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- yaynu
- ヤイヌ §667.びょうき(病気)(14)yaynu〔jáǐ-nu やイヌ〕[思い]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- yaynu
- ヤイヌ §320.こころ(心)(3)yaynu〔jáǐ-nu やイヌ〕[思う;yay(自分を)+nu(聞く、持つ)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- yaynu 1
- ヤイヌ 【自動/名】[< yay-nu 自分・を聞く/感じる] ①[自動]思う。 sekor yaynu セコㇿ ヤイヌ …と思う。 mak yaynu マㇰ ヤイヌ どう思う。 ②[名]思うこと、 思い。 ☆参考 ramuan/raman ラムアン/ラマン 思う。 {E: ①to think, believe…(v.). ②thoughts(n.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaynu 1
- ヤイヌ 【yay-nu】 ①思う,考える. ヤイヌ コㇿ アン=思っている. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaynu 2
- ヤイヌ 【名】体具合い。 sino páse yaynu ne noyne シノ パセ ヤイヌ ネ ノイネ 大変重い病気であるらしい。(S) yaynu-wen ヤイヌウェン 体の具合が悪い。 {E: the state of one's health.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaynu 2
- ヤイヌ 【yay-nu】 ②病気をする. フチ ヤイヌ ヤㇰ ア・イェ アㇷ゚ ピㇼカ ヤ=おばあさんが病気らしいが,いいのかい? (出典:萱野、方言:沙流)
- eyaynunuke
- エヤイヌヌケ 【他動】[e-yay-nunuke …で・自分・を好遇する(?)] …(するの)が「もったいない」=おそれ多い、 …するわけにはいかない。 …sekor kamuy yaynu hi toy ka osma eyaynunuke kusu …セコㇿ カムイ ヤイヌ ヒ トイ カ オㇱマ エヤイヌヌケ クス …と神が思ったことが地に落ちてしまうのはおそれ多いので。(W神謡語り) néa kupka páse kamuy eywanke p ne a p heru toykomunin ka eyaynunuke kusu ネア クㇷ゚カ パセ カムイ エイワンケㇷ゚ ネ アㇷ゚ ヘル トイコムニン カ エヤイヌヌケ クス そのくわ(鍬)は尊い神が使ったものだったので地に朽ち果てるのはおそれ多いから。(S言い伝え) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyaynusasi
- エヤイヌサシ 【他動】[e-yay-nusasi …で・自分・をなぐさめる]…で自らをなぐさめる、 …で気持ちがなぐさめられる。 e=ok kane wa patek e=an ayke kus mak ne hawe? nep ka ye ka ki, sinotcaki kor an, yak e=eyaynusasi na エオㇰ カネ ワ パテㇰ エアン アイケ クㇱ マㇰ ネ ハウェ? ネㇷ゚ カ イェ カ キ、 シノッチャキ コラン、 ヤㇰ エエヤイヌサシ ナ そんな悲しい顔ばかりしてたってだめなんだから、 何か言いなさい、 歌でも歌いなさい、 気持ちがなぐさめられるから。(S) ☞enusasire エヌサシレ {E: to console oneself over…} (出典:田村、方言:沙流)
- homekayaynu
- ホメカヤイヌ 【他動】気絶させる。(受け身の形、 つまり不定人称形で) a=homékayaynu アホメカヤイヌ 気絶する。 kamuy sirosma ruwe ne akusu ne wenkur umurek a=homékayaynu híne ruray ruwe ne カムイ シロㇱマ ルウェ ネ アクス ネ ウェンクㇽ ウムレㇰ アホメカヤイヌ ヒネ ルライ ルウェ ネ 雷が落ちると、 その貧しい夫婦は気絶して意識不明になった。(HK民話) ☆参考 語末の部分、 yanu ヤヌ とも yaynu ヤイヌ とも yayno ヤイノ とも聞こえる。 〔知分類になし〕 {E: to faint; to make…faint.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ipeyaynunuka
- イペヤイヌヌカ §368.産―産後の食養生ipeyaynunuka〔i-pé-jaǐ-nu-nu-ka イ舳ヤイヌヌカ〕[ipe(食物)+e(について)+yay(自分を)+nunuka(大切にする)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ipeyaynunuka(-an)
- イペヤイヌヌカ §828.ようじょう(養生)する(2)食養生する ipeyaynunuka(-an)〔i-pé-jaǐ-nu-nu-ka イ舳ヤイヌヌカ〕[ipe(食事)+e(について)+yay(自分を)+nunuka(大切にする)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- ipeyaynunuka(-an)
- イペヤイヌヌカ §416.食養生するipeyaynunuka(-an)〔i-pé-yaǐ-nu-nu-ka イ舳ヤイヌヌカ〕[ipe(食事)+-e(について)+yay(自分を)+nunuka(大切にする)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- iyaynumare
- イヤイヌマレ 【iyaynumare】 なんとまあ,それはそれは. イヤイヌマレ! ア・コㇿ サポ シレトㇰ オㇿケ ア・コホヨイセ=なんとまあ,私の姉のその器量の好ましい[ユ]. (出典:萱野、方言:沙流)
- iyaynumare tanepo tapne menoko ne manu p
- イヤイヌマレ タネポタㇷ゚ネ メノコ ネマヌㇷ゚ 【iyaynumare tane-po tap ne menoko ne manup】 なんとまあ,今初めて女という者. ▷イヤイヌマレ=なんとまあ タネポタㇷ゚ネ=今初めて メノコ=女 ネマヌㇷ゚=という者 *ユカㇻの主役ポンヤウンペが,宴の場で美人を見た時の言葉[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
- kempuy pakno yaynu(-an)
- ケンプイ パㇰノ ヤイヌ §245.きぜつする(気絶する);気が遠くなる;気を失う;人事不省になる(7)気を失いそうになる kempuy pakno yaynu(-an)〔けンプイ・パㇰノ・やイヌ〕[kem-puy(針・穴)+pakno(ほどに)+yaynu(思う)]⦅ホロべツ⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- koyaynusas
- コヤイヌサㇱ 【ko-yay-nusas】 (〜によって)気を紛らわす:それによって切り抜ける. ク・ミッポホ ウタㇻ アン クㇱケライポ ク・コヤイヌサㇱ テ パㇰノ カン(ク・アン)=私の孫たちがいたお陰で,私はそれらによって気を紛らわせて今までいた.*ペナコリの川上まつさんがいろいろな困難な事があったが今まで生きていれたのは孫たちのお陰と,晩年述懐していたものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
- koyaynutunnu
- コヤイヌトゥンヌ 【他動】[ko-yaynu-tunnu …に・気持ち・(?)] ボーッとなる、 気を失いかける。 ku=kimatek ayne ku=koyaynutunnu クキマテㇰ アイネ クコヤイヌトゥンヌ 私はびっくりして気を失いかけた。(S) {E: to lose consciousness; be in a daze.} (出典:田村、方言:沙流)
- koyaynutunnu
- コヤイヌトゥンヌ 【ko-yay-utur-nu】 意識が朦朧とする,人事不省になる,昏睡状態になる.▷コ=それ ヤイ=自身 ウトゥㇽ=間 ヌ=聞く イラマンテ クス エキㇺネアナクス(エキㇺネ・アン アクス) ソモカ エネ シㇼキ クナㇰ ア・ラム アㇷ゚ ウェンユㇰ ピッコサヌ ア・イ・ウェンコイキカㇻ ライ ヘネ ヤ モコㇿ ヘネ ヤ ア・コヤイヌトゥンヌ=狩のために山へ入ったら,まさかそうなるとは思わなかったのに,どうもうな熊がさっと飛び出て来てめちゃくちゃに虐められ,死んだのか眠ったのか意識朦朧となった. (出典:萱野、方言:沙流)
- raunyaynu
- ラウンヤイヌ 【raun-yaynu】 結核.▷ラウン=底 ヤイヌ=病気 →表から見えない底にある病気 *沙流川筋へ肺結核が持ち込まれたのは明治も終わりに近くなって平取本町のあるアイヌの所へ持って来た1枚の古着から始まったと聞いたことがある.聞かせてくれたのは鹿戸まりやさん,昭和年代でぐらいの方でした. (出典:萱野、方言:沙流)
- uwosikkoteyaynu
- ウウォシッコテヤイヌ 【u-o-sik-kote-yaynu】 恋心(を持つ). (出典:萱野、方言:沙流)
- wenyaynu
- ウェンヤイヌ 【wen-yaynu】 肺結核. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaynueo
- ヤイヌエオ 【yaynu-eo】 病気がちである. ク・コㇿ キヤンネ マッネポ アナㇰネ ポン ヒ タ アナㇰネ ヤイヌエオ ヤアニ ヤアニ ク・オラウキ クナㇰ ク・ラム ア コㇿカ タネ アナㇰ ミムㇱ ワ ニサㇱヌ=私の長女は小さい時は病気がちで,危なく危なく死ぬかと思ったが,今は太って健康だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaynukannukar
- ヤイヌカンヌカㇻ 【自動】[< yay-nukannukar 自分・のめんどうを見る] 自分をかわいがる、 自分のことをよくする。 ☞nukannukar ヌカンヌカㇻ {E: to look after oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaynukur
- ヤイヌクㇽ 【名】[yaynu-kur 体具合い・人] 体具合いの悪い人(yaynuwen kur ヤイヌウェン クㇽ)。 {E: someone in a bad state of health.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaynum
- ヤイヌㇺ 【名】[< yaynu-hum 思う・感じ](体調の)具合、 気分。 yaynum pirka ヤイヌㇺ ピㇼカ 体の具合が/気分がよい/よくなる。 {E: the state of one's health, mood.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaynumiwen
- ヤイヌミウェン 【yay-numi-wen】 病気(だ).▷ヤイ=自分の ヌミ=粒 ウェン=悪い ソンノ オンネ フチ ヤイヌミウェン ワ ア・オイヌウェウシ コㇿ アン ヤㇰ ア・イェ=本当の年寄のおばあさんが病気で下の始末を人にしてもらっているということだ.マキㇷ゚ エ・イポロ ウェン ルウェ アン ソモ エ・ヤイヌミウェン ルウェヘ アン=どうしたの? 顔色が悪くて.病気ではないのかい.ナイクㇱ ウン ウナㇻペ ヤイヌミウェン ワ マㇰ ア・カㇻ ヤッカ ウェン ワ タント ユㇷ゚ケ ウウェポタラ アン ペ ネ ヤㇰ ア・イェ ク・アㇻパ ワ ク・エㇰ ナ=沢の向かいのおばが病気でどうしてもよくならないので今日強くまじないをするそうだから私は行ってくるから.フチ ヤイヌミウェン ク・ラムチュㇷ゚テㇰ ア ワ ピㇼカ ヒネ ウウェカリノ エチ・エㇰ=おばあちゃんが病気で心細い思いをしていたのに,幸い両方からお前たちが来た.エ・ミチ ヤイヌミウェン ワ ホッケ ワ アン フㇺコウェン ヤㇰ イェ ナ イテキ エ・フミヒ アㇱテ ノ イキ=お前の父が病気で寝ていて音がうるさいと言うから音をたてないようにしろ.ナ ペウレクㇽ ネ クニ ク・ラム アㇷ゚ ヤイヌミウェン ヤㇰ ア・イェ ク・ホタヌ ワ ク・エㇰ コㇿカ エアㇻキンネ ア・エラムサラㇰ=まだ若い人と私は考えていたのに,病気だという噂なので私が見舞いに行って来たが本当に心配だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaynumiwen'eo
- ヤイヌミウェンエオ 【yay-numi-wen e-o】 病気がちだ マキㇷ゚ タㇷ゚ ウフナㇰ ワノ ウナㇻペ ヤイヌミウェネオ エイノンノイタㇰ ワ エン・コレ ヤン=どうしたことやらついこの頃からおばさんが病気がちだ,はらい清めてくださいよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaynunuka(-an)
- ヤイヌヌカ §828.ようじょう(養生)する(1)yay-nunuka(-an)〔jáǐ-nu-nu-ka やイヌヌカ〕[yay(自分を)+nunuka(大切にする)]⦅シラウラ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- yaynupa
- ヤイヌパ 【yay-nupa】 生き返る:意識が戻る. チュㇷ゚ ライ コㇿ ノヤ アニ イナウ アニ チュㇷ゚カムイ コワッカケ パ コㇿ "チュㇷ゚カムイ ヤイヌパ ヤイヌパ" セコㇿ カネ ハウェオカ ㇷ゚ ネ ヤㇰ ア・イェ=太陽が死ぬ(日食)とヨモギとかイナウとかで太陽に水をかけながら.「太陽の神生き返って生き返って」と言ったものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaynupa 1
- ヤイヌパ 【自動】[複](yaynu ヤイヌ は単複の区別なし)(二人以上が皆)思う。 {E: to think (pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaynupa 2
- ヤイヌパ 【自動】[yaynu-pa 気持ち・見出す] 正気づく。 yaynupa kor an hawe un ヤイヌパ コラン ハウェ ウン 正気づきつつあるのだよ(わけのわからないことばかり言う人のことを悪口で言う)。(S) {E: to come back to one's senses; regain consciousness.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaynupurka
- ヤイヌプㇽカ 【自動】[yay-nupur-ka 自分・霊力を持つ・させる] 何でも予知する、 普通の人が持たない神のような力で、 見えないものやその場にないものが見え、 未来のこともわかる。 ☞nupur ヌプㇽ {E: to foretell with insight.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaynurap
- ヤイヌラㇷ゚ 【自動】眠りかけてうとうとする。 yaynurap tek akus ku=wentarap tek ヤイヌラㇷ゚ テㇰ アクㇱ クウェンタラㇷ゚ テㇰ 私はちょっとうとうとしたらちょっと夢を見た。(S)〔知分類 p.290 yaynurat ((ホロベツ、 ニイカップ))うとうとする[yaynu(思)+rat(ぶらさがる)]〕 {E: to doze off.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaynurat(-an)
- ヤイヌラッ §564.いねむり(居眠)[する](4)うとうとする yaynurat(-an)〔jáǐ-nu-rat やイヌラッ〕[yaynu(思)+rat(ぶらさがる)]⦅ホロベツ、ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- yaynure
- ヤイヌレ 【他動】[自動使役][yaynu-re 思う・させる] …に(…と)思わせる。 kamuy or wa okamkir ene a=e=yáynure カムイ オㇿ ワ オカㇺキㇼ エネ アエヤイヌレ あなたは神様からわざとそのように思わされた。(W民話) {E: to make…think…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaynurepa
- ヤイヌレパ 【他動】[自動使役][複](yaynure ヤイヌレ は単複の区別なし)(二人以上が/二人以上に)思わせる。 {E: to make…think…(pl.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaynurohte
- ヤイヌロㇹテ §448.すわる(座る)(4)yaynurohte〔jáǐ-nu-roh-te やイヌロㇹテ〕[yay(自分を)+nu(十分に)+roh(<rok 座る)+te(させる)]⦅S.⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
- yaynutunnu
- ヤイヌトゥンヌ 【自動】[yaynu-tunnu 思い・(?)]フラフラッとする、 気が遠くなる。 unma saraha ani kik kor yaynutunnu wa turse ウンマ サラハ アニ キㇰ コㇿ ヤイヌトゥンヌ ワ トゥㇽセ (アブを)馬が尾で打つと(アブは)フラフラッとなって落ちる。(S) ☆参考 yayerampewtek ヤイェランペウテㇰ 意識不明/人事不省になる。 ☆参考 noytek ノイテㇰ 急にフラッと倒れる(気絶して、 死んで)。 noykosanpa ノイコサンパ 同。 ekonramu sitne kane tanak kane エコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ 夢うつつ(意識もうろう)の状態である。〔知分類 p.131 では、 tunnu は「< tur(不明、 不省) + nu(もつ)」〕 {E: to feel dizzy.} (出典:田村、方言:沙流)
- yaynutunnu(-an)
- ヤイヌトゥンヌ §245.きぜつする(気絶する);気が遠くなる;気を失う;人事不省になる(3)yaynutunnu(-an)〔jáǐ-nu-tun-nu やイヌトゥンヌ〕[yaynu(思う、思い、意識)+tunnu(分らなくなる、不省になる);<tur(不明、不省)+nu(もつ)]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.373】 (出典:知里人間編I、方言:)
- yaynuturaynu(-an)
- ヤイヌトゥライヌ §245.きぜつする(気絶する);気が遠くなる;気を失う;人事不省になる(2)yaynu-turaynu(-an)〔jáǐ-nu-tu-ràǐ-nu やイヌトゥライヌ〕[yaynu(思う、思い、意識)+turaynu(失う)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- yaynuwen
- ヤイヌウェン 【自動】[yaynu-wen 思う・悪い] 気分が悪い、 体の具合がよくない。 huskotoy wa yaynuwen wa an yak a=ye フㇱコトイ ワ ヤイヌウェン マ アン ヤカイェ ずっと前から具合が悪くていたそうだ。(S) ☆参考 yaynum wen ヤイヌㇺ ウェン とも言う。 {E: to be in a bad mood, state of health; to feel awful.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaynuyna
- ヤイヌイナ 【yay-nuyna】 隠れる,身を隠す. (出典:萱野、方言:沙流)
- yaynuyna
- ヤイヌイナ 【自動】[yay-nuyna 自分・を隠す] 身を隠す。 {E: to hide oneself.} (出典:田村、方言:沙流)
- a= 10
- ア 【人接】[不定人称主格他動詞型] ①[一般称]一般に人は/人が、 (特定の人ではなく)だれかが/だれでもが。 sekor a=ye セコㇿ アイェ …と(一般に人が)言う=言われる。 húresisam mosir sekor a=ye p ne wa フレシサㇺ モシㇼ セコㇿ アイェㇷ゚ ネ ワ (外国のことは)赤毛の異民族の国と(一般に人は)言うのだわ。(W) ②[受身]…される。 a=en=kopisi アエンコピシ (不定の)人が私にたずねる=私がたずねられる。 a=en=kopisi p anakne opitta ku=ye wa アエンコピシㇷ゚ アナㇰネ オピッタ クイェ ワ 私がたずねられることはすべて私は言って(=答えて)。(S会話) kamuy opitta oro wa a=i=koypak カムイ オピッタ オロ ワ アイコイパㇰ 私たちはすべての神々からとがめられる(罰を受ける)。(W民話) kotan a=arústekka コタン アアルㇱテッカ 村が全滅させられた。(NK民話) ③[包括的一人称複数]相手を含む私たちが/の。 tanto a=ewkoytak pe anak a=ewéraman hawe ne タント アエウコイタㇰ ペ アナㇰ アエウェラマン ハウェ ネ きょう私たち(あなたと私)が話し合ったことはお互いに(あなたと私が)わかり合った。(W会話) a=sikíhi un アシキヒ ウン 私たち(あなたも私もみんな)の目よ。(W会話) ④[引用文中の自称] 自分(たち)が/の、 私(たち)が/の。 “…a=e=ráyke kusu ne” sekor hawean 「…アエライケ クス ネ」セコㇿ ハウェアン 「…私はあなたを殺す」と彼は言った。(HK民話) ⑤[敬意の二人称] あなた様が/の。 mak yaynu=an kuni a=ramú kusu マㇰ ヤイヌアン クニ アラム クス 私がどんな気持ちになるとあなたはお思いになって…。(NK民話) ☆参考 他動詞・デアル動詞 ne ネ《である》・名詞などに接頭する。 自動詞にはこれがつかず、 =an アン が接尾する。 ☞=an アン ☆参考 ユーカラ(英雄叙事詩)を歌うときには、 母音で始まる動詞語幹の前で、 しばしば a= ア の代わりに an= アン の形が使われる。 北海道南部以外では、 日常語でも an= アン がたくさん使われる。 ☞an= アン {E: ①… ②passive. ③first person plural inclusive. ④… ⑤second person honorific.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ápekor 2
- アペコㇿ 【接助】[a-pekor(?)・かのように] まるで … した (している)みたいに、 … した (している)かのように。 nísikaye turse okake sik o kane ápekor an ニシカイェ トゥㇽセ オカケ シコ カネ アペコラン まるで木の節が落ちたあとに目がついたみたいだ。(S) ☆参考 pekor ペコㇿ と似ているが、 pekor ペコㇿ は単に類似していることがらを示すのに対し、 ápekor アペコㇿ はまるで別のことがらとそっくりであることを言う。 事実に反することがらを示すことが多い。 後には an アン、 iki イキ、 síran シラン、 yaynu ヤイヌ などの動詞が来る。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- aysuye
- アイスイェ 【自動】[ay-suye 矢(?)・を振る](?) 居眠りする。 k=aysuye kor k=an カイスイェ コㇿ カン 私は居眠りしている。(W) ☆参考 mokor モコㇿ 眠る。 ámokor アモコㇿ 座ったまま眠る。 mokonrusuy モコンルスイ 眠い。 yaynurap ヤイヌラㇷ゚ うとうとする。 nuukaomare ヌウカオマレ 半分眠っている。 〔知分類 p.291 [< yay(自分を)+suye(ゆすぶる)]〕 {E: to doze; take a nap.} (出典:田村、方言:沙流)
- cisi
- チシ 【名】[cis-i 泣く・所属語尾(?)] …のことで泣くこと。 cisi ki チシ キ (そのことで)泣く。 sekor yaynu=an wa po cisi a=ki kor án=an セコㇿ ヤイヌアン ワ ポ チシ アキ コㇿ アナン 私はそう思ってなおいっそうそのことで泣いていた。(W民話) {E: to cry.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eattamneno
- エアッタㇺネノ 【副】[ear-tam-ne-no ただ一つの・刀・として・(副詞形成)] wen menoko/utar orkehe/eattamneno/a=tuypa anki/yaynu=an korka ウェン メノコ/ウタロㇿケヘ/エアッタㇺネノ/アトゥイパ アンキ/ヤイヌアン コㇿカ [雅]悪い女どもを一太刀で切ってやりたい気がしたが。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ene 2
- エネ 【副】このように、 そのように。 ene…hi エネ…ヒ …する仕方、 どう…する(した)かというと、 このように(次のように)…した。 ene ku=sirosio hi ka k=érampewtek エネ クシロシオ ヒ カ ケランペウテㇰ どんな印をつけたらいいのかわからない。(S) ene…kuni エネ…クニ …するべき仕方、 このように(次のように)するべきだ/ことになっている。 …ruwe(hawe/siri/humi) ene an hi an? …ルウェ (ハウェ/シリ/フミ) エネ アニ アン? …した(する/している)のだろうか(しばしば驚きの表現)。 ene an エネ アン このような、 そのような。 ene he tap(ne) エネ ヘ タㇷ゚(ネ) こんなにも、 あんなにも。 ene an エネ アン こんな、 そんな、 あんな。 ene káni ka ku=yaynu エネ カニ カ クヤイヌ 私もそう思う。 ene ku=ye hi ka isam エネ クイェ ヒ カ イサㇺ どう言うこともできない。 ene ka (tap) エネ カ (タㇷ゚) そんなに/あんなに/こんなに。 ene ka tap kor rusuy wa an pe mosmano an wa ora os iruska kor an エネ カ タㇷ゚ コン ルスイ ワ アン ペ モㇱマノ アン マ オラ オㇱ イルㇱカ コラン そんなに欲しかったのにだまっていてあとで怒っている。(S) {E: like this, that.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- enkas(i)ke
- エンカㇱケ/エンカシケ 【位名】[所](概は enka エンカ) その(離れた)上。 ne menokopo ehotke hi enkaske ta ponki a=otúseatte ネ メノコポ エホッケ ヒ エンカㇱケ タ ポンキ アオトゥセアッテ その若い女性の寝床の上にカヤを編んだ簀(す、 「すだれ」)の棚が綱で下げられてあった。(NK民話) sekor yaynu kor/pon cikisani/enkaske kus hi セコㇿ ヤイヌ コㇿ/ポン チキサニ/エンカㇱケ クㇱ ヒ [雅]そう思いながら小さいハルニレの木の上を通ったときに。(Sユーカラ) ☆発音 話しているときは通常 i が落ちて enkaske エンカㇱケ と発音される。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- enusasire
- エヌサシレ 【複他動】…で(人)の気をまぎらす。 nen nen ka hawean wa enusasire! ネン ネン カ ハウェアン マ エヌサシレ! いろいろおもしろいことを言って気をまぎらさせてあげなさい。(S) ☆参考 ram(u) suye ラㇺ/ラム スイェ は子どもが泣いているときなどになだめすかして機嫌よくさせることを言う。 ☆参考 eyaynusasi エヤイヌサシ は自分で歌を歌うなどして自分の気をまぎらすことを言う。(S) {E: to be distracted by, with…} (出典:田村、方言:沙流)
- epunkine
- エプンキネ 【他動】[e-punki-ne …で・守護者・である] …を守る、 (国)を治める、 …の番をする、 …を看護する。 mosir/kotan epunkine kamuy モシㇼ/コタン エプンキネ カムイ 国/村を守る神。 yaynuwen wa epunkine wa an ヤイヌウェン ワ エプンキネ ワ アン 具合いが悪いので看護している。(S) {E: to protect, guard, govern…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- erampewtek
- エランペウテㇰ 【他動】[否定動詞](肯定は eraman エラマン、 eramuan エラムアン) ①…がわからない、 …を知らない(知識がない)。 ene iki wa okay pe a=ne hi ka a=erámpewtek no エネ イキ ワ オカイ ペ アネ ヒ カ アエランペウテㇰ ノ 私たちがどうしてこのようにして暮らしているのかも(私)はわからずに。(W民話) “…hńta ne? e=eraman?” “hemanta ene katuhu an hi an? oar tap k=érampewtek” 「…フンタ ネ? エエラマン?」 「ヘマンタ エネ カトゥフ アニ アン? オアッ タㇷ゚ ケランペウテㇰ」「…は何だ? (あなた)わかる?」「何がそんなへんてこなんでしょう、 全然わからない。 」 (S-W会話) ②(動詞句の後に置かれて)…するすべがわからない(ためにできない)。 oro wa sipiraspa wa nérok aynu a=ne humi sekor yaynu ka erampewtek kor oka ruwe tasi ne nankor nek sekor… オロ ワ シピラㇱパ ワ ネロㇰ アイヌ アネ フミ セコㇿ ヤイヌ カ エランペウテㇰ コㇿ オカ ルウェ タシ ネ ナンコン ネㇰ セコㇿ… そこから広がってそのアイヌが私たちなのだと思うこともわからなく(=できなく)なってきているのだろうさ、 と… (S独話) ☆対語 肯定は eraman エラマン、 eramuan エラムアン。 ☆参考 人を知らないこと、 見覚えがないことは eramiskari エラミㇱカリ ☞eraman エラマン、 eramuan エラムアン、 eramiskari エラミㇱカリ {E: ①to not understand, know… ②don't know anything about…(so one can't do it due to that).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- esina
- エシナ 【他動】①(…のこと)を隠す、 …を秘密にする。 hunakoro un a=esína hawe? sekor yaynu=an kusu フナコロ ウン アエシナ ハウェ? セコㇿ ヤイヌアン クス 別に隠す必要はないわ、 と私は思ったので。(W民話) ② ☞ka(si) esina カ(シ) エシナ {E: to hide, conceal…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eun 1
- エウン 【他動】[e-un その頭・にある] (そこ)にある、 (そこ)に現れる。 án=an kotcake eun pekor yaynu=an kor アナン コッチャケ エウン ペコㇿ ヤイヌアンコㇿ (幼いときに別れた父母が)自分の目の前に現れるような気がして。(S民話) {E: to be (at, on)…; stick to…; to appear in front of…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eweraman
- エウェラマン 【他動】[e-u-e-raman …について・互い・と共に・わかる] …が皆/二人とも一致してわかる。 sinrit oruspe, kamuy oruspe, ney ta pakno sineatkino a=ewéraman kuni sekor ku=yaynu kor k=an シンリッ オルㇱペ、 カムイ オルㇱペ、 ネイ タ パㇰノ シネアッキノ アエウェラマン クニ セコㇿ クヤイヌ コㇿ カン 先祖のこと、 神のことが、 いつまでも混乱しないできちんと皆にわかるのだと私は思っている。(W会話) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 we )に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には euweraman/ewweraman エウウェラマン の形が使われることが多いと予想される。 ☞eraman エラマン {E: to mutually know…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ewesermakkor
- エウェセㇾマッコㇿ 【他動】[e-u-e-sermak-kor その頭(?)・互い・と共に・うしろだて・を持つ(?)] 互いに力になり合う。 iteki uutari ka uwanun ka uwehosi uwehosi yaynu no, sine ikinne yaynu, sine irenka kor yakne ewesermakkor pe ne na イテキ ウウタリ カ ウワヌン カ ウウェホシ ウウェホシ ヤイヌ ノ、 シネ イキンネ ヤイヌ、 シネ イレンカ コㇿ ヤㇰネ エウェセㇾマッコㇿ ペ ネ ナ 親戚同士でも他人同士でも、 テンデンバラバラなことを考えず、 一様に考え、 一つの意志を持てば、 それによって力になり合うものだよ。(S独話) ☆参考 接頭辞がつかないとき、 およびアクセント核の位置を変えない接頭辞(a= または eci=)のみがついたときは、 この形をとることが多い。 アクセント核(声の高さの上がるところ)は、 第二音節(この場合 we )に置かれる。 その他の接頭辞がついて、 語頭の e が高く発音されるときの語幹には euwesermakkor/ewwesermakkor エウウェセㇾマッコㇿ の形が使われることが多いと予想される。 ☞sermak セㇾマㇰ {E: to combine one's efforts for mutual benefit.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ewpaskuma
- エウパㇱクマ 【他動】[e-upaskuma …について・語り伝える] …を語り伝える、 …についてその起源やいわれやいきさつなどを教え伝える。 iresu sápo/i=ewpaskuma/somo ki p he an sekor/yaynu=an hike イレス サポ/イエウパㇱクマ/ソモ キㇷ゚ ヘ アン セコㇿ/ヤイヌアニケ [雅]育ての姉は私に教えてくれなかったのかと思うと。(Sユーカラ語り) {E: to tell, relate…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyayoteknure
- エヤヨテㇰヌレ 【他動】[e-yay-o-tek-nu-re …で・自分・の所で・手・持つ・させる] …を手に入れる。 nen ka ta a=kar yak a=rayke oka! sekor yaynu kusu surku eyayoteknure híne ネン カ タ アカㇻ ヤㇰ アライケ オカ! セコㇿ ヤイヌ クス スㇽク エヤヨテㇰヌレ ヒネ 彼はなんとかして(あいつを)殺してやりたいものだなあと思ったので毒を手に入れて。(S民話) {E: to get, buy…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- eyayramu ka sitne
- エヤイラム カ シッネ 【慣用句】[e-yay-ramu ka sitne …で・自分・の心・も・苦しい](そのこと)で心が苦しい、 …をつらく/苦しく/くやしく思う。 ene yaynu wa eyayramu ka sitne ayne エネ ヤイヌ ワ エヤイラム カ シッネ アイネ (彼は)そんなふうに思ってそればかり考えてくやしがっていて。(S民話) ☆参考 ワテケさんの言う eyayeramu ka sitne エヤイェラム カ シッネ と同じか。 ☆参考 ekonramu sitne kane tának kane エコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ 意識がもうろうとしている。 {E: to feel pain in one's heart about…} (出典:田村、方言:沙流)
- eyayukaomare
- エヤユカオマレ 【他動】[e-yay-uka-omare …に関して・自分を・上へ上へと・置く](病気)がだんだんよくなる。 sóne eyayukaomare kuni p he an? ソネ エヤユカオマレ クニㇷ゚ ヘ アン? 本当になおるのだろうかなあ。(S) ☆参考 なおらないかもしれないほど重い病気は síːno páse yaynu/tasum ne noyne シーノ パセ ヤイヌ/タスㇺ ネ ノイネ《本当に重い病気らしい》と言う。(S) {E: for…to gradually improve.} (出典:田村、方言:沙流)
- hi 2
- ヒ 【形名】[名詞化辞](動詞/動詞句に終わる節の後に置かれてこれを名詞化する。) ①…する/したこと honkor=an hi ka a=erámpewtek ホンコラニ カ アエランペウテㇰ 私は妊娠していたのも知らなかった。 noyporo poro suy a=omáre hi ruska kusu ノイポロ ポロ スイ アオマレ ヒ ルㇱカ クス ひたいに大きな穴を開けられたことに腹が立ったので。(S民話) kamuy yaynu hi toy ka osma eyaynunuke kusu カムイ ヤイヌ ヒ トイ カ オㇱマ エヤイヌヌケ クス 神が思った事が地面に落ちるのは畏れ多いので。(S言い伝え) ene…hi エネ…ヒ …する仕方、 どのように…する/したかということ。 ene iki hi ka isam エネ イキ ヒ カ イサㇺ どうしようもない。 ene hawean hi エネ ハウェアニ (直訳すると)このように言ったことは=次のように言った。 hi néno ヒ ネノ …したまま。 ene an a hi néno (kane) エネ アナ ヒ ネノ (カネ) もとあったとおりに。 sike=an hi néno シケアニ ネノ 私は荷物を背負ったまま。(W神謡語り) hi nani ヒ ナニ …するとすぐ。 soyne hi nani ソイネ ヒ ナニ 外へ出てすぐ。 hi kusu ヒ クス …する/したから、 だから。 ②(文頭に置かれ、 前の文の内容を受けてその全体を名詞化する。) hi ne ヒ ネ そうだよ。 ③とき。 kéman hi ta ケマニ タ 飢饉だったときに。(W会話) tekehe turiri hi ta テケヘ トゥリリ ヒ タ 手をのばしたときに。(HK民話) poro=an hi wano ポロアニ ワノ (引用文中)私が大きくなってから。 hi ora(no)/hi oraun ヒ オラ (ノ)/ヒ オラウン …してから。 ne hi pakno ネ ヒ パㇰノ そのときまで。 ④ところ(所)。 tun ehotke hi トゥン エホッケ ヒ 二人が寝る所。(NK民話) ☆発音 ☞hi ヒ 1 {E: ①to; in; that. ②(is to be placed at the beginning of a sentence to make what was previously said a noun form. ③time. ④place.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- huskotoy
- フㇱコトイ 【名】[husko-toy 古い・ずっと(?)](次の表現で)huskotoy wa フㇱコトイ ワ ずっと昔から。 huskotoy wa yaynuwen wa an yak a=ye フㇱコトイ ワ ヤイヌウェン マ アン ヤカイェ (彼は)ずっと前から体具合いが悪くていたそうだ。(S) {E: from long ago.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kokopan
- ココパン 【複他動】[ko-kopan …に・…を拒否する] (人に)(だめだと言って)…をやめるように/しないように言う。 sekor yaynu=an hike ka a=onáha i=kokopan kor oraun arpa=an ka eyayramkar セコㇿ ヤイヌアン ヒケ カ アオナハ イココパン コㇿ オラウン アㇻパアン カ エヤイラㇺカㇻ …と私は思ったけれども父が私に(行っては)だめだと言うと私は敢えて行くわけにもいかずあきらめていた。(S民話) {E: to tell…to stop, not to do …} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kopuntek
- コプンテㇰ 【他動】[ko-puntek …に・喜ぶ] …のことを喜ぶ/ほめる/ねぎらう、 (人)を迎えて喜ぶ/よく来たと言ってほめ、 ねぎらう、 を歓迎する。 eci=kopúntek エチコプンテㇰ ようこそねえ。(W) kopuntek yan コプンテㇰ ヤン ほめてあげなさい。(W)…kamuy katkemat néno póka yaynu, néno póka iki yakun síno a=kopúntek hawe ne wa カムイ カッケマッ ネノ ポカ ヤイヌ、 ネノ ポカ イキ ヤクン シノ アコプンテㇰ ハウェ ネ ワ 奥方様がせめてそのように考え、 そのようになさるのでしたら、 まことに喜ばしく思います。(W神謡語り) ekasi ka húci ka e=kopuntek nankor エカシ カ フチ カ エコプンテㇰ ナンコㇿ おじい様もおばあ様もあなたを喜んで迎えてくれるでしょう。(W神謡語り) {E: to be pleased with…; welcome…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kotom 2
- コトㇺ 【接助】…する/したように見えて/思われて。 kotom an コトㇺ アン …する/したようである/ように見える。 án=an hi ye kotom an アナニ イェ コトㇺ アン 私が(来て)いることを相手に告げているようだった。(NK民話) ☆参考 同様の文脈で noyne yaynu ノイネ ヤイヌ も使われる。 {E: as if to do…; as if one did…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kuni 1
- クニ 【助動】…することになっている、 …する見込みである、 …することが望ましい、 …するべきである、 …しよう。 ekimne a=e=sé wa a=e=ráyke kuni sekor an pe エキㇺネ アエセ ワ アエライケ クニ セコㇿ アン ペ あなたを山へ運んで行って殺そうということを。(W民話) tun ku kuni sake トゥン ク クニ サケ 二人が飲む酒(飲むべき/ことができる酒)。(S民話) herepasi arpa kuni pekor iki, pet turasi arpa kuni pekor iki, ayne, arherepasi arpa ヘレパシ アㇻパ クニ ペコㇿ イキ、 ペッ トゥラシ アㇻパ クニ ペコㇿ イキ、 アイネ、 アㇻヘレパシ アㇻパ (その飛び上がった首は)沖の方へ行くみたいにし、 川の方へ向かって行くみたいにしていてから、 しまいにずうっと沖の方へ行ってしまった。(W民話) en=kupa kuni pekor ku=yaynu エンクパ クニ ペコㇿ クヤイヌ (その犬)が私にかみつこうとしているように私は思った。(W) kuni p クニㇷ゚ …する(べき)もの。 c=e kuni p anakne porono an チェ クニㇷ゚ アナㇰネ ポロノ アン 私たちが食べるものはたくさんある。(S) (注 cékunip チェクニㇷ゚ [名]は《魚》。)oro ta, e=ewonne usa ki, e=wakkaku usa ki ranke kuni p ne na オロ タ、 エエウォンネ ウサ キ、 エワッカク ウサ キ ランケ クニㇷ゚ ネ ナ あなたはそこで顔を洗ったり、 水を飲んだりすればいいのですよ。(W民話) mak é=iki hawe an? somo an kuni p e=ye hawe ne na ne na マㇰ エイキ ハウェアン? ソモ アン クニㇷ゚ エイェ ハウェ ネ ナ ネ ナ あなたは何をなさる(とおっしゃる)のですか。 してはならないことをおっしゃっておられるのですよ。(W民話) kuni hi クニ ヒ ☞kunihi クニヒ ☆参考 他の助動詞のように文末に置かれることは少なく、 連体的に使われることが多い。 それも p ㇷ゚《もの、 の》の前が圧倒的に多い。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- kuni 3
- クニ 【形名】[kun-(h)i …するべき/予定/はずである・こと] ①(動詞に終わる文(節)の後に置かれてこれを名詞句にする。) …するで(あろう)ということ、 できる(ような)こと、 …する(べき)こと。 tap a=ye kuni tónonsukus ne humi as タㇷ゚ アイェ クニ トノンスクㇱ ネ フミ アㇱ これを言うのが真昼の凪(なぎ)だなあ。 ene…kuni エネ…クニ このように…するであろうこと=次のように…するであろう/することになっている。 ene ne kuni エネ ネ クニ こう(次のように)なるでしょう。 ene an kuni エネ アン クニ このような(次のような)ことが起こるでしょう。 (注 すでに起こったことであれば、 kuni クニ の代わりに hi ヒ が使われるところである。) ②[名詞化引用](次に「言う」「思う」「考える」「相談する」「言いつける」等々を意味する他動詞が来て、 kuni クニ で名詞化された文をその目的語とする間接引用文となる。) kuni ramu クニ ラム …すると思う。 e=mismu kuni ku=ramu エミㇱム クニ クラム あなたがさびしいだろうと私は思った。(S) kuni ye クニ イェ …すると言う。 opitta nisatta hunak un paye kuni ye kor oka オピッタ ニサッタ フナクン パイェ クニ イェ コㇿオカ みんなで明日どこかへ行くという話をしている。(S) a=saha i=nukar kuni a=ekímatek kusu アサハ イヌカㇻ クニ アエキマテㇰ クス 私は姉に見られるのではないかと気が気ではないので。(W民話) poro a=yupí a=saha a=ewtannere kuni a=ewkoramkor híne ポロ アユピ アサハ アエウタンネレ クニ アエウコラㇺコㇿ ヒネ 私たちは大きい兄と姉とを結婚させようと相談して。(NK民話) akihi a=ne kuni eraman kuni a=sitóma アキヒ アネ クニ エラマン クニ アシトマ 私が彼の弟だということを彼が知るのが(=彼に知られるのが)私は恐ろしかった。(S民話) pirka aynu ne/e=an kuni/e=takar kusu/ne na ピㇼカ アイヌ ネ/エアン クニ/エタカㇻ クス/ネ ナ あなたは立派な人になることを夢に見るのだよ。(NKy子守歌) ③(動詞句の後に続かず、 文頭に置かれて、 その前に言われた内容全体を受ける場合もある。)そうする(であろう)ということ。 “…néno yaynu hani!” “e pirka ruwe un, kuni ku=ramu kor k=ek pe ne kusu 「…ネノ ヤイヌ ハニ!」「エー、 ピㇼカ ルウェ ウン、 クニ クラム コㇿ ケㇰ ペ ネ クス」…「そう思いなさいよ。」「ええ、 いいよ。 私はそう思いながら来たのだから…。」/ ☆参考 間接引用の kuni クニ は kunak クナㇰ と言い換えられる場合もある。 しかし、 kunak クナㇰ の後に来る他動詞は、 ほとんどの場合 ramu ラム《…(ということ)を思う》または ye イェ《…(ということ)を言う》に限られている。 一方、 kuni クニ の後には ramu ラム、 ye イェ のほか、 eraman エラマン《…を知る》、 epakasnu エパカㇱヌ《…を教える》、 sitoma シトマ《…を恐れる》、 ekaspaotte エカㇱパオッテ《…を命じる》、 ewkoramkor エウコラㇺコㇿ《…を相談する》、 eese エエセ《…を承諾する》、 kar カㇻ《…をする》、 ki キ《…をする》、 takar タカㇻ《…を夢見る》等々いろいろな他動詞が来る。 さらに間接引用文をつくる以外に、 ne ネ《である》が後に続いて、 《…する予定/はず/つもり…である》というような使い方もある。 一方、 すでに起こったこと、 確認ずみのことに関して言うには kuni クニ ではなく yak ヤㇰ が用いられる。 ☞kunak クナㇰ、 yak ヤㇰ、 sekor セコㇿ ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- mastek
- マㇱテㇰ 【自動】物がいっぱいつまっている、 ふくれてピンと張る。 k=ossike mastek pekor ku=yaynu コッシケ マㇱテㇰ ペコㇿ クヤイヌ 私のおなかに物がいっぱいつまっているような気がする(腹が立って)。(S) ☆参考 emastek エマㇱテㇰ [他動]…がいっぱいつまっている。 ☆参考 sik シㇰ はただいっぱいになる/なっていること、 つまり少しだけとか半分だけ入っているのでなく満ちる/満ちていること。 しばしばよい意味に使われる。 mastek マㇱテㇰ は余計なものやよくないものがいっぱいギュウギュウつまっていてよくないことを言うらしい。 {E: to be stopped; stuffed; blocked (up).} (出典:田村、方言:沙流)
- na 3
- ナ 【終助/接助】①(要求の根拠を示す。後に要求表現が続くことが多い。 倒置されて要求表現のほうが前に出ることもある。 要求が言葉で表現されなくても、 暗に要求を含んでいる。) …する/したから(…せよ)、 …ぞ、 …よ。 ney ta ka arpa=an wa án=an kusu ne na sinenne an! ネイ タ カ アㇻパアン ワ アナン クス ネ ナ シネンネ アン! 私はどこかへ行って暮らすから一人で暮らしなさい! (W民話) …sekor ku=yaynu kor k=an ruwe ne na hani! …セコㇿ クヤイヌ コㇿ カン ルウェ ネ ナ ハニ! 私は…と考えているのだからね(そのつもりでいなさいよ)。 W会話 a=e=ráyke kusu ne na ne na アエライケ クス ネ ナ ネ ナ (私はあなたを)殺すぞ、 殺してやるからな(そう思え)。 (W民話) ② …nankor na ナンコンナ (直訳すると)…するだろうぞ=…するのだよ/…しなさいよ(予言の形をとった命令表現、 親が子に、 神が人に言うとき等に使う)。 kari e=arpa nankor na カリ エアㇻパ ナンコンナ あなたはそこから行くのだよ/行きなさいよ。(S民話) …yak pirka na …ヤㇰ ピリカ ナ (直訳すると)…するとよいぞ=…するがよい、 …しなさい(目下への命令表現の一つ)。 iteki …yak pirka na イテキ …ヤㇰ ピㇼカ ナ Vしないがよい、 …してはいけない(目下への禁止表現の一つ)。 ikiya …na イキヤ …ナ …しないようにね(沙流川下流地域で)。 ikiya e=hacir na イキヤ エハチン ナ ころばないようにね。(S) ikaanun …na イカアヌン …ナ …しないようにね(沙流川中流地域で)。 ruwe/hawe tapan na ルウェ/ハウェ タパン ナ …のであります(改まった言い方で ruwe ne ルウェ ネ の代わりに使われる、 na をつけない場合もあるが、 つけることが多い)。 ruwe/hawe tapta an na ルウェ/ハウェ タㇷ゚タ アン ナ …のであります(前の言い方と同じ状況で使われる、 強調した言い方)。 {E: ①sentence-final particle indicating speaker's strong conviction. ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nékon
- ネコン 【疑副】どのように。 ku=kor hekattar/nékon yaynu kor/nékon iki kor/oka nankora クコㇿ ヘカッタㇻ/ネコン ヤイヌ コㇿ/ネコン イキ コㇿ/オカ ナンコラ 私の子どもたちはどのように思いどのように過ごしているのだろう(=何を考え何をしているのだろう)。(S即興詩) ☆参考 他方言では日常語でも使われるが、 沙流方言の日常会話語では通常これは使われず makanak/mak マカナㇰ/マㇰ と言う。 しかし歌や韻文の中では、 nékon ネコン がよく使われる。 {E: how.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- nitata
- ニタタ 【他動】(倒れそうな病人を)そっと支える、 (手ぬぐいをのせた病人の頭を)そっと押える。 ku=yaynuwen na en=nitata wa en=kore! クヤイヌウェン ナ エンニタタ ワ エンコレ! 私、 気分が悪くて倒れそうだから支えてちょうだい。(S) {E: to gently support…} (出典:田村、方言:沙流)
- or
- オㇿ 【位名】[概](所は oro/orke オロ/オㇿケ) ①(モノを表す名詞の後に置かれて、 そのモノを場所としてとらえる名詞句とする。 場所や時を表す名詞の後に置かれると、 よりはっきりとその場所、 その時を示す。 目的語として位置を表す名詞句を要求する語、 たとえば位置格助詞 ta タ《…に/で》、 un ウン《…へ》など、 動詞の接頭辞 o- オ《…に/で》など、 他動詞 kus クㇱ《…を通る》、 oma オマ《…に入る/位置する》などの前で多く使われる。) …の所、 …のとき。 (その他、 文脈によって…の中、 …の家、 …の上などいろいろに訳せる。)sapa or o ki サパ オㇿ オ キ 頭につくシラミ。 mesi itanki or a=o kor メシ イタンキ オㇿ アオ コㇿ ごはんを茶わんによそうと。(W会話) poro su or oma sayo ポロ ス オㇿ オマ サヨ 大鍋に入っているおかゆ。(W民話) apa or pak k=arpa korka アパ オㇿ パㇰ カㇻパ コㇿカ 私は戸口の所まで行ったけれど。(W) nis or péka hopuni ニソㇿ ペカ ホプニ 空を飛んだ。(S民話) toy or ta nepki kor an トヨッタ ネㇷ゚キ コラン (彼は)畑で働いている。 suy or osma スヨㇿ オㇱマ 穴に飛び込んだ(落ちた)。(S) iteki en=or ta ahup yan イテキ エノッ タ アフㇷ゚ ヤン 私の家に入らないで下さい。(S) kesikomu sekor sísam or ta a=ye ケシコム セコㇿ シサㇺ オッタ アイェ 消しゴムと日本語で言う。 kanto or un rikin カント オルン リキン 天に昇る。(S言い伝え) atuy or un cikap アトゥヨルン チカㇷ゚ 海の鳥。(W民話) nis or wa ran ニソㇿ ワ ラン 空から降りて来た。(W民話) ②…or ta …or ta …オッタ …オッタ ☞otta オッタ 2。 or wa オㇿ ワ (受け身表現の行為者、 oro wa オロ ワ とも言う。)…によって。 kamuy or wa ene a=e=yáynure カムイ オㇿ ワ エネ アエヤイヌレ あなたは神からそう思わされた。(W民話) ☆参考 所属形は oro オロ の例が圧倒的で、 orke オㇿケ は1例のみ。 orke オㇿケ には別の用法がある。 {E: ①from… ②by…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ositciwre
- オシッチウレ 【他動】[o-sir-ciw-re その尻・地・刺さる・させる] (直訳すると)地に刺さる、 (気持ち、 考えなど)を決める。 kewtumu ositciwre ケウトゥム オシッチウレ 心を決める、 決心する。 kewtumu ositciwre kunine ye ケウトゥム オシッチウレ クニネ イェ 心を決めるように言いなさい。 eyaykewtum ositciwre エヤイケウトゥㇺ オシッチウレ (そのこと)について自分の心を決める(=決心する)。 ene e=yaynu hi ositciwre エネ エヤイヌ ヒ オシッチウレ あなたの考えを決めなさい。 {E: to decide…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- raman
- ラマン 【自動】[ram-an 心・ある](…だろう/だろうかと)思う。 “ikiya un túnasno e=ek wa” sekor ku=raman 「イキヤ ウン トゥナㇱノ エエㇰ ワ」 セコㇿ クラマン ひょっとするとあなたが早く来るのではないかなと私は思った。(W会話) ☆参考 沙流川下流のワテケさんの言葉。 中流二風谷の二谷国松さんは ramuan ラムアン と言っていた。 ☆参考 …しようと思う、 気の毒だと思うなど、 一般的に「思う」ことを言うには yaynu ヤイヌ が使われる。 {E: to think, believe…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ramuan 2
- ラムアン 【自動】[単](複は ramuoka ラムオカ)[ramu-an(その)心・ある](…だろう/だろうかと)思う。 ☆参考 沙流川中流二風谷の二谷国松さんが言う。 下流のワテケさんは raman ラマン と言う。 ☆参考 …しようと思う、 いやだと思うなど、 一般的に「思う」ことを言うには yaynu ヤイヌ が使われる。 {E: to think, feel (that)…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- raynatara
- ライナタラ 【自動】[ray-natara 死んだ・(状態が続いていることを表す接尾辞)] シーンと静かにしている。 raynatara, yayaynuyere p ne ライナタラ、 ヤヤイヌイェレㇷ゚ ネ (彼は)静かにしてる、 遠慮してるんだ。(S) {E: to be very quiet.} (出典:田村、方言:沙流)
- sekor
- セコㇿ 【接/副】[se-kor と言う・…しながら] ①(引用文/引用句を受ける。 多くの場合「言う」「思う」「たずねる」などを意味する語 hawean ハウェアン、 itak イタㇰ、 ye イェ、 yaynu ヤイヌ、 uwepekennu ウウェペケンヌ などへつなぐ。)(母音の後では、 しばしば s の後の e が落ちて …skor …ㇱコㇿ と発音される。) ②(昔話の終わりに用いられて)…とさ。 ③(何かのやり方を説明するのに、 そのしぐさをして見せながら)こういうふうに(二度くり返して言う)。 sekor sekor a=mimáki a=utómosmare hi セコㇿ セコㇿ アミマキ アウトモㇱマレ ヒ こういうふうにこういうふうに歯をぶつけ合わせること(歯をぶつけ合わせて見せながら言っている)。(W会話) sekor an pe セコン ペ このような/そのようなこと/もの。 ④(熟語) …pe/p sekor …ペ/ㇷ゚ セコㇿ …した途端に、 …したときすぐに。 temcaricari=an a p sekor テㇺチャリチャリアナㇷ゚ セコㇿ 手をバタバタした途端に。 sekor ne セコン ネ …と言った/言っているのだ、 …ということだ。 kanna k=ek kusu ne wa sekor ne hawe ne wa カンナ ケㇰ クス ネ ワ セコㇿ ネ ハウェ ネ ワ (私は)また来ますよと言ったのです。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- sukup
- スクㇷ゚ §010.老若長幼―成長段階―を表す形容詞その他(9)sukup〔su-kúp スくㇷ゚〕⦅H.⦆若い。〜menoko「若い女」⦅ホロベツ⦆。〜-kur「若い人」⦅ホロベツ⦆。〜-kur yaynu「若い人の思い」「恋」⦅ホロベツ⦆。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- sukupkur
- スクㇷ゚クㇽ §006.若者;青少年(3)sukupkur〔su-kúp-kur スくㇷ゚クㇽ〕⦅ホロべツ、サル⦆若い人;若人。"〜-yaynu"「若人の思い」「恋わずらい」(ユ研Ⅰ, pp.96, 101)。"〜-kewtum「若人の心」「青春の情」「恋病」(ユ研Ⅰ, p.97)。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
- tókap(')ipe
- トカㇷ゚イペ/トカピペ 【自動/名】①[自動]昼食を食べる。 ku=tokapipe ka somo ki wa ku=kemnoye noyne ku=yaynu クトカピペ カ ソモ キ ワ クケㇺノイェ ノイネ クヤイヌ 私はお昼も食べてないので飢え死にしそうな気がする。(S) ②[名]昼食。 tanto anak rataskep tókap'ipe ne an タント アナㇰ ラタㇱケㇷ゚ トカㇷ゚イペ ネ アン きょうは野菜のまぜ煮が昼食になる=きょうの昼ごはんは野菜のまぜ煮だ。(S) {E: (to eat) lunch.} (出典:田村、方言:沙流)
- turamkor
- トゥラㇺコㇿ 【自動】[tu-ram-kor 二つの・心・を持つ](?) 臆病である。 ikaoyoko=an sekor hawean=an yakun turamkor=an wa hawean=an hi ne sekor yaynu kuni a=ramú kusu イカオヨコアン セコㇿ ハウェアナン ヤクン トゥラㇺコラン ワ ハウェアナニ ネ セコㇿ ヤイヌ クニ アラム クス 私は見張りをすると言えば、 憶病でそう言っているのだと思われると私は思ったから。(HK民話) {E: to be cowardice; timid.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uhayta
- ウハイタ 【自動】[u-hayta 互い・に及ばない] ①(そろっているはずのものが)数が足りない。 urepeci uhayta ウレペチ ウハイタ 足の指が足りない(三本とか四本とかしかない)。(S) ②上下の差別がある(?) iteki umonpok ta uhayta no yaynu イテキ ウモンポㇰ タ ウハイタ ノ ヤイヌ 上下のわけへだてや差別をして考えるな。(S独話) {E: ①for the number of something to be lacking; insufficient. ②for there to be discrimination, distinction between upper and lower, superior and inferior.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- umonpok
- ウモンポㇰ 【位名】[u-monpok 互い・の下/そば(mon-pok モンポㇰ 手・の下)](直訳すると)互いの下。 iteki umonpok ta uhayta no yaynu イテキ ウモンポㇰ タ ウハイタ ノ ヤイヌ 上下の差別や分けへだてをして考えるな。(S)独言 {E: mutually below.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uutari
- ウウタリ 【名】[u-utari 互い・の同族[所]] 同族/親戚どうし。 iteki uutari ka uwanun ka uwehosi uwehosi yaynu no, sine ikinne yaynu, sine irenka kor yakne イテキ ウウタリ カ ウワヌン カ ウウェホシ ウウェホシ ヤイヌ ノ、 シネ イキンネ ヤイヌ、 シネ イレンカ コㇿ ヤㇰネ 親戚同士も他人同士もバラバラな考えを持たず、 同じように考え同じ意図を持てば。(S独話) tane anak uutari ne hi ka koyayrampewtekpa wa oka タネ アナㇰ ウウタリ ネ ヒ カ コヤイランペウテㇰパ ワ オカ 今は互いに親戚同士だと言うこともわからなくなっている。(S) uutari uutari poronno sir-epitta oka ウウタリ ウウタリ ポロンノ シレピッタ オカ 親戚どうしがたくさんそこらじゅうにいる。(S) ☆対語 uwanun ウワヌン 他人同士。 {E: the same tribe, family; relations.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwanun
- ウワヌン 【名】[u-w-anun 互い・(挿入音)・他人] 他人同士。 iteki uutari ka uwanun ka uwehosi uwehosi yaynu no イテキ ウウタリ カ ウワヌン カ ウウェホシ ウウェホシ ヤイヌ ノ 親戚同士でも他人同士でもバラバラに違った考えをせずに。(S独話) ☆対語 uutari ウウタリ 親族同士。 {E: mutual strangers.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uwehosi
- ウウェホシ 【副】[u-w-ehosi 互い・(挿入音)・からはずれて/まちがって](次のように二つ重ねて使って) uwehosi uwehosi ウウェホシ ウウェホシ それぞれ互いに違って、 てんでんバラバラに。 uwehosi uwehosi haweoka ウウェホシ ウウェホシ ハウェオカ めいめい違うことを言う(どれが本当かわからない)。(S) iteki…uwehosi uwehosi yaynu no, sine irenka kor yakne イテキ…ウウェホシ ウウェホシ ヤイヌ ノ、 シネ イレンカ コㇿ ヤㇰネ めいめい違った考えを持たずに、 皆同じ考え、 同じ意見を持てば。(S独話) {E: mutually different.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- wa 1
- ワ 【格助】①(位置名詞の後に置かれて、 移動の起点を示す。)…から(場所を示す)。 Mosirpasari wa ek モシㇼパサリ ワ エㇰ 斜里(しゃり)から来た。(W民話) osmake wa kotcake wa terke=an オㇱマケ ワ コッチャケ ワ テㇾケアン 私は(寝ている彼の)後ろから前へ前から後ろへと跳びはねてまたいだ。(W民話) kanto or wa kemram kamuy ran カント オㇿ ワ ケㇺラㇺ カムイ ラン 天から飢饉の神が降りて来た。(W民話) oro wa karkarse オロ ワ カㇻカㇻセ そこからころがった。(S会話) ②(《…に》と訳される場合もある。 その場合、 ta タ や un ウン を使った言い方とはニュアンスが異なる。 wa ワ はこの場合も、 動作の起点を示す。) te wa mono a テ ワ モノ ア 「ここから座れ」=ここに来て座りなさい。 (注 te ta mono a テ タ モノ ア (近くにいる人に)ここに座りなさい。 te un mono a テ ウン モノ ア ここへ座りなさい。) ③(受け身の行為者を示す。)or wa/oro wa オㇿ ワ/オロ ワ (人)から。 kamuy or wa okamkir ene a=e=yáynure wa カムイ オㇿ ワ オカㇺキㇼ エネ アエヤイヌレ ワ あなたは神からわざとそのように思わされて。(W民話) ④(連体的に使われて) onnayke wa asamaha オンナイケ ワ アサマハ 内側の底。 soynake wa asamaha ソイナケ ワ アサマハ 外側の底。 {E: ①from…(place). ②… ③from…(people). ④…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yayerampewtek
- ヤイェランペウテㇰ 【自動】[yay-erampewtek 自分・がわからない] ①意識を失う、 意識がない、 人事不省になる。 uneno yayerampewtek wa an ruwe ne ウネノ ヤイェランペウテㇰ ワ アン ルウェ ネ 相変わらず意識不明のままです。(NK民話) ②何もわからない、 「ばかになった」。(S) ☆参考 aryayerampewtek アㇻヤイェランペウテㇰ 全く意識がなくなる/ない。 ☆参考 noytek ノイテㇰ 急にフラッと倒れる(気を失なって、 死んで)。 noykosanpa ノイコサンパ 急にフラッと倒れる、 急死する。 yaynutunnu ヤイヌトゥンヌ フラフラッとなる、 気が遠くなる。 ekonramu sitne kane tának kane エコンラム シッネ カネ タナㇰ カネ 夢うつつで(ある)、 意識がもうろうとして(いる)。 {E: ①to lose consciousness. ②to know nothing; become a fool.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaykosiramsuypa
- ヤイコシラㇺスイパ 【自動】[yayko-si-ram-suypa 一人で・自分・心・をゆらす[複]] 考える。 ☆参考 複数形の形だが、 沙流川下流のワテケさん、 サダモさんは、 日常語では常にこの形を用いた。 中流の人の中には、 yaykosiramsuye ヤイコシラㇺスイェ の形を普通に使う人もいる。 ☆参考 他動詞は eyaykosiramsuypa エヤイコシラㇺスイパ ☆参考 一生懸命に考えたりじっくり考え込んだりすることを言う。 yaynu ヤイヌ、 ramuan ラムアン は《思う》sanniyo サンニヨ は先のことをこうすればこうなるそれからああすればどうなるというふうに計算するようなふうに考えることや、 心づもりしていることを言う。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- yaymonkasure
- ヤイモンカスレ 【自動】[yay-mon-kasu-re 自分・手(働き)・過剰になる・させる] 私は働きすぎる。 ku=yaymonkasure ayne ku=yaynuwen クヤイモンカスレ アイネ クヤイヌウェン 私は働きすぎて体具合いが悪くなった。(S) {E: to overwork.} (出典:田村、方言:沙流)
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萱野 茂『萱野茂のアイヌ語辞典』1996年 ©萱野れい子
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』1996年 ©田村洋一