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私は立派な男で、立派な女性と結婚して暮らしていました。狩りにいってもクマやシカをたくさん獲って帰って来るのでした。
(ここから妻が語る)私は立派な長者の妻で、子どもが欲しいということ以外は何不自由ない暮らしをしていました。どういうわけか毎年冬になって雪が降ると、その雪を丸めて便所に置いておいて、用を足すとそれでお尻を拭くというのが常でした。ある時夫が山猟に行った後で家の仕事をしていると、突然大きな音がして、大きな雪のかたまりが、窓や戸口から家の中に飛び込んできました。どんなに逃げてもいくつも飛び込んできて私に当るので、とうとうひどい死に方をしてしまいました。死んでからわかったのですが、雪は尊い神であるのに、それでお尻を拭くという失礼なことをしたために雪の神様が怒り、私は罰せられたのでした。村人たちに夢を見せて「決して雪でお尻を拭かないようにしなさい」と言い残して死んでいきますと、ひとりの女性が物語りました。
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