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ある人が、オオウバユリ掘りをして家に帰り、背中をいろりの火であぶっていました。すると誰かが家の外で歩くような音がしました。毛皮でも着た人が歩くような音でした。もう夜なのに誰だろうと思っていると、2度も3度も家の外に来て、何かをぼそぼそと言っています。山姥が自分の持ち物だと主張して、オオウバユリを取り返しに来たのかと思い、ぱっと起き上がって着物をはおり、いろりから火の燃えさしを持って外に出て、こう言いました。「人間は凡庸なので、誰の物かわからずにオオウバユリを持ち帰り、おまえはそれを取り返しに来たのだろう。でも火の神様が見守っているのだから、神の言葉を聞いて帰りなさい。これからはおまえの物であるオオウバユリをとることはしないよ」と言いながら燃えさしをまきちらしたところ、それからその妖怪が来ることはありませんでした。印のあるオオウバユリの群生地では採集をするものではないと、その人が言いました。
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