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アイヌ語辞典

日本語名:ワラビ

アイヌ語名:トゥワ

利用:食用、薬用

植物編 §431 ワラビ Pteridium aquilinum Kuhn

(1)warumpe ワルンペ [<日本語“わらび”] 新葉のまだ開かぬもの ⦅幌別

(2)Warambi 『ワラムビ』 ⦅B⦆⦅A沙流千歳

(3)tuwa トゥワ 新葉 ⦅長万部様似本別名寄近文⦆⦅A十勝石狩上川天塩

(4)cepmakina チェプマキナ 新葉 ⦅美幌屈斜路
 注1.――屈斜路で一老人が[ʼt∫eç-ma-ki-na]と発音するのを聞いた。コタン生物記(p.51)に「チィフマキナ」とあるのはその聞き違いであろう。なお、藻汐草には「セプマキナ」とある。

(5)cikah-soroma チカハ・ソロマ [cikah(<cikap 鳥)soroma(クサソテツ)] 新葉 ⦅白浦
 注2.――なぜ“鳥のクサソテツ”というか参考の部で説明する。
(参考)新葉のまだ開展しないものを取って来て灰汁(あく)で洗って刻んで汁の実にしたが、それを「ワルンペオハウ」(warumpe-ohaw わらび・汁)と言った。また、湯がいて干し冬も使い、その根からは澱粉も取った(幌別、天塩)。
 樺太では、昔はこれを食べなかったという。葉柄の頭を逆さにすると鳥の足に似ているから“鳥のクサソテツ”というのだと教えてくれた老人があったが、クサソテツの葉に似て食用にならなかったからそう名づけたのではなかろうか。

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