植物編 §034 バアソブ Codonopsis ussuriensis Hemsl.
muk ムㇰ 根 ⦅北海道各地⦆
注1.――mukは普通バアソブの根をさすけれども、合成語の中ではそうではない用例も若干見出される。
cikap-muk (キジカクシの地下茎)
ciru-muk (ツルニンジンの根)
top-muk (ツルニンジンの根)
muk-ekasi (ツリガネニンジンの根)
なお、古謡の中で丸い物のころがる様を形容して、
muk karkarse sikopayar(バアソブの根がころがるのとそっくりだ)
という。
注2.――バチラー辞書に別に、
Muki-itangi ムキイタンギ
と出ている。これは宮部博士から取ったのである。宮部博士等の植物名詳表によれば十勝川筋でそういうことになっている。しかし私の調査によれば十勝川筋でもバアソブの根はやはりmukであって、muki-itangiとは言わない。それはおそらくmuk(バアソブの根)itanki(椀)であろうが、採集者の側に何か誤解があって、それをバアソブの名としたのではないだろうか。
(参考)この植物の根は、ツルニンジンのそれと同様、焼いたり煮たりして油をつけて食った。また、根を生のままでもかじった(幌別)。