ヘッダーメニューここまで
ここから本文です。
イオマンテの祈り
資料番号:30201(旧86-CT-36)
媒体番号:AAC0024
記録媒体:SONY AHF-90(アナログカセットテープ)
収録時間:1:05:28
タイトル:「イオマンテの祈り1」
録音年月日:1986年
録音場所:葛野辰次郎氏宅
録音者:伊藤裕満
録音種別:ノートを見ながらの詠唱を録音
音 質:良
資料番号:30202(旧86-CT-37)
媒体番号:AAC0025
記録媒体:SONY HF-S90(アナログカセットテープ)
収録時間:1:30:24
タイトル:「イオマンテの祈り2」
録音年月日:1986年
録音場所:葛野辰次郎氏宅
録音者:伊藤裕満
録音種別:ノートを見ながらの詠唱を録音
音 質:良
[解 題]
両資料のケースや音声資料目録には,「神への祈りkamuynomi ※葛野エカシがあらかじめ書き込んでおいた原稿をみて語り,それを録音したもの」などとあるだけで,イオマンテの祈りであるという記載はない。録音年月日についても記載がなく,「86-CT-36」という旧資料番号から1986年の録音と知れるのみである。この前の資料番号「30200(86-CT-35)」は1986年8月の録音なので,それ以後,つまり葛野辰次郎氏76歳の時の録音ということになる。
この資料がイオマンテに関わるものであることは内容から明らかである。祈り詞中に「白老の地で」とあることから白老のイオマンテのための祈り詞と推測されるが,この前後に白老でイオマンテは実施されておらず,録音の経緯は不明である。
白老のイオマンテは,栃木政吉氏(恵庭地方の伝承者)の司祭により1977年,1978年,1980年と連続して実施されたが,その栃木氏が1985年に逝去,以後1989年に日川善次郎氏(弟子屈町在住伝承者)を祭主に迎えるまで実施されていない。本資料が録音されたのは栃木氏逝去の翌年にあたる。
本資料の祈り詞は,イオマンテの具体的な状況を想定したというより「この神にはこういう祈り詞をあげればいい」といった一般的な内容となっている。また,祭神の選択については葛野家の祭神と財団の祭神が混在しており,財団側から事前に「この神への祈り詞を教えてほしい」などと働きかけがあったことが伺われる。
それらのことを総合すると,当時イオマンテ実施の構想があり,栃木氏亡き後葛野氏に祈り詞を教わるために当財団が葛野氏に依頼して録音したものかと推測される。
なお,「第三部凡例」で述べたとおり,本資料もノートをめくりながら詠唱しているが,ノートは当館にも葛野家にも現存しない。また,同一神に複数回の祈り詞を収録しており,太陽神と大地の神に関しては同一原稿の読み直しと判断されるが,資料価値に優劣はなく,言い回しや節回しの違い,発音などを確認する上で有益なのであえて収録することにした。ただし,『資料編』CDには容量上の問題から2編を割愛した。DVD−ROMに圧縮データ(.mp3)を収録したのでご容赦願いたい。
本文ここまで
ここからフッターメニュー