends.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utomosma
ウトモㇱマ 【自動】[u-tomosma 互い・にぶつかる] 互いにぶつかり合う。 oharkisounma inunpe turasi a=itákturasire, osisounma inunpe a=itákturasire, apeetok ta itak utomosma ruwe ne オハㇻキソウンマ イヌンペ トゥラシ アイタㇰトゥラシレ、 オシソウンマ イヌンペ アイタㇰトゥラシレ、 アペエトㇰ タ イタㇰ ウトモㇱマ ルウェ ネ 私は左座でも炉縁に沿ってまじないの言葉を言い、 右座でも炉縁に沿ってまじないの言葉を言って、 横座でまじないの言葉が互いにぶつかった。(HK民話) ☆参考 tom(o) osma トㇺ/トモ オㇱマ …にぶつかる。 {E: to bump into, meet each other.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
utorohke(-an)
ウトロㇹケ §315.こうごう(交合);交接;交尾;性交(12)utorohke(-an)〔u-tó-roh-ke ウとロㇹケ〕[<u(相)+tura(連れて)+hoh-ke(寝る)]⦅ウソロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
utorsam
ウトㇿサㇺ 【位名】[概](所はutorsama ウトㇿサマ)[ut-or-sam 肋骨・の所・(< の側)] 脇、 横。 toan hako utorsam ta an pe トアン ハコ ウトㇿサㇺ タ アン ペ あの(細長い)箱の横(長い方の側)にあるもの。(S) en=utorsam ta a エヌトㇿサㇺ タ ア 私の脇に座りなさい。(S) ☆対語 etupsi エトゥㇷ゚シ (もの)の先。 kotca コッチャ …の前。 osmak オㇱマㇰ …の後ろ。 ☆参考 sam サㇺ …のそば。 teksam テㇰサㇺ …の横。 {E: the side (of something).} (出典:田村、方言:沙流)
uunukor
ウウヌコㇿ 【自動】[u-unu-kor 互い・母親・を持つ] 母子である。 uunukor utar ウウヌコㇿ ウタㇻ 母子(母と息子、 母と娘)。 uunukor utar oka híne síran ウウヌコㇿ ウタㇻ オカ ヒネ シラン 母と子が住んでいた。(W民話の冒頭) ☆参考 同じ語構成の語の例:uwonakor ウウォナコㇿ[u-ona-kor] 父子である、 uyupikor ウユピコㇿ 兄と弟または妹である、 usakor ウサコㇿ 姉と弟または妹である、 umatapakor/utureskor ウマタパコㇿ/ウトゥレㇱコㇿ 妹と兄である、 umatakikor ウマタキコㇿ 妹と姉である、 upokor ウポコㇿ 息子と父または母である。 {E: to be mother and child.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwante
ウワンテ 【自動】[u-w-an-te 互い・(挿入音)・ある・させる](?) 比べ合う(?)。 asinuma hoski tumutuy=an ya kimun kamuy hoski tumutuy ya, urametok uwante=an kusu kimun kamuy a=sikésanpare awa アシヌマ ホㇱキ トゥムトゥイアン ヤ キムン カムイ ホㇱキ トゥムトゥイ ヤ、 ウラメトㇰ ウワンテアン クス キムン カムイ アシケサンパレ アワ 私が先に力尽きるか熊が先に力尽きるか、 度胸比べをするために熊に後を追いかけさせたのに。(HK民話) {E: to mutually compare.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwanun
ウワヌン 【名】[u-w-anun 互い・(挿入音)・他人] 他人同士。 iteki uutari ka uwanun ka uwehosi uwehosi yaynu no イテキ ウウタリ カ ウワヌン カ ウウェホシ ウウェホシ ヤイヌ ノ 親戚同士でも他人同士でもバラバラに違った考えをせずに。(S独話) ☆対語 uutari ウウタリ 親族同士。 {E: mutual strangers.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwanunkopa
ウワヌンコパ 【自動】[u-w-anun-kopa 互い・(挿入音)・他人・…を…のように見る] 他人扱いする。 tapne motokor wa armoysam wa a=turá menoko ne kusu ika a=poutari uwanunkopa ukoyki na タㇷ゚ネ モトコㇿ ワ アㇻモイサㇺ ワ アトゥラ メノコ ネ クス イカ アポウタリ ウワヌンコパ ウコイキ ナ このようなことがもとで山向こうから連れて来た女なのだから、 どうか子どもたちよ、 他人扱いしていじめたりしないようにしなさいよ。(NK民話) {E: to deal with strangers.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwaste
ウワㇱテ 【自動】[u-w-as-te 互い・(挿入音)・立つ・させる](?) (植物が)繁殖する、 (人間でも)子孫が生まれてふえる。 nonno o wa ipeo wa pókor hi koraci aynu ka uwaste ノンノ オ ワ イペオ ワ ポコリ コラチ アイヌ カ ウワㇱテ (木が)花が咲いて実がなるのと同じように人間もふえていく。(S言い伝え) motoho anak sinep ne korka uwaste katu repun iworso atuyso ka wa uwaste hike néno aynu ne yakka usinnayno katkor モトホ アナㇰ シネㇷ゚ ネ コㇿカ ウワㇱテ カトゥ レプン イウォㇿソ アトゥイソ カ ワ ウワㇱテ ヒケ ネノ アイヌ ネ ヤッカ ウシンナイノ カッコㇿ 起源は一つであってもふえ方が沖の方、 海外から妻をめとってふえた者はそれなりに同じ人間であっても姿形が違っている。(S言い伝え) tapan yam e=carpa yakun oro wano yam sekor a=ye p uwaste yakne タパン ヤㇺ エチャㇻパ ヤクン オロ ワノ ヤㇺ セコㇿ アイェㇷ゚ ウワㇱテ ヤㇰネ あなたがこの栗をまけばそこから栗というものがふえていって。(W神謡語り) ☆参考 動物が繁殖することは uwatte ウワッテ。 {E: to breed; reproduce.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uweciw
ウウェチウ 【自動】[u-w-e-ciw 互い・(挿入音)・その頭・…にささる](?) (次の表現で)婚礼の…。 uweciw sake ウウェチウ サケ 婚礼の祝い酒。 tu to re to ne korka sake pirka wa, uweciw sake a=kor wa, orowano turano án=an トゥ ト レ ト ネ コㇿカ サケ ピㇼカ ワ、 ウウェチウ サケ アコㇿ ワ、 オロワノ トゥラノ アナン たった二、 三日だけれども酒が上等にできあがって、 私は婚礼の祝い酒をつくって、 それから彼女と一緒に暮らした。(HC民話) ☆参考 千歳の白沢ナベさんによれば、 酒がからくなったこと、 できあがったことを言う。 〔久辞典「祝言の」〕 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwecururse
ウウェチュルㇽセ 【自動】[u-w-e-curur-se 互い・(挿入音)・と一緒に(擬態の重複)ポロポロ・と言う](ポロポロと)集まってくる。 tek tuyka ta amam pus uwecururse テㇰ トゥイカ タ アマㇺ プㇱ ウウェチュルㇽセ (稲の穂摘みをしていると)手の上側に稲の穂が集まってくるようだ。(S) {E: to come together; gather.} (出典:田村、方言:沙流)
uwehosi
ウウェホシ 【副】[u-w-ehosi 互い・(挿入音)・からはずれて/まちがって](次のように二つ重ねて使って) uwehosi uwehosi ウウェホシ ウウェホシ それぞれ互いに違って、 てんでんバラバラに。 uwehosi uwehosi haweoka ウウェホシ ウウェホシ ハウェオカ めいめい違うことを言う(どれが本当かわからない)。(S) iteki…uwehosi uwehosi yaynu no, sine irenka kor yakne イテキ…ウウェホシ ウウェホシ ヤイヌ ノ、 シネ イレンカ コㇿ ヤㇰネ めいめい違った考えを持たずに、 皆同じ考え、 同じ意見を持てば。(S独話) {E: mutually different.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwehosino
ウウェホシノ 【副】[uwehosi-no (副詞形成)] 互いに異なって、 互いと反対に。 umurek ne korka uwehosino hotke ウムレㇰ ネ コㇿカ ウウェホシノ ホッケ 夫婦だけれど背中合わせに寝る。(S) {E: mutually different; opposite.} (出典:田村、方言:沙流)
uweinkar
ウウェインカㇻ 【自動】[u-w-e-inkar 互い・(挿入音)・と一緒に・見る](?) 透視/予見する、 見通す、 そこにないものや未来のことがらが見えてわかる。 aynuramat ne an pe tane a=ne kusu, kamuy siri ne uweinkar koraci inkar=an katu ene an hi アイヌラマッ ネ アン ペ タネ アネ クス、 カムイ シリ ネ ウウェインカㇻ コラチ インカラン カトゥ エネ アニ 私はもう人の魂になっているので、 神さながらに、 見えないことを見通すみたいに、 次のようなことが見えます。(W民話) poro a=yupi uweinkar nupur pe ne kusu siyeye utar oka kor motoho ye ポロ アユピ ウウェインカㇻ ヌプㇽ ペ ネ クス シイェイェ ウタㇻ オカ コㇿ モトホ イェ 私の長兄は見えないことを見通す霊力のある人なので病気の人々がいるとその原因を言い当てる。(NK民話) {E: to see through; foresee.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwekatayerotke
ウウェカタイェロッケ 【自動】[u-w-ekatayerotke 互い・(挿入音)・と仲が良い](=uwekatayrotke ウウェカタイロッケ)互いに仲がいい。 {E: to be on mutually good terms.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwekatayrotke
ウウェカタイロッケ 【自動】[u-w-ekatayrotke 互い・(挿入音)・と仲が良い](=uwekatayerotke ウウェカタイェロッケ) 互いに仲がいい。 {E: to be on mutually good terms.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwekotanne
ウウェコタンネ 【自動】[u-w-e-kotan-ne 互い・(挿入音)・と一緒に・村・である/になる] 同じ村の村人になる。 a=yuputari kotanu un p=an wa uwekotanne=an アユプタリ コタヌ ウン トゥパン ワ ウウェコタンネアン 私たちは(妻の父が死んでから妻の村を離れて)兄たちの村へ移って、 同じ村の村人になった。(NK民話) {E: to become a member of the same village.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwenupetne
ウウェヌペッネ 【自動】[u-w-e-nupetne 互い・(挿入音)・によって(?)/と共に・喜ぶ(?)] 互いになつかしがって喜ぶ。 {E: to be mutually joyed at meeting someone after a long time.} (出典:田村、方言:沙流)
uwepekennu
ウウェペケンヌ 【自動】[uwepeker-nu 話・を聞く] 事情をたずねる、 わけをたずねる、 くわしいことをたずねる。 “i=tura wenkur e=ne a p mak é=iki e=nispane?” sekor uwepekennu hi kusu 「イトゥラ ウェンクㇽ エネ アㇷ゚ マㇰ エイキ エニㇱパネ?」 セコㇿ ウウェペケンヌ ヒ クス 「あなたはおれと同じ貧乏人だったのにどうやって裕福になった?」と彼がたずねたから。(S民話) “somo nep ka a=erának pe isam ruwe ne ya?” sekor uwepekennu=an yak pirka 「ソモ ネㇷ゚ カ アエラナㇰ ペ イサㇺ ルウェ ネ ヤ?」 セコㇿ ウウェペケンヌアン ヤㇰ ピㇼカ 「何か心配なことはありませんか」とおたずねなさいませ。(NK民話) kanna suy uwepekennu=an yakne カンナ スイ ウウェペケンヌアン ヤㇰネ あなたがもう一度重ねておたずねになると。(NK民話) ☆参考 kowepekennu コウェペケンヌ [ko-uwepekennu](彼)に事情をたずねる。 ☆参考 一言で答えるような簡単なことを質問することは pisi ピシ。 {E: to ask, inquire about conditions, reaons, details.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwerankarap
ウウェランカラㇷ゚ 【自動】[u-w-e-rankarap 互い・(挿入音)・と共に・あいさつする] あいさつし合う(この場合、 昔の作法による正式のあいさつをすることを言う)。 a=ahúnte híne, orano a=onáutari tura uwerankarap, uweyayrenka kor oka=an アアフンテ ヒネ、 オラノ アオナウタリ トゥラ ウウェランカラㇷ゚、 ウウェヤイレンカ コㇿ オカアン 私は(奥様を)家の中へ通して、 それから(奥様は)私の両親とあいさつを交わし、 会えた喜びを言い合って(私たちは)いた。(W民話) ne onne kur, uwerankarap=an wa okake an kor, i=kouwepekennu ネ オンネ クㇽ、 ウウェランカラㇷ゚アン ワ オカケ アン コㇿ、 イコウウェペケンヌ その老人は、 あいさつの交換が終わると、 私に(次のように)たずねた。(NK民話) {E: to greet one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwerpak
ウウェㇾパㇰ 【副】[u-w-eirpak 互い・(挿入音)・と同時に](二人以上が)一緒に、 同時に(=uweirpak… ウウェイㇼパㇰ…)。 uwerpak hoyuppa=an ro ウウェㇾパㇰ ホユッパアン ロ 一緒に走ろう。(S) uwerpak sirepa=as ウウェㇾパㇰ シレパアㇱ (=uweirpak sirepa=as ウウェイㇼパㇰ シレパアㇱ)(別々に来て)同時に着いた。(S) ☆参考 uweirpak ウウェイㇼパㇰ を早く発音して i イ が落ちた形。 ウウェㇽパㇰ と発音する。 ☆参考 「同時に」というニュアンスをもった「一緒に」。 utura ウトゥラ は「相伴って、 連れ立って」というニュアンスの「一緒に」。 ☞uweirpak ウウェイㇼパㇰ、 utura ウトゥラ {E: at the same time; together (pl.).} (出典:田村、方言:沙流)
uwesukepne
ウウェスケㇷ゚ネ 【自動(?)】[u-w-e-sukep-ne 互い・(挿入音)・と共に・(?)・になる](?) 根に根が重なって出る、 根から根が出てくる。 wen kina patek uwesukepne wa hetukpa wa ene ku=kar hi ka isam ウェン キナ パテㇰ ウウェスケㇷ゚ネ ワ ヘトゥㇰパ ワ エネ クカリ カ イサㇺ 悪い草ばかり根から根が出て生えてきてどうしようもない。(S) {E: for roots to become tangled.} (出典:田村、方言:沙流)
uweyayram-ikasure
ウウェヤイラㇺイカスレ/ウウェヤイラミカスレ 【自動】[u-w-e-yay-ram-i-kasu-re 互い・(挿入音)・と共に・自分・心・人・にまさる・させる] 互いに負けずにする、 励み合ってする(「どっちも負けずにする、 働く、 お金もためる」)。(S) anun orke apa orke nep uwehosi arikikpa siri isam, uweyayramikasure アヌノㇿケ アパ オㇿケ ネㇷ゚ ウウェホシ アリキㇰパ シリ イサㇺ、 ウウェヤイラミカスレ 他人も親戚も皆本当に競い合ってよく働く、 「負け勝ちなしに、 ここの部落の人は働ききちがい、 働き道楽」。(S) {E: so as not to be mutually beaten; work hard together.} (出典:田村、方言:沙流)
uweyayrenka
ウウェヤイレンカ 【自動】[u-w-e-yay-irenka 互い・(挿入音)・と一緒に・自分・意向(を述べる)](?) ①互いに会えた喜びを言い合う、 会えた喜びのあいさつの言葉を言う、 互いに握手して再会を喜び合う。 uwesikarun ayne tanepo unukar=an, uweyayrenka=an ウウェシカルン アイネ タネポ ウヌカラン、 ウウェヤイレンカアン 会いたくて会いたくてやっと会えた、 ああなつかしいねえ。(S) a=onáutari tura uwerankarap, uweyayrenka アオナウタリ トゥラ ウウェランカラㇷ゚、 ウウェヤイレンカ (その奥様は)私の両親とあいさつし、 会えた喜びを言い合って。(W民話) ②(名詞として)会えた喜びのあいさつ(の言葉)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwokar-uwokarpa
ウウォカㇻウウォカㇻパ 【自動】[複](単の用例はない)[u-w-okar-uwokar-pa 互い・(挿入音)・に取って代わる(okari オカリ の語幹)・(重複)・[複]] 代わるがわるする。 uwokar-uwokarpa pak ウウォカㇻウウォカㇻパ パㇰ 代わるがわる。 néa irwakne utar uwokar-uwokarpa pak kanpar otuytuypa, carankepa ruwe ne ネア イㇼワㇰネ ウタㇻ ウウォカㇻウウォカㇻパ パㇰ カンパㇻ オトゥイトゥイパ、 チャランケパ ルウェ ネ その兄弟は代わるがわる口を動かし談判をした。(NK民話) {E: to take turns.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwokarpa
ウウォカㇻパ 【自動/副】[u-w-okar-pa 互い・(挿入音)・に取って代わる(okari オカリ の語幹)・[複]] ①[自動]代わるがわるする。 ②[副](次のように二度重ねて)交代交代で。 uwokarpa uwokarpa ci=mi ur ウウォカㇻパ ウウォカㇻパ チミ ウㇽ 私たちが交代交代で着る毛皮の外套。(S) páse na, uwokarpa uwokarpa se yan パセ ナ、 ウウォカㇻパ ウウォカㇻパ セ ヤン 重いから交代交代で背負いなさい。(S) {E: ①to take turns (v.). ②in turns (adv.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwokarpare
ウウォカㇻパレ 【他動(?)/自動(?)】[u-w-okarpa-re 互い・(挿入音)・に取って代わる・させる] 互いに交代する、 交代で…する(?)。 poro a=yupí kucakor kor a=saha a=turá kor pon a=yupí turano a=onáutari a=epúnkine ora, pon a=yupí a=turá wa kucakor=an kor poro a=yupí a=saha a=onáutari epunkine, uwokarpare hem ki, kucakor=an ruwe ne a p ポロ アユピ クチャコㇿ コㇿ アサハ アトゥラ コㇿ ポン アユピ トゥラノ アオナウタリ アエプンキネ オラ、 ポン アユピ アトゥラ ワ クチャコラン コㇿ ポロ アユピ アサハ アオナウタリ エプンキネ、 ウウォカㇻパレ ヘㇺキ、 クチャコラン ルウェネ アㇷ゚ 大きい兄が狩小屋に行くときは私は姉と一緒にいて小さい兄と一緒に父たちを守る、 そして小さい兄と私が一緒に狩小屋に行くときは大きい兄と姉が父たちを守る、 交代もして狩小屋に行っていたが。(NK民話) ☆参考 形の上では uwokarpa ウウォカㇻパ の使役形なので他動詞と予想されるが文脈から見ると使役の意味はなさそうである。 {E: to change places with; take turns with.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uwonakor
ウウォナコㇿ 【自動】[u-w-ona-kor 互いに・(挿入音)・父親・持つ] 父子関係にある。 uwonakor utar ウウォナコㇿ ウタㇻ/ウウォナコルタㇻ 父子、 父と息子。 uwonakor utar tura wa paye ウウォナコルタㇻ トゥラ ワ パイェ 息子に父親がついて行く。(S) ☆参考 同じ語構成の語の例:uunukor ウウヌコㇿ 母子である。 usakor ウサコㇿ 姉弟または姉妹である。 umatakikor ウマタキコㇿ 姉妹である。 upokor ウポコㇿ 親子(父と息子または母と息子)である。 umatnepokor ウマッネポコㇿ 父と娘または母と娘である。 {E: to be a father-child relationship.} (出典:田村、方言:沙流)
uwonuytasa
ウウォヌイタサ 【自動/副】[u-w-onuytasa 互い・(挿入音)・と交代する/して] ①[自動]行き違いになる。 hunak ta uwonuytasa=as-pa hi an un? フナㇰ タ ウウォヌイタサアㇱパ ヒ アヌン? 私たちどこで行きちがいになったのだろう? (S) ②[副]交互に、 代わり番に、 交代交代で。 uwonuytasa ukopasrota kor oka ウウォヌイタサ ウコパㇱロタ コロカ 彼らは交互に悪く言い合っている。(S) { ①E: to fail to meet each other. ②mutually; in turn.} (出典:田村、方言:沙流)
uworeciw
ウウォレチウ 【他動】[u-w-or-e-ciw 互い・(挿入音)・の所・で・ささる](?) [雅](着物)を重ねて着る。 pirka amip uworeciw pirka tamasay rekutuyruke pirka ninkari kisareokte iyepanu kane híne ピㇼカ アミㇷ゚ ウウォレチウ ピㇼカ タマサイ レクトゥイルケ ピㇼカ ニンカリ キサレオㇰテ イエパヌ カネ ヒネ [雅] 上等のきれいな着物を重ねて着、 美しい玉飾りを首に掛け、 美しい耳環を耳に通し、 頭飾り布を頭に巻いて(=死に装束をして)。(W民話) {E: to wear layers of clothing.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uworohokarinpa
ウウォロホカリンパ 【自動(?)/副詞(?)】互いに(?)。 (次の表現で) uworohokarinpa ukor ウウォロホカリンパ ウコㇿ 互いに結婚する。 yaymotoor erampewtekpa p, uworohokarinpa ukor wa orowano usipiraspa p ヤイモトオㇿ エランペウテㇰパㇷ゚、 ウウォロホカリンパ ウコㇿ ワ オロワノ ウシピラㇱパㇷ゚ 自分の系統がわからなくなった人たちが、 お互いに夫婦になって、 それから広がったもの。(S言い伝え) {E: mutually.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uworunu
ウウォルヌ 【他動】[u-w-or-unu 互い・(挿入音)・の所・につける](二枚の着物)を重ねて着る。 tu amip uworunu wa mi トゥ アミㇷ゚ ウウォルヌ ワ ミ 二枚の着物を重ねて着なさい。(S) {E: to wear two layers of clothing.} (出典:田村、方言:沙流)
uwowsi/uwousi
ウウォウシ 【他動】[u-w-o-usi 互い・(挿入音)・の尻・…に…をつける](二本の紐など)をつなぐ、 (短いもの)を二つつないで長くする。 nuyto tuy ciki uwowsi yan ヌイト トゥイ チキ ウウォウシ ヤン 糸が切れたらつなぎなさい。(W) ☆参考 馬などを木などにつなぐことは kote コテ[複他動]、 sirkote シㇼコテ[他動]。 {E: to link, join…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
uyayukte
ウヤユㇰテ 【他動】[u-yay-uk-te 互いに・自分を・取る・させる] 恋愛結婚する。 Taro Hanako uyayukte ruwe un タロ ハナコ ウヤユㇰテ ルウェ ウン 太郎と花子が恋愛結婚したんですよ。(S) eani usa hunna turano eci=uyáyukte oasi? エアニ ウサ フンナ トゥラノ エチウヤユㇰテ オアシ? あなたもだれと恋愛結婚するの? (S) ☆参考 ただ「結婚する」ことを言うには最も普通には ukor ウコㇿ と言い、 「結婚させる」ことは Taro a=koré タロ アコレ《(娘を)太郎のところにやった》のように言う。(S) {E: to marry in love.} (出典:田村、方言:沙流)
uyruke
ウイルケ 【複他動】[uyru-ke …に位置する・(他動詞化)](語構成要素として)…を…(場所)につける/位置せしめる。 rekutuyruke レクトゥイルケ[rekut-uyruke のど・…を…に位置せしめる](玉の首飾り tamasay タマサイ)を首にかける。 ☆参考 独立の動詞としては未出。 (出典:田村、方言:沙流)
wa 3
ワ 【終助】①…わ、 …よ(会話で話しかけのニュアンスを与える)。 pirka wa ピㇼカ ワ いいよ、 いいわよ。 kuni ku=ramu kor k=ek ruwe ne wa クニ クラム コㇿ ケㇰ ルウェ ネ ワ 私はそう思いながら来たのよ。(S会話) ②(慣用的な言い方で、 あきれやとがめの表現、 しばしば反語になる。)humi iki wa フミ イキ ワ (音に関して。) nákatune humi iki wa apa ruttektek ナカトゥネ フミ イキ ワ アパ ルッテㇰテㇰ なんてことしてるんだ、 戸をガジーンとしめて(急に強く押して大きな物音を立てたことをとがめている)。(S) hawe iki wa/haw ne wa ハウェ イキ ワ/ハウ ネ ワ (言葉に関して。) kasusne hawe iki wa! カスㇱネ ハウェ イキ ワ! (直訳すると)どうってこともないことを言っている=大変なことを言って来た(反語的な言い方)。(S) nákatune en=montapire haw ne wa! ナカトゥネ エンモンタピレ ハウ ネ ワ! まあ、 どうしてそんなに急がせるの。(S) {E: ①a particle that indicates speaker's conviction or assertion. ②…} m (出典:田村、方言:沙流)
wano
ワノ 【格助】[wa-no から・(副詞語尾)](起点を示す。)(場所/時)…から。 toop Karapto wano トオㇷ゚ カラㇷ゚ト ワノ はるか遠い樺太から。(S言い伝え) otuymasirun wano ku=hotku kane wa k=ek オトゥイマシルン マノ クホック カネ ワ ケㇰ 私はずいぶん遠い所からかがんで来た。(S) núman wano tanto pakno ヌマン ワノ タント パㇰノ きのうから今日まで。 té wano テ ワノ これから(今から)。 té wano anak somo néno iki=an kusu ne na テ ワノ アナㇰ ソモ ネノ イキアン クス ネ ナ もうこれからはあんなことはしませんから。(W民話) poni wano ポニ ワノ 小さい(幼い)ときから。 hemtomani wano ヘㇺトマニ ワノ このごろから、 最近。(W民話) ☆参考 場所については wa ワ が多く使われ、 時についてはほとんどの場合 wano ワノ が使われる。 場所の場合は wa ワ と wano ワノ はほぼ同義だが、 wano ワノ のほうがよりはっきりとした表現になる。 ☞wa ワ 1 {E: from…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wen 1
ウェン 【自動】①悪い、 粗末である、 だめである、 だめになる。 wen cise ウェン チセ 粗末な家。 wen itak ウェン イタㇰ(発音は ウェヌ イタㇰ)悪い言葉。 wen kewtum ウェン ケウトゥㇺ 悪い心/根性。 wen kamuy ウェン カムイ ☞wenkamuy ウェンカムイ。 kewtumu wen ケウトゥム ウェン 心/気立て/根性が悪い。 …yak wen …ヤㇰ ウェン …するといけない。 …yakka wen …ヤッカ ウェン …してもだめである(効果がない)。 … ray wen ray ki トゥ ライ ウェン ライ キ ひどい死に方で死んでしまった(川上男と川下男の民話の結末によく出てくる表現)。(S民話) sir-wen シㇼウェン(発音は シㇽウェン)天気が悪い。 ②亡くなる(婉曲表現)。 wen oruspe ek ウェノルㇱペ エㇰ 死んだという便りが来た。(S) wen nisa ruwe ne sekor haw as ウェン ニサ ルウェ ネ セコㇿ ハワㇱ いけなかった(=もう死んだ)という話だ。 (注 「捨てことば(ぞんざいな言葉)ではない。」 (S) ☆参考 直接的に「死ぬ」という語は ray ライ、 ほかに婉曲表現として isam イサㇺ《亡くなる》、 mosiroppa モシロッパ《世を去る》など。) ③[自動詞語根](限られた語の構成要素として)貧しい。 wenkur ウェンクㇽ 貧乏人。 weysisam ウェイシサㇺ[< wen-sisam]貧しい和人。 (注 wenaynu ウェナイヌ は《悪人、 悪党》。) (注 「貧しいおばあさん」は wenkur húci ウェンクㇽ フチ。) ☆対語 pirka ピㇼカ よい。 {E: ①to be, become bad, no good; ②to pass away; ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
Wenarasarus
ウェナラサルㇱ 【名】[turesihi a=rayke wa ウェナラサルㇱ トヤラサルㇱ オロ ワ トゥレシヒ アライケ ワ とんでもなく悪いけもののばけもの、 とんでもなくひどいけもののばけものに妹を殺されて。 (W神謡K) (出典:田村、方言:沙流)
wenkur
ウェンクㇽ 【名】[wen-kur 悪い/貧しい・人] 貧乏人。 wenkur umurek ウェンクㇽ ウムレㇰ 貧乏人夫婦、 貧しい夫婦。 wenkur húci ウェンクㇽ フチ 貧しい老婦人。 (注 wen húci ウェン フチ は《だめなおばあさん》)。 ☆参考 isram イㇱラㇺ/isramne イㇱラㇺネ 貧しい。 ikoytupa イコイトゥパ (貧しくて)ものに不自由している。 {E: a poor person.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenpenramkor
ウェンペンラㇺコㇿ 【自動】[wen-penram-kor 悪い・胸・を持つ] 肺病(=肺結核)である/になる。 {E: to have a lung disease (pulmonary tuberculosis, T.B.).} (出典:田村、方言:沙流)
weysanpekor
ウェイサンペコㇿ 【自動】[wen-sanpe-kor 悪い・心・を持つ] 悪い心を持つ、 心が悪い、 根性が悪い。 ☆参考 wenkewtumkor ウェンケウトゥㇺコㇿ《気性が悪い》とも言う。 wenpurikor ウェンプリコㇿ は《行い/素行が悪い、 悪い事をする》。 {E: to be bad natured.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wo 2
ウオ 【名】親指と人差指を広げてそれぞれの先の間の長さ、 約5寸(15センチ)。 henpak wo an ya, wo wa nukar ヘンパㇰ ウォ アン ヤ、 ウォ ワ ヌカㇻ 何ウオあるか、 計ってみなさい。(S) tu wo pakno an トゥ ウォ パㇰノ アン 2ウオ(=1尺、 30センチ)ほどある。(S) ☆参考 このほか、 親指と中指を広げた先の長さを síwo シウォ《大きいウオ》と言い、 親指の先と節の間の長さを ik イㇰ と言う。 5イクが1ウォ。 これらは裁縫に使われた長さである。 一方、 長い所を計るのには両腕を広げた長さ tem テㇺ が使われた。 {E: the distance between the outstretched thumb and forefinger as a unit of length, about 15 cm.} (出典:田村、方言:沙流)
woruncikap
ウオルンチカㇷ゚ 【名】[wor-un-cikap 水の中・にいる・鳥][動物] 水鳥。 ☆参考 海の鳥は atuy or un cikap アトゥイ オルン チカㇷ゚/アトゥヨルン チカㇷ゚ {E: a water bird.} (出典:田村、方言:沙流)
yaani
ヤアニ 【副】[yáni ヤニ《もう少しで…するところ》の強調形]ほとんど…しそう、 もう少しで…するところだ/だった。 ku=cinita wa yaani a=en=tustekka クチニタ ワ ヤアニ アエントゥㇱテッカ 私はうなされてもう少しで気が遠くなりそうだった。(S) {E: almost; nearly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yáetaye
ヤエタイェ 【自動】[ya-etaye 網・を引く] 網を引く(魚をとるため)、 網を引いて魚をとる。 pis ta ani yáetaye=an tus ピㇱ タ アニ ヤエタイェアン トゥㇱ 浜で網を引くための綱。(S) ☆発音 サダモさんは yaytaye ヤイタイェ と発音する。 ☆参考 yáetaye ヤエタイェ は枕ことばのようなもの。 このように言うことによって韻律が整う。 {E: to pull a net (to catch fish).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yak 3
ヤㇰ 【接助】①…すれば、 …すると(帰結としては「よい」「悪い」「望ましいことが起こる」「ありがたい」「困ったこと/恐ろしいことが起こる」などを表す表現がくる)。 hoskino mukar ani tuye wa ora noko ani hóse, yak horak kusu ne na ホㇱキノ ムカㇻ アニ トゥイェ ワ オラ ノコ アニ ホセ、 ヤㇰ ホラㇰ クス ネ ナ 初めにまさかりで切ってそれからのこぎりでひきなさい、 そうすれば倒れるから。 sekor an menoko ta kamuy menoko ne yak a=kor oka! セコラン メノコ タ カムイ メノコ ネ ヤㇰ アコㇿ オカ! あのような女が女神であれば結婚するのになあ。(S言い伝え) eytasa e=cis yak/wenkamuy patek/e=eramasu エイタサ エチㇱ ヤㇰ/ウェンカムイ パテㇰ/エエラマス あなたがあまり泣くと悪い神ばかりがお前を好きになる。(S子守歌) yak pirka ヤㇰ ピㇼカ …するとよい、 …するほうがよい、 …するがよい(上の人から下の人への命令表現の一種)。 tono e=sak pe ne ciki i=or ta e=henoye yak pirka トノ エサㇰ ペ ネ チキ イオッタ エヘノイェ ヤㇰ ピㇼカ 和人のお得意様がないのならわれわれの所に立ち寄るがよい。(S民話) yak pirka p ヤㇰ ピㇼカㇷ゚ …すればいいのに/…すればよかったのに。 yak wen ヤㇰ ウェン …するといけない/よくない。 yak easir pirka ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …しなければいけない。 sekor icarpa=an yak easir pirka セコㇿ イチャㇻパアン ヤㇰ エアシㇼ ピㇼカ …と言って供物まき(供養)をしなければいけない。(W民話) ②(帰結に願望「…したい」や提案「…しよう」が来るとき)…して。 nen ka ta a=kar yak a=rayke oka! ネン カ タ アカㇻ ヤㇰ アライケ オカ! なんとかして殺したいものだなあ! (S民話) a=o yak a=seske ro アオ ヤㇰ アセㇱケ ロ (土を)入れてうめよう。(S) ☆参考 yakne ヤㇰネ と同義。 yakne ヤㇰネ と yak ヤㇰ の使い分けは、 リズムによる。 ゆっくり話し、 条件の部分を言って一呼吸おくようなときは yakne ヤㇰネ を使い、 早い調子でどんどんしゃべっているときは yak ヤㇰ を使う。 また、 歌などの韻文では音節数の都合でどちらかが選ばれることもある。 {E: ①if, when ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yan 1
ヤン 【自動】[単](複は yap ヤㇷ゚)[ya-n 陸・(移動の自動詞単数形を形成する接尾辞)] 陸/岸に上がる、 北海道へ行く/来る/帰る。 {E: to land on shore; go to, come to, return to Hokkaido.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yáni 1
ヤニ 【副】ほとんど…する、 もう少しで…するところ。 危うく…するところだ。 yáni ray ヤニ ライ ほとんど死にそうになる。 ku=cinita wa yáni a=en=tustekka クチニタ ワ ヤニ アエントゥㇱテッカ うなされてもう少しで気が遠くなる所だった。(S) ☆参考 強調形 yaani ヤアニ の形でよく使われる。 {E: nearly; almost.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yante
ヤンテ 【他動】[自動使役] [yan-te (一人が)陸に上がる・させる](一人)を陸に上がらせる、 (一人)を海の向こうから北海道へ行かせる/帰らせる。 pótonoke yante ruwe ne yak a=ye ポトノケ ヤンテ ルウェ ネ ヤカイェ (あなたの奥方が海の向こうから)若君をこの地に来させたのだそうです。(W神謡語り) {E: to make…land, go ashore; make…go, return to Hokkaido (sg.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yap
ヤㇷ゚ 【自動】[複](単は yan ヤン)[ya-p 陸・(複数形形成)](二人/二つ以上が)陸/岸に上がる、 北海道に行く/来る/帰る。 {E: to land, go ashore; go to, come form, return to Hokkaido (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yapte
ヤㇷ゚テ 【他動】[自動使役][複](目的語複数。 単は yanke ヤンケ、 yante ヤンテ)[yap-te (二人以上が)陸に上がる/岸に着く・させる] ①(二人以上/二つ以上)を陸/岸に上げる/着ける/上がらせる、 北海道へ行かせる/来させる/帰らせる、 …を水の中から舟の中へ上げる。 okkaypo utar/[u]cípo ki wa/cepkoyki kane/otu cépikir/ore cépikir/[u]cíp onnay un/[u]yapte kane オッカイポ ウタㇻ/[ウ]チポ キ ワ/チェㇷ゚コイキ カネ/オトゥ チェピキㇼ/オレ チェピキㇼ/[ウ]チポンナユン/[ウ]ヤㇷ゚テ カネ 男たちが魚とり(注:おそらく鮭漁)をしてたくさんの魚を舟の中へ上げて。 (W神謡K) ②(鍋など)を火からおろす(「あげる」)、 (火にかかった鍋の中のもの)を取り出して外に置く。 ③(もの)を台の上などへ上げる。 cikap kam suwe wa yapte a yapte a wa anu wa ora… チカㇷ゚ カㇺ スウェ ワ ヤㇷ゚テ ア ヤㇷ゚テ ア ワ アヌ ワ オラ… 鳥の肉を煮て鍋からたくさん取り出しておいて…。(S) ☆参考 単数形 yan ヤン に対しては他動詞 yanke ヤンケ と使役形 yante ヤンテ の両方の形があるが、 複数形 yap ヤㇷ゚ に対してはこの yapte ヤㇷ゚テ だけしかなく、 この語一つが、 yanke ヤンケ と yapte ヤㇷ゚テ の両方に対する目的語複数の形として機能する。 {E: ①to make…land, ascend. ②to make…take a pot off a fire. ③to make…put…on a stand. (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yar 1
ヤㇻ 【自動】すり切れる。 yar-tanpi ヤッタンピ ぼろたび(=yattanpi ヤッタンピ)。 yar-pe ヤㇻペ ぼろ、 おむつ(=yarpe ヤㇻペ)。 ☆参考 「切れる」ことは tuy トゥイ、 「破れる」ことは perke ペㇾケ、 「裂ける」ことは yaske ヤㇱケ、 着物がボロボロに破れてあちこち切れ端がぶら下がっていることは ositrasitra オシッラシッラ。 {E: to wear out.} (出典:田村、方言:沙流)
yarpok
ヤㇻポㇰ 【名】[概](所は yarpokke ヤㇻポッケ)[yar-pok (?)・下] 脇、 胸の横の部分。 (yátupok ヤトゥポㇰ《脇の下》の下、 あばら(肋)のところまで。) {E: the flanks, the sides of the chest.} (出典:田村、方言:沙流)
yas
ヤㇱ 【自動】流し網をする。 heta, yas=an ro sekor a=en=siren hi kus kú=itura wa yas=as akus cep rep ka ci=rayke ヘタ、 ヤサン ロ セコㇿ アエンシレニ クㇱ クイトゥラ ワ ヤサㇱ アクㇱ チェㇷ゚ レㇷ゚ カ チライケ さあ、 流し網に行こうとさそわれたのでついて行って流し網をしたら鮭を三匹も殺した(=鮭が三匹もとれた)。(S) ☆参考 「舟二そうで四人組んでやる、 とも(舟の後部)を川下へ向けて二そうを平行に並べる、 二人がそれぞれの舟のへさき(舟の前部)に立って一つの網を二そうの間に広げて持ち、 二人がともにいて川下へ向けてこいでいく、 網に魚(鮭)が入ったら網を上げる、 何回か川下へ行っては川上へ上り、 一晩に五、 六十本もとることもある。」 (S) {E: to cast a net across a river between two boats.} (出典:田村、方言:沙流)
yasa
ヤサ 【他動】[単](複は yaspa ヤㇱパ)[yas-a(擬音の語根)・(他動詞形成)](布、 紙、 木等)を裂く、 …を破る(ビリッ/バリッと)。 ☆参考 自動詞は yaske ヤㇱケ。 ☆参考 parpa ペㇾパ …を割る、 tuye トゥイェ …を切る、 petu ペトゥ …を細く切る/裂く、 mesu メス …をもぐ/はがす。 {E: to tear, rip…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaske 1
ヤㇱケ 【自動】[yas-ke (裂く/裂けることを表す擬音の語根)・と言う/となる(自動詞形成)] 裂ける。 suma ani a=kar yakun meske yakka yaske yakka ukotuk ka eaykap スマ アニ アカㇻ ヤクン メㇱケ ヤッカ ヤㇱケ ヤッカ ウコトゥㇰ カ エアイカㇷ゚ (人間を)石でつくったら欠けても裂けてもくっつくことができない。(S言い伝え) ☆参考 {E: to tear.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayaspirkare
ヤヤㇱピㇼカレ 【自動】[yay-as-pirka-re 自分・立つ・美しくなる・させる][雅]立つ。 pet tuyka ta/horawociwe/yayaspirkare ペッ トゥイカ タ/ホラウォチウェ/ヤヤㇱピㇼカレ [雅]空から川の岸辺におりて来て立った。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaycire
ヤイチレ 【自動】[yay-ci-re 自分を・やける・させる](自分で)やけどする。 sitohu ku=kotuk wa ku=yaycire シトフ クコトゥㇰ ワ クヤイチレ (私は)ストーブにさわってやけどした。(W) {E: to burn, scald oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
yayeossiwen
ヤイェオッシウェン 【自動】[yay-e-ossi-wen 自分・で・心の中・悪い]「意地が悪い」(=素直でない)。 (S) yayeossiwen kus kopan, pirka uske wa a=en pe oraun ヤイェオッシウェン クㇱ コパン、 ピㇼカ ウㇱケ ワ アエトゥン ペ オラウン 「意地が悪い」(=素直でない)のでいやがる、 いいところから(嫁を)もらいに来るのに。(S) ☆参考 素直でないこと、 ひねくれていることか。 {E: to be unkind.} (出典:田村、方言:沙流)
yayerampewtek
ヤイェランペウテㇰ 【自動】[yay-erampewtek 自分・がわからない] ①意識を失う、 意識がない、 人事不省になる。 uneno yayerampewtek wa an ruwe ne ウネノ ヤイェランペウテㇰ ワ アン ルウェ ネ 相変わらず意識不明のままです。(NK民話) ②何もわからない、 「ばかになった」。(S) ☆参考 aryayerampewtek アㇻヤイェランペウテㇰ 全く意識がなくなる/ない。 ☆参考 noytek ノイテㇰ 急にフラッと倒れる(気を失なって、 死んで)。 noykosanpa ノイコサンパ 急にフラッと倒れる、 急死する。 yaynutunnu ヤイヌトゥンヌ フラフラッとなる、 気が遠くなる。 ekonramu sitne kane tának kane エコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ 夢うつつで(ある)、 意識がもうろうとして(いる)。 {E: ①to lose consciousness. ②to know nothing; become a fool.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayeyamno
ヤイェヤㇺノ 【副】[yay-eyam-no 自分・を大切にする・(副詞形成)] 気をつけて、 お大事に。 yayeyamno arpa ヤイェヤㇺノ アㇻパ 気をつけて行きなさい。 ☆参考 別れるときに送るほうの人がよく言う言葉の一つ。 地域によりまた人によって同じことを yayitupareno arpa ヤイトゥパレノ アㇻパ《気をつけて行きなさい》、 apunno arpa アプンノ アㇻパ《無事に行きなさい》とも言う。 {E: take care, look after yourself (leave-taking).} (出典:田村、方言:沙流)
yayhonokka
ヤイホノッカ 【自動】勉強する。 ☆参考 サダモさんは言うがワテケさんは言わない、 沙流川すじの他の人からも聞かない。 {E: to study.} (出典:田村、方言:沙流)
yayirayke
ヤイライケ 【自動】感謝する、 お礼を言う。 ☆発音 yayrayke ヤイライケ《自殺する》とは発音が違う。 yayi ヤイ は二音節で、 yi イ の部分を高く発音する。 しかし人称接頭辞やその他の接頭辞がついてアクセント核が前の音節の移ると(つまり、 ya ヤ の部分が高くなると)、 早く言うときにはしばしば i が落ちて、 ku=yayrayke クヤイライケ のように、 《自殺する》と同じ発音になる。 {E: to express one's thanks, gratitude.} (出典:田村、方言:沙流)
yayiraykeitak
ヤイライケイタㇰ 【名】お礼の言葉。 {E: words of thanks, gratitude.} (出典:田村、方言:沙流)
yayirwakikor
ヤイㇼワキコㇿ 【自動】[yay-irwaki-kor 自分・兄弟[所]・持つ] 男の子が一人だけである、 男の兄弟がいない。 yayirwakikor sineturesnu ヤイㇼワキコㇿ シネトゥレㇱヌ [雅](「普通の言葉でも言う、 いい言葉。」) (本人は男で)男兄弟がなく妹が一人ある。(S) sonno yayirwakikor utari ka isam wa k=érampokiwen ソンノ ヤイㇼワキコㇿ ウタリ カ イサㇺ ワ ケランポキウェン 本当に男の子たった一人で親戚もなくて私はかわいそうに思っている。(S) ☆発音 ヤイㇽワキコㇿ。 yi イ の部分を高く発音する。 {E: to be an only boy, without brothers.} (出典:田村、方言:沙流)
yayirwakikor
ヤイㇼワキコㇿ §022.きょうだい(兄弟姉妹)(11)yay-irwaki-kor〔ja-ír-wa-ki-kor ヤいㇼワキコㇿ〕⦅ホロべツ、サル⦆男の兄弟は自分だけで他にはない。[yay(自分を)+irwaki(その兄弟に)+kor(もつ)]。〜sine-tures-ne「男の兄弟は自分だけで妹一人ある」⦅ホロべツ:ユ研Ⅱ, p.733⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
yayiyaykuste
ヤイヤイクㇱテ 【自動】疲れきる、 息もできないほどすっかり疲れる。 ehutturasi ku=hemesu a ku=hemesu a ayne earkinne ku=yayyaykuste エフットゥラシ クヘメス ア クヘメス ア アイネ エアㇻキンネ クヤイヤイクㇱテ 私は急な坂道をのぼってのぼってすっかりくたびれた(ku=yayiyaykuste クヤイヤイクㇱテ が、 アクセントの関係で yi イ の部分が弱まり、 i が落ちた)。(S) ☆発音 yi イ の部分を高く発音する。 しかし、 接頭辞がついてアクセント核が前に移ると(つまり、 語頭の ya ヤ の部分が高くなると) i が落ちることも多い。 {E: to be tired; exhausted.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykarkar
ヤイカㇻカㇻ 【自動】[yay-karkar 自分・…をきれいに整える] きちんと身なりを整える、 いずまいを正す。 ☆参考 テープでは yayakarkar ヤヤカㇻカㇻ と発音しているが、 そのときの舌のもつれによる言いそこないらしい。 千歳の白沢ナベさんによればそれはまちがいで、 yaykarkar ヤイカㇻカㇻ が正しい。 {E: to correct one's posture, appearance.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykipniwkes
ヤイキㇷ゚ニウケㇱ 【自動】[yay-kipniwkes 自分を・命を助ける] 命を惜しく思う、 難を逃れる。 e=yaykipniwkes ciki nasno kira エヤイキㇷ゚ニウケㇱ チキ トゥナㇱノ キラ いのちが惜しいなら早く逃げなさい。(S) ☆参考 連他動詞 kip niwkes キㇷ゚ ニウケㇱ に yay- ヤイ が接頭して一語になったもの。 ☞kip niwkes キㇷ゚ ニウケㇱ {E: to run away from danger, difficulties; to value one's life.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykohosipi
ヤイコホシピ 【自動】[yayko-hosipi ちょっと・もどる]ちょっともどる(忘れものを取りになど)。 {E: to return, to retrieve (something left behind).} (出典:田村、方言:沙流)
yaykomismu
ヤイコミㇱム 【自動】[yayko-mismu 一人で・さびしい] 一人ぼっちだ(大人でも子どもでも)。 nen ka tura wa sinot pe ka isam wa yaykomismu ネン カ トゥラ ワ シノッ ペ カ イサㇺ マ ヤイコミㇱム だれも一緒に遊ぶ者がいなくて一人ぼっちでいる。(S) ☞mismu ミㇱム {E: to be alone (adults or children).} (出典:田村、方言:沙流)
yaykoranke
ヤイコランケ 【他動】[yay-ko-ranke 自分・に・…を落とす] または [yayko-ranke 一人で・…を落とす](次の慣用句の中で)(涙)を流す。 tu pekennupe/re pekennupe/yaykoranke トゥ ペケヌンペ/レ ペケヌンペ/ヤイコランケ[雅] 二しずくも三しずくもの涙を流す=ハラハラとたくさん涙を流す。(KK叙情詩) {E: to drop; (tears).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykorpare
ヤイコㇿパレ 【他動】[yay-korpare 自分・に与える[複]](直訳すると)(二つ以上のもの)を自分に与える。 (次の決まった言い回しの中で) kewtum yaykorpare ケウトゥㇺ ヤイコㇿパレ …な気持ちを持つ。 hotasnu kewtum koohana ne yakka ku=yaykorpare ホタㇱヌ ケウトゥㇺ コオハナ ヤッカ クヤイコㇿパレ 気がかりな気持ちに自分のようなものでもなった。(W会話) iruska kewtum a=yaykorpare イルㇱカ ケウトゥム アヤイコㇿパレ 私はいやな/腹立たしい/なさけない気持ちになった。(W民話)ほか {E: to give…to oneself; have the feeling of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykoruska
ヤイコルㇱカ 【他動】[yayko-ruska 一人で・…を腹立たしく思う][雅]自分の心に…を腹立たしく思う。 ci-yaykokemnu/ci-yaykoruska/apiskatu apiska/a=ekárkar kusu チヤイコケムヌ/チヤイコルㇱカ/アピシカトゥ アピシカ/アエカㇻカㇻクス (私はその子の素性を見ると)かわいそうにも思い腹立たしくも思ったので。 (W神謡K) {E: to do one's own thing.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykoruye
ヤイコルイェ 【他動】[yay-ko-ruye 自分・に・…をなでる] …をだきしめて愛撫する/かわいがってなでる。 reyereye=an híne a=onáha sama ta arpa=an akusu orowano i=yaykoruye, otusuykonna oresuykonna i=yaykoruye レイェレイェアン ヒネ アオナハ サマ タ アㇻパアン アクス オロワノ イヤイコルイェ、 オトゥスイコンナ オレスイコンナ イヤイコルイェ 私がはって父のそばに行くと父は私をだきしめてなで、 何回も何回もなでてくれた。(W民話) {E: to caress, stroke, pet…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykosiramsuye
ヤイコシラㇺスイェ 【自動】考える。 ☆参考 本来は、 単数形は簡単なことをちょっと考えること、 複数形はいろいろと頭をめぐらしてよく考えることらしい。 しかし沙流川下流のワテケさん、 サダモさんは、 日常語ではいつも複数形(次項)を使い、 単数形は自分からは使わなかった。 ☆参考 雅語には yaykotuyma siramsuye ヤイコトゥイマ シラㇺスイェ がある。 ☆参考 他動詞は eyaykosiramsuye エヤイコシラㇺスイェ。 {E: to think, consider.} (出典:田村、方言:沙流)
yaykotaci
ヤイコタチ 【他動】[yay-kotaci 自分・に…をぬりつける] 自分に…をぬりたくる。 nep wa an pe yaykotaci ruwe ne wa kamiasi néno katuhu an ネㇷ゚ ワ アン ペ ヤイコタチ ルウェ ネ ワ カミアシ ネノ カトゥフ アン (その娘は)何かへんなものを体にぬりたくってばけもののようなへんな姿をしていた。(NK民話) ☞kotaci コタチ {E: to smear, lavish oneself with…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaykoyupu
ヤイコユプ 【他動】[yay-ko-yupu 自分・に・…をきつく締める](ひも)を自分にギュッと締める。 káne pon kasa/kasa rantupep/a=yaykoyupu カネ ポン カサ/カサ ラントゥペㇷ゚/アヤイコユプ [雅]私は金(かね)の小さな笠のたれひもをギュッと締めた。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaymakaraye
ヤイマカライェ 【自動】[yay-maka-raye 自分を・浜手から山手の方へ・行かせる] 浜の仕事から帰る。 {E: to return from work on the coast.} (出典:田村、方言:沙流)
yaymakasipi
ヤイマカシピ 【自動】[yay-maka-sipi 自分を・奥へ・もどす] ヒョッと帰ってしまう。 {E: to return by chance.} (出典:田村、方言:沙流)
yayosipi
ヤヨシピ 【自動】[yay-o-sipi 自分・その尻・をもどす] 逆向きになる(風が)。 {E: for a wind to turn and blow from the opposite direction.} (出典:田村、方言:沙流)
yayotapkar-eciwitara
ヤヨタㇷ゚カレチウイタラ 【自動】[yay-o-tapkar-e-ciw-itara 自分・その尻(?)・踏舞・で・にささる・…した状態が続いている][雅]踏舞(両手を広げて斜め前にかざし一歩一歩進んでいく舞い)を続けている。 ☆参考 同じことを表すのに、 otu tapkanru ore tapkanru ukakuspare オトゥ タㇷ゚ カンル オレ タㇷ゚カンル ウカクㇱパレ など、 他の言い方もある。 ☞tapkar タㇷ゚カㇻ {E: to repeat a dance over and over.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayrarire
ヤイラリレ 【他動】[yay-rari-re 自分・を押えつける・させる] seturu kasi yayrarire セトゥル カシ ヤイラリレ [慣用句](直訳すると)彼の背中の上を押えつける=彼のあとにピタッとくっつく(他家を訪問するときに、 一人のあとからもう一人がすぐ続いて入る様子の描写、 まだ世なれていない若者の不安な気持ちを表す)。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayrekutpoye
ヤイレクッポイェ 【自動】[yay-rekut-poye 自分の・のど・をかきまわす] のどに指をつっこんで吐くようにする。 eatu, yayrekutpoye wa eatu エアトゥ、 ヤイレクッポイェ ワ エアトゥ 吐きなさい、 のどに指をつっこんで押えて吐きなさい。(S) {E: to poke one's fingers down one's throat so as to vomit.} (出典:田村、方言:沙流)
yaysamanena 1
ヤイサマネナ 【名】[yay-sama-ne-na 自分・(< の側)・だ・よ] ヤイサマ、 即興歌、 叙情歌、 民謡(歌謡のジャンル名の一つ。 心に浮かんだことを韻文にして自分のふしで歌う即興詩(即興歌)の中で、 yaysamanena ヤイサマネナ というはやし言葉を持つもの)。 ☆参考 沙流川下流地域で使われる名称。 中流の人は yaysama ヤイサマ と言う。 ☞yaysama ヤイサマ {E: an impromtu song; a folk song.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yaysiporore
ヤイシポロレ 【自動】[yay-si-poro-re 自分・自分・大きくなる・させる] がまんする、 大人ぶる、 「様子ぶる」、 (今の若者の言い方では)かっこつける。 yaysiporore wa arka yak ye ka somo ki ヤイシポロレ ワ アㇻカ ヤㇰ イェ カ ソモ キ (彼は)がまんして痛いとも言わない。(S) éno p ne korka yaysiporore wa somo e siri エノㇷ゚ ネ コㇿカ ヤイシポロレ ワ ソモ エ シリ (彼はそれを)いつも好きでよく食べるのだが(今は)「様子ぶって」食べないのだ。(S) {E: to put up, have patience with; to act mature than one's age..} (出典:田村、方言:沙流)
yayterkere
ヤイテㇾケレ 【他動(?)/自動(?)】[< yay-o-terke-re 自分・そこ・を跳ぶ・させる][雅](そこ)を(走って)進んで行く。 epa=kor cási/kopakke sama/a=yaytuyere/a=yayterkere エパコㇿ チャㇱ/コパッケ サマ/アヤイトゥイェレ/アヤイテㇾケレ [雅]私の城の方に向かって私はまっすぐに進んでいった。(Sユーカラ) ☆参考 字余りのために母音 o を落として1音節減らしたものか。 ☆参考 yayoterkere ヤヨテㇾケレ ならば他動詞。 yayterkere ヤイテㇾケレ は形の上では自動詞であるが、 雅語では、 terkere テㇾケレ《跳ばす、 走らせる》が他動詞であるため、 yay- ヤイ がついても不定人称接辞は他動詞につく a= ア が使われる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yayunaske
ヤユナㇱケ 【自動】[yay-unaske 自分・(?)] 頼まれたことを断わる、 辞退する、 願ったりあやまったりして要求を撤回してもらおうとする。 nen yayunaske=an yakka i=tura eyaytupa ネン ヤユナㇱケアン ヤッカ イトゥラ エヤイトゥパ 何と言って断っても(彼は)私と一緒に行きたいと言って聞かない。(HC民話) ☆参考 他動詞は eyayunaske エヤユナㇱケ。 {E: to refuse; decline.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yéhe
イェヘ 【名】[所](概は ye イェ) …のうみ(膿、 「のう」)。 yéhe nunpa wa tusare イェヘ ヌンパ ワ トゥサレ うみをしぼって治しなさい。(W) {E: the pus of…} (出典:田村、方言:沙流)
yesu
イェス §008.老翁(7)yesu〔jé-su いぇス〕⦅シラウラ⦆【tu-itak(昔話)の中で】じじい。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
yomtekkam
ヨㇺテッカㇺ 【名】[概](所は yomtekkami(hi) ヨㇺテッカミ(ヒ))[yomtek-kam 足が棒になる・肉] ももの裏(後ろ)側。 ☆参考 古い言葉。 今は omtuypok[概]/omtuypoki[所] オㇺトゥイポㇰ/オㇺトゥイポキ《ももの下側》と言う。 {E: the inner thighs.} (出典:田村、方言:沙流)
yoni
ヨニ 【他動】(伸びているもの)を縮める、 (伸ばしている足など)をひっこめる。 e=kema yoni! エケマ ヨニ! あなたの足をひっこめて(ひっこめなさい)。(S) e=teke yoni エテケ ヨニ あなたの手をひっこめなさい。(S) ☆対語 turi トゥリ …を伸ばす。 ☆参考 突き出ているものをひっこめるのは ohorka hosipire オホㇿカ ホシピレ、 箱の縁から出ているものをひっこめるのは pirkano oro omare ピㇼカノ オロ オマレ。 {E: to shrink, contract…} (出典:田村、方言:沙流)
yontektek
ヨンテㇰテㇰ 【他動】[yon(i)-tektek …を縮める・瞬間に…する](伸びているもの)を急にちぢめる、 (亀の子が首)をサッとひっこめる。 pon ecinke sapaha etuk wa an a p suy yontektek híne sapa ka sak wa an ポネチンケ サパハ エトゥㇰ ワ アナㇷ゚ スイ ヨンテㇰテㇰ ヒネ サパ カ サㇰ ワ アン 小亀が頭を(首を)出してていたがまたサッとひっこめて頭(首)がなくなっている。(S) ☞yoni ヨニ {E: to contract; to put…back quickly (for a turtle to do this to it's head).} (出典:田村、方言:沙流)
yospe
ヨㇱペ 【名】[概/所]動物(獣類)の「くそぶくろ」。(S) ☆参考 「鳥にはない。 人間の yospehe arka ヨㇱペヘ アㇻカ も聞いたことがない」。(S) 〔知分類になし〕 {E: the rectum.} (出典:田村、方言:沙流)
yospehe
ヨㇱペヘ 【名】[所](概は yospe ヨㇱペ)…の「くそぶくろ」。(S) {E: the rectum of…} (出典:田村、方言:沙流)
yupke
ユㇷ゚ケ 【自動】[yup-ke (きつくしまる/しめることを表す擬態の語根)・(自動詞形成)] きつい、 強い、 激しい、 きつくしまる。 yupke kéman ユㇷ゚ケ ケマン ひどい飢饉。(W会話) yupke wenrera ユㇷ゚ケ ウェンレラ (直訳すると)激しいつむじかぜ=海上のたつまき。(S) tumi yupke トゥミ ユㇷ゚ケ 戦争が激しい=ひどい戦争がある。(S) {E: to be severe, strong; fasten tightly.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
yupoyupo
ユポユポ §023.兄(6)yupo-yupo〔jú-po-ju-po ゆポユポ〕⦅シラウラ⦆【雅―oyna(神謡)の中で】兄。"yupoyupo tura okay-an"「兄さんと一緒に暮していた」。[yupo(↑)の説話的反復形]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)