山地や林内に生えるウルシの仲間で、ウルシオールというかぶれの原因物質を発しているので、かぶれやすい人は近くに寄るだけでかゆみを感じることがあります。
アイヌ文化では漆器類は和人社会から交易を通じて入手し、儀式などの場で使われていました。北海道にはヤマウルシ、ツタウルシが自生していて、当館の採録資料では、間違ってまきにし、火にくべたらかゆくなって大変だったと語られています(日高地方)。
ヤマウルシ(7/5)
ヤマウルシの花
アイヌ語辞典
アイヌの伝承
アイヌ語での呼び方:ウッシニ
・漆にかぶれないようにするには、ヤマウルシの木に抱きついて揺すりながら「あなたを好きだけれど、あなたは木で私は人間。一緒にはなれないのです」という歌を歌います。そうするとかぶれることがないのだといいます。34102,34138
・おじさんが家に入ってきて炉の火にあたっていると、「まるで漆にかぶれたようだ」と言って体中がかゆくなりました。多分私が知らずにヤマウルシをとってきて火にくべてしまったのでしょう。私はおまじないのおかげでかぶれないため、気がつかなかったのです。おじさんから「おまえ、漆をとってきたのではないか」と聞かれましたが、怒られるのが恐いので「知らない。漆って何?」と言ってとぼけておきました。34102