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- wor
- ウォㇿ 【wor】 水. イテセアニタ(イテセ・アン ヒ タ) キナ カワウセ コㇿ カイ ペ ネ クス アㇻスイネ ウォㇿ ア・クㇱテ ア・テイネカ コㇿ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ワ=ござを編む時にガマ草が乾いていると折れるものだから,1回だけさっと水の中を潜らせ濡らすといいものだよ. (出典:萱野、方言:沙流)
- woro
- ウォロ 【wor o】 水に浸ける.▷ウォㇿ=水 オ=入れる タント ニペㇱ ク・ケㇷ゚ ワ ケㇰ(ク・エㇰ).ネエトホ ウォロ ア・オ コㇿ ピㇼカノ オン ペ ネ クス タネ シシㇼクンネ コㇿカ トオㇿ パㇰノ カㇻパ(ク・アㇻパ) ワ ケㇰ(ク・エㇰ)=今日シナ皮を剥いで来た.その日に水に潰けるとよく発酵するものだから,もう薄暗くなったけれど沼まで行って来る.タント ア・ケㇷ゚ ニペㇱ ウォロ クス カㇻパ(ク・アㇻパ) ナ エン・トゥラ=今日剥いで来たシナ皮を水に浸けに行くので一緒に行ってや. (出典:萱野、方言:沙流)
- iwor 1
- イウォㇿ 【名】尾根と尾根の間の比較的平らな部分、 山の谷間(たにあい)(熊狩りなどをする所、 狩場)、 山奥。 iwor íka イウォㇿ イカ 山(谷あい、 狩場)を越えて(行く)。 ayop tapika a=mut wa iwor or ta apkas=an アヨㇷ゚ タピカ アムッ ワ イウォロッタ アㇷ゚カㇱアン 私は矢入れ袋を肩から下げて山歩きをした(山の狩場を歩いた)。(HK民話) iramante kusu tuyma iwor or ta kucacise ku=kar wa oro ta k=an イラマンテ クス トゥイマ イウォロッタ クチャチセ クカㇻ ワ オロ タ カン 熊狩りをするために遠い山奥の狩場に狩小屋をつくってそこに暮らした。(W) hunak ta iwor or ta rik péka a=eyápkir híne フナㇰ タ イウォロッタ リㇰ ペカ アエヤㇷ゚キㇼ ヒネ どこか山奥で高い所から投げとばされて。(S民話) ☆参考 「だれそれの猟場」のように縄ばりのような概念で使われた例は出てこない。 {E: the valley between two ridges.} (出典:田村、方言:沙流)
- iwor 1
- イウォㇿ 【iwor】 ①深山,奥山. (出典:萱野、方言:沙流)
- iwor 2
- イウォㇿ 【位名】…の中(両側または周囲を仕切られた中を言うらしい)。 sem iwor セㇺ イウォㇿ(=sem onnay セㇺ オンナイ)物置の中。 {E: the hollow of…} (出典:田村、方言:沙流)
- iwor 2
- イウォㇿ 【iwor】 ②狩場:狩に行く時の自分の持っている場所.行きつけの山ふところ. エイタサ イウォㇿ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォㇿ ホタヌカㇻ クス エキㇺネ・アン キムンペ アピㇼ シッチニナニナ ア・エヤイコプンテㇰ=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場を見舞うために山へ行くと獲物の足跡があたり一面にこちゃこちゃとあって私は喜んだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- iwor otta rorumpe ne
- イウォㇿ オッタ ロルンペ ネ §389.しぬ(死ぬ)(59)山で変死する iwor otta rorumpe ne〔i-wór-ot-ta|ro-rúm-pe-neイうぉロッタ・ロるンペ・ネ〕[iwor(山野、部落の猟狩の縄張)+otta(において)+rorumpe(変死)+ne(になる)]⦅ホロベツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- iwor-ukaeraye
- イウォㇿウカエライェ 【自動】[iwor-u-ka-e-raye 山奥の谷あい・互い・の上・に・行かせる] 尾根の集まっている山の上のほうを横切って近道して行く(山の下の方を通ると尾根も沢も幾つも横切らなければならず、 また遠回りであるから)。 sítu hontom a=kus wa iwor-ukaeraye=an シトゥ ホントㇺ アクㇱ ワ イウォㇿウカエライェアン 尾根の途中を通って近道して行こう。(S) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- iworekasi
- イウォㇿエカシ §277 くま (69) iwor-ekasi (i-wór-e-ka-si)「イうォㇿエカシ」[<ekasi(翁)、‘山の翁’] ⦅美幌⦆【雅】 (出典:知里動物編、方言:)
- iworke
- イウォㇿケ 【位名】…のへこんでいる中、 両側または周囲を仕切られた中。 ure-iworke tesma osma pakno urehe poro ウレイウォㇿケ テㇱマ オㇱマ パㇰノ ウレヘ ポロ 雪のへこんだ足跡の中にかんじきが入ってしまうほど足が大きい。(S) ruyka corpok ta mosiro atte wa iworke ta oka ルイカ チョㇿポㇰ タ モシロ アッテ ワ イウォㇿケ タ オカ 彼らは橋の下にむしろをかけてその中に住んでいる。(S) {E: the hollow of…; the inside of …} (出典:田村、方言:沙流)
- iworkitay
- イウォㇿキタイ 【名】[iwor-kitay 山奥の谷あい・の頂上]尾根と尾根の間の谷あいのいちばん奥のちょうど尾根の分れている所。(S) {E: the inner-most valley between ridges.} (出典:田村、方言:沙流)
- iworkorkamuy
- イウォㇿコㇿカムイ §277 くま (68) iwor-kor-kamuy (i-wór-kor-ka-muy)「イうォㇿコㇿカムイ」[<iwor(山奥を)kor(所有する)kamuy(神)] ⦅美幌⦆【雅】 (出典:知里動物編、方言:)
- iworosunku
- イウォロスンク 【iwor-o-sunku】 アカマツ.▷イウォㇿ=ずうっと山奥 オ=にある スンク=エゾマツ →山奥に生えているエゾマツ (出典:萱野、方言:沙流)
- iworso
- イウォㇿソ 【名】[iwor-so 山(の谷あい)・平らな広がりを持つ所] 山奥の地(神々が住む所)。 kim un iworso ka wa a=matkorepa キムン イウォㇿソ カ ワ アマッコレパ 山奥の地から妻を(神から)与えられた。(S言い伝え) rep un iworso atuyso ka wa uwaste hike レプン イウォㇿソ アトゥイソ カ ワ ウワㇱテ ヒケ ずっと沖の方(海の向こう)から妻をめとって子孫がふえたものは…。(S言い伝え) {E: deep in the mountains.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- keworsak
- ケウォㇿサㇰ 【kewor-sak】 力がない.▷ケウォㇿ=力 サㇰ=ない ソンノ ク・ケウォㇿサㇰ=本当に私は,力がなくなった.*病後,体力がなくなってきたことを知って嘆く時などの言葉. (出典:萱野、方言:沙流)
- kotusworo
- コトゥㇱウォロ 【他動】[ko-tus-wor-o に対し/と一緒に・綱・水中・…を…に入れる] 話を面倒にせず片付けるためそれで承知する。 (出典:田村、方言:沙流)
- nayiwor
- ナイウォㇿ 【名】[概](所は nayiwori ナイウォリ)[nay-iwor 沢・の中] 沢の中の水の流れている部分。 ☆発音 yi イ は yayirayke ヤイライケ《感謝する》の yi と同じで、 na ナ より高い。 英語の ear《耳》の イ ではなく year《年》の出だしの部分のように発音する。 ☆参考 nayruwor ナイルウォㇿ は沢の中(くぼんでいる所)全部。 {E: the area of a stream, swamp where the water is flowing.} (出典:田村、方言:沙流)
- nayruwor
- ナイルウォㇿ 【名】[nay-ru-or 沢・道・の所] 沢の中全部(水のあるところもないところも含めて)。 ☆参考 nayiwor ナイウォㇿ 沢の中の水の流れている部分。 ☆参考 petruwor ペッルウォㇿ 川のために低くなっている所全体。 {E: a stream, swamp overall.} (出典:田村、方言:沙流)
- nayruwor
- ナイルウォㇿ 【nay-ru-wor】 沢の流れ:沢の中全体. (出典:萱野、方言:沙流)
- oworkoas nupuri
- オウォㇿコアㇱ ヌプリ 【o-wor-ko-as nupuri】 水際の崖. (出典:萱野、方言:沙流)
- peciiwor
- ペチイウォㇿ 【peciiwor】 魚を獲りに行く川,(川の)漁場. (出典:萱野、方言:沙流)
- peciwor
- ペチウォㇿ 【名】(=pet iwor ペッ イウォㇿ) ①川沿いの土地。 ②川によって区分されている領域。(S) ☆参考 petruwor ペッルウォㇿ は河川の浸食した川沿いの低地全体。 {E: ①the area along a river. ②areas differentiated according to a river???.} (出典:田村、方言:沙流)
- peciwor
- ペチウォㇿ 【peciwor】 川の中. (出典:萱野、方言:沙流)
- petruwor
- ペッルウォㇿ 【名】[pet-ru-or 川・道・のところ] 川筋の低地のところ(水のない部分も含む)(=petru or ペッル オㇿ)。 {E: lowlands along the course of a river.} (出典:田村、方言:沙流)
- repun iwor
- レプン イウォㇿ 【repun-iwor】 漁場:行きつけの海とその漁場. (出典:萱野、方言:沙流)
- ruwor
- ルウォㇿ 【位名】[概](所は ruworo ルウォロ)[ru-or 道/筋・のところ](pet ペッ《川》、 nay ナイ《沢》の後に置かれて、 河川の流域の低地を表す。) ☞petruwor ペッルウォㇿ、 nayruwor ナイルウォㇿ (出典:田村、方言:沙流)
- ruworo
- ルウォロ 【位名】[所](概は ruwor ルウォㇿ)その川/沢の流域の低地(の所)。 (出典:田村、方言:沙流)
- uworkopoyke
- ウウォㇿコポイケ 【自動】[u-w-or-kopoyke 互い・(挿入音)・の所・にまじる] 互いの中に入りまじる、 まぜこぜになる。 aynu ne ciki sísam ne ciki repunkur, sonno repunkur ne ciki uworkopoyke wa mosir epitta siyusacari アイヌ ネ チキ シサㇺ ネ チキ レプンクㇽ、 ソンノ レプンクンネ チキ ウウォㇿコポイケ ワ モシレピッタ シユサチャリ アイヌも和人(日本人)も外国人、 本当の外国人も入りまじって国じゅうに散らばった。(S言い伝え) ☆参考 ukopoyke ウコポイケ はただ《まざる、 (まぜたものが)まざって均質になる》。 {E: to become mixed.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- uworohokarinpa
- ウウォロホカリンパ 【自動(?)/副詞(?)】互いに(?)。 (次の表現で) uworohokarinpa ukor ウウォロホカリンパ ウコㇿ 互いに結婚する。 yaymotoor erampewtekpa p, uworohokarinpa ukor wa orowano usipiraspa p ヤイモトオㇿ エランペウテㇰパㇷ゚、 ウウォロホカリンパ ウコㇿ ワ オロワノ ウシピラㇱパㇷ゚ 自分の系統がわからなくなった人たちが、 お互いに夫婦になって、 それから広がったもの。(S言い伝え) {E: mutually.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- worokompu
- ウォロコンプ 【wor-o-kompu】 真っ青な顔色(のたとえ).▷ウォㇿ=水の中 オ=入れる コンプ=昆布 →水にうるけた昆布 ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスㇽタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェ(タㇷ゚ ア・イェ) クニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に,言うところの水にうるかした昆布と同じであったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
- worokompusikopayar
- ウォロコンプシコパヤㇻ 【wor-o-kompu sikopayar】 水にうるけた昆布のようだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- worokoyki
- ウォロコイキ 【wor-o-koyki】 水でいじめる:泳げない者をわざと川ヘ投げ込む. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) ナー ク・マ エアイカㇷ゚ ヒ タ ク・ユピ ウタㇻ エン・ウォロコイキ.クスケライ ク・マ エアㇱカイ ペ ネ ア ワ=私が小さい時,またまだ泳げない時に,兄たちは私を川でいじめた.そのお陰で私は泳げるようになったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- worop
- ウォロㇷ゚ §197 マツモムシ (7) worop (wo-rop)「ウォロㇷ゚」 ⦅足寄⦆トビケラの一種(幼)(足寄II, 56) (出典:知里動物編、方言:)
- worosey
- ウォロセイ §218 カワシンジュガイ (7) woro-sey (wo-ro-sey)「ウォロセイ」 ⦅美幌⦆ヌマシンジュガイ。河貝でtó-pipaとも。 (出典:知里動物編、方言:)
- yaykeworociwe (-an)
- ヤイケウォロチウェ §389.しぬ(死ぬ)(49)自殺する yaykeworociwe (-an)〔yáǐ-ke-wo-ro-či-we やイケウォロチウェ〕[yay(自分の)+kew(体を)+or(中)+o(に)+ciwe(落す)]⦅ホロべツ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
- esikarun
- エシカルン 【esikarun】 懐かしむ,思い出す,会いたくなる. エイタサ イウォㇿ エシカルン・アン クス シネアンタ イウォㇿ ホタヌカㇻ クス エキㇺネ・アン キムンペ アピㇼ シッチニナニナ ア・エヤイコプンテㇰ=あまりにも狩場が懐かしく思ったので,ある日のこと狩場を見舞うために山へ行くと獲物の足跡があたり一面にこちゃこちゃとあって私は喜んだ.ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に,言うところの水にうるかした昆布と同じであったことを思い出す.クポニタ(ク・ポン ヒ タ) シㇼチュㇰ コㇿ クヌフ(ク・ウヌフ) トゥラノ モセ・アㇱ チセ オカーリ カキ チ・カㇻ ペ ネ ア ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=私が小さい時.秋になると母と一緒に茅を刈って家の周囲に雪囲いを作ったことを思い出す.ハイー ク・ミッポ ケシカルン(ク・エシカルン)=ああ,孫に会いたいなあ.ク・ミッポホ ウタㇻ エチ・エシカルン コㇿ カナクス(カン アクス) イラㇺノ エチ・エㇰ ポーヘネ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=孫たちよ,お前たちに会いたいなあと私は思っていたら一緒に来てくれてなおさら嬉しい. (出典:萱野、方言:沙流)
- ma
- マ 【ma】 泳ぐ,水泳ぎ. ク・ポニタ(ク・ポン ヒ タ) ナー ク・マ エアイカㇷ゚ ヒ タ ク・ユピ ウタㇻ エン・ウォロコイキ クスケライ ク・マ エアㇱカイ ペ ネ ア ワ=私が小さい時,まだまだ泳げない時に,兄たちは私を川でいじめた,そのお陰で私は泳げるようになったものだ. (出典:萱野、方言:沙流)
- mosirhoppa
- モシㇼホッパ 【mosir-hoppa】 死ぬ.▷モシㇼ=国土 ホッパ=残す ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に,言うところの水にうるかした昆布と同じであったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
- moteki
- モテキ 【副】さいわいに、 うまい具合に。 moteki néno hawean pe ku=kotusworo モテキ ネノ ハウェアン ペ クコトゥㇱウォロ 幸いに(彼が)そう言うから(私は)それで話をつけた。(S) “ku=merayke na en=tumam wa en=kore”“moteki eci=tumám kus ne wa” 「クメライケ ナ エントゥマㇺ ワ エンコレ」「モテキ エチトゥマㇺ クㇱ ネ ワ」 「寒いからだいて寝てちょうだい」「いやよかったな、 それならだいて寝てあげよう」。(S) {E: happily; luckily.} (出典:田村、方言:沙流)
- nuy
- ヌイ 【nuy】 炎. マㇰネ ワ スイ ウパウレパ.シネペヘ アナㇰネ イポロ タ ヌイレイェ ペコㇿ アン シネペヘ アナㇰネ ウォロコンプ ネノ アン=どうしてかまた言い合いをしている,ひとりのほうは顔に炎が這ったように真っ赤な顔,もうひとりのほうは真水にうるかした昆布のように真っ青だ. (出典:萱野、方言:沙流)
- on
- オン 【on】 発酵する. ニペㇱウォロ コマレ(ク・オマレ) ワ タント エアㇻワント ネ アクス ピㇼカノ オン ワ ソシヌ ノ ワ ケヤイコプンテㇰ(ク・エヤイコプンテㇰ)=シナ皮を水にうるかして今日とともに7日目になったらよく発酵し,1枚1枚に剥がれ私は嬉しくなった. (出典:萱野、方言:沙流)
- petcine
- ペッチネ 【自動】[petci-ne 生の毛皮・のようになる] 体じゅうびしょぬれになる。 mak é=iki híne ene e=petcine wa e=ek ruwe an hi an? e=worosma ruwe? マㇰ エイキ ヒネ エネ エペッチネ ワ エエㇰ ルウェ アニ アン? エウォロㇱマ ルウェ? (あなた)どうしてそんなに体じゅうずぶぬれになったの? 川に落ちたの? (S) {E: to be wet through; drenched.} (出典:田村、方言:沙流)
- po
- ポ 【-po】 亡くなった〜. ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に,言うところの水にうるかした昆布と同じであったことを思い出す.ク・ヘコテ ニㇱパ ポ エノッパ(エン・ホッパ) ワ タンパ エトゥレン トゥホッパ カネ こきん ウナㇻペ エネ ハワニ ク・ヌ アㇺキㇼ=私の仕えた方(夫)が私を残して逝って今年で40年になったとこきんおばさんが述懐していたのを聞いたことがあった.ク・サハ ポ カ クㇽコトゥナㇱ アニ ヤイェウェンペ ネ アクス ネノ アン クㇽ ク・ヌカㇻ コㇿ ク・サハ ポ ケシカルン(ク・エシカルン)=亡くなった私の姉も小児麻痺で(足が)不自由であったので.そのような人を私は見ると亡くなった姉のことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
- tapa=yekuni
- タパイェクニ 【tap a=ye kuni】 言うところの. ク・イェ カ ルㇱカ オルㇱペ ネ コㇿカ テエータ 知里真志保 ニㇱパ モシㇼホッパ ワ カスッタサ(ク・アスッタサ) ヒ タ ニㇱパポ ナヌフ ク・ヌカㇻ ヒ タ タパイェクニ ウォロコンプ コラチ アナ(アン ア) ヒ ケシカルン(ク・エシカルン)=言うのも腹の立つ話ではあるけれども,ずうっと前に知里真志保先生が亡くなって弔問に出かけた時に先生のお顔を見た時に.言うところの水にうるかした昆布と同じ色であったことを思い出す. (出典:萱野、方言:沙流)
- toop
- トオㇷ゚ 【副】[to-o-p ほらあそこに・(強調)・(語末子音)] ずうっとはるか遠く。 toop tuyma hi wa k=ek wa ku=sireramiskari トオㇷ゚ トゥイマ ヒ ワ ケㇰ ワ クシレラミㇱカリ ずうっと遠い所から来て私は土地不案内です。(S) toop Karapto wano トオㇷ゚ カラㇷ゚ト ワノ はるか樺太から。(S言い伝え) toop Akan sekor a=ye uskehe ta トオㇷ゚ アカン セコㇿ アイェ ウㇱケヘ タ ずうっと遠く阿寒という所に。(S会話) toop iwor or un a=se wa トオㇷ゚ イウォロルン アセ ワ ずうっと遠く山奥へ背負って行って。(W民話) ☆参考 too トオ とニュアンスは異なるが同じ文脈でも使える場合も多い。 しかし家の中や見える所、 歩いて行ける程度の所については too トオ が使われ、 海外の見知らぬ国や、 普通に山菜とりなどには行くこともない山奥の地については toop トオㇷ゚ が使われている。 その中間の程度の所については両方が使われている。 また too トオ は「…にある」「…に行く」のような表現の前でばかり使われ、 toop トオㇷ゚ は「…から来る」や「…だ」のような表現の前でも使われている。 {E: faraway.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- tósir
- トシㇼ 【名】[to-sir 沼/池・地](?) 川岸が川の流れで丸くえぐられて、 がけ下のようになっている所。 iwor or ta tósir corpok ta nuynak=an wa イウォロッタ トシㇼ チョㇿポㇰ タ ヌイナㇰアン ワ 私は山奥で川縁のがけの下に隠れていて。(W民話) {E: the under part of the bank of a river (B.).} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- ukipniwkes
- ウキㇷ゚ニウケㇱ 【自動】[u-kipniwkes 互い・を救う](いのちを)助け合う、 仲間同士で一方が他方を救助する。 poyson sinep worosma wa mom wa nokan hekattar ukipniwkes kus iyaepaspa a korka nani orawkipa wa mom wa isam ポイソン シネㇷ゚ ウォロㇱマ ワ モンマ ノカン ヘカッタㇻ ウキㇷ゚ニウケㇱ クㇱ イヤエパㇱパ ア コㇿカ ナニ オラウキパ ワ モンマ イサㇺ 子どもが一人水に落ちて流れて小さい子ども達が助けようと岸づたいに走ったがじきに追いつけなくなって流れてしまった。 ☞kip niwkes キㇷ゚ ニウケㇱ {E: to help save one another.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
- worosma
- ウオロㇱマ 【自動】[wor-osma 水の中・に落ちてしまう] 水に落ちる。 poyson sinep worosma wa mom ポイソン シネㇷ゚ ウォロㇱマ ワ モㇺ 子どもが一人水に落ちて流れた(=溺れた)。(S) {E: to fall, drop into the water.} (出典:田村、方言:沙流)
- worunpe
- ウォルンペ 【wor-unpe】 湧き水にいる蚤と同じ形のクリーム色の虫,水にいる虫. ▷ウォロ=水 オルン=いる ペ=物,虫 *昭和31年に亡くなった父アレㇰアイヌの話では,毒性が強い虫なので矢毒に混ぜると毒の利き目が早く,熊がすぐに死ぬものだと言っていた.(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
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萱野 茂『萱野茂のアイヌ語辞典』1996年 ©萱野れい子
田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』1996年 ©田村洋一