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物語や歌

C0078. カワガラスの神に助けられた父の話

あらすじ

 

 私が生まれたか生まれていないかという頃の話です。父が魚をとるために川の上流に向かっていきました。川でマスをとり、途中で泊って魚を焼いて置いておきました。また上流へ向かっていきながら魚をとり、焼くために大きな木の根をくべて火をたき、そのそばに仮小屋を作って背中をあぶりながら寝ていると、カワガラスが激しく鳴きながら私の仮小屋の戸口まで来ました。そして私の着物のすそをグイグイと引っ張るので驚いて目を覚ますと、下流の方へ鳴きながら飛んでいきました。そしてしばらくすると、火にくべた根っこが転がって川の中へ入ったので、びっくりして恐ろしくなりました。何かを予知して知らせに来たのがカワガラスだったのではないかと思い、魚を荷物にまとめて、「もう日が暮れるけれど、下流に行けば仲間がいるだろう」と思ったので、下流へ向かって水の中を歩いていきました。すると前方にクマが川を渡っていく様子が見えました。そこを通らなければ仲間のところに行けないので、神に祈り「このようにカワガラスの神の教えで下流に向かっているのです。どうぞ私のほうを振り向いて守ってください」と言いました。そして前に私が魚を火棚の上に置いておいたところまで来ると、全てクマに食べられてなくなっていました。そしてさらに下流に来ると、やはり魚とりに来ていたおじさんが火をたいているのが見えました。そこへ行って咳払いをすると、おじさんは驚いて「暗い中どうしたんだ」と言うので、カワガラスの一件を話しました。そしてそこで一晩泊まって、翌日ふたりで山を下りてきました。おじさんもカワガラスが「さあ逃げろ逃げろ」という意味で着物を引っ張ったんだろうと言っていました。

 

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