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僕の祖母が「水をくんでおいで 孫よ」といっても
水汲みが面倒くさいので怠けて
消し炭を叩き叩き
炉縁木を叩き叩き
祖母が動けなくなってからは
水くみも面倒くさい
炊事も面倒くさい
僕もお腹が空いたけれど
水くみも面倒くさい
火をたくのも面倒くさい
祖母は老衰で死んでしまった
お腹が空いたけれど
動くのも面倒くさい
炉縁木を削り削り
消し炭を削り削り
毎日
動くのが面倒くさい
そうしていると
座っているところの地面が裂けて
僕の上に土が落ちてきて
悪い、ひどい死に方をするので
決してきかん坊ではいけません
決して怠けるのはいけませんと
後ろに叫びながら
死んでいくのでこういいますよ
とひとりの悪い怠け者の子供が
物語りました。
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