動物編 §341 クマタカ
(1)nukecikap ヌケチカプ [<yuk-e-cikap(肉獣を・食う・鳥)] ⦅美幌、西別⦆
(2)yukecikap ユケチカプ [<yuk(肉獣)e(食う)cikap(鳥)] ⦅屈斜路⦆
(3)motonkor モトンコロ [<motontori-kor(もとどり・もつ)の中略形] ⦅屈斜路⦆ クマタカの老鳥(ポンチカはSpizaëtus nipalensis orientalis Temminck & Schlegel)
(4)pon-cikap ポンチカプ [<(若い・鳥)] ⦅屈斜路⦆ クマタカの若鳥
(1)keiksup ケイクスプ ⦅千島⦆ タカ。Cf.⦅クラ⦆‘kiikisoup’ vautour(ハゲタカ)
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原注その他、文献に見えるもの
(2)chikap チカプ ⦅地名解30⦆ 石狩国札幌郡「チカプセトシナイ」(cikap-set-us-nay[鳥・巣・多い・沢])という地名を永田氏は「鷹巣川」と訳し、「チカプ」ハ鳥ノ総称ナレドモ鷹ヲ指シテ云フコトアリ、上川郡「チカプニ」ハ鷹栖ノ義ナルガ如シ、と脚註している。
(3)taka タカ その他日本語を入れてタカとも言ったらしい。⦅松前志⦆に‘鷹を即タカと云ひ、或はポロと云へり’石狩国札幌郡に「タカヲマナイ」(Taka-oma-nay タカ・入る・沢)を永田氏は「鷹死シタル沢」と解釈し、「タカ」ハ和名松前氏ノ時、鷹脱シテ此処ニ至リテ死シタリ、故ニ名クト云フ。と脚註をつけている。⦅和愛辞典⦆No.878に若鷹を「ペウレタカ」(pewre-taka)と記している。