国立アイヌ民族博物館アイヌ語アーカイブ

単語を検索

検索結果(辞書から)

86件見つかりました。
anaysir
アナイシリ 【anay-sir】 死人,死人の. ト ト インカㇻ! アナイシㇼ ソモ ネ ウン? ホクレ コタノルン(コタン オㇿ ウン) ホユプ ワ アスラニ ワ エㇰ=あれあれ見てくれ! 死人ではないのかい? 早く村へ走って知らせてこい.*アナイシㇼと体面する場合は,死人に背を向け右手の拳を前へ突き出し肘を屈伸させながら「フㇺ カッポヘアン,フㇺ カッポヘアン フㇺ カッポヘアン(なんだそのざま,その姿)」と何回も言う.この様子は昭和14年頃,貝澤良助という人が二風谷で交通事故で死んだ時に,貝澤ウカタシヌというおばさんがそうしたのを実際に見たものであった. (出典:萱野、方言:沙流)
aynuhosi
アイヌホシ 【aynu hosi】 人と反対に:背を向けて立つ. アイヌトゥカㇷ゚ アナㇰネ アイヌホシ アㇱ ワ イタㇰ ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ)=人間の亡は生きている人と反対に立って話をするものだそうだ. (出典:萱野、方言:沙流)
aynukursey(-e)
アイヌクㇽセイ §481.たましい;魂(24)aynu-kursey(-e)〔áǐ-nu-kur-seǐ あイヌ・クㇽセイ〕[aynu(人間)+kur(魂)+se(負う)+i(もの)]⦅サル、ニイカップ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
aynuramat(c-i)
アイヌラマッ §481.たましい;魂(18)幽;人魂 aynu-ramat(c-i)〔áǐ-nu-ra-mat あイヌ・ラマッ〕[aynu(人)+ramat(魂)]⦅ホロべツ、チカブミ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
aynuraytukap
アイヌライトゥカㇷ゚ 【aynu ray-tukap】 亡.▷アイヌ=人(の) ライ=死んでいる トゥカㇷ゚=幽 セタ ミㇰ ヒ アナㇰネ アイヌライトゥカㇷ゚ カリ シㇼ ソモ ネ ウン?=犬が吠えるのは亡が徘徊しているからではないか? (出典:萱野、方言:沙流)
aynusir
アイヌシㇼ 【名】[aynu-sir 人間・様子] ゆうれい(幽)。 aynusir yayeoske アイヌシㇼ ヤイェオㇱケ 幽が出る。(S) ☆参考 守り神が悪いから早く死んだが、 守り神があの世へ一緒に行けなくて、 死者の魂みたいになって、 死んだだれそれだとうそを言って出てくる。(S) {E: a ghost.} (出典:田村、方言:沙流)
aynutukap
アイヌトゥカㇷ゚ 【名】[aynu-tukap 人間・(?)] ゆうれい(幽)。 (出典:田村、方言:沙流)
aynutukap
アイヌトゥカㇷ゚ 【aynu-tukap】 幽,化けた人間,人が化けた幽.*悪口としても使われる.▷アイヌ=人 トゥカㇷ゚=幽 (出典:萱野、方言:沙流)
aynutukap(-i)
アイヌトゥカㇷ゚ §481.たましい;魂(20)死後迷って歩く魂;幽 aynu-tukap(-i)〔áǐ-nu-tu-kap あイヌ・トゥカㇷ゚〕[aynu(人)+tukap(幽)]⦅ホロべツ、サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
aysir(-i)
アイシㇼ §481.たましい;魂(19)幽;人魂 aysir(-i)〔áǐ-širあイシㇼ〕⦅クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
cannoyep
チャンノイェㇷ゚ 【名】[c(i)-annoye-p された・表す・もの]現れ。 nupur pe sóne/nupur cannoyep/esirutumka/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/ヌイナ カネ [雅]本当に力のあるものだが力の現れを頭飾りをかぶって自分の中に隠して。(Sユーカラ) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
cicikew
チチケウ 【cicikew】 化け物:想像上の化け物.幽であったり,化け物のような鹿(鬼鹿)であったりする.鬼のような鹿とか鹿のような鬼とか語部の考え方も違う. ウェンカムイ レヘ ネ ソンノ アン ペ カ ソモ ネ ラメパカリ アニ ア・レコ ㇷ゚ ネ コㇿカ ウウェペケㇾ オッタ(オㇿ タ) カ ウカットゥイマノ チチケウ レヘ アン ペ ネ=化け物の名前.本当にいるものではなく,想像上で名前をつけられ昔話にはたまにだがこの名前が出て来る. (出典:萱野、方言:沙流)
enupur
エヌプㇽ 【他動】[e-nupur (そこ)で・力を持つ](直訳すると)(そこ)に力をもつ=(神が)…を守る。 Kotan-sermak-enupur-kamuy コタンセㇾマㇰエヌプㇽカムイ 村の背後を守る神(屈斜路湖畔の山の昔の呼び名、 別名 Kamuy nupuri カムイ ヌプリ 神山)。 ☆参考 神が(そこ)を守ることを表す語の一つ。 ほかに enukor エヌコㇿ、 epunkine エプンキネ とも言う。 ☞nupur ヌプㇽ {E: to have spiritual power over…; (for god)to rule over…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
erawkuske
エラウクㇱケ 【他動】[e-raw-kus-ke その頭・水の中・を通る・させる]悪ばらいのため…の体を水の中に突っ込んで上げる。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esirutum
エシルトゥㇺ 【名】[接頭+位名][e-si-ru-tum …で・自分・すじ(髪)・の中](次の表現で)esirutum ta nuyna エシルトゥㇺ タ ヌイナ[雅]…を頭飾りをかぶって自分の中に隠す。 nupur pe sóne/nupur cannoye p/esirutum ta/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプッ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺ タ/ヌイナ カネ [雅]本当に力のあるものだがその現れを頭飾りをかぶって自分の中に隠して。(Sユーカラ語り) ☆参考 同じことを同じ歌い手が別のところで esirutumka-nuyna エシルトゥㇺカヌイナ、 esirutumka-seske エシルトゥㇺカセㇱケ とも言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esirutumka-nuyna
エシルトゥㇺカヌイナ 【他動】[e-si-ru-tum-ka-nuyna …に・自分・すじ(髪)・の中・の上(?)・…を隠す][雅]頭飾りをかぶって…を自分の中に隠す。 nupur pe sóne/nupur cannoye p/esirutumka/nuyna kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/ヌイナ カネ [雅]本当に力のあるものだが力の現れを自分の中に隠して。(Sユーカラ) ☆参考 韻文で2行に分かれる。 ☆参考 ka は副助詞《も》で、 この動詞自体は esirutum-nuyna エシルトゥㇺヌイナ かもしれない。 ☆参考 同じユーカラの語りの中で、 同じことを esirutum ta nuyna エシルトゥㇺ タ ヌイナ と言っている。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
esirutumka-seske
エシルトゥㇺカ セㇱケ 【他動】[e-si-ru-tum-ka-seske …に・自分・髪・の中・も(?)・おおう][雅]頭飾りをかぶって…を自分の中に隠す。 nupur pe sóne/nupur cannoye p/esirutumka/seske kane ヌプㇽ ペ ソネ/ヌプㇽ チャンノイェㇷ゚/エシルトゥㇺカ/セㇱケ カネ [雅]力のあるものにまちがいない、 力があるものであることを頭かざりをかぶっておおいかくしている。(Sユーカラ) ☆参考 ka カ は副助詞《も》で、 この動詞自体は esirutum seske エシルトゥㇺ セㇱケ かもしれない。 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hopunire
ホプニレ 【他動】[単](複は hopunpare ホプンパレ)[hopuni-re 起きる[単]・させる] ①(一人を)起こす、 起きる/立ち上がるように言う。 ②神(殺した動物等の)を神の国へ送る。 ③ ☞teke hopunire テケ ホプニレ {E: ①to make…get up, stand up. ②to send off (the spirit of a sacrificed animal) to the land of the gods. ③…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
hussa
フッサ 【副/名】[擬音](病人の治療のためにフツフツと息を吹きかける時の擬音、 またその行為。) hussa tura フッサ トゥラ フッフッと息を吹きかけながら。(W会話) hussa hussa iki フッサ フッサ イキ フッフッと息を吹きかける。 aynu nupur wa kus tasta hussa hussa ikipa kor oraun siknupa nek! アイヌ ヌプㇽ ワ クㇱ タㇱタ フッサ フッサ イキパ コㇿ オラウン シㇰヌパ ネㇰ! 人間は力がすぐれているから(死んでも)フツフツと息を吹きかければ生き返るのさ。(KK掛け合い歌)の最後の語りの部分 ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
inotu
イノトゥ §481.たましい;魂(9)死者の魂 inotu〔i-nó-tu イのトゥ〕[<日本語‘命']⦅H.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
inotuorke
イノトゥオㇿケ §481.たましい;魂(10)inotu-orke〔i-nó-tu-or-ke イのトゥオㇿケ〕[魂・の部分]⦅ホロべツ、サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
isinerep
イシネレㇷ゚ 【i-si-ne-re-p】 化け物,幽. ヘマンタ タネ ウシㇰタ エㇰ ルウェ アン? ピㇼカ メノコ ネ ヘㇺ キ イシネレㇷ゚ ソモ ネ ヤー? サッチポㇿ ヘネ エレ ワ インカㇻ=何者が今頃来たもんだ?おまけに美人すぎる.化け物ではないか? 干した筋子でも食べさせてみろ. (出典:萱野、方言:沙流)
ituren
イトゥレン 【i-turen】 憑き物が憑く.動物や物のが人間に乗り移ることをいう.その憑き物によって幸運になったり不運になったりすると言われる. (出典:萱野、方言:沙流)
kamuy(-e
カムイ(エ §481.たましい;魂(4)「死者の」魂 kamuy(-e〔H.〕;-he〔S.〕)〔ka-muǐ カむイ〕⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
kamuyinotu
カムイノトゥ §481.たましい;魂(11)死者の魂 kamuy-inotu〔ka-múǐ-i-no-tu カむイ・イノトゥ〕[kamuy(神、)+inotu(死)]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.330】 (出典:知里人間編I、方言:)
kari 1
カリ 【自動】①回る。 ②(幽が、 人影が)あちこち動きまわる。 {E: (for a spirit, shadow) to move about here and there.} (出典:田村、方言:沙流)
kasi
カシ 【位名】[所](概は ka カ) ①…の(その)上 (接触して上)、 …の見える側。(「高い方」「上の方」ではなく、 外側、 見えるほうの側を言う。)kasi ta a カシ タ ア その上に座った。(S民話) kasi ta rók=an pon huton kasi un ape pus wa uhuy カシ タ ロカン ポン フトン カシ ウン アペ プㇱ ワ ウフイ その上に座る小さいふとん(=座ぶとん)の上へ火がはねてこげた。(W) rurwakka kasi a=otátpa yakka eun po uhuy ルㇽワッカ カシ アオタッパ ヤッカ エウン ポ ウフイ 海水をその上にかけてもなおさら燃える。(S) okkew kasi pirkare オッケウ カシ ピㇼカレ [慣用句](直訳すると)えり首の上を豊かにする=(娘に)嫁入りのよい品々を持たせる(背中に、 つまりえり首のところに荷物を背負うからこういう、 えり首よりも上の頭のあたりという意味ではない。「持参金をつけてやる」に相当する)。(NK民話) cup nupur manu kasi nis kus チュㇷ゚ ヌプㇽ マヌ カシ ニㇱ クㇱ 太陽が力があると言うけれどその上を雲が通る(太陽より上ではなく、 太陽のこちら側を雲が通ることを言う)。(KK掛け合い歌) ②(動詞句の後に置かれて)kasi ta カシ タ …しながら。 ku=kemeyki kasi ta k=aysuye クケメイキ カシ タ カイスイェ 私は針仕事をしながらいねむりしている。 ☆発音 早く話しているとき kasi ta カシ タ はしばしば i が落ちて kas ta カㇱ タ と発音される。 ☞ka(si) カ(シ)… {E: ①top of… ②…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
kaskamuy(-e)
カㇱカムイ §481.たましい;魂(23)魂;憑神 kaskamuy(-e)〔káš-ka-muǐ かㇱカムイ〕[kas(表面の?)+kamuy(神、魂)]⦅ホロべツ、クッシャロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
katkikus
カッキクㇱ 【katki-kus】 (魔物が,化け物が)憑(つ)く,取り憑かれる,障りがつく,崇る,悪などが災いをする. ソンノ ケスクラン アン コㇿ クンネチㇱ.カッキクㇱ ワ ソモ ネ ヤ ウン=本当に毎晩毎晩夜泣きする,憑き物でも憑いているのではないだろうか. (出典:萱野、方言:沙流)
konupuru
コヌプル 【他動】[ko-nupur …に・力がある](konupur コヌプㇽ の聞きまちがいか。)…が好きである/気に入る、 (子ども)がかわいい(と思う)。 nonno pirka korka ku=konupuru(ku=konupur?) humi ka isam ノンノ ピㇼカ コㇿカ クコヌプル(クコヌプㇽ?) フミ カ イサㇺ 花はきれいだけれど私は好きではない。(S) ☞nupur ヌプㇽ {E: to like, be pleased with…} (出典:田村、方言:沙流)
nimaw
ニマウ 【名】①[植物]湿布薬になる木の薄い皮。 (これを痛いところに貼る。) ②湿布(このごろは世がひらけて湿布する)。(S) ☆参考 teknimawpo テㇰニマウポ 手の湿布。 (力のある人が、 病気等を癒すために手を当てることを言う)。(S)〔知分類 p.279 掻き綿〕 {E: ①a poultice made from the bark of trees. ②a poultice.} (出典:田村、方言:沙流)
nupunnoya
ヌプンノヤ §006 イワヨモギ カムイヨモギ (2) nupun-noya (nu-pún-no-ya)「ヌぷンノヤ」[nupur(力ある)noya(もみ草)] 葉 ⦅美幌、足寄⦆⦅E樺太⦆ (出典:知里植物編、方言:)
nupunnoya
ヌプンノヤ §001 エゾヨモギ (4) nupun-noya (nu-pún-no-ya)「ヌぷンノヤ」[霊験ある)noya(もみ草)] 葉 ⦅A石狩⦆ (出典:知里植物編、方言:)
nupur
ヌプㇽ 【nupur】 力(がある),感(がある). テエータ カネ ピラトゥルン(ピラトゥㇽ ウン) ヌプㇽエカシ セコㇿ ア・イェ ヌプㇽクㇽ アン ペ ネ ヤカイェ(ヤㇰ ア・イェ).ネ エカシ アナㇰネ アパ オッタ アイヌ エㇰ コㇿ クス エㇰ ペ オピッタ エラマン ペ ネ ヤカイェ=ずーっと昔に平取の力のあるおじいさんと言われる人がいたという.その人は戸口へ人が来ると何の用事で来たかを全部わかるものであったとか. (出典:萱野、方言:沙流)
nupur 2
ヌプㇽ 【自動】透視力をはじめとする力(超能力)がある(神のように、 見ないでもわかるし、 先のこともわかる、 病気や災いの原因を言い当てたり、 重病人を癒やしたり生き返らせたりできる)。 nupur itak ヌプㇽ イタㇰ 特殊の難しい言葉。 nupur wa nen nen siyeye utar oka kor motoho ye ヌプㇽ ワ ネン ネン シイェイェ ウタㇻ オカ コㇿ モトホ イェ (彼女は)力があって、 病気の人々がいるとその原因を言い当てた。(NK民話) nupur ekasi a=sikópakoinkare ヌプㇽ エカシ アシコパコインカレ 何でも見通してわかる力のある老人に私は災いの原因を占ってもらった。(NK民話) {E: to be clairvoyant; have the ability to see through things.} (出典:田村、方言:沙流)
nupurkasure
ヌプㇽカスレ 【他動】[nupur-kasu-re 力がある・…しすぎる・させる](nupurkasu ヌプㇽカス《力がありすぎる》の使役形)わけがわからなくさせる。 ku=kosoataytak kunak ku=ramu akus en=nupurkasure híne ku=ye ka oyra wa k=ek クコソアタイタㇰ クナㇰ クラム アクㇱ エンヌプㇽカスレ ヒネ クイェ カ オイラ ワ ケㇰ 借金を取って来ようと思ったのに忍術使いみたいにされて私は言うのも忘れて帰って来た。(S) (出典:田村、方言:沙流)
nupurkur
ヌプㇽクㇽ 【nupur-kur】 みこ:占いや予言のできる人.感のある人,力のある人. (出典:萱野、方言:沙流)
nupurmat
ヌプㇽマッ 【nupur-mat】 感のある女. (出典:萱野、方言:沙流)
Nupurpet
ヌプㇽペッ 【名】[nupur-pet 力のある/濃い・川][地名] ①登別川。 ②登別。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
Nupursar
ヌプㇽサㇻ 【名】[nupur-sar 力のある・葦原][地名] 沙流川、 沙流地域(美称)。 Nupursar kotan ヌプㇽサㇻ コタン 沙流川筋の集落群全体(美称)。 {E: place name.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
nupursunkep
ヌプㇽスンケㇷ゚ §222 ホザキナナカマド (1) nupur-sunkep (nu-púr-sun-kep)「ヌぷㇽ・スンケㇷ゚」[験ある・止め串?] 茎 ⦅屈斜路、足寄⦆ (出典:知里植物編、方言:)
nupurupe
ヌプルペ §102 ヤツメウナギ、カワヤツメ、スナヤツメ  a(6) nupurupe(nu-pú-ru-pe)「ヌぷルペ」[霊力ある・者)に]⦅様似⦆ヤツメ、カワヤツメ。 (出典:知里動物編、方言:)
nupussinkep
ヌプッシンケㇷ゚ §222 ホザキナナカマド (2) nupus-sinkep (nu-pús-sin-kep)「ヌぷッシンケㇷ゚」[験ある・止め串?] 茎 ⦅美幌⦆ (出典:知里植物編、方言:)
oanraykamuy
オアンライカムイ §481.たましい;魂(16)永久によみががえらぬ魂 oan-ray-kamuy〔o-án-raǐ-ka-muǐ オあン・ライカムイ〕[<oar(全く)+ray(死んだ)+kamuy(魂)]⦅サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
okokko
オコッコ 【okokko】 化け物,亡,幽,妖怪. オコッコ アナㇰネ ルウトゥㇽ ペカ アㇷ゚カㇱ ペ ネ ナ イテキ ル ウトゥㇽ エチ・クㇱペ ネ ナ アニー=化け物は道の下側を歩くものだから,道の下側を通らないようにお前たちはするんだよ.*二風谷ではルウトゥㇽというのは道の西側をいう.ルロㇿは道の東側. (出典:萱野、方言:沙流)
p 1
ㇷ゚ 【形名】(=pe ペ)(母音の後では p ㇷ゚、 子音の後および言い始めでは pe ペ。) ①[被修飾名]…もの、 者、 やつ(多くの場合モノや動物。 人間の場合は主に子どもや女性を指し、 大人の男子の場合は低く見た言い方)。 retar seta ukoykire p レタㇻ セタ ウコイキレㇷ゚ 白い犬をけんかさせるもの(なぞなぞで、 答えは mimaki ミマキ 歯)。(S) soy ta arki p ソイ タ アㇻキㇷ゚ 門口に来た者(=人)。 ②[被修飾名]…こと(ことがら)。 ye p koraci イェㇷ゚ コラチ 彼が言ったことのとおりに(=彼の言ったとおり)。 ③[名詞化辞]…の。 …p ne …ㇷ゚ ネ …のだ。 Piratur ta nupur ekasi an hi a=nu p ne a hi kusu ピラトゥッ タ ヌプレカシ アニ アヌㇷ゚ ネ ア ヒ クス 平取に力のある(占いやまじないのできる)老人がいることを聞いたのだったから(=聞いていたから)。(NK民話) …p ne …ㇷ゚ ネ …するものだ(説明/教え/さとし)。 néno eci=ikí p ne na ネノ エチイキㇷ゚ ネ ナ (あなたがた)そうするのだよ(=そうしなさいね)。(KK民話) …p ne kusu …ㇷ゚ ネ クス …する/したものだから、 …ので。 sisam tátatata p ne kusu シサㇺ タタタタㇷ゚ ネ クス (彼が)自分のそばをトントンたたいたので。(S民話) …kuni p ne …クニㇷ゚ ネ …することになっている/する(べき)ものだ(予定/教え/予言/言いつけ)。 yam o saranip/e=se kane wa/e=yan kuni p/ne ruwe ne na ヤモ サラニㇷ゚/エセ カネ ワ/エヤン クニㇷ゚/ネ ルウェ ネ ナ (あなたは)栗の入った背負い袋を背負って国へ帰るのですよ。(W神謡語り) ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
pito
ピト §481.たましい;魂(6)[死者の魂]pito〔pi-tó ピと〕[<日本語 ピト>⦅ホロべツ、サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
ramah(c-i)
ラマㇵ §481.たましい;魂(2)ramah(c-i)〔ramáh ラまㇵ〕[<ramat]⦅S. タライカを除く⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
ramat(c-i)
ラマッ §481.たましい;魂(1)ramat(c-i)〔ramát ラまッ〕[ram(心、心臓)+at(紐)+→心臓(2)注]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
rapusnupurkur
ラプㇱヌプㇽクㇽ §426 マムシ  蛇神(9) rap-us-nupur-kur (rá-pus-nu-pur-kur)「らプㇱヌプㇽクㇽ」[<羽・生えている・力ある・神] ⦅幌別、沙流⦆【雅】竜蛇 (出典:知里動物編、方言:)
ray 1
ライ 【自動】死ぬ、 (名詞として使われて)死ぬこと、 死。 ray wa isam ライ ワ イサㇺ 死んでしまった。 raytamanum ライタマヌㇺ 死んだ(人の)魂(の粒)。 ray kotpok ta ライ コッポㇰ タ 死際に。 ray he ne ya mokor he ne ya ライ ヘ ネ ヤ モコㇿ ヘ ネ ヤ 死んだのか眠ったのか。(HC神謡)(動物の体が死にその神のが気がついて自分の死体を見つけるときの常套句。)túray wenray ki トゥライ ウェンライ キ (tu トゥ が高く長く発音される。) ひどい死に方とんでもない死に方で死んでしまった。 (Pánanpe パナンペ 川下男と Pénanpe ペナンペ 川上男の民話の結末の常套句。) ☆参考 自分の身内や話している相手の身内のことを言うときは isam イサㇺ《なくなる》を使うことが多い。 ほかに wen ウェン《いけなくなる》、 sini シニ《休む》などと言うこともある。 mosiroppa モシロッパ《世を去る》は地位のある人や有名な人が年取って死ぬこと、 onne オンネ は年取った人が死ぬこと。 mawe tuy マウェ トゥイ 息が絶える。 tasu tuy タス トゥイ 息が絶える。 {E: to die.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
raykamuy
ライカムイ 【名】[ray-kamuy 死ぬ/死んだ・神]死者の魂(「人の死んだ魂、 行くとこ行かれなくているもの、 ムネンボトケとかいうの」)。(S) raykamuy arkare ライカムイ アㇻカレ 行くところに行かれない死者の魂が「やまして」(=痛めつけて)いるんだ。(S) ☆参考 「ゆうれい(幽)」の訳語として出た。 {E: the spirit, soul of a dead person.} (出典:田村、方言:沙流)
raykamuy
ライカムイ 【ray-kamuy】 幽. (出典:萱野、方言:沙流)
raykamuy(-e)
ライカムイ §481.たましい;魂(3)「死者の」魂 ray-kamuy(-e)〔ráǐ-ka-muǐ らイカムイ〕[ray(死んだ)+kamuy(神、)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raykamuyarkare
ライカムヤㇻカレ §505.ちゅうぶう(中風)(6)中風で手・足・目などが利かなくなる raykamuy-arkare〔ráǐ-ka-muǐ|ar-ka-re らいカムイ・あㇻカレ〕[死が・病ましめた]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raykamuyiruskatasum(-i)
ライカムイルㇱカタスㇺ §505.ちゅうぶう(中風)(5)中風 raykamuy-iruska-tasum(-i)〔ráǐ-ka-muǐ|i-rúš-ka|ta-súm らイカムイ・イるㇱカ・タすㇺ〕[死が・怒った・病気]⦅サル⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raykamuykar
ライカムイカㇻ §505.ちゅうぶう(中風)(2)中風で倒れる;半身不随になる raykamuykar〔ráǐ-ka-muǐ-kar らイカムイ・カㇻ〕[ray-kamuy(死者の)+kar(に当る+にぶつかる)]⦅クッシャロ⦆→(1)注。 (出典:知里人間編I、方言:)
raykamuykina
ライカムイキナ §337 キジカクシ (6) raykamuy-kina (ráy-ka-muy-ki-na)「らイカムイキナ」[死神(幽)・草] 茎葉 ⦅穂別⦆⦅A千歳・鵡川・沙流⦆ (出典:知里植物編、方言:)
raykamuyoskoni
ライカムヨㇱコニ §505.ちゅうぶう(中風)(3)中風で倒れる;半身不随になる raykamuy-oskoni〔ráǐ-ka-muǐ-óš-ko-ni らイカムイ・おㇱコニ〕[ray-kamuy(死者の)+oskoni(に追いつく)]⦅ビホロ⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raykur(-i)
ライクㇽ §481.たましい;魂(5)「死者の」魂 ray-kur(-i)〔ráǐ-kur らイクㇽ〕[ray(死んだ)+kur(神、)]⦅H. S.⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
raykursani
ライクㇽサニ §016.子孫(13)raykur-sani〔ráǐ-kur-sa-nì らイクㇽサニ〕⦅ホロベツ⦆亡者の子。(悪口に用いる)。[ray-kur(死)+sani(↑)]。 (出典:知里人間編Ⅱ、方言:)
raypito
ライピト §481.たましい;魂(7)[死者の]魂 ray-pito〔ráǐ-pi-to らイピト〕[死んだ・塊]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.296】 (出典:知里人間編I、方言:)
raytamanum(-i-u)
ライタマヌㇺ §481.たましい;魂(8)[死者の]魂 ray-tama-num(-i、-u)〔ráǐ-ta-ma-num らイタマヌㇺ〕[ray(死んだ)+tama(玉)+num(粒)] (出典:知里人間編I、方言:)
raytukap
ライトゥカㇷ゚ 【ray-tukap】 死. アイヌ ライトゥカㇷ゚ カリ ヤㇰ ア・イェ ナ. クンネ イテキ ソイネ ヤン=人間の死が徘徊しているという.夜は絶対に外へ出るな. (出典:萱野、方言:沙流)
rúre
ルレ 【他動】[自動使役][ru-re とける・させる] …をとかす。 konru nupur manu cup rúre コンル ヌプㇽ マヌ チュㇷ゚ ルーレ 氷が力があると言うけれど太陽がとかすよ。(KK掛け合い歌) {E: to melt…} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
semastusupo
セマㇱトゥスポ 【semas-tusupo】 少しの呪術,少しだけの力. ▷セマㇱ=少しの トゥスポ=呪術を セマㇱトゥスポ アヤイコ シッカシマ=さっとした呪いを私自身で大切に守っている[ユ].(補遺編) (出典:萱野、方言:沙流)
seremak(-a)
セレマㇰ §481.たましい;魂(22)魂;憑神 seremak(-a)〔sé-re-mak せレマㇰ〕[sere(背)+mak(後)]⦅H. 一般⦆ (出典:知里人間編I、方言:)
sermak
セㇾマㇰ 【位名】[概](所は sermaka セㇾマカ)[ser-mak (?)・の奥] ①(位置名詞として) …の背後(空間的位置関係だけでなく、 的概念としても用いられる)。 kotan sermak enupur kamuy コタン セㇾマㇰ エヌプㇽ カムイ 村の背後を守る神。 ②(普通名詞として) …の背後にあるもの、 …の守り神。 {E: ① behind… ② something behind…; a protective god of…} (出典:田村、方言:沙流)
sermakanupuru
セㇾマカヌプル 【名】[sermaka-nupur(u) その背後・力を持つ]家の守神。 ☆参考 sermakanupur セㇾマカヌプㇽ の聞き違いか。 {E: a protective god of the house.} (出典:田村、方言:沙流)
sianraykamuy
シアンライカムイ §481.たましい;魂(15)永久によみがえらぬ魂 sian-ray-kamuy〔ši-an-raǐ-ka-muǐ シあン・ライカムイ〕[sian(霊)]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.296】 (出典:知里人間編I、方言:)
siknuraypito
シㇰヌライピト §481.たましい;魂(14)よみがえるべき魂 siknu-ray-pito〔šík-nu-raǐ-pi-to しㇰヌ・ライピト〕[siknu(生きる)+ray(死んだ)+pito()]⦅サル⦆【雅―ユ研Ⅱ, p.296】 (出典:知里人間編I、方言:)
sinrit'oriwakmosir
シンリッオリワㇰモシㇼ 【sinrit-o-riwak-mosir】 先祖が暮らしている国土,死人の魂が行く所,冥土. (出典:萱野、方言:沙流)
sínupur
シヌプㇽ 【自動】[si-nupur まことに・力のある] 本当に力(神の力)がすぐれている。 sínupur kamuy シヌプㇽ カムイ 本当にえらい神。(W民話) {E: to be really spiritual; to be endowed with spiritual power.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
siyokkamuy
シヨッカムイ §481.たましい;魂(17)永久によみがえらぬ魂 siyok-kamuy〔ši-yók-ka-muǐ シよㇰカムイ〕[<si(真に)+ok(悲しむ、欺く)+kamuy(魂)]⦅サル⦆【雅―聖典, p.81】 (出典:知里人間編I、方言:)
suntehkew(-e)
スンテㇸケウ §387.したい(死体);死骸(7)sunteh-kew(-e)〔sún-teh-keŭ すンテㇸケウ〕[sunteh(霊魂の抜け出た、しぼんだ)+kew(体)]⦅S.⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
tekeinu
テケイヌ §534.てのひらが病気を治すちからをもつ(1)teke-inu〔te-ké-i-nu テけイヌ〕[teke(その手が)+i(物、神、神力、能を)+nu(もつ)]⦅ホロベツ⦆―アイヌに昔"てのひら療法"のようなものがあって、ある特定の人の手のひらには特別の能があり、それで患部を押えてもらっていると病気が治ったという。 (出典:知里人間編I、方言:)
tukap
トゥカㇷ゚ 【tukap】 幽. (出典:萱野、方言:沙流)
tukap 2
トゥカㇷ゚ 【名】幽(ゆうれい)。 aynu tukap アイヌ トゥカㇷ゚ 人間の幽。 {E: a ghost.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
tusakamuy
トゥサカムイ §481.たましい;魂(12)よみがえるべき魂 tusa-kamuy〔tu-sá-ka-muǐ トゥさ・カムイ〕[tusa(よみがえる)+kamuy()]⦅サル⦆【聖典, p.148】 (出典:知里人間編I、方言:)
tusaraykamuy
トゥサライカムイ §481.たましい;魂(13)よみがえるべき魂 tusa-ray-kamuy〔tu-sá-raǐ-ka-muǐ トゥさ・ライカムイ〕[tusa(よみがえる)+ray-kamuy(死)]⦅サル⦆【雅】 (出典:知里人間編I、方言:)
tusir
トゥシㇼ 【tusir】 墓,墓場. ヘカッタㇻ トゥシㇼ ウトゥル クㇱ ヒ タ アナㇰネ ノヤエテテ ホック カネ オカ ワ アㇷ゚カㇱ コㇿ ライトゥカㇷ゚カ オンネ ㇷ゚ ネ クナㇰ ラム ワ ソモ ホサㇻパ ㇷ゚ ネ=子供たちが墓の間を通る時は,ヨモギを杖に腰を曲げて歩くと,幽も老人と思って見向きもしないものだ.*このような歩き方は昭和10年前後まで私ども子供うちでは普通のことであった.**図の風景は昭和40年代の二風谷の墓所の様子.昭和60年に改造され現在はこの風景は見ることができない.図[トゥシㇼ] (出典:萱野、方言:沙流)
unupure
ウヌプレ 【自動】[u-nupur-e 互い・力ある・させる](獣や虫類が)交尾する。 {E: to copulate (animals, insects, etc.).} (出典:田村、方言:沙流)
uweinkar
ウウェインカㇻ 【自動】[u-w-e-inkar 互い・(挿入音)・と一緒に・見る](?) 透視/予見する、 見通す、 そこにないものや未来のことがらが見えてわかる。 aynuramat ne an pe tane a=ne kusu, kamuy siri ne uweinkar koraci inkar=an katu ene an hi アイヌラマッ ネ アン ペ タネ アネ クス、 カムイ シリ ネ ウウェインカㇻ コラチ インカラン カトゥ エネ アニ 私はもう人の魂になっているので、 神さながらに、 見えないことを見通すみたいに、 次のようなことが見えます。(W民話) poro a=yupi uweinkar nupur pe ne kusu siyeye utar oka kor motoho ye ポロ アユピ ウウェインカㇻ ヌプㇽ ペ ネ クス シイェイェ ウタㇻ オカ コㇿ モトホ イェ 私の長兄は見えないことを見通す力のある人なので病気の人々がいるとその原因を言い当てる。(NK民話) {E: to see through; foresee.} ⦅テープ⦆ (出典:田村、方言:沙流)
wenosoyunpe
ウェノソユンペ 【wen-osoyunpe】 悪. (出典:萱野、方言:沙流)
yayeoske
ヤイェオㇱケ 【自動(?)】(幽が)出る。 {E: to be haunted.} (出典:田村、方言:沙流)
yaynupurka
ヤイヌプㇽカ 【自動】[yay-nupur-ka 自分・力を持つ・させる] 何でも予知する、 普通の人が持たない神のような力で、 見えないものやその場にないものが見え、 未来のこともわかる。 ☞nupur ヌプㇽ {E: to foretell with insight.} (出典:田村、方言:沙流)