植物編 §427 クジャクシダ Adiantum pedatum L.
(1)etukemnu-mun エトゥケムヌムン [“鼻出血の草”の義。etu(鼻)kemnu(出血する、kem血、nuもつ)mun(草)] 葉 ⦅美幌、屈斜路⦆
注1.――鼻血を止めるのにこの草を使ったのでこの名がある。
注2.――辞書にIwakinaとある。「イワ・キナ」iwa-kinaは“深山・草”の義である。
(2)kotorusmun コトルシムン [kotor(山腹)us(に群生している)mun(草)] 葉 ⦅足寄⦆
(参考)若葉は血のように赤いので出血に効ありと信じ、鼻血だけでなく、喀血にもこれを煎じて飲んだ(美幌)。
腰の痛む時、この草を当ててその上に石を焼いてぼろに包んだものを乗せて罨法した(足寄)。