植物編 §017 アザミの類 Cirsium sps.
(1)ayus-kuttar アユシクッタル [ay(とげ)us(多くついている)kuttar(筒状茎)] 茎葉 ⦅美幌、屈斜路⦆⦅A石狩・天塩⦆
(2)ayus-kina アユシキナ [ay(とげ)us(多くついている)kina(草)] 茎葉 ⦅白浦、真岡⦆
(3)ayenke-kina アイェンケキナ [ay(とげ)enke(鋭い)kina(草)] 茎葉 ⦅白浦⦆
(4)ayen-kina アイェンキナ [ay(とげ)en(とがっている)kina(草)] 茎葉 ⦅白浦⦆
(5)ay-koro-kina アィコロキナ [ay(とげ)koro(もっている)kina(草)] 茎葉 ⦅白浦⦆
(6)ancami アンチャミ [<日本語“アザミ”] 茎葉 ⦅幌別、様似⦆
――以上の他に次のようなものが文献にあがっている:――
『ウェイムン』⦅藻汐草⦆⦅十勝日記⦆
――これは、おそらくwey-mun<wen(悪い)mun(草)であろう。
『ハムチャウイキナ』⦅B、E、G⦆
――*ancami-kinaなどのようになまってきたものであろう。ham、hamuとなったのについては、別の葉のことをham(葉)、hamu(その葉)というから、それへの連想が働いたのであろう。
(参考)アザミ類は、若葉を湯がいて汁の実にした(幌別)。また、脚気の時全草を煎じて服用した(白浦)。