動物編 §298 ハシブトガラス
(1)si-paskur シパシクル [si(糞)paskur(カラス)] ⦅幌別⦆ ハシブトガラス
注.――si-には「大」「真」「本来の」などの意味があるからこれも語源はその意味だったかも知れない。けれども、今はsiを悪口のつもりで「くそ」の意にとっている。ハシブトガラスとハシボソガラスについて、それぞれの語源意識を生かした「磯がらすと糞がらすの問答」がある。アイヌ語の原文は拙著『アイヌ民俗研究資料(第一)』p.4にあり、その訳文は同書p.25にある。訳文だけなら拙著『アイヌ民話と唄』p.15〜7にものせてある。
(2)etuhka エトゥフカ ⦅白浦、真岡、鵜城⦆ じがらす、ハシブトガラス
(3)etuka エトゥカ ⦅多来加⦆ ハシブトガラス
(4)kurasno-etuhka クラシノエトゥフカ [黒い・カラス] ⦅鵜城⦆ ハシブトガラス
(5)wen-cikah ウェンチカフ [<wen-cikap(悪い・鳥)] ⦅真岡、落帆、富内⦆ ハシブトガラス
(6)paskuro パシクロ ⦅千島⦆ カラス