夏鳥で、大きさはハトくらいです。ツツドリと見た目がよく似ていますが、雄のさえずりで区別できます。
アイヌ文化では、その鳴き声で漁の時期や作物の豊凶を判断します。また「カッコウの声のように」という表現は「よく通る声」というときの例えとして使われます。
当館の採録資料では、「カッコウが鳴き始めたら、畑に何を植えても霜にあたらないので大丈夫」といいます。またカッコウの声まねをした子供のいる村の作物がとれなくなったという話が採録されています(日高地方)。
アイヌ語辞典
アイヌの伝承
アイヌ語での呼び方:カッコク
日本語の呼び方:カッコドリ
・春になってカッコウが鳴くと、年寄りたちは「カッコウの神が作物の種を背負って天から降りて来た。あの声を聞いたら穀物や豆、何を植えてもいいんだよ」といい、初鳴きを聞いてから畑に種をまきました。淡路島から静内に移住して来た農家の人が「自分の家の年寄りも同じように言っていた」というので「昔の人がいうのは嘘ではないんだよ。カッコウが鳴く前に種をまいたら霜にあたるか、もしくは寒くて種が腐ってしまうので、まき直さなければならないんだよ」と答えました。34109,34130
・昔、川向こうの村の悪い子どもたちがカッコウが鳴いたのを聞いて、盛んに鳴きまねをしました。その村では子ども達がまねをするのを放っておきました。すると作物が何もとれなくなってしまったといいます。こちら側の村ではカッコウの神に敬意を払って、子どもたちがまねをするのを叱ってやめさせました。すると作物が沢山とれたといいます。34130