中型のフクロウの仲間で、夏鳥です。大きさはハトくらいで、大きな目で虹彩が黄色く目立ちます。夜行性でおもに夜間鳴きます。
アイヌ文化では「あの世の化け物」という名前が示す通り、あまり良いイメージはありません。当館の採録資料では、死んだ人の魂があの世に行けずアオバズクになったという話が伝わっています(日高地方)。
アイヌ語辞典
動物編:動338(1)
アイヌ語名:ホチコク hocikok
語義:[<鳴き声]
地域・文献:⦅幌別⦆
アイヌの伝承
アイヌ語での呼び方:ホチコク
・死んだ人の魂があの世に行けないで、アオバズクになってこの世にとどまって鳴いているという話があります。ある時、家の近くの水汲み場で明け方に鳴き騒いでいるという噂が立ち、人が怖がって近づかなくなりました。おばけの類ではないことを確かめるために、正体を見に行くことにしました。ひとりでは寂しいので、夜明け前に幼い親戚の子を「ご飯の前にまきをとりに行こう」と言って起こしました。その子は「まだ眠い、暗いのに」と文句を言いましたが、うまく言いくるめてカマスを背負わせて、犬を連れて出かけました。水汲み場で座って夜明けを待っていると、川下のほうからハトぐらいの鳥が飛んで来て大きな木にとまり、山の方からも飛んで来てとまりました。しばらくして一羽が「ホチコク!」と鳴くと、順番に「ホチコク!ホチコク!」と、2羽で交代に頭を下げながら鳴きました。親戚の子はおびえてブルブルと震え「おっかない、これおばけか」と言うので「そばにいる犬が、おばけなら騒ぐはずだ。静かにしてよく聞いていろ!」と叱りました。段々に東の空が明るくなって来た頃、腹の底から「ホーイ!」と高い声で叫ぶと鳥たちは驚いて逃げて行きました。親戚の子も犬もびっくりして飛び上がりました。34130,34134