日本語名:クジャクシダ
アイヌ語名:エトゥケムヌムン
利用:薬用
クジャクシダ
学名 | Adiantum pedatum L. |
科名 | ホウライシダ科 |
種類 | 草 |
種ID | P0427 |
ホウライシダ科のシダ植物です。アイヌ文化では、道東地方で鼻血や喀血の薬として外用、煎じて飲むとあります。当館の採録資料で、日高地方でも血止め効果のある薬として使われていることが判明しました。
アイヌ語辞典
植物編:植427(1)
アイヌ語名:エトゥケムヌムン etukemnumun
語義:[“鼻出血の草”の義。etu(鼻)kemnu(出血する、kem血、nuもつ)mun(草)]
地域・文献:⦅美幌、屈斜路⦆
区分:葉
アイヌの伝承
アイヌ語での呼び方:ケムトゥイェキナ
・「血止め草」という名のきれいな草で、家の水汲み場のまわりに生えています。普段から干しておきました。1年経って新しい草が出ると、古いものは外の祭壇に持って行って神の国に送り、また新しいものをとりました。子供の頃おもちゃにしようとすると「薬だから粗末にしてはいけない」と言われました。手がしびれて固くなる病気(リュウマチか)の人が飲んだのかどうしたか知りませんが、これで治ったと言っていました。34123
(編注:和名は不明でしたが、最近になって織田さんのご遺族が「この草だ」と示してくださったのはクジャクシダでした)