ヘッダーメニューここまで
ここから本文です。
川上の者(ペナウンペ)と川下の者(パナウンペ)がいました。ペナウンペは何でも人のまねをしたり、先回りして自分だけ得をしようとするようなまねをする者でした。私(パナウンペ)は最近、和人の町にまきを背負っていって、着物と交換して帰ってきていました。妻の着物を背負って帰ってくると、妻は喜びました。毎日交易に出かけて、酒や色々な物を交換してきていたところ、ペナウンペがやってきて、どうしていい物ばかりを持っているのかと聞きました。そこで「和人の町の近くにいって、一物を掛け竿にして、伸ばしていった。すると和人の女性たちはその掛け竿に着物を掛けたので、竿を縮めると手に入った」と嘘を教えてやりました。ペナウンペはまねをしようと思って、出かけていきました。
何日かするとペナウンペの奥さんが泣きながらパナウンペのところにやってきて言いました。「パナウンペが嘘を言うので、その通りにまねをした亭主はノコギリやマサカリで一物を切られ、もう死にそうになっています」というのです。そして私に恨みごとを言いながらペナウンペは死んでしまったのでした。「決して人まねをしようと思うのではない、最後には神から罰せられて死ぬものだ」と子孫に言い聞かせて私(パナウンペ)は死んでいくのです。
本文ここまで
ここからフッターメニュー