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アイヌ語辞典

植物編 §246 ホオノキ(ホウノキ) Magnolia obovata Thunb.

(1)pusni プシニ [pus(矢筒)ni(木)] 茎 ⦅北海道各地⦆
 注1.――pusには「はねる」という意味がある。現にハシドイをpus-niと呼ぶ所もあるが、それは火にくべるとパチパチはねて勢いよく燃えるからである。しかし、ホウノキを焚き木にすることはないから、「はねる・木」というのは当たらない。またpusには「穂」という意味がある。それでバチラー翁はpus-niを「穀物の穂の・木」としてこの果実の形状穀物の穂に似ているからの名としている(辞書)。しかし、穀物の穂に似ているからとする比喩は当たらないと思う。「槍の先のように光った芽を持つ木」とする説もある(コタン生物記)。これも槍の先のように光った芽という比喩が変だ。pusは実は「突き出たもの」というのが原義で、穀物の穂だけでなく、唇などもやはりca-pus(caのpus、すなわち「口の突き出ている部分」)というのであるが、槍の先をpusと言った例はまだ聞かぬ。
 注2.――ただし、この木の果叢そのものを、もとpusとは言ったかもしれない。この果叢がpusで、そういう果叢が生じる木だから、pus-niと言ったのが、後に「矢筒を作る木」というように解釈し直されたのかもしれない。

(2)ikayop-ni イカヨプニ [ikayop(矢筒)ni(木)] 茎 ⦅美幌屈斜路塘路
 注3.――ただし、日常語で「イカヨプニ」というだけで、これらの地方でも雅語として老人は「プシニ」を記憶している。これらの地方の日常語ではハシドイを「プシニ」というので、それとの混同を避けてホウノキの方を「イカヨプニ」と言い換えたのであろう。
(参考)「プシ・ニ」も「イカヨプ・ニ」も“矢筒の木”の意味で、この木で矢筒を作ったからそういう名があるのである。この木は、それで矢筒を作った他に、杓子や小刀の鞘や槍の柄なども作った(幌別)。この果実(pusni-epuy)は、疝気(=下腹痛)の時に、煎じて飲んだ(足寄、塘路)。retaskep(野草料理)を食べた後、その鍋の中にこの木の枝、あるいは果実を叩きつぶしたものを入れ、煮立ててその湯をお茶にして飲んだ(塘路)。

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