日本語名:エゾテンナンショウ、コウライテンナンショウ
アイヌ語名:ラウラウ
利用:食用、薬用
コウライテンナンショウの花
学名 | Arisaema serratum Schott |
科名 | サトイモ科 |
種類 | 草 |
種ID | P0363 |
サトイモ科の多年草で、有毒植物です。秋には赤い実がつき、別名を「ヘビノタイマツ」といいます。
アイヌ文化では根を食用にします。晩秋に球根を掘りとり、根の真ん中にある有毒部分を取り除いて加熱調理して食べると、とてもおいしいものです。しかし有毒部分が成熟すのを待たずに食べると口がしびれて大変な思いをすることになりますので要注意です。左下の写真は、博物館野草園にて、植生や安全に配慮して処理が行われたときのものです。薬にする場合は、根をすりおろして痛む部分に湿布したり、種子を腹痛などの薬として飲みます。
根の有毒部分除去(向かって右)
ヘビのような茎
コウライテンナンショウの実
アイヌ語辞典
植物編:植363(1)
アイヌ語名:ラウラウ rawraw
地域・文献:⦅北海道全地⦆
区分:球茎
アイヌの伝承
アイヌ語での呼び方:ラウラウ
・子供の頃、黄色い毒の部分を取り除き、鍋の底にカヤを十字に置いて、その上に根を並べて蒸してから食べました。とてもおいしいものでした。「もっと食べたい」と言うと「あまり食べるものではない」と言われました。34179
・根が小さいうちにコケイランなど他の食用の根と間違えて食べると、唇も舌も腫れあがって大変なことになります。その毒でクマも獲るという猛毒なのですから。34121,34179