日本語名:イタヤ イタヤカエデ
アイヌ語名:トペニ、トペンニ
利用:食用、生活用具、祈り
イタヤカエデの葉
学名 | Acer pictum Thunb. subsp. mono (Maxim.) H. Ohashi、1993 |
科名 | カエデ科 |
種類 | 木 |
種ID | P0146 |
山地や林内に生えるカエデ科の高木です。北米原産のサトウカエデの樹液から作る「メープルシロップ」が有名ですが、アイヌ文化でも同じカエデ科イタヤカエデの樹液が甘いことはよく知られており、樹液を飲むだけでなく煮詰めて飴にし、冬にはアイスキャンディを作るなどします。また当館の採録資料では、赤ちゃんが生まれても母乳が出ないときは、この木に木幣を捧げて祈ったといいます(日高地方)。
そして木材としても質が良く、炉かぎや器具の柄などを作ります。細かい彫刻をすることにも適しています。
イタヤカエデの花(5/24)
イタヤカエデ製の小刀の鞘
アイヌ語辞典
植物編:植146(1)
アイヌ語名:トペニ topeni
語義:[tope 乳汁(<to乳房、pe水)、ni木]
地域・文献:⦅北海道各地⦆
区分:茎
アイヌの伝承
アイヌ語での呼び方:トペンニ
・冬に木に傷をつけ、そこから出てくる樹液を凍らせてアイスキャンディを作りました。かき氷よりもおいしかったように思います。34102(34109)
・お腹に子供がいるとき、お湯で煮たものをお茶がわりに飲んでいると、赤ちゃんにあざなどができないといいます。34107
・見た目が白いイタヤカエデは質が良く、まきにしたり、木材として炉かぎやおたま、さじなどを作りました。34102