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物語や歌

C0162. 伝染病の神とねたむ人間たち

あらすじ


 ユペッの河口に大きな村があり、気がつくと何もない大きな家で食べるのにも困り、泣いて暮らしていた。家の側に道がありそこを薪採りの女の人が通ることがあったが、知られないようにしていた。
 あるとき窓から食べ物が落ちてきて、それをちぎって食べていた。それを落としてくれたのは村はずれに住むまだ若い兄と妹の兄弟の妹であった。その妹が言うには、悪さを働く村長がいるから他の人は構わないでいたのだった。その妹は薪採りのついでに食べ物を窓から落としてくれ、兄の方は夜中に着るものを運んでくれた。しばらく兄の方がやってきて、食事を運んでくれたが、自分も大きくなり出歩くようになると兄たちの家に食事をしにいき、寝るときは自分の家に戻るという生活をするようになった。やがて大きくなって見よう見まねで狩りをして最初は何も獲れなかったが、徐々に獲れる様になり、処理の仕方を兄に教わり、食器を姉からもらって、なんとか一人で生活できるようになった。やがて毛皮がどんどん溜まったので、それで交易に行っていろいろなものを手に入れたが、交易で得た品を悪さを働く村長に奪われてしまう。
 村長がお前を殺そうとしていると育ててくれた兄と姉に聞かされて、別の村へ行けと兄と姉が自分だけ逃がしてくれたので、別の村に逃げていくと、そこの村長はかわいそうだと同情してくれて、そこで生活することになった。やがてその村の村長の娘と結婚をした。そして村長の二人の息子に河口に住む悪い神を退治したいから一緒に来てくれと誘われて、二人の兄が自分をねたんでいて、殺されるだろうことは分かっていたが、一緒に行き、滝から落とされしまった。
 そのことを私(村長)はカラスの神に知らされて、二人の息子を罰し、それから途方にくれて暮らしていた。するとあるとき夢になくなった息子がでてきて、自分は流行病の神の子で、川の淵の上に受け止められて助かったが、父が人間でこんな目にあって命を奪ってしまった。そしてユペッに行って、心の悪い奴に仕返しをしてやると言っているが、育ててくれた兄と姉に逃げるように思わせたから助けて欲しい。そしてそんなに泣かれたら神の世界でも苦労するから泣かないで欲しい。そして流行病の神にイナウを捧げて欲しい。心の悪い奴はみんな死んでしまうが、いい人は生き延びてこの村にやってくるから、という夢を見た。
 それから本当にその兄弟がやってきて、心もよく、息子、娘と思って大切にし、二人とも所帯を持ちその子供をかわいがり、また二人に養われながら幸せに暮らした。やがて逃げてきた人たちも村に住まわせた。自分の村でも心の悪い人は死んで行ったが、やってきてた人もいるおかげで、村は栄えた。そして、流行病の神を祭ることを忘れないようにと言い伝えて、年老いて行った。

 

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