ID |
1301 |
伝承者 |
織田ステノさん
新ひだか町静内
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日本語名 |
A0337
コノハズク
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伝承者のアイヌ語名/日本語名 |
【ア】トキット
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伝承 |
・お産をして赤ちゃんを産んだ人が、産後の肥立ちが悪くて死んでしまいました。その後はその子のおばあさんが穀物のおかゆを食べさせて育てていましたが、その子が自分でご飯を作れるようになる前にそのおばあさんも死んでしまいました。そしてその子も結局餓死してしまったのです。それを見ていた神様はその子をコノハズクにしました。だからコノハズクは「おばあちゃんおっぱい、おばあちゃんおっぱい」と鳴いて、食べ物をねだっているというかわいそうな話があります。34134(34129) |
ID |
1302 |
伝承者 |
川上まつ子さん
平取町
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日本語名 |
A0337
コノハズク
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伝承者のアイヌ語名/日本語名 |
【ア】トキット
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伝承 |
・おもに夜に鳴く鳥です。34601
・ある女性が、子供が生まれたらみんな子供ばかりを可愛がるのを面白くないと思い、子供を殺してしまいました。この女が罰を受けてコノハズクにされたので、あまり精神の良い鳥ではないといいます。この鳥は山で鳴きながら人の後を追いかけて来たり、人をしびれさせたりという悪さをします。34602(34665,34726) |
ID |
1303 |
伝承者 |
織田ステノさん
新ひだか町静内
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日本語名 |
A0338
アオバズク
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伝承者のアイヌ語名/日本語名 |
【ア】ホチコク
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伝承 |
・死んだ人の魂があの世に行けないで、アオバズクになってこの世にとどまって鳴いているという話があります。ある時、家の近くの水汲み場で明け方に鳴き騒いでいるという噂が立ち、人が怖がって近づかなくなりました。おばけの類ではないことを確かめるために、正体を見に行くことにしました。ひとりでは寂しいので、夜明け前に幼い親戚の子を「ご飯の前にまきをとりに行こう」と言って起こしました。その子は「まだ眠い、暗いのに」と文句を言いましたが、うまく言いくるめてカマスを背負わせて、犬を連れて出かけました。水汲み場で座って夜明けを待っていると、川下のほうからハトぐらいの鳥が飛んで来て大きな木にとまり、山の方からも飛んで来てとまりました。しばらくして一羽が「ホチコク!」と鳴くと、順番に「ホチコク!ホチコク!」と、2羽で交代に頭を下げながら鳴きました。親戚の子はおびえてブルブルと震え「おっかない、これおばけか」と言うので「そばにいる犬が、おばけなら騒ぐはずだ。静かにしてよく聞いていろ!」と叱りました。段々に東の空が明るくなって来た頃、腹の底から「ホーイ!」と高い声で叫ぶと鳥たちは驚いて逃げて行きました。親戚の子も犬もびっくりして飛び上がりました。34130,34134 |
ID |
1304 |
伝承者 |
川上まつ子さん
平取町
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日本語名 |
A0338
アオバズク
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伝承者のアイヌ語名/日本語名 |
【ア】アフンラサンペ、アフンラ
【日】ヨフクロウ
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伝承 |
・おもに夜に鳴く鳥です。34601
・山小屋に行ったある娘が、小屋のわきにいた変な形のものを棒で突いたところ、鳥の足が見えました。恐くなって帰って来て自分のおじいさんに言いました。おじいさんが小屋に戻って見るとアオバズクが死んでいました。年配の男性たちで送りの儀式をしたのですが、しばらくするとその家のおじいさんが正気ではなくなり、体が丸まって転がって歩くようになり、とうとう死んでしまったという話が伝わっています。34601
・遠くへ働きに行った人が死ぬと、その人の魂がアオバズクになって知らせに来るという話を聞いたことがあります。自分が借りている家の木の上でアオバズクが鳴いて気味悪く思ったことがありました。34665(34600) |
ID |
1306 |
伝承者 |
織田ステノさん
新ひだか町静内
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日本語名 |
A0346
ハクチョウ、オオハクチョウ
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伝承者のアイヌ語名/日本語名 |
【ア】レタッチリ
【日】ハクチョウ
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伝承 |
・春4月頃、ハクチョウが村の上を通るとおばあさんは「もう気候が暖かくなる」と言っていました。秋にも飛来しますが、その時は「ハクチョウの神が村を見ながら通り過ぎていくときは、神が聞いているのだから何でもかんでもむやみにしゃべるものではない」と言われました。34129
・あるアイヌの子供が、鉄砲で撃たれたハクチョウを見て以来気を失って倒れてしまうようになりました。占いをしてもらうと、ハクチョウの神がきちんと送りの儀式をされなかったことに対して腹を立て、その子に取りついたのだとわかりました。おはらいをしたら治りました。34129 |