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物語や歌

C0086. カッコン鳥のかぶと

あらすじ


 私はどうやって生まれたものか大きな家の中に一人でいて、毎朝毎晩上座の窓のところに食べ物が上等の食器に入れて置かれているのでそれを食べ、家の中で遊びまわって暮らしていた。宝壇のところには古い神の鎧が生きている人のように金属の笠をかぶり、神の太刀を差しているのを見ていた。

 だんだん私は大きくなるとどこかに行けば人間に会えるのだろうと思っていて、ある日これだけもう大きくなったのだから出かけてみようと思って鎧を身に着け、カッコウの飾りのついた金属の笠をかぶり太刀と槍を持って神様に祈って家の外に出た。

 何とまあ美しい村なのか、川上は遠くて高くそびえ、河口のほうは近くて盛り上がって見える。川に沿って遡っていき、風に乗って低い木は木の上を通り高い木は木の横を通って行くとキムント村という村の湖のそばに行った。

 そこでは女の人が歌を歌っている。歌声を聴くと「私はキムント村の娘で、男2人女2人の兄弟姉妹なのだ。シンヌタㇷ゚カの勇者の噂は高いけれど、攻めて行って殺してやろう。そうすれば私たちの勇敢な話はますます高まるだろう。」と歌っているので、みると倒れ木のそばに座って胸を叩きながら歌っている。私は腹を立てて隠れて近づいていってそばに行ってその女を捕まえた。「お前は誰だ」と聞いたら「私はキムントの女で女2人の姉だ。神の中も土の中も通す巫力を持っているのだ」という。私は腹を立てて切り捨てて遠くの山の中に投げ捨てた。

 それから私はその女の着るものを身につけ頭に巻く布も巻いてその女に変装し、自分の鎧を背負って、湖のそばを歩きながら「兄さん、湖を渡してください」と女の声で歌っていると、山を削った細い道をくだり舟に乗ってキムントの兄がやってきたので「こうやってシンヌタㇷ゚カの勇者を殺して鎧を奪ったのだよ」というと男は「よくやった」といって湖を渡してくれた。それから細い道をたどって山を登っていくと大きな家があった。

 そこで「シンヌタㇷ゚カの勇者を殺して鎧を奪ったのだよ」と言って家に入っていくと、みんな喜んで「シンヌタㇷ゚カの半分神で半分人間の勇者をあなたは巫力が強いので倒したのだ、明日はシンヌタㇷ゚カに行って宝を奪ってこよう」といい、カムイノミをして歌ったり踊ったりしている。私も女に交じって踊りを踊っていた。

 そのうち私が外に出たいといって外に出ると、家の左座側に小さな家があるので窓から覗いてみると若い女が座っている。そこでいったん後戻りして改めてはじめて入ってきたふりをして入っていき、上座に座ると娘はこういった。「シンヌタㇷ゚カの勇者よ、あなたが来るのも姉を殺すのも私は見ていましたし、姉のふりをして兄たちをだますのも全部見ていました。私は家族や仲間がいない人と戦うことはできないので、シンヌタㇷ゚カの神であるあなたをお助けします。」と言った。そして娘はご飯をたいて私に差し出したので、私は一杯めをたいらげてしまい、二杯めは自分で二口三口それを食べて娘に渡すと娘はうやうやしく受け取って食べた。これで私たちは夫婦になったのだ。

 それから私は外へ出てまた家の中に入って踊りを踊り、やがて着ている服を脱ぎ捨てて鎧を身に着けてそれから酒を仕切っている男のところへ行き、酒の樽を持ち上げてそのまま飲んでから男の頭にかぶせた。それから男たちに刀で斬りつけると「驚いた、女だと思っていたらシンヌタプカの半分神で半分人間の勇者が私たちの妹を殺して変装していたのだ。」と言いながら大騒ぎしている。「私は何も悪い心を持っていないのにお前たちは戦いを仕掛けるつもりなのか」といい、切りつけて窓から逃げるやつも切りつけ戸から逃げるやつも切りつけた。

 家の中に敵がいなくなったので屋根の煙出しの穴から外へ出てみると悪者たちは虫がうごめくみたいに集まっている。キムントの年上の男は「たった一人なのだ、斬り殺してしまえ」と号令をかけている。そこで私が戦っていると、例の娘も私のそばに来て私を助けてくれる。そこへ今度はポンモシㇼの女だという娘もやってきて私といっしょに戦ってくれた。そうしてひと月だかふた月だか男は男の戦いをし、女は女の戦いをしていた。

(ここから自叙者が娘に変わる。)

 そのうちシンヌタㇷ゚カの勇者はどこへ連れて行かれたのかわからなくなり、女の私たちは彼を捜し回った。すると、どこからかカッコウが鳴いている声が聴こえてくるので、行ってみると地下のポㇰナモシㇼまで行った。そこには大きな沼地があり、そこに生えている折れた木にシンヌタㇷ゚カの神の勇者の金属の笠がかぶせてあった。その笠のカッコウの飾りがつけてあるのが鳴いているのを私たちは聴いて地下までやってきたのだ。

(ここまでであとは思い出せない)

 

本文ここまで

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