30201-8．大地の神への祈り　音声　音声［08'41"］　↑目次　

  キムン　ラﾑヌサ 山手の低い祭壇
  （シﾘコﾛ… 大地を領する）
  シﾘコﾛカムイ　オレン 大地を領する神へ
  イノンノ　ポﾛセイタｸ 祈る唱え言葉。
5 シノ　オイナネ 誠に尊い
  キムン　ラﾑヌサ 山手の低い祭壇
  シﾘコﾛカムイ 大地を領する神
  シノ　オイナネ 誠に尊い
  カムイ　ピト　オレン 神なるお方へ
10 シフｼコ　トイ　オロ　ワノ 太古の昔から
  カムイ　トゥタヌ　ワノ 神代から
  オカイ　ロッ　キ　ア おられた
  シンリッ　ネ　エカシ　ウタリ 先祖である翁達が
  オトゥルﾑコテ　キ　カネ 力説添えながら
15 ポﾛセ　キ　ロｸ　ア 語っておられた
  イタｸポﾛセ　アリ 言葉運びで
  カムイ　ナン　コッチャ　サモﾛ 神のお顔の前を
  アサラレマカ 私があけ開かせ
  アンキ　トゥラノ ながら
20 イタッカﾗパレ 言葉運びを
  アンキ　イ　タ 致しますときに
  イナウコﾛ　アｼコﾛ 木幣つきの神酒
  シロマ　トノト 伝来の酒を
  トゥキカッケマッ 酒杯の女神の
25 エイカンパスイコンナ 上に渡した捧酒箸が
  モﾑナタラ　キ　ノ 流れんばかりに（なみなみと）
  シオイナ　パセ 尊く重い
  カムイ　オレン 神の許へ
  アリキンテ　アンキ 献上致します
30 ワ　ネ　ヤクン ならば
  アリキンテ　キ　ロｸ　ア 差し上げました
  イナウコﾛ　トノト　エン 木幣つきの酒へ
  コテｸトゥリリ　キ　ワ 手をのばして
  トノトフチ 酒の媼神を
35 カムイ　シテコﾛ　カシ 神がご自分の手の上に
  コオシロマレ　キ　ワ しっかりと受け入れて
  イコレ　キ　ヤン 下さいませ。
  タアン　オンカミ この拝礼を
  アンキ　イ　アナｸネ 私が致しますのは
40 タパン　シラオイ　ヌタﾌﾟ　タ この白老の地に
  シオイナネ　パセ 尊く重い
  イレスフチ 育ての媼神（火の神）
  カムイ　モイレマッ 神なる淑女
  コン　ロｸ　ア が領する
45 ソユンミンタﾗ　カ　タ 外庭の上に
  イウォﾛコﾛカムイ 猟場を領する熊神
  コン　ロｸ　ア の
  カムイ　オポイサﾑ 神の御子
  カムイ　オイチナ 神の子孫
50 カムイ　サシニ 神の世継ぎを
  アアラレス 私共が立派に育て
  アトﾑテレス 大切にお育て
  アンキ　イ　タ 致しましたときに
  カムイ　オポイサﾑ 神の御子
55 カムイ　オイチナ 神の子孫
  カムイ　サシニ 神の後継ぎが
  セッ　コリﾑセ 檻で舞い
  セッ　コテﾚケ 檻で跳ね
  セッ　コタﾌﾟカﾗ　キ　イ　タ 檻で踏舞するときに
60 カムイ　エネ　アイヌ　エネ 神であれ人であれ
  シルンノ　アヌサシ （子熊を）非常に可愛がって
  キ　ロｸ　ア　コﾛカ おりましたが
  アオイナレス 私達が尊んでお育て
  キ　ロｸ　ア　クス 致しましたので
65 タパナｸネ 今や
  シノ　オイナネ 誠に尊く
  パセ　カムイ　ネノ 重い熊神として
  スクパｼヌ　キ　ノ よく育ち
  オウレウｼ　キ　ア　クス 大きくなられましたので
70 アイヌ　コタン　オロ　タ 人間の村において
  アスクﾌﾟテレ　キ　イ　アナｸ お育てするには
  オアッタﾌﾟ　コラﾑニウケｼ 全くもって力に余り
  アンキ　ア　クス ましたので
  シカント　ニソﾛ　オロ　タ 誠の天界に
75 オカイ　ロッ　キ　ア おられる
  カムイ　エカシ　オレン 神なる翁様の許へ
  ウ　アコヤイイェ 私自らそれを申し上げて
  アコヘマカライェレ お帰りいただく
  アンキ　シリ 次第
80 ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
  ネ　ロｸ　ア　クス でありますので
  シフｼコ　トイ　オロ　ワノ 太古の昔より
  カムイ　トゥタヌ　ワノ 神代より
  シンリッ　ネ　ロｸ　ア （私達の）先祖である
85 エカシ　ウタリ 翁様方が
  コシカタヌ　キ　ロｸ　ア それを送った
  シカタヌ　アリ　エ やり方で
  シノ　オイナネ 誠に尊い
  カムイ　オポイサﾑ 熊神の子を
90 シンリッ　ネ　ロｸ　ア （熊の）先祖である
  カムイ　エカシ　オレン 神なる翁様の許へ
  アコオマンテホシピレ 送り返す
  アン　クｼキ　エトコオイキ べく準備を
  アオサｸサク 私共が整えます
95 キ　ロｸ　イ　タ 時に
  シノ　パセ　オイナ 誠に重く尊い
  ピト　オレン　ネヤッカ （大地の）神の許へも
  イナウコﾛ　シロマ 木幣つきの聖なる
  トノト　アｼコﾛ 御神酒
100 アリキンテ　キ　イ　タ を献上致します時に
  エカシ　カン　ロｸ　ア （私達の）先祖が創造された
  ポﾛセイタｸ　アリ 唱え言葉で
  ソンコ　リキンテ 私が伝言申し上げ
  アンキ　ワ　ネ　ヤクン ますならば
105 アリキンテ　キ　ロｸ　ア 申し上げる
  イタｸポﾛセ 言葉運びを
  エイアッチャウシ　キ　イ　カ 無駄にすることも
  コイサﾑ　ノポ なく
  シヤンノ　シノ 真に誠に
110 オイナネレ　キ　ワ 尊重されて
  イコレ　キ　ヤン 下さいませ。
  アノミ　キ　シロﾛ　オロ　タ 祀られる自然界に
  ウロｸテ　キ　ワ 鎮座して
  オカイ　ロッ おられる
115 カムイ　ウタリ　ネヤッカ 神々でございましても
  タパン　カムイ　コシカタヌ この神祭りを
  アンキ 致しますことを
  アシコアﾑキレ 私がお知らせ
  アンキ　ﾌﾟ する次第
120 ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
  アノミ　シロッ　タ 祀られる自然界に
  ウエサマンパ　ノ 次々と
  ウエキﾌﾟトゥﾙパ　ノ 居並び
  ウロｸテ　キ　ワ 鎮座して
125 オカイ　ロｸ　カムイ　ウタリ おられる神々が
  ウコラチ　カムイ　ウタリ 同じ神どうし
  シヤンノ　シノ　ピﾘカ 誠にもって良き
  ウコラﾑコﾛ　キ　カネ 話し合いをしながら
  アウココン　ロｸ　ア 私達が共有する
130 ヤウンクﾙ　モシリ 北海道の国土の
  クﾙカシケ 上に
  セミンキ　アン　ペ 卑しき者の
  クリ　ヘトゥッカ 影がさし
  キ　ワ　ネ　ヤクン ますならば
135 カムイ　エイヌプﾙ 神の偉力ある
  ウ　シオイナ　フッサ　アリ 尊い息吹で
  アエフッサエチウ 魔払いを
  アンキ　ワ　ネ　ヤクン 致しますならば
  ネ　イ　オカケ　タ その後に
140 ヤウンクﾙ　アイヌ　ウタリ 北海道のアイヌ達は
  ネﾌﾟ　ヘキピﾌﾟ　ヘ　キ 何に怯えることがあろう
  コホタｼヌ　キ　イ　カ 何に恐怖することも
  コイサﾑ　ノポ なく
  ソケｼ　コﾛ　クﾙ　ネ　ヤクン 妻を持つ者であれば
145 ソケｼ　トゥラノ 妻と共に
  ウラﾑコパｼテ 互いに励ましあい
  オナ　コﾛ　クﾙ 親を持つ者
  ネ　ワ　ネ　ヤクン であれば
  オナ　ホﾛカ　レス 親を逆に養い
150 ポ　コﾛ　クﾙ　ネ　ヤクン 子を持つ者であれば
  ポ　レス　キ　ワ 子を養育して
  オウレウｼ　キ　ヤクン 大きくなったならば
  カムイ　オルｼペ 神の話
  アイヌ　オルｼペ 人間の話
155 アイヌコﾛ　オルｼペ それを尊重する話を
  アエハノッカ 私達が教え伝え
  アンキ　ワ　ネ　ヤクン ますならば
  タアン　ハノｸ　アナｸネ この教えは
  シオホロマニウ　パｸノ 幾久しく
160 オイラ　キ　クニ　ﾌﾟ 忘れることも
  ソモ　ネ　ルウェ　タパン　ナ ないのでございます。
  オイラ　スラ 忘れ去り
  ラケライ　キ　クニ　ﾌﾟ 滅びることも
  ソモ　ネ　ルウェ　タパン　ナ ないのでございます。
165 タアン　ハノッカ　アリ この教えと
  アンイェ　ﾌﾟ　アナｸネ いうものは
  シオホﾛマニウ　パｸノ 幾久しく
  オイラ　スラ 忘れ去り
  ラケライ　キ　イ　カ 滅びることも
170 コイサﾑ　ノポ なく
  シオホロマニウ　パｸノ 幾久しく
  シトゥリ　キ　クニ　ﾌﾟ 受け継がれるもの
  ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
  カムイ　オカイ　キ　ア　クス 神がおられるので
175 アイヌ　ウタリ　ネヤッカ 人間達も
  スクﾌﾟ　エイアｼカイ 人生を送ることができる
  キ　クニ　ﾌﾟ もの
  ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
  アイヌ　ウタリ 人間達が
180 オカイ　ロｸ　ア　クス いるので
  カムイ　ウタリ　ネヤッカ 神々であっても
  アリｸレロｸテ　キ　クニ　ﾌﾟ 崇め奉られるもの
  ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
  カムイ　ペンチョﾛ　カ 神の真実も
185 イタｸ　ペンチョﾛ　カ 言葉の真実も
  シネ　ﾌﾟ　ペンチョﾛ　ネノ 一つの真実として
  ウチョﾛコパｼテ 支え合い
  ウチョﾛコノイパ 励まし合う
  キ　ワ　ネ　ヤクン ならば
190 ウカエシニ （神と人間は）相互に依存
  アンキ　クニ　ﾌﾟ する関係
  ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
  （節なし）ネ　ワ　ネ　ヤクン であるならば
  イタｸ　アオシレパレ 言い納めと
195 アニ　タパン　ナ 致しますよ。
  ハ　エエエエ 拝み奉る。