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物語や歌

C199. 飢饉になり千歳まで魚とりに行ったタンネサルの親子

あらすじ

 

 私はタンネサル(現在の振内町)に住んでいました。飢饉など知らずにいましたが、ある時村に飢饉がやって来て苦しむことになりました。噂では千歳には魚が遡上しているというので、息子を連れて出かけて行きました。鵡川である男性に渡船をしてもらい、千歳で魚をたくさんとって戻り、また鵡川で渡船をしてもらおうとすると、男性は出て来ずに女性が出て来て川を渡してくれました。男性がいない理由を尋ねると、その女性はこう言いました。「昨夜暗くなってから人が呼ぶ声がしたので、夫が外に出ていくとそのまま帰って来ませんでした。様子を見に行くと、水音がして舟が流れていく様子を見ました。走って行ってその舟をつかんだところ、舟の中で夫が正気を失っていました。連れて帰って寝かせていますが、それきり正気が戻らないのです」といって悲しんでいました。気の毒になり、おはらいをしてあげようと申し出て、その人の家に戻っておはらいをしてあげたところ、その旦那さんは正気を取り戻しました。奥さんはとても私に感謝して、一振りの太刀を私にくれると言って差し出しましたが、裕福ではない様子が気の毒なので受け取らずにそのまま帰って来ました。
 沙流川の河口にさしかかった頃、今度は息子が正気を失ってしまいました。おはらいをしても介抱しても駄目なので、平取に巫術の力が強いおじいさんがいるというのを聞いていたので、そこに行って助けてもらおうと考えました。

 平取のおじいさんのところに着いてわけを話すと「それは太刀を受け取らなかったせいで、悪い神が息子さんに憑いてしまったのだ」と言っておはらいをしてくれました。すると息子は正気を取り戻しました。そして私が背負って来た魚をその家にたくさんいる犬の中の一匹にやると、その犬はすぐに死んでしまいました。おじいさんは「この魚を村に持ち帰って人が食べたなら、みんな死んでしまうだろう。背負って来た魚をみんなここで燃やしなさい」と言いました。そこでおじいさんの言う通りにしました。
 おじいさんは自分の飼っている赤犬を殺し「この犬の肉を、あなたの村の人に食べさせなさい。来られない人には汁だけでも飲ませなさい。犬の骨は燃やして炭にし、餓死しそうな人の腰に塗ってあげなさい。そうすれば元気になるでしょう」と言いました。村へ帰って言われたとおりにすると、元気がついて来た人たちが猟に行き、小動物をとって来るようになりました。やがてクマやシカもとれるようになり、村は元通りになりました。
 これからも平取の人とは仲良く暮らしなさいと、タンネサルの人が物語りました。

 

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