植物編 §183 エゾヤマハギ Lespedeza bicolor Turcz.
(1)sinkep シンケプ [止め串?] 茎 ⦅長万部、幌別、穂別、様似、足寄、名寄⦆
注1.――§195,(2)、注2、参照。
(3)nup-sinkep ヌプ・シンケプ [野・萩] 茎 ⦅近文⦆
(4)nupkakaus-sunkep ヌプカカウシ・スンケプ [nupka(野原、nup野、ka表面)ka(の上)us(に群生している)sunkep(萩)] 茎 ⦅屈斜路⦆
(5)sinkeh シンケヘ [<sinkep] 茎 ⦅白浦⦆
(6)sinkeh-kamuy シンケヘカムイ [萩・神] 茎 ⦅鵜城⦆
(7)itahruy-kamuy イタハルイカムイ [<itak-ruy(おしゃべりする、itak物言う、ruy激しい)kamuy(神)] 茎 ⦅鵜城⦆
(8)itahruy-ni イタハルイニ [おしゃべりする・木] 茎 ⦅白浦⦆
注2.――sinkehはsunkeh(sunkeうそをつく、-p者)に通じるので、そこから「おしゃべり」の観念が生じたか。
(参考)折り曲げて土間の敷きむしろを止めるのに用いたり、鮭を背開きにして乾かすときの突っ張り串(cep-maka-ni[魚を・ひらく・木])に用いたりした(美幌)。この花の咲き始めにマスが川をのぼって来る。またこの花が散ってから鮭がのぼって来る。それでこの花の咲き具合を見ていて漁の支度をする(足寄)。