30202-6．太陽神への祈り　音声　音声［10'50"］　↑目次　

  （リ）ヌサ 高い祭壇の
  ホㇱキ　オンカミ　クㇽ 最初の拝礼をする人が
  イポㇿセイタㇰ 唱える言葉。
  シノ　オイナネ　カント　リ 誠に尊い天高き
5 アヨロ　オロ　タ 宇宙で
  ミケ　シカイェ　キ　ノ 燦然と
  コキヤイマカ　キ 輝きを放つ
  シオイナ　リコマカムイ 尊い太陽の神
  シノ　オイナネ　カムイレ 尊い神名は
10 ピンネアイハㇱナウ 「男矢の柴幣を
  コㇿ　オイナマッ　オレン 持つ女神」へ
  アコイポㇿセ　イタㇰ 私が唱え言葉を
  アリキンテ　アンキ 奏上致します
  ワ　ネ　ヤクン ならば
15 キムン　メトㇰ　エプンキネ 山奥を守護する
  ヌプリコㇿクㇽ 熊神
  コン　ロッ　キ　ア の
  カムイ　オイチナ　サシニ 神なるご子孫を
  モシㇼコㇿ　パセ　フチ 国土を領する重い火の媼神
20 コン　ロㇰ　ア が領する
  ソユンミンタㇻ 外庭の
  カシ　オロ　タ 上で
  アレス　アンキ 私共がお育て
  ロㇰ　アワ しましたところ
25 セッ　コリㇺセ （子熊の神が）檻で舞い
  セッ　コタㇷ゚カㇻ 檻で踏舞
  キ　カネ しながら
  オカイ　ロッ　キ　イ　タ 暮らしておられました頃に
  カムイ　エネ　アイヌ　ウタリ 神であれ人間達
30 ネヤッカ であれ（子熊の神に）
  アンエネウサㇻカ 話をして楽しませて
  キ　ア　コㇿカ おりましたが
  タㇷ゚　アナㇰネ 今は
  アオイナレス 私共が尊んでお育て
35 アンキ　ロㇰ　アワ 致しましたので
  スクパㇱヌ　キ　ノ すくすくとよく育ち
  シヤン　オウレウㇱ 誠に立派な
  パセ　カムイ　ネノ 重き熊神として
  トゥㇰノ　キ　アクス 成長なさいましたので
40 アイヌ　ヌタㇷ゚　タ　アナㇰ 人間の土地においては
  オアッタㇷ゚ 全くもって
  ヤイカタヌ　アンキ　ア　クス 畏れはばかられますので
  シンリッ　ネ　ロㇰ　ア （子熊神の）先祖であられる
  エカシ　オレン 翁様の許へ
45 アコヤイイェ 私自らそれを申し上げ
  アンキ　ロㇰ　ア　クス ましたので
  カムイ　オンルプㇱ　キ 神を旅立たせる
  クㇱキ　エトコオイキ　キ 準備を
  ペウレ　クㇽ　ウタリ 若者たちが
50 エイオサㇰサク 抜かりなく
  キ　ロㇰ　ア　イ 整えましたことを
  シノ　オイナネ 誠に尊い
  リコマカムイ　オレン 太陽の神へ
  （アコ… ）
55 アシコアㇺキレ お知らせ
  アンキ　オンカミ する拝礼を
  アンキ　シリ 致します次第
  ネ　ルウェ　タパン　ナ です。
  アノミ　キ　ロㇰ　ア 祀られる
60 シオイナネ　シロㇿ　オロ　タ 尊い自然界に
  ウロㇰテ　キ　ワ 皆で鎮座して
  オカイ　ロㇰ　ア おられる
  カムイ　ウタリ 神々
  ネ　ヒ　ネヤッカ でありましても
65 ウネノ　タアン　カムイ 同様に，この熊神を
  オンルプㇱテレ 旅立たせる
  アンキ　クㇽカシケ 様子を
  コシコマレ　キ　ワ 共に見守って
  イコレ　キ　ヤン 下さいませ。
70 シノ　オイナネ　カムイ 誠に尊い神が
  コン　ロッ　キ　ア 纏う
  サランペ　コソンテ 絹衣
  コㇿ　チンキ　コㇿ の裾の
  セセㇰ　ポㇷ゚ケ　マウェ 暖かい息吹が
75 カムイ　カㇻ　ロッ　キ　ア 神が創造された
  ラクンモシロㇿ　オロ　パㇰノ 下方の国土まで
  コオラン　キ　ロㇰ　ア　クス 降り注ぎましたので
  ネウン　モシリ　オロ　タ どの地方に
  ネヤッカ でも
80 スクㇷ゚　ホラㇻパ　キ　ワ 生活を営んで
  オカイ　ロㇰ　ア おられる
  アウタリ　オピッタノ 同胞達みんな
  シノ　オイナネ　カムイ 誠に尊い神が
  コン　ロッ　キ　ア 纏う
85 サランペ　コソンテ　チンキ 絹衣の裾
  コン　ロッ　キ　ア の
  セセㇰ　ポㇷ゚ケ　マウ 暖かい息吹が
  ケㇱペキ　ソッキ 実りの床，
  ハル　ソッキ 穀物の床（畑）
90 オㇱケ　オロ　パㇰノ まで
  コオレン　キ　ロㇰ　ア　クス 染み込みましたので
  ハル　モイレマッ 穀物の女神が
  ウ　トゥㇰノ　キ　ア　ワ 芽吹き
  ウ　ホンポッコンナ （穀物の）下腹が
95 ウ　トゥㇰナタラ 膨らみを
  キ　ロㇰ　ア　ワ もち
  アシㇷ゚　キ　オロ　タ 穂が出るの時期に
  シヤン　ピㇼカ　トゥンチネ　キ 誠に良き媒酌役となる
  サワウケ　レラ さわやかな風が
100 シヤン　ピㇼカ　トゥンチ　ネ 誠に良き媒酌を
  キ　ロッ　キ　イ　タ 務めます時に
  ハル　モイレマッ 穀物の女神
  カムイ　モイレマッ 神なる女神が
  ヘポキ　ヘテス　キ　カネ 頭を垂れ，頭を反らしながら
105 アルタㇷ゚　クㇽカシ 肩を並べて
  ウエシキル 舞い回り
  シヤン　ピㇼカ　ウエラウㇱ 誠に良い戯れ（受粉）を
  キ　ロㇰ　ア　クス 致しましたので
  ハル　ラモㇿ　オㇱケ 穀物の心（籾）の中に
110 コラマッオマ　キ　アクス 霊魂（実）が宿りますと
  シホㇱキ　アッパ　タ （その収穫は）真っ先に
  モシㇼコㇿ 国土を領する
  オイナ　フチ　オレン 尊い火の媼神へ
  アコイプニ　キ　ノ 私共がお供えして
115 リキンテ　アンキ　ワ 差し上げて
  ネ　イ　トゥタヌ その次に
  アイヌ　コㇿ　エカシ　フチ 人間の翁，媼
  コン　ロッ　キ　ア の
  サンリㇼケㇱ　ウタリ　エン 子孫達へ
120 アエレ　キ　ノ 食べさせ
  レス　スクパㇱヌ　キ　ノ 立派に養い
  オウレウㇱ　キ　ワ （子が）大人になります
  ネ　ヤクン ならば
  カムイ　アイヌコㇿ 神を尊ぶ
125 ウチャㇱクマ 伝説を
  アエウチャㇱクマ 私共が言い伝え
  キ　トゥラノ ますとともに
  アエハノッカ その祭り方を教え
  アンキ　ワ　ネ　ヤクン ますならば
130 オイラスラ （この風習は）忘れ去り
  ラケライ　キ　イ　カ 滅びることも
  コイサㇺ　ノポ なく
  シオホロマニウ　パㇰノ 幾久しく
  シトゥリ　キ　クニ　ㇷ゚ 受け継がれるもの
135 ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
  ウサ　シノ　オイナネ また，誠に尊い
  シロㇿ　ネワ 自然界と
  アヨロ　シカント 天上界が
  コㇿ　ロッ　キ　ア 持つ
140 オイナ　イテㇺカ　アリ 尊い恵みで
  オイナ　モシリ　カㇱケ　タ 尊い国土の上に
  カムイ　テㇺコㇿ　カㇱケ　タ 神の領地の上に
  チャコアッ　マウコウェン 災いや不運が
  キ　イ　カ 及ぶことも
145 コイサㇺ　ノポ なく
  スクㇷ゚　ケラヌ　キ　パㇰノ 人生の味が分かるまで
  スクㇷ゚トゥラㇱテレ 齢を重ねる
  アンキ　クニ　ㇷ゚ もの
  ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
150 カムイ　オカイ　キ　ア　クス 神がおられるので
  アイヌ　ウタリ　スクㇷ゚　キ 人間達も人生を送る
  エイアㇱカイ　キ　クニ　ㇷ゚ ことができるもの
  ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
  アイヌ　ウタリ 人間達が
155 オカイ　キ　ア　クス いるから
  カムイ　ウタリ　ネヤッカ 神々も
  アリㇰレロㇰテ　キ　クニ　ㇷ゚ 崇め奉られるもの
  ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
  アウココン　ロッ　キ　ア 私共が共有する
160 ヤウンクㇽ　モシㇼ 北海道の国土の
  オカンナッキ　タ まわりに
  ホラㇻパ　キ　ワ 暮らして
  オカイ　ロㇰ　ウタリ おられる人々を
  オヤㇷ゚　ネ やれよそ者だ
165 アヌン　ネ　アパ　ネ　アリ 他人だ身内だと
  ソモ　ネ　ノ 区別せず
  オシックㇽコテ　キ　ワ （等しく）目配りして
  イコレ　キ　ヤン 下さいませ。
  タアン　イタㇰポㇿセ この言葉運び
170 アリ　アンイェ　ㇷ゚　アナㇰネ というものは
  アトゥナㇱカㇻ　キ　クニ　ㇷ゚ 私が即席に創作したもの
  ソモ　ネ　ルウェ　タパン　ナ ではございません。
  シフㇱコ　トイ　オロ　ワノ 太古の昔から
  カムイ　トゥタヌ　オロ　ワノ 神代の昔から
175 オカイ　ロㇰ　ア あられた
  シンリッ　ネ　ロㇰ　ア 御先祖様である
  オイナ　エカシ　ウタリ 尊い翁様方が
  ポㇿセイタッ　カㇻパレ　キ　ワ 創造なされて
  シオカ　エン 後世へ
180 ホッパ　アマ　キ　ロㇰ　ア 残し置かれた
  ポㇿセイタㇰ 言葉運び
  ネ　ロㇰ　ア　クス でございますので
  エイスンケレ　キ　イ　カ それを嘘と思うことも
  エイウンピㇷ゚カ　キ　イ　カ それを疑うことも
185 コイサㇺ　ノポ なく
  シヤンノ　オイナネレ　キ　ワ 心から尊んで
  ウンコレ　キ　ヤン 下さいませ。
  マッネパ　アッパ 春の初めが
  シカッパカㇻパ 巡って
190 キ　ワ　ネ　ヤクン きましたならば
  パイカㇻ　アッパ 春の初めが
  シカッパカㇻパ やってきました
  キ　ワ　ネ　ヤクン ならば
  オッカヨ　マタイヌ　ウタリ 男性女性の方々が
195 ケㇱペキ　ソッキ 実りの床
  ハル　ソッキ 穀物の床で
  コエイテㇰネ　キ　オロ　タ 一緒に働く時に
  ワヤサㇷ゚　ネ 愚かな
  チャコアッ　キ　イ　カ 失敗も
200 コイサㇺ　ノポ なく
  シヤン　ピㇼカ　ノ 誠に良い
  トイタ　キ　ワ 耕作をなして
  ラカ　ネ　オネㇷ゚　アナㇰ （それで得た）利益は
  カムイ　オロ　ワ 神からの
205 アエカㇱヌカㇻ　ペ 授かりもの
  ネ　ア　クス ですので
  カムイ　コヘポキ　カネ 神に感謝して
  ヤイコプンテッ　キ　クニ　ㇷ゚ 自らをねぎらうもの
  ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
210 カムイ　ペンチョロ　カ 神の真実も
  イタㇰ　ペンチョロ　カ 言葉の真実も
  シネ　ペンチョロ　ネノ 一つの真実として
  ウチョㇿコパㇱテ 支え合い
  ウチョㇿコノイパ 励まし合う
215 アンキ　ワ　ネ　ヤクン ならば
  （アイヌ　ネワ 人間と）
  カムイ　ネワ 神と
  アイヌ　アナㇰ 人間は
  ウカエシニ 互いを頼り合う
220 アンキ　クニ　ㇷ゚ もの
  ネ　ルウェ　タパン　ナ なのでございます。
  パルンクㇽ　ネノ 雄弁な人のように
  パウェトㇰ　アナㇰ 弁舌は
  アエラカㇱカㇻアニ 達者でない私
225 ネ　ア　コㇿカ ではございますが
  アイェ　ロッ　キ （また）私が申し上げる
  イタㇰ　ウトゥㇽ　ハイタ 舌足らずの言葉
  キ　ア　コㇿカ ではございますが
  カムイ　ウタリ 神々が
230 ヤイコランパ　キ　ワ 自ら加減して
  イコレ　キ　ヤン 下さいませ。
  ヤクン　イポㇿセイタㇰ ならば唱え言葉を
  アオシレパレ 私は終える
  アンキ　ハウ 次第で
235 ネ　ルウェ　タパン　ナ ございます。
  ハ　エエエエン 拝み奉る。