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私の村で、山に行く人たちがクマと仔グマを下ろしてきて、私たちは仔グマを育てていた。
あるときまた、山から仔グマを下ろしてきた。まだとても小さいので、私の乳で育てていた。私は仔グマを赤子のように可愛がっていた。仔グマはどこに行っても私について来てきた。何をするにしても私についてきた。
やがて村人たちはクマ送りの儀式の支度を始めた。私はとても仔グマを可愛がっていたので心を痛めたが、儀式の支度を手伝った。そして儀式がおこなわれ、仔グマは殺された。私は心を痛めていたが、仕方のないことだと思っていた。
その仔グマは「母のように私を育ててくれて、私は人間の母と別れがたい。そこで私は母を(神の世界へ)連れて行こう」と考えた。
「私の育てたクマが私を(神の世界へ)連れて行こうと考えたので、私は死ぬのだ。クマを育てても、子供のように可愛がりすぎると、育ての母と別れがたく思い(神の世界へ)連れて行こうとするのだから、これからの人は決してこのようにするのではないぞ」どこかの姉が物語った。
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