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物語や歌

C0203. イクレスイェがフクロウ神から子供を授かる

あらすじ

 

 私はユペッに住むイクレスイェです。長者なので何不自由ない暮らしをしていましたが、ただ子供がないことだけが悩みでした。家の外には祭壇があり、いつもきれいにしてありました。近くには小さなエゾマツが生えていて、そのまわりもきれいに掃除して、祈りを捧げていました。そのエゾマツは成長が早く、とても大きくなりました。そのエゾマツにはフクロウが巣をかけ、やがてひなが生まれたようでした。親鳥は朝まだ暗いうちからエサを探しに飛び立ち、エサをとってきてひなにやっても、すぐにお腹が空いて鳴き騒ぎます。それをかわいそうに思い、木皿に肉や魚をたくさん入れて、フクロウの神に祈りました。すると朝暗いうちに木皿の食べ物はなくなり、親鳥が海のほうまで飛んでいくということもなくなったので、喜んでしました。
 ある夜夢を見ました。私の家のいろりの上座に、黒い着物を着た男の人がいました。その人が銀のキセルとたばこ入れを持っていました。「イクレスイェの旦那さん、あなたには感謝してもしきれないくらいに思っています。明日になったらこの金の草履をはいて海を渡ってください。すると海は固い床のようになって、あなたはやすやすと海を渡っていけるでしょう。海の向こうには大きな川があって、その川をさかのぼっていったなら、金と銀のかたまりが両側で光っています。それを持ってきたならば、あなたは何の苦労もなく暮らすことができます」と言いました。翌日言われた通りにして、置いてあった金の草履をはいて海を渡っていき、金と銀のかたまりを持ち帰ってきました。するとまた夢を見るとあの男性が出てきて、こう言いました。「私はもう神の国に帰りますが、子供を男の子と女の子にして置いていきます。大きくなったら一緒の寝床で寝かせなさい。すると子宝に恵まれますから」。起きると、戸口のすだれが動いたので行ってみると、男の子と女の子がいました。大喜びして子供として育てることとし、鳥の子なので大きくなるのがとても早く、成長したら一緒に寝かせたところ、次々に子供ができました。
 それからはエゾマツの神、フクロウの神に祈りながら子供たちを育て、幸せに暮らしました。子供たちがとってきた獲物を食べ、子供たちには木幣の作り方や儀式をすることを教え、神に祈ることを忘れないようにと言い置いて死んでいきますと、イクレスイェが物語りました。

 

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