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物語や歌

C0061. カラスが姉に化けていた

あらすじ


 どうして自分が生まれたのかもわからずに、姉が私を育てて、ふたりきりで暮らしていました。私は今ではもう大きくなったので、山猟に行っては獲物を家に運んできて、姉は毎日皮張りの仕事をしていました。何も欲しいと思うことのない暮らしでしたが、ある時また山猟にいって獲物を家まで担いできて、神窓から家の中を見ると、家の中には姉ではなく一羽のカラスがいて、炉の火を吹いておこしながらこのような歌を歌っていました。「カラスの子と取り替えたうちの子は、狩りが上手過ぎて私は手が痛い」。それを見て驚き、山のほうに引き返して、ずっと山にいたようなふりをして家に帰ってくると、いつも通り姉が手仕事をしているのでした。

 疑いながら暮らしていると、姉はついにこんなことを白状しました。「私は実はカラスの神なのです。人の子がうらやましくなって、自分の子と人間の子を取り替えて、さらって連れてきて育てていたのがあなただったというわけです。でもあなたはとても狩りが上手で、私は皮張りの仕事に明け暮れ、手が痛くて歌を歌っていたところを、あなたは見てしまったのです。私はこれからはカラスの姿に戻って暮らすつもりですから、あなたはどこからかやってくる女性と結婚して暮らしてください。酒が手に入ったら私に祈って捧げ、クマやシカをとったならば、私に分配すると言って祈ってください。そうすれば、私はどこにいてもあなたからの供物を受け取ることができるのです」。そう言って、姉だと思っていた人は大きなカラスになって、泣きながら飛んでいってしまいました。

 ひどく驚きあきれて暮らしていましたが、そのうち本当にどこからか立派な女性がやってきたので、結婚して一緒に暮らしました。

 

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